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  1. 佐賀県議会 2008-06-04
    平成20年6月定例会(第4日) 本文


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         ○ 開        議 ◎議長(石丸 博君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  日程によりまして、七月四日に引き続き一般質問を行います。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◎堀田一治君(拍手)登壇=それでは、ただいまから質問をいたします。どうぞよろしくお願いいたします。  きょうは後になかなか猛者の議員方もおられるようでございますので、できるだけ簡潔に申し上げたいと思います。  まずは、県東部地域における特別支援教育の充実についてお尋ねをいたします。  平成十八年六月に学校教育法の一部を改正する法律が公布されまして、昨年四月にこの施行がなされたところであります。これによって、従前の特殊教育は法的にも特別支援教育へ転換をされたわけであります。  佐賀県では平成十八年十二月、「佐賀県における特別支援教育在り方検討委員会」を設置され、現状と課題を踏まえて本県における今後の特別支援教育の基本的な考え方などについて検討がされてきました。  この委員会から昨年十月に意見を取りまとめた報告書が提出されまして、本年四月には本県における特別支援教育の基本方針及び施策の方向性を定め、障害のある児童生徒の教育を総合的に推進するため、「佐賀県特別支援教育推進プラン」なるものを策定されました。  このプランは、五つの基本方針に沿って取り組むことが明記をされているわけでありますが、その中でも地域の身近な場における教育環境の整備は常日ごろから非常に重要なことだと感じておりまして、これが基本方針に明記をされることは、大変喜ばしいことである、そのように私は感じておる次第です。  県内における特別支援学校の設置の状況は御案内のとおりでございますが、北部養護学校、うれしの特別支援学校の設置により充実が図られてきました。さりながら、県東部地域を見まするに、病弱を対象とした中原養護学校のみという状況であります。障害のある児童生徒の保護者の皆さんからは、佐賀地区にある特別支援学校まで送迎をしなければならず、負担が重いとの相談を今までも何回となく受けてまいりました。事実、私のところにも中原養護学校に高等部をぜひ設置してほしいという切なる願いが四、五年前だったと記憶しておりますが、そういうこともございまして、県東部におけるこの種の施設、学校が必要であるということを痛感いたしております。  そこで、県東部地域における特別支援教育の充実推進を図る立場から、次の点についてお伺いをいたします。  県東部地域における障害のある児童生徒の受け入れについては、まずは義務教育対象者について早急に対応すべきではないかと私は思っておりますが、教育委員会ではどのように考えていらっしゃるのか、御答弁をお願いいたします。  さらに、高等部の設置についても申し上げます。  地域の身近な場における教育の提供を考えるのであれば、高等部についても設置をすべきではなかろうかと思っている次第です。この高等部設置につきましては、初期投資、それからランニングコストと申し上げてよろしいんでしょうか、高等部については教科担任でございますので、先生方の数も多く要りましょうし、初期投資も含めて多額な経費を要することはよく承知をいたしておりますし、ただいま置かれている県の財政事情も大変厳しいということも承知しておりますが、今後、県の教育委員会としてどう取り組んでいこうとするのか答弁をお願いしたいと思います。  次に、二番目の質問でございますが、木造建築等の技能継承について申し上げます。  最近の一戸建て住宅は、工期の短縮、あるいはコストの削減など効率性が優先され、ハウスメーカーが工場で材木を加工して、加工された材木を現場で組み立て、壁はボードやクロス、床はフローリングなどで仕上げられた住宅が一般的になってまいりました。  一方、一つ一つの木の性質を見抜いて、木のよさを引き立たせる伝統的な日本家屋がだんだん少なくなりつつあり、たくみのわざがなくなっていくようでありまして、一抹の寂しさを覚えるのは私一人ではないのではないかと思っています。(「全く同感」と呼ぶ者あり)  こうした新しい住宅工法が普及するにつれ、これまでのように大工や左官を目指す若者が親方につき、一人前になるまで親方から徹底的に鍛えられることが少なくなり、日本家屋を着工から完成まで手がけられるような職人はだんだん少なくなってきたのではないかと思います。
     このような中にあって、地域の気候風土や伝統文化に根差した木造建築の技能を守ろうと、県内の工務店や個人事業主の中には、自分たちで資金を出し合って、県が認可する認定職業訓練校と呼ばれる職業訓練を行う施設を各地に設置して、後継者の育成に努力をされております。  しかしながら、地元の工務店や個人事業主は、大手ハウスメーカーに新築やリフォームの顧客を奪われ、一段と経営が苦しくなり、後継者となる若者の確保がさらに難しくなって、また、認定職業訓練校の運営も年々厳しい状況をたどっていると聞いております。  このような伝統的な木造建築の技能継承が危ぶまれている中で、県としても熟練の技能を次の世代へしっかり継承していくための取り組みがこの際ぜひ必要であると私は考える次第です。  そこで、次の二点についてお尋ねをします。  まずは、認定職業訓練校設置状況等についてです。  県内の認定職業訓練校の設置状況はどうなっておりますか。特に、工務店や個人事業主の団体が設置している建築系の認定職業訓練校の運営については、訓練生の人員も年々減少し、運営も厳しくなっているようでありますが、このことをどう認識されておるのか、御答弁をお願いします。  さらに、さきも申し上げましたが、木造建築を初め物づくりの伝統技能を継承し守っていくために、県は今後どのように取り組んでいこうとするのか、あわせて御答弁をお願いいたします。  さて、次なる問題は佐賀商工共済問題への対応について申し上げます。  このことにつきましては、既に昨年六月、第一陣訴訟で県は法的な責任を認め、原告に対し損害賠償金や和解金などおよそ十一億円に及ぼうとする金員を支払うなど、大筋において問題が解決しつつあるというふうに思っています。  この問題が発覚以来、今日まで県の対応につきましては、それぞれの事柄につきましては、判決や法律にのっとった手続だと思ってまいりましたが、大方の道筋が見えてきたこの段階で、佐賀商工共済問題全体を振り返って、幾つかの疑問が残りますので、知事の見解を承っておきたいと思う次第です。  まずは、佐賀地裁第一審の判決が出た後、県はこれを受け入れることに決しましたが、率直なる私の疑問は、さらに上級裁判所になぜ控訴をしなかったのかについて、その理由を再度御説明を賜りたいと思います。  知事は御就任以来、第一審の判決が出るに至るまでの間、終始一貫して県には法的な責任はないということ、それから問題の解決に長時間をかけるのは本意ではないが、県民の納得を得る結論を得るには、司法の判断を待たざるを得ないと答弁をされてまいりました。平成十七年の一月、六月、十一月、それぞれの特別委員会や本会議のこの席上から、先ほど申し上げたことを終始一貫、答弁をされてきたところであります。  ところで、知事の言うところの司法判断としては、第一審判決を指していたのかということが平成十九年六月にわかったわけであります。これは平成十九年六月の一般質問において、県としての主張をした上で司法の判断を待つとしていたが、今回の判決を重く受けとめなければならないと答弁をして、一審判決に従う旨を表明されたからであります。従前、司法の判断を待つとしていたものが、佐賀地裁の判決をもって司法判断となったのはなぜなのか、上級裁判所の判断を求めようとしなかったのはなぜなのか、改めて説明を承りたいと思います。  次に、前知事への求償についてただします。  このことにつきましては、幾つか質問の項目がございますが、それぞれに関連をすることでございますので、ひょっとしたら重複をするかもしれませんが、意のあるところをお酌み取り願いたいと思っています。  まず、佐賀地方裁判所判決要旨及び判決主文、理由、事実の中で、県は商工共済組合の財務や粉飾の状況を把握していたにもかかわらず、これらの是正等を指示する業務改善命令の発令義務を行わず、中協法の趣旨、目的に照らし、許容される裁量の限度を逸脱して著しく合理性を欠いており、過失があったとして、原告との関係で国家賠償法一条一項の適用上違法であるというふうに述べられました。  国賠法において過失また故意がありたるときは、求償権を有するとのことがございまして、前知事への求償はこのことをもって根拠としたものであろうと思っております。  ここにおいて、県は求償権の行使が可能か否かについて、著名なる学者、東大の小早川という教授と、同じく宇賀というお二人の教授にその見解をただしています。その結果、一人の法学者は求償を可能なりといたしました。もう一人の法学者は必ずしも求償可能とはならないと、相反する説を唱えて、県はそのお一人を参考として求償権を行使することになったものと解しております。  私はここにおいて、さらに慎重を期す上、ほかにも専門家の意見を求めてもよかったのではなかろうかという思いがございますが、御説明をいただきたい。  この場合、二者がそれぞれ相反する説を唱えているわけでありまするから、このことを、いずれの説をとったにいたしましても、正、反の論議があることは当然でありますが、前知事一人に求償をした理由について、この際明確にお答えをいただきたい。  判決そのものは、前知事個人の責任は問うておりません。後見的指導監督者として行政庁の責任を問うと私は理解しています。知事部局三千数百名の職員は、多岐にわたる行政を執行するに当たり、それぞれの部局に分かれて分担する、いわゆるつかさつかさに責任を持たせて仕事をし、その部局の長は全責任を持つことは御承知のとおりであります。知事がその任期中において発生をいたすさまざまな事象や事件において、そのすべての責任を持てとするならば、それはもはや組織で仕事をしているとは言えないのではないでしょうか。判決は、行政庁としての責任を問うているにもかかわらず、結果として前知事に対して求償いたすことによって、前知事ただ一人の責任にすりかえようとしたのではないか、そのように思えてなりません。  前知事は、全生涯をかけて佐賀県に奉職し、数々の実績を残し、県勢発展に多大の貢献をされたと私は思っています。今や一私人となった後も、多くの県民の尊敬を受ける立場の人であります。何ゆえをもって、本来、行政庁の責任を問われたにもかかわらず、ただただ前知事一人の責任というような形になってしまったのか、改めて知事の所見をお願いするところであります。  次に、求償額についてただします。  第一次、第二次訴訟における損害賠償は九億七千万円となっております。今回の議会において幾つかの補正が出ておりますから、多分に十一億円程度に上るのではないかと私は思っておりますが、この金員をそっくりそのまま求償額とされました。求償の範囲は、私はゼロ円から九億七千万円と解します。知事はこの額を定めるに当たって、その範囲内において求償をするという裁量の余地はなかったのか、何をもって損害賠償額イコール求償したのかについても伺いたい。  次に、前知事の応分の負担の申し入れについてただしたいと思います。  県が前知事に対する求償行為を行う前、前知事より、責任のある立場であったことから応分の負担に応ずるとの表明があったと聞いております。この後に求償行為が実施されましたから、その申し入れは拒否をされたものと解します。この際、はっきり拒否をなされたのか、あいまいにしたままに求償行為を実施されたのかについても説明をいただきたいと存じます。  次に、元組合役員商工共済組合の元組合役員です。それから、前知事への求償の中身について少し説明を受けたいと思っています。  元組合役員に対する求償は、もともと組合の自己責任に帰す問題であるので、佐賀県が支払った九億七千万円の損害賠償金については組合役員が出しなさいというのが、組合役員に対する求償の根拠であるのではないかと思っております。同じく前知事への求償は国賠法の規定によるということで、同じ求償という言葉を使いながら、中身は全く違うものであるというふうに私は理解をしております。  そこで伺います。そもそも佐賀県は、佐賀地裁の第一審の判決を法的判断と、司法の判断となさいましたが、その判決に対して、全く恐れ入りました、反省をいたします、あなたの言うとおりにいたしますということでもって損害賠償を行ったわけでありますが、元組合の皆さんに対しての求償は、第一義的にはあなたたちの責任だから、支払った賠償金についてはあなた方が持ちなさいと、こう言っている、そう思います。  前知事に対しては、求償権を盾にとって、払った損害賠償金オウム返しに求償されております。求償をお断りになりましたから、前知事に対しても今回は訴訟を行うと、では裁判で争いましょうということに今回提案がなっているようでありますが、仮に県が勝訴をしたと仮定をいたしましても、相手方に──これは大変失礼な言い方でございますが、率直に申し上げまして、相手方に支払い能力がない場合には一体この問題はどういうふうになるのかなという疑問がわいてまいります。このことについて御説明をいただきたいと思っています。  次に、これは金曜日の一般質問、同僚桃崎議員からも同じような質問が出ておりましたが、重複をいたしますけれども、もう一度質問させていただきます。  訴訟原告以外の被害者の救済についてであります。  知事は昨年の六月定例会におきまして、訴訟原告以外の方々にも救済を行う旨の答弁をされました。現在、そのことについて五人の委員で構成する被害者救済に関する委員会を立ち上げられて、ここの中で検討されておると聞いています。  もともと訴訟原告以外の方々、数にして三千二百名に上るのではないかと思いますが、この方々は消滅時効となっており、裁判所への届け出はなく、破産管財人に債権を有する旨の行為もしていない方々、そのように私は理解をしておりまして、つまり、損害賠償の権利を放棄した方々であります。  このように、救済を行う法律上の根拠のない被害者を救済することに、私は疑問を持っています。この方々に対してはその実態において、まことに情においてお気の毒な面が多々ありますけれども、反面、私どもが納めた税金をもってそのような方々にお支払いをするということでありますから、法律上は本来、支払う必要はないのに、あえて税金を投入することへの県民の理解が得られるのであるのかどうか、甚だ疑問とするところです。支払いの法的な根拠はないのに公金を支払うということについては、一体どのような法的根拠があるのか、これについて説明をいただきたい。  多分に私は、佐賀県の立法的な措置をしなければ、つまり、この件に関する時間を決めた条例の制定が必要ではないのかというふうに予想いたしますが、そこまでして法的な責任のない、支払い義務のない方々を救済しなければいけないのか、このことについて篤と説明をいただきたい。  このことについてもう一点、私の感想を述べます。  先ほどの井本前知事のことを例に挙げますならば、組織としての責任を問われておるにもかかわらず、県行政側は結局、ただ一人の責任として事を処理しようとされておりますが、一方で損害請求の権利を放棄した人たちに対して、請求をしていないにもかかわらず、みずから進んでこれを救済しようと、この両者の間の余りの落差の大きさに、私は大変大きな違和感が残っております。ひょっとしたら古川知事は政治的な判断を優先された結果ではなかろうか、そのようにも感ずる次第です。  最後に、全体的なことについて申し上げます。  原告訴訟団は、元組合役員及び県に損害賠償を求め、裁判所はその範囲において判断をしたと思っています。ここにおいて佐賀県商工共済組合は、共済組合という形、名目はそのとおりになっておりますけれども、その実態をのぞきますときに、一般の金融機関と、つまり金銭消費貸借という形はとっておりますけれど、一般金融機関とほとんど同様の機能を果たしていたのではないかと思われます。  されば、共済組合とはいえども、これを利用する方々にとっては、広義においては一種の経済行為と言わざるを得ません。ここにおいて、組合員を含む当該組合の自己責任、そして、組合全般の方針や、方針を決定する理事や、会計、経理を監査する役職者の責任の所在は一体いずこにあろうやと考えてしまうわけであります。つまり、私の主張したいのは、自己責任ということが一体どこに行ったのかということを問いたいわけです。  確かに、県は平成八年八月、粉飾が明るみに出て、そのことを監査する上で十分承知をして、これを明らかにしなかったという責任を問われましたから、それはそのとおりであろうと存ずるが、それでは佐賀県は共済組合の当事者であったのかといえば、そうではありません。ここのところが私には大きな疑問としてなかなか氷解をしないところです。  訴訟団は、先ほど申し上げた商工共済組合の理事会、そして、それを構成する理事、その他の方々の事の責任について、裁判所には問うておりません。したがって、裁判所の判決は、これらの方々についての法的な責任については触れておられませんが、私は多分、第一審の裁判の経過の中で、佐賀県としてもその主張をなさったと思いますけれども、このことについて、つまり自己責任であるということを知事はもっと大きな声で世に問うてよかったのではないかという思いがするわけであります。  以上、商工共済問題について、私の疑問とするところを申し上げましたが、私の意のあるところをお酌み取り願って、御答弁をよろしくお願いしたいと思います。  以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 3 ◎古川知事 登壇=堀田一治議員の御質問にお答えします。  佐賀商工共済問題に関する幾つかのお尋ねのうち、まず控訴をせずに第一審の判決を受け入れたことについての私の考えをということでございます。  昨年の六月二十二日に第一審の訴訟判決が言い渡しをされました。その内容は、県に法律上の責任を認め、賠償金の支払いを命じるという県にとっては大変厳しいものでございました。しかしながら、平成十五年八月に佐賀商工共済協同組合が破綻をして以来、組合を監督する行政庁としての責任が問われ、それに対して裁判所の判断を仰ぎたいと申し上げてきた県としては、この判断を重く受けとめ、また組合の破産によって被害に遭われた方々をできるだけ早く救済をしていくという考えから、第一審判決を受け入れるという判断を行ったものでございます。  確かに、控訴をして、その上で上級審で争っていくという選択肢もないわけではございませんでした。ただ、控訴をしますと、この問題の解決、そして被害者救済がさらにおくれることになります。  この問題については、この間県議会においても熱心に議論が行われておりました。平成十七年三月の佐賀商工共済問題特別委員会での早期解決を求める決議を初め、判決を受けた後の昨年六月議会におきましても、そのほとんどは早期の被害者救済を求めるものでございました。  こうした経緯を踏まえて、県としては主張すべきは主張をし、一つの司法判断を得た。そして、県議会においても早期解決を求める多くの議論がなされている。こういう状況のもとで、被害者の方をできるだけ早く救済していくために控訴をせず、公金を投入して救済をするしかないと考え、判決を受け入れることとしたものでございます。  次に、井本前知事への求償に関連をいたしまして、県は専門家二人に求償できるか、できないのかという意見を聞いたところ、できるという意見とできないという意見の二つが出された。相反する意見が出ているのだから、ほかにも専門家に意見を求めてもよかったのではないか、こういうお尋ねでございます。  私どもは、この専門家二人に見解をお尋ねするに当たりまして、法務省とも相談をして、我が国を代表する行政法の学者の御紹介をお願いし、お二人については、お忙しい中一定の答えをいただきました。  私どもとしては、これほど両極端に意見が分かれるとは予想しておりませんでしたので、正直、困惑したところもございましたが、少なくとも、こうして我が国を代表する法律家の一人から、法律上、求償できる可能性があると明確に示されたということは、あえて県がその意見をとらずに求償をしないという判断をする、もしくはほかの専門家にあえて意見を聞くということをすると、この一人の学者として法律上、求償できる可能性があるという意見を封殺することになります。  県として、この公費による負担をできるだけ最小限に抑えるためにも、法律上、県として求償できる可能性があるのであれば、それをすべきであると県として、また私として判断をしたところでございます。  次に、賠償金の一部についてではなく、なぜ賠償金の全額について求償をするのかというお尋ねでございます。  議員からも御指摘ございましたように、今議会に提案をしております議案が議決されれば、井本前知事に対して求償請求訴訟を提起することになります。長年、県政に多大な御貢献をいただきました前知事と訴訟の場で対峙する事態になりますことは、私自身、決して望んでいることではございませんし、本意ではございません。  これまでの経緯を簡単に申し上げますと、県は判決を受け入れた時点では、井本前知事に対して国家賠償法に基づく求償はできないと考えておりました。しかし、昨年の六月議会において、「井本前知事等の責任の所在を明確にし、その道義的、政治的、法的責任を問うこと。」という決議がなされました。そこで、改めて当時の職員に対する、これは知事やそのほかの職員を含めてでございますが、その求償の可否について整理をすることとしまして、先ほども申し上げましたように、専門家二人に意見を伺ったところでございます。  その結果、一人の専門家から求償することは可能であるという意見をいただきましたので、求償を行うこととし、そして、井本前知事に求償の請求を行いましたが、五月二日に応じることができないという回答がありましたので、求償の請求訴訟を提起することにして、そのための議案を今提案しているところでございます。  請求額については、この問題の一次的な責任は、県としては組合を破綻させた経営者、すなわち元組合役員にあると考えております。本来であれば、県が原告に対し支払った賠償金などの額から、元組合役員が県の求償に応じて支払う額を差し引いた額、すなわち純粋な県の損害額と申しましょうか、その損害額について請求すべきでございます。  しかしながら、この元組合役員に対しては本年一月三十日に、第一陣訴訟で支払った賠償金について求償の請求訴訟を提起して、その審理が行われている最中でございます。その結果、現時点におきましては、県の損害額が確定をしていないという状況であります。また一方で、ではこの組合役員との訴訟が終結をして、県の損害額が確定するのを待っていればよいではないかという御意見もあるかもしれませんが、それを待っておりますと、井本前知事に対する求償権が消滅時効、これは県が賠償金などを支払った日から三年ということになりますが、この消滅時効にかかってしまう可能性がございます。確かに請求額を幾らとするかについては、内部で時間をかけてさまざまな議論を行いました。  以上のような理由から、元組合役員への求償請求訴訟と同じように第一陣訴訟で支払った賠償額の全額、約四億九千万円を求償することにしたところでございます。  次に、県内部の責任のあり方について、なぜ井本前知事だけに求償することとしたのかというお尋ねでございます。  第一陣訴訟判決によりまして、当時の県の対応に法律上の責任が認められた以上、当時の県職員の責任はあるものと考えております。この点に関しまして、県が支払った賠償金などについて、関係した幹部職員にも負担を求めるべきではないかという御意見を多くの県民からいただいております。  当時、県という組織で判断ミスを犯したのであれば、また幹部職員にその責任が認められるのであれば、職員個人としての責任を追及したいという思いはございます。  ただ、国や地方公共団体が賠償金を支払う場合、関係した職員個人に求償をすることができるのは、国家賠償法の規定によれば、その職員に故意または重大な過失があった場合に限られております。それ以外は職員個人には求償できないこととされています。  第一陣訴訟の判決によりますと、平成八年当時の商工労働部の課長、次長、部長は、組合の欠損額が非常に大きかったことや粉飾経理が行われていたことを踏まえて、この事案が大変に難しい事案だと判断をして、一緒に知事室に赴き、その状況を報告の上、知事の判断を仰いだとの事実認定がなされています。  佐賀県本庁決裁規程では、特に重要なものと認められるものなどについては、課長だけではなく部長においても専決をすることができないとされておりまして、今回のケースにおいては、組合の自主再建を見守るという重要な判断を行う権限は知事にしかなかったことになると考えております。課長、次長、部長は必要な資料を作成し、その上で知事の判断を仰ぐという、それぞれの立場で組織における役割を果たしていることから、少なくとも重大な過失があったとまで認定される過失はなかったと判断をいたしました。  このようなことから、井本前知事以外の当時の県の幹部職員個人への求償はできないと考えております。  一方、井本前知事につきましては、第一陣訴訟判決におきまして、「すみやかに粉飾経理の是正等を指示する業務改善命令を発令する義務があったというべきであり──途中省略しますが──これを漫然と放置したのは、中小企業等協同組合法の趣旨、目的に照らし、許容される裁量の限度を逸脱して著しく合理性を欠くもの」であったと認定されておりますほか、求償の可否を検討するに当たって、意見を伺った専門家の一人からも、「(監督)権限の不行使について重大な過失があったと認定されてもやむを得ないと思われる」との意見をいただいたところでございまして、こうしたことから、井本前知事に対して求償をすることとしたところでございます。  次に、昨年六月に判決を受け入れた際に、井本前知事から応分の負担を行いたいという申し出があったと聞いているが、この申し出についてはどうなっているのかというお尋ねでございます。  確かに、当時、井本前知事から法的な責任とは全く別に、当時の県政のトップとして応分の責任を果たしていきたいという申し出がございました。この時点では、県は井本前知事に対し法的な求償を行うことはできないと考えておりましたので、この申し出を受け入れる方向で検討をしておりました。しかし、その後、法律の専門家の御意見も踏まえ、前知事に対し、求償請求を行うことといたしましたので、結果的にこの任意の申し出というものについては、県としては受け入れないことといたしました。  この受け入れないという事柄について、正式な形で前知事に県としてお伝えをしたということはございませんが、こうした話をさまざまな形でする中でお伝えをしたことはございます。県が国家賠償法に基づき法的な求償請求を行った時点で、任意という形で行われた前知事からの応分の負担の申し出というものについては、事実上なくなったものと考えております。  次に、元組合役員への求償というのは、どのような法的根拠によるものかというお尋ねでございます。  第一陣訴訟の判決は、被告のうち、県に対して組合に対する監督責任を問うていまして、賠償金として約四億九千万円の支払いを命じる一方で、五名の元組合役員に対して、組合経営者としての責任を問い、それぞれに約十億円の賠償金を支払うことを命じております。  判決では、県と元組合役員の賠償義務を全く別のものとしてとらえているわけではございませんで、県が被害者に賠償金を支払った限度で元組合役員の被害者に対する賠償義務が消滅をするという、法律的に申し上げれば、不真正連帯債務と呼ばれる関係にございます。  組合の破綻に一次的な責任を負うのは、監督官庁としての県ではなく、みずから組合の運営に関与をしておりました元組合役員でありますので、県は賠償金を支払うことで一次的な責任者である元組合役員が負うべき賠償金をいわば立てかえて支払ったことになります。  この県の立てかえ支払いによりまして、元組合役員はいわば利得を得たことになります。そのため、立てかえて支払った賠償金について、不当利得返還請求権ないし一種の事務管理上の費用償還請求権に基づきまして、元組合役員求償請求訴訟を提起するものでございます。  次に、相手方の支払い能力をどう見ているのかというお尋ねでございます。井本前知事並びに元組合役員それぞれに対して求償を行う際、相手方の支払い能力をどう見ているのかということでございます。  それぞれ支払い能力に応じた額の請求をするとなりますと、請求に先立ち、それぞれの支払い能力を把握する必要がございます。しかしながら、県においてそれぞれの方々における支払い能力を把握するということは、そのための権限も有しておりませんので、大変に難しいと考えております。  したがいまして、それぞれに対し支払い能力に応じた請求をするという対応は、現実的に困難と言わざるを得ないと考えております。  次に、県は被害者や組合役員の自己責任を世に問うてよかったのではないかというお尋ねでございます。  この間、この席から、また特別委員会の席上におきましても、さまざまなやりとりをさせていただきました。そこの中においては、私どもは最初のころには、こうした商工共済の事業のありよう、またそれぞれの事業における加入者の責任についても言及したこともございます。  この佐賀商工共済問題については、県民の間にも、預け入れた組合員の自己責任や理事、監事の経営者としての責任を問う御意見がありまして、そもそもの原因が組合の破綻であったことを考えれば、組合側の責任を否定することはできないと考えておりますし、私どもも組合側の責任はあると考えております。  しかしながら、経緯から申し上げますと、県は組合の粉飾経理を知っていたとして監督責任を問われた立場にあります。県独自の内部調査により、当時の県の対応に問題はあったものの、法律上の責任があったとまでは言えないと県としての結論に至りました。この県として出した結論に対して、それに納得をされない被害者の一部の方から組合の経営者と県を相手取って訴訟が提起され、法定の場で争ってきたものでございます。  昨年六月の判決では、県に法律上の責任を認める司法判断が示されました。この間、裁判では県民の暮らしを守るべき立場にある県が被告となり、法律上の責任まではなかったという主張に全力を尽くしてきました。が、結果としてそのことについては認められるところとなりませんでした。また、御指摘のような組合側の責任の問題は、判決においては言及されることにはなりませんでした。  このことについて、県民の中には議員を初め御納得されない方もいらっしゃるとは思いますが、私としてはその時々において、できる限りの対応を行ってきたと考えているところでございます。  最後になりますが、訴訟を起こされた方々以外に対する被害者の救済をなぜ行うのかというお尋ねでございます。  訴訟を提起しておられない被害者に対して、なぜ救済をしようとするのかという御質問に対しては、改めて経緯を振り返させていただきたいと思います。  平成十五年八月の佐賀商工共済協同組合の破綻に伴いまして、多くの組合員が被害をこうむられました。組合の粉飾経理を知っていた佐賀県に対して、監督官庁としての責任を問うという形で、平成十五年十二月に「被害者の会連絡会」から県に対し、被害者の早期救済を求める約三万二千人分の署名が提出をされました。また、翌平成十六年九月に被害者弁護団から県に対し、早期に被害者に対する損害賠償を行うよう申し入れがなされております。  このような申し入れに対し、県からは応じることはできないと回答をいたしました。この回答に対して、そのことに納得されない組合員の一部の方から組合の経営者と県を相手取って、平成十六年十月に最初の損害賠償請求訴訟が提起をされたものでございます。この間の動きとしては、結果的に訴訟を提起されなかった方も含めて、被害者の方から県に対して救済を求められてきたという経緯がございます。  こうした動きもあって、県議会においても被害者の救済について熱心に議論が行われ、先ほども申し上げましたように、平成十七年三月の特別委員会での早期解決を求める決議など、早期の被害者救済を求める声が上がっておりました。ここでは訴訟を起こされた方、起こされていなかった方の区別なく、組合の破綻による被害者の救済というものに重きが置かれていたと認識をしております。  そして、昨年六月二十二日、第一陣訴訟において、県の法的責任を認め、賠償金の支払いを命じる判決が言い渡しをされました。県はこれまでの議論、早期の被害者救済、一定の司法判断、こうした考え方に基づき判決を受け入れることといたしましたが、一方で、訴訟を提起されていない被害者の方々についても、判決内容やこれまでの経緯を踏まえて、何らかの救済策を講じる必要があると判断をして、昨年六月の議会の中でその旨を表明したところでございます。  確かに御指摘のとおり、訴訟を提起されておらず、県として救済する法的な義務を負っていないのだから、救済する必要はないという考え方もあり得たと思います。しかしながら、第一陣判決におきましては、県が組合に対し監督権限を行使しなかったことに過失が認められました。そして、その過失が一つの原因となって、組合員に被害を与えたという考えが示されました。そうされた以上、訴訟原告と同じ破産事案によって実際に被害をこうむられた訴訟を提起されていない方々についても、何らかの形で救済をしていかなければならないと考えております。  こうした判断のもと、ことしの一月に第三者委員会を設置して、救済策の検討をお願いしておりますが、被害者救済の検討が進むにつれ、被害者の方から早期の救済を求める声や救済の時期、内容などの問い合わせが多数寄せられるようになってきております。  県としては、こうした経緯や被害者の方からの救済を求める声などを踏まえまして、訴訟を提起されていない被害者についてもできるだけ早く救済をしなければならないと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 4 ◎田中農林水産商工本部長 登壇=私のほうからは、木造建築等の技能継承についてお答えをいたします。  まず、認定職業訓練校の設置状況と現状認識についてでございます。  職業能力開発促進法に基づきます認定職業訓練校は、現在、県内に十五校ございます。木造建築、左官・タイル、配管などの科目において職業訓練が実施されているところでございます。
