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令和元年9月定例会(第8日) 名簿
令和元年9月定例会(第8日) 本文

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  1. 福岡県議会 2019-09-08
    令和元年9月定例会(第8日) 本文


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(栗原 渉君) ただいまから本日の会議を開きます。  日程に従い代表質問を行います。順次発言を許可いたします。渡辺勝将君。(拍手) *渡辺(勝)議員質問 2 ◯十八番(渡辺 勝将君)登壇 自由民主党福岡県議団の渡辺勝将でございます。このたび会派を代表して質問の機会を得ましたことを大変光栄に思っております。議員会長を初め先輩、同僚議員各位の御配慮に深く感謝申し上げます。  さて、具体的質問に入ります前に一言触れさせていただきます。本日傍聴席には、本県議会と平成十九年一月に友好提携を結び、相互交流を行っているバンコク都議会元議長であるキットポン・チャーチューキットクン様、プラドゥムチャイ・ブンチュアルア様を初めバンコク都の皆様がお越しになっておられます。(拍手)  お二人には、昨年十月の在福岡タイ王国総領事館の開設に、一方ならぬ御尽力をいただきました。今回の福岡訪問を心から歓迎申し上げます。  また栗原渉議長の後援会関係者、さらには私の後援会の皆様にも傍聴いただいておりますことを、あわせて紹介させていただきます。  それでは、質問に入らさせていただきます。  まず、福岡県を軸とした九州の成長戦略について知事をただし、取り組みへの熱意、情熱、奮闘を促しておきます。平成二十六年十月、私ども福岡県議会を中心にして立ち上げております九州の自立を考える会では、九州の成長戦略に係る政策提言において、一つ、観光振興、二つ、農林水産業の経営力強化、三つ、先端中小企業の育成と九州経済を支える多様なエネルギー供給戦略等、四つ、空港、港湾等の機能強化そのほかインフラの整備、五つ、スポーツ振興スポーツ関連産業の育成等の五つを柱とした政策を明確に示し、実現を働きかけてまいりました。これに対し知事は、九州観光推進機構日本版DMO登録九州農産物通商株式会社、福岡県地域エネルギー政策研究会の設立、ラグビーワールドカップの誘致や東京オリパラキャンプ地誘致など幾つかについては着手されていますが、全体としてはまだまだ極めて不十分と言わざるを得ないのが実情であります。小川知事は、今春の知事選において、九州を引っ張る、日本を支える気概を持って、それぞれの地域の強みとポテンシャルを最大限に発揮させ、福岡県をさらに元気にすると訴えられておりますが、公約を見る限り福岡県がどのようなリーダーシップを発揮し、全体として九州を成長させていくのか、具体的なところが全く見えてこないのであります。これでは、一体小川知事は本気で取り組む意欲があるのか、県民に疑問を抱かせかねないところでもあります。  そこで県民に、この際小川知事が考える九州の成長戦略を改めて明らかにし、実現に向けて意欲と情熱を明らかにされることを、冒頭まず、ただしておきます。  次に、ふるさと納税制度で制度参加が、いわば仮免許状況に置かれていました直方市など県下八市町村の制度の緊急復活について触れておきます。  知事に、まずお尋ねします。これまで市町村のふるさと納税の制度運用に対し、本県はどのような役割を果たしてこられたのか、この県議会を通じて県民に説明願います。  また今般、我が会派の尽力により救済される見通しとなった八つの市町村のふるさと納税制度に対して、知事は今後どのような姿勢で向き合っていくのか、方針をお示しください。  さらには県内市町村のふるさと納税制度の活用について、知事は今後拡大する方針なのか、あるいは自粛するのか鮮明にされていません。市町村に向け、このふるさと納税制度に対する知事の支持、不支持の姿勢とその理由を改めて明確にお示し願います。  それでは次に、八月に発生しました本県の大雨災害における被災者救済と復旧対策についてお聞きします。まず激甚災害の早期指定についてであります。今回の大雨では、本県でも一人の犠牲者を出すとともに、筑後地域を中心に河川の溢水、土砂災害が発生し、多くの家屋が被災しました。被災地の県民生活や経済活動が一日でも早く回復するよう早急にその全容を把握し、被災した佐賀県など近隣県と連携して激甚災害法の適用を受けることが必要と考えていますが、県として国に対してどのように働きかけているのか伺います。  次に、被災児童等の支援制度について、被災児童等が就園、就学の継続を断念することがないよう、その制度の拡充が必要と考えますが、県としてどう対応しているのか伺います。  次に、被災農林漁業者の支援についてであります。農林水産業の被害状況は、七月の大雨災害に続き、農作物やハウス施設、農地、農業用施設などに深刻な被害が発生しています。しかも八月の災害は、七月のときに比べ筑後地域の北部から南部などの広範囲に及んでいる状況であります。七月の大雨災害での被害金額は二十九億円に上っているとのことですが、八月の大雨による農林水産業の被害実態はどうであったのか、また県では被災農林漁業者の事業再開に向け、現場の要望が大きい災害を回避するための対策を含めどのような取り組みを行っているのか伺います。  また今回の大雨災害で、佐賀県での油流出事故による有明海産ノリ生産への影響も心配されているようですが、その実態並びに対応策についてもお示し願います。  次に、公共土木施設の被害対応についてであります。今回の大雨による公共土木施設の被害額を含めた被害状況とあわせ、多くの箇所で全面通行どめが発生し、県民生活に大きな影響が出た点についても、その要因と状況を伺います。  その中でも被災の大きかった八女香春線は、地元住民が通勤、通学等で八女市街へ向かうため利用している重要な道路であります。平成二十四年災害でも被災し、長期間にわたって迂回するなど日常生活への影響が大きかったところであり、八女香春線の今後の復旧の進め方について伺います。
     近年ゲリラ豪雨により道路が冠水し、車両が水没するなど重大な事故が発生していますが、このような事故を防止するため、豪雨時の通行どめなどを適切に行うための対策について、知事はどう考えるのかお答えください。  次に、河川の浸水対策についてであります。平成三十年七月豪雨、本年七月の大雨に続き、今回の大雨により、河川では浸水被害が久留米市や筑後市など筑後地域の各所で発生しましたが、その主な要因は何か伺います。  特に、平成三十年七月豪雨から連続して浸水被害が発生した山ノ井川、池町川、あるいは花宗川などの流域の住民にとって河川の浸水対策は切実な課題であります。そこで、浸水被害が発生した河川について、県のこれまでの対応と今後の対策を伺います。  陣屋川では、久留米市が国に要請し、排水ポンプ車が出動しましたが、地元住民はその能力の高さを目の当たりにし、安心しておられました。排水ポンプ車は機動力も高く、浸水対策に非常に有効であると考えます。今後、県としても迅速な対応ができるよう排水ポンプ車を整備すべきと考えますが、知事の見解を伺います。  また県では、昨年と一昨年の二年連続で発生した洪水被害や水害の頻発化、激甚化が懸念される状況を踏まえ、ソフト対策として避難に関する防災情報発信を拡充しているようですが、その内容と活用状況について伺います。  次に、朝倉地域の被災対応についてであります。平成二十九年七月豪雨からの復旧、復興に取り組んでいる朝倉地域においても、今回被害が発生したとのことですが、主な公共土木施設である道路、河川、砂防の状況と対応について伺います。  さらに、災害復旧工事の契約についてであります。ことしの災害復旧工事に迅速に着手し、県民の生活を一日も早くもとの状態に戻すためには、工事契約を早期に結ぶことが重要であります。そのため入札契約方式の弾力的な運用が必要と考えますが、知事の見解を改めて伺います。  なお災害復旧問題の最後に、日田彦山線の問題についてお尋ねします。日田彦山線問題について、我が会派はこれまでも知事に対し解決に向けての取り組みについてただしてまいりました。沿線の市町村では、六月二十九日に大分県の日田市で、本県内では七月二十八日に添田町、七月三十日には東峰村において、市町村の執行部による住民報告会が行われ、復旧に向けた議論を交わしています。さらにJR九州による住民に対する説明会が八月六日には日田市で、さらに九月十三日には添田町で開催されました。また東峰村では、去る八月三十一日に筑前岩屋駅前で地域住民による日田彦山線の鉄道での早期復旧を求める決起集会も開いています。しかしながら、JR九州からは青柳社長が八月二十八日の定例記者会見で、財政支援なしには鉄道での復旧には応じられないといった、従来どおりの方針発言が繰り返されています。  そこで知事にお尋ねします。日田彦山線復旧協議の進捗は現状どうなっているのか、また六月議会の答弁を踏まえ、これまでどのような対応を行ってきたのか、さらに今後どのように進めていこうと考えているのかお答えください。  次に、今議会に定数改正のための条例改正議案が提出されています民生委員問題について、その身分保障を軸に若干ただしておきます。我が会派では、平成二十九年十二月定例会の代表質問において、制度創設百周年を迎えた民生委員制度について、そのあり方を初め委員に対する認識、評価、委員確保のための抜本的な対策などについて小川知事の所見をただしたところであります。条例提案といういい機会でありますから、その後の経過も含め、この際改めて執行部の見解をただしたいと思います。  二年前、知事から種々見解が示されたところですが、その中でも、特に民生委員確保については、そのための検討会を設置し、現在抱えている課題の洗い出しと必要な対策について検討してまいると方針が明らかにされています。答弁からはや二年が経過しておりますが、この検討会なるものがいつ、どのようなメンバーで設置され、どのような議論が行われ、どういう結論が見出されたのか、はたまたいまだ審議中なのか、そのあたりの経過が全く不明であります。本会議の場で改めて問いたださなければいけないこと自体甚だ業腹ではありますが、まず、その後の経過についてお答え願います。  県の社会福祉審議会については、我が会派から委員が選出されています。聞くところでは、先日開催された審議会において、民生委員の確保対策として民生委員選任基準の改正が報告されたようであります。その中で、これまで規定されていた民生委員年齢について、七十五歳未満の者という上限が撤廃されたということであります。これを聞いて、まず思ったことは、民生委員確保対策として年齢制限を取っ払うことにいかほどの効果があるのかということで、いささかの疑問を感じたわけであります。せっかく有識者などに集まってもらって議論されたのであれば、ほかにもさまざまな対策が提案されたのではないかと思った次第であります。  そこで、まずお伺いします。今回の基準見直しに関し、執行部の狙いや意図はどういうところにあるのか、端的にお答え願います。  また今回の選任基準改正により、これまでも課題の一つとされてきた民生委員の高齢化が、さらに進むおそれがあるのではないか、誰もが思い浮かべるであろう疑問に対してどういう対策を考えておられるのか、あわせてお伺いいたします。  さて、今回の議案では、民生委員の定数は現行から八十七人増の四千六百十九人とすることが提案されております。そこで定数増の内容や背景、要因などについて、できるだけ具体的にお答え願います。  今回の増員は、市町村の意見を十分に聞き取りした上での条例改正でありましょうし、かつ、さきに指摘した選任基準の見直し効果も踏まえての提案であろうと拝察いたします。ついては、まず直近の民生委員定数の充足率についてお答え願います。  民生委員の選任は、実際には市町村で行われることになっております。したがって、定数充足率も市町村の努力次第という側面はありますが、定数増を図っておきながら、その分充足率が下がっては、何のための条例改正だったのかと批判は必至であります。今回は選任基準も見直されたわけであり、必ずや充足率も向上させるべきであると強く訴えたいと思います。市町村が主体とはいえ、知事の決意、執行部の熱意が充足率アップの鍵を握ると考えます。知事の明確な答弁を求めます。  さて最後に、責任与党である我が会派としても、民生委員欠員の解消に向け、建設的な提案をさせていただきます。九月定例会開会前に執行部に求めた資料によれば、民生委員関連予算数件のうち委員個人に対する活動費の補助として、一人当たり年額五万九千五百円が支給されているようであります。この単価は国の交付税単価五万九千円に県で五百円を加算したもので、このように上乗せ補助を行っている県は東京都と本県だけであるとされております。そこで、東京都の支給額までは記載されておりませんでしたので調べたところ、東京都の場合は桁違いで、一人当たり十万円を超える金額が補助されているようであります。民生委員は究極のボランティアとも称されており、活動費について云々することは批判を招きかねないとも危惧しながらではありますが、それでも最低賃金すら毎年上げられている昨今、また十月には消費税も引き上げられるこの御時世でありますから、財政力が格段に違う東京都並みとは申しませんが、引き上げを検討すべきと考えます。そうした県の前向きな姿勢が、なり手確保のために奔走する市町村福祉部局に大いに力をかすことになると考えます。  なり手確保のための活動費引き上げを提案しておいて、矛盾するようではありますが、要はお金の問題ではないと思うのであります。たとえ少額でも、小川知事に我々の日ごろの活動をきちんと評価していただいた、小川知事が民生委員活動費の引き上げを決断してくれた、この事実こそが民生委員就任をためらう方の背中を押すだけでなく、これまで昼夜を問わず毎日身を粉にして地道に活動されてきた県下四千五百人の民生委員さんのモチベーション向上にもつながるのではないでしょうか。補正予算ならなお結構、新年度予算でも構いませんので、困っている人に手を差し伸べ、寄り添う県政を掲げる小川知事の英断を期待して、この項を終わります。  次に、本県水道事業の方向性についてお聞きします。言うまでもなく、水道は我々の生活に欠かすことができない重要な基盤施設の一つであります。全国の水道普及率は約九八%に達し、今日水道行政の基盤は施設の拡張整備の時代から、既存の水道基盤を確固たるものとしていくことが求められる時代に変化しています。しかしながら、水道は人口減少に伴う水道の需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の課題に直面しております。国においてはこれらの課題に対応し、水道の基盤の強化を図るため水道法を昨年十二月に改正し、ことし十月から施行します。  まず、水道法の目的を水道の計画的な整備から水道の基盤の強化に変更し、また広域連携をさらに推進するため、都道府県にその努力義務を課したこと、官民連携を推進するものとしたことなどが主たる内容のようであります。このような法改正の動きを踏まえ、県では、福岡県水道ビジョンをことし三月に策定し、安全な水を安定的に供給し続けることができる水道の実現を目指すとされていますが、言うまでもなく最も肝心なことは、ビジョンに掲げた施策を確実に実施していくことであります。我が会派は、これまで将来にわたり安全な水を確実に供給するためには、県内の水道の広域化が重要であると主張してきました。県が、県下の水道事業者に対して広域化の具体策を示すこと、とりわけ田川地域における水道事業の広域化についてはスピード感を持って早期に実現するよう求めてきたところでもあります。ようやくことし四月に田川地域の広域化が実現しました。水道企業団と一市三町が経営を統合したのであります。今後、新浄水場などの施設を整備した上で事業統合が行われるものであります。完了するまでにはなお四年の期間を要するとされているようですが、一体事業統合に至るまでにはどのような施設整備等を必要とするのかについて説明を求めるとともに、県においては引き続きしっかりと支援されんことを強く求めておきます。  また県は、現在進行中の田川地域を初めとして、水道広域化を進める上での課題を把握されていると思います。広域化を目指す他の市町村のためにも、概要で結構ですから、その内容をお示しください。  当然、田川地域だけでなく他地域においても、今後広域化を検討していく必要があります。法改正により、知事がリーダーシップを発揮して進めていくものとされております。既に香川県では県下一水道を実施しています。大阪府においても府域一水道とする目標を掲げています。県下一水道がよいということではありません。本県内に水道事業体が幾つあって、そのうち少なくとも幾つくらいの事業体にまとめ上げたいのか、またそのうちどの程度について官民連携を指導していくつもりなのか、水道広域化と官民連携の方向性を県がまとめ上げ、実現に向けてその方向性を示す時期であります。  そこで知事に伺います。以上述べたことを踏まえ、本県における水道広域化を今後どのように推進していくのか、知事の見解を詳細に求めます。  水道広域化の推進とともに重要な課題は、高度成長期に集中的に整備され、老朽化した水道施設の更新であります。また近年頻発する地震などの災害時にも、水の供給が停止することがないよう水道施設の耐震化を進める必要もあります。このためには老朽化施設の更新や耐震化の計画を含む水道事業の経営計画を策定し、これを踏まえて更新、耐震化を着実に実施しなければなりません。  そこでお伺いします。老朽化施設の更新や耐震化の現状はどのようになっているのでしょうか。また県としてどのように支援していくのかお答えください。  次に、宿泊税についてお尋ねします。福岡市との間で半年にわたって実務者協議が続けられてきた宿泊税については、知事と高島市長とのトップ会談で合意に達し、本年六月議会で関連する条例案が可決、成立しました。その後北九州市の北橋市長が、福岡市と同様に市独自に宿泊税を課税する方針を表明されましたが、こちらも先月十六日、知事と北橋市長とのトップ会談により、福岡市と同じ内容、具体的には北九州市内での宿泊客一人一泊の税額を市税百五十円、県税五十円とすることで合意したとの発表がありました。北九州市も福岡県や福岡市と同様に、来年四月からの税の徴収を目指しており、この合意を受け、県では今議会に関連する条例の改正案を提案されております。この条例案が可決されれば、もちろん総務大臣の合意が前提とはなりますが、ようやく本県における宿泊税の形が定まることになります。  今後は来年度の当初予算に向け、宿泊税を活用した観光振興施策の検討が本格化するものと考えます。新聞報道等によれば、福岡県の税収は十五億円で、そのうち十一億円を県主体事業として活用し、残る四億円を市町村への交付金事業として活用するとのことです。今後この宿泊税によって得られる財源を活用して、どのように県全体の観光振興を図っていくのかが重要となります。