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令和6年度 予算特別委員会 本文 開催日: 2024-03-12

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  1. 福岡県議会 2024-03-12
    令和6年度 予算特別委員会 本文 開催日: 2024-03-12


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    令和六年三月十二日(火曜日)    午 前 十 一 時 零 分 開 議 ◯桐明和久委員長 おはようございます。定足数に達しておりますので、ただいまから委員会を開きます。  本日は、令和六年度福岡県一般会計の歳出、三款保健費及び四款環境費の審査を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。  それでは、三款保健費について説明を求めます。白石保健医療介護部長。 2 ◯白石保健医療介護部長 おはようございます。それでは、三款保健費について御説明を申し上げます。  お手元の令和六年度予算に関する説明書の百六十三ページをお開き願います。  一項保健企画費でございます。この主なものは、百六十六ページをお開き願います。三目病院費五億八千万余でございます。これは太宰府病院の企業債償還等に係る負担金でございます。  一項保健企画費の総額は、下の計欄に示しておりますが、七十七億一千八百万円余をお願いいたしております。  次にその下のページ、二項健康対策費でございます。この主なものは、一枚おめくりいただき、百六十九ページの三目難病等対策費五十二億六千三百万円余でございます。これは、難病患者に対する医療費の公費負担等でございます。  二項健康対策費の総額は、百七十二ページをお開き願います。この計欄に示しておりますが、九十六億五千九百万円余をお願いいたしております。  次に、三項生活衛生費でございます。この主なものは、百七十七ページをお開き願います。五目結核感染症対策費十二億一千五百万円余でございます。これは、感染症指定医療機関の運営経費に対する補助金等でございます。  三項生活衛生費の総額は、次の百七十八ページの計欄に示しておりますが、二十一億三千五百万円余をお願いいたしております。  次にその下のページ、四項医薬費でございます。この主なものは、次の百八十ページの二目医務費百三十八億五百万円余でございます。これは、地域医療介護総合確保基金への積立金等でございます。  四項医薬費の総額は、百八十四ページをお開き願います。この計欄に示しておりますが、百五十九億二千六百万円余をお願いいたしております。  次にその下のページ、五項医療介護費でございます。この主なものは、一目医療介護総務費八百三十三億七千五百万円余でございます。これは、高齢者の医療の確保に関する法律に基づく県の負担金等でございます。  五項医療介護費の総額は、百八十九ページをお開き願います。この計欄に示しておりますが、一千九百九十七億八百万円余をお願いいたしております。  次に、六項高齢者支援費でございます。この主なものは、一枚おめくりいただき、百九十一ページの二目高齢在宅費三十八億二千万円余でございます。これは、市町村が行う介護予防事業地域包括支援センター運営等地域支援事業に対する交付金等でございます。  六項高齢者支援費の総額は、下の計欄に示しておりますが、九十億二百万円余をお願いいたしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
    3 ◯桐明和久委員長 説明は終わりました。  これより質疑を行います。質疑はありませんか。井上正文委員。 4 ◯井上正文委員 皆様、おはようございます。自民党県議団の井上正文でございます。本日は三月十二日、いのちをつなぐわんにゃんデーということであります。そのトップバッターといたしまして、地域猫活動への支援についてお尋ねいたします。  飼い主のいない猫による鳴き声や排せつ物等による生活環境被害が地域で問題になっております。そのような中、昨年二月の我が会派の吉村悠議員の代表質問において知事は、この問題を解決するためには、地域の協力と合意の下、不妊去勢手術の実施とともに、餌や排せつ物等の適正管理を行い、一代限りの命を全うさせる地域猫活動が有効であると答弁をされ、また、ワンヘルス推進の柱の一つであります人と動物の共生社会づくりの施策の一つとして地域猫活動の推進を掲げて、地域猫活動に取り組む市町村に対する支援を行ってきたことは承知をしております。  私の地元、宗像市においても、日の里地区や自由ヶ丘地区などの大型団地や、JR赤間駅北側くりえいとの新興住宅地、そして離島の大島、地島など、市内全域のそれぞれの地区で地域猫活動団体が取り組まれており、地域猫活動が広がっていることを実感しております。  一方で、地域猫活動を行っている住民の方からは、地域猫活動には様々な課題があり、県や市町村の支援のさらなる充実を要望する声が上がっております。  そこで、県の地域猫活動への支援についてお尋ねいたします。  まず、県ではこれまでにどのような支援を行ってきたのでしょうか。また、今後はどのような取組を行っていくのかをお尋ねいたします。 5 ◯桐明和久委員長 吉田生活衛生課長。 6 ◯吉田生活衛生課長 県では、猫の致死処分数が多いこと、また、飼い主のいない猫による生活環境被害が課題となっていることから、その課題解決に有効な取組である地域猫活動を推進するため、平成二十六年度から地域猫活動に取り組む市町村に対し、不妊去勢手術に対する支援を行っております。また、地域猫活動のやり方が分からないという住民を支援するため、平成三十年度から地域猫活動サポーターを派遣し、活動現場で猫の扱い方などの助言をしております。  今年度九月補正予算においては、地域猫活動未導入市町村に対し、動物愛護団体と協働し、活動の担い手育成と地域住民への理解を促進する事業を行っております。  今後は、不妊去勢手術の頭数を前年度より大幅に増やし六百七十五頭分とするほか、先ほど申し上げた未導入市町村への支援事業及び福岡県動物愛護センターに地域猫専用の手術室の新設に取り組む予算を今議会において提案させていただいているところです。 7 ◯井上正文委員 来年度は六百七十五頭分の不妊去勢手術費用を上程されているとのことでありますが、地域猫活動に取り組まれている住民の方からは、それでもまだ足りないくらいだとの声も上がっております。県がこれまで行ってきた不妊去勢手術費用の支援もあり、殺処分される猫の頭数も大きく減少しているところでありますが、直近の数字であります令和四年時点では、年間に県内において五百四十七頭と、いまだ多くの猫が処分されている現状があります。  このような大変厳しい状況の中、県では六百七十五頭分の不妊去勢手術費用で十分だと考えているのか、御見解をお聞かせください。 8 ◯吉田生活衛生課長 各市町村における地域猫活動実施地域数は年々増加しており、住民や市町村の地域猫活動への機運は大きく高まっていると認識しております。来年度当初予算案でお願いしている不妊去勢手術費用については、直近三年間の地域猫活動の申請数を勘案し、前年度当初予算から約四百頭分を増やしているもので、近年の申請数の増加に対応した予算として計上させていただいております。今後も市町村や地域住民と協力しながら地域猫活動に対する理解の促進を図り、取組を推進してまいります。 9 ◯井上正文委員 地域猫活動の支援をこれからも進めていくとのことですが、一方で、地域猫活動を行う住民からは、周囲の理解が得られない、活動の費用負担が大きいという声も上がっております。  県は地域猫活動をどのように啓発を行っているのでしょうか。また、地域猫活動を行う住民の方々はどのように活動費用を工面されているのでしょうか。 10 ◯吉田生活衛生課長 地域猫活動については、これまで県のホームページやリーフレットなどにより啓発を行ってきました。今年度は、ユーチューブ県政広報動画「HKT48の福岡撮影中。」及び「グラフふくおか」冬号にて、現在実施中の地域猫活動の取組を分かりやすく紹介したところです。  地域猫活動の餌代やトイレの設置費用などについては、活動されている住民の多くが、自分たちで賄ったり寄付を募ったりして工面されておられます。昨年十二月にみやま市で行われた知事といきいきトークで意見交換した地域猫活動を行っているボランティアの代表の方は、ようかん店を経営しており、猫型のようかんを販売して、売上金の一部を活動資金に充てているとお聞きしたところです。  こうした事例を地域猫活動に取り組まれている住民に対し、先ほど御説明した地域猫サポーターを通じて紹介するなどして、地域猫活動を行う住民の方々が活動資金を得られるように協力していきたいと考えております。 11 ◯井上正文委員 地域猫活動は多くのボランティアによって成り立っているのが現状ということでありますが、活動資金が得られるような協力にも期待をしております。  地域猫活動の支援は、致死処分削減のための施策の一つとして認識をしております。先ほども述べましたように、県が不妊去勢手術費用の支援を始めた当初、三千六百四十九頭だった殺処分される猫の頭数が、直近では五百四十七頭まで大きく減少をしております。  さて、動物愛護センターではボランティアを募集して活動に協力いただいているということでありますが、動物愛護センターボランティアを増やし、住んでいる地域の地域猫活動のボランティアとしても活躍いただきたいと考えますが、御見解はいかがでしょうか。 12 ◯吉田生活衛生課長 動物愛護センターでは、保健所でやむを得ず保護した犬猫についてセンターの飼養棟に収容し、動物愛護団体や飼養を希望する方に譲渡しております。この犬猫の飼養や散歩などのお世話をしていただく方をボランティアとして募集しており、現在六十五名のボランティアに登録していただいております。この登録ボランティアの中には、お住まいの地域で地域猫活動をされている方もおられると聞いています。  県では、登録ボランティアの方々に地元での地域猫活動に参加していただくよう呼びかけを行っているところです。こうした方が増えることで、さらに地域猫活動が広がるものと考えておりますので、引き続き登録ボランティアの拡大に努めてまいります。 13 ◯井上正文委員 飼い主のいない猫による鳴き声や排せつ物等による生活環境被害と同様に、多頭飼育による悪臭や鳴き声等による生活環境被害も地域で深刻な問題となっております。  そこで県では、この多頭飼育問題についてどのような対策を行ってきたのでしょうか。また、今後どのような取組を行っていくのかお尋ねをいたします。 14 ◯吉田生活衛生課長 県では、市町村や住民から多頭飼育の疑いがある飼い主の情報を受けた場合、保健所が飼い主に対し適正飼養や不妊去勢手術などの指導を行ってきました。しかし、多頭飼育に陥った方は高齢者や生活困窮者などの方が多く、判断力や経済力が欠如していたり、動物を手放すことに同意しなかったりすることにより多頭飼育の改善が進まず、保健所での対応が長期間にわたっていることが課題となっていました。  そこで県では、適正飼養や譲渡支援、不妊去勢手術のアドバイスを行うペット飼育支援アドバイザーを派遣する事業を、令和二年度から高齢者を対象に、さらに今年度からは高齢者を含む全ての方を対象に実施してきました。  来年度は、深刻化している事例に対して、多頭飼育に陥っている現場から動物を預かり、不妊去勢手術や譲渡に取り組む動物愛護団体に対し助成するための予算を今議会にお願いしているところです。 15 ◯井上正文委員 多頭飼育に陥った人は、生活困窮や高齢など様々な背景を抱えている方が多いとのことであります。そのため、問題解決に当たっては、動物愛護管理分野の行政職員だけでなく、社会福祉分野の行政職員など、様々な関係者との連携が必要だと考えますが、御見解をお尋ねします。 16 ◯吉田生活衛生課長 委員御指摘のとおり、多頭飼育にならないよう未然に防止することが重要です。福祉部局との連携を図るため、未然防止に当たっては福祉事務所のケースワーカーの研修会を活用し、ケースワーカーが多頭飼育の疑いがある飼い主を探知した場合に、速やかに保健所に連絡をもらうよう依頼しています。また、介護職員向けのチラシを作成して、市町村の高齢者施策担当課、各市町村の地域包括支援センターなどに配付し、介護職員と保健所が連携して、多頭飼育の早期発見、早期対応ができるように努めております。 17 ◯井上正文委員 地域猫活動や多頭飼育問題の解決は、ワンヘルス推進基本条例に規定されるワンヘルス実践の基本方針の一つであります、人と動物の共生社会づくりに寄与するものと考えます。  そこで最後に、人と動物の共生社会づくりの推進に向けた部長の決意をお聞きいたします。 18 ◯桐明和久委員長 白石保健医療介護部長。 19 ◯白石保健医療介護部長 人と動物の共生社会づくり、このためには、不適切な飼養による飼い主と近隣住民とのトラブルを防止し、人と動物の関係をよりよく保つことが重要であります。このトラブル防止のためにも、先ほど課長が答弁してまいりましたが、地域猫活動推進、それから多頭飼育問題の解決に取り組んでいるところですが、そのためには県獣医師会はもとより、市町村や動物愛護団体、介護施設などの関係機関、団体などと連携いたしまして、協力して取り組む必要がございます。  今後もこのような関係機関、団体などとの連携、協力の下、地域猫活動や多頭飼育問題に取り組み、周辺の生活環境への被害を防止することにより、人と動物の共生社会づくりの推進に努めてまいります。 20 ◯井上正文委員 終わります。(拍手) 21 ◯桐明和久委員長 ほかに質疑はありませんか。原竹岩海委員。 22 ◯原竹岩海委員 おはようございます。民主県政クラブ県議団の原竹岩海でございます。今回の予算委員会でございますが、地域猫に関して三人、三会派から集中して質問が出ておりまして、すごいなと思っております。それで私は、井上先生が聞かれましたけれども、少し角度を変えてお伺いをさせていただきたいと思っております。  地域猫活動の支援について質問させていただきます。今回の予算書の三款三項四目に、地域猫の活動支援費として千六百九十五万円余が予算計上されておるところであります。これらのことに関しまして幾つかお伺いします。  会派の名前を言っていません。民主県政クラブ県議団の原竹岩海でございます。よろしくお願い申し上げます。  まず、そもそも地域猫とは何でしょうか。また、地域猫活動とは、誰がどういった目的で、どのような活動をされておるのか、お伺いします。質問が若干重複するところは御容赦をいただきたいと存じます。 23 ◯桐明和久委員長 吉田生活衛生課長。 