佐賀県議会 2012-03-08
平成24年文教厚生常任委員会 本文 開催日:2012年03月08日
最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前十時三分 開議
◯石倉委員長=ただいまから
文教厚生常任委員会を開催いたします。
昨日に引き続き質疑を行います。
通告に従い、順次発言を許可いたします。
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◯古賀陽三委員=皆さんおはようございます。自由民主党の
古賀陽三でございます。
実は昨年の四月に当選しまして、六月、九月、十一月と一般質問は行わせていただきましたけれども、
委員会質問は今回初めてになりますので、皆さんぜひ御協力をお願いできればというふうに思います。
それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。
まず初めに、
待機児童受入支援事業についてでございます。
今議会で
認可保育園に申し込みをしても入所できずに
待機児童が発生している市町において、
認可外保育施設における
待機児童の
受け入れを促進することにより、子供を安心して育てることができる環境整備を図ることを目的として、
待機児童受入支援事業が
新規事業として提案されています。
今回、この事業は国が掲げる子ども・子育て新システムの
先取りプロジェクト、最低基準を満たす
認可外保育施設へ公費助成の一環だというふうに思っています。
この
待機児童受入支援事業の中で
待機児童の解消に努めることは、いろんな理由で今
共働き世帯や
ひとり親家庭がふえている中で、今の現状を踏まえると意味のある
取り組みだと思っています。
一方で、私自身はまず
認可保育園で
受け入れをされることが大前提だというふうに考えています。
ここに資料がありますけれども、そもそも
認可外保育施設への対応に関する基本的な考え方としては、
保育サービスについて、その安定的な提供や質の確保の観点から、
認可保育所における提供が基本であるというふうにも考えられております。
そこで、以下の点について随時質問をしていきたいと思います。
まず、県内の
待機児童の状況についてでございますけれども、平成二十三年度の県内の
待機児童の状況について、佐賀県において
待機児童の数は四月一日の時点の調査では平成十八年から二十二年度まで五年連続で
待機児童はゼロだったと。その後も、どの年度も月を追うごとに
待機児童が発生している状況です。
今年度の県内の
待機児童はどのような状況になっているのか、まずお伺いをしたいと思います。
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◯緒方こども未来課長=今年度の
待機児童数の状況についてお答えをいたします。
県内の
待機児童数は、四月一日時点では三名、十月一日時点では六十四名発生をいたしている状況でございます。
以上でございます。
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◯古賀陽三委員=県内で六十四名ということだったんですけれども、それぞれの市町の状況というのはわかりますか。
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◯緒方こども未来課長=十月一日時点で六十四名発生をしておりますその内訳を申し上げます。
佐賀市で四十二名、鳥栖市で六名、神埼市で五名、基山町で十名、白石町で一名、以上のようになっております。
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◯古賀陽三委員=今、それぞれ各市町ごとに
待機児童を教えていただきましたけれども、ここに佐賀市の資料があります。保育所、公立と私立です。先ほど佐賀市は四十二名ということだったんですけれども、平成二十三年度、十月以降、五十名、七十三名、八十四名、直近の二月では百四名まで
待機児童がふえているような状況です。そもそもこの
待機児童というのは、四月と十月を基準にとらえられると思うんですけれども、六十四名、佐賀市では四十二名ということなんです。
そもそも六十四名の
待機児童の部分を減らそうとするのか、例えば、佐賀市でいえば百数名ということで
待機児童がとらえられていますけれども、これ自体、すべてを
待機児童ととらえて減らそうと考えているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
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◯緒方こども未来課長=
待機児童の解消でございますが、総合計画の二〇一一におきましては、四月一日現在と十月一日現在、それぞれを今後ゼロに近づけていきたいというふうに目標を立てているところでございます。
以上でございます。
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◯古賀陽三委員=それでは、これだけ
待機児童がふえている状況なんですけれども、当初はゼロであったとしても、年度途中にだんだん
待機児童が発生すると。この状況、
発生原因というのはどのようにとらえてあるのか、お尋ねをしたいと思います。
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◯緒方こども未来課長=
待機児童の
発生原因についてお答えをいたします。
待機児童は、四月時点ではほぼ解消するものの、四月以降も毎月新生児が誕生したり、育児休業から職場に復帰をされる保護者がいるなどの事情がございまして、年度途中でこれらのすべてを
受け入れることができなくなることが
待機児童が発生する原因であると考えているところでございます。
以上でございます。
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◯古賀陽三委員=
待機児童の
発生原因というのは今わかりましたけれども、
待機児童の
受け入れに関しては、先ほど申しましたように、
認可保育所での
受け入れをふやしていくことが本当は必要なんだろうというふうに思いますけれども、
待機児童の解消に向けて、これまで県としてどのような
取り組みを行ってこられたのか、お伺いをしたいと思います。
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◯緒方こども未来課長=これまでの
待機児童対策についてお答えをいたします。
待機児童対策につきましては、これまで市や町と連携をしながら、保育所の新設や増築、
認定こども園の整備などの
施設整備に加えて、
既存保育所の定員変更や幼稚園の預かり保育の推進などによりまして、受け皿の確保に取り組んできたところでございます。
保育所や
認定こども園の
施設整備につきましては、現在、
安心子ども基金などを活用して集中的に整備を行ってきております。
平成二十年度以前は、
国庫補助事業として
保育所整備をやってきたところでございますが、そのころは一年間に四つの
施設程度しか整備予算が確保できなかった状況がございましたけれども、
安心子ども基金などを活用することになった平成二十一年度では九施設、二十二年度では十三施設、平成二十三年度は十六施設の整備ができたところでございまして、これらの整備によりまして、
県内保育所の定員は六百二十五人分増加をしたというところでございます。
また、
既存保育所の定員につきましても、
保育需要が増加している市街地などでは面積などの基準の範囲内で
受け入れ定員の増を行ってきたところでございます。
以上でございます。
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◯古賀陽三委員=今ずっと
施設整備はやってきていただいているというふうに思うんですが、定員増に関しては、例えば、市町からそれぞれの保育園に定員増のお願いをすると、なかなか
受け入れの園側が定員増を
受け入れていただけないと。こういう言い方が正しいかどうかわかりませんけれども、定員増をなかなか
受け入れてもらえないという実情もある中で、その理由というのは何か考えられますか、お尋ねをしたいと思います。
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◯緒方こども未来課長=施設側が定員増をなかなか
受け入れてもらえない状況の件でございますが、定員は面積基準がございますので、最高面積まで入れられて、例えば、保育所の確保ができるというような状況ができれば大丈夫だとは思うんですけれども、一点は、これまでの定員というのがあります。それに加えて二〇%、一二〇%といいますけど、一二〇%を二年間続けられると、定員をふやしてもらうというようなことになります。
そういったときには、共通経費がございます関係で、保育所の運営費が若干一人当たりの人数に対して下がるというようなこともありまして、そういったところでちゅうちょされる園もあるというふうに聞いております。
以上でございます。
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◯古賀陽三委員=定員増をなかなか
受け入れてもらえないということは今わかったんですけれども、
年間入所率が二年連続一二〇%を超えると定員増をしなければならないと。多分ここの解除という言い方が正しいかどうかわかりませんけれども、おっしゃったように定員増をすることで運営費とかが下がってしまうと。そこの部分を取り除くことができれば、例えば、今一三〇%で
受け入れをしてあったりするところもあります。これが多分二年連続続くとなれば、定員増という対応をとらないといけない。そういった部分を限定的にでも解除できれば、これが一番、制度的なものですけれども、どんどん
受け入れていただいて、また保育士の確保もできていくというふうになれば、
待機児童の解消につながるんじゃないかと自分は思うんです。その辺、課長はどのように思われますか。
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◯緒方こども未来課長=一二〇%を二年続けてすると、定員をふやさざるを得ないというようなことの関係は、国の統一的な指導によってそういうふうな取り扱いになっているところでございます。
ですから、定員増になかなかならないというか、ちゅうちょされるというところが、そこが一番ネックになっているのかどうかというようなことも、ちょっと実態を把握した上で必要であれば国のほうに働きかけをしていきたいと思っているところでございます。
以上でございます。
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◯古賀陽三委員=国に要請する上で、運営費が削減されるという理由だけではなかなか理由にはならないという部分もあるかと思うんですね。こういう言い方は失礼になるかもしれませんけれども、やっぱり
待機児童を本当に解消するのであれば、今課長がおっしゃったように、それぞれ園との話し合い、何が問題なのかということをしっかりととらえていただいて、可能であれば、制度的なものを含め改善に取り組んでいただきたいと思っております。
次に移りたいと思いますけれども、今回の
待機児童受入支援事業の内容について確認をしたいと思います。
今回、
待機児童の解消に向けた
取り組みとして、
認可外保育所に対して
受入支援事業を行おうとされています。
認可外については、
大小さまざま施設があるかと思います。県内に
幾つ認可外と呼ばれる施設があるのか、お尋ねしたいと思います。
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◯緒方こども未来課長=県内の
認可外保育施設についてお答えをいたします。
県内の
認可外保育施設は、
事業所内保育施設を除きまして、ことし一月末現在で五十六施設となっております。
以上でございます。
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◯古賀陽三委員=その五十六施設のうちで、今回の事業の支援の対象となる条件として掲げてある平成二十二年十月一日または平成二十三年十月一日現在で
待機児童が発生しており、かつ国における
待機児童ゼロ計画を定める市町というふうになっておりますけれども、このゼロ計画を定めてある市町というのはどこになるのか、教えていただきたいと思います。
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◯緒方こども未来課長=まず、この事業は国の要綱によりまして、
委員お話しになりましたように、平成二十二年十月一日現在または平成二十三年十月一日現在において
待機児童が発生している市町で、かつ
待機児童ゼロ計画を策定する市町が対象となっておりまして、具体的には佐賀市、鳥栖市、神埼市、吉野ヶ里町、基山町、上峰町、白石町が対象となりますけれども、現在のところ、
待機児童ゼロ計画を策定しているところは佐賀市だけでございます。
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◯古賀陽三委員=それでは、佐賀市の中で支援の対象となる今回の
受入支援事業の要件を満たす
認可保育所と同等の施設及び
職員配置の要件を満たす
認可外保育施設というのは幾つあるのか、お尋ねをしたいと思います。
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◯緒方こども未来課長=要件を満たす
認可外保育施設の数についてお答えをいたします。
現時点では、佐賀市の二つの施設が対象の要件を満たしているところでございますけれども、佐賀市においては、先ほども申し上げましたように、
待機児童ゼロ計画が策定をされているところでございますので、今後、さらに
受け入れ可能施設の整備が進められるものと考えております。
また、佐賀市以外の市町におきましては、今後も県と市町で協力しながら、区域内の
認可外保育施設に対しまして、
受け入れ可能施設となるための整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
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◯古賀陽三委員=それでは、今回、この事業を補助する
対象施設について、
認可保育所と同等の施設及び
職員配置の要件を満たす
認可外保育施設というふうになっておりますが、
認可保育園と同等というのは具体的にどのようなものか、教えていただきたいと思います。
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◯緒方こども未来課長=
認可保育所と同等の要件についてお答え申し上げます。
同等の要件というのは、具体的には定員二十名以上で施設の設備と職員の配置は
児童福祉施設最低基準を満たすことが
対象施設の要件とされておりまして、具体的には、
受け入れ児童の年齢に応じた職員一人当たり保育できる児童数や保育に必要な部屋の面積などを満たすことが要件となっております。
以上でございます。
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◯古賀陽三委員=今、同等の施設ということで説明をいただきました。ちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、職員の配置ですけど、今ゼロ歳児だとたしか三人に対して保育士の先生が一人、これが六人になれば二人、九人になれば三人というふうになろうかと思うんですけれども、その際、今の
認可保育園は、例えば、六人に対して二人の場合は二人とも保育士の資格を有していなければならないというふうに思うんですが、その中で今の認可外は、例えば、二人のうちの一人が保育士の要件を満たせばいいという話も聞いたことがあるんですけれども、この場合、両方ともきちんと保育士の資格を有していなければならないということで理解をしてよろしいんですか。
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◯緒方こども未来課長=職員の資格の要件についてでございますが、基本的には保育に携わる職員は保育士の資格を持たなければならないとなっております。
ただ、
ただし書きがございまして、保育士が不足しているなど特段の理由がある市町においては、
保育士数を満たす
保育従事者のうち、有資格者が五割以上であって、かつ
事業実施期間中に要件を満たすこと、これが条件とされております。この
ただし書きの規定もあるような状況でございます。
以上でございます。
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◯古賀陽三委員=そしたら、次、県として
認可外保育所から補助申請があった場合、認可園と同等の施設及び
職員配置ということを
支援要件としてありますけれども、どのようにして確認をされるのか、お伺いをしたいと思います。
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◯緒方こども未来課長=補助金の申請時の要件確認についてお答えをいたします。
この事業は、
認可外保育施設における
待機児童受け入れに必要な経費を支援する市町に対して補助を行うものでございます。
ですから、まず
認可外保育施設から
事業主体である市町に申請がございまして、市町において審査がなされた後に県のほうに提出をされる申請書類のほうで
補助要件を満たしているかどうかなどの確認をすることといたしております。
なお、
認可外保育施設に対しては、事業の申請に至るまでに施設に必要とされる要件などについて市や町と協力しながら、しっかりと指導をしてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
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◯古賀陽三委員=それでは、今回、この事業で子供を
受け入れることによって、認可外の場合、保育士をふやしたりしなければならない可能性もあると思うんですけれども、
事業実施時、
認可外保育施設について、職員の
配置状況等はどのように確認をされるのか、お伺いをしたいと思います。
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◯緒方こども未来課長=
事業実施時の状況確認についてお答えをいたします。
基本的には、
補助事業者であります市町が確認を行うことになりますけれども、県は
児童福祉法に基づき、毎年
認可外保育施設の設置者から運営状況の報告を受けております。
また、これは毎年ですけれども、
認可外保育施設に対しまして立入検査も行っておりますので、そういった際に施設の要件や保育に従事する職員の数などについて確認を行っているところでございます。
また、
事業完了後は市町から提出をされる
実績報告書により実施内容の確認を行うことになりますけれども、
事業実施期間中についても市町と協力をしながら、
認可外保育施設に対する適切な指導を行ってまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
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◯古賀陽三委員=ちょっと戻ることになるかもしれませんけれども、先ほど佐賀市とか、それ以外の鳥栖であったりということで、今後、
受け入れ支援を整えていくという答弁をいただきましたけれども、これは認可外ということなんですけれども、そもそも現在の認可園でまだ
受け入れ可能なところがあるというふうに私は聞いているんですね。
例えば、一三〇%で
受け入れて、面積要件も満たして、保育士も足りていると。まずは認可外より認可でいかに
受け入れ態勢を整えるかというのを本来議論しなければいけないというふうに思うんです。当初、四月一日時点で
待機児童がゼロ、そういった中で、年度途中で
待機児童が発生することを見越して保育士を入れておけば、年度途中で
待機児童が発生しても対応できる園もあろうかと思うんですけれども、年度途中で保育士を確保するのはなかなか大変だというような話を聞いたりするんですね。
この保育士の確保について、何らか園と一緒になってできないかということ、県として、それぞれの市町としてでもいいですけれども、保育士の確保についてどのように考えてあるのか、お尋ねをしたいと思います。
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◯緒方こども未来課長=保育士の確保対策についてお答えを申し上げます。
市町から保育士の確保が困難なことについてはたびたび聞いておるところでございまして、その対策の必要性を認識しているところでございます。
それで、昨年度に県内の
保育士養成機関であります西九州大学、佐賀女子短期大学、
九州龍谷短期大学や保育会、
保育士会と県で
保育士確保のための方策について
意見交換を行ったところでございます。
その
意見交換の中で、
保育士確保のために市町を窓口とした
システムづくりが必要との共通認識を得たところでございまして、現在、保育士の
人材バンク制度といいますか、保育士の登録制度みたいなことを今、創設に向けて考えているところでございまして、労働局や市や町と協議を行っているところでございます。
以上でございます。
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◯古賀陽三委員=ぜひその保育士の確保、いろんな課題があるかと思いますけれども、解決できるように頑張っていただきたいと思います。
次に入りたいと思いますけれども、今回、この
支援事業を行う上で、施設に対して補助することにした理由というのを教えていただきたいというふうに思います。
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◯緒方こども未来課長=今回の事業で、施設に補助することになった理由についてお答えをいたします。
児童福祉法の第二十四条によりまして、市町村は保育に欠ける児童を保育所において保育しなければならないということになっておるわけですけれども、法の
