3
◯畑中茂広
委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。
何か質疑はありませんか。
古川委員。
4
◯古川 忠委員 基本的なことを少しお伺いしたいのですが、この
観光指針の中で、一つは、
日本版DMOと書いてあるけど、
日本版とあえてつけるのは、どこが違うのかな。
5
◯畑中茂広
委員長 神代観光政策課長。
6
◯神代観光政策課長 まず、
DMOという
考え方がヨーロッパ、アメリカのほうで先にあります。
日本版DMOということで、まだまだ
地域で
観光をマネジメントする母体というのがなかなかない中で、いきなり
欧米豪の形まで目指せるのかというところがございまして、まずは
日本版ということで、
地域をマネジメントする、あるいは
観光による
影響等を
マーケティングしながら
地域づくりを進めていく、そういったところの考えがありまして、
日本版ということで
観光庁のほうでお示しをされております。
7
◯古川 忠委員 どこが違うか、今の説明ではよくわからないんだけれども、
観光指針の中で、
DMOの件数をふやすという
目標がありますよね。そういう中では、どういうようなものが
DMOなのかということが一般にはなかなかわからないんじゃないかと僕は思うんです。各
市町村は
観光協会を持っていますよね。そういうものがそのままなるのか、どこが足りないのか、どういうことまですると、これが
DMOという形できちっと位置づけられて、活動しやすくなるのかということをお知らせする必要があるんじゃないかと僕は思うんだけれども、そこはどうなんですか。
8
◯神代観光政策課長 今、県のほうで、
DMO候補法人に向けた支援というのをやらせていただいております。その中で、
観光協会を発展させて
DMOとしている形、あるいは別の
民間組織を
DMOとしている形がございます。
DMOとするときに、
観光協会との違いなんですが、
観光協会の場合は、会員さんという方がいらっしゃいます。ですので、会員さんを重視した、会員さん向けの施策ということ、また今までの
観光協会が
イベント重視型といいますか、
イベントをすることに、より人的な資源あるいは時間的な資源が割かれていたというところがございます。一方で、
DMOになる際には、会員にかかわらず
地域の方々と、そこの
地域にどう
観光で人を呼び込んでくるのか、またその結果、どれだけそこにお金を落とせるような仕組みをつくっていくのか、そのときに今までの
観光協会にかかわっている方々だけではなくて、地元の
商工会であったりとか、そのほかの
観光にかかわる方々も、そこの
観光の
絵図面を一緒に共有しながら、そして、どこでお金を落としていくのか、またそれがどう人の動きがあるのかという
マーケティングもしながらというところを考えていただく、そういったことを御支援させていただいております。
観光協会との違いは、そういった
地域の課題というのをしっかり共有した上で、
観光施策をどうしていくのか、そこを考えていただくのが
DMOかと思っております。
9
◯古川 忠委員 幾つか
DMOはふやす中でありますよね。具体的には、例えば、今、
福岡県内にどういうものがありますか。
10
◯神代観光政策課長 昨年度から、こういった伴走型ということでやらせていただいておりまして、一つが、八女で
FM八女という形で、
DMOの候補ではなくて、
DMOの法人として登録をされております。また、今年度、柳川市それから嘉麻市が
候補法人に向けて
取り組みを行っておりまして、嘉麻市は、
候補法人ということで
観光庁の認定を受けております。柳川市が今、
候補法人の認定の申請をしているところでございます。また、昨年度に話が戻るのですが、昨年度は、このほかに新宮町と糸島市、こちらのほうが
DMOの
候補法人ということで
観光庁の認定を受けております。
11
◯古川 忠委員 大分わかってきました。
法人化しなきゃだめなんですね。
DMOという形の
法人化をしっかりと明確にするわけですね。そういう認識でいいですか。
12
◯神代観光政策課長 委員おっしゃるとおりでございます。
13
◯古川 忠委員 かなり行政の支援が必要だと思うんですよね。理念ではわかるんです。おっしゃっているように、
観光協会というのは、会員の
皆さん方の利益を図るといいましょうか、そういう形で動いてきたけれども、それだけでは限界があるし、これからの時代に即応しないと。だから、
地域全体として、行政ももちろんそうですし、
市民団体といいましょうか、そういうものを取り込んで全体をかかわらせていくと、そういうものはわかるんだけれども、その
コーディネート役というか、それをきちっとその
方向性を示して、そういうものをやっていくための、誰がそれを推進していくかとなると、県だろうと思うんだけれども、そういう場合は、どういうふうな体制で臨むのですか。
14
◯神代観光政策課長 私どもは、
DMOをつくっていくことが大切だと考えておりまして、昨年度から、
民間事業者にも委託をいたしまして、
DMOにするためには何が課題なのか、またそのためにどういったステップを踏んでいくのか、そういったことを職員も
地域に出向きまして、一緒に課題の
明確化、それに向けた
課題解決の方法というのをやらせていただいております。
地域のほうでも、
観光協会だけがやろうと言ってもなかなかできない、また首長だけがやろうと言ってもなかなかできない。やはりそこの
担当部局も含めて、
観光協会それからプレーヤーの方々と一緒にそういった協議をする場の設定が必要かと思っております。そういった場の設定をすることもお手伝いをしながら、
DMOの
法人化に向けた
取り組みを今、御支援させていただいているところです。
15
◯古川 忠委員 そうすると、
目標値というか、予定が四にあるのが、広域の
九州観光推進機構ですね。
目標値はどうなるのですか。
16
◯神代観光政策課長 二〇一九の
目標値は八団体としておりました。
目標値として今考えておりますのが、冊子のほうの四十ページでございます。二〇一八年からさらに三
団体追加で、九団体ということを今、
目標とさせていただいております。
17
◯古川 忠委員 その
目標の根拠は何かあるんですか。どこを
目標ということ。
18
◯神代観光政策課長 昨年から支援させていただいているそういった中で、
DMOの
法人化、あるいは本登録、そういったものが見込めるところを頭に置きながら、九団体ということで設定をさせていただいたところでございます。
19
◯古川 忠委員 わかりました。
20
◯畑中茂広
委員長 いいですか。
21
◯古川 忠委員 はい。
22
◯畑中茂広
委員長 ほかに質疑はございませんか。
23
◯古川 忠委員 もう一つ、今話題のことも聞いておきたいと思って。
皆さん、聞きたいんだろうけれども、例の
コロナウイルスで今、いろんな問題が起こって、特に、
観光業界に対しては、非常に打撃を受けていると思うんだけれども、現段階で結構ですから、わかっている範囲でいいです、なかなかまだ途中経過というか、始まったばっかりで、そういうデータも少ないかもしれませんけど、おおよそのことでも、わかっておれば教えてもらいたいと思うんです。特に、中国からの入り込んでくる数とか、そのほかの海外からのインバウンドも影響あるかもしれません。それとか、要するに、
