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平成23年原子力安全対策等特別委員会 本文 開催日:2011年07月01日
平成23年原子力安全対策等特別委員会 名簿 開催日:2011年07月01日

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  1. 佐賀県議会 2011-07-01
    平成23年原子力安全対策等特別委員会 本文 開催日:2011年07月01日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時一分 開会 ◯木原委員長=開会に先立ちまして、記者の方、傍聴人の方にお願いがございます。本日の委員会中は円滑な審議のため、お静かにお願いをいたします。また、委員会室内は職員の指示に従われますようお願いいたします。  それでは、ただいまから原子力安全対策等特別委員会を開催いたします。     ○ 会議録署名者指名 2 ◯木原委員長=まず、会議録署名者としまして、八谷克幸君、米倉幸久君、徳光清孝君、伊藤豊君、以上の四人を指名いたします。  原子力安全防災対策エネルギー対策に関する諸問題の調査に関する件を議題といたします。  これより質疑に入ります。  それでは、最初の質問者であります宮崎泰茂委員は質問席へお願いします。     〔宮崎委員質問席着席〕 3 ◯木原委員長=それでは、通告に従いまして、順次発言を許可します。 4 ◯宮崎委員=皆さんおはようございます。市民リベラルの会の宮崎でございます。  ひとつ古川知事、きょうは質問時間もある程度制限されておりますので、答弁につきましては的確な答弁をしていただきたいということをまずもって要請しておきたいと思います。  それでは、通告に従いまして、順次質問をしてまいりたいというふうに思っております。  まず一番目に、福島第一原発が三月十一日の午後二時四十六分に事故を起こしました。この事故はどういう形で起きたのか、そのことについて佐賀県としてはどのように認識を持っていらっしゃるのか、まずお聞きしておきたいというふうに思っております。 5 ◯古川知事=今回の福島第一原子力発電所における事故は、マグニチュード九という大変大きな地震により起こった津波によって電源が長い時間遮断され、今回のような大きな事故になったものと認識をしております。 6 ◯宮崎委員=それは原発事故が自然災害であったのか、人災であったのか、どのようにあなた方は判断をされていますか。 7 ◯古川知事=これは天災によるところが非常に大きいということは否めないと思いますが、一方で、それは全く人災の要素がなかったかと言えるかというと、そこはそうとも言えない。今回、原子力賠償法のスキームを使う形で賠償のことが取りまとめられつつありますけれども、もともと原子力賠償法では、想定しがたい天変地異の場合には電力事業者はその任を負わないと書いてございますけれども、今回はその規定を適用しないようでございます。こうしたところからすると、全くの天変地異というふうには政府は理解しておらないというふうに私は感じております。 8 ◯宮崎委員=今、知事が答弁されましたように、大方は自然災害が原因だろうと。しかし、それが一〇〇%じゃないと。幾らか、やっぱり人災の域にもなっている。じゃあ、その幾らかの人災の域というのは、あなたはどういう認識でもってそういう判断をされていますか。 9 ◯古川知事=これはまだまだ解明をまたなければならない部分もあろうかと思いますが、例えば一つの問題として、この原子力発電所をつくっていく際にどこまで対応してよかったのかという基準が十分であったのかという問題、また、今回の事故に対して具体的に東京電力の職員、あるいは関係者がとった措置そのものがすべて妥当なものであったかというふうなところについて、いわばヒューマンエラーというものがかかわる可能性というのは否めないと思っております。 10 ◯宮崎委員=今、古川知事が答弁されたように、福島原発の第一号機は昭和四二年の九月に設計認可がなされているんですね。その問題については次の質問で触れてまいりたいと思うんですけれども、私は全く原発に対しては素人なんですね。設計等、そういう科学的な見地からすると素人です。
     ただ、私も三月十一日の事故以来今日まで、それ以前もそうですけれども、私も十キロ圏内近くに住んでおりますので、いろんな資料とか、雑誌の記事とか見てみたんです。今回も私は、だれがどのような見地からどういう意見で福島原発の事故に対する見方をやっているかということを随分あっちこっち探しました。  その中に一つ出てきたのが、月刊誌七月号にロバート・ゲラーという、これは東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻教授の方ですが、この人の論文がここに掲載されていますね。この論文を読んでみますと、こういうことが書いてある。  三・一一にマグニチュード九クラスの地震が発生し、十メートル以上の高さの津波が東北日本の沿岸を襲った。この事象が想定外かどうかの評価に対しては、特定の人物の主観的思考ではなく、事象が起きた時点での学会の知識を把握した上で判断すべきだという前段が書かれておるわけですね。  そして、その後段には、一九七〇年から今日に至るまで、地震学及び地球科学の関連分野には目覚ましい進展が見られる。これらの研究成果を的確に反映したならば、東電及び政府は事態を必ず想定できたはずだが、残念ながら、東電と政府はこれまでの四十年間にもわたって想定のチャンスを見逃してきたという指摘をされているんですね。  私はなぜそういうことを言うかというと、福島原発の第一号機が建築されて四十年間、この間たっています。その間に、いわゆるマグニチュード九以上の地震が世界的に南米のチリ地震、それからカムチャツカ地震、それからアラスカ地震、この三つで発生しているわけですね。このロバート・ゲラーという人が、そのところを指摘しているんです。  この三つは遠い他国の出来事であるけれども、昔から日本の太平洋側沿岸には三陸沖地震の問題、あるいは東海地震の問題、あるいは南海地震の問題という問題がいろんな科学者、あるいは地震学者から指摘をされている。そのことを、この三つのマグニチュード九以上の地震があった時点から福島原発、あるいは浜岡原発について関係電力業者、あるいは政府がきちっと精査をしておれば、未然にこういう被害を防ぐことができただろうという指摘をされている。そのことについて、私はあっと思ったんです。  ところが、電力業者も政府もそういうことはなされておらない。そういう指摘ですけれども、知事の見解はどうでしょうか。 11 ◯古川知事=世界の中でマグニチュード九を超える大きな地震があったということは、無論、政府の当局者も把握をしていたところであると思いますが、それを具体的に我が国の耐震審査指針などにどう反映させるかということについては、その政府の中で議論がなされていたということであろうかと思います。  政府は、例えば中越沖地震、我が国で発生したさまざまな地震、そして、三陸のほうでも幾つか地震も発生しておりますので、こうした地震が発生する都度、耐震の審査基準などを見直して、過去に比べれば随分厳しい耐震性を持つものになりつつあると私は認識をしております。  それが今回のこうして起きたという事実からすれば、現実に起きたということ、そして、審査の中にそういったものを盛り込むべきだということが盛り込まれていなかったということを考えると、今までのやり方で十分だったということではなかったのであろうと思っております。  ただ、例えばチリの地震、そのほかカムチャツカの地震などを具体的にどう反映させたのか、あるいは反映をさせていないかということについては、私がそこまでは詳しく存じ上げておりませんけれども、起きたという事実の一点からすれば、十分ではなかったのではないかという御指摘も私としても理解できるところでございます。 12 ◯宮崎委員=私も、今知事がおっしゃったような形で認識を新たにしたわけですね。だから、世界的に四十年前から今日に至って大きな地震が三つも起きておるということについては、その三陸沖、あるいは東海沖、あるいは南海沖にはそういう大きい地震が起こるだろうという想定はできておったわけですね。今までも地震学者とか科学者から指摘をされてきとった。  ところが、それは指摘だけに終わって、電力会社も、いわゆる国も政府もそういうものを見直そうという姿勢がなかった。そういうところに今回マグニチュード九、津波の高さが十五メートル以上の津波が押し寄せて、ああいう事故を起こした。これは非常に私は電力会社、政府の落ち度の大きな責任だという認識を持っております。  なぜ私はそう断定するかというと、班目原子力安全委員長がこういう発言をされているでしょう。これは六月十二日の新聞報道です。今回はっきり言って安全指針に穴があいていることがわかってしまった。安全設計審査指針は明らかに間違っている。だから、安全設計、あるいは耐震設計審査指針、それから安全対策指針防災対策指針等々を見直しをしていくという、し直さなければならないということを班目原子力安全委員長が認めた結果がこれでしょう。私は、そのことをまず皆さん方に指摘をしておきたいと思うんです。あなたもそういう認識でいいですか、古川知事。 13 ◯古川知事=班目委員長のそのときの御発言を、恐らく委員から御指摘があったのは、六月二十日における班目委員長の記者ブリーフィングではなかろうかと思っておりますが、その中で──失礼しました。全く間違っていたという話はもうちょっと前にされたのではないかというふうに思っております。そういう発言があったことは、まず承知をしております。  その後、班目委員長は何度かこの安全審査、あるいは緊急安全対策などについて御発言をされております。そういったところを総合的に私なりに見てみると、班目委員長は、今回こうした大きな事故があったということ、この事実からすると、まさに今までの安全対策というのは大きな穴があいていたことがはっきりしてしまったわけですねと、この言葉に代表されるのかなとも思っております。  ただ、そうはおっしゃりながらも、例えば、この間行われている緊急安全対策を初めとした、さまざま改善の方向に向かっている安全対策については、御評価をされているとも認識をしているところでございます。 14 ◯宮崎委員=確かに今はそういうふうにされていますよね。しかし、私が一番問題にしたいのは、昭和四十九年の九月に福島第一原発が認可をされてから三月十一日の十四時四十六分の事故を起こすまでのこの間、四十年間になぜそのことが確認されて、改善がなされなかったのか、そこに一つの問題があるんじゃないかということを私はきちっと精査をして、指摘をして、そして、その上に立ってこれからどうするかという論議をしていかなければ、そのことをそのままにしておいて、これからどうするかという話にはならんと思うんですね。私はそういう観点に立って論議をしていきたいと思うんですよ。いかがでしょうか。 15 ◯古川知事=班目委員長もこれからの審査指針類などのあり方として、これをしっかり見直していかなければならないということを繰り返しおっしゃっておられます。そして、それは見直していかなければならないとおっしゃっているということは、見直さなければならない事情が発生しているからであると私も認識をしております。  時間はしばらくかかるとおっしゃっておられますけれども、これだけの大きな被害をもたらした災害の教訓をしっかり審査指針などに生かしていただきたいと私も考えます。 16 ◯宮崎委員=今、答弁なされたことは、今後の対応としてそういうものをしっかりやっていただかなければいけないということですよ。  知事、これはあなたも見られたでしょう。わかりますか、皆さん。(資料を示す)これが福島第一原発一号機の爆発のときの写真ですよ。これが三号機。これを見てあなた方はどう思いますか。ひとつ感想を聞かせてください。 17 ◯古川知事=もう大変なことになったと率直に思いました。 18 ◯宮崎委員=こういう事故を起こさせちゃいかんというのが我々の今までの論議の過程であり、また、これからの意見のやりとりでしょう。だから、そのことを古川知事、あなたはきちっと認識を持って対応していただきたいと思うんですよ。  仮にこういう形が玄海原発で起きたらどうしますか。起きないとも限らないわけですよ。この前の二十七日の月曜日の文教厚生常任委員会の私の質疑に対して、いや大丈夫だ、大丈夫だとは言いませんけれども、何か軽々しい形で皆さん方は受けとめて、きちっとやりますよというぐらいの認識しか、私には伝わってこなかった。ねえ、古谷本部長、そうだろう。もう少し厳しくあなた方は認識を新たにせにゃいかんということですよ。  そういう形で二番目に入っていきますが、いわゆる安全設計審査指針耐震設計審査指針安全対策指針防災対策指針等の見直しについてであります。  私は先ほど班目原子力安全委員長が、今回ははっきり言って安全設計審査指針耐震設計審査指針等に穴があいていることがわかったと。だから、安全設計審査指針等は明らかに間違っていると改めて反省し、謝罪をされたものであるというふうに私は認識をいたしておりますが、再度、古川知事、あなたの見解はどのように受けとめられておりますか。 19 ◯古川知事=班目委員長がおっしゃっていることの趣旨は、先ほどとの繰り返しになる部分もございますが、これまでの安全設計審査指針などが十分ではなかったということの事実を率直にお認めになり、そのことが今回の大きな被害をもたらしたことの一因になっているということもお認めになった上で、こうしたことが起きないようにしっかりとしていかなければならないという決意を述べられたものと理解をしております。 20 ◯宮崎委員=知事の答弁はそうですけれども、二十七日の文厚での古谷本部長や今村原子力安全対策課長はこう言っているんですよ。  安全設計審査指針の中身すべてが間違っていたということではないと、こう断言されているんですよ。──と認識を持っておりますと。長期間にわたって全交流電源喪失は考慮する必要がないとした指針のその部分が間違っておったから見直しをするというような内容の答弁になっておるんですよ。それだけじゃないでしょう。  電源喪失の事故の部分も全体の中の見直しの一部分であって、私はやっぱり昭和四十二年の九月の福島第一原発の設計の認可をしたときに、このときの耐震設計はどのくらいだったか御存じですか。  福島第一原子力発電所マグニチュード六・九、あるいは七・五、それから七・八の地震を考慮した設計になってきているんですね。それから、津波の状況はというと、これは五・四メートルから五・五メートルの想定で設計されておったわけでしょう。そのことが間違いであったという認識をして反省し、謝罪をされたわけでしょう。だから、そこのところをきちっと見直しをするということが班目委員長の発言じゃないんですか。どうですか。 21 ◯古川知事=班目委員長は、特にこのことだけを見直す、あるいはどこは見直さないといったことを明確にはされていないと考えております。本部長や担当課長が申し上げましたことは、少なくとも全交流電源喪失、これが長期にわたるということを考慮しなくてよいとされた部分については、間違いなくここは直すべきところだというところでございます。  そのほか、ほかに何かないのかということについても、もちろん今回のさまざまな事象を踏まえて新たな知見が得られれば、それを反映させていくということを班目委員長はおっしゃっているものと私は理解をしております。 22 ◯宮崎委員=いや、班目委員長が言っていることは、今知事がおっしゃったように私も認識しているんですよ。だから言っているんですよ。しかし、古谷本部長や原子力安全対策課長はそうじゃないというふうに言っているんですよ。これは二十七日の文教厚生常任委員会での発言ですよ。  あなた方はどういうふうに言っているか知りませんが、文教厚生常任委員会の私の質問に対する速記録を取り寄せて、全部私は精査したんですよ。その中から抜粋して今のようなことを言っているんですよ。見てください、ずっと私はそうしていますよ。もう少しその辺はきちっとしてくださいよ。そういうことをきちっとしないから、一つも論議がかみ合っていかない。ねえ知事、そうでしょう。  もう一回、そんならこれをきちっと精査してください。読んでくださいよ。私が言ったことについて、間違ったことをきょう言っちゃいかんということで全部精査しました。そして、その中で私はピックアップして、時間の関係でピックアップして、今のような発言をしているんですよ。いかがですか。 23 ◯古川知事=もちろん私も先日の文教厚生常任委員会の内容については当日も報告を受けておりますし、本日この委員会に臨むに当たりまして、この議事録も読ませていただいております。その中で、今委員から御指摘のあったところ、今、事務局のほうから四ページのところのことではないかというお話でございますが、本当にそこなの。(発言する者あり) 24 ◯木原委員長=いいですか。(「委員長、答弁を続けていいですか」と呼ぶ者あり) 25 ◯古川知事=答弁を続けます。失礼しました。三ページの今村課長の当時の答弁というところだと認識をしております。  原子力安全委員会では、これまで安全設計審査指針の中で長期間にわたる全交流電源喪失は考慮する必要はないという部分については、確かに見直しの必要があるということでございますけれども、これにつきましては、現行指針類の総点検ということで、今見直しの検討が開始されたというふうに認識をしておりますというふうに述べた後、さらに加えまして、中身がすべて間違っていたということではないと認識をしておりますと、ここの部分かと存じます。  これについては、私も今までやってきたことのすべてが間違っていたということはないと思っております。現時点でわかっていることは、この長期間にわたる全交流電源喪失について考慮する必要はないといったところは、これは間違っていたということで見直しの対象になるんであろうと思っております。  そのほかにどういうものがあるのかということについては、現時点ではまだ明らかになっていないものと考えております。 26 ◯宮崎委員=そのほかに私はこの常任委員会でこういう質問を投げかけているんですよ。今回の三月十一日の福島第一原発の事故は、いわゆる津波による事故が原因であると、そういう認識が政府も東京電力も、あるいは原子力安全・保安院も、そして佐賀県の皆さん方もそういう認識であるというふうに言われ続けてきている。じゃあ、仮に想定外であったマグニチュード九という地震が来て、それに耐え得るような原子力発電所の建屋、原子炉、配管等が何事もなかったという判断に立たれておるのかどうか、そのことについては一つも明快な回答がなされていないんですよ。  私は、マグニチュード九というのが来たならば、原子力建屋の一部土台とか、あるいは中の配管が壊れるということ、外れるということはなかったにしろ、壊れる寸前ぐらいまでに何らかの損傷を来したんじゃないかという想定をしているんです。なぜならば、先ほど申し上げましたように、昭和四十二年の九月に福島原発第一号機の建設認可をされたときの認定はマグニチュード六・八でしょう。津波の高さが五・四から五・五メートルでしょう。その基準でされたわけでしょう。ところが、現実的にマグニチュード九、津波の高さは十五メートルが来たというならば、当然私は地震の影響もあったというふうに考えるのが常識的な判断じゃないですか。  ただ、地震の影響で内部水素爆発を起こすような大きな要因に至ったかどうかというのは不明ですけれども、私は何らかのそういう危害があったという判断をすべきじゃないかというふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。 27 ◯古川知事=その点については、すなわち地震による重大な配管の損傷などがあって、こういう大事故につながったのではないかということがあちこちで言われているということで、私どもは二度にわたって原子力安全・保安院に対してその疑問をぶつけたところでございます。  最初の原子力安全・保安院の回答は、抽象的な一般的なものでございました。私どもも今回の大きな地震によって全くそれにもにもかかわらず原子力発電所が地震の前の状態と同じ状態であったというふうには、そこは考えにくいのではないかとも思っております。  ただ、ポイントは重大な事故に至るような配管や機能の損傷が地震によって起きていたのかどうかというところについて私どもは確認をいたしておりまして、二度目の説明のときにはデータなどを示していただいて、その上で、仮にこれが地震によって配管損傷していたならばこうなっていたであろうというふうな予測などもお聞かせいただいた上で、私どもとしてはその結果をさらに専門家にも御相談をするなどして、この保安院の説明については理解をしたところでございます。 28 ◯宮崎委員=じゃ、知事ね、あなた方は地震による損傷、いわゆる放射能漏れを起こすような、あるいは冷却水漏れを起こすような事故がなかったということの根拠、それは原子力安全・保安院、あるいは東京電力がそのように言っているからそうだという、そういうデータが出されているということから、そういう判断をしたということですね。だとするなら、そこまで至らんでも、その以前の損傷というのはどうつかんでいらっしゃるんですか。なかったんですか、ゼロやったんですか。 29 ◯古川知事=これは保安院に確かめたわけではございませんが、いろんな報道やその他から、全く何もなかったということではなかっただろうと思っております。 30 ◯宮崎委員=そのことをもう少し明確に我々の前に明らかにしていただかないと、論議が先に進まないわけですよ。私は後で触れますけど、知事、あなたは安全がクリアされたという発言をされているんです。どこをどうもって安全がクリアされたのかという疑問があるんですよ。だから、その前段として、今そこのところをもう少し明らかにしていただきたいということを言っているんです。  いわゆる地震によって放射能漏れを来すような損傷、あるいは冷却水が漏れ出すような損傷はなかったけれども、津波が来たときは、それ以前の段階まで損傷しておって、津波が来て初めてそれがその力がまた加わって、そういう事態になったということが私は想定できると思うんです。だから、津波の来る以前は全く何もなかったという東電のデータが出ていますけれども、そうじゃないと思うんですね。私はやっぱり全く損傷なかったと言えるような状態じゃなかったというふうに思っているんですよ。そのことをきちっとデータをもって明らかにしていただかないと、論点が先に行かないということです。いかがですか。 31 ◯古川知事=その詳細な説明については担当のほうからさせますけれども、私どもとしては、今回の大事故になった原因が何によって引き起こされたのかということに注目をしております。  その際に、私もそこが具体的に、ここは地震のときにこうなっていただろうということを分類しているわけではございませんけれども、大事故になった原因が何によって引き起こされたのかということについてのその分析の説明を保安院から受け、それについて、さらに専門家にも確認をした上で私どもは理解をしたというところでございます。 32 ◯宮崎委員=ああいう事故が何によって引き起こされたかという、そのところだけを原因究明するということじゃなくて、その前段でどこまで損傷しておったのか、そして地震の後の津波の力が押し寄せてきてああいう形になったと。その関係をやっぱり明らかにしてもらわんと、津波によって壊されたというところだけ究明されても、私は何の解消にもならんと思うんですよ。  だから、今、国も、東電も、原子力安全・保安院も言っていることは、津波で壊されたから電源が喪失した。だから、その喪失したところをぴしっと緊急安全対策でカバーすれば、これで直りました、だからいいですよと、こう言っている。そうでしょう、今言っているのは。そうじゃないと思うんですよ。我々は地震によっても壊されておる。そこのところをきちっと明らかにしてほしいと言っておりますけれども、そのことは今知事がおっしゃったように、執行部は、あるいは国は、東電は、何によって最終的に壊されたのか、そこだけの解明しかされておらないところに僕は疑問を持っているんですよ。  だから、私はその前段のことも明らかにしてもらわんと、この問題は解決しないと思うんですよ。いかがですか。 33 ◯古谷くらし環境本部長=まず、先ほど来お話があっております地震ないしは津波の経過と、それから原子力発電所の状況についての関係、もう少し具体的にお答えをしたいと思います。  まず、地震による原子力発電所の安全性というか、耐震性、これについては、発電所の中にはさまざまな施設がございます。そして、その中で最重要の施設というものは、やはり原子炉の周りの部分でございます。そうしたものについての耐震性というのをしっかり確保した上で、原子力発電所というのは運転管理をされております。  そういう中で、もちろん、例えば、最初に外部電源が失われたという時点では、周辺の送電線が地震によって損傷を受けたりとか、そういうことはあっていると思います。だけれども、実際に炉の状態がどういうふうであったかということから見ますと、保安院の説明ないしは東京電力から公表されたデータを見てみますと、地震の発生時においては、まず制御棒がその時点で挿入されて原子炉が停止をしたということが、これはデータから確認ができております。その後、実際に炉を冷やすための機能、あるいはディーゼル発電機、非常用の発電機、こうしたものが動いたということも確認ができております。それが津波が到来した約四十分後、その時点からそれが正常に作動したという痕跡が見られないということでございますので、この重要な炉心の推移につきましては、そういったことを見ましても、地震によってではなくて、その後に到来した津波によって非常用電源まですべて失われてしまったということから、今回の事故に至ったというふうに考えております。 34 ◯宮崎委員=古谷本部長、そんなら、地震による被害は全くなかったという認識ですか。 35 ◯古谷くらし環境本部長=全くなかったとは申し上げておりません。発電所の安全上、最重要な部分については損傷がなかったので、そういった形で炉が振る舞っておると、そういったデータがとれておるということでございます。発電所の中にはさまざまな施設がございます。例えば、通常の事務棟であれば、そこは耐震上は軽いものも重いものもいろいろあると思います。 36 ◯宮崎委員=いや、全くなかったとは言わないけれども、原子炉棒の周辺にはいろんな関連の施設もあるから、そういうのには影響があったかもわからんという言い方でしょう。原子炉建屋の内部をあなたは見たんですか。見たんですか。データだけで判断されているんでしょう。  私が言っているのはね、知事ね、確かにデータを調べても、その直接地震の影響による放射能の漏れとか冷却水の漏水ということはなかったけれども、あと一歩何かの力が加われば、すぐそういう状態になるように破損をしていたんじゃないですかと言っているんですよ。そういう破損をしておった状態のときに十五メートル以上の津波が押し寄せて力が加わったから、ああいう状態になったんじゃないですかということを言っているんですよ。そのことについて、一つも理論的、科学的証明されていないじゃないですか。ただ、データがあったから、それで判断したということだけじゃないですか。私はその辺のところをもう少しきちっとしたデータをし、説明をする責任があるんじゃないですかと言っているんですよ。いかがですか、本部長。 37 ◯古谷くらし環境本部長=先ほど来申し上げておりますが、私どもが確認をしたデータ、これは公表をされてございます。