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平成22年度決算特別委員会(第8日) 本文 開催日:2011年11月17日
平成22年度決算特別委員会(第8日) 名簿 開催日:2011年11月17日

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  1. 佐賀県議会 2010-11-17
    平成22年度決算特別委員会(第8日) 本文 開催日:2011年11月17日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時二分 開議 ◯伊東猛彦委員長=おはようございます。これより委員会を開催します。  本日は県土整備常任委員会関係の質疑を行います。  通告に従い、順次発言を許可します。 2 ◯江口委員=おはようございます。県民ネットワークの江口善紀でございます。本日は県土整備常任委員会関係分ということで、通告に従って質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、一問目の問いでございますが、平成二十二年度の決算中、建設業再生支援フォローアップ事業について質問をさせていただきたいと思います。  十数年来の経済状況、この佐賀県でも厳しい経済の状況にある中で、また、厳しい経営環境の中にあります中小含め、建設業者経営基盤の強化とか、あるいは新分野への進出などの取り組みを推進するという目的で、この事業が行われたというふうに承知をいたしております。  この地域経済及び雇用の安定化を図るためにも、さまざまな施策に取り組んでこられたことと存じます。この平成十九年度から平成二十一年度まで実施をされた建設業再生支援緊急対策事業というのが行われたそうでございますが、その事業を強化、また拡充して、平成二十二年度から建設業再生支援フォローアップ事業が行われたというふうに伺っております。  そこで、本事業につきまして、幾つかの点についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  まず、この建設業再生支援フォローアップ事業についてでございます。基本的なことからお尋ねいたしますが、平成二十二年度から三年間を事業期間といたしますこの建設業再生支援フォローアップ事業の、まず、事業の内容についてどのようなものか、まずお尋ねをさせていただきます。 3 ◯吉野建設技術課長=県内の建設投資額は大幅に減少している一方で、建設業者数の減少というのはわずかで、建設業者の経営は大変厳しいものになっていることから、平成二十二年度から三年間、建設業再生支援フォローアップ事業に取り組んでおります。  事業の内容としましては、まず、建設業者の経営に関する相談に応じる経営相談支援、それと経営者セミナーの開催や経営力を高めるための技術力強化支援などの経営基盤強化支援、それと経営多角化新分野進出に向けた取り組みを支援する新分野進出支援、このような支援事業を柱として事業を行っております。 4 ◯江口委員=そうしましたら、この事業でございますが、さきに平成十九年度から平成二十一年度まで、建設業再生支援緊急対策事業という事業が実施をされておると聞いておりますが、今回の二十二年度から三カ年始まった建設業再生支援フォローアップ事業では、どういった点が変更されたのか、あるいは見直されたのか、その違いについてお尋ねをいたします。 5 ◯吉野建設技術課長=まず、これまでの取り組み内容を簡単に御説明しますと、建設業の再生支援につきましては、平成十六年度から三年間、建設業構造改革緊急対策事業というのに取り組みました。これは建設業者の経営に関する相談に応じるですとか、セミナーの開催などを行ってきたところでございます。  さらに、平成十九年度からは事業名を建設業再生支援緊急対策事業ということに改めまして、専門の相談員を置いた総合相談窓口を建設・技術課内に設置するとか、それから、新分野進出への足がかりのための補助制度の創設、このような制度の充実と強化を諮りまして事業を展開してきたところでございます。  これに対して、今回の建設業再生支援フォローアップ事業の見直しなんですけども、まず、前の事業の最終年度の二十一年度にアンケートを行いました。この結果、建設業再生支援のために必要であると、そう思う支援策というのが経営基盤強化というのを上げる企業さんが四六%と最も多かったんですね。次いで、新分野進出支援が三二%、相談窓口が二五%になっておりました。このようなアンケートの結果などから、今回の事業に当たっては、経営基盤強化新分野進出を重点に置いた二つの補助事業を新設したところでございます。  一つは、経営に関する専門家を派遣する経費を補助する経営力強化支援補助、もう一つは、新分野への進出先での事業の拡大強化を図るために基盤となる人材の確保に要する費用を補助する新分野基盤人材確保支援事業、この二つの事業を新設しました。それと、新分野進出の情報共有を行うために、環境とかサービスとか、全分野を対象とした建設業新分野進出交流プラザを開催することにした、このような見直しを行ったところでございます。 6 ◯江口委員経営基盤強化を望む企業が四六%というアンケートの結果ということで、やはり高度成長期と経済の状況が違って、限られた市場の中でどれだけ仕事を受注し、そして、経営に結びつけていくか、その経営力の強化というのが一番の課題とされている、そういったことがアンケートからもうかがえます。  そうしましたら、この平成二十二年度の取り組み実績について、中身についてお尋ねをさせていただきたいと思いますが、今、申し上げられたように、幾つかの具体的な個別の事業があるようですので、その内容について、まず、この建設業総合相談窓口を設置されたということですが、この専従チームの相談内容、件数ですとか、あるいは相談内容はどのようになっているのかお尋ねをいたします。 7 ◯吉野建設技術課長=平成二十二年度の相談実績につきましては、七十三社、百九件となっております。この主な相談内容としましては、進出後の販路開拓のアドバイスを求めるといった新分野に関するもの、これが五十九社ございます。それと、合併後の補助金や特例措置の適用の可否の問い合わせなど合併に関するものが十二社、それから、商談会やセミナーの開催情報の問い合わせなど、その他経営に関するものが二社となっております。
    8 ◯江口委員=件数については、この平成二十二年度は百九件、七十三社ということでございます。これは前年度とかと比較しますと、傾向としては、二十一年度から設置をされていると思うんですが、傾向としては件数の推移などはいかがなものになっておりますでしょうか。 9 ◯吉野建設技術課長=二十一年度の相談実績を見ますと、百十五社の二百六十二件となっておりまして、ちょっと減少傾向にあるというところでございます。 10 ◯江口委員=相談件数だけではかれるものではないと思うんですけども、二十一年、二十二年、件数的にかなり減ってはいるんですが、ここは何か大きな原因とか、そういったものがあるわけでしょうか。それとも、数年にわたって取り組まれているので、たまたま二十二年度はちょっと減少した、何かその原因に考えられるようなことはございますでしょうか。 11 ◯吉野建設技術課長=このところ、この相談件数というのは少しやっぱり減少傾向にあるんですけども、相談の中身が大体新分野進出というのが一番多かったんですね。それがやっぱり減っているということで、なかなか新分野に進出するというような余力というか、そういうものが少しなくなってきている面があるのかなというふうに考えております。 12 ◯江口委員=ありがとうございます。そうしましたら、次に、経営者のセミナーということも開催をされているというふうに資料でいただいておりますが、私、佐賀県のホームページを見ておりましたところ、今週の十四日の月曜日に、この事業におきます経営者セミナーと建設業の新分野進出交流プラザが、ちょうど二十三年度事業で月曜日に開催をされているようですけども、この経営者セミナーについてどういった内容のものか、お尋ねをさせていただきます。 13 ◯吉野建設技術課長=二十二年度の経営者セミナーの内容について言いますと、そもそも経営者セミナーというのは経営基盤の強化ですとか、新分野の進出を検討するための経営者の意識醸成というのを目的に開催しております。  二十二年度の内容につきましては、経営改善の専門家を招きまして、建設業における収益向上における課題等について、平成二十三年の二月に佐賀市内で開催をしました。このときは県内の建設業者四十一名の参加をいただきまして、好評を得たところでございます。 14 ◯江口委員=そうしましたら、次に、この事業の中で補助金の交付という事業も項目として上がっておりますが、補助金交付の内容についてはどのようなものかお尋ねをいたします。 15 ◯吉野建設技術課長=補助金の交付につきましては、大きく経営基盤の強化に関するもの、それから、合併に関するもの、新分野に関するものというのがございますけども、その内容について言いますと、経営基盤強化に関するものにつきましては、施工管理技師等の資格取得に関するものとか、講習会の受講料、教材費への助成等が二十七社で、金額としては九十九万円ありました。  今回新設した専門家派遣に関する経費ですが、これは三社で五十万円ということです。合併関係では、合併時の会計処理とか、登記費用への助成が三社で百八万五千円ありました。  新分野進出関係では、進出後の販路開拓、人材育成、それから、広告宣伝等の経費補助が八社で五百二万一千円となっております。今回新設した基盤人材の確保に関する補助といいますのは、一社で百二十二万五千円、そのような実績になっております。 16 ◯江口委員=そうしましたら、今、出ました新分野の進出の件でございますが、これもこの数年、全国でいろんなテレビのニュースを含めても、また、ちょっとインターネットで検索しても、建設業者の方々がいろんな分野に進出をされたり、あるいは多角化の事例というのがたくさん出てまいります。この佐賀県の中でも本事業におきましても、そういった相談に乗られたり、あるいはお手伝いをなさっていらっしゃるということで、実際にこの新分野への進出の状況について、佐賀県の中で実際に新分野に進出された事例などについて、具体的に何かございましたらお示しいただけますでしょうか。 17 ◯吉野建設技術課長=平成二十二年度の新分野進出につきましては、合計で七社が進出をしております。その内訳は、小売り、その他サービス分野で四社、それから、農業分野が二社、それから、介護、福祉、医療分野が一社というふうになっております。 18 ◯江口委員=どういった分野かということで御答弁いただきましたが、何かもう少し具体的な、こういった商品とか、あるいは分野、もう少し詳しい何か実例とかございますでしょうか。 19 ◯吉野建設技術課長=例えば、農業分野につきましては、養蜂業ですから、ハチミツ製造ですとか、それから、タマネギの栽培とか、そういう方向、それから、福祉分野につきましては、整骨院の経営に乗り出したという、そのような事例もございます。その他サービスといいますと、ミネラルウオーターの販売とか、いろいろそういう販売業とか、そういうところに進出された事例もございます。 20 ◯江口委員=それではもう一つ、この事業の内容の中で入札参加資格の特例措置というのも上げていらっしゃいますが、この入札参加資格の特例措置の内容はどのようなものかお尋ねをいたします。 21 ◯吉野建設技術課長建設業再生支援フォローアップ事業では、合併支援の取り組みとしまして、合併後における受注機会の確保のために、入札参加資格の特例措置というのを設けております。これは合併後に消滅会社の経営事項審査、客観点の一〇%を加算するというものでありまして、審査の結果、直近上位の等級の基準を満たす場合は、さらに現在有している等級に加えて、直近上位の等級の入札参加資格を認めるというものでございます。これは合併後二年を経過したその年の年度末までということになっております。このような支援を行っておりまして、事例としましては、平成二十二年度は、この特例措置を使ったのは一件というふうになっております。 22 ◯江口委員=経営の多角化、あるいは新分野進出、いろんな生き残り、会社の経営を立て直すため、あるいは存続させるためにいろんな取り組み、あるいは当事者である企業のほうも経営努力をなさっていらっしゃるというのが伝わってまいります。  大幅にこれからこの業界の先行き、将来がどういうふうに変化するのか、なかなか言いづらいところもあります。企業努力、そして、行政等の援助、協力で、何とか健全な業界の発展、育成に努めていただきたいと思いますが、今までこういうふうにお話をいただいた取り組みの中で、総じてこれまで取り組んでこられたこの事業の結果、どのような今後の課題があるのか、その点についてお尋ねいたします。 23 ◯吉野建設技術課長=これまでの建設業再生支援取り組みにつきましては、新分野進出など一定の成果はあらわれておりますものの、この建設業再生支援フォローアップ事業については、全体的に補助金の申請件数ですとか、相談件数、それから、この事業の利用件数というのは減少傾向にあります。  その主な原因としては、先ほどもちょっと御説明しましたけども、新分野に進出するだけの体力があるところは、もう既に新分野に進出していて、あとはちょっと新分野に進出する体力がないところがあるというのが実情ではないかと考えております。  また、県の事業内容についても、もっと利用しやすいものにするような改善の余地があるのではないかと、そのように考えております。 24 ◯江口委員=るる御説明を伺ってまいりました。そうしましたら、また、今後の取り組みについてということでございます。平成十九年から三年間、そしてまた、平成二十二年度から三年間始まりました本事業でございますが、今後のこの建設業の支援、フォローアップの分野におきまして、どのように業界の支援を取り組んでいかれるのか、最後にお尋ねをさせていただきます。 25 ◯吉野建設技術課長公共事業予算の減少が続いていくという現状の中で、建設業におきましては、今後も厳しい経営環境が続くということが予測されます。ただ、建設業というのは社会資本の整備とか、維持管理、それから、災害時における防災活動などを担っております重要な産業でありますので、今後も支援を継続していくことが必要と、そういうふうに認識しております。  このために技術力の向上や合併も視野に入れた経営基盤の強化ですとか、また、建設業から新たな分野への進出、そういう建設業者みずからが取り組まれる対応策について、それが円滑に実行できるように、建設業再生支援フォローアップ事業で支援に取り組んでいきたいと考えております。  また、県としましても、この事業が建設業者が、より取り組みやすいものになるように、引き続き検討を行っていかなければならないと思います。  今後も建設業者取り組みというのが実効性のあるものになるように、庁内外との関係機関とも連携をとりながら、積極的に支援を行っていきたいというふうに考えております。 26 ◯江口委員=戦後六十五年で、我が国の社会インフラがここまで急速に整備をされた経済の状況もさることながら、建設業界の皆さんの御尽力というのも多々ございます。また、これからいろんな災害、緊急時におきましてもまた業界の皆さんの協力というものも非常に大きな役割を担っておりますので、また、今後とも業界の健全な発展等を含めまして、取り組みのほうをお願いしたいと思います。  続きまして、二問目の佐賀城公園の整備の分野について移らせていただきたいと思います。  佐賀県は、いただきました資料によりますと、都市公園の一人当たりの面積が十二平方メートルとなっており、全国平均の十一平方メートルを上回っているというふうに伺っております。  都市公園は町なかに緑とオープンスペースを提供する場として、多くの県民に親しまれており、欠かすことのできない重要な施設でございます。中でもこの佐賀城公園は佐賀市の中心部に位置いたしまして、市民、県民の憩いの場となっているだけではなくて、この県立美術館、博物館を初め、佐賀城本丸歴史館などの文化施設もあり、県の象徴的な公園となっております。加えて城内やその周辺部には歴史的な遺産も数多く残されており、佐賀城が築城されて四百年を迎えたことし、佐賀市が天守台の調査を進めております。この調査で天守閣の全体像の解明につながることを期待しておりますが、これらの歴史的な遺産を活用しながら、この佐賀市の中心部、佐賀城公園の整備を進めていくことは大変重要であると考えております。  また、ことしの七月には、佐賀商工会館が旧ダイエー跡地へ移転するということと、現在の商工会館の場所へのNHK佐賀放送会館の移転ということについて、佐賀県と佐賀市、そして、NHK佐賀放送局、そして、佐賀商工会館の関係の四者が基本合意を締結いたしました。平成二十五年の春には隣接地の県立病院好生館が嘉瀬地区へ移転する予定でもあります。佐賀市が好生館の跡地利用を現在検討されております。そして、これからの情勢の変化もこの佐賀城公園の整備についていろいろと反映させていくことが大変必要であると考えられます。  いずれにしても、この佐賀城公園の整備は県民も関心を持っておりますし、また、佐賀城下の歴史、文化の中核施設として、できるだけ早期に、あるいはスムーズに整備をしていくことが望まれております。  私も城南中学校の卒業生でございまして、まだ城南中学校が今の赤松小学校にある時代に通っておりましたので、この地域には友達も含めて大変ゆかりのある地域でございますし、ぜひこの公園のこれからの推移について見守り、また、協力していきたいと思っている中で、この佐賀城公園整備の現状について質問させていただきたいと思いますが、この公園整備の事業のまず全体概要についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  現在、進められております公園整備事業の、まず、全体概要はどのようになっているのかお尋ねをいたします。 27 ◯田久保まちづくり推進課長公園整備事業の全体事業について答弁させていただきます。  県では、平成十九年に佐賀城下の歴史文化の継承、まちなみ景観の再生及び観光拠点の形成を目的といたしまして、佐賀城下再生百年構想を策定しております。  この構想に基づいて、佐賀城公園の整備も進めておりますが、現時点におきまして都市公園事業で認可されている公園区域といたしましては、佐賀城本丸歴史資料館周辺及び西濠、南濠と東濠の一部の十九・八ヘクタールの区域を対象としており、事業完了予定である平成二十七年度までの全体事業費といたしましては、約八十一億円となっております。 28 ◯江口委員=全体構想で約八十一億円という大変大きな事業でございます。佐賀県の中でも佐賀城公園吉野ヶ里歴史公園、また森林公園と県の管理の公園があるというふうに伺っている中でも、この中心部でもあり、また、土地の価格も高うございますので、その整備、拡張にはいろんな予算が、経費がかかるものと存じます。そうしますと、まず、この公園整備事業の進捗状況についてでございますが、平成二十二年度までの進捗の状況及び平成二十二年度におけるこの事業内容はどのようなものであったのかお尋ねをさせていただきます。 29 ◯田久保まちづくり推進課長公園整備事業の進捗状況についてお答えさせていただきます。  現時点で、都市公園事業で認可されている区域の事業進捗といたしましては、平成二十二年度までに約七十億円、事業費ベースで約八六%の進捗となっております。  このうち、平成二十二年度の主な事業内容といたしましては、鯱の門前の用地買収、佐賀大学附属小学校横の東濠の整備などを行っているところでございます。 30 ◯江口委員=今、御答弁いただきましたNHKの東側、東濠の整備について次にお尋ねしたいんですが、たしか去年、ことしぐらいから、気がつきますと、あの辺がすぽんと広くなり、開けてきて、そして、くぼんできているような気がいたしました。この東濠の整備計画と進捗状況について、もう少し詳しくお尋ねさせていただきます。 31 ◯田久保まちづくり推進課長=東濠の整備計画と進捗状況についてお答えさせていただきます。  東濠の整備範囲は、南濠から市道城内線までの約二百五十メートル区間について、幅約二十五メートル、水深約一メートルの濠を整備することとしております。東濠の工事は昨年度から着手し、平成二十五年度までを予定しているところでございます。  現在、市道城内線側から南へ約七十メートルの区間の石積護岸ができ上がっている状況でございます。 32 ◯江口委員=この百年計画ということで、県のホームページのほうにも掲載をされていますが、なるほど今の雰囲気とは随分変わって、こういった絵を見ますと、非常に具体的になるほど将来、こういった公園の姿を目指していらっしゃるのかというのがよくわかり、また、なかなかこういった計画、実行に移すには買収等々もあって、少しずつの進捗とは思いますが、でも将来、百年先、こういった形でよりいい形での公園になると大変うれしいなというふうに思います。  この公園整備事業、百年、何十年、随分長い計画ではありますが、この公園整備事業の今後についてお尋ねをさせていただきます。現在の事業計画では、今の計画は施工期間が平成二十七年度までというふうに伺っておりますが、今後の見通し、そういった見通しについてはどのような方向で進まれるのかお尋ねをいたします。 33 ◯田久保まちづくり推進課長公園整備事業の今後についてお答えさせていただきます。  平成二十二年度までに事業費ベースで約八六%の進捗となっているものの、東濠の整備、佐賀城本丸周辺の空濠整備など、事業費ベースで一四%の事業が残されているため、今後も着実に事業を推進し、できるだけ早期供用ができるように努めてまいりたいと考えております。 34 ◯江口委員=引き続きの取り組みをお願いしたいと思います。  また、佐賀城公園周辺の施設と公園整備の今後について、もう少し個別にお尋ねをさせていただきたいんですけれども、まず、NHKの佐賀放送会館周辺の整備についてお尋ねをいたします。  放送局の前にあるレトロ館ですとか、水道局の跡地、これも建物を動かしたり、あるいは整備をし直して、今、レトロ館も非常に立派なレストランやお土産、非常に夏はまたテラスがとても気持ちがいいですし、いい形になってまいりました。  また、水道局の跡地もいろいろマンションのこととかで、地域住民の方も協力されて、いろいろな経緯はございましたが、結果的にマンションにはならずに、今は駐車場として整備をされ、今後の公園の一部として活用されるものと思います。このレトロ館や水道局の跡地を含むNHKの周辺については、これまでどのような取り組みがなされてきたのか、改めてお尋ねをさせていただきます。 35 ◯田久保まちづくり推進課長NHK佐賀放送会館周辺の整備についてお答えさせていただきます。  御指摘のレトロ館や水道局跡地を含むNHK周辺については、佐賀城下再生百年構想において、「にぎわい・もてなし拠点」と位置づけ、整備をすることとしております。  