ただし書きによりまして、
保育需要の増大などやむを得ない事由があるときは、その他の適切な保護をしなければならないとされているところでもあります。
今回、県が取り組もうとしている
待機児童受入支援事業は、この
ただし書きによる緊急避難的な措置として保育所に入所できない児童を保育所に入所できることになる四月までの短期間ではありますけれども、施設や
職員配置の要件を満たす
認可外保育施設において保護を行うものでございまして、すべてではないものの、
認可保育所並みの質の確保を前提とした事業でございます。
このように、この事業も
対象施設の要件として
認可保育所並みの質を求めておりますが、経営状況が大変厳しい
認可外保育施設で
待機児童を
受け入れるためには、新たに保育士の確保が必要となりますので、そのための補助金を施設に対し補助することとしたものでございます。
以上でございます。
34
◯古賀陽三委員=先ほど
認可外保育所の経営状況が厳しいという答弁がありましたけれども、今現在、厳しいと言われながらも何とか経営というのは成り立っているような状況だと思うんですね。
そういった中で、
認可外保育所というのは、独自で保育料を定めたりということで運営をやっていかれていると思うんですけれども、確かに今回
受け入れることで保育所をふやさなければいけない認可外の施設もあるかと思うんですけれども、預ける親側からすれば、そもそもは認可園に預けたいというような思いがあっても、やっぱり入れないと。どうしても認可外に預けようと思うけれども、これは保育料が多少高かったりというような話も聞くんですけれども、やっぱり保育料がネックになって預けることをちゅうちょされる方もいらっしゃるというふうに思うんですね。
それであれば、親が認可外に対して子供を預けようというふうに思うのであれば、
待機児童の解消とか促進につながると思うんですけれども、例えば、ゼロ歳児に対して、たしか一人一カ月七万二千円の補助とかをされると思うんですけれども、認可外がお金をもらうことで多少なりとも保護者にもメリットがあるような、例えば、保育料をちょっと下げるとか、そういったことをすれば保護者側へのメリットがあるということで余計
待機児童の解消につながりやすいのかなというふうに思うんです。その辺をどう思われるのか、お答えいただきたいと思います。
35
◯緒方こども未来課長=認可外の保育料というのは、それぞれの施設のほうで独自に定められておりますので、なかなか県としてはそれに物申せない部分がございます。
一方で、今回、施設のほうにこういう事業で補助をするということになりますと、施設側は今まで相当厳しい運営をされておるんですけれども、幾らかなりともこの事業で公金のほうが入るということになれば、それは全体的な保育の質の確保といいましょうか、御自分たちでこれまでは独自でされていたようなところに資金を充てられたりというようなことで、全体的な子供さんの保育環境の向上に役立つのではないかと、そういうふうに考えているところでございます。
以上でございます。
36
◯古賀陽三委員=ありがとうございました。
そしたら、最後に
待機児童対策の今後の
取り組みについてということでお尋ねをしたいと思います。
これからいろんな事情、経済状況を含め、ますます保育園に対するニーズというのは高まってくると思うんですけれども、県はどのように
待機児童対策に取り組んでいこうとされるのか、最後にお尋ねをしたいと思います。
37
◯緒方こども未来課長=
待機児童対策の今後の
取り組みについてお答えを申し上げます。
今後も年度途中で
待機児童が発生することが見込まれるため、
待機児童が発生している市町におきまして、
児童福祉法第二十四条
ただし書きに基づく緊急避難的な措置して今回の事業による
待機児童の
受け入れを行い、県民が子供を安心して育てることができる環境整備を図ることを目指しているところでございます。
もとよりでございますけれども、
待機児童の解消に向けては、これまで取り組んでまいりました保育所の整備や
既存保育所の定員増、
認定こども園の創設のほか、幼稚園による預かり保育などの一層の推進を図っていきたいと、このように考えているところでございます。
以上でございます。
38
◯古賀陽三委員=ぜひとも、この
待機児童解消に向けて一生懸命取り組んでいただきたいと思います。
以上でこの件に関しては終わらせていただきたいと思います。
次に、中学校の武道の必修化についてということでお伺いをしていきたいと思います。
教育基本法の改正により、その趣旨を踏まえて、平成二十年度中学校の学習指導要領が改訂をされました。これまでは武道とダンスのいずれかを選択して履修していたものが、来年度から中学校では保健体育科におけるすべての運動種目が第一学年及び第二学年において必修になるというふうに聞いております。
すべての運動種目を履修するということは、武道を女子生徒であっても男子生徒であっても全中学生が履修しなければならないということになります。
武道を通じて、我が国の伝統的な文化を学ぶことにより、礼法なり、伝統的な行動の仕方や、お互いを尊重し規則を守り、公正な態度を養う、さらには安全に留意することを学ぶということは、子供たちにとっても心身がこれからも健やかに成長していく上で大変重要な意味を持っているのではないかというふうに考えております。
そこで、次の点について伺っていきたいというふうに思います。
まず、武道が必修化になった目的についてでございます。
武道とダンスのいずれかが選択として以前から履修をされていたというふうに思いますけれども、学習指導要領の改訂により、平成二十四年度から中学校の体育授業で武道が必修化されることは決まっていますが、なぜ必修化となったのか、また、その目的は何か。これは一般質問で川崎議員のほうからも出ておりましたけれども、改めて確認をさせていただきたいというふうに思います。
39 ◯澤山体育保健課長=武道が必修となった目的についてお答えいたします。
武道が必修化された目的としましては、一つは、平成十八年十二月に改正されました教育基本法において、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うことが教育目標として定められたこと、もう一つは、生涯スポーツを推進するためには、多感な中学校期に多くの運動を体験させ、みずからが探求したい運動を選択できる能力を育てること、この二つと理解しております。
以上でございます。
40
◯古賀陽三委員=それでは、武道指導の現状についてということでお伺いをしていきたいと思います。
中学校の学習指導要領は四月から全面実施となります。そういった中で、今までも中学校においては、武道は保健体育科の運動種目となっており、実施をされていたというふうに聞いておりますが、そこで、佐賀県の現状についてということで、まず武道の履修の方法についてお尋ねをしたいと思います。
41 ◯澤山体育保健課長=武道の履修方法についてお答えいたします。
現在は、男女ともに第一学年において武道、ダンスのいずれかを選択し、第二学年と第三学年は球技、武道、ダンスのいずれかを選択することとなっております。
武道は、柔道、剣道、相撲、その他の武道に分類され、その中からどの種目にするか、各学校が施設や用具の整備状況、また、地域の協力体制等を考慮し、選択しております。
今年度、県内公立中学校九十五校におきまして、柔道が三十校、剣道が六十三校、相撲が十五校、なぎなたが一校で実施されており、そのうち十四校では二種目が実施されておるところでございます。
以上でございます。
42
◯古賀陽三委員=それでは、次に武道の授業における指導についてということですけれども、生徒は十分に武道の特性に触れるとともに、けがなどがないように安全に活動できるよう、どのような指導を行っているのか、お尋ねをしたいと思います。
43 ◯澤山体育保健課長=武道の授業における指導についてお答えいたします。
武道指導では、礼に始まり礼に終わると言われる礼法や、伝統的な行動の仕方、お互いを尊重する態度などをしっかりと理解させた上で、基本動作と基本となるわざを確実に身につけさせております。
特に柔道の指導におきましては、受け身をしっかりと身につけたことを確認した上で、わざの習得状況や生徒の心身の発育、発達状況、体格差等を十分に踏まえ、段階的な指導を行っているところでございます。
以上でございます。
44
◯古賀陽三委員=先ほど生徒にしっかりと理解ということでお話がありましたけれども、ここは一番大切なところだというふうに思うんですね。
というのも、柔道でわざとかを覚えたりすると、授業以外で覚えたわざをひょっとしてかけてみたくなったりと、体育の授業以外でそういったことをやれば事故につながる可能性も大きいと思うので、子供たちに目的意識というのをしっかり植えつけた上で授業に取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
次に、武道を担当する指導教員の実態についてということでお伺いをしたいと思いますけれども、この武道は、一つ間違えれば大きな事故につながってしまうと思うんです。武道の経験者、また有段者、そういった方々が本来であれば指導するのが一番だというふうに思うんですけれども、なかなか全部の先生が柔道であったり、剣道であったり、武道を行ったことがないということもあるかと思うんですがそういった中で、武道を担当する指導教員のこれまでの指導経験とはどのようになっているのか、お伺いをしたいというふうに思います。
45 ◯澤山体育保健課長=指導教員の実態についてお答えいたします。
公立中学校において、保健体育の授業を担当しております教員、これは二百二人おりまして、そのうち学校で選択している武道種目を担当した経験がある教員は百七十九人でございます。
また、武道の段位取得者は柔道が七十九人、剣道が百二十一人で、そのうち複数の種目の段位を取得している者が三十人でございます。全体としましては、八四・二%が段位を取得しているところでございます。
以上でございます。
46
◯古賀陽三委員=今、答弁をいただいて、意外に有段者というか、いらっしゃるなということで安心をしたところです。
次に、施設や用具の整備についてということでお伺いをしたいと思いますけれども、今現在履修されている学校において、剣道の場合では面であったり、胴であったり、こてであったり、柔道に関しては柔道着であったり、それぞれの武道の種目に応じた施設や用具の整備が必要だというふうに思いますけれども、各学校における整備状況についてはどのようになっているのか、お尋ねをしたいと思います。
47 ◯澤山体育保健課長=施設、用具についてお答えいたします。
公立中学校の武道場整備率は三七・九%でございます。
施設の整備につきましては、学校設置者である市町に対し、国の補助事業を積極的に活用するなど市町教育委員会に働きかけておるところでございます。
なお、武道場がない学校につきましては、安全上の配慮を十分に行い、体育館等で実施しております。
また、平成二十年度から各学校へ働きかけを行ったことにより、柔道着や剣道具等の整備ができており、平成二十四年度からの武道必修化に向けた準備は整っておるところでございます。
以上でございます。
48
◯古賀陽三委員=整備状況については今わかりましたけれども、そしたら、武道の授業における事故等についてということでお尋ねをしたいと思います。
これは、絶対に事故というのはあってはならないというふうに思っておりますけれども、これまで履修されてきた学校で佐賀県において授業中に事故であったり、後遺症の残るような大きなけがであったり、そういったことの報告というのはあっていますか、お尋ねをします。
49 ◯澤山体育保健課長=武道の授業における事故等についてお答えいたします。
我々が承知している限り、昭和五十九年度以降、本県では中学校の武道の授業で死亡事故、また、後遺症が残る重篤な事故は起こっておりません。
軽度なけがは、平成二十二年度におきましては全体で十八件発生しており、柔道で十件、剣道で四件、相撲で四件となっております。
以上でございます。
50
◯古賀陽三委員=これまで大きな事故等というのは発生していないということで、ぜひ今後、必修化に向けてこの状況を維持していただきたいと思いますし、多少のけがというのは、いろんなスポーツであり、運動をしていく上ではしょうがないとは言いませんけれども、許容できる範囲であれば大丈夫という言葉を使っていいかどうかわかりませんけれども、なるべくないようにといった思いでぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。
では、次に武道必修化に向けての円滑な実施についてということでお伺いしたいというふうに思います。
まず、中学校での必修化に伴い、第一学年、第二学年すべてで履修をされますが、武道の必修化に伴う履修の仕方、履修の方法というのをお伺いしたいと思います。
51 ◯澤山体育保健課長=履修方法についてお答えいたします。
来年度からは、第一学年及び第二学年において男女ともに武道を履修することになっております。確実な技能の習得、また向上を考えますと、通年で男女ともに履修することが好ましいと考えられますが、生徒の状況によっては各学年で異なった種目を履修することも可能であると学習指導要領に示されております。
履修方法や武道の種目選択につきましては、学校の指導体制等を考慮し、各学校において決定することとしております。
以上でございます。
52
◯古賀陽三委員=済みません。多少順番が逆になりましたけれども、それでは、来年度の武道の実施についてということで、来年度の佐賀県における武道の種目の実施状況というのはどのようになっているのかお伺いをしたいと思います。
53 ◯澤山体育保健課長=来年度の武道の実施状況についてお答えいたします。
実施種目は、柔道が二十八校、剣道が六十九校、相撲が十二校、なぎなたが二校を予定しております。
また、二種目以上実施する学校が十五校ございます。
なお、柔道を実施する予定の学校の割合は、全国では約六六%でございますが、本県では二九・五%となっております。
来年度柔道を担当する教員は五十人、剣道を担当する教員は百二十五人、相撲を担当する教員は二十二人、なぎなたを担当する教員は二人となっております。
なお、けがが心配されております柔道では、五十人中三十人が段位を取得しております。段位を取得していない者につきましては、今後講習会等を受講させ、段位を取得するように指導することとしております。
以上でございます。
54
◯古賀陽三委員=なぎなたですかね、これは東高が強かったりすると思うんですけれども、川副だったと思います。たしか女子が今履修してあるということで、私がちょっと聞いた話ですけれども、授業でなぎなたを経験して高校でもやってみたいということで進学をされたというような方もいらっしゃると聞いておりますけれども、こういうスポーツのすそ野が広がるという意味でも、こういった新たな武道にチャレンジできるというのは本当にいい
取り組みだなというふうに思っておりますので、いろんなけが等に関しては心配する声がありますけれども、こういったいい
取り組みでもあるんだということをしっかりと広げていっていただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。
次に、実際の武道に費やす時間というのはどれくらいあるのか、カリキュラム等があれば教えていただきたいというふうに思います。
55 ◯澤山体育保健課長=平均で申し上げますと、約十時間ということでございます。
56
◯古賀陽三委員=今、十時間ということでお答えをいただきました。
この十時間、年間で十時間ということだと思うんですけれども、本当にやれることは限られているというふうに思うんですよね。たしか学習指導要領には、柔道の場合であれば固めわざ、投げわざ、そういったものの習得が掲げられるというふうに聞いているんですけれども、まず、これはどう考えても無理があるというふうに思うんですね。
であれば、例えば、各学年ごとに一年生のときはこれぐらいまで到達目標を達成しようとか、二年のときはここまでやっていこうじゃないかと、そういった目標設定等があれば教えていただきたいというふうに思います。
57 ◯澤山体育保健課長=今回より指導の手引き書を作成しまして、各学校に配付するようにしておりますが、一年生におきましては初めてでございますので、武道の特性とか、受け身中心で授業を進めていくという形になりますし、二年生につきましても、投げわざとか、そういう危険わざにつきましては、極力しないように指導はしていきたいと思っております。
以上でございます。
58
◯古賀陽三委員=一年生の間は受け身等々という話だったと思うんですけれども、授業を受けるほうからすれば、ずっと受け身というのもあきてくるんじゃないかなというふうな思いもありますので、その辺はぜひ臨機応変というか、状況に応じてけがのないようにやっていただければと、工夫を凝らしてやっていただきたいというふうに思います。
それでは、学校現場の課題等についてということでお伺いをしたいと思いますけれども、必修化に向けて学校現場、例えば、指導する先生であったり、保護者、また生徒、そういった実施していく上での悩みであったり、課題がもし上がっていれば、教えていただきたいというふうに思います。
59 ◯澤山体育保健課長=学校現場での課題等についてお答えいたします。
これまで武道を実施しようとする学校の教諭から、具体的な指導方法や年間指導計画作成における悩みが寄せられたところでございますが、研修会等におきまして、指導方法の工夫改善や、指導計画作成等の演習を行いまして、対処してきたところでございます。
以上でございます。
60
◯古賀陽三委員=それでは、最後の項目になるんですけれども、武道指導における安全対策と今後の
取り組みについてということでお尋ねをしたいと思います。
一部の報道ではありますけれども、授業中や運動、部活動中の事故について報じられています。特に来年度から女子生徒を含め武道が必修化をされるわけですけれども、中でも武道経験の少ない教員の指導に対する不安感や保護者からの声も聞かれます。今、ずっと確認をさせていただきましたけれども、佐賀県においては有段者の数というのは相当確保されていると思いますので、いろいろ心配されるほど心配に及ばない部分もあるかと思いますが、こういった声、不安を打ち消すように、中学生が安心して学べるような、柔道だけに限らず、武道全体で子供たちに安全な指導をしていただきたいというふうに思っております。そこで、次の点について、まず安全対策についてですけれども、どのような安全対策を図りながら、子供たちの安全確保につなげていくのか、お伺いをしたいと思います。
61 ◯澤山体育保健課長=武道必修化に向けた安全対策についてお答えをいたします。
武道における安全対策としましては、指導に当たる教員の指導力の維持向上を図る、安全性を重視した指導法の徹底を図る、安全な指導環境を確保することが必要だと考えております。
そのため、指導者の資質向上のための研修会の開催や指導書を作成し配付する。研究実践校を指定し、指導方法の工夫や地域の武道指導者とのチーム
ティーチング等、安全で効果的な授業のモデルづくりを行う。各市町教育委員会に対しまして、武道指導の安全指導についての通知を発出する。熟練の教諭を加えた二人以上の教師で担当させたり、地域の武道指導者と連携をとるなど、安全対策をしっかりと講じるよう強く指導していくこととしております。
以上でございます。
62
◯古賀陽三委員=先ほど二人以上ということで答弁をいただきました。なかなか素人の先生が、例えば、一人で授業の質を保ちながら、片方では安全にも目を届かせるというのは本当に大変なことだと思いますので、ぜひともそういった
取り組みをどんどんふやしていただきたいというふうに思います。教育長、済みません、お願いします。
63 ◯川崎教育長=先ほどから、また、一般質問で川崎議員からも御質問がありまして、きょうの佐賀新聞にもございましたけれども、武道の導入化に当たっては、安全対策をどうするかというのが非常に大きな課題でもあるし、問題でもあろうと思っています。
我々、そういうことが指導要領に定められたときから、段階的に追ってそれぞれの関係団体とも連携しながら、さまざまな方策を講じてきました。必要な対策は既にとっているかと思います。
ただ、保護者の理解を得られるような安全対策をどうしていくかというのが、今、一番の問題になっているかと思います。そのためには、見える形で安全対策を示す必要があると。今、有段者の数を言いましたけれども、まだ一〇〇%ではありません。これをぜひ、この有段化を早くしたいと思っております。
それから、入学説明会の折とか、しっかり説明をしていくということも必要だろうと。
それから、授業参観をしてほしいと思っております。保護者の方には、しっかり説明し、見える形をとりたいと。それで、今回の議会等の論議も踏まえまして、近く関係団体を集めて、早速この春にでももっと有段化を進められないか、少なくともこの夏には全員有段化にされないかどうか、早速協議を始めたいと思っております。
そういった見える形を示していかないと、指導の経験のある者と有段者を充てますけれども、なかなか保護者の方には御理解は得にくいだろうと、そういうふうに理解をいたしております。そういう方向で進めてまいります。
64
◯古賀陽三委員=教育長から必修化に向けての決意というものを今いただきました。
今回、一般質問で川崎議員、今回ここで私が取り上げさせていただきましたけれども、万が一のことがあってはならないというふうに思うんですね。というのも、事故が起こることで武道に対するイメージが悪くなってしまう。それはあってはならないことです。
何より授業中の事故で子供たちですね、けがをした子供、けがをさせられた子供、これまた大きな事故につながった場合、これから先が長い子供たちですので、将来にわたって暗い影を落とすようなことがあってはならないというふうに思っております。
ぜひともしっかりと、先ほど教育長答弁がありましたけれども、夏場に向けての有段者の確保であったり、安全対策に向けて今後取り組んでいただきたいというふうに思います。
この質問はこれで終わらせていただきます。
そしたら、最後の項目になりますけれども、児童相談所の一時保護についてということで、最近、地域社会の希薄化などさまざまな事情を背景に保護者の地域社会からの孤立であったり、子育ての未熟さなどのさまざまな要因により児童虐待が増加するなど、少子化により児童数は減少しています。