24 ◯吉田生活衛生課長 地域猫とは、地域で管理され、不妊去勢手術を受けた飼い主のいない猫です。  地域猫活動は、飼い主のいない猫の地域における過剰繁殖やトラブルの防止のために、地域住民が主体となり、地域の合意の下に、不妊去勢手術に併せ、ルールに基づく餌やり、トイレの管理など、適正管理を行うことで、猫の鳴き声や排せつ物等による生活環境被害を軽減し、一代限りの命を全うさせる取組です。 25 ◯原竹岩海委員 この地域猫活動を導入している市町村と、いまだ導入をしていない市町村の資料の提出を執行部にお願いを申し上げたいと思いますので、委員長のお取り計らいをよろしくお願い申し上げます。 26 ◯桐明和久委員長 お諮りいたします。  ただいま原竹委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議はありませんでしょうか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 27 ◯桐明和久委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料とします。  執行部に申し上げます。ただいま原竹委員から要求がありました資料については提出できますか。 28 ◯吉田生活衛生課長 直ちに資料を提出します。 29 ◯桐明和久委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 30 ◯桐明和久委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 31 ◯桐明和久委員長 資料が配付されましたので、原竹委員、質疑を行ってください。 32 ◯原竹岩海委員 それでは、資料の御説明をお願い申し上げます。 33 ◯吉田生活衛生課長 資料は、地域猫活動の各市町村における導入状況になります。  表の左の欄が導入済みの市町村で、二十一市町ございます。表の右の欄が未導入の市町村で、三十六市町村ございます。未導入の市町村には、市町村独自で飼い主のいない猫に対する不妊去勢手術のみの支援を行っているが、適正管理を行っていないため、地域猫活動に至っていない市町村が含まれています。  なお、北九州市、福岡市及び久留米市は、保健所設置市であるため県の支援事業の対象外ですが、北九州市、福岡市は地域猫活動を、久留米市では飼い主のいない猫に対する不妊去勢手術を行っていると聞いております。 34 ◯原竹岩海委員 この資料を見てみますと、市町村単位でやっておられる地域もあるようでございますが、県の制度について未導入といったところが結構多いかなという感触でございます。  それで、県の統計として伺いたいのですけれども、過去二十年間で一体どれぐらいの猫が行政等によりまして致死処分されたのか御報告を願います。そして、猫の致死処分は今後増えるのか減少してくるのか、行政の取組も含めましてお答えください。 35 ◯吉田生活衛生課長 本県では、平成十五年度から令和四年度までで約十二万頭の猫の致死処分を行ってきました。平成十五年度は約一万四千頭の猫を致死処分いたしましたが、令和四年度は五百四十七頭となり、年々減少傾向にあります。  県では、福岡県動物愛護推進計画の施策に基づき、致死処分数の削減に取り組んでおります。主な取組としては、飼い主に対する終生飼養などの適正飼養の普及啓発、保健所に収容した犬猫の県ホームページを活用した飼い主への返還促進、動物愛護団体との連携による譲渡促進、地域猫活動支援事業の推進などを実施しております。 36 ◯原竹岩海委員 実にすごい数だと思いますが、実はこのほかの保健所設置の福岡市や北九州市など、久留米市も入るだろうと思いますが、想像を絶する数になることは間違いないと確信するものであります。動物とはいえ、命なんですね。世間では、猫を含めて動物愛護や愛玩動物と言われながら、その一方では致死処分としていく人間社会、実に複雑な気持ちになって、何とも言えないところであります。  外で見かける猫は、実は地域猫、野良猫、飼い猫、迷い猫の四種類だそうです。飼い主のいない猫が地域猫と野良猫で、飼い主のいる猫が飼い猫と迷い猫と言われておるようであります。先ほども御説明がございましたが、地域猫はもともとは野良猫ですが、地域全体で計画的に世話をすることで地域猫となり、このことを地域猫活動と言われております。市民団体はしっかり頑張っていただいておりますが、野良猫に餌をやるなという誤解をされておられる住民もおって、感情がちょっとぶつかっている。先ほどの先生もおっしゃいましたけれども、この辺のところの地域猫活動の説得力をもうちょっと強めたほうがいいのではなかろうかなと感じております。これは県だけでは難しい取組ですので、政令市まで含めたところで、そしてまた六十の市町村が一体となって、会報とか公報が発行されておると思いますが、地域猫活動についての御理解をお願いできたらという、これは要望でございます。  この活動の目的は、外猫に関する問題を解決して共生を目指すこと、地域猫をはじめ、野良猫を含めて、不妊去勢手術を施して猫が増えるのを防ぎ、トラブルを減らしていくと言われております。手術済みの猫は、耳の先端がV字にカットされておりますのが特徴と言われております。この不妊去勢手術をすることによって、結果として致死処分を少しでもなくしていこうとされることに対しまして一定の理解ができたところであります。  そこで質問ですが、この地域猫活動は動物愛護団体の活動によって実施されているようでございますが、先ほどの資料では、まだ多くの自治体で地域猫活動の支援体制ができていないように思います。これらの致死処分を少しでも減らしていくには県下全ての市町村で地域猫活動を実施されることが望ましいと思われますが、未導入の市町村が導入に至らない理由をお伺いします。 37 ◯吉田生活衛生課長 委員御指摘のとおり、致死処分数を減らしていくためには県下全ての市町村で地域猫活動に取り組んでいただくことが重要です。県内全ての市町村で地域猫活動に取り組んでもらうために、地域猫活動に取り組めていない市町村に対し、その理由を尋ねると、餌や排せつ物の適正管理を行う担い手が地域にいないこと、適正管理に対する地域住民の理解が進まないことなどが挙げられました。 38 ◯原竹岩海委員 これは先ほど井上先生がおっしゃったとおりでございまして、我々も同じ気持ちでございますので、地域への御指導といいますか、支援をお願い申し上げたいと思っております。これも要望です。  今回の予算は、前年度に比較をしまして三倍以上の予算が計上されておりますので、ぜひ県下全ての市町村で地域猫活動ができることを私は期待をするものであります。地域猫活動支援の空白の市町村に動物愛護団体の立ち上げや、精力的に活動されている動物愛護団体が境界を越えた広範囲な活動ができるように、県がリーダーシップを遺憾なく発揮されるべきと考えますが、御見解をお伺いします。 39 ◯吉田生活衛生課長 地域猫活動を支援する動物愛護団体がない市町村もございますので、県内の動物愛護団体に他の市町村でも活動していただけるよう支援する必要があります。このことを踏まえ、今年度九月補正予算にて、県が動物愛護団体に委託し、地域住民と協働して適正管理を行うことにより、地域住民を地域猫活動の担い手として育成し、理解を進める事業を実施しております。この事業については来年度も継続していくことを今議会において提案させていただいているところです。県では、動物愛護団体に協力を得ながら、地域猫活動を実施していない市町村への導入を進め、県内全ての市町村に地域猫活動に取り組んでもらうよう支援してまいります。 40 ◯原竹岩海委員 ありがとうございました。今回の予算委員会でも、三つの会派が代表して地域猫の活動について、叱咤激励のような感じでございますけれども、県議会も非常に注目をいたしておりますので、しっかり頑張っていただきたいと考えております。  県と県議会が一丸となって取り組んでいる施策の中に、ワンヘルスというのがあります。ワンヘルスとは、人の健康、動物の健康、環境保全は一つという考えの下、人と動物、それらを取り巻く環境が直面している様々な課題に対して、医師や獣医師、研究者だけではなく、各行政や企業、団体、県民、市民も一緒になって解決をしていくという社会運動と私は認識をいたしております。先ほどから議論をいたしております地域猫支援活動も、これらワンヘルスとは無縁ではないと思えるのであります。  そこで部長に、県や県議会が取り組んでおりますワンヘルスを踏まえて、地域猫支援の全市町村域への導入の意気込みについて、御決意をお伺いします。 41 ◯桐明和久委員長 白石保健医療介護部長。 42 ◯白石保健医療介護部長 御承知のとおり県では、福岡県ワンヘルス推進行動計画で地域猫活動の推進を重点施策の一つに掲げております。来年度当初予算案では、地域猫活動事業として、前年度当初予算から約四百頭増の六百七十五頭分の不妊去勢手術費用と、それから先ほど課長が申し上げました、動物愛護団体と協働して地域住民が地域猫活動に取り組む事業などを今議会において御提案をさせていただいているところでございます。  さらに、福岡県の動物愛護センターに地域猫専用の不妊去勢手術ができるようなものを新設いたしまして、必要な数の地域猫の不妊去勢手術を確実に実施できる体制を整備するための予算についてもお願いをしております。  今後も、県獣医師会はもとより、市町村や動物愛護団体等の皆様と共に地域猫活動の推進に取り組み、ワンヘルス実践の基本方針の一つでございます、人と動物の共生社会づくりの推進に努めてまいります。 43 ◯原竹岩海委員 質問ではないのですけれども、打合せの中でちょっと気になったことがあります。  猫の殺処分という表現と、致死処分という表現がございますが、福岡県の解釈では致死処分という表現をされております。私、昨日ちょっと調べてみましたら、人の場合ですけれども、殺人罪の場合は計画的に殺したということですが、傷害致死の場合は偶然結果的に死んでしまったといったことなんですね。この辺で、殺処分というのが私の解釈の中ではきちっとはまり込むのではなかろうかなと思っておりますが、その辺のところを行政でもう一回御議論をお願いできたらと思います。  以上で質問を終わります。(拍手) 44 ◯桐明和久委員長 ほかに質疑はありませんか。永島弘通委員。 45 ◯永島弘通委員 公明党の永島弘通でございます。地域猫が三連チャン続いておりまして大変恐縮でございますが、テンポよく行きたいと思います。よろしくお願い申し上げます。  地域猫や飼い主のいない猫について質問をいたします。  先日、ある御婦人から地域の猫について御相談をいただきました。御婦人が地域の方から野良猫を一時的にのつもりで自ら引き取ったところ、その後、病気にかかり、動物病院に行くと治療に数十万円かかるとの診断を受けました。これ以上経済的にサポートすることが難しかったため、やむなく市を通じ保健所に相談をされましたが、市への保健所の回答は、猫によってその地域の生活環境が著しく損なわれている場合以外は引き取れない、病気が理由も不可、保護した人が最後まで責任を持って世話をするべきとの対応。市からの説明では、保健所として何もできることがないとのことだったようです。御相談を受け、私からも県に確認しましたが、飼い主のいない猫については支援メニューがないので、御納得いただけなくてもお手伝いできることがないとの回答でございました。本県では地域猫活動を積極的に推進していることから、もっと異なる対応はできなかったのでしょうか。  そこでお伺いをいたします。本県の地域猫活動の取組に地域猫活動支援事業がございますが、どのような取組を行っているのか。また、その実績についてお示しください。 46 ◯桐明和久委員長 吉田生活衛生課長。 47 ◯吉田生活衛生課長 県では、猫の致死処分が多いこと、また、飼い主のいない猫による生活環境被害が課題となっていることから、その課題解決に有効な取組である地域猫活動を推進するため、平成二十六年度から地域猫活動に取り組む市町村に対し、不妊去勢手術に対する支援を行っております。  また、地域猫活動のやり方が分からないという住民を支援するため、平成三十年度から地域猫活動サポーターを派遣し、活動現場で猫の扱い方などの助言をしております。  市町村に対する不妊去勢手術の実績としては、令和二年度が十市町村、百八十五頭、令和三年度が十市町村、二百四十頭、令和四年度が十二市町村、二百二十四頭となっています。  また、地域猫活動サポーターの派遣実績については、令和二年度が十五地域、五十二回、令和三年度が十六地域、五十九回、令和四年度が二十二地域、九十七回となっています。 48 ◯永島弘通委員 地域猫活動については分かりました。  次は、飼い主のいない猫についてお伺いをいたします。  冒頭の方とは別の方からの御相談でしたが、飼い主のいない猫が敷地内に入ってきて困っているとのことでした。  県では、飼い主のいない猫に関する相談にどのように対応しているか、教えてください。 49 ◯吉田生活衛生課長 飼い主のいない猫に関する相談には、保健所において対応しているところです。飼い主のいない猫が苦情の原因となる主な理由として、無責任に餌を与える方によって猫が集まり過剰繁殖することで、鳴き声やふん尿による悪臭、畑や花壇を荒らす、車を傷つけるなどの生活環境被害が生じていることです。  無責任に餌を与える人が特定できれば、その方に指導、助言を行っておりますが、現状では誰が餌を与えているか分からないことが多く、そのため保健所においては、飼い主のいない猫による生活環境被害に遭っている方に対し、猫よけの超音波発生装置の貸出しを行ったり、猫が敷地内に入ってこないようにするための方法を伝えたりしております。
