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令和2年度 予算特別委員会 本文 開催日: 2020-03-19

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  1. 福岡県議会 2020-03-19
    令和2年度 予算特別委員会 本文 開催日: 2020-03-19


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    令和二年三月十九日(木曜日)    午 前 十 一 時 零 分 開 議 ◯井上順吾委員長 おはようございます。定足数に達しておりますので、ただいまから委員会を開きます。  なお、本日、報道機関からテレビカメラ等の撮影について申し出がありましたので、これを許可しております。御了承願います。  撮影者に申し上げます。撮影は傍聴席で行うこととし、くれぐれも委員会運営に支障がないように撮影されますよう、よろしくお願いいたします。  本日は、令和二年度福岡県一般会計予算の歳出第七款商工費及び第八款県土整備費の審査を予定いたしております。よろしくお願いいたします。  それでは、第七款商工費について説明を求めます。岩永商工部長。 2 ◯岩永商工部長 それでは、第一号議案令和二年度福岡県一般会計予算のうち、商工部所管分について御説明を申し上げます。恐れ入ります、お手元の令和二年度予算に関する説明書の二百七十九ページをお願いいたします。二百七十九ページでございます。  七款商工費について御説明申し上げます。  一項商業費でございます。その主なものにつきましては、一目商業総務費のうち、右の説明欄の中ほどにございます中小企業振興資金融資費でございます。これは制度融資の預託金となっております。  恐れ入ります、二百八十三ページをお願いいたします。一項商業費の総額でございます。合計欄にございますとおり、千百四十四億九千八百万円余をお願いしているところでございます。  次に、二項工鉱業費でございます。恐れ入ります、二百九十ページをお願い申し上げます。その主なものは、七目企業立地対策費でございます。これは企業立地交付金などでございます。二項工鉱業費の総額につきましては、六十一億五千五百円余をお願いしているところでございます。  下のページでございます。三項観光費でございます。その主なものにつきましては、一目観光費のうち、右の説明欄の上から三番目、観光宣伝費でございます。これは国内外におけます観光プロモーションに要する経費などでございます。三項観光費の総額は、二十四億九千三百万円余をお願いしているところでございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 3 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。  これより質疑を行います。質疑はありませんか。香原勝司委員。 4 ◯香原勝司委員 自民党県議団の香原勝司でございます。  通告に従いまして、新型コロナウイルスの影響と宿泊税について聞いていきたいと思います。  中国に端を発する新型コロナウイルス感染症の拡大により、コロナウイルス感染症対策に伴うイベントの中止や、中国、韓国からの入国制限、サプライチェーンの毀損など、県内の中小企業・小規模事業者には深刻な影響が出ていると思います。  そこで、まずお尋ねをいたします。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、資金繰りに苦慮している県内の中小企業に対し、県として、金融機関が貸し付ける制度融資や、組合に対し県が直接貸し付ける高度化資金について、対応策を講じていると聞いておりますが、その内容について説明を求めたいと思います。
    5 ◯井上順吾委員長 冨田中小企業振興課長。 6 ◯冨田中小企業振興課長 県では、県内の金融機関に対しまして、緊急経済対策資金等による弾力的かつ迅速な融資を行うことに加え、既存融資について、返済猶予措置や返済期間の延長といった返済条件緩和に柔軟に応じるなど、個々の事業者の実情に即したきめ細かな対応を要請いたしております。  また、県が商店街などの組合に対し直接貸し付けております高度化資金に関しましても、返済条件の緩和について、債務者からの相談にきめ細かく対応いたしております。  さらに、新たに開設いたしました新型コロナウイルスに関する経営相談窓口におきまして、中小企業からの相談に対応するとともに、セーフティネット保証五号の指定業種の事業者には、県制度融資、緊急経済対策資金の活用を促しております。今月六日に旅館・ホテルなど四十業種、十三日に三百十六業種を新たに追加いたしまして、支援を拡充いたしました。  加えて、セーフティネット保証四号または危機関連保証に係る市町村長の認定を受けた観光産業を含む全業種の中小企業に対して、県独自に保証料負担をゼロとし、資金繰り支援の強化を図りました。 7 ◯香原勝司委員 本県において、新型コロナウイルスの影響に伴う観光産業、観光事業者への対策が早い段階で行われているということで、一安心というところはありますけど、まだまだ足らないと思いますので、しっかりとやっていただきたいと思います。引き続き中小、そして小規模事業者の支援もそうでありますけど、息の長い支援が要ると思いますので、執行部の方は全力でお願いいたします。  その上で、宿泊税について尋ねていきたいと思います。  宿泊税条例が提案された本年六月の定例県議会の代表質問で、私は、どのような方針でこの財源を活用するのかということをただしていきました。知事からは県が広域的な観点から観光振興策を実施するとともに、市町村が実施する観光振興施策への財政的支援に取り組み、県全体の観光の魅力を底上げし、福岡県の観光における競争力を高めていきたいという答弁をされたところであります。この六月議会での答弁を踏まえて、宿泊税を使ってどのような事業を令和二年度に実施をしていくのか、そして、この新型コロナウイルス感染症により観光産業が大きな影響を受ける中で、宿泊税が真に必要となるのかただしていきたいと思います。  まず初めに、宿泊税を活用した事業の予算額は総額で幾らになるのか、また、県が広域的な観点から実施する県主体事業と市町村への財政的支援は、それぞれ幾らを計上しているのかお尋ねをいたします。 8 ◯井上順吾委員長 神代観光政策課長。 9 ◯神代観光政策課長 令和二年度予算に計上しております事業費のうち、宿泊税を活用した事業の総額でございますが、十一億八千九百万円余でございます。そのうち、県が広域的な観点から実施いたします県主体事業につきましては、九億七千三百万余でございます。また、市町村への財政的支援といたしまして、宿泊税を独自に課税する北九州市、福岡市の両政令市を除きました県内五十八市町村に対します交付金、いわゆる宿泊税交付金でございますが、これは二億一千六百万円余でございます。 10 ◯香原勝司委員 それではまず、県の主体事業についてお尋ねをいたします。  九月の我が会派の代表質問において、宿泊税を活用した事業について、県の観光振興指針の四つの施策体系ごとに構想を尋ねたところ、知事からは令和二年度の当初予算編成に向けて、宿泊事業者、旅行業者、市町村等関係者の皆さんの御意見を伺いながら、効果的な事業となるように検討していく旨の答弁がありました。  令和二年度の予算編成において、具体的にどのような事業が県主体事業として計上されたのか、簡単に説明をお願いしたいと思います。 11 ◯神代観光政策課長 県主体事業といたしましては、受け入れ環境充実の観点から、旅館・ホテル等が実施いたします多言語案内でありますとか、情報発信、バリアフリー化などの施設整備に要する支援事業、また、平日・閑散期に観光客を呼び込むためにニーズ調査を行い、調査協力者に対してクーポンを活用した宿泊料金を割引する事業を計上しております。  また、観光資源の魅力の向上の観点から、インバウンド向け体験プログラムを組み込みました旅行商品造成支援の事業、広域サイクリングルートの案内板、それから路面標示などの整備事業、これでございます。  情報発信を効果的に行う観点から、福岡県観光ウエブ案内所の開設、また、観光客の県内周遊を促すための、本県を訪れた旅行者に対するレンタカー代の一部を助成する事業でございます。  観光振興の体制を強化するために、宿泊業や飲食業の人材を育成する支援事業を計上しております。 12 ◯香原勝司委員 今、県主体事業について答弁いただいたわけですが、宿泊業や飲食業などの観光産業を対象とした支援策が計上されているということで、しっかりと、コロナウイルスの影響もありますのでやっていただきたいと思います。  そしてまた、県内各地の周遊を促進する広域的な事業についても盛り込まれていると。人やホテルが集中する都市部の振興だけではなくて、観光という広域的な分野において、地方への人の流れをつくり出す予算が計上されており、県全体の観光の底上げのベースとなる地方の活性化につなげていくことを期待している次第であります。  次に、全国初となる宿泊税を活用した、市町村向けの交付金事業についてお聞きしていきたいと思います。  交付金にかかわる予算額は二億千六百万円余が計上されていると説明をいただいたわけです。これを市町村に対してどういう基準で配分するのか、お尋ねをいたします。 13 ◯神代観光政策課長 交付金の配分基準でございますが、宿泊者数と旅行者数、これにより配分を行うこととしております。この配分のウエートでございますが、宿泊者のうち二割の方が宿泊地以外の県内の市町村を訪れているという分析結果に基づきまして、宿泊者のウエートを八割、旅行者のウエートを二割としております。この配分ウエートに基づきまして、令和二年度につきましては、観光庁の宿泊旅行統計調査を用いまして県が算出しました市町村ごとの宿泊者数、そして、県が実施いたしました観光ビッグデータ調査に基づく市町村ごとの旅行者数、これによりまして各市町村への配分額を算出しております。また、県全体の観光の底上げを図るという観点から、最少交付金額を五十万円としております。  なお、コロナウイルス感染症等の影響により税収が変動した場合には、この交付金額についても変動することとなります。 14 ◯香原勝司委員 今説明があった市町村に対する交付金事業について、具体的にどう配分されるのか。市町村ごとの宿泊税交付金配分見込み額の資料を要求したいと思いますので、委員長、お取り計らいお願いいたします。 15 ◯井上順吾委員長 お諮りいたします。  ただいま香原委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 16 ◯井上順吾委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま香原委員から要求がありました資料については提出できますか。 17 ◯神代観光政策課長 直ちに提出いたします。 18 ◯井上順吾委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 19 ◯井上順吾委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 20 ◯井上順吾委員長 資料が配付されましたので、香原委員、質疑を行ってください。 21 ◯香原勝司委員 通常であれば、資料の説明をと言うところでありますけど、資料を見ればわかると思いますので、この資料にのっとって質問していきたいと思います。  確かに多いところ少ないところもありますので、委員の中には不満を持ってある方もおられるかもしれませんけど、市町村に対する宿泊税の交付金については、予算の成立前ではありますが、配分基準の考え方を既に説明し、市町村の令和二年度の予算へ計上して、県全体の観光振興の底上げを図るために有効活用するよう求めているという話を聞いております。  現時点において、市町村がどのような事業に活用しようとしているのか、お尋ねをいたします。 22 ◯神代観光政策課長 市町村にお伺いしましたところ、インバウンド客に対応いたしました多言語化の推進や観光案内板の新設といった受け入れ環境の充実、また、観光地のライトアップや、食・自然といった観光資源を活用した魅力の向上、また、メディアやSNSなどを活用した情報発信の強化、こういったものが予定されておりまして、それぞれの地域の現状、課題を踏まえました観光振興施策に活用されているものと考えております。 23 ◯香原勝司委員 委員の先生方は多分、質問よりも資料を見ることでいっぱいいっぱいだと思いますので、何となく聞いておいてください。  宿泊税の交付金を市町村が有効活用することで、県全体の観光の底上げにつながるものと期待します。そのためには、交付金事業の実施に関し、県が情報の提供や専門的な助言、その他の必要な支援を市町村に対ししっかりと行うことを要望しておきたいと思います。  ここまで、宿泊税を活用した令和二年度事業について、県主体事業、そして市町村交付金事業という二つの側面からその必要性を確認してきたところでありますが、これまでの答弁では、新型コロナウイルス感染症の拡大といった予期せぬ事態になった現時点においても、宿泊税を活用した事業を実施し、将来の観光振興に向けた取り組みを行っていく必要があるという答弁であると受け取っております。また、宿泊税を活用した市町村交付金については、市町村にとって必要な大切な財源となることが改めて確認できたところでもあります。  令和二年四月に予定どおり宿泊税を施行する、その考えに変わりはないのか、宿泊税を活用した事業が延期もしくは中止されることはないのか、改めて確認をしたいと思います。 24 ◯神代観光政策課長 宿泊税を活用しました事業につきましては、現在御審議いただいております予算議案が可決、成立をいたしましたら、四月からしっかりと推進してまいる考えでございます。延期、中止といった考えは持っておりません。宿泊税条例につきましても、福岡市、北九州市と連携しながら、令和二年四月一日から施行する考えでございます。  また、宿泊事業者の協同組合であります福岡県旅館ホテル生活衛生同業組合から、税導入の延期の要望を受けておりますが、昨日、四月一日から施行する旨を文書で回答いたしまして、税導入につきまして御理解、御協力を求めているところでございます。 25 ◯香原勝司委員 今、神代課長から、予定どおり令和二年度四月から宿泊税は導入され、宿泊税を活用した事業にしっかりと取り組んでいくという答弁がございました。組合からも要望書が出ておりますし、本当に深刻な問題であると思いますので、ぜひとも、組合の方には御理解をいただいた中で、さまざまな御相談には乗っていただいて、寄り添った対応をしていただきたいと思っています。  そして、なかなかインバウンド向けの方々がすぐ県内にまた帰ってくるということは期待薄かなと思いますので、国内の方々をこの福岡に呼び寄せていく、そういう施策もこれから打っていただきたいと思います。  最後に、令和二年度から宿泊税を活用した県内の観光振興に向けた取り組みを行っていくに当たり、岩永商工部長の決意を伺いたいと思います。 26 ◯井上順吾委員長 岩永商工部長。 27 ◯岩永商工部長 宿泊税の導入についてでございます。委員から御指摘がございましたとおり、今、新型コロナウイルスの影響によりまして、宿泊事業者の皆様方は大変厳しい状況にあると私どもは認識をしているところでございます。  そのような中で、いろいろお声をお聞きいたしますと、一番お困りというのが資金繰りでございます。そのことから本県といたしましては、まずは、今融資を受けている皆様方に対しまして、その返済の先延ばし、それとか返済期限の延長につきまして、制度融資を実際に実行しております金融機関に対しまして、県から要請をしているところでございます。また、県が直接組合に対して貸し付けております高度化資金につきましても、実際に柔軟な取り扱いを既に実施しているところでございます。  さらに、先ほど課長から答弁いたしましたとおり、既存資金に加えて新たに借り入れが必要な方も多くおられます。このような方に対しましては、制度融資の中に、信用保証協会の保証料をゼロにする、全額県が負担するという県の新たな措置を、今実行しているところでございます。このような金融支援を通じまして、宿泊事業者の皆様方を初めとした中小企業の皆様にしっかり寄り添って、支えてまいりたいと考えているところでございます。  その上で、予定どおり宿泊税につきましては、四月一日から導入していきたいと考えております。この財源を活用いたしまして、観光産業の振興、それぞれの魅力の向上に向けまして、確実に着実に我々は取り組んでまいりたいと考えております。そのようなことによりまして県内全体の観光の魅力の底上げを図ってまいりたい、このように考えているところでございます。 28 ◯香原勝司委員 部長が言われるとおり、私自身も、このような困難な時期だからこそ、宿泊事業者を含む観光産業の皆さんにしっかりと寄り添って金融支援もしていただきたいと思います。  そしてまた、コロナウイルスの感染症の影響が宿泊事業者の経営に深刻な影を落とし、多くの旅館・ホテルの皆さんは先行きに不安を抱えていると聞いております。このような状況の中で宿泊税を導入するわけですから、部長の決意だけではなくて、やはり知事のしっかりとした覚悟を改めてお聞きしたいと思いますので、委員長、知事保留質疑のお取り計らいをお願いいたします。 29 ◯井上順吾委員長 ただいま香原委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。なお、知事保留質疑は三月二十五日水曜日に行う予定でありますので御了承願います。 30 ◯香原勝司委員 どうもありがとうございました。(拍手) 31 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。渡辺美穂委員。 32 ◯渡辺美穂委員 民主県政クラブ県議団の渡辺でございます。宿泊税について、ただいまの香原議員と重ならないように配慮をしながら質問させていただきたいと思います。  去る三月八日の毎日新聞に、県旅館ホテル生活衛生同業組合の会員のうち八割が、来月導入予定の宿泊税の延期を望んでいるという記事が出ました。また、同記事の中に、二月に県に対して要望書を出しているとも書かれていました。先ほどの答弁にもありましたが、まずその要望書の内容を具体的にお聞かせください。 33 ◯井上順吾委員長 神代観光政策課長。 34 ◯神代観光政策課長 令和二年二月十二日に、旅館ホテル生活衛生同業組合から知事宛ての福岡県宿泊税に関する緊急要望を書面でいただいております。その内容は、新型コロナウイルス感染症の影響による訪日外国人の減少に加え、国内における風評の拡大、感染不安による宿泊キャンセル、旅行を控える動きがある中、宿泊業界は大きな打撃を受け、先行きの不安が広がっている。宿泊業界を取り巻く厳しい経営環境に配慮をいただき、宿泊事業者の経営に支障とならないよう、宿泊税の導入時期について一定期間の延長を要望するというものです。 35 ◯渡辺美穂委員 今の要望以外に、私どもで独自に聞き取りを行いましたところ、事業者の方々から、三月は対前年比五〇%以下、四月は現段階では予約が入っていない。また、従業員やパートを休ませてはいるけれども、解雇をすることができない。本当に経営が苦しいんだなど、こういった御意見が出されました。そして、本当に倒産の危機に瀕しているとおっしゃっている事業者もおられました。  県ではこういった要望書を含めて、事業者の方々の思いをどのように受けとめておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。 36 ◯神代観光政策課長 旅館ホテル生活衛生同業組合が二月末時点で行った緊急アンケートの結果でございますけども、それによりますと、新型コロナウイルス感染症の関連の影響で、約九割の事業所が影響があると回答されております。そのうち、二月の営業実績が対前年同月比四割以上減少したというところが約二五%です。また、三月の集客状況につきましては、四割以上減少すると見込んでいるところが約五割でございました。  このアンケート結果からも、新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、インバウンド客の減少に加え、国内におきましてもイベント・行事の中止や延期が相次ぐ中で、宿泊事業者の方々に大きな影響が生じ、経営環境が厳しくなっているものと認識をしております。 37 ◯渡辺美穂委員 先ほどの御答弁で、導入の延期の意思はないということだったわけですけれども、今回この新型コロナウイルスの影響で大きな打撃を受けつつも、営業を継続していきたいという宿泊事業者にとっては、まずは宿泊をする方を一人でも多くふやすことが喫緊の課題となっております。そこで、導入するのであれば、この宿泊税を使った宿泊者をふやすための支援策はどういったものがあるのか、お聞かせください。 38 ◯井上順吾委員長 中垣観光振興課長。 