第七九号議案
農業農村環境整備事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について
第八〇号議案
県営土地改良事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について
第八一号議案
漁港関係事業の経費の負担について
第八二号議案
港湾関係事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について
第八三号議案
街路関係事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について
第八四号議案 海の
中道海浜公園事業の経費の負担について
第八五号議案
流域下水道事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について
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2 ◯議長(秋田 章二君) この際、知事から提案理由の説明を求めます。服部知事。
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知事提案理由説明
3 ◯知事(服部 誠太郎君)登壇 皆さん、おはようございます。本日、追加提案をいたしました議案は二十二件でございます。その内訳は、令和三年度
補正予算議案十二件、条例議案一件、経費負担に関する議案九件でございます。
まず、予算議案について御説明を申し上げます。今回の補正予算は、年度内に措置する必要がある経費を補正するものでございます。
補正予算の額は、一般会計で六百十億八千九百万円余を減額し、特別会計で三百五十六億二千万円余を増額いたしております。また、企業会計では、
流域下水道事業会計及び
工業用地造成事業会計において補正を行っております。その結果、令和三年度予算の総額は、一般会計で二兆七千百八十億七千万円余、特別会計で九千八百五億一千七百万円余となっております。
歳入につきましては、企業業績の改善などによりまして、国、県ともに税収の回復が見込まれますことから、県税や地方譲与税、
地方交付税を増額いたしております。また、県債につきましては、
地方交付税の振替財源である
臨時財政対策債を減額いたしております。
歳出につきましては、税収などの増により、一般財源の確保が見込まれますため、
財政調整基金等三基金への積立てを行いますほか、
新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、年度内の所要額がほぼ確定した経費を減額いたしております。
以上が補正予算の概要でございます。
条例議案は、基金に基づく事務の終了に伴い、福岡県
国民健康保険広域化等支援基金を廃止するものでございます。
経費負担に関する議案は、
漁港関係事業及び海の
中道海浜公園事業につきまして市の負担すべき金額を定めるもの並びに
空港整備事業外六件について議決内容の一部を変更するものでございます。
以上、提出議案の概要について御説明申し上げましたが、いずれの議案も県政運営上緊要なものでありますので、慎重御審議の上、議決くださいますようお願い申し上げます。
4 ◯議長(秋田 章二君) 知事の説明は終わりました。
日程に従い代表質問を行います。順次発言を許可いたします。神崎聡君。(拍手)
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神崎議員質問
5 ◯三十一番(神崎 聡君)登壇 皆さん、おはようございます。食と緑を守る
緑友会福岡県議団の神崎聡です。令和も四年、西暦二〇二二年となりました。今年のえとはとらです。おめでたいことに本年、私は年男として還暦を迎える年となりました。ありがとうございます。還暦を迎えるみずのえとら年の人口は、
総務省統計局によると、令和四年一月一日現在で約百五十三万人いるということで、総人口に占める割合は一四・九%となっています。御存じと思いますが、長寿のお祝いはこの還暦から始まります。これは日本特有の風習で、奈良時代から始まったと言われています。長寿のお祝いである還暦でありますが、まだまだ第一線の現役として働くのが一般的となってきました。しかも子供たちも独り立ちしてきますから、体力の衰えは感じつつも、精神的にも時間的にも少しは余裕ができて、これまでの経験や人脈をこれまでお世話になった社会にどう恩返しができるか、還暦からが地域社会に貢献していく人生の始まりなのかもしれません。
六十年前の昭和三十七年(一九六二年)は
高度成長時代でありました。時の首相は、
国民所得倍増計画を推進し、
自民党宏池会を創立された
池田勇人首相でありました。その宏池会を率いる
岸田文雄首相が就任されたのは、何か歴史的運命のようなものを感じます。今、緊迫した国際情勢ではありますけれども、私は、岸田内閣の
デジタル田園都市国家構想に、今後の国際化、情報化に対応しながらも日本人らしい生き方を見いだせるんじゃないかと思っています。この構想は、
新型コロナウイルス感染症の終息後を見据え、デジタル技術を生かし、暮らしと自然を調和させた新たな社会像を示唆した長期的な
国家ビジョンなんだと私は考えます。
大学時代に、故
田中六助先生の著書「大平正芳の人と政治」を読みました。大平正芳元首相が首相在任時に、それまでの経済的な豊かさを求めた戦後日本の転換を考え、人間と自然が調和する国づくりとして
田園都市国家構想を提唱されています。
田園都市構想には、大平首相の
ふるさと香川県の穏やかな風土が色濃く反映していると言われています。
大平首相就任後の一九七一年一月、初の
国会施政方針演説を読んでみましたが、読んでみて私は、
田園都市構想とは、地域の自主性と個性を生かしつつ、均衡の取れた多彩な国土を形成するための究極的理念であったのではないかと思いました。
本定例会冒頭の知事の所信表明を聞きながら、これまでとは違った知事の所信表明に、新たな時代の幕明けを感じました。それは、
新型コロナウイルス終息後の社会のあるべき姿と、そこで潤いのある豊かな県民の暮らしであります。代表質問の初めに、岸田内閣が掲げる
デジタル田園都市国家構想についての御所見と、本県において
デジタル田園都市国家構想をどのように実現させていこうとお考えなのかをお尋ねして、会派を代表して質問に入ります。
それでは本議会で提案されました次期福岡県総合計画についてお尋ねいたします。知事は、本議会に、令和四年度から五年間の
県政運営指針となる次期福岡県総合計画を提案されました。大きく四つの基本方向を念頭に、具体的に展開する三十の施策が示されています。福岡県
総合計画審議会の答申を受け、知事就任後に初めて策定することになる
次期総合計画の評価と総括を、今後県政にどのように反映し、どこを強化しようとお考えなのか、これまでの総合計画との違いについての見解をお聞かせください。
また、これまでの総合計画において未達成の数値目標について、いつまでに目標を達成できるのか、その見通しをお聞かせください。
そして、
次期総合計画で掲げている新たな施策における数値目標は、どのような基準で目標を設定したのか、新たな総合計画における数値目標の達成に向けた決意をお聞かせください。
総合計画は、県と市町村がしっかりと連携、協力して進めていくことが重要であると考えますが、提案されました
次期総合計画における基本戦略と目標は、
県内市町村、県内十五の圏域の意見や要望を踏まえた、県と市町村で共有される内容となっているのかをお尋ねいたします。
政令市にも総合計画や総合戦略があり、次期福岡県総合計画との整合性はどのように担保されているのか、県と政令市との総合計画や総合戦略を確認しながら策定したのかお尋ねいたします。
次に、関連がありますので、過疎地域の
持続的発展についてお尋ねいたします。本県では、六十市町村のうち二十二市町村が過疎地域の
持続的発展の支援に関する特別措置法の指定を受け、ほか一市が同法による経過措置の適用を受ける特定市町村です。令和四年四月一日より、国勢調査結果に基づき、私の地元の糸田町も過疎地域に指定される予定となり、田川地域は全ての市町村で過疎地域に指定されることになります。これまで多岐にわたる
過疎対策事業を活用し、道路など生活環境の整備に取り組んできた結果、生活環境の整備は着実に進んでまいりましたが、
生活整備状況、雇用情勢、人口の減少、高齢化率など、過疎地域は県全体の水準を大きく下回っています。
そういう実態を踏まえ、県では昨年、令和三年九月に、令和三年度から令和七年度の福岡県
過疎地域持続的発展方針を打ち出しました。方針にもあるように、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、地方移住への関心の増加、テレワークの普及等、人々の行動、意識の変化、働き方に変化が見られ、地方への移住の機運が高まっています。この機会を捉え、地域間交流を促進し、交流人口や関係人口の拡大を図ることが重要だと考えます。
そこで知事にお尋ねいたします。県では十五の
広域地域振興圏域を設定し、過疎地域の振興に際しても広域的な連携を進めているほか、
定住自立圏構想に基づく広域連携も促進し、過疎地域の活性化を図っています。一方で、過疎地域の指定を受けた市町村では、個別に
過疎地域持続的発展計画を策定しており、
広域地域振興圏域の市町村間でも取り組むべき施策や優先順位は違っています。そうした中で、
過疎対策事業債の要望額も対象となる市町村の間で大きな差が生じており、この公平性を担保していく必要もあるのではないかと考えます。県としては、過疎地域の市町村間の連携を進めながらも、個別市町村にも寄り添ったきめ細かな指導や助言が必要だと考えますが、知事の御所見をお尋ねいたします。
次に、過疎地域における移住、定住の促進についてお尋ねいたします。福岡県総合計画にも盛り込まれています移住、定住促進の具体的な取組として、基幹産業である
農林水産業を振興するため、DXの推進による生産力の強化、県産
農林水産物の
ブランド力や販売力の強化とともに、次世代を牽引する人材を育成し、農林業を営みながらほかの仕事にも携わる半農半Xなどの取組により移住、定住を促進し、中山間地域を支える多様な人材を確保するとしています。その他として
UIJターンの就職の促進、テレワークの推進、
移住相談体制や情報発信の強化にも取り組み、具体的な数値目標として、令和八年度には県外からの移住世帯数が五年間で累計五千世帯とされています。
そこで知事にお尋ねいたします。御承知のとおり、本県は、
福岡都市圏への一極集中が進み、ほかの地域の人口は著しく減少しています。特に過疎地域においては、人口減少が深刻な課題となっており、移住者を呼び込む取組が大事であります。今回の数値目標は県全体のものであると思いますが、過疎地域への
移住目標数値はどのくらいなのでしょうか、お聞かせください。
新型コロナウイルス感染症拡大により、新しい働き方改革が進んでいます。ヤフーでは、社員の要望や課題に応え、通勤手段の制限を緩和し、居住地を全国に拡大できるなど、社員一人一人のニーズに合わせて、働く場所や環境を選択できる人事制度を拡充すると発表しています。こういった動きは、都会から地方への人の流れを可能とさせます。この流れをさらに加速するためにも、移住、定住促進のための
県内市町村との連携をさらに強化し、移住、定住促進に取り組むとともに、
移住相談窓口、県の移住・
定住ポータルサイトの充実のみならず、ほかとは違う支援により差別化していくことが大事であると考えますが、知事の御所見をお尋ねいたします。
次に、農林水産問題についてお尋ねいたします。五年連続の豪雨災害や
新型コロナウイルスの感染拡大による
農林水産物の需要低迷など厳しい状況が続いている
本県農林水産業にとって、稼げる
農林水産業の実現、食と暮らしを支える
農山漁村づくりを目標とする新しい福岡県
農林水産振興基本計画には、我が会派としても大変期待しているところであります。この計画を実現するに当たり、計画の柱の一つ、
農林水産業の次代を担う人財の育成を掲げられておられます。農家の高齢化により、今後、生産者の減少は確実に進むものと思われますが、生産者の減少は、産地形成や
ブランド力の存続に必要不可欠な生産量が減少することを意味しており、
新規就農者の育成は重要な課題であります。
令和二年度、本県では三百八十七名の方が新規に就農されています。その内訳を見ますと、農家の子弟である親元就農が九十九名、農外からの新規参入者が百十九名、残る百六十九名が
農業法人等に就職した雇用就農という状況であります。この親元就農の数が最も少ないという結果は、農家からすれば満足できるものではなく、手厚い支援をしてでも親元就農を増やすべきではないかといった意見が多いと思います。苦労して築いてきた経営を子供に継いでほしいと思うのは当然であります。
一方、今回の
新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、農業、農村に興味を持たれている方も多くなっており、こうした人たちを就農につなげる絶好の機会と思われますが、農外からの参入には、農地の確保や資金調達、技術の習得のハードルがあり、この点の改善がさらに必要であると考えております。こうした様々な意見を踏まえ、新しい計画を策定されていると思われますが、来年度以降、どういった取組を強化し、
新規就農者を育成確保していかれるのかお尋ねいたします。
次に、
スマート化による農業の発展についてお尋ねいたします。二〇一五年に放映されたドラマ「
下町ロケット」を御存じでしょうか。池井戸潤の原作を基に、町工場を舞台にして、阿部寛演じる
佃航平が仲間たちと奮闘する様子が描かれたドラマです。「
下町ロケット」二〇一八では、空から大地へ、佃製作所は、苦難の末に
トランスミッションとエンジンを
開発し、ついに
無人トラクター、
ランドクロウを完成させ、販売にこぎ着けました。日本の農業を救うという、佃製作所の揺るぎない信念と技術力、絶対に夢を諦めない姿勢に胸が熱くなった方もいるのではないでしょうか。
そこで、
スマート化による農業の発展について知事にお尋ねいたします。
スマート農業は、例えばパソコン、
スマートフォンと農機をクラウドで結び、農業全般に及ぶ細かな情報を一元管理するという農業の見える化によって、農作業現場から収集した圃場や作物、農作業などの各種情報を蓄積、分析することで、作業ミスが低減でき、コスト低減にもつなげられます。食味と収量が、その場で測れるコンバインの導入により最適な施肥検討することで、付加価値の高いおいしい米の生産が可能となります。さらに、肥料のデータを農機に送信すれば、農機が自動で肥料の散布量を設定するため、経験の浅い人でも間違えず
計画どおり肥料散布ができます。これまでの経験と勘に頼っていた農法から転換できるということです。AIを導入した農機自動化による超省力化とデータ活用による精密化により、
スマート農業という新たなソリューションが実現でき、農業に携わる方が世代を超えて安定的な食料生産が可能となり、日本農業は進化し続けます。
本県では令和四年度から、県産ブランドのイチゴ、あまおうの生産拡大に向けて、安川電機など県内企業と連携してロボットやAI技術を導入する事業を始めるとしています。先端技術の活用で作業の大幅な省力化を図り、生産拡大につなげる考えです。
そこで知事にお尋ねいたします。具体的にどのような取組により、いつまでに実現させようとするのかお聞かせください。
次に、本県の漁業振興についてお尋ねいたします。昨年末、我が会派では長崎県の対馬市を訪問し、市の中央に広がる浅茅湾のマグロ養殖を視察してまいりました。浅茅湾は、対馬の上島と下島の間でリアス式海岸に囲まれた穏やかな海で、水深は約八十メートルにも達するそうです。この湾には、大型の養殖生けすが浮かべてあり、その生けすから大人の背丈ほどもある大きなマグロが一匹ずつ丁寧に釣り上げられ、その場ですぐに生け締めし、内臓を取り除いた後、氷でしっかり冷やすことが徹底され、天然物にも劣らずしっかりと脂が乗り、対馬養殖本マグロはトロの華ブランドとして出荷されております。残念ながら、このコロナ禍により鮮魚の需要が落ちたことで、出荷の見合せが続いていると聞きました。その間もマグロを飢えさせるわけにはいかず、餌を与える必要があることから、経営は大変厳しいとのことでした。福岡県は、ノリ、カキを主体に養殖業に取り組んでいますが、九州他県は、クロマグロ、ブリ、マダイ、フグ、シマアジ等の魚類の養殖も盛んです。
そこで知事にお尋ねいたします。西日本各地では海面での魚類養殖が盛んに行われていますが、本県の漁場の特性から見て、他県と同様に魚類の養殖を行うに当たっての適性があるのか、ノリやカキ養殖の生産安定のための取組と併せてお尋ねいたします。
次に、筑前海の藻場についてお尋ねいたします。海の生態系を支える役割を果たしている藻場では、魚やイカといった様々な水産生物の稚魚を育成し、アワビなどの岩場にすむ生物の餌場にもなっており、いわゆる海の揺り籠と呼ばれています。この藻場は、稚魚の育成の場だけでなく、ワカメやアワビなどの漁業生産の場所としても機能しており、漁港からも近く、ごく沿岸部に多く発達していることから、そこでは燃油代など経費がかからず、若い漁業者でも始めやすい省エネ型の漁業として取り組まれています。また、藻場は、森林と同様に、光合成により
温室効果ガスである二酸化炭素を吸収する役目も果たすことから、
ブルーカーボンと呼ばれています。しかしながら、視察に行った長崎県の上対馬漁協では、海藻を食べるアイゴやイスズミなどの魚の影響で藻場が少なくなり、いわゆる磯焼け状態になっていると聞きました。藻場が一旦減少してしまうとなかなか回復しないと、地元漁業者の方は嘆いていました。
そこで知事にお尋ねいたします。藻場は海の生態系を支える役割を果たしていますが、本県の筑前海の藻場の状況と保全の取組についてお答えください。
次に、食を守る会派として、本県の食文化の振興と、その情報発信ができる人材の確保についてお尋ねいたします。寒い日に限らず、一年中おいしく食べるのが鍋料理です。現在のような鍋料理のスタイルが普及したのは、江戸時代から明治時代にかけて、しっぽくという料理が登場してからと言われています。しっぽく料理とは、大きな器に料理を盛りつけて、食卓の中央に置いて取り分けて食べる料理のことですが、実は鍋料理の始まりは古く、土器が発明された縄文時代とも言われています。縄文から弥生時代には、食べ物を入れた土器を火にかけて煮炊きする習慣がありました。食べ物に火を通すことで、そのままでは硬くて食べにくい食材を刻み、
動物性たんぱく質を煮てお汁で取れるようにすることで、栄養を余すことなく食べていたようです。改めて縄文文化のすごさを感じます。鍋物っていうのは、人間の体力を飛躍的に進めた大発明と言っても過言ではありません。