    50 ◯永島弘通委員 これまでも猫についての相談を様々受けてまいりましたが、多くは、県は飼い主のいない猫の課題や要望に応えてくれないとおっしゃいます。ボランティアで手弁当で地道に頑張る現場の方々からは、保護した猫を譲渡会までの間、一時的に、保管してくれる場所が欲しい、かつワクチン接種等もしてくれればありがたいとのお声もございます。  そこでお伺いをいたします。飼い主のいない猫を一時的に保管して、県が主体となって新しい飼い主が見つかるまでの間、保護する施設の設置についてどのようにお考えなのかお聞かせください。 51 ◯吉田生活衛生課長 動物愛護管理法では、動物を一時的に保護する場合にあっても飼い主等に当たるため、保護された方に飼い主の終生飼養の責務が生じることになります。飼い主が終生飼い続ける責務を果たしていただくことで、これまで致死処分数を減らしてきたところです。  また、飼い主のいない猫を県が主体となって一時保管施設を設置して引き取ることは、致死処分数の増加につながりかねないため、動物愛護の観点から難しいと考えております。  県としましては、致死処分される猫を減らすため、地域猫活動サポーターの派遣や動物愛護団体による地域猫活動の担い手育成支援事業を実施することで、地域猫活動を県下全体に広げ、飼い主のいない猫に起因する問題の減少を図っていきたいと考えております。 52 ◯永島弘通委員 ここで、事前に県の猫の致死処分数の推移について資料要求をしておりますので、委員長のお取り計らいをお願いをいたします。 53 ◯桐明和久委員長 お諮りいたします。  ただいま永島委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 54 ◯桐明和久委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま永島委員から要求がありました資料については提出できますか。 55 ◯吉田生活衛生課長 直ちに提出します。 56 ◯桐明和久委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 57 ◯桐明和久委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 58 ◯桐明和久委員長 資料が配付されましたので、永島委員、質疑を行ってください。 59 ◯永島弘通委員 執行部は資料の御説明をお願いいたします。 60 ◯吉田生活衛生課長 本県の過去二十年分の猫の致死処分数の推移を示した資料です。  平成十五年度の致死処分数は一万四千九十七頭でしたが、令和四年度は五百四十七頭まで減少しております。 61 ◯永島弘通委員 先ほどの資料にございますとおり、猫の致死処分頭数は年間一万頭を超えておりました。知事は致死処分ゼロを目指すと宣言をされておられることから、それに向けた部長の決意をお願いいたします。 62 ◯桐明和久委員長 白石保健医療介護部長。 63 ◯白石保健医療介護部長 県といたしましては、この致死処分数を削減するため、県の動物愛護推進計画に基づきまして、飼い主に対する終生飼養などの適正飼養の普及啓発、保健所に収容した犬猫の県ホームページを活用した飼い主への返還促進、動物愛護団体との連携による譲渡促進、地域猫活動支援事業の推進、こういった取組を県民の皆様の御理解と御協力、そして関係機関、団体の連携、協力、こういった下で進めてまいりました。  引き続きこれらの取組をしっかりと進めていくことによりまして、犬及び猫の致死処分ゼロを目指してまいります。 64 ◯永島弘通委員 終わります。(拍手) 65 ◯桐明和久委員長 ほかに質疑はありませんか。中村香月委員。 66 ◯中村香月委員 新政会の中村香月です。無縁墳墓について質問をいたします。  我が国では、平成十七年に初めて死亡数が出生数を上回り、平成十九年以降はその差が年々拡大するなど、人口減少が急速に進んでいます。さらに、生涯独身のまま過ごされる方が増加していることも影響し、管理する人がいない無縁墳墓の増加が見込まれています。昨年九月には総務省が無縁墳墓に関する調査報告書を公表しました。本報告書によれば、公営墓地、納骨堂を有する市町村のうち、五八・二%が無縁墳墓等であると回答をしています。  墓地の許可や指導などの墓地行政は、基本的に市町村が行っていると承知をしていますが、今回は無縁墳墓の問題点と、その解消に向けた取組について伺います。  まず、無縁墳墓とはどんなものか御説明ください。あわせて、無縁墳墓の増加が見込まれる背景としてどのようなことが考えられるのでしょうか。 67 ◯桐明和久委員長 吉田生活衛生課長。 68 ◯吉田生活衛生課長 無縁墳墓は、墓地、埋葬等に関する法律、いわゆる墓埋法の施行規則第三条により、死亡者の縁故者がない墳墓と定義されます。  この無縁墳墓が増加する背景としては、未婚化や晩婚化の進展による出生数の減少や都市部への人口集中、価値観の多様化など、様々な要素が相まって、家族や子孫により代々受け継がれることを前提としてきたお墓の維持管理に対する国民意識が変化しつつあることが影響していると考えられます。 69 ◯中村香月委員 それでは、無縁墳墓を原因とする問題にはどのようなものがあるでしょうか。 70 ◯吉田生活衛生課長 使用者が所在不明となっている無縁墳墓では、管理が不十分となるため雑草が生い茂るなど、広範囲による周辺環境の悪化が懸念されます。また、修繕の必要が生じた場合、一般的にはその使用者による対応が求められますが、無縁墳墓では修繕がされないまま放置されることで、墓石が倒れるような事態になれば、近隣の使用者とのトラブルや周辺住民に危険を及ぼすことなどが懸念されます。 71 ◯中村香月委員 御答弁いただいたとおり、私の住む地域でも、近年災害が多発する中で無縁墳墓が被災をし、修繕がなされないまま放置をされているといったことが発生しています。  それでは、無縁墳墓の状態を解消するためにはどのような手続をすればいいでしょうか。 72 ◯吉田生活衛生課長 無縁墳墓の状態を解消するための手続は墓埋法施行規則第三条に定められており、墓地の管理者等が死亡者の縁故者及び無縁墳墓に関する権利を有する者に対し、一年以内に申し出るべき旨を官報に掲載し、かつ無縁墳墓の見やすい場所に設置された立札に一年間掲示して公告し、その期間中に申出がないことを確認することが必要となります。  このような手続を行い、一年間で死亡者の縁故者等からの申出が無かった場合には、他の墓地等へ改葬することができるようになります。 73 ◯中村香月委員 無縁墳墓の状態を解消する手続の方法は分かりました。  先ほどお話しいただいた一年間の立札の掲示などの手続により、お墓に納められている焼骨を改葬することができるようになると思いますが、墓石を所有する権利に関する取扱いはどのようになっているのでしょうか。 74 ◯吉田生活衛生課長 無縁墳墓の改葬後の墓石の取扱いについて、墓埋法などを含め、定められた法令や規定はありません。  冒頭、委員に御紹介いただいた総務省の報告書は、公営墓地における無縁墳墓を中心として調査が行われていますが、この中では、改葬後の墓石を所有する権利に関する取扱いが不明確なことにより、墓石を処分すべきか、保管すべきか、保管する場合にはその期間をどの程度とすべきか迷うなど、市町村が対応に苦慮していると報告されているところです。 75 ◯中村香月委員 焼骨と墓石ともに撤去をしなければ、本当の意味での無縁墳墓の解消にはつながりません。先ほど御答弁いただいたとおり、墓石の所有権の取扱いは規定がなく、各市町村で対応を決めかねている現状もあるようです。  私は、県が各市町村に対し墓石の所有権の取扱いも含めて整理をし、無縁墳墓に対する指針を出していくべきだと思いますが、課長の意見をお聞かせください。 76 ◯吉田生活衛生課長 墓地行政は国の墓埋法に基づき行われてきたところです。また、先ほどの総務省の報告書においても、縁故者に係る情報を事前に把握している事例や、無縁改葬後の墓石の保管期間や処分の考え方に係る事例を整理、提供するなど、地方公共団体に対して必要な支援を行うことについて厚生労働省に対し提言しているところです。  加えて、無縁墳墓の解消や墓石の所有権は全国共通の課題となりますので、これに対する指針については国の動向を注視していきたいと考えております。 77 ◯中村香月委員 課長のお考えは分かりました。  無縁墳墓を解消していくためには、今ある墓石の撤去や焼骨の合葬と併せて、未然に防ぐ対策を実施していくことが必要です。  では、無縁墳墓をそもそも発生させない対策としてどのようなことが考えられるでしょうか。 78 ◯吉田生活衛生課長 無縁墳墓となるか否かは、使用者その他の縁故者の事情によるところが大きいため、墓地の管理者等が無縁墳墓の発生の端緒をできる限り早期に把握し、その後の対応につなげていくことが重要となります。  広島県呉市では、地域の風習として毎年八月のお盆の時期になると墓参者が各自の墓石に色紙等で飾りつけた盆灯籠を供える風習があります。これが供えられていない墳墓については墓参者がないことが疑われるため、これをきっかけとして管理者が使用者に連絡を取るなどして、その使用状況等を確認しております。  また、愛知県半田市では、墓地の使用許可申請をする際に使用者以外の連絡先を記載してもらい、使用者が所在不明となった場合でも速やかにその縁故者に連絡することが可能となった事例もあります。 79 ◯中村香月委員 先ほど御答弁いただいたような抑制事例を市町村へ情報提供していただきたいと思いますが、課長の意見をお聞かせください。 80 ◯吉田生活衛生課長 無縁墳墓は、一旦発生すると時の経過とともに自然に解消することはなく、先ほど申し上げたとおり、端緒をできる限り早期に把握し、未然に防いでいくことが重要です。県としましては、総務省の報告書で取り上げられた無縁墳墓の発生を抑制するための取組、これを市町村に周知することにより、県内の墳墓と縁故者の縁ができる限り絶えないための取組につなげていければと考えております。 81 ◯中村香月委員 最後に、無縁墳墓を解消していくための対策をお伺いいたします。  現在本県では、県内の無縁墳墓の実態を把握できていないのが現状です。熊本県では、県内市町村に対し、墓地の現状及び課題に関する調査を実施しています。本県でも、まずはアンケートなどで実態を把握することで今後の対策につながるのではないかと思いますが、課長の意見をお聞かせください。 82 ◯吉田生活衛生課長 墓地行政の事務を行う市町村から墓地の手続等について日頃から御相談をお受けしておりますが、使用者が不明となっている無縁墳墓への対応をどのようにすればよいか課題となっているとお聞きしております。相談を受ける中では、全体の約九割を占める公営ではない個人墓地や集落墓地では特に無縁墳墓の実態を把握することは難しいと感じており、把握し改葬したとしても、先ほど申し上げたとおり墓石の取扱いは不明確な状況です。  このような中で、市町村が無縁墳墓の実態をどの程度把握しているのか、実態を把握するにはどうしたらよいか、こういった点を市町村と意見交換してまいりたいと考えております。 83 ◯中村香月委員 先ほど課長の御答弁であったように、既に県内では無縁墳墓への対応に苦慮されている市町村があると聞き及びます。無縁墳墓は今後ますますの増加が見込まれており、県行政においても喫緊の課題であると思います。  そこで、これまでお答えいただいた本県の無縁墳墓の現状を踏まえ、墓地行政に対する部長の決意をお聞かせください。 84 ◯桐明和久委員長 白石保健医療介護部長。 85 ◯白石保健医療介護部長 墓地行政の根幹となる、いわゆる墓埋法ですが、これは戦後間もない昭和二十三年に制定をされました。その後七十年余りを経まして、跡継ぎや家族関係を前提としていた墓地を受け継いでいくことに対する価値観などは変化しており、これに伴う対応は全国共通の課題であります。このことから、今後の墓地行政の在り方、さらに無縁墳墓に対する指針等につきましては、国を中心とした議論が欠かすことができないものと考えております。  一方で、今後無縁墳墓の増加が避けられないことは本県も例外ではございません。その発生を抑制するための取組は必要となります。県といたしましては、先ほど課長が申し上げましたように、市町村に対し全国の好事例をお伝えいたしますとともに、無縁墳墓の把握状況や、把握方法を市町村と意見交換するなど、無縁墳墓を発生させないための取組が促進されるよう努めてまいります。 86 ◯中村香月委員 御答弁ありがとうございました。課長及び部長から無縁墳墓の実態をどの程度把握しているのか、実態を把握するにはどうしたらいいのか、市町村と意見交換をしていく旨、御答弁をいただきました。  各市町村の取りまとめを実施するのは県の役割であると思います。まずは本県における無縁墳墓の実態を把握していただき、課題に対して県がリーダーシップをもって対応いただくよう要望し、質問を終わります。(拍手) 87 ◯桐明和久委員長 ほかに質疑はありませんか。川端耕一委員。 88 ◯川端耕一委員 自民党県議団の川端耕一でございます。新型コロナウイルスの総括について質問いたします。  新型コロナの感染症法の位置づけが五類に変更されてから、間もなく一年になります。かつて国内では、ダイヤモンドプリンセス号に始まり、連日、新聞やテレビの報道をにぎわした新型コロナであります。その新型コロナ発生の前からワンヘルス、人獣共通感染症の問題を早くから提唱されていた、アジア獣医師会連合会長で日本獣医師会会長の藏内勇夫会長には本当に頭が下がる思いであります。また、今後は世界のリーダーとして、福岡県からワンヘルスを推進していただけるものと確信しております。  その新型コロナも最近ではニュースで目にする機会も随分と減りました。かつての日常が戻ってきているあかしでもあり、大変喜ばしいことではありますが、反面、今後いつ何どき新型コロナのようなパンデミックが発生するとも限りません。喉元過ぎれば熱さを忘れるとならないように、新型コロナで得られた教訓を新興感染症への備えにしっかりと生かしていくことが大切であります。  そこでまず、本県の新型コロナの感染状況について、あらかじめ執行部に資料をお願いしております。委員長、お取り計らいをお願いいたします。 89 ◯桐明和久委員長 お諮りいたします。  ただいま川端委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 90 ◯桐明和久委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま川端委員から要求がありました資料については提出できますか。牟田口がん感染症疾病対策課長。 91 ◯牟田口がん感染症疾病対策課長 直ちに提出できます。 92 ◯桐明和久委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 93 ◯桐明和久委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 94 ◯桐明和久委員長 資料が配付されましたので、川端委員、質疑を行ってください。 95 ◯川端耕一委員 資料についての説明をよろしくお願いいたします。 96 ◯牟田口がん感染症疾病対策課長 資料一枚目は、本県で最初に新型コロナの届出があった令和二年二月二十日から五類に移行する前日の昨年五月七日までの間の一日の新規陽性者数の推移をグラフで示したものです。  この間、八つの感染の波があり、第一波では四十三人が最多でしたが、その後、感染の波を経るごとに増加していき、第七波の令和四年八月十九日に過去最多の一万五千七百二十三人となりました。  また二枚目は、それぞれの波を含む期間ごとの感染状況の比較です。第八波までを通じて、最多のものを赤枠にしております。  第四波では従来株よりも感染性や重症化リスクが高いとされるアルファ株が主流となり、四番の重症者数が最も多くなっています。