     このうち、木造建築科、左官・タイル科などの建築系の訓練を実施している認定職業訓練校は県内に五校ございまして、今年度七十七名の若者が、訓練校での座学及び実習と建築現場での技能習得に励んでいるところでございます。  建築系の訓練生の推移を見ますと、平成十七年度が百六名、平成十八年度九十三名、平成十九年度八十一名と年々減少してきている状況にございます。特に今年度は、五校のうち二校で左官・タイル科の訓練生がいなくなるなど、その運営も厳しくなってきております。県としても、左官、大工などの高度な木造建築の伝統技能の継承や後継者育成が難しくなってきており、将来に不安を抱いているところでございます。  次に、木造建築等の技能継承のための取り組みについてでございます。  熟練した技能を持つ世代が退職していく中で、少子・高齢化や若者の物づくり離れの進行によりまして後継者不足となってきており、木造建築を初め、これまで産業を支えてきたさまざまな物づくり技術、技能の継承が危ぶまれているところでございます。  このため県では、平成十八年に第八次佐賀県職業能力開発計画を策定し、技術、技能などのいわゆる現場力の強化と技能の継承、振興を実施目標に掲げ、技能の維持、継承への支援、技能が尊重される社会づくりなどに取り組むこととしているところでございます。  県におきましては、木造建築の技能の継承を図るため、認定職業訓練校に対する支援や産業技術学院に在来工法の技術を習得する総合建築科を設置して、人材育成に努めているところでございます。  また、技能が尊重される社会づくりとしまして、高度に熟練した技能者、いわゆる佐賀マイスターによります小中学生を対象としたジュニア教室の開催や、県内工業高校に高度熟練技能者を派遣するなどして技能を尊重する社会的機運の醸成というものを図っているところでございます。  このほか、卓越した技能者や優秀技能者等を表彰し、技能に対する社会的評価の向上などに努めているところでございます。  今後とも、公共職業訓練機関、職業能力開発協会、認定職業訓練校等との連携を図りながら、木造建築を初め、物づくりの伝統技能の継承に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 5 ◎川崎教育長 登壇=県東部地域におけます特別支援教育の充実についてお答えいたします。  まず、県東部地域におけます障害のある児童生徒の受け入れについてでございます。  県教育委員会では、本年の四月に策定いたしました「佐賀県特別支援教育推進プラン」に基づきまして、県東部地域におけます特別支援教育の充実に向けて取り組んでおるところでございます。  具体的には、病弱の児童生徒を対象といたしました現在の中原養護学校に、新たに知的障害や肢体不自由のある児童生徒も受け入れるようにすること。もう一つは、知的障害の小中学部の児童生徒につきましては、通学負担のより一層の軽減を図りますため、小中学校の空き教室を活用いたしました分校を設置すること。この二つを考えているところでございます。  分校につきましては、現在、県東部地域において適する学校がないのか、検討を進めているところでございます。  次に、高等部の設置と今後の取り組みについてでございます。  御指摘のように、県東部地域におきましては、現在、高等部を設置していないところでございます。そこで、中原養護学校に高等部を設置したいと考えております。  全体の整備計画についてでございますが、施設の整備が必要でございますので、これに要する時間等を考慮して段階的に進めてまいりたいと思っております。  まず、中原養護学校本校についてでございますが、平成二十一年度に知的障害の小学部、二十二年度に知的障害の中学部を、そして、平成二十三年度に肢体不自由の小学部及び中学部、そして、先ほど申し上げました知的障害、肢体不自由、それに病弱の高等部の設置を検討しているところでございます。  分校につきましては、平成二十二年度に知的障害の小学部、中学部の設置ができればという思いでおります。  県教育委員会といたしましては、こうしたスケジュールを念頭に置きまして、早急に関係方面との協議を進め、推進プランに基づき、着実な実施ができるように努めてまいるところでございます。  以上でございます。 6 ◎武藤明美君 登壇=おはようございます。日本共産党の武藤明美でございます。通告の順番に従って、順次質問いたします。  まず、一番目です。知事の政治姿勢についてです。  きょう七月七日から始まる洞爺湖サミットは、第一回目のランブイエサミットから数えて三十四回目となりますが、アメリカ発の世界的金融危機、そして投機マネーの横行、地球温暖化の進行、貧困と格差拡大など、資本主義世界経済のあり方が問われる情勢の中で開かれます。議長国としての日本の対応も問われます。  私はまず二つのテーマで、知事に対してグローバルな視点と身近な地域的な対応を求めて、政治姿勢を問いたいと思います。  一つは、温暖化抑止についてです。  国連の「気候変動に関する政府間パネル」での第四次評価報告書は、気候変動の速さと規模によっては、突然の、あるいは非可逆的現象が引き起こされる危険がある。地球の温暖化は疑う余地がないと、深刻な結論を述べています。  また、産業革命による工業化以前に比べて、世界の平均気温が二度以上上昇すると、取り返しのつかない重大な変化が起きると予測しています。地球の平均気温は、産業革命以後、二百年余りたった現時点で、〇・七六度上昇しているといいます。それに加えて、既に大気中に排出されてしまった温室効果ガスの影響で、これからの二十年間でさらに気温が〇・四度上昇するとの予測です。もしもこのまま何の手も打たなければ、今世紀末には最大で六・四度も上昇すると予測されているのです。  大型化したハリケーンやサイクロン、干ばつや海氷の縮小、集中豪雨などの日常の生活と食料生産への影響もあらわれています。  地球温暖化抑止のために、先に述べた報告書は、一、二〇五〇年までに、世界の温室効果ガスの総排出量を一九九〇年比で半分以下に削減するという長期削減目標と、二、二〇一五年までのできるだけ早い時期に世界の総排出量を減少に転じさせる中期削減目標等を定めて取り組むことがかぎだと強調しています。  先進国で、イギリスもドイツも積極的に取り組み、EU全体を通して二〇一〇年には目標を上回ると言われていますが、同じ先進国でありながら、我が国では一九九〇年比で六%削減目標を掲げながら、逆に六・二%もふやすという逆の現象です。これで国際的信頼はかち取れるでしょうか。二〇二〇年までの三〇%削減を明確にして、中期目標へ踏み切ることが国際的な信頼をかち取れるのではないでしょうか。  大量生産、大量消費、大量廃棄の風潮が意図的に持ち込まれている今の経済活動のあり方を大もとから正すべきと思います。例えば、EUでは温暖化対策を経済社会の持続可能な発展戦略のトップ課題に位置づけていますが、その土台に利潤第一の考え方では温暖化はとめられないという考え方があるからです。  知事は、日本の今の経済活動のあり方とEUのようなあり方を比べてどう感じておられますか。  また、地方、地域から取り組むべき課題は、小まめに節電、マイはし、マイバッグから始まり、広範ですが、自然エネルギーも重要です。のどかで自然に恵まれた佐賀の地なら、大きな可能性を持っています。上場台地に回っている風力発電、佐賀大学が取り組んでいる海洋温度差発電、高層ビルが少ないからこそできる太陽光発電など、その気になれば一層促進できます。  さらに、一千キロワット以下の小水力発電は、新エネルギーに分類され、普及制度も受けられますので、農業用排水路の多い本県では、これからの取り組みにして、注目できるのではないでしょうか。富山県内の土地改良区での実績、山梨県都留市や長野県伊那市の取り組みなど、小規模でも温暖化対策にきちんと役立っている例を参考にしてはいかがでしょうか。  二つ目に、原油高騰の問題です。  世界的な石油需要増加に加え、主たる要因は投機マネーにあることは明らかです。今回のサミットで、日本政府に積極的役割を果たしてもらいたいと願っていますが、市場任せでない国際ルールとして、投機資金の規制などが必要と考えますが、知事はどうお考えでしょうか。  また、当面する緊急対策として、追加補正で一億九千九百万円が提案されましたが、今後、さらなる取り組み、対策が必要ではないでしょうか。とりわけ漁業者や農業者など、第一次産業の方たちからお聞きするのは、直接補てんをしてほしいとの声です。利子補給では、結局、返すめども持たないとおっしゃっています。個人に直接ではなく、漁協や農協へ基金をつくるというやり方でもいいし、休業補償というやり方でも工夫できるのではないでしょうか。  生活保護世帯などの生活困窮者の方も、灯油加算だけではない緊急加算や福祉施設などの支援も考えていくべきではないでしょうか。踏み込んだ答弁をいただきたいと思います。  二番目に、有明海再生です。  この県議会開会日であった六月二十七日、佐賀地裁は佐賀、長崎、福岡、熊本の有明海沿岸の漁民、市民らが原告となっていた「よみがえれ!有明海訴訟」について、国に対し、国営諫早湾干拓事業での潮受け堤防についての水門を開門するよう命じました。工事が既に完成しているため、潮受け堤防の撤去については却下されたとはいえ、水門をあけよという漁業者たちの願いは、全国的世論に後押しされ、三年以内に準備し、水門の開放をとの判決をかち取りました。  潮受け堤防締め切りと環境変化の因果関係は、相当程度の蓋然性は立証されているものというべきだと認定し、国が中長期開門調査を行わないことは立証妨害と同視できると言っても過言ではなく、訴訟上の信義則に反するものと言わざるを得ないと農水省を厳しく断罪しました。  漁民を初め、私たち県民に再生のための大きな希望を与えてくれました。自殺や廃業に追い込まれた漁業者の方たち、一家離散もありました。潜水業が成り立たず、タマネギ収穫の手伝いをしてしのいでいる人もいて、漁民は丘に上がったら何もできない、農家の手伝いさえもまともにできないと、作業しながら涙を押さえているとお聞きし、改めて開門をと心から願っております。  豊かだった宝の海有明海を取り戻すために、開門は待ったなしです。県議会からの大臣への直訴、全会一致の決議、そして、あす知事は大臣に要請に上京されるとのことですが、水門をあけることができるのか、全国から注目されています。  改めて知事の佐賀地裁での判決に対する認識と国には三年まで待てない、一刻も早く開門してほしいという漁業者を初めとする県民の声を伝えていただき、サミットの開催に合わせて、国の英断を強く求めていただきたいのですが、御答弁をお願いします。  一方、長崎県議会が採択された意見書やこれまでの開門反対の立場の主張を見ますと、多くの誤解もあるように思います。両者対立の構図が描かれている節もありますが、完成した農地での営農と有明海の漁業とがともに成り立つことができることをしっかりと伝えていただきたいのです。今のアオコなどが発生した調整池の水では農業に適さないこと、開門の仕方によっては流速を抑えることができることなど言っていただきたいのです。大臣にもこのことを伝えていただきたいし、長崎県とも率直に誤解を解くための話し合いをしていただきたいのですが、いかがでしょうか。  次に、新幹線長崎ルートについてです。  昨年末、突然の着工のための合意は多くの県民にとって納得のいかないものでした。県民の反対の声が広がらぬうちにとばかり、二月議会では、繰り越しとわかっていながら二〇〇七年度中の補正予算に一億二千五百万円計上し、さらに当初予算にも一億二千五百万円盛り込むという慌ただしさです。四月末には形だけ整え、既成事実をつくらんがための起工式を行う。新幹線長崎ルートがいかに県民から歓迎されていないかを、この慌ただしいやり方は示しています。  これまで着工要件として関係地元の同意が必要と何度も確認しておきながら、在来線については、JRが経営分離という形をとらないので、地元同意は必要ないとして、JR、佐賀県、長崎県の三者で事を進めようと、いわゆる三者合意をしたことは許せません。余りにも強引です。県民不在、地元無視ではないでしょうか。  この三者合意は不透明だと言わざるを得ません。関係者で協議をとなっていたにもかかわらず、関係する自治体は置き去りにされ、三者のみの合意となりました。幾ら経営分離ではないから地元同意は必要ないと取り繕っても、長崎本線はこれまでの案とほぼ同じです。わずかに太良─諫早間がJRで運転するというだけにすぎません。鉄道や駅舎等、設備については上下分離方式として、JRと切り離すではありませんか。これも経営分離の形態です。  そういう重大な内容がありながら、協議すべき関係者に鹿島市や江北町を加えなかったのはなぜなんでしょうか。少なくとも古川知事が県内の自治体である鹿島市と江北町を入れてほしいと言うべきだったのではないでしょうか。知事はこのことをどのように考えておられるんでしょう。  この三者合意は法的根拠のないものです。合意書には二十年間JRが電車を運行するとありますが、その後どうするのか、どう考えておられるのかお聞きしたいんです。  また、二十年たたなくても運行を投げ出すことだってあり得るのです。そのときはどうなるんでしょうか。県民の足を奪い、県民の暮らしが成り立たないようなことを合意するとは無責任ではないでしょうか。JRが運行をやめたらどうなるのかお答えください。  この長崎ルートについて、認可後に長崎選出の久間氏らが、着工に持ち込めばどうにでもなる、フリーゲージが絶対だというわけではない、こういった発言をしています。やはり真意はフル規格なのかと思わざるを得ません。そういう方向に向かうのを知事は承知しておられるんでしょうか、お聞かせください。  次に、子供医療費助成についてです。  これまでの三歳未満児医療費助成に加えて、昨年十一月からは就学前の入院費助成に踏み切られたことは多くの方たちから喜ばれています。今、県内では県の制度にプラスして、就学前まで通院費を助成する自治体も広がっています。子育て中のお母さん、お父さんにとって、何よりのエールになるでしょう。  佐賀県の総合計画二〇〇七にも対象年齢を広げることが示されていますが、県内の自治体や保護者たちは県が制度の拡大をすることを待っておられます。幸いことしから国によって就学前までの子供の医療費の自己負担分が三割から二割へと軽減されました。つまり県や市や町は、三割負担ではなく二割負担分に対しての助成制度をするということになるわけです。県民にとって、就学前までの医療費助成へと前進できるチャンスでもあります。  他県では小学校卒業まで、または中学校卒業まで助成をしている、そういったところもあります。せめてこれまでの助成事業を就学前までの子供たちの通院医療費まで広げていかれるように、知事の決意を求めます。  また、昨年からの入院費助成はどのぐらいの実績があったのか、この機会に御答弁ください。  次に、「高齢者差別医療」の廃止についてです。  四月から導入された後期高齢者医療制度は、日本列島を揺るがす怒りが沸き起こっています。七十五歳という年齢を重ねただけで、今まで入っていた国保や健保から追い出され、保険料は年金からの天引きをされる。払えない高齢者からは保険証を取り上げる。さらに、健康診断から外来、入院、終末期までのあらゆる段階で安上がりの差別医療を押しつけられるのです。こんなにひどい制度はありません。悪いことはしていないのに、なぜこんな差別を押しつけられるのか、入場料つきのうば捨て山ではないか、そういう怒りの声が寄せられています。  政府は慌てて、この後期高齢者医療制度を長寿医療制度と通称をつけ加えたり、説明不足だったと言いわけに躍起になっていますが、そもそも七十五歳以上の人たちだけを集めた医療保険は、被保険者の有病率の高さから成り立ちようのないものです。まずはこの制度の廃止を強く国に求めるべきではないでしょうか。  これまで夫と妻が同じ国保に加入していても、夫が、または妻のどちらかが後期高齢者医療制度に入り、もう一人が国保に残る場合、保険料が高くなる場合もあります。所得世帯はこうなりやすいんです。また、二世代、三世代同居でも、分離すると、子供の所得が高いと世帯ごとの計算になるために、保険料は高くなります。  こういう制度をつくったために、生活は圧迫されます。このような事態になることを把握しておられるんでしょうか。県民の実態を国に報告し、廃止の立場に立っていただくべきです。  また、佐賀県後期高齢者医療制度の広域連合における県内の被保険者数、年金天引き対象者数、七割、五割、二割の保険料軽減者数はどのようになっているのか、実態を明らかにしてください。  また、六十五歳から七十四歳までの障害を持った人の場合、後期高齢者医療制度に移行しないと障害者医療費助成は打ち切るという県もある中で、佐賀県の場合は後期高齢者医療制度に移行しても、また、旧制度に残ることを選択しても、引き続き障害者医療制度を受けられるようになっています。それぞれ何人ずつおられるんでしょうか。  このほかにも、後期高齢者医療制度とは別に、七十歳から七十四歳までの窓口負担が一割から二割に引き上げられたり、国保税が六十五歳から七十四歳までは年金から天引きされる、こういったことが導入されます。国保の年金天引きは、有無を言わせず取り立てることになり、これまでの生活状況に応じての分納相談も受けられなくなって、生存権の問題となってまいります。これについても、廃止を求めるべきではないでしょうか。  次に、男女共同参画行政についてです。  日本国憲法に基づき、個人の尊重と法のもとの平等がうたわれていたものの、この分野での取り組みが大きく前進したのは、昭和五十年、メキシコシティにおける第一回国際婦人年世界会議が開催されたのがきっかけです。昭和五十二年に国内行動計画が策定され、昭和五十四年の国連総会において差別撤廃条約が採択され、日本は昭和六十年に批准しました。  本県も平成十三年に佐賀県男女共同参画基本計画の策定に続き、推進条例が制定されました。県内隅々で輝く女性のパワーを真に生かせるとき、社会の進歩もあるのではないでしょうか。県内での男女共同参画に関する計画策定や条例制定の状況はどのようになっているでしょうか。県のこれまでの取り組みとともにお尋ねいたします。  政府は第二次男女共同参画基本計画について、二〇一〇年に全面見直しを行うとしていますが、拡充する必要があると考えます。最近、バックラッシュ攻撃などもある中で、佐賀県内では後退することのないよう、各自治体での取り組みを推進するよう、県として努力していくべきですが、どのようにお考えでしょうか。  とりわけドメスティック・バイオレンスは女性の尊厳を著しく侵害するものです。こんなことはDVに当たらないという風潮を戒めなければなりません。先日、ある方から深刻な相談を受けました。ところが、市町の担当窓口がその方からの相談に対し、そういうのはDVに当たらないといって対応してもらえなかったそうです。しかし、内容は大変深刻なものだったため、本人の苦しみが一層深くなりました。  市町などの担当する窓口に対して、DVへの認識をきちんと持ってもらえるようにしていただきたいのですが、県の対応についてお聞きしたいと思います。  次に、生活密着公共事業についてです。  公共事業については、重点化、効率化という言葉がよく用いられますが、大型事業のほうに力を入れる代名詞ともなっています。しかし、こういったことだけでなく、県内の業者に仕事が回りやすいという点で、地域経済にも有効な生活密着公共事業にもっと力を注ぐべきではないでしょうか。  そういう意味で、今回は県営住宅と、交通安全とも不可分の生活道路について質問します。  第一に、県営住宅についてです。  県内の県営住宅は、平成十七年と平成十八年に三カ所の団地で用途廃止され、現在、六千七百戸があります。一方、毎年九月と二月に入居予備者の募集がされていますが、抽せんで順番が決まります。昨年度は千五百三十六件が応募されたのに、入居は三百二十一件しかできませんでした。平成十八年度は千七百六十二件が応募され、三百十九件の入居でした。毎年千二百件から千三百件が入居できない状況です。  私どもにも、所得に応じて家賃が払える公営住宅がいい、もっと建設するよう県に言ってほしい、そういう声が寄せられています。今、民間アパート等の家賃を見ますと、三万円代は少なく、安いところでも四、五万円が普通です。少ない年金暮らしの方にとっては切実な問題です。生活実態をしっかりとらえて、公営住宅、県営住宅を建設していくべきだと考えます。  これは地域経済にとっても、建設業だけでなく、畳屋さんやガラス屋さん、ふすま屋さんなどが各種工事にも仕事が回り、地域経済にも役立つ仕事となります。国の公営住宅法の改正後、ストック計画が優先されていますが、県営住宅をふやしてほしいという声がたくさんあります。毎年入居待機者がこのように多い以上、県としての対応が迫られるのではないでしょうか。新たな建設が必要と思いますが、いかがでしょうか。  第二に、生活密着として、生活道路についてです。  生活道路については、交通安全の面からも目配りが必要です。大変危険な状態に置かれている道路の一刻も早い改善を求めます。  主要地方道佐賀外環状線の下和泉交差点から東側の久保泉下和泉永屋地区においては、その前後は道路拡張がされていながら、その区間、約一キロ程度の部分だけが未整備です。幅員約六・五メートルの道路に張りつくように家並みがあり、時折ダンプが軒先をかすめるようなこともある際どい状況があります。同じ町内なのに、道を横切って渡ろうにも命懸けだという地域住民の方の声は切実です。平成十六年には三人も亡くなられたそうです。  この道路については、南側にバイパスをという地元からの声があります。この間、県は調査をされたと聞いております。県はこの道路について、これまでどのような検討をされてこられたのでしょうか。  また、何年も前からの要望であり、死亡者までおられる危険な状況なのに、これが進展しないのはなぜなのかをお尋ねします。  今後、西側の信号機付近から久保泉の第二工業団地へとつながり、一層の交通量が心配されています。どういう方向で進めようと考えておられるのか、住民の方たちも一刻も早く解決を願っておられますので、考えを明らかにしていただきたいと思います。  最後に、教育行政についてです。  昨年に続いて、ことしも全国学力・学習状況調査と言われる学力テストが行われました。その結果を受けて、今回の補正予算には、佐賀市で小学校二校、中学校一校、唐津市で小学校四校、中学校一校、玄海町で中学校一校、計、小学校六校、中学校三校を調査協力校と指定する新たな研究実践を行うとして予算が提案されています。額としては二百万円程度ですが、これはすべて国費とのことです。  具体的には、各校どんなことをする計画なんでしょうか。説明書には、「各学校レベルでのマネジメントサイクル・体制の確立」とありますが、何をどうするのか、県民の目にはわかりづらい面があります。指標を根拠に、課題を抽出し、改善・実践というのは何をどうするのか、どういう授業をするのか、これを明らかにしていただきたいと思います。  また、これらの九校を指定したのは、どういう理由によるものなのかお示しください。  また、概要説明には、「県関係職員を各校の検討会・研修会に積極的に派遣し、支援・助言等をしていく」とあります。県内関係職員とはどんな人たちを指すのか、これも明らかにしていただきたいと思います。  学力テストの結果を受けて行う研究実践ということなのですが、調査協力校の指定とこの検証改善事業のあり方は、唐突で違和感を持つものです。学力テストそのものが競争の激化につながっていくのではないかと心配する声が多かった中で、その心配を振り切って実施し、さらに、こういう形で対象校を抽出して行うのは問題ではないでしょうか。  以上、第一回目の質問とさせていただきます。 7 ◎古川知事 登壇=武藤明美議員の御質問にお答えします。  まず最初に、地球温暖化に関する私の考えについてということでございます。  グローバルな視点で見たときには、アル・ゴアの「不都合な真実」を私も見ましたけれども、非常に印象的だったのは、彼が最近の地球の温度の変化を示すときに、それまではこの辺の席で説明したものをゴンドラに乗って、物すごく高いところまで上がらないと説明できないぐらい数十年間の中で非常に高いレベルにあるんだというふうなことを説明した瞬間でございました。  そのほか、さまざまなメディアを通じて地球の温暖化というものが語られておりますし、遠くに行かずとも、私昨日はイチゴ農家に行って、そこの育苗の様子も見てまいりましたけれども、そうした一人一人の農家や漁業者にお話をお伺いしても、以前とは随分と違ってきているというふうなことをお伺いしております。  地球全体をどうするかという問題もさることながら、県民お一人お一人の暮らしや仕事がこの地球温暖化によって大きく変わらざるを得なくなってきているということは、これは何とかしなければいけないというふうに本当に真剣に考えております。  佐賀県では、地球温暖化に対する取り組みをより強固なものにしていきたいと強く願っております。もちろん、これは私だけ、また県庁だけでできるものではございませんが、県民を巻き込む県民運動をやっていきながら、また、国に対しても政策を提言していきながら、県庁は県庁としてまず率先して、いわばマラソンにおけるラビット役を果たしていかなくてはいけないと考えております。
     例えば二キロ以内のところにはなるべく自転車を使って出張するようにとか、公用車をハイブリッド化するとか、そういったことも既に進めてきておりますが、もっともっとできるところもあるのではないかと思っております。さらに、そうした取り組みをことしのサミットを一つの契機としても、また進めていきたいと考えております。  また一方で、太陽光発電については佐賀県は先進県でございまして、住宅用太陽光発電は日本一の普及率を誇っております。国が一定の普及ができたということで、平成十七年度に助成を廃止した折も佐賀県は廃止をせずに、平成十八年度からはグリーン電力証書という形で取り組みを続けてまいりました。当時、グリーン電力証書という考え方の理解がなかなか進まなかったということもあって、本年度は直接的な補助という形に戻しておりますけれども、いずれにしても、佐賀県では国が補助制度をやめた後もやめることなく、住宅用の太陽光発電を率先して薦めてきておりまして、その結果、現在でも日本一の水準を保っております。  また、風力発電やそのほかの海洋温度差発電、その他についても、常にこうした新しいエネルギーを普及し、促進させることが、佐賀県の一つの特性になり得るのではないかと私は考えているところでございまして、積極的に進めていきたいと考えております。  ちょうどきょうから、議員御指摘のようにサミットが始まっております。世界の首脳はそのレベルでそれぞれの取り組みについて、また合意がなされることを期待したいと思っておりますけれども、そればかりではなく、県民一人一人の暮らしの中で地球温暖化に資する取り組みをしていただくように期待したいと思いますし、またきょう、七月七日はキャンドルナイトの日でもございます。きょうの午後八時に県庁そのものも消灯をいたしますし、大型店を初めとするところにライトダウンのお願いをしておりまして、こうしたことを通じて、多くの県民の方にこの問題に対する関心を高めていただき、行動に移していただきたいと心から願うところでございます。  次に、原油高騰についてのお尋ねが二つございまして、一つがまず投機資金の規制についてでございます。  議員御指摘ありましたように、今の原油価格の高騰は、新興国の経済成長による世界的な石油の需要の増加ということがありながらも、短期的にこれだけ上がってきているということは、石油市場への投機資金の流入が重なって起こっているものと私も認識をしております。  この原油価格の高騰は、本年六月の主要八カ国と中国、インド、韓国によるエネルギー相会合や、主要八カ国財務相会合などの国際政治の場においても相次いで協議が行われておりますし、本日も行われていることと思っております。  本日から始まりました洞爺湖サミットにおいては、これまでの主要八カ国財務相会合の共同声明における幾つかの事柄を背景として、改めて原油価格を抑制することに対する対策が議論されていくと思いますけれども、原油価格の高騰は、あらゆる県民生活の分野や産業の分野に深刻な影響を与えております。  投機資金を規制するということは、簡単にいかない部分もあろうかと思いますけれども、まさにこうしたことこそ、国際政治が協調してやっていくほかないと思っております。ぜひとも主要先進国の協調により、一刻も早く需給関係に基づく適正な価格になること、そして、そのために必要な規制を行うことを期待したいと考えております。  また、重油価格の高騰に対して、漁業者や農業者への重油高騰に対する補てんや、社会福祉分野に対する補てんが考えられないのかということでございます。  先日、徳光議員の御質問にもお答え申し上げておりますが、この原油価格の高騰はすぐに鎮静化するものではなく、今後も構造的な要因としては続くものと考えますと、どれだけの補てんを、どれだけの期間、どうやってやるのかということについては、大変難しい面はあると考えておりますが、議員からも御指摘がありましたように、農林漁業者、中小企業の方々、そして、生活者としての視点、そういう方々からも直接的な補てんを求められていることは私も十分承知をしております。  具体的に現時点でこうすればいいという案を持ち合わせているわけではございませんが、福祉の分野、生活困窮者、中小企業、こうしたものに対して、また農業、漁業者に対してどのような支援なら可能なのか、何かできることがないのかということを対策本部の中でしっかりと議論をしたいと考えております。  また、国が打ち出した対策についても、現時点では内容がはっきりしていないものが多くございます。対策本部で十分に検討して、果たしてこれだけで足りるのかどうか、何か効果的な対策がないのかどうか、そうしたことを私どもも検討してまいりますし、また、議員各位の御意見も伺いながら、対策の充実を図ってまいりたいと考えております。  次に、有明海再生についてのお尋ねでございます。  まず、佐賀地裁判決に対する認識についてでございます。  私は、今回の判決は、有明海を一日でも早くもとの海に戻してほしいという漁業者を初めとした関係者の長年の思いに対して、裁判所が大きく踏み込んでくれた判決だと思っております。  一日も早く有明海をもとの海に戻してほしいという思いは、佐賀県、そして県議会共通のものでありまして、また、漁業者を初めとする佐賀県民共通のものであると認識をしております。  また、佐賀県では、これまで有明海の環境変化の原因究明のために、一貫して中長期開門調査を国に強く要請してまいりました。この判決が間接的とはいえ、中長期開門調査の実現を訴えているということは評価できると考えております。  次に、国への効果的な働きかけについてでございます。  私はあす、若林農水大臣に面会し、控訴を断念し、中長期開門調査を初めとする原因究明に腰を据えて取り組んでいただくよう要請をすることといたしております。その際には、一刻も早く中長期開門調査を初めとする原因究明をしていただきたいということをしっかりお伝えするつもりでございます。  また、御指摘にありましたように、代替水源の問題、現実的な水門のあけ方、こうしたことについても十分な検討を行っていただくことが必要になるだろうというふうに思っております。こうしたことについても、大臣に申し上げることとしております。  また、長崎県との話し合いについてということでございますが、長崎県は現在のところ、県、そして県議会ともども開門に反対という姿勢でおられます。控訴期限まで間近に迫った今では、まずは国に、大臣に対して、佐賀県として、県民の代表として考え方をしっかりと申し上げるということが何より重要かというふうに考えております。  また、長崎県を初めとする関係県との話し合いについては、必要があれば今後考えていきたいと考えております。  次に、新幹線西九州ルートについて、まず三者基本合意について、鹿島市と江北町を関係者として参加させるべきだったのではないかというお尋ねでございます。  昨年の十二月十四日に政府・与党整備新幹線検討委員会におきまして、西九州ルートについて「早期着工に向けた関係者の調整を促進する」ことが合意されました。その後の国土交通省の説明の中で、「関係者」とは佐賀県、長崎県及びJR九州の三者であるとの説明がなされました。  関係者が佐賀県、長崎県及びJR九州とされたのは、この三者が提案していた西九州ルート開業後の長崎本線肥前山口─諫早までの運行案が、沿線自治体すべての同意を得られていなかったということで、政府・与党として新たな運行案の検討をすべきという趣旨であったというふうに理解をしております。  このため、この三者で新たな運行案を検討いたしました結果、JR九州が長崎本線肥前山口─諫早間を西九州ルート開業後も経営分離せずに運行を存続するという三者基本合意に至ったということで、鹿島市、そして江北町との協議が不要になったものでございました。  