児童数の減少というのは、実は私が小学校ぐらいのときは、私が通っていた学校というのは千名を超えていたんですね。今は五百名ぐらい、半分まで落ちているような状況なんですけれども、そういった児童数が減少しているにもかかわらず、児童虐待などが原因による要保護児童の数が全国的に見ても増加をしているというふうに聞いております。
こういった児童虐待が増加する中で、児童相談所の果たす役割、これは児童虐待のみならず、家庭では養育困難な児童への対応、児童の育成や発達障害などの相談、虞犯等や非行、また、不登校の相談など、場合によっては一時保護を行うなど児童に関するあらゆる相談に対応し、児童またはその保護者への適切な援助を行う機関であるというふうに認識をしております。
この児童相談所が行う一時保護について、必要な場合には職権で行うことができるというふうに定められています。その分、児童相談所には本当に大きな権限が与えられているというふうに思っております。
この一時保護では、いろんな事情があるにしても、一時的に保護者と児童が分離をして生活していかなければならないというふうになります。保護された児童の保護所内での生活環境にも十分な目配りをしていくことが必要だと考えています。
また、場合によっては虐待を認めない親もいるかと思いますけれども、そういった保護者への対応など、児童相談所の方々は困難な事案も抱えているんじゃないかなというふうに理解をしております。
そこで、一時保護を行う根拠について、この一時保護というのは本当に急を要するものだというふうに思っていますけれども、一時保護を行う根拠についてお尋ねをしたいと思います。
65 ◯川久保母子保健福祉課長=一時保護を行います根拠についてお答え申し上げます。
一時保護につきましては、
児童福祉法の第三十三条にその根拠規定がございまして、児童相談所長または都道府県知事などが必要と認める場合に、子供を一時保護所に一時保護しまして、あるいは警察署、福祉事務所、児童福祉施設、里親その他の児童福祉に深い理解と経験を有する適当な者の一時保護を委託することができることなされているところでございます。
66
◯古賀陽三委員=それでは、一時保護児童数の推移について、ここ数年、児童虐待について多くの報道を耳にしますけれども、この報道というのはごくごく一部ではないかなというふうに思います。特に、子供が亡くなったりというふうな、本当にびっくりするようなことばかりが取り上げられてきますけれども、こういった報道の内容を聞いていると、本当に子供に対して親が行う行為なのかといったようなこともよく耳にします。
私の周りにも子育て中の方が多くいらっしゃいますけれども、やっぱり若くして母親になったりとかいう方もいらっしゃいます。母親と子供というのは一番長く過ごす時間があると思うんですよね。そういった中で、余り泣きやまなかったりとか、寝つかなかったりということで、正直いらっとするというようなことも私、耳にするんです、同級生とかが子育て中だったりするもんで。
そういったことをやっぱり聞いていると、こういったことが積もり積もって虐待にというふうにつながっていく可能性もあるんじゃないかなというふうに思っているんですけれども、今後、そういった意味では、虐待というのは減ることはなくて、だんだんふえていくというふうに認識をしているんですけれども、今現在、一時保護所における保護児童数の推移というのは近年どうなっているのか、お答えいただきたいと思います。
67 ◯川久保母子保健福祉課長=一時保護所におきます保護児童数の推移でございますが、年間の保護される児童の数を見ますと、平成二十年度が百二十七名、平成二十一年度が百五十八名、平成二十二年度が百五十一名となっているところでございます。
以上でございます。
68
◯古賀陽三委員=ありがとうございました。
それでは、一時保護の行う必要性についてということでお伺いしたいと思います。
児童虐待はもちろんだと思いますけれども、非行であったり、家庭での養育が困難であったりといろんなケースがあると思いますけれども、どのような場合に一時保護を行っていくのか、お伺いをしたいと思います。
69 ◯川久保母子保健福祉課長=お答えします。一時保護を行う場合ということでお尋ねでございます。
一時保護を行う場合につきましては、大きく分けて三つございます。
まず、第一でございますけれども、緊急保護ということでございまして、置き去りにされた子供、あるいは迷子、家出した子供など、現に適当な保護者あるいは寝泊りするところがないということのために、緊急にその子供を保護する必要がある場合でございます。
それから、虐待や、あるいは放任などの理由によりまして、その子供を家庭から一時引き離す必要がある場合でございます。
次に、子供の行動が自分あるいは他人の生命、身体、財産に危害を及ぼしたり、あるいはそのおそれがあるような場合、このような場合でございます。
次に、大きな二番目としまして、行動観察というものがございます。
児童に対しまして、適切かつ具体的な援助指針を定めるために、一時保護によります十分な行動観察、生活指導などを行って、そういう援助指針を見きわめていくということのために行うものでございます。
次に、大きな三番目でございますけれども、短期入所指導というものでございます。
これはもう短期間の心理療法、カウンセリング、生活指導などが有効であると判断される場合でございまして、地理的に遠隔または子供の性格、環境などの条件によりまして、他の方法によります援助が困難あるいは不適当であると判断される場合に行うもので、短期間にそういうことで行うものでございます。
以上でございます。
70
◯古賀陽三委員=行う必要要件というのはわかったんですけれども、平成二十二年度の一時保護児童の理由別件数はどのようになっているのか、お尋ねをします。
71 ◯川久保母子保健福祉課長=平成二十二年度の一時保護の理由別の件数でございますが、平成二十二年度の百五十一名、先ほど申し上げました百五十一名について見ますと、家庭での養育が困難という場合、いわゆる養護といいますけれども、これが百五名でございます。
次に、先ほど委員のほうからもありました虞犯や非行、こういう理由が二十七名、あるいは性格行動などで保護するというのが十四名、知的障害五名、このようになってございます。
以上でございます。
72
◯古賀陽三委員=それでは、一時保護の期間についてということなんですけれども、先ほど緊急保護と行動観察、短期入所指導等ということで一時保護を行うということで答弁をいただきましたけれども、そんな中で、一時保護を行う期間についてはどのようになっているのか、また、その保護期間についてはどのように決められているのか、お尋ねをしたいと思います。
73 ◯川久保母子保健福祉課長=まず、期間でございますが、一時保護につきましては、通学ができないなどの子供の行動の自由を制限する側面もございます。したがいまして、その期間は原則として二カ月を超えてはならないとされているところでございます。
しかしながら、一時保護の後、施設入所に移行する際に、保護者との調整に期間を要するなどの理由で、一時保護の期間が二カ月を超えるケースもございます。ちなみに、平成二十三年度、今年度の四月以降の九カ月間におきましては、二カ月を超えるケースが二十二件というふうになっております。
この期間につきましては、決めるのは一応緊急保護したりしますので、いろんなケースは個々の児童によって違います。そういう児童の保護された理由とか、あるいはその子供さんの精神的な状態、身体的な状態いろんなものを見て判断をしますので、そこは児童相談所で会議という形で決定をしていくということになります。
以上でございます。
74
◯古賀陽三委員=それでは、一定期間保護した後なんですけれども、やっぱり保護された子供のことを第一に考えていかなければならないと思うんですけれども、家庭に戻すことが第一だというふうに考えています。ただ、一時保護をされた理由にもよるんでしょうけれども、例えば、その虐待が理由で一時保護された場合、その親の立場からすれば、虐待をした事実を認める場合であったり、なかなか認めようとしない場合もあるというふうに思っています。ただ、この一時保護というのは、私もいろいろ聞いていると、やっぱり相当いろんな条件等を積み上げた結果、やっぱり一時保護に児童相談所の方は踏み切ってあるというふうに聞くんですよね。
やっぱりその親としては、その虐待という認識がない。例えば、保護された親が私はちゃんと育てていたとか、児童相談所に対して子供を奪ったくせにと、そういった言葉を私自身も実は聞いたことがあるんですよね。その親の行為が虐待に当たらないと自分で思っていても、子供の立場に立てば虐待に当たると、昔はしつけで済んでいたというようなこともあるかと思いますけれども、なかなか今、そのしつけという一言では簡単には片づけることができないということもあるというふうに私自身は思っています。
その親自身が虐待と思っていなければ、その児童相談所に対して親の反発というのはすごいものだというふうに思うんですよね。保護された後、その子の行動観察が先ほど行われるということでありましたが、その数日あるいは数週間帰れない場合と、長ければその二カ月を超える場合もあるということでお話をいただきました。やっぱり余計にその親としては、その児童相談所に対してますます不信感を募らせるようなこともあるかと思います。
そういった中で、本来なら児童相談所とその家族が良好な関係というのを築きながら、子供をどのようにして家庭に戻すのかという、その環境整備を図ることが必要になるというふうに思っているんですけれども、やっぱり一度こじれてしまった関係というのを再びもとに戻すというのは本当に大変な努力が、その児童相談所の方には必要になってくると思うんですよね。
改めて児童相談所と家族との関係の構築をどのようにして図っていかれているのかお伺いをしておきたいというふうに思います。
75 ◯川久保母子保健福祉課長=児童相談所と、例えば虐待をしたその保護者との関係の構築ということでございますが、一時保護の後に再び児童が保護者とともに生活できるようになるということであれば、児童の福祉にとって望ましいということで、それは委員の御指摘のとおりでございます。
例えば、さっきお話がございました虐待の場合は、一時保護する際に、やはりおっしゃったように、かなり強権力もありますので、どうしてなのということもあります。
そういうことで、こじれるようなことも多々ございますので、その親との関係を改善しながら、最終的に親子の再統合ということに向けた援助を行うこととなります。
そういうことで、その際には、再発防止の観点とか、あるいは保護者のさまざまな困難に直面している、これも先ほど委員が御紹介されたようなことで、多かったりしますので、親へのケアというものが重要になってきます。
このために、児童相談所の児童福祉司、あるいは児童心理司、児童指導員などが児童相談所だけじゃなくて、市町とか、あるいは地域の関係機関、関係者の協力を得ながら、保護者との関係改善を図っていくと、そういうことをやりながら、保護者や子供に対しまして継続的に面接したり、専門的な助言や指導を行って、最終的に親子の再統合ということに向けた支援を実施しているところでございます。
いずれにしましても、一時保護は援助を必要とします児童への長期的な支援、これはもう一時保護期間を過ぎても長期的に支援が必要となることで、長期的な支援の中での重要なプロセスということでございます。
こういうことでございますので、一時保護の期間中におきましては、丁寧に児童と向き合うということはもちろん、保護者との調整なども十分に重ねながら、今後とも指導・支援を行っていきたいというふうに考えておるところでございます。
以上でございます。
76
◯古賀陽三委員=それでは、一時保護をされた後、その保護所における日課についてということでお尋ねをしたいんですけれども、一時保護された子供の中には保育を必要とする子であったり、例えば小学生であったり、中学生であれば、その勉強が必要になるというふうに思います。
先ほど、課長に答弁いただいた中で行動は制限されるということがありました。その一時保護期間中はやっぱり通学ができないというようなことになるかと思うんですけれども、その保護所内での保護された子供たちの一日の過ごし方、日課というか、どのように過ごすのかというのをお尋ねしたいと思います。
77 ◯川久保母子保健福祉課長=一時保護所におきます日課についての御質問でございます。お答え申し上げます。
一時保護所の日課につきましては、例えば、児童の入所期間が異なっております。特に、期間も短期間であるということ、あるいは子供に年齢差とか、あるいは一時保護される場合のいろんな抱えている問題の違いなどがあること。それから、子供の入退所が頻繁であること。こういうことなどによりまして、日課の計画的な運営というのはなかなか困難な面が多いところでございますけれども、必要に応じまして性別あるいは年齢別に数グループに分けまして、起床から就寝に至る間の基本的な日課を立てて、その上で子供の状況によって具体的な日課の運営を行うようにしているところでございます。
先ほど行動は制限されるということで、学習とかの御質問がございました。午前中は、基本的に学齢児に対しましては学習指導、それから、未就学の児童に対しましては保育を行って、午後は、かなり制約されたところに子供さんいらっしゃいますので、自由遊びとかスポーツなどのレクリエーションのプログラムを組んでいるということでございます。夜間は、読書とか、音楽鑑賞などによりまして、そういう楽しみも持っていただくということにも配慮しているところでございます。
なお、夜間につきましては、就寝状況の確認とか、夜尿などへの特別指導とか、あるいは治療的なかかわりを必要とする子供さんに対します指導などにも配慮しているということでございます。
以上でございます。
78
◯古賀陽三委員=狭い範囲でありながらも学習の時間・保育・運動の時間というのはしっかり確保されているなということがわかりましたので、次の七番目の一時保護を行う場合の配慮についてお尋ねをしたいと思います。
一時保護される児童というのは、養護、虞犯や非行、障害を持つ児童等その背景はさまざまだというふうに思っています。
その一時保護に際しては、こうした一人一人の状況に応じた適切な配慮が行われるべきだというふうに思っています。
現在、その一時保護所というのは個室が整備をされているかと思いますけれども、そうでない場合は相部屋になるんですよね。例えば、保護所には親に虐待されて心身に傷を負った子供であったり、非行で一時保護されている子供が一緒に過ごしたりというのは、混合処遇というのも行われるというふうに聞いておりますけれども、この混合処遇に関してはメリットであれ、デメリットがあると思うんですよね。そのメリットといえば、例えば年の離れた中学生ぐらいと幼稚園の子供とかが一緒に過ごすことで、例えば、上の子が下の子に対してお世話をしてやるとか、そういったことで下の子が上の子に対してありがとうと言ったような言葉をかけたりであったり、そういったことでちょっとした心の安定を取り戻すような子供さんもいらっしゃるというふうに聞くんですけれども、一方で、そのデメリットというのも、なかなか職員さんの目の行き届かない時間帯というのもあるかと思うんですよね。
これはちょっと他県というか、九州の児童相談所内の記事が出ていたんですけれども、いすを投げたり、頭を壁に打ちつけたりと、中には子供が壁をけり破ったりとか、殺すぞといったような保護所内でのすさまじいというか、そういった記事が特集されているんですけれども、こういったことがまず、保護された場所であってはならないというふうに思うんですね。
子供同士のいじめであったり暴力、またその入所年齢も乳幼児から思春期の子供までと幅広い層がいらっしゃるんで、年齢の離れた子供同士の悪ふざけのつもりが大きなけがにつながったりと。中での年の離れた子は上から下に対してのいじめであったりと。親からの虐待であったり、非行であったり、何らか傷を抱えてきている。そういった中で保護をされている子供たちが本当は一番安全でなければならないその施設の中で、傷つくことがあっては、その子供たちのよりどころというのが、もう本当になくなってしまうというふうに私は思うんですよね。
やっぱりそういったことで、二度目の傷を負うことがないように努めていかなければならないというふうに思っていますけれども、やっぱりその親の立場からしても、保護されているにもかかわらず、例えば児童所内で傷ついて帰ってくると、やっぱりこれはもう絶対あってはならないというふうに思うんですけれども、そういった児童相談所の信用にもかかわってくるわけで、自分たちが行動していく上でまずは自分たちがしっかりしてなければ、人の世話というか、いろんな助言であったり、行動の制限であったりすることができないというふうに思うんですけれども、このようなことがないように、県としてはどのような配慮を、その一時保護所内でされてあるのかお尋ねをしたいというふうに思います。
79 ◯川久保母子保健福祉課長=この場合、一時保護所にいろんな背景を持つ子供さんがいらっしゃるということで、その辺でいろんな影響を与えるかもしれないということの御指摘だと思います。
その配慮ということでございますけれども、一時保護所に入所される子供さんにつきましては、先ほど来、出ておりますけれども、その年齢も幼児期から思春期まで、あるいは一時保護をする背景も非行、虐待などさまざまでございますことから、子供同士の暴力あるいはいじめなど、子供の健全な発達を阻害する事態の防止ということに留意しているところでございます。
例えば、先ほどもちょっと触れられたと思いますけれども、部屋割りでございますけれども、それにつきましては、男女は当然分離しております。あとそれぞれの男のところ、女のところを見ましても、その部屋割りにつきましては、その子供さんの社会的な診断、心理的な診断、行動の診断、そういうものなどを踏まえまして、児童の状態に応じて児童保護所あるいは児童相談所として判断して配慮した部屋割りをしているところでございます。
そのようにして配慮した結果、一人部屋が足りないとか、そういうところもあるんで、部屋が不足するような場合につきましては、児童福祉施設などに一時保護をお願いしたりする場合もございます。そういう配慮も行っているところでございます。
また、一時保護の際には、子供は精神的に不安定な状態になっている場合も多うございますので、すぐに心理的ケアを行うなどによりまして、安定した生活を送れるように配慮しているところでございます。
さらに、子供にとっては新しくなれない環境に入るために、心身の変調を来しやすいことから、医師、保健師、看護師との十分な連携を図って、健康管理についても配慮しているところでございます。
いずれにしましても、子供が安心感や安全感を持てる、あるいは親御さんにもそういうことで信頼していただけるように、生活の保障に努めているところでございます。
以上でございます。
80
◯古賀陽三委員=そのさまざまな配慮をしていただいているということはわかりました。これもし万が一、相談所内で何か起こった場合、県、こちらとの関与というんですかね。権限に関しては知事がすべて児童相談所側に任せてあるというふうな話も聞くんですけれども、相談所側で起こった何らかのその出来事、そういったものはきちんと上に対して上がってくるような仕組みにはなっているのかお尋ねをしたいと思います。
81 ◯川久保母子保健福祉課長=児童相談所で先ほど委員から御紹介いただいたような事案があった場合ということだと思いますが、児童相談所でいろんな危機管理事象的なものが起きれば、所属長の判断にはなりますけれども、県といいますか、担当の所管部局のほうに報告が来るようになっております。
以上でございます。
82
◯古賀陽三委員=そしたら、一時保護所の職員の体制についてということでお伺いをしたいんですけれども、児童相談所の方々の仕事の範囲というのは、本当に幅広いというふうに思うんですよね。いろいろ話を聞いていても、土日もなかなか携帯が手放せないというふうな話も聞いたりもしますし、これだけ虐待とかがふえてくれば、去年だったですかね、人数はふえたというふうに聞いているんですけれども、本当にその職員の数というのは足りているのかというようなことを考えたりするんですけれども、現在の職員体制というのはどのようになっているのか、お伺いをしたいというふうに思います。
83 ◯川久保母子保健福祉課長=一時保護所の職員体制ということだと思いますので、お答えします。
一時保護所には、現在、組織としてやっておりますけれども、保護課の課長以下児童指導員を七名配置しております。また、そういう正規の職員に加えまして非常勤職員として夜間の介助、介護等を行います職員が六名、それから、児童心理を担当する職員一名を配置しているところでございます。
以上でございます。
84
◯古賀陽三委員=それでは、最後の項目になりますけれども、一時保護所の運営体制の充実についてということです。
いろんな業務がある中で、外での対応、また中での対応というのもあるんですけれども、やっぱり先ほどのこれ新聞の事例を取り上げましたけれども、やっぱりこういったことはあってはならないと思いますし、今後、一時保護所の運営の体制というのがしっかりと図られていかなければならないというふうに思いますけれども、このことについてどのように考えているのか、最後にお伺いをして質問を終わりたいと思います。
85 ◯川久保母子保健福祉課長=今後の一時保護所の運営の体制というお尋ねでございます。
まず現在の体制も含めましてお答えしたいんですけれども、一時保護所の運営に関しましては、先ほど一時保護所の職員のお尋ねで体制の人数などについてお答えしたところなんですけれども、そういう一時保護所の職員だけではなく、児童相談所として児童福祉司、児童心理司あるいは保健師、看護師など全職員が連携して児童へのきめ細かな相談、支援を行っているところでございます。
例えば、ちょっと御紹介しますと、児童福祉司につきましては、日常の業務の際に随時一時保護所に出向くなどして子供とかかわってもらっていただいています。それから、勤務のローテーションの中にも入っていただいておりまして、土日に児童と生活を必ずともにしまして、児童一人一人の生活状況などの行動観察を行いながら、規則正しい日課のもとで、先ほど申し上げましたような、基礎的な生活活動とか、学習指導などを通じまして行動診断を行っているところでございます。
今後とも、児童相談所内のこのような連携をさらに深めるなど、一時保護所の運営体制の充実につきましては、さらに努力していきたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
