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  1. 佐賀県議会 2009-12-15
    平成21年有明玄海・エネルギー対策特別委員会 本文 開催日:2009年12月15日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時三十三分 開会 ◯末安委員長=おはようございます。ただいまから有明玄海・エネルギー対策特別委員会を開催いたします。     ○ 会議録署名者指名 2 ◯末安委員長=会議録署名者として坂口祐樹君、田崎信幸君、太田記代子君、武藤明美君、以上四人を指名いたします。  海洋環境の保全、水産資源の確保、エネルギー対策に関する諸問題の調査に関する件を議題といたします。  これより質疑に入ります。通告に従い順次発言を許可します。 3 ◯土井委員=皆さん、おはようございます。ただいま御指名いただきました土井敏行でございます。きょうの私の質問は有明海の問題一本であります。ただ、大きく中身を分けると二つ柱がございまして、一つは、有明海で生計を立てておられる漁業の再生について、もう一点は、有明海の再生そのものであります。きょうの切り口は、今、問題になっております諫早湾干拓の潮受堤防の開門調査に対する方法書の切り口から質問をしたいというふうに思っております。  まず、有明海の漁業の再生についてでありますが、平成九年四月に諫早湾の干拓事業の潮受堤防が閉じられ、はや十二年が経過したところであります。かつてのギロチンの光景は、まだ皆さんの目にも焼きついているのではなかろうかと思います。  こうした中、近年の有明海の漁業を振り返りますと、ノリの養殖については、平成十五年度以降、枚数、金額ともに六年連続で日本一を達成し、一見、好調のようにも思います。昨年度、西南部漁場の一部では、珪藻赤潮による色落ちが長期間継続をし、冷凍網の生産に大きな被害が出たことは記憶に新しいところであります。私も議会でこのことを取り上げて質問させていただきましたし、ノリの色落ちの状況も現物を見ていただいたというふうに思います。これは諫早湾の開門による大量の排水によるものではないかと、その辺の因果関係について追及をしたところでありますが、いずれにせよ、李下に冠をたださずといいますか、疑わしきことは行うなということで小まめな排水を求めてきたところであります。  今度のノリ養殖については、十月中旬から開始をされ、今のところ、色落ち被害はそう発生してはいないと聞いておりますが、二回目の秋芽ノリのときには若干色落ちといいますか、赤腐れ病が発生したということも聞いております。ノリ養殖を営む漁業者の皆さんは、いつまた色落ちが発生するかわからないと、そういう不安の中で生産を続けられているのが現状ではなかろうかと思います。  一方で、漁船漁業についていいますと、昨年のガザミの豊漁や、先日のマスコミ報道、けさの新聞でも各紙が載せておりましたけれども、竹崎のタイラギの大量の発生といいますか、まとまった量で久しぶりにとれるということで明るい話題も聞かれております。  ただ、今後もそのような状況が持続するのかどうか、そういうことは不明でありますし、有明海の魚介類の資源状況は依然として非常に厳しい状況が続いていると私は考えております。  実は、きのうは新聞の休刊日でしたのできょうの新聞に載りましたけれども、日曜日、竹崎の漁協でタイラギの競りがございまして、知事もおいでいただきました。私も現場へ行ってその状況を視察をさせていただきました。久しぶりに漁業者の皆さんのはつらつとした雰囲気がちょっとかいま見られたということであります。  そこで知事があいさつの中で言っておられました。これがなぜとれたか、原因はまだはっきりはしないけれども、そういった意味ではまだまだ不安を抱えているけれども、一つの明るい話題として取り組みですね、海底耕うんや、あるいはモガイの殻をまいたとか、そういったことを今後も続けていかなければならないようなことを言っておられましたが、私も全く同じような気持ちであります。  ここで、一枚のパネルを見ていただきたいと思います。(パネルを示す)今、タイラギがたくさんとれているので海域がよくなっているのではないかというイメージを与えていますが、これは昨年撮った写真ですけれども、通常の有明海の外海はこういう茶色といいますか、泥色の海であります。これは諫早湾の閉め切り堤防であります。二枚目、下を見ていただくと、これは内側であります。緑色のペンキを流したように緑色のアオコが発生をしている状況であります。  そして、アオコの発生状況ですけれども、この写真を段階的に見ていただきますと、非常に緑の色が強くなっておりまして、こういう水が使えるのかというのが現在の調整池の水質の状況であります。  もう一つは、逆にびっくりするようなことが、これは去年の八月十三日でありますが、八月十五日に撮った写真がございます。これは有明海の海側です。青くて大変きれいな海のように見えますが、実は、有明海は先ほどお見せしたように泥色の海がきれいな海なんです。この青い海は何か。ここは現場へ行きますと卵の腐ったようなすごく嫌なにおいが、強烈なにおいがしております。これは硫化水素であります。  風の状況で貧酸素水塊が表面の潮が流されて下からわき上がってきている状況であります。すると、こういうふうにきれいな青色に実は見えるんです。でも、においはとてもそこにおられたようなものではありません。いかに貧酸素水塊が大きく発生しているかということをあらわしている一つの大きな証拠であります。めったにこういうものは見られないのですが、たまたま写真におさまっております。  ということでありまして、なぜこの写真を見ていただいたかというと、決して有明海はよくはなってないんですよね。たまたま今回、タイラギがよくとれて、去年、ガザミがとれてということで、何か海がよくなっているような印象、イメージを、誤った情報を発信しているきらいがあるのではないかということを非常に危惧をしているところであります。  今後、漁業者の皆さんが有明海で安心してノリ養殖漁船漁業を営んでいけるようにするには、養殖ノリの生産の安定とともに、魚介類資源、特にタイラギ、アゲマキを初めとする二枚貝の資源回復が喫緊の課題であると認識しているところであります。
     そこで、幾つかの点についてお伺いしますが、まず、一項目めは養殖ノリの安定生産についてであります。  今年度のノリの養殖の経過と現在の海況についてでありますが、今年度のノリの養殖のこれまでの経過はどのようになっているのか。また、現在の海況はどういうふうに推移をしているのかお伺いをいたします。 4 ◯古賀水産課長=今年度のノリ養殖の経過と現在の海況についてということでございます。  今年度のノリ養殖につきましては、例年より十日ほど遅い十月十八日に開始をされまして、順調に推移をしておりましたが、水温が例年より少し低く推移をしておりまして、ノリの成長がおくれぎみということでございました。しかし、十一月十九日ころから今漁期の一回目の摘み取りが始まりまして、現在、四回目の摘み取り作業が実施されているというような状況でございます。  また、例年、十一月に発生をします赤腐れ病につきましては、十一月十四日に東部と中部の漁場で初認をされております。これが十一月下旬の気温が高目になったところに小雨とか霧が発生をしまして全漁場に拡大をしております。  しかしながら、網の高づりと早目の摘み取り等、有明水産振興センターの指導や漁業者の懸命な養殖管理によりまして、現在は小康状態となっているところでございます。  現在の海況につきましては、昨日、十二月十四日現在で、水温は平均十三・四度ということで、平年の十二・五度よりもやや高目と。海水の比重につきましては、二十一・七ということでほぼ平年並み。栄養塩につきましては、これは十二月八日のデータでございますが、平均百七十六マイクログラム/リッターというようなことで、平年よりも若干低い状況ですけれども、ノリ養殖にとって必要な百マイクログラムを大きく上回っておりまして、現時点の海況につきましては、ノリ養殖に好適な状況にあるというふうに考えております。 5 ◯土井委員=私は、二回目の入札をちょっと心配しておりましたが、秋芽網期生産状況についてお伺いしますが、これまでに二回、入札が行われたわけですね。今、四回目の摘み取りに入っているということですが、二回入札が行われた結果、枚数、金額、単価はどのようになっているのか。また、昨年度と比べてどういうふうに違うのかというところをお伺いしたいと思います。 6 ◯古賀水産課長秋芽網期生産状況についてということでございます。  十一月二十八日と十二月十一日に秋芽網の入札会が行われておりますけれども、二回の合計で生産枚数は三億四千万枚ということで、これにつきましては昨年の七一%ということでございます。生産額につきましては、約四十四億四千万円ということで、昨年の八一%。平均単価につきましては、昨年の十一・四円に比べまして若干高い十三・一円ということになっています。基本的には水温が低かったことや病害対策のための高づり等々で成長がおくれぎみであったことが、昨年よりも生産枚数が少ない状況になっているというようなことですが、比較的良質なノリの生産ができているということで、単価は若干高い状況というようなことでございます。次回の入札につきましては、十二月二十六日に行われる予定でございます。 7 ◯土井委員=全体的には生産量は七一%ということで、昨年に比べると大分落ちているけれども、品質面といいますか、市況もあるんでしょうけれども、価格面が昨年の八一%ということになっておるようであります。このノリの状況が昨年非常に悪かったので、特に冷凍網以降悪かったので、漁業者はかなり必死になってやっておられるわけであります。この間、竹崎に行く途中、国道から海のほうを見てみますと、きちっと高づりをしてあって集団管理がきっちりできているなということを非常に感じたわけであります。  昨年、この問題が出たときに、今後の対策について私がお伺いをしましたところ、「漁協の青年部と一緒になって水産試験場潮流調査をやる」というような回答があったというふうに思います。  その潮流調査の結果についてお伺いをしたいと思いますが、昨年度のノリの色落ち被害を受けて、ことし七月、有明海漁協青年部有明水産振興センターによる潮流調査が行われました。鹿島から太良にかけた西南部漁場が前回は赤潮が北上して海岸沿いに上がるという従来とは違った形で、しかも、長期滞在をしてということで被害を大きくしたわけですけれども、鹿島から太良にかけた西南部の漁場の調査結果はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。 8 ◯古賀水産課長潮流調査の結果についてということでございます。  この潮流調査につきましては、漁業者の皆さんがみずから漁場の潮流の現状を把握をしまして、それぞれの漁場で養殖管理の参考とするためということで、ことし七月二十三日に有明海漁協青年部有明水産振興センターの指導のもとで潮流調査を実施されております。  その結果についてでございますが、鹿島市から太良町地先の大きな水塊の動きを見てみますと、岸と並行に往復する潮汐流といいますか、流れが確認されております。通常は、例えば筑後川の河口とか六角川の河口での潮流といいますのは、陸に対して垂直にといいますか、そういった往復流が通常でございますが、鹿島から太良にかけては岸と並行の潮汐流があるというふうなことで、基本的には同じ水といいますか、水塊というのが同じ漁場内にとどまりやすい傾向にあったということが一点でございます。  また、七浦の地先では、ノリ小間が一つぐらい変わると、基本的には十数メーター離れただけで水の動きが大きく異なっているというようなことで、基本的には非常に複雑な流れがあるのではないかというようなことが結果としては得られております。  この結果につきましては、八月から九月に開催されております講習会とか、あと十月の漁協青年部支部長会議等有明水産振興センターから漁業者に説明を申し上げたところでございます。 9 ◯土井委員=かなり複雑な動きをしているということは私も聞いておりますが、潮流調査を今回やっていただいたわけですけど、過去にも多分やられたと思うんですよね。過去にやられたのがいつごろなのか。実は、私は漁業者の方にお会いしたら、漁協青年部で昔、潮流調査をやったと。そのデータと比べてどうかという話があったわけですね。漁協青年部と申しましても、もう大分お年を召されて、とても青年部とは言えないような年になっておられますけれども、そういう記憶があるということでございましたので、過去のデータと比較ができるかどうかということについてお伺いしたいと思います。 10 ◯古賀水産課長=過去の調査との比較ということでございます。  今年度、実施をされる以前、直近の調査は平成十三年に実施されておりまして、基本的に今年度の調査は八年ぶりの調査ということでございました。平成八年ぐらいから調査を実施されております。  以前の結果と比較検討ができるかということでございますが、こういう潮流調査を実施しますけれども、まず潮位ですね、例えば同じ大潮の旧暦の例えば一日ということでありましても、そのときの潮位というものは完全に一緒ではありません。要は、潮位が違うということは、基本的に流速が変わってきます。それと、例えば筑後川とか六角川とかの水量ですね、そういったものとか、あと、風とか、気温とか、そういった部分でも潮流といいますのは非常に変化をしますので、単純に過去のデータと比較というのは非常に難しくて、例えば今回の調査につきましては、要は、西南部漁場の潮流については、東部とか中部と比べたら、やはり流速が遅いとか、そういったことを把握して、そういった部分を十分念頭に置いた上での養殖管理とか、そういったことにつなげていくような調査じゃないかなというふうに感じております。 11 ◯土井委員=そのときの気象条件とか、さっき言われました自然条件ですね、あそこは塩田川という大きな川がありますが、当時の天候によって川から流れてくる水量によって、有明海というのは流れの弱いところでありますので、大きく影響されるというようなことは確かにあるのではないかというふうに思います。単純な比較はできないでしょうけれども、ただ、実際、調査をされた漁業者の体感として、だから、科学的知見とはとても言えないわけですが、体感として以前調査をしたときと比べると、そのときの条件がどうかということは、今言われたようにわかりませんが、さらに流れが遅くなったような、停滞しているような感じを受けるということを言っておられますが、そのあたりについてはどういうふうにお考えになっておられますか。 12 ◯古賀水産課長=そのあたりについては、条件が一定ではないということで何とも言えない状況でございますが、平成九年以降、漁業者の方々は、潮流が、向きも変わったし、流速も遅くなったというようなことを一般的におっしゃられています。  今回の調査については、昔に比べてどうだったのかということは現状で申し上げるようなデータではないというようなことでございます。 13 ◯土井委員=データとしてはないわけですし、与件が違うわけですので比較できないというのはよくわかりますが、ただ、昔から、「海のことは漁業者に聞け」というふうに言われるぐらい、海で生活をしている人たちは感覚的に鋭いものがあると思うわけであります。  そういう流れが遅くなっているので、当然のことながら、撹拌力が弱くなっているのではないか、だから貧酸素水塊がなかなか壊れないのではないか、あるいは赤潮が発生して貧酸素水塊ができているということでしょうが、赤潮が簡単に壊れないといいますか、出ていかない、長期滞在型になってしまっているのではないかというようなことを言われております。  当然、そういったことが連想されるわけでありますけれども、今回やった調査が、例えば、今後、諫早湾堤防の排水門を開門して調査をしたとします。そのときと比べて比較できるような周辺の条件といいますか、今回は河川からの水量であるとか、天候である等の気象条件、風も大きく影響しますけれども、そういったものと比較できるようなものをそろえてちゃんとやっておられますか。将来比較できるようになっておりますか。 14 ◯古賀水産課長=今回の漁協青年部潮流調査の方法は、ポリ瓶の中に水を入れて、それを流してみるとか、そういう方法ですが、それについては先ほど言いましたように、風とか、そういった部分で非常に影響されます。  ただ、今回については有明水産振興センターが潮流計を二点に設置しまして調査をしておりますので、ある一定部分については比較検討はできないというわけではないのかなというふうに考えております。 15 ◯土井委員=せっかく潮流調査をやったわけですから、潮流調査が将来に生きるようにしなきゃいかんと思うわけですね。確かに、先ほどお話があったように、潮流調査で自分たちの漁場の網の張り方だなんだということについては、ある程度、データがとれたのかもしれませんが、それが開門したときとどう変わるかということの比較ができないということであれば、何のために調査をやったのかというようなことにもなってくると思います。調査の目的が少し違うのかもしれませんけれども、やっぱり使えるデータとして、事が大きく変わる前と後で把握をしておかなければいけないというふうに思いますが、いかがでしょうか。 16 ◯古賀水産課長=潮流の変化についての把握ということでございますが、基本的には現状の流れについては、県としても今回のアセスメントでも農政局に現状の流れを十分把握していただきたいという要望はいたしております。  それはそれとして、水産サイドといたしましては、先ほど申し上げましたけれども、有明水産振興センターのほうでは精密な潮流計を設置して潮流調査を実施しておりますので、そういった部分ではある程度の比較検討は可能ではないかなというふうに考えております。 17 ◯土井委員=わかりました。  それでは、これから冷凍網期が始まるわけですけれども、冷凍網期の生産安定に向けた県の取り組みについてお伺いをしたいと思いますが、今月下旬から始まります冷凍網期の生産安定に向けて県はどのように取り組んでいかれるのか、そのことについてお伺いをします。 18 ◯古賀水産課長冷凍網期の生産安定に向けた取り組みについてということでございます。  十二月八日の運営委員長会議におきまして、今漁期の冷凍網の出庫、つまり張り込みは、十二月二十六日というふうに決定をされております。  冷凍網期につきましては、スミノリや壺状菌病の発生の危険が高く、小まめな養殖管理が必要とされます。さらに、栄養塩類がいつまでもつのかというようなことを含めて漁場環境の把握というのが極めて重要であるというふうに考えております。  このため、有明水産振興センターにおきましては、引き続き、ノリの漁場調査や海況調査を適時適切に実施します。特に、ことし一月に色落ちが見られた西南部漁場につきましては、栄養塩の低下につながりますプランクトンの出現動向にも注視しまして、漁業者への迅速な情報提供と適切な指導等で、漁業者、漁協と一体となって冷凍網期の生産安定につなげてまいりたいと考えております。 19 ◯土井委員潮流調査もやっていただきましたので、ことし一月の赤潮の発生で被害を受けたノリの色落ちのときは、施肥の時期、タイミング、箇所とか、潮流調査をしていなかったといいますか、自分の漁場の状況をよくつかんでいなかったので、そこら辺で少しタイミングが狂ったりしたところがあったというような反省も聞いております。ぜひ今度はそういうことがないように、前の失敗の轍を踏まないようにしっかりやっていただきたいと思います。  引き続き、二枚貝類資源回復についてお伺いします。  県では、現在、有明海の二枚貝類資源回復に向けて海底耕耘やナルトビエイの駆除等の漁場環境の改善対策を実施されているところでありますが、これは坂口議員が一般質問で水産基盤整備事業について質問をされて、国の事業仕分けで一〇%カットになるという答弁が出ておりましたので私も非常に心配をしておりますけれども、こういうことはきっちり続けていかなければいかんと思っております。  今年度からまた別に昨年七月の大臣談話に基づく国の事業を活用して、有明海の主要魚種の資源回復に向けて新たに三カ年計画で有明海水産資源回復技術確立事業というものに着手をされておるようでありますが、このうち、今注目を浴びています二枚貝の三種類について、その進捗状況がどういうふうになってきたかということをお伺いしたいと思います。  まず一点目は、タイラギ取り組み進捗状況です。  タイラギについては、先ほど申しましたように、きょうの新聞等にも出ておりましたが、移植試験等を実施するということもありました。この進捗状況はどういうふうになってきておるかということをまずお伺いします。 20 ◯古賀水産課長タイラギ取り組み進捗状況についてということでございます。  まず、この事業におきますタイラギの目的につきましては、二つございます。  一つは、モガイ殻の散布・耕耘によります底質改善の効果の実証ということと、もう一つは、天然のタイラギ稚貝を干潟に移植する技術の開発と二つございます。  まず、モガイ殻の散布・耕耘につきましては、六月下旬から八月上旬にかけまして、太良町地先の二カ所で試験漁場の造成を完了しております。現在、底質とかタイラギ稚貝の着底状況等の追跡調査を実施しておりまして、十二月の調査では、モガイ殻を散布・耕耘した漁場では、その周辺に比べましてタイラギ稚貝の着底数が多いということが確認されております。  また、干潟での移植技術の開発につきましては、太良町地先の干潟におきまして五月二十五日から二十七日にかけまして、計画どおり天然の稚貝一万個を移植しております。これまでの調査の結果、移植する方法によりましては、稚貝が移植直後に抜け出るということも明らかになっておりますし、また、成長につきましては、移植時点で十二センチ程度だったタイラギが十二月上旬には十六から十七センチということで順調に推移をしている状況でございます。 21 ◯土井委員=佐賀県の有明海の中央部で非常にいい結果が出ているわけですけれども、この理由、原因というのは、知事も「よくわからん」というふうに言っておられましたように、何でそこだけがよかったのか、ほかのところはよくないんですよね。その原因はどういうふうに見ておられますか。 22 ◯古賀水産課長=端的に、ことしのタイラギの生息漁場が佐賀県海域にあるのはどうしてかというような御質問だろうと思います。  もともとタイラギにつきましては、この十年くらいは大牟田沖の漁場に限られておりましたが、それにつきましても、もともとタイラギは七月から九月に産卵をして、受精をしまして、海水中を大体二十日から一カ月ぐらい浮遊幼生ということで漂います。要するに、幼生というものは遊泳力を持っていません。ということは自然の潮流に任せて海域を動きます。一定の大きさになったら、大体〇・七ミリから〇・八ミリぐらいになりますと海底に着底をします。そのときに自分自身を海底に固定するために足糸という糸を出しますが、そのときに砂粒とか貝殻の砕片というのが必ず必要なわけです。そういうことでもともとタイラギが着底する場所といいますのは、その年、年によって、量とか、潮流とか、そういった部分に大きく左右されますので、ことしは大牟田沖だった、ことしは佐賀県海域だという予測が基本的にはつかない。要は、潮流とか風とか、そういったことでたまたまことし立っているタイラギについては、去年、そういう状況で佐賀県海域のほうに集められて大量に着底をして、それがたまたま着底してからの生存率が非常に高かったというようなことだと考えております。 23 ◯土井委員=ありがとうございました。確かに、モガイ殻をまいたということが着底する環境をよくした、確率がよくなったということは言えるのではないかと思いますが、もう一つは、この間、竹崎に行ったときに漁業者の方にお伺いしたら、昨年、北風が吹いて海水温が余り上がらなかった、ことしも冷夏だったと。水温が上がらなかったので赤潮が発生しなくて、あの辺に貧酸素水塊ができなかったようだと。それでたまたまことしはとれたんじゃなかろうかなと、そういう条件が重なってと、そういうことを言っておられました。だから、来年もこのようにとれるかどうか非常に不安ということを言っておられますね。だから、ある奥さんは、「こいやっけんが、息子に帰ってこいとはとても言いきらん」と言われるぐらいに、やっぱり非常に不安に思っておられますので、ぜひ今後の状況も注視をしていただきたいというふうに思います。  次に、アゲマキの取り組み進捗状況についてお伺いします。  前回お伺いしたときに、百万個の種苗放流を目指すということでありました。この進捗状況はどのようになっておりますでしょうか、お伺いします。 24 ◯古賀水産課長=アゲマキの取り組み進捗状況についてでございます。  アゲマキにつきましては、御指摘のとおり、今年度、種苗を百万個、放流するということで考えております。このため、十一月までに鹿島市の七浦地先と太良町の牟田地先の二カ所で、覆砂、耕耘をしまして底質を改善しました放流漁場を造成しております。また、放流用の種苗につきましては、現在、五ミリ程度と順調に成長しておりまして、八ミリ程度となります来年一月から二月に計画どおり百万個の放流が実施できるものというふうに考えているところでございます。 25 ◯土井委員=わかりました。順調に進んでいるということでありますので、ぜひ楽しみにしております。  以前お話ししたことがあると思いますが、韓国から持ってきたアゲマキの稚貝を鹿島の七浦地先に大量にまいたんですね。そしたら二、三年したら物すごく大きくなって大変おいしくいただきました。ところが、子供をはじかなかったんですよ。その原因がいまだにわからないわけですね。ぜひ、きちっと子供をはじいて次につながっていくようなことになればと思っておりますので、ぜひ注視をしていただきたいというふうに思います。  次、三点目はサルボウの取り組み進捗状況についてお伺いします。  サルボウ、アカガイですね、サルボウの生息環境調査等が中心になっておりましたけれども、この進捗状況はどのようになっておりますか。 26 ◯古賀水産課長=サルボウの取り組み進捗状況についてでございますが、サルボウにつきましては、生産の安定を図るために、主漁場でございます西部・南部漁場の環境条件や、サルボウの生息状況を詳細に調査をすることとしております。これまでの取り組み状況につきましては、六角川の河口から太良町地先までの広域的な生息環境を把握するために、四月から水質、底質調査を定期的に実施しております。