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令和3年度 決算特別委員会 本文 開催日: 2022-10-05

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  1. 福岡県議会 2022-10-05
    令和3年度 決算特別委員会 本文 開催日: 2022-10-05


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    令和四年十月五日(水曜日)    午 前 十 一 時 零 分 開 議 ◯秋田章二委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから委員会を開きます。  このたび、執行部から、昨日の福祉労働部所管分審査時の委員会要求資料について、お手元配付のとおり訂正したい旨の申出がありましたので御報告いたします。  審査日程に従い、本日の議事を行います。  お手元に企業会計及び流域下水道事業会計の資料を配付しております。御確認願います。  最初に、商工部所管分の審査を行います。  まず、第一四一号議案「令和三年度福岡県一般会計決算」のうち、歳出について説明を求めます。初田商工部長。 2 ◯初田商工部長 皆さん、おはようございます。それでは、商工部所管分一般会計決算について御説明申し上げます。  お手元の福岡県歳入歳出決算概要説明書の百十三ページをお願いいたします。  七款商工費は、決算額六千三百七十七億四千三百万円余となっております。  このうち、一項商業費は、決算額六千二百五十九億一千七百万円余となっております。その主なものは、次の百十四ページとなりますが、中小企業振興資金融資費、福岡県感染拡大防止協力金などでございます。翌年度へ繰越しを行っておりますのは、福岡県感染拡大防止協力金などでございます。また、不用額を生じております主な理由は、福岡県感染拡大防止協力金の残でございます。  百十五ページをお願いいたします。  二項工鉱業費は、決算額六十二億一千六百万円余となっております。その主なものは、技術振興対策費企業立地対策費などでございます。翌年度へ繰越しを行っておりますのは、経営革新推進補助金などでございます。また、不用額を生じております主な理由は、中小企業総合支援事業費の残でございます。  百十六ページをお願いいたします。  三項観光費は、決算額五十六億九百万円余となっております。その主なものは観光振興費などでございます。翌年度へ繰越しを行っておりますのは、福岡の避密の旅観光キャンペーン事業費などでございます。不用額を生じております主な理由は、観光振興費の残でございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 3 ◯秋田章二委員長 説明は終わりました。これより歳入及び歳出の質疑を行います。質疑はありませんか。井上博行委員。 4 ◯井上博行委員 おはようございます。本日トップバッターを務めさせていただきます自民党県議団井上博行です。どうぞよろしくお願いいたします。  県制度融資による借入れの返済について質問させていただきます。
     おととしからの新型コロナウイルス感染症の蔓延によりまして、売上げを大きく減少させた中小企業に対する県の制度融資によって、多くの中小企業が借入れを行い、長引くコロナ禍を乗り切ってきました。  まず、これまでどのぐらいの企業が総額幾らの借入れを行ったかお伺いいたします。 5 ◯秋田章二委員長 吉田中小企業振興課長。 6 ◯吉田中小企業振興課長 県制度融資においては、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者に対し、保証料ゼロの緊急経済対策資金及び無利子、保証料ゼロの新型コロナウイルス感染症対応資金による資金繰り支援を実施してまいりました。  緊急経済対策資金による支援では、令和二年三月から令和四年三月までに累計で七千二百六十八件、千六百六十六億円の新規保証承諾を行いました。新型コロナウイルス感染症対応資金は、令和二年五月から令和三年三月までに四万七千七百九十一件、七千八百五億円の新規保証承諾を行いました。コロナ関連の融資としましては、両資金合わせまして、五万五千五十九件、九千四百七十一億円となっております。 7 ◯井上博行委員 この借入れでは支払い猶予期間を設けることができましたが、一昨年の時点ではコロナ禍がここまで長引くとは誰も想定できませんでした。そのため、コロナ禍の中で既に返済が始まっている中小企業も多いとお聞きします。  現在、何社の返済が始まっているのかお答えください。 8 ◯吉田中小企業振興課長 先ほど御答弁させていただいた二資金につきましては、八月末時点で、貸付残高がある四万七千三百八十件のうち二万六千三百四十八件、約五六%の返済が開始されております。 9 ◯井上博行委員 今までのコロナ禍に加えまして、現在の物価高騰によって中小企業はさらに厳しい経営環境を強いられています。今回、その対応のために新たな制度融資を設けていますが、その具体的な内容をお答えください。 10 ◯吉田中小企業振興課長 物価高騰の影響により利益が減少している事業者を支援するため、緊急経済対策資金に県が保証料を全額負担する物価高騰特別枠を設けることについて、今議会で予算措置いただいたところでございます。これまでの保証料ゼロの対象は、一定以上の売上高の減少を要件としていましたが、物価高騰の影響により利益が減少している事業者については、売上高の増減にかかわらず支援の対象とすることとしたものです。  具体的な資金の概要は、融資利率一・三%、融資限度額三千万円、貸付期間十年以内、うち据置期間二年以内、資金使途は運転資金でございます。 11 ◯井上博行委員 この厳しい経営環境の中で、資金繰りのために新たに資金調達をしたい中小企業にとっては本当に大変ありがたい融資制度だと思います。しかしながら、多くの中小企業経営者は、コロナ禍での今までの借入れが重くのしかかっており、これ以上の借入れを行うことによる将来の返済への恐怖心が強くあります。資金繰り改善のために借入れを増やすよりも、返済の猶予のほうを強く望んでいる経営者が多くいます。  当初、例えば十年の借入れを行った際に、返済の猶予期間を設けた場合、猶予期間が一年であれば借入れを九年で返済することになりますが、猶予期間を三年にした場合は七年での返済となり、毎月の返済額が大きくなるために、猶予期間を短く設定した企業も多かったと聞いております。そのために、長引くコロナ禍に加えまして、物価高騰による打撃を受けた中小企業の多くは、猶予期間の延長と、毎月の返済額が大きくならないように返済期限の延長を望んでおります。  その点に対しまして、現在どのような対応を行っているのかお答えください。また、この猶予期間の延長や返済期限の延長はどのような条件があるのかお伺いいたします。 12 ◯吉田中小企業振興課長 県制度融資におきましては、現在、据置期間や返済期間の延長といった返済条件の緩和措置を実施いたしております。具体的には、据置期間二年、貸付期間十年のところを、いずれも三年間延長することが可能で、最長で、据置期間五年、貸付期間十三年とすることができます。  なお、新型コロナウイルス感染症対応資金につきましては、国の指定により据置期間が五年とされていますので、返済条件の緩和措置により、最長で据置期間八年とすることができます。  条件といたしましては、条件変更に係る金融機関の了承が必要となっております。 13 ◯井上博行委員 金融機関の了承が必要となるとのことですが、具体的にどのような内容なのか教えてください。 14 ◯吉田中小企業振興課長 約定どおりの返済が困難になった事業者は、経営改善計画を策定し、返済可能な条件で据置期間や返済期限の延長を金融機関に申し出ます。金融機関は、返済計画を含む経営改善計画の内容について了解した場合に条件変更に応じることになります。金融機関は、業界動向などを踏まえ、事業者の経営状況や今後の見通し等を総合的に勘案し、応諾の判断を行っております。 15 ◯井上博行委員 ある中小企業の経営者の方が、このコロナ禍の中で、金融機関に返済のリスケジュールをお願いした際に、このような売上げや利益で将来本当に返済できるのかというような厳しい指摘を受けたという方もいらっしゃいます。予想以上にコロナ禍が長引いたことによっての業績悪化であるにもかかわらず、金融機関からこのような指摘を受けるということは、経営者にとって、だから助けてほしいと言っているのにという思いが強くなります。  経営基盤が脆弱な中小企業にとりまして、金融機関との関わりは経営をしていく上での頼みの綱であります。金融機関と良好な関係を築いておきたいと誰しも考えています。猶予期間の延長や返済期限の延長をすることによって、将来的に金融機関の心証を悪くするのではないか、また、コロナ後に資金繰りに窮したときに対応してもらえなくなるのではないかと不安に思う経営者も数多くいると思います。  このような不安を払拭して、安心して猶予期間、返済期限の延長ができるよう、金融機関、中小企業に対しどのように取り組んでいるのか、また、今後どのように取り組んでいくのかをお答えください。 16 ◯吉田中小企業振興課長 コロナ禍の長期化や物価高騰の影響を受ける事業者の資金繰り支援として、金融庁をはじめとした関係省庁から、金融機関や関係団体に対し、事業者の実情に合わせ条件変更に対応するよう要請が行われております。あわせて、県からも、金融機関や信用保証協会に対し、条件変更に柔軟な対応を行っていただくよう要請しているところでございます。  また、県では、中小企業振興課、県内四か所の中小企業振興事務所中小企業振興センターで経営相談を受け付けており、条件変更についての不安等の相談に対しては、国が設置し、返済計画を含めた経営改善支援や金融機関との調整を行っている中小企業活性化協議会を紹介する等の対応を行っております。  今年度は八月末までに、県制度融資については千四百十七件、二百三十七億円の条件変更が行われております。今後一層、県制度融資返済条件緩和措置について、商工会議所、商工会、中小企業団体中央会中小企業家同友会中小企業経営者協会などの商工団体を通じた周知を行ってまいります。  また、商工会議所、商工会の経営指導員の巡回指導や窓口相談を通じて、返済に困っている事業者に対して、返済条件緩和措置の周知徹底を図るとともに、関係機関と情報共有を図りながら、事業者の資金繰りに必要な支援を検討するなど、事業者に寄り添った対応を行ってまいりたいと考えております。 17 ◯井上博行委員 ぜひ、広く中小企業事業者に周知をしていただくようにお願いいたします。  最後に、中小企業の経営安定、雇用の維持、ひいては福岡県の経済的発展への部長の決意をお聞かせください。 18 ◯秋田章二委員長 初田商工部長。 19 ◯初田商工部長 御答弁申し上げます。中小企業は本県の雇用の八割を担っておりまして、本県経済の発展と活力の原動力でございます。この長引くコロナ禍の中で、原油高や物価高騰などの影響によりまして、経営も厳しくなっておるところでございます。資金繰りに不安のある中小企業に対しましては、返済条件緩和措置を広く周知しますとともに、制度融資による資金繰りについては、今後ともしっかりと取り組んでまいります。また、あわせて、新商品・新サービスの開発、それから販路開拓の支援、さらには、収益を高めるための経営革新や生産性向上の支援などによりまして、県内中小企業の事業継続や成長発展に取り組み、地域経済の活性化や雇用維持に努めてまいります。 20 ◯井上博行委員 終わります。(拍手)      〔正副委員長交代〕 21 ◯大橋克己副委員長 ほかに質疑はありませんか。山本耕一委員。 22 ◯山本耕一委員 民主県政クラブ県議団の山本耕一です。  私は、中小企業や個人事業主など、いわゆる小規模事業者事業継続力の強化に資する事業継続計画(BCP)策定の支援について質問をいたします。  近年、気候変動に伴うとされる気象災害が相次いでおります。本年八月には大雨特別警報が山形県、新潟県に、また、先月には台風十四号に伴う暴風雨などの特別警報が鹿児島県に、大雨特別警報が宮崎県に発表されました。本県でも、昨年まで五年連続で大雨特別警報が発表され、甚大な被害を受けたのは皆さん御承知のとおりです。  こうした自然災害など不測の事態に中小企業や個人事業主など小規模な事業者が直面した際に、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能にするために役立つのが、本日取り上げますBCP──ビジネス・コンティニュイティー・プラン──事業継続計画です。  まず、BCPの策定について、国はどのように方針を打ち出しているのか御説明ください。 23 ◯大橋克己副委員長 吉田中小企業振興課長。 24 ◯吉田中小企業振興課長 国は令和元年七月に、自然災害の多発、甚大化に伴う事業継続リスクの増大に対応するため、商工会議所、商工会に対して、市町村と共同で小規模事業者事業継続力強化の支援を行う事業継続力強化支援計画を策定し、知事がこれを認定する制度を設けました。また、事業継続力強化の責任者となる商工会議所、商工会の経営指導員を養成し、具体的な取組の企画や実行、目標の達成に向けた進捗管理等を行うこととされたところです。  さらに、中小企業、小規模事業者に対しては、防災減災対策として、自然災害や感染症による事業活動への影響を軽減する目的として、事業継続力強化計画経済産業大臣が認定する制度を設けております。この認定を受けることで、防災減災設備に対する税制優遇措置、低利融資、補助金の加点措置を活用できるとされたところです。 25 ◯山本耕一委員 事業者にとって、このBCPは転ばぬ先のつえと言えます。不測の事態によって、事業所の人的、物的資源に損害を受けた際に、そこから素早く立ち直るために有効なものです。だからこそ国が策定を推奨しているというわけですよね。  次に、本県では、このBCPに関する国の方針について、どのように対処するようにしているのでしょうか。 26 ◯吉田中小企業振興課長 国の方針を受け、県では事業継続力強化支援計画申請ガイドラインを策定し、商工会議所、商工会に支援計画の策定を促すとともに、中小企業、小規模事業者に、事業継続力強化の取組を促すため、国の制度の周知のほか、防災セミナーを開催し、防災に関する知識、技術を身につけていただくようにしているところです。また、商工会議所、商工会が災害や感染症への備えの重要性を周知するためのセミナーの開催経費等への助成も行っております。さらに、県の競争入札参加資格審査では、事業継続力強化計画認定事業者に対し加点を行っております。 27 ◯山本耕一委員 では、ここで県内の商工会議所、商工会における事業継続力強化支援計画の認定状況と、本県内の中小企業や小規模事業者におけるBCPの策定状況についての資料を要求したいと思います。委員長、資料要求のお取り計らいをお願いします。 28 ◯大橋克己副委員長 お諮りいたします。  ただいま山本委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議はございませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 29 ◯大橋克己副委員長 御異議がございませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま山本委員から要求がございました資料については提出できますか。 30 ◯吉田中小企業振興課長 直ちに提出いたします。 31 ◯大橋克己副委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 32 ◯大橋克己副委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 33 ◯大橋克己副委員長 資料が配付されましたので、山本委員、質疑を行ってください。 34 ◯山本耕一委員 では、この資料について、執行部から簡潔に御説明ください。 35 ◯吉田中小企業振興課長 まず、一は、商工会議所、商工会の事業継続力強化支援計画の認定状況を記載したものでございます。認定済みが六十六団体、未認定が五団体となっております。  次に、二は、事業継続力強化計画を含むBCPの策定状況について、今年度、県内中小企業小規模事業者に対してアンケート調査を行った結果でございます。 36 ◯山本耕一委員 商工会や商工会議所が実際の策定の支援に当たっているということは分かりました。  今現在、まだ強化支援計画の認定を受けていない五つの商工会議所があるということですが、今後どのように計画の策定を進めていくのかお答えください。 37 ◯吉田中小企業振興課長 認定を受けていない五商工会議所のうち、一団体については既に県に認定申請を行っており、現在、県で審査を行っているところです。それ以外の四団体につきましては、新型コロナの影響を受けた小規模事業者への支援に精力的に取り組んでいることもあり、策定に至っていない状況です。県としては引き続き、福岡県商工会議所連合会を通じ、支援計画の策定を働きかけるとともに、個別にも計画策定を促してまいります。 38 ◯山本耕一委員 私の地元北九州市も、この五つの未策定の団体の中に入っているということですので、策定をぜひ促すようによろしくお願いいたします。  次に、個々の中小企業や事業所におけるBCPの策定状況について伺います。現在の策定状況について、県としてはどのように分析されているでしょうか。 39 ◯吉田中小企業振興課長 アンケートでは既に策定している、または現在、策定中であると回答した事業者の割合は、合わせて約一五%となっており、今後、策定したいと回答した事業者まで含めると、約四割の事業者が取組の必要性を感じていると考えております。  一方、策定する意向はない、または現段階ではわからないと回答した事業者は全体の約六割を占めており、その理由は、人手不足やスキル・ノウハウ不足が上げられています。この結果については、コロナ禍で事業者の経営状況が悪化する中、将来のリスクに備える事業継続力強化の優先度が低くなっていること、事業者自身に災害発生時の影響や初動対応、事前対策などの検討に係るノウハウが不足していることがあるのではないかと分析しております。 40 ◯山本耕一委員 既に策定しているのが一割に満たず、そして、つくらない、分からないと言っているのが六割以上ということです。