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令和2年度 予算特別委員会 本文 開催日: 2020-03-23

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  1. 福岡県議会 2020-03-23
    令和2年度 予算特別委員会 本文 開催日: 2020-03-23


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    令和二年三月二十三日(月曜日)    午 前 十 一 時 零 分 開 議 ◯井上順吾委員長 おはようございます。定足数に達しておりますので、ただいまから委員会を開きます。  本日は、令和二年度福岡県一般会計予算の歳出、第九款警察費から第十四款予備費まで、及び第二条債務負担行為から第五条歳出予算の流用まで、並びに第二号議案から第二〇号議案までの審査を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。  それでは、第九款警察費について説明を求めます。荻野警察本部総務部長。 2 ◯荻野警察本部総務部長 九款警察費の内容について御説明いたします。  三百二十九ページをお開きください。  一項警察管理費につきましては、県警察の運営に要する経費で、その主なものといたしましては、二目警察本部費の説明欄の一番目にあります職員費、二枚めくっていただいて、三百三十二ページの四目警察施設費の説明欄の三番目にあります交通安全施設整備費、三百三十三ページの五目運転免許費の説明欄の二番目にあります運転者等講習費などで、総額は、一枚めくっていただいて、三百三十四ページの本年度の計にあります一千二百五十一億九千八百万円余であります。  続きまして、二項警察活動費は、犯罪の捜査や交通指導取り締まりなどの警察活動に要する経費で、その主なものといたしましては、一目一般警察活動費の説明欄の一番目にあります一般警察運営費、三百三十五ページの二目刑事警察費の説明欄の二番目にあります暴力犯罪捜査活動費、一枚めくっていただいて、三百三十六ページの三目交通指導取締費の説明欄の一番目にあります交通指導取締費などで、総額は、三百三十七ページの本年度の計にあります三十七億七千九百万円余であります。  以上が九款警察費の内容であります。よろしくお願いいたします。 3 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。  これより質疑を行います。質疑はありませんか。吉田宣弘委員。 4 ◯吉田宣弘委員 おはようございます。公明党の吉田宣弘です。  通告に従い、福岡県警における死因究明等の取り組みについて質問させていただきますが、先日、保健費の部分で、これは所管の関係で、死因究明等推進協議会についてお聞きをいたしました。死因究明の主たる役割を担うのは警察組織でございますので、改めてではございますけれども、質問をさせていただきたいと思っております。問いの関係で、重複するところがあるかもしれませんけれども、皆様、お許しをいただければと思います。  それでは、質問に入ります。  日本は、高齢化社会の時代です。この状況は本県でお亡くなりになられた方の数にもあらわれており、本県で平成二十一年にお亡くなりになった方の数は四万四千八百七十九人でありましたが、最新の統計である平成三十年にお亡くなりになった方の数は五万三千三百九人と、この十年の間に八千四百三十人増加しています。高齢化社会はそのまま多死化社会とも表現できるのではないでしょうか。  ところで、人の死はその後の法律関係に影響を与えますので、いつどこでどのようにお亡くなりになったかを正確に把握される必要があります。また、死者の名誉を毀損する行為が刑法で処罰されていることに鑑みると、死者にも守られるべき法益があり、その限りでは人権が存続していると考えることもできると思います。その意味におきましても、その死がどのように訪れたかを捜査機関などが正確に把握することが重要になる場面も、あるのではないでしょうか。  多死化社会において、死の真実を究明する社会的要請が増加している状況のもと、死因究明等推進基本法が来月から施行されます。そこでまず、この死因究明等推進基本法の目的や基本理念について、福岡県警はどのように認識しているかについてお聞きしたいと思います。 5 ◯井上順吾委員長 荻野警察本部総務部長。 6 ◯荻野警察本部総務部長 死因究明等推進基本法の目的は同法第一条に規定されているところであり、死因究明等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって安全で安心して暮らせる社会及び生命が尊重され個人の尊厳が保持される社会の実現に寄与することを目的としています。
     また、同法の基本理念は、第三条に、死因究明の推進は、死者の生存していた最後の時点における状況を明らかにするものであり、死者とその御遺族等の権利利益を踏まえてこれを適切に行うことが、生命の尊重と個人の尊厳の保持につながる、死因究明の推進は、高齢化の進展等の社会情勢の変化を踏まえ、人の死亡が犯罪行為に起因するものであるかどうかという判別の適正の確保、公衆衛生の向上その他の死因究明に関連する制度の目的を適切に実現することに寄与する、身元の確認の推進は、御遺族等に死亡の事実を知らせることなどを通じて、生命の尊重と個人の尊厳の保持につながるとともに、国民生活の安定及び公共の秩序の維持に寄与する旨、規定されています。  県警察といたしましては、同法の目的及び基本理念に基づき、犯罪死の見逃し防止の観点から、死因究明及び身元確認等を適切に実施する必要があると認識しております。 7 ◯吉田宣弘委員 ありがとうございます。  ところで、先日の予算特別委員会で、私の質問において、福岡県死因究明等推進協議会に福岡県警からも委員を出されているとお聞きをいたしました。そこで次に、この福岡県死因究明等推進協議会について福岡県警としてどのように認識をしておられるかお聞きしたいと思います。 8 ◯荻野警察本部総務部長 平成二十六年六月に閣議決定された死因究明等推進計画に基づき、平成二十七年三月、各機関の委員から構成された福岡県死因究明等推進協議会を設置したものと認識しております。同協議会は、福岡県における死因究明に係る各種事業を推進させるとともに、その方策等について協議するものであり、これまで五回開催され、あす二十四日には六回目を開催予定であります。これまでの協議会の開催結果からしましても、県警察としては重要かつ意義のある協議会であると認識しております。 9 ◯吉田宣弘委員 重要であると認識をされているということで、さらに、この死因の究明が必要な御遺体と最初に接する機会が最も多い公的機関は警察であると思います。そこで、協議会の中で県警から輩出している委員の方がどのような役割を果たされているかについてもお聞かせいただければと思います。 10 ◯荻野警察本部総務部長 県警察におきましては、捜査第一課長が協議会委員として協議会に参加しているところであります。警察が取り扱う御遺体の中には、初動捜査の段階で死因や身元が判然としないものが多く含まれており、解剖やCT等の死亡時画像診断による死因究明、大規模災害時における歯科治療痕による身元確認作業など、各関係機関との連携が死因究明業務を推進する上で非常に重要となってまいります。協議会には、大学、医師会等の医療関係者、検察庁等の関係機関が参加されておりますので、県警察が取り扱った事案を各機関と情報共有することや協力体制を構築することで、より適正な死因究明業務の推進に寄与できるものと認識しております。 11 ◯吉田宣弘委員 さて、人の死はさまざまでございます。御病気が原因で医師の立ち会いのもと安らかに息を引き取られた方は、警察が取り扱う御遺体になることは余りないと思われます。全ての人の死に警察がかかわることは、予算の面でも人員の面でも合理性の面でもあり得ないことだと思います。では、警察がかかわる御遺体とはどのような死体かお聞きしておきたいと思います。 12 ◯荻野警察本部総務部長 警察が取り扱う御遺体は、その一つは、犯罪による死亡が明らかな死体、その二つは、犯罪による死亡の疑いがある死体、その三つは、その他の死体というものに分類されます。なお、三つ目のその他の死体の具体例としましては、自殺であるとか自宅で突然亡くなった御遺体などがあります。 13 ◯吉田宣弘委員 今、三種類の死体について警察が取り扱う旨の御説明がありました。では、今御説明ありました犯罪による死亡が明らかな場合の死体の取り扱いは、法の規定に基づいてどのようになるのかお聞かせください。 14 ◯荻野警察本部総務部長 犯罪による死亡が明らかな死体については、刑事訴訟法に基づき、死体に対する検証あるいは実況見分が行われるほか、同法に基づき司法解剖を行うなどによって、犯罪の立証といった観点から死因の究明を行うこととなります。 15 ◯吉田宣弘委員 次に、犯罪による死亡の疑いがある死体の取り扱いについても御説明願います。 16 ◯荻野警察本部総務部長 犯罪による死亡の疑いがある死体については、刑事訴訟法等に基づき、医師の立ち会いのもとで検視が行われます。その後、必要に応じて、警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律、いわゆる死因・身元調査法に基づく検査、さらには、司法解剖、あるいは同法に基づく死因調査解剖が実施され、事件性の有無の判断がなされることとなります。 17 ◯吉田宣弘委員 加えて、その他の死体の取り扱いについても同様に御説明願います。 18 ◯荻野警察本部総務部長 その他の死体につきましては、死因・身元調査法に基づき、医師等の協力を得ながら死体調査が実施され、その後、必要に応じて、同法に基づく検査や死因調査解剖が実施されることとなります。 19 ◯吉田宣弘委員 御説明ありがとうございます。  その上で、来月施行予定の死因究明等推進基本法の第十七条の二項の規定によると、遺族等の心情に十分配慮しつつ、死因究明により得られた情報を適時にかつ適切な方法で遺族等に説明することを促進するために必要な措置を講ずるものとされております。  そこで、御遺族へは、科学的根拠に基づく説明でなければならないと私は思っております。したがって、今御説明がございました検視、調査、検査、解剖などのそれぞれにおいて科学的な精度向上が求められていると私は思いますけれども、科学的装備の充実に関する福岡県警の取り組みについてお聞きしたいと思います。 20 ◯荻野警察本部総務部長 県警察では、事件性の有無や死因の判断をするために、御遺体から採取した血液や尿について、薬物、アルコール等の含有検査などの科学的検査や、CT等の死亡時画像診断を効果的に活用しており、これらの検査でも事件性の有無の判断ができない場合は、積極的に司法解剖や死因調査解剖を実施しております。  また、科学的な根拠に基づく事案の真相解明や、御遺族に対する適切な説明などを目的として、新たな薬物検査キットなどを来年度予算で計上しており、これらを効果的に活用しながら、今後とも犯罪死の見逃し防止に努めてまいります。 21 ◯吉田宣弘委員 科学的装備の充実に関しても、非常に力を込めておられるということがわかるわけでございますが、加えて、科学的装備も、人の手によって操作される、扱われるものでございます。したがって、人材抜きには語れません。そこで、死因究明に当たる警察職員の人材育成も重要であると考えますが、その取り組みについてお聞かせください。 22 ◯荻野警察本部総務部長 県警察では、平成二十一年以降、検視に必要な専門的知識・技能を持つ捜査第一課に所属する検視官室員を段階的に増員し、臨場率の向上を図るとともに、二十四時間体制で警察署からの検視官の臨場要請や質疑等に対応しております。  検視は、御遺体の観察に加えて、発見現場の観察や亡くなられた方の生活状況の確認、参考人の供述等を踏まえた上で、事件性の有無の判断や犯罪の立証を行うための極めて専門性の高い業務であります。これらの専門的な知識・技能の習得につきましては、検視官と呼称している警視または警部の階級にある勤務員は、警察大学校における二カ月に及ぶ法医専門研究科において研修を受け、さらに、検視官以外の専門的に従事する勤務員は、一カ月の全国規模の研修を集中的に受けております。また、現場警察官に対しては、検視官を中心とした警察署への巡回教養及び警察学校における集中的な教養を実施するなど、知識・技能のレベルアップを推進しております。 23 ◯吉田宣弘委員 ぜひ充実した人材育成をお願いしたいと思います。  人の死は、医学とは切り離すことができない事象だと思います。人の死を医学的見地から科学的に公正な判断を下すことができる専門の研究機関が、大学に設置されている法医学教室であり、その科学的な知見は死因究明等の分野では不可欠なものであると思います。したがって、警察と法医学教室が協力することで、より一層死因究明の精度が向上する場面もあるのではないでしょうか。基本法の施行を受けて、その協力関係を一層深めていっていただきたいと思います。  そこで、本県には四つの法医学教室が存在するとお聞きをしました。福岡県警察として、法医学教室の協力はあるのか、また、あるとしてどのように協力をしておられるのかについてお聞かせください。 24 ◯荻野警察本部総務部長 県警察としましては、法医学教室には、解剖を初め事件捜査全般にわたる協力をいただいております。中でも解剖につきましては、専門的な学識・技能を有する医師により、かつ、解剖を実施するための機械・器具が確保された適切な施設で実施することが必要であるため、そうした要件を十分に満たしている九州大学、久留米大学、産業医科大学及び福岡大学の四大学の法医学教室に対して解剖を嘱託しております。これら四大学の法医学教室との協力・調整によって一年を通じて解剖が可能な体制を構築し、昨年は約四百三十体の解剖を実施していただいております。今後とも連携を密にとっていきたいと考えております。 25 ◯吉田宣弘委員 ぜひよろしくお願いいたします。  さて、基本法の施行を受けて、国はこれから基本計画の策定を進めてくると思います。福岡県警としてこの国の動きを注視することは言うまでもないことではございますが、この基本法の施行を前に、死因究明の精度向上に向けた、県警総務部長の決意を最後にお聞きしたいと思います。 26 ◯荻野警察本部総務部長 県警察といたしましては、死因究明等推進基本法の施行も踏まえ、死亡時画像診断など科学的な調査の活用、各種研修を活用した人材の育成、専門的な知識を有する検視官等の体制の確保を図り、関係機関と緊密に連携しながら、事件性の有無の判断や犯罪の立証に必要な死因究明の精度向上に努め、犯罪死の見逃し防止に万全を期す所存でございます。 27 ◯吉田宣弘委員 充実した決意を述べていただき、本当に感謝申し上げます。  質問終わります。(拍手) 28 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑ありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 29 ◯井上順吾委員長 ないようですので、以上で、第九款警察費に関する質疑を終わります。  この際しばらく休憩いたします。  委員各位はそのままお待ちください。    午 前 十 一 時 二 十 分 休 憩    午 前 十 一 時 二 十 一 分 再 開 30 ◯井上順吾委員長 再開いたします。休憩前に引き続き議事を進めます。  第十款教育費について、順次、説明を求めます。吉田副教育長。 31 ◯吉田教育庁副教育長 十款教育費のうち、教育委員会所管分について御説明申し上げます。  令和二年度予算に関する説明書の三百四十一ページをお開き願います。  一項教育総務費でございます。その主なものは、二目事務局費の説明欄一番目にあります職員費や、三百四十三ページ、三目教職員人事費の説明欄の三番目にあります教職員等退職手当等でございまして、その総額は、三百四十九ページに飛びまして、計の欄、三百九十一億八千四百万円余をお願いしております。  同じく、三百四十九ページをお願いいたします。  二項小学校費でございます。八百六億四千百万円余をお願いしております。その内容は、一目教職員費の説明欄にありますとおり職員費でございます。  次に、三百五十ページをお願いいたします。  三項中学校費でございます。その主なものは、一目教職員費の説明欄にあります職員費や、三百五十二ページ、二目教育振興費の説明欄の二番目にあります県立中学校の運営費等でございまして、その総額は、同じく三百五十二ページ計の欄、四百六十九億五千七百万円余をお願いをしております。  次に、三百五十三ページをお願いいたします。  四項高等学校費でございます。その主なものは、一目高等学校総務費の説明欄一番目にあります職員費や、三百五十八ページ、五目学校建設費の説明欄の一番目にあります老朽校舎改築費等でございまして、その総額は、三百六十一ページに飛びまして、計の欄、六百三十三億七千九百万円余をお願いしております。  次に、三百六十二ページをお願いいたします。  五項特別支援学校費でございます。その主なものは、一目特別支援学校費の説明欄一番目にございます職員費等でございまして、その総額は、三百六十五ページに飛びまして、計の欄、二百七億四千七百万円余をお願いしております。  同じく、三百六十五ページをお願いいたします。  六項社会教育費でございます。その主なものは、一目社会教育総務費の説明欄の一番目にあります職員費や、三百六十七ページ、二目社会教育施設費の説明欄の七番目にあります青少年科学館運営費等でございまして、その総額は、三百七十四ページ計の欄、三十七億四千八百万円余をお願いしております。  同じく、三百七十四ページをお願いいたします。  七項保健体育費でございます。その主なものは、一目保健体育総務費の説明欄の五番目にあります公立学校給食運営費や、三百七十七ページ、三目体育施設費の説明欄二番目にございます県立体育・スポーツ施設運営費等でございまして、その総額は、三百七十八ページ計の欄、二十三億二千百万円余をお願いしております。  以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 32 ◯井上順吾委員長 野田私学振興・青少年育成局長。 33 ◯野田私学振興・青少年育成局長 引き続きまして、十款教育費のうち、私学振興・青少年育成局所管分について御説明いたします。  令和二年度予算に関する説明書、同じく三百七十八ページをお願いいたします。  八項大学費でございます。その主なものは、三百七十九ページ右の説明欄に記載しておりますとおり、県立三大学に対する運営費交付金及び施設整備費でございます。八項大学費の総額は、計欄に記載しておりますとおり、四十二億九千九百万円余をお願いしております。  次に、九項私立学校費でございます。その主なものは、一枚おめくりいただきまして、三百八十ページの二目私立学校振興対策費の右の説明欄一番上の私立高等学校運営費補助金でございます。これは私立高等学校等の経常的経費に対する補助金でございます。九項私立学校費の総額は、三百八十一ページに記載の計欄に記載しておりますとおり、五百八十四億一千九百万円余をお願いしております。  次に、十項青少年費でございます。その主なものは、一目青少年育成費の右の説明欄上から二番目の放課後児童クラブ事業費でございます。これは放課後児童クラブを運営する市町村への助成でございます。十項青少年費の総額は、左から二番目の欄に記載しておりますとおり、三十四億六千九百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 34 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。  これより質疑を行います。質疑はありませんか。松尾嘉三委員。 35 ◯松尾嘉三委員 自民党県議団の松尾嘉三でございます。  今回の質問でございますが、福岡県のいじめ対策及び不登校問題について質問させていただきます。  いじめと一言で言いますが、一昔前のいじめとは違い、身体的な暴力はもちろん、恐喝やたかり、学校裏サイトを利用してのネットへの悪口の書き込み等、陰湿で、皆さんが嫌悪感を覚えるようないじめというものが現在多く存在してございます。  委員長、ここで、まず執行部に、福岡県公立小中学校のいじめ認知件数及び不登校児童生徒数の推移の資料を要求したいと思います。お取り計らいのほどよろしくお願いいたします。 36 ◯井上順吾委員長 お諮りいたします。  ただいま松尾委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 37 ◯井上順吾委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま松尾委員から要求がありました資料については提出できますか。一色義務教育課長。 38 ◯一色教育庁義務教育課長 直ちに提出いたします。 39 ◯井上順吾委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 40 ◯井上順吾委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 41 ◯井上順吾委員長 資料が配付されましたので、松尾委員、質疑を行ってください。 42 ◯松尾嘉三委員 この資料を見てみますと、平成二十五年度のいじめ認知件数の千百九件に対しまして、一番近々の平成二十九年が八千四百四十五件と、その数、実に七・六倍と急増いたしております。なぜ近年このように爆発的にいじめ認知件数がふえているのか、まずお尋ねいたします。 43 ◯一色教育庁義務教育課長 学校におけるいじめの認知件数がふえた要因ですが、平成二十五年に施行したいじめ防止対策推進法の理解の周知を初めとする、いじめに関する研修の充実を図ってきたことで教職員の意識が年々高まり、いじめはどの子供どの学校でも起こり得るという認識のもと、初期段階のものから積極的に認知した結果だと捉えております。 44 ◯松尾嘉三委員 今御答弁をお聞きして、各学校の方針や先生方の意識が年々高まり、初期段階のものから積極的に認知をした結果ということでございます。