↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(栗原 渉君) ただいまから本日の会議を開きます。
日程に従い一般質問を行います。順次発言を許可いたします。片岡誠二君。(拍手)
*
片岡議員質問
2 ◯二十番(片岡 誠二君)登壇 皆さん、おはようございます。
自民党県議団の片岡誠二でございます。
令和元年最初の一般質問、しかも今回光栄にも
トップバッターとして登壇させていただきますことに、心から感謝と御礼を申し上げます。ありがとうございました。
それでは、通告に従いまして、
キャッシュレス決済の普及についての質問を行います。現在、世界各国では
クレジットカードの浸透、
電子マネーの普及などにより、現金を必要としない
キャッシュレス化が拡大しており、人々の生活の利便性の向上、ビジネスの効率化、現金の発行、流通などに係るコストの削減にもつながっております。各国の
キャッシュレス決済比率を見ると、
キャッシュレス化が進展している国の普及率は、軒並み四〇%から六〇%に到達しておりますが、スウェーデンでは九八%、韓国は九六%というように、ほぼ完全な形で
キャッシュレス社会が進んでいる国では、国民が現金を持ち歩かずに日常生活を送っております。そうした中、我が国の
キャッシュレス普及率は約二〇%と、世界の潮流からかなりおくれをとっているのも事実であります。
日本で
キャッシュレス化が普及しにくい背景として、治安のよさ、現金に対する信頼の高さというよい点もありますが、他方、店舗における端末導入、
決済手数料等のコストの問題、また
個人情報流出等のセキュリティーに対する不安が挙げられます。しかし、
キャッシュレス決済の導入は、小売業や飲食、
サービス業といった
中小規模事業者の生産性の向上、また
インバウンド需要の取り込みを図る上でも、極めて有効な手段であることは間違いありません。政府も、平成三十年閣議決定された
未来投資戦略二〇一八において、二〇二七年六月までに
キャッシュレス決済比率を四割程度にすることを目指すとしておりますし、総務省は昨年度、第二次補正予算で
モバイル端末を用いた
キャッシュレス決済の実証事業を実施することを決め、その実施地域として、本県福岡県も含め全国で四地域が選定されました。
そこで知事にお尋ねいたします。今年度の一般会計当初予算の中で、地域の
キャッシュレス化を支援するため、
専門家派遣経費として約六百万円の予算を計上されていますが、今回の総務省による
QRコードや
バーコードを使った決済、この限定された実証事業をどのように進め、普及していこうと考えておられるのかお尋ねをいたします。
次に、県内では福岡市など都市部の商店街や
大手百貨店、スーパーなどで比較的
キャッシュレス決済の導入が進んでいる一方、地方では、まだまだこれからというのが実態ではないかと思っております。現に
キャッシュレス決済を導入するメリットがよくわからない、導入方法がわからないといった声もよく聞きます。今後
キャッシュレス決済を普及させていくためには、地方都市の
小規模店舗にもしっかりと目配りし、店舗側の支援も含め、消費者の利便性や安全性をより高めることや、消費者が自分に合った決済手段が簡単に選択できるように周知し、展開していくことが重要であると考えております。また地域ごとの
キャッシュレス化の
進展度合いを示す具体的なデータの収集をとる必要もあるのではないかとも考えております。
今後、今回の
QRコードと
バーコード事業を初め
クレジットカードや
電子マネーなど、さまざまな
キャッシュレス決済の手段を県内全域へ普及させていくため、県としてどのように促進、普及し、取り組んでいかれるのか、知事にお尋ねをいたします。
最後に、今回の質問を踏まえて、知事に要望いたします。さきの
県知事選挙で、小川知事が三期目の当選を果たされました。現在の福岡県の実情、確かに知事がいつも言われているとおり、福岡県は人口も経済も伸びております。しかし、成長しているほとんどの全ては福岡市だけなんです。では、福岡県全体ではどうなのか。小川県政となって九年目、この間、福岡市以外の地方都市は人口の減少、少子、高齢化、県民所得の低迷、福岡県は小川県政となって現状維持どころか、急激に衰退しております。いみじくも
