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令和2年度 予算特別委員会 本文 開催日: 2020-03-17

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  1. 福岡県議会 2020-03-17
    令和2年度 予算特別委員会 本文 開催日: 2020-03-17


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    令和二年三月十七日(火曜日)    午 前 十 一 時 零 分 開 議 ◯井上順吾委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから委員会を開きます。  まず、議事に入ります前に、執行部から発言の申し出があっておりますので、これを許可いたします。野田企画・地域振興部長。 2 ◯野田企画地域振興部長 昨日の審査におきまして的確な答弁ができず、審査日程をおくらせてしまいました。まことに申しわけございませんでした。 3 ◯井上順吾委員長 私のほうから一言申し上げます。樋口委員からのきのうの質疑の中でやりとりがありましたけど、この日田彦山線の問題につきましては、これまでずっと議会で議論をされてきた経緯がありますし、そういう意味では、予算特別委員会といえども、限られた日程の中でおさめなければいけない、そういうこともありますので、ぜひ答弁に当たりましては真摯な、そして誠実な答弁をいただきますようお願いいたしまして議事に入ります。  最初に、審査日程の変更についてであります。お手元配付の審査日程のとおり、本日は、第二款総務費の残余の質疑、第三款保健費及び第四款環境費の審査を行うことといたしますので、御了承願います。  それでは、第二款総務費の残余の議事を進めます。樋口明委員。 4 ◯樋口 明委員 まず冒頭に、私の質疑で委員会運営に、委員長を初め委員の皆さんに御迷惑をおかけしていることをおわびいたします。  自民党県議団の樋口明であります。昨日に引き続き、日田彦山線の復旧・復興について質問をさせていただきます。  では、昨日の私の質問に対する回答からお願いいたします。 5 ◯井上順吾委員長 野田企画・地域振興部長。 6 ◯野田企画地域振興部長 昨日の審査におきまして樋口委員の御質問の際、交通政策課長から、JR九州が提案しております三案以外のシミュレーションについて、どのような検討材料が提出できるか、お時間をいただきたいという旨御答弁を申し上げ、執行部において検討してまいりましたけれども、三案以外のシミュレーションについて提出させていただくことは難しい状況でございます。重ねておわびを申し上げます。よろしくお願いいたします。 7 ◯樋口 明委員 ただいま野田部長からは、今、執行部で考えられるシミュレーションはないということでありました。なぜJR九州から提案された三案に固執をされないといけないんでしょうか。復旧会議の進捗状況を考えると、県民に少しでも寄り添える案を県が提案してもいいんじゃないでしょうか。  先日私たちは、九州の自立を考える会で被災地に出向き、住民の皆さんの御意見をさまざま伺いました。先週の木曜日には、同会でJR九州との意見交換会を行いました。また、東日本大震災の被災地である東北のBRTでの復興状況も調査してまいりました。日田彦山線が県政の重要課題だと認識しているからこそ、活発に活動しているわけであります。  では、小川知事はどうでしょうか。被災地のことを思い、現状の膠着状況を県として打開する手だては何かないかということを考えているのでしょうか。昨日、私は皆さんにこの日田彦山線についてもっと主体的に考えてほしいと申し上げましたが、本日何のシミュレーションも出てこなかったことは本当に残念であります。  そこで、私みずからシミュレーションをしてきました。その資料を委員会資料として配付させていただきたいと思いますので、委員長のお取り計らいをお願いします。 8 ◯井上順吾委員長 ただいま樋口委員から申し出がありました資料の配付についてであります。資料の内容については、理事会において確認しております。  お諮りいたします。樋口委員申し出の資料を配付することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
    9 ◯井上順吾委員長 それでは、ただいまより樋口委員から提出のありました資料を事務局から配付させます。      〔資料配付〕 10 ◯井上順吾委員長 資料が配付されましたので、樋口委員、質疑を行ってください。 11 ◯樋口 明委員 資料をお配りさせていただきました。資料の表の上から三つが、現在議論をされている案であります。下の四つが、私がシミュレーションをしてきたものであります。  簡単に御説明させていただきますと、一番上から、添田駅から彦山駅までが一般道、そして、彦山駅から夜明駅までが鉄道、これが一つ。二つ目が、添田駅から彦山駅までが一般道、そして、トンネルの中を専用道で通り、筑前岩屋駅から夜明駅までが鉄道。三つ目が、添田駅から夜明駅まで全線専用道を通る案。そして最後に、添田駅から彦山駅までが一般道、そして、彦山駅から大行司駅と宝珠山駅の途中まで専用道を通り、それからまた一般道になるという、この四つのシミュレーションをさせていただいたところであります。  このシミュレーションのそれぞれの復旧費用については、JR九州が復旧会議で提示をしている鉄道案、BRT案、バス案の費用を距離で案分をして、私が単純に試算した数字です。当然、実際には地形的な条件や抜け落ちた観点もあると思いますので、精度の保証はできませんが、議論を進めるために必要と思いましたので独自に試算をしたものであります。  まず、このシミュレーションを見られて、課長はどのように思われるか、そして、県でもこのような金額の試算をされてみてはいかがかと思いますが、どうでしょうか、お答えください。 12 ◯井上順吾委員長 片山交通政策課長。 13 ◯片山交通政策課長 樋口委員が、考えられる交通モードを組み合わせて、さまざまな角度から検討されたものだと思っております。  先ほど部長が申し上げましたように、三案以外につきまして、私どものほうから提出するのは難しい状況でございました。おわびを申し上げます。 14 ◯樋口 明委員 二番目の質問に、私が私案で試算した金額があります。これをぜひ県としても一度検討していただけないかという質問ですが、どうでしょうか。 15 ◯片山交通政策課長 樋口委員のこの御検討された内容について、私どもとしても研究をさせていただきたいと思います。 16 ◯樋口 明委員 先日、私たちは被災地の住民の皆さんと意見交換を行わせていただいたり、新聞での情報を得たり、また、先日の日田彦山線の代表質問、そして一般質問の内容を参考にさせていただいて、私はこの案をつくってきました。もちろんこれらのシミュレーションが住民の皆さんたちにとって満足をしてもらえるものとは思っておりません。逆に、反発を招くことになるかもしれません。復旧会議で混乱させることになるかもしれませんが、少なくとも鉄道会社の目線ではなくて、住民にどうすれば寄り添えるか、そういう目線で考えてきました。きょう提出させていただいたこのシミュレーションについて、一つ一つ細かく御検討をしていただくことは、この場ではできないと思いますので、このことにつきましては後日、知事に直接聞かせていただきたいと思っているところであります。  続きまして最後に、知事は、三月末までにこの問題について結論を出されると言われておりますが、その点について聞かせていただきたいと思います。私たちは代表質問でも申し上げましたように、三月末までに結論を知事が出されるのは無理ではないかと考えています。なぜならば、まず第一に、知事は添田町民、東峰村民の皆さんとお会いし意見交換をされてないからであります。このプロセスを経ないで結論を出すということは、我々の感覚ではあり得ないと考えております。  次に、先日私たちが被災地を訪問した際に、澁谷村長はこういうふうに言われてありました。JR九州が示した復旧費七十八億は高過ぎるのではないか。村で復旧した橋を引き合いに出され、同じような橋の復旧費をJR九州は村の七倍の金額で見積っているということでした。もしこれが本当のことであれば、JR九州が住民の皆さんに提示した金額の根拠が崩れることになるわけであります。このことについては、県としても検証すべきであると考えます。  以上のことを考えると、復旧会議で三月末までに結論を出されるのは困難だと考えますが、部長の考えをお聞かせください。 17 ◯野田企画地域振興部長 この問題に結論を出す時期についての御質問でございますけれども、まず、委員もお触れになりました本会議における答弁におきまして、知事は、今地域で意見交換なり説明会が行われている、その積み重ね、その結果も踏まえて、被災前と比べて利便性が向上するか、交通ネットワークが長く継続できるか、観光や地域の振興につながるかといった観点から検討し、住民の代表である両首長さんと協議を行った上で、年度内に復旧の方向性について決断をしていきたいと答弁を申し上げたところでございます。この考えは変わっておられないとお見受けをしております。  また、お触れになりました七十八億の復旧費につきましては、JRから先日の意見交換の中でもございましたように、そもそもバス、自動車を前提とした道路の橋梁と耐荷重が鉄道の場合は違うといったようなこともありました。そういったこともございましたものですから、県におきまして改めてその検証を行っているところでございまして、知事が決断をなされるまでにはその検証結果もお示しできるものと考えております。 18 ◯樋口 明委員 今、野田部長から御答弁をいただきましたが、私たちは、三月までに結論を出されるということはまだまだ早いと、機が熟してないと考えておりますので、このことについては知事に直接聞かせていただきたいと思います。  昨日の私の質問も含めて、この日田彦山線の復旧・復興について、知事に質問を保留したいと思いますので、委員長のお取り計らいをお願いします。 19 ◯井上順吾委員長 ただいま樋口委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。なお、知事保留質疑は三月二十五日水曜日に行う予定でありますので御了承願います。 20 ◯樋口 明委員 終わります。(拍手) 21 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。中嶋玲子委員。 22 ◯中嶋玲子委員 おはようございます。民主県政クラブ県議団の中嶋玲子でございます。  私も今議会の一般質問で、この日田彦山線の問題につきまして、知事の責任問題、また反省点、そして謝罪を考えていないかというような質問をした際に、どうしてもこの日田彦山線の復旧は、災害に遭った路線として原形復旧を鉄道ですべきだと申し上げましたところ、回答は余り期待に沿うようなものではありませんでした。それで、再度きょうは予算委員会で質問をさせていただきたいと思います。  我が会派はこの一年間、代表質問、一般質問、昨年の予算、決算特別委員会など、議会において日田彦山線の復旧について執行部の姿勢をただしてきました。御存じのとおりだと思います。きょうは、そういったことからも全然進展しないことに対して私は、JR、そしてまた国の対応に大変な不信感を持っており、それを中心に今から質問をさせていただきたいと思います。  まず、ここで執行部に、被災前の二〇一六年度日田彦山線の収支状況及び主な橋梁の被災箇所に関する資料を要求していますので、委員長、よろしく取り計らいをお願いいたします。 23 ◯井上順吾委員長 お諮りいたします。ただいま中嶋委員から要求がありました資料を、委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 24 ◯井上順吾委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま中嶋委員から要求がありました資料については提出できますか。片山交通政策課長。 25 ◯片山交通政策課長 直ちに御用意いたします。 26 ◯井上順吾委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 27 ◯井上順吾委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 28 ◯井上順吾委員長 資料が配付されましたので、中嶋委員、質疑を行ってください。 29 ◯中嶋玲子委員 それでは、配付いただきました一枚目について御説明ください。 30 ◯片山交通政策課長 お配りをいたしました一枚目でございます。復旧会議において、JR九州が示した二〇一六年度日田彦山線添田|夜明間の収支状況について簡潔に御説明をいたします。  棒グラフの赤の点線部分でございます。営業損益二億六千六百万円がこの被災区間の赤字額となっておりまして、営業費用の棒グラフの緑色の部分、ここがJR九州が求める収支改善見込み額約一億六千万円に当たります。これは、線路、信号設備などの鉄道設備に係るメンテナンス費用であると、JR九州から説明を受けているところでございます。 31 ◯中嶋玲子委員 ただいま課長から日田彦山線の収支状況についてという資料を説明していただきました。  そこで質問に入りたいと思います。JRは、復旧会議のみでなく地元説明会でも、この収支状況を、鉄道での復旧ができない理由、もしくは地元負担を一・六億円求める理由の一つに挙げています。この資料では営業費用と書かれておりますけれども、これは経常経費に入るものだと考えます。なぜかといいますと、その内訳は、乗務員に係る経費や軽油代、車両の検査、修繕に係る費用、その作業の経費、そして宿舎の電気代等のメンテナンス費用、また車両の検査、修繕に係る費用と、その作業員の経費、また減価償却や税金等としています。  これらは一つの会社が当然負担すべき経常経費であると考えます。それを受益者に負担する、負荷するということは、黒字会社の大企業でありながら本当におかしなことだと思っていますし、情けないことだと思います。当然この経費は他の赤字路線にもかかる経費のはずであり、日田彦山線だけに求めるべきことではないと思います。JR側の手前勝手な主張だと考えますが、県はJRとの話し合いや交渉の時点で、営業費用として説明資料に上げることに対し議論をされたんでしょうか。JRに対して、県は弱腰過ぎるのではないかと思いますが、お答えください。 32 ◯片山交通政策課長 JR九州に対してでございますが、同社が運行経費に係ります自治体の財政支援を求めてきた際、平成三十年十一月でございますが、知事が青柳社長と面談しまして直接、早期鉄道復旧に向けた地域の思いを伝えるとともに、財政支援を求めないよう再考を要請してまいりました。  また、復旧会議で鉄道での復旧に向けた議論を行う中においても、自治体側に運行経費に係る財政支援を求めないこと、そして、運行経費に対する財政支援はできないとして、知事は再三にわたって再考を求めました。  さらに、ことし二月の復旧会議におきましても、知事から鉄道復旧の負担のあり方については意見の隔たりがあるので、JR九州は地元の皆様に丁寧に説明するように迫り、会議のまとめでもそのようになったところでございます。 33 ◯中嶋玲子委員 今お答えの中で、JRに丁寧な説明をするように迫ったということですけれども、丁寧な説明で納得できるものではありません。そもそも不適切な経費の要求だと思います。  次に、東峰村、添田町への知事訪問の進言の有無について質問いたします。我が会派は、再三にわたって知事と首長との意見交換を求めてきたにもかかわらず、知事は実現させてこなかったわけでございます。  ここであえて質問いたします。課長及び部長は、先日三月十三日の東峰村訪問以前に、知事に対して東峰村長や添田町長に、日田彦山線の復旧について直接意見交換するように進言をされたことはありますか。あるのなら、具体的にいつなのか、その際知事はどのようにお答えになったのかを答えてください。 34 ◯片山交通政策課長 発災後、これまで知事と部長、私の間では、常日ごろから頻繁に問題解決の協議を重ねてまいりました。例えば、地元の報告会等がなかなか進まないといった時期もございました。そのようなときには部長と私のほうから、そのような地元の状況を報告しまして、その対応について協議をしたこともございました。知事は、東峰村長や添田町長とどのような協議をすべきか、知事がその都度都度で総合的に勘案し行動されてきたと考えております。 35 ◯中嶋玲子委員 報告をし、協議をしてきたということでありますので、知事に対して進言はされたんだろうと思います。多分、知事の考えが、そういうものでなかったんだろうと推測するところでございますが、今後も一体となって進めていくためには、執行部と首長のしっかりとした情報共有といいますか、意見がしっかりと一本になる必要があると思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  では、ここで、先ほどお配りした二枚目の資料について御説明をお願いします。 36 ◯片山交通政策課長 お配りをしました二枚目の資料でございます。復旧会議においてJR九州が示しました平成二十九年七月九州北部豪雨での日田彦山線添田駅から夜明駅間の主な橋梁の被災箇所につきまして御説明をさせていただきます。  ごらんのように、不通区間で五つの橋梁が被災をいたしております。1)、2)は、添田町の第二、第三彦山川橋梁でございまして、橋脚が傾き、レールにずれが生じております。3)、4)の東峰村の平迫橋梁、そして福井橋梁は、レール等が流出をしております。5)の竹本橋梁は、大分県日田市にございまして、橋脚が傾き、レールにずれが生じているという被災状況でございます。 37 ◯中嶋玲子委員 ただいま説明をいただきました。この日田彦山線の被災した線路や橋梁について、被災した線路や橋梁は特に復旧工事に多くの費用がかかるのが橋梁だというふうに思って質問いたします。提出いただいた主な橋梁の被災箇所について、それぞれの橋梁の改修責任と費用負担はどこにあるんでしょうか。 38 ◯片山交通政策課長 被災を受けました主な橋梁は、全てJR九州の責務でかけかえる必要があると考えております。  なお、復旧会議では、災害復旧事業を活用することによりまして復旧費用の低減を図ることについても検討してまいりました。  一方、国が管理する河川にかかる二つの橋梁につきまして、JR九州は、第二彦山川橋梁につきましては、かけかえでなければ安全運行が確保できないとしていること、そして、第三彦山川橋梁については、鉄道で復旧することが決まった後に、国がかけかえをするか否かを検討すること、このようになっておりますことから、JR九州が負担すべき復旧費用の低減額の確定にまでは至っていないところでございます。 39 ◯中嶋玲子委員 それでは、JRの試算ということで、ずっと七十八億円と言い続けてまいりましたJRに対し、東峰村の試算は、先ほども樋口委員から指摘がありましたように、大体七分の一ぐらいで橋梁は復旧できるのではないかという試算で、東峰村で村長もそんなふうに思っておられる。大体全体で十七億ぐらいで、縮減できるのではないかとよく言われますけれども、そのJRの試算と村長が考えられる試算、大変差が大きいわけでございますが、JRが試算している復旧費用とその根拠について、県の認識での説明を求めます。県はどんなふうに思っていらっしゃるのでしょうか。 40 ◯片山交通政策課長 委員御指摘のように、この件につきましては復旧会議で東峰村長からも御指摘がございました。JR九州が示しました復旧費用につきましては、現在検証作業中でございます。 41 ◯中嶋玲子委員 そういう検証作業などを早くやらなくてはならなかったのではないかなと思います。もっと早く県の見解を示していくことが大事だったということでございますが、現在検証中ということがわかりました。  次に、国交省は、二〇一五年六月二日の国会審議では、JR九州は直近十年間で毎年のように被災しているが自己資金で復旧してきた、基本的に今後も同じように復旧が図られると考えているが、今後同社が被害を受けた場合、復旧が円滑に進むよう協力していくと答弁していました。ところが、先日の私の一般質問に対しての回答で知事は、令和二年二月二十五日、最近です、衆議院予算委員会では、国の見解として国土交通大臣及び鉄道局長の答弁の中で、災害で被災した鉄道の復旧に関して最終的には鉄道事業者が判断する旨の発言があったと答弁されました。国が見解を変えたということを県はいつごろ知ったのですか。この国の見解の変化について、どう考えていますか。  まさに九州北部豪雨で被災した日田彦山線の復旧を目前にして、廃線を狙うJRに加担するみたいな、実に意図的な発言だと私は思います。県として、国の見解の変化の根拠等について復旧会議の席上で質問や異議を唱えたのですか。国に撤回を申し入れる気持ちはないのでしょうか。 42 ◯片山交通政策課長 国土交通大臣はJR九州の上場に当たりまして、同社が踏まえるべき事業経営の指針を策定しておりまして、その中には、現に営業する路線の適切な維持に努めるものとするとされております。指針を踏まえた事業経営を確保する必要があるときには、国土交通大臣はJR九州に対して指導及び助言をすることができるとなっております。  このことにつきまして、昨年四月の復旧会議で示されました九州運輸局長の見解でございますが、指針で定めているのは、その路線を取り巻く輸送需要の動向、事情の変化をしんしゃくした上で適切な路線維持に努めるということであり、必ずしも路線を維持してくださいとまでは書かれていないとのこと、そして、JR九州が鉄道を原点として復旧して、鉄道の路線維持に最大限努力しているかどうかを国としては見きわめるべきであること。また、今回はJR九州が責任を持って長期的運行を確保していく上で、やむを得ず一億六千万円の地元負担を求める提案をすることは、鉄道を維持するためにどうしてもお願いせざるを得ない提案というものでございました。このため、自治体側からは、本当にそういう考えなのでしょうかということをただしたところでございます。この後、県と県議会で国への提言要望としまして、今年度の七月、十一月に、国土交通大臣へ直接早期復旧に向けた支援を要望しております。  しかしながら、先月二月二十五日の衆議院の予算委員会におきまして、先ほど委員御指摘のありました、共産党の田村貴昭議員の質問に対しまして、青柳社長の国会答弁に対する国の見解として、国土交通大臣、そして鉄道局長から、災害で被災した鉄道復旧に関して、地域で丁寧な議論が行われることが重要で、最終的には鉄道事業者が判断をするといった答弁がなされたところでございます。 43 ◯中嶋玲子委員 今、国土交通大臣の回答の御紹介がありましたが、必ずしも線路を維持してくださいとは書いてないという言葉、そしてまた、本当に国が本気で復旧をしていこうということを逃れられるような根拠をつくっているのではないかという気がいたしてたまりません。どうも国交省とJRに対して不信感を感じます。釈然としないのですが、次の質問に入りたいと思います。時間がありません。  最後に、JR九州が株式上場した際、引き継いだ経営安定基金三千八百七十七億円についての質問です。二〇一五年一月、国土交通省内につくられたJR九州完全民営化プロジェクトチームにおいては、今後の課題において、特に不採算路線についてどのように言及されているのか、また、経営安定基金の取り扱いについてはどのように言及されているのか、そちらのほうからお答えいただきたいと思います。 44 ◯片山交通政策課長 「JR九州完全民営化プロジェクトチームとりまとめ」によりますと、今後の九州地域の発展及び活性化に向けて、不採算路線も含めた必要な鉄道ネットワークの維持とともに、サービスの向上、他の交通網との連携、バリアフリー化の推進、防災対策の強化等の鉄道ネットワークのさらなる発展を進めていく必要があると記載をされております。また、今後もJR九州が不採算路線を含めた鉄道ネットワークを維持する責務を担っていることに鑑みると、完全民営化後においても経営安定基金の果たしている機能を引き続き維持する必要があると記載をされております。 45 ◯中嶋玲子委員 それでは、経営安定基金は何に使われて、現在JR九州に経営安定基金は幾ら残っているのか、御説明ください。 46 ◯片山交通政策課長 この経営安定基金三千八百七十七億円でございますが、三つの使途、一つには九州新幹線の貸付料の一括払いに二千二百五億円、そして、鉄道運輸機構から借り入れた無利子借入金の償還財源への振替に八百億円、そして、鉄道ネットワークの維持向上に必要な鉄道資産への振替に八百七十二億円をそれぞれ充当されているところでございます。  JR九州に残っている残高でございますが、ことし二月の衆議院予算委員会で議論された内容によりますと、二百七億円とのことでございます。 47 ◯中嶋玲子委員 JR九州に二百七億円残っているということであれば、それをこの日田彦山線の復旧に利用する責務があるのではないかと思いますが、部長の答弁を求めます。 48 ◯井上順吾委員長 野田企画・地域振興部長。 49 ◯野田企画地域振興部長 JRに引き継がれました経営安定基金の使途についての御質問でございます。この使途につきましては国土交通省令で使える使途が定められております。ただいま課長が答弁しました三点になりますけれども、この三点のうち残余の基金につきましては、今後JR九州が鉄道ネットワークの維持向上に必要な鉄道資産への振替、すなわちネットワークを維持していくために必要な施設設備に関する投資について、事業計画を立て、国の承認を経て、取り崩し活用していくと定められております。 50 ◯中嶋玲子委員 がんじがらめにしながら、使いにくいように、使いにくいようにしてあると思いますが、先ほど説明がありましたように、九州新幹線の貸付料の一括払いに使ったと。しかも二千二百五億円。この一括払いをせずにやることだってできたじゃないかと、私たちは思います。  では、次の質問に行きたいと思います。時間がたちましたので、委員長、済みません。  それでは、最後の質問に入ります。国土交通省内に設置されましたプロジェクトチームの取りまとめの意見の中にこう書いてあります。株主優先となり、利潤の追求が厳しくなることで、利益の大きい人口集積地に投資が集中し、地域間格差の拡大や、場合によっては廃線の可能性が増大することが懸念されると、はっきり述べられています。この取りまとめは、九州北部豪雨災害発生のわずか二年半前になされたものです。JR九州は、民営化や株式上場など、資金の欲しいときは鉄道ネットワークを維持すると言及しながら、お金をもらったら手のひらを返したような態度をとる。受益者負担を求めたり、収支改善のために負担なしでの鉄道復旧は考えられないなどと日田彦山線の鉄道復旧を拒否していることは問題であり、このことを県はJRにただしていくべきだと思いますが、部長の見解を示してください。  また、二月十二日の第五回復旧会議では、鉄道復旧の方策については活発な議論がされず、JR提示のBRT案を持ち帰り、協議し、次回の復旧会議では復旧方針の合意を目指すことになったわけでございます。課長の答弁では解決の糸口が見えません。そこで再度部長にお伺いをいたします。東峰村は、鉄道利用の促進策も兼ねたタクシー券給付事業や岩屋橋の復旧、大行司駅舎の再建など、鉄道での復旧の環境整備にもいち早く取り組んでおり、独自の施策やまちづくりを進めています。復旧会議には鉄道での復旧を主張する東峰村も存在するにもかかわらず、検討する選択肢がBRT案だけに決まったのはなぜでしょうか。福岡県として持ち帰り検討する案に、鉄道での復旧の選択肢があることをなぜ主張しなかったのですか。県には、既に鉄道での原形復旧を目指す考えはないのでしょうか。日田彦山線の一日も早い最善な復旧を目指す立場である企画・地域振興部長の決意としてお聞きをしたいと思います。よろしくお願いします。 51 ◯野田企画地域振興部長 まず、これまでのJR九州の姿勢というものについての御質問でございます。これまで復旧会議で議論を重ねてきておりますけれども、JR九州を含め、もちろん両県知事、それから沿線の自治体の首長さん、それぞれ各出身の責任を背負い、また、誠意を持って議論を続けてこられたと承知を私はしております。  その復旧会議の結果、現在二月が最新の復旧会議でありますけれども、鉄道復旧のためには財政支援を含む年間一億六千万円の収支改善が必要だというJR九州の主張については、引き続き沿線の自治体の皆様に丁寧で誠意を持った説明をしていくべきであるということ、それから、JR九州から示されました新しい復旧案につきまして、地域振興策、それから観光振興、利便性の向上の観点から、さらにJR九州としてブラッシュアップした上で、次の復旧会議で議論をするということ、それから、三月末までに復旧会議を開催し、復旧方針の合意を目指すということが、この関係者の皆様の間で合意をされたわけでございます。  また知事は、復旧会議の結論を受けて、御自身、先ほども答弁申し上げましたように、地元の両首長さんとも協議を行った上で年度末までに決断をしてまいりたいというふうに答弁をされております。私どもとしましては、その復旧会議における現在の合意内容、あるいは知事の今後なされる決断というものが速やかに実現に移されて、一日も早い被災地の復旧につなげていく、そのために努力をしてまいりたいと考えております。 52 ◯中嶋玲子委員 今、部長から説明をいただきましたその答えは、代表質問から一般質問にかけて何回も何回も同じことを聞きました。こういう状況の中では今後の議論の進展は期待できません。日田彦山線は、災害の原形復旧として鉄道での復旧をなされるべきと考えていますが、部長の答弁からはBRT案が濃厚なのかなと感じました。また、知事も三月十三日の東峰村長との会談の中で、読売新聞にも書いてありましたが、鉄道での復旧ではなくてというようなことが報道されました。そういうことを考えますと、JR提示のBRT案は、事実上のバス転換ではないのですか。JR九州は、しかも代替輸送として委託もあり得ると地元の説明会では言われました。これまでの廃線された路線のその後の経過を考えても、JR九州が言う継続的に維持できる地域の生活の軸となる交通手段の提供という言葉は信用ならないと思っています。私としては、JR九州が提示した現在のBRT案は断じて容認できるものではありません。  そこで、今回添田町の説明会の中で出てきた全線BRTでの案も含め、また、先ほど自民党の樋口委員がシミュレーションを提案されました。そういった全線BRTでの案も含めて、どう解決していくのか、知事の考えを直接お聞きしたいと思いますので、知事保留の取り扱いをよろしくお願いいたしたいと思います。 53 ◯井上順吾委員長 ただいま中嶋委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。なお、知事保留質疑は三月二十五日水曜日に行う予定でありますので御了承願います。 54 ◯中嶋玲子委員 どうもありがとうございました。(拍手) 55 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。森下博司委員。 56 ◯森下博司委員 公明党の森下でございます。通告に従い、ローカルSDGs福岡県版と日田彦山線問題について質問させていただきます。  まず、委員長、SDGsの十七の目標についての資料要求をしております。委員長、資料の提出についての取り計らいをよろしくお願いします。 57 ◯井上順吾委員長 お諮りいたします。ただいま森下委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 58 ◯井上順吾委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま森下委員から要求がありました資料については提出できますか。石橋総合政策課長。 59 ◯石橋総合政策課長 直ちに提出いたします。 60 ◯井上順吾委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 61 ◯井上順吾委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 62 ◯井上順吾委員長 資料が配付されましたので、森下委員、質疑を行ってください。 63 ◯森下博司委員 それでは、資料の説明を簡単にお願いいたします。