次に、長崎本線肥前山口─諫早までの取り扱いについて、いつ運行をやめてもおかしくないのではないかとのお尋ねでございますが、この三者基本合意そのものは法律ではございません。その意味では、法的な直接の根拠があるというわけではございませんが、鉄道事業の許可・監督権限を有している国土交通省、新幹線整備や並行在来線の運行のあり方についての政策決定機関である政府・与党整備新幹線検討委員会に報告し、了解をしていただいています。  また、地域の公共交通を担い、大きな社会的な責任を有しているJR九州が、三者基本合意によって西九州ルート開業後二十年間の運行を沿線住民の皆様も含めて公に約束をしていることは非常に重いものがあると考えております。  県としても、当事者として三者基本合意が守られるよう責任を持って対応するものでございますし、三者基本合意の内容は遵守されるものと考えております。  また、西九州ルート開業後二十年が経過したその後の運行については、現時点で何か決まったものがあるわけではございません。その時点での地域の状況や交通体系全体の姿、さらには沿線住民の皆様の御意見もお伺いしながら、関係者間で協議をしていくことになると考えております。  次に、フル規格についてでございますが、私もフル規格での整備を考えているのではないかというお尋ねでございますが、佐賀県が推進をしております西九州ルートの整備計画は、博多─新鳥栖間は現在建設中の鹿児島ルートを共用して、新鳥栖─武雄温泉間は在来線を使って、武雄温泉─長崎間は新線を整備してというものでございます。(290頁で訂正)  議員御指摘の西九州ルートのフル規格化については、今議会におけます牛嶋議員の一般質問に対して御答弁させていただいておりますとおり、在来線を使う区間となっております新鳥栖─武雄温泉間をフル規格で整備することは考えておりません。  次に、子供医療費助成について、助成対象の拡大についての私の所見でございます。  乳幼児医療費助成事業については、県の総合計画二〇〇七の”充”点項目としても位置づけ、取り組むこととしております。  今後の助成対象の拡大に当たりましては、小学校までの拡大に向けて検討を進めていかなければならないと考えておりますが、その財源をどのように確保していくのか、そしてまた、これは実施主体が市町でございます。こうした対象を拡大するということはプラスの面もある一方、この実施主体である市町においてどのような意見をお持ちなのか、また、市町においてどのように財源を確保されるのか、こうしたことについても意見をお聞きしなければならないと考えておりまして、こうした手続を経ていきながら、検討を進めていきたいと考えております。  次に、昨年の十一月から拡大された三歳から就学前までの入院医療費助成についての実績がどのようになっているのかということでございますが、この事業は一たん全額を負担していただいた後に請求をして、支払いをするという手続になっております。そうした関係上、年間幾ら実績が出たかということを現時点で正確に把握することが難しい状況にございますが、昨年の十一月からの実績ということで申し上げますと、件数が百六十九件、金額は事業費ベースで四百六十万円、県から市町への補助額でその半額の二百三十万円となっております。  この事業は、先ほど申し上げましたように、医療費を窓口で一遍全額をお支払いしていただいた後に還付をする方式となっております。すなわち、患者さんが医療機関にかかられて、自己負担額を一たん全額お支払いになり、その後に高額療養費の保険者負担額の払い戻しの手続を終わった後に初めて市や町の窓口に助成の申請を行うこととなりますので、この手続に今二、三カ月程度かかっております。  先ほど申し上げましたような現在把握できている実績額、すなわち事業費ベースで四百六十万円、補助額ベースで二百三十万円と申しますのは、大体十一月と十二月の診療分ぐらいではないかというふうに考えているところでございます。  次に、長寿医療制度の廃止に関して、これを国に廃止を求めていくべきではないかというお尋ねでございます。  この長寿医療制度は、超高齢社会が来たことによりまして、今後、ますます医療費がふえていくだろうということが見込まれていく中で、高齢者の医療を国民全体で支えて、将来にわたって国民皆保険制度を持続可能なものとしていくために創設されたものでございます。  この創設に当たっては、これまでの老人保健制度の課題があったことを踏まえて、保険者、医療提供者など多くの関係者が長年にわたって議論を積み重ね、制度化されました。  確かに四月の制度開始以降、周知が不足していたことでありますとか、保険料がふえる部分があるということ、年金で天引きされるということなど混乱が生じて、県でも国に対して運用改善を提案した経緯がございます。  国においては、今年度からこうした声にこたえて運用改善を行うことが決定をされております。基本的な方向としては支持できる制度と認識をしておりまして、国に対する制度廃止の要請は考えておりません。  私からは以上でございます。 8 ◎議長(石丸 博君) 暫時休憩します。     午後零時 休憩 平成二十年七月七日(月) 午後一時三十分 開議  出席議員    三十九名     一番  向 門 慶 人     一五番  指 山 清 範     三〇番  宮 崎 泰 茂     二番  藤 崎 輝 樹     一七番  土 井 敏 行     三一番  武 藤 明 美     三番  徳 光 清 孝     一八番  桃 崎 峰 人     三二番  牛 嶋 博 明     四番  坂 口 祐 樹     一九番  石 倉 秀 郷     三三番  石 井 秀 夫     五番  宮 原 真 一     二〇番  伊 藤   豊     三四番  留 守 茂 幸     六番  原 田 寿 雄     二一番  増 本   亨     三五番  篠 塚 周 城     七番  岡 口 重 文     二二番  楢 崎   近     三六番  原 口 義 己     八番  田 崎 信 幸     二三番  岩 田 和 親     三七番  吉 田 欣 也     九番  石 井 久 起     二四番  藤 木 卓一郎     三八番  堀 田 一 治    一〇番  内 川 修 治     二五番  福 島 光 洋     四〇番  木 原 奉 文    一一番  末 安 善 徳     二六番  中 倉 政 義     四一番  伊 東 猛 彦    一二番  太 田 記代子     二七番  竹 内 和 教    一三番  大 場 芳 博     二八番  稲 富 正 敏    一四番  古 賀 善 行     二九番  稲 富 康 平  欠席議員    二名    一六番  峰   達 郎    三九番  石 丸   博 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   古  川     康          副   知   事    坂  井  浩  毅          統 括 本 部 長    吉  川  浩  民          くらし環境本部長     城  野  正  則          健康福祉本部長      佐  藤  敏  行          農林水産商工本部長    田  中  信  博          県土づくり本部長     牟  田     香          経営支援本部長      西  野  文  夫          生産振興部長       鵜  池  常  範          交通政策部長       中  村  健  一          会 計 管 理 者    田  中  利  高          公 安 委 員 長    薬師寺   宏  達          警 察 本 部 長    山  崎  篤  男          教 育 委 員 長    安  永     宏          教   育   長    川  崎  俊  広          人 事 委 員 長    馬  場  昌  平          人事委員会事務局長    木  村  徳  博 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       荒  木  義  信          同    副事務局長          議事調査課長事務取扱   梅  崎  高  一          総  務  課  長   西  村  忠  則          政務調査室長       瀬戸口   義  郎          総務課副課長       岩  瀬  茂  生          議事調査課副課長     多久島   和  隆          議事調査課議事担当係長  田  中  信  二          同    議事担当主査  石  井  健  一
            ○ 開        議 9 ◎副議長(伊東猛彦君) これより会議を開きます。  午前中に引き続き一般質問を行います。  武藤明美君の質問に対する答弁から開始いたします。 10 ◎城野くらし環境本部長 登壇=私からは、男女共同参画行政についての御質問に対しお答えをいたします。  まず、条例や基本計画の策定についてでありますが、本県における男女共同参画の推進につきましては、平成十三年三月に「佐賀県男女共同参画基本計画」を策定するとともに、同年十月には「佐賀県男女共同参画推進条例」を制定し、男女共同参画社会の形成の促進のための施策を総合的、計画的に推進してきたところであります。さらに、その後の少子・高齢化の進展など、社会経済情勢の変化や県民意識の変化に的確に対応するため、平成十八年三月に基本計画の改定を行いました。  計画の具体的な推進に当たりましては、県立女性センター、いわゆるアバンセを拠点に、一つには女性の政策・方針決定過程への参画を推進すること、もう一つは女性のチャレンジと能力開発を支援すること、これらを重点課題として積極的な施策の展開を図り、男女がともに参画する地域社会の実現に努めてきたところであります。  また、県といたしましては、男女共同参画社会の形成促進を図るためには、県のみならず市や町の取り組みが大きな役割を果たすものと認識しており、このため、まずは平成二十二年度までにすべての市や町で基本計画が策定されることを目標に掲げ、早期策定を働きかけているところであります。  その結果、平成十九年度末までに策定された市や町は、二十市町のうち九市一町となっております。残る一市九町におきましても、少なくとも二十二年度までにはすべて策定されるものと考えております。  今後の課題といたしましては、既に基本計画を策定した市や町において、できるだけ早く条例を制定してもらうことであろうかと考えております。  現在、条例を制定しているのは佐賀市のみであるため、まずは基本計画を策定済みの市や町に対し、できるだけ早期の条例制定を働きかけ、その後、随時基本計画を策定した市や町の条例化を実現させていきたいと考えております。  次に、DV被害者への市や町の対応についてであります。  配偶者からの暴力であるDV、いわゆるドメスティック・バイオレンスにつきましては、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であります。家庭内において行われることから、潜在化しやすく、しかも、加害者に罪の意識が薄いという傾向にあるため、被害が深刻化しやすい特徴があります。  このため、県におきましては、DVの根絶を目指すとともに、被害者支援をより円滑に行うため、平成十六年四月にアバンセ内に佐賀県DV総合対策センターを設置し、関係機関や民間機関などとの連携を強化したところであります。  また、平成十八年三月には「佐賀県DV被害者支援基本計画」を策定し、被害者の安全に配慮した支援体制づくり、二次被害を起こさない支援体制づくり、被害者の相談から保護、自立までの一貫した支援体制づくり、そして、啓発・教育による暴力を許さない社会づくりを基本方向に定め、総合的、計画的なDV対策を推進しているところであります。  県の相談窓口であります女性センター及び婦人相談所の最近のDV相談件数は、平成十七年度千三百二件、平成十八年度千七十四件、平成十九年度九百九十三件と、高い水準で推移していることから、今後ともDV対策は重要な課題としてとらえ、地域で身近な市や町を初め、関係機関と連携し、しっかり取り組んでいくこととしております。  議員御指摘のとおり、窓口担当者の不適切な対応により、DV被害者がさらに傷つくという、いわゆる二次被害については重大な問題と認識しております。  このため、今後とも市や町、あるいは保健福祉事務所など関係機関の担当者に対する研修を強化し、DVの基礎知識やDV被害者への対応、関係機関の役割などについて理解を深め、二次被害の防止に努めてまいります。  いずれにいたしましても、DVは犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であることから、DV被害の根絶を目指し、啓発・教育に努めるとともに、関係機関との連携を強め、DV被害者支援体制の充実強化に努めてまいります。  以上、お答えとさせていただきます。 11 ◎佐藤健康福祉本部長 登壇=長寿医療制度に関しまして、私のほうから二点お答えを申し上げます。  まず、長寿医療制度の実施状況、被保険者数についてのお問い合わせでございますが、本年五月末現在で七十五歳以上の方が十万四千百二十三人いらっしゃいます。また、六十五歳から七十四歳までの障害者認定を受けられている方で長寿医療制度のほうを選択されている方三千八百六十四人でございまして、合計十万七千九百八十七人という数を把握しております。  このうち、保険料の年金天引きの対象となる方々は、六月の第二回目の天引きの時点で七万一千二十三人というふうに把握をしております。  全体の中で保険料軽減の対象となる方について申し上げます。六月の保険料確定時点の数字でございます。七割の軽減該当となる方が四万六千三百七十人、五割の軽減該当となる方が一万三千八百八十五人、二割の軽減該当者が六千百二十六人となっておりまして、合計では六万六千三百八十一人でございます。これを先ほど申し上げました十万七千余の全対象者の方と比べますと、約六一%の方が軽減されているというふうに私どものほうで把握しております。  次に、国民健康保険の高齢者の年金天引きや患者負担につきまして、廃止すべきと考えるがどうかという御質問でございます。  保険料の年金天引きにつきましては、今年四月より加入者全員が六十五歳から七十四歳までの世帯を対象に設けられた制度でございます。  導入の趣旨は、加入者の方々に個別に金融機関等の窓口でお支払いいただくなどの手間をおかけしないようにすること、保険料を確実に納めていただくこと、このことにより助け合いの仕組みである保険に加入するほかの方々の保険料の負担が増すことのないようにすること、そして、保険料の徴収に係る行政コストを省くこととされているところでございます。  しかしながら、周知の不足などもあり、一方的な年金天引きについて不満が多かったことも事実でございまして、ことし十月分から一定の条件のもとで口座振替による保険料納入が認められることになっております。  次に、七十歳から七十四歳までの方の医療費の窓口負担の二割への引き上げについては、今年度から実施されることになっておりました。しかしながら、急激な負担増に配慮し激変緩和措置として、平成二十年四月から平成二十一年三月までの一年間は、現行の一割のままとする凍結措置がなされているところであります。平成二十一年四月以後につきましては、取り扱いを引き続き検討されると聞いております。  御指摘の今回の改正については、国において慎重に議論を重ね、取り組まれていると認識しておりますが、県としては、すべての高齢者の方々が必要な医療を受けられることが重要であるとの認識から、今後とも国の制度運営についてしっかりと注視してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 12 ◎牟田県土づくり本部長 登壇=公共事業の進め方に関連いたしまして、県営住宅をもっと整備すべきではないかという御質問がございました。お答えを申し上げます。  本県内の住宅数は、既に平成十五年度時点で世帯数の一・一四倍と、総量としては充足している状況にございます。また、県内の人口は平成七年度を境に減少に転じておりまして、世帯数につきましても、平成二十二年度以降、減少することが見込まれておるところでございます。こうしたことから、今後、住宅需要も基本的には減少していくものというふうに予想しているところでございます。  一方、県営住宅等の公営住宅は、所得などの面から民間住宅を借りることができない方々の住まいを確保するという役割も担っておりまして、議員御指摘のとおり、多数の入居希望者や待機者がおられることもまた事実でございます。  このため、県では平成二十一年度から県営住宅の収入基準をより低く見直すこととしておりまして、これによりまして、真に住宅に困窮しておられる方々がより入居しやすくなることから、結果的に所得の低い方々向けの住宅がふえるような効果を生み出したいというふうに考えているところでございます。  県営住宅の整備につきましては、今後、老朽化に伴う建てかえ、それから、狭小住宅の解消、高齢者のためのバリアフリー化など、質の向上を図っていきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 13 ◎中村交通政策部長 登壇=県道佐賀外環状線下和泉地区の整備について、今までどのような取り組みを行ってきたかというお尋ねがございました。  県道佐賀外環状線は、佐賀市を中心として、その周辺部を周回する道路であり、議員御指摘の佐賀市下和泉地区は、佐賀市と神埼市の市境からちょうど西側に位置しているところでございます。  当地区は、道路幅が約六・五メートルと狭く、沿道には約八百メートルにわたって道路両側に家屋などが連なっており、一日当たりの交通量は約一万一千七百台と多い区間でございます。このため、平成十七年には当面の交通安全対策として、佐賀市、地元自治会及び関係機関等と協議を行い、減速マークの路面標示やカーブミラーの設置などを実施したところでございます。  一方、議員御質問のありました早急に歩道の整備を行う必要があるとされる点につきましては、現在までの取り組みとして、周辺の地形測量やルートのあり方に関する検討を行っているところでございます。  次に、今後どのように取り組んでいくかというお尋ねでございます。  県道佐賀外環状線の下和泉地区については、御指摘のとおり沿道に多くの家屋などが連なっており、また、自治会も複数にまたがっていることなどから、この整備に向けてはルートのあり方などについて引き続き詰めた検討が必要となることから、今後も引き続き調査等を進めていきたいと考えております。  以上でございます。 14 ◎川崎教育長 登壇=教育行政についてお答えいたします。  まず、全国学力・学習状況調査検証改善事業事業の内容についてでございます。  具体的な事業の内容につきましては、それぞれの学校の事情にもよりまして一様ではないところでございますが、例えば、昨年度の国や県の学力調査などの結果と各学校の教職員の日々の教育活動におけます実感などを照らし合わせまして、具体的な課題やその解決策などについて協議、検討を行うこと。また、その協議、検討の結果に基づきまして、授業の指導案や指導資料の作成、家庭や地域の支援、協力、あるいは連携のあり方などに取り組むこと。さらには、こうした一連の結果について、その成果や課題をさらに検証いたしますとともに、具体策などについては他校にも普及を図ることなどが考えられるところでございます。  次に、調査活用協力校の選定理由についてでございます。  昨年度の全国学力・学習状況調査では、学校や地域によりまして、さまざまな傾向や課題が明らかになったところでございます。そこで、今年度の当初予算におきまして、全県下の市町教育委員会の意見や学校の希望を伺いながら、地域性や課題性を考慮いたしまして、学力向上に向けた研究指定校として十八校を指定したところでございます。今回は新たに国の制度の認証を九校受けましたので、これを追加するものでございます。  今回の学校の選定に当たりましては、既に指定しております十八校の地域性や学校の規模、児童生徒数などを考慮いたしますとともに、改めて市町の教育委員会の意見や学校の希望などを伺っております。その上で地域性や課題性等を考慮し、全体的に調整したものでございます。  次に、調査活用協力校での協議や検討への県の職員の参加についてでございます。  今日のさまざまな教育課題の解決には、教育委員会のみならず、学校や地域、保護者が一体となって取り組むことが不可欠と考えております。このため、教育委員会では学校現場をよく知る、学校と共同して実施する、このことを重視してきております。現場の課題解決に実効性ある施策を進めるため、県の職員が地域に出向き、市町や学校の教職員、保護者や地域の皆さんの意見、提案を聞きながら課題を共有し、解決に向けてともに取り組むということをモットーにしているところでございます。  こうしたことから、今回の事業につきましても、教育政策課や教育事務所、教育センター担当者が当該校の教職員と同じテーブルで、ほかの事例や教育センターの研究成果などをもとに、授業改善等への具体策を助言、提案したり、指導案やワークシートの作成などにともに取り組む、こういったかかわりをしていきたいと考えておるところでございます。  いずれにいたしましても、県教育委員会といたしましては、学力向上に向けて学校現場と一体となった取り組みを進めていく所存でございます。  以上でございます。 15 ◎武藤明美君 登壇=それぞれに御答弁をいただきましたけれども、二回目の質問を行いたいと思います。  一つは知事に対して、原油高騰の問題で何人かの方もおっしゃったと思うんですけど、やっぱり県民の皆さん方、とりわけ第一次産業に携わっておられる方、生活困窮者の方たち、直接補てんを心から願っておられます。  今後、できることを考えていくというような御答弁の趣旨だったと思うんですけれども、やはり直接補てんをということを頭に入れながら、どういうことで直接補てんができるのか、その観点で考えていただきたいと思うんですね。  現場に行くと、本当に切実です。ですから、知事さんもいろんな方たちからお話をお聞きになることはあると思いますけれども、本当に県民の願いは、今直接補てんをしてほしいという声が渦巻いておりますので、そこら辺まで本当に頭の中に入れて検討していくということを踏み込んでお答えいただけたらと思っております。  それから、有明海についての質問ですが、私ども県議会が上京して農水大臣に会った日に、農水省の前では本当に原告の方とか、東京の支援する会の方たち、もう判決後からずっと活発に行動が続けられておりました。お昼の食事もままならないような思いで連日詰めておられます。私は本当に県民の声を代弁して、代表して知事が大臣のところに行かれるというのであれば、気迫をもって訴えていただきたいと思うんです。  先ほど水の代替の問題だとか、それから、開門の仕方とかも認識しているというようなことをおっしゃいましたけれども、本当に事は緊急を要すると思っております。本当にこの問題では、漁民と県民とが自分たちの願いがようやく実現できた、願いがかなったといって喜びを分かち合えるような開門をぜひともかち取っていきたいし、そういう立場に知事も立っていただけたらなというふうに思っております。  実は、本当に長崎県と、それからほかの県とがあたかも対立しているかのように描く、そういう風潮があるんですけれども、例えば、開門してもよくなるかどうかわからないと農水省もこれまでも言ってまいりましたけれども、二〇〇二年に行われた短期の開門調査の結果、アサリやタイラギがとれたというデータもあるわけですよね。それから、潮受け堤防開門で毎秒一・六メートル超の流れが生じ、海底が削られ、漁業被害や排水門の安全性が低下するのではないかという点に関しても、開門の仕方によっては毎秒一・六メートル以下に抑えられるんだということと、しかも、短期開門調査のときには平均して毎秒三・八メートルを超える早い流れが生じていたにもかかわらず、被害は出ていないんです。  それから、三つ目に潮受け堤防内の調整池は農業用水確保のためのものであるから、海水を入れることはできないとする意見に対しては、私はこの前の十一月議会のときに知事にアオコが発生していて大変危険なものになっているということを申しましたけれども、調整池の水を使うということのほうがかえって危険なんです。だから、そのこともきちっと説明していただきたいし、代替用水の問題でいえば、下水道を処理した水のほうがまだ安全だというようなことも、諫早の議会のほうでも論議されているし、水量は十分だということも言われておりますので、本当にそういう立場に立っていただきたいというふうに思っております。  それから、長崎県との話し合いについては必要があれば検討するという程度の答弁で、余り積極的だとお見受けしなかったんですけど、やはり必要があるからこそ、私はお願いしているわけなんです。  そして、本当にわかっていただいて、今指摘したような干拓地の農業と有明海の漁業が対立しないで、本当に両立できるんだというそのことをしっかりとお伝えいただきたいし、例えば、知事は新幹線の問題では本当に一生懸命長崎県の知事さんとお話し合いをされると思いますけれども、有明海の問題でも積極的に長崎のほうに私ども県民の願い、熊本や福岡の漁民の願いも一番お伝えできるお立場におありなんじゃないかと思いますので、そのことを改めてただしておきたいというふうに思います。  それから、新幹線の問題に戻りますが、先ほど知事が三者の基本合意は十分守られるんじゃないか、約束はきちっと果たされるんじゃないかという認識をお示しになったんですけれども、認識が甘いんじゃないかなということを思いました。  その後の地域の姿を見て、二十年後にまた改めて考えていくというようなこともおっしゃったわけですけれども、例えば、JRが運行していても、JRが廃止を決めれば廃止届をするだけで決まってしまうようなものなんですね。ですから、あと第三セクターで自治体が負担するとか、もしくは県民の足の保障がなくなってしまうということなんです。  私もことし二月の特別委員会で、JRは経営判断で廃止などもできるということで調べましたけれども、鉄道統計年表というのがございまして、それを見ておりましたら、JRは開業もしないうちに廃業届を出したとか、あるいは廃業日を繰り上げてでもやめている、そういったことが幾つも載っているわけです。法的根拠を持たない三者合意というものですから、本当に認識の甘さを改めるべきで、こういった三者合意で新幹線の建設が進められるとなれば、本当にいいかげんで無責任な計画だと指摘せざるを得ません。将来に禍根を残すものです。これはぜひ改めていただきたいと思っております。  それから、新幹線長崎ルートの建設はもうそれだけではなくて、駅や周辺地域、区画整理、アクセス道路などが関連事業として莫大な経費がかかっていくわけですよね。  今、二千六百億円だとか、いや二千七百億円だとか、そういう新幹線に関する費用の話が出ておりますけれども、それにとどまらない莫大な費用がかかっていくのは目に見えております。こういった莫大な費用がかかる中で、県民生活の多くが犠牲にされてしまうんではないか。それが多くの県民の皆さんの御心配なんです。ですから、本当に県民の声を十分聞かないままにゴーサインを出して、起工式まで形式的に終わってしまうといったようなことで突き進んでおられますけれども、これはやっぱり再度踏みとどまって、こういう莫大なお金もかかる、県民の反対の声も多いという中で、知事がとられるべき道はやはり県民の声にしっかりと耳を傾けていただくことではないかと思います。  先ほどの関連事業についても、お金が相当かかるのではないかと思いますので、その確認も知事にしたいというふうに思っております。  それから、後期高齢者の医療制度の問題では、県民の皆さんの切実な暮らしの実態を知事が把握しておられるのかどうなのか、そこをお聞きしたいと思うんです。  例えば、もちろん後期高齢者医療制度で年金がわずかな人たちがさらに暮らしが苦しくなってしまうという問題だとか、あるいは直接納めに行かれる方の場合にとても納め切れないで、その際に医療保険証が取り上げられるといったようなことにまで及んでしまうということ、それから、先ほどの国保の年金天引きとも関係するんですけれども、これまで国民健康保険料を納めるときには、納め方などのいろんな相談もしながら、相談に応じてもらっていた方が天引きされてしまう中で、有無を言わせず取られてしまうというやり方、本当に生存権に関する問題だと思いますので、そういったことを一つ一つ知事が認識しておられるのかどうなのか、そこをお聞きしたいと思います。  それから、下和泉の県道の問題なんですけれども、平成十八年には地元からの要望書も出されているんではないでしょうか、どうですか。その確認と、それから、平成十九年に調査が行われているはずなんですけれども、県はどういう調査をされたのか、私は歩道という点では家が張りついていることから見てもなかなか難しいと思いますので、バイパスがどうなのかということで、地元の方のお声にもあるわけで、バイパスについての図面を地元の方たちに率直にお示しをして、話し合いに入る必要があるんではないかというふうに思っておりますので、地元も佐賀市も一丸となってやっていくという決意も持っておられるようですので、県としてもうちょっと踏み込んだ御提起をされるべきではなかろうかと思いますので、そのことについてお聞きしたいと思います。  それから、教育行政についてです。  学力向上に向けてということがしきりに言われておりました。一昨年の教育基本法の改定に基づいて、今後五年間の教育施策を定める教育振興基本計画が決定をされております。この計画には、PDCAサイクルという工場生産などで使われていた管理方式を用いるというふうに明記をされているんですけれども、、これはプラン、計画です。D、ドゥ、実行です。Cはチェック、点検。Aはアクト、改善の四段階です。つまり、プランは指導要領に基づいて、教育現場はドゥ、行政が学力テストなどで達成度をチェックし、教育現場で改善のアクションを起こす。このPDCAサイクルを押しつけようというのが今度の国費で賄うこの取り組みではありませんか。  概要説明に「県関係職員を各校の検討会・研修会に積極的に派遣し、支援・助言等をしていく」というふうなことがありますが、そこでは先ほども答弁いただいたように、教育事務所や担当者が同じテーブルについて助言をし、提案もするということで指導案やワークシートをともに検討していくんだというようなことをおっしゃっていますけど、現場の課題を共有し、施策の形成を推進していくというふうにも振興基本計画にはあるんですが、学校内の自主性が尊重されずにほかからの点検、助言で改善をさせていく、そういう方向にまさしく進められていくものではないでしょうか。  教育振興基本計画の一環としての管理方式に組み込むのがこの計画ではありませんか。教員の自主性を奪い、学問や教育にすぐれた見識を持っているわけでもない役人が教育内容に踏み込んで決定をして、その実施状況を評価し、改善を号令する。まさしく改正教育基本法のねらいそのものだと思います。  しかも、県議会は六月二十七日に開会をし、今審議中というのに、唐津市のある調査協力校では六月二十五日に第一回の改善推進協議会を開いています。これはどういうことでしょうか。  こういう学力向上という名のもとに行っていく改悪教育基本法のねらい、それを導入するやり方というのは大変問題です。撤回を求めるものです。  以上、第二回目の質問といたします。 16 ◎古川知事 登壇=武藤議員の再質問にお答えをします。  まず、原油価格高騰に対する対策の考え方について、直接補てんも視野に入れていくのかどうかという点のお尋ねでございました。  第一次産業や生活困窮者を初めとして、この原油価格高騰の影響は県民生活の多くの分野、そしてまた、県内産業のあらゆる分野と言ってもいいくらい広く広がっていると思っております。そうしたときに、この直接補てんというものが一つの大きな声であり、やり方であるということ自体は私も承知をしております。このことについても、どういうやり方ができるのかということについて、そうしたことも検討の際の一つの大きな視点として考えていかなければならないというふうに思っているところでございます。  次に、有明海の再生に関しまして、あす若林農林水産大臣にお会いをして、控訴を断念し、中長期開門調査を直ちに実施していただくようにお話をしてまいります。ぜひ気迫をもって訴えよとのお話でございまして、私も幾度にもわたる県議会の全会一致の決議、そしてまた、漁民の方々を初めとするさまざまな声、そうしたものをしっかり受けとめて、大臣に対してきちんと訴えていきたいと強く思っております。  繰り返しになりますが、その際に開門の仕方なり、開門した後の影響の軽減の方法、そうしたことについても、短い時間になるかもしれませんけれども、しっかりと話をしていきたいと思っております。  ようやく願いがかなったという県民の声、それをしっかりとした喜びにかえてほしいというお話もございました。あすはそうした声をしっかりと訴えていきたいと存じます。  また、それに関連しまして、長崎県に声を出していくべきではないかというお尋ねでございますが、まずは訴訟当事者であります国が、十一日が控訴期限ということで十日までに態度を決めるというふうに言っております。まずは国に対して佐賀県民の思いをしっかり伝えることが重要であると考えております。  長崎県もそうでございますし、熊本県、福岡県、それぞれ佐賀県とはややスタンスが異なっている部分もございます。こうしたほかの県との連携や理解を求める活動は、また今後、いろんな形でやっていきたいというふうに考えているところでございます。  次に、新幹線に関連をいたしまして、三者の基本合意の中で新幹線開業後、二十年間運営を続けるということについての認識が甘いのではないかというお尋ねでございました。  議員御指摘にありましたように、現在の鉄道事業法では、鉄道事業者は比較的簡単に路線を廃止することができる仕掛けになっております。であればこそ、私はこの三者基本合意に非常に大きな意味があると考えております。  先ほど御答弁申し上げましたように、もともとこの鉄道事業を認可している認可庁である国土交通省、そしてまた、この沿線で非常に深いかかわりを持っている、また住民の代表であるところの佐賀県と長崎県、そうしたものがしっかりとこの基本合意というものを前提にしてといいましょうか、こういったものの上に初めて今回の新幹線の事業を認可したという大変に重い事実がございます。  私は、こうした基本合意がない中で鉄道経営をやっていくと、議員御指摘のように、あるいはいとも簡単にJRが路線を廃止する危険性というものは一般的にはあるんだろうと思っておりますが、むしろ、こういう三者基本合意でしっかり抑えをしたということによって、二十年間はきちんと経営をしていただく。そして、その上で、私は次の段階も二十年たったときに沿線住民、また、私どもが議論をして決めていくというふうなことができるのではないかと考えておりまして、三者基本合意には意味があると考えております。  次に、駅周辺やアクセス道路関連で関連の事業があるのではないかというお尋ねでございますが、新幹線本体以外にも確かにアクセス道路や、その駅周辺を開発することになれば、それに費用がかかるということは御指摘のとおりであろうかというふうに思っております。  これは直ちに費用が出てくるということではないと思いますが、現在、県では社会資本整備については、三年間で総額の枠を決めて、その中で必要な事業をやっていくという考え方をとっております。仮に関連の事業が直ちに出てきたとしても、それゆえをもって、この社会資本整備の額が膨れていくということはございませんで、その範囲の中でやっていくというふうに理解をしているところでございます。  次に、長寿医療制度に関連をいたしまして、そういう非常に厳しい状況にある県民の暮らしを認識しているのかというお尋ねがございました。  この医療制度が始まるときに、私もいろんなケースで、例えば、保険料のプラスマイナスが出てくるということであるとか、いろんな市や町において変化が出てくると、そういったこともきちんと私としては説明を受け、理解をいたしたところでございますし、その後、問題が起きた後も、どういう声が県民から来ているのか、私自身が聞くことも含めていろいろ把握をしているところでございます。  この医療制度そのものについては、確かにいろんな声があるのは事実でございます。最初にスタートした制度が一〇〇%ではなかったといったことも認めざるを得ないと考えております。また、そういった声を受ける形で政府のほうも改善をしてきているところでございまして、また、現状で十分じゃない部分については、しっかりと声を受けとめて、政府に対してもそういった改善の声を出していくことも必要だと考えております。  以上でございます。 17 ◎中村交通政策部長 登壇=再質問にお答えいたします。
