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令和元年度 予算特別委員会 本文 開催日: 2019-07-05

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  1. 福岡県議会 2019-07-05
    令和元年度 予算特別委員会 本文 開催日: 2019-07-05


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    令和元年七月五日(金曜日)    午 前 十 一 時 零 分 開 議 ◯樋口 明委員長 おはようございます。定足数に達しておりますので、ただいまから委員会を開きます。  議事に先立ち申し上げます。  平成二十九年七月九州北部豪雨災害から二年、平成三十年七月豪雨から一年を迎えます。犠牲となられた方々に哀悼の意を表し、一日も早い復興を祈念するため、ただいまより黙祷をささげます。  皆様、御起立願います。なお、傍聴席並びに執行部席の皆様も、この際、御起立について御協力をお願いします。      〔全員起立〕 2 ◯樋口 明委員長 黙祷。      〔黙祷〕 3 ◯樋口 明委員長 お直り、御着席ください。  本日は、令和元年度福岡県一般会計予算の歳出、第九款警察費から第十四款予備費まで、及び第二条債務負担行為から第五条歳出予算の流用まで、並びに第六八号議案から第八六号議案までの審査を予定しておりますので、よろしくお願いします。  それでは、第九款警察費について、説明を求めます。藤野警察本部総務部長。 4 ◯藤野警察本部総務部長 九款警察費の内容について御説明いたします。  三百二十九ページをお開きください。  一項警察管理費につきましては、県警察の運営に要する経費で、その主なものといたしましては、二目警察本部費の説明欄の一番目にあります職員費、二枚めくっていただきまして三百三十二ページの四目警察施設費の説明欄の三番目にあります交通安全施設整備費、三百三十三ページの五目運転免許費の説明欄の二番目にあります運転者等講習費などで、総額は、一枚めくっていただきまして三百三十四ページの本年度の計にあります一千二百五十六億一千七百万円余であります。  続いて三百三十五ページをごらんください。  二項警察活動費は、犯罪の捜査や交通指導取り締まりなどの警察活動に要する経費で、その主なものといたしましては、一目一般警察活動費の説明欄の一番目にあります一般警察運営費、一枚めくっていただきまして三百三十六ページの二目刑事警察費の説明欄の二番目にあります暴力犯罪捜査活動費三目交通指導取締費の説明欄の一番目にあります交通指導取締費などで、総額は、三百三十七ページの本年度の計にあります三十一億七千五百万円余であります。  以上が、九款警察費の内容であります。御審議の上、御承認くださいますよう、よろしくお願いいたします。 5 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。  これより質疑を行います。質疑はありませんか。堤かなめ委員
    6 ◯堤 かなめ委員 皆様、おはようございます。性犯罪の根絶に向けた県警察の取り組みについて質問いたします。  委員長、福岡県における性犯罪の認知・検挙状況についての資料要求を事前にお願いしております。お取り計らいのほど、どうぞよろしくお願いいたします。 7 ◯樋口 明委員長 お諮りいたします。  ただいま堤委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 8 ◯樋口 明委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま堤委員から要求がありました資料については提出できますか。藤野警察本部総務部長。 9 ◯藤野警察本部総務部長 直ちに提出いたします。 10 ◯樋口 明委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 11 ◯樋口 明委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 12 ◯樋口 明委員長 資料が配付されましたので、堤委員、質疑を行ってください。 13 ◯堤 かなめ委員 では、まず、資料について御説明をよろしくお願いいたします。 14 ◯藤野警察本部総務部長 資料の説明をいたします。お手元の資料は、福岡県の性犯罪の現状等について、平成二十六年から同三十年までの五年間の数値をお示ししたものであります。性犯罪の認知件数につきましては減少傾向で推移し、昨年は三百八十一件となり、ここ数年、重要犯罪に占める性犯罪の割合は七〇%前後となっております。一方、検挙率は増加傾向で推移し、平成二十八年以降は七〇%以上を維持しております。また、検挙された者のうち、被害者と加害者の面識の有無については、面識ある者による犯行、いわゆる面識犯が昨年は四三%となり、ここ二年間、増加しております。 15 ◯堤 かなめ委員 御説明にありましたように、性犯罪の認知件数が減少傾向にあるということはわかりました。しかし、人口十万人当たりの認知件数である発生率は、残念ながら九年連続全国ワースト二位となっています。このような不名誉なワースト記録を更新し続けていることは極めて残念であると言わざるを得ません。重要犯罪全体も減少傾向にあるということがわかりました。警察の皆さんの御尽力のおかげかと思っております。また、この五年の間、重要犯罪のうち性犯罪は七割前後を占め続けているということもわかりました。しかも、性犯罪は、御案内のように、どの犯罪よりも暗数が多く、表にあらわれる認知件数は氷山の一角であると言われていることを考えますと、実際には重要犯罪に占める性犯罪の割合はもっと大きいのではないかということが推測されます。  そこで、このような現状から考えますと、性犯罪は県民生活を脅かす最大の課題となっているのではないかと思いますが、県警察はどのように認識しておられるのかお聞かせください。 16 ◯藤野警察本部総務部長 性犯罪は、被害者の人格や尊厳を著しく侵害し、その心身に大きな被害を与える許されざる犯罪であると認識しております。県警察におきましては、平成二十四年から県警察の三大重点目標の一つとして性犯罪の抑止を掲げ、予防、検挙及び被害者支援を柱とした組織一丸となった性犯罪抑止対策を推進しているところであります。 17 ◯堤 かなめ委員 二〇一二年に性犯罪の抑止が三大重点課題となって七年目となります。この間の県警察の御努力は、性犯罪の検挙率が、先ほど御説明にありましたように高まってきているということにあらわれておりまして、このことは高く評価できるのではないかと思っております。  そこで、お聞きします。この五年間、検挙率が高まってきた要因は何であると考えておられますでしょうか。 18 ◯藤野警察本部総務部長 県警察では、関係機関と連携した防犯教室や広報啓発活動の推進、夜間における警戒活動の強化など、性犯罪の各種抑止対策を進めているところであります。また、発生時における最大限の人員を投入した迅速、的確な初動捜査により、犯人の捕捉や防犯カメラ映像等客観証拠の収集を図るとともに、DNA型鑑定等の科学捜査や各種捜査支援システムを活用するなどして、犯人の検挙に努めております。この抑止と検挙の両面の取り組みに加え、被害者の希望する性別の警察官による事情聴取、女性警察官による証拠採取、病院への付き添い、性暴力被害者支援センター福岡との連携による証拠資料採取など、被害者の精神的な負担を軽減し、被害に遭ったことを相談しやすい環境の整備等の取り組みも進めております。このような性犯罪に対する総合的な取り組みは、性犯罪の認知件数を減少させ、検挙率を向上させていると考えております。 19 ◯堤 かなめ委員 次に、合意の件についてお聞きいたします。  一昨年の改正刑法の施行については、被害者の皆様からの声を反映し、厳罰化が実現したことなどに評価の声が上がる一方で、不十分さを指摘する声もあります。ある民間団体の調査によれば、スウェーデン、ドイツ、英国、カナダ、アメリカ・ニューヨーク州などが、暴行・脅迫要件を撤廃し、明確な合意がなければレイプである、イエスと言わない限り不同意によるレイプであると規定しています。さらに、スペインも昨年、同様の改正を行っています。ところが日本では、親などが加害者の場合を除き、暴行・脅迫がなくても強制性交等罪に問えるのは被害者が十三歳未満の場合に限っており、十三歳以上の場合には、暴行・脅迫・心神喪失などの厳しい要件が求められています。したがって、合意があったことではなく、合意がなかったことを立証しなければならないのが現状です。そして、このような理由から、特に性暴力事件で無罪判決が相次いでいます。  今議会一般質問で我が会派の新井富美子議員が触れましたように、報道によれば、県内でもスノーボードサークルの飲み会でテキーラなどを数回一気飲みさせられ、嘔吐して眠り込むなど抵抗できない状態だった二十代女性に乱暴したとして準強制性交罪に問われた四十代の男性に対し、福岡地裁久留米支部は、三月十二日、女性が抵抗できない状況であったことは認定したものの、女性が性交に同意していると男性が過信する状況だったとして故意を認めず、無罪を言い渡しております。これに対し検察側は、三月二十六日、判決の認定に承服しがたいとして控訴しています。また、この判決については、専門家からも、女性は抵抗不能となるほど酒に酔っているのに同意のそぶりを示せるわけがなく、論理的に苦しい判決だといった批判の声が上がっています。このようなアルコールや薬物を使った卑劣極まりない事件がふえてきているのではないかと危惧しております。  そこで、できる限り被害直後にアルコール濃度の測定や薬物の検出ができれば、アルコールや薬物の影響により抵抗不能であったこと、合意を示すことができなかった状態であったことを、現行法の中でもより明確に立証しやすくなるのではないかと考えますが、県警察の見解をお聞かせください。 20 ◯藤野警察本部総務部長 性犯罪の捜査においては、犯行の態様、犯行現場、関係者の所持品等の保存状況、警察による被害認知の時期等、個々の事件の具体的状況に即してDNA型試料を含む体液、指紋、足跡、防犯カメラ映像、目撃者の供述など必要な証拠の採取、収集を行っているところであります。しかし、どのような証拠を採取できるかは個別の事件の具体的な状況に左右され、また、事案の内容によって立証方法はさまざまであるため一概に申し上げることはできませんが、一般論で申し上げますと、被害者からの聴取等により飲酒や薬物の影響による被害が疑われる場合は、アルコール検知などの捜査を行うほか、薬物検査のために被害者から同意を得た上で尿の提出を受けるなど、認知の初期的段階で迅速、的確な必要な証拠収集に努めております。 21 ◯堤 かなめ委員 迅速、的確に必要な証拠収集に努めていただいているということを、改めて確認させていただきました。  次に、啓発のあり方についてでございます。県警察は、これまで自己防衛教育──SDE、性犯罪防止DVDなど性犯罪に関する防犯意識の向上に取り組んでこられました。この間の御努力は一定評価するものではありますが、この防犯意識の向上のための施策が、被害に遭ったのは暗い夜道を一人で歩いていたから、露出の多い服を着ていたから、毅然として断らなかったからなどと誤った自己責任論をさらに強化することになるのではないかと懸念しています。そうならないためには、チラシ、冊子、動画など啓発資料の中に、もし万一被害に遭ったとしても被害者が悪いのではない、あくまでも悪いのは加害者である、そして、安心して相談できる窓口があるということについて、必ずきちんと入れ込むことが必要だと考えます。また、これらの啓発資料の作成に際しては、性暴力被害者支援センター福岡の関係者の方など専門家の意見をしっかりと取り入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 22 ◯藤野警察本部総務部長 県警察では、性犯罪の被害を未然に防止するため、被害実態の分析に基づく具体的な注意喚起を行っておりますが、それと同時に、悪いのは犯人、でも少しだけ防犯意識を持ち歩こうというフレーズを取り入れた動画を製作するなど、被害者が悪いのではないというメッセージの発信にも取り組んでおります。また、リーフレットなどの啓発資料において、安心して相談できる窓口についても紹介し、周知を図っているところであります。  今後も性犯罪の抑止に実効ある広報啓発に努めてまいります。その際、被害者へのメッセージや相談窓口の周知についても配意するとともに、啓発資料の作成には有識者の意見を取り入れることも検討していきたいと考えております。 23 ◯堤 かなめ委員 啓発資料の作成には有識者の意見を取り入れることも検討していただけるということで、ぜひ前向きに御検討をお願いできればと思います。性犯罪は大変デリケートで、言葉一つ、表現一つで被害者を傷つけてしまったり、相談する気力を奪われてしまったりする可能性がありますので、有識者の意見は大変重要だと思います。  では最後に、性犯罪の根絶に向けお聞きします。  本県では、本年二月二十一日に福岡県における性暴力を根絶し、性被害から県民等を守るための条例、いわゆる性暴力根絶条例が成立し、三月に公布、一部施行されています。この条例は議員提案によるもので、阿部弘樹前議員を座長とする主要四会派の議員で構成された福岡県議会議員提案政策条例検討会議において、県警察、性犯罪被害者支援センター福岡、弁護士会などの関係団体、パブリックコメントに寄せられた意見を反映しながら検討を重ねてつくられたものです。第三条には、基本理念として、県民全ての力で性暴力を根絶し、被害者も加害者も出さない社会、性暴力を許さず、被害者に寄り添う心を共有する社会をつくる、性暴力及び被害者に関する誤った自己責任論や偏見を払拭し、その実情の正しい理解を深め、かつ広めることにより、被害者に対する二次的加害行為もまた根絶しなければならないとうたっています。  そこで、県警察として、この条例を踏まえ、改めて性犯罪の根絶に向けた決意をお願いいたします。 24 ◯藤野警察本部総務部長 県警察といたしましては、いわゆる性暴力根絶条例の基本理念に基づきまして関係機関等と連携を図り、性暴力を根絶し、被害者も加害者も出さない社会、性暴力を許さず、被害者に寄り添う心を共有する社会を目指し、予防対策、検挙対策、被害者支援対策を柱に、性犯罪の根絶に向けた活動を強力に推進してまいります。 25 ◯堤 かなめ委員 総務部長、ありがとうございました。  福岡県においては、警察、行政、議会が一体となって、全国に先駆けて性犯罪・性暴力の根絶に大きな一歩を踏み出すことができたように思います。条例の理念を実現するための県警察の今後の一層の取り組みをお願いいたしまして質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 26 ◯樋口 明委員長 ほかに質疑はありませんか。新開昌彦委員。 27 ◯新開昌彦委員 公明党の新開昌彦でございます。  通告に従いまして、ニセ電話詐欺対策について質問させていただきます。  まず委員長に、ニセ電話詐欺の被害件数、被害額、累計別の推移について資料作成を要求しておりますので、お取り計らいよろしくお願いします。 28 ◯樋口 明委員長 お諮りいたします。  ただいま新開委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 29 ◯樋口 明委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま新開委員から要求がありました資料については提出できますか。藤野警察本部総務部長。 30 ◯藤野警察本部総務部長 直ちに提出いたします。 31 ◯樋口 明委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 32 ◯樋口 明委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 33 ◯樋口 明委員長 資料が配付されましたので、新開委員、質疑を行ってください。 34 ◯新開昌彦委員 それでは、簡潔に資料の説明をお願いいたします。 35 ◯藤野警察本部総務部長 資料の説明をいたします。  お手元配付の資料につきましては、全国及び福岡県におけるニセ電話詐欺の現状について、被害類型別統計をとり始めた平成二十三年以降八年間の推移を示したものであります。  平成三十年中における全国の被害状況は、認知件数が一万五千六百四件、被害額が約三百六十三億九千万円となっており、前年と比べ認知件数は千六百三十五件、被害額は約三十億八千万円の減少となっております。本県では、認知件数が三百五十九件、被害額が約六億七千万円となっており、認知件数は二百三十八件、被害額は約四億七千万円の減少となっております。 36 ◯新開昌彦委員 福岡県は、特殊詐欺と言わずに、ニセ電話詐欺と表現をしております。電話が詐欺の窓口であり根源であると。それを喝破してネーミングされたということで、今さらながら評価をするものであります。  しかしながら、ニセ電話詐欺は暴力団の資金源と言われているものの、なかなか検挙に結びついていないという現実があります。  また、先日、タイで捕まりましたかけ子集団というんでしょうか、この映像なんかを見ますと、悪いことをしたという意識すらない、ゲームを楽しむかのごとくに詐欺の犯罪に手を染めているという印象を持ちます。  ニセ電話詐欺の件数を見てみますと、先ほど部長は前年度に対して減少とおっしゃいました。それは当然そのとおりだと思います、数字を見ると。ただ、昨年だけが減少していて、なべてみますと年々増加傾向にあると私はそう思っております。一件当たりの被害額も二百万円を超えているわけであります。また、本県に目を移しましても、本県が詐欺のターゲットになったのは、二十七年と二十九年、被害件数も被害額も急増しておるわけでありますけれども、全国と同様に増加傾向にあるのは、私は間違いないと思っております。まさに我々の対策をかいくぐって高齢者を狙い撃ちしている。これがニセ電話詐欺だと、私は思っております。絶対に許してはいけない、そういう思いで質問させていただきたいと思います。  まず、これまで県警察としてどのようなニセ電話詐欺対策を行ってきたのか御説明願いたいと思います。 37 ◯藤野警察本部総務部長 県警察では、高齢者やその家族に向けた被害に遭わないための広報啓発の強化、ニセ電話詐欺気づかせ隊を初めとした県民運動による被害阻止活動の推進、だまされないための機器の普及を柱とした抑止対策を展開するとともに、犯行拠点の摘発、犯罪に使用される口座や携帯電話などの犯行ツール対策等を含めた検挙対策を強化するなど、ニセ電話詐欺撲滅のための諸対策に取り組んでいるところであります。 38 ◯新開昌彦委員 総合的な対策ということで承りましたが、ニセ電話の詐欺ということでありますので、電話に特化して質問をしたいと思います。  電話機に対する対策についてどのような対策を打ってこられたのか伺いたいと思います。 39 ◯藤野警察本部総務部長 県警察では、平成二十七年に被害防止機器千三百三十七台を導入し、被害に遭うおそれの高い高齢の方に対し機器の貸与事業を開始しております。これまで同機器を設置した方の被害の把握はありません。平成二十八年に被貸与者に対して実施したアンケート調査では、被貸与者の九八%が被害防止に効果がある、機器設置で安心感が得られたと回答しており、機器の効果はあるものと認識しております。  次に、平成三十年に実施したニセ電話詐欺被害防止コールセンター事業につきましては、捜査の過程で犯人グループから押収した名簿に登載されている方に電話をかけて注意喚起を実施いたしました。このうち会話による広報ができた件数は約二万三千件、留守番電話に注意事項を吹き込んだ件数が約六千五百件と、被害に遭うおそれの高い多くの名簿登載の方々に直接注意喚起や防犯指導をすることができました。名簿登載者約十四万二千人の中で、本事業による広報の前に被害に遭われた方が十九名であるのに対し、広報実施後に被害に遭われた方は一名で、その割合は約四分の一に減少するなど、本事業につきましての一定の効果が認められると認識しております。 40 ◯新開昌彦委員 今、御説明いただきました自動録音装置つき電話、いわゆる被害防止機器というんでしょうか、それと、今、三十年から行っているニセ電話詐欺のコールセンターからの注意喚起は、驚くことに十四万件の名簿があるということでございます。十四万件の名簿というのは、先ほどの御説明があったとおり、だまされる可能性の高い押収名簿であるということでありますので、これについての今、効果を聞いたわけでありますが、留守番電話機能つきについては高い効果があったとお示しいただきました。コールセンターの効果について、いまいちよくわからなかったんですが、同等の効果があると認めまして次の質問に行きたいと思っております。  具体的に、その被害防止機器、自動録音装置つきの電話に対する施策とコールセンターの施策の内容、中身についてお示しいただきたいと思います。 41 ◯藤野警察本部総務部長 被害防止機器の設置につきましては、県警察が平成二十七年から行っております貸し出し事業のほか、県と共同で県内の各自治体に働きかけを行った結果、本年五月末現在、十自治体で合計五百七十五台の被害防止機器の貸し出し事業が導入されております。また、県警察では被害防止機器の普及を図るため、市販されている被害防止機能を持つ電話機の総称をまっ太フォンと統一し、電話機メーカーや家電販売店等と共同した普及促進活動を展開しております。あわせて、本年度予算案では、機器のさらなる普及を目的に、各警察署に防犯教室等で使用する被害防止機器のデモ機の整備をお願いしているところであります。  コールセンター事業につきましては、押収名簿に登載された方に対して直接電話をかけて注意喚起を行うものであります。押収名簿は犯人グループの間で出回っていたものであり、名簿に登載されている方は被害に遭うリスクが高いと考えられます。このような方に対して直接注意喚起を行うことは高い被害防止効果が期待できるものと認識しており、平成三十年度重点施策事業として開始し、本年度も継続して実施しているところであります。 42 ◯新開昌彦委員 留守番電話機能つきのものにつきましては、先ほど御説明があった自治体と県警察が配って設置をしているものを合わせると千九百十二台、約二千台になっておりますけれども、これはなかなか効果はあるんですが、もう既に警察署のほうに貸してくださいと言ってもなかなかないものでございまして、手薄になって、どこにあるのかわからないんですが、本当に補助金のほうもこの三年になりまして、地方自治体のほうにも用意をすることができないという状況になっております。この件についても後ほどまた聞きますが、これからもしっかり考えていただきたいなと思っております。  ニセ電話詐欺の電話をどうやってシャットアウトするかに知恵を絞る必要があろうかと思います。被害防止機器、いわゆる自動録音装置を一台でもふやす努力をすべきと考えておりますが、今、貸し出す電話がないというのが現状でありますけれども、その辺の件、県警察として今後どのようなお考えをお持ちなのかお聞きしたいと思います。 43 ◯藤野警察本部総務部長 先ほど申し上げましたとおり、県内の各自治体や事業者等と連携し、被害防止機器の効果を広く周知させることで県民の皆様の自発的な交流等による普及促進に努めているところであります。また、コールセンター事業においても、注意喚起とあわせて被害防止機器の効果を紹介しております。今後もさまざまな広報啓発活動を通じて、被害防止機器の周知普及に努めてまいります。 44 ◯新開昌彦委員 お金がないという答弁だったと思いますが、今後、一つ一つ効果を検証していただいて検討していただきたいと要望しておきたいと思います。  ニセ電話詐欺のこうかつなところというのは、ただ高齢者を狙っているというわけではないと思います。相談相手がなさそうな人、ひとり暮らしであったり、おしゃべりが大変好きな方であったり、アポ電という名前がついているぐらい、手法を使ってそういう情報収集をして、そして狙い撃ちにすると。そこまで今こうかつになってきていると私は思っております。ですから、電話に出たらだまされると、私は思っています。私どもの自治会とかで広報啓発をされておられる方でさえ、ニセ電話がかかってきまして、慌てふためいて危うくだまされるところだったという方もおられます。