また、七月から九月の夏期につきましては、白石町から鹿島市地先を中心に、先ほどいいました水質、底質調査に加えまして、サルボウの生息状況とか、海底直上層の溶存酸素量等々を詳細に調査をしたところでございます。  さらに、サルボウの操業実態、漁獲量、底質等の変化等を把握するために、八月に漁業者を対象としましたアンケート調査も実施しておりまして、現在、取りまとめを行っているところでございます。 27 ◯土井委員=サルボウというのは、アカガイは漁獲高もありますし、有明海を代表する二枚貝だと思っております。味も大変すばらしく、世の中に誇っていいものではないかというふうに私は思っていますので、貴重な資源だと思いますので、引き続き、サルボウがふえていくように、しっかりと調査、指導をお願いします。  続いて、四番目でありますが、二枚貝類資源回復に向けた今後の取り組みについてお伺いをします。  佐賀県では、今後、有明海の二枚貝類資源回復に向けてどのように取り組んでいかれるのか。先ほど申し上げましたように、坂口議員の一般質問の答弁で、事業仕分けで一〇%カットというようなお話もございましたし、魚介類の資源回復というのは、日本全国を見ても極めて重要なことではないかというふうに思うわけでありますが、今後の取り組みについてお伺いをします。 28 ◯古賀水産課長二枚貝類資源の回復に向けた取り組みについてということでございます。  タイラギにつきましては、今年度、鹿島市、太良町沖合の本県の海域でまとまった生息量が確認されておりまして、豊漁が期待されておりますけれども、基本的には、委員御指摘のとおり、タイラギを初めとした貝類資源の状況というのは、やはり厳しいものがあるというふうに考えております。  そういったことで、県としましては、海底耕耘やナルトビエイの駆除等の漁場環境の改善につきましては、引き続き、実施をしたいというふうに考えております。また、今年度から着手しました有明海水産資源回復技術確立事業につきましては、これまでの取り組みで明らかとなりました課題について改善すべき点を十分検討しまして、三カ年の限られた期間内に確実に成果が得られるよう全力を挙げて取り組みたいと考えております。  また、実用化のめどが立った研究成果につきましては、できるだけ早期に事業化をすることによりまして一日も早い二枚貝類資源回復につなげてまいりたいと考えております。 29 ◯土井委員=ぜひよろしくお願いします。  もう一つ、先ほど聞いたノリと関係があるかもしれませんが、冒頭申しましたように、タイラギがよくとれるようになったので、有明海全体がよくなったというような、そういうふうに逆に開門反対派の方は、それを論拠にしたいわけですね。この間、諫早で反対派の大集会がありましたね。千五百人、二千人ですか、集まった集会がありましたが、あそこであいさつをされた小長井漁協の漁協長さんは、有明海がだんだんよくなってきているからというような発言をされているようです。こういった誤ったイメージを与えてはいけないと思うわけであります。  例えば、去年はノリの被害が出ましたけれども、小まめに排水すれば大した影響はないんだというふうなふうにとられていますけれども、よく聞いてみると、佐賀県側の北部排水門からは排水してないんじゃないですか、今、いかがですか。そこはつかんでおられますか。 30 ◯古賀水産課長=調整池からの排水についてでございますが、基本的には十二月以降は、北部からは排水されていないのではないかと考えております。 31 ◯土井委員=これは鹿島の漁協青年部が現場に視察に行って、見て、びっくりして、ああいう騒ぎになったわけですけれども、どうもそれ以降、排水されていないというような状況であります。逆に、南部のほうが、長崎県側が非常に被害が出ているという話も聞いております。そういったこともありますので、決して今の諫早湾を閉め切った状態の有明海が正常に戻りつつあるということは幻想だということをしっかりと伝えていかなければいけないというふうに思います。  それでは、続きまして、問の二は有明海の再生についてお伺いをしたいと思います。  県議会でこの問題については何回となく質問を私もしてまいりましたけれども、今回は、諫早湾干拓事業の潮受堤防排水門の開門調査にかかわる環境アセスメントについて、その方法書に対する切り口から質問をしたいと思います。  民主党の政権となりました。私自身、悔しさもあるわけでありますけれども、別の意味で有明海に限って言えば、開門がすぐあるんじゃないかなというひそかな期待をしていたわけですけれども、前よりも何か悪くなったような気がするわけであります。開門への動きが加速されると期待していたところ、古川知事が赤松農林水産大臣と面談した際に、「まずは地元で協議を行ってくれ」と他人事のような発言をされたので、まず、私はこの報告を聞いたとき、驚きました。一体、原因者はだれなのか。利害が対立している者同士で、争っている者同士で調整して、それから地元の意見として上げてくださいと。これはもう責任逃れといいますか、責任回避であります。このことについては、また後でお伺いをしますけれども、私も非常に腹立たしく思っているところであります。その後も大臣は開門調査の実施は明言されていない状況にあるわけであります。  農林水産省九州農政局は、「諫早湾干拓事業の潮受堤防の排水門の開門調査に係る環境アセスメント」について、ことしの四月に方法書骨子(素案)というものを公表されました。八月に方法書を公告後、縦覧するなど、環境アセスメントの手続が進められております。開門調査までには、まだどうも時間がかかるなという気がしております。そういうふうに聞いております。一刻も早い開門調査の実施を願っている地元にとっては、一体いつになったら開門調査が実施されるんだろうかと心配をしているところであります。このような状況の中で、佐賀県は方法書に対する意見書を他県に先駆けて十一月十八日に出されたということで、この間、説明を受けました。  そこで、この方法書に絡んで幾つかお伺いをしたいと思います。  まず一点目は、方法書骨子、素案ですね、これに対する佐賀県意見の方法書への反映状況ですけれども、九州農政局がことしの四月十五日に公表した方法書骨子(素案)に対し、県は、五月十三日に意見を提出されました。その意見は、方法書にどのように反映をされたのかお伺いをします。 32 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=方法書骨子(素案)に対する佐賀県意見の方法書への反映状況はどうかということでございます。  五月十三日に九州農政局に提出いたしました方法書骨子(素案)に対する佐賀県の意見といたしましては、全体にかかわる事項が七項目、それから、個別の事項が二十四項目、合計三十一項目のことについて意見を述べたところでございます。その意見の方法書への反映状況はどうかということでございますが、方法書に意見が「おおむね反映された」ものが十九項目、それから、意見の反映状況について「準備書の段階で確認する必要があるもの」が七項目、それから、「反映されていなかったもの」が五項目ということでございました。  反映された事項につきましては、例えば、意見書では、「環境アセスメントの目的を明記すべきである」という意見を述べたのに対しまして、「方法書にその目的が記載された」こと。それから、「データ等の開示により環境影響予測モデルの透明性とその結果の信頼性を確保すべきである」という意見を述べたことに対しまして、「シミュレーションモデルはすべて公開する」という見解が示されたことなど、比較的多くの県意見が反映されたものと考えております。 33 ◯土井委員=県の意見が反映されたということでありますが、ちょっと読みましたが、私も専門家ではないので詳しいことはわかりませんが、ただ、中に目的が書いてあるんですけれども、目的が前文に書いてありましたですかね。目的の項目がありましたが、あれが本当に開門をするための目的というふうに見ていいのかどうか、ちょっと疑問に感じたわけですね、文章的に見て。その辺はどう感じておられますか。 34 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=方法書におきまして、私どもが申しました「環境アセスメントの目的を明記すること」ということにつきましては、たしか「はじめに」という章を新たに設けまして、そこの中で、大臣談話で環境アセスメントをこういう趣旨で行うことになったということを記載することによって、この環境アセスメントの目的を明記したという形になっているものというふうに受けとめております。 35 ◯土井委員=今、確かに言われたように、「はじめに」という前文の中で、「本方法書は、諫早湾干拓事業潮受堤防排水門の開門調査のための環境アセスの一環として」というふうに書いてあるんですよね。これが目的の明示なのかどうなのかということについては、ちょっとどうなのかなという気が私もしております。  そこが確認できていればいいんですけれども、この文書を読んでいると、調査をやった結果によっては開けないこともあるよというような、そんなニュアンスをちょっと感じるんですけど、そんなことはないでしょうね。いかがですか。 36 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=「はじめに」というところで、ちょっと読ませていただきますと、二つ目の文章のところですが、「このため、平成二十年七月十日、農林水産大臣が談話を発表し、諫早湾干拓事業潮受堤防排水門の開門調査のための環境アセスメントを行うこととした。本環境アセスメントは、開門調査を実施した場合、どのような変化や影響が生じたかについて、調査・予測評価を行い、必要に応じてその影響を回避・低減する措置を検討するものである」ということで、一つは、大臣談話の趣旨に基づいてやるということを明記したこと。  実は、これは骨子素案の段階で、もともとその根拠となるものが、これを実施する根拠は何なんだということが書いてございませんでした。少なくとも、大臣談話の趣旨にのっかってやるんだよということを明記したということと、「本環境アセスメントは、開門調査を実施した場合の変化や影響を、調査・予測評価を行い、その影響の回避・低減措置を検討するものである」ということで、アセスメントの目的は明記されたというふうに受けとめております。 37 ◯土井委員=わかりました。  開門調査を実施するきっかけとなったのは、佐賀地裁の判決なんですよね。だから、本当は佐賀地裁の判決で出たように、「中長期開門調査は、諫早湾内の流動を回復させるなどして本件事業と有明海における環境変化との因果関係に関する知見を得るための調査」というふうに、もっとはっきり具体的に書くべきではなかったかなというふうに思うんですけれども、その辺が釈然としないなという気がしましたけれども、そういうふうに確認ができているのであればそれでいいのかなというふうに思います。  次に、方法書に対する佐賀県の意見についてお伺いをしたいと思います。  まず一点目は、意見の取りまとめについてですけれども、県では、方法書に対する意見の取りまとめに当たってどのようなところから意見を聞かれたのか。だれとだれに聞いて意見を取りまとめられたのか、そのことについてお伺いをします。 38 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=方法書に対する意見の取りまとめに当たって、どういったところから意見を聞いたのかということでございます。  今回の方法書に対する意見につきましては、まず、庁内関係課からの意見を集約いたしまして、それから、佐賀市などの有明海沿岸四市二町、それから有明海漁協の意見、それから有明海再生機構や九州大学、佐賀大学などの研究者、こういった方々からの意見、さらには、今回、方法書を公告・縦覧し、パブリックコメントが求められておりますので、その結果について私どものほうに周知を受けておりますので、このパブリックコメントなどを参考にして佐賀県の意見を取りまとめたものであります。 39 ◯土井委員=その取りまとめをしていただきましたけれども、意見書作成の観点についてお伺いをしたいと思います。  方法書に対する意見書では、国に対してどのような観点から意見を述べられているのか。取りまとめられたときに一体何が問題であったのか、何が課題であったのかというようなことについてお伺いをしたいと思います。 40 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=意見書作成に当たっての観点についてということでございます。
     県といたしましては、今回の環境アセスメントが客観的かつ科学的に実施され、その結果が一日も早い開門調査の実施につながること、こういった観点から県の意見を整理しました。要するに、開門調査の実現までにはかなり時間がかかりそうだということで、アセスメントの実施を合理的にやって、できるだけ時間を短縮してやれるような形での環境アセスメントという観点から意見を述べさせていただきました。  そういったことから、具体的には影響予測モデルの信頼性の確保、それから、農業生産や背後地防災への万全の対策の実施、こういったことについて意見を述べたところでございます。 41 ◯土井委員=それと、意見書の中に書いてありますけれども、開門方法を三つ提示してありますけれども、やっぱりこれは一つに絞るべきですよね。県もそのように考えておられるようですけれども、三つばらばらにあって、それぞれのメリット、デメリットを書いてあるだけの話で、どれかに決めてなければ、当然、それに対する調査をそれぞれにやらなければいけないということであれば、膨大な、税金の無駄遣いではないですけれども、そういうこともありますので、どれか一つに絞るべきであろうというふうに私は思うわけですけれども、確認ですけれども、その点についてはいかがですか。 42 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=開門の方法を三ケースほど方法書の中に記載しておりまして、そのことについては方法書骨子(素案)の段階でも意見を述べておりましたが、アセスメントの中でこの三つの方法のいずれでやるんだと、どれが適当なんだということを分析・整理して提示すべきであるということを今回も改めて述べております。  それは、もともとこのアセスメントの指針の中で開門調査の方法を明記するということでございますので、三ケース並べられた状況では、開門調査の方法が明記されている状況ではないんじゃないか。唯一、開門調査の方法を明記することが開門調査の方法を明記したことになるということで、今回の意見の一番大きな点ということで意見を述べさせていただいております。 43 ◯土井委員=わかりました。ぜひそこは強く押していただきたいというふうに思います。  次に、環境評価予測モデルの信頼性の確保についてでありますが、環境アセスメントはモデルによって予測・評価されると聞いております。したがって、環境評価予測モデルの信頼性の確保というのは不可欠なものであると考えますが、国がつくったモデルでやるわけですね。それがちゃんと、いわゆる客観的な知見が得られるようになっているのかどうか、この信頼性というのは非常に大事なことではないかと思うんですね。これはB/Cと一緒かもしれませんが、あれにも同じようなモデルがあって、そのモデルがどこまで信用できるのかというのは、そのつくり方、設計思想にかかわってくるわけですけれども、その点の信頼性の確保に対しては、国にどのように意見を述べられましたかお伺いします。 44 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=環境影響評価予測モデルの信頼性の確保についてでございますが、環境影響評価予測モデルの信頼性の確保のために、まず第一に、「シミュレーションモデルの公開は解析作業の早い段階から行うこと」という意見を述べました。これは九州農政局だけでなく、佐賀大学や九州大学などがこれらの解析結果をそれぞれみずからがチェックをして、その検証作業をやろうという動きが実はございます。そういった動きが的確に行われて、その検討の結果が準備書だとか評価書にスムーズに反映されるようにという観点から一つ目の意見を述べたところでございます。  それから、二つ目にシミュレーションモデルによる予測評価については、専門家による評価を受け、その結果を公表することという意見を述べました。これは専門家による客観的かつ科学的な評価を受けて、その結果を公表することが予測評価結果の透明性、それから信頼性を高め、農林水産大臣談話にあります「関係者の同意に資する」ということにつながると考えたためでございます。 45 ◯土井委員=この信頼性の確保というのは大事なことでありますので、ここも強く国に対して言っていただきたいと思います。  もう一つ、今言われましたように、それを早くから公表することによって九州大学や佐賀大学でやる動きがあるということでありますけれども、動きじゃなくて、ぜひこちらからもお願いするぐらいのつもりでやってもらわないといけないと思うんですけれども、その点についてはいかがですか。 46 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=そういった動きに対しましては、もともと私ども、そういったグループと連絡、調整しながら、意見交換しながらやっておりまして、今回の方法書に対する意見を集約するに当たっても、そういった方々の意見も聞いて、こういった意見を整理したところでございます。 47 ◯土井委員=わかりました。  次の質問に移りますが、農業生産や背後地の防災についてお伺いします。  環境アセスメントでは、特に開門による影響が明らかな農業生産や背後地の防災が重要であると考えるところですけれども、意見書では、国に対してどのように意見を述べておられるのかお伺いします。  当然、これは影響が出るとわかっているわけですよね。前回、短期開門調査をやったわけですね。だれが考えたって、出ないわけはないわけですから、当然、どうすればいいかということもわかっているわけですから、そこについては国に対してどういうふうに意見を述べておられるのかお伺いします。 48 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=農業生産や背後地の防災についてでございますが、今、委員御指摘のとおり、農業生産や背後地の防災につきましては、その影響が起こることが確実に予測されているわけでございます。  そういったことから、具体的な回避提言措置を早急に検討し、万全の対策を講じることという意見を述べたところでございます。  このことにつきましては、九州農政局が、私どもの方法書骨子(素案)にも同じような意見を述べておりまして、それに対して可能な範囲で調査・予測と並行して必要な検討を実施するという見解を示しているところでございますが、このことについては特に早期開門調査の実施という観点からは非常に重要なことと考えておりますので、改めて再度、方法書に対する意見の中でも強く述べたということでございます。 49 ◯土井委員=特に、これについては早くやってもらわなきゃいけないわけです、わかっているわけですから。これを今、国が言っているようにアセスメントが終わってから、評価が出てからというふうなことであれば、先になるわけですね。工事が終わってからまた開門と、手だてが終わってから開門というと、一体何年先になるんだという話ですよね。六年では当然に間に合わないような先になってしまうんじゃないかというような気さえするわけです。ですから、ここはぜひ、わかっていることは並行して進めてほしいと。開門のためにやるわけですから、開門するか、しないかのためにやる調査ではないわけですから、そこは並行してやることを強く訴えてほしいというふうに思います。  いろんな方々が研究して、私もこの議会でいろいろ議論をしてお示しをしたように、いろんな学者の方の研究によれば、水源は十分にあるわけですよね。調整池の水を農業用水として使っているかというと、使ってないわけですよ。ほとんど本明川下流近くから水はとっているわけですね。先ほどお見せしましたように、すごいアオコの発生なんです。これは畑作には使えないですよ、葉ものにはこれが入るということで非常に危険だというふうに言われております。実際、使ってないはずですね。  だから、水量は十分に、必要な水量の倍以上、三倍もあるという話もありますし、下水の処理排水もありますし、いろんな水源が考えられております。ただ、古いところの干拓地の防災といいますか、樋門が壊れかかっていたりとか、いろんな対策をやらなければいけない。特に冠水の問題がありますので、そういうところに対する対策を、もうわかっているわけですから、早くやるように強く訴えていただきたいというふうに思います。  次に、意見書の提出時期についてでありますが、佐賀県は方法書に対する意見書を期限よりも四十日早く提出をされました。その理由は何かということをお伺いします。 50 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=方法書に対する意見の提出の時期についての御質問でございます。  本県が方法書に対する意見書を期限より約四十日早く提出した理由といたしましては、主に二つの理由がございます。  一つ目は、佐賀県が具体的かつ広範な検討を行っていち早く意見を述べることによって、他の県にも本県の主張を参考にしていただきたいという思いからが第一点目でございます。  それから、二つ目は、ただでさえ環境アセスメントには期間が長くかかり過ぎるという問題があるわけでございますが、本県ができるだけ早く提出することによって他県にも早く提出していただきたいとのメッセージを伝えたいということが二つ目でございます。  こういったことにより、少しでも環境アセスメントのスピードアップに寄与すればということで考えております。 51 ◯土井委員=ありがとうございます。二つの理由で早く出したということで、私も大変いいことだなというふうに思っております。  佐賀県の意見書を見て、他県は一体どういうふうな状況になっておるのかということについてお伺いします。 52 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=方法書に対する意見の他県の状況でございますが、関係県に確認を行いましたところ、いずれの県もまだ意見の提出には至っていないが、現在、取りまとめの最終段階に入っているところであるというふうに聞いております。 53 ◯土井委員=なるべく佐賀県の意見を参考にしてもらうように働きかけをしていただきたいと思います。  それでは、次に今後のスケジュールについてお伺いをしたいと思いますが、今後の環境アセスメントはどのように進められていくのか、そのことについてお伺いします。 54 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=今後の環境アセスメントのスケジュールについてでございますが、関係県の方法書への九州農政局への意見の提出期限が、厳密には十二月二十八日となっております。遅くともこの時期までには出されることになろうかと思います。その後、環境アセスメントの方法が決定されるということで、その後、実際にアセスメントが実施されるということになります。  農林水産省は、平成二十二年春ごろから環境アセスメントを開始しまして、その中間報告となります準備書を二十三年春ごろまでにまとめる方針というふうに聞いております。  その後、準備書が作成されますと、その後、方法書と同様にパブリックコメント、それから関係県の意見の聴取、そういった手続が約六カ月ぐらいかかるということになります。その後、九州農政局が評価書の案を作成し、農林水産大臣や環境大臣の意見を聞くなどの手続がさらに六カ月程度かかるということで、準備書から評価書までにはさらに一年ということで、最終的に評価書が確定するのは平成二十四年の春ごろになるというふうに考えております。 55 ◯土井委員=確定するのは平成二十四年の春ですね。その後、さらに、そこで出た内容について、評価を受けた内容について、いろんな対策についてはそれ以降やっていくというふうに言っているわけですか。いかがですか。 56 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=現時点では、そのように言っております。 57 ◯土井委員=それでは待てないんですよね。漁業者の方も、「そがん長う待たるんもんか」と言われてますよ。そこはもっと早く進めるように、さっき並行してやれという話をしましたが、岩永参議院議員の参議院の委員会の赤松農林水産大臣に対する質問の中でも、「自民党は並行してやるというふうに言っていた。なぜ民主党はしないのか」というようなことを質問しておられましたけれども、そこはもっと強く言わなければいけないと思います。冒頭言いましたように、地元の両県で考えろということ自体が、もう責任回避だと思うわけです。そこに逃げているような姿勢が見れますので、そこをもっと強く言っていただきたいというふうに思います。  今後の取り組みについてお伺いをしたいと思いますが、まず最初に、冒頭申し上げましたように、知事が国の責任回避のような、両県で話し合いなさいということに対して、知事は、「わかりました、やります」というふうに言っておりますけれども、どうして知事はそういうふうに素直に「やります」と言ったんでしょうか。そこの知事の考え方についてわかれば教えていただきたいと思います。 58 ◯城野くらし環境本部長=先般、知事が赤松農林水産大臣にお会いした際に、大臣のほうから、「まず地元同士で話し合うように」ということを発言されたと。これに対して私が知事から聞いている話としては、そもそも諫早湾干拓事業というのは国営の事業であって、本来、国がしっかり責任を持って取り組むべきものだと。そういった意味からいくと、大臣の発言には非常に疑問を感じるということをまず知事からは聞いております。  とはいうものの、大臣からそういうふうに言われて、その場で拒否をするというのもいかがなものかということで、知事の考え方としては、まずはこれは受けようと、受けて、もし長崎県知事がお会いをされれば、それはそれで話し合いをすることやぶさかじゃなしと。その結果をもって国のほうに、農林水産省にいくのか、農政局に向けるのかはございますが、いずれにしても、その結果をもって、地元で話し合ったからといって解決するような生易しいものではありませんよということを切り返した上で、次のステップへ進んでいこうと。いわば新政権の中でのまず第一歩だということで自分は受けてきたと、こういうふうに聞いております。 