     佐賀外環状線の下和泉地区に関しまして、まず、十八年度に要望書があったのではないかというお尋ねでございますが、私ども県のほうには要望書というのは来ていないというふうに認識しております。ただ、佐賀市の市議会のほうにお話があったという情報は聞いております。(275頁で訂正)  それから、平成十九年度にどういう調査を行ったかというお尋ねでございますが、十九年度につきましては、ルートを決めていくための基礎的な調査として、字図ですね、用地の境などを書いた字図の調査を行ったというふうに聞いております。  それから、今後、県として踏み込んだ提示をすべきという御指摘でございますが、地元にもいろいろなお考えがあると思います。また、バイパスの案を現在県でお示しできるほど、まだ熟度が達していないというふうに考えておりまして、もう少し詰めた調査を進めさせていただきたいというふうに考えておりますので、よろしく御理解のほどをお願いいたします。  以上でございます。 18 ◎川崎教育長 登壇=全国学力・学習状況調査、また、それに関連いたします諸事業等についての御質問かと思います。  全国学力・学習状況調査につきましては、その調査の目的として、全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、各地域における児童生徒の学力・学習状況を調査把握することにより、教育及び教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとされております。  そして、各教育委員会、学校等が全国的な状況との関係において、みずからの教育及び教育施策の成果と課題を把握し、その改善を図るということでございます。この趣旨を逸脱しないように実施していかなければならないと考えているところでございます。  ところで、先ほども申し上げましたけれども、学力向上などの現場の教育課題に真に実効性のある施策を進めるためには、市町や学校の教職員、保護者や地域の皆さんの意見、提案を聞きながら、そして、県教委もそれに参加をいたしまして課題を共有し、総力を挙げて解決に向けて取り組むことが重要だと思っております。そのことが学校の主体性を損なうということには決してならない、また、ならないようにしていくことはもとよりのことでございます。  学校の主体性を尊重しながら取り組んでまいります。 19 ◎武藤明美君 登壇=まず知事さんに、有明海の問題で気迫を持って訴えていきたいというようなことを御答弁いただいたかと思いますけれども、本当に八年にわたって有明海異変が発覚して、それからの長い長い年月においての漁民や県民のみんなの願いですので、ぜひあすは農水大臣に、先ほど私も申しましたような代替案なども含めて、現場の声をお届けいただきたいと思っております。  それから、新幹線の問題です。  知事としては三者基本合意に大きな期待を込めておられると思うんですけれども、私はやはりこの問題は、知事が、長崎県やJRが新幹線をつくっていこうとする、そういうことで、知事も長崎県の意向を大きく受けておられるから、こういう強行手段をとられたんじゃないかなということを思っております。  本当に県民の皆さんは、知事は一体どこを見ているんだろうか、県民の声をもっともっと聞くべきでないだろうか、そういうことが言われておりますし、先ほど言われたように、アクセス道路や駅周辺区画整理、そういった関連事業にお金がどんどんかかっていくという中で、パイの中でやっていくから、総額枠をちゃんと持っているから、盛り込んでいるから、そんなに負担はかからないとおっしゃっていても、本当に新幹線に係る費用プラスこういったお金がかかるという中で、県民生活はほかのところは後回しに、後回しにとされていくわけですね。幾らパイの中で決まっているとはいっても、そういうふうになっていくんです。  それで、私は県民の声に逆らっての新幹線長崎ルートの強行というのはやっぱり納得できないし、もっと知事が県民の皆さんのお声をあちこちでしっかりと聞いていただきたいし、そして、強行をされるというその態度を改めていかれるべきではないかなと思うんです。  例えば今、県内で住民の声を聞かない、そういう首長さんがおられて、例えば、武雄市民病院なんかもそうなんですけど、強引に民間に売るんだという立場を強行しておられて、市民挙げての大問題となっているわけですね。これは他山の石にしないでほしいんです。同じ強引なやり方をする知事さんも、そういうふうに県民の皆さんから思われていくということを私は指摘いたしますので、県民世論を軽んじないでいただきたい、そのことを強く指摘しておきたいと思います。  それから、県道の下和泉の道路の問題ですけどね、私、今の御答弁では本当に納得いかないんです。じゃ、今まで一体何をしてきたんだろうか。こんな大変な問題が起こっているのに、のんびりし過ぎているんではないかなということを思いました。  要望書が佐賀市のほうに上がっているということの認識をお示しになりましたけれども、バイパスがどういうふうになるのか、そこのところを住民と一緒になって、あるいは佐賀市と一緒になって考えていただきたいと思うんですね。いつまでそれをつくり上げようとしておられるのか、いつまではっきりさせようと思っておられるのか、そこのところをもう一度明確に、どんな提案ができるのか、それはいつまでしようと思っているのか、そこのところに踏み込んでお答えいただきたいと思います。  それから、教育問題ですが、学力テストがあったときに、本当にこれがランクづけになってしまうんではないか、より学校の格差を広げるということになってしまうんではないかということを心配してまいりましたし、競争、競争とあおっていくんではないかということを心配しておりましたけれども、やはりそれが現実のものになってきているんではないかというふうなことをこの案件を見て痛感いたしました。真に学力をつけていくというのであれば、人間的成長、発達権としての子供の学習権そのものを保障すべきなんですね。そのためには、教育の機会均等を何より優先すべきです。教育長も教育の機会均等をと言葉ではおっしゃるけれども、そうなっていないのが実情なんじゃないですか。  教育予算をふやして少人数学級を実現すること、そういったことが今、父母が求めていることではないでしょうか。保護者の意見を聞きながら学力の問題についても考えていくと、この改善の事業についてもそうやっていくんだということをおっしゃっているけれども、保護者の意見は本当に少人数学級を一刻も早く実現してほしいという思いで、フィンランドの学力世界一のやり方は、競争をあおるのではなくて、基礎学力をしっかり身につけさせる、その子に合ったやり方でしっかり学力を身につけさせるというやり方で少人数学級なんです。ところが、県教委のやっていることは、中高一貫校を各地でつくりつつ、一方では学校を統廃合し、子供たちの通学に負担を伴う、こんなことをお構いなしにやろうとしているんじゃないですか。  私がお聞きしておりますのは、ある地域では、やっぱり心配したように、学校のランクづけがされていて、全国平均、黒い太枠で区切って、平均点数の高い順から格付をされている、そういう地域もあるわけですね。例えば、小学校の国語、A校が八十六・七、B校が八十四・四、C校が八十四・四というふうに、ずっと順番の高いほうからランクづけされて、その途中に全国平均の黒枠が示されていたり、それから、中学校の国語Aである学校は七十四点、そこから下は全国平均の下だというようなことだとか、そういうことが既にランクづけがされているということから見ても、本当に教育の今行われようとしている学力テストに基づく格付、そういったことが県民や子供たちの願いとかけ離れてしまっている、そのやり方こそ改めないと、学校を指導管理するばかりのやり方だと、本当に子供たちが生き生きと学校生活が送れたり、あるいはしっかりとした基礎学力が身についたりという、なぜだろうというような素朴な疑問から発して勉強を楽しむということすらできないようなやり方になってしまうんではないかと心配しております。  今の県教委のこの事業、国からの二百万円のこの事業というのは、まさしく国のやり方、改悪教育基本法のやり方そのものを佐賀県に取り入れるものとして納得できません。改めて撤回を求めるものです。 20 ◎中村交通政策部長 登壇=御質問にお答えいたします。  先ほど私の答弁で、十八年度要望があったことに関しまして、私どものほうで受けていないというふうに申し上げましたが、これは私のちょっと認識間違いでございまして、申しわけございません。十八年九月に久保泉町のほうから自治会、あるいは交通安全協会等六団体の連名で要望書をいただいているということでございました。  この要望書には、歩道新設による道路拡張工事を施行してほしい等の要望が書かれているということでございます。  この十八年九月以降は特段の要望はいただいていないということでございました。  現在までの取り組みにおきまして、先ほどの最初の答弁で申し上げましたように、周辺の地形測量やルートのあり方の検討をまだしなきゃいけない段階でございますので、この検討を早急に進めまして、地元の協議会等へ御説明できるようにしてまいりたいと思っております。  もう少しお時間をいただきたく感じております。よろしくお願いいたします。 21 ◎川崎教育長 登壇=私どもの学力向上に向けた取り組みは、基礎学力をしっかりと身につけていくということが目的でございます。決して格付やランクづけを図るものではございません。  この学力・学習状況調査につきましては、我々は過去のいろんな教訓をしっかりと念頭に置いて取り組んでまいる所存でございます。(発言する者あり) 22 ◎太田記代子君(拍手)登壇=県民ネットワークの太田でございます。七夕様ですが、人類が共通の暦を持って二千年余りが過ぎましたが、地球環境のことを考えますと、この二千年は自然破壊の歴史だったんじゃないんでしょうか。それで、ここで方向転換しないと危ないと、人類全体として気づき、その存続と将来を考え洞爺湖サミットが開かれています。成功を祈りつつ質問させていただきます。  地元の佐賀新聞に、「きょうの言葉」というのが毎日載っていますが、六月二十八日、とてもいい文章がございました。短くて非常に内容が濃いので、ここでちょっと読ませていただきます。  「国民の健康は、国民の富より重要である」、「『文明とは何か』デュラント」と書いてあります。   国家も企業も家庭も、貧しいよりは富んでいた方がいいだろう。だ  が、人々が富を追求するのは、健康で幸福に暮らすためなのだ。   だからこそ、公害や偽装や地球環境の破壊などによって、一部の人  間や企業や国家がお金をもうけても、その”害悪”がほかの人々を苦  しめるようなことがあってはならないのである。   もちろん、われわれ人間は、そうとわかっていても、目先の利益に  惑わされたり、抜け駆けをしようとしたり、既得権にしがみつこうと  したり……”総論賛成各論反対”というような言動をとろうとするこ  とも多い。   しかし、文明や政治の目ざすところは、人類一人ひとり、すべての  人の健康と幸福であろう。   お金をかけて、どんな立派な都市や道路(や新幹線)をつくっても  ──これは加えました。(笑声)──そこに住む人たちの健康や日々の  生活を守れないとしたら、それは、どこかがおかしいと言わざるをえ  ないのだ。   「富」は人類の健康や幸福のためにあるのであって、国家や一部の  人たちの権力を肥大させるためではない。  一八八五年から一九八一年まで生きられたデュラントはアメリカの哲学者とただし書きがございます。  秋庭コラムニストはいいことを載せてくださいました。今の日本に、今の世界に、今の佐賀に最も大きな意味を持つ文章ではないでしょうか。  このために私たちはここの議会に集っていると思います。そのために知事は知事でいらっしゃると思います。  それで、質問させていただきます。  この文章のように、健康です、命です、幸せです。それを言葉であらわせば、保健、医療、福祉の充実になるんではないでしょうか。  平成二十年度予算は、一般会計予算全体では前年同期比四・五%減となっておりますけれど、健康福祉本部につきましては二・七%増となっております。もともと非常に貧乏なところでございましたから。長年この分野に携わってきた者として、大変ありがたく思っております。  しかし、県の厳しい財政状況の中にあって、九州新幹線などの大型プロジェクトが次々と、着々と進められる一方、健康福祉本部が担っている保健、医療、福祉施策は、今後、後退していくのではないかという懸念が消えません。  先ほどから申しますように、県民の命と健康、幸せを守ることこそ政治の根幹であり、その意味でこの保健、医療、福祉施策は最も重視されるべき分野だと考えます。  そこで、佐賀県が他県に比較して今後どうなっていくのか──比較をしなくたっていいことは飛び抜けてしていいと思うんですが、まず、子供を産みやすく、かつ育てやすい。女性や障害者、高齢者など、弱い立場の人たちが安心して生き暮らせる県。健康寿命を伸ばして、ピンピンコロリではなく、ピンピンコロリで四十や三十で死なれちゃたまりません。元気で長生きポックリ。元気で長生きポックリですからGNPになりますね。これをよく本などで発表している学者がおられます。そういう県になるために、県政の他の分野に優先して、この保健、医療、福祉施策に取り組んでいただきたいのです。厳しい財政状況の中、今後この面をどう充実していってくださるおつもりなのか、知事のビジョンをお伺いいたします。  次に、まず病気しないほうがいいんですけれど、病気は予防してもなってしまうこともあるわけで、県立病院と武雄市民病院が今問題になっていますし、質問させていただきます。  佐賀県の医療は、佐賀県医師会を中心に多くのコメディカルの緊密なる協力で成り立ってきました。その中核にあって、県立病院好生館は閑叟公の創設以来百十年ほどの年月、その重責を担ってきました。今、嘉瀬に移転改築の計画がありますが、いまだに県民の間に異論がくすぶっているのも事実であります。  嘉瀬は古来、九州の博多津、坊津に並び三大津とされ、鑑真和上や行基菩薩、俊寛僧都等の高僧ゆかりの歴史的国際港でありますとともに、世界バルーン大会で有名な景観を残す地でもあります。この地には高層県立病院より仏教資料館や植物園や動物園等、高くない構造物が、より似つかわしいし、嘉瀬の発展にもつながりましょう。佐賀県全体の歴史、観光の視点からも、より賢いと考えるものであります。いまだにその場所の凍結と変更を祈らずにはいられません。  好生館は現在地を含め、もっとよりよい地があるように思えてなりません。拙速に陥ることなく、慎重にも慎重を期して、よりよき改革がなされますよう念じ続けて、きょうは別の視点から次の問いを伺います。  好生館がどこかにできましょう。でも、これは建物でありまして、大事なのは、当たり前のことですが、内容でございます。いい病院と判断されるのは何か。それは医師や看護師、医療技術者とともに、もちろんその患者さんもともにです。医療技術が高くて、また、患者さんを思いやる心が、どう患者さんに通じ、患者満足度を高めていくか、そこだと思うんです。  好生館が県内外の患者さんや医療関係者から選ばれる、いい病院であってほしいと願います。そのためには、医療スタッフの技術の向上や、患者さんの満足度が問題になるわけですね。そして、私も県病院に、一年四カ月ほど内科医として勤めました。若いころは大学からの出張ですから正式職員ではございませんでしたから記録には残っていませんが。  今思いますと、若いこともあって患者さんへの対応が決して上手だったとは思えません。ですけれど、医学部では悩める患者さんにどう対応するかというような教育がなされていませんでした。ですから、先輩の医師から習いながら、それを学んだものです。  今、私はこの年になりまして、いろいろ不満を訴えられます。ですから、若い医師たちが説明力を獲得するような時間的ゆとり、教育の時間、そういうものも求められていると思うのです。  医師が精神的に、時間的に余裕が今なさ過ぎます。説明力の熟練をする時間と、余裕が求められています。これらのことについてどうお考え、対策を立てていかれるおつもりか、まずお伺いします。  もう一つは武雄の市民病院です。  武雄のこととおっしゃらないでくださいませ。武雄も佐賀県民でございます。新聞やテレビで見ているところでは、何か急ぎ過ぎられているようで心配でございます。私は武雄保健所長を一年務めさせていただいた身として心配でたまりません。  その武雄市民病院が二次救急医療施設として位置づけられておりますけれど、移譲後においても、移譲された民間医療機関と三次救急医療施設である好生館、佐賀大学等との連携がうまく保っていけるのかどうか。  また、この民間移譲につきましては、総務省が昨年示しました公立病院改革ガイドラインに沿うものとのことですけれど、民間移譲後、経営状況の悪化等により、経営の継続が困難になることも考えられるわけです。今病院は赤字になるような点数をどうしてか永田町、霞が関で決められているのでございます。それで、地域の医療が崩壊しないか、非常に危惧しております。県としてどのように考え、どのように対応しておられましょうか。  三番の質問に移らせていただきます。  私は佐賀に帰ってまいりましたのは、昭和五十九年でございました。これは何度か申しました。そして農業は、命そのもの、国の礎との思いで農業問題にも口を挟まざるを得ませんでした、健康づくりですから。  神埼保健所長として帰ってきたときでした。肝臓がん死が日本一、全がん死も日本一、それでB、C型肝炎を治療しながら農薬も減らして、肝臓に負担をかけますまいと言いましたら変人扱いされまして、保健所長室に閉じ込めておけと言われてたということは前にも申したとおりでございます。  このように自由のない県政はちょっと心配なんですね。繰り返し申します。本当に今思い出しても肩が凝ります。そのときに救ってくださったのが佐賀新聞社の当時の社長さん、中尾清登様です。昭和六十年に佐賀新聞の二面の論説「ろんだん佐賀」に四回にわたって書くように働きかけてくださったと亡くなられた後に聞きました。一度もお目にかかることもかなわず、お礼の申し上げようもありません。これは佐賀の減農薬問題の嚆矢だったと言われましたので、御仏前にお礼を申し上げたいような気持ちでおります。  さて、なぜ強い抵抗に遭いながら減農薬問題を取り上げたかは、命と健康のためでありますとともに、農業県佐賀の発展のためであるとも思ったからであります。  減農薬有機のものが、よその県で高く売れる時代になろうとしているのに、どうしてか佐賀県はそこに気づいておられないような感じを受けました。そして、今、私はここに立ち、戦後引き揚げてきて食糧難を知っている世代として、戦後の飢えを知る世代の一人として日本の農業政策に不安を覚えます。その一つが食料自給率の低さです。これを高めるべきと大きく叫びたいです。  イギリスのサッチャー女史の政治の中で、食料自給率を高められたことだけは褒められております。だけはと言うと失礼かもしれませんが、福祉は余り進まなかったと聞いております。  また、今、農業政策の一つとして大規模農業が打ち出されておりますけれど、このように一律ではなくて、もっと小規模できめ細かい農業も選択できるようにしておくのが日本の狭い国土、人口密度の高い国土に合っていると思うのです。それが安全農業につながるというこの二点を国に働きかけてくださるようにお願いしまして、質問いたしますのは、このような環境保全農業を推進していくことが、安全で安心な食料の生産拡大や、県の農産物のブランド化につながりましょうし、健康づくりにもつながります。どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。  そして、このごろはよくフードマイレージということが言われるようになりました。何のことはない地産地消で、我々が前から言っていたことですよね。  次の問いに行かせていただきます。  プルサーマル計画の凍結について、重ねてお願いいたします。  三瀬プラネットジャム、知事さん御苦労さまでした。私も参加させていただくというか、議会中でしたので、行けるかどうかわからなかったんですけど、何とか時間がとれましたので、上りました。楽しゅうございました。クラシックコンサートとはまた違う楽しさがございました。県庁職員が数十人行ってらっしゃったので、御苦労さんという思いでした。  そこで、エコを守るというコンサートでしたけど、あれだけの若い人たちが集まって楽しんでいますが、知事さん、グリーンコープもJAさがもお金を大分出してくださっているんだろうと思うんです。佐賀市はかなり出されたと聞いております。  それで、一番のエコは、環境の保全はプルサーマルを凍結することだと思うんです。このごろのミャンマーのサイクロン、中国の地震、岩手・宮城内陸地震などの天変地異を見ていますと、私は有名な川田順の歌の「天の怒りの春雷ふるふ」という、あの七・七字を思い出すのです。  日本付近では、ユーラシアプレートと太平洋プレート、北米プレートが互いに衝突しているそうじゃありませんか。未知の断層がたくさんある。この岩手・宮城内陸地震もプレートがまだ知られていなかった。日本は知られていない断層があちこちにたくさんある。そうでしょう。火山国ですし、どこでどういう大地震が起こるのかわからない。そのことを考えますと、玄海原発の耐震安全性についても疑いを挟まざるを得ません。  犯罪の世界では、疑わしきは罰せずと言われますが、人類の安全に関係することに関しては疑わしきは使用せず、導入せずとするべきであることは水俣病を引き合いに出すまでもない、アスベストを引き合いに出すまでもない。これは何度も申しました。原因がわかってから対応したのでは手おくれになってしまいます。これを今、予防原則と学者たちがしきりにおっしゃってくださるようになりました。予防しましょう。わからない間はプルサーマルは安全だと、経済人も一部の学者も思ってらしたでしょう。でも、危ないんだということがもう証明されたではございませんか。世界で唯一の被爆国である日本が、何でより危険なプルサーマルのほうに行くのですか。それを日本で初めて引っ張っていっているのが古川知事、あなたなんです。思いとどまってください。  放射能汚染の可能性のある原子力発電を進めるほうではなくて、もっと安全な代替エネルギーにと洞爺湖でみんなが祈って討議しているはずです。知事、お若いんです。次の世代を背負う知事の一人として、プルサーマルから抜け出すことのほうが大事です。  原子力発電は二酸化炭素を出さないというのが言いわけになっていますが、燃料の製造でたくさん二酸化炭素を出すし、海水の温度を上げているじゃありませんか。継続的にあれだけ高い温度の水を流して上がらないはずがない。新時代の安全エネルギーについて論議すべきです。必要は発明の母です。被爆国日本がそれを主張すれば、必ず安全なすばらしいエネルギーが開発されるはずです。そのトップを行くのが日本であるべきと思います。そのトップを行くのが佐賀であってもいいじゃありませんか。ですから、全国に先駆けてプルサーマルを事前了解するのではなくて、一度決めたことをやり通す勇気よりも、人類の未来のために踏みとどまる勇気こそ歴史に褒められます。原子力発電所をより危険なほうにするんではなくて、プルサーマルはまず凍結する必要があると考えます。知事さんお答えください。  次に、長崎新幹線という短い呼び方で言いましょう。もうこれは本当に何と愚かなと申すべきです。このお金のないときに魅力のない無駄遣い公共事業として、本当にナンセンスな長崎新幹線を何でこんなにお急ぎになるんでしょうか。  あの立派な生き方をなさった、ダム反対なさった方の言葉を思い出しましょうよ。公共事業は理にかない、法にかない、情にかなわなければならない。  理にかなっていますか、かなっていませんよ。トンネルばっかり多くて危ないじゃありませんか。必要ないじゃありませんか。  法にかないますか。法にかなわなかったのを長崎の知事と佐賀の知事と久間さんが法を無理に変えたとあちこちでささやかれていますよ、知事さん。損なさいますよ。知事が知事でいらっしゃるから、民の声が聞こえないところがおありでしょう。雲の上の存在ですから。私が申しましょう。「知事は、新幹線マニアでいらっしゃるから、新幹線の模型をプレゼントしようと思うとっ。知事室のじゅうたんに丸か線路ば据えて、新幹線の模型ばくるくる回して遊びんさっぎよか。プレゼントしゅうかて思いよっ、おいは」て言われた方がありました。あえて申します。これは知事さん間違わないでくださいという思いですから受け取ってください。  さて質問は、トンネル区間についてです。長崎ルートは全延長のうち半分以上がトンネル区間になると聞いておりますけれど、全延長に占めるトンネル区間の割合はどうなっているんですか。  まだルートも決まっていないでしょうからわからない面もあるでしょう。何で急いで起工式をなさったのかと言われていますよ。それで、今わかっている範囲でお答えいただくしかないわけですが、最も長いトンネルの長さはどうなっていますか。そんなところで事故が起こったら助けられませんよ。  次の質問は、進捗状況及び今後のスケジュールについてです。  四月二十八日に起工式が行われたことで既に建設工事が始まったと思って勘違いしている方が多いようです。実際は今から測量して、今年度いっぱいじゃ測量終わらないかもしれない。そして、用地買収すらまだ始まっていない、だから起工式が嬉野の公園で土を盛ってされた。あら、先生、嬉野の公園から新幹線が通るとですかて質問されましたよ。  また、用地買収や工事着手など、今後のスケジュールはどうなっておりましょうか。  そして、改めてもう一度申します。長崎ルートの必要性を議論し直し、県民の多くが必要とするまでの間、建設を凍結すべきと考えますが、知事さんお答えくださいませ。  次に、我が神埼の城原川ダム事業についてお尋ねいたします。