電話というのは、それほどやはり人を信じ込ませる力があるんだろうなと思っています。  また、先ほどお示しいただきましたまっ太フォンにつきましても、一万円ほどかかります。これを高齢者に買ってくださいというのは、言うのは易し、買うのは難しというか、非常に出費のかさむことでもございますので、一つの提案をしたいと思っています。自宅の電話機の留守番電話機能、目の前にあるボタンをぽんと押すと、ただいま留守にしておりますというメッセージが流れます。これでも相当効果があるとも聞いています。留守番電話設定が広がらない理由は、留守電にすると失礼ではないかという日本人の優しさというものがあって、留守電にすることをためらっておられる方が大変多いと聞きます。しかしながら、御自分の声でただいま防犯対策のために留守電の設定にしております。すぐに折り返しますので発信音の後にお名前と御要件を入れてくださいと、自分で吹き込めば非常に自分が落ちつくといいますか、そういったことがあるそうです。今年度、地域の広報活動に、まっ太フォンを使って地域の皆さん方に広報活動すると聞いております。その際、今示したように、まっ太フォンを買ってくださいと、そういうことをするのも大事かもしれませんが、今、御自宅にある電話機でもこういったことができますよ、ボタンを押すだけでシャットアウトができるんですよということも紹介をしていただきたい。自宅の電話機を留守電にするという推奨を加えていただきたいと思います。  また同様に、コールセンターの呼びかけにつきましても、先ほど、まっ太フォンも御紹介してあるということでございますけれども、自分の目の前の電話機を留守電に設定する、そういった推奨も行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 45 ◯藤野警察本部総務部長 御意見のとおり、被害防止機器を購入しなくても手軽にできる対策として留守番電話機能を活用することは、犯人と直接対応する機会を一旦遮断することで、直接対応した場合と比較して落ちついた対応が可能となる、録音された声を捜査資料に活用することも期待できるといった効果があると考えており、警察庁が広報用として作成した被害防止動画の中でも留守番電話機能の有効性を紹介しております。本県でも、平成三十年度から実施しているコールセンター事業におきまして、留守番電話機能の活用について呼びかけを行っているところであります。今後ともコールセンター事業や被害防止機器の実演による体験型防犯教室、被害防止キャンペーン等の中でも留守番電話機能の活用について呼びかけを行ってまいります。 46 ◯新開昌彦委員 ありがとうございます。ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。  最後に。六月二十五日、つい十日ほど前でありますけれども、犯罪対策閣僚会議が開かれまして、オレオレ詐欺等対策プランを策定されました。既にお聞き及びかと思いますけれども、ニセ電話詐欺対策についての部長の決意をお聞きしたいと思います。 47 ◯藤野警察本部総務部長 本年六月二十五日、犯罪対策閣僚会議においてオレオレ詐欺等対策プランが策定されております。このプランにおきましては、被害防止対策の推進、犯行ツール対策の推進、効果的な取り締まり等の推進を柱に、関係行政機関や事業者等と連携した対策を推進していくものとなっております。県警察といたしましては、当該プランの趣旨及びその内容を踏まえ、今後とも抑止と検挙の両面にわたりニセ電話詐欺の撲滅に向けた諸対策を強力に推進してまいります。 48 ◯新開昌彦委員 終わります。ありがとうございました。(拍手) 49 ◯樋口 明委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 50 ◯樋口 明委員長 ないようですので、以上で、第九款警察費に関する質疑を終わります。  次に、第十款教育費について、順次、説明を求めます。吉田副教育長。 51 ◯吉田教育庁副教育長 それでは、十款教育費のうち教育委員会所管分につきまして、御説明申し上げます。  令和元年度予算に関する説明書の三百四十一ページをお開き願います。一項教育総務費でございます。その主なものは、二目事務局費の説明欄の一番目にあります職員費や、三百四十四ページ、説明欄の一番目にあります三目教職員人事費の教職員等退職手当等でございまして、その総額は、三百四十八ページに飛びまして、計の欄、三百八十六億二千万円余をお願いいたしております。  次に、三百四十九ページをお願いいたします。二項小学校費でございます。七百九十六億五千五百万円余をお願いしております。その内容は、一目教職員費の説明欄にありますとおり職員費でございます。  次に、三百五十ページをお願いいたします。三項中学校費でございます。その主なものは、一目教職員費の説明欄にあります職員費や、三百五十一ページ、二目教育振興費の説明欄の二番目にあります県立中学校の運営費等でございまして、その総額は三百五十二ページ、計の欄、四百六十一億五百万円余をお願いしております。  同じく、三百五十二ページをお願いいたします。四項高等学校費でございます。その主なものは、一目高等学校総務費の説明欄の一番目にあります職員費や、三百五十六ページ、五目学校建設費の説明欄の一番目にあります老朽校舎改築費等でございまして、その総額は、三百五十九ページに飛びまして、計の欄、六百三十一億四千五百万円余をお願いしております。  次に、三百六十ページをお願いいたします。五項特別支援学校費でございます。その主なものは、一目特別支援学校費の説明欄の一番目にあります職員費等でございまして、その総額は、三百六十三ページに飛びまして、計の欄、百九十六億円余をお願いしております。  同じく、三百六十三ページをお願いいたします。六項社会教育費でございます。その主なものは、一目社会教育総務費の説明欄の一番目にあります職員費や、三百七十ページ、七目図書館費の説明欄の一番目にあります図書館運営費等でございまして、その総額は、三百七十一ページ、計の欄、三十九億五千九百万円余をお願いしております。  次に、三百七十二ページをお願いいたします。七項保健体育費でございます。その主なものは、一目保健体育総務費の説明欄の五番目にあります公立学校給食運営費や、三百七十四ページ、三目体育施設費の説明欄の二番目にあります県立体育・スポーツ施設運営費等でございまして、その総額は、三百七十五ページ、計の欄、二十八億七千九百万円余をお願いしております。  以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 52 ◯樋口 明委員長 野田私学振興・青少年育成局長。 53 ◯野田私学振興・青少年育成局長 引き続きまして、十款教育費のうち、私学振興・青少年育成局所管について御説明いたします。  令和元年度予算に関する説明書、三百七十五ページをお願いいたします。八項大学費でございます。その主なものは、一枚おめくりいただきまして、三百七十六ページから三百七十八ページにわたり、右の説明欄に記載しておりますとおり、県設立の三大学に対する運営費交付金及び施設整備費でございます。三百七十八ページをお願いいたします。八項大学費の総額は、計欄に記載しておりますとおり、四十七億六千九百万円余をお願いしております。  次に、九項私立学校費でございます。その主なものは、三百七十九ページの二目私立学校振興対策費の右の説明欄一番上の私立高等学校運営費補助金でございます。これは私立高等学校等の経常的経費に対する補助金でございます。一枚おめくりいただきまして、三百八十ページをお願いいたします。九項私立学校費の総額は、計欄に記載しておりますとおり、四百八十億八千万円余をお願いしております。  次に、十項青少年費でございます。その主なものは、一目青少年育成費の右の説明欄上から二番目の放課後児童クラブ事業費でございます。これは放課後児童クラブを運営する市町村への助成でございます。十項青少年費の総額は、左から二番目の欄に記載しておりますとおり三十二億三千七百万円余をお願いしております。
     説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 54 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。  これより質疑を行います。質疑はありませんか。十中大雅委員。 55 ◯十中大雅委員 おはようございます。自民党県議団の十中でございます。通告に従いまして質問をさせていただきます。  近年、大量退職に伴う新規採用教員の大量採用が続いております。これまで講師を行っていた者が採用試験に合格をしているという現状にございます。しかし、新規講師登録をする大学新卒者等がその補充に間に合っていない状況があると、私は考えております。講師不足の問題を根本的に解決するには、正規教員率の向上が重要であり、適正な教員数の確保については、任命権と人事権を有する県教育委員会の権限と責任でもあろうと思っております。  一方、国は、本年度学校における働き方改革や複雑化、困難化する教育問題へ対応するために、小中学校の教員数を千四百五十六人増員する定数改善を行ったところでございます。  まず、正規教員率を上げていくためには新規採用者を大量に配置していくことが求められておりますが、今後、小中学校の教員採用計画についてどうなっているのかお尋ねいたします。      〔正副委員長交代〕 56 ◯畑中茂広副委員長 松永教職員課長。 57 ◯松永教育庁教職員課長 本年度実施いたします本県小中学校の教員採用試験では、昨年度と同数の九百五十人の採用を予定しております。今後も教員の大量退職が続くこと、全国的に見ても本県の正規教員の割合が低いことから、当面は現状と同規模の採用を行う予定であります。 58 ◯十中大雅委員 九百五十名を採用するという計画のようでございます。  しかし一方、教員を大量採用していくことになりますと、これまでの試験で合格ができなかった方が合格するというようなことになり、指導力が不足していたり、資質・能力に問題がある教員がふえたりするのではないかという懸念の声も聞こえてまいります。能力不足の教員を採用すれば、ますます現場の負担解消ではなく、逆に負担増になりますので、採用時、採用後にどのようにそのような方々に対応されるのかお尋ねをいたします。 59 ◯松永教育庁教職員課長 資質・能力のある教員を採用、確保していくために、まず採用段階でございます、教員採用試験では集団討論、模擬授業や個人面接を実施しまして、人物重視の観点から試験を行っております。また、民間企業の人事担当者を面接員に登用いたしまして、より幅広い視点から教員としての適性や資質・能力を評価しているところでございます。  また、採用後の対応でございますけれども、これまで実施しておりました初任者研修を見直しいたしまして、本年度から三年間にわたる若年教員研修を実施しているところでございます。また、学校におきますOJTを推進するほか、どうしても指導に課題があるという者に対しましては、サポート研修や指導改善研修を行いまして、より教員としての資質・能力を確保するよう努めているところでございます。 60 ◯十中大雅委員 今おっしゃるように、やっぱりきちっとしたサポート体制をとりながら、実りある研修を行っていくことが資質の向上に資すると考えますので、ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。  次に、国は、教員の持ちゴマ数軽減による教育の質の向上を図るため、一定の英語力を有する専科指導教員を千人増員し、学校総務・財務事務の軽減のための共同学校事務体制強化の事務職員を三十人増員する予算を計上しております。  そこで、本県ではこのような国の動きを踏まえ、どのように対応していかれるのかお尋ねをいたします。 61 ◯松永教育庁教職員課長 国の定数改善の動きに対しましては、市町村の要望に基づきまして定数要望を行っておりまして、本年度は英語専科指導教員については、昨年度から十名増の三十二名、共同学校事務室に係る事務職員については、昨年から増減はございませんが、本年度八人の加配措置を受けているところでございます。  今後とも国の加配定数を活用しながら、学校教育及び学校運営体制の充実に努めてまいりたいと考えております。 62 ◯十中大雅委員 本県の教職員の年齢別人数から試算をいたしますと、現在の四十代が五十代になる十年後、五十代の教員が管理職になる割合が現在の二倍以上になることが予想されていると思います。管理職になる人材の不足や、資質・能力等が十分でない教員が管理職になることなどが懸念をされるわけであります。そこで、再任用校長は管理職の人材不足解消の有効な一つの施策だと私は考えております。  そこで、今取り組んでいただいております再任用校長の登用の見通しについて、今後どういうふうに取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。 63 ◯松永教育庁教職員課長 校長の再任用制度につきましては、経験豊富なベテラン教員の大量退職期において、マネジメント能力にたけた優秀な管理職の確保を目的としまして、本年度から導入したものでございます。今後、導入の成果を見きわめる必要があるとは思っておりますけれども、現時点では、現行の校長昇任枠の五%程度の範囲内で再任用を行っていく予定でございます。 64 ◯十中大雅委員 私は、これは非常に画期的でいい取り組みだと思います。しかし、始められてまだ一年ということで、これから問題の検証も行っていかなければならないと思いますし、より効果の出るような採用の形も考えていただかなければならないと思いますけれども、充実していっていただくようにお願いをしたいと思います。  まさに子供たちを取り巻く環境は激しく変化をいたしております。校長先生ら管理職の職務は、まさに激しさを増すばかりで、激動にあられると思います。もとより教員の不祥事も相次いでおりますし、管理能力やリーダーシップが問われております。単に人材不足を補うだけでなく、さまざまな課題に対応していくために、管理能力や指導力をフルに発揮してもらえるような環境を整えていただきたいと思います。そのことがこれからの日本を担う子供たちの育成に、大きく教育委員会としての力を発揮していただくことにつながると思います。  そこで、今の課長とのやりとりをお聞きいただいた上で、副教育長に今後の取り組みについてお考えをお聞きしたいと思います。 65 ◯畑中茂広副委員長 吉田副教育長。 66 ◯吉田教育庁副教育長 学校のその課題が多様化、複雑化している中で、高い教育力を発揮する円滑な学校運営というものを行うためには、管理職のその本人の力量と、そして、それを校内で組織的に支える体制づくりが不可欠でございます。このため、現在、管理職向けの実践的、また今日的な内容の研修を充実させますとともに、一方で、その管理職を補佐する主幹教諭や指導教諭といったような者を配置しまして、学校運営体制の強化を図っております。特に今申し上げました主幹教諭につきましては、四十歳代の中堅段階から学校管理の一部を経験させることによりまして、能力の高い将来の管理職を養成するという狙いもあるところでございます。  今後もこのような研修の充実、校内体制の確立、そして計画的な人材育成、こうしたことを通じまして、管理職がその手腕を十分に発揮できる教育環境をつくっていきたいと思っております。  以上でございます。 67 ◯十中大雅委員 なかなか人づくりというのは簡単にいかないのが難しいところでありまして、そういうリーダーを養成していく、なかなか一朝にはできません。今、お話しのように、やっぱり主幹教諭なり、現場で経験を積ませながらその任務を十分に理解させ、そして、今、副教育長がおっしゃいましたような管理職をつくり上げる、そういう働きに今後もしっかり取り組んでいただきたいということをお願い申し上げまして質問を終わります。(拍手) 68 ◯畑中茂広副委員長 ほかに質疑はありませんか。中嶋玲子委員。 69 ◯中嶋玲子委員 民主県政クラブ県議団の中嶋玲子でございます。通告に従いましてスクールロイヤー制度の導入について質問をいたします。  文部科学省は二〇一七年八月、いじめ問題について法律の専門家である弁護士の知識や経験を生かしていじめの予防や解決につなげるために、スクールロイヤーの導入に向けて検討を始めるとともに、二〇一八年度よりスクールロイヤー派遣の取り組みを開始するとの方針を発表いたしました。  スクールロイヤーとは耳なれない言葉でございますが、学校で起こるさまざまな問題、例えば教師による子供への体罰や不適切な言動の問題、学校内での子供の事故、LGBTへの性差別、保護者からの不当なクレームや近隣住民との問題、教員間でのパワハラなどへの法的な対応、予防、解決について対応する弁護士のことをいいます。全国四十七都道府県のうち、既に大阪府では、国に先駆けて四年も前、二〇一三年からスクールロイヤー制度を始めています。大阪弁護士会の九人の弁護士がスクールロイヤーとして、大阪府内の小中学校、教育委員会の相談を受けておりまして、本年度からは国の委託事業を受けて、ほかに大分県などとともにモデルとして取り組んでいます。  大阪における学校と弁護士との連携については、二〇〇二年に大阪府教委が子どもサポートグループというのをつくり、弁護士と社会福祉士、ソーシャルワーカーを学校のケース会議に派遣する取り組みを開始したことが始まりと言われています。この子どもサポートグループが、その後、二〇〇五年に始まった府教委のスクールソーシャルワーカー──SSW配置事業につながり、さらには二〇〇八年の文部科学省の全国的なスクールソーシャルワーカー配置事業に発展したと聞いています。  スクールロイヤーの制度化も、このような学校サポートにおける専門家活用の流れの中で実現したものであり、ここに来てスクールロイヤーが注目されるようになった最大の理由は、保護者対応の一層の困難化と、いじめ防止対策推進法ができ、また、いじめ防止基本方針等の制定があったからと言われています。  保護者対応の困難化は、現在の学校が抱える最大の問題の一つとなっていて、困難化の防止や学校と保護者との適切な関係調整の視点から、紛争解決の専門家である弁護士へのニーズが高まっている。学校側が保護者への対応において重要なことは、クレーム、苦情をトラブルに発展させない、難しいトラブルの解消解決を少しずつ行うことが肝要とされています。こうした保護者がなぜ学校にクレームを投げるのか、多大な要求を突きつけるのか、その背景にある家庭環境や保護者の心情にまで気を配ることが必要と言われています。  モンスターペアレンツと一時よく言われましたけれども、そういった事象だけでなく、そういう態度をとる保護者の後ろにある背景、そしてまたその心情まできちんと中立に公平に判断をしながら解決していく、そういうことの必要性からスクールロイヤーという言葉が、今、ずっと注目をされていると思います。  こうしたことから、生きづらさや葛藤を抱えている保護者への対応、違法行為や不当要求への対応、そしてまた、問題が別にある場合への対応という三つのケースについて、解決に向けての具体的視点や方法について弁護士に委ねるべきであるということから、スクールロイヤーの配置が求められているところでございます。  そこで、高校教育課長と義務教育課長にお聞きをいたします。本県におけます保護者からの執拗かつ暴力的で強弁なクレーム、過度な要求の強要など、学校業務に支障を及ぼしたり、担当の教師に重い負担を及ぼす場合などに対し、どのような対処をしておられるのか、また、弁護士の活用の事例があるのかということをお聞きしますが、昨年の六月議会で、本県でも法律問題にどのように対応しているのかという質問がなされております。そのことに対しまして、教育長は、法的に高度な判断が必要な場合は、各市町村の顧問弁護士等と相談するなどにより対処しているとの答弁がありました。そういったことも含めて、この現状に対してどう対応しているかお聞きをいたします。 70 ◯畑中茂広副委員長 田中高校教育課長。 71 ◯田中教育庁高校教育課長 まず、県立高校の状況でございます。現在、スクールロイヤーの名称は使っておりませんが、学校だけでは解決が困難な事案が発生した際に弁護士への相談や派遣ができるよう、学校支援窓口を設けております。これにつきましては、現在、三名の弁護士に委嘱をしておりまして、昨年度の活用実績は二十三件でございます。 72 ◯畑中茂広副委員長 一色義務教育課長。 73 ◯一色教育庁義務教育課長 小中学校におきましては、担当教員に過度な負担を生じるような事案に対しましては、管理職を中心に組織的に対応し、必要に応じて市町村教育委員会や関係機関と連携を行っております。事例として、子供同士のトラブルの際に、保護者が弁護士とともに学校対応を求めたことに対して、学校は市町村の顧問弁護士と相談して対応したという事案もあると聞いております。 74 ◯中嶋玲子委員 答弁ありがとうございます。二十三件、弁護士さんたちに相談をしながら解決していったことがあるということでございますので、本当に、スクールロイヤーという言葉は使っていないけれども、そういった対応をしているということを確認いたしました。  では、次の質問に入りたいと思います。  文部科学省は二〇一七年、もう三年前になりますが、八月に、スクールロイヤーの活用に関する事業を、昨年、二〇一八年度の概算要求に入れるということを発表いたしました。その後、調査研究事業を実施していると聞いています。国から本県に対しても同事業の募集があったと思いますが、本県は応募しなかったのですか。この調査研究事業への対応についてお聞きします。文部科学省が発表したスクールロイヤーの取り組みを開始する方針についての動きとして、今申し上げますように、国から委託事業の募集があったと。そのことに対してどういう福岡県の取り組みをされたのかお答えいただきたいと思います。 75 ◯一色教育庁義務教育課長 国の調査研究は、いじめの予防教育、学校で発生する問題に対する法的相談への対応、また、いじめ防止対策推進法等の法令に基づく対応の徹底に関する内容となっております。  本県では、いじめを防止するための弁護士等を講師とした法教育の実施や、学校が法的な対応ができるよう管理職に対する研修など、既存の取り組みを行っていることから、国による調査研究の動向を注視していくという判断を行ったところでございます。 76 ◯中嶋玲子委員 この話は聞いたことがございます。例えば弁護士さんをお願いして、学校とか保護者のいろいろな集まりに対応の方法なんかの研修事業をしていらっしゃったことは、福岡県でも、またよそでもあると思いますが、今回はそういった研修を一般的に啓発としてするのではなくて、個別な対応に対して弁護士さんのお力をお願いをするということが必要ではないかということだと思います。  先ほど言いましたように、昨年の六月議会の、緑友会だったと思いますが、その質問に対して、文部科学省のスクールロイヤー活用方針について、県は今後取り組んでいくのかと問われたのに対して教育長は、必要と考えております、国の調査研究の成果を注視しつつ活用のあり方を研究してまいりたいと答弁されていますが、その後、国の研究の成果を注視しながらどういう対応をとっていかれたのだろうかなと思います。  そこで、国の研究の成果の結果、どのような状況であるのか答弁をお願いいたしたいと思います。 77 ◯一色教育庁義務教育課長 昨年度は、国の研究として大阪府、三重県、大分県、徳島県、茨城県で調査研究が行われておりますが、国は現時点で取り組み成果を公表していないところでございます。引き続き、国の調査研究を注視しながら研究を進めてまいります。 78 ◯中嶋玲子委員 大阪と三重県と大分県と徳島県と茨城県で調査研究に手を挙げて、委託事業を受けられていると。福岡県がそこで手を挙げられなかったのは、本当に何か残念だなというか、まだそこまで到達している状況が、準備ができていなかったんだろうと考えられると思いますが、ぜひとも、ことしの調査研究を参考にされて、来年でもそういうモデル事業があったときには応募をしていただきたいなと思っています。  では、次の質問に入りたいと思います。  最初に申し上げましたように、大阪府では二〇一三年から国に先駆けて制度が始まっています。ことしはその文部科学省のモデルを受けていらっしゃいますけれども、先駆けて始まっていたことを承知してあったのか、失礼いたしますが、お願いします。 79 ◯一色教育庁義務教育課長 大阪では、生徒指導等において解決困難な事案が増加する傾向にあり、早期対応する体制を整備する必要性から、学校が必要に応じて弁護士に法的観点に基づく相談ができる制度を実施していると聞いております。 