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平成22年度決算特別委員会(第6日) 本文 開催日:2011年11月14日
平成22年度決算特別委員会(第6日) 名簿 開催日:2011年11月14日

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  1. 佐賀県議会 2010-11-14
    平成22年度決算特別委員会(第6日) 本文 開催日:2011年11月14日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時 開議 ◯伊東猛彦委員長=これより委員会を開催します。  本日は文教厚生常任委員会関係の質疑を行います。  通告に従い、順次発言を許可します。 2 ◯武藤委員=おはようございます。日本共産党の武藤明美でございます。  私は、まず初めにこの決算に当たりまして、団体補助金のあり方について質問に入らせていただきます。  歳出三款の民生費、一項一目に社会福祉費の人権・同和対策課の同和関係予算ということで、同和関係団体補助金に関してのことです。  国の同和対策事業は、平成十三年度に終結しました。その後も県は激変緩和措置が必要として、五年間の特別対策を行ってまいりました。そして、平成十八年度末で終了しております。個人施策においても、平成十九年度からは一般施策へと移行し、県民融和の方向が始まっております。  ところが、同和団体への補助は相変わらず続いているというのがこの決算上でも明らかになっております。  そこで、質問いたしますが、同和団体への県費補助について、部落解放同盟全日本同和会、それぞれ五年間の推移についてお答えいただきたいと思います。 3 ◯鮎川人権同和対策課長団体補助金の推移についてということでお答えを申し上げます。  平成十八年度から平成二十二年度までの五年間におけます運動団体への県費補助金は、決算額で部落解放同盟佐賀県連合会が、平成十八年度三千九百二十万九千円、平成十九年度四千五十八万一千円、平成二十年度三千九百五十七万四千円、平成二十一年度三千八百五十一万四千円、平成二十二年度三千七百二十七万三千円となっております。  また、全日本同和会佐賀県連合会につきましては、平成十八年度三千四百六十万三千円、平成十九年度三千四百九万一千円、平成二十年度三千三百三十二万九千円、平成二十一年度三千二百二十万八千円、平成二十二年度三千百十二万五千円となっております。  以上でございます。 4 ◯武藤委員=団体によって構成員の大小があるかもしれませんが、それでも三千万円を超えている。そして、特に部落解放同盟については、約四千万円近くいつも計上されているわけですけれども、こういった運動団体はどんな活動をしておられるでしょうか。 5 ◯鮎川人権同和対策課長=運動団体の活動についてお答えをいたします。  同和問題の解決を図るためには、同和差別問題を初めとする地区出身者が抱えるさまざまな問題につきまして、その実態や原因等を明らかにするとともに、それらの解消を図るための対策を講じていくことが必要でございます。  しかしながら、同和問題につきましては、行政が主体的に地区出身者を把握することが困難でありますとともに、対象者の把握調査を行うこと自体が差別の再生産につながるおそれもございますことから、行政が主体的に直接助言等を行うことが困難であると考えております。  このようなことから、運動団体は地区出身者を対象としました相談事業、あるいは研修事業などの活動を行っていただいているところでございます。 6 ◯武藤委員=今のお答えを聞いておりますと、主に内部活動へ目が向いた運営費の構成になっているのではないかと思うんですね。本来、県民融和を図るという立場であれば、行政が本当に県民的に人権尊重の立場を明らかにして、あらゆる場での人権・同和尊重の行動、行政の行いをやっていくと思うんですけれども、何か内部だけに目が向いているということは、ちょっと解せないと思うんですよね。
     この事業の中身を見てみますと、例えば、いろんな内部の青年部の活動とか、女性部の活動とか、全国大会とか、そういったことが結構並んでいるんですね。それはもう少し行政が本当に県民全体の融和を図るという立場に立たなきゃいけないんじゃないかなあと思うんです。  総事業費に対して、県費補助はどれぐらいになりますか。 7 ◯鮎川人権同和対策課長=総事業費につきましての割合は、総事業費が四千二百万円程度の中でそういった県費補助金でございますので、九割程度が県費補助金であるというふうに考えております。 8 ◯武藤委員=いただいた精算額調書というのを見ておりますと、大体県費補助は総事業費の八八%、おっしゃるとおり九割近くになっているわけです。どちらの団体もその範囲で行われているという実態なんですね。  つまり、会費は解放同盟が三・七%とか三・六%、全日本同和会は〇・七%から〇・八%、その他の収入を含めるとそれぞれが一二%ぐらいになっていくんですけれども、やはり県費の補助というのは八八%をずっと推移しているという状況にあります。  何か毎年県費は八八%にするという約束事でもあるんですか。 9 ◯鮎川人権同和対策課長=約束事ではございませんで、運動団体の活動に必要と思われる経費につきまして、各団体ごとに補助額を決定しているところでございます。 10 ◯武藤委員=ほかの団体だったら会費を取って、その不足する一部、あるいは定額の一部というのが団体への補助という形で行われるのが当然だと思うんですけれども、会費がわずかで補助が多いというのは、ちょっとやはり県民的な納得を得られないんではないかと思うんですね。  特別対策が終結しているのに運動団体へのこういった多額の補助金というのは、やっぱり見直していくべきではないかというふうに思うんです。県内の自治体でも見直しを求める声が出ておりますけれども、御存じですか。 11 ◯鮎川人権同和対策課長=各市議会におきまして、そういった御質問が出ているということはお聞きをしているところでございます。 12 ◯武藤委員=本来、人権尊重に関することは行政が行うべき啓発活動、先ほどもちょっと触れましたけれども、二つの団体だけに補助金を交付して肩がわりさせるということになっていっているのが県の実情じゃないかと思うんですね。  しかも、同和問題だけで特化してはならない人権・同和という問題、それなのにそういう状況があるということはおかしいと思うんです。  先ほど各自治体でいろんな声があっているというのは聞いているというふうに言われましたけれども、県として見直しについて考えないんでしょうか。 13 ◯鮎川人権同和対策課長=同和問題に対しまして、今後の運動団体の見直しについてということでございますが、同和問題に対する差別意識につきましては、解消の方向に向けて進んでいるものでございますけれども、心理的差別につきましては、いまだ根深いものがあるものというふうに認識をしております。  運動団体に対します補助金は、同和問題の早期解決を図るため、行政の補完的役割を果たしております運動団体が行う相談事業、研修事業等の実施に必要な経費に対して補助をしているものでございまして、現状においては、この補助は必要であるというふうに考えております。  しかしながら、厳しい財政状況の中でございますので、運動団体の補助金につきましても、見直すところは見直すという視点で経費の節減等について指導をしてまいっているところでございまして、今後とも引き続き見直しを進めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 14 ◯武藤委員=見直しを進めると言われましたけれども、本当に進めているとはとても思えないんですよ。  佐賀市のほうで平成二十二年度決算に係る事務事業に対する評価というのを議会のほうでもされていて、結局、いずれも同和団体への補助金というのはCランクの評価にされています。つまり、事業に対する評価の内訳として、事務事業の目的は妥当であるというのがAランク、そして、Bは見直しの余地ありというのですけれども、結局、Cランクというのは、事務事業の目的は妥当でないという評価を下されているんですね。  県内の自治体でこういう評価が下されている、そういう中で県だけがこの事業が必要だからといって済ますわけにはやっぱりいかないと。抜本的な見直し、廃止が必要なんじゃないかと思うんです。  ある団体の会員だった女性は、昔はいろいろと苦しい思いもしたと。差別されたこともあったと。でも、今では逆にこういう団体への補助金があり、個人施策はなくなったというものの、特別に何か過保護にされているような気がしてならないと御本人がおっしゃっていました。  そして、この同和団体補助金があるために運動団体の活動が、ちょっと世間一般から考えられないようないびつさがあるんじゃないかということもその方はおっしゃっていました。肩身が狭い、特別扱いはしないでほしい、個人施策も終わっているけれども、いつまでも団体補助金を出しているのはおかしいとみずから団体に身を置く方がそういうことをおっしゃっていました。  その方は解放運動を続けてこられて、亡くなられたわけですけれども、内部にいる方が、そのようなことをおっしゃっているということも、やっぱり考えてみて、本当に今、佐賀県が、団体補助金をいつまでも同じような形でやっていていいのかという問題点として、私は指摘したいと思っております。  今、徐々に見直しをとおっしゃいますけれども、県内の各自治体から、そういった事業評価でCランクに上げられるようなことになっているこの団体補助金のあり方については、抜本的な見直しをしていくべきだと思うんですが、そのことについて担当本部長、どのようにお考えでしょうか。 15 ◯古谷くらし環境本部長=同和関係の団体への補助金の見直しについての御指摘でございます。  確かに委員先ほどからお話にございましたように、平成十八年度で、いわゆる特別対策事業というものは終結をしております。そういった意味では、集中的に何か運動団体の関係者に対する特別な取り組みというものが見直されるべき方向に大きく変わってきているということは、御指摘のとおりだろうと思います。  そうしたもとになっておりますのが、平成八年に出されました地域改善対策協議会の意見具申というものがございます。そういう中で、特別対策の終了というものが一つの方向性として出されたわけですけれども、一方で特別対策の終了、すなわち一般対策への移行が同和問題の早期解決を目指す取り組みの放棄を意味するものでないことは言うまでもないというふうに指摘がされているところでございます。  また、同じ意見具申の中でも、特別対策を終結する一方で、やはり教育とか就労、産業等の面ではなお存在している格差があるということで、これらについては、集中的に格差を解消することは困難ということから、ある程度の時間をかけて、粘り強く格差解消に努めるべきであると。  ただ、そうした中にあっても、先ほど一般対策への移行が同和問題の解決への取り組みの放棄を意味するものではないという指摘もある中で、同和問題に関する国民の差別意識は解消に向けて進んできているものの、依然として根深く存在しており、その解消に向けた教育及び啓発は引き続き積極的に推進していかなければならないといった指摘もございます。  また、同和問題を人権問題の重要な柱としてとらえ、積極的に推進すべきであるという中で、この同和行政そのものを県が全く行う必要がないというふうには理解はいたしておりません。  ただ、一方で委員が御指摘をされましたけれども、この点につきましても、あくまで今、特に私どもは県の本部といいますか、そうしたところに対する運営費の助成をしているわけですけれども、同和関係者の一般との融合という意味で、そうしたほうに目を向けるべきじゃないかという御指摘がございました。これについては、確かに県としても同和関係の教育啓発の基本方針を立てて、その中でさまざまな啓発事業、教育事業を展開してきております。  しかし、一方で同和関係者の自立向上ということも意見具申の中で指摘がされております。現在の同和地区は、真に住みよい地域社会としてさらに発展していくためには、ソフト面での実質的な住民活動が重要であり、これを促進するためには、同和関係者の意識の醸成や指導者となる人材の養成が必要である。  また、同和問題の解決を図る上で同和関係者の自立への意欲は重要な要素である。このため、教育や啓発の中で同和関係者の自立向上という目標を重視して、それらを支援するための方策も検討すべきであるというふうな指摘もなされておるところでございます。  この運動団体自身は、そうした構成員の方の人権意識、あるいは同和問題に対する意識の醸成を図るといったこととともに、自立への意欲を高める、そのためのいろんな現状に対するさまざまな助言ですとか指導、相談を受ける、そういった内向けという言葉が先ほどございましたけれども、そうした対応も必要となってくるものでございます。  そういう中で、我々としてはそうした中になかなか行政として直接向き合えないという面もございまして、この運動団体の活動そのものについて、全く意義を失っているというふうには理解をしておりません。  ただ、一方で、現に補助金という形で公金を支出しているということは事実でございます。そういった意味からは、運動団体に対してはそうした取り組みがより効果的、効率的なものとなるように求めていきたいというふうに考えておりますし、今後とも見直すべき点は見直すという姿勢で対応していきたいと思っております。  以上、お答えとさせていただきます。 16 ◯武藤委員=市民、一般の人権意識は、もちろん同和問題に限らず、ハンセン病であったり、あるいは女性問題であったり、あるいは在日外国人の問題であったりと、いろんな分野に及んでまいります。何も同和だけが特別扱いされることはないと思います。  人権尊重の啓発については、やはり一般的な県民への啓発を行っていくべきであり、同和だけを特別扱いにすることがこれまでもいろんな問題を逆に生んできたという部分もあったと思うんです。  県内の自治体の中で、あるいは県民の中で、佐賀県が一番ネックになっているこの問題について、いつまでも団体補助金に固執しているということの御批判もお聞きしております。皆さん方はそういった声も謙虚に受けとめていただいて、同和団体補助金のあり方を抜本的に見直していく、このことが今必要であり、しかも、いろんな分野においては行政改革だ、この団体への補助金はなくしますということで次々に打ち切られていく中で、ここだけがいつまでも温存されていていいということにはならないと思います。  もっと県民全体の苦しい生活の部分に目を向ける、そういったあり方で全体の人権尊重をと。この立場に立って進まれるべきだということを改めて強調し、指摘しておきますので、今後ともこの問題についてはぜひ県民の中からおかしいという声があれば、また皆さん方に指摘し、申し上げていきたいと思いますので、県の姿勢そのもの、それを改めていくべき立場だということを認識していただきたいと言っておきます。  次に、生活保護行政に移ります。  憲法第二十五条の生存権で保障された、人が人として生きていくために病気や高齢で働けない人など、生活に困窮しているすべての国民に、必要な保護を行う制度として生活保護制度があります。  この間、景気低迷やリーマンショック後の影響で全国的に受給者がふえているようですが、佐賀県では過去三年間、受給世帯人員、保護率がどのようになっているのかを明らかにしていただきたいと思います。 17 ◯源五郎丸地域福祉課長=県内の生活保護の動向についてお答えします。  本県の生活保護の近年の動向につきましては、委員御指摘のとおり、平成二十年秋のリーマンショックの前までは平成九年ぐらいを底にしまして、微増という形で推移をしてきておりましたが、リーマンショック以降につきましては、増加の幅が全国と比較いたしますと緩やかではありますものの、増加幅が大きくなってきているというところでございます。  具体的に数字で申しますと、平成二十年度につきましては、年度の平均でございますけれども、世帯数は四千七百六十九世帯、被保護の人員は六千三百七十四人、保護率は千人当たりで七・四五人となっております。  次に、平成二十一年度になりますと、世帯数は五千百五十八世帯、被保護人員は六千八百八十九人、保護率は千人当たりで八・〇八人となっております。  直近の平成二十二年度になりますと、世帯数は五千五百六十九世帯、被保護人員は七千四百二十六人、保護率は千人当たりで八・七四人というような状況になっております。  以上でございます。 18 ◯武藤委員=近年、やはり増加しているということで、二十二年度、たくさんふえられたということがわかりますけれども、県内十市においては、保護の申請の前の段階での相談もカウントされております。実施の合計でお願いしたいんですが、相談件数、申請件数、開始件数が三年間どのようになっているか、お示しいただきたいと思います。 19 ◯源五郎丸地域福祉課長=県内十市の相談申請開始の件数でございます。合計で申し上げます。  平成二十年度、相談は千七百四十件、そのうち申請が九百十三件、開始が七百五十二件となっております。平成二十一年度につきましては、相談が千九百七十七件、申請が千百九十一件、開始が千三十五件となっております。平成二十二年度につきましては、相談が千八百七十二件、申請がそのうち千百十七件、開始が九百七十八件というふうになっております。(100頁で訂正)  以上でございます。 20 ◯武藤委員=今お聞きしておりまして、十市の場合、相談をして申請するのは半分近く、そして、申請しても保護開始になるまでにはさらに減っている、少なくなっているという状況です。つまり、保護を受けるために資産活用や稼働能力ありというふうにみなされて、そこでいろんな他方優先ということで、そちらのほうに行きなさいよということになっていくんだろうと思うんですけれども、ハローワークに行ったとしても、五十代、六十代ではなかなか仕事が見つからないという状況があります。それでも病気でない限り、仕事を見つけなさいということで指導がずっとあるわけです。  そして、生活費がなくなっても、なかなか保護がもらえないという実態もあります。  また、遠くにいるお子さんたちがあなたたち親への援助ができないのかということを引き合わせされるわけですけれども、自分たちだけの生活で本当にきゅうきゅうとされていて、同居を勧められたりすることもあるしということで、なかなか保護が受け付けてもらえないということになっていきます。  ですから、生活保護法の第四条や他方優先などの決まり、これはこれとしてわかるんですけれども、なかなか実態として子供さんたちも親御さんの面倒が見れないという中で、さまざまな事情を抱えておられることがわかります。  実際は年金が四、五万円ぐらいでも、ひとり暮らしの方が公営住宅など安い家賃のところに入って、それで三度の食事を二度にして、しのいでおられるというような実態も幾らもあるわけです。本当にこの方たちが保護を受けられる基準にあるということがわかっていながら、食事を減らしたり、あるいはお医者さんに行くのを我慢したりというような、そういう状況があるわけですね。本当にこれでは、生存権という形で言われている憲法第二十五条にとてもかなっていないんじゃないかという生活の実態があるわけです。  生活保護の本来の目的、役割は何だというふうに考えておられるんでしょうか。本来、この生活保護を受ける権利というのは、保護基準に満たない暮らしに困っている人には憲法の精神のもとで本当に平等に受けられるということになっているはずだと思うんですけれども、生活保護の目的、役割、どのように認識しておられるのか、お聞きしたいと思います。 21 ◯源五郎丸地域福祉課長=お答えいたします。  済みません。今の御質問の答弁の前に、先ほど市部の相談、申請、開始件数の数字を申し上げましたけれども、先ほど私、郡部の申請開始件数まで含んだ数字を申し上げてしまいまして、大変申しわけございません。そこだけ修正をさせていただきます。  相談件数は先ほど申し上げたとおりですけれども、平成二十年の申請は八百三件、開始は六百六十三件でございます。平成二十一年度の申請は千五十五件、開始は九百十九件、平成二十二年度の申請は九百九十五件で開始が八百七十五件でございます。  以上、修正させていただきます。  ただいまの御質問でございます。生活保護制度の目的でございます。  生活保護制度は、日本国憲法第二十五条に規定された健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を実現するための制度の一つでございまして、生活に困窮する国民に対し、困窮の程度に応じ必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、それらの方々の自立を助長することを目的としております。  以上でございます。 22 ◯武藤委員=現実的には本当に苦しんでおられる方たちがおられる。  そして、生活保護の相談をして、申請をして、そして実際に受給に至るまでには、どんどん受けられる状況が変わっていく、条件があって受けられなくなっていくというふうなことで、本当にこれが今課長がお答えいただいたような状況にはないというのが現実だということを指摘したいと思います。  中にはもちろん、第七十八条の不正受給の方もおられるかもしれませんが、多くの方たちは日々の暮らしを本当に懸命に生きておられる方たちばかりなんです。  平成二十二年度の決算額の中での不用額をお伺いしたいと思いますけれども、どのようになっていますか。 23 ◯源五郎丸地域福祉課長=申しわけありません。手元に数字を持ち合わせておりませんので、少し時間をいただいて、お答えさせていただきたいと思います。 24 ◯武藤委員=今、答えていただくよう待っています。 25 ◯伊東委員長=今必要ですか。 26 ◯武藤委員=はい。 27 ◯伊東猛彦委員長=暫時休憩します。     午前十時三十分 休憩     午前十時三十一分 開議 28 ◯伊東猛彦委員長=委員会を再開します。 29 ◯源五郎丸地域福祉課長=申しわけございません。お答えいたします。  平成二十二年度の生活扶助費の決算不用額でございますが、九千二百七十八万三千円となっております。  以上でございます。 30 ◯武藤委員=一億円近くの不用額があるわけですけれども、一度相談して、対応がつかめないなら、これをしばらくして保護に相談する足が遠のくということがあるんです。この一億円近い不用額を生活に困窮しておられる方たち、今すぐ何とか保護を受けなくちゃ生活がやっていけないという方たちの声にこたえるためにも、相談から申請から決定に至るまで、きちんと対応していくことによって、この不用額を生み出さなくてもいいんじゃないかというふうに思うこともしばしばございます。  ぜひ相談していったときに、窓口の担当の方たちがもっと親切に聞いていただくならば、お金がないからと病院に行くのをあきらめて、より病気がひどくなっていくということのないように、きちっと丁寧な対応をしていただけたらなと思うんですね。  窓口業務の方たちには、皆さん方もいろんな場面で助言や話し合いの中で保護の対応とかお話をされると思うんですけれども、親切な対応をぜひしていただきたいということをお願いしたいんですが、日ごろはどのような窓口業務の方たちに対する対応をなさっていらっしゃるんでしょうか。 31 ◯源五郎丸地域福祉課長=窓口での対応の指導等の状況についてお答えをいたします。  福祉事務所に対しましては、さまざまな段階での研修でございますとか、あるいは毎年県から各福祉事務所に対して指導監査というふうなことも行っておりますので、そういった機会を通じまして、生活保護の事務にどのように当たるべきかというふうなことも研修等を行ってきているところでございます。  基本的には、委員がおっしゃいましたように、当然相談に来られた方の人格や尊厳を尊重するということは大前提でございますけれども、そういった中で不安を持って相談に来られている方の不安を理解し、丁寧に対応すること、それから、きちんとした説明と同意を十分に行うこと、例えば、稼働年齢にあなたはあるから申請ができないといったような誤った説明などは絶対にしてはいけないというふうなことでありますこととか、申請権の侵害ととらえるようなことはしてはならないというふうなことについては、事務の処理要領にも記載をしておりますし、そういった研修の機会等を通じて周知を図っているところでございます。  以上でございます。 32 ◯武藤委員=今課長が述べていただいた御指導のあり方を本当に守っていただければ幸いだと思うんですけれども、なかなか実際に窓口に一人で行くと、いろいろ対応が悪くて、恐ろしくなって次は行きたくなくなるということもありますので、例えば、議員などがついていくと対応が変わっていくというふうなこととかも言われるわけですので、お一人で行かれても、それから、だれかが一緒に行ったとしても、ちゃんとした同じような対応をしていただけるようにお願いしておきたいと思います。  次に、生活保護行政のあり方として自動車保有の問題です。  保護を申請するとき、自動車の保有は容認されないとして処分するように言われます。福祉事務所に保護の相談に行って、自動車があるというだけで、手放してからまた相談に来なさいというように言われる場合もあります。  交通の便の悪い佐賀県民にとって、病院に行くためになくてはならないものが自動車だと思うんですけど、いつも乗り回すということではなく、通院用だということをきちっとさせた上でケース・バイ・ケースという中で認めるということが大事なのではないかと思いますので、その辺についてはどういう対応をされているのか、お聞きしたいと思います。 33 ◯源五郎丸地域福祉課長=自動車保有についてお答えをいたします。  生活保護につきましては、その利用し得る資産を最低限度の生活の維持のために活用することを要件に行われるものでございます。したがいまして、自動車などの資産につきましては、最低限度の生活の内容として、その保有を容認できる場合を除いて、原則として売却等により処分していただく必要があるものでございます。  例外的に保有が認められる具体的な場合につきましては、厚生労働省の生活保護の実施要領に定められてございます。  具体的に申しますと、障害のある方が自動車により通勤する場合でございますとか、公共交通機関の利用が著しく困難な地域にお住まいの方が自動車によって通勤される場合でございますとか、あるいはみずからの事業で営業用などに車を用いられる場合でございますとか、障害のある方などが通院などのために自動車を必要とする場合であって、一定の要件を満たす場合と、そういった場合であって、保有することが社会的に適当だと認められるときには、保有を認めて差し支えないというふうに要領で定めてございます。  以上でございます。 34 ◯武藤委員=佐賀県の場合、特に郡部のほうに行くと、交通の便、本当に著しく悪いということが言えると思うんです。それで、例えば、医大とか県病院に行くときに不自由だということで、田舎のほうからまちのほうに交通の便が悪いので、どうしても車を持っていなきゃいけないという場合が幾つもあります。そういう中でも、もう車を持っているからだめだというような一律的な対応をされてしまうということがしばしばあるわけですね。なので、その方の事情、交通の便が悪い地域にお住まいだという事情を本当にじっくり聞いて、ケース・バイ・ケースで対応していただきたいと思うんです。