このため、明治期の旧警察部の庁舎を「さがレトロ館」として修復し、お食事、お土産処を整備するとともに、水道局跡地を買い取り、臨時駐車場として活用をしているところでございます。 36 ◯江口委員=そうしましたら、このNHKの佐賀放送会館でございますけれども、ちょうどこの百年構想の公園への本当にまだ真ん中に今、位置しているNHKの佐賀放送会館でございますが、この放送会館が現在の商工会館の場所に移転したと仮定して、このNHK佐賀放送会館跡地と公園整備の関係はどのようになっていくのかについてお尋ねいたします。 37 ◯田久保まちづくり推進課長NHK佐賀放送会館跡地の活用について答弁させていただきます。  NHKの跡地利用につきましては、NHKが佐賀商工会館の跡地へ移転することについて、今回、基本合意が締結されたことから、NHK移転後の跡地につきましては、佐賀城公園の中で本丸と東濠の一体的な整備により、「にぎわい・もてなし拠点」にふさわしい活用を図ってまいりたいと考えております。 38 ◯江口委員=確認ですが、今、NHKの土地というのは所有はNHKになっていらっしゃるんですね。そうすると、この商工会館の移動、そして、NHKの移動、そして、今、NHKの跡地が公園になる際には、将来的には佐賀県がそのNHKの土地を買うという形になるという認識でよろしいでしょうか。 39 ◯田久保まちづくり推進課長=今、委員が言われましたように、その時には県のほうでNHK跡地のところを取得するような形になります。 40 ◯江口委員=そうしましたら、この商工会館、NHKの移転、そして、NHKの跡地の購入、三年、四年、数年後になると思いますが、またそのときには議案として県議会に上がってくるというふうな認識でよろしいわけですね。(発言する者あり)では、また、そのときにも、今後の公園整備の方向性も含めて、また審議にかかると思いますが、ぜひ進めていければというふうに思います。  次に、県立病院好生館跡地の活用についてお尋ねをいたしますが、嘉瀬のほうに建設中の新しい県立病院完成後に、今の好生館がそちらに移り、大きな土地があくことによって、現在の県立病院好生館の跡地の利用法、そして、この佐賀城公園との整備の関係がどのようになっているのか、地域の方も含めて、非常に関心の高いところではございますが、現在のところ、この跡地と公園整備の関係はどのようになっていくのかについてお尋ねをさせていただきます。 41 ◯田久保まちづくり推進課長県立病院好生館跡地の活用についてお答えさせていただきます。  県立病院好生館の跡地の活用につきましては、佐賀市の所有地部分につきましては、佐賀市へ返還され、その活用策が検討されていると聞いております。  一方で、それ以外の西側にあります現行の立体駐車場部分につきましては、県のほうで用地を取得し、東濠と一体的に整備したいと考えております。  いずれにしましても、現行の佐賀城公園区域の整備とともに、佐賀城下再生百年構想の趣旨に沿って、NHKや県立病院の跡地を活用しながら、一体的な公園整備を進めてまいりたいと考えております。 42 ◯江口委員=今回、この佐賀城本丸付近の将来構想図というのをいただきまして、県のホームページにも載っておるようですが、なるほどこういうふうな形で広げて、また東濠もこんなに伸びてくると、本当に今以上に公園という雰囲気が出て、こんなに開けた公園が今の佐賀市の真ん中にできると、本当に観光に見えた方も、今の佐賀城本丸歴史館、そして鯱の門、その周辺、こういった形になると、もっと佐賀のいいイメージ、また、歴史とかそういったものに、より一層理解を深めていただけるんじゃないかという思いをして、この図を私、今回拝見して大変うれしく思いました。引き続き、ぜひこの公園整備についても取り組んでいきたいと思いますので、今後とも担当課の皆様におかれましても、取り組みのほうをよろしくお願い申し上げます。  では、続きまして三問目のクリーク整備のことについての質問に移らせていただきたいと思います。  佐賀平野を縦横に走るクリーク、この農業県佐賀県の、また広大な筑紫平野、佐賀平野を縦横に走るクリークでございますが、佐賀県の大きな特徴でもあり、また農業県佐賀県を支える重要な役割を果たしておりますクリークでございます。  農業用水を確保し、また、干ばつから農作物を守る機能に加えまして、洪水を一時的にとどめ、そして、地域を湛水被害から守る防災的な機能も有しております。農業者や県民にとって大切な社会資本でございます。  しかし、この地域は有明粘土と言われる土質であり、乾燥すると収縮する特質があります。乾田化が進み、米、麦、大豆の生産を拡大させてきた佐賀平野では、その反面、乾湿の繰り返しに伴い、土水路のままのクリーク、のり面の崩壊を引き起こしては、クリーク沿いでの農作業や道路の通行に各所で支障が出ております。佐賀生まれの私としても、本当に家の周りは全部田んぼでしたのでこの様子もよくわかります。  また、近年、農業者の高齢化、あるいは経営規模の拡大に伴いまして、クリークの維持管理というのは一層困難になっており、地域での課題となっております。  このような状況の中で、県は平成十一年度に県営クリーク防災機能保全対策事業を創設されております。佐賀市内におかれましては、諸富地区、川副西地区、久保田西地区、市の江東部地区が本事業によって整備をされまして、クリークの機能が回復されてきたところでございます。  しかしながら、大詫間や東与賀などについては、これまで要望は非常にございましたが、まだ整備着手に至っておらず、早急な整備を地域の方々からいただき、また、求める声が多く、農業者の方、あるいは地域の方から要望をいただいているところでございます。  そこで、このクリークの保全、防災、そして、整備の事業につきまして、お尋ねをさせていただきたいと思います。  まず、このクリーク整備状況についてでございますが、過去三年間の事業費及び整備延長など、どのようになっているのか、事業実績について最初にお尋ねをさせていただきます。 43 ◯青山農山漁村課長=クリーク防災事業につきまして、過去三年間の事業実績をお答えさせていただきます。  過去三年間の事業費及び整備延長でございますが、まず、平成二十年度、十地区で事業を実施しておりまして、事業費では約十億円、整備延長では約六・六キロメートルとなっております。  平成二十一年度は九地区で事業を実施しておりまして、事業費では十二億円、整備延長七・五キロメートルとなっております。  平成二十二年度でございますが、五地区で事業を実施しておりまして、事業費は約十三億円、整備延長は約八・五キロメートルという実績となっております。 44 ◯江口委員=この過去三年間の事業実績について御答弁いただきました。  このクリークの整備事業について、平成十一年度から事業を実施されております。平成二十二年度までの整備延長はどのようになっているのか、延長キロ数などでお答えいただけますでしょうか。 45 ◯青山農山漁村課長=これまでの整備状況でございますが、今、委員から御指摘がありましたとおり、平成十一年度から本事業により幹線水路の整備を進めてきております。現在までに十五地区で事業が実施されておりまして、平成二十二年度までには事業費は約百六十億円を使わせていただいております。延長で約八十キロメートルの整備ができたということでございます。 46 ◯江口委員=膨大な距離、整備が必要な区間がございますけれども、今後の整備延長についてお尋ねをいたします。  今後整備が必要なクリークの延長は一体どれぐらいあるのか、その点についてお尋ねをいたします。 47 ◯青山農山漁村課長=今後の整備延長につきまして御答弁させていただきます。  近年、クリークののり面が崩壊する箇所がふえておりまして、関係市町の皆様からも県に対しましては、幹線水路だけではなくて、支線水路についても整備してほしいという要望があったところでございます。  そこで、県では平成二十年度にクリークの実態調査を実施しております。こちらの実態調査で国営及び県営の土地改良事業で造成しました約千五百キロメートルの路線につきまして、のり面の状況を確認したところでございます。  このうち、ブロックマットやコンクリートの柵渠などによりまして、護岸の整備が完了している部分につきましては、約半分の七百五十キロメートルとなっておりまして、残り半分の七百五十キロメートルにつきましては、何らかののり面対策が必要な状況というふうになっております。 48 ◯江口委員=千五百キロメートル中、七百五十キロメートル、またまだ気の遠くなるような相当な距離ではございますが、整備方針についてお尋ねをいたします。  今おっしゃったブロックマット、木さく、やり方、距離数、幹線、支線あると思いますが、整備が必要なクリークについて、今後どのように取り組まれていくのかお尋ねいたします。 49 ◯青山農山漁村課長=整備方針につきましてお答えさせていただきます今、委員から御指摘ありましたとおり、のり面対策を必要とする延長が膨大にございます。このため、これまでの事業制度の枠組みでありますとか、整備の工法では、短期間に整備をすることが困難な状況でございます。  このため、幹線的なクリークの中でも特に河川などにつながりのある広域性の高い重要な水路、これが約百七十キロメートルほどございますけれども、こちらにつきましては、国営事業によるブロックマット工法でお願いしたいと考えております。  また、その他のクリーク約五百八十キロメートルにつきましては、県営事業による木さく工法により整備を行いまして、クリークのり面対策の大幅な促進を図るということを考えております。 50 ◯江口委員=この昭和の後半、また平成の頭、ずっと土地改良事業によって田んぼのほうの風景も随分変わってきたように思います。私も大学時代に夏休みとかに帰ってきたら、家までの間の道が全然変わってきて、今どこを走っているのか、一キロメートルぐらい全然わからなくなって、川が全然変わってきたというのを覚えております。  その中で、四メートルぐらいの水路があったり、あるいはもう十五メートルの水路があったりで、そのときは斜めにきれいにのり面があったのを覚えているんですが、いつしか、またふっと行ってみると、特に大詫間とか千代田とかはもう物すごい絶壁状態で、確かにああ十年、二十年たつとこんなにやっぱり変わってしまうんだなという思いがあったのと、確かに道路の端っことかにトラロープが張ってあるのを見ると、ああ確かにこれはちょっと事故等々も心配になる覚えがあり、地域の方と話しても、このことはいろいろとぜひしっかり取り組んでほしいという声を聞いておりますので、特にこれからの工法の選別、そして、これからの取り組みについて、また一歩ずつ進めていかなければいけないと思いますが、最後に、この四番目の問いとして、国営事業の採択についての件でお尋ねをいたします。  先ほどの御答弁で、国営と県営と分けていかれるということで、特に、この国営事業への採択の見通しについてでございますが、現在、国において国営事業をずっと我々佐賀県として要望しておりました国営事業を前提とした基礎調査が実施をされております。そして、平成二十四年度の着工を目指しているというふうに伺っておりますが、採択の見通しについて、今のところ県はどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。 51 ◯青山農山漁村課長=採択の見通しにつきまして御答弁させていただきます。
     国営事業につきましては、県の重点施策と位置づけておりまして、平成二十四年度、来年度の採択に向けまして本年六月でございますが、国に対しまして政策提案を行ったところでございます。  また、県内の市町の首長さんたちを中心とします筑後川土地改良事業推進協議会や佐賀県農業農村整備事業推進協議会におかれましても、本年の七月から八月にかけまして同様の政策提案が実施されたところでございます。  このような提案活動を受けまして、農林水産省におかれましては平成二十四年度概算要求の中で、この地区でございますけれども、「国営総合農地防災事業筑後川下流右岸地区(一期)」としまして、新規着工の要求がなされたところでございます。  県としましては、国営事業の平成二十四年度着工に向けての一つ目のハードルをクリアした段階というふうにとらえております。 52 ◯江口委員=概算要求に盛り込まれた、そうしましたら、この採択に向けての次のハードルといいますか、採択に向けての取り組みについてでございますが、今後、採択に向けてどのように取り組まれていくのか、お尋ねいたします。 53 ◯青山農山漁村課長=採択に向けての取り組みにつきまして御答弁させていただきます。  まず、農林水産省のほうから概算要求がなされたということでございますので、今後は農林水産省と財務省との間で協議がなされるということでございます。そして、本年十二月下旬に決定されます来年度の政府予算案へ反映されるかどうかということが決めるということでございます。このため、県におきましては十月に再度提案活動を行ったところでございます。  また、先ほど申し上げました二つの推進協議会におかれましては、十一月十六日と十七日、昨日と本日でございますけれども、東京のほうで政府、与党や県選出の国会議員の皆様に対して提案活動を行っているということでございます。  国の財政は非常に厳しい状況にございまして、総事業費が四百億円を超えるという、この大型事業の新規採択を要求しておるわけでございますが、地元の皆様が熱望されておりますし、かつ緊急性の高い本事業でございますので、平成二十四年度に採択されますよう、県としましては今後とも地元の両協議会と一体となりまして、緊張感を持って取り組んでまいりたいというふうに考えております。 54 ◯江口委員=御答弁ありがとうございます。確かに本年の十月にも、この農業農村整備関係予算のことについて政策提言をされたことを伺っております。とにかく次の予算案にぜひ採択されるように、私たちとしても全力でいろんなあらゆる角度から取り組んでいきたいと思います。  佐賀の農業、そして、地域の環境の保全含めて全力で取り組んでいきますことをまた申し上げ、今後とも、ともに取り組んでいきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わらせていただきたいと思います。 55 ◯藤崎委員=おはようございます。藤崎でございます。質問をさせていただきたいと思います。  初めに、佐賀県住宅供給公社について伺ってまいりますけれども、この件につきましては、これまでも随分と県議会において議論がなされてまいりました。もう既に平成十三年には大変厳しいという議会側の指摘もあっていたわけでありますけれども、その後、紆余曲折ありながらも、今現在、大いに努力をしていただいているところであります。  佐賀県の住宅供給公社につきましては、住宅の不足が著しい地域において、居住環境の良好な住宅を供給し、住民生活の安定と社会福祉の増進を図るために、昭和四十年十二月、佐賀県住宅供給公社が設立されたわけであります。  これまでにも約五千軒もの住宅宅地を分譲するなど、佐賀県民にとって大きく貢献していただいたものと評価するところであります。  ただ、その功績をたたえる一方で、住宅政策を取り巻く社会情勢が大きく変化したことを踏まえて、改革が急がれているのも事実であります。  全国の住宅供給公社の中には、解散や経営難から破産手続に入るなど窮地に至った事例もあると聞いております。本県においても厳しい経営状況に今置かれているわけでありますけれども、平成十七年度に佐賀県住宅供給公社経営改革計画が策定されました。この間、努力をしていただいておりますが、これまでの経緯について確認をしてまいりたいと思います。  初めに、まず平成十七年度に策定された計画の中身について、また、当時の公社が置かれている現状を踏まえて御説明いただきたいと思います。 56 ◯池上建築住宅課長=住宅供給公社の経営改革の内容と当時の経営状況について答弁させていただきます。  県住宅供給公社は、設立から十三年度までは順調な経営状況でありましたが、平成十四年度から十七年度までは当期純利益が赤字となりました。また、平成八年度まで七十戸台で推移していました販売実績は、バブル経済の崩壊を受け、平成九年度から年間三十戸前後と低迷し、保有する分譲地は約五百三十区画以上に上っていました。  このため、現状のまま事業組織を継続すると販売まで約五十年を要し、最終損失額は約五十億円に膨れ上がるとの予測から、県民負担の最小化を目的として、まず、保有する分譲地の早期完売、二点目に経費の削減、組織体制の改革などに取り組むことで最終負担額を二十億円に縮小する計画といたしました。 57 ◯藤崎委員=そのように経営改革を策定されて取り組んでこられましたけれども、そういう厳しい状態に至った要因についてどのように考えてあるのか、この際、伺っておきたいと思います。 58 ◯池上建築住宅課長=経営改革を策定しなければならなくなった要因につきましてですが、平成九年度以降、宅地分譲は年間三十戸前後と低迷をしたわけでございますけれども、多くの宅地を保有していました住宅供給公社は、借入金の金利負担や運営経費の負担が大きく、平成十三年度に公社の改善計画検討委員会で十八年度まで分譲事業を清算する方針を定め、翌年度以降も販売に力を注いできましたが、年間三十戸前後と極めて低迷な販売実績であることから、平成十七年度に住宅供給公社経営改革計画を定めたものです。  また、当時の住宅供給や住宅需要につきましても、戸建て住宅の分譲に伴う民間開発事業者が充実してきたこと、それから、住宅需要につきましても、住宅着工軒数は平成八年度八千七百戸ございましたが、平成十四年度には四千九百戸まで減少を続けました。  また、マンションの新規供給につきましても、平成七年度、八年度は年間二百戸程度の供給でございましたが、平成十年から十五年度につきましては、年間五百戸程度の供給が行われ、戸建て住宅ではなく、マンションなどの多様な住宅の選択肢が広がったこともございます。 59 ◯藤崎委員=今、説明いただいたんですけれども、まずは経営改革に取り組む前の検証というものが非常に大事だろうというふうに思っております。  と申しますのも、確かにバブル経済後に大変景気が厳しくなった。また、民間のデベロッパー等も成長してきたということで、いわゆる役割が薄れてきたというところも当然あろうかと思うんですが、ただ、バブルを理由にするには、あれは僕が学生のころだから、要は一九九〇年、平成二年ぐらいだったろうかと思うんですね。  その後もしばらくは、今の話を聞きますと年間七十戸程度売っていたと。なおかつ、平成十三年度まではなくて、十四年度からが赤字に至ったということでありますから、十三年に一たん経営の見直しをされてあります。  このときに見直しをされた内容を見ますと、それまでのことを検証せずに、平成十四年度から十八年度までに五年間で六百区画完売をするんだというふうに目標を掲げておられるんですね。まず、この時点で非常に現実性に乏しかったのではないかと。  なおかつ、これは非常に指摘しにくいんですけれども、ある意味においては、十八年度にもう解散ということを公表されたがゆえに、いろんな負の要因というものがそこに働いてきたんじゃないかということも私は懸念しております。  この際、そういう景気が悪かったとか、需要と供給のバランス以前の問題として、本来、なぜこういう状況にあの時点で至ったのかということを私はしっかりと検証しておくべきだと思っておりますけれども、そういう点に関して実際検証なされたという自覚があられるのか、伺っておきたいと思います。 60 ◯池上建築住宅課長=当時の検証状況についてでございます。  十三年度当時、公社ではこういった分譲事業と、それから県営住宅の管理業務を県のほうから受託されておりました。当然、宅地分譲については、こういった販売不振が続きましたので、住宅管理業務の受託業務、そういったほうに力を入れていくことで、まず、宅地分譲については早期に清算をしたいということで、この十三年度、清算の方針が定められたものと思っております。 61 ◯藤崎委員=私が指摘したいのは、認識、いわゆる当時の設立者は県ですから、県の責任というのは当然そこにあるわけでありまして、その県の認識が非常に甘かったのではないかというふうに実は思っているんです。  と申しますのは、この県議会でも大変厳しいやりとりがなされているんですね。その折、執行部のほうからは平成十五年十二月、この時点で約九十五億円、借り入れ約六十九億円、このうち六十五億円については県が損失補償、簿価で八十二億円。しかし、必ずしも債務超過という危機的状況ではないんだという認識を持っておられるんです。  確かにそのとおりであるけれども、しかし、見通しを持てば、これは厳しくなるというのがわかっていたわけですよね。にもかかわらず、年間七十戸、それがずっと落ち込んでいる状況にもかかわらず、五年間で売ってしまうんだと、そういう目標を掲げられたところが、私はその後の財務状況に非常に悪い影響を与えたんだというふうに思っております。  本来であれば、十七年に策定をされた──今回、皆さん方執行部におかれては、そういうことを踏まえて計画をなされて進められておりますけれども、もっと早い時点で十七年に策定されたような計画をやっておけばということを非常に悔やむわけであります。しかし、悔やむだけじゃいけないから、今後、同じような失敗をしないためにも、なぜこういう見通しの甘い計画を立てたのかということは、しっかりと議論していただきたいと思うんですね。  それはなぜかと申しますと、やはり分譲するにおいては、地域性というものが当然あろうかと思うんですね。また、その区画の面積であったりとか、坪単価であったりとか、そういったいろんなものを勘案して、この地域であれば、より供給、また、それに見合う需要というものがあるという確信のもとに本来事業を進めなければならなかったのが、実は計画の策定、分譲計画の策定、立地選定、こういうところに実は大きな問題があったんじゃないのか。本来、そういったところもきちっと検証して、これは決して、いわゆるどこが悪かったとか、何が悪かったということではなくして、やっぱり前向きな意味で、どういう部分がこういうところに影響を与えたのかということは、私は現執行部におかれても、さかのぼって検証すべきことであろうとは思っております。その点についてどういうふうに思われるのか、伺いたいと思います。 62 ◯池上建築住宅課長=平成十三年度、公社のほうで経営改革検討委員会、それから、平成十七年度に公社経営改革計画を定めたわけでございますけれども、この当時の状況につきましては、再度、公社と十分協議をしまして、当時の販売戦略、そういったものについて再度公社とともに検証をしてみたいと思っております。 63 ◯藤崎委員=僕は平成十七年度以降の取り組みというのは、今の時点では努力されていると思っているんですよ。その前のことについて、よく情報収集をしていただきたい。