県知事選挙を制した小川知事が、当選の弁でこう語られております。地方再生の政策を
スピード感を持って全力で進めていくと、県民に対して約束されております。知事、お
約束どおり、必ず県民との約束を実行していただきますように強く要望いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
3 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。
*知事答弁
4 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
総務省事業を活用した
キャッシュレス決済の普及でございます。総務省におきましては、
モバイル端末を用いた
キャッシュレス決済の普及を図っていくために、国内の
QR決済事業者八社、その異なる
QRコードを一つにまとめた
統一QRコードを使った実証事業というものを、ことしの八月から来年の一月までの間、本県を初め全国四つの県で実施をすることになってございます。この事業におきましては、参加する店舗は一つの申請書で複数の
決済事業者との契約が可能となります。また半年間の実証期間中は、その
決済手数料も優遇されることになっております。また
キャッシュレス決済の導入によって、レジ締めの作業や現金管理の負担といったものが軽減されますほか、顧客の
購買データ等をマーケティングやそれぞれの経営管理に活用できるようになるなど、多くのメリットが指摘されているところであります。こうしたところから、県といたしましては、一社でも多くの店舗にこの事業に参加をしていただけるよう、
商工会議所、商工会と連携をいたしまして、県内全域に計三十回、店舗向けの
事業説明会を開催をすることといたしております。早速今月の二十一日には福岡市内で第一回目を開催させていただいたところでございます。さらにホームページや
店舗向けチラシによる事業の周知に取り組んでいくことといたしております。こうした取り組みを通じまして、県内における
キャッシュレス決済の普及に努めてまいります。
次に、さまざまな
キャッシュレス決済の普及についてお尋ねがございました。
キャッシュレス決済の
支払い手段は、
QRコードのほか
クレジットカード、
デビットカード、そして
電子マネー、こういったものがございまして、多くの
決済事業者が存在をし、
決済手数料、消費者に対する
ポイント付与率など、それぞれの
サービス内容は異なっております。多くの消費者に実際に
キャッシュレス決済を行ってもらうためには、選択肢を広げ、さまざまな決済手段に対応できるよう店舗に複数の決済手段の導入を促していくことが重要となります。しかしながら、店舗側、特に中小企業におきましては、多種多様な
キャッシュレス決済の中から、それぞれ自分の店舗に合った、適したものを選択することは必ずしも容易ではございません。このため
商工会議所、商工会におきましては、
経営指導員の方が、それぞれの
キャッシュレス決済の特徴というものを各店舗に御説明をし、
キャッシュレス決済の導入の支援を行っていくことといたしております。県といたしましても、
経営指導員からの相談に対応する
キャッシュレス決済に精通した専門家を
商工会議所、商工会に派遣をいたしまして、それぞれの
経営指導員の活動を支えていく考えでございます。これらを通じまして、
県内中小企業に対しましてさまざまな
キャッシュレス決済の導入というものを促してまいります。
5 ◯議長(栗原 渉君) 佐々木允君。(拍手)
*佐々木(允)議員質問
6 ◯二十二番(佐々木 允君)登壇 改めまして、皆さん、おはようございます。
民主県政クラブ県議団、田川市選出の佐々木允でございます。会派の御配慮をいただき、会派としては最初の一般質問を行います。二期目も県政のため、田川地域の振興のため全力で頑張ってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まず一点目に、私の