私も、大事に至る前にこのような認知をしていただくことは大切なことだと思っております。  では、継続的ないじめや新たないじめを生まないためにも、学校はどのような対応をなされていかれるのかお尋ねいたします。 45 ◯一色教育庁義務教育課長 学校においては、県のいじめ防止基本方針及びいじめ問題総合対策に基づき、校長のリーダーシップのもと組織的な指導体制を整え、迅速かつ適切に対応することとしております。具体的には、道徳科を中心とした心の教育の充実によるいじめの未然防止、定期的なアンケートの実施による早期発見の取り組み、さらには、校内いじめ問題対策委員会を中心とした組織的な対応や取り組みの点検、評価などの対策を行っております。 46 ◯松尾嘉三委員 いじめを生まない教育環境をつくる上で最も重要な位置を占めているのは、私は学校でなく実は家庭だと思っている次第でございます。現在の家庭教育力の低下や子供に対するしつけ不足等々、挙げれば切りはないのでございますが、いじめの一防止対策として家庭教育を支援するためにも、学校はPTAとの連携が不可欠ではないかと私は思っている次第でございます。県教育委員会としてどのように取り組んでいかれるおつもりなのかお尋ねいたします。 47 ◯井上順吾委員長 富松社会教育課長。 48 ◯富松教育庁社会教育課長 これまで、県教育委員会の社会教育主事が、PTA指導者研修会や各学校で保護者が集まる研修会に出向きまして、家庭教育の重要性を啓発してまいりました。今回、保護者に対しまして、家庭教育の大切さや役割を考え、そして実践していただくために、例えば、子供の話をしっかり聞く、親子の触れ合いやきずなを大切にするといった十一項目をわかりやすく説明する資料、「福岡県家庭教育のすすめ」というものを教育委員会と私学振興・青少年育成局がともに作成をいたしました。今後、これまでの取り組みに加えまして、PTAと連携いたしまして、この資料を活用して家庭教育の重要性について啓発を行うことで、いじめを生まない、いじめがあれば早期に気づく、そして、子供が安心できる家庭環境づくりに努めてまいります。 49 ◯松尾嘉三委員 今御答弁をお聞きいたしまして、人づくり・県民生活部や私学振興・青少年育成局といった枠を取っ払っての「福岡県家庭教育のすすめ」ですか、ぜひとも、もっともっと県内に普及啓発していただきたいなと思っている次第でございます。  私の町、春日市でございますが、実は、今から十数年前の話でございますけれども、同じようにいじめ問題が多数起こっておりました。当時、今でもきのうのことのように目に浮かんでおりますのが、加害者にも被害者にも寄り添っていこうという思いで、各小中学校のPTAの皆様方が主体となって、「伝えよう!愛」運動を発展させていらっしゃったことです。この事業でございますが、春日市の子供たちみんなに親御さんたちが、自分を愛することの大切さ、自分の命の大切さを説いて回りました。それが自尊心の育成へとつながっていき、人を愛することの大切さを子供たちは学び、親への感謝する心や地域への感謝する心、次第には公共心さえ芽生えてきた次第でございます。  現在、このような学校、PTA、地域を巻き込んでの実践的な教育が必要ではないか、私はそのように思っている次第でございます。先ほど言われました、より実践的である家庭教育ですか、それから学校教育をお願いしたいと思っております。  次の問題でございますが、不登校も、平成二十五年度には五千五人であったのが、平成二十九年度には五千四百七十六名と増加傾向にあるようでございます。その理由は把握されているのでしょうか、お尋ねいたします。 50 ◯一色教育庁義務教育課長 不登校につきまして、小学生、中学生ともに、無気力、不安、人間関係に課題が見られまして、それらは主に、家庭、学業、友人関係に起因することが多く見られます。このように不登校の背景には、子供たちの心の問題とともに、家庭、友人関係、地域、学校など子供を取り巻く環境から来る問題があり、子供たちの問題と環境の問題は複雑に絡み合っています。そのため、従前とは異なり、学校や教育委員会のみの対応だけでは困難な状況が生じてきていることが不登校増加の一因と考えられます。 51 ◯松尾嘉三委員 ただいまお聞きいたしまして、家庭、学業、友人関係というのが不登校の主な起因とされているようでございますが、我が会派の、元熱血教師の先輩議員にお尋ねいたしましたところ、もう一つつけ加えられるのが担任の教師なのだと。担任の教師と不登校生徒の人間関係もまた起因ではないかという御意見を頂戴いたしました。  そのところも含めて、先ほど言ったいじめ件数と児童生徒の不登校件数とは関連性があるのではないかなと私は思っております。いじめがある学校ほど不登校が多いのではないかと私は思っているわけでございますが、そのところをお尋ねいたします。 52 ◯一色教育庁義務教育課長 今回、都道府県ごとの千人当たりのいじめ認知件数、そして、千人当たりの不登校発生率につきまして、文部科学省が公表しております調査データをもとに関係を比べたところ、余り関係は見られなかったところでございます。また、不登校でいじめを理由とするものは、同じ文部科学省調査では一%未満であり、いじめの認知件数と不登校に密接な関係があるとは一概には言い切れないと考えております。 53 ◯松尾嘉三委員 ただいま御答弁いただきましたが、関連性は一概に言い切れないということでございます。いまいち納得いかないところでございますが、では、このような不登校の兆候がある子供たちに対して、学校ではどのような対応をしてあるのかお尋ねいたします。 54 ◯一色教育庁義務教育課長 不登校の未然防止や早期発見、早期対応のために、例えば、児童生徒の顔を見ながら出席確認、声かけすることや、欠席三日間で家庭訪問をし、保護者とじっくりと話すことなど、学校で教員が重点的に取り組むべきことをリーフレットへまとめ、毎年全ての教職員に配付し、児童生徒一人一人を見守る取り組みを促しております。  さらに、家庭との連携も必要であることから、家庭においては、毎日少しの時間でも子供と話そうなど、どのように取り組んでいけばよいかをまとめた同様の資料を全家庭に配付し、協力をお願いしております。
     加えて、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等を活用して児童生徒の心の安定を図るとともに、福祉機関等と連携して生活環境の改善支援をしております。  なお、スクールカウンセラーにつきましては、来年度から、充実するための予算をお願いしているところでございます。 55 ◯松尾嘉三委員 そういった、スクールカウンセラー、ソーシャルワーカーの増員は、本当にいい傾向になっているかなと私は思っている次第でございます。その方向でぜひとも充実させていただければと思います。  次に、本来であれば不登校の要因というものを、実は一つ一つ要因を潰していきたかったのでございますが、時間もないということでございますけれども、学業を要因とする不登校について絞り込んでいきたいなと思っている次第でございます。  学業を要因とする不登校もあるということです。学校は、子供が正しく学び、自分に自信を持たせることが大切だと考えております。県教育委員会はどのような取り組みをなさっているのかお尋ねいたします。 56 ◯一色教育庁義務教育課長 本県では、児童生徒の学ぶ意欲や自尊感情、チャレンジ精神、勤勉性や逆境に立ち向かう心などを育成するために、鍛えて、褒めて、子供の可能性を伸ばす指導を取り入れた、鍛ほめ福岡メソッドに取り組んでおります。この指導方法は、例えば、漢字や計算などの学習や体育行事などで、子供が自分にとってやや困難な目標を設定し、周りから最小限の支援を受けつつ、みずからの力で解決に挑み、そして頑張ったことを褒める、認めることで、自分の努力の過程や成長に気づかせ、子供に手応えを感じさせるという活動を繰り返していくことで、子供を伸ばしていくものであります。今後とも、この指導方法についての実践の手引や取り組み事例をまとめたリーフレット等を活用し、県全体に普及してまいります。 57 ◯松尾嘉三委員 鍛ほめメソッドですか、その教育庁のビジョンですかね、県教育委員会のビジョンですか、それは本当にすばらしい方向性だなと思います。  授業は、学校生活の中心となるものでございます。授業が、わかりやすく、子供が自分から率先して参加して学んでいくようなものになることが、私はこの面では必要かなと思っている次第でございます。子供がみずから学びに向かうような授業づくりの取り組みについてもう一度お尋ねいたします。 58 ◯一色教育庁義務教育課長 児童生徒が授業の中でわかる楽しさを実感するためには、児童生徒が課題を見出し、他者と協力して問題解決しながら、自分の考えを広げたり深めたりして、みずからの学びや変容を自覚する授業を展開することが必要と考えております。そこで、各教育事務所におきまして、児童生徒が学ぶことに関心を高めながら、見通しを持って粘り強く取り組んだり、他者と情報を精査して考えをまとめたりする授業を公開する活動を通して、授業づくりの研修に取り組んでおります。 59 ◯松尾嘉三委員 それでは最後に、このいじめや不登校を生まないためにも、副教育長の決意をお尋ねいたします。 60 ◯井上順吾委員長 吉田副教育長。 61 ◯吉田教育庁副教育長 いじめや不登校を生まない学校となるためには、教員が日ごろから一人一人の児童生徒の心や体の変化を感じ、的確かつきめ細かな指導や支援を行うということが大切でございますけれども、要は、勉強がわかる、それから、仲間といて楽しい、そして、周囲から認められる、そういう学校をみんなでつくっていくことが重要であろうと思っております。今後とも、鍛ほめ福岡メソッド等を通じまして、また、家庭とも連携を図りまして、子供の自尊感情を高めるとともに、主体的に学んでいく、そういう学校づくりを推進してまいりたいと考えております。 62 ◯松尾嘉三委員 今、本当に頼もしい副教育長からの意見でございました。本当にぜひ、そういった方向性を目指して頑張っていただければと思っております。  ここで、我が町が今一生懸命取り組んでおりますことを一つ御紹介させていただきたいんですが。  春日市内は六中学校ございます。その全体で毎年一回、春日市六中サミットというものをさせていただいております。これは、各学校における問題、例えば今回のいじめ問題や不登校問題といったのも含め、子供たち自身が意見を述べ合うというものです。これによって各生徒がより身近な問題として捉え、意識が高まって、その数を減らすことができております。これが今の現状でございます。  今後、このような各学校間における改善、工夫もぜひ県教育委員会から各県内小中学校へ啓発していただきまして、県全体で、私たち議員も一生懸命協力をさせていただきますので、ともに教育改革に励んでいきたいと思っている次第でございます。  以上でございます。ありがとうございます。(拍手) 63 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。冨永芳行委員。 64 ◯冨永芳行委員 民主県政クラブ県議団の冨永芳行でございます。  本日は、高卒新卒者の就職支援と一人一社制について質問させていただきます。  新型コロナウイルス感染拡大防止策として、多くの学校で変則的な卒業式をとり行った、また、式そのものを見送った学校もございます。したがいまして、昨年十二月末時点という表現を使わせていただきますが、昨年十二月末時点で、この春に国公立及び私立の全日制、定時制の高等学校を卒業予定であった生徒、全国で百四万五千名、そのうち、就職を希望していた生徒が十八万一千五百四十五名、約一七%、本県におきましても、卒業予定者数四万二千十七名のうち、就職希望者数は七千六百五十名、これは全体の一八%に当たります、生徒が、就職を希望していたということでございます。  そこで改めまして、高校生の就職活動の流れ、内定に至るまでを御説明ください。 65 ◯井上順吾委員長 田中高校教育課長。 66 ◯田中教育庁高校教育課長 高校生の就職活動につきましては、文科省、厚労省、関係団体との申し合わせによりまして、全国統一的にその日程が決まっております。例年、六月一日からハローワークでの求人票の受け付けが始まり、七月一日以降、企業から学校に対して求人の申し込みが行われます。生徒は、その求人票や企業の応募前職場見学などを参考に、保護者や担任と相談をしながら応募する企業一社を決め、九月五日以降に学校から企業への推薦が行われることになっております。その後、九月十六日以降に採用試験が実施され、採用の内定通知も学校を通して行われております。 67 ◯冨永芳行委員 高卒新卒者の就職活動の日程は、全国で統一されているということでございます。基本的に、生徒、その保護者、企業の間には学校が入っているということでございますが、高校側の進路、そして就職指導とはどのようにされているのかお聞かせください。 68 ◯田中教育庁高校教育課長 高校生につきましては、個人で自由に行う大学生の就職活動とは異なりまして、基本的には高校が行う就職あっせんを利用しております。この就職あっせんにつきましては、進路指導の一環として、入学時点から進路希望調査を定期的に実施し、教育活動全体を通じて組織的、計画的に行われておりまして、生徒の適性・能力に基づく適切な職業選択に向け、きめ細かな対応を行っております。  なお、高校による就職あっせんを受けないケースにつきましては、公務員志望者や自営業を継ぐ場合など少数にとどまっております。 69 ◯冨永芳行委員 就職を希望される生徒の多くが、高校の就職あっせんを利用されているということでございます。では、この就職あっせん、いわゆる一人一社制について、簡単に、他県との比較を含めて御説明お願いいたします。 70 ◯田中教育庁高校教育課長 一人一社制につきましては、各都道府県で、行政、学校関係者、産業界等の申し合わせによりまして、一定期間一人の生徒が応募できる企業を一社に絞って学校推薦を行い、内定が得られなかった場合のみ複数社への応募が可能となる就職慣行でございます。本県におきましても、申し合わせによりまして、十月三十一日までは応募できる企業を一社としておりまして、十一月一日以降、一人二社までの応募が可能となっております。全国的には、本年度は、秋田県と沖縄県を除く四十五都道府県で、この制度が採用されております。 71 ◯冨永芳行委員 就職慣行となっているとのことですが、では、一人一社制のメリット、そしてデメリットをどう考えておられるのかお聞かせください。 72 ◯田中教育庁高校教育課長 この制度は、高校と企業との信頼関係に基づいて実施されておりまして、多くの生徒が公平かつ確実に内定を得ることができるとともに、中小企業等でも安定的に採用を確保することができる仕組みであると考えております。また、生徒にとりましても、内定までの期間が短く、採用試験に伴う負担と学業への影響が最小限度に抑えられるなどのメリットもございます。  ただ一方で、生徒は、一社のみに応募し、そのまま就職することになりますので、応募する企業以外を十分に知らず、早期離職の一因になっているとの指摘もございます。  こうした状況を踏まえ、本年二月に国の有識者会議から、この一人一社制のあり方について各都道府県で検討するよう提言がなされたところでございます。 73 ◯冨永芳行委員 ここ数日ですが、大卒内定者や転職者のケースではございますけれども、新型コロナウイルスの感染拡大の影響、業績悪化等による企業の内定取り消し事案が数例明らかにされています。新型コロナウイルス感染拡大による雇用環境の一層の悪化は懸念されていますが、本年度、県内の卒業生内定者に関して内定取り消しなどの情報はあるのか、また、内定取り消しが確認された場合の対応策についてお聞かせください。 74 ◯田中教育庁高校教育課長 現時点で、県立高校において内定取り消し等の事例はございません。  企業の一方的な都合による内定取り消しは重大な問題でありまして、仮に内定取り消しの通知があった場合には、企業側に十分な説明を求め、合理的な理由が認められない場合には内定取り消しの撤回を申し入れていくことになります。  なお、やむを得ず内定取り消しとなった場合には、速やかにハローワークと連携を図りまして、新たな就職先の確保に向けた支援を行ってまいります。 75 ◯冨永芳行委員 では、直近の雇用環境が悪化したケース、例えばリーマンショック時の高卒新卒者の内定取り消し件数と、当時の対応策についてお聞かせください。 76 ◯田中教育庁高校教育課長 リーマンショックの影響によりまして、全国で三百十四名、本県県立高校では二名が、当時、内定取り消しを受けております。本県の二名につきましては、学校とハローワーク等が緊密な連携を図りまして、就職先の確保に取り組んだ結果、年度内に別の企業から採用内定を得ております。  また、翌平成二十一年度から、急激な求人数の減少に対応するため、国の事業を活用いたしまして、企業の人事管理等の経験者を就職指導員として県立学校に配置をいたしまして、新規求人開拓や就職指導の充実に取り組んだところでございます。 77 ◯冨永芳行委員 新たな取り組みや対応策で、年度内に別の就職先を確保されたとのことで、生徒の皆さんも大変安堵されたことだと思います。  政府の有識者会議は、一人一社制について再検討を求める報告書をまとめたということでございますが、雇用環境が厳しいときには一人一社制という制度には一定のメリットがあるように思いますが、どう考えておられるかお聞かせください。 78 ◯田中教育庁高校教育課長 リーマンショック当時、さまざまな就職支援の取り組みを行っております。これにあわせて、この一人一社制により、厳しい状況の中でも公平に多くの生徒が内定の機会を得ることができ、可能な限り就職につなげることができたのではないかと考えております。 79 ◯冨永芳行委員 いずれにせよ、来年度以降の雇用環境が悪化することは容易に想像ができます。来年度以降、本県の高校生が不利益をこうむらないための方策についてお聞かせください。 80 ◯田中教育庁高校教育課長 リーマンショックのときのように雇用環境が著しく悪化した場合には、特に、事務職の求人数の減少が見込まれます。そのため、進学から就職まで幅広く生徒の進路決定を支援する進路支援コーディネーターを普通科を中心に活用することで、きめ細かな就職支援の取り組みを行ってまいります。  また、どのような経済状況においても、地域の課題を発見し、解決する能力を身につけ、将来、地域の発展に貢献できる人材が社会から求められるものと考えております。こうした人材育成のため、就職希望の全生徒にインターンシップや実践的な企業実習を実施するなど、企業や地域社会と連携したキャリア教育の充実を図ってまいります。 81 ◯冨永芳行委員 ありがとうございます。  昨年九月の私の一般質問の中で、成年年齢引き下げと高等学校における校則や生徒指導のあり方について触れさせていただきました。多くの卒業式は三月一日、厳密に言えば、十八歳を迎えていない生徒さんもいらっしゃることになります。来年度以降就職を希望される生徒の皆さんの不安を少しでも払拭していただけるよう、また、ミスマッチ等の防止のために、インターンシップ等々の有効活用をお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手) 82 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。大塚勝利委員。 83 ◯大塚勝利委員 公明党の大塚勝利でございます。  通告に従いまして、SNSを活用したいじめ等相談体制について質問をいたします。  本件については、平成二十九年度の決算特別委員会で取り上げたところであります。いじめ問題の克服は喫緊の課題となっております。そうした中で、いじめを含め、さまざまな悩みを抱える児童生徒に対する相談体制については、多様な選択肢を用意することで悩みの深刻化の未然防止につながることから、近年、長野県等全国の多くの県、市町村で、SNS等を活用した相談体制が始まっているところでございます。  委員長、初めに、資料要求をさせていただいております。いじめの実態と電話相談の現状についてであります。お取り計らいのほどよろしくお願いします。 84 ◯井上順吾委員長 お諮りいたします。  ただいま大塚委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 85 ◯井上順吾委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま大塚委員から要求がありました資料については提出できますか。一色義務教育課長。 86 ◯一色教育庁義務教育課長 直ちに提出いたします。 87 ◯井上順吾委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 88 ◯井上順吾委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 89 ◯井上順吾委員長 資料が配付されましたので、大塚委員、質疑を行ってください。 90 ◯大塚勝利委員 平成二十九年度の決算特別委員会でも同様の資料を要求いたしましたが、その後変化があったのかを確認してまいりたいと思います。  まず、資料の説明とあわせて、本県の公立小中学校におけるいじめの実態について、どのような傾向の変化があり、どのように認識しておられるのかお答えください。 91 ◯一色教育庁義務教育課長 本県公立小中学校における平成二十八年度から二十九年度のいじめ認知件数の推移では、小学校では三千二百三十一件から六千三百六十六件、中学校は千四百六十七件から二千七十九件で、小中学校合わせて三千七百四十七件の増となっており、全体としていじめの認知件数は増加しております。  いじめの認知件数がふえているのは、各学校がいじめ防止対策推進法で定められた定義に基づき、いじめはどの子供、どの学校でも起こり得るという認識が浸透し、初期段階のものも含めて積極的に認知した結果だと考えております。  