特に場所の選定等については、また、規模等については、本当に適切だったのかということはしっかり検証しておかないと、今後、当然こういう事業については役目を終えたという認識があられますけれども、他の事業において、また同じような後世にツケを残すような事業になってはならないものだから、そういう意味でよく検証していただきたいと思います。  次に、質問に入ってまいりますけれども、まず、借入金の返済状況について伺ってまいります。  先日、議会で説明された資料では、佐賀県住宅供給公社経営改革計画の進捗状況として、計画策定当初の保有区画数五百三十一区画が七十四区画まで減少し、約四十三億円の借入金は十三億円まで減らすことができたと報告されてあります。  この間の景気の低迷などを考えれば、真剣に経営改革に取り組まれた成果だというふうに受けとめます。ただ、気になる点もあります。  配付された平成二十二年度土地開発基金運用状況資料では、住宅供給公社が当基金から借り入れていた二十一億円のうち、昨年度に十億円償還され、未償還額は十一億円となっております。  これは、民間金融機関からの有利子借入金を優先的に前倒しして返済をされたということでありますが、そこで、借入金のこれまでの返済状況、また、今後の返済予定及び前倒しして返済した効果について伺いたいと思います。 64 ◯池上建築住宅課長=借入金の返済状況及びその効果について御答弁させていただきます。  住宅供給公社の借入金のうち、四十二億円が平成十九年三月に償還期限を迎えておりました。そのため、三月に県から無利子貸付金二十一億円を借り入れて民間金融機関へ償還し、残りの二十一億円を民間金融機関から有利子借り入れを行っております。  その後、民間金融機関からの有利子借入金二十一億円につきましては、平成二十年五月までに全額償還を行っております。  また、県下の無利子貸付金二十一億円については、平成二十三年三月に十億円が返済されました。  そのほかに、国からの無利子貸付金を毎年約三千万円ほどの定額償還を行っており、二十二年度末での残額は約二億円となっております。  その結果、二十二年度末での住宅供給公社の借入金総額は約十三億円となっております。  また、前倒し返済による効果につきましては、民間金融機関の利子が年利一・七%であることから、前倒し返済により、約一億一千五百万円の負担軽減となっております。  それから、県からの無利子貸付金二十一億円により、有利子とした場合と比較して、約一億四千万円の負担軽減が図られております。 65 ◯藤崎委員=民間の金融機関との契約で、損失補償というものがありますから、こういった場合には、最終的には当然県が責任をとらなければならないということであるならば、できるだけ今説明していただいたように県民の負担を下げなければならないということで、前倒しをして返していくということは金利の減につながって非常にいいことだとは思っております。  ただ、一方で、通常の民間の事業であれば、事業がうまくいかなかった場合の責任ということを民間の金融機関とも話し合いをしなければならないわけであります。  もちろん、損失補償があるから融資をしたということになればそうなのかもしれませんけれども、本来であれば、事業の見通し、そういったものを勘案して、そして融資というふうにならなければならない。当然融資した以上は、金融機関におかれても、私は責任があるのではないかというふうに思うんです。  こういったところが、損失補償ということで安全担保がとられているからこそ、私は冒頭申し上げたこの間の計画、いわゆるより確実性の高い計画というものが推進できなかったのではないか。本来、民間の金融機関が融資を積極的にしようとはしないような案件についても、やっぱり投資がなされてきたと、そういうことを私は指摘しておきたいと思うんです。  最終的には県費で負担をしなければならないと。そういう県民負担が生じる可能性がある事業について、私は損失補償というのは、これは国の制度ですから無論批判はできませんけれども、しかし、私はここで一・七%ですか、もちろん低い金利でありますけれども、本来、いわゆる民間金融機関が撤退する折には多少の交渉というのもして、少しでも負担を少なくしていく、そういう議論というのはなかなか行政上難しいのかもしれませんけれども、する努力はしていただきたかったと思うんですが、その辺の交渉というのはあったんでしょうか。 66 ◯池上建築住宅課長=平成十九年三月に四十二億円の償還期限が来ておりまして、それにつきまして、民間金融機関と借りかえ等のさまざまな交渉を行いました。その中で、借りかえについていろんな努力をされた結果、民間金融機関からは二十一億円までの借り入れしかできなかったということもございまして、残りの二十一億円について県からの無利子融資を行ったということでございます。 67 ◯藤崎委員=もちろん、判断としては私は当然正しかったと思います。そうすることで県民負担が少なくて済むのですから。ただ、やはり県民感情として、通常の民間が開発をして、融資を受けて事業を行った場合に失敗をしたと。失敗という言葉はちょっと不適切ですけれども、非常に厳しい経営状況に陥ったといった場合に、本来責任をそれぞれがとらなければならないと、これが民間なんですね。  しかし、行政が行っている事業というのは、ここに税金が投入されていく。こういうところが、何度も申し上げますが、私は非常に安易な計画と。無論、当時議論はあったでしょうが、最終的にそういう方向性でかじを切ってしまったことにつながったということを本当に重ね重ね申し上げておきたいと思います。  ぜひとも、そういった点については、やはり何でもかんでもBバイCということが問われるわけではないかもしれませんけれども、ただ、事業の確実性ということに関しては、やっぱりしっかりと踏まえていただきたいと思っております。  次に、分譲区画の販売数についてでありますけれども、経営改革計画では、完売時期を平成三十五年度と見込んでありましたが、九月末において残り七十四区画というふうになっております。非常に販売実績は上がっているというふうに思います。この要因について伺っておきたいと思います。 68 ◯池上建築住宅課長=分譲区画の販売数についてでございます。  平成十七年度当時は十二団地、五百三十一区画の分譲地を保有しておりましたが、一部の団地については、宅地を手ごろな広さに再区画割を行いまして、二十六区画を加えた五百五十七区画としております。  その結果、平成二十三九月末までに四百八十三区画を販売し、残りは六団地七十四区画となっております。そのうち、佐賀市内のアベニュー与賀団地が四十六区画を残しております。  特に鳥栖市の弥生が丘団地は、計画策定時に保有している五百三十一区画のうち、最も多い約三百区画を保有しておりました。このため、販売強化団地として鋭意取り組んだ結果、現在は残り一区画となっております。  この販売好調の主な原因としましては、周辺に学校や店舗等の利便施設が立地したことや、住宅メーカー等に対して十区画程度のブロック単位としたまとめ売りによるものと考えております。 69 ◯藤崎委員=この分譲区画の販売の中でちょっと気になるのが、平成十七年に計画策定されたときに、このままでは五十年かかってしまうと。完売するのに五十年を要するかもしれないというふうに指摘をしてあります。これは、普通に常識的に考えると、とてもあり得ない年数ですけれども、なぜこういう数字が出されたのか、伺っておきたいと思います。 70 ◯池上建築住宅課長=平成十七年に五十年と算定されておりますのは、先ほど御説明しました最も多い区画の三百区画を擁していた弥生が丘団地につきましては、当時、年間六戸程度の販売実績しかなかったことから、三百割る六ということで五十年ということの算定をされたと伺っております。 71 ◯藤崎委員=これは年間六戸というのが、そもそもおかしい数字なわけですよ。本来、なぜそれだけしか売れなかったのか。ほかの地域と比べてそんなに低かったのか。そもそもそこを開発したこと自体が実は間違っていたのか、もしくは売り方が悪かったのか。そこをきちっと検証して、そして数字を出しておかないと、これを見ると、初めに、ある意味、語弊のある言い方ですけれども、驚かせると。いわゆるこんなに年数がかかってしまう。年数がかかれば当然赤字は膨らんでまいりますからということで、私はある意味、解散の時期を明示して、そこに持ち込むための意図的なものをここに非常に感じるんですね。なぜ年間六戸で割り算をしたのか、こういったところは非常に不満があります。  それがために、私はそこで働いている人たちのモチベーションも下がったのではないか、そういう士気にもかかわってきたのではないかというふうに感じておりますけれども、単純に六で割るということについて、振り返ってこういうやり方でよろしかったんでしょうか。 72 ◯池上建築住宅課長=当時、弥生が丘団地につきましては、平成十七年度から開発をされ、販売をされたわけですが、十七年度までは平均的に一けた台、五戸とか八戸とか、そういった一けた台の販売実績しか上がらなかったわけですけれども、先ほど申しましたように、利便施設等の立地等に伴い、十八年度からは四十九戸、十九年度は百二十戸、二十年度は百十二戸と大きく販売戸数を伸ばしたわけでございます。  ただ、十七年度の計画策定時点では、全体的に非常な販売不振に陥ったということで、十八年度以降の好調な売れ行きというのは、ちょっと予測できなかったということで、こういう算定をされたものと考えております。 73 ◯藤崎委員=もちろん、そういったところを読むのはなかなか難しいことだろうとは思いますけれども、余りにも差があり過ぎると。年度をまたがっての販売の数が差があり過ぎると。私は、やっぱりこういったところも意図的な見通しの厳しさというものが、今度は逆の意味であったのではないかというふうに感じております。  次に、公社組織の体制について伺ってまいりますけれども、これまでの取り組みと、あと公社運営経費について御説明いただきたいと思います。 74 ◯池上建築住宅課長=公社組織体制の取り組みと運営費についてお答えさせていただきます。  平成十八年から二十年度まではプロパー職員十一名のうち、一名が定年退職をされ、八名が早期退職、または民間企業等に就職をされました。  平成二十一年度からは、分譲課職員二名の組織体制で業務を行っておりますが、そのうち、一名が二十二年度末で定年退職をされております。  二十三年度からは、残り一名と定年退職者一名を再雇用し、嘱託職員二名、現地案内所パート職員二名とともに保有分譲地の販売に努めております。  公社運営経費につきましては、平成二十二年度決算では約七千七百万円を要しており、その内訳は、人件費が三千三百万円、広告宣伝費が二千百万円、団地維持費が二千万円、事務所運営経費が三百万円となっております。  二十二年度末でプロパー職員が定年されたこともあり、今後の運営経費としては四千万円から六千万円と見込んでおります。 75 ◯藤崎委員=公社住宅の、県営住宅の指定管理者導入等で、そういう意味においての改革というのもなされて、非常に経費の最小化、効率化ということは図られてきたんだというふうに思っております。  その中で、広告宣伝費の中で一つ教えていただきたいんですが、アベニューのエコ補助二戸分というのがありますけれども、これについて詳しく御説明いただきたいと思います。 76 ◯池上建築住宅課長=佐賀市内のアベニュー与賀団地につきましては、エコ対策補助金として、宅地分譲購入者に対しまして最大で百五十万円のプレゼントということで行っております。これは太陽光発電システムの設置とか、エコキュートを設置、それから床、壁、天井の断熱等の工事を行った場合に百五十万円を補助するという制度でございます。 77 ◯藤崎委員=それはやってもらえれば県民は喜びますけれども、ただ、こういうやり方が果たしてよかったのかと私は思うんです。  全体的に、また政策的推進として、いわゆるエコ対策、また温暖化対策、そういう常道をつくっていくということであれば理解もできますけれども、今回のこれを見ると、単にある意味においてのバーゲンと申しますか、補てんと申しますか、まさに助成をしてでも何とか売らなければと、わらをもつかむような予算に見えてしまうんです。  こういうやり方は本来好ましくないというふうに思っておりますけれども、やったことはいいけれども、しかし、こういう予算をつけることについてはよくないと思っております。そういうことについて、ちょっとお考えを伺いたいと思います。 78 ◯池上建築住宅課長=当然、こういった助成金につきましては経費を伴うわけでございますが、このアベニュー与賀団地につきましては、開発された当時から良好な住宅地の造成ということで、ウッドタウンとしての取り組みだとか、あるいは環境に配慮した団地の取り組みと、そういったものを大きな販売戦略としてとられたものでありますので、こういった太陽光とかエコキュート、こういった省エネ対策について支援を行ったということと考えております。 79 ◯藤崎委員=僕は二十二年度の資料しか持っていませんけれども、これは二戸となっていますが、毎年やっておられたんですか。 80 ◯池上建築住宅課長=この助成制度につきましては、ことしで四年目となっております。  失礼いたしました。ことしで二年目となっております。 81 ◯藤崎委員=これは環境対策というよりも、良好な住宅環境というよりも、やっぱり売れなかったからというところが非常に強かったのではないかと思います。  こういったところもぜひ議論を、検証というものもすべきだろうということを指摘しておきます。  最後に、今後の販売見通しについて質問させていただきます。  経営改革計画の目的であります県民負担の最小化の観点からも、早期完売へ向けてのスピードが問われております。どの程度の県民負担が生じる可能性があるのかを見据えながらの取り組みになろうかと考えますが、そこでまず、公社運営の経営内容を認識したいと思います。  平成二十二年度で結構でありますので、住宅供給公社の経営状況について御説明いただきたいと思います。 82 ◯池上建築住宅課長=平成二十二年度の公社経営状況について答弁させていただきます。  平成二十二年度の決算状況では、分譲事業収入として約三億七千七百万円、分譲事業の原価としまして四億二千七百万円、一般管理費として一千二百万円、合わせまして事業利益としまして六千二百万円のマイナスとなっております。
     そのほか、経常収益として一千四百万円、経常費用として二千六百万円、それを合わせました全体の経常利益としましては、七千三百万円のマイナスとなっております。  そのほか、固定資産評価額の特別損失といたしまして六千六百万円を計上しており、当期純利益としましては一億四千万円の赤字となっております。 83 ◯藤崎委員=これから販売していく坪単価等の土地というのは、本来土地神話で上がるものが普通であったものが、今、原発の安全性と一緒ですが、神話が崩れてしまって、土地はずっと下がってきております。そういうことを踏まえると、今後赤字は非常に膨らんでいくということは容易に想定できるわけであります。  公社が保有する資産の現在の販売価格といったもの、また、時価総額といったものがもし今すぐわかるようであるならば、御説明いただきたいと思うのですが。 84 ◯池上建築住宅課長=現在、アベニュー与賀団地の販売価格については、坪十五万円程度でございます。それから、全体の保有価格につきましては、後ほど資料を提出させてもらうことでよろしいでしょうか。 85 ◯藤崎委員=そしたら、委員長、後で資料のほうをよろしくお願いしたいと思います。急に申し上げたものですから、失礼いたしました。  ただ、実際には把握はされてあると思うんですよね。資料もあるというのは当然ですが、そういったものを踏まえて今後の見通し、早く売ってしまわなければならないということでありますけれども、最終的にどの程度の負担というのが生じてくるというふうに認識を持っておられるのか、この際伺っておきたいと思います。 86 ◯池上建築住宅課長=今後の公社の販売、それから全体的な見通しでございますが、現在、佐賀市内におきましては、住宅地の地価というのは、平成十年から連続十三年間も下落を続けております。平成九年度が一〇〇とした場合、二十二年度は五五と約四五%の下落となっており、地価下落傾向については、不動産鑑定士等の意見を聞いても、景気低迷が長期化しており、地価が好転する要因は見当たらないとのことでございます。  特に佐賀市内においては、佐賀市の定住化対策などが平成二十年七月から市街化調整区域内で民間事業者による開発行為、いわゆる五十戸連檐制度が行われており、手ごろな価格で好調な売れ行きと聞いております。  このため、市内で四十六区画を有している公社のアベニュー与賀団地の販売には大きな影響を与えているところでございます。  委員御指摘のように、公社を長く存続させると経費負担が多大となって、最終的には県民負担の最小化を目指したいということでございますので、弥生が丘団地で採用しまして、好成績を上げましたまとめ売り等は有効な販売手法であるのではないかと考えております。  現在保有しております宅地の中でも最も大きなアベニュー与賀団地につきましては、公社運営経費とか、現在の不動産鑑定評価額などを考慮して、公募入札とかいうことの一括売却等、そういったことを行いたいと考えて販売の促進に努めていきたいと考えております。 87 ◯藤崎委員=早期完売へ向けての販売計画の取り組みについて、今、御説明いただきましたけれども、やっぱり当然皆さんが公金を用いててこ入れをすれば、地域はよくなっていくんだと私は思っております。弥生が丘もやはりいいところになってきた。アベニューに関しても、当然いいところになっております。しかしながら、そもそも論というのがあるわけであります。  十五万円で今の相場からどうなんだろうかと、ほかの地域との価格と比べてどうなんだろうかということも当然これから、議論を既にされてあると思います。坪単価に関しては、これからのことがありますから、この議会においては指摘をしにくいんですけども、また一方で、五十戸連檐の非常に好調という話も聞いております。  また、マンション等の設置等も進んできております。本来であれば、私が思うのは、やっぱり大きく住宅行政というものを踏まえたときに、佐賀県の特質から、佐賀県のように、中心地に本来効率的な経費で済む集約的なまちづくりがしにくい県の特色からいえば、私はマンションというものは本来規制をして、できるだけ住宅、一戸建て住宅というものを推進していくという見解を、私は個人的に持っております。そうすることのほうが私は地域の活力維持につながっていくのではないかというふうに思うんですけれども、この住宅行政を取り巻く政策について、やはり議論をして、見直しをしていく必要があるんではないかと思っております。  この住宅行政について、最後、質問をしておきたいと思います。 88 ◯池上建築住宅課長=住宅行政についての御質問でございます。  現在、佐賀県におきましても、人口が減少しております。それから、現在、数年後には世帯数も減少するということで、住宅需要の戸数と世帯数については、既に住宅の数が一・一倍と多くなっておるような状況でございます。  また、先ほども申しましたように、戸建て住宅志向からマンション居住と、そういったいろんな多様な選択肢ができるようになったこともありますので、今後はそれぞれの地域に応じた住宅のつくり方とか、それぞれ住宅についても特色あるもの、省エネだとかバリアフリーだとか、そういったような特色ある住宅、個性ある住宅と、そういったものが供給されていく必要があるんじゃないかと考えております。  今後も良好な質のよい住宅とか、それから住環境、そういったものが整備されるように、行政として間接的な応援をしていきたいと思っております。 89 ◯藤崎委員=もう一点だけちょっと確認をしておきたいと思います。  これは議会でもずうっと議論がなされてきたことで、隣の徳光委員さんも非常にこれについては関心を持って、これまで議論されてこられました。それは何かと申しますと、既に公表されている解散についてでありますけれども、要は今、既に年間の経費というものが六千万円、また七千万円とかかっているということ。それと一方で、今後販売をしていく収入、それとの比較をしながら、その時期というものに関しては決められるんであろうと思っております。  しかしながら、手続に入るということは、これは当然前もってできるというふうに思っております。  そういうことを当初、十八年度ということで、また見直しをされましたけれども、大体どういうふうにその辺については考えておられるのか伺っておきたいと思います。 90 ◯池上建築住宅課長=解散時期等についてでございます。お答えさせていただきます。  公社の解散に当たりましては、国への申請基準等がございまして、公社の施策方針、それから利害関係者との調整、資産整理、担保責任、雇用対策の五つの条件がございます。この基準を満たさない限り、申請はできないという指導を受けております。  当県の公社の場合は、雇用対策や資産整理にまだめどがつかない状況でありますので、まだ申請ができない状態にあると考えております。  現在、アベニュー与賀団地の公募入札に向けて準備を行っておりますが、公社運営経費の負担軽減、それから残りの分譲団地の売却など、まだまだ課題は残されているものと思っております。  最終的に県民負担が生じることが想定されておりますけども、今後とも、県民負担の最小化を目標として、公社の経営改革を進めていきたいと考えております。 91 ◯藤崎委員=当然これについては議会の議決も必要とするというふうに私は認識しておりますので、当然またこの県議会で議論をされるものと思っております。しかし、精算をするに当たって、懸念される点は、実は既に努力をしておられると思っております。当然それに向かっての努力をしてこられたわけでありますから。  そして、一方では、例えば、アベニュー与賀団地というのは、今、販売というのはされていないんじゃないかなと思うんだけども、その辺、ちょっとどうなっているのですかね。ちょっと伺っておきたいと思いますけども。 92 ◯池上建築住宅課長=アベニュー与賀団地につきましては、現在、公社のほうでは、今月中旬から販売については保留状態ということでしております。 93 ◯藤崎委員=ということは、先ほど御説明いただいた一括とか、そういったことを既に──もちろん答弁いただきましたので、そういうことを議論されてあるわけですね。既にそういう手続に入っているということを踏まえれば、ある程度の目測というものはあろうかと思います。  当然これ以上は、大変ナーバスな問題でもあろうかと思いますので、しっかりと担当部署におかれて議論をしていただきたいと思います。  また、その議会の議決を要するときに、しっかりとまた議論をさせていただきたいと思っております。  では、次の質問に入らせていただきます。  建設業を取り巻く質問でありますけども、建設業界を取り巻く環境は、これまで以上に厳しくなると予想されます。