59 ◯土井委員=わかりました。知事は、地元としての誠意を見せようということでありましょうけれども、長崎県知事との会談について、知事は、長崎県知事に会談を申し入れ、去る十二月三日に金子長崎県知事も長崎県議会において、会談には前向きな発言をされているわけです。ただし、中身は、自分が反対だという意思を明確に伝えるというようなことも伝わってきております。この会談の時期は一体いつになるのか。また、会われて何を話すのかということについて本部長にお伺いしたいと思います。 60 ◯城野くらし環境本部長=長崎県知事との会談につきましては、議員御指摘のように、長崎県知事も前向きの発言をされております。これを受けまして、現在、両県で日程を調整中でございます。本県といたしましては、できるだけ早く実現させたいというふうに考えております。  会談を行うとして、そのときの内容でございますが、それぞれ立場の違いがある中、率直に話し合うことによってどの部分の意見が違うのか、どの部分については意見が同じなのか、あるいは漁業者と農業者が歩み寄れるような方法がないのか。そうしたところが少しでも見えればというふうに考えております。  いずれにいたしましても、一回の会談で物事が解決するとは考えておりません。この会談が有明海再生に向けたきっかけになればということで期待をしております。 61 ◯土井委員=わかりました。  大変難しいという話になるというふうに思うわけです。お互い、県民の意見も大きく違っている。というのは、この前の諫早の反対集会でも、あんなにたくさん集まっているのかというふうな気がしました。ただ、あれもかなり強制的に集まれというビラが配られているのを、そのビラを長崎県の方から私もいただきました。あれを見てびっくりしましたけれども、緊急集会ということでですね。でも、よく集まったものだなというふうに思いますが。  あの中で、今の長崎の状況をよくあらわしているなと思ったのは、実は、小長井の漁協長さんのあいさつです。あのあいさつを見ますと、全部読むと長くなりますので、一番最後にこう書いてあります。「有明海再生は、真の原因と諫干事業とのすりかえでは新の有明海再生はできない」というふうに言われているんですね。「数十年の間、本事業にかかわってきた地元は、工事がようやく完成し、これからが本当の振興策であるという機運に満ちている。漁業、営農、観光等の利活用など種々検討がなされ、既に実施の事業もある。地元の声を無視した客観的な評論、評説は迷惑であり、当事者である諫早湾の漁業者、周辺住民のことを忘れないでもらいたい」と。最後に「有明海の漁業不振は、諫早湾干拓の開門では解決はあり得ない。共同調査であっても、私たち諫早湾漁業者は絶対反対である」というふうに結んでおられます。非常に感情的になっておられる部分もありましょうし、いろんな背景もあると思います。  この中で見ておりますと、例えば、漁業が悪くなっていること、漁業権が行使できない状態になっていることも認めておられます。といいながら、漁場環境は少しずつ改善の気配を見せているというような認識も持っておられます。こういうふうな、この組合長さんのお話が今の諫早、長崎の状況をよくあらわしているというふうに思うわけであります。  大変難しい状況でありますけれども、ここは当事者同士だけで、乗り込んで行ったって、当然、反発を受けるだけの話でしょうか、きちっと第三者が、あるいは学者の方とか、そういった方々がきちっと客観的な目で話し合いができる場をセットすることが必要ではないかなというふうに思うわけであります。  この開門調査実現に向けた今後の取り組みについて最後にお伺いしたいと思います。  有明海の環境変化の原因を究明するためには、開門調査の実現が不可欠であります。そのためには開門調査のための環境アセスメントが確実に開門調査につながるよう努力をすべきだというふうに私は思います。  今後、県としては、一日も早い開門調査の実現に向けてどのように取り組んでいかれるのか、最後にくらし環境本部長にお伺いをします。 62 ◯城野くらし環境本部長=開門調査実現に向けた今後の取り組みでございますが、まず、先ほど申し上げました両県知事の会談を早期に実現したいというふうに考えております。一方では、これも先ほど申し上げましたが、本来、この問題は事業主体である国、すなわち農林水産省が主体的に取り組むべきというふうに考えております。  そういった意味では、私どもとしては、次のステップは農林水産省がイニシアチブをとって、関係四県が、私ども実務レベルでしっかり検討を行う場を設けるべきというふうに考えております。この実現にむけて私どもとしては繰り返し要請をしていきたいというふうに考えております。  また、現在進められております開門調査のための環境アセスメントに対しましても、引き続き、専門家などの意見を聞きながら科学的根拠をもとに積極的に意見を述べて開門調査の早期実現につながるよう、しっかり取り組んでいきたいと考えております。  以上です。 63 ◯末安委員長=暫時休憩します。十三時をめどに委員会を再開します。     午前十一時五十三分 休憩     午後一時一分 開議 64 ◯末安委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き質疑を行います。 65 ◯太田委員=県民ネットワークの太田です。毎年毎年、十二月は八日という日を叫び続けなければいけないと思っています。十二月八日の記憶は、私にはないのです。十二月八日、戦争が始まった、その放送は全然記憶にない、幼過ぎたんでしょうか。終戦のと言うべきか、敗戦のと言うべきか、八月十五日の玉音放送と言われるあの悲しい放送は記憶にございます。  それで、十二月だからなおのこと、声を高らかにして質問させていただきたいことは、あの戦争の犠牲者が三百万人以上、世界ではもっとたくさん、何千万人かと言われています。しかも、外国はだんだんその数をふやしていきます。そして、日本が悪かった、悪かったと、それが日本を非常に不利に追いこんでいっているように感じます。ですから、あの悲劇的な戦争を教訓として生かすことこそ、戦争で生き残った私どもの責務だと思ってそれを繰り返さざるを得ません。  そう思っていたときに、三日ほど前に東京の知人から電話がありました。すごく活躍している男性です。「太田さん、びっくりした」と。東京のほうで報道があったそうです。米軍の沖縄基地を移転する候補地の一つに佐賀空港が挙がったんでしょうかね、そういうことをさっき知ったので、「冗談じゃない、太田さん何やっているの」という抗議の電話でした。  それで、有明佐賀空港は名前が示しますように有明海に面しています。有明海の自然環境を守るために、こんなに一生懸命、県議会議員が全員そろって頑張っていますし、担当の皆さんも苦労していらっしゃるときに、冗談じゃないと思います。そして、プルサーマルはあり、米軍の空港でも来ようものなら、それこそテロの場所として一番にねらわれる危険性が出てくることも考えなきゃいけないし、戦争を知っている世代として、ここにその危険性を大きな声で叫んで、平和と自然環境保全を祈って質問させていただきます。  一番初めに有明海の質問ですが、午前中、土井委員がしっかりいい質問をなさいました。しかし、違う視点から質問させていただきます。  長崎県だけだと思います、開門を反対しているのは。一都二府四十七県で四十六県が力を合わせるべきときで、よその県のことをあんまり悪くは言えませんが、長崎県だけの意見が通るというのも民主的でない。  それで、長崎県の知人たちに聞きますと、「無関心が多い」と言ったり、「開けてほしい」と言ったりする人が私の知人には多いんです。さっき土井委員もおっしゃったように、この間、あんなにたくさん集めて開けないという集会をなさいましたが、あれは動員されているということであれば、そういうことを打ち砕かなければ開かないわけですね。長崎県の理解を得なければいけないならば、長崎県の理解促進についてどういうふうになさっていくのか、まず考えられるのが世論形成のためにシンポジウム開催などが考えられます。長崎、佐賀、相互の理解を深めるためにも、互いの県でシンポジウムを開くことが大事だと思うんです。  実際、鹿島で数年前に開かれたシンポジウムでは、「開けさせてくださいと佐賀の我々が諫早に行ってお願いすべき」だと私が座席から発言しましたら、諫早の漁民の方が、「あの女の人の言うとおりだ。自分たちも開けたいんだ」と言われたのをはっきり覚えております。  それから、ウナギの話も何度もしました。うなぎ屋さんの仲居さん三人のうち、一番若い人は尋ねたら「わからない」と言いましたが、四十代過ぎの二人の仲居さんは「開けてほしい。昔はボラがピチピチしていた、登ってきていた」と言われました。  それで、そういう計画はありますか。これをまずお尋ねします。 66 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=シンポジウムの開催への取り組みについての御質問でございます。  このことにつきましては、十二月七日の一般質問で古川知事が答弁いたしましたとおり、お互い、相手の県でシンポジウムを開催するといったことは、それぞれの立場について理解を深めるという点で効果があるものと考えております。しかしながら、現在は漁業者の方々、干拓地の営農者の方々、それから背後地の住民の方々、こういった方々が、それぞれの立場でさまざまな意見や感情を持たれている状況にございます。  このような状況のもとで、それぞれが相手の県へ出かけていくということになりますと無用な混乱を招くことにもなりかねないという懸念もございますことから、現時点でそういった計画は持ち合わせておりません。 67 ◯太田委員=それも工夫次第だと思うんですよ。諫早に、「開門すべきだ」と心の中では思っていても言えない方がかなりいらっしゃるように感じます。そういう方を諫早からお嫁に来た人とか、諫早に嫁に出していたり、佐賀県人が諫早に住んでいるような方々に情報をもらって、そして、長崎県と佐賀県が両方で討論し合うような場というのは有効なんじゃないでしょうか。 68 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=現在、私ども、長崎県知事と佐賀県の知事が会談をしたいということで、そういった取り組みをしているところでございます。  こういった取り組みを通して、例えば両県の県民の方々が冷静に議論をしていくというような雰囲気がまずできて、そういった環境ができ上がったところで御提案のようなシンポジウムを計画するということが、いわゆるタイムリーなシンポジウムの実施ということで有効になってくるのではないかというふうに考えております。 69 ◯太田委員=そうですね。冷静になるでしょうね、金子知事と古川知事だったら。何しろ、上司と部下だったわけですから、古川知事は金子知事にはあんまりは反抗なさらないということが考えられます。それが現実です。だって、新幹線でそうだったじゃありませんか。切り札でしたよ、新幹線は。それを古川知事は、自分が一生懸命になって長崎新幹線を無理して、ルールを変えてまで通して。ですから、金子知事はもう御しやすいと昔の部下を思っていらっしゃるんじゃないかと思うんです。私は、古川知事に、佐賀の知事ですから、もう少ししっかりしてください。そうでなかったら、一度、総務省に帰って箔をつけて金子知事に牛耳られないような貫祿をつけてから佐賀の知事として帰ってきてくださいと平成十五年にお立ちになったときに思ったものです。若くない女性の勘というのは当たることが多いんですね、経験から、威張っているのではありません。  それで、今おっしゃったことを期待しています。そして、成果が上がり、一日も早く開かるように。そして、開ければよみがえることは韓国の始華湖で証明済みだし、短期開門で証明済みじゃありませんか。短期開門の後に生産量はうんと上がったわけですし、韓国の始華湖は諫干の三倍の広さ。しかも、諫干は日本一、干満の差が激しい、急な、自然治癒力の高い海ですから、有明海はもっともっと回復が早いと思います。三分の一の面積だし、海流で自然治癒する、拡散する、この自然の力の前には人間が少々泡を入れたりとか、砂をまいたりとか、しないよりはましかもしれませんけど、これは後世では姑息な方法だと言われるように思えて仕方ありません。一日も早い、けんかし合わない、静かにと今おっしゃいましたが、そういう対談とシンポジウムを長崎でしたり、佐賀でしたりして世論を形成していただきたいことをお願いをして次の質問に移ります。  では、諫早に乗り込んで、こういう方法がありますよ、諫早の水害のためにということであのギロチンが落ちたんですけど、佐賀の低平地は毎年水害だけど、それを上手にコントロールして犠牲が少ないようにして、今は水害もないように千代田あたりはなっています。そういう知恵を授けてあげる、アオ取水であるとかですね。そういうことを教えてあげるシンポジウムを諫早で開けないなら佐賀で早く開いて諫早の方を、招待してと言うべきか、自由参加にしてと言うべきか、聞いてもらう。そういう計画はないんですか。これは何年も前からお願いしていますが。鹿島でもいいし、太良でもいいし、佐賀市でもいいと思うんです。いかがですか。 70 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=佐賀県内でのシンポジウムの開催ということで、御指摘の低平地の防災問題、それから農業用水の確保については、低平地であります佐賀県で多くの経験を持ち合わせているというのは、私も同じように考えており、そういったことが諫早湾干拓でも参考になるというふうに考えております。  しかしながら、そのようなシンポジウムの開催につきましても先ほど答弁しましたとおり、今のような状況の中では、関係者が理解を深める上で、また、今後、国や長崎県との協議を進める上で、現在が適切な時期であるかどうかということを十分見極めてまいりたいと考えております。 71 ◯太田委員=土井県議もおっしゃったように、急がんばいかんと思うんですよ。有明海は硫化水素の臭いがすると。これは腐れているということですよね。本当に大変なときにもう来ていると思います。死の海になろうとしている。死の海どころか、有毒な海になろうとしていますよね。硫化水素というのは猛毒なんですから、硫化水素で死亡事故は何度もあったんですから。そういうのが海から立ち上ってくるなんて、この自然豊かな有明海を私たちが生きているときにこんなふうにしてしまった。シーラカンスの四億年より一億年古いメカジャが生きているように豊かだったこの海を、豊かだったからこそ、古生物が生きられた。そういう海を、何でこんなおろかなことでだめにしていかなきゃいけないのか。これはもう本当に後世の人に責められると思います。  それで、急がなければならない。今までもそうだった。過去を責めているんじゃないですよ。過去を言うと自然と未来がわかるから言っているんですけど、ずっと反対を、土井委員も、県議会でも反対意見がありました。そのときにもう少し早くそういうことを立ち上げておくべきだったんですよね。あそこに土地をつくるというのは、「土地は余っているのにつくらんでいいじゃないか」と言ったら「防災のため」と言って平成九年にギロチンを落として、そして田をつくって、田をつくるためじゃない、防災のためだと言いながら田をつくって、そこに入植者を募ってしまう。しかも、それは売りに出すというのを売れなかったから、長崎県が法を犯して、土地開発公社に長崎県のお金で買って貸すと。こんなことまでして、この前にそれをとめる努力をしてあげることが佐賀の国への貢献にもなったと思います。これは税金の無駄遣いになるわけですから、長崎県のためでもあったと思うんです。  このことを教訓として急がなければいけない。ゆっくり構えてはおれないところに来ているじゃありませんか。今後はどのように取り組んでいかれるんですか。急いでください。 72 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=開門調査の実現に向けての今後の取り組みについてということでございます。  まずは、両県知事の会談が早期に実現できるよう取り組んでまいりたいと考えております。  一方、本来、この問題は事業主体であります農林水産省が主体的に取り組むべき問題であるというふうに考えておりまして、農林水産省がイニシアチブをとって関係者が実務者レベルで検討を行う場を設けるよう、繰り返し、国に対して要請していきたいと考えております。  また、現在進められている開門調査のための環境アセスメントに対しては、引き続き、専門家の意見などを聞きながら、科学的根拠をもとに積極的に意見を述べ、開門調査の早期実現につながるようしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。 73 ◯太田委員=一県会議員ですから、私はどこの政党にも属しておりません。党は何のためにあるかは、国のためにあると思います。党のために国がだめになっちゃいけませんよね。今までは永田町の与党は自民党でいらっしゃった。一生懸命お願いしたけど、開かない。民主党政権になった、まだなかなか開かない。そうすると、無所属の私は、「太田先生、何しよんね」と責められたら、どうしたらいいんだろうかと思うんですけど、「どうしたらいいか教えてください」と言いたくなります。  では、早く開かることを祈って、城野本部長さん、御返事は要りません。あなたが県庁職員でいらっしゃって、本部長でいらっしゃる間に道筋をつけて、できたら開けてください。これはお願いしておきます。次の質問に時間を注ぎたいのでお願いをしまして、エネルギーの、玄海原発の問題について質問させていただきます。  本当にここで質問するのが、田代課長、胃が痛いでしょうと思って、私も胃が痛いです。あなたが胃が痛いだけじゃなくて、私も胃が痛くて質問していることをわかってください。やさしく言いたいんですけど、やさしく言っていると質問が下手なので眠くなられるといけませんので少し強く発言します。  一番いけないのは知事さんのあわてんぼうぶりだと思うんです。急ぎ過ぎだと思うんです。ですから、その後始末をなさるあなた方も大変だなと思うんですが、しかし、県民のために責めざるを得ません、問わざるを得ません。もう始まってしまったわけですから、あとは毎日毎日、事故がないように祈ることと、毎日毎日、漏れないように、でもゼロじゃないんですよね。祈ることと、そして早くとまることです。太陽光発電のような安全なものに早く変わることです。こんなに高いエネルギーがありましょうや。後始末にこれから何万年と、どれだけのお金が要るかわからないじゃありませんか。それはコストに計算されていないじゃありませんか。  それで、質問です。  事故があったときは犠牲者が出ないようにしなきゃいけない。事故がないことを祈るけど、事故がないということはない。じゃ、大きな事故がないように、そして、小さな事故であっても犠牲者が出ないように、それには情報公開ですよね。しかるに、それが確立されてましょうや。ノーと言わざるを得ない。  去る九月二十六日、定期検査中の玄海原子力発電所三号機で作業員が一日の計算線量を超えて被曝したと公表されています。しかも、すぐじゃないじゃありませんか。発表されたのは何月何日ですか。九月二十六日のトラブルを何月何日に発表なさったんですか、九電は。 74 ◯田代原子力安全対策課長=十一月九日に公表したというふうに承知しております。
    75 ◯太田委員=全くなってないと言わざるを得ません。  それでは、この被曝した作業員の年齢は、お幾つだったんでしょうか。 76 ◯田代原子力安全対策課長=この一日の計画線量を超えた作業員は、二十代の方であるというふうに聞いております。 77 ◯太田委員=男性ですか、女性ですか。 78 ◯田代原子力安全対策課長=男性であるというふうに聞いております。 79 ◯太田委員=人間の体の中で放射能が一番強く影響を受ける、つまり感受性が一番高くて危ないところは、男性の生殖腺と医学的にはっきりと書かれています。それは当たり前ですよね。細胞が安定しているときは放射能を感じにくいんですから。中学校で習ったじゃありませんか、減数分裂で核が二つに分かれる。普通の細胞は減数分裂しないけど、生殖細胞だけが減数分裂で染色体が半分になりますよね、このときが防御が弱くて放射線がDNAを傷つける。傷つけ方が強ければ、その細胞は死ぬわけですから精子として育たないわけだけど、少し傷つくと赤ちゃんになって、その子は先天異常か悪性の病気を発病するということですよね。  こういうところは、もう子供を産ませない世代が働くならいざ知らずです。じゃ、男性は幾つになったら子供を産ませなくなるでしょうか。本部長さん、答えてください。男性として答えてください。 80 ◯城野くらし環境本部長=私、門外漢で存じ上げておりません。 81 ◯太田委員=素直で、知っていらっしゃるけど、おっしゃりにくかったんだと思います。男性は死ぬまで父親になる可能性を持っているじゃありませんか。どうですか。その精子が傷つくわけですよ、その精子が死ぬか傷つくわけです。こういうことを今しようとしているんですよ。  しかも、さっきテレビニュースをごらんになったでしょう。プルサーマルは安全だと平成十八年三月二十六日、日曜日、年度末だから忙しいから日曜日においでになった大臣がさっき辞表を出された。代議士としてじゃないですよ、自民党の役職の辞表を。あの方が西松建設からお金をもらっていたけど、それが偽りだったということで辞表を出された。じゃ、あの方が物理学者ではないのに安全だと佐賀まで日曜日に言いに来られて、その一時間半ほど後に知事が、「大臣が安全と言うなら事前了解」とおっしゃった。思い出します。  悲しい一日ですよ。  それで、作業員の二十代の男性は、一生、そのことを心の隅に、自分は被曝したと思わなきゃいけない状態になられたわけですね。その作業員の方の現在の職場について伺います。  この作業員の方は、現在も玄海原子力発電所で働いておられますか。そして、正式な九電の職員さんでしょうか、お尋ねします。 82 ◯田代原子力安全対策課長=御指摘の作業員は、現在は、鹿児島県にある川内原子力発電所で作業をされていると聞いております。また、この作業員の方は協力会社の社員というふうに聞いております。 83 ◯太田委員=ということは、補償はきちんとあるんでしょうか。 84 ◯田代原子力安全対策課長=今回、被曝された量は一・三五ミリシーベルトであったと聞いております。これは、私ども一般人が一年間に自然環境の中で暮らしている放射線の約半分に当たります。また、法令に基づく年間被曝線量限度、これは年間五十ミリシーベルトでございますけれども、この三十分の一に満たないものでございます。  このような腺量限度は、人への影響ということを考えて規定されているものでございまして、その量の三分の一に満たないものということで、健康に影響を与えるような被曝線量ではないというふうに考えております。 85 ◯太田委員=言葉が出ません。わかりやすく端的に申します。「よく言うよ」というのが感想です。そして、御用学者に洗脳されないでくださいと言います。私が言っても、あなた方があの大臣に唯々諾々と、だまされたという言葉は適当じゃないかもしれませんが、御用学者の言葉を信じる。私は、信じることができません。それは疑わしきは排除しなきゃいけないからです、命を守るために。  私の言葉では、田代課長はわかっていただけないでしょう。ですから、柳澤桂子さんです。この方は専門中の専門じゃありませんか。彼女が難病になられて何年も寝た状態を続けて奇跡的に回復なさったのは御主人の愛情だったでしょうし、たまたまいい薬をインターネットで見つけられた。そして、この方が何でこんな難病になられたか、治りにくい病気になられたか。これは彼女の研究だろうと思います。少量の被曝だろうと私は想像いたします。この証明が難しいところが、この問題の奥深さです。  はっきり読みます。「微量の放射能による被害を防ぐために、職業上、放射線を浴びる可能性のある人は、五年で百ミリシーベルト以下、どの年も一年間に〇・〇五シーベルト以上浴びないようにという規則があります。このように便宜上決められた放射線の量を許容量と呼んでいますが、これはそれだけの放射線を浴びても安全ですよという値ではなく、それくらいまでは仕方がないでしょうという値です」、前にも読みましたよ。でも、田代課長が同じことを、安全だ、安全だとおっしゃるなら、私は、そうじゃないでしょう、ないでしょうと繰り返さざるを得ませんもんね。「もっといろいろなことがわかってくると、そんなに放射線を浴びてはいけなかったのだといって許容量が引き下げる可能性もそしてあるのです。現にそうやって引き下げられているのです。微量の放射能でも人間の一部のがんの原因になっていると考えられています。胚や胎児は特に放射線に弱いために妊婦は気をつけなければなりません。一人の人が子供を産み終わるまでに受ける放射線の量は全部で〇・〇〇一五ミリシーベルト以下が望ましいとされています。けれども、これは決して安全だという意味ではありません」とはっきり書いてあります。  男性は胚を体の中に入れませんけど、胚の前の段階が精子じゃありませんか。それを傷つけるんだったら、それを受けた卵と精子が一緒になって胚になる。このときもう既にDNAは傷ついて、がん、白血病、悪性リンパ腫、先天異常の率を高めているのです。  温暖化の防止のために原子力発電所とかプルサーマルとか言いますが、国際ルールだったでしょう。これも繰り返しますよ。温暖化の防止には原子力発電所は二酸化炭素を出さないということではカウントしないというのが国際的なルールだったじゃありませんか。これがはっきり福島県が出した本にも載ってますよ。それをあのブッシュ大統領ジュニアが、原子力発電所をつくったりプルサーマルをしようとしたんでしょうか、原子力発電所のほうが自分に有利だったんでしょうか。いつの間にか押さえ込んでしまったじゃありませんか。温暖化しているのは、さっき海水温度が十三度ということが言われましたが、玄海町では、それより七度高い温度の二十度のふるぬくい温度の水が筑後川二本分、どんどん流されている。海は広いから温度は上がっていませんと言ったら小学生に笑われましょうね。だって、その温度は空気に温度が移っているわけですから温暖化しているわけですね。  じゃ、次の質問にいきます。こんなに罪を侵しています、我々は。九電の正式社員ならば、九電という大きな企業だからきちんと労働災害として後の面倒は見るでしょうけど、下請の企業ですね、今おっしゃったように。彼は、一生それで不安を抱えていかなきゃいけない。彼がこれから無事であることを祈って次の質問にいきます。  