これについては、去る六月議会とそれに続く予算特別委員会において、我が会派から宿泊税の活用方針、具体的な使途をただしたところ、知事は、宿泊税による財源を活用し、県全体の観光の魅力を底上げし、福岡県の観光における競争力を高めていきたいとした上で、施策の具体的な内容については関係者の意見も伺いながら効果的な事業が実施できるよう努めていくとした見解が示されています。言うまでもなく、宿泊税は県内の観光振興を図るために新たに創設する法定外目的税であり、その目的に限って活用されるべきものであります。  そこで知事に次の点についてただします。具体的な内容については、来年度の当初予算に向け今後検討が本格化するものと考えますが、県が平成二十九年に策定した福岡県観光振興指針によれば、一、観光資源の魅力向上、二、受け入れ環境の充実、三、効果的な情報発信、四、観光振興の体制強化という四つの体系に沿って観光振興施策を積極的に展開するとの考えが示されており、宿泊税を活用した施策も基本的にはこの体系に沿って検討がされるものと考えます。また県と市町村の関係を考えたとき、県主体事業は広域的な観点から県全体の観光の魅力を底上げする事業を、市町村交付金事業は各市町村の観光スポットや観光案内所を整備する事業を実施するなど、一定の役割分担も必要になるものと考えます。これを踏まえ、この四つの施策体系ごとに、県主体事業市町村交付金事業、それぞれについて現時点でどのような事業展開が構想されているのか説明願います。  次に、両政令市内における県主体事業のあり方についてお尋ねします。県と両政令市との合意は、本来県の課税額二百円のうち百円は県主体事業、残り百円は市町村への交付金事業に充てるはずであったものを、両政令市内においては、県主体事業百円のうち五十円分を政令市に任せるという役割分担を県と政令市で行った結果、県五十円、政令市百五十円という課税額で決着したと聞いています。つまり県主体事業は、両政令市以外の市町村では百円分を実施することになりますが、両政令市内においては、その半分の五十円分しか実施できないことになります。  そこで知事にお尋ねします。両政令市において、他の市町村では実施する事業のうち、どのような事業を基本的に実施しない考えなのかお答えください。  次に、農林水産問題についてただします。まず農林水産業における新規就業者の確保についてであります。県は本年七月、平成三十年度の農林水産白書を公表しました。この白書によれば、農林漁業全体の新規就業者は二年連続で五百人を突破し、ここ数年堅調に推移しているかのように見えますが、果たしてこの程度の新規就業者の確保で、本県農林水産業を将来に向けて守っていけるのか、甚だ疑問を感じているところであります。この中で、農業への新規就業者は、いわゆる新規就農者の就業形態に着目すると、平成三十年度の農業法人等に就職する雇用就農者が農業全体の四割を占めており、ここ数年増加傾向にあります。一方、農林水産省が公表した全国新規就農者数を見てみますと、平成二十七年の約六万五千人から減少傾向で推移し、平成三十年は二年連続で六万人を下回り、また雇用就農者についても昨年から減少しております。人口減少、そして農家数の減少や高齢化が進んでいく中、福岡県もこの先果たして安定的に新規就業者を確保できるのか、非常に不安定な要素が多く存在しております。農業の新たな担い手を確保し、ふやしていくためには、農家子弟への就農支援に加え、新規参入者雇用就農者をふやす取り組みも必要であります。とりわけ若い人が職業として農業を選択し、確実に農業の担い手に育っていただくためには、やはりもうかる農業を実現することが最も重要であると考えているところであります。幾ら人の数を確保しても定着しないと意味がありません。新規就農者は、生産する農作物の栽培技術の習得に時間を要しますし、特に非農家出身の新規参入者は、農地や農業機械等の生産基盤を新たに確保する必要があり、初期投資の負担も大きいものがあります。国は就農前後の資金面を支援する農業次世代人材投資資金を措置しており、新規に就農された方からはこの事業が非常に役に立ったとの声を聞きますが、県はどういった支援により新規就農を後押しされているのでしょうか。  そこで知事にお尋ねいたします。新規就農者が農業経営を早期に確立していくため、県はどう対応されているのかお答えください。  また、雇用就農者が平成二十七年度から百人を超えている状況を踏まえ、県は農業法人等で働きたいといった雇用就農を希望する方の支援を強化するため、平成二十八年度に福岡県就農マッチングセンターを創設しています。農業版ハローワークのような仕組みと承知していますが、この仕組みにより、要は農業法人等への就職へどれだけ導くことができるのかが重要であります。  そこで、福岡県就農マッチングセンターのこれまでの取り組み状況とその成果について、知事に具体的に説明願います。  次に、林業、漁業を含めた農林水産業全体の取り組みはどうなっているのでしょうか。平成三十年度の新規就業者のうち、林業は約五十人、漁業は約六十人と、いずれもここ数年同水準を保っているようですが、今後とも新規就業者を確保するためにはしっかりとした県の対応が求められているところです。県では、今年度から雇用就業希望者に対する就農マッチングセンターの取り組みを、林業及び漁業に拡大していくと聞いております。その取り組みも含め、今後農林漁業全体で新規就業者をどう確保、育成していくのか、改めてお尋ねいたします。  次に、漁業における新たな資源管理システムの導入についてであります。かつて世界一を誇った我が国の漁業生産量は大きく減少しております。農林水産省によりますと、日本の漁業生産量は昭和五十九年の約千三百万トンをピークに、その後減少傾向が続き、平成二十九年まで約三十年間で三分の一にまで落ち込んでいるとのことであります。また漁獲の減少とともに漁業者の減少、高齢化も急速に進んでおり、国の試算では国内の漁業就業者は、三十年後には現状から半減すると予想されております。このように水産資源の減少等により生産量や漁業者数は長期的に減少傾向にありますが、一方で、我が国周辺には世界有数の広大な漁場が広がっており、漁業の潜在能力は非常に大きいものがあります。漁業は国民に対して水産物を供給することを使命としておりますが、現状ではその使命を存分に果たしているとは言えない状況であります。そこで、国は漁業が魅力ある産業となるよう適切な資源管理と水産業の成長産業化を両立させることを目的に、平成三十年十二月に漁業法を改正し、令和二年十二月までには施行されることとなっております。さて、この改正漁業法の大きなポイントの一つとして、漁獲可能量の設定に基づく新たな資源管理システムの導入がなされることとなっております。  そこで、まず知事にお尋ねします。国が導入しようとしている新たな資源管理システムとは、これまでの資源管理とどこが違うのかお答えください。  次に、新しい資源管理システムの導入に対する県の対応についてであります。水産資源の維持、増大のため、現在資源の少ない魚種について資源の管理を行うことは、水産業の持続的発展を考えた場合に十分理解できます。一方で、本県漁業者の漁業経営への影響が危惧されております。本県の海で行われている漁船漁業の実態を見てみますと、陸から近い範囲で漁獲を行う沿岸漁業が中心となっており、その特徴は、船舶の数が多く、それぞれが多数の港で多種類の魚種を少量水揚げするという形態であります。他県で行われているような沖合漁業のように、大型の漁船で決まった種類の魚の群れを広範囲に追って大量に漁獲する、いわゆる攻めの漁業とは違い、沿岸域に回遊してきた魚の群れを待って漁獲する、いわゆる受けの漁業である本県沿岸漁業者は、沖合漁業者よりもはるかに経営規模が零細であります。  今回の資源管理の強化について、漁業関係者からは、トラフグでは小型魚の保護のため、他県では再放流のサイズが二十五センチ以下のところ、本県では自主的に三十五センチ以下とするなど、他県の漁業者以上に高い意識を持って資源管理に取り組んでいる。しかし、取り組める範囲以上の規制が導入された場合には、漁業経営そのものができなくなるのではないかという心配の声が聞かれました。例えば、アジの資源管理が強化された場合、本県で行っているまき網や釣りの漁業者に対する漁業経営への影響は、沖合漁業者に比べ、比較にならないほど大きなものとなり、漁業を続けることができなくなるような事態に陥る可能性があるのではないかと思われます。  そこで知事にお聞きいたします。本県沿岸漁業者が感じている新たな資源管理システムの導入による漁業経営への不安に対し、県はどのように対応していくおつもりかお答えください。  さらにこの際、この漁業問題の最後に、最近その動向が余り伝えられない相島の真珠養殖についてお尋ねしておきます。ひところは随分と話題となり、品質についても伊勢志摩の養殖真珠を上回るとも伝えられたものですが、現状はどのような状況にあるのですか。県としての支援、指導状況とあわせて御説明願います。  次に、希少野生動植物の保護について若干触れておきます。本県ではレッドデータブックを作成し、希少野生動植物保護の取り組みを進められていますが、レッドデータブックによる意識の向上だけでなく、規制がないことから保護の取り組みとしては実効性に限界があるのではないかと考えます。過去には県のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されている昆虫や魚などがインターネット上の販売店で販売されていたり、オークションにかけられたりしている事例が確認されているためであります。こうした中、県では希少野生動植物の保護のための専門家会議を開催し、保護すべき種の候補となる種や保護管理方針等についての提言を、先日受けたとお聞きしております。  そこで質問いたします。その提言とはどのような内容だったのでしょうか。また今後、希少野生動植物の保護のためどのような対策をとっていくのか、知事のお考えをお示しください。  それでは、次に、教育問題として新学習指導要領の実施に向けての課題についてただします。いよいよ来年度から小学校において新しい学習指導要領が全面実施されます。小学校に続き、令和三年度からは中学校で、四年度からは高等学校で順次実施されます。ところで、一般県民の感覚から言えば、学習指導要領の改訂といっても、学校教育が大きく変わることは何となく想像できますが、何がどう変わるのか、そもそも学習指導要領とは何かといった基本的なことを踏まえないままでは議論ができません。例えば、改訂により教育内容が変わって、我が子の入試や定期試験に影響が出るのではないかといった無用の心配をしてしまうことにもなりかねません。  そこで、まず教育長にお尋ねいたします。学習指導要領とは何かを県民にわかりやすい形で説明願います。  これまでの学習指導要領改訂の歴史を見ますと、その時々で日本の教育が直面した課題、そしてそれを乗り越えようとする教育改革の熱い息遣いが感じられます。学習指導要領の改訂は、いわば学校教育の変革の節目であり、子供を育てる県民の方々にとっては、新しい学習指導要領の全面実施により、子供たちに何がもたらされているのか関心が高まるのは至極当然であります。  そこで我が会派は、これまで新しい学習指導要領の実施に向けて準備がしっかりと進んでいるのかということについて議論を重ねてきました。平成二十九年三月の改訂案が世に出た機を捉え、同年の二月議会において、川端耕一議員が改訂後の学習指導要領の実施に向けての課題をただしたのを初めとして、平成三十年三月の予算特別委員会で授業改善や教育環境の重要性について指摘し、また平成三十一年二月の定例議会では、英語教育の早期化、高度化を見据えて、教員の英語指導力の向上方策について議論を行いました。さらに、同じく改訂に伴い新たに実施される小学校のプログラミング教育については、平成三十年三月の予算特別委員会において円滑な開始に向けての議論を行い、さらに同年十月の決算特別委員会でもこの課題について議論を深めたところであります。また、さきの六月定例会では、代表質問において小学校での全面実施に向けた準備期間の最後の年度となったことから、とりわけ新たに実施される小学校の外国語科の実施や中学校における英語教育の高度化に向けて、万全を期した準備が順調に行われているのかをただし、教員の英語力、指導力の育成や指導体制の充実など、着実に準備が進められていることを確認しております。現在、来年度四月まであと約六カ月、小学校における準備期間の最後の一年が半分過ぎたところであり、新しい教育を行うための準備は待ったなしの状態であります。  さて、これからの社会では、第四次産業革命やソサエティー五・〇といった言葉にあらわされるような未来が訪れると考えられます。学習指導要領の改訂は、ほぼ十年ごとに行われてきましたが、では、これから十年後の社会とは一体どのような社会になるのでしょうか。今からは全く想像ができない、革新的な製品やサービス、職業が創出されることなどが考えられ、変化の度合いや速度は予測困難としか言えません。新しい学習指導要領の全面実施は、とりもなおさず学校で子供たちにこのような予測困難な未来社会を生き抜くために必要な資質、能力を育てる教育を始めるということであります。子供たちを教える教師自身が未来の社会を正確に予測できないまま教育を行うことになります。来年度から実際に教育を行う学校や教師の重責を改めて痛感するとともに、全面実施に向けた準備の重要性に改めて思い至る次第であります。  そこで新しい学習指導要領の全面実施に向けて、教育長に三点質問いたします。まず、新しい学習指導要領の全面実施により、これまでの教育がどのように変わるのかについてお聞かせください。  次に、新しい教育内容や指導方法が各学校で組織的に整然と行われるためには、個々の教師が研究、習得するだけでは実現が難しいことは容易に想像ができます。新しい教育を行うためには、まず学校全体が校長を中心とした新しい教育を行うための組織になる必要があると考えます。全面実施に向けた学校体制をどのように整えているのかお尋ねいたします。  また新しい学習指導要領による教育を行うことは、学校や教師にとっては未知の部分も多く、新たに実施される教育や内容が変更される教科等があれば、授業などの新たな準備や変更の作業などが生じ、学校や教師の負担や不安が大きくのしかかっているのではないかと危惧するところであります。そのような学校、教師の負担や不安を解消し、来年度からの新しい教育が円滑に行われるようにするためには、県教育委員会として学校をどのように支援していくのかお尋ねいたします。  質問の最後となりますが、小川県政にとって大きな課題として残されています新県立美術館の建設についてただし、私の会派を代表しての質問を終わりたいと思います。  皆さん御承知のように、この新県立美術館の建設問題につきましては、これまで幾度となく知事の姿勢をただしてきたところでありますが、知事からは、いまだ何ら具体的な見解が示されておりません。いよいよあしたからラグビーワールドカップ二〇一九大会が開催されます。また来年には東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックが開催され、県外はもとより海外からも多くの観光客が本県を訪れるこの絶好の機会に、本県の芸術文化レベルを示す新しい県立美術館の姿さえ見えないことはまことに寂しい限りであり、大きな損失であります。平成二十六年に、九州の自立を考える会でまとめた政策提言をもとに、九州の成長戦略に係る政策提言がまとめられましたが、その中には、例えばセントラル美術館を設置して、世界レベルの観光資源開発に取り組むべきであるとあります。これらはまことに先見性に富んだ提言でありましたが、それが今日なお、何ら具体的になっていないことはまことに遺憾であります。さきの六月県議会代表質問において、我が会派の香原勝司議員が新県立美術館の建設に向けた方針について問いただしたところでも、美術館の建設に向け基本計画の策定準備を進めるとの答弁にとどまっていました。  この問題は、知事が就任したときからの課題でもあります。いまだに基本計画の策定準備とは甚だ遅きに失しているのではないでしょうか。一日千秋の思いで新美術館の建設を待つ県民感情を全く無視しているとも言われかねない対応ぶりでもあります。三期目の知事選に挑むに当たり、選挙公約として、新県立美術館の建設を推進し、芸術文化が薫る福岡県をつくりますと県民にかたく約束されています。したがって、私どもも善意に解釈をするならば、知事の心のうちには既に新しい美術館像ができているのではないかとも想像するのですが、いかがでしょうか。  さきの答弁では、県立美術館には、県民の芸術文化の拠点としての機能、まちづくり、地域活性化への拠点、観光の拠点という役割があり、内外に誇れる美術館と答弁されています。雄大な新しい美術館の姿が予想され、期待が高まるところでもあります。あとはどこに建設されるのか、それが最大の関心事であります。  そこで単刀直入にお伺いいたします。新しい県立美術館をどこに建設されるのか、既に候補地は絞られているのではないかと思うところでありますが、速やかに候補地、建設予定地を明らかにすべきであります。その上で、建設に向けてのタイムスケジュールを策定すべきです。もはや計画の策定準備の段階は過ぎています。県民は県立美術館がどこに建設され、いつ開館するのか、心待ちにしているのであります。よもや、いまだ検討中との逃げ口上を繰り返すようなことがないよう信じております。県民の誇りになるすばらしい美術館の一刻も早い建設を望んでおります。知事の英断と明確な答弁を求めます。(拍手) 3 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。 *知事答弁 4 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、九州の成長戦略でございます。九州・山口の各県知事、政令市長、企業経営者等で構成をいたしております九州・沖縄地方産業競争力協議会、ここにおきましては、アジアのゲートウエーとして持続的な発展を目指して、九州・沖縄地方成長産業戦略というものを策定をいたしまして、二十一のプロジェクトを、今推進しているところであります。本県では、そのうち八つのプロジェクトの幹事といたしまして、企画し、実行に移してまいりました。その経験と成果を生かしながら、九州・山口各県知事と経済界の代表で構成をいたしております九州地域戦略会議で策定をいたしました九州創生アクションプランにおきまして、私はしごとの場づくりプロジェクトチームのリーダーといたしまして、東京一極集中を是正するためのUIJターンの促進、創業の支援、また農商工連携、六次産業化による高付加価値化と輸出拡大による農業の振興、外国人観光客の消費拡大を初めとする観光の振興などの九州の成長発展を目指した戦略的プロジェクトを企画し、実行してまいりました。  来年度からの第二期九州創生アクションプラン、ここにおきましては、新たに我が国の成長戦略の柱でもあります第四次産業革命技術を活用したソサエティー五・〇、その実現を初めスマート農業の推進や先端技術を活用した産業の振興といったプロジェクトが始まります。これらのプロジェクトの企画、実行に当たりましても、それを牽引する役割を果たしていきたいと考えております。  