地元田川地域の振興についてであります。さきの所信表明において、知事は、福岡県をアジアとともに発展する一大拠点にしていくという強い決意が述べられました。一方で、弱い立場にある方々、困難な問題をお抱えの方々に寄り添っていく温かみのある行政を推進し、県民の皆様が生涯にわたって安心して暮らせる地域社会をつくると、これまで以上に人に焦点を当てて、その思いを語られたところであります。
福岡県全体を見ると、確かに九州の中心的役割を担うとともに、アジアに最も近い
地理的優位性がありますが、福岡県を細かくひもとくと、県内の状況はこの数十年一貫して厳しい地域と発展する地域の二極化になっており、この状況は、小川知事が就任して以降、むしろ拡大の一途をたどっています。とりわけ田川地域と県内平均との差を、知事就任の二〇一一年から直近の数字で見ていくと、人口は県内平均で〇・六%の増加であるのに対して、田川地域は八・九%もの減少、高齢化率も、県内平均の増加率は四・九%増であるのに対し、田川地域は七・四%の増、二〇一八年十月現在の高齢化率は、県内平均が二七・二%であるのに対して、田川地域は三六・六%と、県内平均を大きく上回る形で、田川地域の人口減少と高齢化が進んでいることがわかります。また一人当たりの
市町村所得も、県平均が二百七十二万四千円であるのに対して、田川地域は百九十七万一千円と、実に七十五万三千円もの差があり、低所得な方の多いのが特徴です。
我が会派は、二月定例会においても
地域間格差問題について代表質問し、知事に県内の均衡ある発展、とりわけ厳しい地域に対する知事の取り組みの強化を強く訴えてまいりました。知事、アジアとともに一大拠点に本県がなろうというとき、その恩恵はある特定の一地域だけに集中するのではなく、厳しい地域にこそつながっていくべきではないでしょうか。また弱い立場、困難な問題を抱えている方々が多い地域にこそ、知事の言う温かみのある行政が率先して推進されるべきではないかと思います。このような思いのもと、三期目に当たって、今まで以上に
地域間格差に本気で知事が向き合っていただきたい、そして、その中にあって、知事が田川地域をどのように認識し、どのような取り組みを進めていくのか、その思いを大いに披瀝していただきたいと思います。
まず知事は、さきの
県知事選挙において田川地域に訪れ、多くの県民と意見交換をされたことだと思います。そこで田川地域についてどのような声をいただいたのか、また課題を感じたのか、率直にお答えください。また、それらの声を受けて、今年度当初予算にどのように反映されたのかについてもお示しください。
次に、先ほど述べたように、知事就任以降も、人口、高齢化率、
市町村民所得などにおいても、格差はむしろ拡大している状況にあり、
県民意識調査でも、筑豊地域は福岡県で生まれてよかった、また生活してよかったと思う度合いを初め多くの指標で、他の三地域に比べ厳しい数字が続いています。知事は、この田川地域と
福岡都市圏を中心とした他の地域との格差拡大の現状をどのように認識しているのでしょうか、お答えください。また、そのような中、知事は田川地域の振興をこれまで以上にどのように取り組まれるおつもりなのか、その決意を田川地域の皆さんが未来に期待が持てるような内容で、ぜひお答えをいただきたいと思います。
三点目に、田川地域における
自動車関連産業の誘致及び振興についてであります。御存じのとおり、本県の
自動車生産台数は全国第二位になっており、全国有数の
自動車生産県となりました。
自動車関連産業に従事する労働者の賃金は、他の業種に比べて高く、これらの企業が
地元田川地域に誘致されることによって、先ほど述べた一人当たりの
市町村民所得を大きく高め、人口増加にも大きく寄与します。このような期待から、二〇一六年十月に行われた
県議会決算委員会において、田川地域における
自動車関連産業の誘致及び振興について、執行部にただしたところであります。そこで執行部は、今後県と市町村が一体となって企業誘致に取り組むことへの強い決意が述べられ、地元県議として安堵したところであります。
さて、それから三年近くが経過しようとしています。これまで田川地域への