BCP策定が進まない背景に、優先度が低くなっている、策定のノウハウが不足しているという問題があると、今、答弁にあったとおり分析されているのでしたら、事業所に対して、BCPの策定のメリットや必要性について周知をしていく必要があると考えます。  そうした周知について、どのように進めていくべきとお考えでしょうか。具体的な方針も併せてお答えください。 41 ◯吉田中小企業振興課長 事業者にとって最も身近な支援機関である商工会議所、商工会を通じ、BCP策定のメリットや必要性、策定に係るノウハウを伝えることが最も効果的であると考えております。県としては引き続き、商工会議所、商工会が開催する災害・感染症への備えの重要性や、策定方法を周知するためのセミナーの開催等に要する経費への支援を行い、BCPの策定を促してまいりたいと考えております。 42 ◯山本耕一委員 さて、例えばの話なんですけども、台風が接近しているときなど、運輸業の事業者がこのBCPに基づいて、この天候では災害に遭うリスクが高くて業務を行えないと判断して乗務員の安全を確保しようとしても、例えば荷主が配達を強行させれば、BCPは絵に描いた餅にしかなりません。つまりは、BCPが真に有効に機能するためには、各企業や事業所単体ではなくて関連業界全体の理解が必要だと考えます。  この点に関して、県はどのように認識しており、どう取り組まれるのかお答えください。 43 ◯吉田中小企業振興課長 関連企業全体での事業継続力強化計画策定は、災害発生時の相互協力体制の整備など、大きな成果につながるものと考えております。国の事業継続力強化計画認定制度には、事業者単体で策定する計画のほかに、グループ会社や組合等をはじめ、複数の企業で計画を策定申請する連携事業継続力強化計画の制度があります。この計画は、災害発生時における連携事業者による工場の復旧支援や、被災しなかった事業者による原材料の供給、代替生産など複数の事業者が連携して事業継続に取り組むことで、被災事業者の早期復旧やサプライチェーンの維持につなげるものでございます。このため、商工会議所、商工会を通じ、連携事業継続力強化計画策定のメリット等についても、中小企業、小規模事業者へ周知を図ってまいりたいと考えております。 44 ◯山本耕一委員 しっかり周知を進めていただいて、BCPはつくって当たり前、非常時とその後はBCPに沿って行動するのが当たり前という社会全体の理解を深めていただくように要望いたします。  では、多発する災害の下、中小企業、小規模事業者を結果的に守っていくBCPの策定促進について、商工部長の決意をお示しください。 45 ◯大橋克己副委員長 初田商工部長。 46 ◯初田商工部長 本県では五年連続で豪雨災害に見舞われ、県内中小企業も被害を被っております。まさに中小企業の防災減災対策は喫緊の課題でございます。本県の雇用の八割を担う中小企業は本県経済の発展と活力の原動力でございまして、災害発生時におきましても、事業継続や早期の復旧を図ることが不可欠でございまして、そのためには、あらかじめBCPを策定していくことは極めて重要だと認識いたしております。  県としましては、商工会議所、商工会や市町村とも連携して、事業者に対しまして、事業継続力を強化していくことがいかに重要かということを認識いただくよう努めますとともに、BCPを策定する企業につきましては、これについての専門知識を有する経営指導員による伴走型の支援などによりしっかり支援してまいります。 47 ◯山本耕一委員 BCPの策定は極めて重要であるという御答弁でしたけれども、先ほどお示しいただいたアンケート結果によれば、繰り返しになりますけれども、実際に策定している事業者が一割に満たず、策定する意向がなかったり、つくるか分からないという事業者が合わせて六割を超えるというのが現状です。全ての事業所がBCPを策定するように、県による力強い働きかけを要望して、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 48 ◯大橋克己副委員長 ほかに質疑はありませんか。安部弘彦委員。 49 ◯安部弘彦委員 おはようございます。緑友会の安部弘彦です。  それでは、通告書に従いまして、自動車産業振興に関する取組についてお尋ねをいたします。  私は、二〇一九年十月の決算特別委員会でも同様の質問をしていますが、あれから三年を経過しております。新型コロナ感染症拡大の問題で滞ったところもあるとは思いますが、その後の進捗も含めて質問してまいりますので、よろしくお願いいたします。  さて、北部九州は、産学官が一体となって国際競争力の高い企業の集積、技術力の高い地場企業や人材の育成などに取り組んでこられ、現在では年間百五十四万台の生産能力を持つ世界有数の自動車生産拠点に成長しています。  一方で、二〇一六年十一月発効のパリ協定において、全ての締結国が温室効果ガスの削減目標をつくることが義務づけられたこともあり、EUや英国、米国などが二〇五〇年までのカーボンニュートラルを表明し、将来像や具体的なシナリオに沿った施策が本格的に動き出しています。  我が国でも、二〇五〇年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略において、二〇三五年までに、乗用車新車販売で電動車一〇〇%とする目標が設定され、カーメーカーによる電動車の開発、生産がさらに加速することが見込まれています。また、コネクテッドや自動化などCASEと呼ばれる技術革新の進展は、自動車の電動化の加速、異業種プレーヤーとの技術開発競争、ビジネスモデルの変更、新たな人材確保・育成など、大きな産業構造の変化をもたらすことが予想されます。  そこで、まず、北部九州の自動車産業は、このような百年に一度とも言われる大変革期を迎えていると思いますが、県としてどのように対応していくのか、方針をお尋ねいたします。 50 ◯大橋克己副委員長 伊見自動車・水素産業振興課長。 51 ◯伊見自動車・水素産業振興課長 委員御指摘のとおり、自動車産業は大変革期を迎えております。これにいち早く対応するため、地元カーメーカーや有識者など産学官から成る検討委員会での検討を踏まえ、一年前倒しで今年五月に、脱炭素化やCASEに重点を置きます北部九州自動車産業グリーン先進拠点推進構想を策定いたしました。この構想の下、地元企業の電動化分野への業態転換の促進や、自動運転といった次世代技術への参入支援等に取り組むこととしております。 52 ◯安部弘彦委員 方針は分かりましたが、現在、北部九州で生産されている車両のうち電動車の割合は約一七%であります。二〇三五年時点では、各国の規制に照らしますと、生産車種の約八六%が電動化に対応する必要があると思います。  このことからも、地元企業の電動化分野への参入は喫緊の課題と考えますが、どのような支援を実施しているのか伺います。 53 ◯伊見自動車・水素産業振興課長 二〇一八年度からは、EVの構造や部品、電動化の動向につきまして最新情報を提供する自動車電動化部品研究会を開催しております。二〇二〇年度からは、EVの分解部品を使った技術講習などを行います自動車電動化技術道場を開催しています。また、今年七月には、電動化に関する相談や課題解決のための専門家派遣、さらには、工業技術センターと連携した製品開発を支援する自動車関連企業電動化参入支援センターを開設しています。 54 ◯安部弘彦委員 この三年間に新たに自動車電動化技術道場を始められたようですけれども、どのような企業が参加をしているのか、また、参加企業からはどのような声が聞かれているのかお答えください。 55 ◯伊見自動車・水素産業振興課長 自動車電動化技術道場には、電動化に伴い不要となりますエンジンやマフラー等の部品を製造する企業など七十六社、百九十名の方が参加しております。  参加企業へのアンケートでございますが、大変参考になったや参考になったと御回答いただきました企業が九割を超えておりまして、現物を見ることで形状も確認できて理解が深まるといったような意見も頂戴しており、地元企業の理解促進に大きな効果があったものと考えてございます。 56 ◯安部弘彦委員 では次に、自動車関連企業電動化参入支援センターは、どのような体制で運営をされているかお教えください。 57 ◯伊見自動車・水素産業振興課長 相談対応や全体調整を行いますコーディネーターや専門家などから構成しています。コーディネーターにつきましては、トヨタ自動車九州株式会社からの出向、また専門家には、株式会社デンソーや大手バッテリー製造企業等に協力をいただいています。 58 ◯安部弘彦委員 では、その参入支援センターは開設してまだ二か月しか経過をしていませんけれども、どのような相談が来ているのかお示しください。 59 ◯伊見自動車・水素産業振興課長 例えば、エンジン回りの部品を加工している企業からは、電動化の影響により不要なパーツになるのではないか、またほかには、製造過程においてもCO2の排出削減を求められるようになるのではないかといったような相談が寄せられてございます。 60 ◯安部弘彦委員 では、そのような相談に対してどのような対応をしているのか、また、相談企業の反応についてお答えください。 61 ◯伊見自動車・水素産業振興課長 相談に対しましては、経験豊富なコーディネーターが電動化に関する最新情報を提供するとともに、各社の技術に応じた助言をしております。
     相談企業からは、メーカー視点でのアドバイスを受けて新たな気づきを得ることができた、定期的に相談をしたいなど、前向きな評価をいただいているところでございます。 62 ◯安部弘彦委員 参入支援センターでは、相談対応や専門家の派遣に加えて、製品開発を支援すると伺いました。  では、製品開発については、どのような性能や価格、部品を作れば具体的に納品につながるというような、出口を見据えた支援が必要だと考えますけれど、そこで、カーメーカーなど発注側のニーズを踏まえた、そのニーズに対して地元企業が応えるような取組はされているのかお答えください。 63 ◯伊見自動車・水素産業振興課長 県では、大手メーカーが求めますニーズを把握した上で、地元企業が、それを踏まえて新技術や新工法を提案する商談会を毎年開催してございます。  昨年度につきましては、五十六社が八十四件の提案を行ったところでございます。一例でございますけれども、カーメーカー側の自動車の安全性向上を求めるようなニーズに対しまして、地元企業側からは、迅速な応答性を持って、気温や路面温度など多くの計測を同時に行うことができます高精度なセンサーの提案などが行われているところでございます。 64 ◯安部弘彦委員 電動化の進展に不安を抱いている企業が多い中で、そのような取組は大変心強いことであります。これからもぜひ継続して推進をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。  さて、自動車の電動化やCASEの技術革新が進む中では、半導体の重要性は確実に増していきます。特に、電力変換を担うパワーデバイスの品質向上は、EV車の航続距離の伸長などに関わる重要な課題であります。例えば、京都大学発のベンチャー企業では、電気自動車向けに省エネ性能を大幅に高めた酸化ガリウムを使ったミストCVD法プロセスの次世代半導体生産が開始されており、こうしたプロセス技術の活用も有効だと考えます。  県には、半導体材料やセンサーなど、パワー半導体において社会的なシェアを誇る半導体企業が複数立地しており、また、今年二月には、パワー半導体などグリーンデバイスの拠点化を目指す福岡県グリーンデバイス開発・生産拠点協議会も設立されました。  こうした地域の特性を生かし、半導体関連企業と自動車関連企業が連携した取組も必要であると考えますが、両者が製品開発を促すような取組はありますか。 65 ◯伊見自動車・水素産業振興課長 企業同士が連携して取組を進めるための出会いの場としまして、他企業との連携を希望する企業がブース展示や技術プレゼンを行う自動車サプライヤー技術連携促進会というものを昨年度から開催しております。そこでは、十二社の自動車関連企業が延べ二百六十八名に対してプレゼンを実施しておりまして、その中には半導体関連企業も、数社ではございますが参加いただいております。  あわせて、企業同士の連携による製品開発等に係る経費の一部を自動車サプライヤー連携強化事業補助金として助成させていただいているところでございます。  これらによりまして、自動車関連企業と半導体関連企業が連携して、車載マイコンのメモリーをより少ない工程で製造できる技術開発に取り組む事例なども出てきてございます。 66 ◯安部弘彦委員 連携事例も出てきており、有意義な取組と思いますが、大変革期を迎えている自動車産業における半導体の重要性からすると、まだまだ企業の反応に物足りなさを感じるところであります。  例えば、半導体関連業界に向けた周知広報の強化などをさらに進めていくことが必要と考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。 67 ◯伊見自動車・水素産業振興課長 先ほど委員から言及がございました福岡県グリーンデバイス開発生産拠点協議会や、九州半導体・エレクトロニクスイノベーション協議会など、県内にございます半導体関連機関と協力し、それぞれの会員企業に連携促進に係る各種イベントや補助金等の情報を発信してまいります。  あわせて、地元半導体関連企業の自動車産業への参入事例や自動車関連企業との連携事例なども情報発信することを通じて、半導体関連企業への働きかけを強化いたしまして、ひいては取組への参画を促進してまいります。 68 ◯安部弘彦委員 冒頭でも触れましたけれども、電動化への対応をはじめ、自動車産業は現在大きな変革期を迎えています。北部九州の自動車産業がグリーン先進拠点として引き続き成長発展していくためには、その変化に対応し、開発・生産拠点としての競争力を高めていくことが必要であります。  そこで最後に、北部九州の自動車産業振興について、部長の今後の方針をお伺いします。 69 ◯大橋克己副委員長 初田商工部長。 70 ◯初田商工部長 北部九州の自動車産業でございますが、今や年間百五十四万台の生産能力を有します世界有数の自動車生産拠点となりまして、また、企業も県内に六百七社が集積しており、本県の雇用と経済を支える基幹産業となっておるところでございます。  一方で、委員御指摘のとおり、自動車産業はカーボンニュートラルに向けた電動化への対応や、自動運転といった次世代技術への対応と、かつてない変化の波に直面しております。こうしたことにいち早く対応するため、先ほど課長が申しましたとおり、今年五月、一年前倒しで新たな構想を策定したところでございます。  本県には、半導体やITなど多様な産業が集積しており、また、理工系の大学・高専といった教育機関も数多くございまして、人材も豊富でございます。こうした強みを生かしまして、この新構想の下、地元企業の電動化分野への参入や業態転換の促進、また、半導体関連企業との連携による次世代技術分野への参入支援、さらには、これらを支える人材の育成など、産学官が一体となって北部九州における自動車産業のさらなる発展を目指してまいります。 71 ◯安部弘彦委員 部長から力強い今後の方針を伺いました。私も業界の一人としてしっかりフォローをしてまいりますので、さらなる御支援をお願い申し上げて質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) 72 ◯大橋克己副委員長 ほかに質疑はありませんか。高瀬菜穂子委員。 73 ◯高瀬菜穂子委員 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。通告に従いまして、中小事業者支援、インボイス制度について伺います。  新型コロナ第七波と物価高騰が続き、中小事業者の経営は深刻な状況が続いています。飲食店経営者でつくる飲食店リサーチの調査によれば、二〇二二年八月の売上げについて、新型コロナの影響がなかった二〇一九年の八月と比較を聞いたところ、売上げが下がったとする回答は七九・七%となっています。半分以下になったとの回答は全体の二八%に上りました。実質無利子無担保で貸し付けるコロナ融資の返済が始まっていることも事業者の大きな負担になっているとお聞きしています。県内企業者の多くを占める中小事業者の経営を支えることは緊急の課題と言えます。  そこで、まず、感染拡大防止協力金及び月次支援金と県制度融資について資料を要求しておりますので、委員長、お取り計らいをよろしくお願いいたします。 74 ◯大橋克己副委員長 お諮りいたします。  ただいま高瀬委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議はございませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 75 ◯大橋克己副委員長 御異議がございませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま高瀬委員から要求がありました資料については提出できますか。荻原商工政策課長。 76 ◯荻原商工政策課長 直ちに提出いたします。 77 ◯大橋克己副委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 78 ◯大橋克己副委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 79 ◯大橋克己副委員長 資料が配付されましたので、高瀬委員、質疑を行ってください。 80 ◯高瀬菜穂子委員 感染拡大防止協力金及び月次支援金について、まず、簡潔に御説明をお願いします。 81 ◯荻原商工政策課長 福岡県感染拡大防止協力金の飲食店向け給付の実績につきまして、第一期から第十五期までの給付件数は四十四万四千件余、給付総額は三千二百六十三億円余となっております。  また、福岡県中小企業者等月次支援金については、給付件数は二万九千件余、給付総額は二十一億円余となっており、いずれも本年五月三十一日までに給付を完了しております。 82 ◯高瀬菜穂子委員 私、昨年の決算特別委員会においても、協力金や支援金の実施状況についてお尋ねしました。昨年のこの時期は、新たな認証制度がつくられ、認証が進まず混乱していた時期でもありましたので、十三期以降の給付について危惧をしておりました。資料を見ますと、十三期以降についても、それまでと同程度の実績となっていることが確認できました。この間の職員の皆さんの事務作業量も膨大で大変だったと推察をいたします。