↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 令和三年八月十日(火曜日)
午 後 三 時 五 分 開 会
◯香原勝司委員長 それでは、定足数に達しておりますので、ただいまから、ワンヘルス・
地方分権調査特別委員会を開会いたします。
議事に入ります前に、ここで、委員席の指定をさせていただきます。
各委員の席は、ただいま御着席のとおりといたします。御了解をお願いいたします。
次に、委員会の運営についてであります。
本特別委員会の付議事件は、ワンヘルスの理念と実践(SDGsを含む。)に関する調査、廃プラスチック問題、その他環境の健全性に対する脅威に関する諸調査、革新的技術等を活用し、コロナ禍に対応した新しい社会システム、生活様式等に関する諸調査、
ワンヘルス産業の育成・支援、コロナ禍における観光振興等に関する諸調査、広域的災害(生物災害を含む。)による被災者等の生活基盤及び社会基盤の再編に関する諸調査、防災計画、
国土強靱化計画等広域的防災・減災対策に関する諸調査、権限移譲、税財源の拡充、その他
地方分権型社会の構築に関する諸調査、以上、七つとなっており、これらについて、
調査特別委員会として取り組んでまいりたいと思っております。
次に、本委員会における執行部の出席でありますが、常時出席を求める執行部の範囲については、お手元配付の一覧表のとおりとし、その他については、必要に応じて出席要請を行うこととしたいと思います。
なお、本日は、議題の関係上、常時出席者以外に、総務部から二
場防災企画課長に出席を求めておりますので、お知らせをいたします。
それでは、議事に入ります。
本日の議題は、お手元配付のとおりでございます。御確認をお願いいたします。
最初に、「福岡県
ワンヘルス推進条例に基づく行動計画の進捗状況等について」を議題といたします。
執行部の説明を求めます。
左藤ワンヘルス総合推進室長。
2
◯左藤ワンヘルス総合推進室長 それでは、福岡県
ワンヘルス推進基本条例に基づく行動計画の進捗状況等について御説明いたします。ワンヘルス・
地方分権調査特別委員会資料の
保健医療介護部の一ページをお願いいたします。
I、福岡県
ワンヘルス推進基本計画に基づく行動計画の進捗状況について御説明申し上げます。
まず、一の
ワンヘルス推進の基本姿勢でございます。人と動物の健康、環境の健全性を守るため、ワンヘルスを実践する拠点の整備、
世界トップクラスの研究者による国際会議の開催、
カーボンニュートラル実現のための取組などを着実に進めてまいります。こうした取組を進める中で、福岡県に世界の研究者や英知を集め、ワンヘルスの世界的先進地として国内外に貢献することを目指します。また、仮称でございますが、新たに設置いたします福岡県
ワンヘルス推進協議会におきまして、幅広い観点からの御意見をいただきながら、ワンヘルスの取組を推進してまいります。
次に、二の行動計画の基本フレームでございます。(一)考え方につきましては、本条例第十一条の規定に基づき策定いたします行動計画を県がワンヘルスを推進するための取組を基本指針といたしまして、本条例第九条に定めます六つの基本方針と
ワンヘルス実践の基盤整備を合わせました七つの柱を具体化する施策を記載いたします。具体的には、別紙に記載しておりますので、二ページをお願いいたします。この表でございますが、行動計画の取組事項と主な施策を示したものでございます。表の左側がただいま御説明いたしました七つの柱となっております。また、その一つ右に各柱ごとの取組事項を、さらにその右側にその主な施策を記載しております。なお、ここに記載しております主な施策につきましては、全て令和三年度事業でございまして、令和四年度以降、新たに実施する企業や拡充する企業を今後検討の上、ここに加えてまいります。
具体的に申し上げますと、
人獣共通感染症対策につきましては、取組事項として、発生予防から普及啓発まで五つに区分いたしております。次に、
薬剤耐性菌対策につきましては、動向調査、監視など四区分、その下の環境保護につきましては、生物多様性など四区分、その下の人と動物の
共生社会づくりにつきましては、人と動物の関係性の向上など三区分、健康づくりにつきましては、自然との触れ合いを通じた健康づくり及び愛玩動物との触れ合いを通じた健康づくり、環境と人と動物のよりよい関係づくりにつきましては、健全な環境下における安全な農林水産物の生産等など五区分、最後に、
ワンヘルス実践の基盤整備につきましては、啓発活動の推進など、三区分にそれぞれ整理をいたしております。
この取組、事項ごとの主な施策について右に記載しておりますが、関連する事業全体につきましては、お手元の別添資料、福岡県
ワンヘルス推進基本条例に基づく
行動計画関連事業一覧表に記載いたしております。
一ページにお戻りください。二の(一)考え方の三点目でございます。着実な事業成果が得られるよう、目標・指標、計画期間を定め、進捗状況を徹底いたします。(二)目標・指標につきましては、七つの柱のもとに示した取組事項ごとに現状と課題、内容、目標・指標をお示しいたします。(三)計画期間につきましては、令和四年度から令和八年度までの五年間といたします。
次に、三、令和三年度における今後のスケジュールでございます。まず、行動計画(案)を九月までに作成いたしまして、福岡県
ワンヘルス推進協議会で、この行動計画案につきまして協議、検討を行っていただき、最終案を来年一月までに作成いたします。その上で、二月議会に議案として御提出し、議決をいただきましたら、直ちに公表いたします。この行動計画案につきましては、今後、県議会、協議会の御意見を伺いながら修正を加えてまいります。
二ページをおめくりいただきまして、三ページをお願いいたします。
次に、II、
保健環境研究所建替え基本計画について御説明いたします。
まず、
保健環境研究所の建替えの前提となります
ワンヘルスセンターの整備についてでございます。背景一から三にございますように、
新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延に伴い、ワンヘルスの理念を踏まえた分野横断的な調査・研究のニーズが増えていること、また、
ワンヘルス推進基本条例が全国で初めて制定されましたこと、一方で、
保健環境研究所の施設が老朽化をしているといった背景がございます。
こうしたことを勘案いたしまして、すぐ下の二重線囲みにございますように、ワンヘルスの中核拠点、
ワンヘルスセンターにつきましては、国内外の社会ニーズに合わせまして、条例の基本方針を具体化する県行動計画に定めるところによりまして、ワンヘルスを実践する広域的かつ中核的な拠点となる組織体制を整備していく考えでございます。この考え方のもとに、
保健環境研究所と
動物保健衛生所が相互に連携いたしまして、条例の基本方針の役割を担ってまいります。これを受けまして、下の太線で大きく囲った部分に記載しております、
保健環境研究所建替え基本計画につきましては、基本的な考え方として、一点目は、ワンヘルスの理念に基づきまして、県民の命と健康、生活環境を守るため、より安全性が高く、新興感染症等に対応できるとともに、
地球温暖化対策等に取り組む施設に再整備するものであります。また、二点目といたしまして、ワンヘルスに取り組む機関・団体等と情報を共有し,共同で調査研究を行うための
プラットフォーム機能を新たに設けることといたします。今後、この基本的な考え方に基づきまして、具体的な検討を重ねまして、外部有識者等の御意見を伺いながら、今年度中に基本計画を策定してまいります。
