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  1. 佐賀県議会 2000-12-12
    平成12年総務常任委員会 本文 開催日:2000年12月12日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時三十四分 開議 ◯石丸委員長=おはようございます。ただいまから総務常任委員会を開催します。  これより質疑に入ります。通告に従い、順次発言を許可します。 2 ◯水田委員=おはようございます。総務常任委員会の今世紀最後の質問に立たせていただきまして、ありがとうございました。また、昨日の現地視察に関しましては、警察本部並びに地域・情報政策課の皆様方のお骨折りにより、いろんなことを勉強させていただきましたことに、心からお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。  通告を五問いたしておりますが、企画県民部の方から質問をさせていただきたいと思います。  まず、IT講習の推進についてでございますが、当議会におきましても本会議において、いろんな形でIT関連の質問があっております。その内容というよりも、むしろそのことを生かすためのIT講習の推進についてお伺いしたいと思います。  インターネットの急速な普及によりまして、企業活動や個人のライフスタイルが変わるなど、IT革命、あるいはIT化が大変進んでおります。政府は、五年以内に世界最高水準のIT国家を目指すとするIT基本戦略を決定され、また、さきの国会では、すべての国民が、インターネットなどを利用してIT革命の恩恵を受けられる社会を実現するためのIT基本法が制定されまして、来年の一月六日から施行されることになっているところでございます。  今やIT施策が国の政策の大きな柱の一つとして位置づけられているところでございます。  IT化を進めていくことに全く異論はないところでございますけれども、その進め方が余りにも性急過ぎるんではないかという気がするわけでございまして、県民の皆様方にもわかりづらいのではないかと思うところでございます。  今回の補正予算におきまして、すべての国民がインターネットを使えるようにということで、IT基礎技能の早期の普及を図る観点から、IT講習会に関する予算が提案されております。この事業は県民に身近でわかりやすい施策であり、同時に非常に重要だと思います。しかし、事業の実施期間や県内全市町村が行うなど、種々の課題があるんじゃないかと思います。  そこで、次の数点についてお尋ねしたいと思います。  まず、講習会の実施期間、実施主体、受講対象、講習内容、また実施場所はどのようになっているのか、お尋ねしたいと思います。 3 ◯赤司地域情報政策課長=お答えいたします。  このIT講習会は、国の情報通信技術講習推進特例交付金をもとに、佐賀県情報通信技術講習推進基金を設置いたしまして、この基金を活用して、情報通信技術基礎技能講習事業として実施するものであります。  具体的な内容ですが、事業実施期間は平成十二年度から十三年度までの二カ年であります。実施主体は県、それと市町村。受講の対象といたしましては、二十歳以上の県民でありまして、その数は全国で成人人口の約五・五%に当たります五百五十万人程度が目標とされておりますことから、県におきましても国同様、県内成人人口の約五・五%に相当いたします三万七千人程度を見込んでおるところでございます。また、講習の内容につきましては、インターネットが使えるようになるために必要な基礎技能といたしまして、パソコンの基礎操作、ワープロ文書の作成、インターネットの利用、電子メールの送受信の習得を目指しており、十二時間程度にわたる講習となっております。さらに、実施場所といたしましては、小・中・高等学校や公民館、それから図書館、そのほか地方公共団体の施設、さらに、大学や民間施設等も考えているところでございます。 4 ◯水田委員=ありがとうございました。  期間、実施主体、受講対象、講習内容、また、実施場所について御答弁をいただいたところでございますが、事業の計画についてでございます。事業実施は十二、十三年度とのことでございますが、事業の計画はどのようになっておるのか、お尋ねしたいと思います。 5 ◯赤司地域情報政策課長=お答えします。  事業計画についてですが、平成十二年度の事業計画といたしましては、十六市町村が小学校や中学校、さらに公民館などで約千八百人程度講習する予定であり、県におきましても、アバンセで講習を予定しているところでございます。  また十三年度につきましては、現在、早急に事業計画の作成を行っているところでございます。
     以上でございます。 6 ◯水田委員=講習の実施主体は県と市町村ということでございますが、県と市町村の役割分担がどうなっているのか。また、この講習会は市町村との連携をうまくやらないことには円滑に進まないと思います。そこで、市町村に対して事業の趣旨など徹底を図られていると思いますがどうなのか。また講習推進体制が必要と思いますが、その辺のお考えをお尋ねしたいと思います。 7 ◯赤司地域情報政策課長=お答えいたします。  講習の実施に当たりましては、ほとんど市町村が実施主体となることが考えられますが、県で実施する場合は、例えば、市町村が実施する講習会を受講することができない人々のための補完的役割としての実施が考えられます。それから、県は事業推進の推進役、コーディネーターとしての役割になろうかと考えております。  市町村に対する事業の趣旨等の徹底でありますが、既に各市町村に対しまして、制度の概要等につきまして説明会を実施いたしますとともに、市長会、町村会にも協力をお願いしたところであります。  また、国の考えでは、小学校、中学校、高等学校、それから、公民館などの教育施設での講習が全体の八割程度と見込んでいますことから、知事部局と教育庁、さらに市町村、市町村の教育委員会などによります事業全体の連絡調整を行う推進体制についても検討しているところでございます。  以上でございます。 8 ◯水田委員=今の御答弁によりますと、二十歳以上の県民が対象とのことでありますが、高齢者と若者、それと、私もその一人でございますが、全くパソコンをさわったことのない人、少しは知識があられる方などと、講習を受ける人の技能のレベルに差があるんじゃないかというふうに思うところでございます。講習会での落ちこぼれといいましょうか、それも出てくるんじゃないかという懸念も一方ではするところでございます。  そこで、例えば、高齢者のみの講習会とか、若い人たちだけの講習会など、同じレベルの人たちの講習会も考えられるんじゃないかと思いますが、その辺はどのようにお考えでございましょうか。 9 ◯赤司地域情報政策課長=お答えいたします。  講習の工夫ですけれども、ITの基礎技能の習得がしやすいように受講者の年代別や希望グループ別に講習を行うなど、市町村の実情に応じたさまざまな工夫によりまして、より講習の効果が上がるようにお願いをしているところでございます。 10 ◯水田委員=先ほど、国では全人口の五・五%ということでした。それを受けて本県では県全体の受講者が八十八万人の五・五%ということで、三万七千人程度の人が受講するということになります。この事業の実施期間は実質的には十五カ月しかないことになりますね。そうしますと、一回の受講者を平均大体二十人として単純に割ると、千八百五十回講座を開催しないといけないことになります。また、そうした場合には講師の確保も大変だと思います。経済対策の事業とは言いながら、非常に短い期間でこの事業を実施しなくてはならない。うまくいくだろうかと懸念するところですが、講習実施の見通しはいかがでしょうか、お尋ねいたします。 11 ◯赤司地域情報政策課長=お答えいたします。  講習の実施見通しについてどうかということですけれども、講習の実施場所につきましては、学校、それから公民館などの施設を有効に活用して講習を実施するとともに、民間に委託するなど、さまざまな工夫によりまして多様な講習の機会を提供したいと考えております。  また、講師につきましても、例えば、ITに強い教師や情報教育アドバイザーなどの学校教育関係者、それから民間のインストラクター、ボランティアなどの協力を得ていきたいと考えております。  確かに、十五カ月でこれだけの人員を対象にインターネットが使えるようになるために必要な基礎技能の講習を行うということにつきましては、御指摘のとおり、非常に厳しい面があります。しかしながら、IT時代の到来を思いますと、できる限りITを理解し、その利便性を県民の方に享受してもらう基礎づくりは欠かせないと思っております。そのためにも市町村、学校関係者など、多くの人々の協力と支援を得て実施してまいりたいと考えております。  以上であります。 12 ◯水田委員=この項の最後になりますけれども、この講習会事業自体は大変いいことだと思います。今回の講習でさまざまな情報に対応できるようになり、県民の利便性が向上すると同時に、また、時間的なゆとりが生じることで余暇の有効活用ができるような社会になっていくんじゃないかというふうに思うところです。  また、今回の事業は講習会の開催が目的ではなく、受講者がインターネットを使えるようなパソコンの基礎的技能を身につけることが目的であることを十分認識されて、この事業を実施していただき、ITの恩恵をすべての県民がひとしく享受できるように進めていただきたいと思います。  今、基金の活用による利益によって、この事業の推進というお話でございましたけれども、その基金の活用といいましょうか、そういう一面では厳しさもあるようでございます。その点、執行部の皆様方がお知恵を絞られて、この事業の推進が本当にスムーズに運ぶことを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。  次は、地方税財源の充実確保についてでございます。  地方分権下におきまして、自主財源である地方税を基本とした自立的財政運営が求められていることから、ことしの十月二十五日に地方税財源の充実確保を柱とした第二十六次地方制度調査会の答申が出されたところであります。  その中で、基本的な考え方として、「分権型社会においては、地方公共団体が地域住民の参画を得て総合的に施策の選択を行い、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現に責任を持って取り組めるようにすることが重要であり、そのため、地方公共団体の財政面における自己決定権と自己責任をより拡充する必要がある」とされております。また、そのことを実現させるためには、安定的な財政基盤を確立する必要があるとされており、具体的には、地方税源の充実確保や交付税制度のあり方等に言及されているところであります。  こうした状況におきまして、三割自治と言われる財政基盤が脆弱な本県において、どのような対策をとるべきか検討する必要があると考えます。  そこで、次の二点についてお尋ねいたしたいと思います。  まず、自主財源である税財源の充実確保についてでございますが、もう御承知のとおりに、景気の低迷によりまして税収が伸び悩み、今後も税収の大きな伸びは期待できないところでございます。このような中、地方分権の進展に伴いまして行政サービスの増大が見込まれ、これを受けた財政需要の拡大は避けられないものと考えます。  県税収入の推移がどのようになっているのか、まずお伺いいたしたいと思います。 13 ◯池田税務課長=県税の収入額は、平成九年度約八百三十八億六千二百万円、平成十年度約八百九十三億五千七百万円、平成十一年度約八百四十一億九千五百万円となっております。  また、平成十二年度現計予算は約八百五十三億八百万円でございまして、平成九年度に対しまして一・七%の伸びにとどまっております。これはこの間、地方消費税が創設されるなどの増収要因があったものの、税制改正による恒久的減税や景気低迷の影響が大きいことから税収が伸び悩んでいるものと考えております。 14 ◯水田委員=県税の収入についての推移もお伺いしましたけれども、平成十年度から、また十二年度の税収入も大変落ちているようでございます。  そこで、県税の充実の方策については何かお考えはございましょうか。 15 ◯池田税務課長=県税収入の充実確保策といたしましては、課税客体の完全捕捉と収入未済額の縮減に努めますとともに、納税者の意識を高めるため税務広報の充実を図ることはもちろんのこと、新税の創設や新産業の創出、地場産業の育成や企業誘致、さらには観光開発などによりまして、税源の涵養を図ることは極めて重要であると考えております。  これらが県税収入にもたらす影響につきましては、定量的に把握することは困難でございますが、直接的な影響といたしましては、法人関係税や設備投資に伴う不動産取得税の増収が見込まれること。間接的には、雇用機会の増大が個人所得の拡大となること。観光客の消費支出が観光産業の収益増につながること等によりまして、事業税や個人県民税などの増収が見込まれること。  また、制度面からは、今、国において議論がなされております法人事業税におきます外形標準課税の導入など、景気に左右されない安定的な税収が確保される地方税制度の早期確立。それと、国と地方の役割分担に応じました税源配分の見直しなど、税制面からの税収確保策が重要であると考えておりまして、これまでも国等に対しまして要望をいたしてきたところでございますが、今後とも、さらに強く働きかけてまいりたいと考えております。 16 ◯水田委員=いろんな充実方策の御答弁がございました。確かに今、景気の面からの増収という希望的観測といいましょうか、将来、今の景気のままでは困りますし、幾らかの増税にはなるでしょう。また、外形標準課税とか余り耳にしなかった課税の方法とか、新税の創設という言葉もお聞きしました。新税の創設ということになりますと、税の形によっては、納税者側から見ればいろんな同意とか、そういう客観的な要因を含めて一つの税の形になっていくものだと思います。いただく方、また、いただく方の経済状況等いろんなことを踏まえましても、今の時期は新税の創設ということは大変厳しい状況下にあると思います。また、皆様方の英知を結集されまして、そういう安定的な財政運営ができるために御努力をお願いせねばなりません。  そこで、本県におけるその新税の検討状況についてどのようになっているのか、お尋ねいたしたいと思います。 17 ◯池田税務課長=本年四月の地方分権一括法の施行によりまして、課税自主権が拡大されたことに伴い多くの県で検討が進められていると聞いております。  本県におきましても、地方分権の時代を迎えまして、新たな政策課題や行政サービスを安定的に提供するためには自主財源の充実強化が必要であることから、新税制の導入等につきましても検討すべき課題であると考え、法定外普通税等導入検討会を設置したところでございます。  検討会におきましては、法定外目的税の創設や、超過課税の可能性など、既存の枠にとらわれず、他県の状況も参考にしながら、幅広く検討を行っているところでございます。  これは、新たな政策課題や行政サービスに対する財源の充実確保を図るものでございまして、そのためには行政サービスに対します住民の受益と負担を明確にする必要があることや、税収の使途、課税客体の補足、徴収コストなどの面で多くの問題を抱えております。このほか第一次産業のウエートが高く、中小企業が多い本県にとりましては、都市部に比べて税源が少ないなどの困難な面はございますが、本県にとって課税対象としてどのようなものが適当か、関係課の意見等を聞きながら、今年度末までには何らかの形で検討会としての意見を取りまとめたいと考えております。 18 ◯水田委員=新税等の検討をしているという御答弁をいただきました。御承知のとおりに、我が県は大変税源が小さいということがまずありまして、県税の増収には限度があると考えるところです。  そこで問題になってくるのが、地方の重要な財源を担っている地方交付税ですね。現在は三割自治という中でどのように税制が改正されようとも、地方の重要な財源を担っている地方交付税に頼らざるを得ないところであると思います。また、最近この交付税について、いろいろな議論がなされていると聞いております。自民党の税制調査会とか各党間でも、また政府にありましても、税制をいかにしようかといういろんな議論がなされていると聞いているところです。  そこで、地方交付税の現状と今後の課題についてお伺いしたいと思います。  平成十二年度の地方交付税の総額と、本県における地方交付税の交付額がどうなっているのか。また、本県の歳入に占める割合はどの程度になっているのか、お伺いしたいと思います。 19 ◯金崎財政課長=平成十二年度の交付税の総額でございますが、今回お願いをしております国の補正予算に関連する分で、約三千六百五十七億円が増額をされております。合わせますと、全体で約二十一兆七千七百六十四億円となっております。この内訳でございますが、普通交付税が約二十兆四千六百五十九億円、特別交付税が約一兆三千百五億円となっております。  次に、本県における地方交付税の今年度の交付額でございますが、普通交付税が約一千八百二億一千七百万円、特別交付税は来年三月に決定される予定でございまして、現在三十五億円を見込んでおりますが、これを合わせますと、全体で約一千八百三十七億一千七百万円となる見込みでございます。  なお、本県の歳入に占めます地方交付税の割合でございますが、十一月補正後の見込みで三五・四%でございまして、国庫支出金とか県税のウエートを大きく上回る本県の重要な財源となっております。 20 ◯水田委員=今、平成十二年度の本県の歳入に占める地方交付税の割合をお聞きしました。その割合が三五%ということになりますと、国庫支出金等を加え六〇数%をお国に依存することになっていくわけでございます。大変厳しいものだと思います。  そこで、平成十二年度における交付税特別会計の借り入れの状況と残高をお尋ねいたしたいと思います。 21 ◯金崎財政課長=交付税でございますが、これは元来、国税のうちの所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税のそれぞれの一定割合の額を原資として地方公共団体に交付されるということになっております。しかしながら、近年の景気低迷等によりまして、この交付税の原資となります国税収入が低迷をしておりまして、必要な交付税総額が確保できないということから、交付税特別会計で借り入れが行われているといった現状でございます。  平成十二年度は、通常収支の不足額が九兆八千六百七十三億円ございました。また、国の恒久的な減税がございましたけれども、その影響額で三兆五千二十六億円が減収になっております。この両方に対応するために交付税特別会計で八兆八百八十一億円の借り入れが行われておりまして、これまでの借り入れと合わせますと、平成十二年度末の特別会計の借入残高が三十八兆一千三百十八億円となる見込みでございます。このうち、国の負担分を除きました地方の負担分といたしまして、二十六兆二千六百三十三億円というふうになっております。 22 ◯水田委員=このような交付税特別会計の現状を県としてどのようにお考えになっておるのか、お尋ねいたします。 23 ◯金崎財政課長=こういったただいま申し上げました交付税の借入状況は、国税収入の低迷というものが一つの背景にございます。また、公債費の累増というのが地方でもございまして、そういったことにより大幅な財源不足が続いているという状況でございます。  こういう厳しい財政状況の中にありまして、交付税特別会計の借り入れは交付すべき地方交付税額を確保するためにやむを得ず行われているものと理解をしておりますが、本来の制度からいきますと、好ましいものではないと認識をしております。  いずれにしましても、財源のこういった不足は景気回復による国税収入等の収入増によって解消されるのが第一であると思っておりますが、これが困難な場合には、この健全な地方財政を維持するという観点からも、例えば、交付税率のアップといったことも視野に入れながら制度の見直しも必要ではないかと考えております。 24 ◯水田委員=私も全く同感でございます。そこで、地方分権と言いながら、この地方交付税で地方の面倒を見過ぎているというような地方交付税制度の見直しの議論も出てきておるようでございます。こうした議論を踏まえて、県は地方交付税制度のあり方に対してどのように認識しておられるのか、お伺いいたしたいと思います。 25 ◯金崎財政課長=地方分権の時代でございますので、その中で地方公共団体が自主的、あるいは主体的に行財政運営を行っていくためには、本来、みずから徴収する地方税の収入によりまして必要な経費を賄っていくと、これが望ましい状態であると考えておりまして、今後、国と地方の税源配分、こういったものの見直しなどによりまして、地方税の充実強化を図る必要があると考えておるところでございます。  しかしながら、現状といたしましては、地域間によりまして著しい経済力の格差と、それを反映しました税源の偏在という問題がございます。  例えば、本県のように大きな企業も少なく税源が乏しいといった団体にとっては、たとえ国からの税源移譲ということで地方税が充実されたということがありましても、そう多くの増収は見込めないんじゃないかと考えられます。  したがって、税源の偏在を是正して、行政運営に必要となる財源を保障する、いわゆる財源調整機能としての地方交付税制度は今後とも必要であると考えておりまして、今後、国において地方税財源の充実を図るための見直しが行われるに当たりましては、こういった地方交付税制度について検討されるということも十分想定されるわけでございますが、本県のように財政基盤の脆弱な地方団体の現状を十分踏まえて検討がなされるよう、今後とも国に対して要望をしてまいりたいと思っております。 26 ◯水田委員=本当にありがとうございました。今、御答弁の中から脆弱な財政基盤である、また、一次産業が県の主な産業であるという宿命的といいましょうか、そういうような税を生まない県土の体質が現実にあること。かてて加えて、企業が納める税スタイルも今後整備されていくとは言いながら、税の配分の比率とか、どうしても基盤が強い東京とかああいう強いところと地方との格差がさらに増さないように、御努力をお願いしたいと思うところでございます。  総務部への地方税財源の充実確保についての質問を終わらせていただきたいと思います。  次に、三番目の乗り合いバスの需給調整規制の廃止に伴う対応についてということでお尋ねいたしたいと思います。  バスは地域住民、とりわけ自家用車などの移動手段を持たない児童、高齢者、障害者などのいわゆる交通弱者にとって買い物や通院、通学、通勤などの日常生活に必要不可欠な最も身近な公共交通機関であり、まさしく生活の足であると思います。しかしながら、車社会の進展等によりまして、バスの利用者は年々減少傾向にありまして、路線バス事業の経営も年々厳しさを増し、バス事業者にとって経営努力だけで路線を維持することが困難であると聞いております。  県といたしましても、そういう状況を踏まえられて、これまでも地域住民の生活上必要と認められる生活路線の維持を図るために、各種補助を行ってこられたところでございます。  こうした状況の中で、バスに関して、本年、需給調整規制の廃止を含む道路運送法の改正が行われ、近々、バス事業者の判断で路線への参入や退出が自由化される予定と聞いております。今後、バスのあり方も大きく変わっていくのではないかと思うところでございます。  新聞報道によりますと、このような流れの中で、県東部を運行しているバス事業者の一部路線を廃止する計画に対して、沿線市町村が補助等を行うことによって存続維持を働きかけているとの報道もなされておりますが、今後、このような不採算路線の廃止の動きが他の地域に広がることも予想されると思います。バスしか交通手段のない地域にとりまして、バス路線の存続問題は大きな課題であると思います。  そこで、乗り合いバスの需給調整規制の廃止に伴う対応ということで、特に、生活に密着しているバス路線の今後のあり方についてお尋ねしたいと思います。  まず、バス運行の根底にかかわる道路運送法の改正であります。  道路運送法の改正によりまして、今後、乗り合いバス事業の需給調整規制が廃止されると聞いておりますが、この需給調整規制の廃止とはどういうものなのか。また、道路運送法改正の主な内容がどのようになっているのか、お尋ねいたしたいと思います。 27 ◯飛石空港・交通政策課長=まず、需給調整規制の廃止についてであります。  