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令和3年度 決算特別委員会 本文 開催日: 2022-10-06

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  1. 福岡県議会 2022-10-06
    令和3年度 決算特別委員会 本文 開催日: 2022-10-06


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    令和四年十月六日(木曜日)    午 前 十 一 時 零 分 開 議 ◯秋田章二委員長 おはようございます。  定足数に達しておりますので、ただいまから委員会を開きます。  本日は報道機関からテレビカメラ等の撮影について申出がありましたので、これを許可しております。御了承願います。  審査日程に従い、本日の議事を行います。  最初に、警察本部所管分の審査を行います。  第一四一号議案「令和三年度福岡県一般会計決算」のうち歳出について説明を求めます。坂口警察本部総務部長。 2 ◯坂口警察本部総務部長 おはようございます。警察本部の坂口でございます。  警察本部所管分の決算につきまして御説明申し上げます。福岡県歳入歳出決算概要説明書の百四十一ページをお開きください。  九款警察費は、第一項警察管理費と第二項警察活動費を執行しており、決算額は一千三百八億九千六百万円余となっております。  内容について御説明いたします。  まず、一項警察管理費につきましては、支出済額は合計で一千二百七十四億七千万円余でございます。主な支出項目としましては、人件費、退職手当等の警察本部費で一千百三十五億五千七百万円余、警察施設新営費等の警察施設費で八十九億九千二百万円余でございます。翌年度への繰越しを一億二千五百万円余行っております。不用額につきましては四億二千百万円余でありまして、その主なものは、百四十二ページに記載のとおり、職員手当、工事請負費等の残額でございます。  次に、二項警察活動費につきましては、支出済額は合計で三十四億二千六百万円余でございます。主な支出項目といたしましては、一般警察運営費地域警察活動費等一般警察活動費で十六億三千四百万円余、一般犯罪捜査活動費暴力犯罪捜査活動費等の刑事警察費で九億三千九百万円余でございます。翌年度への繰越しを八千五百万円余行っております。不用額につきましては一億二千七百万円余であり、その主なものは、百四十三ページに記載のとおり、委託料、旅費等の残額でございます。  以上が警察本部所管分の決算の概要であります。御審議のほどよろしくお願いいたします。 3 ◯秋田章二委員長 説明は終わりました。  これより歳入及び歳出の質疑を行います。質疑はありませんか。原中誠志委員。 4 ◯原中誠志委員 おはようございます。民主県政クラブ県議団の原中誠志であります。  発言通告に従いまして、青少年の再犯防止と県警察の対応について質問させていただきます。  本年二月の予算特別委員会において、少年法改正に伴う県警察の対応についてということで、県警総務部長に質問させていただきました。その中で、県警察として罪を犯した少年について、処分の決定後、少年の立ち直り、再発防止、そして成長支援のため、少年サポートセンターを中心とした少年の立ち直り支援策を講じておるとのことでありました。そして、今議会、私は一般質問において、児童虐待と少年犯罪の本県の対策について質問させていただきました。その中で、少年院に収容されている少年は全国的に減少していますが、在院する少年少女のうち、親などから虐待を受けたと答えた割合は年々増加の一途をたどっている。そして、二〇二〇年(令和二年)の法務省の調査では、少年院に収容されていた者のうち男子の約四割、女子の約七割が虐待を受けていたことが明らかになったと述べたところであります。また、警察庁生活安全局少年課が公表した令和三年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況によると、全国の児童虐待の通告件数は十万八千五十九人となっております。
     そこで、一点目の質問をさせていただきます。福岡県警察が受けた二〇二一年(令和三年)の児童虐待の通告児童数は何件に上るのかお示しください。その上で、身体的虐待、性的虐待、怠慢、拒否、面前DVを含む心理的虐待のそれぞれの件数と傾向があればお示しください。 5 ◯秋田章二委員長 坂口警察本部総務部長。 6 ◯坂口警察本部総務部長 令和三年中に警察から児童相談所に通告した児童数は六千四百五十一人で、前年と比較しまして五百二十七人増加しており、これは過去最多となっております。  態様別で見ますと、心理的虐待が五千三十人で最も多く、続いて身体的虐待が九百六十四人、ネグレクトが四百四十人、性的虐待が十七人の順となっております。最も多い心理的虐待は全体の約八割、七八・〇%を占めておりまして、そのうちの約九割、八八・六%を面前DVが占めるといった傾向が見られております。 7 ◯原中誠志委員 警察と児童虐待の関わりについてでありますけれども、警察は、児童虐待を受けた児童を含む要保護少年について、少年に保護者がないとき、または保護者に監護させることが不適当であると認められる場合は、児童通告書により児童相談所に通告をするという少年警察活動規則があります。この少年警察活動規則が一部改正され、本年一月十一日に公布され、今年四月一日から施行されております。  そこで、少年警察活動規則の一部を改正する規則を踏まえ、県警察の児童虐待対策について、以下、お聞きいたします。  まず、警察において児童虐待を疑わせる通報を受けた場合、どのような対応を取られるのかお聞きいたします。 8 ◯坂口警察本部総務部長 児童虐待が疑われる通報を受けた場合におきましては、速やかに警察官を現場に臨場させ、児童の身体の外傷の有無を直接確認しますとともに、児童や保護者等からの事情聴取を行うことになります。 9 ◯原中誠志委員 それでは、虐待通報が警察にあり現場に警察官が到着後、虐待の事実が認められなかった場合の対応はどうなるのか、お聞きいたします。 10 ◯坂口警察本部総務部長 児童虐待のおそれが認められない場合でありましても、児童相談所に対して、児童や家庭の状況等、その後の家庭支援に必要な情報を提供しているところであります。 11 ◯原中誠志委員 今、児童虐待についての通報で警察官が駆けつけた場合の対応をお答えいただいたわけでありますけれども、それでは、駆けつけた警察官が虐待の事象が見受けられない場合の対応についてはどうなるのか、お答えいただきたいと思います。 12 ◯坂口警察本部総務部長 現場に警察官が行って児童虐待のおそれが認められない場合には、児童相談所に対して、先ほど申し上げましたけども、児童や家庭の状況等、その後の家庭支援に必要な情報、こういったものを提供しているところであります。 13 ◯原中誠志委員 さらに、現場に駆けつけた警察官が身体的虐待などにより事件化の必要性があると判断した場合は、どのような対応を取られるのかお示しいただきたいと思います。 14 ◯坂口警察本部総務部長 事件化の必要性があると判断した場合におきましては、児童相談所長からの委託による一時保護の措置等を行いまして児童の安全を確保した上で、速やかな被疑者検挙に向けた所要の捜査を行ってまいります。 15 ◯原中誠志委員 以上、やり取りをさせていただいたわけでありますけれども、私は今議会の一般質問において、虐待が児童への心身に大きな傷を与えるということを述べさせていただきました。さらに、これは専門家の方も含めてでありますけれども、少年犯罪と児童虐待との関係性が強く指摘をされているということであります。そういうことから、虐待は決して看過できるものではないということであります。この虐待と少年犯罪との関係はやっぱり非常に強いものがあるということで、私もこれは危機的な状況であるという認識を持っている状況であります。  昨年七月に公開された、国内で大ヒットとなりました、「竜とそばかすの姫」というアニメ映画があります。これは、第七十四回カンヌ国際映画祭においてカンヌ・プルミエール部門に選出をされ、海外でも高い評価を得たアニメ映画であります。この映画の底流にあったのが児童虐待であります。主人公の少女が虐待を受けている二人の少年の居場所を突き止め、管轄の児童相談所に保護を要請する電話を入れるものの、児童相談所からの回答は、すぐにはできない、ルールがある、四十八時間ということで帰されてしまいます。  この四十八時間という数字でありますけれども、児童相談所は過去の虐待死を防げなかったことから、四十八時間までに安否確認をするという時間ルールを設けております。しかしながら、これが守られなかった事例が相次いだことから、子供の様子を四十八時間以内に直接確認するということが大変重要であるということが述べられているわけであります。  今回、児童虐待について県警察とのやり取りをさせていただきましたけれども、虐待を疑わせる事案が発生し、警察に通報があり、現場に警察官が駆けつけた際、そこで虐待の状況を的確に把握し、対応を行うということが極めて重要であるということをあえて述べさせていただきたいと思います。  その上で最後に、こうした虐待をなくし、虐待死を根絶する、虐待による子供への傷害をなくし、子供たちの健やかな成長を確保するため、県警察総務部長の決意をお聞かせいただきたいと思います。 16 ◯坂口警察本部総務部長 児童虐待は子供の人権を著しく侵害し、その心身の成長及び人格の形成に重大な影響を与えるものであります。また、児童自ら助けを求めることが困難であるなどの理由によりまして、被害が潜在化、長期化いたしますことから、幼い命が犠牲になるなど重大な結果に発展する可能性があります。  県警察といたしましては、あらゆる警察活動を通じて児童虐待の早期発見に努めますとともに、児童相談所をはじめとした関係機関との連携を緊密に図り、児童の安全確保を最優先とした対応を徹底してまいります。 17 ◯原中誠志委員 ありがとうございました。  今、県警察総務部長の決意をお聞きいたしましたところであります。児童虐待を根絶し、虐待死をなくし、そして子供たちの健全健やかな成長をしっかりと県警としても見守っていただくということを強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 18 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。二宮眞盛委員。 19 ◯二宮眞盛委員 おはようございます。公明党、二宮眞盛です。  それでは、通告に従いましてバイクの交通死亡事故について質問させていただきたいと思います。  昨年でありますけれども、小倉南区内、私は南区に住んでいるわけですが、私が知り得た二人の青年がバイクを運転中、事故によりお亡くなりになりました。事故の状況は正確には分かりませんが、一人はスリップ事故によるもの、そしてもう一人は右折時に対向車との衝突による事故だったと聞いております。また、時を同じくしまして、小倉南区平尾台というところがありますけれども、小倉南区からその平尾台を越えて行橋に向かっていた一人の方から連絡がありました。道路の沿線の上りと下りの四か所に花が手向けられていると。その方の話ではバイクによる事故のようだとのことでした。  バイクによる事故と四輪自動車の事故を比較した場合、バイクによる事故は死亡に至る重大事故の可能性は大きくなると言わざるを得ませんが、バイクには車にない魅力があり、車とは全く違う爽快感を感じるなど、最近、バイクの人気は再び上向いているとも聞いております。そこで、特に若いライダーが、より安全にバイクを利用してもらうために、何点か質問をさせていただきたいと思います。  まず一点目でありますけれども、警察庁交通局が発表した令和元年の交通死亡事故の発生状況報告によりますと、原付車を含む乗車中の死亡者数は全国で五百十人で、交通事故死亡者全体の一五・九%に当たるそうですが、車両台数ではバイクのほうが圧倒的に少なく、それなのに死者数の構成率は四輪、千八十三人、三三・七%、バイク(二輪)、五百十人、一五・九%と、車の約二分の一という高さであります。  そこで、本年の福岡県下の四輪自動車乗車中とバイク乗車中の交通事故死亡者の状況はいかがなのか、お聞きをしたいと思います。 20 ◯秋田章二委員長 坂口警察本部総務部長。 21 ◯坂口警察本部総務部長 本年八月末における交通事故の死者数は四十六人でありますが、そのうち四輪自動車乗車中は十三人で全体の二八・三%、バイク乗車中は十人でありまして全体の二一・七%となっております。 22 ◯二宮眞盛委員 バイクの乗車中の死亡者は全体の二一・七%、四輪自動車乗車中は二八・三%との御回答をいただきましたけれども、一見、四輪自動車のほうが危険と考える人がいるかもしれませんが、バイクの保有台数は自動車保有台数と比較をすれば二十分の一程度ではないかというふうに思います。でありますから、この数字はバイク事故における死亡者数の割合がいかに多いかを端的に物語っている数字ではないのかなと思う次第であります。  そこで次の質問に移らせていただきますけれども、バイクでの死亡事故の類型についてお聞かせいただきたいと思います。 23 ◯坂口警察本部総務部長 本年八月末におけるバイク乗車中の交通死亡事故は十件発生しておりますけども、その事故の類型としましては、単独事故が最も多く五件、次いで追突事故が二件、直進中に右折車と衝突する事故が二件、正面衝突が一件となっております。 24 ◯二宮眞盛委員 次に、バイクに乗車中の死亡事故の致命傷部位というのはどのようになっているんでしょうか。 25 ◯坂口警察本部総務部長 亡くなられた十人の致命傷となった部位の内訳でございますが、頭部が最も多く四人、次いで胸部が三人となっております。 26 ◯二宮眞盛委員 次に、バイク利用者のための交通安全対策は福岡県警としても様々に行っていただいていると理解をしておりますけれども、改めましてどのようなことを行っているのかをお聞きしたいと思います。 27 ◯坂口警察本部総務部長 県警察におきましては、交通事故抑止のために四輪自動車と併せましてバイクに対する速度超過などの指導取締りを実施しているところであります。そのほかに、交通安全キャンペーン、各種広報媒体を活用して頭部や胸部を守るヘルメットやプロテクターの有効性等につきまして周知を図りますとともに、学校や企業を対象にバイクの安全利用を目的とした実技講習を実施しているところであります。 28 ◯二宮眞盛委員 今ありました胸部のプロテクターに関しましては、使用することを意識している人が非常に少ないのではないかなという気がしておりまして、これは警視庁ですけれども、令和元年度におけるプロテクターの着用率に関する報告によりますと、胸部プロテクターの着用率は僅かに八・四%とお聞きをしております。  もう一つ、バイク利用者約三千百人の方へ調査を行った中で、プロテクターをしない理由はどういうことかという質問に対しまして、面倒というのが約四一%で最も多く、値段が高いが二六%、そして、プロテクター自体を知らないというのが一五%と続いているようです。  私もこのプロテクターを調べてみましたら、値段が高いとはどの程度するのかなと思っておりましたら、安全を確保した上での比較的安価なプロテクターも販売をされていると認識させていただきました。命を守るために、胸部のプロテクターの着用は必要だと私は思います。これは要望にとどめさせていただきますが、フルフェースのヘルメットの装着、そして胸部プロテクターの着用が習慣化するような取組を一層進めていただきたいと思います。  最後になりますけれども、バイク乗車中の交通死亡事故防止について決意をお伺いさせていただきたいと思います。 29 ◯坂口警察本部総務部長 県警察といたしましては、今後とも多くのライダーの方に安全にバイクを利用していただくために、交通安全教育広報啓発活動を推進してまいります。加えまして、飲酒運転をはじめ交通死亡事故につながる悪質、危険な違反につきましては、徹底した取締りを実施してまいります。 30 ◯二宮眞盛委員 ありがとうございました。以上で終わります。(拍手) 31 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 32 ◯秋田章二委員長 ないようですので、第一四一号議案の質疑を終了し、警察本部所管分の審査を終わります。  次に、教育庁所管分の審査を行います。  第一四一号議案「令和三年度福岡県一般会計決算」のうち歳出について説明を求めます。上田副教育長。 33 ◯上田教育庁副教育長 令和三年度一般会計決算のうち教育委員会所管分について御説明を申し上げます。決算概要説明書の百四十七ページをお願いいたします。  十款教育費は、決算額二千五百三十四億二千四百万円余でございます。  内訳について御説明いたします。百四十八ページをお願いいたします。  一項教育総務費は、決算額三百七十九億四百万円余でございます。この主なものは、事務局職員の人件費、教職員等退職手当公立高等学校等就学支援金交付金等でございます。なお、翌年度へ繰越しを行っておりますのは、主に新型コロナウイルス感染症対策として計上いたしました県立学校感染防止対策費でございます。百四十九ページに移りまして、不用額が生じた主な理由は学校教育活性化推進事業費等の残によるものです。  二項小学校費は、決算額七百八十五億一千四百万円余でございます。この主なものは小学校教職員の人件費でございます。不用額が生じた主な理由は、人件費等の残によるものです。  百五十ページをお願いいたします。三項中学校費は、決算額四百五十二億五千七百万円余でございます。この主なものは中学校教職員の人件費等でございます。不用額が生じた主な理由は、人件費等の残によるものです。  百五十一ページをお願いいたします。四項高等学校費は、決算額六百五十二億六千九百万円余でございます。この主なものは、百五十二ページに移りまして、高等学校教職員の人件費、全日制高等学校の運営費、老朽校舎改築費等でございます。なお、翌年度へ繰越しを行っておりますのは、主に国の経済対策関連事業として計上しました県立学校施設整備費でございます。不用額が生じた主な理由は人件費等の残によるものです。  百五十三ページをお願いいたします。五項特別支援学校費は、決算額二百三億七千四百万円余でございます。この主なものは、特別支援学校教職員の人件費、就学奨励費等でございます。なお、翌年度へ繰越しを行っておりますのは、主に国の経済対策関連事業として計上しました県立学校施設整備費でございます。不用額が生じた主な理由は人件費等の残によるものです。  百五十四ページをお願いいたします。六項社会教育費は、決算額三十七億九千六百万円余でございます。この主なものは、社会教育関係職員の人件費、青少年科学館運営費等でございます。なお、翌年度へ繰越しを行っておりますのは、主に甘木歴史資料館施設整備費において材料調達に日時を要したことによるものでございます。百五十五ページに移りまして、不用額が生じた主な理由は社会教育活動促進費等の残によるものです。  七項保健体育費は、決算額二十三億八百万円余でございます。この主なものは、保健体育関係職員の人件費、県立体育・スポーツ施設運営費等でございます。なお、翌年度へ繰越しを行っておりますのは、国の経済対策関連事業として計上しました総合射撃場設備改修費でございます。百五十六ページに移りまして、不用額が生じた主な理由は競技力向上事業費等の残によるものです。  十一款災害復旧費のうち四項の教育施設災害復旧費は、決算額四千六百万円余でございます。