一番下の来年度以降のスケジュールでございます。令和九年度の供用開始を目指し、令和四年、五年度に基本設計、実施設計、六年度から八年度まで建築工事を進める計画としております。可能な限り前倒しで進めることとしていまして、少しでも早く共用開始できるよう進めてまいります。
最後に、四ページをお開き願います。III、アジア新興・人
獣共通感染症センター(旧
アジア防疫センター)(仮称)の構想案について御説明いたします。
まず、名称につきましては、仮称ではありますが、これまで
アジア防疫センターと称しておりましたが、本委員会での構想案の御説明にあわせまして、引き続き、仮称ではございますが、アジア新興・人
獣共通感染症センターに変更したいと考えております。その理由につきましては、資料には記載しておらず恐縮ではございますが、説明をさせていただきたいと思います。
今回、この構想案を作成するに当たって実施いたしました、国内外の
人獣共通感染症対策の取組や研究状況を調査する中で、世界の感染症に関する研究、対策をカバーしているアメリカのCDCに新興・人
獣共通感染症国立センターという下部組織があり、ここが
人獣共通感染症や薬剤耐性に関する調査研究、啓発活動などを行っていることを確認いたしました。今後、国や県民の皆さまにセンターの必要性の理解を促進し、誘致の機運を高めるためには、よりわかりやすい名称にすることが重要と考え、主に
アジア地域由来の新興・
人獣共通感染症に取り組むセンターの役割、機能を名称で表すため、この
アメリカCDCの下部組織を参考に、仮称ではございますが、アジア新興・人
獣共通感染症センターに変更したいと考えたものでございます。なお、当面は旧
アジア防疫センターを掲示することといたします。
それでは、構想案につきまして、資料に沿って説明をさせていただきます。
一、現状と課題でございます。一点目にございますように、新型コロナをはじめ
人獣共通感染症の発生予防や蔓延防止は喫緊の課題でございます。二点目でございます。とりわけ九州は地理的に
アジア諸国由来の感染症、気候変動によります媒介動物由来の感染症が流行するリスクが高くなっております。また、三点目、四点目でございます。野生動物・愛玩動物の調査・監視、あるいは
薬剤耐性菌感染症についての課題もございます。
次に、二、取組の方向性でございます。一点目でございますが、ただいま申し上げたような課題に対応するためには、野生動物・愛玩動物に関する調査研究を進めるための法整備がなされるとともに、ワンヘルスに関係する省庁間の連携、ワンヘルスの理念を踏まえた大学、研究機関の学際連携、これらの強化を図った上で
人獣共通感染症、
薬剤耐性菌感染症の予防・管理を一体的に行う体制が必要でございます。
一つ飛ばしまして、三点目でございます。大規模災害等によりまして、
国立感染症研究所が機能停止した場合の
バックアップ体制の整備も必要でございます。そして、四点目でございます。このため、アジア各国、九州各県、大学等が連携いたしまして、アジア新興・人
獣共通感染症センターを九州に設置すべきであるとしたものでございます。
三、センターの機能につきましては、左側に六点記載をいたしております。まず一の調査、研究につきましては、
長崎大学等研究機関との連携を通じまして、人の感染症に関する調査、研究を行うとともに、獣医大学、動物病院等と協力いたしまして、動物のウイルスの保有状況や死因等を調査、研究するものでございます。また、ウイルス等を扱うためのBSL3(バイオセーフティレベル3)施設の設置が必要であると考えております。
次に、二、
データベース化とハブ機能につきましては、国内外の
人獣共通感染症、
薬剤耐性菌感染症に関する人、動物病原体のゲノム情報等を集積いたしまして、それを
データベース化することにより国内外の研究者の求めに応じて必要な情報を提供するというものでございます。
三の人材育成につきましては、教育機関との連携によりまして、専門性の高い人材を育成し、そうした専門人材をアジア各国や感染拡大の予兆が探知された地域に派遣するものでございます。
四、ワンへルスの普及・啓発につきましては、専門家だけでなく、一般の方に向けたシンポジウムなどを通じまして、ワンヘルスに関する情報を発信するというものでございます。
五、アジアとの連携につきましては、アジア各国、設立予定の
ASEAN感染症対策センター等による連携を強化いたしまして、アジア諸国の
人獣共通感染症、
薬剤耐性菌感染症の発生動向調査の強化等による探知、対応能力を強化するというものでございます。
六、緊急時対応につきましては、
国立感染症研究所の有事の際の
バックアップ機能といたしまして、政府等と連携して感染症の制圧等を行うとともに、緊急事態におきますPCR検査の受入れ、備蓄医療資材の提供を行うものでございます。
最後に、このセンターの位置づけでございます。右側のイメージにございますように、このセンターを
国立感染症研究所のサテライトとして位置づけ、青の二重線で囲っている部分でございますが、その中の赤色の部分にありますような、人の感染症の調査、研究を行う
国立感染症研究所と同一の機能を持ちまして、さらに、その上の青色の部分にもありますような、野生動物、愛玩動物の感染症の調査、研究を行うことで、このセンターが人と動物の共通感染症の予防管理を一体的に行うというものでございます。このセンターを通じまして、
人獣共通感染症や薬剤耐性対策への国際的な貢献やアジア諸国との情報共有の活性化によりまして、感染症の我が国への侵入リスクの低減を図るものでございます。今後、この構想案につきまして、九州各県、関係団体と調整を進めてまいります。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
3
◯香原勝司委員長 説明は終わりました。
これより質疑を行います。何か質疑はありませんか。藏内委員。
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◯藏内勇夫委員 よくまとめられて、福岡県が目指すワンヘルスの方向、これは執行部の皆さんも初めてお聞きになった方もおられるかと思いますが、御理解いただいたかと思います。まず、このアジア新興・人
獣共通感染症センター、感染症には新興感染症と再興感染症がございますが、再興感染症はどういう位置づけになるんですか。
5
◯香原勝司委員長 左藤ワンヘルス総合推進室長。
6
◯左藤ワンヘルス総合推進室長 名称には再興感染症を書いておりませんが、再興感染症もこのセンターでは取り扱うということになっております。
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◯藏内勇夫委員 これは委員の皆さん方に御了解いただきたいんですけれども、実は、小川前知事と本会議場でこのワンヘルスに関して質疑を行いました。その中で、今年のお盆前までに九州の自立を考える会で、場所等を含めて提言をさせていただきたいと、このようなことで合意をとっておったところでございますが、この特別委員会ができまして、今日初めて委員会の開催をされたものですから、今日のこの委員会を経て、改めて九州の自立を考える会で皆さんと協議をしたいと、こういう思いでございますので、お盆前の答申というのが若干延びますので、できるだけ精力的にやっていきたいとは思いますが、九月議会をめどぐらいに集約を図りたいと思いますので、ぜひ皆さん方の御了解をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
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◯香原勝司委員長 ほかにありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者がある〕