新たに再度設けられました総額調整ルールにより、県内公共事業は大きく抑制されます。影響を受ける建設業者は、受注の機会を得るためにも、工事の品質保証、技術力が要求され、同時に経営の合理化が必要とされます。  そのような現況で、社会資本整備、維持補修管理、防災対策など、建設業者の果たす役割は今後も重要と認識しております。県におかれても、同様の理解のもと、健全な建設業界となるように、入札制度も含めた多面からのたび重なる対策が打たれてまいりました。また、地域経済の冷え冷えとした実情を見て、思い切った経済対策として、住宅リフォーム助成にも取り組んでいただいております。  これらの対策は、斜陽産業とも言われる建設産業にとって、厳しくとも何とか頑張ろうという動機づけになったというふうに評価しております。  建設業の再生支援については、先ほど江口委員のほうから詳しく質疑、また答弁もいただいておりますけれども、若干質問をさせていただきたいと思います。  まず、建設業界の現況について、県内の公共投資額、また建設業者数の推移について教えていただきたいと思います。 94 ◯吉野建設技術課長=県内の公共投資額につきましては、国の建設総合統計年報では、平成七年度の四千百五十億円をピークに、平成十三年度以降激減し、平成二十二年度は二千九十九億円と、ピーク時の約五一%まで減少しております。  一方、県内の建設業法に基づく許可業者数は、平成七年度末の三千八百五十四社に対しまして、平成二十二年度末は三千三百八十八社と、約一二%の減少にとどまっているということでございます。  このように、公共投資額は建設業者数の減少率に比べて大きく減少をしているという状況にあります。 95 ◯藤崎委員=そういったことを踏まえて、当然、公共事業が大きく減れば、業者数も減るというふうに想定されていたけれども、公共事業の減り方と比較すると、業者というものが減っていない。じゃあ、どういう状況にあるかというと、大変過密な状態の中で、もうあっぷあっぷ状態の中で、しかしながら、淘汰を余儀なくされる。それについて、今、何とか健全な育成というものも必要ということで、再生支援に取り組んでいただいております。  佐賀県建設業構造改革緊急対策事業ということで、この間、随分と力を入れていただいております。これに対する質問は先ほどいただきましたので、割愛させていただいて、振り返って、この間なされた事業に対する検証、つまり果たしてこれまで取り組んできたことによって、いい方向に進んでいると、向かう先はこの方向でいいんだという認識を持っておられるのか、伺っておきたいと思います。 96 ◯吉野建設技術課長=これまで取り組みました建設業再生支援の事業に対しまして、いろんな業者の方が取り組んでおられて、それを支援しております。このような取り組みというのは、建設業の再生というですかね、そういう面では効果があったものと考えておりますが、具体的に数字というのは、今、特には示すものはございませんけれども、効果はあったものというふうに思っております。 97 ◯藤崎委員=当然やっている事業については、非常にありがたい事業でありますので、今後もやっていただきたいというふうには思っております。しかし、果たして幅を広げていく必要があろうかというと、私は若干の疑問を持っております。それはそもそも、いわゆる建設業界が他の業者に参入するにおいて、本来、民において、みずから努力をしてやるべき事業であり、かつ当然商工会なり、いろんなそういった相談窓口もあるわけでありますから、何も建設業に特化して、果たして県費を用いる必要があるのかというと、実は疑問があるわけであります。  それに対する大きな効果が出るのであるならば、私はこのまま広げていっていただきたいと思うんだけども、どうもそういうふうにはやはりなっていかないと。それは当然農業分野も厳しいし、流通業界も厳しい。第三次産業もさらに厳しい。そういう中にあって、そう簡単にうまくいくわけがないというのが前提にありますから、私はせっかく努力していただいているのに、なかなか十の努力が十におさまらないと。十のうち、二か三の成功事例につながるかもしれない。無論、この二か三の成功事例というのは非常にありがたいことだけれども、でも、もっとほかに方法があるんじゃないかなというように思っております。  今現在取り組んでいるこの事業については、いいことですので、大いにやっていただいて、そして結果を出していただきたいと思いますけれども、あわせて、ほかの再生というものに関しては、私はやっぱり入札制度の見直しであったり、また──入札制度の見直し、これが一番大きいと思うんですね。そういう形での再生というものをやらなきゃいけないんじゃないかと。また、公共事業のあり方として、そういった分野において業者を導いていくと。これまでの求められた建設業のあり方から、これからは間違いなく災害対策が求められております。環境も重要であります。  そういった方向性に建設業界として奮って仕事ができるような、そういう公共事業の発注とか、そういうことでやっていただきたい。  というのは、結局、建設業界においては、ほぼ公共事業に頼っているというのが現実であります。これを民間の資金も用いてやろうと思えば、これは土地計画の見直しをすれば済むんですよ。いわゆる調整区域、線引きを見直すと。これをすれば、間違いなく私は住宅の需要というのはたくさんあると思っております。県が、土地公社がやらずとも、民間において、五十戸連檐でやりたい箇所というのはたくさんあるんですね。また、開発をしていきたいという意欲ある、実はそういうディベロッパーもまだおられます。  現に佐賀市の兵庫地区を見れば、一つの制度を見直すだけで、あれだけの開発が進む。よしあしはまたいろんなそれぞれの価値観がありますけども、しかし、いわゆる雇用対策という面で見れば、大きな影響が出てくる。無論、インフラ整備がそこに投じなきゃならないので、そういった兼ね合いもありますけども、私は再生支援ということに関して言いますと、この事業もいいけれど、ほかにもやるべきことがあるのではないかということも一つ踏まえていただきたいということを要請しておきます。  建設業の今後の見通しについて伺いたいと思いますけども、前回の総額調整ルールにおける影響について、平成二十年度から平成二十二年度までの三年間で二千六百四十億円の公共投資額を確保する総額調整ルールが設定されてありました。このことが建設業界に与えた影響というものをどういうふうにとらえてあるのか伺いたいと思います。 98 ◯吉野建設技術課長=公共投資の総額調整ルールにつきましては、あらかじめ総額を設定し、期間内の事業量、これを県内建設業者へ示していただいたものです。  これに対して、建設業界からは計画的な事業経営に効果があったと評価を受けておりまして、一定の効果があったものと判断しております。 99 ◯藤崎委員=それでは、新たな総額調整ルールにおける影響ということで、さきの九月議会において、平成二十四年度からの三年間で、前回の九割に相当する約二千三百十億円の公共投資額を確保するという総額調整ルールが新たに設けられるということが発表されました。  このことが今後どのように建設業界に影響するとお考えか、伺いたいと思います。 100 ◯吉野建設技術課長=今回の総額調整ルールが示されたことは、前回と同様に、計画的な事業運営には一定の効果が見込まれると考えます。しかし、投資総額が前回の一割減となっておりまして、建設業界にとっては厳しい状況になるものと考えております。 101 ◯藤崎委員=これは、もう相当厳しいものが出てくると思っております。確かに建設業界からの経営という観点で、受注に対して見通しができると、三年間の公共事業が先が読めるということで、そういう計画を持った経営というのがなされたという意味においては、非常にいいシステムだと評価しております。これについては、今後もこういう形で取り組んでいただくのは非常に業界にとってはありがたいことであろうというふうにも認識しております。  また、行政においても、より計画的に進めていけるものだろうと思っておりますが、心配されるのは、この額が、いわゆる行財政改革のための、緊プロのためにおける総額調整ルールであったということは、いわゆる予算が減るという話でありまして、先ほど説明いただいたように、大幅に予算が減らされるわけであります。三年間で約五百億円ぐらいですかね、大きく減らされるわけでありますけども、なおかつ懸念されるのが、これまでは国の総合対策、経済対策があった。これは議会で質疑応答される中で、別枠ということで知事から答弁いただいて、そのとおりしていただいた。では、来年度から始まる公共事業の経済対策の総額というものは、実はまだわかっていない。しかし、普通に考えれば厳しくなるんじゃないかなというふうに思うわけであります。  ですから、今想定される以上に、相当真水の部分で厳しいものが出てくるのではないかというふうに心配しておりますけども、どういうふうに認識してあるのか伺っておきたいと思います。 102 ◯吉野建設技術課長=投資額が一割減るということは、それだけ発注量が減るということですので、その分の影響があるというふうには考えております。  ただ、公共投資額の減少というのは、やっぱり全国的に見ても、なかなかそれを否定できない、なかなか改善が見込まれないという状況ですので、そういった中で、建設業者の皆さんには経営基盤の強化とか、そういうものに取り組んでいただきたいというふうに考えておりますし、委員おっしゃったように、フォローアップ事業での支援ということだけではなくて、入札制度の改革とか、そういうものを含めて改善していかなければならないというふうに思っております。 103 ◯藤崎委員=緊急総合対策で五百七十四億円の別枠の事業があったということも踏まえて、今後、相当影響が出てくるということは認識しながら、ぜひとも事業推進に当たっていただきたいと思っております。  それでは、先ほども触れました入札制度に関してでありますけども、平成二十五年度、二十六年度建設業入札参加資格評定方針というものがあります。  これで一〇%縮減が入札参加資格者数においての方針とされました。これの建設業界に与える衝撃は非常に強いものがあります。建設業の体力が最も失われているときの急激な改革は、健全であるはずの事業所までも追い詰めることになると危惧しております。一〇%縮減案については、この際、見直すべきと考えますが、答弁を求めたいと思います。 104 ◯吉野建設技術課長=県としましては、公共投資額の減少など、建設業を取り巻く環境が非常に厳しいことから、過当競争を緩和して、受注機会を高めるために、平成二十五・二十六年度の県の入札参加資格者数については、基本的に一〇%縮減するという方針を立てて、九月議会に報告させていただいたところでございます。  こうした中で、県議会でのさまざまな意見や各地域の建設業者からの要望があったところでございます。このような意見や要望については、県としては真摯に受けとめなければならないと、そういうふうに考えております。 105 ◯藤崎委員=それでは、見直す方向、見直すことも選択肢としてあるということで理解してよろしいでしょうか。 106 ◯吉野建設技術課長=先ほども申しましたように、私たちの考えていた以上にいろんな御意見をいただいたということで、その意見はちゃんと十分受けとめなければいけないと思うんですけれども、見直すことについては、ちょっと今の段階で、なかなかここではコメントできません。 107 ◯藤崎委員=厳しいということはわかっていると。しかし、答弁できないということは、それは今の思いというか、腹の中というか、そこがよく見えてこないんですね。いわゆる見直すこともあり得るということで議論をされるのか、それとももうやらないということなのか。やらないという選択肢はないということでいいんでしょうか。 108 ◯吉野建設技術課長=真摯に受けとめるということで、選択肢として断定的なものはないということだと思います。 109 ◯藤崎委員=当然審議会等もありますので、いろんな議論を積み重ねての議会での審議ということもありましょうから、これについては、これ以上答弁求めるのは難しいと思いますが、ぜひとも今御答弁いただいた中で、私は理解いただいたものというふうに認識をして、是が非ともそういう方向性で議論をしていただきたいと思っております。  これは当然これまでの議会でも本当に多くの議員が指摘をしてきたことでもありますので、是が非ともよく議論していただきたいというふうに思っております。  それでは、最後、次に受注機会の確保ということについて質問させていただきたいと思います。  ローカル発注の取り組みについてでありますけども、県内経済の低迷と建設産業の実情をよく把握されてある県では、ローカル発注に取り組んでいただき、心強く感じております。  しかしながら、県土づくり本部においては指摘することはありませんが、他の部局においては、ローカル発注の精神の徹底がなされているようには感じません。  事例を挙げれば、先般、視察もさせていただきました九州重粒子線がん治療センターの建設工事については、ローカル発注を踏まえて建設するように、他の部局であっても、やはり建設業の再生支援などに取り組まれてある本部におかれては、いろんな意見等を申し上げていただきたいと思っておりますが、どのようにお考えか伺いたいと思います。 110 ◯吉野建設技術課長=県では、経済の活性化や雇用の維持というのを目的に、県内企業への発注や人や物の県内調達をふやすというローカル発注を全庁的に取り組んでおります。  そのため、各部局が関与する工事については、それぞれの部局から事業主体へ働きかけが行われておりますが、建設業育成の観点から、私たちも重ねてローカル発注に取り組んでいただくよう、関係部局には働きかけていきたいと考えております。 111 ◯藤崎委員=せっかく皆さん方が本当に誠心誠意努力していただいている一方で、そういう形で、大きな県費を伴う事業がなされているにもかかわらず、県内業者が建設業界が、また建設産業のあらゆる事業所になかなか波及効果が至っていない面もあると思われます。  例えば、県立病院好生館の建築工事については、結局、下請業者で見ますと、五十三業者のうち、県内は十八業者、三四%であります。また、主要資材の調達先、これは若干パーセンテージは上がってくるけれども、しかしながら、二百十五、これは大きな波及効果があるんですよね。本当に数が多ければ多いほど、私は効果が大きいと思っております。まとめて一つの業者よりも、たくさんのいろんな事業所に行き渡るほうが、私は非常に雇用にとってもいいと思っておりますが、二百十業者のうち、主要資材の調達先は百二十一、約半分、五六%。半分は超えているけれども、五六%ということになっております。これは下請と資材納入業者を合わせれば、約半分ということであります。  やっぱりこういったものを高めていくことは大事であろうと思いますし、また先般から峰委員のほうからもこれは指摘もありました。また多くの委員も指摘をしてまいりましたけども、粒子線がんセンターの建築工事については、これは答弁いただいております。改めて私のほうからも言わさせていただきますと、下請業者と資材納入業者を合わせれば、一割、一〇・一%となっております。本当にこういったことを聞きますと、何をやっているんだろうかというふうに思います。  しかし、これは実は担当の部局に言わせれば、この建設工事については、民間の会社が発注をしているということで、より介入できないというふうな答弁がされるんですね。これについては、答弁を逃げるなという厳しい指摘も実はそのときあったわけでありますけども、発注は民間であっても、これは実は性格上、県がもちろん主導したこともあるし、県費を二十億円も投入しているんですね。そこを借りることで、家賃も支払っていくということで、一体的になされているんですよ。つまり、言葉はよくないけれども、民間発注というのは詭弁であって、あくまでも私は公共性の高い発注だと思っております。  こういったことに関しても、私は一〇%というのは余りにもひど過ぎると思いますので、もちろんこれからまたどんどん高まっていくとは期待しておりますけども、ぜひともこういった面については、より強く建設業界の産業の育成という点も兼ねて、申し入れ、また協議をしていただきたいと思っております。  それでは、ローカル発注ともう一つ、受注機会の確保ということで質問させていただきますが、取り抜け、これも議会で質問がなされました。受注環境が厳しい現状を踏まえて、均衡ある受注機会を図るために、一度受注した業者は次の入札案件には参加できないというような取り抜けの取り組みというものも必要と考えますが、どのように考えておられるのか伺います。 112 ◯吉野建設技術課長=現在の取り抜けは、工期の制約や中小建設業者の受注機会を確保するために、分割工事などとして複数の工事を発注し、同じ日に同じ工種を開札する際に、一つの工事を落札した業者は、次の工事の入札参加資格は失うと、そういう取り扱いを行っております。  取り抜け制度の適用の仕方によりましては、行政による受注調整といった、そういう誤解を招くおそれがありますので、慎重に対応せざるを得ませんけども、競争性、透明性を確保しながら、今の制度を活用して、できるだけ受注機会の確保に努めていきたいと考えております。 113 ◯藤崎委員=受注調整という誤解を与えちゃいけないということでありますけども、これはちょっと最後に、お昼になりますが、もう一点だけ、入札制度について質問させていただきたいと思います。  建設業再生に一番行政が影響を与えることができるものは、この入札制度だと思っております。この入札制度については、総合評価落札方式というものがなされております。  これについて、現状はもうわかっておりますので、今後、対象についてどのように考えているのか、ちょっと伺いたいと思います。 114 ◯豊増入札・検査センター長=総合評価方式の今後の対応についてお答えさせていただきます。  今後の対応につきましては、これまでの実績──総合評価方式は平成十八年度の試行を経て、本格実施しておりますけれども、それから現在までの実績、それから今後の実施状況並びに現在土木一式工事で試行として行っております五千万円から六千万円までの実施ですね、これらの試行状況を十分検証するとともに、業界並びに議会の議論等を踏まえながら慎重に検討を行いまして、総合評価方式が社会資本の品質確保と技術と経営にすぐれ、地域に貢献する建設業の健全な発展に資するものとなるよう努めてまいりたいと、このように考えております。 115 ◯藤崎委員=対象については、慎重にやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 116 ◯豊増入札・検査センター長=委員御指摘のとおり、慎重に対応していきたいと考えております。 117 ◯藤崎委員=入札制度に関しては、これは前回の決算特別委員会でも指摘したんですけれども、そもそも会計法が一八八〇年に設けられたときに、当初は競争入札だったんですね。一般競争入札だったんですよ。しかしながら、余りにも今のように品確法はありませんから、やはり品質が劣ってきた。また、過当な競争が生じた、また景気にも悪い、雇用にも問題が出る、まさにこの間、問われていたことがいろいろ浮上して、これは十一年で指名競争入札に変わったんですよ。一般競争入札から指名競争入札に制度が変わった。そして、百年間、この制度が続いてきました。  しかしながら、時代の要請として、これが見直しをされて、再度当初の一般競争入札に戻り、そして前回のような轍を踏まないということで、品確法が設けられて、そこのフォローをやっているということで認識をしております。  ですから、方向性として、総合評価というのは、それはわからないことではありません。しかし、今言ったように、健全な育成のためには別の方法もあるのではないかという次の段階に進む必要があろうかと思っております。  例えば、新潟県の地域保全型工事や長崎県の地域力保全型入札制度などといったように、これは一定の客観性、透明性はきちっと確保しながら、指名競争入札を行うという制度であります。こういうことに取り組んでいる地域もあります。