乗り合いバス事業の需給調整規制──需給調整と申しますけれども、これは例えば、新規にバス事業に参入したり、あるいは現在バス事業を行っている者があるバス路線から退出、撤退するといった場合に、需要に対する供給の状況を勘案して参入や退出、撤退することについて、許可等により規制を行うというものでございます。  したがいまして、需給調整規制の廃止と申しますのは、これらの規制を廃止する、なくなるということであります。  次に、道路運送法の主な改正内容ということでありますが、道路運送法はことしの五月に改正されまして、来年度、十三年度中の施行が予定されております。  その主な内容といたしましては、まず、バス事業への参入につきましては、免許制から許可制ということで、今までは供給量と需要量が不均衡とならないように規制がされておったわけでございますけれども、これが輸送の安全確保等が図られれば参入が認められると、このように緩和されております。  それから、バス事業やバス路線を休止、または廃止する場合は、これまでは許可を受ける必要があったわけでございますが、改正後は休止、または廃止の六カ月前までの事前届け出制と、このようになっております。  さらに、運賃でございますけれども、これまでは運賃改正のたびに認可が必要だったわけでございますが、改正後は上限の認可を受けた範囲内で適用する運賃を届け出る上限認可制とされております。  以上であります。 28 ◯水田委員=考え方によっては、企業の経営者から見れば、赤字を生む体質の路線を廃止するということは当然のことだと思います。また、前段で申しましたように、そのバス路線が例えば一人の老人が通院なり、あるいは買い物に行く方法のために存続するということも、会社側から言えば大変厳しい対応だと思うところです。また、それがバス路線の参入という状況にはならない。  例えば、鳥栖の大手のバス会社は自分のいろんな条件を備えたバスでは、今申しましたようにどうしても運行が赤字路線であると。また、一線を退かれた運転手の方々を再雇用して、会社の条件から程度を落としたことで運行している例もあるんですね。経営者側としてもいろんな知恵を絞りながら、その地域に貢献していきたいというような姿勢も見えるところでございます。  そういうようないろんな制度が変わることによって、県民の足に影響があっては困りますし、その辺のことについてはまた皆様方のお知恵をかりながら、今後の対応に誤りのないようにお願いしたいと思います。  そこでもう一点、道路運送法の改正によりまして、今申し上げましたようにバスの運行も大きく変わることが予想されると思いますが、まず、県内のバス事業の現状がどのようになっているのか。また、県内のバス事業にどのような影響が考えられますか、その辺をお伺いしたいと思います。 29 ◯飛石空港・交通政策課長=まず、県内のバス事業の現状でありますが、現在、県内で乗り合いバス事業を行っている事業者は、高速バスを除きまして、県内に本社を置く事業者が五社、平成十二年九月に設立された一社がございますので、これを加えれば六社でございます。それから、県外に本社を置く事業者が四社あります。また、県内の乗り合いバスの路線数といたしましては、約五百路線となっております。このうち約四百路線は赤字と聞いております。  次に、県内バス事業への影響ということでありますが、先ほど申し上げましたとおり、道路運送法の改正によりまして、バス事業などへの参入、退出、撤退が自由になるわけでありまして、このことで競争原理が働き、事業者の創意工夫によるサービスの向上といったことが図られる反面、本県のように路線の多くが赤字を抱えている現状では、むしろ不採算路線からの退出、撤退が進むのではないかと懸念しているところであります。 30 ◯水田委員=この項の最後ということを私言うたように記憶しておりますが、訂正いたして、質問を続けさせていただきたいと思います。  道路運送法の改正は、昨年の四月の運輸政策審議会の答申に基づくものと聞いております。この答申では、地方ではこれまでの需給調整規制を前提とした内部補助ではバス路線の維持は限界であり、生活交通の確保については国と地方との適切な役割分担のもと、地方公共団体がより主体的に関与していくことが適当であるとされております。  そこで、国では需給調整規制の廃止を受けまして、平成十三年度からこれまでの地方バス路線維持の補助制度を大幅に見直す予定であると聞いておりますが、現在の補助制度の現状はどのようになっているのか、お尋ねしたいと思います。 31 ◯飛石空港・交通政策課長=現在の補助制度の概要であります。  地方バス路線維持のための補助制度につきましては、第二種生活路線維持費補助と第三種生活路線運行費補助の二種類があります。  第二種生活路線維持費補助は、平均乗車密度が五人以上十五人以下で、一日の運行回数が十回以上の路線を対象として欠損額を補助するというもので、国・県がそれぞれ二分の一ずつを負担しております。平成十二年度は九十二路線が対象となる見込みであります。  それから、第三種生活路線運行費補助は、平均乗車密度が五人未満の路線を対象といたしまして欠損を補助するというものでありまして、国・県がそれぞれ四分の一ずつ、市町村が二分の一を負担しております。平成十二年度は十八路線が対象となる見込みであります。  以上であります。 32 ◯水田委員=この見直しという点でお伺いしたいと思いますが、この補助制度の見直しによりまして、佐賀県への影響はどのようになっていくとお考えでしょうか。その点ちょっとお伺いします。 33 ◯飛石空港・交通政策課長=佐賀県への影響でありますが、平成十三年度に、先ほど申し上げました第二種生活路線、第三種生活路線の補助制度が継続されると仮定いたしますと、第二種生活路線維持費補助の対象となると思われる路線数は八十九路線、次に、第三種生活路線運行費補助の対象となると思われる路線数は十三路線の計百二路線となります。  しかし、この補助制度が見直されますと、国の方では広域的かつ幹線的路線のみを補助するとなっておりまして、これによりますと、現在のところ三十路線が対象になると考えておりまして、七十二路線が対象外になると考えております。 34 ◯水田委員=国が補助の対象とする路線以外の路線について、県はどのように対処されるのか、お尋ねしたいと思います。 35 ◯飛石空港・交通政策課長=国の補助対象外となる路線についての県の対応でありますけれども、国の制度改正に伴いまして、県の補助のあり方も検討する必要があると考えております。しかしながら、国の補助制度のうち、運行回数の上限など詳細な内容が示されておりませんので、国の補助対象となる路線を確定できず、また、国の補助対象外の路線を県や市町村が補助する場合、県や市町村に対する交付税措置についてもまだ明確になっていない状況でございます。  したがいまして、これらの状況を注意深く見守りながら、国の補助対象とならないバス路線について維持する必要があるかどうか。維持するとした場合に負担をどうするかなどにつきまして、市町村と協議しながら補助のあり方を検討しているというような状況であります。 36 ◯水田委員=そこで、県や市町村の補助のあり方を含めまして、今後のバス路線のあり方を検討することが大変重要でありまして、運輸政策審議会答申では、今後の生活交通の確保のための検討を行うため、県単位に地域協議会を設置することが織り込まれていると聞いておるところです。  そこで、地域協議会とはどのようなものなのかお尋ねしたいと思います。
    37 ◯飛石空港・交通政策課長=地域協議会の概要でございますが、地域協議会は乗り合いバスの需給調整規制が廃止されることによりまして、不採算路線からの退出、撤退が進むことが懸念されることなどから、今後の地域の生活交通のあり方や生活交通の確保方策に関することを協議するために、県、国、市町村、バス事業者などをメンバーといたしまして、全国各県に設置するとされたものであります。 38 ◯水田委員=そのような性格を持つ地域協議会であるとすれば、県でも早急に設置すべきと思いますが、その点のお考えはどうでしょうか。 39 ◯飛石空港・交通政策課長=委員から冒頭御指摘がありましたとおり、県内では既にバス路線廃止の動きがあっておりますことから、県としては早急に地域協議会を設置する必要があると考えております。  しかしながら、先ほど申し上げましたが、生活交通の確保方策等を検討するに当たりまして、国の新しい補助制度の具体的な内容、あるいは地方交付税措置等による財源確保等の見込みなどを踏まえて行う必要があるわけですけれども、これらが年内、あるいは一月には明確になると聞いております。したがいまして、できるだけ早くと考えておりますが、来年の一月をめどにいたしまして設置することで関係機関と調整を行っていると、このような状況にあります。 40 ◯水田委員=国の制度が大きく変わろうとする中で、国が補助対象とする路線以外の路線の取り扱いをどうするか。これは財源等の問題もあり、大変難しい問題だと思います。県としても県民のために、また市町村等とも協議しながら、今後適切に対応してもらいたいという要望にかえて、この問題を終わらせていただきたいと思います。  次に、消防団の活性化についてお尋ねいたしたいと思います。  御承知のとおりに、消防団の長い歴史は地域住民みずから災害と闘い、災害から人命と財産を守り続けた歴史がございます。そのような輝かしい伝統が培われてきた団体であり、また、地域社会においてはかけがえのないものになっております。  今日においても、消防団は火災の鎮圧はもとより、大災害時の人員の大量動員を要する救出、救助、警戒、誘導など、危険な現場での活動とともに、平常時にありましては、年末年始の警戒など住民と密接な関係にある組織であります。しかも、日ごろはそれぞれの職業に従事される傍ら、一たん災害等が発生すると消防人としての誇りと責任を持って住民の安全確保や財産の保全、また地域社会の安寧、秩序の保持に地域防災のかなめとして全力を尽くしていただいておるところでございます。  しかしながら、地域社会の連帯意識や郷土愛護の精神がだんだん希薄になりつつある中で、消防団員の確保は大変困難であるということも聞いております。  消防団と常備消防が相互に連携を図りながら、消防・防災活動を維持していくためには、県としても消防団の活性化について努力していく必要があると思うところです。  そこで、次の点についてお伺いいたしたいと思います。  消防団員の現状等についてでございますが、消防団員数は全国的にも年々減少傾向にあると聞いております。本県の消防団員の現状はどうなっているのか。また、住民に対する消防団員の加入の割合、いわゆる組織率はどうなっているのかお尋ねしたいと思います。 41 ◯古賀消防防災課長=消防団員の現状等ということで、まず、消防団員の数についてお答えいたしますけれども、全国、それから本県とも減少傾向にあります。  これをここ五年間で見てみますと、全国の消防団員数は平成十二年四月一日現在約九十五万一千人でございます。これを平成七年と比べますと、約二万四千人減少をいたしておるというような状況であります。  また、本県の消防団員数につきましても、平成十二年四月一日現在約二万一千人でございまして、平成七年と比べますと、約九百人減少しているというようなことになっています。人口千人当たりの割合で見ますと、全国が七・五人、本県については二十四・一人というようなことで、この組織率では全国一となっております。 42 ◯水田委員=手元に消防団員の推移という資料をおいただきしております。これは答弁は要りませんけれども、消防団の組織の中で、私の地元でもそうでございますが、留守の家庭を守る意味からでございましょうし、また、消防意識の高揚のためにも地域に大いに貢献されている女性消防団員という組織が最近は見られるようでございます。  資料によりますと、県内の消防団員が平成十二年度では二万一千人、それで、女性の団員が二百四十二名ということでございまして、総団員に占める女性消防団員の割合というのは約一%ぐらいのようです。  組織としては、例えば、神埼の消防団を見ますと、全然別個の、組織には組み込まれていない組織なんですね。ただ、女性消防団という一つのグループであって、それぞれの町内からえりすぐられた人たちで構成されておりまして、地域の消防団には組み込まれていない組織であるように思います。しかし、女性消防団員の活躍は、平素の消防団員の活躍に対する士気の高揚とか、それぞれの役目があるようでございまして、また、女性消防団員の存在も今後は団員減少の中で大きなウエートを占めるときが来るんじゃないかと予測しておるところでございますので、女性消防団員のそういう指導にも心を配って今後やっていただきたいと、これは要望でございます。  第二点は、消防団員の高齢化についてでございます。  私も、入退団式、また夏季訓練、出初め式とか、いろんな消防行事にお招きを受けるところでございますが、我が県でも消防団員の高齢化が進んでいるのではないかと思います。  そこで、全国や本県の消防団員の平均年齢はどのようになっているのか、お尋ねしたいと思います。 43 ◯古賀消防防災課長=消防団員の平均年齢というようなことでございます。  まず、全国の平均年齢でございますけれども、これも五年間を見てみますと、全国の推移で平成七年は三十五・九歳、平成十二年で三十六・七歳ということで、五年間で〇・八歳高くなっております。  本県の平均年齢でございますけれども、平成七年は三十二・四歳、平成十二年は三十二・九歳ということで、〇・五歳高くなっております。全国、本県ともに高齢化の傾向ということが言えるんではないかと思います。  ただ、全国と本県を比較しますと、本県が三・八歳低く、若いという状況にあるわけです。(「もう一度、今の三・八歳、どうですか」と水田委員呼ぶ)  平成十二年が本県の場合は三十二・九歳でございます。全国が三十六・七歳ということで、本県の方が平均年齢は三・八歳若いというようなことになっております。 44 ◯水田委員=高齢化については、それでも全国平均から見ますと佐賀県は若いということですが、全体的に高齢化は右上がりになっているという現状があるようですね。これはもうやむを得ない現象かなと思います。  次の質問に移ります。  消防団員の確保対策でございます。  前段で申しましたように、消防団員の確保が大変困難な状況にある。各市町村でもそれぞれ団員減少の歯どめについて努力されていると思いますが、県としてはどのように対応しておられるのか、お尋ねいたしたいと思います。 45 ◯古賀消防防災課長=御指摘のように、消防団員の減少が続く中で団員の高齢化が進んでいるというようなことで、特に若い団員を確保して消防団の活性化を図るといったことが課題となっております。  お話がありましたように、市町村においてもそういった確保について努力をなされております。例えば、広報誌やチラシによる募集、戸別訪問による加入促進、それから、Tシャツやアポロキャップの導入などといったことで努力をなされております。  県といたしましても、広域的な観点から消防団活動の理解を深めるために、マスコミを活用した新聞、ラジオ、テレビによる広報。それから、ポスターによる消防団員の募集。また、幼少年のころから消防団活動を理解してもらうというようなことから、平成八年から小学四年生を対象とした副読本を学校に配布させていただいている。それから、平成十一年度からでございますけれども、消防に関する作文を小・中・高校生を対象に募集するなど、こういった啓発事業を行っているところでございます。  また、県消防協会と共同で平成十一年度に旅館、映画館等の協力を得まして、消防団員への割引制度を設けるなど、こういったことを通じて消防団員の確保に努めているというような状況でございます。 46 ◯水田委員=その努力の効果が大変あって、佐賀県でも組織率は低下していると言いながら、優秀な団員の確保が現実にあるということには敬意と感謝を申し上げたいと思います。  そこで、次の質問ですが、消防団員に対する教育訓練についてでございます。  消防・防災活動においては、専門的な知識や技術が必要だと思います。県は、消防団員に対してどのような教育訓練を行っておられるのか、お尋ねしたいと思います。 47 ◯古賀消防防災課長=消防団員に対する教育ということでございます。  火災やその他の事故災害に適切に対応できる消防力を確保するためには、消防団員の方々に火災、気象等に関する専門的な知識や消火、水防等に関する技術を習得してもらい、その資質の向上を図ることが必要であると考えております。  このため県消防学校におきまして、幹部を対象といたしましては、階級に応じた災害現場での指揮能力、指導力を高めるための知識や救助等に必要な知識、技術の習得などの研修。それから、一般団員を対象といたしましては、消防操法技術などの研修。それから、先ほどお話がありました女性消防団員を対象といたしましては、火災予防に関する知識や初期消火などの研修。  さらには、消防学校で訓練を受けることが困難な方々には土曜、日曜、祭日を利用して市町村に出向いて、移動消防学校と申しておりますが、こういったことを通じて消防団員の資質の向上に努めております。  市町村におきましても集団訓練、一つの小隊訓練といったこと、それから、ポンプ操法訓練、火災を想定した出動訓練等のほか、新入団員を対象に消防団員としての心構えや消防組織の知識、火災、その他の災害に備えた基礎的な技術を習得する訓練、こういったことに努められているということでございます。 48 ◯水田委員=ありがとうございました。  最近の火災は都市型火災といいましょうか、例えば、ビルの火災とか、また産業型といいましょうか、工場型といいましょうか、それぞれの火災の内容によって、一般の家庭の火災とは違う状況の把握も必要ですし、その対応も要求されてくる時代になりました。  何年前でございましたか、三田川地区の廃車置き場での火事なんか、火災の原因がわかっておりましても、化学消防隊なんかの出動を得ないことには消火できない状況もあったようでございます。それにはそれぞれの消防署、また自衛隊とか、県警の協力によりまして、空、また、それぞれの地域の皆さん方からの協力を得て鎮火に至った経緯もございます。その消防団員が教育訓練を受けることによって、より高度な結果を出していただくことを御要望させていただきます。  それと、最後になります。消防団の活性化についてでございます。  今後とも、消防団活動を維持していくためには、消防団員の確保や資質の向上などを図りながら、消防団の活性化を図っていくことが必要と思います。県の対応を最後にお伺いいたしたいと思います。 49 ◯古賀消防防災課長=消防団は消防の常備化や広域化が進んでおる今日におきましても、御指摘のとおり地域消防のかなめとして、地域社会に果たす役割は依然として大きいというふうに考えております。したがいまして、消防団員に対する教育訓練や団員の確保などを通じて、消防団の活性化を図っていくことは重要であると認識しております。  このため県といたしましては、今後とも、県消防学校での消防団員に対する教育訓練の充実、消防大学校への入校枠の確保、消防操法大会を通じた消防操法技術のレベルアップなど、消防団員の資質向上を図っていきますとともに、消防団員を確保するために、先ほどお話がありました、今日的課題となっております女性消防団員の導入促進など、市町村や県消防協会とも連携をとりながら、効果的な事業の推進に努力していきたいと考えているところであります。 50 ◯水田委員=どうぞよろしくお願いしておきます。  最後になりました。警察本部の方に暴走族対策についてお尋ねいたしたいと思います。  今議会に暴走族追放に関する条例を提出していただきました。このことは今、県民の皆様方が暴走族に対していろんな形での、はっきり言って迷惑、危険。また最近の暴走族の形は凶暴化し、東京でございましたか、暴走行為に対して市民の一人が注意をされたんでしょう、そのことによって命を落とされたという大変危険な暴走行為に変わりつつあります。  そのような中で、今回、我が県から出していただきました暴走族追放に関する条例がその抑止にもなり、そして、県民の皆様方により平穏な生活をしていただく。先日の視察におきまして、暴走族の実態のビデオを見せていただきました。その時間帯を見ますと午前四時という、我々には想像もつかない時間帯にあのような非行行為を行うグループがある。それを取り締まっていただいておる警察の皆様方の御苦労というものも本当に身近に感じ、心から御苦労というねぎらいの言葉を発したいというふうに思ったところでございます。  そこで、この暴走族を追放するためには警察の強力な取り締まりと、関係機関が一体となって暴走族を絶対に許さない社会環境をつくり上げていくことが重要であると思うところでございます。  そういう意味から、今回提出していただきました暴走族追放に関する条例は、極めて有効であると思うところでございます。本条例の効果的な運用により、来るべき二十一世紀には本県から暴走族がなくなるよう強く望むところでありますし、本部長みずからこの暴走族という言葉が二十一世紀には死語となるよう頑張るという極めて強い決意の表明をいただいたところでございます。私も県民の一人といたしまして、心からそのような事態に至ることを願うものでございます。  そこで、次の点をお伺いいたしたいと思います。  県下の暴走族の実態はどのようになっているのか、お尋ねいたします。 51 ◯馬場交通指導課長=お答えいたします。  現在、警察で把握しています県内の暴走族は、グループに加入している者が十グループ百三十人、また単独、あるいは複数で暴走している者が三百三十人、合わせて四百六十人であります。  現在の主力は十六歳から十九歳でございまして、これが全体の九五%を占めております。また、暴走族は世代交代が極めて激しく、グループ数、人員とも流動的であります。  最近の暴走族は、特に佐賀市、唐津市、牛津町などを中心に、県下全域にわたって集団暴走を繰り返しておるわけでございまして、県民の方々に著しい不安と迷惑を及ぼしている状況でございます。  また、暴走族は窃盗、傷害、恐喝、覚せい剤といった事犯も敢行するなど、その行動はますます悪質・凶悪化しているということで受けとめております。  以上でございます。 52 ◯水田委員=実態についてお答えいただきました。私も昨日のビデオを見た折に、暴走族なるものもどこかは人間であるなと。覆面をしたりナンバーを削ったりと、みずからの行為に対して反社会的な行為という自覚が少なくとも一%ぐらいはあるんじゃないかと思ったところでございます。  そのような中で、取り締まられる警察官の皆さん方も相手の人命とか、いろんな状況を想定し、事故がないように、そういう大前提で──人権といいましょうか、相手だって人権があるようでございますし、そのことを重く受けとめての大変苦しい立場を乗り越えて、暴走族追放に御尽力いただいているものと思います。  そこで、この条例制定に至った背景なり必要性についてどのようにお考えなのか、お尋ねいたします。 53 ◯馬場交通指導課長=お答えします。  暴走族は道路における単なる暴走集団のみならず、犯罪を反復敢行する悪質な非行集団であります。暴力団の予備軍的存在でもあることから、警察といたしましては、総力を挙げて対処する必要があると考えまして、新たに本年十月、警察本部に機動隊を編入して佐賀県警察暴走族壊滅対策本部を設置したところでございます。また、県下すべての警察署に暴走族壊滅現地対策本部を設置し、暴走族の壊滅に向けて総合的な対策を積極的に取り組んでいるところであります。  暴走族を根源的に追放していくためには、こうした警察の取り締まりだけではできるものではなく、県民総ぐるみで暴走族を許さない環境づくりが不可欠と考えるところでございます。そうしたことで、今議会に暴走族に関する条例案を提出した次第でございます。  以上です。 54 ◯水田委員=そのような必要性、そして背景があって条例の提出に至られた経緯はよくわかりました。  そこで、この条例制定に先立って、県民等の意識調査をされたのかどうか、ちょっとお尋ねいたしたいと思います。 55 ◯馬場交通指導課長=お答えいたします。  本条例に先立ちまして、県と連携し、県内全域の方々からアンケートという形で条例制定に対する意見、暴走族に関する意識調査を実施しております。  具体的には、交通関係機関・団体、自動車及び部品販売店、ガソリンスタンド、刺しゅう業者、タクシー業者、さらには一般ドライバーも含めまして、十一団体五百十四人の方から貴重な御意見やアンケートに対する回答をいただいたところでございます。  アンケートの調査結果でございますけれども、暴走族に関して「迷惑している」との回答が九七・三%ということで、ほとんどでございます。