9
◯香原勝司委員長 では、ほかにないようですので、以上で、本件の質疑を終わります。
次に、「ワンヘルスに関する
教育啓発資料(
リーフレット)について」を議題といたします。
執行部の説明を求めます。
鶴体育スポーツ健康課長。
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◯鶴体育スポーツ健康課長 本課からは、ワンヘルスに関する
教育啓発資料、
リーフレットについて説明をさせていただきます。
資料の一ページを御覧ください。県教育委員会では、福岡県
ワンヘルス推進基本条例が今年一月に公布・施行されたことを受け、本年度からワンヘルスに関する児童生徒の理解を深め、基本理念にのっとった行動及び活動を促すための
ワンヘルス教育推進事業を実施しております。事業の内容につきましては、二にお示ししております五つの事業になります。また、三に
ワンヘルス教育推進事業の年次予定をお示ししております。これまで学校教育においては、様々な教科等を通じて、人の健康に関することや環境問題を取り上げることはございましたが、ワンヘルスという理念を取り上げ教育を行うことは全国初の取組となります。このため、
ワンヘルス教育の目的や内容等を明らかにするため、(四)の研究協力校における実践研究を四に示しております、県立高校八校、私立高校二校、合計十校の高等学校において行うこととしております。具体的には、(二)のワンヘルスに関する教育教材を活用し、教科等における授業実践や生徒会活動など、特色がある取組を実践していただくこととしております。これらの実践を通して、ワンヘルスに関する教育について検証したり、令和五年度から全ての高等学校が
ワンヘルス教育を実践するための実践事例を構築したりしてまいります。なお、
ワンヘルス教育の普及啓発に向け、さまざまな研修会やフォーラムなどで実践発表を行うことを予定しております。また、ワンヘルスに関しては、児童生徒だけでなく、教職員においてもその内容等について十分に理解されていない現状があるため、(一)に示しております、ワンヘルスに関する
教育啓発資料(
リーフレット)を、県獣医師会による全面協力のもと、関係部局と連携して作成し、七月に県内全ての小・中・高等学校に配布いたしました。お手元の
リーフレット三種類が実際のものとなります。この
リーフレット配布の目的は、児童生徒及び教職員がまずはワンヘルスとは何かを知り、自分たちに何ができるかを考えるきっかけにすることとしております。
それでは、黄色の表紙の小学生版をもとに、
リーフレットの中身について簡単に御紹介をいたします。
まず、表紙を御覧ください。ここには、ワンヘルスとは、人と動物と環境の健康を一つと考え、それを守っていくために、みんなで考えて行動することであると、こういうふうにワンヘルスとは何かということを記載しております。
中身を開きますと、自分たちの生活場面のイラストがあり、「柱三へ」などといった表記があります。さらにページをめくると、関連するワンヘルスの六つの柱へつながるようになっております。自分たちの生活場面とワンヘルスをつなぐことで、児童生徒にとってワンヘルスの理念をわかりやすくした作りとしております。最後のページには、ワンヘルスとSDGsとの関係性についての説明やワンヘルスに関する情報ページの紹介を行っております。児童生徒が身近な生活の一部としてワンヘルスを考えるきっかけとなるよう、この
リーフレットの作りを工夫いたしました。
資料の二ページにお戻りください。この
リーフレット配布に対しては、資料の二ページに示しております配布の際の留意事項を各学校へ配布いたしました。説明の例に示す内容を担任の先生から子供たちへ話していただき、ワンヘルスの理念などの周知について御協力をお願いしたところでございます。また、
リーフレット活用の例について、各教科との関連や自由研究のテーマとして例示を示すなどしながら、各学校での創意工夫についても御協力をお願いしたところでございます。
配布対象につきましては、ワンへルスの内容と児童生徒の発達段階を考慮し、県内の小学校四年生、中学校一年生、高等学校は全ての生徒を対象としており、あわせて、全ての教職員に配布しております。特別支援学校及び中等教育学校も同様でございます。来年度以降も対象の児童生徒に配布できるよう計画しております。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
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◯香原勝司委員長 説明は終わりました。
これより質疑を行います。何か質疑はありませんか。野原委員。
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◯野原隆士委員 まずは、この
リーフレット、大変よいものができたと思います。小学生、中学生、高校生、ただ、小学生のものを見させていただきますと、やはり高学年でもなかなか難しいように思うんですけれども、この
リーフレットは、配布されてどういうふうに活用されていくのか、そういったことを確認させていただきたいと思います。先ほど鶴課長のほうからこの
リーフレットの配布に当たって、留意事項を併せて担任の先生から子供たちへの説明をお願いしているとのことでしたけれども、このワンヘルスの考え方というのは、文書で書けばこの留意事項のとおりだろうと思いますけれども、実際のところ、お渡しになっている先生がどこまでおわかりになっているのか。そういった意味では、先生の研修も必要ではないかと思います。そういったことで、この
リーフレットの配布に当たっての留意事項の徹底を図るため、教育委員会としてどのように取組を行っておられるのか、お答えいただきたいと思います。
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◯香原勝司委員長 鶴体育スポーツ健康課長。
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◯鶴体育スポーツ健康課長 県の教育委員会では、各学校への
リーフレット送付の前に、各教育事務所において実施されております管内の
市町村教育長会議、あるいは県立の学校長会において、福岡県
ワンヘルス推進基本条例の内容及び
リーフレット配布の目的等について説明を行ったところでございます。しかしながら、野原委員がおっしゃるとおり、十分な説明がなされないまま学校のほうに配布された事例もあるとも聞いておりますので、私たちの周知方法が不十分であったかというような反省をしているところでございます。
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◯野原隆士委員 先ほどのワンヘルスの教育推進事業年次予定の中では、指導者向け研修会の実施ということで、令和四年度からということにはなっておるんですけれども、今、鶴課長からお答えがあったように、各学校への周知が不十分であったという答弁がありました。やはりワンヘルスの周知に向けて取り組んでいただくためにも、今後の県教育委員会としての取組をどういうふうにされていかれるのか、お伺いしたいと思います。