本県には、新鮮な海産物をはじめ豊富な食材がたくさんあります。博多もつ鍋、博多水炊きなどの本場であるとともに、筑後平野の米を食べる野生の陸鳥で、小郡名物のカモ料理、田川ではホルモン鍋のほかにも、かつて炭鉱の町で愛されていた郷土料理の方城すいとん、宗像市大島のとうへい鍋、柳川市の名物料理の一つ、ドジョウを使った柳川鍋などの郷土料理としての鍋物がたくさんあります。
本県は、質の高い食文化を有し、その魅力を発信することは、観光客誘致を進める上で非常に重要であります。そのため、
観光プロモーション動画やポスター、ガイドブックなどを活用して食の魅力をPRするとともに、地元の食資源を活用し、地元飲食店での食事を組み込んだ旅行商品を造成していくことも必要であると考えます。本県として、今後どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
複数人で集まり、鍋料理をする際に、勝手に先頭を切って仕切り、実際に進行する方を鍋奉行と言います。鍋のことになるとリーダーシップを発揮しながら、独自のこだわりを持ち、ほかを寄せつけないことで、少々孤立する空気も演出します。しかしながら、経験豊富であるがゆえに、非常においしい鍋が出来上がることがありますから、とても尊敬されます。鍋奉行には、周りを飽きさせずに楽しく場を盛り上げる工夫も必要です。
そこで知事にお尋ねいたします。この鍋奉行のように、本県の食文化の振興と、その情報発信ができる人材をどのように進めていくのかお聞かせください。
次に、
食文化振興に不可欠な福岡県のおいしい水についてお尋ねいたします。二十世紀は石油の世紀と言われていましたが、二十一世紀は水の世紀と言われるかもしれません。日本人は、昔から水とともに生きてきました。山の斜面が急で川の流れが速いので、常に新鮮な清流の流れを生み、豊かな生態系をつくり出します。山と海が近いので、山の健康状態がそのまま海の健康具合へと直結します。ふだんあまり意識することのない水道水ですが、近年、インターネット上において様々な団体が水のおいしさに関する意識調査を実施し、その結果を
都道府県ランキングという形で掲載しています。私が確認した限りでは、熊本県や富山県が上位に位置づけられる一方で、残念ながら、どの調査結果でも福岡県の水のおいしさは下位に位置づけられています。水道水は、市町村によって水源や取水場所、浄化方法も違い、したがって水質も違って、当然水のおいしさも違ってくるんだと思います。
そこで知事にお尋ねします。水道水のおいしさは水質と関連があると考えますが、水質検査とはどのようなもので、臭い、色、味はどのように検査されているのか。水素エネルギー戦略に力を入れてきた本県ですので、水そのものの取組についても力を入れるべきだと考えます。おいしい水道水を提供するための本県の取組についてお尋ねいたします。
水についての意識実態調査で一位となった熊本県は、阿蘇に降った雨が地下に浸透し、長い年月をかけてろ過され、その過程でミネラルを含み、それを水源池でくみ上げたものを水道水として使っています。特に熊本市は、約七十四万人が使う水道を全て地下水で賄っています。炭酸とミネラルのバランスがよいことにより特級水として評価されているため、日本最大の地下水都市として世界的にも知られる存在となっています。
実は、昨年、我が家でも井戸掘りにチャレンジしてみました。井戸を使うことで作られる水みちは、もともと水が流れやすいところに掘られたかどうかという当たり外れだけでなく、井戸を使い、くみ上げることによって水みちが形成されると考えられているそうです。井戸水をくみ上げると地下水が動き、その際、水は通りやすいところを通っていきます。その通り道は、井戸をいつも使い続けることにより、より通りやすくなり、水みちが固定されます。井戸は使えば使うほどよいと言われるのもうなずけます。実際に、毎日のように手押しポンプで井戸水をくみ上げているんですが、約十メートル下の土の中の水みちの様子が、手押しポンプを通して私の手に伝わってくるんです。これは、最初から井戸を掘った人じゃないと分からない体感だと思います。
そこで、まず知事にお尋ねいたします。福岡県には名水や湧水に恵まれた場所が至るところにあります。名水、湧水が湧き出るところは、どこも自然環境に恵まれ、これこそ本県にとって自然からの贈物だと思います。平成二十年に環境省より福岡県唯一の平成の名水百選に認定されました、JR日田彦山線筑前岩屋駅に隣接した岩屋湧水がありますが、県内のおいしい名水、湧水は、調べただけで百か所以上ありました。名水、湧水を巡る旅や水の恵みによる豊かな地域づくりにどのように取り組んでいくのか、水の力を地方活性化、地方創生にどう生かしていくのか、知事の御所見をお尋ねいたします。
教育長にお尋ねいたします。地球に存在する淡水のほとんどは、この目に見えない地下水でありますが、地下水をはじめとする自然の中に存在する水を身近な自然の恩恵として受け取れるように、未来を担う子供たちに水に対する意識を高めていく必要があると考えます。教育長は、黒田官兵衛(黒田如水)の水五訓の教えを御存じでしょうか。水五訓とは、水は海を満たしたり、雲や雨や雪となったり、鏡のように氷に変化したりするように、自分という本質を保ちつつ、与えられた環境の中で柔軟に対応することができる存在になろうと、水の循環を人の一生に置き換え、その生き方を説いたものであります。
そこで教育長にお尋ねいたします。水教育の重要性の所見と、子供たちに知識だけでなく、どのような経験や体験をさせているのかお尋ねいたします。
次に、
新型コロナウイルス感染症対策についてお尋ねいたします。デルタ株より感染力が強いと言われるオミクロン株が急拡大し、猛威を振るっており、
新型コロナウイルス感染症流行の第六波に突入しています。海外では従来のオミクロン株よりさらに感染力が強い別系統のBA・2が流行している国もあり、日本でもその感染者が確認されているところであります。
市中感染や家庭内二次感染の増加などから感染者が急増し、保健所の業務が逼迫していると聞きますが、保健所業務の課題と逼迫時の対応についてお尋ねいたします。
また、オミクロン株では子供の感染者が急増し、相次ぎ小中学校では学級閉鎖や学年閉鎖となっていました。子供たちが感染しますと、保護者や家族は濃厚接触者となり、生活に支障を来しています。
そこで、家庭内で陽性者と濃厚接触者が同居している場合もあろうかと思いますが、濃厚接触者が自宅で生活する上でどのような指導をしているのか。また、県が実施している生活支援について、どのような方を対象としており、何人が利用しているのか。併せて、市町村も生活支援を行っているとのことですが、協力体制はどうだったのかお尋ねいたします。
次に、
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う病床使用率についてお尋ねいたします。本県では、
新型コロナウイルス感染拡大に対応するため、コロナ専用病床の確保に注力してきました。受入れ可能な入院要請数は、患者の重症度や地域の実態によって異なっていますが、入院患者が最多となった昨年八月下旬では、本県としては千四百六十床のコロナ専用病床を確保しながら、入院は八百十人となっていました。当時、自宅療養者は八千六百九十五人、宿泊療養施設入所は千四百九十六人でしたので、本当に八百十人しか入院を受け入れる必要がなかったのか疑問が残ります。
そこで知事にお尋ねいたします。県では、各病院がそれぞれの入院患者数などをリアルタイムで把握できるシステムを導入していますが、第五波のときの使用率の低い病院、受入れがない病院の実態はどうだったのか。また、その理由を確認した上で、どのような指導を行い、今回の第六波に備えてきたのかをお答えください。
第六波においては、二月十四日に病床使用率が八六・七%となりました。その要因をどのように分析され、今後、どのような対策を取られるのかお尋ねいたします。
次に、コロナ禍におけるがん検診の減少問題についてお尋ねいたします。昨年度は、緊急事態宣言が二度発出されたこともあり、がん検診の受診者数が大幅に減少しました。御存じのように、日本では生涯に二人に一人ががんにかかり、三人に一人は亡くなっています。この状況はコロナ禍でも変わっていませんから、がんの早期発見、早期治療のためには検診を受けることが大変重要であります。県として、コロナ禍においてもがん検診を受けることの重要性や、医療機関や検診会場では十分な感染防止対策が講じられていることを、県のホームページやLINE、ツイッター等により周知を図り、インターネット広告や新聞、ラジオ広告の活用によって啓発強化してきたことは承知しております。
そこで知事にお尋ねいたします。一昨年に初めて緊急事態宣言が出され、その後、がん検診は一時中断、延期、胃、大腸などの内視鏡検査も中止された時期もありましたが、コロナ禍前の令和元年と比較して、一昨年に新たにがんと診断された件数、またそのうち人間ドックや市町村などで実施されるがん検診で発見されたがんの件数はどうだったのかお尋ねいたします。
減少しているのであれば、検診を受診することが大切だと、昨年あるいは一昨年に受診しなかった人へ、個別に検診の啓発を行うことも必要だと考えますが、知事の見解をお尋ねいたします。
次に、本県の豪雨対策の取組についてお尋ねいたします。本県では大規模な自然災害が頻発しており、災害復旧、復興に向けた取組を加速することが求められています。とりわけ河川での被害は、広い範囲に甚大な被害を及ぼすことに加え、復旧には長い年月と多大な労力が必要となります。また、令和二年七月豪雨災害において被災した二級河川諏訪川のように、熊本県の南関町から荒尾市を通り、大牟田市に流れ込むといった、複数の県をまたいで流れる河川が幾つかあると考えます。
そこで、福岡県管理河川のうち、複数の県をまたいで流れる河川は幾つあるのかお尋ねいたします。
また、このような河川の場合、隣接する県と十分な連携を図りながら治水対策を講じることが必要ではないかと考えますが、本県において河川整備を行う場合の隣接する県との連携について、知事の御所見をお尋ねいたします。併せて、諏訪川における熊本県との連携についてもお答えください。
筑後川流域は、昨年まで五年連続六回目の豪雨災害を経験しています。今年の梅雨期も心配との声もありますが、筑後川流域では、筑後川本川と支川に国、県、市町村が役割を決め、排水機の増設や貯留施設の建設、護岸かさ上げなど、総合的な内水対策を昨年度からおおむね五か年計画で実施するとしてきました。その進捗状況をお尋ねいたします。
豪雨災害被害がここ数年続いている筑後川では、国、県、市町村で構成される流域治水協議会が令和二年度から設立されております。その協議会が先月開催されたと聞いていますが、そこでの協議内容についてお尋ねいたします。
筑後川の支川の内水氾濫は、豪雨時の筑後川本川の水位が支川より上昇することから、支川への逆流を防止するために水門を閉め、支川流域が氾濫するというメカニズムであります。この対策としてクリークの先行排水が実施されていますが、その取組状況と来年度予算での農業水利施設の活用についてお尋ねいたします。
次に、産業廃棄物の不適正処理や環境汚染問題についてお尋ねいたします。産業廃棄物の不適正処理事案は、一旦発生、拡大すると、その解決に時間を要することとなります。県では、課題の解消に長期間を要している不適正処理事案について、必要な対策を迅速かつ重点的に推進していくため、平成二十五年度に廃棄物適正処理推進室を設置しました。廃棄物適正処理推進室では、地元住民の不信感も強い中、事業者への指導やその他関係者との調整を重ね、専門家の助言も得ながら対応を続けてきた結果、過剰保管された産業廃棄物を排出元の事業者の協力を得て撤去するなど、多くの事案での事態の改善が進み、昨年度末で組織の廃止に至ったと聞いております。
しかしながら、私たちが心配しているのは、産業廃棄物の不適正処理により、一旦大規模な環境汚染が発生すれば、社会経済活動の持続的な発展にも影響するおそれがあるということです。そのため、産業廃棄物の不適正処理については、未然防止や早期発見、早期是正が極めて重要であり、不断の監視指導活動が強く求められます。したがって、廃棄物適正処理推進室は廃止となったものの、産業廃棄物不適正処理の監視、指導の取組がしっかり維持されていくことが重要と考えます。
そこで、昨年度末、廃棄物適正処理推進室が廃止された後、不適正処理事案にどのように対応してきたか、具体的な例を挙げながら説明していただくとともに、産業廃棄物の不適正処理の未然防止や早期発見、早期是正について、今後とも県としてどのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお尋ねいたします。
次に、コロナ禍における出会い、結婚についてお尋ねいたします。平成から令和への改元で令和婚ブームにより、令和元年の本県の婚姻件数は、前年比五百十二組増の二万五千七百七十七組となっていましたが、
新型コロナウイルスの影響で、令和二年の婚姻件数は二万三千三百六十組で、前年に比べ二千四百十七組、一二・五%の減となっていました。特に一回目の緊急事態宣言が発出された五月は、前年同月と比べますと六五・六%の大幅な減となっております。令和三年の本県の婚姻件数は、十一月までの速報値で二万九百件と、コロナ禍前の令和元年同時期と比較して三千五百三十六件の減と大幅に減少していました。
オンラインやテレワークで学校や職場に行かなくなったり、外出自粛によりデートがしづらい、大人数が集まる合コンや婚活パーティーが開催できなくなったりと、新しい出会いはめっきり減っているようです。本県では、福岡県出会い・結婚応援事業に取り組んでいますが、多様な出会いの場を提供し、地域社会全体での出会い、結婚を応援するという本県の取組は非常に重要だと思います。今、恋人探しにおける出会いが、マッチングサービスアプリに移行する動きがあるといいます。一昔前は、出会い系サイトというと、私にはネガティブな印象が強かったのですが、コロナ禍で直接会うことが難しくなったことに加え、ネットが生活に浸透してきたことで、現実社会でのネットの出会いに対する抵抗がなくなってきたのかもしれません。それでも私は、親睦、交流の場など、フェース・ツー・フェースでの出会いや恋愛が大切なのではないかと思います。県の出会い・結婚応援事業においても、出会い応援団体が実施する出会いイベントの開催回数や参加人数が、コロナ禍の影響で令和元年度から比較して大幅に減少していると聞いています。
そこで知事にお尋ねいたします。出会い、恋愛がめっきり減った原因は、コロナ禍での自粛要請も大きな要因の一つだと考えますが、知事の御認識をお聞かせください。
その上で、県では時代の変化に対応するため、どのような支援を行い、本事業を展開していくのか。また、県で主催する企業、団体間の出会いイベントや市町村と連携した取組について、コロナ禍の中で具体的にどのように進めていくのかお尋ねいたします。
次に、福岡県青少年健全育成総合計画についてお尋ねいたします。
県政運営指針となる次期福岡県総合計画の提案では、知事は三つの挑戦を掲げられています。その一つに、次代を担う人財の育成があります。まさに資源の乏しい我が国で、人を育てずして何を育てるんでしょうか。人材こそが私たちに課せられた使命だと確信しています。一年前倒しして、令和四年度から五年間の福岡県青少年健全育成総合計画(福岡県青少年プラン)が策定されました。全ての青少年の生き抜く力の育成を、柱の一丁目一番地に据えたことは大変意義のあることだと考えます。急速に進展する情報化とグローバル化、突然襲ってくる大規模自然災害に加え、
新型コロナウイルス感染拡大の発生、日本のみならず世界情勢も非常に不安定で、政治や経済、そして社会そのものが百年に一度、千年に一度あるかないかのような激動の時代となっています。そんな激動の時代に今の青少年は生きています。誰も経験したことのない時代ですから、道なき道を青少年の皆さんは一人一人切り開いていかなければなりません。もしかしますと、この困難な時代を切り開くために、若い人たちは生まれてきたのかもしれません。青少年の皆さんには、それだけ大きな使命と夢があります。何よりも若さがあるんです。この困難な時代を切り開く大きな可能性を秘めているのは間違いありません。そのために、私たちが様々な経験をさせ、思いっ切り挑戦し、
再チャレンジできる環境や社会をつくっていかなければならないと考えます。
そこで知事にお尋ねいたします。今議会に提案された新しい福岡県青少年プランは、これまでと違ってどこを強化しようとお考えなのかお尋ねいたします。
施策を実施するには、学校関係は無論のこと、家庭や地域社会と連携する必要があると考えます。このプランをどのように周知し、どのように推進していくお考えなのか、併せてお答えください。
次に、福岡女子大学の今後の方向性についてお尋ねいたします。全国に女子大は七十五校ありますが、うち国公立は四校で、県立としては本県と群馬県の計二校となっております。本県は、LGBTなど性的マイノリティーの方々への理解を促進し、多様性を認める社会の実現を目指しているところです。本年四月からは、パートナーシップ宣誓制度も導入されます。こうした取組は、SDGsの理念にも合致しているもので、今後、ますますこういった社会的要請が高まってくると考えます。
そのような中で、公立である福岡女子大学では、旧来型の男女分けで女性しか入学を認めておらず、今後、その在り方が問われてくるのは必至であります。数年前には、男性から入学を求める裁判を提起されたこともありましたが、今後も同様に裁判を起こされる可能性があります。また、国立のお茶の水女子大学などでは、SDGsや性的マイノリティーに配慮する中で、既にトランスジェンダーの受入れを表明しています。パートナーシップ宣誓制度を導入する本県として、自己矛盾を起こさないような対応が求められると思います。
今後は、建学の精神、大学の基本方針にのっとって、女子大学の現状のままでいくのか、あるいは男女共学を選択するのか、それとも女子大学としての存在意義を踏まえながら、ほかの女子大と同様にトランスジェンダーの受入れを検討されるのか、知事の御所見をお尋ねいたします。
次に、GIGAスクール構想における高等学校の学習用コンピューター端末の整備の促進についてお尋ねいたします。デジタル社会形成基本法第三十七条第一項等に基づき、令和三年十二月二十四日に閣議決定されたデジタル社会の実現に向けた重点計画では、高等学校段階の一人一台端末については、