     今、厚生労働省の要領の中での話をされましたけれども、四種類か五種類あったと思うんですけれども、本当に公共交通網がおくれているこの佐賀県の中では、やっぱりその辺はきちっとした対応をしていただきたいと思うんです。  私も、厚生労働省にも自動車の保有について確認に行ったことがありますけれども、それはケース・バイ・ケースで、そこの担当窓口の方としっかりと状況を話し合って、わかってもらえるようにしたらいいじゃないですかということをおっしゃっていただきましたけれども、なかなか御本人が幾ら説明しても窓口の対応でそこがおりないという場合もありますので、そのことは、今、課長が述べていただいた保有を容認できる場合ということも、きちんと担当のほうに御指導、援助いただけたらというふうに思いますけれども、さらに改めてお願いしておきますが、どうでしょう。 35 ◯源五郎丸地域福祉課長=委員御指摘のとおり、個々具体的なケースに応じて相談に応じ、対応できるかどうかを検討するということは当然でございますので、そういった事情を聞かないままに手放してから相談に来なさいとか、そういうことはあってはならないものというふうに思っておりますので、こういった取り扱いについては、日ごろから周知を図っているところではありますけれども、改めて指導監査等の機会を通じて、きちんと指導をしていきたいというふうに思っております。  保有が認められる場合に該当するかどうかにつきましては、先ほど申し上げましたように条件がございますが、おのおのの生活実態、あるいは交通環境などを十分勘案の上、判断することとされておりますので、そのようにしてまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。 36 ◯武藤委員=では、よろしくお願いしておきます。  生活保護の場合は、お一人お一人の年齢によっても、家族構成によっても、支給額が違ってくるわけですけれども、大体平均一人当たり七万円から八万円弱だと思いますが、母子加算や高齢者加算がカットされたぎりぎりの暮らしを強いられていることが、今本当に苦しいという状況になっています。  でも、親しい人の慶弔が続けば、御香典を包むということもしなければならないし、そういった慶弔が続いていけば、生活そのものに、御香典などを包むことで毎日の暮らしの部分に響いてくるわけですね。わずかであっても影響が大きいんです。千円、二千円、三千円まで包まれる方もおられるかもしれませんが、その額を包んだとしても本当に毎日毎日が大変で切り詰めた生活をなさっておられます。  ましてや、今、一部に賃金が安いことを理由に保護水準をもっと切り下げろといったような声もあります。また、医療費の一部負担を言う人たちがおられますけれども、それはとんでもない考え違いだと思います。低賃金のほうを引き上げること、そして、あるいは年金額を引き上げていくこと、そういうことで本当に私たちの暮らしをよくしていかなくてはいけないし、生活保護の方たちにあなたたちがもっと我慢しなさいということではなくて、先ほどから憲法第二十五条の生存権を言われましたけれども、健康で文化的な生活を行っていく、そういう意味でも、この問題は今後とも国に対してもきちんと私たち国民の暮らしを守る、暮らしの向上という意味でも、本当に切実な問題だということもあわせて申し上げておきたいというふうに思います。  いろんなことを申しましたけれども、ぜひ担当部局の方たちが福祉事務所などへの御指導、御援助、よろしくお願いしておきます。  それから、次に生活福祉資金の問題です。  生活福祉資金は、どういう目的で実施されているんでしょうか。 37 ◯源五郎丸地域福祉課長=生活福祉資金制度の目的についてお答えいたします。  生活福祉資金につきましては、国が制度設計をいたしまして、都道府県社会福祉協議会が貸し付けの実施主体となってございますけれども、目的といたしましては、低所得者、障害者、高齢者に対しまして、資金の貸し付けと必要な相談支援を行うことにより、借受人の経済的自立及び生活意欲の助長、促進並びに在宅福祉及び社会参加の促進を図り、安定した生活を送れるようにすることを目的としております。  以上でございます。 38 ◯武藤委員=これは、やっぱりセーフティーネットとしての位置づけを持っているものだと思うんですけれども、貸し付けの対象とか貸し付けの条件、これらのことを具体的にもう少しお答えいただきたいと思います。 39 ◯源五郎丸地域福祉課長=生活福祉資金の貸し付けの対象や条件などについてお答えいたします。  資金の種類は、大きく四種類、総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金となっております。  このうち、総合支援資金につきましては、失業者など日常生活全般に困難を抱えている低所得の世帯に対しまして、生活再建に必要な費用や敷金、礼金など住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用などを貸し付ける資金でございまして、限度額は、生活支援費は二人以上の世帯で月額二十万円、単身でありますと十五万円ということになります。住宅入居費につきましては、四十万円となっております。  次に、福祉資金につきましては、低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯に対しまして、生業を営むために必要な費用や、緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に貸し付ける少額の費用などを貸し付ける資金でございまして、限度額は、福祉費につきましては五百八十万円、緊急小口資金につきましては十万円などとなっております。  また、教育支援資金につきましては、低所得世帯に対しまして、高等学校などに就学するために必要な経費等として貸し付ける資金でございまして、限度額は、教育支援費は月額三・五万円から六・五万円などとなっております。  最後に不動産担保型生活資金につきましては、低所得の高齢者世帯などに対しまして、一定の居住用不動産を担保として生活資金を貸し付ける資金でございまして、限度額は、一般世帯向けにつきましては、土地の評価額の七割を標準としまして、月額三十万円などとなっているところでございます。  以上でございます。 40 ◯武藤委員=先ほどテーマにした生活保護が最後のセーフティーネットと言われている中で、これは生活保護以前のセーフティーネットということになっていくと思うんですけれども、二十二年度の実績及び制度が変わった二十一年度の実績、そして、さかのぼって十八、十九、二十年度の貸し付け実績についてお答えいただきたいと思います。 41 ◯源五郎丸地域福祉課長=貸し付け実績についてお答えいたします。  平成十八年度から平成二十二年度まで、過去五年間という形で順次お答えをいたします。  平成十八年度の貸し付け件数は六件、貸し付け金額は四百四十万九千円でございます。  平成十九年度の貸し付け件数は五件、貸し付け金額は五百二十七万円となっております。  平成二十年度につきましては、貸し付け件数は九件、貸し付け金額が八百三十三万九千円となっております。  次に、平成二十一年度、この平成二十一年の十月に国において制度の見直しが行われ、資金の枠組みの変更があっておりますけれども、平成二十一年度の貸し付け件数は七十三件、貸し付け金額が三千五百四十八万一千九百四十九円となっております。  それから、平成二十二年度につきましては、貸し付け件数が五十三件、貸し付け金額が一千九百四十三万九千八百十円となっております。  以上でございます。 42 ◯武藤委員=今お答えいただいたように、平成二十一年度に制度の枠組みが新たに変わっていったわけですが、この総合支援資金というのも出ておりますけれども、借りたい人が今ふえているという実態ですね。  それで、今の深刻な生活実態の反映としてこういった新たなセーフティーネットができたんだと思うんです。  この制度の内容についてですけれども、地域福祉課及び社会福祉協議会の担当者がしっかりと理解をして相談に当たっておられるのか、申し込んだけれども、結局貸し付けに至らなかったという例もたくさんお聞きしています。  その辺についてそれぞれの認識はどうなっていますかね。 43 ◯源五郎丸地域福祉課長=この制度に関する認識でございますが、委員御指摘のとおり、制度の枠組みが変更になりましたのは、経済・雇用情勢の悪化等に伴いまして、第二のセーフティーネット機能を強化するという一環として総合支援資金の創設などが行われておりますので、そういった失業者等の増加に対応した制度であるというふうなことは、私ども県も、県社会福祉協議会も認識の上で事務に当たっているものと十分認識をしております。  以上でございます。 44 ◯武藤委員=制度が変わってから、貸し付けの対象者として広がっているわけですね。  貸し付けによって独立、自活できる低所得者だとか、身体障害者手帳を持っている人、それから療育手帳の人も受けられる。精神障害者手帳の人も受けられる。六十五歳以上の高齢者のおられる家庭も受けられるというようなことになっていますし、生業費に関しては、生業を営むための費用について、年齢や資金の使途に制限はない、それから過去の事故、いわゆる金融機関での事故ということですけど、それは問わないということになっているんですけれども、やはりチェックの段階でこういった過去に事故があるからという理由で外されるということもお聞きしております。  これについては、本当に周知ができているんでしょうか。 45 ◯源五郎丸地域福祉課長=個々の資金の貸し付け要件等につきましては、国が制度設計をいたしまして、県社会福祉協議会としてもそれを実施要綱等に定めて運用しているというところでございますので、十分認識はしているというふうに考えておりますが、生業資金だけではございませんけれども、基本的にはこの貸し付けをすることによって自立につながって、安定した生活がおくれるようにしていくというふうなことで、世帯の自立を目的としておりますので、貸し付け制度である以上は償還の見込みといったものはきちんと見ていく必要があるというふうに考えておりまして、そういった中で、結果として貸し付けに至らなかったというケースについても生じることはあるものというふうに思っております。  以上でございます。 46 ◯武藤委員=私はこの資金について、やはり個人の生活支援が目的ですので、生業を営むための費用についても、それから、個別の状況に応じて必要な額を貸すというその対応についても、よく相談を御本人と担当者がしていただきたいと。  そして、一時的な経費でこれを乗り切れば回っていくという見通しがあることについては、しっかりとこの制度を活用すると。それが倒産を防ぐことにもなるし、生活保護という方向に行かなくてもいいということですので。  具体的に一つ一つは言いませんけれども、そのことを十分踏まえた上で貸せる制度として活用していけるように皆さん方も担当の方たちと話し合って、県民生活を本当に大事にしていく意味では、そのことについてはきちんと対応していただけたらと思いますので、改めてその辺も決意をお願いしたいと思います。 47 ◯源五郎丸地域福祉課長=委員御指摘のとおり、この貸し付け制度がまさに必要とされている方がおられるということで設けられている制度でございますので、本当にこういった資金を必要とされている方なり、世帯に対し、こういった制度をきちんと周知をしていくこと、それから、必要な方に活用されていくこと、そういうことが必要だと思っておりますので、そういったものになるように、引き続き県社会福祉協議会とともに取り組んでまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。 48 ◯武藤委員=では、次に行きます。  核燃料サイクル交付金、いわゆるプルサーマル交付金についてです。  この核燃料サイクル交付金については、九州電力の玄海原発三号機のプルサーマル計画に対して、平成十八年三月に県が事業了解を行ったために国から総額六十億円の交付金を受け取ることになったものです。  平成二十二年度は、この交付金、幾らもらったんでしょうか。 49 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=平成二十二年度の交付金額についてお答えいたします。  平成二十二年度における交付金の決算額は、県事業分が九千五百五十五万一千円、玄海町事業分が一億円で、合計一億九千五百五十五万一千円となっております。 50 ◯武藤委員=この交付金は、受け入れ表明時に十億円、そして、導入後から五年間で五十億円、合計六十億円となるものですが、平成二十二年以前はどのぐらい交付されたのか、また、二十三年度は予定では幾らになっているのか、お聞きしたいと思います。 51 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=交付金額の実績等についてでございますが、交付金額の実績としましては、平成二十年度が七千百七万七千円、平成二十一年度が四億九千三百五十六万七千円、平成二十二年度が一億九千五百五十五万一千円となっておりまして、合計七億六千十九万五千円でございます。  また、平成二十三年度の交付金額ですけれども、交付予定額は十四億四千二百八万六千円でございます。  以上でございます。 52 ◯武藤委員=あと何年までこれが来ることになりますかね。 53 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=このサイクル交付金につきましては、最終的には平成二十六年度まで来るということになっております。 54 ◯武藤委員=その二十六年度までの分を合わせて六十億円になるんだということですか。  それでは、この交付金の根拠、つまり何のために国はこの交付金を出しているのか、それをお示しいただきたいと思います。 55 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=核燃料サイクル交付金につきましては、プルサーマルの実施受け入れ等を行った都道府県を対象に、原子力発電所の立地市町村や隣接市町村における公共用施設の整備など、住民の利便性向上のための事業や、地域の活性化を目的とした事業を推進し、当該地域の振興を図る観点から交付されるものでございます。 56 ◯武藤委員=では、公共施設をつくるということなどをおっしゃっています。地域振興も図るということもおっしゃっていますけども、それぞれ何に使ってもいいということではなくて、県も玄海町も唐津市も、それぞれどんな事業を計画し、実施していくのか、それについて明らかにしていただきたいと思います。 57 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=県と唐津市及び玄海町の実施事業でございますが、核燃料サイクル交付金の充当事業につきましては、地域振興計画をまず策定いたしまして、五つの事業を実施されているところでございます。  まず、県の事業といたしましては、虹の松原再生・保全及び眺望点としての鏡山の整備事業を実施しております。  具体的には、日本三大松原と言われて特別名勝でございます虹の松原の景観が広葉樹が入り込んで、いろいろ景観が変わっているというふうな問題がございまして、そういったものに対応するために広葉樹の伐採を行い、また、鏡山につきましては、展望台やトイレなどを整備して、観光資源としての価値を向上させるという観点から事業をしております。  次に、唐津市の事業といたしましては、水産業活性化支援事業を実施するというふうにされております。  具体的には、新しい水産資源の創出につながる養殖魚の研究開発、これはサバの完全養殖ですとかケンサキイカの資源の管理プロジェクト、こういったものが予定されております。  それから、水産資源の回復のための種苗放流の実施、クルマエビですとかカサゴ、ウニ、アワビ、こういったものの種苗を放流するという事業でございます。  それから、水産関係者の連携強化や情報発信の拠点としての水産会館の整備など、水産のまち唐津の魅力アップを図るものでございます。  次に、玄海町の事業といたしましては、九州大学と共同で漢方薬の甘草を初めとした薬用植物の栽培研究開発事業、それから燃料電池などの次世代エネルギーについて、実際に見て触れることにより理解を深めることができる次世代エネルギーパーク整備事業、それから現在整備が進められている西九州自動車道への最短距離にある北波多インターへのアクセス道路整備事業、この三つの事業を実施するというふうにされております。  以上でございます。 58 ◯武藤委員=県の虹の松原及び鏡山の整備事業については、今後も続くんですか、どれぐらい続くんですか。 59 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=虹の松原整備事業につきましては、一気になかなかできないものですから、全体で計画期間としましては、平成二十年度から三十四年度までの間で約十億円の事業費を投入するということに計画しております。  鏡山につきましては、平成二十一年度から二十五年度の間で約五億円の事業費で整備をしていくという予定でございます。 60 ◯武藤委員=では、唐津市の水産業活性化については、どうなっていくんですか、どれぐらいをめどにされるんですか。 61 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=唐津市の水産関係につきましても、それぞれの事業ごとに計画期間が異なっておりまして、まず、水産資源の創出事業、先ほど申し上げたサバの完全養殖とか、そういった関係の研究なんですけども、これは平成二十三年度から三十一年度までという計画でございます。  次に、玄海地区の水産資源の再生事業、種苗放流なんですけども、これは平成二十三年度から二十九年度まで、次に、水産会館の整備事業につきましては、平成二十三年度、二十四年度の二カ年で整備するという予定でございます。 62 ◯武藤委員=今、お聞きしていましたら、県が行う虹の松原にしても、鏡山の整備事業にしても、果たしてこの交付金で行うべき事業なんだろうか。普通に県の事業として、あるいは唐津市とか一緒になって取り組んでいく事業でよかったんではないかと思うんですね。  それから、唐津市の水産業活性化支援事業についても、これは唐津市と一緒になって県も取り組むような形での事業になっていっても不思議ではないし、何もこの核燃料サイクル交付金の交付事業に充てるべきなんだろうかと、そういう疑問を持つんですけれども、どうですか。 63 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=まず、核燃料サイクル交付金を活用した事業の考え方ですが、県の事業につきましては、考え方といたしましては、対象地区として、唐津市なり玄海町でやろうということをまず対象地区を考えて、さらに交付金があったからこそできる大型事業という観点、それから事業の姿とか効果が次世代まで明示できる事業、こういった観点で県の事業を決定したところでございます。  また、唐津市、それから玄海町もそうですけども、ここにつきましては、地域振興の観点から、それぞれの実情に応じて計画をつくられて実施されるということになっております。  ただ、その事業の中で協力していくべき部分、例えば、唐津市の水産養殖につきましても、県の玄海水産試験センター等ともいろんな情報交換とか、そういう連携をしながら取り組んでいくというふうに計画をされております。 64 ◯武藤委員=おっしゃっていても、なかなか核燃料サイクル交付金で行われる事業なんだろうか、本当に県がやろうと思ってやらなくちゃいけない事業だったんではないだろうかとも思うわけです。  もう一つの玄海町の場合ですね、薬用植物の研究と、玄海町の次世代エネルギーパーク事業というのがありますけれども、この薬用植物を危険な原発のすぐ隣に研究所をつくって、もしも何かあったときに、放射性物質が一番近いところにあるわけですよね。こんなところに果たして安心、安全をモットーとする薬用植物ができるんだろうか。福島事故で周辺の農産物は出荷制限をされているという状況にあるのに、こんな薬用植物が果たして玄海原発のすぐ隣につくられていく、この仕事そのものが一体何だろうかと。原発という危険な物から目をそらすような役割を果たしていくんじゃないだろうかというふうなことを思うんです。矛盾するんじゃないかなとも思うんですね。  皆さん方、それについては、本当に玄海町のあの原発のすぐ隣にこういった薬用植物研究所をつくって大丈夫なんだろうかと。いいんだと、保障を持つとおっしゃるんでしょうか。 65 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=薬草園の配置の場所につきましては、玄海町において決定された部分でございますけれども、玄海原発の周辺では放射能の監視はしておりまして、何も問題ないというふうな結果が出ております。  そういう中と申しますか、植物園の場所につきましては、玄海町の中でいろんな議論をされて決定されたものだというふうに理解しております。 66 ◯武藤委員=地域振興計画をつくる上で、皆さん方は何でこの薬用植物なんだという指摘とかされなかったんですか。 67 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=初めは、私も聞いた瞬間には、武藤委員がおっしゃったような印象といいますか、そういうのもあったんですけども、いろいろ話を聞いていくうちに、甘草という薬草はどこにでも生えているもんじゃなくて、中国の中で一部でしかなかなかとれないとか、非常に貴重な漢方薬だというふうに伺っております。  国内でもいろんな大きな企業とか、そういったところが開発に乗り出しているというふうな状況があるとも聞いておりまして、研究する価値というのは非常に高いんじゃないかというふうに理解しているところでございます。 68 ◯武藤委員=甘草そのものは、そういう価値があるものでしょう。しかし、わざわざ玄海原発の隣にこういう場所をつくるということ自体、おかしいんじゃないですか。 69 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=どこの場所につくるかということにつきましては、ちょっと私たちのほうからそういったお話といいますかね、そういうことは申し上げる立場ではなくて、玄海町の中で、やっぱり自分たちの地域振興のために、どこが一番いいのか、どういう形が一番いいのかというのは、いろいろ検討された結果だというふうに理解しております。 70 ◯武藤委員=今の御答弁は納得できませんが、まさしく玄海原発の危険性を覆い隠すための薬用研究所であり、イチジクの葉っぱにすぎないというふうに私は指摘いたします。  それから、もう一つの玄海町次世代エネルギーパーク、これはどんなものを何のために建設するのかお聞かせください。 71 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=次世代エネルギーパークでございますが、これは次世代を担う子供たちが次世代エネルギーを見て触れて、直接体験できる学習できる場でありますと同時に、環境に優しいエネルギーのまちとして玄海町のイメージアップを図るものというふうにされております。  また、既存の九州電力のエネルギーパークや薬用植物の栽培研究施設と一体化して整備することで集客力を高めるとともに、観光客の町内での滞在期間を長期化し、地域経済への波及効果を高めることを目的とされております。  以上でございます。 72 ◯武藤委員=次世代エネルギーパーク、どんなものをイメージしておられるんですか。