その中で、炉の状態がどうだったかということ、例えば、圧力の推移、あるいは原子炉内の推移、こういったデータはきちんと残されておりまして、それを確認する限り、津波の襲来までに異常な振る舞いはなかったということでございます。 38 ◯宮崎委員=それはあなたたちが東京電力とか原子力安全・保安院、あるいは政府が公表したデータだけによって判断をしたわけでしょう。あなた方が佐賀県からそういう中身の状態がどうあったのか、もう少しその辺を詳しく判断できる資料を出してくれ、どうだったのかとなぜ言わないんですか。そこのところが問題なんですよ。出たものを調べて、何もございませんでした、だから安全だったんですよと、そんなことで我々は信用すると思いますか。なぜそこをしなかったんですか。 39 ◯古谷くらし環境本部長=私どもが確認をさせていただいたデータは、二回目に原子力安全・保安院からデータも示されました。(「そうじゃないさ」と宮崎委員呼ぶ)ただ、それだけではなくて、公表されたものをしっかり確認をしております。そのデータについては、実際に公表をされているものでございまして、それについて、私どもも技術職員もおりますけれども、そういったものだけじゃなくて、関係の専門家の方にも同じようなデータを提供してごらんいただいて、その上で、その判断について同様の見解をいただいております。 40 ◯宮崎委員=いや、何回言っても同じだ。あなたの今の答弁はね、東電や原子力安全・保安院、あるいは政府から公表されたデータがどうあるかということだけで判断をしたということですよ。私はそう言っていないんですよ。そのほかに我々が疑問としてぶつけていること、あなた方が東電や原子力安全・保安院、あるいは政府に地震があったときにも放射能漏れとか冷却水の漏れにならなかったけれども、あと何かの力が加わった場合は、そういう状態になり得るような状態であったのかどうか、それが判断できるような正しいきちっとしたデータを、どうだったんですかということをなぜ確認しないんですか、なぜ要求しないんですか。そこにあなたたちの姿勢の問題があるんですよ。いかがですか。 41 ◯古川知事=私どもも保安院や東電のデータがあるからそれでよいということではなく、私どもなりの問題意識を持って、この彼らの説明に対してしっかりチェックをするという目を持って取り組んでまいったところでございます。  委員がおっしゃるようなデータもこれから出てくることになる部分もいろいろあろうかと思いますが、ただ、私どもとしては、この重大な今回のような事故に至った原因は何なのかというところの、そこの原因究明をしていただくことが安全対策につながるというふうに考えておりまして、そのために必要な資料は提供されたと考えているところでございます。  なお、この緊急安全対策やこうしたデータについては、原子力安全委員会にも提出をされていると私どもは理解をしております。 42 ◯宮崎委員=私は今、東京電力や原子力安全・保安院、あるいは政府から出されたデータで、いわゆる今度の事故は何が原因だったかという証明はね、原因究明ばできないと思うんですよ。  今、知事が答弁した原因究明の大きな柱は、津波による被害だったということだけでしょう。それだけじゃないと、あなたは今さっき答弁されたじゃないですか。津波が来る前段の段階で地震によるマグニチュード九・〇、これは設計の段階からそういう大きな地震が来ると予測されていなかったわけでしょう。違いますか。そういう設計段階になっていたんですか。なっていないでしょう。なっていないから私は言っているんですよ。  もう時間がありませんから何回も言いませんけれども、昭和四十二年、これは正確に言いますと、東京電力福島第一原子力第一号機は、第一回工事計画認可年月日が昭和四十二年九月ですよ。運転開始が昭和四十六年三月二十六日、こういうふうにデータはなっているでしょう。だから、昭和四十二年九月の第一回の認可のときには、耐震設計は六・九、津波の高さが五・四から五・五、この基準で設計しているんでしょう。本部長、どうですか。違うんですか。 43 ◯古谷くらし環境本部長=そういった設定をクリアするような形で設計がされているというふうに承知しております。 44 ◯宮崎委員=でしょう。その基準で設計されているんですよ。そういう設計物に対して、マグニチュード九、津波の高さは十五メートルという現象が起きているわけでしょう。だとするならば、六・九の耐震設計でされたところに九の地震があっておるならば、何らかの原因が、いわゆる損傷が出てきているというふうに考えるのが常識的じゃございませんか。私はそう思うんですよ。あなた方は常識的な判断ができないんですか。どうですか。 45 ◯古谷くらし環境本部長=耐震性などの基準に用いられています数値は、それが限界点ということで設定されているものじゃございません。(「幾らでんもつっとね。そういう言い方はやめなさい」と宮崎委員呼ぶ)  それについては、要求された設定の揺れに対しても耐えられるという計算がされているわけです。ですから、それを超えたら直ちに限界を超えたということにはならないものと認識をしております。 46 ◯宮崎委員=だからどうなんですよ。古谷本部長、だからどうなんですよ。そこのところだけ強調してね、だからどうなるということは一つも言わないじゃないですか。そこのところに問題があるんでしょう。  だから、班目委員長が安全設計審査指針耐震設計審査指針、これを見直さないかんと言うたところはここのところですよ、まさに。このことを言っているんですよ。電源が全部喪失したからそうならないという指針にしておったけれども、それがこうなったから、そこだけ見直したらいいというもんじゃないんでしょうが。そうじゃないんですか。はっきりしてください。 47 ◯古谷くらし環境本部長=先ほど班目委員長の御発言についていろいろとやりとりございました。(「よかさい。まず耐震の九・〇から言ってくださいよ」と宮崎委員呼ぶ)  ですから、それにつきましては、今回新たな知見が得られたわけですから、そうしたものをもとに安全委員会のほうで耐震設計審査指針の見直しの議論がされると思っております。 48 ◯宮崎委員=知事ね、やっぱり質問に──僕は冒頭申し上げましたね。私は二十七日の文教厚生常任委員会でのやりとり、こんな膨大な議事録になっているんですよ。本来ならばこれの三分の一で済むはずだったんですよ。質疑も六時間に及んだんですよ。なぜそんなになったと思う。今のように、質問しても確たる回答が出てこないからですよ。この前言ったら、いやと言われまして、見直すと言うたのは、電源喪失は必要ないとしたところがいけなかったから、それを見直すとか、そういう言い方。今度は六・九の耐震設計をされておると今本部長が言うた。六・九から、そんなら幾らまでですか。どこに書いてあるとね、そやんかつの。六・九から九・〇までは耐え得るというふうに書いてあるんですか。だから、三月十一日のマグニチュード九には地震の影響は全くなかったという理論づけをされているんですか。どうですか。 49 ◯古谷くらし環境本部長=先ほど来、マグニチュードの大きさで議論がされておりますが、そもそもマグニチュード自体は(「また、そやんかこつ言うとね」と宮崎委員呼ぶ)地震の大きさそのものでございます。実際にはそれと発電所における設計に用いる物差しというのは違っておりまして、例えば、マグニチュード九の地震があったとしても、相当離れた距離であれば揺れの大きさは小さくなってくると、そういったものでございます。そういった中で、ガルという基準を用いてやっておりますけれども、それはそれで、今回、そういった知見をもとに、そういう設定でいいのかどうか、これについてはまた議論がされていくとは思いますけれども、少なくとも実際に損傷がなかったかどうかということについては、先ほど来申し上げておりますように、重大な機器の部分についてどういった動きをしたかという結果のデータからは、そういった損傷は推認できないということでございます。 50 ◯宮崎委員=いや、いいですよ、あなたがね、それじゃ、昭和四十二年九月に基準は、耐震設計は三百七十ガルの耐震設計でやられたというふうになっている。それならそれでいいですよ。じゃ、今度の三月十一日のマグニチュード九はどのくらいの力だったんですか、ガルに直せば。直してください。 51 ◯古谷くらし環境本部長=これは暫定値という形でデータをいただいておりますが、例えば、一号機について言いますと、最大応答加速度、基準値地震動ということで設定をしております揺れが南北方向で四百八十七ガルに対して四百六十ガル、それから、東西方向が四百八十九ガルに対して四百四十七ガル、上下方向が四百十二ガルに対して二百五十八ガルということでございます。  観測記録と設定されております基準値振動に対する加速度値の間では、大きな差異は見られないというふうに思っております。 52 ◯宮崎委員=それでもね、昭和四十二年九月の基準は三百七十ガルでしょう。それに対して四百六十ガルね。それから、四百四十ガルでしょう。はるかにオーバーしているんじゃないですか。だから、何もなかったということは言えないんじゃないですかて。  知事、どうですか、今の答弁を聞いて。──でけん。何ば言いよるとね、あなたは。古谷君、僕は知事に答弁求めておる。何ば言いよるとや。 53 ◯古川知事=詳しい数字については、また本部長からも答弁をさせますが、これまで行われてきた耐震設計審査指針というものを見直さなければならないということは班目委員長が明確におっしゃっているわけであります。ですから、それはこれまで本部長や課長が答弁してまいりましたのは、これだけは間違いなく見直さなければならないものというのがこれであるということと、そのすべてを見直さなければならないということではないということの二つだけを取り出して申し上げてきたということかと思いますけれども、私もその全部を見直す必要はない、これだけだというふうなことかと言われると、それはそこまで限ったものではなかろうと思っております。班目委員長も、これについては数年かかるかもしれないけれども、しっかりと専門家を集めてやっていきたいということをおっしゃっていますので、それでやっていただかなくてはならないというふうに私は認識をしております。 54 ◯宮崎委員=知事ね、我々は今回の地震と津波が引き起こした災害について、やっぱりきちんとした検証をして、過去の耐震設計、安全設計がどこにどういう問題があったのかということを検証の上に立ってどうするかということをやっていただけないと、今あなたがこれから行おうとしている玄海原発の二号機、三号機の再稼働に対して、オーケーですよということにはならないと思うんですよ。  というのは、福島原発も玄海原発も政府の考え方、原子力安全・保安院の考えは、その影響はゼロやったんでしょう、福島も玄海も。(「〇・〇」と呼ぶ者あり)  〇・〇でしょう。浜岡もそうだったんですよ。しかし、浜岡はね……(「浜岡は違う」と呼ぶ者あり)浜岡は違うですか。それはちょっと失礼しました。福島と玄海は〇・〇、それで浜岡は若干あったかもしれませんけれども、しかし、そういうところにしておったところに、ああいう地震が起きてきている。ということは、やっぱり私はそのことをきちっと検証した上で、確認をした上で今後の原子力安全運転をどうするのかということに一つの基準として示していただかなければいけないということですよね。  それで、浜岡の問題はちょっと後でまた触れますが、今、一つ明らかになってまいりましたのは、いわゆる班目委員長が安全とか耐震とかの指針の見直しをするということは、電源喪失だけじゃなくて、いわゆる認可をしたときの基準の耐震問題、あるいは津波対策の問題、そういうもろもろのやつを見直した上で今回の事故がどういうものをきちっと見直していかなくちゃいけないかということを選定して、そしてそれをぴしっとやる。それを示すのが二、三年後ということを今おっしゃったような形になっているんですよね。私たちは確かに二、三年後までにしてもらえばいいというふうに思いますが、ただし、それにはやっぱり再稼働のオーケーをそれまで待っていただかないといけないという問題が出てくるですね。そのことについて、後でちょっと質問してまいりたいと思います。  このことで、ひとつその見直しの中身の問題は明らかになってきたと思いますね。  次に移りまして、EPZの問題であります。  今、国が、原子力安全委員会が、原子炉施設から八キロから十キロがEPZの範囲というふうになっておりました。今回の福島原発の事故で明らかになってきたのは、十キロどころか、二十キロ、三十キロ、風向きによっては五十キロ、八十キロという広大な範囲に放射能が分布している、そういう状況が今確認されていますね。そして今、九大の教授、あるいは東大の教授がね、いわゆる日本上空を飛んでいるジェット気流に乗ってアジア大陸まで福島の原発の放射能が運ばれておるというシミュレーション結果を出してきているでしょう。やっぱりこれは非常に広範囲な形で拡大をするという認識を新たにしたところであります。  そこで、今、国はEPZの見直しをするというふうに言っておりますが、これは早くやってもらわんばいけない。なぜなら、玄海で申し上げますならば、玄海の一号機と四号機は今でも稼働しているんですね。私たち十キロ圏内、私は十・一キロのところにおります。きょう正確にしたらね。これは十キロ圏内と十・一キロ圏内はね、私は圏外やけんよかろうもんとは言われんでしょうもん。やっぱり我々はこの問題が明らかになってもらわないと、一つは、いわゆる地域防災計画の計画が立てられない。そしてもう一つは、社会的に弱者と言われている子供さんやお年寄りや寝たきりの人たちを安全に安心して避難させることができない。そのためには、避難道路の建設、あるいは避難箇所の見直し、そういうものをやっぱりいち早く決めて、県民の命と安全を守るという立場である知事は、やっていく責任があるんです。  だから、このEPZの問題について、あなたは国に対して、いつまでどのように設定をしていただくように要請をしているんでしょうか。いかがですか、それ。
    55 ◯古川知事=EPZの見直しについては、先日、国に対して行いました政策提案においても、早急な見直しを要請したところでございます。  それに関連しまして、国におきましては、EPZの根拠となる原子力施設等の防災対策について、これがいわゆる防災指針というものでございますけれども、これについて、去る六月十六日に原子力安全委員会の班目委員長から専門部会長あてに見直しの指示がなされました。これによって、具体的にEPZの見直しが国においてもスタートをしたというものでございます。  この国の見直しには一定の時間がどうしてもかかります。班目委員長の談によれば、防災指針で早急に結論が出るものは、できれば年度内に一定の結論を出したい。法改正を含めた防災指針の抜本的な見直しには二、三年かかると、こうした発言もされているところでございますので、これを待つことなく、県独自の取り組みとして暫定的に講じなければならない防災対策を八月末までに決定したいと考えているところでございます。 56 ◯宮崎委員=その八月末での防災計画が、EPZは何キロの範囲でという前提で計画を進められるんですか。 57 ◯山崎総合防災統括監=EPZという概念ではなくて、例えば、避難をしてもらう範囲をどこまで設定するのか、それから例えば、モニタリングをどのような密度で行うのか、そういう個別個別の対応をしていきたいと、対応で考えていきたいと思っております。 58 ◯宮崎委員=その個別の避難を計画するというのは、何に基づいてそれをやるんですか、それなら。 59 ◯山崎総合防災統括監=知事が五月臨時議会の質問にも答弁いたしましたように、専門家会議を開きまして、福島の事例、その辺のところを参考にいたしまして、議論して決めていきたいというふうに考えております。 60 ◯宮崎委員=それじゃ、我々としては安心できないんですよね。十キロ圏内に居住する人間だって、家族だって、住民だって、場合によっては、あなたの今の計画だったら、その計画に入らんかもわからん。そういう場合が出るおそれがあるんでしょう。そんな計画ってあるんですか。どうですか。 61 ◯山崎総合防災統括監=その範囲を決定する際には専門家の知見が欠かせないという認識でございまして、いろいろ福島の事例もつぶさに御存じの専門家等のアドバイスを受け、またお知恵をいただいて決めていきたいというふうに考えております。 62 ◯宮崎委員=私は、あなた方がどういう専門家に委嘱されるのか知りませんが、そんなことできちっと地域住民の命と安全が守れるんですか。そういう認識に立っていらっしゃるんですか。 63 ◯山崎総合防災統括監=まずは、繰り返しになりますが、福島でどうであったかということが一番有力な判断材料になりますので、それを主要な柱として議論をしていきたいというふうに考えております。 64 ◯宮崎委員=いや、僕はそれはおかしいと思う。福島の原発はああいう形の威力のある事故であったから、そのことについて福島に学ぶというのは、それはそれでいいですよ。しかし、福島と玄海は地形が違うんですよ。環境も違うんですよ。風の動き方も違うんですよ。それをあなた方はどうやって学ぶんですか。 65 ◯山崎総合防災統括監=言葉足らずだったと思いますけれども、あくまでも福島のものは、いわゆるまずは参考にするということで、佐賀県の玄海原発の部分について当てはめをいたしまして、佐賀県の実情に応じた計画を、条件づくりと申しますか、そういう判断項目をつくっていきたいというふうに考えております。 66 ◯宮崎委員=じゃ、いつからどのような調査を始めるんですか。調査項目はどういうものを予定しているんですか。 67 ◯山崎総合防災統括監=まだそこまで至っておりませんが、検討していただくような項目としましては、やはり避難の範囲、避難をいただく人たちの範囲、それから必然的に広域的な避難になるということが考えられますので、どういうところに避難場所を確保するかというような点とか、それからモニタリングをどのような体制で組んでいくとか、そういうものについて専門的な知見を求めていきたいというふうに考えております。 68 ◯宮崎委員=じゃ、専門家に調査をお願いするということですが、そういうメンバー表はいつ公表されるんですか。 69 ◯山崎総合防災統括監=今、人選の途中でございまして、まだ固まったものはございません。 70 ◯宮崎委員=だから、いつ公表できるんですかと。 71 ◯山崎総合防災統括監=今議会でお示ししました工程表の中では、七月の上旬、中旬には開きたいというふうなことを申し述べておりますので、それに合わせた形で近々のうちにまた御報告をいたしたいと思っております。 72 ◯宮崎委員=ぜひそのメンバーが明らかになれば議会に報告をしていただきたいというふうに思って、要望しておきます。  それからもう一つ、今、あなた方は県独自でそういうものを計画をしていくというふうにおっしゃっておりますが、じゃ、国がEPZの見直しを、今、八キロから十キロの範囲としていますが、これを二十キロから三十キロ、あるいは五十キロに見直した場合には、その整合性はどうやってとっていくんですか。 73 ◯山崎総合防災統括監=これも工程表の中にお示ししておりますが、知事も申しましたように、今年度末までには暫定対策を打ち出していくと。そして、当然、委員申されましたように、そういう国の指針等は後から出てくるものございますので、それは地域防災計画の変更という形で整合をとっていくというような手続を考えております。 74 ◯宮崎委員=それじゃ、例えば、今、県独自で設定されようという計画の基本的な考え方としまして、あなたは十キロ、二十キロ、三十キロというそのキロにはとらわれず、地域地域の形でやる設定をしたいということですね。ところが、国のEPZの範囲は原発から半円何キロという形で全部指定されるわけですね。そうすると、あなた方がここはやらなくて、見なくてもいいというところもEPZの範囲に入ってくる。そういうものも当然考えられると思うんですよ。そういうことになったときは、どういう対策をされるんですか。 75 ◯山崎総合防災統括監=EPZについては、今後の国の議論等にもかかわってくる話でございますが、今までのように十キロ圏について一律的な密度で対策を講じていくという考え方になるのか、拡大するという方向に進んでいくとは思いますけれども、近いところから濃淡をつけた形で対策を打っていくという形も議論されるとも思っておりまして、その議論の方向を見ていきたいというふうに考えております。 76 ◯宮崎委員=いや、国は、それなら従来やっていたように、半径十キロ、二十キロ、三十キロという形をやるのか、あるいはそういうものにとらわれず、部分的に影響が大きいところを指定すると、地域指定という形に変わる可能性もあるということを確認されているんですか。 77 ◯山崎総合防災統括監=同心円状の中で一律的に、例えば、二十キロで広がったときには、今までの十キロで行ったような手厚さでいろいろな対策が行われるかどうかということについて申し述べているところでございます。 78 ◯宮崎委員=だから、私がさっき知事に質問したようにね、私は十・一キロのところに居住しているんですよ。十キロのところは避難しなくちゃいかんのに、十・一キロに住んでいる人はいいですよと、そんなふうになるんですか。そんなことで住民が納得すると思うんですか。 79 ◯山崎総合防災統括監=まずは、住民の方々の安全を守るということで、今回は広域的な原子力災害が発生いたしましたので、それは事実としてちゃんと踏まえた対策を講じていきたいというふうに考えております。 80 ◯宮崎委員=だとするならば、やっぱり一日でも早くそういう対策を講じて、県民の前に明らかにすべきなんですよ。そういうものを含めて、そういうものが再開の条件になるのか、我々はそういうものを見きわめて判断をしていただきたいというふうに言っているわけですから、そのこともひとつ十分配慮した考え、立場に立って考えていただきたいというふうに思っております。  それからもう一つ、これは通告はしておりませんけれども、これは委員会で、知事ね、大事な問題ですよね。私は今、EPZの設定のあり方によって、日赤病院、これは県が第二次医療機関として指定をしている。このやりとりは、常任委員会のときにやりとりしました。日赤の病院長は、いわゆるEPZ圏内にあるということについては好ましくないと。しかし、県の立場は、見解は、それは法的に指定されておりません。だから、それはどうされるか、それは日赤の判断ですよと。しかし、佐賀県は医療機関として指定をしているわけでしょう。そんなあいまいな形の判断はできないと思うんですよ。それが一つ。  それからもう一つは、オフサイトセンターの問題もありますもんね。この問題も、今、十五キロ圏内に存在しているんですね、日赤と同じぐらいね。この問題も、やっぱり問題にしなくちゃならないというふうに思っているんですよね。これは、私は文教厚生常任委員会で論議をしまして、結論は得ませんでしたが、やっぱり佐賀県知事古川康として、佐賀県民八十五万人の県民の命と暮らしを守る、保障するという立場からすると、やっぱりそれだけの医療機関とか、そういう施設に対してはきちっとした機能を果たせるような立場をつくって、ところが、今度の福島原発はそれが機能を果たせなかった。そういうことを踏まえた上で、知事、そういう問題についてはどのように考えていらっしゃいますか。 81 ◯古川知事=まず、オフサイトセンターについて申し上げれば、委員御指摘のように、もともとつくってあったオフサイトセンターがほとんど機能しなかったと言ってもいい状況だと思います。そうした経験に立って、私どものオフサイトセンターも今からどこにあるべきなのか、その機能はどういうものであるべきなのかということについては、我々もしっかり議論をしていかなければいけないと考えております。また、暫定的にいろんな対策を考えていくときにも、今のオフサイトセンターが使えなかったとしたらどこにするのかと、そういったところも含めて考えていかなければならないと強く考えております。  また、日赤の件について、その常任委員会でのやりとり、私も拝見をさせていただきました。この日赤病院が、しっかりこういったときにも機能をしていただかなくてはなりません。私どもとしては、無論こうした今回の福島のようなことが一度でも起こる、またはしょっちゅう起こるなんてことは絶対あってはならないというふうにも思っているところでございますが、仮に起きたときにどこが責任を持ってそういう被曝のおそれのある方たちに対して医療を提供するのかということについては、ひとり日赤に任せておくだけでなく、佐賀県全体としての医療体制のあり方、あるいは佐賀県を越えたところで、今、広域的に被曝医療を提供するのは、現在、たしか広島大学の病院が行うことになっておりますけれども、もっと広島よりも近い、例えば、長崎大学においても被曝医療については専門家もたくさんいらっしゃいます。こうしたところの支援を受けることも含めて、充実をさせていきたいと考えております。 82 ◯宮崎委員=今の問題は通告には出しておりませんでしたが、やっぱり県民にとって非常に重要な問題でありますので、今、知事が答弁されたようなことを早急に地域防災計画の中にどうするということをはっきり明記していただいて、早急にやっぱり見直しをしていく、対策を講じていく、そういうことをぜひやっていただきたいと思います。これは、山崎君のところでひとつしっかりやっていただきたいというふうに思っております。  次に、三番目の玄海原発一号機の高経年化問題についてであります。  この問題も、私は文教厚生常任委員会の中で質問をしてまいったわけであります。そして、これは先週発売されました週刊現代ですね。井野博満教授ですか、東大名誉教授、あれも私、買って読ませていただきました。そしたら、きょう僕が質問するけんか何か、佐賀新聞が協力したかどうかわかりませんが、(笑声)一面にこういう記事が出たんですよ。いや、笑い事じゃないさ。この問題は、やっぱり重要な問題でありまして、文教厚生常任委員会の質問の中で、今までの答弁を総合しますと、もともと玄海一号機は、稼働するときには三十年間が耐用年数だという形の認可でやってきたわけでしょう。それが途中で変わりまして、国の方針が変わって、途中で補給をして検査に適合しておれば、さらに三十年間を限度として稼働することができる。ただし、三十年間超えて十年ごとに検査をするというのが条件になっているわけでしょう。  玄海一号機は三十六年目に入っています。だから、三十年経過したことでの検査はあっているんですね。それで、いろいろ私は指摘をされた投稿原稿、論文、論文とは言えませんけれども、そういう問題とか、あるいは井野教授が出されたようなああいうものから我々は見るわけですけれども、そうなってまいりますと、圧力容器が中性子によって劣化している、これが一番問題だということを言われていますね。  玄海原発一号機のような加圧水型軽水炉は、通常、圧力容器内が百五十気圧、三百度以上の高圧、高温で運転されている。この百五十気圧の圧力容器が壊れ、爆発すると言われ、劣化すればですね、いわゆる何か一号機の原子炉に異常を来して、急激に冷やさんばいけない状態になったときに、冷却水を入れたときに急激に温度が下がってくる。そのときに劣化を来したところが壊れて爆発をしていく。そういう指摘がされておるんですね。この問題について、いわゆる井野教授のあの発表によると、温度が、いわゆる七六年度に三十五度であったのが八〇年度が三十七度、九三年度が五十六度で〇九年には九十八度に上がった。これは異常な上がり方だと。ただ、そう言っても、きょうの佐賀新聞の一面にはそのことも指摘をされています。そして、各学者がそのデータを九電に公表してほしいというふうに言っても公表はされていない。