キャンセルがいっぱい出ているとか。テレビではわあわあやっているけれども。まだ途中ですから、わかる範囲でいいですよ。
24
◯畑中茂広
委員長 中垣観光振興課長。
25
◯中垣観光振興課長 現状でわかっていることを御報告させていただきます。
まず、
中国側の
海外渡航の状況なんですけれども、
新聞報道にありますように、
海外向けを含む全ての
団体旅行、そして
航空券と
宿泊ホテルがセットとなりました
旅行商品の販売を暫定的に少しずつ停止するという発表が先月あっております。それに対しまして、
観光局の対応といたしましては、
観光庁のほうからも通知がございまして、こういった通知を我々のほうといたしましては、
観光業者、
市町村関係そして
観光案内所など、そういった
観光関係の機関に
情報提供をさせていただいております。また、ホームページへの提供ということで掲載させていただいております。
それで、実態といたしましては、先週、
宿泊施設に幾つか確認したところでは、まだこの段階では、早かったせいもありまして、二つの団体、合わせて大体六十名程度の
キャンセルが出ているという情報を得たところでございます。
また、
クルーズ船の状況ですけれども、一月二十八日に聞いたところでは、
キャンセルになっておりまして、二月分についても
キャンセルとなる
可能性が高いということになっております。
また、我々のほうでも幾つか中国への事業を予定しておったのですけれども、これについては今のところ、中止の方向で検討しているところでございます。
26
◯古川 忠委員 ありがとうございます。途中ですから、大変だと思いますけど、特に、
ホテルとか、そういう
観光業者は非常に影響を受けると思うので、そこを注視しながら、的確な
情報提供とフォローをやってもらいたいと要望しておきます。現段階は難しいでしょう。
27
◯畑中茂広
委員長 ほかに質疑はございませんか。
塩川委員。
28
◯塩川秀敏委員 この指針の三十六ページになりますが、結局、私のほうは、
地域の状況を見ていると、とにかく
地域の
観光資源を掘り起こして、磨いて、つないでいくとかいう、そういうことが非常に重要になっていくと思うんですけれども、そのためには、やっぱり人材が非常に重要だというふうに認識しているところですけれども、三十六ページの大きな四番の
観光振興の
体制強化の中の(二)の1)と2)と(三)の2)。(二)の1)は、
人材育成を支援しますとか、2)も、ちょっと意味がわかりませんが、支援しますと、こう書いてあるんですが、三番はわかります。この1)と2)、それと(三)の2)、ここのところをもう少し詳しく説明していただいていいですか。
29
◯畑中茂広
委員長 神代観光政策課長。
30
◯神代観光政策課長 まず、1)でございます。
塩川委員、今おっしゃいましたように、
市町村で
観光資源を磨いていく、そういったためには、それをちゃんとわかって、つくり上げていく人材が必要でございます。これは既に取り組んでいる事業ということでございますけれども、
観光地で
観光をつくっていくリーダーを育成する共創塾というのをやらせていただいております。
塩川委員地元の
宮若市からも今年度は参加いただいているところでございます。そうした方々に、要するに、そこに住んでいると逆に物が見えないということがございます。それを外から見たところで、こういったものもあるんじゃないかというのもいろいろとディスカッションをしながら、そしてそれを使った
観光の何をするのか、どうやってそれを発信していくのか、またその
観光資源を使って何をやっていくのか、そういった事業の計画というものをつくる事業を行っております。そうしたことをすることによって、実際に
観光に携わる方々が、どう課題を見つけて、それをどうブラッシュアップして、どう発信していくのか、その手順についてしっかり学んでいただいて、それを翌年度は実現していただく、そういった事業をやらせていただいているところでございます。
3)の
地域の
観光名所の解説、案内などを行う
ボランティアガイドということで……。
31
◯塩川秀敏委員 3)はいいです。2)です。
32
◯神代観光政策課長 失礼いたしました。
飲食店、
宿泊施設等の
観光関連産業の
人材育成ということで、特に、インバウンドの方が来られる、あるいは今までの団体から個人の旅行客の方が来られる、そうしたときに提供するサービスというのも物すごく変わってまいります。そういったことに気づいていただくような少人数での研修会、そういったものができないかということで検討しているところでございます。
それから、(三)の2)、
観光連盟が県内の
観光振興のリーダーとしてプラットフォーム機能を生かし、
観光事業の企画・推進ができるような組織体制の強化について検討ということでございます。これにつきましては福岡県
観光連盟、
観光局ができました四年前に、かなり連盟の組織体制も強化をしていただいております。そうした中で、
観光連盟もプロモーション、そういったことにつきましては実力もつけてまいりまして、プロモーションもしっかりやっていただいているところでございます。一方で、
地域を支援する、先ほどの1)にかかわるような
地域の支援のところにつきましては、まだまだそれに携わる人数も少ないということもありまして、そこの体制が十分かと言われれば、まだまだ強化する必要があると考えております。そういったことでの組織体制の強化というものの検討を今、考えているところでございます。
33
◯塩川秀敏委員 (二)の1)なんですけれども、これは今おっしゃったところの大体参加している人の対象者は、どんな人が来ていますか。
34
◯神代観光政策課長 観光協会それから
市町村、そこで
観光に携わっている方々です。携わっている年数につきましては、一年目の方もいらっしゃいますし、かなりベテランの方もいらっしゃいます。そこは
観光での熟度というのは違います。ただ、熟度が違う方が一緒にいることで、既に長い間、
観光に携わっている方々が、まだ一年目、二年目の方々に刺激を与えている、そういったよい影響が出ているのかと思っております。
35
◯塩川秀敏委員 ここは結局、
観光協会といっても、私の地元を見ても、かつて四つの町がありましたけど、一つしかないんですね、
観光協会があるのは。今度新しくできたとしても。だから、
人材育成を支援しますというときに、もう少し何か工夫をして、人材発掘というんですか、その役にある人が来て資質を高めることも重要ですけど、
観光の資源づくりに携わる人をふやしていくという研修を考えてもらいたいと思うんです。だから、私は今まで経験した中で、県がやる事業というのは、連絡しやすい方法で連絡をして、その方法で伝わった情報で来てもらう人に集まってもらって研修しているという、こういうタイプがほとんどなんですよ。だから、
地域の人材開発ということには少し遠い感じのことであるわけです。だから、もう少しそこらあたりを
地域の実態を把握しながら掘り起こす。こういう人は私も知っている限り、たくさんいらっしゃるんですよ。そういう方々に、結局、
観光というレベルのところまで引き上げていただくような研修をぜひお願いしたい、これは要望しておきます。
それから、2)はインバウンドに対する対応の
人材育成ということでしたので、それは十分かなと思いますが、それから(三)の2)なんですけれども、