    73 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=エネルギーパークはいろんなゾーンに分かれておりまして、いろいろあるわけでございますけども、まずエントランスゾーンというところで、入り口のところでは、いろいろ学習と交流の拠点として入り口のところで──ちょっと振興計画の中に書いてあるのを読ませていただきますと、国道二〇四号に接するエリアをアピールエリアと位置づけ、太陽光発電や風力発電を備えたハイブリッド照明や斜面へ四季を彩る花々を植栽することにより施設の存在感を強調するというふうなゾーンをつくっておられます。  それから、ナチュラルゾーンということで、ここは家畜のふん尿や食品残渣を利用したバイオマスを利用する暮らしの知恵を学ぶ場として展開する。  こういった形で、太陽光発電、風力発電を備えたエネルギーですとかバイオマス、こういったことも含めて、学習、体験できる、そういった公園にするという計画でございます。 74 ◯武藤委員=今言われたように、次世代エネルギーというのは太陽光とか風力とかバイオマスとか、そういう発電を意味するということなんですよね。だから、次世代エネルギーパークという名前をつけているんでしょう。  では、次世代エネルギーということからいえば、九電はそのうちに玄海原発をやめて、次世代エネルギーのそういう発電所に変えていくということなんですか。 75 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=これは九州電力がどういうふうな展開を今後していくかということではございませんで、玄海町として、いろいろな交流ですとか観光ですとか産業振興とか、そういったものに資するために整備された計画だというふうに理解しております。 76 ◯武藤委員=九電がエネルギーの方向を変えていくんじゃなくて、単なる観光、交流。こんなエネルギーパークをつくって、そして交付金の中からどれぐらいの規模になるかまだわかりませんけれども、ただ観光のため、交流のためだけに、核燃料サイクル交付金を使うということなんですか。 77 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=観光のため、交流のためだけに使うのかと言われると、なかなか非常にお答えしづらい部分はありますけども、やはりこのサイクル交付金というのは、そういった同意をした都道府県を対象にして、地域の振興を図るという観点で交付されるものでございます。  そういった交付金の対象事業となりますこういった箱物もありますし、幾つか項目整備対象事業がありますけれども、そういう中で、玄海町のほうで選択をされて、計画をされたというふうに理解しております。 78 ◯武藤委員=この次世代エネルギーパークに大体幾らかけようと思っていらっしゃるんですか。今年度の決算では一億円ですけど、二十三年度はどのようになっていますか。それから、その後は、どのようになっていく予定ですか。 79 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=次世代エネルギーパークにつきましては、平成二十一年度から二十四年度までの整備計画になっております。全体で十四億一千二百八十万円の総事業費で、うちプルサーマル交付金を九億五千万円活用するという計画になっております。  平成二十三年度につきましては、八億五千万円の交付金を予算として計上しているところでございます。 80 ◯武藤委員=全体で十四億何がしとおっしゃいました。そして、プルサーマル交付金が九億五千万円とおっしゃいました。  じゃ、プルサーマル交付金の範囲を超えた部分については、どこが出すんですか。 81 ◯伊東猛彦委員長=答弁をしてください。 82 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=ちょっと時間下さい。済みません。──恐れ入ります。プルサーマル交付金以外につきましては、電源立地地域対策交付金を五千七百六十万円充当するという計画になっております。 83 ◯武藤委員=じゃ、ほとんど原発に関する費用で、この次世代エネルギーパークをつくっていくということなんですよね。皆さん方が地域振興計画をおつくりになっていますけど、土地取得費用、展示設備費を除き、国から交付される核燃料サイクル交付金を充当すると書いてあるんですが、その中で土地取得費用とか展示設備費というのはどこが持つんですか。 84 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=恐れ入ります。玄海町の一般財源だということでございます。 85 ◯武藤委員=じゃ、玄海町が一般財源でこれを持ち、あとは原発関連のお金で出すということですよね。(委員長、副委員長と交代)  これについて、今までのエネルギーパークは、どこが建設して、どこが管理をしているんでしょうか。 86 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=済みません、今の九電のところにあるものは、九州電力が整備しております。 87 ◯武藤委員=九州電力がつくったのが、今あるエネルギーパーク。次世代エネルギーパークは、ほぼ国が出す核燃料サイクル交付金でつくるということですよね。しかも、観光、交流を目的にするということで、九電が次世代のエネルギーを本気で考えているとは思えないような、それこそまやかしのテーマパークだと言わざるを得ません。  平成二十二年度の一億円と、それから二十三年度の八億五千万円で、これがエネルギーパークにかける核燃料サイクル交付金なんですけれども、この二十二年度の一億円の場合、そのほとんどが次年度に繰り越されて、そして二十三年度に電気工事やトータルメディアやその他一式の工事発注が、この前、十一月四日に玄海町の議会でも決まったわけですけれども、ほとんどその六割と言える仕事が岸本組に発注されるということになっているんですよね。本当に不思議だと思うのは、薬草植物研究所も岸本組に発注し、そして今度のエネルギーパークも多くの事業が岸本組に発注されるということなんです。  結局、町長も岸本組の大株主であるということは、もう御自分の口からメディアの取材に明らかにされているわけですけれども、原子力利益共同体として、本当に私はこの関係はおかしいなと思うんですよ。危険な原発、プルサーマルを呼び込んで、そして過去も電源交付金によるいろんな事業を展開されて、そして今もこの核燃料サイクル交付金によって、薬用植物研究所を初め、次世代エネルギーパークをつくること、それがお互いの利益を保障し合っていると、こういう関係になっているんじゃないかと思うんですよ。いわば危険な原発によってもたらされたお金をどこかの一部企業が使うという、こんな関係は私はあり得ないと思うんです。  皆さんたちはこの異常さをどう思われますか。異常と思わないんですか。 88 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=繰り返しになりますけども、この交付金とのは、あくまでもプルサーマルの実施受け入れを行った都道府県を対象にして交付されるもの、当該地域の振興を図る観点から交付されるものというふうに理解をしております。  以上でございます。 89 ◯武藤委員=質問に対する答えになっていませんよ。 90 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=武藤委員の御意見の危険な原発によってもたらされたお金云々といった部分について、私としては、この交付金というのは、先ほど申し上げたような地域の振興を図るという観点から交付されたものだというふうに理解しているということでございます。 91 ◯武藤委員=プルサーマルを導入するということは危険が伴うから、みんな受け入れたくないから国がこの核燃料サイクル交付金というお金を目の前にぶら下げて、イエスを言わせるわけでしょう。そのお金を地域振興に充てるという、地域住民をいわば黙らせるような形で使っていくということじゃないですか。危険でないなら、こんな交付金なんか来はしませんよ。 92 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=この交付金をもらうために同意したものではございませんで、同意したところに交付されるというものでございます。  このプルサーマルに関しましては、安全性の確保を大前提として、その上で、地元の意向ですとか周辺地域住民、それから県議会の御議論などを踏まえて総合的に判断した結果、事前了解を行ったというものでございまして、そういう観点での交付金だというふうに理解しております。 93 ◯武藤委員=この地域振興計画の中に、こんなふうに書いてあります。今ある九電の玄海エネルギーパークには年間二十万人の来訪者──この計画が書かれた当時なんでしょうけど、来訪者があるが、その八割強が玄海エネルギーパークを主目的に訪れて、町内のほかの地域に広がらないため、玄海町の次世代エネルギーパークでは町全体に交流人口をふやすと。そして、原発に対する理解や町民の納得を高めることにつながっていくんだということで書いてあるわけですけど、これもオブラートに包んだ表現だと思うんです。  やっぱり原発、プルサーマルによる交付金をもらって、そこで最大限住民を納得させるために、いろんな箱物をつくるというような仕掛けになってしまっている。しかも、その発注は一部の利益を得る者に与えられてしまうということになっていっているというのがこの実態じゃないですか。  私はこの核燃料サイクル交付金、プルサーマルすること自体、許せないと思っていますし、しかも、九電の仕込み発言などによって世論が捏造された上に導入されたプルサーマルですから、こんなことで六十億円という国民の税金が一部の箱物、一部の企業に発注されていくというようなことでは、絶対納得できないということを改めて申し上げておきたいと思います。そういう認識を皆さん方ももっと持つべきだと思います。  次に、教育委員会関係の質問に入ります。  高校生の就職支援についてです。  県民の生活が苦しくなっていることや地域経済が厳しい中で、新たに社会に巣立っていく人たちへの支援は一層心がけていかなければならないと思っています。  就職を希望する高校生の進路について、この時期、学校も教育委員会も一生懸命になっておられると思います。  平成二十二年度の三月末の就職内定状況と、さかのぼって、この間、どのようになっていたのかお聞かせいただきたいと思います。 94 ◯丹宗学校教育課長=就職の内定状況についてお答えをいたします。  平成二十三年三月の卒業生の就職内定率は九七・〇%でございました。この数値につきましては、平成二十二年三月の卒業生と比べまして、〇・五ポイント高くなっている数字でございます。  ちなみに、平成二十一年三月の卒業生の就職内定率は九六・四%、平成二十二年三月の卒業生の就職内定率は九六・五%でございました。  以上でございます。 95 ◯武藤委員=では、現時点ではどのようになっていますか。 96 ◯丹宗学校教育課長=今年度末の卒業生の直近の就職内定状況についてお答えをいたします。  今年度末の卒業生の十月末の就職内定率は七三・四%となっております。この数値は、昨年同期と比べまして五・九ポイント高い数値となっております。  以上でございます。 97 ◯武藤委員=内定率の状況がよくなってきているということがわかりますが、学校にとっては就職支援活動は本当にそれぞれ御苦労なさっていることと思います。  現在は経済対策で緊急雇用として就職支援員を配置しておられますけれども、平成二十二年の支援員の配置状況はどのようになっていますか。 98 ◯丹宗学校教育課長=就職支援員の配置状況についてお答えをいたします。  県教育委員会では、ふるさと雇用再生基金を活用いたしまして、企業等で人事、労務、求人等の豊かな経験を積んだ人材を就職支援員として二十三の県立高校に一名ずつ配置したところでございます。  配置校は、就職希望者が卒業予定者の一〇%を超える学校で、学校種ごとの内訳は、すべての専門高校十六校、総合学科四校及び普通科高校三校となっております。  以上でございます。 99 ◯武藤委員=就職支援員が配置されているところの内定率はどうでしょう。よくなっていますか。 100 ◯丹宗学校教育課長=就職支援員が配置されている配置校の内定率は九八・四%となっております。  以上でございます。 101 ◯武藤委員=いただいたデータを見せていただきますと、ほとんど一〇〇%のところもありますよね。それから、九九%とか、高い率になっていると思います。  この支援員の配置というのが本当に有効だということを実感できるわけですけれども、皆さん方はどのように評価しておられるのか。ちょっときょう、教育長さんはおられませんけど、どなたか──副教育長さん、御答弁いただけますか。 102 ◯志岐副教育長=県立高等学校における就職支援につきましては、従来、校長をトップとしまして、学校が組織を挙げて対応してきているわけですけれども、今回の雇用基金を使いました支援員の配置によりまして、その支援体制を強化するものとして、一定の成果を上げているものというふうに理解をいたしております。 103 ◯武藤委員=私も就職支援員さんがおられる学校の内定率が高いということから見て、就職希望者が多い学校に配置しておられるということもあるとは思いますけれども、本当に内定率がいいなということを感じます。  残念ながら、この緊急雇用制度は平成二十三年度末で切られるということになっております。これは大変残念なことだと思います。今後も何らかの形で就職支援員の配置というのが大事なんじゃないかと思うんですけども、副教育長さん、どうでしょう。 104 ◯志岐副教育長=委員御指摘のとおり、雇用基金を活用した事業につきましては、今年度で終了するというふうな状況になっております。  そういった中で、今御質問いただいておりますこの支援員の配置ですが、先ほど私から申し上げましたように、各学校での就職支援体制を組織的に強化するために配置をしてきたわけです。昨今、厳しい雇用情勢が続いておりますが、そういった中にあっても、この事業によりまして、県立高校の高校生につきましては、就職率が維持をし、また向上しているというふうな状況になっております。  来年度以降の対応につきましては、こうした成果も上げておりますので、できれば実施をしたいといった考えは持っております。ただ、雇用基金が活用できないということになりますと、当然のことながら一般財源を充てなければならないというふうなことになります。このため、来年度以降も一般財源を充ててでも、この支援員の配置を継続していくかどうかにつきましては、今年度、平成二十三年度までの取り組みの成果を一つは踏まえなければいけないと思っています。  二つ目に、これからの経済雇用情勢がどうなるかといったことも見きわめなければいけないと思っています。  さらには、限られた予算の中、教育委員会全体の事業を見渡した中で、どのように優先順位をつけるかと、こういった検討もしなければなりません。そういった上で、最終的な判断をしなければならないというふうに考えております。 105 ◯武藤委員=継続したいお気持ちは持っておられるということですけれども、先ほど言われた四つの点での検討ですね、やっぱり総合的にきちんとしていただいて、社会に巣立つ高校生のために、そういう教育支援、就職支援員を何かの形でぜひ検討していただきたいとお願いいたしますが、前向きな姿勢で臨んでいただきたいと思うんですが、どうでしょう。 106 ◯志岐副教育長=先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。成果を上げている事業でありますから、諸事情が許せば、また今後もさらに厳しい情勢が続くとすれば、できれば継続したいというふうに思っておりますけれども、何せ教育委員会予算につきましても非常に限られた中でやりくりをさせていただいています。そういった中で、優先順位をつけながら最終的に判断をさせていただきたいと思っております。  以上でございます。 107 ◯武藤委員=じゃ、ぜひ前向きによろしくお願いしておきます。  それから最後に、原子力・エネルギー教育についてです。  三月十一日に起きた東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故は、国民の意識を大きく変えました。これまでの安全神話が崩れて、大災害であれ、人的なその他の害であれ、原発事故が起こること、そして一たび原発事故が起きれば、放射性物質が出て、本当に住むこともできない。そして、農漁業の生産を初め、生業も立ち行かなくなること、時間的にも先々長いスパンで悪影響が出ることなど、日本じゅうが震撼となりました。原発について、立地県民である私たち佐賀県民も、そして国民の多くが改めて認識が変わってきているというふうになっていると思います。  それで、県の教育委員会では、毎年度、原子力・エネルギーに関する教育支援事業に取り組まれておりますが、平成二十二年度には事業費幾らになっているのか質問したいと思います。 108 ◯丹宗学校教育課長=お答えいたします。  事業費についてでございますが、平成二十二年度の佐賀県の総事業費につきましては四百二十三万四千円でございます。その内訳でございますが、小学校が三百十五万八千円、中学校が五十四万二千円、高等学校が五十三万四千円となっております。  以上でございます。 109 ◯武藤委員=この事業は、何のために行っておられるんでしょうか。 110 ◯丹宗学校教育課長=事業の目的についてお答えいたします。  原子力・エネルギーに関する教育支援事業は、国民一人一人が原子力を含めたエネルギーについて理解を深め、みずから考え、判断する力を身につけるための環境の整備を図る観点から、全国の都道府県が学習指導要領の趣旨に沿って、主体的に実施する原子力を含めたエネルギーに関する教育に係る取り組みを国として支援する制度でございます。  以上でございます。 111 ◯武藤委員=事業内容はどんなものになっていますか。 112 ◯丹宗学校教育課長=事業の内容についてお答えいたします。  小学校、中学校、高等学校が主体的に計画した原子力を含めたエネルギーに関する教育を行うため、教材、教具の購入、施設の見学、講演会の実施などについて支援を行う事業となっております。  以上でございます。 113 ◯武藤委員=先ほど小学校、中学校、高校の事業費をお答えいただきましたけれども、では、学校数は何校ぐらいあるんですか。 114 ◯丹宗学校教育課長=実施校数についてお答えいたします。  平成二十二年度は、小学校二十七校、中学校七校、高等学校三校の計三十七校が支援を受けているところでございます。  以上でございます。 115 ◯武藤委員=年度によって受ける学校は異なっていくんでしょうか、それとも同じところなんでしょうか。 116 ◯丹宗学校教育課長=この事業につきましては、それぞれの学校が授業について、それぞれの学校の教育活動に沿った形で実施するようなことで、それぞれの学校が企画、計画を立てるという状況でございまして、毎年決まった学校ということではございません。  以上でございます。 117 ◯武藤委員=この原子力・エネルギー教育というのは、いつごろからされているんですか。 118 ◯丹宗学校教育課長=この事業につきましては、平成十五年から始まっております。  以上でございます。 119 ◯武藤委員=唐津市は十九の小学校で行われ、三つの中学校で行われていますね。今お聞きしておりますと、玄海原発とエネルギーパークへの見学もされているかと思うんですけれども、それはどことどこでしょうか。 120 ◯丹宗学校教育課長=施設の見学先といたしましては、玄海エネルギーパーク、九州エネルギー館、天山揚水式発電所、そして佐賀大学海洋エネルギー研究センターが視察先となっております。 121 ◯武藤委員=今言った玄海原発とエネルギーパークの問題ですけれども、私は今、いろんな方たちが玄海原発やエネルギーパークに見学に行って、安全宣伝ばかりしているというお声をお聞きするわけです。私自身も行ったことがありますけれども、安全だ、安全だということをしきりに強調しておられる。  そういう中で、果たしてこの原子力・エネルギー教育というのが安全宣伝の場を利用するということでいいんだろうかと、果たしてこのままでいいんだろうかというふうに思うわけです。  三月十一日以降、原発事故の恐ろしさは今、だれもが知るところとなりました。これまでを検証し、見直しも必要なんじゃないかと思うんですけど、どうでしょう。
    122 ◯丹宗学校教育課長=エネルギーは、国民生活の安定向上並びに国民経済の維持及び発展に欠くことのできないものでございまして、エネルギーの利用は地域及び地球の環境に大きな影響を及ぼしていることから、今後もエネルギー全般について、広く学習することは大変重要であろうと考えているところでございます。  広くエネルギー全般や環境に関する学習を進めていく中で、どのような施設を見学するのが適当であるかにつきましては、各学校が考えていくことができるよう、情報提供等をしていきたいと考えているところでございます。 123 ◯武藤委員=エネルギーに対する学習、環境に対する学習、本当に大事なことですよね。一方的な安全宣伝を受けとめるというままでは、今はいけなくなっているんじゃないかと思うんです。そのことの認識を持っていただきたいということはお願いしておきます。  そして、エネルギーに関する副読本についてですけれども、今、小中学校にエネルギー読本が配布されているわけですが、いつ配布されたのかお答えいただきたいと思います。 124 ◯丹宗学校教育課長=エネルギーに関する副読本の配布についてお答えいたします。  平成二十二年三月に文部科学省と資源エネルギー庁が小学生用と中学生用のエネルギー副読本を作成し、全国の教育委員会及び各小中学校に対して一冊ずつ配布されたところでございます。  以上でございます。 125 ◯武藤委員=生徒に一冊ではなくて、学校に一冊ずつですか。 126 ◯丹宗学校教育課長=学校に一冊配布というところでございます。 127 ◯武藤委員=どこが、制作をしたというか、どこがつくった副読本なのか御存じですか。 128 ◯丹宗学校教育課長=この副読本につきましては、文部科学省並びに資源エネルギー庁が作成したというふうに聞いております。  以上でございます。 129 ◯武藤委員=奥付に文科省と資源エネルギー庁がつくったということではありますけれども、その委託を受けて、奥付に日本生産性本部ということが書かれているんですね。  この日本生産性本部というのはどういうところなのか、県教育委員会の方たち、御存じですか。──御存じないようですので、原対課の方がこれは詳しいと思うんですけど、原対課の方、お答えいただけませんか。 130 ◯土井副委員長=だれかわかりますか。答弁できますか。 131 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=恐れ入ります。私も経済産業省の関連というところぐらいしか承知しておりません。 132 ◯武藤委員=この日本生産性本部というのは、ことしの六月二十六日に国の県民説明番組がありました。保安院から委託されて請け負ったところです。それを佐賀の広告代理店が、また下請をして、番組放送したんですけれども、この間、いろいろやらせなどの事件もありましたけれども、全国的にもこういったところがかかわっているんですよ。各原発に対して、本当に安全神話を振りまいてきたところが、この日本生産性本部なんです。  ここに書いてありますね、小学生に向けて配っておられる「わくわく原子力ランド」というところでは、原発は五重の壁に囲まれているから絶対安全だと、安心だというような記述まであるんですね。  こういったところがね、もうこの五重の壁が吹き飛んでいるわけですから、はっきりしていると思うんですけれども、こういった安全神話を振りまくような副読本の配布については、私はこれはもう納得できないし、教育委員会の皆さん方も、こういう副読本は間違っているという認識を持ってもらわなくてはいけないと思うんです。  ちなみに日本生産性本部役員というのは、やはり先ほども言いましたけれども、原発利益共同体の関係者が多いんです。理事でいえば、元通産省の事務次官だとか、全国電力関連産業労連の会長さんだとか、評議員では東京電力の会長とか、幹事会幹部には中国電力の社長とか、北海道電力の副社長とか、九州電力の眞部社長もこのメンバーに名前を連ねているんですね。こういったところに作成させるような、あるいは委託してつくらせるような、そういう副読本では、本当に安全神話ばかりしか載らないと。もちろんほかのエネルギーの問題についても書いてはありますけれども、原発については、さっき言ったような五重の壁に囲まれているんだというようなことが大前提としてあるということでは、やはり私たち三・一一を経験した国民としては納得できません。  これについては、ぜひこの副読本を利用しないように国にも意見を言っていただきたいし、県教育委員会としても、そういう立場に立っていただくべきだと思いますが、どうでしょうか。 133 ◯丹宗学校教育課長=このエネルギー副読本の記述につきましては、東日本大震災の状況から判断して、見直すべき記載があるというふうに考えております。  現在、文部科学省が放射線に関する副読本というのを新たに作成したところでございまして、放射線についての正しい知識の指導は必要であろうと考えているところでございまして、これまでのエネルギー副読本にかえまして、放射線副読本、これを用いまして、子供たちに放射線に対する正しい知識の定着、指導を行いたいと考えているところでございます。  以上でございます。 134 ◯武藤委員=本当に安全神話は崩れていると、このことが大前提ですので、私たち原発に対する考え方も改めていかなければならないし、そして、そこに携わる方たちも、原発利益共同体をこのままにしていいのかという問題意識を持って当たっていただきたいというふうに思っておりますので、そのことを述べて、質問を終わりたいと思います。 135 ◯土井副委員長=暫時休憩します。午後は十三時をめどに委員会を再開します。     午前十一時四十九分 休憩     午後一時二分 開議 136 ◯土井副委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 137 ◯峰委員=自由民主党の峰達郎でございます。大きく十一項目上げさせていただいております。  この場をおかりいたしまして、質問の通告をいたすときに深夜十一時ぐらいまで職員の方におつき合いいただきました。本当に感謝申し上げます。その分、しっかり話し込ませていただいておりますので、質問内容に関しましては、ストレートで、直球勝負でさせていただきますので、ぜひ御答弁も明確な答弁を期待したいと思います。どうぞよろしくお願いします。  それでは、早速一番目の安心こども基金の活用について質問させていただきます。  平成二十年度の国の経済対策におきまして、県への積み立てが始まった、この安心こども基金を活用して、老朽化した保育所の改築や定員増のための増築が促進をされ、保育の場では大変喜ばれていると聞いております。この基金は、当初は平成二十二年度までとされておりましたが、地方からの要望を受け、平成二十三年度まで延長されたところでもございます。  また一方、佐賀県議会におきまして、撤回を求める意見書を提出いたしました子ども・子育て新システムは、平成二十五年度からの実施に向け、国で検討されていると聞いておりますが、仮に平成二十五年度から実施されるとなった場合、保育所整備に対する支援制度は一年間の空白が生じることになると考えるところでございます。  また、新システム移行後の保育所整備の財源も明らかになっていない現状におきましては、保育所は建てかえ等の計画が立てられないで困惑されていると聞いています。  また、仮に今年度限りとしましても、この安心こども基金の設置目的に照らして、その活用対象を広げて有効活用を図るべきと考えておるところでございます。  そこで、次の点についてお伺いをいたします。  まず一点目、平成二十二年度の保育所整備の実績はどのようになっているのか、お尋ねします。 138 ◯緒方こども未来課長=平成二十二年度の保育所整備の実績につきましてお答えをいたします。  安心こども基金を活用いたしました保育所等の整備につきましては、七カ所の新設のほかに老朽改築や増築など、合計で十三施設を整備したところでございます。  また、これらの整備によりまして、認定こども園を含みます保育所の定員は百十五名増加したところでございます。  以上でございます。 