また九州の自立を考える会の五つの提言も踏まえまして、福岡県といたしましては、地域の特性に応じた多様な再生可能エネルギーの普及、促進の取り組みを通した新しいエネルギー社会の実現、スポーツの力で県民生活を元気にするスポーツ立県福岡の推進、福岡空港と北九州空港の役割分担と相互補完を進める福岡県の空港の将来構想の実現、それらに積極的に取り組んでいき、九州を牽引していきたいと考えております。  こうした、九州を引っ張る、福岡県をさらに元気にするさまざまなプロジェクトを積極的に推進いたしまして、九州、そして我が福岡県の成長発展に尽力をしてまいります。  市町村のふるさと納税の制度運用に対する県の役割でございます。県は、ふるさと納税制度の導入以来、財政状況が厳しい中で、少しでも自主財源の確保につながるよう市町村に対する制度の周知、県外の福岡県人会における寄附の呼びかけ、ホームページを通じた広報などを行ってまいりました。また、ふるさと納税の返礼品の適正化につきまして、総務大臣通知が発出された際には、同通知に沿った運用がなされるよう市町村に対し指導、助言を行ってまいりました。本年四月の法改正以降は、法の趣旨に沿った制度の運用が行われるよう指導、助言を行い、市町村からの個別の相談にも応じてきたところであります。一方、返礼品として活用できる地場産品が自分のところには乏しい市町村におきましても、ふるさと納税の返礼品に活用することができるよう、福岡県が自信を持ってお勧めすることができるあまおう、秋王、八女茶など十七の品目の県産品を、国と協議の上、県内の全ての市町村で取り扱える共通返礼品に認定をしたところであります。  直方市など八市町村のふるさと納税の運用に対する今後の姿勢でございます。ふるさと納税の対象団体としての指定が四カ月の短期間とされておりました県内八市町村につきましては、七月から今月にかけまして、国が行いました返礼品に関する審査及びヒアリングに、私ども県も同行、同席をいたしまして、基準に沿った運用になっていることを確認しておりまして、他の団体と同様に、来年九月末までの制度参加が認められるものと考えております。御指摘の八市町村を含め全ての市町村におきまして、ふるさと納税の趣旨に沿って適正な運用がなされるよう、引き続き指導、助言を行ってまいります。  ふるさと納税制度に対する私の姿勢でございます。ふるさと納税制度というのは、ふるさとや地方団体のさまざまな取り組みを応援する納税者の気持ちを橋渡しし、支え合う仕組みでありますとともに、地方団体がみずからの財源を確保し、さまざまな施策を実現するための有効な手段であると考えております。六月に閣議決定をされましたまち・ひと・しごと創生基本方針二〇一九におきましても、地方創生の充実強化のため、志ある企業や個人による地方への寄附、投資等を通じて、地方への資金の流れを強化する、その方針が打ち出されているところであります。県といたしましては、これまでも市町村に対し適正な運用を促していく一方、全国知事会を通じ、この制度が健全な制度として維持発展していくよう、国に対し求めてきているところでございますが、今後とも市町村において、ふるさと納税制度が積極的に活用されるよう丁寧に指導、助言に努めてまいります。  次に、激甚災害法の適用に向けた国への働きかけについてお尋ねがございました。今回の大雨におきましては、福岡県、佐賀県及び長崎県で同時に大雨特別警報が発表され、三県にまたがって被害が発生をいたしております。この被害を受けまして、先月三十日でございますが、自由民主党福岡県議団から、被災した近隣県と連携して、激甚災害法の適用を国に求めるよう要望いただいたところであります。これらを踏まえまして、本県から佐賀、長崎両県に対し、早期に激甚災害の指定がなされるよう連携して国に要望することを呼びかけたところであります。その結果、九月六日、私と山口佐賀県知事、平田長崎県副知事と三人でもって、防災担当大臣のところへ行きまして、今回の災害を激甚災害として早期に指定し、特別の財政措置を講ずるよう要望したところであります。  被災児童等への支援制度の拡充についてでございます。被災を起因とした経済的な理由によりまして、幼児児童生徒が就園、就学の継続を断念することがないよう、就学の機会を確保することが必要であると考えております。このため県におきましては、今回の大雨により被災した生徒に対する緊急措置として、低所得者世帯の生徒を対象とした私立高等学校の授業料を軽減する補助の支給対象に、農地、店舗の損壊等により収入が大きく減少する世帯等の生徒を加えまして、支援を行うこととしたところであります。また、九月六日、県議会とともに国に対し、市町村が行う幼稚園の保育料及び小中学校の学用品費、通学費等に対する補助事業等につきまして、熊本地震、あるいは平成三十年七月豪雨と同様、国の補助率をかさ上げするよう、その支援の拡充についてお願いをしたところであります。  農林水産業の被害の実態と事業再開に向けた支援についてでございます。八月二十七日からの大雨によりまして、農業では冠水による農産物の損傷やハウス施設、農業用機械の損壊、それから農地ののり面の崩壊などの被害が発生をいたしました。また林業におきましては、山腹や林道の崩壊など、また漁業では有明海に大量のごみや流木が流れ込むなどの被害が、それぞれ発生をいたしております。その被害額は、九月十二日時点でございますが、農業二十四億三千万円、林業七億六千万円、漁業千四百万円、農林水産業合わせて三十二億円と大きな被害となっているところであります。県におきましては、災害発生直後から直ちに農業共済団体に対しまして、損害評価の迅速、適切な実施、共済金の早期支払いについて要請をしております。また各農林事務所、普及指導センターなどに相談窓口を設置いたしまして、被災農林漁業者に対する融資、共済などの支援制度についての情報提供でありますとか、また栽培技術、経営の相談といった支援に取り組んでいるところであります。加えて、漁業者の方々とともに有明海のごみの回収を進めているところでもあります。さらに今議会におきまして、七月の災害にかかわる支援策として、ハウス施設、農業用機械の再取得、修繕などの補正予算を提案させていただいておりますが、八月の災害につきましても、その被害の大きさに鑑み、七月と同様の支援に災害回避のための排水ポンプの整備を加えまして、これを追加提案したいと考えているところであります。県といたしましては、たび重なる災害で被災された農林漁業者の方々が、その事業継続の意欲を失わないよう、こうした措置によりまして、農林漁業者の早期事業の再開と継続というものを進めてまいります。  次に、佐賀県での油流出事故による本県有明海のノリ養殖への影響でございます。今回の豪雨で、八月二十八日に佐賀県の有明海に注ぐ六角川沿いの鉄工所が浸水をいたしまして、大量の工業用油が周辺地域に流出をいたしました。佐賀県からの情報収集を行いましたところ、流出直後からオイルフェンス等を用いて六角川への流出防止対策が行われました。九月十日には油の回収作業が終了したということであります。本県におきましては、佐賀県に隣接する漁場を中心に、発災直後から県及び福岡有明海漁連が一緒になって監視を続けてきておりますけれども、漁場への油の流入は見られておらず、ノリの養殖への影響はないものと、このように考えているところであります。県といたしましては、引き続き福岡有明海漁連や関係市、佐賀県等と連携をいたしまして、漁場の監視を継続するとともに、今期のノリ養殖の生産が順調に進むようノリ養殖について指導に努めてまいります。  次に、今回の大雨による公共土木施設の被害でございます。今回の大雨では久留米市、筑後市など十四市町村におきまして大雨特別警報が発表され、筑後地方を中心に災害が発生いたしております。県管理の公共土木施設につきましては、道路における全面通行どめ最大五十四区間、河川における浸水被害十五河川、そのほか人家に影響のおそれのある土砂災害、海岸への漂着物や水道の断水というものが発生をいたしました。これらの被害額につきましては、道路十二カ所、河川百六十六カ所、砂防一カ所、海岸一カ所、計百八十カ所、約二十五億円となっているところであります。  今回の大雨による全面通行どめの要因と状況でございます。今回の大雨によりまして、最大五十四区間で全面通行どめが発生をいたしました。その主な要因でございますが、雨量通行規制、道路の冠水、路肩の崩壊、それにのり面の崩壊でございます。これまで雨量通行規制の解除、それから路面の清掃、大型土のうによる路肩の保護、崩土の撤去などを行いまして、五十一区間について全面通行どめを解除いたしております。全面通行どめを行っております残る三区間、そのうち八女市の上陽町の上横山星野線につきましては路肩保護を行い、今月末の全面通行どめの解除を目指しております。また、被害の大きかった八女市星野村の八女香春線及び久留米市の高良内町の湯ノ原合川線につきましては、全面通行どめの早期解除を目指しまして、速やかに復旧工事を進めてまいります。  次に、八女香春線の今後の復旧の進め方でございます。八女香春線につきましては、八女市の星野村から八女市の中心部へ通じます住民の生活を支える重要な幹線道路でございます。この現場は、今回の大雨で最も大きな道路の被災箇所でございまして、先日議長と御一緒して現地にも行ってまいりました。今回の被災は、並行して流れる星野川が増水をいたしまして、護岸が崩壊したことによりまして、道路部まで侵食されるとともに、山側ののり面も崩壊したため、全面通行どめとなったものでございます。その復旧でございますが、現在測量を終え、復旧工法の設計に着手しておりまして、また工事に必要となります搬入路の設置工事も進めているところでございます。一日も早い復旧に向け全力で取り組んでまいります。  次に、冠水による通行どめの対策についてでございます。車両が水没する事故は、その土地が周辺に比べて低いため雨水が集中し、冠水して発生するものでございます。道路の冠水想定箇所につきましては、国及び県のホームページで広く周知を図っているところであります。特にアンダーパスにつきましては、前後の道路に比べて局部的に急低下しておりまして、雨水が急激に集中しやすく、車両の水没事故につながりやすいことから、県が管理をする全てのアンダーパスについて、ドライバーに注意を喚起するための地名表示板、水深表示板及び注意喚起の標識を設置しているところであります。その中にありましても、とりわけ冠水水位が高くなることが想定される箇所につきましては、水位の上昇により自動で冠水情報板にその通行どめの表示ができる警報システムというものを設置しております。また豪雨時には、この警報システムからの冠水通知を受けまして、県土整備事務所の職員が直接現地に向かってバリケードを設置させていただいております。  次に、浸水被害が発生した要因でございます。本年八月、久留米市、筑後市を中心に県南地域で短時間の激しい降雨によりまして、多量の雨水が河川に流れ込んだため、本川や支川の水位が上昇いたしまして、水の行き場がなくなって、支川から越水、溢水したことが、今回の浸水の主な要因だと考えております。  浸水被害が発生した河川についてのこれまでの対応と今後の対策でございます。山ノ井川、池町川などの筑後川の支川につきましては、学識経験者、国、県、関係市町から成る筑後川水系の久留米市街地周辺内水河川連絡会議におきまして、浸水状況やその要因について検証し、点検を行っております。会議におきましては、ハード整備を推進しつつも、保水機能や遊水機能の保全、地形条件に即した総合的な対策が必要との御提言をいただいているところでございます。その提言を踏まえまして、各支川ごとに浸水被害、流域特性が異なっておりますことから、あらゆる観点からの検討が必要となります。このため各支川ごとの浸水対策検討会というものを設置いたしまして、浸水被害軽減に有効な対策について検討を行っております。  この検討結果を踏まえ、山ノ井川につきましては、国土交通省が本年度から新たに創設をいたしました浸水対策重点地域緊急事業に採択をされ、今年度から事業に着手しているところでございます。山ノ井川の排水機場につきましても、国において、その機能の改善を、今検討しているというふうに承知いたしております。池町川など、二年連続で浸水被害が発生しました河川につきましては、今回の浸水被害の発生要因も踏まえまして、国、地元自治体と連携しながら、ポンプの増設などの対策を検討しているところであります。また現在河川改修事業を行っております花宗川などの河川につきましては、地域の方々の安全、安心が向上するよう、河道の掘削、河川の拡幅、調節池などの整備をできる限り速やかに進めてまいります。  次に、浸水対策のための排水ポンプ車でございます。近年、大規模な豪雨災害におきましては、発生した浸水被害に対応するため、国土交通省が保有する移動式の排水ポンプ車が出動し、浸水対策に大きく寄与しております。先月の佐賀での浸水被害は、九州地方整備局やその他の整備局からの応援を含め、合計四十五台が出動いたしておりまして、病院の孤立解消など浸水対策に役立っております。また久留米市におきましては、陣屋川において、国に排水ポンプ車の出動を要請し、浸水被害の防止に効果を発揮したところでございます。このように浸水対策には排水ポンプ車は大変有効ではありますが、一方、その導入に当たりましては、排水ポンプ車の規格や台数、配置場所、維持管理費、要員、そういった検討すべき課題がございます。このため国や他県の運用状況をもとに、その早期の導入に向け課題を整理させていただきたいと思っております。  次に、拡充してきた河川におけるソフト対策の内容とその活用状況についてお尋ねがございました。一昨年の九州北部豪雨や昨年の七月豪雨を受けまして、市町村が地域住民の方に適切な避難を促していくため、県におきましては簡易監視カメラ二十一基、危機管理型水位計八十基をそれぞれ設置いたしまして、市町村に対しこれらの河川の映像と水位データ、並びに主要な県管理の水門の開閉状況について情報を提供しております。これらに加えまして、ダムの水位や放流などに関する情報を、ダムを管理する県土整備事務所長などから直接関係の首長さんに連絡をするホットラインも構築いたしております。  ことし八月の大雨で浸水被害が生じた市町に対しまして、これらの情報の活用状況について確認をさせていただいたところ、避難勧告や避難指示の発令を判断する情報として大変役に立っているというふうに伺っております。また河川の映像と水位データ及び主要な県管理水門の開閉状況は、豪雨時に県のホームページで閲覧できるようにしております。昨年の豪雨時には、これらの情報にアクセスしにくい状況が発生したことから、その後サーバーの増強を行いまして、処理能力をそれまでの十倍まで、今向上させております。その結果、ことしの大雨時にはそういった状況は発生していないところであります。今後も県民の皆様が安全、円滑に避難ができますよう、河川に関する情報をしっかり提供してまいります。  復旧、復興に取り組んでいる朝倉地域の公共土木施設の状況でございます。道路につきましては、今回朝倉地域において五区間が全面通行どめとなりましたが、早急に応急工事を実施し、全ての区間について全面通行どめを解除しております。河川につきましては、赤谷川など七河川、約三・六キロメートルに土砂の流入がありましたが、家屋の被害は発生をしませんでした。これらの全ての河川において、流入した土砂の撤去工事に着手しておりまして、早期に被災前の河川の断面を確保することといたしております。砂防につきましては、奈良ヶ谷川など十一カ所の砂防施設に土砂が堆積をいたしましたが、家屋への被害はありませんでした。これらの砂防施設に堆積した土砂の撤去工事に順次、今着手をしているところであります。  復旧工事の入札契約方式についてでございます。通常の県発注工事におきましては、発注金額に応じ一般競争入札、指名競争入札を実施しております。しかしながら、発災直後には一刻も早い対応が求められることから、今回の災害に当たりましても、応急工事については、一昨年の九州北部豪雨災害や昨年の七月豪雨災害、そのときと同じように、地元の建設業者との間で、年度当初にあらかじめ締結した協定に基づきまして、随意契約による速やかな発注というものを行っております。今後発注することになります本格的な復旧工事につきましても、一日も早くその工事に着手することができるよう、一般競争入札よりも手続に要する期間が短い指名競争入札や随意契約といった入札契約方式を弾力的に選択していきたいと考えております。  次に、日田彦山線復旧に係るこれまでの取り組みと今後の対応でございます。四月二十三日の復旧会議を受けまして、沿線三市町村におきましては、市町村による住民報告会が実施をされました。この報告会では、鉄道での復旧を求める声が大勢を占めました。一部で早期解決のためにはBRTでの復旧もやむを得ないとの意見も出されました。またJR九州に対して、自分たちの意見を伝え、JR九州の考えを直接聞きたいといった御意見も出されたところであります。その後、日田市におきましては八月六日に、添田町では九月十三日に、それぞれJR九州を招いての住民説明会が行われたところであります。これらの説明会におきましても、地元負担なしの鉄道による復旧を求める声が多くございましたが、一部には、早期解決のためにはBRTでの復旧もやむを得ないといった意見も出されております。また東峰村におきましても、十月二日に同様の説明会が行われることになっております。一方、JR九州の青柳社長は、先月の二十八日の定例会見におきまして、鉄道復旧については、地元負担なしにはできない、これを改めて表明をし、あわせて現在提案をしている三つの復旧案について、実現可能なものについては新しいアイデアを入れ、最大限要望に応える旨の発言をしております。  私といたしましては、この間、福岡県議会議長とともに国土交通大臣と面談をし、早期復旧に向けた支援を行うよう要請を行ったところでございます。今後もJR九州と住民の皆様が意見交換を行い、直接JR九州の考え方を地域の方々が聞く、それら地域の皆さんがそれぞれの思いをJR九州に直接伝えていく、そうしたプロセスを積み重ねていくことが大事であるというふうに考えております。その上で、一日も早い地域の復旧、復興につなげられるよう、住民の皆様にとって最善の方策は何か、その観点から十分に検討し、私自身解決の方針を決断していきたいと、このように考えております。  民生委員確保のための検討会についてでございます。民生委員のなり手の確保に必要な対策について検討を行うため、民生委員確保のための検討会というものを、平成三十年四月に設置をいたしました。県内四地域から現役の民生委員の方と市町村担当者をそれぞれ一名ずつ、合計八名の方に委員に就任いただき、四回にわたって検討会を開催いたしました。  まず、検討会の開催に先立ちまして、市町村及び市町村民生委員協議会を対象に欠員解消に必要なこと、活動上の問題、市町村の取り組み等についてアンケートを実施させていただき、課題を整理させていただきました。その上で、検討会におきましては民生委員の年齢要件、候補者推薦の時期、民生委員活動の周知について議論をいただいたところであります。