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用も含め、各都道府県における整備状況を国としてフォローアップし、必要な取組を促すとされたところです。本県もオンライン授業などにも対応できるよう、新年度から県立高校の生徒にも一人一台タブレット端末を配備する方針です。小中学校では既に一人一台タブレット端末の配備は完了していますから、義務教育段階のICT環境を途切れさせることなく高校へとつながり、学校教育のデジタル化によって得られる個別最適な学びの実現や、情報活用能力の育成といった本来の目的達成への道筋ができます。
そこで知事にお尋ねいたします。私ども会派は、知事の大きな決断に敬意を表しています。しかしながら知事、知事の最も大事にされている人材の育成は、学校のICT環境整備で終わるものではありません。今回の一人一台構想も社会のデジタル化の大きな流れに乗ったものであると考えますが、福岡県の子供たちは、将来、生活のあらゆる面が現在よりもはるかに、高度にデジタル化された社会で生きていくことになります。デジタルの光と影をよく知り、安全、安心に賢く使いこなす人材であるデジタル市民の育成が必要と考えますが、知事のお考えをお尋ねいたします。
県立高校における高校生一人一台端末の整備では、BYOD方式の成果と課題を踏まえて、日常的にICTを活用できる環境を整備するとしています。このBYOD方式の成果と課題についてどのように捉えているのか、教育長にお聞きします。
また、一人一台タブレット端末の導入により、学校の授業がどのように変わり、生徒のどのような力を伸ばそうと考えているのか、教育長のお考えをお示しください。
県立高校には、公費によるリース契約で、クロームブックのタブレット型パソコンが一クラス当たり十五台整備されていると聞いています。一人一台端末を整備するためには、これらの端末に加え、来年度新たに整備を行うことになりますが、OSの選定を含め、今後どのような考えで整備を進めていくのか。また、ICTを活用した学習活動を促進していくためには、機器の整備のみならず、教員のICT活用をサポートする人的整備も必要と考えます。そのためにICT支援員が配置されていますが、配置状況と支援内容について教育長にお尋ねいたします。
また、導入に当たって、教職員の賛否とモチベーションや授業実践への資質などの懸念すべき要素はないのか、あればその課題に対しての取組をお聞かせください。
次に、快適に利用できる道路交通環境の整備についてお尋ねいたします。令和三年、交通事故死者数は百一人と、前年比十人増加しており、交通事故発生件数は二万六十六件と、前年比千四百二十九件減少しているものの、決して少ないとは言えない現状であります。また、交通環境に目を向けると、慢性的な渋滞が発生しており、県民の皆さんが不便に感じている道路が多数あるのも承知のとおりです。その要因として、横断歩道、区画線の摩耗、歩行者がいるのに歩道、路側帯がない、交通量が多いのに道幅が狭い、信号機の老朽化、修繕が不十分な道路が見受けられることなどが挙げられます。実際に、これらの要因の改善については、私たち県議にもそれぞれの地域の皆さんから対応を求める声が上がってきています。
例えば、交通管理者の所管では、信号機を例に挙げると、耐用年数を超えた信号機の数は令和三年度末で約千八百基あり、実に県内の全信号機の約二〇%が更新基準を超過した信号制御機です。令和三年度は、五百四十基の老朽化した信号機を更新し、信号機の新規設置数に至っては十八か所であったと聞いています。一方、主に道路管理者においては、区画線の更新、幅員の狭い道路の拡幅など、改善すべき問題は多数あると考えています。
そこで知事にお尋ねいたします。県民が安全、安心、さらには快適に利用できる道路交通環境の整備の観点から、本当に県民の皆さんの要望などに満足に応えられていると言えるんでしょうか。知事の認識をお聞かせください。また、今後どのような対策が必要と考えているのかお示しください。
最後に、警察本部長にお尋ねいたします。県警察では、平成三十年度に老朽化した行橋警察署の更新を行ったほか、本年四月には城南警察署の開庁が予定され、また老朽化した交通機動隊庁舎の更新に向けた設計などを行うなど、順次大規模施設の更新を進めているものと承知しております。県民の安全、安心の拠点である警察施設が新しく生まれ変わることを大変心強く思っておりますし、今後も力強い警察活動を進めていくためにぜひ推進していただきたいと思っています。
令和四年度予算案に田川警察署建設のための候補地調査に関する経費が計上されました。田川警察署は、昭和四十五年に建設され、経年が五十一年を迎えるなど、県内で最も古い警察署であるとともに、老朽、狭隘化が著しいことから建て替えを計画しているとのことです。警察署は、地域の安全、安心のよりどころとして、住民に最も身近な第一線における治安維持を全面的に担う重要なものだと考えます。
そこで警察本部長にお尋ねいたします。田川警察署の移転、改築に向けて、本年から移転候補地の敷地調査が始まりますが、警察署の移転候補地はどこを考えられておられますでしょうか。また、田川警察署の移転、改築に向けた具体的な整備計画はどのようになっているのかをお聞かせください。
最後に、警察署を移転、改築することで得られる効果はどのように考えているのかをお尋ねいたしまして、会派を代表して質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
6 ◯議長(秋田 章二君) 服部知事。
*知事答弁
7 ◯知事(服部 誠太郎君)登壇 御答弁を申し上げます。
まず、
デジタル田園都市国家構想への所見と、本県における実現方法についてお尋ねがございました。この構想は、国の成長戦略の柱でございまして、地方の豊かさはそのままに、利便性と魅力を備えた新たな地方像を提示し、地方が抱える課題をデジタル実装を通じて解決しようとするものでございます。本県といたしましても、地域の産業振興や交通、物流の確保、福祉の充実といった様々な課題を解決し、活性化を図るためには、ICTやAIなどの先進技術を有効に活用していくことが大変重要であると考えております。このため本議会において、県内四地域でローカルスマートシティ構想会議を設置するために必要な予算を提案させていただいております。この会議におきまして、地域のデジタルトランスフォーメーションに積極的に取り組む市町村と共に、ドローン配送による買物弱者の支援やAIを用いた一人暮らし高齢者の見守りなど、デジタル技術を活用した取組の具体化や展開を図ってまいります。
次に、
総合計画審議会の答申をどう評価、総括し、今後県政に反映し、強化するのかといったお尋ねがございました。審議会におきましては、現下の社会経済状況の変化や現総合計画の実施状況を踏まえまして、県民の皆様からの意見募集、あるいはニーズ調査を行った上で、専門家や様々な分野の委員の皆様に活発に御議論をいただきました。その中で出されました、アジアとの近接性等強みを生かした発展、ジェンダー平等の視点を盛り込んだ施策の実施、教育環境の充実など、多くの御意見を反映いたしました今後五年間の県の施策のあるべき方向を示した答申であると考えております。この答申を踏まえまして、
次期総合計画では、新型コロナへの対応、デジタル、グリーン社会の実現、SDGsの取組など、現計画にない新たな内容や考え方を盛り込んでまいりたいと考えております。とりわけ新しい時代の県政を進めるに当たり、世界を視野に、未来を見据えて、次代を担う人財の育成、世界から選ばれる福岡県の実現、ワンヘルスの推進、成長産業の創出に取り組み、九州のリーダー県として、我が福岡県をさらなる成長と発展へと導きたいと考えております。
現総合計画の未達成の数値目標の見通しについてでございます。今年度末までを計画期間といたします現在の総合計画は、百五十七件の数値目標を掲げておりまして、現在、新型コロナで進捗に影響が出ました三十二件を含む五十二件が目標の達成に向けて努力が必要であると判断しております。これらのうち主なものといたしまして、新型コロナで進捗に影響が生じました県内宿泊者数、スポーツイベントの件数、公共施設の入館者数や、保育所等利用待機児童数、障がいのある人の平均収入月額などがございます。これらにつきましては、コロナ後を見据えた目標値を
再設定いたしますとともに、施策の見直しやさらなる充実強化を図っていく必要があると考えておりまして、
次期総合計画の中でしっかりと取り組んでまいります。
次期総合計画で掲げます数値目標は、現在の総合計画だけではなく、分野ごとの個別計画や他県、市町村の計画も参考にいたしまして、施策の目標として最もふさわしい数値を設定をいたしました。数値の上げ幅や効果を一つ一つ確認をし、相当な努力をしなければ達成できない目標値の設定に努めたところでございます。これらの目標につきましては、毎年度進捗状況を把握し、進捗が思わしくない場合はその要因を分析し、
総合計画審議会や県議会での御意見を踏まえて施策の見直しや充実強化を図ることによりまして、目標達成に向けて取り組んでまいります。
次期総合計画における基本戦略や目標の市町村との共有についてお尋ねがございました。
総合計画審議会では、県の市長会、町村会の会長に委員として参加をしていただきまして、計画の策定に御協力をいただきました。また、十五の圏域に設置しております市町村圏域会議での担当者間の意見交換や文書による意見照会も行いました。この中で、感染防止対策や自然災害対策の拡充強化、デジタル化、脱炭素化に向けた企業競争力の育成、地域公共交通の維持確保などの意見や要望をお伺いしたところでございます。これらを踏まえて、施策を進めるに当たっての基本戦略や目標を市町村と共有し、計画の策定作業を進めてまいりました。
このような中での政令市の総合計画との関係につきましては、県は、両政令市における総合計画や総合戦略を所管いたします審議会の委員に就任しているところでございまして、これらの審議会において、両市から計画に基づく施策の実施状況、数値目標の進捗状況等について報告を受け、その内容を県の各部局で共有し、必要に応じ意見を集約し、両市との協議を行ってまいったところでございます。
次期総合計画は、これらの内容を踏まえた上で策定したところでございます。
過疎地域の市町村に対する県の支援についてでございます。県内の過疎関係市町村は二十三団体に上りますが、人口、面積、財政状況、道路や下水といった生活環境の整備状況など、これらの市町村の中でも大きな差がございます。過疎地域の
持続的発展のためには、市町村が広域的に連携しながら地域振興に取り組みますとともに、個々の市町村の状況に応じ、適切な施策を実施していくことが必要でございます。県では、市町村が
持続的発展計画を策定するに当たり、移住、定住、産業振興、生活環境の整備、こういった施策が、県が策定をいたしました基本方針を踏まえ、効果的なものとなるよう必要な助言を行ってまいりました。また、過疎債などの活用の際には、後年度の財政運営への影響など中長期的な視点での助言も行ってきたところでございます。県といたしましては、引き続き関係市町村とのコミュニケーションを深め、市町村が抱える多様な課題も吸い上げ、その規模や地域の実情に応じ、行財政の両面からきめ細かに支援をしてまいります。
過疎地域への移住者の目標値及び市町村と連携した新たな支援についてでございます。
次期総合計画におきましては、県外からの移住者の目標値を令和八年度までの五年間で五千世帯としておりまして、そのうち過疎市町村へは二千三百世帯を見込んでおります。現在、県では市町村と連携し、職員や先輩移住者がそれぞれの地域の魅力を熱く語るオンラインセミナーを毎月開催いたしますとともに、県内全ての市町村のアピールポイントをドラマ形式で紹介する動画をポータルサイトやユーチューブで配信いたしますなど、情報発信の取組を強化しております。また、市町村が設置いたしております移住コンシェルジュに対する助成も行っております。来年度は、本県独自の取組といたしまして、地域おこし協力隊の希望者と市町村とのマッチングを強化するため、県が主催をいたしまして、市町村合同の募集説明会を開催いたしますとともに、隊員の皆さんの地元への定住を図りますため、起業や就業に必要な資格取得を支援していきたいと考えております。また、オンラインゲームを活用した関係人口の創出、拡大に向けた取組など、市町村と連携した新たな取組に必要な予算を本議会に提案させていただいております。
次に、農林水産問題について、
新規就農者の育成確保についてでございます。県では、
新規就農者の多くの皆さんが当面の生活費等に不安があるということから、国の交付金制度を活用し、就農前後の所得の確保を支援しております。来年度からは、新たに親元就農などの
新規就農者に対する機械、施設の導入を支援をし、営農開始に当たって課題となっております初期投資の負担軽減を図ってまいります。また、農業大学校に環境制御装置を備えたハウス施設やタブレット端末等を整備いたしまして、農業のデジタル化に対応できる人材を育成してまいります。また、JAの研修用ハウスの整備を進め、就農前の栽培技術の習得を支援することといたしております。今後とも、こうした取組を通じ、
新規就農者を一人でも多く確保し、本県農業の次代を担う人材の育成に努めてまいります。
あまおうの生産拡大に向けた先端技術の活用についてでございます。あまおうは、全国の消費者の皆様から大変高い評価をいただき、流通関係者からはもっと供給量を拡大してほしいと求められております。私自身も直接そのようなお声をお伺いをしたところでございます。しかし、生産者の高齢化や労働力不足が課題となっておりまして、生産の省力化が不可欠でございます。このため県では、労働時間の五割を占める収穫と出荷調製作業を省力化できるよう、民間企業と連携し、これら作業のロボット化を目指しております。ロボットの実用化に向けましては、県農林業試験場において、果実の収穫時期を正確に判断し、傷つけずに収穫できるか、規格に応じて選別し、傷つけずにパック詰めできるかといった点の評価を行いまして、改良すべき点を企業にフィードバックすることで
開発を加速してまいります。県といたしましては、こうした取組により三年後の実用化を目指しております。
魚の養殖の適性とノリ、カキ養殖の安定生産についてでございます。マグロやブリ等の養殖を行いますためには、大規模な生けすが設置できますよう十分な水深のある穏やかな漁場が必要でございますが、本県の沿岸にはこのような漁場がないため、魚の養殖には不向きでございます。一方、本県では、栄養豊かな浅い海を利用し、ノリやカキの養殖が行われており、その安定生産のためには漁場の環境や生育状況に応じた適切な養殖管理が必要でございます。このため県では、水温や塩分などの情報を漁業者が
スマートフォン等で把握できるシステムの導入を進めており、併せてノリやカキの生育状況を定期的に調査し、漁業者の皆さんにきめ細かな養殖管理の指導を行っております。県といたしましては、こうした取組を通じまして、ノリやカキの養殖の安定生産に努めてまいります。
筑前海の藻場の状況と保全の取組についてでございます。県では、筑前海の主要な藻場でございます大島や玄界島などにおきまして、海藻の種類や生息量を継続して調査しておりますが、県が初めて調査をいたしました昭和五十三年と比べても、その生息状況には大きな変化は見られないところでございます。しかしながら、ウニの食害により海藻の生息密度が低下をしている藻場も一部見られますことから、県では藻場の回復を図るため、漁業者が行いますウニの除去や海藻の種の投入といった取組を支援をしているところでございます。また、除去をいたしましたウニは、身入りが悪く商品になりませんため、海藻の量が豊富な漁場にこれを移し、身入りをよくした上で漁獲する取組を進めております。こうした取組に加えまして、海藻が根づく自然石の投入も行ってまいりました結果、新たな藻場も形成をされているところでございます。県といたしましては、漁業者の皆さんと一緒になってこうした取組を継続し、藻場の保全に努めてまいります。
食の魅力発信による観光客の誘致についてお尋ねがございました。県では、観光振興のためのPR動画やホームページ等で、宗像、古賀市周辺のとりすき、あるいは田川のホルモン鍋など、地域で継承されてまいりました魅力ある食の情報を発信しております。また、県内外の旅行会社を対象といたします観光素材説明会におきまして、地域の食資源や御当地グルメを紹介し、糸島のカキ小屋やカフェ等で利用できる割引クーポンを組み込んだ旅行商品の造成につなげてまいりました。加えまして、本年度、八女茶や八女地域の工芸品を活用した茶道体験を楽しむプログラムを新たに
開発をいたしました。さらに、飲食店や宿泊施設と連携し、玄界灘のイカをテーマにしたメニュー
開発の取組をスタートしたところでございます。今後は、こうした魅力ある福岡の食を旅行商品に組み込みますことで、食べる、遊ぶ、泊まるを一体的に楽しむことができる新たな観光エリアをつくり出し、県内外から多くの旅行者を呼び込み、旅行消費の拡大につなげてまいります。
本県の食文化の振興と情報発信ができる人材の確保についてでございます。県では、レストランのシェフやバイヤーさんなどに対し、県産食材を使ったフェアの開催を働きかけ、また産地を実際に視察をしていただきまして、本県の多彩な食文化を実感していただいているところでございます。その結果、首都圏や関西圏のレストランなどにおきまして、はかた地どりを使って郷土料理の水炊き、あるいはとりすきをモチーフにした料理が提供されますなど、本県の食文化のPRにつながってきたところでございます。来年度からは、新たに料理界で高い影響力を持つシェフのお店でフェアを開催し、食に関する情報紙やインフルエンサーを活用した情報発信を行います。加えまして、これらのシェフが若手のシェフに対し、本県の食材の魅力や調理方法を紹介する料理セミナーも実施をいたしまして、販路の拡大、また食文化の理解促進に努めてまいります。また、東京、大阪の福岡よかもん・よかとこプロモーションセンターでは、外食事業者に対して食材の提案を行っておりまして、その際、本県の食文化を紹介してまいります。県といたしましては、こうした取組により本県の食文化の振興を図り、その魅力を発信できる人材の確保に取り組んでまいります。
次に、水道水の水質検査とおいしい水道水の提供についてお尋ねがございました。水質検査は、清浄な水の供給を図りますため、水道法第四条に基づき、水道事業者等に義務づけられたものでございまして、臭気、色度、味を含む五十一の水質基準項目について検査を行うこととされております。例えば臭気につきましては、臭いを嗅ぐことにより無臭であるか、色度につきましては、肉眼や検査器具により無色透明であるか、味については、加温をした水を口に含むことにより異常がないかを確認しております。水道法では、臭気、色度、味のほか、おいしさと関連をいたします硬度や蒸発残留物といった項目につきましても検査基準を定め、安全で良質な水の確保を図るとされております。県といたしましては、水道事業者等に対し、水質検査が確実に実施されるよう助言、指導を行いますとともに、水質悪化の原因となる老朽化した水道施設の更新、また臭気物質等を確実に取り除きます高度浄水施設の設置に対する財政支援を引き続き行ってまいります。