80 ◯中嶋玲子委員 今の質問ですけれども、よそのものを知っているけれども、そこまでまだ行かなかったというのは、本当に失礼な話ですけれども、もう少しやっぱり積極的に考えていっていただく必要があったのではないかなと思います。  次の質問に入りたいと思います。今の大阪のスクールロイヤーの取り組みについてはどんな認識をお持ちだったのかということを義務教育課長にお聞きいたします。 81 ◯一色教育庁義務教育課長 大阪府においては、府内の生徒指導上の状況や市町村教育委員会の実情に応じた事業形態や内容により実施されておりますが、現段階では、研究成果が報告されておらず、成果・課題が不明でございます。国の調査研究として行われている大阪府の取り組みについて、その成果を見定めた上で本県における法律の専門家の活用のあり方を研究してまいります。 82 ◯中嶋玲子委員 けさのニュースを見ていて思ったんですけれども、中学一年生がクラブの顧問の方からいろいろな圧力を感じながら自死をしたということに対して、学校から不慮の死ということにしてもらったほうが葬儀でも騒がないよとかいうことがあったということを保護者がおっしゃっていました。スクールロイヤー制度があったならば、あんなふうに学校の取り組みを非難されたり、また、保護者がそんなはずではなかったのに、あのときにというようなことにはと。そうならないために、こういった解決をしてもらうことが必要ではないかなと、きょう思いながら朝のテレビを見ておりました。  もう一つ、次の質問をしたいと思います。保護者対応の困難化というのが現在の学校が抱える大きな課題の一つであると思いますが、困難化の防止や学校と保護者との適切な関係調整の視点から、紛争解決の専門家である弁護士へのニーズが高まってきているものであります。本県でも公立小中学校でスクールロイヤー制度を導入すべきと考えるが、課長へもう一回御認識をお伺いいたしたいと思います。 83 ◯一色教育庁義務教育課長 法的な課題が生じた場合、学校では校長等管理職を中心として教育委員会や関係機関と連携し、必要に応じ顧問弁護士と相談するなど、組織的に対処していると承知しております。  本県としては、引き続き管理職に対して行われる弁護士を活用した研修等の充実を図るとともに、国の研究成果を注視しながら、法律の専門家の活用のあり方を研究してまいります。 84 ◯中嶋玲子委員 研修は続けられてもいいと思いますが、研修だけで終わってもらわないで先に一歩進んでもらいたいという話を今したところでございますけれども、そんな中で、小中学校はやはり市町村がしますので、顧問弁護士が市町村にはおられる。でも、高等学校については、やはり県立の高等学校にもいろいろなさまざまな問題があると思います。  そこで、最後になりますけれども、本県としてスクールロイヤー制度導入を考える場合、どのような取り組みを行うべきか、そしてまた、導入に当たっては弁護士会との意見交換が必要であり、そこから進めるべきだと思いますが、この際、副教育長にこのことについてお尋ねをしたいと思います。 85 ◯畑中茂広副委員長 吉田副教育長。 86 ◯吉田教育庁副教育長 学校におきまして発生いたします解決の難しい事案について、専門家の知見ですとか資格に基づく対応といったことを活用させてもらうということは、意義は大きいと考えております。このため、教育委員会としましては、いじめ防止ですとか学校の働き方改革なども含めまして、法律の専門家の活用方策等の課題について、現在、国の調査研究成果を注視し、研究を進めているという段階でございます。  今、委員から御提案のありました弁護士会等の組織的な取り組みといったことにつきましても、今後、ほかの県のさまざまな事例研究とあわせまして、引き続き検討を進めてまいりたいと思っております。 87 ◯中嶋玲子委員 ありがとうございました。この五つの県の今年度初めての取り組みの結果がもうそろそろ出ると思いますので、そういうものを研究していただきまして、ぜひとも取り組みを前向きに進めていただくことをお願いしまして、質問を終わりたいと思います。(拍手) 88 ◯畑中茂広副委員長 ほかに質疑はありませんか。壹岐和郎委員。 89 ◯壹岐和郎委員 公明党の壹岐和郎でございます。通告に従って、スクールソーシャルワーカーの人材確保についてお伺いをいたします。  現在、教員だけによる解決が難しくなっている子供の不登校やいじめ、虐待、貧困などの問題の解決をサポートする福祉専門職であるスクールソーシャルワーカーが、今、細かく丁寧に対応されております。聞くところによれば、最近、特に家庭の貧困については、保護者の就労だけではなくて、保護者自身の心の病、養育力の不足などの問題の原因を突きとめて、その解決に東奔西走しているというのが現状であるようです。  文科省は、二〇一九年度末までに全ての中学校区にスクールソーシャルワーカーを配置すると目標を掲げております。地域別の充足率など、本県の実情を明らかにしていくために、平成二十七年度及び平成三十年度のスクールソーシャルワーカーの配置状況及び対応件数について、事前に資料要求しておりますので、委員長、お取り計らいのほどよろしくお願いします。 90 ◯畑中茂広副委員長 お諮りいたします。  ただいま壹岐委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 91 ◯畑中茂広副委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま壹岐委員から要求がありました資料について提出できますか。一色義務教育課長。 92 ◯一色教育庁義務教育課長 直ちに提出いたします。 93 ◯畑中茂広副委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 94 ◯畑中茂広副委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 95 ◯畑中茂広副委員長 資料が配付されましたので、壹岐委員、質疑を行ってください。 96 ◯壹岐和郎委員 まず、資料について簡潔に説明をお願いします。 97 ◯一色教育庁義務教育課長 平成二十七年度及び三十年度のスクールソーシャルワーカー配置状況及び対応件数について、福岡市、北九州市、久留米市を除き、スクールソーシャルワーカーの雇用人数は、平成二十七年度が四十五人であるのに対し、平成三十年度は九十二人と増加しております。  次に、配置中学校区数は、平成三十年度には全百八十七中学校のうち百七十七中学校に配置しております。  また、対応件数は、県雇用のみでありますが、平成二十七年度が二百五十一件であるのに対し、平成三十年度は三百五十六件と増加しております。  さらに、対応件数の内訳は、不登校、家庭環境の問題への対応が増加しております。 98 ◯壹岐和郎委員 初めに、教育庁としてスクールソーシャルワーカーの必要性をどう捉えているのか。そして、採用はスムーズに行われているという認識をされているのか。もう一点は、スクールカウンセラーとの違いについてお伺いします。 99 ◯一色教育庁義務教育課長 まず、スクールソーシャルワーカーの必要性ですが、不登校、いじめ、非行、児童虐待、子供の貧困等、支援を要する児童生徒の背景には、家庭、学校、地域などの環境要因が大きく関係している場合がございます。この環境要因を改善・解決するに当たっては、学校だけでは困難なケースが多く、積極的に家庭や地域、関係機関等とのネットワークを構築し、連携調整を担う福祉の専門家としてのスクールソーシャルワーカーが求められております。  また、採用につきまして、スクールソーシャルワーカーの配置について地域に偏在があり、人材の確保に苦慮している市町村もあると聞いております。  また、スクールカウンセラーとの違いですが、スクールカウンセラーは、公認心理師や臨床心理士等の資格を有する者であり、児童生徒の心の問題を扱うのに対し、スクールソーシャルワーカーは、社会福祉士や精神保健福祉士等の資格を有する者であり、児童生徒のケアとは異なり、その取り巻く環境の改善に働きかけるものでございます。 100 ◯壹岐和郎委員 今、この資料に戻りますけれども、スクールソーシャルワーカーの人数とか対応件数は、かなり地区別で状況に差異があります。これについての対応というのはどうなっているのかをお尋ねします。 101 ◯一色教育庁義務教育課長 本県では、市町村が雇用するスクールソーシャルワーカーの経費の補助を行っておりますが、生徒指導上の諸課題の実態を勘案し、支援の必要性が高いと認められる市町村を推進市町村として指定し、県による直接配置を行い、支援しているところでございます。 102 ◯壹岐和郎委員 この中で、例えば南筑後以外は不足ということで、中学校が対応できていないということがあるんですが、今言われたように、不登校とか虐待といった深刻な状況をきちんと把握する、また生活環境を把握するということでは、非常にこれは、まず国が示すとおり全中学校に配置を完了することが先決だと思うんですね。私も認識不足だったんですが、今、人数としては九十二人と。中学校が百八十七と。だから、一人が二校担当している。それで大体適正配置ということになっているんでしょうけれども、まずは、国が示す全中学校区に適正配置をすることを急ぐ必要があるのではないかなと思いますが、どうでしょうか。 103 ◯一色教育庁義務教育課長 福岡市、北九州市、久留米市を除く市町村の全ての中学校にスクールソーシャルワーカーを、一中学校当たり年間百四十時間以上配置するための予算を確保し、スクールソーシャルワーカーの全中学校区配置を市町村教育委員会へ促しております。また加えて、支援の必要性の高い市町村に対しては、県からスクールソーシャルワーカーを直接配置しております。 104 ◯壹岐和郎委員 市町村の事業ということでそういう答えになるんでしょうけれども、例えば福岡市は、今、六十九の全中学校区に一校一人配置していると聞いていますけれども、この状況についてどう捉えられていますか。 105 ◯一色教育庁義務教育課長 福岡市に確認したところ、福岡市においては、支援が必要な児童生徒に関する相談件数の増加によりスクールソーシャルワーカーのニーズが高まってきたことから、市の判断において六十九名に増員し、全中学校区配置を行ったと聞いております。
    106 ◯壹岐和郎委員 そういう対応をきちんとされたと。県全体が、基本的にやっぱりそういう考え方が正しいのではないかなと、私は思っております。  今言ったように、南筑後以外は充足していないということなので、ぜひ一九年度末までに全ての中学校区に配置できるのかどうか、再度お伺いいたします。 107 ◯一色教育庁義務教育課長 県教育委員会としては、全中学校区の配置に向けて引き続き必要な予算の確保に努めるとともに、各市町村教育委員会に対して未配置の理由などを伺いながら、全中学校区におけるスクールソーシャルワーカーの設置を促してまいります。 108 ◯壹岐和郎委員 ぜひよろしくお願いします。一校も漏れのないように対応していただきたいと思います。  今述べましたけれども、いじめや不登校児童生徒が増加している中で、スクールソーシャルワーカーが地域に根差し、継続的に支援活動を続けるということが望ましい。そのためには雇用の安定が必要だと考えます。  スクールソーシャルワーカーを長く、十年以上勤めた方のお話をお伺いすることができました。その方は、市町村からの求人というのはあるんですけれども、雇用が安定しない、正規雇用ではない、非常勤だということでなかなか人材が集まりませんと。雇用してもすぐやめてしまうという実態があるんだと。そういう声です。もちろんこれが全てに当てはまるとは思いませんけれども、そういう現場の声がございました。また、もう一つ言われたのは、不登校の対応などでやっぱり長期にわたって一人の方にずっと寄り添う必要があると。そのときに、途中で人がかわらざるを得ないと。そういうことで、非常に困るんだということも言われておりました。  そういう中で、北九州市、また久留米市なんかは、月給制で賞与も支給しています。また、他県も処遇を改善して必要な人材を集めようと努力しています。時給制のみの今の処遇を見直してはどうかと思います。また、本県は、人数をふやすと同時に、今後は自治体間での人材確保競争が始まると思いますので、給与や身分などの待遇の改善が必要だと考えます。県が独自で配置するスクールソーシャルワーカーについては、月給制など雇用の改善に取り組む必要があるのではないかなと思います。また、スクールソーシャルワーカーを雇用する市町村において、本人の希望に合わせて常勤とか非常勤等の勤務体系を選択できる、そういうことが人材確保につながるのではないかと思います。  教育委員会として他の市町村の取り組みを紹介するなどして市町村にアドバイスすべきと考えますが、この二つはどうでしょうか。 109 ◯一色教育庁義務教育課長 スクールソーシャルワーカーの雇用のあり方については、雇用主である市町村教育委員会みずからが検討することになりますが、スクールソーシャルワーカーが十分役割を果たし、子供たちへの支援が充実するための雇用条件の改善は重要であると考えております。  県が配置しておりますスクールソーシャルワーカーの雇用の形態につきましては、国の補助金、また国の雇用の考え方を注視してまいりたいと考えております。  また、県教育委員会としては、雇用のあり方に対する市町村やスクールソーシャルワーカーの意見を聞き取り、常勤、非常勤それぞれの勤務形態のメリット等について市町村に情報提供し、市町村がスクールソーシャルワーカーの確保のために効果的な雇用ができるよう促してまいります。 110 ◯壹岐和郎委員 これも私が最近聞いた話ですけれども、大学四年生で来年卒業する方が精神保健福祉士の資格を取って、行政で子供にかかわる仕事をしたいと思っていろいろと調べてみたんですけれども、全部非正規、全部非常勤ということで、ちょっとこれから、今二十一歳、夢を持ってやっていく仕事なんだけれども、雇用状況が非常に不安定だと。そういう声を私の耳で直接聞きました。  また、これも現場の声なんですけれども、スクールソーシャルワーカー学会所属の方のほうが優遇されているのではないかとか、また、学校現場ではスクールカウンセラーとの仕事の分担がうまくいっていないとの声を聞きました。先ほどスクールカウンセラーの役割を聞いたのも、そういう声があったということでございます。  先ほどの雇用の安定のことも含めて、学校でのスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの運用実態並びに採用の実態、平均勤続期間と年数、期間を調査して、実態をしっかり把握する必要があると考えますけれども、いかがでしょうか。 111 ◯一色教育庁義務教育課長 委員御指摘の実態につきまして、県教育委員会として現時点では聞き及んでおりませんが、まずは市町村教育委員会やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの方々とも意見交換を行いながら実態把握に努めてまいりたいと考えております。 112 ◯壹岐和郎委員 結構、学校の校長先生もなかなか整理しづらいという、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーのですね、そういうこともあるようですので、ぜひ早急に実態を把握されてもらいたいと思います。よろしくお願いします。  最後ですけれども、副教育長にお伺いいたします。  スクールソーシャルワーカーは一人に長く、深くかかわる仕事です。できれば優秀な人材が長く定着する仕組みを構築する必要があると思います。中でも、処遇改善がやっぱり重要だと思います。スクールソーシャルワーカーがその役割を十全に果たせる環境づくりについて、副教育長の決意をお伺いをいたします。 113 ◯畑中茂広副委員長 吉田副教育長。 114 ◯吉田教育庁副教育長 スクールソーシャルワーカーがその役割を十分に発揮するためには、学校、市町村がそのスクールソーシャルワーカーの必要性と役割というものを十分に認識し、その専門性を発揮できる環境づくりを進めることが必要であると思っております。このため、スクールソーシャルワーカーの効果的な活用方法や、関係機関の担当者との円滑な協働を行うための体制づくりについて、スクールソーシャルワーカーの団体などとも連携しながら、また、国のさまざまな動向も注視をしながら、市町村へのより効果的な支援のあり方などにつきまして、今後、検討してまいりたいと考えております。  本県の児童生徒を取り巻く環境の改善を図るためには、福祉面からこれをサポートしていただいておりますスクールソーシャルワーカーの役割は大変重要でございます。県下の学校の配置に向けまして、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。 115 ◯壹岐和郎委員 繰り返しになりますけれども、先ほど実態調査をしっかりやっていただきたいということと、市町村の学校現場でのいろいろな悩みとか困り事をしっかり吸い上げていただいて、県教育委員会で対応できるものについては素早く対応していただく。大切な子供たち、また、その家庭の相談役であったりつなぎ役だったりするわけですから、これがうまく機能しないと、不登校になり、またその不登校の生徒が高校に行けない、またそこでひきこもりになる、そういうことにもどんどんつながってくると思うので、大切な仕事です、ぜひ夢を持ってスクールソーシャルワーカーの仕事ができる体制を早く築いていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手) 116 ◯畑中茂広副委員長 ほかに質疑はありませんか。椛島徳博委員。 117 ◯椛島徳博委員 お疲れさまです。緑友会の椛島でございます。通告に従いまして、青少年のインターネット依存について質問をいたします。  スマートフォンの急速な普及によってインターネットは大変身近なものとなっています。知りたい情報がすぐに入手でき、知り合いとの連絡もSNSやメールで簡単にできるなど、もはや私たちの生活には欠かすことのできない機器となっております。ところがその一方で、スマートフォンを使う子供たちが、SNSやオンラインゲームなどに没頭し、やめることができない、いわゆるネット依存が社会問題化しております。きょうびの若者に、あなたにとって一番大事なものは何ですかと尋ねたら、一番大事なものはもちろんスマホですと大半が答えるという、何とも笑えない話もあります。また、ゲームをやめるくらいなら死んだほうがいいと。そういう新聞の記事を見ました。  今議会で公明党の森下団長の代表質問でもあったように、ことし五月、世界保健機関のWHOは、家族・友達との人間関係、仕事・学業に深刻な支障が出るほどにゲームにのめり込み、それが一年程度続く状態をゲーム障がいということで、今回、適用されました。国内では、令和四年一月からこれが適用されると伺っております。世界的にも事は大変深刻な状況になっております。  そこでまず、本県の青少年のインターネットの利用実態はどうなっているのか、スマートフォンの所有率と使用時間についてお答えください。 118 ◯畑中茂広副委員長 木下青少年育成課長。 119 ◯木下青少年育成課長 県におきましては、平成二十九年度に県内の小学四年生と六年生、中学二年生、高校二年生の児童生徒及びその保護者を対象に、抽出による青少年のインターネットの利用の実態調査を実施したところでございます。この調査結果によりますと、スマートフォンの所有率は小学校六年生で三四%、中学校二年生で五九%、高校二年生では九五%となっております。また、平日の平均の使用時間は、小学六年生で二時間二十五分、中学二年生で二時間四十五分、高校二年生では三時間十八分という結果となっております。 120 ◯椛島徳博委員 ところで、ネット依存についての調査は行われているのでしょうか。 121 ◯木下青少年育成課長 先ほど申しました実態調査におきましては、ネット依存についての直接の調査項目はございませんが、スマートフォンを使用している青少年に対しまして、スマートフォンを使用中に経験したことということを尋ねた質問の中に、利用時間に関する回答といたしまして、終わろうと決めていた時間を過ぎても使っていたと回答した青少年が小中高平均で三八%おります。また、スマートフォンを含むパソコンなどインターネットを利用できる機器を所有している青少年に対する同じ質問では、インターネットにのめり込んで勉強に集中できなかったり睡眠不足になったりしたことがあると回答した青少年が、これも平均で一六%という結果が出ております。 122 ◯椛島徳博委員 児童生徒のスマートフォンの長時間利用によって学力の低下が懸念されるところであります。スマートフォンの利用時間と学力の関係について、義務教育課長にお尋ねをいたします。 123 ◯畑中茂広副委員長 一色義務教育課長。 124 ◯一色教育庁義務教育課長 平成二十九年度の全国学力学習状況調査において、携帯電話やスマートフォンの使用時間が一日当たり三十分未満及び持っていないと回答した児童生徒は、教科の正答率が高い傾向にあります。 125 ◯椛島徳博委員 ところで、本県では平成二十六年度から教育委員会、学校、PTA、通信事業者、NPOなどで構成をいたします福岡県青少年インターネット適正利用推進協議会を設置されております。関係機関が連携をし、インターネットの適正利用に向けた取り組みを行っていると伺っておりますけれども、具体的にどのような取り組みを行っているのかお答えください。 126 ◯木下青少年育成課長 この協議会におきましては、各団体の取り組みについての情報交換、それから今後取り組むべき施策等について意見交換を行いながら、青少年のインターネットの適正利用のための取り組みを行っているところでございます。その他、生徒に対する取り組みといたしまして、中学生、高校生がみずからの利用状況をもとに、インターネット利用のルールやマナーについて生徒同士で議論し、発表を行うフォーラムを開催しております。  また、保護者に対する取り組みといたしましては、ネット問題をテーマに地域で開催されるPTA等の学習会への専門講師の派遣事業などに取り組んでおります。  さらに、教員を対象とした取り組みといたしまして、中学校における教員の校内研修の場に情報モラル学習の専門講師を派遣し、インターネットのトラブル事例や情報モラル学習における生徒指導のポイント解説を行う研修を実施しているところでございます。 127 ◯椛島徳博委員 同じく、教育委員会の取り組みについて伺います。 128 ◯一色教育庁義務教育課長 教育委員会の取り組みといたしましては、道徳や技術の教科等の学習を通して児童生徒の情報モラルや情報技術等を適切に扱う力を身につけさせるとともに、家庭におけるインターネット等の適正利用を促進したり、PTAと連携しながら家庭におけるルールづくりやフィルタリングソフトの活用等を啓発しております。さらに、外部講師を派遣して保護者が児童生徒とともに規範意識について学ぶ学習会を全ての公立学校において実施しており、その中でインターネットの適正利用を学習テーマとして設定している学校もございます。 129 ◯椛島徳博委員 それぞれに取り組んでいただいているということがわかりました。  そこで、その事業の成果についてそれぞれにお答えください。 130 ◯木下青少年育成課長 ことし一月に開催をいたしました中高生を対象としたフォーラムにおきましては、中高生四十二名が参加し、心身の健康を損なわずにスマホを活用するという意味のデジタルウェルビーイングをテーマに、生徒同士で活発な話し合いが行われました。フォーラム終了後の参加者のアンケートにおきましては、とても満足、満足の回答が九割を超えますとともに、今後の生徒自身の取り組みについて、時間が管理できるアプリを使ってみたい、自分ルールをつくってよりよいネットの使い方をしていきたい、ネットを使い過ぎないようにしたい、といった感想があったところでございます。  また、PTA等が実施いたします地域の学習会等への講師派遣事業につきましては、平成三十年度は三十九回の派遣で、総参加者数は二千百六十二名となっております。この事業の五年間の延べ派遣回数は二百五十七回、延べ参加者数は一万四千三百七十二名となっているところでございます。  また、中学校の教員研修の場に専門講師を派遣する事業につきましては、昨年度、平成三十年度から新たに実施をしたものでございます。平成三十年度の実績としましては、六十一校に派遣を行ったところでございます。 