これは令和三年八月の大雨により被害を受けた高等学校等の災害復旧に要した経費でございます。なお、翌年度へ繰越しを行っておりますのは、高等学校災害復旧費において地元調整等に日時を要したことによるものでございます。百五十七ページに移りまして、不用額が生じた理由は高等学校災害復旧費の残によるものです。  以上が教育委員会の決算概要でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 34 ◯秋田章二委員長 説明は終わりました。  これより歳入及び歳出の質疑を行います。質疑ありませんか。井上正文委員。 35 ◯井上正文委員 自民党県議団の井上正文です。教職員の負担軽減について質問をいたします。  小中学校における教師不足の現状については、本議会の我が会派の代表質問において、今年度も小学校六十三校で六十六人、中学校三十七校で五十六人の定数欠講師の未配置が発生していることが明らかになったところであります。昨年度と比較して小学校で三十八人、中学校で十人の未配置が増加している大変厳しい状況でありますが、教師不足の要因についてどのようにお考えでしょうか。 36 ◯秋田章二委員長 日高教職員課長。 37 ◯日高教育庁教職員課長 教師不足に対応するため、これまで退職者を上回る新規採用を行ってまいりましたが、小学校における三十五人学級の実施や特別支援学級の増加による定数の伸びがあります一方で、採用試験の志願者の減少や合格後の辞退により採用予定人数を確保できない状況となっております。また、採用者数の増加に伴いまして、講師をしていた者が正規教員として採用され講師志願者が減少しておりますことから、今年度も未配置が生じたものと考えております。 38 ◯井上正文委員 現在、学校現場は、新型コロナウイルス感染症対策やICT教育の推進など、新たな課題への対応で大変多忙となっております。教師不足により教員の負担がさらに増加しているのではないでしょうか。また、全国では小学校で学級担任がいない学校も生じているとお聞きしますが、本県においてはどのような状況となっているのでしょうか。 39 ◯日高教育庁教職員課長 本県におきましては、教師不足により小学校の学級担任がいないというような状況は生じてはおりませんが、本来、担任を持たない主幹教諭等が担任の業務を行ったり、中学校では当該教科の教員の担当授業時数を増やしまして対応するなど、一部の教員の業務負担が増加しているというような状況になっております。 40 ◯井上正文委員 小中学校における教師不足の現状を踏まえますと、教員の働き方改革を進め、その負担軽減を図ることがこれまで以上に求められていると考えます。また、教師不足の解消に向けた人材確保の観点からも働き方改革を推進することが重要であると考えますが、小中学校における取組状況はどうなっているのでしょうか。 41 ◯日高教育庁教職員課長 県教育委員会の働き方改革の取組指針におきましては、勤務時間の適正な把握、学校のICT化による業務の効率化、支援スタッフの活用など、教員の負担軽減に向けた具体的な方策をお示しし、市町村教育委員会にもその取組を促しているところでございます。  これを受けまして、昨年度の時点では四十七市町村でICカード等により勤務時間の把握が行われており、四十三市町村で校務支援システム等を活用した校務の能率化が図られ、四十九市町村で教員業務支援員等の支援スタッフが配置されますなど、小中学校における働き方改革の取組が進められているところでございます。 42 ◯井上正文委員 ただいま答弁の中で支援スタッフの配置についてありましたが、私の地元であります宗像市でも教員業務支援員として正規教員を補助するスタッフを配置しております。学校の先生方にお聞きしたところ、今般のコロナ禍で業務が増大する中、このような方の配置で大変助かっているということでございました。市町村の正規教員の補助を行う職員を配置する場合に、県からの支援などはあるのでしょうか。 43 ◯秋田章二委員長 中嶋義務教育課長。 44 ◯中嶋教育庁義務教育課長 県教育委員会では、新型コロナウイルス感染症対策として、密を避けるための少人数指導や消毒作業等に係る教員の負担軽減を目的に、市町村立学校学習指導員等配置事業を実施しております。この事業は、一定の要件を満たす学校に学習指導員や教員業務支援員、いわゆるスクールサポートスタッフの配置をする市町村に対し、対象経費の三分の二以内を補助するものでございます。 45 ◯井上正文委員 昨日五日で福岡県のコロナ警報は解除され、感染者数は減少傾向にありますが、来年度からこういった感染症対策が不要になるとは思われません。支援スタッフの来年度の配置に向けた考え方をお伺いします。 46 ◯中嶋教育庁義務教育課長 令和三年度に学習指導員等配置事業を実施しました市町村からは、コロナ対策で業務が増加した場合にあっても学習指導員や教員業務支援員の配置により教員の負担を軽減し、本来担うべき業務に専念できたなどの成果が報告されております。コロナ対策のための業務負担が大きな学校については、学習指導員等の活用ができるよう、引き続き必要な支援を講じてまいります。 47 ◯井上正文委員 それでは最後に、学校現場の厳しい状況を踏まえた教職員の負担軽減に向けた取組について、副教育長の決意をお伺いします。 48 ◯秋田章二委員長 上田副教育長。 49 ◯上田教育庁副教育長 現在、教師不足により未配置が生じている学校におきましては、教員の業務負担が増加するなど厳しい状況にあると認識をしております。このため、ICT化による校務の効率化や教員業務支援員等の支援スタッフの活用により教員の負担軽減を図り、子供と向き合う時間や教材研究などの時間を十分に確保できるようにする必要があると考えております。  県教育委員会としましては、今後とも教員が意欲を持って能力を発揮し、健康でやりがいを感じながら働くことができる環境を整備するため、小中学校における働き方改革の取組を促してまいります。 50 ◯井上正文委員 この二年半、コロナ禍にあって学校の先生方は大変頑張っておられ、子供たちの学びを進められておられます。心から敬意を表します。恐らく、ウイズコロナの時代でありまして、学校のコロナ対策は引き続き求められると思います。加えて近年の教師不足もあり、現場の先生方の負担軽減は喫緊の課題です。県教育委員会には、現場の先生方の頑張りに応えるために、支援スタッフの活用など働き方改革に効果のあるあらゆる取組を積極的に進めていただくことを強く要望しまして、私の質問を終わります。(拍手) 51 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。後藤香織委員。 52 ◯後藤香織委員 民主県政クラブ県議団、早良区選出の後藤香織です。県学校給食会と学校給食の在り方についてお聞きします。  公益財団法人福岡県学校給食会には、県教育庁から評議員として教育振興部長が、理事として教育振興部体育スポーツ健康課長が業務執行の決定など、また監事として教育振興部体育スポーツ健康課参事兼課長補佐が理事の職務執行を監査するなど、その運営に大きく関わっています。  そういった中、二〇二〇年十一月十四日に給食「仲介費」カットという衝撃的な見出しとともに、福岡市が米飯、パン、牛乳のいわゆる基本物資三点について、県学校給食会を通さず直接購入に切り替えると新聞が報道しました。その記事によると福岡市は、米飯、パン、牛乳の基本物資三点全てを二〇二〇年度から県学校給食会を通さず直接購入を始めること、県内ほぼ全ての市町村が基本物資三点は県学校給食会を通しており、やめるのは福岡市が初めてであること、給食会の仲介を省くことで食物アレルギーに柔軟に対応でき、購入費は年間約五千五百万円削減できる算定であること、直接購入する業者は県学校給食会を通していたときと同じ業者であること、二〇一九年度の県学校給食会の学校給食用食品の売上高は約百十億円で、そのうち約二三%の約二十五億四千万円が福岡市の算定分であること、県学校給食会は福岡市の様々な要望に十分応えることができなかった面はあるかもしれないとしているとのことです。  私はこの福岡市の対応に追随し、県学校給食会を通さず直接購入を検討する自治体も出てくるのではないかと懸念をしています。そこで、福岡市脱退の影響等について聞いていきたいと思います。  ここで、委員長、公益財団法人福岡県学校給食会の二〇一七年度から五年間の物資収益額や基本物資の供給実績等が分かる資料を執行部に要求しております。お取り計らいをよろしくお願いいたします。 53 ◯秋田章二委員長 お諮りいたします。  ただいま後藤委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 54 ◯秋田章二委員長 御異議がありませんので本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま後藤委員から要求がありました資料については提出できますか。中野体育スポーツ健康課長。 55 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 直ちに提出いたします。 56 ◯秋田章二委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 57 ◯秋田章二委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 58 ◯秋田章二委員長 資料が配付されましたので、後藤委員、質疑を行ってください。
    59 ◯後藤香織委員 それでは、資料に基づいて、福岡市の直接購入が二〇二〇年度にどう影響があったのかを踏まえ、御説明をお願いします。 60 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 福岡県学校給食会の令和元年度から令和二年度にかけた推移は、金額ベースで物資収益額は二十一億二百二十五万七千円の減、取扱事務費収益額は六百四十七万八千円の減、物資仕入額は二十億四千六百五十九万七千円の減となっております。そのほか基本物資は、精米・米飯・精麦の七億九千六百三十八万円の減をはじめ、パン、多様化パン、牛乳でも減となっております。供給量ベースでは、精米・米飯・精麦の一千六トンの減をはじめ、パン、多様化パン、牛乳でも減となっております。販売価格では、米飯一食七十グラム当たり九十銭の増をはじめ、パン、精米、牛乳でも増となっております。 61 ◯後藤香織委員 福岡市が脱退したことで、金額、供給量ともに大幅に減少していることが分かりました。そうなると心配になってくるのが県学校給食会の事業運営についてですが、新聞では、理事長の報酬額の見直しを検討するなど経費削減などで会運営に支障はない、また、ほかの記事では、人件費を削減し、食育教室などイベント開催も見直した、県給食会幹部は給食の提供に影響が出ないよう今後も事業の見直しを進めると記載してあります。  そこで、それら経費削減で幾らの効果があったのかお示しください。その上で、事業運営の面でどのような対応をしたのかお聞きします。 62 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 県学校給食会によりますと、物資価格への影響が出ないよう、人件費の削減で千三百五十万円、食育支援事業などの事業縮小により七百六十万円が節減されたと聞いております。  また、事業運営の面におきましては、物資価格が上昇しないよう、価格の設定方法を据え置いたり、市町村の要望に対応するための食材を開発したりしたと聞いております。 63 ◯後藤香織委員 執行部、もう少しスピーディーにお答えいただけたらと思います。すみません。  実際に人件費等の削減を行ったとのことですが、福岡市が脱退したことによる県学校給食会の取扱量の減少で大量購入のメリットとも言える安価な値段にできず、給食費の値上げが起きたのではないかということも容易に想像ができます。  そこで、福岡市の脱退によって購入における値上がりなど影響は具体的に生じたのか、また、そうであるならば具体的にどのような形で影響したのか、県学校給食会は値上げにどう対応したのか、詳細にお答えください。 64 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 県学校給食会によりますと、県学校給食会も福岡市も同じ業者から米の供給を受けているため、業者の米の総取扱量は変わらず県学校給食会の仕入値が変わらなかったために、福岡市の脱退による物資価格への影響はないと聞いております。  なお、基本物資の販売単価が令和元年度から令和二年度にかけて値上がりしておりますが、これは材料費や人件費の上昇などによるものと聞いております。 65 ◯後藤香織委員 今、課長からも説明がありましたが、要求した資料二、(三)の販売単価では米飯の単価が上がっていますが、脱退した福岡市が同じ業者の取扱いだったため業者の取扱量が変わらず、影響はなかったということです。  それでは少し違う切り口で話しますが、福岡市は数年間にわたり定期的に県学校給食会に保護者の意見を伝えていたとお聞きしていますが、事実でしょうか。 66 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 事実でございます。 67 ◯後藤香織委員 では、具体的にどのような要望をしていたのかお聞きをいたします。 68 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 福岡市から県学校給食会に対し改善の要求があった項目は、基本物資の価格設定に関すること、福岡市内産米の使用拡大に関すること、パン規格の見直しに関すること、食品ロス対策に関すること、物資事故報告に関することでございます。 69 ◯後藤香織委員 その中で特に給食費に直結する米飯価格については価格設定が不明瞭であると指摘がされていますが、事実なのでしょうか。具体的にどのような基準で決め、直近の価格は幾らなのでしょうか、お答えください。 70 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 米飯単価は米の仕入価格に精米などの加工賃や事務費を加えた額であると聞いております。また、基本物資の調達につきましては、法令上、市町村が県学校給食会以外の者から独自調達することが可能であり、県学校給食会からは、市場での価格競争が存在することから価格設定に関する詳細な情報は非公開としていると聞いております。  直近の令和四年度の価格は米飯七十グラムが税抜きで一食当たり五十四円五十銭です。なお、福岡市の価格は米飯七十グラムが税抜きで一食当たり五十九円七十三銭であり、この価格は麦御飯の価格と同価格でございます。比較すると米飯では、県学校給食会の価格が税抜きで五円二十三銭安くなっております。 71 ◯後藤香織委員 特に近年、食材費の高騰は火を見るより明らかで、十月に入りさらに値上がりしました。そのような中、給食費の中でも重要な位置を占める米飯価格の設定が不明瞭と指摘されているのは、自治体だけでなく県民や保護者の不信を招くと思いますが、いかがでしょうか。 72 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 基本物資の調達につきましては、法令上、市町村が独自調達することが可能であり、市場での価格競争が存在することから、一業者である県学校給食会が価格設定に関する詳細な情報を非公開としていることもやむを得ないと考えます。 73 ◯後藤香織委員 非公開はやむを得ないとの非常に残念な回答でした。お米の価格は県学校給食会の理事会で決定をし、県教委に届出をしていると聞いています。不信感を払拭するためにも、価格設定の根拠を明確にすることを要望したいと思います。  次に、パン規格の見直しについてお聞きします。新聞記事にもあったように県学校給食会では食物アレルギーへの対応が不十分だったとのことです。福岡市では、児童生徒の約三%、約三千七百人に対応が必要とし、業者からの直接購入に切り替えたことでパンからゴマを除去するなど柔軟に変更できるようになったとのことです。  そこで、福岡市からは具体的にどのような要望があったのか、それにどのように対応したのか、また対応できなかった場合は、その理由を教えてください。 74 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 県学校給食会によりますと、福岡市からは、乳・卵アレルギーを有する児童生徒への対応として、それらを使用しないパンを追加することや、冬場に味や匂いなどの食味が落ちる米粉パンについて、食味の向上のために規格を見直してほしいとの要望があったと聞いております。  県学校給食会によりますと、パンの規格につきましては福岡市から随時要望がなされ、例えば、米粉割合の高い米粉パンについては特性上、堅くなりやすいことが課題となり、食味の向上ができなかったと聞いております。 75 ◯後藤香織委員 対応や新たなパンの規格などに取り組んだものの、要望に応えることができなかったということです。  福岡市教育委員会にも聞き取りをしたところ、福岡市では、脱退後、福岡市産のあまおうを使ったパンなども開発ができたということです。地産地消の豊かな食材を児童生徒たちに提供できているのではないかと非常に好印象に感じました。  この新聞記事が出た後、インターネット上では批判が殺到し、県学校給食会の不要論も見られました。まさに米飯の価格設定も不明瞭な上にアレルギー対応もできないようでは不要論が増え、県学校給食会に対する県民の評価はますます厳しいものになるのではないでしょうか。きちんとその必要性を県民に示すために、給食費の高騰対策に本気で取り組んだ上で、給食費に公費負担をプラスすることで無農薬や地産地消などの豊かな食材を提供することが今、県学校給食会に求められているのではないかと私は思います。そのための県学校給食会の抜本的な変化が必要だと考えます。  そこで、特にお米については、なぜ農協との相対取引なのか、県産米限定でも入札もできるのではないでしょうか、大量購入のメリットが生かされる入札方式にしてはいかがでしょうか、お伺いをいたします。 76 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 県学校給食会によりますと、地産地消のため、地元のお米を学校給食で提供したいという市町村からの要望があり、品質のよい県産米を安定して供給できる農協と契約を締結していると聞いております。例えば、米が不作であった際には、農協が学校給食用の県産米を優先的に確保した事例があると聞いております。 77 ◯後藤香織委員 品質のよい県産米を安定供給するために入札方式にはしていないということでした。  農林水産省の米に関するマンスリーレポート(令和四年九月号)によると、本県の夢つくしの市場価格は税込み千八百十円であり、資料要求した精米価格は十キログラム当たり税抜き三千三百十円ですので、ほぼ市場価格と変わらないことになります。皆様御承知のとおり、県産米については県とJAがその金額の一部を補助していますから、それにもかかわらず市場価格と県学校給食会の販売価格がほぼ変わらないのはなぜなのかと思わざるを得ません。価格設定が不明瞭であるがゆえに不信が募ります。運営に透明性が必要であることを指摘し、要望させていただきたいと思います。  最後に副教育長に、県民の皆様に求められる学校給食の実現に向けた県学校給食会事業の充実について、その決意を伺います。 78 ◯秋田章二委員長 上田副教育長。 