私も多くの現場からの要望を申し上げましたけれども、制度の改善にも取り組んでいただきました。緊急事態宣言は発せられないほうがいいわけですが、協力金給付の事務手続等で積み上げられた経験を今後の不測の事態の対応に生かしていただきたいと思います。  改めて、感染拡大防止協力金の給付を行うに当たり、円滑な給付のためにどのような工夫や努力があったのかお尋ねします。 83 ◯荻原商工政策課長 感染拡大防止協力金の給付に当たっては、売上げ等に関する申請書類の確認作業や不備のある申請に対する連絡を速やかに行えるよう、人員を大幅拡充し、審査体制の強化と給付の迅速化を図りました。  また、過去に受給実績のある事業者にいち早く協力金の一部を給付する先渡し給付の制度を導入し、申請から最短二日で給付を行ったほか、審査状況や入金予定日を申請者がウェブで簡単に確認できるようにいたしました。 84 ◯高瀬菜穂子委員 当初、書類の不備ループや、コールセンターにつながらない、いつ給付金が振り込まれるか分からないなどの問合せが相次ぎましたが、急速に改善していただいたことを評価したいと思います。  本県の第三次中小企業振興基本計画によれば、二〇二〇年度及び二〇二一年度の倒産件数、休廃業の件数は、いずれも前年度から減少しており、感染拡大防止協力金など直接支援が重要な役割を果たしたと考えます。  しかし、今年の春以降は緊急事態宣言などは発出されず、営業規制もありませんでした。感染がピークとなった八月は、飲食店や観光業を中心にキャンセルが相次いだと報じられ、物価高騰と併せて大きな打撃となっています。コロナ禍は収束したとは言えず、物価高騰はこれからも続くとされています。  現在、本県のコロナ禍における物価高騰対策として行っている中小企業支援はどのようなものがあるでしょうか。実施状況も含め伺います。 85 ◯荻原商工政策課長 コロナ禍や原油価格・物価高騰の影響が深刻化する中で、本県の中小企業支援策については、さきの六月議会において、国の持続化補助金やものづくり補助金の上乗せ補助、経営革新計画に取り組む中小企業に対する新商品・新サービスの開発や経費削減への支援などについて補正予算を措置していただき、事業の実施に取り組んでいるところでございます。  現在、経営革新計画に取り組む中小企業に対する支援については、八百六十六件の申請を受け付け、二百九件の交付を決定しておる状況でございます。 86 ◯高瀬菜穂子委員 六月補正で予算化された、経営革新に取り組む中小企業への支援は、経費削減枠も含めて十一億円規模でありますので、この予算がしっかり活用されるよう頑張っていただきたいと思います。申請件数も、また実施件数も、交付件数も増えているという今の御報告でした。  さて、知事は、今九月議会本会議で、最低賃金について、早期の千円以上の達成を目指し、着実な引上げを行うよう国に求めていくと答弁をされています。最低賃金を引き上げるためにも、中小事業者への支援を行うことは不可欠です。中小企業を含めた賃金引上げで経済の好循環をつくることが求められていると思います。  我が党は、中小企業に対して社会保険料負担の軽減など抜本的な支援強化を求めているところです。本来国として取り組むべき課題ですけれども、県として中小事業者への直接支援を少しでも拡充するというお考えはないでしょうか、見解を伺います。 87 ◯荻原商工政策課長 さらなる原油価格・物価高騰に対応していくための新たな対策といたしまして、今回の九月議会におきまして、トラック運送事業者が燃費向上のために行うエコタイヤの購入に対する助成制度の創設、デジタル技術を活用した生産性向上に必要な設備導入に対する支援の拡充、新技術・新製品の開発に対する助成などについて補正予算を議決いただいたところであり、今後、これまでの取組に加え、これらの事業にしっかりと取り組んでまいります。 88 ◯高瀬菜穂子委員 限られた予算の範囲内で工夫をして、ピンポイント的な物価高騰対策が提案をされていると思います。これはこれでしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  しかし、経済の主役である中小企業が、コロナ禍と物価高騰の中で経営を維持し、また、最低賃金の引上げにも対応できるだけの体力を持つには、国を挙げた抜本的な支援が必要であると考えますので、この点については国に対して強く要望していただきたいと思います。  次に、県制度融資について伺います。まず、資料について御説明をお願いします。 89 ◯大橋克己副委員長 吉田中小企業振興課長90 ◯吉田中小企業振興課長 県制度融資について、まず、一の貸付件数と保証債務残高については、令和四年八月末時点で六万三千五十八件、八千三百十二億円となっております。  次に、二の既往債務に係る返済条件緩和措置の実行件数と実行金額については、令和四年四月から八月までの累計で千四百十七件、二百三十七億円となっております。 91 ◯高瀬菜穂子委員 六万三千件、八千億円を超える保証債務残高ということで本当に膨大です。当初、コロナ禍がこれほど長引くと想定せず、据置期間を一年、二年としたが、一年、二年たっても経済が回復しない中で返済に苦慮される事業者が多くいらっしゃると思います。返済の条件緩和措置については、先ほど井上委員より詳しい質問が出されました。  実行件数は、資料にありますように、僅か五か月で千四百十七件、実行金額は二百三十七億円とのことです。相談件数は把握できないとのことでしたが、相談に行ったけれど条件緩和できなかった、実行に至らなかったという事業者は相当数に上るのではないでしょうか。  条件緩和措置の対象は、借入高等により追加融資や借換えが困難な企業、設備融資後に受注が減少し資金繰りに支障を来している企業等とされています。つまり、困っている企業です。ところが、先ほど御紹介もあったように、相談に行くと、借入額が多いからとか、資金繰りに支障があるからとの理由で返済猶予措置を断られたり、返済期間を、申請者が希望している期間よりも短くされるという事例が発生していると聞いています。  困難な事業者のための条件緩和措置なのに、困難があるから条件緩和できませんとなると、制度の趣旨に反すると思います。困難な事業者の実情に寄り添った融資や返済条件緩和が必要と考えます。先ほどの質問とも重なりますが、県の見解と取組を伺います。 92 ◯吉田中小企業振興課長 コロナ禍の長期化や物価高騰の影響により経営状況の厳しい事業者に対し、返済条件について柔軟に対応することは重要であると認識しております。県制度融資においては現在、据置期間や返済期間の延長といった返済条件の緩和措置を実施いたしております。具体的には、据置期間二年、貸付期間十年のところを、いずれも三年間延長することが可能で、最長で、据置期間五年、貸付期間十三年とすることができます。  なお、新型コロナウイルス感染症対応資金につきましては、国の規定により据置期間が五年とされていますので、返済条件の緩和措置により、最長で据置期間を八年とすることができます。  また、県から金融機関や信用保証協会に対し、条件変更に柔軟な対応を行っていただくよう要請しているところでございます。 93 ◯高瀬菜穂子委員 コロナ対応資金は、最長で据置期間を八年にできるという、困難な事業者に寄り添った制度です。県としても、金融機関や信用保証協会に対し、条件変更に柔軟な対応を要請されているということですが、引き続き、困難な事業者に寄り添った実効性のある対応をお願いします。  次に、来年十月から導入予定の消費税の適格請求書、いわゆるインボイス制度について伺います。  インボイスが導入されれば、これまでは消費税の納入を免除されていた小規模の事業者に税負担が生じます。この制度の中身が知られるにつれ、自分も対象になる、導入されたら生活できないとの声が急速に広がっています。  インボイス制度に反対する声優たちの団体として、VOICTIONを立ち上げた声優の甲斐田裕子さんは、声優の多くが年収三百万円未満であることを紹介して、納税したら生活できなくなる人が出てくるのはやっぱりおかしい、あるところからないところへ分配するのが税の基本のはずなのに、苦しい人がもっと苦しくなって格差が広がっていくと話しています。  コロナ禍と物価高騰が続く中でインボイス制度を導入すれば、中小事業者や個人事業主、フリーランスに多大な負担をかけ、廃業につながる事例が多発するのではないかと危惧しています。  まず、制度について、対象になるにもかかわらず知らないという事業者もいるわけですが、県としてはインボイス制度についてどのような周知を行っているでしょうか、お尋ねします。 94 ◯吉田中小企業振興課長 中小企業、小規模事業者に対しては、県内四地域の地域中小企業支援協議会のネットワークを活用し、窓口での相談対応や講習会の開催などにより制度の周知に努めております。  なお、講習会については、開催予定を四地域別に県のホームページに掲載し、事業者に対して参加を促しております。  また、具体的な相談につきましては、協議会の構成員である商工会議所、商工会の経営指導員を中心に、個々の事業者の状況に合わせて、きめ細かな支援を行っているところでございます。  県といたしましては、関係機関と連携しながら、様々な機会を捉え、インボイス制度の周知に努めてまいります。 95 ◯高瀬菜穂子委員 周知に努められていることは分かります。分かりますが、そもそも免税事業者がどれくらいいるのかについては把握されていないということなんですね。これでは周知がどこまで進んだのか分かりませんよね。  インボイス登録の対象となるのは、デザイナーやインストラクターなどフリーランス、一人親方、宅配などの委託ドライバー、タクシードライバー、ウーバーイーツなどのフードデリバリー業者などを含み、広範多岐にわたります。  シルバー人材センターと会員に生じる新たな税負担については、本県議会からも意見書が上げられましたが、四月時点で、インボイスとシルバー人材センターに関連する意見書は、全国九十七の自治体から提出されています。厚労省は、都道府県に通知を出し、インボイス実施によってシルバー人材センターの会員が受け取る配分金が最低賃金を下回らないように適正価格の設定を求めています。これは、シルバー人材センターと会員に生じる新たな消費税の負担を税金で、しかも地方自治体に補填させるということです。シルバー人材センターの会員だけ特別扱いですが、同様の困難があらゆる業種で起こるということです。取引における混乱も危惧されます。  東京商工リサーチの調査によれば、免税事業者との取引について、取引しないとの回答は九・八%と約一割に達しています。また、半数近くの四六・七%は検討中と答えており、今後取引しないとする企業が増えることが懸念されます。インボイス登録をしないことで取引から排除されたり、取引に当たって消費税分を目引かれたりするなどの事例が懸念されます。免税業者が不利益を被らないようにしないといけないと思います。  県として、こういったインボイス制度に関する相談について、どのような対応を行っていくおつもりでしょうか、お答えください。 96 ◯吉田中小企業振興課長 事業者間の取引において、取引上の地位が優越している一方の当事者が、その地位を利用して取引の相手方に不利益を与えることは、優越的地位の濫用として法律上問題となる可能性があります。このような場合、インボイス非登録事業者が取引について不当に不利益を受けないよう、福岡県中小企業振興センターに設置している下請けかけこみ寺において、弁護士や専門相談員が無料相談に応じ、問題の解決に向けてサポートしてまいります。 97 ◯高瀬菜穂子委員 サポート体制はあるとのことですけれども、実際には、免税業者との取引では消費税を負担しなくてはならなくなりますから、様々な問題が発生するのではないでしょうか。  インボイスを導入したヨーロッパ諸国では、インボイス登録をしなかった業者はほとんど淘汰されたとのことです。  消費税は、価格に転嫁できて初めて間接税として機能します。転嫁できなければ、ただの重い直接税です。複数税率導入により、正確な税額計算のためにインボイスが必要だと説明されていますが、現行の制度であっても消費税の税額は計算できます。複数税率をやめ、消費税を五%に引き下げれば、インボイス導入の必要性はなくなります。  我が党は、インボイス導入を中止するよう求めてまいりますが、インボイスの周知を行う商工部として、免税業者の置かれている実態をしっかりとつかんでいただくことをここで強く要望したいと思います。  以上で質問を終わります。 98 ◯大橋克己副委員長 ほかに質疑はありませんか。古川忠委員。 99 ◯古川 忠委員 令和三年度の予算の中で、特に観光予算、いろいろありましたよね。外国人観光客受入環境整備費とか、それから福岡観光魅力海外発信費とか、また、いわゆるDMOを促進する費用とかいろいろありました。しかしながら、長引くコロナ禍で最も影響を受けたのは観光業界だろうと思います。  先ほど、決算書の説明の中でもありましたけども、改めて、どれほどの不用額、また繰越額ができたのか、それをまずお聞きしたいと思います。 100 ◯大橋克己副委員長 吉田観光政策課長。 101 ◯吉田観光政策課長 令和三年度の観光費に係る決算につきましては、予算額二百八十二億円余に対しまして、決算額は五十六億円余となっております。福岡の避密の旅キャンペーンなど、二月補正予算におきまして、十四か月予算を編成した事業もございます。そのため、翌年度への繰越しが二百二十四億円余となっております。また、契約残等により不用額が一億四千万円余となっております。 102 ◯古川 忠委員 例年にも増して繰越額そして特に不用額が増えたのは、これはもうやむを得ないと思います。しかし、その中でもいろいろ工夫をしてやっている事業も多分あるのだろうと思います。ですから、実際に、現実にできなかった事業、継続できる事業、そしてまた、いろいろ工夫をして行った事業があれば御説明願いたいと思います。      〔正副委員長交代〕 103 ◯吉田観光政策課長 令和三年度におきましては、旅館・ホテル等が行う感染症対策等の受入れ環境整備、それから統一的なテーマ設定による観光資源の開発、福岡の避密の旅キャンペーンなどの需要喚起策、多様化する観光ニーズに対応する専門人材の育成などについて取り組んでまいりましたが、観光の需要喚起策につきましては、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により事業が一時中止となるなどの影響が出たところでございます。また、新型コロナによる移動制限等によりまして、本県が出展を予定しておりました旅行関係の博覧会の中止、海外のマスコミや旅行業者の招聘等の中止など、プロモーション活動の一部に影響が生じたところでございます。  コロナ禍におきましても、ウイズコロナ、ポストコロナを見据えまして、海外への情報発信を行っていくため、オンラインツアー動画の配信や、国内在住の外国人を通じてSNS等による情報発信を行うなど、工夫して事業を実施してきたところでございます。 104 ◯古川 忠委員 観光に携わっている皆さん方は随分苦労されたと思います。その中でオンラインツアーの動画も発信されたと思いますが、実際にどの程度海外で見られたのか、分かりましたらお尋ねします。 105 ◯吉田観光政策課長 オンライン動画の実施でございますけれども、令和四年一月から動画を配信させていただきまして、令和四年十月までに、約六百万回の動画の再生をしていただいており、多くの方に御覧いただいたのではないかと思っているところでございます。
    106 ◯古川 忠委員 政府のほうも、ウイズコロナで、だんだんインバウンドの制限も解除されておりますし、まさにこれからが巻き返しといいましょうか、正念場だろうと思います。ぜひ、できなかった分をいろいろ工夫しながら、これからも頑張っていただきたい、エールを送っておきたいと思います。  次に、やはりコロナ禍で、いろいろな意味で、先ほどから質問もたくさんありましたが、中小企業、零細企業が非常に苦しい思いをしていると思います。その中で、商工部の大きな事業でもあります事業承継についてお伺いしたいと思います。  事業承継については、長くといいましょうか、商工部の一番大事な事業としてやっておりますから、その実情について、まず御説明願いたいと思います。 107 ◯秋田章二委員長 吉田中小企業振興課長。 108 ◯吉田中小企業振興課長 県では、県内中小企業小規模事業者の事業承継を強力に進めるため、国が設置した福岡県事業承継・引継ぎ支援センターをはじめ、商工会議所、商工会、金融機関、専門家団体など約百七十の関係機関で構成する福岡県事業承継支援ネットワークを構築しております。このネットワークでは、商工会議所、商工会の経営指導員や金融機関の職員を中心に、平成三十年度から昨年度までの四年間で約二万九千件の事業承継診断を実施するとともに、必要な事業者に対し中小企業診断士など専門家を派遣することで、四年間で約五千六百件の事業承継計画の策定を支援いたしました。  また、事業承継に向けた新たな取組を支援する県独自の事業承継準備応援補助金により、新商品の開発やウェブサイトの作成、経営ノウハウの知識習得などの取組を支援しているところでございます。 109 ◯古川 忠委員 今までの支援状況は分かりましたが、今後さらにどのようなことをやっていかれるのか、そのこともお聞きしておきたいと思います。 110 ◯吉田中小企業振興課長 民間の調査機関によると、本県における休廃業・解散の件数については、近年、年間千八百件程度で推移しております。また、倒産件数については、コロナ前の年間三百五十件程度から、昨年度は年間二百三十件と減少しております。これらについては、金融機関からの無利子・無担保融資や国の持続化給付金などが中小企業の事業継続の支えとなり、発生件数が抑制されているものと考えております。  一方で、倒産全体に占める後継者難による倒産の割合は近年増加傾向にあります。このような中、県では、中小企業の事業承継を促進するため、今年度から新たに、県内四地域の地域中小企業支援協議会に配置しているコーディネーターと経営指導員が、事業者の持つ技術やノウハウ、経営状況、M&Aの可能性などを踏まえ、事業者を訪問しております。これにより、事業者のニーズを的確に把握し、事業承継計画の作成や、これに基づく経営改善、事業承継税制の活用、事業承継・引継ぎ支援センターのM&Aによる買手のあっせん、さらには、先ほど申し上げました事業承継準備応援補助金の活用など、きめ細かな支援につなげてまいります。 111 ◯古川 忠委員 先ほどから融資制度の話もいろいろありましたよね。