第六波以降は重症化リスクは低い一方、感染性が高いオミクロン株が主流となり、第七波、第八波ではさらに感染性が高いBA・5系統に置き換わり、第七波では一番の新規陽性者数、二番の療養者数が最も多く、第八波では三番の入院者数、五番の死亡者数が最も多くなっています。 97 ◯川端耕一委員 ただいまの執行部の説明からも、一日に一万五千人を超える陽性者数が出るなど、新型コロナが未曽有のパンデミックであったことがよく分かります。  この新型コロナについては、昨年五月の五類感染性への変更に伴い、今年三月までを移行期間として、これまでコロナ患者に対応していなかった医療機関を含め、幅広い医療機関が対応する体制へと移行が進められてきたと聞いております。  移行に向けた対応状況や現状についてお伺いいたします。 98 ◯牟田口がん感染症疾病対策課長 昨年五月、五類感染性に移行されたことにより、インフルエンザ同様に幅広い医療機関が入院や外来に対応することとなりました。このため県では、これまでコロナ患者に対応していなかった医療機関に対し、治療や感染対策等を分かりやすく説明したリーフレットを配付するとともに、簡易陰圧装置等の設備支援や院内感染防止の訓練や研修への参加促進に取り組んでまいりました。  こうした取組の結果、三月十一日現在で、入院に対応する医療機関は移行前の百七十一医療機関から三百四十二機関に、外来に対応する医療機関も移行前の二千百二十三医療機関から二千三百八十四機関にそれぞれ増加しております。  なお、昨年の夏やこの冬には感染者が増加いたしましたが、いずれの際も医療提供体制への影響はございませんでした。 99 ◯川端耕一委員 新型コロナについては幅広い医療機関での対応が進んでいることが分かりました。しかし、今後いつ何どき未知なる感染症が発生するとも限りません。新型コロナでの経験を踏まえ、しっかり備えをしておくことが必要であります。  昨年六月議会の我が会派の桐明和久議員の代表質問において新型コロナ対応での課題についてただした際、課題の一つとして、流行初期に病床や発熱外来、宿泊療養施設の確保等に時間を要したことが挙げられました。私は、新たな感染症が発生した際、この点が、すなわち医療提供体制や検査体制を速やかに立ち上げることが最も重要な課題であると考えます。  あわせて六月議会では、新型コロナでの課題を踏まえ、新たな感染症予防計画の検討を進める旨の御答弁もありましたが、この点について、県の感染症対策連携協議会や医療審議会で議論されている感染症予防計画ではどのような対応になっているか、お答えください。 100 ◯牟田口がん感染症疾病対策課長 最終の計画案では、医療提供体制については、まず発生から三か月程度までの流行初期における対応として、入院病床を三百五十床、発熱外来に対応する医療機関を五十五機関、宿泊療養施設の居室を八百室確保いたします。流行初期以降においては、感染状況に応じて順次体制を拡大し、最終的には新型コロナ対応での最大規模の入院病床を二千床、発熱外来を二千百機関、宿泊療養施設を二千四百室確保いたします。  検査体制につきましては、まず一か月以内に、新型コロナで確保したPCR検査の最大検査能力である一日五百六十件に対応できる体制を県の保健環境研究所等で速やかに立ち上げることとしております。この検査体制のために必要な予算につきましては、来年度当初予算案でお願いしているところでございます。流行初期以降におきましては、民間の検査機関の活用も含め、一日二万五千二百件のPCR検査能力を確保することといたしております。  今後新たな感染症が発生した際の速やかな体制の確保のため、流行初期とそれ以降における病床の確保、発熱外来の実施、回復患者の受入れなどの内容や防護具の備蓄等について明記した協定を医療機関等と締結いたします。 101 ◯川端耕一委員 予防計画に基づき、流行初期とそれ以降を想定し、平時から医療提供体制などの構築を進めていくことが分かりました。
     一方、計画による備えも重要でありますが、新型コロナでは様々な対応や対策を行ったと思いますので、これらを記録してまとめ引き継いでいくことも後々大変参考になることだと考えます。  新型コロナ対応の記録を取りまとめ、公表してはいかがでしょうか。 102 ◯牟田口がん感染症疾病対策課長 委員御指摘のとおり、新型コロナの対応の記録を残しておくことは、新たな感染症の対応の参考にもなることから大変重要なことであると考えております。このため、今般の感染症予防計画を御検討いただく県の感染症対策連携協議会において、新型コロナへの対応を記録した資料をお示しし御議論をいただいたところでございます。  この資料では、新型コロナの医療提供体制や相談、検査、保健所の体制など、分野ごとに成果と課題や次の感染症への備えをまとめるとともに、第一波から第八波までの対応を時系列で整理したものも併せて記録しています。本資料につきましては、取りまとめ次第、公表してまいります。 103 ◯川端耕一委員 執行部から、新型コロナの対応記録を取りまとめ公表するとの答弁がありました。後々の参考になるような記録集となることを期待いたします。  最後に、新型コロナでの経験を糧に、新たな感染症にしっかりと対応していくことが重要であると思いますので、白石部長の決意をお伺いいたします。 104 ◯桐明和久委員長 白石保健医療介護部長。 105 ◯白石保健医療介護部長 この三年余りにわたる新型コロナとの闘いでは、県医師会をはじめといたしました医療関係団体の皆様、医療の最前線で御奮闘いただきました医療従事者など、多くの皆様の御尽力によりまして医療の逼迫を防ぐことができました。また、必要な予算の確保に当たりましては、県議会の深い御理解と特段の御配慮により、度重なる補正予算や専決処分をお認めいただきました。改めて心から感謝を申し上げます。  委員御指摘のとおり、新型コロナの流行初期には、病床などの確保などに時間を要し、私自身も一床でも多く病床を確保しようと医療機関を駆け回りました。こういった課題、教訓を新たな感染症の対応に生かしていくことは大変重要なことであります。今後、新型コロナ対応の記録集の公表及び策定中の感染症予防計画の着実な実行によりまして、新たな感染症に備えてまいります。 106 ◯川端耕一委員 白石部長におかれましては、職員の皆さんと新型コロナ対応で大変な対応をなされてきたと思います。改めて感謝と敬意を表します。私も沖縄で感染しましたけれども、そのときも個人的にお世話になりました。ありがとうございました。  この新型コロナの感染症の経験を今後にしっかりと生かさなければなりません。このことは知事にも考えをお聞きしたいと思います。委員長、知事保留のお取り計らいをお願いいたします。 107 ◯桐明和久委員長 ただいま川端委員から申出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。なお、知事保留質疑は、三月十九日火曜日に行う予定でありますので御了承願います。 108 ◯川端耕一委員 終わります。ありがとうございました。(拍手) 109 ◯桐明和久委員長 この際、しばらく休憩いたします。再開は午後一時二十分をめどに放送をもってお知らせします。    午 後 零 時 十 三 分 休 憩    午 後 一 時 二 十 分 再 開 110 ◯渡辺美穂副委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き、議事を進めます。  三款保健費について、ほかに質疑はありませんか。大塚勝利委員。 111 ◯大塚勝利委員 公明党の大塚勝利です。通告に従いまして、新興感染症への対応と高齢者対策について質問します。  昨年五月、新型コロナウイルス感染症が二類相当から五類になり、日常生活が戻ってまいりました。これまでの約三年間にわたり、昼夜分かたず御尽力をいただきました白石保健医療介護部長をはじめ、保健医療介護部の皆様に心から敬意を表します。  経済が活発化する中、本県は福岡空港や北九州空港、博多港などの拠点を抱え、これらを利用する外国人の出入国者数は、コロナ前の二〇一九年は年間二百八十五万人でしたが、昨年二〇二三年には二百八十三万人と、海外との交流が復調し活発化する中、新たな感染症への対応が重要となります。  新興感染症について世界的には、二〇〇二年にはSARS、二〇一二年にはMERS、我が国においては、二〇〇九年に新型インフルエンザ、二〇二〇年には新型コロナウイルスと、呼吸器系のウイルス性感染症の流行がありました。今後も十年に一回、もっと短期間で新興感染症によるパンデミックが出現するとの意見もあります。新型コロナの経験を基に、新興感染症に対する対策が求められています。  質問に入ります。今年度改定される第八次福岡県保健医療計画において、五疾病六事業目として新興感染症に係る医療が追加されました。また、県の感染症予防計画の改定においても、新興感染症に係る内容が大幅に追加されたところです。  まず、こうした新興感染症に関する記載が追加された意義について御説明をください。 112 ◯渡辺美穂副委員長 牟田口がん感染症疾病対策課長。 113 ◯牟田口がん感染症疾病対策課長 新型コロナウイルス感染症対応では、急激な感染拡大により、入院や外来など医療への負荷が生じましたことから、国の審議会において、平時から新型コロナ対応を踏まえた新興感染症に係る医療提供体制の構築の必要性が指摘されました。こうした中で、国の法改正により、都道府県が策定する医療計画及び感染症予防計画において、新興感染症に係る医療機関との協定の締結や医療提供体制の数値目標など、新興感染症に関する記載が追加されたところでございます。  このように、平時から感染症への備えをしっかり行っておくことは、再び新型コロナのようなパンデミックが発生した場合でも、速やかに医療提供体制や検査体制を立ち上げることができるため、県民の皆様の健康と命を感染症の脅威から守ることにつながると考えております。 114 ◯大塚勝利委員 新型コロナのように新興感染症はいつ発生するか分かりません。平時からの備えが重要であると考えます。  感染症に係る医療提供体制の協定を医療機関と結ぶとのことですが、協定の内容はどのようなものでしょうか。 115 ◯牟田口がん感染症疾病対策課長 医療機関との協定には、各医療機関が実施する内容について明記いたします。具体的には、感染症の流行初期とそれ以降における病床の確保、発熱外来の実施、回復患者の受入れ、感染防止のための防護具の備蓄、新興感染症を想定した訓練の実施などについて明記することとしており、今後幅広い医療機関と協定締結を進めてまいります。 116 ◯大塚勝利委員 幅広い医療機関と協定締結を進めていくとの答弁ですが、重要だと考えます。  入院病床や発熱外来の目標数をどのくらいで考えておられるのか、その根拠と併せてお答えください。 117 ◯牟田口がん感染症疾病対策課長 県の医療審議会等で御議論をいただきました最終の計画案では、入院病床や発熱外来について、感染状況に応じて順次医療機関を拡大することとしております。最終的には、それぞれ新型コロナ対応での最大規模の体制を確保することとし、入院病床は二千床、発熱外来に対応する医療機関は二千百機関を目標としております。 118 ◯大塚勝利委員 ありがとうございます。  新型コロナにおいては、医療提供体制だけではなくて、PCR検査体制の確保も大変重要でした。  今後、新興感染症の発生に備えた検査体制も構築しなければならないと考えますが、県としてどのように取り組んでいくのか御説明ください。 119 ◯牟田口がん感染症疾病対策課長 新興感染症の発生時においても、発生から一か月以内に、新型コロナで確保したPCR検査の最大検査能力である一日五百六十件に対応できる体制を保健環境研究所等で速やかに立ち上げることとしております。この検査体制のために必要な予算につきまして、来年度当初予算案でお願いしているところでございます。 120 ◯大塚勝利委員 次の質問です。今後想定される新興感染症も呼吸器系のウイルス感染症と推測すれば、何よりも重症患者の救命が重要であり、医療スタッフの感染を予防しながら治療を行う感染症指定医療機関や重点医療機関の役割が重要であると考えます。  高齢者が感染し、中等症や重症になった場合や、特に手がかかる介護を必要とする高齢者が入院した場合、入院期間の長期化により救える患者が重点医療機関に入院できなくなることが予想されましたが、本県では民間病院にも積極的に声かけをし、高齢者を受け入れる病床を確保したことで、医療崩壊のような状態を回避することができました。  また、感染症指定医療機関や重点医療機関に急性期の患者が入院した後、症状が改善した場合、トリアージによって患者を感染中でも転院をさせ、また感染のおそれが少なくなった後に後方支援的にリハビリ療養の病床で受け入れたことで、重点医療機関の回転が良好となり、多くの重症患者を受け入れることができました。  新型コロナを経験し学んだことは、特に高齢者対策が重要であるということです。今後、新たな感染症が発生した場合、高齢者対策として、今述べた新型コロナで経験した医療機関の役割分担を踏まえた対応を引き続き行うべきと考えますが、いかがでしょうか。 121 ◯牟田口がん感染症疾病対策課長 新型コロナ対応では、委員御指摘のように、入院患者が急増した際には、症状が改善した陽性患者の重点医療機関からの転院先や、高齢者など慢性期の回復患者を受け入れる後方支援病院を確保し、受入れ要請を行うことで病床の逼迫を防ぐことができました。  新興感染症対応におきましても同様に、医療機関の機能に応じた病床の確保や調整が重要と考えておりまして、今後、新型コロナ対応で高齢者を受け入れていただいた医療機関にも協定締結をお願いし、円滑な受入れ体制の充実を図ってまいります。 122 ◯大塚勝利委員 新興感染症におきましても高齢者対策は大変重要と思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  高齢者に対しまして、早期に良質かつ適切な医療を提供し、重症化を予防するためには、医療現場で患者の治療や療養支援に携わる専門性の高い看護師の確保が必要だと考えます。  そこで、新興感染症に備え、高齢者をはじめとした感染症患者に対応できる看護師の確保について、本県の取組をお伺いします。 123 ◯渡辺美穂副委員長 石田医師・看護職員確保対策室長。 124 ◯石田医師・看護職員確保対策室長 県では、新興感染症の感染拡大時に、高齢者をはじめとした感染症患者への迅速かつ的確な対応ができる専門性の高い看護師を確保するため、感染管理について熟練した看護技術と知識を有した看護師を養成する認定看護師教育機関に対する研修に係る経費の助成、そして、医師等の判断を待たずに、あらかじめ作成された手順書により感染に係る薬剤の投与や気管チューブの位置の調整といった特定行為を行う看護師を養成する特定行為研修に職員を派遣した施設に対する受講料の助成を行っております。 