福岡県議会 2020-06-11
令和2年6月定例会(第11日) 本文
↓ 最初
のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(栗原 渉君) ただいまから本日
の会議を開きます。
日程に従い一般質問を行います。順次発言を許可いたします。樋口明君。(拍手)
*
樋口議員質問
2 ◯五十五番(樋口 明君)登壇 おはようございます。
自民党県議団の樋口明でございます。通告に従い、
新型コロナウイルス感染症の治療薬開発について質問します。
新型コロナウイルスを克服するため世界各国でワクチンや治療薬
の研究開発が進められている今、
ウイルス研究技術を有する福岡県
保健環境研究所と核酸医療技術で世界的な競争力を持つ
バイオベンチャー、
株式会社ボナックで、
新型コロナウイルス感染症治療薬に関する共同研究を実施することについて
合意がなされました。
株式会社ボナックは、県が久留米市
と連携し展開している
福岡バイオバレープロジェクトで支援し、国際特許を取得した核酸医薬
のコア技術を持つ世界的にも注目を集める
バイオベンチャーです。現在、世界
の製薬会社がワクチンや
治療薬開発にしのぎを削っており、近い将来、
新型コロナウイルスを克服した社会が実現するもの
と思いますが、その治療薬を本県
のベンチャー企業が世界で最初に開発することになれば、こんなすばらしいことはありません。
福岡バイオバレープロジェクトにとっても大きな推進力になり、さらなる企業集積も期待できるもの
と考えます。そこで、その治療薬
の開発スケジュールをお聞きします
と、令和四年度に医薬品として
の販売を目指しているそうですが、この
開発スケジュールを短縮することはできない
のでしょうか。エボラ出血熱
の治療薬としてアメリカ
の製薬会社で開発された
レムデシビルは、
新型コロナウイルスにも有効な治療効果が認められたことから、厚生労働省は異例
の早さで薬事承認しました。今回
のレムデシビルの特例が前例になったわけですから、開発期間
の短縮は可能なはずです。また、予算をかけることで研究
の効率が上がる
のであれば、さらなる予算処置も検討すべき
と考えます。
ところで、治療薬
の研究開発を急がせたい理由についてですが、一日も早い
新型コロナウイルスから
の克服や
福岡バイオバレープロジェクトのさらなる推進はもちろんですが、もう一つ、とても重要な理由があります。それは来年
の東京オリンピック・
パラリンピックの開催です。報道では、複数
のIOC
の委員が
東京オリンピック・
パラリンピックは再延期はない
と発言しており、政府
と大会組織委員会は大会中止を回避するため、開催方式
の簡素化を選択肢
の一つとして検討しているようです。大会中止という最悪
のシナリオは避けなければいけませんが、
オリンピックが完全な形で成功すれば、日本
の経済はV字回復する
と考えられており、完全な形で
のオリンピック開催にはこだわっていかなければいけない
と思っています。その完全な形で
の開催
の鍵を握る
のがワクチンや治療薬です。これら
の開発については政府が先頭に立って取り組んでいかれるでしょうが、本県もまた、
オリンピック開催の鍵を握る研究に携わっている以上、コロナ
の克服や
福岡バイオバレープロジェクトの推進だけにとどまらず、福岡県が
オリンピックを成功させるという気概で研究に取り組んでいただきたい
のです。
そこで知事に質問です。
新型コロナウイルス感染症治療薬の研究を加速させ、
開発スケジュールを短縮できないでしょうか。
東京オリンピック・
パラリンピックに間に合わせるぐらい
の強い意気込みで取り組んでいただきたい
のですが、知事
の見解をお伺いします。
次に、政府は第二次補正予算でワクチンや治療薬
の研究開発を支援する費用等を盛り込んでいるようです。予算をかけることで研究効率を上げることが可能であれば、国
の事業
の活用や追加
の県単独予算も検討すべき
と考えますが、知事
の見解をお伺いします。
最後に、この研究開発を通して、
福岡バイオバレープロジェクトのさらなる推進に向けた知事
の考えをお聞かせください。(拍手)
3 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。
*知事答弁
4 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
新型コロナウイルス感染症治療薬の開発スケジュールでございます。
新型コロナウイルスが世界で今、猛威を振るっております。全世界で感染者数は七百万人を超え、また亡くなられた方も四十万人を超えているわけであります。世界は大きな打撃を今、受けております。そのため、一刻も早くその治療薬
の開発というものが望まれているわけでございます。そうした中にありまして、五月十八日でございますけれども、
日本獣医師会藏内会長、地元選出
の原口県議会議員、また
大久保久留米市長にも御出席をいただきまして、県は、
ボナック社との間で覚書を締結をし、治療薬
の開発に向けて共同開発、これを開始しているところであります。
ボナック社でございますけれども、難病、
ウイルス感染症に大きな効果が期待でき、また副作用
の心配も少ない
と言われております核酸医薬
のコア技術を有している会社であります。一方で、福岡県
の保健環境研究所は、危険な病原体を外部に漏らすことなく安全に取り扱うことができる施設を有しておりますとともに、
新型コロナウイルスに関しても、最新知見、また研究技術を持つ研究員も有しているところでございます。
治療薬でございますけれども、令和二年四月に開発を始めまして、現在、共同でその効果
の検証を行っているところであります。その後、動物実験、それから治験
の第一から第二段階、これを経まして、令和四年十月をめどに治験
の第三段階、その後
の承認申請、これに至りたい
と、そういう計画を持っているところであります。議員が御指摘がありました、今後、
ボナック社と保健環境研究所との間で、それぞれ
の強みを生かしながら、この共同研究によります効果
の検証、これをできるだけ早く進めまして、福岡発
の、また世界で初めて
となります
核酸医薬分野における
新型コロナウイルス治療薬、この早期開発に向けて全力で努力をしていきたい
と、このように考えております。
次に、その研究開発へ
の支援でございます。県におきましては、四月
の補正予算におきまして、治療薬
の研究開発助成金を計上させていただいております。
ボナック社に対する支援をこれで行っております。
ボナック社が強みを持っております核酸医薬という
のは、先ほど申し上げましたように、
ウイルス感染症に大きな効果が期待でき、副作用
の少ない次世代型
の医薬品
と言われております。一旦その開発に成功すれば、新たな感染症が発生した場合にも、その核酸
の配列を変えるだけで新薬
の開発というものができるようになりますため、ほか
の医薬品に比べ、短時間で実用化できるという強みがあるわけでございます。現在、
ボナック社におきましては、約五十種類
の候補薬
の製造を既に終わらせておりまして、県
の保健環境研究所が持っておりますウイルスを使って、今、同研究所
と一緒になってその効果
の検証を行い、今年度中に候補薬を絞り込む予定
となってございます。その後、動物実験を経て、人へ
の有効性、安全性を確認する治験に入っていく予定でございまして、これには多額
の費用が必要
となるわけであります。そのため、これから先、産学官による支援体制を構築をし、国予算による
大型研究プロジェクトの採択、これを目指していきたい
と思っております。また、
ベンチャーキャピタルとのマッチングイベントを開催をしまして、民間から
の資金調達も支援していきたい
と、このように思っております。県としては、こういった形で積極的に支援を申し上げ、一日も早い治療薬
の完成、これを目指してまいります。
次に、
福岡バイオバレープロジェクトの推進についてお尋ねがございました。県におきましては、平成十三年度からでございますが、久留米地域を中心
とした
バイオ関連企業や研究機関
の集積を目指す
福岡バイオバレープロジェクトというものを推進いたしております。創薬
と食品を柱
とする研究開発
の促進でありますとか、
ベンチャー企業の育成に取り組んできているところであります。こうした取組
の結果、県内
のバイオ関連企業は
プロジェクト開始時
の、三十二社あったわけでございますが、現在二百三十社まで増えてきております。例えば、独自
のゲノム編集技術で、生物
の持っております
物質生産能力を最大限に引き出す技術を持っております企業、また優れた嗅覚を持っております線虫を使って、僅か一滴
の尿でがん
のリスクを判定する技術を持つ企業、それから虫
の蚕を使って、医薬品
の原料製品に利用する技術を持っておられる企業など、国際競争力を有する有望な
ベンチャー企業も次々に育ってきている状況にございます。中でも、先ほど来申し上げております
ボナック社は、次世代医薬として期待を集めております核酸医薬
のコア技術を有しておりまして、福岡発
のこの治療薬
の開発に成功すれば、核酸医薬
の拠点として、福岡県、関連企業
の集積
の場として大いに弾みがつくもの
と考えております。加えて、県では来年春、久留米市に、最新
のバイオ用途ロボットや
ゲノム編集機器を利用できる
オープンラボ、これを備えた新
インキュベーション施設、これを開設する予定でございます。この施設を核
といたしまして、最先端
のバイオ技術を持つ有望な
ベンチャー企業の集積にさらに取り組んでいって、一層
のバイオ産業
の振興を図っていきたい
と、このように考えております。
5 ◯議長(栗原 渉君) 守谷正人君。(拍手)
*
守谷議員質問
6 ◯六十番(守谷 正人君)登壇 皆さん、こんにちは。
民主県政クラブ県議団の守谷正人でございます。
質問に入ります前に、今回、
新型コロナウイルス感染症によりましてお亡くなりになられた方に心より哀悼
の誠をささぐとともに、治療、そして退院された方、その御家族
の皆様に対してお見舞いを申し上げます。また、今このときも感染症
の拡大
の防止に懸命に取り組んでおられる、そして私たち
の生命を守っていただいております医療機関
の皆様、そして私たち
の生活を支えていただいております全て
の方々に敬意を表するとともに、感謝を申し上げまして、質問に入らせていただきます。
新型コロナウイルス感染症における本県
の支援策について知事に質問します。四月七日に本県を含め七都府県に発令された
緊急事態宣言を受け、それまで
の週末
の不要不急
の外出自粛、夜間における接客を伴う飲食店、繁華街へ
の外出
の自粛などに加え、生活維持に必要な場合を除いて外出自粛
となりました。四月十四日からは、これまで
の外出自粛等の取組に加えて、人
と人
との接触
の機会をさらに徹底的に軽減することが必要として、
新型インフルエンザ等特措法第二十四条第九項
の規定に基づき、知事は事業者に対して
休業等協力を要請する
緊急事態措置を講じました。この措置により県内
の事業者は、休業を要請された事業者、休業
の協力を依頼された事業者、基本的に休業を要請されない事業者に分類され、知事
の記者会見直後から、本県もこれまでに経験したこと
のない状況
となり、社会は大きく混乱を始めました。そこで、今回は多く
の県民から直接いただいた声を基に作成した本県
の新型コロナウイルス感染症における支援策等について四点知事に質問いたします。
最初に、基本的に休止を要請しない施設
のうち、接客を伴う施設、例えば、理美容業やタクシー等
の県民
の生活に必要なサービスを安全に提供し、社会を支えていただいている事業者へ
の支援についてお尋ねいたします。これら
の業種は県民
と直接的に接する機会が多く、
市民へ
の安全対策に配慮しながら、県内で県民生活に必要なサービスを提供している施設です。今回
の措置を受けて多かった声は、知事から県民が生活する上で必要な事業であるのでぜひ開業を続けてほしい
と依頼された。頑張ろう
と思ったが、県内は外出自粛
のため県民はほとんど見当たらない。消毒やマスク等適切な
感染防止策を講じる
と経費が経営を圧迫している
との声でした。福岡市は、このような県民
の生活に欠かすことができない事業を行っている方々に対して、対象期間中に営業した
中小企業等で売上げ三〇%以上減少した事業者に対し、法人十五万円、個人事業主十万円を一回限り支援をいたしました。県から休業や時短を要請された事業所、飲食店には家賃補助を行う自治体もありましたが、この期間開業している方々は家賃
の補助を受けることができない可能性もあります。
そこで、感染
のリスクを顧みず私たち
の生活を支えていただいた基本的には休止を要請しない施設
の現状をどのように捉えている
のか、知事
の御認識
と併せて安全対策等
の費用負担に対する支援策についてお尋ねをいたします。
次に、
新型コロナウイルスによって、
文化芸術活動が大きな影響を受ける中、本県
の音楽等文化芸術活動へ
の支援についてお尋ねします。音楽演奏を行う県民
の方や団体から本県
の支援策が十分でない旨
のお声をいただききました。コロナ
の影響により
文化イベントを中止せざるを得ない状況にあり、実演家──楽団員、俳優等やそれを支えるスタッフ等が苦境
の状況に陥っています。大きな楽団は三密を避ける意味でステージで
の合同練習もできず、個人で活動している方も今後音楽等を続けていくことに不安を口にしました。東京都をはじめ多く
の地方自治体は文化芸術を支援する対策が実施されています。長野県では、頑張る
アーティスト応援事業、愛知県は、
県文化芸術活動応援金の創設等、鳥取県は、アート
の灯を守る!とっとり
アート支援事業補助金など、芸術に携わる人
とその文化を守るために趣向を凝らした取組を行っています。そこで、本県
の支援策を
ホームページで確認する
と、新型コロナウイルス
の影響を受けた
文化芸術関係者を支援するため
の制度等
の中で、
特別定額給付金や福岡県
持続化緊急支援金等の通常
の支援が記載されていますが、芸術家や文化を守る支援策は見当たりません。ある芸術家から来たメールには、一度失われた芸術は復興するには容易なことではありません、コロナによって芸術
の技術や伝統が絶えることだけはぜひ避けたい
と、切実な胸
のうちを表しました。
アフターコロナも含め、福岡県
の伝統芸能や独自
の文化も継続していかなければなりません。本県は、四月に福岡県
文化芸術振興条例を制定し、その一、基本理念、基本的施策
の中
の六項は、地域
の人々による主体的な
文化芸術活動へ
の配慮、県内各地
の特色ある文化芸術
の保護、発展
としています。
そこで、福岡県
の事業継続に向けた
文化芸術関係者等の現状をどのように捉えている
のか、知事
の御所見
と今後
の対応等をお尋ねをいたします。
三番目に、知事から
の休業要請に従わなかった事業者へ
の対応についてお尋ねします。県は
新型コロナの感染拡大を受け、四月十四日から遊興施設や遊技施設などを対象に休業を要請しました。感染を一刻も早く食い止め、県民
の健康を守り、県民
の一人一人
の行動が家族をはじめ周り
の人
の命を守り、私たち
の故郷
とこの日本
の国を守ることになる
と知事が力説したにもかかわらず、要請に応じない事業者があり、再度
の要請に従わない県内
のパチンコ店六店舗に対し、二十九日に県
のホームページで店名
と住所を公表しました。その後も六店舗は営業を継続したため、五日に県職員が各店舗を訪れ営業を確認した上で、特措法四十五条に基づき休業指示を文書で伝えました。また、久留米市では、県
の休業要請以降も営業を続けていた市内
のナイトクラブで
クラスターが発生しました。県民
の多くが知事から
の要請を受け休業や外出
の自粛をしている最中であり、誠に遺憾であります。知事は感染拡大を防ぐため事業者に休業を要請、指示する権限を持ち、従わない場合は店名を公表できますが、罰則規定はありません。
西村経済再生担当大臣は四日
の参議院議院運営委員会で、国民が連帯して対応しているときに、指示を守らない事業者がいることはあってはならない
と述べました。
そこで、今も北九州市では接待を伴う飲食店
とライブハウスが休業要請中ですが、知事から
の休業要請に応じない施設を県内でどの程度認識しておられた
のか、要請を守らない施設に対する知事
の思いとともにお尋ねをいたします。併せて、これら
の施設に対して、
パチンコ店で行ったように、本県は現場確認や特措法による
休業要請指示を行った
のかお尋ねいたします。
最後に、本県
の休業要請解除等の対応についてお尋ねをいたします。五月十四日に
新型コロナウイルス特別措置法に基づく
緊急事態宣言の対象から本県が外れたことを受け、十五日午前零時から、民間施設へ
の休業要請は、接待を伴う飲食店等
のクラスターが発生した施設を除き原則解除
となりました。対象
となった事業者にとっては長い暗いトンネルから抜けた瞬間であり、県民一人一人が知事
の要請を信じながら真面目に取り組んだ成果だ
と思っています。
さて、私宛てに市内
の飲食店経営者からメールが届き、福岡県はバーへ
の休業要請は解除された
のか、継続な
のか、どちらか分からないというものでした。四月十四日
の知事
の休業要請で、バーは基本的に休業を要請する施設に分類されました。しかし、休業要請
の解除を示した五月十四日
の知事
の記者会見を見て、多く
のバー経営者は休業要請がまだ継続されている
との認識を持ち、関係者
の多くが真相
の確認
のため県に問合せを行った
とのことです。接待を伴わないバーは、県から
の休業要請が解除されたのに、知事
の言葉がうまく伝わらず、多くが休業していた可能性があり、営業収入
の減少に加え、休業要請に支援される自治体
の家賃補助
の制度も対象外
となった可能性もあります。また、過去に
クラスターが発生した
ナイトクラブや
ライブハウス、
カラオケ店等の営業自粛を継続しましたが、一方、
クラスターが発生していないとして風俗店や
ネットカフェは自粛
の対象が解除されました。他県では、国から
の基準を精査して、独自に対象業種を判断しているところもあります。このように県
の措置に対して不公平感や不安を抱いた県民は非常に多かった
と思います。
そこで、今回
の休業要請
の解除等
の対応を振り返って、知事
の言葉は県民に正確に届き、そして適正に理解された
と感じておられる
のかお尋ねいたします。併せて、今後
の休業要請時にどのように対応していく
のかをお尋ねいたします。
以上、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)
7 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。
*知事答弁
8 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
休止を要請しない接客を伴う施設へ
の支援でございます。県では、四月十四日から施設
の休業要請を行いましたが、県民
の皆様が必要最低限
の生活を送っていただくため不可欠なサービス等につきましては、事業
の継続をお願いをいたしたところであります。その中には、理美容等、客
の接触
の機会が多い業種も含まれております。これら
の事業者
の皆様には、感染リスクが高い中、事業
の継続に御協力をいただき、また県民生活
の維持に寄与いただいたもの
と感謝を申し上げているところであります。また、外出自粛
の影響でお客さんが減り、適切な感染防止対策を講ずるため
の新たな負担も生じるなど、
新型コロナウイルスによる経済的な影響という
のは、休業対象ではない事業者
の皆様にも幅広く及んだもの
と考えております。このため県におきましては、いつも申し上げておりますが、こうしたコロナ
の影響を受けた事業者
の皆様に対し、国
の持続化給付金
の対象
とならない事業者
の方々に対し、県独自
の持続化緊急支援金
の給付というものを行わさせていただいております。また、経営革新に取り組まれる企業が業種別ガイドラインに基づいて今後実施される感染症防止対策について、これを支援したい
と考えておりまして、こういった取組を通じて企業
の皆様
の事業継続を支援してまいります。
次に、
文化芸術関係者に関する現状認識
と今後
の支援でございます。多く
の文化芸術関係者は、これまで入場料収入を中心にその事業を維持されてきておりまして、
新型コロナウイルス感染症の拡大による収益機会
の減少などによりまして、その経営環境は厳しさを増しているもの
と考えております。県におきましては、国
の持続化給付金
と相まって幅広く御支援を申し上げるため、国
の対象
とならない事業者を対象
とした、今申し上げました県
の持続化緊急支援金、これをつくりまして、
文化芸術活動を行っておられますフリーランスや事業者
の方々に対し支援を行っているところであります。また、県制度融資によります資金繰り支援、これをさらに強化をしていくために、三年間実質無利子、無担保
の新型コロナウイルス感染症対応資金及び保証料を県が肩代わりしてゼロ
としております緊急経済対策資金、県
の制度融資でございますが、その融資枠をそれぞれ大幅に拡大をいたしました。さらに、今議会には、支払い家賃
の三分の二を支援する国
の家賃支援給付金
の対象
となります事業者に対しまして、県独自にその給付率
のかさ上げを実施する予算をお願いしているところであります。加えて、国
の第二次補正予算におきましては、動画による公演
の収録
と配信、感染症防止に対応した公演
の実施など
文化芸術活動の再開や継続に必要な経費について、これを助成する制度が創設をされたところでございます。県
といたしましては、文化芸術
の関係者
の皆様に対しまして、こうした給付金、融資制度、家賃補助といった支援制度につきまして、分かりやすくこれを周知をさせていただき、それらを有効に活用していただくことによりまして、事業
の継続が図られるよう努めてまいります。
次に、休業要請に従わなかった施設へ
の対応でございます。県民
の皆さんや市町村から、休業や営業時間
の短縮要請に応じず営業を行っている
との情報提供があった施設数は、
パチンコ店以外に二百八十四ございました。これらには
ナイトクラブ等
の接待を伴う飲食店やカラオケボックスなど様々な業種が含まれておりました。これら
