↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(香原 勝司君) ただいまから本日の会議を開きます。
日程に従い代表質問を行います。順次発言を許可いたします。新開昌彦君。(拍手)
*新開(昌)議員質問
2 ◯七十番(新開 昌彦君)登壇 おはようございます。公明党の新開昌彦でございます。通告に従いまして公明党の代表質問をさせていただきます。
まず初めに、
人口減少、
少子化対策について伺います。
国立社会保障・
人口問題研究所は、四月、日本の将来推計人口を公表、二〇二〇年に一億二千六百十五万人だった総人口は、二〇七〇年には現状から三割減の八千七百万人に減少すると推計をいたしました。また、
厚生労働省は今月、二〇二〇年の
合計特殊出生率が七年連続で低下し、一・二六と過去最低だったと発表いたしました。本県は前年
比マイナス〇・〇四%の一・三三となっています。福岡県総合計画にある
人口ビジョンによると、本県の人口の将来展望について、二〇六〇年には四百七十二万人から四百四十三万人としておりますが、これは二〇三〇年に
希望出生率一・八、二〇四〇年に人口が長期的に均衡する出生率二・〇七が実現することを大前提としております。現実の
合計特殊出生率は年々減少の一途をたどり、一・三三まで落ち込みました。大変厳しい現状であります。
知事は今回公表された出生率を踏まえ本県の
人口減少をどのように認識されているのか、併せて本県の人口の将来展望を見直すべきと考えますが、見解を伺います。
本県が様々な
少子化対策を講じていることは承知しておりますが、それにもかかわらず、現状はただいま申し述べたとおりであります。政府と足並みを合わせて異次元の
少子化対策に取り組むべきと考えますが、知事の御所見を伺います。
次に、
少子化対策、
出生率向上の方策の一つである、仕事と子育ての両立支援について伺います。少子化の要因の一つは、仕事と子育てが両立できないため、若い世代が子供を持つこと自体を
経済的リスクと考えているためと言われています。結婚後、女性は仕事か子育てかの二者択一を迫られ、仕事を選択すれば出産を断念するケースもあります。出産、育児を選択しても、経済的に回らないために、出産後また働き始めるケースが多くなっています。女性の就業率は出産後再び上昇しますが、一方で出産を境に
正規雇用率は低下し、三十代以上は非
正規雇用が中心となるいわゆる
L字カーブ問題が課題となっていきます。非
正規雇用は、収入の減少だけでなく、キャリア・能力形成の継続ができず、女性の能力が発揮できないという課題があります。
そこで質問いたします。本県の出産を境にした女性の就業率、
正規雇用率はどのようになっているのか、その状況を伺います。
L字カーブの解消について、県ではどのように取り組んでいるのか伺います。
次に、
育児休業についてであります。
厚生労働省によると、二〇二一年の
育児休業取得率は女性八五・一%、男性一三・九七%と、男性の
育児休業取得はまだ低いものの、一見女性の
育児休業は進んでいるように見えます。しかしながら、女性の
育児休業取得率はあくまで在職中に出産した女性に占める
育児休業取得の割合であり、出産前に退職した女性はこの算定の対象となっておりません。
国立社会保障・
人口問題研究所の調査によると、第一子出産前後で、女性の正社員の約二割、パート、派遣の方の約六割が退職していることとなっています。
厚生労働省のアンケートによると、妊娠判明当時仕事を辞めた理由として最も多かったのは、仕事と育児の両立の難しさとなっており、具体的な理由としては、勤務先に育児との両立を支援する雰囲気がなかった、自分の気力・体力がもたなそうだったなどとなっています。このように、出産期の女性の就業継続には、職場の状況、これが大きく影響していることが分かります。
そこで質問いたします。正規、非正規を問わず、出産した女性が
育児休業を取得し、子育てができる職場環境の整備を進めるとともに、男性の
育児休業取得を促進することが必要と考えますが、県の取組について伺います。また、有期の非
正規雇用については、生まれてくる子が一歳六か月になるまでの間、この間に労働契約が満了にならないことという要件があるものの、
育児休業制度の対象となる道が開けております。企業にどのように周知されているのかお答えください。
次に、出産後の女性の働き方は、保育の問題にも関係いたします。令和四年四月一日現在の本県の
保育所利用状況調査では、一─二歳児の
保育所定員に対して、
利用児童数はほぼ満員、対象人口に対する利用割合は五〇%台となっており、半数の方は保育所を利用しておりません。〇─二歳児で待機児童はどのような状況となっているのか。一方、保育現場では入園時期の融通が利かない、二人目を一人目と同じ保育園に通わせることができない、〇─二歳児の受入先を見つけるのが難しいなど、一部ではこうした入所できないという状況が生じています。こうした状況を県はどのように解消するのか、知事の見解を伺います。
先ほどの調査では、一─二歳児の約五〇%、〇歳児の約八〇%が未就園児となっています。未就園児で在宅で子育てをしている家庭は、身体的、時間的、
精神的負担が大きいことが予想されます。支援の手薄な〇─二歳児の支援を強化し、妊娠時から出産、子育てまで一貫した
伴走型相談支援を継続し、かつ
プッシュ型支援の整備が必要と考えます。本県では〇─二歳児の支援にどのように取り組まれるのか、知事の見解を求めます。例えばユーチューブを活用した
サービスメニューの動画配信なども考えられます。市町村の先進事例を紹介し、市町村によるサービスの差が生じないようにすることが大事だと考えます。
次に、少子化を止めるためには働き方改革が重要であり、本県企業が
当事者意識を持って取り組むことが期待をされています。本県の企業で働き方改革を実現するには、男女ともに制度はあっても利用しづらい雰囲気や、職場の同僚、上司に迷惑をかけるなどの意識を払拭することが重要であり、企業における
代替職員確保と仕事の分担体制の確立が重要となります。本県企業で働き方改革を推進するとともに、夫も育児に主体的に関わり、夫婦で育児を行う機運の醸成にどのように取り組まれるのか知事の御所見と決意を伺います。
次に、
地方公会計制度の活用について伺います。
地方公共団体の事業を効果的に進めるためには、成果の把握、トレンドや、ほかの事業、ほかの自治体の取組との比較をすることが重要であります。そのためには比較検証ができる体制を整える必要があり、我が会派が再三訴えてまいりました複式簿記、発生主義を取り入れた新しい
地方公会計がその重要なツールとなると確信しています。東京都が全国で初めて導入した新公会計制度は、人件費や物件費など全てのコストを明らかにし、事業を見直す際に、より精緻で多面的な分析ができます。自治体が所有する建物や土地といった資産を全て棚卸しした
固定資産台帳を整備することから、資産と負債が見える化され、中長期的な政策判断の羅針盤になります。新公会計制度はその後、大阪府や愛知県など全国の自治体に拡大しつつあり、総務省は二〇一五年一月、複式簿記、発生主義の考えを取り入れた統一的な基準に基づく財政書類の作成の要請をいたしました。同省はその後、
公認会計士など
アドバイザーの派遣事業を創設、人材不足に悩む自治体をサポートし、新公会計制度の導入や活用を促しております。
そこで質問します。まず、福岡県
市町村行財政研究会が発行している冊子「
市町村財政のすがた2023」を見ると、本県の公会計に対する大変前向きな姿勢が読み取れます。この冊子に基づいて質問をいたします。
同冊子の「今後の課題」と題した章には、
県内市町村財政の課題として、まず「
地方公共団体が、中長期的な見通しに基づく持続可能な財政運営・経営を行うためには、自らの財政・経営状況、
ストック情報等を的確に把握し、「見える化」することが重要であり、
地方公会計の推進、地方財政の「見える化」に取り組む必要があります。」と書いてあります。そこで福岡県自らに問いかけてみたいと思います。福岡県の見える化はどのように進展をしているのか、公表方法も併せて具体的にお示しください。
また同じく、今後の課題として「統一的な基準による
財務書類等については、毎年度適切に作成し、わかりやすく開示するとともに、
資産管理、予算編成、
行政評価等に活用していくことが重要です。しかし
財務書類等の
活用状況に関しては、活用した団体は依然として一部の団体に限られていることから、より積極的に活用していくことが求められています。」と書いてあります。本県の
資産管理、予算編成、
行政評価等への具体的な
活用状況、このことを伺います。
次に、さきに触れた公会計の整備に係る
アドバイザー派遣事業について
県内市町村の
活用状況をお尋ねします。また、
県内市町村の財務書類の
活用状況と活用促進に向けた見解を伺います。
次に、「
財務書類等から得られる情報を用いて、従来の決算統計や
健全化判断比率など、既存の指標に加え、
地方公共団体が保有する資産・負債等に関する新たな指標を算出することにより、
財政状況を多角的に分析することが可能になります。指標については、当該年度の
類似団体比較……により分析することにより、自団体の
財政状況の特徴や傾向を把握することができます。さらに、決算統計や
健全化判断比率等も組み合わせることによって、より多面的な分析を行うことができます。」とも書いてあります。そこで、福岡県自らの