倒産件数は減っているということがありましたけど、これは恐らく、コロナ禍で無利子・無担保、それから据置期間もありますし、返済期間も長いし、私の身近でもおりますが、この際借りておこうと随分たくさんの方が借りたように思います。しかしながら、三年後になって返済時期が来た。その上にまたコロナ禍が長引いて、そして原材料高ですね。いろんなものが重なって大変厳しい状況に、私は中小企業があると思うんです。ですから、いよいよ、例えば家業であっても、受け継ごうという気持ちが萎えているんじゃないかなと、私はそう思っております。  融資制度の緩和については、井上委員の質問で非常に詳しく御説明いただきました。先ほど条件変更の件数も出ておりましたから、あえてそこについてはお尋ねしませんけれども、とにかく精神的にかなり参っている。特に家業を継ぎたいという人が、家業は何とか持ちこたえているけれども、この先を考えたらその気にならないという方がたくさんいるのではないかと私は思っております。ですから、今いろいろ御説明いただきましたけども、そういうことをぜひ踏まえた上で、元気が出るような施策をやっていただきたいと思います。  皆さんが全部、この委員の方も全部そうですが、特にこの長いコロナ禍で、中小企業は身近な企業ばかりですから、心配していると思います。ですから、中小企業を元気にして、そして自分の、もしくは自分の勤めている会社を受け継ごうとか、おやじがやった企業を何とか立て直そうという人たちが元気を出すような政策をお願いして、質問を終わりたいと思います。  以上です。(拍手) 112 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。花田尚彦委員。 113 ◯花田尚彦委員 おはようございます。自民党県議団の花田尚彦でございます。  通告に従いまして、今後のインバウンド政策についてということで、一般質問に続き観光振興についてお尋ねしてまいります。  今年六月から観光目的の入国が再開されました。また、今月十一日から国の水際対策がさらに緩和されるとのことであります。  そこで、これまでの水際対策と今回の緩和策について、まずお聞きいたします。 114 ◯秋田章二委員長 酒見観光振興課長。 115 ◯酒見観光振興課長 新型コロナ感染症の拡大を受けて、令和二年四月から、海外からの観光目的の入国が停止しました。本年六月十日からは、出国前検査の上、添乗員が同行するパッケージツアーに限り、観光目的の入国が可能となりました。また、九月七日からは、三回のワクチン接種済みであれば出国前検査を不要とし、また、添乗員が同行しないパッケージツアーが可能となりました。今般、今月十一日からは、個人旅行が解禁され、ビザ免除の措置が再開されます。 116 ◯花田尚彦委員 今回、国内のこうした観光客の需要回復はもちろんですけども、やはり、このコロナ禍で失われたインバウンドの消費を取り戻すことが重要であると考えます。  水際対策が緩和され、かつ、今はインバウンドには追い風となる円安の状況でもあります。インバウンド政策にどのような視点で取り組んでいかれるのかお尋ねいたします。 117 ◯酒見観光振興課長 現在の円安は、インバウンド需要回復の後押しとなる絶好の好機と考えております。そこで、コロナ前、最大の訪日層であり、既に福岡空港との直行便が就航しております韓国、台湾、香港、タイをターゲットとして、観光客の誘客を推し進めてまいります。  とりわけ韓国は、近年、所得水準が向上しており、本県への外国人延べ宿泊者数が過去最大となった令和元年におきまして、全体の四百二十六万人のうち、その約三割を占めた最大の訪日層であります。リピーター層も多いことから、新たに磨き上げました観光エリアを周遊していただき、広く県内観光事業者が収益を得られるよう取り組んでまいります。  また、中国につきましても、ゼロコロナ政策の動向を注視しながら、富裕層をターゲットとした誘客の取組を進めてまいります。  さらに、滞在期間が長く、一人当たりの旅行支出額の高い欧米豪──ヨーロッパ・アメリカ・オーストラリアにつきましては、ツール・ド・九州二〇二三など、国際的スポーツ大会開催の機を捉え、戦略的に誘客を進めてまいります。  コロナ禍においては、国別の嗜好に合わせたターゲットを絞り、ウェブサイトやSNS等デジタルを活用し、ラーメンや水炊き、あまおうなどの食、日本酒、海外でも人気の花など、ポストコロナに向け、本県の魅力を海外に発信したところでございます。  今後は、海外で開催される旅行博への出展や、海外の旅行会社の招請など、リアルのプロモーションも再開し、デジタルでの発信と併せて、速やかにコロナ禍前以上の情報発信を行いまして、先ほど答弁しました本県の魅力を伝えてまいりたいと考えております。 118 ◯花田尚彦委員 御答弁の中で、アジア諸国あるいは欧米豪ということで触れられました。  まず、速やかな観光客の回復のために、まずは、コロナ前、最大の顧客層でありました韓国を中心として、既に直行便が就航している市場からの誘客を図ることは非常に重要であると認識しています。  そこで、韓国、台湾、香港、タイに向けた具体的な誘客策についてお聞かせください。 119 ◯酒見観光振興課長 韓国からの観光客の方は、インスタ映えする新しい食のスポットを好む傾向がございますことから、海辺のサイクリングと地元のフルーツを使った菓子作りを組み合わせた岡垣フルーツライドや、手ぶらで乗船し、自分で釣った魚をシェフの調理で味わえる船釣り体験など、新たな観光情報を発信してまいります。  九月には、ソウルで開催されました文化交流イベント、日韓交流おまつりへ出展を行い、また、現地の旅行会社を訪問いたしまして、プロモーションを実施したところでございます。また、今後、大韓航空と連携した誘客プロモーションにも取り組んでまいる予定にしております。  台湾につきましては、現在、北九州市や山口県と連携をいたしまして、北九州空港を起点とした広域周遊ルートの旅行商品の造成を進めているところでございます。また、サイクルツーリズムが盛んな台湾のサイクリストをターゲットにいたしまして旅行商品を造成し、来年二月から販売をしてまいる予定としております。  香港につきましては、七月に香港事務所が九州各県と連携いたしまして、香港最大の旅行博ブックフェアに出展をいたしまして、福津市のかがみの海などのPRを行ったところでございます。  また、香港、台湾の水際対策の緩和も進んでいることから、フェイスブックによりまして、旬な福岡の観光情報を発信してまいります。  最後に、タイにつきましては、七月から、ベトジェットエアが新規に就航し、今月からはさらに復便や新規就航が予定されていることから、九月に日本紹介イベント、バンコク日本博に出展をいたしまして、河内藤園や海の中道海浜公園などを紹介したところでございます。  また、今月、タイのアイドルグループBNK48を招請しまして、福岡の魅力を伝える観光PR動画を制作し、今後、BNK48の公式SNSで発信してまいる予定としております。 120 ◯花田尚彦委員 ありがとうございます。  では次に、直行便はありませんけれども、旅行消費額が大きいと言われるヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、いわゆる欧米豪市場も重要であると思います。欧米豪からの誘客に向けた具体策をお尋ねいたします。 121 ◯酒見観光振興課長 欧米豪につきましては、一つの県のみ訪れることは少ないため、九州各県や九州観光機構と連携し、九州全体で売り込む必要がございます。このため、七月には、大分県と連携をいたしまして、オーストラリアのブリスベンで旅行会社向けの現地観光セミナーを開催いたしました。また、今月、シドニーとメルボルンにおきまして、九州観光機構と連携し、現地旅行会社向けに、七県をつなぐモデルコースの商品造成を働きかけてまいります。  さらに、富裕層を対象にいたしまして、由緒ある屋敷での能鑑賞や、二百年以上の歴史を持つ久留米絣の藍染め体験など、高付加価値、高単価なモデルコースを造成いたしまして、オンライン観光説明会と、海外での商談会や旅行博への参加などの両軸で、旅行会社の商品造成を促進してまいります。  加えまして、来年十月に開催されますツール・ド・九州二〇二三に合わせて、サイクリング周遊型旅行商品ディスカバー九州を造成いたしまして、販売を促進してまいる予定でございます。 122 ◯花田尚彦委員 今、述べられましたように、ツール・ド・九州といった様々なイベントを通じて我が県の魅力をPRしていくというのは、本当に効果的であると考えます。  また、本年十一月に開催されるアジア獣医師会連合──FAVA大会においても海外からの参加者が訪れますけれども、この機を捉えて何かPRを実施するのかお答えください。 123 ◯酒見観光振興課長 国内及びアジア・オセアニア地域の二十三国が加盟するアジア獣医師会連合──FAVA大会には、国内外から多くの参加者が集まることが予想され、本県の魅力をPRできる好機と捉えております。  まず、大会参加者を対象としたエクスカーションにおきまして、紅葉の美しいワンヘルスの森、県営四王寺県民の森や、九州国立博物館など、魅力ある本県の自然や歴史文化に触れていただく予定としております。加えて、ガラディナー招待者に対しまして、本県の伝統的工芸品を記念品としてお渡しする予定でございます。  さらに、大会会場であるヒルトン福岡シーホークに、観光ブースや久留米絣などの伝統工芸ブースを出展しまして、国内外の参加者に向けまして本県の魅力をPRしてまいります。 124 ◯花田尚彦委員 改めて、ようやく今月から大幅に水際対策が緩和されます。コロナ前の状況を取り戻すためにはぜひ、この円安と、そして韓国や東南アジア等の所得向上を好機として、インバウンドによる県内の消費を拡大させる必要があると思います。  総括質疑においても、我が会派の津田委員が県内の世界遺産を活用した誘客策について質問される予定でありますけれども、ぜひ海外の旅行会社と共に連携して、世界遺産をはじめとする本県の魅力を発信していただきたいと思います。新型コロナ前に二百隻を超えていた中国からのクルーズ船の回復はまだ見込めないものの、水際対策が緩和されるこのタイミングで、今後のインバウンドの回復に向けて明確な目標を打ち出し、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  最後に部長の決意をお伺いいたします。 125 ◯秋田章二委員長 初田商工部長。 126 ◯初田商工部長 今月十一日から、インバウンドの個人旅行とビザなしの渡航が再開されます。また、円安効果も後押しとなりまして、今後訪日需要が高まることが期待されておるところでございます。密を避ける観点から、旅行ニーズも都市部から地方へ、そしてまた、密を避けて自然に触れる旅や本物志向なものへと移行しておりまして、アジアのゲートウエーとして特色ある歴史文化を持つ本県にとりまして大きなチャンスだと捉えております。  県では、ラーメンや日本酒といった本県の食、自然、そして世界遺産とも関連のある歴史に係る観光スポットなどの本県の魅力ある情報を、ターゲットを絞ってSNSなどデジタルで発信しますとともに、国内の旅行サービス手配業者や海外事務所とも連携しまして、海外の旅行会社に対しましてしっかりと情報を提供し、旅行商品の造成を促してまいります。  さらに、アジアや欧米豪など、ターゲットとなる国・地域の水際対策の緩和状況や直行便の復便状況、これらも踏まえながら、令和六年度までに、コロナ前の令和元年の外国人延べ宿泊者数四百二十六万人への回復を目指して、目標としまして、幅広い国・地域からの誘客にしっかり取り組んでまいります。 127 ◯花田尚彦委員 終わります。(拍手) 128 ◯秋田章二委員長 この際しばらく休憩します。再開は午後一時三十分をめどに放送をもってお知らせいたします。    午 後 零 時 三 十 一 分 休 憩    午 後 一 時 三 十 分 再 開 129 ◯秋田章二委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  商工部所管分について、ほかに質疑はありませんか。中村香月委員。 130 ◯中村香月委員 民主県政クラブ県議団の中村香月です。インバウンドによる観光振興について質問いたします。  今年八月の我が国の貿易収支は過去最大の赤字となっています。一月から八月までの通算は十二・二兆円の赤字で、通年でも、二〇一四年の十二・八兆円を上回って過去最大を更新しそうです。円安と資源高が重なり、輸入額が大幅に増えた一方、円安による輸出の押し上げ効果は限定的で、輸出は伸び悩んでいます。このような状況下で最も期待されるのが、為替相場が一ドル百四十円を超える円安を生かし、インバウンド消費の拡大によって大きな経済効果を見いだす観光産業ではないでしょうか。  コロナ前の二〇一九年の全国における訪日外国人消費は四・八兆円ですが、ある証券会社によれば、海外との往来が本格的に再開した場合、インバウンド消費の潜在的な市場規模は円安効果で二割以上増え、六兆円規模と試算しています。  そこでお尋ねします。コロナ前の二〇一九年における本県の外国人入国者数、外国人延べ宿泊者数及び訪日外国人観光消費額をお教えください。 131 ◯秋田章二委員長 吉田観光政策課長。 132 ◯吉田観光政策課長 二〇一九年の本県への外国人入国者数は、国の出入国管理統計によりますと、クルーズ船による入国も含めまして、約二百八十五万人となっております。  二〇一九年の本県における外国人延べ宿泊者数につきましては、国の宿泊旅行統計調査によりますと、約四百二十六万人泊となっております。  二〇一九年の本県での訪日外国人の観光消費額は、国の出入国管理統計及び訪日外国人消費動向調査を基に県で試算しましたところ、約一千九百三十八億円となっております。 133 ◯中村香月委員 インバウンドの本格的再開後に、本県における外国人入国者が、コロナ前の二〇一九年の二百八十五万人まで戻ることになれば、先ほどの証券会社の推計を踏まえると県内観光消費額は、二〇一九年の二割増の二千三百二十五億円程度の消費が期待でき、経済効果は絶大となり、私自身今から楽しみでもあります。  さて、我が国における訪日外国人入国者数は、二〇一九年に過去最高の三千三百二十一万人を記録し、本県においても二百八十五万人となりましたが、二〇二〇年からコロナ禍に伴う水際対策の強化により、インバウンドは皆減となりました。このような中、国は、本年六月十日から、添乗員つき団体旅行に限定しインバウンドの受入れを再開し、さらに十月十一日からは、外国人入国者数の上限撤廃、個人旅行の解禁、ビザ短期滞在の免除を決定したところであり、今後ますます訪日需要が高まることが期待されます。  しかしながら、ただ単にインバウンドを待っているだけでは本県に足を運んでいただけません。コロナで落ち込んだ需要を回復させるためには、国内のみならず世界的な需要の獲得競争を勝ち抜いていく必要があります。  そこでお尋ねします。観光庁が平成三十年度に行った外国人旅行者へのアンケートでは、観光施設等のスタッフとのコミュニケーションが取れない、無料公衆無線LAN──WiFi環境の未整備等が旅行中に困ったことの上位に上がっています。  コロナ禍にあって、特に外国人観光客が長時間帯在することになる本県の宿泊施設において、外国人観光客の受入れ環境整備にどう取り組んできたのかお答えください。 134 ◯吉田観光政策課長 県におきましては、インバウンド観光需要の回復期に向けまして、宿泊施設における利便性、快適性の向上を目的といたしまして、県内宿泊施設が実施する受入れ対応強化の取組に対して補助を行ってまいりました。令和二年度、三年度の二か年で延べ百五十七件の宿泊施設に御活用いただき、WiFi環境の整備やトイレの洋式化、客室内における浴室の設置、タブレット端末などの翻訳機器の導入、施設案内やホームページ、パンフレット等の多言語表示といった取組が実施され、外国人観光客の受入れ環境の整備を進めてきたところでございます。 135 ◯中村香月委員 コロナ禍でインバウンドが皆減になっている時期に、宿泊施設の受入れ環境を整備し、インバウンド回復を見据え、しっかりと取組が進められていることは分かりました。  一方で、今後のインバウンド需要を取り込んでいくためには、外国人から見た旅行先として福岡県が選ばれる観光地となるよう差別化を図るとともに、地域と一体となって観光資源の磨き上げを行うことも重要です。  そこでお尋ねします。外国人観光客の入国が制限されてきた二〇二〇年以降、インバウンドの再開に向けてどのように観光資源の磨き上げを行ってきたのかお答えください。 136 ◯秋田章二委員長 酒見観光振興課長。 137 ◯酒見観光振興課長 県では、太宰府や福岡都市圏といった従来から人気がある観光地に加えまして、新たな目的地を増やすため、県内六エリアにおいて、点在する観光資源をテーマでつなぎ合わせた新たな観光エリアの創出に取り組んでおります。  例えば、伝統工芸が盛んな八女・筑後エリアでは、クラフトのまちをテーマに、工芸品を活用した茶道体験や、久留米絣の職人と共にあずま袋を作る体験プログラム、また、来年春に資生堂福岡久留米工場の見学施設のオープンを控えます久留米・うきは・朝倉エリアでは、ヘルス・アンド・ビューティーをテーマに、美容に関心がある層をターゲットとして、温泉やフルーツ、花などを取り入れた体験プログラムなど、この土地ならではの魅力に触れていただける体験プログラムの開発に取り組んでいるところでございます。 138 ◯中村香月委員 福岡県を訪れた方が、その土地ならではの魅力に触れることができる新しい観光資源の磨き上げに取り組んできたということでしたが、私は、磨き上げた資源をいかに海外の方に知ってもらい、どれだけ福岡へ行きたいという気持ちにさせるかが重要だと考えます。  コロナ禍という、人の往来が制限された特殊な環境下で、これらの磨き上げた資源をはじめとする本県の観光情報をどのようにプロモーションしてきたのかお答えください。 139 ◯酒見観光振興課長 県では、コロナ収束後の旅行先として真っ先に本県を選んでいただくため、小石原焼の陶芸体験や、八女の古民家宿泊体験など、自宅にいながらにして旅をしているような没入感に浸ることができるオンラインツアー動画を配信するなど、デジタルを活用した情報発信により、本県への旅行意欲の喚起を行ってきたところでございます。  特に、コロナ禍を経て、旅行ニーズも密を避けた自然回帰と変化をしております。そのため、多言語のウェブサイトVISIT FUKUOKAや、中国、台湾、香港、欧米豪──ヨーロッパ・アメリカ・オーストラリア向けのSNSを活用して、ターゲット市場の嗜好に合わせた情報発信により、旅行者が求めている情報を届けているところでございます。 