79 ◯上田教育庁副教育長 県学校給食会は、県内の学校へ安全・安心な米や牛乳、冷凍食品、加工品といった物資を供給するなど、学校給食用物資を安定的に供給する役割を担っております。また、県学校給食会では、食育の推進や学校給食の普及・充実のため、学校給食レシピコンクールや学校給食フェア、料理コンクールを実施するなど、公益的な事業の工夫・充実が図られていると聞いております。  県教育委員会としましては、県学校給食会に対しまして、県産農林水産物を活用した物資の開発や取扱いに積極的に取り組んでもらうよう働きかけますとともに、今後とも子供たちが安心して給食を食べられるよう、安定した学校給食の実施に努めてまいりたいと考えております。 80 ◯後藤香織委員 県学校給食会が児童生徒により豊かな給食を提供し、自治体や保護者の要望等にも柔軟に対応できるものにぜひなっていただきたいと思います。  終わります。(拍手) 81 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑ありませんか。永川俊彦委員。 82 ◯永川俊彦委員 緑友会の永川俊彦でございます。  通告に従いまして、本県公立中学校における運動部活動の地域移行についてお伺いいたします。  本年六月、スポーツ庁の有識者会議、運動部活動の地域移行に関する検討会議により、公立中学校の運動部活動の目指す姿をまとめた提言がスポーツ庁長官に手交されております。提言では、少子化や教師の業務負担等を背景に学校の運動部活動では支え切れなくなっている中学生等のスポーツ環境について、学校単位から地域単位の活動に変えていくことで、少子化の中でも子供たちがスポーツに継続して親しむことができる機会を確保することを目指すとされております。  具体的な改革の方向性としては、まずは休日の運動部活動から段階的に地域移行していくことを基本とし、令和五年度から令和七年度末までの三年間を改革集中期間に位置づけ、改革を推進していくことにしております。また、地域移行の受皿となる地域におけるスポーツ機会の確保、生徒の多様なニーズに合った活動機会の充実、地域スポーツの振興などについても着実に取り組むことが重要であると明記されております。  そのような経緯がございまして、本年の八月、二か月前になりますが、大牟田市においては、運動部活動の地域移行に向けた受皿となるよう、私が副会長を務めております大牟田市バスケットボール協会におきまして、アンダー15クラブチームを発足させました。既に運営を開始しておりますが、プレーする子供たちや熱心に指導していただいている指導者の方々、またそれを温かく見守ってくださる保護者の皆様の御理解、御協力もあり、産みの苦しみもございましたが、今のところ順調に推移をしております。  ちなみに、現在十名前後の指導者の方に携わっていただいておりますが、先日行われました第六十五回福岡県民スポーツ大会バスケットボール競技においては、この指導者メンバーも多数参加している大牟田チームは、青年女子が優勝、青年男子が準優勝で、それぞれ十一月に開催される全国大会に出場を決め、市内においてもスポーツ振興の機運が高まっております。  さて、生徒を取り巻く公立中学校運動部活動の環境を見てみますと、私の地元でも大きく変化してきているようです。平成二十六年度に市内に十一校あった中学校が、令和九年度には六校にまで減少すると聞いております。今後、少子化はますます進行すると思われ、運動部活動にも大きな影響が及ぶのではないかと大変危惧しているところでございます。  そこでまず、県内の運動部活動の現状について質問をいたします。県内の中学生の運動部活動の入部率や部活動数の変化について教えてください。 83 ◯秋田章二委員長 中野体育スポーツ健康課長。 84 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 福岡県における中学生の運動部活動入部率は、令和二年度は五六・三%、令和三年度は五六・一%、令和四年度は五四・八%と、年々減少傾向でございます。また、中学校の運動部活動数につきましては、令和二年度は五千九百三部、令和三年度は五千九百九十九部、令和四年度は五千九百六十二部であり、ここ十年間は六千部前後でほぼ横ばいでございます。中学校一校当たりの平均は十六部程度となります。 85 ◯永川俊彦委員 運動部活動への入部率が年々減ってきているということは、今後、部員不足で部活動が成り立たない原因となり、スポーツに親しむ機会が奪われてしまうのではないかと心配をしております。また、中学校一校当たり平均十六部もある状態が続けば、今後、指導者不足にもつながると考えられます。  そこで、質問いたします。昨年度の中学校の運動部活動における教職員以外の指導者はどの程度いるのか、お答えください。 86 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 令和三年度に県が予算措置をした部活動指導員数は百三十名、県中学校体育連盟に登録された外部指導者数は千八百六名でございます。 87 ◯永川俊彦委員 教職員以外の指導者が一定数関わっていることが分かりました。  今回の提言の中には、運動部活動が地域移行された場合も、これまでの学校における部活動の教育的意義や役割を継承・発展していくことが必要と示されております。  そこで、質問させていただきます。部活動の教育的意義や役割を継承・発展していくために、地域移行された場合に指導者に求めるものはどのようなものでしょうか、お答えください。 88 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 活動に関わる指導者につきましては、各種目の専門的な指導力を備えていることが重要でございます。その上で、生徒の健康・安全を確保するとともに、スポーツ医・科学の観点を踏まえたバランスのよい活動にしていくことが求められます。さらには、生徒の意見を反映した指導や生徒のよさを伸ばす指導など、生徒の発達段階やニーズに応じた活動にしていくことが求められております。 89 ◯永川俊彦委員 御答弁でもありましたとおり、部活動が地域移行したとしても、これまでの教育的意義や役割をしっかりと継承・発展していくことは大変重要なことであると考えられます。  さて、昨年十二月の一般質問の際に、部活動の地域移行に向け実践研究に取り組んでいると伺いました。そこで、現在の実践研究の進捗状況についてお答えください。 90 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 現在、県内三市町村の協力の下、運動部活動の地域移行に向けた実践研究を実施しております。各市町村におきましては、中学校、行政、総合型地域スポーツクラブやスポーツ協会などの関係者による協議会等を設置し、新たなスポーツ環境の構築の在り方や地域移行のスケジュールなど具体的な検討を進めております。 91 ◯永川俊彦委員 現在様々な検討がなされているということでございましたが、これまで学校が当たり前になっていた部活動を地域へ移行するということは本当に大変な改革であると考えております。実践研究を進めていく中では、当然、様々な課題が見えてくると思われます。ぜひほかの市町村の参考となるような実践研究になることを期待しております。  また、この実践研究のほかにも県として取組をされていることがあると思いますが、ほかにどのようなものがあるのかをお答えください。 92 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 部活動改革の実施主体となる市町村の教育委員会やスポーツ担当部署、中学校長等を対象とした部活動改革セミナーを今年度から新たに実施し、実践研究の成果や国の動向、先進地域の事例などを情報提供してまいります。今後、国のガイドライン改定を受け、県としての方向性を検討してまいります。 93 ◯永川俊彦委員 提言の中には、令和五年度から段階的に地域移行することが明記をされております。いよいよ来年度からスタートする市町村もあると思われます。  そこで最後に県教育委員会として、スポーツ立県福岡のさらなる基盤となるような運動部活動の地域移行に向けた副教育長の決意をお伺いいたします。 94 ◯秋田章二委員長 上田副教育長。 95 ◯上田教育庁副教育長 このたびの地域移行を含めた部活動改革は、少子化の中にありましても子供たちが将来にわたり継続してスポーツに親しむことができる機会を確保していくためのものでございます。このため、現在学校教育として実施しております運動部活動の実績を踏まえまして、市町村教育委員会やスポーツ関係団体と協議を重ねて、地域移行後も教育的意義を持ったスポーツ活動が実施され、子供たちの成長につながるものとなるように、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 96 ◯永川俊彦委員 引き続きよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。(拍手) 97 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。浜崎達也委員。 98 ◯浜崎達也委員 公明党の浜崎達也でございます。  今回は、子供たちが障がいの有無にかかわらず一緒に学ぶインクルーシブ教育システムの構築について質問をいたします。  新聞報道では、国連の障害者権利委員会は先月九月九日、日本政府に対し障がい児を分離する特別支援教育の中止などを勧告した。これは、日本が二〇一四年に批准した障害者権利条約に基づく初の国連審査によるもので、勧告に強制力はないが、重く受け止める必要がある。我が国では特別支援教育を受ける子供が増えている。このうち日常生活に必要な知識や能力を身につける特別支援学校の在籍者及び主に学力に遅れがある子供を対象とした特別支援学級に在籍している小中学生は五十四万人にも上り、この十年間で倍増したと言われております。  そこでまず、国連の委員会は今日本で行われている特別支援教育に関して非常に否定的な見解でございます。まず、インクルーシブ教育のことからお聞きしますけれども、本県におけるインクルーシブ教育の認識と本県の今の取組をお聞かせください。 99 ◯秋田章二委員長 三澄特別支援教育課長。 100 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 インクルーシブ教育システムは、障がい者の精神的また身体的な能力を可能な限り発達させるという目的の下に、障がいのある者と障がいのない者が共に学ぶ教育制度であります。このインクルーシブ教育システムを構築するためには、様々な教育的ニーズのある子供たちに対して、自立と社会参加を見据え、その時点で最も的確に応える指導を提供できる多様で柔軟な仕組みを整備することが重要です。  文部科学省は、国連の勧告の趣旨も踏まえつつ、現行のインクルーシブ教育システムの推進に努めることを表明しており、本県においても引き続き、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場における教育の充実を図ってまいります。 101 ◯浜崎達也委員 今の答弁でいきますと、この国連の委員会の認識というのは日本の認識と違うということでいいでしょうか、まずお答えください。 102 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 文部科学省はそのように明らかに表明をしております。今後理解を図りたいということも会見のほうで述べられております。 103 ◯浜崎達也委員 じゃあ、今の答弁を信じて次に移ります。  資料要求をさせていただきます。  福岡県の義務教育段階における児童生徒数の推移、とりわけ特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室、この三点でございます。委員長、お取り計らいをよろしくお願いいたします。 104 ◯秋田章二委員長 お諮りいたします。  ただいま浜崎委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 105 ◯秋田章二委員長 御異議がありませんので本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま浜崎委員から要求がありました資料については提出できますか。 106 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 直ちに提出いたします。 107 ◯秋田章二委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 108 ◯秋田章二委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 109 ◯秋田章二委員長 資料が配付されましたので、浜崎委員、質疑を行ってください。 110 ◯浜崎達也委員 まず、この資料についての執行部の説明をいただきたいと思います。 111 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 資料は、平成二十五年度以降の各年度の五月一日現在における義務教育段階の特別支援学校、特別支援学級及び通級による指導を受けている児童生徒数を示したものです。  今年度までの十年で、特別支援学校は二千七百九十四人から約一・五倍の四千百六十一人に、特別支援学級は六千二百七十一人から約二・九倍の一万七千九百五十八人に、通級による指導は二千六十六人から約二・一倍の四千四百四十人となっており、いずれの児童生徒数も増加傾向にあります。 112 ◯浜崎達也委員 今説明がありましたけれども、この十年間の児童生徒の増加の要因は何と今、県教委は認識されていますか。 113 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 特殊教育から特別支援教育への転換が図られ、特別支援教育に対する保護者の理解が進んだことが児童生徒の増加の主な要因であると考えております。 114 ◯浜崎達也委員 では次に、平成十九年に改正学校教育法施行に当たり、各学校に特別支援教育に関する校内委員会を設置するとともに、特別支援教育コーディネーターを指名するよう国から通知がなされました。その当時はなかなか急な話だったと思うんですが、今の本県の現状をお聞かせください。 115 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 令和元年度以降の特別支援教育体制整備状況調査では、県域の小学校、中学校、義務教育学校における校内委員会の設置とコーディネーターの指名はいずれも一〇〇%となっております。
    116 ◯浜崎達也委員 一〇〇%ですね。 117 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 はい。 118 ◯浜崎達也委員 大分進んできたというか、規則正しくというか、定期的に委員会が開かれているということもお聞きしていますので、次に移ります。  通級指導教室も大変増えてまいりましたが、通級指導を受けられない児童生徒がいるとも聞いております。県教委はこのことに関してどのように取り組んでいるのか、通級の問題、親が一緒に行けないとか様々な要因があると思いますが、お聞かせください。 119 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 現在、対象の児童生徒に対して確実に教員を措置できるよう、義務標準法によりいわゆる基礎定数に段階的に移行しているところでございます。あわせて、人数の少ない市町村については、教員巡回型や複数市町村による共同設置などにより、できる限り希望する児童生徒が適切な通級指導を受けられるよう取り組んでおります。 120 ◯浜崎達也委員 この通級で非常にいい場所を聞きました。中牟田議員がお住まいの春日市ですけど、従来のセンター方式のようにどこか一か所に通級で集まるというのではなくて、自校通級方式へと移行を図っていると聞いていますが、県教委ではどのように評価しておりますか。 121 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 自校通級方式は児童生徒の移動にかかる時間や保護者の送迎の負担が解消される点において効果的な方法であると考えます。一方、センター方式と比較しますと、担当教員の専門性確保や、各学校に新たに教室や備品を整備する必要が生じるといった課題もございます。 122 ◯浜崎達也委員 今、問題点の指摘がございましたけれども、私は自校通級方式がインクルーシブ教育を前進させる初めの一歩ではないかなと思っております。県教委のお考えをお聞かせください。 123 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 自校通級方式は、児童生徒が在籍する学校で一人一人のニーズに応じた指導を受けることができるという点において、インクルーシブ教育システムの構築において有効な手だてであると考えます。一方で、担当教員の専門性の向上や必要な環境整備等の観点から、各地域の実態を踏まえた柔軟な通級形態を用意する必要があると考えております。 124 ◯浜崎達也委員 やはり、先ほど教員のお話がございましたけれども、教員の皆さんが特別支援教育、インクルーシブ教育への取組を推進するために、今後どのような方策を講じるのか、お聞かせください。 125 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 教員がインクルーシブ教育システムの理念を共有し、子供たちの自立と社会参加を見据え、適切な指導と必要な支援を行う専門性を身につけるための研修が不可欠であると考えます。そのため、各地域における特別支援教育の中核となる教員を育成し、その教員を核とした研修を実施してまいります。 126 ◯浜崎達也委員 私は、国連の障害者権利委員会の特別支援教育の中止の勧告に非常にショックを受けまして今回の質問に至りました。今、福岡県で行っているのは日本としては正しい特別支援教育だと執行部は言い切っておられると思いますが、最後に、インクルーシブ教育システム構築に向けて副教育長の決意を伺います。 127 ◯秋田章二委員長 上田副教育長。 128 ◯上田教育庁副教育長 障がいの有無によって分け隔てられることなく、誰もがお互いに人格と個性を尊重し、支え合い、認め合える、そういった共生社会の実現を目指すためには、インクルーシブ教育システムの構築が不可欠であると考えております。  県教育委員会ではこれまでも、一人一人の障がいの状態や発達の段階に応じた連続性のある多様な学びの場における教育の充実に取り組んでまいりました。今後とも引き続き一人一人の教育的ニーズに応じて適切な指導及び必要な支援を行う特別支援教育を着実に推進してまいります。 129 ◯浜崎達也委員 引き続きしっかり特別支援教育に取り組んでいただきたいと強く要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 130 ◯秋田章二委員長 この際、しばらく休憩します。再開は午後一時二十分をめどに、放送をもってお知らせいたします。    午 後 零 時 二 十 分 休 憩    午 後 一 時 二 十 分 再 開 131 ◯大橋克己副委員長 ただいまから委員会を再開いたします。休憩前に引き続き、議事を進めます。  教育庁所管分について、ほかの質疑はありませんか。