39 ◯中垣観光振興課長 県では宿泊税を活用いたしまして、平日・閑散期における観光ニーズ調査に御協力いただきました観光客に対するクーポンを活用した宿泊助成、また、観光客の県内周遊を促進するため、本県に宿泊する旅行者に対するレンタカー代の助成、そして、修学旅行向けの商品造成に係るバス代助成、それと、修学旅行誘致のためのプロモーション、また、欧米豪から海外の空港を経由して福岡、北九州空港へ直接入国する観光客への航空運賃助成など、宿泊客をふやすための取り組みを実施してまいります。 40 ◯渡辺美穂委員 先ほど申し上げましたけれども、私たちが行った聞き取りの中で事業者は、朝食をこれまでバイキングでやっていたものを和定食にして、皆さんが食事を共有しないような努力をしたりとか、あるいは夕食も、大広間で皆さんで召し上がるのではなく、個室で召し上がっていただくといった、それぞれの安全対策を実施しているんですけれども、それの周知が非常に難しいというようなこともおっしゃっておられました。  今回このコロナウイルスの影響が続くようであれば、宿泊税の用途の一つになっております福岡県ウエブ観光案内所あるいはSNS、こういったものを活用した情報発信の中に、それぞれの宿泊事業者がどのような努力を行っておられるのか、こういった安全対策に対する取り組みについて紹介することは可能でしょうか。 41 ◯中垣観光振興課長 委員の御指摘のありました宿泊事業者の実施している安全対策を情報発信することについては、宿泊者の安心につながるものと考えております。このため、宿泊事業者が実施する安全対策について、県の観光情報サイトでありますクロスロードふくおかやSNSにおいて、宿泊需要の回復に向け今後どのような方法で情報発信していくことができるか、宿泊事業者の意向もお聞きしてまいります。  また、県では、新型コロナウイルスが収束に向かった際には、同様にクロスロードふくおかやSNSを活用いたしまして、観光地の魅力とともに、本県の安全を広く発信してまいりたいと考えております。 42 ◯渡辺美穂委員 それでは参考までに、宿泊税を使っていないメニューも含めまして、宿泊事業者に対してどのような支援策があるのかお聞かせください。 43 ◯中垣観光振興課長 県では、県内の宿泊施設の魅力を向上することを目的といたしまして、観光客が快適で安全に旅行できるよう、県内の宿泊事業者が新たに実施するバリアフリー化などの施設改修、Wi─Fi整備、多言語対応などの受け入れ対応強化の取り組みに対する助成を予定しております。  また、助成は事業費の二分の一でありまして、宿泊事業者の自己負担分につきましては、県の融資制度、ふくおか県政推進サポート資金の融資対象事業に加えることで、受け入れ環境整備向上に関する取り組みを支援してまいります。  さらに、福岡県旅館ホテル生活衛生同業組合に助成事業に関する相談員を配置いたしまして、宿泊事業者からの相談に対応してまいります。  加えて、宿泊施設のおもてなし向上のための研修を実施することといたしております。 44 ◯渡辺美穂委員 今、宿泊税を使っていない支援メニューも幾分御紹介をいただきましたけれども、例えば今同じような課題に苦しんでいる旅館業者に対しまして、山梨県の笛吹市では、石和温泉支援策として、来月四月から市内のホテルや旅館に対して、一つの予約当たり最大二万円を補助して、宿泊客を呼び込む独自の支援策を講じることとしています。また、本県におきましても、熊本地震の復興支援策として以前よかとこ旅行券を発行したことがあります。そこでぜひ、今回のコロナウイルス危機に対する支援策として、宿泊でも日帰りでも会食でも使える割引クーポン券の発行をぜひ検討していただくことを強く要望しておきたいと思います。  それでは最後に、宿泊税の仕組みについてお伺いします。  宿泊税の市町村分交付金は、先ほどの答弁で、宿泊者数と旅行者数による配分を行うことになっているという説明がありまして、その割合が八対二になっているという御説明は聞きました。  ちょっと話は変わるようですけども、神代課長は「鬼滅の刃」という漫画を御存じでしょうか。 45 ◯神代観光政策課長 読んだことはないのですけども、「少年ジャンプ」で非常に人気のある漫画だということは知っております。 46 ◯渡辺美穂委員 今大変な人気で、ネットでも在庫がないというような状況で、若い人たちに非常に大変なファンがいらっしゃるということです。このコロナウイルスの影響で観光客自体は減っているんですけれども、先日実は太宰府市にあります竈門神社に行きましたときに、これまで竈門神社では見たことがない若い男性だけのグループが非常に多くおられました。実はこの「鬼滅の刃」の聖地ということで、SNS上で竈門神社が紹介をされているということでございました。  太宰府市は、こういったことが起こる前までも、両政令市を除いて最も多くの観光客が福岡県では来訪して、その上、令和発祥の地、また今回この「鬼滅の刃」の聖地ということで、恐らく今後物すごい数の観光客が訪れるのではないかと予想される中、特別史跡の規制などによって、太宰府市は大型宿泊施設の誘致が非常に困難な状況であります。  その太宰府市選出の議員としては、この八対二という先ほどの数字を拝見したときに非常に複雑な思いをいたしておりますので、最後に部長に、今申し上げたような太宰府市の現状について、御自身の認識がどのようなものなのかをお尋ねいたしまして質問を終わらせていただきたいと思います。 47 ◯井上順吾委員長 岩永商工部長。 48 ◯岩永商工部長 太宰府市の認識ということでございます。太宰府市には、委員御紹介いただいたとおり、太宰府天満宮、あるいは大宰府政庁跡、あるいは「鬼滅の刃」の竈門神社、坂本八幡宮と、大変魅力のある、観光客の皆さんが興味を持たれる観光地が非常にたくさんあると認識をしているところでございます。  それで、本県は太宰府市とは常々連携をとって、いろいろ協議も行っているところでございます。例えば平成三十年度におきましては、太宰府市が観光計画を立てるというお話がございまして、本県からは神代課長がその委員として参加をいたしまして、一緒になって太宰府市の今後の計画についても策定に携わらせていただいたところでございます。一方で、その太宰府市はいろいろな魅力はあるんですけれども、駐車場の不足などのオーバーツーリズムの問題も大変顕在化している状況があると認識をしているところでございます。  したがいまして、県といたしましては、その魅力をさらに皆さんに広めていくこととあわせまして、オーバーツーリズムをどうやって最小限に抑えていくかということも、しっかり太宰府市さんと連携をして今後も取り組んでまいりたいと考えております。  今回の宿泊税では、委員は御不満ということでございましたが、太宰府市にも一定の交付金がございます。これは自由に活用していいものでございます。本県が実施をいたしますさまざまな事業がございますので、それとしっかり連携をして、ますます太宰府市に一人でも多くの皆さんが来ていただけるように、我々としても努力してまいりたいと考えております。 49 ◯渡辺美穂委員 よろしくお願いいたします。終わります。(拍手) 50 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。吉田宣弘委員。 51 ◯吉田宣弘委員 公明党の吉田宣弘でございます。  通告に従い、地域経済の活性化について質問をさせていただきます。  新型コロナウイルス感染症による本県の地域経済への影響は大きく、広範囲に及んでいると思われます。特に中小企業、小規模事業者への影響は大変に深刻ではないかと考えております。そこで、本県における中小企業・小規模事業者等への支援を通した地域経済の活性化について、以下質問を申し上げたいと思います。  事前に、福岡県における商店街数の推移、四地域別と、福岡県における商工会議所、商工会の会員数の推移について、資料を要求させていただいております。委員長、お取り計らいのほどよろしくお願いいたします。 52 ◯井上順吾委員長 お諮りいたします。  ただいま吉田委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
         〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 53 ◯井上順吾委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま吉田委員から要求がありました資料については提出できますか。冨田中小企業振興課長。 54 ◯冨田中小企業振興課長 直ちに提出いたします。 55 ◯井上順吾委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 56 ◯井上順吾委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 57 ◯井上順吾委員長 資料が配付されましたので、吉田委員、質疑を行ってください。 58 ◯吉田宣弘委員 それでは、本県の商店街の状況について、資料に基づき説明をお願いいたします。 59 ◯冨田中小企業振興課長 福岡県における商店街数の推移でございます。  県では、商工会議所、商工会、市町村の協力を得まして、三年ごとに商店街の状況を把握いたしております。平成二十七年度の県内商店街数は、商店街振興組合、事業協同組合、任意団体を合わせまして、四百三十二となってございます。平成三十年度は四百十六となっており、商店街数の合計は減少している状況でございます。 60 ◯吉田宣弘委員 合計数は減少をしているという説明でございましたが、それでは、この商店街の数が減少している要因について、県としてどのようにお考えかお示しください。 61 ◯冨田中小企業振興課長 中小企業庁が実施をしております平成三十年度商店街実態調査では、県内の六二・一%の商店街が、最近三年間の来街者が減ったと回答しております。来街者が減った要因につきましては、魅力ある店舗の減少との回答が最も多く、五七・一%となっております。次いで、業種・業態の不足が四九・四%、地域の人口減少が四六・八%、近郊の大型店の進出が三一・二%などとなっておりまして、県といたしましては、このようなことにより商店街数が減少したものと考えております。 62 ◯吉田宣弘委員 要因についての分析が行われておりますので、それに基づいた対策というものは、るる私も意識をしながら進めていきたいと思いますけども、ここでは、ことしの一月二十四日に、北九州市八幡西区にあります百貨店、井筒屋黒崎店が入居をする商業ビルを運営するメイト黒崎が東京地裁に破産を申し立て、財産の保全管理命令を受けたと発表されております。その後、メイト黒崎にかわる運営会社が見つからず、井筒屋を初めとした入居テナントはその存続が困難な状況にあると認識をしております。このことによる黒崎地区の商店街への影響も大変心配されますし、私自身、以前北九州市に住んだことがございますので、非常に黒崎駅を中心に親しみがあるところでございまして、とても悲しい思いがしております。  こうした地域における県民生活を支えるために、県として地域経済に対する支援策はどのようなことが図られているのか、御説明ください。 63 ◯冨田中小企業振興課長 県といたしましては、北九州市を初め地元の関係機関と連携を密にして、黒崎商店街の活性化を図っていくことが重要であると考えております。  黒崎商店街につきましては今年度におきましても、商店街の魅力向上を図るため、アーケードの改修に対する支援を行いますとともに、プレミアム付き地域商品券の発行に対する支援を行っております。そのほか、黒崎商店街連合会などのまちゼミ実行委員会の主催による、全国のまちゼミの効果的な事例を学び意見交換を行うことを目的といたしました、福岡県まちゼミフォーラムin黒崎の開催に対する支援を行ったところでございます。  引き続きこのような地元商店街の皆様の活動に対して積極的な支援を行ってまいります。 64 ◯吉田宣弘委員 ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。  一方、隣接する地域にあります、この北九州市八幡東区の東田地区、ここはスペースワールドが存在した場所でございますけれども、今、現地に行きますと更地になっていて、とても寂しい思いをしております。ここにはイオンモール株式会社が地域創生型商業施設を二年後に開設することを計画しております。大規模な商業施設であり、昔からある周辺の商店街などへの影響は必至ではないかと考えております。  イオンモール株式会社は、当地域の開発計画については、福岡県、北九州市と連携し、持続可能なさまざまな取り組みを検討すると表明をしておられます。そこで県として、新たに開発されるこの商業施設と昔からある地元の商店街施設等々との共存共栄を図るためにどのような対応をとられるのか、お示しください。 65 ◯冨田中小企業振興課長 委員御指摘のとおり、イオンモール株式会社から、スペースワールド跡地に大規模商業施設を二〇二二年春にオープンすることを目指し計画を進めるとの発表がございました。この計画では、周辺の博物館や、世界遺産である官営八幡製鐵所などの立地環境を踏まえた施設づくりにより、八幡東田地区の拠点性を強化し、北九州市の新たなランドマークとして、市内はもとより国内外から観光客が来店する施設を目指すとされております。  県といたしましては、新しいイオンの施設と地元の商店街がお互いウイン・ウインの関係となるよう、イオンと商店街が連携した回遊性の向上、あるいは観光とも連携したにぎわいの創出を図っていただくよう、引き続きさまざまな機会を捉えてイオンに働きかけてまいりたいと考えております。 66 ◯吉田宣弘委員 先ほど、商店街が減少した要因の一つに近郊の大型店の進出というのが三一・二%の御意見としてあるところを捉まえて、しっかり県としては共存共栄のための、ある意味バランサーとしての役割を果たし切っていただきたいとお願いをしておきたいと思います。  それでは続きまして、商工会議所、商工会の会員数の状況について、先ほど要求させていただいた資料に基づき御説明をお願いいたします。 67 ◯冨田中小企業振興課長 本県の商工会議所、商工会の会員数でございますが、平成二十五年十二月末時点で、商工会議所、商工会の合計で七万六千七百三十四者、平成三十年十二月末時点で七万五千八百十六者となっております。 68 ◯吉田宣弘委員 それでは、本県におけるこの商工会議所、商工会の会員数の推移をどのように捉えておられるのか、お聞きいたしたいと思います。 69 ◯冨田中小企業振興課長 県内の中小企業数が、平成二十五年の十五万五千者から、平成二十八年には十三万五千者と一三%減少をいたしている中で、商工会議所、商工会の会員数はほぼ横ばいとなっております。これは、地域の中小企業の皆様が、商工会議所、商工会及びこの商工会議所、商工会を初め、金融機関、市町村などを構成機関とする県内四地域の地域中小企業支援協議会による支援に対するニーズが高いことのあらわれだと考えております。 70 ◯吉田宣弘委員 今の御説明にもありましたけども、私自身、この地域の商工会議所、それから商工会というのは地域経済の中で非常に重要な役割を果たしていると思っております。  その上で、商工会議所、商工会を通じた地域経済の活性化、これに向けた本県の取り組みはどのような状況になっているのかお聞きしたいと思います。 71 ◯冨田中小企業振興課長 中小企業は、本県企業の九九・八%を占め、雇用の約八割を担っていただいており、本県経済の発展と活力の原動力でございます。そこで県では、県内中小企業のさらなる成長、発展を図るため、商工会議所、商工会などを構成機関とする地域中小企業支援協議会におきまして、関係機関が連携、協力いたしまして、地域の力を結集して中小企業を支援いたしております。  この地域中小企業支援協議会では、経営改善、新たな事業展開に意欲的な中小企業を、重点支援企業として選定いたしまして、商工会議所、商工会の伴走支援を中心に、専門家による支援というものも行っております。平成二十七年から二十九年に選定いたしました重点支援企業四百五十七者におきまして、二百八十者の売り上げあるいは経常利益が向上いたしております。 72 ◯吉田宣弘委員 県としてもしっかり取り組んでいただいていることのあらわれが、今御説明あったかと思います。  この商工会、商工会議所という存在については、地域の中小企業の皆様、小規模事業者の皆様のよりどころとして、一者一者寄り添った支援をしていただいていると、本当に私自身感謝を申し上げるところでございますけれども、今冒頭述べさせていただいたとおり、この新型コロナウイルス感染症の影響は大きいものが考えられます。  それでは、この商工会議所、商工会は、この新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、事業者に対してどのような支援を行っているのか、お示しいただければと思います。 73 ◯冨田中小企業振興課長 商工会議所、商工会では、国の要請を受けまして、中小企業金融相談窓口を十九の商工会議所及び福岡県商工会連合会に開設いたしまして、新型コロナウイルスの発生により影響を受ける、またはそのおそれがある中小企業・小規模事業者からの相談に対応しております。  また、商工会議所、商工会の経営指導員が、巡回指導の際に中小企業に対して、新型コロナウイルス感染症の影響についてお聞きした上で、県制度融資の説明や相談窓口の紹介を行うなど、事業者ごとの状況に応じたきめ細かな支援を行っているところでございます。 74 ◯吉田宣弘委員 これまでるる質問をさせていただきましたけれども、この地域経済の活性化に向けた商工会議所、商工会の存在は非常に重要なものであろうかと思いますし、また、北九州地区を例示として挙げさせていただきましたけれども、これから地域経済の活性化というものは、地域がこれから先も未来にわたってきちんと存続をしていく、人口減少の社会でございますので、そういう意味では昔みたいにはいかないかもしれませんけれども、それでもやはり我々が生まれ育ったところ、お世話になった場所、そういったものが今後衰退をしていくことについて、我々は後世にそうならないように責任を負わなければいけないと思います。  その上で、本県における地域経済の活性化に向けた、部長の決意を伺いたいと思います。 75 ◯井上順吾委員長 岩永商工部長。 76 ◯岩永商工部長 地域経済の活性化についてでございます。  本県では、県内四地域に、県の中小企業振興事務所がございます。この機関を中核といたしまして、四地域に地域中小企業支援協議会というものを設置させていただいております。この中には金融機関も入っておりますし、また、委員から御指摘がございました商工会議所、商工会もその構成員でございます。私どもの中小企業支援策は、この協議会を中心に今さまざまな御支援をしているところでございます。今後とも引き続きしっかりと支援をしてまいりたいと考えております。  また、委員から北九州市ということで、イオンモール、スペースワールド跡地のお話がございました。この跡地の周りには、枝光本町商店街、それから、八幡中央区商店街という二つの商店街がございます。今もその近くにはイオンモール八幡東というのがございまして、そのイオンモール八幡東とその二つの商店街というのは、いろいろなイベントで連携をしているところでございます。今回、新たにスペースワールド跡地に非常に大きなアウトレットモールが完成いたします。引き続きしっかりその二つの商店街と連携をしていただくよう、イオンモールの幹部の方に対しまして私自身も要望しているところでございます。  このようなことで、商店街を含めた地域経済の活性化につきましては、しっかりと中小企業の皆様一者一者に寄り添いながら、また、それぞれの状況に応じたきめ細かな御支援をしっかりやってまいりたいと考えております。そうすることによりまして地域経済の活性化に全力で取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。 77 ◯吉田宣弘委員 私からの質問はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)      〔「関連」と呼ぶ者がある〕 78 ◯井上順吾委員長 森下委員の関連質疑を認めます。森下博司委員。 79 ◯森下博司委員 委員長、関連質問の機会をいただき大変光栄に思います。ありがとうございます。  では早速ですが、今、吉田委員とのやりとりを聞いていて私なりに、資金繰りに関しては余り緊張感がないのではないかなという思いがいたしましたし、きつい言葉で言えば、ちょっと商工部は平和ぼけしているのではないかなと、そういう思いがしましたので、他人事ではなくて福岡県民が困っていると、この融資に関して少し質問させていただきます。  このコロナの影響によって、一月、二月の売り上げは激減しています。その売り上げ激減の中で三月の決算期を、小規模事業者も中小企業もそうですが、今迎えようとしている。この十日間が事業者としては大変重要な時期になってくるわけです。  そこで、私はこの深刻な、事業者が困っていること、そして、フリーランスの皆さんが今どう悩んでどうしたいかということを、二、三質問して終わりたいと思います。お聞きしたいことの一点は、事業者に対して融資の支援措置について適切な情報発信がされているのか、また、これまでどのような広報を行ってきたのか。