    64 ◯石橋総合政策課長 ただいま配付いたしました資料は、SDGsの十七の目標について、それぞれの内容について示したものでございます。  SDGsは、二〇一五年九月に国連の持続可能な開発サミットにおきまして、全会一致で採択されましたものでございます。このSDGsは、先進国と発展途上国がともに取り組むべき国際社会の普遍的な目標でございます。誰一人取り残さない社会の実現を目指して、経済、社会、環境をめぐる広範な課題に総合的に取り組むものでございまして、二〇三〇年を期限とする包括的な十七の目標と、その下に細分化されました百六十九のターゲットで構成されております。  各目標の内容については記載のとおりでございます。 65 ◯森下博司委員 それでは、このSDGsに対して本県はどのような認識を持ち、また、どのように取り組んでいるのかお答えください。 66 ◯石橋総合政策課長 SDGsは、先ほど申し上げたとおり、誰一人取り残さない社会の実現を目指して、貧困や飢餓の根絶、人種、国、性別による不平等の解消、環境保全など、経済、社会、環境をめぐる広範な課題に取り組むものでありまして、先進国、途上国全てが責任を持つ重要な取り組みであると認識しているところでございます。  次に、取り組みについてでございますけれども、SDGsの考え方が、福岡県の総合計画、福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略の考え方と重なっていることから、総合計画や地方創生総合戦略の推進を通して、SDGsの推進を図ってきたところでございます。  また、環境分野では、平成三十年三月にSDGsを明確に位置づけました福岡県環境総合ビジョンを策定し、SDGsの推進を図ってまいりました。  また、自治体におけるSDGsの実現に向けた取り組みが地方創生の実現に資するという考え方のもとに、今議会に提出させていただいております第二期地方創生総合戦略にSDGsを明確に位置づけているところでございます。 67 ◯森下博司委員 今の答弁の内容では、SDGsが職員に浸透しているとはとても思えません。職員に対してSDGsに対する意識を高めるためにも、まずトップである知事が先頭に立って取り組む必要があると私は考えています。国では、SDGsの推進本部長は安倍総理大臣であり、副本部長は菅官房長官と聞いています。県にもこのような推進体制の整備が必要であると私は思います。またさらに、本県の組織としてはSDGsの推進室をつくって、SDGsをもっと積極的にPRすべきと思うが、いかがでしょうか。  また、知事や職員がSDGsのバッジをつけたり、名札や名刺に、また各課の係の看板等々にSDGsのアイコンのシールを張ると、職員もSDGsを意識しながら業務を行うことになり、いい啓発方法だと私は思います。県はこのような取り組みを行うべきと私は考えておりますけれども、いかがでしょうか。 68 ◯石橋総合政策課長 SDGsの考え方を踏まえて作成いたしました第二期地方創生総合戦略は、知事を本部長とする人口減少対策本部会議で議論して決定したものであります。また、SDGsの考え方をもとに策定いたしました環境総合ビジョン、地方創生総合戦略の進捗状況につきましては、知事をトップとする庁議で報告を行っているところでございます。  職員の啓発につきましては、内容が全庁的に及ぶ地方創生総合戦略は、SDGsに明確に関連づけて策定したものでございますことから、それに沿って進捗管理を行っていくことを通じまして、職員のSDGsに対する意識を高めていきたいと思っております。  あわせて、今後新たに庁内のイントラネットを活用して、SDGsの考え方や総合計画、総合戦略との関連、県におけるSDGsに関する取り組み、先進事例の紹介等を掲載するとともに、県のホームページに同様の情報の掲載を行い、職員のSDGsに対する意識を高めてまいりたいと考えております。また、このことは県民の皆さんや企業などへの啓発にもつながるものと考えております。 69 ◯井上順吾委員長 執行部、いいですか。もうちょっと質問に対して的確に短く答えてください。 70 ◯森下博司委員 さっき答弁の中で、人口減少対策本部会議で本部長として知事はやっていると言ったけれども、これは私が言っているSDGsの推進本部というのと規模が違い過ぎる。これは国連で決めて、広範な課題を検討してほしいというこの十七項目で百六十九ある。これを人口減少で本部長にしたからええじゃないかというような考えであったら、いつまでたっても福岡県は取り残されるということを指摘しておきます。  私がここに持参しているのは、北九州市で作成したSDGsの冊子、わかりやすい冊子です。これ全部そうです。きょうは六冊持ってきましたが、SDGsの経営サポートブック、私たちの未来とSDGs、漫画で分かるSDGs、中小企業支援のSDGs版、SDGsとは何か、こういったものを啓発としてしっかり使っていっておりますが、本県にはゼロ、一冊もありません。  そこで、私は県においてこのような冊子を作成することが必要と思いますけれども、いかがでしょうか。また、その冊子を利用して、庁内では勉強会、市町村や県民にはセミナー等を開催して、徹底していく機運を盛り上げることが大事と思いますが、いかがでしょうか。 71 ◯石橋総合政策課長 県で作成しております環境白書、それと環境家計簿、それと小学生に配付しております環境教育副読本、こういったものについては、その中でSDGsについて説明を行っているところでございます。  また、一般社団法人日本経済団体連合会では、持続可能な社会の実現に向けて、SDGsの達成に向けた企業の手引を作成しております。また、外務省のホームページでも具体的な事例を紹介しておりますので、こういったものを広く紹介していきたいと思っております。  職員の啓発につきましては、先ほど申し上げましたが、今後庁内のイントラネットやホームページを活用して、職員のSDGsに対する意識を高めていきたいと思っております。  また、御提案の庁内の勉強会については、実施に向けて検討していきたいと思っております。 72 ◯森下博司委員 庁内の勉強会はぜひ実現させていただければと思います。  余り時間がないから、最後の質問をさせていただきます。  今議会で数多く取り上げられています日田彦山線問題について、視点を変えて、SDGsの観点から質問したいと思います。  私は、去る三月八日に、九州の自立を考える会の一員として東峰村を訪問しました。その折、我々を含む関係者の方が五、六十人いる中で、澁谷村長一人が取り組む意欲を示すこのSDGsバッジを胸につけておられました。村長はその折、復旧が大変おくれており、地域の方々の精神的な負担や地域の衰退を大変心配していますと、このように訴えられました。うちの知事は一度もこのSDGsバッジをつけたところを見たことがありません。やはり本気度、取り組む姿勢のバッジのあかしは必要かなと思いました。  ことし三月作成の東峰村の第二次総合計画の中に、このようにうたっています。SDGsの考え方を踏まえた施策の推進に取り組んでいきますと、このように東峰村の総合計画にはうたっております。村長は本気であります。  そこで質問に移りますが、SDGsの目標でもある福祉の促進、また質の高い教育、持続可能な村づくり、環境保全等の新たなSDGsの視点でこの日田彦山線問題を捉えたとき、一つの方向性と新たな解決策が見出せるんじゃないかと私は思いますが、県の見解を伺いたいと思います。  もう一点、この項の最後の質問ですけれども、知事は去る十三日に、これは新聞報道ですが、月内に方針を決める考えに変わりはないと語ったそうですけれども、私は期限ありきとか、結論ありきではなくて、急がば回れ、せいては事をし損ずるということわざもあります。再度村民の声を聞き、誰一人取り残さないというSDGsの社会の実現のために、東峰村の活性化への再検討を考えてはいかがでしょうか、提案をしておきます。以上二点、答弁をお願いします。 73 ◯井上順吾委員長 片山交通政策課長。 74 ◯片山交通政策課長 日田彦山線の復旧問題につきましては、住民の皆様にとって最善の方策は何かという観点から検討してきておりまして、SDGsという視点で捉えておりませんが、ただ、持続可能という観点では、最も重要なことは復旧後も継続的に交通ネットワークが維持され、将来の世代も利用できるようにすることだと考えております。  そのためには、しっかりと地域の皆様の意見を聞かせていただいた上で、多くの方々に利用していただけるよう、これまでよりも利便性の向上が図られたものである必要があり、また、運行本数や乗降可能な場所と数、バリアフリー化などについても検討を加えていく必要があると考えております。今後とも地元の皆様の意見をしっかり踏まえながら取り組んでまいりたいと考えております。 75 ◯森下博司委員 では、あとは知事に聞かないとわからないような回答だと思いますが、最後に部長にお聞きしたいと思います。  知事が先頭に立って全庁的にSDGsを推進する姿を見せることで、職員のSDGsへの意識も高まると思います。先ほど課長にも申し上げましたけれども、やはり本県でもSDGsの推進のため、庁内に推進体制を整備して、そのトップに知事がつくことは大事と思っております。今、北海道もできました。大阪府もこの推進体制をつくって、府知事みずからが推進本部長になっております。おくれをとってはならないと思いますので、この点について部長の考えを聞かせてください。 76 ◯井上順吾委員長 野田企画・地域振興部長。 77 ◯野田企画地域振興部長 まず、職員の意識という点についての御指摘でございます。職員それぞれ担当分野におきまして、貧困対策でありますとか、環境問題、SDGsが掲げるそれぞれの施策に取り組んでおります。御指摘のように、自分が担当している業務、行っている仕事が、国連が提唱し、世界的に動いているSDGsとかかわりが深いということ、同じ方向を向いているんだと意識する、こういうことの仕掛けは大事だろうと思っております。これにつきましては、課長も答弁申し上げましたように、今後イントラネットを活用しましたものであるとか、ホームページを通じたものであるとか、勉強会であるとか、職員に対する意識啓発を行ってまいりたいと考えております。  その上で、今議会に提出をさせていただいております地方創生総合戦略、委員からは、人口減少対策推進本部ではちょっと狭いんじゃないかという御指摘でございますけれども、この地方創生総合戦略は県の全ての分野にわたる今後五年間の総合計画と並んで、福岡県として地方創生のために何に取り組んでいくかということを網羅的に方向性を定めた計画でございます。今回初めて全庁にまたがる計画の中にSDGsの考え方を踏まえて、これを策定し、それぞれの施策が、SDGsの貧困をなくそうからパートナーシップで目標を達成しようという十七の目標とどういうふうに関連しているかということもひもづけした上で策定したものでございます。  この総合戦略策定に当たりましては、知事をトップ、本部長とし、各部長級の職員が本部員となる本部会議でもって議論をし、策定してきたところでございます。今後のフォローアップにつきましても、知事をトップとする庁議において行っていくということでございますので、全庁的な推進体制ということにつきましては、そういった体制で進めてまいりたいと考えております。 78 ◯森下博司委員 その意識が変わってないから指摘させてもらったので、部長、自己弁護じゃなくて、本当によくしていこうと、地球を変えていこうという世界の変革に今かかって、あと十年しかこの政策はないんだから、もう一度真剣に捉えてほしいと思います。  最後ですけれども、SDGsの先頭に立って取り組むのは知事であります。知事にその心意気を聞かせていただき、また、日田彦山線においては、今の立場では現場の声を聞くことなく、期限ありき、結論ありきで、県民が、また村民が納得していない中で結論を出すのは、せいては事をし損ずると、私は思います。そういう意味で、委員長、知事保留させていただき、知事の方針と真意をもう一度聞きたいと思いますので、取り計らいをよろしくお願いします。 79 ◯井上順吾委員長 ただいま森下委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。なお、知事保留質疑は三月二十五日水曜日に行う予定でありますので、御了承願います。 80 ◯森下博司委員 終わります。(拍手) 81 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。江口善明委員。 82 ◯江口善明委員 緑友会福岡県議団の江口善明であります。予算委員会で日田彦山線の問題は、私で四人目であります。非常に県政の重要な課題であると思いますので、この点についてお伺いをしたいと思っております。  まず、日田彦山線の復旧会議でさまざまな議論がなされたと思いますので、そこのところを中心にお伺いをさせていただきたいと思います。日田彦山線復旧会議の設立の目的を教えてください。      〔正副委員長交代〕 83 ◯大橋克己副委員長 片山交通政策課長。 84 ◯片山交通政策課長 会議の目的でございますが、日田彦山線復旧会議要綱の第一条で、平成二十九年七月九州北部豪雨で被災した日田彦山線、添田から夜明駅間について、福岡県、大分県、東峰村、添田町、日田市、そして九州旅客鉄道株式会社が連携し、日田彦山線を復旧するための方策を検討し、実施するための会議を設置するというふうに定めております。 85 ◯江口善明委員 日田彦山線の復旧ということは、文字どおり日田彦山線をもとに戻すということだと思っているんですが、鉄道による復旧ということを目的とされた会議であるかどうか教えてください。 86 ◯片山交通政策課長 日田彦山線、鉄道で復旧するための会議であるというふうに認識しております。 87 ◯江口善明委員 日田彦山線復旧会議は、誰の呼びかけで設立されたのか教えてください。 88 ◯片山交通政策課長 呼びかけでございますが、JR九州の青柳社長の呼びかけで設立をされました。 89 ◯江口善明委員 JR九州が日田彦山線を鉄道による復旧という形で設立をされた会議です。それが今や、BRT案、バス案、鉄道案、特にBRT案が強く押されています。私は、この日田彦山線問題、特に県議会の予算特別委員会での議論は、国に対してだったり、JR九州に対しての批判は私も言いたいんですが、一番の課題は、私は県議会として、県当局の姿勢だと思っています。そういう意味では、JR九州に非常におもねった会議になってはしないか。先ほど樋口委員からも、県当局からのいろんな案を提示してくれという話がありました。非常に画期的なことだと思っております。ややもするとJRペースになってますよ、今。  それでは、お伺いしたいと思いますが、日田彦山線復旧会議で現在、BRT案も含め三案が検討されております。当初の日田彦山線復旧会議の鉄道による復旧という会議の目的が、私は変質した、変わったと思っておりますが、県の見解をお伺いしたいと思います。 90 ◯片山交通政策課長 この会議の設立ですとか、あるいは発端、目的に関しましては、先ほど申し上げたとおりでございます。日田彦山線を復旧するための方策を検討すると要綱上規定いたしております。  この目的を達成するための復旧会議の業務としまして三点ございます。日田彦山線を鉄道で復旧するための方策に関する検討を行うこと、そして、日田彦山線の継続的な運行の確保に関する検討を行うこと、そして三つ目に、その他会議の目的の達成に必要な事項に関する検討、この三つを業務として行うことといたしており、今日に至っているところでございます。 91 ◯江口善明委員 恐らくなかなか課長では答弁しづらいと思いますが、業務の第一点に、日田彦山線を鉄道で復旧するための方策に関する検討、二点目、日田彦山線の継続的な運行の確保に関する検討、三点目に、その他会議の目的の達成とありますが、通常、業務の一番目が一番大事ですよ。鉄道による復旧ですよ。それが今ほとんど日田彦山線の継続的な運行の確保に関する検討ばかりじゃないですか。もう一度確認したいんですが、目的は変わったということでよろしいですね。 92 ◯片山交通政策課長 規定なり目的が変わったわけではございません。我々といたしましては鉄道で復旧するための方策が望ましいと考えておりますが、協議の中で、日田彦山線の継続的な運行に関して、JR九州が自治体側に運行経費一億六千万円を求めているということから議論が膠着しておりまして、また、沿線の自治体における説明会でもさまざまな意見が出てきているという状況でございます。 93 ◯江口善明委員 最初の第一回の会議のことでお尋ねしたいんですが、もしJR側がいろんな考え方を持っていたとして、会議を設立された、そこで小川知事は、この会議の目的は鉄道による復旧なんですよねという確認はとられましたか。 94 ◯片山交通政策課長 そのことにつきましては、第一回の復旧会議の中でも、知事も含めて皆さん出席者の方の間で確認がされていると承知をしております。 95 ◯江口善明委員 私、JR九州と福岡県でネットで調べて、議事要綱、議事概要、そしてまた出席者というのが五回まで示されてますが、一枚しか議事の概要がないんですよね、一回目から五回目まで。この会議の議事録は公開されてますか。 96 ◯片山交通政策課長 議事録全体は公開をされておりません。今、委員御指摘のとおり、県なり、あるいはJR九州のホームページにその概要についてまとめを掲載いたしているところでございます。 97 ◯江口善明委員 この議事録は県の公文書でしょうか、教えてください。 98 ◯片山交通政策課長 これは福岡県、大分県、そしてJR九州の共同ということになりますけれども、公文書に当たると考えております。 99 ◯江口善明委員 それでしたら情報公開請求で、もし公開を求められれば公開をするということでよろしいですか。 100 ◯片山交通政策課長 公文書に当たりますので、所要の手続がございますれば公開ということになろうかと思います。  ただ、特にJR九州に関しましては、彼らが申しますところでは、経営情報にかかわる内容もございますということで、その全てが公開できるかどうかというのは内容次第かと考えております。 101 ◯江口善明委員 非常にこの議事録が私は肝だと思っているんですが、どういう経緯でなったのか。よく県議会でも、小川知事が交通ネットワークと鉄道ネットワークを言いかえたと、これは議事録を見ないとわかりませんよ。JR九州が言っていることについては黒塗りでもいい。けど、小川知事がどういうことをしたのかというのは非常に大事なところだと思っております。  それでは、ちょっと視点を変えて質問したいと思っておりますが、JR九州の日田彦山線のBRT案に対する本県の考え方をお伺いしたいと思っております。JR九州が久大本線は復旧をしました、日田彦山線がなぜ今まで復旧されなかったのか、JR九州の公式的な見解を教えてください。 102 ◯片山交通政策課長 今委員から問われました久大本線に関しましては、平成三十一年一月の会議でございまして、この復旧会議のもとになります検討会という会議でございます。ここでJR九州から説明がなされました。JR九州は、なぜ日田彦山線だけに運行経費の負担を求めるのか、復旧工事に着手できないのかという自治体側からの問いに対しまして、久大本線との比較という観点から、一つには、災害の規模や復旧費、そして二つ目に、一日当たりの輸送密度、そして三つ目に、鉄道軌道整備法の三点を挙げております。  具体的に申し上げますと、JR九州の説明では、久大本線の復旧費は約十七億円だったということ、そして、一日当たりの輸送密度が三千八百人強であるということ、そして、久大本線は鉄道軌道整備法の助成対象外の路線であるため、継続的な運行の確保に関する計画の策定が必要ないこと、これらを挙げまして日田彦山線との違いについて説明がなされたところでございます。 103 ◯江口善明委員 一日当たりの輸送密度という話が出てくるのであれば、災害がどこであるかわかりませんよ。そして、特に赤字ローカル線は非常に中山間地域、山間部を通っている。災害の可能性が非常に高いですよ。そういうところが一回災害になったら、もう復旧がされない、その危惧を非常に私は持っているから質問したいんですが、もしこの日田彦山線が被災をしてなかったら通常どおり運行していたかどうか、どう思われますか。 104 ◯片山交通政策課長 もし被災をしていなければということでございますが、JR九州の経営に関することでございまして、申しわけありませんが、私にはわかりかねます。 105 ◯江口善明委員 非常に不思議な、わからない。被災をしてなかったら、恐らく普通に通ってたんじゃないかなと思うんですが、もう一点お伺いしたいと思います。もし被災をしてなければ沿線自治体に一・六億円を求めていたかどうか、お答えください。 106 ◯片山交通政策課長 もし、仮にというお尋ねでございますけれども、その点についても、なかなかJR九州の経営にかかわる事項でございます。重ねてで大変申しわけありませんが、私にはわかりかねます。 107 ◯江口善明委員 先週、九州の自立を考える会とJR九州の意見交換会で、私も初めてJR九州から設備メンテナンス費一億五千七百万円ということを根拠に、一・六億円を求めているという説明がありました。私は、この一・六億円を求めるということは、JRが運行部分だけをして、設備部分は沿線自治体に求めるということなので、事実上の上下分離方式だと思っているんですよ。この上下分離方式、これが前提になるならば、ほかの赤字ローカル線の議論に波及しかねないと思うんですよ。そういう意味ではこのことが前例となるんじゃないかと、その危惧を思いますが、県当局はどう考えてあるか教えてください。 108 ◯片山交通政策課長 JR九州は、一億六千万円は一旦不通となった日田彦山線を復旧し、将来にわたり継続的に運行していくために必要ということで求めているものと認識をしております。このことをもって、直ちに他の路線に適用されるものではないと考えております。 109 ◯江口善明委員 先ほどの答弁で、私が、もし被災をしてなかったら運行していたかということは、経営状況のことで答えられないと言われた。だけど、今回その危惧があるということを言ったら、それは明確にないと思うと言われた。私は、これは経営状況に関することで、これもわからないんじゃないかという答弁だと思ってまして、ここの矛盾があると思いますが、その点についてお答えください。 110 ◯片山交通政策課長 これは、私のあくまで推測ということでございまして、今議論しておりますのは、不通になっている日田彦山線をいかに復旧するかということについての議論の中でなされているものだと捉えております。 111 ◯江口善明委員 もし推測で言われるんだったら、推測でもう一回だけ質問しますが、もし被災してなかったら運行してたかどうかということは、推測でも言えないということですかね。 112 ◯片山交通政策課長 申しわけありませんが、仮に、もしというお尋ねにはなかなか、申しわけございませんが、お答えづろうございます。 113 ◯江口善明委員 きょうは二十本以上ありますので、ここで誠実な答えがないというわけにもいきませんので、次に移りたいと思いますが、私が、なぜ危惧をしているかということは、昨年、九州運輸局が九州における鉄道の維持・活性化のあり方という報告書を出しています。その中で、いわゆる九州全線の平均各路線及び区間別の一日平均乗客数一覧表というのが出ています。日田彦山線を見てみますと、城野から田川後藤寺間が一日四千八十七人、田川後藤寺から夜明までが千六百二十五人、しかしながら切り取られているじゃないですか。こういった情報まで出ているけど、切り取られて恣意的に利用されているじゃないですか、乗客数が。先ほども、なぜ久大本線で復旧がされたのに日田彦山線でされないのか、それの理由の一つはこの乗客数ですよね。私は非常に、課長が推測でものを言っちゃいけないと言われたから、私は推測じゃなくてデータを挙げて話していますが、こういうふうな状況の中で改めて聞きたいと思いますが、危惧はないですか。      〔正副委員長交代〕 114 ◯片山交通政策課長 今、委員が御指摘ございました日田彦山線全線で議論すべきじゃないかということでございます。今のお話につきましては、私ども復旧会議の中でも、そういった収支の話、あるいは輸送人員については、被災区間だけを切り取って協議するのではなくて、全線で議論すべきではないかということは、私ども自治体側からも再三にわたってJR九州側にも申し入れをしたところでございます。ただ、JR九州側としては、この復旧会議は、いわゆる不通区間についての議論を行っているということで、彼らのほうからは、その不通区間についての収支ですとか、あるいは輸送人員ということでの説明があったという事情がございます。 115 ◯江口善明委員 これについては知事にお伺いしたいと思っておりますが、最後に一点、JR九州との知事の交渉のあり方についてお伺いしたいと思っております。日田彦山線復旧会議は今まで五回開催されております。事務方の検討会、課長級の会議は何回開催されているか教えてください。 116 ◯片山交通政策課長 まず、復旧会議の下部組織として、福岡、大分両県の部長、そして沿線市町村の副首長、JR九州の専務、現副社長ですが、これらの方々を構成員とします復旧会議の検討会というものがございます。これはこれまで四回開催しております。  そして、福岡、大分県、両県の課長及びJR九州の経営企画部の担当部長を筆頭とします事務レベルの事務局会議というものがございます。これにつきましては、これまで六十二回開催をしてきております。 117 ◯江口善明委員 非常に課長に厳しい質問ばかり申し上げましたが、私は六十二回、これだけ議論されているということは、真剣にいろんな形で事務方は議論されてきたと思っております。しかしながら県知事は、日田彦山線復旧会議は五回開催されておりますが、部長にお伺いしたいと思っておりますけれども、これ以外にJR九州に対して知事みずからが根回し、もしくはトップ会談された事実があるのか教えてください。 118 ◯井上順吾委員長 野田企画・地域振興部長。 119 ◯野田企画地域振興部長 先日の本会議におきまして知事から、御自身の経験や人脈も使いながら、国などの関係機関に対して働きかけを行ってきたと答弁をされました。私の立場で知事の行動を逐一把握しているわけではありませんけれども、JR九州のトップも含め、知事答弁されたとおり、関係機関、それから関係の方と協議を行ってこられたとお見受けいたしております。 120 ◯江口善明委員 JR九州に限定して再度お伺いしたいと思いますが、もちろん知事の行動ですから全てを承知はされてないと思ってます。例えば部長にアポを取ってくれであるとか、そういったことも含めて、部長が承知してあるのか教えてください。 121 ◯野田企画地域振興部長 私自身が関与しているというか、存じ上げているものも含めて、それは当然これまでございます。ただ、その内容なり、時期なり、回数なりということにつきましては、これまでそれぞれ信頼関係をもとにと申しましょうか、協議を重ねてきたものでございますので、具体的には申し上げることはできないと考えております。 122 ◯江口善明委員 委員長、知事に、日田彦山線の問題、復旧会議のあり方等々、直接ただしたいと思っておりますので、知事保留のお取り計らいをお願いします。 123 ◯井上順吾委員長 ただいま江口委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。なお、知事保留質疑は三月二十五日水曜日に行う予定でありますので御了承願います。 124 ◯江口善明委員 終わります。(拍手) 125 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。高瀬菜穂子委員。 126 ◯高瀬菜穂子委員 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。引き続いて、JR日田彦山線の復旧問題について質問いたします。  二〇一七年の九州北部豪雨災害から二年九カ月が経過しましたけれども、いまだ復旧の方策についてJR九州と沿線自治体との間で合意がなされていないということ、まことに遺憾です。本議会でも、この委員会でも、さまざま議論がされていますが、鉄道での復旧を求める立場から、経過を振り返りながら質問いたします。重複を避けながらいきたいと思います。  五回目の復旧会議についてさまざま議論がされました。何度もお答えがありましたので簡単に私のほうでまとめますが、この会議では、JR九州から提案された三案について、地元で行われた意見交換の報告、そしてJR九州からBRT案をベースとした新たな復旧案の提示があったと。そして、会議の結果、JR九州は一億六千万円の収支改善について丁寧な説明をする、JR九州からの新たな復旧案についてブラッシュアップした上で次回の復旧会議で議論する、そして三月末までに復旧方針の合意を目指すという、このことが合意されたと聞いております。  私、この会議の結果、本当に驚きなんですね。今、江口委員からも指摘がありましたけれども、この会議の目的というのは、もともと鉄道での復旧を呼びかけて、自治体の関係者の首長さんに集まってもらって、それで始めた会議じゃないですか。全く変質しているじゃないですか。初めから終わりまでJR九州が提案した案について話し合ってもらい、報告してもらい、そして新たなJR九州の提案をまたしてもここで深掘りしていく。とんでもないと思うんですよ。  振り返りますと、二〇一九年三月の第三回復旧会議で小川知事が、交通ネットワークについて考えを示せとJR九州に要求をし、これを受けて同年四月の第四回復旧会議で、JR九州は三案を提案してきています。これには沿線自治体が望むJR九州の責任による鉄路での復旧は含まれていません。JR九州の青柳社長は、小川知事の発言に「いいタイミングで聞かれた」と言っています。これが誘い水になったことは間違いないのではないでしょうか。JR九州の三案は既定路線となり、今回、JR九州は新たに手直しを加えたBRT案を提示しました。小川知事はこれを受けて、交通ネットワーク維持などの観点からBRTを深掘りしと、事実上これを容認し推進する姿勢を示されました。JR九州の思惑どおりに知事が誘導しているとしか思えないんですよ。