これは僕はおかしいと思うんですね。そのところが僕はどうなるのかという、試験がどうなるのかという形について、検査基準とか、そういうものがやっぱり問題になってくるわけですね。  そこで、この前の文教厚生常任委員会で質問したとき、古谷本部長は基準の見直し、これについては国に要請をしていく、そういう答弁が、時間がないからまとめていきますと、そういう要請がある。ということは、やっぱり佐賀県としてもそういう爆発のおそれ、危険性が出てきておると、そういう認識に立った上での基準の見直しとか検査の見直しを要請するという形に立たれたのかどうか、そのことをひとつ明らかにしていただきたいと思います。 83 ◯古川知事=この記事を契機にして、私のところにも大変不安だという声がたくさんふえてきたのは事実でございます。それで、こうした非常に不安だと思っていらっしゃる方が多いのであれば、まずは一つの問題として、今回の福島第一においてはかなり古い原子力発電所のものが多かったということもありますので、本当にそのことが今回の事故と関係がなかったのかどうかということについては、しっかりと検証をしていただかなければならないと私は考えておりまして、そのことは既に国に対しては、今、安全基準の総点検という形で申し上げ、先般、経済産業大臣が来られた際にも、そのことについて再度申し上げたところでございました。私どもとしては、これまでに受けました国や電力事業者の説明などから、今、直ちにこれが非常に危ない状況にあるというふうには思っておりませんものの、不安に思っていらっしゃる方が事実だとすれば、それについてはしっかりとした説明責任をさらに果たしていただきたいと考えているところでございます。 84 ◯宮崎委員=だから、その不安を解消する、あるいは危険度がどのくらいまで及んでおるのかということをやっぱりきちっとした第三者の科学者によって検査をし、そういうものをして明らかにしていくということも私は大事なことだろうと思うんですよ。  しかし、これはけさの新聞ではこういうふうに書かれておりますね。いわゆる緊急冷却で急激に温度を下げた場合、圧力容器が壊れる可能性があるとする、そういう場合に九電にデータを申し入れたが、この九電は、いわゆる電力事業協会の内部の規定で出さないようにしておると。だから、出せませんと、こうなっている。これじゃ全く我々としては知る余地もないわけですよ。知ろうとしてもできない。あくまでも各電力業者と国が握っておる。これじゃ、開かれたものとは言えませんね。だから、このデータを開示するように、知事として九州電力、まず佐賀県としては九州電力と国に対して要求する考えはございませんか。 85 ◯古川知事=私もけさ、この記事を拝見し、そのどこかの協会の、いわば何か内規みたいなもので出せないという話だとしたら、それはおかしいのではないかということで、事務的にではございますけれども、九州電力に対して既に資料を出すべきではないかという御意見を申し上げたところでございます。九州電力からはまだ答えは返ってきておりませんけれども、私どもとしては求めたいと考えております。 86 ◯宮崎委員=それは、佐賀県知事としては、九州電力も当然ですよ。ただ、それを管轄する国にも、やっぱり情報開示をするようにという指導をすると、そういう要請をやっぱりするべきだと思いますけど、そういうことをしていただけますか。 87 ◯古川知事=国にもしてまいります。 88 ◯宮崎委員=それは早急に、これはもう悠長なことは言っておれませんので、早急にそういう要請をしていただいて、やっぱりやっていただきたいというふうに思っております。  それで、一号機の問題、これが三十六年をたっておる。そういう劣化の問題も、脆性遷移温度の問題等が今危惧をされている。というと、今、玄海町の岸本町長は、一連の流れの中で、この前、あなたも新聞記事を読まれただろうと思いますし、ちょいちょい岸本さんと電話がとられているそうですね、あなた。そういうふうに岸本町長は言っているんですよ。だから、その中で、もう一号機は、古川さん、廃止の方向で検討しましょうやという話はなかったんですか。岸本町長は、もうそういう話をすべき時期に来ているということをこの前談話で明らかにしていますよね。どうでしょうか。 89 ◯古川知事=電話ではそういう話があったかどうかはちょっと覚えておりませんけれども、岸本町長が取材に答えてそういう御発言をされたことは私も承知をしております。今現在、一号機について、そうしたやっぱり不安の声があるということを踏まえての御発言だろうと考えております。このことについては、玄海の町長とはまだ話をしたことはございません。  私としては、まずは今の炉の状態が本当にどういう状態なのか、これからのことをどう考えたらいいのかについて、先ほど委員からもございました情報をしっかり開示していただいた上で、その学者などの声を聞いた上で判断していかなくてはいけないんだろうと思っておりますけど、それは先ほど委員からもございましたけれども、やはりそこはきちんと規制をすべき国がきちんとしたいろんなデータを分析し、解析し、そして安全側に立って判断を行っていくということを私はしていただきたいと考えておりまして、そのことも引き続きこれからも申し上げてまいります。 90 ◯宮崎委員=だから、今、古川知事おっしゃったような、そういう認識の上に立った上で、国にもきちっと、九電にもきちっと申し上げて、データを開示し、そしてそのデータを、あなたがだれにされるか知りませんけど、専門家に委託してでも、佐賀県がやらなくちゃいかんということじゃないんでしょう。これは国の責任でやらなくちゃいかんわけですけれども、国がやらないならば、せめて佐賀県でもそういうものをやって、そしてデータを検査して、そしてそれを公表して、どうなのかということをやっていただきたいと思います。  そしてもう一つは、岸本町長が廃炉の問題に立っております。遅かれ早かれ、岸本町長が言っているのは、もう一号機は五十年も動かしたら廃炉でしょうもんという前提で、廃炉という論議をしていかにゃいかんという立場に立った発言だったんですよね。私はその五十年というのがいいのか悪いのか、これはちょっと置きまして、論議はね、しかし、そういう時期に差しかかっておるということは事実です。そういう事実をかんがみて、古川知事もそういう廃炉の、いわゆる論議をしていく、そういうお気持ちはございませんか。そのことだけひとつお聞かせ願いたいと思います。 91 ◯古川知事=我が国の中には、福井県に幾つかございますけれども、四十年を超えて運転されているものもございます。こうしたことがあることから、福井県においても高経年化炉のこれからのあり方については、政府に対してもいろんなものを申されています。私どものその三十六年というものも、いわゆる高経年化でございますので、今後のあり方については真剣に考えなければならない時期に来ていると思っております。直ちに廃炉ということになるのか、ある一定の区切りでとなるのか、その辺のことについても私どもとしてもこれから考えていかなければならないと思っております。 92 ◯宮崎委員=私は、この長期間にわたって稼働している原発の問題ですね。特に三十年を超えておる原発。今、玄海原発は全国の中で五番目ぐらいの古い、五番目ぐらいやったですね。僕はちょっと資料を持ってきておりませんでしたけれども、たしか執行部からもらった、五、六番目に位置しているんですよね。で、そういう状況の中で、やっぱり高経年化の問題がこれだけ玄海原発一号機はクローズアップしておりますので、私は一日も早く廃炉にして安全を確保してほしいという気持ちは、これは伝えておきます。  ただ、それは、やっぱり九電も国も地元もという形がありますので、早く廃炉にしてほしいと言いながらも、なかなかそれがそういうふうになっていかない。しかしながら、地域住民は危険な状態で、危険な思いをして生活をやっているわけですね。だから、私は今、三十年間を経過したそういうものについては、十年ごとに検査をしていくということじゃなくて、やっぱり毎年一年間検査をしていくという制度に改めてしていく、そういう状況の中から、当然しかるべき時期に来たら廃炉にする。そういうことを私は考えていくべきじゃないかと思うんですけれども、その辺について知事の見解をお伺いします。 93 ◯古川知事=委員御提案のことも含めて、高経年化炉に対する規制のあり方については、これからも我々としてもいろんな提案を国にしてまいりたいと考えております。この高経年化炉については、私どももこれまで政府の説明を受け、私どもなりにこの安全対策がとられている、あるいはこの数値についての解釈の仕方、そういったものについても我々なりに勉強もしてきております。  ただ、そういったものについて、それで本当に十分な理解と納得を得られるのかというところもございます。これは、多少時間がかかる部分もあるかもしれませんけれども、こうした今回の事故を契機にということもございますので、この高経年化炉のあり方について、そして委員からは即廃炉にというお話もございましたけれども、そういった声もあるということも私どもとしても認識をしながら、これからの高経年化炉のあり方については私どもとしても検討をしてまいります。 94 ◯宮崎委員=ぜひ情報の開示、そして、一年ごとの炉の状態の検査、そういうものが実現するように、ひとつ働きかけをよろしくお願いしておきたいというふうに思っております。  では、四番目の問題に入ってまいります。  これは、古川知事の再稼働容認の見解についてであります。  これは、二十九日に海江田経済産業大臣が玄海原発のほうと、それから、玄海町の岸本町長、唐津の坂井市長と会見をされた後、午後、知事のほうを伺われて、知事と会見されたということが報道され、その中身につきましても多く報道されております。  その海江田大臣がお見えになって、今、知事が懸念にされておった浜岡原発の問題と玄海に限っていうなら、玄海原発との違いはどこにどうあるのか、それが解明されていない、その説明を求める。そして、国がどういうふうに対処するのかという、この二点を求められたというふうに認識を持っています。それについて、どう古川知事は海江田大臣の回答に対して認識を持たれたのか、もう一回お尋ねしたいと思います。 95 ◯古川知事=委員からお話がありましたように、大きく二点についてお答えがあったと思っております。  まず、一点目の玄海と浜岡の違いでございますが、もうこれについては、大きな地震、そして津波が起こるような大きな地震というのは、プレートの境界付近で起きる。それに対して、玄海の付近は、九州北部、そして朝鮮半島付近含めてということでございますけれども、プレートの境界が存在しておらず、そもそも今回福島で起きたような大きな地震については起こらないものと考えているというお話でございました。それが一点でございます。  それと、もう一点。浜岡については、その非常に地震の確率が高く、あるいは三連動というほかにない形でのその確率だけでなく、地震の質の違いといったものにも言及をされたと認識をしております。  こうしたこともあるので、私、つまり海江田大臣がこれについては中長期対策が実行されるまでの間はとめるべきだと判断をしたということをお話になりました。  何回かやりとりをしましたけれども、最後の海江田大臣の言葉が私にとっては印象的で、危ないところは政治がとめる、安全なところは政治が動かす、そういう考え方のもとに決断をいたしましたということでございました。  率直に申し上げて、そういうことなのかなと私としては受けとめたところでございます。 96 ◯宮崎委員=あのね、前段は一つ私に言わせてもらうならば、今まで原子力安全保安院の黒木審議官以下ほかの皆さん方が知事のところにもう二回ぐらいお見えになりましたね。佐賀県議会にも二回お見えになって説明を受けました。  その説明は、海江田さんがきのうおとといお見えになって説明されたことからは、保安院が説明したことから一歩も余り出ていないんですね。私はそういう認識をしました。  そして、あえて言いますならば、どこが違ったかというと、今、知事がいみじくも答弁されましたように、そのほかの危険なものにあっては政治がとめさせる、そして、何かあったら政治が責任を持つ、万が一何かあったらという表現で責任を持つということの二点だけは言われたわけですね。だから、万が一という、この万が一は何を指しているのか。これまだ明らかにされていないんですよ。  どうでしょうか、その万が一。あなたはもうそれで安全がクリアできたという判断をされておるようですけれども、もうあなた知事としては万が一ということについてはおわかりになっていると思うんですよ。安全がクリアできた認識を持っているというふうな会見での発言ですから。じゃあ、万が一というのはどういうことを指しているんですか。 97 ◯古川知事=万が一という言葉は、本来、事故というものは起こってはならないわけでありますけれども、事故が起こった場合にあってもということであると認識をしております。 98 ◯宮崎委員=私も今、知事と同じことを考えております。  これ万が一といえども、事故があってはいかんのですよ。だから、私はこういうふうに書いているんですよ。我々としては十キロ圏内やその周辺の居住している住民としては、事故があってはならないものである。しかし、事故があったら国が責任を負うということは、取り返しのつかい事態を招くものであるということを私は強く言わなくちゃいかんと思う。だから、国が責任を負うということで安全が確認できたということにはならないわけでしょう、私はそう思うんですよ。万が一事故が起きたら責任を負いますということじゃなくて、事故が起きないようにするというのが責任のあり方でしょう。私は、そういうふうなことで安全が確認できたということの古川知事の真意がわかりません。いかがですか。 99 ◯古川知事=まず、その事故が起きた場合にはという話でございますが、もちろん事故は起きてはならず、起こさせてはならないと考えております。しかしながら、起こらないという前提に立って起きたときの対策を何もしないわけにはいきません。先ほど委員からはEPZの話もございましたけれども、これは、事故が起きた場合にどのような対策をとるかという原子力防災の対策でございます。事故が起こらないようにさまざまな手だてをし、厳しい基準もつくるけれども、それでも事故が起きたときにはどうするということをあらかじめ決めておくということが、私は原子力防災として求められていることであると考えております。  私が、安全性についてクリアされたと申し上げましたのは、これまで議会での議論の中で、私どもとしては主に三つの点について疑問の提示をいたしておりました。そのうち、二点については専門家などの知見も得た上で一定の理解を示し、残るところはその政治的な、まさに政治家としての御判断のあった浜岡についてのことが残っているという認識のもとに大臣との会談に臨んだものでございました。  そこにおいて、大臣からはこの浜岡の決断がまさに政治家として、そういう言葉は使われませんでしたけれども、表情を拝見していれば、いわば苦渋の決断として行われたということを私自身は、私自身も一人の政治家として感じたところでございました。  以上でございます。 100 ◯宮崎委員=あのね、私は今、古川知事がおっしゃったその三項目が再開に向けた条件だというふうには思っていないんですよ。それはあなたが決められた三項目ですから。我々は、そんなことはそれだけじゃないんですよ。我々が思っている条件というのは、今、私が設問しましたいろんな問題ですよ、端的に言えばね。  安全設計審査指針の見直し、耐震設計審査指針の見直し、EPZの見直し、そのほか、玄海原発の敷地内に活断層が二つ、周辺に六つ、合計八つがある。こういうものの安全調査というものを第三者機関がやって、そして、なおかつどういう結果が出るのか、それを見きわめた上で一つの判断を下す。そういうものを私はやっていただきたいと思うんですよ。いかがでしょうか。 101 ◯古川知事=お尋ねの点について申し上げれば、この安全審査指針、耐震の指針、EPZの見直し、こうしたものについては、もう国として早急に取り組んでいただくべきでありますし、事実取り組まれていただいているところでございますけれども、これは再稼働についての条件というふうには私どもは考えておりません。直ちにやっていただきたいことでもございますし、また逆に、これがなされなければ再稼働ができないというものでもない、これは独立した我々としての、国に対する要請事項であると考えております。  また、活断層については、この大きな震災の発生後に、今回の玄海原発の近くにある活断層について、さらに動いていないかどうかのチェックをするようにという指示があり、電力事業者のほうでチェックをした結果を国のほうにも報告されていると伺っておりますけれども、その中で、特段大きな動きはなかったものという報告だったと伺っているところでございます。  私は、今、この再稼働に向けて判断しなければならない事柄については、この部分については、安全性の部分については判断ができているものと考えております。 102 ◯宮崎委員=いや、それはあなたの言い分であって、あなたの言い分があるように、我々の言い分もあるんですよ、当然でしょう。  だから、あなたが三項目の条件を出された。じゃあ、一番最後に、きのう、おとといまで残っておった浜岡と玄海原発の問題、これは本当に確認できたんですか。そうじゃないでしょう。  この問題については、いわゆるこういうことでしょう。海江田さんがおっしゃったのは、東海地方で三十年以内に地震が起こる確率は八七%、今回の地震で周期がわかったことが、これまで福島は地震発生周期がなく、玄海と同じゼロ%であった。これはもう既に、原子力安全委員会の黒木審議官がそういう発言をしていますよね。そうです。  ただ、今回、海江田さんが来て、違った発言をしたというのは、国が万が一何かあったときは責任を持ちますよという発言で安全がクリアされたという判断をされたんですかということでしょう。 103 ◯古川知事=大臣が恐らく最後におっしゃった言葉だったと思いますけれども、玄海二号機、三号機の安全性については、私がというか、国が責任を持ちますという言い方であったかと思います。  それは、最後のまとめとして大臣がおっしゃった言葉であると思っております。それは、この浜岡のことについてだけお話をされたという大臣の御認識ではなく、その会談を締めくくるに当たっての国としての決意を示していただいたものだと考えておりまして、私は、それはそれで大臣の強い決意として受けとめをしたところでございます。  福島第一の点については、確かにその周期がわからなかったから〇・〇%となっていたのだというふうな説明もありましたけれども、それについては、私どもは余り確率論ばかりの議論というのはおかしいのではないかというふうに思っておりましたので、そこについては、大臣の御発言ではございましたけれども、余り重要視したものではございませんでした。 104 ◯宮崎委員=あのね、あなた方知事に海江田さんが会見されたその足で、県議会にも表敬訪問されました。そのときに、海江田さんが言ったことは、どういうことを言われたかということは、今直接の原因と言いましたけれども、間接の原因がどういうものなのか、これまず精査をしなくちゃわからんということですね、津波と地震との関係。  それから、この問題については、総合的な安全対策というのは難しいと、しかし今、やっているからという、後日改めてそういう問題を含めて対策を講じていくという内容のお話がありました。  だから、私はそういうものを含めて、全体的な見地から安全であるのか、ないのかという判断をすべきじゃないかなということを思っているんですよ。  私は、知事が海江田さんと会見を終わられて、そのあれで記者会見をされましたね。そのときに、あなたがおっしゃった言葉は、いわゆる安全性がクリアされたというような発言をなされている。ものの三十分もしないうちにですよ。僕は、そういう発言そのものが軽率ではなかったのか。もう少し熟慮して、そして、県民に対する発信というものはやっぱりすべきじゃないかなというふうに思っているんですよ。  大変失礼な発言ですけれども、あの会見後の記者会見で発せられた知事の会見を見まして、三十分もたたないうちに記者会見で古川知事が再稼働容認の発言をされたことについて、私は本当に古川知事は県民八十五万人の県民の意思を、気持ちを受けとめていらっしゃるんだろうかと、そういう心がないんじゃないかなという懸念を持ったんですよ。  私はもう少し、慎重にそのことについては、あなただけの問題ということを私がここで言っても釈迦に説法ですから言いませんけれどもね。しかし、もう少しそのことについては慎重に吟味し、そして、慎重な発言をしていただきたかったなと、万が一、国が責任を持ちますよ、たったその一言だけですよ。それで、何が安全性が確認できたんですか、できていないでしょう。  私たちが言っている安全の確認って、そういう中身の問題じゃないんですよ。そういう認識をお持ちにならないんですか、古川知事、お伺いしておきたいと思います。 105 ◯古川知事=私はあの会見で再稼働容認という発言はいたしておりません。私が申し上げたのは、これまで県としては安全性の確認、地元立地町の意向、それと議会での議論、こうしたものを踏まえて総合的に判断をしていきたいと考えているということをもうずっと申し上げてきております。その中で、一つの要素である安全性の確認については、私どもから提示をしておりました三つの要素のうち、これまで二つの要旨については本会議、そして、常任委員会などにおいて私どもとしてクリアをしたということをお話申し上げてまいりました。残る一つが、この浜岡と玄海の違いでございました。  この浜岡と玄海の違いについては、テクニカルな話というよりは、むしろ政治決断の話であろうから、政治家御本人から話を聞いて、それで自分としても、それで納得できるかどうかを判断するということを申し上げてきたところでございます。  過日、そして、大臣に来ていただき、この浜岡についての自分の思いというのを私自身がお伺いする中で、この浜岡というものについては、大臣自身がそういったことでお決めになったんだなというふうに理解をしたということを、まずその囲みの中で申し上げたところでございまして、これで私どもとしては、これからまた議会の議論というものが残っていると、その三つのうち、二つが終わったから一つだというふうに思わないでくれとも強く申し上げました。一番大きなものが残っているとも言っていいんだということも申し上げておりまして、私があの段階で再起動を容認したというふうなことは言っておりません。
    106 ◯宮崎委員=容認されたというような受けとめ方をされたというのが報道機関の報道の仕方なんですよ。そういうことが全部、この報道の中に報道されているわけです、紙面にね。だから、私はそういう判断をしたんです。  だから、私はもう少し慎重に、例えば万が一、何か事故があったら責任持ちますよというのは当たり前のことでしょう。なぜならば、原発は国策で進めておるということをずっと言ってきたじゃないですか。国策であるなら、当然、国が責任を改めて言う必要ないんじゃないですか。私はそう思いますよ。改めて万が一、事故があったら国が責任を持ちますよということを改めて言わせなくちゃいかんような行政なんですか。そうじゃないでしょう。そういうことをやらなくちゃいかんなら、今する廃止しなさいよ、やめなさいよ。そうじゃないんですか。  国が、電力会社がどう言ってきたんですか、今まで我々に。原発行政は国が責任を持って、いわゆるエネルギー基本計画の中において位置づけてやっていきますと、国の国策ですと言ってきている、そうでしょう。だとするなら、万が一、何かあったときには国が責任を持つというのは当たり前ですよ。それを改めて、ここで求めんでも当然のことなんですよ。それを言わせて、それで安全が容認できたというような考え方は、私は当てはまらないと思うんですよ、違うでしょうか。 107 ◯古川知事=委員のおっしゃっていることも私もよく理解できるところではございますが、(「ほんなことね」と宮崎委員呼ぶ)私は、その現職の大臣がわざわざ現場に来て、そして、その県民に向かって大丈夫だと、安心してほしい、安全は国が責任を持つということをおっしゃったというのは大変に大きな意味があると思います。それが、当然のことだからといって評価できないというふうには私は思いません。それは、そうしなければ、何も今まで全くわからなかったことを新しく言っていただくということだけでは、その大臣の役割はないのではないかと思っているところでございます。  また、例えば、この議会の中で出てきておりますように、総理から何らかの形で、できれば総理に来ていただきたいと、(発言する者あり)そういった事柄も、この前のときに常任委員会で出ております。こうしたことについては今、調整中でございますけれども、調整中というのは我々は向こうに求めております。  こうしたものも、総理がおっしゃることはいわば当たり前のことをおっしゃるのかもしれませんけれども、そうしたメッセージをきちんと伝えるということが必要だという認識に立ってのことであると私は考えているところでございまして、先日、大臣がわざわざ佐賀県に足を運んでいただいて、県民の皆様に親しく話をし、また、私とも、そして議会とも議論をしていただいたことということには大きな意味があったと考えております。 108 ◯宮崎委員=今回の海江田大臣の来県については、二〇〇六年だったかな、プルサーマル導入を決断するときに、たしか二〇〇六年だったと思います。ちょっとプルサーマル導入は何年に同意したんですか、ちょっと明らかにしてください。(「二〇〇六年」と呼ぶ者あり)うん、二〇〇六年の三月二十六日に同意をしたわけですね。そのプルサーマル導入をしたときも、古川知事は当時の通商産業大臣であった二階さんに来県をお願いして、玄海原発を視察し、玄海町を訪問されて、そして、二階さんとたしか町民会館だったですかな、(「役場」と呼ぶ者あり)役場ですか、役場の中ですか、町民会館だったと僕は、(「役場です」と呼ぶ者あり)役場ですか会見されたときに、全く同じことを言われたね。万が一何かあったときには、プルサーマルの事故があったときには国が責任を持ちますよということを二階さんが言った。それで、あなたは安全が確認されたという形で同意をして、そして、二月定例県議会の三月二十六日に同意が決定したといういきさつがあるでしょう。  私は、あの場面を見て、ああまた今回もあれと同じだなという認識を持ったんですよ。どうも知事の頭の中には、大臣がわざわざ来県をして、そういう発言をし、何かあったら責任を持ちますよという発言をした、それでいいんだという、そういう軽易な考え方があるんじゃないかというふうに私は疑っているんですよ。そんなもんじゃないんです、我々が思っているのは。それ以上にやっぱり私は大きな問題を抱えているんですよ。特に、原発周辺の住民としましてはね。  だから、その辺のことを十分あなたは配慮した形で、なぜああいうことを、慎重な発言をしていただかなかったのかなというふうな思いがあります。  ちょっときょう午前中の最後に、その辺についてひとつお願いします。 109 ◯古川知事=私は繰り返しになりますが、あの囲みにおいて、再稼働を容認するということは言っておりません。例えば、新聞記事を見ても書き方はいろいろですけれども、例えば再稼働に向けて一歩踏み込みとか、そういった表現をなされたところもあると思います。それは否めないというか、そのように申し上げましたので、そこの部分についてはわかります。  