一方、本県における千人当たりの認知件数は、十一・六人から二十・九人と増加傾向にあるものの、全国平均は三十一・七人から四十一・二人へと増加しており、比較すると低い状況であることから、引き続き、見えないところでいじめが起こっているかもしれないという危機感を常に持って、県内の教育委員会、保護者、地域、関係機関等と連携しながら、いじめ問題にしっかりと対応していく必要があると考えております。 92 ◯大塚勝利委員 積極的に認知しているとのことでありますけれども、その中から、いかに緊急事案を逃さず、その早期発見、早期解決につなげるか、私は相談体制が重要であると思っております。  次に、資料二、三に沿って、私からポイントを説明させていただきます。  まず、いじめの相談対象のところでございますが、本県の小中学生はいじめ等で悩んでいるときに誰に相談をしているのかを見ると、学級担任、また、担任以外の教職員、保護者や家族が多くを占めておりますけれども、この欄の一番下のところ、「誰にも相談していない」と答えている層が一割存在をします。そうした児童生徒への対応が必要ではないでしょうか。  また、五段目のところですが、電話相談やメール相談はほとんど活用されていないのが現状であります。  一番下の子どもホットライン24相談件数、この欄ですけれども、子どもホットライン24相談事業によりまして、電話は二十四時間対応でありますが、児童生徒本人からの相談件数が保護者からの相談件数と比べて少ない状況でありまして、平成二十九年度に質問した時点から余り変化がないのが現状であります。  以上三点から、いじめ等で誰にも相談できず悩む子供たちが潜在しているのではないかと大変危惧するところであります。数字を挙げるまでもなく、子供たちのコミュニケーション手段として、電話よりもSNSが使われている現状を踏まえて、SNSの積極的な活用が、誰にも相談できずに悩む子供たちの命を救うセーフティーネットにつながるのではないかと考えます。  そこで、質問です。平成二十九年度の決算特別委員会でSNSを活用した相談体制の導入を質問したところ、副教育長から、他県のSNS活用事例の研究も含め、本県の相談体制のあり方について検討を行ってまいりたいとの答弁でありました。その後、県教育委員会として、どのような検討、対応がなされたのかお答えください。 93 ◯一色教育庁義務教育課長 岡山県教育委員会、また、千葉県野田市教育委員会等において、いじめ等の問題の深刻化を防止する観点から、子供たちが悩みを相談する選択肢の一つとして、家のタブレットやスマートフォンを使い匿名で相談できるアプリSTOPitを使って、SNS等を活用した教育相談事業が行われております。本県におきましても、その取り組みを参考として、本年度、試行的に、県内七中学校を対象として研究を行いました。 94 ◯大塚勝利委員 研究として、試行的に始まったということですけれども、具体的にどのように取り組みを行ったのか、その取り組みの中で、相談内容や相談数、また、経費面について御説明願います。 95 ◯一色教育庁義務教育課長 生徒がスマートフォンに相談アプリをダウンロードし、SNS上で学校に相談する取り組みを試行的に行いました。相談を受けた学校は、必要に応じスクールカウンセラーと協議し、翌日以降に回答するとともに、相談者の希望に応じ、相談のやりとりを繰り返しました。  学校での導入に当たっては、さまざまな相談方法があることを知るSOSの出し方に関する教育の授業をあわせて行い、SNS上による相談はその一つであることを生徒に知らせ、安心して報告、相談ができる工夫を行いました。  また、研究校や所管する教育委員会、大学教授や弁護士、アプリの開発業者の有識者を含む運営協議会を年三回開催し、各校での回答事例について共有するとともに、その内容について有識者からの専門的な指導、助言を受け、より効果的な対応が行えるよう支援を行いました。  なお、実際に寄せられた相談の内容につきましては、主にいじめを含む学校生活における人間関係の悩みが多く、昨年七月から十二月末までにおいて、七中学校で計五十七件の相談等が寄せられております。  また、アプリの経費ですが、年間生徒一人当たり約三百円となっております。 96 ◯大塚勝利委員 取り組みが始まったということは一歩前進と思っておりますが、それでは、研究の結果について、どのように評価をされているのか、成果と課題を説明願います。 97 ◯一色教育庁義務教育課長 成果としては、有識者からは、悩みを抱えた生徒がSOSを出す際の一つのツールであるという評価をいただいており、また、各研究校からも、アンケートや相談ポストに加えて、子供たちを救うセーフティーネットの役割があるという声を聞いております。  一方、課題としては、多くの生徒がアプリに登録し利用できるよう、安心して相談できるシステムであることをさらに生徒や保護者に周知するとともに、SNS上だけではなく、教職員へ直接面談による相談をしやすい校内の環境を充実させることが求められていると考えております。 98 ◯大塚勝利委員 先ほど、いじめの認知件数を伺いましたけれども、本県では積極的に認知されているとはいえ、いじめが多数存在すること、また、いじめ等で誰にも相談できず悩む子供たちが潜在する可能性があること、また、今答弁いただきましたけれども、本事業の研究の結果として、効果があるとのことですけれども、県教育委員会として、今年度の結果をもって、県内全ての市町村に導入を働きかけてはいかがでしょうか、お答えください。 99 ◯一色教育庁義務教育課長 本事業を開始するに当たって、学校では実施への不安など慎重な声もありましたが、有識者や研究校からは、セーフティーネットとしての効果があると肯定的な評価をいただいております。しかし、実質半年ほどの実施で、研究校が七校と、一部の学校の取り組みでしかなく、全県下にその取り組みの内容や効果についてまだ十分理解されていない状況であると認識をしております。  このため、次年度も引き続き研究実践を継続し、有効性や課題を明らかにしていくとともに、各市町村に対しては、さまざまな研修会等の場で、子供たちにとって相談方法の選択肢の一つとなり得ることを具体事例として示しながら、学校に過度の負担をかけるものではなく、むしろいじめの深刻化を防ぐ効果があると、そういった効果やSNS等における教育相談の意義についての周知・理解を積極的に図ってまいりたいと考えております。 100 ◯大塚勝利委員 SNS活用の効果として、子供たちが直接匿名でいじめを報告、相談できること、また、早期発見、早期解決が期待できること、さらに、子供たちからさまざまな相談、例えばLGBTや自殺、性、またネットトラブル等にも対応できることなど、得られる効果が大きいと私は思います。  以上の議論を踏まえて、改めて、県内公立学校へのSNSによる相談体制の導入について、副教育長にお考えを伺います。 101 ◯井上順吾委員長 吉田副教育長。 102 ◯吉田教育庁副教育長 SNSを活用しました教育相談体制につきましては、これまでのアンケートや相談ポストなどに加えまして、いじめの深刻化を防いだり、また、悩みを抱える子供のSOSを見逃したりしないというような点で、有効な手法の一つであると考えております。  県教育委員会といたしましては、今後とも、SNSを活用した相談のあり方の研究を、これまでの実践の課題なども十分踏まえながら継続をいたしますとともに、市町村や各学校がその導入に当たっての業務の不安、これを払拭できるよう、研究で明らかになったさまざまなSNSの有効性や相談の対応の仕方などについて、各方面への周知を図ってまいりたいと考えております。 103 ◯大塚勝利委員 今回の質問から、本事業を市町村が取り入れるに当たりまして、教員の業務負担がふえるのではないか、それを払拭しなければいけないという答弁であったと思いますし、その不安解消が一番の課題であると思います。試行的に六カ月間ということでありましたけれども、継続してやる、あと一年しっかり検証されるとのことでありますが、教員の負担はそれほどかからないこと、また、経費も本当に余りかからないこと、何よりも、これだけいじめの認知件数がふえる中、子供の命のセーフティーネットにつながることを強く周知されまして、一年後には各市町村で取り組みが始まるよう、県教育委員会の積極的な働きかけをお願いしまして質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)      〔正副委員長交代〕 104 ◯大橋克己副委員長 ほかに質疑はありませんか。江口善明委員。 105 ◯江口善明委員 緑友会福岡県議団の江口善明です。  通告に従いまして、理数教育の充実について、特別支援学校におけるICTの活用について、二点質問させていただきたいと思っております。  委員長、事前に資料要求をいたしておりますので、お取り計らいをお願いいたします。
    106 ◯大橋克己副委員長 資料名または資料の内容を述べていただきたいと思います。 107 ◯江口善明委員 全国学習状況調査の結果という資料でございます。よろしくお願いいたします。 108 ◯大橋克己副委員長 お諮りいたします。  ただいま江口委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 109 ◯大橋克己副委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま江口委員から要求がありました資料については提出できますか。一色義務教育課長。 110 ◯一色教育庁義務教育課長 直ちに提出いたします。 111 ◯大橋克己副委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 112 ◯大橋克己副委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 113 ◯大橋克己副委員長 資料が配付されましたので、江口委員、質疑を行ってください。 114 ◯江口善明委員 全国学習状況調査の結果というので、「算数・数学の勉強は好きですか」というのが小学校、中学校、そしてまた好きな子、そうではない子の中で教科の正答率ということで資料をいただいております。  まず、本県において、理科や算数・数学が好きな児童生徒、つまり小学生、中学生がどれぐらいいるのか、また苦手だと思っている児童生徒についても資料に基づいて教えてください。よろしくお願いします。 115 ◯一色教育庁義務教育課長 全国学力・学習状況調査結果におきまして、算数・数学の勉強が好きだと回答した児童生徒の割合ですけれども、こちらの資料にあります「当てはまる」「どちらかといえば」の合計になりますが、小学校では、全国平均が六八・六%であるのに対し、県では六七・八%、中学校では、全国平均が五七・九%であるのに対し、県では五七・六%でございます。  また、好きではないということで「あまり」または「当てはまらない」と回答した者ですけれども、同じく、全国では三一・四%に対し、福岡県では三二・二%、中学校については、四二・〇%に対し、四二・三%となっております。  また、理科の勉強が好きだと回答した児童生徒の割合につきましては、小学校では、全国平均が八三・五%であるのに対し、県では八三・二%、中学校では、全国平均が六二・九%であるのに対し、県では六二・五%となっており、いずれにおきましても全国平均をやや下回りますが、大きな差はございません。  しかし、小学校に比べ中学校において、算数・数学、理科ともに好きと答えた生徒の割合が低くなる傾向がございます。 116 ◯江口善明委員 理科も算数・数学も、小学校に比べて中学校のほうが好きな子が減っていますよね。これについて教育委員会としてはどのように捉えているのか教えてください。 117 ◯一色教育庁義務教育課長 中学校に進みますと、定理や公式の計算など、学習内容の抽象度が高まり、難しいと感じる生徒が多くなっていることが考えられます。そのため、観察や操作、実験などの活動を通して事象に深くかかわる体験等を伴う学習を充実させることが重要であると考えております。 118 ◯江口善明委員 本県の小中学生の理科や算数・数学の学力と理科、算数・数学の勉強が好きだという相関関係が私はあると思うんですが、教育委員会はどう考えられているか、資料に基づいて説明をお願いします。 119 ◯一色教育庁義務教育課長 資料下段にあります同調査の回答状況と教科の正答率のクロス分析によりますと、小中学校とも、算数・数学、理科の勉強が好きだと回答している児童生徒ほど正答率が高い傾向があらわれております。  今後とも、理科、算数・数学への関心、意欲をさらに高めることで学力向上につなげていきたいと考えております。 120 ◯江口善明委員 済みません。好きだから教科が得意になって、また成績もよくなるということを延々と聞いて申しわけなかったんですが、私は、教科を好きになってもらうということが学力の底上げにつながってくると思います。  したがって、テストの点数だけにこだわるのではなくて、好きな子をどうやってふやしていくか、今まで、特に理科や算数・数学の勉強が好きな児童生徒を育てるために、本県としてはどのような取り組みをしてきたのか教えてください。 121 ◯一色教育庁義務教育課長 理科や算数・数学の勉強が好きな児童生徒を育てるために、児童生徒がみずからの学びや変容を自覚し、他者との対話によってみずからの考えを広げたり深めたりしながら問題解決をする授業づくりの研修に取り組んでまいりました。  また、若年教員の授業力を高めるために、若年教員にマン・ツー・マンで指導に当たる非常勤講師を派遣しております。  さらに、次年度からは、児童生徒が算数・数学においてどこでつまずいたかを把握できるような問題集を作成、配付し、個々の習熟の程度に応じた学習を展開できるようにすることで、わかる、楽しいと思う児童生徒がふえるような授業づくりを支援してまいります。 122 ◯江口善明委員 私がこの質問をさせていただいたのは、いろいろな教科の中で、例えば、国語だったら読書コンクールがあったりとか、体育だったら中体連、インターハイがあったりとか、そういう好きな教科を伸ばすいろいろな取り組みがあると思うんですが、理科、そして特に算数・数学の場合はそれがないんです。  一例だけ紹介をさせていただきたいと思っておりますが、福島県では、平成二十四年から算数・数学への関心、意欲を高める教育支援事業として福島県算数・数学ジュニアオリンピックというものを毎年実施しているそうであります。  これは希望者だけ、算数ジュニアオリンピックは小学校五、六年、そして数学ジュニアオリンピックは中学校一、二、三年が受けられるということで、県と教育事務所、市町村の教育委員会の指導主事が共同で問題を作成、そして大体五問から六問、六十分でやっているそうであります。  それをやることの効果が何かというと、授業だけではなくて、考えさせる問題をやることによって、考える楽しみを持ってもらうというのが福島県の狙いだということであります。  全国にもジュニア数学オリンピックがありますけれども、それ以前に県としての独自の取り組みで、算数・数学そして理科もかかわるかと思いますが、こういう取り組みをやっておりますが、本県でもそういった取り組みが必要──他県の事例が全てすばらしいとは思いませんが、他県の事例を参考にして、特に理科、算数を伸ばすような教育が必要だと思いますが、それについての教育委員会の見解をお伺いしたいと思います。      〔正副委員長交代〕 123 ◯一色教育庁義務教育課長 現在、福岡県では、福岡県小中学校科学研究作品展における表彰式、また研究発表会を行っております。また、科学の甲子園ジュニア等を実施したり、統計グラフコンクールを後援したりすることで、理科や算数・数学好きを一層伸ばす取り組みを行っております。  今後は、他県の取り組みも参考に、理科や算数好きの児童生徒をさらにふやすための方策について研究をしてまいります。 124 ◯江口善明委員 ぜひとも他県の事例も参考にして取り組んでいただきたいと思っております。  それでは、二点目、特別支援学校におけるICTの活用について質問させていただきたいと思います。  今回の予算特別委員会でも、生活労働費で吉田委員からも質問がありましたが、昨年度から福祉労働部で障がい者雇用促進のためのテレワークの導入事業が行われております。  私は、農福連携もそうなんですが、農林水産部だけではなくて福祉労働部、部の連携が必要だと思いますし、特に、障がい者雇用という面では、特別支援学校を所管している教育委員会もぜひ連携をしていただきたいという観点からお伺いをしたいと思います。  まず、特別支援学校においてテレワークに関する教育を充実することの意義について、特別支援教育を所管する本県教育委員会の見解をお伺いしたいと思います。 125 ◯井上順吾委員長 井手特別支援教育課長。 126 ◯井手教育庁特別支援教育課長 肢体不自由を初めとする障がいのある生徒にとりましては、通勤の必要がない、あるいは少ないという大きなメリットがある点で、テレワークの拡大は生徒の就労の可能性や進路の選択肢を広げることにつながると考えております。  したがいまして、特別支援学校において、生徒がテレワークに関する知識や情報を得る機会を設けるということは大変意義があると考えております。 127 ◯江口善明委員 意義があるということで、ぜひとも取り組んでいただきたいというところで数点お伺いをしたいと思っております。  教育委員会でも、昨年度から県立学校ICT環境整備費というものが計上されておりますので、ことしも、特別支援学校に限りますと、児童生徒数の三分の一、三人に一人の台数分のリース費用が手当てをされております。  生徒がテレワークにつくために、生徒がICT機器に習熟したり、ICTに関する知識を習得することが必要と考えますが、教育委員会はどう取り組むのか教えてください。 128 ◯井手教育庁特別支援教育課長 テレワークではコンピューターやインターネットあるいは各種アプリケーションについての知識や技能が求められますので、プログラミング教育その他の情報教育を適切に実施していくことが求められると考えます。  このため、特別支援学校の教員のICTを活用した指導力向上のための研修の充実や各学校内の組織的な推進体制の整備を図りますとともに、これらについての実践的な研究を進めてまいります。 129 ◯江口善明委員 それでは、違う観点から一点質問させていただきたいと思います。学校内における教育指導も大事ですけれども、雇用する側との交流も効果的だと思っております。障がい者雇用の促進を図るためのテレワーク事業というものが福祉労働部でされていますから、そこと連携をしていかなければいけないと思いますが、それについての教育委員会の考え方を教えてください。 130 ◯井手教育庁特別支援教育課長 今お話がありましたテレワーク活用事業におきましては、実際にテレワークを活用している企業などの話を聞けるテレワークによる障がい者雇用促進セミナーが開催されております。  教職員がテレワークに関する最新の情報を得ることは重要であると考えておりますので、このセミナーについて、県教育委員会としても特別支援学校に対する周知を図ってまいりたいと考えております。 131 ◯江口善明委員 最後に、副教育長にお伺いをしたいと思っています。  テレワークについては、可能性は非常にあると思うんですが、残念ながら、まだ緒についたばかりだと思います。新型コロナウイルス対策の中でテレワークということが非常に話題になりましたので、だんだんと知名度が上がってきているものだと思いますけれども、まだ緒についたものだと思いますが、非常に可能性がある分野であります。  テレワークを導入している企業が少ないという現状では、高等部を卒業してすぐにテレワークで働きたいという生徒はまだほとんどいないだろうと思われます。しかし、高等部在籍中にテレワークに役に立つような知識や技能をしっかりと身につけてもらうことで、特に、通勤ができない、通勤の負担が理由で就職を諦めざるを得ない、そういう子たちの就職の受け皿に絶対になるのではなかろうかと私は思います。  そういう意味で、教育委員会の今後のテレワークの拡大に向けた取り組みについて副教育長にお考えをお伺いしたいと思います。 132 ◯井上順吾委員長 吉田副教育長。 133 ◯吉田教育庁副教育長 テレワークは通勤の負担が少ないと。そのために、障がいのある生徒の進路、それから自己実現の可能性をさらに広げるものと考えられます。  このため、テレワークの今後の拡大を見据えながら、特別支援学校におきましても、キャリア教育それから職業教育はもちろんのこと、情報教育も適切に実施していくことが必要であると考えます。  県教育委員会といたしましては、教員のICT活用指導力の向上を図りますとともに、知事部局と連携してテレワークに関する情報を学校に提供するなど、そうした取り組みによりまして、生徒がテレワークを現実的な働き方の一つとして選択できるように、そういう教育環境の整備に努めてまいりたいと考えております。 134 ◯江口善明委員 終わります。ありがとうございました。(拍手) 135 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。高瀬菜穂子委員。 136 ◯高瀬菜穂子委員 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。  一年単位の変形労働時間制について伺います。  十二月議会の我が会派の立川由美議員の質問に対し、教育長は、この制度は超過勤務の一部縮減につながる可能性があり、業務の削減による総勤務時間の縮減とあわせて導入することで学校の働き方改革に資すると考えておりますと答弁されました。  しかしながら、この制度は教育現場をますます多忙にし、疲弊させるものと私は考えます。超過勤務の縮減につながるとは考えられません。導入すべきではないとの立場から改めて質問させていただきます。  まず、制度の概要について御説明ください。 137 ◯井上順吾委員長 松永教職員課長。 138 ◯松永教育庁教職員課長 制度の概要でございますが、労働者のゆとりの創造、総労働時間の短縮を実現するため、一カ月を超え一年以内の期間を平均して一週間当たりの労働時間が四十時間を超えないことを条件としまして、業務の繁閑に応じ労働時間を配分することを認める制度でございます。  地方公務員には適用はございませんでしたが、公立学校の教育職員につきまして、長期休業期間中の休日のまとめ取りを行うため、条例により活用できるよう法律の改正が行われております。  