そこで出された意見を踏まえまして、七十五歳以上の方でも推薦しやすくする年齢要件の緩和、候補者推薦の取り組みの開始時期が、自治会役員の改選が行われます四月では遅いことから、前年十二月へ四カ月前倒しすること、市町村が民生委員候補者に対して民生委員活動の内容ややりがいについて紹介するPR用リーフレットを改めてつくる、民生委員活動の参考となるQアンドA集の作成、そういった民生委員確保に資する取り組みを実施させていただいたところでございます。  選任基準の見直しでございます。従来県の選任基準におきましては、七十五歳未満の者を選任することと規定しておりましたが、検討会におきまして、元気で活動意欲のある高齢者が多く、地域の実態と乖離をしている、そういった七十五歳未満の基準の見直しを求める意見が非常に多く出されました。これらの意見を踏まえ、経験豊富で意欲のある民生委員の方に御活躍いただけるよう、本年二月、新任者につきましては年齢制限を努力義務に見直しました。再任者については、それを撤廃したところでございます。  一方で、御指摘もありましたけれども、民生委員の高齢化を抑制していくためには、地域でボランティア活動をしておられる方、退職を間近に控えられた方など、民生委員として活躍が期待される人材の発掘に取り組んでいく必要がございます。このため今回作成いたしました候補者向けPRリーフレットを、各市町村で新たな民生委員の勧誘に活用していただいているところであります。県におきましても知事部局、教育庁及び警察本部の職員の退職予定者説明会、五十代の職員を対象としたライフプランセミナーにおきまして、リーフレットを活用して、この民生委員活動の紹介や勧誘を行っているところであります。  次に、民生委員の定数増でございます。この民生委員の定数につきましては、増員要望のありました市町村に対し、個別に地域の実情を詳細にヒアリングをいたしたところであります。その結果、宅地開発やマンション建設など世帯数がふえた地区、高齢者や生活保護世帯の多い地区、山間部で集落が点在する広大な地区、その分割などによりまして、八十七人の増員を行うこととしたものであります。  この充足率でございますけれども、県条例では政令市、中核市を除き民生委員の定数を四千五百三十二人と規定しているところであります。これに対し、ことしの九月一日現在、四千三百九十六人が委嘱されておりまして、その充足率は九七・〇%でございます。本年十二月に民生委員の一斉改選が行われる予定でございまして、現在市町村ではその候補者の推薦作業を行っているところであります。市町村におきましては、民生委員の充足率向上のため努力されているところでございますけれども、県といたしましても、先ほど申し上げました民生委員確保のための取り組みに加えまして、現時点で多数の欠員が発生をしております市町村につきましては、担当職員が直接そこを訪問し、その解消に向けた働きかけを行うことによって充足率の向上に取り組んでいるところであります。  活動費の引き上げでございます。民生委員は無報酬で活動されており、その活動にかかわる交通費等として活動費が支給されております。その活動費は一人当たり五万九千五百円となってございまして、地方交付税算定基礎額五万九千円に、本県独自で五百円を加算しお支払いしているところであります。議員も御指摘になりましたけれども、加算をしているのは東京都と我が福岡県だけでございます。県内の各地域におきましては、少子、高齢化の進展に加えまして、コミュニティーの希薄化、世帯の孤立化が進んでおりまして、地域の実情に精通し、住民の立場に立って相談支援を行う民生委員の方々の活動というのはますます重要となっております。民生委員の活動費につきましては、児童虐待の防止、高齢者世帯の見守りなど、取り組むべき課題が近年非常に多くなっておりますことから、必ずしも十分ではないと、このように考えております。このため国に対し、引き続きその活動費の引き上げについて、県単独で、また全国知事会、全国主要都道府県民生主管部(局)長連絡協議会を通じまして要望をしてまいります。また本県独自に行っております加算につきましても、今回の改選で民生委員となられる方々の分から、これを引き上げる方向で、今後検討していきたいと考えております。  次に、田川地域における水道事業の広域化でございますが、田川地域における事業統合に至るまでの施設整備でございます。田川地域においては、経営基盤の強化を図るため、令和五年四月の事業統合までに施設の統廃合を行いまして、十三カ所の浄水場を二カ所に、三十七カ所の配水池等を二十九カ所に、十五カ所の取水場を五カ所に、それぞれすることといたしております。この統廃合のために新たな施設として浄水場が一カ所、配水池等が四カ所、これらをつなぐ管路約十九キロメートルを整備する予定でございます。これらの施設の整備以外にも、組織体制や料金体系についての検討を行っていく必要がございます。県といたしましては、この田川地域の取り組みが円滑に進んでいくよう、国の交付金を活用した財政支援や必要な助言というものをしっかり行ってまいります。  広域化を進める上での課題でございます。広域化を進めるに当たっては、水道事業者間の水道料金、また経営状況の格差、それに広域化に関する考え方の相違といったものが課題になるわけであります。田川地域におきましても水道料金、経営状況、水道管の老朽化の格差など多くの課題がございましたけれども、統合する場合としない場合とを比較して、統合する場合のメリットが大きい、そういう結果を示すことによりまして、合意形成が図られたところであります。このように広域化の効果を具体的に示すことが、広域化を進める上で有効であると、このように考えております。  本県における広域化の方向でございますけれども、ことしの三月に策定をいたしました福岡県水道ビジョンにおきましては、県が主導的な役割を果たして水道の広域化を推進することといたしております。水道の広域化をより推進していくためには、県が水道事業者ごとの将来見通しを整理した上で、広域化のシミュレーションを行っていく必要があると考えております。具体的には事業統合、施設の共同化、民間への共同委託など広域化のパターンごとに、その効果を明らかにしていくものであります。県といたしましては、これらの結果を踏まえ、また水道事業者の意見もよく聞きながら、広域化する地域、その地域が目指すべきパターンや具体的な取り組みというものを明らかにした水道広域化推進プランというものを新たに策定することといたしております。そして、このプランに基づき広域化の取り組みを促進させたいと考えております。  老朽化施設の更新と耐震化でございます。高度経済成長期に整備をされました水道管が、法定耐用年数を超えて更新時期を迎えてきております。本県におきましても、耐用年数を超えた老朽管の割合は年々ふえておりまして、平成三十年三月末時点で一九・三%となっております。今後も更新時期を迎える老朽管が発生することから、水道事業者における老朽管対策を推進していく必要がございます。また平成三十年三月末時点の耐震化率が、基幹管路が約四割、浄水施設が約四割、配水池が約六割程度でございます。災害に強い水道施設を構築していくためには、引き続き耐震化を進めていかなければなりません。県としましては、老朽化施設の更新や耐震化を促進するため、水道事業の経営計画の策定などについて助言をするとともに、国の交付金を活用した財政支援を行ってまいります。  宿泊税を活用した県主体事業市町村交付金事業についてお尋ねがございました。県主体事業といたしましては、インバウンド観光客の周遊促進を初め、広域的な観点から県全体の観光の魅力の底上げに取り組んでいく考えであります。また市町村交付金事業といたしましては、当該市町村内の観光資源の磨き上げ、受け入れ環境の充実等に活用していただきたいと、このように考えております。  例えば、県主体事業につきましては、観光資源の魅力を向上させる観点から、外国人観光客の広域的な周遊を促すためのインバウンド向けの体験プログラムを組み込んだ旅行商品モデルの造成について支援をする、受け入れ環境の充実の観点から、県全体の宿泊施設の満足度を向上させるため、バリアフリー化などの施設の改修を支援する、情報発信を効果的に行うため、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックや東南アジアへの航空路線の拡大を契機とした誘客プロモーションを展開をする、観光振興の体制を強化をするため観光産業の人材の育成を支援する、そういった施策に取り組んでいきたいと考えております。  また市町村交付金事業につきましては、市町村が当該市町村内で実施する施策に活用いただきたいと考えておりまして、具体的には、観光資源の魅力を向上させる観点から自然、歴史、文化等の地域資源を生かした新たな域内の観光資源を開発する、受け入れ環境の充実の観点から観光案内所、観光スポットを整備する、情報発信を効果的に行うため市町村内への誘客プロモーションを展開する、観光振興の体制を強化するため、それぞれの観光協会の運営を強化するといった施策を考えているところであります。こうした県と市町村に関する施策の具体的な内容につきましては、今後令和二年度の当初予算編成に向けて、宿泊事業者、旅行業者、市町村等関係者の皆様方の御意見も伺いながら効果的な事業となるよう検討を進めてまいります。  宿泊税を活用した県主体事業において、両政令市で実施をしない事業についてお尋ねがございました。両政令市におきましては、これまでも大規模な観光地づくりや外国人観光客を意識した受け入れ環境の充実といった観光施策に取り組んできた実績がございます。また、その組織体制も整っているわけであります。このような状況も踏まえ、宿泊税の導入に当たっては、両政令市とそれぞれ協議を行った結果、県は観光振興指針、四つの施策体系のうち政令市内における、一、観光資源の魅力向上、二、受け入れ環境の充実、この二つにつきましては、基本的に両政令市に担っていただき、県ではこれらを実施しないことといたしております。県といたしましては、このような役割分担のもと、今後令和二年度の具体的な事業を検討いたしまして、両政令市とも連携しながら、他の市町村も含め県全体の観光の魅力の底上げを図ってまいります。
     次に、新規就農者の農業経営の確立でございます。県におきましては、親元で就農する農業後継者や新規参入者に対しまして、就農に必要な知識や技術を習得できるよう農業大学校において講義や実習を行っております。新規参入者の多くは、当面の生活費などに不安がありますことから、県は国の農業次世代人材投資資金を活用いたしまして、最大で就農前の二年間、就農後の五年間、その所得の確保を支援しているところであります。また就農後も普及指導センターにおいて、土づくり、病害虫対策、農業簿記などの基礎を学ぶ営農講座を実施をし、また技術、経営面から指導を行っているところであります。さらに栽培技術について、日々相談相手となっております就農里親がマンツーマンで実践的な指導を行うとともに、新規就農者ネットワーク大会というものを開催いたしまして、県内の新規就農者相互の意見交換、また就農里親などの体験談を通じまして経営者意識、その醸成を図っているところであります。加えて今年度からは、新たにふくおか農業経営アカデミーというものを開設いたしまして、農業経営を体系的に学び、経営をステップアップしていただくための講座を実施しているところであります。県といたしましては、こうした取り組みによりまして、新規就農者につきまして、その経営を早期に安定させ、定着が進むよう努めてまいります。  就農マッチングセンターの取り組みと成果でございます。平成二十八年度に設置いたしました就農マッチングセンターにおきましては、インターネット上で登録、検索ができる、ふくおかで農活!農業就職応援サイトというものを開設しておりまして、これまでに求人二百十六件、求職二百九十七件の登録がございます。登録をされた求職者に対しましては、センター職員が直接面談を行い、農業の心構えや仕事の内容などについて、きめ細かく相談に応じているところであります。また希望される求職者に対しましては、就業体験も実施しながらマッチングを進めているところであります。さらに農業法人等が自社の特徴を発表し、個別に求職者と労働条件などについて面談を行う合同会社説明会も開催をしているところであります。これらの取り組みの結果、就農マッチングセンターを設置してから、これまで四十一人の雇用契約が成立しているところでございます。  次に、農林漁業における新規就業者の確保でございます。県では、新規就業者を確保するため、ホームページでのPRを初めハローワークや大学等にチラシを配布し、農林漁業に関心のある方を集めて、県内で就業セミナーや相談会を開催し、就業された方の体験談、あるいは具体的な支援策についての情報を提供しております。また東京や大阪の就業フェアや移住希望者の相談会に参加をいたしまして、県外の方々にもこれらの情報提供を行っております。さらに、就業に際しては、仕事だけではなく、生活関連までの相談を一体的に受け付ける市町村窓口、この設置について進めてきているところであります。今年度からは、新たに就農マッチングセンターの取り組みを林業、漁業にも拡大するとともに、先輩就業者の働く姿や体験談、経営者からのメッセージ、これらを動画で配信をいたしまして、就業希望者の農林漁業に対する理解の促進を図ってまいります。また、これまで福岡市のみで開催をしておりました合同会社説明会を、より多くの就業希望者や会社に参加をしていただくため、今年度は福岡市、北九州市、久留米市、そして筑後市の県下四カ所で開催をいたします。加えて、この説明会に参加をされた方を初め就業希望者に対しまして、具体的な仕事の内容などを理解していただけるよう、現地見学会というものも開催することといたしております。県といたしましては、今後ともこうした取り組みを通じて、農林漁業における新規就業者、これを一人でも多く確保できるよう努めてまいります。  漁業法の改正に伴う新たな資源管理システムでございます。これまでの資源管理との違いでございますが、まず一つ目は、将来目標とする資源量の考え方であります。これまでの資源管理におきましては、毎年漁獲が可能な最低限の資源量を維持することを目標としておりました。新たな資源管理では、資源量を一度回復させ、そこから毎年ふえた分を漁獲していくことにより、高い資源量を維持していくという、そういう目標に変わっております。そのためには最新の科学的知見に基づき、目標とする資源量を定め、この目標に向かって漁獲可能量を設定し、漁獲量を制限することが必要となります。  二つ目の違いでございますが、資源管理の対象となる魚種が拡大されることであります。これまでのアジ、サバ、スルメイカなど重要な漁業対象種八種に加えまして、科学的知見をもとに漁獲の多い魚種、資源が悪化している魚種などの中から、順次資源管理の対象に加えていくこととなります。  この新しいシステム導入に対する県の対応でございます。本県の沿岸漁業には、御指摘のように、釣りやまき網など多くの漁業の種類がございます。四季折々に少量多品種の水産物を漁獲するという特徴がございます。県といたしましては、新しい資源管理のもとでも、本県沿岸漁業者が経営を維持していくことができること、それが重要であると認識しております。新しい資源管理のシステムの内容につきまして、漁業者の間に不安の声があることは承知をいたしております。七月の国の説明会を受けて以降、これまで延べ八回の説明会を実施してきたところでございます。その中で、漁業者の方からは、自分がとっている魚も規制の対象になるのか、年間を通して釣りや網など複数の漁業を営んでいるけれども、どのように管理をしていけばいいのか、そういった声が寄せられているところであります。このため県といたしましては、このような漁業者の方の御意見も踏まえ、対象となる魚種や漁業の種類、管理の方法などが、本県の漁業の実情に合ったものとなるよう、これまで国に求めてきたところであります。今後は漁業者の経営安定に必要な支援策の実施も含めまして、引き続き国に働きかけを行ってまいります。これらを通じまして、新たな資源管理システム導入後も、本県の漁業者が安心してその経営ができるよう努めてまいります。  次に、相島真珠についてでございます。平成十二年に県が相島で健全な純国産のアコヤガイを発見したことを契機にいたしまして、県はこの貴重な貝を守るため、アコヤガイの持ち出し、持ち込みを禁止するなど防疫体制を整備するとともに、このアコヤガイを用いた真珠養殖試験など事業化に向けた研究を行ってまいりました。平成十九年には県が主導し、新宮町、ミキモトとの三者で立地協定を締結をし、同年、株式会社ミキモト博多真珠養殖が、相島で本格的な真珠養殖を開始したところであります。県におきましては、高品質な真珠を安定生産をしていくため、稚貝を効率的に採取をする技術、光沢のよい真珠を生産する技術、それらの開発を行いまして、ミキモト博多真珠養殖へ、その技術移転を行ったところであります。これらの取り組みの結果、開始当初の真珠の収穫量は、年間約一万個程度でございましたが、それが年々増加し、近年では十一万から十五万ぐらいに安定してきているところであります。この相島で生産された真珠は、大玉で美しい光沢を持っておりまして、私自身、社長にお目にかかってお願いをしましたけれども、県からミキモトに対し、商品名に福岡、もしくは相島を入れるよう要請をしました結果、ミキモト相島パールコレクションとして、他産地とは差別化され、現在販売をされているところであります。県といたしましては、引き続き水温や餌となるプランクトンなど、真珠養殖にとって重要な海域に関する環境情報を提供するなど、その安定生産に向けた支援を続けてまいります。  次に、希少野生動植物の保護でございます。県におきましては、昨年度から今年度にかけまして、希少野生動植物に関する生息、生育調査を行い、その実態把握を行いました。その結果、土地の管理放棄、水質汚濁等により、個体数や生息地が減少したり、栽培、飼育等のために採取、捕獲された事例があることを確認したところであります。このため専門家会議を開催をいたしまして、今後の希少野生動植物の保護対策のあり方について検討を行ってまいりました。専門家会議からは、希少野生動植物のうち二十三種につきましては、直ちに保護対策を講ずべきである、そのためには採取、捕獲に対する規制や罰則などを盛り込んだ条例を制定する必要がある、あわせて外来種の駆除、種子を採取して栽培し、植え戻すことなど、保護管理事業を積極的に実施する必要がある、そういった御提言を今月いただいたところであります。今後この提言を踏まえまして、環境審議会の意見もお聞きしながら、希少野生動植物保護条例の制定に向けて検討を進めてまいります。  次に、新美術館の建設についてでございます。美術館は、県民の芸術文化の拠点としての機能はもとより、まちづくり、地域の活性化の拠点、観光の拠点としての役割も期待されるものであります。新たな美術館の立地につきましては、平成二十九年三月、新・福岡県立美術館基本構想検討委員会から、交通至便で人が集まりやすいこと、他の文化施設等との連携による相乗効果を生み出すこと、内外の人々に対する福岡の魅力が倍増できることといった要件を満たす場所が望ましいとの報告を受けておりまして、これらは重要な視点であると、私どもも考えているところであります。