     これも理にかないません。法にかないません。情にかないません。余りにも政治が情から離れたから、子供たちの心まで荒れているんじゃありませんか。教育長さん方が一生懸命教育なさっても、大人が立派な生き方をしてみせないようでは、本当の教育と言えるでしょうか。  従来から私はダム建設に絶対反対の立場でした。それは考えに考えて要らないとわかったからでございます。なぜかといいますと、毎年水害が出る千代田出身であることをもう一度繰り返します。そして、懐かしのその家を、我が家だけではありません、田手川の両岸がずーっと立ち退いたんです。今までの公共事業で、もう千代田は大水(おおみず)出らんとです。そいば何で城原川の上にダムばつくらんばですか。どがんでん治水ば心配しんさっないば、城原川の下流の治水対策、ダム以外の治水対策ばしんさったほうが安うして合理的です。それはこの間の、数日前の水害でわかるじゃございませんか。あれは満潮時と都市に降った雨で、山から流れてきた水で佐賀市が大水(おおみず)が出たとじゃなかとはっきりテレビでも発表されました。  それで質問ですが、ダムの安全性についてです。  六月十四日に発生しました岩手・宮城内陸地震におきまして、大規模な土石流が発生しましたが、多数の方が亡くなられ、今なお行方不明です。六月十六日の朝日新聞に、荒砥沢ダムの上流で発生した大規模な土砂崩壊の原因として、荒砥沢ダムにたまったダムの水や雪解けによる地下水の浸透で、弱い地盤が地震で揺さぶられたことが考えられるとの専門家の話が載っていました。  また、城原川ダムが計画されている場所の周辺では、一八六六年に大雨による山崩れが発生し、これは六十人とも百人とも言われていますが、溺死して埋もれていらっしゃるとの記録が残っています。埋もれていらっしゃるんです、そのまま。罰が当たりますよ、その上に、また、掘り出しもせんで崩れやすい地盤にダムをつくるんですか。大地震の際に土石流を誘発するおそれのあるダムを、このような不安定な地盤のところに何でつくろうとなさるんですか。  さて、なぜ必要かの理屈づけに、国土交通省の中にも批判していらっしゃる方いらっしゃるようですよ。国土交通省によか官僚さんと、そうでない方がまじっとんさっとでしょうか。ようなか方は神埼のことがようわかっとんさらんと思います。じゃあ、知事が行って御説明すべきですよ。六百九十トンという計画流量によって、こがしこは流れ切らんけんダムということになりましたが、もともと六百九十トンも降っとらん、二八水のときは。その後それ以上の水かさになっても、流水計がついてからは、二百八十五トンとか、そのくらいじゃありませんか。これが六百九十トン、ダムが必要だという根拠そのものが間違うとっとですよ。それば知事は早く東京に行たて、農水省に行きんさっなら国土交通省にも寄って、こいは要らんですよて言うてきていただきとうございます。慎重にと言うてきていただきとうございます。ダムによらない治水対策に変えたいと、そのときにできるだけ安く、どのようにしたらいいかを聞いてきてください。それでこそ需要は発明の母、国土交通省も立派になっていかれると思います。  城原川ダムについて考えますとき、余りにも壊すものが多過ぎるから私は声が大きくなるんです。この流域には吉野ヶ里遺跡を初め、仁比山神社、九年庵、広滝第一発電所など、すばらしい歴史、文化遺産が残っております。この歴史、文化や景観を壊してしまう城原川ダムの建設には断固反対せざるを得ません。このダムの建設費六百七十億円は県民一人一人の大切な税金です。県民投票を行ってから決めてもいいような問題ではありませんか。まず凍結してください。そして、再度叫びます。ダムによらない治水対策を再検討してくださいませ。  七番目の問いでございます。  平成九年に諫干が、ギロチンが締め切られました。平成十二年のノリの色落ちや大不作、タイラギの不漁、いわゆる有明海異変が発生したんですね。佐賀県の漁協の方々は長期開門調査の必要性を一貫して訴えてきましたのに、国はそれに応じず、干拓事業は何と県民の気持ち、国民の気持ちを無視して続けられ、現在、こういう状態です。こんな状態のとき、六月二十七日、佐賀地裁はすばらしいじゃありませんか。国に対して判決確定の日から三年以内に諫早湾干拓調整池、潮受け堤防を五年間にわたって開門するよう画期的な判決を言い渡されました。あの裁判官のお顔がテレビに出られるたびに、本当に神々しく感じました。この判決を受け、知事はあした国に対して、控訴を断念し、中長期開門調査を早急に実施するよう要請されることになっていますが、その決意のほどを改めてお伺いいたします。  知事は、この二十七日に国が最高裁に控訴することも理解できなくはないと、ちょっと弱気な発言をなさったと新聞に載っています。こういうのが国に届きますと、芳しくございません。知事、あなたは佐賀の知事です。国を変えなきゃいけません。理にかない、法にかない、情にかなう、地方分権の時代、地方から国を動かす、それでこそ佐賀の知事です。あした頑張っていらしてください。  これで一回目の質問を終わらせていただきます。(拍手) 23 ◎古川知事 登壇=太田記代子議員の御質問にお答えします。  まず最初に、保健、医療、福祉の充実について、厳しい財政状況の中ではあるけれども、どのように充実をさせていくのかというお尋ねでございます。  保健、医療、福祉の分野は、この充実のために自治体としての大きな責務があると思っております。「佐賀県総合計画二〇〇七」におきましても、その目指す姿に到達するためにそれぞれ設定をしました六十四の”充”点項目というものがあります。  県政は、本部単位で申し上げれば、知事部局で六本部、また、教育、警察と大きくいえば八分野ほどございますけれども、その中で、この保健、医療、福祉の分野は十七項目、全体の四分の一強を占めております。県政の目標であります「くらしの豊かさを実感できる佐賀県」を実現していくために、この保健、医療、福祉の分野は重点的に取り組まなければいけないと位置づけております。  平成二十年度の予算におきましても、重度障害者や精神障害者のグループホームを整備していくことや、肝炎ウイルス検査、そしてインターフェロンによるウイルス性肝炎治療費の助成、また、知的障害や発達障害のある子供の成長に応じた一貫した療育支援、そして、療育指導者の養成を行う療育支援センターの整備など、福祉や医療に係る新規事業を国の政策をそのまま県として受けるだけではなく、県として何が必要なのか、もっと充実させるべきではないのか、そういう自主的な視点に基づいて新規事業を織り込んでおります。  もちろん、県財政そのものは厳しい状況にございます。県民の皆様の御理解を得ながら、見直すべきは見直していかなければなりません。ですが、例えば、今議会にも補正予算をお願いしております障害者グループホーム開設費補助などのように、これは従来、県単独で実施をしておりました事業を国に政策の提案をすることによりまして、国庫補助制度を創設させて必要な財源を確保したり、また、佐賀県が提唱しましたパーキングパーミット制度のように、県民や事業者の理解と協力を得て、高齢者や障害者の皆様にも暮らしやすい地域社会をともにつくっていく取り組みなど、職員が汗をかき、知恵を出し、さまざまな工夫をしていきながら、限られた財源の中でも県民満足度の向上が図られるように取り組んでまいりたいと考えております。  また、健康福祉本部独自の仕組みとして、現在、福祉施設を民間に移譲することにして、今、順次移譲をしておりますけれども、これによって生み出された財源について、一般的な県の財政健全化の方策の中では、こうしたことを県全体に配分することになっておりますが、佐賀県におきましては、この福祉施設の民間移譲により生み出される財源については、新たな福祉や医療政策に主に活用するようにしております。こうしたことを活用していきながら、増大する医療や福祉、保健、こうした分野の県民の願いにこたえていきたいと考えております。  次に、プルサーマル計画の凍結についてのお尋ねでございます。  議員からは再三にわたり、このことについての御質問をいただいております。改めてのことになりますが、玄海三号機のプルサーマル計画については、平成十六年の五月に九州電力から事前了解願が提出されて以降、安全性についての意見や議論を、回数を重ねてまいりました。これまでの原子力政策、原則立地にかかわる手法としては、これまでにないほど公開討論会において慎重、推進、それぞれの立場の方をお招きしてやったり、会場からの質疑時間を十分確保したりとやってきて、安全性に関する議論を深めていただいたところでございます。  県では、このような場におけるさまざまな意見や議論の視点を整理し、また、国の安全審査結果についてもきちんと確認を行いながら、二年近い歳月をかけて検討した結果、安全性は確保されると判断をし、事前了解をしたものでございます。プルサーマル計画を凍結すべきとは考えておりません。  次に、九州新幹線西九州ルートについても、建設を凍結すべきではないかというお尋ねでございますが、佐賀県におきましては、西九州ルートが昭和四十八年に国の整備計画に位置づけられて以来、一貫してこの計画について推進をしてまいりました。県議会におきましてもさまざまな議論がございましたが、それを経て、さきの二月議会において西九州ルートの建設負担金の予算案を議決していただいたものでございます。西九州ルート整備に対する県議会の御承認をいただいた後に事業を凍結することにはならないと考えております。  今後は、この新幹線を生かした地域づくりを県民の皆さんと議論をし、その取り組みを進めていく過程で御理解を得ていきたいと考えております。  次に、城原川ダム事業について、ダムによらない治水対策を再検討すべきというお尋ねでございます。  これもまた議員からは幾度となく同じ御指摘をいただいておりますが、これまでもお答えしておりますが、私自身も城原川を何度も訪れておりますし、先般はその上流地区の脊振のほうにも行ってまいりました。そして、仁比山地区だけでなく、特に中流から上流にかけての城原川の川沿いの非常にすばらしい景色というものは、私も非常にすばらしい、何物にもかえがたい財産である、景観であると思っております。  私が知事に就任する前には、国土交通省において既にダムという方向性が出ておりました。そして、県においてもダムという方向が打ち出されつつございました。私は、知事に就任した後、まず、データを再度見直すことから始めようということで、そのデータをほかの県にもお持ちし、ほかの県でダムの見直しを行った県に数字を持っていって、何かおかしいところはないか、そういったところからスタートをしました。そして、流域委員会を立ち上げました。  流域委員会でも、ダムでという結論が出たことに対して、一般的な治水の対策としては、確かにダムというものは有効かもしれない。それはそれとして認めながらも、本当にこの城原川の治水対策として、ダム以外の選択肢はないのか、このことを十分に検討した上で、ほかに方法がないということがわかった上で初めてダムを選択すべきだ、そう考えて、治水に責任を持っていただいている川沿いの首長さんの方々に集まっていただいて、首長会議を立ち上げました。  その場では、ダムによらない治水対策、具体的には遊水地でありますとか、河道を整備することでありますとか、引き堤、堤防のかさ上げ、そうしたものの組み合わせや洪水のリスクを、仮に洪水になったときにある程度は地域住民の方々に我慢をしていただく、そういった方法も含めて検討を行いました。議員には、この会議にずっと御出席をいただいておりましたので、その間の経緯もよく御存じであると思います。その結果、残念なことに、どの案についても流域の首長の方々の合意を得ることはできませんでした。(「うそですよ」と太田記代子君呼ぶ)  こうしたことから、城原川の河川整備については、実際に流域にお住まいの方々の安全で安心な暮らしをどうやって確保するかという観点に立って、それを比較的短い時間で実現していくためには、この治水に責任がある立場の者としては、河道の整備とあわせてダムを建設するという手法によらざるを得ないと判断をして、県として決定をしたものでございます。どうか御理解を賜りたいと存じます。(「理解できません。知事さん間違ってらっしゃいます」と太田記代子君呼ぶ)  次に、有明海の再生についてですが、あす、国に対し要請をすることになっているが、その決意のほどを改めて伺いたいというお尋ねでございます。  今回の佐賀地裁の判決の後、各方面の方と意見交換をいたしました。また、県議会において中長期開門調査の実施を求める決議などの動きがあり、また、さらには漁民を初めとするさまざまな方々の声を受け、佐賀県の代表として有明海沿岸市町の首長の方々と一緒に歩調を合わせて、議会が議案審査となるあす、東京に赴き、若林農林水産大臣にお会いすることにしました。  私は、若林農林水産大臣に対して、今回の判決を重く受けとめ、控訴を断念し、できるだけ早く中長期開門調査を実施するよう要請することにしています。  その際、平成十四年以降、佐賀県、福岡県、熊本県の漁連、漁協が共同で、これまで十回も中長期開門調査の要請をなされるなど、これは有明海漁民の総意であること。佐賀県議会においては、平成十四年以降、中長期開門調査を求める意見書や決議が合計八回にわたって、いずれも全会一致で議決されていること。県としては平成十五年六月以降、有明海の環境変化の原因究明のため、中長期開門調査が必要であることを、これまで十一回にわたって国に提案したこと。また、中長期開門調査の実施を求めておられる漁業者の方々は、有明海の再生、諫早湾干拓地における農業生産、諫早湾内陸地域の災害安全性のいずれもが共存できることを望んでおられることなどを強く訴えていきたいと思っております。  そして、県議会の皆様や漁民を初め、中長期開門調査を願う多くの県民、国民の方々の共通の願いをぜひともかち取り、できるだけ早く中長期開門調査が実施され、一日も早く有明海がもとの豊穣の海に再生することを願っているところでございます。  私からは以上でございます。 24 ◎佐藤健康福祉本部長 登壇=太田議員より、県内の医療行政について二点御質問をいただきましたので、順次お答えを申し上げます。  まず、県立病院好生館の医療スタッフの技術向上についてであります。  県内唯一の県立病院として、好生館は医療スタッフみずからが、みずからの技術向上に積極的に取り組み、もって患者、家族、医療関係者、だれからも選ばれる病院でなければならないと考えております。そのことにより、患者さんや医療関係者から信頼されることになり、経営の安定や良質の医療の提供につながるものと考えております。  このため、研修受講や学会参加がしやすい職場環境、その中にはスタッフそのものの数をふやすことや、また、費用の補償というようなものも入ると思いますけれども、そのほかにも若いスタッフの手本となり、その人に学びたいというあこがれを持たれるようなカリスマ的な人材の招聘、病院の評価が高まることによります手術の症例数の増加などが効果を上げるのではないかと考えております。  そこで、これらの企画にはそれぞれの職場のスタッフがともに企画することが一層の効果を上げるものと思われるため、現在、こうしたことに取り組みやすい自由度の高い運営形態として、地方独立行政法人化を提言、検討しているところであります。  いずれにしても、患者さんのことを思いやる病院になることが非常に大切なことと考えており、患者さんの言葉をよく聞くこと、患者さんをいやすという意識を持つというようなことが職員により一層浸透しますように、そのような取り組みが必要と考えております。  今後とも、好生館が議員おっしゃいますようないい病院として評価されるよう、いろいろな視点から現場とともに取り組んでまいりたいと考えております。  次に、武雄市民病院の移譲についてでございます。  武雄市がその財産でございます市民病院の措置をみずから決定されることは、武雄市固有の事務であると考えております。しかしながら、医療分野では各機関の連携が重要であることもまた事実でございます。先般、武雄市民病院が救急告示病院を休止した際、県、地区医師会、関係医療機関等で協議を行い、救急医療患者さんの分担を各病院で受け入れるといった取り組みを行い、対処したことがございました。移譲後の医療機関においても、これまでと同じ役割を果たしていただきたいと考えているところでございます。  また、個々のケースによっては、県立病院好生館など三次救急医療施設と個別に連携、対応してもらう場合もあると思われます。これらについても適切な対応ができますよう、平素の取り組みが重要だと考えております。  なお、武雄市では譲渡先決定後、譲渡先が決定した病院、地元医師会及び行政とが協議を重ね、よりよい医療体制を構築していくと聞いておりますが、県として助言を求められれば、惜しまず協力をしてまいりたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 25 ◎牟田県土づくり本部長 登壇=城原川ダム事業について、先般の東北地方で発生いたしました地震に関連いたしまして、改めてダムの安全性についてどうかというお尋ねでございました。  六月十四日に発生いたしました岩手・宮城内陸地震につきましては、我が国の土木学会、地盤工学会、地震工学会、日本地すべり学会のこの四つの学会の合同によります現地調査が行われております。現時点で得られている情報は十分ではないとはしながらも、調査結果の報告が既になされております。  その中で、議員御指摘のあった荒砥沢ダム上流の地すべりについて、特にここは日本地すべり学会が中心になって調査を行ったところでございますが、この学会の報告では、地すべりの発生域とダム貯水池との位置関係や、現在の残雪分布が栗駒山上部に限られていることから、ダムの貯水や雪解け水が山腹崩壊の誘因になっていることについては否定的であると、こういう見解が示されております。  したがいまして、現時点では、一部報道がございました、ダムが山腹崩壊を誘発したという報道につきましては、科学的な根拠は薄いというふうに考えているところでございます。  また、城原川ダム周辺の地盤につきましては、国において文献調査、現地踏査及び測量、ボーリング調査などが実施をされておりまして、地質の専門家などの意見も聞きながら、安全性を第一に調査検討が進められてきております。  これまでの調査では、ダム本体の建設予定地は強固な花崗岩が分布をしておりまして、ダムの基礎地盤として十分な強度を持つことが確認をされております。また、ダム建設予定地周辺では、花崗岩が風化した斜面表層部の小規模な崩壊は別にいたしまして、大規模な地すべりが発生する可能性は非常に少ないというふうにされております。  今後、ダムの規模が決まれば、さらに貯水区域全般にわたる地すべり等の詳細な調査が行われ、必要があれば安全性確保のための対策が講じられるものというふうに考えております。  以上でございます。 26 ◎鵜池生産振興部長 登壇=私のほうからは、健康文化としての農林水産対策につきましてですが、質問の御趣旨は、環境保全農業の拡大にどのように取り組んでいくのかということだろうと思います。  農山村は農業等の生産活動の場としてはもとより、住民の生活の場、さらには都市住民などとの交流の場ともなっておりまして、このような農山村の環境の維持保全や健康志向等が高まる消費者の求める安全・安心な農産物づくりなどを進めていく上で、化学肥料や化学合成農薬を減らした、いわゆる有機栽培や特別栽培などの環境保全農業を推進していくことは大変重要であると考えております。  このため、県におきましては、環境保全農業に取り組みます農業者の割合を平成二十二年度には三三%にすることを目標といたしまして、取り組みに必要なハウス施設や土づくり用機械などの導入に対する支援を初め、消費者に対する有機農産物などのPRや商談会による販路の開拓、さらには化学肥料と化学合成農薬を大幅に減らして農産物を生産した場合に支援を行います、国が十九年度から導入をいたしました農地・水・環境保全向上対策事業の積極的な活用などを行いまして、その拡大に努めてきたところでございます。  その結果、環境保全農業に取り組みます農業者の割合は、平成十六年度の一九%から平成十九年度末には二八%へと、着実に増加をいたしております。  こうした中、今後さらに環境保全農業の拡大を図っていくためには、肥料や農薬を減らしても安定した収量や品質が確保できます栽培技術の確立が極めて重要でありますことから、本年四月には県の農業試験研究センターに有機・環境農業部を設置いたしまして、新技術の開発、普及体制を充実強化したところでございます。  環境保全農業は、農産物に安全・安心などの付加価値をつけるだけでなく、省資源の農業にもつながっていくものでありますことから、引き続き生産から販売にわたる各種施策を積極的に推進いたしまして、一層の拡大に努めてまいりたいと、このように考えております。 27 ◎中村交通政策部長 登壇=九州新幹線西九州ルートについて、まず、トンネル区間の長さについてお尋ねがありました。今回、工事実施計画が認可された武雄温泉駅から諫早駅までの全延長は約四十五キロメートルでありますが、このうち、トンネル区間の総延長は約二十三キロメートルでございます。全延長に占める割合は約五〇%となっております。西九州ルートの中で最も長いトンネルは、嬉野市から長崎県東彼杵町にまたがります俵坂トンネルでございまして、延長は約五・五キロメートルとなっております。  次に、進捗状況及び今後のスケジュールについてのお尋ねでございます。  四月二十八日の起工式後、五月下旬から六月初めにかけて、武雄市及び嬉野市の沿線地区の住民の皆様を対象に、地区別に全部で九回にわたり、鉄道・運輸機構主催の説明会が行われております。  説明会の内容は、西九州ルート整備計画の概要、それから、工事着手や開業までの一連の流れ及び今後のスケジュール、それから、中心線測量のための私有地への立ち入りについて、住民の皆様の了解が必要なことなどについての説明でございました。  今後のスケジュールは、まず、本年度はこの夏から中心線測量を行います。また、トンネル、橋梁、高架などの構造物の設計を行います。そして、トンネル部の用地買収及び工事着手となっております。来年、平成二十一年度から二十二年度にかけましては、用地測量と用地買収、それから、平成二十三年度から高架橋等の工事着手、そして、平成二十九年度ごろに工事完成、開業という流れで進められると聞いております。  以上でございます。 28 ◎太田記代子君 登壇=御答弁それぞれありがとうございました。  知事の雄弁にはいつも驚きます。だけど、雄弁にはちょっと心配を伴います。知事は雄弁過ぎます。  例えば、長崎新幹線の起工式のときに、反対の意見があるのは知っています。それは真摯に受けとめて起工式をしますと、真摯に受けとめたら起工式は急ぐべきじゃないんじゃないでしょうか。国語としておかしいんじゃないかと思うんです。  それで、何か知事さんの御答弁を伺っていると、すっとその気になるんですよね。(笑声)これはいかんと、ちょっと考えると、魔法にかかったみたいになります。ですから、ちょっとそのとき勘違いしちゃって、先ほどは「知事さん、うそです」て大きな声出してしまいましたが、偽りの情報が知事に伝わっているということでございます。  流域委員会は私はできる限り傍聴をいたしました。あのときはもう本当ちょうちょうはっし、けんけんごうごう、かんかんがくがく、こがん並べんぎ知事さんに負けます。(笑声)知った限りを並べたいです。討議されましたよ。そして、これは前も申しましたように、最後のその前に、委員長の荒牧軍治委員長さんが、これはもうまとまらん、まとまらんから僕にまとめさせてくれとおっしゃったんですよ。そいぎどがんまとめんさっとやろうかね、頭の要んさっやろうねと思うておったら、傍聴するたびにだんだんだんだんダム反対が強くなっていったにもかかわらず、最後の日は、知事さん覚えていらっしゃいますか、前もこれ申しましたよ。そいぎ、それを思い出しますと、議事録読んでくださいませ、議事録が正しく書かれていたらの話でございますが、ダム以外の治水対策も考えられて、ダムの危険も考えられるようなことがあったように思います。だけどダムが必要だと、これも国語になっていないわけでございます。はっきり申してびっくりしました。  そして思い出しましたのが、水俣病のときの、亡くなられたから申しましょう、新潟の大学の教授が委員長をなさいました。日本国じゅう水俣病が広がっている危険性があるわけですね、水銀が流されたわけですから。そして、私も博多保健所で調査をさせていただきました。皆さんに集まっていただいて。水俣から引っ越してきた方なんかは、どう考えても水俣病が考えられる方でした。  そして、それは長い間、一年以上たってからでしょうか、発表されたときに、水俣病が考えられるが、水俣病ではない。これはどういうことですか。日本語になっていないと思うんです。水俣病が考えられるが、水俣病ではない。水俣病かもしれないが、水俣病ではないと否定するということは、否定せんばいかんごとどこからかプレッシャーがかかっていたんでしょうか。  ですから、城原川ダムは、ダム以外の治水対策が考えられるが、ダムが必要である。全く国語になっていませんでしたことをここで改めて大きな声で叫んでおきます。  そして、国には周囲の景観を守るといって国営公園の予算をいただいたのです。ここには、「吉野ヶ里と徐福」という本を持ってきました。(本を示す)知事さんの雄弁に負けないように、私は本を三冊持ってきました。そして、これは内藤さんが命がけで書かれた本です。内藤さんは、残した原稿に囲まれて、亡くなって発見されました。だから、今回それをしのぶ人たちが本にまとめて出版したんです。  内藤さんは千の風になって、ここにおられるはずです。周囲の景観の一つが、仁比山の朝日であり、脊振です。脊振は、どんなに歴史的なところかここで繰り返し申しました。知事さん、何にでもお急ぎんさっぎいかんです。私は年上だから、知事を弟のようにと申すべきか、息子のようにと申すべきか、思って申していますので悪く思わないでください。  知事は将来、五年前に知事になんさったとき、国会に行きたいとおっしゃったと、唐津のほうから伝わっております。ここで、新幹線を慎重になさり、城原川ダムをとめ、ダム以外の治水対策になさり、プルサーマルで人を危険に陥れるようなこと、核廃棄物の安全が確かめられるまでは凍結して県民の命を守る。そして、有明海をよみがえらせる。この四つのことは少なくともなさらないと国会に行っていただいちゃ困るという声が多いことを、ここで大きな声で申しておきます。  佐賀県の命と健康を守らない方が国に行ってもらっちゃ困ります。国が存亡のときに、三流の方が国に行くと国が滅ぶそうです。一流の方が行ったときに国は立ち直る。それが明治維新でした。知事さんが一流の方かどうかが試されています。  それで、これを申しますのは、ここではだれでも知っています。私が一番年かさでございます。経験を積んでおります。戦争を記憶しております。ですから、きょうはもう一つ本を持ってきました。「月白の道」です。(本を示す)これは丸山豊先輩の書です。医者であり、軍医として多くの兵士を助けられずに、雲南では空襲と火炎で兵隊は飢えながら焼き殺されました。注射もない、医薬品もないところでどれほど丸山先生が苦しまれたか、それを生き残った者の務めとして書かれた本です。これは途中で、中野正剛が切腹したときに戦争をやめていたら、この悲劇はないのです。だから──歴史を言うぎいかんとおっしゃいますけど、大体歴史を言わないで未来が開けましょうや。(「質問をしてください」と呼ぶ者あり)質問のための準備です。もう少し我慢してください。ですから、今とめるべきです。とめないと県民を危険に陥れます。新幹線で、城原川ダムで、もっと危険なのは世界を危険に陥れるのがプルサーマルです。お急ぎなさいますな。  そして、島谷教授が城原川ダムのあの辺を、吉野ヶ里から上を、九大の大学院の教授です。数日前地元紙に載っていました。アザメの瀬をきれいに整えて全国の見本になさった、あの島谷教授が世界遺産にとおっしゃっています。佐賀県の知事ならば、世界遺産になるように努力なさるのがお務めなんじゃないでしょうか。  そして、もう一つ長崎新幹線でおやっと思うことを知事はおっしゃいました。今まで武雄─諫早とおっしゃっていましたけれど、今度の議会で武雄─長崎間のルートとおっしゃいました。おやっと思いました。知事は武雄温泉─諫早間と、諫早から長崎、これを武雄─諫早が長崎新幹線の二千六百億円でしたね、そうすると、諫早から長崎をあわせて整備されようと考えておられるんですか。整備される区間と考えておられるんですか、佐賀の知事として。  また、長崎ルートはトンネル撤去を含めてフル規格仕様で整備と聞いていますけれど、レール幅は狭いほうの一メートル六センチ七ミリ、千六十七ミリですか、または広いほうの一メートル四十三センチ五ミリ、千四百三十五ミリですか、これを伺います。  もし知事がお心変わりなさって、長崎までと思っていらっしゃるなら、いつお心が変わられたのか伺います。  もう急ぎますので順番が狂うかもしれませんが、有明海について頑張ってきてください。月尾嘉男東大名誉教授は、この間テレビでエコシステムサービスとおっしゃいましたので、私はそれを調べました。これちょっと私も勉強しなきゃと思いましてですね。すごくすばらしいことだそうですので、このエコシステムサービスをどうぞ農林水産省におっしゃってくださいませ。  大体エコシステムサービスでは、有明海をよみがえらせたら、海面の百平方メートルで百万円の生産性が計算されるそうです。片や農地は、諫干の農地は百平方メートルで一万円だそうです。百倍の差です。有明海をよみがえらせてください。それが佐賀のためであり、長崎のためです。この低平地の水害は、私は千代田の者です。水害が出ない方策は松尾建設でんが岸本建設でん知っとんさっはずです。佐賀の建設会社ができますよと長崎に言うてきてください、長崎がし切んさらんとならば。ギロチンをあけて塩害も出ないという方法があるはずです。それに苦しんだ佐賀県ですから。  それから、城原川ダムです。また城原川に戻りますけれど、城原川ダムに上がってくださったことはわかりました。脊振に上ってくださってありがとうございました。これは、知事さんがお詰まりになったということを聞いております。流水ですか、貯水ですかと問われて、知事さんお答えに困んさったんじゃないですか、そう伝わってきておりますよ。  ですから、もう少し方法を考えてください。補償という方法もあるじゃありませんか、これだけ待たせたんですよ。そしたら、土地を手放さずに段々畑も残ります。段々畑はだれかがつくってくれます。そして、フードマイレージで有機の農業をだれかが借りてすればいいんですよ、そういうことも考えていただきとうございます。  時間がなくなりました。もうあと数分下さいませ。 29 ◎副議長(伊東猛彦君) 太田記代子君に申し上げます。質問時間が残り少なくなっておりますので、質問は簡潔に願います。 30 ◎太田記代子君(続)=済みません。  知事さんはあるところで、健康と福祉は少し泣いていただきますと、御講演でお話になったそうですが、どういう趣旨でそうおっしゃったのか、いつどこでおっしゃったのかお尋ねいたします。これでは困ります。 31 ◎古川知事 登壇=太田議員の再質問にお答えします。  ちょっと順不同になりますことをお許しいただきたいと思いますが、まず、健康と福祉には泣いていただきますという発言を私がしたということでございますが、私自身が意識をしてそういう発言をしたという記憶が私自身にはございません。  私は常々、自治体の仕事は何なのかというと、基本的には対人サービスであるところの福祉や健康、そういったものをやるというのが自治体の仕事だと。それをやっていくためには、ただお金がかかる。その財源を確保していくためには、やっぱり産業をきちんと振興して働く場をつくっていかないと、そのお金が得られないというふうなことでお話をさせていただいています。それを、何の前提もなしに健康と福祉は泣いていただきますという発言を私がしたとはちょっと思えないんですが、そこは私自身も思い出してみたいと思いますけれども、決してそのような気持ちではおりませんということをまず申し上げさせていただきます。(「新幹線やめればいいんですよ」と太田記代子君呼ぶ)(笑声)  それともう一つ、西九州ルートの区間について、私があるいは誤った発言をしているかもしれません。  今回の二千六百億円で行う事業費の区間は、武雄温泉から諫早まででございます。西九州ルート全体そのものとしては、それは確かに長崎までということもあり得るわけですけれども、その整備手法もまだはっきり決まっておりませんので、その意味では、武雄温泉─諫早と申し上げるべきたったと思いますが、ちょっと私が誤って発言しているかもしれません。それについては訂正をさせていただきたいというふうに思います。  それと、城原川についてでございますが、私の理解しておりますところ、その流域委員会での結論というのが二つあったと思っております。一つが、城原川は今のままだと危険で、何らかの形での治水対策が必要であると、まず一つはまとめられたと思います。それと、もう一つの部分が、治水対策としてダムは有効だというふうな報告がなされたというふうに理解をしております。(「無理してそうなさったんです」と太田記代子君呼ぶ)いや、そのダムが必要とまでは書いていなくて、ダムは有効だというふうに書いてあったと思っております。それを受けて、では、そのダム以外の治水対策ができないのかどうかということを考えようというふうに整理をしたと、ちょっと自分の中では考えているところでございます。(発言する者あり)──というところでございます。  いずれにしても、この城原川の治水対策については、私は実際にできる対策というものをやっぱりやらなくてはいけない。確かに議員御指摘のように、それは例えば、少々の洪水は我慢をしていただくという選択もないではないにせよ、それを今直ちにやっていくには余りにも制度が未成熟という部分があると思いますし、かつては確かに、成富兵庫茂安の時代には、そうやってわざわざ水を外に流して、それで地域全体で水を受けとめるという手法があったわけでございますけれども、今そこに人も住み、またハウスもいっぱいできている中では、そういった手法を急にとるということはなかなか難しいということがあろうかというふうに思っております。(「それを補償なさったらいいですよ。あの美しさを壊したら、子供の心は荒れますよ」と太田記代子君呼ぶ)  それと、有明海の再生については、これだけは議員からもしっかりと後押しをしていただいて大変うれしく思っているところでございます。