自動車関連産業についてどのような取り組みを行い、成果を上げてきたのかお答えをください。また今後より一層取り組みを強化していただきたいと思います。知事の前向きな答弁をお願いします。
四点目に、観光振興、とりわけ田川地域での
サイクルツーリズムの振興についてであります。本県は、ことし四月から三カ年の計画期間で
自転車活用推進計画を策定しました。その中に自転車を活用した観光振興と地域の活性化を取り上げ、五つの
モデルルートを選定するとともに、今年度予算にも
サイクルスタンドの設置など、新規予算を計上しているところであります。しかし、その
モデルルートを見てみると、残念ながら田川地域は入っていません。田川地域は自然豊かで、
サイクリストも多く足を運ぶ場所となっており、添田町では坂道や峠道を自転車で登坂する競技であるヒルクライムを行う
英彦山サイクルタイムトライアル大会が、これまで二十八回開催をされるなど、
サイクルツーリズムに適した地域だと言えます。
そこで田川地域の
サイクルツーリズムの振興を、知事としてどのように図っていくのかお答えをいただきたいと思います。
この項の最後に、田川地域の
水道広域化についてただしておきます。本年四月から田川市、川崎町、糸田町、福智町の一市三町で水道事業の広域化が実現をいたしました。
構成市町村は、いずれも給水人口の減少と水道管の老朽化が進んでおり、今後単独での運営が厳しくなるのは必至だっただけに、広域化によって住民負担の軽減につながることが期待されます。今後、水道施設の統合や料金の統一など、さまざまな取り組みが必要となりますが、市町では十分に対応できない部分もあると、不安の声を地元からいただいているところです。
そこで県として今回実現した一市三町による
水道広域化をどのように支援していくのか答弁を求めます。
次に、
本県使用料及び手数料等の支払いの
手段多様化について質問をいたします。先ほど
片岡誠二県議からも御質問あったように、今年度、民間企業への
キャッシュレス化推進に関する新規予算が計上されています。諸外国に比べ、日本は
キャッシュレス化が大きくおくれている国と言われていますが、
キャッシュレス化の推進により、
インバウンド観光や働き方改革などさまざまな効果があると言われていますし、本県でも
キャッシュレス化の推進が、今回の予算で大きく進むことを期待しています。
さて、
キャッシュレス決済の現場は民間だけではありません。本県も県税を初め使用料や手数料等において、県民などから多くのお金をいただいているところであります。まず隗より始めよの精神で、県自身が
キャッシュレス化を初め
支払い手段を多様化することこそ大切なのではないかと思います。
そこで一点目に、県税を初め使用料及び手数料等の
支払い手段を多様化することへの意義について、知事はどのように認識しているのかお聞きします。
二点目に、本県が行っている県税を初め使用料及び手数料等の
支払い手段多様化について、これまでどのような取り組みを行ってきたのかお示しをください。また、県民からの支払いが多額なもの、利便性が向上するもの、観光振興につながるもののうち
キャッシュレス化など
支払い手段の多様化が可能となるものはどのようなものが想定されるのかお示しください。
三点目に、今後、本県が行っている県税を初め使用料及び手数料等の
支払い手段多様化について、知事はどのように取り組まれるのか、また
県内市町村においても、県と呼応して
キャッシュレス化が推進されることが望ましいと考えますが、市町村への推進について、知事の認識と取り組みをお聞きします。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
7 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。
*知事答弁
8 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず初めに、田川地域でいろいろ伺った課題、それに対応する予算措置でございます。田川地域でお聞きをした声の中には、他の地域とも共通するものといたしまして、人口減少、それから雇用の創出に関するものが多くございました。また交流人口をふやすため観光振興を図っていきたい、