なお、導入に当たりましては、教員個々の事情を踏まえて適用されるよう、選択的な導入とすることが想定されていると聞き及んでおります。 139 ◯高瀬菜穂子委員 御説明にありましたように、この制度は、繁忙期に長く働き、閑散期に休むと、こういうことで総労働時間を短縮するという制度だということなんですよね。  ですから、繁忙期と閑散期がはっきりとある業種、例えば、年度末に仕事がふえる引っ越し業者とか、年末に忙しくなる運送業者などに適用されることが想定されていると思うわけです。  学校における夏休みというのが閑散期かといえば、実際には全くそうではなく、研修とか部活などで学期中と同様に先生方は働いておられます。ですから、学校現場にはなじまないんだということをまず申し上げておきたいと思います。  その上で、繁忙期の所定労働時間を一日最大十時間、一週間当たりの労働時間を最大五十二時間に延ばすことができるということになっています。人間はそもそも寝だめとか食いだめができませんから、この制度は、働く人にとっては健康と生活に大きな負担となる苛酷な労働条件であるため、過半数の労働者の合意なしには導入できないこと、労働者の予定が立てられるよう、あらかじめ一人一人の労働日と各労働時間を書面で決めることなどが定められていると思います。  また、労働省通知では、恒常的な残業がないことが導入の前提とされていると思いますけれども、これらの点について確認をお願いします。 140 ◯松永教育庁教職員課長 労働基準法におきまして、労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、対象となる労働者の範囲等を定めるとされております。ただし、今回の法改正、改正された法律では、労使協定で定めることとされている事項につきましては条例で定めることとされております。  なお、平成六年に一年単位の変形労働時間制が導入された際の当時の労働省の通知では、「突発的なものを除き、恒常的な時間外労働はないことを前提とした制度であること」とされております。 141 ◯高瀬菜穂子委員 恒常的な時間外労働がないことを前提とした制度だということをここで確認したいと思います。  しかしながら、学校の現場、教育の現場というのは時間外労働が蔓延しています。十二月議会の立川議員の質問に対し、教育長は、県立学校における一月当たりの平均超過勤務時間は三十九・八時間と答弁されました。  また、周知のとおり、二〇一六年の国の教員勤務実態調査によれば、小中学校教員は月曜から金曜まで毎日平均十二時間近く、土日も働いていると。過労死ラインを超える教員は小学校で三割、中学校で六割に及ぶと報告されています。  また、本県では、二十三市町村で労働時間の把握ができていないと、どれだけ超過勤務しているかわからないというところも存在している、このことも十二月議会で明らかになりました。このような実態で変形労働時間制の導入はできないと、不可能だということも申し上げておきたいと思います。  その上で、先ほど指摘がありましたが、書面で対象となる労働者の範囲等を決めるという点ですけれども、一人一人の労働日や各労働時間を書面で確認するということになりますと、管理職と事務職員の負担を大幅にふやすことになります。  年度が始まる前の三月、管理職は、全教員から導入についての意向や子育てや介護など個々の状況を聞き取り、制度を適用する対象者を決定しなければならなくなります。その上で、当面、四月、五月の個々人のシフト表を決める、その後も四月に六月分、五月に七月分というぐあいに個々人のシフト表を決め、さらに勤務状況がシフト表に照らしてどうだったのかのチェックも必要になるということだと思います。確認いたします。 142 ◯松永教育庁教職員課長 現時点では、文部科学省からは法律の改正内容が通知されているのみで、実際の運用のあり方は示されておりません。  したがいまして、現時点で細部について言及する、お答えすることは困難でございます。 143 ◯高瀬菜穂子委員 来年度から導入しようというのに実際の運用がいまだ知らされていないというのは大問題だと思います。  しかし、法律上は、そうした作業が必要になるということなんですよね。そうなりますと、管理職の仕事量は膨大です。  一度決めたシフトの変更は原則としてはできないという制度になっています。学校は突発的なことが起こるというのが日常です。あらかじめ決めておいても守れないことは当然起こるのであり、こんな職員個々人のシフト表をつくり、それを厳格に守らせるというのは不可能ではないかと私は考えますけれども、いかがですか。 144 ◯松永教育庁教職員課長 先ほどもお答えしましたが、労働省通知でも示されているとおり、「突発的なものを除き、恒常的な時間外労働はないことを前提とした制度であること」ということから、突発的な業務についてまでも事前に配分した労働時間内で対応することを求められているものではないと考えております。 145 ◯高瀬菜穂子委員 ですから、この制度は、突発的なことがめったに起こらないことが前提なんですよね。突発的なことが常時起こる学校現場で、それは例外ですよということになったら、例外だらけになって、あらかじめこの日は八時間勤務、この日は十時間勤務だと決めても守られない、なし崩しで意味をなさないということになるのではないでしょうか。苛酷な労働条件だからこそ、誰がいつ何時間働くと書面で確認するのであって、守られなければ違法になるはずです。学校現場への導入は現実的でないことを強調したいと思います。  もう一点確認します。文部科学大臣が、労働時間の縮減を前提として導入することを想定しておりますと国会で答弁をされ、二〇一九年一月に定めた公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインに示された残業時間、月四十五時間以下、年三百六十時間以下の教員でなければこの制度を導入できないということを国会で答弁されています。ガイドラインを守らなければならないと、この点も確認できるでしょうか。 146 ◯松永教育庁教職員課長 文部科学大臣は、国会におきまして、年度途中等に指針──ガイドラインが今は指針に変わっておりますけれども、これに示す要件が明らかに遵守できない状況が生じた場合には、まずは各教育委員会等において遵守に向けて是正されるべきであり、それでもなお要件が遵守できないとなった場合には、一年単位の変形労働時間制の活用を取りやめることとなると考えるとお答えになっています。 147 ◯高瀬菜穂子委員 今の御答弁にありましたように、その教員がガイドラインを守れないとわかった場合、途中でも活用の指定をやめることになると文部科学大臣は答弁しています。  そもそも、このガイドラインは、過労死ライン、月八十時間を超える教員が多数いる中で、働き方改革の一環として、月四十五時間以下にしようということで示されたものだと理解しています。ですから、四十五時間以下であっても、恒常的な超過勤務は存在しているんですよね。法の趣旨は、原則、超過勤務ゼロですから、ラインの引き方がおかしいわけですけれども、そこをなぜか四十五時間までは認めるということになっていて、これは不当なんですが、それでも文部科学大臣はこのガイドライン、月四十五時間を超える場合は絶対に適用できないんだと、中途でもやめさせるんだということを言っているということを確認したいと思います。  本来、超過勤務があってはならない変形労働時間制ですが、現場では今も超過勤務が蔓延しております。先ほど指摘しましたように、勤務時間の把握ができていない市町村もあります。本県では制度導入の前提を欠いていると考えます。見解を伺います。 148 ◯松永教育庁教職員課長 この制度につきましては、例えば市町村全体とか県全体とか、画一的に、一律に導入するものではなく、国の指針で示された要件を満たす場合に、あくまで選択的に導入を可能とするものでございます。  また、県といたしましては、市町村に対してこれまでも勤務時間の実態把握を行うよう指導してきたところでありまして、今後も引き続き指導を行ってまいりたいと考えております。 149 ◯高瀬菜穂子委員 おっしゃるように、制度導入に当たっては完全選択制ですから、もし県が条例をつくれば、市町村、学校がそれぞれ導入が可能かどうか検討しなければならなくなるということです。
     導入するとなれば、学校では、ガイドラインに示された要件を満たす教員は誰か、どのような変形労働が可能か、シフト表をつくり、いつ十時間勤務にするかを決め、書面で確かめ、中途で月四十五時間以上の勤務になっていないか、ガイドラインが守られているかをチェックすると、そんな業務が管理職に課せられるということになると思います。  条例制定を行うべきではありません。これは業務削減どころか、膨大な業務が発生するということになると。私は本当にやめていただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。  労働時間短縮のために行政が行うべきは、教員をふやし、一クラスの人数を減らす、そして事務作業の見直しなど業務改善です。子供と向き合う時間の確保こそ真の働き方改革であり、行き届いた教育、学力保障にもつながるということを強調しまして、この項の質問を終わります。  次に、会計年度任用職員について伺います。  四月から始まります会計年度任用職員制度ですが、非正規の教職員も対象になるとのことです。この制度の目的は何か、導入に際して不利益が生じることはあってはならないと考えますが、この点についての見解を伺います。 150 ◯井上順吾委員長 石橋財務課長。 151 ◯石橋教育庁財務課長 制度導入の目的でございますが、従来の制度に不明確な部分もあり、自治体によって任用、勤務条件等に関する取り扱いが異なっておりました地方公務員の臨時・非常勤職員につきまして、統一的な取り扱いを定めることにより、適正な任用、勤務条件を確保するために改正がなされたものです。  会計年度任用職員への移行につきましては、地方公務員法等の改正に当たりまして、不利益が生じることなく適正な勤務条件を確保しなければならないとの附帯決議がなされております。このことは、適切な勤務時間の設定及び給与の決定、任用期間に不適切な空白期間を設けないことなど、法改正の趣旨を踏まえ、留意すべき事項が示されているものと認識をしております。 152 ◯高瀬菜穂子委員 不利益が生じることがないようにという国会の附帯決議もあるということです。  しかしながら、非常勤講師の中には、持ち時間が少なくて期末手当が支給されない不利益をこうむる可能性が生じるのではないかということを心配しておられる方がおられます。非常勤講師のうち期末手当支給対象者の割合について資料を要求しておりますので、委員長、お取り計らいください。 153 ◯井上順吾委員長 お諮りいたします。  ただいま高瀬委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 154 ◯井上順吾委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま高瀬委員から要求がありました資料については提出できますか。 155 ◯石橋教育庁財務課長 直ちに提出します。 156 ◯井上順吾委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 157 ◯井上順吾委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 158 ◯井上順吾委員長 資料が配付されましたので、高瀬委員、質疑を行ってください。 159 ◯高瀬菜穂子委員 簡潔に資料の説明をお願いします。期末手当について、十五時間三十分以上を要件にしている根拠についても御説明ください。 160 ◯石橋教育庁財務課長 県が給与を負担しております非常勤講師に係る期末手当支給対象職員の割合の表でございます。期末手当の支給は来年度以降に任用される職員が対象となりますが、今回、支給割合を見るに当たりまして、現時点で任用実績が確定しております平成三十年度の数値をもって作成をしております。  右端の合計欄のとおり、非常勤講師千百八十八人のうち、期末手当の支給対象となる職員が六百七十五人、割合で五六・八%、対象外となる職員が五百十三人で四三・二%となっています。  次に、期末手当の支給根拠でございますが、一週間当たりの勤務時間が十五時間三十分以上かつ六月以上の任用期間が見込まれる職員に対し、在職期間に応じて支給することとしています。これは、常勤職員との均衡を踏まえ、本県の再任用短時間勤務職員や国の非常勤職員に対する期末手当の支給基準と同様となっております。 161 ◯高瀬菜穂子委員 御説明いただきましたが、県立学校については七〇%が支給対象外になっています。大変多いと思います。週十五時間三十分未満の期末手当が支給されない非常勤講師に対して何か手だてを考えておられますか。 162 ◯石橋教育庁財務課長 複数の学校を兼務することによりまして週当たりの勤務時間が十五時間三十分以上となり期末手当の支給が見込まれる場合には、非常勤講師本人の希望等も確認した上で、できるだけ兼務が可能となるよう関係学校間での日程調整等を行っていただくように促してまいります。 163 ◯高瀬菜穂子委員 ぜひ取り組んでいただきたいと思います。  特に、授業時間数の少ない芸術科目は、非常勤講師の先生に頼っているのではないかと思います。芸術教科における非常勤講師の割合はどのぐらいでしょうか。 164 ◯松永教育庁教職員課長 本年度、県立高校で芸術科目を担当する非常勤講師は百三十二人でありまして、芸術科目を教える教員全体の約六割になります。 165 ◯高瀬菜穂子委員 六割の先生が非常勤ということで、多いなと思います。授業時数が少ないということで正規採用の枠がなく、現状でも大変な苦労をかけている芸術科目の先生の多くが支給対象外になるのではないかということで心配をしております。  また、収入が減った場合、続けられないという声も聞いております。教員確保の観点からも、非常勤講師の年収保障をしていただきたいと思います。単価の引き上げや勤務時間の確保が必要だと思いますけれども、見解を伺います。 166 ◯石橋教育庁財務課長 非常勤講師の給与につきましては、職務給の原則、他の職員との均衡の原則等に基づきまして、常勤講師と同じ教育職給料表一級を適用することとしておりますので、これらと均衡を失するような時間単価の設定は困難と考えております。  なお、勤務時間につきましては、授業の実施や準備等に必要な時間など、学習活動に必要な業務につきまして、非常勤講師の勤務時間ができるだけ確保できるよう工夫をしてまいります。 167 ◯高瀬菜穂子委員 制度の趣旨が生かされるよう、不利益が生じないよう取り組んでいただくことを重ねてお願いしまして、質問を終わります。(拍手) 168 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。古川忠委員。 169 ◯古川 忠委員 真政会の古川でございます。  新年度からいよいよ新学習指導要領が始まります。御承知のとおり、小学校五、六年生は英語が必須科目になる、そして時間数、単位数もふえてくる、三、四年生は英語活動の時間がおりてくるということで、今、英語教育が脚光を浴びています。一方で、一人一人にタブレットを与えようという活動も、今、進んでおります。さまざまな新しい教育が始まります。プログラミング教育もそうですが。  どうしても、今、そちらの方向に目が向かいがちでございますけれども、何といっても、教育の基本に読み書きそろばん、国語教育、母語の教育が必要と私は常々思っております。  先ほど江口委員から理数系のお話もありました。しかし、私は、理数系の学習にも基本はやっぱり読解力、物事を理解して、それを演繹していく力、まさに国語に起因するところがあると思いまして、理数系が弱くなったのも、国語教育の劣化ではないかと思っております。数学の第一人者、藤原正彦さんは常に国語教育の大事さを述べておられますけれども、そこに起因するものがあるのではないかと私は思っております。  そういう中で、一般質問の中でも、西尾議員からPISAの御紹介もございました。PISAの結果で、読解力がかなり日本としては落ちているということもございました。  また、昨年度の全国学力・学習状況調査、これは福岡県でもありますけれども、その中でも国語教育──全体として教育委員会に頑張っていただいて学力は次第に伸びておりますが、そういう総体的な評価ではなくて、国語の教育そのものについて幾つか指摘がここにございます。  各設問について評価があるんですが、例えば、小学校の国語では、目的や意図に応じて自分の考えの理由を明確にし、まとめて書いたりすることに課題があるというのがありますね。これは教育庁が出された結果についての概要ですけれども。中学においても、同じような、各設問についての評価があっております。  そこで、国語教育、特にそういう課題についてどう教育委員会として感じておられるか、課長にお伺いしたいと思います。 170 ◯井上順吾委員長 一色義務教育課長。 171 ◯一色教育庁義務教育課長 国語教育また読解力につきましての認識でございます。  PISAにおきましても言われておりますのが、読解力について、判断の根拠や理由を明確にしながら自分の考えを述べることについて課題があるという指摘を受けております。  また、先ほど御紹介いただきました全国学力・学習状況調査の国語の調査結果においても、目的や意図に応じて自分の考えを明確にし、まとめて書くこと、また根拠を明確にして自分の考えを持つことなど、引き続きの課題がございます。  これらに対しては、今後も授業改善をしていくことが必要という認識をしております。 172 ◯古川 忠委員 国立教育政策研究所のデータも調べました。そうすると、国語力が「著しく劣っている」という評価が一六・一%、「劣っている」が四七・四%、合わせて六三・五%。非常にゆゆしき問題だろうと私は思っております。  一方では、新しい、英語でありますとか、いろいろな課題が出ておりまして、時間が非常にタイトになっております。その中で、国語の時間数は守られているのかどうか、そのことをお伺いしたいと思います。 173 ◯一色教育庁義務教育課長 国語教育につきましては、児童生徒の全ての活動の基盤となる重要な力を育む教科でありまして、県教育委員会としても、また各学校現場においても、重要なものと認識されていると考えております。  新学習指導要領におきまして、先ほどありました英語教育またプログラミング教育など新しい教育が導入されても、小中学校ともに国語の授業時数に増減はございません。 174 ◯古川 忠委員 時間数は確保されているということでございますけれども、特に、国語の教員が自信を持って、アクティブラーニング等ありますけれども、いろいろな工夫をしながら、国語教育、文字を読む教育をぜひともこれからも強く進めていただきたいと私は思っております。  一方で、学校の授業だけではなくて、国語の力を培うには読書が非常に大事ですよね。そういう意味で、随分前、城戸教育長がまだ義務教育課長のころだと思いますが、それこそ自民党の提案で朝読がスタートしました。朝の十分間ですか、読書をやろうということがスタートして、いまだに続いていると思いますが、現在の状況、その効果についてお尋ねしたいと思います。 175 ◯一色教育庁義務教育課長 全校一斉読書、いわゆる朝読でございますが、県内の小中学校におきましては、平成三十年度に取り組んでいる学校の割合は、小学校で九五・八%、中学校で九〇・一%でありまして、平成二十五年度と比べますと、それぞれ一・二ポイント、四・九ポイント上昇し、取り組みの浸透が図られていると認識をしております。 176 ◯古川 忠委員 ぜひ引き続き、まだやっていない学校もあるようですから、できるだけ読書の時間を確保していただきたいと思います。  一方では、物理的な時間が制約されています。それは、いわゆるスマホでありますとか、そういうものに対する子供たちの関心といいましょうか、時間の使い方でございます。学校での時間は限られております。そのほかの時間帯でいかに読書をするかという意味では、何といっても時間を確保しなければなりませんよね。  そういう意味におきましては、県の青少年育成課が調査した資料がここにございますけれども、一日に一時間から二時間未満というのは、小学校四年生で二九・八%、小学校六年生で二六・六%ですか。それから、もっとひどいのは、二時間以上三時間未満というのに至っては、小学校四年生で一六・八%、これが高学年になればなるほどふえるんですが、中学二年生で二一・二%ですね。それから、もっとひどいのが、三時間以上というのは、小学校四年生でも一六・〇%ですか。中学二年生で一三・八%ありますよね。  どう考えても、限られた時間しか我々は持っていません。一日の時間はですね。家庭に帰って。そういう意味で、かなりの時間をそういうものに割いているということは、いわゆる文字に触れる、読書をする時間がないということでございますよね。  私はかつて新聞にかかわっておりましたので特に感じますが、大人でも、電車に乗ったら、昔は一生懸命新聞を読んでいました。今は誰も新聞を読んでいませんね。みんな座ったら一生懸命スマホを見ていますが、これはただ単に情報が一行、二行出てくるだけで、いわゆる読書には当たりませんね。  本というのはその行間を読む、それが非常に大事でございまして、そういう意味では、読書の時間を何としても確保してもらいたい。  この間、香川県議会で、いろいろ議論はあったようですけれども、ネット・ゲーム依存症対策条例というものが採択されたと聞いております。四月一日からの施行。条例によりますと、十八歳未満では、ネットとコンピューターゲームの時間が六十分以内、十八歳以上では九十分以内と。こういう条例だそうでございます。  いろいろ、条例をつくることについて賛否両論あるんだと思います。また、これは必ずしも読書のためではなくて、ネット依存症対策という意味合いもありますが、私は、依存症対策だけではなくて、いわゆる子供たちに読書時間、物を考える時間を与えるためにも、一定のこのような指針が必要ではないかと思っております。