そのほか「暴走族にガソリン販売の自粛」というものが七六・三%、「車両改造、部品販売の自粛をお願いしたい」というのが八六・六%、さらには「学校、職場関係者の指導、教育の強化」というものが九六・九%となっております。  こうしたことから、暴走族の追放を要望する住民の意向というものが本当に強くうかがえるところでございまして、これが県民の暴走族に対する意向のあらわれではないだろうかというふうに受けとめております。  以上でございます。 56 ◯水田委員=その意識調査の結果につきましては、暴走族に対する県民の思い、そして、その考え方がすべて九〇数%に上る暴走行為に対する批判、追放が県民の声としてあらわれたことに対して、今度の提案は県警の御対応だというふうに思うところでございます。  そこで、佐賀県以外に宮城県、和歌山県、広島県、熊本県で条例が制定されておるようでございます。その中で、本県の特色としてどのような規定がなされておるのか、お伺いいたしたいと思います。 57 ◯馬場交通指導課長=お答えいたします。  先ほどありましたように、全国では宮城県の平成十一年四月を皮切りに和歌山県、広島県、熊本県といったところで条例が施行されているところでございます。  本県の制定に当たりましては、佐賀県の暴走族の暴走行為の実態というものを分析いたしまして、佐賀県なりに五点ほどその特色を盛り込んだところでございます。  第一点は、集団暴走のほかに単独による爆音暴走が県民の方々に非常に迷惑を及ぼしているという状況にあることから、集団暴走のみならず、単独の爆音暴走についてもそうした規定をしております。  第二点ですけれども、バイク暴走行為のほとんどは二人乗りでございまして、後ろに乗っている同乗者が暴走行為を指揮、扇動している行為が多く認められたところでございます。そうしたことから、暴走行為に係る自動車に同乗する者も暴走族等という形でとらえて規定しております。  第三点は、県内の一部の地区では、暴走行為を見物に来たいわゆるギャラリーが暴走行為をあおり、唆し、暴走行為がさらにギャラリーを呼ぶという悪循環が繰り返されているところでございます。そうしたことで、地域住民の方々には本当に不安と迷惑を及ぼしていることから、保護者、学校、職場等の関係者、施設管理者等の責務といたしまして、暴走行為の見物の防止措置というものを規定しております。  さらに第四点は、暴走族は知人から借り受けたり、譲り受けたり、または窃取したりという形の中で暴走行為を敢行しているケースが非常に多いところでございます。自動車等の所有者等の責務といたしまして、暴走族等への貸与・譲渡防止をそうしたことから規定しております。  第五点ですけれども、暴走族は自動車を事前に改造して複数の場所に隠匿し、暴走行為に際しましては、隠匿場所に集合し、携帯電話で連絡しながら合流するという形が最近多く見られるところでございます。施設管理者の責務として、当該施設等への暴走車両の隠匿事実を知った場合の通報ということを規定したところでございます。  以上でございます。 58 ◯水田委員=本県の条例の特色というものが、暴走行為をした者、しようとする者、その車両を管理する者、また、いろんな形で詳細にわたって条例の中に織り込まれておるということで、他県に比べて、その暴走行為を取り締まられる側と、また、その暴走行為で迷惑を受ける我々の考えが一致したすばらしい条例であると思います。この条例によって、本当に県民の皆様、また警察の皆さんと一緒になって、暴走行為の壊滅に私たちも努めていかねばならないと思っておるところでございます。  それから、新聞報道でございますが、唐津市において交通対策協議会というものがあるようでございまして、その中に暴走族追放対策部会というものがあるような報道を見受けました。具体的に唐津市の方ではどのような活動がなされているのか、おわかりであればちょっと教えていただけませんか。 59 ◯馬場交通指導課長=お答えいたします。  唐津市内、特に和多田大土井交差点において、週末の深夜から未明にかけて暴走族やギャラリーが付近住民、また、一般通行車両に多大な迷惑をかけて問題となっているところでございます。  唐津市では、市民を挙げて暴走族追放運動を推進する必要があるとの判断により、十一月十三日、唐津市交通安全対策協議会が招集されまして、同会議におきまして会則の一部変更がなされ、暴走族追放対策部会が設置されたところでございます。  また、同部会は教育委員会、生徒指導部会、PTA連合会、交通安全協会等の代表十一人により構成され、暴走族追放運動の実施計画、あるいは暴走族追放の広報の実施計画、交通安全施設、また道路環境の整備に関することなど、そうしたものを調査、審議がなされることとなっております。  具体的な活動といたしましては、十一月二十八日、第一回部会が開催されるなど、行政と警察が一体となって暴走族対策が推進されていると聞き及んでいるところでございます。  以上です。 60 ◯水田委員=今、唐津市の交通安全対策協議会内の部会の活動をお聞きいたしました。  ここで、今回提出いただきました暴走族に関する条例の意味を一地域の問題ではなく、広く佐賀県下全体の問題として、そういう下地をお酌み取りいただいて、そして、全県下で三地点、佐賀、唐津、それから牛津とか、特定の地域を申していただいたところでございますが、暴走行為というものはいつ、どこで起こるかもわからないという御配慮から、警察本部の皆様方が全県的に取り組んでいただいた条例だと思うところでございます。  本条例の効果的な運用については、県、関係機関、あるいは団体との連携が重要だと思いますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねいたしたいと思います。
    61 ◯馬場交通指導課長=お答えします。  本条例につきましては、一人でも多くの方々の理解が重要であると認識をしておりまして、警察といたしましては、関係機関・団体と連携しながら、あらゆる機会をとらえまして幅広い広報を行い、その浸透を図るとともに、県民の生活を脅かす暴走族に対しては警察の総力を挙げ、徹底した取り締まりを行い、暴走族の壊滅を図っていく所存でございます。  以上です。 62 ◯水田委員=最後になりますが、この暴走行為というのは、私は一つの犯罪だと思います。これを事件と比べた場合に、暴走行為で被疑者の捜査を行ったり、被疑者の割り出しは大変難しいでしょうけれども、重要であるというふうに思うところでございます。  先刻申しましたように、暴走族の実態を見ますと、覆面をしたり、ナンバーを外したり、車種の選定を改造によって非常にわかりにくくするなど、彼らは彼らなりの防衛手段を行って暴走行為をやっている実態でございます。この事件を立証していくための有効な装備、あるいは機械等の設備の充実が私は必要ではないかと思うんです。朝四時のビデオを見ましても、どこのだれなのか、何の車種なのか非常にわかりにくい。その立件には大変御苦労なさっていると思うんですね。  それで、その機材の整備が私は絶対に必要だと思います。その上に立って暴走行為を未然に防いだり、また、暴走行為が検挙にすぐ結びつくような手法が必要だと思います。  そこで、今後、事件を立証していくための有効な機材の整備をどのようにお考えなのか、お伺いいたしたいと思います。 63 ◯馬場交通指導課長=お答えいたします。  暴走族が敢行する共同危険行為等の暴走行為につきましては、暴走車両が走る凶器と言われているとおり、本当に危険性を伴いますことから、現場で逮捕する者のほかは彼我双方にけががないように、現場採証、事後検挙という方式をとっているところでございます。このため、採証機材といたしまして、現在、パトカーに取りつけているビデオカメラ、また、連写カメラといったものを活用しているところでございます。  パトカーに取りつけているビデオにつきましては、暴走族を追跡しながら撮影するということから、全体的な違反を立証するということに使用しております。  また、連写カメラは暴走集団を横なり、また構えておいて斜め前なりといったことで採証しておりますので、そうしたものについては、人物の特定に活用させていただいているところであります。  ただ、どちらの活動につきましても、ともに危険を伴うということは否めない事実でございます。  今後、新たな機材につきましては、他県で開発・使用されているものにも十分関心を持ちまして、検討・研究し、有効な資機材につきましては、導入を図ってまいりたいと考えております。  また、県内では約十年にわたり迷惑を及ぼしている特定の場所もございます。その対策として、高感度カメラなどの導入ができればより一層の効果が上がるものと考えております。  こうしたことから、今後とも有効な資機材につきましては順次整備をお願いすることとしております。  以上でございます。 64 ◯水田委員=最後に、これは要望になりますが、今、ビデオカメラや連写カメラとか、人物が特定できる機能を持ったカメラの整備を順次という言葉が出ましたが、ちょっと順次じゃ私は間に合わないと思います。現在、皆さん方が取り締まりに当たっておられるパトカー等にはいち早くそれを整備されて暴走行為の絶滅に、県民の要望といたしましても、その願いがあると思いますので、御努力をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 65 ◯石丸委員長=暫時休憩します。午後一時をめどに委員会を再開します。     午前十一時五十八分 休憩     午後一時五分 開議 66 ◯緒方副委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き質疑を行います。 67 ◯山口委員=それでは、委員会の質問をさせていただきます。  日ごろから皆様には県勢発展のため、また、県民の安心・安全、そして幸せのために御尽力をいただいておりますことに敬意を表しながら質問をさせていただきたいと思います。  一番目の質問ですが、新しい佐賀県総合計画について幾つかお伺いいたします。  本格的な地方分権時代を迎え、少子・高齢化の一層の進行、情報化の目覚ましい進展、環境意識の高まり等を背景に、社会、経済の構造変化がさらに進んでいくものと思います。  こうした中、「住みたい県日本一」を基本目標とする今回の計画は、二十一世紀の佐賀県を築いていく上で基本的指針となるもので、大変重要なものと考えます。  社会経済情勢が今後一層激化していく中、「住みたい県日本一」に向けて将来を見通し、特色ある計画をつくり上げていくために、審議会でも御苦労をされているのではないかと思います。  こうした中で、今回の計画の特徴としてどのような点が挙げられるのか、お伺いいたします。 68 ◯橋本企画調整課長=今回の計画の特徴についてでございますが、新たな総合計画につきましては、先般、総合開発審議会におきまして計画の素案が示されたところでございまして、基本構想、基本計画、地域計画からなっているところでございます。  まず、内容、構成における特徴といたしましては、基本構想で計画の基本目標を県内はもとより、県外の人からも住んでみたいと思われる魅力ある佐賀県を目指すといった趣旨から、引き続き「『住みたい県日本一』を目指して」とされているところでございます。  また、二十一世紀の住みたい県の具体像といたしましては、「人財”有”県 生活”悠”県」を新たに示しているところでございます。  また、その推進の視点といたしまして、キーワードとして「創造」「参加」「共生」と三つ掲げられているところでございます。  さらには、二〇一〇年、計画期間の終了の年でございますが、佐賀県の姿を発展の基本方向ごとに例を挙げ、示されているところでございます。  基本計画では、これを受けまして、発展の基本方向と主な施策を示すとともに、新たな時代の潮流に対応した県づくり、特性ある県づくりを目指すとの観点から、十三の新世紀プロジェクトを設けるなど、目指すべき佐賀県像の具体化に向けた道筋が示されているところでございます。  また、地域計画の特徴といたしましては、県内を五圏域に区分いたしまして、各圏域ごとの将来像と発展方向、主な施策等が掲げられるとともに、主要なプロジェクトが地図上に示されているところでございます。  次に、県民の方にとってわかりやすい計画とするための工夫といった点からの特徴を申し上げますと、施策の達成目標を明確にし、計画の進捗状況について県民にわかりやすく示すという観点から、施策の基本方向ごとに具体的な数値目標、これを約三百の指標を設定しているところでございます。  また、計画策定過程における特徴を申し上げますと、県民意識調査、ホームページの活用による意見・提言の募集など、さまざまな方法で県民の意向把握に努めた一方、今回、特に一般県民の方に直接計画づくりに参画していただくために、審議会委員及び部会委員といたしまして、公募委員十名の方に審議検討に直接携わっていただいたところでございます。  以上でございます。 69 ◯山口委員=先月二十四日に開催された第三回の審議会において、今のところ素案という形で示されて、今特徴を申されましたが、このことにつきまして幾つかの考え方ないしは見通しをお伺いしたいと思いますが、まずは人口の見通しについてです。計画を策定する上では、県内の人口をどう見通すかということが重要なことと思います。  平成十二年の国勢調査による県内人口は、速報値として八十七万六千人と発表されています。前回の平成七年に比べ約七千人の減となっております。今回の計画では、本県の人口見通しをどのようにとらえておられるのか、お伺いいたします。 70 ◯橋本企画調整課長=人口の見通しについてでございます。  計画素案におきましては、人口について、今後の社会経済構造の急激な変化等が予測される中で、一定の幅を持った推計が行われているところでございます。最近の人口動態をベースにした場合の推計と、これに政策的効果を加味した場合の推計の二通りが示されているところでございます。  具体的に申し上げますと、最近の人口動態をベースにした場合におきましては、最近の出生率、死亡率の推移、または県外への転出入の状況をもとに、平成二十二年、二〇一〇年におきましては八十六万七千人が見込まれているところでございます。  また、政策的効果等を加味した場合ということで、少子対策の一層の推進や企業誘致、東部地区を中心といたしました住宅開発等の促進、または市町村計画との整合性を図ることによりまして、同じく平成二十二年に九十万一千人が目標になると見込まれているところでございます。 71 ◯山口委員=この総合計画は、一言で言いまして、「住みたい県日本一」ということで、外部からの転居希望者等々も含めまして、佐賀県の周辺の方々、そして、いろいろな方々の住みたい地域づくりがここに計画としてあらわれてくるものと思います。  そのことにつきましては、今後の質問の中でも多少お尋ねをしていきますが、そこで、この佐賀県全体を五つの区域に、そういうお話も出ていましたが、実際、今進められております広域行政、市町村合併の問題、このことについて県民の生活圏の拡大、そしてまた、高度・多様化する行政需要などを背景に、個性的で自立した地域をつくっていくために、この市町村のあり方でよいのかと真剣に討議をしているところでございます。  今後の十年を考えれば、市町村合併は当然視野に入れなければならないし、広域行政は県のあり方まで問われてくると思います。今回の計画では市町村合併についてはどう位置づけられておられるか、お伺いいたします。 72 ◯橋本企画調整課長=市町村合併の位置づけについてでございますが、計画の素案におきましては、地方分権の動きが本格化する中で、多様化、高度化した県民ニーズに的確に対応し、地域住民に最も身近な市町村が総合的かつ個性的な行政の展開を図っていくためには、市町村合併の推進が求められるとされているところでございます。  また、こうした認識のもと、市町村合併の推進を重要な発展方向の一つとして位置づけるとともに、新世紀プロジェクトの一つといたしまして市町村合併推進プロジェクトを掲げ、合併協議会の設置促進や合併市町村への支援等の施策を重点的に進めることとされているところでございます。 73 ◯山口委員=この合併の問題等につきましては、後ほど質問をさせていただきますので、次にまいりたいと思いますが、先ほど、この計画の中で、人財”有”県、そしてまた生活”悠”県、このことを支えるためにも、このことについてしっかりと産業の支援なり、そしてまた新規産業の創出はもとより、地域産業の振興が土台になることが必要と思います。  今回の計画では、新規産業の創出や地域産業の振興についてどう位置づけられておられるのか、お伺いいたします。 74 ◯橋本企画調整課長=産業振興の位置づけについてでございますが、計画素案におきましては、経済のグローバル化や情報通信の進展、産業構造の変化など、県内産業を取り巻く経営環境は大きく変化しており、産業構造の転換が求められているとされているところでございます。  また、こうした現状認識のもとに新たな産業創出と、委員御指摘の地域産業の振興は重要な発展方向の一つとして位置づけられているところでございまして、新たな産業創出につきましては、産学官連携による創造的技術の開発などにより、福祉・医療や情報通信、環境・エネルギーなど、新規成長分野におけるベンチャー企業の育成や事業展開を促進することとされているところでございます。また、新世紀産業創出プロジェクトとして示し、特に力を入れて進めるべきものとされているところでございます。  一方、地域産業の振興につきましては、とりわけ中小企業について総合的な経営基盤の強化を進めるとともに、事業環境の変化に対する積極的な対応を進めることとされているところでございまして、特に陶磁器や家具などの伝統産業については新たな技術開発や商品開発の強化を推進するとともに、観光や文化、地域づくりなどと一体となった振興を図ることとされているところでございます。 75 ◯山口委員=産業という問題につきましては、今までも地域産業、今課長の答弁にありましたように、特に家具や陶磁器、今までの伝統産業というものが大きく売上減少、また産業の力が落ちているような状況にあります。ただ、非常に危惧しますのは、これは答弁は必要ございませんが、やはりグローバル化、ボーダーレス化、海外との競争、特に地域産業、また、ほかの一般的な一次産業、二次産業におきましては、コストの問題や、そしてまた、今おっしゃった付加価値等のいろんな問題を含めておりまして、近年、日本の産業の発展を阻害している一因でもあります。  このことに対しては、その計画の中でぜひ新しい時代に対応できる産業として、本当に行政ができること、どう支援ができるのかということを真剣に論議していただいて、しっかりとその計画の中で進めていっていただきたいと思います。  この計画はまだ素案の段階ですが、今後のスケジュールとしてどう進めていかれるのか、お伺いいたします。 76 ◯橋本企画調整課長=今後のスケジュールについてでございますが、今後、素案に対する御意見等を踏まえまして必要な調整を行った上で、年内を目途に答申が行われる予定でございます。答申をいただいた後に早急に県の計画を策定することといたしたいと考えております。 77 ◯山口委員=二十一世紀、新しい時代をもう目の前にして、多くの今までの施策ないしは行政の役割が、よく知事の答弁にありますように、今までの延長線上にないという、そのことをもってしても、できるだけ早く計画を策定し、実行に移していただきたいと思います。  これにつきましては、これで終わらせていただきたいと思います。  二番目に、市町村合併の推進についてお伺いいたします。  市町村合併は避けて通れない重要な課題と位置づけられ、これまで国・県で推進に力を入れて取り組んできたところでありますが、県内では唐津・東松浦地域を除けば、市町村の行政関係者が参画した形での地域の取り組みは見えていません。また、唐津・東松浦地域にしましても、法定の合併協議会を設置する前の段階で足踏みをした状態であります。合併時期の目標も持たないような状況の中で、むしろ市町村合併に向けた機運が損なわれてしまうようなことはないかと危惧さえしております。  このような市町村合併への取り組みの現状がある一方、市町村合併を円滑に行うためのさまざまな特例措置や支援策を講じている市町村合併特例法は、平成十七年三月までとなっています。  いずれにいたしましても、市町村合併の問題は時間がたてば解決するといった問題ではなく、効果的に機運を醸成し、実現につながるよう取り組んでいくことが重要だと思います。  そこで、県は市町村合併を推進するに当たり、その機運を盛り上げるために、これまでどのように取り組んでこられたか、お尋ねいたします。 78 ◯中野市町村課長=市町村合併に対する県の取り組みについてでございますけれども、自主的市町村合併の推進のためには、市町村行政当局や市町村議会の積極的な取り組みはもとより、それに対する地域住民の理解と協力が不可欠でありますことから、これまで、まずは広く市町村合併の機運の醸成に努めてきたところでございます。  具体的には、平成九年から十年にかけまして、市町村の自主的合併等に関する調査に取り組み、県内市町村の歴史や現状を整理するとともに、県民アンケート、有識者アンケート、市町村長ヒアリング等を踏まえ、具体的な市町村の合併パターンと、その将来方向につきまして取りまとめ、市町村における検討のたたき台として公表をしたところでございます。  これを契機といたしまして、広く県民を対象としてシンポジウム等が開催されたほか、県民だよりやパンフレットの配布により周知、啓発に努めてきたところでございます。  また、平成十一年度には市町村合併についての一定の取り組みが見られる佐賀、唐津、鳥栖地域の市町村議会議員、自治会長、商工農林団体の役員等を対象とした市町村合併特別講座を開催し、キーパーソンの育成を図ったほか、各種団体等の要請に応じて職員を派遣する市町村合併出前講座を開始し、合併問題の県民への浸透を図っているところでございます。  あわせまして、地域において具体的に合併の調査研究や住民啓発に取り組む団体に対しまして、平成八年度から県独自の助成も行っているところでございます。  なお、市町村行政当局や議会に対しましては、助役研修や収入役研修、総務課長研修などの職員研修、また議員さん方の研修会、監査委員研修会、こういったところに機会あるごとに出向きまして、市町村合併の必要性等について周知、啓発を行っているところでございます。  さらに、こうした中、本年七月には市町村合併の推進について改めて県の取り組む姿勢を明確に示すとともに、市町村の行政、議会、住民が今後市町村合併に向けて検討していく上での指針等を示すため、佐賀県市町村合併推進要綱を作成、公表したところであり、その周知、啓発に努めているところでございます。 79 ◯山口委員=非常に多くの各方面からの努力をされていることを確認させていただきましたが、そのことを受けて、各地域ではどう取り組んでおられるのか、その状況、行政の参画状況、そして、住民や民間団体等における活動はどのような内容か、お尋ねします。 80 ◯中野市町村課長=県内での取り組みの現状でございますけれども、各地域で市町村合併についての取り組みが見られるようになってきております。  まず、唐津・東松浦地区におきましては、御承知のとおり、十市町村による任意の合併協議会が設置され、市町村長、議長による調査研究が進められていた中、昨年十月の住民発議による法定合併協議会の設置請求により、住民の関心も比較的高まったところでございます。  住民発議につきましては、玄海町議会の否決により法定協議会の設置には至らなかったものの、去る十一月に任意の合併協議会が再開されまして、今後とも、十市町村で協議を継続していくことが確認され、また具体的課題等について検討を進めるためのプロジェクトチームをつくることとされているところでございます。  それから、佐賀地区におきましては、青年会議所や新しい佐賀をつくる住民会議の取り組みが積極的に行われておりまして、佐賀市郡の住民を対象にしたアンケート調査、シンポジウム、こういったもののほか、佐賀郡内の六つのおのおのの町において行政職員、商工団体、住民等の参加のもとに討論会を行うなど、踏み込んだものがなされておるところでございます。現在、具体的な合併協議会の設置に向けた取り組みも研究されているところでございます。  なお、行政におきましては、佐賀中部広域連合の構成十八市町村の助役による合併研究会が九月に設置され、調査研究が行われているところでございます。  