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◯鶴体育スポーツ健康課長 先ほど申し上げましたとおり、周知方法が不十分であったという認知から、まずは現場の学校長への周知が重要と考えております。引き続いて、市町村立学校長会、あるいは県立学校長会においてワンヘルスの理念等について周知をしてまいります。あわせて教職員等に対しましては、指導主事、あるいは教員の様々な研修会を通してワンヘルスに関する理解を深めてまいります。さらには、福岡県高等学校保健会においても、ワンヘルスに関する標語やポスターの応募等を活用して、子供たち自らがワンヘルスに関する意識を高めるような取組を推進してまいります。なお、学校や地域に対するワンヘルスの理念の普及啓発の方法等につきましては、有識者や関係課等で構成いたします、
ワンヘルス教育推進委員会においても検討してまいります。
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◯野原隆士委員 私、先ほどもちょっとお話ししましたように、令和四年度と五年度に所属している指導者向けの研修会を実施されると書いてありますけれども、具体的にどのような研修を考えられているのか、今の時点で可能な範囲でお答えをいただきたいと思います。特に、ワンヘルスという言葉はすごく簡単なんですけれども、非常に奥行きが広い。特に、今年であれば、例えばG7の環境大臣サミットの中でも、やはりこのワンヘルスアプローチということで、全世界的にこの言葉がもう出てきている。特に日本においては、やっぱり福岡県というのはこのワンヘルスの発祥の地という捉え方をしていますし、そういう意味ではこの教育の中に、子供にこのワンヘルスということを教えていくに当たっての先生への研修、ここのところを少し教えていただきたいと思います。
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◯鶴体育スポーツ健康課長 県教育委員会といたしましては、
ワンヘルス教育において取り扱う内容等を鑑み、まずは高等学校段階において研究協力校による実践及び教育教材を作成し、令和五年度から高等学校段階における
ワンヘルス教育を一斉にスタートできるよう計画しております。そのために令和四年度及び令和五年度に教職員向けの研修会では、
ワンヘルス教育の目的及び内容等の説明を行うこととしております。また、併せて作成した教育教材を活用して、実践を行った研究協力校による発表などを行い、各学校が、どのように
ワンヘルス教育を実践していけばよいのかが理解できる研修会を現在では想定しています。
19
◯野原隆士委員 この研究協力校との成果を踏まえて広がっていくということは非常に大事だろうと思います。しかしながら、先ほど、お話ししました低学年、小学生、この小学生の時代からこうやってワンヘルスをきちんと教育の中に入れていけば、おのずとこれが育っていくわけですから、やはり小学校四年生、あるいは中学校低学年、一年生、こういった方にパンフレットを渡しただけではなくて、これをどう教え込んでいくか、非常に重要だろうと思うんです。例えば、県内においては、キッチンカーを活用したワンヘルスの普及活動の実績を持ったNPO団体もありますし、また、学校獣医というのもいますので、こういった方々を活用していただいて、子供たちが興味を持って、そして関心が持てるように、こういった形のもののイベントも実施していただきたい。高校生になれば、そういうものはわかるでしょうけれども、小学生の子供たちというのは、まず興味を引くことからというふうに思います。そういったことを含めて、市町村の教育委員会との連携を図り、ぜひともこのワンヘルス総合推進室、そしてまた、担当副知事が旗を振って取り組んでいただきたいと思いますので、このことを私からの要望とさせていただきます。以上です。
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◯香原勝司委員長 ほかに質疑はございませんか。畑中委員。
21 ◯畑中茂広委員 小学校生向けの
リーフレットはSDGsの理解をどの辺まで、小学生四年のものを見ておりますが、SDGsについてどのような形で、どのようなことを学校の中で生徒の皆さんに学習させるのか。意見までに申し上げておきますが、非常に難しい概念ですよね。SDGsのことを学習していますねと書いてあります。これを研究しているのかという質問なんだけど、義務教育課が答えられなければ、後ででも教えていただきたいと思います。
22
◯香原勝司委員長 鶴体育スポーツ健康課長。
23
◯鶴体育スポーツ健康課長 大変失礼いたしました。所管課、義務教育課等にしっかり話を伺いながら、後ほど御説明にあがりたいと思います。
24 ◯畑中茂広委員 非常に大事なことだと思うんですよ。そこは小学生の皆さん方にこのSDGs、今後、未来の人間が生きていくためにどうするかという大事なことだと思うから、ぜひこのワンヘルスの議論を進めて、ものすごく建設的な意見になってきているんですけれども、置いてきぼりにならんように、ぜひここは確認しておいていただければと思います。要望でございます。
25
◯香原勝司委員長 ほかに質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者がある〕
26
◯香原勝司委員長 ほかにないようですので、以上で、本件の質疑を終わります。
次に、「福岡県の廃プラスチック対策について」を議題といたします。
執行部の説明を求めます。鐘ケ江循環型社会推進課長。
27 ◯鐘ケ江循環型社会推進課長 福岡県の廃プラスチック対策について御報告をいたします。
環境部の委員会資料の一ページをお願いいたします。
まず、一の現状についてです。海洋ごみは、生態系を含めた海洋環境の悪化や海岸機能の低下、景観への悪影響、船舶航行の障害、漁業や観光への影響等、様々な問題を引き起こしております。また、近年、五ミリ以下の微細なプラスチックごみ、いわゆるマイクロプラスチックによる海洋生態系への影響が懸念されており、世界的な課題となっております。毎年、約八百万トンのプラスチックごみが海洋に流出しているという試算や、二〇五〇年には海洋中のプラスチックごみの重量が魚の重量を超えるとの試算もございます。さらに、平成二十九年十二月以降、中国をはじめとするアジア各国による使用済みプラスチックの輸入規制が強化されていることなどから、プラスチックの資源循環を促進する重要性が高まっているところでございます。このような課題に対応するため、国はプラスチックの資源循環を総合的に推進するための、プラスチック資源循環戦略を令和元年五月に策定しました。この戦略ではワンウェイプラスチック、いわゆる使い捨てプラスチックの使用削減等のプラスチック資源循環、ポイ捨て・不法投棄撲滅の徹底等の海洋プラスチック対策などを柱とした施策の方向性が示されており、具体的な取組といたしましては、レジ袋有料化義務化が令和二年七月から開始されたところでございます。
続きまして、二の県の主な取組についてです。県では、国のプラスチック資源循環戦略を踏まえまして、県の廃棄物処理計画の中でプラスチックの資源循環及び海洋プラスチック対策を主要施策として位置づけ、取組を進めております。その主な取組について御説明いたします。
まず、(一)のプラスチック資源循環促進事業についてです。まず、ふくおかプラスチック資源循環ネットワークですが、これはワンウェイプラスチックの使用削減等を県全体で進めるため、業界団体、消費者団体、学識経験者等で構成するふくおかプラスチック資源循環ネットワークを昨年七月に設置し、各主体での取組の促進を図っております。