観光連盟は、もと外にあったものが庁舎の中に入ってきて、充実して
皆さん、活動されていると思うんですけれども、僕はずっとこのことについては言ってきましたけど、
観光振興のリーダーとしてのプラットフォーム機能を有しという、それは当然そのことなんですけれども、具体的に、何町か派遣をして、そこの
観光協会の設立とかに努力をしているということも聞いています。そこらあたりの、これはやっぱり各
市町村に
観光についての情報発信をする拠点がないといけないことは明らかなんですよ。そのための拠点をどうするかというのが一つの
観光協会の設立になるわけですけれども、これは第二期目になりますから、その
観光協会の設立に対して、
観光連盟が今より以上にどのようにかかわっていくのかというところは見えていますか。そこらあたりがあれば。
36
◯神代観光政策課長 観光協会もさることなんですが、先ほど話のありました
DMO、そういったところをつくるに
当たりまして、今、
観光連盟も、うちの職員一緒に入って
DMOに向けた伴走型支援等をさせていただいております。さらに、ここのところの
取り組みをより強化していく必要があるかなと思っております。要するに、プロモーションだけではなく、
地域にしっかり出向いていって、今、
地域の
観光資源は、
地域に出向いていく、また
市町村の方々と情報交換することで、
地域にどんなものがあるというのは
観光連盟のほうにかなり集まってきております。それを使ってどうするのというところの働きかけ、ここをやっていくに当たっての強化というのが必要だと考えているところでございます。
37
◯塩川秀敏委員 ちょっと具体性に欠けると思うんですが、ここは非常に大事なところであって、
観光連盟の業務として、ここまでするのが適当かどうかというのは、業務内容とかの検討があるかと思いますが、まず
観光連盟を
市町村ごとに立ち上げるということは重要な要素と思われるでしょう。まず、そこの確認をしたいと思うんですが、それはどうですか。
38
◯神代観光政策課長 市町村で
観光に取り組む団体がある、そういったことは大変重要だと考えております。
39
◯塩川秀敏委員 その認識は私もそのとおりなんですが、それが一つの
市町村であればなかなか難しいので、それをあわせた、要するにプラットフォーム化なりして、そして情報を集約していくということも重要と思うんですよね。その辺はどうですか。
40
◯神代観光政策課長 委員のおっしゃるとおりだと考えております。
41
◯塩川秀敏委員 そうしてくると、その基本になるのは、各
市町村が情報を発信する体制ができているかどうかなんですよ。ということは、情報発信する拠点をつくらないかん。つくるために、誰が、どのような形で
市町村に働きかけをしていくかというところが課題なんです。だから、この辺で何か空中的な議論ばっかりで格好いい議論をするんじゃなくて、具体的に、いつ、誰がして、いついつ行って、ここの
観光協会のないところには
観光連盟の人が計画をして、
観光連盟がするかどうかは、私は業務内容を見てみなきゃわかりませんけれども、例えば、その町の
観光にかかわる人たち、
商工会、ボランティア団体、例えば歴史の勉強をしている人とか、集まっていただいて研修会を何回か積み重ねていって、そういう人たちを中心にして、今度はそこに市も巻き込むなりして、
観光協会を立ち上げようではないかとかいうような具体的な動きというのは、
観光協会にお願いするか、そこはどういうふうに考えてあるんですか。
42
◯神代観光政策課長 観光協会というよりも、そういったないところについて
DMOを立ち上げようということで、今おっしゃったような動きをさせていただいているところでございます。
市町村に出向いていって関係の方々に集まっていただいて、じゃ、どうするのかというところをお話しさせていただいております。一方で、
塩川委員おっしゃったように、実際に今、団体がないところに対してどうなのか、そこについては今、十分できているかと言われれば、今後しっかり取り組んでいく課題のところかなと思っております。
43
◯塩川秀敏委員 それはしっかり、自分から、こういうことを目指しますという
市町村に対しては応えやすいと思うんです。それならこんな方向がありますよ、こうしたほうがいいですよと。ところが、手を挙げるまでいかない、けど何とかせないかんなということはくすぶっておってもいかない、そういうところに出向いていって、そこを手を挙げるような雰囲気をつくり、そして具体的なことを提案しながらつくり上げていくという、こういう動きを僕はぜひしていただきたいと思うんです。そうしないと、これはいつまでたったって、何かインバウンドとか、
観光振興とかいうことばっかりの議論の中で、具体的な立ち上がりが
観光振興にならないんじゃないかというふうに考えますけれども、その辺のところの
人材育成もそうですし、(二)の1)の
人材育成も、そういう意味の
人材育成をしてもらいたい。そういう人たちを中心として、そういう人たちの中心を育成のための働きを
観光連盟がどんなことをしていくのかということまで含めて、もう一回、その取り組む姿勢についてお聞きしたいんですけど。
44
◯神代観光政策課長 今から県全体の
観光を底上げしていく、そういった
考え方で、次に説明いたします宿泊税も活用してやってまいります。そうしたときに、実際にそこでプレーヤーになる方々、実際に
観光地をつくっていく方々、そういった方々がいないと、結局、
市町村、交付金を渡しても、何をすればいいんだというお話にもなってまいります。そういった意味では、しっかりと
観光に取り組むところ、また今、
観光人材の育成をしていく中で、今まで余り
観光に取り組んでいらっしゃらなかったところも、人を出して研修をさせようという意識を持っていただいている
市町村も出てきております。そういったところにしっかりと働きかけをさせていただきながら、また人だけではなくて組織体制につきましても、
観光連盟ともしっかり役割分担をしながら進めてまいりたいと思います。
45
◯塩川秀敏委員 最後になりますが、そういう意味で
観光連盟と話をしていただいて、KPIとして、ここにうたわなくてもいいですから、現状はこうだから、これぐらいの
観光連盟設立に向けてやっていくとかいうような具体的なことがないと、本当に
地域って深刻なんですよ。宿泊税をどのように使うかということについて、そんなのは決まったって、どう使うかということが一番大事なことであるし、また手を挙げる体制をつくることが重要ですので、もっと現場感覚でこれをぜひ実行していただきたい。要望して、終わります。
46
◯畑中茂広
委員長 ほかに質疑はございますか。加地委員。
47 ◯加地邦雄委員
皆さんには釈迦に説法の質問になると思いますが、先日、特別
委員会で金沢市を視察させていただきました。
皆さん方も何度か金沢市は行かれていると思いますけれども、
観光協会の方が、金沢市はあえて
観光という言葉は使わないんですと自信を持って言われていました。二代前の前田家の歴史とかという、そういう長い歴史の中で、今の金沢市のあり方みたいなものが長い歴史で培われたということは、何度か文教
委員会でも視察に行くと、二十四時間三百六十五日研修ができる施設があったり、それはボランティアが運営されたりとか、その横に職人大学があって、職人をきちっと育てていく仕組みができていたりとかという、この指針の一ページに書いてあります。僕は、