86 ◯宮原委員=皆さんおはようございます。きょうは昨日とちょっと違って、風景が寂しゅうございます。昨日は、カメラも大小合わせまして二台あったかと思いますけれども、きょうはちょっとカメラも見たらゼロのように見えますが、マスコミの皆さんもあそこにはずらっと並んでいただいておりました。
しかし、この
文教厚生常任委員会の場は、教育については私たちの未来、そして文化のお話をさせていただく、その議論の場でもございますし、健康福祉については、当然ながら生命ということをお話しさせていただく、その議論の場でもありますし、暮らし環境についても、私たちが本当に生活として身近なところで生きていく、そういった議論をさせていただく委員会だと思っておりますけれども、もう少しマスコミの皆様には御興味を持っていただきたいというような思いをしておりますけれども、きょうは、後ろにはマスコミの皆さんいらっしゃいますでしょうか。
では、横に一社だけいらっしゃるようでございます。申しわけございませんけれども、社の名前を言っていただければ幸いに存じますが。委員長、済みません。どちらから来られているか、委員長からお話をしていただいて。──いや、話していただいたほうがいいと思いますよ。これは議事録に残ります。ちゃんとどの会社が興味を持っていただいているか、よろしければ。(「しゃんあぶり出しんごたっことはすんなよ」と呼ぶ者あり)はい、わかりました。そしたら、一社興味を持っていただいております。
しかしながら、私たちは、そういったことで生きていくということを貫いてまいらなければなりませんので、きょうは午前中にも回ってまいりました。声高らかにきょうもさせていただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
まずは、三分野、そして六項目について、きょうは議論をさせていただくようになっておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
まずは、教育について議論をさせていただきたいと思いますけれども、県立高校の入学者選抜について話をさせていただきたいと思います。
このたび入学者選抜については、成長する上においては、それぞれ節目節目というものが大切になってくるかと思います。その中で、新しく卒業し入学するということも、その一つの節目だし、そして改めて自分たちが成長していくことを考える、その機会かと思います。
そこで、日本社会において、日本人としての成長の節目の中で、新しく佐賀県においては、入学者選抜という形で特色を持って入学をさせるという思いから、新しく導入されたその特色選抜試験についてお伺いをさせていただきたいと思います。
これは一般質問でも議論がなされておりますけれども、まずはその前の変更前の推薦入学についてお伺いをさせていただきたいと思います。
推薦入学は、昭和五十六年から導入をされているとお伺いをしているところでございますけれども、推薦入学がどのような目的でされたのか、まずはお伺いをさせていただきたいと思います。
87 ◯神代教育政策課長=推薦入学導入の目的についてお答えいたします。
推薦入学制度は、学力検査では評価できない生徒の多様な個性や能力、また適性、さらには中学校での努力の成果や活動経験など、すぐれた面を選抜に生かしますとともに、意欲を持った生徒を入学させることによりまして、各高等学校の特色づくりや活性化を図ることを目的として導入したものでございます。
88 ◯宮原委員=では、推薦入学の変遷といいましょうか、移り変わりについてもお伺いをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
89 ◯神代教育政策課長=推薦入学制度の変遷についてお答えいたします。
推薦入学につきましては、大きく二種類、一般選抜と運動部推進指定校推薦と二種類ございます。
まず、一般推薦につきましては、昭和五十六年度の入学者選抜におきまして三校で試行実施をいたしまして、その効果等を検証した上で昭和六十三年度の入学者選抜から二十二校で本格実施したところでございます。その後、過度な受験競争を緩和するため、平成五年に当時の文部省のほうから多様な選抜方法の実施を促す通知がございました。それを受けまして、普通科高校でも推薦入学実施校が増加いたしまして、平成十三年度の入学者選抜では、当時の県立高校数三十八校ございましたけれども、その三十八校中、三十二校で実施するまで拡大したところでございます。推薦入学制度の廃止前年度でございますと、昨年度、平成二十三年度は県立高校三十六校中、二十七校で実施したところでございます。
また、二番目の運動部推進指定校推薦につきましては、平成二年度の入学者選抜で初めて七校で実施いたしました。その後、これにつきましても各高校で導入が進みまして、平成二十一年度がこれまでで最も多い十七校となりました。平成二十三年度は十六校で実施したところでございます。
全日制課程の募集定員に占めます推薦入学の募集定員の割合につきましては、一般推薦を本格実施いたしました昭和六十三年度八・七%でございました。これも徐々に拡大いたしまして、平成十五年度の選抜以降は二〇%を超えているという状況でございました。
以上でございます。
90 ◯宮原委員=推薦入学については、一定の役割を終えているというような認識かもしれません。しかしながら、長年にわたって継続されてきたわけでございます。その推薦入学について、それを実施されたわけでございますので、成果というものが上がっていると私は思っております。その成果について確認をさせていただきたいと思います。
91 ◯神代教育政策課長=推薦入学制度の成果についてお答えいたします。
推薦入学におきましては、学力検査を課しておりません。このことから、高等学校の選抜試験にとらわれることなく、自分の興味、関心等に応じて中学校生活を充実させることができるというよさがあったと思っております。
また、推薦入学で入学した生徒につきましては、学校生活での目的意識、また、進路意識がはっきりしている場合が多くございます。高等学校の授業や学校行事、また部活動にも積極的に取り組んできたところでございます。
しかしながら、先ほど御説明いたしましたが、推薦入学の募集定員の拡大に伴いまして、この本来の意義が薄れまして、その傾向も薄らいでいると認識しているところでございます。
以上でございます。
92 ◯宮原委員=先ほど課長さんがお話しになったところで、学力だけじゃないというようなお話でありましたけれども、基本的には私が認識する限り、推薦入学は学力を主に考慮されたのではないかなというような思いがしておりました。本当に学力だけじゃないというところを課長さんから御説明いただきたいと思います。
93 ◯神代教育政策課長=お答えいたします。
推薦入学制度におきましては、学力検査そのものは課しておりません。中学校時代の調査書、あるいは面接等によって評価をしております。先ほど御説明いたしました特に運動部推進指定選抜におきましては、運動の成果等を評価したところでございます。
確かに中学校時代の調査書には、中学校の学力が評価されておりますけれども、その学力をもってのみじゃなくて、総合的に選抜をしているところでございます。
94 ◯宮原委員=今度新しく推薦入学から特色選抜と変わるわけでございますので、若干、先ほど答弁の中にもあったかと思いますけれども、課題があったのかなという認識もしております。その課題についてお話をしていただければと思います。
95 ◯神代教育政策課長=推薦入学の課題についてお答えいたします。
県教育委員会におきましては、平成二十年十月からこれまでの高等学校の入学者、選抜方式につきまして、その生徒の勉学やスポーツなどに対する意欲を高め、みずからを向上させるものになっているかどうか、また、それを客観的に評価できる最良の制度であるかどうかという視点に立ちまして、点検、検証を行ってきたところでございます。
その検証の結果、推薦入学につきましては、生徒の学力を客観的に評価できないという点、最後まで努力するという生徒のチャレンジ精神を失わせかねないということ、また、生徒の個性を尊重し、多様性と選択性を重視するという視点が不足しているなどの課題があるということを認識したところでございます。
以上でございます。
96 ◯宮原委員=課長さんの今の御答弁、二つ聞いたわけでございますけれども、推薦入学についてお伺いした中で、その前は成果についてということでお伺いをしたときには、ゆっくりと成長していただく、安心して高校に入学していただくような御答弁だったかと思います。そして今度は、いや、前向きじゃないんじゃないか、チャレンジ精神を損なわせるというようなお話になっておりました。それは、文科省が推進しておりましたゆとり教育からまた違った形になったと。その点で県のほうで合わせていただいているのか、そこを確認させていただきたいと思いますが。
97 ◯神代教育政策課長=お答えいたします。
先ほど答弁いたしましたが、平成五年に当時の文部省のほうから通知がありました。当時は確かにゆとり教育の推進ということで選択の多様性、結局、推薦選抜とかその他の方法での高校入試ということを勧めていただきたいというような通知があったところでございます。
ただ、今回の県の選抜の見直しにつきましては、大きな観点は高校の学力の維持向上という観点からの見直しでございます。先ほど御答弁いただきましたけれども、結局、推薦入学につきましては中学校の段階の調査書が学力の評価の中心になります。中学校の場合、前後期制の場合であれば前期まで、三学期制であれば大体二学期までの成績で評価されております。
ただ、高校の通常の選抜試験、後期試験、今度の一般選抜は三月に実施されております。検証の結果、高校に入りたいという強い意欲を持って、ぎりぎりまで頑張るというような意欲が特に推薦入学については非常に薄れているという点が見受けられましたので、今回、この推薦を廃止するという決定に至ったところでございます。
98 ◯宮原委員=では、新たに出されました特色選抜についてお伺いをさせていただきたいと思います。
まずは、先ほど推薦入学についてお話をしていただきました。その中も加味されているかと思いますけれども、今回どのような考え方で特色選抜を導入されたのかお伺いをさせていただければと思います。
99 ◯神代教育政策課長=お答えいたします。
今回の入学者選抜方式の見直しにつきましては、一つには複数の受験機会を確保することということを主眼にしております。また、先ほど御説明いたしたとおり、今回の選抜方式におきましては全員に学力検査を課すこととしております。義務教育段階でしっかりした学力を身につけさせるということをねらいとしております。
あわせまして、県立高校進学希望者が学習やスポーツなど中学校生活を最後まで頑張るということもあわせてねらいにしております。さらには、各高等学校におきまして学校の活性化、特色づくりが一層推進されるということを目指したものでございます。
以上でございます。
100 ◯宮原委員=では、本来は目的を先に聞かなければならなかったと思いますけれども、特色選抜の目的についてお伺いをさせていただきたいと思います。
101 ◯神代教育政策課長=特色選抜の導入目的についてお答えいたします。
特色選抜試験につきましては、中学校の推薦によらず、だれもが志願できることとしております。生徒が自分の能力や適性を生かして主体的に志望校を決定し、チャレンジできるようにしております。また、高等学校が求める生徒像を示しております。この生徒像に沿いまして各高等学校が主体的に検査教科等の設定を行うことができるようにいたしまして、学校の活性化や特色づくりにつなげることを目的として導入したものでございます。
以上でございます。
102 ◯宮原委員=名前が特色選抜でもございますので、その特色を出されているかと思いますけれども、まずは特徴についてお伺いをさせていただければと思いますので、その特徴をお話ししていただきたいと思います。
103 ◯神代教育政策課長=特色選抜の特徴についてお答えいたします。
特色選抜につきましては、従来の推薦入学とは異なりまして、先ほど申し上げましたが、希望する生徒はだれもが出願することができるようにしております。また、選抜方法につきましては、各高等学校が求める生徒像に沿って、指定する三教科の学力検査と面接、調査書をあわせた総合評価によることとしております。
この学力検査におきましては、実技を伴う教科も実施することができます。また、一般選抜試験よりも面接、調査書の評価する割合を高く設定することができるというようなことを特徴といたしております。
以上でございます。
104 ◯宮原委員=先ほどからお伺いしますと、学力重視になったということで、その学力が重視される根拠というものをお伺いさせていただきたいと思います。
105 ◯神代教育政策課長=お答えいたします。
平成二十年十月からこの検討を始めましたが、その最初に着手したのが各県立の高等学校長に対するアンケートを実施いたしました。その当時の各高校のアンケートの結果によりますと、やはり推薦入学で入学した生徒の学力不足、また学習意欲の不足というのが大きな課題であると、半数以上の高校のほうからそういう回答をいただきました。
そういう観点に立って、やはり三年生の一番最後の追い込みの時期にどういう形で学力をつけさせるかという観点から、今回の学力を主眼にした選抜方式の改正を行ったところでございます。
以上でございます。
106 ◯宮原委員=課長さん、意欲を持った人たちが入学をされているわけですよね。その人たちを選んで推薦入学で迎えたい、そういったことでしていて、そして学校内で意欲がなくなってきたと、それは学校がやっていないんじゃないでしょうか。そこはもう少し認識としてお伺いをさせていただきたいと思います。学校がどの程度推薦入学で
受け入れた人たちの意欲を増させたかどうかの確認をさせていただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
107 ◯神代教育政策課長=お答えいたします。
各高等学校におきましては、特に推薦入学で入学した生徒に対しましては、特別扱いとは言いませんけれども、あなたは推薦入学でということを意識させた形での
取り組みは行っているところでございます。
ただ、推薦入学の中には、必ずしも学力だけじゃなくてスポーツ、あるいはその他芸術等の才能で入学した、そういった人もおります。すべての生徒が学力優秀というわけではございませんが、各高校のほうで、特に推薦で入学した生徒について才能、また個性を伸ばす努力は当然必要かというふうに思っております。
108 ◯宮原委員=課長さん、必要だからしていただいて、そして意欲を損なわせないような形をとっていかなければならないということが目標かと思います。意欲をなくさせたということがどのようなことから出てきたのかをお伺いさせていただきたいと思いますが。
109 ◯神代教育政策課長=お答えいたします。
意欲をなくさせたというよりも、高等学校のほうからの評価として、特に学力のほうの不足というのがちょっと実感されたということで、すべてが意欲をなくしたということではないと、そのアンケートの結果はですね、我々は理解をしているところでございます。
110 ◯宮原委員=はい、わかりました。それでは、特色選抜のまた新たな特色についてもお伺いをさせていただきたいと思います。
どのような形の特色を持っているのか、お伺いをさせていただきたいと思いますが。
111 ◯神代教育政策課長=特色選抜のいわゆる特色ということについてお答えいたします。
一つは、繰り返しになりますけれども、これは生徒の側から見た特色だと考えております。生徒が自分の持つ能力や適性を生かせるような高等学校を主体的に選べるということが一つの特色ということで考えております。また、もう一つは、高等学校側からの視点になりますけれども、生徒の多様性と選択性を積極的に評価する選抜試験を行うことによりまして、さまざまな個性を持った生徒同士が切磋琢磨する環境、すなわち高校に活力が生まれまして、学校の特色がつくり上げられていくということだと考えております。
以上でございます。
112 ◯宮原委員=それでは、試験のやり方について確認をとらせていただきたいと思いますけれども、まずは、私が資料をいただきました。方式が幾らかあったと思いますけれども、A方式、B方式とあります。科目それぞれあるわけですけれども、その科目の問題はそれぞれの学校で違うのか、そういった点をお話ししていただければと思いますが。
113 ◯丹宗学校教育課長=お答えいたします。
特色選抜試験における学力検査につきましては、これはすべての学校において共通の問題ということにしております。
以上でございます。
114 ◯宮原委員=これA方式とB方式しかないのか、確認をさせていただきたいと思いますが。
115 ◯丹宗学校教育課長=お答えいたします。
特色選抜試験といたしましては、すべての高等学校で実施するA方式、並びにスポーツ推進指定校、それから芸術推進指定校のみが対象とするB方式、この二つの方式がございます。
以上でございます。
116 ◯宮原委員=採用のやり方について、いろいろ見させていただきましたけれども、基本的に文系、理系の形をとっていただいている。そして、満遍ない形もとっていただいているというような思いをしておりますけれども、配点方法もそれぞれあるようでございますが、本当に特色を出すということであれば、興味を持っている子を選びたいとか、有能な子を選びたい、国語能力がないとしても理科に飛び抜けた子はいるかもしれません。国英数を基本的にする子は、理社も大体できると私は認識しております。
しかしながら、理科に興味を持ったり、社会という科目に興味を持つ子もいるかもしれません。そこに特化して点数が高い子もいるかもしれませんけれども、そういったところがこの試験ではなされていないような気がいたしておりますが、そこら辺、これからどのようにお考えになるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
117 ◯川崎教育長=全く御指摘のとおりなんです。したがいまして、特色選抜は三教科、一般試験は五教科、その三教科は学校で選べるようにしています。その中で、従来なかった体育で受ける、芸術で受ける、そういうことをできるようにしています。
したがいまして、バランスのとられた能力を持っている子もおれば、三科目に特化している子もおるだろうと。その中で、従来なかった体育とか芸術に特化している子もおるだろうと。それをもって私は特色だと呼んでおります。そういったものがそれぞれ学校の中でできるシステムを今度はつくった。それは教育委員会が学校にこうせろじゃなくて、学校がこれまでの伝統だとか学校の経営方針だとか、そういうことでみずからがそれをつくることができるというふうにしたということです。
それから、推薦はどうしても過去の結果で推薦をしている。そして、場合によっては早い段階から、しかも学校と学校、中学校と高等学校が話しているということで、本人の意思も入りますけれども、なぜ自分は推薦を受けられなかったのかという子も当然出てきます。そういうことも平等にしながら、試験ということでやろうと。ただ、試験だけで見るということもまたどうだろうかと。過去のそういうこともどうだろうかと。
したがって、内申書もしっかり見ます。面接もします。そして、試験も見ますと。そうすると、試験の配分の仕方は学校でいいですよとしています。うちはスポーツを重点にやろうというなら、スポーツを傾斜配分してもいいと。それぞれ学校で工夫をしてくださいということです。そういうことで、私は多様性と個性というのが保たれるんじゃないかと。
ただ、ことし始めたので、そこがしっかり果実として出てきているのかというのが一つ。それから、そこに持っておられるパンフレット、なかなかわかりにくいということも事実です。それを来年は改善をしていきます。それから、配点の仕方とかなんとかも非常に保護者の方からするとわかりにくいところがある。そこを来年は改善点として改善をしてまいります。
118 ◯宮原委員=教育長さんからお話をいただきましたので、その方向性というものもまた新たに見出されたところでございます。
できるだけこういった議論を重ねながら、よりよいものにしていきたいと私も思っておりますので、また、先ほどは節目節目と申し上げました。その節目を大切にしていくことが、この日本文化にあるところでもあろうかと思っております。
ここは少し話がずれますけれども、小中一貫というものがあります。あれは若干の節目がなくなったような気がしておりまして、そこもいつかは議論したいというような思いもしておりましたので、改めてそのときには御質問させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
先ほど保護者の皆さん、それから生徒の皆さんにも、どういったところでこのパンフレットがわかりにくい点もあったというような反省もいただきました。できる限り特色選抜の中で学校というものを私はPRしていただきたい。そこで、学校の校風といいましょうか、そういったものができていかなければならないと私は思っています。
私もおかげさまで、前回もお話しさせていただいたかと思いますけれども、県立高校を卒業させていただいておりました。無事卒業できたことを大変うれしく思っておりますし、そのおかげで私もここに立たせていただいているのかなと思っておりますけれども、それぞれにやはり地域、私は三養基郡から来ておりますけれども、東部地区というものがあるかと思います。佐城地区というものがあるかと思います。その中で、普通科が何校かあるわけでございますけれども、それぞれに特色を出していただきたいなと思っているところでございますけれども、入学する際に、私はもう無条件で一番近い三養基高校に行かせていただきましたけれども、できればそれぞれの学校の特色を前もって見させていただきたい。そういったことが少し高校の中でおろそかになっているのではないかなというような思いがしております。
高校が中学校、そして受験される中学生の方々、そして保護者の皆さんにどういったことでカリキュラムを組みながら、私たちはこういった生徒を生み出していきたいと思っていますよというようなPR不足もあろうかと思いますけれども、現時点でどういった形をとられているのかをお伺いさせていただきたいと思います。
119 ◯神代教育政策課長=お答えいたします。
今回の選抜方式の改正によりまして、生徒の特定分野にすぐれた能力、適性、また活動経験を積極的に評価できる仕組みといたしたところでございます。各高等学校におきましては、先ほど委員御指摘あったように入った後、各高校が入学した生徒の個性、能力を伸ばしまして、それぞれの分野で学校内にとどまらず学校外も含めまして活躍することによりまして、魅力、また活力のある特色ある学校づくりが推進されるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