140 ◯中村香月委員 コロナ禍において、デジタルを中心に取組を実施してきたことは分かりました。  一方、これまで本県の外国人入国者数の六割以上を占めていた韓国と中国に大きな変化が生じています。韓国については、二〇一九年七月以降、日韓情勢の変化により、韓国からの入国者数が大幅に減少しました。また、中国はゼロコロナ政策が続いていることも注視が必要です。このような状況を踏まえた今後のインバウンド誘客の取組について、先ほど花田委員の質問に答弁がありましたので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  ウイズコロナの時代はまだしばらく続きそうですが、感染抑制と社会経済活動をうまく両立させるため、保健医療介護部など関係部局としっかりと連携を図りながら、インバウンドの本県への誘客を積極的に行っていただき、円安の機会をチャンスと捉え、商工業、農林水産業をはじめ、裾野の広い観光産業を振興し、地域経済を活性化していただきたいと思います。  最後に、今後、福岡県として、インバウンドによる観光振興に取り組んでいく観光局長の決意をお聞かせください。 141 ◯秋田章二委員長 神代観光局長。 142 ◯神代観光局長 コロナの影響によりまして、インバウンドがほとんど失われる中、本県におきましては、先ほど課長が答弁しましたとおり、宿泊施設における施設整備、WiFi整備、多言語化など受入れ環境の整備、また、八女・筑後エリアなど新たな観光エリアの創出、さらに、東アジア、欧米豪などターゲット市場の嗜好に合わせたデジタルを活用した情報発信など、インバウンド再開に向けまして、ウイズコロナ、ポストコロナを見据えた準備を行ってきたところでございます。  今月十一日には、いよいよ外国人入国に係る規制が大幅に緩和されます。ほぼコロナ前の状態に戻るとも言っていいかと思います。加えて、今年に入ってからの急激な円安によりまして、訪日需要の高まりも期待されるところでございます。この機会を確実に捉えまして、デジタルとリアル、この二本柱で、コロナ禍前以上のプロモーションを行いますことで、旅行会社の商品造成や個人旅行者の誘客を進めるとともに、コロナ対策本部など関係部局ともしっかり連携を取り、感染防止対策も講じながら、インバウンドによる観光の復活を図りまして、ウイズコロナ、ポストコロナにおける観光振興にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 143 ◯中村香月委員 観光局長から、この機会を確実に捉え、インバウンドを含めた観光振興にしっかりと取り組んでいくと力強い決意をいただきました。このことを期待し、以上で質問を終わります。(拍手) 144 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。井上正文委員。 145 ◯井上正文委員 自民党県議団の井上正文です。今後の観光需要喚起策について質問をいたします。  令和二年二月からコロナ禍となり、二年半が過ぎました。この間、県では、旅行需要を喚起するため、宿泊費や旅行代金を助成する観光キャンペーンを実施してきました。  まずは、これまでのキャンペーンの内容と、誘客目標に対しての実績についてお尋ねいたします。 146 ◯秋田章二委員長 酒見観光振興課長。 147 ◯酒見観光振興課長 県では、新型コロナ感染症で影響を受けました県内の観光業を支援するため、令和二年七月から九月まで、県民と九州在住者の方を対象にした、宿泊費や旅行代金の二分の一、最大五千円を助成する、福岡の魅力再発見九州キャンペーンを実施してきました。また、令和二年十一月から、同様の助成内容で、福岡の避密の旅観光キャンペーンを実施しております。令和三年七月からは、国の補助事業を活用いたしまして、県民の県内旅行を対象とした宿泊割事業を実施し、その後、令和三年十二月からは、順次、利用対象者を隣県、周りの県、そして九州ブロックに拡大しております。
     その間、新型コロナ感染症が拡大し、緊急事態宣言措置、また、まん延防止等重点措置などが適用された時期には、販売・利用を一時停止した時期もありましたが、福岡の魅力再発見九州キャンペーンでは、目標十五万人に対しまして、実績は十万五千人に御利用いただきました。福岡の避密の旅観光キャンペーンでは、目標七十八万人に対しまして、令和三年度の実績は約四十五万人の利用がございました。このキャンペーンは令和四年度も継続して行っております。七十八万人の目標を達成できる見通しでございます。 148 ◯井上正文委員 昨年九月議会の我が会派の吉村悠議員の一般質問で、マイクロツーリズムの取組状況についてただし、知事からは、令和二年度に実施したキャンペーンでは、利用者の五割以上が朝倉市や宗像市、八女市など県内の地方部への宿泊であり、マイクロツーリズムの促進につながったと答弁をいただきました。  令和三年度の観光キャンペーンにおける地方部への誘客実績についてお答えください。 149 ◯酒見観光振興課長 令和三年度のキャンペーンでは、両政令市以外の宿泊施設の利用は五割弱となっております。福岡の魅力再発見九州キャンペーン同様、朝倉市や宗像市、八女市などの地方部への誘客につながっております。 150 ◯井上正文委員 事業内容の実績については一定程度の成果を得たとの課長の答弁でした。  このまま、決算特別委員会でありますので、編成した予算の執行状況についてもお伺いします。 151 ◯酒見観光振興課長 予算額につきましては、令和二年度が約三十五億円、令和三年度が約二百二十四億円を議決いただきました。この予算のうち、令和二年度十二月補正、二月補正で編成いただきました国のGoToトラベル事業を補完・拡充する予算につきましては、二十一億円が未執行となっております。また、令和三年度二月補正予算で議決いただきました、全国を対象にした旅行支援分として、約百五十八億円が未執行となっております。 152 ◯井上正文委員 未執行の予算があるとの答弁ですが、この執行についてはどうお考えでしょうか。 153 ◯酒見観光振興課長 国のGoToトラベル事業を補完・拡充する予算につきましては、国がGoToトラベル事業を令和二年十二月二十八日に停止をしたこと、その後、令和三年十一月に、年末年始の感染状況を確認した上で再開との方針を示したことから、県におきましても準備を進めておりましたが、現状、再開の方針は示されていないことから、残念ながら執行の見込みは立っておりません。  令和三年度二月補正で議決いただきました約百五十八億円につきましては、国の全国旅行支援の開始発表を踏まえまして、県においても、全国を対象とした新たな福岡の避密の旅観光キャンペーンを実施し、活用してまいります。 154 ◯井上正文委員 新型コロナ感染拡大の影響を受け、国の方針がなかなか示されないことから、県においては予算を十分には生かせなかった現状があったと思いますが、いよいよ百五十八億円という大規模な観光需要喚起策が発動されることになります。  まず、答弁にありました新たな福岡の避密の旅観光キャンペーンの内容と予算額、目標人数も含めて御説明ください。 155 ◯酒見観光振興課長 新たな観光キャンペーンは、全国の旅行者を対象に、十月十一日から十二月二十日の間、実施するものでございます。  その内容は、助成率が、宿泊費や旅行代金の四〇%、助成額が、交通つき宿泊旅行の場合が最大八千円、宿泊サービスや日帰り旅行の場合は最大五千円でございます。  また、旅行先の土産物店や飲食店等で利用できる地域クーポンにつきましては、平日への旅行需要の分散化を図るため、平日最大三千円、休日最大千円分を配付いたします。  先ほど答弁いたしました、全国を対象にした旅行支援分の補正予算額百五十八億七千三百万円を活用しまして、全国から二百万人規模の誘客を図ってまいりたいと考えております。 156 ◯井上正文委員 全国に拡大することは望ましいのですが、これまでのキャンペーンの実績を踏まえますと、予算を全額執行できるのか、目標を達成できるのか心配であります。  そこで、まず、目標達成に向けた誘客の戦略を御説明ください。 157 ◯酒見観光振興課長 モバイル空間統計を用いました福岡県の観光ビッグデータ調査によりますと、県内の宿泊者の三割が関東圏や関西圏からの来福となっております。今回のキャンペーンが全国が対象になりますことから、関東圏や関西圏を中心に誘客を図ってまいることが重要と考えております。  先月、東京で開催されました世界最大級の旅行博覧会ツーリズム・EXPO・ジャパン二〇二二におきまして、九州各県と共同で出展いたしました九州ブースが、旅の愛好家が選ぶブースグランプリにおきまして準グランプリを獲得いたしました。関東圏を中心とした旅の愛好家に福岡県の魅力がしっかりPRできたものと考えております。  また、今後は、関東・関西圏を中心に、交通広告やSNS等を活用したターゲット広告を実施いたします。さらに、東京事務所や大阪事務所と連携いたしまして、東京・大阪の旅行会社に直接、本県の食、自然、そして歴史といった観光の魅力や、新たに開発いたしますワンヘルス関係の観光素材も紹介し、旅行商品の造成を働きかけてまいります。加えまして、本議会でお認めいただきました修学旅行のバス代助成の予算、これと併せまして、しっかりと本県への誘客を図っていくこととしております。 158 ◯井上正文委員 ぜひ、誘客に向け様々な取組を実施していただきたいと思います。  しかしながら、新たな福岡の避密の旅観光キャンペーンは、十二月二十日までと年内で終了となっており、期間が短いのではないでしょうか。恐らく二か月では百五十八億円の予算を全額執行できるとは思いません。  予算があるのですから期間をさらに延長すべきと考えますが、いかがでしょうか。 159 ◯酒見観光振興課長 この新たな福岡の避密の旅観光キャンペーンは、国の補助金を活用しておりまして、国の補助金交付要綱におきまして、利用期間が十二月下旬と定められております。このため、全国知事会を通じまして国に対し、観光需要喚起策の継続的な実施について要望してまいります。 160 ◯井上正文委員 国に対しては引き続きしっかり要望していただきたいと思います。  一方、延長が認められない場合には、二か月の期間内に予算百五十八億円を全額執行できるよう、先ほど御答弁にありました誘客策以外に取組が必要ではないでしょうか。どう取り組んでいくのでしょうか。 161 ◯酒見観光振興課長 利用者を増やすためには、利用できる施設を増やすことが必要だと考えております。現在のところ、観光キャンペーンで利用できる県内の登録宿泊施設が約五百施設となっております。県内の宿泊施設の約三割でございます。まずはこのキャンペーンに参加していただけるよう、県内の宿泊施設に対し参加の働きかけを行っておりまして、現時点で新たに百の施設から登録申請をいただいているところでございます。  また、全国の旅行会社が本県のキャンペーンに円滑に参画していただけるよう、県から国へ要望いたしまして、全国旅行支援の統一窓口が新設されました。一社でも多くの旅行会社に参画していただきまして、本県を目的地とする旅行商品が造成されるよう働きかけてまいります。また、土産物つきバスツアーを新たに助成の対象に加えるなど、助成対象を拡大する方向で見直しを行ってまいります。さらに、このキャンペーンの利用方法が分かりづらいとのお声をいただいております。このキャンペーンを皆様に知っていただけるよう、キャンペーンの内容や使い方などをまとめた特設サイトやチラシ等を活用しまして、広報をしっかりしてまいります。 162 ◯井上正文委員 最後に、今後の観光需要喚起に向けた部長の決意をお示しください。 163 ◯秋田章二委員長 初田商工部長。 164 ◯初田商工部長 本県の観光の状況でございますが、宿泊統計調査によりますと、県内の日本人延べ宿泊者数は、コロナ前と比べまして八割程度まで回復しておりますが、インバウンドを含めた県内全体の延べ宿泊者数は六割程度にとどまっており、依然として厳しい状況が続いております。  今月十一日から開始いたします全国旅行支援に当たりましては、まずは関東圏・関西圏でのPR活動にしっかりと取り組みまして、福岡県の魅力を全国に発信するとともに、旅行会社との商談を重ね、商品造成を働きかけることによりまして、全国からの誘客につなげてまいります。また、ワンヘルスの視点でも観光素材の開発を進めまして、旅行商品造成の働きかけや情報発信に努めてまいります。さらに、令和六年春のJRデスティネーションキャンペーンの開始に向けまして、県内市町村や観光事業者等の関係団体と協力しまして、観光資源の開発や磨き上げ、さらには二次交通対策などの受入れ体制の構築を進めまして、全国の旅行社に県内の観光素材をしっかり紹介しまして、旅行商品の造成を促してまいります。  こうした取組によりまして、観光産業の復興、さらなる成長を図ってまいりたいと考えております。 165 ◯井上正文委員 終わります。(拍手)      〔正副委員長交代〕 166 ◯大橋克己副委員長 ほかに質疑はありませんか。吉田健一朗委員。 167 ◯吉田健一朗委員 自民党県議団の吉田健一朗です。通告に従いまして、プレミアムつき地域商品券の発行支援について質問いたします。  我が会派の働きかけにより、全国に先駆けて、福岡県では平成二十一年度からプレミアムつき地域商品券の発行支援に取り組み、地域の消費喚起、地域経済の活性化に一定の成果を上げてきたところであります。今年度で開始から十四年目を迎え、その間、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減や、新型コロナウイルス感染症の拡大、原油価格・物価高騰、ロシアによるウクライナ侵略などの影響による景気の落ち込みに対し、発行規模を拡大して地域経済を下支えしてまいりました。  一方、最近ではキャッシュレス商品券の普及が進んでおり、令和二年度に県がキャッシュレス商品券の発行支援を開始して以降、発行する団体は年々増えていると聞いています。また、非接触で支払いができるキャッシュレス商品券は、ウイズコロナにおける感染防止対策として有効な決済手段となっています。  そこでお尋ねいたします。県は、これまで商工会議所、商工会、商店街が行うプレミアムつき地域商品券の発行支援を行ってきましたが、発行状況はどうなっているのかお答えください。 168 ◯大橋克己副委員長 吉田中小企業振興課長。 169 ◯吉田中小企業振興課長 本県では平成二十一年度からプレミアムつき地域商品券発行支援の取組を開始し、初年度の発行総額は約六十八億円でした。その後、八十億円程度で推移していましたが、消費税増税に伴う経済対策として、平成二十六年度は約百二十一億円、平成二十七年度は約二百五十九億円に一時的に拡大いたしました。  また、令和二年度からは、コロナ禍の影響を受けた地域経済を下支えするため、令和二年度は約二百五十九億円、令和三年度は約四百二十三億円まで拡大しております。  今年度につきましては、原油価格・物価高騰対策として、六月補正において追加発行を支援し、発行総額は約三百七十一億円となる見込みでございます。 170 ◯吉田健一朗委員 県はプレミアムつき地域商品券の発行支援に当たり、これまでどのような取組を行ってきたかお答えください。 171 ◯吉田中小企業振興課長 本県では、プレミアムつき地域商品券の発行支援を通じて、地域の消費を喚起し、中小事業者における売上げの増加や経営の安定化を図るとともに、商店街をはじめとする地域経済を活性化するため、プレミアムの一部及び事務経費を補助しております。プレミアムの一部補助につきましては、近年のコロナ禍に対応するため、補助率を従来の販売済み総額の百分の三から、プレミアム率二〇%以上の団体については百分の十に拡充しているところです。  そのほか、本県では、消費喚起効果の高いリフォーム券の発行や、中小店舗における利用を促進するための大型店の利用制限などを行う経費の補助も行っております。  さらに、地域商品券の予約・販売情報のプレスリリースや新聞広告への掲載を行い、地域商品券の販売促進に努めているところでございます。  また、キャッシュレス商品券の発行支援として、システム開発費等の初期経費やランニング経費を補助するとともに、消費動向の把握や経営指導に役立てるためのデータ分析を行うための経費の補助も行っているところでございます。 172 ◯吉田健一朗委員 商店街や地域の店舗では、プレミアムつき地域商品券の発行に伴い、どのような取組が行われているのかお答えください。 173 ◯吉田中小企業振興課長 商店街や地域の店舗では、地域商品券の利用者が参加するスタンプラリー抽せん会や、地域商品券を利用した場合の割引販売など、地域商品券を活用した販売促進の取組が行われております。  また、本県では、発行団体が行う地域商品券の販売促進の取組に対し最大五十万円まで補助しており、今年度は八団体が活用し、親子連れの消費を喚起するための子供参加のイベントや、集客を見込める縁日やマルシェの開催などの取組が行われております。 174 ◯吉田健一朗委員 プレミアムつき地域商品券の発行による、福岡県経済への経済波及効果はどうなっているのかお答えください。 175 ◯吉田中小企業振興課長 経済波及効果につきましては、最新の調査結果である令和三年度当初及び六月補正における地域商品券の利用総額約三百十億円について、購入者によるアンケート調査を基に産業連関表を用いて試算したところ、県内経済への波及効果は約四百五十七億円となっております。本事業の実施により、県内の個人消費が喚起され、大きな経済効果につながったものと考えております。 176 ◯吉田健一朗委員 キャッシュレス商品券の普及状況はどうなっているのかお答えください。 177 ◯吉田中小企業振興課長 本県でキャッシュレス商品券の発行支援を開始した令和二年度は、発行団体数十四団体、発行総額約十一億円でしたが、今年度は、発行団体数五十一団体、発行総額約百四十四億円が見込まれ、飛躍的にキャッシュレス商品券の普及が進んでおります。 178 ◯吉田健一朗委員 新型コロナの感染防止対策としてキャッシュレス商品券は有効と考えますが、県は、キャッシュレス商品券の普及についてどのように考えているのかお答えください。 179 ◯吉田中小企業振興課長 キャッシュレス商品券は、紙の商品券と比べて、若年層への利用拡大、印刷経費や事務負担の軽減などのメリットとともに、委員御指摘のとおり非接触で支払いが可能なため、コロナ禍における感染防止対策として有効な手段となっております。  