観光にとって一番大事なことは、みずからの地域の歴史とか文化、自然などの魅力を再認識し、その魅力を高めることは、
地域への誇りと愛着の醸成、そして活力にあふれたという、この文章は基本的なことだと思うんですよね。町に住む人が自分の町に誇りを持って、そして自分の町にどういう人材がいるのか、誇りに思えるような技術者がいたりとか、芸術家がいたりとかと、そういう人たちを掘り起こしていって、そしてそこに住むことの誇りといいますか、例えば、キャナルシティがいいとか悪いとかは別として、一千億かけてどんとああいう施設をつくっても、あそこは売り場面積なんですよね。あそこに生活があるわけじゃない。そこに住んで、そしてその中で生き生きと生活感を売っていくという、その
地域の生活を売っていくという
観光とはキャナルというのは全く逆方向。あれはあれで大変必要だと思いますけれども。先ほどから言われている
地域の教育の中で、こういう視点をしっかり誰かが
地域の
皆さんに、あるべき姿というのはここですよと、
地域にあなた方は誇りを持っていますかと。どんなにテクニックを使ったって、それは選挙と同じ、ブームに流されて、支持率が高いときは勝てる、支持率が下がれば負けるということでは、
地域の本当の意味での
観光振興にはつながらないわけで、そういう教育はどこが、どういう形できちっとされているのか、御質問させていただきます。
48
◯神代観光政策課長 今、加地委員おっしゃいましたように、実際に生活している方々が、そこにこんなものがある、またこれが誇りになるんだ、そして自分たちの生活そのものが、来ていただいた方にもいい形なんだということ、それを理解していただく、大変重要なことだと思っております。ただ、まだまだ
地域の方々、自分たちの暮らしと
観光というのが結びつくというところにはなかなか御理解いただけていないところがございます。繰り返しになりますけれども、そういったところを地元の
観光協会でありますとか、
DMO、そういったところに立ち上げることによって、その方々がまた
地域のよさというのをしっかりとそこで共通認識を持つ、それを周りの方々にもしっかり知っていただく、なかなかそういうことにできないんですけれども、順次、そういった
取り組みをしていくことが必要なのかなと思っております。実際
観光客が来られているところからも、自分たちの生活と
観光とは違うというふうに思われているところもあって、なかなか
観光に行政が力を入れようとしても、住民の方々の御理解をいただくのが難しいというお声もいただいております。そういった意味では、住民の方々に、その暮らしそのものが、おもてなしそのものが
観光につながっていくんだということを御理解いただけるような地道な
取り組みというのが必要なのかなと考えております。
49 ◯加地邦雄委員 そのとおりだと思います。私も筑豊に生まれて、そして選挙区は福岡市、両方の立場が見えるわけです。
地域にいますと、自分たちの町に誇りが持てないんですよ。自信がない。福岡はよかね、何したってすぐ成果が出てくるし。俺たちは何したって何も進まんというのが残念ながら、ほとんどの
地域の
皆さんの
考え方じゃないでしょうか。これはしようがない。
だから、僕は、一番県がやっていただきたいと思うのは、案外
地域の
皆さんは
地域のことを知らない、自分たちの誇りがどこにあるのかということを客観的に判断できない。それはあることが
当たり前だからですよ。でも、田舎に行くと、町の人たちは全く違う価値観というもので町を評価していく。そういうことを誰かがきちっと六十
市町村回って、ここは東京から見たら、アジアから見たら、ここが誇りなんですよということを具体的に指導していく時期に来ているのではないでしょうか。そして、そこに住む人たちが、へえ、こんなことに価値があるわけ、ということを
皆さんに認識をしていただいて、そこからまちづくりをしていく、時間がかかるようだけれども、そこが原点ではないかなと。そして、それにテクニックがついてくる、情報がついてくるわけで、どんなにそこを優先してやって形をつくっても、一時期はいいけど、どんと落ち込みますよね。これは当然のこと。ですから、そういう人材がおられるのなら、そこを具体的に何か県で指導していただければなと。これは要望です。
50
◯畑中茂広
委員長 ほかに質疑はありますか。
〔「なし」と呼ぶ者がある〕
51
◯畑中茂広
委員長 ほかにないようですので、以上で、本件の質疑を終わります。
次に、「令和二年度宿泊税を活用した事業(案)について」を議題といたします。
執行部の説明を求めます。
神代観光政策課長。
52
◯神代観光政策課長 商工部所管事務調査の四ページをお願いいたします。宿泊税を活用した事業につきまして御説明させていただきます。
宿泊税条例につきましては、令和元年六月議会で可決いただきまして、その後、九月議会の条例改正を経て、令和元年の十一月、総務大臣の同意を得たことによりまして、令和二年四月より施行することとなっております。
同じく本
委員会で御審議いただきまして、六月議会で成立いたしました宿泊税基金条例、これも税条例と同日施行となるために、令和二年四月からの施行となっております。
基金条例におきましては、基金の使途として二つ明記しております。一つは、
市町村が行う
観光の振興を図るための事業に対する交付金の交付事業、四ページに書かせていただいておりますいわゆる
市町村交付金事業でございます。そして、もう一つは、県が実施する
観光振興を図る事業であります。これは五ページのほうで御説明させていただきます。いずれの事業も令和二年度から新たに実施をいたします。いずれの事業も令和二年度の事業として検討しているものでございますので、本格的な審議は令和二年二月の定例県議会で予算議案として御審議いただくものであります。この二月議会に向けて、現在、検討を進めております。その検討の状況につきまして、その概要を御説明させていただきたいと思っております。
まず、四ページ記載の宿泊税を活用した
市町村交付金事業の案についてでございます。
事業の目的でございますが、
市町村がそれぞれの
地域の現状と課題を踏まえ、創意工夫を凝らした
観光振興施策を実施できるよう財政的支援を行うことで、県全体の
観光の底上げを図ることを目的としております。交付対象者は、独自に宿泊税を課します北九州市と福岡市を除く五十八
市町村となります。交付金の対象事業は、この五十八
市町村が実施する
観光振興事業のうち、新規または拡充事業となります。
事業規模でございます。現在、予算編成中でございますが、
市町村交付金事業としては、約二億円と見込んでおります。これは独自課税を行う両政令市を除きます五十八の
市町村から徴収いたします宿泊税二百円のうち百円分について交付ということでございます。残りの百円分につきましては、県が主体的に実施する事業となります。
次に、交付金配分の
考え方です。まず、基本的な
考え方ですが、宿泊税を活用ということでございますので、一つは宿泊者数による配分、もう一つが、宿泊者の一定割合が宿泊地以外の県内他
地域を訪問していることから、旅行者数による配分を行います。
配分のウエートは、(一)にお示ししておりますとおり、宿泊者八〇%、旅行者二〇%としております。これは県が今年度実施しております