120 ◯宮原委員=では、それぞれに学校が目指すものがあるんだろうと思います。普通科というのは満遍なくするところもあろうかと思いますけれども、それぞれに普通科でどういった形で特色を出されていこうと思われているのかを教育委員会のほうで認識されているなら確認をさせていただきたいと思いますが。
121 ◯川崎教育長=これからは生徒減少期でございます。そして、我が国の社会も個性、能力を尊重した社会になっていくだろうと思います。したがいまして、学校もそれをはぐくむ学校でなくちゃいかん。それにそれぞれの特色を出して互いに切磋琢磨できる──これは私学も含めてそうですけれども、環境をつくっていく。それはだれがつくっていくか。私は学校と地域、そしてOBである保護者であろうと。県教委が一つ一つ、こういうものだ、こういうものだとやっていく時代じゃもうないだろうと思っております。だから、そういうことがやれる環境を教育委員会がつくっていくということでございます。
それぞれの学校、長い歴史も持っています。スポーツでもそれぞれ固有のスポーツで成果を上げていますし、文化でも上げています。また、それぞれの人材も輩出しております。それぞれがより個性を発揮できるような環境づくりに努めてまいりたいと思いますし、学校長はそういったマネジメントをしっかりやって、そして、それを県民に、また保護者にしっかり示していくということ、そういうような学校にしたいと思っています。
122 ◯宮原委員=学校内での御努力を期待するものでありますし、しかしながら、やはり外から見て、あそこはこんな個性があるねというような学校というものをつくっていただきたいと思っています。
今若干、逆に進むかもしれませんけれども、女子校があってもいいだろうし、男子校があってもいい。そういうふうな形もできれば試みをしていただきたいなと。現実的ではないかもしれません。しかし、学校内で男子のクラス、女子のクラスというものもつくっていただいて、どういった形が好ましいのかということも試験的にやっていただきたいというような思いもしております。
今後についてお話をお伺いしたいと思いますけれども、実際そういった特色選抜というような形をとっていただく中で、その学校が目指すもの、それからそれぞれの生徒をどのように成長させていくのか、その思いというものを私もお伺いしたいと思っていますし、また、できればこの選抜というような形をとっていただく中で、生徒がよりよく本当に成功というものに向けて成長していただきたいなと思っておりますので、そのお考えというものをお伺いしたいと思います。
123 ◯川崎教育長=全く御意見のとおりだろうと思います。画一的な人間をつくっていくという時代ではない。個性と能力をつくっていく、高めていく。そして、いつも申し上げていますけれども、これからの国際社会でしっかりと生き抜く力をはぐくんでいくということでございます。
申しおくれましたけど、私は高等学校の入学試験の改正をしたときには、高等学校だけを目指しているんじゃないわけですね。小学校、中学校、高等学校まで含めた学力向上をやっていくためには、この受験制度、高校のあり方、これが全体に影響すると。そうであるならば、高等学校の、しかもこれはほとんどが県立ですから、それをしっかりやっていくことがそれにつながるという思いであります。
先ほど男子校、女子校あってもいいじゃないかというようなことでございます。これまではそれを解消する、どちらかというと共学ということを目的に私はやってきました。ただ、そういった大きな枠組みをどう制度設計していくのかということにつきましては、幅広い論議も必要です。今からまた生徒減少期が始まります。そういう中で、どういう学校の制度設計をしていくのかということを今後急がなくてはいけない。どういう科目を持った学校にするのか、どういう教育課程でするのか、専門学校、普通高校の割合をどうしていくのか、公私間をどうしていくのかという大きな幅の広い論議の中で、そういったことも論議をしていくことも場合によっては必要かなと思っています。
124 ◯宮原委員=確実に子供たちのため、生徒のため、そして私たちがつくる未来佐賀県のためを思って教育に取り組んでいただきたいと心から願うものでありますので、私も日ごろから教育長さんたちともいろいろとお話をさせていただいております。私たちが新たな十年後、二十年後、三十年後の佐賀の文化というものを築き上げて、そして、その成果を私たちも見届けたいと思っておりますので、今後もまた議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
125
◯石倉委員長=暫時休憩いたします。十三時をめどに委員会を再開いたします。
午後零時六分 休憩
午後一時三分 開議
126 ◯原田副委員長=委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
127 ◯宮原委員=それでは、新たな項目に入らせていただきたいと思います。
「世界で活躍する人材づくり事業」についてお伺いをさせていただきたいと思います。
この事業については一般質問でも方向性、それから幅、それから長さといったベクトルについてもお伺いをさせていただいたところでありますし、私もそれぞれ文化というもののお話をさせていただきながら、どういった形で未来を創造していくかということもお話をさせていただいたかと思います。当委員会の委員さんでも原委員さん、それから峰委員さん、お二人の先生からも質問をされているところでありますし、この事業がよりよいものになるようにというような提言もされていただいておるところでございます。
この質問に入りたいと思っておりますけれども、まず、その
取り組みの状況をまずもってお伺いをさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
128 ◯丹宗学校教育課長=それでは、今年度の事業の
取り組み状況について説明をさせていただきます。
世界で活躍する人材育成に当たりましては、国際的に通用するコミュニケーション能力の習得が必要でございまして、それはすぐれた交渉力やプレゼンテーション力の習得、自由に操ることができる実践的な外国語、とりわけ英語能力の習得、並びに、我が国の伝統と文化を理解し、尊重する態度の涵養が必要と考えているところでございます。
「世界で活躍する人材づくり事業」は、こうした能力の習得をねらいといたしまして、今年度六月補正予算で立ち上げた
新規事業でございます。具体的には、高校生を対象とした海外留学、研修旅行への支援、中学生、高校生による英語スピーチコンテストの優勝者に対する海外研修旅行の提供、中学、高校で実施されるイングリッシュキャンプへのALTの派遣、そして県立学校を対象とした英会話体験研修、こういうことに取り組んでいるところでございます。
取り組み状況といたしましては、海外留学、研修旅行については五十七人へ補助をいたしております。英語スピーチコンテストの優勝者につきましては、オーストラリア研修旅行を提供いたします。イングリッシュキャンプにつきましては、高校で四回、中学校で二回ALTを派遣いたしました。英会話体験研修につきましては、県立学校十校で実施をしたということが本年度の実施状況でございます。
以上でございます。
129 ◯宮原委員=新たに充実がなされているということも確認をされたところでありますけれども、少しちょっとお伺いをさせていただきたいと思いますけど、イングリッシュキャンプ、大体のおおよそはわかりますけれども、少し具体的にお話をしていただければと思います。
130 ◯丹宗学校教育課長=イングリッシュキャンプは、基本的には学校単位で、あるいは幾つかの学校が集まって英語に興味を持つ生徒、あるいは英語の力をつけたいと願っている生徒、そういう子供たちを対象に、地域の施設等を利用いたしまして、大体丸一日使うことが多うございますけれども、ALTが大体四、五名来まして、生徒大体四十名ぐらいに対してALTが四、五名来ると。そのALTとともにさまざまなゲームをしてみたり会話をするということで、英語漬けの生活を一日すると。いわゆる留学の疑似体験と申しますかね、そういうものを通して自分が話す英語がちゃんと通じているんだというようなことを感じて子供たちがさらにもっと英語の語学力を磨いていきたいというような思いをさらに強めていく、そういう一つのきっかけとなっている行事でございます。
以上でございます。
131 ◯宮原委員=来年度について、その目的というものもお伺いをさせていただきたいと思います。
132 ◯丹宗学校教育課長=それでは、来年度の事業についてお答えいたします。
「世界で活躍する人材づくり事業」につきましては、先ほど申し上げましたように、今年度六月補正予算で
新規事業として立ち上げたところでございますが、その後、十月に「佐賀県総合計画二〇一一」が策定されまして、その中で国際社会で活躍する人材育成が“進”重点項目に位置づけられることとなったところでございます。
日本人が内向きになってきていると言われている今日でございますけれども、そういうときであるからこそ、できるだけ多くの子供たちが海外に目を向け、そして海外留学の機運を高めることが重要であると、その認識から平成二十四年度事業を大幅に拡充することとしているところでございます。
拡充することとしている内容につきましては、海外留学等の支援につきましては、高校生の留学、研修旅行に新たに中学生と専門高校の生徒たちの研修旅行を加えていること。英語コンテストについては、中学校英語暗唱大会と高等大会英語スピーチコンテストに、新たに高等学校英語ディベート大会を加えていること。イングリッシュキャンプ及び英会話体験研修については、対象人員を拡大していること。そして、新規に教職員の海外研修等を追加していること。以上のように内容の充実を図っているところでございます。
以上でございます。
133 ◯宮原委員=今教員研修というようなこともあったかと思います。これは勉強会資料でもいただいておりますけれども、九百万円提示をされておりますけれども、大体何人をめどに考えられているのか、それから、どういった内容をされていかれるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
134 ◯丹宗学校教育課長=お答えいたします。
職員の研修についてでございますが、短期研修、二週間程度の研修を一つ考えております。これは職員参加人員、現在のところ十五名を対象としたいと考えているところでございます。やはり子供たちの目を外に向けさせるには、まずは教員が、教師が、自分たちが実際外に出てみて、そして、その外に出て肌で感じたことを子供たちに伝えていくということが非常に重要ではないかというふうに考えているところでございます。行き先等については今後検討したいと考えているところでございます。
これともう一つ、別でございますけれども、二カ月程度の研修に出す職員、これは二名でございますけれども、これにつきましても予算措置をしているところでございます。これにつきましては、国のいわゆる研修制度でございまして、半額は国費で賄われるところでございますが、あと半分が従来個人負担となっていたためになかなか希望者がいなかったという現実がございまして、その残り半額につきましてこちらのほうで補助することによりまして教員が海外に出て充実した研修を受ける、そういう機会を保障したいと考えているところでございます。
以上でございます。
135 ◯宮原委員=済みません、数字をお伺いしたいと思いますが、中学校、高校、英語の教員とされている方が大体何名ぐらいいらっしゃいますでしょうか。
136 ◯原田副委員長=答弁をお願いします。(「おおよそで結構です」と宮原委員呼ぶ)
137 ◯丹宗学校教育課長=申しわけございません。おおよその数でございますが、高校が約二百五十名、中学校が約二百名というところでございます。
以上でございます。
138 ◯宮原委員=その中で確認されているかどうかわかりませんけれども、ちゃんと英語圏に行かれた経験のある方、それから英語をちゃんとしゃべれる方、どれくらいおられるか、確認をとらせていただきます。
139 ◯丹宗学校教育課長=お答えいたします。
実際に英語圏にどれだけ行ったかというその数については、こちらでは承知をしていないところでございます。ただし、どれだけ英語を話せるかということにつきましては、基本的には英語を専門とする教員でございますので、これは英語で基本的に、例えば、高校であれば平成二十五年度から英語の授業は英語で行うことを基本とするとなっておりますので、英語で自分の意思を伝えてみたり、英語で会話をすることができるという状況にあるというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
140 ◯宮原委員=では、先ほどの海外研修でちょっと確認をしたいと思いますが、この二週間の十五人て、二週間どんなことをされるんでしょうか。
141 ◯丹宗学校教育課長=一つは、海外の学校の教育の事情につきまして、それは研修をする機会を設けたいというふうに考えております。またさまざまな人と交流する場を設けながらそれぞれの国の文化に、または歴史に触れる、そういう機会を設けたいと考えているところでございます。
以上でございます。
142 ◯宮原委員=もうちょっと具体的にお願いしたいなと思いますが。
143 ◯丹宗学校教育課長=構成員によるかと思いますが、中学校、高校の先生が対象という形になろうかと思いますので、訪問した国の日本でいう中学校、そして高校に相当する学校をまずは視察をするということが必ず入ってくるかと思います。また、その学校を視察して授業の様子でありますとか、教育のあり方でありますとか、そういうことをきちんと学んでいただくということになろうかと思います。そして、一つの都市に滞在する中でさまざまな体験をしていただいて、その土地に根づいている文化でありますとか、芸術でありますとか、そういうものをやはり肌で感じていただく、そういう時間にしてほしいと願っているところでございます。
以上でございます。
144 ◯宮原委員=もう一つ、二カ月の二人ですけれども、二カ月はどのような形で行われるのかを確認させてください。
145 ◯丹宗学校教育課長=これにつきましては、いわゆる英語の指導法ですね、英語の指導法について研究をする、そういう派遣でございますので、実際に英語圏に行ってその英語をどのように教えていくのかということについて研究をしていく、研修を積んでいくというのが主な内容となっているところでございます。
以上でございます。
146 ◯宮原委員=英語圏に行って英語って、大体そこは母国語ですから、そこに何か英語を目指すというものはないんだと思うんですけれども、できれば韓国、それから中国とかは母国語を持ちながら英語をしゃべれる方が多いというようなこともお伺いしております。そういったところに行くことも意味あることなのかなというような感じもしましたけれども、もう少しお話をしていただければと思いますが。
147 ◯丹宗学校教育課長=お答えいたします。
これにつきましては、文科省が実施している研修でございまして、全国から募集をいたしまして、実際に英語圏にその教員を派遣いたしまして、そこで英語教育をどのような形でやると効果的なのかということについて研修をするというような形でございまして、一応その文科省が実施している研修に対する補助をやっているというところでございます。
以上でございます。
148 ◯宮原委員=わかりました。いろいろとこの質問がなされる中で、教育長さんからの御答弁に、とりわけ英語、とりわけ英語というような言葉を何回も耳にしてまいりました。英語にこだわる理由というものも若干お伺いしたいと思いますし、世界首脳会議、G10とかありますけれども、G10の中でどのくらい英語で会話されるのかというようなことも私も思ったこともあります。フランスの首相はたしか若干英語でしゃべられているかと思いますけれども、イタリアの首相が英語でしゃべられているのかなという感じもいたしておりました。この英語にこだわるところを若干お伺いをさせていただきたいと思います。
149 ◯丹宗学校教育課長=英語についてということでございます。
英語を公用語、または準公用語として使用する国というのはたくさんございまして、国際社会において、特に経済活動の場では英語が共通語となっているというふうに認識をしております。それゆえ英語は現在世界で最も広く使われている国際語であるというふうに考えているところであります。
中国語や韓国語の習得も望まれるわけでございますが、まずは英語のコミュニケーション能力を身につけるということが国際社会で活躍する人材づくりには不可欠であると、そのように考えているところでございます。
以上でございます。
150 ◯宮原委員=経済圏では英語がいいのではないかということでありますので、そこは理解したところでありますけれども、先ほどは中国語、韓国語というようなことも触れていただきました。大体私たち、私も県内の教育を受ける中で漢文というものも習ってまいりました。中国語と英語というものは大体文法的に同じかと思います。実際「ウォアイニー」と「I love you」は同じ文法でなされていて、その単語だけを覚えればその言葉として通じていくわけでありますので、できれば中国語も先に学んで、そうすると覚えやすいのかなという感じもします。漢字を私たちは触れているわけでございますので、それから単語を覚えれば英語にかわるというような考え方もあると思いますけれども、そういう試みもしていただけるのか、また今のところは英語を進めていきたいと。先々中国語なり韓国語なり、実際中国人口、おおよそでありますけれども、世界の五分の一の方が中国人であります。ということは中国語を話されるわけでありまして、経済圏においては英語が公用語というようなお話でありましたけれども、中国のほうが一般的には多く使われるということも確認できるわけでありますので、その辺どのようにこれからお考えになっていかれるのかを確認させてください。
151 ◯丹宗学校教育課長=お答えいたします。
現在、高等学校におきましては、それぞれの学校の特色に応じて教育課程を編成しているところでございます。
その中で、外国語につきましては英語を一番主としてやっているわけでございますが、第二外国語を設定している学校も中にはございます。その中で、中国語を第二外国語として、いわゆる選択教科という形で開設しているわけでございますが、中国語については五つの高校が、そして、韓国語については四つの高校が第二外国語という形で開設をしているわけでございます。子供たちのさまざまな興味関心に応じた形で学べるような、そういう機会は確保していきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
152 ◯宮原委員=そのようにして、中国語五つ、それから韓国語四つの高校が試みをされているということでありました。先ほどは高校もPRしていただいて、中学生をよりよい形で育てていくその試みもPRしてくださいと言っておりました。そういったことも中学生の皆さん、それから小学校段階でもちゃんと説明をしていただいて、うちはこういったところを取り組んでいるんだよということもしていただければ双方でよい結果が生まれるのかなと思っておりますので、そういった試みもまたしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
留学をされて、その後、帰国後に皆さんがどのようにして、税金を投入される中で佐賀県にその分の潤いをしていただきたいということも一般質問の中でも言わせていただいておりました。その後、そういう場所づくり、それから機会をつくっていかなければならないというようなこともお話をさせていただきましたけれども、そこについてどのようにお考えなのかを確認させてください。
153 ◯丹宗学校教育課長=お答えいたします。
十代という人生において最も感受性豊かで吸収力の大きいこの時期に海外留学を経験することは、多様な文化や歴史を持つ人々と触れ合い、視野を広げ、見識を高めることができる貴重な機会でございますので、帰国後の報告など気にすることなく、さまざまなことを肌で感じてほしいと考えているところでございます。
なお、留学経験者が帰国した後、友達へ海外での経験を話す機会もこれは多いかと思います。そのような機会を通して、外国への興味や関心を持つ生徒をふやすなど刺激を与えてくれるということも期待できると考えているところでございます。
以上でございます。
154 ◯宮原委員=済みません、期待だけしても意味がないと思います。そういう場面をつくっていただきたい、そういう機会をつくっていただきたいということを私は話をさせていただいておりますので、そういった機会をどのようにつくっていかれるのかそういったことをお伺いさせていただきたいと思います。
155 ◯丹宗学校教育課長=お答えいたします。
留学をしている期間というのは非常に限られた期間でございますので、なるべく多くのことをそのときに感じ取って、自分の肌で感じて、その留学した子供の今後の成長の糧にしてほしいと願っているところでございます。
帰ってきてからのことでございますけれども、学校はさまざまな学校行事というのがございますので、そのような学校行事の中で自分の海外での経験、そういうことをほかの子供たちの前で発表するということは十分あり得ると思いますし、それはやってほしいと願っているところでございます。
以上でございます。
156 ◯宮原委員=課長、ですから、ほしいじゃだめなんで、そういった機会をちゃんとつくっていくように学校それぞれにちゃんと指示をしていただきたいと私は思っていますし、また全校生徒の前で発表ということを大体私は想定しておりました。しかし、それだけでは私は十分でないと思っているんですよね。先ほどお話しされたように、日ごろその経験というものをいかに話していくかということ。
私、若干留年についても少し一般質問の中でもお話しさせていただいたかと思います。留年に対する恐怖をぬぐい去るには、その一年間の留学に行かれた方を同じ教室に一年後入れていただいて、そして、その方たちが総合という形の授業でも結構ですけれども、それぞれ中学校、小学校、それから高校にも行っていただいて、一カ月のうちでも結構です、一日だけはどこにでも行かれて、私が体験したことというような形でお話をしていただく、そういったことも試みていただきたいなといった思いをしておりました。