     当初、本県では、鉄道での復旧を目指すということをJR側とも確認し、運行費用の地元負担についても否定的でした。知事は、BRTはあり得ないと、私の質問に答えて本議会で答弁されています。この方針はいつから変わったんですか。お答えください。  二月十三日の西日本新聞には、鉄道復旧してもいずれ廃線になれば意味がない、持続性ある交通ネットワークが重要だとする福岡県幹部の声を紹介し、昨秋、BRT案に向けた調整が水面下で動き出したとあります。水面下での動きとはどういうことでしょうか、御説明ください。 127 ◯井上順吾委員長 片山交通政策課長。 128 ◯片山交通政策課長 委員御指摘の知事答弁につきましては、その当時、復旧会議で議論すらされていない復旧方策についてJR九州の青柳社長が記者会見で言及したため、それはあり得ないというふうに答弁がなされたものでございます。なお、この社長発言については直ちに抗議を申し入れたところでございます。  一方、その後、JR九州は鉄道で復旧するためには自治体の財政支援が必要と表明しまして、自治体側とJR九州の協議が難航したため、復旧会議でJR九州の地域の交通ネットワークの考え方をただした結果、先ほど申し上げた三つの復旧案が提示をされ、地域の意見を聞いていこうとなりまして、現在に至っているところでございます。  県としましては、この問題解決のために添田町、東峰村と協議を行っておりまして、御指摘のありました新聞報道内容につきましては、あくまでも鉄道復旧を断念するものではないと断った上で、住民の皆様にとって何がいいのかという観点で、将来の地域振興につながるような提案はないのか、JR九州からの提案も聞いてみたらどうでしょうといった趣旨で話をしたものでございます。 129 ◯高瀬菜穂子委員 知事は直接住民から話を聞くことも、町長、村長と直接話すこともしてこなかったということが、今回の議会で明らかになりました。協議を行ってきたといっても、その本気度が問われ、不信を招いているということは、これまで指摘があったとおりです。  住民の皆さんにとって何がいいのか。これははっきりしていたのではありませんか。今回の復旧会議を受けて、東峰村の澁谷村長は、鉄道での復旧を求める人たちの声が切り捨てられた会議だったと述べています。同村での二回にわたる説明会の参加者に対するアンケートでは、鉄道での復旧を望む声が九六・四%、九八・一%と、ほとんどですよ。日田彦山線の完全復旧を求める会は、自治体負担なしの鉄道での復旧を求める約一万七千九百筆の街頭で集めた署名をJR九州と本県に提出されています。人口二千人の村で約一万八千の署名ですよ。添田町の寺西町長も、BRT案を持ち帰るとしながらも、災害復旧でありながらなぜ原形での復旧ができないのか、黒字でありながらなぜネットワークを守ろうとしないのか、納得できないと言われました。圧倒的な沿線住民が鉄道での復旧を望んでいたということは明らかです。  JR九州は当初から、上下分離方式とかBRTなどを非公式に持ち出して揺さぶりをかけてきました。赤字路線は廃止したいという本音が透けて見えていたのではないですか。いたずらに解決策を長引かせて妥協を引き出す。そういうJR九州の戦略ではなかったんですか。こうしたJR九州の言いなりになるのではなく、被災路線だから事業者の責任で速やかに復旧すべきだと、県が真剣に迫力を持って正面から求めるべきではないんですか。お答えください。 130 ◯片山交通政策課長 被災をしました鉄道については原形復旧が望ましいと考えまして、知事みずから、これまでもJR九州に対して要請を行うほか、国土交通省や国会議員に対しましても要望活動を行ってまいりました。しかしながら、JR九州は運行経費に係る地元負担なしの鉄道復旧はできないとしており、一方、地元負担なしの鉄道復旧を求める自治体の間で隔たりが大きく、協議が難航し、結論を得ていない状況にございます。  また、二月二十五日に行われました衆議院予算委員会では、国土交通大臣、鉄道局長から、災害で被災した鉄道の復旧に関しては、最終的には鉄道事業者が判断するといった答弁がなされているところでございます。  県としましては、知事も御答弁申し上げましたが、鉄道による復旧、そして地域にとって最善の方法は何かということを考えながらこれまでも取り組んできておりまして、引き続き具体的な方策の決定に向け、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 131 ◯高瀬菜穂子委員 最終的には鉄道事業者の判断と。  この問題は、路線廃止を許可制から事前届け出制に規制緩和した二〇〇〇年の鉄道事業法の問題なんですよ、鉄道事業法を改悪された。これまで我が会派は何度も指摘してきました。私は二〇一八年の決算特別委員会で、JR西日本の三江線が全線廃止になった事例も示しましたよね。法改正を求めるべきだと指摘しました。しかし、この件について県は答弁すらしませんでした。JR九州の横暴な振る舞いの背景には、この問題があるんですよ。先ほど紹介があったように、国は一昨年から指針に抵触しないなど腰の引けた態度でした。地域の鉄道の存続には鉄道事業法の見直しが不可欠だと、そして、きちんと国が鉄道事業者に対して指導ができるようにせよと、国の姿勢も変えさせるという仕事が県にはあるんですよ。このことを申し上げておきます。  今回の復旧会議の場で、澁谷村長からJRの復旧費用について疑義がなされました。この復旧費用については、きょうはたくさん議論されましたので短くしたいと思うんですが、ちょっと確認をさせてください。JR九州は、鉄道による復旧に必要な額を、当初七十八億円と言っていましたけれども、今、五十六億円と言っているのではないかと私は認識していましたが、この点について確認をお願いします。 132 ◯片山交通政策課長 被災区間全体の復旧費用が七十八億円と試算されまして、五十六億円という数字につきましては、復旧会議の中で、両県の災害復旧事業、例えば河川改修ですとか砂防事業、こういったものを活用して、五十六億円まで復旧費を低減できるというところまで復旧会議の中で合意をしたものでございます。 133 ◯高瀬菜穂子委員 では、もちろん県は莫大な費用を出して支援をしてきているわけで、五十六億円ということでいいんだと思います。そして、改正鉄道軌道整備法の適用を受ければ、約半額に低減できるのではないかと考えます。彦山橋梁については、私も直接国土交通省に参りましたけれども、鉄道での復旧ということが決まれば国がやりますとはっきり言われました。そうなると、今、言っている五十六億円というのも大きく負担は下がるわけなんですよ。これについて、県の側がきちんと精査をして、そんなにかからないんじゃないかと、きちんと言うべきではないですかね。その点について協議はされたんでしょうか。  澁谷村長は知事にこの復旧費用の精査を求めて、小川知事はJR九州と協議をさせていただきたいと発言をされています。期限は三月末ですから、ぜひこれについては協議をもう急いでしないといけないと思いますが、いかがですか。 134 ◯片山交通政策課長 今、委員御指摘の点につきましては我々も復旧会議の中で、復旧費が、いわゆるイニシャルコストと呼んでおりますけれども、ここまで低減できるのではないかと。さらに鉄道軌道整備法を活用すればもっと下がるのではないかということは再三にわたって申し上げているところでございます。ただ、JR九州側は、継続的な運行に関する確保ができないというのが彼らの主張でございまして、そこでなかなか議論が進んでないというのが現状でございます。 135 ◯高瀬菜穂子委員 こんな基本的なところで合意できずに、確認ができずに、話が先に進むわけはないと思うんですよ。先ほどの答弁でも、検証作業中ですとか、そんな答弁はないと思いますよ。  あわせて、運行を確保するための年一億六千万円の地元負担による財政支援ですね。これについては先ほど詳しく説明がありましたが、県として精査されたんでしょうか。それで、これは妥当だとお考えですか。 136 ◯片山交通政策課長 二月の復旧会議におきまして、この内訳として、例えばトンネル・橋梁などの土木構造物、レール・枕木の軌道に係る検査・修繕・保守にかかる費用が約一億四百万円、そして信号・踏切・電灯・ケーブルなどの電気設備の保守費用が年間五千三百万円、合計で一億五千七百万円という具体の説明を受けたところでございます。  なお、二月の復旧会議のまとめでは、鉄道復旧のためには、財政支援を含む一億六千万円の収支改善がなぜ必要かということについては、JR九州は地元の皆様に引き続き丁寧な説明に努めるということが確認されているところでございます。  一般的に鉄道事業につきましては、運行の基盤あるいはインフラ等にかかる費用が一定かかる装置産業だと言われております。私ども県もかかわっております平成筑豊鉄道がございますが、平筑の例を見ましても、一定そのような費用はかかるものではないかと考えているところでございます。 137 ◯高瀬菜穂子委員 理解を示すとは大変驚きですね。黒字の大企業ですよ。  先ほど中嶋委員からは、全く不適切な要求だと言われました。また、江口委員からは、こうしたことが行われるのならば他の赤字路線にも波及するのではないかというような心配の声も上げられました。こんな費用を求めること自体が驚きですけど、その額も妥当なものかどうか、これもわかりませんよ。どれもこれもJR九州が一方的に持ち出してきたものですよ。何の検証もせずに、ごもっともとJRの言い分をうのみにするなど到底納得できるものではありません。  JR九州が出してきた二億六千万円の赤字額は、日田彦山線の最も乗降客の少ない添田─夜明間を切り取ったものです。ネットワーク型の公益事業は、ネットワーク全体の収支で不採算エリアもカバーするということは当然ではないですか。ましてやJR九州は六百数十億円の営業利益を上げており、体力は十分にあります。鉄道を維持できない理由にはなりません。無条件に鉄道での復旧を求めるべきです。  知事は復旧の方向性について、利便性がどう向上するのか、交通ネットワークは長く維持継続できるのか、観光や地域の振興につながるのか、そういう観点から検討を行い、添田町・東峰村両首長さんと協議を行った上で決断したいと言われました。JR九州が提案するBRTは、専用道が彦山─筑前岩屋間のわずか七・九キロ、全体の二七%にすぎません。ほかは一般道を走行することになるという案ですよね。定時性、速達性が確保されるとは到底思えません。  専用道を延ばすことについて、JR側は建設コストがかかると否定的です。全線不通の東峰村は特に深刻です。ただでさえ定時性に劣るバスでは、特に冬の雪道に弱く、通学する子供たちにとっては朝早く家を出たり、夜明駅で久大線にうまく乗り継ぎができなかったりと困難が生じます。今まで、日田、久留米、朝倉、小倉など多方面に進学できていたのに、子供たちの選択肢を奪うことになります。結果、子育て世帯の定住に逆行し、人口減に拍車をかけるということになるのではないでしょうか。これは東峰村にとっては死活問題ですよ。利便性が向上するなど、どう考えてもあり得ません。  交通ネットワークの維持継続についても、国土交通省鉄道局が二〇一三年に出した報告書で、定時性が失われることによるサービスの信頼性の低下で利用者減が生じると、はっきり国土交通省が述べているんです。利用者の減少が続くようであれば、その存続さえも疑問となります。  東峰村は、美しい景観を資源にゲストハウスを整備するなど、鉄道を軸にした交流人口をふやそうと努力されてきました。その地方創生戦略が成り立たなくなってしまうではありませんか。BRTという選択は、知事が言う地域にとって最善の方法にはなり得ません。そうは思われませんか。原点に立ち返って、JR九州の責任で速やかに鉄道の復旧を求める方策をとるべきだと考えます。部長に答弁を求めます。同じ答弁は聞きたくありませんので、よろしくお願いします。 138 ◯井上順吾委員長 野田企画・地域振興部長。 139 ◯野田企画地域振興部長 るる御指摘がありました。確かに御指摘のように、住民の皆様が今後通学で使っていくための交通手段としてどのようなものがいいのかと、これは検討しなければなりません。そしてまた、現地でお伺いをした御意見の中には、東峰村には、この日田彦山線以外に公共交通機関がないという御指摘もございました。したがって、できるだけ早く、代替バスではなくて、公共交通機関として復旧をさせると、これが大事なことであろうと私自身考えております。  その上で、今後の交通手段の選択につきましては、これはるる御答弁申し上げておりますけれども、関係者によって協議が重ねられ、現在の合意の内容に至ったわけでございます。それに即して、知事御自身で今後の方向性について決断されたいということでございますので、この復旧会議での決定事項、そして知事の決断に即して、一日も早い復旧を目指して、私自身は行動をしてまいりたいと考えております。 140 ◯高瀬菜穂子委員 きょうの議論の中でも、既定の路線でこのまま決めるということはあり得ないと思います。  改めて申し上げますが、JR九州はもともと国鉄を継承した企業です。多くの税金が投与され、分割民営化の際に国鉄が抱える負債を免除されただけでなく、鉄道ネットワークを維持するための経営安定基金三千八百七十七億円まで受け取っています。その他、固定資産税、都市計画税の減免措置を受け、立体交差事業や駅の改修などにも、国や自治体の莫大な莫大な資金援助を受けています。それは、JR九州が公共性・公益性が極めて高い企業だからにほかなりません。JR九州は通常の民間企業とは違った公益事業を担う主体としての行動が求められるはずです。JR九州の完全民営化に当たって、国会審議の場でもそのことが求められ、青柳社長は、鉄道ネットワークは維持する、被災路線は復旧すると、何度も約束しています。国会での約束を守れと。被災路線だからJR九州の責任で復旧せよと交渉すべきです。  このまま日田彦山線の廃線を許せば、第二、第三の日田彦山線が出てくることになります。この問題は政治決断の問題ですので、知事に直接伺いたいと思います。委員長、知事保留のお取り計らいをお願いいたします。 141 ◯井上順吾委員長 ただいま高瀬委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。なお、知事保留質疑は三月二十五日水曜日に行う予定でありますので御了承願います。 142 ◯高瀬菜穂子委員 以上です。(拍手) 143 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありせんか。古川忠委員。 144 ◯古川 忠委員 真政会の古川でございます。私ども独立会派は六人おりますが、皆さん方に譲っていただいて、今回、予算委員会の委員として質問の機会を与えていただきました。心から感謝を申し上げます。  先ほどから大変熱のこもった議論が続いておりました。我々も含めて、県民みんなが心配している事案でございます。一日も早い、そしてまた慎重な結論を得ていただきたいと心から願っておる次第でございます。  私のほうからは、予算の中の二款二項三目地域振興費の中、とりわけ再生可能エネルギー関連についての質問をさせていただきたいと思っております。  エネルギー関連の総予算につきましては、再生可能エネルギー等導入促進費、地域エネルギー政策研究費、エネルギー対策特別融資費、そしてコージェネレーションシステム導入促進費、それぞれ四項目ございます。およそこの三年間、三十年度、令和元年、令和二年、ほとんど同じ予算がついておるわけでございますが、その中で国は平成三十年七月に、第五次エネルギー基本計画を制定されました。その中で、特に再生可能エネルギーの主力電源化を強く訴えております。そしてまた、中長期的には、再生可能エネルギーを日本のエネルギー供給の安定的な主力電源にしていく、こういう方針を打ち出しておるところであります。  そこで、本県の問題でありますが、再生可能エネルギー等導入促進費が、ことしは千六百五十五万円、前回よりちょっと減ってはおりますけれども、なぜ減ったかは一応説明は受けておりますが、そのことも含めまして、現在この導入促進費の中の本県の導入状況をまずお聞きしたいと思います。 145 ◯井上順吾委員長 浜田エネルギー政策室長。 146 ◯浜田エネルギー政策室長 本県における再生可能エネルギーの導入状況についてでございます。県では、平成二十九年三月に策定いたしました総合計画におきまして、令和三年度末の再生可能エネルギーの導入容量を二百三十万キロワットとする目標を設定しております。平成三十年度末時点の導入容量は二百二十八万キロワットとなっておりまして、目標値の達成に向けて順調に推移をしているところでございます。 147 ◯古川 忠委員 再生可能エネルギーもいろいろ種類がございますが、その種別を教えていただけませんか。 148 ◯浜田エネルギー政策室長 先ほどお答えしました再生可能エネルギー、全体では約二百二十八万キロワットでございますけれども、その内訳としましては、太陽光発電が約二百万キロワットと全体の八八%を占めておりまして、以下、バイオマス発電が二十一・九万キロワット、風力発電が三・三万キロワット、中小の水力発電が二・三万キロワットの順となっております。 149 ◯古川 忠委員 再生可能エネルギー導入促進費の内訳の中で、特に市町村等によるエネルギー利用モデル構築への支援が打ち出されております。そういう中で私が特に注目しますのはコージェネレーションです。それぞれが熱源と、それからその再生といいましょうか、併用した一つのもの、これがこれからの時代に非常に大事な視点があろうと思うんですけども、そのコージェネにつきまして、県としてどのように今進展しておるのか、その現状をお尋ねしたいと思います。 150 ◯浜田エネルギー政策室長 県内におきますコージェネレーションシステムの導入状況でございますけれども、平成三十年度末の時点におきましては、製鉄会社や自動車工場、医療福祉施設など、熱需要の多い施設を中心に五百七十二台が設置されております。 151 ◯古川 忠委員 今、御説明ありましたが、私の感覚からいうとコージェネの進展が遅いと思います。三年間、そのことについて予算を組んで、そして地方に呼びかけをしておりますが、なかなか進展していないのではないかと思います。その問題点についてお尋ねしたいと思います。 152 ◯浜田エネルギー政策室長 コージェネレーションシステム導入を図る上での課題ということでございます。これにつきましては、再生可能エネルギーと比較しますと、認知度が十分でなく、導入メリット、そういったものが周知されていないと思っております。  つきましては、県といたしましては平成二十六年度から、このコージェネの認知度の向上、導入メリット、そういったものの普及啓発を図ることを目的としまして、セミナーを開催しております。今年度も十月、十一月と、それぞれ対象を変えまして二回実施をしております。 153 ◯古川 忠委員 地域エネルギー政策研究費の分だろうと思います。これは額が非常に少ないんですよね。コージェネが四十三万円、それから、この地域エネルギーの中の金額についても分散型。要するに、ここに、皆さん方がつくった中では、燃料電池を含むコージェネ、熱電併給システムなど分散型電源の普及に向けた地方の役割と普及促進策と出ていますよね。その中で、今おっしゃった答弁の中でありましたが、地方に対してそういう研究会だけをやっているようにありますけれども、もう少し踏み込んだ地方に対する働きかけが必要だと思いますが、いかがでしょうか。 154 ◯浜田エネルギー政策室長 コージェネに対するさらなる周知ということでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、周知につきましてはターゲットを絞って、例えば病院施設とか、そういったところに集まられるセミナーとかに私どもが出向いてまいりまして、具体的なメリット等をお知らせしているところでございます。 155 ◯古川 忠委員 コージェネの一つとして、例の水素を利用したエネファームがありますよね。これは糸島で実験をしましたね。二〇〇九年からですか、糸島で福岡水素タウンという題目で実施を開始しました。家庭用の燃料電池、エネファームというのは商品名ですかね、わかりませんが、そういう形で、いわゆる福岡水素タウンで、よそに先駆けて、そういう実証実験をやったわけですけれども、その後、余り普及していないように思いますが、その後の状況はいかがでしょうか。 156 ◯浜田エネルギー政策室長 今、委員から御指摘ございましたが、糸島市の約百五十世帯におきまして、平成二十年度から二十七年度までに、エネファームの実証実験を行った経緯がございます。こういった経緯を踏まえまして、エネファームの設置費用、これ自体につきましては下がってきておりますけれども、現時点でも依然として高額でございます。そういった費用の観点からなかなか普及が進んでいないと認識しております。  そうした中にありまして、福岡県の住宅供給公社におきましては、福岡市中央区の小笹団地の十七戸にエネファームを導入いたしまして、発電した電力を住戸間で融通する、そういったものを全国に先駆けてやっているところでございます。これにつきましては平成三十年六月からやっておりますけれども、現在もその住戸につきましては満室の状況でございます。 157 ◯古川 忠委員 二〇〇九年にその水素タウンをやったわけですから、あれからもう十一年、あっという間にたちました。せっかく福岡県が仕掛けた、しかも全国に先駆けて仕掛けたこの水素タウン、エネファーム、このエネファームだけではありませんけれども、そういうコージェネのシステムがおくれていると思いますので、しっかりやっていただきたい。  もう答弁は要りません。時間がございませんので。  そこで、水素についてお話ししたいと思います。水素について、これは商工部の関係も多少ありますから深入りはしませんが、まさに、つくるのにはいろんな手段がありますよね。福岡の場合は新日鉄の副生水素もありますし、褐炭を利用したやつもありますし、それから、これは残念ながら失敗しましたけども、ブルータワー、大牟田の団地ですね。私も少しこれに絡んで、一生懸命当時やったんですけども、なかなかスリーナインの水素が出ないようで、また、やや時期尚早で、もっと言えば行政にもうちょっと手をかしていただきたかったなと思うんですが、なかなかうまくいきませんでした。  しかしながら、今、申し上げましたように、水素というのはあらゆる手段でつくることができます。そしてまた、運ぶことができます。また、その運用が多岐にわたっております。いわゆる自動車もありますし、それから家庭用電源もありますし、企業の電源にも使えます。そういう意味では水素というものについて、このエネルギー施策の中でどのような位置づけをこれからしていこうと思っているのか、そのことについてお伺いしたいと思います。 158 ◯浜田エネルギー政策室長 水素のエネルギーの観点からの御質問でございます。最近、出力制御が九州本土でも平成三十年十月から実施されております。そういった電力をためる重要な一つの要素が水素でございます。  このため、県といたしましては、水素エネルギーとして貯蔵する仕組みに関しまして、九州大学が行う再生可能エネルギーを利用した高効率な水素製造技術の開発に対する支援を行ってまいりました。また、トヨタ自動車九州と連携をいたしまして、平成二十八年度から、国の事業を活用して、同社の工場内におきまして、太陽光発電から水素を製造、貯蔵し、燃料電池フォークリフト、また展示施設の照明、そういったものに利用する実証を行っております。 159 ◯古川 忠委員 この三年間、毎年同じような予算で推移しておりますが、特に企画・地域振興部としては、実際はいろいろな環境部や商工部が担当する部署があるかもしれませんが、県としての方向性をしっかりこれからさせていただきたいなと。特に福岡県は水素の先駆けといいましょうか、どこの県にも負けずにあったんですが、どうも今や、ちょっとおくれをとったのではないかなというぐらいに感じております。  そういう意味では、ぜひエネルギー施策としてしっかりと方向を見据えて、商工部なり環境部なり、いろんなことを一緒になってといいましょうか、主導をしてやっていただきたいということを強く要望しておきます。  時間がありませんので、最後にいたしますが、エネルギー関連の当初予算の中で一番大きいエネルギー対策特別融資費というのがございます。約四億円計上されておりますが、それは現実にどのような実績といいましょうか、そして今後どのような形でこれを生かしていくのか、そのことを最後にお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 160 ◯浜田エネルギー政策室長 エネルギー対策特別融資制度についてでございます。県におきましては、中小企業者が太陽光発電設備や省エネ型の照明設備、そういったエネルギーを効率的に利用できる設備を導入するに当たりまして、その資金供給を円滑化するために平成二十六年度からこの制度を運用しております。  この制度につきましては、令和二年二月末現在、先月末現在におきまして約七十一件、十億円余の融資実績を有しております。 161 ◯古川 忠委員 もうちょっと具体的に言っていただけませんか。七十一件の代表的なものでいいですから、どういうものに融資したのかを。 162 ◯浜田エネルギー政策室長 この制度の内容でございますけれども、一番大きいのは太陽光発電の設備に関する融資でございます。その他につきましては照明、例えばLED化するとか、そういった設備の融資といったものが主でございます。 163 ◯古川 忠委員 わかりました。  