財政状況の
多角的把握と分析などについて具体的な取組と成果はどうなのか伺います。
最後に、服部知事は今後、新
地方公会計制度にどう取り組むのか、見解と決意をお聞かせください。
次に、福岡県の経済対策と
水素社会の推進について伺います。
新型コロナ感染症の五類移行に伴い、福岡県の経済活動も上向きに転じていると実感しておりますが、中小企業の
賃金アップについては動きが鈍いと感じております。私
たち公明党福岡県議団は、昨年来、中小企業の支援策として、SDGsの登録制度の推進、
賃金アップのための
パートナーシップ構築宣言の普及と併せて
価格交渉支援ツールの普及を知事に求めてまいりました。知事から推進していく旨の答弁をいただいておるところでありますが、それぞれの進捗状況と今後の取組をお示しください。
次に、私
たち公明党は、二〇五〇年脱炭素を実現するために、
再生可能エネルギーを主力電源に据え、水素を活用した
水素社会を実現すべきだと主張してまいりました。国は、脱炭素の目標の一つに、脱
炭素電源構成比率を、二〇三〇年までに三六から三八%を目途にしておりますが、九州では、二〇一九年度に既に五八%を達成しております。これは
全国トップであります。また、国は六月六日に
水素基本戦略を改定し、二〇四〇年の
水素供給量を現在の約六倍となる一千二百万トン程度に拡大する目標を盛り込みました。政府は、今後十五年で官民合わせて十五兆円規模の投資を目指すとしております。本県では既に福岡県
水素グリーン成長戦略会議を発足させ、二〇二一年十一月、北九州市の響灘に
CO2フリー水素製造・
供給実証事業が開始をされ、さらに本年五月には福岡県
水素拠点化推進協議会が発足しました。その折、服部知事は、脱炭素化を成長のチャンスと捉え、
グリーン水素で成長する地域を実現し、全国、世界をリードする拠点形成を目指していきたいと挨拶をされました。そして、今年度中には国際的な
サプライチェーンの構築を含めた具体的な行動計画を策定する方針とお聞きをしております。公明党としても高く評価をいたしております。
そこで、知事に何点か質問をいたします。まず、水素の安定した供給量と
コスト低減が必要だと考えます。知事は、北九州市
響灘臨海部を中心に水素拠点を整備するとされておりますが、今後どのように取り組んでいこうとしているのかお示しください。
次に、水素関連の技術者、研究者の育成、確保についてどのような取組をされているのかお示しください。
この項の最後に脱炭素の取組を進めるため民間も県も資金調達に取り組んでおります。例えば九経連と九州各県の地銀、
日本政策投資銀行が
ESG投融資を計画しています。これは、地場企業の脱
炭素化事業に融資する共同の
グリーンファンドと期待をされています。そして地方自治体も脱炭素に向けた県債を発行する動きがあっています。福岡県では、ESG債、
グリーンボンドを発行されました。発行額は二百億円と野心的なものとなっておりますが、その発行の結果と来年度以降の発行の考え方をお示しください。
結びに、
水素社会構築への知事の決意をお聞かせください。
次に、健康と医療に関する問題について質問します。
公明党福岡県議団は本年五月、県民の健康と医療に関する現状、課題、意識、要望等を探るため、三十代から七十代の男女約六千人の福岡県民を対象にインターネットによる実態調査を行いました。以下、調査の概要を申し述べながら質問をいたします。
自分自身の健康への
関心度合いを聞いたところ、とても関心がある一三・一%、関心がある二六・八%、ある程度関心がある四二・五%で、合わせて八二・四%もの人が関心があると回答しました。これに対して、あまり関心がないは三・八%、関心がない〇・八%、全く関心がないは〇・六%しかありませんでした。病気の症例ごとの関心度としては、がんが七〇・五%で最も高く、次いで
脳血管疾患が六六・四%、認知症・
アルツハイマー病が六五・〇%、心疾患が五九・四%、肺炎四六・一%、肝不全四三・七%でありました。
福岡県
循環器病総合支援センターを知っているかと聞いたところ、認知度は五・三%と低調でありました。全員に同センターの概要を説明した上で評価を聞いたところ、よい試みだと思うが六九・九%と約七割であるのに対し、よい試みだとは思えないは僅か一・五%と高い評価が得られています。
利用意向は、利用したいが一一・二%、
循環器系の病気になったり心配事が起きたら利用してみたいが二七・九%、
循環器系の病気になったり心配事が起きたら利用するかもしれないが三〇・三%で、合わせて六九・四%の人が何らかの
利用意向を示しております。利用したいとは思わないは七・八%にすぎませんでした。認知、評価、
利用意向ともに属性による差異は特になく、このことは同施設が幅広い層の県民の評価を得て利用される可能性を有していることを示しております。
この背景には、前述の心疾患や
脳血管疾患への関心度の高さと、実質的に主治医以外に健康に関しての相談ができる専門家がいないという実態があります。
つまり特定のサービスを生活者が利用する意識と需要が存在しているわけでありますから、あとは認知と理解を図るのみであります。
また、
ふくおか健康ポイントアプリについても認知度は五・八%と低調でありました。全員に同アプリの概要を説明した上で評価を聞いたところ、よい試みだと思うが六一・九%と約六割であるのに対し、よい試みだとは思えないは僅かに二・四%と比較的に高い評価が得られています。
利用意向は、利用したいが一二・二%、どちらかといえば利用してみたい四六・八%で、合わせて五九%の人が
利用意向を示しています。
まず、福岡県
循環器病総合支援センターと
ふくおか健康ポイントアプリの認知度が低いことについて、大変残念な思いであります。私自身、
循環器系の病気で二度手術をし、助かった人間として、この二つの取組はぜひ県民の皆さんに広く普及させたいと思っております。
ふくおか健康ポイントアプリについては、歩いてポイントをため楽しく使えるものとしてつくられております。私のポイントは間もなく一万ポイントになりますが、使えるお店がなくてためるばかりであります。福岡県の減塩に対する取組も成功していただきたい。そのプロジェクトであるスマートソルティングプロジェクトの
造語スマソルが合い言葉になるよう、また福岡発の
減塩レシピも広く普及をしていただきたい。そして、福岡県
循環器病総合支援センターで県民の健康に対する不安解消ができる相談を行っていただきたいのであります。結果として福岡県の
循環器病患者、
高血圧有病者が減ることを大いに期待をしております。
そこで知事に質問いたします。まず、
ふくおか健康ポイントアプリの魅力を高め、認知度を向上させる取組はどのようにして行うのかお答えください。
次に、県民の評価が高く、
利用意向も高い
福岡循環器病総合支援センターの認知度を上げるためどのような取組を行うのかお答えください。
また、今年八月、ペイペイドームで第三十一回
日本心血管インターベンション治療学会CVIT2023学術集会が開催されます。全国各地や世界各国から六千人の方々が福岡に集まり、最終日には脈博というお祭りを行うと聞いています。まさに福岡県の
循環器病に対する取組の
アピール場所としては最適と思いますが、県も参加を検討してはいかがでしょうか。また、県が取り組んでいる、
ふくおか健康ポイントアプリや
スロージョギング等についてPRできると思いますが、知事のお考えをお聞かせください。
次に、症例ごとの関心度が一番高かったのががん、そのがんの予防策について伺います。本年三月に、国は第四期
がん対策推進基本計画を公表いたしました。この基本計画は、都道府県が、
がん対策推進計画をつくる基になるものであります。その中で
感染症対策を進める上で予防できるがんとして
子宮頸がん、肝がん、胃がんの三つを挙げ、その現状と課題を挙げております。本県の
がん対策推進計画も来年度改定をされなければなりません。
そこで知事に伺います。まず、若年者の発症が増加している
子宮頸がん対策について、
HPVワクチンが
予防接種法に基づいて令和四年四月から
HPVワクチンの個別の接種勧奨が実施をされております。また本年四月から新たに九価
HPVワクチンの定期接種が開始をされています。混乱のないように取り組まなければなりませんが、本県の若年者に対する
HPVワクチン接種の取組と接種状況についてお答えください。
次に、肝がんの予防についてであります。
厚生労働省は、一生に一回の検査で肝がんをなくそうとスローガンを掲げて
肝炎ウイルス検査を推進をしております。肝がんの主な原因であるB型・
C型ウイルス性肝炎は、今や薬でほとんどの方が完治する病気となりました。特に職場での従業員への
肝炎ウイルス検査の受診勧奨が重要でありますが、本県の取組をお示しください。
三つ目に胃がんの
ピロリ菌の除菌についてであります。我が会派の
大塚勝利議員が令和三年十二月議会で、中学三年か高校一年の健診時に
ピロリ菌検査を行った上で除菌を実施するよう質問をいたしました。その際に知事は、先行している他県の実施状況、またその効果について調査を行い、検討を行うと答弁をされました。その調査の結果をお示しください。
次に、
ピロリ菌の感染が胃がんのリスクであることは科学的に証明をされています。県として胃がんの予防についてどのように取り組むのかお答えください。