の店舗につきましては、個別に文書を送付し、休業
の協力要請を行いました。また、特に、接待を伴う飲食店につきましては、県内、先ほど久留米という御指摘もございましたが、実際に
クラスターが発生をしましたことから、県職員が三十七店舗に対し個別訪問を行うなど、休業協力について粘り強く働きかけを行ったところであります。加えて、県内四市におきまして、夜
の繁華街に街頭宣伝車を走らせまして、接待を伴う飲食店やカラオケ等
の営業
の自粛について、また県民
の皆様に対しましては、当該施設へ
の外出
の自粛について呼びかけを行ったところであります。なお、特措法に基づく指示
と公表は、店舗数が非常に多うございまして、店内で
の営業内容、その実態
の把握が難しいことから、指示、公表までは行わなかったものでございます。多く
の事業者
の皆様が、私が行いました休業要請、協力
の要請に対して御協力をいただいた中で、一部
の施設で営業が継続されたことは非常に遺憾なことだというふうに思っております。
次に、休業要請解除
の対応についてでございます。五月十四日、
緊急事態宣言が解除されたことを受けまして、県では、感染拡大
の防止
と医療提供体制
の維持、確保を図りながら社会経済活動
のレベルを徐々に上げていくため、休業要請
の緩和を図ったところであります。その際、県内
の感染状況、私権
の制限は必要最小限
のものでなければならない
とする特措法
の趣旨、これも考え、踏まえて検討を進めました。その結果、接待を行う飲食店や
ライブハウス等につきましては、それまで国内において
クラスターが発生をしておりましたことから、特に感染リスクが高いもの
と判断をいたしまして、引き続き休業を要請すること
といたしました。このため県
といたしましては、これまで国内において
クラスターが発生していない性風俗店
とネットカフェについては、県
の判断として、休業要請を解除したものでございます。
休業要請を継続した施設
のうち、バーについてでございますが、ショットバー、ガールズバー、ダーツバーといった様々な営業形態があります。お酒や料理のみを提供している場合には、休業要請
の対象外であります居酒屋など
と実質的に違いがないわけであります。このため、バーという名称のみをもって一律に休業要請
の対象
とする
のではなく、営業実態で判断すること
とし、接待を伴わない店舗は、その対象外
としたものであります。これら
の点につきまして、議員御指摘
のとおり、県民
の皆様、事業者
の皆様から問合せがございました。必ずしも私
の申し上げたことが正しく伝わっていないということでございまして、大変申し訳なく思っているところであります。このバー
の取扱いにつきましては、県
のホームページに明記をいたしまして、その内容について、改めて周知を図ったところでございます。今後、再度
の休業要請を行う場合には、こういったことがないように、対象施設が明確になるよう分かりやすい説明を行ってまいります。
9 ◯議長(栗原 渉君) 松下正治君。(拍手)
*松下議員質問
10 ◯二十六番(松下 正治君)登壇 皆様、おはようございます。公明党
の松下正治です。
通告に従いまして、まずJR日田彦山線復旧
と沿線
の地域振興策について伺いたい
と思いますが、最初に、昨日、平成二十九年七月
の九州北部豪雨
の復旧工事をめぐる贈収賄
の容疑で朝倉市職員らが逮捕されました。このことは、JR日田彦山線沿線を含めた全て
の被災地域
の復旧に対し、多く
の方が尽力をする中にあって許しがたい行為であり、憤りを禁じ得ません。まずは、この件に関する知事
の所感をお尋ねしたい
と思います。
平成二十九年七月
の九州北部豪雨で被災し不通が続くJR日田彦山線
の添田─夜明間については、被災から約三年を経て、ようやくBRT導入
の復旧案で動き出しました。知事は今議会で沿線地域振興
のため
の基金設置を提案し、各会派から連日その姿勢をただされているところでありますが、一刻も早い復旧
と早期
の地域振興を考える上で必要
となる
と思われる視点として、二〇一五年に宮城県仙台市で行われた第三回国連防災世界会議で採択された仙台防災枠組
の考え方を紹介させていただきます。
仙台防災枠組では、災害
の被災者を二〇三〇年までに大幅に減少させるなど
の目標を打ち出しましたが、注目をする
のは、基本
となる考え方、指導原則
の一つとして、復旧・復興段階においてはビルド・バック・ベターを実践する
との項目を挙げている点です。このビルド・バック・ベター、すなわち、よりよい復興
の実践
とは、災害を地球的な視点から捉え、環境に配慮し、社会
のレジリエンス(困難を乗り越える力)を促し、災害を軽減する対策を盛り込み、持続可能なコミュニティーを再生する試みを表します。災害発生以前からあった問題も復興を通し解決することが大切であるという考え方です。また、ステークホルダーという考え方を示していることも仙台防災枠組
の特徴です。ステークホルダー
とは、社会で活動する上で、利害関係や関わりを持つ幅広い団体や人
のことで、防災、減災に関しては、個人、ボランティア、コミュニティーや
市民団体、非営利団体、医療団体、研究組織や学術団体、企業や専門組織、国や自治体、国連など
の国際機関、メディアなどを指します。そして、企業や専門家団体
のステークホルダー
の役割として、防災、減災
のため
の投資、災害リスク管理などを求めています。
さらに、国際的な枠組みとして、二〇〇五年に阪神・淡路大震災から
の復興
の取組を生かし、災害後
の復興に関する様々な知見を集約、発信する国際復興支援プラットフォームが立ち上げられています。その活動
の一環として毎年、国際復興フォーラムが開かれていますが、昨年
の第十五回フォーラムで、防災科学技術研究所理事長が、ビルド・バック・ベターには単なる物理的な都市
の再建だけではなく、経済を立て直すこと
と、生活を立て直すことを併せた三つ
のゴールがあり、発災直後から時間軸においてはインフラ復旧
の段階、経済及び都市
の再建
の段階、生活再建
の段階
と三層構造ではあるものの、別々に考える
のではなく、将来を見据えて同時に考えることが重要である
と述べています。
ところが、本県
の日田彦山線
の沿線
の地域においては、被災から三年を経過しよう
としているにもかかわらず、いまだにインフラ復旧
の段階にある
と言わざるを得ない状況です。そうした現状で、今後、都市、経済、生活
の再建を図る際にはビルド・バック・ベター
の考え方が必要であり、JR九州にはステークホルダーとして
の責務がある
と考えます。以上を踏まえ、知事に質問します。
まず、仙台防災枠組
のビルド・バック・ベター、すなわち、よりよい復興
の考えに基づいたJR日田彦山線
の復旧及び沿線地域
の地域振興について、知事
の見解を求めます。
次に、仙台防災枠組は、災害発生以前からあった問題も復興を通じて解決することが大切である
と指摘しています。第二期福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略には、朝倉圏域
の施策
の方向性について、豊かな自然や豊富な観光資源を生かす、地元雇用を拡大し若年世代
の転出抑制、福岡市、久留米市へ
の通勤を視野に移住、定住
の促進、田園生活を楽しむ定住圏域として発展など
とビジョンを描いていますが、知事は、日田彦山線沿線地域に元来ある課題や問題をどのように認識をしている
のでしょうか。今後、復興を考えていく上で、そうした課題や問題をどのように解決し、地域を発展させていく
のか、知事
の御所見をお尋ねいたします。被災地
と被災住民
の皆様が明るい希望
と展望を持てる知事
の答弁を願い、この項
の質問を終わります。
次に、戦後七十五周年に係る本県
の施策について尋ねます。今年は、終戦から七十五年目
の節目
の年です。本来であれば戦後
の節目
となる様々なイベントが開催されるところですが、
新型コロナウイルス感染拡大
の影響で大規模なイベントは自粛する流れ
となっています。本県では毎年八月十五日に、福岡武道館で、福岡県戦没者追悼式が開催されています。御遺族
の方など多く
の方が集われる式典であり、
新型コロナウイルスの影響が心配されるところですが、既に、今年
の追悼式に参列される方を募集している
と聞いております。
そこで、まず知事に質問です。今年
の福岡県戦没者追悼式
の開催予定はどのようになっている
のでしょうか。日時や会場、参加人数等において例年
と同様
の規模で行われる
のでしょうか。また、遺族
の皆様が高齢化していることを考慮し、参加者
の安全を十分に確保するために、式典会場
の新型コロナウイルス対策はどのように取られる
のでしょうか、お尋ねいたします。
さて、特別弔慰金は、さき
の大戦で公務等
のために国に殉じた軍人、軍属及び準軍属
の方々に思いを致し、その遺族に対し節目
の年に国として改めて弔慰
の意を表するため実施され、戦後七十周年
の平成二十七年には、御遺族に一層
の弔慰
の意を表する機会を増やすため、五年償還
の国債を五年ごとに二回支給すること
となりました。これにより、第十一回目
の特別弔慰金
の請求が今年
の四月一日から始まっております。前回
の第十回特別弔慰金
の請求におきまして、市町村で
の請求書
の受付から県による審査、裁定、国債
の発行及び国債
の交付まで事務手続が長時間を要したことにより、本県においても多く
の問合せがあった
と聞いております。今年は、特に
新型コロナウイルス感染防止
のため、市町村へ
の受付に出かけることを自粛する御遺族がいることが予想されますし、本県
の担当部署である保護・援護課も
新型コロナウイルスの影響で増加傾向にある
と思われる生活保護受給者
の受入れ事務
の増大で、担当職員
の人員配置に余裕がない
のではないかということが心配されます。
そこで、この特別弔慰金
の事務について知事にお尋ねします。今回
の第十一回特別弔慰金について、本県における請求件数は何件ある
と予想している
のでしょうか。また、市町村で
の請求書
の受付から県による審査、裁定、国債
の発行及び国債
の交付までは、どのくらい
の期間を見込んでいる
のでしょうか。そして、一連
の作業が適切に行われるため
の担当職員
の人員確保は十分な
のでしょうか、お答えください。
さて、本県では、福岡県戦没者追悼式とともに、平和文化事業として、福岡県戦時資料展を毎年開催しています。しかし、今年は、
新型コロナウイルスの影響で中止になった
と伺い、戦後七十五周年という節目
の年であるだけに大変残念に思います。この平和文化事業については、昨年七月
の予算特別委員会において、我が会派
の吉田宣弘議員が知事にただしたところ、戦争
の悲惨さ、その教訓、そして平和
の尊さを御理解いただける、また考えていただくきっかけになるような形で
ホームページの充実について検討する
との答弁をいただき、昨年、新しく県
のホームページに平和文化コーナーが新設されました。この平和文化コーナーでは、福岡県戦時資料展
の開催案内や、戦時資料
の貸出し情報、県内
の市町村が実施する戦争、平和に関するイベント等
の紹介、そして県民
の赤裸々な戦争体験記
の掲載等、戦争から得た教訓や平和
の尊さを次世代に継承していくため
の貴重な内容がそろっており、高く評価したい
と思います。また、今回、終戦に関わるイベント
の中止が相次ぐ中にあって、この
ホームページの存在は大変に大きい
と感じます。
そこで、この平和文化コーナーについて、改めて知事にお伺いします。県
のホームページの平和文化コーナーは、昨年新設されたばかりでありますが、現在、県民
の閲覧状況はどのようになっている
のでしょうか。
また、新設されて間もないため、広く県民に知ってもらうよう積極的な周知が必要
と思いますが、どのように周知していくお考えな
のでしょうか。
さらに、今
の時代、子供が将来なりたい職業にユーチューバーが上位に来るように、音声や動画による情報伝達手段が欠かせない
と感じます。そこで、平和文化コーナーをさらに充実させるために、戦争体験
の語り部
の方
の音声や、現在、ふくおかインターネットテレビに保存されている終戦七十周年における記念行事
の模様等
の動画情報を掲載するなど工夫をしてみてはいかがでしょうか、お尋ねいたします。
次に、本県
の平和教育
の状況について、教育長にお伺いします。戦後七十五周年
の節目を迎えるこの時期に、子供たちに対して平和教育を実施することは、大いに意義がある
と思います。本県
の平和教育については、やはり昨年七月
の予算特別委員会において、我が会派
の高橋雅成議員がただしたところでありますが、その際、副教育長から、大空襲等を経験された方々から話を児童生徒がじかに聞く、資料を見る、歴史を学ぶ、そういった経験はさき
の大戦
の記憶を風化させることなく次
の世代にそのことを継承し、一人一人が幸福で平和な社会を築いていく上で大変意義
のあること
と思います。県教育委員会
といたしましては、今後、児童生徒が実感を伴って平和
の尊さを学ぶことができるよう、体験的な学習に関するさまざまな取組例、それから情報
の提供等に努めてまいりたい
と考えております
との回答を得ております。副教育長は体験的な学習
の重要性を強調されましたが、今回
の新型コロナウイルスの影響により、現在そうした学習が実施しづらい状況にあることが懸念されます。実際に、例年多く
の小中学生が参加していた各地域における慰霊祭等
の行事も開催が中止になっているところが多い
と聞いております。そこで、以下、教育長にお尋ねします。
まず初めに、教育長
の平和教育に対する認識をお伺いします。
次に、本県における小中学校
の平和教育
の実施状況は現在どのようになっている
のでしょうか。
新型コロナウイルスの影響により、例えば、長崎や広島
の被爆地で
の平和学習が中止になるなど体験的な学習
の実施が困難な状況にある
のではないでしょうか。
新型コロナウイルス影響下にあって全体
の学習時間が逼迫する中、平和教育
の実施について何か工夫をしていることはある
のでしょうか。
先ほど知事に質問しました本県
の平和文化事業については、昨年
の予算特別員会で義務教育課長から、本事業は、児童生徒が平和について学ぶよい機会である
と捉え、県教育委員会としても校長研修会等で
の紹介等により広く周知していく旨
の答弁がありましたが、今回新設された県
のホームページ、平和文化コーナーは平和教育
の学習に大いに資するもの
と考えます。
そこで、本県
の平和教育において、県
のホームページを積極的に活用することを図るべき
と考えますが、教育長
の御所見を求めます。
今回
の新型コロナウイルス感染症の拡大は、子供たち
の教育環境に多大な影響を与えています。今年に入り休校が続いたため十分な教育を受けられないことに対する保護者
の不安
の声が多く寄せられています。このような中で、このたび戦後七十五周年
の節目を迎えることになりますが、七十五年前
の戦時下や終戦直後
の教育環境は、今以上に想像を絶する厳しい状況下にあり、その中を必死で学び抜き、また働き抜いた先人
の方がいらっしゃったおかげで、今
の日本社会
の礎が築かれた
と思います。このように思いをはせたときに、今
の子供たちは確かに大変な環境下ではありますが、今こそ、平和教育をしっかり
と受けることにより、戦争
の悲惨さや平和
の尊さを学ぶとともに、どんな困難な試練にも決して負けない強い意志、レジリエンスといったものを先人
の貴重な体験を通して育んでいただきたい
と切に願ってやみません。
そこで、最後に、本県
の平和教育
の推進について、教育長
の力強い決意を求め、私
の一般質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
11 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。
*知事答弁
12 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず初めに、昨日
の報道にあった朝倉市職員
の収賄事件についてでございます。昨日
の報道で私自身も知ったところでございまして、その詳細を承知をいたしておりませんが、今後、事実関係は明らかになっていくもの
と思います。仮に、これが事実だ
とすれば、現在、朝倉市をはじめ被災地
の自治体、そして何より住民
の皆様挙げてその地域
の災害から
の復旧、復興に全力を挙げておられるわけであります。その中にあって
の事件であります。そういう意味では、そういう状況
の中で
の収賄という、県民
の皆様、地域住民
の皆様
の信頼を損なう不祥事が起こったということは大変遺憾なことである
と、許しがたいことである
と、このように思っております。なお、この手
の不祥事
といいますか、刑事事件は、災害
の復旧や復興工事だけに限らない、もともと公務員がやってはならない罪であるということは言うまでもないことであります。今後を注視したい
と思っております。
それから二番目に、ビルド・バック・ベター、よりよい復興という考え方に基づきますJR日田彦山線
の復旧
と沿線
の地域振興についてお尋ねがございました。復旧に当たりましては、新しい交通ネットワークで観光振興、経済
の活性化を図っていき、地域
の発展につなげていきたい
と、両地域
の皆様方
の思いに応え、地域
の住民
の皆様に被災前よりもよくなった
と思っていただけるような、よりよい復興というものを目指したい
と、このように私自身、考えております。そのため、今あります現状
の中で、地域
の皆様にとって一番いい形
のものは何かということで私なりに考えまして、従前
の鉄道に比べ利便性が一層高まるものであること、交通ネットワークが長期に継続されるものであること、観光、経済
の振興につながっていくものであること、この三つ
の観点を中心に総合的に判断をいたしまして、彦山駅から宝珠山駅までを専用道
とするBRTで
の復旧案というものを私、提案させていただいたわけであります。この復旧案でございますが、定時性、速達性といった面からも被災前
と遜色がないものにできるもの
と考えております。また、東峰村
の宝でございます眼鏡橋を九州で初めて
のBRT
のバスが通るという新しい観光資源を付け加えることができるもの
と考えております。沿線
の地域振興につきましては、今月一日に東峰村、添田町からいただきました御要望、九州
の自立を考える会
の日田彦山線復旧問題対策協議会におきます御議論を踏まえ、両町村
と協議をしながら検討を進め、地域
の皆様、県議会
の皆様
と一緒になって今後取り組んでまいります。
日田彦山線沿線地域
の課題
と問題について
の私
の認識でございます。日田彦山線沿線
の東峰村
と添田町におきましては、人口減少、高齢化が進み、県内
の市町村
の中で高齢化率が最も高い地域
となっており、地域
の担い手不足、活力
の低下といった課題を抱えておられます。一方、両地域は緑豊かな山々をはじめ名水百選、棚田百選にも選ばれる美しい自然
と景観、また霊峰英彦山
と山伏、修験道
の歴史
と文化、そして小石原焼、高取焼など伝統的な工芸品、これら豊富な地域資源に恵まれている地域でもあるわけであります。県
といたしましては、両町村
と一緒になりまして、BRTという新しい交通ネットワークを生かして、観光をはじめ
とする産業
の振興などを通じて、交流人口
の拡大、経済
の活性化というものを図っていき、この地域
の発展につなげていきたい
と、このように考えております。
次に、県
の戦没者追悼式についてお尋ねがございました。今年は、御指摘
のとおり、戦後七十五年という節目
の年であります。今般、国
のほうからは、
新型コロナウイルスの感染防止
の観点から、全国戦没者追悼式につきましては、規模を縮小してこれを実施するという方針が出されたところであります。こうした状況を踏まえまして、我が県
といたしましても、参列者
の安全確保、これを最優先として考えまして、参列者間
の距離
の確保、マスク
の着用
の徹底など感染防止対策を講じた上で開催をすること
とし、御遺族
の御意向をお聞きしながら、現在、具体的な開催方法を検討しているところであります。
次に、今回
の第十一回特別弔慰金についてでございます。今年
の四月からこの請求手続が始まっているところでございまして、今回
の請求期間中に、県内で約四万件
の請求というものを見込んでおります。請求から受給まで
の期間でございますが、県
の事務処理に約四か月、国によります国債交付
の事務処理に約四か月程度かかる
と見込まれております。今年、初年度でございますが、初年度はやっぱり請求が集中することになるわけでございます。その影響を踏まえましても、国債交付まで
の期間ができる限り一年を超えないよう処理を進めていきたい
と、このように考えております。そのため今年度につきましては、このため
の専任
の職員を三名、会計年度任用職員を五名配置をいたしまして、その体制を整えたところでございます。
次に、平和に関する
ホームページの閲覧状況
と周知についてお尋ねがございました。より多く
の皆様に、年間を通して悲惨な戦争
の教訓
と平和
の尊さというものについて考えていただけるよう、昨年
の八月、県
のホームページに平和文化コーナーというコーナーを開設をいたしました。このコーナーにおきましては、県が保有しております戦時資料、戦争体験記などを掲載させていただいておりまして、開設以来、約千人
の方々に御覧いただいているところでございます。今後、より多く
の皆様にこのコーナーを御覧いただけるよう、県広報テレビ
のほか、ツイッターやLINEといったSNSも活用して、その周知を図ってまいります。
次に、平和文化コーナー
の充実についてお尋ねがございました。毎年八月に県が開催をしております戦時資料展におきましては、戦争
の悲惨さを臨場感を持ってお伝えをするため、御提案
のありました戦後七十周年に当たる平成二十七年に私ども県が実施しました記念行事、その動画、これに加えまして、戦争を題材
とした映画を上映してきているところであります。この記念行事
の動画でございますけれども、今年度亡くなられた元特攻隊員
の方による戦争体験談や平和を祈るコンサートなどを収録しておりまして、平和
の尊さを次世代に引き継いでいく上で貴重な資料
となっている資料でございます。今年度、戦時資料展は、残念ながらコロナ