131 ◯一色教育庁義務教育課長 インターネットの適正利用について学ぶ学習会を実施した学校の実施率は、平成三十年度には小学校の第三学年が九一・四%、第四学年以上、また中学校、高等学校の全ての学年においては一〇〇%となっております。その際、学習会で専門家を外部講師として活用した公立小中学校の九九・二%が、講話内容について非常によかったと回答しております。 132 ◯椛島徳博委員 先ほど青少年育成課長より、スマートフォンの所有率について、小学六年生で三四%、中学二年生で五九%とのお答えがありました。生徒児童のスマートフォンの普及率は今後さらに上昇していくだろうと思われます。また、インターネットの利用時間についても増加していくことが当然予想されるわけですけれども、このような状況に対して今後どのように取り組んでいくのかについてお尋ねをします。 133 ◯木下青少年育成課長 インターネットには、青少年にとりまして有害な情報が氾濫しているほか、誹謗中傷、いじめ、インターネットを介した犯罪被害等の問題も発生をしております。これに加えまして、インターネットの長時間利用に伴う健康や学業への影響につきましても社会的な問題となってきております。そうしたことを踏まえ、ことし五月に開催いたしました青少年インターネット適正利用推進協議会におきましては、ゲーム依存の現状や日常生活の弊害につきまして、専門医を招き御講演をいただいたところでございます。引き続き関係機関と連携を図りながら、青少年がインターネットを適切に利用するよう、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。 134 ◯椛島徳博委員 取り組みについては、よくわかりました。  最後に、青少年のインターネットの適正利用、とりわけネット依存の問題については、今後、重点的な取り組みが必要だと考えます。そこで、私学振興・青少年育成局長に決意をお尋ねしたいと思います。 135 ◯畑中茂広副委員長 野田私学振興・青少年育成局長。 136 ◯野田私学振興・青少年育成局長 青少年のインターネットの長時間利用は、学習時間や読書時間、睡眠時間が減るなど、青少年の健全育成に大きな影響を及ぼす課題であると認識をしております。こうしたことから、昨年三月に策定いたしました福岡県青少年健全育成総合計画青少年プランにも、施策の方向の一つにインターネットの適正利用の推進を掲げまして、先ほど課長からお答えしましたとおり、生徒に対する情報モラルの教育、保護者への啓発活動、教員を対象とする研修などの事業に取り組んでいるところでございます。  委員御指摘のネット依存の問題でございますが、これはやはりスマートフォンやタブレット端末の普及に伴う青少年のインターネットの長時間利用が増加しているといった問題がございますので、インターネットの適正利用を家庭、学校、行政、PTAなどの関係機関が連携して取り組みをさらに進める必要があると考えております。今後とも青少年のインターネットの適正利用につきまして、教育委員会やPTAと情報共有を行い、連携しながらしっかりと取り組んでまいります。 137 ◯椛島徳博委員 しっかり対応していただきたいと思います。  そこで、ネット依存対策の先進国であると言われております韓国では、ネット依存症をネット中毒と呼んでいるそうです。二〇〇四年から政府機関がその対策に乗り出しております。さらに二〇一一年には、十六歳未満の利用を、午前零時から午前六時までオンラインゲームを禁じたシャットダウン制度を導入しております。またその翌年には、十八歳未満の利用制限を設けているようです。さらには、小学四年、中学一年、高校一年の全生徒に対し、国がインターネット中毒自己評価スケール、恐らく調査だと思います、この調査を実施することでネット依存を把握し、深刻な状況の子供に対しては治療目的で十一泊十二日の、これは恐らくスマホとかインターネットとかゲームとかも一切使わない、そういったレスキューキャンプを実施しているというお話です。一年後の追跡調査によれば、七割の子供たちが、実は良好な状態で生活に戻っているというお話がございました。  このように、韓国に比べると日本の対応は随分おくれているように思います。ただ、今回冒頭申し上げましたWHOでゲーム障がいが疾病として分類をされ、やっと国が具体的に調査を始めるということで、本県としてもぜひこの国の動きに合わせてしっかりと取り組んでいただきたいと思っているところです。  未来を担う子供たちには、やはりバーチャルな世界に没頭するのではなくて、外で遊び、読書にいそしみ、そして、家に走って帰ってきたら腹減ったと福岡県産米のおにぎりを食べてもらいたいと、私は思っております。ぜひ関係部局の連携強化をひとつしっかりお願いを申し上げまして、質問を終わります。(拍手) 138 ◯畑中茂広副委員長 この際しばらく休憩します。再開は午後二時をめどに放送をもってお知らせします。    午 後 零 時 五 十 三 分 休 憩    午 後 二 時 零 分 再 開 139 ◯樋口 明委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  第十款教育費について、ほかに質疑はありませんか。高瀬菜穂子委員。 140 ◯高瀬菜穂子委員 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。福岡教育大学における教員養成についてと、特別支援学校の建設について伺います。  福岡教育大学は、本県の基幹的教員養成大学で、多くの卒業生が本県教育を支えています。この大学で二〇一六年度以降、小学校と中学校の免許が同時に取りにくいカリキュラム変更が行われており、西日本新聞の一面で、小中教員免許同時取得だめとの見出しで、学生が困っている状況の報道がありました。記事には、教員養成課程を持つ国公立大学は計四十四校、文部科学省の担当者は、福教大のような取り組みは聞いたことがないと記述されております。私自身も教員養成大学で学びましたが、その内容に違和感を持たざるを得ません。福教大はまた、二〇一三年から一四年にかけて行われたとされる学長による不当労働行為が、ことし一月、最高裁で確定したとも報道されております。福教大は一体どうなっているのかと市民集会も開かれました。大学の自治は守られなければならないと承知をしておりますけれども、福教大の教育のあり方は本県教育にも大きな影響があると考え、質問をいたします。  城戸教育長は、福教大の学長選考委員、経営協議会委員も務めておられます。福教大の教育のあり方は、本県教育に大きな影響があると考えますが、見解を伺います。 141 ◯樋口 明委員長 松永教職員課長。 142 ◯松永教育庁教職員課長 優秀な教員を育成し、人材を育成するという点におきまして、福岡教育大学など教員養成大学の役割は大きいと思っております。しかしながら、福岡教育大学という個別の大学の教育カリキュラム及び学内の事案に対しまして、県教育委員会としては見解を述べる立場にはございません。 143 ◯高瀬菜穂子委員 県教育委員会としては見解を述べる立場にないとのことですが、しかしながら、大学の教育内容は教員養成と直結しております。したがって本県教育に影響があることは間違いないと思います。  新聞には、小中学校両方の免許を取りたい、取れないのなら入学前にきちんと説明してほしかった、小学校と一緒に中学校の国語も取りたかったけれども、無理だと言われて諦めましたとの声が紹介されています。小学校課程の学生は、教科の専門性よりも、クラスをまとめる力、地域や保護者との連携力を持つ教員が求められているとの考えから、教科を深める授業が少なく、そのため中学校、高校の免許が取りにくくなっていると聞きました。小学校から中学の免許を取るためにはあらかじめテストに合格する必要があり、その上必要な単位を取得することがカリキュラムの構成上困難となっているそうです。学生のアンケートには、以前のようにさまざまな種類の免許を取得しやすいカリキュラムのほうが現代の教育に合っているとか、カリキュラムが変わって中学校免許が取りにくい、したい勉強ができない、専修性がなくなり全教科に偏りなく知識をつけようとしたためか、どれも専門性に欠けていると思うとの意見が多く見られます。また、教員採用率を上げるために採用数の多い小学校免許のみの教員をふやすようにしているのではないかとの疑問や、学生の可能性を狭めないでほしいなどの声もありました。このように、カリキュラムの変更は学生の要望から行われたものではなく、また、導入に当たって教職員からは反対の声が大きかったということであります。トップダウンで免許を取りにくくするカリキュラム改定を行ったことに、大変な違和感と疑問を感じるわけです。  福岡県は、教員採用試験において英語の免許を取得している場合に一割加点としました。同様の採用試験は各地で見られます。そうした中、大分大学は複数免許を卒業の要件にするとの報道もありました。小学校での英語教育が導入され、また、小学校での教科担任制も打ち出される中で、複数の免許取得を望む学生がいるのは当然ではないかと思いますし、何よりも子供たちの学力保障のためには教科の専門性は欠くことができません。大学が教員免許取得の幅を狭めていることについては、どう考えられますでしょうか。改善を求めるべきではないでしょうか。 144 ◯松永教育庁教職員課長 教員養成段階におきまして、例えば小学校の免許に加えまして中学校の免許状を取得することは、学校種間の接続を見通して指導する力、あるいは幅広い理解に基づいた総合的な指導力の向上につながるとも考えております。しかし一方で、特定の教科に偏らず小学校教員として必要な資質・能力をバランスよく確実に身につけさせることは、必要不可欠な重要な要素でもあると考えております。  いずれにしましても、個々の大学がどのようなカリキュラムを編成するのか、あるいはどのような教育内容とするのかについては、大学が自主的、主体的に決定すべきものと考えております。 145 ◯高瀬菜穂子委員 二つの方向から両方ともの資質が必要だというお話だったと思います。  県内では、評価は別として小中一貫校なども進められています。また、教員不足で臨時的な免許で対応している実態も広くあります。教科学習を深め、意欲ある学生の免許取得を保障するよう求めていただきたいと、私は考えております。  次の質問ですが、福教大では二〇一三年から一四年にかけて学長による労働組合に対する不当労働行為があり、問題となりました。組合員のビラ配布行為を非難し、これを理由に教授会から研究科長に選出された教授の任命を拒否するなど、組合員への差別的な取り扱いを行ったことが、福岡県地方労働委員会に訴えられました。地労委では、ビラ配布は正当な組合活動、学長の発言及びウエブサイト掲載は、組合員の組合活動を萎縮させ、組合の弱体化を図るものなどとして救済命令が下りました。しかし、学長側は受け入れず、中央労働委員会でも争われ、やはり救済命令が下されました。その後、これを引き継いだ新学長は、中労委決定を不服として行政訴訟を提起し、地裁、高裁でも敗訴、さらに、ことし一月二十九日、最高裁判所は学長側の上告を棄却しました。不当労働行為と人権侵害行為という法令違反が五回も認定されたことになります。この間、五年にもわたってこの問題は解決できないままでした。  最高裁での不当労働行為認定がされても、学長側は謝罪もしていないとのことです。国立大学法人法で、学長は人格が高潔で学識がすぐれ、かつ大学における教育研究活動を適切かつ効果的に運営することができる能力を有する者のうちから選考されるとありますが、人権侵害と不当労働行為を行う人物が、人権教育を行う教員養成大学の学長として、その後は副学長として経営トップに居続けたことに驚きを隠せません。  カリキュラムの改訂、学部の改組もトップダウンで行われ、突然、公式記録をとることのできる五十メートルプールを二十五メートルに埋め立てるなどということまで起こっています。小学校のプールは二十五メートルだからというのが理由だそうです。とても民主的とは言えない運営ではないでしょうか。大学の自治が脅かされているとも言えるのではないかと思います。  これは一大学の問題ではなく、本県教育にもかかわる問題であると考えます。最高裁が認定した不当労働行為が県内教員養成大学で起こったことについての御所見を伺います。  また、教育長は、学長選考委員、経営協議会委員として物を言う立場にあったと思いますが、どのような対応をしてこられたのか、また、県教委として大学と意見交換をするなどの機会はなかったのか、県教委としての対応も明らかにしてください。 146 ◯松永教育庁教職員課長 不当労働行為はあってはならないものであります。しかし、福岡教育大学における事案につきまして、県教育委員会としては事実詳細を承知しておりませんで、意見を述べることは困難でございます。また、個別具体の大学運営に対しても対応する立場にはないと考えております。 147 ◯高瀬菜穂子委員 御答弁にありましたように、不当労働行為はあってはならないと思います。特に教員養成大学ではそうだと思います。  今、福岡教育大学の正常化を求める署名というものが取り組まれており、過半数の教員の皆さんが署名をされたということです。求めているのは、不当労働行為のため物心両面で損失をこうむった教授、教授会、教職員組合等への前学長、現学長による直接謝罪、九州の基幹教育大学としての社会的、道義的責任を社会に示すため、本件に係る責任の所在を明確にし、大学執行部の刷新を行うこと、東京地裁、高裁の判決内容が示すことを真摯に受けとめ、労使対等の対話のある民主的な大学運営体制を構築することであります。当然の要求ではないかと思います。  県としても大学の正常化のために働きかけていただきたいと考えますが、どうでしょうか。 148 ◯松永教育庁教職員課長 個別の大学の労使関係、あるいは具体の組織体制につきまして教育委員会に指導権限はなく、大学の自主性、自立性の観点からも働きかけを行うことは困難であると思っております。 149 ◯高瀬菜穂子委員 県としての動きはなかなかできないということですよね。しかし、この大学の今のあり方というのは、本当に心配なところがあります。  安倍政権は、学長の権限を強化する法改正を行いましたが、リーダーシップが独裁につながる危険性を本件は示していると思います。二〇一三年十一月十九日の中央教育審議会の組織運営部会において、大学のガバナンス改革のあり方に関する議論がされています。その中である委員から、学長のリーダーシップを強くすると大学がよくなるという保障はないと思っております、小さな大学で学長がワンマンで、間違ったときに非常に悲惨な結果になることがございます、これ以上権限を強めるような法令改正をすることは非常に危険性を招く可能性もある、いわゆる学長の暴走をとめるガバナンスがなくなるということなのですとの意見が出されています。また、ほかの委員から、学長が権限を持つと暴走するリスクがあるとした上で、学長選考委員会がこの学長はおかしい、暴走に限らず他の運営についてもおかしいと思ったら罷免することができるということが防波堤になっているということも述べています。学長に権限を集中する大学法人法の危険性が議論され、その防波堤は学長選考委員会だと指摘をしています。そうであるならば、選考委員になっている城戸教育長の責任は重大であります。県教育長としてではなく一有識者として選考委員になっており、県教育長としての本議会の答弁は難しいとのことでしたが、その責任の重大性について厳しく指摘をしておきます。  次に、特別支援学校建設問題について伺います。  福岡教育大学の敷地内に県立特別支援学校を建設する計画が発表されました。県立特別支援学校の増設は、我が党も求めてきたことであり歓迎するものですが、今回の建設については、県立学校であるにもかかわらず、地元自治体が造成に係る費用を負担すると聞いています。大変驚いているのですが、県立特別支援学校なのですから、当然、県が全て負担すべきではないでしょうか、見解を伺います。 150 ◯樋口 明委員長 井手特別支援教育課長。 151 ◯井手教育庁特別支援教育課長 今回の誘致を受けての学校設置は、県としておおむね令和七年度までに福岡地区に三校新設するという喫緊の課題を抱えている中、学校の設置場所にふさわしい土地を用意いただくものでありまして、特別支援教育の充実に向けた地元自治体と県双方の思いが合致した上に成り立ったものでございます。地元自治体が土地を用意するためにどのような負担をするかは自治体において自主的に判断されるものでございまして、県が学校設置の条件にしたり強制したりしているものではありませんので、問題はないものと考えております。 152 ◯高瀬菜穂子委員 問題はないとの認識のようですが、地元の議会議事録を見ますと、どうすれば誘致できるかなどの議論がされており、誘致に当たって地元自治体が負担をするとなれば、財政力のある自治体が有利とも見られかねません。県は、県全体を俯瞰して必要な場所、最適な場所を選定すべきで、自治体間の公平性を保つためにも県が費用負担をすべきだと考えます。糸島でも同様のことが起こっているとのことですが、こうしたやり方は改めるべきだということを強調しておきます。  また、今回、PFI手法の検討を行っていると聞きました。県の方針によるものとのことですが、公教育の学校建設及び施設管理にPFI手法はなじまないと考えます。全国で学校建設をPFIで行った事例はありますか。特別支援学校についてはどうでしょうか。あわせて、PFI検証に係る費用はどのぐらいと見込んでいますか、お答えください。 153 ◯樋口 明委員長 池松施設課長。 154 ◯池松教育庁施設課長 平成十一年のいわゆるPFI法施行から昨年度までの二十年間に、PFIにより事業化された校舎等の学校施設整備事業は、全国で四十七事業ございますが、特別支援学校で事業化された例はありません。  また、PFI導入可能性調査につきましては、二校で千五百万円程度を見込んでおります。 155 ◯高瀬菜穂子委員 PFI推進の方針が二〇一七年に出されてから、県全体で検証対象になったのはこの二つの特別支援学校を含め六件ということで、PFI手法の採用による建設はまだないとのことでした。  どうしても、利益を出すためのコストカットが必要となるPFIは、公教育、特に特別な配慮を要する特別支援学校にはなじまないと考えます。その点もぜひ考慮していただきたいと思います。  一千五百万といえば、検証だけでもかなりのお金がかかりますので、改善を求めたいなと思います。  最後に、本日私が提起いたしました福岡教育大学の一連の問題について、副教育長に御所見を伺いたいと思います。大学の問題ではありますけれども、本県教育に重大な影響があるとの立場から問題提起させていただきました。よろしくお願いいたします。
    156 ◯樋口 明委員長 吉田副教育長。 157 ◯吉田教育庁副教育長 学校現場におけるさまざまな課題に対応していくためには、幅広い視野を持って、そして、実践的指導力のある人材を確保するということが必要でございまして、そのためには養成機関である大学との連携は重要なことでございます。このため、福岡教育大学に限らず、教員養成を行う大学に対しましては、本県の求める教師像について説明に努めてきたというところでございます。ただし、先ほど来申し上げておりますように、個別の大学内の事案につきましては、指揮監督関係もなく、また大学の自主性、自立性の尊重という観点からも感想を申し述べることは差し控えさせていただきたいと思っております。 158 ◯高瀬菜穂子委員 お答えいただきましたが、教育委員会として教員養成大学との連携はいずれにしても重要だと思います。大学の自主性、自立性を尊重しつつ、注視していただくよう要望しまして質問を終わります。(拍手) 159 ◯樋口 明委員長 ほかに質疑はありませんか。塩川秀敏委員。 160 ◯塩川秀敏委員 自民党県議団の塩川秀敏でございます。通告に従いまして、学校を支援する体制づくりについてただしたいと思います。教育委員会は、ここ十年以上にわたり学校を支援する体制づくりについて取り組んできたにもかかわらず、その成果は十分ではないと、私は認識をしております。  早速、質問に入ります。  今、教育委員会が取り組んでいる学校を支援する事業として地域学校協働活動事業というのがありますが、この事業の目的と推進組織についてお答えください。 161 ◯樋口 明委員長 富松社会教育課長。 162 ◯富松教育庁社会教育課長 事業の目的でございますが、学校と地域が連携・協働し、地域人材の協力を得て学校支援、学習支援、体験活動を実施すること、また、地域ぐるみで子供を育てる体制を整えることでございます。  事業の実施に当たりまして、推進組織といたしましては、学校支援等の活動を実施、運営するため、地域学校協働本部を設置し、その中に地域人材や学校との連絡・調整、活動の企画等を行う地域学校協働活動推進員を配置しております。 163 ◯塩川秀敏委員 結局、学校と地域が協働して地域ぐるみで子供を育てていこうと。そのために地域学校協働本部を──何かいかめしい名前ですが、それを置いて、そこに地域学校協働活動推進員というものを置いて、その取り組みを進めているということだと思います。  それでは、その地域学校協働本部は、どこにそれが設置されているのかということが一つ。そして、そこで仕事をされている地域学校協働活動推進員というのはどういう役割をしようとされているのか、御説明ください。 164 ◯富松教育庁社会教育課長 この地域学校協働本部は、県の実施要綱によりまして、原則として活動を実施する学校内に設置されております。この本部は、多様で幅広い地域住民や団体等の参画により形成された緩やかなネットワークでございまして、学校支援、学習支援、体験活動を実施することがその役割となっております。  また、地域学校協働活動推進員は、学校協働本部の中にあって地域と学校をつなぐコーディネート機能を継続的に行う中心的な役割を担っております。 165 ◯塩川秀敏委員 そうすると、学校の中にこの本部は設置されておって、そこに推進員の方がおられて、地域の学校に協力してある方々を全部把握して、学校とその方たちをつなぎながら地域で子供を育てていこうという動きだと。僕は、なかなかこれは進めていくべきことだと思っているところでございます。  そこで、この極めて重要な役割を担う地域学校協働活動推進員、今度から推進員と言います、ちょっと長いので。その推進員の方の身分、それから、勤務場所は今わかりましたから、勤務条件、いわゆる謝金とか時間とかについて伺いたいと思います。 166 ◯富松教育庁社会教育課長 地域学校協働活動推進員は、平成二十九年三月の社会教育法の改正によりまして法的に位置づけられたものとなっておりまして、教育委員会が委嘱することとなっております。  勤務条件でございますが、謝金単価はそれぞれの市町村で定めるものとなっておりますが、県では一時間当たり千四百八十円を上限として補助を行っております。費用負担の割合は、国、県、市町村、それぞれ三分の一となっております。勤務日数は、市町村によりまちまちではございますが、昨年度の実績によりますと、おおむね一日四時間・年間百日程度となっております。 167 ◯塩川秀敏委員 そうすると、その推進員の方々が今までと違ったのは、社会教育法の改正によってきちっと位置づけられて教育委員会が委嘱するようになったと。これは大きな進歩だと思います。  そこで、その推進員の方は今全部で何人いらっしゃるのか。本年度、予算が組まれていますが、何人ぐらい委嘱の予定なのか。そして、その費用負担。先ほど三分の一ずつということがございましたけれども、もう一度説明をお願いします。そして、今年度、この事業に対して県はどれぐらい予算要求しているのか、お答えください。 168 ◯富松教育庁社会教育課長 平成二十九年度、三十年度の二年間の委嘱者の実績は、延べ二十一名となっております。また、本年度の委嘱予定でございますが、九十名となっております。  それから、費用負担でございますが、市町村がこの地域学校協働活動推進員を配置し、地域学校協働活動を実施する場合、予算の範囲内で国・県におきましてその補助対象経費の三分の二以内を補助するということになっております。  今年度の地域学校協働活動事業に係る予算ですが、これにつきましては六千七百万円余を今お願いしているところでございます。 169 ◯塩川秀敏委員 次に、今まで県教委がどういう取り組みをしてきたのか、学校支援体制づくりについてということを事前に委員会のほうに資料をお願いしておりますので、そのお取り計らいをお願いいたします。 170 ◯樋口 明委員長 お諮りいたします。  