今回、私たちが実施した健康と医療に関する調査では、健康のために行っている歩行や運動について、また喫煙や飲酒についてもお聞きいたしました。その中で大変気になった点がありますので、以下質問をいたします。
健康のために行っている運動については、ウオーキングが最も高く、全体の二五%でした。次いでストレッチ、
ラジオ体操、ランニングなどが続きますが、特に何もしないが男性四七・四%、女性五四・六%の中で、
家族構成別に見ると
シングルマザーが六五・三%と際立っておりました。
シングルマザーやシングルファーザーでは、睡眠時間や食事回数も少なく、逆に喫煙や飲酒の率が際立って高い傾向が見られました。一人親家庭の親は忙しく、ストレスを多く感じており、その結果、
健康管理上の問題に直面しているという実態が浮き彫りになりました。子育ての上でも、ヤングケアラーを生まないためにも、親が健康であることが大事です。そのために、例えば
子育て相談を受ける際に、
子育て支援策に親の
健康管理という観点について相談の充実を図ってはいかがかと思いますが、知事の見解を伺います。
次に、
自転車安全利用について伺います。本年四月から
自転車ヘルメット着用の努力義務を全年齢に拡大する
改正道交法が施行されました。警察庁は二〇二二年の全
交通事故件数に占める
自転車関連事故の割合が過去最高の二三・三%となった。そして
ヘルメットを着用しない場合、
死亡リスクは二・六倍となる等と発表されました。そして
自転車乗車中の事故で死亡した人の九六%が
ヘルメットをかぶっていなかったという報道がありました。私は、街頭に立っていて、
ヘルメット着用の普及と自転車の
ルール遵守の徹底に努めていかなければならないと決意をした次第であります。これまでも公民館や地域、学校でも自転車の
安全運転講習が実施をされておりますが、出席できない方も多くいます。私は安全講習に出席できない方々から、自分も自転車のルールについてきちんと教えてもらいたいという要望を大変多くいただいております。全国を探してみますと、東京都は
自転車マナーを
ゲーム感覚で学べる
アプリ輪トレを開発していました。私もアプリをインストールして使ってみました。画面内で自転車の運転が疑似体験できるところでは、走行中に通行人が現れ、ぶつかると元に戻る仕組みになっております。次にクイズに答えて十問中八問正解すれば合格となります。全部で二十分ほどかかりますが、楽しく進んでいけます。アプリの合格証を見せれば都内の自転車店で割引の特典があります。さらに、都内では
ヘルメット購入に助成金を出している自治体があり、東京都はその自治体に対して負担の二分の一で上限千円の補助金を出しております。
そこで知事に提案でありますが、福岡県でも東京都が作成した
自転車ルールを楽しく学べるアプリを作成し、成績がよければ
自転車用ヘルメットの割引などが受けられる特典をつけ、県民に活用してもらってはどうでしょうか。知事の答弁を求めます。
福岡県警の調査によると、県内の自転車の
ヘルメット装着の割合は五・六%、特に福岡地域は三・五%と大変低い状況です。また年代別では小学生二八・八%、中学生は七五・三%ですが、日曜・祭日になると八・三%に落ちてしまいます。高校生は〇・四%と、格段に低いことが判明しております。
そこで、知事、教育長にお尋ねします。小中学校、そして高校の
児童生徒の命を守るため、
ヘルメット着用を推進すべきと考えますが、対策の現状と今後の取組について知事、教育長の答弁を求めます。併せて
児童生徒の
ヘルメット購入についてでありますが、小中学校そして高校生の
児童生徒の命を守るため
ヘルメット購入に助成を行うことを考えてはどうでしょうか。知事の答弁を求めます。
次に、教育問題について伺います。持続可能な社会を実現するためには教育の充実を根幹に据えなければなりません。私
たち公明党は、学びたいと思う全ての子供たちに学びの場を整えていくのは当然のことだと考えております。また、教師は子供の最高の教育環境であると言われているとおり、安心できる教育を実現するためには、教員の確保が最重要課題の一つと考えております。
そこで、本県の教員の確保策について伺います。本県の教員不足の現状は深刻であります。昨年度も普通免許を持つ教員を確保できず、例外的に臨時免許を交付しており、その件数は過去最多の九百四件に上ります。内訳は小学校が四百七十七件、中学校が百八十七件、高校が百十三件で、全国二番目の多さだと報道されております。教員の成り手が激減している中、今年度採用の新任教員をいきなり小学校一年生の担任に据えた学校もあるとお聞きしました。教員のブラックな働き方は解消されておりません。年々増加する不登校生徒がさらに増加するのではないかと危惧をしています。
教育長に伺います。まず教員不足の原因と今後の対策についてお答えください。
次に、本県の臨時免許が交付され、教育現場におられる方の実数を小中高別に明らかにしてください。また臨時免許の先生と普通免許を持つ教員では仕事内容に差はないとのことでありますが、臨時免許の先生で学級担任を受け持っている先生は何人いるのか、そしてこのような現状について県教委はどのように認識しているのかお答えください。
次に、教育庁ではこれまで教員が子供と向き合う時間を増やすために働き方改革を進めてきたはずでありますが、実態は現場にそぐわない改革になっているのではないでしょうか。いま一度現場の教員の意見を十分に踏まえて働き方改革を進めるべきと思いますが、教育長の決意をお聞きします。
次に、通信教育、サポート校への支援について質問いたします。多様な教育の必要性が叫ばれる中、平成二十九年に教育機会確保法の施行、令和元年十月二十五日の文部科学省通知において、学校復帰を目指してきた不登校
児童生徒への支援の在り方が、学校復帰を目指すだけでなく、社会的に自立することを目指す必要があるということについて大きく変わりました。教育機会確保法や文部科学省通知によると、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、
児童生徒によっては不登校を問題行動と判断してはならないこと、学校復帰ではなく社会的自立を目標とすること、学校外施設で相談、指導を受けている
児童生徒の努力を学校として評価支援すること、不登校
児童生徒の保護者に不登校
児童生徒への支援を行う機関などに関する情報提供を行うことなどが定められ、不登校
児童生徒を取り巻く環境は大きく変わりました。
私
たち公明党は、不登校だった子供たちが、生き生きと学びの場に通い、高等学校の卒業資格を得て社会に輩出しているサポート校をこれまでも議会で御紹介してまいりました。その代表例が今年度、神村学園から福岡城西学園と名称を変えられた福岡県指定の技能連携校であります。福岡城西学園は、県内のサポート校との連携も行っております。ここに通う生徒は、ほとんどが不登校だった生徒でありますが、見事に蘇生し、毎年感動的な卒業式が行われております。古川滋章学園長に子供たちの蘇生のドラマの秘訣をお聞きすると、二つ教えてくれました。まず不登校の原因を探すのではなく、子供たちの今のままを受け入れ、認めること。寄り添うことだと指摘をされました。そしてその子に合わせた柔軟な学び方を行っています。すると生徒同士が教え合うようになり、生き生きとしてきますと話してくれました。二点目は、学園に通う生徒の半分は一人親家庭です。面接の際に行政の支援策を伝えています。気持ちに余裕が出てくると親も子供の教育に対して大きな味方になっていただけますと教えてくれました。
全国調査で、通信制高校に通う生徒数の現状は、公立は減少傾向にありますが、私立は大きく増加傾向にあります。単位取得率を見ると公立では五割を切っておりますが、私立では九割の成果を出しています。また、通信制高校に通う生徒の人数は全体の約一割に達する勢いで増加をしております。つまり、子供たちは、通信制過程を学びの場として選択をしていることが分かります。福岡城西学園にサポート校の課題をお聞きすると、就学支援金や奨学金が利用できるようになったのは大変助かっておりますが、通信制のサポート校には施設利用の利用料が必要であります。サポート校によって違いますが、年間二十万から七十万円ほどかかります。そこに支援があれば経済的理由で学びをやめる子供たちを救えますと答えてくれました。
私たちは五月、この課題に取り組んでいる長野県に行き、通信制高校サポート校等就学支援事業補助金制度について学んでまいりました。長野県県民文化部こども若者局次世代サポート課の皆さんから制度の説明を受けました。この事業は、高校卒業資格の取得を目指してサポート校等を利用している低所得世帯の生徒一人につき年十万円を上限とし、通算四回まで補助金を交付しています。令和二年の補正予算から実施され、申請者数は七十二人から九十九人に伸び、支給実績は七百九万円から九百六十万円へと年々増加しています。担当課長は、この補助金を受けた生徒で通信制高校を辞めた生徒はいませんと教えてくれました。ただ在宅で何のサポートも受けていない子供たちはこの数倍いることも御教示いただきました。子供に学びの選択肢を広くして支援をする。すばらしい取組だと感動いたしました。
サポート校には、これまで法的位置づけがありませんでしたが、令和三年三月、文部科学省は新時代に対応した高等学校教育に関する制度改正を行いました。その内容は、通信制高等学校は、その活動拠点を広域に設けている実態があり、サテライト施設と総称されているものを五つに分類し、通信教育連携協力施設と法的な位置づけを明確にいたしました。