田川飛翔塾や地域のみんなで取り組んでいる田川まるごと博物館を応援してほしい、そういったお声を耳にいたしました。
今年度の予算は少子、高齢化、人口減少という現下の大きな課題に立ち向かい、地方創生を推進し、誰もが住みなれたところで働く、暮らす、育てることができる、この三つができる地域社会をつくっていくこと、これに主眼を置いて編成をさせていただいているところであります。また先般運行が開始されましたことこと列車、これを契機といたしまして、沿線地域の魅力を発信し、外国人を含む観光客を呼び込むため、
平成筑豊鉄道に対し
WiFi環境の整備や多言語による情報発信に要する経費というものを支援することといたしております。あわせて田川地域の
広域連携プロジェクトといたしまして実施をしております筑豊の次代を担う人材を育成する
田川飛翔塾、また田川の地域の魅力を発信をする田川まるごと博物館、これらを通じまして、引き続き人材の育成、あるいは交流人口の増加というものを図っていきたいと考えております。このような今回の予算編成でございますけれども、田川地域でお伺いした皆様方の声に応えていこうとするものであると、このように考えております。
次に、田川地域の現状認識と振興に取り組む決意でございます。田川地域は、御指摘のように高齢化、人口減少が、他の地域と比べて進んでおります。また
生活保護率は県平均を大幅に上回っており、一人
当たり市町村民所得も、先ほど議員が御指摘になりましたが、福岡市圏域と比べ三分の二の水準となっておりますなど厳しい状況にあると、このように認識をいたしております。
一方で、田川地域は伊田の立て坑やぐら、二本煙突など
炭鉱関連施設、上野焼といった歴史的な資源、英彦山や香春岳の自然、私自身、毎年伺わせていただいておりますが、
風治八幡宮の川渡り神幸祭など豊かな歴史、自然、文化、伝統、これを有する魅力ある地域であると、このように思っております。また盆地特有の寒暖の差を利用したおいしいお米、野菜が生産をされております。県下有数のトルコギキョウの産地でもございます。そして、それらの
地元農林水産物の魅力を発信する直売所、道の駅も多数あるわけでございます。地元でも評価の高い
田川飛翔塾の卒塾生は、平成二十四年の開塾以来二百九人と、今なっております。卒塾生の中には、
田川飛翔塾の運営にみずからサポーターとして加わっていただくなど、次代を担う人材も育ちつつあると思います。こうしたポテンシャルに、昨年三月には
九州オルレ筑豊・
香春コースが、またことしの三月には、先ほど述べました、ことこと列車という国内外から観光客を呼び込むことができる新たな観光資源というのがつけ加わったわけであります。これらも契機といたしまして、地域の皆さんと知恵を出し合って、力を合わせて、田川地域の浮揚と発展に一層力を入れていきたいと、このように思っております。
次に、
自動車関連産業の誘致についてお尋ねがございました。田川地域に対する企業誘致につきましては、これまで田川地域の市町村と一緒になって企業訪問を行うなど積極的に取り組んでまいりました。また既に立地した企業に対しましても、
自動車産業アドバイザーによる取引の拡大支援、これを行うとともに、県と市町村の職員が一緒になって出向いて、技術向上、人材育成、設備投資に関する支援策の活用について、いろんな御提案を行ってまいりました。こうした取り組みによりまして、平成二十八年度以降、新たに田川市に一社が立地し、現在田川地域には十四社の
自動車関連企業が操業いたしているところであります。この
自動車産業のさらなる集積に向けまして、現在田川市内で新たな工場の建設に着手した企業、また自社敷地内での工場の増設というものを計画している企業が出てきているということを申し添えたいと思います。
この田川地域でございますけれども、
トヨタ九州、日産九州、
日産車体九州のちょうど真ん中辺に位置をいたしておりまして、三つの
カーメーカーへのアクセスが非常によく、理工系の人材も確保しやすい地域となってございます。また現在、国道二百一号の
香春拡幅事業によります四車線化や国道三百二十二