ただいま塩川委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 171 ◯樋口 明委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま塩川委員から要求がありました資料については提出できますか。 172 ◯富松教育庁社会教育課長 直ちに提出いたします。 173 ◯樋口 明委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 174 ◯樋口 明委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 175 ◯樋口 明委員長 資料が配付されましたので、塩川委員、質疑を行ってください。 176 ◯塩川秀敏委員 今の資料の中で番号が打ってありますが、事業名のところに1)から5)まで打ってありますけど、1)から3)までがこの学校支援体制づくりに大きく関係するところでございますので、この資料をもとに簡単に御説明をお願いしたい。もし反省することがあれば、その反省もつけ加えてお答えいただきたいと思います。 177 ◯富松教育庁社会教育課長 資料のうち、地域が学校を支援する取り組みにつきましては、事業名の欄に1)から5)の番号を振っておりますが、そのうち1)から3)の事業となっております。  平成二十年度から三年間は1)に掲げております、ふくおか学校応援事業に取り組んでまいりました。この事業は、国からの委託が完了したことにより終了しております。その後四年間、間があいた後、平成二十七年度から二年間は2)に掲げております学校支援地域本部導入促進事業を実施いたしました。そして、平成二十九年度からは2)の事業を組みかえまして、さきに説明いたしました3)に掲げております地域学校協働活動事業を実施しているところでございます。  これらの取り組みは、いずれも教師が子供と向き合う時間を確保するとともに、地域ぐるみで子供を育成しようという一貫した目的のもとに実施してきたものでございます。その結果、平成二十七年度は九市町十三本部であった学校支援地域本部ですが、平成三十年度には十四市町村で六十三の地域学校協働本部へ広がってきております。  しかしながら、国の補助事業や委託事業等をもとに事業を行ってきた経緯もあり、途中で事業が中断したり、事業名や内容、手法が変更されてきており、一部の市町村や学校にとって事業が継続的に取り組んでいるようには見えにくかったと考えられることは反省すべきだと考えております。 178 ◯塩川秀敏委員 今ありましたように、二十年からずっと取り組まれて、今、令和元年まで来ているわけですが、その結果を見ますと、二十七年は九市十三本部、これは今で言う地域学校協働本部が設置された数でございますけれども、三十年度は十四市町村の六十三本部と。ちょっと失礼ですが、私がずっと考えますと、最低中学校単位にこれをつくっていかないと徹底しないだろうと思っているんですけれども、県下の教育委員会の関係する中学は幾つありますか。概数でいいですよ。 179 ◯富松教育庁社会教育課長 中学校の数ですが、県内に三百三十三校ございまして、この事業の対象となります中学校は、両政令市、中核市を除きますと百八十五校となっております。 180 ◯塩川秀敏委員 中核市を入れて二百ちょっと超えるぐらいですよね。今、設置されているところから見れば、まだまだ緒についたばかりであると。しかも、今まで県がやってきたことは国庫があるからとか。これは、私が知る限り国の補助がありながら途中でやめたこともあるんですよね。何か本当に、教師が子供と向き合う時間をつくることが大事だとか、あるいは地域ぐるみで子供を育てることが大事だと言いながら、教育委員会の取り組み方というのはいま一歩そういう熱意が足りないように感じるところでございます。  ところで話は変わりますけれども、今、県教育委員会が教職員の働き方改革の指針というのを出しまして、三十年三月から取り組んでおります。私もさきの本会議の一般質問で、この取り組みがうまくいくためにはこうしたらどうかという提案をしました。教育長からもやってみようというお返事をいただいたわけですので、二言はないと思いますが、どういう答えが出てくるか非常に楽しみにしているところでございます。  ところで、この学校現場の働き方改革の目指すところを簡単に説明してください。 181 ◯富松教育庁社会教育課長 学校現場の働き方改革の取り組みの目的とするところは、大きく二点ございます。一点目は、教員が健康で生き生きと仕事ができる環境を整備し、本来の業務に専念できるようにすること。二点目は、このことを通しまして教員が子供と向き合う時間を十分に確保し、学習指導、生徒指導の充実により学校教育の質を維持・向上させることであると考えております。 182 ◯塩川秀敏委員 まさにそのとおりですよね。先ほどの学校を支援する体制づくりと目的はほとんど重なりますよね。やっぱり、今、先生方にしっかりした余裕を与えて、本来の生徒指導と教科指導に専念できる環境をつくっていくということは本当に大事ではないかと思います。先ほどから、先生方のなり手が少ないとか質がどうかということでしたけれども、やっぱり現場が楽しくて充実していないと、なかなか先生になろうという人も少ないと思うんですよ。そういう意味では、しっかりこれに取り組んでいただきたい。今の国家的プロジェクトである学校現場の働き方改革を効果があるものにし、その成果を得るためにも、これにしっかり取り組んでいく必要が、私はあると思います。  そういう意味で、これを取り組むことについてどうお考えか課長の御意見を伺いたいと思います。 183 ◯富松教育庁社会教育課長 この地域学校協働活動事業は、学校が必ず行うべき業務以外の業務の一部を地域が支援することによって働き方改革につなげようとする取り組みでもあります。この取り組みが学校文化としてしっかりと根づくことで、教師が子供と向き合う時間を確保する、ひいては学力、体力、豊かな心をしっかり身につけさせることにつながるものと考えております。 184 ◯塩川秀敏委員 僕はずっとこの件で課長さんといろいろと話をさせてもらいましたけれども、やっぱり十分な取り組みがなかったと素直に反省され、そして今、この取り組み、いわゆる学校を支える体制づくりの取り組みが学校文化としてしっかり根づくと。こういう言葉は、僕は十年間質問してますけれども、学校文化としてしっかり根づくことが重要だという答弁をいただくのは、本当にありがとうございます。すばらしいと思うんですよ。ですから、ぜひその目的が達成するように、これから頑張っていただきたいと思うところでございます。  ところで、最後に副教育長に伺いたいと思います。  今、課長の答弁もありました。この取り組みが学校文化としてしっかり根づくことが、教師が子供と向き合う時間を確保し、ひいては学力、体力、豊かな心をしっかり身につけさせることにつながるものと考えております。教育委員会にはこういうすばらしい職員の方もおられるわけですよ。こういう職員の方をトップとして、しっかり仕事ができる状況をつくっていくことが非常に重要でありますし、こういう職員の方がおられること自体、福岡県の教育は望みがまだまだあると、私は思っています。  福祉の世界でこういう言葉があります。施設の職員の幸せなくして利用者の幸せなし。そこに通う職員が幸せでないと、そこに入っていらっしゃる利用者の方の幸せがないのだと。私はこれをちょっと模しまして、先生の幸せなくして生徒の幸せなしですよ。学校に通う先生が喜び勇んで学校に来て、子供はそういう姿を見て幸せを感じるのではないでしょうか。ですから、こういう現場をしっかりとつくっていただきたい。そうすると、学校現場が充実するし、いろいろな意味で非常に効果が出てくると思うところでございます。  また教育長は、鍛ほめ福岡メソッドというのを就任のときにおっしゃいました。これを学校現場が実行するに当たっても、やっぱり先生が生徒と向き合う時間が十分確保できないと、鍛えて褒めるなどということはできません。そういう意味でも、この向き合う時間をつくることが非常に大切だということはおわかりだと思います。考えれば考えるほど、この学校を支える、支援する体制づくりというものは重要であると思うところでございます。  そこで、副教育長に、この事業を県独自でもしっかり取り組む覚悟はあるのか、副教育長の所見をお聞かせください。 185 ◯樋口 明委員長 吉田副教育長。 186 ◯吉田教育庁副教育長 限られた人的資源と時間の中で子供たちの心身の成長を最大限引き上げるということが、学校の使命でございます。その使命を達成するためには、働き方改革を進め、教員が専門性を生かし、学習指導や教科指導、教材研究などなど、子供たちと向き合うための時間、いわゆる教員の本来業務というものに費やす時間を確保するということが肝要でございます。  平成二十九年度の予算特別委員会の際の委員の質問に対して城戸教育長は、児童生徒というのは本来わかりたい、あるいは伸びたいという希望を持っている。先生はその気持ちに応え、真摯な姿勢で指導を続けていく。その必要があるとともに、それを支援する教育行政でなければならないというお答えをさせていただきました。  本来、学校の教師は子供たちの成長を何よりの喜びと感じ、教員になっております。その実現のためには、行政機関の我々が日々の教育活動をしっかりと支えていく、そういう環境をつくっていくことが重要でございます。私といたしましても、そのような学校現場をつくっていきたいと思っております。  こうしたことを踏まえまして、今後、働き方改革を進めますとともに、この地域学校協働活動事業の継続にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 187 ◯塩川秀敏委員 今、しっかりとした決意を伺いましたので期待をしたいと思いますが、これは推進員を置くとすると予算が伴いまして、ざっと計算してもやっぱり七千五、六百万は要ります。現在のところ三千五百万ぐらいしか予算がついていませんので、この予算につきましては、これだけ委員会がやる気になっているんですから、知事としっかり話をしてですね。大事なことですので、予算について知事の御所見を伺いたいと思います。知事保留の取り扱いをお願いいたします。 188 ◯樋口 明委員長 ただいま塩川委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。  なお、知事保留質疑は七月九日火曜日に行う予定でありますので、御了承願います。 189 ◯塩川秀敏委員 ありがとうございました。(拍手) 190 ◯樋口 明委員長 ほかに質疑はありませんか。堤かなめ委員。 191 ◯堤 かなめ委員 民主県政クラブ県議団の堤かなめでございます。  医療的ケアを必要とする子供への教育保障について質問いたします。  委員長、執行部に資料医療的ケアを必要とする児童生徒数等についての作成をお願いしておりますので、お取り計らいのほどどうぞよろしくお願いいたします。 192 ◯樋口 明委員長 お諮りいたします。  ただいま堤委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 193 ◯樋口 明委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま堤委員から要求がありました資料については提出できますか。井手特別支援教育課長。 194 ◯井手教育庁特別支援教育課長 直ちに提出いたします。 195 ◯樋口 明委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 196 ◯樋口 明委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 197 ◯樋口 明委員長 資料が配付されましたので、堤委員、質疑を行ってください。 198 ◯堤 かなめ委員 医学の進歩を背景といたしまして、小児集中治療室等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃瘻等を使用し、たんの吸引等の医療的ケアが日常的に必要な子供、いわゆる医療的ケア児の数が増加しています。全国的に二〇〇六年からの十年で約二倍に増加し、現在では一万八千人を超えており、支援体制の確立が急がれています。国においては、三年前の二〇一六年に児童福祉法が改正施行され、医療的ケア児の存在が初めて法律に明記され、医療や福祉に加えて教育の面でも支援が受けられるように努めなければならないとされました。  そこでまず、県内には義務教育段階における医療的ケアを必要とする児童生徒はどのようになっているでしょうか、資料上段の1を使って御説明願います。 199 ◯井手教育庁特別支援教育課長 御説明します。  この表は、県内の義務教育段階にある医療的ケアを必要とする児童生徒数の最近四年間の推移を示したものでございます。合計を見ると二百四十五人から毎年増加しておりまして、平成三十年度は二百八十七人となっております。平成三十年度の内訳を見ますと、小中学校在籍者は十五人で、うち政令市立が五人、その他の市町村立が十人となっています。特別支援学校在籍者は二百七十二人で、うち政令市立が百十五人、県立及びその他の市立が百五十七人でございます。合計に占める割合は、小中学校在籍者が約五%、特別支援学校在籍者が約九五%で、最近四年間でこの割合に大きな変動はありません。 200 ◯堤 かなめ委員 医療的ケアを必要とする児童生徒が近年増加傾向にあり、そのほとんど、約九五%が特別支援学校に通っているということがわかりました。  では、特別支援学校においては看護職員の配置状況はどのようになっているのか、資料下段の図を使って御説明願います。 201 ◯井手教育庁特別支援教育課長 資料下のグラフについて説明いたします。  この資料は、県教育委員会が行っております医療的ケア体制整備事業で対象となっている児童生徒等の数と配置している看護職員数の推移を示したものでございます。平成十九年度の事業開始時点では、対象者は三十二人、看護師は十三人でございましたけれども、いずれも増加しておりまして、今年度は対象者八十九人、看護師は四十二人となっております。 202 ◯堤 かなめ委員 医療的ケア児の増加に合わせて看護職員も増員されてきたということですね。  先日、私も実際に、ある県立特別支援学校を訪問させていただき、とても丁寧な心のこもった医療的ケアが行われているという感想を持ちました。子供たちは、医療的ケアを受けながら安心して楽しそうに学んでいる様子で、学校関係者の皆様の御努力に感銘を受けたところです。  では次に、市町村立の小中学校の状況についてお聞きしたいと思います。  医療的ケアを必要とする子供たちの中には、歩いたり活発に歩き回ったりすることが可能な子供たちから寝たきりの重症心身障がい児までさまざまです。中には、自宅から通いやすい地域の小中学校に通うことを選ぶ場合もあるかと思いますが、県内の小中学校では医療的ケアを担う看護職員がきちんと配置されているのかお聞きいたします。 203 ◯井手教育庁特別支援教育課長 小中学校におきましては、平成三十年度は看護師は配置されていないという状況でございます。今年度は、政令市を除きますと少なくとも二つの市で二人の対象者に看護師三人が配置されております。 204 ◯堤 かなめ委員 今年度の医療的ケアを必要とする児童生徒の数はデータがないということだったのですけれども、これまでの推移からその他の市町村立には十人前後の子供がいることが推察されます。このような状況で三人の看護師の配置で十分なのか懸念せざるを得ません。  文部科学省が設置した学校における医療的ケアの実施に関する検討会議が本年二月二十八日に公表いたしました最終まとめには、近年では児童生徒に必要とされる医療的ケアの内容はより熟練を要し、複雑化している状況にあることから、教育委員会においては看護職員等を十分に確保し、継続して安定的に勤務できる体制を整備するとともに、各学校に医療的ケア児の状態に応じた看護職員等の適切な配置を行うことが必要と記されています。  そこで、地域の小中学校においても看護職員の適切な配置は重要と考えますが、小中学校の医療的ケアの看護職員の配置について、県教委はどのような取り組みをしているのかお聞かせください。 205 ◯井手教育庁特別支援教育課長 県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会に対しまして、看護職員の配置について対象経費の三分の一以内を国が補助し、あわせて地方交付税措置がなされる制度の活用を働きかけております。  また、県教育委員会でこれまで取り組んできました医療的ケア体制整備事業で蓄積したさまざまなノウハウをもとに、市町村教育委員会に指導・助言を行っているところでございます。 206 ◯堤 かなめ委員 県教委による市町村への働きかけについては、よくわかりました。  ある研究論文は、医療的ケアを必要とする児童とともに学校生活を送ることは、児童の対人的な援助をしようとする思いやりの心を育み、さらにその思いやりを自発的な行動に移すことを体験的に学んでいる可能性を示唆しています。引き続き、特別支援学校だけでなく地域の小中学校においても、医療的ケアに携わる看護職員を配置し、医療的ケアの子供たちの可能性を最大限発揮できるよう、しっかり教育保障していただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。  また、看護職員を配置している小中学がある近隣の市町村に越境して通えるようにするなど、広域的対応についても検討していただきますよう、要望しておきます。
     さて、県立特別支援学校においては、医療的ケアの体制は少しずつ充実してきていることはわかりました。しかし、保護者が常に教室に付き添って見守らなければならず、重い負担を強いられている場合があるのではないかという懸念がまだ残ります。この点について、特別支援学校医療的ケア整備事業の実施要綱の見直しが行われたと聞いておりますが、どのような見直しが行われたのかお聞かせください。 207 ◯井手教育庁特別支援教育課長 保護者の待機に関しましては、平成二十六年一月に事業の実施要綱を改正しまして、児童生徒の在校中は保護者が校内に待機することを原則とする規定を削除しております。また、校外学習においては保護者が同行して医療的ケアを行うという原則は残しつつ、児童生徒の実態や校外学習の内容、校内の体制によっては保護者の同行を要しない場合があるという規定を追加しております。以上のような保護者の校内待機の見直しを図っております。 208 ◯堤 かなめ委員 これまでどのような見直しが行われてきたのかよくわかりました。  文部科学省が本年三月に発出した通知には、保護者の付き添いは真に必要と考える場合に限るよう努めるべきであるなどとしています。今後も引き続き適切な対応をお願いいたします。  さて次に、大規模災害による停電などで電源を喪失したとき、県立特別支援学校では医療的ケアがしっかり対応できる体制になっているのか、この点についてお聞きいたします。 209 ◯井手教育庁特別支援教育課長 大規模災害による停電などで電源を喪失した場合に備えまして、看護職員を配置している学校には手動の吸引器を一台ずつ配備しております。さらに、電源を必要とする医療的ケア児が多い学校には発電機を一台ずつ配備しております。各学校に対しましては、電源の確保、点検やバッテリー作動時間の確認などを日ごろから行うとともに、停電時の対応を学校と保護者であらかじめ確認、共有しておくよう指導してまいります。 210 ◯堤 かなめ委員 最後に、特別支援学校及び小中学校における医療的ケアの充実に向け、吉田副教育長の御決意をお聞かせください。 211 ◯樋口 明委員長 吉田副教育長。 212 ◯吉田教育庁副教育長 安全安心な医療的ケアが学校におきまして安定的に行われるということは、児童生徒の教育を受ける権利、機会を確保するという観点からも大切なことでございまして、児童生徒の状態と教育的ニーズを慎重に見きわめ、看護職員と教職員が不安なくそのケアに取り組める環境というものを整えていくことが重要になってまいります。このため、今後とも、一つには、看護職員の研修の充実と人材の確保、二つには、県立特別支援学校に対する医療的ケアに関する最新情報や留意点等の情報の提供、三つ目には、市町村教育委員会に対する適切な指導・助言、これらによりまして学校における医療的ケアの改善、充実を図ってまいりたいと考えております。 213 ◯堤 かなめ委員 終わります。ありがとうございました。(拍手) 214 ◯樋口 明委員長 ほかに質疑はありませんか。高橋雅成委員。 215 ◯高橋雅成委員 公明党の高橋雅成です。平和教育について質問いたします。  一昨年の平成二十九年、NHKが平和に関する意識調査を行いました。それによりますと、戦争を体験した人から直接戦争に関する話を聞いたことがありますかとの問いに対しまして、十八歳、十九歳では聞いたことがない人が二三・五%、二十歳以上では二一・二%でありました。同年に民間の調査会社が行いました国際平和に関する調査結果でも、三割強の人が戦争について体験談を直接聞いたことはないという回答をしております。  ことし六月二十三日、沖縄は戦後七十四回目の慰霊の日を迎えましたが、かつて沖縄で鉄血勤皇隊、これは太平洋戦争末期の沖縄におきまして防衛召集により動員された日本軍史上初の十四歳から十六歳の学徒による少年兵部隊ですが、その鉄血勤皇隊として動員された沖縄県元知事の大田昌秀さんは、生前、戦争はすぐに始まるものではない、じわじわと国民生活に浸透していって初めて戦争へと発展するとお話をし、平和教育の重要性を訴えられております。  ことしは戦後七十四年、戦争体験者が年々減り続ける中で、隣国の韓国に対するヘイトスピーチは鳴りやみません。また、北方領土の返還には戦争するしかないという発言をする国会議員まであらわれました。戦争の悲惨さを後世に伝え続けることの大切さを切実に感じざるを得ません。  そこで、本県における平和教育について何点か質問をいたします。  まず初めに、県教育委員会の平和教育の基本理念、基本方針をお聞かせください。 216 ◯樋口 明委員長 一色義務教育課長。 217 ◯一色教育庁義務教育課長 平和教育については、生命のとうとさ、戦争の悲惨さ、平和のとうとさについて指導するとともに、国際的視野に立って世界の平和と人類の発展に寄与し、国際社会に貢献できる資質と態度を育成していく教育であると捉えております。各学校においては、学習指導要領に基づき、学校の教育活動全体を通じて児童生徒の発達段階に応じた平和に関する学習を行うこととしております。 218 ◯高橋雅成委員 長崎市ですけれども、昨年度から平和教育の再編に取り組んでおります。従来の平和教育の柱であった被爆体験の継承と平和の発信に加えて、原爆や平和について自身の考えを自発的に表現することを目的にして、児童生徒と被爆者による対話型の学習を導入するなど新たな試みに取り組んでおります。児童生徒は事前に講話者の経歴、略歴や体験について学習をして質問を用意します。そして、被爆者と活発に意見交換を行います。長崎市教育委員会によりますと、被爆者がこれまで話すことがなかった当時のエピソードを子供たちによって引き出すことができ、子供の学習にも深みが増したということであります。また、被爆者が減少する中で、新たな平和教育のあり方を求め、小学六年生と中学三年生を対象としたディスカッション形式での平和学習の実践授業を行うなど、積極的に平和教育が行われております。  本県におきましても、六・一九福岡大空襲、八・八八幡大空襲など多くの県民が犠牲になっております。これらの悲劇を風化させないためにも、体験を通しての平和教育について県教委として認識があると思いますけれども、戦争体験を通じての取り組みについて現状を質問します。同時に、平和教育の再編に関してどのように考えるのかお聞かせください。 219 ◯一色教育庁義務教育課長 学校においては、地域の戦争体験者を学校に招聘し、戦時中の生活の様子などの話を直接聞いたり、戦争体験者等に取材を行い、生徒みずからが平和劇を演じたりすることを通して平和のとうとさなどを学ぶ学習を行っております。このような平和について体験的に学ぶ学習は、平和への意識を高め、戦争の悲惨さや平和のとうとさを身近なこととして実感する上で重要であると考えており、県教育委員会としても小中学校における体験的な学習を促してまいります。 