まず一点お聞きしたいと思います。 80 ◯井上順吾委員長 冨田中小企業振興課長。 81 ◯冨田中小企業振興課長 県におきましては、県制度融資の緊急経済対策資金に係る資金繰りの支援の強化につきまして、記者クラブに情報提供を行いましたほか、県内各市町村、商工会議所、商工会、福岡県中小企業団体中央会、また、福岡県中小企業振興センター並びに取扱金融機関などに対しまして、文書による周知を行ったところでございます。  引き続き、支援を必要としている皆様に必要な情報が届くよう、スピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。 82 ◯森下博司委員 相談窓口もそうですが、資料もらったんですけども、この相談窓口がわかりづらい、どこにどう相談していいのか、簡潔に、シンプルに、こういったことはやるべきだと私は思います、急を要しているということであるので。できれば、相談窓口をフリーダイヤルとか短縮番号をつくるとかして、もっと相談しやすくすることも検討してはどうかと思いますがいかがでしょうか。 83 ◯冨田中小企業振興課長 現在、短縮ダイヤルに関しましては、例えば救急医療電話相談窓口のシャープ七一一九など、特に緊急性の高いものに活用されているところでございます。また、フリーダイヤルに関しましては、新型コロナウイルス感染症に関する厚生労働省の電話相談窓口でありますとか、あるいは国税庁の消費税軽減税率電話相談センターなどに活用がなされております。このような事例も参考としながら、スピード感を持って検討してまいりたいと考えております。 84 ◯森下博司委員 何を検討しようと思っているんですか。もう一度言ってください。 85 ◯冨田中小企業振興課長 今申し上げました短縮ダイヤルの活用でありますとか、フリーダイヤルの活用についてでございます。 86 ◯森下博司委員 わかりました。よろしくお願いします。  では最後に部長に、これは質問ですけれども、これまで金融機関の融資を受けたことのないフリーランスの方とか、個人事業主、また飲食業の方たちが、金融機関の敷居が高いと。また、私たちが行っても相手にされないのではないか等々の声が、ここ二、三日のうちに四人ほど私は聞きました。  そこで、部長、相談ですけども、もっときめ細かな情報発信をまずしてもらいたいということ、そして、手続の簡素化。非常に複雑に三つも四つも申請書類が必要だとか、そういったことを言われたそうであります。そうすると、それが苦になって、時間もない中で、どこに行っているかというと闇金、ここに顔を出したという人もおりました。そういう意味では手続の簡素化を、急を要しているだけに、年度末を迎えるだけに、考えてもらえないかと。三点目は、保証協会等に融資の申し込みから決定までの期間を短縮すること、もっと短く融資を渡せる、これをお願いしたいと。  最後の質問は、今から先、大変不透明で、経営をどうしていっていいか、本当に皆さん悩んでおります。この先どうなるのかと。そういう面で、私は経営指導員さんに、実効性ある経営計画を早急に見直し対策として、この人たちを助けてあげる訪問活動、そして、向こう近い将来の経営計画の見直しを、もう一度皆さんで。倒さない、また、一人も倒産させない、この辺の思いのある福岡県であるならば、ぜひ実現させていただきたいと思うが、いかがでしょうか。 87 ◯井上順吾委員長 岩永商工部長。 88 ◯岩永商工部長 委員から三点御質問をいただきました。  まず一点目、フリーランスなどに対しまして、しっかりと情報提供するようにという点でございます。フリーランス等への情報提供につきましては、私どもはこの金融政策を今回実施する段階で、国の九州経済産業局の部長さんとも私直接お会いしまして協議をいたしました。商工会、商工会議所の会員さんに対しましては、そういう会を通じて届けることができるんですけども、そこに入っていないフリーランスの方にどうやって届けるのかがまず一番問題であると認識をしていたところでございます。このことから国と相談をいたしまして、まず国としては、さまざまなテレビ番組があるので、その中でしっかり届けるというお話がございました。  そこで、県といたしましては、県の広報ラジオ、あるいは、いろいろなネット等での情報発信もございます。また、もう一つありますのが、本県はローソンと提携を行っておりますので、ローソンを通じて、そこに国とか県のパンフレットをしっかり配架していただくと。こういった取り組みも今、最終的な詰めを行っているところでございます。このような取り組みを通しまして、委員御指摘のとおり、しっかりと全ての方に我々の支援策が届くように今後も努めてまいりたいと考えております。  それから二点目が、金融機関に対して迅速な対応をということでございます。今現在我々が設置しております相談窓口はわかりづらいという御指摘がございました。今後もしっかりと広報する必要があると思いますが、今現在で千二百件の相談が寄せられております。その中の大半がやはり資金繰りということでございました。  これにつきましては、今現在で保証協会の申し込みが三百三十件、それから、総額では八十億円を超える融資の申し込みもあっております。これをさらに広げていくためには、迅速な対応、手続の簡素化というのが必要になろうかと思いますので、このさらなる迅速化につきまして、各金融機関、それから保証協会に対しまして、改めて私どもから要請をしてまいりたいと考えております。  それから最後に、経営計画の策定でございます。これは今、本当に新型コロナウイルスの関係で先が見えないという、非常に不安な状況に置かれていると考えております。したがいまして、どのようにこれから経営を行っていくのかと、経営計画を改めて見直すということも必要かと思います。その際には、商工会、商工会議所におります経営指導員というのは非常にすぐれた力を持っておりますので、その経営指導員の指導をしっかり受けていただきながら、この経営計画の新たな策定についても取り組んでまいりたいと思っております。  このようなさまざまな取り組みを通しまして、委員御指摘のとおり、一者たりとも倒産に持っていかない、そのような覚悟で対応してまいりたいと考えております。 89 ◯森下博司委員 以上で終わります。委員長、関連質問を大変ありがとうございました。(拍手) 90 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。小河誠嗣委員。 91 ◯小河誠嗣委員 緑友会の小河誠嗣でございます。  プレミアム付き地域商品券についてお尋ねをしたいと思います。  まず、令和二年度予算におけるプレミアム付き地域商品券の見直し内容について、お伺いをしたいと思います。 92 ◯井上順吾委員長 冨田中小企業振興課長。 93 ◯冨田中小企業振興課長 地域商品券を発行する目的でございますが、これは商店街を初め、地域経済の活性化を図ることでございます。より多くの商店街、商店の皆様に、その効果を実感していただくことが重要であります。  そこで、個々の商店の皆様の御意見を伺うため、昨年十月から十一月にかけまして、商品券の見直しに係るアンケート調査を実施いたしました。調査の結果、個々の商店の皆様に地域商品券について一定の効果を実感していただいているものの、より効果的な地域商品券への見直しを求める声も少なくないことがわかりました。  このアンケート調査の結果を踏まえまして、令和二年度におきましては、これまでの地域商品券に加えて、複数の発行団体の地域で共通利用できる地域商品券、また、専用アプリによってキャッシュレス決済ができる地域商品券、この二つの新型商品券の発行を支援することといたしております。  また、事務費の特例といたしましては、大型店、中小店などの券面分けを行う場合の事務費の上乗せ、また、地域商品券の発行にあわせて行います、他の模範となるような創意工夫を凝らした集客力の高い販売促進活動の取り組みに対しまして、支援をするということといたしております。 94 ◯小河誠嗣委員 実は、私の地元のうきは市商工会では、今回、県内初めてキャッシュレス決済による地域商品券の発行を検討しているところでございます。そこで、県が実施しますキャッシュレス決済による地域商品券の実施内容について、お伺いをしたいと思います。 95 ◯冨田中小企業振興課長 キャッシュレス決済による地域商品券でございますが、これは、発行主体である商工会、商工会議所、商店街が、キャッシュレス決済事業者と連携をいたしまして商品券を発行するというものでございます。  商品券の購入及び使用方法につきましては、キャッシュレス決済事業者ごとに異なりますけれども、例といたしましては、購入する際は、まずスマートフォンに専用のアプリをダウンロードしていただきまして、コンビニや銀行口座からチャージをするということで、プレミアムが付与された電子商品券というものを購入していただきます。利用する際には、取扱店に設置をしておりますQRコードをスマートフォンで読み取っていただき、画面に金額を入力することによって決済を行い、商品を購入できると。そのようなものを考えております。 96 ◯小河誠嗣委員 では、キャッシュレス決済によります地域商品券について、県の具体的な支援内容をお伺いしたいと思います。 97 ◯冨田中小企業振興課長 県の支援内容といたしましては、プレミアム分につきましてチャージされた金額の百分の三及び事務経費につきまして、キャッシュレス決済に係るシステム導入費、利用料などについて五百万円を上限として助成することといたしております。 98 ◯小河誠嗣委員 では、キャッシュレス決済によります地域商品券は、事業者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。 99 ◯冨田中小企業振興課長 キャッシュレス決済による地域商品券は、事業者にとりまして、専用のQRコードを設置するだけで決済ができるために、安価に導入することができるなどのメリットがございます。また、店舗等で利用されました商品券を保管をしておく必要もなく、換金に行く手間も省くことができます。さらには、商工会、商工会議所、商店街などの発行団体にとりましても、既存の商品券に比べて、商品券の印刷費用等のコスト削減を図ることができるほか、商品券の利用データを事業者へのアドバイスなどに活用することができます。 100 ◯小河誠嗣委員 キャッシュレス決済によります地域商品券は、消費者にとって逆にどのようなメリットがあるのでしょうか。 101 ◯冨田中小企業振興課長 キャッシュレス決済による地域商品券は、消費者にとりましても、枚数の多い商品券を持ち運ぶこともなく、スマートフォン一台だけで利用ができるということでありますとか、あるいは、一円から利用できるといったようなメリットがございます。 102 ◯小河誠嗣委員 キャッシュレス決済によります地域商品券は、県として、商店街にとってどのような効果があるとお考えでしょうか。 103 ◯冨田中小企業振興課長 キャッシュレス決済による地域商品券は、事業者、消費者双方にとってメリットがあり、スマートフォンを利用するために、特に若い人の利用が見込めるものと考えております。商店街にとっては、新たな顧客の獲得、さらには売り上げの増加といった効果を期待いたしているところでございます。 104 ◯小河誠嗣委員 キャッシュレス決済によります地域商品券は、商店街の活性化が期待できるということでございますが、県内に広げていくことが必要ではないかなと思っております。県の考え方をお伺いしたいと思います。 105 ◯冨田中小企業振興課長 委員御指摘のとおり、キャッシュレス決済による地域商品券は、商店街の活性化につながることが期待できるため、県といたしましても県内に広げていきたいと考えております。その導入に当たりましては、決済事業者との連携が必要でございまして、決済事業者によって、その仕組みでありますとか、あるいはシステムの導入費用、利用料といったようなものが異なりますために、それぞれの発行団体が地域の実情に合ったキャッシュレス決済による地域商品券を発行していただくように促してまいりたいと考えております。 106 ◯小河誠嗣委員 最後に、魅力ある地域づくり、先ほどからいろいろな商店街の活性化策が出ておりますけど、この一つとしてプレミアム付き地域商品券の発行というのはあるのだろうと思っております。商工部長の、今後このプレミアム付き地域商品券の発行についての意気込みをお願いしたいと思います。 107 ◯井上順吾委員長 岩永商工部長。 108 ◯岩永商工部長 地域商品券の今後の発行ということでございます。地域商品券につきましては、その制度上、必ずその地域で使われるというものでございます。したがいまして、地域経済の活性化という点では大変大きな効果があると考えているところでございます。  令和二年度の当初予算、今お願いしている予算におきましても、個々の商店の皆様の御意見を伺いまして、その意見を踏まえて、これまでのメニューに新たなメニューを追加しているところでございます。そのメニューの一つが、委員御指摘がございましたキャッシュレス決済でございます。このキャッシュレス決済も、少し前までは二割程度しか普及しておりませんでしたが、今年度福岡県は非常にてこ入れを行いまして、今四割程度までキャッシュレスが普及しているという状況もございます。これを活用することによりまして、一層の消費喚起が期待できるという点もございます。このキャッシュレス決済につきまして広く皆様に説明をして、活用いただけるように取り組んでまいりたいと考えております。  このようなことから、今後につきましては、地域商品券の発行はこのキャッシュレス決済も含めまして、しっかりと御支援をしてまいりたいと考えております。そうすることによりまして、地域経済の一層の活性化を図ってまいりたいと、このように考えているところでございます。 109 ◯小河誠嗣委員 今後とも地域の商店街、それから中小企業者の対策に万全を期していただきますことを心からお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
    110 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。古川忠委員。 111 ◯古川 忠委員 先般、企画・地域振興部の款で、県内の地域エネルギーのことについてお尋ねしました。その中で、水素はどうしても商工部が所管しておりますので、常任委員会に所属はしておりますが、そのつながりとして、もう少し水素について深く質問させていただきたいと思っております。  まず、福岡県は二〇〇四年に水素エネルギーの戦略会議をつくられました。産学官共同で、しかも大変そうそうたるそれぞれのメンバーによってつくられて、日本でも最も早く、水素に目をつけたすばらしい取り組みだったと思います。しかしながら、最近ではいろいろなところで水素ができておりまして、例えば福島県の浪江町に大規模な水素製造プラントができておりますし、神戸あたりでも、水素を使ったコージェネの実証実験が進んでおります。  そういう中では、最初にスタートし、最初のランナーだった割にはちょっとおくれをとったのではないかな、もしくはやや追いつかれているのではないかなという危惧をしております。そういう中で実際にこの福岡県において、水素社会に向けての普及状況、県内及び全国の状況についてまずお聞きしたいと思います。 112 ◯井上順吾委員長 道岡自動車産業振興室長。 113 ◯道岡自動車産業振興室長 水素関連の製品の普及状況についてです。  FCVにつきましては、令和二年二月末現在、全国で三千六百六十七台、本県で百十二台が導入されております。  水素ステーションにつきましては、同じく令和二年二月末現在、全国で百十五カ所開設しており、本県につきましては、今月十六日、久留米市に新たな水素ステーションが開設されましたので、現在十一カ所となっております。  エネファームにつきましては、令和二年一月末現在、全国で三十万二千二百七台、本県で一万八百二台が普及しております。 114 ◯古川 忠委員 久留米に今度できましたね、水素ステーションが。十カ所、大変たくさんつくっていただいております。ただ、私の友人で、一番最初にこの水素のFCVの車を買ったのに聞きますと、ステーションに行っても閉まっていると、こんな不便なものを買わされたと言って、とうとう買いかえたのがいるんですよ。それで、十カ所あるんですけども、なかなか利用がやりにくいというのをよく聞いております。  と同時に、これは鶏が先か卵が先かの話になりますけども、何といっても車がふえないことにはこのステーションも生きてこないわけですから、その辺のところをぜひ、どうPRしていいか、個人の懐ですからなかなか簡単にはできませんが、そこの推進をぜひよろしくお願いしたいと思います。国も、ステーションについては百億円の予算を出しておりますよね。一基当たり三・五億円もかかるという話でございますが、何とか、ステーションがふえることによって車の利用もふえると思いますので、そこはしっかり頑張ってもらいたいと思っています。  それから、どうも水素といいますと、車を宣伝する余り、どうもモビリティーばかり注目されるような気がしますけども、事業所とか、今エネファームの話がありましたが、そういう方面に少し力を入れてこの水素を生かしてもらいたいと思っているんですが、その点についての御答弁お願いしたいと思います。 115 ◯井上順吾委員長 見雪新産業振興課長。 116 ◯見雪新産業振興課長 事業所などにおける取り組みでございます。先進的な事例を二つほど御紹介させていただきたいと思います。  一点目は、トヨタ九州の宮田工場において、工場内の太陽光発電から水素をつくって、燃料電池フォークリフト、あるいは、隣接する展示施設の照明、そして、温水施設などに使っていると、こういった実証をやっております。また、県の住宅供給公社、これは福岡市中央区の小笹団地でございますけども、ここでは十七世帯にエネファームを導入して、余剰電力を世帯間で融通し合うといったモデル事業に取り組んでいるところでございます。いずれも全国初のユニークな取り組みでございます。  我々としましては、こうした先進的な取り組みが県内で行われているということをPRして、水素利用の普及につなげてまいりたいと考えております。 117 ◯古川 忠委員 水素のよさというのは、もう皆さん御承知と思いますけども、まさに、つくることは、福岡県は非常に有利なんですよね。八幡製鉄所から出ます副生水素がありますね。それから、岩谷産業という、大変なそういう水素に関しては先端企業がございます。  それから、前回申し上げましたが、木材チップとか、それから汚泥からも水素はできるんですね。これはブルータワーを大牟田でやって、これは残念ながら純度が少し少なかったせいか、うまくいきませんでしたけれども、あらゆるところからできます。それからまたさまざまな、国としては、ブルネイからとか、それから褐炭を利用した水素もできます。そういう意味では非常に、いろいろな意味でつくることができる。また、ためることができる。何百分の一ぐらいに凝縮して、それをためることができる。そしてしかも、それを運ぶことができる。あらゆる面で水素というのは、これからの時代にとって非常に大きな希望を持てるエネルギーではないかなと思っていますし、これが世界をリードしていくのではないかなと、私はそういう思いがしております。  そういう意味で、先般も福岡市内で九州水素・燃料電池フォーラムがございました。これは、第一回の水素先端世界フォーラムが福岡市で二〇〇七年に既に行われていますし、九大でかなり詳しく研究も進んでいるようでございますが、その内容について御答弁願いたいと思います。 118 ◯見雪新産業振興課長 委員がただいまおっしゃいましたように、九州大学では、水素をつくる、あるいは、ためる、運ぶ、使う、こういったことに関しての先進的な研究開発をやっております。  一点目のつくるでございますけれども、再生可能エネルギーから水素をつくるために不可欠な技術、これは水電解技術でございます。高温水蒸気を用いた非常に効率の高い次世代の水電解装置の研究開発をしておりますし、また、ためる、運ぶという面におきましては、例えば水素ステーションなど、高圧水素の環境下でも使用することができる金属であるとかゴムであるとか、こういった材料の研究開発、あるいは、ちょっとユニークですけれども、水素吸蔵合金というのがございます。これは、金属の中には水素を取り込むような性質のものがございます。これを利用して、水素を非常にコンパクトに、液化水素よりもコンパクトに、そして、常温常圧で貯蔵が可能で非常に安全、こういった研究開発、あるいは使うという面におきましては、非常に発電効率の高い燃料電池、次世代の燃料電池、こういった研究開発が行われているところであります。 119 ◯古川 忠委員 水素というのは、なかなかある意味でまた逆に扱いにくいエネルギーでありますので、その裾野といいましょうか、研究分野が広いと思うんですね。それは今お話がありましたように、九大を中心にやっていただいているということは大変心強い話でございますが、これから先、特に福岡県の場合はそういう強みがありますので、それを生かした今後の取り組みについて、再度御答弁願いたいと思います。 