この報告を踏まえまして、県におきましては、関係部局の職員により新たな美術館に求められる施設の設備、また規模などについて検討を進めてまいりました。今後は有識者による建設地選定委員会を設置をいたしまして、来年一月中にも建設地の選定を行いたいと、このように考えております。建設地の選定後は、基本計画の策定に着手をいたしまして、内外に誇れる新しい美術館の建設、これを具体化していきたいと考えております。 5 ◯議長(栗原 渉君) 城戸教育長。 *教育長答弁 6 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 学習指導要領についてでございます。学習指導要領は、子供たちが活躍することになる先の時代を見据え、身につけてほしい力を育むため、全国のどの学校でも一定の教育水準が保たれるよう、文部科学省が小中高等学校ごとに、各教科等で学習する目標や内容等を定めたものでございます。今回の改訂では、これまでの教育実践を踏まえつつ、二〇三〇年の社会と、さらにその先の未来における教育のあり方について、多くの有識者による議論等を経てまとめられたものであり、これをもとに子供たちの教科書や時間割りがつくられ、各学校において質の高い学びが実践されるための道しるべとしての役割を果たしております。  新しい学習指導要領の全面実施による教育の変容についてでございます。新しい学習指導要領では、生きる力を育むという目標を継承しつつ、予測困難な社会に対応する新たな学びへの進化を目指しております。このため子供たちが何ができるようになるのかを明確化するとともに、何を学ぶかだけではなく、これまで以上にどのように学ぶかという教育の手法も重視して、授業の改善が求められております。具体的には複数の教科を関連させたり、みずから考え、他者と協力しながら学ぶ授業を充実したりすることにより、知識、技能、思考力、判断力や学びに向かう力等をバランスよく育む教育を推進していくこととなっております。  新しい学習指導要領の全面実施に向けた学校の体制の整備についてでございます。これからの教育を効果的に実践するためには、教育効果の検証、改善や複数の教科等を関連させた授業づくり、地域との連携など、組織的かつ計画的に教育活動の質の向上を図る校長の主体的な学校経営が不可欠でございます。県といたしましては、校長のリーダーシップのもと、教職員や地域等の力を効果的に組み合わせて、組織の力を高める学校経営のあり方について実践研究を行っておりまして、その成果を校長研修会等で還元するなど、校長の学校経営に係る意識改革を図っております。  新しい学習指導要領の円滑な実施のための県教育委員会の支援についてでございます。新しい学習指導要領においては、主体的、対話的で深い学びの授業実践や外国語教育の充実、プログラミング教育等の新たな内容が加わっており、どのように指導方法を改善すればよいのか、あるいはプログラミング教育などの新しい内容について、どのように指導すればよいのかなどの声を聞いております。県といたしましては、新しい学習指導要領の理念や内容を丁寧に説明する場を設けるほか、他者と協力し、問題を解決していく授業づくりに向けた研修の実施、小学校における英語教育の推進体制の整備、プログラミング教育の授業モデルの作成などを通して、全面実施に向けた教職員の不安の払拭を図り、これからの教育が円滑に進められるよう学校を支援してまいります。 7 ◯議長(栗原 渉君) 渡辺勝将君。 8 ◯十八番(渡辺 勝将君)登壇 日田彦山線復旧について、再質問いたします。知事は、一日も早い復旧、復興につなげられるよう取り組むと答弁されておられましたが、これまでもそのような答弁をされてきたように思います。  改めて確認いたします。知事はいつまでに解決の方針を決断するつもりなのかお答えください。 9 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。 10 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  日田彦山線の復旧会議におきましては、平成三十年度末までに結論を得るべく協議を行ってまいりました。しかしながら、JR九州と自治体との間で意見の隔たりが大きく、協議が難航し、結論を得ておりません。このため現在、市町村による報告会やJR九州を招いての説明会が行われておりまして、そこでは住民の皆様からこの問題の早期解決を求める意見というのが出されているわけであります。そこで、現在行われております、こうしたJR九州と住民の皆様の意見交換を積み重ねていきまして、その状況も踏まえながら、遅くとも今年度中には解決ができるよう、できるだけ早くその方針について決断をしてまいりたいと、このように思っております。 11 ◯議長(栗原 渉君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後一時五十分といたします。           午 後 零 時 四十三分  休 憩           午 後 一 時 五十一分  再 開 12 ◯副議長(原中 誠志君) 再開いたします。  休憩前に引き続き代表質問を行います。発言を許可いたします。守谷正人君。(拍手) *守谷議員質問 13 ◯六十番(守谷 正人君)登壇 皆さん、こんにちは。民主県政県議団、守谷正人でございます。  初めに、七月二十一日及び八月二十九日に発生した豪雨によってお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。また、九月九日、関東を襲った台風十五号により被害を受けられた方々を含め、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。そして、被災された方々が一日でも早くもとの生活に戻ることができるよう、我々も一丸となって復旧、復興に取り組んでいく決意を持って、代表質問に入らせていただきます。  初めに、九州北部豪雨を初めとする災害復旧についてです。ことし夏の大雨災害において、本県では道路、河川、農林水産などの被害を含め、七月の大雨が五十八億円、八月が七十五億円という被害額が明らかになりました。今議会では議会初日、補正予算総額二十一億円のうち十九億円が災害復旧費として計上され、さらに復旧、復興費用として補正予算が追加提案されることとなっており、早期復旧が望まれるところです。このように、災害多発時代と言われる中、まさに毎年のように全国各地で災害が頻発する現状に対し、復旧や被災者支援に対する迅速かつ適切な対応が求められています。しかしながら、九州北部豪雨の事例でわかるように、政令で定められた仮設住宅の二年という期限と、実際の復旧に必要な期間がかみ合っておらず、現行の法令では十分に対応ができない状況が散見されます。  そこで一点目に、甚大な被害を受けた地域を持つ本県の経験をもとに、被災者の生活再建のあり方について、何が課題だと考えているのかお聞きいたします。その上で、現行の災害に係る制度などの見直しを国に対して求めていくべきだと考えますが、知事の考えをお聞かせください。  我が会派は、平成二十九年九州北部豪雨の発災直後、七月十八日に視察を行い、二年後の本年八月七日に、改めて一昨年の災害による復旧状況並びに日田彦山線の災害現場の視察のため、東峰村と朝倉市杷木地域を訪れました。今回の視察で明らかになった最も大きな問題は、二年たってもなお、安全が確保できていないため、被災地域の自宅を修理、新築することもできず、高齢者夫婦やひとり暮らしの方のほとんどが、空き家やアパートなどにとりあえず引っ越して仮住まいを続けている現状であり、その数は百四十六世帯にも上ります。さきの六月議会において、我が会派は、仮設、みなし仮設の延長もしくは県独自での対応について強く知事の姿勢をただしたところ、知事は、お一人お一人の状況に応じた住宅再建ができるよう一生懸命やってまいる、朝倉市と協議した上で総合的に判断していくと、延長に含みを持たせるような答弁をされました。被災者の方はもとより、我が会派としても、知事の対応に非常に関心を持っていましたが、その後、七月二十六日に記者会見の席で、公平性を考慮した上で延長はしない、今後も最後のお一人まで対応していくと、仮設住宅の延長を行わないことを表明されました。知事の温情ある判断を期待していた人たちも多く、災害により生活困難に陥っている高齢者を切り捨てるような知事のそっけない判断には、被災者のみならず失望を感じた県民は多かったことと思います。  そこで二点目に、入居期限延長にかわる対応についてです。一部報道で、住宅再建がおくれる世帯に最大四年間、年五十万円の家賃補助という記事が出ました。そこで、この対応策は、朝倉市独自の施策なのか、あるいは県と朝倉市と協議の上で出された対応策なのかお聞きします。その上で、県としては、具体的にどのような形で最後のお一人まで対応していくのかお聞かせください。  三点目に、日田彦山線の鉄道での復旧についてです。我が会派の今回の視察で、東峰村の澁谷村長は、鉄道を生かしたまちづくりをこれまで進めてきたが、それもできなくなる、ぜひ知事には鉄道での復旧を進めるために、リーダーシップを果たしてほしいと強い口調で我々に訴えられました。さきの六月定例議会では知事は、まずは住民の意見を聞くと答弁されていますが、被災した添田町、東峰村、大分県日田市の三つの自治体では、それぞれ住民説明会を行った後、八月十三日に首長が集まり、改めて鉄道による復旧の方針の堅持、JR九州が求める自治体による財政支援について応じられないことを確認したと聞いています。また、八月三十一日には東峰村で住民決起大会が開催され、鉄道での復旧を求めて村民挙げて行動していくことが確認され、九月十一日にはその決議文を知事に渡されています。九月十三日には添田町でもJR九州を招いての説明会が開催されています。このように既に住民の意見は出たと思いますが、知事はこれをどのように受けとめたのかお聞かせください。  そもそも、知事は過去の議会において、JR九州については固定資産税などの税の優遇措置、完全民営化に際しての経営安定化基金の取り扱いなどを勘案すると、一般の民間企業と同列で論ずることはできないと述べられています。JR九州の公的責任を明確にした上で、日田彦山線については鉄道での復旧が望ましいと述べてこられました。JR九州は、鉄道での復旧費用は五十六億円かかると沿線住民に説明していますが、JR九州が鉄道での復旧を決定し国の財政支援を使えば、JRの負担を軽減することができます。しかしながら、JR九州はその条件として、沿線自治体に対し運行にかかる一億六千万円を負担することを求めています。  そこで、まずお伺いします。国にはどのような財政支援メニューがあり、それを使った場合、JRの負担額は幾らになるかお示しください。  JR九州が沿線自治体に求めている運行補助は、自治体運営を破綻させかねない金額であり、到底受け入れられるものではありません。これまで申し上げてきたことを踏まえ、知事はリーダーシップを発揮し、沿線自治体とともにJR九州に対し、鉄道での復旧を強く訴えるべきだと考えますが、知事の決意をお尋ねいたします。  次に、来年度国の予算の大きな目玉である地方創生関連交付金についてお伺いします。今年度で第一期総合戦略が終了し、来年から第二期が始まります。我が会派は、この制度が始まったときから、交付金が打ち上げ花火のように一過性で終わってしまう事業に使われ、単なるばらまきになることを懸念しているところです。第一期の福岡県及び県内市町村の交付決定額はそれぞれ約七十六億円、百三十四億円となっており、国の地方創生推進交付金の予算総額は八千八百億円に上ります。この交付金は、自治体独自の総合戦略に基づいて少子、高齢化対策や産業活性化を図る上で必要な事業を行うために交付されることとなっています。したがって、自治体はそれぞれの課題を解決するための総合戦略を策定し、申請する必要があります。しかし、地方自治総合研究所が全国の市町村に対して行った調査によると、自治体の七割以上が外部企業に総合戦略策定を委託しており、委託先は東京都に本社がある企業が受注金額、件数ともに過半数を占め、その受注総額は二十一億円に上るという驚くべき事実が明らかとなりました。このような現状で地方の独自性、創造性を構築し、産業を活性化させ人口減少に歯どめをかけられるのか、甚だ疑問です。  そこでまず、県内市町村において、県外の企業に外部委託して総合戦略を策定した数は全体の何%になるかをお示しください。  我が会派は、この地方創生関連交付金の目的の一つは、人、物、お金の東京一極集中を是正することとなっていることから、今の状況では、その目的は果たされていないと考えます。  そこで二点目に、さきに申し上げた現状を踏まえ、知事は第一期目の市町村総合戦略をどう認識し、二期目へ向けてどのような対応を考えているのかお聞かせください。  この項の最後に、市町村への支援についてお伺いします。一期目の地方創生交付金について、自治体の規模によって、申請準備が大きな負担になるところがあると聞き及んでいます。交付金の提案の取りまとめを行っている県では、これまで説明会を年に一回、それ以外に個別相談などを行っておられますが、そこで把握された課題は何なのか、それを踏まえた上で、第二期はどのような支援のあり方を考えているのかお聞かせください。  次に、女性活躍先進県に係る取り組みの一つとして、男性の育児参加促進に向けた取り組み、とりわけ本県職員における男性の育児休業等について質問いたします。知事は、さきの知事選挙において、女性活躍先進県を公約に掲げ、ライフステージを切れ目なく支援し、結婚や子育ての希望をかなえることも政策集で触れられています。こうした知事の掲げた公約を実現するためにも、パートナーとなる夫や周囲の人の理解、さらには男性の育児へのかかわりを深めることが重要であると考えます。しかしながら、九月七日の新聞報道によると、二〇一七年度、県職員、教育委員会、消防、警察職員を含む都道府県の男性職員による育児休業取得率は平均で三・一%であり、政府が第四次男女共同参画基本計画において、二〇二〇年度までに男性育児休業取得率を一三%とした目標からはほど遠い現状が明らかになりました。  本県では、子育て応援宣言企業を推進する中で、男性の育児参加を促進する環境づくりを目標に掲げ、子育てをする男性が基本的な知識を得るための福岡パパブックの作成を行うなど、県を挙げて男性の育児参加を進めています。しかしながら、同報道によると、本県の対象男性職員千二百六十九人のうち、取得者はわずか十三人であり、率にして一・〇二%と極めて低くなっています。また、国家公務員の取得率は一〇・〇%であり、地方公務員の取得率の低さが浮き彫りとなりました。さらに、取得率もさることながら、育児休業取得期間に至っては、民間、公共いずれも女性と比べて男性は圧倒的に短いと言われており、男性の育児参加を実効性のあるものにしていくためにも、取得期間を延ばすことも重要であると考えます。  そこで一点目に、本県の男性職員の育児休業等の取得状況及び育児休業取得期間が知事部局、県警部門、教育委員会部門のそれぞれでどのようになっているのか、新聞報道と同様の二〇一七年度の状況をお聞きします。特に、育児休業の取得については、全国平均との比較もお示しください。その上で、取得状況の実態について、どのように認識しているかをそれぞれお答えください。  二点目に、トップによるメッセージの発信についてです。総務省が七月十二日に公表した男性職員の育児休業等の取得促進についてでは、業務調整や代替要員の確保などを行い、トップの積極的なメッセージ発信や、人事評価上の懸念払拭を要請しています。この要請を受け、この際、本庁を初め教育行政、警察行政組織のトップが号令をかけ、リーダーシップを発揮すべきだと考えます。  そこで、今後、男性の育児休業取得促進に向け、具体的にどう進めていくのか、とりわけ、トップとしてどのような発信を行っていくおつもりなのか、それぞれお聞きいたします。  次に、最低賃金改定に伴う本県の対応について質問します。本年七月三十一日に開催された第五十四回中央最低賃金審議会で、本年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました。各都道府県の引き上げ額の目安が示され、全国加重平均は二十七円となり、昭和五十三年度に目安制度が始まって以降で最高額となりました。本県においては、二十六円アップのCランクに位置づけられていますが、県内情勢を踏まえ、現在の八百十四円から二十七円アップの八百四十一円への改定が十月一日から予定されています。全国の状況を見ると、四十七都道府県のうち、目安どおりに改定したところは二十八都道府県であり、それ以外の十九県においては、一円から三円の上乗せした形で時間額を決定し、中でもDランクに位置づけられた十六県においては、実に十三県において、目安額に上乗せした時間額としているところです。今回、本県においても一円上乗せられた形で最低賃金の底上げされたことは、働く者の生活向上につながることであり評価できますが、たとえ八百四十一円で年間二千時間働いたとしても、年収は百六十八万二千円であり、ワーキングプアと呼ばれる年収二百万にも届きません。国では、本年六月、経済財政運営と改革の基本方針二〇一九の中で、最低賃金については、より早期に全国加重平均千円になることを目指すとしていますが、本県においては、二〇一〇年に麻生前知事が八百円との目標額を設定して以降、八百円を超えた今もなお、小川知事は新たな目標額を掲げておりません。そのため、たびたび議会において新たな目標額を設定すべきであるとただしてきましたが、二〇一八年十二月議会での知事の答弁は、「国が示しております目標の達成に向けた着実な引き上げを求めていきたい」との答弁にとどまっています。また、その目標額の達成時期について国は、二〇一〇年の新成長戦略において、二〇二〇年度までに、全国最低八百円、全国平均千円になることを目指すとしていましたが、二〇一六年のニッポン一億総活躍プランでは、最低賃金を毎年三%引き上げ、将来は全国加重平均千円程度にするとして、最低賃金の現状にこの方針を当てはめると、最低賃金額が千円に達するのは二〇二三年ということになり、後退しています。さらに、ことしは、より早期にとしており、その時期を明確に示していません。  そこで、さきに述べたように、知事は、国が示す目標額及び達成時期があったことで本県が独自に目標を設定する必要がないと考えておられたと推測しますが、目標達成時期を国が曖昧にした今、本県としても、ワーキングプアの状況を解消できるだけの新たな目標額を設定し、その達成時期を明確に示すべきであると考えますが、知事のお答えをお聞かせください。  以上、県政推進の基本姿勢についての答弁を求めます。(拍手) 14 ◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。 *知事答弁 15 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、被災者の生活再建の課題と制度の見直しでございます。被災者の立場に立った生活再建を早期に実現をしていくためには、地域によって、あるいは災害の規模の大小にかかわりなく同じ取り扱いがなされること、これが基本であると、このように私は考えております。