特に小中学校、一番頭のやわらかいころに教育委員会として何らかの指針を示す、そして教育現場にそれを徹底させる、そのことが必要になるのではないかと思っていますが、そのことについて課長のお考えをお尋ねしたいと思います。 177 ◯一色教育庁義務教育課長 本県におきまして、児童生徒のインターネットへの過度な依存や携帯電話、スマートフォンの適正利用については、児童生徒等に対し長期休業前に指導通知を発出して、家庭に対して注意喚起を促しております。  また、インターネットの適正利用等をテーマに、保護者が児童生徒とともに規範意識について学ぶ学習会に対しまして県が外部講師を派遣することで、利用に関する情報モラル教育の充実に努めているところでございます。  引き続きこうした取り組みを図ってまいりたいと考えております。 178 ◯古川 忠委員 そのことは一般に言われていますし、親も含めて、ある程度理解していると思うんです。  ただ、条例をつくれとまでは言いませんが、具体的な指針を示す時期にあるのではないかと私は考えています。そうしないと、一般的に言われてもですね。各家庭で言うときに、ネットを使うのは一時間以内にしようやと、そういう一つの運動を進めるためにも、具体的なものが必要ではないかと思っておりますので、ぜひそういう検討をしていただきたいということを要望しておきます。  あとは私の感想になりますけれども、たまたま、うちの娘が高校を出てアメリカに行きたいというので行きました。そして、一番困ったことは何かというと、もっと国語を勉強しておけばよかったというのが彼女の一番の答えでした。いろいろ日本のことを説明するにしても、翻訳をして説明するにしても、国語力が足りないことに改めて気づいたようです。そういう話はほかにも多分あるんだろうと私は思います。  先ほど藤原正彦さんの話をしましたが、常に母語を大事にしようということを訴えておられます。それから、作家の井上ひさしさんが「母語は道具ではない、精神そのものである」という言葉をある書物の中で書いておられるのを私は読みました。  英語その他は一つのツールでしょうけれども、国語そのものは、まさに我々の気持ちをどううまく伝えてコミュニケーションをとるかと同時に、情緒を伝えるという意味合いが私はあると思います。  そういう意味では、どうしても行政というのは新しいものに流れがちですけれども、もう一回、教育の基本である母語、国語を見直すことをぜひお願いしたいと思います。  課長は間もなく文部科学省にお帰りになるでしょうから、ぜひとも国の政策としてきょうの議論を生かしていただきたい、そのことをお願いして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) 179 ◯井上順吾委員長 この際しばらく休憩します。再開は午後二時十分をめどに放送をもってお知らせします。    午 後 一 時 二 分 休 憩    午 後 二 時 十 分 再 開 180 ◯井上順吾委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  第十款教育費について、ほかに質疑はありませんか。塩川秀敏委員。 181 ◯塩川秀敏委員 自民党県議団の塩川秀敏でございます。  通告に従いまして、幾つかの教育施策について時間の許す限りただしてまいりたいと思います。全部はできないと思いますけれども、よく質問を聞きながらお答え願いたいと思います。  まず、ごらんになった方があるかもしれませんが、コロナウイルスの件で感動した一節がありましたので、皆さんに御報告したいと思います。甲府市の中学一年生、滝本妃さんは、薬局でマスクを買いそびれた高齢女性の姿に胸を痛め、山梨県に手づくりのマスク六百十二枚を送ったと。自分がためていたお年玉から八万円をおろして材料費に充てたと。いいと思いませんか。これが教育ですよね。こういう子供をつくっていかないといけない。  反面、何が書いてあるかというと、五十代の、県は申しませんが、どこかの県議会議員がネットで大量のマスクを売りさばいたと。「これは以前に仕入れた商品の在庫だ」と言うと。何と八百八十八万円あったと。その後、聞いたら、「売り上げをウイルス対策に役立てたい」と語ったそうでございますけれども。  子供に学ぶ、こういう子供をつくっていくのが教育だと、そういう意味で、感動の一節に会いましたので、まず、これを披瀝しておきたいと思います。  委員長に資料要求をお願いしたいんですが、二分の一成人式、立志式、立腰教育、弁当の日の実施状況、それと全国学力・学習状況調査の経年結果の資料を既につくっていただくようにお願いしておりますので、お取り計らいをよろしくお願いします。 182 ◯井上順吾委員長 お諮りいたします。  ただいま塩川委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 183 ◯井上順吾委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま塩川委員から要求がありました資料については提出できますか。一色義務教育課長。 184 ◯一色教育庁義務教育課長 直ちに提出いたします。 185 ◯井上順吾委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 186 ◯井上順吾委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 187 ◯井上順吾委員長 資料が配付されましたので、塩川委員、質疑を行ってください。 188 ◯塩川秀敏委員 まず、今配っていただきました二分の一成人式、立志式、立腰教育、弁当の日の資料についてでございます。  この資料見ますと、四年間で、二分の一成人式と立腰教育のほうは、本当に浸透してきていると思います。本当にありがとうございます。ただし、子供がつくる弁当の日と中学の立志式については、全体として浸透しているということは言えないと。しかも、教育事務所間の差が顕著に見受けられます。  そこで、質問でありますが、まず、これらの行事といいますか、事業の教育的意義についてどのように認識されているのか、またこれを推進するため、今後、どのような取り組みをなさるのかお答えください。
    189 ◯一色教育庁義務教育課長 二分の一成人式等、これらの取り組みの教育的意義に対する認識についてでございます。  それぞれの節目となる年に、例えば、緊張感のある儀式の体系の中で、児童生徒がみずからの志に関する意見を述べることで大人になる自覚を得たり、社会の中で生きていくための基盤となる規範を身につけたりする機会を与えるものであって、豊かな人間性を育む重要なものであり、本県の教育の基本目標と一致する意義ある取り組みであると認識をしております。  一方で、一部の地域で実施率が低下するなど課題もあることから、改めてこれらの取り組みの教育的意義を各教育事務所で行われる研修会等を通じまして市町村教育委員会に対して示し、各学校における取り組みを浸透させてまいります。 190 ◯塩川秀敏委員 今、福岡県の教育目標と一致するということを答えていただきまして、これを地教委の研修会等で徹底をさせて浸透を図りたいということでございますけれども、ここで、私は一つ提言をしておきたいと思いますが、研修会等で皆さんに浸透させるためには、二分の一成人式や立志式、立腰教育、弁当の日をじかに見たり聞いたり体験をした人が言わないと、なかなか伝わらない。皆さん方が行かれまして、これこれこれこれの事業をしっかりやってください、こんなことでは絶対に伝わらないんです。  今からその一つの例を私が申し上げます。中島教育監に御質問をしたいと思いますが、中島教育監は県教委で初めて定時制の卒業式に来ていただきました。鞍手高等学校の定時制の卒業式、私も非常に感動しまして、今まで御自身も博多青松高校や東筑高校の校長を経験されておりますが、定時制の卒業式にお出になったときの感想、行く前と行った後の感想をちょっとでいいですからお答えください。 191 ◯井上順吾委員長 中島教育監。 192 ◯中島教育庁教育監 簡潔に申し上げますと、以前、教諭のときにも福岡高校での定時制の卒業式に参加したことがあるんですが、改めまして、そういう形で先日参加させていただいたときには、本当に温かい中で生徒の成長ぶりが直接に感じられて感動いたしました。 193 ◯塩川秀敏委員 私のところの鞍手高等学校の定時制は、定員は三十名ですけど、二十数名の中で卒業するのは一桁です。その子供たちに温かい言葉、あるいはそこまで持ってきてくれた先生方に言葉をかけるということが非常に重要なことだと私は思うわけでございます。  田中高校教育課長も参加をしています。一言お願いします。 194 ◯井上順吾委員長 田中高校教育課長。 195 ◯田中教育庁高校教育課長 私は、昨年度、行かせていただきました。正直に申し上げまして、定時制は人数が少のうございます。四百人卒業する学校よりも感動は少ないのではないかと事前に思っておりました。ただ、不器用ながらも、一桁の卒業生ではありますが、心のこもった言葉を先生方に語りかける、また校長先生初め一人一人、生徒に対して温かい声をかける、非常に温かい卒業式でございました。 196 ◯塩川秀敏委員 そういうふうに、何となくそうではないかということがわかっていても、現場で感じられた人たちが定時制の卒業式はこうですよと言われるのと、ただ定時制の卒業式はこうですよと言うのは、全然気持ちが違うわけです。ですから、こういうことをこれから皆さんに浸透させていくためには、ぜひこれを言われる方にこの現場を見ていただきたい。  これは教育委員会の最大の課題だろうと思います。実は、こういうことが教育なんです。いじめとか不登校とかは対策です。でも、こういう事業をすることによって子供たちが育つ中でいじめとか不登校がなくなっていくと。ぜひ、教育問題対策委員会ではなくて、教育委員会に大きな一歩を踏み出していただきたいと思うところであります。  次に参ります。次は、全国学力・学習状況調査の資料について伺いたいと思います。  テストが始まりまして十三年になりますが、県は平成二十五年に全国平均を突破するということを掲げておりましたけれども、なかなか厳しい状況にあります。この表を見てわかりますように、皆さん方、自分が住んであるところを見てください。どういう状況かおわかりだと思います。特に、上が小学生、下が中学生ですので、中学校になってまだ下がっている。  そこで、質問したいと思いますが、福岡教育事務所管内以外の中学校での学力というのは小学校のときより下がっていると私は思っているわけですが、その理由と対策についてお答えください。 197 ◯一色教育庁義務教育課長 県内におきまして、小学校からの学びを中学校で伸ばし切れていないのは本県の従来からの課題と認識しておりまして、これは、小学校に比べ、中学校は学校総体としての組織的な授業改善が図られていないということに主な原因があると考えております。  そのため、県教育委員会としましては、平成二十九年度から、学力向上に取り組む中学校を拠点校として指定をした研究授業を行っておりまして、その結果として、校長のリーダーシップのもと全職員が一体となって取り組む組織づくりというものができておりまして、学力向上の兆しが見えてきた学校もその中から出てきております。  今後は、その成果をさらに全県下へ普及させるとともに、次年度以降も新たな拠点校を指定し、小中学校をつないだ授業改善を重点的に研究し、その成果もあわせて各地区に浸透させてまいります。 198 ◯塩川秀敏委員 中学校で学力が下がってきている。あるいは、これは質問しませんでしたが、教育事務所ごとにいろいろな課題がある。  一つ押さえておいていただきたいのは、一般的に言われるのは、何か経済的なことと学力が相対しているような話があるんですが、私の知っている限り、福岡県である町が小学校で一番になりました。圧倒的に福岡県の平均よりも全国平均よりも青森県の平均よりも高い。十点から十六点、十一点、具体的には申し上げませんが、これぐらい高い平均点、正答率を出しております。そこは非常に経済的にも苦しいし、非常に母子家庭が多かった、いろいろな課題を抱えたところでございますけれども、県下でトップです。ここを押さえていただきたいですね。  ここの教育長といろいろ話をするんですが、実にすばらしい教育長で、上手に先生方とコミュニケーションをとりながらやっています。だから、何かここは家庭がこうだからとか地域がこうだからということで決めつけることなく、何が言いたいかというと、先生方の対応によって変わるということです。  先ほどの例、これは先ほど松尾委員、大塚委員が言われましたけれども、特に大塚委員の資料を見ますと、いじめの一番の相談対象は誰ですか、義務教育課長。もう資料がないか。 199 ◯一色教育庁義務教育課長 主に学校の担任になります。 200 ◯塩川秀敏委員 そこなんです。これを見ますと八割。これは複数回答ですけどね。そして、担任以外の教職員が一割を超えている。何と、高いお金を出しているスクールカウンセラーは実に低い。  だから、子供たちがいじめとか不登校──不登校というのは、学校に来た子が来なくなるんですよ。これが不登校です。学校に来ない子の問題ではなくて、来た子が来なくなるということは、やっぱり担任です。担任がどう接していくか、いじめの相談にどう乗るか。  そして、先ほど江口委員からもありましたように、数学が嫌いとか算数が好きとかいうのは、先生がどれだけ楽しい授業をして生徒にわからせるか、先生次第でしょう。  教育委員会の予算の九〇%近くは人件費です。こういう意味で、先生をいかに育てていくかということが重要と思うんですが、副教育長、どんなふうにお考えですか。 201 ◯井上順吾委員長 吉田副教育長。 202 ◯吉田教育庁副教育長 教育は人なりと昔から申しておりますけれども、教育の要諦と申しますのは、先生と子供たちの間の相互作用にあるわけでございまして、やはり教員の能力、愛情、熱意といったものが子供に与える影響というのは物すごく大きいものがありまして、そういう意味では、教師こそ教育のかなめというようなことが言えると思います。 203 ◯塩川秀敏委員 そこで、もう一つ義務教育課長に聞きたいんですけれども。私が以前質問したときに、学習指導要領の改訂で学び直しというのがありましたけれども、現実に、高等学校に入ってくる生徒の学び直しを超えた学び直しがあるんです。今、データ的に見ますと二割ぐらい。そして、その対策用のテキストをつくっているのもそれぐらいあります。どういうことかというと、高校に入ってきて、その学び直し用のテキストを見ますと、九足す二はから書いてあるんです。こんなことは学び直しではないと思うんです。  だから、大事なのは、要するに、義務教育段階での学習内容を確実に定着させてもらいたい。こういうことに対してどういう対策をとられていますか。 204 ◯一色教育庁義務教育課長 どの地域、どの学校で学んでも、全ての児童生徒が義務教育段階で身につけるべき学力をしっかりと育むことは当然のことと考えております。  そのため、各学校が児童生徒の学力の状況に応じて充実した指導ができるよう県の学力調査報告書において四つの学力層に着目した分析方法を提供するとともに、各学力層に応じて効果的に学習支援を行っている先進事例を示し、各学校で実情に応じた創意工夫が行えるよう支援を行ってまいりました。  さらに、次年度からは、児童生徒が算数・数学において単元のどの段階でつまずいたかを把握できるような問題集を作成、配付し、個々人の習熟度に応じた学習が展開できるよう支援を行ってまいります。 205 ◯塩川秀敏委員 一色課長におかれましては、今おっしゃいましたように、来年度から、学校教育到達度診断シートというものをつくっていただきまして、これが使われるそうでございますので、どこで子供がつまずいているのか、それがわかった後、どう対策をするかと、非常に大きな一歩を踏み出していただきましたことを本当に心から感謝申し上げます。  これまで教育課長である家宇治さんに基礎基本を含む活用力を育成する教材集というものをつくっていただきまして、これで前で言うBの問題の力がついてきたということでございますので、これは期待をしていきたいと思っているところでございます。  時間が迫ってまいりましたので、社会教育課長にちょっとお願いをしたいと思います。  少し教育委員会が頑張っていること、俗に言う体力テストがありますが、平成二十二年の段階で、小学校の男子は三十八位、女子が四十三位、中学校の男子が四十二位、女子が四十六位でしたけど、今は、小学校の男子は十位、ここで拍手が起こってもいいと思いますが、そして女子は二十一位、中学校の男子は十二位、四十二位から十二位まで上がって、女子は四十六位から十八位まで、これは体育スポーツ健康課の取り組みが功を奏したのだと思いますが、やっぱり子供たちは遊びながらどんどん力をつけていくということの証明ではないかと思って、これは感謝をするところでございます。  そこで、時間が来ておりますが、社会教育活動事業について、これだけはちょっとね。今回、一億五千万円余の予算をつけてもらっていますよね。これは前の倍になっているわけです。非常に期待が大きいと思うんです。このことについて課長の所感を伺いたいと思います。 206 ◯井上順吾委員長 富松社会教育課長。 207 ◯富松教育庁社会教育課長 地域学校協働活動事業に関する所感についてでございます。  本事業は、令和四年度までに全校区をカバーして地域学校協働活動を実施することを目標に掲げております。  また、地域における人づくりやきずなづくり、地域全体で子供の成長と学びを支える体制づくりを整備するものでございまして、特に、教師が子供と向き合う時間の確保といった教員の働き方改革に関する重要な取り組みの一つと認識しております。  このため、来年度は、委員御指摘のとおり、大幅な予算増をお願いしておりまして、その着実な執行について責任の大きさを痛感しております。  来年度以降、これまでの成果や事業効果等を市町村教育長会議、課長会議はもとより担当者への事業説明等で周知を図りますとともに、私自身も直接市町村教育委員会へ出向くなど、全校区での実施に向けまして全力で取り組んでまいる所存でございます。 208 ◯塩川秀敏委員 ぜひ予算を全部使っていただくように頑張っていただきたいと思うところでございます。  時間が来ましたので、あと高校教育課長と教職員課長に伺うことにしておりましたけど、まだ人生は長いですので、この次のときにさせていただきたいと思います。  最後に、副教育長に伺いたいと思います。  昭和五十七年に入庁とお聞きしておりますが、三十八年間、最後の三年間は副教育長として、行政一筋に御苦労さまでございました。本当にありがとうございました。  また、私個人も大変お世話になりまして、行政面にふなれな私を根気よく愛情を持って育てていただきましたことにまことに感謝を申し上げるところでございます。  本論に入ります。ここで、長年の行政経験をお持ちの副教育長に、現下の教育委員会の最重要課題などについて所見をお聞きしたいと思います。 209 ◯吉田教育庁副教育長 委員には、御配慮あふれる御発言を賜りまして、まことにありがとうございました。  最重要課題ということでございますが、本当にさまざま、教育委員会は課題山積でございます。しかしながら、私は、最重要と申しますのは、先ほども少し話が出ましたけれども、教師の力をいかにつけるかということだと思います。今、本県はベテラン教員が大量に退職をしておりまして、全体としては教育力が減衰していると言ってもいいのではないかと思います。  そうした中でどうするかと。よく委員はこうおっしゃいました。よき教育のためには、教師の個性、なかんずく教師の感性を伸ばすことが重要であるんだと。子供たちはその個性とか感性に引きつけられて、そうした先生を尊敬して、そのもとで大きく成長するんだと。教育委員会は対策に追われるのではなくて、そうした教師を生み出すような教育環境をつくることに尽力せよということでございました。  私も、これは至言、そのとおりだろうと思っております。教育は目に見えるものではございません。その成果は目に見えません。しかし、これからの福岡県の十年後、二十年後に向けまして、尊敬される教師を一人でも多く輩出できる、そういう行政としての取り組みをやっていかなければならないと思っております。  以上でございます。 210 ◯塩川秀敏委員 今、本当に現下の課題について的確にお答えいただきまして、ありがとうございました。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 211 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。後藤香織委員。 212 ◯後藤香織委員 民主県政クラブ県議団の後藤香織です。  学校給食における安心・安全な食材の提供について、給食費、食材の流通、この二つの観点から質問をさせていただきます。  まずは、給食費についてです。  学校給食は、明治二十二年に、貧困児童を対象に山形県で始まったとされています。今や全国の公立小学校の九九・三%で完全給食が実施され、子供たちの健康を担う欠かせないものになっています。  そこで、初めに、本県の公立小中学校の給食費の状況をお示しください。あわせて、十年前と比較してどのような状況になっているのでしょうか、お聞きいたします。 213 ◯井上順吾委員長 稲富体育スポーツ健康課長。 214 ◯稲富教育庁体育スポーツ健康課長 文部科学省が実施しております学校給食実施状況等調査によりますと、本県の公立学校における平成三十年度の学校給食費の平均月額は、小学校で三千九百六十七円、中学校で四千六百三十二円となっております。  また、平成二十年度におきましては、小学校で三千六百四十三円でございまして、この十年間で三百二十四円、率にいたしまして八・九%増加をしております。同様に、中学校におきましては四千二百六十八円であり、この十年間で三百六十四円、率にして八・五%増加をしております。  なお、全国平均におきましても同様の傾向が見られているところでございます。 215 ◯後藤香織委員 給食費は、十年前と比較しても増加傾向にあるということでした。  福岡県内では、来年度四月から複数の市町村が給食費の値上げを決めています。