120 ◯見雪新産業振興課長 委員からも先ほど御紹介がありました福岡水素エネルギー戦略会議、これは平成十六年に産学官でつくっております。この会議には、水素分野で全国トップレベルの企業あるいは大学、研究機関、行政など、今、八百を超える団体などに参画いただいているところであります。また、本県には、水素分野で最先端の研究機関が、先ほども御紹介ありました九州大学、そして、世界的にも最高水準の設備を抱えた水素エネルギー製品研究試験センターHyTReC、こういった強みがございます。福岡県ならではのこういった強みを生かしまして、例えば、水素関連技術の研究開発、あるいは専門人材の育成、そして、県民への普及啓発を。また、水素は、つくる、ためる、運ぶ、使うと非常に各家庭で幅広い技術が必要となります。ということは数多くの企業がかかわることができます。このため、新市場を創出する次世代産業としても期待されますので、この水素分野への県内の中小企業、ベンチャー企業、こういったものの参入にしっかりと取り組んで、水素エネルギー社会の実現に貢献してまいりたいと思っております。 121 ◯古川 忠委員 ありがとうございます。日本で水素といえば福岡と言われたぐらいですから、ぜひとも福岡のためにもしっかり水素エネルギーを世界に向けて頑張っていただきたいと思っています。  水素についてはこれで終わります。  もう一つの項目で、福岡よかもんひろばについて。県庁の本庁の最上階にありますよかもんひろばは、県庁見学に来た方、いろいろな方をお連れすると大変喜ばれるんですね。まずもって眺望がいい。海が一望に見えます、玄界灘が。そして、南側をのぞいたら飛行機の発着が見える。大変ロケーションがいいんですね。また、展示物も非常によろしいですよね。先般、リニューアルしました。予算は八千五百六十万円と非常にかかりましたけども、かなりバージョンアップして、大変すばらしいよかもんひろばになっていると私は思います。  年間の委託料も二千四百万円、多少高いのか安いのかは微妙ですが、少なくともいろいろなことをやっておられます。余談ですけど、先般私の女房と娘が県庁に行くというから、何だろうと思って、素行調査でもされるかなと心配しておりましたら、ワークショップに行ったようです。ステンドグラスのワークショップだったようです。いろいろなイベントもやっておられます。そういう中でちょっと気になったことだけが一点ありますので、それを今回申し上げたいと思います。  ここにその当時のパンフレットがあるんですが、これは「ふくおか里山の恵み」、昨年の十月一日から十二月二十六日まで、よかもんひろば、県庁十一階というこのパンフレットの中身ですが、「感じて!遊んで!中山間地域」「里山昆虫写真展」「巨大!木のからくり装置」、それから、「アクアリウム」「親子で楽しむ食育」。どう見ても、子供さんが喜ぶようなやつばかりなんですよ。実を言うと私は孫も連れていきたいなと思ったんですが、いかんせん平日、しかも土曜・日曜・祝日は休館、八時半からで五時十五分には閉まる。子供は行けないですよね、これ。これはもったいないなと私は思います。  いただいた日程を見ますと、かなりタイトです。いろいろなことをやってあります。それは結構なんですが、子供向きのものは期間を考えるとか。これは庁舎管理にかかわるのでなかなかすぐにはできないかもしれませんが、少しでも時間を延ばしていただく、もっと言えば、年に何回かは土曜ぐらいあけていただくとか、何かもっと工夫が欲しいなと私は感じております。というのもすばらしいんですよ。旧県庁みたいに天神にあったら、恐らく毎日にぎわっていると思います。たまたまちょっと離れているから、いつ行っても、すいていると言ったら変ですが、ゆっくり見られますけども、もったいないなという気が強くしております。  そういう意味では、何とかこれを生かしてもらいたいと思いまして、きょう質問させていただきました。目的その他はわかりますが、おおよその概要、取り組み内容、それから、来場者の推移、満足度等々について、とりあえず質問したいと思います。よろしくお願いします。 122 ◯井上順吾委員長 神代観光政策課長。 123 ◯神代観光政策課長 よかもんひろばの目的でございますけども、県庁の十一階に、本県の国指定あるいは知事指定の伝統的工芸品、そして特産物を集めることにより、来場者の方々にこれを紹介いたしまして、本県の物産、観光への理解促進といいますか、魅力を知っていただく、これを目的としております。 124 ◯古川 忠委員 来場者の推移ですね。少しずつはふえているだろうと思うのですが、リニューアルをせっかくやったのですから、その効果がどのぐらいあるのか、今後どうするのか、それも含めてお尋ねしたいと思います。 125 ◯神代観光政策課長 済みません、失礼いたしました。来場者でございますけども、平成二十七年度にリニューアルしております。その際が約五万人でございます。昨年度が六万四千を超えておりまして、一日平均いたしますと三百二十名の方に御来場いただいております。令和元年度につきましても、二月末時点で六万三千人を超えるということで、オープンした二十七年度と比べますと、三割弱ふえているといった状況でございます。  これにつきまして私どもも、企画展でありますとか、あるいは先ほど古川委員は御家族の方が参加いただいたということでございますが、ワークショップ、こういったものも開催しながら、またそれをしっかり情報発信することで来場者をふやしていきたい。また、一階にも、十一階の案内をエレベーターのところにさせていただいております。そういった形で一階に来られた方を十一階に引き上げていく、こういったこともやっていきたいと思っております。 126 ◯古川 忠委員 もうこれで終わりたいと思います、時間もありませんので。  今申し上げたように、なかなか庁舎の中を時間の延長であるとか土日にあけるのは難しいかもしれませんが、将来的な課題としてぜひ検討していただきたいなと思います。あそこに行きますと、県の物産がみんな見られるんですね。一度に見られますので、本当に大抵の人は喜ばれます。そういう意味ではもったいない気がいたしますので、ぜひこれから前向きに検討をお願いしたいと思っています。  多少といいましょうか、入館者も幾らかふえているようでございますし、どこでうちの女房と娘がワークショップを知ったか知りませんが、広報もしっかりやっていただいて、せっかくの本庁にありますすばらしいよかもんひろばをこれからも生かしていただきたい、そう思ってこれを要望しまして、質問を終わりたいと思います。終わります。(拍手) 127 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。秋田章二委員。 128 ◯秋田章二委員 自民党県議団の秋田章二でございます。通告に基づきまして質問していきたいと思います。  まず、本県への外国人入国者数は二〇一二年から着実に伸びておりました。フィンエアー等がまた飛んだりして、博多駅も今まで聞いたことのないような言葉が行き交うようになっていましたけれども、残念ながら、昨年の日韓情勢の悪化、そして、ことし二月からの新型コロナウイルス感染症の拡大、それによって本県の観光に大きな影響を与えているのではないかと思います。  本県のインバウンド観光の課題というのは、中国、韓国への一極集中、ちょっと頼り過ぎていたというところから、東アジアのほかの国々、また東南アジア、また、欧米豪からのインバウンド拡大に一層力を入れていって、インバウンドの多角化を図っていくことであろうと考えております。  今、COVID─19ということが大変で、これもいわゆるパンデミックということで、本当に博多駅も人がいなくなりまして、外国の言葉を聞くこともありませんけれども、このCOVID─19が早く収束して、徐々にでも観光産業が回復していくことを願いまして、質問してまいりたいと思います。  まず、インバウンド向け体験プログラムを組み込んだ旅行商品造成支援事業というものが予算計上されておりますけれども、具体的にはどのような取り組みなのでしょうか、お答え願います。 129 ◯井上順吾委員長 神代観光政策課長。 130 ◯神代観光政策課長 本県へのインバウンドの新たな誘客、そして地域の旅行消費額、これの拡大を図ることを目的といたしまして、各地域で、体験する、見る、食べる、これらを丸ごと楽しめる観光エリアをつくっていこうとすることを目的としております。  具体的には、県内の四つのエリア、これは行政の圏域に縛られない、市町村域を加えた四つのエリアということで、県、市町村、観光協会などで構成いたします検討会をまず設置いたしまして、その中でエリアごとにテーマを設定した上で、例えば久留米がすりや大川組子、こういったものの体験プログラムの磨き上げ、モデルコースの開発を行いまして、インバウンド向け体験プログラムを組み込みました旅行商品を造成してまいります。  あわせまして、体験プログラムを提供される事業者に対しまして、インバウンド向けに体験会場を改修する、それに要する費用でありますとか、地域の観光消費を促進させる取り組みといたしまして、新たにカフェを設置する地域事業者、こうした方々に対する施設改修を助成する考えでございます。 131 ◯秋田章二委員 そうした観光地域づくりとあわせまして、訪日外国人の多角化を図るためには、やはり欧米豪など直行便が少ない国から本県に来てもらうための誘客事業が大事であろうと思っております。  そこで、来年度予算に計上されています欧米豪から福岡、北九州空港を使って直接入国する観光客誘客の取り組みでは、一人当たり一万円の航空運賃の割引を受けることができるようになっておりますけれども、どのようなスキームで実施するのか、また、この海外の利用者に対しましてどのような方法で福岡県が費用助成をしていることを知らせるんでしょうか、お答えください。 132 ◯井上順吾委員長 中垣観光振興課長。 133 ◯中垣観光振興課長 この事業は、イギリス、フランス、アメリカ、そしてオーストラリアを対象にいたしまして、本県内の旅行に関するニーズ調査に回答した方が、対象国から海外の空港を経由いたしまして、福岡、北九州空港に直接入国し、本県に三泊以上することを要件に、航空運賃の割引を行うものでございます。  個人旅行につきましては、オンライン旅行社で要件を満たした方に対しまして、オンライン上で旅行代金を決済する際に、航空運賃の割引を行います。また、団体旅行につきましては、旅行会社がこれらの要件を満たす旅行商品を催行した場合に、旅行会社に対しまして、県から航空運賃の補助を行うものでございます。  また、事業実施に当たりましては、オンライン旅行社の予約画面や旅行会社のウエブサイトにおきまして、本県が航空運賃の補助を実施していることのPRを行います。加えまして、訪日旅行者向けのウエブサイトでございますとか、あるいはSNS、こういったもので海外向けの事業広告を行うことといたしております。 134 ◯秋田章二委員 次に、国内外の観光客をふやす目的で、令和二年の予算の中に、平日・閑散期における宿泊助成というものがあります。この事業は、六月と、年始を除く一月、そして二月の閑散期を対象としております。しかしながら、この新型コロナウイルス感染症の影響で、もう既に三月も、四月、五月も閑散としている状況ではないかと思います。この点についてどうお考えでしょうか。 135 ◯中垣観光振興課長 本事業は、本県への来訪者数、また、宿泊者数が特に少ない、六月、年始を除く一月、二月、こういったところを閑散期として定義いたしまして、宿泊費助成を実施することとしたものでございます。しかし、現在、委員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症によりまして、県下の宿泊施設においてキャンセルが発生しておりまして、宿泊者数が減少していることから、閑散期の定義につきましては今後見直しも含めまして検討してまいりたいと考えております。 136 ◯秋田章二委員 ぜひお願いします。事業を最初計画されて、検討されていたときとは急激に局面が変わっておりますので、宿泊事業者の支援につながるように運用面での改善を強く要望しておきます。  次に、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大によりまして、宿泊業や土産店等、観光産業のみならず、さまざまな業種の中小企業に大きな影響が出てきております。県においても資金繰りを初めとする中小企業対策を行っていますけれども、その点についてただしていきたいと思います。  まず、新型コロナウイルスの感染防止拡大のため、多くのイベントが中止になっております。また、部品や製品の供給を依存している中国の工場が生産停止になったことによりまして、県内の中小企業・小規模事業者は、収束の見えない深刻な影響を受けております。県では一月三十日に新型コロナウイルスに関する経営相談窓口を設置し、県内中小企業からの相談に応じていますが、これまで約千二百件近くの相談があったと聞いておりますけど、実際何件の相談があり、相談の内容についてお尋ねしたいと思います。 137 ◯井上順吾委員長 冨田中小企業振興課長。 138 ◯冨田中小企業振興課長 県では、新型コロナウイルス感染症の流行によりまして影響を受ける中小企業・小規模事業者からの経営や資金繰りに関する相談に対応するため、一月三十日から新型コロナウイルスに関する経営相談窓口を設置いたしております。県の窓口は、県庁中小企業振興課及び新事業支援課のほか、県内四カ所の中小企業振興事務所、そして福岡県中小企業振興センター、福岡アジアビジネスセンターに設置をいたしております。  今委員から御指摘ございましたように、これまで約千二百件の相談が寄せられておりまして、資金繰りに関する相談が八割を超えております。具体的には、観光客の減少に伴う、県内のバス事業者や旅行業者等からの資金繰りに関する相談、あるいは、行事やイベントの中止・延期や客の減少に伴う、飲食店からの資金繰り相談などが多くなってございます。  また、三月十四日土曜日からは、県庁中小企業振興課におきまして土日祝日も電話相談を受け付けることといたしまして、相談者の利便性の向上を図ったところでございます。 139 ◯秋田章二委員 相談内容の八割が、多くの中小企業・小規模事業者の資金繰りの相談だという話でございます。  私の地元の大川はインテリア産業が非常に盛んなところでございますけど、多くの企業が中国、ベトナム、ミャンマーなどに下請の工場を持っております。中国では、休みで戻った職員が工場に戻ってこられない、封鎖でですね。それで稼働できない。一方、大連はまだ稼働はできるけど、自分が検品に行くと日本に帰ってきて二週間動けないので検品に行けない。検品に行けないものは市場に出せない。そういう非常な悪循環に陥っております。  県としては、こういう中小企業を強力に支援することが必要ですけれども、新規事業よりも既存の融資について、金融機関がそういう企業に対して返済猶予や返済期間の延長に応じることが重要と考えております。香原委員と重なりますけれども、こういう企業に対して親身な対応をここで強く要望しておきます。  次の質問に入りたいと思います。新規の資金繰りについてお伺いいたします。  政府は今月十日の対策本部で、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策第二弾ということでございますけれども、無利子、無担保による強力な資金繰り対策を発表いたしましたが、どのような内容なのか。これは国の施策ではありますけれども、よくわからないので御説明をお願いしたいと思います。 140 ◯冨田中小企業振興課長 この新たな資金繰り対策でございますが、これは日本政策金融公庫による特別貸付制度でございまして、新型コロナウイルス感染症によって業況が悪化した、フリーランスを含む事業者に対しまして、信用力や担保によらず、借り入れ後三年間、基準金利から〇・九%の金利引き下げを行うというものでございます。これによりまして、中小企業については、基準金利一・一一%でございますが、これが〇・二一%になります。小規模事業者につきましては、一・三六%が〇・四六%に引き下げられます。融資限度額は、中小企業三億円、小規模事業者六千万円となってございますが、引き下げ金利での限度額は、中小企業一億円、小規模事業者三千万円となっております。  さらにこの特別貸付制度により融資を受けた中小企業者のうち、売上高が大幅に減少して特に影響が大きかった事業者に対しましては、借り入れ後三年間、国から利子補給が行われまして、引き下げ金利での融資分が実質無利子となるという非常に条件のよい制度となっております。 141 ◯秋田章二委員 お聞きしますと、条件面から、まずこれを利用する事業者さんが多いのかなと思われますけれども、ただ小規模事業者の場合、引き下げ金利での限度額は三千万円とのことで、それ以上の資金が必要な場合、ほかにどのような資金繰り支援があるのかお答えください。 142 ◯冨田中小企業振興課長 これも三月十日に発表された支援策でございますが、商工会、商工会議所の経営指導員による経営指導を受けた小規模事業者に対しまして、日本政策金融公庫が無担保、無保証人で行う小規模事業者経営改善資金融資、通称マル経融資と申しておりますけれども、こちらの特例措置というものが設けられました。新型コロナウイルスの影響によって売上高が減少した小規模事業者の資金繰りを支援するため、別枠で一千万円の範囲内で、借り入れ後三年間、通常の金利から〇・九%引き下げられます。加えて、据え置き期間を運転資金で三年間、設備資金で四年以内に延長するという内容のものでございます。 143 ◯秋田章二委員 今説明がありました融資制度は、どちらも国の支援策でございますけれども、県の制度融資においても保証料をゼロとするなどの支援措置を講じているようでございます。その内容についてお尋ねいたします。 144 ◯冨田中小企業振興課長 県の制度融資では、国が三月二日に四十七都道府県全てをセーフティネット保証四号の適用地域として指定したことを受けまして、緊急経済対策資金に係る保証料〇・八%を全額県で負担することによってゼロとし、融資利率一・三%のみで利用できるよう、資金繰り支援の強化を図りました。  また、国が全国的な不況業種を指定いたしますセーフティネット保証五号につきましても、新型コロナウイルスの影響の拡大に伴いまして対象業種が追加指定されたことを受け、これらの業種を県の緊急経済対策資金の対象に加え、支援を拡充いたしました。現在、五百八業種を対象といたしております。  さらに、三月十三日、国が、全国、全業種を対象として危機関連保証を発動いたしました。この危機関連保証の対象事業者につきましても、セーフティネット保証四号と同じく、保証料〇・八%を県で負担しゼロとしたところでございます。 145 ◯秋田章二委員 セーフティネット保証四号も危機関連保証も、県費で保証料をゼロとして、融資利率のみで貸し付けを受けられるということでございますけれども、融資を受ける側としては、危機関連保証セーフティネット保証四号との違いが、私もですが非常にわかりづらいと思うんですけれども、違いは何でしょうか。 146 ◯冨田中小企業振興課長 どちらも全業種を対象としておりまして、コロナウイルス感染症の影響によって売上高が減少したことについて市町村長の認定を受けていただく必要がある、そのことは同じでございます。ただし、セーフティネット保証四号は、売上高が前年同月比二〇%以上減少した事業者を対象としております。一方、危機関連保証は、売上高が一五%以上減少した事業者を対象としているところです。  また、これらの二つの保証は、それぞれが別枠で利用することができますので、それぞれの融資限度額は一億円となってございますが、合計二億円まで信用保証協会による一〇〇%の保証で利用することができます。 147 ◯秋田章二委員 ありがとうございました。  この新型コロナウイルス感染症は、WHOがパンデミックと表明するなど、収束が全く見えない状況でございます。リーマン・ショック以来の世界恐慌となる可能性もささやかれております。現在は、セーフティネット保証四号及び危機関連保証により、一〇〇%保証の資金繰り支援が実施されておりますけれども、これらは活用できる期間が六カ月とか一年とか期間が決められております。経済の低迷が長引きまして、その期間が終われば、新規融資を望んでも、以前にもありましたけれども、貸し渋りというものが起きるのではないかと私は危惧しております。  そのことを含め、本県企業の九九%以上を占める、雇用の八割を担う中小企業が、この困難な状況を乗り切り、事業を継続できるよう、強力に支援していくことが大変重要かと思いますけども、部長に決意のほどをお尋ねいたします。 148 ◯井上順吾委員長 岩永商工部長。 149 ◯岩永商工部長 中小企業に対する御支援についてでございます。  委員御指摘のとおり、今最も重要なのは資金繰り支援ということが重要であると考えております。このため、先ほど来申し上げていますとおり、金融支援を非常に今強化をしているところでございます。保証料率をゼロにするとか、そういったことに取り組んでいるところでございます。しっかり皆様方にこの情報が届くように我々も努力をしてまいりたいと考えております。  