時間がないのでもうやめますけれども、特に企画・地域振興部としては地方に対して、特にそういう指導といいましょうか、エネルギー対策、エネルギーの効率化もしくは環境問題についても、そういう指導をしていく立場にあろうかと思います。もともとこの狙いも、そういう地方に対して融資も含めた指導でございますから、それをこれからしっかりやっていただきたい。それと同時に、これから先に向けて、福岡県におけるエネルギーミックスをどう考えて、どこに重点を置いていくのか、もっとめり張りのある予算をぜひ組んでいただきたいなと。どうも見ていると毎年毎年ほとんど変わらない予算が続いております。もうそんな時代ではないのではないかなと思います。もう少しめり張りのある予算をつけていただくように要望しまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手) 164 ◯井上順吾委員長 この際、しばらく休憩します。再開は午後二時十分をめどに放送をもってお知らせします。    午 後 一 時 五 分 休 憩    午 後 二 時 十 分 再 開 165 ◯井上順吾委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  第二款総務費について、ほかに質疑はありませんか。秋田章二委員。 166 ◯秋田章二委員 こんにちは。お昼のトップバッターでございます。早速質問に入りたいと思います。自民党県議団の秋田章二です。有明海沿岸道路開通を契機とした地域振興策についてお尋ねしたいと思います。  有明海沿岸道路、通称、私ども有沿と呼んでいますけども、この有沿は三池港、九州佐賀国際空港などの交通拠点や、沿線の都市間を連携する地域高規格道路でございます。有明海沿岸の広域交通ネットワークを形成するものでありまして、人・物の交流が拡大し、地域の発展が大変期待されるところでございます。  有沿の福岡県内の整備状況については、現在、三池港インターチェンジから大川東インターチェンジまで供用されておりまして、来年度、令和二年度には大川市、筑後川を渡りまして、大野島インターチェンジまで開通する予定であります。その後、令和四年度には、佐賀県佐賀市諸富まで開通する見通しと聞いております。この有沿が伸びていきますと、アクセス道路の整備と相まって交通の便が飛躍的に向上していき、有明海沿岸地域に限らず県南地域の経済圏は大きく変わっていくものと思います。将来的に有沿が佐賀県の鹿島市までつながれば、経済圏はさらに大きくなっていきます。  一方で、私どもの心配は、この有沿が整備された後、沿線の各市が単なる通過点になっていくのでは地域の振興とならないのではないかと。この有沿を使って地域が活性化していくよう、それぞれの市がしっかりと産業振興に取り組んでいかなければいけないと思っているところでございますけれども、県もこれらの市と連携して、この動きを促進していくことが大変重要ではないかと思っております。  そこでお尋ねいたします。県は、有明海沿岸道路を活用して、どのようにして県南地域の振興を図っていくのか、まずお尋ねいたします。 167 ◯井上順吾委員長 白鳥広域地域振興課長。 168 ◯白鳥広域地域振興課長 県では、県南地域の振興のため、有明海沿岸道路の三池港インターチェンジとつながる重要港湾三池港の整備や、有明海沿岸道路を初めといたしますこの地域の充実した産業インフラを生かした企業誘致のほか、工業技術センターインテリア研究所によります大川家具のブランド力向上支援などの地元企業の競争力強化に取り組んでおります。  県南地域の主要産業の一つでございます農業、水産業につきましても、整備される広域交通ネットワークのもと、ブランド化、六次産業化、スマート農林水産業の推進によりまして、収益力の強化や担い手確保に努めております。  また、この地域には水郷柳川、清水寺、筑後川昇開橋などの自然や歴史、文化を楽しむことのできる観光スポットが数多くございますので、これらを活用いたしましたモデル周遊ルートの開発などを関係市町とともに行い、広くPRしてきたところでございます。  有明海沿岸道路を活用いたしまして県南地域の各地に多くの方が訪れていただけるよう、今後も関係市町と連携して地域の観光の魅力を発信し、より多くの観光資源をつなぎまして、周遊してもらう工夫を行ってまいりたいと考えております。 169 ◯秋田章二委員 この道路は大変大事な道路となってまいりますので、しっかりと将来像を見据えて、ただの通過点になってはいけないという私どもの心配が杞憂になるように取り組んでいただきたいと思います。  次に、私、ある会合で、筑後佐賀一体圏域なる言葉を耳にしましたが、初耳であって何のことだかわかりませんでした。この筑後佐賀一体圏域なるものは、どこが考え、どのような範囲の圏域なのかお尋ねいたします。 170 ◯白鳥広域地域振興課長 佐賀県におきまして平成三十年度から、筑後佐賀一体圏域連携事業という名称で使われております。  その範囲でございますが、本県南西部の大牟田市、久留米市、柳川市、八女市、筑後市、大川市、みやま市、大木町、広川町の七市と二町、佐賀県の筑紫平野エリアの佐賀市、鳥栖市、神埼市、吉野ヶ里町、基山町、上峰町、みやき町の三市四町、そして今年度からは熊本県荒尾市も加えた地域を想定していると佐賀県から聞いております。 171 ◯秋田章二委員 ということは、佐賀県が発案されて、エリアも佐賀県が設定されたということだと思います。  それでは、佐賀県が取り組んでいる筑後佐賀一体圏域連携事業の目的、狙いは何なのか、把握していらっしゃればお答え願います。 172 ◯白鳥広域地域振興課長 この地域には、有明海沿岸道路や九州新幹線、三池港、九州佐賀国際空港といった陸海空の交通インフラが集積しておりまして、人口や域内総生産額が、九州では福岡都市圏、北九州都市圏に次ぐ規模がございます。また、従前から、通勤や通学、買い物など日々の暮らしにおいて県境を越えた交流がございます。このため、この筑後佐賀一体圏域連携事業とは、これらのポテンシャル等を生かした幅広い交流や連携の推進により、当地域の一体的な発展を目指すものと、佐賀県から聞いております。 173 ◯秋田章二委員 それでは、佐賀県は大体具体的にどのような取り組みを行い、有明海沿岸地域などの幅広い交流、連携を図ろうとして、地域の発展を図ろうとしているのでしょうか。また、これらの取り組みに対して福岡県は何か対応されたのでしょうか。したのなら、どのような対応をしてきたのかお聞かせください。 174 ◯白鳥広域地域振興課長 平成三十年八月に佐賀市内におきまして、筑後佐賀一体圏域プレフォーラムが開催されております。そのフォーラムに、本県内からは大牟田市、久留米市、八女市、筑後市、大川市の副市長、佐賀県内からは、この当該地域の三市四町全ての副首長が参加しておりまして、本県は情報収集のためオブザーバーとして参加しております。このプレフォーラムでは佐賀県から、先ほど申し上げました筑後佐賀一体圏域についての説明があったほか、この地域に関して自由に意見交換が行われたところでございます。  また、今年度、佐賀県は、九州佐賀国際空港に台湾路線が就航していることから、台湾からの観光客を主なターゲットといたしまして広域観光マップを作成しております。この作成に当たりまして本県は、県南地域への誘客や周遊促進を図るため、県南地域の観光スポットや、台湾、香港からの観光客向けのモデルコースなどの情報を提供しているところでございます。
    175 ◯秋田章二委員 これら地域の連携を図るため、今年度においてもフォーラムの開催が予定されていたと。しかしながら、佐賀県と本県の調整不足等により、急遽見送りになったと聞いています。言うまでもなく、県をまたぐような案件というのは、十分に各方面と協議、調整等を行っていただかないと、今、説明があったような、どんな有意な取り組みでも、逆に停滞してしまうことになりかねません。  有明海沿岸道路については、平成二十八年に九州の自立を考える会の藏内会長の呼びかけで、福岡、佐賀、熊本の各県議会が連携して、有明海沿岸インフラ整備三県議会連絡会議が設立されまして、我々は今、三県合同で、国や各県の代議士などへの要望活動をするなどして、整備の促進が図られてきました。  有明海沿岸道路の延伸が進む中、スピードアップして沿線地域の発展を図らなければならないのに、今おっしゃったように、佐賀県さん側が一方的に圏域を設定し取り組みを進めていくということは、我々、市・町・県議会、そんないろんな関係者の混乱を招きかねず、かえって逆効果になりはしないかと私は心配しております。佐賀県知事は、福岡県知事に本取り組みの説明をしたり、理解を求めたりしたのでしょうか。ちょっとそういう形跡は見られないようでございますけれども。  有明海沿岸の大動脈ともなるこの道路は、三県の関係者が同じ方向を向いて、有沿地域の発展につながる取り組みを進めていく必要があると思います。佐賀県の独断専行という気がしてなりません。課長、いかがお考えでしょうか。 176 ◯白鳥広域地域振興課長 有明海沿岸道路を活用した地域の振興、活性化につきましては、沿線の自治体はもちろん、福岡県としても大変重要であると考えております。本取り組みにつきましては、佐賀県から事務レベルで説明を受けておりますが、今後も、互いのメリットとなりますよう調整、連携を図ってまいりたいと考えております。 177 ◯秋田章二委員 よく考えれば、この有沿の整備の三県連絡会と同じような思いで進められたのだろうと思いますけれども、だからこそ佐賀県さんは、圏域のコンセンサスを得られるように丁寧に準備をしていただきたいと、ちょっと残念に思っております。  この件に関しましては、部長はどうお考えなのか。また、部長の有明海沿岸地域の発展への思いをお尋ねしたいと思います。 178 ◯井上順吾委員長 野田企画・地域振興部長。 179 ◯野田企画地域振興部長 まず、この有明海沿岸道路の建設促進につきましては、今、御指摘のありました、福岡、佐賀、熊本の三県のインフラ整備に関する三県議会の連絡会議の活動が大きな後押しとなってございます。この会議には本県から、緑友会の井上忠敏会長がこの連絡会の会長を務められ、自由民主党藏内勇夫相談役が顧問に就任をされ、また、井上委員が事務局長兼幹事として奔走され、その活動が実を結んで、令和二年度には大川市大野島インターチェンジまで開通する予定となっているところでございます。  この有明海沿岸道路につきましては、私どもの重要港湾であり、また世界文化遺産でもある三池港と沿線の地域、そして佐賀県を初め九州の各地域と高速道路を通じてネットワークでつながるといった意味で、大変大きな意義を有する道路でございます。沿線の地域には、ノリであるとか家具であるといったような基幹産業に加えまして、みやま市の農産物であるとか、課長が申し上げましたけれども、柳川の観光、そして大川ではエツといった季節の風物となるような観光資源もあるわけでございます。魅力的な資源がたくさんある地域でございます。これらをこの有明海沿岸道路がつないでくれて、物流、観光そして生活の利便性、また災害の際の交通の複層的なネットワークという意味からも、大変意義のある道路でございます。  したがいまして、私どもは、これまでも佐賀県に対しましては、圏域というもの先にありきということではなくて、この有明海沿岸道路を使って沿線地域の振興につながるようなことを具体的に一緒に考えていきましょうと、こういうスタンスで臨んできており、その旨、向こうの担当部長にも申し入れをしてきたところでございます。今後もそのようなスタンスでもって、この沿線地域の振興につながるようなことを、この有明海沿岸道路も活用しながらやっていき、そのことによりましてこの沿線の地域の振興を図っていくと、そういった考えで取り組んでまいりたいと考えております。 180 ◯秋田章二委員 大変力強い抱負をいただきましてありがとうございます。ただ一点だけ、事務局長は私でございます。井上委員ではございません。  今、熱い思いをいただいたんですけども、実は十二月に、有沿にかかり筑後川を渡る、仮称ですけれども筑後川橋のケーブルの定着式に知事もお見えになりました。たしか麻生前知事は、最後の任期のときに、県南を福岡県の第三のエンジンにするとおっしゃいました。けれども、確かに一部地域というのは、自動車産業が来たり、工業の誘致ができたりあると思うんですが、残念ながら、有明海沿岸地域は全くそういう恩恵をこうむっておりません。ただ、知事は定着式にお見えになって、あの地域を一体どういうふうに発展させていかれるのか、また、今回みたいな佐賀県の動きをどういうふうにお考えなのか、知事にお聞きしたいと思いますので、知事保留のお取り扱いを委員長よろしくお願いいたします。 181 ◯井上順吾委員長 ただいま秋田委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。なお、知事保留質疑は三月二十五日水曜日に行う予定でありますので御了承願います。 182 ◯秋田章二委員 終わります。ありがとうございました。(拍手) 183 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。野原隆士委員。 184 ◯野原隆士委員 自民党県議団、野原隆士でございます。  通告に従いまして、応急手当普及員の養成について質問させていただきたいと思います。  人口減少が始まって、そしてまた地域によっては非常に人口減少が始まっておるんですが、高齢化などによって救急車の搬送が随分ふえていると聞いております。応急措置につきましては、救急車が到着するまでとても重要なことであり、心肺停止状態の人に遭遇した場合、応急手当てをしなければ命が助かる可能性は約一〇%、発生から三分以内に応急手当てを開始した場合はおよそ五〇%にも上がるというデータがあります。その場に居合わせた方はちゅうちょすることなく応急措置を施さなければなりません。そして、最近はAEDがかなり普及しており、公共施設、不特定多数の人が集まるところにはほとんどAEDが今設置をされております。このAEDをどう活用していくか。そして、AEDを実施した場合の社会復帰率は、実施されなかった場合の約十倍と聞いております。  そのためにも、一人でも多くの方にこの応急手当てを学んでいただくということで、実は私はこの質問を平成二十八年の二月の定例議会においても、この応急手当普及員の役割ということで質問をさせていただきました。今回は、この応急手当普及員の数が、それ以降そんなにふえていないのではないかと、もっとふやす必要があるのではないかと思い、再度お尋ねをしたいと思います。  まず初めに、県内二十四消防本部の、平成二十六年度から平成三十年度の五年間における応急手当普及員に関する講習及び再講習の回数と修了者数をまとめた資料の提出を執行部にお願いしておりますので、委員長、お取り計らいのほどよろしくお願いいたします。 185 ◯井上順吾委員長 お諮りいたします。  ただいま野原委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 186 ◯井上順吾委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま野原委員から要求がありました資料については提出できますか。宇都宮消防防災指導課長。 187 ◯宇都宮消防防災指導課長 直ちに提出させていただきます。 188 ◯井上順吾委員長 それでは、資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 189 ◯井上順吾委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 190 ◯井上順吾委員長 資料が配付されましたので、野原委員、質疑を行ってください。 191 ◯野原隆士委員 それでは、資料の説明を簡単にお願いしたいと思います。 192 ◯宇都宮消防防災指導課長 まず、講習回数についてですが、表の一番下の合計欄にありますとおり、少ないときで三十六回、多いときで五十一回実施しております。  次に、これによる修了者数は、六百人から千人程度の方が応急手当普及員に認定されております。  三つ目に、再講習回数についてですが、初めに御説明いたしました講習会よりやや多く、少ないときで三十七回、多いときで六十四回開催されております。  最後に、再講習修了者についてですが、七百人程度だったものが、平成三十年は八百六十九人の方が再講習を受講されております。  なお、十六の消防本部で講習会及び再講習を行っておりますが、網かけをいたしました八つの消防本部では行われておりません。 193 ◯野原隆士委員 それでは再度お伺いしますが、この応急手当普及員というのは、一般的な人にいろいろ聞いても余り浸透していないんですね。もう一度、この応急手当普及員はどのようなことをするのか、お願いしたいと思います。 194 ◯宇都宮消防防災指導課長 応急手当普及員は、消防職員にかわりまして、事業所や自主防災組織の構成員等を対象として応急手当講習を行うことができまして、消防本部が実施しました講習会と同様、受講者には消防本部から修了証が交付されます。 195 ◯野原隆士委員 それでは、この応急手当普及員の資格を持っている人が県内には何人いるのか、お願いいたします。 196 ◯宇都宮消防防災指導課長 令和二年二月末現在でございますが、四千五百九十一人が応急手当普及員の資格を持っております。 197 ◯野原隆士委員 それでは、県民に対するこの応急手当普及員ということの周知はどういったことを行っているんでしょうか。 198 ◯宇都宮消防防災指導課長 消防本部では、ホームページや市町村が発行する広報紙により周知を行っております。県といたしましても、今後、消防本部に対しまして、さらに応急手当普及員の制度が県民に周知されますよう働きかけてまいります。 199 ◯野原隆士委員 先ほど言いました心肺蘇生を含めて、普通救命講習というのが非常に重要であると。一般の方たちは、消防本部でしか受けられないのではないかと思っています。しかしながら、この応急手当普及員というのは、そのかわりができると、そしてまた、受講すれば、その方たちから受講証も同じようにもらえるということがなかなか認識されていないと思います。  特にこの応急手当普及員というのは、資格をお取りになられて三年間、要は三年ごとに更新をしていかなければいけない。こういうことになるわけですけども、先ほど課長から、十六の消防本部で応急手当普及員講習会が行われていると説明がありましたが、私が四年前に一般質問でやった以降、わずか二つの消防本部しかふえていないんですね。いまだ八つの消防本部が実施していないということですが、どういったことでしょうか。 200 ◯宇都宮消防防災指導課長 応急手当普及員講習会を実施していない八消防本部に聞き取りをいたしましたところ、応急手当普及員の養成よりも、一般市民へ消防職員が直接、応急手当講習を行うことを重視しておりまして、これまで応急手当普及員講習会が実施できていないということでございました。 201 ◯野原隆士委員 では、この応急手当ての講習会の受講者数というのはどのぐらいでしょうか。 202 ◯宇都宮消防防災指導課長 応急手当講習は、応急手当ての導入講習であります救命入門コース、普通救命講習、上級救命講習の三つの講習がございます。平成三十年の受講者につきましては、その三つの合計で八万六千五百三十五人となっておりまして、これまで最も多くの方が受講されております。 203 ◯野原隆士委員 確かに言われるようなことなんでしょうが、このいただいた資料を見ていくと、やっぱり直方、柳川、行橋、飯塚地区、直方・鞍手広域と、粕屋北部、遠賀郡といったところで、それなりに人口がいるところなんですよね。確かに、消防本部で講習をやっているから事足りているということではあるんですが、先ほど言いましたように、もっと裾野を広げていくためには、やはり応急手当普及員の講習会も開いてやっていくということも一つの手だろうと思いますので、この辺のところは、十分また今後検討していただきたいと思いますし、先ほども言ったように、もっとふえていくための養成に努めるべきではないかと思いますが、どうでしょうか。 204 ◯宇都宮消防防災指導課長 先ほど御説明をいたしましたとおり、十六の消防本部が応急手当普及員講習会を実施しておりますが、これらの消防本部には、今後さらなる養成に取り組むよう働きかけてまいります。また、応急手当普及員講習会を実施していない八つの消防本部につきましても、応急手当普及員のメリットや活用事例を紹介いたしまして、まずは応急手当普及員講習会を実施するよう働きかけてまいります。  また、日ごろから地域に密着した活動を行っている消防団員に応急手当普及員の資格を取得していただくことも有効な方策の一つと考えられますことから、県といたしましては、市町村や消防協会に対しまして消防団員のさらなる活用についても働きかけてまいりたいと思います。 205 ◯野原隆士委員 何度も言いますが、応急手当普及員の講習会を福岡市でお取りになられて、そしてたまたま転居した先で再講習会をやっていないと。先ほど言いましたように三年たっていると失効するわけですね。ですから、その転居先で、なぜないんでしょうかという話も、私、聞いたことがあるんです。ですから、そういう意味では、やっぱり全ての消防本部において、少なくとも再講習会ができるようには持っていっていただきたいと思います。  最後に、応急手当普及員を部長のほうにお伺いいたしますが、応急手当普及員を多く養成することで、さらに応急手当講習の実施が見込まれ、救命率の向上につながると考えております。この応急手当普及員の養成をもっと図る必要があると思っておりますが、部長の見解を伺いたいと思います。 206 ◯井上順吾委員長 野村総務部長。 207 ◯野村総務部長 応急手当普及員のことでございます。先ほど途中で課長が御答弁申し上げた中に、野原委員も冒頭触れられましたとおり、もともと応急手当講習を受けた県民の方をできる限り多くしたいということで、その一つの有効な手段として、普及員の方がやっていただければ、消防の講習だけじゃなくて普及員の講習も受けられるからというお話だったかと思います。  一つお話しさせていただきたいのは、応急手当講習の県内の受講された方の数ですが、平成二十八年は六万人を切っていたのが、二十九年、三十年と八万人以上、今、受けているということで、各消防本部、普及員を使った場合なのか、消防本部でやった場合なのか、二通りあると思いますけれども、県内で市民の方々に応急手当講習を受けた方々をふやすべく、一生懸命努力していただいています。実際私も、消防本部の消防長さんが集まったときの会議などにも顔を出させていただきながら、この応急手当講習を受けた市民の方々を各消防本部でふやしてほしいということも何度も言ってまいりました。その結果として、各消防本部が頑張っていただけているのかなと一つ思っております。何とかこの八万人の水準を維持していきたいと思っています。  その上で、野原委員が言われましたとおり、応急手当普及員の講習をするということが一つの大変有効な手段であると思います。先ほど転居された方のお話もいただきましたし、また消防団員の方々はふだんから消防に対して理解がございますので、こういう方々にその普及員になっていただくというのも、市民の方に広げる上でも有効な形ではないかと思っております。また、消防本部の消防長さんなどが集まる会議等もあると思いますので、そういう場合に私のほうから直接、こういうことにも触れながら、各消防本部で一つの有効な手段として応急手当普及員講習をやっていただきたいと働きかけ、まずトータルとして応急手当講習を受けている県民の方をふやす、八万人という数字をふやしていきたいということを働きかけてまいりたいと思っております。 208 ◯野原隆士委員 部長から答弁をいただきましたが、先ほども少し課長のほうから出ていました消防団員の活用というのも、とても重要なことだろうと思いますので、あわせましてお願いをしまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手) 209 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。渡辺勝将委員。 210 ◯渡辺勝将委員 自民党県議団の渡辺勝将であります。きょうは時間調整をしてくださいというお話でありますので、前文は全て省いて、早速質問に入らせていただきます。通告に従い、オーストラリアとの交流について質問をいたします。  私は、一昨年の一般質問において、オーストラリアとの交流について質問をいたしました。その質問後に、ニューサウスウェールズ州政府に対し、どのような働きかけを行って、昨年八月の県訪問団のオーストラリア訪問が実現したのか、簡潔にお答えください。 211 ◯井上順吾委員長 古川国際政策課長。 212 ◯古川国際政策課長 九月議会の質問を受けまして、まず、在福岡オーストラリアの総領事館を訪問いたしまして、オーストラリア自治体との交流についていろいろ御助言をいただきました。その中で、ニューサウスウェールズ州の駐日代表の方がオーストラリアの大使館におられることを知りまして、総領事にお願いをして紹介していただきました。  最初の訪問の際は、私どもとともに、当時の西元総務企画委員会の委員長にも一緒に行っていただきまして、福岡県の紹介を行うとともに、意見交換を行ってまいりました。その後、何度も駐日代表の方を訪問し、意見交換を重ねる中で、福岡県についても一定御理解をいただくようになりまして、最終的には、本県の希望を踏まえて、ニューサウスウェールズ州の観光、スポーツ分野に詳しいスチュアート・エアーズ大臣との面談をセットしていただいたものでございます。 213 ◯渡辺勝将委員 それでは次に、昨年八月のニューサウスウェールズ州訪問の主な成果について簡潔に御説明ください。 214 ◯古川国際政策課長 昨年八月、知事のほか栗原議長、議会の皆様とともに、オーストラリアを訪問させていただきました。その中で、州政府のエアーズ大臣との意見交換では、今後、スポーツや観光などの分野における交流を促進するため、事務レベルで協議を継続することで合意をいたしております。  また、ニューサウスウェールズ州のスポーツ研究所を訪問しまして、トップアスリートの育成や交流など、スポーツ交流について意見交換を行いました。さらに、本県進出企業の飲食店におきまして観光セミナーを開催し、現地の旅行社の方々に福岡の観光や食などの魅力を伝えました。加えて、カンタス・ジェットスターのCEOにもお会いしまして、福岡路線の魅力や優位性を伝え、本県への直行便の就航を要請してまいりました。 215 ◯渡辺勝将委員 ニューサウスウェールズ州との交流促進に向け、今後も協議を継続していくことになったことは、一歩前進をしたと思います。  しかし、この一歩も在福岡オーストラリア総領事館のサポートなしにはなし得なかったことではないでしょうか。そういう意味では、昨年十二月、オーストラリア政府の決定とはいえ、在福岡オーストラリア総領事館が閉鎖され、大阪の総領事館に業務が移管されたことは残念でなりません。このことでオーストラリア自治体との交流を後退させることは避けなければならないと思っております。  そこで伺います。在福岡オーストラリア総領事館が閉鎖された中で、ニューサウスウェールズ州との交流を進めていくためには、日ごろから大阪の総領事館やニューサウスウェールズ州駐日代表と連絡をとり合い、信頼関係を築き、サポートを得ていくことが大切だと考えますが、いかがでしょうか。 216 ◯古川国際政策課長 委員御指摘のとおり、ニューサウスウェールズ州との交流を進めていく上で、大阪の総領事館あるいは州政府の駐日代表の方との信頼関係を築いていくことは非常に大切だと考えております。幸い、私たちがよく存じ上げております在福岡総領事館の方が在大阪オーストラリア総領事館に転勤をされましても引き続き九州を担当すると伺っております。また、州政府の駐日代表の方とは既に面識がありまして、福岡県に対しても一定の御理解をいただいております。このような方々と引き続き緊密に連絡をとり合いまして、信頼関係をより強固なものにしてまいります。 217 ◯渡辺勝将委員 わかりました。今後もしっかりとした信頼関係を築いていただきたいと思います。  今後、交流を進めていく上では、国内だけではなく、オーストラリアの現地の方とのつながりを大切にし、信頼を得ていく必要があると考えます。  そこで伺います。今後、現地の方とのつながりをどのようにしてつくっていこうと考えているのか、お答えください。 218 ◯古川国際政策課長 県では、現地の方とのつながりをつくっていくため、来年度から、ニューサウスウェールズ州にあります一般財団法人自治体国際化協会のシドニー事務所に県の職員を派遣したいと考えております。具体的には、本年四月から東京本部で勤務を行い、八月からはシドニー事務所の勤務とすることで協会と合意をしているところでございます。  この自治体国際化協会と申しますのは、他国自治体との交流促進を業務の一つとしておりますので、シドニー事務所に派遣する職員の活動を通じまして、州政府の関係者を初め現地の方とのつながりをつくっていきたいと考えております。 219 ◯渡辺勝将委員 ぜひ、これまでの御縁を大切にしていただき、現地でのネットワークを、これは来年度からというお話でありましたけども、しっかりと構築を図っていただきたいと思っております。  