そこで知事にお尋ねいたします。まず、本県にある通信教育連携協力施設の数、そこに通う生徒の数をお示しください。
次に、知事に提案であります。不登校を経験した全国の世帯を対象としたNPO法人の調査によると、同世帯の収入がゼロになったと回答した世帯が二・一%、減ったと答えた世帯が三一・〇%でありました。本県でも、通信制高校サポート校に通う生徒の多くは不登校を経験しており、その御家庭は経済的に苦しい世帯が多いと思われます。長野県の通信制高校サポート校等就学支援事業補助金を本県にも創設してはどうかと思いますが、いかがか知事の考えをお答えください。
教育長に二点お聞きします。まず、通信制高校には、不登校経験者など多様な背景を持つ生徒が入学していると思います。このような生徒には卒業に至るまでのサポートが必要と考えますが、公立の通信制高校では、卒業に向けたサポートの充実についてどのように取り組まれるのかお答えください。
二点目に、国は不登校特例校を各都道府県、政令指定都市に一校以上の設置を目指しております。このように不登校
児童生徒に対する多様な学習機会への支援は、大変注目を集めています。不登校児童が増加傾向にある本県においても支援の大切さは同じであります。
そこで教育長にお伺いいたします。これまで、不登校生徒支援を行ってきた実績のあるフリースクールやサポート校との情報交換を行ってはいかがでしょうか。以上二点について教育長の答弁を求めます。
最後に、警察本部長にお伺いします。青パトが福岡県に誕生して十八年。四月末現在、県内に青パトは千七百三十九台活躍をしています。さらに刑法犯認知件数は青パト運用開始当時から七割以上が減少しております。この青パトは、地域の方たちのボランティアで運営をされております。青パトのコースを決める際に大切なのは、危険箇所や以前犯罪があった場所などでありますが、福岡県警がつくった防犯アプリみまもっちには、地図上に犯罪が起きた地域が赤の斜線で囲まれる情報マップ機能がついております。これを生かすなどして県警の過去の犯罪データ等を活用できるようにすれば、地域の防犯力が格段にアップすると思います。地域の防犯力を高めるために青パトをはじめとする地域防犯ボランティアなどにも犯罪等の情報を提供することについて県警本部長の答弁を求めます。
次に、偽電話対策についてであります。コロナが五類になり、偽電話詐欺も急増しております。昨年、本県では三百六十八件、被害額九・二億円、平均二百五十万円の被害が発生しております。本年は昨年を上回るペースで偽電話詐欺が発生しています。偽電話詐欺の有効な手段は、電話でシャットアウトすることとされております。それには、まっ太フォンが最有力とされております。県警察は自治体に対して国の交付金活用を働きかける。また、通信事業者との連携で偽電話詐欺対策を講じようとしていると聞きますが、その進捗をお聞かせください。
さらに、偽電話詐欺に対しての警察組織の強化でありますが、警察本部長を長とした組織を立ち上げているとお聞きをしておりますが、県警本部長の決意をお聞かせください。どうぞよろしくお願いいたします。
以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)
3 ◯議長(香原 勝司君) 服部知事。
*知事答弁
4 ◯知事(服部 誠太郎君)登壇 皆さん、おはようございます。御答弁を申し上げます。
まず、
人口減少に対する認識についてでございます。今月発表されました人口動態統計概数値によりますと、全国の令和四年の
合計特殊出生率は、過去最低の一・二六と七年連続の低下となっております。松野官房長官は、少子化の状況は危機的な状況で、我が国の静かなる有事であるとの認識を示されました。本県につきましても、
合計特殊出生率は一・三三と五年連続の低下という厳しい状況にございまして、少子化、ひいては
人口減少に歯止めをかけることは喫緊の課題であると認識をいたしております。県の総合計画と一体的に策定をいたしました地方創生総合戦略は、県民の結婚、出産、子育ての希望をかなえることを目標といたしておりまして、県人口の将来展望におきましても実際の出生率ではなく県民の
希望出生率を基に推計を行っております。このため、現段階では県人口の将来展望の見直しは考えておりませんが、引き続き地方創生の取組を進め、出生率を改善させることにより、県民の希望の実現を図ってまいります。
次に、
少子化対策についてでございます。県では、この少子化に歯止めをかけますため、仕事と生活の両立のための働き方改革の推進や、出会い、結婚、出産、育児など、それぞれのライフステージに合わせた施策に取り組んでおります。また、子供を安心して産み育てることができる地域社会をつくっていくため、中長期的な視点を持って継続的に施策を実施するための財源を確保できますよう、百二十一億円の出産・子育て安心基金を設置いたしました。これを活用し、病児保育の無償化及び不妊治療への助成を本年度から新たに始めたところでございます。現在、国におきましては、ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組、全ての子供、子育て世帯を対象とする支援の拡充、共働き・共育ての推進など、今後三年間集中的に取り組む
少子化対策の検討が進められております。県といたしましては、こうした国が打ち出します施策を踏まえ、費用対効果を慎重に判断しながら、より県民ニーズに即し、効果的であると判断されるきめ細かな県独自の施策を推進してまいります。
女性の就業率等についてでございます。平成二十九年の総務省調査では、本県の女性の就業率は二十歳代から五十歳代まで約七〇%で推移しておりますが、一方で、雇用者に占める
正規雇用率は、二十歳代後半の六二%を境に右肩下がりとなりまして、四十歳代では四〇%と約二〇ポイント低下をいたしておりまして、議員がおっしゃいますように
L字カーブを描いているところでございます。県では、
正規雇用促進企業支援センターに、企業の正社員採用や従業員の正社員への転換を支援する専門の
アドバイザーを配置し、求人票の書き方、採用活動に関する助言・指導、正社員転換した企業が受けられる助成金の活用支援などを行っております。また、子育て女性就職支援センターにおきましては、御本人の経歴やスキルを丁寧に聞き取りまして、御希望に合った就職のあっせんを行っております。さらに、面接に際しての具体的なアドバイスやこの面接への同行、就職後の定着支援など、きめ細かな就職支援を行っているところでございます。今後もこうした取組を通じて、女性の
正規雇用を促進し、
L字カーブの解消に努めてまいります。
女性が仕事と子育てができる職場環境の整備等についてお尋ねがございました。県では、企業のトップ自らが仕事と子育ての両立を応援する取組を宣言し実行する子育て応援宣言企業登録制度を通じ、働く女性が出産・育児のため退職することなく働き続けることができる職場環境づくりや男性の
育児休業取得を促進しております。現在、八千三百六十六社が登録をされておるところでございます。加えまして、男性の
育児休業につきましては、昨年度はフォーラムの開催、今年度はテレビ番組等での先進的な企業の取組を紹介することといたしております。非
正規雇用の方の
育児休業制度につきましては、福岡労働局と共催で企業の代表者や人事労務担当者を対象として制度や助成金等の研修会を開催いたしますとともに、子育て応援宣言企業のホームページやメルマガを活用して周知に努めているところでございます。
次に、〇─二歳児の待機児童の状況及び保育所への入所が困難な状況の解消についてでございます。昨年四月一日現在の本県における〇─二歳児の待機児童は七十七名となっておりまして、待機児童全体の約八割を占めております。また、保育現場の一部では、入所時期の融通が利かない、二人目を一人目と同じ施設に通わせられない、〇─二歳児の受入先を見つけることが難しいといった状況もございますが、これは定員に余裕がないことや保育士の不足によりまして定員まで受け入れられないことなどが原因となっております。このため県では、〇─二歳児の受入れに特化した施設整備の働きかけを行い、その定員は、平成三十年度三千四百三十八人でございましたが、今年度までには四千四百一人と九百六十三人増加したところでございます。また、定員まで児童を受け入れることができるよう、短時間勤務の保育士を複数人雇用する際に必要となる費用に対しまして、新たに今年度から助成を始めたところでございます。引き続き、市町村の実態に応じたきめ細かな支援を行ってまいります。
〇─二歳児の子育て家庭への支援についてでございます。市町村が、妊娠期から低年齢期の子育て家庭に定期的な面談を実施し必要な支援につなげる伴走型支援は、妊産婦の孤立感や不安感の軽減を図るために有効でございます。さらに、アプリなどを活用した
プッシュ型支援を併用することによりまして、必要な情報を適切なタイミングで届けることが可能となります。伴走型支援につきましては、県内全ての市町村で実施されておりまして、県では、市町村で面談に従事いたします保健師等の職員のスキルを向上させるための研修を実施いたしております。また、
プッシュ型支援につきましては、まだ導入していない市町村がございますことから、アプリを使った好事例をこういった市町村に紹介し、導入を促してまいります。