そのような中で、今委員から御指摘がございました一〇〇%保証という件でございます。セーフティネット五号は、通常であれば五号のように保証割合が八〇%、要するに保証協会が八〇%負担するんですけど、二〇%は金融機関が負担をするというものでございます。これが、保証割合が一〇〇%でありますと金融機関の負担はゼロということになりますので、金融支援がやりやすくなる資金でございます。  ところが、これは国の制度によっておりまして、四号、それから危機関連対応ともに期限が区切られているというものでございます。この期限を区切るやり方につきましては、過去、本県の豪雨災害の際にも、期限を区切られた形で一〇〇%保証の発動がなされております。その際には、私どもはその延長を強く国に要望いたしまして、必要に応じて何度か延長されたという事例もございます。今後も、中小企業の皆様の実情をしっかり踏まえながら、延長が必要であれば、しっかりと国に対して要請をしてまいりたいと考えております。  県といたしましては、このような金融支援をしっかり行うことによりまして、中小企業の御支援をしっかり行ってまいりたいと考えております。そしてまた、冒頭委員から御指摘がございました観光振興につきましても、このしっかりとした金融支援を行う上で、受け入れ環境の整備あるいは魅力向上といったことにしっかり取り組んでまいりたいと、このように考えているところでございます。 150 ◯秋田章二委員 本当に中小企業の皆さんは将来への不安、二カ月後、三カ月後の不安で今いっぱいでございます。どうぞしっかり取り組んでいただきますようお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。(拍手) 151 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。平井一三委員。 152 ◯平井一三委員 自民党県議団の平井一三であります。  通告に従いまして、観光産業の振興についてお聞きしたいと思いますけども、ただいま秋田委員からの質問があり、少し重なるところがあります。中国や韓国以外からのインバウンドの促進につきましては割愛をさせていただいて進めさせていただこうと思っております。  まず最初に、昨年のラグビーワールドカップは大変成功であったと思っております。欧米豪からの入国者がふえたと聞いておりますけども、その実績を今後の政策にどのように生かしていかれるのかをお聞きしたいと思います。 153 ◯井上順吾委員長 中垣観光振興課長。 154 ◯中垣観光振興課長 昨年は、ラグビーワールドカップ開催もありまして、欧米豪から本県への入国者数は、二〇一八年度対比で一五%増加となりました。  来年度は、この成果を踏まえまして、海外空港を経由して福岡空港または北九州空港から直接入国する方を対象といたしました航空運賃の割引助成、また、関西、広島を経由して本県を周遊する旅行商品の造成、販売支援、また、オーストラリアの旅行専門マーケティング会社と連携いたしまして現地のプロモーションなどに取り組むことで、欧米市場からの誘客拡大を図ることといたしております。 155 ◯平井一三委員 これまでいろいろな答弁をいただきまして、福岡県へのインバウンドの促進に熱心に取り組んでいただいているということは承知をしておりますけども、観光というのはツーウエーのツーリズム、つまり来ていただいた国へは日本からも訪れると、お返しをすると、そのような仕組みづくりがこれからは必要ではないかなと私は思っているところであり、インバウンドとアウトバウンド、これは一対であります。アウトバウンドについても、きょう質問をしようと思っていたんですけども、担当の部が違うということでした。この機会にぜひ、観光部署を中心として庁内で十分なる連携を図っていただいて、インバウンドだけではなくて、アウトバウンドについてもしっかりと取り組んでいただくことをお願いしておきたいと思うところであります。  それで、九州への観光客、延べ宿泊数の八五%は日本人観光客であります。観光産業を支えている柱は、国内の観光客であります。この国内からの観光客を今後も確保して、そしてさらに増加させていくことは、安定した観光産業の振興にとって大変重要であると思っております。  ことしの取り組みといたしまして、県内で宿泊して北九州、福岡市以外の観光施設を三カ所以上訪問すれば、レンタカー一台当たり三千円を補助するという制度を始められると聞いておりますけども、私は、このように福岡県という枠を対象にした観光メニューに少し窮屈さを感じているところであります。観光客にとりまして、県の境というものはありません。福岡に来て、熊本、鹿児島に抜ける、あるいはその逆もあるわけでありまして、福岡が潤えば熊本も鹿児島も潤うと、そのようなことができるように九州各県の連携が必要であろうと思っております。  我々県議会議員も参加しております九州観光振興議員連盟では、昨年のラグビーワールドカップの開催を契機といたしまして、九州は一つ、この思いのもとに九州を周遊する観光ルートの提案にも取り組んでまいりました。九州各県の執行部が連携して、その魅力の発信へ今後も取り組んでいただくなど、県境を越えた、圏域を越えた、九州への日本人の誘客に取り組んでいくべきと考えますが、県の見解をお聞きいたします。
    156 ◯中垣観光振興課長 これまでも、九州各県や九州観光推進機構と合同で、日本最大級の旅行博や、そこにおきまして九州各県一体となったブースでの出展を行うとともに、修学旅行の誘致を行ったり、また、ラグビーワールドカップ二〇一九の期間中におきましては、九州の魅力の一つであります祭りのPRを行ったりと、九州各地の誘客を促進しております。  今後も、世界遺産やひな祭りなど、圏域を越えたテーマに沿ってつなぎ、周遊性を高める観光モデルルートの開発に取り組むことで、本県への誘客にもつなげてまいりたいと考えております。 157 ◯平井一三委員 それでは次に、観光資源の活用についてお聞きしたいと思います。観光関連のサイトでありますトリップアドバイザーによりますと、二〇一九年の外国人に人気の日本の観光スポットランキングベスト二十、これを見たことがあられるかどうかわかりませんけど、この一位は伏見稲荷でありまして、二位が広島の原爆ドーム、三位が宮島、以下、東大寺、箱根彫刻の森美術館と続きますけども、九州からは、やっと二十三位に鹿児島の屋久島が入っているだけでありまして、三十位以内にはこの一件だけであります。調査の方法など詳細についてはいろいろな議論があるかもしれませんけど、観光に関します主要なサイトでこのような状況であるということを鑑みますと、大変寂しい思いをしております。  九州には魅力的な観光資源はたくさんあると私は思っております。しかし、そのことが外国人に知られていないというのが現実であります。観光産業の振興において観光資源は大変重要であります。外国人観光客に広く認知してもらうための取り組みについてお聞きしたいと思います。 158 ◯中垣観光振興課長 旅行先として選ばれるためには、委員御指摘のとおり、まず、海外の方に福岡県を知ってもらうということが大変重要だと考えております。このため、旅行メディアのウエブサイトに本県の特集ページの掲載をしたり、また、CNNトラベルで国内で唯一選ばれた本県内観光地を紹介しますPR動画をANAの国内線の機内で放映する、また、海外の旅行博でプロモーションなどを行ってきたところでございます。  加えまして来年度は、県の観光ウエブサイト、クロスロードふくおかの英語サイトを全面的にリニューアルしまして、より海外観光客にヒットするコンテンツに特化した情報発信を行うことで認知度を向上させてまいりたいと考えております。      〔正副委員長交代〕 159 ◯平井一三委員 観光資源の認知向上につきましては、県と同じような認識を持っております。その具体的な取り組みについて今からお聞きをしたいと思いますけども、先ほど申しましたように、福岡県は外国人に人気の観光スポットランキングのベスト三十に一件も入っていないという状況です。こういう状況を鑑みますと、いかにウエブサイトを閲覧してもらえるかと、SNS上で見てもらえるかということが大きなポイントになろうかと思っております。  私の地元であります筑紫野市にありますイチゴ観光農園には、海外からの個人旅行客が多く訪れておりますけども、そのほとんどが、それぞれの国、地域での検索結果、あるいは訪問経験のある仲間との情報交換をきっかけにして、このスポットに行ってみたいと思って訪問されております。  つまり、それぞれの国や地域で、SNS上で広がる仕掛けをつくっていくことが必要ではないかなと思っています。具体的な取り組みについて、どのように考えておられるかをお聞きしたいと思います。 160 ◯中垣観光振興課長 これまで、海外の方に写真や動画、そういったものをSNSに投稿してもらう福岡キャンペーンの実施や、インフルエンサーの招請といった取り組みを行ってきております。例えば、アメリカのインフルエンサーは、世界的な動画サイトのユーチューブで食をテーマに約百二十万人に、また、中国のインフルエンサーは、本県の観光の魅力について約百万人に情報提供したところでございます。  加えまして来年度は、十一万人のフォロワーを有します海外向けの県の公式フェイスブック上に新たに福岡県ウエブ観光案内所を設置いたしまして、SNSを活用いたしました観光情報発信を強化することで考えております。 161 ◯平井一三委員 今、認知度向上に向けました新たな取り組みを行っていただくということであります。私も、その状況をしっかりと見せていただこうと思っておりますけども、この取り組みの成果というのは、おのずといろいろな指標の中であらわれてまいりますので、今後ともしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。  そうしましたら次に、観光の消費についてお聞きしたいと思います。  観光産業の振興を図っていくためには、観光客に消費をしてもらう、つまり、お金を使ってもらうことが重要であります。それを観光産業に従事されている方の収入アップ、やりがいづくりにもつなげていかなければならないと思っております。  外国人一人当たりの観光消費額は、全国平均が十五万三千円であるのに対しまして、福岡県は九万六千円です。まずは、この差を埋める努力をしなければなりません。そして、各地域が観光消費額を増加させるためには、県が旗振り役となって、観光資源を有する地域の観光まちづくりを支援する必要があると思いますが、具体的にどのように取り組んでいくのかお答えください。 162 ◯大橋克己副委員長 神代観光政策課長。 163 ◯神代観光政策課長 地域の消費額を拡大する取り組みでございます。  一つは、先ほど秋田委員からの質問にも御答弁させていただきましたが、インバウンド向け体験プログラムを組み込んだ旅行商品の造成支援事業に、まず今年度新規事業ということで取り組んでまいりたいと考えております。  これに加えまして昨年度から、ふくおか観光地域リーダー共創塾という事業を行っております。これは、市町村、観光協会などの職員、また民間事業者を対象といたしまして、新たな消費を生み出す地域の観光地づくりを牽引する人材を育成する事業でございます。今年度は十四名の方が塾生として参加いただいております。そしてその方々は、観光客の増加あるいは観光消費額の拡大につながる観光地域づくりに向けました個別のプロジェクトを策定する、それを県といたしまして支援を行っております。  具体的な事例といたしましては例えば、篠栗町から参加された塾生でございますけども、「~週末はお寺で深呼吸~自分と向き合う篠栗時間」というテーマでプロジェクトを策定いたしまして、お寺、森林セラピーなど篠栗町の観光資源をしっかり捉えまして、お遍路、そして法話、座禅などの体験プログラムと、お寺での宿泊、これをセットにした商品を開発いたしまして、既に販売されているところでございます。  県では市町村、民間事業者にこうした機会を提供いたしまして、新たな観光消費を生み出すといった取り組みをしっかり支援してまいりたいと考えております。      〔正副委員長交代〕 164 ◯平井一三委員 地域に入った具体的な取り組みもやっていただけると理解をいたしましたけども、今、答弁されました事例にかかわらず、観光地の中には、観光消費につながる大きな可能性を持っているところもあるんですけども、それに気がついていない、あるいは、やり方がわからないといったところがたくさんあると私は思っております。そのような地域へ、県からも積極的に入っていただいて、ぜひ掘り起こしを行っていただきたいということを申し添えておきたいと思います。よろしくお願いします。  最後に、滞在日数をふやして観光消費を促すための方策の一つとして、県はサイクルツーリズムに取り組まれております。具体的にどのような取り組みを行われるのかをお聞きしたいと思います。 165 ◯神代観光政策課長 自転車を使って各地域をめぐっていただくサイクルツーリズムを推進するために、昨年度、県、市町村、観光協会、それから、国の道路部局、そういった方々にも入っていただきまして、福岡県サイクルツーリズム推進協議会を設立しております。この協議会のもとで、昨年度五ルート、そして今年度新たに五ルート、計十ルートの広域サイクリングルートを決定いたしまして、現在専用のホームページで情報発信を行っております。  また、各地域での消費を促すために、ルート周辺の飲食店あるいは観光スポット、こういったところに立ち寄っていただく際に必要となりますサイクルスタンドを整備する支援を行っております。  来年度はこれに加えまして、宿泊施設を支援対象に拡充いたしまして、自転車で観光される方が宿泊しやすい環境を整えて、滞在、宿泊、これをしっかりふやしていきたいと考えております。 166 ◯平井一三委員 この取り組みがうまくいくことを私も期待しているところでありますけども、しかし、その取り組みが地域の観光振興にどのように貢献できたのか、費用対効果がどうであったかということは、これからしっかりと検証をしていかなければならないと思っています。そして、その検証することによって、次のステップ、次の施策へしっかりとつなげていただく、これが大事であろうと思い、今後とも頑張ってやっていただきたいなと思うところでありますので、どうぞよろしくお願いいたします。  最後に、部長にお聞きしたいと思います。新型コロナウイルスの影響がいつまで続くか不透明であります。観光産業は裾野が広く、我が県にとって大変重要な産業でもありますけども、この今回の被害の範囲がどこまで及ぶかも今のところではわからないのが現状であります。新型コロナウイルスがおさまれば、観光産業の早期復興とさらなる発展を図っていかなければならないと私は思っています。新たな施策を講じる必要もあろうかと思いますけども、観光産業の早期復興とさらなる発展に向けた、部長の決意をお聞きしたいと思います。 167 ◯井上順吾委員長 岩永商工部長。 168 ◯岩永商工部長 観光産業の早期復興、それから、さらなる発展についてでございます。  今、コロナウイルスの関係で、観光産業は非常に厳しい状況にございます。そのため今、県では全力で金融支援に取り組んでいるところでございまして、今後も引き続きしっかりと中小企業の皆さんの支えをしてまいりたいと考えております。  その上で、委員御指摘のとおり、一人当たりの観光消費額をどう上げていくのか、これは観光産業を振興する上で極めて重要なテーマであると考えております。このため、委員から幾つか御指摘がございました、例えば九州各県で連携した取り組み、あるいはSNSなどを活用した情報発信、これらのことに我々といたしましてもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。  観光客の今後の動向、あるいは国の政策の動向もしっかり踏まえながら、我々としても全力で取り組んでまいりたい、そうすることによりまして観光産業の早期復興、それからさらなる発展に向け全力で頑張ってまいりたいと、このように考えているところでございます。 169 ◯平井一三委員 しっかりとお願いいたします。終わります。(拍手) 170 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 171 ◯井上順吾委員長 ないようですので、以上で香原委員の知事保留質疑を残し、第七款商工費に関する質疑を終わります。  この際しばらく休憩します。  再開は午後二時十分をめどに、放送をもってお知らせします。    午 後 一 時 十 二 分 休 憩    午 後 二 時 十 分 再 開 172 ◯井上順吾委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  第八款県土整備費について順次説明を求めます。見坂県土整備部長。 173 ◯見坂県土整備部長 八款県土整備費のうち、県土整備部所管分について御説明をいたします。令和二年度予算に関する説明書の二百九十五ページをお願いいたします。  一項県土整備企画費でございます。県土整備部所管分の主なものは、一目県土整備総務費の右側説明欄の一番下、建設技術情報センター運営費でございます。これは建設技術情報センターの運営管理に要する経費でございます。続いて、一目県土整備総務費二十四億四千三百万円余と、二百九十六ページの二目土木出張所費三千二百万円余、これらを合わせまして二十四億七千六百万円余をお願いしております。  続いてページが飛びまして、三百一ページをお願いします。  二項道路橋りょう費でございます。その主なものは、三百四ページの三目道路新設改良費の右側説明欄の下から二番目、道路改良費でございます。これは道路の改良等を行うものでございます。合計は、三百七ページになりますが、六百四十億七千四百万円余をお願いしております。  続いて、三百八ページをお願いいたします。三項河川海岸費でございます。その主なものは、三百十ページの二目河川改良費の右側説明欄の下から五番目、河川災害復旧等関連緊急事業費でございます。これは河道の拡幅や橋梁かけかえ等を行うものでございます。合計は、三百十二ページになりますが、五百四十九億百万円余をお願いしております。  続きまして、三百十三ページをお願いいたします。四項港湾費でございます。その主なものは、三百十五ページの二目港湾建設費の右側説明欄の上から四番目、港湾既存施設有効活用促進事業費でございます。これは港湾の航路等の整備を行うものでございます。合計といたしましては三十六億五千六百万円余をお願いしております。  ページが飛びまして、三百二十四ページをお願いいたします。七項県営埠頭施設整備運営事業費でございます。これは県営埠頭施設の整備、運営などに要する経費について特別会計へ繰り出すものでございまして、二十三億一千六百万円余をお願いしております。  引き続きまして、八項水資源対策費でございます。その主なものは、三百二十五ページの二目水道整備費の右側説明欄の一番下、水道施設耐震化等促進費でございます。これは水道施設の耐震化等を行う水道事業者等に対しまして事業費の一部を補助するものでございます。合計は、三百二十六ページになりますが、四十一億八千七百万円余をお願いしております。  県土整備部所管分の説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 174 ◯井上順吾委員長 中尾建築都市部長。 175 ◯中尾建築都市部長 それでは、八款県土整備費のうち、建築都市部所管分について御説明をいたします。令和二年度予算に関する説明書の二百九十七ページをお願いいたします。  一項県土整備企画費のうち建築都市部所管分は、三目建築総務費から、三百ページの五目建築指導費までの、合計で十五億九千四百万円余をお願いしております。その主なものは職員費などの管理費でございます。  続きまして、三百十五ページをお願いいたします。五項都市計画費でございます。その主なものは、三百十七ページの三目街路事業費の説明欄の一番上の段の街路事業費、次の三百十八ページの四目公園費の説明欄の一番上の段、都市公園施設費でございます。総額は、三百二十ページの計の欄に記載をしておりますとおり、百八十五億九千五百万円余をお願いしております。  引き続きまして、三百二十ページの六項住宅費でございます。その主なものは、三百二十二ページの二目住宅建設費の説明欄の上から二つ目、公営住宅建設費でございます。総額は、三百二十四ページの計の欄に記載をしておりますとおり、六十三億二千百万円余をお願いしております。  建築都市部所管分の説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 176 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。  これより質疑を行います。質疑はありませんか。中嶋玲子委員。 177 ◯中嶋玲子委員 済みません、きのうは名前を言い忘れましたので、おわび申し上げます。きょうは申し上げます。民主県政クラブ県議団の中嶋玲子でございます。  三つ目の質問でございますが、国道三百二十二号について質問をいたしたいと思います。  