     今回のチャンスを逃さず、ぜひとも有明海の再生に向けて、そのいいはずみになっていくように、私はあしたしっかりと訴えてまいります。どうか議員の御支援もお願い申し上げます。  終わります。(「答弁漏れがあったやっか」と呼ぶ者あり)(発言する者あり) 32 ◎副議長(伊東猛彦君) 暫時休憩します。     午後三時四十八分 休憩 平成二十年七月七日(月) 午後四時十六分 開議  出席議員    三十九名     一番  向 門 慶 人     一五番  指 山 清 範     二九番  稲 富 康 平     二番  藤 崎 輝 樹     一七番  土 井 敏 行     三〇番  宮 崎 泰 茂     三番  徳 光 清 孝     一八番  桃 崎 峰 人     三一番  武 藤 明 美     四番  坂 口 祐 樹     一九番  石 倉 秀 郷     三二番  牛 嶋 博 明     五番  宮 原 真 一     二〇番  伊 藤   豊     三三番  石 井 秀 夫     六番  原 田 寿 雄     二一番  増 本   亨     三四番  留 守 茂 幸     七番  岡 口 重 文     二二番  楢 崎   近     三五番  篠 塚 周 城     九番  石 井 久 起     二三番  岩 田 和 親     三六番  原 口 義 己    一〇番  内 川 修 治     二四番  藤 木 卓一郎     三七番  吉 田 欣 也    一一番  末 安 善 徳     二五番  福 島 光 洋     三八番  堀 田 一 治    一二番  太 田 記代子     二六番  中 倉 政 義     三九番  石 丸   博    一三番  大 場 芳 博     二七番  竹 内 和 教     四〇番  木 原 奉 文    一四番  古 賀 善 行     二八番  稲 富 正 敏     四一番  伊 東 猛 彦  欠席議員    二名     八番  田 崎 信 幸    一六番  峰   達 郎 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   古  川     康          副   知   事    坂  井  浩  毅          統 括 本 部 長    吉  川  浩  民          くらし環境本部長     城  野  正  則          健康福祉本部長      佐  藤  敏  行          農林水産商工本部長    田  中  信  博          県土づくり本部長     牟  田     香          経営支援本部長      西  野  文  夫          生産振興部長       鵜  池  常  範          交通政策部長       中  村  健  一          会 計 管 理 者    田  中  利  高          公 安 委 員 長    薬師寺   宏  達          警 察 本 部 長    山  崎  篤  男          教 育 委 員 長    安  永     宏          教   育   長    川  崎  俊  広          人 事 委 員 長    馬  場  昌  平          人事委員会事務局長    木  村  徳  博 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       荒  木  義  信          同    副事務局長          議事調査課長事務取扱   梅  崎  高  一          総  務  課  長   西  村  忠  則          政務調査室長       瀬戸口   義  郎          総務課副課長       岩  瀬  茂  生          議事調査課副課長     多久島   和  隆          議事調査課議事担当係長  田  中  信  二          同    議事担当主査  石  井  健  一         ○ 開        議 33 ◎議長(石丸 博君) これより会議を開きます。  休憩前に引き続き一般質問を行います。  太田記代子君の質問に対する答弁から開始いたします。 34 ◎中村交通政策部長 登壇=九州新幹線に関します再質問にお答えいたします。  九州新幹線西九州ルートの武雄温泉─諫早間については、工事実施認可上では狭軌──狭い幅のほうでございますが、幅千六十七ミリで整備されることとなっております。  以上でございます。(「それは確かですね。未来永劫」と太田記代子君呼ぶ) 35 ◎岩田和親君(拍手)登壇=本日の四番バッターの岩田和親でございます。本日は大変強打者ぞろいでございまして、右のバッターも左のバッターもいたようでございますが、(笑声)その中からしますと、ちょっと私じゃ役不足かなというような気もしておりますけれども、私なりに一生懸命、真摯に佐賀県政の課題につきまして問いただしていきたいというように思います。簡潔なる御答弁をよろしくお願いいたします。  まず一つ目の項目、福岡都市圏対策についてでございます。  観光客の誘致に限らず、さまざまな面において九州一の活力を有する福岡都市圏への取り組みは、本県の活性化を図っていく上で極めて重要なことと考えています。福岡都市圏への取り組みについては、これまで福岡市天神地区にあった福岡情報センターを拠点として、観光誘致を中心に佐賀県の情報発信に取り組まれてきたわけでございますが、昨年度末にこの情報センターは廃止されました。  この福岡情報センターの廃止については、入居していた商業ビルの集客力の低下や情報収集、情報発信手段としてのインターネットの普及など、開設当時に比べて取り巻く環境も大きく変化しましたし、緊急プログラムを行っている県の厳しい財政状況等を考えると、廃止もやむを得なかったものと考えています。  しかし一方で、その後の福岡県への取り組みが見えにくくなったように私は感じております。ハード重視からソフト重視へと移行していくといえば、時代の流れにのっとったものと言えるでしょうが、情報センターという目に見えるハードがなくなり、マンパワーの活動というソフトによってその役割をカバーしていくとなると、どうしてもその取り組みが見えにくくならざるを得ません。むしろ、福岡情報センターがなくなってその取り組みが見えにくくなった分、より積極的な姿勢で臨むとともに、強くアピールしていかなければならないと思います。  福岡都市圏が佐賀県にとって重要な地域であることは何ら変わりありません。都市圏人口約二百三十六万人と、全国でも第四の人口集積地、経済の中心地、情報、文化の集積機能を持つ都市が近隣にあることのメリットを十分に認識し、佐賀発の情報を的確に発信して、佐賀県へ元気を呼び込まなければなりません。よって、福岡都市圏への取り組みについては、福岡情報センターの廃止を一つの契機として、福岡というものを再認識し、観光だけに限らず、県産品の売り込みや企業誘致など、さまざまな角度から戦略的に取り組んでいくことが必要ではないかと考えております。  そこで、次の点について伺います。  第一問として、福岡都市圏に対する基本的認識について質問いたします。  古川知事は就任以来、県政運営に市場、マーケットという経営的視点を重視され、それら市場に対していかに県の情報発信を行っていくかということを意識されていると受けとめております。そして、県産農産物の販売促進では、東京や海外においても、知事が先頭に立っている姿が目立ちます。  では、福岡都市圏への取り組みはどうでしょうか。福岡への観光地や県産ブランド品のPR、または在福岡の九州キー局等マスコミを活用した県政全般についての情報発信について、知事も直接もっと力を入れていいのではないかと思います。福岡都市圏への取り組みは、本県の活性化を図る上で極めて重要なことと考えますが、どのように認識しているのか、知事の所見をお聞きします。  第二問として、現在の取り組み状況について質問します。  福岡情報センター廃止後は、情報発信について佐賀を拠点としてマスコミ等への訪問活動を展開していくということでしたが、その取り組み状況はどうなっているのかお尋ねをいたします。  第三問として、今後の取り組みについて質問します。  福岡都市圏への情報発信やその活力を呼び込むということについては、観光だけではなく、県産品の売り込みや企業誘致など、県の足並みをそろえた組織的に戦略を持って取り組む必要があるというように思いますが、県の今後の取り組み方の方向性をお示しください。  次に二項目め、災害時要援護者対策について質問をいたします。  災害列島という言葉もあるように、私たちはいつ、どこで大きな災害があってもおかしくない国土に住んでおります。昨年も能登半島地震や新潟県中越沖地震が発生し、さらには先月十四日に発生した岩手・宮城内陸地震など、大地震や水害などの大規模な災害が全国各地で数多く発生をしております。  こういう災害があるたびに、それらのとうとい経験や教訓をもとに、より災害に強いまちづくりを行うための努力を積み重ねていかなければなりません。そこで、特にこれからの地域の防災を考える上で充実させていかなければならないのが、災害時要援護者への対応です。  災害時要援護者とは、自分の力だけでは避難が難しい、薬や医療装置がないと生活できない、情報を受けたり伝えたりすることが困難である、理解や判断ができなかったり、時間がかかるといった方々、すなわちひとり暮らしや寝たきりなどの高齢者、障害を持たれている方、難病を抱えている方、妊婦や乳幼児のいる家族などを指すわけですが、これまでの災害を見ても、多くの高齢者の方などが犠牲になっております。  こういった災害時要援護者の方々を安全かつ確実に避難させることや、こういう方々ができるだけ安心して避難生活を送るための配慮といったことが住民の避難対策における大きな課題となっているところです。  さて、ことし三月に難病支援のNPO法人等が主催して、佐賀市で災害時要援護者の避難訓練が行われ、私も参加しました。当日は難病患者の方やそれを支えるNPOの方、自治会や民生委員、老人クラブなどの地域の方、災害ボランティアの方、行政関係者など、さまざまな立場の方々が集まっての訓練でした。車いすの方や病気を抱えた方たちと一緒に、実際に避難所まで歩きながら、災害時に危険な場所はないか、避難経路は通行できるかなどの点検や確認を行いました。  私は、この避難訓練に参加して、初めて災害時にこうした要援護者を避難させるということがいかに大変であるかを認識しました。  第一に難病をお持ちの方が災害時にいかに大変かということを学びました。例えば、一糖尿病という生活習慣病としての糖尿病とは違って、自己免疫によって起こると言われている難病があります。この患者は一日数回のインスリン注射が必要ですが、その供給は製薬会社から薬局を通じていつでも入手できるという流通、また処方せんを病院からもらえるという医療など、社会の仕組みによって支えられています。  しかし、災害が起こってしまうと、まずこの仕組みは十分に機能せず、インスリンが入手できない危険性が高まります。一方、この患者は外見的に難病であることはわかりません。阪神大震災で被災された患者の体験では、病院では見てすぐわかる大けがなどの患者をどうしても優先されて、同じく命に危険があったとしても見た目でわからない一糖尿病患者は後回しにされてしまうということがあったそうです。  第二に、災害時要援護者の立場で見たときに、住みなれた地域がいかに災害に弱く危険であるかということが認識できました。古いブロック塀が地震で倒れた場合、または橋がずれて段差ができた場合、健常者は歩いて乗り越えることができるかもしれませんが、高齢者や車いすの方がそこを通って避難場所に行くことが困難になるということは、ふだんでは思いもよらないことでした。  また、避難場所である体育館に入って、高齢者の方から寒いという意見が多くあったそうです。避難訓練が開催された三月上旬でもそのような意見が出ていたのですから、阪神大震災のときの避難生活での寒さ、今も続いている岩手、宮城での暑さは、高齢者などの方々にとってはさらに相当厳しい環境だと思われます。  第三に、防災の基本は地域であると言いながらも、実際には地域と災害時要援護者との接点は少なく、相互の理解や協力はまだまだこれからだと実感いたしました。地域の立場から見れば、ひとり暮らしの高齢者などは民生委員を通じて一定程度把握しているのが現状ですが、例えば、どのような難病患者の方が地域に住んでおられるのかきちんと把握できていない場合が多いと思われます。  今回も具体的にどう対応していいのかわからないという率直な地域の意見も聞かれました。一方、災害時要援護者の立場からすれば、災害のない平常時に要援護者として手を挙げることは、特に難病患者などにとっては精神的な抵抗感があることが想像できます。  このように貴重な体験を通じて、今まで知らなかったこと、気づかなかったことを踏まえて、要援護者の避難支援を積極的に推進していく必要性を強く感じたところです。大規模の災害が発生した場合には、行政を初め社会を支えるさまざまな仕組みが機能しなくなる、同時に多くの災害が発生するなど、消防や警察などの公的機関による救助が十分対応できない可能性があることを阪神大震災の大きな教訓として学びました。  このため、地域のコミュニティーによる共助が住民の避難などの災害対策に重要な役割を果たすことが期待されています。そのためには、地域住民と要援護者等が日ごろから積極的にコミュニケーションを取り合い、実効性のある要援護者の避難支援計画を作成する必要があると考えます。  そこで、地域と連携した災害時要援護者の避難支援対策の取り組みについてお伺いします。  まず第一問として、県内自治体の取り組み状況について質問します。  災害時要援護者の避難支援について、県内の市町の取り組み状況はどうなっているのかお示しください。  第二問として、市町が災害時要援護者の避難支援に取り組むに当たっての課題とその対策について、どのようにとらえているのか伺います。  第三問として、今後の取り組みについて質問します。  災害時要援護者対策の取り組みを進めるためには、地域での共助が重要になります。そこで、要援護者との避難支援計画は形だけではなく、実効性のあるものをつくり、またきちんと機能する体制を構築していかなければならないと考えます。そのためには、行政が枠組みをつくりつつ、地域と要援護者、NPO団体等が主体となって計画の中身を充実させていく、相互理解と連携を深めていくための努力を地道に積み重ねていくことが第一歩だと思います。今後、県では市町の取り組みを支援するため、どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。  次に第三の項目、呉服町名店街協同組合に対する県の対応について質問いたします。  佐賀市の中心商店街の呉服町名店街協同組合では、五月三十日に開かれた通常総会において、自己破産の申し立てを行うことを正式に決定されました。改めて申し上げると、このような事態を招いた主な要因は、高度化資金による事業が予想どおりにいかなかったためとなっています。
     この商店街は、駐車場対策による活性化を目的として、立体駐車場、コミュニティー会館の建設のために、平成七年に県から四億七十八万円の貸し付けを受けました。しかし、近郊への大型店出店による大きな経済環境の変化を背景に、中心街から急速ににぎわいがなくなるなどにより、計画どおりの運営が早期より達成できなかったと聞いています。  よって、高度化資金の返済が滞った結果が今回の自己破産へとつながっており、現在の残債は三億八千八百五十八万円あります。そして、その担保として立体駐車場、コミュニティー会館、コミュニティー広場プラザ656に抵当権を設定されているとのことです。  また、この高度化資金の連帯保証人は、当時の組合理事であった十九名で、このうち少数になっていますが、現在もこの呉服町名店街で商売を継続なされている方もいると聞いております。  言うまでもなく、これからの少子・高齢化時代を踏まえて、都市機能をコンパクトにまとめたまちづくりが求められており、その視点から商店街を含む中心市街地の活性化が重要な課題となっております。そして、佐賀市内の商店街の中でも、この組合のある呉服町名店街が最も人手の減少が著しいとも言われております。今回の組合の自己破産により、これら連帯保証人の方々を含め、このようにただでさえ厳しい状況になっている商店街に対し、さらに大きな悪い影響があるものと大変懸念しているところであります。  そこで、次の点について伺います。  第一問として、債権者への対応について質問します。  組合の破産という事態を受けて、県は高度化資金を貸し付けている債権者として、今後どのような対応を考えているのかお尋ねします。  第二問として、商店街振興やまちづくりへの対応について質問します。  県は高度化資金の債権者であるとともに、商店街振興やまちづくりの役割も担っております。今回の場合、この二つの立場は二律背反的な部分があります。つまり、債権者として債権回収を厳格に行えば、一方で商店街を振興すべき立場である県が疲弊している商店街をさらに厳しい状況に追い込むということになる可能性があります。もちろん、佐賀市も組合の所有となっている不動産や施設への対応を含め、具体的な対策を考えていると存じますが、県として商店街振興やまちづくりの立場から、今後どのような対応をしていこうと考えているのか示してください。  次に四つ目の項目、諸富家具産地の再生について質問します。  諸富家具は、水上交通の要衝、木材の集散地という地の利もあり、全国有数の産地である大川家具とともに栄えてきました。昭和三十年の諸富橋、大川橋の開通を契機として、大川市からの企業進出がふえたことにより、佐賀県を代表する主要産業にまで成長してきました。  しかし、近年、諸富家具の出荷額は、平成五年をピークに減少を続けており、地域の経済情勢は極めて厳しい状況にあります。その要因としては、長引く消費の低迷、消費者のライフスタイルやニーズの多様化など、諸富家具を取り巻く環境の変化によるところが大きいと言われております。  改めて統計を調べてみますと、出荷額ピークの平成五年で二百七十三億一千五百万円だったのが、平成十七年に八十四億五千八百万円にまで減少、最盛期の約三〇%という状況です。さらに内訳を見てみますと、たんすが平成五年から平成十七年の間に約二五%になり、木製棚や戸棚が同期間に約四〇%になっています。  この統計や分析の結果は、私自身の感覚からしてもうなずけるものがあります。二十年ほど前は結婚するに当たって、たんすを買おうという感覚が多くの人の頭の中にあり、佐賀市内の人が家具を買うのは諸富方面という考えが定着していたように思います。私も子供のころに家族に連れられて家具を買いに行った記憶があります。  しかし、時代は変わり、いわゆる消費者のライフスタイルやニーズの多様化ということで、新居にわざわざ家具を買う必要がないという人もふえ、佐賀市内の人でも家具を買うのは大型ホームセンターやショッピングモールというように変化してきたと感じております。こうした状況を踏まえ、産地再生のための対策を早急に講じる必要があると考えます。  そこで、次の点について伺います。  第一問として、現状認識を質問いたします。  諸富家具産地の現状についてどのように認識しているのか、県の所見をお聞かせください。  第二問として、諸富家具産地再生の取り組みについて質問をいたします。  今、産地の自主的な取り組みは、若手を中心に一歩、二歩と着実に進んでいると私は評価をしております。現在の市場ニーズの研究やその結果を分析しての商品開発への取り組みは、産地再生の正しい方向に向かっていると思います。  しかし、一方で、そうした取り組みが十分に消費者に伝わり、実際に購入につながるには、さらなる取り組みが必要だとも感じます。例えて言えば、環境ホルモン等に配慮した子供に優しい学習机などは新商品も開発されており、佐賀の方にもそういう家具が欲しいという地は必ずあると思います。しかし、残念ながら、そういった家具を買い求める場合には、ショッピングモール等の量販店で購入される場合が多く、諸富家具の購入にはつながっていないと思っております。  このように諸富家具産地の再生を考える上では、商品開発に加えて、産地業者単体では取り組むことがなかなか難しい販売や流通面での強化が急務です。消費者に向けた情報発信や地産地消的な発想を取り入れて、佐賀の人に家具産地諸富を再認識してもらい、地元の消費者に購入してもらえるような仕掛けなど、行政がてこ入れすることが必要ではないかとも考えております。  県においては、このほど産地再生に向けた新たな取り組みに着手されたところですが、こうした販売や流通面での課題対応を含め、今後、諸富家具産地をどのように再生していこうと考えているのかお伺いします。  最後、五項目め、学校における情報教育について質問いたします。  社会の情報化が進む今日、私たちにとってインターネットを活用するパソコン、携帯電話などの情報通信機器は、仕事や生活に広く浸透しつつあり、多くの人にとって必要かつ身近なものとなっております。このような背景の中、情報化社会に対して子供たちがどのように接することが適当かという議論が重要度を増しております。  特に、最近では情報化社会が子供に与える悪影響の面がクローズアップされているように感じます。確かに精神的に未熟で社会性も十分に熟成されていない児童生徒が、こういった情報通信機器に潜む危険性を十分に理解できないまま、洪水のような膨大な情報の中に入っていくことは十分に注意する必要があると考えます。  最近起こっている悲惨な事件の背景に、インターネットの影響があると指摘する報道もありますし、いわゆる学校裏サイトの存在やいじめにメールが使われているという話を聞けば、不安ばかりが募ります。こういったことを踏まえ、国の教育再生懇談会議では、情報通信機器の一つである携帯電話の使用について規制をかけなければならないという声も上がっているところです。  このように情報通信機器の発達がもたらす功罪については、社会的にさまざまな議論が交わされていることは承知しておりますが、これからの現代社会において、児童生徒が将来よりよく生きるためにも、情報通信機器の有効な活用は必要不可欠なことであると私は考えます。  よって、学校においても情報通信に関する知識や技能の習得を時代に対応して行うとともに、はんらんする情報からいかに有害な情報を避けて有益な情報を取得するのかという点や、情報通信機器の向こう側に人間がいることを認識して、社会性や思いやりを持って相手と意思疎通を図るという点を重視した利用に当たっての基本的なモラル教育を充実させていくことが肝要です。  また、最近、日本の国際競争力が少しずつ低下しているという議論がなされています。韓国と比較して、情報化社会の進展、それに対応する情報教育は十年おくれているという指摘もなされています。こういう点を踏まえても、情報通信機器の活用能力を高め、国際競争力を高めていかなければいけないとも考えます。  以上のような観点から、情報化社会の進展による問題点をきちんと踏まえつつ、児童生徒の将来を見据えて、情報教育を学校でさらに充実させる必要があると思います。  そこで、次の点について伺います。  第一問として、学校における情報教育について質問します。  現在、学校において情報通信機器を活用した教育は、日常授業で取り入れられていますが、児童生徒の情報活用能力を高めるためにどのような教育がなされているのかお聞かせください。  第二問として、今後の情報教育のあり方について質問します。  現代は情報化が進展し、私たちにとって携帯電話などの情報通信機器は身近で必要なものとなり、その活用を含めて児童生徒に対する情報教育のさらなる充実が求められていると言えます。今後は情報化のもたらすプラス面、マイナス面も含めて、児童生徒にどのように指導をしていくのか、その考えを伺います。  以上、五点質問とさせていただきます。(拍手)         ○ 時  間  延  長 36 ◎議長(石丸 博君) 時間を延長します。 37 ◎古川知事 登壇=岩田和親議員の御質問にお答えします。  福岡都市圏に対する基本的認識についてというお尋ねでございます。  言うまでもなく、福岡都市圏は、人口約二百四十万人を擁する九州で最も活力のある元気なまちである、都市圏であると認識をしております。また、全国や九州に向けての情報発信、アジアへのゲートウエーとしての役割も果たしているという認識をしております。  こうした福岡都市圏に我が佐賀県は非常に近く接している、近接しているという地の利がございます。私はこの福岡都市圏を大きく三つの位置づけとして使っていくことが必要ではないかと考えております。  一つが、まず市場、マーケットということでございます。佐賀県にとって身近な大きな市場であります。二つ目が、佐賀県を訪れていただく最大のお客様であるという点でございます。そしてまた三つ目が、全国や九州に向けての情報発信地であるという点でございます。  この市場、お客様、情報発信地、この三つを福岡都市圏と佐賀県とのキーワードとして取り組みを進めていくことが重要だと考えています。  議員御指摘のように、昨年度末をもって福岡情報センターは廃止をいたしました。このことは決して福岡都市圏に対する取り組みを後退させるというものではなく、むしろ議員からも御指摘がありましたように、このハードがなくなった分だけ、これまで以上にソフトの分を充実させていかなくてはいけない、こう考えます。  佐賀県として、この福岡というものに対してどのように向き合っていくのか、この対策を検討するよう既に庁内の関係部局に指示をしておりまして、現在、その素案がまとまりつつあるところでございます。  首都圏には首都圏の、関西圏には関西圏の取り組みの仕方があるように、隣の県で佐賀県のことをよく御存じの方も多い福岡都市圏の方々に、福岡ならではの取り組みというものを打ち出したいと考えておりますし、議員から御指摘もありましたような在福のテレビや報道各局社、こうしたものをどう活用していくのか、そうしたことに対する存在感、いわばプレゼンスといったものをもっと上げていくということも、これから力を入れていかなければならないと考えております。  こうしたことを踏まえて、今後とも、福岡都市圏の対策にこれまで以上に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 38 ◎吉川統括本部長 登壇=災害時要援護者対策につきまして、三点お答えいたします。  まず、県内市町の取り組み状況についてでございます。  災害時要援護者の避難支援の取り組みにつきましては、まず、市や町において行政や自治会、民生委員、消防団、地域の福祉関係者などで構成する連絡会議を設置すること。次に、支援対象者の範囲や避難支援のための全体計画を策定し、その上で要援護者一人一人の避難支援プランを策定するという大きく三つの段階の取り組みをお示ししているところでございます。  この三つの段階に照らして、県内市町の取り組み状況を見ますと、唐津市が昨年八月に個人ごとの避難支援プランまで作成をされております。また、佐賀市など九つの市町において連絡会議が設置され、要援護者情報の収集、名簿の作成などの取り組みが進められております。しかしながら、残りの十の市町におきましては連絡会議の設置に至っておらず、取り組みがおくれている状況にあると認識をしております。  次に、課題と対策についてでございますが、これまで県内市町からお聞きしたところでは、市や町ごとの防災意識の、いわば温度差と言うべきものがあると感じております。そのほか、市や町における防災部局と福祉部局等の連携が不十分であること。また、個人情報保護への意識の高まりに伴う地域における要援護者情報の取り扱いなどの課題があると考えております。  このうち、市町の防災意識の向上対策といたしましては、今年度、市長、町長を対象とするトップセミナーの開催を計画しておりまして、取り組みの必要性についてさらに理解を深めていただきたいと考えております。  次に、市町の防災部局と福祉部局などの連携不足対策につきましては、県の防災部局と福祉部局が合同で市町を訪問し、防災担当と福祉担当の同席のもとで、取り組みの要請や必要性の説明を行うなど、県の防災部局と福祉部局が連携した市町への支援を行っております。  また、個人情報の取り扱いについてでございますが、国のガイドラインにおきまして、災害時要援護者情報の収集、共有方式として、市町の個人情報保護条例の規定に基づいて関係機関の間で情報を共有する関係機関共有方式、また、関係者が要援護者本人に直接働きかけを行い、必要な情報を収集する同意方式などの方式が示されておりまして、県としても、こうした方式を踏まえながら、市町の状況に応じて対応するよう要請をしております。  最後に、今後の取り組みについてでございますが、災害時要援護者避難支援計画の実効性を確保するためには、まず、その内容が個々の要援護者の身体の状況、居住地域の災害特性等を的確に反映したものとなっている必要がございます。このため、こうした観点を県の「災害時要援護者支援マニュアル策定指針」に盛り込み、きめ細かい避難支援プランを策定するよう市町にお示しをしております。  その上で、災害時要援護者の避難支援に当たりましては、地域コミュニティーによる防災力が重要でありますことから、県といたしましては、要援護者避難の支援者として期待されております自主防災組織の組織化を強力に推進しているところでございます。  さらに、避難支援計画を円滑に実施するためには、議員御指摘のとおり、平常時からの要援護者と支援者とのコミュニケーションの確保が重要であります。また、要援護者と支援者がともに参加する避難訓練の実施といったことも重要であると考えておりまして、こうした点について、地域に出向いての出前講座の場を利用して、地域住民の方々の理解を得るべく説明をさせていただいているところでございます。  多くの市町において、これから災害時要援護者避難支援計画を策定することとなるわけですが、県としては、以上のような考え方に基づき、すべての市町の計画が実効性の高いものとなるよう、市町を支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 39 ◎田中農林水産商工本部長 登壇=私のほうから三項目についてお答えいたします。  一項目めといたしまして、福岡都市圏対策についてのうち、現在の取り組み状況についてお答えいたします。  福岡情報センター廃止後の福岡都市圏への取り組みにつきましては、観光課内に福岡担当の専任職員を配置いたしまして、観光連盟や市町とも連携を図りながら、福岡地区のマスコミや旅行会社等に出向きながら直接的な働きかけを行い、テレビ、雑誌等で佐賀県の情報発信や観光客の誘致拡大に取り組んでいるところでございます。  マスコミ各社への情報提供につきましては、観光情報を初め、幅広く佐賀県のしゅんの情報を提供するようにしております。関係課で組織する「福岡情報発信調整会議」を定期的に開催しまして、県内の情報を収集し、その整理をした上で福岡のマスコミへの情報提供等を行っているところでございます。  最近では、八月十二日に供用開始される三瀬トンネル有料道路のループ橋の情報発信に取り組んでおりまして、これまでに福岡のテレビ局二社の取材が入り、上空からの撮影や実際に車を走らせてのリポートとあわせ、本県の観光地等の取材が行われたところでもございます。  また、マスコミを直接訪問しての情報提供以外にも、ファクスやメール等を活用して、各地のイベント情報などきめ細やかな情報提供を行い、新聞や旅行雑誌などで広く紹介をしていただいております。  特に、こういった情報発信は、知事を初め、市町の首長などから直接PRすることが非常に効果的でございます。今後、報道機関への訪問活動やイベント会場でのPRなど、こういったものについて、トップセールスを積極的に企画実施してまいりたいと考えております。  なお、旅行会社に対しましても、旅行商品造成のセールスや各支店、営業所への販売奨励活動等を行っておりまして、観光客の誘致拡大に取り組んでいくこととしております。  次に、今後の取り組みの方向性についてでございますが、先ほど議員御指摘のように、福岡都市圏は人口二百四十万人を数え、観光面では県内宿泊客の約三〇%を占めております。企業誘致においても、過去三年間で県内に進出した五十八件中十件が福岡に本社を置く企業であるなど、福岡都市圏はまさに本県にとって身近な大市場でございます。最大のお客様というふうに考えております。  また、福岡にございますテレビ局の放送が県内のかなりの地区で視聴可能でありますので、佐賀県民への情報発信や全国、九州への情報発信につなげる観点からも、重要な情報発信地であると考えております。  このため、今後の福岡都市圏対策としましては、福岡に所在する報道機関との関係強化や人的ネットワークづくりに取り組むとともに、近いという地の利を生かし、例えば、観光では、気軽に訪れ旅行を楽しむことができる仕掛けづくりとか、県産品では、農水産物の鮮度を意識した取り組みを、また、福岡のスーパーなどでの佐賀の道の駅フェアといったものの開催を検討してまいりたいと考えております。  また、その取り組みに当たりましては、業務の中で得られました情報や人的ネットワークの共有を図るため、福岡情報発信連絡会議といったものを組織して、関係部局が有機的に連携し、効果的な事業の推進を図ってまいりたいと思っております。  いずれにいたしましても、今後とも、市町、関係団体などと連携し、創意工夫しながら、議員御指摘のとおり、戦略性を持った福岡都市圏対策に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  二項目めといたしまして、呉服町名店街協同組合に対する県の対応についてでございます。  まず、債権者としての対応ということでございますが、呉服町名店街協同組合では、議員御指摘のとおり、県からの高度化資金の貸し付けを受けて建設した立体駐車場が事業不振に陥りまして、三億八千八百五十八万円の債務残高について償還の見込みが立たない状況となっているところでございまして、最終的には当組合の通常総会において、自己破産の申し立てを行うことが決定されたところでございます。  なお、近日中に申し立ての手続がなされるといった状況にございます。  今後、破産手続が開始されれば、県は高度化資金の債権者として、破産手続の中で行われます組合財産の処分による配当からの債権回収に向けて債権届け出を行うなど、必要な手続を進めていくことになります。  組合の主な財産としては、立体駐車場、コミュニティー会館及び通称むつごろう広場と言っておりますそこの土地及び建物がございます。県はこれらの不動産に抵当権を設定しておりますが、これら不動産の処分には時間を要し、また、配当を受けてもなお相当な残債が見込まれることから、破産手続と並行しまして、連帯保証人に対しても償還を求める手続等を進めていくこととしております。  次に、商店街振興やまちづくりへの対応についてお答えいたします。  破産手続が開始されようとしております呉服町名店街の問題は、商店街としての存続やまちづくりにも大きな影響を及ぼすおそれがありますので、県では、以前から佐賀市との間で老朽化したアーケードの取り扱いなどについて協議を行ってきたものでございます。  佐賀市では、このほどまちづくりの諸課題への対応を強化するため、庁内に部局横断的なプロジェクトチームが設置されております。今回の呉服町名店街についても、アーケードの問題やプラザ656(むつごろう広場)の活用など、組合が自己破産した後のまちづくりに関して具体的な検討がなされているところであります。  県といたしましては、こうした佐賀市の取り組みを踏まえ、商店街振興やまちづくりの観点から、佐賀市と協議しながら今後の対応を検討してまいりたいと思っております。  三項目めでございますが、諸富家具産地の再生についてお答えいたします。  一点目は、諸富家具産地の現状認識についてでございます。  諸富家具は、昭和三十年代以降、福岡県の大川家具とともに栄え、平成五年には出荷額が約二百五十億円にも達し、伊万里・有田焼と並んで本県を代表する地場産業として発展してきたところでございます。  しかしながら、長引く消費の低迷を初め、海外からの低価格製品の流入、住宅の洋風化に伴う備えつけ家具の増加などの影響を受け、平成十七年には約六十二億円と、ピーク時の四分の一にまで落ち込むなど、大変厳しい状況にあると認識しております。  このままの状態が続きますれば、地域経済への影響に加え、長年にわたり築き上げられてきたすぐれた技術や人材など、本県にとって貴重な地域資源を失い、ひいては産地として成り立たなくなるという強い危機感を抱いているところでございます。  諸富家具産地再生の取り組みについてお答えいたします。  諸富家具産地は、このように極めて厳しい状況にあることから、家具産地としての立て直しを図り、将来にわたり存続し発展していけるよう、今年度から産地再生支援事業を実施することといたしました。六月二十六日には、学識経験者や産地の関係者が一体となって産地再生を目指す推進母体として、「産地再生戦略会議」を設立すると同時に、新商品の開発や販路開拓に意欲的に取り組む事業者グループに対する総合的な支援事業に取り組むこととしたところでございます。  議員御指摘の販売や流通面に関しては、第一回目の「産地再生戦略会議」の中でも、専門家の委員の中から、大川家具との関係を今後どうするかといった問題提起に加え、諸富にしかできない家具づくり、地元で諸富家具を使ってもらうための工夫など、産地再生に向けての課題について、貴重な御意見を数多くいただいたところでございます。  諸富家具振興協同組合の青年部では、諸富家具のブランド化について、その重要性を認識され、森林組合との連携による県産材を活用した学童用学習机、いすの開発、高度な木材加工技術を活用した木製玩具や小物の製作など、既に新たな動きも出始めております。  今回の産地再生支援事業では、こういった意欲的な取り組みを総合的に支援することによりまして、いわば成功事例と言えるものを一つでも多く生み出し、こういった動きを産地全体に広げながら産地の活性化につなげていきたいと考えております。  以上でございます。 40 ◎川崎教育長 登壇=学校におけます情報教育についてお答えいたします。  まず、学校におけます情報教育の現状についてでございます。  御指摘のとおり、今日の急速な情報化に伴いまして、児童生徒の情報活用能力を高めるための情報教育を推進することは大変重要なことだし、必要なことだと認識をいたしております。  学習指導要領では、児童生徒がコンピューターや情報通信ネットワークなどの情報手段になれ親しみ、また、積極的に活用できるようにするための学習活動の充実に努めることと記されておるところでございます。