220 ◯高橋雅成委員 六月十九日の福岡大空襲は、毎年その日に慰霊祭が行われていまして、博多区選出の私たち県議会議員三人はその慰霊祭に毎年出席しております。博多小学校という学校が、毎年、献花に訪れるわけですけれども、この福岡大空襲を通じての体験学習、あるいは戦争体験者のお話を聞くという学習をしているのも、博多区で言えば博多区の全小学校にやってほしいんですけれども、博多小学校に限られております。やはり、多くの小学校が参加する体験学習という意味で、もっともっと広げていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  今回、予算特別委員会におきまして本県の平和文化事業について我が党の吉田議員が質問をしました。その中で、戦時資料の貸し出しについて過去十年間の実績をただしたことに対しまして、延べ三十六カ所の貸出先に延べ千百九十二件の戦時資料を貸し出したという説明があり、貸出先につきましては、平和資料展など平和に関する事業を実施している民間団体、市町村、マスメディアであるという答弁がありました。  平和文化事業に小中学校がどのようにリンクしているのか、また、平和文化事業に呼応した今後の取り組みについてお聞かせください。 221 ◯一色教育庁義務教育課長 昨年度の平和文化事業の一つとして、筑前町の大刀洗平和記念館において命と平和のとうとさを語り継ぐというテーマのもと、夏休みに福岡県戦時資料展が開催されており、近隣の小中学校を初め、千名を超える多くの児童生徒が来館したと聞いております。  県民の皆様から寄贈された戦時資料にじかに接することができる本事業は、児童生徒が平和について学ぶよい機会であると捉え、県教育委員会としても校長研修会等での紹介等により広く周知してまいります。 222 ◯高橋雅成委員 ぜひよろしくお願いします。  戦争は、外国あるいは外国人に対する究極の差別意識を助長する中、行われたのではないかなと思います。平和教育ということを幅広く考えるときに、子供のころから外国人と触れ合う機会をふやすことによって、外国人あるいは外国に対する差別をなくす、身近な自分の友人という存在になる、そういう平和教育につながるのではないかと思いますし、また同じく平和教育という観点から、がんサバイバーとか障がい者、難病患者、こうした人たちの話を聞くことによって命の大切さをしっかりと認識してもらうことも大事だと思っております。また、LGBTなどの少数者への理解を深めることも隣人への理解、共感につながると思っております。  これらの教育についての県の現状はどうなっているのか、平和教育との関連についてどう考えるのか、お聞かせください。 223 ◯一色教育庁義務教育課長 小中学校におきましては、他国の人々や障がい者等との交流、がんの専門医やがん患者等を招聘し、がんに対する正しい理解とがん患者に対する正しい認識を持たせる学習、性的少数者の人権問題について考えを深めさせる学習などを行っております。こうした学習を通して児童生徒が生命のとうとさを自覚したり、お互いのよさや多様性を認め合ったりすることは、平和教育の基本理念につながるものと認識をしております。 224 ◯高橋雅成委員 今回、平和教育を取り上げましたのは、一人の県民の方、三十代の父親ですけれども、要望をいただいたことがきっかけとなりました。その方は、世界で起こるさまざまな事件を心配して、世界の不安定さが加速しているのではないかと危惧をしております。そうした今こそ日本の平和教育の充実が必要ではないかと訴えられておりました。具体的には、夏休み期間中に登校日を利用して平和教育ができないのか、あるいは実施される平和教育を受けての感想文を書くことが重要ではないか、あるいは戦争・平和についての課外授業を実施してほしいということを要望しておりました。  かつて福岡県内の小中学校の多くが八月六日あるいは九日を登校日として平和学習を実施していたんではないでしょうか。今こそ平和教育が必要との声は、この方一人だけの県民の声ではないと思います。多くの県民が同じことを願っていると思います。県教委のお考えをお聞きします。 225 ◯一色教育庁義務教育課長 夏休みに平和教育を行うための登校日の設定や、総合的な学習の時間等において戦争体験者の体験を聞く活動、児童生徒が平和に関する課題を探求し、その感想を発表する活動など、平和教育は教育活動全体を通じて行うことが重要と認識をしております。平和に関する学習の具体的な内容や方法については、各学校が児童生徒の発達段階や地域の実態等に応じて主体的に判断し、設定するものではありますが、県教育委員会としては平和教育の重要性に鑑み、各学校において児童生徒がより実感を持てるような平和教育が実践されるよう促してまいります。 226 ◯高橋雅成委員 各学校の自主性に任されているというのはよく私も理解します。ただ、取り組みについてやっぱりそれぞれの学校で平和教育を深めていただきたいなと思いますし、取り組み自体おざなりにならずに、しっかりと取り組んでいただけるように県教委としても促していただきたいと再度要望いたします。  最後に、平和教育に関して副教育長の考えをお聞きします。 227 ◯樋口 明委員長 吉田副教育長。 228 ◯吉田教育庁副教育長 本県におきましては、さきの大戦によりまして、福岡、八幡、久留米といった地域における大空襲等によりまして、多くのとうとい命が失われ、その悲しみは今もなお癒やされることはございません。このような大空襲等を経験された方々からの話を児童生徒がじかに聞く、資料を見る、歴史を学ぶ、そういった経験はさきの大戦の記憶を風化させることなく次の世代にそのことを継承し、一人一人が幸福で平和な社会を築いていく上で大変意義のあることと思います。県教育委員会といたしましては、今後、児童生徒が実感を伴って平和のとうとさを学ぶことができますよう、体験的な学習に関するさまざまな取り組み例、それから情報の提供等に努めてまいりたいと考えております。 229 ◯高橋雅成委員 終わります。(拍手) 230 ◯樋口 明委員長 ほかに質疑はありませんか。板橋聡委員。 231 ◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。通告に従いまして、発達に困難を持つ放課後児童クラブ利用児童について質問いたします。  平成二十四年に文部科学省が行った通常学級に在籍する知的発達におくれはないものの発達障がいの可能性のある児童生徒の実態調査では、小中学校の通常学級に学習面または行動面で著しい困難を示す児童生徒が六・五%存在するという結果が出ております。また、本県の小中学校でLD、ADHD、つまり学習障がいと注意欠陥多動性障がいの通級教室で特別の指導を受けている児童生徒は、この十年間で八・六倍にふえているというデータもございます。こういった子供たちは、コミュニケーションが苦手であったり、こだわりが強かったり、読み書きが困難だったり、多動であったりといった特性があるために、困った子供である、怠けている、反抗的であるというような誤解を受けやすく、周りの正しい理解と適切な支援がない場合、生活に大変な混乱を生ずることとなります。  このため、発達障がいのある子供たちや発達障がいが疑われる子供たちに対して早期からの継続した支援の充実が大きな課題となっておりますけれども、そこでまず、小学校においては主として発達障がいのある子供に対してどのような支援をしているかお答えください。 232 ◯樋口 明委員長 井手特別支援教育課長。 233 ◯井手教育庁特別支援教育課長 各学校には、特別支援教育コーディネーターと校内委員会が置かれ、発達障がいがあるなど特別な支援が必要な児童生徒の実態に応じた個別の指導計画や支援計画を決定しております。授業におきましては、個別の指導計画とユニバーサルデザインの視点に基づき、全ての児童生徒がわかる・できる授業づくりの実施に努めております。  県教育委員会では、これらの学校の取り組みを支援するため、発達障がいに関する理解を深める教員研修を実施しますとともに、手引書やリーフレット、児童生徒理解のためのツールなどを提供しております。 234 ◯板橋 聡委員 特に今回は教員研修についてちょっと聞いてみたいんですけれども、具体的にどういう教員研修が行われているか教えてください。 235 ◯井手教育庁特別支援教育課長 各小学校の管理職、特別支援コーディネーター、特別支援学級担任教員、通級指導担当教員に対しまして、発達障がいのある児童生徒の理解や指導方法、特別支援教育の視点を踏まえた学校経営のあり方などについて、講話、行政説明、演習、実践発表、協議などの形で研修を実施しております。 236 ◯板橋 聡委員 一方、共働き家庭の児童に対し適切な遊びと生活の場を提供する放課後児童クラブがございます。我が会派でも支援員の資質向上のための研修の充実などを過去、訴えてまいりました。放課後児童クラブにおいても発達障がいのある子供たちや発達障がいが疑われる子供たちの利用がふえていると思われます。  放課後児童クラブでは、発達障がいのある子供たちの利用がどれぐらいあるのでしょうか。また、発達障がいのある子供たちの受け入れに当たってはどのようなことが必要であると考えられますでしょうか。 237 ◯樋口 明委員長 木下青少年育成課長。 238 ◯木下青少年育成課長 発達障がいに限定したデータではございませんが、平成三十年、昨年の五月一日現在の厚生労働省調査によりますと、本県におきましてはクラブの登録児童数六万一千百三十二人に対しまして、障がいのある子供の数は千九百二十人となっており、全体に占める割合は三・一%となっております。放課後児童クラブを設置しております五十九市町村のうち、四十六の市町村で障がいのある子供が放課後児童クラブを利用されております。  放課後児童クラブは、年齢や発達の状況が異なる多様な子供たちが一緒に過ごす場所でありますことから、児童に直接対応されます放課後児童支援員は、発達障がいのある子供の特性や支援のあり方について理解を深めておくことが大事であると考えております。また、子供たちの生活の連続性を保障するためには、そうした子供たちの状況等について学校と情報交換や情報共有などの連携を図ることも大切であると考えております。 239 ◯板橋 聡委員 放課後児童クラブは、やはり限られた人員の中でやっていらっしゃいますので、非常に厳しい部分が指導の中でいっぱい出てくるということでございます。だから、現場としても子供たちのメリットという意味でも、小学校、そして放課後児童クラブに関して、発達障がいに対する指導の仕方、どういう支援の仕方があるのかと。小学校はかなり体系的にそういったものが整っているけれども、放課後児童クラブにおいてはまだまだで、実際、一般的なお子さんのほうが逆に窮屈な思いをしている場合もあると聞き及んでおります。その中で、答弁にあるとおり、その二点は非常に大事な視点であると考えますけれども、十分な取り組みができているのかどうかをただしていきたいと思います。  まずは、放課後児童クラブの支援員の資質向上について、現状の取り組みを伺いたいと思います。  県では、発達障がいのある子供たちに対応するため、放課後児童クラブの支援員に対してどのような研修を行っているのでしょうか。 240 ◯木下青少年育成課長 県では、まず放課後児童支援員の資格を得ることを目的とします放課後児童支援員認定資格研修を実施しております。これは、四日間のカリキュラムを県内四地区で開催をしております。支援員としての基礎的知識を学びますとともに、配慮を必要とする子供や障がいのある子供への理解など、放課後児童クラブにおける育成支援について学ぶ内容となっております。  また、放課後児童支援員としてのさらなる資質向上を図るため、おおむね五年以上の実務経験がある支援員を対象に、放課後児童支援員資質向上研修を県内四地区で計六回開催をしております。研修におきましては、障がいの中でも特に発達障がいに着目し、発達障がいの子供への理解と支援というカリキュラムを設けているところでございます。 241 ◯板橋 聡委員 これは、地元の放課後児童クラブの支援員のほうから聞いたんですけれども、非常に長崎県で先進的な取り組みをしているところがあると。ティーチャートレーニングという形で、ペアレントトレーニングと対になるようなイメージなんですけれども、実践的な研修を行っていて、非常にいい形の研修であったと。こういったことを過去、福岡県としては学んだことはありますか。 242 ◯木下青少年育成課長 今、御指摘の長崎県の事業というのは、放課後児童支援員を含めた保育士、幼稚園教諭などを対象に十人程度の人数で行われるもので、参加者が行動が気になる子供の事例を持ち寄り、講義やグループワークを通じて学んだことを各自の実態に生かしていく内容とお聞きしております。  先ほど申しました本県の支援員の資質向上の研修におきましては、発達障がいのある子供の具体的事例をもとに、子供の行動や障がいの特性に応じた接し方、指導の進め方、保護者への支援のあり方、周囲の子供を含めた集団づくりの考え方などについて講義を行っております。一部、講師が示しました課題に沿って受講者同士で意見交換を行う時間を設けた内容を行っております。 243 ◯板橋 聡委員 しかしながら、今、支援員の方たちは非常に給与の面とか待遇が非常に厳しい部分があって、定着率も低いと。今、福岡県がやっているのは、五年以上の実務経験のある方に対しての放課後児童支援員資質向上研修ということでございます。そういうことで考えてみると、モチベーションを向上させる、あるいは定着率を高めてさらに子供たちに対しての支援の質を高めるということで考えたときに、今、福岡県においてもっと実践的な研修を実施する必要があると思いますけれども、どうでしょうか。 244 ◯木下青少年育成課長 先ほど申し述べました支援員の資質向上研修について、昨年度の研修における受講者のアンケートによりますと、具体的な事例をもとに子供への声かけや保護者への伝え方を学ぶことができてよかったであるとか、とても勉強になるので五年未満の勤務経験者にも必要な研修ではないかといった御意見をいただいたところでございます。また、仕事をしていく上で今後学んでいきたい内容はという質問については、やはり障がい等の特別なニーズを持つ児童の理解と支援を学んでいきたいとする回答が最も多くなっているところでございます。  今後ともこうした現場の皆さんのニーズにお応えしていけるよう、長崎県の手法も参考にしながら、研修の内容や受講要件等につきまして検討を行ってまいります。 245 ◯板橋 聡委員 アンケートで評判がよかったみたいなことは全然要らないんですよ。実際、この支援員の方たちから、もっと教えていただきたい、こういうことに対して資質向上させたほうが支援員の定着にもプラスになるのではないか、そういう現場の声があるので、そこをしっかりやっていただかないと、本当にそこら辺の現場の実情がわかっているかどうかと、私は非常におかしいと思うんですよね。  次、二点目の課題、小学校と放課後児童クラブの連携について。  国が策定した放課後児童クラブ運営指針、昨年九月、文部科学省と厚生労働省が発表した新・放課後子ども総合プラン、これらにおいて小学校と放課後児童クラブの連携について言及されておりますけれども、両者の間に壁があると。要するに小学校と放課後児童クラブの間でなかなか連携がとれていないと。放課後児童クラブの方にしてみれば、自分たちは毎日、迎えに来られた父兄と顔を合わせる。非常に父兄の顔色だとか、疲れているなとか、何か黄色信号なのかなというときがわかると。そういったところも含めていろいろな情報交換ができたほうが、子供にとっても物すごくプラスだし、小学校、あるいは逆に放課後児童クラブにおいての指導にとってもプラスになるのではないかという話もございます。  そういう中で、放課後児童クラブでは現状と課題をどのように認識されているでしょうか。 246 ◯木下青少年育成課長 先ほど申し述べました障がいのある子供を受け入れている県内の四十六市町村におけます小学校との連携の状況といたしましては、先ほどの国の調査の中では、何らかの方法により小学校との情報交換を行っていると回答したのは四十四市町村となっております。残りの二市町は、一部の放課後児童クラブでは連携がないと回答をしております。  一方、学校との連携に係る課題といたしまして、放課後児童クラブ側からの意見といたしまして、児童に関する情報が個人情報に当たるとして学校から情報をもらうことができない場合があるとか、放課後児童クラブ側からも学校に対するアプローチが行われていないといった声もお聞きしているところでございます。このように、連携に取り組まれている学校、クラブもある一方で、やはり連携について必ずしも十分であるとは言えないクラブ、学校もあると認識しているところでございます。 247 ◯板橋 聡委員 いや、アンケートの結果を教えてほしいのではなくて、質問の趣旨をよく把握してほしいんですけれども、小学校と放課後児童クラブが情報交換を行っているのが四十四市町村、行っていないのが二市町、そんなことが問題ではなくて、個人情報だとして学校から連絡がもらえない、放課後児童クラブ側からも学校へのアプローチが行えていない。四十四市町村あったとしても、そういう学校、児童クラブの問題があるというのが非常に問題なのであって、これを青少年育成課としてどう認識しているのか主体的に答えてください。 248 ◯樋口 明委員長 挙手をお願いします。 249 ◯木下青少年育成課長 ただいま言いましたように、アンケートの結果ではそうなっておりますが、これは詳細な内容まで問うた結果ではございませんので、やはり各市町村の中ではさまざまな、本当にできているところとか、連絡だけの市町村になっているところとかも多々あると思います。そういった中で、先ほど申しましたような現場の御意見も耳にしているところでございますので、今後、こういったところを踏まえて、連携が深まるように取り組んでいかなければならないと考えております。 250 ◯板橋 聡委員 放課後児童クラブは、発達障がいのある児童はもちろんのこと、同じ放課後児童クラブを利用するほかの児童さんにとっても快適で安心して過ごすことができる居場所でなければなりません。そのためには、小学校と放課後児童クラブが、文科省と厚生労働省の垣根を越えて連携を深めていくべきと考えますが、両者の連携について今後どのように取り組んでいくのか、教育庁と青少年育成課それぞれお答えください。 251 ◯樋口 明委員長 一色義務教育課長。 252 ◯一色教育庁義務教育課長 小学校においては、放課後児童クラブは学校教育外での活動という認識があり、積極的な連携を図ろうとする意識が十分ではないというのが現状と認識しております。小学校と放課後児童クラブは運営主体が異なるわけですが、一方で、そこに通う子供は一人の同じ子供でございます。子供の主体性を尊重し、子供の健全な育成を図ることは、放課後児童クラブにも小学校にも求められております。下校時間の変更や災害時の対応等についての迅速な情報提供だけではなく、児童の特性や学校での児童の様子の変化等について定期的な連絡会の場を設けるなど、市町村教育委員会の取り組みを促してまいります。 253 ◯木下青少年育成課長 放課後児童クラブにおきましては、委員御指摘のように、発達障がいを初め、特別な配慮を必要とする児童に適切に対応していくためには、小学校との連携は必要不可欠であると考えております。小学校と放課後児童クラブとの連携の必要性やあり方につきましては、国の放課後児童クラブ運営指針、それから昨年九月に策定されました新・放課後子ども総合プランにも示されているところでございます。まずこれらにつきまして、教育委員会ともしっかり連携をし、放課後児童クラブの実施主体であります市町村に対し改めてこの内容の周知を図りますとともに、取り組みの参考となる連携の事例を紹介するなど、今後とも、放課後児童クラブと小学校との連携がさらに深まりますよう市町村における取り組みを支援してまいります。 254 ◯板橋 聡委員 いや、青少年育成課はしっかり連携するとか市町村における取り組みを支援するなどと言っていますけれども、五年前、平成二十六年六月議会の一般質問で私は全く同じ回答をいただいていますが、五年間何をやってきて、どんな成果があったか答えてください。 255 ◯木下青少年育成課長 青少年育成課といたしましては、放課後児童クラブを設置する市町村に対して、例年、県内四地区から二カ所程度の市町村を選定いたしまして、直接出向いた上で助言等を行う機会を設けております。その主な内容は補助対象経費の計上とか補助金の事務処理の内容となっておりますが、その中のヒアリングの項目の一つといたしまして、そういった学校との連携につきましても項目がございます。そういったところで、市町村によっては先進的な取り組みを始められていると聞いております。ただ、なかなか、先ほどからありますように連携が進まないという現状でございますので、そういったことを踏まえまして、さらに説明会等でそういった周知を図りますとともに、放課後児童クラブの連携に向けた動きがとりやすくなりますように、さらに教育委員会とも連携いたしまして支援してまいりたいと思っております。 256 ◯板橋 聡委員 最初から質問通告の中で発達障がいについての件を聞くと。そして、その中で連携の話もあるということを事前に言っておりますので、そこまで考えてちゃんと答弁をつくってこないとおかしいのではないかと思うんですけれども、今後に向けた決意を私学振興・青少年育成局長と副教育長、お願いします。 257 ◯樋口 明委員長 野田私学振興・青少年育成局長。 258 ◯野田私学振興・青少年育成局長 放課後児童クラブは、保護者が就労等により昼間家庭にいない小学生の遊びや生活の場であり、クラブを利用する全ての児童が安全に安心して過ごすことができる場とする必要がございますので、直接児童に接する放課後児童支援員の方々の役割は大変重要だと認識しております。  県では、放課後児童支援員のスキルアップのため、課長が答弁しましたとおりの研修を実施しまして、その資質向上を図っているところでございます。放課後児童クラブを利用している障がいのある子供さんの数は年々増加しておりますことから、さらに放課後児童クラブで直面するさまざまな課題にきめ細かく対応できるよう、現場のニーズに即した効果的な実習を実施してまいります。  また、放課後児童クラブにおきましては、委員御指摘のとおり小学校との連携は大変重要でございます。私も現場の支援員の方々からこういった声をお聞きして、本当に必要であると実感をしております。この連携については、先ほど課長が申し上げましたとおり国が基本的な考えを示しておりますことから、実施主体である市町村と改めて共有するとともに、教育委員会と密接な連携を図りながら放課後児童クラブと小学校との連携が深まりますよう市町村における取り組みをしっかり支援してまいりたいと考えております。 259 ◯樋口 明委員長 吉田副教育長。 260 ◯吉田教育庁副教育長 放課後児童クラブは、児童を授業の終了後に預かるというだけではなくて、基本的な生活習慣や、異年齢児童の交わりといったことを通して社会性を身につけ、発達段階に応じた主体的な遊びや生活ができる遊びの場、そして生活の場でございまして、子供の自主性とか社会性等を育み、次代を担う人材を育成する学校教育とも相通じるものでございます。このため、小学校と放課後児童クラブが日常的、定期的に情報共有を図り、一人一人の児童の状況を理解し合いながらきめ細かな支援を行うことができますよう、今後とも市町村教育委員会にしっかりと働きかけをしてまいりたいと思っております。 261 ◯板橋 聡委員 お二人がお答えされたとおり、特に野田局長が言われたとおり非常に大事だということは間違いないと思いますが、実際、なかなかそれがはかどっていないというのが正直なところだと思います。これはぜひ、県民に寄り添う温かい行政を目指される小川知事、そして教育長のほうに聞きたいと思いますので、知事及び教育長の保留質疑をお願いします。 262 ◯樋口 明委員長 ただいま板橋委員から申し出のありました知事及び教育長保留質疑を認めることにいたします。なお、知事及び教育長保留質疑は七月九日火曜日に行う予定でありますので、御了承願います。 263 ◯板橋 聡委員 終わります。(拍手) 264 ◯樋口 明委員長 この際しばらく休憩いたします。再開は午後三時四十五分といたします。    午 後 三 時 三 十 五 分 休 憩    午 後 三 時 四 十 五 分 再 開 265 ◯樋口 明委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  第十款教育費について、ほかに質疑はありませんか。浦伊三夫委員。 266 ◯浦 伊三夫委員 自民党県議団の浦伊三夫でございます。  通告に従いまして、学校給食における福岡県産農林水産物の利用拡大について質問をしたいと思います。この問題については、我が会派が本当に長い間取り組んでおりますが、なかなか進んでいかないというのが現状であります。きょうはその問題点をしっかりとあぶり出して解決することで、県産農林水産物の利用拡大、そしてまた子供たちの食育というものにつなげてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。  まず、改めて学校給食に地元の農林水産物を取り入れるということの意義についてお答えください。また、学校給食における県産農林水産物の利用割合の目標、また、その現状についてお尋ねします。 267 ◯樋口 明委員長 稲富体育スポーツ健康課長。 268 ◯稲富教育庁体育スポーツ健康課長 学校給食に県内産を初めとした地元の農林水産物を活用することは、児童生徒がより身近に実感を持って地域の自然や食文化、生産者の努力に対する理解が深まり、その結果、生産者や食べ物への感謝の気持ちを育てることにつながると考えております。さらに、食への興味関心が高まり、健康に生活していくための自己管理能力を育成するといった意義もあると考えております。