あと、プルサーマルと違うのは、プルサーマルのときには、その大臣に来ていただいた、そして、これは事前了解事項でもございました議会にも議決をいただいた上で判断というものがあったわけでございますけれども、私は今回、この大臣が来られたからといって、それではい、いいですという話は申し上げておりません。  先ほど来、申し上げている議会の審議の状況というものもある。そして、その総理にどう対応をしていただくかということもまだ残っている。そして、何より来週の金曜日には県民説明会も控えているわけでございます。そういったものがある中で、大臣に来ていただいたから最終的にオーケーをしたというものではないということを申し上げておきます。(「委員長、ちょっと午前中はこれで」と宮崎委員呼ぶ) 110 ◯木原委員長=それでは、暫時休憩します。十三時をめどに再開します。     午前十一時五十六分 休憩     午後一時二分 開議 111 ◯木原委員長=それでは、委員会を再開します。  委員会を再開の前に申し上げますが、報道、傍聴者の方におかれましては、委員会中の携帯電話の使用は御遠慮をいただきまようお願いいたします。  また、一般傍聴者におかれましては、傍聴規則により、撮影、録音等はできないこととなっておりますので、御了承ください。よろしくお願いいたします。  それでは、休憩前に引き続きまして、宮崎泰茂委員の質疑を行います。 112 ◯宮崎委員=それでは、知事、午前中からちょっと引き続き、稼働容認の問題についてちょっと一言だけ。  各新聞社の報道内容からして、知事が海江田大臣と会見をされて、その足で記者会見をされたときのお話の掲載が、容認という形の報道がずっとされているんです、各社。そういう各社の報道を要約して、そういうふうな判断をしたということでございます。そういう気持ちで私は午前中の質問をしたわけですけれども、知事が、いや、私は容認をしたという発言を一つもしておりませんという御立腹の発言でございますので、そうであるならば、私は各社の報道がそういう報道をされておりましたので、それを引用してしたということに訂正させていただきたいと思います。これははっきりしておきたいと思います。  そこで、午前中の知事の答弁の中で、まだ判断というものは県議会が終わっていない、そして、七月八日の県民説明会が終わっていないからという形に、先ほど言われました。それともう一つは、私が一番最後に、菅内閣の来県要請についてという問題も一つ掲げております。そういうもろもろを踏まえた上で、知事の判断を示すということで理解をしていいのかどうか。それはいかがでしょうか。 113 ◯古川知事=議会での御議論の中で、県民説明会をもう一遍開催するようにという声がございました。また、菅総理に来県を求めるべきではないのかという声もございました。こうしたことを含めて、県議会での議論と私は承知をしております。こうしたことを含めて判断をしてまいります。 114 ◯宮崎委員=それでは、今、確定している予定というのは、県議会が七月五日が最終日だということですね。それから、七月八日が県民に対する説明会ということで、その間に菅総理がお見えになるのか、ならないのかわかりませんけれども、ならなかった場合はその次の段階で菅総理に来ていただいて、いろいろ会見をして、その中から最終的に判断というふうに認識をしていいですね。 115 ◯古川知事=菅総理に来ていただくように要請を既に行っているところでございますが、一国の総理でもございます。国会の開会中でもございますので、現実に来ていただけるかどうかということも含めて調整中でございますけれども、私どもとしては、議会からそういう強い意見があってやっているところでございますので、ここは実現しなければいけないと考えております。 116 ◯宮崎委員=今の問題につきまして、一番最後に項目を上げて質問を出しておりますので、その中で最終的な論議をしていきたいと思います。  次に、五番目に、原発の廃棄物の最終処分場問題であります。  今まではずっと三月十一日から今日まで、原発の事故の問題、あるいは被害状況の対策の問題、そして、今日に至っては、今運転停止をしている三十五基の、全国から見ると三十五基の運転再開の問題が中心的な論議になっているんですね。  ただ、我々がこの原発論議をする中において避けて通れないのが、最終処分場をどうするのかというものが早急に論議をされて、そのものが一定の結論を出さなければならない時期に一刻一刻近づいてきている、そのことを私は痛切に思うんであります。  それで、まず、今の現状の中で、政府は最終処分場の建設についてどこまで、どういう話をしているのか、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。 117 ◯古谷くらし環境本部長=高レベルの放射性廃棄物の最終処分についてお答え申し上げます。  平成十二年に制定をされました法律がございます。この特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律、これに基づきまして、原子力発電環境整備機構というものがございますけれども、そちらが全国の市町村を対象として、処分場候補地の公募を開始しているところでございます。  以上でございます。 118 ◯宮崎委員=それはそういう、現段階でどこまでそういう状態になっているかということを明らかにしていただきたいと思います。 119 ◯古谷くらし環境本部長=最終処分の実施主体でございます原子力発電環境整備機構が、平成十四年から全国の市町村を対象に候補地を公募しておりますけれども、これまでに高知県の東洋町以外に実際に応募した市町村はございません。  NUMOというふうに申しますけれども、原子力発電環境整備機構におきましては、さまざまな取り組みが行われているとは伺っておりますけれども、必要性や最終処分の安全性等に関する国民、地域住民の方の理解を獲得するには至っていない、そういった状況であろうかと思っております。 120 ◯宮崎委員=いや、建設までの話し合いに至っていないというならば、今後どういう対策を進めるという形で考えられておりますか。いかがですか。 121 ◯古谷くらし環境本部長=国のほう、それから、原子力発電環境整備機構におきましては、最終処分の必要性などについて、国民の理解を促進する活動が行われております。それから、電力会社におきましても、最終処分事業のための費用を既に積み立てるなど、計画実施に向けた取り組みが進められているところでございます。  現時点においては、具体的な場所の選定には至ってはおりませんが、国や事業者においては、法令の整備、それから理解促進活動、あるいは費用の手当てなど、最終処分の実施に向けた取り組みが一つ一つ進められてきていると、そういう状況であるというふうに認識をしております。 122 ◯宮崎委員=そういう机上の整備が幾ら進んでも、現実的に受け入れるところが決まらない限り、実現しないわけでしょう。そこのところをどうやろうとしているんですか。どうですか、その辺については。 123 ◯古谷くらし環境本部長=先ほど応募した市町はないというふうにお答え申し上げましたが、やはりこういったものに関する、まずは理解促進の取り組みというのをしっかりと進めていくと、そういったことが重要じゃなかろうかと考えております。 124 ◯宮崎委員=本部長、もう少し現実を直視して、どう対応するかということをあなたたちは考えるべきでしょう。そうじゃないんですか。原発建設の推進はいつからやっているんですか。もう既に廃炉するという施設が決定したところあるんでしょう。にもかかわらず、どこにどういう形のものをつくるかも決定していない。これから先、いつごろ場所の選定が確定するようになっているんですか。 125 ◯古谷くらし環境本部長=先ほどまでお答え申し上げましたのは、いわゆる使用済み燃料等の高レベル放射性廃棄物についてでございますけれども、廃炉になった場合の原発の廃棄物処理、これにつきましては役割を終えた原子力発電所については、安全に解体撤去をして、地域社会との協調を図りながら、跡地を有効利用できるようにすることを基本方針というふうにされておるところでございます。  この廃炉といいますか、廃止措置に伴い発生する廃棄物は、一般の産業廃棄物と同様に扱うことができる廃棄物、これが全体の約九八%ございます。それと、大部分が九八%で、大部分が金属やコンクリートの廃棄物である低レベルの放射性廃棄物、これが全体の約二%、合わせて一〇〇%になるんですけれども、そういうふうに大別されますけれども、このいわゆる低レベルの放射性廃棄物については埋設処分をするということになっているところでございます。 126 ◯宮崎委員=ちょっと私の質問の仕方が悪かったと思いますが、ちょっと整理をしてね。  核燃料廃棄物の処理について、まず論議をしていきたいというふうに思っております。  この核燃料廃棄物は、今、五十四基が、休止をしているところを含めまして五十四基があるわけですけれども、全体としてどのくらいの量になっているんですか。 127 ◯古谷くらし環境本部長=全国の原子力発電所を運転しますことによって発生する使用済み燃料の量については、燃料でありますウランの重量で申しますと、年間約千トンというふうになってございます。 128 ◯宮崎委員=その千トンのうち、玄海原子力発電所の四基から出ておるのは今どのくらいですか。 129 ◯古谷くらし環境本部長=申しわけございません。ちょっと手元に資料ございませんけれども、毎年搬出されているのが、計画に基づいてやられておりますので、年によって若干違ってきたかと思います。 130 ◯宮崎委員=私は質問の通告をしておったわけでしょう。そして、毎年出ておるということは、稼働しておるけん出ておるということはだれでもわかるわけですよ。そんな答弁しかできないんですか。もう少ししっかり、ちゃんとしなくちゃいかんということでしょう。三月から何のためにこの論議をしよるとですか。知事、知事、あなたの部下がこういうことでいいんですか。玄海の原子力から出ておる核燃料廃棄物の量がわからないって、どういうことなんですか。質問に通告しているのに。知事、どうですか。 131 ◯古川知事=今、委員から御指摘のあった事柄について、直ちに答弁できていないことをまことに申しわけなく存じます。直ちに資料を集め、答弁させます。 132 ◯宮崎委員=私はわかっているんですよ。全国五十四の原子炉からどれだけの廃棄物燃料体が出ておるか、私は今私の控室につづりで持っているんですよ。ただ通告しておったから答えが返ってくるものだというふうに思って、私はその資料を持ってきていないんですよ。  私がなぜそれを言うかというと、今まで、今、午前中も、再稼働をやる、国自体がやらせてください、やってくださいとお願いしているわけでしょう。再稼働、稼働すると当然廃棄物の燃料体が出てくるわけですよ。片方じゃ、稼働してつくり出されておきながら、それをきちっと処分する処分場の建設が全く前進していないという、この現象をどうするんですかと言いたいのですよ。知事、どう思いますか。 133 ◯古川知事=委員から御指摘のあったこの最終処分場の問題が進んでいないということについては、国においてしっかりとした対応をとられるべきであると考えますけれども、原子力を進めていく上では、とにかく解決をしなければいけない問題であると認識をしております。 134 ◯宮崎委員=僕はもう少し具体的な答弁が返ってくるものだと思いますよ。それは国がやらなくてはいかんなら、それなら、具体的にあと何年後にどこにどういう処分場をつくるという計画が示されるんですか。 135 ◯古川知事=現時点ではまだそのような段階になっていないと認識しています。 136 ◯宮崎委員=それもできないような状況の中で、運転再開を促進するとかね、原発行政を推進するということがどうして言えるんですか。国全体、五十四基の廃棄物燃料体がどのくらいあるかもつかんでいない。そんなことじゃいかんじゃないですか。どうするんですか、その辺は。 137 ◯今村原子力安全対策課長=玄海原発から発生する年間の使用済み燃料の量でございますが、これはもちろん年間、その年によって(「全体で一体どのくらいあるか」と宮崎委員呼ぶ)いや、年間で大体七十トン程度が使用済み燃料として発生します。 138 ◯宮崎委員=大体七十トンという答弁、何ですか。こういう論議をするということは初めからわかっているなら、きちっとなぜ九電に確認をとらんのですか。大体七十トンというぐらいの認識は間違っていますよ。そんなやつで質疑ができますか。大体七十トンなら、そんなら、一号機が一番最初稼働した三十六年前から今日までどのぐらい出て、そして、六ケ所村にどのくらい保管をして、今、玄海原発はどのくらい保管をしているんですか。その問題を最終的にはどう処分しようとしている計画を持っているんですか。明らかにしてください。 139 ◯古谷くらし環境本部長=先ほど数字的なものを持ち合わせていないということで大変そういった点での御指摘を受けておりますが、基本的な流れで申しますと、まず、発電所のほうの使用済みの燃料については貯蔵プールのほうで貯蔵をいたします。それから、一定の温度の低下をした段階で、先ほど委員のほうからお話ございました六ケ所村の再処理工場のほうに搬出するということになっております。  先ほど課長が年によって違うというふうに申し上げましたのは、受け入れとの関係で、発生したものが毎年その年に運び出されるということにはなっておりませんので、年によって動くということだと承知をしております。  その上で、使用済み燃料をどういうふうに処分するのかということでございますけれども、我が国の核燃料政策の基本方針といたしましては、これを再処理いたしまして、そして、新たに燃料として使用すると。そして、最終的な放射性の高レベル廃棄物については、ガラス固化体と一緒にしまして、最終的な廃棄の形にしていって、地層処分をしていくと、そういった計画になっているというふうに承知をしております。 140 ◯宮崎委員=きのう、こういうファクスが九電から来たんですよ。知事ね。何が書いてありますか。「平成二十三年度の使用済み燃料輸送計画の変更について」というファクスですよ。それによると、玄海一号機が輸送量が十四体で六トン、変更後、玄海三号機で十四体で六トン、これを今年度輸送しますという計画が出ているわけでしょうが。あなたたち、こういうやつはつかんでいないんですか。これは九電から六月三十日、きのうのファクスですよ。どうですか。 141 ◯今村原子力安全対策課長=私どものほうにも報告は受けております。  それから、先ほどちょっとありました質問の中で、これまでに玄海原発から発生している使用済み燃料の数は幾らかということでございますけれども、平成二十二年十二月末現在で、三千百四十体ございます。(「何トンね」と宮崎委員呼ぶ) 142 ◯宮崎委員=知事、私はちゃんとわかっているんですよ。玄海原発が今まで二千百四十六体、川内が千八百十四体──失礼しました。九州電力が千六百八十八体、伊方が千三百二十四体、浜岡が六千二百四十三体、東海第二が二千百六十五体、こういうふうにちゃんと出ているんですよ。わかりますか。なぜあなた方はこういうやつをつかんでいないんですか。非常にそこは問題ですよ。そういうこともつかまずに佐賀県の原子力行政を推進しているんですか。どうですか。 143 ◯古川知事=先ほど来、委員から御指摘があっております数字について、直ちに御答弁できない状態にあるということについては、責任者としてまことに申しわけなく存じます。本来であれば、今から直ちに数字を整え、答弁させるべきことと考えます。お許しがいただければ、休憩をいただいて直ちに数字を取り寄せます。 144 ◯木原委員長=暫時休憩します。     午後一時二十三分 休憩     午後一時二十八分 開議 145 ◯木原委員長=それでは、委員会を再開いたします。 146 ◯宮崎委員=執行部が答弁ができないなら、私のほうから答弁させてもらいます。(笑声)  今、全国的に見て、集合体数が全国で約五万九千本、トン数に直しまして一万三千五百三十トンあるというふうになっているんですよ。これだけの核燃料廃棄物がたまってきておる。政府の計画では、これを青森県の六ケ所村の再処理工場で処理する方針でおりますが、この再処理工場がまだ動いていないでしょう。しかも、再処理された結果の最終処分が、いわゆるどこにどういう規模のやつをつくるかということもできていない。そういう状況の中で、なぜ原発が推進をされなくちゃいかんのか。ここに一つの問題があるわけでしょう。その辺をあなた方はどう認識し、そしてそのことについて国にどのように申し上げられておるのか、その辺をひとつ明らかにしていただきたいと思います。 147 ◯古川知事=原子力発電を進めていく上で、最終的な処分場を確保することはどうしても必要なことだと考えております。このことについて、国に対して、この原子力行政を進めていく以上はしっかりと確保していただきたいということを申し上げております。また、それとの関連で、六ケ所村にある再処理工場などについても、その核燃料サイクル計画に基づいた進行をということを求めてきております。 148 ◯宮崎委員=それは、古川知事、あなたが知事になる前の井本知事のときからそういうことを発言されてきた。しかし、まだ入り口の入り口の入り口の入り口すら行っていないんでしょう。だから、今、知事が答弁されたような形で果たしてできるかといったら、この後ろにいらっしゃる方はみんな疑問を持っていらっしゃるんですよ。あと十年でできるのか、二十年でできるか、恐らく三十年だって難しいだろうという判断ですよ。そうなったときに、廃棄物燃料体がどのぐらいに膨れ上がるのか、そういう問題も我々は考えていかにゃいかんわけですよ。ただ単に電力がないけん再稼働させていただきたいということにはならんわけですよ。そうでしょう。だから、知事として、原発の立地県の知事として、国に対して最終処分場はいつごろまでにめどを立ててもらいたいということを具体例をもって国に要請されますか。 149 ◯古川知事=最終処分場については、これまでも国の責任において選定作業を進めていただきたい旨申し上げてまいりました。国からは、いつまでにという明確な御回答は残念なことに得られておりませんが、こうした県議会における議論も含めて、そして今、非常に原子力について厳しい状況にあるということは承知の上ではございますけれども、やはり原子力発電をこれからどうしていくのかということを、エネルギー基本計画の中でも総理は白紙から議論しようというようなことをおっしゃっております。こういうときをとらえて、どうしていくのかということについて真剣に考えていただきたいということを私から国のほうに申し上げてまいります。 150 ◯宮崎委員=今私が質問しているような内容の問題も含めて、おとといなぜ海江田大臣にそこのところまで含めた要請とか注文をつけなかったんですか。私は当然そうされるべきだというふうに判断をしていたんですけれども、残念ながらそういうところは全然タッチされていない。ただ、再稼働のみ。何が何でも再稼働。再稼働、再稼働、再稼働でしょう。それじゃ何もならんって。やっぱり最終処分場のところをきちっとしなくちゃ、入り口があるなら出口があるでしょう。そのことをきちっとなぜ判断をして国に要請していただけなかったのか、非常に残念に思いますが、いかがですか。 151 ◯古川知事=入り口があるのであれば出口をつくるのは当然であろうというお話であろうかと思います。おととい海江田大臣が来られたときには、時間が限られておりましたし、私どもも焦点を絞って御質問させていただきました。再稼働の話だけをしたわけではなく、例えば、高経年化炉のあり方などについてもお尋ねをさせていただきましたが、限られた時間ということもあって、この全体の廃棄物処分場のことにまでは話が至りませんでした。ただ、先ほど来の繰り返しになりますけれども、これから我が国のエネルギーをどうしていくのかということを一から議論しようと菅総理はおっしゃっておられます。そういう中では、今委員がおっしゃったこともしっかりと議論されなければならない課題と認識をしております。 152 ◯宮崎委員=論議はされないといかんと、しゃんかとはわかっておるとよ。それはもう原子力発電所が稼働する時点からわかっていることでしょう。もう四十年経過しているんです。この四十年間にまだ入り口の入り口にも達していないという状況をどう判断するんですかということですよ。恐らく四十年経過した今日でもはっきり決まっていない。はっきりどころか、まだ白紙の状態。本当に日本国内に最終処分場ができるという判断をお持ちですか。そういう思いを持って国に要請をされるんですか。 153 ◯古川知事=最終処分場を確保するのは国の責任であると考えております。それで、国がどこに、基本的には国内であるのかもしれませんが、その場所について私どもが承知をしているわけではございませんが、原子力行政を進めている以上は必ず必要になっていくものということで、国に対してもこれまで申し上げてまいりました。 154 ◯宮崎委員=これは知事ね、三月十一日の福島第一原発の事故が起こる前ですよ。これはあなたも見られただろうし、お聞きになっただろうと思いますが、ニュースで燃料体の廃棄物の最終処分場がなかなか日本では決まらない。アメリカもそうだろう。だから、日本政府はアメリカ政府と一体となって、モンゴルに原子力の技術を持っていって、ODAでするのか知りませんけど、何でするかわかりませんけど、何かで無償提供するのかわかりませんが、日本とアメリカの原子力技術をモンゴルに輸出をし、そしてモンゴルに原子力発電所を建設することを協力する。その見返りに、いわゆる今言っておる核燃料の最終処分場をつくろうという話が出ておったんですね。これはあなた方知っていらっしゃいましたか、どうですか。 155 ◯古川知事=そのことはニュースというか、報道で聞いております。 156 ◯宮崎委員=ところが、その話が三・一一のあの事故で頓挫した。そういうことで、非常にやっぱりまた、それがいいかどうかというのはまた別問題ですよ、論議はね。しかし、日本国内として、日本政府として、そしてあるいは原発の立地県の知事として、議員として、やっぱり稼働する以上は廃棄物が出る。それの処分場を早く決めないと、これから子々孫々に大きな問題を残すことになる。それはやっぱり影響のない、放射能の影響のない、あれは三百年、四百年かかる、放射能を出し続けるというふうになっていますでしょう。六ケ所村でガラス化、固形化したやつを詰めて、そしてそれを地下三百メートルのところに入れて、そしてそれを貯蔵するということになっているわけでしょう、計画では。そういうのを果たして実現できるのかどうか。それについては私は、今知事がおっしゃったように、国にきちっと佐賀県の知事として、立地県の知事として、やっぱり厳しく申し入れをしていただきたいと思います。再度の確認をします。いかがですか。 157 ◯古川知事=委員からるる御指摘があった趣旨を踏まえて、今後の原子力行政をやっていくとするならば、このことについての解決が不可欠である、早くそういったことについてきちんとしなければならないということをこれから申し上げてまいります。 158 ◯宮崎委員=私は、そういうものを国に提起をして、それに対するどういう計画を立地県の行政に、自治体に約束をしてくれるのか、そういうものを含めた形で再稼働の判断をどのようにするのかということも一つのポイントになるだろうというふうに私は思っているんですよ。これは再稼働ばかりして、後は知らんばいということにはならんわけですから、そのことも私は厳しく知事に申し上げて、それは知事のほうから国のほうに要請をしていただきたいというふうに思っております。  時間も経過しましたので、最後の問題に入ってまいります。  菅総理の来県要請についてであります。  これは今、古川知事が答弁の中でたびたびそういう発言もされてまいりました。この問題は、二十七日の文教厚生常任委員会の中で、いわゆる佐賀県主体の説明会、あるいは国の責任をどうやって確認をするのかという論議の過程において、自民党の篠塚委員が、それは菅総理が浜岡の停止要請もしたんだから、原発の事故の後、菅総理は国民に対して、いわゆる今、国で推進をしている、先ほど出ましたエネルギー基本計画、この中での原子力発電の問題も白紙をもって再度見直しをして計画を改めていくという発言もなされております。その発言がどのような形でエネルギー基本計画の中に織り込まれるのか、そういう二つの問題で、私は直接菅総理から県民の前に発言で示していただきたいというふうに思っておるんです。  きのうおととい、海江田さんがお見えになったとき、海江田さんはこういうふうに言われております。菅総理からもよろしくやってくれ、伝えてくれという言づけは伺ってきましたということは発言されているでしょう。しかし、言づけで事が、こういう問題が処理されるべき問題じゃないんです。だから、今、古川知事は答弁の中で、そういう要請を受けて、菅総理に来県の要請をしておるということでございますが、大体知事の要請でいつごろという時期を限定したほうがいいのか、今の状態、菅さんがやめるの、やめんのと言っておりますから、非常に社会保障と税の一体改革の問題で、消費税を二〇一〇年の中ごろまでに一〇%上げるの、上げんのと、これは政府・与党の中で今いろいろ論議をしております。それが決まったら今度は野党との協議が残っています。非常に大変厳しい重要な時期だということは我々も認識を持っています。しかし、この原発の問題も、我々が生活する以上、非常に厳しい重要な課題であります。だから、そこまで菅総理が明言されたならば、さらに直接県民に対して、いわゆる佐賀まで出向いていただいて、そして県民の代表である知事と会見をされた中で表明をしていただきたいと再度私は要請をするんですけれども、それについてはどうですか。 159 ◯古川知事=私も、今、委員がお話ありましたような同じ気持ちで、先日の篠塚委員の質問に対する、形の上では本部長答弁でございましたけれども、私の趣旨を踏まえた形で答弁をさせ、それをこれからやっていきますということで答弁を申し上げさせました。そして、現在、今、総理に御来県いただくべく調整をしているところでございます。既に総理に御来県いただきたい趣旨については、先方のほうに伝わっていることと存じます。 160 ◯宮崎委員=知事にはどやんか報告されておるかわからんけど、これ議事録持っているんですよ。そういう要請、全然違いますよ、答弁は。だから今知事がそこまで踏み込んだ答弁をなされたから、私はこれはもういろいろ突っ込みませんけれども、やっぱり質問者がきちっと質問したことに対して、執行部はきちっと答える。知事が出席されておりますからね、僕はあなたに申し上げておきます。あなたが、いや、それは要請ばしようやと言われたかもわかりませんよ。しかし、ここではそやんなっておらんでしょう。そうですよ。篠塚委員が念を押して、「内閣総理大臣が佐賀に来られるということで私は理解いたしますが、それでよろしいんですね。そこだけひとつお答えをしていただきたいと思います」と、こう念を押された。そして、本部長は「先ほどの御答弁が知事と確認させていただいた内容でございます」。先ほどの確認とはどういうことかというと、委員の意見をうまく受けとめまして、真摯に対応してまいりたいということでございますとか、具体性が全然ない。真摯に対応すると。真摯に要請をするなら、要請という言葉をきちっと告げてもらわんばいかんということですよ。どうでも受けとめられるような答弁じゃいかんということですよ。そのことが信頼関係でしょうもん。私はそのことをぴしゃっとしてやっぱりしていかんばいかんと思いますから、私はそれを強く申し上げておきます。  そして、なかなか菅総理の出席は厳しいかもわからんということもあります。もし来県がかなわなかった場合には、あなたが上京されて菅総理と直接お話をされて、その辺の真意を確認するということができますか、どうですか。 161 ◯古川知事=これから具体的に調整を進めていきますが、まず私どもとしては、菅総理に御来県いただくのが何よりだと考えておりますが、それ以外の方法についても、これからどのような方法があるのか、今委員から御提案になったようなことも、私どもそれも含めてあり得るかと思っているところでございまして、これから協議を進めさせていただきます。 162 ◯宮崎委員=基本的に一番目は、菅総理が佐賀県に来県をして、知事と会見をして、今言ったようなことを発言していただくということです。それが基本的に一番目です。しかし、それが国政の状況で、政局の状況で、佐賀県まで来ることができないということであるならば、ひとつ知事、それは上京して、菅総理と面会していただきまして、そのことをしていただきたい。私はその二つしか考えられないと思います。私はこのどちらかをやっていただきたい。そして、その上に立って、どういう回答があるかわかりませんけれども、そういう轍を踏んで、そして最終的にはあなたが、玄海原発二号、三号機をどうするかという判断をされることにしていただきたいと思うんです。いかがでしょうか、最後に。 163 ◯古川知事=この菅総理の御来県のことについては、私としても再稼働を判断する際の重要な要素だと思っておりますので、それにおいて一定の答えをお伺いした上で判断をしてまいります。 164 ◯宮崎委員=これで私の通告の質問を全部終わりました。ひとつ今質問し、そして取り決めしたことについては真摯に受けとめていただきまして、誠実をもって処理をしていただくようにお願いして、私の質問を終わります。