     そこでまず、小学校でございますが、コンピューターになれ親しむことをねらいといたしまして、体験することに重点を置いた学習を行っております。低学年では、マウスの操作やソフトを用いて絵を描くなど、高学年では、キーボードによります文字の入力やインターネットの閲覧による情報の収集などを行っております。  また中学校段階では、主に技術・家庭科においてその学習をしているわけでございますけれども、情報とコンピューターが必修となっており、機器の仕組みやソフトの活用、ネットワークなど情報に関する基礎的な内容の学習を行い、そうした体験を知識のレベルに高めていく学習を行っているところでございます。  さらに高校では、「情報」という教科が必修科目となっております。情報活用の実践力や科学的な理解、情報社会に参画する態度を学習することとされておりまして、社会の中で情報や情報技術が果たしている役割や影響を理解させ、情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てることに主眼を置いた教育を行っているところでございます。  このように、学校では、児童生徒の発達段階に応じて情報活用能力を身につけさせますとともに、あわせて情報モラルなどについての指導の充実を図っているところでございます。  今後の情報教育のあり方についてでございますが、急速に進展する社会の情報化によりまして、だれでもコンピューターや携帯電話を利用して、時や場所を選ばず手軽に情報を収集、発信することができるようになってまいりました。  しかし、このように便利になった反面、一方的な情報発信で、インターネットの掲示板などで他人の誹謗中傷、いじめなどが起こっております。また、インターネットに絡む犯罪や有害情報によりまして児童生徒までが被害を受けたりもいたしているなど、情報化社会のもたらす影の部分も指摘されているところでございます。  そこで、今後の情報教育のさらなる充実を進めていくに当たりましては、このような情報化社会のもたらす光の部分とあわせて影の部分を児童生徒に認識させ、しっかりした判断力を身につけさせた上で、ますます発展していく情報化社会に積極的、主体的にかかわっていく情報化社会の中での生きる力を養うことが重要であろうと考えております。  また、それに伴いまして、情報通信機器を適切に利用するための資質やモラルをはぐくみ、情報化社会の中での新たな規範をどう教えるかなどについて主眼を置いた教育を行っていくことが求められていると考えております。 41 ◎岩田和親君 登壇=若干の再質問をさせていただきます。  災害時要援護者対策について知事に伺いたいと思いますが、知事が県政運営の基本に置かれているテーマが幾つかありますけれども、その中で、ノーマライゼーションと県民協働というキーワードが具体的にあらわれてくる施策だろうと私は思っております。  本当に災害に強い地域をつくるためには、紙の上の計画だけでは実効性が低いことは十分おわかりだと思います。やはり県民協働によって地域と要援護者、NPO等の団体が意見交換をして相互理解を深めていく中から計画と体制の充実を図っていくことが基礎中の基礎であると私は思っておりますが、こういった点を踏まえて、防災体制の構築、特に要援護者対策についての知事の所見を伺いたいと思います。  もう一点、ちょっとこれは要望にとどめておきたいと思いますが、呉服町名店街協同組合の自己破産についてであります。  ちょうど現在進行中ということで、いろいろと事情もあるわけでしょうから、私もその状況の変化を注意して見ていきたいというふうに考えているわけですけれども、しかし、そういう状況を十分に認識しながらも、この件の方向性についてあえて要望として申し上げておきたいことがございます。  高度化資金の債権者である県としての対応については、ただいま御答弁ございました。やむを得ないといいますか、そのとおりだろうというふうに思います。組合や連帯保証人から償還を求めて債権回収に最大の努力を図っていくということは、この債権管理を行う県の立場からは十分に理解できるところであります。しかし、一方で、事業をされている連帯保証人の方々にとっては、県からの償還請求が重荷となって事業の継続は困難になる、これは金銭的にも精神的にも重荷であるということがあると思います。あるいは、事業の承継の際に相続等の問題が出てきて、その結果、廃業に至るということも想定されると思います。このように、商店街や地域経済に対して大きなマイナスの影響を及ぼすことを私は心配をしているわけであります。  ここで考えますのは、国の政策として行った不良債権処理というのがございます。バブル経済の破綻以降、金融機関は莫大な不良債権を抱えて日本経済再生の大きな足かせとなっていたわけですが、国の金融再生の方針のもと、債権者と債務者、両方の厳しい努力を経て不良債権処理がなされました。もちろん、これはすべての関係者にとって満足のいく形ではなかったかもしれませんけれども、破綻してもおかしくなかった事業が再生を果たして経済の活性化や雇用の確保において成果があったということは事実であります。  高度化資金の本来の目的が中小企業者への支援や地域商工業の振興であるということを考えてみても、地域経済に与える影響が大きい場合に、この中小企業者を債権回収によって廃業に追い込むことがないように、中小企業者が再生できるような方針が必要ではないかと私は考えております。これは言い方を変えたら、再チャレンジができるための方向性と言えます。債務者にはもちろんできる限りの責任を果たしてもらう必要がありますが、自己破産等までいかずに、新たなスタートを切って事業に頑張ってもらうというような一定のルールづくりを行うことも必要ではないかと思っております。これは答弁を求めませんけれども、あえて強く要望をさせていただきたいと思います。  以上です。(「新幹線通すと博多に吸い取られて中心商店街はますますだめになりますよ、知事。やめてください、慎重に」と呼ぶ者あり) 42 ◎古川知事 登壇=岩田議員の再質問にお答えをします。  災害時要援護者対策に関して、私はどういう姿勢で取り組んでいくのかというお尋ねでございます。  この要援護者対策については、まだこの言葉がなかなかなじみがないときから私自身は非常に意識を持って県政として取り組んでまいりました。最初に県の地域防災計画に書き込むことにした上で、国に対してもこうしたことを入れ込むべきだというふうな提案もさせていただきました。  確かに議員御指摘のように、こうした災害時の要援護者対策に取り組み始めると気づくことはたくさんございます。そのときに気づくのは、まさにノーマライゼーション、県民協働でありまして、実は佐賀県は非常に地域の活力がある県でございます。  先般、福岡県西方沖地震がありましたときにも、個人的なことで恐縮でございますが、私が住んでおります地域においても、佐賀市は震度四ではございましたけども、やはりその住民の方々が、例えば消防は消防の方、民生委員は民生委員の方が、自分のしなくてはいけないことをそれぞれ取り組まれておりました。こうしたものを持っている地域は、私は全国的に見ても非常に珍しいと思っております。これはまさに佐賀県の財産であろうと思っております。この佐賀県の持っている地域的な財産を、ぜひ災害時の要援護者対策に活用していきたいというのが私の思いでございます。  こうしたことは、災害時に急に思いついてできることではございません。自治会、福祉関係者、また難病の関係であれば支援センターを運営していらっしゃるNPO法人、こうした方々と日ごろから協働してコミュニケーションを確保しておくこと、地域での避難訓練を実施していくこと、こうしたことが重要であると考えております。  県としても、今の「佐賀県総合計画二〇〇七」の”充”点項目にこのことを掲げております。そして、既に県では、議員も御参加いただきましたが、総合防災訓練において高齢者や障害者、難病患者の方々、こうした方々に避難訓練に参加をしていただいております。  例えば透析の器具が必要、そうした方々にとってみると、電気が通じるか通じないかというのは大変なことでございます。停電がしばらく続くと、それによって自分の命が守れなくなるかもしれない、そうしたお話なんかも伺いました。とすれば、例えば、この避難所に必要なのはどんなことがあっても必ず電気が通るということではないのか、そうした私どもなりの気づきで新しく佐賀県としてモデル的な避難所というものをつくってみたらどうだろうか、そんな提案もさせていただいているところでございまして、やはり実際に要援護者と一緒に避難訓練をすることによって初めて気づくことがあると私自身、痛切に感じております。  今後とも、行政だけではなくて家庭や地域の力、こうしたものとあわせて、地域の住民がともに助け合う共助社会を進展させていくことで、県政が目指しております「くらしの豊かさを実感できる佐賀県」の実現を目指してまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。(「プルサーマルを入れんさっぎ、重大な事故で何日でん停電すっですよ、やめてください」と呼ぶ者あり) 43 ◎稲富正敏君(拍手)登壇=議長より登壇の許可をいただきましたので、私の今まで県執行部が行われてきました県政に対する一般質問をさせていただきます。  本議会におきまして、三人の方々より話題になりました武雄市民病院、医療審議会から始めさせていただきます。  医師会、医療従事者の意見を取り入れたのに、あるいは取り入れ過ぎたのに、設立当初より片肺飛行の武雄市民病院の民間移譲の話は、きのう、きょうふってわいたことではありません。市町村の財政状況の悪化に伴いまして、合併協議が進み、平成十八年三月一日、武雄、山内、北方は合併し、これは国の行革の流れであり、交付税削減、補助金カットが進み、県においても一次、二次の緊プロを受けて、県下の地方公共団体は人件費、物件費、公共事業等々何から何までカットされ、これらを受けて武雄市においても、平成十八年、行革プランが作成されました。何もしなかったら三年後倒産と市民に示されたところであります。その中に公営事業の健全化もうたわれ、市民病院の改革は民間的経営手法の導入との答申がされたのは、平成十八年の末であります。ですから、何も今急に始まったものではありません。武雄市にとりましては、やむにやまれずの措置であります。  以上のような状況の中、開設以来の赤字経営、医師不足等々で揺れ動いているところの市民病院の民間移譲の手続が進められております。  このような状況の中、昨年末には総務省が経営形態の見直しや、再編・ネットワーク化などを盛り込んだ改革ガイドラインを公表いたしました。これを受けて県では、六月十七日、医療審議会が開催されたと報道がありました。その内容は、会長みずからが「武雄市民病院の民間移譲については、市民や医療従事者の意見を十分聞かず、不明朗な決定がなされようとしていることを遺憾に思う」とありました。この発言は、市執行部、武雄市議会をも軽視した発言で容認できません。  そもそも、医療審議会の存在目的とは一体何でありましょうか、執行部にお尋ねいたします。  多分恐らく、県民の医療福祉維持向上のために設置してあるものと推察するところでありますが、本当にそうでありましょうか。そしたら、なぜ構成メンバーの地域部会に十六人中、医者以外は三人しか存在しないのでありましょうか。この構成では、審議会の結果は、火を見るよりも明らかで、我田引水審議会とやゆされてもいたし方ありません。  医療費の一部を負担する側を五〇%ぐらいメンバーに入れてもいいのではないでしょうか。執行部にお尋ねいたします。  県は、このような構成メンバーで総務省のガイドラインの目的、内容を具体化、具現化できるのかお尋ねをいたします。  私は、総務省の改革ガイドラインそのものに疑を抱いております。何を今さらと言いたいのです。一ベッド五万円の交付税参入ぐらいでお茶を濁しておいて、と訴えたいのであります。そんなに保持させたいのなら、赤字の全部を補てんせよと言いたいのです。ガイドラインの前にすべきことはあったはずであります。民間移譲と表明する以前より医者は減り始め、今月からはたった五名の医者しかおりません。ガイドラインに示してあるとおり、統廃合が進めば、県内の他の公立病院も同様な苦しみ、悲哀を味わうのではないでしょうか。  総務省も国の機関、佐賀大学医学部も国の機関、国の機関同士、何か知恵とか協議はできなかったのでしょうか。こういうことを審議会に付議する、上程することもしてよかったのではないでしょうか。そうすることこそが、県民の医療福祉向上策にもつながっていくのではないでしょうか。執行部の反論をお伺いいたします。  本来すべき議論は棚に上げて、会議の報告の中に、市民や医療従事者の声も十分聞かず、不明朗な決定がなされようとしていることを遺憾に思うとの声があったことを入れるようなことが話題になったと聞き及んでおりますが、医療審議会は個別の医療機関に対して、どこまで言及できるのかお尋ねをいたします。  去る七月二日夕刻、武雄市民病院の公募に手を挙げた、とある法人の理事長、病院長、事務局関係者を県医師会に呼びつけ、なぜ手を挙げたのか、武雄市長より、ダミーでもよかけん出てくいろて頼まれたとじゃなかか。当て馬で立候補してくれと言われたのではないか。あるいは、あんたらの法人のバックには、徳州会が後押ししているのではないかと強く糾弾されたようであります。  このような行動をしていいと、医師法のどこに書いてあるのか。彼らがした行動が依拠している法的根拠はどこにあるのかお尋ねいたします。  表では、新聞記事になるような公開質問をし、裏ではこういうことをして整合性はありません。なぜこのような行動、発言をなされたのか、理解しがたいのであります。多分恐らく、医師会側の本音は、本心は、市民病院の廃院ではないでしょうか。市民の、県民の医療福祉維持向上を何も考えられていないことは、このことからも明々白々であります。こういう御仁が医療審議会の会長の席にあるということに不信を抱かせます。県民の医療福祉向上を考えるならば、まさに一考されてしかるべきと思いますが、執行部の所感をお伺いいたします。  市民病院は、大学医局の、あるいは医師会のおもちゃではありません。七月二日、とある法人が呼びつけられる直前、古川知事も医師会に呼ばれたのか、訪問されたのかわかりませんけれども、この日に会われたということに私どもは大いな疑を抱くものであります。なぜ会われたのかお尋ねをいたします。  これから先、行政不況、官製不況、政治不況を腹底に置いて質問をさせていただきます。  改正建築基準法、改正独占禁止法、改正貸金業法等々、きょうまで法改正ラッシュであります。それらに伴って、新たな規制強化を受けて行政不況、官製不況といった悲鳴が聞こえております。  本県におきましても、これらをもろに受けて、競争性、透明性を高らかに掲げ、入札制度が、入札のあり方が日がわり定食のようにころころと変わっております。  市場の、あるいは入札の透明性、競争性を語っているエコノミスト、コメンテーター、司会者、県関係者の表情は、あたかも崇高な宗教的観念を語っているごときの表情で、神父さん、牧師さんのようであります。  この神聖なる観念、市場入札の透明性は侵しがたく、だれひとり批判をいたしません。皆、ひれ伏しております。「市場の入札の透明性を高めよ」と言えば、皆、「ははーっ」とうなずき、より透明性、競争性を高めることが、この宗派の唯一の正義であるのでしょう。正義であるならば、人々に、関係者に、関係地に勇気と元気と徳を与えるものでならなければならないのになぜそうならないのか、改革派の知事にお尋ねいたします。  かつての金融不安の泥沼、その経営者たちの無責任、山陽新幹線等にあらわれましたコンクリート崩落事故、公共事業に絡む談合汚職、姉歯、ヒューザー事件等々、この国の安全神話と高品位神話は地に落ちてしまったのでしょうか。だとしますと、市場の透明性、競争性という神話は、全く幻想だったのでしょうか。市場の透明性、入札の透明性ということを追求していくと、一体どんな人間像に行きつくのでしょうか。透明な市場を形成する透明人間、摩擦係数ゼロの味気ない人間ということになるのではないでしょうか。  逆に言えば、透明人間が形成する透明な市場、それは人間不在の極北としての市場というべきものではないでしょうか。結局、人間が複雑な存在である限り、市場も入札もまた複雑にならざるを得ません。人間が愛や信頼をめぐってのドラマを生きている限り、市場もまた、愛や信頼をめぐるドラマの舞台ではないでしょうか。  人間が愛や信頼をめぐって、活力ある生を営む限り、市場だけを、入札だけを透明化することが果たして可能か、執行部にお尋ねいたします。  どうして人々は透明性という言葉に過大な思い入れをするのでありましょうか。この疑問には、旧左翼の革命論を想起させます。唯物史観という人間不在の決定論的世界観と計画経済における透明性から来ているのではないでしょうか。  市場の透明性と計画の透明性、ともに人間不在という一点において、テレビに登場し続けている転向エコノミストがそのわなにはまり、市場の透明性という神話を声高に語り、人々はひれ伏しているのが現在までの状況ではないでしょうか。  今ここで問題にしているのは、神話ではなく、マーケット、入札というしゃばしゃばの俗世のことであります。その中でも最も実務的なものの取引において、どうして透明性や純粋性、競争性を求めるのでしょうか。金の流れである経済を神学にでもしたいというのでしょうか。それはお門違いであります。  議員もいろいろ、人間もいろいろ、AからZまで、その人間が市場を構成しており、さて、ここでマーケットの透明性を保証しようとしたら、人は一体どう生きればいいのでしょうか。  談合もいけない、系列もいけない、派閥もいけない。だれかを好きになっても、愛してもいけない、信頼してもいけない。歴史的なおつき合いは常にゼロに戻さなければいけない。つき合いを深めてもならず、その時間を蓄積してもならず、そうしないと市場の入札の透明性を保障することができないと言うのです。こんな生き方をして何がおもしろいのでしょうか。死んだふりをせよと言うに等しいのではないでしょうか。人間不在、歴史不在、愛や信頼がなければドラマも不在、透明人間になれと言うに等しいのであります。  こんなことをしていたら、人間の活力は日々減少し、そればかりか、あらゆる意味の倫理学が死に絶えてしまいます。一部のエコノミストは、一部の県幹部は、入札の透明性を担保できれば活力が生まれると言っておられましたが、現実には、その逆で、衰弱し切っております。この先、どうなるのでしょうか。担当本部長にお尋ねいたします。  市場の透明性という幻想が、この国を、本県を破壊し続けております。それは、人間を透明にせよと言っているのに等しいからであります。そこに日本社会のとどめのない衰弱の原因があります。また、市場の透明性を確保しようとすると、どうしても歴史というものに対し、否定的にならざるを得ず、蓄積しない歴史、いつも振り出しに戻らなければならないすごろくのようなもので、その恐ろしいほどのむなしさに気づけば、人間のあらゆる条件を市場に、入札にぶち込んだ上で賢いルール、賢い規制をするほかないのではないでしょうか。  長期的信頼関係としての系列もよし、派閥としての閉鎖的な集団もよし、ライバルとの戦いもよし、───────(336頁で発言取り消し)───────それらの極めて人間的条件を前提にして、さて、どういうルールと規制が必要かと考えるのが県執行部の仕事であります。それこそが人間の活力を誘発する市場入札というものではないでしょうか。入札改革を遂行された執行部の反論をお伺いします。  以上のような状況の中に、姉歯、ヒューザー、一部の悪徳業者のために、全業者が死活問題に直面しているのが改正建築基準法であります。これは行政不況の最たるものとやゆされる失政であります。建設業界の混乱のみならず、景気の押し下げに強く協力した改正法律であります。  平成七年の阪神・淡路大震災以来、在来工法は危機的状況であります。建築基準法の改正により、耐震構造という名のもとに、構造材はすべて金物で連結しなければなりません。土台と柱、柱とはり、はりとけた等々、これまでほぞと栓、つまり、大工の技術、腕で組んでいた日本の伝統技術が地震に耐えられないと否定されたわけであります。このため、既存部分の二十分の一以上の面積を増改築する場合は、耐震にしなければなりません。二十分の一以上といえば、ほとんどすべての増改工事に該当します。  例えば、六十坪二百平米の住宅を、三坪十平米増築するだけで、既存の六十坪部分までお上の言う耐震構造の金物だらけにして柱やはりは大壁で隠さなければなりません。地場大工、工務店を殺し、まさに大手プレハブメーカー、ツーバイフォー工法施工業者のための改正法ではないでしょうか、執行部にお尋ねいたします。  せっかくの日本伝統建築の見せる美、直線の美、数寄屋造り、茶室、古民家風建築などはどのようにしてつくっていけばいいのでしょうか、執行部にお尋ねいたします。  しかし、例外があります。それは文化財の歴史的建築物であります。どうして歴史的建築物だけ金物を使用しなくてよろしいのでしょうか。歴史的建築物だけは地震に耐えて、地場の大工がつくった在来工法は耐えることができないというのです。そうではありません。まともな大工がしたまともな家は耐えることができるのです。この改正法によって、増築工事は全くゼロです。増築の話があっても、設計士が相手にしてくれません。なぜなのでしょうか、執行部にお尋ねいたします。(「そこは賛成です」と呼ぶ者あり)  確かに日本は地震国であります。しかし、本県が地震県ということはないはずであります。本県は日本の中で地震が少ない県として位置づけられ、実際、損害保険でも最低ランクに算定されております。原発においてもそうであるのに、どうして判で押したように一律に耐震構造を強制するのでしょうか。この改正法施行以前、なぜ本県の土地柄、風土、土徳を主張して臨まないのか、執行部にお尋ねをいたします。  かつて、防火構造が叫ばれた折、アスベストを使用して石綿板を軒天や壁、屋根材等に使用せしめ、そうしなければ建築確認がおりませんでした。許可になりませんでした。本県におきましても、公共用建築物において、アスベスト除去のためにいかほどの公金を使われたのでしょうか。  また、今後、後ろ向きの処理のために、金、そして労力を使われるのでしょうか。民間において、コロニアル、スレート、吹きつけアスベスト等、まだまだ至る所にたくさん残っております。これらはすべて行政のせいであります。このごとく、この当時の改正法は負の遺産しか残していないのをどう思われるのか、執行部にお尋ねいたします。  また、かつて県は、ISOの取得を推奨し、もしゃくしもISOということで、県当局の口車に乗って、建設業者も我先にと取得をしてまいりましたが、もう既に倒産、撤退しているところもあるようであります。  このISO取得をさせた本県にどのような効果があったのかお尋ねいたします。また、業者にどのような利点があったのかお尋ねをいたします。  また、多久市はなぜISOの維持をやめたのでしょうか。本県はなぜ維持を続けていくのでしょうか。端折って言えば、結局業者にとってはよかったことはなかったと、取得の業者は訴えております。維持するための負担だけが残ったと言っているのです。県民の福祉の維持向上につながっていないところのこういう政策は、もうやめにしたらいかがでしょうか。  以上のようなことでも、今後ともこのISOを推奨していくのかどうかお尋ねをいたします。  話を最初に戻しまして、今日の改正法によって、現場検査が厳しくなることは間違いないです。基礎の配筋完了時、小屋組完了時、あるいは屋根の完了時、その都度検査があるはずであります。職員は足りるのでしょうか。足りなくなって、また外注でしょうか。スムーズに行くのでしょうか。そんなことよりも、私が恐れるのは、検査を容易に合格させるために、これまで培われてきた大工の技術が金物にとってかわることであります。大工が一本一本材木と相談しながら、ほぞを切って栓をして組んでいった小屋組がなんでんかんでんボルト、ナットを取りつけて、それを壁で覆うという工法になって、在来工法が死んでしまうことであります。在来工法の危機は、大工の生きる場を脅かすことになり、ひいては地域の税収の減につながり、地域を、田舎を衰弱させることになっていきます。  このことに関しまして、例えば、他県と比べて地震の少ない本県ですから、金物に頼らない伝統技術を伝承するためにも、在来工法特区等を設け、何か打つ政策はないものでしょうか。現在行っている県産材使用住宅に対する補助を拡大し、プレカット工法でない在来工法住宅には補助金を出すとか、本県独自の新たな制度を考えられないのか執行部にお尋ねいたします。  本県にはもちろん、私の店との取引先には、まだまだ在来工法を守り、地域に根差した仕事をしている大工、工務店も多少はあります。しかし、この人々を殺すとどめの法律が住宅瑕疵担保履行法であります。  平成二十一年十月一日以降、引き渡しの新築住宅から資力確保が義務づけられることになりました。一部の悪徳業者のために善良な大工、工務店、業者がおしなべて、その災いをこうむることになるのであります。まさに再び行政不況に落ち込んでいくことは明らかであります。本県において、在来木造住宅を引き渡し完了後、いかほどの裁判ざたがあっているのでしょうか。私が知る限りにおいて、私の取引先を含めまして、一件もあっておりません。かつて悪徳業者が施工した物件で、床にビー玉を置き、それがころころと転がっているのを、壁に亀裂が走っているのを、また、床下に潜って根太がうっ外れているのをテレビで放送し、わいわいと騒ぎ立て、行政のせいにしておりました。姉歯がかかわったマンションも、ヒューザーが売ったマンションも放送されておりました。そこに正義の味方、消費者の味方がにわかに登場し、行政の手続、監督に文句を言うのです。そして国交省は、消費者保護というにしきの御旗をこれ幸いと掲げ、建設関連業者にさらに追い打ちをかけるのが四号建築物の審査対象であり、さらに住宅瑕疵担保履行法による保険の加入、もしくは保証金の供託であります。  地場業者にとりまして、負担はふえるばかりであります。例えば、供託する場合、過去十年間、年間五戸引き渡す業者の供託金は二千八百万円であります。十戸引き渡しますと三千八百万円になります。県内の大工、工務店にその資力があるのでしょうか。大手ハウスメーカーならまだしも、執行部におかれましては地場の大工、工務店を壊滅、全滅させるためにこの法を導入されるのかお尋ねをいたします。  恐らく、小泉内閣では「小さな政府」と言いつつ、特殊法人が世論からたたかれ、天下り先が先細ってきているので、世論の風に乗ってこれ幸いに財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターを立ち上げ、小躍りし、ほくそ笑んでいるのでありましょう。国は、県は、零細業者のために保険を用意しているというのであります。住宅価格が二千万円で十万円ぐらいですが、私が知る限りの大工、工務店は常日ごろより良心的な仕事に徹底して、利益はスズメの涙であります。特に職人は、ガソリン代、けが代、道具代、消費税まで請負人持ちであります。その中から十万円は酷ではありませんでしょうか。  確かに、県内業者の中にも、意図的にてんぷら工事をしている業者もあるでありましょう。がしかし、これまでに県内の大工、工務店が施工した工事に瑕疵工事が実績としてあったのかどうかお尋ねをいたします。いかほどの数が裁判ざたになっているのかどうかお尋ねいたします。  財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターに、訴えられた事案があるのかどうか答弁を求めます。  多分恐らく、県外の怪しげなマンション業者はあるかもしれません。宅建業者はあるかもしれません。しかし、県内の小さな大工、工務店はないはずであります。それなのに、なぜ地域の特性も調べず、日本全国金太郎あめ的に施行されるのか。地方分権と声高らかに言いつつ、どこに分権があるのか、「小さな政府」と言いつつ、行政の守備範囲をみずからがますます拡大することばかりであります。  国交省が施行する改悪法をスムーズにやらせるために、住宅建築課長は国からばかり出向されるのでありましょう。国から出向されても結構であります。しかし、法律改正前に本県の特性、風土、土徳を主張し、本県の福祉の維持向上のために知恵と汗を流してほしいものであります。(「頑張れ」と呼ぶ者あり)  入札のあり方でも、自分たちが特命随契ばかりして、特定の業者にばかり発注し、談合摘発を立て続けに受け、二〇〇六年一月の改正独占禁止法の施行で、それまで東京高検に限定された独禁法違反事案が全国の地方検察庁でも起訴できるようになり、未曾有の摘発ラッシュとなり、あとは皆さんごらんのとおりであります。  今現在も、企業間の無意味な消耗戦は続き、ちなみに大手五十社に占めるスーパーゼネコン四社のシェアは、今や五〇%程度まで上昇しておるということであります。  脱談合による熾烈なダンピング競争から脱落していくのは、川下に位置する中小零細建設業者であります。これはすなわち、建設業を基盤とする地方地域経済が最も大きなダメージをこうむることを意味しています。これとても行政不況といえるのであります。  小泉内閣が打ち出した構造改革は、私たちの福祉の向上のためにあったのではないでしょうか。改正法を、入札改革を、市町村合併を、三位一体改革を一つ一つ吟味すれば、了とするところもあります。ミクロではそうであります。しかし、マクロ的には合成の誤謬でありました。現在の状況から建設業界を一歩進ませる、前進させる施策があるのかどうか、執行部にお尋ねいたします。  いずれにいたしましても、誤解だらけの構造改革期間中に施行されましたいろいろな改革は余りぱっとしませんでした。国からの交付税、補助金等も減らされ続け、本県におきましても、第一次の緊プロ、商工共済の補償を受けての第二次の緊プロに取り組んでおられます。しかし、大阪府と比較をすれば、まだまだ余裕があられるのでありましょう。サガン鳥栖にも二年連続金を出されますし、早稲田にも過剰なサービスをされるようですから。しかし、地方は、田舎はしぼむばかりであります。  加えて、生産者米価も下がり続け、全くらちあきません。平成七年、ヒノヒカリ六十キロ一俵、一万九千百四十六円だったのが、十九年は一万一千六百七十円、七千四百四十六円も減少しております。価格は下がった上に減反ですから、目も当てられません。しかし、変わらないものがあります。それは、庭木ダムにおける維持管理費、一反当たり二千円の受益者負担であります。  平成七年、反当十六万五百七円、平成十九年、八万九千四百七十円、七万一千円下がった現在も二千円、農家負担は限界でありましょう。  こういう状況の中、管理委託協定書締結の折にも何とかしてください、おかしかろうもんとか、異議を申されたと聞いておりますが、どのように受けとめておられるのか執行部にお尋ねいたします。  おかしかろうもんの第一点は、年間の維持費として電気料九十万円、テレメーター保守点検代百六十四万円、ほかに施設修繕費を負担しております。庭木ダムは農業用水のダムでありますので、用水期間は六月から九月までの四カ月間であります。一年の三分の一の期間でありますのに、防災観測通信システムの維持管理費一年分を土地改良区の負担とするのはおかしかろうもん。  六角川の支流、神六川には治水を目的とした矢筈ダムがつくられております。河川管理者である県において管理されております。同じ支流の庭木川につくられた利水を目的とした庭木ダムについて、農業用ダムであるがために、受益者である川登土地改良区が行っております。当然ダムの維持管理については農業用水であり、改良区で実施するのは当たり前であります。  しかし、河川法にのっとって管理上設置してある公共性の高い防災観測通信施設、つまりテレメーター、警報装置、頭首工水位観測機器等々に関する負担については、庭木ダムの管理とは直接関係なく、免除をしてしかるべきと思われます。  つまり、河川法第五十九条には、河川管理に要する費用は、一級河川は国、二級河川は県とあります。そして、その解説書には、河川の管理に要する費用とは河川管理者が河川の管理権の作用として行う一切の行為に要する費用であると書いてあります。すなわち、先ほど述べました機器に要する費用は、この河川法五十九条の規定によって、県が負担すべき費用であると私は解釈しますが、もし私の解釈が間違いであるならば、その法的根拠を担当部長にお尋ねいたします。  このごろの農業状況を私が関係者から聞いたところによりますと、緑ゲタとか、黄ゲタとか、意味不明な言葉で農家を迷わせ、将来の経営安定どころか、これでは農業では飯が食えない、農業には先が見えない、農家を殺すのか、国の施策が全くわからないといった厳しい声を耳にいたします。  県内の米の生産調整を協議する水田農業推進会議等の中で、いろいろと困状、窮状を訴えられたようであります。  端折って言えば、緑ゲタ、黄ゲタ、わけのわからないものではなく、今の私たち百姓に必要なのは、高げたをくださいと言っておられるようでありました。こういう百姓さんの声が悲鳴となって、国、大臣、力のある副大臣に直訴されたということであります。  どうか県におかれましても、世論にこびた消費者保護ばかりではなく、県独自な生産者保護の政策をもと訴えたいのであります。  先ほど述べましたとおり、二、三十年前と今の農業を取り巻く環境は、端的に言えば生産者米価の下落、つまり農業所得の下落が百姓さんの生命線を絶ってしまったことであります。  こういう状況の中に、私にとりまして気がかりで恐れている事業に、筑後川下流土地改良事業における武雄市を含む杵島地区の事業費負担についてであります。  なぜこのようなお話をするかといいますと、私は兼ねてよりかつての農林部が施行した農業土木に対し、不信があるからであります。