高瀬菜穂子委員。 132 ◯高瀬菜穂子委員 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。  通告に従いまして、まず学校給食についてお尋ねします。  北九州市の学校給食で、七月十四日、中学校に納入された米飯が腐敗していたことが分かり、ニュースとなりました。北九州市にお聞きしますと、これ以前にも同様の報告があったということです。子供たちの給食の御飯が腐っていたというのはショッキングな話です。  北九州市は炊飯を委託していました。そこでまず、炊飯を委託した場合の米飯の供給体制はどうなっているのか伺います。 133 ◯大橋克己副委員長 中野体育スポーツ健康課長。 134 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 炊飯を委託する場合は、県学校給食会と学校とが供給契約を結び、県学校給食会が指定した炊飯工場から学校へと供給されております。 135 ◯高瀬菜穂子委員 県学校給食会と学校との契約ということですね。炊飯を委託する工場の多くはパン業者になっていると思いますが、現在の業者数と全体の提供数、現在の業者ごとの米飯提供数を明らかにしてください。 136 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 令和四年度学校給食用米飯の委託業者は九社であり、提供数は二百九十校、十二万四千八百七十食であります。米飯提供数につきましては、最も多かった業者で五万五千七百四十一食、最も少なかった業者で四百八十五食でございます。 137 ◯高瀬菜穂子委員 県内小・中学生が約四十一万八千人ぐらいだと思うので、四分の一以上の児童生徒に委託炊飯で米飯が届けられているということだと思います。五万五千食を超える業者と四百八十五食の業者があるということで、業者によって提供数が大きく異なりますよね。  以前、私はパン焼き器で炊飯をしているところを朝早く視察させていただきました。そのときに、提供数が多い場合、炊飯の前日から洗米をして、そして何時間にもわたって水に浸した後に炊飯をしているということで、ちょっと驚いたんですね。給食の調理は衛生上、食材の配送も含め原則当日に行われるというふうに承知をしておりますので、この委託炊飯の在り方については改善が必要なのではないかと感じ、これまでも問題提起をしてきたところです。  昨今は温暖化で気温が高いことや配送範囲が広く到着まで時間がかかることが、業者さんにも大きな負担をかけていると感じております。こうしたことと今回のこととは関係がないと言えるでしょうか。北九州市で起きた御飯が腐っていたことの原因について、どのようにお考えですか。また、どのような改善策が示されたのか、お答えください。 138 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 北九州市によりますと、本件は、米飯が十八食分入る保温用ケースに米飯を二食分入れ納品されたことから、ケース内の温度が目安となる六十度を保てず、一般細菌が増殖しやすい三十度から四十度の温度帯が続いたことが原因であると推測されると聞いております。  改善策としましては、北九州市教育委員会が契約相手方である県学校給食会を通じて、製造業者に対して適切な温度を保った納品を指導し、再発防止を徹底させたと聞いております。 139 ◯高瀬菜穂子委員 北九州市教育委員会が製造業者に改善を求めて、再発防止策として六食用の小さな発泡スチロールの箱を作ったということを私もお聞きをしております。しかし、それが根本的な解決になるのか心配なんですね。給食調理員さんの話では、同じ県産米でも御飯の風味は業者によって全く違うということなんです。米飯提供数と業者の一回の炊飯能力、洗米や水に浸す時間などに基準を設けるなどの対策が必要ではないでしょうか。 140 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 県学校給食会によりますと、受注できる適正な規模の基準はないが、業者に受注が可能か確認の上、発注しているとのことでございます。 141 ◯高瀬菜穂子委員 県学校給食会が委託している炊飯工場の米飯が腐っているんですよ。箱を小さくするだけでよいのか、県学校給食会として検証する必要があるのではないでしょうか。学校と供給契約をしているのは県学校給食会でしょう。北九州市と業者との問題と傍観していてよいのか、このことが問われます。  北九州市も県学校給食会の指導を期待しておられました。県学校給食会は独立した組織だと言われますが、先ほど後藤委員から詳しく指摘がありましたように、運営に責任を持つ役員には教育委員会関係者が現職も含めおられます。それは教育行政と密接な関係があるからで、特に子供たちの健康に直結する食の安全について責任を果たしてもらいたいと強く思います。米飯の安全についての検証と業者に対する指導、そして業者に対する支援も含めて、強く要望したいと思います。よろしくお願いいたします。  次に、給食用のパンについて伺います。  ウクライナ状況や円安の影響から、輸入小麦が高騰してきています。価格差が縮まっている中、給食用のパンは一〇〇%県産小麦または米粉に転換すべきと考えます。現在の実績と併せて見解を伺います。 142 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 令和三年度における県産小麦使用のパンの割合は二五・四%でございます。今年度の県学校給食会のパンの価格を比較しますと、輸入小麦一〇〇%のパンと県産麦一〇〇%パンや米粉を原料としたパンとの間には価格差がございます。 143 ◯高瀬菜穂子委員 価格差があるということですが、価格差はあっても、全体の四分の一が県産小麦や米粉を使ったパンになったということで、これは大きく前進していると思います。やはり安全でおいしいパンをという思いの中で前進しているんだと思っています。輸入小麦パンからはグリホサートが検出されたこともあり、安全な県産に転換していただくよう強く要望いたします。  次に、全国で進んでいる学校給食の無償化について伺います。  物価高騰策として県内でも那珂川市、桂川町などで期限付の無償化となり、青森市は恒久的な制度に踏み出しました。学校給食が自給率向上、地産地消の鍵を握っているという観点からも、学校給食の無償化に踏み出すべきときだと考えます。県として助成制度をつくることについて、見解を伺います。 144 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 学校給食費は学校給食法において保護者が負担することとなっており、経済的理由により負担が厳しい保護者に対しましては、生活保護や就学援助制度による支援がなされております。このため県教育委員会としましては、市町村教育委員会に対し就学援助制度の周知徹底を指導するとともに、国の動向や参考となる自治体の取組について情報提供してまいりたいと考えております。 145 ◯高瀬菜穂子委員 情報提供はされるということですね。でも、憲法上は義務教育は無償であり、学校給食も本来無償であるべきです。子供の貧困をなくす観点からも、学校給食の無償化は急がれる課題だと思います。県としても国に対して無償化に踏み出すよう求めていただきたいと思います。  この機会に、今問題となっている給食時間について伺います。  給食の時間が短いことで摂食障がいになった中学生がいることが、福岡市で大問題になっています。県として、学校給食の時間の基準や目安を持っていますか。また、給食時間の設定について、どのような指導を行っているのかお尋ねします。 146 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 給食時間の設定につきましては、文部科学省が定めた学校給食実施基準におきまして、給食の準備から片づけを通して計画的、継続的に指導することが重要であり、そのために必要となる適切な給食時間を確保することと規定されております。  県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会に対し、学校給食実施基準における適切な給食の時間の確保について、改めて周知してまいります。 147 ◯高瀬菜穂子委員 その際に、給食時間が短くて精神的に追い詰められて、直接的な原因として摂食障がいになった生徒がいるということも伝えていただいて、そうした配慮をした上で適切な時間設定を行うよう指導をお願いします。  以上で学校給食についての質問を終わりますが、特に委託炊飯については県学校給食会で真摯に検討されるよう重ねて要望いたします。  次に、県立学校への通知について伺います。  先日の安倍元首相の国葬に当たり、半旗掲揚の通知が県立学校にも出されたことについて、マスコミ等でも注目をされています。そもそも県教委と県立学校長はどのような関係にあるのか、お答えください。 148 ◯大橋克己副委員長 馬渡高校教育課長。 149 ◯馬渡教育庁高校教育課長 県教育委員会は、県立学校の設置管理者として全般的な事項に係る職務権限を有しており、学校長には教育委員会規則等により校舎の管理等を含め一定の管理権限が認められています。 150 ◯高瀬菜穂子委員 県立学校長はそれぞれ権限を持っているということを確認したいと思います。このたびの国葬について国論が二分する中で、全国で山口県と本県だけが半旗掲揚について学校現場に通知を行いましたけれども、このことについて、学校の独立性、教育の中立性の観点からどのように考えているのか、お答えください。 151 ◯馬渡教育庁高校教育課長 学校における半旗掲揚は、国において公式行事として行われる国葬に際し、公の機関として広く哀悼の意を表するものであると考えております。したがって、本通知は児童生徒や保護者一人一人に弔意を求めるものではなく、また特定の政党を支持するための政治的活動には当たらず、教育の中立を侵すものではないと考えております。 152 ◯高瀬菜穂子委員 そうでしょうか。児童生徒一人一人に弔意を求めるものではなくても、半旗を掲揚することは弔意の表明であり、だからこそ学校現場への通知に注目が集まっています。  私ども共産党県議団と共産党県委員会は七月に教育長に申入れを行いました。国葬の中止を求めることと、国葬が行われる場合に半旗の掲揚や黙祷など弔意の強制を行わないようにお願いをしたものです。その際、慎重に対応する、総務省、文科省からの通知がどうなるか注視するということでした。ところが、各マスコミに検討中と繰り返していたにもかかわらず、前日になって通知を出されました。私も驚きましたが、これには現場からの要請の声があったのでしょうか。 153 ◯大橋克己副委員長 井手総務企画課長。 154 ◯井手教育庁総務企画課長 今般の国葬儀に際しましては、その対応について国から通知がありませんでした。そのような中で、県立学校を含む出先機関の長自身がそれぞれ独自に判断を求められることとなれば対応に苦慮することが予想されましたので、それらの機関からは正式な要請はありませんでしたけれども、県教育委員会として独自に考え方を示したものでございます。  この通知の発出が国葬儀の前日となりましたのは、方針決定や通知の内容、文言等について慎重に検討を行ったためでございます。 155 ◯高瀬菜穂子委員 国からの通知もなく、現場からの要請もなかったにもかかわらず、県教委が出先機関の長自身が判断し対応するのに苦慮すると考えて通知を出されたということです。それは、県立学校長の判断や権限、独立性を考慮すれば越権行為ではないかと私は思うんですね。  通知を出せば学校現場に半旗掲揚の方向を示すことになるとの認識はありましたか、お答えください。また、学校現場で半旗掲揚となることを期待していたのか、このことについてもお答えください。 156 ◯馬渡教育庁高校教育課長 本通知は庁舎において半旗掲揚を実施するという教育委員会としての基本的な考え方を示したものであり、各学校においてはこれを踏まえて対応を判断することになるものと認識していました。よって、各学校の対応を強制するものではありませんが、特段の事情がなければ学校においても庁舎としての半旗掲揚を行うことになるものと考えておりました。 157 ◯高瀬菜穂子委員 県教委が通知を出せば、学校現場は言わば忖度をして半旗掲揚するだろうとの期待を持って行ったということですよね。それは事実上の要請ですよね。お知らせというふうにおっしゃっているんだけれども、要請になると思います。  そして、深刻だと思うのは県教委と学校長との関係です。これだけ国論が分かれた政治が絡む事案で、政治的中立を守るべき学校現場に、県教委の通知は正式にはなかったということですけど、暗に期待したり、判断に困るだろうと県教委が言わば親心で通知を出すという、こういう関係、これは独立した正常な関係ではないのではないでしょうか。この通知に対して、県教委は通知を出すべきではないと発言した学校長がおられるでしょうか。他の都道府県教委が通知発出をしなかった中で、本県の対応は自立性を疑うもので大変残念です。そして、こうした体質が教育全般にあるのではないかと危惧するものです。  高教組の調査で二十校程度が半旗掲揚したと報道されましたけれども、結果についてどのように受け止めておられますか。 158 ◯馬渡教育庁高校教育課長 国葬儀当日は雨天であったため、そもそも国旗掲揚を行っていない学校も相当数あったと考えておりますが、各学校における半旗掲揚の状況は把握しておりません。また、各学校で国旗掲揚に関し混乱があったとの報告は受けておりません。 159 ◯高瀬菜穂子委員 把握すべきでないことは当然です。把握しない、学校長の権限というのであれば通知を出す必要はなかったし、出すべきではなかったと考えます。混乱はなかったと言いますが、憤りを感じた職員や生徒は多数いたのではありませんか。半旗掲揚の報告が高教組に集まっていることにも表れているのではないかと思います。改めて通知を出すべきではなかったと私は考えますが、この点について副教育長の見解をお聞きします。 160 ◯大橋克己副委員長 上田副教育長。 161 ◯上田教育庁副教育長 今般の通知につきましては、県教育委員会として児童生徒や職員に弔意を強制することのないよう留意することを前提として、半旗掲揚に関する基本的な考え方を示したものでございます。今回の対応は特定の政党を支持する政治的活動には当たらず、教育の中立性を侵すものではなかったと考えております。 162 ◯高瀬菜穂子委員 お答えいただきましたけれども、この件については責任者である教育長の御所見をぜひ伺いたいと思いますので、委員長、教育長保留のお取り計らいをお願いいたします。 163 ◯大橋克己副委員長 ただいま高瀬委員から申出のありました教育長保留質疑を認めることにいたします。  なお、教育長保留質疑は十月十二日水曜日に行う予定でありますので御了承願います。 164 ◯高瀬菜穂子委員 終わります。 165 ◯大橋克己副委員長 ほかに質疑はありませんか。古川忠委員。 166 ◯古川 忠委員 通告のように、子供の才能を伸ばす教育について質問いたします。  戦後日本の教育の欠陥の一つは、行き過ぎた平等教育だと私は常々思っております。今はそんなことはないと思いますけれども、運動会の駆けっこで速い子がゴール前で待って、みんなで手をつないでゴールしたという例もかつてありました。まさに行き過ぎた平等主義といいましょうか、スタートは平等でなければいけませんが、結果の平等を求めてそのようなことが行われたと思います。  そのことは教室でも同じような考え方で行われた傾向が長く続いたんじゃないでしょうか。少し時間がかかる子も、進度が速い子も、それぞれ子供には特徴があると思います。特に進度の速い子にとっては、その授業があまりにもつまらなくて退屈で、そういう時間を四、五十分過ごすわけですから、もったいない気がいたします。  そういう中で、学校はどうしても待ちの教育をしてありますけど、最近は幼稚園とか保育園でもかなり高度な勉強が進んでいまして、入学時点からかなり差があるんですね。そういう中で同じように教えるということが、子供の教育にかなりマイナスになっているのではないかという思いが私はあります。言ってみれば子供の才能を公立小学校に入った途端に抑制してしまっている、そういう危惧さえ抱いております。  私は理解が遅い子を落ちこぼれとは言わずに、スロースターターと言うようにしております。その子にはその子に合った教育を当然施すべきです。そういう意味におきまして、逆に伸びる子を伸ばさないというのは社会にとっても大変な損失であり、世界はもちろんアジアの諸国からも取り残されてしまうのではないかと思っております。近年この横並び教育に多少見直しの機運がありますけれども、現在、義務教育でどういうふうに行われているか、そのことを御説明願いたいと思います。 167 ◯大橋克己副委員長 中嶋義務教育課長。 168 ◯中嶋教育庁義務教育課長 義務教育は全ての子供たちに対し、国家や社会の形成者として基本的な資質を養うことを目的としております。県立高校では、生徒の多様な興味、関心や能力に応じて特色ある学科やコースが選択できる一方で、義務教育である公立小中学校では学力の異なる多様な児童生徒が同じ教室で学んでおります。このような実態に応じて、公立小中学校では習熟度別の少人数指導や個別の補充学習を行い、個に応じた指導に努めているところでございます。 169 ◯古川 忠委員 三十人から、場合によっては四十人もいる子供たちのいわゆる能力を一人の教師が判定するのは大変難しい、それは理解します。しかしながら、今お話がありましたように近年はICTの機能がかなり進んでいまして、私はこれに大いに期待しておるんですね。  というのは、私は実を言うと今の公教育の平等教育に疑問と不安を感じていまして、十年前から友人と語らって、新しい義務教育小・中・高をつくろうということでやってきまして、やっと再来年の四月に北九州市に私立の義務教育小中学校を設立する運びまでこぎ着けました。その中で毎週のように勉強会、研究会をやっているんですけども、先般、サマースクールを開きまして、幼稚園と保育園の年長組、それから小学校の低学年組を対象に、二つに分けて模擬スクールをやってみました。  そのときにタブレットを使いました。子供はそれぞれにタブレットを持っていまして、子供のタブレット見ていましたら、一人の子は次々に難しい漢字にそのタブレットの中で進んでいきます。算数もそうです。どんどん難しいのを答えていく。もちろんそうでない子もおります。その様子が先生が持っているタブレットにリアルタイムで全部出てくるんですね。すごいですね。本当に僕はびっくりしましたけど、それでもって先生は、A君はここまで進んでいる、B君はここはちょっと弱いなと全部分かるんですよ。ですから、即座にその授業の中で、もしくは授業が終わった後に子供たちに、もっとこれをやったらどうかとか、これが足りないねという授業ができるんです。  そういう実験教育をしてみまして、特に今、コロナの関係で、通信教育でありますとか、そういうICTを使った教育が進んでいますから、大いにこういうものを利用して、もっともっと個人に目を向けた教育を進めていただきたいと私は思っています。工夫次第ではそういう教育が一人の教師に重荷がかからずにできるのではないかなと大変期待しておりまして、まさに今、そういう意味では、待ちの教育から一人一人の子供をフォローできる教育に転換する大きなチャンスだと思いますので、どういうふうに考えるか、回答をお願いしたいと思います。 