また、鳥栖地区におきましては、青年会議所、商工会議所、鳥栖コンベンションシティ委員会が中心となって、去る十一月二十七日に佐賀東部地域合併協議会設立期成会が発足され、市長さんや議員、商工会議所会頭など、官民の賛同と推進の意向も示されたところでございます。  そのほか鹿島地区での青年会議所によるシンポジウムの開催、伊万里・西松浦地区におけます機運醸成の動き、こういったものも始まっておりまして、今後の活動に期待をしているところでございます。 81 ◯山口委員=地域の取り組みを今御紹介していただきましたが、その期待と同時に、現段階における各地域の市町村合併に向けた取り組みの状況を県としてどう受けとめておられますか。 82 ◯中野市町村課長=県内の市町村合併に対する取り組みにつきましては、地域によって温度差は見られるものの、総じて申し上げますと、市町村合併の実現に至るまでの過程でいきますと、まだスタートラインに近いところではないかなと思っております。  そのような中、最も取り組みが進んでおります唐津・東松浦地域では、合併エリアについては一定の合意があるものの、合併によるまちづくりのビジョンや具体的メリット、デメリット、こういったものを地域住民に提示するという段階までには至っておらず、当面、まずはこの取り組みが課題ではないかと考えているところでございます。  その他の地域におきましては、合併の枠組みを意識した動きがまだなく、具体的な議論を始めるに至らないという状況ではないかと思っております。  県といたしましては、こうした地域にあっては、まずは広域行政圏単位、あるいは市郡単位等で会合を持ち、県がたたき台として示しております合併パターンも参考にしてもらい、具体的な合併のエリアを想定し、それぞれの方向性を検討してみるなど、具体的な議論を始めていただきたいと考えているところでございます。  なお、こういった取り組みを始めると同時に、その段階から、地域住民に対しても、合併に係る啓発や情報の提供について、あわせて取り組んでいただくことを期待するところでございます。 83 ◯山口委員=そのことを受けて、今後の取り組みについてお伺いいたします。  市町村合併特例法は、平成十七年三月までの時限法となっており、最近の自治大臣の発言などでは、法の延長はないということです。市町村合併を推進するに当たっては、目標とする時期はありますか。 84 ◯中野市町村課長=市町村合併の目標時期についてでございますけれども、この市町村合併は市町村の自主的な判断で進められるべきものであり、県として合併の目標時期を掲げることは難しいところでございますが、市町村行政関係者の間でも、現下の行政を取り巻く環境や今後の社会経済情勢を見通す中で、避けては通れない課題であるとの認識は多く示されているところでございます。  国においては、現在は厳しい財政事情の中で、市町村合併に係る各種の特例措置や財政支援策を講じてはいるものの、平成十七年三月三十一日以降の市町村合併特例法の延長は行わないという意向が示されているところでございます。  市町村合併による新しいまちづくりを目指すためには、住民のコンセンサスが何よりも大事なことは言うまでもないことですけれども、合併に伴うさまざまな課題の解決や合併後のまちづくりなどを円滑に行うためには、合併特例法による各種の支援措置がぜひ活用されるべきではないかと考えているところでございます。 85 ◯山口委員=市町村合併は市町村の行政関係者が主体となって真剣に取り組みを行って初めて実現することだと思います。そのためには、行政を後押しするほどに地域全体の機運を盛り上げる必要があると考えます。  このためには、先ほどお示しいただきました各地域の取り組みは、一言で言えば、ばらばらに取り組んでおられますが、そういう青年会議所等の団体のみならず、各地域の民間の皆さんの幅広い有識者等を巻き込んだ取り組みが効果的と思います。  例えば、地域単位の有識者会議の設置など、県として働きかけていくべきではないかと思いますが、どうお考えですか。 86 ◯中野市町村課長=市町村合併につきましては、県民の中に一定の関心は高まっているものの、今後、具体的に地域における合併の機運を高めていくためには、地域の実情に即した内容で、現実的な議論を深めることが大切であると考えております。  このためには、地域ごとの議論を深める場の設定、及びそうした議論へのさまざまな地域住民の参画が議員御指摘のとおり求められるというふうに考えております。  したがいまして、今後、各地域での有識者、オピニオンリーダーの積極的な参画と働きかけに期待をしているところでございまして、県といたしましても、御提案も参考にさせていただき、地域での現実的かつ幅の広い議論の盛り上げに取り組んでまいりたいと考えております。 87 ◯山口委員=ぜひ取り組んでいただきたいんですが、先ほどの地域における取り組み状況等々を考えて、また、実際各市町村の首長の方々、そしてまた行政担当者、そしてまた経済界の方々等々のお話を伺う中で、非常に大きな格差が感じられます。特に行政を担当している首長を初め皆様方には、現職の方々の難しさというものが非常に感じられます。
     例えば、首長がどこどこと合併をしたいということを一言でも言えば、地域の反対が出てまいりますし、そのことも言えず、また行政担当者等々も、やはりトップの決断なくしては何一つ動けないと。  また、地方議員の方々におかれましては、やはり自分の立場、そしてまた有権者、地域の皆さん方の意見、このことをもってしか動けないというジレンマを感じられている状況でもあります。やはり現職の難しさを考えたときに、議員のOBの方とか行政のOBの方々、そしてまた地域の経済界並びに女性の方々、有識者の方々で共通の認識を持つ、合併に対する問題意識をしっかりと持てるような会議をつくっていく。そして、そのことによって地域の融合、融和等に、また行政の後押し等を進めていくという具体的な戦略が今後非常に重要だと思います。  確かに地方分権、また地方自治の中で、県が指導する、また物を言うということは非常に問題点等がありましょうけれども、この新しい時代に、市町村合併待ったなしと、そのことをしっかりと位置づけ、御指導、御支援をぜひされることを願って、この質問を終わります。  続きまして、自治体の独自課税等について、これは先ほど午前中に水田委員からも質問がございました。ただ、そのほかのところで多少お伺いをしたいと思います。  自治体の厳しい財政状況の中、実施段階を迎えた地方分権を実効あるものとするために、その裏づけとなる自主財源の充実確保が必要であります。特にその大宗を成す県税の充実は極めて重要であると思います。  そこで、応益税としての法人事業税の性格の明確化や景気に左右されない安定的な税収の確保という観点から、法人事業税外形標準課税の導入について、国において論議がされていると聞いています。  そこで、外形標準課税を導入する理由は何か、お示しいただきたいと思います。 88 ◯池田税務課長=導入の趣旨についてでございますが、まず、企業は何らかの形で行政サービスを受けながら、約六〇%の企業が赤字ということで税を負担していないことから、事業規模に応じて薄く広く公平に負担すること。次に、安定的な行政サービスを提供するためには、安定的な税源を確保すること。また、経済の活性化、経済構造改革の促進、これは努力した企業が報われる税制にすることという趣旨から、本県におきましても、従来から国に対して全国一律の制度としての導入を要望してきたところでございます。  全国知事会におきましても検討が重ねられ、本年七月に一定の検討結果を示して国に緊急要望を行ったところでございます。  また、政府税制調査会の中期答申におきましても、早期導入が盛り込まれたところでございます。 89 ◯山口委員=今回示された自治省案の具体的な内容はどうなっておりますか。 90 ◯池田税務課長=今回示されました自治省案は、現行の所得基準と外形基準をそれぞれ二分の一の割合で併用すること、外形基準は報酬給与額、支払利子、支払賃借料及び単年度損益の合計とすること、税率は所得基準におきましては、現行税率の二分の一となる四・八%とし、外形基準につきましては一・六%とすること、平成十三年度税制改正において制度化して、実施時期は平成十四年四月一日からとすることなどが骨子としてあります。  この自治省案では、中小法人等に対します種々の配慮がなされておりまして、まず、全法人の約九九%を占めます中小法人に対する配慮として、外形基準の税率一・六%を一%に軽減すること。小規模法人につきましては、外形基準分の税額の最高限度額を年四万八千円とする簡易事業規模額を設定すること、実施時期を大法人より二年おくれの平成十六年四月一日からとすることなどとされております。  次に、雇用への配慮として、報酬給与額から雇用安定控除額を差し引くこと。また、赤字法人や赤字ベンチャー企業に対します配慮として、最長で六年間の徴収猶予制度が設けられたこと。さらに、導入に伴う税負担の変動を緩和する観点から、外形基準の導入割合を実施当初三年間は四分の一とする措置が講じられたところでございます。  この自治省案は、現在、自民党税制調査会等において審議されているところでございます。 91 ◯山口委員=そのことに経済団体が導入に対して反対を表明していますが、その理由は何ですか。また、経済団体に対してどのような働きかけをされているのか、お伺いします。 92 ◯池田税務課長=経済団体が強く反対している理由といたしましては、赤字法人、全体の約六〇%を占めますが、新たに課税されること、また、給与が外形基準に含まれているため、雇用への影響を懸念されていることなどが挙げられます。  経済団体等に対しましては、十月から十一月にかけまして、商工会議所連合会を初め県内の経済六団体に出向き、導入の趣旨や中小法人に対します種々の具体的な配慮方策等につきまして説明を行い、理解を求めてきたところでございます。  法人事業税を県の基幹税といたしまして安定化させることは、地方分権を支える上からも喫緊の課題でございます。今後とも、経済団体等の理解が得られますよう努めてまいりたいと考えております。 93 ◯山口委員=反対理由等は、経済団体等、また事業者に理解をなかなか得られないと。そのことに対しましては、従来までの応益税としての法人事業税、法人県民税等、税に対する考え方が著しく変わらなければいけない。これは今の税体系の総合的な面からも、経済団体、また事業者としては戸惑いがあるものと思います。  ただし、やはり税によって行政が行われているという現状の中で、安定税収確保という問題は、これは必ずやある程度決着をしなければいけないという問題でもあります。県としても国の指針等々に従いながらPRに努めていただきたい。  県内事業者、また法人等は現状の景気の厳しさの中で、まだそういう視点、観点、またそのことを理解することは非常に難しいという部分もございます。そのことを留意しながら知恵を出していただきたいと思います。  続いて、独自課税についてですが、これは水田委員からの質問がございました。各地域で多くの検討がなされていることも、資料によってわかります。しかし、実際、行政としてしっかりと決定をした地域がまだ非常に少ない。法定外普通税や法定外目的税、超過不均一課税という問題につきましては、地域の特色等がない限り、その税を受けることによって県外利用の問題とか、そしてまた、今までのあらゆる角度からの税の課税、そのことに対してすき間が逆にないと。そういうことを考えていきますと、やはり国と地方の税配分、また税収の現状を変えていく、このことを声高らかに国に対して要望をしていく、このことが一番効果的なやり方でもありますし、今の状況ではこのことをやることしかないような気がいたします。  税というものは、やはり国民にとっては大変大きな負担になっております。行政としては、税の入りを減じて、そして出を効果的にやるということを十分考えながら、これから税に対する、また行政のあり方に対する考え方を総合的に皆さん方でともに考えていただきたいと思います。  四番目にまいります。  次は、行政の高度情報化についてお伺いをいたします。  今回、九月議会に引き続きの予算外議案でパソコンの購入契約承認が提案されています。これは平成十一年度から進められている情報系ネットワーク整備事業の一環としてのパソコン整備と思いますが、情報系ネットワークはどのような目的で整備されているのか、お伺いいたします。  また、その整備内容をあわせてお伺いします。 94 ◯赤司地域情報政策課長=情報系ネットワークの整備目的及び整備内容についてお答えいたします。  本県におきましては、昭和四十七年に汎用コンピューターを導入して以来、給与計算、それから財務会計などの大量定型業務の集中処理を中心とした情報化施策に取り組んで、行政事務の効率化、迅速化を図ってきたところであります。  しかしながら、パソコンの高性能化、低価格化、またインターネットの世界的な普及など、ITの進展には著しいものがあり、世の中の状況はこの流れを取り入れており、これから先はITの進展に対応しなければ取り残されていくことが明らかであります。  このようなことから、情報系ネットワークを整備し、行政事務に効率的に活用することにより、行政事務の一層の高度化、効率化や情報交換の円滑化など、行政運営の質的な向上を図ることとしております。  その整備内容といたしましては、具体的に本庁及び出先機関との間のネットワークの整備、電子掲示板、電子メールなどの庁内イントラの整備、それから職員へのパソコンの配備を行っているところであります。  以上であります。 95 ◯山口委員=次に、その効果についての認識ですが、情報系ネットワークは平成十一年度、十二年度の二カ年で整備する計画で、本庁については本年一月から既に運用を開始しているようですが、行政の効率化、迅速化にどのように効果が上がっているのか、教えてください。 96 ◯赤司地域情報政策課長=お答えいたします。  運用開始から十一月末までの十一カ月間におきます月平均の利用件数といたしましては、電子掲示板は一万四千二百八十二件、電子メールは一万二千五百五十九件、会議室予約は二千四百五十七件、行事予定は千六十件、ちなみに先月十一月の一月で見ますと、電子掲示板は一万七千五百十四件、うち総務部二千六百四十九件、企画県民部千九百八十八件になっております。  また、電子メールにつきましても、十一月の一月で見ますと一万四千五百件、ちなみに総務部二千十八件、企画県民部千九百八十件となっておりまして、積極的に活用されておりまして、庁内外への情報の伝達が迅速、正確に行えるようになっているところであります。  また、職務上の情報の共有化が職員間で図られているところであります。  また、パソコンソフトの統一によります職員間のデータの相互利用や表計算、ワープロソフトの活用によりまして事務処理を迅速かつ効率的に行っているところであります。  以上であります。 97 ◯山口委員=動き始めた中で、まだこれから多くの効率的な活用が進められていくと思います。今後、情報系ネットワークの効率的な活用を図っていくためには、庁内イントラネットだけでなく、例えば、紙で行っている文書管理を電子化し、ペーパーレスで行うシステムなどを導入して、徹底した事務の効率化につなげていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。 98 ◯赤司地域情報政策課長=お答えいたします。  今後の情報系ネットワークの効率的な活用についてですが、国におきましては、二〇〇三年度までに民間と政府の間の行政手続をインターネットを利用してペーパーレスで行える電子政府の基盤を構築することとしております。  本県におきましても、県民サービスの向上、行政事務の効率化を図るためには、電子政府の構築に合わせて電子県庁の構築が必要であると考えておりまして、その構築に向けて庁内各部局主管課長などで構成いたします佐賀県高度情報化推進委員会のもとに、ホームページの拡充強化などを検討する行政情報提供部会、それから、総合的な文書管理システムなどを検討する総合行政文書部会、各個別システムの再構築及びセキュリティーなどを検討するシステム・セキュリティー部会、国・県・市町村間のネットワークなどを検討するネットワーク部会の四つの部会を設け、十一月から検討を開始しており、来年度の早い時期に部会での検討結果を踏まえて、電子県庁の基本計画を策定することとしております。  なお、電子県庁の中核となりますのは、文書管理システム、電子決裁システムなどでありますことから、これらのシステムの基盤として情報系ネットワークを活用していきたいと考えております。  以上であります。 99 ◯山口委員=検討委員会等でこれから多くの検討がなされるものと期待をし、また見守っていきたいと思いますが、先ほどのセキュリティー対策の部会も設置されておりますが、イントラネット、またインターネット等のネットワークにおきましては、いわゆるハッカーやコンピューターウイルス等の被害を受けるおそれ、こういう事件が相次いでもおります。それらのセキュリティー対策は具体的にどのような対策を講じられているのか、お伺いいたします。 100 ◯赤司地域情報政策課長=お答えいたします。  セキュリティー対策についてでありますが、ネットワークに接続されている県の情報システムは、県民に対しましてインターネットなどを通じて正確な情報及び利便性の高い行政サービスを提供しますとともに、常に盗聴、侵入、破壊、改ざんなどの脅威にさらされていることを認識して、情報の機密保持に努めなければならないと考えております。  このため、データの盗用、改ざんを行うハッカーや、コンピューターシステムを破壊したり、いたずらを加えたりするプログラムでありますコンピューターウイルスに対しますセキュリティー対策は、ファイアウォール、セキュリティー監視装置など最新の技術を導入して不正アクセス対策を講じますとともに、ウイルス対策ソフトを導入して、ウイルスの発見、駆除等の対策を講じているところであります。  また、システムの管理運用に当たりましては、職員ごとにパスワードを付与して、その漏えい防止に努めているところであります。  また、万一、改ざん等があった場合に備えまして、システムが早急に復旧できるようバックアップ体制も整備しているところであります。  ネットワーク及び各システムのセキュリティー対策につきましては、大変重要なものと考えておりまして、電子県庁の基本計画の策定に当たりましても、あらゆるケースを考慮しながら、十分な検討を行っていきたいと考えております。  以上であります。 101 ◯山口委員=このネットワークというのは、ほんの小さなすき間からでも侵入ができます。と同時に、県におかれましては、常に個人の情報や調査資料等々、一言で言えば、この情報化社会では大変重要な、また経済界においては金になるという問題も含んでおります。これからの効率的な活用と同時に、十分なセキュリティー対策を、これでもかというぐらいに、まずは全庁にしっかりと意識の徹底を図っていくことが重要と思いますので、ぜひそのことを進めていただきたいと思います。  次に、職員の意識改革と人材の育成について幾つかのお伺いをいたします。  二十一世紀を目前に控え、少子・高齢化の著しい進展や環境問題の関心の高まりを初め、情報技術革命などの情報化や国際化の急速な進展、産業構造の変化など、社会経済情勢が大きく変化しています。  また、個人の価値観は多様化し、物の豊さよりも心の豊かさが求められるなど、県民の行政に対するニーズは複雑多様化しております。  一方、財政運営の基盤となる本県の財政は、今後、県税や地方交付税等の伸びが期待できず、県債残高も増加しており、非常に厳しい状況にあります。  このように社会経済情勢の激しい変化と県の行財政を取り巻く厳しい諸情勢の中で、新しい行政課題や県民ニーズに的確に対応していく必要があります。  二十一世紀という新しい時代は、地方分権や情報化が進む中、過去の経験則では推しはかることができないようなさまざまな行政課題の出現が予想されます。  これらのことに適切に対応していくためには、県行政を担う職員の意識改革と人材育成、知事は本会議においても、すべての根幹は人、人づくりが最重要課題と答えられました。  そこで、県行政を進めるに当たっては、これまでの前例や慣習などにとらわれず、見直すべきところは見直すといった新たな発想で取り組んでいくことなどが必要と考えられますが、今後、県行政を担う職員には、まず何が求められているか、このことについての認識をお尋ねいたします。 102 ◯川崎人事課長=お答えいたします。  今日、職員に何が求められているのか、どういう資質が求められているのかといったことだろうと思いますが、公務員としての自覚を持つということや、文書作成などの基本的能力はもとよりのことでございますが、二十一世紀を目前に控え、本格的な地方分権が進展する中で、社会経済情勢の変化や多様化する県民ニーズに的確に対応しながら、(副委員長、委員長と交代)個性豊かで活力ある佐賀県を築くためには、県行政の自主性や自立性を高めることが必要でありまして、従来にも増して企画立案能力や施策遂行能力、こういったものが重要な要素になるものと認識をいたしております。  そのようなことから、県行政を担う職員におきましては、急激に変化する社会経済情勢を的確にとらえますとともに、県行政のあり方について鋭い問題意識を持つこと。また、多様な県民ニーズを的確にとらえて、既存の枠組みやシステムにとらわれない柔軟な発想で、自主的、主体的に施策の方向や実践方法等を考えまして、積極的、そして創造的に行政運営に当たること、こういったことが強く求められると認識をいたしております。 103 ◯山口委員=的確な県民のニーズ等々、そのことにこたえられる県職員のあり方について、すばらしい認識を示していただきましたが、では、具体的に職員の意識改革や人材育成についてどのように取り組んでおられるのか、お伺いいたします。 104 ◯川崎人事課長=先ほど申し上げましたような認識のもとで、さまざまな機会を通じまして職員の意識改革や能力を高めていくための取り組みを行っているところでございます。  まず、職員の研修でございます。職員研修所におきまして、管理職や一般職員など各階層ごとの研修のほか、政策形成能力の向上等を目的とした各種研修、それに通信教育講座等の自己啓発への支援などを実施いたしております。  また、民間の経営感覚や柔軟な発想の習得など、こういうことによります職員の意識改革や資質の向上のために、中央大手民間企業などへの長期派遣研修、地場企業などへの体験型の研修、あるいは地場民間企業の管理者との交流セミナーなどの研修を行っております。  次に、職員の意識高揚を図るといった観点から、創意工夫による事務改善等を図るため、今年度は職員提案制度を積極的に推進いたしているところでございます。  そして、何といいましても、やはりそれぞれの職場におきます日常の業務の中で、緊張感を持って意欲や能力の向上に取り組むことが重要であろうと考えております。仕事を通じて意欲を喚起し、新しい意識の涵養や職務の遂行に必要なさまざまな知識、技能等を習得できる、そうした職場づくりに努めているところでございます。  そのほか、職員の表彰制度というものもございます。こういったものも活用いたしまして、意識の高揚や意欲の喚起に取り組んでおるところでございます。 105 ◯山口委員=役割が人を育て、立場が人をつくる。いろいろな角度から経験や体験、そしてまた研修等で、それぞれ自分の立場の中で人格、ないしは人間性を磨いていくと思います。  表彰や提案制度の内容等、もし今おわかりになれば、ちょっと示していただきたいんですが。 106 ◯川崎人事課長=まず、職員提案でございますが、本年度、今募集中でございます。十二月二十五日を締め切りといたしまして、ことしは事務改善にあわせまして施策の提案も募集をいたしているところでございます。  今の提案状況でございますけれども、三十七件ほどございます。ちょっとその中の施策提案の主なものを一、二点御紹介いたします。先ほどの話にも出ておりましたけれども、この情報系ネットワークの活用をどうやっていくのか。例えば、我々は起案を紙にしておりますけれども、それをネットで配信してみたらどうかといった提案。それから、今会計が公務会計と企業会計、大きく勘定科目等が違うかと思います。そういったことで、民間手法の導入にあわせて、企業会計と公務会計の会計基準、そういったものの整合性をとるような工夫はできないかといったものがございます。  それから、施策提案の中では、どうしても今日的に情報化、それからエコといいますか、環境問題、そういった問題の提案が出されている、こういった状況にございます。  それから、表彰制度についてでございますけれども、表彰制度につきましては、佐賀県職員表彰規程というのがございまして、これに基づいて表彰をしております。