水の力を活用した地域の活性化についてでございます。県内には、国が選定をいたしました名水百選でございます福岡市の不老水、うきは市の清水湧水が、また平成二十年に平成の名水百選に選定されました東峰村の岩屋湧水がございます。そのほかにも県内各地には地域の人々に守られてきた名水、湧水が多数存在をしております。県では市町村と連携をしまして、こういった情報を観光ホームページで発信しますとともに、県内外の旅行業者を対象とする観光素材説明会でこれらを紹介し、旅行商品の造成を促しております。また、東峰村の岩屋湧水につきましては、日田彦山線沿線地域の振興計画に基づき、ヤマメの養殖やワサビの栽培といった特産品作りの取組が進められております。水の力を生かした地域の特産品は、地域に稼ぐ力を生み出し、地域の活性化につながるものでございます。県といたしましては、このような地域振興の取組事例を県内のほかの市町村にも紹介し、地域の活性化に生かしてまいりたいと考えております。
次に、
新型コロナウイルスに関連をいたしまして、保健所の対応についてお尋ねがございました。本年一月からのオミクロン株による急激な感染拡大に伴い、保健所における疫学調査や健康観察等の業務が逼迫する中、増大する新規陽性者の病状を遅れることなく把握をし、重症化リスクのある方を適切な医療につなげることが重要となりました。このため人材派遣による看護師等を大幅に増員し、最大百七十三名を配置いたしました。このほか県庁各部の本庁、出先職員及び市町村の保健師の応援などによりまして、保健所の体制強化に取り組んでいるところでございます。また、濃厚接触者の調査を高齢者施設や医療機関等重症化リスクのある方が多くいらっしゃる施設に絞って実施いたしますとともに、新規陽性者からの聴取内容を健康状態に限定することなどによりまして、一層の業務効率化を図っているところでございます。
次に、生活支援についてでございます。濃厚接触者の方が陽性者の方と同居する場合は、消毒の実施や一定の距離の確保など家庭内感染に注意することや、食料品購入などやむを得ず外出をされる場合は、公共交通機関の利用を避け、必要な感染対策を行っていただくことを指導しているところでございます。県では、一人暮らしの方など食料品や日用品の確保が困難な自宅療養者の方に対し、食料品や日用品の配送といった生活支援を昨年の六月一日から実施をしておりまして、これまでに八千四百件を超える利用をいただいております。また、県が実施しておりますこういった生活支援を踏まえまして、四十四の市町村におきましては、買物やごみ出しの代行といった、より生活に密着した生活支援を実施していただいております。県としては、引き続き市町村の皆さんと協力し、自宅療養者の方が安心して療養できるよう生活支援の充実を図ってまいります。
次に、病床使用率についてお尋ねがございました。昨年の七月から九月にかけてのデルタ株による第五波では、八月二十六日に最大病床使用率が六九・四%となりました。この期間にコロナ病床を確保している百八の病院ごとの最大病床使用率を見てみますと、八病院が五〇%未満で、うち二病院は受入れ実績がございませんでした。その理由は、地域ごとの感染状況の違いや、新たな病床の確保が昨年の八月以降であったことなどであると考えております。県といたしましては、病院長会議などを通じまして、病床の確実な稼働を改めて依頼をし、正当な理由なく入院受入れを断らないよう書面で確認するなど、第六波に備えてきたところでございます。
その後の急激な感染拡大に伴いまして、若い世代に比べて回復に時間を要する方が多い六十代以上の世代に感染が拡大をしまして、入院者数の九割近くを占める状況となりました。入院期間が長期化いたしました結果、病床使用率も上昇したところでございます。このため、退院基準を満たした方の転院や退院等を積極的に進めるよう医療機関に要請いたしますとともに、後方支援病院の受入れ可能数や受入れ条件を共有できるシステムを新たに構築し、現在運用しているところでございます。これらの取組の結果、病床使用率は、二月二十八日時点で六五・九%にまで改善をいたしておりまして、引き続き病床逼迫の回避に取り組んでまいります。
コロナ禍におけるがん検診の啓発についてでございます。県内二十六のがん診療連携拠点病院等における院内がん登録データによりますと、一昨年に新たにがんと診断された件数は約三万七千件でございまして、コロナ禍前の令和元年の約四万件と比較しますと約七%減少しております。このうち、がん検診で発見された件数、一昨年は約四千百件で、令和元年の約四千七百件と比較し約一三%の減少となっております。
議員御指摘がございました、がん検診を受診されていない方への個別の受診勧奨、これは検診を自らのことと意識させ、受診行動につながる効果ある方法と考えております。約四千八百のがん検診推進事業所に対し、従業員の皆さんやその家族の皆さんへ個別に受診勧奨をしていただくよう依頼をしているところでございます。また、はがきや電話による個別の受診勧奨を行いまして効果を上げていらっしゃる市町村の優良事例につき、改めて市町村の担当者会議等においてこれを情報提供し、こうした取組が広がるよう働きかけを行ってまいります。
次に、本県の豪雨対策の取組について、複数の県をまたいで流れる県管理河川における隣接県との連携についてお尋ねがございました。県が管理しております河川のうち複数の県をまたいで流れる河川は、一級河川筑後川水系の切通川、小塩川、二級河川では諏訪川など六河川でございます。
河川整備を行うに当たり、計画を策定する段階においては、上流から下流までの地形や土地利用状況など流域全体を考慮する必要がございます。その後の実施段階におきましては、上下流の流下能力を十分に考慮した上で整備を進めていくことが重要となります。このため、県をまたいで流れる河川を整備する場合は、隣接県との情報の共有が特に重要であると考えます。諏訪川の整備におきましても、上流を管理していらっしゃる熊本県と計画の策定段階から協議を行っております。今後、工事箇所や発注時期などの情報を定期的に共有し、上下流の流下能力のバランスを図りながら計画的に整備を図ってまいります。
次に、筑後川流域における国、県、市町村が連携した内水対策についてでございます。本県では、平成三十年七月豪雨におきまして甚大な浸水被害が発生をしました筑後川水系下弓削川及び金丸川、池町川の浸水被害軽減を図りますため、総合内水対策計画を策定し、国、県、市が連携を図りながら、ハード対策、ソフト対策を一体的に実施しております。ハード対策の進捗状況でございますが、県におきましては、下弓削川の堤防かさ上げを完了いたしました。また、金丸川、池町川の堤防かさ上げに着手をし、地下調節池、放水路及び排水機場の測量設計と用地買収を進めております。また、国におきましては、金丸川の排水機場の増強に着手をいたしましたほか、今年の出水期までに下弓削川の排水機場の運用を開始すると聞いております。久留米市におかれましても、流域貯留施設や雨水幹線の整備などに着手されていると聞いております。次に、ソフト対策では、住民の避難に資する取組として、国、県、市が連携し、河川の水位やカメラ映像などの情報発信や水害リスク情報の提供を行っております。今後も国や県、市と連携を図り、総合的な内水対策に取り組んでまいります。
筑後川流域治水協議会についてでございます。筑後川流域におきましては、国が一昨年九月に、国、県、市町村から成る流域治水協議会を設置し、県からは県土整備部、農林水産部、建築都市部、教育庁が参加をいたしております。この協議会におきましては、昨年三月に流域治水の取組の全体像を示しました流域治水プロジェクトを策定し、現在このプロジェクトに基づく対策の実施状況のフォローアップが行われております。具体的に申しますと、先月九日に協議会が開催をされまして、グラウンドへの雨水貯留施設の整備や水田の貯留機能の活用、立地適正化計画の見直しなど、関係機関の取組状況や先進事例につき情報共有を図ったところでございます。また、クリークの先行排水や、広域避難を推進するための隣接市町との連携につきましても意見交換を行いました。今後も協議会メンバーと連携を図り、流域治水の推進に向けしっかりと取り組んでまいります。
農業水利施設を活用した流域治水についてでございます。県では、クリークの先行排水を筑後川下流全域に広げますため、本年度、流域の関係者による実施体制を整えました。昨年七月から先行排水を六回実施をいたしまして、八月の大雨では湛水時間が短くなるなどの効果が確認されました。しかし一方で、少雨の場合、クリークの水位の回復に時間を要するといった課題がございまして、効率的に水位回復できるルールづくりなどを進めているところでございます。来年度からは、新たに農業用ため池やダムを活用した出水期前の事前放流を実施いたしますため、操作に必要な経費を助成することといたしております。加えまして、防災機能の強化を進める上で必要となる水路の整備、水門の電動化などの支援を行ってまいります。県といたしましては、こうした取組により、農業水利施設を活用した流域治水対策を推進してまいります。
次に、産業廃棄物の不適正処理に対する県の取組についてお尋ねがございました。県は、不適正処理事案に対しまして、本年度、木くずを積み上げ、火災を発生させた中間処理業者に対し撤去を命令し、また許可品目以外を埋め立てていた最終処分業者や廃プラスチック等を過剰保管していた中間処理業者に対し粘り強く指導を行いまして改善を進めさせるなど、その是正に向けて厳正に取り組んでおります。不適正処理につきましては、その疑いが生じた早い段階での産業廃棄物処理業者への指導が必要不可欠でございます。このため、休日、夜間も含めた日常的な監視に加え、安定型最終処分場を対象とした掘削調査を実施をしております。また、破砕、選別等の過剰保管に至りやすい中間処理業者等に対しましては、重点的に立入調査を実施し、速やかな是正指導を行っております。今後ともこうした取組を着実に実施し、不適正処理の未然防止、早期発見、早期是正に努め、その是正に当たっては、法に基づくあらゆる手段を講じてまいります。
次に、コロナ禍における出会い・結婚応援事業についてお尋ねがございました。一昨年からの度重なる蔓延防止等重点措置、緊急事態措置によりまして、県民の皆様に不要不急の外出を自粛していただくよう要請をせざるを得ず、大変心苦しく思っております。また、出会いイベントの参加者が大きく減少するなど、出会いの機会が減ったことについても残念に思っておるところでございます。コロナ禍にあっても、感染防止対策を講じながら出会いの機会を創出することが必要であると考えます。このため昨年度から、出会い応援団体に対し、イベント開催時の感染防止対策に要する経費を助成いたしますとともに、県のオペレーターによるオンラインイベントの実施方法の紹介、運営のサポートを行っておるところでございます。また、県が企業・団体間マッチング支援センターで実施をいたします出会いイベントにおきましては、顔を合わせて話をする機会を大切にしたいと考えまして、屋外でありますとか、あるいは対面のオンラインでの実施など、感染状況に応じた対応を行っているところでございます。来年度からは、ふくおかよかとこ移住相談センターなどを通じ、本県に移住を希望されております首都圏在住の方を募り、新たに市町村と連携した出会いイベントを開催をいたします。参加者が福岡県の魅力などを語り合い、それが交際や結婚の契機となり、移住、定住につながるような出会いの機会の提供に取り組んでまいります。
次に、青少年プランについてでございます。これまで経験のない大規模災害、あるいは感染症の発生といった先を見越すことが難しい時代を生き抜くためには、自ら課題を見つけて学び、考え、判断して、そして解決に向けて行動していくことが重要でございます。このため新しい青少年プランでは、まずは全ての青少年の生き抜く力を育成するため、充実した教育環境を整え、学力、体力の向上に取り組みますとともに、自らの可能性に気づき、コミュニケーション能力などを養うことができる体験、交流活動などを推進してまいります。その上で、それぞれの夢に向かってチャレンジし、未来を切り開く、そういった青少年を応援するため、実践的な外国語能力の向上に向けた取組を進めます。そして、自らが生まれ育った地域に誇りを持ち、将来の地域を担う人材を育てる取組を県内各地に広げてまいります。さらに、産業、経済、スポーツ、文化芸術など様々な分野における人材育成につきましても、新たにプランに位置づけ、全庁を挙げて取り組んでまいる考えでございます。
この青少年プランの周知と推進についてでございます。青少年の現状と課題、県の施策の方向といったものを知っていただきますため、まずは県内全ての小中高校、大学、PTA連合会などの関係団体にこのプランを配付いたしますとともに、校長会や市町村の担当課長会議などで説明を行ってまいります。また、子ども会育成連合会などで構成されます青少年団体連絡協議会を通じ、地域で活動する皆さんにも周知を図ってまいります。さらに、プランで掲載をいたしております基本的生活習慣の形成など、各家庭で実践していただきたい内容をまとめましたチラシを作成し、各部が実施いたします各種事業の中で配布、活用をしてまいります。プランの推進につきましては、私を本部長とする青少年健全育成対策推進本部の下、全庁的に連携を図りながら施策を実施してまいります。また、四十の数値目標を設定をし、県議会の先生方、学識経験者等で構成されます青少年問題協議会において、各施策の実施状況を調査、審議していただき、プランの実効性を確保してまいります。
次に、福岡女子大の今後の方向性についてお尋ねがございました。我が国では、責任ある立場やトップリーダーの女性比率が依然として低い状況にございます中、福岡女子大が男性に依存しない自立心を育てることができる環境の下で、次代の女性リーダーを育成するという役割を担うことは意義があるものと考えております。トランスジェンダーの学生受入れを検討するに当たりましては、同大学は、一年生全員が四人一部屋で共同生活を送る全寮制教育を行っておりますことから、学生寮の整備などハード面の課題を解消する必要がございます。また、先行して受入れを行っております他の女子大学におきましては、学生や保護者などの不安を丁寧に解消していく取組が必要であったとお聞きをしておるところでございます。こういったことを踏まえました上で、その受入れの可能性につきまして大学の考えを伺ってまいりたいと考えております。
次に、デジタル市民の育成についてでございます。現在、ICT技術があらゆる分野で活用されておりますことから、今後ますます重要になる情報活用能力を子供たちに身につけさせることが求められております。本県は、来年度から小中高と切れ目なく一人一人の個別最適化した学びを実現するため、県内の高等学校における一人一台のパソコンの整備を推進をいたします。これに伴い、生徒が日常的に端末を使うことによって、必要な情報を収集、整理して発信する実践的な情報活用能力、プログラミングなどにより情報を科学的に理解することで問題解決につなげる能力など、こういった能力を備えた人材が育成されるものと期待をされます。一方、児童生徒が端末やネットをより一層使い慣れてまいりますと、長時間利用に伴います健康や学業への影響、誹謗中傷やいじめに関連する情報に対峙するなど様々なリスクの増加も懸念されます。本県といたしましては、一人一台端末の活用及び児童生徒や保護者に対する情報モラル教育、研修などを通じ、自ら責任を持って情報を有効に活用できる、今後のデジタル社会で活躍する人材を育成してまいります。
最後に、道路交通環境の整備についてお尋ねがございました。本県では、安全、安心な交通を確保いたしますため、地元からの御要望や交通量、また事故の頻度などを踏まえまして、優先順位をつけまして地元協議、調整を行い、交通安全施設の整備を計画的に進めているところでございます。一方、事故の危険性が高い通学路など緊急性の高い箇所につきましては、速やかに集中的に対応することといたしております。今後も国、市町村、県警察と連携を図りながら、県民の安全、安心を確保できますよう、快適な道路交通環境の整備に努めてまいります。
8 ◯議長(秋田 章二君) 吉田教育長。
教育長答弁
9 ◯教育長(吉田 法稔君)登壇 水に関する教育の重要性についてでございます。水に関する学習は、私たちの生活と深く関わるものであり、学校教育においても重要であると考えております。現在、学校におきましては、理科や社会科の中で水や川に関する様々な事象が取り扱われており、例えば小学校理科の雨水の行方と地面の様子や、小学校社会科の自然災害から人を守る活動などの学習を通して、水や川との共存の在り方や森と水の関係性について学んでおります。また、これらの学習については実体験を伴うことが重要でありますことから、公益財団法人福岡県水源の森基金の水資源教育促進事業を活用しまして、毎年県内十二校程度を指定をしまして、水源地域を対象とした環境保全に関する授業や体験学習などを実施しているところでございます。
次に、県立高校におけるBYOD方式の成果と課題及び一人一台タブレット導入による効果と生徒の育成についてでございます。BYOD方式では、生徒が使い慣れた
スマートフォンを使用するため、操作やインターネットの検索、閲覧がスムーズにでき、授業に対する積極性が向上したなどの成果がございました。一方で、
スマートフォンは、その画面が小さいため、グループ学習での情報共有や共同作業が不便であったり、キーボードがないため、小論文の作成やプレゼンテーション資料の作成などに支障があるなどの課題が明らかとなりました。一人一台タブレット端末の導入によりまして、これらの課題の解消が図られますほか、例えばあらかじめ授業動画を自宅で視聴して、教室では発展的な活動を行う反転授業など、一斉伝達型ではない生徒主体の効果的な授業が展開できます。このようにICTを効果的に活用した指導と、これまでの対面による指導とのベストミックスを図ることで、社会で自立的に生きる力の基礎となる情報活用能力や、主体的に考え、多様な人々と協働して解決策を生み出す力などの育成を図ってまいります。
県立高校における一人一台端末の整備とICT支援員の配置状況等についてでございます。現在整備しているタブレット型パソコンは、起動の速さや処理速度に優れ、クラウドサービスも安全に活用できるクロームOSを搭載をいたしております。来年度整備予定の端末につきましては、生徒が同一の端末を用いて効果的、効率的な教育活動が展開できる観点からOSの選定を進めてまいりたいと考えております。