続きまして、ふくおかプラごみ削減協力店でございます。これは、プラスチックごみ削減に取り組む事業者の皆様に、ふくおかプラごみ削減協力店として登録をいただく制度で、昨年八月に創設したものです。現在、スーパー、コンビニエンスストア、クリーニング店等、三千五百三十六店舗が登録しており、レジ袋の削減に加えまして、食品トレイやハンガーの回収、プラスチック代替品の利用、従業員への意識啓発などに取り組んでいただいております。また、十月をプラスチックごみ削減強化月間といたしまして、ふくおかプラごみ削減キャンペーンを実施し、取組の促進を図っております。昨年十月のキャンペーン期間中、協力店におきましては、レジ袋約九千万枚分に相当するプラスチックごみが削減されております。
次のページをお願いいたします。プラスチック代替品の利用促進についてです。今年度の新規事業といたしまして、大規模商談展示会におきまして、バイオプラスチック等の代替品を販売する企業の特設ブースを設けまして、代替品のPRとプラスチックごみ削減の重要性を訴える動画による啓発を実施することといたしております。
次に、使用済みプラスチックのリサイクル施設整備に対する助成についてです。使用済みプラスチックのリサイクルを行う施設のうち、高度で先進性のある施設の導入費用に対する補助を昨年度から行っております。
次に、(二)の海洋プラスチック対策についてです。海岸漂着物対策事業といたしまして、次の中ポツに記載しております三つの事業を、国の海岸漂着物等地域対策推進事業を活用して実施しております。まず、海岸漂着物の回収事業ですが、これは、県内の漁港や港湾等の海岸において、管理者であります県や市、町が回収を行うもので、昨年度は合計で約七百七十五トンの海岸漂着物を回収しております。
次の、海岸漂着物対策推進事業は、発生抑制のための周知啓発を行うもので、スポーツGOMI拾い、漂着ごみ組成調査を実施しております。スポーツGOMI拾いは、ごみ拾いにスポーツの要素を加えたイベントで、本県では平成二十七年度から県内の海岸で実施しております。
漂着ごみ組成調査は、県内の海岸において、長期的に継続して漂着ごみの組成や存在量を調査し、経年変化を把握することで、海岸漂着物対策を検討する指標を得ることを目的に、昨年度から実施しております。昨年度の調査では、プラスチックは容量、個数で一番目、従量で二番目に多いという結果でした。
次に、市町村との連携体制の整備です。海岸を有する市町が海岸漂着ごみ対策に効率的に取り組むことができるよう、県廃棄物対策課や海岸を管理している水産振興課、漁業管理課、港湾課と、海岸を有する十七市町の廃棄物所管課で構成する会議を令和元年度から実施しております。
次に、散乱ごみ対策事業です。ごみの散乱を防止するため、環境美化の日を設定し、県内の散乱ごみの一掃を図るとともに、啓発活動や表彰を実施しております。
最後に、三の最近の動きについてです。国では、プラスチック資源循環の取組を促進するため、本年六月にプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律が公布されました。この法律では、環境配慮設計に関する指針の策定、ワンウェイプラスチックの使用の合理化、市町村の分別収集・再商品化、事業者による自主回収等を推進することとしております。現在、来年四月予定の法律の施行に向け、政省令等を検討していると聞いております。
県といたしましては、今後も国の動向について情報収集するとともに、市町村、事業者等、関係者の皆様の御意見を伺いながら、取組をさらに進めてまいりたいと考えております。
説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
28
◯香原勝司委員長 説明は終わりました。
これより質疑を行います。何か質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者がある〕
29
◯香原勝司委員長 特にないようですので、以上で、本件の質疑を終わります。
次に、「福岡県地域防災計画等の改定について」を議題といたします。
執行部の説明を求めます。二
場防災企画課長。
30 ◯二
場防災企画課長 福岡県地域防災計画の改定について御説明いたします。
総務部の委員会資料の一ページをお願いいたします。
まず、改定の趣旨でございます。本年五月の災害対策基本法の改正や国の防災基本計画の修正などを踏まえまして、本県の地域防災計画などについて必要な見直しを行うものでございます。
II、地域防災計画の主な見直し内容でございます。まず、一、災害対策基本法の改正を踏まえた見直しでございますが、法改正によりまして、市町村は、避難行動要支援者に係る個別避難計画の作成が努力義務となりました。また、市町村が発令する避難情報につきまして、従来の避難勧告の段階から避難指示を行うこととするなど、発令方法が変更となっています。また、災害が発生するおそれがある段階で、居住者などを安全な他の市町村に避難させる、これを広域避難といいますが、これに係る自治体間協議が可能となりました。これらの法改正に関しまして地域防災計画の必要な見直しを行います。
次に、二、国の防災基本計画の修正を踏まえた見直しでございます。まず、(一)
新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた見直しとしまして、感染症対策が必要な状況下での災害対応に備え、避難所の開設や運営訓練を積極的に実施するよう規定するとともに、マスク、消毒液、パーティションなど、必要な物資を備蓄するよう規定しています。また、感染症による自宅療養者の被災に備えて、保健所は土砂災害警戒区域などの危険エリアに居住している自宅療養者を確認するよう規定するとともに、自宅療養者の避難の確保に向けた検討・調整、情報提供を行うよう規定しています。さらに、避難所運営などに携わる応援職員用に適切な執務スペースを確保するよう規定しております。
次に、(二)大きな被害をもたらした台風の検証を踏まえた見直しでございます。住民にハザードマップなどを配布する際に、居住地域の災害リスクやとるべき行動を周知すること、また、安全な場所にいる人まで避難所に行く必要はなく、避難先として安全な親戚、知人宅への避難も選択肢としてあるといった、災害リスクに関する理解促進を規定しております。また、市町村がボランティアやNPOなどの支援を得て、災害廃棄物の処理を行う場合に、効率的に搬出するよう、作業内容の調整・分担について規定されます。
次のページをお願いいたします。長期停電・通信障害への対応強化といたしまして、病院や社会福祉施設などの重要施設の管理者に対し、非常用電源の確保を促すとともに、県でこうした施設の非常用電源設置状況などをリスト化し、電気事業者と情報を共有することを規定しております。また、国が作成した物資調達・
輸送調整等支援システムを活用し、被災者へ効率的な物資支援を行うよう規定しています。
次に、(三)最近の施策を踏まえた見直しでございます。貯留機能保全区域を必要に応じて指定するなど、多様な関係者が連携し、ハード・ソフト対策を総合的に示した流域治水の推進を規定しております。また、防災対策に多様な視点を取り入れるため、地方防災会議の委員に占める女性の割合向上を規定しております。さらに、自分は災害に遭わないという思い込みがあることなどを踏まえた防災教育の推進について規定しています。
次に、三、災害救助法の改正を踏まえた見直しでございます。災害が発生するおそれがある場合において、政府が特定災害対策本部などを設置したとき、災害救助法の早期適用ができることを規定しています。
次に、四、大牟田市令和二年七月豪雨災害検証委員会による大牟田市への提言を踏まえた見直しでございます。下水道管理者は下水道施設の耐水化計画を策定するとともに、ポンプ場などの整備に努めることを規定しております。また、市町村は避難訓練などの際に、住民に対しハザードマップの利用方法を説明することや、災害時に適時・適切な情報伝達を行うためのマニュアルを整備するよう規定しております。