まだ先ほどの答弁のとおりでありましたらもう一度確認をさせていただきたいんですけれども、もう少し試みをお話ししていただければと思いますが。
157 ◯丹宗学校教育課長=お答えいたします。
この事業のねらいとするものは、とにかくたくさんの生徒に目を外に向けると、外に目を向けて留学をすると。そして、さまざまなことを学んで日本に戻ってきてほしいと。そして、日本で国際的に活躍する人材として活躍してほしいと願っているわけでございます。したがいまして、この事業を起こすときになるべく大きな負荷といいますか、帰ってきてからこれは絶対こういうことをしてねということは極力言わないような形でスタートをしているところでございます。ただし、先ほど委員おっしゃいましたように、帰ってきてから学校で自分が体験したことということについては発表してほしいということで、こちらのほうからそれについてはお願いをしたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
158 ◯宮原委員=確かに負担をかけるわけにはいかないという考え方もあります。しかしながら、それに税金が投与されているわけでありますので、その認識もしていただくことも一つの成長の過程かと思います。皆さんの税金をもって海外へ留学してその学びをしてきたということも認識させることは、私は大変重要なことだと思います。ですから、留学前にそのこともちゃんとお伝えしていただきたいと思っています。
教育長、もう少し方向性を見出していただけるならと思いますので、その点についてお伺いをさせていただければと思います。
159 ◯川崎教育長=私が考えましたのは、余り大きな宿題を初めから与えることによって萎縮をしたり、そこに行くのに宿題だけが目に入って多くのことを体験する機会を失っちゃいかんという意味なんですよ。したがって、まずはその人がしっかりと肌で感じて、目で見て、体験をして、その人がしっかりした認識、意識、知識を身につけてほしいというのが一つです。まずそこに着目をしたいと。
そして、今してほしいと言っていましたけど、私はそう思っていません。させます。生徒の前でこういうことがあったと、こういう体験をした、そういうことはしっかりと一回はチャンスをつくってするということは、これは課したいと思っています。しかし、あとはその人が学校で存在をし、人と話をしたり、またその人がみずからこういうことがあったよと体験を語ったり、要するに子供に誘発効果が出るようにしていくというのがさっき言われている効果だろうと思っています。それを例えば、活用という言葉を使われましたけど、ちょっとそういう意味とは違って、自発的にそういうことをやっていく環境なりですね、それからまた交換留学も考えていますので、来た人とそういう人たちがミーティングをしたり、幅広く当然体験を積んできたことはおのずと体から出るものでもあるし、聞かせてほしい、そういうことをしたいと思っています。
だから、まずはしっかり自分が勉強してくださいと。そして、一度は生徒の前で、同級生の前、生徒の前で発表の機会はとりなさいということは課題としてしたいと思っています。
160 ◯宮原委員=一年の留学で多くのことを必ず学んでこられます。ですから、事あるごとにそういった経験をお話もしていただけるものと私も思っています。でも、そうでない可能性もあるとするならば、それはやはりいけないことだなと思ったもんですから、あえて言わせていただいているところであります。
私も海外留学された方とも触れたことがございます。その中でやはり英語圏においてもやはり文化が違って、なかなかコミュニケーション能力というところで届かないところもあるのかなという気もしております。アメリカに行かれた方たちはやはりジェスチャーも交えながら、大変大げさと言っていいのか知りませんけれども、表現力豊かになってこられます。オーストラリアの方はそこまでありません。ニュージーランドも英語ですので、ニュージーランドは同じような感じですけれども、イギリスに至っては普通に会話をされているというようなこともあります。
今回、その国々というものもどこまで設定されているのかというところもちょっと確認をさせてください。
161 ◯丹宗学校教育課長=お答えいたします。
留学につきましては、これは生徒がさまざまな留学をあっせんする会社に自ら申し込みをして、留学する国を決定するということになっておりますので、こちらのほうから特定の国に留学をしなさいということを言っているわけではございません。子供たちがみずから留学をしたいという国を選んでいるという状況でございます。
以上でございます。
162 ◯宮原委員=また、帰国後というようなことで話をさせていただいておりましたけれども、これ中学生もできれば一年をめどとして行く機会も、これは義務教育課程でございますので、そういった難点もあろうかと思いますけれども、その辺、可能なのかどうかを確認させていただきたいと思いますが。
163 ◯丹宗学校教育課長=お答えいたします。
現在、こちらとして想定をしておりますのは、留学は高校に入ってからの留学ということでございます。したがいまして、中学生の場合は、夏休み、春休み、冬休み等がございますので、そのような休みを利用しての短期の海外研修、そういうものについては助成をいたしまして、海外の生活をまずは体験してみると、そして、海外への興味、関心を喚起したところで、高校に入学して一年間の留学をするというようなことをこちらとしては想定をしているところでございます。
以上でございます。
164 ◯宮原委員=県側で方向性を見出して、そういった形で順番づけてやっていきたいということはわかりましたけれども、先ほど私が質問したのは、中学生でも可能なのかということを確認させていただきたいということを述べましたので、教育長さん、よければ。
165 ◯川崎教育長=実は義務教育は年齢で学年進行するようなシステムになっています。したがって、基本的には留年という概念がないんですね。ちょっと一年休むと、休んでも上に行くシステムですから、なかなか一年というのは現実的には私は難しいだろうと思います。できないかと言われると、現実にあっていることもあるわけですね。非常に希少な例だろうと思います。
ただ、それを教育委員会がなかなか推奨するというのにはちょっと向かないんじゃないかと思っています。高校生は単位制ですから、休学とか、留年という概念がありますから、多様な教育できますけども、そういうふうに理解しているところです。
166 ◯宮原委員=帰国子女という言葉もありますので、さまざまな形で、自分本意で行かれる方はそういった形もあろうかと思いましたので、少し検討して、そういったことも取り入れていただけるのかというところで質問させていただいたところであります。
私も義務教育課程というものがあろうから、なかなか難しいというものも思っておりましたので、その確認をとらせていただきましたけれども、これまた、本事業の二十六年までとなっております。その中で原先生もいろいろ今後については経験をされた方がその後どのような成長を遂げられているのか追跡もしていきながら、検証するべきではないだろうかということもお話をされておりました。
そこで、少し聞かせていただきたいのが、留学に行くことが社会的に評価される仕組みづくりが支援策と思うというような御回答をいただいております。答弁でいただいておりますけれども、私は留学された方はそれぞれに経験を積まれて、わざわざ支援をしなくても、その一段とより増した成長を遂げられていると思っておりますので、その社会づくりというのが本当に必要なのかなというような疑問も抱いたところであります。当然、その人は能力は数段上に上がっているものだと私は思っておりますので、そこら辺、若干の差異はありますけれども、そういう環境づくりというものも呈していきたいというような教育長さんの一般質問での答弁もありましたので、そういったことをお話しされているのかなと思いました。
ほかにも違う考えもあろうかと思いますので、違う支援策というものがあれば、そういったこともお伺いしたいと思っております。今後、長期にわたってしていただきたいというような皆さんからの御発言もあっております。二十六年以降、どのようにお考えになっているのかをお伺いさせていただきたいと思います。
167 ◯丹宗学校教育課長=お答えいたします。
この事業につきましては、本年度から立ち上げた事業でございまして、来年度で二年目を迎えるというところでございます。このためまずは、この事業をより多くの子供たちに利用してもらえるように事業の推進に努めていくというところに全力を傾けたいと考えているところでございます。
以上でございます。
168 ◯宮原委員=事業の推進はわかりました。今は限られた予算の中で五十人程度というところが幅としてあるわけでありますが、できれば、全生徒が経験をできるような環境づくりというものも、極端な話をさせていただいておりますけれども、必要かなと思っているところであります。できれば、いずれ教育長さんがお話しになっている英語、英語、とりわけ英語というような形をとっていただけるならば、小学校、中学校の段階でもインターナショナルスクールみたいな形で、もう学校内では英語しかしゃべらないというような取り組みもいずれなされるのかなというような想像もいたしておりました。教育長さんと一緒に視察に行かせていただきましたシンガポールは、基本的には中国の方たちの民族の中で英語圏になっていたわけでありますので、そこに向けられているのかなというような思いもしておりました。
教育長さんにその辺どこまでお考えになっているのか、できれば、未来展望というものもお話ししていただければと思います。
169 ◯川崎教育長=まず、帰ってきてからの支援策というのをお話ししますと、今、なぜ留学を逆に言えばしていないのかということにもつながるところがあろうかと思いますけども、それが果たして進学、就職にどう出口のところでつながっているのかというのが一つあるわけですね。やっぱり将来そういう人たちが人材が必要だというのであれば、出口のところでそういったものがその効果が発揮できるようなシステムをつくらんといかんじゃないか。そして、大体普通のあれであれば、夏で終わって帰ってきます。ところが、学校も、会社も入社というのは四月、その間、じゃ、どうするかという問題も。そこで出てきたか東大の秋入学、秋卒業というようなシステムだろうと思います。そういった全体の社会的システムがどうなっているのか。
それから、そういう人たちが果たして企業に採用されて、本当に企業の採用試験でそういうのを見てくれているのかとか、さまざまなやっぱり構造を変えていかんといかんだろうと。それは佐賀県が国際戦略を組もうとしている、そういうのとも関連して、一連の中で考えんばいかんじゃなかろうかということです。
それから、この事業は総合計画二〇一一に基づいて実施しているもので、戦略的に実施しているということは申し上げてきています。今、そういう国際的に必要な人材を必要にしているにもかかわらず、佐賀県からは留学が非常に少ない状況にある。だからこそ、誘導してこういうことをやっていきたいということを言っているわけですね。したがって、ある種の社会環境ができて、どんどんどんどん県がそういうことをしなくても、環境になれば、私は必要じゃないと思うわけです。
だから、まずは、総合計画二〇一一の期間中にしっかりと実現をして、また、総括をして、次の長期計画にどう組んでいくのかというのが一つあります。
それから、今後の特色ある学校づくりの中で、例えば、英語だけでやるような学校もあってしかるべきじゃないかと。まさに私はそのとおりだろうと思いますし、秋田の一部の大学では全部英語で授業をして、半分は留学生だというような公立の学校もあったりもします。その高等学校版もあってしかるべきじゃないかという意見もあろうかと思います。
そういったことを含めて、また、今後の減少期対策の中でしっかりと論議をしていかなくちゃいかんだろうと。
それから、なぜ英語か。現実に今、小学校から我々学ぼうとしているのは英語なんですね。まず、これをしっかりしていくことが必要だろうと。商活動は中国も、韓国も、私もいろいろ行きますけども、基本的には英語です。しかし、外交用語は母国語でしゃべる。これいろいろ行く方向によっても違う。だけども、アジアに向けて佐賀県が立つ位置にあることも十分わかりますから、それは韓国語、中国語、場合によってはベトナム語とか、そういったことにも目を開いていくということになってこようかと思います。しかし、それはこれからの問題で、今、第二外国語はしていますけども、じゃ、自由に話せるような中国語、韓国語ができているかというと、まだそういう状況じゃない。まずは、しっかりと英語をやっていこうということでございます。
170 ◯宮原委員=世界で活躍する人材づくり事業でありますけれども、留学を経験された方だけがその人材というわけではなく、それから広げていただきたい。で、佐賀県全体の学生、生徒の皆さんがその人材でなるということで、これからも展開をしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、次の項目に移らせていただきたいと思います。
ICT利活用の教育の推進についてでございますけれども、先進的にICT利活用教育の推進については、私もこのことも一般質問でもさせていただきましたけれども、これからますます県がより推進して、事業を進められているということも私も確認をさせていただいておるところでございますし、今議会、二月議会でも一般質問でそういったお話もされておりました。
そこで、お伺いをさせていただきたいと思いますけれども、端末の投入ということになっているかと思います。その内容についてお伺いをさせていただきたいと思います。
171 ◯福田教育情報化推進室長=学習者用端末についてお答えいたします。
まず、学習者用端末につきましては、授業の中で電子黒板と組み合わせて活用することによりまして、教師と児童生徒の間で双方向で情報のやりとりが可能となるということでございます。そうしたことから、教師はクラス全体の理解状況を瞬時に把握をして、児童生徒一人一人の学習状況、理解の状況に応じて、きめ細かな指導ができると、そういった効果は期待できております。
また、今回の実証においてもそうしたことが実証されております。
ということで、現在、県立学校につきましては、計画的に整備を進めようとしているところでございます。
以上でございます。
172 ◯宮原委員=大体台数とかはどのくらいまで。
173 ◯福田教育情報化推進室長=台数につきましては二十四年度が県立中学校、現在、致遠館中学校と武雄青陵中学校に入れておりますけど、残り二校、そして、特別支援学校につきましては、二十四年度につきましては小学部と中学部の全校、二十五年度からは国の教科書の改訂が年度進行でございますので、高一、高二、高三と二十五、二十六、二十七と順次進行して導入する予定でございます。
以上でございます。
174 ◯宮原委員=今、そのようにして推進をされ、確実なものとされていくということもお伺いをさせていただきました。
このICT教育なんですけれども、どの程度役割というものがあるのかも確認をさせていただきたいと思いますが。
175 ◯福田教育情報化推進室長=役割についてお答えいたします。
これにつきましては、先般、一般質問でも教育長のほうからお答えいたしましたけど、これからの時代を見据えたときに、これからの時代を生きる子供たちについてはどうしても情報機器を活用する能力、そして、あらゆる情報を取り入れ、それを自分の中でそしゃくし、発信する、まさにコミュニケーション能力を含めまして必要なものとされております。
そうした学習、または資質を育成しようとした場合に、このICT機器の活用につきましては、大きな可能性があるということが国内外の実証等でも証明されているということでございます。
以上でございます。
176 ◯宮原委員=次に、その教育現場のところでお伺いをしたいと思いますけれども、電子黒板等の投入のときにも、私も教員の皆さんにそのカリキュラムをつくっていくことは大変困難かと思います、県側でその事業をやりやすい形をとっていただきたいとうこともお話をさせていただいたかと思いますけれども、また、新しい形で教職員の皆さんが努力を重ねなければならないようなところになっていっておりますので、できれば、十分な能力を身につけていただいて、そして、事業に活用していただきたいと思っておるところでございますけれども、職員の皆さん、教員の皆さんがどのような形で、まあ、研修をしていただかなければならないと思っておりますので、その取り組みをなされているのであれば、お伺いをさせていただきたいと思います。
177 ◯福田教育情報化推進室長=人材育成という観点からお答えさせていただきます。
教職員の研修につきましては、やはり今回取り組んでおります先進的ICT利活用推進事業の大きな柱だと思っております。
そうしたことから、平成二十二年度から先生方の教職員の研修に取り組んでおりますけど、まず、二十二年度につきましては、県内の学校に呼びかけまして、ICT利活用教育の意欲のある教職員を募集いたしました。そして、教科書会社とか、IT企業など、外部講師を招きまして、電子黒板とか、デジタル教科書を用いた指導法についての実践的な研修をいたしたところでございます。
二十三年度、今年度でございますけど、今年度は本事業の中で機器整備に先行する形で実証研究校の教職員や全公立学校の管理職を中心に機器操作はもとより、ICTの効果的な利活用方法についての研修を実施いたしました。
二十四年度以降につきましては、県内全教職員を対象にいたしまして、研修を実施する予定でございますけど、まずは、実証研究を進めております学校及びこれから実践、または実証に入ります県立中学校、特別支援学校及び新たに実証校となります県立高校におきまして、機器整備を待つのではなくて、機器整備を先行する形で研修をしようと思っております。
なお、研修につきましては、推進リーダーを今回養成しようとしておりますけど、推進リーダーを中心に一般の先生方については校内でなるべくOJT、校内研修で先生方の資質が向上できるようにしたいと思っております。
以上でございます。
178 ◯宮原委員=これからよりよいものになっていくというような感じも私も確認をさせていただきました。
これからまたよりよくしていただける、その思いというものも確認をさせていただきたいと思いますので、教育長さん、この推進についてもう少し思いがあればお話をしていただきたいと思います。
179 ◯川崎教育長=このICT教育の効果というものをどう認識しているかというのが一つあろうかと思います。
我々もいろんな、先般はシンガポールを見せてもらったり、韓国に行きましたり、それから、今度また韓国にお願いをしようかと思っています。
それから、国の実証調査研究、それから、我々が佐賀県で導入したところのいろんなものを見たときに、相当効果があるというのは確信を持っております。
その一つには、不登校の子供たちに持って帰ることによって、そういうことを相互にできる。それから、特別支援教育、それから、これまで関心を持たなかったような子がああいう機器を使うことによって関心を持つ、それから、この機器だけじゃなくて、大きな電子黒板というので、従来は小さかったんですけど、今は相当大きなものが出ている。そうすると、物の表現がこれまで黒板でできなかったような表現ができるというようなこと等、非常にきめ細かにできる。そういうことで、私たちとしては、学力向上を図る上で、この導入をどうやって成功させていくのかは、今後、佐賀県の教育を左右するという強い思いであります。
それで、そういう思いから今度の総合計画二〇一一の中でも“進”重点項目に掲げて取り組んでいるところです。
今年度、室も立ち上げましたし、事業も立ち上げました。私はこの計画を着実に実施したいと強い思いをいたしております。そうすることが、先ほど室長申し上げましたように、子供たちの今日的、また、今後の養成しなくちゃならない能力の一つに、情報活用能力というのがあろうかと思います。それをまず高めていくということ。それから、一人一人の個性や能力、そういったものに非常にきめ細かな教育ができるという思いをいたしております。そういうものも役立つということ。
それから、いろんな社会的、国際的事情なんかも、よくパソコンを通じてというか、ああいうことで知ることができます。そういったことで、国際社会で活躍する人材事業にもつながるという思いをいたしております。
まずは、しっかりと取り組んで、ぜひとも成功させたいという、強い思いをいたしております。
180 ◯宮原委員=では、教育長さん、一緒に韓国に参らせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
次は、DVについてお伺いをさせていただきたいと思います。
DV対策についてお伺いをさせていただきますけれども、DVといいますと、ドメスティック・バイオレンスの略称でありますけれども、最近では本当に大きな社会問題としても取り上げられているところであります。
基本的には、以前は男女間の問題だろうとか夫婦間の問題だろうというようなことで、なかなか立ち入らないといったところもありましたけれども、やはりこれは生命をつかさどっているような問題にもなっておりますので、できる限りそういう危険性をなくしていきたいというような思いでいっぱいでありますし、また県では新しく「佐賀県総合計画二〇一一」においても、男女間のあらゆる暴力の根絶に向けた施策の充実として、DV対策を“進”重点項目に掲げておられるところであります。
その点で、対策についてもお伺いをさせていただきたいと思います。
まず、DVですけれども、DVという定義についてお伺いをさせていただきます。
181 ◯稲富男女参画・県民協働課長=まず、DVの定義についてでございますが、平成十三年に施行されました配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV防止法におきましては、法律の対象を配偶者からの暴力としております。この配偶者には、婚姻の届け出をしていない事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むとされております。
また、ここでの暴力とは、身体に対する暴力だけでなく、これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動、例えば、行動制限や行動を監視する、生活費を渡さない、避妊に協力しないなど、精神的暴力、経済的暴力、性的暴力なども含まれているとされております。