この作業員の健康影響について、今後はどうフォローなさっていくんでしょうか。 86 ◯田代原子力安全対策課長=先ほど申し上げましたように、今回の被曝線量は健康に影響を与えるような線量ではございません。そこで、この件で特別な健康診断を行うことはございませんが、原子力発電所の放射線管理区域に入って作業を行う作業員につきましては、労働安全衛生法に基づきまして六カ月ごとに健康診断を受けることになっているところでございます。 87 ◯太田委員=その決まりが甘いとさっきから繰り返しているじゃありませんか。そんなことで私が引き下がれると思いますか。きょうは、田代さんがもう大変だろうと思い、静かにお話ししようと思いましたけど、田代課長の答弁を聞いていると、ちょっとそれは不可能になってくるんですよね。  それで、その方ががんになったり、白血病になったり、悪性リンパ腫とか、その方だけじゃありません。玄海原発であれ、どこの原発であれ、特にプルサーマルのところでは毒性が強いわけですから、そこで働いていた人がそういう厄介な病気になったときには、九電もきちんと責任をとるという決まりがありますか。 88 ◯田代原子力安全対策課長=先ほどから繰り返しておりますとおり、被曝線量は一・三五ミリシーベルトでございます。これは年間の線量限度五十ミリシーベルトの三十分の一に満たないものでございます。この線量は、御用学者ではなくて、国際放射線防護委員会(ICRP)、これは国際的な専門家が集まって、こういう従事者の線量はこういうふうにしようということで各国に勧告して、それをもとにして法律で規制されているものでございます。御用学者が決めたものとは考えておりません。  このような線量でございまして、健康に影響を与えるような被曝線量ではないというふうに考えております。 89 ◯太田委員=田代課長、「筑摩書房の『内部被曝の脅威』を読んでください」と何度も申しましたけど、お読みになりましたか。 90 ◯田代原子力安全対策課長=申しわけありません。読んでおりません。 91 ◯太田委員=それでそういうことをおっしゃれるんです。どうしても人間というのは弱いんでしょうね、洋の東西を問わず。国際機関の勧告も甘過ぎると言われています。犯罪の世界は、これももう十回以上繰り返していると思いますよ、疑わしきは罰せず。殺人があって、横にいたこの人が犯人だろうと死刑にしてしまったら、本当の犯人が出てきたときに取り返しがつかない。だから、長い時間かけて裁判するんですよね。そして、死刑の宣告が出てもずっと置いてますよね、執行までに。それは人が過ちを犯すことがあるからじゃありませんか。そして、疑わしきは罰しちゃいけない。無罪かもしれない人を罰するわけにはいかないから。  でも、食品添加物であるとか、薬品であるとか、こういうことは疑わしきは使用せずだと。それを一番経験したのは九州じゃありませんか。水俣病しかり、土呂久しかり、カネクロールしかりと、もう本当に十回以上言って口が酸っぱくなっています。何で田代課長、それがお耳に入らないんでしょうか。  つまり、今、ここで田代課長の御答弁ではっきりしたことは、労働災害という作業員の方々の犠牲のもとに原子力発電所もプルサーマルも実施されているということですよね。特にプルサーマルは毒性が強い。それでは電気を使うことに罪の意識を持たなきゃいけないわけですよ。一部の人の犠牲のもとに私どもは電気を享受してはならない、これははっきりしていると思います。  じゃ、人類は、今、力を合わせて、英知を結集して安全な労働災害の起きないエネルギーに変えていかなきゃいけないときじゃありませんか。そしたら、ウランを燃やしているのを、河野太郎さんがおっしゃるように安全なエネルギーに変えるべきなのに、何でもっと危ないプルトニウムを加えるプルサーマルにいくんですか。全国から将来ばかにされましょう。東条英機がうらまれているのと同じに古川知事はうらまれると思います。これでは戦争の教訓が生きてないということですよ。九州の兵隊さんが一番悲惨なところにやられて、一番悲惨な死に方をしているじゃありませんか。九州の男性は勇敢だと言って一番危険なところにやらされた。勇敢も、それを悪用しちゃいけませんよ。そして、こういう危険なことに、兵隊さんは国のためにと自分の命ですけど、これはみんなを危険に陥れているんですよ。ですから、これだけ申したら大分わかってくださっただろうと希望を持ちます。  次の質問に進ませていただきます。あなたと今話してても並行線です。ぜひ次の議会、二月議会までにこの「内部被曝の脅威」をお読みください。肥田舜太郎先生、広島の被爆者です。何度お願いしたでしょうか、読んでくださいと。鎌仲ひとみさんと力を合わせてこの本ができています。  さて、MOX燃料の安全性についてお尋ねいたします。  関西電力では、製造した十六体のMOX燃料のうち四体が自主検査に合格しなかったため使用しませんでしたね。原子力安全・保安院は、玄海用のMOX燃料にも関西電力が不合格としたものと同じものが入っている可能性を認めています。県は、このことをどう考えていらっしゃるんですか。 92 ◯田代原子力安全対策課長=MOX燃料の安全性についてでございますが、原子力安全・保安院の職員が、「関西電力が自主検査で不合格としたレベルの燃料が玄海原子力発電所で使用される可能性を否定できない」と発言したかのような報道がなされたため、私ども、直ちに原子力安全・保安院にそのことを確認したところでございます。  その結果、市民団体の方々に対し、「燃料の安全性は国の輸入燃料体検査で確認するものであることから、九州電力の自主検査の詳細内容については聞いていない」と、このように説明したところ、市民団体の方が、「電力の自主検査内容を国がすべて確認していない、ということは、関西電力が自主検査で不合格としたレベルの燃料が玄海で使用される可能性を否定できないということだ」と、このように声高に総括されるような発言をしたことにつきまして、原子力安全・保安院の職員が、そのような発言をした、否定できないという発言をしたかのような報道がなされたものでございます。  事実は、原子力安全・保安院の職員が可能性を認めるような発言をしたわけではなく、つまり委員御指摘のように、玄海用MOX燃料に関西電力が不合格としたものと同じものが入っている可能性を認めたということは事実に反するということでございました。  その後、原子力安全・保安院からは、「九州電力の玄海原子力発電所用のMOX燃料につきましては、既に国の輸入燃料体検査に合格し安全性が確認されているところであるが、念のために、自主検査内容等を確認した」と。  「関西電力が不採用とした自主検査項目につきまして九州電力も同様の自主検査を行っており、その内容は同等な検査内容・判定基準を用いており、また、検査結果を確認し、目標値を満足していることを確認した」というふうに聞いたところでございます。  いずれにいたしましても、自主検査につきましては、均質な製品の安定的な供給のために実施されているものでございまして、MOX燃料の安全性につきましては、国の輸入燃料体検査で厳正に確認されるものと認識しているところでございます。 93 ◯太田委員=田代課長も人がよ過ぎるところがあると思います。原子力安全・保安院の方も、それは保身がおありなんじゃないでしょうかと思わなきゃいけないんじゃありませんか。だれだって、人間ですもの、自分がかわいいでしょうよ。実際に市民派の人たちがそれを記録してきているじゃありませんか。  そして、あなたは、九州電力のMOX燃料が国の安全審査を通った、通ったとおっしゃいますが、国の安全審査には基準がないじゃありませんか。それをどう思われますか。私もドックに行きますよ。皆さんも健康診断に行かれると思います。そのときに血圧が高いとか低いとかいうのも基準があるじゃありませんか。あなたは、MOX燃料は安全だと、国の安全審査を通ったって言ったって、国の安全審査を示してくだいますか。 94 ◯田代原子力安全対策課長=ただいまの御質問は、国において具体的な基準の数値が決められていないということだと思いますが、このことについて原子力安全・保安院に確認いたしました。その結果、MOX燃料の詳細仕様は、使用する原子炉の型や燃料製造メーカー、あるいは原料となるウランやプルトニウムの組成、例えば燃えやすいものの割合などでございますけれども、それによってそれぞれ異なることから個別の設計段階でなければ決められないと。例えば、玄海のような軽水炉用の燃料と、もんじゅのような高速炉用の燃料では、使用するプルトニウムの負荷度などが大きく異なっております。例えば、玄海の場合には約六%、もんじゅ、高速増殖炉では約二〇%でございます。このように大きく異なっておりまして、MOX燃料の詳細な仕様について、技術基準で必ずしも一律に具体的な数字を定めていないということでございます。  このため、実際の手順といたしましては、まず、事業者がMOX燃料の製造前に、その設計仕様につきまして安全性の評価を行いまして、その評価が妥当かどうか、国が専門家の意見を聞いた上で個別に判断しているということでございます。その上で実際のMOX燃料ができ上がった後に、それが設計仕様どおりに製造されているかどうか確認しているということでございました。 95 ◯太田委員=そんなことで安全だと言えますか。あなたは今おっしゃいましたけどね、もんじゅが二〇%で、玄海のようなウランを燃やすように設計された軽水炉で燃やすんですから、これは危険極まりないですよね。危険極まると言ってもいいけど、慣用語でどうしてか否定にするから、危険極まる。もっと強く強く言えば危険極まりない、これ以上の危険なことはない。だから、何度もこれも申します。石油ストーブでガソリンを燃やすようなものだと。ここで石油ストーブでガソリンを燃やして県庁だけが燃える、犠牲者が少し出る、そんなもんじゃないじゃありませんか。もっともっと、これはもう比較できない危険なものですよ。  それじゃ、あなたがおっしゃったように、そのままお言葉を受けますならば、もんじゅならどういう基準だ、軽水炉でプルトニウムを燃やす、MOX燃料を燃やすなら基準はどうだと決められないはずないじゃありませんか。どうして決めてないんですか。 96 ◯田代原子力安全対策課長=先ほど申しましたとおり、仕様というのは、原子炉の型以外にも、それに含まれるプルトニウムの性質といいますか、組成といいますか、そういうものによっても異なります。これはどの程度燃やしたウラン燃料を処理して、それから取り出したプルトニウムを利用しているか。これによって、そのプルトニウムに含まれる核分裂性のプルトニウムの割合でまた異なってまいります。したがいまして、一律に決められないということでございます。 97 ◯太田委員=そのくらいのことで私が納得できるとお思いになっていたらお考えが甘過ぎます。数日前に、身体障害者の会の会長だった松尾会長がお亡くなりになりました。このごろお会いしないなと思ってましたけど。お葬式に行ってきました。今、ハンディキャップを持って一生懸命生きている障害者の方々は、この障害は試練として、それを神仏と表現すれば、神仏からの試練でしょうか。耐えられない人には試練が与えられないという言葉も、これはハンディキャップを持って生まれて一生懸命生きている人へのサポートの言葉ではありますが、本当はハンディキャップはないほうが生きやすいに決まっているじゃありませんか。だけど、放射能は人間が人の健康を奪うのですから許されませんよ。このくらいのことで、あなたはどっちを向いていらっしゃるんですか。次の世代の子供たちの健康と幸せをつくるために努力すべきなのに、なぜそんなに知事にノーと言えずに、知事のブレーキになってあげるのがあなたの課長としてのお務めですよ。知事は汚名が残りますよ、こんな危険なものを日本で始めて。テロの危険も増すでしょうに。  そして、今、あなたのお言葉を聞いていると、ますます心配になりますよ。電力会社の自主検査を信じると言いますが、電力会社の自主検査そのものが、何でこんなに自由なのというようにまちまちじゃありませんか。  では、私が言うより、あなたに尋ねましょう。自主検査の関西電力の不純物の項目は、何項目ですか、九州電力は何項目ですか、中部電力は何項目ですか。 98 ◯田代原子力安全対策課長=お答えします。  輸入燃料体検査のペレットの自主検査の不純物の種類でございます。関西電力は四十種類、九州電力は二十八種類、そして中部電力では四種類というふうに聞いております。 99 ◯太田委員=これも何度も繰り返して聞きますのは、これが明らかになることがプルサーマルがとまることにつながると思うからです。そして、これは不純物の自主検査の項目ですよね。関西電力は、一度、やられてしまいましたね、イギリスのBNFL社に書類を改ざんされて、それが内部告発でわかってとまりましたよね、すごい裁判の努力で。この不純物が危ない。中部電力は四種類と今おっしゃいました。四種類をもう一度、頭に入れていらっしゃいましょうから、おっしゃってください。中部電力の不純物の四種類。 100 ◯田代原子力安全対策課長=申しわけありません。一つ訂正させていただきます。  私、自主検査の不純物と申しましたが、これは輸入燃料体検査の不純物の種類でございます。  それと四種類ですけれども、今、資料を持っておりませんけれども、炭素、フッ素、窒素、水素だったというふうに記憶しております。 101 ◯太田委員=どっちでもいいですよ、田代課長。今おっしゃったお言葉に、あなたが原子力行政の今のいい加減さがわかっていらっしゃらないということですよ。自主検査を持っていったら、国が「はい、どうぞ」というだけであって、国にルールがないということじゃありませんか。国にルールがなくて、国の安全審査が通っているということなんですよ。だから、国の安全審査も自主検査も同じですよ。私も初めは、国の安全審査が、基準がきちんとあって、それプラス電力会社ごとに自主的に安全を期してしているかと思ったら、違うじゃありませんか。各電力会社が自主検査をして、これでしますよと国に持っていったら、国はのんきな学者が見て、「ああ、いいでしょう」って。しかも、原子力安全・保安院の人は、不純物がどんなに危ないか。  たった四項目しかしない中部電力の炭素、フッ素、窒素、水素、これは身近な元素ですよね。炭素、私、さっき炭水化物を食べてきました。フッ素はフライパンに塗ってありますね、フッ素加工。フッ素を歯に塗りましょうと。これも賛否両論ありますが、私は自分はフッ素を使いたいです。窒素、これもたくさんここにある。水素もたくさんある。H2O。だから、みんなぼーっとしちゃってるけど、これがMOX燃料に入るとすごく危険なんですね。その証拠に、中部電力は四項目しか不純物検査を決めてませんが、水素は、なんと上限が二ppmです。炭素が一〇〇ppm、フッ素が一〇ppm、水素が二ppm、窒素が七五ppm。水素は二ppmが上限です。水素なんて、非常に爆発しやすいということは子供のとき習いましたが、水を飲んでいる我々は水素に対して鈍感になっているのかもしれません。しかも、市民派の連中が原子力安全・保安院に行ったときに、原子力安全・保安院の方が、「不純物が多いということは燃えにくいことだから安全じゃないですか」とおっしゃったそうじゃありませんか。もうびっくりしちゃいますね。この不純物がガスによってメルトダウン、メルトダウンしたら大事故じゃありませんか、チェルノブイリじゃありませんか。そういうことが起こるのに、「不純物が多いということは燃えにくいことじゃありませんか」と、こうおっしゃったというんですね。こういう方がいらっしゃる原子力安全・保安院が国の安全審査をしているんですよ、田代課長。あなた自身が県民の命を守るなら、原子力安全・保安院に、もっとしっかりしてくれよと言わなきゃいけない立場じゃありませんか。  きょうは、静かに、静かにと思って、私は一番初めにここに来て心を静めて静かに話そうと思いましたけど、県民の命と健康を考えると静かに言えませんよ。お答えください。広い範囲だから広くお答えください。 102 ◯田代原子力安全対策課長=先ほどから御指摘されております不純物ですが、そういう不純物につきましても、国におきましては、規制された不純物のデータで十分なのか。中部電力は四種類、九電は二十八種類ということでございますが、そういうもので十分なのかということを含めて専門家の意見を聞いて厳正に確認がなされているというふうに認識しております。 103 ◯太田委員=それでは、関西電力の不合格品は、どこでオミット、引っかかったのか、あなたは知っていらっしゃいますか。 104 ◯田代原子力安全対策課長=関西電力のどういう検査項目であったのかどうかについては承知しておりません。 105 ◯太田委員=それでよく安全だ、安全だとおっしゃれますね。それを確かめるのがあなたのお仕事なんじゃありませんか。それが企業秘密というんなら、そういうエネルギーは使っちゃいけませんよ。秘密にしなきゃいけないようなエネルギーを労働災害を起こしながら使うべきじゃありません。「これを秘密というなら、やめます、プルサーマルは」と、こうおっしゃるべきです。いかがですか。 106 ◯田代原子力安全対策課長=先ほどお答えいたしましたとおり、国は、九州電力の自主検査結果、これは関西電力のものと同等な検査内容、判定基準を用いておって、検査結果は目標値を満足しているということを確認したというふうに聞いております。  しかし、いずれにしましても、先ほどから申しておりますとおり、自主検査、これは均質な製品の安定供給のために実施しているものでございます。MOX燃料の安全性につきましては、国の輸入燃料体検査で厳正に確認されるというふうに認識しております。 107 ◯太田委員=何度言ったらわかるんですか。じゃ、国の輸入燃料体検査の基準をおっしゃってください。その基準にのっとって安全なら納得もしましょう。おっしゃってください。 108 ◯田代原子力安全対策課長=これも先ほどお答えしたとおりでございます。MOX燃料について基準を一律に決めることはできないと。その理由は、先ほど御説明したとおり、原子炉の型、あるいはプルトニウムの種類、そういうことによって変わってくるということで、一件一件について国が専門家の意見を聞いた上で判断しているということでございます。 109 ◯太田委員=それでは、百歩譲って、千歩譲って、我々は今、地球規模で、全国規模で考えなきゃいけませんが、ここは県議会ですから、まず県のことで考えますよ。玄海原発と関西電力の軽水炉はちょっと違うかもしれません。じゃ、国の安全審査というのは、玄海原発の基準はどうだと、そうあるべきでしょう。玄海原発のプルサーマルはどういう基準がMOX燃料に必要だと、それを要求なさいませ。あるんですか。 110 ◯田代原子力安全対策課長=これも先ほどお答えいたしましたが、MOX燃料の輸入燃料体検査の手始めとしまして、まず事業者がMOX燃料の製造前に、その設計仕様について安全性の評価を行います。その評価が妥当かどうか、これを国の専門家の意見を聞いた上で個別に判断してございます。その上で実際のMOX燃料ができ上がったときに、それが設計仕様どおりにきちんと製造されているということを確認して安全が確認されているところでございます。 111 ◯太田委員=人がよ過ぎるにもほどがあると。何度も言いますよ。国が安全だと言って安全じゃなかったケースを挙げてください。私はもう口が酸っぱくなっていますから今度は聞きたいです。もう一度、田代課長のお口からおっしゃってください。国が安全だと言って健康被害がたくさん今まで出ました。おっしゃってください。 112 ◯田代原子力安全対策課長=私、原子力安全行政を担当しております。私の知る範囲で原子力において国が安全だと言って、それが危険だったということの記憶はございません。 113 ◯太田委員=原子力だけじゃないんです。一般に私は言ってます。何度も私は申しましたよ。右から左に抜けていってたんですか。さっきも言いましたよ。 114 ◯田代原子力安全対策課長=先生のお話としては、これまでカネミの話であるとか、あるいは水俣の水銀の話とかお伺いしています。しかし、申しわけございませんけど、私、その辺に関する知識が乏しくありまして、それがどういう経緯だったのかということをきちんと把握してなかったものですから、それがお答えできなかったというところでございます。 115 ◯太田委員=同時に、あなたは原子力安全・保安院ののんきさを把握していらっしゃいませんよ。同じ国ですよ。経済産業省ですよ。サリドマイドもそうですよ。水俣病もそうですよ。だから、その教訓を生かして経済産業省は、今、太陽光発電にしようと必死になっている方がおられるじゃありませんか。何でプルサーマルマニアになってしまって、使命感でプルサーマルしか見えない森本課長と手をつなぐんですか。  反対派の市民は非常に勉強しています。必死で勉強しています。私も勉強しなければ県議として責任があるからそこに勉強のつもりで行っています。そのとき突き上げられて、南別館で、田代課長、あなたがどういうふうな対応をなさったか、覚えていらっしゃいますか。思い出したくもないでしょうけど、思い出してください。それがあなたを将来救います。歴史の法廷で裁かれるときに、あなたが有罪になるのを私は見過ごすわけにはいきません。歴史の法廷で田代課長よくやった、古川知事よくやった、よくとめたと言われてほしいのです。あなたは窮地に陥って返答に困っていらっしゃいましたよ。それを反対派の連中が何と表現していたか、ここで言いたいけど、後で言いましょう。  あなたは、こうおっしゃいましたよ。思い出してください。──ちょっと起きてくださいませんか、ここは大事ですから。お願いです。聞いてください。──田代課長は、反対派の運動のときに返答に窮して、「核分裂性のプルトニウムの含有率が安全性に関係ない」と言われましたよ。今もそう思っていらっしゃいますか。記録が残ってますよ。びっくりして、みんなの頭に強くインプットされてますよ。こういうことをあなたは言わざるを得ないほど、あのとき、返答に窮されました。 116 ◯田代原子力安全対策課長=多分、私の記憶によれば、これは自主検査におけるプルトニウムの含有率のことを言ったのではないかと思います。私が「関係ない」と言ったのは、その前段として輸入燃料体検査でプルトニウムがどれだけ入っているのかということはきちんと確認してございます。したがいまして、自主検査結果そのものが安全性に直接関与するものではないという意味で申し上げたつもりでございます。 117 ◯太田委員=皆さんが眠くなるほど同じことの繰り返し、堂々巡りですから。つまり国の安全審査というのは基準がない。こんないい加減な安全審査だということですよね。そのもとに我々は危険にさらされているのです。毎日、毎日、いつ事故が起こるか、恐れて生きなければいけない。こんな佐賀県をつくったのは、もう犯罪ですよ。  それで、次の質問にいきましょう。  原子力、核燃料サイクル政策について伺います。  プルサーマルの資源節約効果についてですけれど、プルサーマルは、使用済ウラン燃料に含まれるたった一%のプルトニウムを使用するだけであり、資源の節約なんか、ならないじゃありませんか。石油が埋蔵資源といいますが、ウランも埋蔵資源だし、そのプルトニウムも非常に危険で、後始末を考えたら節約にならないし、もんじゅがきちんと安全に動いたなら節約になるかもしれません。ただ、そのときはそのときで問題があるでありましょう。  そして、リサイクルをするたびにプルトニウムが劣化するそうです。物理学者でない私も、これを聞いてびっくりしました。繰り返し使用することはできないと物理学者がおっしゃっています。このようなプルサーマルは実施する意味がないと断言できますよ。どう思われますか、お答えください。 118 ◯田代原子力安全対策課長=お答えします。  プルサーマルの資源節約効果についてということでございますが、天然のウランには燃えるウランが〇・七%程度しか含まれておりません。ウラン燃料では燃えるウランを四%程度まで濃縮して使用しております。このウランを燃やした後の使用済燃料には約一%の燃えるウランが残っております。これは再利用が可能で、しかも、天然ウランに含まれているもの〇・七%、これよりも濃度が高いものでございます。その上、使用済燃料の中には燃えにくいウランが変化してできたプルトニウムが約一%含まれておりまして、今回のMOX燃料には、このプルトニウムを使用してございます。  もともと燃えるウランが四%含まれていたウラン燃料を一度使用した使用済燃料から、一%の燃えるウランと、さらに一%のプルトニウム、合計二%が燃料として採用できることになります。したがいまして、リサイクルとしては十分に意味のあることではないかというふうに考えております。  また、リサイクルするたびにプルトニウムが劣化するということで繰り返し使用することができないという御指摘でございますが、現在の軽水炉でも複数回使用することができるというふうにされてございます。  以上でございます。 119 ◯太田委員=全く詭弁を弄していらっしゃるとしか思えません。そして、こうやって戦争が始まったんだと思うと、十二月はよけい悲しいです。あなたのお顔が東条英機に見えますよ。戦争をしたらいけないという斎藤隆夫や吉田茂さんの、山本五十六の言葉は踏みにじられて、戦争反対だった山本五十六さんが真珠湾攻撃をしなきゃいけないこの悲劇、これを繰り返しちゃいけないと思えばこそ、戦争を幼き日に知っている私どもの世代は一生懸命頑張りましたし、若くて優秀な連中も、それを考える人たちは必死になりました。にもかかわらず、プルサーマルが始まったなんて、私どもは戦死者にどの面下げて、将来、死ぬとき、まみえることができましょうや。いまだにお骨は拾われていないじゃありませんか。三養基郡に一生懸命なって、お父様を戦死で失われた方が遺骨を拾っていらっしゃいます。末安委員長もお父様は戦死です。聞くところによると、四歳でお父様を失われたそうです。こういう私たちの世代が頑張るしかないのです。田代課長、後で何年生まれかおっしゃってください。  さて、もんじゅの運転開始とプルサーマルについて。  今の田代課長の御答弁に満足しているわけじゃありませんよ。だって、あなた、〇・何%のウランを、もう一度おっしゃってください。私、ほかのことを考えていたから聞き損ないました。ウランの燃料にするのは、自然界は〇・何%ですか。(「〇・七%です」と呼ぶものあり)それを何%に引き上げるんですか。(「四%です」と呼ぶ者あり)四%に引き上げるときに二酸化炭素を出すでしょう、いっぱい。これはカウントしてないじゃありませんか、まやかしですよ。「アメリカは戦争が弱い、弱い」って。「アメリカは戦争は弱いから、アメリカ兵はすぐ逃げる」と言って戦争に駆り出されてしまったんですよ。そして、これは数学的に物すごく難しい計算ですから、二酸化炭素だけ考えたら幾らか少ないかもしれません。でも、後始末のことを考えたら、すごくハイコストになるじゃありませんか。そして、海水の温度をどんどん上げていることをどう解釈するんですか。まやかしですよ。  次の質問にいきます。  もんじゅの運転開始とプルサーマルについて伺うんですが、もんじゅが動くならまだね。学者は、プルトニウムはリサイクルするたびに劣化していって使いにくくなって危険度が増すと言われることをここに置いて、何とか資源小国、資源小国なら太陽エネルギーを使えばいいじゃありませんか、無限ですよ。  それで、話があちこちいってますが、もんじゅが動いて初めて自然の節約になるということは、初めからわかっていたじゃありませんか。もんじゅはまだ動いてないじゃありませんか、十年以上。もんじゅが動き出すまでどうして待てないんでしょうか。開始を待つべきだったのではありませんか。そのことをしっかり納得がいくように、何でこんなにお急ぎになったかおっしゃってください。 120 ◯田代原子力安全対策課長=もんじゅの運転開始までプルサーマルを待つべきじゃなかったかという御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、プルサーマルは現在の軽水炉でも十分にウラン資源を節約する効果がございます。高速増殖炉でなければ資源の節約効果がないということではなく、もんじゅの運転開始を待つ必要がないと考えているところでございます。  なお、高速増殖炉もんじゅでございますが、これはナトリウム漏洩事故に対する対策工事も終了いたしまして、本年七月には燃料交換が行われております。現在、運転前の準備作業、各種点検が行われておりまして、本年度中に試運転再開が予定されているということでございます。 121 ◯太田委員=じゃ、試運転が再開されて、本運転が再開されて、ああうまくいったとなってからなぜしなかったんですか、玄海原発のプルサーマルを。そこを尋ねているんです。問うたことと違うことをお答えになりましたよ。