このような人と人とのつながりを築いていく上では、相手の国のことを思う気持ちも大切だと思っております。先日、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州における森林火災に対する支援といたしまして、見舞状と見舞金をお渡しするために、樋口国際交流推進議員連盟会長と一緒に、私もオーストラリア大使館に行ってまいりました。そこで、オーストラリア大使からは、本県の森林火災に対する支援への感謝と、八月に大勢の訪問団がニューサウスウェールズ州に訪れてくれたことを大変光栄に思っている、交流が進むように我々も努力すると、大変心強いお言葉をいただきました。  そこで伺います。令和二年度予算案に、国際局において、オーストラリアとの交流に関する事業が盛り込まれていると思いますが、その交流事業の概要について簡単に御説明ください。 220 ◯古川国際政策課長 来年度の予算で国際局から御審議をお願いしております事業としましては、昨年八月の事務レベルで協議を継続するとの合意に基づきまして、国際局のほか、観光、スポーツ、空港の関係部局の担当者をニューサウスウェールズ州に派遣しまして、州政府とそれぞれの分野で具体的な協議を行うとともに、航空路線の誘致にも取り組むことを予定しております。また、ニューサウスウェールズ州政府要人の来日の機会を捉えまして、本県への訪問を要請し、意見交換等を行うことも予定をしております。このような事業を通じまして、ニューサウスウェールズ州との交流を進めてまいりたいと考えております。 221 ◯渡辺勝将委員 ぜひ具体的な協議が進むよう、国際局がトップとなって関係部局との連携をしていただき、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  それでは最後に、局長に伺います。ニューサウスウェールズ州との友好提携に向けた意気込みと決意をお聞かせください。 222 ◯井上順吾委員長 武濤国際局長。 223 ◯武濤国際局長 友好提携に向けましては、両地域の産業、経済、文化など、それぞれの状況を互いに理解し、ウイン・ウインの関係となる交流分野を見つけて、具体的な交流を積み重ねていくことが重要であります。また、その交流を推し進めていくためにも、オーストラリアとの間で人・物の往来をふやしていくことも重要であります。  昨年八月には、私自身も議会の皆様と一緒にオーストラリアを訪問させていただき、州政府や現地の航空会社との協議にも参加させていただきました。ニューサウスウェールズ州では大変温かい歓迎を受け、今後の本県の交流先として非常に重要な地域であることを改めて認識いたしました。  今後、同州との交流を進めていくためには、渡辺委員御指摘のとおり、人と人とのつながりや信頼関係を構築していくことが必要であると考えております。このため、来年度におきましては、先ほど課長から答弁させていただきましたが、観光、スポーツ、空港の関係部局と連携し、私自身も州政府を訪問し、今後の交流に向けた具体的な協議を行うとともに、交流の基盤となる航空路線の誘致にも取り組むことで、ニューサウスウェールズ州との交流をしっかりと進めてまいりたいと考えております。 224 ◯渡辺勝将委員 今、課長と、そして局長から強い御答弁をいただきました。先ほど冒頭にもお話ししましたように、私は一昨年の九月議会で質問をして、知事からは、しっかりとオーストラリアとの交流の芽を育てていきたいという答弁をいただいて、そして、先ほどの御紹介で、森林火災によってオーストラリア・ニューサウスウェールズが大変な時期にもあるということを少しお話をしたところでもあります。これは樋口議連会長のいろいろな御協力で、今回の訪問、見舞金、見舞状ということができたと思っております。  先ほど、人と人とのつながり、そして、これは国際交流であって、心と心のつながりが私は大事だと思っておりますので、知事を先頭に知事部局の方々も、このオーストラリア・ニューサウスウェールズ州の方と心と心の交流ができるようにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございます。(拍手) 225 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 226 ◯井上順吾委員長 ないようですので、以上で、樋口委員、中嶋委員、森下委員、江口委員、高瀬委員、秋田委員の知事保留質疑を残し、第二款総務費の質疑を終わります。  この際、しばらく休憩します。再開は午後三時といたします。    午 後 二 時 五 十 二 分 休 憩    午 後 三 時 零 分 再 開 227 ◯井上順吾委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  それでは、第三款保健費について説明を求めます。大森保健医療介護部長。 228 ◯大森保健医療介護部長 三款保健費につきまして御説明申し上げます。
     お手元の令和二年度予算に関する説明書の百六十三ページをお開きください。  一項保健企画費でございます。この主なものは、百六十六ページの三目病院費の説明欄に示しておりますが、病院事業会計への負担金五億九千百万円余でございます。これは企業債の償還等に係る負担金でございます。一項保健企画費の総額は、下の計欄でございますが、七十四億三千六百万円余をお願いいたしております。  次に、二項健康対策費でございます。この主なものは、一枚おめくりいただきまして、百六十九ページの三目難病等対策費五十三億九千五百万円余でございます。これは難病患者に対する医療費の公費負担等でございます。二項健康対策費の総額は、百七十三ページの一番上の計欄でございますが、百十一億六千七百万円余をお願いしております。  次に、三項生活衛生費でございます。この主なものは、百七十八ページの五目結核感染症対策費の説明欄の上から五番目、感染症予防費五億四千三百万円余でございます。これは備蓄抗インフルエンザ薬の更新のための経費でございます。三項生活衛生費の総額は、下の百七十九ページの計欄でございますが、十七億九千七百万円余をお願いしております。  次に、四項医薬費でございます。この主なものは、一枚おめくりいただきまして、下のページ、百八十一ページ、二目医務費の説明欄の一番下、地域医療介護総合確保基金積立金四十二億七千四百万円余でございます。四項医薬費の総額は、百八十五ページの計欄でございますが、百二十九億九千六百万円余をお願いしております。  次に、五項医療介護費でございます。この主なものは、一目医療介護総務費の説明欄の上から二番目、後期高齢者医療対策費七百五十九億六千九百万円余でございます。これは高齢者の医療の確保に関する法律に基づきます県の負担金等でございます。五項医療介護費の総額は、百八十九ページの計の欄でございますが、千八百五十五億四千三百万円余をお願いしております。  次に、六項高齢者支援費でございます。この主なものは、一枚おめくりいただきまして百九十一ページ、三目高齢施設費ですが、説明欄の一番上、老人福祉施設整備費五十九億二千四百万円余でございます。これは特別養護老人ホームや地域密着型サービス施設の整備等に関する助成でございます。六項高齢者支援費の総額は、下の計欄でございますが、百二十九億九千万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 229 ◯井上順吾委員長 説明は終わりました。  これより質疑を行います。質疑はありませんか。浦伊三夫委員。 230 ◯浦 伊三夫委員 自民党県議団の浦伊三夫でございます。前語りはなくして、いきなり質問をさせていただきたいと思います。  ひきこもりの対策についてをお伺いいたします。まず初めに、本県におけるひきこもり者の現状と、そして今、行っていらっしゃる対策を簡潔にお答えください。 231 ◯井上順吾委員長 重松こころの健康づくり推進室長。 232 ◯重松こころの健康づくり推進室長 まず、本県の現状でございますが、国の調査結果から、県内には約四万人のひきこもりの方がいらっしゃると推計をいたしております。  ひきこもり支援の取り組みにつきましては、福岡県ひきこもり地域支援センターに精神保健福祉士等の相談員四名を配置いたしまして、本人や御家族からの相談に応じるほか、必要に応じて訪問による相談支援を行っているところでございます。また、県内九カ所の保健福祉事務所におきましても保健師が相談に応じております。ひきこもり地域支援センターでは、本人への居場所の提供や、御家族を対象とした家族教室、家族サロンのほか、支援機関の連携強化のためのひきこもり支援者等ネットワーク会議や、人材育成のための研修会を開催してきたところでございます。 233 ◯浦 伊三夫委員 この議会で今回、ひきこもり支援の充実に関する予算ということで昨年度より多く予算が提案されております。どのような内容なのか教えてください。 234 ◯重松こころの健康づくり推進室長 ひきこもりの方やその御家族にとって身近な市町村で行う相談対応の充実を図るため、ひきこもり地域支援センターのサテライトオフィスを筑後地域と筑豊地域の二カ所に設置いたしまして、精神保健福祉士等の支援コーディネーターをそれぞれ二名配置いたします。  今後は、センターとサテライトの三カ所を拠点にいたしまして、市町村を巡回し、相談対応への専門的な助言を行うとともに、ひきこもりの相談窓口を住民に対して周知するよう働きかけるなど、市町村における相談対応の充実を促してまいりたいと考えております。また、みずからも電話や来所による相談や、市町村と連携した訪問による相談支援を行ってまいります。  また、県単位で年一回開催しておりましたひきこもり支援者等ネットワーク会議や支援者の人材育成のための研修会につきまして、県内九カ所の保健福祉事務所が所管する地域単位で開催をしたいと思っております。 235 ◯浦 伊三夫委員 今の答弁で、市町村を訪問し、市町村における相談対応の充実を促していくという答弁がありました。  本来、ひきこもりの問題というのは、私は県だけの問題ではなくて、やはり市町村の皆さん方にも主体的にかかわっていただくことが大切なのではないかと思っております。この市町村のひきこもりに対する支援の現状と、この事業を行うことによって市町村がどのような姿になることを目指しておられるのか、お伺いします。 236 ◯重松こころの健康づくり推進室長 現在、政令市を含みます七割の市町村が、ひきこもりの相談を受けております。市町村から求めがあれば、センターから市町村に相談対応の助言や支援についての事例検討を行っているところでございます。また、センターや市町村が開催する研修会を通じまして、人材の育成に努めてまいりました。  相談に当たっている市町村からは、支援の仕方がわからないであるとか、個々人の状態に応じた支援が必要だがどこにつないだらいいのかわからないといった意見を聞いております。そういった意見を受けまして、センターとサテライトが相談対応への専門的な助言を行いますとともに、ひきこもりの相談窓口を住民に対し周知するよう働きかけるなど、身近な市町村で相談ができる体制を目指してまいりたいと思っております。 237 ◯浦 伊三夫委員 七割の市町村がひきこもりの相談を受けているということは、逆に言うと、三割の市町村は相談を受けたことがないとか、ほとんど対応できる人がいないというところもたくさんあるのではなかろうかと思っております。私の事務所でも調べさせていただきましたけども、市町村に聞くと、たらい回しにされる、なかなか対応できる窓口に引き継いでもらえないということもあったようであります。  この問題解決に向けて、やはり市町村と一緒になってやっていくことが私は重要だと思いますし、県だけで解決しようなんていうことはなかなか難しい問題と思っております。そういった中で、昨年の予算特別委員会でも、この問題を取り上げさせていただいております。そのときからずっと、目標を決めたらどうなのかというような質問もさせていただいておりますが、なかなかその答えはいただけておりません。県は今、ひきこもり対策を行うに当たって、どのような目標を持ってこれから取り組んでいくのか、お答えください。 238 ◯重松こころの健康づくり推進室長 一人でも多くの方が何らかの社会活動につながるよう、令和六年度までのセンター及びサテライトにおけます来所相談及び訪問支援、この累計実人数を約二千六百二十人にふやすことを目指しております。この目標は、平成二十二年度のセンター開設から平成三十年度までの実績九百六十一人に、令和元年度以降の見込み千六百六十五人を加えたものでございます。この見込みのうち、サテライトオフィスを設置いたします令和二年度以降の来所相談及び訪問支援の実人数を千五百四十人と見込んでおります。平成三十年度までの一年当たりの実績が約百人で、これを約三百人にふやすことといたしております。  さらに、市町村を支援することで相談体制の充実を図りまして、市町村における相談人数もふやしてまいりたいと考えております。 239 ◯浦 伊三夫委員 今回初めて目標の数というものを出していただいたということは、大きな前進なのかなという気もいたしております。しかし、先ほど答弁いただいた四万人という人たちが恐らくいるだろうと言われている中で、分母が四万人なんですよね、その四万人の中の、十五年間で二千六百二十人の相談で、面談、来所、訪問されるということは、本当にこの四万人の対策になっているのかどうか。これはなっていないのではないかなと思うところであります。  そこで、部長に、このひきこもりの問題の解決とはどういうことなのか、どういうことを示すのかということをお伺いするとともに、また、そのためにこれからどのように取り組んでいかれるのかをお伺いしたいと思います。 240 ◯井上順吾委員長 大森保健医療介護部長。 241 ◯大森保健医療介護部長 ひきこもりの問題は、御本人それから御家族が社会から孤立し、悩み苦しみを抱えたまま長期化するということで、大変重要な課題だと考えております。ひきこもりの方全てを社会復帰につなげるということが、ひきこもり問題の解決だと考えておりますが、しかし、ひきこもり問題というのは、一つ一つのケースの解決に大変時間がかかる場合もございます。まずは、できるだけ多くのひきこもりの方やその御家族が地域社会から孤立することがないように取り組んでまいります。  具体的には、市町村など、ひきこもりの方やその御家族にとって身近なところで相談が受けられる体制の整備に取り組むとともに、それぞれの地域における支援機関の連携の強化、ひきこもりの支援を行う人材の育成、こういったものに取り組んでまいりたいと考えております。  ひきこもりの原因それから背景など、抱えている状況はさまざまでございます。各支援機関が緊密な連携をとりながら、その方の状況に合わせたきめ細かい、そして丁寧な支援に努めてまいりたいと考えております。 242 ◯浦 伊三夫委員 ひきこもりの方全てを社会復帰させるということが、このひきこもり問題の解決だということで、部長から答弁をいただきました。ひきこもりをゼロにするように、これに向けて頑張っていただきたいと思っております。  しかし、やはり今の答弁の中からも、四万人の対策にはほど遠い答弁だったんじゃなかろうかと思っております。昨年の予算委員会の中でも、知事の答弁で、本当に頑張っていくよという強い答弁をいただいておりますけれども、一歩二歩は進んだと思いますが、まだまだこの四万人に対する施策というか取り組みになっていないような気がいたします。  これから先のことも見据えて、知事がいろいろなことをこれから考えていかれるのだろうと思いますので、ぜひ知事にお聞きしたいと思っておりますので、知事保留質疑の取り計らいをよろしくお願いいたします。 243 ◯井上順吾委員長 ただいま浦委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。なお、知事保留質疑は三月二十五日水曜日に行う予定でありますので御了承願います。 244 ◯浦 伊三夫委員 ありがとうございました。(拍手) 245 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。渡辺美穂委員。 246 ◯渡辺美穂委員 昨年三月二十九日、内閣府は、四十歳から六十四歳のひきこもりの状態の人が全国に六十一・三万人、そのうち男性が四分の三を占め、ひきこもり期間七年以上が半数を超え、三十年以上が六・四%もいるという衝撃的な調査結果を発表いたしました。これは二〇一八年十二月、内閣府が実施した生活状況に関する調査結果によるものです。  私は、二〇一六年の決算特別委員会におきまして、このひきこもり事案というのは大きな問題になると警鐘を鳴らしていましたが、今回、国の調査を受けて、改めてお伺いをいたします。  国は、二〇〇三年のひきこもり対応ガイドライン作成から十三年かけて、ようやくその実態調査を行いました。もともと一九八〇年から九〇年代のひきこもりは、いじめなどによる不登校などが原因で、若者だけの問題とされていました。また、九〇年代にはフリーターやニートという言葉が流行語大賞にノミネートされましたが、やはり働く気のない若者の自己責任として、有効な支援が行われてきませんでした。その当時のフリーターやニートの方の多くが、現在の八〇五〇問題の原因の一つになっていると思いますが、担当課の認識をまずお伺いいたします。      〔正副委員長交代〕 247 ◯大橋克己副委員長 重松こころの健康づくり推進室長。 248 ◯重松こころの健康づくり推進室長 先ほど委員が述べられましたとおり、国の調査結果では、ひきこもり期間が三十年以上の方が六・四%おられるとの結果が出ております。しかしながら、フリーターやニートと言われた方々が八〇五〇問題の原因となっているかどうかにつきましては把握をいたしておりません。 249 ◯渡辺美穂委員 それは把握はできないと思うんですけど、私はあくまで認識、どのように考えているかということをお伺いしたところです。今、御答弁にあったわけですけども、三十年以上ひきこもっている方が六・四%、つまり約四万人おられるというわけですが、もしこの方々がニートと関係がないということであれば、三十年前、当時の日本には、現在三十年以上ひきこもっておられる四万人以外に、流行語大賞候補になるほど多くの二十代がニートの状態であったと、そういう可能性もあるということになると思います。それはそれで一体どういう社会だったんだということになると思うんですけれども、私はやはりどう考えても、当時のニートの方の一部が現在の八〇五〇の原因の一つではないかなと考えています。つまり、ここで私が何を言いたいかというと、必要な時期に適切な手当てを行わないことが、将来に大きな問題になることがあるということです。  そして、やっと来年度予算に、地域ひきこもり支援体制の拡充として約二千七百万円の予算が計上されています。そして、その中で、ようやく支援センターのサテライトを設置することが決定していますが、なぜ筑豊と筑後の二カ所を選ばれたのか、また設置場所はどこを考えておられるのか、お答えください。 250 ◯重松こころの健康づくり推進室長 ひきこもりの方や御家族の利便性を考えますと、身近なところで相談や支援ができるという環境を整備していくことが望ましいと考えております。現在、ひきこもり地域支援センターは、春日市に福岡県ひきこもり地域支援センターがございます。それから両政令市にも設置されておりますので、福岡地域と北九州地域を除く、筑豊地域と筑後地域にサテライトオフィスを設置し、県内全域をカバーするということでございます。  具体的な設置場所につきましては、今後サテライトオフィスの委託先を選定しまして決定してまいりたいと考えております。 251 ◯渡辺美穂委員 先ほど、サテライトの体制については御説明があったと思うんですけれども、私は、このような広範囲を本当にカバーできるのだろうかということが甚だ疑問ですが、ただ今回、新たに始められた事業ですので、その推移は見守っていきたいと思います。  私は、市議会議員の時代から、ひきこもりの方に対してはアウトリーチが絶対に必要で、そのためには、まず実態調査が必要であるということを訴え続けてきました。国の来年度予算では、新たにひきこもりの方も含めた生活困窮者の相談窓口にアウトリーチ支援員を配置する経費を盛り込む方向だと聞いております。そしてそれを本当に大変うれしく思っています。  本県においても、来年度当初予算案で、ひきこもりの方を含めた生活困窮者に対するアウトリーチ支援員を自立相談支援事務所に配置するとされております。しかし、この支援員は、あくまで就労支援につなげるためだけのものであって、所管は福祉労働部です。一方、ひきこもりの方に対するアウトリーチは、保健医療介護部所管のひきこもり地域支援センターで既に行われていると伺っております。このように、本県ではひきこもりの方に対するアウトリーチが二つの部にまたがって行われることになり、大変わかりづらくなっています。  そこで、まずこのアウトリーチについて、福岡県ひきこもり地域支援センターでの取り組み状況をお聞かせください。 252 ◯重松こころの健康づくり推進室長 現在センターでは電話や来所による相談に応じておりますが、相談に出向くことが難しい方や相談に踏み切れない方に対しまして、精神保健福祉士等の専門家が、家庭訪問を中心といたしまして、アウトリーチ型の支援を行っているところでございます。平成三十年度に実施いたしましたアウトリーチの件数でございますが、四十七件となっております。 253 ◯渡辺美穂委員 その四十七件という数字が、全体の総数から見て一体どうなんだろうという疑問はまだ残っております。  私は、ひきこもりの方のところへは、まずアウトリーチで支援員がお伺いをして、人間関係を構築しながら社会参加を促して、それが将来的に就労支援につながっていくと考えています。そこでは、やはり一貫したお一人の信頼関係を構築した人によるアウトリーチ支援が必要であるのではないかと思っています。そこで、そのアウトリーチを行うひきこもり支援センターと自立相談支援事務所が今後どのように連携して支援をしていくのかをお聞かせください。 254 ◯重松こころの健康づくり推進室長 来年度から県内九カ所の保健福祉事務所圏域ごとに、ひきこもり支援者等ネットワーク会議を開催する予定としております。地域の支援機関のネットワークを構築することといたしております。センターと自立相談支援事務所におきましても、そのネットワークを活用いたしまして、センターで受けた相談のうち、社会参加が可能な場合などについては、センターの相談員が自立相談支援事務所が行う就労準備支援につなぎまして、センターの相談員と自立相談支援事務所のアウトリーチ支援員が相互に情報を共有しながら連携、協力して支援を行ってまいりたいと考えております。 255 ◯渡辺美穂委員 いずれにしても、今のような場合も、最初に実態がわかっていて、自立支援事務所のアウトリーチ支援員の方が最初からそのひきこもりの方のところへ行かれたほうが、将来的にこの方は就労が可能であろうと思われる方については、一人で一貫して支援を行うことができるわけですから、そういった具体的な連携をきちんと図られるべきだと思います。  今、申し上げたように、やはり最初にその実態がわかっていないと課題解決というのは不可能だと思います。先ほど申し上げた国の調査ですが、これは無差別に三千名を対象として調査したものでありますから、それほど精度の高い結果であるとは思えません。一方で、厚生労働省の自治体によるひきこもり状態にある方の実態などに係る調査結果では、四十七都道府県のうち二十三都道府県が何らかの実態調査を行っていることが明らかとなっており、福岡県はおくれをとっている状況です。  前回お伺いしたとき、実態調査をするようにという要望をいたしましたときには、前向きな回答を得ることはできませんでした。しかし、今後、今この事態になって、本県では実態調査を行うつもりがあるのかどうか、再度お伺いいたします。 256 ◯重松こころの健康づくり推進室長 ひきこもりの方につきましては相談に出向かないことが多く、また、高齢で家族からも相談なされない場合がございます。そのため、民生委員が把握している情報を活用しまして、相談や訪問支援などにつなげていきたいと思っております。そのため、民生委員に対する聞き取りが必要と考えておりまして、今後どのような方法でそういった方々を把握していくのかということを検討してまいりたいと考えております。 257 ◯渡辺美穂委員 前回、私が提案をいたしましたが、やはり民生委員さんが一番現場を御存じなのではないか、民生委員さんに対する聞き取りというのは非常に不可欠であるということを申し上げておりましたので、今、御答弁いただけて大変うれしく思っております。  一方で、先ほど御指摘もありましたけれども、やはり県だけではなかなかこの支援というのは難しくて、市町村と連携をしなければならない。その中で、市町村に対して、どうやって本当にそれが自分たちの問題であるかということを認識していただくか。その一つの方法として、県がこの議会で答弁した四十歳から六十四歳までのひきこもりの方の数は推計二万人とおっしゃっています。三十年度の福岡県の生活保護の総額はおよそ二千百七十四億円で、それを単純に現在の生活保護の受給者数で割ると、お一人当たり約百七十万円となります。この百七十万円を推計対象者数二万人で乗じると、三百四十億円となります。その四分の一を県もしくは市が負担しなければならないということになりますから、年間約八十五億円近い額が自治体の負担という計算になります。今、四十歳から六十四歳の方、八〇五〇問題の対象の方々の保護者が亡くなられたとき、この近い将来に、その数字が自治体の負担になるということが考えられるわけです。  そして一方で、ひきこもりの方の中にも、このままではいけない、何らかのきっかけがあったら外に出たいと考えておられる方も多いと聞いています。そして、先ほど申し上げたように、市町村においては、先ほどの数字が近い将来、自分たちの自治体の予算にかかわってくるかもしれないという、本当に緊張感を持っていただきたい。そのことを改めて県のほうから市に対して、きちんと今手当てをすることが財政的な面からも必要であるということを周知すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。      〔正副委員長交代〕 258 ◯重松こころの健康づくり推進室長 政令市を除きます五十八の市町村のうち、四十市町村が平成三十年度にひきこもりの相談を受けております。しかし、相談に当たっている職員から、支援の仕方がわからないであるとか、個々人の状態に応じた支援が必要だがどこにつないだらいいのかわからないといった意見を聞いております。そのため来年度新たに、先ほど申しましたが、サテライトオフィスを設置いたしまして、市町村への専門的な助言や相談訪問支援を行う人材の育成を行い、市町村におけます相談支援の充実を図ることといたしております。 259 ◯渡辺美穂委員 とりあえず、今回の質問で、実態調査に関して前向きな答弁をいただけたということで、本当にやっと重い腰を上げていただいたなというのが正直な感想でございます。  しかしながら、この課題解決のためには、まずは実態調査をしなければ、何ら施策、有効的な手当てもできないと考えておりますので、一刻も早いこの実態調査を行っていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 260 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。大塚勝利委員。 261 ◯大塚勝利委員 公明党の大塚勝利でございます。  通告に従いまして、本日は薬物乱用防止について質問させていただきます。  薬物乱用については、近年、危険ドラッグの乱用が深刻な社会問題となっておりましたが、その根絶のため、平成二十六年に国は緊急対策を実施し、本県でも福岡県薬物濫用防止に関する条例を制定するとともに、徹底した取り締まりが行われた結果、危険ドラッグに起因する救急搬送数は、平成二十四年の八十四人から、平成二十九年にはゼロと、大幅に減少をしております。また、県では、平成三十一年一月に、第五次となる福岡県薬物乱用防止五か年戦略を策定するなど、薬物乱用対策を総合的に推進してきたところです。  昨今、芸能人等が薬物所持や使用で逮捕される報道がなされております。確認をしたところ、我が国の薬物による検挙者は、平成三十年には一万四千人を超え、その中で覚醒剤事犯の検挙数は依然として一万人を超え、また大麻事犯は過去最多の三千七百六十二人が検挙され、その過半数は三十歳未満であり、若年層を中心に大麻乱用の裾野が拡大している実態があります。  委員長、あらかじめ資料要求をしております。資料は、福岡県における覚醒剤・大麻事犯の年次推移、福岡県における覚醒剤事犯再犯者数、薬物再乱用対策推進事業について、以上三点です。お取り計らいのほどよろしくお願いします。 262 ◯井上順吾委員長 お諮りいたします。  ただいま大塚委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 263 ◯井上順吾委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま大塚委員から要求がありました資料については提出できますか。上田薬務課長。 264 ◯上田薬務課長 直ちに提出いたします。 