以上でございます。
182 ◯宮原委員=現状をお伺いしたいと思います。
今、DVの相談窓口をつくられておりますけれども、ここ近年の相談内容をお伺いしたいと思います。
183 ◯稲富男女参画・県民協働課長=DV相談の件数の推移でございますが、平成十四年度から県の婦人相談所と県立男女共同参画センターを配偶者暴力相談支援センターに位置づけまして、DV被害者からの相談に応じております。
その合計の延べ相談件数は、平成十八年度は一千七十四件、平成十九年度は九百九十三件、平成二十年度は一千四百六十五件、平成二十一年度は二千八件、平成二十二年度は一千八百十八件、そして今年度、一月末現在ですけれど、一千五百四十六件となっておりまして、ここ数年、増加傾向で、高どまりの状況でございます。
以上でございます。(副委員長、委員長と交代)
184 ◯宮原委員=お伺いすると、突然、一千件前後から五百件ずつふえたというような認識を私はするわけでありますけれども、今は二千件前後まで来ております。前年は一千五百件ぐらいに下がったということでありましたけれども、こういった形でだんだんふえている。その原因というものを追求されているならお伺いをしたいと思いますが。
185 ◯稲富男女参画・県民協働課長=ここ数年、相談件数が増加したと、その原因、要因につきましてですが、その増加の要因といたしましては、先ほど言いましたDV防止法が施行されまして、平成十六年四月に設置しました県のDV総合対策センター、これを中心といたしまして、さまざまな関係機関と一緒に啓発事業に取り組んでおります。
そうしたことによりまして、やはりDVに対する社会的認識が高まってきたこと、また相談窓口が広く周知されたことによりまして、潜在化していたDVの被害者が発見されるようになったと、こういった結果ではないかと考えているところです。
以上でございます。
186 ◯宮原委員=そこで、相談は多く寄せられているわけであります。その相談の特徴や傾向というものがあるのならば、そこをお伺いさせていただきたいと思います。
187 ◯稲富男女参画・県民協働課長=相談内容の特徴等についてでございますが、最近の傾向といたしましては、相談内容が単なる暴力だけの問題ではなく、ほかの諸問題、例えば、貧困などの問題と複雑に絡み合っておったり、また夫婦以外の人物が事案に関与していたりしております。
また、一回の相談だけで済まずに、解決に至るまで何回も相談が必要で、長期化する傾向にあるとも言えます。
以上でございます。
188 ◯宮原委員=じゃ、DVについては、これもがんと一緒にしてはいけないと思いますけれども、やはり早期に決着したほうがいいのかなという思いが私はしておるわけでありますけれども、早期にそういった相談をしていただいて、解決するというようなことが私は必要だと思いますけれども、そこについて、どのようなお考えを持っておられるのか。そしてまた、そういった体制を整えていただいているのか、確認をさせてください。
189 ◯稲富男女参画・県民協働課長=DV被害者を早期に救うためには、やはり早期に発見するということが大事かと思います。早期に発見するに至りましては、やはりまず相談体制をいかに充実させるかということが大事かと思っております。
先ほど御説明したとおり、DV被害者からの相談がふえているといったことや内容が複雑化、長期化していると、こういったことから、やはりDV被害者を早期に発見して、柔軟かつ十分な対応をすることで被害の拡大を防げると、そういったことでありますから、今年度は特に男女共同参画センターの相談員を六名から九名に増員いたしました。また、相談業務の調整役として、コーディネーターを一名配置しております。
また、この体制の拡充によりまして、県立男女共同参画センターのほうから市町に相談員を毎月定期的に派遣できるようになりました。そして、県民にとりまして身近な市町窓口での相談対応が可能になり、また市町担当職員への助言なども行うことで、DV被害者がより相談しやすい環境を整えまして、潜在化しておりますDV被害者のさらなる発見に取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
190 ◯宮原委員=早期発見していただいて、対策を練っていただいているわけでありますけれども、現実的にはDVが行われ、そして被害者がいらっしゃるわけであります。被害者の支援ということも対策を練っていかなければならないと思いますけれども、被害者に対するその形をどのようにとられているのか確認をさせてください。
191 ◯稲富男女参画・県民協働課長=現実に発見されましたDV被害者をどうやって支援していくか。その体制についてでございますけれど、DV被害者への支援を円滑に行うためには、DV被害者を発見しやすい立場にあります医療機関、また被害者から相談等を受ける機会のある法曹関係者、人権擁護機関などとの連携が重要であると考えております。
そうしたさまざまな関係機関や団体と連携することで、DV被害者の置かれておりますさまざまな状況やニーズに応じました継続した支援を行うことが可能になると考えております。
こうしたことから、県では佐賀県DV総合対策センターが中心になりまして、医師会や弁護士会、DV被害者支援民間グループ、佐賀地方法務局、佐賀地方検察庁、警察本部、また県の関係部局などにDV関係機関、団体で構成される佐賀県DV総合対策会議を開催いたしまして、連携の強化や事業の総合調整を行っているところであります。
また、各市町のDV担当課、各保健福祉事務所、各警察署で構成されます市町連携会議を県内四カ所で開催し、DV被害者への支援が円滑に行われるよう、実務者レベルでの連携強化にも取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
192 ◯宮原委員=今年度から新たな
取り組みとして、住民生活に光を注ぐ交付金という形で、DV対策の強化ということが県では行われるようになったわけであります。
これまでにも当然
取り組みをなされていたかと思います。今年度から新たな事業に対する
取り組みのお話をしていただきたいと思います。
193 ◯稲富男女参画・県民協働課長=まず、これまでの
取り組みという部分でございますが、佐賀県DV被害者支援基本計画に基づきまして、県のDV総合対策センターを中心に、啓発や研修、講演会の開催、支援体制づくりなどの各種事業に取り組んでいるところでございます。特に、高校生向けのDV未然防止教育事業や中学生向けの暴力予防教育事業などを県内の中学校や高校で実施しまして、生徒を初め、教職員、保護者への啓発にも力を入れてきたところでございます。
また、交際相手からの暴力を防ぐためのデートDV防止ハンドブックと、こういったものを高校や大学などにも配布いたしまして、若年層への啓発にも努めております。
また、先ほど御紹介しましたように、県立男女共同参画センターで相談員をふやし、また市町への派遣という形で、DV等総合相談機能の強化をいたしておりますけれど、実際、相談員が難しい相談に対応した後に、みずからの相談対応が適当だったのかと、こういった悩みを抱えているという現状もございます。そういったことにも対応するため、相談員に対する研修やカウンセリングなどのメンタルヘルスケア、いわゆる心の健康管理の充実にも取り組んでいるところでございます。
また、今年度からの新しい
取り組みとしまして、女性の総合相談窓口もありましたけれど、やはり職場や家庭内の人間関係など、さまざまな悩みを持ちます男性も多く、これがDV加害者に発展すると、こういったことも考えられますとともに、DV被害者としての男性からの相談もあっているところから、こういったことに対応すべく、新たに男性向けの総合相談窓口を開設しまして、男性の臨床心理士によります電話相談を月二回行っているところです。
さらに、DV被害者等の置かれている環境や回復の状況に応じたよりきめ細やかな早期支援によりまして、DV被害者等の心身の早期回復を図るために、例えば、DVで一時保護所に避難している母と子の心理支援プログラムなど、こういった各種プログラムの開発につきまして、着手し始めたところでございます。
以上でございます。
194 ◯宮原委員=今、母子についてもお話があっておりました。また、子供への
取り組みというものもあっているならば、そこの
取り組みをお伺いしたいと思いますけれども。
195 ◯稲富男女参画・県民協働課長=母子についての
取り組みですが、例えば、DVで一時保護された、特に女性は、やはり不安と心の葛藤の最も強くて、また同伴している児童も心理的に非常に深刻な影響を受けていると考えております。そういった支援にあたりましては、やっぱり必要なこと、留意することは何かということをしっかり整理しまして、また専門家、例えば、臨床心理士などを派遣したり、また子供向けの不安を取り除く絵本を作成したりしていまして、そういったものを活用しまして、心理的支援を行うと。そういったものを標準整備というか、標準したものを整理して活用しているところでございます。
また、子供に対するDVの発見、支援としまして、例えば、DV関係の子供につきましては、やっぱり自己肯定感が低く、対人関係をうまく築けないと、そういった傾向もあると聞いております。学校など周囲が早期に発見し、支援していくことが必要であるということで、また子供が大人になって自分が被害者になるとか加害者にならないような世代間連鎖をしていくものを断ち切る必要もあるかと思いますので、教育委員会や、また学校の理解、協力を得まして、教員向けの研修や、またそういった専門家派遣による効果などをしまして、そういった子供に対するDVの発見、支援プログラムなんかもこれから検証していきたいと思っているところでございます。
196 ◯宮原委員=今、学校との連携ということをお伺いしましたけれども、どこまてされているのかをもう少しお話をお伺いしたいと思いますが。
197 ◯稲富男女参画・県民協働課長=学校との連携ということですが、先ほどちょっとこれまでの
取り組みで御説明しましたように、高校生向けのDV未然防止教育事業とか、また中学生向けの暴力予防教育事業なんかを出前講座という形で生徒に行ったり、また場合によっては教職員、また保護者にも啓発を行っております。
そういった
取り組みもしておりますし、具体的に先ほど言いました、例えば、専門家派遣によってどうだろうかとかいう形で、できるだけ、まずはそういうDVの環境に置かれた子供をいかに早く発見するとともに、実際発見されたことについては、ふだんからのおつき合いの中で連携をとりながら、先ほどのDV対策会議とか、先ほど申しました保健福祉事務所とかも連携する市町連携会議とかを通じまして、それぞれの状況に応じた具体的な対応をしていきたいと考えているところでございます。
198 ◯宮原委員=最終目標は暴力のない社会を形成するということだろうかと思います。暴力を根絶することを目標として、これから取り組んでいただきたいと思っておりますし、きょうは幼児虐待についてもお話があっていたかと思います。
暴力のない社会づくりというものを目指すためにも、そして先ほどからは、やっぱり男性の方のほうが多く暴力をされるということでありました。男性もこの社会において思い悩み、それでエネルギーのはけ口がない中で暴力という形をとられているというようなこともあろうかと思いますし、またその暴力を使えない人は若干精神的なうつ状態になられるというようなこともあっているかと思います。
できるだけ社会の中で、日本にはカラオケという文化があります。大声を出しながら、そしてストレスを発散するというような文化も今根づいてまいっておりますし、そういった社会形成というものを、社会づくりというものをこれから考えていかなければならないのかなと。
このDVも社会の背景の一つかと思いますので、できるだけそういった暴力のない社会を皆さんと一緒に築いていかせていただきたいと私も思っておりますので、今後、県では暴力根絶のための
取り組みというものをお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
199 ◯稲富男女参画・県民協働課長=暴力のない社会をつくるということで、まさにおっしゃるとおりと思います。とにかく犯罪になる行為も含む重大な人権侵害でありますDVです。個人の尊厳を害し、男女平等の実現の妨げともなっているところと思っております。
このような状況を改善し、人権の擁護と男女平等の実現を図るためにも、配偶者からの暴力を防止し、DV被害者を早期に保護し、支援するための施策、これをやっぱり今後も充実させていくことが重要であると考えております。
特に、県のほうでは、先ほど委員のほうからも御紹介いただきましたけれども、総合計画の重点項目の一つとして上げておりますし、その成果の指標としまして、DV被害者支援基本計画を策定しております市町の数を、現状の九市町から全市町にしていきたいということを掲げております。
これはDVの防止や被害者の支援は、やっぱり国や地方公共団体の責務であります。この施策の推進に当たりましては、やはり市町や関係機関、民間団体との相互の連携、協働が必要不可欠でして、特に身近な行政機関である市町との連携が今後も重要になってくると考えているからでございます。
これからもこういった観点から、DV総合対策センターを中心に、市町や関係機関、団体との連携を強化しまして、各種
取り組みを一層進めていくことでDV未然防止教育などを推進するとともに、相談から保護、自立における一貫かつ継続した支援体制を整備しまして、DV被害者等の早期発見やよりきめ細やかな支援に努めてまいりたいと考えるところでございます。
以上でございます。
200 ◯宮原委員=それでは、ユニバーサルデザインの推進について、次の項目でお伺いをさせていただきたいと思います。
平成十年三月には佐賀県福祉のまちづくり条例を制定されまして、公共施設だけではなく、民間の施設も含めながら、多くの皆様方が利用できる建物のバリアフリー化やユニバーサルデザイン化が推進されているところでありますし、平成十八年三月には総合的に推進するための指針を策定されました。
また、全国で初の
取り組みでありますけれども、パーキングパーミット制度やみんなのトイレ制度なども推奨されているところであります。
平成二十二年十二月には、第五回ユニバーサルデザイン全国大会が嬉野市でも開催されました。
県民の皆様も十分にここには関心を持たれているところでもありますし、よりよい環境づくりというものに県のほうでも取り組んでおられることも私も確認をしているところであります。ただ、またよりよいものにしていかなければなりません。
そこで、少しお話をさせていただきたいと思っております。
まず、ユニバーサルデザインの
取り組みの現状を確認させていただきたいと思います。
福祉のまちづくり条例では、施設の構造について、どのような基準を設けておられるのかを確認させてください。
201 ◯源五郎丸地域福祉課長=施設の構造に係る基準についてお答えします。
福祉のまちづくり条例では、障害者、高齢者の方などが安全で円滑に利用できるようにするために、その施設の種別や規模に応じまして、例えば、施設の出入り口や廊下の幅を一定以上とるということ、例えば、通常、入り口については八十センチ以上、より望ましくは九十センチ、車いすが通りやすいような幅を確保するとか、そういう基準を設けております。それから、段差をなくすこと、勾配を一定以上超えないこと、それからエレベーターを設ける場合には車いすを利用する方とか視覚障害者の方に対応する形にしていただくこと、それから階段には手すりをつけたり、滑りにくくするといったふうな基準を設定しております。
それから、建物の種類によっては、例えば、ホテルとか旅館などの宿泊施設、これは一定以上の広さのものでございますけれども、客室についても車いすの方が円滑に利用できるような面積を確保するとか、そういう基準を設けております。
それから、体育館などのスポーツ施設とかでありますと、観覧席とか客席というところに車いすの方が利用できる部分を設けるというふうな基準を条例の中で設けております。
そして、こういった基準に適合する形に施設をしていただくために、新築とか増改築をされる際に建築確認申請を出される前に、事前の届け出を義務づけをしておりまして、それを出していただいて、整備基準に適合するように指導、助言を行っているというところでございます。
以上でございます。
202 ◯宮原委員=できるだけそういった施設がふえることは、大変よいことだと私も思っておりますけれども、同じ内容の施設でも、その整備がなされているところ、なされていないところがわかれば、なされているところを使いたい方は使われるかと思います。
そういった形で、案内表示というものも必要になってくるかと思います。その案内表示について、どのような形をとられているのか、お伺いさせていただきたいと思います。
203 ◯源五郎丸地域福祉課長=案内表示の基準についてお答えします。
案内表示についても、高齢者の方とか障害者の方とか、だれにでもわかりやすく利用しやすいものとすることが大事ですので、そのために、条例の中では案内板や表示板を設けるときに、高さや文字の大きさなどを障害のある方や高齢者に見やすく理解しやすいものにするということとか、視覚障害者の方に対して点字で表示するとか、あるいはできれば音声誘導装置を設けるとか、そういったこと、それから高齢にだんだん人がなってまいりますと視力が低下してまいりますし、色の識別というのもだんだん難しくなってまいりますので、色使いの組み合わせとか、あるいは明るさとか、そういったものにも配慮すると。例えば、トイレのマークでも黒い背景に青いマークがついていると非常に見にくいということですので、そういう色の組み合わせはしないようにというふうな指導を行っているというところでございます。
それから、必要に応じて、子供さんとか、あるいは外国人の方がよく来られるところは、そういう方にとっても見やすかったり理解しやすいという基準を設けているところであります。
こういった条例の基準とあわせまして、そういったサインのあり方ということにつきましては、建築住宅課のほうにも御協力をいただきまして、サインマニュアルといったものを作成しまして、実際に設計に携わっている建築関係の設計者の方とか施工者の方に浸透するように講習等を行っているというところでございます。
以上でございます。
204 ◯宮原委員=では、今、例にトイレを出していただきましたけれども、トイレも本当に日本では青、もしくは黒色で絵をかいてあるから男性と認識し、赤でかいているから女性と認識しておりますけれども、絵を見ただけでは、同じ色にすると、男性も女性も余りわからないような状況であります。できるだけそういったことも御理解いただいて、男性用、女性用というものがわかりやすい形をとっていただきたいと思いますし、この日本ではトイレも片仮名で「トイレ」と書く、それから「お手洗い」と書く、それから「TOILET」とアルファベットで書いてあるところもあります。さまざまな形もありますので、そういったところを確実にわかりやすいようにしていただきたい。
このユニバーサルデザイン化というものは、子供からお年寄りまでというものが理想でありますので、そういった
取り組みをできるだけしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
施設についてですけれども、どれだけの段階を踏まれているかというようなものもあろうかと思います。先ほど階段に手すりをつける、それだけをしただけでは、ユニバーサルデザイン化と言っていいのかというような考えを私は持っています。
ユニバーサルデザイン化の中でも、第一段階のグレードのところ、それから第二段階のところ、そして十評価まで行けるようなところもあります。点数づけをされながらグレード化を図っていただいて、この施設はこのぐらいのグレードでありますよというようなやり方も私は若干必要なのかなと思っておりますので、そういった施設の基準について、県の中でお持ちであれば確認をさせてください。
205 ◯源五郎丸地域福祉課長=委員御指摘のとおり、施設の整備レベルといったものもあると思います。先ほど来説明しております本県の福祉のまちづくり条例の中でも、条例上の必ず守っていただきたい整備基準というのをまず定めまして、その上で、より望ましいユニバーサルデザインにより近い基準というものを別途もう一つ定めておりまして、できましたらユニバーサルデザインのより行き届いたほうの基準に従っていただきたいという指導を行っているところであります。
例えば、先ほど申しましたように、入り口の幅が条例上、できれば八十センチ、ユニバーサルデザイン的にはもう少し九十センチ、廊下であれば通常百二十センチ、ユニバーサルデザイン的には百八十センチ。百八十センチあれば、車いすがすれ違うことができるというふうなこともございますので、そういうふうに基準も二段階設けております。ただ、現実的にはなかなかユニバーサルデザインの基準までクリアした施設というのは、そんなにたくさんはまだございませんけれども、そういったことを今後も推進していきたいというふうに思っております。
以上です。
206 ◯宮原委員=当然その施設、施設も、先ほども言っておりましたけれども、利用されたい方々もいらっしゃるわけであります。まちなかでもそういった施設がありますよというようなことも表示していただければ幸いに思うところでありますけれども、そういったことを取り組まれているのなら、お伺いをさせていただきたいと思います。
207 ◯源五郎丸地域福祉課長=まちなかの、いわゆる施設と施設の間の道路とか歩道とか、そういったところの何か基準ということについてお答えを申し上げます。
福祉のまちづくり条例の中で規定しております部分としては、公園とか、あるいは公共交通機関などの施設の表示について、先ほど案内表示について、一般的に申しましたような高さとか文字の大きさとか、そういったものを障害者とか高齢者の方に見やすく理解しやすいものにするとか、点字表示を行うとか、そういった基準がございます。
それ以外の、いわゆる道路に設置されているものとしては、道路標識といったものの道路の案内標識とか規制の標識とかございますけれども、これらについては、条例ではなくて、道路法とか、あるいは道路の関係省令で規定をされているというところでございます。
以上です。
208 ◯宮原委員=先ほどからお話をさせていただいているように、やはり皆さんが使いやすい形をとっていただくというものが目標かと思います。佐賀基準をつくって、それが全国基準になるということが私は佐賀県の