企業の働き方改革の推進と夫婦で育児を行う機運の醸成についてお尋ねがございました。県では、働く方々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会の実現に向けて、長時間労働の是正など企業の働き方改革を推進いたしております。具体的には、自社の働き方の見直しを宣言実行する、よかばい・かえるばい企業や子育て応援宣言企業の登録拡大、男性の
育児休業取得の促進に努めております。また、夫婦がともに家事、育児に参画することについての県民の理解が進みますよう、啓発動画等を活用し、男性は仕事、女性は家庭といった固定的な性別役割分担意識をはじめとするアンコンシャス・バイアスに対する理解促進に取り組んでおります。こうした取組を着実に実施し、子育てがしやすい職場環境を整備いたしますとともに、企業や家庭に対し、男性が子育てに関わることの大切さや意義について啓発を行い、夫婦で育児を行う機運を高めてまいります。
次に、新公会計制度に関し、県の
財政状況の見える化についてお尋ねがございました。県では、平成十一年度決算において自治省が示した作成手法によりバランスシートを作成いたしまして以降、公会計の取組を進めてまいりました。平成二十八年度決算からは、総務省が示しました全国統一的な基準に基づきまして、他の都道府県との比較が可能な財務書類を作成いたしますとともに、
固定資産台帳の整備により、資産情報の網羅的な把握が可能となっております。こうした財務書類につきましては、その概要を毎年作成しておりますパンフレット「福岡県の財政」に掲載をし、県の関係機関、市町村図書館などに配布いたしますとともに県のホームページでも公表いたしております。このパンフレットにおきましても、所有しております資産やその財源となった負債などのストック情報を明らかにいたしますとともに、県民の皆様に分かりやすいものとなるよう、各書類の相互の関係、数値の前年度比較、増減要因を掲載いたしております。さらに詳細な財務書類につきましては、附属明細書や注記も含めまして平成二十八年度決算以降分を全てホームページに掲載し、経年で比較ができるよう見える化を図っているところでございます。
統一的な基準による
財務書類等の本県での活用実績についてお尋ねがございました。県では、県有施設の
資産管理に当たりまして、国の統一基準により作成した
固定資産台帳において、建物や工作物の取得価格、規模、耐用年数、減価償却累計額などの情報をデータベース化して管理をいたしております。これらのデータにつきましては、県有施設の更新、集約化、長寿命化等を計画的に実施するために策定をいたしました公共施設等総合管理計画の見直しや、施設ごとの維持管理、改修等の取組方針を示しました個別施設計画の策定のときに活用をいたしております。
予算編成に関しましては、財務書類に示されました県債残高を踏まえて財政改革プランを策定し、毎年度の予算で改革措置を着実に実行いたしますことにより、将来の負担を計画的に圧縮しております。
行政評価は、個別の事業ごとに評価を行いますので、統一的な基準による財務諸表を活用する場合は、各評価対象事業に係る減価償却費や退職手当引当金などを算出し、行政コスト計算書を作成する必要がございます。これには膨大な事務作業を伴いますので、退職手当を除く人件費及び事業費を示し、評価を行っているところでございます。
次に、市町村における
財務書類等の活用についてでございます。一昨年度は六団体、昨年度は二団体が、国の
アドバイザー派遣を活用しておりまして、統一的基準による
財務書類等の整備が進んだところでございます。
次に、
財務書類等につきましては、昨年度、約九割の市町村が活用しておりまして、具体的には、住民一人当たりの資産額、負債額などの指標の分析を行った団体が三十八、住民や議会などへの説明に用いた団体が二十七、公共施設等総合管理計画の策定改定時に活用した団体が二十二などとなっております。県では、これまでも
財務書類等の整備や活用を促進しますため、毎年、市町村向けの研修会を実施してまいりました。今年度は、全国の活用事例を基に、ワーキング形式によりまして、実際に事業別、施設別の分析を行うなど、より実務に生かせる内容とすることで市町村における活用が一層図られるよう支援してまいります。
財務書類等を活用した指標の分析と成果についてでございます。本県では、総務省が公表いたしました資産の状況、資産と負債の比率、行政コストの状況、負債の状況等に関する全国の指標に基づきまして、定量的、定性的分析を行い、類似団体との比較等ができるようにいたしております。例えば資産に関しましても、有形固定資産に占める減価償却累計額の割合について分析しますと、これまで社会資本整備を確実に進めてきたことに加え、学校再編による建物の更新を進めてきたことによりまして、道路や学校施設の類型では全国平均を下回っております。一方で、一部施設の老朽化が進んでおります陸上競技場、野球場、球技場の類型では全国平均を上回っている状況でございます。こうした施設類型ごとの指標の状況や
固定資産台帳のデータ等を活用し、公共施設等総合管理計画の見直しに役立てているところでございます。
公会計制度の見解と決意についてお尋ねがございました。県の予算決算に係る会計制度は、県議会に御議決いただきました予算の適正、確実な執行を図る観点から、単式簿記による現金主義会計を採用いたしております。これに加えまして、資産や負債のストック情報、減価償却費等のコスト情報につきまして、複式簿記の発生主義会計により補完的に把握をしているところでございます。今後とも、ストックやフローの情報を含めた県の
財政状況を県民の皆様に分かりやすくお示しするとともに、公共施設等総合管理計画の見直し等に活用してまいります。
次に、福岡県SDGs登録制度の進捗状況と今後の取組についてお尋ねがございました。この登録制度は、県内企業の皆さんのSDGsへの貢献を見える化し、その活動を支援することを目的といたしまして、昨年十月に創設をいたしました。県では、これまで県内四地域における説明会、また「福岡県だより」などの県の広報媒体を通じ、登録によるメリットや事業活動への効果などを広く周知いたしますとともに、商工団体などの会合に県の担当者が直接出向きまして、この登録制度への登録を呼びかけてまいりました。その結果、今年六月八日時点では、登録済みが六百四十八件、申請を受け付けているものが百五十四件となっているところでございます。登録事業者を増やすには、日頃から企業の方々と接しまして、経営相談や支援を行います商工団体や金融機関から直接働きかけを行っていただくことが効果的であると考えております。このため、今後、商工会議所、商工会の経営指導員の皆さんに対し、企業への働きかけを行ってもらうための制度説明を行いますとともに、金融機関と連携をし、金融機関による伴走支援事例を紹介するセミナーを開催してまいります。
次に、
パートナーシップ構築宣言及び
価格交渉支援ツールの普及に向けた取組についてでございます。
パートナーシップ構築宣言の普及につきましては、今年二月の官民労十三団体による価格転嫁の円滑化に関する連携協定の締結や、先月福岡市内で開催をいたしました官民労二十三団体の共催によります取引適正化推進フォーラム福岡大会、さらには今年四月からの県の中小企業向け補助金への加点措置の導入などの取組によりまして、宣言企業の登録を促しているところでございます。こうした取組によりまして、本県の宣言企業数は、二月の協定締結前六百六十二社でございましたが、六月九日現在では八百四十八社まで増加をいたしました。
次に、
価格交渉支援ツールにつきましては、現在、県及び県内四地域の中小企業支援協議会のホームページで公開をいたしますとともに、協定締結団体を通じて周知を図っております。県のホームページへのアクセス件数でございますが、今年三月に公開しまして以降、四月末現在で約四百件となりまして、県のヒアリングでは、御利用いただきました事業者から、データを簡単にそろえられ使い勝手がいい、価格交渉を円滑に行うことができたとの声が寄せられております。今後は、協定締結団体等と連携しながら、
パートナーシップ構築宣言企業のメリットや
価格交渉支援ツール活用の好事例につきまして、事業者の皆様に周知を行い、さらなる普及を図ってまいります。
次に、北九州市
響灘臨海部を中心とした水素拠点の整備についてお尋ねがございました。国では、水素の利活用拠点をこの先十年間で全国で八か所程度選定し、集中的に支援を行う方針でございます。こうした動きを受け、本県では、北九州市や九州電力、西部ガス、日本製鉄など、水素の利活用を目指す企業の皆様と連携し、水素需給のポテンシャルの高い
響灘臨海部におきまして、
グリーン水素を製造する、あるいは輸入し、県内各地でその利活用を進める拠点の形成を目指してまいります。このため、先月、産学官で構成いたします福岡県
水素拠点化推進協議会を発足させたところでございまして、今後この協議会において、水素需給量の調査、水素供給インフラの仕様の検討、コスト試算等を行ってまいります。加えて、将来的な九州・山口各地域との連携についても議論を行い、本県における具体的な取組やロードマップをまとめた水素拠点形成計画を策定し、国に対し提案を行ってまいる考えでございます。なお、八月には、将来的な
グリーン水素の輸入を視野に入れ、オーストラリアのニューサウスウェールズ州へ私を含む産学官のメンバーで構成する訪問団を派遣いたします。こうした取組によりまして、本県に水素大規模拠点を構築し、
グリーン水素で成長する地域を目指してまいります。