    122 ◯田代原子力安全対策課長=玄海原子力発電所のプルサーマルでございますが、この計画につきましては、原子力安全・保安院、あるいは原子力安全委員会によるダブルチェック、こういうふうな厳格な安全審査が行われ、また、九州電力から事前了解願いの提出を受けた県においても、二年近く、慎重な検討を行っております。そういうことで安全が確保されるということから私どもは了解したところでございます。その後、MOX燃料に関する国の輸入燃料体検査、あるいは輸送の安全に関する検査、プルサーマル運転を開始する前の使用前検査、あるいは総合負荷性能検査など、国によって厳格な規制のもとで一つ一つ確実に手続が進められてきたものでございまして、そのすべてに合格し、安全が確認されたものでございます。  このように、さまざまな手順の一つ一つを着実に行いながら進められてきたものでございまして、九州電力が急いで行ったわけではございません。そのような手続を一つ一つ進めて安全を確認した結果、プルサーマルの開始に至ったというところでございます。 123 ◯太田委員=堂々巡りですから次の質問にいきますけれど、九州電力のせいにしないでください。事前了解したのは、そうです、古川知事とあなた方ですよ。古川知事をとめられなかった。そして、やめられた九電の社長が、本当は危ないから引き受けたくないんだとお酒を飲んでおっしゃったと。  副社長が、何度これを繰り返したらいいでしょう。「太田県議が反対しているけど、彼女が正しい」、これは言わせてください、私は辛い思いで言っていますから。「彼女の生き方が好きだ」とまで、これもお酒を飲んでおっしゃったそうです。お酒を飲まずに言っていただきたいけど、男社会はお酒を飲まないと言えないんでしょうか。こういう本音をお酒を飲まずには言えないこの日本を変えなければ危ないんですよ。だから、私は、これを繰り返し、繰り返し、言わざるを得ないんですよ。国民性として素直なんですよ。権力の座にある者が間違うと、それに素直に着いていくんですよ。ムカデの頭が間違ったら、足はみんな間違ったほうに着いていかなきゃいけない。  田代さん、私はあなたを責めているんじゃないですよ。責めているように見えるかもしれませんが、こう言わざるを得ないんです。「知事に会わせてください」と市民派が知事室の前で二時間待たれましたね。私はそれを聞いて行ってみました。そして、「知事はだれにでも会うとおっしゃったから、田代課長、会わせてあげるべきよ」と言ったら、あなたはもう苦しい顔で通せんぼなさって二時間、私は、あなたの大変さがそのとき本当によくわかりましたよ。  それで、九州電力、九州電力とおっしゃいますが、知事じゃありませんか。知事が「ノー」と言えば、九州電力は国から、森本課長からですよ、国策は太陽光発電なんですから、もう。経済産業省に行ってごらんなさい。森本課長のところだけですよ、プルサーマルに必死なのは。そのほかはとめようと必死ですよ。  それで、森本課長から責められた、自分がプルサーマル、核エネルギーサイクルが失敗だったと責められるのが危ないから、佐賀県と九電に押しつけて、「『いいや、やってます』という言いわけなんじゃありませんか」と言われておりましょう、東京から遠いから。  九州電力幹部は、この間、新聞に大きく載ってましたね。「MOX燃料がなくなれば、またウラン燃料だけを使用した運転に戻す」とおっしゃったじゃありませんか。この報道があってまだ一カ月たってませんよ。ごらんになったでしょう。そんなら初めからウランのまましておけばよかったじゃなかですか。  六ヶ所村のガラス固化の施設は壊れて二年以上も動いてないじゃありませんか。MOX燃料がもう国でできそうにない。外国から輸入するのはいろんな危険があり過ぎる。それで国でつくるといって始めたけど動かない。そんならもうウランにしておけばよかったじゃありませんか。そして、太陽光発電に少しずつシフトしていけばよかったんですよ。なぜあわててプルサーマルを実施したんですか。もう一度お尋ねします、くどいようですけど。 124 ◯田代原子力安全対策課長=まず、一つは九州電力幹部が、「MOX燃料がなくなればウラン燃料だけを使用した運転に戻す」と言っているということで、そういうことであればなぜあわててプルサーマルを実施したのかという御質問だと思います。  玄海三号機のプルサーマル計画では、現在の原子炉でMOX燃料を使用するため、九州電力が国に対し、原子炉設置変更許可申請を行ったものでございます。この申請は、現在の原子炉でこれまでのウラン燃料のみによる運転に加えまして、MOX燃料を使用することができるようにするためのものでございます。したがいまして、MOX燃料がなければウラン燃料だけを使用するということも当然可能でございまして、状況に応じて対応されることに何の問題もないと考えております。  先ほど申しましたとおり、この玄海三号機のプルサーマル計画につきましては、九電、そして国が一つ一つ安全を確認し、進められてきたものでございまして、九州電力があわててプルサーマルを実施したというものではないと認識しております。 125 ◯太田委員=「一つ一つ確かめて」とおっしゃいますが、「確かめて」という言葉は適当じゃないと思います。またここの委員会がとまるといけませんから、はっきり申しますのは控えますが、つまり、やわらかく言えば、確認もせずに、おしゃつけてじゃありませんか、ごり押しじゃありませんか。  それは戦争反対の斎藤隆夫を国会から除名したり、吉田茂さんを、外交官として外国の軍事力をすごく知っていた吉田茂氏が戦争反対したのを東条英機は牢屋に入れたり、そういうことをしてクリアしていったんですよ、戦争のほうに。それと同じじゃありませんか。もう、あなた方が戦争の悲惨さをだんだん忘れつつあられる。大体知らない。だから、心配でたまらないです。戦争で死んだ方々のかわりになってくどく、くどく言うしかないんですよ。それが戦争で死んだ方への唯一できる私どもの弔いじゃありませんか。  それで、ついでにさっきの質問に少し戻っていきます。あなたがあんまりのんきで楽天家でいらっしゃるから。  大体、関西電力は四元素を自主検査でしてますが、この四元素の基準をまた低めているじゃありませんか。悪影響が大きい炭素、フッ素、窒素が関西電力分には基準は低められてませんよ。九電は何で低めるんですか。基準が甘いということじゃないですか。  そして、関西電力が四十項目調べてきちんとチェックしているのに、九電は二十八項目、あなた自身が言われたでしょう。こんなに甘いということじゃありませんか。これを蛮勇と言うんですよ。本当に何度も繰り返します。「バン」は「野蛮」の「蛮」ですよ。これは本当の勇気じゃありません。県民を危険に陥れて将来にすっごく恐ろしいツケを残して、何がプルサーマルですか。お答えください。何でこんなに基準を低められているんですか、九電は関西電力より。四十項目が二十八項目で、そして、基準そのものが低い。 126 ◯田代原子力安全対策課長=これも先ほどお答えいたしましたが、このMOX燃料の安全な確認の仕方というものは、まず、事業者がMOX燃料の製造前に、その設計仕様、先ほど御指摘があっておりますような不純物濃度、これ以下にしますよということで設計をいたしますということで安全評価を行って、その評価が妥当であるかどうか、これを国が専門家の意見を聞きながら個別に判断しているところでございます。  したがいまして、関西電力の申請、あるいは九州電力の申請、それは異なっている場合も当然あり得るというふうに考えております。 127 ◯太田委員=ちょっとノー天気なあなたに、ノー天気な知事で、ノー天気な学者がおられたら、どうしようもないわけですよ。そうやって第二次世界大戦は始まったんですから。安全だ、安全だで。何が安全ですか。日本の十倍以上の軍事力だったじゃありませんか。その教訓が生きていないということを何度繰り返したらいいでしょうか。  それじゃ、堂々巡りですから、だんだん危ないということがクリアになってきましたが、もんじゅの運転再開と六ヶ所再処理工場の本格稼働がいつまでに行われれば使用済MOX燃料の処分方法が将来的に確立されると考えておられますか。 128 ◯田代原子力安全対策課長=申しわけございませんが、質問の意味を十分把握しておりません。  使用済燃料については、国の基本方針におきまして再処理をすると。これはウラン燃料に限らずMOX燃料も含めてでございます。そういう基本方針でございまして、また、その方針に従いまして、MOX燃料を使用することによって出てくる使用済MOX燃料について再処理する工場というのは、二〇一〇年度ごろから検討を開始するということで、現在、準備作業が進められているところでございます。また、技術的にも使用済MOX燃料については、処理することが可能というふうにされております。そういうことで使用済MOX燃料は処理されるというふうに考えているところでございます。 129 ◯太田委員=そんなことで安心できるとお考えですか。情報公開すべきですよ。企業秘密、企業秘密というのに、何であなた方は身を引かれるんですか。そして、あなたの態度の楽観性を突いているんですよ。  それじゃ、二〇一〇年から検討する、来年から検討する。でも、引き取り手もない、六ヶ所再処理工場もなかなか動かなかったら、使用済MOX燃料の半永久的置き場に佐賀県玄海町がなってしまうということですよ。そういうことをあなたは佐賀県の幹部として何ともお思いにならないんですか。責任を感じませんか。 130 ◯田代原子力安全対策課長=お答えします。  使用済MOX燃料の貯蔵についてでございますが、我が国の原子力政策に関する基本方針として、平成十七年十月に原子力政策大綱が閣議決定されてございます。その中で我が国におきましては、MOX燃料を含む使用済燃料を再処理いたしまして、回収されるプルトニウムなどを有効利用することを基本方針と定めているところでございます。  使用済MOX燃料を再処理するための施設でございますいわゆる第二再処理工場につきましては、先ほどお答えしましたとおり、国が本格的な検討を二〇一〇年ごろから開始するとしておりまして、この検討に向けて既に予備的な検討が行われ、着実な取り組みが行われているところでございます。  また、使用済MOX燃料の再処理技術につきましては、これまでに海外や国内で使用したMOX燃料が安全に再処理された実績がございまして、原子力委員会でもこのような実績を踏まえ、プルサーマルで使用した使用済MOX燃料の再処理については、実施が不可能となるような特段な技術的課題は見当たらないというふうにされているところでございまして、使用済MOX燃料が発電所に永久に保管されるということはないと、このように考えているところでございます。 131 ◯太田委員=あなたがお考えになっても、そう簡単じゃないでしょう。二〇一〇年から検討されて、どこだって、こんな危なくて大変なものを引き受けるところは、そう簡単にはないはずですよ。  じゃ、あなたのおっしゃることをそのまま聞いたとして、それならば何で二〇一〇年からそれが検討されて、もんじゅもきちんと動いて、第二再処理工場も決まってから佐賀県のMOX燃料の装荷と試運転を始めなかったんですか。これはもう歴史の汚点ですよ。お答えください。あなたのその何度も聞いた原稿どおりのお答えで安心はできません。 132 ◯田代原子力安全対策課長=先ほど申しました原子力政策大綱の中で、我が国としては、核燃料サイクルを進めるということを基本方針としてございます。この核燃料サイクルには、プルサーマルの実施のほか、使用済燃料の再処理、MOX燃料の製造、こういういろんな事業がございます。それぞれの事業を同時ではなくても、一つ一つ着実に進めることによって核燃料サイクルが完成していくものと考えております。  したがいまして、プルサーマルを今実施することについて問題はないというふうに考えております。 133 ◯太田委員=つまり、佐賀県民を人質にして人体実験しているということですね。それがはっきりいたしましたようなものです。非常に悲しい。  そして、MOX燃料そのものもメロックス社から運ばれてきましたけれども、イギリスのBNFL社のMOX燃料の改ざんと同じで、メロックス社もトラブルを起こしているじゃありませんか。これは十一月二日付でトラブルが起こっています。そして、外国のマスコミに「メロックス社は安全文化が確立されてない」と。フランスからも言われているでしょう。そういうところのものを、「はい、安全です、安全です」と言って、何でお使いになって進められるのか、もう理解に苦しみます。  それで、田代課長、もういいです、お答えは。あとは本部長さん、田代課長が随分苦しんで同じことを繰り返し繰り返しおっしゃいしまた。本部長さん、お答えください。今まで聞かれて安全と思われますか。  そして、地方分権の時代と言われます。地方分権は賛成ですが、考えてみますれば地方分権が一番発達していたのは江戸時代でした。そして、殿様は切腹、命がかかっていたからしっかり藩のために働かれた。今はプルサーマルをして事故が起こっても、知事は「何も責任をとらない」とおっしゃった。こういうことだから地方分権だと民はかえって不幸になることもあり得るわけですね。そして、江戸時代は立派だったけど、これでは外国に立ち行かないというので閑叟公を中心に明治維新が成し遂げられた。ですから、これを何度繰り返したらいいでしょうか。  今また地方分権と言われて賛成ですよ、国が何をすべきか、地方が何をすべきか。本部長は地方分権をどうお考えになっていますか。それからもう一つ、これも前も聞きましたが、もう一度、法治国家についてどうお考えでいらっしゃいますか。この二つを繰り返してお尋ねいたします。 134 ◯城野くらし環境本部長=私のほうから、二点御質問ですのでお答えいたします。  まず、地方分権、私もこれからの国のあり方として、やはり国でやるべきことは国でやる、地方でできることは地方でできるだけやっていくという、その方向性については私も正しい方向性ではないかというふうに理解をしております。  それから、法治国家についてですが、まさに、日本は今、民主国家であります。そういった面では法に基づいて国がいろんな形で動いていくということは、まさにあるべき姿ではなかろうかと思っております。  そういった面では、この原子力行政についても、国策でやっております。そういった面では国のをそのまま受け入れるわけではなく、ちゃんと説明を受け、確認をした上で、我々は安全性が確認されているということで施策を推進しております。委員におかれましても、ぜひ御理解いただきたいと、このように思っております。 135 ◯太田委員=そんなことが理解できるとお思いになりますか。私は、ここで偉そうなことは言いたくないんですけれど、戦争を知っている世代として申します。  地方分権で、国が間違ったら地方がノーと言わなきゃいけないのです。出先の将軍たちがもっとしっかりして、出先の軍隊のトップが、「もう武器はありません。兵隊が死ぬだけです」と言ったら、「突撃」と大本営が言っても引き下がった、そういう司令官がいるじゃありませんか。国が間違ったら地方がとめるべきです。それが地方分権です。地方を守ってないじゃありませんか。佐賀を危険に陥れているのが地方分権ですか。  そして、経済産業省の中は、行ってごらんなさいませ。田代課長、森本さん以外のところに行かれましたか、私は何度も申しましたよ。行きましたか。新しいエネルギーで必死じゃありませんか、プルサーマルをとめるために。行ってないでしょう。あなたがなさるべきことは、こんな危険な、あなたが一番苦しんでいるじゃありませんか。じゃ、こんな苦しまないでいいように、県民を安全にするためにどうしたらいいか、経済産業省に行って学ぶべきですよ、その予算はいっぱいありますよ。その予算をもらってきて太陽光発電に変えたらいいじゃありませんか。これが地方分権の本当の意味です。  それから、もう時間がないから、一時間半で終わろうと思っていましたが、こんなになりましたので早口でお許しください。  本部長、あなたは非常に優秀です。ですけど、やはり若いです。戦争を知っている世代として申します。あなたのお月給が、今はあんまり高くなく減らされつつありますが、私が公務員になった初めのころは、人事院総裁の佐藤竜雄さん、すばらしかったです。五高、東大、人事院総裁から法制局長官、この方の本です。これも本会議場で言いました。また繰り返します。  「法治国家とは、法律があるから守らなきゃいけないということではなくて、国が間違うこともある。だから、国民を、県民を、国や県の横暴から守るというのが法治国家のもともとの意味である」とはっきり書いてあります。法治国家の意味を逆に考えないでください。法律で民を守るというのが法治国家のもともとの意味であるというんです。これを大なき声で繰り返して、本当にプルサーマルが一日も早くやまって、産業革命から二百年、二酸化炭素を出し続けました。でも、今はまだ間に合います、二酸化炭素だからです。これが放射能なら、こんな簡単にいきません。  ですから、ここで人類は生存か滅亡かの岐路に立たされているんですから、生存のほうに変えるべきです。そのトップを走っているのが佐賀県です。歴史に汚点を残しますまい。それを心からお願いして、終わります。 136 ◯宮崎委員=高尚な質問をお聞きして、私の質問はちょっと落ちるかもわかりませんけれども、辛抱してお聞き願いたいというふうに思っています。  私は、有明玄海・エネルギー対策特別委員会に所属するのも初めてでございます。午前中から今までいろいろ論議されたことについて、もう一回、確認の意味で質問をして、それから本格的な質問に入っていきたいと思っております。  まず、諫早湾干拓開門調査でございますけれども、これは確認ですけれども、国は、みずから望んで開門調査をするという姿勢でこれまで臨まれてきたのかどうか、その辺を具体的にお示し願いたいと思います。 137 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=佐賀地裁の判決が出まして、それに控訴するに当たりまして、農林水産大臣の談話を出して、このときに開門調査のための環境アセスメントをやるというふうに述べたわけでございます。  したがいまして、私どもとしてそこで言っておりますのが、開門調査のための環境アセスメントをやるんだということでございますので、開門調査を前提に環境アセスメントをやると。それで、今、環境アセスメントに取り組んでいるというふうに受けとめております。 138 ◯宮崎委員=それは佐賀地裁で開門調査をやるべきだという判決が出たから、農林水産省はそういう方向で動き出しておるんでしょう。そうじゃないんですか。 139 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=控訴するということをまず決めまして、控訴に当たって佐賀地裁の判決で…… 140 ◯宮崎委員=あのね、農林水産省、国は、佐賀地裁で開門調査をやるべきだという一審判決があったけれども、本音は開門調査をしたくないという形で控訴したわけでしょう。しかしながら、高裁の判決までは地裁の判決が生きておるわけですから、しようがなく環境アセスのもろもろの行政手続を踏んでいるというだけの認識じゃないんですか。どうでしょうか、その辺。 141 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=農林水産省としましては、諫早湾干拓事業をこれまで進めてきておりまして、その諫早湾干拓事業の影響は、諫早湾に限られるということで裁判の中でも主張してきておりまして、その主張を通すために控訴しているということですので、農林水産省の基本的な考え方としては、諫早湾干拓事業の影響は諫早湾に限られていて、広く有明海に影響はないという考え方が基本的な考え方だと思います。 142 ◯宮崎委員=もう少し詳しく申し上げますならば、国営事業として諫早湾干拓をやるときに、当然、事業に着手する以前に環境アセスをやっているわけでしょう。その環境アセスでは問題がないという結論だから、今まで工事が進捗してきたわけでしょう。  だから、国は佐賀地裁の判決が出なければ、環境アセス、開門調査をやるという立場をとっておらなかったわけでしょう。それは断言できるわけですね。そう思いませんか。 143 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=当然、諫早湾干拓事業を始めるに当たって環境アセスメントをきちっとやって、その影響を評価した上で諫早湾干拓事業の影響について、「その影響は諫早湾に限られる」という結論のもとに、これまで干拓事業を進めてきたわけですから、国は、そういった考え方に基本的には立っていると。  ただ、こういった開門調査のための環境アセスメントを行うということは、佐賀地裁の判決をきっかけとして、こういった動きになってきたということは事実だと思います。 144 ◯宮崎委員=それでは、高裁で国が勝訴した場合は、結果としてどういうことが想定できますか。 145 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=今、国の農林水産省の動きとしましては、裁判の手続としては控訴したということ。それから、それとは別に行政的な手続として開門調査のための環境アセスメントを進めていくということでいっておりますので、高裁の判決に関係なく、アセスメントの手続は進められていくというふうに受けとめております。 146 ◯宮崎委員=そしたら、今、課長がおっしゃったように、農林水産省は、福岡高裁の判決にかかわらず、佐賀地裁で開門調査ということが判決によって出されたから、今、農林水産省はそれをやっているから、高裁で国が勝訴しても、環境アセスは継続して、最終的には開門調査に至るんだという、そういうことで国は、農林水産省は臨んでおるんですね。そういうふうに理解していいんですか。 147 ◯城野くらし環境本部長=宮崎委員の御質問は、本来、国にお尋ねになるならば国が責任を持って答えるべき内容ではないかと思っております。あくまでも、私どもは県です。ですから、国と訴訟団の中で争っている訴訟について、仮定を前提にしてお答えすることはできかねます。御理解いただきたいと思います。 148 ◯宮崎委員=城野本部長、私の質問に対して、何でいつもそう言うのかな。本当のことを僕は知りたいから質問しているんですよ。裁判の判決に左右されずに今の段階では農林水産省は環境アセスをし、そして、開門調査まで至るようなことをやりますということを断言してやっているんですかということですよ。どうですか。 149 ◯城野くらし環境本部長=先ほどから課長もお答えをしておりますが、いわゆる今言われている、去年の地裁の判決が出た段階では自民党政権でした。その中で、その当時の農林水産省の大臣の判断として、あの判決を受けて大臣談話を出され、そして、その延長の中に今アセスがございます。  そういった面からいけば、私どもとしては、農林水産省の基本的方針としてアセスは着々と進んでいくものと。それを前提にして進まざるを得ないというふうに考えております。  ただ、農林水産省の真意がどこにあるかは当事者ではございませんからお答えしかねますと申し上げております。  それからもう一つ、現在は民主党政権です。ですから、先般、古川知事は赤松大臣にお会いして、そして、このことについてどうなのかということを確認したところ、長崎県知事とまず話し合ってくださいと、こういう話です。そのことについては午前中、土井委員にお答えしたとおりでございます。それ以上のものでもなければ、それ以下のものでもないというふうに認識をしております。 150 ◯宮崎委員=あなたたちはどういうことを考えていらっしゃるかわかりませんけど、私が言っているのは、行政というのは継続しているわけでしょう、裁判も継続しているわけでしょう。いわゆる佐賀地裁で「開門をしなさい」という判決が出た。しかし、控訴するということは、その佐賀地裁の判決に不服があったから上告したんでしょう、そうじゃないんですか。  ということは、国は、開門調査をやる意思はございません、だから控訴したというふうに私は一般的に認識を持っているんですよ。しかし、片方では佐賀地裁で開門調査をやりなさいと言われたから環境アセスをやって開門までと。一体全体、国の考え方は、どちらのほうにスタンスを置いて、この諫早湾干拓問題を処理しようということになっておるのか。その辺についてあなた方は国にどのように確認をされましたか。  自民党政権もしかり、民衆党政権にかわったってしかりです。あなた方が、どのような確認をとって、国の政策、方向性をきちっと把握をして、それに対してあなた方がどういう動きをしていくのかということをきちっとするべきじゃないんでしょうか。