また、ICT支援員につきましては、国が配置目標としている四校に一人の割合で全県立学校に配置し、機器の設置準備や操作支援、教材作成の支援など、教員のICT活用の技術的支援を行っております。
一人一台タブレット端末導入に当たっての課題への取組についてでございます。ICTは、これからの学校教育を支える基盤的ツールとして不可欠なものでありますが、現状では、教員間で機器操作やソフトを活用した指導力に差があることが課題であると認識をいたしております。このためICT活用を担う校務分掌を全校に設けますとともに、新たに管理職に対する研修や情報化推進教員によるタブレット活用校内研修の実施、ICT支援員による機器操作や教材作成の支援などを行いまして、全ての教員が意欲的にICTを活用し、授業における指導力が向上するよう努めてまいりたいと考えております。
10 ◯議長(秋田 章二君) 野村警察本部長。
*警察本部長答弁
11 ◯警察本部長(野村 護君)登壇 田川警察署の移転、改築につきましてお答えいたします。まず、移転候補地は、現在の田川警察署から北西方向に約四百メートルの地点に位置する田川市役所直近の旧田川市教育庁舎跡地でございます。当該候補地は、田川市が所管する市有地であるため、現在田川市と協議を進めているところでございます。
次に、具体的な整備計画についてでありますが、令和四年度は、移転候補地としての土地の測量や地盤調査などを実施することとしております。令和五年度以降に順次設計、建設を進め、令和九年の春に開庁することを目指して整備計画を進めてまいります。
次に、田川警察署を移転、改築することで得られる効果についてお答えいたします。移転候補地は、これまで以上に田川市役所と近い位置となることから、管内住民の利便性の向上が図られるとともに、行政機関とのさらなる緊密な連携により効果的な各種治安対策を推進することで、地域の安全、安心の確保が図られます。また、現庁舎は建築後五十年を経過し、建築当初と比べ警察職員の数も増えるなど、老朽化、狭隘化が著しいことから、これらが解消でき、職員の勤務環境の向上が図られるとともに、住民の皆様にとって開放的で親しみやすい施設となるものと考えております。
12 ◯議長(秋田 章二君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後二時十分といたします。
午 後 一 時 三 分 休 憩
午 後 二 時 十一分
再 開
13 ◯副議長(仁戸田 元氣君) 再開いたします。
休憩前に引き続き代表質問を行います。発言を許可いたします。新開昌彦君。(拍手)
*新開議員質問
14 ◯七十二番(新開 昌彦君)登壇 こんにちは。公明党の新開昌彦でございます。今議会は、服部知事就任後の本格的な予算議会、予算審議であります。福岡県民は、この二年以上、コロナウイルス感染症の影響で社会も経済も、教育現場も疲弊をしています。しかし、私たちはワクチンや薬も
開発をし、経口薬品も用意できるまでになりました。まだまだコロナを終息するまでには至りませんけれども、反転攻勢の準備は整ってきていると確信をいたしております。予算案を拝見しても、明るさが随所に見られます。今回の代表質問は、公明党福岡県議団の政務調査、現場の声に基づいて準備をしてまいりました。
それでは、通告に従いまして公明党の代表質問を行います。知事の希望あふれる答弁を期待して、質問に入りますので、よろしくお願いしたいと思います。
まず、県民の命を守るコロナ対策、ワクチン接種と適切な薬の投与について伺います。三回目のワクチン接種、軽症、中等症向け飲み薬は、コロナ対策の切り札であります。現在の感染状況を踏まえると、高齢者に対するワクチンの三回目の接種を早急に進めることが重要であります。
まず、六十五歳以上の高齢者のワクチン接種率についてお答えください。
また、高齢者施設等における進捗状況についてもお示しください。
次に、五月までのワクチン供給スケジュールが提示をされていると聞いておりますけれども、今後の進捗見込みについてもお示しください。
次に、経口治療薬についてお尋ねいたします。国内においては、塩野義製薬株式会社の
開発が進んでいると聞いておりますが、その動向についてもお示しください。
次に、病床確保について伺います。本県の新規感染者、病床使用率ともに減少傾向が続いておりますが、病床使用率は六〇%台と依然として高い水準であります。特に、高齢患者は治療以外に介助が必要で、人手など現場の負担が重く、また体力の低下によるリハビリが必要で、すぐには退院できず、高齢者の感染増加は病床逼迫の要因の一つと言われています。
まず、全国で高齢者の感染割合が増えていますが、本県の入院患者のうち高齢者の占める割合は、第四波、第五波と比べて、現状どのようになっているのか伺います。
次に、本県では二月に入り、高齢者施設でのクラスターの発生が続いており、喫緊の課題であります。高齢者の重症化を防止するためには、高齢者施設でのクラスターの対応、特に初期対応が重要ですが、どのように対応されているのか伺います。
次に、国は二月八日、病床が逼迫する中、病状の軽い方は入院後四日間たてば退院可能とする新たな目安を示しましたが、本県の対応をお聞きします。特に高齢者の中には、軽症から基礎疾患が悪化し、重症化する事例も聞きますが、高齢者にはどのように対応されているのか伺います。
最後に、本県では、コロナ感染症から回復した入院患者の転院を受け入れる後方支援病院の協力等により医療崩壊の状況を回避したところであります。知事は、後方支援病院に転院の積極的な受入れを要請しておりますが、医療機関の中には、濃厚接触などによる人手不足や感染不安から転院を断る事例もあると聞いています。高齢者の入院患者が増加する中で、転院の受入れは進んでいるのか、本県の現状を伺います。
次に、今回、公明党福岡県議団では、本年一月十一日から十四日の四日間、十五歳から七十九歳の福岡県民五千九十四人にSDGsに関するインターネット調査を実施したので、報告をさせていただきます。
まず、SDGsの認知については、全体で七八・八%と八割近くに達しています。二〇二〇年四月に行った前回調査での認知は、十八歳から六十九歳で三三・六%、今回調査の同年齢での認知は八〇・二%と、約二年間で二・四倍の著しい増加を示しています。性、年代では、男女ともに若年層ほど認知が高い傾向が見られ、最も高い男性十五歳から二十九歳では八六・一%、最も低い女性七十代では六五・一%と二〇ポイント以上の差が出ています。ただし、全ての性、年代で六五%を超えており、SDGsが幅広い層に認知をされていることが分かります。市別では、SDGs未来都市に選定をされている宗像市で八四・四%、職業別では、学生が九五%と際立って高く、次いで自由業が八五・五%、公務員、団体職員が八四・七%、会社、商店勤務と自営業がともに八〇・九%となっています。勤務形態別では、管理職が八八・八%と最も高く、次いで総合職正社員、職員が八四・八%、一般職正社員、職員八二・〇%と、いわゆる正社員での認知が高い傾向が見られます。ただし、最も低い派遣社員でも七五%、パートタイマーで七五・二%となっており、大きな差異はありませんでした。
次に、SDGsの認知者のみに、SDGsの認知経路を複数回答で聞きました。テレビが九一・二%で最も高く、次いでインターネットが五〇・〇%、新聞三六・七%、ラジオ二二・〇%、SNS二〇・二%、雑誌一七・九%と、マスメディアとネットが上位を占めています。これは多くのメディアからの情報が認知拡大に有効であることを示しています。その主たるものはテレビをはじめとするマスメディアであり、それをインターネットとSNSが補強する形になっていると言えます。県広報では、近年、ホームページやSNSに傾倒しがちでありますが、若年層も含めたテレビの到達力に対する認識を新たにすべきと考えます。
次に、SDGsの内容理解についてであります。SDGsの認知者で、その内容をよく知っていると答えた人は、全体では一〇・八%、ある程度知っているは五七・九%で、合わせて六八・七%の人が一定の理解を持っています。ちなみに、全体を母数とした場合の、よく知っているは八・五%、ある程度知っているは四五・六%で、県民の五四・一%がSDGsに一定の理解を示していることが分かります。職業別では、公務員、団体職員が二〇・三%で最も高く、次いで金融、保険業が二〇・〇%、建設業、鉱業一六・八%、情報通信一六・三%、電気、ガスが一五・六%などとなっています。今後は、認知、理解がともに低い医療、福祉、運輸、郵便、卸・小売、飲食サービスなどへの啓発が必要と思われます。
次に、SDGs十七のゴールへの共感度合いを聞いたところ、総じて共感度は高く、最も低いジェンダー平等を実現しようでも六三・二%となっています。また、共感できないは最大でも二・六%と極めて少なく、SDGs十七のゴールは、いずれも普遍的な価値として広く県民の支持を得ていると判断できます。しかし、公務員、団体職員は、十七ゴール全てで全体を下回っていました。前述の認知では二位、内容理解では一位と高かった公務員、団体職員が、そのSDGsを構成する価値観とも言える十七ゴールで逆に低いということを指摘しておきたいと思います。今後、県民に向かい合い、県民をリードするべき立場にある者として、SDGsの普遍的価値観について教育、研修が必要と思います。
次に、SDGs十七のゴールに取り組むべき組織について聞きました。国際機関は、平和と公正をすべての人にが七七・五%で最も多く、国は、質の高い教育をみんなにの七八・二%、地方自治体は、住み続けられるまちづくりをが六九・六%で高くなっています。企業は、つくる責任つかう責任が五五・四%で最も高く、自分自身もできることをやっていきたいも五一・一%と高くなっています。県民は、十七ゴールを担うべき主体を役割や権能に応じて的確に選別していることが分かります。また、つくる責任つかう責任において、企業と自分自身のスコアがほぼ同様なことも、健全な当事者意識を表しております。県は、この県民の賢明とも言える判断に応えるべく、国際協調、国や企業との連携、県民への呼びかけを的確に行うことが求められていると言えます。
次に、SDGsへの取組について聞きました。特徴的なのは、従業者数別で、規模が大きいほど既にSDGsに取り組んでいる企業が多いということでありました。十九人未満は八・三%、二十人から九十九人は一一・五%、百人から九百九十九人は一九・四%、千人以上は三五・八%と、大企業と零細企業では四倍以上の開きが出ています。県などが、SDGsは全てのステークホルダーが役割をとうたい、参加型の運動を標榜している限り、企業の規模によって取組に差が生じてしまいます。中小零細や自営業、自由業も含めた全ての事業者に対するSDGsの啓発と具体的な取組の指導や支援をより進める必要性を感じます。
次に、全員に、SDGsに取り組んでいる企業の商品の購入やサービスの利用意向を聞いたところ、購入意向あり、これは価格が少し高くても取り組んでいる企業の商品を購入したりサービスを利用したいというのと、価格が同じなら取り組んでいる企業の商品を購入したりサービスを利用したい、この二つを合わせた数字でありますが、六〇・七%と六割に達しております。十七ゴール別の購入意向は、海の豊かさを守ろうが五九・七%で最も高く、次いで陸の豊かさも守ろう五九・五%、エネルギーをみんなにそしてクリーンに五九・〇%となっており、環境に関わる項目が上位に挙がっています。性別では、男性よりも女性のほうが明らかに意向が高く、男性全体が五五・一%であるのに対し、女性全体では六五・九%と一〇ポイント以上高くなっています。年齢別では、高齢ほど高い傾向が見られ、最も高い女性七十代では七五%に達しています。
この結果から読み解けることは、商品、サービスの差別化が日々困難になっている現代の市場で、SDGsの導入が新たな付加価値となり、競争力強化を図ることが可能であるということであります。この全体で六〇・七%の利用意向を調査対象世代の県人口に換算をいたしますと約二百四十万人であり、全国に拡大をすると六千万人という巨大な市場となります。しかし、これはほぼ一〇〇%の方がSDGsの内容を理解した場合の数字であります。現状では、理解度は全体で八・五%でありますから、現時点での市場規模はこの十分の一程度と見られます。
次に、福岡県でのSDGs登録認証制度の認知を聞きました。全体では一二・一%ありました。男女別では、男性一四・九%、女性九・五%で、男性のほうが高くなっています。職業別では、会社役員が二七・一%で最も高く、次いで学生が二二・七%、業種別では、金融、保険業が二八・九%で際立って高くなっています。従業者数別では、人数が多いほど認知が高く、十九人未満では九・四%であるのに対し、千人以上では二三・四%となっています。
次に、福岡県でのSDGs登録認証制度導入への評価を聞きました。全体では、賛成一八・四%、どちらかといえば賛成三七・六%で、合わせて五六・〇%の人が導入に賛同をしています。分からないは三三・七%、どちらかといえば賛成できないは二・五%、賛成できないは一・七%にすぎません。SDGsを民間企業にとって取り組む価値のあるものとするには、この理解度の向上が必須となります。そのためには、登録認証制度を県内の事業者に対して認知、理解、共感を得られるものにできるかにかかっています。そして、広報活動については、本調査でも明らかになった最も到達力のあるテレビなどのマスメディアを用いて、肌感覚でSDGsを支持する女性を中心に訴求し、SDGs市場を形成するうねりを創出することが必要だと思います。企業は利があれば動きます。県には、金融機関と共に、企業がSDGsの市場性に気づき、自らが利益のためにSDGs啓発に取り組むよう、啓発、研修、情報提供や協業の調整などの強化を図ることが求められます。
Z世代にも注目をしてみました。Z世代は、当調査では十五歳から二十九歳の年齢区分に相当いたしますが、この十五歳から二十九歳の男性と十五歳から二十九歳の女性、さらに十五歳以上の学生の男女について注目をいたしました。SDGsの認知は、学生が九五・〇%、内容の理解についても、特によく知っているで全体を大きく上回り八七・四%、SDGsへの印象も七三・八%と学生が際立って高くなっています。特に学生において、SDGsは子供や若者世代の未来のために必要なことだと思うが八五・一%と大変高く、Z世代が自らをSDGsの当事者と位置づけていることがうかがえます。また、二十二歳の男子学生が自由回答欄に、打ち出している指針はよいものだと思う、だからこそそれを一部の企業や国の利益のために使われないようにしてほしい、本気で未来のために、よい世界を残すべきだと回答しています。SDGsに総合的に取り組んでいる企業の印象を聞いたところ、働いてみたい、就職先として適しているとの回答が全体では一一・四%であるのに対し、学生は、国際的が四一・八%で最も高く、次いで男女平等や女性の登用が進んでいるが四一・一%で高くなっています。これらのことから、Z世代がSDGsに取り組んでいる企業に対し、高い認知と理解、共感を背景に、国際性やダイバーシティーに着目して就職先として高く評価していることが分かります。SDGsの推進は、企業にとって、特に新卒の人材確保の上でも、企業価値を高める取組であると言えると思います。
このSDGsの調査の上に立って、特にSDGsの登録制度、このことについて質問をいたしたいと思います。SDGs登録制度の創設については、九月議会で公明党の代表質問、十二月議会で自民党の代表質問で提案をされ、服部知事は今回の議案説明の中で、県内企業のSDGsの取組を支援するため、SDGs登録制度を創設し、企業の信用力向上や新たなビジネス機会の創出につなげると述べておられます。今回、その進捗を知事にお聞きしたいと思います。
まず、先進県との連携についてお聞きします。熊本県は、一年間検討会を実施し、昨年、SDGs登録制度を創設、熊本県の中小企業者数は七万二千件でありますが、公募数は第一期四百四十二件、第二期五百七十件を超え、一千件の大台に乗りました。それを証明するかのように、帝国データバンクの調査で、熊本県の企業がSDGsに取り組んでいる企業が前年度より倍増したと報告をされ、SDGsに積極的な県としても熊本県が全国第一位でありました。ちなみに本県は十七位でありました。
まずは、先進県の熊本県と連携してはどうでしょうか、お答えください。
次に、両政令市との連携であります。北九州市は、昨年、SDGs登録制度を創設し、第一期公募で二百十九社が登録をされています。福岡市は本県同様、来年度、登録制度を創設する予定と聞いています。県は、公募に対する基準や、既に登録をされている事業者についてどうするのかなど、両政令市との連携についての考えをお聞かせください。
次に、大牟田市、福津市、宗像市は、国からSDGs未来都市として選定をされています。このような先進的な自治体とはどのような連携を考えているのかもお答えください。
次に、会派の調査では、SDGsに取り組む企業は規模が大きいほど取り組んでいることが分かりました。さらに、購入意向の調査に示したように、SDGsの導入が新たな付加価値となり、競争力強化を図ることが可能であることが分かりました。また、利用意向の調査でも述べたように、県人口の約二百四十万人、全国に拡大すると六千万人という巨大な市場が生まれますが、そのためにはSDGsの内容を一〇〇%の人が理解するよう啓発をしなければなりません。今回の登録制度が単なる参加型の運動であれば、企業の規模によって取組に差が生じることは明白であり、本来の意義に沿うものではないと思います。
そこで、福岡県で設置をされた登録制度検討会において、全てのステークホルダーに啓発の役割を担っていただかねばなりませんが、どのような取組をなされるのかお答えください。
また、中小零細や自営業、自由業も含めた全ての事業者に対するSDGsの広報啓発についても積極的に行うべきと思いますが、知事の考えをお聞きします。
次に、インセンティブについてもお聞きします。登録制度に応募し、SDGsに積極的に取り組む企業を本県制度融資のふくおか県政推進サポート資金の対象として加えてはどうでしょうか、お答えください。
最後に、SDGs登録企業の目標についてであります。予算案には十月を目途に創設と書かれてあります。SDGsの取組は、地方公共団体、地域金融機関、地域の事業者、これが三位一体で取り組むことによって、地域事業者の売上げ増、雇用増、金融機関の融資増となり、ひいては地方公共団体の税収増、環境保全や地域社会の課題解決につながると言われています。登録制度はその裾野を広げ、稼ぐ企業を増やすツールとなります。県内には二十二万社の事業者がおられますが、登録企業の目標設定をどのようにお考えなのかお答えください。