170 ◯中嶋教育庁義務教育課長 ICTの強みを生かすことで、児童生徒にとっては自分の興味・関心や能力に応じて自分のペースで学習を進めることができるようになるとともに、教師にとっては蓄積された児童生徒の学習の履歴を指導に生かすことができるようになると考えております。また、個々の才能を伸ばすための高度な学びの機会を提供するためにも、ICTが持つ特性を最大限生かすことが重要であり、これを積極的に活用することで個別最適な学びを充実させてまいりたいと考えております。 171 ◯古川 忠委員 今申し上げた横並び教育の脱却とは似て非なるものかもしれませんが、最近特にギフテッド教育が新しい課題として浮かび上がってきています。ギフテッドというのはまさに神から授けられたギフトが語源だと思いますけども、いわゆる特異な才能を持つ子供たちは普通の教室では物足りない。逆に言うと、周りからはやや変人扱いされるという中で随分苦しんでいる子供たちがいるんだろうと思うんです。そういう者に対してどういう教育を施していくかというのはこれからの大きな課題だと私は思っております。  私はこれを単にIQが高いという基準だけで考えているわけではなくて、学術、芸術、スポーツ、いろんな意味で特異な才能を持った子供がいるはずですから、そういう子供を少しでも伸ばすことを真剣に考えるべきだと私は思っております。  来年度からいよいよ政府のほうでもギフテッド教育が本格化すると私は聞いております。この九月に文科省の有識者会議で学校現場での対応を求める提言がなされたということです。その提言の骨は、習熟の程度に応じた自由度の高い学習を取り入れる教育環境であるべきだということだと思います。まさにこれは過度な横並び教育から学校が脱出する、そして本当に有能な子供をどんどん育てて日本を引っ張ってもらうということだろうと思います。  現在、学校現場でこれに近いようなことはどんなことが行われておるか、お聞きしたいと思います。 172 ◯中嶋教育庁義務教育課長 全ての子供たちにとって、自分とは異なる感性や考え方に触れ、刺激し合いながら学びを深めていくということが不可欠であり、このことは特定分野に特異な才能のある子供にとっても変わらないものでございます。  公立小中学校ではこのような学びの機会の充実を図りつつ、必要に応じて一時的にふだん過ごす教室と別の教室で特性に合った学習を行うことができるような環境整備や、担任をはじめ教諭はもちろん、養護教諭やスクールカウンセラー等にすぐに相談できる校内体制を整備し、そのような児童生徒にとって学校が安心して学べるような居場所となるよう努めてまいります。 173 ◯大橋克己副委員長 馬渡高校教育課長。 174 ◯馬渡教育庁高校教育課長 県立高校では、理数系科目で優れた素質を持つ生徒の才能を伸ばす科学技術コンテストや、九州大学と連携して最先端の知に触れながら学外の生徒とテーマに沿った議論を行う知の創造塾など、特異な才能を持つ生徒がその能力を発揮できるような学校外での学びの機会を提供しているところです。  さらに、国内外の大学や研究機関など外部のリソースを活用し、例えば、大学等によるオンライン授業の受講や研究者との交流、大学研究室の最先端器具を用いた実験への参加など、生徒の状況に応じて才能を伸ばすことができるような支援に取り組みたいと考えております。 175 ◯古川 忠委員 なかなか難しい課題ですよね。そういう中でいろいろ御答弁をありがとうございました。これからは多少私見を交えまして、要望にとどめたいと思っております。
     さきの提言に先立って有識者会議で実施したアンケートでは、特異な才能のある小学生五百人中二八%が不登校か、もしくはその傾向があったというデータが出ております。確かに、一つのことに集中するあまり協調性が足りなかったり、対人関係がうまくいかないなどで教室でいじめられたりということがあるかもしれません。そういう負の部分はあるかもしれませんが、何といってもせっかくある一人一人の才能を伸ばすべきだ、伸ばしてほしい、そういう思いを私は強くしております。  文科省では、教員が才能ある子供の特性を学ぶ研修教材の開発なども来年度の概算要求に盛り込まれていると聞いております。まさに横並び教育からの脱却、さらにギフテッドにどう対応するか。ICTなども大切ですけども、何といっても今までの長い教育習慣からの教師の意識改革が必要ではないかと私は思っております。ですから、教員一人一人のスキルアップ、そしてまた意識の改革、そして、これからはギフテッド教育に向けて一層の研究と実践を強く要求したいと思います。これは要求です。  ちょっと余談ですが、欧米では飛び級が一般的に行われています。それから韓国辺りでは事前に子供のIQを調査しまして、IQ別に生徒を集めて授業をするという、いわゆる英才教育というんでしょうか、そういうのが主流のように聞いております。  では、我が日本においてはどうかということで、先ほど高校教育課のほうに確認しました。そうしたら、日本の飛び級制度は学校教育法の第九条に定められていまして、通常の課程による十二年の学校教育を修了した者が大学に行けるとなっているんですね。一つだけ文科大臣が定める特例があるんですが、それを見ますと、二年で結構だということがありますね。ということは十七歳からです。遅いですよね。才能がある子はもっと前から芽が出ていますよ。日本の文科省というか、こんな条文がいつまでもあって、ギフテッドの子供たちが、まさに伸びる才能のある子が伸びないままいるんです。昔、いわゆる大検と言っていましたね。今は高卒認定制度と言うそうですが、十六歳以上で受けても大学は十八歳以上じゃないと行けないとなっているんです。こんなばかなことをいまだに我が日本の文部科学省はやっているんです。本当にいいかげんにしてほしいと思います。文科省はもっと権限を地方にやって、各県が切磋琢磨していい子を育てるアイデアを出して頑張ってもらいたいと思っています。  日本の現状を皆さん方にお伝えしてですね。こんなことでは十年後はノーベル賞の受賞者は出ませんよ。そういう子供が本当はおるんです。それをできるだけ引き上げてください。もちろん、先ほど申しましたように、スロースターターの子供たちに対する手当ても十分やってほしい。それがまさに教育です。走るのが速い子は遅い子をいたわるし、遅い子はまた頑張る。その穴を埋めるのがまさに教育です。まさにそこが教育なんです。結果を平等にする、そんな教育はあり得ません。そのことをぜひ教育委員会の皆さんに知っていただいて、今後の教育行政の参考にしていただきたい。このことを申しまして私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 176 ◯大橋克己副委員長 ほかに質疑はありませんか。吉田健一朗委員。 177 ◯吉田健一朗委員 自民党県議団の吉田健一朗です。  通告に従いまして、特別な支援を要する児童生徒の健康や体力の増進について質問いたします。  県教育委員会は今年三月に福岡県学校教育振興プランを改定し、従前のプランに引き続き、学校教育において子供たちの体力の向上と健康教育の増進に重点的に取り組むこととしています。一方で、特別な支援を要する児童生徒の数は年々増加しており、特別支援教育へのニーズも高まっています。  そこで、お聞きします。特別な教育的支援を必要とする子供たちが学ぶ県立特別支援学校では、体力の向上や健康教育の増進にどのように取り組まれているのか、お答えください。 178 ◯大橋克己副委員長 三澄特別支援教育課長。 179 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 特別支援学校では、特別支援学校学習指導要領に基づき、教育課程に設けられている体育や障がいによる学習上または生活上の困難の改善・克服を目的とした領域である自立活動の指導において、一般の小学校にはない様々な器械・器具を使った運動や遊びを行うことで、児童生徒の障がいの状況や発達段階等に応じた体力の向上や健康の保持増進を図っております。 180 ◯吉田健一朗委員 特別支援学校では体育や自立活動の指導に当たっても、子供の実態を踏まえた様々な配慮が必要なのではないかと思われますが、具体的にどのような配慮を行っているのでしょうか。また、様々な器械・器具を使っているとのことですが、具体的にどのようなものが使用されていますか、お答えください。 181 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 特別支援学校においては、障がいの状況や発達段階等に応じ、児童生徒が安心して十分に運動ができるよう、例えば視覚障がいがある場合には音や音楽など聴覚を活用した運動に取り組んでいます。また、指導教員の配置や運動を行う場の安全確保、適切な器械・器具の選定など、様々な配慮・工夫を行っております。  また、使用する器械・器具として、ボールプールやトレーニングバルーン、室内ブランコ、トランポリンといったものを使用しております。 182 ◯吉田健一朗委員 実際に使用している器械・器具の中で、トランポリンについては障がいのある子供にとって危険なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 183 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 トランポリンは障がいのある児童が楽しみながら体力の向上や健康の保持増進を図っていくことができることから、体育や自立活動等の指導上、有効な器具と考えています。しかしながら、委員御指摘のとおり通常のトランポリンでは危険が伴い、他県では事故も多発していることから、飛び出し防止の柵や手すりを設けたり、周囲一面に安全マットを敷いたり、教員がマンツーマンで手を取って一緒に飛ぶなど、多くの安全配慮を必要といたします。 184 ◯吉田健一朗委員 トランポリンの中には高齢者の介護予防のために開発されたケア・トランポリンというものがありますが、御存じでしょうか。このケア・トランポリンは、高く飛ぶことができる競技用のトランポリンとは異なり、転倒防止用の手すりがあり、沈んで戻ることを重視した設計になっています。元気な小学生には物足りないかもしれませんが、特別支援学校の子供たちが安全・安心に楽しく使用できる器具ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 185 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 ケア・トランポリンについては、実物を見たことがありますし、県の広報番組等で実際に高齢者が使用しているところを拝見しました。安全に使用できるよう工夫されており、障がいのある子供でも使用できるトランポリンであると思っております。このトランポリンを活用することで、健康や体力の増進はもとより、バランス感覚の育成や情緒の安定など、障がいのある子供の成長に向け大きな可能性が感じられることから、特別支援学校で試行的に活用することで具体的な活用方法を研究し、その有効性を検証したいと考えております。 186 ◯吉田健一朗委員 それでは最後に、県立特別支援学校における今後の健康・体力の増進の取組について、副教育長の決意をお伺いいたします。 187 ◯大橋克己副委員長 上田副教育長。 188 ◯上田教育庁副教育長 県立特別支援学校では児童生徒数の増加傾向が続いておりまして、その中で障がい種やその程度が様々であったり、また発達障がいや情緒障がいを併せ有するなど多様な児童生徒が入学してきております。そのため、一人一人の実態に応じた健康や体力の増進を児童生徒の安全に十分配慮しながら図っていく必要があると考えております。  ただいま委員からお話がありましたケア・トランポリンにつきましては、新たなツールとして特別な支援を要する子供たちへの教育効果も大いに期待できると考えます。そのため、ケア・トランポリンを開発されました一般社団法人日本ケア・トランポリン協会さんとも連携を図りながら、県立特別支援学校における活用を視野に今年度中にも試行的に導入し、具体的な活用方法をしっかりと研究してまいりたいと考えております。 189 ◯吉田健一朗委員 終わります。(拍手) 190 ◯大橋克己副委員長 ほかに質疑はありませんか。花田尚彦委員。 191 ◯花田尚彦委員 自民党県議団の花田尚彦でございます。通告に従いまして、小中学生の学力向上について質問していきます。  一般的に、小中学校の教育を指すいわゆる義務教育は、子供の心身の成長が最も大きい期間であります。この間に起こる教育格差は、子供のときだけでなく大人になってからも様々な問題を生んでしまうことから、重要な課題とされております。だからこそ、生まれ育った地域にかかわらず、この期間に学力をしっかりつけていくことが大切であると思います。  先般四月二十八日の令和四年度全国学力・学習状況調査の結果についての発表で、筑豊地区が小中学校ともに全教科において全国平均を下回っているという内容を伺いました。また、先月の半ばには、六月に県の教育委員会が小学校五年生と中学校一、二年生を対象に実施した学力調査において、全国学力・学習状況調査と同様に地域間の差があった旨の報道がございました。私自身も筑豊で育ち、そしてこれから子育てをしていく立場としましても、こうした報道は大変憂慮するものであります。  これらの結果から明らかになった筑豊教育事務所管内の状況について、県教育委員会の皆さんに対して課題や今後の取組についてまず認識をただしてまいりたいと思います。そこでまず、令和四年度全国学力・学習状況調査の結果について、説明をお願いしたいと思います。  委員長、資料をお願いしておりますので、お取り計らいいただきますようお願いいたします。 192 ◯大橋克己副委員長 お諮りいたします。  ただいま花田委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議はございませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 193 ◯大橋克己副委員長 御異議がございませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま花田委員から要求がありました資料については提出できますか。中嶋義務教育課長。 194 ◯中嶋教育庁義務教育課長 直ちに提出いたします。 195 ◯大橋克己副委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 196 ◯大橋克己副委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 197 ◯大橋克己副委員長 資料が配付されましたので、花田委員、質疑を行ってください。 198 ◯花田尚彦委員 では、まず初めに、今回の調査結果についてどのように受け止めておられるか、また、教科ごとの地区別の結果はどうなっているのか、お聞かせください。 199 ◯中嶋教育庁義務教育課長 令和四年度全国学力・学習状況調査では、小学校国語、算数、中学校国語は全国平均以上、中学校数学は全国平均を下回り、小学校国語は五回、小学校算数は四回、中学校国語は二回連続して全国平均以上となっております。全体として小中学校ともに全国平均水準を維持しているものと認識しております。  また、六教育事務所と政令都市の七つの地区について、小学校国語は三地区、算数は四地区、理科は五地区が全国平均以上、中学校は国語、数学、理科のいずれも一地区が全国平均以上となっております。  現在、全国学力・学習状況調査と県学力調査の結果について分析を進めているところでございまして、十二月をめどに報告書としてまとめる予定でございます。 200 ◯花田尚彦委員 私もこの調査をしっかり見せていただきました。詳細についてはそれぞれありますけれども、今回の結果によりますと福岡県は全体としては全国平均水準を維持しているということであります。地区間で見ますと、福岡教育事務所では全教科で全国平均を上回っていて、そして筑豊教育事務所では全教科で全国平均を下回っているということでありますけれども、この地区間差の推移の状況についてはどうでしょうか。 201 ◯中嶋教育庁義務教育課長 全国学力・学習状況調査が開始されました平成十九年度以降、全体の傾向として最も高かった地域の値と最も低かった地域の値の両方が向上傾向にございまして、かつその差が縮小しつつ推移しております。したがいまして、おおむね学力の全体的な底上げが進んでいるものと認識しております。 202 ◯花田尚彦委員 こうした地区間差は縮まってきているということでございますね。低い水準にあった地域が地道に頑張ってきたということであり、そうした学校の取組はほかの地域においても参考になるものが多いはずだと思っております。私も先般、県下でも好事例とされている地元の小学校の英語の授業を拝見させていただきましたけれども、子供たちはとても積極的で、しっかりと内容も身についておりました。先生方の取組も大変参考になるものでありました。  このように、学力向上に課題が見られる、そしてそういう厳しい状況の中でも学力向上に成功している学校はたくさんあると思います。そうした取組を県全体で参考にすべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。 203 ◯中嶋教育庁義務教育課長 県教育委員会では、全国学力・学習状況調査の結果などに基づきまして、特に支援が必要と認められる市町村を学力向上推進強化市町村として、また特に学力向上が求められる中学校六校を学力向上推進拠点校として指定し、重点的な支援を行っております。また、これらの取組の成果につきまして、授業公開を伴う研究発表会やリーフレットなどにより県内の各市町村、学校に提供しております。 204 ◯花田尚彦委員 ありがとうございます。ぜひ取組を進めていただきたいと思います。  ところで、こうした学力の向上には引き続きしっかり取り組んでいただきたいのですが、何より自分の育った地に愛着を持って生きていけるようにしていかないといけないと思います。つまり、地域間差を考えていく中で、我々大人も、うちの地域はとか、私で言うと筑豊地区はと、ついつい自分の地域をそういうふうに言ってしまうこともあると思います。これは大人にもそうした責任は大きくあると思います。これからの子育て世代の定住等も見据えますと、全体的ないわゆるマインドチェンジというのはしっかり必要となってくると思います。  そこで、筑豊地区に住む児童生徒が確かな学力を身につけて、そして自信と誇りを持って生きていけるようにすべきではないかと考えますけれども、現状はいかがでしょうか。 205 ◯中嶋教育庁義務教育課長 今回の全国学力・学習状況調査の児童生徒質問紙では、「自分にはよいところがある」や「先生がよいところを認めてくれる」など、自己肯定感、有用感に関する質問は、六教育事務所中、筑豊が最も高い結果となっております。さらに、学校質問紙において、「将来就きたい仕事や夢について考えさせる」や「一人一人のよさや可能性を見つける」などの取組を行った中学校の割合が、六教育事務所中で筑豊が最も高くなっております。  このように、筑豊地区においては、自分のよさを実感し、将来に夢や希望を持ってたくましく生きていこうとする児童生徒が着実に育まれており、これを学力向上に結びつけていく取組を進めていく必要があると考えております。 206 ◯花田尚彦委員 大変うれしい情報であります。目標を持って勉学に取り組んでいくということはより大きな成果が期待できると思います。  現場の先生方には本当に頑張っていただいていると思います。