観光ビッグデータ調査、その分析結果に基づく配分としているところでございます。したがいまして、予算規模二億のうち一億六千万円を宿泊者数に応じて、残り四千万円を旅行者数に応じて配分することとなります。
次に、
市町村への配分についてです。宿泊者数による配分につきましては、
観光庁の宿泊旅行統計調査があります。これを県が
市町村ごとに推計をいたしました宿泊者数、これに基づきまして五十八
市町村に配分する考えでございます。なお、宿泊者数による配分につきましては、令和三年度以降の交付金配分の際には、宿泊税の税収というのが実績が出てまいります。この実績に基づいた配分基準を用いる予定としております。旅行者数につきましては、先ほど御説明いたしました
観光ビッグデータ調査、これによります
市町村ごとの旅行者数を指標として配分いたします。ただ、これらの指標に基づき、それぞれの
市町村への配分額を算定した場合、交付金額が非常に小さくなる
市町村も出てまいります。宿泊税導入の大きな目的であります県全体の
観光の底上げを図る観点から、最小交付金額、これを五十万円としたいと考えております。
当面のスケジュールでございますが、令和二年三月、予算議会終了後に、宿泊税交付金に係る要綱、様式につきまして
市町村のほうにお渡しできればと考えております。
次のページ、五ページをお願いいたします。宿泊税を活用した事業の検討の状況でございます。
まず、宿泊税充当の原則でございますが、宿泊税は法定外目的税でございます。したがいまして、
観光振興に充てる、この目的の達成のための
観光振興施策に充てることとしております。また、宿泊税は納税者に新たな負担を求めるものでありますので、新規・拡充施策に充てることとしております。
まず、県主体事業につきまして、先ほど御説明いたしました県の
観光指針、この四つの柱ごとに検討している事業を記載しております。主なものについて御説明いたします。
受入環境の充実の観点からは、
宿泊施設の多言語案内・情報発信やバリアフリー化などの支援、また福岡県旅館
ホテル生活衛生同業組合を通じた県内宿泊事業者への相談対応などの支援、それから平日閑散期の稼働率向上のための調査を含めた宿泊助成などの実施を検討しております。
(二)の
観光資源の魅力を向上させる観点から、インバウンド向け体験プログラムを組み込んだ
旅行商品造成支援事業の実施、広域サイクリングルートの整備などの実施を検討しております。
また、(三)の情報発信を効果的に行うために、国内からの誘客といたしましては、県内周遊のためのレンタカー助成、また
欧米豪などさまざまな国からのインバウンド誘客といたしまして、誘客先に合わせたデジタルプロモーション、福岡・北九州空港から直接入国する
欧米豪からの誘客、ウエブ
観光案内所の開設などの実施を検討しております。
最後に、(四)の
観光振興の
体制強化といたしまして、宿泊、飲食事業者、
観光ボランティアガイド、
観光案内所など
観光関連事業に携わる人材の育成支援などを検討しております。
なお、表の下に記載しておりますが、(一)の受入環境の充実、(二)の
観光資源の魅力向上、これにつきましては両政令市と税額を検討する際に役割分担を整理いたしております。この(一)、(二)につきましては、基本的には政令市等は実施をしない、五十八
市町村等のみで実施するという考えでございます。
次に、
市町村が交付金を活用して実施する事業の内容でございます。
市町村交付金事業は、
市町村がそれぞれの
地域の現状と課題を踏まえ、それぞれ創意工夫を凝らした
観光施策を実施いただくもので、ここに記載するものに限定するものでは全くございません。あくまでも例示ということで、各
市町村にそれぞれの
市町村としての
観光振興施策を検討いただきたいと考えております。
例示といたしまして掲げておりますのが、受入環境の充実といたしましては、
市町村の
観光案内所あるいは
観光スポットの受け入れ環境の整備、
観光資源の魅力の向上という観点では、
市町村の自然、歴史、文化等の
地域資源を活用した
観光資源開発、(三)の
市町村内への誘客促進のためのプロモーション、(四)の
観光協会の運営支援、そういったものを想定しているところでございます。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
53
◯畑中茂広
委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。
何か質疑はありませんか。
古川委員。
54
◯古川 忠委員 ちょうど過渡期だから難しいとは思うんですけど、実数的に
市町村が自分のところに幾ら入ってくるとわかるのは、言ってみれば来年の令和三年の四月以降ということですか。
55
◯畑中茂広
委員長 神代観光政策課長。
56
◯神代観光政策課長 市町村に対しましては、この基本的な
考え方については御説明をさせていただいております。こういったウエートになるということ、またそれに基づきまして各
市町村のほうで御試算いただきたいということで御説明させていただいているところでございます。ただ、額につきましては、二月議会予算審議が終わった後に、各
市町村のほうには、要綱の発出とあわせまして金額もお示ししたいと考えております。
57
◯古川 忠委員 市町村がいろいろ施策を打つ上で、おおよそどのぐらいあるのかなというのがわからないと、なかなか予算が組みにくかろうと思うんだけれども、どうしても新しい制度だからタイムラグがあるんだけれども、そこの穴埋めを少しやるようなことは考えてありますか。
58
◯神代観光政策課長 なかなか穴埋めにはなっていないのかもしれませんが、通常であれば、この交付金事業につきましても二月議会予算成立後の
市町村への発出かと思いましたけれども、
市町村のほうから、どういった形で交付金が配られるのか
考え方がわからない、また県がどういった事業をやろうとしているのかわからなければ、
市町村としても事業がなかなか組みがたいという御
意見をいただきました。また、十二月の代表質問でも、そういった答弁もさせていただいたところでございます。それを踏まえて、この事業の概要ということで説明をさせていただきまして、不明な点につきましても、個別に丁寧に御説明をさせていただいているところでございます。
59
◯古川 忠委員 ビッグデータを県が持ってあるということになれば、恐らく、令和三年の事業を組むときに、おおよそ自分の町は幾らぐらい来るのかなということは必ず必要ですよね。そうしないと、それがなかったら、丸々また一年おくれるということになるので、スムーズに宿泊税を活用するためには、
市町村から問い合わせは途中あるかもしれませんね。なかなか最初だからはっきりしたことは言えないでしょうけど、
市町村自体が自分でもくろむというか、計算しても構わないような話なんだけれども、県がどの程度そこにアドバイスできるかということは、大体どのぐらいの事業が組めそうですよということなんかは考えてありますか。そういうことはなかなか難しいかな。
60
◯神代観光政策課長 なかなか難しいところはあるんですけれども、
市町村からは、
観光客が少ないところは、うちは五十万円をいただけるんでしょうかというお話だったりとか、久留米市さんのようにたくさん泊まられるところも、自分のところで試算をされている数字をおっしゃいますので、そこら辺につきまして、私どもとしても丁寧に対応させていただいているという状況でございます。