次に、地域交通政策についてお聞きします。超高齢社会に突入した今、高齢者など交通弱者の交通手段の確保が急務となっています。先日、我が会派はAI活用のオンデマンドバスのるーとの調査で宗像市に参りました。まず、宗像市の担当の職員の方から、のるーとの概要説明を受けました。宗像市の日の里地区約二キロ四方の住宅街を八人乗りワンボックス車両二台で、平日は午前六時から夜九時まで、土日、祝日も午前六時から夕方の六時まで運行しています。金額は、地域内であれば二百円。いわゆるバス停は六十五か所あり、バス停とバス停の距離は高齢者が荷物を持って歩ける距離を想定をして約百五十メートル。利用者も月間約三千五百人と増加をしており、予約もアプリが七六%であり、待ち時間も最大八分。おおむね順調であると説明がありました。のるーとのシステムは、予約は電話と
スマートフォンのアプリからできます。予約と解除は、アプリを使えば二十四時間いつでも可能です。予約を受け、迎えに行くルートはAIが決定をし、二台の車のカーナビに表示をされていきます。予約を受け、迎えに行く順番を決めるのはAIなので、課題だった予約配車係は必要ありません。
私も終了後、アプリを入れ、早速、予約をして乗車をしました。待つこと三分、スタイリッシュなワンボックスカーが迎えに来ました。お二人が乗ってこられました。一人は九十二歳の女性。きっかけを聞くと、バスがなくなったので、のるーとに乗るために、スマホを買って使い方を教えてもらった。自分で予約して週二回の病院と買物に利用している。病院の前がバス停だし、買物も、家まで歩く距離が短くなってとても快適、スマホは簡単よと一人。もう人は男性七十六歳。きっかけを聞きますと、バスが廃止になったが、のるーとができたので、昨年、運転免許を返納しました。とても便利だが、自分はガラ携なので、電話予約がなかなかつながらないのが不便と教えてくれました。私は帰りもスマホで予約をしましたが、待ち時間は一分でした。運転手もAIが決めたとおりのルートを走ればよく、次々に入る予約も画面で把握できるため安心だと教えてくれました。宗像市の担当者は、日の里などの大規模団地の公共交通はのるーとで、それ以外はコミュニティーバスで、高齢者や交通弱者の足を確保していきたいと語っておられました。
知事にお聞きします。まず、西鉄などのバス路線維持のために拠出をしている県の補助額の推移はどのようになっているのかお答えください。
次に、地域の移動手段の確保には、民間の路線バスだけでは限界があると思います。県内でもAIを活用したオンデマンドバスの導入が幾つかあるようでありますが、その状況と知事の認識をお聞きします。
この項の最後に、県の地域交通政策支援について伺います。国のコミュニティーバスの定義は、交通空白地域、不便地域の解消等を図るためとありますが、宗像市で実施をしているAIオンデマンドバスは、住民の利便性を考慮し、町なかで実施をしたものと考えます。今後、市町村が町なかでこの新しい技術を活用したコミュニティーバスを計画、運行する場合の県の支援について知事のお考えをお聞きします。
次に、十八歳成人への消費者教育について伺います。本年一月七日、岸田総理は、成年年齢引下げに関する関係閣僚会合を開催いたしました。その日の意見交換を踏まえ総理は、成年年齢の十八歳への引下げを定めた改正民法について、十八歳、十九歳の若者の積極的な社会参加を促し主体的な役割を果たしてもらうことは社会に大きな活力をもたらすと意義を強調する一方、新たに十八歳、十九歳の若者が一人で契約を結ぶことが可能になることから、若者が安心して経済取引を行うことができるよう多面的な取組を進めることが極めて重要と述べました。そして、関係閣僚会合で報告された取組の柱として、第一に、教育を通じた若者の必要な能力の向上、第二に、広報啓発を通じた幅広い世代への浸透、そして第三に、関係業界への働きかけを通じた適切な配慮の確保を挙げ、若者が消費者被害のターゲットにならないよう、政府一丸となって四月の改正民法の施行に向けてこれらの取組を集中的に進め、その後も新しく成人となる若者に寄り添った取組を進めていくと表明をいたしました。
まず、十八歳、十九歳は、現在は民法の未成年者取消権という防波堤で守られているため、仮に商品やサービスについての理解不足や一時的な感情で購入を決めても、父母などの親権者の同意がなければ、その契約を取り消すことができます。しかし、今年四月からは、この防波堤がなくなります。もともと消費者トラブルは成人を迎えると増加する傾向があり、十八歳、十九歳の新しい成人を消費者被害から守ることは重要であります。被害やトラブルに遭った後の事後の救済については県消費生活センターが対応しており、同センターは令和二年度に二十九歳以下の若者から千四百九十五件の相談を受けておりますが、現行の成人年齢である二十歳の前後でどのくらい増加するのかお示しをいただきたい。
また、若年層からの相談の特徴と、これに対する具体的対応策についても御説明をお願いします。
次に、国においては消費者庁、金融庁、総務省、文部科学省の四省庁が二〇一八年度から、若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムを推進してきましたが、福岡県においては第二次県消費者教育推進計画の下、令和元年度から成年年齢の引下げを踏まえた若年者に対する実践的消費者教育の推進を図ってきたとのこと。
そこで、福岡県では高校、特別支援学校、大学、専門学校において、成年年齢引下げに関する若年層への消費者教育をどのように進めてきたのか。県消費者教育推進計画では、実践的消費者教育を推進するとうたっておりますが、この実践的の中身と併せて知事に説明をお願いいたします。
最後に、来年度以降、若年者に対する消費者教育をどのように進めていくのか、県立学校の取組を教育長に、それ以外の取組を知事にお聞きいたします。
次に、パートナーシップ宣誓制度について伺います。公明党が長年要望してまいりましたLGBTなど性的少数者の方々が生きやすい社会をつくる一助として、県は今年四月からパートナーシップ宣誓制度をスタートさせます。性的少数者の方々が直面をしている社会的な障壁をなくすため大変大事な取組であり、服部知事の英断に敬意を表するとともに、以下何点か質問をいたします。
まず、県内においては福岡市、北九州市、古賀市が既にパートナーシップ宣誓制度を導入済みであります。また、全国にも多くの自治体が同様の制度をスタートさせています。県は、パートナーシップ宣誓制度を導入済みの県内三市と相互利用等連携に向け協議をしていくとのことでありますが、これら先行自治体が発行している宣誓受領証があれば、県営住宅の入居申込みなど県の行政サービスに適用できるようにするのか、あるいは改めて県の宣誓受領証を取得しなければならないのか伺います。
最後に、県の宣誓書受領証で利用できるサービスを拡充するため、市町村や民間企業等に働きかけ理解を促進するということでありますが、特に宣誓制度のない市町村の公営住宅の入居申込み、公立病院での病状説明、治療方針の同意、生活保護の申請、障がいのある方に対する軽自動車税の減免申請のほか市町村のその他の行政サービスについて、現在までの働きかけの状況を明らかにしていただきたい。
また、民間企業サービスについて、不動産会社での賃貸住宅入居申込み、医療機関での病状説明、治療方針の同意についても、現在までの働きかけの状況をお聞かせください。
次に、高齢者施設の口腔ケアについて伺います。私は二年前の代表質問で、特別養護老人ホームマナハウスが実施をしている誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトを紹介をいたしました。先日も小金丸誠施設長、指導、助言をされている瀧内博也歯科医師にもお会いをいたしました。この二年間で全国に百施設ほどがこのプロジェクトに参加をされ、マナハウスと同様に利用者の誤嚥性肺炎、肺炎の入院日数が七割減り、ほかの原因の入院も五割減ったと教えてくれました。結果として施設の稼働率が上がり、一施設当たり一千二百万円程度の収入増、四千二百五十万円程度の医療費削減に貢献をしたとお聞きをいたしました。この実績を全国の高齢者施設で実施できれば、年間一・七兆円の医療費の削減につながるとのこと。そして、他県で実施をする施設での指導、助言はリモートで行っているが、同様の実績を上げているということでありました。瀧内歯科医師は、口腔ケアをマニュアルどおりに週二回行えば効果は必ず出ますと確信を持たれていました。私の義理の父も誤嚥性肺炎で入退院を繰り返しましたが、誤嚥性肺炎を起こせば本人が一番苦しみます。そして、介護職員も家族も心配でたまりません。私は、施設利用者の健康維持、家族の安心のため、誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトが広がっていくことを願い、知事に質問をいたします。
まず、県として、高齢者施設に対して誤嚥性肺炎を予防するため、口腔ケアのマニュアルを示すなど具体的な取組があればお示しください。
次に、令和三年の介護報酬の改定について伺います。改定では、特別養護老人ホーム、老健施設などで口腔衛生管理体制加算、これが廃止になり、そして歯科医師等が介護施設に対して口腔ケアの助言、指導をし、それを基に介護施設は口腔衛生管理体制に係る計画を作成します。これを令和六年三月三十一日まで経過措置期間として、その後は基本サービスとして義務化するというものであります。目的は、誤嚥性肺炎を減らしていくということであります。今回の介護保険の改定について、知事は県内の高齢者施設、事業者に対してどのような取組をしているのかお示しください。
また、今後の取組の効果を測定するために、高齢者施設において誤嚥性肺炎で入院をした入所者の人数の把握などが必要と考えますが、知事の見解をお聞きしたいと思います。
最後に、さきに述べました介護報酬の改定は、福岡県の高齢者施設から誤嚥性肺炎を減らす絶好のチャンスだと私は思います。
知事に二点伺います。まず、全ての施設で口腔ケアを普及するよう、県としてどのような取組を行うのか。また、県は実効性のある口腔ケアについてアンテナを高くすべきであります。神奈川県からも誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトの問合せがあっています。県は、マナハウスが行う誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトの取組を実際に学ぶべきと思いますが、知事の答弁を求めます。
また、知事もこのマナハウスを訪問し、その秘訣を御自分の目で視察をし、学んではいかがでしょうか、知事の答弁を求めます。
次に、医療情報ネットワークについてお聞きをいたします。我が会派は、患者を軸にした医療、そして医療費の削減のためには、医療情報のネットワークを推進することが重要と考えています。福岡県には、福岡県医師会医療情報ネットワークとびうめネットが展開をされています。国も、総務省、厚生労働省も推進が始まっています。しかし、その拡大推進には克服しなければならない課題が多く、思うようには進んでいないのが現状だと思います。
昨年十二月、私たちは医療情報ネットワークの先進地、かがわ医療情報ネットワークK-MIX・Rを視察をいたしました。まずは、香川県高松市にある香川県医師会を訪問いたしました。そこで濱本勲常任理事から、かがわ医療情報ネットワークのシステムの概要をお聞きしました。システムの運用は、香川県医師会で行われています。濱本常任理事から、まだまだ診療所の加入を増やさなければなりませんが、加入者を増やす一番の薬は、患者から医者に対して、私たちのためにK-MIX・Rに入ってよという言葉だと笑顔で答えてくれました。その後は、現場でどのように活用されているのかを視察をいたしました。まず、遠隔読影システムの連携であります。商店街の一角にある丸亀町クリニックで、レントゲン、MR、CTで検査をしたデータを読影専門医に送信、翌日朝には専門医が読影をしたコメントとデータが返ってくる。技師の方は、専門医が読影してくれるため大変安心だとおっしゃっていました。
次に、香川県立中央病院を訪問、救急医療での活用について、高口浩一副院長から、救急の緊迫した現場でお話をお聞きしました。高口副院長は、救急搬送される患者の氏名と生年月日が分かれば、その患者のこれまでのレセプトデータ、他病院でのカルテを救急が到着する前に見ることができ、救急からの患者の現状と併せて受入れのための確かな準備ができています。特に高齢者の情報は助かっている。そして、このシステムの個人情報の管理は大変厳しく、救急の場合、患者本人の了解が得にくい救急現場でありますが、その患者のデータを見るためには、看護師長が持っているカードを差し込んで、初めて医師がデータを見ることができるようになっています。さらに、誰が、いつ見たかのログインデータは、医師会に残る仕組みとなっていると教えてくれました。
次に、ましま内科・循環器内科クリニックを訪問。間島圭一院長は、高齢者にかかわらず、患者は自分の病気のことをほとんどの方が説明できません。これまでは当院で血液検査などをして診断をしていましたが、このシステムを使えば、本人の承諾を得て、これまでのレセプトや病院でのカルテを見ることができるため、患者を待たせることなく、その場で診療ができている、大変便利ですよと感想を述べておられました。
翌日は、香川大学医学部附属病院に伺いました。三上史哲医療情報部副部長から、産科医と助産師外来との連携について御説明をいただきました。三上副部長は、さぬき市で産婦人科医がいなくなったが、地元の助産師外来と我々附属病院の産科医が医療情報を連携し、安心した出産が可能になったと喜んでおられました。
最後に、マツイ薬局に伺い、濱田真由美薬剤師にお話を伺いました。濱田薬剤師からは、患者から薬の相談があった場合、お薬手帳を持参されなくとも、その方のレセプト情報を閲覧できるため、的確な相談ができるようになりましたと話してくれました。このシステムは、救急だけでなく、全ての医療機関で、いつ、誰がデータを見たのか全ての記録が運営する医師会に残るシステムになっていました。
最後に、香川県医師会の濱本常任理事に、このシステムで医療現場がどう変わったのかをお聞きしますと、便利になった、そしてこのK-MIX・Rを様々な病院が使うことで、どの病院でも患者の主治医になることができるようになった。医療が患者を軸に回り始めましたという言葉に感銘を受けました。福岡県でも、県民はとびうめネットに加入することができます。さらに、医療機関もネットに加入すれば医療情報を見ることができるようになっているとお聞きしています。システムの統合や使い勝手は年々進歩しているとお聞きしています。香川県では、今年は介護保険と連携し、介護認定での活用を目指すとおっしゃっていました。
以上を踏まえて、医療情報の共有化について知事の認識を伺ってまいります。
まず、レセプト情報について伺います。香川県では、患者の基本情報としてのレセプト情報は、災害や救急の現場で命を守るために大変有用であるとして、市町国保、後期高齢者医療広域連合、協会けんぽ、医師国保、建設国保、公立学校共済などに参加を依頼をし、県内の保険診療データの九〇%をカバーをしていました。今年は警察共済組合が参加をするとのこと。医師会の濱本常任理事は、これを実現するための香川県職員の情熱に感謝をし、敬服するとおっしゃっていました。
そこで質問ですが、協会けんぽの基本使命は、加入者の健康増進や、良質かつ効率的な医療が享受できるようにするであります。他の保険者も同様の目的を持っています。福岡県でも、市町村国保、後期高齢者医療広域連合だけでなく、より多くの保険者がとびうめネットに参加し、レセプト情報が活用できるよう働きかけをすべきと思いますが、知事の答弁を求めます。
次に、患者の登録について伺います。香川県では、独自の医療情報カードを作っていました。これは医療現場で即座に作ることができ、カードのQRコードを読み込むだけで情報の閲覧に使えるようにしていました。さらに、コロナワクチン接種会場での問診のツールとして活用し、医師の的確な判断ができるようアレルギーなどが瞬時に分かるシステムが
開発をされていました。香川県の取組は、医療機関にとっては迅速に確実な患者情報を手にすることができ、患者にとってはカードが手元にあって記憶に頼ることなく、簡単、正確に治療歴を伝えることができるなど、県民の安心、安全につながるものと感じました。とびうめネットでも、県民がメリットを感じ、より参加したくなるような、そんな仕組みを検討すべきと思いますが、知事の考えをお聞きします。
最後に、地域医療での活用についてお聞きします。医療情報ネットワークは、香川県でも医療機関が少ない島嶼部などこそ患者の利便性が高まっているとおっしゃっていました。本県でも、医療情報のシステムの共有は、地域包括ケアシステムの構築を推進する上でも重要な取組ではないでしょうか。また、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられるよう、県内各地でとびうめネットを推進していく必要があると思います。とびうめネットのさらなる活用と利用の推進について知事の見解をお聞きします。
次に、本県の地球温暖化対策実行計画について伺います。地球温暖化対策推進法に基づき策定をされた国の地球温暖化対策計画が昨年十月に五年ぶりに改定をされました。その中で、二〇三〇年には
温室効果ガス排出量四六%削減を目指し、さらには五〇%削減の高い目標に向かって挑戦していくことが表明をされております。本県においても、地球温暖化対策を総合的、計画的に推進するために、県民、事業者、行政の各主体が積極的に取組を行うための指針として、二〇一七年に策定をされた地球温暖化対策実行計画が今年度改定されると聞いております。また、昨年六月の定例会において西尾議員が行った我が会派の代表質問に対し知事は、計画の改定に当たっては国の地球温暖化対策計画や県の総合計画との整合性も図りながら来年三月までに改定をするとの答弁をされました。県の新たな実行計画は、国の計画との整合性を図りつつも、その目標は単なる数字合わせではなく、具体的施策を積み上げたものでなければならないと考えます。また、その施策には福岡県の独自性も必要だと思います。
そこで伺います。新たな実行計画の目標や構成において、国の計画と整合性を図っている点や、本県の特徴を踏まえた点についてお答えください。
また、具体的にどのような施策が盛り込まれることになっているのかお聞かせください。
次に、本県が脱炭素社会を目指すに当たっては、県民の皆さんにこの計画の理念や内容を理解していただくことが重要だと考えます。
そこで、今後、知事は本計画についてどのように周知、広報活動を行っていこうとされているのか、脱炭素社会構築に向けた決意も併せてお伺いします。