この規程では、顕著な功績があり、他の職員の模範として推奨に値する業績または善行があった者と、こういった表彰をいたしております。  その中で具体的には、職務上、顕著な業績を上げた者とか、先ほど申し上げましたけれども、事務処理の改善等に優秀な提案とした者と、それから永年勤続等による良好な者といったものがございます。  この職員表彰ですが、昨年は、先ほど申し上げました業績顕著で三件取り上げておりますし、永年勤続につきましては八十八人が対象になったという状況でございます。 107 ◯山口委員=組織の根幹は人と。県が今後発展していくためには、行政を担う職員の意識改革と職務を遂行する能力、これをなお一層高めていくことが重要と思います。今後のプラスアルファ的な取り組みと、その考え方をお示しいただきたいと思います。 108 ◯川崎人事課長=新たにどういう付加した取り組みをするのかということかと思いますが、御指摘のように、組織を動かすのは人であり、その人の意識や仕事に対する意欲、また情熱が組織の活力や機能等を大きく左右する極めて重要なものと認識をいたしております。  私どもといたしましては、先ほど来も話になっていますITの問題等々、こういった社会状況が大変変化しているときでございますので、そういう状況の中で変化に的確に対応し得るような研修なり、また人づくりをしていく必要があろうと思っております。そういったことで、適宜見直しながら、人づくりといったことが極めて重要だという基本認識で取り組んでまいりたいと考えております。 109 ◯山口委員=先ほどの表彰の問題等々におきましては、昔から言葉にありますように、「してみせて、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」と、人は認められ、また称賛されることによって新しい能力を発揮し、人として輝く。また提案制度はせっかくIT化されていくわけですから、締め切りの問題とか、三百六十五日、二十四時間、思いついたらいつでも出してくれと。そして、そのことを生かしてやる、そしてまた、称賛、表彰をしていく。そういうことに対しては費用もかからないし、と同時に人を輝かすということに対しては大きな効果があると思います。  人を生かすということは、本当に皆さんが一人一人、個々に生かされ、そして、それぞれ担当されておられるわけです。ちなみにこういう言葉があります。人は教育によって必ずよくなる、また進歩する。遅いか早いかの違いはあるが、すばらしい結果を出すようになる。教育する側のこちらが努力すれば相手も必ずよくなっていく。これは動物の中で、人のみが持つ特性でもあると思います。  人格の向上を考えるときに、また能力の向上を考えるときに、やはり高い見識を持ち、周りに対する感化力、そして寛容さをあわせて持ち、今の社会風潮になっているような上の方への従属だとか、不平不満だとか、そういう問題等よりも、先輩や上司の方をしっかりとサポートし、たたえ、そしてまた、下の方と言ったらおかしいですけれども、それぞれ組織の下部の方に対しては大きな思いやりを持つということが、これからの組織の中で、また一人の人としてしっかりと生かしていくということをぜひ今後、ともに考えていただきたいと思います。  最後になりますが、私学の振興についてお伺いいたします。  現在の経済情勢や少子化の中で、老後に対する不安とともに、県民の教育に対する不安は高いものがあります。このような状況の中で、せめて高校までは親に経済的負担をかけずに就学できる環境をつくることが必要であると思います。  また、本県の私立高等学校においても多数の生徒が学んでいますが、生徒数の減少により経営面では非常に厳しいものがあります。これが保護者負担に重くのしかかっています。私立高等学校も県内学校教育の振興に大きな役割を果たしており、保護者負担の軽減を図るためには、私学助成の充実を図ることが必要だと思います。  子供の教育には多額の保護者負担がかかっていると思いますが、子供一人が高等学校を卒業するまでにどのくらいかかるのか。また、大学を卒業するまでにはどのくらいと認識されているのか、お伺いいたします。 110 ◯陣内総務学事課長=子供一人にかかる教育費についてでございますが、経済企画庁の国民生活白書によりますと、まず、幼稚園から高校卒業までの教育費でございますが、すべて公立の学校とした場合は五百三十万円、小学校以外を私立の学校とした場合は約九百二十万円となっております。  さらに、その後、大学に進学した場合でございますが、幼稚園から大学卒業までにかかる教育費は、すべて公立の学校とし、国立大学に自宅通学のときは約九百三十万円、小学校以外を私立の学校とし、私立大学に自宅通学のときは約一千五百六十万円となっております。 111 ◯山口委員=県では現在、各私立高等学校に対し運営費補助を行っておられますが、運営費補助の基本的な考え方はどうなっているのか、お伺いします。 112 ◯陣内総務学事課長=運営費補助の基本的考え方でございますが、私立学校は公教育の一翼を担い、本県においても学校教育の振興に大きな役割を果たしているところであり、県におきましては、私立学校の保護者負担の軽減、教育条件の維持向上、学校運営の健全性の確保などが図られるよう、私立学校運営費の助成については充実に努めてきているところでございます。 113 ◯山口委員=私立高等学校に対しては、各都道府県が補助を行っていると思います。その単価には大きな開きがあると聞いていますが、補助単価の高い県、低い県、及び本県の単価はどうなっているのか。また、県は本県の状況をどのように認識しておられるのか、お伺いいたします。 114 ◯陣内総務学事課長=補助単価等でございます。  私立高等学校に対する経常費助成に係る平成十一年度の生徒一人当たりの補助単価につきましては、文部省調査によりますと、まず全国的に単価が高いところといたしましては、東京都が三十六万三千九百四円でございます。それから、福井県三十三万二千五百五十円、鳥取県三十二万八千三百二円でございまして、一方、単価が低いところといたしましては、神奈川県二十二万三千五円、沖縄県二十五万一千二百四十円、埼玉県二十五万八千二百三円等でございます。  本県の平成十一年度の補助単価でございますが、二十六万五千九百七十七円でございまして、二十五万一千二百四十円が国の基準単価でございますが、これに県単独で一万四千七百三十七円の上乗せを行っているところでございます。
     本県の補助単価に関する認識でございますが、平成十一年度の単価は、県の厳しい財政状況の中で、前年度比二・九%増加をさせていただいておりまして、全国的な比較では三十八位ではございますが、九州では福岡県、大分県に次いで三番目となっているところでございます。  各都道府県の運営費補助の単価につきましては、先ほど申し上げました国の基準単価を基礎といたしまして、各都道府県において独自に決定されているところでございますが、各都道府県の財政事情、私立学校の発展にかかわる経緯、さらには私学助成についてのそれぞれの沿革等も踏まえながら、単価が定められているものと考えているところでございます。また、運営費補助以外の助成の状況もあわせて判断する必要があるものと考えているところでございます。 115 ◯山口委員=先ほど来より申し上げております保護者負担の軽減、そのために運営費補助の充実のために今回意見書等も出ておる状況でもあります。これに対して、この必要性についていかがお考えですか。 116 ◯陣内総務学事課長=運営費補助の充実でございます。  私立学校は建学の精神に基づきまして、まずは自助努力による運営を求められていることはもちろんでございますが、一方、先ほど先生も御指摘のように、私立高等学校が学校教育の振興に大きな役割を果たしていることにかんがみ、長期的に生徒数が減少していく中で、私立高等学校の保護者負担の軽減、教育環境の向上などを図るためには、運営費補助を初め私立高等学校への助成等について、今後とも、その充実に努めてまいりたいということでございます。 117 ◯山口委員=要望に応じて増額を検討するということですか。 118 ◯陣内総務学事課長=先ほど来申し上げておりますように、財政事情等いろいろなものを含めて、総合的に検討させていただくということでございます。 119 ◯山口委員=今の状況、また、いろんな要請等を総合的に判断して、私学への助成については前向きに検討をしていただきたいと思います。  また、もう一点ですが、県立学校において校内LANの整備が進められておりますが、私立高等学校においてもIT教育のための施設設備の充実を図る必要があると思います。私立学校の施設等の現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。 120 ◯陣内総務学事課長=私立高等学校の施設設備助成等でございますが、県内の私立高等学校におきましては、情報教育のためのパソコンなどにつきましては、八校のうち七校が既に整備済みでございまして、残り一校につきましても平成十三年度に整備を計画されているところでございます。  また、校内LANにつきましては、八校のうち三校が本年度までに整備済みでございまして、一校は平成十三年度に整備を完了する見込みでございます。  県といたしましては、今後とも、各私立高等学校が情報化のための環境整備を行う際には、施設設備整備への助成などに努めるとともに、情報教育の充実についても、その推進のために各私立高等学校を支援してまいりたいということでございます。 121 ◯山口委員=このこともあわせて、私学の団体からの要望が入っております。子供は国の宝と思います。それと同時に、先ほど来より質問をさせていただく中で、少子・高齢化という問題が大きくあります。高齢化という問題に対しましては、単純に考えますと、国民の不安がこのことに直結している。少子化に関しましては、まずは教育費、一人の子供を大学まで卒業させるということが、そのまま親の経済、または家族の生活費に直結をする。  そういう状況の中で、「今、子供を産んでも」という若い夫婦の間での会話は、一人に一千万円、二千万円と、ここ十年、十五年の間に、日本人は経済、金というものに非常に大きな関心を持ち、そして、人の教育や福祉の問題に対しましても、常に金銭に置きかえる傾向があります。  そういう中で、それぞれの国民の消費、また経済活動を活発にさせる二つの大きな仕事として考えるときに、教育費を高校生までは親の負担を最低限にすると。それと同時に、大学に行く能力、意思のある人に対しては奨学金の充実を図り、このことで親の負担を大きく減らすことがとても重要だと思います。  そしてまた、福祉に関しましては六十歳まで、また六十五歳まで一生懸命働いたら、あとは国が見ると。介護保険といえど、数字で言えばたかが五兆円。その中で、そのことをしっかりとすることによって、今、ここで言っても仕方がない問題なんですが、年金制度の見直しや、そしてまた医療、介護、本当に死ぬまで金が要ると。そのために金をためておかにゃいかんという、非常に大きな経済至上的な国民の心の中に不安があると思います。その二つを払拭するだけでも、行政としての大きな役割、そしてまた今後の日本の繁栄、また県勢の発展につながっていくと思います。  この私学助成の問題等につきましても、ただ単純に公立との格差を見ましたところ、公立の高校に行く人は公的な支援、また教育費が大きく支払われる。この格差は大変なものです。そのことも含めて、県独自で教育県佐賀、そしてまた人づくりという面で、皆さん方が御尽力をしていただけるという計画も、そしてまた、これからの行政のあり方等も踏まえまして、皆さん方の御健闘を、また、ともに協力していくことをお約束させていただきまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 122 ◯増本委員=最後になりましたが、通告しております大きく分けまして四項目について、順次質問してまいりたいと思います。  まず、新エネルギーについて、趣旨としては、もう御理解いただいていると思いますが、新エネルギーを今後佐賀県においてより多く導入していくという方向で質問してまいりたいと思います。  まず第一点ですが、今回、新聞報道等によりますと、自然エネルギー発電促進法案の早期制定が各都道府県のアンケート調査等によりますと、七一%、早期制定に期待するという報道がなされております。佐賀県もアンケートに対する回答を当然しているんだと思うんですが、この促進法案の早期制定について、まず執行部の見解をお尋ねします。 123 ◯赤司地域情報政策課長=お答えいたします。  自然エネルギー発電促進法案は、超党派の議員立法として検討がなされているようですが、その立法目的は、枯渇しないエネルギー資源の有効な利用及び温室効果ガスの排出抑制による地球温暖化の防止を図り、もって環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら、持続的に発展できる社会を構築することと聞いております。  ところで、自然エネルギー発電の促進につきましては、本年九月の定例県議会におきましても、地球温暖化防止の趣旨を踏まえ、その促進策の強化について意見書可決がなされたところでありまして、今後、国におきます取り組みを十分注視してまいりたいと考えております。 124 ◯増本委員=新聞報道等によりますと、自民党を含めた超党派の国会議員連盟が成立を目指す自然エネルギー発電促進法案には、これは京都府のコメントですが、自然エネルギー普及に向けた仕組みが拡充されるなど、四十二自治体が成立に期待していると、賛意を示したというふうに書かれております。  今、課長は注視していきたいという答弁だったんですが、ちょっと確認ですが、これは毎日新聞のアンケート調査だと思うんですけど、これに対する佐賀県の回答はどういう回答をされたのか、確認しておきたいと思います。 125 ◯赤司地域情報政策課長=この毎日新聞のアンケート調査に関しましては、課の方に照会が来たわけなんですけれども、今お答えいたしましたように、国の動向を見守っていきたいというふうなことで回答いたしております。 126 ◯増本委員=わかりました。  県議会の方も全会一致で、この促進法案の早期制定を求める意見書というのを可決しておりますので、そういう意味から質問を続けていきたいんですが、それでは都道府県レベルの取り組みはどうかということを調べてみますと、北海道がことしの九月に省エネルギー・新エネルギー促進条例というものを制定、公布しております。  これについて若干説明をしますと、これは大きく報道もされているんですが、まず前文のところで、原子力について過渡的なエネルギーと位置づけた上で、脱原発の視点に立って、限りある資源を可能な限り将来に引き継ぐとともに、北海道内で自立的に確保できる新しいエネルギーの利用を拡大する責務を有しているということで、エネルギー使用の効率化、新エネの開発導入に積極的に取り組むことを道民の総意としてうたっています。  具体的には北海道の責務、あるいは事業者、道民の責務を位置づけた上で計画を策定し、その中では学習の推進、民間団体等の自発的な活動の促進、関連産業の振興、そしてまた、それに伴う財政上の措置ということを定めていますが、都道府県ではこういう先進的な取り組みをしているのはまだ北海道だけだと私も伺っております。ただ、都道府県レベルでこういう条例を制定し、取り組もうという姿勢を見せている。しかも、これは極めて意味深いものがあるのかなと思うのは、北海道も北電の泊原発を抱えているわけですが、原発が立地していながら、こういう条例を制定するということを踏まえて、私は国の法案の制定とともに、やはり多くの都道府県がこういう条例制定を取り組んでいくべきではないかと思うんですけれども、執行部の見解をお尋ねします。 127 ◯赤司地域情報政策課長=お答えいたします。  北海道におきましては、省エネルギーの促進並びに新エネルギーの開発及び導入の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって北海道の社会経済の健全な発展及び道民の生活安定に寄与することを目的として、道独自の判断により九月に条例が制定されたと承知しております。 128 ◯増本委員=それを踏まえて、簡単にお答えいただいていいんですが、当県では将来的にこういう条例の制定の考えはないのかどうか、お尋ねします。 129 ◯赤司地域情報政策課長=条例制定の件ですけれども、国におきましては、エネルギーの安定的供給の確保及び地球温暖化問題の対応の観点から、平成九年にいわゆる新エネ法を施行されております。それを受けた基本方針では、地方公共団体が果たすべき役割としては、みずからが率先して導入に努めることや、地域住民への広報普及が規定されているところでありまして、県はこれらの法令を受けまして、新エネルギーの利用促進についての県みずからの導入、また県民等への普及啓発に今後とも努めてまいりたいと考えております。 130 ◯増本委員=今課長の答弁の中にありました新エネ法、九七年六月に施行されているんですが、この新エネ法に基づいて県でもことしの二月に地域新エネルギービジョンというものが策定されています。  そのビジョンの内容について触れていきたいと思いますが、まず、県が導入を図ろうとしている新エネルギーの、ここの中ではイメージという言い方をしているんですが、どういう内容のものをこのビジョンの中でうたっておられるのか、お尋ねします。 131 ◯赤司地域情報政策課長=お答えいたします。  新エネルギーの導入についてですが、県内地域新エネルギーの分布量は、全体で平成八年度のエネルギー需要量の三〇%に相当いたしているところであります。  地域新エネルギーの種類別では、太陽エネルギーが六一・二%を占め、廃棄物エネルギーが一四・四%、それから風力エネルギーは二・二%というふうになっております。  この中で、県内各地域におきまして、大きな分布量が認められること、経済性の面でも技術的改善が進んでいること、それに環境負荷が小さいことから、具体的には太陽光発電、太陽熱を給湯や暖房等に利用する太陽熱利用及び風力発電の導入を促進していくことを基本的な考えとしているところであります。 132 ◯増本委員=それで、前回のこの委員会において、私は新エネの中でも特に風力発電の導入を主なテーマとして議論したと思いますので、今回は太陽光発電に絞って質問していきたいと思うんですが、このビジョンの中では二〇一〇年、今から十年後の目標として、導入イメージとして太陽光発電は三・一万キロワット、つまり三万一千キロワット、風力発電については三千キロワット、つまり〇・三万キロワットというような数値が示されていますが、このような目標数値というのは、どういうものを根拠に算定されたのか、お尋ねします。 133 ◯赤司地域情報政策課長=お答えいたします。  国の総合エネルギー調査会が平成十年度に取りまとめました中間報告、長期総合エネルギー需給見通しで示されました二〇一〇年の目標値は、太陽光発電が五百万キロワット、風力発電が三十万キロワットになっております。  本県におきましては、これをもとにいたしまして、太陽光発電に関しましては、全国の世帯数や日照量に対します本県の同じく世帯数、日照量の割合をもとに算定いたしております。  それから、風力発電に関しましては、新エネルギー・産業技術総合開発機構、いわゆるNEDOが調査いたしました全国の風力発電可能量に対します佐賀県の風力発電可能量の割合を算定いたしまして算出している状況であります。 134 ◯増本委員=そこで、さっき申し上げたように、太陽光について限定して質問したいんですが、このビジョンの中では、平成十四年度までの具体的な計画として、さっき赤司課長ともお話ししたんですが、現在、県庁本館と言ったがいいんでしょうか、旧館の屋上に百二十キロワットのソーラーパネルの工事が始まっていると。そしてまた、来年度が武雄総合庁舎、そしてその翌年度が唐津と鳥栖の総合庁舎、県庁本館が百二十キロワットで、武雄、唐津、鳥栖がそれぞれ四十キロワットということで、合計二百四十キロワットの太陽光発電がこの二、三年の間に県庁本館と総合庁舎で稼働するということが具体的に計画にものっていますし、また実際もう既に着手されているというふうに理解していいと思います。  では、その先について、つまり平成十五年度以降どうするのかということについて、ぜひとも聞いておかなくてはならないと思います。  先ほど課長が答弁されたように、新エネルギーの中でも当県では特に太陽光のエネルギーの可能性が非常に高いということがあります。そしてまた、さっき課長がおっしゃった国の総合エネルギー調査会の需給見通し等で示されているものは、二〇一〇年度に省エネとかいろんな対策を講じた上で、つまりエネルギー消費量をできるだけ抑えた上で、その中で新エネの割合を三・一%という設定をして、その結果太陽光が五百万キロワットという位置づけになって、それを世帯数とか日照量を算定基準にした結果が、当県の太陽光発電の目標値として三万一千キロワットという数字が出ているわけです。それからいくと、この二百四十キロワットという数値は一%にも満たない数字なわけですが、あと十年で本当にこの三万一千キロワットという目標が達成できるのかどうか。今まで以上に取り組みを強化しなくてはならないと思うんですが、県庁内のほかの部局に対して率先的に導入するための普及啓発を図るべきではないかという点、そしてまた、今回は庁舎管理という意味からいえば、総務学事課、総務部所管の県庁や総合庁舎で実施されるということですので、今回この新エネの担当をしている企画県民部、例えば、空港とかアバンセとかいう大きな施設を所管しているという意味からも、そういった施設での太陽光発電の導入を具体的にみずからが行っていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 135 ◯赤司地域情報政策課長=太陽光発電に関しまして、率先して普及啓発に努めていくべきではないかということですけれども、先ほど申し上げましたように地球温暖化、それから化石燃料の枯渇というふうな問題からすれば、非常に大きな問題であろうかと思います。  それで、太陽光発電に関しまして、一つの例でありますけれども、一般の住宅につける場合に関しまして国の補助もあります。それで、現在、三・五キロワットぐらいで二百七十万円程度かかります。補助が約六十万円というふうなことで、二百十万円ぐらいの手出しになろうかと思います。そうした場合、平均的に一カ月一万円の電気料金を支払うとして、年十二万円ですけれども、それでいきますと、全く電気料金を払わないにしても二十年弱の年数でありまして、環境問題は非常に重要な部分はありますけれども、費用対効果からすれば、普及啓発は続けてはいくものの、それをやるとした場合は、そういうふうな面まで考えてすべきではなかろうかなと考えております。  それからもう一つ、企画県民部の中での庁舎にというふうなことですけれども、現在のところ計画はありません。 136 ◯増本委員=それでは、ちょっと計画を確認したいんですが、この地域新エネルギービジョン策定調査報告書の概要版でいくと、十一ページの太陽光発電のところに関して、これは国の考え方だと思うんですが、説明というところに五百万キロワットの二〇一〇年度の目標についてこう書かれています。「当面、導入コストが最大の制約要因であるが」、これは今課長がおっしゃったことそのままだと思います。「市場の自立化が達成され、技術開発の実施及び量産効果によるコスト低減と需要拡大との好循環がなされれば、目標達成は可能である」と、つまり国全体では五百万キロワットの達成は、こういうことから可能なんだということを言っています。  それと、二十五ページ、これは県内のことなんですが、これは県の基本的な考え方ということで、太陽光、これは風力も含めて書いてありますが、「県内各地域において大きな分布量が認められること。経済性の面でも改善が進んでいることに加え、環境負荷が小さいことから導入を促進していく」というふうに記されております。  それで、さっきおっしゃった三・五キロワットという、一軒一軒入れる場合の標準規模でいくと、仮に三万一千キロワットという目標値を達成するためには、数字的にかなり厳しいものがあるんじゃないか。  二十八ページに新エネの導入施設イメージというところにいみじくも書いてあるんですが、世帯当たりの導入量四キロワットと設定した上で約七千八百世帯という数値になっているわけですね。三・五キロワットで設定すれば七千八百より大きく、一万に近づいていくわけですけれども、こういう状況の中で、本当に実際どれだけ達成できるのか。  