     以上です。 165 ◯木原委員長=以上で宮崎泰茂委員の質疑は終了しました。  宮崎泰茂委員は自席へお願いいたします。 166 ◯宮崎委員=どうぞ、私はもう帰りますから。どうも済みません。 167 ◯木原委員長=次に、徳光清孝委員の質疑を行います。徳光清孝委員は質問席へお願いいたします。     〔徳光委員質問席着席〕 168 ◯徳光委員=県民ネットワークの徳光清孝でございます。時間も押していますので、早速質問に入りたいと思うんですが、大変急で申しわけないんですが、一つだけ質問に入る前に、知事にちょっとお聞きをしたいんですが、きょうの朝日新聞に九州電力の松尾会長とのインタビューの記事が載っていました。朝読んだんですけれども、ちょっと私は憤りを感じました。原発について、この二号機、三号機、定期検査が終わっていると。しかし、再起動していないということに対しまして、車検を済ませた車に乗るなというような表現をされています。そして、今なお再起動しないことについて、感情的な一面が生み出した風評被害に近いというふうに答えているわけですね。風評被害というのは、うわさとかなどによって実際被害が出ることですけれども、私たち、少なくともこの佐賀県議会において、五月の臨時議会、あるいは特別委員会、そして今回の六月定例議会でうわさを頼りに私たちは質問しているわけじゃありません。本当に安全対策が大丈夫なのか、科学的な根拠も含めて、しっかり知事に対して質問をしてきたというふうに思います。それに対して風評被害に近いといったようなことを発言するということ自体、本当に今回の福島第一原発の事故をどうとらえているのかと、そこを本当に疑問に感じますし、私たち佐賀県民や県議会をばかにしているんじゃないかというふうに受けとめるんですね。ですから、これについて知事はどう受け取るのか、あるいは私ははっきり抗議をしていただきたいというふうに思いますが、その点について済みません、急で申しわけないんですが、最初にお尋ねします。 169 ◯古川知事=私もこの記事は拝見しておりました。確かに九州電力として、予定した再稼働ができずに、その分、コストが余計にかかっているというものが企業としての被害だろうということは、会長としての御発言としてはわかりますが、それがちょっと何ゆえに風評被害というふうにお話しになっておられるのかということについては、ちょっとこれを見ただけではわからないと思っています。  ただ、これは新聞の記事でございますので、ちょっとこれをもって直ちに抗議をするということは考えておりませんが、この九州電力、松尾会長に、このインタビューについて答えられた真意について確認をしたいと考えます。 170 ◯徳光委員=ぜひ真意を確認していただいて、私たち県議会としてはやっぱり憤りを感じておるということもぜひ伝えてください。  それでは、安全審査指針についてでありますけれども、これもたびたび質問として出てまいりました。今の安全審査指針の第二十七に電源について書かれていますが、その解説の中では、全電源を長期間喪失をするという事態は想定しなくていいというふうに書かれています。ところが、今回そのようなことが起こって大変な事故につながったわけでありますけれども、これに対して、原子力安全委員会の班目委員長も間違いだということを断言しております。そうしますと、今、日本に五十四基原発がありますけれども、この間違った安全審査指針によって、すべて設計、建設をされているということからすると、今の原発五十四基は、すべて基本的な構造上の欠陥を持っている、あるいは重大事故につながる欠陥を持っているというふうに私は判断できるというふうに思います。  ところが、これに対しまして、今回の緊急安全対策というのは、例えば、タービン棟の補助給水ポンプに冷却機能を頼るだとか、あるいは外づけの施設をつくるだとか、それから、電源車を外部に配置をする等々、全く基本的な構造を直さずに、外からの、外付けでの対策になっております。本当にこの基本的な構造の欠陥に対して、そんな外からの対策だけで安全性が確保できるのかどうか、その点について、どのようにお感じでしょうか。 171 ◯古谷くらし環境本部長=お答えいたします。  現行の「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」、いわゆる安全審査指針でございますが、ここでは、「長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧または非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない。」とされていたところでございます。  しかしながら、まさにこの点が今回の福島第一原発の事故では問題となったわけでございまして、実際に長期間にわたる電源喪失を想定し、その場合にも原子炉を安定的に冷却して、冷温停止状態にできる対策、これを緊急安全対策として講じられたところでございます。  委員からは、ただいま外づけの対策ばかりで本当にいいのかというお尋ねでございますけれども、想定として、原子力発電所に関しては、さまざまな設計上の要求がございます。そうした中で、今回の発生した事象というのは、すべての電源が喪失したということを前提に置いた対策でございます。そういった意味では、まずはそのためにどういった措置がとれるのかというところで、この緊急安全対策が組み立てられておりますが、今後、やはり例えば、外部電源を喪失せずに済むような対策、そうしたものまで含めて見直しが行われると考えておりますので、その際に、必要な対策というのが順次とられていくと思っております。そういう意味では構造上の欠陥というよりは、一番シビアな場面での対策からまず順次とられていっているというふうに理解をしているところでございます。 172 ◯徳光委員=今、本部長の答弁にもありましたとおり、これからある意味、本当の意味で原発の事故が収束をして、すべての原因、あるいはどこが壊れているのか等々の原因がわかってこそ、本来の安心できる対策がとられるというふうに思うんですね。今、本部長も今後また、いろんな対策がとられていくだろうというふうに言いましたけれども、県民感情としては、そういう対策がとられてからこそ安全だというふうに今県民は感じていると思うんですよ。だから、この緊急対策だけで再起動を認めるんではなくて、やはりすべての原因がわかって、すべての安全対策が施されてから、県としては県民の感情をしっかりつかんで再起動について判断をすべきじゃないかと思いますが、その点についていかがでしょうか。 173 ◯古谷くらし環境本部長=ただいま徳光委員よりおっしゃったことについては、非常に県民の立場からということで申し上げられたと思うんですけれども、そういった点では、確かにそういう面があるだろうというふうに思います。  ただ、原子力安全委員会では、これまで安全審査指針において、長期間にわたる全交流動力電源喪失は考慮する必要はないとしていたことなどを踏まえて、この審査指針、あるいは耐震設計審査指針、いわゆる耐震指針ですね、これらに関連する指針類に反映されるべき事項について検討が開始をされております。これは現行指針類の総点検という意味で行われるものと考えています。  ちなみに六月十六日に原子力安全委員会の班目委員長のほうから、安全設計審査指針及び関連の指針類に反映させるべき事項、それから耐震設計審査指針、それから関連の指針類に反映させるべき事項を検討し、報告するよう、原子力安全基準指針専門部会長あてに指示がなされております。そこでは、これまでに、今回の事故に限らず、これまでに蓄積された知見や今回の地震及びに津波にかかる知見、あるいは事故の教訓を踏まえて、安全確保策の抜本的な見直しを図ると、そういった趣旨で総点検を行うということで指示が出されているものでございます。  そうしたところから、この検討枠を見直しが、すべての項目について結果的になされるかどうかということは、現時点では決まっているわけではございません。これが終わるまで再起動のための安全性が確保されないということではないというふうに理解をしております。  指針類のすべてについて見直すということではなくて、当面指示をされています二十四年の三月を目途に、まずは論点を整理するという形で、今後議論が進められていくものと理解しております。  一方で、三月三十日に国がそれぞれの事業者に指示をいたしました緊急安全対策は、仮に福島のように津波で電源等が喪失した場合でも、原子力災害に至ることなく、安全に冷温停止ができるようにするために、その実施を求めたものでございます。国によって、九州電力の緊急安全対策は妥当であるとの評価が五月六日に出されましたけれども、私どもとしても、二回にわたり原子力安全・保安院から内容を確認させてもらいまして、その際、二回目には詳細なデータ等をもとに説明を受け、なおかつ専門家のほうにも御意見を伺った上で、この安全対策の妥当性については県としても理解したところでございます。 174 ◯木原委員長=執行部へ申し上げます。質問者の答弁は質問の趣旨に沿って、明確、簡潔明瞭にお願いいたします。いいですか。 175 ◯徳光委員=今の答弁については、また後で、安全対策は本当に大丈夫なのかということで質問しますけれども、今、本部長言ったように、県民感情からすると私の言うこともあるのかもしれないというふうに言いましたけれども、古川知事初め、佐賀県は県民の安心・安全を第一に、最優先に考えて判断しますと言っているんじゃないんですか。だったら、やっぱり県民の感情、県民がより安全を求めるところで判断すべきじゃないんですか。 176 ◯古谷くらし環境本部長=私どもとしては、いわゆる安全性をきちんと確認できるということで考えております。ただ、委員がおっしゃったお話というのを一般の県民の方から見れば、なかなかこの今回の原子力発電所の安全性に関する議論というのは難しい面もある中で、いろいろ御不安がおありだろうと、そういう中では、本当に何かすべてを見直す必要があって、それがすべて見直されないとという、そういった感情というものはあるというのは理解できるんじゃないかと、そういった趣旨で申し上げたところでございます。 177 ◯徳光委員=今の件、また後で質問しますけれども、やっぱり一般県民というのがほとんどですよね、八十五万人のうちほとんどが一般県民ですよ。やっぱりそんな原発の詳しい技術的なこととかは、それは当然知っている人は少ないというふうに思いますけれども、県政を預かる上では、しっかり県民感情に沿った対策をするのがやっぱり県の第一義的な仕事だというふうに思いますので、その点については強く申し上げておきます。  続いて、地震による影響なんですが、これもちょっと繰り返しになるところがあるかもしれませんが、これまでも津波によるものだという言い方をされています。しかし、IAEAに報告された報告書を見ても、地震の影響に関してはさらなる検証が必要とも書かれております。詳細は明らかではありませんが、やっぱり地震によって何らかの損傷はあるというふうに思いますし、場合によってはそれが重大な事故につながったのか、あるいは今後、その重大な事故につながるおそれがあるのかということもあると思うんですね。その点についてはどのようにお考えですか。 178 ◯古谷くらし環境本部長=地震による破損の疑いに関して、確かに何かその地震によって壊れたものがあるんではないかということを、先ほどの宮崎委員の質疑の中でも出ましたけれども、すべてが地震によって全く影響がなかったということはないと思います。  先ほど引用されましたIAEAの報告書、そこの中で、今後の検証が必要ということが書かれているということでございましたけれども、一方では、地震によって安全上重要な機能についての大きな損傷はなかったということも書かれているというふうに承知をいたしております。  そういった中で、我々も今回の緊急安全対策が本当に地震によって、地震を想定したというか、前提にした対策を考えなくていいのかということは随分保安院とのやりとりの中でもこだわってやってまいりました。そういう中で、二回目の説明の際には、原子炉の圧力ですとか水位、それから、それのデータがどういった動きになっているかというのを地震の到来ないしは津波の到来という時点の水位とあわせて検討いたしましたし、同じようなデータを専門家の方にも御提供をして見ていただいて、やはり津波が到達して全交流電源が喪失になる前までは、一号機から三号機までの安全上重要な機器の機能は維持できていたものと思われるということで御意見を賜っておりまして、県としては国の説明内容は理解できたと思っております。 179 ◯徳光委員=そのように言うんですけれども、例えば四月七日の震度六強の最大余震ですね。このとき原発でどんなことが起きたのかということなんですが、ちょっとスクラップを読ませていただきますけれども、例えば、東北電力の東通原発ですけれども、七日の震度六強の余震の後、広範囲にわたる停電のため、二系統あった外部からの送電が全部とまってしまったと、このときも確かに、直後に非常用のディーゼル発電機一台が起動をしています。起動していますが、このときは午後十一時三十二分ですが、翌日の午後二時には、この起動していた非常用のディーゼル発電機から軽油が漏れ出して故障してとまっているんですね。  それから、女川原発、これは宮城ですけれども、これも余震直後に停電のため、三系統ある外部からの送電のうち二系統までがとまったと、それから強い揺れで使用済み核燃料プールの計器が誤作動して、自動停止して、一時プールの冷却ができなくなった、大体一時間ぐらいできなかったということがあります。  これは、やっぱり地震によって考えられないような外部からの送電がとまったりとか、確かに言われたように、福島第一原発でも地震が起こった後は「止める」、それから「冷やす」、「閉じ込める」という機能は津波まで確かに動いていましたけれども、その後、本当に津波がもし来なければ、その後もずっと動き続けたかどうかというのは、私は今回の四月七日の余震を見ると疑わしいというふうに思っているんですよ。やっぱり地震による影響で非常用ディーゼルから軽油が漏れてとまるとか、外部からの送電がとまるとか、いろんなことが、この震度六強の余震でも起こっているんです。  だから、たまたまという表現はおかしいですが、津波が来て全部壊していったから津波のせいだというふうに、余りにもそこだけに目が行っていますけれども、余震でこれだけのことが起こっているということは、地震直後に機能しても、それが本当に五時間、六時間、七時間動いたのかどうかというのはわからないと思うんですよ。  だから、そんな意味では、しっかり全部の事象を検証しないと、津波対策だけでだめということは言えないと思うんですが、その点についてはどう考えますか。 180 ◯古谷くらし環境本部長=お答えいたします。  まず、電源の喪失事象について、この六ケ所や女川、それから福島でもそうだったと思うんですが、まずは地震の発生と同時といいますか、外部電源が喪失をいたしております。そういったところでは確かに地震の影響は、そういった面でも出ておりました。  それから、ディーゼル発電機が起動しなかった、あるいは途中でとまってしまったという話がございました。福島では別の原因ではございましたけれども、ディーゼル発電機も海水の冷却機能が働かなかったりとか、あるいは直接津波をかぶったとか、そういった理由で動かなくなっておりました。  今回の緊急安全対策では、そうした外部電源プラス非常用電源、それらをすべて喪失した場合に、どういった対策で安全に冷温停止状態に持っていけるかという対策でございます。  そういった意味では、すべての電源を喪失した場合の対策として、今回の対策がとられているわけで、今後、先ほども申しましたけれども、今後、順次さまざまな検証の中で、これについてもっと手前のところで予備的な、予防的な措置がとれるんじゃないかということは、順次拡大をされていくのではないかと、そのように考えております。 181 ◯徳光委員=それじゃあ、今の緊急安全対策が本当に完全なのかということなんですが、一つ玄海原発では全電源が喪失した後、蒸気発生器で発生をした蒸気を駆動源として補助の給水ポンプを動かすと、これで冷却をしていくんだというふうに書いていますけれども、本当にそのときに、このタービン動の補助給水ポンプが正常に動くのかどうか、あるいは美浜とか高浜とか伊方とか敦賀等々では、これまで補助ポンプが故障でとまるといったようなことも起こっているというふうに聞きますけれども、その点については、この補助ポンプに頼るということは、余りにも頼りないんじゃないでしょうか。その点についてはどうお考えですか。 182 ◯古谷くらし環境本部長=今回の緊急安全対策では、お話がございましたタービン動の補助給水ポンプを用いることになっております。その補助給水ポンプというのは、非常に機能の重要性から、日々の巡視点検や月ごとの定期試験、それから定期検査ごとの機能検査でその健全性が確認されているところでございます。  また、浸水防止処置を施したエリアに設置しておりまして、津波による影響によって浸水することがないように、今回、新たな対策もとられているところでございます。  なお、これまでに九州電力のタービン動補助給水ポンプが故障した実績はないというふうに伺っております。また、国内のPWRプラントにおきまして、例えば、試験中にポンプの吐出圧力が異物の混入の影響により低下した事例などが報告をされておりますけれども、いずれも運転継続に支障のない程度の事象でございまして、タービン動補助給水ポンプの送水機能を喪失するような重大なふぐあいは、発生していないというふうに承知しているところでございます。 183 ◯徳光委員=じゃあ、補助給水ポンプがもしも故障で停止をしたら、冷却機能というのはどのようになるんですか。 184 ◯古谷くらし環境本部長=先ほど申しましたように、これまでの段階では、故障した実績はないということと、それから、先ほど御指摘がありました美浜とかでいろいろトラブルがあったという話でございますけれども、これについても実際には短時間で復旧できる、ないしはそのまま運転しても支障ない、そういった問題だというふうに伺っております。  そういった意味では、このタービン動補助給水ポンプの信頼性は高いものであるというふうに考えております。 185 ◯徳光委員=いや、そのように言って、福島だって全部の電源が一気に喪失してしまったんでしょう。この給水ポンプというのは、一プラントに一つしかないんですか。 186 ◯古谷くらし環境本部長=一プラントに一つというふうに伺っております。 187 ◯徳光委員=だから、一プラントに一つしかない補助給水ポンプに冷却機能のすべてを頼っているわけですよ。多重防護というならば、それが故障したときの備えというのは必要ないんですか。 188 ◯古谷くらし環境本部長=このタービン動の補助給水ポンプについては、いわゆるPWRの場合は蒸気発生器を介してということになりますけれども、発生した蒸気の力で回すものでございます。そうした意味では、ある意味故障のリスクというのは、それほど大きくないというふうに承知をしております。  実際、これと場所は違いますけれども、福島第一原発の中でも、高圧注水系がこういった形で蒸気で動かすようなものでございますけれども、こちらについても、実際に全電源が喪失した後に、水位の低下によりまして自動的に起動をしたということで、そちらの機能は維持されておった。そうしたことから、このタービン動の給水ポンプによる冷温停止状態は確保できるものと考えております。 189 ◯徳光委員=原発は、これまでも多重に防護されています、だから、絶対に事故が起こっても外に出ません、すべてそんなふうに言ってきたんですよ。今度の補助給水ポンプは多重どころか、これ一つしかないんでしょう。だから、故障したらどうするんですかと言うと、答えは、いや、故障しないと思いますて、そんなことで安全対策にならないじゃないですか。 190 ◯古谷くらし環境本部長=済みません、私の答弁がまずかったのかもしれませんけれども、この冷却に関しては、タービン動の補助ポンプとあわせて、電動補助ポンプが二台ついてございます。 191 ◯徳光委員=電動補助ポンプの電源はどうなるんですか。全部の電源が喪失しているんでしょう、電源はどうなるんですか。 192 ◯古谷くらし環境本部長=電源については、電源の復旧を待たないということがございます。ただ、設計という意味でいけば、多重防護の設計になっていると、そういった趣旨でのお答えでございます。 193 ◯徳光委員=いや、電源がなければ動かないんじゃないんですか、動くんですか。電源の問題は今何か別にしてみたいな言い方しましたけれども。 194 ◯今村原子力安全対策課長=大型の電源車がないと動きません。 195 ◯徳光委員=その大型の電源車はいつ配備されるんですか。 196 ◯今村原子力安全対策課長=一年後ぐらい、事故発生時から一年後ぐらいということで聞いております。 197 ◯徳光委員=だから、この緊急安全対策は役に立たないと言っているんですよ。私の言ったことは間違っていますか。 198 ◯古谷くらし環境本部長=今回の緊急安全対策というのは、電源が完全に失われたという状態でのお話でございます。そういった意味では、この対策とあわせて、外部電源の復旧対策とか、そういったものもあわせてとられます。  それから、九州電力の場合には、非常用のディーゼル発電機も水密性の高い場所に設置されてございます。そうしたことで、そういった電源を使って動かすということも考えられると思っております。 199 ◯徳光委員=だから、そういう想定をしていたけれども、福島の場合はできなかったわけでしょう。それに対する緊急対策で、このタービン動補助給水ポンプ一つに頼るしかない、いや、予備ポンプはあるけれども、電源は大容量の電源車が配置されないとできない。あの指針の二十七だって、あの解説を読むと、いや、すぐ外部からの電源は復旧できるから長期間にわたって喪失するという事態は想定しなくていいというふうになっていたんですが、それができなかったわけでしょう。同じことの繰り返しじゃないですか。 200 ◯古谷くらし環境本部長=一つしかないという話でございますけれども、これは繰り返しになるかもしれませんが、このタービン動補助給水ポンプについては、九州電力として今まで毎月の点検をやってきている中で、機能検査あたりもしっかりやってきております。そういう中でも、故障した実績はないということでございまして、非常に信頼性は高いものだというふうに考えてございます。 201 ◯徳光委員=いや、今まで原発は安全だと何回も言ってきて、みんな信頼──私は信頼していませんでしたけど、信頼をした人が今回裏切られているんですよ。冷却機能をこの一つだけに頼っているんですよ。安全対策と言えないじゃないですか。冷却機能が失われると、福島第一原発と同じような事態になるんでしょう。こういうことは保安院に対して質問しなかったんですか。(「答弁だろう」と呼ぶ者あり) 202 ◯今村原子力安全対策課長=今の点につきましても、保安院のほうにはそういうことについてもお尋ねをしております。保安院としても、今、古谷本部長が答弁しました内容と同様の話を受けたところでございます。 203 ◯徳光委員=いや、私も、じゃあ保安院からそういう説明を受けても納得できないんですよ、やっぱり。みんなこれに頼っているわけでしょう。だから、同じことのまた繰り返しじゃないですか、二の舞じゃないですか。だから、安全対策というのは本当に信用できますかということで言っているんですよ。古川知事、この点についてどう考えますか。 204 ◯古川知事=今回、緊急安全対策として行った、その前提自体はかなり厳しい前提に立って、福島第一と同じようなことが玄海で起きた場合にどうするのかということに基づいてされたことであると考えております。  その際に、このタービン動補助給水ポンプなどを初めとして、幾つかの対策がとられているわけでございますけれども、私どもとしては、そもそも非常に厳しい設定をまずしたと。そういう中で、どう動かしていくのかということが確保されているという意味で、緊急安全対策において一定の安全性は確保されているものと考えているところでございますが、さらなる安全性の強化ということで、この中長期対策においてさらなる電源車の配置というものが予定されているわけでございます。  安全対策というものは、何かこれをやったら終わりということではなく、常に新しいこと、そしてより安全性を高めることを不断にやっていかなければならないことと考えております。そういう中で、今回の緊急安全対策については、私は一定の安全性は確保されているものと考えております。 205 ◯徳光委員=いや、私が今質問したことに対して、それでも確保されているというのは、私はやっぱり納得できないんですよ。一番重要なことでしょう、冷却機能を維持する、安定的に冷やすというのは。ところが、大容量の電源車は一年後しか配備されないわけですよね。冷却機能に対して、今回の緊急安全対策というのはやっぱり多重防護に全然なっていない。  確かに、安全対策というのは、これからもいろんな安全対策がされると思いますが、一番基本的なことなんですよ、安定的に冷やすというのは。その予備ポンプ等、いろんな電源、今配備されている電源車は中央制御室の機能を維持する程度しかない。そんな意味じゃ、給水ポンプを本格的に動かして安定的に冷却するというのは、一年後に配備されるという大容量の電源車なんですよね。だから、少なくともそれが配備されるまでは、皆さん方は県民に対して安全ですと言えないんじゃないですかね。(「そうだ」と呼ぶ者あり) 206 ◯古谷くらし環境本部長=委員からは多重防護というお話を再三いただいております。ただ、そうした設計なり構えというものは、今後もいろんな対策が講じられていく中で積み重ねられていくというふうに考えております。少なくとも今回のタービン動補助給水ポンプについては非常に信頼性の高い、そうしたものであるというふうに承知をいたしております。 