次に、不登校児童生徒対策について伺います。私たちは、以前から不登校児童生徒対策について警鐘を鳴らしてまいりました。私たちが訴えてきた対策の根本は、子供が自尊感情を持って自立できる教育であり、授業が分からない子を出さない教育を行ってほしい。そのために、現場の声を届け、先進事例を紹介しながら、何度も議会でただしてまいりました。今回の予算案に、福岡県不登校児童生徒支援グランドデザインを策定し、不登校児童生徒の支援を強化する事業が示されています。県教育委員会が冷静に現状を認識し、分析され、子供たちへの支援を模索されようとしていることに敬意を表します。
そのグランドデザインにも書かれているとおり、本県の不登校児童生徒数は九千五百六十五人、小学校三千三百十八人、中学校六千二百四十七人です。千人当たりの不登校児童生徒数は全国を上回るペースで増加し、平成二十八年度と比較して、小学校で三・一倍、中学校で一・六倍と、小学校で不登校の出現率が大きく伸びているという現実を深刻に受け止めなければなりません。さらに、不登校児童生徒が相談、指導を受けていない児童生徒の割合が三〇%を超え、全国平均を上回っていることも早急に対策を講じる必要があります。
まず、今回の福岡県不登校児童生徒支援グランドデザインの中で、新たに実施をする、充実をさせる取組について記載がありました。冒頭に記載されている取組は、不登校を生まない学校づくりを行うとありますが、具体的にどのような取組を展開されるのか、教育長にお聞きします。
次に、グランドデザインの中で、平成二十八年施行の教育機会均等法に触れながら、これまでの学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、不登校の時期が休養や自分を見詰め直すなどの積極的な意味を持つことがあると記されておりますが、学校の役割が後退をしたり、責任の所在を学校外の施設に移行したりといった趣旨で理解すべきではないとも記載をされています。大変重要な視点だと思います。
その上に立って、学校外の施設について伺います。本県には通信教育に学ぶ子供たちが年々多くなってきています。本県では分かっているだけで六千五百人、推定ですが、県内高校生の一割弱の一万人以上の子供たちが学んでいると言われています。この子たちは、不登校経験者が全体の七割弱の比率で存在していると言われています。また、高校でいじめに遭い、退学したり、転入してくる子供たちもいます。しかし、この子供たちの実態は把握をされていません。本県の不登校経験者が多く学ぶ通信制高校のサポート校に通う子供たちの実態を把握すべきと思いますが、知事の答弁を求めます。
次に、私の地元早良区に、鹿児島の神村学園の通信教育のサポート校があります。このサポート校の学生は、ほとんどが不登校経験者です。しかし、このサポート校で学ぶことで、多くの子供たちが自分を見つけ、自信をつけ、自立した青年へと育っています。私は毎年の卒業式で、親御さんが見違えた子供の成長を喜ぶ姿を見てきました。通信制の学校、サポート校は、県教委の所管ではないかもしれませんが、不登校を生まない学校づくりとはどういうものなのか、子供たちが自立していく教育とはどういうものなのか、県教委が目指すべき答えがそこにあるのではないでしょうか。ぜひ、神村学園をはじめとする福岡県通信制高等学校連絡協議会の皆さんと学ぶ機会をつくってはどうでしょうか、教育長の答弁を求めます。
この項の最後に、東京オリンピック・パラリンピックが終了し、あさって四日から冬季パラリンピックが開催をされます。私の友人でパラ卓球の強化選手、
立石アルファ裕一さんが、講演を通じて子供たちとつながっておられます。
立石さんの講演に勇気をもらう子供たちとのやり取りを拝見させていただきました。中には、不登校の子が新たな目標を見つけて頑張り出したという体験もありました。コロナ禍で不登校の子供が多くなっている今、リモートでも交流は可能です。子供たちとパラアスリートとの交流を考えてみてはどうでしょうか、教育長の答弁を求めます。
次に、偽電話詐欺対策についてお聞きします。偽電話詐欺は暴力団の資金源と言われ、被害者の九割が高齢者であるという卑劣な犯罪であります。令和二年、三年の全国の被害額は二百八十五億円、二百七十八億円と微減でありますが、認知件数は一万三千五百五十件、一万四千四百六十一件と増えているのであります。平均しますと、一人の被害者から約二百万円という高額な被害が出ています。翻って福岡県では、令和二年、三年の被害額は三・九億円、七・六億円と急増をいたしました。認知件数も二百一件から三百二十九件と一・七倍に急増し、平均の被害額は二百十六万円と全国平均よりも多額となっています。手口も、昨年は、手続をすれば介護保険料等のお金が戻ってくるという還付金詐欺が急増をしました。暴力団は、その時々の現状を分析し、どうすればだますことができるかを日々研究しているとしか思えません。私は、昨年、偽電話詐欺対策を啓発をしている自治会長が被害に遭う寸前だったという体験を聞きました。受話器から聞こえる犯人の声に、自分自身が舞い上がってしまったといいます。
偽電話の撃退法で最も効果を発揮しているのは、この電話は録音されますと前置きをしてから呼出し音が鳴り会話を録音するという電話機、通称まっ太フォンと呼ばれ、価格は一万円を超えます。一人暮らしの高齢者にとっては大きな出費であると思います。今回の予算案を見ますと、残念なことに、これまで行ってきた偽電話対策のコールセンター事業約一千三百万円、これが減額をされています。
まず、偽電話対策として最も効果を発揮するまっ太フォンの貸出しについてお聞きをいたします。以前は貸出しを行っていましたが、現在は在庫がない状況とお聞きします。ぜひ、まっ太フォンを準備して貸出し台数を増やすべきと思いますが、警察本部長の考えをお聞きいたします。
次に、福岡県警察は昨年、民生・児童委員との協定を結んだとお聞きしました。民生委員が把握をしている一人暮らしの高齢者から、民生委員を通してまっ太フォンの貸出しを積極的に行ってはどうでしょうか、お答えください。
昨年、警察庁は、多くの偽電話詐欺の背景に暴力団がいるとして、知能犯を扱う捜査二課から暴力団対策課に所管を移しました。暴力団は、これまで県内被害者から年に四億から十九億円をだまし取っています。福岡県警の三大重点目標の一つが暴力団壊滅であります。偽電話詐欺について、暴力団対策と一体となった取組を徹底すべきと思いますが、警察本部長の決意をお聞きします。
以上、答弁をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
15 ◯副議長(仁戸田 元氣君) 服部知事。
*知事答弁
16 ◯知事(服部 誠太郎君)登壇 御答弁を申し上げます。
まず、新型コロナ対策につきまして、高齢者施設等におけるワクチン接種の進捗についてお尋ねがございました。本県におけるワクチンを二回接種されました六十五歳以上の高齢者に対する三回目の接種率は、二月二十八日時点で五七・一%となっております。また、高齢者施設等における三回目の接種につきましては、二千六百八十三施設のうち八五・五%に当たる二千二百九十三施設が接種を完了いたしております。残りの施設につきましても既に医療機関と接種の日程調整を終えていますことや、市町村が巡回接種を実施いたしますことから、今月の上旬にはおおむね接種が完了する見込みでございます。
次に、ワクチン接種の進捗見込みについてでございます。三回目接種に使用するワクチンは、本県では五月までに約四百二十万回分が供給される予定でございます。これは二回接種を受けた十八歳以上の方の人数が約三百七十万人でございますので、これを超える十分な量となっております。本県における二月二十八日時点の三回目の接種率は、対象者でございます二回接種した十八歳以上の方の二八・六%でございまして、約百七万人の方が接種を受けられたところでございます。現在、市町村においては、当初八か月経過後とされておりました三回目接種の前倒しに取り組んでおります。また、二月二十五日からは企業や大学による職域接種も順次開始をされているところでございます。県におきましても、県内三か所に接種会場を設置し接種を進めておりますが、三月四日からは博多駅前に四か所目の接種会場を開設し、三回目接種のさらなる促進を図ってまいります。
塩野義製薬株式会社の経口治療薬の
開発動向についてお尋ねがございました。同社におきましては、昨年七月から経口治療薬の治験を進めておりましたが、先月二十五日、国に対し治験完了前の段階でも実用化を可能といたします条件つき早期承認制度の適用を希望し、製造販売承認申請を行いました。この承認が得られますと、既に承認済みのMSD社及びファイザー社の経口治療薬に続き三つ目の、しかも国産では初の経口治療薬が供給されることとなりまして、多くの患者さんにとって治療の選択肢が増えることとなります。
入院者に占める高齢者の割合についてお尋ねがございました。本県における新型コロナによる入院者のうち六十代以上の方の割合でございますが、昨年四月から六月にかけての第四波では約五六%、昨年七月から九月にかけての第五波では約二八%でございましたが、今回の第六波では二月二十八日の時点で約八八%と大幅に高くなっております。これは感染性が高い一方で、若い世代は重症化しにくいとされるオミクロン株の特徴から、若い世代で入院が必要となる方が少ないこと、若い世代に比べて回復に時間を要し、入院期間が長くなる傾向にある六十代以上の陽性者の数が、第四波や五波よりも大幅に増加していることが大きな要因であると考えております。
次に、高齢者施設でのクラスター対応についてでございます。県内の高齢者施設でのクラスターでございますが、本年一月十三件、二月には四十三件の発生を確認をいたしております。このような状況を踏まえ、県では高齢者施設について保健所が重点的に濃厚接触者の特定を行いまして、感染拡大防止に努めております。また、感染者が発生した施設におきましては、感染拡大防止のため、国が作成した介護現場における感染対策の手引き、また国や県が作成をいたしました動画を活用して、消毒の徹底、ゾーニングを行っております。さらに、県では感染症専門医や感染管理認定看護師を派遣いたしまして指導、助言を行いますとともに、県で備蓄している衛生用品の配布、事業継続を支援するための職員の相互派遣の調整などを行っているところでございます。また、軽症の高齢者の方の多くがその施設で療養をされている状況を踏まえまして、看護職員が配置されていない施設に対しましては、訪問看護ステーションの看護師が施設を訪問して健康観察を行う事業を活用するよう促しているところでございます。
次に、早期退院への対応についてお尋ねがございました。国は二月八日、入院四日目以降の時点において酸素投与が必要となる中等症二以上の悪化を認めない方につきましては、医療機関から宿泊療養施設、いわゆるホテルでございますが、宿泊療養施設や自宅療養に変更することや、後方支援病院への転院を積極的に検討することを推奨する旨の通知を出されました。その中で、六十歳以上の患者につきましては、入院四日目以降に中等症二以上となった方も一部で見られたことから、留意が必要であるとされております。これを受けまして、県では直ちに病院長会議を開催し、退院基準を満たす前であっても、入院四日目以降で医師が入院治療の必要がないと判断した場合は、個々の症状に応じ早期退院や宿泊療養施設への入所を積極的に進めるよう要請をいたしました。また、高齢者等につきましては、より慎重に対応するとともに、退院基準を満たした後も、他の疾患等のために引き続き入院管理が必要な方につきましては後方支援病院への転院を促しているところでございます。
その後方支援病院への転院についてでございます。県ではオミクロン株の急激な感染拡大に伴い入院者数も増加をし、病床使用率が上昇したことを踏まえまして、コロナ患者受入れ病院及び後方支援病院の病院長を集めた会議を開催をし、退院基準を満たした方の転院や退院等を積極的に進めるよう要請をいたしました。その中で、感染不安を訴える後方支援病院もございましたため、感染症専門の医師による科学的根拠に基づく説明も実施したところでございます。また、会議では、病院間での転院調整を円滑に行うためには、後方支援病院の受入れ可能数やその条件を共有できるシステムが必要であるとの意見がございましたので、直ちに新たなシステムを構築し、現在運用しているところでございます。こういった取組の結果、ピーク時に八六・七%まで上昇いたしました病床使用率も徐々に低下しておりまして、一昨日、二月二十八日の時点では六五・九%にまで減少、改善をしておるところでございます。
次に、SDGsの登録制度を検討するに当たり、熊本県との連携についてお尋ねがございました。本県では、これまでSDGs登録制度を既に創設をされている他県の取組について情報収集を行ってまいりました。熊本県におかれましては、制度の創設時から地元の商工団体や金融機関と連携をし、その普及に努めていると聞いております。同県からは、その登録要件や審査方法、また制度の周知などにつきまして直接担当者の方からの聞き取り調査を行ったところでございまして、本県の登録制度の検討を進めるに当たり、今後も積極的に熊本県との情報交換を行ってまいります。
次に、両政令市との連携についてでございますが、本県では、商工団体や金融機関等から成る登録制度検討会、これを本年一月に新たに立ち上げまして、制度創設に向けた検討を始めたところでございます。昨年九月に登録制度を創設されております北九州市にもこの検討会に参加していただいております。また、福岡市とも今後情報共有を行うなど連携を図ってまいる考えでございます。また、国からSDGs未来都市に選定をされている大牟田市、宗像市、福津市は、ごみの減量化や環境に関する国際会議の開催、里山保全などSDGsにつながる取組を企業と連携しながら積極的に行っていらっしゃいますことから、これらの市とも情報交換を行い、制度の検討を進めてまいります。
SDGsの広報啓発におけるステークホルダーの役割と県の取組についてでございます。登録制度検討会には、企業のSDGsの取組に対する支援実績をお持ちの商工団体や金融機関等に参加をいただいております。このため、引き続きその会員あるいは顧客企業に対しSDGsに関する意識の醸成を図り、登録制度の周知を行っていただきたいと考えております。また御質問の中で、SDGsの認知経路についてはテレビが最も高く、次いでインターネット、新聞、ラジオといった調査結果の御紹介がございました。県ではこの調査結果も参考にさせていただきまして、商工団体の会員以外の事業者につきましても様々な県の広報媒体を効果的に活用した広報啓発を行いまして、できるだけ多くの事業者の方に登録していただけるよう努めてまいります。
登録のインセンティブとして、ふくおか県政推進サポート資金の対象に加えてはというお尋ねがございました。このサポート資金でございますが、子育て応援宣言企業や県産リサイクル応援事業所など県が指定いたします宣言・参加登録事業に参画をする事業者を対象とした低利の融資制度でございます。この対象にSDGs登録企業を加えるということにつきましては、登録制度検討会におきまして登録へのインセンティブについて議論をするということといたしておりますので、その議論を踏まえ検討してまいりたいと考えております。
次に、登録企業の目標についてでございます。SDGs登録制度は、企業にとりまして新たなビジネス機会の創出や、企業の認知度、信用力の向上、人材確保などにつながるものとし、多くの事業者に登録をいただきたいと考えておるところでございます。目標につきましては、登録制度の実効性を確保するため、その登録要件や審査方法について県登録制度検討会において議論していく中で、この目標につきましても検討してまいりたいと考えております。
次に、地域交通政策につきまして、バス路線維持のための県の補助額の推移についてお尋ねがございました。県では、県民の皆様の生活交通確保の観点から、複数市町村を運行する広域的、幹線的なバス路線を維持いたしますため、国と連携をしまして、運行経費あるいは車両購入費につきましてバス事業者に対する助成を行っているところでございます。少子、高齢化、人口減少の進行に伴い、年々バス利用者が減少し収支が悪化いたしておりますことから、これらの助成額でございますが、平成三十年度は一億四千万円余、一昨年度は一億五千万円余、昨年度は
新型コロナウイルス感染症の影響もございまして二億四千万円余と年々増加をしているところでございます。
次に、コミュニティーバスにおけるAIを活用したオンデマンドバスについてでございます。現在、県内では四十五の市町でコミュニティーバスが運行されておりますが、このうち宗像市を含め五つの市でAIを活用したオンデマンドバスが導入をされております。県では、そのシステム導入や運行経費に対し必要な支援を行っております。こういったAIを活用したオンデマンドバスにつきましては、
スマートフォンによって乗りたいときに予約が可能となり、地域の実情に応じ乗り降りする場所をたくさん設置することができる、またAIによって予約状況に応じて最適なルート運行ができる、こういった利用者の利便性が向上するとともに、運行の効率化が図られるものと考えております。今後、他の自治体にも普及をさせていきたいと思います。
町なかにおけるAIオンデマンドバス導入に対する県の支援についてお尋ねがございました。路線バスの廃止などに伴って交通空白地域や不便地域が生じ、市町村が地域の実情に応じてAIによるコミュニティーバスを計画、運行いたします場合には、町なかにおきましても、その経費を支援することといたしております。このため、必要な予算を本議会において提案をさせていただいておるところでございます。
次に、十八歳成人問題につきまして、若年者が被害やトラブルに遭った後の相談対応についてお尋ねがございました。昨年度、県の消費生活センターで受け付けました相談のうち、十八歳、十九歳の方からは百七十件でございましたのに対し、二十歳、二十一歳の方からは二百八十八件と、おおむね一・七倍となっておりまして、未成年者取消権による保護がなくなりますと消費者トラブルに遭いやすくなるという傾向がございます。若年者からの相談の特徴は、脱毛などのエステティックサービスに関するものが多く、契約から八日以内であればクーリングオフができるため、その申入れ方法を助言をいたしております。また、クーリングオフ期間を経過いたしておりましても、相談者から契約の経緯を聞き取りました上で、事業者側に契約上の問題点があれば解決に向けた方法を助言するとともに、必要に応じ消費生活相談員が事業者に直接電話、面談等により説得や交渉を行っているところでございます。