しかしながら、高齢者等におけるキャッシュレスへの抵抗感が普及の妨げの一因となっていることから、本年度六月補正で、新たにキャッシュレス商品券の普及啓発の取組に対する支援を開始し、最大五十万円を補助することとしたところでございます。現在、十九団体から申請があり、キャッシュレス商品券の使い方を説明した動画の作成や、専門担当者によるサポートデスクの設置などの取組が行われております。今後、これらの取組の効果を検証し、効果的な取組については他の発行団体に周知し、取組を促すことによりキャッシュレス商品券の普及を図ってまいりたいと考えております。 180 ◯吉田健一朗委員 最後に、プレミアムつき地域商品券の発行支援を通じて地域経済の活性化を図っていくことについて、部長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 181 ◯大橋克己副委員長 初田商工部長。 182 ◯初田商工部長 地域商品券でございますが、必ずその地域で使われ、そしてその地域の消費を喚起し、そしてまた地域経済に直接の効果をもたらすため、地域経済の活性化に大きな効果があり、多くの中小企業者や商店街の皆様にその効果を実感していただける取組であると考えております。そして、また、近年のコロナ禍に加えまして、原油価格や物価高騰などの影響を受けている地域経済を下支えし、そしてまた購買意欲を高めるための取組としても大変有効であると考えております。さらに、地域商品券の発行に合わせて、商店街が独自のセールやイベントを開催するなど様々な工夫も行われておりまして、商店街の活性化にもつながっているものと考えております。  本県ではこれまで、地域商品券が地域経済の活性化につながるよう、中小店舗の利用促進に向けた大型店の利用制限やキャッシュレス商品券の普及啓発など様々な取組を行ってまいりましたが、より一層効果的な取組となるよう、引き続き発行団体である商工会議所、商工会並びに市町村とも緊密に連携しまして、県内各地での地域商品券の取組をしっかりと支援してまいります。 183 ◯吉田健一朗委員 終わります。(拍手) 184 ◯大橋克己副委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 185 ◯大橋克己副委員長 ないようですので、以上で第一四一号議案の質疑を終わります。  次に、第一五二号議案「令和三年度福岡県小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計決算」について説明を求めます。初田商工部長。 186 ◯初田商工部長 それでは、第一五二号議案、令和三年度福岡県小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計の歳入歳出決算について御説明申し上げます。  お手元の決算概要説明書の百八十九ページをお願いいたします。  この特別会計は、協同組合等に対する高度化資金の貸付け等を実施しているものでございます。  まず、歳入でございます。収入済額は二十一億二千二百万円余で、予算現額に対しまして一億三千万円余の増となっております。その主な理由は、貸付金償還金が見込みを上回ったものによるものでございます。収入未済額は九億二千五百万円余で、その主なものは、貸付金償還金が、貸付先の事業不振等によりまして、過年度分も含め、年度内に収入できなかったものでございます。  百九十ページをお願いいたします。  歳出について御説明申し上げます。一款一項小規模企業者等設備導入資金貸付事業費は、決算額三億三千五百万円余となっております。その主なものは、設備導入資金貸付事業繰越金の償還でございます。また、不用額を生じております主な理由は、設備導入資金貸付事業に係る事務費の残でございます。  百九十一ページをお願いいたします。  二款一項公債費は、決算額十六億三千七百万円余となっております。その主なものは、中小企業基盤整備機構への償還金でございます。また、不用額を生じております主な理由は、償還金が見込みを下回ったものでございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 187 ◯大橋克己副委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 188 ◯大橋克己副委員長 質疑がないようですので、第一五二号議案の質疑を終了し、商工部所管分の審査を終わります。  次に、企業局所管分の審査を行います。  第一五八号議案「令和三年度福岡県電気事業会計利益の処分及び決算」、第一五九号議案「令和三年度福岡県工業用水道事業会計利益の処分及び決算」及び第一六〇号議案「令和三年度福岡県工業用地造成事業会計決算」の三件について一括議題とし、まとめて説明を求めます。宮丸企業局長。 189 ◯宮丸企業局長 それでは、令和三年度福岡県公営企業会計決算のうち企業局所管分について御説明申し上げます。  お手元に企業局の令和三年度事業の概要をお配りしておりますので、議案書の参考に御覧ください。  それでは、議案その四、公営企業会計決算書の二十一ページをお願いいたします。  第一五八号議案、電気事業会計利益の処分及び決算でございます。  まず、収益的収入及び支出でございます。収入の第一款電気事業収益の決算額は五億三千万円余で、その主なものは、電力料金収入でございます。支出の第一款電気事業費の決算額は四億七千万円余で、その主なものは、人件費、修繕費など発電所の運転に要する経費でございます。不用額の主なものは、人件費の執行残でございます。  二十二ページをお願いいたします。  資本的収入及び支出でございます。収入はございません。支出の第一款資本的支出の決算額は二億六千六百万円余で、その主なものは、発電設備の更新工事費でございます。翌年度への繰越額は九千三百万円余で、これは更新工事に要する経費でございます。不用額の主なものは、建設改良費の執行残でございます。  二十三ページをお願いいたします。  損益計算書でございます。下から四行目、当年度純利益は三千六百万円余で、この純利益は企業債の償還及び建設改良の積立金に充てることといたしております。下から二行目、その他未処分利益剰余金変動額は七百万円余で、この剰余金につきましては、資本金への組入れとして処分することについて議会の議決をお願いするものであります。  詳細につきましては二十五ページのとおりで、二十六ページ以降に関係諸表を添付いたしております。  以上が電気事業会計利益の処分及び決算でございます。  続きまして、二十九ページをお願いいたします。  第一五九号議案、工業用水道事業会計利益の処分及び決算でございます。  収益的収入及び支出でございます。収入の第一款工業用水道事業収益の決算額は二十二億六千五百万円余で、その主なものは、工業用水の料金収入でございます。支出の第一款工業用水道事業費の決算額は十七億二千四百万円余で、その主なものは、人件費、減価償却費など工業用水の供給に必要な経費でございます。不用額の主なものは、修繕費及び固定資産除却費の執行残でございます。  三十ページをお願いいたします。  資本的収入及び支出でございます。収入の第一款資本的収入の決算額は二千円余で、土地の処分に伴う収入でございます。支出の第一款資本的支出の決算額は四億四千三百万円余で、その主なものは、施設の建設改良工事費及び企業債の償還金でございます。翌年度への繰越額は二億六千四百万円余で、その主なものは、施設の更新工事に要する経費でございます。不用額の主なものは、工事費など建設改良費の執行残でございます。  三十一ページをお願いいたします。
     損益計算書でございます。下から四行目、当年度純利益は五億二千万円余で、この純利益は企業債の償還及び建設改良の積立金に充てることにしております。下から二行目、その他未処分利益剰余金変動額は二億八千九百万円余で、この剰余金につきましては、資本金への組入れとして処分することについて議会の議決をお願いするものであります。  詳細につきましては三十三ページのとおりで、三十四ページ以降に関係諸表を添付いたしております。  以上が工業用水道事業会計利益の処分及び決算でございます。  次に、三十七ページをお願いいたします。  第一六〇号議案、工業用地造成事業会計決算でございます。  収益的収入及び支出でございます。収入の第一款造成事業収益の決算額は十億八千百万円余で、その主なものは、工業用地の売却収入でございます。支出の第一款造成事業費の決算額は九億八千百万円余で、その主なものは、工業用地の売却に伴う造成原価でございます。不用額がマイナスになっておりますのは、本年一月末の工業用地売却に伴う土地売却原価の計上によるもので、現金の支出を伴わない経費でございます。  三十八ページをお願いいたします。  資本的収入及び支出でございます。収入の第一款資本的収入の決算額は十六億七千万円余で、その主なものは、久留米・うきは工業用地造成事業に伴う工事負担金及び宮若北部工業用地造成事業に伴う企業債の収入でございます。支出の第一款資本的支出の決算額は十六億三千九百万円余でございます。翌年度への繰越額は十六億四千九百万円余で、その主なものは、宮若北部工業用地造成工事に要する経費でございます。不用額の主なものは、工事費の執行残でございます。  三十九ページをお願いいたします。  損益計算書でございます。下から三行目、当年度純利益は一億円余で、四十ページ以降に関係諸表を添付しております。  以上が企業局所管分の決算の概要でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 190 ◯大橋克己副委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 191 ◯大橋克己副委員長 質疑がないようですので、第一五八号議案外二件の質疑を終了し、企業局所管分の審査を終わります。  次に、県土整備部所管分の審査を行います。  まず、第一四一号議案「令和三年度福岡県一般会計決算」のうち、歳出について説明を求めます。西川県土整備部長。 192 ◯西川県土整備部長 それでは、県土整備部所管一般会計の決算について御説明申し上げます。  令和三年度福岡県歳入歳出決算概要説明書の百二十一ページをお願いいたします。  八款県土整備費の決算額は一千五百四十三億二千四百万円余でございます。  内訳について御説明させていただきます。  一項県土整備企画費の決算額でございますが、二十三億六千五百万円余でございます。その主なものは、人件費などの管理費及び建設技術情報センター運営費などでございます。不用額の主なものにつきましては、各事業事務費の執行残でございます。  続きまして、百二十三ページをお願いいたします。  二項道路橋りょう費の決算額でございますが、七百五十三億九千三百万円余でございます。その主なものは、道路の維持、管理、新設、改良に要した経費及び国の直轄道路事業に対する県の負担金でございます。翌年度へ繰り越しましたのは、道路新設改良事業におきまして地元調整、用地に係る物件移転等に時間を要したことなどによるものでございます。不用額の主なものにつきましては、各事業費の確定に伴う執行残でございます。  続きまして、百二十四ページをお願いいたします。  三項河川海岸費の決算額でございますが、六百五十八億五千九百万円余でございます。その主なものは、河川、砂防、海岸の各事業費及び国の直轄事業に対する県の負担金でございます。翌年度へ繰り越しましたのは、河川改良事業におきまして地元調整、用地に係る物件移転等に時間を要したものでございます。不用額の主なものにつきましては、各事業費の確定に伴う執行残でございます。  続きまして、百二十六ページをお願いいたします。  四項港湾費の決算額でございますが、四十一億三千九百万円余でございます。その主なものは、県管理港湾の整備事業費及び国の直轄港湾事業に対する県の負担金でございます。翌年度へ繰り越しましたのは、港湾建設事業におきまして地元調整に時間を要したことなどによるものでございます。  続きまして、同じページ、七項の県営埠頭施設整備運営事業費の決算額でございますが、十六億八千二百万円余でございます。その主なものは、県土整備部所管の特別会計への繰出金でございます。  続きまして、百二十七ページをお願いいたします。  八項水資源対策費の決算額でございますが、四十八億八千三百万円余でございます。その主なものは、水資源対策費及び水道事業者等の水道施設の耐震化等に係る事業に対する県の補助金でございます。翌年度に繰り越しましたのは、水道整備事業におきまして、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、事業者による半導体などの資材調達に遅れが出たことなどによるものでございます。不用額の主なものにつきましては、県補助金の確定に伴う執行残でございます。  続きまして、十一款災害復旧費について御説明いたします。百二十八ページでございます。  百二十八ページ、十一款災害復旧費の県土整備部所管の決算額でございますが、百三十九億二千九百万円余でございます。その主なものは、河川、道路等の災害復旧に要した経費でございます。翌年度へ繰り越しましたのは、災害復旧事業におきまして地元調整に時間を要したことなどによるものでございます。不用額の主なものは、各事業費の確定に伴う執行残でございます。  以上が県土整備部所管の一般会計の決算の概要でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 193 ◯大橋克己副委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 194 ◯大橋克己副委員長 質疑がないようですので、第一四一号議案の質疑を終わります。  次に、第一五四号議案「令和三年度福岡県県営埠頭施設整備運営事業特別会計決算」について説明を求めます。西川県土整備部長。 195 ◯西川県土整備部長 それでは、福岡県県営埠頭施設整備運営事業特別会計について御説明をさせていただきます。  令和三年度福岡県歳入歳出決算概要説明書の百九十五ページをお願いいたします。  この特別会計は、苅田港及び三池港などの埠頭施設の整備及び管理運営を行っているものでございます。  歳入につきましては、一款使用料及び手数料から六款財産収入までで、合わせまして収入済額九十七億六千四百万円余で、予算現額に対し一千六百万円余の減となっております。  歳出につきましては、百九十六ページでございます。一款県営埠頭施設整備運営事業費及び二款公債費でございまして、決算額は七十八億三千五百万円余でございます。  一款一項県営埠頭施設整備運営事業費の決算額は三十二億五千六百万円余でございまして、その主なものは、苅田港及び三池港の埠頭施設の整備に要した経費でございます。翌年度へ繰り越しましたのは、埠頭施設整備事業におきまして関係機関との調整に時間を要したことによるものでございます。不用額の主なものにつきましては、事業費の確定に伴う執行残でございます。  続きまして、百九十七ページをお願いいたします。  二款一項公債費の決算額でございますが、四十五億七千九百万円余でございまして、これは、埠頭施設整備事業に充当いたしました県債の元金及び利子の償還金でございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 196 ◯大橋克己副委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 197 ◯大橋克己副委員長 質疑がないようですので、第一五四号議案の質疑を終了し、県土整備部所管分の審査を終わります。  この際しばらく休憩します。再開は午後二時三十五分といたします。    午 後 二 時 二 十 九 分 休 憩    午 後 二 時 三 十 五 分 再 開 198 ◯大橋克己副委員長 ただいまから委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き議事を進めます。  建築都市部所管分の審査を行います。  まず、第一四一号議案「令和三年度福岡県一般会計決算」のうち、歳出について説明を求めます。永山建築都市部長。 199 ◯永山建築都市部長 それでは、建築都市部所管分の決算につきまして御説明を申し上げます。  決算概要説明書の百三十二ページをお願いいたします。  八款県土整備費は、決算額二百七十七億五千万円余でございます。  その内訳について御説明をいたします。  一項県土整備企画費は、決算額十五億五千七百万円余で、その主なものは、次の百三十三ページにありますとおり、建築行政に従事する職員の人件費でございます。不用額を生じております主な理由は、建設業法施行費等の執行残でございます。  続きまして、百三十四ページをお願いいたします。  五項都市計画費は、決算額百九十六億二千五百万円余でございます。その主なものは、街路事業、公園事業に要した経費でございます。翌年度へ繰越しを行っておりますのは、街路事業などにおいて用地補償交渉が難航したことや地元調整に日時を要したことなどによるものでございます。また、不用額を生じております主な理由は、人件費等の執行残でございます。  次に、百三十五ページをお願いいたします。  六項住宅費は、決算額六十五億六千八百万円余でございます。その主なものは、公営住宅建設事業に要した経費でございます。翌年度へ繰越しを行っておりますのは、地元調整に日時を要したことなどによるものでございます。また、不用額を生じております主な理由は、快適な住まいづくり推進事業費等の執行残でございます。  次に、百三十六ページをお願いいたします。  十一款災害復旧費は、決算額八千八百万円余でございます。  その内訳について御説明をいたします。  二項土木施設災害復旧費は、決算額一千五百万円余でございます。これは、主に令和二年七月豪雨により被災しました県営筑後広域公園の復旧に要した経費でございます。  次に、百三十七ページをお願いいたします。  三項庁舎等災害復旧費は、決算額七千三百万円余でございます。これは、平成三十年七月豪雨により被災しました県営住宅の敷地のり面の復旧に要した経費でございます。また、不用額を生じております理由は、庁舎等災害復旧費の執行残でございます。  以上で、一般会計八款及び十一款の建築都市部所管分の説明を終わらせていただきます。御審議のほどをどうぞよろしくお願いいたします。 200 ◯大橋克己副委員長 説明は終わりました。これより歳入及び歳出の質疑を行います。質疑はありませんか。