139 ◯峰委員=この二十四年度以降の基金の延長についてでございますが、私はこの安心こども基金は平成二十四年度以降もぜひ延長していただきたいと思っているところでございますが、県はどのようにお考えなのか、質問いたします。 140 ◯緒方こども未来課長=平成二十四年度以降の基金の延長についてお答えをいたします。  安心こども基金の保育所整備部分は、平成二十三年度までとされておりまして、平成二十四年度以降の支援の形が明らかにされていないことから、市町や事業者から今後の施設整備についての資金計画などの見通しが立てられないと、そういった声が寄せられているところでございます。このため、県といたしましては、国に対してことし五月の政策提案におきまして、安心こども基金の期間延長と、仮に延長されない場合には平成二十四年度以降の保育環境整備のための支援策を早急に明らかにすることを提案したところであります。  また、七月の九州各県児童福祉主管部長会議からの国への要望においても、同様の要望を行ってきたところでございます。  なお、厚生労働省の平成二十四年度概算要求では、保育所の施設整備などを行う安心こども基金につきましては、期限延長等について検討するというふうな記載がされているところでございまして、今後の国の動きを注視していくとともに、機会をとらえて引き続き要望を行ってまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 141 ◯峰委員=以前は、これは引当金会計制度のときには、なかなか建築のための引当金のつくりができなかったと。それが会計が変わりまして、やっと今は建築費を積み立てるような会計に変わっておりますが、ただ、地域におきましては、どうしてもそういった保育所、あるいは幼稚園が建てかえ、要するに子供たちに新しい環境ですくすくと育っていただきたいという願いがあられるわけでございますが、ぜひこういった基金を有効に活用していただいて、また地域の子供たちの保育に対する一助となりますよう、今後とも御努力をお願いしたいと思っております。  それと、この基金を活用した認可外保育所の施設の助成について質問いたしますが、安心こども基金の条例によりますと、その設置目的は、「保育所の計画的な整備等を実施するとともに、認定こども園等の新たな保育需要に対応すること等により、県民が子供を安心して育てることができる体制の整備を行うため」となっておりますが、県内におけます多様な保育需要の受け皿としての一定の役割を果たしているというふうに考えておるところでございまして、いわゆる認可外保育施設に対しての補助を行うことは基金の設置目的に合致しており、補助を行うべきと考えるところでございますが、そこのところに対する所見をお伺いします。 142 ◯緒方こども未来課長=基金を活用した認可外保育施設への助成についてお答えをいたします。  安心こども基金は、国の経済対策といたしまして、平成二十年度から平成二十二年度にかけまして、都道府県に配分をされた国費を原資に積み立てたもので、その使い道、使途につきましては、国が定める「安心こども基金管理運営要領」により、細かく規定をされておりまして、委員御指摘の認可外保育施設への補助は運用の対象外となっているところでございます。  ただし、幼稚園型認定こども園については、認定こども園設置促進事業といたしまして、幼稚園型認定こども園の認可外保育施設部分の運営費が補助対象とされております。このため、県としても平成二十一年度から補助を開始いたしまして、平成二十二年度は四千二百二十八万円の補助を実施したところでございます。  以上でございます。 143 ◯峰委員=認可外保育所に保護者の都合上預けるしかないという家庭もあるわけでございまして、幼稚園であろうが、保育園であろうが、同じ佐賀っ子でありますので、佐賀っ子の健やかなる成長のためにも今後ともいろんな情報を提供されて、そして御指導されて、施設側の方たちとよい方向で導いていただければと思うところでございます。  そして、次に入ります。  今度は私立学校の運営助成事業につきましてでございますが、県では私立学校の教育条件の維持向上と、そこに在学される生徒や保護者の経済的負担の軽減などを目的に私立学校助成運営事業に取り組まれておるところでございます。  今や、私立高校では学力向上ばかりではなく、スポーツや文化の振興に力を入れるなど特色ある教育を行われ、生徒が学校を選ぶ時代になっているというふうに認識しております。  しかし、私立高校に通われる生徒につきましては、授業料などでどうしても県立高校等の間に格差があるわけでございまして、私立中学高等学校協会等からも格差是正のための要望が毎年県に対して行われているところでございます。  保護者の経済的負担を軽減していくためにも、私立高校に対する運営費助成は今後とも充実を図っていくべきであると考えるところで、次の点に質問いたします。  一点目ですが、私立学校運営費助成の配分方法についてまずお尋ねしますが、各私立高校に配分をされております運営費助成額の算定方法はどのようになっているのか、尋ねます。 144 ◯緒方こども未来課長=私立学校運営費助成の配分方法につきましてお答えをいたします。  各私立高校に配分をいたします運営費助成額の算定方法は、佐賀県私立中学校・高等学校運営費補助金交付要綱に基づきまして、人件費や光熱水費などの学校教育に必要な経常的経費や在校生徒数及び教員の派遣研修やきめ細かな学習指導の状況、これらのことを考慮いたしまして、これらを各学校ごとに算定をして配分をいたしているところでございます。  以上でございます。 145 ◯峰委員=県内出身の生徒が多い私立学校への補助金の傾斜配分について質問いたしますけど、まず一点、県外出身者の在校率についてでございます。  一部の私立高校では、県外出身の入学者がかなり多い高校もあるというふうに聞いております。その私立学校における県内と県外の生徒の割合はどのようになっているのか、お尋ねします。 146 ◯緒方こども未来課長=県外出身者の在校率についてお答えをいたします。  平成二十三年四月の入学者で見ますと、県内の中学校卒業者が約八割、県外の中学校卒業者が約二割というふうになっているところでございます。  以上でございます。 147 ◯峰委員=補助金の傾斜配分についてでございますが、県外出身の生徒の多い高校を県内生徒の多い学校と同じ程度で支援するのではなくて、県内生徒の多い私立高校に多く傾斜配分するような方法をとれないものかと思うところでございますが、いかがでしょうか。 148 ◯緒方こども未来課長=補助金の傾斜配分についてお答えをいたします。  現在の配分方法につきましては、学校独自の取り組みを促進し、魅力ある私立学校づくりを推進するとともに、学校が長期的な経営計画を策定できますように平成十九年度に配分方法を見直したものでございます。  県外生徒の多い私立高校に多く配分することにつきましては、県外からの入学者の多い学校も、県立高校や他の私立高校と切磋琢磨をして県内の教育力を向上させている面があることや、佐賀県の高校で学んだ生徒が卒業後、全国で活躍することになることなどから、県としては県内生徒の多い少ないにかかわらず、魅力ある私立学校づくりを支援することによりまして、県内私立学校の振興を図ってまいりたいと、そういうふうな考えを持っておるところでございます。  以上でございます。 149 ◯峰委員=県立高校の場合、授業料は無償化にされておりまして、私立高校におきましても、就学支援金で保護者の経済的負担は軽減をされているところではございますが、先ほど話しましたように、まだ負担の格差は大きいというふうな認識をしております。  また、少子化の進展によりまして生徒数も減っている中で、私立高校は生徒を確保するために、それぞれに魅力づくりに努力をされてきておるわけでございます。言いかえますと、言葉は悪うございますが、昔は県立高校の滑りどめといいますか、私立高校を受験しておりました。でも、今は最初から私立高校のほうを第一希望ということで、結構そういった学生さんも多いことでございまして、そういったふうな特色のある私立高校になっているわけでございまして、その中でも県内の子が県外の子に受験で負けてしまいますと、大変残念な結果になっておるところもございます。そういったことを含めて、先ほど言いました傾斜配分等々ができないのかというようなことでございましたが、十九年に見直しをしたということでございますので、また今後ともそういった問題を検討いただきたいというのと、県は保護者の経済的負担の軽減を図るために私立学校の魅力づくりをまた後押しするためにも、私立高校の運営費助成のやっぱり充実を図っていくべきだと考えるところでございますが、そのことに関してはどのようにお考えでしょうか。 150 ◯緒方こども未来課長=運営費助成の充実につきましてお答えをいたします。  私立高校は、公教育の一翼を担っておりまして、本県学校教育の振興に大きな役割を果たしているところでございますが、長期的に生徒数が減少をしておりまして、学校運営上、厳しいものがございます。  また、県立高校に比べまして、保護者の経済的負担が大きいという状況にもございます。  そこで、県におきましては、これまで私立高校の保護者負担の軽減や教育環境の向上等を図るために運営費助成を初め、スクールカウンセラー配置事業への助成など、私学助成の充実に努めてきたところでございます。  今後とも、厳しい財政状況の中ではございますが、私立学校の振興のために運営費助成の充実に努めてまいりたいと、そのように考えているところでございます。  以上でございます。 151 ◯峰委員=現在の公費負担率が、たしか四五・九%ということで、一応皆さんの目標は達成されておる状況でございますが、先ほど申しましたことも踏まえて、今後、もうちょっと負担率を上げていただきたいということをお願いして、次の質問に入りたいと思います。  次は、介護職員の処遇改善等臨時特例基金事業につきましてお尋ねをいたします。  県の監査委員から出されております今回の平成二十二年度佐賀県歳入歳出決算等審査意見書によりますと、当該年度の一般会計歳出決算額につきましては、緊急総合対策にかかわる各種基金への積立金が減少したことによりまして、民生費におきましては、支出済額が前年よりも約四十五億円減少しております。  この理由の一つはということで、介護職員の処遇改善等臨時特例基金などの各種基金への積立金が約六十一億円も減少したためであると聞いております。  特に、この基金を用いて平成二十一年十月から始まった介護職員処遇改善交付金事業によりまして、県では介護職員の給与面での処遇改善を図っているとは伺っておりますが、平成二十三年度までの時限措置であることから、このような処遇改善策は一時的なもので終わってしまうのではないかという懸念があるところでもございます。  介護事業所に従事されている職員の方々は若い人たちが大変多く、また、本人の方たちのお言葉をいただくと、高齢者のお世話をしたいという気持ちで希望を持ってこの職についておられ、そして、やりがいを持って仕事にも励んでおられる。  一方、その処遇については、他の産業と比較しても低賃金であり、結婚しても共働きでしか生活していけないと。また、子育ても満足にできないとの声が私にも直接寄せられており、将来に希望が持てずに離職されている人もいらっしゃると聞いているところでございます。  また、介護保険制度は平成十二年度に始まり、現在十二年目を迎えておりますが、その規模は年々拡大をしているようでございます。介護給付に要した費用について見ても、国ベースでは平成十二年度には三・六兆円だったものが平成二十二年度には七・九兆円となっておりますが、これを県ベースに置きかえますと、平成十二年度で三百七十五億円だったものが、平成二十二年度には七百九十一億円と約二倍以上に膨らんでいるわけでございます。  さらに今後、高齢化社会が急速に進展をし、それに伴い、介護職員の確保が必要とされることが予想される中、介護業務をきちんと評価し、正当な報酬が得られるような安定した魅力ある環境を整備し、次世代を担う若者が夢と誇りを持たれて介護職につけれるようにすることが重要だと考えており、介護保険制度を安定的に運営するためにも、当該事業終了後も引き続き何らかの対応が必要であると思うところでございます。  そこで、次の問題について質問いたしますが、まず一点目は、介護職員の処遇改善等の臨時特例基金の積立金及び介護職員処遇改善交付金事業についてでございますが、それぞれにつきまして、平成二十一年度と平成二十二年度の状況はどのようになっているのか、お尋ねをします。 152 ◯山田長寿社会課長=介護職員処遇改善等臨時特例基金への積立金及び介護職員処遇改善対策事業についてお答えいたします。  まず、本基金の積立金について決算額は、平成二十一年度三十四億七百二十二万円、平成二十二年度は二千八十一万八千円となっております。これは、平成二十一年度から平成二十三年度の三年間にかかる交付金事業の原資が国から県へ一括して二十一年度に交付されたものでありまして、これを基金として積み立てたものでございます。  なお、平成二十二年度の決算額は、平成二十一年度交付金の未使用分の返還金及び基金に係る利子を基金に積み増したものでございます。  次に、介護職員処遇改善対策事業の事業費について、決算額では、平成二十一年度三億七千三百二十一万二千円、平成二十二年度は十一億四千六百十一万二千円となっております。これらを事業所に対して交付金として交付したものでございます。  なお、二十一年度は事業期間が四カ月と二十二年度の三分の一の期間でございまして、交付金額においても同様に約三分の一程度となっております。  以上でございます。
    153 ◯峰委員=それで、介護職員の処遇の改善の状況についてでございますが、介護職員処遇改善交付金事業によりまして、介護職員の処遇はどのように改善されたのか、お尋ねします。 154 ◯山田長寿社会課長=介護職員の処遇改善の状況についてお答えいたします。  当該事業におけます処遇改善の状況については、二十二年度実績で平均月額約一万三千円程度の賃金アップ、そして、必要な能力、資格、経験等に応じた任用、そしてポスト等に応じた賃金体系を定めるといったキャリア向上に向けた取り組みなど、職場環境の整備といった介護職員の処遇改善に寄与しているところでございます。  特に、キャリア向上に向けた取り組みとしまして、資格、能力等に応じた任用、賃金体系を制定するとした事業所が約五〇%、また、資質向上研修を実施するとした事業所が残りの五〇%となっております。  さらに、職場環境の整備につきましては、ミーティング等の職場内コミュニケーションの円滑化や職員の健康診断を年一回から二回にふやすなどの職場環境の改善、それから、資格取得のために研修受講料を負担するなど資質向上の措置を実施、また、職員増員による業務負担の軽減、非正規職員から正職員の転換などの取り組みも事業所において進められているところでございます。  以上です。 155 ◯峰委員=やはり、先ほど冒頭に言いましたように、大変若い人たちが希望を持って働けるように、そういった改善が進まなければならないと思っておりますが、介護職員の処遇改善交付金事業終了後、要するにこの事業はたしか経済対策で一時的なものというふうに聞いておりますので、今後とも処遇改善が私は必要であると思うところでございますが、県は今後、当該事業が終了した後の処遇改善についてはどのようにお考えなのか、お尋ねします。 156 ◯山田長寿社会課長=介護職員処遇改善交付金事業終了後の対応についてお答えいたします。  県としましては、介護に携わる人たちが誇りと自信を持って仕事ができ、また、将来の希望を持ち、安心して暮らせるよう、その処遇改善を図ることは喫緊の課題であると認識しているところでございます。  また、今回の事業の実施により、各事業所において知識や経験、技術などが正当に評価される賃金体制の構築、賃金改善以外での処遇改善など職場環境の改善が進み、介護職員の処遇はもとより、介護職員の質の向上、さらには介護の質の向上に向けた素地が、ある程度でき上がったものとも考えております。  つきましては、今後とも事業所に対して、引き続き処遇改善に向けての働きかけを行うとともに、現在、県が実施しております小規模事業所職員の研修受講を支援する事業、また、働きながら介護福祉士の資格を取得する事業など、介護職員の資質向上に資する事業により、キャリアを身につけた職員が正当な評価を受け、待遇改善につながり、ひいては介護の質の向上につながっていくような支援を行っていきたいと考えております。  なお、国に対しましては、当該事業では対象職種が限定されていることや、制度終了後の取り扱いが不明であることから、交付金の対象を限定とせず、福祉介護サービスに携わる職員全員の処遇改善を図ること、また、次期介護報酬改定では人件費の引き上げを基本方針の中で評価することを提案、要望してきているところでございます。  現在、国の社会保障審議会介護給付費分科会において、次期報酬改定の議論がなされており、その結果については、これから注視してまいりたいと思っております。  以上でございます。 157 ◯峰委員=せっかくのことでございますので、ぜひこれはどんどんどんどん今からふえていくというか、ニーズが多くなる事業でございますので、そこで働いている方が最初の志と全然違うような状況でどんどんやめていかれるのも貴重な損失につながりますんで、ぜひそういった改善等々をされた場合の、例えば、アンケート調査するなどして今後努力をお願いしたいというふうに思っているところでございます。  次は、子宮頸がんワクチン接種事業費補助について質問いたします。  子宮頸がんは全国で約八千五百人が発症され、約二千五百人が死亡されている女性特有のがんでございまして、特に二十代や三十代の若年層で増加傾向にあると聞いております。また、子宮頸がんはHPVですね、ヒトパピローマウイルスの持続的感染が原因とされており、ワクチン接種により約六五%が予防できるということも報告されております。  このため県でも子宮頸がん等ワクチン接種促進基金を設置され、この子宮頸がん等ワクチン接種事業費補助として、平成二十二年十一月から平成二十三年度末までを期限として、市町が行うワクチン接種の補助が行われているところでございます。このことで以下の点に質問いたしますが、まず一点目は、この二十二年度の子宮頸がん等ワクチン接種事業におけるワクチン接種の実績はどのようになっているのかお尋ねします。 158 ◯古川健康福祉本部副本部長=平成二十二年度のワクチン接種実績につきましてお答え申し上げます。  平成二十二年度の子宮頸がん等ワクチン接種事業につきましては、平成二十二年十一月二十六日に国の補正予算が成立しまして、平成二十三年一月末までには佐賀市を除きますすべての市町で事業を開始したところでございます。  その実績でございますけども、子宮頸がん予防ワクチンに関しましては、被接種者数が四千四百六十二人、延べ接種回数で言いますと、七千三百三十回、ヒブワクチンに関しましては、被接種者数が七千二百七十五人、延べ接種回数で言いますと、八千六十五回、また、小児用肺炎球菌ワクチンに関しましては、被接種者数が七千八百五十三人、延べ接種回数で八千六百三十二回でございます。  以上でございます。 159 ◯峰委員=今度の平成二十二年度の決算におきましては、約二億円以上の不用額が出ている報告をいただいております。この理由につきまして報告をいただきたいと思います。 160 ◯古川健康福祉本部副本部長=平成二十二年度の不用額についてお答えいたします。  県の補助金につきましては、各市町の補正予算編成状況を調査しまして、その結果をもとに基金から一般会計へ繰り入れて予算化を行っております。  子宮頸がん予防ワクチンにつきましては、御存じのように、平成二十三年三月初旬から供給不足になりまして、その間に接種を控えた期間が生じたことがございます。  それと、ヒブワクチンと、それから小児用肺炎球菌ワクチンにつきましては、委員御存じのように、同時接種による死亡事故疑いが七件発生しましたので、平成二十三年三月の約一カ月間は接種がほとんどできなかったという状況がございます。  このようなことから市町の補助金申請額の予算額、これは三億二千七百十二万六千円でございますけども、これを大幅に下回りまして、二億百五十二万六千円の不用額が生じたところでございます。  以上でございます。 161 ◯峰委員=たしか今は中一から高一だったですよね。ただ、四万五千円ぐらいかかるということで、大変純粋に受けられると、負担がかかるわけでございまして、ただ、せんだって文教厚生常任委員会で名古屋だったですかね、がんセンターに視察に行きました。そのときの先生の話を聞きますと、もう今後、この子宮頸がんで亡くなるという方はね、このワクチンを打てば、それプラス検診をやれば、もう一〇〇%乗り越えれるんですよという言い方もございました。  ですから、やはり若い女性の方に接種を勧めることが大事かと思いますし、また、よく若くして亡くなられている女性の方というんですか、さっき冒頭言いましたように、二十代とか、三十代の方も大変多いわけでございまして、そういったときに大変お子さんも小さくして亡くなられることもありますんで、このようにはっきりとした対策が打てるワクチンでもございますんで、ぜひそういったところは県でも対応をいただきたいと僕は思っておるところでございますが、こういうふうに若い女性の中で急増していることを考えますと、もうちょっと前、二十歳前ぐらいの対象者をもっともっと広げていく必要性があると思うんですけど、そこのところを県はどう考えていらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。 162 ◯古川健康福祉本部副本部長=ワクチン接種の対象外の方への対応についてお答え申し上げます。  この子宮頸がん予防ワクチンの接種対象者につきましては、国におきまして子宮頸がんの原因のHPVですね、これは主に性交渉で感染しますことから、初回性交渉前に接種するということが推奨されております。また、このワクチンの予防効果がどれぐらい持続するのかということがまだはっきりわかっておりません。そのようなことも含めまして、ワクチンの専門家の総合的な議論を踏まえて、国としては十三歳相当、中学一年生ですね、それから、十六歳相当、高校一年生までの女子が現在のところ一番対象としていいだろうということで、この事業をやっております。  また、御指摘のとおり、高校生でありますと、性行動が非常に高まりますので、性交渉の率が非常に高くなってまいりますけども、既にHPVに感染しておりますと、このワクチンでは持続感染をとめることはできないですね。排除することができないんですけども、そういうことを考えますと、効果というのは年をとるほど減少してくるということで、できるだけ若い年齢で接種するということが原則だと我々は考えております。  委員も言われましたように、このワクチンだけでは六割から七割しか予防できませんので、大事なことはこのワクチンを打って、さらに定期的ながん検診を受けると、しかも、二十歳以上は二年に一回必ず受けてくださいということが非常に大事なことだと思っています。  また、がん検診を定期的に受けるということと、また、例えば、子宮がん検診、この予防ワクチンを接種しなかったとしても、二十歳以降で二年に一回ですけど、検診を受けて細胞診をします。そうすると、非常に初期の、いわゆる前がん状態といいますか、それでも十分見つかります。そういう意味で、二十歳以降の人はきちっと検診を受けていただくということで十分予防ができると我々は考えております。  ただ、県としては、この子宮頸がんの予防については、先ほど言いましたように、若い人にはワクチンを接種することが、まず最も大事ですけども、それと同時に、がん検診、子宮がん検診をきちっと受けてくださいということで、その両輪でやっていこうと思っていますので、今後その方面で努力をしていきたいと思っています。  以上です。 163 ◯峰委員=確かに若い方でございますんで、本人の判断もですが、保護者の理解もやはり要ることだと思っております。その中で啓発といいますか、やはり、こういった効果があるんだということを今後ぜひ努力をしていただきたいということをお願いしておきたいのと、国がやるのを待つよりも、余談になりますけど、不妊治療も県独自でなされた経緯もございますんで、やはりそういったところ等踏まえて、やはり佐賀県なりの独自の取り組みも今後期待をしておきます。  そして、次に行きますが、次はドクターヘリの共同運航事業につきましてでございますが、佐賀県では県独自のドクターヘリはまだ導入されておりませんが、平成十五年の九月から福岡県、そしてまた、平成二十一年の十月からは長崎県との共同運航も行われておるようでございます。また、その出動回数を見ますと、佐賀県からの出動回数は平成二十二年度で八十七件の報告があり、平成二十一年度の約二倍となっております。このようなことから今後要請をされたときに、もし、その要請が重複してドクターヘリが出動できなかったという事例が出てくるのではないかと心配をしているところでございます。  確かに県単独でやりますと、費用はかかるとは思いますが、やはり人命にかかわることでありますので、いつまでも他県との共用ということでいいのかという疑問もあることから、佐賀県独自のドクターヘリ導入を考えていかなければならない時期に来ているのではないかと思っております。  また、同僚議員も本会議場でもこういった質問をしておりますし、ぜひそのようなことを踏まえて、また、私ども離島を抱えておりまして、その離島の診療所におきましては、勤務している若手医師がスキルアップのために研修等で島を不在にされる日もあり、そのこと自体は理解はできることでありますが、やはり島民にとっては医師不在のときに特に急病時の対応に不安を感じられているのも事実でございます。そういった声もあるわけでございます。  ですから、ちょっと次のことで質問いたしますが、今年度、二十三年度のドクターヘリの出動要請の回数はどのようになっているのか、お尋ねします。 164 ◯山口健康福祉本部副本部長=今年度のドクターヘリの出動件数でございますが、四月から十月末までで八十八回でございます。 165 ◯峰委員=ということは、先ほど申しましたように、二十二年度が八十七件でございまして、もう超えておるわけでございますね。ということは、ことしは必ずこれがふえていくわけでございます。ですから、そういったことを踏まえて質問しておるわけでございます。  そしてまたもう一個、このドクターヘリ出動要請でございますが、重複キャンセルについてでございますけど、この出動要請の回数の増加によりまして、要請が重複したために出動できなかったという事例が県内でもあっているのではなかろうかと思っておりますが、そこはいかがでしょうか。 