水素関連の技術者、研究者の育成確保についてでございます。県では平成十七年、九州大学と連携をいたしまして、福岡水素エネルギー人材育成センターを設置をいたしました。このセンターにおいて、水素燃料電池関連の技術者を幅広く育成するためのプログラムを実施しているところでございます。このセンターでは、学生向けに水電解装置や水素タンク、燃料電池など、水素の製造から貯蔵、輸送、利用の各過程で必要となる技術の基礎を習得するための教育を行っておりまして、これまでに約五百五十名を育成いたしました。また、企業の技術者の皆さんを対象に、水素をめぐる国内外や業界の動向から、水素利活用に必要な材料の特性、あるいは既存製品の構造、具体的な製品開発のノウハウまでを学ぶ講座を実施しておりまして、これまでに約千六百名の人材を育成いたしました。今後ともこうした取組を実施することにより、水素に関連する人材の育成に取り組んでまいります。
次に、
グリーンボンドについてでございます。先月三十日、本県初となる
グリーンボンドを二百億円発行いたしました。多くの投資家の皆様から御賛同をいただくことができ、発行額の約八・三倍となります千六百六十七億七千万円の応募をいただき、利率につきましても、一般の地方債と比べ〇・〇二%低い有利な条件で発行することができました。来年度以降の発行に当たりましては、投資家の需要や金利面の優位性など、債券市場の動向を見極めながら、その都度検討を行ってまいりたいと考えております。
水素社会構築への決意についてでございます。水素は、二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するための鍵となるエネルギー源でございまして、まさにキーテクノロジーでございます。現在、世界各国で
グリーン水素をめぐる競争が激化している状況でございまして、我が国においても、大規模な
サプライチェーンの構築と社会実装を加速化することが求められております。こうした時代の動きを踏まえ、県では昨年八月、水素の巨大市場への参入支援や
グリーン水素へのシフトを目指す福岡県水素グリーン成長戦略を策定をいたしまして、先ほど申し上げましたが、
響灘臨海部を中心とした水素拠点の構築やFCトラックの導入の支援、県内企業の水素分野への参入の支援などに取り組んでいるところでございます。脱炭素化への対応を経済成長の機会と捉え、経済と環境の好循環をつくってまいります。今後とも、
水素社会の構築に向けて、国、企業、大学などと連携しながらしっかりと取り組んでまいる考えでございます。
ふくおか健康ポイントアプリの認知度向上についてお尋ねがございました。このアプリは、毎日の歩数や食事内容のデータを記録することによってポイントがたまりまして、たまったポイントで協力店から特典がもらえるという仕組みでございます。しかし、データが記録されていくだけでございまして、たまったポイントを使える店が少なく、登録者数が伸び悩んでいるというのが実情でございます。このため、楽しさ、あるいは面白さ、役立つといった機能を充実させて、アプリの魅力を高めることや、楽しみながらポイントをため、使っていただく工夫が必要だと考えまして、今年度、アプリの改修等を行うことといたしております。具体的に申しますと、さらなるウオーキングを促しますために、近くの観光情報をプッシュ通知する機能でありますとか、生活習慣病の予防のために食塩の摂取状況をチェックし
減塩レシピを紹介する機能を追加することといたしております。また、楽しみながらポイントをため、使っていただくために、ポイントで簡単に応募できる抽せん会を定期的に開催いたしますとともに、ポイントを使える協力店の拡大にも取り組んでまいります。その上で、アプリ登録を促すSNS広告の発信を行うとともに、県や市町村、ふくおか健康づくり県民会議の参加団体などが開催いたします様々なイベントにおいて、このアプリを紹介してその場で登録を促すなどによりまして、アプリの認知度を高め登録者数を増やしたいと考えております。
次に、福岡県
循環器病総合支援センターの認知度向上についてお尋ねがございました。このセンターは、昨年九月に、国のモデル事業として、国立病院機構九州医療センター内に脳卒中・心臓病等総合支援センターとして開設をされました。今年の四月からは、福岡県
循環器病総合支援センター、名称を改めまして、県の事業として
循環器病患者等に対する相談支援や、医療従事者の皆さんを対象とした研修会などを実施しているところでございます。今後、このセンターの認知度の向上に向けまして、かかりつけの医療機関等からセンターの相談窓口を案内していただけますよう、ポスターやチラシを配布いたしますとともに、県の広報番組での紹介、県の公式SNSや
ふくおか健康ポイントアプリのお知らせ機能を用いた情報発信に取り組んでまいります。
また、お尋ねがございました、今年八月に脈博というものが開催をされます。この脈博につきましては、脳卒中・
循環器病などの治療、医療の発展を目的といたします三日間の学術集会が行われますが、この最終日に一般の方向けの啓発イベントとして、心血管と医療をテーマに開催されるものでございます。国内外から御参加の学術集会の参加者に加えまして、多くの方の来場が期待をされますことから、センターをPRできるよい機会でありまして、県としてこの脈博に参加することといたしております。
次に、
HPVワクチンの接種についてでございます。この
HPVワクチンにつきましては、平成二十五年四月に、小学校の六年から高校の一年の女性を対象とした
予防接種法の定期接種に位置づけが行われました。その後、副反応が疑われる症状が相次いで報告されましたことから、同年六月以降、積極的な勧奨が差し控えられておりましたが、国の審議会において、安全性について特段の懸念が認められないとされ、昨年四月からは積極的な勧奨が再開をされました。再開に当たり、県では、接種が円滑に進みますよう、接種件数を増やすための効果的な取組を行っている市町村の情報を他の市町村に提供いたしております。また、この
HPVワクチンの効果や副反応に関する情報、接種対象者、ワクチンの副反応に関する相談窓口等について、県のホームページで周知を行っております。こうした取組によりまして、県内の市町村が実施した
HPVワクチンの年次別延べ接種件数は、積極的な勧奨が差し控えられていた令和二年度を見ますと五千九百四十三件でございましたが、再開が決定されました令和三年度は一万九千四十件、令和四年度につきましては、これはまだ速報値のレベルではございますが、二万一千八百四十九件と令和三年度をさらに上回っている状況でございます。引き続き、市町村の効果的な取組への支援や分かりやすい情報発信を通じ、この接種が円滑に進むよう努めてまいります。
肝炎ウイルス検査の取組についてでございます。肝炎ウイルスは肝がんの大きな原因となっておりまして、自らが肝炎ウイルスに感染しているかどうかを知るために、少なくとも一回は
肝炎ウイルス検査を受けていただくことが大切でございます。このため、身近な地域で検査を受けることができますよう、保健所や県内二千百七十五か所の医療機関においては、無料で
肝炎ウイルス検査を実施をいたしております。県では、従業員の皆さんに検査を促していただきますよう、事業所に対し検査の案内チラシを配付し、働きかけを行っているところでございます。また一方で、有料にはなりますが、
肝炎ウイルス検査を職場の定期健診と同時に受けるということは、従業員の皆さんにとって利便性が高く、受検率の向上にもつながりますことから、保険者が実施いたしておりますウイルス検査の活用も併せて促してまいります。
次に、
ピロリ菌検査に係る都道府県調査についてでございます。調査を実施いたしました昨年二月時点で若年層における
ピロリ菌検査を実施しておりましたのは、京都府、佐賀県、鹿児島県の三府県で、このうち佐賀県は除菌治療まで助成を行っておりました。京都府と鹿児島県は高校一年生、佐賀県は中学三年生を対象として検査を実施しておりました。その効果につきましては、対象の生徒及び保護者が、がんについて考える契機となった、
ピロリ菌検査を受けたことで家族等ががん検診を受けるようになったといった回答があったところでございます。
胃がん予防の取組についてお尋ねがございました。胃がんの発生原因には、
ピロリ菌以外にも喫煙や高塩分食品の摂取など生活習慣の問題がございます。県では、ふくおか健康づくり県民運動情報発信サイトにおきまして禁煙や減塩などに関する情報を発信しております。特に、減塩につきましては、福岡県食品減塩推進協議会での協議を踏まえまして、今年度から新たにスマートソルティングプロジェクトとして、
減塩レシピのコンテストの開催や減塩弁当の販売支援に取り組むことといたしております。また、胃がんの発見には胃部エックス線検査または胃内視鏡検査による胃がん検診の受診が有効でございます。このため、がん検診の受診の大切さについて、福岡県働く世代をがんから守るがん検診受診促進大会など、あらゆる機会を通じて県民の皆様に呼びかけているところでございます。さらに県のホームページに胃がん予防のために気をつけることや胃がんの検診方法、内視鏡検査で胃炎と診断された場合などは
ピロリ菌除菌治療を保険適用で行えることなどの情報を掲載し、広く県民に周知を行っております。今後も胃がん予防のために、生活習慣の改善と検診の受診を県民に呼びかけてまいります。
子育て支援策における親の