ウイルス感染症の影響で、やむを得ずその開催を見送ること
といたしました。一方で、県民
の皆様には、引き続き、今年度も平和
の尊さについてしっかり考えていただけるよう、平和文化コーナーを充実させること
といたしておりまして、この記念行事
の動画を掲載するほか、戦争体験談
の動画が掲載されております国
の平和祈念展示資料館、その
ホームページとリンクを張っていきたい
と、このように考えているところでございます。
13 ◯議長(栗原 渉君) 城戸教育長。
*教育長答弁
14 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 平和教育に対する認識についてでございます。平和教育は、命
の貴さ、戦争
の悲惨さ、平和
の尊さについて指導するとともに、国際的視野に立って世界
の平和
と人類
の発展に寄与し、国際社会に貢献できる資質
と態度を育成する教育である
と認識しております。
小中学生
の平和教育
の状況
と県
ホームページの活用についてでございます。各小中学校においては、学習指導要領に基づき、各教科あるいは道徳科、学級活動など学校
の教育活動全体を通じて、児童生徒
の発達段階に応じた平和に関する学習を行うこと
としております。また、体験的な学習として、地域
の戦争体験者から戦時中
の生活
の様子を直接聞く活動や戦時資料展において戦時資料にじかに接する活動などが実施されてきたところでございます。しかし、今般
の感染症や長期
の臨時休業
の影響を受けまして、各学校では、学校行事
の精選や学習活動
の見直しを行っているところでございます。従来
のようには体験的な学習
の機会
の確保が困難であるため、代わり
となる活動を検討している
と思われます。このような中、県
のホームページの平和文化コーナーを活用することにより、間接的にではありますが、体験的な学習として補完することができる
と考えております。
平和教育
の推進についてでございます。戦後七十五周年を迎えまして、戦争体験者が少なくなる時代において、子供たちが戦争を架空
の出来事として受け止めること
のないよう、今後、より実感を伴う体験的な学習を通して、苦難
の記憶を風化させることなく次
の世代に継承し、一人一人が平和な社会を築く一員
となるため
の教育を推進してまいります。
15 ◯議長(栗原 渉君) 堀大助君。(拍手)
*堀議員質問
16 ◯二十八番(堀 大助君)登壇 皆さん、お疲れさまです。緑友会
の堀大助です。今回は、
新型コロナウイルスで大きな影響を受けている教育現場で
の課題、授業
の課題について伺います。
まず初めに、休校による学業へ
の影響について伺います。県内小中学校で、休校により授業に遅れが生じています。当然、カリキュラムは年間を通じて授業を行う前提で作成されているもの
と思いますが、どのような影響が生じている
のでしょうか。また、年度内にカリキュラムを消化するよう、どのような対策を取られている
のでしょうか、教育長にお聞きします。
次に、感染対策で実施されている、少人数授業やオンライン授業について伺います。まず、少人数授業について伺います。ニュースなどでも報道されていますが、学校再開後、密集を避けるため、例えば、クラスを二つに分けて、別々
の教室で授業を行っている風景などが見受けられます。感染対策として生徒児童同士
の間隔を空ける措置ですが、課題も生じます。単純に考えて、教師
の数が二倍必要になる、あるいはほか
の教師に手伝ってもらうことになる
と思います。主に、教える側
の負担が増加する
と思いますが、この点、どのような対策を取られている
のでしょうか。
併せて、児童生徒
の登校に伴い、校内消毒
の作業が必要になります。報道などでは、教師が消毒作業を行っている姿も見ますが、教師
の負担増からすれば、そこは格別
の配慮が必要だ
と思います。この点、今議会に提案中
の緊急短期雇用創出事業
の活用もある
と思いますが、これも含めどのように対応される
のか、教育長に伺います。
次に、遠隔授業、いわゆるオンライン授業について伺います。これも、感染拡大防止
の観点から急遽実施され、特に大学などで一足先に広まっているようにお聞きします。
そこでまず、教育現場において、具体的には県内小中高
と県所管
の県立三大学について、オンライン授業
の実施状況がどのようになっている
のか、県立大学及び私立小中高校については知事に、公立学校については教育長にお尋ねします。
次に、オンライン授業実施における課題について伺います。オンライン授業
の実施には、大人数
との交信に耐え得るレベル
の通信機器
と通信回線
の整備が必須であります。
そこでまず、送り手である学校側
の整備状況について、現状
と展望を伺います。
次に、受け手である児童生徒側について伺います。通信機器や通信回線
の状況については各家庭でばらつきがある
と思いますが、できる限り教育
の機会均等
の観点から、特に義務教育現場においては配慮していただきたい
と思います。こちらについても現状
と今後について伺います。
これらについては私立小中高校は知事に、公立学校については教育長に伺います。
そのほか、オンライン授業では、児童生徒
のフォローアップをどう行うかなど様々な課題がある
と思いますが、県としてどのように課題を分析され対処していく
のか、教育長にお伺いします。
最後に、オンライン授業を行うに当たり関係する著作権について伺います。著作権法では、著作物を利用するには原則として著作権者
の許諾が必要になりますが、権利制限規定というものにより、例外的に許容されるケースもあります。教育機関においても様々にありますが、特に法三十五条において、一定
の場合に無許諾で
の利用が許されています。この法三十五条は平成三十年に改正され、令和三年まで
の施行が予定されていましたが、このたび
のコロナ問題により施行が急遽前倒し
となり、本年四月二十八日に施行されています。そこで、オンライン授業という新しい授業形態
と、新しい著作権法三十五条
との関係について、以下お尋ねします。
著作権法三十五条では、改正前から、学校等
の教育機関においては、授業に必要な一定
の場合には、教材など著作物
の無償、無許諾で
の利用が許されていました。もっとも、対面授業が念頭で、無許諾で可能な
のは、基本的には複製に限られており、大ざっぱに言う
と著作物を紙ベースでコピーし教室内で配付するような場合でした。データで
の送信は、対面授業を同時配信しているような場合に限られており、それ以外
の場合は、原則どおり著作権者
の許諾が必要でした。許諾がなければ、オンデマンド授業などで
の著作物利用は三十五条ではそもそもできなかったわけです。改正法は、オンライン授業に対応できるよう、著作権者
の許諾が必要だった部分を、有償、無許諾、つまり補償金
の支払い
と引換えに許諾不要という形に改めました。これにより、著作物
の利用は、無償、無許諾
と、有償、無許諾に整理されました。
同時に、今回
のコロナ禍を受けて、本年度に限り、有償部分も無償という取扱いになりました。これにより、以下
のような場面で
の著作物
の利用が本年度は無償、無許諾で行えるようになったわけです。例えば、対面授業用
の教材データを、予習、復習
のためにメール送信すること。教師が自宅にいる生徒
とオンラインで授業しながら、生徒
のタブレットに教材データを送信すること。生徒が好きなときに視聴できるオンデマンド型授業
のために、教師が授業を録画しアップロードすること。このようなことも、改正前には著作権者
の許諾がなければできませんでした。これらはいわば、オンライン授業にとって不可欠なものであり、法改正
のオンライン授業における役割は大きい
と言えます。もっとも、無償、無許諾な
のは今年度限りで、今
のところ、来年度からは有償になる
とされていますので、現場に与える影響も大きい
と思います。そこで、以下、教育長に伺います。
まず、県立学校
のオンライン授業における著作物
の利用について、現状を御教示ください。
次に、改正法では、著作権者
の許諾なく利用が認められる一方、今後、利用に対する補償金
の支払いが必要になり、誰が負担する
のかなど金銭的な影響があります。また、有償、無償
の判断も時に問題
となり、ガイドライン等も必要か
と思いますが、県としてどのように対応されている
のか、お聞きします。
以上です。御清聴ありがとうございました。(拍手)
17 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。
*知事答弁
18 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
私立小中高等学校
のオンライン学習についてでございます。臨時休業中に、約五割
の私立学校がオンラインでコンテンツを送信をし、家庭で
の学習を支援する取組を行っております。オンライン学習を実施するためには、カメラ、マイク、校内LAN、家庭に対応できるタブレット型
のパソコンやモバイルルーターを整備する必要がございます。今回、国
の補正予算で、こうした機器、通信環境
の整備を支援する助成制度が拡充をされたところであります。オンライン学習
の設備が十分整備されていない私立学校もございますので、県としましては、こうした学校に対し、この国
の助成制度
の活用を促してまいります。
次に、県立三大学におけるオンライン授業
の現状でございます。
新型コロナウイルスの感染を防止をし、学生
の学修機会を確保するため、今年度四月
の補正予算を活用いたしまして、県立三大学におきましては、オンライン授業を行うため
のカメラ、機材、学生に貸与するモバイル端末等を整備したところでございます。現在、これを用いて、大学では、実習、実験を除くほとんど
の講義をオンライン授業で実施をしているところでございます。
19 ◯議長(栗原 渉君) 城戸教育長。
*教育長答弁
20 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 まず初めに、休校による学業へ
の影響についてでございます。長期
の臨時休業により、各学校では、年度当初に策定した年間指導計画を見直す必要が生じており、具体的には、夏季休業
の短縮等により授業時数を確保しつつ、各教科等
の学習活動
の見直しを行いながら、児童生徒
の学び
の保障
の実現に努めているところでございます。県教育委員会
といたしましては、学校が年間指導計画を適切に見直すことができるよう、例えば、教科や単元
の指導順序を変更したり、理科
の動物
の誕生
と道徳科
の生命
の貴さを関連づけて指導したりすることにより授業
の効率
と効果を高めるなど、具体的な例を示しながら指導、助言を行っております。
感染症対策として
の少人数授業についてでございます。小中学校においては、学級などを少人数で編制することにつきましては、感染症対策
の観点からも有効な取組である
と考えております。現在、市町村では、担任外
の教員や市町村任用
の教員などを活用し少人数授業を実施しておりますが、今年度、県教育委員会
といたしましては、国
の加配定数などにより、特に、最終学年
の少人数編制を支援してまいります。また、遠隔教育や分散授業などコロナ後
の学校教育
の在り方を検討しつつ、必要な教職員定数
の改善について、国に強く要望してまいります。
学校における消毒作業についてでございます。現在、学校においては、日常的な消毒作業を教員が中心に行っており、教員
の負担が増加している状況にございます。今後は、県
の緊急短期雇用創出事業により雇用された職員を消毒作業に活用する学校も増加していくもの
と考えております。さらに、小中学校等に感染症対策で増加する学校業務をサポートするスタッフを配置すること
としており、こうした人材
の活用も可能
となるため、消毒作業に伴う教員
の負担も軽減されるもの
と考えております。
オンライン学習
の実施状況についてでございます。市町村教育委員会に対しまして臨時休業中に実施した調査では、動画やデジタル教材を配信した
のは九市町、双方向型
のオンライン指導を行った
のは一市でございましたが、この調査後にも、幾つか
の市町村において取組が開始されたことを承知しております。また、県立高校では、これまで五十七校で同時双方向によるオンライン学習が行われ、七十一校でオンデマンドによる自作
の動画教材など
の配信が行われました。現在は、長期間
の休業が終了した直後であるため、通常
の対面授業
の再開に重点が置かれておりますが、一部
の高校では、オンデマンドによる教材配信などを継続して行っております。
オンライン授業
の実施環境についてでございます。県立学校では、現在、安定的なオンライン学習環境を構築するため、高速大容量
の校内通信ネットワーク、タブレット型パソコン、遠隔教育用ソフトウエア、通信用カメラ、マイクなど
の整備を進めており、併せて、機器
の貸与が必要な児童生徒数を精査しているところであります。今後、全て
の県立学校でオンライン学習が実施できるよう、必要な環境を可能な限り速やかに整備してまいります。また、小中学校については、各市町村において、国
の補助金を活用し、学校
のICT環境整備が進められており、これ
と並行して、家庭
のオンライン学習
の実態把握
と貸与可能なタブレット型パソコンやモバイルルーター
の配備など
の検討が進められているところであります。今後とも、必要な情報を提供し、市町村
の取組を支援してまいります。
オンライン学習
の課題についてでございます。テレビ会議システムを使った同時双方向
の授業については、ICT機器を操作しながら
の説明や児童生徒
の対話的な活動ができるよう、通常
の授業以上に指導方法を工夫することが求められます。一方、動画教材やデジタル教材
の配信については、児童生徒任せにすることなく、取組状況や学習効果を教員が適切に評価した上で、個に応じた補充的な学習を行うことが求められます。こうした課題を克服するため、一部
の学校では、テレビ会議システム
の機能を駆使して、発表や対話的な活動を取り入れた授業を実施したり、クラウドサービスやドリルソフトを活用して学習成果や習熟度を把握し、フォローアップしたりするなど
の取組が行われております。県教育委員会
といたしましては、オンライン学習
の実施やICTを用いた教育
の高度化を図るため、先進的な実践事例を紹介するなど
の支援をしてまいります。
オンライン授業における著作物利用
の現状についてでございます。県立学校で実施されているオンライン学習で
の著作物
の利用状況はつぶさには把握できておりませんけれども、例えば、著作物
の一部を利用した授業動画を事前に配信して生徒に視聴させるような事例が見受けられます。
著作権法改正に係る県教育委員会
の対応についてでございます。平成三十年改正著作権法により創設され、本年四月に施行されました授業目的公衆送信補償金制度においては、教育委員会が文化庁
の指定する権利者団体に一括して補償金を支払うことで、個別
の許諾なく授業等で著作物を利用することが可能
となっております。本年度は、
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い特例的に補償金額が無償
とされるとともに、国から、緊急的かつ特例的な運用
のため
のガイドラインが示されたことを受けまして、四月に、市町村教育委員会及び県立学校に通知を行い、周知を図りました。なお、県立学校においては、制度上必要な手続を行い、現在、全校で無償で
の利用が可能
となっております。また、来年度以降、原則どおり有償
となった場合、そのため
の経費を措置する必要が生じますが、その補償金額や本格的な運用に向けたガイドラインについては、現在、国において検討が行われているところでございます。今後とも、著作物
の利用が適切かつ円滑に行われるためには、教職員が著作権法に関する理解を深める必要があることから、文化庁が実施する著作権に関する研修会やセミナーへ
の参加を促してまいります。
21 ◯議長(栗原 渉君) 高瀬菜穂子君。(拍手)
*高瀬議員質問
22 ◯六十八番(高瀬 菜穂子君)登壇 日本共産党
の高瀬菜穂子です。
まず、日田彦山線問題について伺います。五月二十四日、知事は初めて東峰村住民に直接説明されましたが、地元住民は、鉄道復旧へ
の努力を感じなかった、死刑宣告をして、言い残すことはないか
とだけ言いに来た
と、大変厳しい評価でした。BRT案承認は、地元住民にとって苦渋
の選択です。知事は、住民
の思いをどのように受け止めておられますか。お答えください。
私は、情報公開された五回
の復旧会議
の議事録を読みましたが、改めて、この間
の経緯に疑問を持ちます。九州運輸局
の局長は、第一回目
の会議から、いろいろな方法論がある
と思うという言い方で、鉄道以外
の復旧について言及しています。国は初めから鉄道で
の復旧に後ろ向きでした。青柳社長は二回目
の会議
の前に上下分離方式を言い出し、二回目
の会議冒頭で謝罪しましたが、その会議
の中で、当該区間
の赤字額が二億六千万円であることを持ち出しています。一方、日田彦山線全線
の赤字額は明らかにせず、二億六千万円
の検証は今に至るまでできないままです。第三回目
の会議で、知事が真っ先に交通ネットワークという言葉を使い、JR案を促し、そのことがきっかけで、第四回会議
のJR三案
の提示
となるわけです。結局、国
とJR九州
の思惑どおりに進んだ
のが五回
の復旧会議ではなかった
のですか。災害復旧は行う、赤字路線は廃止しないという青柳社長
の国会で
の約束を全く守らない国
とJR九州を正面から正すべき知事が、その責任を果たさず、日田彦山線全線
の赤字額という基本的な数字さえ明らかにしない不誠実なJR九州にくみした
と指摘せざるを得ません。
澁谷村長がBRT案受入れを表明した直後、JR九州は赤字ローカル線十七路線
の収支を発表しました。一企業だけで維持する
のは大変な線区を知っていただきたかった
と青柳社長はあけすけに述べています。赤字路線
の廃止や地元負担を求める意向が透けて見えます。この発表について、知事はどう受け止めておられますか。今後、廃止やバス化につながることは許されない
と思いますが、知事
の見解を伺います。
BRT延伸について伺います。宝珠山まで延伸する案をJRは最大限尊重して検討する
と答えたそうですが、
合意には至っていないということです。高さ約二十メートル、幅三・四メートル
の眼鏡橋
の上をバスが走ることには危険が伴う
のではありませんか。軌道系だからこそ安全に走れる
のではありませんか。突風や大雨、積雪
の際
の運行は難しい
のではないか
と考えますが、どのような検討をされた
のですか。どのように安全性
と定時性、また景観を確保するつもりか、お答えください。
次に、持続化緊急支援金について伺います。この制度は、国
の持続化給付金を補完するものとして、コロナ禍で苦しむ事業者から喜ばれ、期待が寄せられています。この間、要件についても改善を図っていただきました。その予算は百五十四億円で、現在、二十三億円
の給付がなされた
とのことですが、予算
の多くは残っています。県はこの制度
の期限を六月末から一か月延長した
と発表しましたが、
緊急事態宣言解除後も厳しい経営が続く中、七月で終了する
のはあまりに短過ぎる
のではないでしょうか。当初
の想定では、期限を最長令和三年一月十五日まで
としていたことから、国
と同様、来年一月十五日まで延長すべき
と考えます。知事
の見解を伺います。
また、フリーランスが確定申告において、事業所得としてではなく、給与所得、雑所得として申告した場合、県
の制度では対象
としていません。しかし、国
の持続化給付金では対象
とされました。国
と同様、実態に即して対象にすべき
と考えます。知事
の見解を伺います。
次に、コロナ禍における教育について伺います。三か月にも及ぶ休校
の中で、子供たちが様々なストレスを抱えていることが指摘されています。子供
の貧困がさらなる格差を生み、給食がない中、栄養状態さえ危惧される子供、ステイホームで虐待に耐えた子供、学力や進路
の不安に加え、失業や収入減
となった家庭では特別
の不安が子供たちを襲っているはずです。医療や介護などに従事する親御さんからは、職場
の緊張で子供にゆとりを持って向き合えない
との苦悩
の声が聞こえてきます。乳がん
の手術を受けたばかり
のお母さんから、子供が四十人クラスで、学校から帰る
と、玄関で何もかも着替え、お母さんにコロナがうつらないように
と精いっぱい気を遣っている
と聞き、胸が痛みました。こうした子供たち
の心
のケアは、学習
の前提として極めて重要だ
と考えます。子供
の実態から出発し、詰め込みではない柔軟な教育を保障することが何よりも大切であり、例年どおり
の授業をしよう
と土曜授業、七時間授業、夏休みや学校行事
の大幅削減などで過剰な詰め込みを行えば、子供たちに新たなストレスを与えてしまうことになりかねません。文部科学省も柔軟な教育課程編成
の考え方を示しています。各学校
の教育課程編成権を十分に保障し、過剰な詰め込みを行わないようにすべき
と考えます。そのためにも、国が中止した学力テストは県でも中止すべきです。教育長
の見解を伺います。
一人一人に向き合うためにも、三密を避けフィジカルディスタンスを保つためにも、学力を保障するためにも少人数学級
の実施が急務
となっています。我が党は先日、緊急教育提言を発表しました。十万人
の雇用増で二十人学級を実施することを訴えています。そもそも四十人学級という規模は世界レベルから大きく立ち後れています。国
の第二次補正では、教職員は全国でわずかに三千百人増であり、これでは全く足りません。国に対し、大幅教員増を求めるとともに、県として、できるだけ現場教職員を増やす努力をしていただき、最終学年のみならず、四十人クラスは分けるなど
の対応をお願いしたい
と思います。また、教員確保
の障害
となっている教員免許更新制については廃止するよう国に求めることについても併せてお答えください。
以上で質問を終わります。
23 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。
*知事答弁
24 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
東峰村
の住民
の皆様方
の思いでございます。先月