61
◯古川 忠委員 わかりました。いいです。
62
◯畑中茂広
委員長 古川委員、いいですか。
63
◯古川 忠委員 はい。
64
◯畑中茂広
委員長 ほかに質疑はございますか。
塩川委員。
65
◯塩川秀敏委員 宿泊税がこうやって決まったことによって、一つの
市町村が
観光に取り組むインセンティブにはなると思うんですけど、先ほどから僕は言っているんですけど、どっちにしても、取り組む体制の人材、それから雰囲気づくりをしないと、これは意味がないとまでは言いたくないですけれども、例えば、現実は御存じでしょうけど、
宿泊施設の
ホテルも旅館も一つもないところも
市町村によってはあります。しかも、自分のところで
観光協会もないし、情報発信もしていないから旅行者も少ない。そうしてくると、最大五十万円が来ると。でも、五十万円何に使うのかと。
だから、言いますけど、こういうお金を配ってムードを出すということも重要ですけど、同時に、それに応える
人材育成というか、雰囲気づくりのためには、先ほど言ったところの
人材育成、それは
市町村の人材もそうですし、
商工会が担っているところもあるし、いろんな意味でもっと現実をしっかり見て、そしてどこを、どのように育成していけば宿泊税が有効に活用されるようになるかということは、これからしっかり議論して、最初の条例のときから僕はずっとこれに携わっているんですよ。そして、ジレンマがあってしようがないんです。何してるのかと。あのときも、発掘、磨く、つなぐとか、格好いいことばっかり言うんですよ。だけど、この五年間で
観光協会は何ぼできたのかと。本当に
地域は深刻なんですよ。どんどん人口は減っていく、人が来ない。だから、もっと現実にして、そして物事を起こしていく。先ほど加地先生も言われましたように、自分の郷土に対するものが、
観光とかいうことに最終的にはなってもならんでも、やっぱり郷土の遺産とかそういうものを発掘していって、磨いていくということは、これは重要ですよ。その中で、じゃと、こうなると思うので、そういうことに対して、しっかり取り組む体制をつくってもらいたいですね。ぜひお願いしておきます。
66
◯畑中茂広
委員長 要望でいいですか。
ほかに質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者がある〕
67
◯畑中茂広
委員長 ほかにないようですので、以上で、本件の質疑を終わります。
執行部に申し上げます。今、第二次福岡県
観光振興指針の素案について、重要な
意見が出ました。哲学的な部分含めて、あるいは実態に合ったところの対応をどうするのかということを含めて、具体に物が転ぶように、ぜひ次の指針を示す場合は、そうした話をいただければと、
委員長からもお願いしておきたいというふうに思います。
次に、報告事項に入ります。
「新・福岡県立美術館について」、
執行部の説明を求めます。赤尾文化振興課長。
68 ◯赤尾文化振興課長 新・福岡県立美術館について、御報告いたします。
資料は、
県民生活商工委員会資料、人づくり・県民生活部になります。
まず、資料の一ページをお願いいたします。一の新・福岡県立美術館建設地選定
委員会報告書についてでございます。平成二十九年三月に、新・福岡県立美術館基本構想検討
委員会から御報告いただいた内容を踏まえまして、新・福岡県立美術館の建設地につきまして、専門的観点から審議、検討するために、昨年十月、新・福岡県立美術館建設地選定
委員会を設置しております。この建設地選定
委員会から県に対し、本年一月十六日に報告書が提出されたところでございます。
(一)につきましては、建設地選定
委員会の委員の名簿を記載しておりますので、後ほどごらんいただければと思います。
次に、(二)の建設地選定
委員会報告書の主な内容でございます。
最初に、(ア)の現地建替えの検討でございます。現地建て替えの場合、福岡市公園条例等により建築面積が制限され、建築物は四階以上の高層となることなどを踏まえまして、新・福岡県立美術館は移転、新築することが望ましいとの御
意見をいただいております。
二ページをお願いいたします。(イ)の望ましい建設地でございます。県内で活用可能な県有地及び取得
可能性がある国有地等につきまして、基本構想検討
委員会報告書で示されました立地の要件三つでございますが、1)の交通至便で人が集まりやすいこと、2)の他の文化施設等との連携による相乗効果を生み出すこと、3)の内外の人々に対する福岡の魅力の倍増が期待できることなどを踏まえまして、調査・検討したところ、新・福岡県立美術館の望ましい建設地は、大濠公園南側にある福岡武道館及び日本庭園の一部を再整備した用地とするとの御
意見をいただいております。
次に、(ウ)の現・福岡県立美術館の活用方策でございます。現・福岡県立美術館の建物を活用し、県民とともに歩んだ歴史を受け継ぎながら、現・福岡県立美術館が基本構想検討
委員会で提言されている機能や活動の一部を担うことにより、新・福岡県立美術館と相互、補完的に運用していくことが望ましいとの御
意見をいただいております。
二の建設地の決定についてでございます。県では、建設地選定
委員会の報告を踏まえるとともに、基本構想検討
委員会報告で示されました、先ほど御説明いたしましたけれども、三つの要件や新・福岡県立美術館に期待される県民の芸術文化の拠点、まちづくり、
地域活性化の拠点、
観光の拠点としての役割、解決すべき課題につきまして総合的に検討を行いました結果、新・福岡県立美術館の建設地を大濠公園南側にあります福岡武道館及び日本庭園の一部を再整備した用地に決定し、一月二十七日に発表したものでございます。
次に、選定理由でございます。まず、大濠公園は、交通至便で人が集まりやすく、本県を代表する風光明媚な公園として高い知名度を有していること、県と福岡市が共同で策定したセントラルパーク構想では、大濠公園と舞鶴公園を歴史・芸術文化・
観光の発信拠点として一体的に活用し、公園そのものが広大なミュージアム空間となって、国内外から訪れる人々に感動を与えることを目指していること、今回、大濠公園に新・福岡県立美術館が設置されることにより、福岡市美術館が近接することとなりまして、国内有数の美術館エリアが誕生すること、大濠公園にあります日本庭園は、二条城やボストン美術館の日本庭園を手がけました日本を代表する造園家、中根金作氏が設計した大変すばらしい庭園であり、庭園と一体的に整備することで、日本庭園のよさも十分活かした魅力ある美術館とすることができること、このようなことを通じまして、国内外から多くの
観光客が訪れます大濠公園の魅力がより一層高まり、県と市が進めておりますセントラルパークとしての機能と魅力を高めることが期待されるとしまして、県では、大濠公園南側にあります福岡武道館及び日本庭園の一部を再整備した用地に決定したものでございます。
なお、新・福岡県立美術館建設地選定
委員会報告書をお手元にお配りしておりますので、後ほどごらんいただければと思います。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
69
◯畑中茂広
委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。
何か質疑はありませんか。壹岐委員。