     以前のような指名競争とは違いますけれども、しかし、開かれた形での指名競争というのはなされて、研究されておりますので、これについては、佐賀県におかれても、ぜひとも研究をしていただきたいと思っております。選択肢として研究の余地があろうかと思いますけども、いかがでしょうか。 118 ◯吉野建設技術課長=県では、平成十九年四月から指名競争入札を廃止しまして、一般競争入札というのに全面移行しております。これはいろいろな国の法整備、それから入札の公平性とか、そういうものを確保するための動きの中でありますけども、委員の御提案のありました、私もちょっと承知しておりませんので、中身については、ちょっと見させていただきます。 119 ◯藤崎委員=過当競争の緩和策として、入札制度の見直しというのが一番非常に効果が高いということが皆さん周知として、理解としてあるわけであります。当然この入札制度に関しては議論をしなければならない。やはりここは、過去にとらわれずに、前向きに、よりベターな──ベストはないかと思います。ベターな方法としての議論はしていただきたい。  そういう意味で、条件つきとかいろいろありましょうが、選択肢として研究をしていただきたい。研究されるということでよろしいでしょうか。 120 ◯吉野建設技術課長=はい、ちょっと研究させていただきます。 121 ◯藤崎委員=それでは最後、電子入札について伺っておきます。  現在の電子入札における電子くじについては、システムが自動的に決定をするために、当事者となる業者からは納得できないというような声も聞いております。  現在、電子くじの決定方法について、概略で結構ですので、御説明いただきたいと思います。 122 ◯豊増入札・検査センター長=電子入札システムにおける電子くじについてお答えをいたします。  本県が導入しております電子くじにつきましては、国土交通省と同様で、なおかつほとんどの県が使用している電子入札コアシステム内の機能でございます。これにつきましては、開札時において、複数の落札候補者が生じたとき、自動的に落札者を決定するシステムでございます。  この電子くじにおける落札者決定の方法は、応札の到着番号、それから到着時刻、それに加えまして、応札業者が任意に入力するくじ番号の三種類の数字を使用して決定する仕組みとなっております。  なお、この仕組みにつきましては、佐賀県電子入札システムのホームページにおいて、計算例を含め、詳細に公表しているところでございます。 123 ◯藤崎委員=当然もう昔と違って、時代の要請として、電子で入札に応じるというのは、これは当たり前の話になっておりますので、これを今さら昔みたいにということは、到底考えられないことだと思います。  ただ、このくじ、いわゆる同額のときのくじについて、これはぜひともいろいろと議論をしていただきたい。見直しは難しいとするならば、やはり公平公正性は担保とられていると思うんですよ。公平であり、公正だと思います。  しかしながら、透明性、公開性が非常に劣っているというふうに感じております。  だからこそ、死活問題である受注のときにくじになって、一方的に結果だけ通知されるということについては、昔は、いわゆるくじのときは引いていたんですね。引いていたんですよ。ですから、自分でやるから、はっきりと責任ということで、ああ、今回はだめだったというふうに認識がされておりました。  しかしながら、今は一方的にあなたのところはだめですよと、というよりも、どこがとりましたという結果だけが来ます。そうすると、皆さん、ある程度飯が食っていけるような状況であれば、目くじら立てませんけども、本当に死活問題、受注イコールキャッシュフローと実は密接な関係があるんですね。ですから、そういう金融機関とのつき合い等もあって、やはりいかに受注につなげるか、これは死活問題です。そのことがくじで見えないところで決まってしまうことに対しては、非常に不信感、納得いかないものがありますので、ここはもう一つ求められる公正公平は担保できております。もう一つの透明性、これを高める努力をしていただきたいと思っておりますが、最後、答弁を求めておきます。 124 ◯豊増入札・検査センター長=電子くじの抽せん過程の公表についてお答えさせていただきます。  電子くじによる抽せん過程の公表につきましては、到着番号、到着時刻、くじ番号の情報の明示が必要となりますが、この中の応札業者が任意に入力される三けたのくじ番号は、単なる三けたの数字ではなく、企業によっては重要かつ意味のある数である個人情報とも思慮されるもので、各企業、すべての了承なしでは公表できないものと考えております。  このようなことから、くじ抽せん過程の公表は難しいのではないかと考えておりますが、くじに不満や御不信をお持ちの業者からの問い合わせに対しましては、できる限り丁寧な説明を行い、電子くじによる落札者の決定について御理解していただくよう努めてまいりたいと、このように考えております。 125 ◯藤崎委員=これはちょっと午前中は終わりにしますけども、数が多ければいいんですよ、数が多ければですね。たくさんあれば、統計上、公平になっていくと思うんですよ。しかし、発注量が以前にも増して少なくなっているという中では、これは当然くじだから、ひょっとすると、一つの業者が再度重ねて、また同じように受注できるかもしれない。可能性としてあるんですね、統計として。でも、これは数はふやせば公平に皆さんが感じるようになるけども、数が少ない期間で見ると、あるところに集中して受注できている。また、地域的に、あの地域が非常により受注につながっているということで、業者間の中に根拠のない、いわゆる不信感というものが生じてくるんです。これを解消しなければ私はいけないと思うので、できるだけ透明性を図っていただきたいと、そういうことを強く申し上げ、これについては、先ほど答弁いただいたので、これ以上出てこないと思いますが、どうかぜひ議論をしていただきたい。  またいつかこの質問をさせていただきますので、もっといい答弁をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 126 ◯伊東猛彦委員長=暫時休憩します。午後は一時十五分をめどに委員会を再開します。     午後零時七分 休憩     午後一時十六分 開議 127 ◯伊東猛彦委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 128 ◯藤崎委員=それでは、最後の質問に入らせていただきます。  県土づくり本部の予算編成についてでありますが、県民生活の安心、安全の確保について、基盤となる社会資本整備を着実に進めることが大きな責務との認識を持って、県土づくり本部におかれては、厳しい投資的経費の落ち込みの中で公共事業のあり方を徹底的に議論して事業に取り組まれてあるものと受けとめます。やるべき事業が多い中で選択と集中の予算づけは困難をきわめると理解いたしますが、幾つか質疑させていただきます。  初めに、平成二十二年度の予算編成方針についてであります。  「行財政改革緊急プログラムバージョン2.1」の最終年であり、総額調整ルールを含めた予算編成方針について説明を求めます。 129 ◯副島良彦県土づくり本部副本部長=平成二十二年度の予算編成方針についてお答え申し上げます。  平成二十二年度の当初予算の編成に当たりましては、「行財政改革緊急プログラムバージョン2.1」の最終年度ということもございまして、厳しい財源でございましたが、重点的、効率的に事業が執行できるよう配分を行ったところでございます。また、真に県民の期待にこたえるという予算となるよう努めたところでございます。  具体的な取り組み内容といたしましては、事業効果の早期発現のために、原則といたしまして新規着手箇所を抑制いたしました。また、継続箇所に当たっても事業計画の見直しを行うなどの取り組みを進めたところでございます。  さらに、県土づくり本部として戦略的に推進してございます地震、気候変動に備えた安全、安心のための防災・減災対策の充実として、建築物の耐震化、治水・土砂災害の防止対策の推進、また、多様な主体が担う農林水産業の基盤づくりといたしまして、国営かんがい排水事業の推進、広域的県際交流ネットワークづくりとして、西九州自動車道及び有明海沿岸道路の推進など、基本的な方針を持ちまして編成を行ったところでございます。  以上でございます。 130 ◯藤崎委員=それでは、今回、二十二年度の県土づくり本部の予算を振り返って、予算編成状況について伺いたいと思います。 131 ◯副島良彦県土づくり本部副本部長=予算の編成状況でございますが、県土づくり本部の二十二年度の当初予算の投資的経費の額は、経済対策等の減少もございまして、平成二十一年度の当初予算に比べまして、約九三%となります約七百三十億円を、先ほど御答弁申し上げました方針に沿いまして編成したところでございます。  その後、六月補正では、平成二十二年度に国交省、農林水産省で創設されました社会資本整備総合交付金、農山漁村地域整備交付金の認証によります公共事業や単独事業の振りかえ、それとあわせまして、九月補正では、大きな災害がございました。それによります大雨災害等によります災害復旧費の計上、それから、十一月補正では、緊急総合対策の第四次ということで経済対策予算が計上されたものでございます。  これによりまして、二十二年度の投資的経費の最終予算額は二十一年度の最終予算額の八二%に当たります八百四十二億円を確保したところでございます。  以上でございます。 132 ◯藤崎委員=今回から二十二年度から、先ほど御説明いただいたように、国のほうで新たな補助金制度の交付金化ということが設けられてあります。このことについて、概要について再度改めて伺っておきたいと思います。 133 ◯副島良彦県土づくり本部副本部長=平成二十二年度から創設されました交付金の概要について御説明申し上げます。  平成二十二年度からは、先ほど御答弁の中で申し上げましたとおり、社会資本整備総合交付金、これは国交省の所管でございますが、これと、農林水産省の所管の農山漁村地域整備交付金というのが新たに創設されたものでございます。  社会資本整備交付金につきましては、それまでの国土交通省の補助事業で取り組んでおりましたものの、大型事業を除きます、それ以外の補助事業につきまして、この交付金に移管したものでございます。  あわせまして、それまでに数々の交付金がございました、例えば、地域活力基盤創造交付金、まちづくり交付金など五つの交付金がこれに統合されたものでございます。また、今回、制度の改革といたしまして、単独事業で行っておりました事業に関連する事業も、この社会資本整備交付金の中で行えるようになったものでございます。  また、あわせてソフト事業、これを事業効果を増幅させるというか、増進させるソフト事業にもその社会資本整備交付金が使えるようになったというところでございます。  また、農山漁村地域整備交付金につきましても、先ほど御説明いたしました社会資本整備総合交付金と同様に、農林水産省が所管しております補助事業のうち、国営土地改良事業と関連する地区の事業や、復旧対策、温暖化対策などの事業以外の補助事業がすべてこの交付金に振りかわったものでございます。  また、ソフト事業や単独事業をあわせもってできるというのは社会資本整備交付金と同様なシステムとなっているところでございます。  両交付金とも地域の実情に沿った事業が進められること、それとあわせて、先ほど申しましたとおり、ハード、ソフトの両面で支援がなされるようになったということで、また、計画内であれば、国費の移動が容易に県の裁量でできるというふうになったことなど、地方にとって自由度が高く、使い勝手が向上する交付金制度として創設されたものでございます。  以上でございます。 134 ◯藤崎委員=今の説明を聞いておりますと、よかったか、そうじゃなかったかと言えば、よかったということであろうかと思っておりますけども、私自身は当初期待していたものと比べれば、こういうことなのかというふうに思った節もあります。評価として、今現在、どういうふうに受けとめて、とらえておられるのか、この際、伺っておきたいと思います。 135 ◯副島良彦県土づくり本部副本部長=今回、新設されました交付金制度に対する評価でございますが、両交付金とも地方公共団体みずからが計画を定め、その目標を設定し、住民のニーズに合った整備ができるという部分については、地域主権の第一歩として評価できるものと考えております。  また、事業費の箇所間流用、一つのパッケージで事業が採択されますので、国費の年度間調整が可能になったことなどから、集中投資ができるようになりまして、地元における効果の早期発現等に寄与できる交付金となっているということでございます。  その反面、国の予算内示につきましては、複数の事業が一堂に採択されるために、それぞれの事業の国における評価がよくわからないということで、内示があった後に関係者、県とか、市町村とか、関係団体も含めましてなんですが、そういうところの調整が非常に厳しいものとなっているということでございます。  また、先ほど来申し上げていますとおり、パッケージで採択されておりますが、まだまだ分野別ということで四つの分野での採択になっております。これは国の縦割り行政の制度がまだこの中の交付金制度の中に残っているという面では、非常に残念であるという評価を持っております。  以上でございます。 136 ◯藤崎委員=確かに今御説明いただいた、まさにそのとおりだと感じております。地域主権という観点からは第一歩であり、これが終わりではないということを思えば、まだまだこれから国に対して要請して、より使い勝手のいいものに変えていく必要があろうかと思います。  ただ、そもそも私が思うのは、交付金化になったとしても、県がやるべき事業、また、住民、県民が望む事業というのが、余りにも多岐にわたっているがために、少ない財源を補助金から交付金化に変えても、じゃ、より満足度が上がる事業が進めていかれるかというと、決して一〇〇%というわけにはいかないと。何よりもやっぱり財源がふえないことには意味がないというところがあるんじゃないかと思っております。  ただ、そうは言っても、今後、少子・高齢社会の中で確実に公共事業の予算というのは削られてきた、そして、今後の見通しとしてもふえていかない。限られた財源であるならば、そうであるならば、じゃあ、国が一〇〇%面倒見切れないということであるならば、しっかりと地域で責任を持ってやっていただきたいと、そういう制度に私は変わっていくものだというふうに期待をしておりました。つまり、補助金をやめて、もうこのお金については自分たちで、極端に言えば、好きに使ってよいというような形を私は期待をしておりました。それだけ県土づくり本部におかれては、より責任が重くなってくるというふうに思っていたんですけども、結局は今、内示後にばたばたせにゃいかんということは、結局、国との調整や、また、市町村との調整というのは、その後やらなきゃいけないということは、私は結局これまでとあんまり変わんないのではないかなというふうにも感じております。  今、国のほうでは事業仕分けというのがなされております。前回と違って今度は国会内で行われるということもあって、その分よかったなと思うんですけども、そもそも事業仕分けというのは当たり前の話であって、むしろ政権交代後に私が期待したのは、今、TPPで言われているネガティブリスト、ああいったことを本来、政権交代後にやるべきであったろうと。事業仕分けは本来国会の中で、ちょうちょうはっしの議論を通して、より優先順位をつけていくという話ですので、私は国の政権交代後の地域主権にかける改革のところにおいては、私は頓挫したのではないかというふうに実は非常に残念な思いを持っております。それが今回のこの交付金化にもやっぱりあらわれていると。  結局、橋の──使うかどうかは決めてもいいけども、使うときはこういうふうに使いなさいというような、使い勝手に関してはやっぱり国が要件を決めていくと、道路をつくるにおいても構造例は確実に守っていただくと、そういうようなことで非常に私はそもそも期待していたものとは違うと思っております。  本来の交付金化の目的は、一つには、やはり二重行政をなくしていこうと。もう今さら中央集権的に霞が関で全国の隅々までの公共事業のあり方については、もう決めていかないんだと、地域の実情に応じた形で責任を持ってやっていただく。ただ、地方は財源があるところと、ないところとありますから、これは国が責任を持って分配をしていくと、そういう仕事を国はやって、あとは地域に任せる。それだけ今度は県議会のさらに重みも、責任もさらに重くなってくると、そういう方向性に今後行かなきゃならない。  財源が潤沢にあれば、これまでのように国が本当にやってくれたほうが、ある意味、楽であったけれども、でも、財源が厳しいならば、やはり自由度を増していただきたい、そういう気持ちを私は持っております。  そういう観点で再度これ県土づくり本部長にお尋ねしたいと思いますが、井山本部長はより熟知をされておられますけども、この交付金化に当たって、今、私が言う地域主権、お金がもう少ないんだと、だったら、地方で責任を持って本当にやっていただくと、そのかわり最終的な責任も地域行政で担わなきゃならないんだという発想での地域主権がこれから進んでいくのか、それとも、進むのがいいのか、それとも、財源は少なくなっても、そうは言っても、やっぱり均衡ある国土づくりはもう今言いませんけれども、ただ、やっぱり中央からある程度は品格法に準ずるような、ある程度の国が基準を決めてチェックをしていくと、会計検査でチェックをしていく、そういうような仕組みというのは今後もあったほうがいいと思われるのか、どういうふうな考えをお持ちなのか、この際、お尋ねしたいと思います。 137 ◯井山県土づくり本部長=ただいま交付金、あるいはそういう何て言うんでしょうか、財源の自由度を高めることについてのお尋ねをいただいたんだと思うんですが、今の交付金制度は、まさに過渡期というか、答弁でもありましたけれども、昨年から交付金というのは始まっています。それが今年度さらに、今だから社会資本と農山漁村と地域自主戦略、三つの交付金になっています。社会資本と農山漁村は名前のとおりの交付金で、地域自主戦略というのは、いわゆる一括交付金というものが芽出しされたということで、これは今のところ公共事業だけですけれども、その中での使い道についての自由度は、規模の小さい事業に限られていますけども、相当程度あるというふうなところで。これが本当これからどういうふうに動いていくのかですね。  今、国の方針はそういう地域自主戦略のような一括交付金を広げていこうというふうな方向で進んでいるというふうに聞いてはいますけれども、御承知のように、県、あるいは市町村それぞれ地方の事業主体となるべき団体にもいろいろ性格が異なるところがありまして、やはり年による事業量に変動があったりしますと、一律に交付金ではなかなか配分できないということで、まずは、今、県という大きなくくりでの事業を対象にした交付金にとどまっているというのが現状かと思います。来年度は今いろいろマスコミの情報では、政令指定市ぐらいに拡大するかどうかとかですね。そんなところですぐにぱっと補助金がすべて交付金になるという状況にはまだないのかなというような感じを持っておりますが、基本的な考え方としては、やはり今新しいものをつくるよりも、これから維持管理とか、あるいはそれを補修しながら長もちさせていって、サービスを維持向上させていくという流れからすると、やはりもう大規模プロジェクトよりも、地元密着型の中小の事業なり、あるいはそれをサービスを続けていくような仕事ですね、そういうものに恐らく比重が移っていくんだろうと思います。  そういう意味からしますと、やはり地元主体で自由にそういうお金が使えるようなものを、全体の中の比重ではふやしていくというふうなところが大きな方向としてはあるんじゃないかと。  ただ、今でもダムの事業とか、地域高規格道路だとか、まだ補助金で一つ一つ箇所で予算を査定するようなものはまだ残っています。そういうふうな骨格的な事業みたいなものです。あるいは、今まだ直轄事業をこれから国の仕事を県でもやろうとか、あるいは県の枠を越えて手をつないでやろうとか、そんな流れもありますが、やはり大きな地域の根幹をなすようなインフラなんかは、やはりもう少し広い枠組みでやらざるを得ない部分はやっぱりまだ残ってはいると思いますが、全体の比重では、今申し上げたそういう身近な仕事、そういうことで交付金になじむような、そんな分野が恐らく総体的には増していくんだと思います。  そういう意味では、今、過渡期と申し上げたんですけど、より自由度の高い形で機動的に県とか、市町で地元発の仕事が精いっぱいやれるような、そういうふうな仕組みに大きな方向としては動いていくのが望ましいんじゃないかというふうに考えているところです。 138 ◯藤崎委員=ありがとうございます。まさに今、例えば、各事務所ごとの予算ベースが減っていくということで、本当に住民が望む行政サービスが円滑に潤滑にできない状況の中では、今、井山本部長が言われたような、責任ある立場としては、そういうふうな発言になってこようかと思います。  当然、自由にやっていいよと言っても、今回、来年度はどうも政令指定都市だけになる可能性があると。もともとは来年度から五千億円で各市町村すべてやるんだと言っていたけども、そうはならない。  その一つには、これは確かにいいようであっても、じゃ、現実の問題として対応できるかというと、難しい面もあるかもしれない。いきなりお金だけ渡されても、なかなか対応できないところも小さいまちにおいてはあるかもしれない。じゃ、そういうところの住民サービスがうまくいかない場合はどうするんだと。やはりそういったことまで考えると、ぱっとすべてを大ざっぱに行うことは無理であろうと。やはり細心の注意を払いながら進めていかなきゃならない。  そういう意味での過渡期ということは十分理解できますが、私が心配するのは、いわゆるそこの既得権益と申しましょうか、つまり、仕事、いわゆる国で今行っている仕事で、もう既にこれは地方に任せていいというような分野、また、財源がとても都道府県や市町のお金では対応できないもの、大型プロジェクト、こういうのは別ですけども、本来、地域に任せていいようなものに関しては、本当にもう霞が関においてはかかわらないと、極端な話。チェックもしない。そのくらい地方を信用するんだと、そういう覚悟を実は国のほうで持ってもらわないと、この交付金化の本来の、私が期待する交付金化にはならないんじゃないかなと思っております。地方を信じていただく、また、そういうことをぜひ私は国に強く申し上げたいと思っておりますけども、そういうことをちょっと申し上げて、最後の質問をさせていただきたいと思います。  今、いろんな意味で過渡期にあって、方向的には大変厳しい状況にあります。そういう中にあっても、やはりインフラの整備というものは重要なものがあります。また、今後、長寿命化という大きな課題もより増してきております。そういう中にあって、今後、公共事業の取り組みについてはどのように考えてあるのか伺いたいと思います。 139 ◯副島良彦県土づくり本部副本部長=公共事業の今後の取り組みということでお答えさせていただきます。  国の公共事業関係予算はここ数年、一貫して縮減基調にございます。直轄事業を初め、国庫補助事業、交付金事業など、計画的な実施について、この縮減基調が影響を受けているところでございます。  このような国の公共事業の予算削減の流れ、また、大変厳しい県財政の状況を考えますと、国、県とも当面、公共事業の予算拡大は大変厳しいのではないかというふうな認識を持っているところでございます。  しかしながら、ことしの三月十一日発生いたしました東日本大震災を教訓といたしまして、さらなる県民の安全、安心にそれにつながる事業についてはしっかり取り組む必要があるというふうに感じているところでございます。  このようなことから、今後の公共事業につきましては、さらなる事業の選択と集中、事業効果の早期発現に努めるということを念頭に置きながら、限られた財源を最大限に活用して、県民の安全、安心の確保に努めていかなければならないと考えているところでございます。  また、あわせまして、広域幹線道路網及び整備新幹線など、本県の将来の発展のために必要な社会資本については、時期を逸することなく、着実に整備していかなければならないというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 140 ◯藤崎委員=公共事業のあり方については、これからの社会資本整備のあり方ということで相当議論もしていただいております。当然、そこにのっとって、かつ総合計画にのっとって、これから進められていくものだろうというふうに思っておりますが、先ほどの交付金化のところで、私が一つ懸念していたのは、国が、例えば、自由にお金を使っていいということで、本当の意味での自由度の高いキャッシュを渡されたときに、その自治体の長は何を優先的に行うのか、ここのところが実は大きく分かれてくると思うんですね。全くわからない。  そうすると、ある県においては、やっぱり財政再建だと。やはり行政は健全な財政でなければならないと。佐賀県においても七千億円を超える債務持っておりますから、そういう意味でそういった方向に充当するということも考えられるわけであります。  また、地域によっては、当然、本来、行政が最も最優先すべき社会保障、そういったところを充当していく。ちなみに佐賀県はそういう意味においては非常に暮らしやすいということで評価が高く、この前、新聞に載っておりましたけども、これはいいことだと思います。  ただ、そういうことで、自由度が増せば、当然、何に使うかわからない。そこが非常に実は国においての心配事でもあろうと思うわけです。