125 ◯大塚勝利委員 ありがとうございます。  それでは最後に、新型コロナの経験を踏まえまして、新興感染症発生時の高齢者対策に今後どのように取り組んでいかれるのか、白石部長の決意をお伺いします。 126 ◯渡辺美穂副委員長 白石保健医療介護部長。 127 ◯白石保健医療介護部長 改めまして、この三年にわたる新型コロナとの闘いでは、県医師会をはじめとした医療関係団体の皆様、医療の最前線で御奮闘いただいた医療従事者など、多くの関係者の皆様の御尽力により、医療の逼迫を防ぐことができました。また、必要な予算の確保に当たりましては、県議会の深い御理解と特段の御配慮により、度重なる補正予算や専決処分をお認めいただきました。心から感謝を申し上げます。  新型コロナ対応では、保健医療介護部長として県民の生命や健康を守ることを最優先にし、高齢者をはじめ重症化リスクの高い方々の命を守る対策に取り組んでまいりました。私自身、何度も高齢者などの慢性期の医療を担う医療機関を訪問し、受入れ体制の確保に努めてまいりました。  こうした新型コロナでの経験を踏まえまして、次の新興感染症対応におきましても、多くの関係機関の御協力を得ながら高齢者の円滑な受入れ体制の充実を図りまして、医療提供体制を確保してまいります。 128 ◯大塚勝利委員 ありがとうございました。(拍手) 129 ◯渡辺美穂副委員長 ほかに質疑はありませんか。野原隆士委員。 130 ◯野原隆士委員 自民党県議団、野原隆士であります。通告に従いまして質問させていただきたいと思います。  今年の六月から、漬物、これが食品衛生法の改正により許可制になりました。この原因としては、平成二十四年に北海道で、白菜の浅漬けを原因として八名の方がお亡くなりになるというふうな食中毒事件が発生しました。そしてこの原因となったものが腸管出血性大腸菌O157であります。この前にはレバーの生食ということでも死亡事故が発生しました。  特にこのO157、食肉の生食や、あるいは不十分な加熱が原因で起こることが非常に多い食中毒ではありますけれども、近年ジビエ料理、これが少しずつ認可されており、福岡県内の飲食店でも今提供されているところであります。特にイノシシ、鹿などの野生鳥獣は、牛や豚などの家畜と異なって飼養管理されていないため、人獣共通感染症の原因となる病原体を保有している可能性が非常にあります。これまでにも全国では、ジビエ料理を原因とするO157や、あるいはE型肝炎、あるいは寄生虫による食中毒が発生しているというふうに聞いております。  そこで、このジビエ料理の安全性確保について県ではどのような対策が取られているかをお伺いをしていきたいのですが、その前に、人獣共通感染症の動物から人への感染経路でもあると考えられています野生動物から得る食肉、すなわちブッシュミート、あるいはワイルドミートというふうにも言いますけれども、これとジビエとの違いは何でしょうか。 131 ◯渡辺美穂副委員長 吉田生活衛生課長。 132 ◯吉田生活衛生課長 ジビエはフランス語、ブッシュミートは英語で、どちらも食用とする野生鳥獣の肉をいいます。アフリカでは、コウモリや猿といった動物もブッシュミートとされ、人獣共通感染症の感染源として注目されているようです。 133 ◯野原隆士委員 実はこのブッシュミート、ジビエ、言語が違うということで、ほぼ一緒だろうと思います。  そういった中で、ジビエ料理ということで進んでいるわけですけれども、特にこの福岡県においてもジビエ料理の普及及び消費の拡大に取り組んでいますが、飲食店あるいは販売店でジビエ料理を提供及び販売するための食品衛生法上の規制はどのようなものがありますでしょうか。 134 ◯吉田生活衛生課長 食品衛生法では、業として食用とする野生鳥獣の肉であるジビエを販売目的で解体処理し、または解体処理された肉を販売する場合には、食品衛生法の規制対象となります。具体的には、解体処理を行う場合には食肉処理業、解体されたジビエをカットしたり包装したりして販売する場合には食肉販売業、飲食店でジビエ料理を提供するには飲食店営業の許可が必要となり、基準に適合する施設を設ける必要があります。 135 ◯野原隆士委員 今言われた許可が必要な業種の中でも、食肉処理業における衛生管理が特に重要ではないかと思いますが、ジビエを取り扱う食肉処理施設の監視指導状況をお答えください。 136 ◯吉田生活衛生課長 県では、食品衛生法の規定に基づき毎年監視指導計画を策定し、これに基づき食品衛生監視員が食肉処理施設の監視指導を行っております。  令和四年度については、ジビエを取り扱う食肉処理施設十六施設に対し、二十回監視指導を行いました。 137 ◯野原隆士委員 食肉処理施設においてはそういった監視を行われているということではありますけれども、一番問題になってくるのは、こういった野生鳥獣を狩猟して自家消費をする方、こういう方が非常に多いだろうと思います。  こういう狩猟者に対しての衛生対策、これはどういうふうな指導をされていますでしょうか。 138 ◯吉田生活衛生課長 県では平成二十一年に福岡県野生鳥獣食肉衛生管理ガイドラインを策定し、ジビエの衛生的な処理基準やジビエを取り扱う上での望ましい基準を示しています。この中で、狩猟者の遵守事項として、屠殺、放血は極力食肉処理施設で行うことや、異常が見られる個体は食用にしないこと、中心部まで十分に加熱して食べることなどを規定しております。  狩猟者に対しては、このガイドラインの内容について講習会を開催してきたほか、今年度は一般社団法人福岡県猟友会の研修会にてガイドラインの遵守を呼びかけております。 139 ◯野原隆士委員 こういった講習会をもっと頻繁にやっていただきたいなと思います。  こういうふうな食中毒対策を含む人獣共通感染症対策は、県が推進していますワンヘルス実践の基本方針の一つでもあります。人獣共通感染症は、人と動物の関係性が変化したために、もともと野生鳥獣が持っていた病原体が人にも感染するようになったとされております。  ジビエが原因となる食中毒を予防するためにも、食肉処理段階ではどのような対策を講じてありますか。 140 ◯吉田生活衛生課長 野生鳥獣は、E型肝炎ウイルス、腸管出血性大腸菌、トリヒナや肺吸虫等の寄生虫など、様々な病原体を保有している可能性があります。このため県では、先ほど御説明した監視指導で、営業施設基準の適合状況やHACCPによる衛生管理の遵守状況の確認に加え、病気等による異常や病原微生物に汚染されたジビエが市場に流通しないよう、適切な病変部の排除方法や衛生的な屠畜処理に関する指導を行っております。また、施設において解体処理の際に、個体の外見、内臓及び枝肉に異常を認めた場合は、食肉衛生検査所で相談を受けることとしています。  ジビエを安全で衛生的に処理するため、ジビエを取り扱う食肉処理業者は施設ごとにその従事者のうちから野生獣肉処理責任者を選定するように定めており、県では野生獣肉処理責任者講習会を開催して、責任者の衛生教育に努めているところです。 141 ◯野原隆士委員 そういった例えば食肉処理場において、そういう相談を受けているということも、あまり一般の方は知らないのではないかなと思います。  人の健康というのは、やはり健全な環境の下で生産された健康な家畜、あるいはその他の安全な農林水産物などを食べることによって維持をされております。そのため、食肉の安全確保については、ワンヘルスの基本方針の一つでもある、環境と人と動物のよりよい関係づくりの施策としても挙げられています。このジビエ料理を安心して食べるためには、消費者を含め、ジビエの流通に携わる事業者に対して、これまでも啓発されてはいるとは思いますが、もっともっと啓発をしていただくよう、例えばチラシを配布するなどして、より一層の啓発が必要と考えます。  県としても、これまでの指導や啓発を踏まえ、今後どのような指導や啓発に取り組んでいくのか教えていただきたいと思います。 142 ◯吉田生活衛生課長 県ではこれまでに消費者に対し、県のホームページにて、流通、販売しているジビエは許可のある施設で適切に処理されていることや、ジビエを安心して食べるためには中心部まで十分に加熱する必要があることなどを啓発してきました。  今後は、ジビエ料理を安心して食べるために必要な遵守事項に関するチラシを作成し、ジビエを取り扱う食肉販売店や飲食店などに配付します。また、県民の皆様に対しても様々な広報媒体を活用して、ジビエを安心して食べるための注意点を伝えるなど、より一層の啓発を図ってまいります。  委員御指摘のとおり、ジビエ料理の安全性確保はワンヘルスの重要な施策の一つと認識しています。狩猟、食肉処理、販売から消費までの各段階におけるジビエの安全性を確保することで、県民の皆様が安心してジビエ料理を食べることができるよう努めてまいります。 143 ◯野原隆士委員 大変頼もしい回答をいただきました。やはりこういったO157を原因とするようなジビエでの食中毒が出ないように、一生懸命頑張っていただきたいと思います。  終わります。(拍手) 144 ◯渡辺美穂副委員長 ほかに質疑はありませんか。小緑貴吏委員。 145 ◯小緑貴吏委員 自民党県議団、小緑貴吏でございます。通告に従いまして質問させていただきます。  令和元年度より開始されましたこの当事業が、福岡県議会、福岡県及び県下市町、関係者の方々の多大なる御理解と御協力と御尽力により、福岡県ケア・トランポリン教室がコロナ時期の不況を乗り越え、今年度も着実に普及、拡大し、多くの県民の皆様に喜ばれていると伺っております。また、今議会中においても、福岡県スポーツ議員連盟主催により、県議の皆様方が議会棟四階に設置してありますケア・トランポリンの体験やデモンストレーションが四回にわたって開催されました。  開始以来、福岡県内の市町村において、県による十分の十の補助制度を活用して実施されている自治体や、介護保険制度の地域支援事業として事業に取り組んでいる自治体があると聞きます。  そこで委員長、議論を深めていくため、あらかじめケア・トランポリンの実施状況についての資料要求をしておりますので、お取り計らいよろしくお願いいたします。 146 ◯渡辺美穂副委員長 お諮りいたします。  ただいま小緑委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 147 ◯渡辺美穂副委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま小緑委員から要求がありました資料については提出できますか。鈴木高齢者地域包括ケア推進課長。 148 ◯鈴木高齢者地域包括ケア推進課長 直ちに提出できます。 149 ◯渡辺美穂副委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 150 ◯渡辺美穂副委員長 事務局は資料を配付してください。
         〔資料配付〕 151 ◯渡辺美穂副委員長 資料が配付されましたので、小緑委員、質疑を行ってください。 152 ◯小緑貴吏委員 資料について説明をよろしくお願いします。 153 ◯鈴木高齢者地域包括ケア推進課長 ただいま提出いたしましたケア・トランポリン教室の実施状況について御説明をいたします。  一、令和五年度実施状況についてでございます。ケア・トランポリン教室は、県補助事業等で実施しております北九州市、中間市などの三十三市町、地域支援事業のみで実施しております宗像市、岡垣町などの六市町、計三十九の市町で実施されてございます。  資料の二枚目をお願いします。  二、実施状況の推移についてでございます。これは令和元年度から五年度までの教室数の推移を表したものでございます。県補助事業等で実施しております市町村は事業開始時の十二市町から三十三市町に、教室数は六十七から百九十九に増加しているところでございます。なお、両括弧で地域と記載した市町は、地域支援事業のみで実施しております市町を表しておりまして、また、田川市は令和四年度から、豊前市は令和二年度から、それぞれ地域支援事業に加えまして、補助事業等でも実施していただいているところでございます。 154 ◯小緑貴吏委員 次に、情報発信や広報の取組についてお伺いいたします。  ある自治体にて、ケア・トランポリン教室の一年間の検証が行われ、検証結果も出されました。医療費削減効果結果は、一人当たり年間四万八千九百円の削減効果があり、費用対効果を見ますと費用の約十倍の医療費削減にもつながっております。さらには、医療費の削減効果だけではなく、階段の上り下り、バスの乗り降りが楽になった、より遠くまで歩けるようになった、つえなしで歩けるようになった、知人・友人との触れ合いの場にもなり毎回楽しみにしているなど、確実に参加者の健康改善や憩いの場所へつながっているとお聞きしております。  そこで、この効果、効能を今まで以上に県の広報、メディア、SNSなどを通じて発信していく必要もあると考えますが、県における現在の情報発信の取組について、また、今後の取組についてお聞きいたします。 155 ◯鈴木高齢者地域包括ケア推進課長 県では、ケア・トランポリン運動をふくおか健康づくり県民運動の運動習慣の定着メニューの一つとして位置づけておりまして、その情報を、ふくおか健康づくり県民運動情報発信サイトの中の健康づくり情報におきまして、運動の効果をはじめとする情報を掲載しているところでございます。また、ふくおかインターネットテレビの「優&舞の知っトク!ふくおか」、この番組におきまして動画を配信いたしまして、ケア・トランポリン運動を実施することで、足腰の筋力アップ、脳の活性化などの期待ができることを紹介しております。そのほか、福岡県スポーツ推進委員研修大会などの様々なイベントを活用したデモンストレーションを行うことによりまして、直接県民の皆様への情報発信を行ってきたところであります。  今後は、県民に対するケア・トランポリン運動の効果、効能等のPRを行うため、新たに開設予定の運動情報発信サイトでありますとか、スポーツクラブの管理者等を対象とするデモンストレーションの実施に必要な予算を今議会に提案させていただいているところでございます。 156 ◯小緑貴吏委員 次に、インストラクター人材確保と養成強化についてお伺いいたします。  今後もインストラクター人材確保と養成を強化していくことは、利用者の皆様の安全・安心を確保する上で極めて重要になってまいります。そして、各市町村の地域性と状況に応じて、できる限り地元のインストラクターの採用により、人材確保と人材育成を研修カリキュラムに沿って随時研修していく必要があると思いますが、現在、具体的にどのような研修内容を実施しているのかお尋ねします。  