265 ◯井上順吾委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 266 ◯井上順吾委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 267 ◯井上順吾委員長 資料が配付されましたので、大塚委員、質疑を行ってください。 268 ◯大塚勝利委員 それでは、まず本県の現状について、資料一、二に沿って説明を求めます。 269 ◯上田薬務課長 では、まず資料一、福岡県における覚醒剤・大麻事犯の年次推移について御説明いたします。覚醒剤事犯による検挙者数は上段の棒グラフのとおりで、減少傾向にあるものの、令和元年は六百十六人と依然として高い数字になっております。また、大麻事犯における検挙者数は下段の棒グラフのとおりで、平成二十七年以降増加傾向が見られ、令和元年は二百七十八人と過去最多となっております。特に若年層を中心として増加していることが特徴で、令和元年は三十歳以下の割合が約七割と高くなっております。  引き続きまして、一ページおめくりください。資料二、福岡県における覚醒剤事犯再犯者数について御説明いたします。令和元年は覚醒剤事犯の検挙者数六百十六人中、再犯者が四百六十五人を占めており、再犯者率は七五・五%となっております。覚醒剤は依存性が極めて高いことから、全国的にも再犯者率は高水準となっており、六五%前後で推移しておりますが、とりわけ本県の再犯者率は全国平均よりも高く、おおむね七〇%を超えているのが現状でございます。 270 ◯大塚勝利委員 驚くべき現状でございます。  まず、大麻についてお尋ねします。若年層を中心とした大麻の乱用が拡大し、本県における令和元年の大麻事犯検挙数は、平成二十六年の四倍強まで増加の状況であります。海外では一部合法化されていることから、インターネット等において誤った情報が氾濫しており、若年層の大麻乱用の拡大につながっていると推測されます。  本県では、大麻事犯を減少させるために若年層への啓発にどのように取り組んでいるのか、お答えください。 271 ◯上田薬務課長 県では、昨年一月に策定しました福岡県薬物乱用防止第五次五か年戦略に基づきまして、若年層に向けた大麻を中心とした啓発を強化しているところでございます。県内の小中高等学校では、児童生徒に薬物に係る正しい知識を習得させるため、薬物乱用防止教室が開催されており、公立学校における実施率は一〇〇%でございます。その講師となる学校薬剤師や保護司の方には、大麻に重点を置いた効果的な講習を行っていただいているところでございます。また、大学生には、平成二十二年度から県主催の講演会を毎年開催するとともに、新入学生向けリーフレットを全大学に配布しております。  さらに昨年度から、大麻乱用防止に特化した啓発動画を制作し、SNSを用いてスマートフォンユーザーに配信しております。特に今年度は、十月の麻薬・覚醒剤乱用防止月間に合わせまして、位置情報を活用して、繁華街にいる方、大麻関連のキーワードを検索された方に動画を発信したところでございます。  また、県が開設しました薬物乱用防止啓発サイトの内容充実など、若年層への効果的な大麻乱用防止啓発に取り組んでいるところでございます。 272 ◯大塚勝利委員 わかりました。  次に、覚醒剤についてお尋ねします。資料二を見ますと、本県は全国平均に比べても特に再犯者が多く、平成三十年には五・三ポイントも高くなっております。  薬物は依存性が高いと言われており、薬物の乱用を減少させるには、再犯者の減少、私は特に依存症対策が重要であると考えております。そのための取り組みとして、薬物使用をとめるための対処法を学び、依存症からの回復を目指すために、認知行動療法の一つである回復プログラムがあります。現在、再犯者には、刑務所や保護観察所が行う保護観察の中で回復プログラムを受ける機会がありますが、執行猶予判決を受ける初犯者にはその機会がなく、公的機関の支援がないまま社会復帰していくのが実態であり、課題となっております。  こうした中、県では平成三十年から、初犯者に対して薬物再乱用対策推進事業を実施していると聞いております。要求いたしました資料三に沿って、初犯者に対する支援策を具体的に説明してください。 273 ◯上田薬務課長 では、資料をもう一ページおめくりください。資料三でございます。薬物再乱用対策推進事業についてに沿って御説明いたします。  県では平成三十年度から、執行猶予判決を受けた薬物事犯の初犯者を対象として、薬物依存症からの回復、社会復帰に向けた支援を行っております。本事業は、県と福岡地方検察庁が協力して行う全国初の取り組みでございます。相談支援体制としましては、薬務課に相談支援コーディネーターを三名配置しております。
     事業内容でございますが、検察庁から本人の同意を得られた初犯者情報を得て、コーディネーターが拘置所等に出向きまして、面談を行い、支援計画を策定しております。釈放後に、精神保健福祉センター、医療機関などの回復プログラム等実施機関を紹介し、初回利用時にはコーディネーターが同行しております。必要に応じて、回復支援施設や自助グループの紹介を行うほか、社会復帰に向けては、就労、住居等の支援を行う福祉関連支援機関の紹介も行っております。特に困難事例につきましては、昨年九月に県が開設しました再犯防止のための福祉的支援を行います、福岡県立ち直りサポートセンターと連携した支援を行っているところでございます。 274 ◯大塚勝利委員 薬物乱用者に対して、依存症のみならず、そういった生活困窮、社会的孤立など、本人が抱える問題を解決する社会福祉支援は、再犯防止につながる大変重要な取り組みであると思います。所管は福祉労働部でございますので、これに関する質疑はまた改めてさせていただきたいと思っております。  それでは、相談支援のこれまでの実績、何名の方を、回復プログラム、実施施設、医療機関、自助グループ等の回復の機会につなげることができたのか、また、どのような効果が上がっているのか、お答えください。 275 ◯上田薬務課長 事業を開始した平成三十年五月から令和二年二月までに、福岡地方検察庁から情報提供を受けた七十六名の方のうち、精神保健福祉センターや医療機関が実施します回復プログラムを受講した方が十二名、薬物依存症の治療のため医療機関を受診した方が五名、自助グループに参加した方が一名、計十八名を回復の機会につなげることができました。  回復プログラムを受講した方からは、プログラムを受けなければ再び薬物を使い、社会復帰ができていなかったと思う、薬物を使いたくなるときもあるが気持ちを抑えられている、薬物の誘いを断ることができたなどといった声をいただいており、回復に向けた効果が上がっていると考えております。 276 ◯大塚勝利委員 まだ始まった事業でございますのであれなんですけども、やはり釈放後に、同意を得た方をいかに回復の機会につなげることができるかが重要であると考えております。本事業に取り組む中で見えてきた課題はあるのか、また、今後どのように対応していくのか、お答えください。 277 ◯上田薬務課長 一つ目の課題としまして、検察庁から県への情報提供について、初犯者の同意が得られないケースが多いという課題がございます。このため、支援内容をわかりやすく解説した資料を検察庁に提供し、初犯者への説明の際に活用いただいているところでございます。  二つ目の課題としまして、支援対象者の中に回復プログラムにつなげられていない人がいるという課題がございます。この理由としましては、回復プログラムは全て平日の昼間に開催されているため、平日昼間に仕事をしている対象者の方が参加することが困難であることや、また、口頭や書面による回復プログラムの紹介だけでは内容をイメージしにくいというところが上げられます。このため、令和二年度から新たに、平日夜間または休日に回復プログラムを開催することや、内容を理解し参加意欲が高まるように、釈放された段階でコーディネーターなどが出向いて個別に回復プログラムを体験させる事業を予定しております。これらにより回復プログラムの受講者をふやしていきたいと考えております。 278 ◯大塚勝利委員 受診者向上をよろしくお願いいたします。  本県では、これまでさまざまな機関や団体が薬物乱用防止に取り組まれていますが、なかなか薬物再乱用者は減少していないのが現状です。これまで薬物乱用については社会全体で、「ダメ。ゼッタイ。」などのイメージに象徴されるように啓発し続けてきました。確かに薬物乱用は犯罪であり、流通させないための必要な広報ではあります。しかしながら、そうした広報による薬物依存に対する社会のイメージが、本人や家族をより苦しめ、かえってさまざまな支援から遠ざけてしまう現実があるのではないでしょうか。  薬物依存症患者の手記を読むと、依存症は病気であるとわかったら肩の力がすっと抜けていった、それまで周りに誰も回復するためにどうしたらいいか教えてくれる人がいなかった等々、患者にとって必要なのは叱責や反省ではなく、治療あるいは専門的な支援につなげることであると思います。薬物依存は病気であり治療が必要という視点、依存症になっても治療の道、回復の道が用意されていることを広めていくことが重要ではないでしょうか。  そこで質問です。まず、薬物依存症患者やその家族に対する相談体制はどのようになっているのか。どのような方から、どのくらいの相談を受け、どのような支援を行っているのか、お答えください。 279 ◯井上順吾委員長 重松こころの健康づくり推進室長。 280 ◯重松こころの健康づくり推進室長 本県では、福岡県精神保健福祉センター、それから九カ所の保健福祉事務所におきまして、医師や保健師等が相談に応じております。その内容は、依存症本人やその御家族から、病院を紹介してほしいであるとか、刑務所での刑期を終えた後に回復支援をしてほしいなどの相談があっておりまして、平成三十年度の相談件数は、電話で延べ四百九十九件、それから面接で五十九件となっております。  それから、相談者に対しましては、治療を実施できる医療機関や自助グループ等の情報を提供するなどの支援のほか、精神保健福祉センターでは、家族教室や回復プログラムといったものを実施しております。 281 ◯大塚勝利委員 それでは、薬物依存症患者を治療する体制は整っているのか、お答えください。 282 ◯重松こころの健康づくり推進室長 本県では昨年九月から、国が指定する研修を受講した医師の配置などの要件を満たした医療機関を依存症専門医療機関として選定をしてきておりまして、現在、薬物依存症の専門医療機関に関しましては十一の医療機関を選定いたしております。  しかしながら、地域偏在が見られますことから、より身近な地域で治療を受けることができるよう、選定要件となります研修を県内で実施し、受講しやすくすることなどによりまして、この専門医療機関をふやしていきたいと考えております。 283 ◯大塚勝利委員 ぜひ、相談から治療への誘導をお願いしたいと思っております。  また、先ほど来申しておりますけれども、薬物依存症患者を相談、治療につなげるためには、相談支援機関の情報提供とともに、家族だけでも相談できること、そして薬物依存は病であり、治療、回復できるとのメッセージを広報すべきと考えますが、いかがでしょうか。 284 ◯重松こころの健康づくり推進室長 県のホームページにおきましては、現在、精神保健福祉センターや各保健福祉事務所におきまして、依存症者本人や家族からの相談ができることのほか、家族教室や回復プログラムについて案内をしているところでございます。  委員御指摘のとおり、薬物依存が病気であり、治療、回復できること、こういった依存症に関する正しい知識をより積極的に普及させることが大事だと考えております。このため、ホームページの掲載内容を見直しまして、依存症に悩む方が知りたい情報を検索しやすいように工夫するほか、精神保健に関する研修会や講演会の機会を通じまして、広報、啓発に取り組んでまいります。 285 ◯大塚勝利委員 ぜひ、「薬物乱用 福岡県」と検索すれば、部や課を越えて、相談支援機関、医療機関、社会復帰支援の取り組みが一覧でわかるような広報を要望しておきます。  最後に、部長にお話を伺います。本県では薬物乱用防止の取り組みとして、取り締まり強化は当然ですが、まずは薬物を使用させない、若年層を中心とした啓発の強化、また、覚醒剤事犯の再犯率が高いことを踏まえて、県と関係機関が連携し、薬物乱用者に対して治療回復プログラムの着実な実施及び社会復帰支援までの支援体制をこれまで以上に充実、強化していくことが必要です。薬物乱用防止減少へどのように取り組むのか、部長から決意をお願いいたします。 286 ◯井上順吾委員長 大森保健医療介護部長。 287 ◯大森保健医療介護部長 薬物乱用防止についてでございますが、若年層を中心とした大麻事犯の増加、それから覚醒剤事犯再犯者率が非常に高いこと、これにつきましては大変憂慮すべきことであると考えております。  大麻事犯の増加につきましては、有害性に対する認識が十分でないことが挙jげられますことから、学校等で薬物乱用防止教室といった教室におきまして、大麻乱用の危険性、有害性をしっかり伝えていくことが重要だと考えております。  また、それに加えまして、若年層の情報ツールとして進んでおりますSNSを活用した啓発によりまして、若年層を意識した取り組みを一層推進してまいりたいと考えております。  また、覚醒剤事犯の再犯者率が高いことへの対策としましては、県がやっております薬物再乱用対策推進事業で初犯者を、回復プログラム等実施機関、それから回復支援機関、自助グループにいかにつないでいくか、多くつなげるように今後も工夫に努めてまいりたいと考えております。  また、薬物依存症からの回復支援についても、これまで以上に広報に努めまして、依存症に悩む方からの相談をお受けしながら、治療支援体制も充実した上で、関係団体とも連携をしっかりとりながら、これまで以上に取り組みを進めてまいりたいと考えております。こういう取り組みを通じまして、薬物乱用のない社会づくりを目指してまいりたいと考えております。 288 ◯大塚勝利委員 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) 289 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。神崎聡委員。 290 ◯神崎 聡委員 こんにちは。緑友会の神崎聡です。  早いもので議員になりまして十年目を迎えようとしております。初当選のときは、希望を胸にこの議会に参りましたけれども、いつの間にか、脂肪を腹に来るようになりました。これじゃいかんということでダイエットを試みたところでありますが、元気で長生きすることは誰しも願っていることだと思います。健康上に問題がなく日常生活を送れる期間とされる健康寿命を延ばすために、どうすればいいのかと。そこで、本日は健康づくりについて、特に食生活の改善の取り組みを中心に質問したいと思います。  我が会派の代表質問で、健康づくり県民運動について、二月五日から開始しましたスマートフォンアプリ、ふくおか健康ポイントアプリの取り組みを質問しましたが、私も早速利用しております。子供から高齢者までのあらゆる世代や男女の性別にかかわらず、みずからの健康をみずから意識して取り組んでいくことが何よりも大切だと思います。私の場合、五十を過ぎたあたりから体重がふえまして、太り出したんですが、先ほど申しましたとおり、何度もダイエットを試みたんですが、結局リバウンドしてうまくいきませんでした。  そこで、まず、中高年が太り出す原因と、どのようなリスクが発生するのかをお聞かせください。 291 ◯井上順吾委員長 大群健康増進課長。 292 ◯大群健康増進課長 中高年、加齢に伴って太り出す原因ですが、特段の活動を行わなくても必要となるエネルギー量である基礎代謝量が年齢とともに低下するということで、エネルギーの必要量がまず低下いたします。このため、若いころと同様の食事量をとる食生活を送りますと、結果として摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り、太る原因になると考えられています。  また、太ることによるリスクですが、太ることにより体脂肪が過剰に蓄積いたしますと、いわゆる肥満の状態になります。特に肥満の中でも、内臓に多くの脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満は、糖尿病や脂質異常症、高血圧症、心血管疾患などの生活習慣病を初め数多くの疾患の要因になると言われております。 293 ◯神崎 聡委員 私も、今課長がおっしゃられましたように、中年になりますと基礎代謝が落ちて、これは太るのは仕方ないのかなと諦めていたんですが、厚生労働省の生活習慣病予防のための健康情報サイトe─ヘルスネットというのがありまして、ここには日本人の基礎代謝基準値という表がありまして、これを見て意外な事実を知りました。  それによりますと、標準的な体格の人の場合、男性の基礎代謝量は、ピーク時は十五歳から十七歳で、一日千六百十キロカロリー、それが三十から四十歳で千五百三十キロカロリーを維持しますが、五十から六十九歳になりますと千四百キロカロリーになります。また、女性の基礎代謝量のピークは十二歳から十四歳で一日千四百十キロカロリー、それが徐々に落ちて、五十から六十九歳になると千百キロカロリーになります。  つまり、五十代から六十代になると、ピーク時に比べて基礎代謝量が、男性では二百十キロカロリー、女性では三百十キロカロリー落ちることになりますが、御飯一杯分のカロリーは、普通盛りで百四十グラムで、二百三十五キロカロリーですから、基礎代謝量は、若いときに比べても御飯一杯分ぐらいしか落ちないということになるようです。したがって、私が太ってしまった原因は、基礎代謝量が落ちたということよりも、要は食べ過ぎ、飲み過ぎだったことが、この厚生労働省のe─ヘルスネットでわかりました。  そこで、課長にお尋ねしたいんですが、理想的なバランスのよい食事とはどういうものでしょうか。お答えいただけますか。 294 ◯大群健康増進課長 肥満や生活習慣病を予防するための理想的なバランスのよい食事でございますが、これはエネルギーの収支にまず配慮しながら、たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルなどの無機質といった五大栄養素を過不足なく摂取できる食事であって、さらに食塩摂取量も一定以下に抑えられているという食事であろうと考えております。 295 ◯神崎 聡委員 私たち日本人は日ごろから和食を食べます。一汁三菜という言葉がありますけれども、和食は一食で五大栄養素が補えるので、理想的なバランスのよい食事だと言われております。  ところで、課長、この和食には「まごわやさしい」という言葉がありますが、これを御存じでしょうか。実は、ことし五月には私の長女の出産予定がありまして、私にとりまして初孫ということになるんですけれども、この「まごわやさしい」という食事とはどのようなものか、お答えいただきたいと思います。 296 ◯大群健康増進課長 「まごわやさしい」という言葉ですが、これは和食に使用される食事の頭文字をとったものでございます。「ま」は豆類、「ご」はゴマ、「わ」はワカメなどの海藻類、「や」は野菜、「さ」は魚、「し」はシイタケなどのキノコ類、「い」は芋類を指しています。これら「まごわやさしい」の食材は、エネルギー源となる炭水化物、体をつくるたんぱく質、体の調子を整えるビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれている食材でありまして、これらをうまく活用することは、理想的なバランスのよい食事の摂取につながるものと考えられています。 297 ◯神崎 聡委員 「まごわやさしい」、和食は理想的なバランスのよい食事ということを具体的に説明していただきました。  ところで、中年の肥満や生活習慣病とは対照的に、高齢者の間では低栄養が健康上の大きな問題となっています。高齢者は風邪をこじらせて肺炎となり、肺炎が原因で死亡することもあります。一般質問でも取り上げましたけれども、今、新型コロナウイルスの発生により、我が国は大変憂慮すべき事態になっています。肺炎で亡くなる高齢者もおられるのも承知のとおりです。まだワクチンも開発されていなくて、治療薬もありませんから、やはり免疫力を高めていくことが大事だと考えます。  免疫力を低下させないためには、適度に運動し、よく寝ること、そして日光浴、太陽に当たること、そして食事をしっかりとることだと思います。ほかには何かありますか。 298 ◯大群健康増進課長 委員がおっしゃったとおり、食事をしっかりとることということがございます。それにあわせまして、先ほど申しました栄養のバランスのよい食事をとっていただくよう心がけることが挙げられます。一方、喫煙あるいは過度な飲酒などは逆に免疫力を下げる要因になると考えられています。 299 ◯神崎 聡委員 私の地域は高齢化率が非常に高くて、敬老会には多くの高齢者の方が来られます。そこで来賓の挨拶をさせていただく機会もあるんですけども、そのときに私、「一に健康、二に健康、三、四がなくて、五に健康、健康のためなら命は要らない」と、そういう笑いを誘うような挨拶をさせていただくんですが、そうなんです、笑い、笑顔が免疫力を高めていくと思うんです。よく寝て、よく食べ、よく笑う、これなんだと思います。  課長のほうから、栄養バランスのよい食事を心がけることが重要とのことでしたが、それでは、バランスのよい食事を県民の皆さんに行っていただくために、どのようなことに取り組んでいるのか、お尋ねいたします。 300 ◯大群健康増進課長 これまで県では、六月の食育月間、十一月の食育・地産地消月間におけるキャンペーンなどを通じまして、県民に直接、栄養バランスのよい食事の摂取などについて働きかけを行ってまいりましたほか、野菜たっぷり、塩分・カロリー控え目なヘルシーメニューを提供するお店を、食の健康サポート店として登録、公表し、その利用を広く県民の皆様に呼びかけてきたところでございます。  また、今年度は、こういったヘルシーメニューの一層の普及を図るため、県民の皆様から広くヘルシーメニューのレシピを募集いたしまして、チャレンジ!レシピコンクールを開催したところです。  さらには、食事バランスや野菜、塩分の摂取などの取り組みについて、毎日健康記録をつけていただき、それを一覧で確認できる機能を搭載したふくおか健康ポイントアプリを二月に公開したところでございます。  このような取り組みを通じまして、県民の皆様にバランスのよい食事について働きかけをしてきたところでございます。 301 ◯神崎 聡委員 レシピコンクールを開催したとのことでありますけれども、どのようなレシピを募集して、どうやってその順位を決めたのか、お尋ねいたします。 302 ◯大群健康増進課長 チャレンジ!レシピコンクールでは、野菜たっぷり、塩分・カロリー控え目な、生活習慣病の予防に資するレシピについて、高校生・学生の方、それと一般の方を対象に募集を行いました。それともう一つ、一般の方を対象に、高たんぱくで、高齢者に不足しがちな栄養素がとれ、高齢者が食べやすいフレイル予防に関するレシピを募集いたしました。  コンクールについては、まず一次審査として、県と県の栄養士会で書面審査を行いまして、先ほどの三つの募集区分ごとに、それぞれ上位六組、計十八組を予選通過者として選定いたしました。そして、昨年十一月に中村学園大学で、これら選定した十八組の方に来ていただきまして、実際に料理をつくっていただき、審査員がそれを試食して審査し、三つの募集区分ごとにそれぞれ一位から三位の作品を選定したところでございます。 303 ◯神崎 聡委員 なかなかおもしろい取り組みだなと思います。ただ、単にこのコンクールを開催して、優秀なレシピを選定しただけでは意味がないのではないでしょうか。目的は、バランスのよい食事を県民の皆さんに行っていただくためだと思うんですが、この点について今後どのように取り組んでいこうと考えているのか、お聞かせください。 304 ◯大群健康増進課長 このレシピコンクールの受賞作品につきましては、まずレシピカードを作成し、県民運動専用の情報発信サイトで公開をしています。今後、食育のキャンペーンなどを通じまして、広く県民の皆様に配布していくこととしております。  また、次年度には、県内の各市町村にございます食生活改善推進会において、このレシピカードを使って、実際に県民向けの料理教室を開催していただきます。こういったことを通じて、各家庭への浸透を図っていきたいと考えております。 305 ◯神崎 聡委員 しっかり普及を図っていただくように要望いたします。  では最後に、今回、食生活改善の取り組みを中心に聞かせていただきましたが、冒頭に触れましたふくおか健康ポイントアプリは、県内六十市町村のランキングを見ますと、二月は私が在住しております添田町が一位で、三月もトップを維持しているようであります。ちなみに、私も登録しているんですが、先月二月十五日に、JR日田彦山線の復旧ウオーキングというのがありまして、歓遊舎ひこさん駅から筑前岩屋駅まで約十四キロ歩いてまいりました。  我が会派の代表質問では、本年度中に登録数は十万件を目指すという答弁でありました。これはなかなか厳しい高い目標を設定していると思います。大丈夫でしょうか。健康づくり県民運動を展開していく上で、県民の皆さんにとって非常に身近な取り組みですので、達成に向けた部長の決意を聞かせていただきたいと思います。 306 ◯井上順吾委員長 大森保健医療介護部長。 307 ◯大森保健医療介護部長 ふくおか健康ポイントアプリの普及についてでございますが、このアプリは、県民の皆さん一人一人が、自身の健康づくりの取り組みを見える化することにより、その取り組み意欲を高めることを狙いとしております。このアプリの活用によって、多くの県民の皆さんが、健康づくり県民運動の三つの柱であります健診受診率の向上、食生活の改善、そして運動習慣の定着、この取り組みを楽しみながら継続していくことを期待しているところでございます。  県ではこれまで、このアプリにつきまして、新聞広告、それからQRコードを掲載した福岡県だよりやチラシなどを配布いたしまして、登録しやすいような取り組みも進めてまいりました。また、健康づくり県民会議の構成団体、それから健康づくりの連携協定を締結する企業などの協力も得ながら、現在約七千名の方に登録をいただいております。今後、今までの取り組みに加えまして、県市町村各種団体が行います健康づくり、または地域おこしなどのイベントの機会を活用しまして、私どものほうから直接、県民の皆さんにアプリの登録について働きかけるなど、本年の十二月末までに十万人の目標に向けて、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 308 ◯神崎 聡委員 どうもありがとうございました。(拍手) 309 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。高瀬菜穂子委員。 310 ◯高瀬菜穂子委員 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。  初めに、新型コロナウイルス対策について伺います。  三月十日に行われた参議院予算委員会の公聴会で、政府の感染症対策本部の専門家会議副座長の尾身茂氏は、現在の国内の感染状況について、爆発的な感染拡大に進んでおらず、一定程度持ちこたえているとの認識を示しました。その上で、今後の課題として、クラスターの早期発見とその連鎖を早く摘むこと、手いっぱいになっている保健所の帰国者・接触者相談センターの機能の強化、医療提供体制の充実を上げられました。  もう一人の公述人、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏は、どうやってこの病気のエグジットをしていくか、病気の姿を正直に社会と共有することと述べ、病気の全体像を明らかにすることが終息への道であり、そのためには遺伝子検査を十分に行うことの重要性を指摘しました。無症状の方、軽い方まできっちり診断していかないと、この病気の本当の姿は見えないと発言をされています。  医療体制の強化とPCR検査の拡充は、病気の全体像をつかみ、終息させる上で重要な課題だと考えます。  本県でも、先日の委員会で報告された件数、相談件数は一万七千八百八十件、三月五日現在です。これに対し、PCR検査は三月九日現在で四百五十一件となっておりまして、大きな乖離があるわけです。国が示した三十七・五度が四日間、高齢者や疾患がある場合は二日などの目安が、結果として必要な検査を絞っているのではないでしょうか。真面目な人は四日間様子を見てからしか電話をしないでしょうし、そもそも軽症者は問い合わせていないということも考えられます。  この目安については、検査体制や感染者を受け入れる病床数などのキャパに合わせたものと言われています。これによって、結果的に検査数を絞り、感染者を見逃す危険性について、どう考えられますでしょうか。高齢者などは、一日でも発熱があれば問い合わせ、診察・検査を受けられるようにすべきではないかと考えますが、見解を伺います。 311 ◯井上順吾委員長 佐野がん感染症疾病対策課長。 312 ◯佐野がん感染症疾病対策課長 御指摘されました目安につきましては、県民の方が感染を心配して相談いただくときの目安でありまして、検査の対象とするものではありません。