166 ◯山口健康福祉本部副本部長=ドクターヘリの出動要請の重複キャンセルについてお答えをいたします。  先ほど来、委員御指摘のように、佐賀県におきましては福岡県のドクターヘリ、それから、長崎県のドクターヘリ、これらの二台での共同運航を行って、県内を二重にカバーしているという状況にございます。一応二十三年度十月末まででございますが、佐賀県内の消防本部から福岡県のドクターヘリに出動要請を行ったところ、現在、出動中のため対応できないという重複キャンセル事案が三回発生しております。ただし、その三回すべてにつきまして長崎県のドクターヘリに出動要請をしまして、対応していただいているところでございます。  また、逆に長崎県のドクターヘリが出動中のため福岡県のドクターヘリが出動要請をした事案は、それも四回ございます。四回とも、福岡県のドクターヘリが対応していただいていることでございます。二十三年度におきましては県内でキャンセルで出動できなかったという事案は起きてございません。 167 ◯峰委員=何とかカバーはできたということでございますが、福岡に要請したときは三件、あるいは長崎にしたとき四件があるということでございますんで、やはり人の命の問題でございます。ですから、やはり今後、次の三番目の質問に入るわけでございますが、やはりドクターヘリの単独導入を考えていただきたいなと思うところでございますが、この出動要請の回数の増加、あるいは先ほど言いました離島医療の確保という観点からも、このドクターヘリの単独導入の必要性が増しているというふうに私は考えるところでございますが、県はどのようにお考えでしょうか。 168 ◯山口健康福祉本部副本部長=ドクターヘリの単独導入についてお答え申し上げます。  先ほど来、お答え申し上げていますように、本県では現在、福岡県、長崎県との共同運航によりまして、県内を二重でカバーしてきたところでございますが、先ほど来、お話があっていますように、今年度に入りまして出動件数の非常に大幅な増加、それから、離島医療の確保を踏まえ、さらにはやはり東日本大震災のような広域災害を踏まえ、救急搬送だけではなく、広域的な医療支援を含めた災害発生時の対応など、県といたしましてもドクターヘリのみならず、防災ヘリもあわせてでございますが、新たな課題を検討する必要があるというふうに認識しているところでございます。  県といたしましては、今後、基本的にはこれまでの共同運航を維持しながらも、救急搬送の検証を進めるともに、災害時の対応を含め、本県にとりまして、どのような形態がより効果的なものとなるかにつきまして、福岡県、長崎県だけではなくて、ドクターヘリ、防災ヘリの先行導入県との情報交換、それから、現地視察なども行いながら、防災ヘリ、ドクターヘリの導入につきまして、健康福祉本部内だけではなく、県庁内の関係課で検証及び検討を進めているところでございます。  以上でございます。 169 ◯峰委員=先ほどちょっと防災ヘリも持たれていませんし、このドクターヘリも県単独では持たれておりませんので、やはりそれを含めて考えたときに、今後、この問題は隣から借りればいいだろうというような問題とはまた違うと思っておりますんで、県民に対する責任という形でもお願いしたいのと、やはり長崎も島をいっぱいお持ちでございます。佐賀も七つの島があるわけでございまして、そこまで含めて考えたときに、やはりこの問題、しっかりと今後検討いただきたいと思いますし、検討といいますか、導入を考えていただきたいということを強く要望して、次の質問に入りたいと思います。  次は、県立病院好生館新病院、及びせんだって皆さんとともに視察をいたしました九州国際重粒子線がん治療センターの建設工事について質問いたします。  県立病院好生館は、医療を取り巻く厳しい環境の中、県民に対し安心で良質な医療を将来にわたって担っていくことができるような体制を整備するために、平成二十二年四月から地方独立行政法人として新しい一歩を踏み出したところでございます。  その運営状況を見ますと、独法化一年目の昨年度決算は黒字を計上され、また、新病院の工事も着々と進んできており、県民は病院の将来に期待を寄せているところでもございます。  また、九州ハイマットは、九州新幹線の新鳥栖駅前で平成二十五年の春の開設を目指して進められておりますが、建屋につきましては、この九州重粒子線施設管理株式会社が発注者となられ、本年二月に建設工事に着工されるなど、開設に向けた準備が着実に進んでいるという印象を受けております。  しかしながら、その一方で、課題も出てきているのではないかと感じているところでございます。例えば、県直営の事業であれ、この大きな工事の発注については、単に事業実施といった面だけではなく、県内業者の健全な育成や県内経済の振興といった視点も考えられると思うところでございます。  しかし、この県立病院好生館並びにこのハイマットは、いずれも発注者が県以外の主体による建設工事となっていることから、現状としまして意欲ある県内業者がなかなか工事に参加できなくなっているのではないかと感じているところでございます。  そこで、次の点についてお尋ねをします。  まず一点目、工事の進捗状況についてでございますが、まず、好生館の新病院の建築工事について、工事の進捗状況はどのようになっているのか、お尋ねします。 170 ◯山口健康福祉本部副本部長=建築工事の進捗状況についてお答えを申し上げます。  工事の発注状況につきましてでございますが、病院棟の工事の起工式が昨年十月に行われまして、現在、病院棟の建設工事に着手されているほか、そのほか研修・宿舎棟につきましては、今年度中の発注が予定されております。また、保育所棟につきましては平成二十四年度中に発注される予定となっております。  進捗状況でございますが、今年の二月に基礎ぐい工事が、それから、五月に基礎の躯体工事が完了し、新病院の特徴であります免震装置が設置されたところでございます。現在、病院棟本体は鉄骨建て方工事がおおむね終了し、一階の鉄筋コンクリート工事に係る鉄筋型枠工事の施工中でございます。また、病院棟の工事とあわせまして、病院棟の電気や熱などを効率的に管理し、エネルギーの供給を行いますエネルギーセンター棟の躯体工事も行われているところでございます。  進捗状況でございますが、現段階では東日本大震災の影響による資材の納入等のおくれなどもなく、工事は計画どおりに進捗しておりまして、十月末現在での進捗率は三三・二%であると聞いております。  以上でございます。 171 ◯峰委員=ちょっと外れますが、たしか県立病院は平成二十四年度開院予定と聞いておりましたが、厳密に大体いつごろになりそうか、お教えていただきたいと思います。 172 ◯山口健康福祉本部副本部長=建物自体は平成二十四年十二月ぐらいに建物自体は完成予定でございます。そのほかその後、いろんな調整等ございまして、実際の開院につきましては現在、独法のほうで計画中でございますが、二十五年の春以降になるというふうに聞いております。  以上でございます。 173 ◯峰委員=ということは、二十四年度ではなく、二十五年度中ということですね。ちょっとおくれておるわけですね。まあ、よかです。ということでよかですけど。  そして、このハイマットの件でございますが、こっちも同様に質問重ねていきますが、この工事、建築工事の進捗状況はどのようになっているのか、お尋ねします。 174 ◯原粒子線治療推進監=サガハイマットの建設工事の進捗状況でございますが、本年一月に安全祈願祭がとり行われ、二月に建設工事に着手されたところでございます。現在は地上躯体工事、これが行われております。  九州重粒子線施設管理株式会社からは、工事は計画どおりに進捗をしておりまして、九月末現在の進捗率は建築工事全体で三二・六%、このように聞いておるところでございます。  以上です。 175 ◯峰委員=県内の業者の受注状況についてでございますが、やはり先ほど頭に申しましたように、県内業者はなかなか受注できないという声を大変聞いております。  まず一点ですが、好生館新病院の建築工事については、県内業者の受注状況はどのようになっているのか、お尋ねします。 176 ◯山口健康福祉本部副本部長=済みません。お答えの前に、先ほどの新県立病院の開院の時期でございますが、工事自体は二十四年の十二月に本体はできますと。一応二十四年度中の開院なのか、それが二十五年度に延びるかにつきましては、現在そこはまだ決まっておりませんので、先ほどの私の発言は少し修正をさせていただきたいと思っております。  県内業者の新病院の受注状況でございますが、独法によりますと、元請業者につきましては、各JVにおいて代表者以外はすべて県内業者、十七社のうち、県内十一社でございます。  それから、下請業者の選定状況につきましては、本年の十月現在でございますが、建設工事の下請業者五十三業者のうち、県内業者は十八業者、その割合は三四%になっております。  使用資材の調達先につきましては、二百十五業者のうち、県内は百二十一業者で、割合は五六・二%とのことでございます。  下請業者と資材納入業者を合わせますと、県内業者の受注割合は五一・九%でございます。  以上でございます。 177 ◯峰委員=先ほどの話に戻りますが、結局、県立病院好生館が二十四年の開院で、ハイマットが二十五年というふうに、ずっと話をしてきた経緯上、それがどうなのかということを確認したことでございますんで、こういった東北の震災もございましたしね、そういった問題があるんですが、やはり発注だけは県内にちゃんと出していただきたいという思いが強いもんでございますんで、五一・九%ということは半分ちょいということで、うーんというぐらいですね。ですから、今後とも──ただ、これは一つ聞きたいのは、予算ベースではどれぐらいになっていますか。そこまで出されていますか。 178 ◯山口健康福祉本部副本部長=現在、その下請が、まだすべてが終わっているわけではございませんので、全体の金額としてはまだつかんでおりません。 179 ◯峰委員=ですから、そういったこと、今後予算のほうも含めて、できることは県内の事業者にということで、ぜひお力添えといいますか、お願いをしたいというふうに思っております。  そしてまた、同じくハイマットのほうの建築工事に関してでございますが、県内業者の受注状況、どのようになっているのか、お尋ねします。 180 ◯原粒子線治療推進監=サガハイマットの受注状況でございます。  発注者である九州重粒子線施設管理株式会社によりますと、元請業者につきましては、大成、松尾、中野、九電工、佐電工、菱熱建設工事共同企業体というふうになっておりまして、この中には県内業者として三社が入っているという状況でございます。  また、関連業者の選定状況につきましては、本年の十月現在時点で、下請業者三十七業者のうち、県内は九業者、その割合は二四・三%となっており、資材の調達先百三十一業者のうち、県内は八業者で、その割合は六・一%となっております。下請業者と資材の納入業者の合計をいたしますと、百六十八業者のうち、県内は十七業者で、その割合は一〇・一%となっているところでございます。  以上です。 181 ◯峰委員=たしかこの前の視察のときには、そういった数字が出てこなかったもんですから、ただ、そういった議論になったのも事実でございまして、先ほどハイマットに関しては一〇・一%ということでございます。これも県内業者とは、佐賀県内に本店、あるいは支店を有するものを県内業者の位置づけなんですね。と考えると、純粋に県内の事業者かどうかというのはなかなかクエスチョンマークのところでもございますんで、ぜひ今後、発注に関しては現地視察のときの意見も各委員から出たわけでございますんで、そこも踏まえて今後対応をいただきたいと思うところでございます。  それに関して、ちょっと質問させていただきますが、県内の業者の活用──済みません、その前に予算ベースでの数字は出ておりますか。 182 ◯原粒子線治療推進監=お答えします。  先ほどの数字ですが、業者数としての割合でございまして、金額ベースということでは承知をしておりません。 183 ◯峰委員=次に、県立病院好生館は、県の施策を実行するための施設でありまして、その事業につきましては県に準じた方針で進めるべきと私は考えます。したがって、厳しい経済状況を考えますと、県内経済の振興は県としての大きな課題であり、県内業者の活用にも配慮をしながら工事を進めるべきであると考えるところでございます。また、同じく九州サガハイマットにとりましても、同様に考えているところでございます。  そして、質問は、好生館病院、新病院の建築工事における今後の県内業者の活用について、どのようにお考えなのかお尋ねします。 184 ◯山口健康福祉本部副本部長=今後の発注についてお答えを申し上げます。  先ほど申しましたように、現在、県立病院好生館の工事につきましても、すべてがまだ下請業者等の選定が終わっているわけではないということでございますので、引き続き県内業者を指定して発注するなどの配慮がなされるよう独法にはその旨をお伝えしたいというふうに思っております。
     また、今後、冒頭申し上げました今後発注を予定しております研修・宿舎棟、それから、保育所棟の新築工事につきましては、県内業者に発注を行うというふうに聞いております。  以上でございます。 185 ◯峰委員=同様に、サガハイマットの建築工事における今後の県内業者の活用についてどのようにお考えか、お尋ねいたします。 186 ◯原粒子線治療推進監=お答えします。  建屋の整備を進めております九州重粒子線施設管理株式会社は、民間企業からの出資により設立され、役員も民間企業の方によって構成をされました、いわば純粋な民間企業でございまして、工事発注におけます条件設定などにつきましては、県が権限を有するということではございません。  しかしながら、県はこれまでプロジェクトの発案者として中心となってこのプロジェクトを推進してきております。県総合計画や県のがん対策推進計画でも位置づけておるということで、このようなプロジェクトの公共性から、九州重粒子線施設管理株式会社に対しましては、県内建設業者の建築工事への参加、建設資材調達に係ります県産資材の活用、こういったことにつきまして、これまで御配慮していただくよう要請をしてきたところでございます。先ほど答弁いたしました建設共同企業体を構成する六社のうちに県内の三社が加わることになったということにつきましては、このような要請が何とかつながった結果ではないかと考えております。  今後、工事の進捗に伴いまして、さらに下請業者や資材納入業者の選定が行われると聞いております。今後とも、このプロジェクトの公共性から、九州重粒子線施設管理株式会社に対しまして、できる限り県内業者の活用について配慮していただくよう引き続きお願いをしてまいりたいと思っております。  以上です。 187 ◯峰委員=現場でも申しましたように、地域医療再生計画のお金をサガハイマットのほうに導入しようかという話もございます。それを決めるのは私たちでございますので、そういったことはできないのであれば、ただ要請された結果が一〇・一%でしょう。だから、それを考えたときに「うんっ」ということになるわけですよ。民間がなされているなら、逆に言うともっとしやすいじゃないですか。違うかな。「うんっ」でしょう。そういった理解もあるわけです、逆に言うと。ですから、そういったところを踏まえて、今後、とにかく結果を期待しておきます。そういうことでよかですか。  次に、高次脳機能障害への支援についてお尋ねをさせていただきます。  実は私、先日、高次脳機能障害の方とお会いをいたしました。そういった機会をいただいたんですが、とにかく外見から見ると、もう本当に障害をお持ちの方ということはわからないような状況でございました。切々とその方の苦労といいますか、ひいては保護者の方もおられたんですが、相談いただいたところでございまして、この問題、今後、県としてはしっかりと取り組んでいただきたいなという思いのまま、ちょっと今回質問させていただくことでございますが、やはりこれだけ医療技術の進展によりまして、だんだんこういった高次脳機能障害者というのが年々ふえていかれるものではなかろうかと思っております。  このような障害になられた方に対する今後の支援について質問するわけでございますが、まず高次脳機能障害というのはどういうものか、またそれがどういう症状があるのかというのを一点お尋ねします。 188 ◯宮原障害福祉課長=高次脳機能障害についてお答えをいたします。  高次脳機能障害とは、交通事故などによる頭部の外傷、または脳血管障害などにより脳が損傷を受けることが原因で起こる精神疾患でございます。また、その主な症状といたしましては、例えば、物事に集中できなくなったり気が散りやすくなったりする注意障害、新しいことが覚えられなくなったり以前のことを思い出せなくなったりする記憶障害、目標を定めて計画を実行し、その結果に基づいて行動を修正することが困難になる遂行機能障害、感情や行動を自分で調節することが難しくなる社会的行動障害、こういった症状があらわれますが、個人によって症状はさまざまであり、また日常生活に及ぼす影響も個人差がございます。  このため、在宅での日常生活、特に社会活動の場面におきまして、例えば、職場や学校、買い物、交通機関の利用などで支障を来すことが多く、また、病気とは思われにくいという特徴から、ほかの方々に迷惑をかけたり、医療スタッフにも見落とされやすいという側面がございます。また、本人自身もこの障害を十分に認識していなかったり、委員御指摘のとおり外見上は障害が目立たないので、御本人や御家族は周囲の理解を得られず、大きな負担を抱えている場合が少なくないというふうに理解をしております。  以上です。 189 ◯峰委員=そこで、もしおわかりであればいいんですが、県内にはどれくらいの高次脳機能障害者がおられるのか、お尋ねします。 190 ◯宮原障害福祉課長=県内の高次脳機能障害者数について答弁申し上げます。  高次脳機能障害者の数につきましては、全国調査に基づいた数字といったものはございませんが、現在、高次脳機能障害支援拠点機関として指定をしております佐賀大学医学部附属病院におきまして、平成十九年度から本年九月までに受診をされ、高次脳機能障害と診断された方は九十人というふうになってございます。  また、この附属病院の専門相談窓口への相談件数でございますけれども、今年度四月から九月までで六十件となってございます。  なお、平成二十年度に福岡県で実施をされました実数調査をもとに、国立障害者リハビリテーションセンターで推計された数字によりますと、社会復帰可能な高次脳機能障害者数は全国ベースで約六万八千人と推計をされておりまして、全国ベースで毎年約二千九百名が発症されるというふうに推計をされております。  以上でございます。 191 ◯峰委員=確かに色分けが大変難しい障害だと思っております。ただ、やはり、今後県としてはこういった事業に真正面から努力をしていただきたいと思っているわけなんですが、ただ、決算の状況を見ますと、平成二十二年度、高次脳機能障害支援普及事業は五十二万円でございまして、二十一年度は五十三万七千円というふうに一応少額でございまして、少額と言ったら言いにくいんですが、やる気はあるんですかとかいうか、まだわからないんですかねとか、ちょっと余りにも数字が少な過ぎてというところがあるんですが、そんなところをちょっと疑問に思っております。  要するに、どういうふうに今まで取り組まれてきたのかということをまずお尋ねします。 192 ◯宮原障害福祉課長=高次脳機能障害支援普及事業についてお答えをいたします。  平成二十二年度の実施事業ですが、医療関係者、それから家族会、行政機関で構成をいたします高次脳機能障害者支援推進委員会を六月と三月の二回開催しております。多くの方に高次脳機能障害の正しい理解を促進するための普及啓発の方法や高次脳機能障害の診断、評価の可能な医療機関をどのようにして充実していくかなどについて意見交換や協議を行ったところでございます。  また、支援拠点機関であります佐賀大学医学部附属病院におきまして診断、評価を行った上で、障害者自立支援法や介護保険法などの福祉サービスなどの生活支援、また障害者年金や生活保護などの経済的支援などにつきまして、市町などの関係機関への紹介、あっせんを行い、障害者の状況に応じた支援を行ったところでございます。このほか、社団法人日本損害保険協会からの助成を受けまして、障害者本人やその家族、医療機関や行政機関などの支援関係者を対象とした高次脳機能障害リハビリテーション講習会を二回実施したところでございます。こちらのほうの助成が約四十二万円というふうになってございます。  以上でございます。 193 ◯峰委員=やはり突然のことですけど、この方たち、お会いしたときもおっしゃっていたのは、やはり社会復帰をしたいという強い思いをお持ちでございました。そこで横におられた保護者の方は、確かにそれはわかるんだけど、なかなか理解が進まなくてというふうなことを同じくおっしゃっておりまして、やはりこれは企業側といいますか、社会復帰をなされるに当たっての企業側が、こういった高次脳機能障害の特性を理解、やっぱりまだまだできないのかなというところがありまして、やっぱりそういったことを県としてはぜひお力添えという、それこそ力添えをいただきたいという思いなんですが、この高次脳機能障害の社会復帰に向けた支援はどのように取り組んでいこうと思われているのか、お尋ねします。 194 ◯宮原障害福祉課長=社会復帰に向けた支援についてお答えをいたします。  高次脳機能障害者の社会復帰の支援といたしましては、これまで高次脳機能障害支援拠点機関であります佐賀大学医学部附属病院におきまして、市町等の関係機関への紹介、あっせんを行ってまいりましたが、今年度からはこの附属病院内に専任の相談支援コーディネーターを一名配置し、就労や就学など、社会復帰のための相談支援体制を強化したところでございます。  また、障害福祉課内に就労支援室を設けておりますけれども、こちらのほうに就労支援コーディネーターを二名配置しておりまして、ハローワークや障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなど、就労支援機関と連携をしながら、高次脳機能障害者を含めました障害者の雇用に理解のある事業所の開拓、また就職、職場復帰に向けた職業指導や定着支援などに取り組んでいるところでございます。  さらには、働く意欲はありましても、さまざまな要因により就労に至っていない障害者の方、また難病患者などの就労先を開拓し、その事業所に委託をしまして、働きながら技能や資格取得につながる研修を受けることができるレッツ・チャレンジ雇用事業に取り組んでおりますけれども、この中で高次脳機能障害者を今年度一名雇用委託をしているところでございます。  また、就労先となる事業所や県民に対する高次脳機能障害の理解、啓発につきましては、例えば、県民だより九月号に高次脳機能障害の専門相談窓口の紹介を掲載したり、高次脳機能障害の理解と支援についてのリーフレットを二千部作成し、市町や保健福祉事務所の窓口において配布をしたり、あるいは年二回行っております高次脳機能障害リハビリテーション講習会の開催に当たっては、県政記者クラブを通じて取材をお願いしたりすることなどにより取り組んでいるところでございます。今後とも、マスメディア等の協力も得ながら普及啓発にしっかりと努めてまいりたいというふうに考えております。  いずれにしましても、高次脳機能障害対策の充実につきましては、先月策定をいたしました「佐賀県総合計画二〇一一<佐賀県政策カタログ>」におきましても“進”重点項目の一つとして位置づけているところであり、御本人やその家族への相談支援体制の充実、医療、保健、福祉などの支援関係者のネットワークの充実、支援関係者への研修や県民の方の普及啓発などについて、さらなる支援の充実に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 195 ◯峰委員=古川知事は、大体が障害者に対しては大変理解をよくされていると思っております。ですから、リボンのマークもつくられているように、ぜひこの問題もあわせて、先ほど課長申されましたような形でしっかりと今後とも進めていただきたいと思っております。  次ですが、教育委員会ですね。安全・安心など時代のニーズに応じた学校環境の整備についてでございます。  平成二十二年度の決算説明報告書によりますと、県立学校施設ユニバーサルデザイン整備事業につきましては、県内六つの高校におきまして約一億四千万円、また特別支援教育推進プラン建設事業につきましては、約八億円の経費をかけられてそれぞれ整備が行われておりますが、随時、次の質問を行ってまいります。  まず一点目です。ユニバーサルデザイン整備の考え方についてでございますが、昨年度の整備は、いずれも健常者が通われている普通科高校において行われていますが、どのような考え方に基づかれているのか、質問いたします。 196 ◯吉岡教育支援課長=ユニバーサルデザイン整備の考え方でございます。  現在、佐賀県では、高齢者や障害者、子供たちはもちろんのこと、県民のすべての人が住みなれた地域で、自分らしく安全に安心して暮らせる社会をつくるために、県全体でユニバーサルデザインに取り組むこととし、「佐賀県ユニバーサルデザイン実施計画Ver・2」を策定されているところでございます。教育委員会といたしましても、この実施計画に基づきまして、例えば、現に車いすの生徒がいない学校でありましても、生徒がけがをしたときに安全で安心して学校に通えるようにするため、また保護者や地域にお住まいの方が安全で安心して学校を利用できるように、すべての県立学校においてユニバーサルデザイン整備に取り組むこととしているところでございます。  以上でございます。 197 ◯峰委員=その整備の内容についてでございますけど、ユニバーサルデザイン整備事業では具体的にどのような整備を行っていかれるのか、お尋ねします。 198 ◯吉岡教育支援課長=ユニバーサルデザイン整備の内容でございます。  ユニバーサルデザインを進めるために、まず基本的な改修といたしまして、一階部分の段差解消や洋式トイレ、多機能トイレ、階段の手すりをすべての学校に設置することといたしております。耐震改修等で建てかえる建物につきましては、建てかえの整備の際に整備いたしますけれども、それ以外の建物については計画的に整備に取り組んでおりまして、今年度整備が完了する予定でございます。  エレベーターにつきましては、車いす利用など、歩行が困難な生徒が入学された場合に直ちに必要になる設備でございますから、車いす利用者等が入学された学校から整備することとしております。