今後も、県、市町村、民間企業などともしっかり連携し、県も責任を持って人材確保、育成に取り組んでいくべきであると考えますが、その見解をお聞かせください。 157 ◯鈴木高齢者地域包括ケア推進課長 インストラクター養成研修の内容についてでございます。ケア・トランポリン教室のインストラクターとして活動するためには、運動の基礎知識や指導上の心得、器具の組み立て方、メンテナンス方法等に関する二日間の講義と、安全性を最優先としつつ、教室の参加者が様々なバリエーションで楽しみながら運動できますよう、受講生の習熟度に合わせまして、ひと月からふた月の実技指導を行います現場実習から成ります養成研修を受講していただく必要がございます。  インストラクターの人材確保、育成に係ります県の見解についてでございますけれども、ケア・トランポリン運動を安全かつ効果的に継続させていくためには、正しい技能を持ったインストラクターを市町村が確保、育成する必要があると考えております。そのため、市町村と連携いたしまして、市町村のスポーツ担当者やスポーツ推進委員を対象にケア・トランポリンの体験会を開催してきたところであります。これに加えまして今後は、スポーツクラブの管理者等を対象としますデモンストレーションを実施することで、インストラクターの人材確保、育成を支援してまいりたいと考えております。 158 ◯小緑貴吏委員 私の地元、北九州市において、実際に現場の声や市の担当者の声を拾っていきますと、毎年いつ県の補助が打ち切られるのかが不安であり、次年度の予算編成に組み込んでいいものか、関係者、担当者も含めて頭を抱えているのが実態のようでございます。また、未実施の福岡市においても担当者いわく、福岡県ケア・トランポリン教室は大変好評であることは認識していますが、市民からこの教室開催の要望があり、昨年から関係当局で検討を重ねてきた。しかし、今後仮に普及拡大し定着した後に県の補助が打ち切られたとき、恐らく財源確保に苦慮し、事業継続の再考など、利用者へ多大なる御迷惑をかける結果になるのではないかという結論に至っておる。今後はこの県事業の動向を注視していきたいとの声もいただいております。このような事例は、他市町において各現場の声としても少なからずあるようでございます。  そこで、県が実施する今後三年間の事業内容の周知についてお尋ねします。令和九年度以降、地域支援事業として市町村によるケア・トランポリン教室を自主的、継続的に開催し、確実に、着実に移行していかれるとのことですが、令和六年度からの三年間、各市町村の担当者及び責任者の方々への周知徹底と趣旨説明は決して欠かすことのできない必要不可欠なものとなってまいります。ぜひ各市町村担当者に明確な事業計画を丁寧に説明していただきたいと考えますが、今後三年間の事業内容及びその周知について、具体的にお示しください。 159 ◯鈴木高齢者地域包括ケア推進課長 県では、令和九年度までの地域支援事業移行に向け、移行要件に補助を行うことといたしまして、令和六年度から三か年で、市町村が地域支援事業の中で教室開催ができるよう促してまいります。  その内容でございますけれども、ケア・トランポリン教室開催経費及びインストラクター養成経費の補助を引き続き実施することに加えまして、器具導入経費の補助を新たに実施させていただきたいと考えております。  なお、教室開催経費につきましては、地域支援事業への移行が早期に進みますよう、補助率を令和六年度、十分の十、七年度、八分の七、八年度、二分の一とする予定でございますが、これらの内容につきましては、できるだけ早く市町村に周知すべきと考えまして、今議会に提案中の予算案の内容につきまして、先月二十九日に市町村の課長及び直接の担当者、こういった方々に対して説明会を開催させていただいたところでございます。  今後もそういった説明会を開催させていただきますとともに、市町村からの相談には丁寧に対応してまいりたいと考えております。また、必要に応じて、移行に課題を抱える市町村等に対しましては直接出向くなどして協議してまいりたいと考えております。 160 ◯小緑貴吏委員 今、答弁の中にもありましたが、先月二十九日に行われました各市町村を対象にした令和六年度高齢者地域包括ケア推進課事業説明会において、令和九年度からの地域支援事業への移行に関して、各市町村からはどのような質問、意見が出ているのか、具体的に説明を願います。 161 ◯鈴木高齢者地域包括ケア推進課長 先ほど申しました事業説明会におきまして、多数の市町村に参加していただきまして、活発な御意見をいただいたところでございます。事業説明会での代表的な質問、御意見でございますけれども、地域支援事業として実施していくためには、市町村ごとの地域支援事業の予算枠に上限があることから既存の事業との調整が必要である。またあるいは、三年内の自主運営移行が条件となっているがどのような移行計画であれば認められるのかなどの意見でございました。 162 ◯小緑貴吏委員 今までの答弁におきまして、県では市町村に対して様々な取組を行っていることが分かりました。しかし、さらにケア・トランポリン運動を普及させるためには、市町村にとどまらず、新たな実施主体に対する働きかけが必要であると考えますが、今後、各種団体や民間施設などへ県は具体的にどのようなアプローチを行っていくのか、お答えを願います。 163 ◯鈴木高齢者地域包括ケア推進課長 県では、委員御指摘のとおり新たな教室の開催主体の開拓が必要と考えております。そこで、先ほど申し上げております健康増進に取り組むスポーツクラブのほか、介護予防に取り組むデイサービス事業所の管理者等に対しまして、ケア・トランポリン運動の有用性を理解していただき、教室開催に取り組んでいただくというために、各地区におきましてデモンストレーションを実施するための予算を提案させていただいているところであります。  デモンストレーションの実施に当たりましては、ケア・トランポリンの実施をちゅうちょされている市町村についても参加を呼びかけていきたいと考えております。 164 ◯小緑貴吏委員 今回の福岡県ケア・トランポリン事業の質問については、様々な問題や課題、そして様々な角度からお尋ねしてまいりました。令和元年から取り組んできた福岡県の高齢者介護予防事業の福岡モデルとして、新年度はさらに実効性のある県事業として取り組んでいただくよう強く要望いたします。  最後に部長の強い決意をお尋ねし、私の質問を終わります。 165 ◯渡辺美穂副委員長 白石保健医療介護部長。 166 ◯白石保健医療介護部長 このケア・トランポリン運動は関節への負担が少なく、足腰の弱い高齢者でも安全に楽しむことができるため、ケア・トランポリン教室に参加された方からは、バランス機能の向上や、膝の痛み、腰の痛みの改善などの身体的な効果だけでなく、定期的に教室に通い、人との関わりができることで生活リズムが整い、生きがいにつながっているという声が聞かれております。  県といたしましては、ケア・トランポリン教室を今後継続して開催していくには、市町村が地域支援事業による自主的運営へ移行できるよう支援する必要があると考えております。そのため、先ほど課長が申し上げた、各市町村からの御意見を踏まえ、今後とも市町村としっかり連携を図り、自主運営への移行に課題を抱える市町村等に対しまして個別に相談に応じ、働きかけを行うことにより普及を図ってまいります。また、健康増進に取り組むスポーツクラブや介護予防に取り組むデイサービス事業者など、新たな実施主体に対しても開催に向けた働きかけを行いまして、多様な主体が当該運動に自主的、継続的に取り組んでいただくことを目指してまいります。 167 ◯小緑貴吏委員 終わります。(拍手) 168 ◯渡辺美穂副委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 169 ◯渡辺美穂副委員長 ないようですので、以上で、川端委員の知事保留質疑を残し、三款保健費の質疑を終わります。  この際、しばらく休憩します。再開は午後二時十分といたします。    午 後 二 時 零 分 休 憩    午 後 二 時 十 分 再 開 170 ◯桐明和久委員長 ただいまから委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、議事を進めます。  四款環境費について説明を求めます。鐘ヶ江環境部長。 171 ◯鐘ヶ江環境部長 それでは、四款環境費につきまして御説明を申し上げます。  お手元の令和六年度予算に関する説明書の百九十五ページをお願いいたします。  一項環境費でございます。その主なものについて御説明をさせていただきます。  まず、一目環境総務費のうち、右の説明欄の上から六番目、リサイクル推進費三億五千七百万円余でございます。これはリサイクル総合研究事業化センターの事業推進等に要する経費でございます。  次に、一枚めくっていただきまして、下の百九十七ページをお願いいたします。  二目環境保全費のうち、説明欄の一番下、環境保全費五億二千百万円余でございます。これは県有施設への太陽光発電設備導入等に要する経費でございます。  続いて、一枚めくっていただきまして、百九十八ページをお願いいたします。  三目廃棄物対策費のうち、説明欄の上から二番目、環境衛生改善費五億七千四百万円余でございます。これは浄化槽の設置に対する助成等に要する経費でございます。同じくその下、産業廃棄物対策費二億五千九百万円余でございます。これは産業廃棄物の不適正処理対策等に要する経費でございます。  続いて、一枚めくっていただきまして、二百ページをお願いいたします。  四目自然環境費のうち、説明欄の上から三番目、自然公園費一億六千百万円余でございます。これは自然公園の施設整備等に要する経費でございます。  最後に、二百一ページをお願いいたします。  一項環境費の総額でございますが、計欄の一番左に記載のとおり、三十七億三千七百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 172 ◯桐明和久委員長 説明は終わりました。  これより質疑を行います。質疑はありませんか。高橋義彦委員。 173 ◯高橋義彦委員 通告に従いまして質問いたします。自民党県議団の高橋でございます。  本日私からは、登山客誘致に向けた九州自然歩道整備について御質問いたします。  九州自然歩道は、東海自然歩道に次いで全国で二番目に整備されました。その整備に当たっては、一九七〇年、九州・山口経済連合会からの提案を受けて九州地方知事会に採択され、福岡県が主導して九州各県を取りまとめ、整備推進の要望を当時の環境庁に行ったとされております。その十年後の一九八〇年に整備が完了しました。  その整備の特徴は、東海自然歩道が東京・大阪という明確な起終点と方向性を持っていたことに対し、九州自然歩道は、優れた自然景観や文化景観を有する地域をつなぎながら九州各県を一周する形態を取り、その後の全国の長距離自然歩道十コース、約二万七千キロメートルルート設定の考え方の先駆けとなったところであります。  このように、九州が一丸となって取り組んできた歴史のある九州自然歩道をコロナ後のアクティビティーとして大いに活用し、ワンヘルスの推進につなげていくことは大変重要なことであると考えております。  そこで本日は、この九州自然歩道の整備について質問してまいります。  委員長、あらかじめ執行部に資料要求をしておりますので、お取り計らいをよろしくお願いいたします。  内容は、他県の長距離自然歩道との比較、福岡県内の主なコースの概要、福岡県内の九州自然歩道を示す地図です。よろしくお願いいたします。 174 ◯桐明和久委員長 お諮りいたします。  ただいま高橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 175 ◯桐明和久委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま高橋委員から要求がありました資料については提出できますか。藤野自然環境課長。 176 ◯藤野自然環境課長 直ちに提出させていただきます。 177 ◯桐明和久委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 178 ◯桐明和久委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 179 ◯桐明和久委員長 資料が配付されましたので、高橋委員、質疑を行ってください。 180 ◯高橋義彦委員 資料の説明は結構でございます。  資料は二枚お配りしておりまして、資料の裏面に地図がございます。  福岡県内の九州自然歩道は、皿倉山を起点に福智山、平尾台のカルスト台地、香春町や赤村の里山風景などを通り、英彦山のある添田町で西ルートと東ルートと分岐します。西ルートは、古処山や宝満山、四王寺山、天拝山など、登りやすく、歴史的にも好奇心を刺激するルートです。一方、東ルートは、ツクシシャクナゲが有名な犬ヶ岳を中心とした大分までの縦走路で、経読岳や雁股山など、ちょっとマニアックだけれども自然豊かなルートです。このように福岡県のルートは、ファミリー層にも親しみやすく、自然景観も楽しめるルートが多いと思います。  そこでお尋ねいたします。福岡県内の九州自然歩道は年間どれぐらいの方が利用しているのでしょうか。全国や九州各県との比較の上、お答えください。 181 ◯藤野自然環境課長 配付資料の一枚目、一、他県の長距離自然歩道との比較を御覧ください。  環境省の自然公園等利用者数調によると、令和三年度の福岡県の利用者数は延べ二百四十一万九千人と九州で一番目、二番目の宮崎県の約百三十万人を大きく引き離し、九州全体の自然歩道の利用者数の約四割を占めている状況です。  また、全国の都道府県との比較では、最も多いのが大阪府の六百七十四万二千人で、次いで、京都府、兵庫県、栃木県、新潟県、山形県と続き、福岡県は七番目に多い利用者数となっております。 182 ◯高橋義彦委員 今のお答えからも、福岡県の九州自然歩道がいかに多くの利用がされているか分かりました。  そこでお尋ねいたします。特に利用者に人気のあるのはどのようなコースであり、どのような魅力があると考えているのかお答えください。 183 ◯藤野自然環境課長 配付資料一枚目の二、福岡県の主なコースの概要を御覧ください。  最も人気が高いのは、宝満山・三郡山コースです。福岡近郊にあり、麓に太宰府天満宮や竈門神社などの名所を抱えており、利用者数は年間約五十三万人で、毎日登山客が引きも切らない状況でございます。次いで、奇岩や修験道で有名な犬ヶ岳・英彦山コースが年間約四十九万人、ツゲの原生林や風穴などで有名な古処山コースが約三十五万人というような状況でございます。そのほか、気軽に利用できるコースから山登りを存分に堪能できるコースまで、多種多様な楽しみ方ができるコースがそろっております。 