どういう確認をされていますか。 151 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=宮崎委員がおっしゃった国のスタンスがよくわからないというのは、私たちもそういうふうな気持ちは持っておりまして、新聞では、「ジキルとハイド」といったような、そういった批判もされたところでございます。  ただ、高裁の判決の結果でどういうふうになるのかという話につきましては、我々も農政局と話をする中では、そういったことにつきましては話をしておりません。今、環境アセスをどうやって進めていくのか、早く終わってくれんですかというふうな話を今一生懸命している段階でございます。 152 ◯宮崎委員=僕はそれはおかしいと思うんですよ。国が控訴をしたということは、一審の佐賀地裁の判決に明らかに不服であるという前提があるわけでしょう。 153 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=当時といいますか、国の立場としては、そういう地裁の判決の結果について不服があるのか、法律論をきちんとしてほしいという思いがあるのかちょっとわかりませんけれども、おっしゃったような傾向といいますか、考えで訴訟はされているだろうというふうに思います。 154 ◯宮崎委員=私が言いたいのは、佐賀県の姿勢として、早く開門調査をしてくださいという要求をしているわけでしょう。しかし、国が控訴している。だから、国の本心はどこにあるか、どういう方向性でいこうとしているのかということをきちっとつかまない限り、そういう開門調査についての働きかけや、そういう問題がきちっとできていかないだろうという問題を私は懸念しているんですよ。  だから、自民党政権であろうが、民主党政権にかわったにしろ、その辺のことを古川知事、あるいはあなた方はきちっと確認をすべきじゃないかな。そのことについては後でも触れますけれども、そのことをきちっとやるべきだと僕は思いますけど、いかがでしょうか。 155 ◯城野くらし環境本部長=何度も申し上げますとおり、おそらく、推測で申し上げるのははばかられますが、農林水産省自体が、自分たちがこれからどうするのかということをだれ一人としてしっかりした御認識はないだろうと、それがこの間の大臣の発言になったんだろうというふうに思っています。そういった面では、いくら確認をしたいと我々が強く願っても、それを確認できないということを委員にぜひ御理解をいただきたいと思います。 156 ◯宮崎委員=あなたは、「だろう」と推定でおっしゃっているから。「だろう」ではいけませんよ。きちっと確認をすべきだろうと僕は思うんですね。  その辺、推定でおっしゃるなら、これ以上いくら論議しても同じですけれども、午前中、土井委員が質問されたように、そもそも諫早湾干拓事業は国営事業でありながら、古川知事が農林水産省に行ったときに赤松大臣が、「それはもう長崎県知事と話をして問題点を解決するように努力してくださいよ」と言ったことが、これはもうとんでもない話ですね。上を向いてつばを吐いているようなものです。これほど無責任な発言はないというふうに私は思っています。今、現場に置かれている人たちの現状を、本当に今の政権がどのくらい把握をしているのか。その辺の認識が非常にないんじゃないかという思いに私は立っているんですけれども、あなた方は、そういう赤松大臣の発言に対してどういう認識を持っていらっしゃいますか。 157 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=赤松大臣の要請についてでございますが、委員御指摘のとおり、諫早湾干拓事業は国営の事業であります。したがいまして、この問題については、本来、国がしっかり責任を持って取り組むべきであるというふうに考えております。  しかしながら、赤松大臣から、地元同士で話し合いをするようにというふうに言われたことにつきましては、知事としましては、やや疑問も感じたということでございますが、問題を先に進めるためには、大臣が言っている両県知事の話し合いをまず進め、その結果を踏まえて九州農政局と関係県が実務者レベルで検討を行う場を設けるようにということをその場で農林水産大臣に要請したところでございますが、そういった両県知事の話し合いの結果を踏まえて、さらに、こういったことを要請していくといった考えで大臣の要請を受けたというふうに聞いております。 158 ◯宮崎委員=それは古川知事が受けたということですけどね。果たして、農林水産省が考えているような結論に至るという前提で受けられたんですか。今、長崎県議会が開催中ですね。この間、新聞報道でもありましたように、絶対反対だということを言明されているわけですよ。そこから推察すると、こういう表現は悪いと思いますけれども、水と油の関係にあるというふうに言っても過言じゃないと思うんですね。  だから、今、あなた方は、一回、長崎県知事と佐賀県知事が会って話をして、話が決裂しても、一つの経過を踏まえたという形で農林水産省に開門調査を迫っていくという、そういうことですか。それを農林水産省も理解をしているんですか。その辺どうでしょうか。 159 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=長崎県知事との会談の結果、それから、農林水産省がその結果をどういうふうに予想しているのかという話でございますが、私どもとしましては、まず、長崎県知事と佐賀県知事が話し合いをしまして、両県が折り合う点、立場が違う点、そういったものをある程度きちっと見えるようにしまして、折り合える点があるなら折り合える点を見出す、そういったことをぜひ知事の会談を通して実現したいというふうに考えております。いずれにしても、一回の会談でそういったことになるというふうには考えておりませんが、そういった経過を踏まえて農林水産大臣に対してその状況を報告しながら、国がその事業主体として果たすべき責任をきちっと果たしてほしいということをさらに改めて要請していきたいと考えております。 160 ◯宮崎委員=それではあなた方は、まだ先のことだからわからんだろうと思うんですけれども、長崎県知事と、いつまでに、何回ぐらい話し合いの場を設けて、最大の接点が見出せるような努力をしようというお考えですか。 161 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=まずは第一回目の会談を実現したいと。その中で、今後、どういった会談の流れをとっていくのかということも協議しながら、どういった形で先が見えてくるのかということを検討したいというふうに考えております。 162 ◯宮崎委員=これは相手がおることですから、いつということは言えませんけれども、佐賀県としては第一回の会談をいつごろやりたいという希望を持っていらっしゃるんですか。 163 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=できるだけ早い時期にということで、佐賀県としましては、年内にもということで考えております。 164 ◯宮崎委員=年内にでも会談を行いたいという希望を持っていらっしゃるんですか。城野本部長、どうですか。 165 ◯城野くらし環境本部長=課長が答えましたとおり、今、長崎県と日程調整等を行っております。その中で本県としての意向としては年内実現をということで私どもの意向は伝えております。 166 ◯宮崎委員=長崎県の金子知事が今期限りで引退すると表明されましたね。金子知事の任期はいつまでですか。 167 ◯伊藤くらし環境本部副本部長=来年の二月いっぱいぐらいだったというふうに記憶しております。 168 ◯宮崎委員=そうなってまいりますと、もう時間がないんですよね。だから、一つはやめていかれる知事が本当にきちっとした約束事ができるような事態ができるのかどうか。私はやっぱり、こういう言い方は失礼ですけれども、やめる方が次の新しい知事に「こうしましたよ」と、これは県民を二分した問題でありますし、非常に重要な問題を、やめる方がきちっとした形で話し合いの場に立たれるのかなということを思えば、かなり疑問が出てくるわけですね。あなた方はどういうふうに認識を持っていらっしゃいますか。 169 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=金子知事は、現時点で長崎県知事でございますので、長崎県知事として責任ある立場でこの会談に臨まれるというふうに考えております。 170 ◯宮崎委員=それはそうでしょう。任期までは長崎県知事として任務を遂行されるでしょう。しかし、もう既に金子知事は長崎県知事として絶対反対だという結論を出されているわけです。これは長崎県議会で明らかにされているわけでしょう。そしたら、もう結論ありきじゃないですか。そういう問題があるから、もう少しきちっと対応すべきじゃないかなというふうに思うんですよ。まだ話し合う余地があるというなら、それは幾らかの望みもあるでしょう。しかし、あれだけ明言されて、二月末にはおやめになるという状況の中で、果たしてきちっとした話し合いができるのかなという疑問を私は抱くわけです。あなた方はどうでしょうかということです。 171 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=確かに、長崎県知事は「開門調査に反対だ」というふうに言われております。佐賀県知事は、「有明海再生が必要だ」ということ、それから「開門調査が必要だ」というふうに言っております。両者の意見は違っております。そういった意見を具体的にお互いが話をすることによって、どういったところが立場として違っているのか、どこかで折り合うところがあるのかというようなことを話し合っていく過程で見出せるのではないかというふうに期待しております。
    172 ◯宮崎委員=あなた方、本当にそういう期待を持っているんですか。もう少しその辺について明快な答弁をやってもらいたいと僕は思うんですね。  城野本部長、長崎新幹線ではどうでしたか。いわゆる佐賀県に対して、佐賀県の負担を一部肩がわりする、だからひとつ佐賀県も了解をしてほしいと、あれまで頭を下げたことがあったでしょう、そうでしょう。それに対して古川知事は、県職員を三名も用地買収の担当として武雄土木事務所に派遣したでしょう。これからすると、今度は開門調査は絶対できませんと、これはどういう関係でしょうかね。佐賀県民としては理解に非常に苦しむんですよ。あなた方は、そういう現象をどういう気持ちで見ていらっしゃいますか。あなた方のお気持ちを聞かせていただきたいと思います。 173 ◯城野くらし環境本部長=今の宮崎委員の御発言、一つの見識として、私も十分理解できるところは多々ございます。とはいいながらも、私どもが今思っていることは、これから両県の知事が会談をする。そのことについては、やはり非常に高い政治的な一つの行動であろうと思っております。これを予測をもって所見を申し上げることについては、御容赦願いたいというふうに思っております。 174 ◯宮崎委員=うまいとこ言うね。そういう時だけ立派な答弁をするね、あなたはね。そういう答弁をいつもしていただけるならかみ合っていくわけですけどね。何か都合が悪くなったら腹かいて開き直りの答弁をする、それはいかんですよ。もう少しかみ合う論議をしていかなくちゃならない。  あなた方は、早期開門調査をと言っていらっしゃいます。しかし、今、あなたたちが答弁でおっしゃったことは、開門調査のスケジュールは、平成二十四年の春ごろになるだろうというふうに言われております。  もう一回確認しますが、開門調査は、今の手順で進んでいくならば、二十四年の春ごろが開門調査の時期になるということは間違いございませんか。 175 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=二十四年の春ごろに環境アセスメントが終わるということでございます。 176 ◯宮崎委員=だとするなら、開門調査はいつごろですか。 177 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=私ども、環境アセスメントから開門調査に至る流れが現時点で国が明確にしていない、そういうふうに認識しておりまして、今回の方法書に対する意見の中でも、「環境アセスメントを実施した後、関係者の同意を得る」というふうに農林水産大臣は言っておりますが、関係者の同意のプロセスをどういった形でもっていくのかといったことを明確にすべきであるということを今回の方法書の佐賀県の意見の中でも述べておりまして、国に早い時期に開門調査に至るまでのプロセスを明らかにしてくれということを要求しているところでございます。 178 ◯宮崎委員=じゃ、関係者の同意というのは、同意の範囲の認識、どこ、どこ、どこと農林水産省は言っているんですか。 179 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=農林水産大臣の談話の中では、漁業者、それから営農者、それから背後地の住民ということで、こういった者を関係者と言っておりますので、そういった人たちが開門調査にかかわる関係者で、こういった人たちの同意が必要だということを言っているんだと思っております。 180 ◯宮崎委員=今答弁された漁業者、農業者、それから背後地住民、そういう人たちは長崎県の漁業者、農業者、背後地住民ということですか。その辺をはっきりおっしゃっていただきたいと思います。 181 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=漁業者につきましては、具体的には四県の漁業者、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県の有明海で漁業をしている漁業者のことを指しているというふうに考えております。それから、営農者は、長崎県の、特に入植した方々、さらには背後地で営農をされている方、そういった農業者だと理解しております。それから、背後地の住民、主に防災機能に関連した住民ということでございますが、これは長崎県の住民の方というふうに考えております。 182 ◯宮崎委員=今、あなた方が同意を必要とする範囲について申されました。これは全部そろわないと前に進まないのでしょう。そういうふうな認識でいいんですか、どうですか。 183 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=その付近が、先ほど申しました関係者の同意を得るプロセスを明確にしろというのは、単にスケジュール的なことだけではなくて、どういった範囲の者が同意すればいいのかといったことも含めて国が明らかにすべきだということを言っているところでございます。 184 ◯宮崎委員=国が明らかにしないにしても、我々が諫早湾干拓の目的ということから考えてみると、これはやっぱり佐賀県、福岡県、熊本県の漁業者もしかりですけれども、長崎県の漁業者、それから、諫早湾干拓に入植されておる営農者、それから、長崎県の諫早市を中心とする背後地の皆さん、この人たちの同意が取れない限り、前には進まぬだろうと私は思いますね。これは今までのことからわかっているでしょう。あれだけ長崎県が反対をしているわけでしょう、知事以下、議会、地域住民、もろもろの関係者がね。だからストップしているわけでしょう。  ということは、さっき言われたように、環境アセスが平成二十四年の春ぐらいに終わって、それから開門調査に移行する過程は、相当時間を費やしていくような状況になっていくというふうに想定できるわけですね。そうなってまいりますと、我々が求めておる早期開門調査というのは、ずっと先に延びるんじゃなかろうかというふうに想定が成り立つわけですね。そのようにあなた方も思いませんか。 185 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=そういった観点から、今の時点、いわゆる方法書に対する意見、実は、この意見は厳密に言いますと方法書の中身に対して意見を言っている内容ではございませんが、あえてこの時点でそういった今後の同意のプロセスをどうするのかということを早めに明らかにすべきだということをこの時点で申し上げたということでございます。 186 ◯宮崎委員=だから、裏を返せば、赤松農林水産大臣が佐賀県と長崎県と調整をつけて持ってこいと言った、これは初めから水と油ですから調整がつくわけではない。ということは、農林水産省自体がそういうことを現地でやらせながら時間を稼ぐ、そういうことにしかならないというふうな認識を私は持っているんですね。それはうがった見方でしょうか、どうでしょうか。 187 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=私どもとしましては、長崎県との会談を進めていきますが、あわせて農林水産省としては国の責任でこの問題をきちっと取り扱うことが重要であるということを強く言っていく必要があると考えております。 188 ◯宮崎委員=強く言っていくと、そういうことは僕は一つも構いませんよ。ただ、本当に我々が望んでいるような時期に、望んでいるような形で実現可能であるかどうかということをきちっとつかんでいかないといかんということですよ。  だから、古川知事が赤松農林水産大臣に会われたときに、赤松大臣から、「そういう問題は地元で調整をしてください」とやられたときに、なぜあそこで、「それは国営事業でしょう。それは私たちがやるべき仕事じゃないですよ。あなたが中に入って佐賀県と長崎県の調整をすべきでしょう」ということをきちっとなぜ言わなかったのか。その辺を私は非常に危惧しているんですよ。これは国の責任であるということを明確にするためにも、それだけのことはきちっと大臣に言うべきではなかったかなというふうに私は思っておるんです。そうじゃないでしょうか。 189 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=古川知事が農林水産大臣に十月二十二日に会ったときに、「そういう形で両県知事で話しをしてくれ」というふうに言われて、先ほどのような形で古川知事はそれを受けたところでございますが、そのときにあわせて知事は、これは国営事業であるから国が責任を持って対応するということで、具体的には四県の実務者レベルの場を農政局が主体となってつくるべきだということをその場で知事が強く要請したという経過になっております。 190 ◯宮崎委員=その古川知事の要請に対して、赤松大臣はどういう回答を出したんですか。それはどういうふうになっていますか。 191 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=そのことにつきましては、現在、具体的に農政局との間で、(「大臣はどういう発言をしたんですか」と宮崎委員呼ぶ)そのことについての具体的な答えはなかったというふうに聞いております。 192 ◯宮崎委員=それが国はずるいということですよ、逃げですよ。そう思いませんか、本部長。 193 ◯城野くらし環境本部長=委員御指摘のとおり、知事自身もそのとき、非常に不満を持ったというふうに私も聞いております。私も、その話を聞いたときに、農林水産大臣の対応に疑問を持った一人でございます。  そういった面からいけば、本来からいえば午前中も申し上げたとおり、それはおかしいと言うこともできたかもわかりませんが、知事は、あえてここは受けて次のステップでこのことが容易にならないということをはっきり申し上げ、次のステップへいくということで、あえて知事の選択としてこういうことをしたというふうに理解をしております。 194 ◯宮崎委員=ここに新聞があります。これは参議院の岩永議員が質問した問題について、「国直轄事業なのに利害関係のある佐賀県と長崎県の両県で解決を図れというのは責任回避じゃないか」という指摘に対して、赤松農相が、「国が門を開ける、開けないについて、地元の了解、合意なくして一方的にはできない」と言っている。これは結論からいうと開けないということでしょう。なぜならば、合意に至るような環境じゃないということ。このように国自体、赤松大臣そのものがこの問題から逃げている。こういう形で、果たして我々だけが一方的にどんどんいって事が進むんですか。今、我々の気持ちを言っているだけです。あなた方が今答弁したのは、佐賀県の気持ちを言っているだけのことであって、農林水産省は何もそういうことは考えてないんでしょう、この発言、この一言でもね。そのようになっているんですよ。だから、そういう膠着した問題を、どこで、どのような解決を図っていくかという新たな展開を求めなくちゃいかんというふうに今求められているわけでしょう。  例えば、ことしじゅうに長崎県の金子知事と対談されてもいいですよ。それは実績をつくったという形ならば、それは一つも構いません。しかし、そのことだけで新しい打開ができるなんて、僕は思っていません、難しいと思います。  だから、あなた方は、こういう状態を打開するために新しい展開というものをやっていくのかどうか。その辺どうでしょうか。 195 ◯八谷有明海再生・自然環境課長=私どもとしては、まずは金子知事との会談を実現して、さらにはこの問題は事業主体である国が責任を持って対処すべき問題でありますので、きちっと国が対応するということを改めて強く要請していくということと、現在、環境アセスメントが進められておりますので、これが確実に開門調査につながるよう対応していきたいというふうに考えております。 196 ◯宮崎委員=それはあなた方の願望としては一つも否定しません。しかし、そういうふうになるためには大きなハードルが二つあると思います。一つは、今言ったような問題。もう一つは、福岡高裁でどういう判決が出てくるのかというハードル。福岡高裁が開門すべきだという判決であれば何も問題ないんですね。ただ、開門はせずにいい、事業認可以前に環境アセスをやっているから、それで事が間に合うんだという判決になったときにどうなっていくのかという二つのハードルがあるわけです。  だから、今後、そういう問題をどういうふうに進行させていくのかということを見ながらこの問題に対応していかなくちゃいかんと思いますが、本部長、最後にあなた方は、今、私が申し上げましたハードルを今後どのような形でクリアしながら早期開門調査に向けて働きかけをされていくのか、その辺について最後に御意見を聞かせていただきたいと思います。 197 ◯城野くらし環境本部長=今後、長期開門調査の早期実現に向けて、今御指摘のとおり、国の動き、それから政権の中の判断、そして、委員御指摘の高裁の判決結果についても強く注視をしていきたいと思っております。  ただ、この問題は、私ども、知事以下、執行部だけの力では到底実現できるとは思っておりません。ぜひ県議会の皆様方の絶大なる御支援と、それと県選出の国会議員の方々の絶大なる御協力、そして、一致団結した取り組みをしなければ、この開門調査の実現というのは容易なものではないと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。 198 ◯宮崎委員=本部長、そう思うなら、開き直らんで、常々、平穏な気持ちで答弁すべきです。そのことはきちっと言っておきます。  この問題は、これで終わります。 199 ◯末安委員長=暫時休憩します。十五時五十分をめどに委員会を再開します。     午後三時三十二分 休憩     午後三時五十四分 開議 200 ◯末安委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き質疑を行います。 201 ◯宮崎委員=二番目に、玄海原発三号機におけるプルサーマル導入についてであります。  田代課長、君たちはどんな仕事をしているんですか。僕は、さっき太田委員の質問を聞きながら、無責任だなとつくづく思いましたよ。  一つは、MOX燃料の安全基準の問題です。それは電力会社が基準をつくって、こういうことでやりますと国に申請をして、それを承認するだけと。だから、各電力体で使うMOX燃料の中身は違いますよと、そんな答弁でいいのかな。そんな無責任なこと、どこが国策ですか。あなた方が国策と言うなら国策らしく、きちっとした基準を国民に明らかにして、このような基準を持っておりますから安全ですということをなぜ言えないの。どうですか。 202 ◯田代原子力安全対策課長=これについては先ほど太田委員にお答えいたしましたが、MOX燃料につきましては、原子炉の型、軽水炉や高速炉、あるいは原料となるプルトニウムの組成によってそれぞれ異なるということで個別の設計段階で決めていくと。そして、事業者が、こういう設計でいきますということで国に申請して、それを国が専門家の意見を聞いて判断していくということになっております。それで安全性を確認していくということでございます。 203 ◯宮崎委員=それはさっき聞いたとおりです。そうじゃなくて、国が、例えば九電の玄海の四つの発電所、川内の二つの発電所の中でMOX燃料を使用するのは玄海三号機だよということを決めるならば、国は、九州電力でウランを燃やして出てきたものがどういう中身かということはわかっているわけでしょう。玄海で使用した燃えかすと川内で使った燃えかすを合体させるわけでしょう。だとするならば、九電の原発で燃やしたものはこれだから、九電の安全基準はこうですよ、関西の基準はこうですよ、中部はこうですよということがなぜ国でMOX燃料の安全基準が示されないのか。それをあなた方はなぜ求めないのか、そこに問題があると思いますが、いかがですか。 204 ◯田代原子力安全対策課長=御指摘がございましたが、画一的に一律の基準を決めて、(「一律じゃなかさ」と宮崎委員呼ぶ)例えば、九州電力のものについてこうだというふうな決め方ではなくて、今回、玄海三号機で使うもの、これについてはこういうことでいきますと、それが安全かどうか、それをきちんと確認していくということで安全確認がなされています。それはそれでそういう考え方で審査するということもあると、それは不適当だということには考えておりません。 205 ◯宮崎委員=それは国が言っているから、あなたたちは受け入れているだけでしょう。本当に安全性を確認して県民の安全と生命を守る立場であるならば、設置県として、そこまで国に求めて実行させるということが県民の命と暮らしを守ることになっていくんじゃないですか。そこまであなたたちはなぜ提言ができないんですか。