被災者生活再建支援法につきましては、同一の災害の場合、全ての被災市町村に同法を適用するとともに、半壊世帯や一部損壊世帯への対象拡大を行うこと、また災害援護資金貸付金につきましては、貸し付け限度額の引き上げ、利率の引き下げ等貸し付け条件の改善を行うことが必要であると考えております。このため、平成二十九年七月九州北部豪雨災害の発災直後から、国に対しまして、県議会と一緒になりまして、被災者生活再建支援法の見直し等について要望を行ってまいりました。その結果、ことし四月から、貸付金の利率は三%以内で市町村の条例で決定することができるようになりましたため、本年六月時点で、県内の四十市町がその利率引き下げの条例改正を行ったところであります。また、災害救助法に定められた応急仮設住宅の供与期間につきましても、特定非常災害特別措置法の規定によらず、災害救助法の弾力的な運用が必要であると、このように考えております。ことし七月に開催をされました全国知事会におきまして、私のほうから、被災者の生活再建の早期実現を図るためには、地域によって、あるいは災害の規模の大小にかかわりなく同じ扱いがなされることが基本である旨、発言をいたしまして、その内容が全国知事会の国に対する要望に反映されたところでございます。被災者の立場に立った生活再建を実現していくため、国に対し、引き続き県単独で、また全国の知事会、九州地方知事会を通じまして、現行制度の見直しについて要望を続けてまいります。  次に、朝倉市の被災者支援策と今後の県の支援でございます。ことしの七月以降、応急仮設住宅の供与期限を迎え、仮設住宅から民間賃貸住宅へ転居される方が順次いらっしゃることを踏まえまして、県と朝倉市一緒になって、連携しながら、その方たちへの支援の強化策について検討をしてまいりました。その結果、県におきましては、民間賃貸住宅に入居する際の初期費用や引っ越し費用に対する助成などの支援策を実施してまいりました。一方、朝倉市におきましては、民間賃貸住宅への入居が長期に及ぶことが考えられる方々への支援策といたしまして、義援金を活用した最大四年間の家賃補助を実施することとなったものでございます。加えて、県、市両者協力しまして住宅相談会を開催するとともに、福岡県宅地建物取引業協会の御協力も得ながら、物件情報の提供というものを丁寧に行ってきたところであります。  なお、この九州北部豪雨災害での住宅被害が甚大でありましたことから、県におきましては、市町村への義援金配分を決定する福岡県義援金品配分委員会に対しまして、全壊世帯と半壊世帯に対する配分比をそれぞれ五倍に引き上げるとともに、一部損壊と床上浸水も配分基準に追加する提案を行いまして、その了承をいただいたところであります。これによりまして、県から朝倉市に対しまして、これまで総額約三十四億円の義援金を配付したところであります。  今後も、このような支援策に加えまして、住宅再建時の借入金の利子補給制度の活用を促進するとともに、住宅再建時に支給される被災者生活再建支援金の申請期間の延長につきまして、これを柔軟に対応するなど、朝倉市と一緒になって、被災者お一人お一人に寄り添った必要な支援を行ってまいります。  次に、日田彦山線の復旧に対する住民の皆様の御意見でございます。四月二十三日の復旧会議を受けまして、沿線三市町村では、市町村による住民報告会が実施をされました。報告会におきましては、鉄道での復旧を求める声が大勢を占め、また九月十一日には、東峰村の村民の方々から、鉄道での早期復旧を求める決議文が提出されたところでございます。一方、これらの報告会におきましては、一部に早期解決のためにはBRTでの復旧もやむを得ないとの意見も出されたほか、JR九州に対して、自分たちの意見を伝え、JR九州の考えを直接聞きたいとの御意見も出されたところであります。その後、日田市におきましては八月六日に、添田町では九月十三日に、JR九州を招いての住民説明会が行われました。また、東峰村では十月二日に行われる予定となっております。私といたしましては、こうしたJR九州と住民の皆様との対話を行い、東峰村でもまた行う予定でございます。これによりまして、相互の考え方が相手に伝わるというそのプロセスを積み重ねていくことが非常に大事である、重要であると、このように考えております。  JR九州の負担額についてお尋ねがございました。鉄道での復旧をするためのハード復旧工事にかかわるJR九州の負担額でございますけれども、当初七十八億円としていたものを、福岡、大分両県の災害復旧事業を活用することで五十六億円まで低減する方策を見出すことができました。また、昨年、鉄道軌道整備法が改正をされまして、これまで対象外でありました黒字の鉄道事業者に対しましても、一定の要件を満たせば、被災した赤字路線の災害復旧事業に対して補助する制度が設けられました。この制度を活用すれば、JR九州が負担すべき五十六億円のうち、国が復旧費の四分の一、自治体が四分の一を補助することになるため、JR九州の負担を軽減することが可能となります。しかしながら、この制度を活用するためには、災害発生前と比較した収支改善効果を定めた十年以上の長期的な運行確保に関する計画、これを策定する必要がございます。この条件を満たすために、JR九州は、自治体側から提案をしております鉄道の利用促進策、このほかに自治体からの約一億六千万円の運行の支援が欠かせないと、このようにしているところであります。  復旧に向けた決意でございます。先ほども述べましたけれども、市町村によります報告会、日田市、添田町で行われたJR九州を招いての説明会では、地元負担なしの鉄道による復旧を求める声が多くありました。また一部には、早期解決のためにはBRTでの復旧もやむを得ないといった意見も出されております。また、東峰村でもJR九州を招いての説明会が行われることとなっております。一方、JR九州の青柳社長は、先月二十八日の定例会見におきまして、鉄道復旧については地元負担なしではできないと改めて表明をし、あわせて現在提案をしている三つの復旧案について、実現可能なものについては新しいアイデアを入れ最大限要望に応える旨の発言をしております。私といたしましては、JR九州と住民の皆様が意見交換を行い、直接JR九州の考え方を地域の皆さんが聞く、それから地域の皆さんのそれぞれの思いをJR九州に直接伝えていく、こうしたプロセスを積み重ねていくことが大事であると、このように考えているところであります。その上で、一日も早い地域の復旧、復興につなげられるよう、住民の皆様にとって最善の方策は何か、その観点から十分に検討いたしまして、私自身、解決の方針を決断していきたいと考えております。  次に、市町村の地方創生総合戦略の策定についてお尋ねがございました。県内におきましては、第一期の戦略策定に当たりまして、戦略の起草、KPIの設定に関し、企業や大学への委託を行った市町村数は三十九団体、六五%でございます。そのうち、県外の企業や大学に委託をしたものが十六団体、二七%でありました。地方創生に関し総合的な戦略を策定するという取り組み、これは国にとっても我々地方自治体にとっても初めての試みでありまして、そのノウハウや人手不足を補うために、多くの市町村がそういった知見を有する企業や大学に委託を行ったものと考えております。こうした委託を行った市町村を含め、全ての市町村におきましては、地元の関係者を含む検討委員会における議論、住民アンケート、パブリックコメントの実施などにより地元の意見が反映をされておりまして、地域に根差した戦略となっていると考えております。市町村におきましては、現在、第一期の戦略の検証と評価、第二期の戦略の策定が行われております。県におきましては、ことしの七月から、十五の圏域ごとに地方創生市町村圏域会議を開催をいたしまして、国のまち・ひと・しごと創生基本方針二〇一九で示された新たな視点などについて情報提供を行うとともに、市町村と緊密な意見交換を今、行っているところでございます。また、県内十八市町村に対し、ふるさと貢献隊として県職員を派遣をいたしまして、その戦略策定の支援を行っているところでございます。今後も、圏域会議等におきまして、広域地域振興圏にかかわる県の総合戦略についての情報提供を行うなど、市町村が第一期で蓄積をしてまいりました経験やノウハウ、これを生かしながら、地域の実情に即した新たな戦略を策定できるよう、しっかり支援してまいります。  次に、地方創生交付金の課題と県の支援でございます。市町村からは、県の実施する説明会や個別協議の中におきまして、地方創生交付金について、交付金の申請やその前提となる地域再生計画書の提出の際、事業の先見性や独自性などの審査がありまして、極めて多くの説明資料を求められる、そういった課題が指摘されているところであります。県におきましては、国に対し、昨年の十一月、九州地方知事会議を通じまして、地方創生交付金の対象事業の要件緩和、事務手続の簡素、合理化等を進めるよう要請をしたところでございます。国におきましては、この要請を受けまして、事務手続の簡素化について、現在、計画作成の支援ツールの開発が進められているところであります。県といたしましても、市町村や地元の団体が計画を検討する段階から、それぞれの地域の実態やニーズに応じてきめ細かな支援を行い、それぞれ交付金の採択につなげていきたいと、このように考えております。  次に、男性職員の育児休業等の取得状況でございます。一昨年度、すなわち二〇一七年度でございますが、知事部局において子供が生まれた男性職員数は百五十三人、このうち育児休業取得者は九人、取得率は五・九%、その取得期間は、全ての職員が二週間以上取得し、一カ月以上三カ月未満の者が五人と最も多くなっております。このほか、育児短時間勤務と部分休業の取得者がそれぞれ一人おりまして、その取得率はそれぞれ〇・七%となっているところでございます。特に、育児休業の取得率につきましては、平成二十六年度の五・五%が二十七年度は八・六%、二十八年度は九・四%と増加傾向にございましたが、一昨年度は五・九%にとどまりまして、全国平均八・三%を下回ったところでございます。これにつきましては、一昨年七月の九州北部豪雨の災害復旧、復興業務に従事をしていた職員のほとんどが育児休業を取得できなかったことが影響しているものと考えております。その後、昨年度は再び一二・五%と増加をしているところでございます。このように男性職員の育児休業の取得につきましては、九州北部豪雨災害による特殊事情、これを除きますと着実に伸びてきているところでございます。  男性職員の育児休業等の取得促進に向けた取り組みでございます。本県におきましては、平成二十八年三月に策定をいたしました特定事業主行動計画におきまして、特に、男性職員の育児参加を促進する観点から、来年度末までに、一つは、子供が生まれる男性職員全員が上司とともに父親の子育て支援プログラムを作成すること、父親全員が出産、育児にかかわる休暇を五日以上取得すること、父親の育児休業や育児短時間勤務、部分休業の取得率を一五%以上とすること、これら三つの目標を掲げまして、仕事と子育ての両立支援に取り組んでいるところであります。その結果、昨年度の父親の子育て支援プログラムの作成率は九七・八%、父親育児休暇等の五日以上の取得率は八八・九%、父親の育児休業と育児短時間勤務、部分休業の取得率は一五・六%となっているところであります。男性職員の育児休業等の取得につきましては、出産、育児の際に取得できる休暇等を取りまとめた仕事と子育ての両立支援ハンドブック、これを配付するなど、その制度の周知を図るとともに、研修等を通じまして、管理職を初めとする職員全体の意識を変えていくことによりまして、子育てに理解のある職場環境づくりを進めているところであります。また、私自身も職員の仕事と子育ての両立を支援するために、二十九年六月、イクボス宣言を行っているところであります。今後、こうした取り組みに加えまして、子供が生まれた職員に対し、私のほうから積極的な育児参加を促すメッセージを発出いたしますほか、育児休業を取得した際の収入に関するモデルケースを提示することによって、育児休業等の取得率の向上につなげてまいります。  最低賃金の新たな目標額と達成時期の設定でございます。労働者の賃金が上昇することで消費が拡大をし、企業収益の向上にもつながるという日本経済の好循環が生まれるわけであります。この好循環を継続していくためにも、最低賃金の引き上げの継続が必要であると考えております。最低賃金につきましては、この三年、年率三%程度を目途として引き上げられてきておりまして、今年度の経済財政運営と改革の基本方針におきまして、より早期に全国加重平均が千円となることを目指すとされているところでございます。これまでも福岡県独自の取り組みといたしまして、国に対する最低賃金の引き上げに関する提言を私自身、継続して行ってまいりました。県といたしましては、まずは、この国の示しております目標の達成に向けた着実な引き上げを今後とも求めていきたいと考えております。また、その達成に当たっては、地域間格差が拡大しないよう配慮することについてもあわせて求めてまいります。 16 ◯副議長(原中 誠志君) 城戸教育長。 *教育長答弁 17 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 男性職員の育児休業等の取得状況についてでございます。教育委員会所管においては、平成二十九年度に子供が生まれた男性職員数は三百八十九人、このうち育児休業取得者数は四人、取得率は一・〇%であり、全国平均の三・四%を下回っておりますが、翌三十年度におきましては二・四%となっております。また、二十九年度の取得期間は、六月以下の者は二人、六月を超え一年以下の者が一人、一年を超える者が一人となっております。このほか、育児短時間勤務者は一人で〇・三%、部分休業の取得者は二人で〇・五%でございます。男性職員の育児休業取得が進まない理由としては、学校等の職場における業務調整や代替職員の確保が難しいこと、休業期間中の収入減少などが考えられますが、これらの不安や抵抗感を軽減し、育児休業等を取得しやすい職場環境づくりを図る必要があると認識しております。  男性職員の育児休業等の取得促進についてでございます。教育委員会におきましても、平成二十八年三月に策定した特定事業主行動計画に基づき、育児休業や育児短時間勤務、部分休業の取得率を一五%以上とすることを目標に男性職員の仕事と子育ての両立支援に取り組んでおりますが、昨年度の取得率は三・四%にとどまっております。また、昨年度の父親の子育て支援プログラム作成率は九五・九%、父親育児休暇等の五日以上の取得率は五九・四%となっております。そのほか、管理職員が先頭に立って仕事と子育て等の両立を推進するためイクボス宣言を行っており、さらに子育てに関する意識を高めるため、仕事と子育て、介護の両立支援ハンドブックやリーフレットを配付し、育児休業制度及び取得の意義についての周知を図っております。今後は、こうした取り組みに加え、まずは部分休業や育児短時間勤務の取得により子育てを経験してもらうため、対象職員に対して、育児休業を含む制度の仕組みを個別に説明してまいりたいと考えております。また、育児参加を奨励するためのメッセージを発出するほか、引き続き、管理職員の意識向上及び職場全体でサポートする体制の整備に努めてまいります。 18 ◯副議長(原中 誠志君) 高木警察本部長。 *警察本部長答弁 19 ◯警察本部長(高木 勇人君)登壇 男性職員の育児休業等に関してお尋ねがありました。二〇一七年すなわち平成二十九年度中の県警察における育児休業の対象者は七百二十七人ありましたが、育児休業を取得した者はありませんでした。今後、取得促進に向けた取り組みを推進していく必要があるものと認識をしております。なお、全国警察の育児休業取得率は〇・四%であったものと承知しております。県警察では、妻の出産に伴う三日間までの出産補助休暇に加えて、育児休業の取得のほか、出産の前後八週間の期間に五日間まで取得できる父親育児休暇の取得についても奨励しております。具体的には、平成二十八年に策定した福岡県警察におけるワークライフバランス推進行動計画において、令和二年度までに男性職員の育児休業と父親育児休暇の取得率を合わせて三〇%以上とすることを当面の目標として取り組んでおります。この取得率については、平成二十九年度は二二%、三十年度は二七・二%となっております。  次に、育児休業等の取得促進についてお答えをいたします。県警察といたしましては、プレパパ研修と銘打った子供が生まれる男性職員を対象とした研修会等を定期的に開催し、男性職員が利用できる制度の周知徹底を図るとともに、父親育児休暇を取得した先輩職員による体験談を聴講する機会を設けるなど、育児参加のための休暇等を取得することへの不安や抵抗感を軽減させる取り組みを行っているところであります。また、警察本部長として、各種会議における指示などにより、全ての職員の意識改革を図り、幹部職員による育児休業の対象職員に対する適時の面談により、休暇等の取得促進に向けた積極的な声かけを行い、各種制度の利用に関して相談しやすい雰囲気の醸成に努めるとともに、対象職員が所属する職場における職員間の業務分担を調整するなど、男性職員が家庭生活へ参加しやすい職場環境の整備に取り組んでまいります。 20 ◯副議長(原中 誠志君) 守谷正人君。 21 ◯六十番(守谷 正人君)登壇 答弁をいただきましたが、二点の要望と一点の再質問をいたします。  最初に、男性の育児休業等取得について、知事及び教育長並びに県警本部長に要望いたします。それぞれ男性職員の育児休業等取得促進に向けた取り組みが図られることに加え、組織のトップとしてメッセージを発信する旨が答弁され、管理職を初めとする職員全体の意識改革や子育てに理解のある職場づくりが進むことにより、育児休業制度の活用が促進されることが期待されるところです。  しかしながら一方で、休業制度利用時の代替職員の確保ができず、現実的には現場から離れられない実態が多く見られることから、とりわけ専門的知識や技能を有する教員や警察官において、育児休業代替任期つき職員や教員や育休任期つき警察官の採用及び適切な人的配置に係る財政措置を含めた対応がきちんとされるよう強く要望いたします。  次に、最低賃金の新たな目標額の設定及び達成時期について、知事に要望いたします。知事は、目標額について、我が会派の質問に対し、国が示している目標の達成に向けた着実な引き上げを求めていくとし、達成時期については、達成に当たっては地域間格差が拡大しないよう配慮することについて求めていくと答弁され、目標額、達成時期ともに言及しませんでした。しかしながら、我が会派としては、中小企業を初めとする支援を行いつつ、経済活性化及び労働者の生活向上に向け、知事自身が最低賃金の目標額を提示することが重要であると考えます。そのため、先ほども述べたように、ワーキングプアと呼ばれる年収二百万円の解消を図るためにも、相対的貧困率をもとに、時給額千円以上の最低賃金を本県として設定すべきであると再度、強く要望をいたします。  続きまして、日田彦山線の復旧について再質問いたします。