その値上げ額は、例えば、北九州市では小学校で四百円、中学校で五百円となっています。値上げの理由は、ホームページによると、消費税増税、食材価格の高騰、学校給食摂取基準の改定によりエネルギー量の増加が必要なことなどを挙げています。  この給食費ですが、各市町村が栄養量や食品構成等から算出をしており、このときに児童生徒一食当たりの給食費というものも算出をされています。この一食当たりの給食費の内訳についてですが、米飯やパンといった主食、牛乳、おかず代の三つから成っています。  このうち主食と牛乳は県内同一で調達をしており、また消費増税や食材の価格の高騰があっても、基本物資として欠かすことができないことから、各自治体では、これまでもおかずの部分を工夫することで給食費を維持しつつ学校給食を提供してきました。例えば、カレーの牛肉を豚肉にかえたり、デザートや果物の回数を減らすなどといったことをしているようです。  しかし、摂取基準を満たし、教育力のある献立にするためには、やむを得ず、値上げをせざるを得ない状況となっています。学校給食にかかわる皆さんが大変な努力をしていることを承知していますが、値上げをしなかった場合、おかず代にしわ寄せが来て、食材の質の低下、献立が質素になるなど、子供たちの楽しみが減るような状況になっていないか懸念をしているところです。  現状、県といたしましては、地産地消を推奨する立場から、県産米の元気つくしや夢つくしの学校給食への導入について支援していることを承知しています。そこで、このほかに県教育委員会として市町村教育委員会に対してどのように学校給食の運営を支援しているのでしょうか。また、これまで申し上げたような価格の高騰や安心・安全な食材の確保に鑑み、県単費での支援をしてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。 216 ◯稲富教育庁体育スポーツ健康課長 県教育委員会におきましては、政令市を除く市町村教育委員会に対しまして、学校給食の衛生管理に関する指導助言や栄養教諭等に研修を行うことによります人材育成などの支援を行っております。  なお、財政支援という点に関しましては、学校給食費は、学校給食法によりまして保護者が負担することとなっており、経済的理由により負担が厳しい保護者に対しましては生活保護や就学援助制度による支援がなされております。  学校給食費へのさらなる支援につきましては、第一義的には国が検討するものと考えておりますが、実施主体であります市町村が地域の実情や課題に応じて無償化や保護者負担軽減策を決定することは可能でございます。  県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会に対しまして就学援助制度の周知徹底を指導するとともに、今後とも、国の動向や参考となる自治体の取り組みについて情報提供をしてまいります。 217 ◯後藤香織委員 県による財政支援は難しいと思いますが、学校給食で何とか栄養を賄っている児童生徒もいると聞いています。子供の貧困対策という意味でも、今後、ぜひ学校給食費への県の支援を検討していただきたく要望をさせていただきます。  次に、食材の流通について、その一部を担っている公益財団法人福岡県学校給食会についてお伺いをします。  まずは、福岡県学校給食会の役割についてお伺いをいたします。 218 ◯稲富教育庁体育スポーツ健康課長 公益財団法人福岡県学校給食会は、県内の学校へ米や牛乳、冷凍食品や加工品といった物資を供給するなど、安全で安心な学校給食用物資を安定的に供給する役割を担っております。  また、県教育委員会とともに、給食調理員によります料理コンクールや子供と保護者がともに食に対する意識を高める学校給食フェア、保護者を対象とした研修会を開催するなど、食育の推進、学校給食の普及充実に取り組まれております。 219 ◯後藤香織委員 お答えいただきましたように、県学校給食会では、お米や牛乳、おかずとなるもののうち冷凍食品や加工品などを取り扱っているとのことでした。  そこで、食材の流れについてお伺いしたいのですが、例えばお米は、JAなどから出荷されて、精米されてから実際に給食として並ぶまでの工程や日数はどうなっているのでしょうか、お聞きいたします。 220 ◯稲富教育庁体育スポーツ健康課長 多くの学校におきましては、精米工場で精米をされました後、学校へ直接納品をされておりますが、この場合、精米後三日から四日程度で学校へ納品されております。また、一部の学校におきましては、配送手段の関係で、精米工場で精米された後、県学校給食会を経由して学校へ納品されておりますが、この場合、精米後一週間程度で学校へ納品されております。  なお、学校への納品後、実際に給食に提供されるまでの期間は、児童生徒数や保管庫の広さ等により学校ごとに異なっております。 221 ◯後藤香織委員 お米の流れについてわかりました。  学校給食法では、学校給食関係者の七つの目標というものに「食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと」とあります。私は、食材の流通については、トレーサビリティーの概念、つまり追跡可能性が重要だと考えます。これにより、万が一、食品事故や産地偽装が起きたときに、原因究明が速やかになり、責任の所在を明確にすることができます。  これまでも、学校給食においては、米飯への虫の混入など食品事故が起きており、学校給食施設での衛生管理の徹底がなされてきました。しかし、二〇一七年に東京都で起きた刻みノリが関与した食中毒事件では、調理場での衛生管理等が問題だったわけではなく、食材の出荷の過程で既に食品の汚染が起きていたものでした。  衛生管理も重要ですが、こういった事例からも、食材の流通の一端を担う県学校給食会においては、トレーサビリティーの取り組みが必要だと考えます。  そこで、県学校給食会では、現状、食材の移動の把握や記録はどのようにして行われているのでしょうか。また、食品事故等があった場合に、遡及、追跡して原因究明を円滑に行う仕組みは構築されているのでしょうか、お答えください。 222 ◯稲富教育庁体育スポーツ健康課長 学校給食会で取り扱う学校給食用食材の産地情報については、県学校給食会が、毎年、各仕入れ先より提出されました書面で把握をしております。  また、仕入れ先は出荷記録を賞味期限や製造ロットなどで管理をしており、県学校給食会は、食材の入庫時には、数量や賞味期限等をシステムへ登録するとともに、冷蔵・冷凍品については配送車の庫内温度及び食材そのものの温度の測定、記録を行っております。さらに、学校への出荷時には、納品伝票を学校に発行いたしまして、どこの学校に何を出荷したのかをシステム上で管理しております。  なお、異物混入などの事故が発生した場合の対応につきましては、学校や共同調理場から県学校給食会へ事故の内容、賞味期限等の連絡を行い、その連絡をもとに、県学校給食会が各仕入れ先へ追跡と原因の追求を行っているところでございます。 223 ◯後藤香織委員 県学校給食会でのシステムにおいて一元管理をきちんとされているとのことで安心をいたしました。万が一、食品事故が起きた場合にきちんと原因究明ができる体制を今後もしっかりと整えていただきたいと思います。  次に、情報公開についてお聞きします。  今回、私は質問に当たり、県学校給食会を視察いたしました。  その際に、ホームページを拝見させていただきましたが、率直に言いますと、内容が漠然としていてわかりづらいと感じました。例えば、ホームページでは、取り扱い物資の紹介もされています。取り扱い物資については、二〇一九年の予算特別委員会の中でも言及がありましたが、米と牛乳以外に五百六十二品目あるとのことです。しかし、ホームページ上にはその一部しか掲載されておらず、原材料の産地情報なども全てに記載があるわけではありません。
     県学校給食会のホームページを見る人というのは、かなり学校給食に関心を持っている方だと思います。だからこそ、その方たちにとっては、欲しい情報を得られないと感じるのではないかと思います。  そこで、利用者や保護者等に安心してもらうためにも、また、トレーサビリティーの概念からも、その食材がどの市町村の学校給食に使われているかなど、流通についても情報公開をするとともに、わかりやすく親しみやすいホームページに改良するように助言してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。 224 ◯稲富教育庁体育スポーツ健康課長 現在、県学校給食会のホームページにおきまして、米については、地元JAの米をその地域の学校へ供給するとともに、牛乳についても、県産の牛乳を使用していることを掲載しております。また、冷凍食品や加工品につきましても、九州各県で共同購入している食材や県内の給食関係者の意見をもとに開発した食材などについてその企画等を掲載しております。  基本的には、各学校が県学校給食会以外から調達したものも含め、使用した食材の産地等を子供や保護者に伝えていただきたいと考えておりますが、県学校給食会が取り扱う食材の流通や産地等のよりわかりやすい情報公開に関しまして御指摘があったことにつきましては県学校給食会に伝えてまいりたいと考えております。 225 ◯後藤香織委員 給食の安心・安全には情報公開が欠かせないと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。  最後に、安心・安全な給食の食材の確保に向けた副教育長の決意をよろしくお願いいたします。 226 ◯井上順吾委員長 吉田副教育長。 227 ◯吉田教育庁副教育長 学校給食が安全であることは不可欠でございまして、使用する食材の安全性には特に気を配る必要がございます。  現在、県の学校給食会が扱っております学校給食用の食材につきましては、産地情報のホームページへの掲載を行いますとともに、細菌検査などの食品検査を実施しておりまして、県学校給食会としても、安全・安心な食材の提供に努めているところでございます。  また、さらなる情報公開やホームページの改良ということでございますが、これにつきましては、今、課長が申し上げましたとおり、今後、県学校給食会に伝えてまいりたいと考えております。  今後とも、子供たちが毎日安心をして給食を食べられますよう、調理上の衛生管理等を含め、学校給食の安全性の確保に一層努めてまいりたいと考えております。 228 ◯後藤香織委員 子供たちの安心・安全な給食のため、どうぞよろしくお願いいたします。終わります。(拍手) 229 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。二宮眞盛委員。 230 ◯二宮眞盛委員 公明党の二宮眞盛です。それでは、通告いたしておりますGIGAスクール構想について質問をさせていただきたいと思いますけれども、きょうは教育現場の話で、国語力の低下という話もございました。ただ一方で、ICTをめぐることも教育現場で求められ、この四月からいよいよ本格的に始まろうとしている状況でございます。ICTを適切に使いこなす力は今や、先ほど読み書きそろばんという話もございましたが、これも同じように必須という位置づけになるのではなかろうかと思います。  そこで、まず第一点目に、改めましてこの学校のICT化の目的と必要性について話をお伺いしたいと思います。 231 ◯井上順吾委員長 池松施設課長。 232 ◯池松教育庁施設課長 来年度から順次改訂されます学習指導要領におきまして、情報活用能力が学習の基盤となる資質・能力と位置づけられ、小学校におきましてはプログラミング教育が必修化されるなど、今後の学習活動において積極的にICTを活用することが想定されております。また、国は、全国一律のICT環境の整備に向け、学校におきます高速大容量の通信ネットワークと義務教育段階の児童生徒一人一人へのタブレット型パソコンなどの端末整備を内容としたいわゆるGIGAスクール構想の実現を昨年末に打ち出しております。  一方で、本県市町村立学校のICT環境の整備は、全国に比べおくれている状況にございます。このため、今後、各小中学校における新学習指導要領への対応やデジタル教科書の導入拡大、さらには多様な子供たちへの個別最適化された教育環境の実現などのためにも、学校のICT環境の整備を急ぐ必要があると認識しております。 233 ◯二宮眞盛委員 先生方、また子供たちがコンピューターを効果的に使っていくためには、通信ネットワークの環境が不可欠なわけでありますけれども、小中学校のICT化を含めた教育環境整備は、主体的には各市町村が行っていくものでありますけれども、小中学校の通信ネットワーク環境をどのように整備されていく見込みとなっているのでしょうか。 234 ◯池松教育庁施設課長 国は、GIGAスクール構想の実現に向けまして、各学校における高速大容量の校内通信ネットワークを令和二年度中に整備するため、各自治体に対して必要な補助等を講じるということにしております。県教育委員会といたしましては、これまで各市町村教育委員会の教育長や担当者に対する説明会、さらには、副市町村長会議等の場におきまして、今回の国の補助等を活用した環境整備の必要性を説明し、各市町村教育委員会への必要な助言も行ってきたところでございます。現時点におきまして、県内全ての市町村で国の補助等を活用した校内通信ネットワークの整備を予定していることから、令和二年度中には各小中学校において必要なネットワーク環境が整備される見込みとなっております。 235 ◯二宮眞盛委員 このGIGAスクール構想の実現では、義務教育段階の児童生徒のお一人お一人にタブレット型のパソコンを整備することになっています。国の計画では令和五年までの実現を目指していますけれども、本県としてどのように整備していく計画でしょうか。  そしてまた、これは文科省のほうからの事務連絡では、小学校五、六年生、中学校一年生及び特別支援学校を可能な限り優先して、他の学年については特別支援学級を優先するとの注意が通達されていると思いますけれども、このことは反映されているのでしょうか、お尋ねします。 236 ◯池松教育庁施設課長 国におきましては、令和五年度までの段階的な整備を計画しており、令和二年度におきましては小学校五、六年生、中学校一年生、そして特別支援学校等の児童生徒への整備に必要な予算が確保されていると聞いております。令和五年度までにどのように整備していくのかにつきましては、各市町村が主体的に計画することになりますが、県教育委員会といたしましては、国の計画にのっとった整備を各市町村教育委員会にお願いしてきたところでございます。  なお、令和二年度につきましては、現時点で、四十九市町村で対象学年の児童生徒へのパソコン整備が計画されております。 237 ◯二宮眞盛委員 タブレット型のパソコンの購入に関しては、リースという考え方でよろしいのですかね。 238 ◯池松教育庁施設課長 基本的にリースのほうが多いかと思いますけれども、購入の場合もあり得ます。 239 ◯二宮眞盛委員 これは県内で市町村によって格差が生じるといけないと判断をするんですけれども、県内全域での共同調達というものを進めるべきと考えますが、どのように取り組んでいきますか。 240 ◯池松教育庁施設課長 共同調達は、市町村での事務の手続の効率化や知見の少ない市町村でも容易に整備が可能となりますことから、本県においても検討しているところでございます。また、整備いたしますパソコンを具体的に検討できるように、ウィンドウズ、アイパッド、クローム、これらについて、各メーカーからそれぞれのパソコンの特徴や活用方法を直接聞く場を先月設けたところでございます。今後は、共同調達を希望する市町村を募り、必要なパソコンの種類、台数、整備方法等を把握した上で、具体の調達に向けた手続等について検討を進めていく考えでございます。 241 ◯二宮眞盛委員 ぜひ格差が生じないような方向を示していただきたいと思います。  先ほど塩川委員のほうからも熱く教師の皆さんの資質ということを語られておりましたけれども、どういうふうにして子供たちにこれを教えていくのかという教育力が非常に大切になってくるのだと思います。教師の皆さんが教育活動のさまざまな場面でICTを効果的に活用できるために、どのように取り組んでいくのかをお聞きしたいと思います。 242 ◯井上順吾委員長 一色義務教育課長。 243 ◯一色教育庁義務教育課長 本県では平成二十九年度から三年間、小学校一校と中学校一校を対象にタブレットや実物投影機等のICTを効果的に活用した授業改善に関する研究に取り組み、今年度、その実践成果を研究発表会等を通して、広く県内に周知を行ってまいりました。  令和二年度からは、新たに学校を指定して、三年間、一人一台端末の環境のもとで、児童生徒一人一人の興味関心や理解度に応じて個別最適化された学びを実現するための指導方法等について研究をしてまいります。  また、教員のICT活用スキルの向上を図るために、今年度からプログラミング教育を中心とした教員研修を実施しており、次年度からは、こうした取り組みに加え、県外の先進校や県内のIT関連企業に長期研修員を派遣するとともに、各地域のICT環境整備の核となる教員を育成する研修など、ICT活用スキルの高い教員を育てる方策について研究してまいります。 244 ◯二宮眞盛委員 ICT環境の充実を図る中で、もう一つの効果も論じられているわけであります。教員の皆さんの業務負担を軽減していき、かつ、子供たちと向かい合う時間をより多くとることができるということが改革として推進できるのではないかと思います。  学校のICT化にどのように、こういったことを含めて取り組んでいくのかをお聞きしたいと思います。 245 ◯池松教育庁施設課長 先生方は授業に関する業務以外にも成績処理や通知表の作成等の作業を行っておりますが、これらの作業を効率化するため、児童生徒のさまざまな情報を一元管理いたします、いわゆる統合型校務支援システムの導入を国から求められている状況でございます。このシステムにつきましては、県立学校におきましても、本年十月から全校で導入することとしておりますが、本県全体におきます整備率は、昨年三月現在で六三%にとどまっておりますことから、導入済みの市町村の活用状況を情報提供するなど、今後とも各市町村教育委員会に対し、システムの導入を促してまいりたいと考えております。  また、今回の高速大容量の通信ネットワーク環境の整備により、例えば、教員研修や各種説明会などをそれぞれの学校のパソコンへ配信したり、動画の視聴により実施することも可能となってくるということが見込まれますので、教員の業務負担軽減のためにも、このような取り組みについて研究してまいりたいと考えております。 246 ◯二宮眞盛委員 それとあわせまして、子供たち一人一人の変容を見取りながら最適な学びが可能となるような環境を実現できるように、教師の数自体をどのように確保していくのかが非常に重要な問題だと思っておりまして、お尋ねしたいと思います。 247 ◯井上順吾委員長 松永教職員課長。 248 ◯松永教育庁教職員課長 一人一人の子供への教育の質を高める上で、その基礎的な条件であります教職員定数の充実・確保は、重要な要素であろうと考えております。現在、国におきましても、専科指導の推進、あるいは特別支援教育の充実など、きめ細かな指導を行うための定数改善が図られております。県といたしましては、こうした教員定数の効果的な配置・活用を行いながら、教育環境の整備・充実を図ってまいりたいと考えております。 249 ◯二宮眞盛委員 次に、情報モラル教育の充実や有害情報対策などにも取り組んでいくことが一層重要になると考えます。情報モラル教育の充実や有害情報対策などにどのように取り組んでいくのか説明をお願いしたいと思います。 250 ◯一色教育庁義務教育課長 各学校における情報モラルに関する指導では、道徳科や技術科を初め、各教科等の学習を通じてネットワーク上のルールやマナーを守ることが大切であることや、情報には誤ったものや危険なものがあるということについての理解を深めるように取り組んでおります。  また本県では、インターネットの適正利用等をテーマに、保護者が児童生徒とともに規範意識について学ぶ学習会に外部講師を派遣し、情報モラル教育の充実に努めております。引き続き、児童生徒がインターネットを適正に利用する能力を身につけることができるよう、情報モラル教育の充実に努めてまいります。 251 ◯二宮眞盛委員 ICT機器というのは、障がいのある子供たちにとりまして一人一人に応じた最適で効果的な学びを提供するために役立つということにとどまらず、情報保障やコミュニケーションツールとしても重要なものです。また、遠隔教育は、病気療養中の子供たちの学習機会の確保にも資するものです。このように、特別支援教育の充実に際してICTは欠かせないものになっています。これはお認めいただけると思いますけれども、特別支援教育におけるICT活用について、今からどのように取り組まれていくのか説明を求めます。 252 ◯井上順吾委員長 井手特別支援教育課長。 253 ◯井手教育庁特別支援教育課長 ICT機器は、障がいのある児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた授業を行ったり教材を提供したりする上で、非常に有用であると考えられます。このため、特別支援学校において教員がICTを適切に活用する能力を向上させることや、学校全体で組織的にICTの活用を推進することが重要であると考えております。県教育委員会では、今後、教員がICTを活用した授業づくりに関する研修を受ける機会を拡充するとともに、各学校のICT活用推進体制の整備を図り、あわせて、これらについての実践的な研究を進めてまいります。 254 ◯二宮眞盛委員 ありがとうございました。小中学校のICT環境の飛躍的な充実とあわせまして、ICTを効果的に活用した豊かな学びの実現を目指して、ぜひ全力を尽くしていただきたいということを要望させていただきたいと思います。  最後に、副教育長の感想といいましょうか、決意と申しましょうか、お話をお聞きできたらと思います。よろしくお願いします。 255 ◯井上順吾委員長 吉田副教育長。 256 ◯吉田教育庁副教育長 今、委員のほうから、学校におけるICTの活用に向けたさまざまな課題について御質問いただいたところでございます。