義務教育を進める立場からすると、基本的には学校のカリキュラムの中であったり、あるいは指導の中で最大限の成長と学力の定着に努めなければならないということは分かります。加えて、基本的に家庭学習が大切であるとも考えますけれども、家庭や生活の在り方、あるいは進路選択も多様化してきて、保護者や子供たちが求めることも当然増えてきています。  そこで、地域社会全体で子供たちの成長に取り組んでいこうという動きが近年、各地で出てきております。そうした子供たちの学力をより向上させるためには、学校外での学習支援にも同時に取り組んでいく必要があると考えますが、その点はいかがでしょうか。 207 ◯大橋克己副委員長 市村社会教育課長。 208 ◯市村教育庁社会教育課長 県教育委員会では、学校と地域が連携・協働し、地域人材の協力を得て、地域と一体となって子供の成長と学校を支える地域学校協働活動に取り組んでおります。地域学校協働活動の取組の一つに放課後における学習支援活動があり、今年度は四十三市町村が実施しております。特に筑豊教育事務所管内におきましては全ての市町村が学習支援に取り組んでいます。  活動内容としては、例えば、地域住民と大学生が小中学生に対し学習プリントなどを使って学年に応じた学習支援を行ったり、タブレット端末を活用して子供たちの学習意欲を高めたりする取組などを行っております。  今後は、学習支援活動の好事例を各市町村に紹介し、さらなる学習支援の充実に努めてまいります。 209 ◯花田尚彦委員 子供を取り巻く環境が複雑化してきて、また民間の塾などが少なくて学習環境が限られている地域もあるなど実情も多様である中で、他県では官民連携した学習機会の提供の取組も始まっております。例えば、栃木県の茂木町におきましては、教育環境の充実が移住先選択の重要な決め手と考えまして、町が町内にある県立高校の生徒のために民間事業者に委託して塾を開講しており、これを中学生にも拡大したということであります。  福岡県下においても、例えば、上毛町では自治体単独事業として民間学習塾に講師を依頼して、中学校三年生を対象に、夏休みや土曜日に学校の教室を利用して無償で学習支援活動を実施しておられます。  最後に、このような自治体独自の取組を踏まえ、我が県の子供の学力向上に向けた今後の取組について、副教育長にお尋ねいたします。 210 ◯大橋克己副委員長 上田副教育長。 211 ◯上田教育庁副教育長 本県におきましても、今、委員から御紹介がありましたような各自治体が創意工夫された独自の学力向上事業に取り組まれていることは承知をしております。その中で効果的な取組につきましては、好事例として県内の各自治体に周知してまいりたいと考えております。  県教育委員会といたしましては、学校教育の充実はもとより家庭や地域における学習機会の充実も含めて、引き続き学力向上の取組をしっかり推進してまいります。 212 ◯花田尚彦委員 今回は地区間格差の状況であったり、またその対応策についてただしてまいりましたが、筑豊地区に限らず、地区間の学力差を是正するという取組は当然、県全体の学力を向上させていくことになるわけでもあります。小中学校の教育環境あるいは学力の向上の取組というのは当然、自治体が担っていくものであって、そして、学校での平等な教育の時間が基本で一番重要であるということは私も重々理解しております。  しかし、今では現実に多くの子供たちが学校外の時間に民間塾や、また公的な学習支援の場を求めて利用しており、これらに家庭や自治体、あるいは地域の有志方が経済的、時間的な負担をもって応えてくださっていることもこうした学力向上の一因となっていると思います。子供たち一人一人が自らの多様性と、そして可能性をより選択できる環境を社会が最大限創出していくということに対しては、できる限りの支援をする姿勢が必要ではないでしょうか。財源や社会基盤が厳しい自治体こそこうした取組や予算を求めておりますので、県教育委員会としても、より挑戦的な気持ちであってほしいと思います。  本テーマは引き続き定期的に問うていきたいと思いますので、今後の研究課題としてしっかり検討していただきますことを最後に要望して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) 213 ◯大橋克己副委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 214 ◯大橋克己副委員長 ないようですので、高瀬委員の教育長保留質疑を残しまして第一四一号議案の質疑を終了し、教育庁所管分の審査を終わります。  この際、しばらく休憩します。再開は午後二時二十五分といたします。    午 後 二 時 二 十 分 休 憩    午 後 二 時 二 十 五 分 再 開 215 ◯秋田章二委員長 ただいまから委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、議事を進めます。  私学振興・青少年育成局所管分の審査を行います。  第一四一号議案「令和三年度福岡県一般会計決算」のうち歳出について、説明を求めます。城石私学振興・青少年育成局長。 216 ◯城石私学振興・青少年育成局長 令和三年度一般会計決算のうち私学振興・青少年育成局所管分について、御説明を申し上げます。恐れ入ります、令和三年度福岡県歳入歳出決算概要説明書の七十四ページをお願いいたします。  五款生活労働費のうち一項県民生活費の決算額は、四億七千七百万円余でございます。これは職員の人件費でございます。  次の七十五ページをお願いいたします。十款教育費でございます。決算額は計欄のとおり、六百三十三億一千四百万円余でございます。  その内訳について御説明いたします。八項大学費の決算額は支出済額の計欄のとおり、四十二億五千五百万円余でございます。この主なものは、下の七十六ページに移っていただきまして、県立三大学に対する運営費交付金及び施設整備費でございます。翌年度へ繰越しを行っておりますのは、国の経済対策により実施する事業につきまして、年度内の事業完了が困難となったものでございます。  九項私立学校費の決算額は支出済額の計欄のとおり、五百五十四億八百万円余でございます。この主なものは、私立高等学校等への運営費補助金でございます。翌年度へ繰越しを行っておりますのは、国の経済対策により実施する事業につきまして年度内の事業完了が困難となったものでございます。次の七十七ページに移っていただきまして、不用額が生じております主な理由は、私立高等学校等への補助金に係る残額でございます。  十項青少年費の決算額は支出済額の計欄のとおり、三十六億五千万円余でございます。この主なものは、放課後児童クラブ事業費でございます。翌年度へ繰越しを行っておりますのは、国の経済対策により実施する事業につきまして、年度内の事業完了が困難となったものなどでございます。不用額が生じております主な理由は、放課後児童クラブ事業に係る残額でございます。  以上が私学振興・青少年育成局所管の決算の概要でございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 217 ◯秋田章二委員長 説明は終わりました。  これより歳入及び歳出の質疑を行います。質疑はありませんか。井上正文委員。 218 ◯井上正文委員 自民党県議団の井上正文です。通告に従い、質問を行います。  昨年七月、中間市内の保育園で送迎バスに男児が置き去りにされ死亡するという大変痛ましい事案が発生しました。さらに、本年九月には静岡県の認定こども園で同様の事案が発生しております。本来あってはならないような事案が相次ぎ、報道でも大きく取り上げられ、保育園や幼稚園など幼児を預かる施設における安全管理が再びクローズアップされ、園で働く先生たちは大きな精神的なプレッシャーを感じておられます。  そこで私学振興課長に、私立幼稚園の送迎バスに係る安全対策について質問をいたします。現在、県内には私立幼稚園はどのくらいあるのか。そのうちバスを保有している幼稚園はどのくらいで、何台保有しているのでしょうか。 219 ◯秋田章二委員長 永渕私学振興課長。 220 ◯永渕私学振興課長 現在、私立幼稚園は、幼稚園型認定こども園を含め県内に三百八十園ございます。送迎バスについては、昨年八月の実態調査によりますと、バスを保有する幼稚園は三百五十五園で、全体の九割以上を占めております。また、バスの保有台数は合計で八百九十九台でございます。 221 ◯井上正文委員 私立幼稚園のほとんどがバスを保有しており、三百五十五の幼稚園で八百九十九台のバスがあるということは、一園当たり約二・五台保有しているということになります。  バス送迎は、送り迎えが軽減されるなど保護者へのメリットがあると同時に、より広い範囲で入園者の確保が可能となるなど園側のメリットもあり、保育サービスを提供する上で欠かすことのできないものとなっております。それだけに、こうした事案を受け、安全な運行に向けた行政としての対応も重要であると考えます。  昨年度の中間市内の保育園での事案を受け、県ではバスを保有する私立幼稚園に対しどのような対応を行っているのでしょうか。 222 ◯永渕私学振興課長 昨年七月の中間市内における送迎バスでの置き去りを受けまして、翌八月にバスに同乗する教職員の有無や園児の出欠確認の方法などバス送迎に係る実態を把握する調査を実施いたしました。そして九月には、全国に先駆けて県独自の福岡県保育施設による児童の車両送迎に係る安全管理標準指針を作成いたしました。これを全ての幼稚園に周知するとともに、本指針の基準に満たない園や出欠確認などの業務に改善の余地がある園、九園でございますが、現地での状況確認及び指導を行ってまいりました。
    223 ◯井上正文委員 それでは、今回の静岡県の認定こども園の事案発生後においては県はどのような対応をされたのでしょうか。 224 ◯永渕私学振興課長 静岡県の認定こども園での事案発生後は、事案発生の翌日である九月六日に通知文書を発出し、昨年度作成した指針等を参考にして、改めて安全管理を徹底する呼びかけを行ったところでございます。 225 ◯井上正文委員 幼稚園の教員は、担任クラスの保育や行事の準備、保護者への連絡など、日々の膨大な業務に追われております。朝早くから交代で送迎バスに添乗し、園児のお見送り後も預かり保育や翌日の準備などの事務作業も行っておられます。ただでさえ業務に追われる中で、このような事案が発生する都度、毎回安全管理を見直し、実態調査や状況確認に対応しないといけないとなると、教員の負担は増すばかりであります。保育業界全体の人材不足が叫ばれる中、教員の負担を軽減し、処遇改善を図ることは喫緊の課題ではないかと言えます。  そこで現在、県として、幼稚園教員の負担軽減や処遇改善に対する支援について、どのような取組を行っているのでしょうか。 226 ◯永渕私学振興課長 県では、教員の負担軽減や処遇改善を行う幼稚園に対し補助を実施しております。  まず、幼稚園教員の事務負担軽減を図るため、指導要録などの書類作成業務や園児の登降園管理など、園の業務改善に資するシステムを整備する幼稚園に対して七十五万円を上限に支援を行っております。また、幼稚園教員の給与等の処遇改善を行う園に対し、平成二十九年度から一人当たり月額六千円を上限に支援しております。さらに、令和四年二月、国が経済対策として新設した補助制度により、月額九千円程度の給与等の引上げを行う園に対し支援を行っているところでございます。 227 ◯井上正文委員 事務負担軽減や処遇改善に対する支援があることは分かりました。しかし、今後同じような事案が二度と起こらないようにするためには、人の注意力のみでは限界があるのではないでしょうか。人為的ミスを減らす努力は必要でありますが、現場の負担をこれ以上増やすことなく安全を担保できるような仕組みが必要なのではないかと思います。教員の精神的な面での負担が増えないような安全対策の取組について、検討はできないのでしょうか。 228 ◯永渕私学振興課長 国においては、九月二十九日にこども政策担当大臣から関係府省に対し、通園バスでの置き去り防止のための安全装置を法的に義務化すること、安全装置の使用に関するガイドラインを取りまとめることについて指示がなされ、併せて同担当大臣から、安心して装置を導入してもらえるような財政措置を取りまとめたいとのコメントも発表されております。これらは年内に取りまとめられる予定でございます。  こうした国の今後の動きを注視しつつ、具体化され次第、早急に対応を検討してまいります。 229 ◯井上正文委員 国の議論を待って具体化され次第検討するという答弁でありましたが、冒頭に申し上げましたように、置き去り事案が昨年七月に起きた本県にあっては、二度とこのようなことは起きてはなりません。悠長なことは言わず、すぐにでも対策を図るべきではないか。昨年の事故を受けて、福岡県では二度とこのようなことが起きないと確信できるようなことを、園の先生に過度な負担やプレッシャーをかけるのではなく、福岡県として事故予防策、安全対策を打つべきではないでしょうか。  このことについて、私学振興・青少年育成局長に今後の取組についてお考えをお伺いしたいと思います。 230 ◯秋田章二委員長 城石私学振興・青少年育成局長。 231 ◯城石私学振興・青少年育成局長 置き去りは、委員御指摘のとおり、園児の命に関わる事案であり、二度と繰り返してはならないと考えております。県では、全ての通園バスに係る安全管理につきまして、全県を挙げて覚悟を持って万全を期しているところでございます。  それでもヒューマンエラーは起こり得ます。国が検討を進めております通園バスへの安全装置の設置義務化はヒューマンエラーを防止する一助となるものであり、また教員の精神的負担の軽減にもつながると考えております。しかしながら、委員の御指摘のとおり、国の議論を待つことなく対策を打つことが必要と考えております。このため、県では、既に県内で安全装置を導入している幼稚園や、日頃から人為的ミスを防ぐための工夫、例えば、運転手が毎日作成する運転日誌をバスの最後部に置き、必ず目視による確認ができるようにするなどといった取組を実践されている幼稚園の事例紹介を行ってまいります。その上で、国の検討を加速させ、一刻も早く国の全額補助による財源措置が実現されますよう、早急に緊急要望を行いたいと考えております。 232 ◯井上正文委員 終わります。(拍手) 233 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。後藤香織委員。 234 ◯後藤香織委員 民主県政クラブ県議団、早良区選出の後藤香織です。専修学校と各種学校における留学生の現状について伺います。  二〇〇八年、国は留学生三十万人計画を策定し、その達成のため日本語学校の就学ビザを留学ビザに一本化するなど、規制緩和を行いました。こういった要因もあり、留学生数はコロナ前までは増加の一途をたどっていました。この流れを一部の学校はビジネスチャンスと捉え、安易に留学生を受け入れており、それが一つの要因となり、近年、留学生の大量行方不明事案等も起きています。  こういった状況を問題視し、私は二〇二〇年十二月定例会の一般質問で専修学校における留学生の受入れについて質問し、学校への適正な在籍管理などを要望、県も専修学校に在籍する留学生の状況に対して、全ての専修学校において把握をすることとなりました。  国も、日本語教育機関の告示基準の厳格化、二〇二一年度より留学生ビザの在留資格を厳格化するなど、安易な受入れではなく、外国人留学生が日本で学べる環境を整えることに重きを置いた対応を進めています。  そんな中、先月九月七日に福岡市内の日本語学校で鎖や南京錠で留学生を拘束し人権を侵害したとして、出入国在留管理庁は日本語教育機関として認める告示を抹消するという事案が起きました。この学校は県が認可をした各種学校の十八校のうちの一校でもあります。このニュースは日本語学校の闇とやゆされ、全国でも大きく報道され、世界的にも重大な人権問題として取り上げられました。  そこで今回は、この事案のその後と県の対応を中心にお聞きしていきたいと思います。  まず初めに、県が把握しているこの日本語学校の事案の概要と、この事案についてどう認識されているか、お聞かせください。 235 ◯秋田章二委員長 永渕私学振興課長。 236 ◯永渕私学振興課長 本県が各種学校として認可している日本語学校につきまして出入国在留管理庁は、昨年十月二十五日に同校で発生した職員による留学生に対する身体拘束を人権侵害とし、また、学則に記載されていない手数料の徴収や教員変更報告の遅滞などを日本語教育機関の告示基準違反として、先月七日、委員御指摘の抹消処分を行いました。福岡出入国在留管理局によりますと、この処分により同校は新たな留学生の受入れができなくなり、同校の設置者は、今後五年間、新たな日本語教育機関としての告示を受けることができないとされております。  全国初となるこうした処分がこの福岡県で行われたことについて、重く受け止めております。今回の処分は、多くの留学生が在校する中で行われており、県としてはまず第一に留学生の不安を取り除くことを考えなければならないと認識しております。 237 ◯後藤香織委員 全国初の処分ということで、私も大変ショックを受けております。重く受け止めているとのことですが、では、県はこの事案を受け、どのように対応したのか、同校または学校法人へどういった指導がなされたのかお聞きします。 238 ◯永渕私学振興課長 県では、昨年十月に発生した事案について、今年一月に同校から再発防止策を含めた報告書を提出させるとともに、生徒指導に際し人権に配慮することや、適切な留学生の在籍管理などを徹底することを指導したところでございます。  また、同在留管理局の抹消処分を受け、先月九日、同校の校長──設置者である学校法人の理事長を兼ねておられますが──に対し、処分に至った経緯や留学生の対応など事案のてんまつに関する報告書の提出を求めております。  先月十五日、県では同在留管理局と協議し、同校での授業が適正に実施されることを前提に、在校生の転籍等が決定するまでの間、授業を継続しても差し支えないことを確認しております。その後、県から同校に対して、教育課程を遵守して授業を実施すること、在校生からの転校希望には適切に対応すること、留学生の人権には十分に配慮することを申し入れるとともに、授業の状況や留学生の転校希望などについて毎週ヒアリングを行っているところでございます。 239 ◯後藤香織委員 報告書の提出や申入れをし、毎週ヒアリングを行っているとのことです。  ここで、在校生への対応についてお聞きしたいと思います。  まずは、課長もおっしゃいましたが、在籍する生徒が不利益を被らないことが何より大切だと考えます。日本語学校の場合、在留資格は留学で、その期間は最長一年三か月となります。そこで、在校生の在留資格はどうなるのか、お聞きします。 240 ◯永渕私学振興課長 同在留管理局によりますと、在校生の在留資格は直ちに無効とはならず、就学期間中に在留期限を迎える留学生に対しては、在留資格の延長について配慮すると聞いております。 241 ◯後藤香織委員 在校生の留学の在留資格は大丈夫ということで、安心をいたしました。  この日本語学校は、この事案を受け日本語教育機関としての告示が抹消され、これから五年間、留学生の受入れができず、在校生約六百九十人も出入国在留管理局より転校の指導を受けました。そこで、在校生のうち転校、退学希望者はどのくらいいるのか、現在の転校、退学の現状と、今後どのような経緯で転校措置が行われるのか御説明ください。 242 ◯永渕私学振興課長 同校では先月十五日に学生サポートセンターを設置しており、昨日までに延べ約二百五十件の相談があったと聞いております。