江頭祥一委員。 201 ◯江頭祥一委員 自民党県議団の江頭祥一です。  本日は、県営公園におけるアーバンスポーツの取組について質問させていただきます。  昨年、コロナ禍とはなりましたが、東京オリンピックが開催され、選手たちの躍動する姿に日本中が歓喜と感動に包まれました。その中でも特に、新種目となったスケートボードやBMXといった、広い場所を必要とせずに個人が気軽に始められる都市型スポーツのアーバンスポーツに注目が広がり、現在若者を中心に人気が高くなっております。これはまさしくオリンピック効果だと思います。  私がスケートボードに熱を注いだのは中学生からでしたので、二十八年も前になることに驚いていますが、当時から全く想像ができない、スケートボードに対する環境整備と認知度の向上を本当にうれしく思っていますし、今日は、東京二〇二〇オリンピックのスケートボード競技において様々な形で尽力されたプロスケーターの清水潤選手、そしてタフレグチームの皆様がわざわざ傍聴に来ていただけていることも本当に心強く思っています。  スポーツ立県福岡を目指す福岡県としては、アーバンスポーツの取組についても、ほかのスポーツ同様に進めていく必要があると考えます。そこで、県営公園におけるアーバンスポーツの取組と今後の計画についてお尋ねします。  まず、県営公園におけるアーバンスポーツに関する施設の整備状況についてお答えください。 202 ◯大橋克己副委員長 中西公園街路課長。 203 ◯中西公園街路課長 県営公園におけますアーバンスポーツの施設といたしましては、筑後広域公園と春日公園にスケートボード場がございます。 204 ◯江頭祥一委員 私自身、両施設ともに使用させていただいたことがありますが、それらの施設の概要と利用状況をお教えください。 205 ◯中西公園街路課長 筑後広域公園のスケートボード場につきましては、令和二年十月から供用しており、面積は約一千百平方メートルで、スロープや手すりなどといったセクションも充実しており、県内最大級のスケートボード場となっております。有料施設でございますが、福岡市や佐賀、熊本県など遠方からの利用もあるなど大変好評を得ており、オープンから二年間で、累計で一万人以上の利用がございます。  春日公園のスケートボード場につきましては、平成二十八年度から供用しており、面積は約四百平方メートルと、筑後広域公園の三分の一程度の広さでございます。無料施設でありますので正確な利用者数の把握はしておりませんが、平日の夕方や休日は多くの愛好者の方に御利用いただいております。 206 ◯江頭祥一委員 ただいまの答弁によると、筑後広域公園のスケートボード場はかなり充実してにぎわっていることが分かりました。  ただ、春日公園のスケートボード場は、多くの愛好者に利用していただいているとはいえ、手狭であり、セクション数も少なく、スポーツ施設としては少々不十分だと考えますが、利用者の皆様からはどのような声が上がっているかお答えください。 207 ◯中西公園街路課長 春日公園スケートボード場は、もともと職員駐車場だったところを利用して造ったことから、面積が小規模でセクション数も少なくなっております。そのため、利用者からは、手すりなどのセクションの追加や面積の拡張、休憩場所の設置といった要望がございます。 208 ◯江頭祥一委員 そのような声があるとすれば、スポーツ立県福岡へ取り組む福岡県としては、春日市をはじめとする近隣市町村のスポーツ振興のためでもありますので、しっかりと、現場を使用するスケートボード愛好家の皆様と地元の意見を反映させながら、春日公園のスケートボード場をもっと充実させる必要があると考えますが、いかがお考えでしょうか。 209 ◯中西公園街路課長 東京オリンピックを契機にスケートボードの人気は高まっており、春日公園は先ほど申しましたような要望がございます。このため、充実したスポーツ施設となりますよう、スポーツ局と連携し、愛好者やスケートボード協会の要望や意見などの聞き取りを行いました。今後、地元春日市の意見もお聞きし、議会の御理解をいただきながら、来年度の再整備に向けて検討を行ってまいります。 210 ◯江頭祥一委員 スケートボード場の再整備については力強い答弁をいただきました。  次に、先日質問させていただいたアーバンスポーツの一種であるブレーキンなどのダンスについてお尋ねいたします。  二〇二四年のパリオリンピックで正式種目となるブレーキンダンスですが、令和五年二月に、日本初となる世界大会が北九州市で開催されます。  県営公園で、ブレーキンなどのダンス大会が開催できる施設があるのかお尋ねします。 211 ◯中西公園街路課長 ダンス大会の開催が可能な場所といたしましては、筑後広域公園に、観客席を七百六十席備えた体育館、野外ステージがございます。また、筑豊緑地には、観客席を五百席備えた野外ステージもございます。 212 ◯江頭祥一委員 ダンスの大会ができる場所については分かりました。  近年ダンス練習は、主に室内のダンススタジオが多くなっているとはいえ、公園で気軽にダンス練習ができるようになれば、日頃からブレーキンなどのダンスに触れる機会が増え、今後ますますダンスの競技人口が増加していくものと考えております。  県営公園にブレーキンなどのダンス練習ができる場所があるのかをお尋ねします。 213 ◯中西公園街路課長 筑後広域公園プール棟のフィットネスルームや体育館でダンス練習が可能でございます。  なお、ほかの公園利用者に迷惑にならないのであれば、基本的に県営公園内でのダンスの練習は、これ以外の場所でも可能であると考えております。 214 ◯江頭祥一委員 日常的にダンス練習ができる場所があることは分かりましたが、より充実したダンス練習を行えるようにするには、ダンスの練習には必ず必要な鏡の設置といった環境整備も行う必要があると考えますが、いかがお考えでしょうか。
    215 ◯中西公園街路課長 今後、県営公園の施設や広場などの利用状況を見ながら、競技をされる方からの意見や要望をお聞きし、今年度中に取りまとめを行い、鏡の設置や床マットの貸出しなど、充実したダンス練習ができる環境整備について検討を進めてまいります。 216 ◯江頭祥一委員 今後の県営公園におけるアーバンスポーツの取組については、春日公園のスケートボード場の再整備の検討を行っていくなど新たな答弁をいただきました。  これからも社会ニーズをしっかり捉えて、スポーツ立県福岡として、県営公園でのアーバンスポーツの取組を強く要望して、質問を終わります。(拍手) 217 ◯大橋克己副委員長 ほかに質疑はありませんか。永川俊彦委員。 218 ◯永川俊彦委員 緑友会の永川俊彦でございます。通告に従いまして、本県における安全で快適な居住環境の整備について質問をさせていただきます。  さきの六月議会において、都市の防災機能を向上する手法としての市街地再開発事業について一般質問をさせていただきました。その中で知事から、市街地再開発事業は、木造家屋の密集した大規模火災の危険性の高いエリアに、改善に資する重要な事業手法であるとの答弁をいただいた矢先、八月十日に再び旦過市場で大火災が発生いたしました。被害に遭われた方々におかれましては一日も早く日常の生活に戻ることができますよう心から願うばかりでございます。この報に触れ、私は、改めて火災の危険性の高いエリアの改善を早急に行うことが重要であることを認識し、その中でも、消火活動で大きな役割を果たす道路の整備が大きな課題ではないかと考えました。  そこで、私からは、安全で快適な居住環境の整備について質問させていただきます。  まず初めに、狭隘道路についてです。  大規模火災の危険性の高いエリアには、幅四メートル未満の道路、いわゆる狭隘道路が存在しています。この狭隘道路は、消防車などの緊急車両がスムーズに進入できず、安全面での大きな課題になっていると考えます。  加えて、近年は人口や世帯数の減少に伴い空き家の増加が問題となっておりますが、狭隘道路沿いの空き家は売買が進まず、そのまま放置され、景観や防犯上の課題もあると聞いております。地域の住民が安心して住み続けるためにも早急に改善を行う必要があると考えます。建築基準法においては、建て替え等の際に敷地を道路から一定距離後退させる、いわゆるセットバックすることにより、道路幅がその都度確保されるものと認識しております。しかしながら、建て替え等を行わない場合にはセットバックが行われないことから、依然として道路が広がらないという課題がございます。  私の地元大牟田市では、多岐にわたる空き家、空き地の課題をワンストップで解決するために、不動産組合と多様な専門家で組織したありあけ不動産ネット協同組合が、空き地及び空き家等の相談窓口の設置に関する協定を大牟田市と締結し、課題解決に取り組んでおられます。お話を聞いたところ、やはり空き家問題を少しでも解消するためには道路問題の解消が必要不可欠であるということでございました。  この問題を解決する手法の一つとして、狭あい道路整備等促進事業があると聞いております。そこで、狭あい道路整備等促進事業に関する資料を執行部にあらかじめ要求しておりますので、委員長、お取り計らいのほどよろしくお願いいたします。 219 ◯大橋克己副委員長 お諮りいたします。  ただいま永川委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議はございませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 220 ◯大橋克己副委員長 御異議がございませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま永川委員から要求がありました資料については提出できますか。松藤建築指導課長。 221 ◯松藤建築指導課長 直ちに提出いたします。 222 ◯大橋克己副委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 223 ◯大橋克己副委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 224 ◯大橋克己副委員長 資料が配付されましたので、永川委員、質疑を行ってください。 225 ◯永川俊彦委員 それでは、資料の説明をよろしくお願いいたします。 226 ◯松藤建築指導課長 それでは、資料の説明をさせていただきます。狭あい道路整備等促進事業は、狭隘道路を解消することで安全な住宅市街地の形成や円滑な建て替えの促進を図ることを目的としております。  事業の概要でございますが、地方公共団体が行う狭隘道路に係る調査、測量、分筆や登記、道路の拡幅整備に必要な用地の取得や舗装等に要する費用に対しまして国土交通省が交付金を交付するものでございます。 227 ◯永川俊彦委員 事業については分かりました。  それでは、この狭あい道路整備等促進事業の県内の市町村における活用状況についてお伺いいたします。 228 ◯松藤建築指導課長 これまで県内で三十四市町において活用実績がございます。 229 ◯永川俊彦委員 活用していない市町村の中には、市街地に狭隘道路を抱えている市町村もあるのではないかと考えます。  そこで、県は市町村に対し、狭隘道路の解消に向けてどのような働きかけをされているのでしょうか、お伺いいたします。 230 ◯松藤建築指導課長 県が開催しております、市町村職員を対象とした国の補助事業の説明会の場におきまして、事業の実施事例などの情報提供を行うとともに、相談のあった市町村に対しましては技術的な助言を行い、狭隘道路の整備が促進されるよう支援しております。 231 ◯永川俊彦委員 まずは狭隘道路の取組については分かりました。この事業の活用につきましては、今後も市町村に対し、しっかりと働きかけをお願いいたします。  次に、民間開発における公園整備の課題についてお伺いいたします。  安全で快適な居住環境の整備に向けては、民間開発が進み良好な住環境が増えていくことも大切です。一方、民間事業者からは、開発行為を行う際の公園整備の義務づけが重荷になっていると聞いております。また、民間の開発後に公園を受け取る市町村においては、その管理がとても大変になってきていると聞いております。  まず、開発行為の際の公園の整備についての基準がどのようになっているのかをお伺いいたします。 232 ◯大橋克己副委員長 高橋都市計画課長。 233 ◯高橋都市計画課長 良好な市街地の形成を図るため、宅地に一定の水準を確保することを目的として、都市計画法に基づき、開発区域の面積が〇・三ヘクタール以上の開発行為にあっては、原則として開発区域の面積の三%以上の公園、緑地または広場を整備することとされています。 234 ◯永川俊彦委員 それでは、公園の整備が義務づけられている〇・三ヘクタール以上の開発行為は年間どれぐらいの件数があるのかをお伺いいたします。 235 ◯高橋都市計画課長 県が所管する区域内において、令和元年度は三十七件、二年度は二十六件、三年度は四十七件ございます。 236 ◯永川俊彦委員 年間の開発行為の件数について御答弁をいただきました。これだと開発の件数が多い市町村では、毎年一か所公園が増えた場合、二十年で二十か所の公園が増えてしまうということになります。  このような中、現在市町村では、福祉や教育に必要な予算が増え、土木費が減ってきていると聞いております。開発行為によって増える一方の公園では、予算のない中、市町村の管理が行き届かない公園が増えてきているのではないでしょうか。  市町村によって状況は異なると思いますが、公園の整備について緩和する方策はないのでしょうか、お伺いいたします。 237 ◯高橋都市計画課長 公園整備が一定程度進捗している地域があること、小規模な公園等の管理について市町村の負担が増加しているといった背景の下、平成二十八年に都市計画法施行令の一部改正がなされております。これにより、市町村は、公園整備が一定程度進捗している場合には、条例により、開発行為を行う際に公園等の整備が義務づけられる面積の最低限度を、現行の〇・三ヘクタールから一ヘクタールまで引き上げることが可能となっております。この制度を活用することにより、条例で定められた一定規模以下の開発行為については、公園等の整備は必要なくなります。 238 ◯永川俊彦委員 御説明いただきました制度を活用し、条例を制定した市町村はどれぐらいあるのかをお伺いいたします。 239 ◯高橋都市計画課長 現在県内では、飯塚市、宗像市、福津市、みやま市の四市が、この制度を活用し条例を制定してございます。四市全てで、公園等の整備が義務づけられている開発区域の面積の最低限度を一ヘクタールに緩和をしております。 240 ◯永川俊彦委員 県内では四市が制度を活用されていると御紹介いただきましたが、例えば、私の地元大牟田市は条例を制定しておりません。大牟田市を含め、仮に制度を知らない市町村があれば周知していく必要があると考えますが、県の取組をお伺いいたします。 241 ◯高橋都市計画課長 平成二十八年の都市計画法施行令の改正時に市町村説明会で周知したところでございますが、毎年一月に開催している開発許可制度に関する市町村担当者説明会の場で、引き続き周知を図ってまいりたいと考えております。 242 ◯永川俊彦委員 安全で快適な居住環境の整備について今回質問させていただきましたが、松藤建設指導課長並びに高橋都市計画課長からそれぞれ御答弁をいただきました。狭あい道路等整備促進事業の活用や、開発行為における公園の整備義務の緩和については、いずれも市町村にとって非常に重要な内容だと思います。  県民の皆様にとって安全で快適な居住環境の整備を推進していくためにも、市町村への周知、助言をこれからもしっかりと行っていくことをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)      〔正副委員長交代〕 243 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。古川忠委員。 244 ◯古川 忠委員 建築都市部の予算の中に、二年度から引き続いて三年度の事業で、住生活基本計画を策定されたと思います。冊子も読ませていただきましたけども、その基本目標の中に、良質な住宅ストックを将来世代に継承するとありますが、さらにその中に、地球温暖化対策に対する取組も位置づけられております。  どのような取組か御説明をいただきたいと思います。 245 ◯秋田章二委員長 野口住宅計画課長。 246 ◯野口住宅計画課長 本年三月に見直しを行いました福岡県住生活基本計画においてでございますけれども、先ほど委員からも基本目標について御紹介がありました、良質な住宅ストックを将来世代に継承できる環境づくり、その中の一つの政策目標としまして、脱炭素社会に資する住まいづくりの促進を掲げているところでございます。  この目標の実現のために、新築住宅の省エネルギー性能の向上、既存住宅の省エネルギー性能の向上、県産木材等を活用した木造住宅の普及を取り組む施策として位置づけておるところでございます。 247 ◯古川 忠委員 この委員会で、環境部のところで私はもう既に質問させていただきましたけれども、特に私はそのときにはゼロエミッションハウスについてお願いしたところでございますが、これに限らず、今後どのような取組を行っていくのか、具体的に御説明願いたいと思います。 248 ◯野口住宅計画課長 県が行っている取組でございますが、県の住宅展示場、生涯あんしん住宅の展示や、住まいづくりの手引の配布などによりまして、県民や事業者に対しまして、ZEHをはじめとする住宅の省エネルギー化などに関する情報提供や普及啓発を行っているところでございます。  また、省エネルギー性などに優れました長期優良住宅の認定制度について、県のホームページなどで周知しますとともに、地域の工務店等に対する研修会を実施しております。この認定制度については、本年十月からでございますが、新築の認定基準がZEH水準まで引き上げられたところでございます。  さらに、既存住宅の効率的な省エネ改修を提案できる施工業者を増やしていくために、県が実施する技術者向けの講習会を受講した事業者のリストを県のホームページに掲載することとしております。  あわせまして、既存住宅の省エネ改修等を行う工事に要する経費の一部を県が補助する事業を行っております。  そのほかでございますが、県産木材を活用した、環境に優しく耐久性にも優れました優良な木造住宅の普及促進のため、県産木材の使用など一定の基準を満たした木造戸建て住宅を新築する方などに対しまして補助を行うなど、地球温暖化対策に向けた取組を今後も引き続き進めていきたいと思っております。 