184 ◯高橋義彦委員 人気のあるコースが多くあることを再認識いたしました。  ここで皆さん、福岡タワーの年間展望客数を御存じでしょうか。福岡タワー株式会社の発表によりますと、令和五年八月に発表された数字でございますが、四十三万人と言われております。配付資料に挙げられましたコースは、どれも福岡県の観光の目玉といっても全然遜色がございません。  そこでお尋ねいたします。こうした人気コースが確立するまで、県ではどのようなハード的な整備やソフト的なPR戦略を講じてきたのかお答えください。 185 ◯藤野自然環境課長 施設整備としては、利用者の皆様に安全、快適に歩いていただくために必要な案内板、標識、ベンチ、階段などの施設を整備しており、経年劣化が進んだ施設については計画的に再整備を行っております。また、自然災害により倒木、路肩の崩壊、案内板や標識などの施設の損傷が生じた場合には、市町村や利用者の意見を踏まえ、現地での状況検分を行い、速やかな復旧に努めております。  PR戦略としては、コースの見どころや周辺の観光情報を掲載したマップを作成し市町村に配布するほか、県のホームページに掲載しております。また、沿道の自然を楽しむ自然観察会の開催や県の広報番組での紹介のほか、観光資源として活用したいという市町村の御意向を踏まえて、外国の方にも楽しんでいただけるよう、日本語と英語の二か国語表記の標識の整備にも取り組んでおります。 186 ◯高橋義彦委員 これまで県の皆様が利用者の皆様に対して、安全、快適に自然歩道を歩いていただくために地道に努力されるとともに、インバウンドも含めた観光資源としてのPRに取り組んでいただいていることが分かりました。  しかし一方で、特に女性の利用者から、トイレの設置が非常に少なくて困っているとの声をいただいております。  そこでお尋ねいたします。九州自然歩道におけるトイレの整備状況について答えてください。 187 ◯藤野自然環境課長 九州自然歩道沿いの山中では、北九州市の小倉南区平尾台茶ヶ床、直方市の福智山、添田町の英彦山上宮の計三か所でございます。九州自然歩道に続く登山口の駐車場では、平尾台の吹上峠、添田町の英彦山周辺の六か所、豊前市の求菩提山周辺の四か所、合計十一か所に設置しております。 188 ◯高橋義彦委員 ただいま御説明を聞いていると、先ほど人気コースとして紹介いただきました宝満山・三郡山ルートは多くの登山客に利用されておりますが、トイレが設置されてないようです。  そこでお尋ねいたします。九州自然歩道におけるトイレをはじめとした施設の整備について、県としてどのように取り組んできたのかお尋ねいたします。 189 ◯藤野自然環境課長 九州自然歩道については、環境省の自然環境整備交付金を活用し整備を進めております。この交付金は、トイレ、駐車場、休憩所のような施設については国定公園内のみが対象となっており、国定公園の区域内を重点的に整備してきたところでございます。
    190 ◯高橋義彦委員 国定公園内の自然歩道ではないという理由でトイレや駐車場などの整備ができてないということは、どうにか改善できないかと思っております。  そこでお尋ねいたします。国定公園以外の場所においても、利用者のニーズが高いトイレや駐車場の整備について積極的に取り組んでいく必要があると考えますが、今後どのように対応していくのかお答えください。 191 ◯藤野自然環境課長 県といたしましては、県立自然公園内の九州自然歩道においてもトイレや駐車場の整備が交付金の対象となるよう、九州各県と連携し、環境省に対して要望してまいりたいと考えております。 192 ◯高橋義彦委員 国定公園以外の九州自然歩道でもトイレや駐車場の整備が可能となるよう国に要望していくとの回答でした。財源の問題であれば、宿泊税の活用なども検討してはどうでしょうか。この問題は款が異なるため、別の機会にお尋ねすることといたしますが、九州自然歩道は、環境意識を高めるということだけにとどまらず、観光資源としての観点からも整備を進めていくことの必要性が本日のやり取りで明らかになりました。九州自然歩道の交流人口は、観光振興、地域振興の鍵となるものと考えております。環境部には、関係各部と協力して盛り上げていただきたいと思っております。  そこで最後に、環境部長にお尋ねいたします。九州自然歩道のさらなる活用に向けてどのような取組を行っていくか、決意をお聞かせください。 193 ◯桐明和久委員長 鐘ヶ江環境部長。 194 ◯鐘ヶ江環境部長 九州自然歩道は、自然を五感で感じながら健康づくりや生物多様性の学習など、多くの皆様方にワンヘルスの理解を深めていただき、実践を行う場として絶好の場所であると認識をしております。四季を通じて手軽に楽しく歩くことで、豊かな自然や歴史、文化に触れることを目的として設けられたものでありまして、利用者の皆様方に安全、快適に歩いていただくため、計画的に再整備を行い、経年劣化や災害にも対応してまいったところでございます。  委員御指摘にありましたように、九州自然歩道は年間約二百五十万人という多くの方々が利用される、そして様々な見どころがあるすばらしい観光資源でもあることを踏まえまして、さらに多くの皆様方が気持ちよく九州自然歩道を利用していただけるよう整備を進めまして、観光部局などと連携をいたしまして、九州自然歩道の魅力を一層高めてまいります。 195 ◯高橋義彦委員 終わります。(拍手) 196 ◯桐明和久委員長 ほかに質疑はありませんか。原竹岩海委員。 197 ◯原竹岩海委員 民主県政クラブ県議団の原竹岩海であります。  委員長、質問に入ります前に、執行部に対しまして、産業廃棄物税の設置目的や産廃税に係る税収の推移などが分かる資料と、県営山神ダムの上流域にある安定型産業廃棄物最終処分場に係る水質などの調査内容が分かる資料要求をしておりますので、委員長のお取り計らいをよろしくお願い申し上げます。 198 ◯桐明和久委員長 お諮りいたします。  ただいま原竹委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 199 ◯桐明和久委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま原竹委員から要求がありました資料については提出できますか。高橋循環型社会推進課長。 200 ◯高橋循環型社会推進課長 直ちに提出いたします。 201 ◯桐明和久委員長 帆足監視指導課長。 202 ◯帆足監視指導課長 直ちに提出いたします。 203 ◯桐明和久委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 204 ◯桐明和久委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 205 ◯桐明和久委員長 資料が配付されましたので、原竹委員、質疑を行ってください。 206 ◯原竹岩海委員 まず、産業廃棄物税についてお伺いします。  平成十二年四月に施行されました地方分権一括法を踏まえまして、平成十七年に本県で法定外目的税であります産業廃棄物税が創設をされました。私はこの産廃税の導入に関しましては、地元筑紫野市にある産廃処分場の問題を訴えるとともに、産廃処分場の解決策として期待をして、法定外目的税の産業廃棄物税を導入し、その税収を有効活用していかれるよう訴えておりました議員の一人であります。  本税は、平成十七年に導入をされてから、来年度で実に二十年目を迎えようといたしております。そこで、資料により、本税の導入の目的と概要、税収の推移等について御説明願います。 207 ◯高橋循環型社会推進課長 資料一ページ、産業廃棄物税の概要についてに沿って御説明いたします。  産業廃棄物税は、産業廃棄物の排出抑制及びリサイクルの促進を図り、循環型社会の実現に資することを目的として導入されたものであり、排出事業者が産業廃棄物を県内の焼却施設と最終処分場に搬入する際に、その量に応じて課税をするものでございます。  税率は、焼却については一トン当たり八百円、最終処分については一トン当たり千円です。  次に、税収の推移です。二のグラフにありますとおり、税導入当初に比べますと大幅に減少しておりますが、近年は横ばいで推移しております。 208 ◯原竹岩海委員 この産業廃棄物は、どちらかといいますと公共事業からの排出も結構多いという報告もございます。本県はもとより県下大都市を中心に、各市町村から毎年度多くの公共事業が発注をされております。要するに私どもは人ごとではないということであります。  話を戻しますが、このいわゆる産廃税は、税条例ではこれを有効に活用していくとされておりますが、では、この目的税をどのように有効活用されているのか、主な事業内容についてお伺いします。 209 ◯高橋循環型社会推進課長 資料、産業廃棄物税の概要についての三番に記載しておりますとおり、四つの項目を柱として事業を実施しております。  一つ目に、産業廃棄物の排出抑制及びリサイクルの推進のため、リサイクル製品認定制度を活用したリサイクル製品の普及、二つ目に、環境を担う人材の育成と交流のための企業を対象とした先進事例を紹介する研修会の開催、三つ目に、産業廃棄物の適正処理を推進するための不法投棄等対策専門員の設置やドローンの活用等による監視指導の強化、四つ目に、市町村が不法投棄防止のために設置する監視カメラ等への補助などを実施しております。 210 ◯原竹岩海委員 ありがとうございました。産廃税の有効活用として、リサイクル製品の普及をはじめ、環境に係る人材育成や研修会の開催、不法投棄等対策専門員の設置、監視指導の強化、不法投棄防止用の監視カメラの設置の助成など、産廃税が有効に活用されていることが一定の理解ができたところであります。  では、それから有効活用の事業においてどのような効果があったのかお答えください。 211 ◯高橋循環型社会推進課長 リサイクル製品認定制度により認定したリサイクル製品の製品数及び販売額につきましては、平成十九年度は百八十四製品、約二十億円であったものが、令和四年度は三百八十七製品、約百九十九億円となっており、大幅に増加しております。  また、不法投棄等の監視指導の強化の結果、大規模な不法投棄などの不適正処理件数につきましては、平成十七年度の十二件から令和四年度は一件と減少しております。  このように、税収使途事業の実施によりまして、リサイクルの促進や適正処理の推進に一定の効果を発揮しているものと考えております。 212 ◯原竹岩海委員 今の報告では、リサイクル製品認定制度による経済効果として、二十億円から十五年間で実に百九十九億円と約十倍に成長しており、一つのマーケット、いわゆる市場を形成しておりまして、リサイクルマーケットをこの産廃税の有効活用で牽引をしているようにも自分は思うところでございます。  さて、この産廃税は五年に一度の見直しが行われますが、来年は見直しの年でもあり、産廃税導入二十年目の節目の年でもあります。  そこでお伺いします。税収のグラフを見ますと確かに税収は減少傾向にあり、これに見合った事業に転換していくと拝察をいたしますが、今後どのように見直しをされていかれるのかお答えください。 213 ◯高橋循環型社会推進課長 産業廃棄物税の見直しにつきましては、税制を所管する総務部と連携いたしまして、産業廃棄物の発生量やその処理の状況に加え、排出事業者の認識や取組状況を把握した上で検討を行ってまいります。  使途事業につきましては、本税の目的であります産業廃棄物の排出抑制やリサイクルの促進に資するよう、その必要性や効果などを勘案しながら見直しを行ってまいります。 214 ◯原竹岩海委員 ありがとうございました。産廃税の来年度使途の見直しにつきましては、今後とも慎重に見守ってまいりたいと思います。  では次に、筑紫野市にございます県営山神ダム上流域にある安定型産業廃棄物最終処分場に関して質問します。  その前に、私たち筑紫野市民をはじめ、太宰府市民、小郡市民の多くはどうして長年にわたり県営山神ダムの上流域にある安定型産業廃棄物最終処分場の問題を訴え続けているのか、少し説明をさせてください。  当該産廃処分場の約一・二キロ下流にダムがあり、そのダムに将来にわたる水質の不安が増幅をしているからであります。では、どうして住民はダムの水質に不安があるのか。その理由として、ダムの上流域に位置する当該処分場は、昭和六十三年六月に県に対し産廃処分場の設置の届出がなされ、その後、平成五年六月及び平成七年十二月にそれぞれ県が処分場増設の設置許可を出したのであります。安定型ですから、ガラスやブロック、瓦礫などをそのまま埋めましても化学変化などをしないということで、素掘りのところにそのまま産廃物を埋めるわけでございます。  ところが近年、近隣の住民や市民団体から、黒い水がダムに流れ込んでいる、ダムの水は大丈夫かとか、産廃処分場から嫌な臭いがするなど多くの苦情があっていたところに、平成十一年十月六日、処分場内で高濃度の硫化水素ガス中毒により三名の作業員の死亡事故が発生したのであります。その中の二人は即死であります。処分場で硫化水素ガス中毒による死亡事故は全国で初めてであり、約百三十万立方メートルの産廃が埋められる土地として、これも全国で最大級と言われております。産廃に関する設置許可や監視指導の権限は全て県にございます。そして、許可区域外にも産廃が約三十万立方メートルも現在でもそのまま残った状態となっております。まさに県の監視と指導力が問われておるところであります。  そこで質問です。筑紫野市、太宰府市、小郡市、約二十三万人の市民の命の水がめと言われております県営山神ダムの上流域にある産廃処分場の資料に基づきまして、これまでのモニタリングの実施結果、今年度の状況について御説明ください。また、受託廃棄物の処理の進捗状況についてもお答えください。 215 ◯帆足監視指導課長 配付資料の二枚目、二ページを御覧ください。  一、モニタリング結果でございます。(一)に主な地点における処分場の浸透水等の水質モニタリング結果、(二)にガスモニタリング結果をグラフで示しております。グラフの右側に行くほど、すなわち最近の調査結果になりますほど値が低くなっております。近年は基準を超過した項目はない状況が続いているところであり、今年度も基準を超過した項目はない状況です。  次の三ページをお願いいたします。参考までに、モニタリングの地点と水質調査及びガス調査の内容を掲示しておりますので御参照ください。  二の受託廃棄物の処理状況を御覧ください。受託廃棄物は、令和四年十二月時点における残量が約八百三十トンでございましたが、令和五年十二月時点における残量は約五百六十トンであり、一年間で二百七十トン減少しています。残量約五百六十トンの内訳は、廃塗料が約三十トン、混合廃棄物が約七十トン、汚泥が約四百五十トン、廃石膏が約十トンです。