そういう意味においては、各地域の住民がそれだけの腹をくくらんことには、実は地域主権というのは進まないんだということも私はこの際申し上げておきたいと思います。  それで、この公共事業が進む中において、当然、これまでと違う形での公共事業が求められているというふうに思います。本来、先ほど言われた高規格の道路や新幹線というものは、国が一〇〇%責任を持って、早期の完結をさせる義務が本来あると私は思っております。道路特定財源、ガソリン税についても非常に残念だったのは、確かに一般会計において自由度を増すということは、わからないじゃないけれども、やはり負担ということを考えれば、私は暫定税率に関しても、むしろなくすんじゃなくして、今言った高規格道路や、それこそ新幹線とか、そういったところにも振り分けていくと、そして、早期の完結を得た後に、次に維持補修、こういったものでこれからまたお金がかかってきます。そういう長寿命化、そういったものにもお金がかかってくることを踏まえれば、私はこのガソリン税といったものをそこに充当する、そういうことを示すことができなかったというのは、私自身も非常に、はっきり言って後悔をしております。  そういう気持ちもあるんですけれども、公共事業が削減されていく中で、当然、建設行政においても、やはり変わらざるを得ない。ここは昔はよかったじゃいけないから、やっぱり新しく変わらなければならない。そういう意味での電子入札になり、また、総合評価というものも導入されて、そして、一八八九年のときの失敗にならないように、品格法も制定されました。そういう意味で、やっぱり私たちは前向きに、前向きに努力しているわけであります。  そして、先ほど副島副本部長が申されたように、これから望まれるのは、防災という観点、これが非常に大事だと思っております。災害対応空白地帯をつくらない。いわゆるこういったところにおいては、災害時に消防団もそうであります。佐賀県は非常に組織率が高くて、非常によいのでありますけども、あわせて、いわゆる地域の業者というものが実は柔軟に敏速に土のうを積んだりとか、そういったことも、また、交通どめをしたりとか、そういうことも実はやっております。また、雪の降る日は寝ずに一晩じゅう仕事もされてあるわけですね。ほとんどボランティアのような形で。そういうことを踏まえれば、災害に柔軟に対応できるという業者のあり方というのも、さらに評価されてしかるべきだと思っておりますが、今後、建設事業、公共事業が削減されていく中で、建設行政にどのように取り組んでいくのか伺っておきたいと思います。 141 ◯井山県土づくり本部長=今、非常に予算が厳しい中で、限られた予算、選択と集中で社会資本整備管理に取り組んでいるところであります。最終的には県民の皆さん方に各インフラのサービスを遺憾なく末永く、質の高いサービスが実現されるというのが最終目標だと思っております。それに当たっては、一つは、今いろいろ御指摘いただいた予算の確保ですね。まず、財源がなくして、現場の仕事できませんので、一定のやはり事業量を厳しい予算の中でも、あるいは漸減傾向の中でも、選択と集中で着実に事業量を確保して整備をしていくということは大事なことだと思います。  そのために、先ほども出ました総額調整等、これはインフラの整備の目標にもなります。業界のそういったような受注面での経営の指標にもなりますし、ストックの効果とフローの効果、両方で意味のある総額調整というものだと思います。我々も真水の部分がなるべく多くなるように、予算要求の中なんかで常に努力はしていきたいというふうに考えております。  実際、その工事なり、発注する受注者にこの建設業界がおられるわけであります。まさに戦後高度成長期等を通じて、既に工事の請負化が進みまして、今や役所のほうで直営で工事をするということはもうなくなりました。そういう意味では、委員から御指摘いただいたように、そういった維持管理でありますとか、あるいは万が一の災害、あるいは緊急対応等、機械力、技術力を持った担い手はまさに地元の建設業者ということであります。そういう意味では、そういう方々がやはり常に健全な経営環境のもとで、そういった担い手として着実に地域で活躍していただくというふうな、そういう仕組みを安定的につくっていかなきゃならないというふうに思っています。  さりとて、先ほど来、事業量が減っておる、それに対する業者の数はそこまで減っていないと。非常に厳しい経営環境であるという事実があります。それぞれいろんな工夫をされながら、経営を維持されておるということで、その御努力は察するに余りあるわけでありますけれども、そのために我々もいろんなフォローアップをして、経営を強化していただく部分、あるいは新しいところに活路を見出していただく部分、そんなものへの、やはりある程度道筋づくりと言うんでしょうか、選択肢を設けるような取り組み、これはやはり受注産業、公共事業依存型の建設業界特有の業行政をやはり我々が誘導していく部分ですね、そんな役割が発注者として、あるいは業行政がやる立場としてあるんだというふうに考えているところであります。  入札制度につきましても、いろいろ御指摘いただいたとおりでありまして、やはり透明性、競争性、いいものを安く、早くというものがやはり基本であります。県民の厳しい目もございます。過去からいろいろ談合問題、その他なんかもありまして、そういう意味で一般競争入札が普及し、また、安かろう、悪かろうではだめだということで、総合評価方式で価格だけではなくて、技術的なもの、あるいは会社の力、そんなものも適切に評価して、両者バランスのとれた調達方式をとっていくというようなことなども導入しながら、現在に至っているわけです。  この入札方式もまだまだ、これは正直言って、国、県、あるいは市町通じて、手探りの状態、特に質を確保する面においては、まだ手探りの状態が続いておりまして、いろいろその辺の微修正などもしながら、現在に来ているわけですけども、このあたりもいろいろ現場での工事の品質、それから、業界のほうでの受注の状況であるとか、あるいはいろんな御意見、そんなものも踏まえながら、それぞれ社会資本の整備が質高く維持されることと、業界がやはり健全に維持発展すること、このまま両者が満たされるような方向で方向づけを常に各方面の意見を聞きながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。 142 ◯藤崎委員=今、井山県土づくり本部長、本当に公共事業のあり方、また、建設行政のあり方等について、みずからの理念、哲学に基づいて、自分の言葉で気持ちを込めて、今答弁いただいたものと感謝いたします。  ぜひとも厳しい状況のことは、これ皆さん同じ共通の認識を持っているわけであります。そういう中で暗中模索しながら、前に進んでいかなきゃならない。ぜひともこの議会の指摘、入札制度のあり方等、また、きょう言いました二十五年度、二十六年度の、いわゆる指名業者資格についての見直し等々については、ぜひとも重く受けとめていただき、検証していただいて、よりよい方向に持っていただくように期待申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 143 ◯古賀善行委員=自民党の古賀善行でございます。今年度の決算特別委員会、最後の質問者でございます。  今回は、質問項目といたしまして、四項目設けたわけでございます。
     この四項目とも、私は再三にわたり一般質問なり、あるいは委員会質問で質問をさせていただきましたし、他の議員の方も数多く質問された項目でございます。ですから、私も皆さん方の答弁は大体わかるわけでございますが、それはそれとして、確認の意味を込めて、今回こうして項目を掲げさせてもらったわけでございます。  それで、最初の質問事項から質問をいたしたいと思いますので、簡明かつ明快に御答弁をよろしくお願いしたいと思います。  最初に、嘉瀬川ダム、それから嘉瀬川水系の地域環境用水について質問したいと思います。  もう皆さん方、きょう読売新聞をお読みになったかと思いますけれども、嘉瀬川ダムのことについて大きく、こういったような記事が掲載されておりました。(新聞を示す)  私もこの件について、若干前語りで話そうと思っておったんですが、ここに書いてありますので、その辺も含めて若干お話ししたいと思っておるわけでございますが、記憶をたどっていきますと、この嘉瀬川ダムが計画されたのが、計画決定といいますか、それがたしか昭和四十年代の後半、四十八年ぐらいだったと思います。新聞を見てみましたら、一九七三年ということでございますので、たしか昭和に直したら昭和四十八年ということになろうかと思いますが、それ以来、今年は平成二十三年度ですので、昭和に直しますと昭和八十六年ですから、三十八年がたって、ようやく二十三年度末をもって完成をするといったような状況になったわけでございますので、下流に住む私としてもこの完成については非常に感無量なるものがございますし、ましてやダム周辺の皆さん方の心情を察するに余りあるわけでございます。  当時、いろいろ地元、あるいは地権者の反対運動等あったわけでございますが、いろんな変遷を経て、先ほど申しましたとおり、今年度完成するということでございます。  ちょっと内容を言いますと、大体予算規模にして二千億円弱ですか、また後だって質問いたしますが、そのくらいぐらいかかったんじゃなかろうかと思いますし、水没戸数については百六十戸云々ということもございますし、水没面積にいたしまして三百ヘクタールぐらいで、農地面積にしまして百ヘクタール程度の面積がダムの底に沈むわけでございます。  ですから、私たちとしては、このダムをいかに有効に活用し、そして、いわゆる県民満足度に資するかというのが非常に大きな問題だろうと思いますし、それを肝に銘じて、特に水行政についてはしっかり努めていかなければならないと思っておるわけでございます。  先ほど言いましたとおり、嘉瀬川ダムは今年十月から試験湛水に入っておるようでございまして、聞くところによりますと、順調に推移しておるということでございます。  ダムによる治水効果でございますが、いわゆるかんがい用水補給、これは杵島郡白石平野にかんがい用水として、大体秒五トンとか、八トンとか、それくらいぐらいの水を供給するということでもございますし、あるいは富士町、大和町の一部でございますけれども、水道用水を確保する、あるいは工業用水、それから、河川の流水の正常な機能の維持はもとより、ダム貯水池を核として地域の発展等、関係者の期待は大変大なるものがあるわけでございます。  それから、嘉瀬川水系の地域環境用水についてでございますけれども、これは平成十四年度に関係機関により嘉瀬川水系における地域環境用水に関する連絡協議会というのが、国は国土交通省、それから農林水産省、それと県、関係市町でこの連絡協議会が設立されたわけでございまして、これまで地域環境用水の現状、あるいは今後の対応について協議が行われてきたわけでございます。  協議が行われてきまして、いわゆる左岸側の多布施川がかりの地域環境用水については一定のめどがついたというお話を聞いておるわけでございますけれども、嘉瀬川橋上流の右岸に樋管がございます水取井樋、あるいは禅門樋管からの、これは旧久保田町が藩政時代からここに樋管を設置されたわけでございますが、そこから取水しております地域環境用水については、私の感覚では議論が深まっていないと思っておるわけでございます。深まっていないというよりも、皆さん方には若干お耳が痛いかもわかりませんけれども、全然進んでいないんじゃないかといったような気がいたしております。  幸い今年三月に、農地防災事業による久保田幹線水路の整備が完了いたしまして、いわゆる水取・禅門樋管からの農業用水ですね、これについては取水地点が川上頭首工から農業用水は分離するということで、農業用水は川上頭首工から取水しておるわけでございますので、水取・禅門、この両樋管からの取水は、現在では工業用水と、それから水道水、それと地域環境用水となっておるわけでございます。この辺については、若干また後で議論したいと思いますが、そういう状況でございます。  それで、地域に必要不可欠な水として、慣行的に取水された地域環境用水、いわゆる雑用水でございますが、水利権上で農業用水と切り離されたことや、今後、嘉瀬川ダム完成により広域的な水利用が本格的に開始されること等から、先ほど言いました久保田町にございます水取、あるいは禅門樋管からの地域環境用水の保全と確保を強く要望しておるわけでございます。  要望しておるというよりも、従来から、そこから地域環境用水を取水していたわけでございますので、ぜひそこから取れるよう、もとに戻してほしいというような気持ちをいたしております。  もちろん農業用水については、先ほど申しましたとおり、川上頭首工からの取水ということで分離されておるわけでございますので、それはそれとして、農業用水は川上頭首工から取水するわけでございますが、環境用水については、ぜひ水取・禅門から取水したいと思っております。  それで、次の点についてお伺いしたいと思います。  まず、嘉瀬川ダムの整備状況等についてでございます。  このダムの建設目的、あるいは貯水容量についてでございますが、嘉瀬川ダム建設の目的はどういったような目的を持って建設されたのか、そしてまた、ダムの貯水容量はどうなっておるか、建設の経緯、あるいは根拠について、どういったような根拠に基づいて決定をされたのか、お伺いいたします。 144 ◯武富水資源調整室長=嘉瀬川ダム建設の目的、それから貯水容量についてお答えをいたします。  まず、嘉瀬川ダム建設の目的でございますが、先ほど委員からもございましたように、大きくは治水面、それから利水面というものがございます。  一点目の治水面でございますが、いわゆる河川整備計画上では、ダムによりまして、基準地点でございます佐賀市大和町の官人橋、そちらのほうの流量、これは毎秒二千二百トンのうち毎秒七百トンを調整いたしまして、嘉瀬川に流す量を毎秒千五百トンとするというふうになっているところでございます。  この調節の効果によりまして、低平地でございます佐賀平野、この佐賀平野の洪水被害の防止、あるいは軽減、こういったものに寄与するというふうになっているところでございます。  それから、二点目の利水面でございます。  利水面につきましては、いわゆる河川に生息してございます動植物の保全でございますとか、あるいは水質の保全、こういったものを図りますために一定の維持用水が必要になります。この維持用水のほかに既存の取水権、いわゆる既得水利と呼ばれているものでございますけれども、こちらのほうをあわせましたもの、河川の正常な機能の維持を図るための流量、これを確保するというものがございます。  それから、佐賀市、多久市など佐賀西部地域並びに白石平野地域、合わせて約九千ヘクタール弱でございますが、こちらの農地にかんがい用水を供給すること、それから、佐賀市富士町において水道用水を、それから、佐賀市久保田町に所在します製紙会社に工業用水を供給すること、これらが目的となっているところでございます。  続きまして、貯水容量でございます。  貯水容量につきましては、一般に容量を示す場合には堆積の単位でございます立方メートルを使うことが通例でございますが、この際、便宜上、重さを示しますトンで御答弁をさせていただくことについて、あらかじめ御理解をちょうだいしたいと思います。  それで、嘉瀬川の貯水容量でございますが、全体で七千百万トンとなっているところでございます。この容量から、百年間にダムに流れ込むであろうと想定される土砂、この分が堆砂容量と申しますが、この容量が三百万トンございます。この容量三百万トンを差し引きました六千八百万トンが有効の貯水容量となっているところでございます。  この有効貯水容量の内訳でございますが、洪水調節に必要な容量、これは大雨に備えてふだんはあきとなっているところでございますけれども、この容量が千七百五十万トンございます。それから、流水の正常な機能維持のための容量、いわゆる不特定用水というふうに呼んでおりますけれども、こちらの容量が二千九十万トン、それから、かんがい用水分といたしまして二千九百三十万トン、それから、上水道用水、工業用水、それらを合わせまして三十万トンとなっているところでございます。  以上でございます。 145 ◯古賀善行委員=ダム建設については、洪水調整機能、あるいは利水、治水、いろんな目的があろうかと思いますけれども、今話を伺いますと、容量で大体七千百万トンぐらいと。有効貯水量といいますか、六千八百万トンということでございます。  ちなみに北山ダム、これは農業用ダムでございますが、たしか間違いなければ二千二百万トンぐらいじゃなかったかなと思っております。ですから、七千百万トンということになりますと、上流の北山ダムの三倍強というような非常に規模の大きなダムになるわけですので、どうですかね、やっぱり九州屈指のダムと言っても過言ではないんじゃなかろうかと思っております。  それでは、二番目の整備の進捗状況についてでございます。  先ほど紹介しました読売新聞を見ますと、嘉瀬川ダムは間もなく満水ということで、もうほとんど完成に近づいておるということでございますが、ダムの現在までの進捗の整備状況はどうなっておるかお伺いいたします。 146 ◯武富水資源調整室長=嘉瀬川ダムの整備の進捗状況についてお答えいたします。  先ほど委員からもございましたように、嘉瀬川ダムは昭和四十八年の四月に実施計画調査が始まっております。それで、昭和六十三年度から建設事業に着手されているという状況でございます。  その後、平成四年一月にダムの基本計画といったものが告示をなされまして、同年十二月から工事用道路の整備に着手をするなど本体工事が進んでまいったところでございます。  以後、主なものといたしましては、平成十七年にダム本体の堰堤部分、躯体の部分でございます。こちらの掘削工事に着手をしております。それから、平成十九年にはダム本体のコンクリートの打設が始まっておりまして、その打設が終わりましたのが平成二十一年十二月というふうになっているところでございます。そのような経過を経て、今日に至ってございます。  このほか、ダム本体の建設工事とあわせまして、関連の整備といたしましては、つけかえ道路の整備といったものが行われておりまして、これらの工事もおおむね順調に進んでおるという状況でございます。  以上でございます。 147 ◯古賀善行委員=事業進捗については、おおむね計画どおり進んでおるようでございまして、これは蛇足でございますが、ダムはずっと貯水をしまして、今現在、試験湛水でございますので、満水になすわけでしょう。満水になして、ダムのコンクリート堰堤のところを一回はオーバーフローさせるわけでしょう。ちょっと質問します。 148 ◯武富水資源調整室長=後ほど質問項目の中にもございますが、先ほど委員御指摘のように、ダムの最上部、いわゆる洪水時において最高にためることができます水位といったのが標高三百メートルの地点でございます。こちらのほうまで水をためるという状況になりますが、仮にその時点におきまして、上流から流れ込んでくる水がさらに多いときは、今委員御指摘のとおり、若干の越水というふうなものが、水が越えるということがあり得るというふうに伺っております。  以上でございます。 149 ◯古賀善行委員=済みません。一番最後にそれの質問項目も設けておりましたけれども、それでは、全体の事業費についてでございます。  嘉瀬川ダム建設にかかった全体的な事業費、先ほど私は概算で二千億円程度じゃないかといったようなことを申しましたけれども、その全体事業費、それから、でき得れば県の負担等についても──県の負担等は項目の五番目に設けておりますので、とりあえず全体事業費だけで結構です。 150 ◯武富水資源調整室長=嘉瀬川ダム建設事業の全体の事業費についてお答えいたします。  全体の建設事業費は千七百八十億円となってございます。  これら千七百八十億円の主な内訳といたしましては、ダム本体工事、それから、現在のダム本体がありますさらに上流に副ダムというのがございますけれども、こちらの副ダムの工事費がございます。  それから、国道三二三号、あるいは県道三瀬栗並線、さらには佐賀市道九路線の道路のつけかえ工事、それから、先ほど委員からもございました水没者世帯、それから、用地補償に関しまして御協力をいただきました方々、合わせて百七十一世帯の家屋補償でございますとか、用地買収にかかる費用、これらが内訳となっているところでございます。  以上でございます。 151 ◯古賀善行委員=それでは、平成二十二年度の事業費、それから進捗率についてでございますが、平成二十二年度の事業はどういったような事業を実施したのか、また事業費、それと二十二年度までの進捗率についてお伺いいたします。 152 ◯武富水資源調整室長=嘉瀬川ダム建設事業の平成二十二年度の事業内容、それから、事業費並びに進捗率についてお答えをいたします。  まず、二十二年度の事業内容でございます。ダム本体のコンクリート打設が済んだということを先ほど御説明申し上げておりますが、その後に実際に水をためるに当たりまして、従来流れておりました流路の部分、河川の流れている部分でございますが、そこを閉じるという工事が必要になります。ダム本体を閉塞しますための工事を行ってございます。  それから、ダムを管理いたしますための制御処理設備、あるいは放流警報装置といった管理の設備の据えつけ工事、それから、先ほども申しました国道三二三号、あわせて佐賀市道二路線、それから、林道一路線のつけかえ工事といったものが実施されてきたところでございます。  次に、二十二年度の事業費でございます。  二十二年度の事業費につきましては、先ほど御説明申し上げた事業費全体で約百十七億六千九百万円となっているところでございます。  また、これまでの事業の進捗率でございますが、二十二年度末におけます事業費の累計額は、約千七百二十九億二千三百万円というふうになってございます。  全体事業費千七百八十億円に対する進捗率でございますが、事業費ベースに換算いたしますと、九七・一%というふうになっているところでございます。  以上でございます。 153 ◯古賀善行委員=それでは、県の負担についてでございますが、二十二年度の県の直轄事業負担金はどれくらいになっているか、また、全体の負担はどれくらいになる見込みなのかお伺いいたします。 154 ◯武富水資源調整室長=嘉瀬川ダム建設事業費に関する県の負担額についてお答えいたします。  二十二年度の嘉瀬川ダム建設に対する県の負担、いわゆる直轄事業費負担金の額でございますが、全体事業費百十七億六千九百万円に対しまして、県の負担約二十二億九千四百万円となっているところでございます。  それから、全体事業費千七百八十億円に対する県負担の見込み額でございますけれども、現在もなお建設事業が進められております中で、全体額が今なおまだ確定をしておらないという状況ではございますが、総額で約三百六十七億円、割合で申しますと、およそ二〇・六%程度になるものというふうに見込んでおるところでございます。  