さっきの赤司課長の答弁はよく理解できなかったところがあるんですが、コスト的に現時点ではまだまだ割高感があるというのはよくわかっております。ただ、その中でこういう目標を設定しているということで、達成するためにはかなり民間レベルの推進も図らなきゃいけないし、県庁内での導入もやっていかなきゃいけないということだと思うんですが、この目標達成は、今おっしゃったような考え方でできるのかどうか、できるとお考えなのかどうか、もう一度お尋ねしたいと思います。 137 ◯赤司地域情報政策課長=三万一千キロワットの目標達成の件でありますけれども、これに関しましては、国が二〇一〇年に求めております五百万キロワットを基準といたしまして、私どもが出した数値、それは一応国の目標、県の目標というふうなことになりますけれども、今日的な環境の問題等があるものの、技術革新と費用対効果を考えた場合には、非常に困難な面があるんじゃないかというふうな考えもあります。 138 ◯増本委員=そうですか。三万一千キロワットという数値は非常に困難な面があるということで、今驚いて答弁を聞いていたんですが、さっき一番最初に申し上げた、今度の新しい自然エネルギー促進法案、超党派で議論されている法案の中身がいろいろ新聞報道等である程度明らかになっています。その中で、どういうことが内容に盛り込まれようとしているか。これは最終的には法案として国会に提出される段階で、ある程度数字的に変わってくる部分があるかもしれません。政治的ないろんな思惑で変わる可能性はあると思いますが、少なくとも、今法案として議論されている中身は、新エネの割合を最終エネルギー消費量の一〇%とうたう予定になっているんですね。つまり、現在の新エネ法だとか、それに基づくさまざまな国・県の取り組みの前提は三・一%でしかないとあえて言っておいていいと思うんですが、それを今後は今の時代の流れからいけば、二十一世紀、さらに新エネの割合は高まることはあっても、その三・一%より目標値が低く設定されていくということは、まずあり得ないのではないかというふうに思うんですね。  それで、報告書は概要版しか持っていないので本報告書を下さいというのも私は言ったんですが、これはもう一回確認しますけれども、ことしの二月に策定したばっかりですよね。それで、もう既にわずか十カ月程度で三・一万キロワットが困難だという状況になってきているのかどうか、もう一回確認させてください。 139 ◯赤司地域情報政策課長=先ほども申し上げましたように、国の二〇一〇年の目標であります五百万キロワットを基準といたしまして算定した数値であります。  そういうふうな中で、現在の佐賀県の状況を見た場合に、目標としているものの、一般家庭まで普及させるとした場合のことを考えると、非常に難しい、困難な数値──目標でありますので、達成という気持ちは持ってはおりますけれども、非常に困難な数値じゃなかろうかというふうな考えを持っております。 140 ◯増本委員=余り堂々めぐりになってもしようがないですので、最後に鬼崎企画県民部長にお尋ねしたいんですが、さっき私が申し上げたように、この新エネのエネルギー全体に占める割合というのはこれから高くなることはあっても、低くなることはまずあり得ない。省エネを推進しながら、なおかつ新エネへの移行というのを、これは日本に限らず、世界各国がそう取り組もうとしているわけですので、その中ではこの三・一万キロワットというのは、正直本音で言うと、最低限の目標にすべきではないかと私は思うんですよ。ただ、ことし策定したばかりですので、今これを本当にどこまで達成できるのかという点でいえば、もともとの数字の根拠が下から積み上げて出した数字ではありませんから、さっき赤司課長に説明いただいたように、国の五百万キロワットをベースに割算して三・一万キロワットという数字を出しているだけですので、非常にアバウトな数字だとは思うんですよ。  ただ、私はこの三・一万キロワットを目標に取り組んでいくという姿勢は、まだことし策定したばかりですので、それを崩していただきたくないし、三・一万キロワットを目標として取り組むという御答弁をもう一度部長に再確認したいのと、あわせて十五年度以降どうするのか、いわゆる民間への普及啓発というのは当然一生懸命取り組んでいただかなくてはならないんですが、本庁と三カ所の総合庁舎で十四年度までに導入して、それが二百四十キロワットにとどまると。当然十五年度以降も、二〇一〇年に向けて三・一万キロワット達成に向けては、県庁みずからが取り組まなくてはならないという重大な責務はあると思うんですよ。  そういう意味で、今の時点で具体的になっていないようですので、それはやむを得ないかもしれませんが、ただ少なくとも、今回四カ所に導入する二百四十キロワットの事業は、NEDOの半額補助を受けて実施されています。もし仮に今後ともNEDOとの連携で取り組んでいくんだとすれば、早い時期にきちんと計画をつくり、そしてNEDOの基準に合った形で補助の申請をしたり、設計に入ったりという必要があるというのは、もう当然御存じだと思います。そういう意味から、十五年度以降の具体的な取り組みについて、もう一度答弁をお願いしたいと思います。 141 ◯鬼崎企画県民部長=まず、我が国の年間のエネルギーの総需要量は、原油換算で四億キロリットルというふうに言われております。その中で、先ほど出ました太陽光エネルギーの五百万キロワットが一・二%程度に相当するんじゃなかろうかと思いますけれども、この自然エネルギーを一〇%まで高めていく動きがあるということは我々も十分承知をいたしております。  冒頭、増本委員の方から導入イメージとなっているということで、目標かどうかよくわからんという御指摘があったわけですけど、まさにそのとおりでございまして、目標とするからには達成可能性を十分検討する必要があるわけです。そのためには、その財源をどうするかというふうなことまで議論を深めて、そして目標とする必要があったわけですけれども、今回のこのエネルギービジョンの中ではそこまで深めることができませんでした。したがいまして、これをイメージというふうな形でお示しをしたような次第でございます。  そういうことで、ちょっとごたごた申しましたけれども、御理解いただきたいと思います。  それと、委員がおっしゃいましたように、国の方でもやっぱり市場経済性とか、いろいろの前提をつけているわけでございます。今の段階で非常に安くなったとか、そういうところまではまだ来ていないというふうに思っておりますが、今回、自然エネルギー発電促進法案が国会で議論をされまして、可決成立されることになれば、当然その財源的な裏づけも出てくるんじゃないかと我々も期待しております。そうなったときには、環境負荷の少ない自然エネルギーに着目して、我々がつくっているエネルギービジョンないしは環境分野でつくっております環境に優しい行動計画を踏まえまして、前向きに対応してまいるということでございます。 142 ◯増本委員=総務常任委員会ですので、総務部長さんも、それから財政課長さんも同席しておられますので、十五年度以降の具体的な計画づくりというのは、少なくとも新年度、できるだけ早い時期に計画をまとめていく必要があると思うんですよ。  そういう意味で、内容についてはおわかりいただいておると思うんですが、総務部長さん、質問を振って申しわけないんですけれども、今回とりわけ、執行部に御努力いただいて、県庁本庁舎を含めた四カ所での導入が既に具体的に計画にのり、実施にのっているというのは非常に喜ばしいと思うんですよ。ただ、十五年度以降がまだ全然見えてこないと。これはできるだけ早い時期に具体化していただきたいということで、庁舎管理の全体を、全部を管理しているというわけではないと思いますが、庁舎管理の総合的な役割を担っておられ、また、財政も担っておられるということで心構えを最後にお尋ねしたいと思います。 143 ◯松尾総務部長=太陽光のシステムにつきましては、御指摘のとおり、現在工事を進めておるわけでございます。一つには、新エネルギーに対する普及啓発の意味合いも兼ねて設置をしたわけでございまして、需要量に相当するエネルギーを賄おうということじゃなくて、そういったことでやっておるわけであります。したがいまして、二百四十キロワット程度のものになっているわけであります。  今後、施設等々を改修するわけでありますが、その中でどうしていくのかということにつきましては、例えば、県自体の行動計画に位置づけるのか、あるいは普及啓発の観点からやるのか、そういったのを少し議論しながらやっていく必要があろうというふうに思います。  いずれにいたしましても、このエネルギー問題は我々も今後二十一世紀に取り組む重要な課題だというふうに考えておりますので、県でもそういった意味合いから率先してやっていく分野だろうというふうに考えておるところであります。 144 ◯増本委員=ぜひできるだけ早く計画を立てていただいて、企画県民部、そしてまた、総務部ともに今後も御努力いただきたいと要望して、次にいきたいと思います。  二番目は、原子力防災訓練についてお尋ねしたいと思います。  今回、十一月二十七日に原子力防災訓練が行われました。これは六月十六日に原子力災害対策特別措置法が関連する政令等とともに施行されて、そうした新しい特別措置法の内容を加味した上で唐津の総合庁舎を暫定的にオフサイトセンターとして位置づけて、これまでとは違った内容の訓練が行われたというふうに考えています。  私個人的には、今回の訓練のポイントとして、一つは合同対策協議会方式、国、県、市町の連携を確認していくという方向がとられたと。それからもう一つ、十キロ圏内の住民の皆さんの大規模な屋内退避訓練が行われたと。この二つが特に大きな訓練の柱ではなかったのかというふうに思っておりますが、執行部としては今回の訓練の特徴、内容についてどういうものだったとお考えなのか、お尋ねします。 145 ◯古賀消防防災課長=今回の訓練の特徴というようなことでございますが、十一月二十七日に原子力防災訓練を行ったわけでございますが、これについては先ほどお話がありましたように、本年二月に訓練を実施していますが、これを基本にしながら、その後に施行されました原子力災害対策特別措置法、いわゆる新法の趣旨を踏まえて行うことにいたしまして、地元一市四町、それから原子力防災専門官及び関係機関と協議を行いながら、訓練の内容を決定したところであります。  今回の特徴といたしましては、先ほど言われました新法を踏まえた訓練、それから住民参加の二つではないかと思っていますが、この新法を踏まえた訓練といたしましては、法第十条の特定事象発生通報や、第十五条の緊急事態宣言を受けて、災害対策本部等の活動体制を確立したこと。  それから、唐津総合庁舎に原子力災害合同対策協議会を設け、国、市や町などと緊密な連携を図りながら防災対策を実施するとしたこと。  それから、原子力防災専門官による通報連絡、情報収集、関係機関の招集などを行ったところであります。  それから、もう一つの特徴といたしましての住民参加、これにつきましては、できるだけ多くの住民の方々に参加していただくことといたしまして、特定地区の住民の参加による屋内退避訓練、それから十キロメートル圏内すべての学校、福祉施設や医療機関に要請を行いました屋内退避訓練、その結果、訓練参加者数は八千四百四十二人、このうち住民の方の参加は七千三百四十七人となっております。 146 ◯増本委員=それで、私も当日見学をさせていただきました。ジェー・シー・オーの事故を受けてことしの二月十日に延期されていた後の訓練、二月十日の分も見学させていただいているので、今回、ああ、こういうところが変わったんだなというのを正直思いながら見せていただきました。  その一番の変化といいますか、変わった点は、今課長がおっしゃった合同対策協議会というのが設けられておりまして、例えば、屋内退避をすべきかどうかといったことも含めて、国と連絡をとりながら、そして県、市、町の代表や専門家を交えて協議が行われていったんですが、第一印象としては、例えば、どういう避難をするのかということで、屋内退避が決定されて指示が出され、さっき課長がおっしゃったように、住民の多くの方が屋内退避の訓練に参加されるというところまで指示がおりていくわけですが、その決定過程が非常に遅い、時間がかかっているのではないか。  これは何で時間がかかるのかなと思って見ていますと、まず、東京と言った方がわかりやすいと思いますが、東京の方に国の災害対策本部長、これは内閣総理大臣が就任されることになっているんですが、国の災害対策本部長がおられて、そしてオフサイトセンターに国の現地災害対策本部長がおられる。県庁に災害対策本部があって、その本部長は県知事ですね。そして、現場のオフサイトセンターに県の現地災害対策本部があって、その本部長が、今は副知事が空席になっているということで今回は檜垣出納長が務められている。そして、一市四町が参加していますので、一市四町に災害対策本部が市役所、町役場に設けられていて、そこにそれぞれの市長や町長が本部長を務めると。東京と佐賀に本部があって、なおかつ国の現地本部と県の現地本部が総合庁舎のオフサイトセンターにあり、なおかつ市役所と町役場にはそれぞれの市と町の災害対策本部がある。対策本部の数が非常に多くて、本部長さんもたくさんおられて、どの指示が今どこに、どうなっているのかというのが、今回は訓練ですからシナリオがあるからいいですよ。実際事故が起きた場合にどうするかということを考えると、私は若干今回のやり方は問題があったんではないかなと、改善すべき点と言った方がいいかもしれません。問題と言うとちょっとあれですので。  それで、まず屋内退避を決定する手順というんでしょうか、どういうふうな手順で屋内退避が決定されたのか、お聞かせください。 147 ◯古賀消防防災課長=屋内退避決定の手順というようなことでございますけれども、先ほどお話がございましたように、合同対策協議会で現地での方針を決めるわけですけれども、国や県、市町等が発電所からの事故の情報、それからそれの進展、これについては専門家等の意見を踏まえるわけでございますが、こういったことを踏まえ、協議をしながら方針を決定していくということになっておるわけであります。  今回の訓練につきましては、事前に県の現地災害対策本部会議を開きまして、屋内退避の範囲等について検討を行いまして、その上で合同対策協議会に臨み、専門家等の意見を踏まえながら、この屋内退避の実施の方針決定を行ったというようなことでございます。 148 ◯増本委員=確認ですが、協議して決定していく過程の中で、例えば、県の現地本部としては、県庁におられる井本知事に、これは檜垣出納長がホットラインで、井本知事に電話をされていましたので、多分間違いないと思うんですが、協議事項としてのせて、それをこういうことで検討していいですかということも当然逐一知事に確認しなきゃいけないですよね。  それからもう一つは、決定する段階で、またさらに国の現地災害対策本部長が、東京のつまり総理大臣に、こういうことで屋内退避をさせますが、どうですかという確認もしないと、最終的には決定までいかないというふうに私は思っているんですが、それでよろしいですか。 149 ◯古賀消防防災課長=まず、県のことを申しますと、県の最高責任者は知事であります。そういったことで、重大な住民の安全ということでありますので、現地は現地としての方針を出しますが、そういった意味で、今回の訓練では住民の方々の安全を第一に臨みたいというような基本的な事項について事前に知事の了解を仰いだと。  それから、国の現地本部と内閣総理大臣の関係でございますけれども、これにつきましては、原子力災害対策特別措置法の中で「内閣総理大臣は、避難や屋内退避の勧告又は指示その他の緊急事態応急対策に関する事項を市町村長及び知事に指示する」とされており、屋内退避等を指示する場合、「国の現地対策本部長は災害対策本部長である内閣総理大臣から指示を受けることになっている」ということで、今回の訓練におきましても、合同対策協議会を一時中断と申しますか、その中で国の現地対策本部長が総理大臣の判断を仰ぐ、こういった訓練を行ったというようなことでございます。 150 ◯増本委員=確かに法律ではそうなっておりますので、法律に基づいて今回実施されたわけですから、その流れはよくわかるんですよ。ただ、私は法律というのは将来的にというか、常によりよい方向で見直しを加えていくべきだというふうに思いますし、今回、昨年の九月三十日のジェー・シー・オーの事故を契機に今までの災害対策基本法と別に原子力災害についての特別措置法を制定したわけですので、なおさらこの特別措置法についての見直しというのは、今後も図られてしかるべきだと思うんですよ。  これは全国十四の立地している道府県それぞれが、いろいろな形で議論をした上で見直しが必要であれば、国に対して要請をするべきではないかなと思うんですね。  それで、ジェー・シー・オーの事故のときにも、茨城県は屋内退避でいいんだと言っているのにもかかわらず、東海村の村長さんは独自に、いや、屋内退避だけじゃだめだと、避難勧告というか、避難の指示を出されたりと、結局、村、県、国の指示と違うという事態が生じていました。やっぱり一番近いところで判断するのが正しいというか、一番正確な判断ができるんではないかと思うんですね。  それで、今の合同対策協議会のあり方について質問したいんですが、今の法律だと、たしか現地本部長は政務次官でしたね。政務次官が本部長として東京から来られて、そしてそこに原子力防災専門官もいらっしゃいますね。そして、さらに医学的には放射線医学総合研究所、いわゆる放医研、ジェー・シー・オーのときにも活動されたこの放医研の方々もおられるという状況の中で、玄海町の現場の状況が一番よくわかって、そしてなおかつ、そこには国から政務次官が見えて、そしてそれぞれの専門の方もおられる、関係機関もおられる、立地している市や町の代表の方、今回は助役とか三役の方が見えていましたが、そういう方々もおられる中で、いわゆるあそこの対策協議会で決めたことがそのまま実行されるのが制度的には一番スムーズに流れるんではないかなと。  例えば、あそこで屋内退避を決定していながら、東京に電話でお伺いを立てることで、仮に東京にいる総理大臣が、いや、屋内退避はせんでいいと指示をするようなことがあっては非常に困りますし、もう一つ、ただ単に合同対策協議会が決定したことを国にお伺いを立てるんではなくて、伝えるだけであれば、ああいう手続を踏む必要はないと思うんですよ。合同対策協議会で決めたから、その指示をそれぞれの市や町におろしていくという、そっちの手続に入っていくべきであって、東京に一々お伺いを立てる必要はないと思うんですが、こういう基本的な問題は、今回の対策特別措置法を受けて初めて行われたものですから、合同対策協議会の上に総理大臣の指示系統があるというのは屋上屋だと私は思っておるんですが、それについてはいかがでしょうか。 151 ◯古賀消防防災課長=原子力災害については非常に特殊性があるというようなことで、住民の方々を屋内退避または避難については非常に重要な事柄、住民の安全に直接結びつくというようなことで、現在の新しくできた法律の中では、先ほど申し上げましたように、国が指示する場合については内閣総理大臣が県や市町村に指示するようになっていますが、内閣総理大臣の指示については、委任はできないというようになっております。  実際、方針を定めていく場合についてでございますけれども、合同対策協議会を構成しているのは国、県、市町村が中心で、原子力事業者が入る場合もありますけれども、国の場合は国の災害対策本部も東京に設けられますので、現地本部との連絡、連携と申しますか、こういった情報は常にとっておるだろうし、県といたしましても、当然県の災害対策本部と現地本部は常に情報のやりとりはやっているというようなことでございます。市町の場合につきましても、その合同対策協議会に首長さんから委任をされた方々については、いろんな対策を行うわけですけれども、例えば、屋内退避の検討を行う場合、住民への周知方法とか、その他防災対策の必要性などを念頭に置きながら、それぞれが連絡をとり合っていると、これが実際行う場合の実態ではなかろうかと。訓練でもそういったものを取り入れておるわけでございます。  したがいまして、国においても屋内退避の必要が生じた場合は、既に災害対策本部との情報の共有化が行われておりますので、内閣総理大臣からの指示といったものは、その協議の中で異なることはまずないだろと思いますし、速やかに行われるだろうというふうに考えます。
     いずれにいたしましても、対策は協議会の中でやるわけでございますから、その中でいろんな対策をやっていくというようなことで、この屋内退避、避難といった基本的なことについてはできるだけ速やかに決定をしていくと。特殊性としましても、いろんな専門家等のチームの意見も聞きながらということで、一定の時間は要するであろうというふうに考えておりますけれども、これは速やかに判断が下されることが必要でございますので、今後とも訓練、あるいは先生が今おっしゃったようなことについても、できるだけそういったことが行われるように、国とも協議をしていきたいと考えます。 152 ◯増本委員=この部分は一番最後にもう一度部長に確認したいと思っておりますので、よろしくお願いしておきます。  時間がありませんので、とりあえず先に進みます。  ここに、さっき申し上げたジェー・シー・オー事故以来初めて行われた、ことし二月十日の原子力防災訓練実施報告書というのがあるんですが、この報告書はどういう中身を盛り込んであるのか、お尋ねします。 153 ◯古賀消防防災課長=内容につきましては、十一年度、二月十日に実施しました訓練の概要、評価、それから実際どういうことを行ったのか、時間帯を追ってどういう訓練をやったかといった内容になっております。 154 ◯増本委員=今課長は訓練の評価ということも言われたんですが、やはりせっかくこういう大規模な訓練を年に一回行うわけですので、当然それぞれの訓練を行ったときに、例えば、オフサイトセンターの中ではどうだったか、県庁の対策本部はどうだったのか、あるいは現場、各学校や地域で避難をされた方々はどうだったのか、避難がうまくいったのか、情報伝達はちゃんとうまくいったのか、情報収集もうまくいったのかということを含めて、そういうものがきちんと総括されるべきだと思うんですが、正直言ってこの報告書を読んでも余りそういう点が出てこない。  訓練の反省とか総括というものについては、どこが主体的に、そしてどういうスケジュールで行われて、どういうふうにまとめていかれるのか、それについてお尋ねします。 155 ◯古賀消防防災課長=失礼しました。評価と申し上げましたけれども、現地本部長の講評です。  これまでどういうふうにやっていたかということになりますと、それぞれの機関がおのずと問題点をそれぞれ評価なされますので、一定の期間を置いた後にそれぞれ集まっていろんな意見交換をやったというようなことが、これまでの経緯でございます。  今回の訓練の後の意見交換会についてでございますけれども、御指摘のとおり、今回の訓練につきましては、新法が施行されて初めての訓練であります。この訓練におきましては、国の関係省庁、それから原子力防災専門官、そういった方々の指導を受け、そして多くの関係機関の協力を得ながら実施したといったことがございます。  特に訓練の主要な部分を占めております合同対策協議会は、国が主催者として開催されております。方針決定に当たっても国の指示等に基づいて実施をいたしておるわけでございますので、この意見交換につきましても、国とまず協議を行いながらやっていきたいというふうに考えておるところであります。 156 ◯増本委員=ちょっと予想していなかった答弁だったんですが、もう少し参加した各機関──個人個人の意見は必要ないんですが、民間や行政機関も含めていろんな機関が参加しておりますし、それぞれの機関の意見というのがこの報告書には反映されるべきではないのかなと。  訓練のときに見ていてわかるんですが、総務部長さんや古賀課長さん初め、消防防災担当の職員の方々は本当に大変だなと思うんですよ。その御苦労はよくわかった上で聞いているんですが、せっかくあそこまでのことをやるんであれば、ことしの訓練はどうだったのかなというところの改善点やよかった点、反省点を踏まえた報告書がもう少しきちんとまとめられたらいいなというふうに思っておりまして、それについても最後にまとめて部長にお伺いしたいと思います。  五番目の防護服の着用についてですが、今回の防護服着用などの防護訓練というのは、モニタリングとか交通規制訓練で行われたようですが、例えば、唐津市役所から対象になっている地域に沃素剤を搬送するという訓練、これはたしかほとんど毎年行われていると思うんですが、これは屋内退避を前提とした沃素剤搬送の訓練ですので、防護服を着用するのは当然ではないのかなと。