しかし、まだ転校、退学希望者の数は把握していないとのことでございました。なお、同校によると、昨日現在、転校が決定した留学生はいないとのことでございます。  また、転校の措置につきましては、法令上は規定がございませんが、同校には受入れを希望する学校から問合せがあっておると聞いております。同校では、転校を希望する留学生と問合せのある学校とのマッチングを検討しているとのことでございました。 243 ◯後藤香織委員 その場合の転校、在留期間更新等の福岡出入国在留管理局への手続等に関するサポートや学費の返還、転校先の入学金など、県の支援が何かしら必要かと思いますが、どう支援をするおつもりか、お聞かせください。 244 ◯永渕私学振興課長 転校や在留期間更新、学費や入学金の問題など留学生のサポートにつきましては、国際局と連携し、県留学生サポートセンターを核に、弁護士会や行政書士会など支援機関との協力体制を整え、相談に対応してまいりたいと考えております。あわせて、同在留管理局とも連携を図りながら、留学生の支援にしっかり取り組んでまいります。 245 ◯後藤香織委員 約六百九十人の転校先を探すのは、受け入れることができる期間も限られていることから大変だと思いますが、県からも申入れをしているとおり、希望者には適切に対応していただきたいと思います。  次に、学校に対する対応についてお聞きします。  留学生の受入れをしている法務省に告示された日本語教育機関は福岡県内に四十六校ありましたが、その中で専修学校の認可を受けている学校は八校、各種学校の認可を受けている学校は八校で、その一つがこの日本語学校です。ちなみに日本は、専修学校に進学する留学生はほとんどが日本語学校からの進学となっています。  この事案のあった日本語学校は、系列の専修学校を有する準学校法人が運営していることから、学校教育法並びに私立学校法を根拠としています。所管する県は、学校教育法上では学校の設置認可及び閉鎖命令、私立学校法では業務や財産情報の聴取、立入検査、必要な措置命令、役員の解任勧告、解散命令の権限があります。つまり、法令違反があった場合に県は、法人への立入検査を行い、必要な措置を取るように命令ができ、従わない場合は学校法人への解散命令も可能だということです。  今回、この日本語学校は重大な人権侵害、法令違反をしたわけであり、私はこの学校を各種学校として認可した県にも責任があるのではないかと考えております。そこで、各種学校の認可はどういった基準で行われているのか、各種学校としての扱いはどうなるのかお聞きします。 246 ◯永渕私学振興課長 各種学校の認可につきましては、施設の規模や必要な設備、教員の数など、国の各種学校規程及び県の審査基準により審査し、県私立学校審議会の意見を踏まえ認可しております。  各種学校としての扱いでございますが、同校は先月九日に福岡地方裁判所に日本語教育機関としての告示抹消処分の取消訴訟を提起するとともに、当該処分の執行停止の申立てを行っております。その結果、先月三十日には同裁判所により当該処分の執行停止が決定されたところでございます。  学校教育法では学校の閉鎖命令が、また私立学校法では学校法人の解散命令を知事により行うことができるとされておりますが、県としましては、まず第一に不安定な立場に置かれております留学生のサポートを優先すべきと考えており、当面は留学生の転校や裁判の状況など今後の動きを注視していく必要があると考えております。 247 ◯後藤香織委員 裁判の状況などを注視していくとのことでしたが、私は人権が軽んじられた今回の決定には正直、驚きました。裁判の今後の結果も踏まえた上で、組織的な違法行為が認められた場合には、各種学校、学校法人の扱いについて必要な措置をすべきだと考えております。  ところで、日本語教育機関に告示されている場合、その告示基準により授業時間等も細かく定められています。その上、学校は生徒に対し、学校の授業だけでなく、文化や生活の指導等も必要で、在籍管理等は日本人より対応が難しく、業務も多い状況にあります。  出入国在留管理庁のホームページにもあるように、日本語学校の入学に当たっては、一般的に日本語能力検定N5相当以上のレベルが必要です。日本語教育期間終了後、大学、専門学校等の高等教育機関へ進学する場合には、日本語で行われる授業を理解するために、N2以上の日本語能力が求められています。しかし、進学先の一つである専修学校等は入学時にN3レベル相当としているところが多く、出入国在留管理局の示す基準に達していないのも現実です。学校教育目標にきちんと達しているか確認することも、こういった事案を防ぎ、留学生制度を維持するために必要だと考えます。  そこで、特に専修学校、各種学校として県が認可をした日本語教育機関には、きちんと教育目標に達しているかなどの調査も県として行うべきだと考えます。その上で、こういった項目も踏まえ、留学生を受け入れている全ての専修学校、各種学校において立入検査を行うべきです。見解をお聞きします。 248 ◯永渕私学振興課長 県では、学校教育法及び私立学校法の関係法令及び留学生管理等に関する文部科学省の通知に従い、毎年これらの基準に適合しているか調査しているところでありますが、教育目標の達成度に関しては、同在留管理局が日本語教育機関の告示基準に基づき学校に報告を求めているところでございます。県と同在留管理局両者で情報の共有を図ってまいりたいと考えております。  立入検査につきましては、私立学校法に規定はありますが、運用に当たっては同法に基づく措置命令や解散命令の対象となり得る事態に立ち至っている場合に限り行うものとされております。 249 ◯後藤香織委員 この際、私学振興課の所管となる私立の専修学校と各種学校においてこういった事案を二度と起こさないよう、留学生の受入れ、在籍管理について改めてお伺いしたいと思います。  本県の専修学校、各種学校の留学生数及び受入れ学校数については、コロナ前までは増加傾向で、二〇二〇年度は専修学校で受入れ校数六十三校、六千六百四人、各種学校は八校で千七百二十三人、計八千三百三十一人となっていました。コロナでこの二年間は減少しましたが、今日の水際対策を見ても今後は再び増加するものと推測します。  また、本県では今年度、留学生を対象としていると思われる専修学校が一校、来年度は二校新たに開校予定でもあります。そんな中で、今回起きた事案はほかの学校でも起こり得る可能性があります。そこで、専修学校と各種学校において今後、問題事案、法令違反等や受入れに関する非適正校が発生しないよう、県としてどう取り組んでいくのかお聞きします。 250 ◯永渕私学振興課長 同在留管理局では、専修学校及び各種学校における不法残留や在留資格の取消しの発生率などに応じて、留学生の在籍管理が適切に行われていると認められる教育機関を適正校として選定しております。  県では、昨年度から留学生を受け入れている全ての専修学校、各種学校に対し、この選定結果の報告を求め、過去四年間に二回以上、適正校と選定されなかった学校に対し、文部科学省の通知に基づき留学生の受入れが入学定員の二分の一を超えないよう指導を行い、教育指導の充実や適切な在籍管理を求めているところでございます。また、文部科学省が定める留学生を受け入れる際の留意事項を各学校に周知し、学校が留学生の状況を把握し、在籍管理、生活指導等を適切に行うよう指導を行っているところです。  今後、こうした指導に沿った学校運営が行われているかどうか、毎年実施しております基本情報調査により実態を把握するとともに、同在留管理局とも連携を強化し、問題事案や法令違反等を未然に防止していきたいと考えております。 251 ◯後藤香織委員 実態把握と福岡出入国在留管理局との連携強化は未然防止に向けて大変重要だと思います。しっかりとよろしくお願いいたします。  他県の事例、例えば留学生が全国一位の東京都などでは、地方入国管理局と合同での実地調査、独自の管理指針の制定、関係機関などとの連絡協議会の設置などを行っています。本県も留学生数は全国第三位であり、より一層の取組が必要であることは指摘をさせていただきたいと思います。  今回のような事案は結果として留学生制度自体や受入れ側の教育機関の社会的信頼を失うことにもつながり、福岡県、日本に対する悪い印象にもなりかねません。適正な規模で丁寧な教育をしっかり行うことが本来あるべき留学生制度であり、真の多文化共生社会だと考えます。  最後に、本県の専修学校と各種学校における留学生の適正な管理の推進について、局長にお伺いいたします。 252 ◯秋田章二委員長 城石私学振興・青少年育成局長。 253 ◯城石私学振興・青少年育成局長 留学生の皆さんは多くの留学先の中から日本を選び、そしてここ福岡県で学ばれています。同校に在校する留学生の皆さんは、今回の事案を受け、大変不安を感じていらっしゃると思います。まず学校や生活への不安、在留資格や転校の問題、課長が答弁でも先ほど申し上げましたとおり、こうした留学生の皆さんの不安が少しでも解消できますよう、福岡出入国在留管理局や国際局などと連携いたしまして、留学生を真ん中に置いた支援体制を整え、サポートを行ってまいります。  今回のような事案は本県のイメージの悪化にもつながりかねないものであり、留学生を受け入れている専修学校及び各種学校に対しまして、同管理局と密接に連携を取りながら、二度とこのような事案が発生しないよう指導強化を図ってまいります。 254 ◯後藤香織委員 よろしくお願いいたします。  課長と局長からしっかり取り組んでいくとの答弁がありましたが、この件に関する知事の認識をお伺いしたいので、委員長、知事保留のお取り計らいをよろしくお願いいたします。 255 ◯秋田章二委員長 ただいま後藤委員から申出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。  なお、知事保留質疑は十月十二日水曜日に行う予定でありますので御了承願います。 256 ◯後藤香織委員 終わります。(拍手) 257 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑ありませんか。永川俊彦委員。 258 ◯永川俊彦委員 緑友会の永川俊彦でございます。  通告に従いまして、青少年アンビシャス運動の見直しにおけるアンビシャス広場等への支援についてお伺いいたします。  青少年アンビシャス運動は、豊かな心、幅広い視野、それぞれの志を持つたくましい青少年の育成を目指す本県の県民運動です。本運動は平成十三年度に開始され、平成十八年度からを第二期、開始から十年が経過した平成二十三年度からを第三期と位置づけ、それぞれ推進方針を掲げ取り組んでこられました。現在、県内では約二千団体の方々が、アンビシャス広場をはじめ、子供たちの居場所づくりや多彩な体験活動を実施しておられますが、昨年度、青少年アンビシャス運動二十周年の節目を迎え、運動二十周年記念地域行事などに熱心に取り組まれてきたと聞き及んでおります。  私の地元大牟田市でも、本運動には各地域の方々が積極的に参画されております。例えば、市内独自の取組として二十三か所で子供の居場所が開設されておりますが、アンビシャス広場としての活動も行っております。これらの居場所は地域住民やPTAの皆様がボランティアスタッフとして一生懸命運営をしておられます。  そのような中、近年では、コロナ禍に加え、少子化、高齢化をはじめ、青少年を取り巻く環境も変化していることから、現状に即した見直しが必要であると考えます。先ほど例示したアンビシャス広場は青少年アンビシャス運動の中核的な取組であると思われますが、現状、その数が減ってきていると聞いているところでございます。その広場の中でも補助金の交付を受けている補助広場と自主運営をされている自主広場があると聞いていますので、両者の数の推移が分かるようにアンビシャス広場数の推移について資料を執行部に要求しておりますので、委員長、お取り計らいのほどをよろしくお願い申し上げます。 259 ◯秋田章二委員長 お諮りいたします。  ただいま永川委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 260 ◯秋田章二委員長 御異議ありませんので本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま永川委員から要求がありました資料については提出できますか。富松青少年育成課長。 261 ◯富松青少年育成課長 直ちに提出いたします。 262 ◯秋田章二委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 263 ◯秋田章二委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 264 ◯秋田章二委員長 資料が配付されましたので、永川委員、質疑を行ってください。 265 ◯永川俊彦委員 それでは、資料の説明をお願いいたします。 266 ◯富松青少年育成課長 アンビシャス広場は地域のボランティアの皆様の協力により開設しておりまして、子供たちが自由に集い、年齢の異なる友達と遊んだり、地域の大人と関わりを持ち様々な体験活動を行う場でございます。  広場には県が示す一定の補助要件を満たした補助広場と、県からの補助金なしで運営を行っております自主広場がございます。二つの形態を合わせた広場の総数は、青少年アンビシャス運動開始した平成十三年は六十二、平成二十四年には二百七十八と最大となっております。県内多くの地域にアンビシャス広場が開設されました。その後、増減はあるものの広場数は年々減少しておりまして、令和三年四月一日現在で百五十三広場、直近の令和四年四月一日現在では百四十七広場となっております。 267 ◯永川俊彦委員 こうした子供の居場所の存在は非常に重要だと考えますが、県としてはアンビシャス広場をどのように評価しておられるのかお伺いいたします。 268 ◯富松青少年育成課長 子供たちが切磋琢磨する体験活動を通じて子供たちの自尊感情を向上させ、将来の可能性を引き出していくという考えの下、推進してきました青少年アンビシャス運動でございますが、このアンビシャス広場はその中核となる事業であると考えております。  アンビシャス広場の活動におきまして、子供たちは年齢の異なる友達と遊び、友好関係が豊かになった、地域の行事などへの参加を通じて文化や自然、社会の出来事などに興味・関心を持てた、地域の大人と関わることでコミュニケーション能力が高められたなどのプラスの変化が見られるようになりました。また、子供たちの健やかな成長だけでなく地域の大人の皆さんのつながりも深められるなど、地域活性化にも寄与する取組となっているものと評価しております。 269 ◯永川俊彦委員 県としてアンビシャス広場を評価していることは分かりましたが、アンビシャス広場は年々減少しているようです。その原因を県としてはどのようにお考えでしょうか、お答えください。 270 ◯富松青少年育成課長 放課後児童クラブや国の補助金を活用して実施されております放課後子供教室など、放課後に子供たちが過ごす場がアンビシャス広場のほかに多く整備されてきております。また、地域ボランティアの高齢化によりまして担い手が不足しております。このようなことが主な原因であると考えております。 271 ◯永川俊彦委員 高齢化等の問題を抱える中でも、例えば私の地元大牟田市では、地域の皆さんの御協力により二十三か所の子供の居場所が開設されております。アンビシャス広場として活動している居場所もございます。しかし、アンビシャス広場の補助要件に該当する場所は一件しかないと認識しております。その補助広場においても、県からの補助金がないと存続が厳しいとの話や、補助金申請基準が厳しいとの話を伺っております。今後、アンビシャス運動を見直していく中で、広場への支援についてどのようにお考えかお伺いいたします。 272 ◯富松青少年育成課長 アンビシャス広場への補助金につきましては、広場運営者の声を受けまして、これまで、負担軽減のために補助条件としておりました週四日以上の活動を週一日に緩和したり、申請書類の簡素化を図るなどの対応を行ってまいりました。  アンビシャス広場の取組は、青少年アンビシャス運動の成果の一つとして捉えております。このため、広場をはじめとした運動の成果を踏まえながら、広場の支援の在り方も含め青少年アンビシャス運動の見直しを行ってまいる考えです。
    273 ◯永川俊彦委員 大牟田市におきましても、開設されている子供の居場所について、アンビシャス広場と同じように、子供たちの健やかな成長を願い、地域住民の方々やPTAの皆さんがボランティアスタッフとしても関わり懸命に運営されており、地域活性化にも大きく寄与していただいていると私は常日頃から思っているところでございます。  そこで、県から支援を受けていない大牟田市にあるような子供の居場所について、今後、県として何らかの支援をする考えはないのでしょうか。例えば、大牟田市には二十三の子供の居場所が集まって居場所連絡協議会が組織されておりますので、そうした組織に対しましてより手厚い支援等ができないか、御所見をお伺いいたします。 274 ◯富松青少年育成課長 ただいま委員からお話のございました大牟田市にございます二十三の子供の居場所とその居場所連絡協議会でございますが、ここには大牟田市も活動に関わっていただいていると伺っております。人材育成の取組において中心的な役割を果たしていただいているのはやはり市町村であると考えております。このため今後、各市町村における居場所連絡協議会のような人材育成の取組を踏まえながら、青少年アンビシャス運動の見直しを行ってまいりたいと考えております。 275 ◯永川俊彦委員 青少年アンビシャス運動は、地域の大人たちが地域ぐるみで人材育成を進める県民運動であると認識をしております。地域の皆さんに支えられたおかげで二十年という息の長い県民運動が継続したことを鑑み、今後、青少年アンビシャス運動を見直していくに当たっては、これまで子供の成長に関わってこられた地域の方々の思いをしっかりと聞いて、これを受け止めながら見直しを行うべきだと考えております。  この点を踏まえまして最後に、私学振興・青少年育成局長の決意をお聞かせください。 276 ◯秋田章二委員長 城石私学振興・青少年育成局長。 277 ◯城石私学振興・青少年育成局長 委員御指摘のとおり、青少年アンビシャス運動は地域の皆様の思いに支えられて推進してきた県民運動でございます。したがいまして、この運動の見直しを行うに当たりましては、全てのアンビシャス広場をはじめとした各地域で活動していただいているボランティアの皆様に御意見を伺いました。その中で、子供たちを取り巻く環境は変化してきており、青少年育成の取組はますます大切になってきているですとか、後継者の問題はありますが、自身の生きがいにもなっており活動は継続していきたいとのお話も伺っております。  県といたしましては、そうした地域の皆様の思いをしっかりと受け止め、次代を担う人材育成施策全体の中で市町村とも連携をしながら、全県下で様々な体験活動の機会を子供たちに提供できますよう、青少年アンビシャス運動の見直しを進めてまいります。 278 ◯永川俊彦委員 青少年アンビシャス運動の見直しをはじめ、今後の青少年健全育成事業のさらなる推進を御期待申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 279 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。古川忠委員。 280 ◯古川 忠委員 不登校の問題についてお尋ねしたいと思います。  