の二十六日、東峰村
の澁谷村長は、東峰村
といたしまして、彦山駅から宝珠山駅までを専用道
とするBRTで復旧するという私から
の提案を受け入れていただく旨、表明をいただきました。澁谷村長は、断腸
の思い
とおっしゃったわけでございますし、東峰村
の皆様にとりまして厳しい苦渋
の選択だった
と私自身、思っております。また、添田町
の寺西町長も、BRTで復旧するというこの案につきまして了承をされ、先日
の八日でございますが、町議会にその旨を報告をされました。それぞれ方針を取りまとめていただきました村長、村議会、そして町長、町議会
の皆様、そして何より地域
の住民
の皆様に改めて感謝し、お礼を申し上げたい
と思っております。今後、これまで
の経緯、そして東峰村、添田町
の御決断、その重みというものをしっかり受け止めまして、一日も早い復旧を成し遂げるべく、JR九州
との協議を重ね、早期に復旧会議で
の合意が得られるよう全力を尽くしてまいります。
次に、赤字ローカル線
のJR九州による公表でございます。JR九州
の青柳社長は、赤字ローカル線
の収支
の公表
の際
の定例記者会見におきまして、赤字ローカル線を自社だけで維持していく
のは大変であり、維持していくには改善が必要である、そのため
の検討を地元
と一緒に進めていく前提として、基礎データを共有する必要があることから公表に至ったものである、その旨
の発言をされています。JR九州には、我々沿線自治体側
と一緒になって利用者
の拡大、これを図りながら、引き続き、責任を持って路線それ自身
の維持
と運行をしてもらいたい
と、そのように私は考えております。
次に、BRT
の安全性、定時性、景観についてでございます。BRT
の専用道につきましては、国が定めました一般道
の道路構造基準に従って安全対策が施されることになります。積雪に対する安全対策につきましては、JR九州は、路面が凍結しやすい橋梁に融雪剤を散布するなど、専用道を走るバス
の安全対策について、法令にのっとり、会社
の安全基準に沿って、しっかり対応していくこと
としております。定時性
の確保でございます。村内
のほぼ全域でこれが専用道
となりますので、そのことによって被災前
と遜色
のないものにできる
と、このように考えております。また、私自身、実際に東北地方
のBRTに乗車をし、また関係者
の皆さんからいろいろ詳しくお話を伺ってまいりました。定時性や安全性が確保されているといった点について、自ら確認をしております。また、眼鏡橋
の景観
とその活用につきましては、今後しっかり検討させていただきます。
次に、持続化緊急支援金
の申請期限等についてでございます。持続化緊急支援金でございますけれども、今年
の一月から、
緊急事態宣言が解除をされました五月までに売上げが減少した事業者を対象
といたしまして、申請期限を六月末まで
としているところでございます。しかしながら、事業者
の皆さんからは、売上げ
の集計に時間がかかる、申請書類
の準備が間に合わないといった声が寄せられておりますことから、この申請期限というものを延長いたしまして、七月末まで
としたところでございます。この一か月延長したことによりまして、十分な申請期間が確保できる、このように考えております。
次に、持続化緊急支援金でございますが、これは事業者
の方
の事業
の継続を支援することを目的
といたしております。このため県
といたしましては、確定申告におきまして事業所得として申告をし、事業を営んでおられることが明確な事業者にこれを給付すること
といたしております。フリーランス
の方も、事業を継続されている方は、通常、事業所得として申告をされているもの
と考えております。この取扱いは、現在、国が行っている取扱い
と同じ考え方でございます。議員
の御指摘がありました、国においては他
の所得について持続化給付金
の対象に加える
と発表している
と、そのとおりでございますけれども、一方で国は、その後、具体的にどうする
のか、どういう資料で、どういう判断をする
のか、どういう時期にやる
のかとか、そういった具体的な内容を一切表に、まだ出てきておりません。そういう状況でございます。県としましては、引き続き、事業者
の事業
の継続というものを支援するため、これまで
の基準にのっとって迅速な支援金
の給付に努めていきたい、このように考えております。
25 ◯議長(栗原 渉君) 城戸教育長。
*教育長答弁
26 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 学校
の教育課程編成
と学力テストについてでございます。長期
の臨時休業により、学習
の遅れや進学、進路について不安やストレスを抱える児童生徒もおりますので、一人一人に寄り添い、心身
の状況把握
とケアを丁寧に行いながら学び
の保障を実現することが重要であります。このため各学校では、年度当初に策定した年間指導計画を見直す作業を進めており、その際には、当初予定していた内容をそのまま短期間に詰め込む
のではなく、例えば、教科や単元
の指導順序
の変更や他教科等
の類似
の指導内容
の関連づけなど具体的な例を示しながら、指導、助言を行っているところでございます。福岡県学力調査については、長期
の休業後
の学力
の定着度を把握する観点から実施を希望する市町村もありますので、本年度
の実施時期や方法などについて、学校再開後
の状況も十分に踏まえまして検討を行っているところでございます。
コロナ禍に対応した教職員定数
と教員免許更新制についてでございます。教職員定数につきましては、今年度、国
の加配定数などを活用し、感染症対策
の観点から、最終学年
の少人数編制に取り組む市町村を支援してまいります。併せまして、コロナ後
の学校教育
の在り方を検討しつつ、必要な教職員定数
の改善について、国に強く要望してまいります。また、教員免許更新制につきましては、今般
のコロナ禍で
の業務量
の増大等を考慮し、今年度末に更新期限を迎える現職教員について、当面、二年間
の延長を認めること
としております。
27 ◯議長(栗原 渉君) 高瀬菜穂子君。
28 ◯六十八番(高瀬 菜穂子君)登壇 日田彦山線について再質問します。
JR九州には、公共交通機関として
の役割を求め、三千八百七十七億円
の経営安定基金に加え、自治体として、駅舎
の建て替えや線路
の高架化
の際には九割以上も税金投入してきました。国会で
の約束を守らない身勝手を国も一緒になって認めるという
のであれば、その根拠法である鉄道事業法自体を見直せ、届出制から許可制に戻せ
と、知事として主張すべきです。眼鏡橋
の景観を維持し、安全性を確保するには相当な困難がある
と考えます。宝珠山まで
の延伸ができない場合は、知事、どうするおつもりですか。コロナ禍
の中で、利益第一主義が見直され、持続可能な社会
の実現を世界が目指そう
としています。鉄道で
の復旧こそ、その理念にかなうものだということを強く申し上げ、質問を終わります。(拍手)
29 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。
30 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答え申し上げます。
私がやるべきことは、先ほど御答弁をさせていただきましたけれども、一日も早い復旧を、これを成し遂げるべく、BRT案につきましてJR九州
と協議を重ね、早期に復旧会議で
の合意、これが得られるよう全力を尽くすことにある
と、このように思っております。
31 ◯議長(栗原 渉君) 桐明和久君。(拍手)
*桐明議員質問
32 ◯四十四番(桐明 和久君)登壇
自民党県議団の桐明和久であります。通告に従い、一般質問を行います。
本議会においては、各会派
の代表質問や本日から
の一般質問においても、多く
の議員
の皆さんが
新型コロナウイルス感染症に関する質問が行われております。日常的な生活を取り戻すためには、安全で効果的な治療薬
とワクチンが開発され、大量に使用できるようにならない限り、
新型コロナウイルス感染症との闘いは続く
と見られており、これまでは、国内
の感染拡大を抑止し、医療現場で
の逼迫を招かないため
の方策が最優先
とされてきました。本県は、四月七日に
緊急事態宣言の対象区域
となり、四月十六日には、特に重点的に感染拡大防止に向けた取組が必要
とされる特定警戒都道府県に指定されましたが、県民
の皆様方
の御協力により、国
の緊急事態宣言の解除を受けて、五月十五日からは、一部を除き休業要請
の解除をすることができました。国においても五月二十五日には
緊急事態宣言の全面解除が行われました。
緊急事態宣言の解除により、コロナウイルス
の存在を前提
とした日常生活や経済活動を段階的に引き上げていく動きが始まっておりますが、県民
の中には、コロナウイルス
との共生
の中で、今後どのような生活や経済活動を行っていけばよい
のかが課題
となっております。
そこでまず、六月四日に開催された全国知事会において、国へ
の提言
と併せて日本再生宣言がなされた
と聞いておりますが、どのような内容な
のか、お尋ねします。また、福岡県知事として
の考えを併せてお聞きいたします。
次に、国
と地方自治体
との関係についてお聞きいたします。今回
の新型コロナウイルス対策では、感染予防対策や地域経済
の下支えなど、様々な施策が一刻
の猶予もなく求められました。休業要請や補償
の在り方をめぐり、国
と地方
の間であつれきが生じるなど、地方自治体
の役割
の重要性、特に知事
のリーダーシップが注目されました。中でも、政府が四月七日に出した
緊急事態宣言を受け、東京都は、都
の現状を考え、感染リスクを最小限に抑えるために、休業要請対象業種に、理髪店や居酒屋などを含める考えを示した
のに対し、国からは待ったがかかり、最終的に休業要請対象から外し、営業時間
の短縮に変更しました。このことは、地方自治体は、国
の指示に従うもの
との印象を国民に強く与えた
とされております。一方、休業補償においては、国は、施設
の休業補償はできない
としてきましたが、二〇二〇年度
の補正予算に、事業継続
の下支えを目的
とした持続化給付金を盛り込み、また
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金においては、当初は休業補償には使えない
と説明していましたが、都道府県知事から
の休業要請を受け入れた事業者へ
の支援金に使うことが認められました。ほかにも地方自治体独自
の新型コロナ対策として、国
の基準
と関係なくPCR検査を実施し、二月に発生した集団感染
の封じ込めに成功した県や、地域独自で
緊急事態宣言や小中学校
の一斉休校を打ち出した例もありました。今回
の例を見ても、日本
の地方分権は国
と地方
の責任
の所在が曖昧な部分があり、今回
のような緊急かつ異例なときに、そうした矛盾が顕在化します。これまで幾度
となく地方分権
の取組が行われてきましたが、日本はまだまだ中央集権が強く、各省庁が都道府県
と市町村をいろいろな面で縛っております。地方自治体
の原点は、方針、助言は国が示し、現場で
のこと、個別
の対応は地方自治体に任せるべきである
と思いますし、現場は都道府県知事が責任を持ち、指導力
のある知事でなければ地方独自
の施策を講じることは難しい
と言われております。
今回
の新型コロナ対策をめぐる国
と地方
のあつれき
の解消は、国
の曖昧な地方分権に課題がある
と考えますが、知事
の考えをお聞きいたします。
次に、今後予測されるコロナ
ウイルス感染症第二波
の流行対策についてお聞きします。
新型コロナウイルスに関する
緊急事態宣言が四月七日に出されましたが、その後
の国民
の協力により、恐れられていた感染爆発を逃れることができ、ほぼ一月半ぶりに解除されました。しかし、専門家
の中では、一体何が効いた
のか、よく分からない
と言われております。外出制限
の前提
となった八割自粛は、国
のコロナ
ウイルス感染症対策専門家会議で、人
と人
との接触を減らす数値目標であった
のが、携帯電話
の位置情報や通信アプリ、交通系ICカードなど
の機能を活用し集められたデータ等により、国民に分かりやすく数値化され、人
の流れ
の削減、外出
の自粛につながった
とも言われております。しかし、一方で、密
の状況を測る指標として、位置情報データが活用されていますが、実態
とずれるケースがあり、国
の公表データに自治体が抗議する事態が起きています。
新型コロナ対策
の関連サイトに掲載された四月二十七日
の大分県別府駅周辺
の滞在人口が、感染拡大前より二割増えた
とのデータに対し、別府市長が、別府駅
の四月
の乗降客は前月
と比べて八割減少している
と指摘し、国
の内閣官房に強い不快感を表明し、その後、同サイトから削除された
とのことであります。また、福岡市
の天神駅周辺でも、データを収集する三社では一一ポイント
の差があった
とされております。データはあらゆる経済活動
の基礎になりますが、データを使うときには、実態
とずれを生む集計もあり、地域
の特性や人口分布、どんな手段で使うかなどを考慮して使うべきである
とされております。
見えないコロナウイルス
の脅威に対し、また海外から
の日本に対する安全、安心
の信頼
のためにも、国においては、予測される第二波に対して、日本
の感染者など、海外に比べる
と比較的少なく済んでいる現状
の原因を早急に分析、検証される
と思いますが、福岡県としてはどう対策を考えておられる
のか、知事にお聞きします。
次に、人
と動物
の人獣共通感染症対策についてお聞きいたします。人
の感染症
のうち約六割が人獣共通
とされており、今後もまだ多く
の人に影響を及ぼす
ウイルス感染症が発生してくるもの
と予想されます。その原因
の一つとして、動植物が生息する自然環境
の保護など環境対策や密輸されるペットなどにより持ち込まれた
ウイルス感染症の及ぼす影響などについて
の国民
の意識
の低さが問題
とされております。野生生物取引監視団体
の報告による
と、二〇〇七年から二〇一八年
の十二年間に計七十八件、千百六十一匹が違法な輸入として税関に差し押さえられている
と報告されております。日本は愛好家が多く、違法に持ち込んでも刑罰が軽いとして、アジア地域から
の密輸目的
となっており、一件当たり
の動物
の推定市場価格は最高で一千二百五十万円に上り、犯罪収益
となっている
と指摘しております。差し止めされた千百六十一匹
の中には、
新型コロナウイルスの起源
と見られるコウモリや猿といった病原体を媒介し、人に感染するリスクが高い東南アジアなどから
の計百九十五匹も含まれている
と報告されております。現状では、税関を擦り抜けさえすれば、販売者に合法性を証明する義務はなく、知らない間に病原体が持ち込まれ、取引過程で蔓延する危険性があるとして、国や業界に対して規制強化を呼びかけていますが、アジア
の玄関口として
の福岡県
の現状認識
と対応についてお聞きいたします。
次に、経済活動
の段階的な再開についてお聞きいたします。外出自粛により、人、物
の動きが止まり、経済活動に多大な影響が発生しております。民間
の調査による
と、政府が五月二十五日に
緊急事態宣言を全面的に解除した後も外出に抵抗がある
と答えた人が七割に上る
と報告されております。県内においては、感染防止対策
の基本である三密
の回避、手洗いなど
の消毒、マスク
の着用は基本として、県内
の六十市町村それぞれ
の地域
の現状に応じた経済活動を段階的に進めていく必要があります。
他県では、感染防止対策に取り組む店舗を認証する制度
の導入や県
のホームページに掲載したり、コロナ対策宣言店としてポスターやフラッグ
の配付をするなど、感染防止
と経済活動
の両立を後押しする動きが進められております。福岡県においても、感染拡大を防止しながらも、しっかり
と推し進める支援が必要
と考えますが、知事
の考えをお聞きします。また併せて、県内市町村
との連携はどのようになっている
のか、お聞きいたします。
新型コロナウイルスの感染拡大により、人
の動きが制限された中で、働き方改革として、テレワーク、ローテーション勤務などが進められ、またオンライン会議により距離
の概念も変わりつつあります。なかなか進まなかったテレワークが今回
のコロナ感染防止対策として推進されています。福岡県でも、今回
の対応として進められておりますが、現状
の状況
と課題についてお聞きいたします。
今回は、特に、密集した都市
の危うさが強く感じられ、また今後発生することが予想されている首都直下型地震、南海トラフ地震対策を考えても、テレワークにより仕事、働き方を都市部から地方へ分散することにより、地方へ
の人
の移動による地方で
の雇用環境
の推進が必要
と考えます。また、知事も全国知事会
の中で、一極集中
の是正を求める意見が出る中で、過度な人口、企業
の集中
のリスクを実感した
と述べられております。
そこで、県内企業におけるテレワーク導入
のさらなる促進が必要
と考えますが、知事
の考えをお聞きいたします。
次に、観光関連産業
の支援についてお聞きいたします。人
の移動
の自粛により、多く
の観光関連
の事業者が多大な影響を受けております。一方で、自粛疲れによるストレス
のある生活から
の解放などニーズは多くあり、旅行へ
の期待は大きい
と考えます。まずは、感染リスクへ
の不安を持つ顧客
のニーズに対して、しっかり
と対応し応えていくことでありますが、最優先される
のは、観光が感染拡大につながらないことであります。そこで、本県に観光客を呼び戻すためには、宿泊施設などにおける安全対策
の徹底や三密を避けるなど安全、安心な対応
のPRや、自家用車などでおいでいただける近場な県内外から
の観光客
の誘致など、小規模、個室、ゆっくり
と滞在できる施設等により、リピーター
となっていただける観光客
の誘致が重要
と考えます。
コロナに対応した観光関連産業へ
の具体的な県
の支援についてお聞きいたします。
最後に、新しい生活様式についてお聞きいたします。
新型コロナウイルスに関する政府
の専門家会議が五月四日に、感染拡大防止
のため
の新しい生活様式
の具体例を示しました。また、安倍首相は、感染防止
の取組に終わりはない、ある程度
の長期戦を覚悟する必要があるとして、ウイルス
の存在を前提
としながら、仕事、暮らしなど、感染拡大
の懸念
の中、経済活動や生活を続けるやり方をつくる必要がある
との認識を示しました。私も県
のホームページの実践例を見ましたが、感染防止
の三つ
の基本や移動時
の注意など注意すべきことは理解できますが、経済活動を段階的に再開する移行期間が五月二十五日から始まっていますが、私
の地元でも、いまだ会合はほとんど中止または紙上議決で行われており、コロナウイルス感染に対する不安が優先し、七月までは全て中止
とする団体もあります。
経済活動を県内で段階的に進めていくには、県内市町村
と連携して
の周知徹底が必要である
と考えますが、知事
のお考えをお聞きします。
以上で質問を終わります。(拍手)
33 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。
*知事答弁
34 ◯知事(小川 洋君)登壇 ──申し訳ありませんでした。伺っていた質問
の要旨
と何か順番が違ったような感じでおりまして、ばたばたして申し訳ありませんでした。
お答えを申し上げます。
全国知事会で
の国へ
の提言
と日本再生宣言についてお尋ねがございました。議員も御指摘になりましたように、今回
のコロナウイルスにおきましては、改めて国
と地方
の関係、これが一つ問題という
のが提起されたんだろう
と思っております。それを受けまして、今回
の全国知事会
の提言におきましても、国に対して、引き続き感染症
の拡大を阻止しながら緊急経済対策を迅速かつ確実に遂行し、地方創生を再加速するよう求めております。具体的には、
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金
の拡充、それから分権に関わるわけでございますが、一極集中に伴う感染リスク
の減少、回避及び地方分散
の必要性、これらについて要請をしているところでございます。また、感染予防
と社会経済活動
の段階的な再開、その両立を目指しまして、各県
と情報を共有しながら、現行制度
の見直し、運用改善を検討して、地域から日本を創生する新しい時代をつくっていくため
の日本再生宣言というものを行ったわけでございます。
本県におきましては、議員も御指摘になりましたように、四月七日に最初
の七都府県として
緊急事態宣言の対象
となりましたが、五月十四日、そのグループからいち早く解除されたわけであります。この間
の経過
と取組というものを改めて思い起こし、またこれからは、その経験というものをしっかり生かして、
新型コロナウイルスと向き合いながら社会経済活動
のレベルを徐々に上げていく新しい段階に入った
と、このように私自身、考えております。そして、この知事会で私自身、発言をいたしましたけれども、今回、国民は、一極集中
のリスクというものを改めて実感をした
のではないか、また価値観も変わってくる
のではないかということであります。今こそ、地方がその受け皿にならなければならない
と、このように考えておるところでございまして、福岡県
の地域経済
と、そしてその雇用を立て直して、その大都市から
の人
と物
の流れ、情報
の流れ、受け皿
となり、日本再生に貢献をしていきたい
と、そういう決意を新たにしながら、この提言
と宣言
の採択
の活動について参画をしたところであります。
次に、人獣共通感染症
の現状
と県
の対応でございます。人に感染することが知られております感染症は千四百十五種あるということでございます。このうち八百六十八種が人獣共通感染症であるというふうにされております。例えば、昨年一年間に、蚊が媒介するデング熱が全国で四百六十一件、本県で十六件、またマダニが媒介するSFTSが全国で百一件、本県で六件がそれぞれ確認されているところであります。また、現在大きな問題になっております
新型コロナウイルス感染症も人獣共通感染症
の一つであるわけであります。県では、この人獣共通感染症が動物から人に感染した場合に迅速な診断につなげることができるよう、平成二十六年度から、動物における病原体