この防護服着用についての基準はどうなっているのか、当然全員着用されるようにするべきではないかというふうに思うんですが、いかがですか。 157 ◯古賀消防防災課長=防護服の着用についてでございます。  先ほどお話がありましたように、防護服の着用につきましては、防災対策従事者の防護対策訓練というようなことで、モニタリング訓練あるいは交通規制訓練においてそういったことをやっていただいたわけでございます。  訓練においては、原子力発電所から放射性物質の放出があった時点で、それぞれの機関から指示を行って着用をしたというようなことでございます。また、地元一市四町におきましても、広報車による広報訓練を行っておるわけでございますが、これについても放射性物質の放出後、防護服を着用したというようなことでございます。  沃素剤の搬送についてでございますけれども、時間的に早い時期だったというようなことで、万一に備えて防護服等を車に積み込んでいたというようなことでございます。  この防護服の着用につきましては、防災対策従事者の方が放射性物質による汚染の可能性がある環境下で活動する場合に必要なものということになっておりまして、放射性物質の放出があった時点というふうにされております。 158 ◯増本委員=それでは、屋内退避についてなんですが、屋内退避の訓練を行うに当たって、学校とか病院、福祉施設など多くの関連する施設で行われているんですが、これは事前にきちんとした説明が参加者の方々にされたのかどうかということも疑問として投げかけられておりますが、これについて事前の説明はどうだったのか、お尋ねします。 159 ◯古賀消防防災課長=今回の訓練において多くの住民に参加していただいておるわけでございますが、一つは学校や福祉施設、医療機関での屋内退避訓練、それから地区住民による屋内退避訓練、大きく分けて二つあるわけでございます。  この屋内退避訓練を行うに当たって、施設の関係についてはすべての学校や福祉施設、医療機関に参加を要請するとともに、十一月十日に唐津総合庁舎、それから唐津東松浦医師会医療センターで説明会を行っております。  この説明会には、施設の関係者、それから唐津・東松浦医師会の担当者、それに地元一市四町の防災・福祉・教育関係の担当者が出席をされております。  この説明会では、訓練の目的、日時、訓練の具体的な中身、そういった概要、それから訓練に当たっての実施の手順、屋内退避の場合の留意事項、それから実際訓練に参加していただく方に対する、児童生徒、入所者、こういった方々に説明をしていただく内容などについて説明を行って、理解を深めたというようなことでございます。  そして、地区住民の方々に対する事前説明につきましては、地元一市四町でそれぞれ行われております。例えば、玄海町では町で協力依頼、あるいは訓練の方法、留意事項といったものを記載したチラシを作成されまして、区長さんから対象世帯に一戸ずつ配布して説明が行われ、かつ防災行政無線を通じて周知が行われたというふうに聞いております。  この留意事項につきましては、県におきましても、十キロメートル圏内を対象に屋内退避の場合の留意事項も記載した防災訓練に関するチラシを作成いたしまして、十一月二十三日に新聞折り込みというような形で周知を図ったところであります。 160 ◯増本委員=今言われたのは、かなり多くの施設が今回参加しているわけですが、それぞれの施設の代表の方ということだったんでと、それでどこまでその施設内の職員や、あるいはその施設に入っておられる方々に徹底されるかということについては後段で質問しますので、ちょっととりあえず次にいきます。  先ほど防災無線の話がありました。今回それぞれの一市四町で各一地区ずつ地域指定がされて、一般住民の皆さんの参加というか、屋内退避の参加が要請されたわけですが、状況を聞いていると、まず一つ、その地域の住民の方であっても、広報車による広報が聞き取りにくいと。これは従来からいつの訓練のときにも言われてきたことだと思うんですが、そういう問題点が指摘されていました。そして、実際指示を出しても訓練に加わらずに、結局、徹底されていなかったということも言われているんですが、この点についてはどのようにお考えなのか。防災無線とか広報車での広報のあり方については事前に言ってなかったんですが、もしよかったらそれも含めて答弁をお願いします。 161 ◯古賀消防防災課長=防災行政無線については、十キロ圏内でいいますと、昨年度までに四町は整備されております。現在唐津市が整備されているというようなことでございます。  広報のやり方といたしましては、一昨年の訓練ではヘリコプターを使ってやったんですが、なかなか聞こえづらいというようなことで、広報車の台数をふやして徹底しようと、ある町は消防団の車まで出してやるといったことで、広報を徹底するというようなことについては訓練を通じてやっているところでございます。  今回の訓練については、区長さんの協力やチラシなどでできるだけ参加していただくように周知を一方でやりながら、参加されなかった人もおったんじゃないかというような御指摘でございますが、具体的にどういったことなのかというのはまだつぶさには承知しておりませんが、この訓練についての基本的な考え方、実施に当たってですけれども、住民の方々に参加を強制するのはなかなか困難ではなかろうかというような前提に立っております。  そういった意味で、施設においても当日は休みのところは訓練に参加されていないというようなこともございますし、学校においても授業時間の調整が必要だといった場合については、時間をずらして実施していただくようなことでもお願いをいたしておるわけでございます。  したがいまして、今後の訓練におきましても、要請した施設や地区住民の方々にはできるだけ多くの方の参加を期待いたしておるわけでございますが、やはり無理のない方法で理解を深めていくことが必要ではなかろうかというふうに考えておるところであります。 162 ◯増本委員=それでは八番目ですが、訓練がこういうふうに非常に大がかりになってまいりますと、先ほど課長がおっしゃったように、今回八千人を超える方々が協力、参加されたという状況ですから、非常に大規模化してきておるわけですね。  そういう点でいくと、まず一つは住民の皆さんへの訓練内容の周知徹底、それからもう一つ重要なのは、今課長がいみじくもおっしゃったように、実際それぞれの、例えば、福祉施設や幼稚園だけでも二十九施設、医療機関が十三、それから学校が三十二校、そして一市四町の各地区が五地区指定されているわけですから、これだけ広範に行われると、それぞれのところで行われた訓練を検証する、つまり今回のどこどこ小学校の訓練はどういう点がよくて、どういう点に改善すべきところがあったかということを、せっかく訓練するからには検証して、それを次に生かしていくという作業がどこかで必要だと私は思うんですよ。  ただ、それをしようとすると、今回のような大規模な訓練のときには多分それはできない。つまり、どういう避難をした方が一番いいのかということをよく御存じで、皆さんに指導できる立場におられる県の消防防災担当や市や各町の役所の消防防災担当の人たちというのは、全部この訓練にみずから参加して、情報伝達の訓練に集中しているわけですから、各学校や医療機関とかでどういう訓練が行われているかなんて一々そのときチェックできないんですよね。それははっきりしていると思うんですよ。  だから、さっき課長がおっしゃったように、せいのでやるよといっても、それぞれの施設ごとに事情があると。当然その日の予定が組まれているでしょうし、また、一緒にやる必要性も別の意味であるんですが。実際ちゃんとできるかどうかの確認をしながら訓練をするという意味でいえば、それぞれ施設ごとに個別に訓練を行うというのを少なくとも年に一回ぐらいは、前から言っていますが、火災訓練や震災訓練と同様にそれぞれの施設単位でやって、例えば、そのときに市役所や役場の担当職員が行かれて、ここはこうだよ、ここはこうしてくださいということを指導する訓練をすべきじゃないのかなというふうに思うんですよ。  なぜ今回、災害対策基本法がありながら、原子力災害対策特別措置法という法律が制定されたかというと、この法律の目的にもうたわれています「原子力災害の特殊性にかんがみ」と。この特殊性というのはいろんなことを含んでいると思うんですよ。その中でも一番大きいのは、火災であれば煙や火によってどこが燃えているか、自分の身にどれぐらい危険が迫ってきているか判断できる。水害も震災もそうです。ただし、原子力災害は人間の五感すべてを使っても、自分に被害が生じて、ぐあいが悪くなるところまでいかないと、自分がどれぐらい放射能汚染しているのかどうか、全然わからないという非常に特殊な事情があるわけですよ。  その中で、この原子力災害対策特別措置法は目的の最後に、「もって原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護することを目的とする」という、非常に重要な使命をもって制定されているわけですから、この法律を今後もより実態に即した形で運用されていく必要があると思いますし、そのためにはやはり各施設ごと、地域ごとの訓練が不可欠だというふうに思うんですが、課長いかがですか。 163 ◯古賀消防防災課長=検証がうまくできるようにという趣旨から施設ごとに個別の訓練を行ったらどうかというようなことでございますけれども、各施設におきましていろんな訓練をなされております。そういった中では、その組織の中でいろんな検証といいますか、それぞれみずからの判断で改善をするためのいろんな協議もなされているというようなことも聞いております。  したがいまして、この原子力防災の訓練につきましては、私どもといたしましては、基本的には国、県、市町及び関係機関が連携して、そして総合的にやった方が効果が高まると、基本的にはそういった考え方でおります。  したがいまして、こういった個別の訓練につきましては、地域あるいは訓練内容を限定されたものについては、地元一市四町、あるいは関係施設の自主的な意向に基づいてなされるというふうに考えておるわけでございます。 164 ◯増本委員=わかりました。時間が予定より大分過ぎていますので、最後に松尾総務部長にまとめでお尋ねします。  まず一点目は、合同対策協議会のあり方についてということで、私は新しい特別措置法の今後の課題として、情報伝達のシステムをもう一度見直しというか、今すぐにというふうなことはまだ一回訓練をやっただけでと言われてしまえばそれだけですので、なかなか難しいかもしれませんが、やはり緊急事態においていろんな命令系統というか、指示・命令の流れをできるだけ簡素化するべきだと。権限をきちんとどこか一カ所に集中させないと、今の状況では、この県庁におられる知事や、東京におられる総理大臣の権限が非常に強く、特に総理大臣の権限が強くあって、現地にいろんな専門官や立場の人がいながら、そこで決定したことが最終決定にはならないと。やっぱりお伺いを立てないと判断が決まらずに、指示としておりていく形にならないと、今のやり方は問題を含んでいるんではないかと思うんですよ。  そういう意味で、今後の情報伝達の制度的な問題について、それからさっき訓練を言いましたが、この報告書を見ると、やっぱり総括が私は不十分ではないかなと。いいところも悪いところも含めてもう少し関係機関の意見聴取がきちんとなされた報告書が作成されて、それが翌年の訓練に生かされていくという形がとられるのがより望ましいんではないかと思いますので、二つ目はその点について。  そして、最後に申し上げた施設ごとの個別の訓練をこれからは考えていく必要があるんではないか。例えば、教育委員会が所管しているような小学校や中学校や高校についても、今教育委員会は御存じのとおり、人事が広域化されつつあります。異動の範囲も広くなってきていますから、やっぱり校長先生とか含めて、ことしは訓練を経験していても、来年赴任してきたときに全然知らない先生が当然入ってきているわけですよね。だから、さっき古賀課長はおっしゃいましたけど、震災とか水害とか火災とかの訓練と同じようにというか、それとどこが違うのかということを皆さんに認識してもらう意味でも、それぞれの施設ごとの個別訓練を考える時期に来ているのではないかという意味から、最後に三点、松尾総務部にお願いします。 165 ◯松尾総務部長=まず、合同対策協議会の伝達のシステムでございますが、原子力防災訓練を新法に基づいて初めてやったというようなことでございまして、我々もこの中でいろいろ振り返ってみて、改めるべき点があるものについてはいろいろ改めていくべきだというふうに考えております。  そういった意味で、例えば、伝達のシステムで現地に権限をおろすようにというようなお話がございました。今のところは法に基づいて内閣総理大臣の指示を仰ぐというふうになっております。これはこれとして、いろんな背景があって、こういった形に決まっているのではないかというふうに思います。  しかしながら、何と申しましても、この原子力防災につきましては迅速性が求められますので、我々といたしましては、こういったことについては訓練があるたび、あるいは十四道府県もそれぞれ訓練をやりますので、そういった会議の中で意見を持ち寄って、例えば、今取り上げられました迅速性の問題等々につきましては、国と協議をしていきたい、意見は申し上げていきたいというふうに思っております。  それから、取りまとめでございますが、今回から国が主体的にこの訓練はやるようになっております。そういったことで、国の各機関、例えば、厚生省だとか通産省からも来ておりますし、あるいは科技庁からも来ております。そういった総合的な中で訓練を実施したわけでありますので、総体的な取りまとめは、国に要請していくということをしなくちゃならないというふうに考えております。  しかしながら、我々は現地本部をつくっておりまして、また現地本部では対策協議会に持っていく意見集約等々も関係の市町をひっくるめてやっておりますので、そういった意味では現地本部の、いわゆるローカル版については、次の訓練に生かすべきものについて、いろいろ取りまとめる必要はあろうというふうに考えておりまして、そういった意味では、ローカル版の取りまとめはやっていく必要があろうというふうに考えております。  それから、施設ごとの訓練でございますが、これにつきましては、それぞれ福祉施設なり、あるいは市町によって、例えば、火災訓練だとか地震の訓練、もろもろの訓練をされております。そういったことで、それらの訓練で避難箇所とか避難の方法、あるいは伝達の方法というふうなことを熟知されておりますので、まずは自主的な訓練をお願いするという形になろうかと思います。  しかしながら、やった後で、例えば疑問点があるとか、あるいはやる前に何らかの相談があるとするなら、我々はそういったことにはこたえていきたいというふうに考えておるところであります。  以上です。 166 ◯増本委員=答弁ありがとうございました。  関連で最後にちょっと一つだけ要望なんですが、今回暫定的に総合庁舎をオフサイトセンターと位置づけて訓練が行われました。そのオフサイトセンターが間もなく唐津市富士見町に着工されようとしております。この間、古賀課長のところの消防防災課を初め、唐津市の総務課でも地元住民の方への説明等を含めて、着工へ向けての段取りをずっと進めていただきました。  地域の住民の方々から幾つか懸念する声もあったんですが、その中でどうなのかなと私が一番思ったのは、前を通っています県道妙見満島線というんでしょうか、通称産業道路と呼んでいる道路があるんですが、実際事故が起きたときには、オフサイトセンターへのアクセスとしては、基本的にあの道路一本になってしまう可能性が非常に高いということで、例えば、あの道路が何らかの事故等で渋滞や遮断された場合のことを想定して、オフサイトセンターへのアクセスというのをいろんな形で考えていただきたいという声が地元区長さん等を初め出されておりましたので、これは土木部とか建設サイドの検討も必要になるかと思いますが、執行部の方でぜひとも検討をいただきたいということを要望しておきたいと思います。  この件についてはこれで終わります。 167 ◯石丸委員長=暫時休憩します。午後四時をめどに委員会を再開します。     午後三時四十五分 休憩     午後四時二分 開議 168 ◯石丸委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き質疑を行います。 169 ◯増本委員=それでは、三番目の質問に入ります。  近年、人権問題というのは国内的にも、あるいは国際的にも非常に重要な課題となっております。残念ながら、二十世紀にこういう基本的な部分での問題の解消を全般的にすることができず、二十一世紀に向けても引き続き人権教育や啓発のあり方というのは問われ、今後も大きな課題になっていかざるを得ないという状況にあります。  こういう状況の中で、国では昨年七月に人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深めるための教育及び啓発に関する施策の総合的な推進に関する基本事項について答申が出され、また、ことしの十一月には人権教育及び人権啓発の推進に関する法律が制定されました。  そこで、県の人権問題に関する取り組みについてお尋ねしてまいりたいと思います。  まず、昨今の人権侵害や部落差別等の現状がどのようになっているのか、その状況についてお尋ねすると同時に、執行部のお考えをお尋ねします。 170 ◯永野人権・同和対策課長=まず、人権侵害の状況でございますけれども、これは法務省の調査によるものですが、佐賀地方法務局で受理されました平成十一年の人権侵犯事件が二百四十八件ということになってございます。  それからまた、同じく佐賀地方法務局に寄せられました平成十一年の人権に関する相談件数は四千七百六十二件となっているところでございます。  部落差別につきましては、県内発生件数は平成十一年度で七件、十二年度は十一月までで四件ということになってございます。十一件中一件が小学校、残り十件が中学校で発生したものでございまして、内容としては発言によるものが九件、落書きが二件ということになってございます。  人権侵害が生じますのは、やはり人権尊重意識の低さをあらわすものでございまして、人権問題解決のためにはまだ多くの課題が残されていると考えております。 171 ◯増本委員=今御紹介いただいた人権侵害、差別の現状の中で、学校現場で起きている差別事象についてなんですが、数年前の状況と比べて、この学校での特に部落問題での差別という事象がふえてきているのではないかというふうに思うんですが、もしわかればもう少し前の数値も含めて、ちょっと聞いたところではふえているのではないかということを伺っているんですけれども、それがどうなのか。  それとまた、この現状について、これはどちらかというと教育委員会所管にかかわってくる問題かもしれませんが、人権・同和対策課としては、この学校での差別事象がふえている現状についてどういうふうに認識されているのか、お尋ねします。 172 ◯永野人権・同和対策課長=近年の差別事象といいますか、ここに平成九年度分からの資料を持っておりますけれども、平成九年度が五件でございます。それから、平成十年度が二件という状況でございまして、この七件につきましてはすべて発言によるものでございまして、それもすべて学校におけるものでございます。  結局、この数年間、学校における差別事件が起きているという状況にあるわけですけれども、我々同和対策を担当する部局といたしましても、看過できない同和問題であるという認識をしてございます。  そのため、市町村や教育委員会に対しまして、このようなことが起きないように、教育のあり方を十分に検討してもらうように依頼しているところでございます。  それから、子供たちを取り巻く家庭とか地域におきましても、適切な対応ができますように啓発に努めているところでございます。 173 ◯増本委員=済みません、ちょっと確認したいんですが、十一年度は何件でしたか。 174 ◯永野人権・同和対策課長=十一年度が七件です。十二年度が四件。今申し上げたのは、九年度が五件、十年度は二件で、確かに増加の傾向にあると。 175 ◯増本委員=それで、この部落差別についてはとりわけ二十世紀で問題を根絶しようと、二十一世紀にこの部落差別を残さないようにという取り組みが国を挙げてなされてきたと思うんですが、私は非常に憂慮すべき事態だなと思うのは、今課長おっしゃったように、つまり、この間、部落差別というのは、いわゆる江戸時代の幕府の政策を発端に今まで営々と引き継いだ問題となっているわけですが、一方でもうそういう話をしなければいいんだと、寝た子を起こすなという議論がこの同和対策のいろいろな事業に対する消極的な、あるいは批判的な意見として出されてきました。つまり、世代が変わっていくことによってこの問題は自然に消えていくものなんだということが一方で言われてきたわけですが、今の小学校とか中学校、つまりこれからの二十一世紀の日本の社会を背負ってもらわなくてはならない世代に、こういう事件というか、事象が残念なことに減らない、減らないどころか若干ふえるような傾向さえ見せているということは非常に重大にとらえるべきではないかと私は思うんですね。  学校での教育に限らず、やはり家庭とか地域での教育も含めて、今の子供たちにしっかりとこの部落差別の根本的な問題をいま一度教育して、徹底する必要があると思うんですが、どうも小学校の高学年から中学校、いわゆる江戸時代の差別について教育を受けるころの子供たちが、余り問題意識を持たずに使っているケースがふえてきているような気がするんですが、そういう意味で学校教育、さまざまな地域の教育力も含めて、きちんとした差別に対する教育、人権啓発の重要性が改めて問われていると思うんですが、その点いかがでしょうか。 176 ◯永野人権・同和対策課長=今先生がおっしゃるとおりと考えております。ですから、我々といたしましても、地域、それから各家庭内の方々が教育、啓発に参加していただけるように工夫しながら取り組んでいく必要があると考えているところでございます。 177 ◯増本委員=それでは、人権問題全般について問題を広げていきたいんですが、県内にも障害者とか子供、女性、あるいはHIV患者等を対象にした各種の相談窓口というのが国の出先や、あるいは県や市町村に相談窓口が設けられて機能していると思うんですが、私が思うのは、さっきの学校における差別事象というのは、正直申し上げて教育委員会の中で学校長に対して、そういう事件が起きたら必ず教育委員会に報告を上げなさいということが徹底されているから、できるだけ正確にこういうことは把握されれば多分上がってきていると思うんですよ。  もしかしたら、教師とか校長の耳まで入らないで、子供たちの世界の中で発言とかが出て、そのまま消えているケースもあるかもしれませんから、一〇〇%とは言えないけれども、少なくとも担任の教師や校長の耳に入れば、それは確実に教育委員会に上げられるというシステムがつくられていますよね。そういう意味で、できるだけ正確な状況がこれでわかってくると思うんですけれども、残念ながら、ほかのいろいろな問題というのは、自分が受けた侵害が自分にとって不利益を受けながら、自分自身のことをほかの人に説明して、相談をするということの難しさというのが根本的にあって、現実的にはなかなか相談窓口にも人権侵害の事例で具体的に相談に来られないのが本音の部分、現実の部分ではないのかなと思うんです。  やはり県の人権・同和対策課としては、そういう状況をきちんと把握する意味からも、一般の人たちが相談に来やすいような窓口の体制整備をより積極的に進めながら、状況の把握というのを徹底すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 178 ◯永野人権・同和対策課長=現在、明確に人権侵害と位置づけられるような人権相談につきましては、基本的には人権擁護委員会等、法務省の人権擁護機関の方で相談が実施されているという状況にございます。  県の方でも各部局が所管する事項につきまして、今おっしゃられました、例えば、障害者一一〇番、心のテレホン相談等、多くの相談窓口が設けられているわけでございます。  それらの窓口におきましては、人権にかかわるものではないかと思われるものも含め、多くの相談が寄せられているという状況にあろうかと思います。  