国道三百二十二号は、北九州小倉北区を起点として、香春町、田川市、嘉麻市、朝倉市、そして大刀洗町を経由して久留米市を終点とする全長九十・八キロメートルの一般国道でございます。しかも、北九州市と香春町の金辺峠、標高八百メートルを超える八丁峠など峠区間もあり、夏は大雨による崖崩れ等の災害、冬は積雪や路面凍結による通行どめの交通規制がなされることの多い国道でございます。中でも、嘉麻市大力地区から朝倉市甘木野鳥地区をつなぐ朝倉市境界に当たる八丁峠区間は、カーブが多く道幅の狭い峠道であるため、交通量は少ない区間でありました。また、一年で三分の一の期間は通行規制がなされるほど、積雪や路面凍結のため急カーブでの事故が多発する、交通の難所でもありました。  朝倉市に住む私たちは、八丁越えをするという言葉をよく使っていました。八丁越えをするためには気を張って用心しながら、カーブの多いこの八丁越えをしていましたが、途中、まだ嘉麻には着かないのかと思うほどカーブばかりで、道中を長く遠く感じる道路でございました。しかし、筑豊に行くためには冷水峠や嘉麻峠まで遠回りで行くよりもまだましかなという思いで、甘木地区の人たちはリスクを感じながらも、やむなく利用していました。  私も数年前の十二月、嘉麻市の千手地区を出発して自宅に帰るときに、この八丁越えをしました。最初は小雨でございましたが、もう山の中は既に十センチ以上の積雪、どんどん雪はひどくなり、滑ってハンドルをとられそうになりました。幸い前の日にスタッドレスタイヤにかえたばかりでしたので、何とか難を逃れることができました。しかし、秋月にたどり着いたときはもう汗だくで、死ぬかと思った経験があります。  そんな八丁峠道路も、念願のトンネルが整備され、令和元年十一月十六日に開通しました。多くの関係者の皆様の、長い年月をかけての御苦労のたまものだと思います。住民にとっても悲願のトンネルの開通でございました。おかげさまで難所の八丁峠を通ることなく、嘉麻地域と朝倉地域を行き来することができるようになりました。  今議会の一般質問において、嘉麻市出身の江頭祥一県議も触れられていましたが、このトンネルのおかげで所要時間が二十分も短縮でき、年間三分の一にも及ぶ通行どめもなくなりました。年間を通して安全に通行し、嘉麻─朝倉間を行き来できるようになりました。大型車の通行も可能となることから、物流も効率的になり、日常生活の利便性のみならず、何よりも広域での経済効果や活性化が期待できます。また、筑豊、朝倉双方での観光や歴史文化の周遊も十分に期待できるようになりました。トンネル開通は、人口減や若者定住に悩む周辺地域にとって最大の喜びであり、大きな転機になりました。本当にありがとうございました。  トンネルの両方の入り口は、新たな取りつけ道路がつくられ、しっかりとした対策がとられています。しかし、と申し上げては申しわけないのですけれども、とても便利になればまた新たな課題が出てくると思います。  まず最初の質問ですが、八丁峠道路開通前と開通後の交通量は調査してありますでしょうか。されているのであれば、開通前後の交通量と、特に大型車の交通量についてお示しいただきたいと思います。 178 ◯井上順吾委員長 荒殿道路建設課長。 179 ◯荒殿道路建設課長 八丁峠道路の開通前後の交通量は調査いたしております。一日当たりの交通量は、開通前が百二十三台、開通後は千四百七十七台となっております。そのうち大型車につきましては、開通前が二台、開通後は三百台となっております。 180 ◯中嶋玲子委員 すごい変わりようでございます。びっくりしますね、本当に。  では、八丁トンネルの開通により大型車交通量が増加したということでございますが、橋梁は大丈夫かという心配をしています。私も地元の方からいつも質問をされるんですけども、そういう点で橋梁は大丈夫だろうか、そんなに交通量の多いのに持ちこたえられるだろうかという心配です。  まずは国道三百二十二号について、八丁トンネルから甘木インターチェンジまでどのような橋があるのか、長さや数をお答えいただきたいと思います。 181 ◯井上順吾委員長 久保道路維持課長。 182 ◯久保道路維持課長 まず橋梁の数でございますけど、橋梁の数は全部で十七橋でございます。その内訳は、橋長十五メートル以上の橋梁が六橋ございまして、十五メートル未満の橋梁が十一橋でございます。また、最も長い橋梁でございますけど、鳴渡大橋という橋梁がございまして、橋長百四十メートルの橋梁でございます。 183 ◯中嶋玲子委員 ありがとうございます。結構多いですね、橋が。そう思います。  では、その橋梁の建設時期について、お答えいただけますでしょうか。 184 ◯久保道路維持課長 一般的でございますけど、建設後五十年を経過した橋梁は老朽橋と言われているところでございまして、この区分によって説明いたしますと、十五メートル以上の橋梁六橋、これは全てが五十年未満ということでございます。十五メートル未満の橋梁が八橋ございまして、この八橋については建設後五十年を経過したものでございます。また、建設年次が不明な橋梁、これは十五メートル未満の橋梁で三橋ございます。これは橋梁という名をつけているところでございますけど、全てボックスカルバート形式の橋梁に区分しているところでございます。 185 ◯中嶋玲子委員 十七の橋梁のうちに、老朽橋と言われるのが半分なんですね。一番心配なことは、この老朽橋と言われる橋は、大型車の交通量が増加している中で安全性に影響はないのだろうかという心配をしますので、お答えお願いします。 186 ◯久保道路維持課長 県が管理する橋梁は、これを設計する上でございますけど、大型車の交通量の多い少ないではございませんで、橋梁にかかる荷重というものを考慮して設計しているところでございます。このことから、橋梁の安全性につきましては大型車の増加が直接影響するものではないと考えているところでございます。  また、道路法施行規則に基づきまして、五年に一遍の橋梁点検を実施しているとともに、さらに、道路巡視、日常点検、これを実施しておりまして、日々異状がないかチェックしているところでございます。引き続きこれらの取り組みを適切にすることで維持管理を行ってまいりたいと考えているところでございます。 187 ◯中嶋玲子委員 ありがとうございます。私たち素人には何遍も踏まれればそれだけ弱るかなということを感じていましたが、橋梁についてはその心配がないということを今お答えいただきました。  では次に、舗装でございます。八丁トンネルの供用に合わせて、トンネル前後の舗装のオーバーレイ工事が大々的に行われまして、きれいになっているところではございます。しかし、今後トンネルの利用者がふえ、交通量が増加し、地域の活性化につながることは非常にうれしいことでございますが、半面、舗装にわだちやひび割れが多く発生するのではないかという心配をしています。  と申しますのは、私が住んでおります杷木町は今、災害復旧工事でしっかりとお世話をかけて工事をしていただいておりますが、その災害復旧のための土砂を積んだ大型ダンプが毎日何十台と、百台に近いぐらい通っていると思います。そうしました中で、一日中通行しています交差点の停止線の前は、本当に波打つみたいにわだちができています。高齢者の皆さんはハンドルをとられるぐらいにこのわだちの中に入ってしまうと、こういう現実がありますが、そういった意味でも大変危険だと思います。今後とも橋梁はもとより、舗装についても適切に維持管理をしていただきたいと思っております。  ありがとうございました。  次に続けて、もう一つ私が気になっております、河川のことについてそのまま質問させていただいてようございましょうか。 188 ◯井上順吾委員長 どうぞ。 189 ◯中嶋玲子委員 今申し上げましたように豪雨災害からの復旧で、今、国の直轄事業であります乙石川と赤谷川の工事が、昨年十一月から本格的にしていただくことができました。けれども、説明会があってもなかなか詳しくわからない、皆さん全員が出ていくようなことが一回ぐらいあるかないかの中で、どんなふうに工事が進んでいくのだろうか、土砂が大変積まれて本格工事ということはわかっていますが、なかなかその情報が共有できないでいるという状態でございます。  今回の本会議におきましても、我が会派の代表質問の中で、私の地元の赤谷川、乙石川及び大山川の復旧について、お聞きをいたしました。国が権限代行制度により実施している赤谷川、乙石川及び大山川の改良復旧工事については、応急的な河道確保が完了し、着工をしていただいています。我が会派の代表質問に対し知事からは、今後とも、赤谷川、乙石川などの改良復旧工事を円滑に進め、その早期完成が図られるよう、国と一体となって取り組みを進めてまいるとの力強い答弁をいただいたところですが、地元の一人として、より詳細に各河川の状況がどのようになっているのか気になっているところです。河川については、改良復旧だけでなく原形復旧工事も実施しておられると承知しておりますが、現在の整備状況についてお答えをいただきたいと思います。 190 ◯井上順吾委員長 富田河川整備課長。 191 ◯富田河川整備課長 被災した箇所をもとの形に戻す原形復旧工事につきましては、国が権限代行制度で赤谷川、大山川の二河川で実施しております。両河川の原形復旧工事につきましては早期に完了すると聞いております。 192 ◯中嶋玲子委員 進捗を尋ねても答えられない、とこの間言われましたので、もう進捗はお尋ねをしないというふうにしたいと思いますが、原形復旧工事については早期に完成するわけですね。本当にありがたいと思います。  次に、改良復旧工事の進捗状況を教えてください。赤谷川、乙石川、大山川では、河川の拡幅、それから河川の掘削などの改良復旧工事を行ってもらっておりますけれども、どんなふうな進捗状況かを教えてください。 193 ◯富田河川整備課長 赤谷川、乙石川、大山川では、河川の拡幅や河床の掘削などの改良復旧工事を行っております。各河川とも、発災直後に着手された応急的な河道の確保が完了し、昨年十一月からは改良復旧工事に着手し、令和三年度末の完成を目指して工事が進められていると聞いております。 194 ◯中嶋玲子委員 御答弁ありがとうございました。原形復旧工事についてはようやく完成を迎えるということでございますが、改良復旧工事については令和三年度完成予定ということでございます。  権限代行により国が事業を行っていることは承知しておりますが、四たびめぐってくる出水期も迫っています。どうぞ地域のために、毎年不安を感じておりますので、一日も早く完成を目指して、県としても取り組んでいただくことを強くお願いいたしまして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
    195 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。大塚勝利委員。 196 ◯大塚勝利委員 公明党の大塚勝利でございます。  通告に従いまして、歩道の安全対策について質問させていただきます。  県土整備部の新年度予算として、バリアフリー化と生活環境の向上を図ること、すなわち、歩行空間のバリアフリー化を行うことで、高齢者や障がいのある方等の移動の円滑化を図ることを掲上しています。県民の安全・安心な生活の確保のため、ぜひとも推進していただくべき施策であると考えております。そこで、本県における歩道の安全対策を質問してまいります。  委員長、あらかじめ資料要求をさせていただいております道路の移動等円滑化整備ガイドラインの主な内容について、お取り計らいのほどよろしくお願いします。 197 ◯井上順吾委員長 お諮りいたします。  ただいま大塚委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 198 ◯井上順吾委員長 御異議がありませんので本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま大塚委員から要求がありました資料については提出できますか。久保道路維持課長。 199 ◯久保道路維持課長 直ちに御提出できます。 200 ◯井上順吾委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 201 ◯井上順吾委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 202 ◯井上順吾委員長 資料が配付されましたので、大塚委員、質疑を行ってください。 203 ◯大塚勝利委員 それでは、資料をもとに質問を始めます。  まず、一つ目のところですけども、主な内容の中に、歩車道境界部の段差は標準二センチとするが、さまざまな道路利用者の意見を踏まえることが望ましいとされており、また、国のホームページでも、視覚障害者の識別性を確保すること等の条件が満たされれば、二センチ未満の段差を整備することも可能とするとあります。本県の歩道における段差の状況はどのようになっているのか、お答えください。 204 ◯久保道路維持課長 横断歩道に接する歩車道境界部の段差につきましてでございますけど、本県の管理する道路につきましては、移動等円滑化のために必要な道路の構造に関する基準を定める省令、国の省令でございますけど、これと、福岡県高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る道路に関する基準を定める条例、県条例でございますけど、これに基づき二センチで整備しているところでございます。 205 ◯大塚勝利委員 車椅子の利用者の方から、少しの段差があっても通行する際にかなりの衝撃を受けるため、できれば段差はゼロにしてもらいたいとの要望を受けております。今後、高齢化社会の進展に伴い、シニアカー等の電動式車椅子の利用者も増加するのではないかと思われます。県として歩道の段差解消の取り組みを推進すべきと思いますが、いかがでしょうか。 206 ◯久保道路維持課長 車椅子の使用者、高齢者の方にとりましては、段差、高低差がなく、勾配の緩いほうが望ましいという意見があるのは委員御指摘のとおりでございます。その一方で、視覚障がい者の方にとっては、歩車道の境界を識別する手がかりとして、ある程度の段差、高低差、勾配があるほうが望ましいとされているところでございます。このことから現時点では国においても、全ての利用者から満足を得られる構造形式が示されていないような状況でございます。  このような中、県といたしましては、ガイドラインにも定めておりますけど、市町村及び関係者と協議しながら、必要に応じてモデルとなる箇所を選定して、その道路を利用する視覚障がい者の方、車椅子の使用者の方、また、高齢者やベビーカー、先ほど委員が申しましたシニアカーの利用者の方、これらの利用者の意見を聞いた上で、それぞれのエリアにおいて望ましい構造を模索してまいりたいと考えているところでございます。 207 ◯大塚勝利委員 モデル箇所を選定してということでありますけど、どうか工夫されて、双方から満足いただけるような構造をぜひ、福岡発で検証を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  次の質問です。歩道における視覚障がい者の識別性を確保する対策として、視覚障害者誘導用ブロック、いわゆる点字ブロックについて、本県の歩道における整備状況はどのようになっているのか、お答えください。 208 ◯久保道路維持課長 バリアフリー新法に基づく移動経路の円滑化を図る必要な道路、特定道路というのでございますけど、本県ではこの特定道路が約百五十七キロ定められているところでございまして、そのうち県管理道路は約五十三キロでございます。現時点で、約四十九キロメートルの特定道路の整備を完了しているところでございまして、整備した全ての箇所において点字ブロックを設置しているところでございます。また、特定道路以外の道路につきましても、市町村と協議の上、利用状況を勘案いたしまして整備しているところであり、合わせて約二百キロメートルについて点字ブロックを設置しております。 209 ◯大塚勝利委員 全身の筋肉が弱く、常時電動式車椅子を利用している身体障がい者の方から、点字ブロックのある歩道を通行すると頭が強く揺さぶられて体調が悪くなるので、車椅子の車輪がスムーズに通れるように点字ブロックに切れ目を施してもらいたいと、こういった御要望をいただきました。実際にJR博多駅のコンコースでは、車椅子やベビーカー、キャスターつきのバッグがスムーズに移動できるような切れ目を整備されております。このような工夫は、歩道の点字ブロックにおいても実施すべきと思いますが、県のお考えをお答えください。 210 ◯久保道路維持課長 点字ブロックでございますけど、点字ブロックは、視覚障がい者の方の移動にとってはなくてはならない設備である一方、今委員御指摘いただいたように、車椅子の使用者や高齢者、ベビーカーの使用者など、電動椅子の方もそうですけど、点字ブロックをバリアと感じているとの意見があることは認識しているところでございます。また、委員御指摘のとおり、駅のコンコース、駅でございますけど、車椅子やキャスターつきのバッグに配慮して点字ブロックに切れ目というものを設置していることは承知しているところでございます。  道路においてもこのような工夫をすべきというお尋ねでございますけど、ガイドラインにおきましては、点字ブロックが切れますと視覚障がい者の方に不安を与えると明記をしているところでございます。しかしながら、点字ブロックを頻繁に横断するなどの箇所がございましたら、視覚障がい者の方の意見を聞きながら、切れ目を設置した場合の課題や効果を研究してまいりたいと考えているところでございます。 211 ◯大塚勝利委員 そういった箇所があると思いますので、頻繁に横断する箇所で、ぜひ研究を進めていただければと思っております。  次に、網膜色素変性症、これは国の難病指定を受けている病気ですけども、暗いところでの視力が極端に落ちる症状を伴う、遺伝性また進行性の病気であります。また、ビタミンAの欠乏や強度近視、緑内障などによる夜盲症、いわゆる鳥目と呼ばれている方も多くおられるようです。これらの方が夜間に歩行する場合は、照明が整備されていないと危険を伴います。国の定めるガイドラインにおいても、道路の照明施設に関して配慮するよう求められているところです。  そこで、本県における道路照明施設の整備状況についてお尋ねします。 212 ◯久保道路維持課長 先ほど説明いたしました整備済みの特定道路、四十九キロでございますけど、明るさがガイドラインの基準で決められています十ルクス未満の箇所が三十キロメートルございまして、この三十キロメートルについて照明を設置しているところでございます。また、その他でございますけど、道路の状況、交通の状況を把握し、交通の安全性、円滑化を図る目的といたしまして、特定道路以外の道路についても照明を設置しているところでございます。 213 ◯大塚勝利委員 わかりました。歩道における照明施設の整備は、歩行者本人もさることながら、車道を走行する自動車ドライバーにとっても、交差点における歩行者の存在を確認するためには重要であると考えます。特に通学路においては、学生服姿の目立たない歩行者がいるために、照明施設の整備の必要性は高いと思っております。  今後、県として照明施設の整備促進をどのように図るのかお答えください。 214 ◯久保道路維持課長 本県では、先ほど説明いたしました特定道路、これ以外につきましても、国土交通省が定めました道路照明設置基準に基づきまして、市街地部で歩行者が道路を横断するおそれがある区間で、自動車交通量及び歩行者が多い区間、また、信号機が設置された交差点や横断歩道などにつきまして、十分な明るさが確保されていない場合は道路照明を設置しているところでございます。引き続き必要な照明設備の整備を進めてまいりたいと考えているところでございます。 215 ◯大塚勝利委員 わかりました。ぜひ照明設備、施設につきましても整備をよろしくお願いしたいと思います。  最後の質問です。きょうの質問は、これまで寄せられた要望をもとに、本県の安全対策の確認をさせていただきました。健常者にとっては安全な歩道も、何らかのハンディーを持つ者にとっては危険な歩道である場合もあります。誰もが安全で安心して通行することのできる歩道の整備促進は、誰も置き去りにしないとのSDGsの精神にも通じ、大変に重要な施策であると考えております。  生活道路は市町村が管理するケースが大半であるとは思いますが、県が率先して誰もが安心して生活を送るための歩道を整備することで、県全体の歩道の安全対策をリードしてもらいたいと考えます。本県における歩道の安全対策についての部長の決意をお伺いします。 216 ◯井上順吾委員長 見坂県土整備部長。 217 ◯見坂県土整備部長 歩道の安全対策についてお答え申し上げます。  ただいま委員御指摘のとおり、高齢者や障がい者など全ての人が円滑に移動できる歩道の整備を進めることは大変重要であると、このように考えております。そのようなことから、先ほど課長が申し上げましたとおり、高齢者や障がい者が生活上利用する施設、これらの施設を結ぶ特定道路につきまして重点的に整備を進めているところでございます。