県教育委員会といたしましては、現在、国が進めておりますGIGAスクール構想を実現して、ICTのよさを最大限に生かした教育の環境を構築していくことが急務と考えておりまして、今、鋭意その作業を進めておるところでございます。引き続き、市町村教育委員会に対しましても必要な情報の提供や助言を行いますとともに、教員の指導力の向上を図る研修、授業場面でのICTの効果的な活用等の研究を進めまして、学校を支援してまいりたいと考えております。  また、整備後のパソコンの更新費用なども課題でございます。そういったことにつきましても、継続的に今後支援が行えるよう、国に対してしっかり要望してまいりたいと考えております。 257 ◯二宮眞盛委員 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) 258 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。大島道人委員。 259 ◯大島道人委員 自民党県議団の大島でございます。通告に従いまして、県立図書館の活用と役割について質問をしたいと思います。  先ほど塩川委員の補助につきまして、大幅に時間をオーバーしておりますので、前置き等は省いて質問をやりたいと。時間短縮に努めますので、よろしくお願いします。  まず、県民に対する図書館サービスの充実のため、県立図書館は市町村立図書館とどのような連携・協力、また支援を行っているのか、具体例をお示しください。 260 ◯井上順吾委員長 富松社会教育課長。 261 ◯富松教育庁社会教育課長 県立図書館と市町村立図書館とは、指定館受け取り返却サービス、あるいは相互貸借といったサービスのほか、図書館職員の研修会、電子化・デジタル化促進に向けました助言などの連携・協力、支援を行っております。  指定館受け取り返却サービスと申しますのは、県立図書館に来館せずに、利用しやすい身近な図書館で県立図書館所蔵の図書資料を借り受け・返却できるものでございます。五十三市町村で五十三館が参加をしております。  相互貸借、これは県内の図書館が自館に所蔵していない図書資料を他館から借り受けることができるものでございます。全六十市町村で、計百二十六館が参加しております。 262 ◯大島道人委員 私も、先ほど説明にありました県立図書館の相互貸借システムを利用して、地元の図書館で遠く離れた図書館が所蔵する本を借りてみました。実際本が届くまでに一カ月程度時間がかかりました。なぜそこまで時間がかかるのかお伺いいたします。 263 ◯富松教育庁社会教育課長 相互貸借では、リクエストに基づきまして、所蔵する図書館から、一旦、県立図書館を経由して、借り受けをする図書館に配送いたしまして、そこで貸し出し手続を行うことになります。配送・集荷は週に一度、県立図書館が行っておりまして、リクエストから借り受けまで一週間から二週間の期間を要します。また、希望の図書資料が貸し出し中の場合には、返却されるまで貸し出しができないということになります。このことから、相互貸借の場合は一定の時間を要しているものでございます。 264 ◯大島道人委員 わざわざ箱崎まで持っていくのではなくて、県立図書館を経由するルートとは別に、地域内の市町村での相互貸借の枠組みをつくって、その中で配送を行えば時間も短縮でき、もっとスムーズな図書資料の配送が行えるのではないかと思うんですけど、お答えください。 265 ◯富松教育庁社会教育課長 県内には、現在、県立図書館を中心とした相互貸借以外に、筑紫地区など三地域で独自に相互貸借のサービスを行っております。これらの地域では貸し出しまでの時間がより短縮されまして、サービスの充実が図られているものと認識しております。  一方で課題といたしまして、蔵書の構成が似通っている図書館で相互貸借を行っても、利用者が利用できる蔵書の幅が広がらないといった課題も考えられます。このため、この三地域の取り組みの成果や課題を踏まえまして、今後、これらの取り組み、広域的な図書館の利用につきまして研究を行ってまいりたいと考えております。 266 ◯大島道人委員 そのほかにも相互貸借を充実させる取り組みとして、県立図書館が行っている市町村への集荷・配送を週一回ではなく、例えば週二回とするなど、回数をふやしてはどうかと思います。回数をふやすとなると、当然、費用も増加することになりますが、増加する費用の一部を市町村に負担していただくなどの取り組みを行ってはどうかと思いますが、お答え願います。 267 ◯富松教育庁社会教育課長 回数をふやすことは、利便性の向上につながるものと認識しております。一方で、費用の一部を負担していただくということになりますと、市町村にとりましては図書資料購入費の削減といったサービスの低下、あるいは業務量の増加につながることも考えられます。こうした取り組みを進めるためには、市町村の意見を反映させる必要があると考えますことから、来年度、令和二年度から市町村の意見を聞く機会を設けていきたいと考えております。 268 ◯大島道人委員 それでは次に、図書館の電子化、デジタル化にはどういうものがあるかお答え願います。 269 ◯富松教育庁社会教育課長 電子書籍の導入、それから蔵書のデジタルアーカイブ化といったものがございます。  電子書籍とは、紙ではなくデジタルデータで作成されます出版物のことでございます。電子書籍端末と呼ばれます専用機器やパソコン、スマートフォンで読むことができるものでございます。都道府県では、秋田県立図書館を初め七都県で導入されております。県立図書館におきましては、令和二年度、来年度からの導入を進めてまいりたいと考えております。  蔵書のデジタルアーカイブ化とは、資料をデジタル資料として記録、保存し、インターネットなどを用いて提供するものでございます。県立図書館では、現在、貴重資料、郷土資料約五百点をデジタル化いたしまして、公開しております。今後も取り組みを進めてまいりたいと考えております。 270 ◯大島道人委員 その電子書籍、また蔵書のデジタルアーカイブ化について、市町村の導入状況や今後の推進に関して、県立図書館はどのような取り組みを行っていくのかお尋ねします。 271 ◯富松教育庁社会教育課長 電子書籍を導入済みの市町村は、県内で宗像市と田川市の図書館でございます。今後、導入予定の県立図書館におけます導入の成果、また課題を未導入の市町村に情報提供してまいりたいと思っております。  また、蔵書のデジタルアーカイブ化を行っておりますのは、大牟田市など六市町の図書館でございます。県立図書館では市町村立図書館を対象にアーカイブ化に向けた研修会の開催や助言を行っております。今後もこうした支援をさらに充実してまいりたいと考えております。 272 ◯大島道人委員 では次に、録音図書についてお尋ねします。昨年六月に視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律、いわゆる読書バリアフリー法が可決、成立し、今後、障がいのある方に対し、図書館サービスの充実が必要となります。その中でも特に録音図書についてお伺いいたします。  今後は、市町村立図書館においても録音図書の普及が重要となってきますが、どのような取り組みを考えているのかお伺いします。 273 ◯富松教育庁社会教育課長 いわゆる読書バリアフリー法では、地方公共団体は国の基本計画を勘案して、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する計画を策定するといった努力義務が課されております。現在、この国の基本計画はまだ策定されておりません。まずは、こうした国の動向につきましてしっかりと情報収集し、市町村に対し情報提供を行ってまいりたいと考えております。  また、現在、県立図書館で所蔵しております録音図書は、利用者の費用負担なく、自宅などに送付するようなサービスを行っております。こうした取り組みを市町村立図書館を通して広報していただくなど連携を図っております。  さらに、県立図書館が中心となって県内十三の図書館等で組織しております福岡県点字及び録音図書連絡協議会では、視覚に障がいのある方の読書普及のための研修会、あるいは情報交換会の実施をしております。  読書バリアフリー法の趣旨を踏まえまして、今後ともこうした取り組みの充実・拡充を図ってまいります。 274 ◯大島道人委員 今、議論してきたように、人口減少や情報化の進展などを踏まえ、県内の図書館も今後、新たな取り組みやサービスの見直しを行っていく必要があると思います。県内に唯一の県立図書館として、今後の役割と取り組みをどのように考えているのか、最後に副教育長の決意を願います。 275 ◯井上順吾委員長 吉田副教育長。 276 ◯吉田教育庁副教育長 県立図書館には、市町村立図書館等と連携・協力をしながら、県内の拠点として図書館サービス全体の向上を図っていくという重要な役割がございます。こうした認識のもと、相互貸借、障がいのある方へのサービスなどの従来からの図書館サービスのさらなる充実はもとより、電子書籍の購入、導入、それから蔵書のアーカイブ化、それから学校との連携といった新たな課題に迅速に対応するために、県立図書館の組織につきましても来年度から見直すことといたしております。今後も、市町村立図書館とともに、県民に対する図書館サービスの一層の向上に努めてまいりたいと考えております。 277 ◯大島道人委員 終わります。(拍手) 278 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。渡辺美穂委員。 279 ◯渡辺美穂委員 民主県政クラブ県議団の渡辺です。通告に従いまして、特別史跡の活用について質問をさせていただきます。  本年度、令和の元号が制定され初めてのお正月を迎えたことし、大伴旅人が自身の館に律令官人を招き梅花の宴を開いて千二百九十年目になりました。皆様御存じのとおり大宰府は東アジアとの交流の歴史を持ち、外交や軍事を担い、さらにかつて西海道と呼ばれた九州を治めた古代の重要な役所であり、我が国の歴史上もたぐいまれなこの遺跡は、広大な範囲を史跡として指定され、国、県、市、そして地元の方々の努力によって保護されています。  一方で、私が昨年六月議会で指摘したように、特別史跡の規制が厳しく、十分に活用できていません。この二月議会においても自民党県議団の代表質問に対し、知事は、史跡内の利活用がより厳しく制限されているという認識を示されたところです。宿泊税の項で申し上げましたけれども、この規制のため太宰府市では、大型宿泊施設の誘致が難しく、年間一千万人を超える観光客が訪れていながら、宿泊税市町村配分は両政令市を除いて八番目、上位六つの自治体の交付額より一桁低い額になっています。  そこで、まず太宰府市の状況を知るために、史跡地の面積が市域に占める割合が全国的にもどのようなものなのか、資料を要求しておりますので、委員長、お取り計らいのほどよろしくお願いいたします。 280 ◯井上順吾委員長 お諮りいたします。  ただいま渡辺美穂委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 281 ◯井上順吾委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま渡辺美穂委員から要求がありました資料については、提出できますか。河口文化財保護課長。 282 ◯河口教育庁文化財保護課長 直ちに提出いたします。 283 ◯井上順吾委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 284 ◯井上順吾委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕
    285 ◯井上順吾委員長 資料が配付されましたので、渡辺美穂委員、質疑を行ってください。 286 ◯渡辺美穂委員 まず、資料の説明をお願いいたします。 287 ◯河口教育庁文化財保護課長 この資料は、特別史跡のうち大規模かつ著名なもののピックアップをいたしまして、その面積と所在市町の面積に対する割合を示した表でございます。 288 ◯渡辺美穂委員 もちろん市や町の面積、大きさによって、一律に占有率で語ることはできないかもしれませんけれども、ほかの主な特別史跡の中で、太宰府市は、特別史跡が市域に占める割合が全国でもトップクラスであることがおわかりになると思います。古代における東西の国の最大の出先機関として大宰府と並び称される、宮城県多賀城市の多賀城と比べても、面積が広く、占有率が高いという状況になっています。  それでは、そもそも文化財法に基づいて国が史跡を指定する目的が一体どこにあるのか、まずお示しいただきたいと思います。 289 ◯河口教育庁文化財保護課長 史跡の指定についてでございます。古墳や城跡などの遺跡のうち、我が国にとって学術的価値が高いものにつきまして遺跡と歴史的景観を保存するために行われるものでございまして、その歴史的価値を未来へと保存・継承することを目的とするものでございます。 290 ◯渡辺美穂委員 それでは、国が指定すると、取り扱いはどのようになるのでしょうか。 291 ◯河口教育庁文化財保護課長 指定を受けますと、未来へ保存・継承していくことが必要となります。本来の価値を損なう行為は認められないものとなるものでございます。その現状を変更し、またはその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、文化庁長官の許可を受けなければならないこととされております。  一方で、その保存を図っていくために所有者等が修理などが必要な事業に対しまして、国から補助金を受けることができますし、また地方公共団体が国指定の史跡を保存することを目的としまして公有化する場合には、その経費の一部を国から補助金として受けることができることとされております。 292 ◯渡辺美穂委員 補助金や経費の件については、後で申し上げたいと思いますけれども、今の御説明では、文化庁からの現状変更の許可を受けることができれば、史跡活用の整備が行えるということになるのではないかと思います。  では、具体的にどのような条件があれば許可されるのでしょうか。また、その具体例があれば、お示しいただきたいと思います。 293 ◯河口教育庁文化財保護課長 史跡の現状変更については、遺構と史跡景観の保存を前提に、文化庁が個別に許可をするものでございます。  整備・活用についてでございますけれども、来訪者に文化財的価値を理解してもらうために、例えばですけど、当時あった建物の復元でありますとか、発掘調査のときの情報や特徴的な遺構の内容を示す解説板の設置、それから園路や東屋など最低限の便益施設の設置などにつきまして、文化庁の許可を得て行っている実例がございます。  六月議会でも教育長が御答弁差し上げましたけれども、国庫補助金により公有化した土地につきましては、公有化の目的が史跡の保存であるため、駐車場や軽食・売店の設置などの目的外の使用は、補助金に係る法律によりまして制限されているところでございます。 294 ◯渡辺美穂委員 つまり、国の補助金を使って公有地化したところに関しての活用は、非常にハードルが高いと。そのことは理解をいたしました。しかし、この史跡指定地内においても、まだ残された民有地などがございます。この民有地の活用は逆に可能なのではないだろうかという感想を今、持ったところです。  これらを踏まえまして、史跡地の活用に係る国への働きかけの状況、そして今後の取り組みについて、お聞かせください。 295 ◯河口教育庁文化財保護課長 まず、令和元年六月に文化庁にて、国と県と市の三者で協議を行いまして、大宰府の現地で発生しております観光についての課題を説明いたしまして、その対応策について協議したところでございます。その後、七月にも、県の担当が再度上京いたしまして、継続的に協議を行っているところでございますが、国の補助金を受けました公有地の活用につきましては、全省庁に係る法律でございますので、早急な規制緩和は困難な状況であるというお話があっております。  引き続き、現状を説明いたしますとともに、課題の解決に向けて協議を継続してまいりたいと思っております。  また、それ以外の指定地の活用につきましては、太宰府市の考えを聞きながら、文化庁との調整・協議を継続してまいりたいと考えておるところでございます。 296 ◯渡辺美穂委員 最後に、副教育長にお話を聞きたいんですけれども、副教育長も御存じのとおり、特別史跡というのは土地の国宝と言われておりまして、大宰府史跡は決して太宰府市民のものだけではなくて、日本国民全員の共通の遺産だ、財産だと思っております。したがって、日本の宝として保存されなければなりませんけれども、その土地のそれぞれの所有者がいらっしゃいまして、所有者などの協力なくして、これらの維持は不可能というのが現状であります。  そして、副教育長も御存じだと思いますけれども、まず、あそこを特別史跡として残すために、地元の地権者の方々の協力を得るために、本県の教育委員会の職員の方が命を縮めたと言われるほど努力をなさって、地権者を説得して、今の現状を残されました。  しかし、そのことを知っているのも私たちの世代ぐらいまででございます。そして現在、広大になった史跡の公有化費、それから維持管理──先ほど補助金が出ているとおっしゃいましたけれども、太宰府市は現在、単費で年間一億五、六千万円の予算をそれに使っております。そのために必要な市民サービスが劣化しているのではないかという声を上げる市民も一定数出てきています。そして、私にとっては、これはもう景観の破壊ではないだろうかと思うような開発行為を口にされる市民がふえてくる、このことを私は一番懸念しています。  こういったことを含めまして、この史跡の活用について、副教育長、御自身の認識についてお伺いし、そして今後どのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。 297 ◯井上順吾委員長 吉田副教育長。 298 ◯吉田教育庁副教育長 史跡の活用でございますが、文化財の価値を確実に維持した上で、その歴史・文化に対する理解を深めることができる活用をするということが重要であろうと思います。国に対しましては、これまでも太宰府市の現状、それから要望を説明しまして、その対応策について協議をしてきたところでございますが、残念ながら具体的な解決には至っておりません。今後とも、太宰府市と連携をしながら、またさまざまな知見を得ながら、効果的な史跡地の活用方法について整理をいたしまして、引き続き国に対しまして働きかけを行ってまいりたいと思っております。 299 ◯渡辺美穂委員 副教育長も御卒業だということでございますけれども、おめでとうございます。先ほど申し上げたように、副教育長の先輩であられる教育委員会の職員が物すごく熱い思いを持って今の大宰府史跡を残された、そのことをぜひ教育委員会の職員の皆様にも伝えていっていただくことを要望いたしまして私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 300 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 301 ◯井上順吾委員長 ないようですので、以上で第十款教育費に関する質疑を終わります。  この際、しばらく休憩します。再開は午後三時四十分といたします。    午 後 三 時 三 十 一 分 休 憩    午 後 三 時 四 十 分 再 開 302 ◯井上順吾委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  第十一款災害復旧費について、順次、説明を求めます。鐘江農林水産部長。 303 ◯鐘江農林水産部長 農林水産部でございます。  十一款災害復旧費のうち、農林水産部所管につきまして御説明をいたします。お手元の令和二年度予算に関する説明書の三百八十五ページをお願いいたします。  一項農林水産施設災害復旧費でございます。その主なものは、一目耕地災害復旧費の右側説明欄、上から二番目、団体営事業費でございます。これは農地・農業用施設の災害復旧を行うものでございます。合計は、三百八十七ページに参りまして、計の欄、七十九億三千二百万円余をお願いしております。  以上で説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 304 ◯井上順吾委員長 見坂県土整備部長。 305 ◯見坂県土整備部長 十一款災害復旧費のうち、県土整備部所管分について御説明をいたします。令和二年度予算に関する説明書の三百八十八ページをお願いいたします。  二項土木施設災害復旧費でございます。その主なものは、三百八十九ページの二目河川等災害復旧費の右側説明欄の一番上、平成二十九年災害土木施設費でございます。これは、平成二十九年災害に係る公共土木施設の復旧を行うものでございます。合計につきましては、百一億六千四百万円余をお願いしております。  十一款の県土整備部所管分の説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 306 ◯井上順吾委員長 中尾建築都市部長。 307 ◯中尾建築都市部長 それでは、十一款災害復旧費のうち、建築都市部所管分について御説明をいたします。令和二年度予算に関する説明書の三百九十ページをお願いいたします。  三項庁舎等災害復旧費でございます。これは、県営住宅の敷地のり面に係る災害復旧を行うもので、二億四千七百万円余をお願いしております。  建築都市部所管分の説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 308 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 309 ◯井上順吾委員長 ないようですので、第十一款災害復旧費に関する質疑を終わります。  次に、第十二款公債費から第十四款予備費までの三件について、説明を求めます。後藤財政課長。 310 ◯後藤財政課長 予算に関する説明書三百九十三ページをお願いいたします。  十二款一項公債費でございます。主なものは、県債の元金、利子でございます。