号香春大任バイパスの整備というものが進められているところでありまして、一層の利便性の向上というのが見込まれているところであります。今後さらに、田川地域の市町村と密接に連携をしながら、田川地域の立地環境について最大限PRをしていき、
自動車関連産業のさらなる誘致に取り組んでまいります。
次に、
サイクルツーリズムの振興についてお尋ねがございました。田川地域は自然が豊かであると同時に、香春、添田、糸田、大任の道の駅、源じいの森
温泉といった
温泉の施設、いいかねパレットを初めとする宿泊施設など
サイクリストの立ち寄るスポットも充実しているところであります。また毎年約六百名が参加をされております
英彦山サイクルタイムトライアル大会も開催されておりますことから、
サイクルツーリズムを進めていく上で魅力ある地域であると、このように考えております。昨年五月でございますが、県を挙げて
サイクルツーリズムを推進していくために、福岡県
サイクルツーリズム推進協議会というものを設立をいたしました。田川地域からも田川市、香春町、大任町、
田川広域観光協会、香春町観光協会がそれぞれ参加していただいているところであります。この協議会のもとで、現在県では田川地域における新たな
広域モデルルートの開発に向けまして、
関係市町村と協議を進めさせていただいているところであります。
次に、田川地域の
水道広域化に対する支援でございます。田川地域におきましては、関係者の大変な御熱意、そして御尽力によりまして、ことしの四月から
田川広域水道企業団とその構成団体でございます一市三町の水道事業が統合されたところであります。今後田川地域におきましては、経営基盤の強化のために新たな浄水場の建設、施設の統廃合や老朽化対策などに取り組んでいかれることになっております。県といたしましては、このモデルケースであります田川地域の取り組みというものが円滑に進んでいきますよう、国の交付金を活用した財政支援や私どもの適切な助言、これを行ってまいりまして、しっかりこの田川の水道の広域化、御支援を申し上げていきたいと、このように考えております。
次に、使用料、手数料などに係る
キャッシュレス決済の導入についてお尋ねがございました。
キャッシュレス決済は、近年一般的な
支払い手段の一つとして急速に広まっております。県税や使用料、手数料に導入することによりまして、
支払い手段が多様化され、利用される皆様の利便性が向上するのみならず、インバウンドの誘客というものを期待できるところであります。本県におきましては、
クレジットカード決済を平成二十一年五月に自動車税に導入して以降、県営筑後広域公園の宿泊施設の宿泊料、九州国立博物館の観覧料などにも
クレジットカード決済を導入したところであります。これらに加えまして、本年度からは新たにスマホを使ったラインペイによります決済というものを、自動車税に導入させていただいたところであります。このほかにも、他の自治体におきましてはスポーツ施設の利用料、各種申請、証明手数料などで、それぞれ導入例がございます。一方で、御承知のとおり
キャッシュレス決済というのは、
決済手数料など新たなコストが生じるものでございます。このため県といたしましてはコストと利便性、その両面を勘案して、どのような分野で、どのような
キャッシュレス決済手段が有効か、効果的か、これについて検討を進めていきたいと考えております。また市町村に対しましては、こうした県における検討状況、また他の自治体の先行事例について情報を広く提供してまいります。
9 ◯議長(栗原 渉君) 西尾耕治君。(拍手)
*西尾議員質問
10 ◯二十六番(西尾 耕治君)登壇 皆様、おはようございます。公明党の西尾でございます。それでは、通告に従い一般質問をさせていただきます。
平成の時代では大規模災害が続きました。そして、その教訓を踏まえ、新しい時代であるこの令和では、政治の柱として防災、減災に全力で取り組まなければならないと思います。まずは、この令和元年より災害による犠牲者を一人も出さないとの強い決意に立ち、社会に防災、減災を根づかせていくことが大変重要だと認識いたします。