     学校給食におけます県産農林水産物の利用割合についてでございますが、県の食育・地産地消推進計画におきます目標は、令和四年度において品目ベースで県平均三〇%と掲げております。この指標の平成三十年度実績につきましては二六・六%でございまして、前年度に比べ二・三ポイント増加をしております。 269 ◯浦 伊三夫委員 県の平均は前年度に比べて増加をしているものの、目標である三〇%にはまだ届いていないということであります。県平均でありますから市町村ごとに県の農林水産物利用割合というもののばらつきがあると思います。利用拡大が進んでいない地域の課題をどう捉えているのか、お聞かせください。 270 ◯稲富教育庁体育スポーツ健康課長 利用拡大が進んでいない市町村からは、契約時に地元産あるいは県産を優先して納品するよう仕様書などで示しているものの、必要となる量が多量で納入業者側が県産農林水産物を確保できないでありますとか、地元産では価格が高いケースもあり断念せざるを得ないといった声を聞いております。したがいまして、安定供給面及び価格面などが課題であると捉えております。 271 ◯浦 伊三夫委員 安定供給と価格という答弁でありました。これが課題ということでありますが、これはどちらかというと農林水産部の守備範囲であろうかと思いますし、これは農林水産委員会でしっかりと議論する課題だと思っております。  私が考えるこの県教育委員会の課題というものは、一つは公益財団法人学校給食会の存在があるのではないかと考えます。この食材を供給する公益財団法人福岡県学校給食会はどのような事業を行っていますか。また、その概要をお示しください。 272 ◯稲富教育庁体育スポーツ健康課長 公益財団法人福岡県学校給食会は、県内の学校へ米や牛乳、冷凍食品や加工品といった学校給食用物資の供給を行うほか、調理員向けの研修会の開催、学校給食の研究指定校に対する補助を行うなど、学校給食の普及充実に資する事業を実施しております。また、食育の推進の観点から、保護者を対象とした研修会や食に関する体験活動も実施をしております。 273 ◯浦 伊三夫委員 米と牛乳については、この学校給食会というものがほぼ全ての学校に供給しているということですが、そうなった経緯をお聞かせください。 274 ◯稲富教育庁体育スポーツ健康課長 米につきましては、学校給食に米飯が導入されました昭和五十一年当時、文部省通達により日本学校給食会が食糧庁から特別価格で買い入れた米を、県学校給食会を通して学校へ供給するものとされております。その後、国による全量管理から民間主導の仕組みへと大きく移行いたしました新食糧法の施行に伴いまして、農林水産省や県、農協等、関係機関の合意に基づき、平成十年度から県下一斉にそれまでの政府米から県産米夢つくしへ切りかえるとともに、安定供給を図るため、県学校給食会からの一元供給を行っているところでございます。  また、牛乳につきましては、その流通、取扱事務の合理化等を図る目的から、国の通知に基づき、県学校給食会が学校と供給契約を結んでおります。  このように、県学校給食会は学校に対して確実に県産の米、牛乳を安定的に供給する役割を担っているところでございます。 275 ◯浦 伊三夫委員 食糧の安定供給という目的で始まって、平成十年にその制度は一応終わりを迎えたということで、その慣例というか、その流れに沿って、今でもこの学校給食会から各学校が物資を仕入れているということであろうかと思います。  それでは、県学校給食会の組織の概要と、現在の理事長のこれまでの経歴についてお伺いします。 276 ◯稲富教育庁体育スポーツ健康課長 県学校給食会の組織といたしましては、理事、監事の選任や定款の変更等を決議いたします評議員が九名、法令や定款に基づき業務を執行する理事が九名、業務の執行を監査する監事が二名、合計二十名の役員等のほか、業務に従事する職員は臨時職員を含めまして四十名が在籍をしております。なお、私も理事の一人でございます。  また、現在の理事長は、平成二十九年三月まで県教育庁の教育次長を務めた方でございます。 277 ◯浦 伊三夫委員 この学校給食会というのは公益財団法人でありますし、この公益財団法人というのは公益性が高いと。また、課長も理事として名前を連ねているということですし、理事長も皆様がよく知っていらっしゃる県教委のOBということであります。  この状況の中で、これまで何で利用率が上がってこなかったのかということ、これは何でかよくわかりませんけれども、とにかく県の農産物の利用拡大に積極的に取り組むべきであると思うし、この学校給食会自体がこれから取り組んでいっていただかなければいけないと思っております。  この学校給食会において取り扱っている商品、この冊子を見ました。各学校の給食室に置かれているのだろうと思っております。その冊子にある商品を調べてみますと、米や牛乳以外、いわゆる一般物資というものですが、その商品が五百六十二品目ありました。そのうち県産の農林水産物を使っているのが四十三品目、五百六十二分の四十三なんです。割合にして七・七%でありました。これでは県産の農林水産物の利用率、利用割合が上がらないというのは当然のことだ思います。県の学校給食会は、やはり県産農林水産物の利用拡大に貢献していただいていないのではなかろうかと思います。  そこでお伺いします。取扱品目での県産の割合は七・七%でありますが、実際に出荷している量での割合はどうなっているんでしょうか。また、この現状を受けとめて今後どうしていくおつもりでしょうか、お答えください。 278 ◯稲富教育庁体育スポーツ健康課長 県学校給食会におきましては、米や牛乳以外に一般物資と呼ばれる生鮮食品や加工品、冷凍食品なども取り扱っております。これは、安全・良質なものを適正な価格で安定的に供給するため、県学校給食会が大量購入し確保しているものでございます。  平成三十年度における一般物資の供給量は五千五百七十二トンでありましたが、そのうち県産農林水産物は三百四十二トン、割合にして六・一%でございました。この一般物資の中には、砂糖や食用油など産地が限られるものも存在いたしますが、その他の加工品や冷凍食品におきまして、県産農林水産物を活用した物資の開発も行われてはいるものの、もう少し工夫をして県産農林水産物の取り扱いを拡大できないものかと感じております。  今後、県学校給食会に対しまして、県産農林水産物を活用した物資の開発、取り扱いに積極的に取り組んでもらうよう、強く働きかけてまいりたいと考えております。 279 ◯浦 伊三夫委員 学校給食会が供給している一般物資の県産農林水産物の割合が六・一%であるということ、これでは到底目標の三〇%というのは達成できるはずがないと思います。これまで県学校給食会にそのような働きかけはされてきていない、学校給食会に強い働きかけをこれまではされていなかったと思っております。しっかりと物を申していただいて、利用率を上げていただきたいと思います。  もう一点、市町村別の利用割合、利用率を見てみますと、利用率の高い低いというのと、また、その市町村別の人口が多い少ないとか、農業の産出額が多い少ないとか、そういうことの相関関係はほとんど認められません。市町村の規模が大きいから利用率が低いとか、農業が盛んでない地域だから利用率が低いという理由は、私は通用しないと思います。やり方を工夫することで、利用拡大している市町村もたくさんあるわけであります。県産農林水産物の利用拡大のもう一つの課題というものは、発注する側の栄養教諭だとか、献立を作成したり、また直接食材を発注する、そういう業務にかかわる人がやはりキーパーソンになってくるのではないかと思います。そういう方々に対して、県の農林水産物を必ず使用するという強い意識を持ってもらうこと、こういうことがなければ上がっていかないと思っております。  そのためには一歩踏み込んだ対応が必要だと考えますが、今後どう取り組んでいく考えでしょうか、お聞かせください。 280 ◯稲富教育庁体育スポーツ健康課長 学校給食において、これまで以上に県産農林水産物の活用を促すため、発注側の中核となります栄養教諭を対象とした研修会等で県産農林水産物活用のポイントなどを示していきたいと思います。具体的には、納入業者から他県産を提示されている食材について県産に変更できないか、業者に対して注文ごとに確認をするでありますとか、季節により利用する食材そのものを変更する。例えば豚汁の材料であるサトイモを収穫の時期によって県産のジャガイモに変更するといった取り組みを、具体的な献立の事例の中で紹介するなど、献立作成時における県産農林水産物活用に向けた新たな気づきを栄養教諭に促してまいりたいと考えております。さらに、献立作成や納入業者選定の責任者は市町村教育委員会や校長でありますことから、県産農林水産物の利用が進んでいない市町村教育委員会に私が直接お伺いをいたしまして、学校給食における県産農林水産物の利用拡大を要請してまいりたいと考えております。 281 ◯浦 伊三夫委員 これまで県教育委員会の課長さんが市町村教育委員会を訪問して、ぜひ県の農林水産物を使ってくれという要請をされたことというのはないと思いますので、ぜひしっかり要請していただきたいと思います。さすが保健体育の先生だなと、やっぱりフットワークが軽いというか、そう思います。ぜひこの目標を達成するようによろしくお願い申し上げます。  最後に、課長がそこまでやってくれるという答弁をされたことを受けて、学校給食への県産農林水産物のさらなる利用拡大に向けた副教育長の決意をお伺いします。 282 ◯樋口 明委員長 吉田副教育長。 283 ◯吉田教育庁副教育長 学校給食に県産農林水産物を取り入れていくということは、地元地域の理解や生産者への感謝の念を育むといった点で教育的効果が高いものでございます。ただ、この県産農林水産物の利用拡大に当たりましては、安定供給ですとか価格、そして御指摘をいただきました県学校給食会の取扱物資や食材発注者の創意工夫の問題など、解決すべき課題がございます。このため県教育委員会といたしましては、県学校給食会に県産加工品のさらなる開発を求めたり、また、食材の供給サイドを所管しておられます農林水産部とも連携をしながら、県産品の利用促進に向けまして市町村教育委員会や学校に対し助言や要請を行ってまいりたいと考えております。そうしたことを通じまして、学校給食への県産農林水産物の利用拡大に精いっぱい取り組んでまいります。 284 ◯浦 伊三夫委員 これまでも本当に長い間この問題というのは続いております。本当に今回のこの質問で、ぜひこの利用率が三〇%を超えるように頑張っていただくことをお願い申し上げまして終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手) 285 ◯樋口 明委員長 ほかに質疑はありませんか。津田公治委員。 286 ◯津田公治委員 自民党県議団、津田公治であります。  通告に従いまして、登下校の安全について質問をさせていただきます。  今般、学校の通学路における安全確保について、非常に不安を覚える事案が多発しております。平成二十四年には、京都府亀岡市を初めとした登下校中の児童への車の突入事故など連続して生じております。ことしも滋賀県大津市において交差点で信号待ちをしている保育園児らに車が突っ込むなど、子供たちの命を奪う痛ましい事故が生じております。こうした交通安全上の問題に加え、昨年は大阪北部地震によるブロック塀倒壊により女子児童が犠牲となった事故、そしてまた、ことし、川崎市ではスクールバスの乗り場が不審者の標的になった事件が生じました。また、昨年には、新潟で下校途中の小学生女子が不審者に殺害される事件も起こるなど、児童生徒が安心して学校で学ぶための環境整備に不安が生じている状況であります。そこで、県内市町村小中学校に、児童生徒の安全な環境整備に向けた学校の通学路の安全確保と、私立幼稚園を含む私立学校の通学路の安全確保に関し、義務教育課と私学振興課に問いたいと思います。  初めに、今も申し上げましたように、平成二十四年に亀岡市等において車の突入事故が多発する事故がありました。これまで交通安全対策として通学路の安全の確保に関し、どのような取り組みをしてきたのでしょうか、お伺いします。 287 ◯樋口 明委員長 一色義務教育課長。 288 ◯一色教育庁義務教育課長 平成二十四年の四月、五月に、京都府亀岡市、千葉県館山市、愛知県岡崎市及び小牧市において連続して発生した登校中の事故を受け、保護者や道路管理者、地元警察署と合同で、全ての公立小学校の通学路の安全点検を行うよう市町村教育委員会に依頼し、通学路の変更等、教育委員会が行う対策は平成二十七年度までに終了しているところでございます。 289 ◯樋口 明委員長 前原私学振興課長。 290 ◯前原私学振興課長 私立学校についてでございます。登下校時の安全確保につきましては、私立幼稚園を初め各私立学校に対し、学校における安全教育の充実と適切な管理を示した国の資料等に基づきまして、安全管理を徹底するよう、また警察庁がまとめました事故防止の要点の資料を幼児児童生徒の安全教育に活用したり、通学路の安全点検の視点として活用するなどにより、安全確保に万全を期すよう要請してきたところでございます。 291 ◯津田公治委員 そうした取り組みの中で、ことし生じた大津市のような事故は防げるのか。大津市の事案を踏まえて、どのような対応を講じたのでしょうか、お伺いします。 292 ◯一色教育庁義務教育課長 今回の事案を受けて、公立幼稚園を初め小中学校の通学路の安全などの徹底に努めるよう、改めて指導通知を発出したところでございます。加えて今後、公立小学校等のスクールゾーンにおける安全確保や、道路管理者、地元警察署等の関係機関への対策要望を行うよう指導するとともに、知事部局、教育庁、警察本部の関係課で構成される連絡会議による調整を通じ、公立幼稚園に対し未就学児の集団移動経路に関する緊急安全点検を円滑に行い、関係機関への対策要望を行うよう指導してまいります。 293 ◯前原私学振興課長 大津市での事故を受けまして、私立幼稚園に対しまして改めて園児の命を脅かす事件・事故の発生防止に努めるとともに、園児の安全確保に万全を期すよう要請したところでございます。また、先月、国の関係閣僚会議におきまして緊急安全点検を実施することが決定されましたことから、県では私立幼稚園におきましても幼稚園や道路管理者、地元警察署と連携をしまして緊急安全点検を実施し、その結果をもとに関係機関と協力の上、ハード・ソフト両面の対策を具体化し、ガードレールの設置や集団移動経路の見直しなど必要な対策を講じていくこととしております。 294 ◯津田公治委員 どちらの答弁も今の段階ではまだ決定していない、現時点では十分な対応ではないと考えます。  では次に、昨年の大阪北部地震によりブロック塀が倒壊した事故がありました。防災の観点から、通学路の安全確保としてどのような対応を行ったのでしょうか。 295 ◯一色教育庁義務教育課長 昨年のブロック塀倒壊事故を受け、小中学校が所有するブロック塀等の施設については、各市町村教育委員会に対し安全点検調査を行うよう指導するとともに、通学路にあります民間所有のブロック塀等については、各小中学校が県土整備事務所等の関係機関に協力して点検を行うよう指導し、昨年十月末までに点検を終了しているところでございます。 296 ◯前原私学振興課長 昨年の大阪北部地震の際は、発生後速やかに各私立学校に対し、施設の安全確認や通学路に面したブロック塀の安全点検及び通学路における安全教育の実施を要請しました。あわせて各施設や通学路において安全性に問題があるブロック塀等があれば応急対策をとり、また通学路を変更するなど、早急に安全対策を講じるよう要請したところでございます。 297 ◯津田公治委員 ブロック塀に対する危険箇所の再確認、そしてまた安全点検の調査等はわかりました。  次に、新潟の女児殺人事件を受けて、防犯対策としてこれまでどのような対応を行ってきたのでしょうか、お伺いします。 298 ◯一色教育庁義務教育課長 市町村教育委員会に対し、国による登下校防犯プランに基づき、人目がなく一人で登下校する区間などの危険箇所に対する緊急合同点検を依頼し、各学校が保護者、地域の方々、地元の警察署、道路管理者と協力して、本年二月までに合同点検を終了したところでございます。 299 ◯前原私学振興課長 新潟の事件を受けて、私立学校に対しまして、国において作成されました登下校防犯プランに基づき、警察など関係機関と連携し、学校の実情に応じた安全確保対策に努めるとともに、防犯の観点から危険があると認められる箇所について点検し、危険箇所については通学路を変更するなど、生徒の安全確保の対策を講じるよう要請したところでございます。 300 ◯津田公治委員 この件に関しましては昨年のことでありますので、そういったところの準備、安全確保の対策等は進んでいるかと思います。  それでは次に、ことし起きました川崎の事件です。まさに安全とされましたスクールバスに関して発生したこのような事件で、スクールバスが直接の原因ではなかったわけですけれども、どのような対応を講じたのでしょうか、お伺いします。 301 ◯一色教育庁義務教育課長 真に安全対策を図るためには、ソフト面でなくハード面での整備も必要でございますが、県教育委員会としては、市町村教育委員会に対し、登下校時の安全を見守る活動や、散歩、買い物等の日常生活の中で防犯の視点を持って行うながら防犯の取り組みを充実させるため、PTA及びボランティア団体等と連携し、児童生徒の安全確保の徹底をさまざまな機会を捉え指導しております。 302 ◯前原私学振興課長 登下校時の児童生徒の安全確保のため、私立学校に対し、国の学校安全資料に基づき改めて児童生徒等の生命を脅かす事件・事故の発生防止に努めるとともに、教職員に対し事件・事故発生時における対応の周知徹底等を行い、引き続き学校の安全確保に万全を期すよう要請したところでございます。  また、先ほど教育委員会から答弁がありましたように、ながら防犯につきまして県が作成しました手引を私立学校に送付いたしまして、児童生徒等の登下校を地域全体で見守る体制の充実が図れるよう、その活用を要請したところでございます。 303 ◯津田公治委員 これまで説明された一連の取り組みでありますけれども、今後はこのような痛ましい事件・事故は起こらないと言えるのでしょうか。お答えにくいかもしれませんけれども、どうぞよろしくお願いいたします。 304 ◯一色教育庁義務教育課長 これまでに生じた痛ましい事件・事故が今後福岡県内で起こらないよう、県教育委員会のみならず関係機関の協力も得ながら、しっかりとした対応を行うことが必要と考えております。そのため、歩道や防護柵の設置、速度制限など、必要な対策を市町村教育委員会から各関係機関に対し要請し、児童生徒の安全確保の徹底を指導してまいります。 305 ◯前原私学振興課長 県としましてもこのような痛ましい事件・事故が起こらないよう、各私立学校に対しまして登下校時の児童生徒等の安全確保の徹底に関する通知や、私学団体の会議の場、また研修など、さまざまな機会を捉えまして要請を行っているところでございまして、今後も児童生徒等の登下校時の安全確保に万全を期すよう働きかけてまいります。 306 ◯津田公治委員 両課長の答弁をお伺いしました。  それでは、教育委員会に対しまして、まず義務教育課長の答弁を伺いましたけれども、こうした事件・事故に対して安全、安心な環境整備という観点からは十分な対策がとられているとは言えないと感じます。そこで、副教育長の御決意と御見解をお伺いしたいと思います。 307 ◯樋口 明委員長 吉田副教育長。 308 ◯吉田教育庁副教育長 次代を担うかけがえのない子供たちの命を守るということは何よりも優先されるべきものでございます。そして、特に危険度の増す通学路について、子供一人一人が安心して学校に通える環境を確保するということは、社会全体の責務であると考えます。その実現のためには、物理的な対応というものも必要となってまいりますが、県教育委員会といたしましては、子供たちの通学の安全を脅かす危険箇所を適時的確に把握し、おのおの対策を講じていただきます関係機関、そして知事部局とも情報を共有しつつ対応してまいります。さらに、保護者や地域の方々にも協力を仰ぎながら、全力で子供たちの安全確保に努めてまいりたいと思っております。 309 ◯津田公治委員 それでは続きまして、青少年育成局長にお伺いをします。  不審者等に対応するために、例えば川崎市のスクールバスの事件は、もし警備員が近くにいれば未然に防げたかもしれません。子供たちの安全、安心の見守りを行うために、警備員を各地域に配置する、これは課題が多いことになるかもしれませんけれども、新たな予算をつける必要があると考えます。先ほど教育委員会にもお話ししましたように、こうした事件・事故に対して安全、安心な環境整備という観点からは、やはり十分な施策が必要だと思われます。私学振興・青少年育成局長の御決意と御見解をお願いいたします。 310 ◯樋口 明委員長 野田私学振興・青少年育成局長。 311 ◯野田私学振興・青少年育成局長 委員からお話がありました川崎市の事件や大津市の事故等、幼児児童生徒が犠牲となる大変痛ましい事件・事故が相次いで発生しております。子供たちの命は何物にもかえがたいと思っております。次代を担う児童生徒幼児の安全確保は極めて重要でございます。このため、私立学校の幼児児童生徒の安全確保につきましては、各私立学校に対し国の学校安全資料等に基づき安全管理を徹底していただくよう、私学団体の会議の場や研修などさまざまな機会を捉え、引き続き要請してまいります。また、私立学校と警察との連携による不審者情報等の共有や、課長のほうから説明いたしました先月設置した庁内関係課で構成します連絡会議におきまして、私立幼稚園につきましても、幼稚園、警察、道路管理者と連携し、緊急安全点検を行い、ハード・ソフト両面の対策を具体化し、ガードレールの設置や集団移動経路の見直しなど、必要な対策を講じることとしております。まずは、これらにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。  県といたしましては、こうした取り組みをしっかり推進し、私立学校の幼児児童生徒の安全確保を徹底してまいります。 312 ◯津田公治委員 副教育長と青少年育成局長に御決意をいただきました。  教育委員会の答弁では、子供の命と安全を守る環境整備が十分になされているとは思えません。教育委員会の取り組みとして学校ができる範囲はこれが限界ということは理解はできますが、今般の事案を考えると、安全確保に不安を感じ、通学路における危険な要素を物理的に取り除く対策に予算を確保し、改善していく必要があると考えます。また、青少年育成局の答弁では、滋賀県大津市での事故を受け、県は連絡会議を立ち上げ、警察、道路管理者、幼稚園等と連携し、緊急安全点検を行い必要な対策を講じるとのことでありますけれども、これに対応していくには相当の予算が必要かと考えます。そのようなことから、県民の安全や安心や環境づくりを担う知事部局がもっと主体的に積極的な予算を投じるなど、本気になって取り組むことが必要ではないでしょうか。  そのようなわけで、我が会派としてはどちらの答弁もなかなか納得できません。