207 ◯徳光委員=いや、信頼性が高いと言われても、それが故障するかもしれないというのはこれまで何回もあったわけじゃないですか。だから、私は基本的な構造の欠陥でしょうと言っているんです。だから、それに対して外づけのいろんな対策では意味がありませんよということを言っているんですよ。  もう一度お伺いしますけれども、本当にこの緊急安全対策で安定的に冷却機能を維持することができるんですか。 208 ◯古谷くらし環境本部長=これまでに確認されているタービン動補助給水ポンプに関する問題点といいますか、そういったものを私どもも見てきております。そういう中では、非常に短時間で復旧できる、例えば、弁の間に若干のすき間が生じていると。そういったものを締めるとか、そういった形で対応ができるもの、ないしは、そのまま起動させておいても、稼働させた場合に、その機能の低下には至らない、そういった事象ばかりでございます。そういった意味では、これは繰り返しになりますけれども、信頼性は高いものと考えているところでございます。 209 ◯徳光委員=そういう想定で今回事故が起こったんですよ。だから、より一層慎重にならないといけないんじゃないですかね。この点についてはもう平行線ですので、ただ、本当にこれはね、絶対これでは安全対策とは私は言えないと思います。  たった一つのタービン動補助給水ポンプにしか頼らない、いや、これは信頼性が高いから動きます、ちょっと故障してもすぐ動きます、予備のポンプがあります、いや、その電源は一年後しか来ません、こんなことで本当に安心できますか。県民に本当にそんなふうに説明できますか。  やっぱり今まで何回も言うように、原発に対してはもう外に出ないように多重防護されている、もう何重にも安全対策もされている、ところが今回、そういったものがすべて働かなかったわけですよ。それに対する緊急対策ならば、ある意味それを上回る対策が必要でしょう。だから、基本的な構造の欠陥に対して、こういう緊急の対策だけでは、どうぞ動かしてくださいというふうに私は言えないんですよ。県民も多分理解できないと思うんですよ。私が言っていることおかしいですかね。(「おかしくないよ」と呼ぶ者あり)どうですか。(発言する者あり)ありがとうございます。  みんな本当に、ここだけは今まで素通りしてきているんですけれども、そもそも緊急安全対策で動かしていいのかどうか、何かのときに本当に安心なのかどうかというのは、今までのやりとりでも私はますます不安があるんですよ。この点について、もう一回県としてはしっかり、大丈夫なのかということを保安院等と協議する必要があるんじゃないですか。 210 ◯古谷くらし環境本部長=再三申し上げておりますように、非常に信頼性の高いシステムだと考えております。その上で、さらなる信頼性という意味で、新たな電源の確保と、そういった対応が中長期対策としてとられると、そういうふうに承知をしております。 211 ◯徳光委員=県民は、さらなる安全対策を求めているんですよ。だから、中長期の対策が終わるまでは少なくとも判断できないんじゃないですかと言っているんですよ。その点についてどうですか。答えてくださいよ。  いや、答えられないならちょっと。 212 ◯古谷くらし環境本部長=タービン動補助給水ポンプの送水機能についての話でございますので、その重大なふぐあいはもう発生していないという信頼性の問題であろうかというふうに思っております。 213 ◯徳光委員=いや、だから、県民はより一層の信頼を求めていますって。中長期の対策をすれば、今、本部長おっしゃったように、より信頼性が増すわけでしょう。それから判断すべきじゃないですか。県民の安心・安全を最優先と考えるなら。違いますか。答弁できないならちょっと。 214 ◯古川知事=委員から御指摘いただいておりますこのタービン動補助給水ポンプのことについては、保安院との間には事務レベルではございますけれども、何度となくやりとりをさせていただいておりますし、佐賀県にお越しになったときにも確認をいたしております。そのときに、このタービン動補助給水ポンプについて、今、本部長は信頼性ということを言っておりましたけれども、このタービン動補助給水ポンプについては、しっかりと動かすということの前提に立って、この緊急安全対策を行ったものであるということの説明を受けているところでございます。  私どもも、こうしたタービン動補助給水ポンプが本当にそういう信頼に足りるものなのかということについて、重ねて尋ねております。それに対しても、このタービン動補助給水ポンプが九州電力においてはもちろんでございますが、これが長時間にわたって使えなくなったということはないということで、その前提の上に立っていただきたいということで回答を得ているところでございます。  繰り返しになりますが、私どもは今回の緊急安全対策を行っていくことで、それがいわば百点満点だとか百二十点だとかを申し上げるつもりはございません。さらなるシビアアクシデント対策や、中長期対策というものも既に示されておりまして、そうしたものについてもしっかりと取り組んでいかなければならないと考えておりますけれども、緊急の安全対策としては確保できていると考えているところでございます。 215 ◯徳光委員=いや、何回も言うように、冷却機能、これは安定的にずっと冷やし続けるというのが一番大切な機能ですよね。それに対して、タービン動補助給水ポンプに頼り切っている。ただやっぱり、幾ら信頼性が高いと言われても、私は信頼できないんですよ。だから、多重防護というのが必要じゃないですかと、そういった大切な機能に。ところが、予備ポンプがある、それは一年後に電源が来るというなら、一年後に判断すべきじゃないんですか。今動かしていいとならないんじゃないですかね。どうですか。答えないなら休憩してすればいい。 216 ◯木原委員長=それでは、暫時休憩いたします。     午後二時二十九分 休憩     午後二時四十二分 開議 217 ◯木原委員長=それでは、委員会を再開します。  休憩前に引き続きまして、徳光委員の質問に対する執行部の答弁から開始します。 218 ◯古谷くらし環境本部長=タービン動の補助給水ポンプが緊急安全対策の中で用いられるということで、それについての安全性、改めて保安院のほうには再確認をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 219 ◯徳光委員=今の時点でなかなか執行部のほうから答弁ができないということですので、ぜひ再確認をしてもらいたいと思いますが、ぜひ言っておきたいのは、その際に、やっぱり多重防護というのをすべてとらないといけないと思うんですよ。だから、信頼性があるというタービン動の補助給水ポンプだけじゃなくて、何かないのかどうか、その辺についてもぜひ保安院のほうに聞いていただきたいというふうに思います。  やっぱり国の安全対策は、「今、判明している知見に基づいて」という、まくら言葉が必ずついているんです。この緊急安全対策でも三月三十日に指示をした。それに対して、国の保安院は九電に対して、五月には再起動していいですよというふうにオーケーを出しているんですね。ところが、六月七日にシビアアクシデントが起こったときの対策というのをまた新たに指示している。それをまた点検してオーケーですよと言っている。このようにずうっとですね、そのたびごとに何か重要な対策を指示されているんじゃ、今の時点でもオーケーですよと言われても信頼性がないんですよね。保安院がこんなふうに小出しに出してくる。海江田大臣も、何かわかればそのたびに対策をしますと言っているんですが、だからこそやっぱりすべて収束してからしか、本来の意味でいえば安全対策はできないと思うんですよ。改めてその点についてはいかがでしょうか。
    220 ◯古谷くらし環境本部長=今回の事故の想定というのが、外部交流電源だけではなくて、すべての電源が失われるという、まさにシビアアクシデントの状況というものを前提に組み立てられております。そういった意味では、例えば、津波対策一つとりましても、津波によって被害を受けても大丈夫なようにということで、今、緊急安全対策が組み立てられておりますけれども、津波を受けたときに防水性の高いものにかえていくことによって、もう一つ手前の状況での対策に変わっていくと。そういった意味では、手前のところに対応をとっていくということは意味のあることだろうというふうに、さらに信頼性を上げていくために必要だろうと思っております。  それから、シビアアクシデント対策については、内容的にはいろんな装備の問題だとか、そういったことで、仮にそうした緊急安全対策をとって事故を起こさないようにしているということがあったとしても、先ほどの防災対策と同じで、仮に起こった場合にこういうものが必要だよねということを整えていくと、そういった観点から指示が出されたものというふうに思っております。  それから、四月にもディーゼル発電機の予備車をというような話もございましたけれども、そういったものについても、やはりそれがなくてもという対策のほうが緊急安全対策としてある中で、もう一つ手前のところで済むようにと、そういう対策のとり方、そういったものはある程度知見が出てまいれば、あるいは実際にほかで不都合というものが生じてくれば、それに応じて必要な対策をさらに加えていくということはあり得るのではないかというふうに考えております。 221 ◯徳光委員=これもずっと平行線になっているんですが、例えば、四月二十六日に佐賀県が国に対して要望を行っています。いろんな事項があるんですけれども、その五番目に、佐賀県として国に要望を行っているんですが、事故の検証結果を踏まえ、安全基準の見直しを初め、安全対策全体の総点検をすることというふうに求めているんです。これは大切なことだと思います。これは重要なことだというふうに思います。だったら、この安全対策全体の総点検が終らないうちに再起動について判断していいのかというもう一つのこととの矛盾はないかということになるんですよ。その点についてはどのように受け取っていますか。 222 ◯古谷くらし環境本部長=今回の事故に関して言えば、これまでの安全性に対する思い込みと申しますか、そういったものもあったんじゃないかというような指摘もあっております。そういった中で改めて総点検をしていくということは、これは基本的な姿勢としてなければならないことだと思っております。私どもとしては、当然、事故がああいう状態でなかなか収束をしていかないという中で、すべてを検証した上でということはなかなか難しゅうございますので、そういったものからしっかりと得られた知見とか検証結果、そういったものをもとに、直接シビアアクシデントにつながるもの以外のものについてもしっかりやっていくという趣旨で、そういった要請をさせていただいているところでございます。  それはそれとして、まずは緊急安全対策をきちんととって、過酷事故の場合に、安全性確保の検証と事故全体の検証によって、さらなる安全性の向上を目指していくということとは、必ずしも矛盾するものではないというふうに理解をしております。 223 ◯徳光委員=ずっと執行部とやりとりをして、私は改めて今の緊急安全対策は完全ではないと。本当にこれだけでは再起動について判断できないということを、ますます私は確信をしました。その点だけはちょっと申し入れをしておきます。  続いて、プルサーマルについてなんですが、プルトニウムが検出をされたと、それも福島第一原発の事故によるものだということだというふうに思います。ただ、人体には影響がないから大丈夫といったようなことでしたけれども、やはりもっと詳しい継続的な調査というのが私は必要じゃないかなというふうに思うんですけれども、その点について、県としてはどのように考えていますか。 224 ◯古谷くらし環境本部長=福島第一原子力発電所の敷地外における土壌中のプルトニウムにつきましては、文部科学省において、これまで敷地から二十キロの範囲内、具体的には二キロから七キロの範囲において、四月二十九日から五月一日にかけて四つの地点、それから、敷地から二十キロ以上三十キロ未満の範囲においては、三月二十一日から二十三日にかけて七地点、合計十一地点の土壌を採取して測定が行われております。いずれの試料からも、発電所由来と思われるプルトニウムは検出されていないという結果になってございます。  また、発電所の敷地内におけるプルトニウムの測定は、三月二十一日以降、定期的、これは週二回程度でございますけれども、実施されております。これまでの調査の結果、検出された一部のプルトニウムは、今回の事象に由来して放出された可能性がございますものの、その濃度は通常の土壌中の濃度レベルということで結果が出ております。そうした意味で、人体の問題になるものではないとされております。  この敷地内についてそういったレベルであるということ、それから、さらにその外の一定の距離のポイントでとらえてみて、そこではいわゆる通常の環境中にあるようなレベルということで、今回の発電所由来と思われるプルトニウムは検出されていないということから、これは持続的に大気中に放出されているとは考えておりませんので、継続的な測定というのは必要ないんじゃないかというふうに考えているところでございます。 225 ◯徳光委員=政府が、放射能物質が検出されたということを発表するときに、「直ちに健康を影響を与えるものではありません」ということを必ず最後に言っているんですね。その言葉を聞くと、ますます国民は不安になるというふうに思うんです。本来、自然界に存在しない放射性物質が出ているわけですから、幾ら自然界と同じレベルといったって、やっぱり何らかの形で、それは直ちに一日二日で影響がないかもしれませんが、あそこにずっと住んでいる方々は大変な影響が出るというふうに思うんですよ。だからこそ、福島なんかは全県民の健康調査をずっとやる、そういったことも言っています。そういうことからすると、少しでも不安を取り除くというのが県の役割だと私は思います。  そのためには、今、三号機はとまっています。MOX燃料が入っています。確かに今回、人体に影響がないと言われるレベルしかプルトニウムは外に出ていないかもしれません。ただ、たまたまそれはMOX燃料が入った三号機の燃料の損傷が少なかったからかもしれません。一号機みたいに七〇%ももし損傷しているならば、もっと人体に影響がある程度出たかもしれない。あるいは、たまたま水素爆発、これも大変な事故ですけれども、圧力容器の破壊までは至っていない。ただ、これは至る危険性もあったわけですよね。ですから、そういったことを考えるならば、少しでも県民の不安を取り除くということからするならば、県ができることは、今、玄海三号機でやっているプルサーマル運転はとりあえずやめるということが、やっぱり一番県民に安心を与えることになるんじゃないでしょうか。その点どうですか。 226 ◯古谷くらし環境本部長=先ほども御説明いたしましたように、周辺の土壌の測定データが示されているわけでございます。敷地内では、今回の事故由来と思われるプルトニウムが検出をされておりますけれども、その濃度が、先ほど自然界には存在しないというふうに御指摘がございましたけれども、過去の大気圏内の核実験による影響等というのは低いレベルであったということで、敷地外ではそういった過去の核実験による影響と思われるもの以外の今回の事故によるプルトニウムの飛散はとらえられていないということでございます。そういうことから、周辺環境への影響はないものと評価しているということでございまして、この説明については我々としても、プルトニウムが非常に質量の違いもあって、そう遠距離まで影響を及ぼすような形で飛散するということはないというふうに考えてございます。そういうことでございます。 227 ◯徳光委員=だから、たまたま福島はそうだったかもしれませんが、県民の不安を少しでも取り除くというためには、玄海三号機のプルサーマルはとめてもいいんじゃないですかということを言っているんです。 228 ◯古谷くらし環境本部長=プルトニウムにつきましては、通常のウラン燃料も燃焼中に発生をしております。今回の影響がプルサーマルであったゆえに、特に高いといった事実は確認をされていないというふうに承知をしております。 229 ◯徳光委員=いや、だから、たまたま特に高くなかったと言うかもしれませんが、県民はやっぱり不安に思っているんですよ。プルサーマル導入のときだって、あれだけ反対の動きがあったわけですから。しかも今、核燃サイクルなんか全然機能していないじゃないですか。  そもそも原子力発電をこれからどうするのかということもこれから議論をされていく。それなのに、何でプルサーマル運転だけ継続しないといけないんですか。県民の不安がやっぱりあるわけでしょう、プルサーマルに対して。それを取り除くためには、MOX燃料を抜けばいいじゃないですか。普通のウラン燃料にかえればいいじゃないですか。そこはやっぱりできませんかね。私は必要性からもいって、プルサーマルを今とめるというのを佐賀県が言うことが県民の信頼にこたえることだと思うんですけどね。 230 ◯古谷くらし環境本部長=委員からはたまたまということでお話があってございますけれども、一応きちんとした測定をされているわけでございます。その中で、今回の事故によるプルトニウムの飛散というのは、敷地内のものが事故由来であったとしても限定的でありまして、その濃度も通常のレベルであるということがきちんと把握されている。そのことは私どももしっかりと確認させていただいておりますし、いろんな県民の皆様からのお問い合わせに対しても、そういった旨はきちんとお答えをしていきたいというふうに考えております。 231 ◯徳光委員=じゃあ、本部長は、県民はプルサーマルについて不安を持っていないと思っていますか。 232 ◯古谷くらし環境本部長=県民の皆様がいろいろ不安の声があるということは、私も承知はしております。ただ、その声があった中で、さまざまな疑問にもお答えしながら、プルサーマルはこの一年来、安定的に運転をされております。そういった意味では、そうしたものを積み重ねていくということで信頼性を得ていくということではないかと思っております。 233 ◯徳光委員=福島の事故が起こってから、信頼性とか安全とかいうのがやっぱり総崩れしているんですよ。だから、その前に県民に対して不安を取り除くということでいけば、プルサーマルはとめてもいいんじゃないですか。そんなにできないことですかね。必要性からしても、必要ないというふうに思うんですけどね。プルサーマルを今続ける必要性はあるんですか。それはどういった必要性ですか。 234 ◯古谷くらし環境本部長=プルサーマルの必要性については、核燃料の資源でありますウラン資源の有効利用と、そういった観点から、核燃料サイクルという形で我が国の原子力政策を進めていこうと、そうしたことでございます。その政策そのものについては、今後議論があるのかもしれませんけども、現時点ではそういった形でやっていくということで進められております。ですからこそ、今回、我々としても影響がなかったのかどうかについては、詳しくデータを求めたり、確認をしたりしているところでございます。 235 ◯徳光委員=これは何回言っても同じような答弁しかありませんので、これ以上言いませんけれども、やっぱり必要性の問題、それから安全性、県民の不安を取り除くという点からしても、佐賀県は勇気を持って、こういう事態だから、一たんはプルサーマルをとめましょう、やめましょうぐらい言ってもいいと思うんですよね。百歩譲って、ずうっととめろとは言いません。まだ福島原発もおさまっていない。核燃サイクルをこのまま続けるかどうかも明らかになっていない。原子力政策をどうするかも明らかになっていない。その中でプルサーマルだけ黙々と続ける意味はないと思うんですよ。一たんでもとめましょうということはできませんか。これはプルサーマルの最後の質問ですけど。知事どうですか。 236 ◯古川知事=プルサーマルについては、県民の中に委員も御指摘のような不安をお持ちの方もいらっしゃった、あるいは現在もいらっしゃるだろうということは私も承知をしております。が、今回の事故による、じゃあ、プルサーマルを実施していたことによる影響はなかったのかということについては、私どもも何度となく確認をしましたけれども、今、本部長が申し上げたような数字が示され、それについては私どもは影響がなかったと理解をしているところでございます。  ということであれば、今、国がこの核燃料サイクル政策について、そもそもそれを全面的に見直すと、あるいはもうやらないということを言っているのであれば、このプルサーマルについても、その中の一部分をなすものとして、もうやっていかなくてもいいということもあるのかもしれませんけれども、現時点においては、国は引き続きこれについては進めていくということを明らかにしております。そして、その後に、これからつくっていくエネルギーの基本計画の中で、この原子力発電を含む原子力との向き合い方については議論をしていくということを言っております。そういったことを考えますと、この時点で私どもがプルサーマルをやめる、核燃料サイクルをやめるということを国に対して申し上げるという立場にはないと理解をしております。 237 ◯木原委員長=暫時休憩します。三時二十分をめどに再開いたします。     午後三時一分 休憩     午後三時二十二分 開議 238 ◯木原委員長=それでは、委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 239 ◯徳光委員=次に、七月八日に開催されます佐賀県が主催をする県民説明会についてなんですけれども、まず、この県民説明会というのは、どのような目的で開催するのか、あるいはその説明会はどのようなやり方、どのような進行で開催するのか。今わかっている点についてお尋ねをいたします。 240 ◯古川知事=まず、目的についてでございますが、多くの県民の方々に国の緊急安全対策について知っていただこうというところでございます。  この説明会の今回のやり方は、今回は多久市中央公民館というところに人に集まっていただいて、その壇上に前回スタジオでやったような形を今度は壇上で、パネルみたいな感じで行っていくと。そのときに積み残しになっているもの、あるいは今回出ていただけない方もいらっしゃいますので、そういった方からのいろんな自分として思っていること、感じていること、そうしたことなどを使っていきながら、やり取りを進めるということにすればどうかというふうに思っているところでございます。 241 ◯徳光委員=それでは、そのパネラーというのは、基本的には前回国が行ったあのときの七人が中心ということですか。 242 ◯古川知事=そのとおりでございます。 243 ◯徳光委員=参加人数なんですけれども、確かにキャパの問題もあるとは思います。例えば、佐賀市でも二十人ということで、余りにも少な過ぎるんじゃないかなというふうに思うんですが、人数についてはどのように受け取っていますか。 244 ◯古川知事=全体でいけば数百人になります。そもそもこの手の説明会を行われる場合には、立地町、あるいは隣接町ぐらいに限った形でされることが多い中、私どもは県主催ということもあって、今回は県内の全域の県民の方々を対象にして行うということをやりました。これも今までやっていなかったことではないかと思います。そうして見たときに、それぞれの個別の市町の人数は少ないと思われるかもしれませんけれども、それは全体の何千人も来ていただいてやれば、またそれはそれで非常に遠くなって、理解を進めることが難しいだろうという中、ここは何とか御理解いただきたい人数だと思っております。 245 ◯徳光委員=県の主催にするということですから、概要によると国が答えていくということなんですが、当然、県に対する質問も出てくると思うんですが、その辺については答える用意があるんですか。 246 ◯古川知事=国の緊急安全対策についてのやりとりというものが中心になると考えておりますので、現時点では、またどういう人に来ていただいて、どういうやりとりをするか、まだこれからになりますけれども、私のイメージしておりますところ、県が何かを説明するというところにはなっていないと思います。 247 ◯徳光委員=古川知事、今回の七月八日の県民説明会で、県民への説明責任を果たすことができるというふうに思っているのかどうか、お尋ねをいたします。 248 ◯古川知事=本来は、こうした県民への説明責任というのは、基本的にはまず国が負っていただかなければならないと考えておりますし、そして、これは不断にといいますか、何かこういうときにだけ何かやって、あとはいつも知らんぷりというのではいけないと思っております。その意味では、国が、今回のことに限らずでありますけれども、原子力に関する事柄については、さまざまな手法を使って、国としては理解を求めて活動というのは行っていくべきであろうと考えております。  今回、県が主催するこの県民説明会においては、今、原子力について、不安に思っておられる方々に、ああ、こういうことをとられているのかということでの理解というか、そういったものが進むきっかけになればと思っております。 249 ◯徳光委員=私もぜひ参加をしたい、聞きたいというふうに思っていますので、全体がどんな流れになるのか、どんな結果になるのか、私もその辺を十分自分で聞いて、また、今後どうすればいいのかということについては、また発言をしていきたいというふうに思います。  最後の質問ですが、知事の再起動への理解についてお尋ねをいたします。これについては宮崎委員のほうからもありましたけれども、若干ダブる分があるかもしれませんが、よろしくお願いをします。  まず、これまで、古川知事は三つの宿題という言い方をしてきました。そして、最終的には、浜岡原発だけどうして停止をするのかということについて、先般、大臣が知事に説明をした、そのことで安全性はクリアできたというふうに発言をされています。ただ、これもありましたけれども、海江田大臣が発言、あるいは説明をした内容と、これまで黒木審議官等が説明した内容というのは、ほぼ同じであったというふうに思うんですが、同じ内容だったのに、どうして大臣が言えば理解できたというふうになるのか、その点についてお尋ねをいたします。 250 ◯古川知事=委員がおっしゃるように、全く違うことを大臣と事務方になるところはないわけでございまして、それは例えば、こういう委員会におきましても、私とそれぞれ事務の執行部のほうは、基本的には同じスタンスに立ち、方向を向いて御答弁をさせていただいております。でも、そういう中で、やはりここは知事がというところというのは節目節目でございます。そこはやはり責任者として、また、選挙で選ばれた者として、どういう決意で、どういう責任を持って臨んでいくのかということを、しっかりこうした場で語っていくということに私は意味があると考えているところでございます。  今回、大臣からお話しいただいた事柄の幾つかは、というか、多くはと言ってもいいのかもしれませんが、それはそのこと自体は事務方から聞いていたところもございましたけれども、例えば、浜岡の地震についてのお話であっても、これまでは確率論ばっかりだったものが、三連動の地震の起こるという、いわば地震の質に言及をされたりでありますとか、大臣御自身が実際に浜岡の現地をごらんになって、そういったこれは中長期対策まではやはりとめなければというふうな一種の、私から見た感じでは苦渋の決断をされたということは、実際に直接お目にかかって、話をしている中で私は感じたところでございました。