不登校児童生徒が年々増加する中で、令和三年度の予算の新規事業として県立大学において、不登校児童生徒社会的自立支援事業が実施されておりますけれども、どのような取組なのか、そのことをまずお伺いしたいと思います。 281 ◯秋田章二委員長 縣政策課長。 282 ◯縣政策課長 公立大学でございます福岡県立大学の使命の一つは、大学の有する人的・物的資源や教育研究の成果を生かして地域の諸課題の解決に貢献することでございます。同大学におきまして、平成十九年度に不登校の児童生徒、その保護者、学校や支援施設の専門的な相談情報提供を行う不登校・ひきこもりサポートセンター、平成二十一年に不登校の児童生徒への学習支援と心理的サポートを行う全国で唯一の学校内フリースクール、キャンパススクール、これらを開設し、教育委員会とも連携しながら教員や学生が参画する不登校児童生徒に対する支援を行ってまいりました。  御指摘の不登校児童生徒社会的自立支援事業は、これまで大学に蓄積された人的資源、知見、ノウハウを活用し、学校や市町村などと連携し、不登校の児童生徒の社会的自立を支援するものでございます。 283 ◯古川 忠委員 キャンパススクールの実施とか、いろんな情報が集積されたと思います。ですから、この事業で何に取り組んだのか、もう少し具体的に、できるだけ簡潔にお伺いしたいと思います。 284 ◯縣政策課長 県内四地区の中学校区において、不登校児童生徒の未然防止策を策定することを目標に、小学校の連携体制を整えました。さらに、四地区ですけれど、延べ七百五十人の不登校児童生徒の欠席日数、成績、学校での様子、対人関係、家庭環境、健康状態などのデータを収集し、県立大学が蓄積したノウハウを基に今後の不登校状況を予測しております。  さらに、関係者間のネットワークを構築いたしました。一つは小中学校の社会的自立支援ネットワークで、これは市町村の教育委員会、教育支援センター、四校区の小中学校の関係者が参加しております。  さらに、県立や私立高校、市町村の福祉部長、教育支援センター、精神科のある病院、自立就労支援施設などの関係者が集まって、中学卒業後の不登校生徒に対する支援体制の構築を令和三年度に実施しております。 285 ◯古川 忠委員 不登校については今お話がありましたように、学校のみならず市町村の部署でありますとか教育センター、また診療科のある病院、いろんなところが一緒になって取り組まなければいけない問題だと思います。  現状は分かりましたが、これからどういうふうに問題を解決していこうとするのか、そのことをお伺いしたいと思います。 286 ◯縣政策課長 四校区における調査研究ですけど、これの校区をさらに広げていきたいと思っておりますが、収集したデータから不登校のきっかけとなる学びのつまずきの発生時点・進捗を把握しまして、兆候が見られる児童生徒を欠席三十日以上にしないなど、不登校の未然防止や不登校の期間短縮のための効果的な教育活動に関する検討を行いまして、不登校対策に関連する関係者のネットワークにおいて成果を情報共有することを図ってまいりたいと考えております。  さらに、関係機関と連携し、不登校児童生徒の社会的自立支援を担う人材を育成するために、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、フリースクールの支援員、教育支援センターの職員、教員、養護教諭などを対象とした社会的自立包括支援コーディネーターの養成研修などを行ってまいります。 287 ◯古川 忠委員 フリースクールはどちらかというと義務教育段階に特化しているような気がいたしますが、今日も新聞にあるサポート校の広告が載っておりました。中学校を卒業後、不登校、もしくは中学校の不登校の経験者、また高校の中退者などがサポート校に行っている実態があると思いますが、このようなサポート校はどのような施設なのか、改めてお聞きしたいと思います。 288 ◯秋田章二委員長 永渕私学振興課長。 289 ◯永渕私学振興課長 通信制の教育は地理的制約が行われることから、本校から離れた地域に居住する生徒に対して学習面や生活面のサポートを行うための施設として、通信制高等学校において本校とは別に設置されているものがサポート校でございます。 290 ◯古川 忠委員 本日の広告のみならず、最近特にサポート校の広告をよく見かけます。サポート校そのものが大分増えているのではないかと思いますが、県はどういうふうに把握しているのかお聞きしたいと思います。 291 ◯永渕私学振興課長 通信制高等学校がサポート校を設置する場合、本校を所管する都道府県に申請が行われるため、本校を所管する都道府県において把握が行われることになりますが、本校を所管するほかの都道府県と連携し、県内のサポート校の実態把握に努めております。  令和二年度におきましては、県内に二十四の通信制高等学校のサポート校が七十三校設置されております。そこに在籍する本県に在住する生徒は約三千五百人となっております。 292 ◯古川 忠委員 サポート校の増加に伴って、恐らくその教育内容は玉石混交ではないかなと想像するわけでございます。そういう中で、そういう県内の幾つかの事例も耳にするんですね。行ってみたけども授業があまりまともに行われていないとかですね。そういう事例もありますので、サポート校にそういう問題があった場合、県が適切な指導をする必要があると考えますけれども、県の見解をお伺いしたいと思います。 293 ◯永渕私学振興課長 サポート校への指導権限は高等学校の本校がある都道府県が有しております。本県のサポート校のほとんどはほかの都道府県に本校があるため、サポート校に対する苦情等を受けた場合には、本校がある都道府県の担当部局に連絡し、指導を要請することとなります。 294 ◯古川 忠委員 フリースクールについては予算にもしっかり出て、これはほかにはないそうですけども、きちんとしたある程度の経常費補助が出ているようですけども、サポート校に対してはそういう助成みたいなものはできるんでしょうか、もしくはあるんでしょうか、お伺いしたいと思います。 295 ◯永渕私学振興課長 フリースクールにつきましては、フリースクールと児童生徒が在籍する学校や保護者との間で十分な連携が取れているなど一定の要件を満たす場合、そのフリースクールに通う児童生徒は在籍する小中学校において出席扱いとされております。本県では、現地訪問などを通じ運営状況を把握するとともに、この出席扱いの児童生徒を受け入れるフリースクールを対象に助成を行っております。  一方、サポート校につきましては統一的な設置基準がなく、先ほど申し上げましたとおり指導監督権限も限られ県がサービス水準や運営状況を的確に把握できないことから、助成するのは難しいと考えております。  なお、サポート校に通学する生徒は、通信制高校の学費とサポート校の学費双方を負担しております。通信制高校の学費につきましては、授業料を軽減する就学支援金、低所得者世帯に対する奨学給付金の対象となります。 296 ◯古川 忠委員 私も二校ばかりのサポート校から卒業式の案内を受けまして御挨拶をさせていただいたことなんかもあるんですが、まさに生徒は千差万別ですよね。中学校もしくは高校で友達関係もしくは先生との関係がうまくいかずに退学して転校してきた子もおれば、もしくは家庭の経済的事情、家庭の混乱といいましょうか、そういう中で来た子もおります。また、随分年は行っていますけども、働きながらサポート校に通っている子供もおります。  今、通信制のほうは様々な奨学金制度がありますけども、授業費については恐らくピンからキリまで、むしろ高いとこもあるんじゃないかと思うんですが、経済的な理由でサポート校にも行けなかった子供は本当に行き場を失って、いわゆるひきこもりというんでしょうか、社会的自立ができないままほったらかされるといいましょうか、そういうケースが生まれてくるのではないかと大変危惧をしているところです。  そういう意味におきまして、やっぱりサポート校の子供といえども同じ若者です。これを何とか助けてあげられないかなということを卒業式とかに行くたびに私は思ってきたんですが、なかなか難しいのは理解しています。私学助成でさえ簡単にいかないという中でサポート校の制度がなかなか難しいのは分かりますが、何とかならないものか、見解をお伺いしたいと思います。 297 ◯永渕私学振興課長 現在、国において、通信制高等学校の本校を所管する都道府県とサポート校の所在地の都道府県との間での情報共有の在り方について検討が行われております。今後、都道府県間の情報共有や連携方策に係る国の制度設計の状況を踏まえながら、通信制高等学校の教育の質の確保、向上に向け、適切に対応してまいりたいと考えております。 298 ◯古川 忠委員 公的助成を受けるにはサポート校側もそれなりの努力をして、また、一定の水準といいましょうか、教育、それから授業料の面でもそういうことが必要だろうと思いますね。だから、鶏が先かどちらが先かということではありませんが、一方ではサポート校を指導することによって、一定のレベルといいましょうか、社会的に認知できるようなサポート校になってもらいたい。そうなったときに、ある意味では助成もしやすくなる。そういうことを将来的な課題として県として十分検討していただきたい。ある意味では、いろんなところでストレートに、真っすぐは行けなかった子供たちがたくさん来ていますから、そういう子供を支えてもらいたい。そのことを今後の検討課題として特に要望して、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) 299 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。渡辺美穂委員。 300 ◯渡辺美穂委員 民主県政クラブ県議団の渡辺美穂です。通告に従いまして、私立高校の通学費補助についてお伺いいたします。  最初に、通信制高校の通学費についてお伺いします。  現在、通信制高校は、中学や高校においての不登校児童生徒の学び直しや、個性・自主性を伸ばす教育の場としても見直されています。それを受けて、近年、公立だけでなく、私立の通信制課程に通学する生徒も増加傾向にあります。平成三十年度には全国の高校生全体の五・四%が通信制高校に進学しています。  通信制高校では自主性を重んじることから、通学する日数なども本人の希望や実情に合わせて選べるケースが多いと聞いています。そこで問題になってきているのが通学にかかる費用です。  そこで、全国の通信制高校及び本県が認可した私立通信制高校に通う生徒数の推移と、JR九州、西日本鉄道、福岡市営地下鉄、平成筑豊鉄道の通学用定期券、回数券の状況について資料を要求しておりますので、委員長、お取り計らいのほどよろしくお願いいたします。 301 ◯秋田章二委員長 お諮りいたします。  ただいま渡辺委員から要求がありました資料を、委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 302 ◯秋田章二委員長 御異議がありませんので本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま渡辺委員から要求がありました資料については提出できますか。永渕私学振興課長。 303 ◯永渕私学振興課長 直ちに提出させていただきます。 304 ◯秋田章二委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 305 ◯秋田章二委員長 事務局は資料の配付をお願いします。      〔資料配付〕 306 ◯秋田章二委員長 資料が配付されましたので、渡辺委員、質疑を行ってください。 307 ◯渡辺美穂委員 それではまず、資料の説明をお願いします。 308 ◯永渕私学振興課長 高等学校の通信制課程における生徒数推移について御説明いたします。  全国の高等学校の通信制課程の生徒数は、御覧のとおり、平成三十年度は十八万六千五百二人でありましたが、年々増加し、令和四年度には二十三万八千三百十四人で、二七・八%増となっております。県が認可した県内私立高等学校の通信制課程は三校あり、生徒数の合計は平成三十年度は千六百四十七人、令和四年度には千六百七十二人となっております。  次に、鉄道事業者の通学用定期券、回数券の状況について御説明いたします。  定期券は、JR九州、西日本鉄道、福岡市営地下鉄、平成筑豊鉄道に通学割引の制度がございます。JR九州、西日本鉄道、平成筑豊鉄道は購入する場合に一週間の授業日数などの条件がございます。回数券は、JR九州、福岡市営地下鉄、平成筑豊鉄道に通学割引の制度がございます。 309 ◯渡辺美穂委員 ありがとうございます。  この資料を見ると私立通信制高校の生徒数は若干横ばい傾向ですが、実は県立の青松高校は非常に人数が増加しております。先ほどの古川委員の答弁にありましたサポート校、こちらは在籍する数が三千五百五十五人というふうに答弁をいただいておりましたが、実はこの生徒たちは通学用定期券の対象にすらなっていないというのが実情ですが、それはまた別の機会にしたいと思います。  さて、この資料で分かるとおり、各鉄道事業者は週五日以上の通学、あるいは授業時数に決まりはあるものの通学定期があります。その上でJR九州や福岡市営地下鉄、平成筑豊鉄道には通学用の割引回数券が用意されており、週五日学校に通えない児童生徒への対応があります。一方、西日本鉄道は昨年、その回数券を廃止いたしました。そのため、生徒が頑張って学校に通える日数を増やしていくことが親の負担増に直結しています。  例えば、私の地元から天神まで週一回通うと年間三万七千四百四十円、週三回通うと十一万二千三百二十円もの切符代がかかり、一年間の通学定期代五万三千八百円との差額が五万八千五百二十円になります。さらに週四日になると九万五千九百六十円の差額となり、親の負担は倍増します。このように、通学できる日数を増やそうと頑張っている生徒にとって、通学費用が足かせになっているという現実があります。私の知人は、少しずつ通学日数を増やすために頑張っている自分の子供から、通学日数が増えてごめんなさいと謝られたそうです。  県ではこうした実態についてどのような認識をお持ちなのか、まずお聞かせください。 310 ◯永渕私学振興課長 回数券を発行するか否かは鉄道事業者が経営環境などにより判断されております。コロナ禍の収益減やICカード乗車券の普及を受け、鉄道の普通回数券については廃止している事業者が増えております。そうした中、多くの事業者は生徒の負担を考慮し通学用回数券について存続しておりますが、廃止した事業者もございます。  こうした状況を受け、廃止した事業者にその経緯を伺ったところ、コロナ禍の影響により利用客が減少し厳しい経営状況が続く中、普通回数券の廃止に合わせ、販売量が少ない通学用回数券についても廃止したとのことでした。また、通信制高等学校では通学形態が多様化しているとの認識がなかったとのことでございました。  生徒にとって鉄道は重要な通学手段であり、通学用回数券の廃止によって通学費用が増加していることは、通信制に通う生徒や保護者にとっては大きな負担になっていると認識しております。このため県としては、通信制高等学校の通学形態が多様化している実態を鉄道事業者にお伝えしてまいりたいと考えております。 311 ◯渡辺美穂委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。  それでは次に、通学費補助についてお伺いします。  文科省の高校生等への修学支援に関する協力者会議においても議論が交わされていましたが、議論の中では、市町村間において、また都道府県間においても通学費に差があることが指摘されています。そこで現在、通学費補助を行っている都道府県はどれくらいあるのかお聞かせください。あわせて、その補助の方法についても具体的にお示しください。 312 ◯永渕私学振興課長 通学費の補助は、京都府、長崎県、鳥取県、沖縄県の一府三県で実施されております。  具体的な補助の内容でございますが、京都府は一か月の通学用定期券額が所得に応じて定めた額を超えた部分のその半額を支援しております。長崎県も、一か月の通学用定期券額が一定額を超えた部分のその半額を支援しております。ただし、都道府県民税所得割額及び市町村民税所得割額が非課税の場合は、一定額を超えた部分の全額を支援しております。鳥取県は、一か月の通学用定期券額が特急料金を除いて一定額を超えた部分の金額について、県と市町村で全額支援しております。沖縄県は、低所得世帯の生徒を対象にバス利用券等を交付しております。 313 ◯渡辺美穂委員 都道府県間でもこのように差があるということですが、それでは、県内市町村の補助制度の実施状況をお示しください。 314 ◯永渕私学振興課長 県内では人口が減少している市町村のうち幾つかの市町において通学費の補助が行われており、そのほとんどは定住促進のための独自の子育て支援メニューとして実施されております。 315 ◯渡辺美穂委員 県内市町村の中でもやはり違いが生じているということが分かりました。  通学費補助について、県が直接に事業者を援助することは恐らく困難であることから、まずは市町村に対する補助金制度を創設し、市町村において通学費補助の仕組みをつくることを後押しできないでしょうか、お聞かせください。 316 ◯永渕私学振興課長 県では、授業料の無償化や授業料以外の教育費の支援など、国と足並みをそろえて段階的に保護者の負担軽減を図ってきており、授業料等の修学に要する経費の負担感は軽減されてきていると考えております。  通学費補助につきましては、今回の委員の御指摘を踏まえ、国の議論の動向などを注視してまいりたいと考えております。 317 ◯渡辺美穂委員 それでは、最後になりますけども、先ほど申し上げました通学用回数券廃止に伴う通学費用の問題について、また通学費の補助制度の創設について、県としてどのように取り組んでいくのか、局長のお考えをお示しください。 318 ◯秋田章二委員長 城石私学振興・青少年育成局長。 319 ◯城石私学振興・青少年育成局長 通信制高等学校は、通信手段を活用することで自宅学習とスクーリングを組み合わせて自分のペースで学ぶことができるといった特徴がありまして、近年、生徒数が大きく増加しており、また通学形態も多様化しております。こうした中、通学用回数券が廃止されたことに伴い保護者や生徒の負担が増えるケースが発生していることについて、今回、委員からの御指摘により確認できました。  鉄道事業は極めて公共性の高い事業でありますことから、通信制高等学校のこういった特徴や通学に関する状況を事業者にお伝えし、生徒、保護者の負担が少しでも軽減されますよう、引き続き理解を求めてまいります。  また、県における補助制度の創設につきましては、課長が答弁申し上げましたとおり、今後の国の議論の方向などを注視してまいりたいと考えております。 320 ◯渡辺美穂委員 終わります。(拍手) 321 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 322 ◯秋田章二委員長 ないようですので、後藤香織委員の知事保留質疑を残しまして第一四一号議案の質疑を終了し、私学振興・青少年育成局所管分の審査を終わります。  以上で本日の議事を終了いたします。  なお、明日の委員会は午前十一時に開き、総括質疑を行いますので、よろしくお願いいたします。  本日はこれをもって散会といたします。    午 後 三 時 三 十 六 分 散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...