の保有状況をモニタリングしております。その結果、トキソプラズマ感染症など人獣共通感染症
の病原体が愛玩動物でも確認されたところであります。それら
の調査結果につきましては、医療関係者に情報を提供するとともに、講習会
の資料や啓発用ポスター
の内容にこれを反映させて、人獣共通感染症
の啓発に努めてまいりました。
人獣共通感染症
の発生を予防していくためには、人
の健康、動物
の健康、そして環境
の保全が相互につながっており、関係する学術分野がそれぞれ連携してその課題解決に当たっていくべきだ
とするワンヘルス
の理念というものを広く県民
の皆様に周知することが必要である、重要である
と考えております。このため、平成二十六年度から、県民向け
のシンポジウムを開催をし、その周知を図ってきたところでございまして、今後、動物愛護フェスティバルを通じてお子さんたち
の啓発を行うとともに、今年度新たに開催をいたしますワンヘルス体験型
のイベントやワンヘルス国際フォーラムを通じまして、県民
の皆様にさらなる周知
と啓発を図ってまいります。
次に、市町村
と隣接県
との連携についてお尋ねがございました。今後は、新たな段階
としまして、感染
の再拡大を防ぎながら、社会経済活動
のレベルを徐々に上げていくことになります。先ほど答弁したとおりでありますが、そのため市町村に対しましては、情報提供サイトを通じまして、県内
の感染状況について
の情報を共有しながら、役割分担をし、また相互に連携をしまして、新しい時代にふさわしいイベント
の開催
の目安、業種ごと
の感染防止対策ガイドライン、新しい生活様式などについて、その周知を図って、地域
の実情に合った新しい生活様式
の定着
と社会経済活動
のレベルアップというものを図ってまいります。社会経済活動
のレベルが上がることに伴いまして、県境を越える出張や観光もおのずから増えてまいります。さらに、PCR検査をはじめ
とした医療提供における九州・山口における相互協力、また九州地方知事会議や九州地域戦略会議
の地方創生
の取組など、広域で
の連携作業、これが加わってまいります。そのことでもって社会経済活動はより一層活発になってくる
と思います。その際、隣接した県同士では、それぞれ
の感染状況について、お互いに情報共有することが重要であります。感染
の再拡大を防ぎながら広域で
の経済活動
のレベルを上げていきまして、ここ九州から日本
の再生を果たしていきたい
と考えております。
緊急事態宣言が解除された理由についてでございます。いろんな説が、日本が死亡者が少ないとか、いろんな学者によっても、はっきりした理由が明らかになっておりませんけれども、県におきましては、県民
の皆様
の生命、健康、生活を守ることを第一に考えまして、感染
の拡大
の防止を図るため、四月七日、
緊急事態宣言以降、外出自粛、施設
の休業等お願いをしてまいりましたが、多く
の県民
の皆様、事業者
の皆様に御理解
と御協力をいただきました。また、最前線で医療に従事される皆様に、自ら
の感染リスクを顧みず治療や看護等、御奮闘いただいたことをはじめ
といたしまして、多く
の県民
の皆様が、様々な現場で社会を支えていただいたわけであります。このようなコロナ
との闘いに打ちかっていこう
と、そういう県民
の皆様
の強い思い
と、そしてそれに伴う行動という
のが、いち早い
緊急事態宣言の解除につながったものであるというふうに考えております。
なお、データという御指摘がありましたが、データという
のは、他
との比較ができるという意味では重宝するものでありますが、それぞれデータには癖がありますので、そういった特性も見ながら適切に利用していくことが大事だろうというふうに私自身は思っております。
次に、感染症対策を契機
といたしました在宅勤務についてお尋ねがございました。県におきましては、出勤時における人
との接触を低減する観点から、感染症対策あるいは児童相談所
の業務など、県民
の生命や財産を守るために不可欠な業務に従事している者を除きまして、職員
の在宅勤務を五割以上
とする目標を掲げ、五月末までこれに取り組んでまいりました。その結果、職員
の年次休暇
と合わせまして、目標を上回る約六割
の出勤者
の削減を実現することができました。その後、各所属や職員に調査を行いましたところ、庁内システムにアクセスできるパソコンや通信環境が整っていない、職場や関係機関
との連絡調整が難しい、そういった声が多く上がっております。このため、補正予算で整備を進めております一千台
のモバイル端末、ウェブ会議システムを活用いたしまして、職場
と同じ環境で業務を行うことができる体制を整えていき、引き続き、できる限り在宅勤務に取り組んでいきたい
と、このように考えております。
次に、県内企業で
のテレワーク導入
の促進についてでございます。今回
の新型コロナウイルス感染症が社会経済に与えている大きな影響を目の当たりにいたしまして、都市部へ
の過度な人口あるいは機能
の集中、それに伴うリスク
の大きさ、高さというものを改めて国民
の皆さんは実感したところであります。今後、地方へ
の新しい人
の流れをつくり、さらなる地方創生を図っていくため、また働き方改革や事業継続
の観点からも、テレワーク
の普及に努めていく必要がある
と、このように考えております。これまで県におきましては、県内企業を対象に、テレワークセミナーを開催をするとともに、国
の助成金、専門家派遣等
の支援策、これについて周知に努めてまいりました。これらに加えまして、今年度、新たに、テレワーク相談窓口を設置をいたしまして、労務管理、助成金
の活用に関する助言でありますとか、テレワーク導入に必要なシステム
の紹介といったことを行ってまいります。
次に、観光産業についてお尋ねがございました。感染症に対する不安を取り除くため、まずは宿泊施設における衛生対策をしっかり行っていくことが必要になります。そのため、宿泊事業者が行います感染症対策に対する助成制度を新たに設けまして、支援を行っているところであります。また、今後
の観光は、三密を避ける観点から、自然豊かな地方部を少人数で観光していくスタイルへ
と変化していくもの
と思います。そのため、国が予定をしております大型キャンペーンに先行いたしまして、まずは県民を含む九州在住者を対象に県内で
の宿泊や周遊を促す県独自
の観光需要喚起策を実施していく考えでございます。併せて、三密を避け、地方部へ
の周遊を促していく観点から、レンタカー
の助成も実施してまいります。さらに、今後、旅行者
の移動が全国的に可能
となります八月以降は、国
のキャンペーン効果を最大限に活用するため、県独自
の宿泊やレンタカーについて
の助成など観光振興事業を実施してまいります。加えて、今後
の観光
のスタイルでございますが、体験、交流、滞在型
の観光資源
の開発など、新しい観光スタイルについても効果が期待できるような事業、そしてSNSを活用した情報発信事業についても、しっかり取り組んでまいります。
次に、新しい生活様式についてお尋ねがございました。治療薬やワクチンができるまで
の間、このコロナ
ウイルス感染症と長く我々は向き合っていかなければなりません。このため、新しい生活様式でありますマスク、手洗い、人
との距離、三密
の回避、日常生活
のそれぞれ
の場面に応じた新しいスタイルを実践していくことは、感染拡大を予防していく上で非常に重要なことである
と思います。国が示しております実践例におきましては、新しい生活様式
の具体的な内容が生活場面ごとに詳細に掲げられております。県におきましては、県民
の皆様が、それぞれ御自身
の日常生活に応じて実践しやすいよう、ポイントを絞って、県
のホームページにおいて、イラストを使って分かりやすく御紹介しております。また、各戸配布
の広報紙であります「福岡県だより」へ
の掲載や、県内四か所
のデジタルサイネージで
の放映、県内主要三十三駅へ
のポスター掲示等を通じまして、その周知に取り組んでいるところであります。特に、これから
の季節は熱中症にも注意する必要がございます。今後
の周知に当たりましては、屋外で人
と十分な距離が確保できる場合には、マスクを外す、そういった状況に合わせた対応というものも含めまして、県民
の皆様に分かりやすくお示ししながら、新しい生活
の定着が図られるよう取組を進めてまいります。
35 ◯議長(栗原 渉君) 桐明和久君。
36 ◯四十四番(桐明 和久君)登壇 ありがとうございます。二点要望いたします。
まず一点目は、今度
の第二波に対する県
の取組
のところであります。きちっと対策会議等で検討をされておる
と思いますけれども、きちっと県民に、どうする
のかという
のをやはり表していただかない
と、本当に先ほど言いましたように、県民はやはりこのコロナに対して不安を持っております。ちょうど今日
のニュースでは、東京都が対策会議等で、コロナ
の第二波に備えて多方面に検討して、七月までには全体像をまとめるという報道があっておるところであります。ぜひ、このことは知事にしっかり
と要望していきたい
と思います。
もう一つは、今回お聞きしました新しい生活様式についてであります。この新しい生活様式という
のは、今、少しずつ、手洗いとか、マスクとか、なっておるところでありますが、段階的に上げていく
となる
と、お互いが両立というところが非常に難しく、県民に分かりにくいというところだ
と思います。特に、三密
の密集、密閉、密接というところが既に数値化されておるところでありますが、先ほど言いましたように、なかなかそれがやられていない。また怖いので自粛ということになっている。特に私が思う
のは、県内
の市町村でも、全然発生していないところがある、この地域が特にその問題があるんじゃないか
と思います。これは本当に傾いた見方かもしれませんが、第一号にはなりたくないという部分で
の不安がある。当然、近くに無症状
の方がおられますので、本人は気づかないけれども、高齢者とかに、持った方はうつすということで、不安という部分がある。同じことを言いますが、今後、特に県内で、発生していないところに対して、しっかり
と対策を取っていかなければ、段階的に経済活動が進んでいくという
のはなかなか難しいんじゃないかな
と思うところであります。でありますから、要望したように、県から現場
の一番地元
の市町村
としっかり
と連携を取っていただき、そのところをしっかり
と市町村からそれぞれ
の市民、市町村
の住んである方々に説明をしていただくよう、さらなる県
の御尽力をよろしくお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
37 ◯議長(栗原 渉君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後二時二十分
といたします。
午 後 一 時 十三分 休 憩
午 後 二 時 二十一分 再 開
38 ◯副議長(原中 誠志君) 再開いたします。
休憩前に引き続き一般質問を行います。順次発言を許可いたします。冨永芳行君。(拍手)
*冨永議員質問
39 ◯七番(冨永 芳行君)登壇
民主県政クラブ県議団の冨永芳行です。通告に従いまして、本県における今後
の交通ネットワーク
の維持について質問させていただきます。
知事は、これまで交通ネットワーク
の維持という表現を多用されてきたもの
と認識をしています。本日私は、県庁があります吉塚駅まで、JR九州
の中でも輸送密度
の高い
とされるJR篠栗線、福北ゆたか線を利用して参りました。県道六百七号が非常に混雑するため、定時性を確保できる鉄道は本当にありがたいものだ
と実感しています。生活に欠かすこと
のできない交通ネットワークを維持することはもとより、地域
のニーズに合った交通ネットワークを
形成することが、県民生活
の質
の向上に寄与するもの
と考えます。
ところが、先月二十七日、JR九州は運行する線区
の収支、とりわけ赤字
となっている区間
の二〇一八年度
の営業損益を公表しました。公表した理由についてJR九州
の青柳社長は、鉄道利用
のお客様が大きく減少し、今後は人口減少や高齢化も進む、厳しい状況を沿線住民
の皆様
と共有し、ローカル線
の維持継続策を考えたい
と述べられています。しかしながら、JR九州は二〇一七年に被災した日田彦山線
の鉄道復旧
の条件として、年間一億六千万円も
の運行費用を沿線自治体に対して求めてきた経緯もあり、突然
の公表に当該線区
の利用者のみならず、県民、とりわけ沿線自治体
の関係者や住民は、それぞれに危機感をあらわにされています。ここで強く申し上げたいことは、この営業損益公表
の前日、五月二十六日は、日田彦山線
の鉄道復旧を一貫して求め続けてこられた東峰村
の澁谷村長が、住民説明会において鉄道で
の復旧を断念し、JR側が提案するBRT案を延伸するという県
の意向、これを容認するという苦渋
の決断、方針を表明された日であるということです。このタイミングで
の公表は、今後赤字路線が自然災害に遭っても、基本的には鉄道で
の復旧は困難である
とのJR側
の強い意思表示にほかならない
のではないか
と、強い危機感を持たざるを得ません。
そこで、今回
のJR九州
の赤字路線
の公表に関しまして四点お聞きいたします。まず一点目に、鉄道事業
の公共性、公益性に対する知事
の認識を改めてお聞かせください。その上で、今回
の赤字路線
の公表理由をJR九州
の青柳社長は、鉄道を一企業だけで維持する
のは非常に大変
とも述べられておりますが、知事はJR九州という一企業に対してどのような認識をお持ちな
のかお聞かせください。
二点目に、全国的にJR各社は赤字路線を抱えながらも企業活動を継続しているもの
と認識しています。JR九州が今回このような公表を行った真意について、知事はどう認識されている
のかお聞かせください。また澁谷村長が、知事
の鉄道復旧断念
の明言は重たい
と発言されているように、知事が日田彦山線
の鉄道復旧
の断念を明言されたことが、今回
の赤字路線
の公表
の引き金になった
のではないか
と考えますが、知事
の考えをお聞かせください。
三点目に、今回公表された線区
の利用者、沿線
の自治体や住民
の方
の反応をどのように捉えておられる
のか、知事
の考えをお聞かせください。
四点目に、今回公表された二十線区
のうち七線区
の沿線自治体では、既に九州運輸局や県を交えた検討会を立ち上げ、利用促進
の検討を始めている
とのことですが、本県内に所在する線区ではそのような動きがある
のか、ある
のであればどのような検討がなされている
のか、県
の果たすべき役割とともにお聞かせください。
次に、本県内においてこれまでに廃線
となった鉄道路線についてお聞きいたします。我が国
の近代化
と鉄道は切っても切れないものであり、特に産炭地であった北海道や本県を含む九州地方では無数
の石炭列車が走り、鉄道路線
の拡大に伴って沿線地域は活性化、発展し、鉄道は住民生活
の一部
となってきたものだ
と認識しています。私
の地元糟屋郡にも、かつて吉塚駅を起点として粕屋町、志免町を経て宇美町に至る国鉄勝田線が一九八五年
の廃線まで走っており、その前身は沿線
の大小五十
の炭鉱から成る糟屋炭田から産出される石炭
の輸送や宇美八幡宮へ
の参拝客を輸送するため
の鉄道路線でありました。ほか
の路線同様に、石炭産業
の衰退や道路
の整備、自動車
の普及等による鉄道利用者
の減少を理由に廃線
とされたことは、今日
の住民生活や沿線自治体
のまちづくりに大きな影響を及ぼしているもの
と感じています。
そこで、本県における鉄道
の廃線について三点お聞きします。一点目に、本県において国鉄時代を含め廃線になった鉄道路線は幾つあり、廃線後にどのような代替手段
となった
のか、具体的にお答えください。
二点目に、廃線決定
の前後で鉄道事業者
と県や沿線自治体はどのような議論を行い、それぞれがどのような役割を果たしてきた
のかお聞かせください。
三点目に、廃線後
の代替手段
の現在
の状況及び沿線自治体へ
の影響を、知事はどのように認識されている
のか、廃線直後
の状況
と比較してお聞かせください。
最後に、バス路線
の維持
とコミュニティーバス等
の運行についてお尋ねします。路線バス
の利用者減少も深刻であり、本県
の二〇一八年度
の路線バス利用者数は二億七千二百六万人、これはピーク時
の一九六九年度比でマイナス
の四九%、一九八九年度比でもマイナス二七%
の減少であり、鉄道同様に減便や路線
の撤退が相次いでいます。県は国とともに広域かつ幹線的なバス路線維持
のため、福岡県バス運行対策費補助金を交付しており、二〇一九年度は九
の事業者、四十二
の系統
の路線に対して約一億五千万円が交付されています。同様に、各市町村においても、国や県
の補助対象
とならない路線へ補助金を交付をしたり、コミュニティーバスなど
の運行で地域住民
の移動手段
の確保
と利便性
の向上を図っているものの、その財政基盤は脆弱であり、利用者
の減少が続く中、路線維持
の費用負担は増大し続けています。また地域住民
のニーズに応えるために、コミュニティーバス
の路線
の見直し等を検討することは民業圧迫につながるおそれもあるとして、既存事業者
との折衝がうまくいかない、最悪
のケースでは既存路線
の喪失や営業補償
の問題にも発展しかねない
との懸念があるなど、自治体担当者
の様々な苦悩を聞き及んでいるところです。
そこで一点目に、本県でコミュニティーバス等を運行している基礎自治体数
とその路線数をそれぞれお答えください。また複数
の市町村をまたいで運行する路線数
とその割合もお示しください。
二〇一七年に策定された県交通ビジョンには、コミュニティーバス
の広域運行路線
の普及に努める
と明記されており、各自治体が抱える現状
の課題解決をするためには、市町村同士が連携して、例えば相互乗り入れを行ったり、委託業者を統一するなどスケールメリットを最大限に生かすことが必要である
と考えます。
そこで二点目に、今後県が市町村
の意向を集約して窓口
となり、将来を見据えて積極的に民間事業者
との路線
の調整等に当たるべきだ
と考えますが、知事
の見解をお聞かせください。その上で、県交通ビジョンに明記されているコミュニティーバス
の広域運行路線
の普及に関して、これまで
の具体的な取組
と進捗についてお示しください。
人口減少に伴うバスや鉄道
の利用者数
の減少は今後も続くもの
と予想されます。加えて、このたび
の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う
緊急事態宣言下においては、観光客だけではなく通勤、通学客も激減し、生活路線
の維持さえも困難になってきている鉄道、バス事業者もあるなど、今後は事業
の縮小等に伴う路線
の減便、撤退などが一層懸念されます。現在、
緊急事態宣言は解除されていますが、政府は在宅勤務を推奨したり、本県も県民
の皆様に対して慎重に外出を行うように要請するなど、新しい生活様式へ
の移行が進んでいます。知事
の言われる交通ネットワーク
の維持も日々刻々
と状況が変わってきており、時代に即した施策
と迅速かつ的確な判断が求められています。この際、改めて鉄道事業者等
と県や各自治体
の果たすべき役割を明確にした上で、知事には未来を見据えた本県
の今後
の交通ネットワーク維持について、以上三項目について御答弁をお願いいたします。(拍手)
40 ◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。
*知事答弁
41 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず、鉄道事業及びJR九州に対する認識でございます。鉄道事業は、住民
の皆様
の日常生活
の維持はもとより地域経済、あるいは社会
の発展に大きな影響を及ぼす極めて公共性、また公益性
の高い事業である
と考えております。特に完全民営化に際して
の経営安定基金
の取扱い、また平成三十年度まで行われておりました固定資産税など税
の優遇措置などを勘案いたします
と、JR九州を一般
の民間企業
と同列に論じることはできない、より高い社会的使命を有していることを認識した上でその事業運営を行ってもらう必要がある
と、このように考えております。
次に、JR九州
の線区別収支
の公表についてでございます。JR九州
の青柳社長は、線区別収支
の公表
の際
の定例記者会見におきまして、これは定例
の記者会見でやっておられますが、赤字ローカル線を自社だけで維持していく
のは大変であり、維持をしていくには改善が必要である、そのため
の検討を地元
と一緒に進めていく前提として、基礎データを共有する必要があることから公表に至ったものである旨発言をされています。なお青柳社長は、既に昨年
の七月でございますが、その定例記者会見におきまして、この線区別
の収支について公表する方針であることを明らかにされておりまして、日田彦山線
の議論
とは関連がない、このように思っております。
それから、沿線自治体や住民
の皆様
のこれについて
の反応でございます。沿線自治体に確認をいたしましたところ、まず鉄道事業
の収支は黒字であり、公表するならば黒字
の路線も含め全線区
の収支を公表すべきである。二番目に、利用者
の拡大については、JR九州がまずもって検討すべきである。三番目に、JR九州は廃線を目指している
と言われないような丁寧な対応をしていくべきである。四番目は、JR九州は上下分離を考えている
のではないか
と懸念している。そういった声を沿線
の自治体
の皆さんからはお聞きしているところでございます。
次に、こういったことについて
の検討会についてでございますが、県内
の公表対象
となりました線区
の活用に関する検討会でございますけれども、議員が御指摘になりましたように、他県で設置をされているような関係者による線区
の活用に関する検討会という
のは、本県においては設置されていないところであります。なおJR九州は、地元自治体に対しまして、線区を活用する取組を行いたい
との意向を示しておりますけれども、我々自治体側は利用促進に限ったものでなければ、これは受け入れられないということになっております。
次に、廃線後
の代替輸送手段についてお尋ねがございました。県内で鉄道が廃止になった路線という