単なる確率論だけで言えば、これも宮崎委員のほうからも出ておりましたけれども、その〇・〇%同士の確率でございまして、それでは説明にならないと私自身は思っておりましたけれども、いわば、これはこうしたほかのところとは違う非常に質の異なる地震の発生の切迫性というものを大臣御自身が感じられて、一種の苦渋の決断をされたということだと思ったところでございます。  「危ないところは政治がとめる、安全なところは政治が動かす」、この言葉を大臣が直接おっしゃいました。これが政治家としての発言だと私は受け取ったところでございます。 251 ◯徳光委員=県民の感覚とやっぱり少し違うんじゃないかなというふうに思うんですね。というのは、県民の感覚は、保安院が言ったことと、大臣が言ったことが同じであれば、より安全性が向上したとは思わないと思うんですよ。(「そうだ」と呼ぶ者あり)確かに大臣が言ったので、責任ある、責任をとりますという責任の問題は向上したかもしれません。ただ、問題は、安全性が確立されたかどうかということだと思うんですね。その点については、だれが言おうが、大臣が言ったから安全性が、保安院が言ったときと違って安全性が確立されたとは、県民感覚ではなかなか理解できないと思うんですが、その点、いかがですか。 252 ◯古川知事=これまでも私どもが議会で御答弁させていただきましたように、私どもは大きく三つの宿題があるというふうな認識をしておりまして、その中で、そのうちテクニカルな課題といいますか、そういう技術的な課題が地震の問題とMOXの問題だというふうに思っておりました。そして、浜岡の問題については、技術の問題というよりはむしろ政治の問題であるという位置づけをして、大臣に来ていただくまでの間に、テクニカルな二つの議論については私どもなりに整理をしておったわけでございます。そのことについては、常任委員会の場でも御説明をさせていただいたとおりでございます。残る一つの政治的な課題について、これは政治家本人の話を聞きたいということで、今回の訪問となったわけでございまして、例えば、MOXの話や地震の話、そういった事柄の安全性そのものについて、大臣の説明を聞いてということでは直接的ではなかったということでございます。しかしながら、最後に二号機、三号機については、しっかりと安全を確保してやっていくということを大臣の御発言としてあったということは、私は意味はあったと思っております。 253 ◯徳光委員=何かちょっと答弁が違うような気がするんですけど、私は県民感覚から見て、大臣が言おうが、保安院が言おうが、同じことを言って、じゃあ大臣が言ったから納得できたとは県民感覚ではならないと思うんですね。  それから、政治の問題とおっしゃいましたけれども、浜岡原発をとめるというのは、やっぱりテクニカルな問題にもやっぱり私はつながっていると思うんですよ。浜岡自身も緊急安全対策を実施している。これについて保安院もオーケーですというふうに言っている。オーケーですと言っているということは、福島級の地震や津波が来てもオーケーですということだと思うんですよ。けど、浜岡はとめる。  それと、今度裏返しで言いますと、他の原発では、地震や津波の切迫性はない。例えば、玄海はプレート境界云々じゃないから、そこまでの切迫性はありませんというふうに言います。それなら、緊急安全対策は必要ないということにもつながっていく。だから、物すごく両面が相反しているというか、そんな議論になっていると思うんですね。ですから、それは確率の問題ではないというふうにおっしゃいました。そのとおりだと思うんですが、やっぱり技術的な問題で安全対策が本当に今の緊急安全対策が大丈夫ならば、どうして浜岡をとめなくてはならないのかというのがやっぱり理解できないんですよ。その点については、知事の理解はどうですか。 254 ◯古川知事=まず、プレート境界における地震は大変に大きく、そうでないところの地震はプレート境界地震に比べると規模が小さいということについてでございますが、私もそのことについては理解をしております。もしそうであれば、では緊急対策のような大がかりな対策が要らないのではないかということについて言えば、私はあるいはそうなのかもしれないとも思います。  しかしながら、そこはまさに、じゃあ玄海はプレート境界がないので緊急安全対策をしなくていいですよと言われて、ああ、そうですかと言う人は私はいないと思います。まさにそこは、果たしてあれぐらいの津波が来るのかどうかということを実際的に本当に起こるのかということを別にしても、そこは全く同じようなことが起きた場合のための対策を講じていますということで、我々を含む住民の方々に安心していただくためにこの対策がとられているというふうに整理をしているところでございます。  また、浜岡をなぜとめたのかということについて、委員も心から納得していただいているわけではないと思います。そこは私も物すごく明快に、クリアカットに今回の件についてわかったということではないにせよ、いわば大臣として非常に苦しいながらも、そこについてはそういう御判断をされたということで、これについては、本来、ほかをとめるべきところをとめずに浜岡だけとめたという選択ではなく、ほかが大丈夫で、事務的には浜岡も緊急安全対策によって大丈夫という判断がなされたものを、そこは地震の質などに着目をして、ここは自分がとめるというふうに政治家として判断されたんだなということを私は感じたというところでございます。 255 ◯徳光委員=私は浜岡をとめたことは大賛成なんです。ついでに、できれば玄海一号機もとめてほしいんですけれども、それはいいんですけれども、やっぱりそれに対して大臣が言ったから理解できたというのは、何回も言うように県民の感覚からはやっぱりずれているような気がするんですよ。当然、知事は政治家ですから、政治家同士の重たい責任ということでそんなふうに理解できたと言うかもしれませんが、同じように県民が聞けば、同じことを言っているのに、どうして大臣が来たときに理解できたとなるのというふうに、やっぱりどうしてもなると思うんですよね。  さまざまな意見があると思うんです。これまでも地震によって何か大きな損傷があったんじゃないかということに対して、データを専門家の方に分析をしてもらったというふうに言っていますので、私はこういったことも含めて、ぜひ慎重派と言われる学者とか、あるいは反対派と言われる学者の方の意見も、ぜひやっぱり最終的に知事が判断する前には聞くことも必要じゃないかなというふうに私は思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。 256 ◯古川知事=私どものところには、県内外の方々からさまざまな意見が寄せられております。そうしたものについても見ていきながら、その中から、例えば、これはそうかもしれないと思うことはこういろいろぶつけたりしているわけでございます。まさに、地震じゃないのかというふうなことは、そういう慎重派、反対派の人たちから言われた言葉を私どももそれを受けとめて確認をしているところでございます。  これまでもいただいているものの中で、そういうこれまで行っている国の政策に対する疑問点や、おかしいのではないかという御意見については、そうしたものも見ていった上で、いろんなやりとりを、これまでも保安院とさせていただいたと思っております。  これからさらにそういう方々と直接やりとりをするということについては、ちょっと今、イメージしているわけではございませんが、例えば、先日の県民説明番組の中にあっても、また、その方のうちの何人かは今回出られますので、あの方のうちの多くは、再起動や原子力発電について非常に疑問や悩みというものをぶつけておられました。そういった方々とのやりとりというのを私自身も見ることによって、本当に大丈夫なのかということについての判断をしてまいりたいと思います。 257 ◯徳光委員=再度確認しますが、今の時点で安全性については、すべてクリアできたというふうに認識をしているわけですね。 258 ◯古川知事=私どもが出した課題として持っておりましたものについては、クリアがされたというふうに認識をしております、安全性についてですね、安全性についてはそういう認識をしております。 259 ◯徳光委員=次に、議会での論議をどのように受け取っているのかということなんですが、当然、これまで五月に臨時議会あるいは会期外にも特別委員会を開催して、さまざまな議論をしてまいりましたし、本定例議会でも一般質問もありましたし、きょうの三人の質問というのもあります。  現時点で、知事は県議会の議論をどのように受け取っているのか、深まってきたと受け取っているのか、その点についてお尋ねをいたします。 260 ◯古川知事=一言で言えば、大変深まってきていると感じております。私どもが気づかなかった点、または知らなかった点、そういった点なども議会の中で御指摘をいただいていることも多々ございます。また、議会のほうから強いお話があって、県主催の県民説明会については実施をすることになりました。また、総理の招聘についても、これも議会の中での議論を私どもとして行うことにしたところでございます。  このように今回の再起動問題については、議会からさまざまな御指摘や御議論をいただきながらここまでやってきているという認識で、議論は深まってきているものと認識をしております。 261 ◯徳光委員=なかなか議会での判断というのが議案という形で出るならば、賛成、反対ということで、ある意味、議会の意思が示されるというふうに思います。ただ、今回については、当然ながら、法的にそういったものが出せるものでもありませんし、明確に同意がないと運転できないというものでもないというのは、もう御承知のとおりですね。そうなると、まだ私たちとしては、本日の議論、そして今のところ七月十一日にはもう一度会期外でありますけれども、この原発特別委員会を開こうという方向で今決めております。そんな意味じゃ、きょう時点で私自身は議会の中では安全性が確立されたという議論にはまだなっていないというふうに思うんですけれども、その点について知事はどのように感じていますか。 262 ◯古川知事=委員からございましたように、この議会において、何か議案や決議といった形で明確に何か一つの方向が出てくるというよりは、こういうさまざまな御議論をいただきながら、それを踏まえつつ、最終的には私が判断をしていかなければいけないものと承知をしております。  その意味で、この議論の中で、何か議会として、例えば全員が同じ方向を向くとか、そういったことは現実的にはなかなか難しいだろうと思っているところでございまして、まさにさまざまな御議論をいただきながら、そういったことを総合的に勘案して判断をしていくということであると、ちょっと余り答えになっていないかもしれませんけれども、そのように考えております。 263 ◯徳光委員=それともう一つ質問したのは、きょうまでの議会の議論の中で、安全性というのは確立されたというふうに思っているのかどうかということも聞いたんですけど。 264 ◯古川知事=議員の皆様方お一人お一人が、皆さん安全性についてはわかったという認識に立っておられるかと言われれば、それは違うのではないかと思っております。  ただ、もちろん安全性についてはわかったとおっしゃっている方も、あるいはいらっしゃるのではないかとも思っておりますし、そういう立場に立った御質問もこれまで何人かからいただいているとも思っているところでございます。 265 ◯徳光委員=きょうまだあと、私以外にも一人質問をされます。七月十一日には特別委員会も予定をしていますので、知事が安全性はクリアできた。あとは議会の議論をしっかり見定めたいというふうに言っていましたので、ぜひその言葉どおり、議会でどういう、きょうの議論も踏まえて、もう一度私は安全性、本当に大丈夫なのかというのを、ぜひ知事の中でもう一回そしゃくをしてもらいたいというふうに思うんですよ。  それがないと、なかなか私たち、私も含めてまだ安全性は確立されていないという認識でずっと質問をしています。先ほどの質問も、もう一度保安院等にも確認をされるというふうに言っていましたので、やはりまだクリアに私はなっていないというふうに思うんですね。ですから、しっかりきょうの議論も踏まえて、安全性ということをしっかりもう一度知事の中で、あるいは執行部の中で改めてそしゃくをして検討してもらいたいと思いますが、その点についてはいかがですか。 266 ◯古川知事=この安全性の点については、そういうさまざまな議会の御議論もいただきながら、常にチェックをし、確認をしていくということは、これからも続けていかなければならないと考えます。 267 ◯徳光委員=県民の理解をどうとらえるかということなんですが、当然ながらきょうも傍聴者の方たくさん来ていますし、県民の関心は物すごく高いというふうに思っています。これまでの議会での論議、あるいは知事の発言、そして、六月二十六日に国の説明番組というのがありましたけれども、今の時点で県民の理解は進んだというふうに受け取っているのかどうか、その点についてお尋ねをいたします。 268 ◯古川知事=なかなかこれを私が進んでいないというのか、進んでいるというのか、どっちにしても明確な根拠がないわけでございますが、私のところに届く手紙やメールなどを見れば、反対と言われる方のほうが数は圧倒的に多いという現実はあります。一方で、数そのものは多くございませんけれども、もう安全性については大丈夫ではないかと、ぜひ再起動をしてほしいというふうな団体からの声も届いているやに伺っております。メールとか手紙は直接私のところに届きますけれども、団体からのものは、私のところに直接届きませんが、間接的に届いているわけでございますけれども、そういった県民の中にもさまざまな声があるということを私は認識しております。 269 ◯徳光委員=質問の最後になりますけれども、これまで知事は五月の臨時議会、あるいは本定例議会でも、佐賀では絶対に原発事故を起こさせないと演告の中で述べています。それから、安全最優先で判断をするというふうに述べていますけれども、今の時点でこの気持ちは変わりませんか。 270 ◯古川知事=佐賀では絶対原発事故を起こさせない。安全最優先で判断をする。この柱に立って、これからもやってまいります。 271 ◯徳光委員=その安全最優先で判断をするというときに、やっぱり佐賀だけの問題ではないというふうに事態はかなり拡大をしてきているというふうに思います。例えば、福岡県の糸島市、あるいは長崎県の松浦市でもですね、議会で安全対策の強化を求める意見書というのが採択をされています。そんな意味で周辺自治体の意向というのも、私はやっぱり判断する前にぜひ聞く必要もあるんじゃないかなというふうに思うんですね。  実は、私たちが、もう二十数年前なんですが、風船による調査というのを行ったんですね。玄海原発の敷地のゲート前から五千個の風船を飛ばしました。風船にはがきをつけて飛ばして、戻ってきたのは三百切るぐらいだったんですが、多くは佐賀県内、それから福岡のちょうど中央部ぐらいに落ちています。もう一群は中国地方から遠くは石川県まで飛んでいるんですね。佐賀市は直線で大体五十キロぐらいだというふうに思うんですけれども、そのはがきに名前と拾った場所と拾った時刻、見つけた時刻を書いてもらったんですが、この佐賀市でも大体一時間半で届いているんですね、五十キロ圏内。もちろんこれは風船ですから、そのとおりにならないかもしれませんが、この五十キロ圏内でも大体、もし上空に高く放射性物質が放出されるような事故があれば、この佐賀市内にもやっぱり一時間半で放射性物質が飛んでくるということになります。当然そうなると、半径五十キロですから、福岡のさっき言った糸島とか、長崎の松浦というのも当然、もし事故が起これば大きな被害を受けるということになるんですね。ですから、そういった意味からも、この周辺の自治体の意向というのを踏まえる必要があると思うんですが、その点についてはどのようにお考えですか。 272 ◯古川知事=委員から御指摘があったのは、玄海町の隣の唐津市というものではなく、長崎県の松浦市、あるいは福岡県の糸島市、こういう自治体の意向も配慮すべきではないかというお尋ねであったかというふうに考えておりますが、私自身が判断をするに際しては、まず何より立地町がどう考えているのかということが何より大事であろうと思っておりますし、その立地町を囲むような形で存在している唐津の人たちの思いというのは、これはどういうものかということについては、しっかり酌み取っていく必要があるだろうと考えております。  唐津市との間にはプルサーマルのときに、ある一定の協定書だと──中身を、名前は忘れましたけれども、唐津の市長さん初め市の方ともいろいろ連絡をとりながらやっていくということを言っておりますので、そういったことは必要だろうと考えているところでございますが、それからさらに広がって県外も含むところまで意向を確認して何か判断するということは、佐賀県知事という立場からすると、そこはどうなのかなという気がいたしているところでございます。  私自身は、繰り返しになりますけれども、議会の議論や総理の御来訪の関係、あるいは県民説明会の様子、こういったものを見ていきながら、最終的に判断をしていきたいと思っております。 273 ◯徳光委員=知事が判断をする時期というのは、かなり近まってきたというふうに受け取っていいでしょうか。 274 ◯古川知事=その前よりも遠くなったということではないのかもしれませんが、今この時点で、いつどうするということではないと思っております。 275 ◯徳光委員=議会での議論も続きますし、八日にまた説明会もあります。そんな意味じゃ県民の意向とか、あるいは議会での論議というのをしっかり踏まえながら、最終的な判断をされるというふうに思います。  ただ、改めて言いますけれども、きょうの私の質疑とか含めて、やっぱりまだ安全性については確立をされていないというふうに私自身は受け取っています。やっぱりこれだけ大きな事故を起こした後の対策ですから、十分過ぎる対策というのが必要でありますし、先ほど質問しましたように、佐賀では絶対事故は起こさせないという強い決意で臨んでいくということは全く変わっていないということですから、私は安全というものを、もっともっとさらに、何回でも検証をしてもらいたいというふうに思います。  そういった意味では、ぜひきょうの議論も踏まえて、改めて早計に判断すべきはないと私は思っています。九州電力も当初は一五%節電を言っていましたが、今のところ、八月ぐらいまでは何とかめどがついたという報道もあります。そんな意味では、ずるずる延ばせとは言いませんけれども、やっぱり安全第一、佐賀で絶対事故を起こさせないという認識にもう一度立って、しっかり安全性を改めて検証していただきたいと思いますが、その点について最後質問して、終わりたいと思います。 276 ◯古川知事=安全性の確認については、もうこれで終わりだということではなく、これからも続けてまいります。委員御指摘のように、とにかく県民の安全をしっかり守れという強い、委員からの御指摘でもございますので、それをしっかり踏まえて今後とも取り組んでまいります。 277 ◯木原委員長=以上で徳光清孝委員の質疑は終了しました。  徳光清孝委員は自席へお願いします。  次に、留守茂幸委員の質疑を行います。留守茂幸委員は質問席へお願いします。     〔留守委員質問席着席〕 278 ◯留守委員=今特別委員会のしんがりを務めます自由民主党の留守茂幸でございます。私ども会派二十九名おります。貴重な時間を割いて質問をするに当たって、質問者も多数ございました。しかしながら、会派から代表一人ずつということになりまして、私が今回登壇することになったわけであります。  今定例会も会期末まであと数日ということになりました。特に今議会中、玄海原発、あるいは国の原子力行政のあり方等々、あらゆる角度から真摯な議論が展開をされてまいりました。この中で、やっぱり今何を議論しなきゃいかんかということは、古川知事も当初から言われておった。再稼働の総合的な判断、あるいは総合的な見地から判断をするときにプロセスが大事だということをおっしゃってまいりました。まさにプロセスの渦中にあるわけでありまして、先ほどから議論が深まりつつあっておるということもありました。そういう中で、今、前任二人の質問ありましたけれども、できるだけ重複を避けながら簡潔に質問をしてまいりたいと思いますので、しばらくの間、よろしくお願いを申し上げます。  まず第一問の海江田大臣との会談、これは二十九日にありました。先ほど来ありましたように、報道機関の記事を見ますと一様に古川県知事が原子力の再稼働を容認という言葉がひとり歩きをしておりました。まさに今、知事から容認という言葉は発していないということでありましたので、それは是としたいと思います。
     この海江田経済産業大臣との中身も我々も資料としていただいたところでございますけれども、知事からして、大臣からのメッセージ、あるいは説明がどういうふうに本当に佐賀県の知事として受けとめられてきたのか、まずそれをお伺いいたします。 279 ◯古川知事=海江田大臣のお言葉の受けとめということについて申し上げれば、大変大きい、背の高い方でございますけれども、一つ一つ言葉を選びながら、何とかわかっていただきたいという感じで、非常に高い背中を折り曲げながら御説明をしておられたという姿が私には印象的でございました。  時間は短うございましたけれども、その中で私どもが特に浜岡の件について、これは政治家としての判断をお伺いしたいということを前もって申し上げておりました。その中で、「危ないところは政治がとめる、安全なところは政治が動かす」という言葉は、政治家ならではのお言葉ではなかったかと思っているところでございます。  時間は短くはございましたけれども、誠実に答えをいただいたということを感じたところでございます。 280 ◯留守委員=その感じたところを、また会見後の報道機関との記者会見でも知事がコメントをされております。それで、受けとめた中において、これ午前中ちょっと出とったんですけれども、脆性遷移温度に関するデータの問題ですね。これが開示されていないというようなことが出ておりました。これについて、資料要求ということで申し入れられたのか、それによってまた電力事業者から申し入れに対して返答があったのかどうなのか、その辺ちょっとまずお伺いをしておきたいと思います。 281 ◯古谷くらし環境本部長=脆性遷移温度に関するデータ、午前中、副知事のほうから九州電力には要求しているというお答えだったかと思いますけれども、今、私の手元のほうに九州電力のほうから連絡があったというメモが入りました。これによりますと、きょう県から要請のあったデータについては提出しますというお答えでございましたので、御報告します。 282 ◯留守委員=次に、これは海江田大臣とのやりとりの詳細は前の委員からもやりとりされておりますので、次に行きたいと思いますが、再三原子力安全・保安院から黒木審議官に来県いただいて、私どもも勉強会、あるいは参考人招致をやってまいりました。そして、その中で、三つの問題提起を知事はされておった。それについて黒木審議官の再三の来県によって、一つには地震による損傷から来る事故に発展しておったのかどうなのかという問題、それから、MOX燃料により環境に影響を及ぼしておるのかどうかという問題、この二つは私は整理がついたというふうに思っておりました。それこそ、先ほども言われておりました浜岡との問題は大臣が来県されて、それも整理がついたという話でありましたけれども、その辺ですね、原子力安全・保安院、あるいは海江田大臣が来県ということを踏まえて、この玄海原発二号、三号の再稼働に向けて、一定の理解を得たということを知事は再三言われております。じゃあ、どういうふうに一定の理解を受けておるのか、そこんにきをもう少しわかりやすく、詳しく御説明いただきたい。 283 ◯古川知事=三つの疑問のうち、まず一点目、津波によるのではなく、その前に起こった地震による被害で、こういう大きな事故につながったのではないかという問題点を投げかけておりましたが、これについてはかなりデータを示していただきまして、仮に地震で大きな損傷があったのであれば、もっとこうなっているはずのところこうだみたいな感じの、そういう非常に実証的なといいますか、具体的にデータを示していただいた上での説明がありまして、それについては、地震がありましたものの、地震のときには安全上重要な機器の機能というものは維持できていたのではないかと感じたところでございました。ただし、これについてはかなり技術的な要素もございましたので、それを学者の方に見てもらって、学者の方もそういう判断でいいということで御返事をいただいたということによって、私どもも今回の緊急安全対策が地震ではなく津波対策を行うということについて理解をしたものでございます。  それと、MOX燃料を使ったことによる影響につきましては、これは文部科学省と東京電力がそれぞれ敷地の内外でプルトニウムの測定をしておりました。一般的なプルトニウムの測定だけでは足らず、基本的にはプルトニウムの中でもどういう種類のものがどれくらいの割合で存在しているのかということまで調べないといけないという大変技術的なものでございまして、それができているのは文部科学省と東京電力だけしかないということでございましたが、その彼らの測定結果を合わせますと、それについてはプルトニウムが検出されたものについても、それは通常のレベルと同じものであって、人体に問題となるような影響はないということでもございますし、また、外のほうでは検出されなかったということでございまして、私ども大変心配をしておりましたけど、MOX燃料を使った影響というものはなかったと言えるのではないかと考えております。  最後、その一つ、まさに政治的に話をお伺いしたかったという浜岡原子力発電所だけ停止要請して、そのほかは安全だというふうに考えておられる理由についてでございますけれども、これについては先ほど申し上げましたような政治家海江田大臣としての御判断ということをお伺いすることができ、私もこれについては一定の得心をしたというところでございます。 284 ◯留守委員=今、三つの課題に対しての一定の理解をしたことについて知事から披瀝をいただきました。  いろいろ議論はあると思います。それで、一定理解するについても、じゃあ、どういう尺度で理解をするかのということもございますし、これはやっぱり見解の相違等々もありましょう。そういうことで、私は知事が今しっかりと言っていただいたことを信じたいと思いますけれども、じゃあ、専門家の意見を具申するということをずっと知事言われていました。この専門家から意見を聞いたということによる評価といいますか、そういうものはどうだったんでしょうか。 285 ◯今村原子力安全対策課長=専門家の意見はどうだったかということでございます。  先ほど知事の答弁の中にもございましたように、今回、県が国に投げかけをいたしました三点の疑問のうち、地震による被害、このことにつきまして、大学で原子力を研究されている先生お二人に御意見を伺ったところでございます。  専門家の方からは、先週、最終的な意見をいただいたところでございます。その内容といたしましては、これ先ほど知事の答弁の中にもありましたが、津波が到来して全交流電源喪失になる前までは、一号機から三号機のいずれも安全上重要な機器の機能は維持できていたと思われるという意見をいただいておりまして、これは保安院の評価自体を是認されるといったような内容でございました。 286 ◯留守委員=専門家、これ九大の教授でしたかね、お二方から聞かれたということでありました。  せんだっての質問のやりとりの中でも出ておりました。これ安全審査指針の見直しについてでありますが、私が認識をしておったやつとちょっと議論がかみ合わん、午前中のやりとりを聞いておりますと、かみ合わんところがありましたので、再確認ですけれどもですね。