今後とも、保護者、生徒、地域にお住まいの方が安全で安心して学校を利用できるようにユニバーサルデザイン整備に取り組むこととしていきたいと思っております。  以上でございます。 199 ◯峰委員=それと、次が特別支援教育推進プラン建設事業についてでございますが、この特別支援教育推進プラン建設事業につきましては、視察に行かせていただきました中原特別支援学校と伊万里特別支援学校の改修工事等が行われておりますが、今回の整備の結果、県全体で特別支援学校の整備状況はどのようになったのか、お尋ねします。 200 ◯神代教育政策課長=特別支援教育推進プラン建設事業についてお答えいたします。  特別支援学校の整備につきましては、平成二十年四月に策定いたしました「佐賀県特別支援教育推進プラン」の基本方針の一つに掲げました「地域の身近な場における教育環境の整備」という方針に基づきまして、必要な施設設備の整備を行ってきたところでございます。  平成二十二年度までの整備によりまして、特別支援学校が受け入れます障害種別の拡大を図りまして、これまで病弱のみを対象としておりました中原特別支援学校につきましては新たに知的障害と肢体不自由の児童生徒、またこれまで知的障害のみを対象としておりました伊万里特別支援学校につきましては、新たに肢体不自由の児童生徒を受け入れることができることとなりました。  この結果、県内五つの障害保健福祉圏域に、それぞれ知的障害と肢体不自由に対応した特別支援学校が整備されたところでございます。  以上でございます。 201 ◯峰委員=今回の整備事業によりまして、特別支援教育の充実について、どのような点で効果があったというふうにお考えなのか、お尋ねします。 202 ◯神代教育政策課長=整備に伴う成果についてお答えいたします。  今回の整備によりまして、大きく次の三点について効果があったと考えております。  一点目は、児童生徒及び保護者の通学負担の軽減であります。具体的には、これまで佐賀市内の特別支援学校に通学しておりました鳥栖市及び三養基郡の知的障害及び肢体不自由の児童生徒につきましては、より身近な中原特別支援学校に通学することができることとなりました。また、これまで唐津特別支援学校に通学しておりました伊万里市及び有田町の肢体不自由の児童生徒につきましても、より身近な伊万里特別支援学校のほうに通学することができるようになったところでございます。  二点目でございます。特別支援学校のセンター的機能の強化であります。県内五つの障害保健福祉圏域に知的障害及び肢体不自由に対応した特別支援学校が整ったことによりまして、地域の小中学校等に対して身近な特別支援学校から支援が行えるようになりました。県全体の特別支援教育の充実にもつながっていると考えるところでございます。  三点目でございます。保健福祉事務所を拠点といたしました関係機関が連携した支援の充実でございます。今回の整備によりまして、特別支援学校と医療、福祉、労働等の関係機関との連携が保健福祉事務所を拠点といたしまして、スムーズに行えるようになったと考えるところでございます。  以上でございます。 203 ◯峰委員=そこで、唐津特別支援学校の現状等についてちょっとお尋ねします。  では、一点目ですが、児童生徒数の増加と対応についてということでございますけど、唐津特別支援学校は年々児童生徒が増加傾向にあると聞いておりますが、推移をどのように見られているのか、またこの増加に対しまして、現在どのように対応されているのか、お尋ねします。 204 ◯神代教育政策課長=児童生徒数の増加と現在の対応についてお答えいたします。  唐津特別支援学校の児童生徒数につきましては、平成十三年度の開校当時は六十七名でございました。その後、委員御指摘のとおり毎年増加傾向にありまして、本年五月一日現在では百三十四名となっております。その内訳は、小学部が三十七名、中学部が三十二名、高等部が六十五名となっております。  現在の対応でございます。この児童生徒の増加に伴いまして、学校では児童生徒の障害の程度や発達段階等を考慮した上で、複数の学級が一つの教室を共有しているケースがございます。これらについても、特別な場合を除きまして、標準法で定められております学級編成の標準の範囲内となっているところでございます。また、使用頻度の少ない特別教室を一時的に使用しているケースもございますけれども、これらは個別の教科学習や集団で行う作業学習のスペースとして使用する場合に限られているところでございます。  以上でございます。 205 ◯峰委員=それで、今回の整備で唐津特別支援学校の児童生徒数の増加に対して、どのような効果があったものと理解されているのか、お尋ねします。 206 ◯神代教育政策課長=整備による効果についてお答えいたします。  今回の整備によりまして、各障害保健福祉圏域に知的障害と肢体不自由に対応した特別支援学校が整ったことによりまして、特別支援学校の通学範囲が障害保健福祉圏域と同一となるよう就学区域の見直しを行ったところでございます。具体的には、これまで北部障害保健福祉圏域外から唐津特別支援学校に通学しておりました伊万里市及び有田町の肢体不自由については、本来の圏域にある伊万里特別支援学校に、また多久市の知的障害及び肢体不自由については、それぞれ本来の圏域でございます大和特別支援学校及び金立特別支援学校に就学区域を変更したところでございます。  これらの見直しによりまして、これまで唐津特別支援学校の就学区域でありました伊万里市、有田町及び多久市に居住する児童生徒のうち、今年度十名が本来の障害保健福祉圏域にある特別支援学校に入学、あるいは転学をしたところでございます。これらの児童生徒は、より身近な特別支援学校に通学ができるようになり、通学に係る負担も軽減したところでございます。  なお、就学区域の見直し後も、北部障害保健福祉圏域外から唐津特別支援学校に通学している児童生徒が現在二十名いるところでございます。これらの児童生徒は、本人や保護者が通いなれた学校で引き続き学習したい、あるいはこれまで過ごした学校で友達や先生たちと卒業までともに学びたいと希望していることから、学校もその思いをしっかりと受けとめているものでございます。したがいまして、これらの児童生徒も、今後、障害福祉圏域にある特別支援学校のほうに転学、あるいは卒業等により、年次進行でありますが、徐々に減少していくことと考えております。  以上のとおり、今回の整備によりまして、唐津特別支援学校の児童生徒の増加を抑える効果が生まれておりますし、また今後ともその効果が発現するものと考えるところでございます。 207 ◯峰委員=開校後、唐津特別支援学校の場合でございますが、六十七名から百三十四名になったということでございまして、この状況を、いろんな県の施策の進捗ぐあいもあったと思いますが、大変厳しい状況、要するに倍の定員を入れてきた状況でございまして、この改善がなかなかできなかった。そしたら、やっとこういったふうに県内あらゆる施設、先ほど答弁ありましたような状況が整ったから、今後の推移を見計らっていきたいということでございます。  そこはわかるんですけど、減ることだけを考えられるよりも、やはりこれは、逆に言うとこれだけ、先ほどの高次脳機能障害とも一緒で、だんだんだんだん細分化されていって、発達障害の部分もあわせて、いろんな形でいろんな障害を持たれる方がふえてきていることを踏まえて考えますと、やはり特別支援学校を選択された保護者、あるいは学生さんは、やはりどんどんどんどんそういった要望があればふえていく可能性のほうが僕は多いような気がするんですね。  そこで、今回、何でこれを聞いたかというのは、先ほどユニバーサルデザインのいろいろ整備を聞きましたけど、いつも県はお金がないから必要性、あるいは緊急性というふうにおっしゃるときに、やはりそれを考えたときに、この唐津特別支援学校の状態は、もう倍以上の定数を入れておったわけですよね。そういった状況に必要性と緊急性があったにもかかわらず、しばらくそのままにされておったと、置き去りにされておったということなんですよね、言いたいのは。  ですから、県の状況はどうなっておるのかということで今回質問したわけでございますが、県教育委員会といたしまして、二十二年度の取り組みを踏まえて、県立特別支援学校の整備に関して、今後どのように考え、取り組んでいかれるのか、お尋ねします。 208 ◯神代教育政策課長=お答えいたします。  平成二十年四月に策定いたしました佐賀県特別支援教育推進プラン、先ほど御説明したとおり平成二十二年度で完了したところでございます。現在、同プランに基づきます取り組みについて検証いたしますとともに、課題を整理しております。  特に委員御指摘のとおり、特別な支援を必要とする児童生徒が増加している中で、今回の整備後の各学校の児童生徒の推移、また今後の見通しを踏まえまして新たな方針を定めていく必要があると認識いたしております。「佐賀県総合計画二〇一一」におきましても、平成二十四年十月を目途に次期推進プランを作成することとしております。  この策定に際しましては、各学校の状況や関係者の意見等を聞きながら、しっかり議論をしていく必要があると考えており、平成二十二年度までの取り組みを踏まえまして、引き続き特別支援教育の、より一層の充実に努めてまいりたいと考えるところでございます。 209 ◯峰委員=たまに学校に行きますと、まじめに掃除をしている子供たちが多くございます。いろんなものに、例えば、私は照度なんかをはかりに行ったりすることもあるんですが、そういった機械を見るとすぐ飛んでくるような、やはり好奇心の旺盛な子供もいます。やはりそういった、でも、ちょっと障害を持っておる、そういった支援が必要とされている子でございますので、そういった子にこそやはり温かい手を出してやるのがまずは県の教育じゃなかろうかと思っておりますので、今後ともそのところはよろしくお願いをしておきます。  次ですが、基礎学力の定着と個性を生かす教育の推進について質問いたします。  県では、基本的生活習慣、あるいは学習習慣の定着やきめ細かな指導のために、小学低学年及び中学校第一学年におきまして、小規模学級、またはチームティーチングの選択制を実施されています。また、児童生徒の学力向上を図るために、佐賀県小・中学校学習状況調査を実施されているところでございますが、これらの事業に関しまして、次の点について質問いたします。  まず一点目の小学校低学年における選択制についてでございますが、選択制導入の目的及び配置状況、どのようになっているのか、お尋ねいたします。 210 ◯丹宗学校教育課長=小学校低学年における選択制導入の目的及び配置状況についてお答えいたします。  小学校低学年は、自立や社会性の基礎をはぐくむ大切な時期であり、個人差が大きく、集団生活になれていく時期であることから、より一層、きめ細やかな指導が必要であると考えております。このため、確かな学力の定着の基盤となる基本的な生活習慣や学習習慣を身につけることを目的として、平成十七年度から小学校低学年において三十六人以上の学級がある学校に教員を一人加配し、小規模学級、またはチームティーチングのどちらかを選択できるようにしているところでございます。  平成二十二年度の状況は、小学校第一学年につきましては、小規模学級を選択した学校は十八校、チームティーチングによる指導を選択した学校は十一校でございました。小学校第二学年におきましては、小規模学級を選択した学校は十二校、チームティーチングによる指導を選択した学校は十二校でございました。  以上でございます。 211 ◯峰委員=小学校低学年の選択制の成果についてでございますが、この決算説明書の中の報告書に、一定の成果が見られたというふうな文章があるんですね。ですから、それじゃわからないので一応質問しております。その中で、今回の選択制の成果、どのようにお考えなのかお尋ねいたします。 212 ◯丹宗学校教育課長=選択制導入の成果についてお答えいたします。  選択制に対する学校の取り組み状況や成果を把握するため、全学校で実施している学校評価、教師を対象とするアンケート調査、保護者等が参加するスクールミーティングなどを行っているところでございます。  学校評価では、「達成」、「概ね達成」、「やや不十分」、「不十分」の四つの基準を設定いたしまして評価をしています。その結果からは、小規模学校、またはチームティーチングのいずれを選択した学校におきましても、学校での基本的な生活習慣では、「あいさつをする」や「チャイムの合図を守る」などについて「達成」及び「概ね達成」を合わせて一〇〇%、基本的な学習習慣では、「先生や友達の話を聞く」や「意見を言う」などについて「達成」及び「概ね達成」を合わせて九八%という結果になっております。  また、小規模学校を選択した学校では、「子供一人一人の発表する機会がふえ、学習意欲が増した」などの成果が見られております。  チームティーチングを選択した学校では、「授業の進行をとめずに、学習につまずきのある子供に対応できた」などの成果が見られております。  さらに、スクールミーティングでは、保護者から、「教師の話を聞く姿勢ができており、問いかけにもよく反応していた」や、「つまずきのある子供への対応が丁寧で、個に応じた指導をしていただいている」などの声が聞かれたところでございます。  このようなことから小学校低学年の選択制を導入したことによりまして、将来の基盤となる基礎的な生活習慣や学習習慣の定着について成果を上げていると考えているところでございます。  以上でございます。 213 ◯峰委員=それで、私たちはおおむね達成とか十分達成とかいう到達基準というのがわからなかったんですね。修正エーベル法というのがあるということでお教えをいただきました。  ちなみに十分達成というのは、学習内容の習得が十分であると判断される基準ですと。そして、おおむね達成は、最低限これを上回ることが必要であると判断される基準ですということですね。
     この修正エーベル法というのは委員の中で御存じの方いらっしゃいますか。──ということはみんないらっしゃらないということなんでございますので。先生も。やっぱりそこなんですね。そこはちゃんと言っていただいたほうがわかりやすかったかなと思っております。  いずれにしても、そういったふうに十分達成ということであれば、いずれ佐賀っ子の学力がどんと上がってくるのを大変期待しとくわけでございますが、そしてまた、同じく中学校、中学校の第一学年の選択制におけることで同様に質問をさせていただきますが、まず、選択制導入の目的と配置状況、どうだったのかということでお尋ねします。 214 ◯神代教育政策課長=中学一年の選択制のお答えをいたします前に、今、委員のほうから御指摘がありました、「おおむね達成」、「十分達成」について若干補足をいたしたいと思います。  申しわけございません、今、委員がおっしゃられた十分達成、おおむね達成というのは、後でまた出ますけど、県の学力学習状況調査の中での評価でございます。先ほど学校教育課のほうから答弁がありました達成につきましては、学校の評価としての達成ということで理解いただきたいと思っております。  それでは、中学一年におきます選択制導入の目的と配置状況についてお答えいたします。  まず、選択制導入の目的でございます。  いわゆる中一ギャップを解消し、学力向上の前提となる生徒指導面の充実を図るとともに、学習内容が小学校とは大きく変わり、数学や英語など新しい教科では学力差が生じやすいことなどから、個に応じた指導の充実を図るため、小規模学級やチームティーチングによるきめ細かな指導のための環境整備を行うことが目的でございます。  また、平成二十二年度の配置状況につきましては、中学校第一学年に三十六人以上の学級を有するすべての中学校二十四校で教員一名を加配いたしました。小規模学級とチームティーチングによる指導の選択につきましては、子供の実態などを配慮しつつ、各学校の実態を踏まえまして、市町の教育委員会が主体的な判断に基づき決定いたしております。小規模学級を選択した学校が十一校、チームティーチングによる指導を選択した学校が十三校となっておりました。 215 ◯峰委員=同様に、そこで選択制の成果をお尋ねします。 216 ◯神代教育政策課長=選択制導入の成果についてお答えいたします。  中学一年の選択制につきましても、学校の取り組み状況や成果を把握するため、実施校に対する学校アンケート、また保護者等が参加するスクールミーティングなどを行っております。  学校アンケートでは、「そう思う」、「どちらかといえばそう思う」、「どちらかといえばそう思わない」、「そう思わない」、この四つの回答から選択することとしておりますが、その結果を見ますと、生徒の状況につきましては、「小学校から中学校の生活にスムーズに移行できた」、あるいは「楽しく学校生活を送っている」などにつきまして、「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」を合わせると一〇〇%になっております。  また、生徒を指導する上では、「きめ細かな指導ができた」については、「そう思う」と答えた割合が九一・七%、「どちらかといえばそう思う」まで合わせますと一〇〇%となっております。  また、学校からの意見や感想といたしまして、「ゆとりを持って生徒と向き合う時間を確保することができた」や、「中学校から新たに不登校となる生徒が出てこなかった」などの声が上がってきております。  さらに、スクールミーティングにおきましては、保護者から「授業中に生徒のノートを全員見る機会が設けてあり、小規模学級ならではのよさだと感じた」や、「授業に対する生徒の達成感や安心感につながっていった」などの声が聞かれたところでございます。  このようなことから、中学校第一学年におきます選択制の導入によりまして、いわゆる中一ギャップの解消に成果を上げていると考えるところでございます。  以上でございます。 217 ◯峰委員=では、次の佐賀県小・中学校学習状況調査についてでございますが、まず調査の目的についてでございます。  県が実施しておられる小・中学校学習状況調査、どのような目的で実施をなされているのか、お尋ねいたします。 218 ◯神代教育政策課長=調査の目的についてお答えいたします。  佐賀県学習状況調査につきましては、小学校及び中学校の学習指導要領に示されております目標及び内容の実現状況や児童生徒の学習に対する意識、態度等を把握いたしまして、児童生徒一人一人の調査結果を踏まえた指導改善を行いますとともに、課題解決に向けた施策の見直しや充実を図る目的で平成十四年度から実施しているところでございます。  また、平成二十一年度からは、この佐賀県学習状況調査と全国学力・学習状況調査を効果的に組み合わせることによりまして、小学校第五学年から中学校第一学年までの国語、社会、算数及び理科の四教科と、中学校第二学年、第三学年の国語、社会、数学、理科、英語の五教科につきまして調査を実施しております。  小中学校の接続期を中心に児童生徒一人一人について、小学校第五学年から中学校第三学年までの経年的、また、その連続的な実態把握が可能となり、きめ細かな指導の実現に役立っていると考えるところでございます。  以上でございます。 219 ◯峰委員=ちょっと私が先走りました、その学習状況調査の評価はどのようなやり方をなされているのか、改めてお伺いしたいと思います。 220 ◯神代教育政策課長=学習状況調査の評価についてお答えいたします。  この県学習状況調査の評価に当たりましては、学習指導要領の目標や内容に照らしまして、先ほど委員御指摘があった修正エーベル法という一般的な統計手法を用いまして、「十分達成」と「おおむね達成」という二つの目標値を到達基準として設定いたしまして、この手法をもとに評価を行っているところでございます。このことによりまして、同じ手法による経年比較が可能となっております。  この二つの到達基準をもとに、各学校におきましては調査結果に基づいて自校の取り組みを検証いたしまして、課題に応じた重点目標を設定し、解決に向けた指導の工夫改善を行っているところでございます。  以上でございます。 221 ◯峰委員=この具体的な成果等についてでございますが、この二十二年度の取り組みの結果、具体的にどのような成果があったとお考えになられているのかと、この成果をどのように学力向上につなげていかれるのか、お伺いいたします。 222 ◯神代教育政策課長=具体的な成果等についてお答えいたします。  平成二十二年度の取り組みの成果を平成二十三年四月に実施いたしました県の学習状況調査で見ますと、教科に関する調査では、前年度と比較いたしまして、全二十二教科中、到達基準の「十分達成」に対する割合が増加した教科が十三教科あり、学力状況は改善傾向にあると考えております。  また、あわせて実施しております児童生徒の意識調査の結果では、前年度と比べて、「好きな授業がある」、「国語や算数(数学)の授業はよく分かる」、「自分で計画を立てて勉強をしている」、「苦手な教科の勉強をしている」と回答した生徒の割合がふえるなど、授業に積極的に参加する児童生徒や計画的な学習を行う児童生徒の割合が増加しているところでございます。  今後とも引き続き、児童生徒一人一人の調査結果を踏まえた指導の改善を進めますとともに、学習習慣の定着や、きめ細かな指導につなげるための具体的な取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。 223 ◯峰委員=今回の小規模学級、またはチームティーチングの選択制というのは、報告をいただいたところによると大変いい結果が出ているように聞こえました。あとは子供たちの結果を期待するところでございますので、せんだってシンガポールのほうにも一緒に行かせていただきました。やはり、日本の子供たちがああいう形でどんどんすくすくと成長というか、伸びていくというか、それをぜひ期待したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思っております。  それと、スーパーティーチャー制度についてお尋ねします。  その専門的な力量を佐賀県の学力向上に生かすために、すぐれた指導力を有する教諭をスーパーティーチャーとして認証しているとのことでございますが、次の数点についてお尋ねします。  まず、このスーパーティーチャー制度、どのような目的で導入したのか、また現在の配置状況、どのようになっているのかお尋ねいたします。 224 ◯平山教職員課長=スーパーティーチャー制度の目的及び配置状況についてお答えをいたします。  このスーパーティーチャー制度は、すぐれた教育活動を行っている教員の専門的な力量を、所属校のみならず、研修会での指導助言や模範授業を行うことによりまして、広く県内で活用し、本県教員の指導力向上を図るために導入しているところでございます。  また、平成二十三年度現在の配置状況ですが、小学校には、国語と道徳で各二名、そのほか算数、理科、外国語活動、特別支援教育で各一名の計八名を配置しております。  また、中学校には、国語、社会、理科、英語で各一名の計四名、それから県立学校には、国語、世界史、数学、化学、英語、特別支援教育で各一名の計六名を配置しておりまして、全体で十八名を配置しているところでございます。  以上でございます。 225 ◯峰委員=認証の方法についてでございますが、どういった教職員の方が認証をされ、またどのようにして認証されるのかお尋ねいたします。 226 ◯平山教職員課長=対象者及び認証方法についてお答えをいたします。  対象者は、佐賀県内の県立学校及び市町立小中学校に勤務しております四十歳以上の教員のうち、高い専門性に裏づけられた実践的指導力を有し、児童生徒のためにすぐれた教育活動を行っている教員を対象としております。  また、認証方法につきましては、県立学校及び市町立小中学校の校長から推薦された教員、または自己推薦した教員につきまして、県教育委員会による授業参観や面談などを行いまして、実践的指導力や専門性などを確認した上で、選考委員会の審議を経て認証しております。なお、認証の期間は一年間で、更新も可能ということにしております。  以上でございます。 227 ◯峰委員=ちなみに、十八名おられるということでございますが、自己推薦の方もいらっしゃいますか。 228 ◯平山教職員課長=自己推薦で申請された方もいらっしゃいますが、最終的には認証に至っていないという状況でございます。 229 ◯峰委員=どうもありがとうございました。でも、そういった先生いいですよね。大好きです、はい。そういった先生がふえていただきたいなと思っているわけでございますが、そのスーパーティーチャーの活動状況及びその成果、どのようなものだったのかお尋ねいたします。 230 ◯丹宗学校教育課長=活動状況及びその成果についてお答えいたします。  平成二十二年度は、十五名のスーパーティーチャーが所属校での模範授業や指導助言に加え、初任者研修や十年経験者研修での模範授業、また、他校の校内研修や地区ごとの教科の研究会での実践事例発表や指導助言などを行っており、全体で三百九十五回の活動があっております。  昨年度からの新たな取り組みといたしましては、スーパーティーチャーの連絡会を年二回開催いたしまして、スーパーティーチャーの任務の確認と情報交換を行ったり、教育センター所長による講義を行ったりしたところでございます。  また、昨年十一月には、学力向上に向けての緊急対策の教師の指導力の向上を図る取り組みとして、スーパーティーチャーが授業を公開し、その授業をDVD化するとともに、教育センターにおいていつでも利用できるようにしているところでございます。  研修でスーパーティーチャーの授業を参観したり、指導を受けたりした教員からは、スーパーティーチャーの授業に対する熱意や高い指導技術がじかに伝わり、学力向上に向けた指導方法の改善や新学習指導要領の円滑な運用につながったとの意見が出ているところでございます。  このようにスーパーティーチャーの専門的な力量を広く活用することにより、教員の指導力の向上につながっていると認識をしております。  以上でございます。 231 ◯峰委員=今後の認証計画についてでございますが、現在の配置状況、またその効果等を踏まえまして、スーパーティーチャーの配置について今後どのように計画されているかということでございますが、私、スーパーティーチャーというのは現職の方だけじゃなくてOBの方もと思っていたんですよ。要するに校長先生がトップにおられて、校長会というのが常にトップになったら校長会を指導する人がいないわけですよね。  