これらの相談に適切に対応していくためにも、それぞれ専門的な知識が必要であることはもちろんでございますが、人権問題を含んだ相談の場合は所管部局だけでなく、法務局と連携をとりつつ、人権・同和対策課としても積極的に対応していく必要があろうと考えております。 179 ◯増本委員=今言われた人権擁護委員さんも法的にいろいろな権限を持たされているわけではないし、実際相談することによって自分の悩み、あるいは自分が受けた侵害が解消されるという保障がなければ、つまり、よりよい方向に処理されるという保障がなければ、やはり侵害を受けた被害者の方々も相談に行こうというふうにはなかなかならないと思うんですね。  そういう点から、今、人権侵害を救済するための法制度の整備が求められて、国でも検討が始まっているんだと思うんですよ。  それで、昨年七月の国の答申、ことし十一月に制定された法律、これはどちらかというと、啓発普及を中心とした法律ですが、この概要はどのようになっていますか。 180 ◯永野人権・同和対策課長=まず、答申の方でございますけれども、答申は大きく三つに分けてございます。第一では、人権に関する現状及び人権教育・啓発の現況。第二では、答申がとらえる人権尊重の理念及び人権教育・啓発の基本的あり方。それから第三では、人権教育・啓発に関する責務を負う国、地方公共団体、その他の実施主体の役割及び人権教育・啓発の総合的かつ効率的な推進のための施策等が述べられているところでございます。  一方、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律は、十二月六日に公布、施行されたところでございますけれども、この法律は九条で構成されてございまして、基本理念、それから国、地方公共団体、国民のそれぞれの責務、それから基本計画の策定、そういうようなことが定められているところでございます。 181 ◯増本委員=人権の救済制度については、おいおい機会があれば質問したいと思うんですが、今回、啓発の点に絞ってあと数点お聞きするんですが、県が昨年三月に定めた、県の条例に基づく人権教育のための行動計画というものがあるわけですね。この中に、人権教育や啓発をどういうふうにするのかということがいろいろ盛んにうたわれているんですが、この計画を読んで一つだけ残念に思うのは、さっきの新エネのビジョンではありませんが、新エネのビジョンはいろんな数字が示されていましたので、私はその数字をもとに議論をしようということで問題提起をしたわけですが、この行動計画の中には、逆にほとんど数字的なものが入っていない。つまり、人権教育のための国連十年佐賀県行動計画ということですから、これからこういうことをやりますよということをうたっているんですけれども、それをどれぐらいやるのか、どういう地域で、どのぐらい実施していくのかという目標的なものが正直言って全然定められていない気がするんですよ。  そういう意味で、今後の人権啓発はどのように取り組んでいこうとお考えなのか、もう一度お尋ねしたいと思います。 182 ◯永野人権・同和対策課長=確かに人権問題というのは心の問題でございまして、数値的なものはなかなか難しいところがあって、計画の中には上がっていないということじゃなかろうかと思いますけれども、この基本方針の経過からちょっと簡単にお話ししたいんですけれども、平成六年十二月の国連総会におきまして、平成七年から平成十六年までの十年間を人権教育のための国連十年とすることが決議され、現在、国内外で積極的な人権教育・啓発に取り組まれているところでございます。  佐賀県におきましても、平成九年十二月に人権教育のための国連十年佐賀県推進本部が設置されまして、この推進本部のもとに平成十一年三月、今委員さんがおっしゃられました佐賀県人権教育・啓発基本方針というのが策定されたわけでございます。
     この基本方針ですけれども、人権教育のための国連十年の取り組みを本県において推進していくための行動計画ということでも位置づけられてございます。  この基本方針に沿いまして、人権という普遍的文化を県民生活の中に定着、発展させていくことを目標といたしまして、人権教育・啓発を推進しているところでございます。 183 ◯増本委員=それでは、最後になりますので、鬼崎部長にお尋ねしたいと思うんですが、今回IT関連のさまざまな補正予算が組まれました。現状をちょっとだけ申し上げると、今いわゆるインターネットとかを使った差別も出てきているということが言われていますよね。つまり、今まで特定の人を対象に行われていた差別がより広範な影響を与えるような形で差別問題というのが表面化しつつあるということ。  それから、相変わらず企業とかで、何というんでしょうか、部落の身元調査を請け負う業者がいたり、そういう情報を本にして売ったりとか、そういう悪質な業者も後を絶ちません。  そして、さっき言ったような、本来であれば一番理解して将来にこういう問題を引きずらないためにも、一番大事な次の世代である今の子供たちの間にも残念なことに差別事象が広がっていると。それでも私は、今こうやって表面に出てきていることは全体のうちの一部分でしかないんではないかなと思うんですね。その点について、部長の認識を確認した上で、二〇〇三年でしたか、地対財特別措置法の期限切れを前にしながら、国はこういう法制度の整備、人権啓発普及の法制度とあわせて、人権侵害が生じた場合の救済制度を国とは独立した機関でやるんだという方向で答申等は出されています。  そういう現状認識とあわせて、今後、県の姿勢、どういうふうな取り組みをしていかれるのか。  私は、ちょうどたまたまきのう県の組織の名簿を見ていたんですけれども、人権・同和対策課には多くの職員の方の名前が、あれは兼務ですかね、各部局の庶務担当か総務担当かの副課長さんクラスの名前がたくさん載っているんですが、実際は少ないスタッフで人権対策をされているのが現実じゃないかなと。名前はたくさん載っておられるんですが、皆さんはそれぞれ本来の職務があって、そして年に何回か、どういう役割をされているのかわかりませんが、組織図としてはああいう形になっている。やはり全庁的な取り組みをより強化していただくという点からも、今後の取り組む姿勢、それから体制をどういうふうにされていくのか、最後に現状認識とあわせて部長にお伺いしたいと思います。 184 ◯鬼崎企画県民部長=御指摘がございましたけれども、人権問題はなかなか目に見えてというふうな形での効果は上がってきておりません。  確かに、寝た子を起こすなという動きがあるというふうなことも聞いておりますけれども、寝た子は必ず起きるわけでして、やはり根本から解決していく必要があろうというふうに思っております。  どういう取り組みを今進めているかということですけれども、これは我々はやっぱり地道に対処していく以外にはなかろうというふうに思っております。  企画県民部といたしましては、例えば、栄の国まつりのパレードに人権問題の隊をつくって参加するとか、あるいは企画県民部においては、毎年一回は必ず全職員を対象に同和問題の研修をするとか、そういうふうな取り組みをしておりますし、また、国が人権啓発活動ネットワークというものを設置しました。これに県としても参画しております。そういうふうな取り組みを強めながら、この人権問題、同和問題に取り組んでいきたいと思っております。  ちょっと余計なことですけれども、今「笹の墓標」という森村誠一さんの本を読んでおります。これは第二次世界大戦中に北海道に強制的に連れてこられた朝鮮の人たち、あるいは甘い言葉で誘われて働きに来た日本の人たちが、いわゆるタコ部屋というものに閉じ込められて、全く強烈に人権を侵害されているというふうな状況が生々しく描かれております。  そういうふうなものは今の世の中ではないと思いますけれども、人の心というのが非常にナイーブになっている時代でございます。そういうことで、我々自身が気づかないうちに人の心、人の尊厳を傷つけているのではないかというふうなことを常に反省しながら、この人権問題は取り組んでいかなければならないというふうに思っております。 185 ◯増本委員=ありがとうございました。  先週、人権週間で佐賀新聞に永野課長さんのコメントが大きく載っておりましたが、やはり恒常的に取り組みながら、一方で節目節目でいろんな事業、対策もめり張りをつけながら、県庁の職員の皆さんが気持ちを一つにされて、これからもこの問題に取り組んでいただきたいと思います。  それでは、最後の大学等高等教育機関の導入について、お尋ねしていきます。  県では、大学等高等教育機関の導入について検討を進めていただいております。ただ、私、唐津市に住んでおりまして、これまでの検討の中で、立地場所としては北部地区というのは一つの有力なといいますか、可能性としては立地の条件として上げられているわけですけれども、唐津市の市民の皆さんと話をする場合も、県立大学が欲しいという意見がある一方で、これが設置後にも経常的に一般財源から運営経費を毎年多額に支出するというような状況になれば、それはどうなのかなという意見も正直言ってあります。  私自身の気持ちの中にもその両方がないまぜになっているわけですが、現在、県の財政状況、それから年々進行している少子化、そして国全体の大学を取り巻く環境の厳しさ、いろんなものを考えながら、本当にどういうふうな導入の方法があり得るのか、その是非を含めて検討していかなくてはならないと思うんですが、今回は検討の基本的な考え方として、佐賀県の地域的特性を生かした大学づくりというのが可能なのかどうか。特に中国、韓国に近いという地理的条件を生かしたものができるのかということでお尋ねしていきたいと思います。  これまで佐賀県の場合も、あるいは県内の幾つかの市や町でも中国や韓国との友好交流が盛んに行われてきております。大学の設置運営で、こういう国々の協力が得られるのかどうか。特色のある大学づくりというのが検討されている。つまり、よそにない大学を考えてつくっていかないと、なかなか運営上も厳しいものがあるんではないかなと思うわけですが、アジアに開かれた佐賀県立大学というものが可能性としてあるのかどうか、お尋ねしたいと思います。  まず、これまでの検討内容はどういうところまで来ているのか、それから本年度の検討状況はどうなっているのか、あわせて短目にお答えいただきたいと思います。 186 ◯陣内総務学事課長=大学等高等教育機関の導入に関しますこれまでの検討内容と現在の検討状況でございますが、平成十一年度に有識者によります佐賀県大学等高等教育機関導入構想検討委員会を設置いたしまして、大学等の設置方式、学部・学科の分野、地域などの基本的問題につきまして検討を行い、導入構想に関する提言がまとめられたところでございます。  提言の主な内容でございますが、設置方式につきましては県の財政的条件をクリアできれば、県立大学とすることが望ましいとされております。  それから、設置地域でございますが、地域バランスを図るため、大学等の未設置地域に設置することが適当とされ、未設置地域の中でも都市機能等を考えれば、優位性としては北部地域、西部地域、南部地域の順となるとされているところでございます。  それから、分野でございますが、緊急度の高いと思われる保健・医療・福祉系分野、政策科学系分野、情報系分野の三つの分野について具体化を図るとともに、こういった複数学部、複合的な学部の整備も検討することとされているところでございまして、現在、提言をいただきました内容に従いまして、学部・学科の専門分野、定員規模、施設規模等についてどのようなプランが本県において実現可能性が高いか、十分に精査しておく必要があるため、庁内関係各課によります研究会議を設けまして、学部・学科についての複数のモデル案を設定して、先ほど申し上げました定員規模や施設整備事業費の試算を行って、さらに検討を行っているところでございます。 187 ◯増本委員=それでは、さっき私はアジアに開かれた佐賀県立大学という話をしましたので、例えば、佐賀大学を初め、既に県内の幾つかの大学では留学生の受け入れとか、あるいは教員スタッフの連携とかが行われているのではないかと思うんですけれども、その辺の実態について国際交流課の方にお尋ねしたいと思います。 188 ◯弟子丸国際交流課長=県内におきます留学生等の状況についてでございますけれども、ことし五月現在の県内の大学及び短大におきます海外からの留学生の総数は二百七十六名となっております。このうち、中国から百六十四名、それから韓国から二十七名、その他二十一カ国から八十五名となっております。  また、ことし十二月現在の外国人教員数は、非常勤講師も含めまして二十二名となっております。このうち中国から十一名、韓国からは一名となっております。 189 ◯増本委員=済みません、もうちょっと、これはトータルの数字だけで結構ですので、平成十年からの留学生、それから教員の推移についてお尋ねしたいんですが。 190 ◯弟子丸国際交流課長=十年から申し上げますと、外国人の留学生の総数でございますけれども、平成十年の留学生の数は二百三十九名でございます。十一年は二百六十一名でございます。それから、十二年は先ほど申しました二百七十六名でございます。  それから、県内の大学にいらっしゃいます外国人の教員数でございますけれども、平成十年は二十九名、十一年は二十七名、それから先ほど申しました十二年は二十二名というふうになっております。 191 ◯増本委員=外国人留学生については、平成十年度以降を見ても確実にふえていると、教員の数は若干減ってきていますが、留学生の受け入れについてはふえてきているのかなというふうに思います。これは大学間の協議の中でこういうのが実現していると思うんですけれども、私が提案したいのは、県立大学を構想する中で、その設置運営に、留学生とか教員を向こうから派遣するというか、こっちが受け入れるということだけではなくて、設置運営の段階でより深く、中国や韓国を含むアジアの国々との連携ができないかと。これまで多くの貴重な国際交流の蓄積を持っているわけですので、そうしたこれまでの国際交流の蓄積を生かした大学を検討することができないかどうかということについて、これは総務学事課の方にお尋ねしたいと思います。 192 ◯陣内総務学事課長=国際交流を生かした大学の検討ということでございますが、先ほど申し上げましたように、本年度に検討委員会から提言を受けました三つの分野、保健・福祉・医療系分野、それから政策科学系分野、情報系分野について、複数のモデル案を設定いたしまして、定員規模等の試算を行うこととしておりますが、この中で政策科学系分野の検討におきましては、今委員から御指摘もございました国際交流の推進に資する観点からも検討することになるものと考えているところでございます。  また、専攻分野の選択やカリキュラムの構成などを工夫することによりましても、アジア諸国との国際交流を推進する学科や専攻を取り入れることも可能ではないかというふうに考えているところでございます。 193 ◯増本委員=これは国際交流課の方にお尋ねしたいんですが、日常からいろいろな形で中国、韓国を初めとするいろんな国々、それは中国でいえば省レベル、韓国でいえば道レベルの、いわゆる佐賀県としての交流をされているのかと思うんですが、ちょっと事前にいろんな交流事業の資料もいただいたんですけれども、こういういろんな分野での交流事業とあわせて実務者レベルといいますか、県でいえば県のいろいろな政策立案を担っている部局も含めた、ある程度政策決定にかかわるような副部長さんとか部長さんクラスと、向こうの省や道との実務者レベルのいろいろな協議の場というのがあるのかどうか。  そしてまた、今陣内課長さんから御説明いただいたんですが、今佐賀県としては県立大学を設置する方向で検討しているんだということを向こうに投げかけて、そしてどういう協力の方法が選択肢としてあるのかないのか。どういうことが可能なのかということをいろんな形で協議したり議論したりできる場があればいいなというふうに思うわけですけれども、可能性として、そういう実務者レベルでの話し合いというのがいろんなところであるのかどうか。あるとすれば、こちら側の意向を伝えたり、協力の要請というのができればいいなと思うんですけれども、御答弁をお願いしたいと思います。 194 ◯弟子丸国際交流課長=外国との交流をするときに、実務者クラスで交流をする場というものがあるかといった御質問じゃないかと思いますけれども、まずトップ同士の交流の合意形成がなされれば、その後、具体的にどういった交流の分野があるかという件につきまして、県におきましては関係する部局の職員の方にも参加いただきまして、部長それから副部長クラスをトップとする協議団を相手国に派遣いたしまして、細部について協議をいたしております。そういった中で、協力の要請というのも当然その協議の中で向こうとの意見交換の中に入ってくるものと思っております。 195 ◯増本委員=そういう場があるということなんですけれども、佐賀県が現在までのような検討状況を踏まえて、県立大学を考えているんだという意向を、中国や韓国との実務者レベルの協議の中で伝えられたことは多分今までなかったんではないかなという気がするんですが、それの確認と、今後の取り組みについて、その辺を踏まえた上で、どちらにお答えいただいたらいいんでしょうか──とりあえず、これまで大学設置のことについて、向こうに意向を伝えられたことがあったのかどうか、先に確認したいと思います。 196 ◯弟子丸国際交流課長=そういったことを向こうの方に申し出たことはありません。 197 ◯増本委員=それでは、最後になるんですけれども、仮に要請をしたとしても、最終的には、例えば今の佐賀大学等で留学生やスタッフを受け入れているような形、結果的には同じような状況にしかならないかもしれないと思うんですけれども、ただ、構想の段階で、これから設置するよと、つくろうと思っているということを向こうに伝えることによって、何らかの新しい特色が、もしかしたら、これまでの国公立や私立の大学にはない特色が展開できるんではないかなという期待をしているんですよ。それは今までの交流で長年培ってきた経験を何とか県立大学の計画の中に生かせないか。つまり、国内に数多くある国公立・私立大学の中で、佐賀の県立大学では中国や韓国のトップレベルの教授陣が来て、あるいは運営にも深くかかわって、中国や韓国の政治や経済や文化を研究するためには、国内でも一級のものが、一流のものが佐賀の県立大学にはあるんだというようなものが可能性として、そういうことも含めて構想としてできないかなと。そのためには、向こう側の協力がどこまで得られるかというのが大前提ですから、今まで話をしたことがないというんであれば、どこまで協力が得られるかわかりませんが、とりあえず、そういう要請を向こう側に打診すると。そういうことも踏まえた上で、今後の県立大学の構想をつくっていくに当たって臨んでいただきたいと。これは、多分総務学事課になると思うんですが、答弁をお願いします。 198 ◯陣内総務学事課長=今後の取り組みをどのような形でするかということだと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、まず本年度はモデル案を試算したいということで考えておりまして、その結果を踏まえまして、平成十三年度以降に有識者を中心といたしました検討委員会で実現可能性を含め、大学等高等教育機関の導入について検討していきたいというふうに考えております。  先ほど来お話があっておりますように、大学等高等教育機関の設置につきましては、少子時代を迎え、既存の大学を含めまして、大学のあり方、ここが先生おっしゃいますように、特色づくりとかの形にかかわってくるかと思いますが、議論されておりますし、県の財政状況等も十分見きわめる必要がございます。また、大学に対する県民ニーズや大学が地域振興に果たす役割等、こういったものを総合的に勘案しながら検討をしていきたいというふうなことで考えております。 199 ◯増本委員=それは従来からの取り組みを踏まえてのこれからのことだと思うんですけれども、部がまたがっておりますので、国際交流の部分の質問がしにくいんですが、これまでの検討の経過はそれでいいと思うんですよ。それを踏まえて、結局さっき申し上げたように、実際どういう形の協力が得られるかどうかわからないんですが、ただ、佐賀県としては、こういう検討をしながら今後こういうことに力を入れていくんだという、非常に重要な案件の一つとして県立大学の構想を現在検討しているということを中国や韓国に提示されて、そして協力をお願いするということが、とりあえず可能性を膨らませるという意味でできないかなということで、済みません、鬼崎部長か松尾部長かどちらかに最後にまとめて答弁をいただきたいんですが。 200 ◯鬼崎企画県民部長=最後になるかどうかわかりませんけれども、要するに今総務部の方では、たしか保健・福祉・医療系、それから政策科学系、情報系の三つの分野でどれがいいかと、いろいろ検討されているというふうな答弁があったかと思っております。その中で、国際交流を含めて佐賀県が今交流を進めております中国なり韓国なりの意見を聞いてくれというふうなことがございましたら、所管部局の方からそういう依頼がございましたら、そういうパイプはできていると思っております。  以上です。 201 ◯増本委員=済みません、松尾部長も最後にひとつまとめてください。これで終わりたいと思います。 202 ◯松尾総務部長=大学の設置につきましては、今いろいろ検討を行っているところであります。外国の、例えば中国、韓国の方から設置運営について関与していただけるかどうかというようなお話でございますが、設置運営の意味がどういったものなのかということがあるわけでして、例えば、設置運営ということで金銭的な、財政的な負担をお願いするというようなことまで含めるということであれば、非常に難しいものがあるというふうに考えるわけであります。  しかしながら、学部・学科について何らかの形でというようなことについては、今まさに検討をやっておるわけでして、まだ正直言って海のものとも山のものともつかない状況であります。そういった中で、ここまで検討しましょうというところまではまだ進んでおりませんけれども、来年は有識者で研究会をつくりますので、その中でそういったところまで可能かどうか検討をしていきたいというふうに考えておるところであります。 203 ◯石丸委員長=これにて質疑を終結いたします。  暫時休憩します。     午後四時四十七分 休憩     午後四時四十八分 開議 204 ◯石丸委員長=それでは、委員会を再開します。  これより討論に入りますが、ただいまのところ討論の通告はあっておりません。討論はないものと認めます。よって、討論を終結し、直ちに採決に入ります。     ○ 採     決 205 ◯石丸委員長=まず、甲第三十二号議案中本委員会関係分、乙第六十五号議案から乙第六十八号議案まで四件、乙第七十四号議案、乙第七十五号議案、乙第七十八号議案及び乙第七十九号議案、以上九件の議案を一括して採決いたします。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 206 ◯石丸委員長=全員起立と認めます。よって、以上九件の議案はいずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、乙第八十二号議案を採決いたします。  これは収用委員会委員の任命について議会の同意を求める議案であります。  本議案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 207 ◯石丸委員長=全員起立と認めます。よって、乙第八十二号議案はこれに同意すべきものと決しました。     ○ 継 続 審 査 208 ◯石丸委員長=最後に、九月定例会から引き続き審議中の  一、財政確立について  一、総務行政一般事項について  一、企画県民行政について  一、警察行政について  以上四件につきましては、諸般の検討を要しますので、閉会中の継続審査といたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 209 ◯石丸委員長=御異議ないものと認めます。よって、以上四件の継続審査につきましては、この旨、議長に申し出ることにいたします。  以上をもちまして、本委員会に付託された案件の全部を議了いたしました。  これをもって総務常任委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでした。     午後四時五十分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...