70 ◯壹岐和郎委員 お聞きしたいんですけれども、今ある現美術館をどうするかという検討は、この検討
委員会の中ではないんですよね。それはどこでやるんですか。
71
◯畑中茂広
委員長 赤尾文化振興課長。
72 ◯赤尾文化振興課長 この建設地選定
委員会の中でも、
意見ということで報告をいただいているところでございまして、具体的に申しますと、報告書のほうをお開きいただければと思うんですが、十一ページに、四、現・福岡県立美術館の活用方策ということで
意見をいただいているところでございます。具体的に言いますと、三つ目のセンテンスになるのですが、「「現・福岡県立美術館」については、平成二十七年度に耐震改修が終了しており、今後も建物を利用することが可能である。この建物を活用し、県民とともに歩んだ歴史を受け継ぎながら、「現・福岡県立美術館」が基本構想
委員会報告で提言されている機能や活動の一部を担うことにより、「新・福岡県立美術館」と相互、補完的に運用していくことが望ましい。」というふうな御
意見をいただいているところであります。こういうことを踏まえまして、今後、基本計画の策定という作業に進んでいく予定でございまして、その中でも、この議論をさせていただきたいというふうに考えております。
73 ◯壹岐和郎委員
新聞報道なんかで、福岡市との関連が出てきているんですけど、これは福岡市とは、いろいろと調整、連携というか、どうやったら一番いいのかみたいなものは話はされているんですか。
74 ◯赤尾文化振興課長 まず、
新聞報道等で、現・県立美術館が移転するという前提での整備を進めていらっしゃったというお話がございましたけれども、福岡市のほうから、平成二十八年でございますが、須崎公園内に設置する市の拠点文化施設、この基本計画を策定するに
当たりまして、県のほうに、県立美術館が現地で存続することを前提に、この計画を検討していくというふうな御説明を受けております。私どもとしては、その報告を受けまして、現地のまま使っていくということを考えていこうとしているところでございます。あと、先ほど御説明しましたとおり、現・県立美術館についても、今後、基本計画というものをつくっていく中で、当然、福岡市さんとのお話も必要だと思っておりますので、そういう関係者の御
意見を踏まえながら、その計画策定を進めていきたいというふうに考えております。
75 ◯壹岐和郎委員 わかりました。別に今のものを崩せとかいうこと、そういう意味で私は思っているわけじゃないんですけど、今の施設がどうなるかというのは、お金の面にしても何にしても、物すごく大きな問題だと思うんです。これは基本的に、移転、新築が望ましいというふうになっていれば、当然、移転されて新築して、それが全部市のほうが移転するんだろうというふうに、素人はそう思いますよね。そこで、今ある現をどうするのかという検討について、これはあくまで
委員会の設置要綱を見たら、新・福岡県立美術館建設地選定
委員会、これは要するに、新しいものをどうするのかというのを報告するという目的で設置されているんですね。あわせて、僕は、初めから現のものとどうできさせて、どうするのかというのを、もっと早くから具体的にやっていたほうがよかったんじゃないかというふうに思うんですが、今から検討されていくと思うんですけど、お金のかかることを今からやっていこうとしていることについて、その辺の今、私が言ったことについて、どう思われますか。
76 ◯赤尾文化振興課長 繰り返しになりますけれども、基本計画の策定の中で、そういう財政的な負担についても検討をさせていただきたいというふうに考えております。
77 ◯壹岐和郎委員 しっかり検討してもらって、ある意味では、残すのは簡単なので、本当に今以上に連携して、例えば、福岡市とは連携して、生きた建物、生きた施設、生きた公共のものにしていただきたいというふうに思いますので、どうかよろしくお願いします。
78
◯畑中茂広
委員長 ほかに。
古川委員。
79
◯古川 忠委員 意見だけ言っておきます。実際は、市民の方で、そういう場所が欲しいという要望はいっぱいあるんですよね。
福岡市内には非常に少ないんです。ですから、僕は残していただきたいというふうに本当に思っていましたから、当然、新築、移転といえども、まず県立美術館をそのまま建てかえるかという過程の中で、いろいろ考えたと思います。ですから、私は、要望ですが、そういう決定でほっとしていますけれども、ぜひ残していただきたい。実際に、いろんな書道から絵画団体、発表の場に大変苦労しているというのが現状ですから、それは
委員会の中でもぜひ生かしていただきたいと思います。回答は要りません。
80
◯畑中茂広
委員長 ほかに質疑はございますか。
塩川委員。
81
◯塩川秀敏委員 意見だけ言わせてもらいますが、今、報告された中の二ページの一番上ですが、望ましい建設地のところで、この報告書をもらったときからがっくりきたんですけど、交通至便で人が集まりやすいこと、他の文化施設との連携による相乗効果、福岡の魅力。私の考えでは、何か一つ目玉の大きな美術品なり、彫刻品なりがあると、それが集客力につながってくると思うんです。そういう意味で、県下見渡すと、
委員長のほうの京築もそうですけれども、筑後には芸文館ができているし、福岡はいろんなこういう文化施設がほかにもあるわけですよ。筑豊は何もないんです。だから、一つ話の中で、筑豊の文化とかそういう意味で、交通至便じゃないですよ。他の文化施設との連携も相乗効果も。何かそういうことは全然議論になりませんでしたか。
82
◯畑中茂広
委員長 赤尾文化振興課長。
83 ◯赤尾文化振興課長 まず、この立地の要件につきましては、報告書の十七ページにつけさせていただいているんですけれども、二十九年の三月に、新・福岡県立美術館基本構想検討
委員会、これは教育
委員会のほうで、知事部局に移管される前に設置されたものですけれども、こちらのほうで、機能であったり、そういう立地の要件について議論をしていただいて、そこで報告をいただいているところであります。その報告に基づいて建設地を選定したということになっておりまして、具体的に申しますと、二十ページのほうをお開きいただければと思うんですけれども、下から二つ目に、施設の規模ほか、丸の二つのところに書いておりまして、「立地については、交通至便で人が集まりやすいこと、他の文化施設等との連携による相乗効果を生み出すこと、内外の人々に対する福岡の魅力の倍増が期待できること、これらを満たす場所への建設が望ましい。」と、この報告を踏まえまして、この選定
委員会では決めさせていただいたというところでございます。
84
◯塩川秀敏委員 そういうことを聞いているんじゃないんです。それはわかりました。要は、こういうことなんですよ。筑豊には、県立の美術館、博物館とか、そういうものが一つもない。そこに筑豊地区に四十三万人の人が住んでおる。私は、福岡地区で、ある学校で教師をした経験もありますが、例えば、いろんな話をしたときに、先生、きょう、ナポレオンのデスマスク見てきましたよなんていう話をするわけですよ。それはやっぱりそういう施設があるから、そういう美術展とかに行って、いろいろ体験。筑後地区で同じ教師をしたときに、ナポレオンのデスマスク見てきましたよなんて言う者は余りないわけですよね。だから、やっぱりそういうことも一つの話の中に出てきた中での、本当に何か非常に残念です。四十三万人を代表して言いますよ。この近代産業、この近代日本育成を支えてきた筑豊が何なのかと。福岡は、どこのおかげでできたのかと。こんなことを忘れていろんなことを決めてもらいたくないんですよ。あなたに言ってもしようがないかもしれんけどね。ただ、事務局がいろんなことを提案して議論が進んでいることは事実ですから、こういう点についてもひとつ議論してもらいたいとか、そういうことをやっぱり話題に出していかなきゃ、前にこういうことが決まっていますから、これに基づいてお願いしますなんてね。