平成二十九年豪雨災害による運休後、県議会における日田彦山線の復旧に関する質問に対し、知事は、平成三十年九月議会の本会議では、事業者であるJR九州が公共交通機関としての使命を持って主体的に鉄道での復旧をすべきであると考える、決算特別委員会では、鉄道での復旧に関する質疑の中で、日田彦山線の一日も早い復旧に向け、職を賭す、政治生命をかける、その覚悟で取り組んでいきたいと答弁されております。本年六月議会では、地域の皆様に、地域に必要な交通手段の確保に関するJR九州の考え方を説明し、その皆様の声を聞いていくこととなったわけですと答弁され、今議会の答弁も、鉄道での復旧を目指すという言葉を聞くことができず、全く地域の住民の皆さんに寄り添ったものではありません。知事の過去の答弁から見ると、まさに考えが突然変わったようにしか見えません。住民の意見の大多数は鉄道での復旧であり、知事は、JR九州と住民の意見交換に判断を委ねていて、みずからの判断を放棄しています。知事は鉄道での復旧を目指すというかたい決意を公表されていました。どうして答弁が変わったのか、改めて知事の考えをお聞きいたします。 22 ◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。 23 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  御承知のとおり、日田彦山線の復旧会議におきましては、平成三十年度末までに結論を得るべく協議を行ってまいりました。私が今まで議会で述べたことについても、先ほどお触れになりました。そのもとで協議を続けてきたわけであります。JR九州と私ども自治体との間の意見の隔たりは非常に大きゅうございまして、協議が難航し、結論を得ていない、そういう状況にあります。  この復旧会議の議論を受けまして、先ほども申し上げましたけれども、沿線の市町村では、JR九州を招いて説明会を開催し、JR九州と住民の皆さんが直接意見交換を今始めたところであるわけであります。十月二日には、東峰村でもそれが開催される予定となっております。先日、添田町で行われた説明会におきましては、鉄道での復旧を求める声は非常に多うございましたものの、一部、初めてBRTの話を聞いた、BRTについて今後詳しく説明をしてもらいたい、それから早急に復旧できる形をとってもらいたい、そういった声もございました。継続してJR九州と意見交換を行うことになったと承知しております。一方、JR九州の青柳社長は、鉄道復旧については地元負担なしではできないと改めて表明をし、あわせて現在提案をしている三つの復旧案につきまして、実現可能なものについては新しいアイデアを入れ、最大限要望に応える旨の発言をしております。こうしたことから、現在始まっておりますJR九州と住民の皆様の意見交換でJR九州の考え方を直接聞く、それから地域の皆さんの思いを直接JR九州に伝えていく、そういうプロセスを積み重ねていくことが今重要であると、このように考えております。その上で、一日も早い地域の復旧、復興につなげられるよう、住民の皆様にとって最善の方策とは何か、その観点から十分に検討し、私自身、解決の方針を決断をしていきたいと、このように思っているところであります。 24 ◯副議長(原中 誠志君) 守谷正人君。 25 ◯六十番(守谷 正人君)登壇 答弁をいただきました。私たちは決して納得をできる答弁ではなかったと思っております。  日田彦山線についてですが、先ほども申し上げたとおり、住民の意見の大多数は鉄道での復旧であり、知事はJR九州と住民の意見交換に判断を委ね、みずからの判断を放棄していると言わざるを得ません。知事のリーダーシップを発揮をしていただくことを期待していた我が会派は、裏切られた思いであります。この問題に関して、我が会派は、今後の知事の行動と姿勢、そして日田彦山線の復旧の状況について、引き続き注視してまいることを申し上げ、次の質問に続きます。  続いて、大学病院におけるいわゆる無給医の問題について、知事に質問します。文部科学省は六月二十八日、平成三十年九月一日から三十日の間で、大学病院で診療に従事した教員等以外の医師、歯科医師を対象とした処遇に関する調査において、診療を行っているにもかかわらず給与が支払われていない、いわゆる無給医について、全国五十の大学病院に、合計二千百九十一人いたことを公表しました。また、雇用契約が結ばれておらず、労災保険に未加入の医師、歯科医師が合わせて六千人以上いたことも判明しています。本件について、柴山前文部科学大臣は、大変遺憾、本来給与を支給すべきものに対して支払っていないという現状は改めるのが当然と述べており、今後、各大学病院へ改善を指示するとしています。  このような中、福岡県が設立した公立大学法人が設置した九州歯科大学附属病院において、今回の調査対象となった歯科医百一名のうち無給医が約半数の四十五名であるという驚くべき結果が今回の調査で明らかになりました。大学病院という性格上、研修や研究の場もあると思いますが、免許を持つ歯科医が診療し、病院が報酬を得ているのであれば、賃金が支払われるのは当然のことだと考えます。また、医療事故や労災などの保護の対象にもならない危険性があるなど、患者、歯科医の双方に不利益となる可能性が高いと言えます。我が会派としては、福岡県がかかわって設置した九州歯科大学附属病院において、また命を守るべき医療の現場で、このような労務管理が行われていたことは極めて問題であり、早急に改善に向けた行動を知事に求める立場から、以下質問をいたします。  まず一点目に、今回、文部科学省が発表した九州歯科大学附属病院の無給医の実態を知事は御存じだったのかお答えください。また、今回明らかになった実態に対して、どのような所見をお持ちなのか、お聞きいたします。  今回判明した九州歯科大学附属病院の実態については、文部科学省が行った調査により明らかになった合理的な理由があるため、労務管理の専門家への相談も踏まえ、給与を支給していない者が二十九名、合理的な理由があるため給与を支給していなかったが、労務管理の専門家への相談等も踏まえ、今後、給与を支給するとした者が四十五名となっています。  そこで二点目に、給与不支給とした二十九名の合理的な理由について具体的にお示しください。あわせて、今後給与を支給する者四十五名について、これまで給与を支給しなかった理由は何なのか、今回から新たに支給するのはなぜなのかお聞かせください。また、支払うべき給与について、どのような基準と水準に基づいて支給されるのかお示しください。  三点目に、給与を支給していない歯科医師がかかわる補償や事故についてお聞きます。通常、医師には、医療法に定められた医療行為上のリスクに備えて支給される医療機器、例えば、放射線被曝をはかるフィルムバッジ等が支給されるようになっています。そこで、通常の医師と同様に診療していた給与を支給していない歯科医師に対しては、どのように対処してきたのかお示しください。加えて、診療中の事故などがこれまで発生したことはなかったのか、あったのであれば、給与を支給していない歯科医師に対する補償などがどのようになっていたのかお聞かせください。  この項の最後に、これらの歯科医師がかかわる医療ミスが発生したことがあるのか、あるのであれば患者に対して責任の所在はどうなっていたのかお聞きいたします。  次に、同一労働同一賃金施行を控えた本県の対応について質問いたします。これまで働き方改革について、国会でもたびたび議論されてきましたが、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を解消し、多様な働き方を選択できる社会にすることを目指すとして、二〇一五年九月十六日に、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律、いわゆる同一労働同一賃金推進法が成立しました。その後、関係諸法が整えられたことにより、いよいよ来年四月一日から具体的に実施されることになり、対象となる企業においては、正規、非正規の賃金格差の是正、非正規労働者の待遇改善などを検討、準備していかなければなりません。なお、中小企業については、その適用は二〇二一年四月一日からと、一年おくれとなります。同法の適用まで残すところ半年余りとなりましたが、その基準については非常にわかりにくいとの指摘もあります。  そこで一点目に、どのような基準に基づいて同一労働同一賃金を判断するのか、適用となる対象者も含めて具体的な事例をお示しいただいた上でお答えください。その上で、今回の法改正の実施に当たり、対象となる企業は、どのような対応が求められているのかお答えください。  次に、同法実施に伴う正規雇用労働者の賃金についてお伺いします。民間の調査会社のアンケートによると、法施行に伴い、大企業の実に五社に一社が正社員の基本給や賞与を減らす可能性があるというショッキングな事実が明らかになりました。企業体力のない中小企業では、正社員の待遇引き下げをする企業が多くなる可能性もあるため、大企業の動向を注視する必要があります。政府は、同一労働同一賃金ガイドラインの中で、労使合意のない正社員の待遇引き下げを望ましくないとしており、同法が、非正規労働者の待遇改善を図る目的が背景にあることから考えても、正規雇用労働者の賃金が下がるということは法の趣旨から逸脱しており、本末転倒であると考えます。同法の施行において、いかなる労働者も不利益をこうむることがないようにすることが重要であると考えます。  そこで二点目に、正規労働者の賃金を下げることのない真の意味での同一労働同一賃金を実現するためには、どのような課題があるのか、またどのような対策が必要だと考えるのか、知事に質問をいたします。  次に、中学、高等学校における運動部活動のあり方についてお伺いします。学校における運動部活動については、顧問となる教師の長時間労働につながるとともに、教師に競技経験等がないために、生徒が望む専門的な指導ができない等の課題があります。また、目先のいわゆる勝利至上主義のもと、大会等で勝つことのみを重視した過度な練習は、生徒の心身のバランスのとれた発達を妨げるという問題があり、我が会派も議会においてたびたび取り上げてきたところです。二〇一八年三月にスポーツ庁は、運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインを策定、同年十二月には、本県教育委員会においても、福岡県運動部活動の在り方に関する指針を発表しました。この指針は、県立学校が実施する運動部活動のあり方を示しており、市区町村教育委員会や学校法人等の学校の設置者は、スポーツ庁のガイドラインにのっとり、県の指針を参考に、設置する学校に係る運動部活動の方針を策定することとなっています。  そこで、一点目の質問です。県の指針が策定されてから九カ月がたちますが、県内市町村及び私立中学、高等学校における方針の策定状況を教育長並びに知事にそれぞれお聞きします。その上で、その状況に対して、今後どのように対応していくのかお聞かせください。  二点目に、県立高等学校の運動部活動における休養日の設定についてです。県の指針では、合理的でかつ効率的・効果的な活動の推進のための取組として、適切な指導については、「スポーツ医・科学の見地からは、トレーニング効果を得るために休養を適切に取ることが必要である」と明記されています。特に練習時間については、ガイドライン、県指針ともに、平日と週末で少なくとも一日ずつ週二日以上の休養日を設けること、一日の活動時間は長くとも平日二時間程度、学校休業日は三時間程度が基準となっています。しかしながら、休養日については、月間や学期単位等での弾力的な設定も可能であり、これでは数カ月間連続して練習を行うことができます。また、県の指針では、朝練を含めたいわゆる自主練について、運動部の活動とは捉えないなどと記載されており、十分な休養がとれていない部活動もあるのではないかと危惧しています。以上の点からも、そもそも休養日が弾力的に設定できることそのものに問題があるのではないかと考えます。
     そこで、県が本年四月から七月に実施した県立高校運動部活動に係る調査において、休養日の取得状況、自主練の実施状況をお示しください。また、月の休養日がゼロの部活動はあったのか、あわせてお示しください。さらに、休養日の弾力的な設定のあり方や、朝練も含めた自主練の規制について、教育長の認識と今後の取り組みをお聞きいたします。  最後に、県立高校の運動部活動の方針の公表についてです。県の指針には、各学校が運動部活動の方針と年間計画を作成し、ホームページ等で公表することも明記されています。しかし、一部の県立高校では、休養日の設定等を具体的に明示しておらず、我が会派の調べによると、県の指針の趣旨に反する県立高校があることがわかりました。  そこで、本年度、県の指針に基づいて、活動計画の明示等を適切に行っていない県立高校は何校あったのか、またそれらに対し、教育長としてどのように指導していくのかお聞きいたします。  次に、飲酒運転撲滅対策について質問をいたします。八月二十五日は、十三年前、二〇〇六年、海の中道大橋で幼児三人の命を奪った飲酒運転による交通事故が発生した日です。先月八月二十五日、福岡市で開催された福岡県飲酒運転撲滅県民大会において、事故を風化させず飲酒運転撲滅を図るため、毎年八月二十五日午後零時に黙祷するということが提案されました。本県では二〇一二年二月議会で、全国初の議員発議による罰則つき飲酒運転撲滅条例を制定し、その後、二〇一五年の改正で飲酒運転に関する県民の通報義務や違反者に対しアルコール依存に関する診察もしくは飲酒行動に関する指導のいずれかを受けることを義務化するなど、内容を強化し飲酒運転撲滅に期待をかけているところです。条例制定前の二〇一一年、二百五十七件だった飲酒運転事故件数は、二〇一七年には百二十六件と六年で半数以下になったことは一定評価したいと思います。  そこで一点目に、知事及び県警本部長にこの条例が果たしてきた役割をどう受けとめておられるのかお伺いをいたします。  二点目に、直近の飲酒運転事故件数についてです。飲酒運転事故件数は、以前と比べて大幅に減少したとはいえ、二〇一八年は、前年と比較して十八件増加の百四十四件となり、二〇一九年も七月末現在、対前年比九件増しと増加の傾向を示しており、その数は全国ワースト六位と高どまりしています。そこで、飲酒運転事故が増加している原因は何なのか、知事及び県警本部長の認識をお示しください。  三点目に、違反者に対する診察あるいは飲酒指導についてです。さきに申し上げたように、条例では、違反者に対して診察あるいは飲酒指導を受けることが義務化されていますが、八月二十五日付の西日本新聞によると、四割の人が受診していない実態が明らかになっています。また、改正条例施行後二度摘発された五十八人のうち、多くは最初に摘発された後、診察もしくは指導を受けていないとのことです。  県では、違反者に対して、義務づけられた指導を受けさせるために、昨年度より免許取り消しの聴聞のために県警を訪れた人に対し、月六回県庁で臨床心理士らによる飲酒指導を行っているということですが、その実績はどうなっているのか知事にお伺いをいたします。  その上で、今後、飲酒運転撲滅に向け、どのような取り組みを行うのか、知事、県警本部長それぞれの立場からお聞かせください。  最後に、水上バイクの規制と安全確保対策について質問いたします。近年、海上や河川において、カヌーやカヤック、水上バイク等を利用する人がふえ、水上バイクやプレジャーボートについて、ルールやマナーを守らないことによる問題が起きています。特に、水上バイクにおける速度について明確な制限がない上に、飲酒運転の規制もないため、問題が深刻化しています。警視庁が二〇一六年に実施した四月から八月の東京湾岸部における実態調査では、水上バイクの三八%が危険な航行をしており、操縦者の四七%が飲酒後に操船していたという調査結果が出されています。観光船や漁業関係者から危険だとの声が上がっており、これらに対処するため、東京都では、水上安全条例を昨年七月に制定し、酒気帯び、飲酒状態での水上バイクの操縦を罰則つきで禁止したり、航行禁止の標識を設置するなどの対応をしています。また、そのほか、茨城、栃木などにおいても同様の条例を制定、神奈川県などにおいては、県管理河川における水上バイクのマナー向上を目的に、航行ルールに関するガイドラインを策定するなど、全国各地で水上バイク利用に関する対策を行っています。  そこで一点目に、取り締まりに関して、海上保安庁と県警とは、どのように水上バイクに関する情報を共有しているのかお聞かせください。さらに、水上バイクに関する苦情件数、事故件数及び取り締まりの実績をお示しください。  二点目に、水上バイク利用に関する規制についてです。水上バイクの危険な操縦により、過去には、水上バイクに接触された遊泳者が死亡したり、水上バイクから振り落とされた人がバイク後方から噴射する激しい水流によって内臓破裂などの大きなけがを負った事例もあり、操縦には大きな危険が伴うため、ルールやマナーの徹底は不可欠と考えます。本県には福岡県迷惑行為防止条例があり、その第九条、水浴場等における危険行為の禁止において、水上バイクの迷惑行為も対象となっていると認識していますが、酒気帯び操縦の禁止が明文化されていないなど、細かな部分で現状に対応し切れていない状況です。  そこで、県として、早急に水上バイクの航行ルールの指針となるガイドラインを策定すべきと考えますが、知事の考えをお聞きします。また、水上バイクの航行マナー向上に特化した条例の制定を行うべきと考えますが、県警本部長の考えをお聞きします。  三点目に、航行可能な区域の見直しについてです。現在、水上バイク等の利用者は、福岡海上保安部が発行するPW(パーソナル・ウオータークラフト)安全マップを活用し、航行禁止区域、注意海域を確認し、宗像市から糸島市にかけての海岸で利用していると聞き及んでいます。ところが、遊泳区域付近での危険行為が多いこと、また騒音などを理由に航行可能な区域の見直しを行ってほしいという要望があります。今後、福岡地区における航行可能な区域の見直しについて、地域、関係団体、自治体、県、県警、海上保安庁と協議すべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。 26 ◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。 27 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、九州歯科大学附属病院の実態に関する私の所見でございます。文部科学省におきましては、全国の大学附属病院に対しまして、適正な雇用や労務管理を一層推進することを促すために、大学病院で診療に従事をしております教員等以外の医師、歯科医師に対する処遇に関して調査を行い、ことしの六月ですが、その結果の公表を行いました。私は、その際に、九州歯科大学附属病院の調査結果につきまして、担当課長から報告を受けたところであります。調査の回答に当たりましては、九州歯科大学では、労務管理の専門家であります顧問弁護士に相談をし、診療の実態を確認してもらっておりまして、給与の支給をしていないことについては、私自身も合理的な理由があると、このように認識をいたしております。  