以上でございます。 155 ◯古賀善行委員=全体の見込みで三百六十七億円、率にして二〇・六%というふうなことでございます。かなり大きな額になるわけでございますので、このダム建設については、ダムを建設した以上、県民のために資するような有効な利活用を考えていかなければならないし、ぜひそういう観点から行政を進めてもらいたいと思っております。  ダムについては最後の質問でございますが、試験湛水の状況でございます。  先ほどから言われております、昨年の十月から試験湛水を始められ、そして、順調過ぎると言っては過言かもわかりませんけれども、今年は非常に雨が多かったものですから、順調に湛水が行われておると聞いておるわけでございますが、現在の状況はどうなっておるのか。  それから、先ほど申しました一回堰堤から溢水させるということでございますが、その時期が大体いつごろになるのか、その辺もおわかりになればお答えいただきたいと思います。 156 ◯武富水資源調整室長=嘉瀬川ダムの試験湛水の状況と越水の時期ということでございます。  試験湛水につきましては、先ほど委員からもございましたように、昨年十月、具体的には十月十九日からスタートしたところでございます。  この試験湛水の目的でございますけれども、まず水をたくさんにためますものですから、水をためることによりまして、ダムの本体の強度でございますとか、安全性でございますとか、こういったことをきちんとチェックする必要がございます。  また、あわせまして基礎地盤でありますとか、周辺のところに水漏れがないか、こういったものを的確にチェック、点検をしていくというふうなことが必要になっております。  そのためにダムの洪水時最高水位、いわゆるサーチャージ水位というふうに呼んでございますけれども、こちら標高で申しますと三百メートルの地点でございます。こちらのほうまで水をためるといったことが行われるものが試験湛水の内容でございます。  経過でございますが、本年八月三十一日に平常時にため得る最高の水位、これは標高で申しますと二百九十二・五メートルの地点でございますけれども、こちらに達しております。  それで、九月はなお大雨のおそれがございますので湛水を行わずに、雨の危険が少なくなりました十月から改めて貯水を始めておるわけでございますが、先ほど委員からもございましたように、幸いことしに関しては六月から九月に関しての雨が多かったといったことなどがございまして、順調に貯水が進んでいるところでございます。  本日正午現在でございますけれども、現在の高さは標高で申しますと二百九十九・六九メートルというところに達してございます。残り八十万トンほどで洪水時の最高水位に達するというふうな状況でございます。  なお、今後の見通し等につきましてでございますが、国からの情報によりますと、洪水時最高水位には来週の半ばぐらいに、二十三日ぐらいに達するのではないかというふうな見通しと伺ってございます。  そのときに、例えば、上流から流れてくる量が放流よりも上回った場合には、一番上のほうから越水をしていくというふうな計画になっていると伺ってございます。  最高水位をしばらく保ちました後でございますが、緩やかにまた水位を低くいたしまして、大体来年の二月中旬を目途にしているということでございますけれども、平常時の水位に戻すというふうに伺ってございます。  そして、その時点での各種の点検、これが終わりましたときに試験湛水が終了するというふうなことになっていると聞いているところでございます。  こうした過程を経まして、本年度末、来年三月でございますが、ダム本体の完成という運びになると伺ってございます。  以上、お答えといたします。 157 ◯古賀善行委員=今月の二十三日に順調にいけば越水ができるといったような状況になるということでございますので、ダムが完成してから、ダムから越水をさせるということはないわけですよね。越水するというのは、今回恐らく二十三日が最初で最後というようなことだろうと思うわけでございますので、私も時間がとれれば越水状況をぜひ見に行きたいと思っておりますし、そして、先ほど申しました、私も下流に住む者として、行政に携わった者として、この嘉瀬川ダムについてはいろんな思いもございますので、その辺見に行って、手前みそではございますけれども、感慨に浸りたいと思っております。  それから、次は嘉瀬川右岸の地域環境用水でございます。  これは、まさに我田引水でございまして、佐賀市でも右岸側飛び地でございます久保田町の固有の問題でございます。この地域環境用水について、先ほど言いました連絡協議会がございますが、私、初当選させてもらったのが平成十九年でございますので、五年間にわたってこの件についてはいろんなことで質問させてもらっておるわけでございますが、水の権利というのは、たかが水ですけれども、されど水でございまして、いろんな利害得失がございまして、なかなか進まないというのが現状のようでございます。  ただ、私たちとしては、まだ右岸側については地域環境用水が決着していないと、そういったような認識を持っておるわけでございますので、先ほどからあっておりますとおり、嘉瀬川ダムも今年度をもって完成し、二十四年度から供用開始をやるというような状況の中で、やっぱり一刻も早く左岸側、右岸側、そして、いろんな水の利用の、特に地域環境用水については解決を図らなければならないと。  もちろん、嘉瀬川は一級河川でございます。一義的には国、いわゆる国土交通省が主管しているわけでございますので、皆様方に言うのは筋違いといったような考え方もあろうかと思いますけれども、先ほど申しましたとおり、関係者が寄って連絡協議会を設置されておるわけでございますので、この意見を声高く国土交通省のほうに、なかんずく筑後川河川事務所のほうに声を届けなければならないと思っております。  そういう意味で今回も質問させてもらうわけでございますが、先ほど言いましたとおり、十九年度以降、連絡協議会が開催されていないと聞いておるわけでございますが、もちろん幹事会等については開催されたやにも聞いておりますけれども、これまでの取り組み状況がどうなっておるのか、まず質問いたします。 158 ◯山崎河川砂防課長=連絡協議会の取り組み状況についてお答えいたします。  委員から先ほどお話がありましたとおり、嘉瀬川水系におけます地域環境用水に関する連絡協議会につきましては、嘉瀬川に係ります地域環境用水の必要水量を把握するとともに、現状及び将来計画を踏まえまして、水資源の有効利用、望ましい水秩序のあり方や水管理の方策につきまして検討することを目的として、平成十四年度に国、県、市町、土地改良区の関係者で設立したものでございます。  これまで協議会を十七回開催しておりまして、主に嘉瀬川左岸の議論を進めてきております。平成十八年に県の管理河川でございます多布施川に係る地域環境用水につきましては、一定の整理がされたというところでございます。  その後、右岸側について幹事会において議論を進めてきたところですけれども、まず一つ目としまして、嘉瀬川に係ります水利用全体の整理としまして、当時、国営嘉瀬川土地改良事業の水利権の変更協議が進められておりまして、その中で水路管理用水等が検討されていたこと、また、国営総合農地防災事業によりまして、農業用幹線水路の整備が進められていたことから、これらの動向を踏まえ、協議するということにしたところでございます。  このため、委員御指摘のとおり、協議会につきましては平成十九年以降、幹事会につきましては平成二十二年以降、中断している状況でございます。  今後は、国営嘉瀬川土地改良事業の水利権に水利管理用水が位置づけられておりまして、また、農業用の幹線水路も完成しましたことから、協議会の再開に向けまして幹事会での議論を進めていきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 159 ◯古賀善行委員=河川砂防課長の誠意ある答弁、非常に身にしみてわかるわけでございますが。  で、今後の取り組みについてでございます。この旧久保田町の地域環境用水について、今後どのように取り組んでいかれるのか質問いたします。 160 ◯山崎河川砂防課長=今後の取り組みについてお答えいたします。  ことし、先ほど申しました国営嘉瀬川土地改良事業に関します水利利用の変更が六月に行われまして、非かんがい期において水路維持用水のほかに、豊水時に限りまして水路管理用水の取水が追加されたところでございます。
     また、国営総合農地防災事業により整備が進められてきました農業用幹線水路が平成二十二年度に完了しまして、その後、試験通水が行われ、ことし六月から本格運用が行われているところでございます。  今回の水利権により確保されました非かんがい期におけます水路維持用水等が地域環境用水の役割も一定程度果たせるものか、その辺を見ていく必要があるというふうに考えているところでございます。  このため、久保田幹線水路におけます試験通水結果や、ことしから開始されました本格運用の中で、まずは水路維持用水等が地域の環境用水の確保という要望にこたえることができるかにつきまして、確認していきたいというふうに考えております。  いずれにしても、嘉瀬川の流量が限られておりますことから、協議会等におきまして水の有効活用ということに向けました議論を進め、できるだけ早く一定の方向性を出せるよう対応していきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 161 ◯古賀善行委員=河川砂防課長、ちょっと勘違いしてもらっちゃ困るんですが、私が地域環境用水にこだわるというのは、今ちょっと課長の答弁の中にございました、いわゆる幹線水路から農業用水の取水にプラスアルファして環境用水も若干流しましょうと、それでどうだと、そこまではないかもしれませんが、そういったような議論もなされているやに聞いております。  確かに地域環境用水、いわゆる雑用水が農業用水であれ何であれ、農業用水にプラスアルファして流してもらえば、それだけの水の量が来るわけでございますので、それでよしとするという議論もあろうかと思います。ただ、私も含めて久保田の住民がこだわるのは、確かにそれも一つの考え方かもしれませんが、やはり先ほどから言っております禅門、水取両樋管は、これは一級河川にかかっておる樋管ではございますけれども、これは何も国土交通省、あるいは農林水産省がかけてくれた樋管ではないわけですね。ちょっと言っておりましたとおり、藩政時代からの樋管でございます。  私もこの質問をするに当たり、若干調べてみました。町史なんかを調べてみますと、やはり久保田川は右岸側でございますので、左岸の鍋島藩と違いまして、資料が非常に少ないということもございますが、ずうっと見てみますと、本町の一番重要な用水取り入れ口は徳間の禅門樋管で、藩政時代から戦後まで井樋番がいたと。また、その南には水取堰があり、この二つの堰が町内に嘉瀬川の清水を運んでいたということになっておりますし、この禅門樋管、水取樋管については、水路の構築等について記録、古文書等見当たらず、期限はちょっと定かじゃないといったような書類もございます。  ですから、私いつも言っておりますとおり、河川法が整備される前から水取、あるいは禅門樋管はあったわけでございまして、久保田になりわいで住まわれておる人たちは、その樋管から農業用水であれ、飲料水であれ、いわゆるクリークの維持用水であり、すべてそこから水を取っていたわけですよ。  現在はどうなっておるかといいますと、いわゆる禅門樋管については、先ほどお話があっておりましたとおり、企業名を上げていいかどうかわかりませんが、いわゆる王子製紙がそこから七千トンぐらいの水を、水利権を獲得したと。それから、杵島工水が一万トンの水を取水しておると。水取井樋については、西佐賀水道企業団が一万トンの水を取水しておるということでございまして、何といいますか、久保田町が、そこに水利権は現在のところないと、いわゆる国交省が言う法定水利権はないと。私たちは慣行水利権は当然あるんだといったような主張をしておるわけでございますが、国土交通省は慣行水利権は認めないということで、ある意味、樋管は久保田町が所有している樋管でございますが、そこに水利権がない。水利権があるのは、先ほど言いましたとおり、三水利団体ですよ。ですから、非常に言葉はどうかと思いますが、いわゆる軒先を貸して母屋をとられたと、おまえたちがかけた樋管ではあるけれども、おまえたちは水利権はないよと、それは幾ら何でも理不尽じゃないかと思っておるわけでございます。  ですから、私がこだわるのは、どうしても禅門、水取にいわゆる雑用水の取水が必要だということで、これをぎりぎり詰めますと、なかなか難しい問題がございますので、ここは日本人の知恵といいますか、いろんな解決方法があろうかと思いますので、私たちも知恵も出しますし、ぜひ県の皆さん方もお知恵を拝借して、とにかく嘉瀬川ダムの供用開始がなされる前に、何とか方向性だけは見出したい。  きょうは決算特別委員会でございます。私も幸い県土整備常任委員会に属しておるわけでございますので、あと一、二回の質問の機会はあろうかと思います。そのときにはじっくりひざを交えて、県土づくり本部長に御質問をしたいと思っております。先ほど私がるる申し上げましたけれども、この件についてよかったら県土づくり本部長の御所見をお伺いしたいと思います。 162 ◯井山県土づくり本部長=ただいま嘉瀬川の右岸側のほうの、特に旧久保田町のエリアの地域環境用水についての方向づけをどうするかということかと思います。  委員御指摘のとおり、まさに川の水利秩序というのは、今のような近代の法律ができる前から、特にかんがい用水というのは恐らく最も身近なものとして、そういう広域的な法律に基づくルールができる前から、一定の秩序ができて、地元主導で水の利用がされておったと。それが現在に至っておるということだと思います。その後、水道用水だとか工業用水とか、あるいはダムによる水資源開発というのは全く後発部隊で、それは一定の今の法律に基づいて許可がされ、交通整備がされて現在に至っているということだと思います。  そういう意味からしますと、確かにかんがい用水、いわゆる営農するために消費される、あるいは最低限水路が維持される、そういったような用水については川上頭首工に左岸、右岸とも合口されて、合理化されまして、農業水利事業とともに、特に昨年度で農地防災の事業も終わりました水路の改築等も含めて、一定の進捗を見たというのが昨年度までの成果と思います。  さりとて、この久保田の地域でのまさにそこの水路、クリーク等に環境用水的なものが、今御指摘の樋管のほうから入ってきておるという事実は、厳然たる事実が昔からあるわけでありまして、その機能をやはり評価して、それをどう確保するかということが、その上流の合口と目の前の樋管と、それどういうふうな役割分担のもとで環境用水が維持されるか、それについてまさに関係者寄って、その確保に向けた議論をしていくという時期に来ておると思います。農地防災の事業も終わりましたし、水利権の処分もこの六月にされたところであります。  そういう意味では、現時点での一定の道具立てがそろったということでありますし、まさにその道具立てがそろった直後の今、秋から冬にかけて一番水枯れの時期でございます。そういう意味では、現地での状況把握を速やかにスタートさせて、あるいは地元の皆さん方の意見、要望なんかにも耳を傾けて、どういう形での軟着陸というんでしょうか、交通整理ができるのか、まさにその辺丁寧な議論というんでしょうか、それを関係者寄って知恵を絞りながら進めていければというふうに思っております。また、委員のほうにもいろいろまた教えていただければと思っております。 163 ◯古賀善行委員=この地域環境用水についてはいろいろ申しましたけれども、ひとつよろしくお願いしたいと思っております。  若干これで時間をとりましたので、少しスピードを早めていきたいと思います。  二番目の質問でございますが、福所江の河川整備についてでございます。  福所江というのは、非常に皆様方にはなじみが薄い川かもわかりませんけれども、佐賀市と小城市の境界を流れる二級河川でございまして、いわゆる水系的には六角川水系に属しておると思っておるわけでございます。  この河川の整備についてでございますが、いわゆる福所江につきましては、平成十八年の九月十七日の台風十三号において、大した風も吹かなかったわけでございますし、潮も小潮であったにもかかわらず、潮といいますか、流水が堤防を越えまして、越波しまして、いわゆる内陸部に、すぐそばに四百四十四号線が通っておるわけでございますが、その四百四十四号線のほうに、いわゆる海水とか、それからごみ、ヨシとかアシとか材木とか、そういうのが打ち上げられまして、当時国道四百四十四号線が一時交通どめになったといったような状況もございました。そして、以前にもあれは昭和六十年の台風だったと思うんですが、そのときもそういった状況がございまして、それを受けて、平成十九年の七月だったと思うんですが、いわゆる天端高をかさ上げしてくれと。大体今五・五メートルぐらいの天端高になっておるわけでございますが、これを六・五メートルにしてくれといったような要望書を当時小城市と、まだ久保田町は合併していなかったもんですから、旧久保田町で構成しております福所江改修促進期成会というのがございますが、そこの名前で県のほうに要望書を出したといったような経緯がございます。  これを契機に、現在コンクリート擁壁を、堤防かさ上げの整備が、いわゆる補助事業じゃなくて県の単独事業で進められておるわけでございます。最近は非常に温暖化と申しますか、何か地域限定で大量に、短時間に雨が一時的に降るとか、それから台風が非常にゆっくりと、一日じゅう停滞するとか、いろんなそういう状況があっております。  そういう状況の中、高潮災害の危険性が非常に高まっておるといったような感じがしておるわけでございますので、本事業は地域の安全・安心のためにも非常に重要な事業と考えております。ですから、ぜひとも早期完成を望むものでございます。  まず、一番目の事業概要についてでございますが、現在、福所江において整備が行われております事業の延長や事業費はどうなっておるのかお伺いいたします。 164 ◯山崎河川砂防課長=まず、事業概要についてお答えいたします。  事業区間につきましては、国道四四四号より下流側へ約千二百メートルと国道四四四号沿いの百メートルを合わせまして、擁壁工によりますかさ上げ工を予定しているところでございます。  整備延長につきましては、国道四四四号より下流側のかさ上げが両岸で二千四百メートル、それから先ほど申しましたように国道沿いが百メートルございまして、合わせまして約二千五百メートルとなっておるところでございます。  総事業費につきましては、その擁壁工に要します費用といたしまして約二億一千万円を予定しているところでございます。  以上でございます。 165 ◯古賀善行委員=千二百メートルの両岸、右岸、左岸で二千四百メートルと、四四四側が百メートルで二千五百メートルということで、総事業費にして二億一千万円ということでございます。  それでは、事業期間でございます。  私の記憶によりますと、たしか平成二十年度が調査とか測量とか実施設計がなされて、二十一年度ぐらいから着工されたんじゃなかろうかと思っておるわけでございますが、事業期間については今後どれくらいぐらい予定されておるかお伺いいたします。 166 ◯山崎河川砂防課長=事業期間についてお答えいたします。  委員御指摘のとおり、平成二十年度から着手はしておりますけれども、二十年度は測量設計ということでなっておりまして、その後、工事に着手しておりますけれども、平成二十四年までの五カ年を予定しているところでございます。  以上でございます。 167 ◯古賀善行委員=それでは、二十二年度までの整備延長と事業費はどうなっておるかお伺いいたします。 168 ◯山崎河川砂防課長=平成二十二年度までの整備状況についてでございます。  まず、平成二十二年度までの整備延長につきましては、国道四四四号から下流へ両岸合わせまして約五百五十メートルの整備を行っております。  また、平成二十二年度までの事業費といたしましては、約七千万円となっているところでございます。  以上でございます。 169 ◯古賀善行委員=それでは、二十二年度の事業延長と事業費はどれくらいになっておるかお伺いいたします。 170 ◯山崎河川砂防課長=平成二十二年度の整備状況についてお答えいたします。  平成二十二年度の整備延長につきましては、平成二十一年度の繰り越し予算と平成二十二年度の予算を合わせて施工しておりまして、両岸合わせて約三百二十六メートルの整備を行っております。  また、二十二年度の事業費といたしましては、約三千万円を使っているところでございます。  以上でございます。 171 ◯古賀善行委員=それでは、最後でございますが、今後の予定でございます。今後の事業の予定はどうなっておるのかお伺いいたします。 172 ◯山崎河川砂防課長=今後の予定でございます。  今後の予定としましては、全体延長約二千五百メートルのうち、先ほど申し上げました平成二十二年度までの整備延長約五百五十メートルを含めまして、現在までに両岸合わせまして約千三百三十メートルの整備が済んでおります。あと約千百七十メートルの整備を残しているところでございます。  今後の予定といたしましては、今年度のノリ期明けから、今年度及び来年度の予算によりまして、残りの約千百七十メートルについて整備を行い、来年度の予算にて事業完了を図りたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 173 ◯古賀善行委員=この福所江の、もちろん国道四百四十四号線の南側でございますので、ノリの時期と非常に重なるわけでございまして、その、いわゆるノリの時期については、漁業者との申し合わせによりまして、工事をしないといったような申し合わせもございますし、それからやっぱり梅雨どきには雨が降って工事ができないということで、工期が、期間といいますか、非常に限られるわけでございます。その中での事業ということでございますので、苦労はあろうかと思いますけれども、二十四年度までということで、来年度まででございますので、ぜひ完成をされるようお願いしたいと思っております。  それから次に、これは福所江の河川整備とは違いますけれども、いわゆる先ほど言いましたとおり、福所江は水系的には六角川水系だと思っております。よく議論になりますし、私も質問も一、二回ぐらいしたんじゃなかろうかと思っておりますけれども、いわゆる六角川の可動堰は、通常はオープンでいつもあかっております。ただ、台風時等によりますとあそこを閉めるわけですね。  あそこを閉めますと、特に台風時で南風、あるいは南東の風、南南東の風が吹けば、どうしても、いわゆる有明海の湾奥部でございます福富、芦刈、久保田、東与賀と、この辺にやっぱり潮が吹きつけるわけですね。