健康管理についてでございます。市町村では、乳幼児健診や乳幼児家庭全戸訪問等におきまして、乳幼児の健康状態の確認のほか、親の健康状態や喫煙歴、飲酒状況なども把握し、必要に応じ、医療機関や相談窓口等につなげるなど、子育て家庭を支援しております。訪問や面談におきましては、心身の健康状態や世帯の状況など、配慮すべき事項を丁寧に把握することが重要でございます。県では、適切な支援につなげられますよう、市町村の保健師等を対象とした研修会を通じまして、引き続き資質の向上を図ってまいります。
次に、自転車の安全利用につきまして、この
自転車ルールの周知についてお尋ねがございました。県では、県警察と連携をいたしまして、小中高等学校のほか、企業や地域で交通安全教室を開催しております。参加が困難な方につきましても、いつでも交通ルールについて学べるよう、県のホームページには、親しみやすく漫画形式にしたテキストや、地元で活躍するタレントが自ら自転車に乗ってルールやマナーを解説するドラマ仕立ての啓発動画を掲載いたしております。今後は、より多くの方に県ホームページを御覧いただけますよう、ふくおかの県民自転車保険の加入申込書や更新連絡メールに県ホームページの二次元バーコードやURLを掲載いたしますほか、県のSNSでも広報いたしますことで交通ルールやマナーのさらなる周知徹底を図ってまいります。
自転車乗車用
ヘルメットの着用推進についてでございます。県では今年三月、着用のイメージ向上のため、若手タレントを起用したチラシやポスターを県内全ての小中高等学校や大学、自転車販売店、自転車貸付業者、市町村等に配布をし、周知を図ってまいりました。また、高校生が学生の中で事故件数が最多でございまして、
ヘルメット着用状況に課題がありますことから、先月には全ての高校に対し改めて生徒への着用指導を要請を行いました。併せて着用促進に前向きに取り組む高校を増やすために、県警察が行いますモデル校指定への協力を求め、高校生の着用率向上を図っております。先月八日、モデル校に指定されました精華女子高校につきましては、同月十一日に大型商業施設で行いました交通安全フェアに生徒五人が参加をし、自分たちが着用しイメージアップに取り組みたいと宣言をし、来場者に着用を呼びかけ、その様子は各メディアに取り上げていただいたところでございます。また、今年十月に開催されます、福岡、大分、熊本、三県で開催いたしますが、ツール・ド・九州二〇二三は、世界が注目するサイクルロードレースでございまして、多くの
児童生徒の観戦も期待されることから、これら注目を集めるイベントも活用して
ヘルメット着用のイメージ向上を図ってまいります。
一方、新聞社などのアンケート結果によりますと、
ヘルメットを着用しない理由、これは、かさばる、髪型が乱れる、周囲が着用していないといった意見が上位を占めておりますことから、購入費助成よりも、まずは自転車利用者に対し、
ヘルメットを着用すれば事故後の致死率が約四分の一に下がること、自らの命を守るためには
ヘルメットの着用が必要であるとの意識を持ってもらうことが優先すべき課題であると考えております。そうした意識を持ってもらうには、どのような取組が必要かを把握いたしますため、県内全ての高校の生徒会や県政モニターを対象にアンケートを行いまして、効果的な対策の実施につなげてまいります。
最後に、通信教育連携協力施設に通う生徒の支援についてお尋ねがございました。まず、本県の調査では、同施設は令和三年五月一日現在で九十九の施設がございまして、約五千五百人の生徒が通っておられます。同施設に通う生徒は通信制高校に在籍しておりますため、授業料を支援する高等学校等就学支援金、その他の教育費を住民税所得割非課税世帯に支援する高校生等奨学給付金の対象となります。長野県の制度は、これに加えまして、同じく非課税世帯に対し施設の利用料の一部として上限十万円を補助するものでございます。連携施設には、生徒に寄り添った添削指導や面接指導など、学習支援だけではなく資格取得のための技能教育を併せて行うものまで様々な形態がございまして、通学日数も生徒によって異なり、これに応じて利用料も幅があるところでございます。
このように、生徒の学習形態や費用負担、連携施設のサービス内容は様々でございまして、また同施設に通わず在宅で自習をする場合もあるなど、公平性の観点から課題が多いため、施設利用料に対する助成制度の創設は慎重であるべきものと考えておるところでございます。
5 ◯議長(香原 勝司君) 吉田教育長。
*教育長答弁
6 ◯教育長(吉田 法稔君)登壇
自転車ヘルメット着用推進の現状と取組についてでございます。県教育委員会では、本年四月の法改正を見据えて、昨年度から
自転車乗車用
ヘルメット着用の努力義務化について、各学校及び市町村教育委員会に周知をいたしております。加えて、小中学校の安全担当者を対象とした研修会におきまして、各学校での啓発を依頼をいたしております。さらに今年度、県立学校長会において、大切な命を守る
ヘルメットの着用が努力義務となることを生徒のみならず保護者にも周知するよう指導するとともに、自転車事故での深刻な被害を防ぐために、ホームルームや全校集会、交通安全教室等での
自転車安全利用の指導など、学校でも取組を行うよう重ねて通知をいたしております。県教育委員会としましては、県警察が行うモデル校指定の取組も活用しながら、生徒会を中心として、自転車事故を防ぐために何をすべきか生徒自身が考え、
ヘルメット着用推進に向けて主体的に活動するよう促すなど、交通安全教育の充実に取り組んでまいります。
次に、教員不足の原因と今後の対策についてでございます。近年の教師不足につきましては、教員の大量退職に加え、小学校における三十五人学級の実施や特別支援学級の増加による教員定数の伸びがある一方で、教員採用試験の志願者と講師登録者が減少していることが主な要因であると考えております。この解消のためには、新規採用者の確保が重要であり、今年度の採用試験から新たに大学の推薦による特別選考を導入するとともに、来年度から、第一次試験の実施日を六月十六日に前倒しすることや大学三年生から受験可能とすることなど、さらなる工夫、改善を検討してまいります。また、講師登録者の確保のため、引き続き退職者等への働きかけを行うとともに、現在教職に就いていないペーパーティーチャーを対象とした説明会の実施など、全力を挙げて教師不足の解消に努めてまいります。
臨時免許状による講師の任用状況とその認識についてでございます。今年度、臨時免許状により任用されている講師の人数は、小学校で四百三十三人、中学校で七十九人、県立高校で三十人となっており、このうち学級担任をしているのは、小学校で三百五十人、中学校で四十四人、高校で三人となっております。近年、臨時免許状の授与件数が増加していることは、教師不足の状況において、やむを得ない対応でありますが、可能な限り新規採用者と普通免許状を持った講師の確保に努め、その減少を図ってまいりたいと考えております。
学校現場の意見を踏まえた働き方改革の推進についてでございます。県教育委員会では、働き方改革取組指針に基づき、学校に求める各種調査の精選や高校入試における調査書様式の統一、県立学校への校務支援システムの導入など、学校現場の意見や要望を反映した業務改善を進めてきたところでございます。また、各学校においても、会議の見直しやICTを活用した業務の効率化に取り組んだことなどにより、教員の超過勤務は一定程度減少しているものと考えております。今後とも、校長会や市町村教育委員会と連携しながら、学校現場の実態や教員の意見を踏まえた業務の精選や効率化など、より一層の働き方改革の取組を促してまいります。
次に、通信制高校における卒業に向けたサポートについてでございます。県内唯一の公立通信制高校である博多青松高校では、生徒の進路実現に向けたサポートとして、受講する科目を選択する際、担任を含む複数の教員による面談を実施し、生徒の希望進路に応じて必要な科目を選択できるように指導するほか、年二回の進路ガイダンス、夏季休業期間中の進路セミナー等を行っているところです。また、学習指導の面では、月に一、二回の対面授業に加え、生徒がいつでも学校で教員に質問したりレポートの指導を受けたりすることができるよう、生徒を支援する体制を整備しております。さらにホームルーム活動を行いますとともに月二回程度の地区別学習会、希望に応じて参加できる学校行事や部活動を実施するなど、友人と触れ合う機会を設けているところです。加えまして、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置をして、生徒が悩みを相談できるようにいたしております。今後も、多様な生徒を受け入れる通信制高校として、生徒の学びのサポートを充実させてまいります。
フリースクールやサポート校との情報交換についてでございます。不登校
児童生徒への支援については、多様な学習機会を提供することが重要でございます。このため県教育委員会では、福岡県不登校
児童生徒支援グランドデザインを策定し、フリースクール等の民間施設と連携し、支援の充実を図っているところでございます。学校や市町村の教育支援センター等での多様な学びの場を充実していく観点から、不登校
児童生徒や不登校経験のある生徒に学習機会を提供しておりますフリースクールや通信教育連携協力施設と互いの取組等について情報交換を行ってまいりたいと考えております。
7 ◯議長(香原 勝司君) 岡部警察本部長。
*警察本部長答弁