また、特定道路以外の道路につきましても、小学校の通学路や園児の安全を図るために、また、バリアフリーの空間確保のため、歩道の整備を進めております。  引き続き、高齢者や障がい者など全ての人が円滑に安心して安全に道路を利用できるよう、歩道の安全対策を図ってまいります。 218 ◯大塚勝利委員 ありがとうございました。(拍手) 219 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。高瀬菜穂子委員。 220 ◯高瀬菜穂子委員 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。  これまでも何度も取り上げてまいりましたけれども、河川管理及び河川整備についてお伺いいたします。  まず、ダムの事前放流についてです。国は、全国全てのダムを対象とした既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議を設置しまして、ことしの出水期に間に合うように対応を進めるとしております。十二月議会でもお尋ねしましたけれども、知事は、この会議で示される内容を踏まえて、県管理ダムの事前放流の可能性について検討を進めてまいります、というふうに答弁されました。その後の進捗はどうなっていますでしょうか、お答えください。 221 ◯井上順吾委員長 田尻河川管理課長。 222 ◯田尻河川管理課長 国において、昨年十一月の会議に引き続き十二月に、既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議が行われております。その会議におきまして、事前放流を令和二年の出水期から実施するために取り組むべき項目を示した基本方針が策定されました。今後、国において、この基本方針に基づき、事前放流の開始基準の設定や、事前放流後に水位が回復しなかった場合の対応などについて具体的な手法が示されることになっており、県としては、それらを踏まえて県管理ダムの事前放流の可能性について検討を進めてまいりたいと考えております。 223 ◯高瀬菜穂子委員 十二月議会の御答弁から大きな進展というのはないようですが、もう三月も終わりになりますので、出水期までそれほど時間がありません。本県は三年連続で豪雨災害に見舞われた全国で唯一の県であります。しかも、私何度も指摘をしてきましたが、本県の新設巨大ダムの五ケ山ダム、伊良原ダムともに、穴があいているだけでゲートがないダムでありまして、排水のコントロールが難しいダムです。  県内にはほかにも幾つも穴あきダムはありまして、事前放流には関係者の共通認識と合意、どのような気象条件のときに、いつどこまで放流するのかなどの決定、クリアすべき課題が多く存在いたします。国がやっと動き出しましたので、その動きを踏まえ準備をすることはもちろんですが、国待ちになっていたのではおくれるということも考えられます。県独自でも、市町村や関係者と事前放流の必要性について認識を一致させることが重要ではないかと思います。  また、県管理のダムに加えて、市町村管理のダムについても同様に検討が必要だと思います。県管理河川につくられた市町村管理ダムもありますので、その点からも県が中心になって取り組んでいただきますように、この点は要望しておきます。  次に、河川整備計画について伺います。  十二月議会の知事答弁は、県管理の二級河川五十二水系について、過去の浸水被害、河川の流下能力、流域の人口や家屋などの集積状況を踏まえ、順次河川整備計画を策定してきているところだと、現在五十二水系のうち十五の水系で河川整備計画を策定済み、五水系について策定中ということでございました。その後の進捗についてお尋ねいたします。 224 ◯井上順吾委員長 富田河川整備課長。 225 ◯富田河川整備課長 現在、五十二水系のうち、十五水系の河川整備計画を策定済みでございます。五水系において策定中でございます。 226 ◯高瀬菜穂子委員 十二月から変わっていないということですね。予算も伴いますし、また検討も要するということですから、時間がかかることは理解いたします。だからこそ、河川整備計画の策定を急ぐようにと、我が会派は繰り返し促してまいりました。豪雨災害が続き、待ったなしの課題となっておりますので、全河川で策定されるよう、急ピッチで進めていただくよう、重ねてお願いをいたします。  また、既に整備計画が策定されている河川についても、改めてその内容を精査する必要があると考えますが、その点については検討されておられますか。 227 ◯富田河川整備課長 河川整備計画は、流域の社会情勢の変化や事業の進捗状況などにより、必要に応じて河川整備計画を見直すこととしております。 228 ◯高瀬菜穂子委員 必要に応じて見直すということですので、よろしくお願いしたいと思います。  整備計画の策定あるいは見直しの際、住民や専門家を交えた河川流域協議会を各水系につくり、河川整備計画の推進について住民参加で進めることが重要だと考えます。これまで指摘してまいりましたように、ダムの効用と限界、それぞれの河川の整備状況がどうなっているかなど、より多くの皆さんで認識を共有して、住民の声を聞く、そうしたことが災害防止には非常に大切だと考えます。取り組みについてお答えください。 229 ◯富田河川整備課長 河川整備計画の策定に当たりましては、専門家から成る流域協議会の設置や住民説明会、パブリックコメントの実施など、さまざまな形で意見を取り入れているところでございます。 230 ◯高瀬菜穂子委員 住民参加による流域協議会の活動の強化が災害対策には本当に有用だと私は思っております。整備計画のないところでは流域協議会もつくられていないということですので、やはり整備計画を急いでいただくこと、そして、全水系を視野に住民参加の取り組みを展望していただくことを要望しておきます。  次に、しゅんせつ事業について伺います。  新年度の地方財政計画の目玉として緊急浚渫推進事業が創設されております。これは、自治体が単独事業として実施する河川等のしゅんせつなどを支援するもので、地方債の対象になると聞いております。  河川のしゅんせつについては二〇〇五年の三位一体の改革で国庫補助が廃止され、維持管理の扱いで交付税措置のある地方債の起債も認められてこなかったのが、このしゅんせつ事業です。県単事業であるために十分な予算措置がされず、県内各地からしゅんせつの要望が出されても進まない状況があったと思います。  昨年の台風の影響を受け、国は緊急的なしゅんせつの経費に対して、特例措置として地方債の発行を認めるということです。この制度をぜひとも活用して、県内河川のしゅんせつを大規模に進めるべきかと考えます。来年度のこの制度の活用についてどのような見解を持っておられるか、お答えください。 231 ◯田尻河川管理課長 緊急浚渫推進事業費は、河川や砂防などの施設の適切な維持管理を図るため、地方公共団体が単独事業としてしゅんせつや伐木、伐採などを緊急に実施できるよう、国が令和二年から六年度までその事業費の全額の起債を認め、そのうち七〇%を地方交付税で措置するもので、現在国で審議されております。現時点で、その適用条件の詳細は明らかになっておりません。今後示される内容を踏まえて、本事業の有効的な活用を検討してまいります。 232 ◯高瀬菜穂子委員 ぜひ有効に活用していただきたいと思います。地方債の充当率が一〇〇%、元利償還金に対する交付税措置七〇%は、緊急防災・減災事業債と同等の有利な地方債です。期間は、言われたように五年間で、二〇二〇年度は九百億円を予算化し、以降毎年一千億円を見込んでいるとのことです。国交省から各自治体に、優先順位の基準が四月ごろには示されるとお聞きしております。また、国の予算案では二〇年度は九百億円ですが、地方からの要請によっては規模拡大もあるともお聞きしておりますので、十分な活用をよろしくお願いいたします。  最後に、人的体制について伺います。  災害が続く中、その対応も行いながら防災・減災対策を進めるには、何といっても人的体制の充実が重要だと考えます。本県では、二〇一八年七月九州北部豪雨によって朝倉地域を中心に大災害に見舞われましたが、この災害に対し県ではどのような執行体制をとったのか、改めて伺います。 233 ◯井上順吾委員長 木下県土整備総務課長。 234 ◯木下県土整備総務課長 平成二十九年七月の災害発生から八月末までの約二カ月間、県土整備部内の各所属から職員を交代で派遣し、被害状況調査や応急復旧工事を進めてまいりました。また、災害復旧事業を集中的、効果的に実施するため、同年九月一日付で朝倉県土整備事務所に災害事業センターを設置し、五課七係五十三名の体制を確保いたしました。その後、復旧工事の進捗に伴い、順次職員を増員し、現時点で七課十四係百十四名へと体制強化を行っております。 235 ◯高瀬菜穂子委員 災害の規模に応じて必要となる体制を順次とられていると理解していますが、その体制をとるために必要な職員はどのように確保したのか伺います。 236 ◯木下県土整備総務課長 平成二十九年七月の災害発生から約二カ月間で、部内各所属から延べ二千二百三十名の職員を交代で派遣いたしました。また、同年九月一日付の災害事業センター設置に際しましては、年度中途での人事異動や他県からの応援派遣に加え、東北地方や熊本県に派遣しておりました職員を本県へ復帰させることにより人員を確保したところであります。さらに、平成三十年度には五十三名の土木職を新規採用職員として確保するなどして、災害事業センターの体制強化を行ったところであります。 237 ◯高瀬菜穂子委員 頻発する災害に対応するには十分な職員の体制が必要であると思います。総務省が二〇二〇年度から、新年度から、土木技師等の技術職員の確保策として、都道府県が技術職員の増員を図り、平時は技術職員不足の市町村を支援するとともに、大規模災害時に備えて中長期派遣要員を確保するための経費を地方交付税で措置することとしています。  職員の採用については、人事課の所管ではありますけれども、ぜひともこういった新たに創設される国の派遣制度の活用など行って、技術職員の計画的な採用を進めていただきたい。災害への備えとして必要な技術職員の確保を行うことを強く要望いたしまして、質問を終わります。 238 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。古川忠委員。 239 ◯古川 忠委員 公園の緑地の予算についてお伺いしたいと思います。  公園の予算が近年は、筑豊緑地でありますとか、筑後広域公園ですか、そちらに予算を取られて、なかなか西公園まで回ってきませんでした。来年度の予算でやっと数千万の予算がつきました。そういうことでありますので、今回特に質問させていただきたいと思います。一般質問で笠議員もされましたが、そっけない答弁だったような気がしますので。私は、この西公園の麓で小中学校時代を過ごしました。特に思い入れの深い公園でございますので質問するわけでございます。非常に広い公園がいっぱいありますけども、山一つが公園になっている、しかもすぐ海が見える、こんな公園は、日本全国探しても余りないのではないかなと思います。大変貴重な公園だと私は思っていまして、ぜひとも、福岡県の県営公園でございますし、この財産を何とか生かしたいなと、もっともっと多くの人に利用していただきたいと、そういう思いであります。  そこで、西公園の現況について御答弁願いたいと思います。 240 ◯井上順吾委員長 原田公園街路課長。 241 ◯原田公園街路課長 西公園は、明治十四年に荒津山公園として開園いたしまして、明治三十三年に現在の名称となり、県の管理となっております。また、博多湾の展望と自然を生かした県民憩いの場となっており、平成二年には日本さくら名所百選にも選ばれた桜の名所でもございます。しかしながら、近年、樹木の密集などを原因として花つきが悪く、また、繁茂した樹木により展望広場からの眺望が確保されていないなど、西公園の持つポテンシャルが現在は十分生かされていないような状況でございます。 242 ◯古川 忠委員 新年度の予算は、二年間のこれからの計画予算だとも聞いていますが、どういうような予算でしょうか、教えてください。 243 ◯原田公園街路課長 西公園の立地や歴史、自然などのポテンシャルを生かしまして、さらに多くの県民や観光客の方に利用していただきたいと考えております。このため、来年度から、さまざまな利用者のニーズや、展望広場、駐車場等の利用状況など調査を行いまして、また、地域住民や観光関係者、有識者の意見などを踏まえまして、再整備の策定に着手したいと考えております。 244 ◯古川 忠委員 わかりました。それで、二年間の計画を進めてもらうためにも、少し具体的に要望、また質問したいと思います。  西公園は三つの顔を持っていると、私はそう思っているんですね。一つはまさに自然です。私も小学校のときは、理科の授業で先生と一緒に山に行ったりしておりました。中学校のときには、あの坂道を上がって、それこそウサギ跳びで上がらされて、一周して走ってきたり、そういうこともございました。そういう意味では、まさに自然を生かした、自然の姿が見える公園。最近行きましたら、ツバキが咲いていましたよ。そして早咲きのヨウコウザクラが満開でした。もう少ししたらソメイヨシノが咲くでしょうね。それから、つつじ谷、もみじ谷、さまざまあります。そういう自然の形が一つ。もう一つは、歴史、いろいろな歴史の碑がございます。もう一つは、先ほど申しましたように、ジョギングでありますとかトレイルランニングでありますとか、そういう体を動かす、その三つの顔を持って、大変いろいろなことができる公園だなと私は思っております。  まず最初に、歴史のことを少しお話し申し上げたいと思いますが、ちょっと御紹介したいと思います。これは万葉碑です。「神さぶる 荒津の崎に 寄する波 間無くや妹に 恋ひ渡りなむ」と。これはなぜか福岡市の教育委員会が立てた碑なんですね、県ではないんです、不思議なことに。これは、天平八年、西暦七三六年に、新羅に派遣された遣新羅使の一人が、行くときに詠んだ歌です。神々しい荒津の崎に寄せる波のように、絶え間なく妻を思い続けることであろうなと、大変思いがこもった歌でございます。これが、公園の南展望広場のちょっと横にあるんですが、何人知っているでしょうか。ほとんど行く人はいないと思います。もっと知っていただきたいなと。万葉のときに荒津の崎からたくさんの遣隋使、遣唐使が出たかもしれません。それがしのばれる、そういう場所でもあります。もう一つ紹介しますと、「皇御国の武士は いかなる事をか勤むべき 只身にもてる赤心を 君と親とに盡すまで」という幕末の勤王の志士、加藤司書の碑もあります。もう一つ、有名な平野國臣さんの銅像がございます。これは例の桜島の歌で大変有名でございます。  こういうものがいっぱいあるんです。もったいないですよ。もっとそういう歴史的なものもPRしていただいて。特に、老若男女といいますが、中年以降はこういうことを大変しのぶだろうと思います。  本当にいろいろな碑がありまして、お聞きしたら十二カ所といいますが、まだ碑を見ていましたら、すり切れてわからないのも幾つかあるように見かけました。そういう意味で、この歴史的記念碑の現状、その認知度向上について質問したいと思います。 245 ◯原田公園街路課長 西公園には、先ほど委員御説明になったもの以外にも、後の大正天皇となりました皇太子嘉仁親王殿下のお手植えの松や桜の碑など、十二基の記念碑が設置されております。福岡の歴史を伝える大きな要素がございます。  現在、日本語のほか、外国人向けには、英語、中国語、韓国語のリーフレットとホームページを作成しておりまして、歴史や記念碑の紹介を行うなど、情報の発信に努めております。  また、夏休みには、地域と連携いたしまして、地元小学校を中心とした歴史探索会なども開催しているところでございます。 246 ◯古川 忠委員 ずっと私こういうのが好きで、先日も行ってまいりましたが、十分には行き届いていませんよね。そういう説明の碑も、さっき言った歌碑も、福岡市教育委員会がつくったものが横にありました。それから、頂上にありますのは、後ろ身を見ましたら広田弘毅さんと頭山満さんの字もありました。そういうものももう少し丁寧に解説なりがあってくれたら、いろいろな人が見て楽しめるのではないかなと思いますので、もう少し力を入れていただきたいなと思っています。  それから、もう一つの顔、自然の顔ですね。今ちょっとお話がありましたが、大正天皇が皇太子のころにお手植えされた松と桜の木が、ちょうどてっぺんにあります、頂上に。たしか標高が四十八メートルかな、そのてっぺんにお手植えされてあるのですが、その桜がもう枯れかかっているんですよ。どうされますか、枯れたら。困るでしょう。ほかの桜も随分傷んではおりますけども。そういう意味で、せっかくある、そしていろいろな樹木が育っている、これをもっともっと大事にしてもらう、そして、大いに子供たちやいろいろな人に、自然に親しんでもらう。特に福岡市内は都市化が進んでおりますので、そういう場所は大変貴重です。そういうものについてどうお考えでしょうか。 247 ◯原田公園街路課長 まず桜につきましてですけど、桜の再生に向けては、平成二十九年度から日照を阻害する高木の剪定や土壌の改良などを計画的に行っております。そして、公園内では桜の開花時期に合わせまして、県による桜のライトアップや、地元団体によるちょうちんの設置を行っています。今年度はちょっとできませんけど、そういうふうに毎年行っております。  また、豊かな自然を利用いたしまして、地元小学生を対象といたしました樹木の観察会や自然探索会を開催しているところでございます。 248 ◯古川 忠委員 これから桜のシーズンを迎えて、かつてのようなにぎわいはないかもしれませんが、花見でいっぱいになるはずなんですが、先日行きましたら、コロナウイルスの影響でそういう花見はやめてくださいという立て看板がありました。今回は特別でございますけども、桜を見て憩いも大事ですし、季節が変わったらツツジが見られる、秋にはもみじが見られる、途中いろいろなものが見える、そういうものをもう一回よく点検されて、植栽もよく点検されてですね。要するに、自然の中で当然山がありますから、いろいろな小鳥も寄ってきます。そういう自然観察のスポットとして、大事に大事に今回の計画の中でも入れていただきたいと思っております。  それからもう一つ、三番目はスポーツです。最近は、ただ見るだけではなくて、プレーすることが一つの大きな人を集める要素になっていますね。私も走るのが好きですから、これを質問するに当たりまして先般走ってまいりました。坂から上がって大体一周するんですけども、トレイルランニングですか、トレランコースがあるんですね。ところどころに紙の標識が立っていましたが、少ない予算で管理会社の方も随分頑張ってあるなという気はしましたけども、ほかに比べれば随分お粗末です。途中ちょっと道のわからないところもありました。  大濠公園で皆さん走ってありますが、これは本当に走るのが好きな人は、僕もそうですが、大濠公園を一周して、その足で、大体一キロ半ぐらい離れています西公園を、少し山あり谷ありを走ってくる、そして海を眺めて帰ってくる、最高なんですよ、これ。そういう意味では、幾つか公園の中に子供向けのトラムとかありましたけども、そういうのを含めて、アスレチック、スポーツ、そういうことも非常に頭に置いて整備していただきたいと思うんです。