のは、昭和三十六年
の国鉄時代
の芦屋線から平成元年
のJR九州宮田線まで合計十一路線がございます。その全てにおいて代替輸送手段としてバス事業者による路線バスというものが運行されました。
廃線決定時
の県、そして自治体
の役割でございます。昭和五十五年十二月に日本国有鉄道経営再建促進特別措置法というものが制定されております。その法律
の下では、赤字ローカル線
の廃止が、その法律に基づいて実施をされることになったわけであります。この法律によります
と、廃線
の申請
の前提
といたしまして、九州運輸局長、それから知事、沿線首長、国鉄九州総局長等によります協議会におきまして、代替輸送計画等について協議をすること
とされております。本県及び沿線
の自治体は、代替バスが運行され五年間は赤字補填がなされるけれども、その後減便等でサービス
の低下
とならないように国が行政指導を行うこと、地元要望等を勘案したダイヤ編成を行うことなど、意見を述べたところでございます。
廃線後
の代替手段
の状況についてでございます。先ほど申し上げました廃線後
の代替バスにつきましては、その後それぞれ
の地域
の実情に合わせまして、それぞれ路線
の見直しを行いながら運行
の継続を行っていくことで、今日までほとんど
の路線におきまして地域生活
のため
の路線が確保、維持されている
と考えております。
次に、県内
のコミュニティーバス
の現状についてでございます。買物や通院など地域
の住民
の皆様
の生活交通
の確保
のために、本年三月末現在、県内四十二
の市町におきまして約二百八十路線
のコミュニティーバスが運行をされております。そのうち隣接市町村に所在する病院、駅等へ
の移動を確保する広域運行路線、これは四十路線、約一五%
となっているところであります。
このコミュニティーバス
の広域運行に関する市町村
との連携についてでございます。県におきましては、広域地域振興圏域ごとに設置をいたしております地方創生市町村圏域会議におきまして、市町村が有する課題
の解決に向けた意見交換を行うとともに、沿線
の市町村や交通事業者と共に広域運行、相互乗り入れ、利用促進
のため
の企画に関する協議などを行っております。コミュニティーバス
の路線
の調整等につきましては、市町ごとに設置をされ、住民
の代表や交通事業者などが参加をしております地域公共交通会議におきまして、地域
の実情に応じた議論や見直しが行われておりまして、県はその会議に委員やオブザーバーという資格で参加をし、必要な助言
と情報提供を行ってきているところであります。
広域運行路線
の普及
のため、県におきましては平成三十年度から市町村域を越えて運行するコミュニティーバスに対する補助率
の上乗せというものを行っておりまして、広域運行路線は昨年度七路線増えまして、本年三月末現在で四十路線
となっているところでございます。
42 ◯副議長(原中 誠志君) 冨永芳行君。
43 ◯七番(冨永 芳行君)登壇 指摘
と要望をさせていただきます。
まず、線区収支
の公表について、日田彦山線
の議論
とは無関係である
との答弁がありました。その根拠に昨年七月
の定例記者会見で
の青柳社長
の方針を挙げられました。しかしながら、公表は先月
の二十七日、直前
の二十四日には知事自らが東峰村へ初めて出向き、住民
の方に対して説明会を開かれています。それを受けて、公表
の前日二十六日は、繰り返しになりますが、澁谷村長がBRT案
の延伸案、これを受け入れるという旨を表明されていて、これに対し知事は、東峰村
の皆様にとって苦渋
の選択であったというふうに述べられています。知事も沿線自治体
の方
と思いを同じにされている
のであれば、まず今回
の公表
の在り方に対して、沿線自治体
の反応や思いも含めて、九州知事会を通すなどJR九州へ抗議をするべきだ
と指摘させていただきます。また今回
の公表
のタイミングに関しましても配慮に欠けるものとして、知事御自身が抗議すべきことである
と指摘させていただきます。
次に、廃線後
の代替バス
の状況について、地域
の実情に応じてそれぞれ路線
の見直しを行いながら運行
の継続を行うことで、今日までほとんど
の路線において地域生活
のため路線が確保、維持されている
との答弁がありましたが、我が会派
の中嶋玲子議員が二月
の予算特別委員会において、廃線
となった五路線を取り上げ、バス転換後にそのバス路線は廃線になり、辛うじて不便解消
のために各自治体が西鉄などに依頼して一部運行している箇所もある、JR
の責任においてではない
と指摘しています。改めて、知事
の答弁以上に沿線
の方々や利用者は不便を強いられており、自治体は経済的な負担を強いられているということ、またバスへ
の転換は後戻り
のできない結果を招くということを、ここで改めて指摘させていただくとともに、そのような状況下にある自治体に対して積極的な支援をしていただくようにお願い申し上げます。
今後
のネットワーク維持
のためについてです。これまで
の知事
の答弁による
と、日田彦山線
の鉄道復旧を断念するに至った経緯に関して、今年二月
の国会審議における国土交通大臣
と鉄道局長から
の、最終的には鉄道会社
の判断であるという最終的な国
の判断、これについて言及がありました。国鉄時代、民営化
の前後、株式上場
の前後
と今日に至るまで、現在
のJR九州
と国、県、沿線自治体
の果たすべき役割は、その時々
の法律
とその解釈を背景に変遷してきたように感じます。今後新しい生活様式へ
の移行に伴って様々に社会が変化し、交通政策も方向転換が必要になるかもしれません。そのような中であっても、知事は福岡県
のリーダーとして、常に県民に寄り添っていただきたい、国に対して言うべきことをしっかり
と意見していただきたい、基礎自治体へ
のフォローはしっかり
としていただきたい
と思います。
また事業者に対しても、新たな関係性を構築し、地域
の振興策、交通ネットワーク
の利用促進策を大きな枠組みで進められる福岡県になるようお願い申し上げ、一般質問を終わらせていただきます。(拍手)
44 ◯副議長(原中 誠志君) 壹岐和郎君。(拍手)
*壹岐議員質問
45 ◯六十六番(壹岐 和郎君)登壇 公明党
の壹岐和郎でございます。通告に従い、盲聾者支援について質問をいたします。
まず、
新型コロナウイルス感染症が、いまだ終息に至らない状況下で、盲聾者や通訳、介助者に対する支援についてお尋ねします。
まず、盲聾者支援者
の方から
の声を紹介します。盲聾者
という
と、なかなか聞き慣れないかもしれませんが、ヘレン・ケラー
の名前を出せばぴんとくる
と思います。視覚
と聴覚両方に障がい
のある盲聾者が外出したり、コミュニケーションを取ろう
とする
と、ほとんど
の場合何らかの支援が必要
となります。例えば全盲聾
の人は、通訳者が障がい者
の手に触れて行う触手話による意思疎通が一般的です。また移動する場合は手を引く、肩に手をかけるなどして行動を補助することになります。つまり支援する場合、盲聾者
と密着せざるを得ません。特に通院する、食料品
の買物、行政窓口で
の手続など、生存や社会生活を維持する上から必要不可欠な行動支援
の要請に対し、支援者は断ることができません。この場合、最低でもマスクやフェースシールド、手指
の消毒液、手袋など
の備品が確保される必要があります。しかしながら現状は、支援する側も受ける側も感染
のリスクを低減するため
の最低限
の防御さえままならない状況です。
次に、盲聾者
の方から
の声を拾っていきます。盲聾者
の皆さんが、情報交換や近況を話し合う唯一
の場
ともいえる例会も二月以降開催できず、やっと六月役員会が開催できました。障がい
のゆえに、日頃から日常生活に大きな制限がある上、例会なども開催されない
となる
と、ほとんど自宅に引き籠もっているため肉体的、精神的なストレスも大きいようです。健常者であれば、このような環境下でもオンライン会議などが可能ですが、盲聾者
の皆さんは通訳者が傍らにいなければ意思を伝えることも、受け取ることもできません。また総会、例会
の会場である春日市
のクローバープラザに入るときも、マスク着用が義務づけられています。健常者
の皆さんには理解しづらいでしょうが、視覚
と聴覚
の重複障がいを持つ側からすれば、嗅覚を使って様々な情報を得ています。マスクをする
と嗅覚さえ制限をされる。盲聾者にとって
のコミュニケーション
の手段は、先ほども述べた触手話や指点字、手書き文字、耳元で
の大きな声、接近手話など近接した対応
となります。今日
のコロナ禍
のように三密を避けること
となれば、社会生活が全く成り立たなくなる。ぜひこのような実態を知ってほしいという訴えでした。
まず、知事に二点お尋ねします。一点目は、早急に実態を把握して、派遣事業に必要なマスク、フェースシールド、消毒液、手袋など
の備品について、支援者や当事者に届けていただく
と同時に、今後
の状況によっては長期的な支援をお願いしたい
と考えますが、いかがでしょうか。
二点目に、次に述べる派遣事業
の推進等を含め、取りまとめ
の団体である公益財団法人福岡県身体障害者福祉協会だけではなく、当事者
の団体である福岡盲ろう者友の会
と定期的な情報交換をする場を整えていただきたい
と考えますが、いかがでしょうか。
次に、派遣事業について質問します。県
の調べでは、平成三十年三月末現在で政令市、中核市を除く県域
の視覚
と聴覚
の重複障がい者は三百二十三名です。また平成二十四年度
の全国盲ろう者協会による調査では、本県
の登録要件に当たる
と考えられる視覚
と聴覚に重複障がい
のある人で、身体障害者一級、二級
の手帳を持っている人は百九十一名
となっています。平成三十年
の福岡県身体障害者福祉協会へ
の登録者は十八人ですから、登録率は一割にも満たない状況です。同様に東京都
の平成二十四年度調査で盲聾者数は八百四十人、平成三十年度調査で登録者数は百三十九人で、やはり登録率は一六・五%
と低い数字
となっています。東京盲ろう者友の会は登録率
の低い理由を、盲聾者を対象
とした支援サービスがあるという情報が、視覚
と聴覚
の両方に障がいがあるゆえに、本人
の下に届かないことが大きな原因ではないか
と考えています。本県
の登録要件に当たる重複障がい者数
と盲聾者登録者数が大きく乖離している実態について、どのように認識されている
のか、知事にお尋ねします。
次に、公益財団法人福岡県身体障害者福祉協会
の規定によれば、福岡県盲ろう者通訳・介助員派遣事業を利用するためには登録が必要です。
となる
と、前述したように、ほとんど
の盲聾者は通訳、介助員
の支援を受けていないことになります。もちろん視覚障がい者が市町村事業である同行援護など
の支援を受ける人も多くおられることが考えられますが、例えば全盲聾
の人がコミュニケーションを取ろう
とすれば、スキルを持った通訳、介助員
の手助けがどうしても必要
となります。県全体で重複障がい者が適正な支援が受けられている
のか、市町村
と連携をして実態を把握すべき
と考えますが、いかがでしょうか。
次に、本県
の登録条件は重複障がいがあり、身体障害者手帳一級、二級所持者
となっています。例えば東京都
の登録条件は、身体障害者手帳に視覚障がい
と聴覚障がい、両方
の記載があること
となっています。なるべく多く
の障がい者
の皆さんが豊かな日常を送り、社会参加を進めるためにも、登録条件
の緩和や登録推進について、事業
の委託先である福岡県身体障害者福祉協会や福岡盲ろう者友の会
と協議を行い、より障がい者
のニーズに合った支援を実施していくべきです。県としても登録を推進すべき
と考えますが、いかがでしょうか。
最後に、福岡盲ろう者友の会
の皆さんからは、通訳、介助員が少なく、十分な支援が受けられていない
との声が上がっています。確かに統計上は派遣できなかった件数はゼロ
となっており、表面上は充足しているように見えますが、現状は異なるようです。令和二年度派遣予算
の登録者一人当たり
の利用可能時間は月約十時間です。これは平成三十年度全国調査
の平均十六時間
と比べても短い。盲聾者が安心して支援を受けられるために、登録者を増やす
と同時に、通訳、介助員
の人材養成が必要です。今後人材育成をどう図っていく
のかお尋ねします。
以上でございます。(拍手)
46 ◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。
*知事答弁
47 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
通訳・介助員派遣事業に必要な物資
の支援でございます。派遣事業におきましては、体に触れたり、耳元で会話をしたりすることが多くなります。そのためマスクや消毒液
のほか、状況によっては手袋、ガウン、フェースシールドなど
の防護具というものも必要になってまいります。県が派遣事業を委託をしております身体障害者福祉協会におきましては、通訳、介助員
の方々
のマスク、消毒液を確保しておられますけれども、利用者
の方
の分については確保が十分
とは言えず、防護具
の準備もできておりませんでした。今後同協会がこれら
の物資を確保し、利用者、そして通訳、介助員
の方々に配付できるよう、県としてその調達先
の確保などについて支援を行ってまいります。
次に、当事者団体
との定期的な意見交換でございます。県におきましては、これまで福岡盲ろう者友の会から
の申出に基づきまして意見交換
の場を設け、派遣事業に関する要望をはじめ幅広く御意見を伺ってまいりました。しかしこの数年、この団体から
の申出がなく、意見交換
の機会が減っておりました。派遣事業を円滑に実施をしていくためには、当事者
の皆さんから幅広く御意見、御要望をお聞きする必要がある
と、このように考えておりまして、今後意見交換を定期的に実施していくことについて、この福岡盲ろう者友の会
と協議を進めてまいります。
次に、重複障がい者数
と通訳・介助員派遣事業に登録する重複障がい者数
との乖離についてお尋ねがございました。派遣事業を利用するために登録をされております重複障がい者
の方は少数にとどまっておりますが、利用
の対象
となる方
の中には、まずこの派遣事業について御存じない方がいらっしゃる。その一方で家族による支援がある、あるいは施設に入居されているため派遣事業
の必要性がない方もいらっしゃる
と、このように考えております。今後、市町村また関係団体
と協力をいたしまして、この派遣事業を必要
とする方がどのくらいいらっしゃる
のか、そのうち利用登録をされてない方がいらっしゃる
とすれば、その理由についても調査をしていく必要がある
と、このように考えております。
また、今申し上げました調査におきましては、障がい福祉に関する支援
の決定をしております市町村から個々
のケースについて聞き取り調査を行うとともに、当事者団体からも御意見を伺うことによって、その実態把握に努めてまいります。
次に、通訳・介助員派遣事業を利用する盲聾者
の登録
の推進でございます。派遣事業は、盲聾者
の方々
の社会参加を促進するため、より支援が必要な重度
の盲聾者
の方々を、その対象
といたしております。このため登録要件
といたしまして、身体障害者手帳
の一級または二級
の所持者
の方
と定めておりまして、現在
のところ、この要件を見直す必要があるというふうには考えておりません。全国的にも三十七
の道府県におきまして、私ども福岡県
と同様
の要件を定めているところであります。県
といたしましては、通訳、介助員
の派遣を必要
とされている盲聾者
の方々にその支援が行き届くことが重要である
と、このように考えております。そのため、まずこの派遣サービス事業に関する情報がきちんと関係者に届くよう、その周知を図っていき、その上で同協会によるサービス
の利用
の登録につなげていく必要があるというふうに考えております。
次に、通訳、介助員
の人材
の育成でございます。県におきましては、身体障害者福祉協会に委託をいたしまして、盲聾者
の特性に応じたスキルを習得していただく通訳、介助員
の養成研修というものを実施しております。現在通訳、介助員として五十七名
の方が修了いたしておりまして、同協会
の登録を受けておられます。また盲聾者
の支援に当たりましては、その方々一人一人
の見え方、聞こえ方、違います。それに応じて様々な方法で
の支援というものが必要になってまいります。このため同協会に委託をしまして、年に一度、通訳、介助員に登録された方々を対象に事例発表、意見交換、また実習を通じて学んでいただく現任研修というものを行っておりまして、スキルアップを図っているところであります。昨年度は十二名
の方が受講されているところでございます。
48 ◯副議長(原中 誠志君) 壹岐和郎君。
49 ◯六十六番(壹岐 和郎君)登壇 知事
の御答弁ありがとうございます。マスク、また消毒液、全部ではないんですが、早速現場に届けていただき、非常に喜んでおられました。引き続き、長期的な支援をよろしくお願いします。
実態
の把握について、していただけるということで期待しております。
先ほど派遣を断られたケースは上がっていないということで、このこと
と関連して一点要望させていただきます。先週
の土曜日に、福岡盲ろう者友の会
の吉田会長
と通訳
の方
とお話をさせていただきました。そのときに出たことですけれど、盲聾者が派遣を依頼したときに、窓口にて予算
の関係で時間短縮
の要請を受けることもあり、盲聾者
の方も遠慮して、だんだん頼みにくくなってくる。そうする
と、派遣実績も予算も減少する
と、そういう悪循環に陥っている現状があります
との訴えでした。盲聾者
の皆さんも健常者同様旅行にも行きたいし、様々な知識も身につけたい、社会生活を充実させたい
との欲求は同じです。盲聾者
の皆さんも健常者同様
の社会生活が営める社会
とするためにも、派遣予算
の妥当性も含めて実態把握をしていただくことを強く要望して、一般質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
50 ◯副議長(原中 誠志君) 安部弘彦君。(拍手)
*安部議員質問
51 ◯五番(安部 弘彦君)登壇 皆さん、こんにちは。食
と緑を守る緑友会福岡県議団
の安部弘彦でございます。それでは、通告書に従いまして一般質問させていただきます。
まずは感染症対策
の機能を備えた省エネ設備についてであります。まずはコロナ禍にあって、医療機関をはじめ市町村、自衛隊、消防、警察など関係機関
の皆さんはもちろん
のことですが、県庁や保健所
の職員
の方もまた、休日や昼夜を問わず、県民
の皆さん
のために見えない敵
と闘っているわけであります。知事もお疲れでございましょうが、このような現状をしっかり胸に受け止め、職員を大切にしていただきたい
と思います。
さて、こうした極限状態で働く職員
の健康を保つため、職場環境
の整備は、適正な空調や照度
の確保が大事であります。思えば今年は四月になっても寒い日がありました。これは原則三月まで
の暖房期間を超えて対応した
と聞いております。この先は湿度や暑さ
との闘いに移ります。冷房
の期間や温度設定にも原則はありますが、こういった危機状態にあっては、弾力的な運用をお願いするところでもあります。
県庁には県内外を問わず、様々な方が訪れます。コロナ
ウイルス感染症対策として、マスク着用や手洗いに加え、感染症対策
のため
の設備導入も検討する必要がある
と考えます。コロナ
ウイルス感染症へ
の対応を継続しながらも、エネルギー
の消費者として
の省エネ対策は重要であり、この対策は大きく分けて、日常的な節電や節水など
の運用面で
の対応、そして省エネ対策が施された設備へ
の更新
の二つであります。したがって、省エネ対策
と感染症対策を融合させる
との観点も意義あることだ
と思います。このような観点から、例えばウイルス滅菌効果
のあるLED照明
の導入などができれば一石二鳥ではないでしょうか。
そこで知事にお伺いをいたします。昭和五十六年十一月に完成をした現在
の県庁は、今年で三十九年
となります。これまで省エネ対策としてどのような設備更新を行ってきた
のかお答えください。
また感染症対策
の機能を備えた省エネ設備
の導入について、どのように考えておられるかお答えください。
大雨や地震など
の災害が発生した場合
の避難所では、今回
のような感染症を含め衛生面に細心
の注意を払う必要があり、この運営は市町村が担うことになります。やむなく避難をされた方々
の心労を思えば、避難所
の環境整備は大変重要です。今後県が感染症対策
の機能を備えた省エネ設備に更新した場合には、その取組をいち早く市町村はもとより、広く公表することを要望しておきます。
次に、県内企業によるLED等応用製品
の開発支援についてお伺いをいたします。今回
の感染症で、国民
の衛生に関する意識は、これまで以上に高まっていることは疑い
のないところであります。省エネだけでなく感染症対策に配慮した設備
の需要は高まっていくもの
と考えます。省エネに加え、感染症対策
となる抗菌作用
のある新技術として、国内外
の研究機関や大学、企業が開発するLEDや光触媒、オゾン、マイナスイオン等は周知
の事実であります。例えば理化学研究所や情報通信研究機構
とトクヤマ、日機装、旭化成、東芝ライテック、スタンレーなどでは、深紫外線といった空間除菌消臭
の新技術を、ウシオ電機
のエキシマランプを使った紫外線UV─Cは、神戸大学や島根大学など
の知見でも、人や動物
の皮膚や目に安全でありながら、紫外線本来
の殺菌、ウイルス
の不活化能力を保持した新しい殺菌用光源であります。また長崎
のイナヅマ電気工事では、光触媒を活用した抗菌分解消滅性を持ったLED照明器具
の開発、販売を既に行っています。さらに台湾
のサンダーソウルでは、SGS認証
の照明用抗菌LEDチップを開発、販売をしています。人体や動物に影響を及ぼすこと
のない活用可能な技術は、抗菌、滅菌、除菌、消臭だけではなく、O157やカビなど、あらゆる細菌
の増殖を抑制できる
とされています。今回
の感染症対策だけでなく、公衆衛生を必要
とされる飲食店、旅館、ホテル、介護施設、食品工場や生鮮品売場、水産、畜産業等々、様々なあらゆる場所で活用できます。このような光源、LEDは、今後活用
の幅が大きく広がっていくもの
と期待できます。私は、県が県内企業によるLED等応用製品