そこまでやらないから、国の受け売りでやっているとしか言いようがないわけでしょう。本来ならそこまでやるべきですよ、あなたたちの責任で。いかがですか。 206 ◯田代原子力安全対策課長=先ほどの繰り返しになりますが、玄海三号機の燃料については、そういうことで国が審査して安全を確認するということ。そして、それをまた玄海発電所で実際に装荷するということで安定して安全に運転されるということを確認していると。そういうふうな何重にもわたる安全確認がされているということで、安全確保がされているということで、現在の審査のあり方、それはそれできちんとされているというふうに考えております。 207 ◯宮崎委員=それは安全が確認されておると国が言っているから、あなたたちは受け売りでそう言っているだけのことでしょう。あなたたちは安全の確認をしたんですか、どうですか。 208 ◯田代原子力安全対策課長=MOX燃料につきまして輸入燃料体検査をされております。これにつきましてどういう審査がなされたのか、その結果がどうであったのかということは、私どもも確認しております。 209 ◯宮崎委員=中身のデータをきちっと見た上で判断されたんですか。 210 ◯田代原子力安全対策課長=私どもが安全基準をつくりまして、それで判断するということではございません。輸入燃料体検査申請は国に対して申請されておりまして、それで国が審査して判断するわけでございますけれども、それがどういう内容か、そしてまた、その結果がどうであったのかということを我々は確認しております。あくまでも安全を確認しているのは国の方でございます。 211 ◯宮崎委員=だから、国が検査したということを受け売りで聞いて、そういうデータが出されて、これで安全ですということを見た上で安全だと言っているだけのことであって、それで県民によく安全だということを言えますね。僕は、その辺を、本当に安全である、だから大丈夫だということをあなた方はこれまで何十回、何百回繰り返して言われました。しかし、本当にあなた方みずからが調査をし、検証されて安全であるという確認がなされない限り、それは受け売りにすぎないということですよ。その辺を改めるべきだと、そういうことを私は申し上げておきたいと思います。  本来の質問に入りますが、MOX燃料を燃料としてプルサーマルが十二月二日から本格稼働しました。これはこれから二〇一五年まで、国が計画しておる十六基から十八基の原発にプルサーマルが導入されて稼働するという計画がされております。  そこで、まず、燃料となるプルトニウムとウランの混合体、いわゆるMOX燃料の問題について質問したいと思います。  今、国内の電力会社は、プルトニウムをどのくらい保有しているのか。これは国内と国外を合わせた各電力会社の保有量を明らかにしていただきたいと思います。 212 ◯田代原子力安全対策課長=各電力会社のプルトニウムの保有量でございますが、各電力会社は、これまで使用済燃料を再処理して取り出したプルトニウムを保有しております。その量は、本年六月末現在の時点でございますが、核分裂性プルトニウムで、関西電力が九トン、東京電力が八・二トン、日本原子力発電が三・四トン、中部電力が二・六トン、九州電力が二・二トンなどでございまして、全電力の合計として二十八・二トンというふうになっております。 213 ◯宮崎委員=今、日本原電も含めまして十施設がありますね、十施設で二十八・二トンというプルトニウムの保有量でございます。この二十八・二トンをどのような形でMOX燃料に製造していくのか。その辺の計画はどのようになっていますか。 214 ◯田代原子力安全対策課長=二〇一〇年までに導入予定のものが、中部電力、関西電力、四国電力、それに玄海はことしから運開しております。  こういうことで二〇一〇年までに導入のもの、中部電力が現在二十八体、国内に持っております。関西電力が現在、十二体をフランスでつくっております。四国電力は二十一体を運んで保管しているという状況でございます。それと、東京電力は昔運んだものがございまして、約四十体を発電所に保管しているという状況でございます。 215 ◯宮崎委員=この前、電力事業協会が、当初計画しておったプルサーマル計画はいろいろ不都合な問題が出たために、二〇一〇年度からということで五年間延期をされましたね。そういうことを勘案しまして、この十原発の施設のうち、今、国内で稼働しているのが、九州電力の玄海三号機が十二月から本格稼働したわけですね。その後、一番早いもので四国の伊方三号機が二〇一〇年度の二月の開始予定で進められておるわけでしょう。次に早いのが二〇一〇年度の夏ごろ、中部電力の浜岡四号機。それから早いのが中国電力の島根二号の二〇一四年度。それと、電源開発の大間発電所、これが二〇一四年度というふうになっています。そのほかが一斉に二〇一五年度から稼働するという計画で今計画がなされているというふうに思いますが、今、私が申し上げたことについて間違いございませんか。その辺どうでしょうか。 216 ◯田代原子力安全対策課長=先ほど御指摘のとおり、静岡、福井、そして愛媛が二〇一〇年度に行うということでございます。大間青森が二〇一三年度、残り、北海道、宮城、福島、茨城、石川、福井の大飯、敦賀が二〇一五年度、島根が二〇一五年度というふうになっております。 217 ◯宮崎委員=だから、間違いないですか。 218 ◯田代原子力安全対策課長=申しわけありません。時期について先ほど先生が御指摘されました静岡、それと愛媛の伊方三号、これについていつなのかということは把握しておりません。 219 ◯宮崎委員=今、私が言ったようなことでプルサーマル計画が実施をされる予定だという報道をされております。これは御承知でしょう。十二月三日の新聞ですよ、読んでいただきたいと思います。  我々の反対を強行に押し切って玄海原発三号機でプルサーマルが十二月二日から本格稼働しておるわけですね。この三号機の原子炉にフランスのメロックス社から持ってきた十六体のMOX燃料が装てんされて稼働しているわけでしょう。今、原子炉に装てんされて稼働しておるMOX燃料を使い切る期間、これは大体どのぐらいの期間、使用するという形になって、その期間を過ぎればいわゆる廃棄物として処理をされるような形になるのか、その稼働期間はどのくらいの年数を予定されていますか。 220 ◯田代原子力安全対策課長=現在、玄海三号機で使っておりますMOX燃料でございますが、このMOX燃料の使用期間はウラン燃料と同様でございまして、三サイクル、約四年程度でございます。したがいまして、今月二日からのプルサーマル運転で使用されておりますMOX燃料は、約四年後には使用済燃料として原子炉から取り出され、使用済燃料貯蔵プールで保管されることになります。 221 ◯宮崎委員=四年間という形であるならば、二〇一三年十二月ぐらいには、もう廃棄物として処理をしなくちゃいかんという形になってくるわけですね。そのように計算していいですか。 222 ◯田代原子力安全対策課長=使用済燃料として取り出されましたMOX燃料は、有用な資源として保管するということで、最終的にはこれを再処理して、その中からまた有用なプルトニウム、あるいはウランを取り出すということでございます。四年後ですから平成二十五年に取り出されるということでございます。 223 ◯宮崎委員=この取り出された使用済MOX燃料は、どのような形で保管し、処理をされようとしておるんですか。 224 ◯田代原子力安全対策課長=取り出された使用済MOX燃料、これは使用済ウラン燃料と同様に、発電所の中の使用済燃料プール、これは水が張ってございまして、この中で冷却されて保管されるということでございます。 225 ◯宮崎委員=このMOX燃料を使用するためには、法律的に言えば「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の設置の許可、この法律の第二十三条「原子炉を設置しようとするものは、次の各号に掲げる原子炉の区分に応じ、政令で定めるところにより、当該各号に定める大臣の許可を受けなければならない」、その第二十三条二項八号で、「使用済燃料の処分の方法」というものを明確にしなくちゃならないというふうになっておりますね。これは明確になっておりますか。 226 ◯田代原子力安全対策課長=御指摘の法律、簡単に原子炉等規制法と申しておりますが、この二十三条二項八号に、原子炉設置変更、例えば、今回みたいにウラン燃料からMOX燃料に変えるというふうな原子炉の設置変更許可申請を行う際には、使用済燃料の処分の方法を申請書に記載するように定めてございます。  玄海原子力発電所の場合は、使用済燃料は再処理を行う旨、記されておりまして、この許可の基準を満たしているというふうに考えております。 227 ◯宮崎委員=再処理はどこで行うんですか、それじゃ。 228 ◯田代原子力安全対策課長=申請では、国内の業者となっておりまして、具体的には書かれてございません。しかしながら、この規定について国に確認しましたところ、事業者が原子力を平和の目的以外に利用される恐れがないこと。そして、許可することによって原子力の開発、あるいは利用の計画的遂行に支障を及ぼさないということを確認するためのものということになっておりまして、国におきましては、事業者が再処理をするという方針を記載されているということ。それと、きちんと貯蔵するということで記載していること。こういうことで先ほどの基準を満たしているということで許可されているというふうに聞いております。 229 ◯宮崎委員=どこが基準を満たしているんですか。国内のどこの工場で処理をするということになっているの。それをひとつ明らかにしていただきたいと思います。 230 ◯田代原子力安全対策課長=繰り返しになりますが、処分の方法としては、再処理を行うということでございます。これはそういう方針を記載されているということで、要するに、ここの目的が、原子力が平和の利用目的以外に利用されることはないことと、そういう目的を確認するためでございますので、そういう記載で許可がされているというふうに認識しております。 231 ◯宮崎委員=だから、再処理は、平和のための再処理はどこの施設でするというふうになっているんですか。その確認をしなくちゃいかんじゃないですか。 232 ◯田代原子力安全対策課長=先ほどの繰り返しになりますが、処分の方法、ここは先ほど申しました平和の目的以外に利用される恐れがないということを確認するためでございます。そういうことで具体的な再処理事業者、あるいは再処理事業場を書かなくても、そういう方針を記載しているということで、この目的を満足するということで国が許可しているところでございます。 233 ◯宮崎委員=今の解釈は拡大解釈ですよ。原子炉の規制に関する法律の第二十三条第二項第八号には、「使用済燃料の処分の方法」と明文化されてますよ。今言ったのは処分の方法じゃないじゃないですか。明らかにこの法律に抵触しているんじゃないですか。いかがですか。 234 ◯田代原子力安全対策課長=処分の方法としては、「再処理を行う」というふうに記載されてございます。 235 ◯宮崎委員=だから、再処理を行うというのは、どこの施設で、どのようにして再処理するということになっているんですか。それを明らかにしなさい。 236 ◯田代原子力安全対策課長=申しわけありません。先ほど答弁いたしました繰り返しになります、申しわけございませんが。処分の方法としては、再処理を行うということで、この法の目的でございます平和の目的以外に利用される恐れがないということが確認できるということで許可されているということでございます。必ずしも、ここに具体的な事業者名、あるいは工場名を書く必要はないというふうに理解しております。 237 ◯宮崎委員=今、田代課長が答弁した規定は、何というところの、どこに規定されているんですか、そういう明文化は。明らかにしていただきたいと思います。 238 ◯田代原子力安全対策課長=明文化と申しますか、これについては玄海原子力発電所三号機の設置変更許可申請、これはMOX燃料を使うということで変更申請してございますが、その際にそのような記載を行って許可をいただいているということでございます。 239 ◯宮崎委員=そういうふうな処理をするということは、法律に明文化されているんでしょう。私が先ほどから質問しているのは、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の設置許可を条文化した第二十三条第二項第八号の使用済燃料の処分の方法についてどうなっているんですかということを質問しているわけです。法律では、ここでこうなっておりますが、あなた方が今言ったことを容認するというならば、何の、どこで、そういう容認がなされているんですか、それを明らかにしてくださいと。私は、九電が申請した中身がそうなっているからということを質問しよるんじゃないですよ。明らかにしてください。 240 ◯田代原子力安全対策課長=これは内規、この処分の方法の確認に関する内規がございます。これは平成十六年三月十二日、「使用済燃料処分の方法の確認について」という原子力安全・保安院から出されたものがあります。この内規によりまして、燃料搬出前に再処理委託先の確認を行う場合は、政府の確認は…… 241 ◯宮崎委員=後でその内規の全文を資料として提出をお願いしたい。いいですか、まずそのことを。 242 ◯田代原子力安全対策課長=わかりました。後ほど提出いたします。 243 ◯宮崎委員=その平成十六年に決められた内規の中身は、こういうことでしょう。「ただし、燃料の装荷前までに使用済燃料の貯蔵管理について政府の確認を受けた場合、再処理の委託先については、排出前までに政府の確認を受けることとする」と、そういうことでしょう、違いますか。 244 ◯田代原子力安全対策課長=御指摘のとおりでございます。 245 ◯宮崎委員=こういうただし書きが、なぜ平成十六年に出てきたのか、しかも内規で。法律の改正をしないで内規で決めたというところに僕は一つの問題があると思う。なぜ内規でしたんですか。 246 ◯田代原子力安全対策課長=申しわけありません。この内規の目的、なぜこのときに、こういう内規が決められたのかについては、詳細に承知しておりません。 247 ◯宮崎委員=この内規は重大な意味を持つ問題なんですよ。このことをあなた方は確認もしないで、よくもまあここまで原子力行政を推進してきたものだというふうにあきれ返りますよ。いかがですか。 248 ◯田代原子力安全対策課長=この件につきましては、確かに、この内規の詳細について、申しわけありません、承知しておりませんでしたが、先ほど申しましたとおり、国にこの許可申請書に書いてある内容、処分の方法がこれでいいのかという確認はしてございます。それでそういう回答、先ほど私が回答したとおり、目的が平和の目的の利用ということを確認するためであることということで、こういう記載でいいという確認をしてございます。
    249 ◯宮崎委員=それでは一つも答弁になっていない。田代課長、今まではすんなりいっていましたが、何ね、肝心かなめのときは。これはもうわかり切った問題でしょう。もんじゅが失敗する、再処理工場が稼働しない。でも、プルサーマル計画だけは推進をしていきたい。だから、やむなく使用済燃料の持って行き場所は棚上げして、法律を改正せんで、内規で、内規ということは自分たちだけ知り得る条文ですよ。それでもってこういう重大なことを変更していく。これが今一番問題のあなた方の姿勢、国の姿勢、電力会社の姿勢じゃないでしょうか。そう思いませんか。ひとつこの辺であなた方も率直にそのことを認めたらいかがですか、どうですか。 250 ◯古谷くらし環境本部副本部長=先ほどから御質問があっております内規についてでございますが、要するに、処理の方策、方法というものにはいろんなものがございます。ここには設置変更許可の際に申請するものに付随的に書く欄だというふうに承知をいたしております。  そこの中で再処理を行うのか、あるいはそのまま廃棄をしてしまうのか、あるいはどこかに譲渡するとか、いろんな方法がございますが、その方法について先ほど課長が御答弁しましたように、どういった処分の方法をとるかということについて、先ほど申しました平和利用であるとか、そういった目的に合致するのかどうかをその時点では確認することで足りるということであろうかと思っております。  その上で、処理については、内規の中で変更がなされたというふうに委員御指摘でございますが、もともと使用済MOX燃料の処理については、閣議決定された原子力政策大綱の中で二〇一〇年から第二次再処理工場として検討するということが明らかになっておりまして、そのことからすれば、その時点で具体的な記載をするということは、その方針のもとで国策全体が進められている中では望むべくもない内容でございますので、そことの整合はとられているというふうに認識をしておりますし、内規レベルで動かしたということじゃなくて、むしろ、政策大綱にのっとった整合をとられたというふうに理解できるのではないかというふうに考えております。 251 ◯宮崎委員=あんまりとぼけた答弁はしなさんな、あなたたち。何ですか、その言い方。何一つ明らかにしてないじゃないですか。何一つ、国民に明らかにするようなことができてないじゃないですか。「もんじゅ」だってしかり、再処理工場だってしかり、MOX燃料、プルサーマルは見切り発車しているじゃないですか。よくもあなたたはそういうことが言えたものですね。あなた方はどっち向いて物を言いよるの。佐賀県民の命と暮らしを守るのか、プルサーマル推進で国のほうを向いて物を言うのか、どっちを向いて言っているんですか。二〇一〇年から論議をするとしても、先は全然見えてないじゃないですか。だとするならば、あなた方が原子力大綱の中できちっと何年には何を決め、どういう形で推進するということを明らかにしてからやりなさいよ。それすら示してないじゃないですか。何ばとぼけたこと言いよるとね、あなたは。そんなことでは許せませんよ。そんなことでは私はできません。  これだけ重要な問題を秘めているわけでしょう。プルサーマル導入については、法律で処理の方法を明確にしなさいとまではっきりなっている。法律よりも内規が優先するんですか。違うでしょう。しかも、その内規というのは、経済産業省の内部だけの問題でしょう、原子力安全・保安院の、エネルギー庁の。表に明らかになってないでしょう。そういうもので処理をするという姿勢が間違いだという指摘を私はしているんですよ。そう思いませんか。 252 ◯古谷くらし環境本部副本部長=法律のことで申し上げますと、まず、基本的には法律というのがありまして、それに基づいていろんな形で、例えば政令であるとか、省令であるとか、内規であるとか、いろんな形で詳細について委任するといった形をとられるというのは、どの法律でもあることだと思います。  この内規については、その設置許可申請時点での申請書の取り扱いについての内規を定めたものということでございますので、法律よりも内規が優先してというようなとらえ方ではないというように考えております。 253 ◯宮崎委員=法律で、プルサーマルをやった後の廃棄物の処理方法を明確にしなさいということを明文化されているわけでしょう。それが内規のただし書きによって変更されるならば、変更されたごとく、なぜ国民に明らかにしないんですか。明らかにされてないでしょう。あなたたちが知り置く内部の問題じゃないでしょう。そんなものですか。情報公開というのは、どういうものですか。  しかも、二〇二五年度、あるいはそれよりもっと短くなるかもわかりません。十六体のMOX燃料の廃棄物が出るわけでしょう。その処理の方法、保存の方法、いつまで原子炉設置のところに、プールの中に保存するということも明記されてない、いつから再処理するということも明記されてない。そういう不安な問題があるんですよ。設置の許可の基準でそういうものということではない。後の事後処理までもきちっとして安全であるという、そこまでして初めて安全であるということが言えるんじゃないですか。入り口だけ審査をして、あとのことはまだ先と先送りしているだけの話。そんなものですよ、あなた方が推進して安全であるという確認ができたという言い方をしているのは。違いますか、どうですか。 254 ◯古谷くらし環境本部副本部長=少なくとも、核燃料サイクルについて基本となるのは、十七年十月に定められた原子力政策大綱であるというふうに承知をしております。  その中で、要するに核燃料サイクル全体の完成というのは相当長期にわたる大きなプロジェクトでございまして、具体的にどういったものが必要かということ。それから、それについてどういった時期から検討を開始する、あるいは取り組むという、それぞれの関連施設はどういったものが今後必要になるかということが明らかにされています。  ですから、その方針に基づいて一つ一つのものが取り組まれる中で完成時期が決定していく、そういったことであろうというふうに理解をしております。 255 ◯宮崎委員=いや応なしに平成二十五年にはもう廃棄物が出るんでしょう。それは一番早い九州電力三号機ですよ。その後に先ほど申し上げましたように、次から次と十六基から十八基の原発が稼働して、一番遅いのが北海道とか東北、東京、二〇一五年から稼働して、四年後の二〇一九年には廃棄物が出るでしょう。そういうものがどのような形で再処理されるのか、その辺のことが明らかになってないでしょう。再処理工場が稼働しなかった場合は、ずっとたまり続けていくわけでしょう。  私が一番当初に各電力会社、あるいは日本原子力発電所のプルトニウムの保有量を質問した意図はそこにあるんですよ。プルトニウムというのは、国連の条約によって平和利用をするということが前提でしょう、核燃料に転換しないという前提で平和利用という形になるから。だから、日本はMOX燃料をつくってやるということを強行しようとしているんでしょう。  百歩譲って、そういうことであるならば、貯蔵庫の問題、再処理の問題をきちっと明らかにして、このプルサーマル計画をするという説明がなぜできなかったのか。できないことについて、どこに問題があるんですか。 256 ◯田代原子力安全対策課長=先ほどから答弁しておりますとおり、使用済燃料、これはMOX燃料だけではなくて、ウラン燃料も含めて、これについては再使用するというのが、先ほどの答弁にありました原子力政策大綱における原子力政策の基本方針でございます。  そういうことで、これらについては再処理をするということでございますが、現在、日本で出てくる使用済燃料の全量を再処理するだけの能力は六ケ所村の再処理工場にはございません。少し余分が出ます。  したがいまして、使用済MOX燃料、それとウラン燃料を含めて、そういう処理できないものについては、第二再処理工場で行うということでございます。それについては二〇一〇年ごろから検討すると。これは単に検討するという言葉ではなくて、原子力政策大綱は閣議決定して政府としての方針をきちんとしているということ。それに向けた準備的な検討もきちんとなされているということで再処理をされるというふうに認識しております。 257 ◯宮崎委員=いくら閣議決定しても、できないものはできないんですから、その方針はないんですよ。閣議決定した、それが保証になって絶対できるような言い方をしているけれども、そうじゃないでしょう。閣議決定されたから、それが担保になるなんて、だれも思っていませんよ。そんな言い方をするならば、事前に私が質問したことにきちっと答えて、それから言ってください。いかがですか。 258 ◯古谷くらし環境本部副本部長=先ほどから閣議決定ということで政策大綱の話をさせていただいておりますが、そこの中で基本的に国として各燃料サイクルを推進すると。そのために具体的な取り組みとして何を行うかといった方針が示され、そして、現に先ほどから出ております再処理工場であるとか、MOX燃料の製造工場であるとか、それぞれの施設について、それを実行に移していくという過程を通じて、それが明らかになっていくと。そこは長期にわたるプロジェクトですから、そういうことにならざるを得ないというふうに考えております。  そういう中で、それぞれの施設は現に国のプロジェクトとして着実に進められているということは事実でございますので、そういった状況をもって御理解いただければというふうに思っております。 259 ◯宮崎委員=そんな答弁でだれが信用しますか。何を保証にしますか。  じゃ、原子力大綱の中で最終処分場はいつまでつくるというふうに明記されていますか、明らかにしてください。 260 ◯田代原子力安全対策課長=原子力政策大綱では、二〇一〇年から検討して、その処理のための施設、いわゆる第二再処理工場ですが、その操業が六ケ所再処理工場の操業開始に十分間に合う時期までに結論を得るということとされております。  また、これをもとに具体化されました原子力立国計画では、六ケ所再処理工場の操業終了時、二〇四五年ごろでございますが、このころに第二再処理工場の操業を開始するというふうになっております。 261 ◯宮崎委員=最終処分場すらできるような状態じゃないでしょう。本当にあなた方はできるという確信を持っていらっしゃるんですか。どうですか。 262 ◯田代原子力安全対策課長=繰り返しになりますが、先ほど答弁しましたとおり、政府としての基本方針ははっきりしているということ。具体的にそういうふうな検討がなされている。また、政権はかわりましたけれども、総理大臣、あるいは責任者である経済産業大臣も核燃料サイクルを進めていくということをきちんと述べられていること。こういうことから第二再処理工場の建設はされるというふうに考えております。 263 ◯宮崎委員=全く信用ならぬ、断言できる、これは。目の前のことが実現できずに将来のことが実現できるはずがない。あなた方は、もう少しその辺を謙虚な気持ちで受けとめてきちっとしなくちゃいかんということですよ。二〇一〇年から論議をしてやりますなんて言っているけども、じゃ、いつまでやりますという計画は全然示されてないじゃないですか。それが決まるまで何十年かかるか知りませんけれども、その間にどんどんどんどん、いわゆる廃棄物の燃料は蓄積していくわけでしょう。「もんじゅ」だって、第二処理工場だって、いつ稼働するかわからんような状態でしょう。その間は玄海原発では、あそこのプールに貯蔵し、そして今論議が出ている中間貯蔵施設も建設をしなくちゃいかんということが九電の社長自身から出ているでしょう。再処理工場が早く稼働すれば、そんなものは要らぬわけでしょう。九電の眞部社長自身がそういう発言をしているんですよ。ということは、再処理工場がいつの時点で本格稼働するという見込みが立っていないということの証明でしょう。そうじゃないんですか、どうですか。 