それと僕なんかが考えますと、初めての校長先生が、ある先輩の校長から御指導いただくような、そういった先生ももしかしておられるのかなと思っていたんですけど、今回、深夜までの議論を深めることによりまして、スーパーティーチャーの意味がわかったわけでございますけど、そういった中で、とにかくそういったことを踏まえて、今後何か全体で佐賀県の教育に取り組んでいただきたいという思いで質問したところでございまして、今後どのような形で計画されるかお尋ねして終わります。 232 ◯平山教職員課長=今後のスーパーティーチャーの認証計画についてお答えをいたします。  今後も県全体の教員の教育力の向上に資するために、平成二十六年度までに二十五人を目標に認証を進めていく計画でございますが、特に小学校、中学校につきましては、地区ごとに教科、領域などのバランスをとりながら、市町教育委員会が活用しやすい配置を進めてまいりたいと考えておりますし、来年度につきましては、生徒指導とか、またICT利活用などの分野において認証をしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 233 ◯峰委員=大変長い間おつき合いいただきましてありがとうございました。  最後の質問になりました。これは私も勘違いしておりまして、実はクラブ活動の関係がございました。部活動、あるいは同好会に関して、やはりクラブ編制をどういった形で考えられているのかなというのが一つあったんで、そういったことに関して、例えば、今回二十五年度の全国高校総体、二十五全国高校総体競技力推進事業というのがございましたので、ちょっとお尋ねをしたわけでございますが、この中で二十一競技の種目を対象に選手の発掘、あるいは有望選手、チームの育成、指導者の育成等が実施されたと聞いております。具体的にどのような競技力の向上策が実施をされ、どのような成果目標を設定しているのか、そして、県教育委員会としてのお考えをお尋ねしたいということでございます。  ぜひ言いたいのは、最終的に校長先生のいろんな判断によるというところでございますが、やはり健康な体に健全な精神が宿るということでございますので、ぜひそれを踏まえて考えたときに、唐津東高校の出身でございますので、文武両道の精神のもと、佐賀県の教育を頑張っていただきたいと思いますので、それをお聞きいたしまして最後の質問にさせていただきます。どうもありがとうございました。お伺いして終わりにさせていただきます。 234 ◯澤山体育保健課長=済みません、二十五総体と思っておりましたので、申しわけございません。運動活動と同好会のことでよろしいでしょうか。 235 ◯峰委員=済みませんね、打ち合わせが深夜に続きましたので、なかなか伝わっていなかったかなと思っておりますが、あくまでも二十五年度の全国高校総体における今回の事業ですね、推進事業について答弁をいただければと思っております。よろしくお願いします。 236 ◯澤山体育保健課長=済みません。事業の目的についてお答えをいたします。  二十五全国高校総体競技力向上推進事業につきましては、平成二十五年度に開催されます全国高等学校総合体育大会の北部九州ブロック大会に向けて、指導者の資質向上によって、さらなるスポーツの振興と中学生、また高校生の競技力向上を図る目的で実施するものでございます。  事業の内容と成果についてでございますが──(三)でございますか。失礼しました。今後の取り組みについてお答えいたします。  高校生にとって最大のスポーツ大会であります全国高校総体につきましては、本県高校生が活躍するためには、競技力の向上はもとより、指導者の資質向上が大変重要と考えております。  このため、今後とも中学生、高校生、指導者の一体となった合同練習、合宿や選抜チームの県外遠征などを行いまして、中高の一貫した体制を強化すること、また、トップコーチを招聘したり、指導者を派遣したりするなどして選手の競技力向上や指導者の資質向上に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 237 ◯峰委員=先輩から二時間以内におさめろということで、何とかできましたので、感謝を申し上げますとともに、二十二年度の決算に関していろいろ質疑させていただきました。ぜひ今後また二十三年度の遂行と二十四年度の事業計画等に入っていかれると思います。主体は県民主体ということで、ぜひ皆さん方のお知恵を拝借しながら今後とも御努力をお願いしたいと思っております。どうもありがとうございました。 238 ◯土井副委員長=暫時休憩します。午後三時三十分をめどに委員会を再開します。     午後二時五十六分  休憩     午後三時三十二分  開議 239 ◯土井副委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き質疑を行います。 240 ◯江口委員=県民ネットワークの江口善紀でございます。決算特別委員会で初めて質問させていただきます。平成二十二年度の決算ということで、その際の政策決定の場にはおりませんでしたが、二十二年度の事業やその成果などについて質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず最初に、私立高等学校等就学支援金についてでございますが、平成二十二年度からの県立高等学校の授業料無償化に合わせて、社会全体で教育を支えるという概念のもと、家庭の状況にかかわらず、すべての意志のある高校生などが安心して勉学に打ち込める社会をつくるために、私立高等学校等の生徒に対しては高等学校等就学支援金制度が創設をされました。  二十二年度におきましては、県内で十七校に対して八億二千十七万六千円が支給されておりますが、現在、この制度の創設から約一年半以上が経過したところでございます。改めまして、この制度の内容や事業効果などについてお伺いしたいと思います。  まず、支給の対象者などについてでございますが、高等学校等就学支援金は、この私立高等学校だけではなく、私立の専修学校に在学する生徒も対象となっております。  県内におけるこの支給対象校や、あるいは対象者の数はどのようになっているのか、まず最初にお尋ねをいたします。 241 ◯緒方こども未来課長=支給対象者等についてお答えを申し上げます。  平成二十二年度の本県におけます支給対象校は十七校となっており、その内訳は私立高等学校が九校、高等課程を設置する専修学校が八校となっております。  専修学校につきましては、医師会立看護学校六校のほかに、佐賀市にございます九州国際高等学園、これは総合学科を設置されていますけれども、ここが支給対象になっております。また、唐津市にあります、これは洋裁科を設置されていますけど、専門学校モードリゲルという専修学校が対象でございます。  次に、支給対象者数につきましては、平成二十三年三月時点では、五千九百二十三人で、その内訳は、私立高等学校が五千八百四人、専修学校が百十九人となっております。  以上でございます。 242 ◯江口委員=次に、所得の状況に応じては、加算などの措置があるというふうに伺っております。加算の対象者数などについてお尋ねをしたいと思います。  高等学校等就学支援金は、月額九千九百円を限度として支給されるようになっておりますが、低所得者には一定額の加算があるというふうに伺っております。この加算の対象者はどのくらいいらっしゃるのか。また、加算の要件については、具体的な要件はどのようになっているのか、あわせてお尋ねをしたいと思います。 243 ◯緒方こども未来課長=まず、加算対象者数についてお答えいたします。  平成二十三年三月におけます加算対象者は、一律九千九百円の二倍となります月額一万九千八百円の生徒さんが千十八人、一・五倍となります月額一万四千八百五十円の生徒さんが二百八十七人の、合計で千三百五人となっております。  続きまして、加算の要件についてでございますけれども、加算の対象となります低所得者世帯への支給額は、市町村民税所得割額によって異なっております。一律九千九百円の二倍となります月額一万九千八百円が支給されるのは、市町村民税所得割が非課税の世帯、大体年収二百五十万円未満程度ということの世帯になります。  一・五倍となる月額一万四千八百五十円が支給されるのは、市町村民税所得割が一万八千九百円未満の世帯で、これ大体年収で二百五十万円以上三百五十万円未満程度の世帯が該当になります。  以上でございます。 244 ◯江口委員=それでは、この加算につきましてですが、手続が必要と思われますが、加算を受けるためには毎年手続を行う必要があると思いますが、新入生の場合は具体的に何月から加算を受け取ることができるのか。また、二、三年生の場合はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。 245 ◯緒方こども未来課長=手続についてでございますが、加算を受けるためには、生徒または保護者から学校に「加算支給に関する届出書」のほか、「市町村民税の課税証明書」を提出してもらう必要がございます。
     新入生につきましては、入学時に前年度分の課税証明書を提出してもらいまして、四月分から六月分までの加算額を決定し、四月から加算を受けることができます。  七月以降は、当年度分の課税証明書の発行が可能となります七月上旬に提出をしてもらって、それに基づきまして、次の年度の六月までの加算を受けることとなります。  二、三年生につきましては、四月から六月までは前年度に決定をした加算額で受給をし、七月以降は新入生と同様の手続により加算を受けることとなります。  以上でございます。 246 ◯江口委員=この制度につきましてですが、始めて約一年半、開始のころのことについてお尋ねをさせていただきたいと思いますが、この制度が始まりましたとき、確かにいろんな議論が行われましたけども、実際始めるに当たっての制度の周知についてでございますが、就学支援金制度の開始の際に保護者への周知はどのように行われたのでしょうか。  また、今答弁にございましたような、そういった課税の証明書などの書類の提出など、事務の手続など、そういったところで問題や混乱がなかったのかお尋ねさせていただきます。 247 ◯緒方こども未来課長=制度の周知等につきまして、御答弁申し上げます。  就学支援金については、個人への支給であるものの、事務手続の簡素化を図るため、学校の設置者が代理受理をすることとなっておりまして、各学校で生徒からの受給資格認定の申請書等を取りまとめ、それを県へ提出して、県が認定した後に国からの支援金を県を通じて支給することになっております。  このため、県では平成二十二年一月から三月まで計三回にわたりまして、学校の事務長及び担当者を対象に説明会を開催し、その中で制度の詳細な説明を行い、学校における円滑な事務の実施を依頼するとともに、生徒、保護者への周知を依頼いたしました。  さらに、国において作成をされましたパンフレットの配布や県のホームページへの掲載などによりまして、周知徹底を図ってきたところでございます。  また、制度開始に当たって、特に大きな問題は生じておりませんけれども、学校のほうからは、毎年の生徒、保護者への周知や申請書等の取りまとめなど、事務負担が増しているというふうにお聞きをしているところでございます。  以上でございます。 248 ◯江口委員=社会全体で教育を支えるという概念で始まった制度でございますが、この制度を実施されて約一年半、制度開始後の保護者や、あるいは学校からの反応、そういった反応、声についてはどのように把握されていらっしゃるかお尋ねいたします。 249 ◯緒方こども未来課長=制度に対する反応について御答弁申し上げます。  制度創設後、保護者や学校関係者からは、教育に係る経済的負担の軽減につながっているということを聞いております。  一方で、県立高等学校は授業料が原則無償であるのに対しまして、私立高等学校につきましては、低所得者に対する加算制度は設けられているものの、授業料の一部について保護者負担が残る制度となっていますために、保護者負担の公私間格差が残ったままの制度であるとの声や公立志向が強まるのではないかといった意見を学校関係者から聞いているところでございます。  以上でございます。 250 ◯江口委員=先日発表されました文部科学省の調査によりますと、二〇一〇年度における経済的な理由による公立、私立高校の中退率が前年度の二・九%から約一・九%と、過去最低になったという報道もございました。ぜひ経済的なことが理由で進学などの断念にならないように、こういった面で、教育の面ではぜひ社会全体で支えるという考え方を進めていければと思うんですけども、この制度の課題についてお尋ねをさせていただきます。  平成二十四年度以降のこの本制度のあり方につきましては、先日の三党合意によって政策効果の検証をもとに必要な見直しを検討することとなっておりますが、今後の制度の課題について、どのようなものがあるかお尋ねをさせていただきます。 251 ◯緒方こども未来課長=制度の課題につきまして御答弁申し上げます。  先ほども申し上げましたけれども、私立学校の立場からは、保護者負担の公私間格差が残ったままの制度になっていること。あと就学支援金支給のための事務負担の軽減が必要なことなどの課題があるとの声を聞いていますけれども、そのほかに私立高等学校等に在学した期間が、通算して三十六月を超える生徒、例えば、病気や留学によりまして留年をした生徒などにつきましては、就学支援金が支給されないことなとが挙げられるかと思います。  なお、私立高等学校等に在学した期間が、通算して三十六月を超える生徒につきましては、国の制度としては支給をされませんので、県の単独の予算によりまして、同額を支給している状況でございます。  以上でございます。 252 ◯江口委員=その部分は恐らく佐賀県の単独の事業というふうに伺っており、制度を補完する上で、ぜひ続けていただければ家庭も助かると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  続きまして、私立学校運営費助成についてお尋ねをさせていただきます。  先ほど峰委員のほうからも質問がなされましたので、重複を避けながらお尋ねをさせていただきたいと思います。  私立学校の助成につきましては、運営費や、あるいはスクールカウンセラーの配置事業などへの助成、また私立学校、教育振興団体の支援など、さまざまな各種の助成が行われていると承知をいたしております。  特に、私立の高等学校に対する運営費の助成については、計画的にその助成率などが引き上げられているということで、年々充実しているところでございます。  そこで、次の幾つかの点についてお伺いをさせていただきますが、このそもそも私立学校運営費助成の目的についてでございますが、どのような目的で行われているのか、まず最初にお尋ねさせていただきます。 253 ◯緒方こども未来課長=私立学校運営費助成の目的について御答弁いたします。  私立学校の運営費助成は、私立学校振興助成法の規定に基づき交付をいたしておりまして、同法の目的といたしましては、「私立学校の教育条件の維持及び向上並びに私立学校に在学する生徒に係る修学上の経済的負担の軽減を図るとともに、私立学校の経営の健全性を高め、もって私立学校の健全な発展に資すること」と、このように定められているところでございます。  以上でございます。 254 ◯江口委員=次に、助成額についてお尋ねをさせていただきます。  学校の種類ごとに助成の額についても違うというふうに伺っております。  平成二十二年度におきましては、私立学校への運営費助成額は二十三億六千三百五十四万五千円というふうに伺っておりますが、高等学校あるいは中学校及び専修学校への助成の内訳は、どのような配分になっているのかお尋ねをいたします。 255 ◯緒方こども未来課長=学校種類ごとの助成についてお答えをいたします。  平成二十二年度におけます運営費助成額二十三億六千三百五十四万五千円の内訳につきましては、まず高等学校が九校で二十億一万一千円、中学校は六校で三億五千二百十八万七千円、専修学校が九校で一千百三十四万七千円となっているところでございます。  以上でございます。 256 ◯江口委員=そうしましたら、この助成額を生徒一人当たりの補助単価についてはどのようになるのでしょうか。高等学校、中学校、専修学校ごとの生徒一人当たりの補助単価は幾らになっているのか、またその財源についてはどのようになっているのか、お尋ねいたします。 257 ◯緒方こども未来課長=生徒一人当たりの補助単価等について、御答弁いたします。  平成二十二年度におけます生徒一人当たりの補助単価は、まず高等学校が三十三万五千八百十八円、中学校が二十九万八千八百七十二円、専修学校が一万千二百六十二円となっております。  財源の構成につきましては、高等学校が国庫補助金と地方交付税、そして県の単独上乗せという三つの財源になっております。  中学校が国庫補助金と地方交付税の二つの財源から成っております。  専修学校につきましては、県単独補助の財源となっております。  以上でございます。 258 ◯江口委員=この公費の負担率でございますが、他県との比較につきましてお尋ねをさせていただきたいんですけれども、この高等学校及び中学校に対する生徒一人当たりの補助の単価ですね、他の都道府県と比較した場合は、佐賀県のこの補助の単価というのはどれぐらいの位置にあるのかお尋ねをします。 259 ◯緒方こども未来課長=他県との比較について答弁申し上げます。  文部科学省の調査によりますと、高等学校につきましては、平成二十二年度は全国で十一位、九州では一位となっております。  また、中学校につきましては、平成二十二年度は全国で二十位、九州で六位となっているところでございます。  以上でございます。 260 ◯江口委員=では続きまして、公費の負担率の推移についてお尋ねをさせていただきます。  この平成二十二年度の私立高校への公費の負担率は四五・九%と、先ほどの峰委員の質問にもございましたが、目標の四五%を上回っておりますが、これまでの推移についてはどのように経年でなっているのか、お尋ねをいたします。 261 ◯緒方こども未来課長=公費負担率の推移について御答弁いたします。  私立高校への公費負担率につきましては、総合計画二〇〇七におきまして、平成十八年度の四一・三%を平成二十二年度までに四五%にすることを目標として、計画的に引き上げてきたところでございます。  推移につきましてでございますが、平成十九年度は目標四二・二%に対し、実績が四四・〇%、平成二十年度は目標四三・〇%に対しまして、実績が四四・〇%、平成二十一年度は、目標四四・〇%に対しまして、実績が四三・八%、最後に平成二十二年度は、目標四五・〇%に対しまして、実績が四五・九%というふうになっているところでございます。  以上でございます。 262 ◯江口委員=私立学校についての公費の負担について、確かに私も以前から私学助成についてはいろんな請願を受けたりとか、長年ずっとこの要望がある事実を知っておりますし、また、署名活動などをされていらっしゃるのもよく承知をしております。  九州の中では、また、全国的に見ても高校生に対する補助などが非常に高い水準にあるということは、非常にうれしく思います。その分、いろんな意味での財源の手当ても大変だと思いますが、いろんな調査などによりますと、確かに先ほどおっしゃられた公立と私立の格差のこともございます。  いろんな情報源によって差がありますが、国費や事業体が自治体から投入される年間一人当たりの助成は、公立が八十六万円、私立が三十八万円とするものや、あるいは公立が百五十万円、私立が三十三万円とするものなど、数字にばらつきはありますが、確かに公立のほうが余計に助成をされている。しかし、私立の学校に通う家庭の負担というのも、また倍近くの差があることもいろいろ出ておりますので、ぜひ教育について、これからも公費の負担と保護者の負担の格差を向上させていければと思いますが、最後に県立高校と私立高校では、保護者の格差が大きいというふうに感じておられます。  私立学校の運営費の助成について、さらに充実させるべきというふうな考えもございます。今後、私立高等学校への公費の負担率について、どのようにしていくのかについてお尋ねいたします。 263 ◯緒方こども未来課長=今後の公費負担率について御答弁いたします。  ことし十月に策定をいたしました佐賀県総合計画二〇一一の中で、将来的には私立高等学校の運営経費に対する公費負担率を五〇%に引き上げることを目標としております。  厳しい財政状況の中ではありますけれども、私立学校の振興のために充実に努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。  以上でございます。 264 ◯江口委員=今後とも厳しい財政状況の中ではございますが、よろしくお願いしたいと思います。  次に、学力向上に向けた取り組みについて、お尋ねをさせていただきます。  私は、佐賀県の将来を見据えたときに、確かに教育は大変重要であるという認識を持っております。県の教育委員会におきましても、子供たち一人一人の学力向上を目指して、全国学力・学習状況調査を活用した取り組みなど市町と連携しながら、さまざまな取り組みを行っているところと伺っております。  今年度の全国学力・学習状況調査は、東日本大震災の影響で中止をされたというふうに伺っております。今後とも、このような調査の成果を生かして、子供たちの学力向上対策にしっかりと取り組んでほしいと考えております。  そこで、次の点についてお尋ねをさせていただきます。  まず、この調査実施の目的と方法についてでございますが、全国学力・学習状況調査の実施目的は何か、また、実施の方法はどのように行われているのか、最初にお尋ねをさせていただきます。 265 ◯神代教育政策課長=全国調査の実施目的及び実施方法についてお答えいたします。  まず、全国調査の目的でございます。  文部科学省が定めております実施要領には、三点示されております。  一点目は、国が全国的な義務教育の水準向上等の観点から、学力や学習状況を把握、分析し、教育施策の成果と課題を検証し、改善を図ることとされております。  二点目は、各教育委員会、学校等が全国の中で、みずからの教育施策の成果や課題を把握し、改善を図ることとされております。  三点目は、各学校が各児童生徒の学力や学習状況を把握し、児童生徒一人一人の学習状況の改善等に役立てることとされているところでございます。  次に、実施方法でございます。  今申したような理由によりまして、本調査は平成十九年度から二十一年度までは対象学年の児童生徒全員を対象とする悉皆調査で実施されてきたところでございます。しかしながら、これまでの悉皆調査の結果、全国及び各地域等の信頼性の高いデータが蓄積されたことや、教育に関する検証改善サイクルの構築が着実に進んでいること等の理由から、国におきましては、平成二十二年度から抽出調査方式に変更されたところでございます。  以上でございます。 266 ◯江口委員=それでは、この調査でございますが、佐賀県の対応についてお尋ねをいたします。  平成十九年度から二十一年度、悉皆調査で全国で行われたと今御答弁をいただきましたが、平成二十二年度に実施された本調査につきまして、本県ではどのような対応をなされたのか、お尋ねします。 267 ◯神代教育政策課長=本県の対応についてお答えいたします。  先ほど申したように、国の実施方法は平成二十二年度から抽出調査方法に変更されたところでございますけれども、この全国調査は市町教育委員会や学校にとっては児童生徒一人一人の学力や学習状況を客観的に把握でき、その結果は日々の指導の中で効果的に活用するための基礎資料となるものでありまして、大変意義のある調査だと考えております。  そこで、県教育委員会では市町教育委員会と連携いたしまして、県独自に悉皆調査で実施しますとともに、採点・分析委員会を組織いたしまして、採点及び分析業務を実施して、市町教育委員会や学校の学力向上を目指す取り組みの支援につなげていったところでございます。  以上でございます。 268 ◯江口委員=では、その結果、行われた平成二十二年度の調査結果についてでございますが、二十二年四月に実施された調査の結果はどのようなものだったのか。  また、この調査結果を受けての取り組みについて、この調査結果を踏まえて、県の教育委員会ではどのような取り組みを行ったのか、あわせてお尋ねいたします。 269 ◯神代教育政策課長=まず、平成二十二年度の調査結果についてお答えいたします。  平成二十二年度の国の調査方式の変更に伴いまして、国では過去の全国調査の結果と経年比較するための指標といたしまして、新たに標準化得点という指標が導入されたところでございます。  この標準化得点によりますと、本県の平成二十二年度の調査結果は、全八区分中、二区分が全国平均と同程度、他の六区分は一ポイントではありますものの、全国平均を下回る結果となっております。  次に、この結果を踏まえての県教育委員会としての取り組みでございます。  この全国調査により測定できますのは、あくまで学力のうちの一部であり、これがすべてではないということは認識しております。ただ、県教育委員会といたしましては、佐賀県総合計画二〇〇七の成果指標といたしまして、全区分で全国平均以上にするという目標を設定していたこと、また、それまでの調査結果との比較において、この結果を大変厳しく受けとめたところでございます。  そこで、改めまして、小中学校の設置者であります市町との連携を強化しながら、なお一層の学力向上に努力していかなければならないという認識に立ちまして、それまでのさまざまな学力向上に向けた取り組みに加えまして、市町や学校の取り組みを支援いたします魅力ある学校づくり推進事業に学力向上対策特別枠を設けまして、二十二年度は二十二校で事業を実施したところでございます。  また、新たに学力向上対策委員会を立ち上げまして、この委員会からの緊急提言を受けて、教師の指導力の向上、校長のマネジメント力の向上、そして、家庭の教育力の向上という三つの重点項目から成ります学力向上に向けての緊急対策を策定したところでございます。  この緊急対策に沿って、各学校では学力向上対策のかなめとなります学力向上対策コーディネーターを配置いたしまして、学校が一体となって取り組む体制を整えたところでございます。  あわせまして、県教育委員会では学力向上対策チームを設置いたしまして、緊急対策の着実な実施と各学校や市町の要請に応じた支援なども行ってきたところでございます。  以上でございます。 270 ◯江口委員=ありがとうございます。ぜひ次の世代を担う子供たち、小学校、中学校、高校と、この佐賀県の教育の環境づくり、また、そういったテストから得られた知見をもとに、さらなる学力向上に向けての取り組みをしていただきたいと思います。  今後の取り組みについて、最後に県教育委員会で学力向上に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。 271 ◯神代教育政策課長=学力向上に向けた今後の取り組みについて、お答えいたします。