の開発を支援し、省エネや感染症対策ができれば県内産業
の振興にもつながり、有効だ
と考えますが、いかがでしょうか。
このような省エネ、感染症対策、企業支援も併せて両立を図っていくこと、そして県が先頭に立って福祉、医療、保育、幼稚園、学校など公共性を持った施設や交通機関から順次整備をしていくことを強く要望し、一般質問を終わります。知事
の明快な答弁をお願いいたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
52 ◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。
*知事答弁
53 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず初めに、県庁舎
の省エネを目的
とした設備
の更新であります。これまで省エネ対策
といたしまして照明、給排水、そして空調
の設備更新を行ってきております。具体的に申し上げます
と、照明設備につきましては、平成二十一年度から二十三年度にかけまして、ロビー、執務室、そしてトイレ等におきまして、消費電力量
の少ないLED照明等に更新をいたしております。併せてトイレには人感センサーを導入したところであります。給排水設備につきましては、平成二十五年
と二十六年度、両年度実施をいたしましたトイレ
の全面改修
の際に、便器を節水型に替える、併せて手洗い器をセンサーつき
の器具に替えたところであります。空調設備につきましては、平成二十二年度に二十四時間空調を行う必要
のあります行政無線室、電話交換室、そして電気室におきまして、それぞれ消費電力量を抑える高効率空調機に更新をいたしたところであります。
次に、感染症対策
の機能を備えた省エネ設備
の導入についてでございます。こうした設備
の更新に当たりましては、所定
の性能を満たすことはもちろん
のこと、費用対効果、安全性等
のデータも比較をいたしまして、導入をする設備
の検討を行っているところであります。お尋ね
の滅菌効果がある
とされております設備につきましては、人体へ
の安全性がまだ十分に立証されてない
と、そういった課題がございまして、現段階で
の導入という
のは難しい
のではないか
と考えております。今後
の開発状況、そしてそこで
の安全性、その検証状況というものを注視をしてまいります。
次に、LED等製品
の開発について
の支援でございます。県におきましては、工業技術センター機械電子研究所にLED製品に用いるレンズや反射板
の設計を支援する光学解析システム、また光
の広がりや強さを分析する照明特性評価システムというものを整備をしておりまして、県内中小企業によりますLED製品
の開発を支援してきております。これまで全体を均等に照らすこと
のできる看板用照明
の開発、また光
の広がりを抑えた省エネタイプ
の薄型天井灯など四件
の製品
の開発を支援してまいりました。現在滅菌作用
のある深紫外線LEDなど新たな光源が注目をされております。照明器具以外
の用途へ
の広がりも期待されているところでございます。今後企業
の要請に応じまして、こうした製品
の開発についても、機械電子研究所、その持っております設備、技術、人材を活用して、その支援を行ってまいります。
54 ◯副議長(原中 誠志君) 塩川秀敏君。(拍手)
*塩川議員質問
55 ◯五十一番(塩川 秀敏君)登壇 皆さん、こんにちは。
自民党県議団の塩川秀敏でございます。通告に従いまして、
新型コロナウイルス禍における防災
と人権についてただしてまいりたい
と思います。
質問に入ります前に、
新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々、そして御遺族
の方々に御冥福
とお悔やみを申し上げるところでございます。また闘病中
の方々
の一日も早い回復を祈りつつ、そして経済
の活性化
と収束を願うところでございます。
コロナ禍は収束したわけではありません。梅雨期に入りまして、いよいよコロナ禍プラス自然災害という
のが大きな課題である
と思います。二十九年、三十年、そして昨年
と、福岡県は三年連続豪雨
の災害に遭遇しているところでございます。我が会派におきましても、代表質問で
新型コロナウイルス禍
の中で、自然災害が発生した場合にどのように対策する
のかということを質問させていただきました。知事は、
新型コロナウイルス感染症に対応した避難所運営マニュアルを作成し、五月に市町村に提示をし、その市町村がそれに対して、全市町村で完成したところであるという御答弁をいただきました。防災管理局が早い対応をしてくれたな
と思っておりましたら、何と四月頃に国
のほうから指示が来た。それでつくらせていただいたということでございましたので、ありがとうございました
と言おう
と思いましたけれども、何でも国から指示があってする
のかということで、やっぱりこういうことという
のは、国
の指示がなくても、当然先を読んで対応が考えられることであるというふうに思うところでございます。私は、その代表質問に少し踏み込んで、
新型コロナウイルス禍における防災についてただしてまいりたい
と思います。
まず一点目は、自主防災組織についてであります。平成三十一年四月現在、県
の防災指導課
の働きかけによりまして、県下全戸数
の九三・六%、すなわち五千五百十三
の自主防災組織ができております。大変心強いことでありますが、私は、現存
の自主防災組織という
のは、自然災害における防災訓練はなされている
と思いますけれども、
新型コロナウイルス禍
のような感染症を想定した訓練という
のはほとんどなされてない
のではないか
と想像するところであります。
そこで知事に伺います。万が一自然災害が発生した場合、現下
の自主防災組織は十分な機能を発揮できる
のか、一点。そしてまた、その機能を発揮するため
の対策が講じられている
のか、この二点についてお答えをしていただきたい
と思います。
次に、二点目でありますが、避難
の在り方について伺いたい
と思います。
新型コロナウイルス禍における避難は、三密とかソーシャルディスタンスなど
の対策を考えただけでも、今まで
のような体育館で
の一斉避難という
のは到底考えられない状況にある
と思います。どのような対策を講じてある
のか。そしてこの中で、特に私が心配しておる
のは、
新型コロナウイルス禍でございますので、車中泊という
のがかなり増えてくるんじゃないか
と、これに対してどのような対策を考えておる
のかお答えいただきたい
と思います。
最後に三点目は、災害時
の避難行動要支援者対策であります。今年
の四月現在で、市町村が算出した災害時
の避難行動要支援者
の数は、県下で二十一万八千六百五十九人おられますが、このうち個別避難
の計画が策定されている
のは、何と二三・五%、四分の一にも満たない五万一千九十五人である
と聞いております。
そこで知事に質問でありますが、この個別避難支援計画
の策定状況、すなわち二十一万八千余
の中で二三・五%しかできてない、この策定状況についてどのように思われる
のか聞かせていただきたい
と思います。
また避難行動要支援者
の皆様は、要介護認定者
のお年寄りとか、あるいは障がいを持たれておって、体力的にも非常に虚弱な方で、基礎疾患を持っておられる方も多い
のではないか
と想像するところでございますけれども、まさに
新型コロナウイルスという
のは、生命
の危機にも関係してきておりますので、この要支援者に対する避難
の援助という
のは、自然災害
と違ってくるんじゃないかというふうに思うところでございます。特段
の配慮が必要だ
と思います。
そこで知事に伺います。避難行動要支援者
の避難所へ
の誘導や、あるいは避難所で
の対応について、どのようにお考えな
のかお聞かせいただきたい
と思います。
次に、大きな項目でありますが、
新型コロナウイルス禍における人権対策についてただしたい
と思います。知事は、六月五日
の議案説明要旨で、五月十四日に非常事態宣言を解除できたことに対して次
のように述べられております。これまで多く
の県民、事業者
の皆様に御理解、御協力をいただき、皆様
の思い
と行動がこの結果につながりました、感謝申し上げます
と。また、最前線で奮闘いただいている医師、看護師をはじめ
とする医療従事者
の皆様、様々な現場で社会を支えていただいている皆様に改めて敬意を表し、感謝を申し上げます
と述べられておりました。このことにつきましては、率直にありがたく感じましたので、申し添えておきたい
と思います。
併せて、私に配付された、皆さん
のところにも配付されておる
と思いますが、十一回にわたる
新型コロナウイルス感染症対策本部
の会議
の資料がございます。この資料を見る限り、知事は心休まる暇もなく、半年間になりますが、過ごしてこられた
と察します。僣越ですが、知事をはじめ八十名近い対策本部関係職員
の皆様に御慰労
と感謝を申し上げる次第であります。ありがとうございます。
さて、本題
の人権対策に入ります。私も
新型コロナウイルス感染に関し、病院や医療関係者、また福祉施設
とその従業員さんに対する、それと私たち
の生活に欠かせない、いわゆるエッセンシャルワーカー
と言われる方々に対する中傷や差別、偏見を耳にしてきました。コロナ禍
の中で感染リスクを抱えながら、私たち
のために仕事に従事されている方々に対する誹謗中傷、差別、偏見など言語道断であります。まさに人権問題であり、看過するわけにはいかないわけであります。
直近
の第十一回福岡県
新型コロナウイルス感染症対策本部
の会議では、次
のように結んでおります。
新型コロナウイルスとの闘いは長丁場
となり、この闘いに打ちかつか否かは、県民
の皆様一人一人
の意識
と行動にかかっており、改めて地域
の力
と結束が問われます。誰もが感染するリスク、感染させるリスク、自分自身、家庭、周囲
の人、地域
と社会を守るために、気を緩めることなく感染症を防止する新しい生活様式
の実践、そして徹底した感染防止
の実施にしっかり取り組んでください
と、こういうふうに県民に呼びかけているところでございます。何
といっても、今回
の新型コロナウイルス対策は、新しい生活様式
の実践など、県民一人一人
の意識
と行動を基盤にするというものである
と、私は思っています。県民一人一人がどんな意識を持って、どんな行動をする
のか。この新しい生活様式を実践するかどうかは、これはまさに県民一人一人
の行動規範に係る問題であります。
ここで私が申し上げたい
のは、福岡県人権教育・啓発指針でも分かるように、人
の行動規範は、その人
の人権に対する知的理解や人権感覚に大きく左右されるという事実であります。今、県民
の一人一人
の意識
と行動、いわゆる行動規範が問われる中で、行動規範づくり
のために、人権に対する知的理解や人権感覚
の情報がしっかり提供されている
のか。ちょっと十一回を見る限り、あんまり強調されているようには見えないんです。言い過ぎかもしれませんが、対策本部
の基盤
とも言える人権、あるいは人権感覚が、対策本部で共通認識されている
のか、私はいささか疑問を感じる
のであります。また人権に対する知的理解、人権感覚
の情報
の徹底こそが、感染するリスク、感染させるリスクをなくし、新しい生活様式
の実践や医療、福祉、そしてエッセンシャルワーカー
の方々に対する誹謗中傷、差別、偏見などをなくすことへもつながる
と確信する
のであります。
そこで知事に伺います。知事は、先ほども申しました議案説明
の中で、コロナ
との闘いに打ちかつかどうかは、県民
の皆様お一人お一人
の意識
と行動にかかっており云々
と、これまで
の努力が水泡に帰することがないよう県民
の皆様に御理解
と御協力をお願い申し上げます
と言われていますが、今までどんな人権対策を講じてこられた
のか、またこれからどんな対策を考えておられる
のかお聞かせ願いたい
と思います。
同じ趣旨で、教育委員会にも伺いたい
と思います。
新型コロナウイルス禍
の中で、二月二十八日
の通達以来、三月二日から五月十七日まで、約二か月半学校は休みになりました。この間、児童生徒や先生方はいろいろな思い、取組
の中で長い時間を過ごしてこられた
と思います。詳細は抜きにしますが、世間
の学校や教師に対する関心、評価は大きく変化し、私はいい方向に変化したんじゃないか
と思っていますが、大きく変化し、学校や教師
の役割を再認識された
のではないか
と思います。この期間中、学校現場では人権に対してどのような取組がなされた
のか、またこれからどんな取組をしよう
とされている
のか、教育長
の答弁を求めたい
と思います。
以上、私
の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
56 ◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。
*知事答弁
57 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
御質問にありました
新型コロナウイルス禍における自主防災組織
の機能でございます。県では市町村に対し、五月一日に
新型コロナウイルス感染症に対応した避難所運営マニュアル、これを作成するため
の指針をお示しし、市町村においてはこのマニュアルを作成し、これに基づき避難所
の確保、マスク、消毒液など感染症対策物資
の整備を進めているところであります。
感染症に対応した避難所
の運営でございますけれども、密接を避けるスペース
の確保、室内
の定期的な換気
と清掃、避難者及びスタッフ
の定期的な健康状態
の確認など、対策に万全を期す必要がございまして、運営を担う自主防災組織
の役割はこれまで以上に重要になってくる
と、このように思っております。各市町村では、感染症が終息をしていない今、自主防災組織が参加する感染症対策を想定した訓練というものは実施することができておりませんが、八つ
の市町村におきましては、避難所運営を円滑に進めていくため
の役割分担
と手順などにつきまして、この防災組織
のリーダー
と一緒にその確認を行ってきております。今後他
の市町村におきましても、こうした八つ
の市町村で行われております役割分担、手順など
の自主防災組織
と一緒になった確認、その取組を実施していくよう強く促してまいります。
次に、避難
の在り方についてでございます。先ほど申し上げました県
の指針におきましては、避難所で
の三密状態を避けるため、住民に対しまして、自宅で
の安全確保ができる場合
の在宅
の避難、親戚、知人宅へ
の避難、それからテント泊、車中泊など避難所以外
の避難を検討するよう、あらかじめ周知を図るよう示しています。特に車中泊を行う場合には、安全な避難所
の選定、移動中
の安全確認、熱中症及びエコノミークラス症候群対策、これらについて十分な注意が必要
となります。県におきましては、これら
の注意点を呼びかける啓発チラシを新たに作成をいたしまして、市町村にその電子データを提供するとともに、県
のホームページに掲載をし、広く県民
の皆様に注意喚起を図っているところでございます。
次に、避難行動要支援者対策でございます。要支援者に対しましては、市町村が個別に避難支援計画を策定する必要があります。県におきましては、これまで市町村に対し計画
の策定
の手法を学ぶ研修、避難支援者を確保する先進事例
の紹介、進捗管理
のため
の定期的な市町村に対するヒアリングなどを行い、要支援者
の同意、支援者
の確保を増やすことによって、個別避難支援計画
の策定が一層進むよう促してきたところであります。その結果でございます。今年四月現在、要支援者全体に対する計画
の策定率は、議員御指摘
のとおり二三・四%
となってございます。前年度から四・九ポイント上昇をいたしております。とりわけ、個人情報
の開示に御本人が同意をされた要支援者に対する計画
の策定率について見ます
と、今五二・八%
と、前年度から七・三ポイント上昇してきたところであります。私自身、この策定率をできるだけ早く引き上げていきたい
と考え、防災部局一緒になって取り組んできたところでありますが、今申し上げましたように、まだまだ厳しい状況にあるところであります。さらに計画
の策定が進むようしっかり取り組んでまいりたい
と思います。
次に、要支援者
の避難時
の対応でございます。支援者が要支援者を避難先へ誘導する際には、支援者、要支援者ともにマスク
の着用、検温など感染防止対策を取り、要支援者
の感染が疑われる場合には、速やかに医療機関等へ連絡や相談をする必要がございます。その旨市町村に対し注意喚起を促す文書を発出したところでございます。また県
の指針によります
と、避難所に避難される場合には、市町村に対し一般
の避難スペース
とは別
の専用スペースを確保すること、それから保健師等を派遣して健康状態を確認することなどについて十分な配慮をするよう求めているところでございます。そのことを申し添えます。
それから人権対策についてお尋ねがございました。国内における感染症
の拡大に伴いまして、不安、偏見により感染者、医療関係者、社会的機能
の維持に当たっておられる方々、そしてその御家族
の皆様に対して誹謗中傷、あるいは差別的な対応といった人権侵害が起こっております。一方で、誰もが感染するリスク、またさせるリスクがあるということを、それぞれが実感することによって、行動
の自粛、マスク
の着用といった他人を思いやることを通じ、互い
の人権を尊重し合う意識というものも高まってきた
のではないか
と思います。これまで県におきましては、差別を行わないよう県民
の皆様に呼びかけるとともに、人権侵害を受けた方
の相談窓口を
ホームページや県
の広報紙等でお知らせをしてきております。また啓発ポスターを作成し、県庁、JR
の駅などに掲示をさせていただいておりますし、医療関係者、社会機能
の維持に当たる皆様に対する感謝
とエール
の気持ちを表すため、テレビやSNSなどを通じて啓発コマーシャルを流しているところであります。また私自身ラジオを通じまして、こうした方々へ
の感謝
の気持ちをお伝えし、そうした方々、そして御家族へ
の心ない言動、また差別というものが絶対にあってはならない、そのことを強く呼びかけてきたところであります。今後は、今回
の私ども
の経験を生かして、自分
の人権だけではなくて、他
の人々
の人権も大切にし、それを尊重するという考え方がより一層広まっていくよう啓発に取り組んでいきたい
と思います。また来年度実施予定であります人権問題に関する県民
の意識調査におきましては、
新型コロナウイルスに関連して起きました人権侵害
の問題についても調査を行いまして、その結果をその後
の啓発にしっかり生かしていきたい
と、このよう考えております。
58 ◯副議長(原中 誠志君) 城戸教育長。
*教育長答弁
59 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇
新型コロナウイルス感染症と人権教育
の取組についてでございます。各学校では、長期にわたった休業期間を通じて、家庭
との連携を図り、児童生徒一人一人
の状況を把握して不安や悩みに寄り添うなど、教職員が一丸
となりまして児童生徒
との信頼関係を築きながら支援に取り組んでまいりました。また、休業期間中
の登校日や再開後
の早い時期に人権問題に関する学習を実施し、感染者や医療従事者及びその家族などに対する偏見や差別があってはならないこと、感染症から自分を守ることが他者を守ることにつながることなど、児童生徒が正しい知識や理解を身につけるように取り組んでおります。県教育委員会では、こうした人権教育
の推進を図るため、学校
の休業期間
と再開時に指導
の留意点
と学習教材や実践事例
の情報を提供するなど、学校
の取組を支援してまいりました。今後教員
の指導力
と人権感覚を一層高めるため、指導者用資料
の作成や研修
の工夫に努めてまいります。また、今回
の新型コロナウイルス感染症の具体的な事例を基に、これまで
の人権学習を工夫することによって、児童生徒が確かな認識
と人権感覚を身につけ、自他
の人権を守るため
の実践行動に結びつくような人権教育を推進してまいります。
60 ◯副議長(原中 誠志君) 塩川秀敏君。
61 ◯五十一番(塩川 秀敏君)登壇 大事なこと
と思いますので、二点要望を。
まず一点は、さっき申しましたように、これから梅雨
の中で豪雨ということに直面する中で、今答えがありましたように、八市町村が今取り組んでおる
と。これではもう心もとないですので、さらに市町村
の取組が進むように積極的に働きかけていただく
と同時に、自主防災組織が、まだまだ組織率
の低い市町村がございますね、僕が数字を挙げなくても。ここに対する取組も、ぜひ鋭意進めてもらいたい、これが一点。
二点目は、災害時における避難行動要支援者対策でありますけれども、これは、今
のところやっぱり四分の一までもいっていない状況ですので、まず早く策定ができる状況をつくっていただきたいというふうに思うところでございます。私、昨年
の九月
の一般質問で、知事はとにかく早急に一〇〇%になるように取り組んでまいるというふうにお答えになっておりますが、現実
の厳しさは分かりますけれども、これは実は二十四年から取り組んでいることでございまして、毎年二百万以上
の予算を組んでいますから、もう大方二千万ははるかに超える予算を組んでいる中で
の結果でございますので、ぜひ市町村
と積極的にタッグを組んで進めていただきたい。
結びになりますけれども、知事も聞き慣れているでしょうけれども、痛みとか、寄り添いとか、現場主義とか、生活者
の立場でというふうに知事はおっしゃいますので、ぜひこういう方々
のために、執行部
と一緒になって取り組んでいただきたいということを要望して、私
の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
62 ◯副議長(原中 誠志君) 中嶋玲子君。(拍手)
*中嶋議員質問
63 ◯十一番(中嶋 玲子君)登壇 こんにちは。
民主県政クラブ県議団の中嶋玲子でございます。
新型コロナウイルス自粛解除後
の本県観光振興について質問をいたします。
世界的な
新型コロナウイルス感染流行で、大勢
の死亡者や罹患された方々に心よりお悔やみ