以上です。
意見だけ言っておきます。
85
◯畑中茂広
委員長 意見ですね。貴重な
意見だと思います。十七ページに、「地方創生の起爆剤としての
地域の活性化に寄与する」という文言は、必ずしも交通至便なところという話には、今、
塩川委員言われたように、県全体の状況をどうするかという意味では、非常に今、貴重な
意見だったというふうに思っておりますので、これは
意見として真摯に受けとめておいていただきたいというふうに思います。
以上で、報告事項を終わります。
次に、議題にはありませんが、その他として何かありますか。野原委員。
86 ◯野原隆士委員 さきの西日本新聞さんの中で、スポーツ立県、五十億円基金創設というふうな報道がなされました。昨年の十二月議会においても、子供医療費関係で、福岡市との関係、これにおいても
新聞報道が先走ってしまったというふうな中で、今回、実は、このスポーツ立県ということについては、もちろん我々九州の自立を考える会の中でも大きな柱ということで、
執行部のほうからも、我々、この
委員会の中でも報告を受けたのは、あくまでも選手強化、スポーツツーリズム、あるいは国際大会の誘致ということで、それから先の話というのは、これからの問題だろうという中で、なぜこういう報道が先になされたのか。ましてや十二月にも同じようなことがあったわけですよ。そういう中で、こういったことが行われたということでの、どういういきさつでこういう話が出たのか教えていただきたいと思います。
87
◯畑中茂広
委員長 中平スポーツ振興課長。
88 ◯中平スポーツ振興課長 この基金の創設につきましては、これまで本
委員会それからスポーツ立県調査特別
委員会の中で、先ほど委員御指摘のとおり、アスリートの育成と、それから大規模国際大会の誘致、開催等に活用していきたいという旨の御提案をさせていただきました。その後、関係の方々と議論する中で、どのようにアスリートを育成することが効果的な育成になるのか、あるいは大規模大会を誘致していくときに、どういったことに基金を活用していけばいいのかといったところを議論している検討段階に今ございました。まだ現在も検討段階にある中において、今後、議会の皆様にも御相談を申し上げようとしたやさきに、このような記事が出てしまったことにつきましては、我々としても非常に困惑をしているところであります。実際にこの基金については、ごく少数の者で検討をしながら相談をしていたところでありますので、その情報管理については、基本的に、つくった資料については、必要ないものはシュレッダーにかけたりというふうな対応をしてまいりましたけれども、実態として、このように記事が出てしまったこと、本当に驚いておるところでありまして、しかし、このように出てしまっておるという事実があるわけでございますので、本当に申しわけなく、おわびを申し上げる次第であります。
89 ◯野原隆士委員 やはりこれは信頼関係の中できちっとやっていくんであって、当然、
委員会がある、そしてもう一つは、スポーツ立県調査特別
委員会というものがあるわけですよ。そうすると、そういう中でもんだ中で出てきたということであればいいんだろうけれども、実際そういうことが全然なしで、これだけ新聞にはっきりと内容が書かれているわけです。基金二十四億円も加え、総額五十億円を確保するなんて、こんな話どこも聞いてない。それはやはりそこの管理というものをきちっとしていただかないと、我々議員を含めて、何をやっていくのか。特別
委員会って何をやるの、あるいはこの話というのは、今後の予算特別
委員会の中でもきちっとやっぱり論議をしていかなきゃいけない。そういうことを踏まえて、今回これは余り強くいろいろ言い過ぎてもあれなんでしょうから、そこのところをきちっと部長のほうから回答いただきたいなという形でお願いをしたいと思いますが。
90
◯畑中茂広
委員長 山田人づくり・県民生活部長。
91 ◯山田人づくり・県民生活部長 スポーツ振興課長からも話がございました。我々のほう、スポーツの振興というのはスポーツ立県調査特別
委員会でもいろいろ御審議をいただいております。福岡県のスポーツをいかにして元気にしていくことができるか、それからスポーツを活用して、どうやって福岡県全体を元気にしていくことができるか、こういう議論を
委員会の中でいろいろとしていただいておりました。この基金についても、今後どういうふうにこの基金を実際につくっていくのか、そしてどう活用していくのか、これについても議論の途上ということでございました。そういうやさきに、こうした報道が出てしまいました。当日の朝、私も新聞を見まして、何でこういう記事が出たのかと、本当に驚いたというのが事実でございます。
情報管理については、野原委員からもお話がございましたように、我々としても、細心の注意を払いながらやっていく必要があるということで、この件についても、限られた人の中で議論をし、検討を進めていたところでございます。情報管理を徹底するように職員には常々注意をしていたところでございますが、こういう形で結果として報道がされたということについては、私としても大変申しわけなく思っております。
この件については、しっかりと今後、議会のほうで議論をしていただき、また我々は丁寧に説明をさせていただきながら、何とかこのスポーツ振興のための事業が一層進みますように努力してまいる所存でございます。
92 ◯野原隆士委員 今、部長のほうからお話がありましたが、今後、このスポーツ基金というのは、本県にとっても大きな柱になるんじゃないかと思いますので、そこのところは先ほど言いましたように、きちっとスポーツ立県調査特別
委員会、あるいはこの常任
委員会の中で話をしながら、私ども、進めさせていただきたいということで、最後は要望としてお願いをしたいと思います。
93
◯畑中茂広
委員長 しっかり議論させていただきたいということでございます。
ほかにその他はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者がある〕
94
◯畑中茂広
委員長 ほかにないようですので、次に進みます。
「今後の
委員会活動について」でありますが、正副
委員長に御一任いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
95
◯畑中茂広
委員長 それでは、そのようにさせていただきます。
最後に、会議録署名委員を指名いたします。野原隆士委員、永川俊彦委員、お二人を指名いたしますので、よろしくお願いいたします。
これをもちまして、
県民生活商工委員会を閉会いたします。
ありがとうございました。
午 後 零 時 二 十 八 分 閉 会
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