     不信のその一、さきの庭木ダムの管理のあり方であります。  その二は、圃場整備に導入されたスイムカ排水であります。特に、湿田では、その効果は短期間に支障を来し、農家には不利益をもたらしました。改良、改善を言うと、申請事業だから、あるいは補助の上に補助はないと主張し、長期間ほったらかしとったくせに、この数年、どういう理屈づけがされたか、説明を受けた覚えはありませんが、こそこそとやっておられるようであります。その工事費が安過ぎると業者から不平不満が聞こえてきます。  その三つ目は、旧山内町における農村集落排水事業であります。  それらを三点、四点をここで話しますと時間が足りませんので、割愛して(発言する者あり)何ですか。(「すべて自民党の政策じゃないか」と呼ぶ者あり)ああ、そうそう。これらの事業はすべて農政部のチェックが必要であります。補助申請時、なぜ注意しなかったのか、どうして意見を付して施行しなかったのか。これらと同じような感覚で筑後川下流土地改良事業をやられているのではないかと危惧しております。この事業費負担、つまり償還額はどのように試算されているのかお尋ねをいたします。  特に、武雄市を含む白石町の負担、白石町の農家負担についてお尋ねをいたします。  私たちの武雄市においては、昭和四十年度より駅南部、昭和五十五年ないし平成八年、富岡地区土地区画整理が完了しました。これらは市の福祉向上に大きく寄与いたしました。しかし、現在施工しているところの武雄北部地区は、上位計画であるところの新幹線に翻弄され続け、何回となく計画変更をし、鉄道高架を組み入れ、本年開通したところであります。これらの事業のおかげで、第一バイパス、第二バイパス、そして高架事業、昭和四十年からいたしますと、町の様子は大きく変貌いたしました。  しかし、反面、武雄市はこの事業の欠点も痛感させられました。都市計画の母であるがゆえに、百年の大計という大義名分のもと、富岡地区の事業で新幹線用地を確保させられたことであります。  新幹線のルート発表は、昭和六十年一月、今から二十三年も前のことですが、当時の武雄市は富岡地区土地区画整理事業の事業中であったために、早速事業計画を変更し、開発公社を利用し、先行買収によって新幹線用地を確保いたしました。それも区画整理事業の当初計画では、移転計画がなかった家屋を移転してまで確保したのであります。  この件につきまして、いつかの特別委員会で、県執行部に対し、このことをどう考えているのかと問うたところ、当時の交通政策部の答弁は、武雄市の好意で確保されたものとしゃあしゃあと答えられたことには怒りを覚えるとともに、がっくりとさせられました。いつも県行政はこんなものだと再認識をさせられました。今現在でも、そのように認識をされているのか、交通政策部長にお尋ねいたします。  ところが、用地は確保したものの、なかなか事業決定がなく、武雄市では塩漬け用地として、利息はふえる、時価は下がるというお荷物になってしまったのです。  このことから、平成九年の武雄北部土地区画整理事業の都市計画決定では、新幹線のルートが地区内を通過するにもかかわらず、新幹線は考えないと県の指導のもと決定し、事業に着手しました。ことし三月の新幹線事業化決定というのがこれまでの経緯であります。  これまでの武雄市は、昭和六十年一月のルート発表以来、新幹線を待ち望んでいたものの、事業化が決定した今、区画整理事業ではほとほと困っていることがあります。それは、武雄北部地区の区画整理事業がまだ換地処分が終わっていない事業中だということであります。ゆえに、新幹線の用地買収に対応できないことであります。このままでは、区画整理事業が新幹線の障害となって、十年後開通ができないということであります。このことについて県はどのように対応されるつもりか担当部長にお尋ねいたします。  ただ、武雄市といたしましては、新幹線のルートがJR佐世保線の南側を並行して走っていること、鉄道高架が二十一年度で完了すること。そして、高架敷地以南はおおむね区画整理事業の工事が完了していることから、苦肉の策として事業区域を高架用地を境に二工区に分け、高架用地以南を新幹線の買収までの平成二十三年度までに換地処分を完了するように事業計画を変更する計画と聞いております。  しかし、事業計画を変更するためには、国土交通省の換地工区分割の認可と、事業計画及び実施計画の変更、その後の工区分割に伴う関連用地の分筆、換地割り込みの修正、その他もろもろの協議、住民説明会、縦覧公告等手続がいっぱいであります。これらには、膨大な予算と労力が必要であります。この予算と労力をどこに請求してよろしいのでしょうか、お尋ねをいたします。  事業変更に要する事務費だけでもおおむね三千万円程度は必要と聞いておりますが、整備機構に要求すべきでしょうか、それとも県が見てくれるのでしょうかお尋ねいたします。  以上で私の質問を終わります。(拍手)(発言する者あり) 44 ◎古川知事 登壇=稲富正敏議員の御質問にお答えします。  まず最初に、医師会長と私の面談についてでございますが、私のほうから伺いますということで伺わせていただきました。医師会長と県とはさまざまな形で意見交換をする機会がございます。多くは医師会長のほうからこちらのほうに来ていただいておりますので、今回は私のほうが行きますということで私のほうで申し上げて足を運ばせていただきました。  次に、入札制度についての議員からの御指摘、思い、そうしたものについてはるる聞かせていただきました。この建設業が地域の経済に非常に大きな影響があり、また効果がありというその思いについては私も同じくするところでございます。  現行の入札の制度について御答弁を申し上げさせていただきたいと思います。  先ごろ我が県でも談合があり、また他県ではございますけれども、知事職にあった者を含むところの大きな事件があり、こうしたことを踏まえて、都道府県における入札改革がスタートすることになりました。その際の基本的な考え方としては、指名競争入札ではなく一般競争入札を原則とするということがそこで決められたわけでありまして、私もそこを決めるプロジェクトチームの一員でございましたので、そのような意見を申し上げました。  県が発注する公共工事の入札執行は、その原資が税金でございますので、公平、そして透明、競争、やはりこの三つの原理は必要であると私は思っております。ただ、一般競争入札を入れていく際にも、発注者が工事に必要な資格要件を設定したり、また地域要件を設定することによって、必要な工事資格ということとあわせて、地域要件の設定によって全然関係のない事業者が入ってくるということを防ぎ、その上で適切な工事をすることができるということを目指したものでございます。  しかしながら、近年、公共工事、公共投資額そのものが随分減ってきております。受注額が減っているのに加えて、業者間の競争の激化があり、過度な低入札もふえてまいりまして、品質の確保や下請へのしわ寄せが懸念されていることは議員御指摘のとおりでございます。  こうして公共工事の入札改革を行いました。その基本は維持しながらも、議員を初めとするさまざまな声にお答えする形で幾つかの点で改正を行っております。  まず、本年四月でございますが、価格とともに技術力を評価して品質の確保を図ることを目的とした総合評価落札方式、これを拡大することといたしました。ただ単に安ければいいというものではなく、きちんとした工事ができるのかという技術力を評価するというものを重んじるこの方式を拡大したものでございます。  また、業者間の過当競争を緩和してダンピングを防止するために、最低制限価格制度から低入札価格調査制度へ移行をいたしました。そして、低入札調査価格を引き上げるという改正を行いました。こうして改革、そして修正、改正を行ってまいっておりますが、現行の入札契約制度が全く完全なものであるとは考えておりません。  今後も、県議会や建設関係者などの御意見も伺いながら、よりよい入札契約制度となるよう研究することが必要であると考えているところでございます。  私からは以上でございます。 45 ◎佐藤健康福祉本部長 登壇=稲富正敏議員より医療審議会に関しまして数点御質問いただきましたので、順次お答えをいたします。  まず、医療審議会の役割でございますが、医療審議会は医療法に位置づけられております。医療法第七十一条の二第一項に位置づけられ、その役割は、医療法の規定により調査審議するほか、知事の諮問に応じ県における医療を提供する体制の確保に関する重要事項を審議するとされております。医療計画の策定、医療法人の設立、解散、公立病院の開設許可などについて、医療法では医療審議会の意見を聞くこととされているところであります。  二点目として、審議会の委員についてでございますが、医療審議会は全体委員が二十八人おります。また、専門委員として二人を発令しております。合計三十名でございます。その三十名のうち十五名の方が医師の方でありまして、ほかの方につきましては医療従事者ではありますが、医師ではなかったり、あるいは一般の方だったりしております。それと、法人部会というものがあります。法人部会というのは、法人の開設等を行うものでございまして、これはすべて医師の有資格者の方がやっております。それと地域医療対策部会、例えば、医師確保等を行うもの、部会でございますが、これが十六名の委員のうち医師の方が十三名を占めるということでございまして、議員からは医療費の一部を負担する立場の委員をもっと入れてもいいのではないかといった御指摘をいただいたところであります。  また、このような構成メンバーで公立病院改革ガイドラインの具体的な目的、内容を具現化することができるのかという御質問もいただいております。  今回、総務省が示しました公立病院改革ガイドラインにつきましては、地域に必要な医療を安定的かつ継続的に提供していくことができるよう、経営の効率化、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しの三つの視点から公立病院のあり方について検討を求められていると私ども解しております。  このため、公立病院を有する市や町の首長の方、また医療の専門家、佐賀大学医学部附属病院、そして県庁の経営支援本部及び健康福祉本部の代表などで構成する「公立病院等の今後のあり方を考える会」を設置したところでございます。この中におきまして、病院経営や医療の実施について専門的に分析検討していくこととしたものであります。  この会は独立性の強い組織として考えておりまして、例えば、市町村課、また医務課を事務局として設け、多くの専門家に集まっていただくことによりまして、公立病院改革ガイドラインについては十分な議論ができるものと考えております。  審議内容についてでございます。この改革ガイドラインが総務省から今回示されました。それ以前から武雄市民病院についてはいろいろ活動されている、また、もっと早く総務省もガイドラインを出していいのではなかったかといった御質問の趣旨であったというふうに思います。  武雄市民病院さんが以前からいろいろとその経営改善について活動を起こされていたということについては、私がこちらに赴任した平成十七年より毎年一度以上、陳情、要請をいただいております。その努力については私も知っているところでございます。ただし、こちらがお願いをしております結核病床の治療、また結核病床の廃止というようなことにつきましては、接点ができず平行したような話し合いがずっと続いておりました。  したがいまして、全体の医療計画の中で武雄市民病院さんにつきましては県西部の結核医療を担っていただくということにつきまして御理解をいただきながら今まで来たというのが実際のところでございます。  医療審議会は、個別の医療機関について専門的な見地から活発な議論がなされることはありましても、その結果をもって強制力を有するような力を持つかといえば、それは持たないというふうに私どもは理解しております。  医療審議会の中で会議の報告書の中に特定の病院のことに言及する文章が検討されたといった経緯もあったように思いますが、医療審議会としてはそのようなことは行っておりませんので、それにつきましては議事録等の御確認をお願い申し上げます。  最後になりましたけれども、県医師会に、ある民間の病院が、先生の御質問のお言葉をかりますと、召喚というふうに記憶しておりますけれども、そういうふうに県医師会に呼ぶことができるのかと、医師会長が呼び出すことができるのかということでございましたけれども、法的根拠があるのかどうかということでございましたけれども、私どもそういった事実があったかどうかについては承知をしておりません。したがいまして、どのようなやりとりがあったということについてもコメントする立場にございません。法的根拠があるのかと言われれば、それはないのだと思います。交友関係はあったのかもしれませんけど、法的根拠はなかったというふうに思います。  また、現在の医療審議会の会長である沖田信光氏は、佐賀県医師会の会長を三期目の方でございまして、先ほど申し上げました医療審議会二十八名プラス専門委員二名の互選により選抜されまして、現在会長の職を務めておられる方でございます。  私からは以上でございます。 46 ◎牟田県土づくり本部長 登壇=私どもの所管の事業につきまして数点御質問がありましたので、ちょっと順不同になるかもわかりませんが、順次お答えを申し上げます。  まず、改正建築基準法についてのお尋ねがございました。法改正によって在来木造住宅や大工、工務店さんへの影響があるんじゃないかというような御質問だと思います。  県内の木造一戸建て住宅の着工件数を見てみますと、建築基準法改正後の七月から九月の三カ月間は、対前年度比で二割程度減少をいたしております。この着工数の減少には、要因の一つとして、御指摘の建築基準法の改正も考えられまして、在来木造住宅や大工、工務店においても少なからず影響があったというふうに認識をいたしております。  一方、在来木造住宅に関する規制の強化は、今回の法改正よりも、平成十年六月に施行されました法改正に基づく木造住宅の金物等による耐震補強によるところが大きいものというふうに考えております。  この法改正は、阪神・淡路大震災の被害を教訓といたしておりまして、木造住宅の床下部分や天井裏、壁の中、建物の控え部分等の目に見えない部分で補強金物を設置することなどの工夫が必要となっておりますが、利用者の安全性の確保の視点からは必要なことというふうに認識をしているところでございます。  県といたしましては、在来木造住宅は本県の気候や風土にも適しており、広く県民の方々に木造住宅のよさを理解していただき、地元の大工、工務店を初めとして住宅産業全体が活性化することを期待しておりまして、住宅関連業界とともに構成しております「佐賀の木・家・まちづくり協議会」などを通じまして引き続き木造住宅の普及と地域住宅産業の振興に努めてまいりたいと考えているところでございます。  次に、耐震のために増改築が非常に難しくなったというようなお尋ねがございました。平成十七年六月の法改正により、一定規模の増改築の際には、既存部分も含めて耐震補強が必要となっております。これは、阪神・淡路大震災において古い耐震基準でつくられていた既存建物等で被害が多かったということを教訓に、既存建物の安全性の確保のために定められたものでございます。  議員御指摘のとおり、佐賀県は地震が少ない県と位置づけられてはおりますが、いつどこで大きな地震が起こるかわからないということを昨今我々は経験をいたしております。  また、過去の地震が多い少ないにかかわらず、法律により全国一律で建築物全体の構造安全性を確保するということとされておりますことから、増改築における耐震補強について御理解を賜りたいと考えているところでございます。  それから、アスベスト建材について御質問がございました。  建築基準法では、建築物の火災防止、延焼防止の観点から、建築物の立地する地域やその建築物の規模、構造、用途により、その建築部位に防火基準を適用しているところでございます。  アスベスト建材については、その耐熱性、耐摩耗性のすぐれた特性から、かつて多くの建築物に利用されていた経緯がございます。その後の技術や分析力の向上により、アスベストによる健康被害が明らかになったため、昭和五十年代から吹きつけアスベスト作業等の規制が強化され、平成十八年十月には建築基準法改正で建築物への使用が規制されたところでございます。  現在、県、市、町では所有する公的施設の吹きつけアスベストの除去工事を進めているところでありまして、平成十七年度から十九年度までに二十八施設で約二億八千万円の公費を負担しております。引き続きアスベストの含有調査と除去を推進していきたいと考えているところでございます。  それから、在来木造住宅の振興策についてお尋ねがございました。  県は、県民、CSO、県内の住宅関係事業者等の協力を得まして、平成十九年三月に「佐賀県住生活基本計画」を策定しております。その中で、県産材を活用した木造住宅の普及と住宅産業の振興を推進することといたしております。  具体的には、県産木材を利用した木造住宅の建設、取得に対する補助として、「住みたい佐賀の家づくり促進事業」を実施しているところでございます。  また、在来工法の技術者育成のため、木造文化を継承して、佐賀らしい豊かな住まいと居住環境づくりを推進するため、地域の大工、工務店や建設組合、木材協会などの関係者から成る「佐賀の木・家・まちづくり協議会」を設立し、木造住宅の普及活動や木造住宅の表彰制度へ支援しているところでございます。さらに、在来木造住宅の大工技術者の育成を行う「大工育成塾」への支援も行っておりまして、在来木造住宅の振興に取り組んでいるところでございます。  それから、住宅瑕疵担保履行法についてお尋ねがございました。県内の大工、工務店において実際にトラブルが発生しているのかというようなお尋ねが一点あったかと思います。  県内の大工、工務店が施工した在来木造住宅において、施工者の瑕疵が原因となる裁判の件数の把握はできておりません。住宅に関する相談窓口として、佐賀県安全住まいづくりサポートセンターの登録建築士がボランティアで対応をしていただいておりまして、平成十六年度から十九年度の四年間で百五十八件の相談のうち、住宅の瑕疵やふぐあいに関する相談件数は七件となっております。また、財団法人住宅保証機構で取り扱う任意保険において、平成十五年度から十九年度の五年間で千八百七十六件の県内加入実績がございますが、このうち瑕疵に起因する県内の保険金の支払い実績は二十四件となっております。  住宅リフォーム・紛争処理支援センターの紛争処理件数については、佐賀県内での実績はございませんが、平成十五年度から十九年度の五年間の全国の実績は百十七件というふうになっております。  それから、住宅瑕疵担保履行法の施行についていかがなものかというお尋ねがございました。  地場の大工、中小工務店さんにとりまして、保険加入等は新たな負担になることは事実でございます。ただ、瑕疵担保等のトラブルが生じた場合、その補修に多大の費用が発生し、工務店の経営に影響することも考えられるところでございます。保険制度は大工、工務店にとっても有益なものというふうに考えているところでございます。  保険料は、本来、建設業者が負担するものでございますが、実際には消費者の理解を得た上で住宅価格に転嫁することも考えられると思いますので、その場合は見積もり等で保険料を明示し、消費者の理解を得た上で契約するよう県内の関係者に説明していきたいというふうに考えております。  それから、法律制定の際の地方の意見をきちんと国に言うべきだというふうなお尋ねでございました。  地域の住宅産業の振興を図りつつ、地域の課題に対応した安全で安心な住まいづくり、魅力的な地域づくりを実現するためには、地方が自主性と創意工夫を生かした施策を推進することが重要であるというふうに認識をいたしております。このため、平成十九年六月の改正建築基準法の施行に伴う県内の状況を考慮し、毎年行っております国への政策提案におきましても、平成十九年十一月及び平成二十年六月には、建築基準法に関する制度構築や運用体制の確立について、現場の実情に十分配慮した対応を行うこと等の政策提案を行ったところでございます。  今後も、このような政策提案や全国課長会議等を通じまして、法律の制定等に際しましては地方の意見を反映するよう国に働きかけていきたいと考えておるところでございます。  それから、建設業者のISO取得の意義についてのお尋ねがございました。  本県では、平成十七、十八年度の入札参加資格格付から主観点の加点項目として、ISO9001やISO14001を取得した建設業者に対し、それぞれ十点の加算措置を講じてきているところでございます。  これは企業内の品質管理体制や顧客サービスの向上、または環境に配慮した企業活動を行っている建設業者を評価する目的で導入したところでありまして、平成十九年度時点で四百八十九業者のうち百九十業者、約四割が取得をされているところでございます。  ISOを取得し維持していくには、御指摘のとおり企業内の努力や経費も要するということは十分承知はしておりますが、ISOは国際的な基準で、我が国においても既に定着しており、それを取得することは、ひいては企業の質や社会的な信用を高めることでもあるというふうに考えておりまして、県内建設業者の格付に当たっても一定の評価を取り入れているところでございます。建設業者においても、今後とも工事品質の確保や施工過程での環境への配慮というのは求められているというふうに考えているところでございます。  それと、入札制度に関係いたしまして、本県独自の入札制度をというようなお尋ねがございました。  本県の入札制度につきましては、先ほど知事が答弁いたしましたとおり、四月に大幅な改正を行っております。その中で、本県独自のものとして地域要件の設定とか、予定価格の一部事後公表、それから低入札調査価格の設定、引き上げ、それから総合評価落札方式における地域貢献度の評価など独自性を入れているところでございます。  御指摘のように、県内の実情に沿った県独自の入札制度の構築というのは非常に重要だろうというふうに思っております。引き続き、本県の実情を踏まえた運用となるよう努めていきたいというふうに考えております。  それから、建設業の不況からの脱出についてどう考えているのかという御質問でございます。  地域経済を支える県内建設業の育成を図るために、今回、入札制度の改正と合わせて、もう一つは、県内業者でできることは基本的には県内業者に発注するというローカル発注の推進に努めているところでございます。できる限り、県外業者と県内業者が競合しないように配慮をしてまいりたいというふうに考えております。  しかし、厳しい財政事情を背景として公共事業予算の減少が続いております。県では、ここ三カ年の公共投資を、一定の額をお示しして、確保すべき発注する金額あたりをお示ししているわけでございますが、今後これが急に公共事業がふえるというような環境にもございません。  したがいまして、こういう厳しい環境の中では、今後、建設業者の皆さん方が技術力の向上や合併も視野に入れた経営基盤の強化に努められまして、例えば新分野への進出など、総合的な経営力の強化等の努力が必要だろうというふうに考えております。  県としても、入札制度のみでなく、そういった建設業者の経営基盤の強化について支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから、庭木ダムの管理について御質問ございました。  農業情勢が厳しい中、管理費の農家負担についてどう認識しているかという問いがございました。  庭木ダムは、川登土地改良区が建設費の一部を負担すること、また、完了後にダムを管理し、その管理費も負担することを前提に県営事業として建設したダムでございます。  ダムが完了し、管理委託協定を締結する際に、土地改良区からは将来の修繕や更新に対する助成について要望がございました。そのため、大規模な施設の更新については別途協議するとの項目を協定に織り込んでいるところでございます。  現在、庭木ダムの管理費は年によって若干の増減はございますが、平均すると年間四百万円程度となっております。また、これについては市から一定の助成がなされている状況にございます。  今日の農業の情勢は、議員御指摘のとおり、米価の低迷や減反など厳しい状況になっております。水利施設を管理している土地改良区にとっては、相対的に維持管理費に対する負担感が増しているものというふうに認識をしているところでございます。  それから、庭木ダムの観測、通信システムの維持管理費についてお問い合わせがございました。  ダム管理に当たっては、貯水状況などの各種データの観測がダム管理の基本となります。庭木ダムは同じ六角川水系に矢筈ダムと同時期に建設されたダムでございまして、観測、通信システムについてはダム建設に伴う河川協議を踏まえて、庭木ダム、矢筈ダムが連携をとって水利調整が行えるようなシステムとなっております。  このため、これらの施設については平成七年度に県土木部、県農林部と土地改良区の三者で締結した管理協定に基づき、それぞれのダムに必要な施設はそれぞれの管理者が、双方とも必要な施設については役割を分担して管理を行っているものでございます。  御指摘の観測、通信システムのうち、大頭首工の水位観測施設については、庭木ダムの貯水を決定するためにも必要であるため、これまで土地改良区で管理をしていただいたところでございますが、水利権更新に伴い河川管理者において管理することで現在協議を進めているところでございます。  維持管理費の負担が増している状況下、県としては庭木ダムの維持管理費の軽減を図るため、現在の観測、通信システムについて極力コンパクトで負担の少ないシステムとなるよう検討を進めているところでございます。  それから、筑後川下流土地改良事業の負担についてお問い合わせがございました。  まず、筑後川下流土地改良事業の負担額の試算方法についてでございます。  国営の筑後川下流土地改良事業の市町及び農家負担は、法令に基づき事業完了年の翌年から償還をすることになっております。この償還額の試算でございますが、国営事業には地元負担を国費で立てかえております一般と、財投資金で立てかえております特別がございます。  一般は年利五%で、二年据え置き十七年の償還期間で償還するようになってございます。また、特別は財投の利率を使って、同じく償還期間を十七年、うち二年据え置きでございますが、元利均等払い、または二十五年以内の年賦払いで支払うことになっておりまして、こういったルールに基づいて地元負担を現在試算いたしております。  この試算によりますと、武雄市を含む杵島地域の総償還額は百四十五億円というふうになっておりまして、うち農家負担は約十一億円というふうに試算をいたしております。  このうち白石町の分は幾らかというお尋ねがございました。  白石町の負担にかかわる事業といたしましては、昭和五十一年度から実施をされました筑後川下流土地改良事業の一般、それから昭和五十四年度から実施された特別、平成十二年度から実施をされております一般である筑後川下流白石平野土地改良事業及び嘉瀬川ダム事業でございます。  杵島地域の市町間の負担割合は、中小河川、ため池等の既存水源と地下水の水源転換などを考慮して、関係市町間の話し合いで決定されたものでございますが、地下水に依存する白石町が最も高くなっております。
     白石町の総償還額は、筑後川下流土地改良事業で約九十五億円と試算をいたしております。そのうち既に完了し、排水効果が発現されている有明水路等については、既に平成二年度から償還が開始をされておりまして、平成十九年度までに約三十二億円が既に償還をされております。その償還に対して、計画償還助成により約三億円の軽減がなされております。  平成二十三年度までに完了予定の用水施設については、平成二十四年度から償還が開始される予定でございます。総償還の試算額は約五十二億円で、年償還額は約三億三千万円というふうに試算をいたしております。ただ、地財措置によりまして、実質の年負担額は約二億四千万円程度というふうに見込んでおります。  また、償還開始の期間はまだ決まっておりませんが、別途、この嘉瀬川ダムの農水負担分がございます。これについては試算額として三十二億円、年償還額を二億一千万円程度というふうに見込んでいるところでございます。  一方、農家負担につきましては、償還額の総額は約十一億円と見込んでおりますが、水田畑作経営所得安定対策事業によりまして、約二億円軽減され、総償還額は約九億円というふうに見込んでおります。償還期間を十七年で試算をいたしますと、白石町の農家の十アール当たり償還額、年に約千円というふうに試算をされております。  それから、新幹線に関係いたしまして、武雄の区画整理事業への御質問がございました。  武雄北部区画整理事業への今後の対応と、それから計画変更に伴う経費についてどうなるんだというような御質問だったろうと思います。  鉄道・運輸機構への聞き取りによりますと、新幹線事業につきましては平成二十二年度からでも用地買収に入りたいというような意向のようでございます。一方、武雄北部土地区画整理事業の事業施行期間は平成二十五年度までとなっておりまして、このままでは用地買収が可能となる換地処分は平成二十六年度以降になります。  このため武雄市では、JR佐世保線を境に事業区域を南北二工区に分けて、新幹線の用地買収の障害にならないよう、ルートが予定されておる南側工区を平成二十三年度までに換地処分する方針というふうに聞いているところでございます。  この経費についてでございますが、武雄市からは事業計画変更に伴う経費増の取り扱いについては、五月末に開催された新幹線事業の地元説明会で初めて鉄道・運輸機構に申し入れを行い、今後具体的な協議をしていくこととなったというふうに聞いております。  県としては、新幹線事業の早期整備に対する支援という立場と、区画整理事業の認可者としての立場から、武雄市と鉄道・運輸機構の協議に参加して、その協議が円滑に進むよう支援をしてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 47 ◎中村交通政策部長 登壇=土地区画整理事業地内にあります新幹線用地に関し、どう認識しているかというお尋ねがございました。  議員御指摘の富岡地区土地区画整理事業における新幹線用地確保につきましては、その当時、県との協議を踏まえながら、武雄市の新幹線着工後の事業が円滑に進み、また、換地後に地権者から再度土地を提供してもらうことを避けるという趣旨で、計画変更に盛り込んでいただいたものでございます。このことについては、当時県としても十分承知をし認可をしたというように認識をしております。  用地の確保から二十数年がたって、新幹線が着工に至ったという経緯がございまして、地元武雄市には長い間、用地の確保という御負担をしていただくという結果になったことは、十分認識しているところでございます。  また、西九州ルート整備事業の円滑な推進を図るということから用地を確保していただいたこの武雄市の御協力には感謝を申し上げたいと思っております。  以上でございます。 48 ◎議長(石丸 博君) 以上をもちまして、一般質問を終了いたします。         ○ 委 員 会 に 付 託 49 ◎議長(石丸 博君) ただいま議題となっております甲第三十二号議案から甲第三十五号議案まで四件、乙第四十二号議案から乙第五十一号議案まで十件、以上十四件の議案を皆様のお手元に配付いたしております議案付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたしたいと思います。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 50 ◎議長(石丸 博君) 以上をもちまして、本日の日程は終了いたしました。  あす八日は議案審査日、九日及び十日は各常任委員会開催、十一日は議案審査日、十二日及び十三日は休会、十四日は特別委員会開催、十五日は委員長報告を行います。  本日はこれで散会いたします。     午後六時三十九分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...