相談の目安に該当しない方でありましても、高齢者や基礎疾患のある方につきましては特に留意しつつ、相談者の状況を踏まえ判断し、帰国者・接触者外来につなぐこととしております。  PCR検査につきましては、帰国者・接触者外来におきまして、医師が新型コロナウイルス感染症疑いと診断した場合に保健所に相談することとしておりまして、適切に実施しております。 313 ◯高瀬菜穂子委員 柔軟に対応している、適切に対応している。それはもうそのとおりだと思っております。  私が問題にしたいのは、帰国者・接触者外来に行く前の段階です。保健所等での相談の段階で、この目安というのがあって、必要な検査につながらない例が発生しているのではないかということです。一般質問でも紹介しましたように、一般病院から保健所に問い合わせても、様子を見てということが県内でも起こっております。  さきに紹介をした上氏は、必要な検査を行い、陰性・陽性を確認することが安心につながると、その重要性を指摘されました。また、尾身茂氏は、目安について、PCR検査のキャパシティーという現実的な問題も当然考慮しましたと発言されておりまして、やはり目安はキャパとの関係でつくられたと思うんです。ですから、検査体制を充実させて、感染者を受け入れる病床体制も充実させて、この目安自体も見直していただきたいということを申し上げておきたいと思います。  そこで、本県における検査体制について、また、県内六十六床の感染症病床の拡充について、見解を伺いたいと思います。 314 ◯佐野がん感染症疾病対策課長 検査体制につきましては本県では三月五日に、福岡県保健環境研究所にリアルタイムPCRを一台増設しまして、検査体制の強化を行ったところであります。これによりまして、現在一日当たり最大百六十件の検査件数が二百件程度となります。  また、感染症病床の拡充につきましては、今後、国内で患者数が大幅にふえたときに備えまして、重症者対策を中心としました医療提供体制を整えるため、今月一日に、行政、医師会、大学病院等の病院長による会議を開催しまして、翌二日には新型インフルエンザが発生した際の協力医療機関に対しまして、患者受け入れの協力と、その事前準備を要請したところであります。  また、今回、さきの予備費また補正予算等におきまして、この検査体制、また医療体制の拡充に補正を行っているところでございます。 315 ◯高瀬菜穂子委員 対応していただいているということは十分承知をしておりますが、愛知県などでは病床もかなり埋まってきているというふうにも聞いております。本県の基準病床数が六十六床となっており、もちろんこれは確保されているわけですけれども、感染者がふえれば埋まる数ではないかと思いますし、今回のクルーズ船などの例を見ると、国内の受け入れ体制自体、見直す必要があるのではないかと感じております。今、さまざま受け入れ拡充の努力をされているということですけれども、基準病床数自体の見直しも、国と一緒になって検討すべきではないかということを指摘しておきたいと思います。  和歌山県が目安にこだわらず検査を行いまして、成果を上げているとの報道がありました。シンガポールの首相は、十七年前のSARSの大流行の後、感染症の対応を充実させて、マスク、個人用保護具も十分備蓄されていますと、研究機関も充実していますと、国民向けにスピーチし、安心感を呼んでいると注目されております。韓国でもSARSの後、検査体制を大幅に充実したと伝えられております。  厚労省は、二〇一〇年の新型インフルエンザ流行の後、その対策を検証する会議において、地方衛生研の職員の体制強化が必要などの総括を行っております。本県ではSARS以降、どのような対策がとられてきたのか、お伺いします。 316 ◯佐野がん感染症疾病対策課長 SARSが流行したことを受けまして、まず一類感染症の患者を搬送するための車両を購入し、感染症患者の搬送体制を整備いたしました。この車両を利用し、毎年度、エボラ出血熱等が発生した場合を想定しました感染症指定医療機関への搬送訓練を実施しております。  また、過去、新型インフルエンザが流行したことを踏まえまして、本県では新型インフルエンザ等対策行動計画を策定しまして、帰国者・接触者外来、入院協力医療機関の整備、抗インフルエンザ薬の備蓄を行うとともに、訓練も実施しております。  さらに、この新型インフルエンザの流行を受けまして、帰国者・接触者外来、入院協力医療機関に対しまして、個人防護具や簡易陰圧装置の整備に対して、過去補正を行っております。また、昨年度から、帰国者・接触者外来医療機関に対しましては、マスクなどの個人防護具の購入費について補助を再開し、支援を行っているところです。  また今般、新型コロナウイルス感染症の発生を受けまして、帰国者・接触者外来、感染症指定医療機関、また入院協力機関に対しまして、先ほどもお話ししましたけれども予備費の補正予算をつけまして、こういった施設整備等の補正を行っております。また、検査体制の強化につきましても、保健環境研究所の検査機器の導入といったことも行っております。 317 ◯高瀬菜穂子委員 充実をしてきたとのことでございます。今回の新型コロナウイルス対策についても検証して、今後もさらなる充実を行っていただきたいと思います。  先ほど指摘したんですが、厚労省は、体制強化が必要だと総括した地方衛生研、福岡県では保健環境研究所ですけれども、地方衛生研究所に対して行っている科学院の五年ごとのアンケート調査によりますと、一カ所当たりの予算総額、常勤・非常勤職員の数は大きく減っており、二〇一三年のアンケートでは、人員が不足しているという回答が七割を超えていて、特に検査能力のある職員の不足が年々深刻というふうにあります。  本県の保健環境研究所の体制については強化されてきたのか、どのような対応をされているのか伺います。  あわせて保健所についても、保健所はPCR検査要請の窓口、市民相談の窓口、PCR検査の検体をとりに行って研究所に運ぶ、陽性となった方が出た場合、入院の措置、濃厚接触者に連絡をとって毎日行動確認をするなど、多岐にわたる仕事を担っております。この保健所についてもどのような対応をされているのか、お答えください。 318 ◯井上順吾委員長 近藤保健医療介護総務課長。
    319 ◯近藤保健医療介護総務課長 県の保健環境研究所におきましては、当研究所の職員に加えまして、他の事務所に在籍していますPCR検査業務の経験者も含めまして、検査体制のローテーションを組んでおります。現時点では、当研究所において対応できる件数を超えているという状況ではございませんで、適切に対応しているところでございます。  また、北九州市、福岡市の保健環境研究所との間では、検査件数が一カ所に集中した場合にはお互いに支援していくということを取り決めているところでございます。  各保健所におきます新型コロナウイルスに関する相談等につきましては、担当係以外の保健所内の職員も協力をいたしまして、保健所全体で相談を受ける体制を整えているところでございます。相談件数は、それぞれ違いはございますが、いずれの保健所におきましても適切に対応をしているところでございます。  今後とも、各保健所、保健環境研究所におきまして、新型コロナウイルスの感染拡大の防止のために、適切な相談や検査の実施に努めてまいります。 320 ◯高瀬菜穂子委員 さきの尾身茂氏は、特に保健所の体制強化を緊急課題とされていました。全国的には大変なところがかなりあると思っております。今後、感染者がもしもふえた場合には、その業務量は膨大となります。飲食店などへの衛生検査など、通常の業務もある中で、気の抜けないコロナ対策の最前線を保健所が担うことになりますので、必要に応じて体制強化をしていただくようにお願いをいたします。  本県では、一九九六年に二十一保健所から十三保健所に、二〇〇九年に十三保健所から九保健所に統合が進められました。二十一保健所のときの職員体制は、人事課にお聞きしましたら、八百一人ということでした。現在の保健福祉環境事務所の職員のうち、福祉関係職員を除くと、数えましたところ五百人超ではないかと思うんですね。そうしますと、この間、環境行政関係の職員も増員されていますから、保健関係の職員というのはかなり減っているのではないかと推察をいたします。感染症対策を考慮しても、今後、保健環境研究所及び保健所の予算や人員の削減が行われることがないよう強く要望しておきたいと思います。  次に、国民健康保険について伺います。  一般質問で、新型コロナウイルス対策として、国保の資格証明書を短期保険証として取り扱う通知の徹底をお願いいたしました。知事は、徹底はホームページで行うと答弁をされたんですけれども、資格証明書の方というのは、窓口が十割負担で、なかなか病院に行かれません。よって手おくれ死亡事例も資格証明書の方が多いですね。こういう方に、本人にわかるように、ぜひとも通知していただくように、改めてお願いをしたいと思います。  さて、国保は、言うまでもなく、国民皆保険制度を支える最後のセーフティーネットであり、払える保険料税にして、無保険者をなくすことが求められると思います。先日、二〇二〇年度の国保事業費納付金及び標準保険料率の発表がされましたが、一人当たりの納付金は、基準年の二〇一六年比で七・一%も上げられました。三年間は負担が基準年度を超えないようにするという市町村との約束は、三年目については守られないということになりました。大変遺憾であります。  納付金が上がるということは、市町村の保険料税の引き上げにつながるのではないかと危惧をいたしますが、この点について県の見解を伺います。 321 ◯井上順吾委員長 兵頭医療保険課長。 322 ◯兵頭医療保険課長 令和二年度以降の納付金のあり方につきましては、これまで市町村と協議を重ね、医療費や介護納付金など、保険給付費等の伸びを納付金に反映させて算定することとしたところでございます。これによりまして算定をいたしました令和二年度の納付金につきましては、基準年度である平成二十八年度からの四年間で、被保険者一人当たりの伸び率が県平均で七・一%増となりました。  各市町村の状況を見ますと、負担が増加する団体がある一方で、減少する団体もあり、負担が大きく増加をした団体につきましては激変緩和の措置を行ったところでございます。  来年度の市町村の保険料率につきましては、それぞれの市町村の納付金の伸びでありますとか、保険事業の取り組みに加えまして、財政状況などを考慮して、それぞれの市町村で判断されるものと考えております。 323 ◯高瀬菜穂子委員 市町村で判断をするのですけれども、県での納付金がふえれば、当然、保険料を上げる自治体がふえるのではないでしょうか。  本県はこの間、激変緩和に努力してこられました。全国的には昨年度既に引き上げた自治体は多いです。新年度は県内でも、既に引き上げを発表しているところがあります。その理由というのは、県が納付金の引き上げを行おうとしているということ、そして国が六年間で一般会計からの法定外繰り入れを解消するよう指導していること、このことが大きな理由なんです。  ここで、県内市町村の法定外繰入額の推移について資料をお願いしておりますので、委員長お取り計らいをお願いいたします。 324 ◯井上順吾委員長 お諮りいたします。  ただいま高瀬委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 325 ◯井上順吾委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま高瀬委員から要求がありました資料については提出できますか。 326 ◯兵頭医療保険課長 直ちに提出いたします。 327 ◯井上順吾委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 328 ◯井上順吾委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 329 ◯井上順吾委員長 資料が配付されましたので、高瀬委員、質疑を行ってください。 330 ◯高瀬菜穂子委員 もう資料の説明は結構です。  法定外繰り入れは、財政が厳しい中でも高過ぎる保険料を抑えようと各自治体が努力して予算措置してきたものです。それが国の強力な指導によって、全国的には三千四百六十八億円であったものが千二百五十八億円に、三分の一程度に減りました。本県でも、今、配っていただいた資料にありますように、五年間で半減しているんですよね。  この法定外繰り入れについて、県はどのような認識をお持ちなのか、伺います。 331 ◯兵頭医療保険課長 国保の財政を安定的に運営していくためには、会計上収支が均衡していくことが重要であると考えております。しかしながら、県内の多くの市町村で、決算補填等を目的とした法定外の繰り入れや繰り上げ充用が行われており、これらの市町村は、法定外繰り入れ等の解消や削減に取り組むことにより、財政収支の改善を図る必要がございます。  県といたしましては、それぞれの市町村の実態を踏まえ、市町村と十分協議をしながら、きめ細かな助言を行っているところでございます。 332 ◯高瀬菜穂子委員 財政収支の改善はもちろん重要ですけれども、しかし、これほど国保財政が苦しくなったのは、低所得者が多いことなど国保の持つ構造的な問題に加え、国からの公費投入が大幅に減らされたことにあります。国は、都道府県単位化に伴って三千四百億円の公費投入を行いましたが、結局、国の強力な指導により、法定外繰り入れの解消に使われ、低所得者・高齢者が多く医療給付費が高いという国保の構造的問題の解決にはなっていないわけです。  その上、国の財政支援の中に保険者努力支援制度というのをつくって、二〇二〇年度から、これにペナルティー措置を導入することにしました。法定外繰り入れを続けていると減点になって、交付金を減らす仕組みです。二〇年度は、都道府県でこの対象になったのは、茨城、東京、福岡の一都二県です。  この制度は余りにひど過ぎるんじゃないでしょうか。法定外繰り入れは、市町村が自主的に、高過ぎる保険料を抑制するために行ってきたものです。交付金を減らすという形で自治体を競わせるやり方は許しがたいと思います。この制度の撤回を求めていただきたい。  こうしたやり方ではなく、全国知事会、本県もたびたび要請しているように、一兆円規模の公費投入こそ行うべきだと思います。見解を伺います。 333 ◯兵頭医療保険課長 国保におきましては高齢者の割合が高く、医療費水準が高くなる一方で、低所得者や無職者の割合が高いことから、保険料収入が得にくいといった構造となっています。平成二十七年度以降、公費拡充が行われているものの、依然として国保財政は厳しいものがあると認識をしております。  このため、将来的な医療費の増嵩に耐え得る国保財政基盤の確立が図られるよう、国の定率負担の引き上げなど、さまざまな財政支援について、全国知事会及び本県としても国に対して要望しているところでございます。今後も、全国知事会など、あらゆる機会を活用いたしまして国に働きかけてまいりたいと思います。 334 ◯高瀬菜穂子委員 終わります。(拍手) 335 ◯井上順吾委員長 この際、しばらく休憩します。再開は午後四時四十分といたします。    午 後 四 時 二 十 八 分 休 憩    午 後 四 時 四 十 分 再 開 336 ◯井上順吾委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  委員各位に申し上げます。本日の審査は午後五時までを予定しておりましたが、議事の都合により、このまま続行させていただきます。よろしくお願いいたします。  第三款保健費について、ほかに質疑はありませんか。古川忠委員。 337 ◯古川 忠委員 それでは、三款の五項地域介護総合確保事業について質問させていただきます。そのうち、特に外国人の介護人材の確保についてお伺いしたいと思います。  御承知のとおり、介護現場では介護人材が大変不足していまして、いろいろ私もお話を聞いていますが、大変深刻な状況になっております。そういう中で、従来は外国人の研修制度、また途中からEPAにも入りました。そして昨年四月には特定技能ということで、趣旨は違いますけども、まさに人材不足を補うというような政策が始まったばかり、ちょうど一年になりますが、まずは最初に、この四つの制度について、福岡県内の現状について御説明願いたいと思います。 338 ◯井上順吾委員長 橋本介護人材確保対策室長。 339 ◯橋本介護人材確保対策室長 まず、経済連携協定、EPAに基づきます介護福祉士候補者につきましては、県内の介護施設で、平成二十一年度から本年度までの間に百十二名を受け入れております。現時点では八十五名おられます。  次に、県内の介護福祉士養成施設で資格取得を目指します外国人留学生は年々増加をしておりまして、昨年六月現在で百五十五名であります。  また、在留資格の介護を取得しまして介護業務に従事しております在留外国人は、本県においては昨年六月末現在で二十二名でございます。  また、介護の技能実習生につきましては、昨年十二月末までに、外国人技能実習機構により認定された計画のうち、県内での受け入れは百三十一施設で二百九十六名でございます。  なお、昨年四月に創設されました在留資格、特定技能による県内介護施設等での受け入れは、昨年十二月末現在ございません。  以上でございます。 340 ◯古川 忠委員 昨年の予算書を見ますと、外国人実習生の受け入れで特に県が主体的にやっているのは、外国人留学生参入促進、外国人留学生への奨学金等の支給に関する支援、また、外国人留学生受け入れ支援の協議会を設置するとなっていますが、新年度の予算はどうなっていますか。 341 ◯橋本介護人材確保対策室長 新年度の予算でございます。外国人介護人材を受け入れるための環境整備に要する経費の助成が一つと、県内の介護福祉士養成施設に留学生を留学させまして、県内介護施設等に就職するまでのマッチングを県が一元的に実施する事業の二本を予定しております。  以上でございます。 342 ◯古川 忠委員 先ほどそれぞれの人数の説明がありました。特定技能についてはまだゼロということですが、どういうことが条件で、これがなかなか進まないのでしょうか。 343 ◯橋本介護人材確保対策室長 特定技能については、まず介護技能や日本語能力を試験で確認された上で入国することとなりますけれども、海外での試験実施が三月現在で六カ国に限られております。また、現地において、出国の手続等がなかなかはっきりしていないということもありまして、受け入れが進んでいない状況となっているようでございます。 344 ◯古川 忠委員 それについて、県として何か方策なり政策がありますか。 345 ◯橋本介護人材確保対策室長 特定技能につきましては、国のほうで設定されました新たな在留資格でございます。全国的に見ましても、十二月末現在で特定技能の介護は十九名の受け入れとなっております。ただし、これは全て、先ほど申し上げましたEPAに基づく介護福祉士候補者として入国した方が、介護福祉士試験に合格しなくて、そして試験を免除されまして、在留資格特定技能に移行している方ばかりでございます。  県のほうでということではないんですけれども、今まで試験の拡大というのを、国内では今まで東京・大阪のみで行われていたんですが、ことしの今月からですけれども、全国各地で実施されるようになりました。また、法務省では国内での受験対象者を拡大するように、令和二年四月一日からそういう拡大する方向にあると聞いておりますので、そういった状況を注視してまいりたいと思っております。 346 ◯古川 忠委員 今回の特定技能では十四業種があると思いますが、その中で、国は一応五年間で六万人という目標を立てています。今のお話を聞きましたら、とてもその数に達するのかなと思いますが、県としての目標、その他はありますか。 347 ◯橋本介護人材確保対策室長 県の場合、外国人介護人材を何名というような目標は設定しておりませんけれども、もともと本県の介護職員数については、令和七年度に本県で必要な介護職員数は九万五千人と推計されております。これを満たすための施策ということで、国内人材の確保も考えておりますけれども、特定技能もありますし、また、先ほど申し上げました留学生等の確保ということもあって、そういったことで全体で九万五千人に令和七年度に到達するように進めてまいりたいと考えております。 348 ◯古川 忠委員 一つ例を挙げたいと思います。最近、私の友人で介護施設をしている人が本当に人材不足で困り果てまして、千葉の法人、もう一つどこだったか、福岡の法人、六法人で協会をつくりまして、そして自主制度でもって、ミャンマーから、間もなく二十五人の人材を確保するということをやっているんですが、彼に聞きますと、特定技能、これがなかなか難しいんじゃないかなと。なぜかというと、給与が違うんですね。都市圏にとられてしまうんじゃないかなと。結局は、それだけ優秀な人が来るわけですけども、御存じのとおり東京都市圏と福岡では、いわゆる時給といいましょうか、単価が違います。そうすると、どうしても都市圏に集中してしまうんじゃないかなと、そういうおそれを持っている。ですから、それに頼らずに、自分たちは技能実習制度を使っていくと。そういうことをお話ししておりました。  ですから、これから特定技能を受ける人も出てくるでしょう。その方たちが中央に出ていかないように、せめて福岡に何人かでも引きとめるような政策がぜひ必要だと私は思っております。  それからもう一つは、学生の話がありました。これも今、僕もこれを質問する前に、日曜日にベトナムの留学生何人かに集まっていただいて聞いたんですが、どうも介護については人気がないんですよ。外国人留学生を介護にということを言っていますが、これを今度は事業者側に聞くと、学生はすぐやめてしまう、続かないと。  ですから、これは県はやっているかもしれんけど、実を言うと、去年からこういう制度を県がやっているんですよと言ったんですが、全然知らなかったと。知らないし、それは当てにならないということを彼は言っていたんですが、そういうものに対して、どう思われるか、ぜひお伺いしたいと思います。 349 ◯橋本介護人材確保対策室長 今、委員が御指摘されましたような大都市に特定技能が集中するかもしれないという話は、新聞等で私どもも承知しております。ただ、私ども、先ほどの留学生の話でございますが、昨年六月、大体県内に十五施設ほど介護福祉士の養成施設がございますけれども、ことしの三月に卒業した二十二名がどのようなところに就職しているのかを調査いたしましたところ、そのうちの十九名は県内の介護関係の事業所で働いていると、調査で確認しております。  確かに今、百五十五名もふえてきていますので、今後はもしかしたらそういうことが少し生じる可能性はなきにしもあらずではございますけれども、県といたしましては、今回、介護福祉士を目指す留学生の定着、促進をするために、彼らが介護福祉士として養成施設に入ったときの学費であるとか生活費であるとか、そういったことを、介護施設が奨学金で支援しようという取り組みをされていらっしゃることに対して、令和元年度、今年度からの事業で支援をしております。  また、技能実習生や特定技能の方たちに対しても、今年度から、日本語能力にやはり不安があるということで、日本語の研修を県内四カ所で実施しております。  いろんな施策を図りながら、定着と育成というところに力を入れてまいりたいと考えております。 350 ◯古川 忠委員 二十二人中十九人ですか、これがふえてきたら、どの程度定着していただくかわかりませんが、そのためには、まさに環境整備、これが大変大事ですよね。今おっしゃったような、直接留学生諸君にいろんな形で資金的な援助も含めてやるのももちろん大事です。それから、今まさに外国人の労働者で問題になっているのは、例えばホームシックであったり、いじめであったり、いろいろな問題も生じてくるやに思います。そういうものについてしっかりとケアをしていただきたいと思っているところです。  それで、事業者側に言わせると、何をあなた方にやってほしいかというと、実習生の場合ですけど、受けた場合にはそこに宿舎が要るんですね、住まいが。その住まいの確保の費用が大変だという声があります。なかなか制度的に難しいかもしれませんが、そういうものに対して幾らかでも、何かうまく知恵を絞って援助できる、そういうことをやる必要があるのではないかと私は考えております。  まさに今おっしゃったような人数ですけども、今からさらに介護人材が不足するだろうと思います。どうしてもそういう中で、やっぱり外国人労働者、特に良質な外国人労働者に頼らざるを得ないと。そのためには環境整備もしっかりしていかないといけない。そのことについて、もう一言ありましたら御答弁願いたいと思います。 351 ◯橋本介護人材確保対策室長 先ほどの宿舎といいますか、住まいへの援助のことでございますが、今年度から実施をしております、介護施設が外国人留学生に奨学金を支給する場合の対象に、居住費などの生活費も一部対象になっております。それを活用されて申請されている介護事業者さんが今年度いらっしゃいます。そういったことも活用できます。  それと、環境整備でございます。外国人が介護業務に従事する場合の課題として一番に上げられるのがコミュニケーションですけれども、外国人介護人材の受け入れを検討するに当たって、コミュニケーションとか、文化や風習への配慮等に不安がある、また外国人介護人材に学習支援や生活支援ができる体制が不十分であるといった理由で受け入れができないとされている介護施設等があるやに聞いております。  そこで、令和二年度の先ほど申し上げました当初予算におきまして、外国人介護人材を受け入れるための環境整備に要する経費への助成をお願いしております。その内容といたしまして、対象となる取り組みといたしましては、日本人職員、外国人職員、介護サービス利用者等の相互間のコミュニケーションを支援するための多言語翻訳機の導入でありますとか、外国人介護職員の生活面やメンタルヘルス面などを支えるための取り組みに対して補助をすることを考えております。 352 ◯古川 忠委員 まさに言葉のコミュニケーションですね、言葉が通じないことによって、いろんな意味でストレスがたまっていく、そしてその職業に対して身が入らないといいましょうか、そして嫌になっていく。特に、日本人にとっても大変厳しい介護職ですから、彼らに対して十分なケアをぜひやっていただきたいということを要望しておきます。  そしてまた同時に、今申し上げましたような介護施設の生の声を、ぜひこれからも聞いて政策に反映していただきたいと思っております。  何とか頑張って、介護職員が定着するように。残念ながら外国の介護職員に頼らざるを得ないのが現状ですけども、しようがありませんので、そこをしっかりケアしていただきたい。このことを要望して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) 353 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。塩川秀敏委員。 354 ◯塩川秀敏委員 自民党県議団の塩川秀敏でございます。  通告に従いまして、薬物乱用対策についてただしてまいりたいと思います。  まず、資料要求でございますが、福岡県における覚醒剤及び大麻事犯の検挙者数と、もう一つは薬物乱用防止啓発リーフレットを既に執行部に頼んでおりますので、お取り計らいをよろしくお願いいたします。 355 ◯井上順吾委員長 お諮りいたします。  ただいま塩川委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 356 ◯井上順吾委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま塩川委員から要求がありました資料については、提出できますか。上田薬務課長。 357 ◯上田薬務課長 直ちに提出いたします。 358 ◯井上順吾委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 359 ◯井上順吾委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 360 ◯井上順吾委員長 資料が配付されましたので、塩川委員、質疑を行ってください。 361 ◯塩川秀敏委員 さきに公明党の大塚委員が薬物防止についてされましたので、重なるところは避けてさせていただきたいと思います。大塚委員は社会復帰とか更正が中心でございましたが、私は少年の薬物防止ということに絞ってさせていただきたいと思います。  まず、余りいいことではありませんけど、福岡県は薬物事犯の検挙数が全国でワースト五位と聞いて、大きな問題であると思いますが、そこで、今、配っていただきました福岡県における薬物事犯の検挙者数はどのようになっているのか、資料で説明をしてください。