その六角川の可動堰を閉めなければ、潮がずっと上に上っていって、白石とか大町とか、場合によっては武雄の辺まで上っていくのが当然予想されるわけです。閉めるがゆえに、閉めたがゆえに、その潮は上るわけいきませんので、何といいますか、高潮がやっぱりその周辺に分散されるということで、それが一部福所江に入ってきて、そしてそれが福所江堤防をオーバーし越水をするということも素人ながら感じるわけでございまして、周辺の漁業者等も「六角川ば閉めるけんくさい。そいけん潮のあふるっとたい」といったような議論もないわけではございません。  ただ、論理的に、いわゆる科学的にしたわけじゃなくて、ただ感覚としてそういったような気がしておるわけでございますが、その辺について何か御所見があれば、私たちがそういったような疑問を感じておるわけでございますので、いや、そうじゃないですよといったような見解があれば、ぜひ聞かせていただきたいと思います。 174 ◯山崎河川砂防課長=六角川の河口堰によります福所江の影響というふうなことだと思いますけれども、それについてお答えをいたします。  高潮につきましては、一般的に海の潮位に加えまして、台風時に気圧の低下によります海面の上昇というのがございます。それと、強風によります波浪の吹き上げ等によりまして、あわせて海面が上昇し、堤防を越流して浸水被害が発生するというのが高潮被害というふうな形になります。  今回の平成十八年九月の台風十三号の影響によります高潮被害につきましては、有明海の西方海上を強風を伴いながら通過しました台風十三号に起因します異常な高水位と越水を助長しました、先ほど申しました波浪が主な原因だというふうに考えているところでございます。  その要因としまして、もう一つ、台風十三号が近海を通過したことによりまして、福所江の流れの向きと強風の吹き寄せる向きが同じ向きになりまして、それに加えまして福所江につきましては河川幅も狭いということからも、流入した海水がより上昇したというふうなものと考えているところでございます。  以上でございます。 175 ◯古賀善行委員=ちょっと私は今理解できなかったわけでございますが、この件は直接決算とは関係ございませんので、また時間を見つけて皆さん方の御意見等を伺ったり、私の意見を申し述べたいと思っております。  次に、三番目の質問でございますが、有明海沿岸道路の佐賀-福富間の整備状況でございます。  県では、県土の一体的な発展を目指すとともに、福岡や長崎などの隣県の交通促進を図るために西九州自動車道、あるいは有明海沿岸道路、佐賀唐津道路等の広域幹線ネットワークの整備を重点的に進められております。中でも県が事業主体となって整備を進められております有明海沿岸道路の佐賀-福富間道路については、国道四百四十四号のバイパス機能を有することから、現在の渋滞解消や住ノ江橋の交通支障を解消するとともに、救急搬送や災害発生時の避難、救援物資の運搬等の緊急時の活動において大きな役割が期待されておるところでございます。  このような中で、佐賀-福富間道路については、平成二十三年三月に嘉瀬南インターから久保田インターが供用開始されたところでありまして、次の芦刈インターまで新県立病院の開院に合わせて供用するということで随時取り組まれておるところでございます。  しかし、この区間の状況を見てみますと、佐賀福富道路と交差する農道、あるいは水路、橋梁等の、いわゆるボックスカルバート等については構造物の整備が進んでおるものの、本格的な盛り土工事はまだ十分とは言えない状況でございます。施工に当たっては、もう御承知のとおり軟弱地盤でございますし、その対策等、さまざまな課題があると思われます。この状況を見ると、県病院の開院に合わせて供用が間に合うのか、非常に懸念も持ちますし、危惧しておるところでございます。  そこで次の点について伺いますが、平成二十二年度の決算額及び事業内容についてでございます。  平成二十二年度の決算額及び事業内容はどのようになっているのか、まずお伺いいたします。 176 ◯野口道路課長=佐賀福富道路の平成二十二年度の決算額及び事業内容についてお答えいたします。  佐賀福富道路の平成二十二年度決算額は、二十七億三千三百八十四万円でございます。  事業内容につきましては、主にことし三月に供用開始いたしました嘉瀬南インターから久保田インター間に事業費を投入しておりまして、有明嘉瀬川大橋の橋面の舗装及び照明、また道路の一般部の盛り土、舗装、標識等の工事を施行したところでございます。また、久保田インターから芦刈インター間につきましては、ボックスカルバート、あるいは橋梁などの道路構造物の整備及び地盤改良に着手いたしまして、さらに芦刈インターから住ノ江インター間につきましては用地取得を推進したところでございます。  以上でございます。 177 ◯古賀善行委員=それでは、総事業費でございますが、いわゆる佐賀福富道路の全体の総事業費と、それから二十二年度までの進捗状況についてはどうなっておるのかお伺いいたします。 178 ◯野口道路課長=佐賀福富道路十・五キロでございますが、平成十三年度から事業着手しておりまして、総事業費は約四百十四億円を予定しているところでございます。平成二十二年度までの累計額は百二十億八千万円となっておりまして、事業費ベースでの進捗率は約二九%となっております。  また、用地につきましては、久保田インターから芦刈インター間についてはすべて完了しておりまして、次の芦刈インターから住ノ江インター間について、面積ベースで申し上げますと約八九%の進捗率となっております。  整備延長に関していいますと、先ほどから出ておりますが、嘉瀬南インターから久保田インター間の約一・七キロが供用開始しておりまして、久保田インターから芦刈インター間の約二・八キロについては、構造物の整備や地盤改良工事を推進してきておるところでございます。  また、六角川にかかります橋梁につきましては、橋梁の予備設計をもとに漁協関係者の皆様等との協議を進めさせていただいているところでございまして、六角川以南につきましては道路計画に基づきます試験盛り土に関する地元説明会を実施したところでございます。  以上でございます。 179 ◯古賀善行委員=それでは、三番目の開通による効果でございます。  先ほどお話があったとおり、今年三月に嘉瀬南インターから久保田インターまでの一・七キロが供用開始をされたわけでございます。私の事務所から百メートルぐらいのところに久保田のインターがございます。かくいう私も、この県議会とか、県に来るときにはそこの有明海沿岸道路を使わせてもらっておりますし、非常に重宝しております。走り心地も非常によくてですね。  これも感覚的ではございますが、非常に交通量も最近ふえたようでございます。特に久富の交差点、あるいは徳万交差点、国道二〇七号の徳万交差点、あるいは国道四四四号の久富交差点、それからそれに係ります県道外環状線ですね、ここの交通量がかなりふえたなといったような印象を持っておるわけでございますが、いわゆる開通した効果について、どのように考えておられるのかお伺いいたします。 180 ◯野口道路課長=ことし三月に開通いたしました区間につきまして、ことしの六月に実施いたしました交通量調査によりますと、朝七時から夕方七時までの十二時間交通量が二千四百四十八台となっております。  この結果、国道四百四十四号につきましては交通量が減少いたしまして、県内でも有数な渋滞ポイントでございました久富交差点や嘉瀬新町交差点での渋滞が大幅に改善されたところでございます。  今後、有明沿岸道路、佐賀福富道路の供用が進むにつれまして、さらなる交差点での渋滞緩和や移動時間の短縮が図られるものと期待しているところでございます。 181 ◯古賀善行委員=それでは次に、軟弱地盤対策とその費用についてでございます。  もう御承知のとおり、有明海沿岸道路は非常に軟弱地盤のところが施工箇所になっておるわけでございまして、いわゆる盛り土工法ということでございますと、地盤改良といいますか、軟弱地盤対策が非常に重要となってくるわけでございますが、その費用等について、対策及び費用についてお伺いしたいと思います。 182 ◯野口道路課長=軟弱地盤対策及びその費用についてお答えいたします。  御存じのとおり、有明海沿岸道路の沿線は、有明粘土と呼ばれる軟弱地盤上に盛り土を構築する構造となっているところでございます。このため、学識経験者を中心にいたしました有明海沿岸道路軟弱地盤対策工法技術検討委員会を設置しておりまして、ここでの提案を受けまして、試験盛り土を行いながら最適な工法を決定して実施、施工を行ってきたところでございます。  現在、軟弱地盤対策といたしましては、セメント系の材料をまぜて地盤の改良を行うこととしておりまして、この対策費でございますが、道路延長一メートル当たり九十万円から百万円を要しているところでございます。  今後も安全や環境に配慮いたしまして、さらにコスト縮減が図られるような工法をこの委員会で検討していくこととしているところでございます。  以上でございます。 183 ◯古賀善行委員=それでは五番目の、今度は盛り土関係でございます。  先ほどいろいろ説明あったとおり、久保田インターから芦刈インターまでについては、いわゆるボックスカルバート、あるいは橋梁等のコンクリート工事については、もうほとんど整備が進んでいるといったような状況にあろうかと思います。あと残っておるのが、いわゆる盛り土工と舗装とか、そういったような事業が残っておると思いますが、いわゆる県立病院好生館の開院が二十五年の春ですか、二十四年度末ということになりますと、あと一年半もないわけですね。その中で盛り土工事をやっていくということになりますと、非常に大量の盛り土も要るでしょうし、なかなかどうかなといったような懸念もしておるわけでございますが、その盛り土の量とか、それから十分その辺は確保できておるのかお伺いしたいと思います。 184 ◯野口道路課長=久保田インターから芦刈インターまでの間は二・八キロございますが、この間で必要な盛り土量は約三十万立方メートル必要でございます。この盛り土につきましては、基本的にはほかの工事からの建設発生土を利用することとしておりますけれども、不足する分につきましては新規土を使用するというふうにしております。  この新規土につきましては、県内にある土取り場での採取可能な土量を考慮いたしますと、建設発生土がゼロであった場合であっても、この区間に必要な盛り土量を確保することには問題はないと考えております。  ただ、委員が御指摘のように、短期間で盛り土を搬入いたすものですから、地元の振動、騒音については十分配慮させていただきたいと思っております。  以上でございます。 185 ◯古賀善行委員=二十四年度の県病院の開院にぜひ間に合うよう、盛り土等の確保については万全を期してもらいたいと思っております。  それでは、芦刈インターまでの供用開始の見通しでございます。  先ほどから出ておりますとおり、二十四年度末ですね、新県立病院が開院するわけでございますので、それに合わせて芦刈インターまでの供用を進めるということで整備されておると思いますが、その見通しについてお伺いいたします。 186 ◯野口道路課長=芦刈インターまでの供用開始の見通しについてでございますが、この区間につきましては既に用地取得が完了しておりまして、これまで本道路と交差いたします構造物の施工及び地盤改良工事を実施しているところでございます。現在、地盤改良が必要な区間の道路延長に対しまして、約七〇%が施工済みでございます。
     今年度も地盤改良工事を進めておりまして、去る九月議会で承認いただきました債務負担行為によりまして、早期発注に努める所存でございます。  今後とも、綿密な工事計画により進捗状況を管理いたしまして、平成二十四年度中に予定されております新県立病院の開院に合わせて供用できるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 187 ◯伊東猛彦委員長=暫時休憩します。午後三時三十分をめどに委員会を再開します。     午後三時一分 休憩     午後三時三十一分 開議 188 ◯伊東猛彦委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 189 ◯古賀善行委員=それでは、最後の質問でございます。クリークの整備の件についてでございますが、この件につきましては、午前中、江口委員さんのほうから質問があっておりましたし、なるだけ重複を避けて質問したいと思っております。  私も含め、これも多くの議員さんの方が質問されておりますし、私自身も六月の委員会の折に知事のマニフェスト等も含めた質問等をやっております。今回は二十二年度とか、二十二年度以前について質問をしたいと思っております。  クリーク防災緊急応急対策事業についてでございます。  佐賀平野のクリークは、農業用水の貯留や下流流域への送水する農業用水路として機能を持っているほかに、洪水時に降雨を一時的にためて地域を湛水被害から守る、あるいは下水道の整備がなされていない地域については家庭の排水も兼ねる重要な機能を有しておる社会資本でございます。  この佐賀平野のクリークにつきましては、もう御承知のとおり、圃場整備が早いところで昭和四十年代の半ばぐらいから始まっておりますので、早いところはもう四十年ぐらい経過しておるわけでございます。そういう意味では、やっぱり水路の機能保全とか、水路を維持補修するというのが非常に大事だと思っておるわけでございます。  近年、クリークののり面崩壊が生じまして、農作業やクリークに隣接する道路の安全交通に支障を来しておるといったような箇所も多々あるわけでございます。佐賀平野のクリーク整備促進については、営農上はもとより、県民の安全・安心の観点からも非常に重要な施策と考えておりまして、先ほど言いましたとおり、本年度の六月の県土整備常任委員会において、平成二十四年度から始まる国営、県営事業について質問いたしましたし、新規事業内容についても確認をしたところでございます。地域の方とクリークの整備についていろいろ話をする機会はあるわけでございますが、平成二十一年度の経済対策予算で行ったクリーク防災緊急応急対策事業について、農家や地域住民、林業関係者から、何といいますか、大変好評といいますか、評価をする声を多く伺っております。  私は、農家が、いわゆる高齢化をいたしておりますし、それから担い手農家の規模拡大等が進んでおりまして、クリークを維持管理するのは大変厳しい状況になっておることから、ぜひ本事業を継続しながら、また二十四年度から新規事業にも事業の利点を生かしながら、クリークの整備を急速に実施していかなければならないというような思いを持っているわけでございます。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  事業を実施した経緯ですね。平成十一年度からクリーク整備は県営のクリーク防災機能保全対策事業によってコンクリートを使った施工が行われたわけでございますが、いわゆる緊急総合対策で県間伐材を使った本事業を実施した経緯等について御質問いたします。 190 ◯青山農山漁村課長=事業の経緯につきまして御説明いたします。  今ほど委員御指摘ございましたとおり、平成十一年度から県営クリーク防災機能保全対策事業によりましてクリークの整備を行ってまいりましたが、整備が必要なクリークが膨大に存在しておりましたので、事業の進度がなかなか図られていないという状況にございました。  特に、のり面崩壊が生じまして、クリークに隣接する道路の安全通行に支障が生じているような箇所につきましては、早急な対応が求められておりましたけれども、短期的に恒久的な対策を講じるということが困難となっておりました。このため、国の緊急経済対策を活用させていただきまして、恒久対策を実施するまでの当面の間の措置といたしまして、クリークに隣接する道路の安全通行を確保する本事業を実施したものでございます。  また、間伐による森林整備と、その間伐材を使用しましたクリークの護岸整備によりまして、山と平野の環境保全を一体的に進めるということもねらいとしたところでございます。 191 ◯古賀善行委員=それでは、事業量と事業費についてでございますが、平成二十二年度までの整備済み及び今後の事業量、それから事業費はどうなっておるのかお伺いいたします。 192 ◯青山農山漁村課長=事業量、事業費につきましてお答えいたします。  本事業は、先ほども少々申し上げましたが、平成二十年度以降、国が四次にわたりまして実施しました経済対策により事業化したものでございまして、まず平成二十年度の二月補正で五億円、平成二十一年度の十一月補正で四億円、同じく平成二十一年度の二月補正で三億円、そして最後ですが、平成二十二年度の十一月補正で二億円、この四回の予算を認めていただいておりまして、このうち平成二十一年度に木さく工約三十一キロメートルで五億八千三百万円、二十二年度には延長で四十三キロメートル、六億二千百万円の事業を行ったところでございます。  また、今年度につきましては、昨年度からの繰越予算がございまして、延長で約十キロメートル、事業費二億円を予定しているところでございます。 193 ◯古賀善行委員=それでは、事業の効果についてでございます。いわゆる田面側の崩壊も非常に進んでおりましたけれども、いわゆる農道とか、それから市道等のクリーク側ののり面崩壊も進んでいるということで、農作業はもちろんのこと、交通安全にも支障を来していた地区が見受けられたわけでございます。道路の安全交通についてお伺いしますが、安全交通はどのように改善されたのかお伺いいたしたいと思います。 194 ◯青山農山漁村課長=道路の安全通行につきまして答弁させていただきます。  本事業の実施前には、クリークのり面の崩壊によりまして路肩が崩れまして、ガードレールが傾いておるとか、路面のアスファルトに亀裂が生じるなどの現象が見られましたが、事業の実施によりましてこのような状態は解消されております。  また、本事業を行った地域の方から、「自転車などの通行や子供たちの通学に危険を感じていたけれども、早急な対応をしてもらい助かった」でありますとか、「農作業用の車両だけでなく、一般車両同士の離合も安心してできるようになった」などの感謝の声を聞いているところでございます。 195 ◯古賀善行委員=それでは、二番目の県産間伐材の使用状況についてでございます。  これは、先ほど申しましたとおり、この事業について、もちろんのり面崩壊の防止対策についての事業でございますけれども、その材料として県産の間伐材を使うという、何といいますか、頭を使った事業といいますか、そういう意味では非常に林業者はもちろんのこと、それから関係者、もちろん平地の農家の方々、大いに感謝されておるということで、いわば三方一両得といいますか、そういったような事業効果があったものと思っておるわけでございます。いわゆる使用状況についてでございます、県産の間伐材のですね。これを立米単位といいますか、大体どのくらいぐらい使用したのかお伺いいたします。 196 ◯青山農山漁村課長=使用状況につきまして御説明させていただきます。  本事業によりまして、平成二十二年度までに長さ四メートルのくいで八万五千本ほど、長さ二メートル、幅十五センチの板材で四十五万五千枚ほどを使用してございます。済みません、立米単位という今委員の御指摘でありましたが、本数、枚数で御説明させていただきます。また、今年度はくいで一万二千本、板材で六万五千枚を使用する予定でございます。  本事業で県産木材を使用しましたことで、林業関係の方からは「県産木材の需要が創出され杉材全般の価格が底上げされた」、また「森林所有者などの林業に対する意欲があらわれるようになった」という声を聞いているところでございます。 197 ◯古賀善行委員=この件については、今後、いわゆる県が実施する事業については、延長が大体今後十年間で五百八十キロぐらいの水路ののり面補強をやっていくということでございまして、五百八十キロということになりますとかなりの、いわゆる材木といいますか、量が必要になろうかと思いますので、その調達等については、やっぱり関係者とうまく協議、連絡しながら支障がないように、ぜひ林業活性化の面からもお願いしたいと思っておるわけでございます。  今後の取り組みでございますが、いわゆる短期集中的に整備が実施されることは、地元にとって非常に結構なことではございますけれども、水田側の整備や水路のしゅんせつ、あるいは地域の排水を受けるクリーク機能の保全には必要と考えるが、今後の取り組みについてどのように考えておられるのか。  現在実施されておる事業については、いわゆるのり面の崩壊防止にはなっておるわけでございますが、農家の方々等に伺いますと、「せっかくやるならば若干水路のしゅんせつ等もやってもらえば非常に助かった」といったような声も伺っておりますので、今後、その辺も含めてどういったような考え方で実施されていくのかお伺いいたします。 198 ◯青山農山漁村課長=今後の取り組みにつきまして御説明させていただきます。  本事業は、道路側のクリークのり面を整備することで、道路通行の安全確保を図るというものでございまして、今御指摘ありましたとおり、対岸の水路側の整備でありますとか、水路のしゅんせつは行っていないものでございます。  今後は、平成二十四年度より採択を要望しております国営事業でありますとか県営事業によりまして、水路側の整備やしゅんせつを含めたクリークの機能の保全対策に本格的に取り組んでいくこととしております。  また、本事業の成果を踏まえまして、県営事業におきましては木さくによるクリーク整備を広く佐賀平野全体に展開しまして、クリーク整備の進度を上げてまいりたいというふうに考えております。  以上です。 199 ◯古賀善行委員=先ほどから話があっておりますとおり、佐賀平野のクリークの総延長については千五百キロぐらいあると。現在、整備済みが七百五十キロで、あと七百五十キロ程度残っていると。それを今回の計画によりますと十年間ぐらいでやってしまうんだということでございますので、非常にスピード感のある事業でもございますし、ぜひ十年間で達成してもらいたいと思っておるわけでございます。  やはり非常に農業が厳しい状況の中で、土地改良事業ということになりますと、これは農家の同意等が必要ということになるわけでしょう。同意のとり方、どういったような同意のとり方になるかわかりませんが、ぜひ農家の期待、あるいは地域の期待にこたえられるようお願いをいたしまして、私の質問といたします。 200 ◯伊東猛彦委員長=以上で県土整備常任委員会関係の質疑を終了します。  なお、あす十八日は午前十時に委員会を再開し、討論、採決を行います。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時四十六分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...