III、その他の計画の主な見直し内容でございます。九州・山口九県災害時応援協定に基づきまして、被災県に情報連絡員が派遣される際の基準を災害時受援計画に規定するとともに、感染症対策が必要な状況下での災害対応に備え、備蓄基本計画の備蓄品目にマスク、消毒液、体温計などを追加しております。また、市町村が発令する避難情報の変更や新型コロナ対策など、地域防災計画の見直しを踏まえ、原子力災害広域避難計画を見直しております。なお、四種類ある地域防災計画及び災害時受援計画、備蓄基本計画、原子力災害広域避難計画の改定文案を別冊で配付してりますので、御確認いただきたいと思います。また、この地域防災計画などの見直しにつきましては、本日の委員会での御意見を踏まえ、今後、福岡県防災会議の決議を得て改定いたします。
説明は以上でございます。御審議をよろしくお願いいたします。
31
◯香原勝司委員長 説明は終わりました。
これより質疑を行います。何か質疑はありませんか。板橋委員。
32 ◯板橋 聡委員 非常に分厚い防災計画で、私も全部に目を通せず、目を通しているのは香原委員長ぐらいかなと思いますけれども、七月三日に熱海市で発生しました大変悲惨な土砂災害がございましたが、あれは違法な盛土が原因というふうに報道されております。このような盛土災害対策というのは、この防災計画の中にちゃんと規定をされているんでしょうか。
33
◯香原勝司委員長 二
場防災企画課長。
34 ◯二
場防災企画課長 本県の地域防災計画では、土砂災害の防止に係る項目を設けまして、土石流や地滑り、急傾斜地崩壊などの危険性の高い区域におきます災害防止対策につきまして、各種法令に基づく危険区域、それから規制区域の指定、避難体制の整備、災害防止工事の実施などを定めていますほか、違法な宅地造成に対する措置も記述しております。しかしながら、現行の計画では、今回熱海市で発生した土砂災害の原因とされる違法な盛土に着目した対策につきましては、項目としては設けておりません。
35 ◯板橋 聡委員 現行の地域防災計画で盛土対策の位置づけはないということですけれども、やはりあれだけの災害が起こっておりますので、何らかの対応が必要なのかと思うんですが、今後、地域防災計画への位置づけについてはどのようにされるのか、お考えをお示しください。
36 ◯二
場防災企画課長 過去の災害におきましては、国や関係自治体などで災害後に事後検証が行われまして、その結果を踏まえ、国のほうで防災基本計画の見直し等が行われております。この国の基本計画の見直しに併せまして、県の地域防災計画もこれまでは見直してまいりました。今回の土砂災害につきましても、同様に検証作業が行われ、その結果、違法な盛土対策として防災基本計画の見直しが行われる可能性もあると考えております。県としましては、国などによる検証結果、それから防災基本計画の見直し、こういったことを踏まえまして、必要に応じて地域防災計画の見直しを行ってまいりたいと考えております。
37 ◯板橋 聡委員 違法な盛土ということですけれども、盛土に関して、具体的にはどのような規制が設けられているのか、教えていただきたい。
38 ◯二
場防災企画課長 盛土につきましては、農林水産部が所管しております農地法や森林法、それから、県土整備部が所管しております砂防法や地滑り等防止法、建築都市部が所管しております都市計画法や宅地造成等規制法、様々な法律で規制がされております。こうした法律の規制を受けない盛土につきましては、農林水産部が所管しております福岡県土砂埋立等による災害の発生防止に関する条例、この条例で規制されているところでございます。
39 ◯板橋 聡委員 いろいろ法律がございますけれども、ほかの法律で規制を受けない盛土を規制する条例が県としてはあるということですけれども、条例の規制内容と本県での具体的な取組を教えてください。
40
◯香原勝司委員長 池田農山漁村振興課長。
41 ◯池田農山漁村振興課長 当課が所管しております本県の土砂埋立条例は、開発地の調査への届出制となっておりますので、静岡県の条例とは異なりまして、県が災害を防止するための基準に適合しているかを審査しまして、許可をするということになっております。具体的には、事業者が面積三千平方メートルを超える盛土を行う場合に、盛土の高さ、調整池や水路などの防災施設の設置など、基準を満たしている必要がございます。また、事業者が許可条件に反しまして工事を行った場合には、中止命令や許可取消し、罰則などを規定しております。加えまして、工事終了後には、許可申請どおりに防災施設などが設置されているかを現地で確認するなど、盛土等に起因して災害が発生することがないように対応しております。以上です。
42 ◯板橋 聡委員 福岡県の条例でしっかり規制をされているということで、ちょっと安心はするんですが、先日の熱海の災害を受けまして、新聞等が、国土交通省が盛土に関する全国調査を行うと報道しておりますけれども、その内容について、どなたか御説明できればお願いいたします。
43
◯香原勝司委員長 野上企画課長。
44 ◯野上企画課長 ただいま委員おっしゃいました盛土の全国調査につきまして、現時点では、国において地方公共団体に対し具体的な動きがございませんので、詳細な工程や県の関わり方、こういったものは承知いたしておりませんけれども、国土交通省が七月九日にプレスリリースいたしました内容につきまして、私から御説明させていただきます。
静岡県熱海市で発生いたしました土石流災害を受けまして、国土交通省では今後の盛土の点検の参考となるよう、国土地理院の地形データをもとに、全国において盛土の可能性のある個所を抽出いたしまして、関係省庁や地方公共団体に提供するというものでございます。具体的には国土地理院が二〇〇〇年ごろまでに作成しました地形図と、二〇〇八年以降に整備をしております航空レーザ測量図を比較しまして、この標高の差が五メートル以上ある個所を盛土可能性個所として抽出するとのことでございます。また、盛土の点検の実施に当たりましては、今後、関係省庁と連携をしながら進めていくことといたしております。
45 ◯板橋 聡委員 ありがとうございます。福岡県内でもいろいろ傾斜地を開発して宅地になったりするところもたくさんございます。今、盛土の話を聞きましたけれども、いろんな部署にも関わっておって、法律、あるいは法律でカバーできないところを条例でというところで、非常に複雑だなと感じた次第です。今回、災害の報道で不安を感じていらっしゃる県民も非常に多くいらっしゃいます。台風シーズンがこれからやってまいりますけれども、国とともに、あるいは国ができなければ、先ほどの条例のように、県独自にでも危険な個所を把握して、万一危険な個所があれば対策を講じる必要があると思いますけれども、盛土もその場所によって所管する組織が違っているようです。国は国土交通省、その他関係省庁が連携して、危険な個所を点検するということですけれども、本県においても、県民の生命を守るためにこうした調査、対策を関係各部が連携して、迅速かつ円滑に進めなければならないし、また、そのためには国の通知を待つことなく、県としても積極的に独自に取り組むべき必要があると思っています。先ほど盛土の規制に関しては、県土整備部と農林水産部、建築都市部と幅広く取り組んで所管されているということですけれども、今日この場に、残念ながら建築都市部長はいらっしゃいませんが、県土整備部長と農林水産部長がいらっしゃいますので、関係各部の連携した取組について、それぞれ御決意があればお示しいただければと思います。
46
◯香原勝司委員長 西川県土整備部長。