取り組みとしてあっていいのではないかなと思っております。そういった観点をお持ちであれば、そういった方向性を見出していただきたいと思います。そのお考えがあれば、そういった点についてお伺いをさせていただきたいと思います。
209 ◯源五郎丸地域福祉課長=案内表示のデザインの統一といったことについてお答えをいたします。
先ほど案内表示の条例の規定について御説明しましたとおり、案内表示については、高さとか大きさとか色使いが見やすいことと、それから障害のある方への配慮がなされているかというふうな基準を設けておりますけれども、具体的にどのような記号とかデザインを用いなさいということについては、必ずしも規定をしておりません。
そういうことですので、委員御指摘のとおり、トイレの案内表示のデザインについても、必ずしも条例適合施設でも完全にすべての施設が同じというわけではございません。
そういう中で、それを何かしら統一すべきではないかという御意見だと思いますけれども、例えば、国際的に認知をされているシンボルマークといったものも、皆さんよく御存じだと思いますが、車いすのマークは障害者が利用できる施設や設備を示す国際シンボルマークでございます。それから、白いつえを持った人のマークというのもございまして、それは視覚障害者に配慮した設備であることを示すマーク、それから聴覚障害者の方のための設備であることを示す耳のマークといった国際的に認知されているマークが幾つかございます。
それから、国内の規格としては、日本工業規格のJIS規格として、トイレもその中に入っているんですけれども、公共施設とか文化、スポーツ施設とか、そういった施設をあらわすとか、あるいは安全とか禁止事項をあらわすものなど、百種類ほどJIS規格として規定されているものがございます。
そういったものがございますけれども、それ以外のそういった規格が存在しない分野については、民間の事業者とか、あるいは自治体が独自に考案したりしているというのが実情だというふうに認識をしております。
このような中で、県としてはJIS規格が定まっていたり、あるいは国際的に認知されているマークがあるものについては、できるだけそれを使ってくださいというふうなことで条例の指導の中でも指導をしてきておりますので、今後とも、建築士の方が集まられる会議、講習会などの機会をとらえて、そういった設計される方とか施工される方に、そういった点については理解を深めていきたいというふうに思っております。
それから、そういった規格が全くない分野については、委員から最初のほうで御紹介いただきましたように、パーキングパーミット制度というのは佐賀県が創設して、今、二十五府県に広がっていて、それは佐賀県が使用している利用車証のデザインがほぼ同じ形でほかの自治体でも使用をしていただいているという実例がございます。
それからもう一つ、これは余りまだ広がっているというわけではありませんけれども、一昨年のユニバーサルデザイン全国大会のときに、温泉ピクトグラムというのを発表しております。これは外国人の方にもわかりやすい温泉の入り方といったものを絵文字とか、日、英、韓国、中国と四カ国表示などによって表示したものをつくって発表いたしました。
こういった実績もございますので、今後とも、このような佐賀県から発信して全国に広げていくといった
取り組みについて検討して、積極的に行ってまいりたいというふうに思っております。
以上です。
210 ◯宮原委員=先ほどはJIS規格があるものは、JIS規格をなるべく使うようにと言われておりました。私もJIS規格のものを見ましたけれども、なかなかわかりにくいものも多うございます。ですから、先ほどから言っているとおり、JIS規格があろうとも、佐賀県独自のものをデザイン化していただいて、そこからJIS規格を変えるほどの実力をつけていただくようなマーク等も検討していただきたいと思っておりますので、また今後はこのことについても充実を図っていただくことをよろしくお願いしたいと思います。
それでは、介護保険についてお伺いをさせていただきたいと思います。
私は日ごろからの介護については、まずは家族で見ることが第一ではないだろうかというようなことも言っておりまして、ましてや私は社会を形成する中で、一番小さな社会は家族であると。家族が成り立たないところに社会は成り立たないというようなこともお話をさせていただいているかと思います。
介護は本当に戦前、戦中、戦後と、それこそ動乱の時期を生活してこられた皆さん方が高度成長期を支えていただきまして、今の社会を築いていただいております。その方たちには私たちも敬意を表しながら、介護という形で私たちの感謝の意をあらわさなければならないというようなことも十分わかっておりますけれども、介護のありようについては、さまざまなこともあろうかと思いますので、そういったところをきょう議論させていただきたいと思います。
今度新しく高齢者が地域で自立した生活を営めるよう、医療、介護、予防、住まい、そして生活支援サービスが切れ目なく提供される地域包括ケアシステムの実現に向けた
取り組みを進めると国のほうではされているわけであります。平成二十四年度からは介護保険制度の見直しがされ、介護保険法が一部改正されるようになっております。
そこで、質問をさせていただきたいと思っておりますけれども、二十四年度から改定される介護保険報酬においても、在宅介護を重視した見直しとなって、新しく取り入れられるのは二十四時間対応するというようなことで、定期巡回や随時対応型訪問介護看護というような新サービスも始まるようにお伺いをしているところであります。
そこで、その
取り組みが本当に実現可能なのかということを確認させていただきたいと思っておりますけれども、今回の介護保険法の法改正の概要について、まずはお伺いをさせていただきたいと思います。
211 ◯山田長寿社会課長=法改正の概要についてお答えいたします。
昨年の六月に介護保険法等の一部が改正されました。この改正の趣旨といたしまして、先ほど委員のほうからも紹介ありましたように、高齢者が地域で自立した生活を営めるよう、医療、介護、予防、住まい、そして生活支援サービスが切れ目なく連携して提供される地域包括ケアシステムということの実現に向けた
取り組みを進めるということとされております。
改正の具体的な内容としましては、医療と介護の連携強化のために、ひとり暮らしの方や重い要介護者に対応できるように、医療的なケアを取り入れた新たな介護サービスが創設されたことや、介護する人の確保と、それからサービスの質の向上としまして、介護福祉士、一定の教育を受けた介護職員等によるたんの吸引等の実施が可能になったことを初めまして、高齢者の住まいの整備とか、認知症対策の推進などの規定が設けられたところでございます。
これらの
取り組みを実施することによりまして、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らしを続けることができる社会を目指すこととしまして、改正が進められたと思っております。
以上でございます。
212 ◯宮原委員=新しく新サービスが始まるということも先ほど言いました。定期巡回・随時対応型訪問介護看護についてお伺いをさせていただきたいと思いますが、どのようなものか、具体的にお話をしていただきたいと思います。
213 ◯山田長寿社会課長=新サービスの種類についてお答えいたします。
今回の法改正によりまして、二種類の新たな介護サービスが創設されております。
一つは、通い、泊まり、訪問介護、こういうのを小規模多機能型居宅介護と申しますけれども、そういう介護に加えまして、訪問看護が組み合わされた複合型のサービスでございます。二つ目は、二十四時間対応いたします定期巡回・随時対応型訪問介護看護であります。
この二つは、いずれも医療的ケアを取り入れた介護サービスでありまして、介護保険者が主体となって推進する地域密着型のサービスとなっております。
以上でございます。
214 ◯宮原委員=今、訪問介護、それから看護ということでありましたけれども、実際おひとりでお住まいのところに、かぎが閉まっているかもしれません。そんなことが実際可能なのかなというような思いがしております。
何のかんの言ったって、他人の家に勝手に上がるわけにはいかないような気もしているわけでありますけれども、この新サービスの必要性について、どのように思われているのかを確認させてください。
215 ◯山田長寿社会課長=必要性ということについてお答えさせていただきます。
これから進むであろう急速な高齢化の進行に伴いまして、医療ニーズの高いひとり暮らし、それから重い要介護者は増加していく傾向にあります。こういう高齢者が住みなれた地域で安心して暮らしていくためには、医療ニーズに対応した在宅の介護サービス、そういうものであります新サービスというものの充実は必要であると認識をしております。
以上でございます。
216 ◯宮原委員=新しくこのサービスに取り組まれる事業所等もできるかもしれません。その事業所等については、県のほうからもある一定の指導というものは必ずなされるかと思いますけれども、先ほど言いましたとおり、老人の方々だけでお住まいのところに、どうにか言うと“侵入”するわけでありますので、その“侵入”のあり方というところにもいろいろとお考えを持って、よりよいサービスになるように進めていただきたいと思っておりますので、その点、どうぞよろしくお願いいたします。
その事業所がこれからできてくるわけでありますけれども、その事業所が本当に出てくるのか、その見通しについてお伺いをさせてください。
217 ◯山田長寿社会課長=新サービスの見通しということについてお答えいたします。
この新サービスは、先ほど申しましたように、介護保険者が主体となって推進する地域密着型のサービスでございますが、現場のニーズをよく把握しております介護保険者が現在策定しております介護保険事業計画において、サービス見込みが計上されております。さらに、
取り組みについて、前向きに検討している事業所もあると聞いております。
また、新サービスに取り組む事業所にとっては、開設準備のための経費が大きな負担となるため、県としましては、新年度から事業所の開設準備のための助成制度を設けることで、開設が促進されるように支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。
218 ◯宮原委員=済みません、その助成の仕方についてもお考えであれば、そのことをお伺いしたいと思いますが。
219 ◯山田長寿社会課長=新サービスの開設促進事業といたしまして、私どもとしては、先ほど申しました複合型サービスに開設準備金として約五百四十万円、それから訪問介護としまして百万円、合わせて六百四十万円ぐらいの支援ができればなと思っておりますし、それから、二十四時間の定期巡回・随時対応型サービスにつきましても、現在のところ三百万円ぐらいの助成を予算計上という形で予定しております。
220 ◯宮原委員=県では、第五期ゴールドプランの策定に当たられておりますけれども、どのようなことがその中で重要と認識されているのかを確認させてください。
221 ◯山田長寿社会課長=第五期ゴールドプランの策定について、私たちの考えていることをお答えいたします。
佐賀県がこれから目指す社会としまして、元気な高齢者の方が活躍し、いつまでも健康で、住みなれた地域でみんなが助け合って生活するという、いわゆる自助──自分で守る、そして互助──家族を含め近くの方で守っていこうという考え方が行き渡った社会をつくっていこうと考えております。
このような社会を念頭に置きまして、これから三年間の第五期ゴールドプランを策定していくに当たりましては、本県の高齢者数がピークを迎えると言われております平成三十七年を見据えながら、介護保険制度における給付と、それから負担のバランスを考えながら、高齢者の支援体制を充実させていくことが重要だと考えております。
以上でございます。
222 ◯宮原委員=まず、ゴールドプランを早く策定していただきまして、そして介護の施策として、スピーディーに取り組んでいただきたいと思います。
介護の施策として、根本的にどのようにお考えなのかをお伺いさせていただきたいと思います。
223 ◯山田長寿社会課長=これからの介護施策につきましてお答えさせていただきます。
まず、高齢者がいつまでも元気で生活するために、まず介護予防を充実させていきたいと考えております。これにつきましては、元気な高齢者のボランティア活動を推進するとともに、要介護になる原因の一つであります年をとることで起こります骨、関節、筋肉の衰え、こういうものを予防いたしますロコモティブシンドローム予防というところの
取り組みを市町とともに進めていきたいと考えております。
二つ目としまして、在宅生活サポートシステムを構築することとしております。これは介護サービスや医療サービスだけではなく、地域での見守り、生活支援、住まいの保障、そういうさまざまな支援が切れ目なく提供される体制づくりです。
本県では、対象者を高齢者に限らず、すべての人が暮らしやすい社会をつくること、いわゆるユニバーサルデザイン、先ほどもお話がありましたけれども、その視点を踏まえた支援体制の構築に取り組むことにしております。
特に、今後増加が見込まれます認知症高齢者への支援につきましては、認知症サポーターの養成をすることによりまして、地域での見守り体制を強化していくとともに、今年度指定しました認知症疾患医療センターを中心としたネットワークづくりを進めてまいりまして、この認知症の早期発見、早期治療に結びつけていきたいと考えております。
そして最後に、三つ目としまして、地域で必要とされている新たなサービスを提供します。これは介護が必要となっても、住みなれた地域で生活を続けるために、先ほど紹介しました新たなサービスを普及させるために支援策を講じます。それとともに、緊急に入所が必要とされる重度の要介護者のために、これには特別養護老人ホームに併設されておりますショートステイのベッド、これを入所用に活用という形で進めてまいります。
いずれにしましても、県としましては、これらの
取り組みを重点的に実施するスタートの年として第五期プランを位置づけております。多くの元気な高齢者が地域で活躍し、高齢者数のピーク時においても必要なサービスが適切に提供できるような環境を整備してまいりたいと考えております。
以上でございます。
224 ◯宮原委員=きょうは三つの部署の皆様方に質問させていただきました。きょう一番最初に言いました。本当に私たちの未来といいましょうか、文化、そしてそのために生きていかなければならない命、そしてその暮らしというもので私たちがよりよいものを目指していかなければならないなという思いであることには変わりないわけであります。
この三部署の皆様方には、私たち県民の生活というものを十分にこれからも考えていただきまして、よりよい佐賀県づくりのために御尽力賜りますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
委員長、ありがとうございました。
225
◯石倉委員長=これで質疑を終結いたします。
暫時休憩いたします。
午後二時四十三分 休憩
午後二時四十五分 開議
226
◯石倉委員長=委員会を再開します。
○ 討 論
227
◯石倉委員長=まず、議案についての討論に入ります。
本委員会に付託されました第一号議案中、本委員会関係分について討論の通告があっておりますので、発言を許可いたします。
228 ◯宮崎委員=私は、本委員会に付託になっております平成二十四年度佐賀県一般会計予算中、本委員会の関係分の中から一点だけ申し上げて討論をしていきたいというふうに思っております。
この一点というのは、健康福祉本部の所管で、九州国際重粒子線がん治療センター診断装置等整備費助成の補助の問題であります。
この重粒子線がん治療センターにつきましては、御承知のように、佐賀県は平成二十二年、二十三年、二十四年の三カ年にまたがる債務負担行為を二十億円いたして今日に至っております。重粒子線がん治療センター建設につきましては、当初事業計画としまして百五十億円で建設をする。その内訳として二十億円を佐賀県が助成をすると。残りの百三十億円については、九州電力、あるいは久光製薬、あるいは九州電工を中心とした民間から寄附を募り建設をするという説明が我々になされておりました。
それから、粒子線の施設についても当初は陽子線をつくるという説明でありましたが、その後、炭素線に切りかわったという経緯もございます。
そういう中で、今、平成二十五年四月をオープンとして準備は進められておりますが、では、当初計画されておったような資金が調達ができておるのか、この辺を私はきのうの委員会での質問で明らかにしてきたところであります。
この中身を見ていますと、今医療法人やあるいは県が計画をしておるのは、膨大な公的資金の投入が計画をされようとしております。その内訳を見ますと、まず冒頭に申し上げましたように、県の助成が二十億円、そして、さらにこの平成二十四年度の当初予算の中に八億三千万円が追加助成されようとしております。この八億三千万円の財源は、国から参りました地域医療再生基金を取り崩してこれに回そうという計画であると指摘をしております。確かに我々は国の助成をもらうべきだという主張を議会の中で繰り返ししてまいりました。私たちが主張してきたのはあくまでも国の補助金であります。そういうものを主張してきたところ、古川知事は、議会が国から助成をしてもらえという意見があったので、地域医療再生基金を取り崩して八億三千万円充てるんだというふうに、非常に姑息な手でそういう資金の導入を図られておるわけであります。
そして、もう一点は、驚くなかれ、資金の調整がつかないために福岡県に泣きついて五億九千万円助成をしていただく。これも福岡県の当初予算に計上されておるというふうに聞き及んでおります。
そして、さらにつけ加えますと、鳥栖市に建設中のあの粒子線の施設の固定資産税の免除につきまして、当初は三年間、さらに二年間延長し五年間という話が進めておられたにもかかわらず、今日に至っては二十年間、金額にして十四億円の固定資産税の免除を願い出ているというふうな状況が浮き彫りになってまいりました。二十億円の県の助成、さらに八・三億円の助成、福岡県の五億九千万円の助成、さらに鳥栖市の固定資産税の免除の十四億円、これを加えますと総額で四十八億二千万円に上る代物であります。総事業費が百五十億円という中で約三分の一の金が公的資金を投入する。これは医療法人でありますけれども、民間の運営であります。そういう民間の運営に公的資金を三分の一、いわゆる四十八億二千万円も投入するようなことが果たしていいのかどうか、非常に大きな問題を残すところになっております。
このような公的資金をなぜ投入しなければならなかったかというのは、私は当初計画の甘さ、ずさんさ、その一言に尽きると思います。なぜならば、これは私の推測でございますが、当初の計画では、九州電力から四十億円、久光製薬から約八億円、そして九州電工から三億円ないし五億円という寄附の計画があったからに聞き及んでおるわけです。この三つで約五十数億円の資金寄附を募るという計画にあったにもかかわらず、今実行されておるのは久光製薬の八億円、それから九州電工の一千五百万円。計画の中に一番主力であった九州電力は、平成二十三年度、今年度から約十カ年間にわたって三十九億七千万円の寄附をするという計画がなされておりますが、この計画の当初の本年度、三億九千七百万円本来ならば寄附をされるはずでありますが、それがいまだに流れておらないし、今年度はあと二十日足らずの日数になってまいりました。恐らく九電からの寄附は入らないだろうと。来年もどうなるのかなという見通しが立っておらない。それから、他の企業からの寄附についても当初計画したとおりに至っておらない。そこで公的資金を投入せざるを得ないということになってきたわけであります。
何で今ここで四十数億円、四十八億円に上る公的資金を投入しなくてはならないのか、佐賀県の財政事情も、福岡県の財政事情も、国も地方も財政は火の車であります。来年度の国家予算においては、税収よりも赤字国債が四十四兆円発行しなくちゃならないように非常に厳しい状態であります。このことについては、私は古川県政の一大汚点につながるものだと言わざるを得ないわけであります。
そういう観点におきましても、今委員会に付託になっております平成二十四年度一般会計当初予算中、鳥栖市に建設中の重粒子線がん治療センター医療施設補助金八億三千二百六十二万円については反対をし、討論といたします。
以上であります。
229
◯石倉委員長=以上で通告による討論は終わりました。ほかに討論はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
ないようですので、これで討論を終結し、直ちに採決に入ります。
○ 採 決
230
◯石倉委員長=まず、甲第一号議案「平成二十四年度佐賀県一般会計予算」中本委員会関係分を採決いたします。
原案に賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
231
◯石倉委員長=賛成者多数と認めます。よって、以上一件の議案は原案のとおり可決されました。
次に、甲第三号議案、甲第十三号議案、甲第十五号議案、甲第十七号議案中本委員会関係分、甲第十九号議案、甲第二十九号議案、甲第三十一号議案、乙第八号議案から乙第二十三号議案まで十六件、乙第三十号議案及び乙第三十五号議案から乙第三十八号議案まで四件、以上二十八件の議案を一括して採決いたします。
原案に賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
232
◯石倉委員長=全員起立と認めます。よって、以上二十八件の議案は原案のとおり可決されました。
○ 継 続 審 査
233
◯石倉委員長=最後に、十一月定例会から引き続き審議中の
一、くらし環境行政について
一、健康福祉行政について
一、教育の振興について
以上三件につきましては、諸般の検討が必要ですので、閉会中の継続審査といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
234
◯石倉委員長=異議なしと認めます。よって、以上三件についての継続審査を議長に申し出ることといたします。
以上で、本委員会に付託された案件の全部を議了いたしました。
これをもちまして
文教厚生常任委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでございました。
午後二時五十八分 閉会
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