調査の結果で、給与を支給していない者の合理的な理由と今後払う給与の考え方についてお尋ねがございました。調査結果のうち、合理的な理由があるため給与を支給していない者二十九名につきましては、九州歯科大学附属病院が研修、研究を行いたいという開業医等の希望に応じて、地域医療の発展に寄与することを目的に研修登録医として受け入れたものでございます。この研修登録医は、みずからの診療技術の向上のために、大学に対し研修料を支払い、大学教員の実地指導のもと、診療に参加しているものでございまして、こうした研修登録医の性格から、給与の支給は要しないものであります。  次に、調査結果のうち、合理的な理由があるため給与を支給していなかったが、今後、給与を支給するとした者四十五名、これは大学院生でございます。博士号を取得するため必要な単位取得や研究論文の作成を行うため、大学教員の指導のもと、診療に参加しているものでございまして、給与の支給を要しないものであります。また、その今後支給する給与でございますけれども、今回の調査結果とは別のことでございますけれども、以前から、臨床実績を積みたいという大学院生からの要望を踏まえまして、単位取得や研究以外で診療を行う制度というものをことしの七月に新たに創設をし、来年一月から、この制度を利用して診療を行う大学院生に対し給与を支払うこととしたものでございます。なお、給与の支払い方法につきましては、勤務実績に応じて一律の額の時給で支払われることとなっております。  次に、給与を支給していない歯科医師の事故等への対処でございます。九州歯科大学附属病院では、これらの歯科医師についても、放射線を扱う診療科において、医療行為上のリスクに備え放射線被曝線量をはかるガラスバッジを支給するなど、給与を支給している他の歯科医師と同様の対応をしております。これらの歯科医師がこうむる診療中の事故は過去三年間発生をいたしておりませんけれども、仮に、事故が発生した場合には、これらの歯科医師に加入を義務づけております傷害保険でその補償が行われます。また、これらの歯科医師の診療によりまして、過去三年間で、患者さんについて、その衣服の汚損、薬アレルギー発生などの事案が四件発生をしておりますが、これらについては、いずれも大学が責任を持って対応しております。なお、補償が必要な場合に備えまして、大学においては、医療損害保険にも加入をしているところであります。  次に、同一労働同一賃金にかかわる判断基準でございます。昨年六月に成立をいたしました働き方改革関連法によりまして、同一企業内における正社員と非正規雇用労働者との間で基本給や賞与などあらゆる待遇について不合理な待遇差を設けることを禁止する規定が整備をされました。昨年十二月には、国によりまして、同一労働同一賃金ガイドラインが出されまして、待遇差が不合理なものか否か、これについて原則となる考え方や具体例が示されているところであります。例えば、基本給のうち、勤続年数に応じて支給するものについては、正社員とパートタイム労働者、有期雇用労働者の勤務、勤続年数が同じ場合には、同一の支給をしなければならないことが原則でありまして、問題のある事例として、有期労働契約を更新してきた労働者の勤続年数について、通算の年数ではなく直近の契約期間の勤続年数のみで評価しているケースが示されているところであります。  次に、企業が求められる対応でございます。企業におきましては、不合理な待遇差がある場合には、就業規則の変更等、その改善に向けた対応を行うことが必要となります。また、派遣労働者の派遣元の企業は、一定の要件を満たす労使協定を締結する場合を除いては、派遣先の労働者との間に不合理な待遇差が生じないよう対応する必要がございます。加えて、非正規雇用労働者から求めがあった場合には、正社員との待遇差の内容や理由等について説明を行う義務もございます。  次に、同一労働同一賃金を実現するための課題と対策でございます。同一労働同一賃金は、労働者がどのような雇用形態を選択しても納得できる待遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにすることを目的としたものでございます。国のガイドラインにおきましては、基本的な考え方といたしまして、労使で合意することなく通常の労働者の待遇を引き下げることは望ましい対応とは言えない、このように規定されております。こうした同一労働同一賃金の目的そして考え方をまず企業の皆様にしっかり御理解いただくことが重要であると、このように考えます。このため国におきましては、都道府県労働局ごとに働き方改革推進支援センターを設置をいたしまして、同一労働同一賃金に関する企業向けの相談支援、またセミナーの開催などの対応が図られているところであります。県といたしましても、福岡労働局と連携をいたしまして、市町村を通じた事業主への周知等、必要な周知、啓発を図っているところであります。  次に、私立学校における運動部活動の方針についてでございます。県におきましては、昨年の十二月、私立中高等学校等を設置をいたします学校法人及び学校長に対し、国のガイドライン及び県の指針にのっとり運動部活動の方針を策定し、公表するなど適切に対応するよう周知を図るとともに、私学団体の会議等の場におきましても、その働きかけを行ってきたところであります。その結果、本年七月現在で、中学校につきましては六校、高校につきましては十三校が既に方針を策定しておりまして、今年度中に、中学校については十六校、高校については三十七校と、策定する学校が八割を超える予定となっております。県といたしましては、残る中学校の五校、高校十校におきましても、早急にこれが策定されますよう引き続き働きかけを行うとともに、先行事例の紹介などを行いまして助言を続けてまいります。  次に、飲酒運転撲滅条例の果たしてきた役割についてお尋ねがございました。条例施行前の飲酒運転事故件数は、平成二十二年には三百三十七件で、全国ワースト一位でありました。私が知事になる前の年でございます、一位でありましたが、二十九年は百二十六件と六割以上減少し、統計が残っております昭和四十年以降最少となっておりますとともに、全国順位につきましてもワースト十一位まで改善されたところでございます。こうしたことは、議員提案により制定していただきました飲酒運転撲滅条例の施行、また法律に基づく罰則の強化、県民の皆様の御協力のもとに実施をしてまいりましたさまざまな取り組みによりまして、飲酒運転撲滅の意識というものが県全体に広がり、また警察の取り締まりと相まって、事故件数の減少につながってきたものと考えております。  しかしながら、昨年秋以降、この飲酒運転事故というのが増加傾向にございまして、昨年の事故件数は、過去最少でありました一昨年と比べまして十八件増加をし、百四十四件となりました。ことしに入ってからも、七月末まで八十三件、昨年の同時期の七十四件を九件上回っておりまして、憂慮すべき状況が続いているところであります。事故の状況を分析をいたしますと、事故の発生時間帯は夜間より昼間の時間帯が多くなっております。これは前夜の飲酒により、翌日、アルコールが残った状態で運転しているドライバーや日中にアルコールを摂取して運転するドライバーが多く存在していることを意味しております。また、三十歳未満の若年層の事故件数がふえておりまして、十三年前の海の中道大橋で発生した悲惨な事故、これを知らない若いドライバーが増加をし、飲酒運転撲滅の意識というのが希薄化してきていることがその一因ではないかと思っているところであります。  県庁での飲酒指導と今後の飲酒運転撲滅に向けた取り組みについてでございます。飲酒運転撲滅条例に基づき、飲酒運転一回目の違反者は、アルコール依存症に関する診察または飲酒行動に関する指導のいずれかを受け、これを報告する義務がございます。県におきましては、この義務の履行率を向上させるため、昨年度、アルコール依存症に関する診察を身近なところで受けられますよう、指定医療機関を十四病院から十九病院にふやしたところであります。また、これまでの保健所での飲酒行動に関する指導に加えまして、県庁におきましても、県警察本部に聴聞に来た者に対しまして、臨床心理士や精神保健福祉士によります指導を実施しているところでございます。この県庁における指導につきましては、本年七月末までに聴聞に来た四百六十八名のうち、その九割に当たる四百二十一名が受けております。こうした取り組みの結果、受診義務等の履行率は、昨年三月末の約五割から、現在、約六割まで高くなってきているところであります。今後とも、飲酒運転の撲滅に向け、これまで飲酒運転者検挙の際、本人に渡しておりました受診義務等に関するチラシ、これを身元を引き受けに来た家族にも直接渡し、受診を促してもらうなど、さらなる受診義務等の履行率の向上に努めてまいります。  飲酒運転をなくす取り組みにつきましては、車や歩行者が多い昼間の時間帯にも、先ほど申し上げましたように、事故が多く発生しておりますことから、県民の皆様に、飲酒運転を見かけたときの一一〇番通報を呼びかける運動というものを展開しております。また、県警察と協力をして、飲酒運転を疑似体験できるVRを活用した講習会の実施、学校への飲酒運転撲滅活動アドバイザーの派遣、学生と合同の街頭啓発など、これから運転免許を取得する学生を含めた若年層に対する啓発活動というものを強化していく考えでございます。  次に、マリンレジャーに関連して御質問でございます。ガイドラインの策定でございます。近年、マリンレジャーの拡大に伴いまして、水上バイク同士の接触や遊泳者とのトラブルというものが発生しております。水上バイクの操縦には、船舶職員及び小型船舶操縦者法に基づく特殊小型船舶操縦士免許が必要でございます。また、貸し出しに当たりましても、その免許の確認が必要となっております。その操縦に当たりましても、この法律や、議員御指摘の福岡県迷惑行為防止条例を遵守しなければなりません。県といたしましては、利用者に対しまして、これらの法律や条例をしっかり遵守するよう周知徹底を図ることが大切だと考えております。一方、他県におきましては、法令等に規定されていない追い越しの禁止、また航行時間の制限といった細かなルールについてガイドラインを策定している例がございます。このため、こうしたガイドラインの効果、必要性につきまして、本県における各地域の現状、実情、また他県におけるこうした取り組みなどを参考に研究をさせていただきます。  ──申しわけありません、紙が重なっておりまして。最後の質問でございますが、航行可能な区域の見直しについてお尋ねがありました。謹んで答弁させていただきます。  福岡県周辺地域におきまして、マリンレジャーに伴う事故が、先ほど申し上げましたように、発生をいたしております。当該海域における事故の防止を目的に、福岡海上保安部が事務局となりまして、ことしの六月、九州運輸局、福岡県警察本部、県、関係団体、地元自治体で構成される福岡地区海浜事故防止推進委員会というものを発足しております。今後、福岡海上保安部が設定をいたしました航行可能な区域の見直しに当たりましては、この委員会の場で、地元自治体や関係団体の意見も踏まえつつ、安全かつ快適な水上及び水辺の環境を実現すると、そういう観点に立って議論をさせていただきます。 28 ◯副議長(原中 誠志君) 城戸教育長。 29 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 県内各市町村における運動部活動の方針の策定状況と今後の対応についてでございます。ことし五月に実施した調査によりますと、政令市を除く県内五十八市町村のうち半数の二十九市町村が策定済みでございました。現在、未策定の二十九市町村教育委員会からの方針策定にかかわるさまざまな相談に応じており、今年度中に十八、来年度中に残る十一の市町村が策定予定となっております。今後とも、円滑な策定に向けて指導、助言を行ってまいります。  県立高校運動部における休養日の取得状況等についてでございます。中等教育学校を含む県立高校全日制課程の全運動部千八百一部における休養日の取得状況は、各月の平均で、四月が六・八日、五月が十・九日、六月が十二・三日、七月が七・六日でございました。また、休養日の設定がゼロ日の月があった運動部は十部ございました。  次に、自主練習の実施状況は、四月から七月までの間で、休養日に一度でも自主練習を実施した運動部は三百四部でございました。  休養日の弾力的な設定のあり方等についての認識と今後の取り組みについてでございます。県教育委員会では、地域や学校の実態、運動種目の特性、大会等の日程などがそれぞれ異なることから、休養日を学期や年間を通して弾力的に設定ができるものであることを指針に示しております。しかしながら、月に一日も休養日の設定がない部や恒常的に休養日が少ない部も見受けられるため、生徒の健康、安全の観点から休養日を適切に設定することや、朝練習も含めた自主練習を認めない日を設けることなどの対応は必要であると認識しております。今後も、休養をとることの必要性や過度な練習によるスポーツ傷害のリスクなどについて、校長会や運動部活動指導力向上研修会等さまざまな機会を通じて周知するとともに、今回の調査によって課題が明らかになった学校に対しては、個別に指導してまいります。  県の指針に基づいて活動計画の明示等を適切に行っていない県立高校の数及びそれらに対する指導についてでございます。今年度八月時点で、活動計画の明示等が不十分であった県立高校は二校でございました。学校と地域、保護者がともに生徒の健全な成長を図るパートナーという考えのもと、各学校が活動計画等を積極的に公表することは重要であると考えます。そのため、当該校には、活動計画等の策定及び公表が適切に行われるよう指導、是正を行ってまいります。 30 ◯副議長(原中 誠志君) 高木警察本部長。 31 ◯警察本部長(高木 勇人君)登壇 飲酒運転撲滅対策についてお尋ねがありました。まず、飲酒運転撲滅条例の果たしてきた役割につきましては、県民の飲酒運転撲滅に対する意識が大きく高まる契機となり、毎月二十五日の飲酒運転撲滅の日を中心に県内各地でキャンペーン活動が展開されるなど、飲酒運転撲滅に向けた官民一体による取り組みの推進力になってきているものと考えております。  次に、飲酒運転事故の情勢認識についてお答えをいたします。二〇一七年の飲酒運転事故は、対前年比三十二件の大幅な減少により、統計のある昭和四十年以降最少となる百二十六件でありました。しかしながら、議員御指摘のとおり、翌二〇一八年は十八件増加して百四十四件となり、さらに本年七月末現在、対前年比増で推移しております。ここ三年間における飲酒運転の検挙件数は年間千四百件程度で高どまりしており、その七割以上が高濃度のアルコールを体内に保有した状態で運転していた違反であります。すなわち、飲酒による影響を十分に認識しつつ、あえて飲酒運転を行っている者が今なお多数存在していることがうかがわれるところであり、こうした現状が飲酒運転事故発生の高どまりという結果につながっているものと考えております。  次に、今後の飲酒運転撲滅に向けた取り組みについてお答えをいたします。まず、飲酒運転事故の発生状況や飲酒運転情報等を十分に踏まえ、時間帯、場所、方法等に工夫を凝らし、効果的な取り締まりを徹底して行うこととしております。運転者を検挙した際には、車両や酒類を提供したり、車両へ同乗した者に対する捜査も徹底してまいります。また、飲酒運転を許さない社会環境づくりの推進にも総合的に取り組んでまいります。具体的には、飲食店、タクシー、運転代行事業者など飲酒運転を見かける機会の多い方々からの通報を促進するための通報訓練を実施するほか、特に、酒類を提供する飲食店に対しては、利用客に交通手段を確認するなど飲酒運転を防止するための取り組みをしていただくよう繰り返し働きかけを行ってまいります。さらに、自動車学校における教習や運転免許更新の際に行われる講習はもとより、高校、大学とも連携するなどして飲酒運転の危険性、悪質性を実感させる教育や広報啓発を展開してまいります。警察といたしましては、飲酒運転の取り締まりの徹底と飲酒運転を許さない社会環境づくりを重点的に推進することにより、飲酒運転撲滅に取り組んでまいります。  水上バイクの取り締まり等についてお尋ねがありました。海上保安庁との間においては、関門地区海難防止強調運動推進連絡会議や福岡地区海浜事故防止推進委員会などの各種会合において、水上の危険に関するさまざまな情報の交換を行っているほか、合同取り締まりや海水浴場での水難防止キャンペーンの実施など、良好な協力関係を保持しております。その上で、水上バイクに関する個別の事案や相談がなされた場合には、必要に応じて会合の議題に取り上げたり、お互いに通報するなどして情報共有を図っております。昨年中、一一〇番通報などで県警察が受理した水上バイクに関する事案は、水上バイクが音楽を鳴らしてうるさいといった騒音苦情や、釣り人が注意したら因縁をつけて往復走行しているといった迷惑行為などの苦情が二十一件、水上バイク同士の衝突や水上バイクからの転落などの事故が七件でありました。県警察による水上バイクに対する取り締まりとしては、昨年中、水上バイクの航行区域外を航行した船舶安全法違反一件を検挙したほか、騒音苦情、危険行為等に対して八件の警告指導を行っております。  最後に、水上バイクにかかわる条例の制定についてお答えをいたします。警察といたしましては、議員御指摘の他都道府県条例についての研究を行うとともに、本県内における情勢を子細に把握するよう努めながら、今後の水上における安全、水上バイク航行マナーの向上のための対策のあり方について、関係機関と協議してまいりたいと考えております。 32 ◯副議長(原中 誠志君) 守谷正人君。 33 ◯六十番(守谷 正人君)登壇 九州歯科大学附属病院の無給医問題について要望いたします。知事は、給与を支給していない歯科医師についてるる説明され、給与支給を要しないことを妥当と述べていますが、研修の目的とはいえ、保険医として診療し、処方箋を発行し、病院自身が診療報酬を得ており、研修という名の労働であるのは明らかであり、このような無給医問題は直ちに改善すべきだと考えます。無給医については、全国的にも、研修という名でフルタイム勤務を繰り返し、過重労働になる問題が数多く報告されています。また、診療中の事故について、傷害保険の加入をしていると答弁されましたが、労災保険と比較しても大きな差がある上、大学院生自身がお金を払って加入しなければなりません。このように無給医問題が今議会で初めて明らかになったことを踏まえ、知事として、引き続き実態解明を行い、抜本的な改善に取り組まれるよう強く要望し、我が会派の代表質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 34 ◯副議長(原中 誠志君) 本日の代表質問はこれまでとし、残余は明日取り進めることにいたします。  本日はこれをもって散会いたします。           午 後 三 時 三十一分  散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...