47 ◯西川県土整備部長 県土整備部といたしましても、今回の熱海での土砂災害を踏まえまして、県内の土砂災害警戒区域、砂防課が所管しておりますけれども、区域内もしくは、あの熱海のケースのように、その上流部にございます盛土の個所の状況につきまして、先ほど御説明がありましたように、関係部署がまたがっておりますけれども、関係部署とともに把握しておく必要があると考えておりまして、土砂埋立の規制条例を所管する農林水産部、宅地開発等を所管する建築都市部の協力を得まして、必要な情報を整理しているところでございます。先ほど御説明がありましたように、今後国から盛土の可能性のある個所のデータが提供されると。そのデータを踏まえていろんな調査依頼が来ると聞いておりますので、それを受けまして、国の動きが見ながら、国からの調査内容が示され次第、関係部署と連携を図って、スピード感を持って対処してまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
48
◯香原勝司委員長 重吉農林水産部長。
49 ◯重吉農林水産部長 農林水産部の所管しております土砂の埋立条例につきましては、先ほど課長が説明いたしましたけれども、申請内容を厳しく審査いたしまして、許可した個所につきましては許可条件どおり施工されているかどうか、確認を行っているところでございます。また、毎年、梅雨前に現地調査を行っておりまして、事業者に対しまして、防災施設の維持管理などの指導も随時行っているところでございます。こうした中、先だって熱海市のほうで土砂災害が発生したことを踏まえまして、農林水産省などの国からの指示を待つことなく、農林水産部独自で梅雨前に現地調査を実施しました事業者に対しまして、防災施設の維持管理につきまして、再度現地調査を実施しているところでございます。農林水産部としましては、土砂埋立て条例に基づきます指導を徹底してまいりまして、盛土に起因して災害が発生することがないようしっかり対応していくとともに、関係部局と連携しまして、点検等につきましても進めてまいる所存でございます。よろしくお願いいたします。
50 ◯板橋 聡委員 県土整備部、農林水産部、それぞれ部長としての力強い決意をいただきました。最後に、私からの提案ではあるんですけれども、県が防災の総括であります防災危機管理局があります。ぜひ防災危機管理局のほうで積極的に、それぞれ管轄する部署が違いますので、指揮を執っていただいて、盛土の危険個所の点検等を迅速に進めていただければと思います。このことについて、防災危機管理局長の所見を伺えればと思います。
51
◯香原勝司委員長 間野防災危機管理局長。
52 ◯間野防災危機管理局長 これまで御説明がありましたように、現在、国におきまして、盛土の可能性がある個所を把握する作業が行われております。今後、その結果が各自治体に情報提供されるとのことであります。その際に、各自治体における今後の作業についてもまた何らかの方針が示されるものと考えております。これらの点検作業の取りまとめにつきましては、今後の国の対応を踏まえた上で、どの部署がどのように行うのが最適なのか検討してまいる必要がありますが、まずは防災危機管理局が関係各課と情報共有する体制をつりくまして、しっかり連携を図ってまいりたいと考えております。
53 ◯板橋 聡委員 ありがとうございます。部署が違っても災害に住民の方がさらされる場合は、部署がどうだというのは関係ございませんので、しっかり情報共有して、各部連携して取り組んでいただくことを重ねて要望したいと思います。また、当然なんですけれども、調査というのはあくまでも入り口でありますから、調査結果に基づいて防災措置等の取組が迅速に行われなければならないと思います。盛土の個所によって所管が変わるということでありますけれども、答弁は求めませんけれども、各部長さん、建築都市部長さんはいらっしゃっておりませんが、その皆さんと、そして危機管理局長、しっかりとスピード感をもって取り組んでいただくよう要望いたしまして、私の質問とさせていただきたいと思います。
54
◯香原勝司委員長 ほかに質疑はございませんか。松本委員。
55 ◯松本國寛委員 今の板橋委員のやりとりを聞いていて思ったんですが、この防災というのは土木とか建築とか農林とかじゃなくて、想像力なんだと思います。寄り添っていた人たちが、今どんな目に遭っているんだろうとか、今後、起こることに対して何を備えていかなければならないとか、そういう想像力がいかに高いかということが危機管理の観点だと私は感じて聞いておりました。今回の福岡県地域防災計画等の改正ということで、趣旨に国の防災基本計画の修正等を踏まえて、必要な見直しを行うものであると、こう書いてございます。その後、様々なことが書いてありますが、これは、さっき言ったように寄り添って考えていくとか、地域性によって考えていくと、福岡県の地域防災計画でありますので、福岡県バージョンとしてしっかりと想像力を働かせていくことが大事なんだと思いますが、そういう国の玉突きで修正していくということだけではないと私は考えるんですけれども、私の考え方は正しいですか。
56
◯香原勝司委員長 間野防災危機管理局長。
57 ◯間野防災危機管理局長 松本委員御指摘のとおり、防災基本計画を踏まえながら、それぞれの地域の特色を踏まえた計画とするのが福岡県の地域防災計画であると考えます。
58 ◯松本國寛委員 ありがとうございました。だったら、先ほど冒頭にワンヘルスの基本条例に基づく行動計画の進捗状況についてという説明を受けました。いずれにしても、これは人と動物の健康、それと環境の健全性を守るためにワンヘルスを実践していこうと、こういうことをやっているわけであります。まさに、この防災で想像力を働かせていくと同じ観点が必要なんだと思っていますし、この福岡県、とりわけこの特別委員会ではワンヘルスを議論していって、他の人よりも、小学生ぐらいかもしれませんけれども、情報が深まっているんだと、こういうふうに感じているところであります。常に守っていくというときに、今回の改定案の中には避難所における感染防止対策、これはインフルエンザに向けてもともとあったわけでありまして、今、コロナが始まったからということで言っているような感じなんですが、それにしてはもうちょっと危機感を持った書きぶりになっているはずなんですね。どちらも命と生活を奪っていくものであります。まさにこのコロナ感染症対策というのは災害だと思うんですが、そう思いませんか。
59 ◯間野防災危機管理局長 思います。
60 ◯松本國寛委員 災害でありますから、まさにこの防災計画の中にきちんと書き込んでいく必要があると思っていますし、我々はこのワンヘルスの条例に基づいて実践していこうという形でやっていますので、そういう思いもしっかりとこの中に書き込んでいくということが大切なことじゃなかろうかと、私はこの両方を並べたときに感じているんですが、いかがですか。
61 ◯間野防災危機管理局長 松本委員御指摘のとおり、地域防災計画もワンヘルスの行動計画も当然整合性を持ったものであるべきと考えますので、この記載につきましても、今後考えさせていただきたいと思います。
62 ◯松本國寛委員 明確な答弁でいいなと思ったけど、最後に考えると言ったので、これはきちんと、我々もこの地域の課題として盛り込んでいくことが大切だと思っていますし、局長御指摘のように、この行動計画、これが今後のスケジュールが示されておりますので、この行動計画がきちんと出来上がっていきながら、この防災という面でも、先ほどの話に戻りますけれども、ワンヘルスのことも考えてほしいし、防災危機管理局の防災企画課としてのこの行動計画が出来上がった。並行してもいいですから、同時に、この改定には間に合わないかもしれませんけれども、今後の改定にしっかりと乗せていけるように頑張っていただきたいということをしっかりお願いしたいと思います。