若年者に対する消費者教育についてでございます。県では、一昨年度から高校、大学などに消費生活相談員等を派遣しまして、実際に起こった消費者トラブルを例として、その対応方法をロールプレーイング形式などで学習いたします実践的な講座を開催をいたしております。先月末までに四百七十七回開催をし、十万人を超える方が受講をしていただいております。来年度以降につきましては、学習指導要領に沿いまして、各高校や特別支援学校で消費者教育が実施されますが、学校からの要請に応じ消費生活相談員を派遣いたしますとともに、司法書士会や金融広報委員会などが行っております講師派遣事業を全ての学校に周知し、活用を働きかけてまいります。また、成年年齢引下げに伴いまして、未成年者取消権がなくなることを記載したチラシを作成し、入学式等の機会を通じ学生に周知していただきますよう、県内全ての大学や専門学校に依頼をしてまいります。併せまして、若年者の消費者トラブルを防止するためのアニメーション動画を引き続き県のホームページに掲載をし、注意喚起をしてまいります。
次に、パートナーシップ宣誓制度につきまして、この制度の相互利用についてお尋ねがございました。既に宣誓制度を導入しておられます福岡市、北九州市、古賀市とは、新たに県の宣誓書受領証を取得しなくても、三市で交付された宣誓書受領証で、例えば県営住宅の申込みができる、逆に県の宣誓書受領証でそれぞれの市営住宅の申込みができるといった相互利用につきまして、四月一日の開始に向け協議を進めているところでございます。
この宣誓制度の市町村への働きかけについてでございます。先月、県内全ての市町村に対するウェブ説明会を実施をいたしまして、宣誓の要件や手続の流れ、宣誓書受領証が利用できる県の行政サービスについて説明を行いました。併せて、市町村においても県と同様の公営住宅の申込み、公立病院での病状説明、生活保護の申請、障がいのある方に対する軽自動車税の減免申請などにつきまして、いつから、どのような行政サービスが提供できるか、現在、照会を行っているところでございます。今後は、市町村が提供するサービスの情報を取りまとめまして、これを全ての市町村と共有し、さらなる拡充につなげてまいりたいと考えております。
民間事業者の方への働きかけについてお尋ねがございました。性的少数者の方々の意見や要望を踏まえまして、現在、福岡県宅地建物取引業協会を通じ、不動産業者に対し、カップル向け賃貸住宅情報を提供していただきますよう、また県医師会を通じ、医療機関に対し、病状説明や手術の同意等の対象者として認めていただきますよう、それぞれ協力要請を行っているところでございます。このほか、生命保険や銀行の住宅ローン、携帯電話の家族割など、業界でも独自に性的少数者へのサービス導入が進んでおります。県といたしましても、こうした取組例を紹介しながら、広く民間事業者に対する説明会を実施しまして、性の多様性への理解促進、そして利用可能なサービスの拡充に努めてまいります。
次に、口腔ケアにつきまして、高齢者施設での誤嚥性肺炎の予防についてお尋ねがございました。この予防には、高齢者の口腔の健康維持が重要でございまして、施設職員による日常的な口腔ケアが必要となります。県では、口腔ケアが適切に実施できますよう、平成二十九年度から施設職員を対象とした研修会を県歯科医師会に委託して開催をし、口腔ケアの重要性についての講話と実技演習を行ってまいりました。口腔ケアのマニュアルといたしましては、これまでの研修実績を踏まえ、県歯科医師会の協力をいただきまして、要介護者等への口腔健康管理テキストを作成し、昨年三月に介護老人福祉施設などに送付をしたところでございます。このテキストにおいて、口腔ケアを実施する際の姿勢の保持、あるいは使用する器具、また入所者の状態に合わせた手順などを分かりやすく具体的に示しているところでございます。
令和三年度の口腔衛生管理に係る介護報酬の改定についてでございます。県では、昨年三月に開催をいたしました介護報酬改定等説明会や、介護施設及び介護事業所の管理者を対象に毎年開催をしております講習会の場を活用いたしまして、この改定の内容や留意事項の周知徹底を図ってきたところでございます。高齢者施設における口腔衛生管理が令和六年の四月から義務づけられますことから、県が施設を訪問して行います実地指導におきまして、歯科医師等との連携や口腔衛生管理体制に係る計画の策定を早期に行うよう指導をしておるところでございます。また、取組の効果を測定するための調査につきましては、関係団体と協議の上、調査項目や手法を検討してまいる考えでございます。
高齢者施設での口腔ケアの普及についてお尋ねがございました。県では口腔ケアの普及のために、施設職員を対象としている研修会を今年度からはオンラインで実施をいたしまして、研修会を開催いたしました後もオンデマンド配信することにより、多くの職員の方が視聴できるように取り組んでおります。そして、この中で介護報酬の改定についても説明をしているところでございます。また、議員御紹介のマナハウスでの取組につきましては、肺炎による入院日数の減少や施設職員の口腔ケアへの意欲の向上に効果を上げているとのことでございますので、今後の研修会においてその取組内容を紹介するなど研修充実に生かしてまいる考えでございます。
御提案のありました施設の訪問につきましては、現在、新型コロナの感染拡大に伴いまして、高齢者施設では家族の方との面会も制限しているという状況もございますことから、感染が終息し、施設の見学が可能な状況になりました後に、機会を見て訪問させていただきたいと考えております。
次に、医療情報共有システムにつきまして、このレセプト情報についてでございます。レセプト情報は、患者の方の病名、お薬など必要最小限の情報が掲載され、常に最新の情報に更新をされるものでございます。一方で、本県のとびうめネットの患者の基本情報には、レセプト情報に加えまして、アレルギーの有無、また食事、排せつ、移動などの日常生活の状態、障がいや介護の有無など患者への支援に必要な多くの情報が、かかりつけ医によって入力され、登録をされております。レセプト情報を活用することによりまして、患者の基本情報の登録、更新が進み、災害や救急の現場においても適切な医療を提供することが可能となりますことから、より多くの保険者に参加を働きかけることで、このとびうめネットの機能を高めてまいりたいと考えております。実施に当たりましては、システム改修等の課題がございますので、まずはとびうめネットの事業者でございます県医師会と協議をしてまいります。
患者の登録についてでございます。本県におきましても、とびうめネットに登録された患者の方には登録カードが交付をされておりまして、受診の際にこのカードを提示いただきますと、医療機関は患者の医療情報を確認することができます。また、とびうめネットを活用した高齢者の医療と介護の連携事業では、介護保険の申請と同時に申込みができる仕組みを設けたり、申込み先をかかりつけ医に加え、行政窓口や介護事業所等も追加するなど、患者の方がより参加しやすくなる工夫を行っておるところでございます。県民の皆様がメリットを感じられるようにするためには、登録医療機関の拡大を図ることが重要でございますことから、県医師会と協力して、医療機関に対し、とびうめネットの利用を働きかけてまいります。併せまして、県民の皆様に対しても、とびうめネットに登録することのメリットを周知してまいりたいと考えます。
地域医療での活用についてでございます。このとびうめネットによる患者の医療情報の共有化によりまして、救急時には救急隊や医師が適切な処置を迅速に行うことができまして、また退院後も、かかりつけ医、看護師、介護職員等の多くの職種が連携して支援することが可能となります。このように、とびうめネットは人生百年時代に向けて、医療や介護が必要になっても住み慣れた地域で安心して生活できる地域包括ケアシステムの構築を推進いたします上で意義のある取組であると考えております。今後も、地域の実情に応じた使いやすいシステムとなりますよう、各地域で運用されております医療情報ネットワークとの接続を進めますなど、とびうめネットの利用拡大に取り組んでまいります。
次に、新たな地球温暖化対策実行計画につきまして、国の計画との整合性や本県の特徴を踏まえた点についてお尋ねがございました。新たなこの県の計画の目標でございますが、二〇三〇年度における
温室効果ガス排出量を二〇一三年度比四六%削減するという目標を掲げ、国の計画と整合をさせております。また、構成におきましても、国の計画と同様に、製造業などの産業、オフィスなどの業務、家庭といった二酸化炭素の排出源ごとに分野を設定し、この分野ごとに目指すべき二酸化炭素の削減率や施策を示すこととしておりまして、分野ごとの削減率につきましては、本県では自動車や化学、鉄鋼などの業種が多うございますため、産業に係る部門の割合が全国に比べて高いという特徴を踏まえて設定をしているところでございます。
計画における具体的な施策についてでございます。計画では、
温室効果ガスの排出削減対策といたしまして、エネルギー分野では、洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入促進や水素エネルギーの利活用、オフィスなど業務の分野では、中小企業等に対する省エネ設備導入への補助や、省エネに取り組む人材の育成、家庭におきましては、既存住宅の省エネ改修の促進や、エネルギー収支ゼロの住宅、いわゆるZEHの普及促進などの施策を盛り込んでおるところでございます。加えまして、県の率先的な取組として、県有施設への太陽光発電設備の導入や省エネルギー化に取り組みますとともに、気候変動の影響を防止、軽減するための適応策として、農業における高温に強い品種の普及や熱中症予防の啓発などの施策も盛り込んでいるところでございます。
計画の周知、広報活動と脱炭素社会構築に向けた決意についてお尋ねがございました。県民の皆様に、計画の趣旨、目標、施策について知っていただくために、県民団体や事業者団体、市町村などから成ります福岡県環境県民会議や、地球温暖化に関する情報を広く掲載をいたしておりますふくおかエコライフ応援サイトのほか、県の様々な広報媒体を活用し、周知を図ってまいります。また、地域の脱炭素の取組において重要な役割を担っていただきます市町村に対しましては、計画の改定後、速やかに説明会を開催をしまして、計画の内容について周知を図ってまいります。加えて、事業者に対しても、中小企業等の省エネの取組を進めるための組織でございます福岡県省エネルギー推進会議を活用いたしまして、計画の内容とともに県の支援制度も併せて周知をし、取組の推進を働きかけてまいります。
脱炭素社会の構築につきましては、県民の皆様、市町村、事業者と連携、協力し、新たな地球温暖化対策実行計画を着実に推進することで、その実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。
次に、通信教育連携協力施設、いわゆるサポート校に通う生徒たちの実態把握についてお尋ねがございました。通信制高等学校は、地理的、時間的制約を超えて展開できる通信教育の特性を踏まえまして、本校のほかに通信教育連携協力施設、いわゆるサポート校を活動拠点として各地に設けておるところでございます。本県では、昨年度から同施設の生徒数や活動内容について、本校を所管する都道府県と連携をしまして把握に努めておるところでございます。昨年度の調査結果によりますと、二十四の通信制高等学校が本県に七十三の連携協力施設を設けております。この施設には、本県に在住する約三千五百人の生徒が通っておられまして、面接指導あるいは添削課題のサポートのほか、生活面での支援を受けておるところでございます。引き続き、各都道府県と連携をしまして同施設の状況を調査いたしますとともに、同施設の設置者や職員などとも情報交換を行い、生徒の実態把握に努めてまいります。
17 ◯副議長(仁戸田 元氣君) 吉田教育長。
*教育長答弁
18 ◯教育長(吉田 法稔君)登壇 県立高校における消費者教育についてでございます。各県立学校では、来年度から実施される新学習指導要領に則して、主に家庭科の授業において契約の重要性や消費者保護の仕組み及び消費者被害の未然防止に関する指導の一層の充実を図ってまいります。例えば、金融広報中央委員会が作成した教材や財務支局などからの講師派遣の活用によりまして、実践的、体験的な学習活動に取り組むほか、指定校における実践研究を通じて教員の指導力向上を図り、消費者として自立し、主体的な判断の下、適切な意思決定ができる生徒の育成に努めてまいります。
次に、不登校を生まない学校づくりについてでございます。不登校の要因は様々であり、かつ複合的でありますが、自信や自尊感情を喪失したり、学習への不適応のために不登校となる者も多いと考えられます。そこで本県では、児童生徒が互いを認め合える学級づくりや、学力低位層を意識した授業づくりを推進するほか、成功体験を味わうことによって自尊感情を高める学校行事や体験活動などの充実を推進してまいりましたが、不登校対応に苦慮している学校もあり、取組の浸透、徹底には課題がありました。そこで昨年度から、そのような学校を対象に不登校に関する学校支援プロジェクトとして、県教育委員会の指導主事による校内体制の整備や組織的な取組等の推進に向けた支援を開始をいたしました。今後も、本プロジェクトを継続し、取組の浸透、徹底を図ってまいります。
福岡県通信制高等学校連絡協議会と学ぶ機会についてでございます。広域通信制高校には、不登校経験がある生徒が多く進学をしており、そこで社会的に自立し、進路を切り開いていく努力をしているものと承知をいたしております。そのような学校で行われている自信をつけさせる教育や自立を促す支援については、学ぶべきものがあると思われます。今後、福岡県通信制高等学校連絡協議会との間で情報交換を行ってまいりたいと考えております。
子供たちとパラアスリートとの交流についてでございます。県教育委員会では、平成二十八年度からオリンピアンやパラリンピアンなどを学校や市町村に派遣する事業を実施をしております。パラアスリートと交流した子供たちからは、諦めなければ夢はかなうと感じた、途中で投げ出さずに最後まで頑張っている姿に勇気をもらったなどの声が聞かれております。このように、パラアスリート自らの経験を通して、希望と勇気を持ち続ける前向きな姿勢や目標に向かって努力することの大切さなどを伝えることができますことから、今後もリモートでの実施を含め、子供たちとパラアスリートとの交流を推進してまいりたいと考えております。
19 ◯副議長(仁戸田 元氣君) 野村警察本部長。
*警察本部長答弁
20 ◯警察本部長(野村 護君)登壇 まっ太フォンの貸出しについてお答えいたします。県警察では、偽電話詐欺の被害防止のために、防犯機能つき電話機器まっ太フォンが有効と考えております。このため、被害に遭うリスクの高い高齢者を対象として貸出し事業を実施し、自主防犯行動を促しておりますが、被害を防止するためには、高齢者を中心に機器がさらに広く行き渡ることが重要であると考えております。県警察といたしましては、防犯教室等におけるデモ機の実演や警察官による戸別訪問を通じて、まっ太フォンの普及促進を図るとともに、自治体に対して国の交付金活用を働きかけることにより、自治体の貸出し事業がさらに広まり、できる限り多くの高齢者の方にまっ太フォンが普及するよう、県や高齢者関係機関と連携した各種対策を推進してまいります。
次に、民生委員との取組についてお答えいたします。偽電話詐欺の被害者のほとんどは高齢者で、そのうちの多くが町内会、老人会などの各種会合に出席していない状況にあることから、高齢者にとって身近な存在である民生委員の協力を得ることとし、県内の民生委員児童委員協議会と偽電話詐欺被害防止に関する覚書を締結したところであります。これにより、民生委員の皆様が日頃活動を行う中で、被害に遭う可能性の高い高齢者を把握された際には警察に情報提供をいただき、警察が直接防犯指導に当たることとしております。その中で、まっ太フォンの有用性や、自治体等が行う貸出し事業等の紹介を積極的に行うことにより、被害に遭う可能性のある高齢者への普及を進めてまいります。今後とも、民生委員の過度の負担とならないよう配意しつつ、その協力をいただきながら偽電話詐欺の予防対策を推進してまいります。
最後に、偽電話詐欺対策の決意についてでありますが、県警察では、平成二十七年四月一日付で警察本部長を長とする特殊詐欺総合対策委員会を設置し、その実動部隊として刑事部統括参事官を特殊詐欺対策統括官とする特殊詐欺総合対策プロジェクトチームを発足するなど、組織全体で対策に当たっているところであります。また、過去の捜査では、犯行グループの背後に潜む暴力団員の検挙にも至っており、偽電話詐欺には暴力団が深く関与しているものと認識しております。御指摘のとおり、偽電話詐欺対策につきましては、暴力団対策と一体となった取組を推進していくことが重要であるとの認識の下、組織の総合力を発揮し、引き続き予防、検挙の両面から偽電話詐欺対策を強力に推進してまいる所存でございます。
21 ◯副議長(仁戸田 元氣君) 新開昌彦君。
22 ◯七十二番(新開 昌彦君)登壇 答弁いただきまして、ありがとうございました。二点要望をさせていただきます。
SDGsに関して、県民五千人を超える調査をして、県民のSDGsに関するニーズ、それはもう知事にはお示しをしたとおりでございます。また登録制度については、検討会において、県のこれからの起爆剤となるようなものにしていただくよう強く要望しておきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
もう一点は、マナハウスに、知事行っていただけるということでございます。ありがたいと思っております。県の財政改革プランの中で、社会保障費を令和八年度までに七十三億円抑制するというふうにされておりますけれども、私が紹介したマナハウスだけでも年間四千二百五十万円の医療費の削減につながったというふうに御紹介を申し上げました。同規模のマナハウスのような特別養護老人ホームで、マナハウスと同様の取組を年に十か所つくれば、年に四億二千五百万円の医療費の削減が可能であるということとなります。こういったことも踏まえまして、知事におかれましては、感染状況のことが心配ではございますが、お話を聞いていただいて、しっかりと学んでいただいて、どうすればこの高齢者の施設から誤嚥性肺炎をなくすことができるのか、その秘訣を学んでいただきたいなというふうに要望しておきたいと思います。
今日は以上でございますが、代表質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
23 ◯副議長(仁戸田 元氣君) 以上で代表質問を終わります。
本日はこれをもって散会いたします。
午 後 三 時 五十二分 散 会
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