     学力は、生きる力をなす重要な要素であることから、県教育委員会におきましては、これまでも学力向上を最重要課題と位置づけまして、学校や市町教育委員会と連携して児童生徒一人一人の学力向上に向けた取り組みを行ってきたところでございます。  学力向上については、今後とも佐賀県教育の最重要課題として、しっかりと取り組む必要があります。これまでのさまざまな施策を検証した上で、施策の重点化を図るとともに、ICT利活用による先進的な教育システムの構築といった新たな事業にも取り組むなど、実効性の高い施策の推進に不断に努めていく所存でございます。  以上でございます。 272 ◯江口委員=それでは、次の四問目のICTを利活用した教育についての質問に移らせていただきたいと思います。  平成二十二年度の決算報告におきましては、佐賀県の児童生徒の学力向上を図るためにICTを活用した新たな教育手法の導入という観点から、インターネット配信の学習プリントを活用した学習支援システムによる指導法の実践研究などによる指導法の改善、充実に取り組まれたとの報告がなされました。  また、国においても、文部科学省におきまして、昨年、平成二十二年四月に教育の情報化ビジョンが公表されまして、教育現場の情報化の一層の推進が明記されるとともに、今年度から導入された新学習指導要領では、情報教育及び教科指導でのICT活用の充実が明記をされました。ICT活用の位置づけが、より強化されております。  そこで、このICTを利活用した教育についてお尋ねをいたします。  まず、一つ目のインターネット配信の学習プリントについてでございますが、このインターネット配信の学習プリントとは、具体的にはどのようなものだったのか、最初にお尋ねをいたします。 273 ◯神代教育政策課長=お答えいたします。  インターネット配信の学習プリントとは、民間業者などが開設しておりますウエブサイト上にございます学習問題のデータベースにアクセスいたしまして、そこに登録されております豊富なプリントの中から必要なものを取り出したり、必要な問題だけを選択してパソコン上で再編集したプリントのことでございます。  これまで学校では、子供たちの実態に合わせて問題集などから問題を拾い集めたり、独自に作問するなどの手間と時間をかけてプリントを作成していたところでございますけれども、このインターネット配信の学習プリントは、個に応じたさまざまなレベルの問題を手軽に作成できまして、学習指導のより一層の充実にもつながると考えられることから実践研究として取り組んだものでございます。  以上でございます。 274 ◯江口委員=このインターネット配信の学習プリント、パソコンなどの使いこなすスキルというのは、個々の先生や、あるいは県庁でも職員の方によって習熟度が違うと思います。こういったドキュメントをつくるときは、カット・アンド・ペーストをするにしても、体裁がずれてしまったり、微調整をしたくてもなかなかうまくいかずにやきもきすること、これはもうだれもが感じたことであると思うんですが、ぱっときれいにできればいいんですけれども、なかなかうまくいかないこともあると思いますが、今まで以上に子供たちの状況とかに合わせて、よりいいプリントがつくられるというふうな事業でございますが、実際にこの事業で得られた成果として、先生方の対応ですとか、この成果については具体的にはどのようなものだったのか、もう少しお尋ねをさせていただきます。 275 ◯神代教育政策課長=事業の成果についてお答えいたします。  実践研究校におきましては、この学習プリントを活用いたしまして、つまずきの多い問題に集中的に取り組ませ、苦手分野の克服を図ったり、難易度の違うプリントを用意し、個々のレベルに応じて解かせるなど、豊富な問題の中から手軽にプリントを作成できるという利点を生かしたさまざまな取り組みが行われたところでございます。  教師に対するアンケートの結果によりますと、「児童生徒の学習内容の定着度が高まってきた」という項目や、「児童生徒が学習に集中的に取り組めるようになってきた」と感じる教師がふえるなど、学習指導上での効果が見られたところでございます。  また、「プリント作成に係る手間が省ける」、「授業の進度に合わせたプリント作成が容易にできる」と答える教師がふえるなど、業務の効率化につながる面も見られたところでございます。  今回のこのインターネット配信の学習プリントを活用した指導法の実践研究におきまして、これらの有用性が認められたことによって、学習指導におけるICT利活用の方向性を示すことができたと考えているところでございます。  以上でございます。 276 ◯江口委員=このICTの利活用でございますが、取り組み成果の活用についてお尋ねをさせていただきますが、現在、県の教育委員会では情報通信技術、いわゆるICTを利活用した教育改革に積極的に取り組まれております。  また、国が行うフューチャースクール推進事業のモデルとなったシンガポールの教育現場の先進地視察が先月行われ、私もその一員として、この視察に参加をさせていただきました。  国の状況は、規模も人口も考え方もシンガポールと我が国で、もう全然違いますが、これからの新しい教育のあり方の一端に触れることができたと思っております。  シンガポールのほうでも、確かに言われたのは、情報、技術が進んでも、それをどのように生かしていくか、どのように使っていくかという考え方が大切であって、ツールはあくまでツールであるということを伺ったのを覚えております。  この佐賀県の教育委員会でも、二十二年度の事業成果をどのように教育の現場に生かしていくのか、最後にお尋ねをさせていただきます。 277 ◯福田教育情報化推進室長=取り組み成果の活用についてお答えいたします。  県教育委員会では、学習プリントのインターネット配信事業を初め、これまで行ってきました電子黒板を活用した授業実践や情報先進国への視察などの取り組みを通しまして、ICTを利活用した教育は学力向上の有効な手段であり、今後の教育を左右する喫緊の課題ととらえております。  こうした認識のもと、これまでの取り組みの成果を引き継ぐ形で平成二十二年十一月補正予算によりまして、先進的ICT利活用教育推進事業を立ち上げるとともに、本年四月にはICT利活用教育推進の専任組織として教育情報化推進室を設置いたしまして、現在、県立致遠館中学校などの実証校を中心としました実証研究や人材育成等に取り組んでいるところでございます。  なお、今般策定いたしました佐賀県総合計画二〇一一においても、ICT利活用教育の推進を本県教育の最重要施策と位置づけており、学力向上及び教育の一層の充実に向け、先進的かつ大胆に推進していくこととしております。  以上でございます。 278 ◯江口委員=ぜひ、新しい機器を利活用しながら、ぜひともこういう教育の現場での効果をより一層上げていただくべく、これからの取り組みをお願いいたします。  それでは、次の質問に移らさせていただきます。  消費者行政についてお尋ねをさせていただきます。  県民の安全、安心なくらしを守るために、また、県民が安心して消費生活を送ることのできる環境の整備が不可欠であると考えます。  国におきましては、消費者、生活者の立場に立つ消費者行政を推進するために平成二十一年九月に消費者庁が設置をされました。  さらに消費生活の現場である地方の消費者行政の充実強化を図るために、平成二十一年度から三年間を集中育成・強化期間と位置づけて、地方消費者行政活性化交付金によって、財政面から地方の消費者行政の支援に取り組みをなされてきたところでございます。  県では、交付金によりまして、佐賀県消費者行政活性化基金を造成されたと伺っております。消費生活相談窓口の拡充を初めとする消費者行政の強化に取り組まれていることと存じますが、そこで、次の点についてお尋ねをさせていただきます。  まず、市町の消費生活相談窓口の拡充についてでございますが、県民が消費者トラブルに遭ってしまった場合に、相談できる身近な相談窓口の存在は大変重要でございます。市や町の消費生活相談窓口につきまして、消費者行政の活性化事業により、どのように拡充をされてきたのか、まず最初にお尋ねをいたします。 279 ◯蒲原くらしの安全安心課長=市町の消費生活相談窓口の拡充についてお答えいたします。  県では、これまでも市町とともに消費者行政の充実に取り組んできたところでございますが、平成十八年には全国に先駆けまして、県内すべての市町に消費生活相談窓口が開設されたところでございます。  しかしながら、市町の相談窓口につきましては、平日毎日開設している市がある一方で、月に一日だけしか開設していない町があるなど、十分に相談体制が整っているとは言いがたい状況でございました。  このため、県では、先ほど委員もおっしゃいました消費者行政活性化基金を活用しました事業で、市町の相談窓口につきましては、市は週に五日、町は週に二日という目標を設定いたしまして、市町を訪問して要請を行うとともに、消費者行政活性化基金を活用した市町の消費生活相談窓口の拡充の支援策、補助金等を設けたところでございます。  これを受けまして、各市町において、開設日の増加、相談員の増員、あるいは相談時間の延長等の充実が図られております。  さらに、市町単独では開設日数をふやすことが困難な場合につきまして、近隣の市町と連携した相談受け付けを行うことにより、住民がいつでも相談できるよう広域での相談受け付け体制の構築についても市町に働きかけてきたところでございます。  この結果、この強化期間が開始される前の平成二十年度末には、目標とする市五日、町二日という開設日を満たす市町の数は三市三町でございましたけれども、二十一年度末には五市三町、現在では八市八町において市は週に五日、町は週に二日の相談日を設けたところでございます。こういった形で充実を図ってきたところでございます。  以上でございます。 280 ◯江口委員=この数年でかなり消費者トラブルなどの相談の窓口というのが市や町で拡充をされてきたことがうかがえます。  土地の売買から、不当請求から、あるいはいろんなことで相談を受けて、どこに相談に行っていいのかというのも、私も相談を何度も受けたことかありますが、じゃそういったときにアバンセに行かれたことありますかとか言われても、なかなか御存じなかったりとか、どこに相談に行けばいいかというのがなかなかわかりづらかったりとかいうことも多々あったんですけれども、こうやって少しずつふえてきて、また認識が高まってくることを、進むことを歓迎したいと思います。  じゃ、次の消費生活センターの運営や、スタッフの養成の現状についてお尋ねをいたしますが、消費生活センターの運営につきましては、まず県民からの相談に対応するためには、専門的な知識ですとか豊富な経験を持つ相談員の存在が不可欠であると思いますが、県の消費生活センターの相談体制はどのようになっているのでしょうか。 281 ◯蒲原くらしの安全安心課長=県消費生活センターの運営について、お答えいたします。  県では、平成十六年度から消費生活相談業務を、従来の嘱託雇用から消費生活相談に関する専門的な知識を有する相談員を配置可能なNPO法人への委託に切りかえて事業を実施しております。これによりまして、消費生活相談における専門性が確保されるとともに、曜日によりまして配置人員を設定できるなど、柔軟な配置が可能となっております。  現在の配置体制につきましては、火曜日から金曜日までの平日については四名、それからアバンセの休館日であります月曜日と土曜日、日曜日については三名、それから年末・年始等の休日を除く、祝祭日については二名の体制で、専門の消費生活相談員が相談を受け付けております。  また、消費者行政活性化基金を活用いたしまして、市町の消費生活相談窓口への助言や、県センターの解決困難事案を担当する特別相談員を一名増員で配置しておりまして、また、相談時間を従来の十六時までとしておりましたのを十七時まで一時間延長するなど、県消費生活センターにつきましても相談体制の強化を図っているところでございます。  以上でございます。 282 ◯江口委員=そうしましたら、この消費生活相談員でございますが、この相談を担う相談員の養成というのは、どのように行っていらっしゃるんでしょうか。 283 ◯蒲原くらしの安全安心課長=消費生活相談員の養成につきましてお答えいたします。  消費生活相談員の養成につきましては、平成二十一年度から消費者行政活性化事業の一環といたしまして、消費生活相談員養成研修を実施しております。  平成二十一年度、二十二年度の二年間で三十名の研修生のうち、九名が独立行政法人国民生活センターが実施しております消費生活専門相談員の資格認定試験に合格されております。また、今年度も十名の研修生が受講されているところです。  さらに、県では、国民生活センターが実施する消費生活相談員研修への派遣や、市町を含む相談員のレベルアップを図る研修会を開催するなど、相談員の資質向上に努めているところでございます。  以上でございます。 284 ◯江口委員=それでは、実際のこの消費生活相談の状況についてお尋ねをしたいと思いますが、最近の消費生活相談の状況はどのようになっているのか、また、相談の件数ですとか、あるいは最近のトラブルなどの傾向、内容についてお尋ねをいたします。 285 ◯蒲原くらしの安全安心課長=消費生活相談の現状についてお答えいたします。  相談件数につきましては、平成十六年度の一万五千四百四十一件、これは県と市町の相談窓口の相談件数の合計でございますけれども、この十六年度をピークに減少傾向にありまして、平成二十二年度は八千五百九十八件が相談窓口に寄せられておるところでございます。  傾向といたしまして、平成二十二年度の相談内容別では、件数の多い順から、まず第一位が多重債務で千五百一件、約一七・五%、二番目に多いのが不当・架空請求、これが千四十一件で、一二・一%ほど、三番目が不動産といいますか、賃貸アパートや借家のトラブル関係で二百七十三件、これは三・二%、なお、この以上、三つの上位三位は五年連続で同じ順位となっております。  あと、相談者の年齢別でございますけれども、契約当事者が六十歳以上の高齢者からの相談が最近ふえている状況でございます。ここ数年の全体件数に占める割合の推移を見てみますと、平成二十年度が三〇%でありましたものが、二十一年度には三二・三%、さらには昨年二十二年度は三五・九%と、かなり増加の傾向にございます。  それから、県センターにおける今年度の、四月以降の相談状況では、アダルト情報サイトに関する相談が多く寄せられておりまして、これが例年ですと一番多い多重債務の相談件数を上回る件数になっております。  それから、あと投資トラブルに関する相談も多く寄せられておりまして、投資に興味がないと断ったところ、それでは名義貸しでいいからと、費用はかからないからという、そういった持ちかけをされまして、名義を貸したところ、今度は名義を貸したことについてインサイダー取引になるとか罪に問われると、そういう逆におどしを受けて、本人名義でもう一度振り込んでくださいといった手口で数千万円と、多額の被害が発生しているという状況もございます。  以上でございます。 286 ◯江口委員=振り込め詐欺だとか、世の中にはいろんなよからんことをされる方もいらっしゃいます。多重債務の御相談も最近は多いということで、あるいは不当な請求、いろんな契約や、クーリングオフのこととかもあると思うんですけれども、場合によってはクーリングオフとか、そういったもので契約を何とか解除できたり、あるいは不当な請求からそれを取り下げさせたりとか、被害に遭わなかったような、被害を未然に防止することも、いろんな御相談、アドバイスもあると思うんですが、いわゆるその成果といいますか、金額ベースとかで取り戻したお金ですとか、クーリングオフとか、そういったので大体どれぐらいの被害を未然に防止したとか、あるいはお金を取られずに済んだとか、そういった数字とかございますか。 287 ◯蒲原くらしの安全安心課長=相談によりまして、消費者の方が被害が遭わずに済んだ、あるいは被害に遭ったお金を取り返したと、こういった実績でございますが、これは国民生活センターが設置しております消費生活相談情報を蓄積するシステムのデータを積み上げた数字でございますけれども、振り込め詐欺とかの詐欺に遭わずに未然に振り込まずに済んだ、あるいは取り返した額の合計額としまして、三年前の平成二十年度で、件数で四百五十九件、金額で一億二千九百万円ほど、二十一年度で三百九十八件、金額で八千百万円ほど、平成二十二年度、昨年度で五百二十六件で一億三百七十万円ほどと、かなり多額の救済額の実績もございます。  以上でございます。 288 ◯江口委員=すると、その的確なアドバイスとかがなくて、あるいは相談をせずに泣き寝入りしてしまっていたら、それだけのいろんな被害が実はあったかもというふうに認識してよろしいんでしょうか。 289 ◯蒲原くらしの安全安心課長=未然に振り込みが防止できた額というのは、実際に本人の御判断で振り込まないということもあるかもしれませんけれども、相談がなければ、場合によっては振り込んだかもしれないということで、ここ五年ぐらいの傾向では大体一億円前後の救済額が実績ございますので、相当実績としては、架空な話という部分もございますけれども、かなりのものが防げたのではないかというふうに考えております。 290 ◯江口委員=いろんな手口が、また高齢者の方や、まじめな方に、どこでどうつけ入れられるかわからない、そういった危険性もかいま見えました。消費者のほうもそういったものにだまされない、あるいはそういったときに触れたときには的確な相談を求める、アドバイスを求める、そういったことも大切だと思いますが、そういったことを踏まえて、今後の消費者行政の課題と方向性についてお尋ねをしたいと思います。  この佐賀県における消費者行政の課題につきまして、今伺ったような県民の暮らしを守る重要な分野でございます消費者行政の中で、今後、どのような課題があると考えられるのか。また、その課題を踏まえて、今後の取り組みとして、今後佐賀県としてどのように取り組んでいくのか、あわせてお尋ねをいたします。 291 ◯蒲原くらしの安全安心課長=それでは、まず本県における消費者行政の課題についてお答えいたします。  消費生活相談の件数につきましては、若干の減少傾向にはあるわけでございますけれども、先ほど答弁の中で御説明いたしましたような新手の悪質な商法、手口が見受けられております。内容も複雑化しており、相談体制の充実、悪質な事業者に対する迅速な指導が求められていると考えております。  さらに、高齢者をねらった次々販売や被害が多額に上る投資トラブル、社会経験の浅い若者がトラブルに遭うケースも多く、消費者啓発も大きな課題であると、このように考えております。  また、内容別では、多重債務に関する相談が五年連続で一位となっており、多重債務者を市町や県の相談窓口につなぐ取り組み、これが必要じゃないかと。さらに、若者に対する金銭・金融教育や高齢者に対する注意喚起も重要であると、そのように認識しております。  次に、こういった課題を踏まえてどのように取り組んでいくのかということについてお答えをいたしたいと思います。  消費者行政につきましては、消費生活相談体制と事業者指導、それから、消費者教育・啓発、この三つの柱が大変重要であり、この三つの柱について充実させていくことが必要であると考えております。  まず、一つ目の相談体制の充実につきましては、県では、専門の消費生活相談員が相談対応に当たっておりますが、今後とも相談員のさらなる資質向上のため、国民生活センターが実施する研修への派遣ですとか、消費生活相談員研修会の開催などを行いまして、相談体制の充実に努めていきたいと考えております。  次に、事業者指導でございますけれども、事業者指導につきましては、昨年度までは消費者啓発の担当の係内で行っておりましたけれども、事業者指導の係を新たに独立して設けまして、そこの係長に現職の警察官を、これは佐賀県で初めての取り組みでございますけれども、警察官を配置いたしまして体制の強化を図ったところでございます。  それから、三つ目の柱であります消費者教育・啓発につきましては、県民に対する啓発事業としまして、県民からの要請に応じて消費者トラブルや金融教育等の専門家を派遣する出前講座を実施しており、昨年度は県内で百四十九回の実績があり、七千八百七十九名の方が受講されております。こういった事業を引き続き学校や各種団体に出前講座の実施を呼びかけてまいりたいと思っております。  いずれにいたしましても、今後とも市町を含め関係機関と連携を図りながら、消費者トラブルの予防、救済に取り組んでいきたいと、そのように考えております。  以上でございます。 292 ◯江口委員=ぜひともこの消費者の啓発、若者、また高齢者などへの認識向上などに努めていただければと思います。  窓口があるということ、それを知らない方も多分大勢いらっしゃると思います。近年では、法テラスという団体もここ数年でかなり認知度も上がってきました。ぜひ消費者、市民の生活の安心のために、これからも引き続き取り組みをお願いしたいと思います。  では続きまして、最後の質問でございますが、介護職員処遇改善交付金事業についてでございますが、この件につきましては、先ほど峰委員のほうからも、しっかりと質問をいろいろといただいたところでございますが、この介護職員の処遇のことに関しては、もう数年前から指摘をされていた、問題意識が高まる中、平成二十一年十月からこの介護職員処遇改善交付金事業によりまして、二十三年度までの時限措置でありますが、基金を活用したさまざまな事業が行われております。確かに介護の現場、あるいは幾つか私も知り合いの施設などにお尋ねをしたところ、この制度が始まった、あるいは始まるというころにお話を伺いましたら、このキャリアパスの要件、研修をしなければいけなかったり、あるいはそれを行うに当たっての手続ですとか、あるいはその三年後、期限が切れてしまった場合にどのようになるのか、そういった不安の中でスタートした事業であったということを思い出します。  ここで、改めてではございますが、この介護職員処遇改善交付金事業の申請の要件ですとか、あるいは手続につきまして、平成二十二年度からこのキャリアパスの要件が加わったと伺っておりますが、確認ではございますが、この事業を申請するに当たっての要件とか、あるいは手続についてはどのようなものであったのか、改めてお尋ねをしてよろしいでしょうか。 293 ◯山田長寿社会課長=申請の要件や手続についてお答えいたします。  まず、この交付金事業は、ほかの業種と賃金格差を縮め、介護が確固とした雇用の場として成長していけるよう、介護職員の処遇改善に取り組む事業者へ交付金を支給することにより、介護職員の処遇改善を進めていくものでございます。  そのために、介護職員の基本給の増額や手当の新設などによる賃金改善の計画を策定した介護サービス事業者に交付することになっております。申請した介護サービス事業者は、その賃金改善計画を職員に周知して行うことが条件となっております。  平成二十二年度以降の交付に当たりましては、介護職員の確保、定着を図るためには、先ほど申されましたように、能力、資格、経験等に応じた処遇を行うことが重要であるという観点から、申請する事業者にキャリアパスに関する要件とともに、定量的要件というものを課しているところでございます。  以上です。 294 ◯江口委員=この介護職員処遇改善交付金事業の申請の状況についてお尋ねをいたします。  伺うところ、平成二十二年度の本事業での申請率は、事業所の七六%程度であったと聞いておりますが、これは予想どおりぐらいの数字だったのか、あるいは予想より少ない、多い、どういうふうに県は受けとめていらっしゃるのか。といいますのも、やはり事業所によって二十名未満の小規模のところであったり、あるいは大きな何十名、百名、いろんなところによってこの事務の手続ですとか、あるいはそれが事業が終わった後の賃金がどうなるのか、そういったことを含めて制度が始まる前に非常に心配をされている事業主の方の声を聞いたこともございまして、実際この七六%程度というのは、県はどのように受けとめていらっしゃるのか、お尋ねします。 295 ◯山田長寿社会課長=申請状況等についてお答えいたします。  まず、介護職員処遇改善交付金事業の申請状況ですが、先ほど委員のほうからもお話がありましたように、平成二十一年度の申請率が対象事業者の七六・六%、四百九十二事業所、平成二十二年度が七六%で五百五十一事業所となっております。  この当該事業につきましては、介護職員のみしか適用されないものであり、介護事業者からは他の職種とのバランスが崩れるために申請しづらいといった声も伺っているところでございます。  そのような中で、交付金の申請率が七割を超えるということは、今回の事業に対する介護事業者の御理解と御努力の結果であると受けとめております。
     なお、事業者からこのような声があったことを踏まえて、国に対しましては、交付金の対象者を介護職員に限定しないこと、また、次期介護報酬改定では基本報酬の中で評価をすることを提案、要望してきているところでございます。  以上でございます。 296 ◯江口委員=先ほどの質疑にもありましたように、確かに来年の一月の介護報酬に向けての推移を注視していく。この介護職員の方の処遇のことにつきましては、全都道府県同じような状況であり、また皆さん何とかこの制度、あるいは教育制度も、あるいは医療制度も、そしてこの介護についても、生活の安心のためにぜひしっかりと運営をされることを望む分野だと思います。  ことしの五月三十一日の佐賀県からの国への提案事項の中にも上げられているように、ぜひこういった件については、党の垣根を越えて、我が国全体でしっかりと支え合う制度を、これからも引き続きつくっていけるように努力いたす所存でございます。  これで質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。 297 ◯土井副委員長=以上で文教厚生常任委員会関係の質疑を終了します。  なお、明日十一月十五日は議案審査、十一月十六日は午前十時に委員会を再開し、産業常任委員会関係の質疑を行います。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時三十九分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...