とお見舞いを申し上げます。
〔原中副議長退席 栗原議長着席〕
先日来、北九州市においては第二波
の兆候が見られ、全国的にいつ
クラスターなど
の感染拡大が再発するか不安があり、いつまでたっても予断を許さないコロナウイルスであります。福岡県でもコロナ封じ込めに最大限
の対策が取られてきたところでございます。この間、国民
の日常生活
の自粛による外出制限、学校
の休校、イベント
の中止、テレワーク
の推進、ほとんど
の業種
の店舗やサービス業
の休業、公共施設
の休館、公共交通機関
の大幅減便で、旅行も外食もショッピングも、感染
の恐怖から、今まで当たり前にやってきた生活は全て麻痺状態でした。かつて経験したこと
のない国民的な巣籠もり
と言われた長い長い日々でございました。影響は日常生活のみならず、給与
の減額、解雇、失業などにより生活困窮を招き、企業
の中には倒産、廃業を余儀なくされ、ほとんど
の分野
の経済活動も大打撃を受けています。
国も県も、そしてそれぞれ
の自治体も、まずは命を守る、生活を守る、雇用を守ることが優先で対策を講じてこられました。本県でもコロナ対策
のため
の三月補正、四月臨時議会で
の七百六億五千五百万円、また今議会で
の二百十三億九千二百万円、そして追加提案された一千四百四十五億五千九百万円
の予算を確保し、給付や融資や対策など
の支援をしていますが、未曽有
の経営危機です。しかし、それら
の支援により中小企業や個人事業者や農林水産業にとって倒産や廃業を免れたところもある
と思われます。一方、家に籠もることに慣れてしまった国民は、なかなか以前
のような経済活動に戻れないようで、自粛解除後も出控え、消費行動控えで、まだまだ飲食業やサービス業が経営再建できるには時間がかかりそうです。全て
の業種で打撃を受けなかったところはない
と思われますが、少しずつ回復
の兆しが見えてくることを願います。
さて、先月、太宰府市長が会見され、太宰府市
の観光客が対前年同月比で、三月は四十八万人減少で六六%
の減、四月は六十四万人減少で九六%減という異常な落ち込みであることをニュースで知りました。映像で映し出された天満宮
の参道を占める土産物店は閑散としていました。太宰府市は豊富な文化財や歴史を生かした観光が基幹産業でありますし、国内外から
の大勢
の観光客が押し寄せていました。観光が市政を大きく左右するわけです。太宰府市以外にも観光客や入り込み客によって左右される自治体は多くあります。
そこでまず一点目
の質問です。本県
の観光関連事業者や宿泊業者へ
の新型コロナウイルス感染症による影響について、把握できている限りで現状をお尋ねします。
次に、本県
の観光振興についてお尋ねします。国は平成十八年に観光立国推進基本法を制定し、法律に基づき新たな観光立国推進基本計画も策定しています。それに伴い、福岡県でも平成二十八年十月に観光王国九州とともに輝く福岡県観光振興条例を制定しました。この観光振興条例
の趣旨を踏まえた第一次福岡県観光振興指針を平成二十九年七月に策定し観光振興に取り組んでこられました。そして、さらなる観光行政
の総合的な振興を図るため、第二次福岡県観光振興指針を策定し、令和二年度、今年度から令和五年度までに計画的に推進されることになっています。
そこで二点目に、第一次観光振興指針
の成果
と、第二次観光振興指針
の目指すもの及び重点施策についてお尋ねします。
特に今年度からスタートする第二次観光振興指針については、施策
の柱として日本人
の旅行者
の需要よりインバウンドばかりに特化した施策
の推進が目立ちます。確かに昨年
のワールドカップ開催時には海外から
の大勢
の入り込み客で福岡もにぎわいを創出できたわけです。また今年予定されていた
オリンピック・
パラリンピックにおいて
の海外から
の観光、宿泊を見込んだ中で、インバウンド対応
の環境整備や経済効果を重点的に組み込んだ第二次観光振興になっていることは理解できます。しかしこの指針
の検討終盤であった三月初旬には、既に検討委員
の中からはコロナ
の懸念は話題になっていた
と思います。その時点で温泉宿泊はキャンセルが相次いで始まっていました。そして四月には
緊急事態宣言が出されています。何よりそれ以前から韓国、中国から
のインバウンドには陰りが見えていたにもかかわらず、米英欧豪から
のインバウンドに期待しているという三月議会において
の答弁でした。そもそも観光旅行や宿泊者に占めるインバウンド
の割合は二割程度しかない中にあって、日本人
の旅行者
の需要よりインバウンドばかりに着目した施策
の推進が目立つ
のが、この第二次観光振興指針であります。確かにインバウンド
の客
の消費額は大きい
と思われますし、コロナ禍
のこれだけ
の大流行は、当初予期しなかったことであり、海外から
の観光需要は大きな柱であった
とは思います。しかし今は事情が違います。五月十四日に非常事態宣言が解除され一か月がたった現在でも、まだ国内
の人
の動きは元に戻っていません。もちろん国際路線は再開していない中で、海外から
の観光客はない状態です。当然今後
の観光推進に当たっては、インバウンドどころではないわけです。停止状態
の社会活動や経済活動を活発化させるために、早急になされるべきことは、外出へ
の不安で萎縮してしまっている国民
の不安を取り除き、安心して出かけられる環境整備をすることです。そのためにも、まずキャンペーン等をしながら、冷え込んでしまった経済下において消費需要
の喚起、そして県民
の観光行動
の促進
と国内旅行
の推進を行うことが重要だ
と思います。どこ
の観光地も閑古鳥が鳴いている状態です。私
の地元
の観光運輸業
の方は、三年前
の豪雨災害を受けた上に、インバウンド
の減少、またコロナ自粛でどの業者も仕事がないトリプルパンチを受けている、何とかバスだけは手放したくないが、時間
の問題かな
と言われた言葉に返す言葉もありませんでした。
そこで三点目
の質問です。以上述べたとおり、観光を取り巻く環境は、コロナ発生
と感染拡大により大きく変化しました。そこで今やるべきことは、今年度からスタート予定
の第二次福岡県観光振興指針
の重点に位置づけられている戦略的なインバウンド誘客による観光消費額
の拡大は先送りしてでも、国内で
の観光客誘致に力点を置くべきだ
と考えますが、知事
の見解を求めます。
さて、私
の地元朝倉市郡は、果樹や施設園芸農業
と並んで観光が基幹産業であります。突然
のコロナ
の発生で未曽有
の打撃を受け、観光関連事業者やホテル、旅館業も瀕死
の状態です。朝倉市は福岡県では一番
の温泉湧出量を誇る原鶴温泉を有しています。二十年前までは二十七軒
の旅館が営業しており、年間で三十七万人
の宿泊受入れをしてきたものです。全国でも珍しい流し鵜飼いが有名であり、屋形船で
の鵜飼いショーや国際規格
のパークゴルフ場整備で差別化を図り、滞在時間
の延長に努力してきました。しかし現在災害でどちらもできない状況です。しかも追い打ちをかけるように、今回
のコロナで現在十二軒ある旅館は全て休業でした。旅館業は県内どこも同じように、一晩でも営業すれば相当な固定費用がかかるため、予約
のほとんどない状況では休業しかありません。
現在福岡県内には脇田温泉、博多温泉、二日市温泉、筑後川温泉、船小屋温泉、そして原鶴温泉
と六つ
の温泉街に三十三軒
の旅館、ホテルがあります。それぞれが五月や六月まで
の臨時休業を余儀なくされています。福岡都市圏
のホテルなどはライブやイベント等が再開されれば、従来から宿泊施設が不足ぎみであることから、業績
の回復は望めるもの
と思われます。しかし地方都市
の旅館等
の宿泊支援に早急な対応をしなければ、温泉地
の消滅にもなりかねない
と言えます。
観光需要は、近年団体旅行から少人数
の個人へ、都市部から地方へ
と変化しつつある
と言われています。また高額な海外旅行に長期間行く傾向にあったものが、最近はまた安近短に移行しつつある
とも言われています。ましてや長い自粛生活から
のストレスもあり、どこかへ出かけたい人は大勢いる
と思われます。コロナ終息後
の観光は、まず近場
の地域内から、県内から、そして他県から
の順で集客に取り組んでいく必要があります。
そこで四点目
の質問です。四月には福岡県生活衛生同業組合連絡協議会から
の要望や、五月にも福岡県旅館ホテル生活衛生同業組合から
の要望書が、県にも提出されている
と聞いています。それらも踏まえ、営業自粛や休業による観光関連事業者
の体力回復について、具体的にどんな手だてを考えておられる
のか。例えば平成二十七年に取り組まれたよかとこ旅行券などで国内旅行を喚起する必要があります。
そこで国
の第一次補正や第二次補正予算を活用し、あらゆる業種も厳しい今回は、旅行のみならず、県内で
の買物、飲食、観光、宿泊などに幅広く使えるサービス券を発行するなどして、県内
の消費需要を増やし、二か月にも及ぶ休業から
の集客支援に取り組むなど
の施策を早急に取り組むべきだ
と考えますが、知事
の考えをお聞きし、質問を終わります。(拍手)
64 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。
*知事答弁
65 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず初めに、観光関連事業者へ
の新型コロナウイルス感染症による影響でございます。先ほど議員は太宰府市長
のお話に触れられましたが、国
の宿泊旅行統計によります
と、三月
の県内宿泊者数は、対前年同月比で、前
の年
の同じ三月
と比べまして四一・三%
の減少
となっております。福岡県知事登録
の旅行業者におきましては、二月から五月
の四か月間で七社が、この
新型コロナウイルス感染症の影響による事業
の廃止を届け出ておられます。このように観光関連事業者は大変厳しい状況にある
と、このように認識をいたしております。
第一次観光振興指針
の成果
と第二次
の指針
の重点施策についてお尋ねでございます。第一次
の指針におきましては、観光を重要な産業
と位置づけまして、まず観光資源
の魅力
の向上、それから受入れ環境
の充実、効果的な情報
の発信、観光振興
の体制
の強化、これら四つを施策
の柱
といたしまして、県を挙げて観光
の振興に取り組んでまいりました。その結果、平成二十八年
と昨年を比較いたします
と、本県へ
の外国人
の入国者数、これを見ます
と一〇%増
の二百八十五万人に、観光消費額は一二%増
の一兆七百三十二億円になるなど、着実に成果を上げてきたところであります。一方で、外国人入国者について見ます
と、韓国人
と、そして中国クルーズ船へ
の偏り、これが見られたわけでございます。外国人
の旅行消費単価
の減少もありました。また宿泊客
の政令市へ
の集中といった課題も見えてきたわけであります。こうした課題も踏まえまして、第二次指針におきましては、日本人旅行者も重要な市場
と位置づけるとともに、欧米豪などをターゲット
としたインバウンド誘客による旅行消費額
の拡大、それから旅行者
の県内各地へ
の来訪
の促進、これらを基本方針として掲げさせていただいたところであります。現在感染症拡大
の影響によりまして、県内観光産業は、先ほど申し上げましたように大変深刻な状況にございます。感染症
の終息
の状況を注視をしながら、終息後
の観光需要をしっかり回復させていくため、第二次指針
の下、旅館、ホテルなどが実施をします多言語表示、バリアフリーといった施設
の整備へ
の支援、訪日外国人向け
の体験プログラム旅行商品造成に対する支援など、その事業効果というものを見極めながら実施をしてまいります。
国内から
の観光客
の誘致でございます。今後
の観光という
のは、先ほど議員も御指摘になりましたように、この感染症がありまして、三密を避けるという観点からも、自然豊かな地方部を少人数で観光するスタイルへ
と、その内容が変化していくもの
と考えております。そのため本県
の豊かな自然や景観、伝統文化など、まだ十分に知られていない私ども地域
の魅力や宿泊施設における安全、安心に関する取組というものを、県
の内外
の皆様にしっかり伝えていく必要がある
と思っております。今後コロナ
の終息状況に合わせまして、九州、全国、海外へ
と広がっていきます人
の動きというものを的確に捉え、まずは九州、そして全国から
の需要というものをしっかり取り込んでまいります。そしてインバウンド
の誘客につきましては、国
の入国規制が緩和をされ、本県へ
の国際線直行便が再開をされた国、あるいは地域を中心に、まずは県内
の観光情報
の発信などSNSによりますデジタルで
のプロモーション、これに取り組んでいきたい
と、このように考えております。
次に、観光客を呼び戻すため
の支援策でございます。県内に観光客を呼び戻し、県内へ
の宿泊を促していくことは県内周遊にもつながり、飲食、買物など消費
の需要も喚起していくもの
と考えております。このため県におきましては、国が予定をしております大型キャンペーンに先行いたしまして、まずは県民を含む九州在住者を対象に、県内で
の宿泊や周遊を促す県独自
の観光需要喚起策、これを実施していきたい
と思っております。また旅行者
の移動が全国的に可能
となります八月以降は、国
のキャンペーン効果を最大限に活用していくため、県独自
の宿泊あるいはレンタカー
の助成といった観光振興事業を実施してまいります。さらに体験、交流、滞在型
の観光資源
の開発など、先ほど申し上げました新たな観光スタイルにも効果が期待できそうな事業、そしてSNSを活用して、それら
の情報発信事業にもしっかり取組を進めていきたい
と考えております。
66 ◯議長(栗原 渉君) 中嶋玲子君。
67 ◯十一番(中嶋 玲子君)登壇 答弁をいただきました。一つだけ要望をさせていただきたい
と思います。
私は、疲弊状態にある本県観光業
の振興については、インバウンドに傾注することなく、インバウンド対応を先送りしてでも、早急に国内旅行を喚起し集客を図るべきであるとして、知事
の見解
と施策を尋ねたところでございます。これについては、先日茂木外務大臣はこう述べられました。外国人渡航を認める
のはビジネス目的を優先し、観光客はかなり先になる
とのことを発言されました。また六月六日
の西日本新聞で、九州観光推進機構
の石原進会長
の発言として、「観光再生は域内需要から」
と大きく見出しに掲げられていました。石原会長は、まず必要な
のは国内旅行
の需要喚起だ、大分県、長崎県などは積極的な施策が目立つ、当面は九州内
の旅行が鍵を握る、インバウンド
の回復はその後になるだろう
と述べられていました。当然知事も御覧になった
と思います。また基礎自治体
のある市においては、宿泊費助成費として市内宿泊施設で
の宿泊には三割以内、一泊上限三千円
の補助を七千泊まで用意するという支援策を出しているところもあります。サービス券発行について
の提案には答弁はいただけませんでしたが、福岡県としても四月
の補正で宿泊割をクーポン購入できるようなもの、そしてまた今議会にもたくさん
の支援策を予定して提案してあります。この補正が今議会で速やかに成立すれば、知事にも一刻も早くそれに応えるような施策を打っていただきたい
と思います。まずは知事
の素早い国内観光業へ
の支援策を要望して、私
の一般質問を終わりにいたします。
以上、ありがとうございました。(拍手)
68 ◯議長(栗原 渉君) 井上正文君。(拍手)
*井上(正)議員質問
69 ◯十六番(井上 正文君)登壇 皆様、こんにちは。
自民党県議団の井上正文です。通告に従い、医療関係従事者
の方々へ
の幅広い謝意
の表し方について質問いたします。
新型コロナウイルス感染症は、今年
の二月二十日に福岡県内で初めて
の感染者が確認され、三月末からは感染
の拡大が続き、四月十一日には最多
の四十三名
の新規感染者
の発生が確認されました。現在県内における新規感染者
の発生数は少なくなっていますが、昨日
の六月十四日までに延べ八百二十五名
の感染を確認しています。この感染症は飛沫感染、接触感染で感染する
と言われており、病院等
の閉鎖された場所で、近距離で多く
の人
と会話するなど
の環境では、せきやくしゃみなど
の症状がなくても感染
のリスクがある
と思います。また一般的に肺炎などを起こす
ウイルス感染症の場合は、症状が最も強く現れる時期に、ほか
の人ヘウイルスを感染させる可能性も最も高くなる
と考えられていますが、一方、
新型コロナウイルスでは、症状が明らかになる前から感染が広がるおそれがある
との専門家
の指摘もあります。今回症状が見られない感染者も数多く確認されており、
新型コロナウイルス感染症について、感染経路が分からない感染者
の方が多数生じているということを踏まえます
と、県民
の相当数が気づかないうちに感染している
と考えられます。
この間、本県
の医療機関等においては、医療提供へ
の高い使命感
と勇気を持って、感染に気づいていない患者
の感染リスクに接しながら診療に当たっておられます。また複数
の医療機関等において医療従事者
の方が感染した事例も発生している中、医療従事者
の皆様は、
新型コロナウイルスに感染された方に対し、感染
の危険も顧みず、生死
の最前線で治療、看護に携わっておられます。各医療機関は診療を続けるため全て
の職種
の方が一丸
となって医療提供に取り組まれています。私たちは、ややもする
と医師や看護師
のほうに注目をしてしまいますが、医療機関には医師、看護師以外にも歯科医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、放射線技師、臨床検査技師、栄養士、そして事務職員など様々な方が従事し、それぞれ
の現場で職務に携わっておられます。この四月から
の感染拡大が一段落した今こそ、医療機関に勤務する様々な方に対し、取り急ぎ感謝
の気持ちを表す時期だ
と考えます。同様
の考え方からか、国においても第二次補正予算において、医療関係者へ
の慰労金を創設する
と聞いております。
そこで知事にお尋ねします。知事は、四月
の臨時議会で
新型コロナウイルス感染症患者
の治療、看護に当たった医師や看護師など
の医療従事者に十万円
の支援金を支給する
と表明されましたが、進捗はどうなっている
のかお伺いします。
また県民全体で医療従事者
の皆様を応援するため、
新型コロナウイルス医療従事者応援金
の創設も表明されましたが、こちら
の現在
の状況についてお伺いします。
さらに国
の第二次補正予算における慰労金について、対象者や支給時期などはどうなっている
のか、また国
の慰労金
と県
の支援金
の関係についてお伺いします。
さて、福岡県保険医協会
の発表による
と、新型コロナウイルス
の影響で県内開業医
の九割で外来患者が減少している
とのことです。地域
の医療機関が経営難に陥り、地域医療に深刻な影響を与えることも危惧されております。この問題に関しても、今後真剣に考えていかねばならない
と考えますが、まずは医療に従事する全て
の方々に対して、できる限り
の謝意を示していただきますことを強く願いまして、私
の一般質問を終わります。(拍手)
70 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。
*知事答弁
71 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
医師、看護師など医療従事者
の方々へ
の支援金でございます。県におきましては、
新型コロナウイルス感染症患者
の治療、看護に携わっていただきました医療従事者に対しまして、応援、そしてまた感謝
の気持ちを表すため、医療機関を通じてお一人一回十万円
の支援金を支給すること
といたしております。この支援金でございますが、患者さんが入院をする医療機関または宿泊療養施設におきまして、三日以上患者さん
の身体に直接接するなど治療、看護に携わっておられた医療従事者を対象として支給すること
といたしておりまして、今後医療機関にこの通知をし、支給手続を開始したい
と、このように考えております。
新型コロナウイルス医療従事者応援金でございます。今申し上げました県
の支援金
の対象
となりません医療従事者
の皆様にも感謝や応援
の気持ちを表すため、幅広く現在寄附を募っているところであります。六月十五日現在でございますが、一千百三十九件、一億八百五十二万四千円
の寄附をいただいているところであります。またふるさと寄附金には八十六件、七百万二千円が寄附されているところであります。いただきました応援金、またふるさと寄附金につきましては、県民
の皆様、また寄附をされた皆様をはじめ私ども
の気持ちというものを添えて、患者
の治療、看護に携わっておられる医師、看護師等医療従事者
の皆様に応援金、あるいは支援金としてお渡しをさせていただくこと
といたしております。
次に、国
の慰労金
の対象
とその交付時期についてお尋ねがございました。国
の第二次補正予算に基づきまして、全国一律に医療機関
の医療従事者や職員
の方に対し、二十万円から五万円
の支給を行います
新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金というものが、追加提案をした補正予算に計上されているところであります。国からは医師、あるいは看護師だけではなく、薬剤師など医療従事者や事務職員
の皆さんに対しても幅広く支給される
と聞いておりまして、様々な職種
の方へ感謝
の気持ちを表すことができる
のではないか
と思っております。
その支給
の時期や方法でございますけれども、現時点では、国
のほうから明らかになっておりません。国がこれらを示した場合には、できるだけ早く支給をしたい
と考えております。なお県
の支援金につきましては、この国
の慰労金
とは別に、先ほど申し上げました医療従事者
の皆様に、県独自
の支給基準に照らして支給をさせていただきたい
と、このように思っております。
72 ◯議長(栗原 渉君) 本日
の一般質問はこれまで
とし、残余は明日取り進めることにいたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午 後 四 時 八 分 散 会
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