    362 ◯上田薬務課長 それでは、資料、福岡県における覚醒剤及び大麻事犯の検挙者数に基づいて御説明いたします。  このグラフは、覚醒剤は灰色、大麻は黒色に分けて表示しております。棒グラフは全体の検挙者数で、折れ線グラフは少年つまり十九歳以下の検挙者数を示しております。  グラフよりおわかりのように、覚醒剤事犯による検挙者数は減少傾向にあるものの、令和元年は六百十六人と依然として高い数字になっております。ただし、十九歳以下の少年の検挙者数につきましては大きく減少しており、令和元年は二人となっております。  大麻事犯につきましては、平成二十七年以降増加傾向が見られ、令和元年は二百七十八人と過去最多となっております。また十九歳以下の少年の検挙者数も大幅に増加しており、令和元年は過去最多の四十五人で、このうち高校生は十二人となっております。  その他薬物の検挙者数は、麻薬と向精神薬が合わせて七人、危険ドラッグが一人、シンナーはゼロと少ない状況でございます。 363 ◯塩川秀敏委員 今、説明をしていただきましたように、大麻というのが大きく伸びていると。覚醒剤は、ちょっと減少傾向にありますけれども、まだまだ多い、伸びているということでございます。  私ども、先ほど大塚先生も言われましたけど、平成二十六年十二月に、福岡県薬物の濫用防止に関する条例を制定しました。ちょうど二十四年ごろは危険ドラッグが大きく問題になって、二十六年の二月ごろでしたか、天神でも危険ドラッグの服用者が暴走しまして、いろんな事件が起こっております。  それで、お聞きしたいのは、この条例を制定したことによって、どういう成果があったのか。そしてまた、現在どのような取り組みをしているのか、お聞きしたいと思います。 364 ◯上田薬務課長 委員御指摘のとおり、危険ドラッグにつきましては、平成二十四年ごろから全国的に大きな社会問題となっておりました。条例制定前では、県内でも平成二十四年に危険ドラッグ乱用による救急搬送された方が八十四人おられ、同年三月時点で危険ドラッグ販売業者が県内で十九業者確認されておりました。条例制定後は、危険ドラッグ販売業者がゼロ、また危険ドラッグ乱用による救急搬送者数も平成二十九年にはゼロとなるなど、大きな成果が上がっているところでございます。  県では、販売店舗撲滅後も販売実態調査を行いまして、県内で販売が行われていないことを継続的に確認しております。また、東京都や大阪府など、他の自治体とも広域的に連携しながら情報収集に取り組んでおりまして、麻薬等と同等の有害の薬物を、条例に基づく特定危険薬物に迅速に指定し、販売・使用等を禁止する措置を講じております。なお、これまで条例に基づき指定した物質は八十三物質でございます。 365 ◯塩川秀敏委員 今、説明がありましたけども、条例を制定して、十九あった販売業者がゼロになったと。そして、薬物乱用によって救急搬送された方は八十四がゼロになったと。その後も販売業者がおるかおらんかを点検しているということでございますね。ということは、非常にやっぱり条例制定の効果があったと私は理解したいと思います。  そこで、先ほど説明していただきましたグラフを見て思うんですけども、平成二十九年、三十年と令和元年のところを見ますと、この三年間で、特に十九歳以下という少年の検挙者数ですね、これが覚醒剤は八人でありますけども、大麻の検挙者は合計すると八十七人、三年間で十七、二十五、四十五人と非常に伸びているということです。  私は、そこで質問したいと思いますが、少年の薬物乱用対策として県はどのような取り組みをしているのかと。これを聞きますと、先ほど大塚委員の話にありましたように、薬物乱用防止教室というのが公立学校で一〇〇%行われていると。これで十分だし、そこには薬剤師、保護司等の専門家も行ってやっているということですから、これはもうそれでいいと思うんですが、問題は教師で、教員に対するこういう研修会等はどのようになっているのか、御説明ください。 366 ◯上田薬務課長 教職員に対しましても、薬物乱用等防止教育指導者養成研修会が毎年開催されており、薬物に関する専門的知識を有する教員の育成が行われているところでございます。また、教職員の不祥事防止研修会の中でも、薬物乱用防止が取り上げられているところでございます。 367 ◯塩川秀敏委員 先生に対してもしっかりやっているという中で、私はさきの一般質問をしたわけですが、先生方でもやはりこういう薬物乱用が進んでいて、非常に残念に思うところでございます。  そこで、少年といえば、やっぱりインターネット、SNSの利用だと思いますが、私が新聞を切り抜いてみますと、十四日の新聞でも、まず小倉北署が大麻所持で高校生を逮捕したという記事が載っておりましたし、その前の読売新聞では、大麻で未成年の摘発、前年度から倍増したと。そのうち九州・山口・沖縄は中高生が三割以上おり、こういう若年化というのが進んでいると。昨年の十二月の産経新聞ですけども、大麻、SNSで蔓延と。未成年者摘発はこの五年で七倍にふえていると。しかも、図書館で検索して二時間半後に入手したと、こういうことまで書いてありました。  こういうことからすると、やはり未成年者に対しては、いわゆる十九歳以下に対しては、SNSを使ったインターネットに対する対策、薬物乱用の対策をしっかりしていく必要があると思うんですが、どのような対策を講じておられるのか、お聞かせください。 368 ◯上田薬務課長 未成年を含む若年層が、SNSにおきまして、大麻などの薬物に関する情報と接する機会があるため、昨年度から、大麻乱用防止に特化した啓発動画を制作し、SNSユーザーに配信しているところでございます。  今年度は、十月の麻薬・覚醒剤乱用防止月間に合わせまして、位置情報を活用して、繁華街にいる方、大麻関係のキーワードを検索されたツイッターのユーザーに動画を配信いたしました。また、大麻は海外から持ち帰ることで密輸される場合もあるため、海外旅行をする人が多い年末年始にも、フェイスブック、インスタグラムのユーザーに動画を配信したところでございます。  さらに、この動画広告から県が開設しました薬物乱用防止啓発サイトに誘導する仕組みにし、より啓発効果が上がるよう工夫して取り組んでいるところでございます。 369 ◯塩川秀敏委員 工夫しながらインターネットにおける青少年の薬物乱用防止について取り組んでいるということですが、御存じと思いますけど、青少年のインターネットの不正利用というのは、我々教育に携わった者から見たら、これから大きな問題になると思います。それは、私学振興・青少年育成局の青少年育成課というところが、インターネットの適正利用について精力的に、いろいろな部局との関係の中で取り組んでおります。  私は、こういうところと連携しながら多くの力を得て、この対策をする必要があると思っているんですけども、こういうところとの連携について、どのように考えておられるのか、お聞かせください。 370 ◯上田薬務課長 私学振興・青少年育成局とは、これまでも薬物乱用問題につきまして情報を共有しながら連携の上、施策を実施しているところでございます。  委員御指摘のとおり、高校生など未成年者がインターネットやSNSから大麻に関する情報を得て、違法行為に手を染めている現状がございます。この対策が重要でございますので、青少年育成課が所管しております福岡県青少年インターネット適正利利用推進協議会と、より緊密に連携して対応してまいりたいと考えております。 371 ◯塩川秀敏委員 ぜひ緊密に連携しながら進めていただきたいと思うところでございます。  先ほど配付していただきましたもう一つの資料でございますが、これは薬物乱用防止啓発リーフレットでございます。これに対する質問も考えておりましたけども、日ごろたくさん時間を使わせてもらっていますので、きょうはこれに対しては省略させてもらいますので、ぜひ皆さんお読みおきをしていただきたいと思います。  それで、最後に部長にお聞きしたいと思います。大森部長は、私、聞かせてもらったら、昭和五十八年に入庁されまして、以来三十七年間、ことしで御勇退と聞いているところでございます。そして今、最後の三年間は、保健医療介護部長として、県の発展のために邁進中であります。本当に長い間御苦労さまでございます。「ました」とはまだ言ってはいけないと思いますので。  それで、その感謝を込めながら本論に入りたいと思いますが、県では今年度から、御存じのように薬物乱用防止第五次の五カ年計画がスタートしました。県では、この対策をどのような体制で、今後どのような取り組みをしていかれるのか。部長のレガシーとなるような決意をお聞きしたいと思います。 372 ◯井上順吾委員長 大森保健医療介護部長。 373 ◯大森保健医療介護部長 薬物乱用防止対策でございますが、県では昭和三十八年に、知事を本部長といたします福岡県薬物乱用対策推進本部を設置しました。県内にあります国・県・政令市の薬物乱用問題に関係する全ての行政、そして、取り締まり、教育、更正矯正機関で組織しており、総合的、効果的な薬物乱用防止対策を推進しているところでございます。  危険ドラッグにつきましては、委員から指摘がございましたが、平成二十六年に制定いたしました条例の効果もございまして、効果が上がってきていると考えておりますが、近年、大麻事犯、特に高校生など少年において増加していることは非常に憂慮すべき問題だと考えております。  先ほど課長が申しましたように、変化していくこれらの薬物情勢に的確に対処しながら適切な対策を進めてまいりたいと考えております。特に、小中高等学校において開催しております薬物乱用の防止教室において、大麻など薬物の危険性・有害性を強く訴えていきますとともに、薬物への誘いを拒絶できるよう、教職員の方々と連携を緊密にいたしまして、児童生徒にしっかりと伝えてまいりたいと考えております。  今後とも、先ほど申しました薬物乱用対策推進本部を中心に、啓発、取り締まり、再乱用防止、この三つの柱の取り組みを確実に進めてまいります。特に今年度からの第五次五か年戦略では、一つに、大麻等違法薬物乱用に関する若年層を中心とした啓発の強化、二つ目に、需要側・供給側両面からの取り締まりの強化、三つ目に、社会復帰支援体制の充実により再乱用防止対策の強化、この三つを重点的に取り組んでいるところでございます。  今後とも、関係機関と緊密な連携をとりながら、薬物の乱用を根絶すべく、この問題にしっかり取り組んでまいる所存でございます。 374 ◯塩川秀敏委員 今、薬物乱用を根絶すべく、この問題にしっかり取り組んでいくという決意を伺いました。  昭和三十八年に福岡県薬物乱用対策推進本部ができて、五十七年になりますが、やっぱりワーストファイブということは何とかして解消しなきゃいけないと。そういう意味では、今、部長が言われましたように根絶すべく、対策をこれからもしっかりと続けていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 375 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。吉田宣弘委員。 376 ◯吉田宣弘委員 公明党の吉田宣弘でございます。  通告に従い、福岡県死因究明等推進協議会について質問を申し上げます。  日本は高齢化社会の時代に突入し、久しい時間が経過しました。そして、このことは、これまでに比べ、毎年多くの国民が亡くなる時代に突入していることを意味しております。本県も例に漏れず、平成二十一年にお亡くなりになった方の数は四万四千八百七十九人でございましたが、最新の統計である平成三十年にお亡くなりになった方の数は五万三千三百九人と、この十年間で八千四百三十人増加しております。平成二十一年を母数として、その増加割合を計算すると、一八・七八%増加しているわけでございます。高齢化社会は多死化社会と言ってもよいかと思います。  また、人の死は、相続などの新たな法律関係が生じるきっかけとなる出来事で、いつ、どこで、どのようにお亡くなりになったかを正確に把握される必要があります。また、どのようにお亡くなりになったかは、お亡くなりになった方の人権を保障する意味でも重要になります。  例外があることは承知しておりますけれども、一般的に、人は誕生と同時に人権を取得し、死によって人権を失うと考えられます。しかし、死者の名誉を毀損する行為が刑法で処罰されていることに鑑みると、死者にも守られるべき法益があり、その限りでは人権が存続していると考えることもできると思います。その意味でも、どのようにお亡くなりになったかは、御本人にとっても、その真実が秘密にされるべきことも多いかもしれませんが、それはそれとして、その死がどのように訪れたかを、遺族や必要な公的機関に正確に把握されるべきことは重要なことであると思います。  そして、多死化時代において、死の真実を究明する社会的要請が増加している状況のもと、このような死の真実などを科学的に正確に究明するための法律である死因究明等推進基本法が来年度から施行予定となっております。  そこで、まず、この死因究明等推進基本法の目的や基本理念について、本県としてどのように認識しておられるかについてお聞きいたします。 377 ◯井上順吾委員長 近藤保健医療介護総務課長。 378 ◯近藤保健医療介護総務課長 死因究明等推進基本法の目的は同法第一条に規定されているところでございますが、死因究明等に関します施策を総合的かつ計画的に推進し、もって安全で安心して暮らせる社会及び生命が尊重され個人の尊厳が保持される社会の実現に寄与すること、これが目的とされております。  また、同法の基本理念は第三条に規定されておりまして、死因究明等が、地域にかかわらず等しく適切に行われるよう、達成すべき施策の目標を定めて行われること、死因究明により得られた知見が、公衆衛生の向上及び増進に資する情報として広く活用されることとなるよう行われること、災害や事故等における死因究明が、その被害の拡大及び予防可能な死亡である場合における再発の防止に寄与することとなるよう行われること、これらが基本理念とされております。 379 ◯吉田宣弘委員 そのような死因究明等推進基本法、これは以前、死因究明等推進法として存在をしておりました。残念なことですが、平成二十六年九月に失効をしているところです。しかし、根拠法が存在しているか否かにかかわらず、先ほど私、申し上げましたけども、人の死は正確に把握されなければいけませんし、地域での取り扱いに差異があってはいけません。  そこで、この失効した死因究明等推進法は、便宜上これから旧法と呼ばせていただきますが、この旧法のもと、本県において、福岡県死因究明等推進協議会が設置されているとお聞きしております。この協議会が設置されていない県も存在するとお聞きしておりますので、その意味で、福岡県の死因究明に対する姿勢は、私は評価に値するものだと感謝を申し上げたいと思います。  そこで、これまでの間における本県の死因究明等推進協議会の開催状況と、その内容についてお聞きしたいと思います。 380 ◯近藤保健医療介護総務課長 死因究明等推進協議会は、本県におけます死因究明等に係る各種事業を推進させるとともに、その方策等について協議することを目的に、平成二十七年三月に設置したものでございます。県警察本部、地方検察庁、県医師会、九州大学医学部等に所属します九人の委員の方で構成しておりまして、特定非営利活動法人日本法医学会の元理事長でございます九州大学医学部の教授の方に、現在、会長を務めていただいているところでございます。  平成二十七年四月に第一回目を開催し、本県の死因究明及び身元確認に係る状況について協議をし、以降、毎年度一回、三十年度まで五回開催をしておりまして、今月下旬には六回目の開催を予定しているところでございます。議題としましては、関係機関の死因究明等に係る取り組み状況の情報の共有に加えまして、平成二十八年の熊本地震や、二十九年七月の九州北部豪雨における死因究明等の現状などについて、議題としてきたところでございます。  協議の内容の一つとしまして、平成二十七年の第二回協議会において、交通事故で亡くなった方の御遺体についても薬毒物検査を行ったほうがいいのではないかと委員からの示唆がございまして、平成二十八年十月からは県内においては、交通事故で亡くなった全ての方の御遺体に対して薬物検査を実施することにつながったという事例もございます。 381 ◯吉田宣弘委員 新たな実務事例が生まれたこともあったということで、非常に評価してよいのではないかと思います。  加えまして、既に設置されている協議会ではございますが、これから新しい法律である死因究明等推進基本法が施行されるわけでございます。この法律の施行を受けて、今後、協議会において、どのように取り組んでいかれるかについてお聞きいたします。 382 ◯近藤保健医療介護総務課長 当協議会につきましては、委員が言われた旧法でございます死因究明等の推進に関する法律が制定された際から設置しているものですが、新たな死因究明等推進基本法の成立、四月からの施行を受けまして、委員から御指摘がありましたように、死因究明の重要性に鑑み、関係機関におけます死因究明等に係る施策の実施状況について、情報を把握、共有し、検証等を行っていくため、引き続きこの協議会を定期的に開催していくこととしております。 383 ◯吉田宣弘委員 委員の皆様は大変お忙しいと思いますが、定期的な開催をぜひよろしくお願いいたします。  さて、人の死は、医学とは切り離すことができない事象だと思います。人の死を医学的見地から科学的に公正な判断を下すことができる専門の研究機関が、大学に設置されている法医学教室であり、その科学的な知見は死因究明等の分野では不可欠なものであると思います。本県における死因究明等の分野においても、大いにその役割を果たしていかれることが期待されます。  そこで、本県における法医学教室の設置状況について、お聞きしたいと思います。 384 ◯近藤保健医療介護総務課長 本県におきましては、九州大学、久留米大学、産業医科大学及び福岡大学、この四大学の医学部に法医学教室が設置されております。 385 ◯吉田宣弘委員 県内四大学に設置がされているということでございますので、その地域地域において、この四大学の法医学教室がその役割を大きく果たしていただきたいと期待をしたいと思います。そのためにも、本県の死因究明等推進協議会において、法医学教室の積極的な活用について大いに議論をしてほしいと思いますけれども、いかがでしょうか。 386 ◯近藤保健医療介護総務課長 当協議会におきましてはこれまでも、法医学教室の教授でございます委員から法医学教室に関する御意見等もいただいてきているところでございます。法医学教室におきましては、医学的な解明や助言を必要とする案件について、科学的で公正な医学的判断を下すことによって、個人の基本的人権の擁護、社会の安全、福祉の維持に寄与することを研究されておられまして、引き続き、死因究明等に資する法医学教室の活用について、この協議会において議論をしてまいりたいと考えております。 387 ◯吉田宣弘委員 しっかり取り組んでいただきますことを心からお願いを申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 388 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。野原隆士委員。 389 ◯野原隆士委員 自民党県議団、野原隆士であります。  動物愛護の関係で、売れ残りペット対策並びに保健福祉環境事務所の犬猫収容施設の環境改善についてお伺いをしたいと思います。  まず、昨年六月に、動物の愛護及び管理に関する法律の改正が行われました。主な改正点としては、動物取扱業者に対する規制強化、あるいは動物虐待に対する罰則を引き上げるなど、動物の不適切な取り扱いに対する対応の強化が図られております。  その中で、この動愛法で定める動物取扱業とはどのような業種なのか、お答えください。 390 ◯井上順吾委員長 田村生活衛生課長。 391 ◯田村生活衛生課長 動物取扱業は、動物愛護管理法に基づき、動物の繁殖、販売、保管、展示などを行う業のことでございます。ペットショップや猫カフェなど、営利目的である第一種動物取扱業と、動物愛護団体による譲渡活動など、営利目的でない第二種動物取扱業に分類されます。営利目的である第一種動物取扱業は、施設要件や人的要件など、法に基づく要件を満たすものに対して県が登録を実施しておりますが、営利目的でない第二種動物取扱業は届け出事項となっております。 392 ◯野原隆士委員 それでは、営利目的で動物を取り扱っている第一種の動物取扱業者は、県内にどれぐらいいるのでしょうか。また、犬猫を販売している業者はどのぐらいで、繁殖をしている、いわゆるブリーダーを合わせましてお答えいただきたいと思います。 393 ◯田村生活衛生課長 平成三十一年四月一日現在、県が所管する第一種動物取扱業の登録件数は一千百二十六件で、そのうち犬猫の販売をしている事業者の登録件数は四百五十四件でございます。また、犬猫販売業者のうち、繁殖を行っている事業者の登録件数は三百八十三件でございます。 394 ◯野原隆士委員 犬猫の場合については、既にコンパニオンアニマルと言われるように、家族の一員というふうに言われております。そういう意味では、ペットブームということで、こういう犬猫が売られておるわけですけども、早い段階で親きょうだいから引き離した場合には十分な社会化が行われないために、成長後に、かみ癖あるいはほえ癖などの問題行動を生じる可能性が非常に強くあります。よく、六十日以内は大体置いておいたほうがいいのではないかと言われておりまして、このため、今回の動愛法の改正の中では、販売できない日齢が四十九日というのが今までの販売日齢でしたけども、これがさらに延びて第八週、要するに五十六日齢までは販売ができないと定められました。  このように、販売開始の日齢については延びたのですが、いつまで、じゃあ販売ができるのでしょうか。何か販売期間についての法的規制はあるのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。 395 ◯田村生活衛生課長 販売期間につきましては、特に法令に定めはございません。 396 ◯野原隆士委員 法令に定めがないわけですから、あとは販売業者の判断で自由に決めることができるということになるのですけども、大体やっぱり皆さんが購入するのは、子犬、子猫、こういうかわいらしい時代を含めてだろうと思います。  そういう意味では、どのぐらいの年齢の犬猫が販売されていると認識しておられるのか、お答えください。 397 ◯田村生活衛生課長 販売期間につきましては委員御指摘のとおり、犬猫販売業者の考え方によって異なるものと思いますが、一般的には生後九十日前後の子犬、子猫の販売が多いと考えております。 398 ◯野原隆士委員 そうですね、先ほども言いましたように、やっぱり子犬、子猫時代が非常にかわいいということで、これが一番売られている日数なのかなと思います。  でも、実は私、ペットショップに以前行きましたら、十カ月を過ぎたような猫が販売されてありました。私も獣医ですから、一般的な猫の成長ぐあいというのがわかるわけですけども、十カ月の割には意外と小ぶりだなと。そしてまた、その値段も見てみると、一般的な子猫と同じような値段で売られているんですね。  先ほども言いましたように、子犬、子猫時代というのがかわいいということで、そこから皆さんお買いになられて育てていくわけですけども、それだけ日齢がもう十カ月も過ぎているような犬猫が本当にその値段で売れるのかなと。じゃあ、この子たちは、もし売れなかった場合、どういう取り扱いをされていくのか。販売期間を過ぎた犬や猫はどうなっていくのか、お答えをいただきたいと思います。 399 ◯田村生活衛生課長 動物愛護管理法におきまして、犬猫の販売業者は、販売の用に供することが困難となった犬猫の適切な取り扱いなどについて定めた犬猫等健康安全計画を作成し、その計画を遵守するよう義務づけられております。  具体的に申しますと、この計画の中で、件数は重複いたしますが、犬猫販売業者四百五十四件のうち、新しい飼い主に譲渡するが三百十一件、ペットとして終生飼養するが二百四十二件、同業者へ転売するが二十件、また、繁殖用として飼養するが十件、そして、動物愛護団体を通じて譲渡するが十件と定められております。 400 ◯野原隆士委員 販売されずに売れ残った犬猫が劣悪な環境下で飼育されないよう、犬猫販売業者や繁殖業者に犬猫等の健康安全計画の遵守を徹底させるということは、とても重要だと思うんです。しかしながら、他県の事例では、こういった犬猫を劣悪な環境で飼い、そして最後には死亡させてしまう、あるいは山林の中に捨ててしまうといった事例も多々出ておるわけです。  そういう意味で、この動物取扱業の登録の際に立入検査を実施してあると思いますが、どのような確認を行っていますでしょうか。お答えください。 401 ◯田村生活衛生課長 現在、立入検査に際し、施設設備が登録要件に合致しているか、あるいは飼育管理状況が適正であるかなどについて確認をしておりますが、販売の用に供することが困難となった犬猫の取り扱いについての具体的な確認はできていない状況でございます。  今後は、立入検査時にこれらの犬猫の譲渡や終生飼養、転売などの取り扱い状況につきましても確認していくとともに、毎年開催している動物取扱責任者研修会におきまして、先ほど申しました犬猫等健康安全計画の遵守について周知徹底を図ってまいりたいと考えております。 402 ◯野原隆士委員 やはり一つの命です。やはり大事にしていただきたいと思うんです。確かに、売れ残った犬猫をどういうふうに譲渡していくか。計画上では、例えば、ほかの飼い主に譲渡、あるいはそのペットショップで育てていくという回答はあるかもしれませんが、やはりそこの確認を最後まできちんとしていただきたいとお願いします。  それとあわせまして、県内の九カ所にある保健環境事務所では、さまざまな理由により飼い主などから持ち込まれた犬猫や捕獲した犬などを収容していると思いますけども、この収容環境はどうなっていますか。特に、夏の暑い時期、また冬の寒い時期を考慮していくと、温度管理をきちんとしていかなければいけないと思いますが、収容施設にエアコンなどは設置されているのでしょうか。 403 ◯田村生活衛生課長 エアコンにつきましては設置しておりませんが、室温が高くなる夏季には扇風機やスポットクーラーなどを活用しております。また、床に水や氷を散布するなどして温度を下げるよう努めておるところでございます。また、冬季は、床のコンクリートの上にすのこを敷き、さらに毛布を敷くなどの対策を講じております。さらに、体調の悪い犬猫や幼齢の犬猫に対しましては、ペットヒーターや湯たんぽ、カイロなどを活用し、体調管理に努めておるところでございます。 404 ◯野原隆士委員 確かに、保健所でいろいろ工夫はされているのだろうとは思いますけども、やはり昨今のこの天候、そしてこの温度状況ということを勘案していくと、今、小学校でもクーラーを入れていくという状況下であります。ぜひとも、やはりこういう今の状況であれば、皮膚炎、場合によっては感染症を発症するおそれも十分あるわけですから、エアコンの設置について早急に検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 405 ◯田村生活衛生課長 近年、夏は猛暑傾向でございまして、収容施設での室温も高くなっており、犬猫の体調管理も難しくなってきております。このため、エアコンの設置につきましては、各保健福祉環境事務所の施設の状況を踏まえ、早急に実現できるよう検討していくとともに、動物愛護の観点から今後とも収容施設の環境改善に取り組んでまいりたいと考えております。 406 ◯野原隆士委員 ただいま課長から、エアコンの早期導入についての非常に前向きな回答がありました。やはり動物愛護の観点から積極的にこの環境整備をしていくということは、まず第一に考えていただきたいと思います。特に、動愛法を所管する担当課でもありますし、やはりこういった動物の施設の環境改善はとても重要なことだろうと思います。  そういう意味では、動物愛護を推進する観点から、ペットショップなどで売れ残った犬猫の飼養管理の徹底に向けて、また、今後の県の収容施設の環境整備について、大森部長に決意をお伺いしたいと思います。 407 ◯井上順吾委員長 大森保健医療介護部長。 408 ◯大森保健医療介護部長 先ほど課長が答弁いたしましたとおり、ペットショップ等では、子犬、子猫の販売が多くなっております。売れ残った犬猫はその後どのように取り扱われているのか、これらの犬猫の譲渡、終生飼養や転売の状況について、これまで確認はできておりませんでした。今後はそれらを、動物愛護の観点から、立入検査において確認をしてまいります。  また、県の収容施設における環境整備につきましても、動物愛護の観点から、保健福祉環境事務所の施設の状況等も踏まえまして、しっかりと取り組んでまいる考えでございます。 409 ◯野原隆士委員 部長からも動物愛護の推進についての決意を述べていただきました。  不幸な犬猫を一匹でも減らすことは、とても重要であります。県においても、より一層の取り組みを行っていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 410 ◯井上順吾委員長 ほかに質疑はありませんか。
         〔「なし」と呼ぶ者がある〕 411 ◯井上順吾委員長 ないようですので、以上で、浦委員の知事保留質疑を残し、第三款保健費に関する質疑を終わります。  本日は、議事の都合により、これまでとし、本日未了の議事は明日行うことといたします。  明日の委員会は午前十一時に開会し、本日未了の議事と、歳出第五款生活労働費及び第六款農林水産業費の審査を行う予定でありますので、よろしくお願いいたします。  これをもって散会いたします。    午 後 五 時 四 十 二 分 散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...