     ちょっと私の自慢話でありますが、大濠公園はチップを敷いて走りやすくなっていますよね。もともとはなかったんです。戦後の失業対策事業でコンクリートで固めてありました。ところが、膝を傷めるんですよ。ですから、あれを何とか整備してもらいたいと当時の、たしか皆川部長だと思いますが、お願いしました。かたいからやり直すのは難しいけれども、ゴムのチップを張ってもらって、そこにきちんと標識を何メートル、何メートルとつけました。本当に今ふえていますよ、走る方が。  同じようなことを、同じような意味合いで、この西公園のせっかくのトレランコースをぜひ整備していただきたい。それから公園が幾つかありますけども、そこを子供たちがやはり走って、また、上ったりできるような、そういうものもぜひ考慮していただきたいと思っております。コメントをお願いします。 249 ◯原田公園街路課長 西公園のスポーツの利用ということでございますけれども、西公園では、近年の健康志向の高まりということから、ジョギングされる方も多くなっております。先ほど委員も言われましたように、簡易な距離標は今設置をしているところでございますが、さらなる利用促進のために、楽しみながら健康づくりができるようなコースを設定するとともに、距離標やコース案内板をしっかりと整備するなど、再整備計画において検討していきたいと考えております。また、西公園と大濠公園、そうした連携したコースの設定等についても今後検討していきたいと考えております。 250 ◯古川 忠委員 それからもう一つ、西公園に人が来ない理由を申し上げますと、ちょっとした飲食がないんですよね。大濠公園は随分整備されました。スターバックスでありますとか、ロイヤルでしたか、つくったやつがありますよね。これは若い人が好むと思いますが、ゆっくりそこでお茶を飲んでくつろげる、そういう場所がないんですよ。頂上から玄界灘が見えます。昔は、真下に海があったんですが、今はいろいろな石油タンクが並んでいますから眺望は少し悪いですけども、少なくとも青い海を眺められます。それをゆっくり眺めるような、そういうハウスが欲しいなと。今は一軒あるんですが、実を言うとかなり古くて、しかも休んでいました、二カ月間、御主人がちょっと体の調子が悪いらしくて。それで何か、ちょっとしたホットドッグの店みたいなのありましたけど、それは大濠公園に比べたらお粗末きわまりない。もったいないですよ。  何かそういうのも、今度二年間で計画するでしょうけども、しっかりやっていただきたいと思います。個人的には余り俗っぽくなっても困るなという気もするんですけども、そこはバランスよく、自然との調和の中で、そういうものをぜひ考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 251 ◯原田公園街路課長 現在、西公園には、民間事業者が設置しております飲食施設として、中央展望台付近に荒津亭、西側展望台付近に鵜来見亭などがあります。西公園の特性を生かして魅力の向上のためにどのような施設に取り組んでいくかは、今後、地域住民、そして、観光関係者、有識者の検討を踏まえて、再整備計画の中で考えていきたいと思っております。 252 ◯古川 忠委員 再整備計画の中でも考えていただかなければいけないのですが、やれるものはどんどんやってください。その中の一つに、トイレのことがございます。  大濠公園は、実を言うと私は建築都市委員のときに随分お願いして、洋式トイレをふやしてもらいました。地図を見ますと五カ所トイレが設置されておりますが、私は見て回ったけど洋式がなかったですよ、ほとんど。それも随分傷んでいる場所もありました。今の時代を考えたら洋式でないと、子供たちも今どき和式に座っている子供は余りいないのではないでしょうか。ましてや結構お年寄りの方も散策してありましたが、そういう意味でもトイレは大事ですよね、やっぱり。これは二年ごとの計画とはまた別の枠で、ぜひとも整備を急いでやっていただきたいと思いますが、いかがですか。 253 ◯原田公園街路課長 現在西公園には、さくら谷付近や中央駐車場前など、五カ所にトイレを設置しております。洋式化した多目的トイレは、それぞれ一基ずつトイレに設けております。多目的トイレのほかは、女子トイレは一基が洋式となっているような状況でございます。  今後は、観光客や高齢者の利用しやすい洋式トイレへの改修に取り組んでいきたいと考えております。 254 ◯古川 忠委員 ぜひ急いでいただきたいと思います。既にたくさんの利用者がおられますので、その便宜を図っていただきたい、そして、きれいなトイレをぜひ保っていただきたいと思います。  最後に、セントラルパークとの関連で申し上げたいと思います。  セントラルパークの計画書といいましょうか、図書を見ますと、その中にも触れていますが、大濠公園と周辺を一体として何かつながりを持てないかと。それを模索していこうというのが、セントラルパークの随分分厚い資料の中にきちんと触れてあります。  そういう意味では、県営公園がこんなに近くにあるんですよね。距離一・五キロぐらいではないでしょうか。あそこの道路は市の管理ではありますが、県道ですよね。随分歩道も整備されています。ですから何とか、せっかく大濠公園に来た方、一般の観光客が、先ほど申しましたような歴史的な碑もたくさんありますし、大濠公園にはない、いろいろな自然の風景もございますので、そこに誘導するような、そういうものをぜひ考えていただきたいと思います。  韓国のオルレがありますが、都市型のオルレをつくってはどうかと私は前から言っているんですけど、ちょうどいい距離なんですよ。大濠公園を二キロ回って、一キロ半歩いて、山を上って大体一周すると一・六キロぐらいですか。ちょうど歩いてもいい距離なんですよ。ですから必ずしもジョガーだけではなくていいですから、そういうふうにゆっくり、弁当でも持って。大濠公園にはいっぱい来ているわけですから、人が、外国人も含めて。近くにある西公園にぜひ行っていただくような、そしてその景観が一体として楽しめるような、そういう工夫もぜひ考えていただきたいと思います。最後の質問は要望にしますが、いかがでしょうか。 255 ◯原田公園街路課長 セントラルパーク構想は平成二十六年、基本計画につきましては令和元年の六月に、福岡市と共同で策定しております。水と緑の豊かな大濠公園との回遊性を強化することで、歴史や芸術、文化など大濠公園が持つポテンシャルを生かしたにぎわいを西公園に広げていくということについては重要だと考えております。  このため、西公園の持つ自然や眺望、歴史などの特徴を生かして、県民憩いの場や観光資源としての魅力向上に取り組んでいくことで、大濠公園のにぎわいを西公園に広げていきたいと考えておりまして、再整備計画に当たっては、地域、そして、福岡市や有識者等の意見を聞いてまいりたいと考えております。 256 ◯古川 忠委員 再整備計画をつくるということですから、今申し上げました私の提案を、ほかにもいっぱいアイデアがあるかもしれませんが、ぜひ生かしていただきたい、そして早くやれることは急いでやっていただきたい、このことを強く要望して質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) 257 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。後藤香織委員。 258 ◯後藤香織委員 民主県政クラブ県議団の後藤香織です。  県営住宅の共益費について質問いたします。  県営住宅は県内に約二万九千戸、私の住む早良区にも県営内野団地があり、低廉な家賃で住宅を提供することで県民の生活の安定に寄与しています。  そこでまずは、県営住宅入居者は家賃と共益費を負担することになりますが、このうち今回取り上げる共益費とはどのような費用でしょうか、御説明をお願いします。 259 ◯井上順吾委員長 永山県営住宅課長。 260 ◯永山県営住宅課長 共益費は、団地内の共用施設の維持管理等に要する費用でありまして、具体的には、外灯や廊下灯、階段灯などの電気代、エレベーターや浄化槽の維持管理費などであります。 261 ◯後藤香織委員 通常、賃貸住宅では、共益費等は家賃と一緒に支払うことが多いと思います。しかし、県営住宅の共益費は、福岡県住宅供給公社のホームページで確認すると、入居者で組織する団地自治会が徴収することとされています。このような中、近年では入居者の高齢化などにより、共益費の徴収そのものや滞納の督促が大変になるなど、団地自治会での負担が大きくなっている県営住宅があると聞き及んでいます。  そこで、なぜ家賃を徴収している県で徴収をしないのでしょうか、お尋ねをいたします。 262 ◯永山県営住宅課長 公営住宅は低額所得者の方のために整備されておりまして、管理に要する費用を抑え、低廉な家賃で住宅を提供するためには、共益費の徴収等については団地自治会によって行うことが望ましいものであります。このため、福岡県では、県営住宅の入居者募集案内や入居時に配付いたします住まいのしおりに、共益費の徴収は団地自治会等が行う旨を明示しております。 263 ◯後藤香織委員 県の認識としては、管理費用を抑制し、家賃をできるだけ安くするためには、団地自治会での徴収が望ましいとのことでした。  では、二〇一七年の決算特別委員会において、我が会派の佐々木允議員が、共益費の徴収や滞納問題について、団地自治会の負担を軽減するためどのように取り組んでいくのかただしたところ、執行部からは、共益費は遅滞なく徴収されるべきであり、団地自治会の負担軽減も大切であるとの視点に立ち、他県の取り組みを調査研究したいとの答弁がありました。  そこで、他県を調査した結果はどうだったのでしょうか、お伺いいたします。 264 ◯永山県営住宅課長 他の都道府県の取り組みを調査いたしましたところ、四十六都道府県中四十三道府県におきまして、団地自治会が共益費を徴収しておりました。共益費をみずから徴収している自治体は、東京都、大阪府、高知県の三都府県でありまして、高知県では手数料を徴収しております。また、県営住宅を管理する指定管理者が団地自治会の委託を受けて共益費を徴収している自治体が一県ありまして、兵庫県でございました。 265 ◯後藤香織委員 三都府県で自治体みずからが共益費を徴収しているとのことでした。ということは、福岡県でも徴収することはできるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 266 ◯永山県営住宅課長 共益費をみずから徴収しております三都府県の状況を見ますと、滞納された共益費を自治体が負担することになること、共益費の算定や徴収、各種料金の支払い等に相当の事務量が発生するため、それに必要な経費の増加によりまして入居者の負担がふえる可能性があることなどが課題であるということがわかりました。このため、県で共益費を徴収することは困難であると考えております。 267 ◯後藤香織委員 県が徴収する場合、滞納された共益費などの負担などが問題となるということはわかりました。しかし、共益費の滞納問題について言えば、冒頭でも述べましたとおり、既に団地自治会にとっても大きな問題となっています。共益費の滞納について、県にそういった相談はないのでしょうか。また、相談があった場合はどのように対応しているのか、お聞きします。 268 ◯永山県営住宅課長 共益費の滞納につきましては、団地自治会から、県や、それから県営住宅の管理を委託している福岡県住宅供給公社に相談があっております。その場合は、公社から滞納者に対しまして、納付するよう文書を送付したり、訪問するなどの対応を行っております。また、悪質な滞納者に対しましては、県や公社から団地自治会に対し、少額訴訟などの法的措置について助言を行っております。 269 ◯後藤香織委員 共益費の滞納者に関しては、公社がその滞納の解消に向けた取り組みをしていることはわかりました。しかし団地自治会からの委託を受けて公社が共益費を徴収すれば、より効率的に共益費が徴収でき、滞納も減るのではないでしょうか。  兵庫県では、既に指定管理者が共益費の徴収を行っているとのことですが、どのようにして行っているのかお聞きします。 270 ◯永山県営住宅課長 兵庫県では、住宅供給公社と民間法人が指定管理者として県営住宅を管理しておりまして、公社では、平成三十年度まで、一つの団地自治会の委託を受けて共益費を徴収しておりましたが、現在は行っておりません。民間法人では、二つの団地自治会の委託を受けて共益費を徴収しております。 271 ◯後藤香織委員 他県において指定管理者が団地自治会の委託を受けて共益費を徴収しているという事例があるなら、福岡県においても県営住宅を管理する公社が、団地自治会からの委託により徴収を代行することはできるのではないでしょうか、最後にお尋ねをいたします。 272 ◯永山県営住宅課長 他県の事例を見ますと、本県におきましても住宅供給公社が団地自治会と委託契約を結んで共益費の徴収を行うことは可能と考えておりますが、公社としては、徴収などを受託する事務の範囲によって、どの程度の負担を求めるかという課題があります。県営住宅の入居者としても、どの程度の負担であれば徴収を頼むかという課題もありまして、兵庫県では、手数料が必要となるためか、実際に指定管理者が徴収したのは三団地にとどまっております。また、共益費を団地自治会が徴収することで、団地コミュニティーの維持に役立っているとの声もございます。このようなことを踏まえまして、今後公社と協議してまいりたいと考えております。 273 ◯後藤香織委員 共益費の徴収や滞納問題については、団地自治会の負担軽減に向けてぜひ協議をしていただいた上で、公社による共益費徴収の実施が可能となるよう、県営住宅課に要望いたしまして終わります。(拍手) 274 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。佐々木允委員。 275 ◯佐々木 允委員 民主県政クラブ県議団の佐々木允であります。  田川地域の道路、河川整備推進について、質問させていただきたいと思います。  本日の新聞報道で、国交省発表のいわゆる公示地価を、見坂部長もごらんになったかと思います。福岡市内では、中央区を中心に商業地においては三割以上価格上昇があっている一方、田川市においては、商業地においても三・三%の減少で、これは県内でも最も大きな下落幅となっているところであります。  このように私の地元田川地域は、厳しい経済状態が長年続いているところでありまして、まだまだ道路整備についても進めていかなければならない箇所があるような状況であります。地元関係者からも多くの要望をいただいているところです。また、その要望について、田川県土整備事務所を初め、県土整備部の皆様に多大な御協力をいただいております。ありがとうございます。  田川地域の道路整備の推進に関しましては、一昨年の十二月議会代表質問において、国道二百一号と国道三百二十二号バイパスを結ぶ、県道田川直方線バイパス延伸事業の効果とその取り組みについて質問いたしました。また、昨年の六月議会におきましては、今回予算特別委員でもあります田川郡選出の大島道人委員が、一般国道三百二十二号から大任バイパスの整備状況について御質問されておられますほか、同じく田川郡選出の神崎委員も、日ごろから田川地域の道路、河川環境の整備に御尽力されているとお聞きしております。  これら二つの幹線道路の整備は、県や市町村が取り組んでいる田川地域の産業や観光など地域振興策を支援するために不可欠であるため、ぜひとも早期に完成していただきたい、そのように思います。また、供用を開始する際、今、新型コロナの問題等もありますけども、開通式や開通に当たってのイベント等を企画して盛り上げていただくようにぜひしていただきたい、これは要望させていただきたいと思います。  そこで、一般国道三百二十二号香春大任バイパスと県道田川直方線バイパスの現在の整備状況についてお聞きします。 276 ◯井上順吾委員長 荒殿道路建設課長。 277 ◯荒殿道路建設課長 一般国道三百二十二号香春大任バイパスにつきましては、令和二年の全線二車線での暫定供用を目標に、現在工事を進めているところでございます。  県道田川直方線バイパスにつきましては、地元説明会などを開催しまして、事業の周知や事業への協力の依頼、用地買収や工事を進めているところでございます。 278 ◯佐々木 允委員 状況についてはわかりました。  道路整備による走行時間の短縮や輸送費の低下や防災機能といった交通機能や空間機能の効果、これは道路が建設された際に、道路の本来の機能から発生する生産力効果というもので、いわゆるストック効果と呼ばれており、国交省もさまざまな資料でストック効果の事例を挙げております。両道路とも、これが完成すれば非常に大きな効果があるので、ぜひ改めて早期完成を要望したいと思います。  また、この道路整備事業は、ストック効果以外にもフロー効果という指標がありますが、特に道路工事の実施による雇用創出は、厳しい経済環境にある田川地域にとっては重要な雇用受け入れ先となっており、継続的な雇用を創出していくためには、継続的な工事の発注が必要だと思います。  私は、田川市内で実施している県道田川直方線バイパスの整備事業においても、このフロー効果も意識して事業を実施していただきたいと思っておりますけども、この工事の進め方についてお聞きしたいと思います。 279 ◯荒殿道路建設課長 現道の拡幅やバイパスといいました道路整備事業では、用地買収を伴うものが大半でございます。したがいまして、県道田川直方線バイパスに限らず、用地買収を伴う道路整備事業におきましては、一定の用地のストックが確保でき次第、工事を発注し実施しております。事業実施におきましては、早期完成によりますストック効果、工事発注によりますフロー効果を意識しながら実施しております。 280 ◯佐々木 允委員 今、特に用地の話が出ました。地権者の協力も必要でありますし、県土整備事務所でもさまざまな非常に大変な交渉をしているというのを、私もかいま見てまいりました。ぜひこの道路整備に当たっても御尽力賜りますことを、この点については要望で終わりたいと思います。  続いて、河川整備、とりわけ県管理河川の猪位金川についてお聞きします。  この猪位金川というのは、田川市を流れている県管理河川でありまして、現在さまざまな整備事業、郷土の水辺整備事業といった事業などを行っているところでありまして、地元猪位金地区はもとより、田川市民にとっても河川と触れ合えるすばらしいものになろうとしています。  まず、猪位金川における郷土の水辺整備事業の目的、そしてこれまでの取り組みについてお聞きします。 281 ◯井上順吾委員長 富田河川整備課長。 282 ◯富田河川整備課長 猪位金川におきましては、田川市から要望を受けまして、現在、郷土の水辺整備事業で、地域に親しまれる河川整備を行っております。郷土の水辺整備事業の目的は、生態系の保全、心地よい景観形成、親水性の確保を行うとともに、人と自然が出会う水辺環境の整備を行うものでございます。この猪位金川における整備内容につきましては、子供たちが安全に水辺に近づけるよう、階段や遊歩道の整備を行っているところでございます。 283 ◯佐々木 允委員 河川整備においては、先ほどの話もあったみたいに、地元住民の意見や要望を聞きながら、地域の皆さんに親しまれる形づくりを行っていくことが大切だと考えます。また、地元猪位金地区の皆様からも、引き続きの整備要望が出されているところでもあります。そこで、今後の猪位金川の河川整備について、どのように行っていくのかお尋ねします。 284 ◯富田河川整備課長 今後の猪位金川の郷土の水辺整備事業につきましては、地域で組織されている猪位金校区活性化協議会の水辺づくり委員会と協議を行いまして、整備の内容を決定した上で進めてまいります。  なお、今年度実施しております魚道の整備につきましても今後も整備を進めてまいります。 285 ◯佐々木 允委員 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いします。  最後に、部長にお聞きをしたいと思います。先ほど中嶋委員からもお話がありました八丁トンネル、私も先日、朝倉から田川に帰る際に通行させていただきました。このトンネルは、御存じのとおり、吉原太郎先生の絶大な御尽力で完成をしたトンネルでございますけども、福岡一とも言える難所の峠が、わずか数分で通ることができる、私も通って、いかに道路整備というのが大切なのかというのを改めて感じたところであります。  部長に申し上げるまでもなく、まちが道路をつくるわけではなくて、道路ができてまちや経済が動いていく、これは先ほど中嶋委員の、トラックの台数がもう百倍以上になったといったことがまさに証左であると思いますが、そういったものだと思います。また、先日の報道では、川崎町においては、国道三百二十二号バイパスの開通等に伴って、これを見越して新たに道の駅を建設したいと、こういったことの報道もあったところでもございます。  こういった中で、先ほど両課長から、今後の整備の促進につながる力強い答弁をいただきました。最後に部長から、田川地域の道路、河川整備の整備推進について、力強い決意をいただきたいと思います。 286 ◯井上順吾委員長 見坂県土整備部長。 287 ◯見坂県土整備部長 お答え申し上げます。田川地域における道路整備につきましては、昨年の九月に、県道猪国豊前桝田停車場線のバイパスが開通いたしました。また、一般国道三百二十二号香春大任バイパスは、先ほど申し上げましたとおり令和二年の開通を目指して事業を進めているところでございます。また、県道田川直方線バイパスの整備におきましては、田川市や地元の皆様の御協力をいただきながら用地買収や工事を進めております。このように田川地域の安全・安心や地域振興に資する道路整備を着実に進めているところでございます。  また、田川地域における県管理河川であります猪位金川につきましては、地域の要望を踏まえつつ、河川が持つ自然環境を生かした河川整備を進めてまいりたい、このように考えております。  今後とも地元の皆様の御理解、御協力をいただきながら、田川地域の道路、河川の整備を進めてまいりたいと考えております。 288 ◯佐々木 允委員 終わります。(拍手) 289 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 290 ◯井上順吾委員長 ないようですので、以上で第八款県土整備費に関する質疑を終わります。  以上で本日の議事を終了いたします。  なお、来週三月二十三日月曜日の委員会は午前十一時に開き、歳出第九款警察費から第十四款予備費までの審査及び第二条債務負担行為から第五条歳出予算の流用までの審査、並びに第二号議案から第二十号議案までの特別会計及び企業会計の審査を行う予定でありますので、よろしくお願いいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午 後 三 時 三 十 九 分 散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...