子供たちの安全確保に向けた教育長の見解と積極的な予算確保について、知事のやる気をお聞きいたしたく、教育長及び知事保留のお取り計らいを、委員長、よろしくお願いいたします。 313 ◯樋口 明委員長 ただいま津田議員から申し出のありました知事及び教育長保留質疑を認めることにいたします。なお、知事及び教育長保留質疑は七月九日火曜日に行う予定でありますので、御了承願います。 314 ◯津田公治委員 終わります。(拍手) 315 ◯樋口 明委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 316 ◯樋口 明委員長 ないようですので、以上で、塩川委員、板橋委員、津田委員の知事保留質疑及び板橋委員、津田委員の教育長保留質疑を残し、第十款教育費に関する質疑を終わります。  次に、第十一款災害復旧費について順次説明を求めます。鐘江農林水産部長。 317 ◯鐘江農林水産部長 十一款災害復旧費のうち、農林水産部所管につきまして御説明をいたします。お手元の令和元年度予算に関する説明書の三百八十五ページをお開き願います。  一項農林水産施設災害復旧費でございます。その主なものは、一目耕地災害復旧費の右側説明欄、上から二番目の団体営事業費でございます。これは、農地・農業用施設の災害復旧を行うものでございます。合計は、一枚めくっていただきまして三百八十七ページ、計の欄、九十三億九千五百万円余をお願いいたしております。  以上で説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 318 ◯樋口 明委員長 見坂県土整備部長。 319 ◯見坂県土整備部長 十一款災害復旧費のうち、県土整備部所管分について御説明をいたします。令和元年度予算に関する説明書の三百八十八ページをお願いいたします。  二項土木施設災害復旧費でございます。その主なものは、三百八十九ページの二目河川等災害復旧費の右側説明欄の一番上、平成二十九年災害土木施設費でございます。これは、平成二十九年災害に係る公共土木施設の復旧を行うものでございます。合計につきましては二百九十億七千七百万円余をお願いしております。  十一款の県土整備部所管分の説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 320 ◯樋口 明委員長 中尾建築都市部長。 321 ◯中尾建築都市部長 十一款害復旧費のうち、建築都市部所管分について御説明をいたします。令和元年度予算に関する説明書の三百九十ページをお願いいたします。  三項庁舎等災害復旧費でございます。これは、県営住宅の敷地のり面に係る災害復旧を行うもので、三億四千六百万円余をお願いしております。  建築都市部所管分の説明は以上でございます。よろしく御審議のほどをお願いいたします。 322 ◯樋口 明委員長 吉田副教育長。 323 ◯吉田教育庁副教育長 教育委員会所管分につきまして御説明申し上げます。同じく資料の三百九十ページをお開き願います。  四項教育施設災害復旧費でございます。一億四百万円余をお願いいたしておりますが、これは、夜須高原県有地の復旧に要する経費でございます。  以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 324 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 325 ◯樋口 明委員長 ないようですので、第十一款災害復旧費に関する質疑を終わります。  次に、第十二款公債費から第十四款予備費までの三件について説明を求めます。後藤財政課長。 326 ◯後藤財政課長 説明書の三百九十五ページをお願いいたします。  十二款一項公債費でございます。主なものは県債の元金や利子でございます。総額は、一枚おめくりをいただきまして、三百九十六ページの計欄のとおり、二千二百十八億一千四百万円余をお願いしております。  続きまして、三百九十九ページをお願いいたします。  十三款一項利子割交付金等でございます。主なものは、二目の地方消費税清算金でございまして、総額は計欄のとおり、二千八百九十二億六千六百万円余をお願いしております。  続きまして、四百三ページをお願いいたします。
     十四款一項予備費でございます。年度途中での損害賠償や災害の発生など、不測の事態に機動的に対応するために、二億円の計上をお願いしております。  説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。 327 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 328 ◯樋口 明委員長 ないようですので、第十二款公債費から第十四款予備費までの質疑を終わります。  次に、第二条債務負担行為について説明を求めます。野村総務部長。 329 ◯野村総務部長 一般会計予算議案第二条債務負担行為について御説明いたします。引き続きまして、予算に関する説明書の四百二十七ページをお願いします。四百二十七ページから、ページをおめくりいただきまして四百三十一ページにかけまして、債務を負担することができる事項、期間、限度額などを掲げております。この調書のとおりにお願いするものでございます。  以上でございます。よろしくお願いいたします。 330 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 331 ◯樋口 明委員長 ないようですので、第二条債務負担行為の質疑を終わります。  次に、第三条地方債から第五条歳出予算の流用までの三件について説明を求めます。後藤財政課長。 332 ◯後藤財政課長 それでは、お手元の福岡県議会定例会議案その一、薄い冊子でございます議案のほうをお願いいたします。議案書の一ページをお願いいたします。  まず、第三条地方債を説明申し上げます。その内容につきましては、恐れ入りますが、十七ページをお開き願います。  第三表地方債という表をお示しさせていただいております。この表は、起債の目的ごとにその限度額や起債の方法等を定めるものでございます。ページを一枚おめくりいただきまして、下の十九ページの計欄のとおり、限度額の合計は二千三百十五億六千七百万円余となっております。これは、歳入で御審議をいただきました県債の総額と一致するものでございます。  恐れ入ります、また一ページにお戻りいただきたいと思います。  第四条の一時借入金でございます。これは、県の歳計現金の資金繰りにおける一時的な不足に対応していくために、資金借り入れの限度額を定めるものでございます。平成三十年度と同額の二千億円をお願いしております。  次に、ページを一枚おめくりいただきまして、二ページをお願いいたします。  第五条歳出予算の流用についてでございます。地方自治法の規定によりまして、歳出予算の経費の各項の金額を流用することができる場合を定めるものでございます。  説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。 333 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 334 ◯樋口 明委員長 ないようですので、第三条地方債から第五条歳出予算の流用までの三件の質疑を終わります。  以上で第六七号議案「令和元年度福岡県一般会計予算」の質疑を終わります。  次に、第六八号議案「令和元年度福岡県財政調整基金特別会計予算」及び第六九号議案「令和元年度福岡県公債管理特別会計予算」の二件を議題といたします。これらについて説明を求めます。後藤財政課長。 335 ◯後藤財政課長 予算説明書でございます。厚いほうでございます。予算説明書の四百六十五ページをお願いいたします。第六八号議案令和元年度福岡県財政調整基金特別会計予算について説明をいたします。  この会計は、財政調整基金の運用益の管理を行うものでございまして、お示ししておりますとおり、運用利息収入が一千万円余でございます。この利息収入につきましては、そのまま財政調整基金に積み立てるものでございます。  続きまして、ページをおめくりいただきまして、四百六十七ページをお願いいたします。  第六九号議案令和元年度福岡県公債管理特別会計予算について御説明いたします。  この会計は、公債費の執行につきまして一般会計と別に経理をするものでございまして、一般会計や減債基金からの基金繰入金等によりまして、県債の元利償還等を行うものでございます。歳入歳出とも四千四百十四億一千三百万円余をお願いをしております。  説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。 336 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 337 ◯樋口 明委員長 ないようですので、第六八号議案及び第六九号議案の質疑を終わります。  次に、第七〇号議案「令和元年度福岡県市町村振興基金特別会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。野田企画・地域振興部長。 338 ◯野田企画・地域振興部長 同じく予算に関する説明書の四百七十一ページをお願いいたします。第七〇号議案福岡県市町村振興基金特別会計でございます。四百七十一ページ、一の総括により御説明いたします。  この会計は、市町村振興基金による貸付金の利子収入及び運用益収入を一般会計へ繰り出すためのものでございます。歳入歳出ともに一千五百万円余となっております。  説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。 339 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 340 ◯樋口 明委員長 ないようですので、第七〇号議案の質疑を終わります。  次に、第七一号議案「令和元年度福岡県国民健康保険特別会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。大森保健医療介護部長。 341 ◯大森保健医療介護部長 第七一号議案令和元年度福岡県国民健康保険特別会計予算について御説明申し上げます。お手元の令和元年度予算に関する説明書四百七十五ページをお願いいたします。一の総括の表により御説明させていただきます。  この会計は、市町村からの納付金や国からの負担金等を財源に、市町村に対する保険給付に必要な費用の交付等を行うものでございます。歳入及び、次の四百七十六ページから四百七十七ページまでの歳出それぞれ四千五百八十六億七千百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 342 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 343 ◯樋口 明委員長 ないようですので、第七一号議案の質疑を終わります。  次に、第七二号議案「令和元年度福岡県母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算」及び第七三号議案「令和元年度福岡県災害救助基金特別会計予算」の二件を議題といたします。これらについて説明を求めます。神代福祉労働部長。 344 ◯神代福祉労働部長 第七二号議案福岡県母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算について御説明申し上げます。令和元年度予算に関する説明書の五百一ページをお願いいたします。総括表により御説明いたします。  この会計は、ひとり親世帯等に対する就学資金、就職支度資金、生活資金などの貸し付け等を行うためのものでありまして、歳入歳出それぞれ四億三千六百万円余をお願いしております。  続きまして、五百七ページをお願いいたします。第七三号議案福岡県災害救助基金特別会計予算について御説明いたします。総括表により御説明いたします。  この会計は、災害救助法に基づき、令和元年度中に生じます当基金の運用益を積み立て、救助費用の財源とするものでありまして、歳入歳出それぞれ二百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 345 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 346 ◯樋口 明委員長 ないようですので、第七二号議案及び第七三号議案の質疑を終わります。  次に、第七四号議案「令和元年度福岡県就農支援資金貸付事業特別会計予算」から第七七号議案「令和元年度福岡県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計予算」までの四件を議題といたします。これらについて説明を求めます。鐘江農林水産部長。 347 ◯鐘江農林水産部長 令和元年度予算に関する説明書の五百九ページをお願いいたします。第七四号議案令和元年度福岡県就農支援資金貸付事業特別会計予算について御説明をいたします。  この事業は、農業経営を開始するために貸し付けた資金の管理回収を行うものでございます。令和元年度は歳入歳出ともに七千二百万円余をお願いしております。  続きまして、ページが飛びまして五百十五ページをお願いいたします。第七五号議案令和元年度福岡県県営林造成事業特別会計予算について御説明をいたします。  この事業は、県土の保全及び森林資源の造成を図ることを目的に、県営林の経営を行うものでございます。令和元年度は歳入歳出ともに三億三千七百万円余をお願いしております。  続きまして、ページが飛びまして五百三十三ページをお願いいたします。第七六号議案令和元年度福岡県林業改善資金助成事業特別会計予算につきまして御説明をいたします。  この事業は、林業者や木材産業事業者が必要な機材などを購入する場合に無利子の貸し付けを行うものでございます。令和元年度は歳入歳出ともに一億円余をお願いしております。  続きまして、ページが飛びまして五百三十七ページをお願いいたします。第七七号議案令和元年度福岡県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計予算につきまして御説明をいたします。  この事業は、漁業者が漁船などを購入する場合に無利子の貸し付けを行うものでございます。令和元年度は歳入歳出ともに一億二千九百万円余をお願いしております。  以上で説明を終わります。よろしく御審議のほどお願いいたします。 348 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 349 ◯樋口 明委員長 ないようですので、第七四号議案から第七七号議案までの質疑を終わります。  次に、第七八号議案「令和元年度福岡県小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。岩永商工部長。 350 ◯岩永商工部長 それでは、同じく説明書の五百四十一ページをお願い申し上げます。第七八号議案令和元年度福岡県小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計予算について御説明申し上げます。  この事業は、中小企業者に対しまして高度化資金の貸し付けなどを行うものでございます。令和元年度は歳入歳出予算それぞれ十一億二百万円余をお願いしているところでございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 351 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 352 ◯樋口 明委員長 ないようですので、第七八号議案の質疑を終わります。  次に、第七九号議案「令和元年度福岡県公共用地先行取得事業特別会計予算」及び第八〇号議案「令和元年度福岡県県営埠頭施設整備運営事業特別会計予算」の二件を議題といたします。これらについて説明を求めます。見坂県土整備部長。 353 ◯見坂県土整備部長 第七九号議案令和元年度福岡県公共用地先行取得事業特別会計予算について御説明いたします。令和元年度予算に関する説明書の五百四十九ページをお願いいたします。総括表により御説明をいたします。  これは、土地開発基金の運用益を積み立てるものでございまして、歳入歳出ともに九十五万円余をお願いしております。  続きまして、五百五十一ページをお願いいたします。第八〇号議案令和元年度福岡県県営埠頭施設整備運営事業特別会計予算でございます。総括表により御説明をいたします。  これは、苅田港ほか三つの港湾の整備運営などに要する経費でございまして、歳入歳出ともに百七十七億八千七百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 354 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 355 ◯樋口 明委員長 ないようですので、第七九号議案及び第八〇号議案の質疑を終わります。  次に、第八一号議案「令和元年度福岡県流域下水道事業特別会計予算」及び第八二号議案「令和元年度福岡県住宅管理特別会計予算」の二件を議題といたします。このことについて説明を求めます。中尾建築都市部長。 356 ◯中尾建築都市部長 それでは、第八一号議案令和元年度福岡県流域下水道事業特別会計予算について御説明をいたします。令和元年度予算に関する説明書の五百七十一ページをお願いいたします。総括表で御説明をさせていただきます。  御笠川那珂川流域下水道ほか八流域下水道の建設及び管理に要する経費でございます。歳入及び歳出それぞれの合計の欄に記載しておりますとおり、二百三十一億六百万円余をお願いしております。  次に、債務負担行為について御説明をいたします。六百二十二ページをお願いいたします。  御笠川那珂川流域下水道建設費ほか四流域下水道の建設費につきまして、合計で三十八億五千万円余の債務負担行為をお願いしております。  以上で、流域下水道事業特別会計予算の説明を終わらせていただきます。  続きまして、六百二十五ページをお願いいたします。第八二号議案の令和元年度福岡県住宅管理特別会計予算について御説明をいたします。総括表で御説明をさせていただきます。  県営住宅の維持管理に要する経費につきまして、歳入及び歳出それぞれの合計の欄に記載をしておりますとおり、七十一億三千二百万円余をお願いしております。  以上で、住宅管理特別会計予算の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 357 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 358 ◯樋口 明委員長 ないようですので、第八一号議案及び第八二号議案の質疑を終わります。  次に、第八三号議案「令和元年度福岡県病院事業会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。大森保健医療介護部長。 359 ◯大森保健医療介護部長 第八三号議案令和元年度福岡県病院事業会計予算について御説明申し上げます。お手元の令和元年度予算に関する説明書六百四十四ページをお願いいたします。
     令和元年度福岡県病院事業会計予算実施計画収益的収入及び支出でございます。まず収入でございますが、表の一行目、総額で二十六億九千四百万円余をお願いしております。この主なものは、一項の医業収益で、太宰府病院の診療報酬収入等でございます。  次に、支出でございますが、下のページに参りまして表の一行目、総額で二十五億九千二百万円余をお願いしております。この主なものは、一項の医業費用で、太宰府病院の運営経費でございます。指定管理者に対する交付金等でございます。  次に、一枚おめくりいただきまして、下のページ、六百四十七ページの資本的収入及び支出でございます。  まず、収入でございますが、総額で表の一行目、三億二千九百万円余をお願いしております。この主なものは、太宰府病院の建設改良費の財源とするための企業債の発行及び企業債の償還のため、一般会計から繰り入れます負担金でございます。  次に、一枚おめくりいただきまして、上のページ、六百四十八ページ、支出でございますが、総額で表の一行目、四億六千六百万円余をお願いしております。この主なものは、二項の企業債償還金で、病院建設事業等で発行いたしました企業債の元金の償還に要する経費でございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 360 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 361 ◯樋口 明委員長 ないようですので、第八三号議案の質疑を終わります。  次に、第八四号議案「令和元年度福岡県電気事業会計予算」から第八六号議案「令和元年度福岡県工業用地造成事業会計予算」までの三件を議題といたします。これらについて説明を求めます。仁木企業局長。 362 ◯仁木企業局長 それでは、第八四号議案から第八六号議案までの三議案につきまして、一括して御説明いたします。予算に関する説明書の六百七十四ページをお願いいたします。  第八四号議案令和元年度電気事業会計予算でございます。収益的収入及び支出の収入は、総額で五億四千万円余でございます。その主なものは、一項営業収益で、売電収入でございます。  次の六百七十五ページをお願いいたします。支出は総額で五億四千万円余でございます。その主なものは、一項営業費用で、発電所の運転業務経費でございます。  次の六百七十六ページをお願いいたします。資本的収入及び支出で、収入はありません。支出は総額で三億二千七百万円余でございます。その主なものは、一項建設改良費で、発電設備の更新経費でございます。  少し飛びまして六百八十九ページをお願いいたします。表中の下段ですが、今年度発注します発電設備更新工事について、新たに債務負担行為として二千七百万円余をお願いしております。  また少し飛びまして七百四ページをお願いいたします。第八五号議案令和元年度工業用水道事業会計予算でございます。  収益的収入及び支出の収入は、総額で二十一億四百万円余でございます。その主なものは、一項営業収益で、工業用水の給水収入でございます。  次の七百五ページをお願いいたします。支出は総額で十八億五千六百万円余でございます。その主なものは、一項営業費用で、給水業務に係る経費でございます。  次の七百六ページをお願いいたします。資本的収入及び支出の収入は、総額で九億八千四百万円余でございます。その主なものは、一項企業債でございます。支出は総額で二十三億二百万円余でございます。その主なものは、一項建設改良費で、工業用水管布設の経費でございます。  また少し飛びまして七百三十四ページをお願いいたします。第八六号議案令和元年度工業用地造成事業会計予算でございます。収益的収入及び支出の収入は、総額で十八億二百万円余でございます。その主なものは、一項営業収益で、工業用地の売却収入でございます。  次の七百三十五ページをお願いいたします。支出は総額で十七億八千百万円余でございます。その主なものは、一項営業費用で、売却土地の原価でございます。  次の七百三十六ページをお願いいたします。資本的収入及び支出の収入は、総額で七億三千九百万円余でございます。これは、一項工業用地造成事業収入及び二項の企業債でございます。支出は、工業用地造成事業費で七億四千二百万円余でございます。  また少し飛びまして七百四十九ページをお願いいたします。表中の下段ですが、今年度発注します造成工事について新たに債務負担行為として二億二千百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 363 ◯樋口 明委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 364 ◯樋口 明委員長 ないようですので、第八四号議案から第八六号議案までの質疑を終わります。  以上で本日の議事を終了いたします。  なお、次回委員会は七月九日火曜日、常任委員会終了後に開き、知事等に対する保留質疑及び採決を行うことといたしますので、よろしくお願いします。  本日はこれをもって散会します。    午 後 四 時 五 十 四 分 散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...