ページを一枚おめくりいただきまして、総額は三百九十四ページ、計欄にございますとおり二千二百六十四億七千万円余をお願いしております。  続きまして、三百九十七ページをお願いいたします。  十三款一項利子割交付金等でございます。主なものは、七目の地方消費税清算金でございまして、一枚おめくりいただきまして、総額は三百九十八ページの計欄のとおり、三千四百四十七億三千三百万円余をお願いしております。  続きまして、四百一ページをお願いいたします。  十四款一項予備費でございます。年度途中で損害賠償や災害の発生など不測の事態に機動的に対応するために、二億円の計上をお願いしております。  説明は以上でございます。よろしく御審議のほどお願いします。 311 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 312 ◯井上順吾委員長 ないようですので、第十二款公債費から第十四款予備費までの質疑を終わります。  次に、第二条債務負担行為について説明を求めます。野村総務部長。 313 ◯野村総務部長 第二条債務負担行為関係について御説明いたします。引き続き同じ資料の、分厚い冊子の四百二十九ページをお願いいたします。  四百二十九ページから、ページをめくっていただきました四百三十三ページにかけまして、債務を負担することができる事項、限度額、期間などを掲げております。この調書のとおりお願いするものでございます。  以上でございます。何とぞよろしくお願いいたします。 314 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 315 ◯井上順吾委員長 ないようですので、第二条債務負担行為の質疑を終わります。  次に、第三条地方債から第五条歳出予算の流用までの三件について説明を求めます。後藤財政課長。 316 ◯後藤財政課長 それでは、お手元の薄いほうの冊子でございます。令和二年二月第五回福岡県議会定例会議案のその一、この資料をお願いします。一ページをお願いいたします。  まず、令和二年度一般会計予算の第三条地方債を御説明申し上げます。その内容につきましては、恐れ入りますが、十八ページをお願いいたします。この資料の十八ページでございます。  第三表地方債でございます。この表は、起債の目的ごとにその限度額や起債の方法等を定めるものでございます。一枚おめくりいただきまして、二十ページ計欄のとおり、限度額の合計は二千二百二十四億一千九百万円余となっております。  恐れ入りますが、お戻りいただきまして、また一ページのほうをお願いいたします。  次に、第四条の一時借入金でございます。これは、県の歳計現金の資金繰りにおける一時的な不足に対応するため、資金借り入れの限度額を定めるものでございます。令和元年度と同額の二千億円をお願いしております。  次に、一枚おめくりいただきまして、二ページをお願いいたします。  第五条歳出予算の流用でございます。地方自治法の規定によりまして、歳出予算の経費の各項の金額を流用することができる場合を定めるものでございます。  説明は以上でございます。よろしく御審議のほどお願いいたします。 317 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 318 ◯井上順吾委員長 ないようですので、第三条地方債から第五条歳出予算の流用までの三件の質疑を終わります。  以上で、第一号議案「令和二年度福岡県一般会計予算」の質疑を終わります。  次に、第二号議案「令和二年度福岡県財政調整基金特別会計予算」及び第三号議案「令和二年度福岡県公債管理特別会計予算」の二件を議題といたします。これらについて説明を求めます。後藤財政課長。 319 ◯後藤財政課長 第二号議案でございます。令和二年度予算に関する説明書の四百六十七ページでございます。四百六十七ページ、第二号議案令和二年度福岡県財政調整基金特別会計について御説明します。  この会計は、財政調整基金の運用益の管理を行うものでございまして、お示ししておりますとおり、運用利息収入が一千万円余でございます。この利息収入につきまして、そのまま財政調整基金に積み立てるものでございます。  続きまして、一枚おめくりいただきまして、四百六十九ページをお願いいたします。第三号議案でございます。令和二年度福岡県公債管理特別会計予算について御説明いたします。  この会計は、公債費の執行につきまして一般会計と別に経理するものでございまして、一般会計や減債基金からの繰入金等により県債の元利償還等を行うものでございます。歳入歳出とも四千六百九十四億八千九百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。よろしく御審議のほどお願いします。 320 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 321 ◯井上順吾委員長 ないようですので、第二号議案及び第三号議案の質疑を終わります。  次に、第四号議案「令和二年度福岡県市町村振興基金特別会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。野田企画・地域振興部長。 322 ◯野田企画・地域振興部長 同じく予算に関する説明書の四百七十三ページをお願いいたします。第四号議案福岡県市町村振興基金特別会計について、御説明を申し上げます。一の総括により御説明いたします。  この会計は、市町村振興基金による貸付金の利子収入及び運用益収入を一般会計へ繰り出すためのものでございます。歳入歳出ともに一千五百万円余となっております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 323 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 324 ◯井上順吾委員長 ないようですので、第四号議案の質疑を終わります。  次に、第五号議案「令和二年度福岡県国民健康保険特別会計予算」を議題といたします。このことについて、説明を求めます。大森保健医療介護部長。 325 ◯大森保健医療介護部長 恐れ入ります。同じく令和二年度予算に関する説明書の四百七十七ページをお願いいたします。第五号議案令和二年度福岡県国民健康保険特別会計予算について御説明いたします。一の総括の表により御説明いたします。  この会計は、市町村からの納付金や国からの負担金等を財源に、市町村に対する保険給付に必要な費用の交付等を行うものでございます。歳入及び、次の四百七十八ページから四百七十九ページまでの歳出それぞれ四千六百七十一億六千八百万円余をお願いしております。
     説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 326 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 327 ◯井上順吾委員長 ないようですので、第五号議案の質疑を終わります。  次に、第六号議案「令和二年度福岡県母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算」及び第七号議案「令和二年度福岡県災害救助基金特別会計予算」の二件を議題といたします。これらについて説明を求めます。神代福祉労働部長。 328 ◯神代福祉労働部長 第六号議案福岡県母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算について御説明申し上げます。令和二年度予算に関する説明書の五百三ページをお願いいたします。総括表により御説明申し上げます。  この会計は、ひとり親世帯等に対する就学資金、就職支度資金、生活資金などの貸し付け等を行うためのものでありまして、歳入歳出それぞれ四億四千六百万円余をお願いしております。  続きまして、五百九ページをお願いいたします。第七号議案福岡県災害救助基金特別会計予算について御説明申し上げます。総括表により御説明いたします。  この会計は、災害救助法に基づき、令和二年度中に生じます当基金の運用益を積み立て、救助費用の財源とするものでありまして、歳入歳出それぞれ百万円余をお願いしております。  説明は以上です。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 329 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 330 ◯井上順吾委員長 ないようですので、第六号議案及び第七号議案の質疑を終わります。  次に、第八号議案「令和二年度福岡県就農支援資金貸付事業特別会計予算」から第一一号議案「令和二年度福岡県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計予算」までの四件を議題といたします。これらについて説明を求めます。鐘江農林水産部長。 331 ◯鐘江農林水産部長 令和二年度予算に関する説明書の五百十一ページをお願いいたします。第八号議案令和二年度福岡県就農支援資金貸付事業特別会計予算について御説明をいたします。  この事業は、農業経営を開始するために貸し付けた資金の管理回収を行うものでございます。令和二年度は歳入歳出とも五千四百万円余をお願いしております。  続きまして、ページが飛びまして、五百十七ページをお願いいたします。第九号議案令和二年度福岡県県営林造成事業特別会計予算について御説明をいたします。  この事業は、県土の保全及び森林資源の造成を図ることを目的に、県営林の経営を行うものでございます。令和二年度は歳入歳出ともに三億三千五百万円余をお願いしております。  続きまして、五百三十五ページをお願いいたします。第一〇号議案令和二年度福岡県林業改善資金助成事業特別会計予算について御説明をいたします。  この事業は、林業者や木材産業事業者が必要な機材などを購入する場合に無利子の貸し付けを行うものでございます。令和二年度は歳入歳出ともに一億円余をお願いしております。  続きまして、五百三十九ページをお願いいたします。第一一号議案令和二年度福岡県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計予算について御説明いたします。  この事業は、漁業者が漁船などを購入する場合に無利子の貸し付けを行うものでございます。令和二年度は歳入歳出ともに一億四百万円余をお願いしております。  以上で説明を終わります。御審議のほどよろしくお願いいたします。 332 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 333 ◯井上順吾委員長 ないようですので、第八号議案から第一一号議案までの質疑を終わります。  次に、第一二号議案「令和二年度福岡県小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。岩永商工部長。 334 ◯岩永商工部長 同じく説明書の五百四十三ページをお願いいたします。第一二号議案令和二年度福岡県小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計予算について御説明申し上げます。  この事業は、中小企業者に対しまして高度化資金の貸し付けなどを行うものでございます。令和二年度は歳入歳出予算それぞれ十七億六百万円余をお願いしているところでございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 335 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 336 ◯井上順吾委員長 ないようですので、第一二号議案の質疑を終わります。  次に、第一三号議案「令和二年度福岡県公共用地先行取得事業特別会計予算」及び第一四号議案「令和二年度福岡県県営埠頭施設整備運営事業特別会計予算」の二件を議題といたします。これらについて説明を求めます。見坂県土整備部長。 337 ◯見坂県土整備部長 第一三号議案令和二年度福岡県公共用地先行取得事業特別会計予算について御説明をいたします。令和二年度予算に関する説明書の五百五十三ページをお願いいたします。総括表により御説明をいたします。  これは、土地開発基金の運用益を積み立てるものでございまして、歳入歳出ともに百万円余をお願いしております。  続きまして、五百五十五ページをお願いいたします。第一四号議案令和二年度福岡県県営埠頭施設整備運営事業特別会計予算でございます。総括表により御説明をいたします。  これは、苅田港ほか三つの港湾の整備運営などに要する経費でございまして、歳入歳出ともに九十三億四千五百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 338 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 339 ◯井上順吾委員長 ないようですので、第一三号議案及び第一四号議案の質疑を終わります。  次に、第一五号議案「令和二年度福岡県住宅管理特別会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。中尾建築都市部長。 340 ◯中尾建築都市部長 第一五号議案令和二年度福岡県住宅管理特別会計予算について御説明をいたします。令和二年度予算に関する説明書の五百七十五ページをお願いいたします。総括表で説明をさせていただきます。  県営住宅の維持管理に要する経費につきまして、歳入及び歳出それぞれの合計の欄に記載をしておりますとおり、七十億五百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 341 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 342 ◯井上順吾委員長 ないようですので、第一五号議案の質疑を終わります。  次に、第一六号議案「令和二年度福岡県病院事業会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。大森保健医療介護部長。 343 ◯大森保健医療介護部長 第一六号議案福岡県病院事業会計予算について御説明いたします。お手元の令和二年度予算に関する説明書五百九十四ページをお願いいたします。  令和二年度福岡県病院事業会計予算実施計画収益的収入及び支出でございます。まず収入でございますが、表の一行目、総額で二十六億七千三百万円余をお願いしております。この主なものは、一項の医療収益で、太宰府病院の診療報酬収入等でございます。  次に、支出でございますが、下のページ五百九十五ページに参りまして、表の一行目、総額で二十六億一千三百万円余をお願いしております。この主なものは、一項の医療費用で、太宰府病院の運営経費でございますが、指定管理者に対する交付金等でございます。  次に、一枚おめくりいただきまして、下のページ五百九十七ページの資本的収入及び支出でございます。  まず、収入でございますが、表の一行目、総額で四億九千万円余をお願いしております。この主なものは、太宰府病院の建設改良費の財源とするため企業債の発行及び企業債の償還のため、一般会計から繰り入れます負担金でございます。  次に、一枚おめくりいただきまして、上の五百九十八ページ、支出でございますが、表の一行目、総額で六億七千二百万円余をお願いしております。この主なものは、太宰府病院の建設改良費、及び病院建設事業費で発行いたしました企業債の元金の償還に要する経費でございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 344 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 345 ◯井上順吾委員長 ないようですので、第一六号議案の質疑を終わります。  次に、第一七号議案「令和二年度福岡県流域下水道事業会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。中尾建築都市部長。 346 ◯中尾建築都市部長 第一七号議案の令和二年度福岡県流域下水道事業会計予算について御説明を申し上げます。令和二年度予算に関する説明書の六百二十四ページをお願いいたします。令和二年度福岡県流域下水道事業会計予算実施計画の収益的収入及び支出でございます。  まず、収入でございますが、表の一行目に記載のとおり、総額で百九十五億二千五百万円余をお願いしております。その主なものは、一項営業収益で、関係市町からの維持管理負担金でございます。  次の六百二十五ページをお願いいたします。  支出でございますが、表の一行目に記載のとおり、総額で百九十九億八千万円余をお願いしております。その主なものは、一項営業費用で、下水道処理施設の維持管理等に要する経費でございます。  次の六百二十六ページをお願いいたします。資本的収入及び支出でございます。  まず、収入でございますが、総額で表の一行目に記載のとおり、九十六億八千四百万円余をお願いしております。その主なものは、三項国庫補助金で、下水道処理施設の建設等の財源とするものでございます。  次の六百二十七ページをお願いいたします。  支出でございますが、表の一行目に記載のとおり、総額で百十億九千二百万円余をお願いしております。その主なものは、一項建設改良費で、下水道処理施設の建設等に要する経費でございます。  次に、債務負担行為について御説明をいたします。少し飛びまして六百四十四ページをお願いいたします。六百四十四ページから六百四十五ページにかけまして、調書に記載の事項のうち、二行目の御笠川那珂川流域下水道下水汚泥固形燃料化事業費を初め、右から三番目の欄になりますけれども、支払い義務が発生する期間が令和三年度以降となっております八事項で、合わせて三十六億四千二百万円余を新たにお願いするものでございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 347 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 348 ◯井上順吾委員長 ないようですので、第一七号議案の質疑を終わります。  次に、第一八号議案「令和二年度福岡県電気事業会計予算」から第二〇号議案「令和二年度福岡県工業用地造成事業会計予算」までの三件を議題といたします。これらについて説明を求めます。仁木企業局長。 349 ◯仁木企業局長 それでは、第一八号議案から第二〇号議案までの三議案につきまして、一括して御説明いたします。予算に関する説明書の六百五十八ページをお願いいたします。  第一八号議案令和二年度電気事業会計予算でございます。収益的収入及び支出の収入は、総額で五億三千五百万円余でございます。その主なものは、一項営業収益で、売電収入でございます。  次の六百五十九ページをお願いいたします。支出は総額で五億三千五百万円余でございます。その主なものは、一項営業費用で、発電所の運転業務経費でございます。  次の六百六十ページをお願いいたします。資本的収入及び支出の収入は、七億円でございます。これは、一項他会計貸付金元金収入で、工業用地造成事業会計への貸付金の返済金でございます。  支出は総額で二億三千四百万円余でございます。その主なものは、一項建設改良費で、発電設備の更新経費でございます。  少し飛びまして、六百七十七ページをお願いいたします。表中の下段ですが、発電設備更新事業費について、新たに債務負担行為として一億百万円余をお願いしております。  続きまして、また少し飛びまして、六百九十二ページをお願いいたします。第一九号議案令和二年度工業用水道事業会計予算でございます。  収益的収入及び支出の収入は、総額で二十億九千八百万円余でございます。その主なものは、一項営業収益で、工業用水の給水収入でございます。  次の六百九十三ページをお願いいたします。支出は総額で十八億四千八百万円余でございます。その主なものは、一項営業費用で、給水業務に係る経費でございます。  次の六百九十四ページをお願いいたします。資本的収入及び支出の収入は、五千九百万円余でございます。これは、一項負担金で、工水管布設に伴う受益者負担金でございます。支出は、総額で七億六千八百万円余でございます。その主なものは、一項建設改良費で、給水設備の耐震補強工事の経費でございます。  また少し飛びまして、七百二十六ページをお願いいたします。第二〇号議案令和二年度工業用地造成事業会計予算でございます。収益的収入及び支出の収入は、総額で二千五百万円余でございます。その主なものは、一項営業収益で、土地の貸付収入でございます。  次の七百二十七ページをお願いいたします。支出は、総額で一億五千百万円余でございます。その主なものは、一項営業費用で、工業用地の維持管理費でございます。  次の七百二十八ページをお願いいたします。資本的収入及び支出の収入は、一億五千百万円でございます。これは、一項工業用地造成事業収入で、造成工事に係る市の負担金でございます。支出は総額で八億四千二百万円余でございます。その主なものは、二項他会計借入金償還金で、電気事業会計からの借入金の一部返済金でございます。  また少し飛びまして、七百四十ページをお願いいたします。表中の下段ですが、造成工事において新たに債務負担行為として九千八百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 350 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 351 ◯井上順吾委員長 ないようですので、第一八号議案から第二〇号議案までの質疑を終わります。  以上で本日の議事を終了いたします。  なお、次回委員会は三月二十五日水曜日、常任委員会終了後に開き、知事に対する保留質疑及び採決を行うことといたしますので、よろしくお願いします。  本日はこれをもって散会いたします。    午 後 四 時 十 一 分 散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...