8 ◯警察本部長(岡部 正勝君)登壇 地域の防犯ボランティア団体に対する犯罪等の情報提供についてお答えを申し上げます。地域における犯罪等の発生に関する情報提供は、効果的な防犯ボランティア活動が行えるために不可欠なものと認識をしております。県警察といたしましては、自主防犯活動の促進のため、防犯ボランティア団体のニーズに応じ、犯罪等の発生状況について地図やグラフを活用するなど、より分かりやすい方法で情報提供ができるよう努めてまいります。
次に、偽電話詐欺対策の進捗状況についてお答えを申し上げます。県警察では、偽電話詐欺の被害を防止するためには、防犯機能つき電話機器、まっ太フォンの普及が極めて有効と考えております。このため、県と連携し、まっ太フォン普及に向けた働きかけを行い、現在多くの市町村等において無償貸与事業や購入補助事業などに取り組んでいただいているところであります。また昨年から固定電話の防犯機能サービスを普及させるために通信事業者と順次協定を締結するとともに、本年度に入ってこのサービス利用料の一部を補助する取組を新たに開始するなど、電話機対策を推進しているところであります。
最後に、偽電話詐欺対策の決意についてお答えを申し上げます。県警察では、特殊詐欺総合対策プロジェクトチームを中心に深刻な状況にある偽電話詐欺被害を抑止するため、各種対策に取り組んでいるところであります。県警察といたしましては、被害に遭わないための取組を強化するとともに、事件の背部に潜む暴力団や準暴力団をはじめとした犯罪者グループに対し、あらゆる法令を駆使した取締りを強力に推進するなど、予防、検挙の両面から組織一丸となって取り組んでまいります。
9 ◯議長(香原 勝司君) 新開昌彦君。
10 ◯七十番(新開 昌彦君)登壇 知事、それから教育長、警察本部長、答弁ありがとうございました。
知事に二点、要望をいたします。今回、
人口減少、少子化の質問の中で、我々と少々認識のずれがありました。県には、
育児休業等の
少子化対策の見直しを質問いたしましたけれども、執行部のほうのデータが不足しているのではないかなということも分かりました。知事に要望でありますが、
人口減少に対する認識についての中で、現段階では県人口の将来展望、この見直しは行わない、考えていないという答弁でありましたけれども、年末には、国の地域別将来人口、これが発表されるとお聞きしております。福岡県も非常に厳しい内容となることが想定をされております。その際は、今回の出生率一・三三も踏まえて
少子化対策の見直しを行うよう強く要望しておきたいと思っております。
*選挙管理委員会委員長答弁
19 ◯選挙管理委員会委員長(藤井 克已君)登壇 まず、統一選の分析と感想についてでございます。今回の県議会議員選挙の投票率は三五・五%となり、四年前の投票率から約七%減少し、過去最低を記録しました。後半の市町村選挙におきましても、首長選挙が四九・二七%、議員選挙が四六・四三%と、それぞれ前回を下回っております。県議会議員選挙における年代別の投票率を見ますと、二十代が最も低く、一八・一一%となっております。また前回からの減少幅については、六十代と七十代が一〇%を超え、最も大きな減少となっております。選挙は民主主義の根幹をなすものであり、国民が政治に参加する重要な機会であります。投票率が低くなることについては、県選挙管理委員会として強く危惧しているところでございます。
次に、投票率向上に向けた取組についてでございます。県選管では、投票率が低い若者に政治や選挙を身近に感じてもらうため、高校、大学への出前授業や模擬選挙、若者向けの啓発イベント、SNS等のインターネットを利用した啓発等を引き続き行ってまいります。高齢者など、投票所への移動が困難な方にとって、投票しやすい環境を整備することもまた必要であります。投票所までの無料バスの運行や無料乗車券の配付など、移動支援の取組が、今回、四市町で実施されております。このような取組がさらに広がりますよう、先行事例を市町村選管に情報提供し、実施に向けた検討を働きかけてまいります。また期日前投票をしやすい環境を整備することは、投票率向上の観点から重要な取組と考えております。有権者にとって利便性の高い大型商業施設や学生に投票を促す効果が期待される高校、大学への期日前投票所の増設は、今回、計十五か所で行われております。このような取組につきましても、市町村選管に対し積極的な実施を促してまいります。県選管では、これらの取組をはじめ、様々な観点から、投票率の向上に向けた取組を進めてまいります。
統一地方選挙における統一率の向上についてであります。今回の統一選挙では、県議会議員選挙をはじめ県内十市町で首長選挙、三十市町で議員選挙が実施されました。地方自治体の選挙のうち、統一選挙で行われる選挙の割合でありますが、いわゆる統一率は約三四%となっております。統一率を高め、多くの中央選挙の日程を統一して行うことは、選挙の円滑な管理執行と選挙経費の節約につながるとともに、有権者の選挙に対する関心を高める効果があると考えられます。このため昨年の都道府県選挙管理委員会連合会におきましても、国会並びに政府に対し、任期を調整するなどして統一率を高める制度改正を要望したことについて、議論を行ったところであります。このときは、大規模災害の場合を除いて任期の延長はすべきではないとの反対意見もあり、要望すること自体は見送られることになりました。このように、統一率向上に向けた制度改正には課題もありますことから、要望することについては慎重な検討が必要であると考えております。
以上、答弁いたします。
20 ◯副議長(佐々木 允君) 岡部警察本部長。
*警察本部長答弁
21 ◯警察本部長(岡部 正勝君)登壇 道路使用許可の審査についてお答えを申し上げます。道路使用許可を審査するに当たりましては、道路交通法第七十七条第二項に定める許可の基準が三点ございまして、一点目が、現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき、二点目が、許可に付された条件に従って行われることにより、交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき、三点目が、現に交通の妨害となるおそれはあるが、公益上または社会の慣習上やむを得ないものであると認められるときであり、これらのいずれかに該当するときは許可しております。
次に、道路使用許可手続の円滑化についてお答えを申し上げます。地域住民などとの合意形成につきましては、イベント等を主催する側において行われるものでありますが、県警察といたしましても、合意形成が円滑に行われるよう、必要に応じて協議の場に参加し、適切な助言や情報提供などを行っております。したがいまして、道路使用許可の手続をより円滑に行うためにも、警察に対し、時間的余裕をもって事前相談がなされることが望ましいと考えております。
最後に、地域イベント等への対応についてお答えをいたします。県警察といたしましては、地域におけるにぎわいの創出や活性化など、地域イベント等が有する社会的な意義は大きいものと認識をしております。一方でこうした地域イベント等が再開されることに伴い、大勢の人が集まることになりますので、地域振興との調和を図りながら県民の皆様の安全・安心の確保に努めてまいります。
22 ◯副議長(佐々木 允君) 藤井選挙管理委員会委員長。
23 ◯選挙管理委員会委員長(藤井 克已君)登壇 申し訳ありません。答弁の中で、投票率と地方選挙の統一率、これを混同しておりまして、混同というか言い間違いました。それで改めて答弁をさせていただきます。地方選挙における統一選挙で行われる選挙の割合でありますが、いわゆる統一率は約三四%となっております。この旨訂正させて答弁させていただきます。失礼しました。
24 ◯副議長(佐々木 允君) 椛島徳博君。
25 ◯三十六番(椛島 徳博君)登壇 答弁をいただきました。ありがとうございました。
一点だけ要望させていただきたいと思います。出産、子育て支援についてであります。先ほど本県の基金を活用した事業について、補助の仕組みをお尋ねをいたしました。知事からは、病児保育についてはできるだけ本人に負担が発生しないよう補助金額を設定されている、また不妊治療費についても、国が承認している医療機関で治療を受けられた方に県が直接助成額を支払う仕組みとなっている旨の答弁をいただきました。私の質問の中でも取り上げましたが、国の支援策である出産育児一時金の増額に関連し、ネット上ではありますが便乗値上げがあるのではないかとの声に岸田総理は国として調査に乗り出す意向を示されたところであります。今回の質問の趣旨としては、出産、子育て支援に係る政策補助については、確実にそれを必要とされる方々に届けることが重要だということであります。今回の基金事業をはじめ、県でも様々な政策事業を推進していくことと思いますが、引き続き、真に県民の皆さんの負担軽減につながる事業となるように、万全の体制をもって臨んでいただきたい。このことを要望いたしまして、私の代表質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
26 ◯副議長(佐々木 允君) 以上で代表質問を終わります。
本日はこれをもって散会いたします。
午 後 三 時 十五分 散 会
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