264 ◯田代原子力安全対策課長=六ケ所再処理工場は、現在、ガラス固化装置等のトラブルのために停止しておりますが、これにつきましては一つ一つきちんと取り組んでいくということで、来年の平成二十二年十月の建設に向け、作業が進められているというふうに聞いております。 265 ◯宮崎委員=そういうのが当てにならぬということですよ。MOX燃料、プルサーマルを導入するについても、最終処分の方法を明記しなさいとなっているけれども、内規でそういうふうにただし書きをつけて、それは申請のときに明記すればよかでしょうなんてね、我々の知らぬところでそんなことをやっておって、信用性がありますか、ないでしょう。情報開示がなされておらないということをきちっとこの場で明らかにしておかなくちゃならないと私は思います。二〇一〇年からやりますなんて先送りばっかりして、ずっと期限なき先送りでしょう。そういうことでプルサーマル計画が推進されたら、たまったもんじゃないですよ。  城野本部長、「議会もよろしくお願いします」と、さっき、諫早湾干拓の開門調査についての答弁で言われたけれども、今度はあなた方が、今、私が指摘をしたもろもろの問題、明確になっておらない問題については国と折衝し、その辺についてきちっとした国の回答をもって県議会に明らかにしますということを言えますか、どうですか。 266 ◯城野くらし環境本部長=先ほどから課長や副本部長がお答えしておりますとおり、この事業は、極めて大規模な、そして、長期間にわたるプロジェクトでございます。そういった面で、一つの考え方として、すべての条件をそろえて、それからスタートをするという見識で委員はおっしゃっているんだろうと思うんですが、考え方としては、長期的なものとして、その段階、段階にちゃんと折り合っていくという形のものを一つの大きなビジョンとして示しながら、それに沿って進めていく、これこそ国策の一つのやり方だろうというふうに私は認識をしております。  考え方としては、私どもとして、国がそういう方向性を大綱という形で明らかに示し、その中に着実に安全性の確保をちゃんとしていきながら進めていく、これも一つの見識ではないかというふうに考えております。 267 ◯宮崎委員=全然違う、城野本部長。我々は、危険性がどれだけあるか、非常に危険な問題であるということの立場から今のような質問をやっているんですよ。今、本部長が言ったのは全く逆。我々が言っているのは、どれだけ危険性があるか、どれだけ安全性が保証されているか。そのことが明らかにならないから我々は強く質問をしているわけでしょう。あなた方が国策でやるということならなおさらのこと、国民に、あるいは県民に、これだけのことをきちっとやりますということを明らかにして信を問うような形の国策というものをなぜやれないのか。国策というのは、それだけ重要な問題だから国策なんですよ。だとするなら、国民の信を問うような形でやるべきだと思います。城野本部長、あんまり間違わんようにやってくださいよ。私たちは、危険性があるから、それだけのことを言っているわけです。そういう認識でやっていただきたいと思いますが、再度、いかがですか。 268 ◯城野くらし環境本部長=私どもとしては、原子力発電、そしてプルサーマル計画については、安全性の確保を大前提として進めていくという考え方でございます。私どもとしては、これまでの国の説明、そして、専門家等から受けたいろんなサジェスチョンを含めて安全性は確保されているという認識のもとで進めております。 269 ◯宮崎委員=安全性が確認できると、全然確認できないじゃない。MOX燃料の処理方法も明らかにせん、最終処分場も、どこに持っていって、どう処理するかも明らかになっていない。ほったらかして放射能汚染でやればいいという代物じゃないわけでしょう。  今、明らかになったのは、九電がプルトニウムを六月現在で二・二トン、これは将来的に玄海原発の一号機、二号機、四号機、それから川内の一号機、二号機から出る。毎年、この量はふえるわけでしょう。あなた方は、玄海の一号機、二号機、四号機、さらに、川内の一号機、二号機から出るウランの廃棄物からプルトニウムが年間どのくらい抽出できるという試算をやっているんですか、明らかにしてください。 270 ◯田代原子力安全対策課長=玄海四号機、あるいは川内一、二号機、このすべてから毎年どのくらいのプルトニウムを含んだ燃料が出てくるのか、これについては申しわけありませんが、試算はしておりません。 271 ◯宮崎委員=なぜしないんですか。試算をすべきですよ。試算をして、プルトニウムがどのくらいの量になって、それが再処理をして何年間ぐらい燃やし続けていかなくちゃならないような量になるのか、その辺も明らかにすべきです。いかがですか。 272 ◯田代原子力安全対策課長=玄海三号機でプルサーマルをやりますが、ここで四十八体のMOX燃料を使うということまで許可を得てございます。四十八体使うということで、玄海四号、川内一、二号、これをすべて六ケ所で処理すると。そこから出てくるプルトニウムと玄海三号機で使用するプルトニウムがほぼバランスをするというふうに聞いております。 273 ◯宮崎委員=それじゃ、今から出るウランを燃やした廃棄物をいつから六ケ所村で再処理をするのか。今、あなたが示したこの数字は、フランスのメロックス社でMOX燃料として製造していくでしょうから。この二・二トンプラス、今、MOX燃料としてフランスの工場に預けている分があるわけでしょう。その分をプラスして大体何年間ぐらい使う計算になるんですか。今、フランスにどれぐらい預けているの。 274 ◯田代原子力安全対策課長=六月現在で〇・六トンでございます。 275 ◯宮崎委員=〇・六トンプラス二・二トン、二・二トンはMOX燃料の再処理をするわけでしょう、しなくちゃいかんトン数でしょう、これは。どうですか。 276 ◯田代原子力安全対策課長=トータル二・二トンでございますが、このうち、玄海発電所でMOX燃料として使用しているものが〇・五トンございます。このほか残りがフランス、あるいは日本原電にあるということでございます。 277 ◯宮崎委員=だから、その残りが何年間ぐらい使用されるかという期間の問題ですよ。 278 ◯城野くらし環境本部長=私のほうから。先ほど申し上げましたとおり、全体で二・二トン、今回の分も全部含めて九電が保有しているものは、今回の三号機で使用するものも含めて二・二トンです。したがって、〇・五トンはもう使用します。残りは一・七トンになります。今度の三号機の使用が、約四年間で使用するとすれば、同じような規模でするとすれば、約三倍ですから、四年掛ける三で十二年分相当ということになろうかと思います。 279 ◯宮崎委員=だから、MOX燃料として再処理するものを含めて十二年間、今からかかるわけです。今度はその十二年間に、さらにまたウランが燃焼されて出てくるわけですから、もうずっといくわけですね。  だから、いつの時点で再処理、あるいは六ケ所再処理工場が稼働するという前提なのか。この辺は九電としても不安でしょう。その辺は佐賀県としても、いつごろ稼働するような状況になるのか、いつまで九電の玄海原発の貯蔵庫で保管しなきゃいかんのか、その辺をきちっと国に確認する必要があると思いますが、いかがですか。 280 ◯田代原子力安全対策課長=使用済燃料の貯蔵状況でございますが、玄海原子力発電所の管理容量は約二千四百体ぐらいございます。これに対して十月末現在で一千八百体、貯蔵されておりまして、計画的な搬出ができた場合には二〇三〇年ごろまで、計画的な搬出ができない場合は二〇一三年ごろまでの保管ができるというふうに聞いております。 281 ◯宮崎委員=あなた方は、それで了解をしているわけですか。二〇三〇年ぐらいまで確保できるから。使用済MOX燃料の保管を、それまでは了解するということを佐賀県は九電に言っているんですか、どうですか。 282 ◯田代原子力安全対策課長=使用済燃料をどういうふうに貯蔵していくのか。これについては九州電力が、事業者がどういうふうな格好で保管するのかということをまず検討すべきだと考えております。 283 ◯宮崎委員=それは当然、事業者が考えるべきです。しかし、九電がそれを決定したら、安全協定に基づいて佐賀県にこういう計画でやります、だから御了解をという了解を取りつけなければいけないでしょう。それはいつごろまでにやるという計画で今進められていますか。 284 ◯田代原子力安全対策課長=貯蔵については、現在、九州電力が検討しているところでございまして、いつ、どういうものが必要ということについては、特に聞いておりません。まだ検討中ということでございます。 285 ◯宮崎委員=四年後にはもう出てくるんですよ。だとするならば、もう今から九電と、どういう形で貯蔵するんですかということをきちっとテーブルの上にのせて論議をすべきでしょう。いつごろから始めるんですか。 286 ◯城野くらし環境本部長=私のほうから包括的にお話し申し上げますと、今、私どもは、十二月二日にスタートしましたプルサーマルが安全に、円滑に進んでいくこと、ここのところに全神経を集中してやっております。これが順調にいく中で、ある段階に来れば、当然、今はいわゆる全国の原子力発電所から発生する使用済燃料と、いわゆる六ケ所再処理工場の処理能力にギャップがあります。いずれは貯蔵施設の検討というものは、一義的には各電力会社の中で考えていくべきものと思っておりますが、当然、私どもと安全協定に基づいて協議をする段階が来るものと思っております。その段階がいつかと言われると、今の時点では未定と申し上げるしかないと。ただ、電力会社の検討が進んできて、そういう申し入れがしかるべき段階で来れば、私どもとしては、その協議をしなければならないと考えておりますが、今、その段階ではないと認識をしております。 287 ◯宮崎委員=城野本部長、あなたたちは、どこを中心に原子力行政を進めておるんですか。あなた方は、電力会社を中心に原子力行政が回っているみたいな答弁ですよ。県民の安全性というかけらもない、これっぽっちのかけらも。そう受けとめなくちゃいけないような答弁になっておる。再処理工場もどうなるかわからんというような見切り発車をして、四年後には使用済MOX燃料が出てくる。これは明らかになっている。持っていくところがないわけでしょう、今の段階では。これだけははっきり言えますね。持っていくところがないから、玄海原発の今の貯蔵庫の中に貯蔵するということがはっきりしているわけでしょう。どうですか。 288 ◯田代原子力安全対策課長=玄海原子力発電所の中の貯蔵プールで保管するということでございます。 289 ◯宮崎委員=だから、そういうものについては安全協定の中できちっとどうするかということを論議しなくちゃいけないわけでしょう。そこに置くということについて明らかになっているから。あなた、そんないきがったようなやり方をしておりますか。もう少し謙虚な気持ちで受けとめなさいよ。どうなんですか。 290 ◯田代原子力安全対策課長=使用済MOX燃料を貯蔵プールで保管するということにつきましては、プルサーマルを行うという事前了解の中で説明を受けておりまして、また、国からも許可がおりております。したがいまして、使用済みのMOX燃料を貯蔵プールに保管することについて事前了解は必要ないということでございます。 291 ◯宮崎委員=我々から言うと、安全の確認のためにもきちっとした安全了解をとってほしい。そうすることがあなた方は、私はさっきも言いましたように、県民側に立った原子力行政の推進ですよ。あなたたちは、国のほうや九電の肩ばっかり持った発言をしている。そんなことじゃいけませんよ、いかがですか。 292 ◯古谷くらし環境本部副本部長=委員からの御指摘は、電力会社のほうの肩を持っているんじゃないかということでございますが、我々は、あくまでも安全協定に基づいて必要な安全性が確保されるということを県として第一に取り組んでいるということでございます。 293 ◯宮崎委員=安全が確認できるというのは、国からの受け売りをしているだけのことですよ。私は、ずっとこのプルサーマルの問題については古川知事に、県独自の安全確認の調査をぴしっとしなさいと一貫して言ってきた。にもかかわらず、佐賀県は一つもそれを実行していただかなかった。しかも、MOX燃料を燃料とするプルサーマルが始まった。その四年後に廃棄物が出る。その廃棄物を再処理する工場すら稼働のめどが立っていない。しかも、廃棄物が玄海原発の地下のプールに貯蔵されていくわけでしょう。満杯になるのは時間の問題でしょう。だから、中間貯蔵施設をつくりたいということをやっているわけでしょう。中間貯蔵施設をつくるということは、再処理工場がいつ稼働するかわからない。そういうことを現に認めているやり方でしょう。違うんですか。  玄海町の岸本町長もそういうアドバルーンを上げている。九電の眞部社長すら、そういうことを論議をしていかなきゃいかんということを新聞紙上で明らかにしているわけでしょう。ということは、六ケ所再処理工場がいつ稼働するかわからないから中間貯蔵施設をつくってやらにゃいかんということを認めているわけでしょう。私は、その辺についてもう少しきちっとしたことを県民に明らかにしていただきたいというふうに思っております。  それからもう一点は、時間もきましたから終わりますが、先ほど申し上げました、いわゆる「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」第二十三条八項二号で、使用済燃料の処分方法についてこれだけ明記されておりながら、原子力安全・保安院の内部で、ただし書きで、内規で、そういうことを認めておるということは、これは背信行為だと僕は思います。明らかにされてないでしょう。自分たちで勝手にそういうふうにやっているんじゃないですか。そういう問題について我々は認めるわけにはまいりません。だから、このことについても後日、文書をもって佐賀県の対応というものを明らかにしていただきたいと思いますが、最後に城野本部長、いかがですか。 294 ◯城野くらし環境本部長=ただいまの委員の御指摘については、私どもも真摯に受けとめて対応していきたいと考えております。 295 ◯宮崎委員=ぜひそのようにやっていただきたい。そして、あなた方が知り得た情報というのは開示をきちっしていただきたいと思います。そういうことをお願いしまして、時間も過ぎましたので三問目の質問にまいります。  時間もございませんのでちょっと言います。八月三十日の衆議院選挙の結果、九月六日でしたか、鳩山内閣が発足して、そして鳩山総理が国連総会に出向きまして、世界に先駆けて、二〇二五年までに一九九〇年比でCO2の削減を二五%やるという宣言をいたしました。二五%削減というこの鳩山総理の発言は、閣議決定に基づくものかどうか、その辺どのようになっておりますか。 296 ◯吉岡地球温暖化対策課長=鳩山首相の国連気候変動首脳会議における発言について、閣議決定を経たものとは聞き及んでおりません。 297 ◯宮崎委員=しかし、閣議決定をせんで、こういうものがひとり歩きしておるということについては、私はちょっと不可解な感じがするんですよ。今、デンマークでCOP15が開催されておりまして、鳩山総理も十八日に行くんでしょう。そこで、この前、国連で表明したような二五%削減というものを行うということのようですけれども、私は、このことはきちっとした、日本国の方針としてやるという裏づけというのを閣議決定をしてやるべきものというふうに私は認識を持っておりますが、あなた方はどういう認識でいらっしゃいますか。 298 ◯吉岡地球温暖化対策課長=現在、鳩山首相が表明されておりますのは、現在の京都議定書の次の議定書を定めるに当たりまして、すべての主要排出国の参加を前提としまして、そういったところがCO2の排出削減に努めるということであれば、日本としては二五%を削減することを目標とする用意があるということを表明されたものでございまして、まずは、今、コペンハーゲンで議論されております温暖化対策のCOP15において、その結論をまって日本としては正式に決められるものと思っております。 299 ◯宮崎委員=それは先進国と後進国との駆け引きの中で最終的にどのような決定をされるかということが大きな課題になっております。  ただ、きのうまでの流れとしては、排出量を削減する取り決めはかなり難しいだろうと言われております。いわゆる京都議定書では六%の削減をするということが決議されましたけれども、今回のコペンハーゲンではできる情勢にはないような形になっておりますが、その問題につきましては、あと何日間か残されておりますので、もう少し見極めていきたいと思います。  この二五%削減が仮に閣議決定されておらないとしても、一国の総理が公の場であれだけのことを言ったわけですから、その責任というものはあるだろうと私は認識しております。できますならば、COP15の決定いかんにかかわらず、日本国として世界に先駆けて、二〇二五年までに一九九〇年比二五%の削減をするということは、これはもう地球上の人類としては避けて通られんような状態まで今の地球温暖化の問題は追い込まれてきているというのが現実でしょう。  だから、この問題については、政府だけでなく、企業だけでなく、地方自治体だけでなく、国民まで含めた形で、この二五%削減に向けて、それぞれの立場の役割を果たしていく。そうすることが二五%削減の目標に近づくんじゃなかろうかというふうに考えるわけです。  そこで、これは今後の問題ですけれども、国としてはどうするかという正式な、基本的な政策というものがまだ出されておりませんが、近い将来、来年度の予算編成後に明らかになってくるものだというふうに思っております。  そうなったときに地方自治体の役割、あるいは国民の役割というものを明確にすることによって、この地球温暖化を食いとめてやっていく。そういう情報を佐賀県から発信して取り組みを進めていくということが大事だろうというふうに私は思いますが、いかがでしょうか。 300 ◯吉岡地球温暖化対策課長=現在、取り組まれております地球温暖化対策に対する国、県、国民の役割についてでございますが、現在、国の京都議定書目標達成計画というのが定められております。  それによりますと、「国は、温室効果ガスの排出削減のためには、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会経済活動や生活様式の見直しが不可欠であることを踏まえつつ、我が国の地球温暖化対策の全体的枠組みの形成と地球温暖化対策の総合的実施を担うこと」となっております。  県内の地方公共団体におきましては、例えば、県の事務事業から排出される温室効果ガスの排出抑制のための率先的取り組みや、地域住民や企業の取り組みを促すための情報提供や活動支援、公共交通機関や自転車の利用促進、ごみ問題の取り組みなど、地域の特性に応じた対策の実施などが期待されているところでございます。  また、国民一人一人は日常生活に起因する温室効果ガスの排出の抑制とあわせまして、地球温暖化対策活動への参加が求められております。  国の計画ではこのようになっておりますし、私どももこのように考えているところでございます。 301 ◯宮崎委員=自然エネルギーを利用して、いわゆる二酸化炭素の排出軽減を図っていくということが、今、地球上で求められておると私は思います。あなた方は、さっき論議しました原子力発電は二酸化炭素を出さないからいいんだというふうに言われておりますけれども、それはあまりにも危険過ぎる論議だと思います。何としても、我々が一番推進していかなければならないのは、太陽光発電を導入することによって地球温暖化を食いとめていくということが一番ベターな施策であるというふうに認識をしておりますが、あなた方はどういう認識を持っていらっしゃいますか。 302 ◯吉岡地球温暖化対策課長=現在、二五%削減のための方策というのはまだ決められておりませんが、麻生政権時代に仮に二五%削減するとしたとするならばどういった社会にならなければいけないかというモデルというのが幾つか示されております。  その中では、幾つか条件がございますが、例えば、原子力発電所も現在計画されているものがすべて完成したという前提に立った上で、それでも太陽光発電について現状の五十五倍に拡大しなければ無理だよと。ほかにも例えばエコ給湯といったものがございますけれど、一つの例として太陽光発電はそれだけふやさなければいけないという一つの姿が示されておりますので、太陽光発電の普及について非常に大事な問題だと思っております。 303 ◯宮崎委員=時間も大分経過しましたのでこれで終わりますが、古川知事は、太陽光発電の普及率は日本で佐賀県が一番だということをよく言われておりますね。今はそうかもわかりません。しかし、他の県から追い越されようとする段階にきておるという認識を私は持っているんですよ。  今まで国が太陽光発電の設置に対する補助をする前は、県独自の補助をしておりました。ところが、国が補助を政策的にやり出した途端に、佐賀県は補助金を中止したでしょう。これではいけないと僕は思います。今、県内の二十の市町において、たしか、武雄市を含めて三市町が独自の補助をやっていますね。二五%の削減がまだ閣議決定されず、本格的な国策としてやられておりませんが、されようが、されまいが、今、そういうものを推進していかなければ将来に向けて非常に禍根を残すような結果になるだろうという危機感を持っております。  そういうことで、新たに佐賀県としまして、国の補助も来年度から打ち切ることに切りかえるような方針が出されております。というのは、一つは太陽光発電機を設置する補助事業を打ち切って電力の買い取りのほうに重点を置こうというふうな施策に切りかわっていこうとしていますね。それはそれでいいんですけれども、しかし、太陽光発電機の普及率というはまだ微々たるものだというふうに私は思っております。  そこで、全国の普及率と佐賀県の普及率がどういう状況にあるのか、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。 304 ◯吉岡地球温暖化対策課長=まず、太陽光発電の全国の普及率でございますが、一戸当たり一・六六%でございます。そして、佐賀県の普及率としましては、二十一年三月末現在で三・四六%となっております。 305 ◯宮崎委員=まだ五%にも満たないような状況でしょう。これで終わりますが、城野本部長、まず国の施策として太陽光発電の設置の国民に対する補助は継続をしていただきたいということ。それと同時に、これから復旧をさせていくならば、佐賀県も国の補助プラスアルファとして補助をやっていただきたいと私は思います。  そして、この前、新聞で見ましたが、鳥栖のメーカーが薄型の太陽光パネルを開発したという報道がされていました。これが現在、実用化されているのかどうかわかりませんけれども、県内で生産された機材を普及させるという意味合いにおいても、率先して佐賀県がそういうものに対する補助というものをやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 306 ◯城野くらし環境本部長=委員御指摘の太陽光発電は、温暖化対策の中で極めて重要な位置づけをすべきものと思っております。  委員御指摘のように、普及率が全国一位だとか二位だとかということは別にしまして、とにかく佐賀県内に一台でも多く太陽光発電が設置されるような取り組みを強化するということについては、宮崎委員だけではなくて、私ども、古川康知事からも強く言われております。  先ほど御指摘がありましたが、市町の助成がまだ三市にとどまっているということで、今、担当課の職員が二十市町に回って、何とか各市町で助成制度の創設をお考えいただけないかということを働きかけているということが一点。  もう一つは、最後はやはり設置業者の方がしっかり頑張っていただく。そのために私ども行政がバックアップするということで、先般、業界の方々に私の部屋においでいただいて、県としてもしっかりバックアップをするので、我々に何ができるのか、そういうことについての意見交換等もさせていただきました。近日中には具体的な行動に移っていきたいということで今計画を進めております。  それに加えまして、先ほど出ました鳥栖の業者が薄型の太陽光発電を開発しております。これは今、アバンセで設置の作業を進めております。これが成功するという証明ができれば、そういうものも含めて、とにかく県内の業者の方が太陽光発電の設置に取り組んでいただく環境づくりにしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。 307 ◯宮崎委員=今、城野本部長が、ちょこっと前向きな、今、二十の市町に助成をということのお願いに回っているという答弁ですけれども、だとするならば、県もそれに一万円でも二万円でもいいですから上積みをするような予算化を来年度からしていただきたいと思いますが、いかがですか。 308 ◯城野くらし環境本部長=県の助成につきましては、今議会においてニューディール基金の活用をもって十分の一の補助を提案させていただいております。これをもって予算総額としては三億円を確保しております。これを使い果たした段階で、今、議員御指摘の点について検討をさせていただきたいと思います。 309 ◯宮崎委員=三億円が早くなくなるように市町の協力を求めていただきたいと思います。
     もう一つ大事な問題は、メーカーと販売業者とユーザーとのトラブルが今非常に社会問題化しておりますので、この辺につきましてはトラブルのないような指導をして、トラブルがあったときは県民が消費生活センターで素早く解決できるような、そのこともきちっと対応していただくようにお願いいたしまして、私の質問はこれで終わります。  以上です。 310 ◯末安委員長=以上で質疑を終了いたします。     ○ 継 続 審 査 311 ◯末安委員長=お諮りします。  海洋環境の保全、水産資源の確保、エネルギー対策に関する諸問題の調査に関する件につきましては、重要な問題が残されていますので、閉会中の継続審査とする必要があることを議長に申し出ることにいたしたいと思います。これに御異義ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 312 ◯末安委員長=御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたします。  これをもちまして有明玄海・エネルギー対策特別委員会を閉会いたします。  どうも御苦労さまでした。     午後五時二十四分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...