それともう一つ、先ほど委員長が日本獣医師会の会長と藏内委員のことを紹介されましたが、福岡県獣医師会の役員さんもこちらにおられますので、この分厚い本からよく見つけてきたなと思いますが、この二十一ページに、六番、七番、八番、九番とんとんと書いてありますけれども、その中に指定地方公共機関として様々な団体が書いてございますが、この中に我々の柱としているワンヘルス、そしてまた防疫に関しても外してはならない獣医師会が書いてないんですが、これは、藏内委員の前でこれを読み上げることはちょっとはばかろうかと思いましたが、指摘をさせていただきますが、二十一ページに書いてございます。そういった意味では、我々が今議論していき、そしてまた行動計画に基づいて防災の計画を立てていくときには、指定地方公共機関、これは全国版ですから福岡県とは書いていない。だったら、しっかり加えていって議論を深めていくことも必要なんだと思います。これを今あなたに返事せえというのは、なかなか厳しい顔をされているので、総務部長、それから教育長、しっかりと議論していただいて、今後の体制を構築していただきたいということを、これは極めて強い要望として議論していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。
63
◯香原勝司委員長 極めて強い要望ということで、よろしくお願いをします。
ほかに質疑はございませんか。森下委員。
64 ◯森下博司委員 説明の一ページ真ん中のほうに、二の国の防災基本計画の修正を踏まえた見直しの中で、1)避難所における感染防止対策で、感染症対策に配慮した避難所開設とありますね。中を見ていないから何とも言えない部分があるんだけど、マスクとかパーティションを準備しますよ、備蓄しますよというのはわかるけど、三年前に北部九州で災害があったときに、門司大翔館高校の体育館が大型避難所になっていたんですね。かなりの土砂災害であったので、多くの校区の人がそこに行ったんだけど、災害があったのは七月の六日ですよ、暑いときですよ。ところが、その体育館は空調も何もないものですから、急遽、特別教室のほうに入れたんですね。そこもあふれた。クーラーがあるということでそっちのほうに移動したんです。それは避難所になっていない。それで、体育館にやはり空調を入れて、生徒たちの運動のためにということもあるし、地域の避難所としての機能を果たすためにはぜひ空調をということで話しましたところ、三年後、今年の四月に大翔館高校に空調が付いた。ところが、あと百二校の県立高校の体育館にはほとんど付いていない。ということは、避難所に指定があっても、避難するという、まして三密を避けて避難できる個所というのは、体育館以上の大きなスペースなんかはありません。だったら、こういう備蓄をするということは大事なことだけれども、住めるかどうか、そこに居場所としておれるかどうか、避難できるかということを防災危機管理局がきちんと窓口になって、それはアドバイスすべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
65
◯香原勝司委員長 間野防災危機管理局長。
66 ◯間野防災危機管理局長 確かに暑い時期に災害がよく起こります。そうしますと、体育館に空調が必要になってくるということは容易に想像できることであります。そういった避難所につきましては、基本的には市町村が指定する。多く指定されておりますのが市町村立の小中学校、それから県立学校についても、市町村から依頼があれば、県として協力して場所の提供をやるという形でやっております。そういった、市町村においてどのような対応ができるか、これは防災企画課と消防防災指導課が、市町村との連携になっておりますので、消防防災指導課から市町村に情報提供をしたり、相談に乗ったりして、快適に避難できる場所の確保について取り組んでいるところでございます。
67 ◯森下博司委員 窓口が教育委員会でも、これはここの建物じゃないですか。市町村はそこにお願いをして、教育委員会が結論を出すかどうかしかないんです。教育委員会は全然関係ない。
68 ◯間野防災危機管理局長 市町村から地元の県立高校、あるいは県有施設をそういう避難所に使いたいという相談があった場合は、それぞれの施設管理者から、当然、教育委員会に行くこともあろうかと思いますが、その上で協定なり何なりを結んでいく形になると思います。
69 ◯森下博司委員 しつこいようだけど、既に協定を結んでいるんですよ。ところが、設備が不備なものですから、使えないというわけですよ。確かに市も協力していますよ。だから、教育委員会は予算がないですよ、まず、モデル的にやってみましょうというのが大翔館高校です。それは避難所として使えるかということです。そして、この三密を避けられるという判定でやっているわけですから。だから大方の避難所というのは、県立高校はたくさん抱えていると思います。それをきちんと設備をしてあげるべきじゃないかと言っているんです。
70
◯香原勝司委員長 松永教育振興部長。
71 ◯松永教育振興部長 避難所の関係でございますけれども、委員おっしゃるとおり、市町村からの依頼に基づいて県有施設を避難所として取り扱うという、そういう手続でやらせていただいております。確かに空調がないところも多数ございます。ただ、そこに関しましては、あくまでも避難所の機能ということで、市町村とも協議しながら、施設そのものに造り備えるというのはなかなか経費的なもの、時間的なものの課題が多いと思います。スポット的なもので入れることができるのかどうかとか、その状況によって市町村と相談していく必要があるかと考えております。
72 ◯森下博司委員 最後にしますけれども、災害というのは待ったなしと思うんです。ある程度準備をしておかなければいけないと思います。だから、今、部長の答弁でありましたけれども、スピード感をもってやるべきだと思うし、モデル校として、できたらこの空調にもう一度教育委員会も関わって、それが本当に機能して、地域の人にも生徒さんにとってもプラスになっているかどうかという、それも検討していただきたい。これはクーラーじゃありませんから、空調です。だからお金がかかると思います。それだけ言っておきます。スピード感をもってお願いします。以上です。
73
◯香原勝司委員長 ほかに質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者がある〕
74
◯香原勝司委員長 ほかにないようですので、以上で、本件の質疑を終わります。
次に、議題にはありませんが、その他として何かございますか。
〔「なし」と呼ぶ者がある〕
75
◯香原勝司委員長 特にないようですので、次に進みます。
「今後の委員会活動について」、お諮りいたします。
このことにつきましては、正副委員長に御一任願いたいと思いますが、よろしいでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
76
◯香原勝司委員長 御異議がありませんので、そのようにさせていただきます。
最後に、会議録署名委員を指名いたします。板橋聡委員、畑中茂広委員、お二人を指名いたしますので、よろしくお願いいたします。
以上で、本日の議事は全て終了いたしました。
これをもちまして、ワンヘルス・
地方分権調査特別委員会を閉会いたします。
ありがとうございました。
午 後 四 時 二 十 六 分 閉 会
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