班目委員長がメディアの中で言われておった、安全審査指針が間違いであったということが言われたことも私も承知をしております。ただ、ずうっと言われたことをひもといていきますと、先ほども議論があっておりましたが、安全指針というのはもう膨大な数の基準があって、すべてと云々じゃないと。じゃあ、先ほどの話のように、長期間にわたる全交流電源喪失は考慮する必要はないと、この問題が大きく問題であったということを記述されておるわけですね。  で、安全審査指針の内容のうちの一部分であるわけでありますが、これも一つの要因があったということで安全審査見直しということで今動き出しておるわけですね。そうしたときに、じゃあ、見直しをするためにどういうふうな作業をするかということが、安全審査基準全体の総点検をやろうということが今動き出しておると思います。総点検をやって、その総点検の中から問題であるところはやっぱり将来的に見直していこうということになるんじゃなかろうかなというふうに思いますが、その辺の私の認識と皆さん方が持っておる認識、どうでしょうか。ちょっと確認をしておきます。 287 ◯古川知事=班目委員長の指針そのものに間違いがあるという発言があったというのは、今、委員からもございましたように、長い間すべての交流電源が失われるということは考えなくてもいいよというところがおかしいと、それは変えなければいけないということであろうということを契機にしてお話になったことだろうと思っております。  そこで、すべての交流電源がなくなった場合の対策は、三月の三十日に省令改正が行われました。それで、原子力安全・保安院から緊急安全対策として指示が出されたところでございまして、これに基づいた具体的な対策が各発電所においてとられ、適切に実施されているということが確認をされているものと理解をしております。  また、原子力安全委員長は六月十六日に、安全設計審査指針及び関連の指針類に反映させるべき事項、それと、耐震設計審査指針及び関連の指針類に反映させるべき事項を検討して報告するよう、原子力安全基準指針部専門部会長あてに指示をしておられます。これはこれまでに蓄積された知見や、今回の地震や津波についての知見、事故の教訓を踏まえて、安全確保対策の抜本的な見直しを図るために、それぞれの指針類の総点検を行ってまいろう、これまでやってきたもののうち、何はいいと、ここは変えなくちゃいけない、そういった総点検をやろうというものだと理解をしております。 288 ◯留守委員=知事からの答弁いただいたところからすると、私の認識もあんまり間違っていなかったということでありますが、(「聞こえんよ」と呼ぶ者あり)この安全審査指針の見直し、知事にもありましたが、原子力安全委員会から専門部会に通達があっておりますね。安全設計審査指針と耐震設計の審査指針、これを総合的に総点検をやって、最終的に見直しを図っていこうということでありますけれども、これは二十四年の三月をめどにということでありますから、これは総点検をするにもかなりの時間がかかるということですね。それで、それをもとに最終的な基準の見直しということが決定するのが、私が聞いたところには、二年、三年のスパンが要るということであります。そうしますと、まあ緊急安全対策を今とっているわけですけれども、これを安全審査基準を待ちよったら、とてもじゃないが、今、稼働中でもありますから、これはやっぱり県独自で、じゃあ、どのような県民に対しての不安払拭、あるいは安全に対しての指針等を図るかということが肝要になってくるわけでありますが、それで、次に、県の地域防災計画の見直しということに入っていきたいというふうに思っております。  これは勉強会の資料でもありました。佐賀県地域防災計画の見直しに向けた工程表、これも出していただいております。まずは原子力防災対策として、近々専門家会議をやると、そして、それから専門家会議を受けて防災会議、あるいはそれを受けて、今度は市町との連携の中で最終的な計画を見直しを図っていくというような工程表なんですけれども、この避難計画を作成するために、これはもう国がEPZの問題も含めてですけれども、かなり時間を要するということになりますと、やっぱり佐賀県独自で県民に対して地域防災計画、こうやりますよということを迅速な対応をやっていかなきゃいかん。これが県民の不安払拭につながる要素にもなると私は思うわけであります。そういうことを考えますので、まずは知事からその辺のところの見解を述べていただきたいというふうに思います。 289 ◯古川知事=八月末までに県独自で暫定的に講じるべき防災対策というものをつくりたいと考えておりまして、これはもう国がいろんなことを見直しするには時間がかかってしまいますので、それを待つことなく、県としてできる分はなるべく早くやりたい。しかしながら、それでもやはり時間がかかってしまいます。例えば、一年ぐらいかけてつくる、来年の三月までにつくるものとは別にというか、そのさらに暫定版といったものを八月末までにつくりたいと考えているところでございます。  この暫定的な防災対策では、広域の避難のあり方、緊急被曝医療のあり方、緊急時のモニタリングのあり方などについて検討をしてまいります。このほか、これらを実施していくために必要となります防護服や線量計などの資機材の整備や体制についても検討をするということにしております。  玄海原子力発電所は、現時点でも一号機、四号機は運転を続けております。ですので、先ほども申し上げましたように、万が一にも福島第一原子力発電所と同じような事故が地域防災計画が見直される間に発生した場合に備えた防災対策というものが喫緊の課題であると考えておりまして、その課題に対応しなければいけないと考えているところでございます。  県としては、地域防災計画の見直し作業と並行して、今既に持っている現有の資機材や人材を工夫することによって、万が一の事故に備えた広域の避難計画が必要と判断をして作成、調整に当たらせているところでございます。 290 ◯留守委員=そういう中で、これ今から広域的な避難計画の作成作業をやっていくということでありますけれども、そのためには市町に情報の収集とか、あるいは精査をお願いするということになろうかと思いますが、どういう趣旨で広域の避難計画を作成していくのか、それをお伺いしておきます。 291 ◯木島防災企画グループ政策監=広域の避難計画作成の趣旨について御答弁申し上げます。  福島第一原子力発電所における事故におきましては、事故発生から二日以内に二十キロ圏内に対して避難指示が出されるなど、広範囲で避難が必要になったところでございます。こうしたことを踏まえまして、先ほど知事から答弁申し上げましたとおり、現在、玄海原子力発電所の一号機、四号機が運転を続けているという状況でございまして、万が一にも福島第一原子力発電所と同様の事故が起きた場合に備えた対策をとることが防災上求められていると考えております。  このため、県といたしましては、先ほど知事が申し上げましたとおり、広域的な避難計画、今まで用意していない広域的な避難計画の策定をしているところでございますけれども、そもそも避難計画につきましては、佐賀県地域防災計画におきまして、関係周辺市町、玄海町、唐津市でございますけれども、こちらが策定することとされているところでございます。そういった形で市町が基本的には行うものとされているところでございます。  しかしながら、玄海原子力発電所から二十キロ圏内の、福島と同じように二十キロ圏内の県民をその圏外に移すということを行う場合には、市町を越えた避難計画ということになりますので、県の責務、災害対策基本法にもございますけれども、県の責務である広域調整を図るために、県において事故の状況にかんがみた対応を早急に図ることといたしまして、現在、広域的な避難計画の整備を進めているところでございます。  以上でございます。 292 ◯留守委員=今、県の責務である広域的な避難計画を作成していくということで、この広域的な避難計画の具体的な内容をちょっと披瀝ができないの。 293 ◯木島防災企画グループ政策監=広域的な避難計画の具体的な内容についてお答え申し上げます。  現在検討している広域の避難計画の具体的内容でございますが、玄海原子力発電所からおおむね二十キロ圏の範囲を避難対象地域とすることを考えております。さらに、二十キロから三十キロの圏内におきましては、屋内退避、または自主避難対象地域とすることを考えてございます。これらの三十キロ圏内の方々が三十キロ圏外を避難先として避難できるようにするということを考えてございます。  また、その避難に当たりましては、今回の避難に当たって地域のコミュニティーということが重要だというふうに言われておりますので、地域のコミュニティーの維持を優先した避難となるように配慮すると。また、市町の地区ごとに集合場所ですとか、また、避難の主要な経路、避難先を明示するというような内容を盛り込むと考えているところでございます。  以上でございます。(「もう決まっておるとね、そういう計画は」と呼ぶ者あり) 294 ◯留守委員=今、二十キロ圏、あるいは三十キロ圏まで広げた中での(「全然違うじゃないか」と呼ぶ者あり)県の地域防災計画の概要が今説明ありました。  先ほどから私が申し上げておりますように、国においては(「おかしいよ、そういう言い方、答弁は」と呼ぶ者あり)ちょっと、質問しよっじゃんね。(「よかて、早う言わんね」と呼ぶ者あり)聞こえんたい。(「よかて、早うせんね」と呼ぶ者あり)EPZの見直しが今作業に入るわけですけれども、時間がかかる。そうしたときに、県独自でこのように防災計画の見直しを図りながら、県民の不安払拭にこれは貢献していかにゃいかんということでありますから、そういうことを考えると、一日でも早い今後のスケジュールというものをしっかりとやっぱり構築していかなきゃいかんと思うんですが、その点についていかがですか。(「執行部の答弁はおかしいぞ」と呼ぶ者あり)だいが質問しよっとか。(「要らんこっちゃい」と呼ぶ者あり) 295 ◯木島防災企画グループ政策監=今後のスケジュールについてお答え申し上げます。  県の暫定的な防災対策につきましては、八月末を目途に作業を進めているところでございますが、現在、策定している広域の避難計画につきましては、避難先の確保ですとか、避難経路の決定について、避難側、また受け入れ側の市町とも十分に調整する項目があるというふうに考えてございます。  このことから昨日、県内の市町の防災主管課長会議を開催いたしまして、調整をお願いしたところでございます。  また、七月上旬に庁内の原子力防災プロジェクトチームを開催いたしまして、今回の広域の避難計画に関連いたしました情報伝達の手段、手法、また、モニタリングやスクリーニングなど、初動に行動する内容について対応を協議したいというふうに考えているところでございます。  こちらの避難計画につきましても、佐賀県地域の防災に関する実施主体である佐賀県防災会議の了承を得た上で成案としたいというふうに考えているところでございます。  こうした調整を早急に進め、県民の安心感の向上のため、できる限り早くこれらの計画を策定、八月末の暫定的な対策よりも前にこれらの計画を策定したいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 296 ◯留守委員=とにかくできる限り早い計画を練っていただいて、具現化をしていただいて、そして、さらなる県民の不安払拭に貢献をしていただきたいというふうに思っております。  次にいきます。  この県民説明会でございますが、先ほど徳光委員からるる説明があったわけですけれども、過日あった国主催の説明会は、いろいろ不満が続出しておりました。そういうものの不満を受けて、内容を充実しながら多久市で開催されると思います。それこそ、もう多くは語りませんけれども、充実したもので、そして、県民がそれぞれの不安を持っているところを謙虚に受けとめて、そして、それを反映させていくという県民集会にしていただきたいということで、このことにはもう触れません。  次に、エネルギー政策の方向性ということで掲げております。  これは再稼働をどうすべきかということと、将来的に佐賀県がどのようなエネルギー政策を持っているのかというようなことも八十五万県民の皆さん方の関心は非常に高いというふうに私は思っております。そういうことを考えると、知事が一般質問でも語られておりました。そういうことでいきますと、答弁の中で、原子力に頼らなくてもそれほど無理せずに暮らしていける社会を目指すのも、そうすべきだというようなことが言われておりました。こんなことを考えると、やっぱり国のエネルギー政策、これは当然見直し等々、菅総理もいろいろ言われておりますけれども、これは検討をされ、そしてまた、国民的な議論が行われていかなければならないんですけれども、佐賀県の将来のエネルギー政策について、知事として、あるべき姿、あるいは方向性に対しての思いがあるとするならば、それをちょっと県民に披瀝をしていただきたい。 297 ◯古川知事=今回の大変大きな事故が、改めて私どもの足元と、そしてこれからのエネルギーのあり方についていろんな問題提起をしていると思っております。  私はこれからのエネルギーのあり方について、余りエネルギーを消費しない、いわば省資源型ライフスタイルといいますか、また、エネルギー利用を高効率化していくといいますか、そういったことをやっていかなければいけないんだろうと考えております。そして、その際に一つの柱としては、太陽光を初めとする再生可能エネルギーを充実させていくことが必要だと考えております。佐賀県は既に住宅用太陽光発電の分野においては、ずっと日本一を誇っております。これは一時期国が助成をやめたときにも、佐賀県は単独で助成を続けました。そして、グリーン電力証書を自治体で初めて導入するなど、そういった先駆的な取り組みによって、ずっとトップランナーの地位を保っているものでございます。私はこの住宅用太陽光発電もしっかりとこれからも普及させていきながら、工場の太陽光発電、そしてメガソーラー、こうした形でいわば太陽光王国佐賀県、こうしたものを目指していきたいと考えております。  こうしたことをやっていくことによって、非常に太陽の降り注いでいるこの佐賀県の特性というものを発揮することができますし、これからの時代にふさわしい、それぞれの家がエネルギーを生むことになっていく、こうしたことにつながっていくのではないかと私は期待しているところでございます。  一方で、こうした再生可能エネルギーが、果たして基幹電源になり得るのかという指摘もございます。これまで我が国は原子力、LNG、石油、石炭、こうしたものを組み合わせながら、ベースロード、基幹エネルギーとしてやってまいりました。私は太陽光はすばらしいエネルギーだと思っておりますけれども、雨や夜には使えないという本質的な課題があります。仮に原子力発電をやめて、ほかの基幹エネルギーにかえていこうとすると、それはどういう基幹エネルギーであるのか、こうしたことについては、やはりしっかりと議論をしていかなければならないと考えております。  これまで原子力は、比較的コストが安いということが言われておりました。実際にこれが原子力ではなく、ほかの例えば、LNG、あるいは石油などに置きかわると、その分だけ電力料金が上がるとも言われております。また、太陽光発電の全量買い取り制度が普及をすればするほど、逆に買い取る側の電力会社の負担というものが大きくなって、それが最終的には一般のお客様の電力料金にはね返っていってしまうというふうなところもございます。こうした事柄や化石燃料を使えばCO2の排出がふえてしまうということも含めて、そこはやはりしっかりとした議論をしていく必要があると考えているところでございます。  こうすることによって、私は一般質問にもお答え申し上げましたように、さまざまな新しいエネルギーを生み出していく社会、活用していく社会を目指すことによって、今ほど原子力エネルギーに頼らなくても済む社会というものを実現できるものではないかと考えているところでございます。 298 ◯留守委員=今、将来的なエネルギー政策、知事の思いを語っていただきました。しかし、現実、今、原子力発電が稼働中であります。すぐさまそういう今言われたような基幹電源が創出されるわけではないということを考えますと、これは並行して、国のエネルギー政策が具現化をして、そしてそれをまさに古川知事、今おっしゃいました。今、太陽光発電の普及から全国一ということも顕著でありますし、そういう意味では、国よりも先んじてそういう考え方もこれから先はただ思いだけじゃなくして、具体的な取り組みに期待をするところでございます。  次に、菅総理の来県の問題でありますが、これは我が党の篠塚議員が文教厚生常任委員会で、これは国権の最高責任者である菅総理を呼んで、この浜岡の問題、それから原子力行政、エネルギー政策、これはしっかりと立地県に来ていただいて、説明責任を果たしていただかなければならないと、ぜひ要請せろという質問だったと思います。それに関して、そのときは本部長、知事の意を受けて、「重く受けとめ、真摯に対応したい」という答弁があっていたようであります。それを受けて、知事は要請をもうしておられるということですか。 299 ◯古川知事=さきの常任委員会における答弁を受けまして、菅総理の来県について調整を始めたところでございます。 300 ◯留守委員=私もそこは共有するもので、やっぱり県民、国民の不安払拭のためにもこれはトップとして国政の責任者として、やっぱり原子力をどうするのかということ、これは菅総理もフランスG8でしたか、その中でも原子力行政の立国同士で議論を展開されて、原子力否定はされておりませんね。将来的には今の原子力の頻度を下げていくということを言いながら、エネルギー政策は別のエネルギー政策をするということもありました。そういうことをしながら、国内では再稼働、定検を受けておる再稼働にこれ踏み込んで指令を出された。  それを受けて海江田大臣がこの二十九日に来県されたわけでありますけれども、やっぱりここは一国の総理として、原発の問題、再稼働の問題、国がちゃんと責任を持ちます。そしてまた、浜岡のことも私が言いましたけれども、これは頻度からしても、とてもじゃないが、今緊急に大きな政治的な決断が必要だったということを言って、あの高い見地から政治決断が行われましたね。  そんなことを考えますと、やっぱり私は、これは先ほどのやりとりの中で、かなわなかった場合のことをやりとりがあっておりました。私はかなわなかったでは済まない。ぜひ、実現をしなければならない。これも県民からすると、本当に今国が大丈夫だと言っても安心できない。これが福島原発の事故の初期対応、東電と国の対応、それがどれだけあるかということは、もうみんな、国民的にもうみんな周知されておる。そういうことを考えると、何を信用していいのかという不満が国民じゅう渦巻いておる。それを払拭するためにも、私は立地県の玄海原発、特化して今ここに集中しておりますね。そういう考え方からすると、やっぱりこれは実現しなければならないと思うんですが、どうですか。 301 ◯古川知事=私としても、ぜひ菅総理に来ていただき、総理としてのエネルギーや原子力発電の再稼働についての見解を明らかにしていただきたい、語っていただきたいと考えております。 302 ◯留守委員=ぜひ粘り強く交渉していただいて、もうあらゆる手段を使って、佐賀県にも政権の中枢におられた先生もおられますし、そういうルートを使ってでも、やっぱり今、玄海原発の再稼働について、こういうふうに議論をやっておるわけですから、そこをやっぱり菅総理も真摯に受けとめていただいて、行動を起こしていただきたいというふうに私は思いますので、ぜひ精力的に要請をやっていただきたいというふうに思います。  最後になりますが、再稼働の判断であります。これもいろいろさまざまな議論を展開して、そして見解の相違等々もありましたでしょう。それぞれの立場から議論がありました。その中で知事が先ほど申された、ある程度は決断をする時期に近まってきたというような表現をされておりました。ただ、その反面、議会の議論を尊重する、意向を尊重するということもありました。  会期末まであと何日かでございますが、私どもはその会期を終えて、そして閉会中のこの特別委員会の審議についても、今十一日の線で委員長から原子力安全・保安院じゃなくて、原子力安全委員会にお願いをして参考人招致をお願いして、交渉中です。恐らくまた委員長、東京に出向いて、直接交渉もしていただくと思いますけれども、そういうものが残っております。それから、閉会後の七月八日の多久での県民集会、そういうスケジュール的なものが残っております。  そういう中で、一定の理解を得ておる知事が、どういうところでどのような判断をするのかというのも私は県民がひとしく、本当に静かにじっと耳を傾けて待っておる状況と思います。これは両方あると思います。これはもう一つは、一つには原発に対する不安、本当に安全なのかという不安と、いや、安全は構築された、そしてましてや、夏のこの電力需要、供給、こういうものが大丈夫なのかということ、こんなことが交錯しながら、県民は非常に不安を持っております。そんなことを考えますと、ある一定の時点で、私は県民に対してトップとして、判断をする時期があろうかと思いますが、その点に対して、知事が今考えておられるところがあれば、ちょっと答弁を。 303 ◯古川知事=委員からは、いつの時期に判断をするのかという意味でのお尋ねであったかというふうに思いますが、この議会での議論、そして県民説明会、総理の御来県、こういった要素を総合的に勘案してと思っておりまして、現時点ではいつと決めているわけではございません。 304 ◯留守委員=今の段階でいつとはなかなか言えないと思います。ただ、私は先ほどから申しますように、いろんな議論の過程の中で、安全というものがどういうものかということをひもといた議論があっております。そうしますと、どれを信用していいのかということも県民自体も私は迷いがあると思うんですよ。いろんな新聞報道がありましてね。知事が一定の理解をしたとか、容認をしたとか、新聞報道ありますけれども、片や記事によっては、やっぱりなかなか安全が理解されてないという部分の記事もあります。そんなことを考えると、これはどこかで知事が県民に対してメッセージを発信しないと、ずるずるずると時間を先まで先延ばしということになりますと、私はかえって混乱をすると。  それから、この電力の需給の問題はあんまり触れたくないんですが、実はそういうこともこれ、きょうから計画停電あっていますよね。(「節電」と呼ぶ者あり)節電か。節電あっていますよね。そんなことを考えるときに、じゃ、この辺の西日本はどうなるか。私はちょっと資料を持っている中では、今のところ、これ予備率が三・五%ということが言われております。この三・五%、大体一番暑い年を換算ときの予備率は五・三%ということが言われておりますが、もうそれも割り込んでおるというような状況であります。そんなことが報道で出てくると、本当に県民からも、この夏、まさに梅雨明けも南九州は二十日早く梅雨明けをしました。北部九州も間もなくと思いますけれども、この酷暑の中で本当に電気で停電、あるいは節電ということで考えられたとき、どうするのかということか不安があります。  そんなことを考えますと、一つのプロセス、知事が言われるプロセスをずっと構築されていった。その延長が七月八日の県民集会、そして十一日、委員長がどれだけ力でもって安全委員会を招聘できるかということもかかっておりますが、十一日の審議を経たら、その後は、私は古川知事がそれこそ判断を下す時期がそう遠くないというふうに思います。どうですか、その辺のところでいきますと、私が想定をしておるのは、やっぱり七月の中旬ぐらいになると、はっきりとしたものを、判断を、メッセージをしないと、ずるずるずるずるかえって混乱するというふうに思いますが、どうですか。(「何もずるずるしとらんばい」と呼ぶ者あり) 305 ◯古川知事=今、委員からは、るるいろいろ日程的なところがございました。現時点でちょっと総理の関係がどのように展開していくのかということが見えない状況でございますので、ちょっとこの時点でいつということを申し上げるのは非常に難しいと思っております。 306 ◯留守委員=いつとは言っていません。私はアバウト的に言っています。上旬、中旬、下旬という言い方で言いましたから、その中旬ぐらいになれば、そのタイミング、時期が来るんじゃないのという問いかけをしておるんですが、いかがですか。 307 ◯古川知事=七月八日に県民説明会が行われ、そしてその後に、七月の十一日にこの特委が開かれるということでございますので、その意味でいけば、七月中旬というのは、一つの節目ではあろうかと思っております。 308 ◯留守委員=節目節目を大事にして、適切な、知事はやっぱり佐賀県民八十五万人のトップでありますから、やっぱり県民に不安払拭、それから将来的な県民がどうやってじゃあこの問題と付き合っていくかということをやっぱり発信しないと、これまた何かいろんな派生する問題が出てきたら、知事、どこでずるずるずるずる判断のチャンスを失ったということになりますと、(発言する者あり)かえって県民は混乱します。だから(発言する者あり)何て言いよるですか。(「安全対策ばせにゃいかんじゃろうもん」と呼ぶ者あり)あのね、安全対策は当然ですよ。当然安全対策は必要。再稼働をせろて言いよらん。(発言する者あり)判断をせろということですよ。そういうことを私は言っております。ですから、そこは知事、しっかり受けとめて、そしてプロセスをつくっていただいて、(「まだ安全対策も決まっとらんだろうもん」と呼ぶ者あり)その再稼働に対する判断をしていただきたい。容認とか理解とかということは言っていませんよ、判断をしていただきたい。それによって、これからまた動き出すということですから、どうですか。(「安全の話しなさいよ」と呼ぶ者あり) 309 ◯古川知事=その何かを急ぐということではありませんが、逆に何かのためにおくらすということでもなく、私としては必要な条件がそろえば、その段階で判断をしていかなければならないと考えております。 310 ◯留守委員=県民の不安払拭というのは、当然原則的なもの、安全なんですよ。安全が構築されないと、不安払拭にもならない。だから、それこそ、その議論をしているんですから、そういうものを総合的に勘案して判断をすると知事はおっしゃっていますね。そこを言っていますからね。ぜひひとつ、そういうところを念頭に置きながら、しっかりと県政のかじ取りをやっていただきたい。  終わります。 311 ◯木原委員長=以上で留守茂幸委員の質疑は終了しました。  留守茂幸委員は自席へお願いします。  これで質疑を終了します。     ○ 継 続 審 査 312 ◯木原委員長=お諮りをいたします。  原子力安全防災対策エネルギー対策に関する諸問題の調査に関する件につきましては、重要な問題が残されておりますので、閉会中もなお継続審査に付する必要があります旨を議長に申し出ることにいたしたいと思いますが、これに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 313 ◯木原委員長=異議なしと認めます。よって、そのように決定いたします。  これをもちまして、原子力安全対策等特別委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでした。     午後四時四十三分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...