令和三年、四年に受託廃棄物の減少量が千トンを超えていましたものが、令和五年には二百七十トンに減少しております。これは、事業者によりますと、搬出を進めていた混合廃棄物の量が少なくなってきたこと、廃塗料や汚泥の処理方法の検討に時間を要していることによるものとのことでございます。 216 ◯原竹岩海委員 一定の説明があったところでございますが、それでは、今後この処分場に対してどのように対応していかれるのかお伺いします。 217 ◯帆足監視指導課長 現在、モニタリングでは基準値を下回る状態が続いております。専門家からも、現状において生活環境保全上の支障はない、新たな対策を講ずる必要はない旨の評価はいただいているところです。  今後の対応につきましては、引き続き環境モニタリングや立入検査を実施し、生活環境保全上の支障がないことを確認してまいります。また、場内に残されている受託廃棄物については、早期に処理を完了するよう事業者を指導してまいります。 218 ◯原竹岩海委員 山神ダムの水は、地元住民の皆さんが利用される水道水の原水をたたえる命の水がめであり、県営山神ダム上流域にある安定型産廃最終処分場の問題は住民の皆様の安全・安心に関わり、私の地元、筑紫野市における大きな問題となっております。このことから、日々の生活と直接関係する地元の筑紫野市議会では、この産廃処分場と水道水の水質の将来にわたる安全と安心の確保から、自ら市議会全員で筑紫野市議会産廃議連を立ち上げられ、本日委員でもあられます波多江祐介県議も、市議の時代から長年にわたり問題解決に向けて産廃議連として御尽力をいただいております大事な市民のお一人であります。  せんだって一月二十六日でございますが、筑紫野市議会建設環境常任委員長の御案内によりまして、市議会の委員の皆さんと波多江委員と自分も、当該産廃の処分場の現地を見ることができました。そして、処分場内の受託廃棄物が著しく減少をしていることが現認できたところであります。私は改めて市議会の皆様から教えられました。一人の声は小さいかもしれませんが、みんなが結集すれば大きな声になり、やがて大きな力になっていくのではないかと思うのであります。  そこで、今後この当該産廃処分場に対して、県としてどのように対処をされていかれるのか、部長の御決意をお伺いします。 219 ◯桐明和久委員長 鐘ヶ江環境部長。 220 ◯鐘ヶ江環境部長 筑紫野市の山神ダム上流域の産業廃棄物最終処分場の問題につきましては、平成十一年の死亡事故の発生以降、本県における最重要課題の一つとして取り組んでまいりました。具体的には、廃棄物処理法に基づく改善命令や許可取消しを行い、また、事業者に対する指導やモニタリング等を継続して実施してきたところでございます。先ほど課長が答弁いたしましたとおり、現在モニタリングでは基準値を下回る状態が続いており、専門家からも新たな対策を講ずる必要はない旨の評価をいただいているところでございます。  一方、場内にはまだ依然として受託廃棄物が残っており、まずはこの廃棄物を処理することが重要であり、一日でも早く処理を完了することができるよう指導をしてまいります。加えまして、引き続き環境モニタリング調査や立入検査を実施することとしておりまして、住民の皆様の安全・安心を確保するため、当該処分場の監視指導をしっかりと行ってまいります。 221 ◯原竹岩海委員 この産廃に関しまして市民団体がございまして、これは筑紫野市、太宰府市、小郡市の市民が中心となって、それぞれの行政とか議会の方も関係者として入っていただいております。そして毎回総会をやって、こういった資料がございます。これは筑紫野市だけでも申し上げたら、市の区長会が全員、産廃議連市会議員が全員、老人クラブが全員、消防団、社会福祉協議会、体育協会、商工会、観光協会、政党も自民党から共産党さんまで支部から全員、全団体入っておられます。これはどういうことかということです。水道水に政党の水はないということです。毎日自分たちが飲んでいるから、政党を超えて、我々はもうしようがないかもしれんけど、将来子供たちはどうなんだということです。  先ほど課長と部長の答弁の中に、専門家から現状において生活環境保全上の支障はない、また新たな対策を講じる必要はない旨の評価をいただいておりますとの表現がございましたが、平成二十年、市民団体の有志で公害等調整委員会にこの問題が提案されました。この中には、公害等調整委員会は、将来にわたる水質に不安があるので、しっかりと責任を持って調査をしなさい、そしてまたこれを拡大しなさいということが付言でしっかり書いておられます。  こういったことも念頭に、水の安全と安心の責任を県行政としてしっかりお願いを申し上げて質問を終わります。以上です。(拍手) 222 ◯桐明和久委員長 ほかに質疑はありませんか。波多江祐介委員。 223 ◯波多江祐介委員 自民党県議団、筑紫野市選出の波多江祐介でございます。通告に従い、本日は地球温暖化対策、特に太陽光発電設備等共同購入とJ─クレジット制度の二つの新規事業に着目をし、質問させていただきます。  世界各国はカーボンニュートラルの達成を目指していますが、温室効果ガスの排出は依然として増加傾向にあり、昨年、福岡をはじめ多くの観測地点で平均気温が過去最高を更新するなど、さらなる対応が求められております。  環境部では、令和六年度当初予算として太陽光発電設備等共同購入推進費や福岡カーボンクレジット活用促進費を計上し、太陽光発電設備の導入促進などを行い、地球温暖化対策を推進することとなっております。  まず、執行部にこの二つの事業の概要について資料を要求しておりますので、委員長、お取り計らいをお願いいたします。 224 ◯桐明和久委員長 お諮りいたします。  ただいま波多江委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 225 ◯桐明和久委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま波多江委員から要求がありました資料については提出できますか。吉川環境保全課長。 226 ◯吉川環境保全課長 直ちに提出いたします。 227 ◯桐明和久委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 228 ◯桐明和久委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 229 ◯桐明和久委員長 資料が配付されましたので、波多江委員、質疑を行ってください。 230 ◯波多江祐介委員 まず、太陽光発電設備等共同購入推進費について説明をお願いいたします。 231 ◯吉川環境保全課長 配付資料の上の図を御覧ください。  共同購入は、製品、サービスなどについて購入希望者を募り、一括して購入することでスケールメリットを生かし、コストの低減を図る仕組みです。この事業では、共同購入の仕組みを構築して太陽光発電設備等の導入を促進し、家庭や企業における温室効果ガスの排出量削減を図ることとしております。  まず、図の左上になりますが、県は公募により共同購入の実施事業者を選定いたしまして、協定を締結した上で事業について広報を行います。また、協定を締結した実施事業者は、1)の購入希望者の募集や3)の入札による施工事業者の選定のほか、4)以降の施工事業者が設備を設置するまでの施工管理を行い、太陽光発電設備等の導入を促進することとしております。 232 ◯波多江祐介委員 スケールメリットでコストを低減し、導入を促進すると説明がありましたが、具体的な対象設備は何か、また、どれくらいの購入費用を抑えられるのかお答えください。 233 ◯吉川環境保全課長 この事業では、太陽光発電設備と蓄電池を対象設備としております。  また、購入費用は、先行するほかの都道府県の事例から、おおむね二割程度抑えられると見込んでおります。 234 ◯波多江祐介委員 太陽光発電設備の導入によりCO2排出量は削減することができますが、その削減量はクレジット化することで取引可能となります。国が認証するJ─クレジット制度については、昨年十月に東京証券取引所がカーボンクレジット市場を開設するなど、注目されております。  今回環境部では、この制度を活用した福岡カーボンクレジット活用促進費を計上しています。この事業の内容について御説明をお願いいたします。 235 ◯吉川環境保全課長 配付資料の下の図を御覧ください。  この事業では、国が認証するJ─クレジット制度により家庭等のCO2排出削減量の取引を行い、その収益を県有施設への植樹等、地球温暖化対策に資する取組に活用し、脱炭素型ライフスタイルの意識醸成を図ることとしております。  令和六年度は、共同購入を活用した方を含め、過去二年以内に太陽光発電設備等を導入した家庭、企業を対象に、仮称ではございますが福岡カーボンクレジット倶楽部への参加を呼びかけてまいります。その上で、倶楽部の参加者が設備導入によって削減できたCO2排出量を県で集約して、J─クレジット制度を活用した取引を行い、得られる収益を地球温暖化対策に資する取組に活用してまいりたいと考えております。 236 ◯波多江祐介委員 収益を活用して地球温暖化対策を実施するためには、取引に使用するCO2排出削減量を十分に確保する必要があると考えます。どれくらいの参加者、削減量を目指しているのか、また、この制度ではどれぐらいの金額で取引がされるのかお答えください。 237 ◯吉川環境保全課長 参加者は、共同購入を行った方も含め、おおむね千件を目指しております。  また、CO2削減量については千二百トン程度を目指しており、これは一年間に約十四万本の木が吸収するCO2の量に相当いたします。なお、J─クレジット制度事務局では、一トン当たり三千円程度で入札販売されております。 238 ◯波多江祐介委員 非常に多くの方に参加をしていただく想定をしてあることが分かりました。
     県民の皆様が参加していただくためには、参加したくなる工夫が必要ではないかと思いますが、その点についてお答えください。 239 ◯吉川環境保全課長 参加を促す工夫につきましては、クレジット倶楽部に参加することで手軽に地球温暖化対策に貢献できることを呼びかけていくほか、家庭には倶楽部の登録証を兼ねたクオカードの進呈を行い、企業には自治体への協力をPRに活用できるよう県産木材を使った感謝状の進呈や県ホームページでの企業名の公表を行う予定です。 240 ◯波多江祐介委員 多くの方に参加していただくためには周知の点も大切ではないかと思います。両事業とも太陽光発電設備を導入しようとする方、また、既に導入をされている方が対象と思いますが、その方への周知についてもお答えをください。 241 ◯吉川環境保全課長 事業の対象となる方へ効率的に情報が届くよう、家庭向けには、太陽光発電に関心のある方にインターネットの検索履歴を用いたウェブ広告の配信、住宅購入やリフォームの相談を受ける建築業者等の団体へのチラシの配付などを行うほか、市町村にも協力を依頼し、広報紙や回覧板での周知を図りたいと考えております。また、企業向けには、民間企業や事業団体等で構成する福岡県省エネルギー推進会議を通じた事業周知のほか、中小企業団体等を通じたチラシの配布などにより周知を図りたいと考えております。 242 ◯波多江祐介委員 この二つの事業は、太陽光発電設備導入を中心に好循環をつくり出す、私は大変意義のある大切な事業だと思っております。議員提案により全国で初めて制定されました福岡県ワンヘルス推進基本条例に基づいて県が策定した福岡県ワンヘルス推進行動計画にも、地球温暖化対策をその取組の一つとして掲げられております。地球温暖化は、動植物が生育できる地域にも影響を与え、生態系の劣化などをもたらすことから、その対策を進めることはワンヘルスの理念からしても重要であると考えます。ワンヘルスの理念についても県民の皆様に理解をいただき、ワンヘルスの取組が広がるよう、この事業を展開していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。 243 ◯吉川環境保全課長 委員御指摘のとおり、地球温暖化対策の推進はワンヘルスの観点からも重要と考えております。このため本事業の実施に当たっては、家庭に対しては、クレジット倶楽部の登録証にワンヘルスロゴマークを掲載することで周知を図り、企業に対しては、感謝状の進呈に併せてワンヘルス宣言事業者への登録をお願いするなどにより、ワンヘルスの理念の普及を行ってまいります。 244 ◯波多江祐介委員 環境部では来年度の新たな事業として、家庭、企業、それぞれに取組を行おうとしていることがよく分かりました。地球温暖化対策は多岐にわたることから、県民、事業者といった各主体が自分事として捉え、連携、協力して取り組んでいかなければ解決できるものではないと考えております。  最後に、地球温暖化対策の推進に向けた部長の決意をお聞かせください。 245 ◯桐明和久委員長 鐘ヶ江環境部長。 246 ◯鐘ヶ江環境部長 県では、二〇五〇年カーボンニュートラルを目標として策定いたしました福岡県地球温暖化対策実行計画に基づきまして、再エネの導入促進や省エネ設備の導入など、地球温暖化対策に総合的かつ計画的に取り組んでいるところでございます。  今回御質問いただきました二つの事業は、家庭や企業の地球温暖化対策を一層進めるため、今議会に必要な予算をお願いしているところでございまして、関係団体にも御協力をいただきながら取組を進めてまいりたいと考えております。  また、先ほど課長も申しましたとおり、地球温暖化対策は、人と動物の健康と環境の健全性を一つと捉え、一体的に守っていくというワンヘルスの観点からも重要な取組と考えておりますので、ワンヘルスの普及啓発についても併せて行いながら取組を進めてまいります。  委員御指摘のとおり、地球温暖化防止に係る施策は多岐にわたりますため、環境部だけでなく、各部としっかりと連携し、全庁一丸となって取り組んでまいります。そして、県だけでなく、県民、事業者といった各主体の方々とも連携、協力しながら、地球温暖化対策をしっかりと進めてまいります。 247 ◯波多江祐介委員 終わります。(拍手) 248 ◯桐明和久委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 249 ◯桐明和久委員長 ないようですので、以上で四款環境費に関する質疑を終わります。  以上で本日の議事を終了いたします。  なお、明日十三日水曜日の委員会は午前十一時に開き、歳出五款生活労働費及び六款農林水産業費の審査を行う予定でありますので、よろしくお願い申し上げます。  本日はこれをもって散会いたします。    午 後 三 時 一 分 散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...