249 ◯古川 忠委員 さきの環境部において、ZEHと同時にCLT、いわゆる直交集成板についてもお伺いしました。  近年、CLTに関する建築基準法の改正が行われておりまして、木造建築全体がかなりやりやすくなった状況が生まれていると思いますが、そのことについて御説明願いたいと思います。 250 ◯野口住宅計画課長 CLTについてでございますが、CLTに関する建築基準法の改正については、平成二十八年に一般的な設計法が基準化され、大臣認定を個別に受けることなく、建築確認により建築が可能となったところでございます。また、平成三十年には、従来より薄いサイズのCLTの規格が新たに基準に追加されまして、より合理的で自由度の高い設計が可能となったところでございます。 251 ◯古川 忠委員 今日の各紙朝刊に一面で広告がありまして、住宅金融支援機構がこの十月からグリーンリフォームローンを始めたと。CLTの話と離れますけれども、全体として今、住宅のゼロエミッション化といいましょうか、そういうものに非常に注目が集まっている、そしてまた国としても金融機関としても力を入れている、そういう時代が来たなという思いをですね。たまたまですけども、今日の朝刊です。見られたら分かると思いますが、一面広告がどの新聞もありましたけども、そういう時代になってきています。  ですから、そういう金融機関のできるだけ有利な融資と県の補助を合わせて、少しでも住宅のCO2削減化といいましょうか、環境対策が進むように、これからもぜひ力を入れていただきたいということを強く要望しておきます。  これについては、これで終わります。  次に、いわゆるコンパクトシティーですね。住居がだんだん減ってきている地域でありますとか、そういうことについて新しい概念と言っていいのでしょうか、それができております。そのコンパクトシティーについて質問をしたいと思います。  まずは、平成二十六年に都市再生特別措置法が改正され、そして立地適正化計画の制度が設けられました。その制度について御説明願いたいと思います。 252 ◯秋田章二委員長 高橋都市計画課長。 253 ◯高橋都市計画課長 立地適正化計画は市町村が策定します計画で、都市機能誘導区域と居住誘導区域を定めるものでございます。都市機能誘導区域は、周辺からの公共交通によるアクセスの利便性が高い区域などにおきまして、医療、福祉、商業等の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導する区域で、併せて病院や図書館、スーパーなど、都市機能誘導区域に誘導しようとする施設を具体的に定めることができます。また、居住誘導区域は、公共交通沿線など、人口密度を維持することにより、生活サービスやコミュニティーが持続的に確保されるよう居住を誘導する区域です。  立地適正化計画を策定することで、医療、福祉、商業といった生活サービスや公共交通ネットワークの維持を目指していくものでございます。 254 ◯古川 忠委員 御説明は分かりました。  そうしましたら、県内の市町村におきまして実際にどのように進んでいるのか御説明願いたいと思います。 255 ◯高橋都市計画課長 立地適正化計画を策定できるのは、県内六十市町村のうち、都市計画区域が策定されている五十一市町となっております。このうち、立地適正化計画を策定し公表している市町は、令和四年九月末時点において十三市町になっております。また、現在六市町が策定に取り組んでいるところです。 256 ◯古川 忠委員 全体としてはまだまだ少ないのではないかと思いますが、さらにこれを推進するためにはどういうようなことを考えておられるかお聞きしたいと思います。 257 ◯高橋都市計画課長 近年の自然災害の激甚化、頻発化を受けまして、令和二年に都市再生特別措置法が改正され、防災の観点を取り入れたまちづくりをさらに進めるため、居住誘導区域内の防災対策を定めた防災指針の記載が規定されており、立地適正化計画はますます重要な計画となってきております。  このため、立地適正化計画を策定していない市町に対しては、説明会において、制度の概要や計画策定効果に関する説明を行っており、計画策定を進めている市町に対しては、個別相談に応じるとともに、県のまちづくり専門家派遣制度の活用を促し、計画策定の支援を行っております。また、防災指針を盛り込むため既存の計画を見直す市町に対しても同様の支援を行っているところでございます。  引き続き、市町村の目指すまちづくりを支援し、市町村と連携を図りながら、コンパクトシティーのさらなる推進に取り組んでまいります。 258 ◯古川 忠委員 もう三十数年前、まだ私が新聞記者の頃、いわゆる四全総ってありましたね。過疎対策でいろいろ取材したことがあります。戦後の日本で本当になかなか解決できない問題は過疎問題ですよね。平成二十六年にこのコンパクトシティーの構想が出たときに、政策が大転換をしたなと私は思いました。聞きようによっては、農村とか過疎地域を切り捨てるように聞こえるかもしれませんけども、今の日本の経済情勢、社会情勢を考えると、いつまでも、いわゆる山の中の一軒家を残すわけにはいかない面もあるだろうと思います。大変微妙な言い方ですけれども。  そういう意味では、このコンパクトシティーの考え方、今はまだまだ、やや住宅の少ないところ、そういうところを集約しようという話になりますけども、行く行くは、今お話がありましたように、これだけ大きな災害がある、五年前でしたかね、朝倉の災害がありました。何度も私は足を運びましたけれども、やはりもう住めないですよね。それは残念なことではありますけれども、やはりある一定の、そこに学校があり、病院があり、それからスーパーがあり、そういうところに住んでいただいて、そして、そこからまた交通なども整備して、そういう田舎を守っていただくということは、これは本当に過疎に住んでいる方には申し訳ない言い方ですけども、ある程度生活の質を保つためにはやむを得ない政策ではないかと、私はこう理解しています。ですから、進め方は非常に微妙なところもあって難しいかもしれませんが、そこをうまく説明しながら、やっぱりコンパクトシティーを実現させていって、ある意味の広い意味での過疎対策を、そして災害対策を進めていただきたいと思っております。  そういう思想の転換といいましょうか、そういう時代に入っているのではないかなと私は実感をしていまして、そういう意味では、各市町村にもよく趣旨を説明していただいて、このコンパクトシティーを成功させるように、これから頑張っていただきたいと思っております。そんなことを申し上げて、質問を終わります。(拍手) 259 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。安部弘彦委員。 260 ◯安部弘彦委員 緑友会の安部弘彦です。それでは、通告書に従い、空き家の利活用促進の取組についてお尋ねをしてまいります。  近年、人口や世帯数の減少といった社会構造の変化により、空き家の増加が社会的な問題となっております。今後、空き家の発生抑制と、まだ使える空き家の利活用促進が重要であると考えています。そこで私は、令和二年十月、二年前の決算特別委員会において、空き家の利活用の促進についての質問をし、県版空き家バンクをはじめとして、いろいろな取組をなされていることを伺いました。その取組の中で、専門知識を有する相談員が、空き家の所有者などに対する相談対応から、その利活用、処分方法の具体的な提案、さらには専門業者とのマッチングまでワンストップで行う空き家活用サポートセンターを令和二年十月に開設すること、また、市町村と連携した取組など様々な方法により、空き家の所有者などへの相談につながるような働きかけを行っていくことを説明いただいたところであります。今回は、そのサポートセンターの開設から約二年が経過をしておりますので、その実績や課題などについて伺いたいと思います。  そこで、まず、前回説明がありました市町村と連携した空き家所有者などへの働きかけの取組の実績についてお伺いをいたします。 261 ◯秋田章二委員長 野口住宅計画課長。 262 ◯野口住宅計画課長 市町村と連携しました空き家所有者等への働きかけでございますけれども、サポートセンターに関する情報を、これまで二十九市町村の広報紙に、累計七十八回掲載いただいております。また、十九市町村で、固定資産税の納税通知書を送付する際のサポートセンターのチラシの同封や、市町村独自のチラシへの情報の掲載について協力いただいており、その合計の送付部数は約七十五万部となっております。  さらに、市町村と連携しまして、これまで出張相談会を四十一回、セミナーを二十六回開催し、空き家所有者等への働きかけを行ってまいりました。 263 ◯安部弘彦委員 空き家所有者などへの働きかけについてしっかりと取り組まれていることがよく分かりました。空き家の利活用を促進させるためには、サポートセンターを多くの人に利用してもらい、空き家所有者などをいかに相談につなげていくかが重要だと考えますので、引き続き取組をしっかりと進めていただきたいと思います。  では、これまでの相談実績と専門事業者とのマッチングの実績についてお聞かせください。 264 ◯野口住宅計画課長 相談の実績でございますが、令和四年八月末時点で千十七件の相談が寄せられております。相談内容としましては、売買、賃貸に関することが一番多く、空き家をどうしたらよいか分からないといった相談が次に多くなっております。  また、専門事業者とのマッチングの実績は百二件となっております。そのうち約半数が、紹介したことをきっかけとして空き家の売却などにつながっているところでございます。 265 ◯安部弘彦委員 千件を超えているということで、相談件数は一定の程度あるように思いますけど、専門業者とのマッチング件数はその相談件数の約一割にとどまっており、少ないように思えます。  その要因としての課題は、どのように考えて分析されておられるのかお聞きいたします。 266 ◯野口住宅計画課長 専門事業者とのマッチング件数が伸び悩んでいる主な要因としましては、相続財産などの権利関係の調整が必要な相談は、マッチングまでに一定の期間を要していることが考えられます。また、専門事業者の紹介に至る前に相談を完了した案件では、サポートセンターで基本的な情報提供などを行った後に、相談者御自身で専門事業者を探し、空き家の解消に向け行動される方もいらっしゃいました。  一方、先ほど御説明しましたとおり、空き家をどうしたらよいか分からないという相談が多く、空き家の活用を検討する際に、相談者が具体にイメージできてない等の課題があり、空き家の活用方法を提案する取組が重要であると考えております。 267 ◯安部弘彦委員 専門業者とのマッチングを行う取組に対する課題は理解できましたが、さらなる取組が必要と考えます。
     そこで、問題解決に向けて具体的にどのように取り組んでいるのかお示しください。 268 ◯野口住宅計画課長 サポートセンターでは、宅建事業者団体や司法書士会など十四の専門事業者団体と協定を締結し、相談者の意向を踏まえ、宅建事業者、司法書士、家財整理事業者、解体工事業者など様々な専門事業者とのマッチングを幅広く行っております。例えば、宅建事業者とのマッチングでは、相談員による現地調査を行った後、マッチングを希望する事業者による一括査定を行っており、その査定結果を参考にしまして、依頼する事業者を相談者に選択いただいております。  また、今年度からでございますが、協定を締結した団体の会員以外で、県内の空き家を活用して事業を行いたい方を対象に、その運営実績など一定の要件を満たした方を活用希望事業者として登録し、相談者とのマッチングにつなげていく取組を開始しております。  さらに、そのままでは市場に流通しづらい築年数の経過した空き家等に対しまして、協定を締結した団体の会員から成る空き家活用検討会議を開催し、空き家の状況や周辺環境などを踏まえた具体的な活用提案を行う取組を始めたところでございます。 269 ◯安部弘彦委員 今、御説明いただいたように、空き家の活用にしっかり取り組んでもらいたいと思います。よろしくお願いします。  さて、近年、空き家である古民家を再生して利用するという動きが見られます。例えば、宮崎県児湯郡新富町では、二〇二一年、古民家の宿千木テラスとしてブランド化をしてよみがえらせ、日本有数のアカウミガメの産卵地、大小二百七基の古墳群、地場野菜を使ったカフェなど、観光の足がかりとして県内外から注目を集めています。県内でも、うきは市に農泊施設FARMSTAY御幸通り「ごえん」という、築百四十一年の農村古民家を拠点として、四年の年月をかけて修復し、個室型宿泊棟、貸し別荘棟、テレワーク棟、レストラン棟の四棟を整備し、回遊性も考慮した利用のされ方をしています。さらには、中古市場でも不動産的価値がゼロとされて流通しない空き家古民家の利用を目指すゼロ円古民家プロジェクトなるものがあり、二拠点・多拠点移住をはじめとする地方移住の推進力となるだけでなく、地域の活性化や再生に寄与するものと言われています。  このような状況の中、空き家の利活用の一つである古民家再生についてどのように認識をしておられるのか、また、サポートセンターでどのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。 270 ◯野口住宅計画課長 伝統的な日本家屋である古民家が再生、利活用されることは、空き家の発生抑制に寄与するとともに、観光資源として活用されるなど、地域活性化につながると認識しております。県では、空き家活用の先進事例を支援して、その普及を図るモデル事業を実施し、その中には、古民家を福祉事業の活動拠点として活用した事例などがございます。また、市町村の中には、国の補助制度を活用しまして、古民家を修理、修景し、観光資源としている事例もございます。  サポートセンターに、空き家の利活用としまして古民家再生について相談があった場合には、これらの事例を紹介しますとともに、必要に応じて市町村と情報共有を行うなど、空き家の利活用につなげてまいります。 271 ◯安部弘彦委員 ただいま課長から力強い答弁をいただきました。引き続き、サポートセンターの幅広い専門知識を持つ相談員が、空き家の所有者等に対する相談の対応、それからその活用、それから処分方法等の具体的な提案、さらには専門業者とのマッチングまでをワンストップでスムーズに行えるようしっかりと取り組んでいただけますようお願いを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 272 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 273 ◯秋田章二委員長 ないようですので、以上で第一四一号議案の質疑を終わります。  次に、第一五五号議案「令和三年度福岡県住宅管理特別会計決算」について説明を求めます。永山建築都市部長。 274 ◯永山建築都市部長 それでは、第一五五号議案、令和三年度福岡県住宅管理特別会計決算の歳入歳出決算について御説明をいたします。  決算概要説明書の百九十九ページをお願いいたします。  この特別会計は、県営住宅の維持管理に係るものでございます。  まず、歳入でございますが、収入済額は六十八億四千六百万円余でございます。なお、収入未済が生じております理由は、入居者の経済的な理由などによりまして家賃を年度内に収入できなかったことによるものでございます。  続いて、歳出の御説明を申し上げます。二百ページをお願いいたします。  歳出決算額は六十七億四千三百万円余となっております。主なものは、一款県営住宅管理費でございます。不用額を生じております主な理由は、管理事務費の執行残でございます。  以上で建築都市部所管の特別会計の説明を終わらせていただきます。御審議のほどをよろしくお願いいたします。 275 ◯秋田章二委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 276 ◯秋田章二委員長 質疑がないようですので、第一五五号議案の質疑を終わります。  次に、第一五七号議案「令和三年度福岡県流域下水道事業会計決算」について説明を求めます。永山建築都市部長。 277 ◯永山建築都市部長 それでは、令和三年度福岡県公営企業会計決算のうち建築都市部所管分について御説明をいたします。  なお、お手元に令和三年度福岡県流域下水道事業の概要を参考資料としてお配りしております。  それでは、議案その四、公営企業会計決算書の十一ページをお願いいたします。  第一五七号議案、令和三年度福岡県流域下水道事業会計決算でございます。  (一)収益的収入及び支出でございます。収入の第一款流域下水道事業収益の決算額は百八十七億七千四百万円余でございます。その主なものは、市町からの維持管理負担金などでございます。支出の第一款流域下水道事業費の決算額は百八十九億三千万円余でございます。その主なものは、維持管理費や減価償却費などでございます。  一枚おめくりいただきまして、十二ページをお願いいたします。  (二)資本的収入及び支出でございます。収入の第一款資本的収入の決算額は八十八億五千万円余でございます。その主なものは、企業債や国庫補助金、市町からの建設費負担金などでございます。支出の第一款資本的支出の決算額は百一億三千四百万円余でございます。その主なものは、建設費や企業債償還金などでございます。  議案書十三ページ及び十四ページが損益計算書でございます。  十四ページをお願いいたします。  十四ページ、下から三行目でございますが、当年度純損失は二億二千二百万円余で、十五ページ以降に関係諸表を記載しております。  以上で福岡県流域下水道事業会計の説明を終わらせていただきます。御審議のほどをよろしくお願いいたします。 278 ◯秋田章二委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 279 ◯秋田章二委員長 質疑がないようですので、第一五七号議案の質疑を終了し、建築都市部所管分の審査を終わります。  以上で本日の議事を終了いたします。  なお、明日の委員会は午前十一時に開き、警察本部、教育庁及び私学振興・青少年育成局所管分の審査を行いますので、よろしくお願いいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午 後 三 時 二 十 九 分 散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...