政府は、二〇一八年度から二〇二〇年度までの三年間で、集中してインフラ(社会資本)の防災、減災対策を進めていく三カ年緊急対策を作成しております。内容としては、昨年の西日本豪雨などで河川の氾濫や土砂災害が頻繁に発生したことから、堤防強化や河道掘削、土砂や流木の流入を防ぐ砂防ダムの整備などの予算を大幅に増額し、土砂崩れのおそれのあるのり面、盛り土の強化、ため池の改修、治山ダムの設置なども拡充されているとのことです。しかし、行政主導のハード対策、ソフト対策には限界があり、国民全体で共通理解のもと、住民主体の防災対策に転換していく必要があることから、国において避難勧告等に関するガイドラインが平成三十一年三月に改定され、住民は、みずからの命はみずからが守るとの意識を持ち、みずからの判断で避難行動をとり、行政はそれを全力で支援するとの方針が示されました。この方針に沿って、自治体や気象庁などから発表される防災情報を用いて、住民がとるべき行動を直観的に理解しやすくなるように、五段階の警戒レベルを明記して、防災情報が提供されることとなりました。
自治体から、避難勧告(警戒レベルフォー)や、避難準備・高齢者等避難開始(警戒レベルスリー)などが発令された際には、速やかに避難行動をとること、また一方で、多くの場合、防災気象情報は自治体が発令する避難勧告などよりも先に発表されるため、避難が必要とされる警戒レベルフォーや、高齢者などの避難が必要とされる警戒レベルスリーに相当する防災気象情報が発表された際には、自治体からの避難勧告などが発令されていなくても、危険度分布や河川の水位情報などを用いて、みずから避難の判断をすることが示されています。
平成三十年七月豪雨の河川の氾濫により、本県も重大な被害を受けました。平時より住民みずから災害のリスクや避難行動について把握するため、現在、想定最大規模降雨による洪水浸水想定区域図の策定が、既に完了していると聞いております。さらに災害時に重要な役割となる防災については、住民に最も身近な市町村による、きめ細かな対策が重要であると思われます。
初めに、二〇一三年に成立された国土強靱化基本法で定めることができるとされている地域計画は、本県では策定されていますが、県内の市町村ではどのような状況になっているのか、また策定されていない市町村には、今後県としても策定に向けての支援や後押しが必要と思われますが、どのように考えておられるのか伺います。
また大規模災害発生時は、自助、共助及び公助がうまくかみ合わないと、災害対策がうまく働かないことが強く認識され、同じ年の二〇一三年に地域コミュニティーにおける共助による防災活動の観点から、地区防災計画制度が創設されています。市町村が作成する地域防災計画と連動して、市町村の一定の地区の居住者及び事業者みずからが自発的な防災活動に関して、地域の特性に応じて自由な内容で計画を作成することが可能とされています。計画を作成する主体の単位には制限がないため、町会や自治会、マンション管理組合のほか企業やNPO法人、商店街、学校、医療、福祉施設なども主体となることができます。地区防災計画を作成する主体は、このように多岐にわたっていることから、その作成を進めるためには、市町村が地域へ積極的に働きかけるべきであると考えますが、県としては市町村をどのように支援していかれるのか伺います。
災害に際して、最後に物を言うのは人であると言われております。自治体や企業、学校、住民組織にも、防災、減災や危機管理に関する専門の知識と能力、スキルを備えた人材が配備されていなければ、幾ら計画や設備が整っていても無駄になるだけだと思われます。こうした中、注目すべきは防災の専門的知識を有する消防団の存在です。消防団は、地域の防災力の中核として、地域の安全、安心を守るとともに、日ごろから地域コミュニティーの維持及び活性化にも大きな役割を果たしております。特に大規模災害発生時は、消防団が地域の即応態勢上重要な役割を担っていますが、消防団員は年々減少傾向にあり、このような中、通常の団員とは別に、大規模災害時に限定して出動し、通常の団員だけでは対応できない役割を担う大規模災害団員の導入を、国が促していると聞いておりますが、本県では、どのくらい導入をされているのか、また今後市町村に対し導入を進めるべきとも思いますが、どのように考えておられるのか伺います。
また災害時に、保健医療対策に係る指揮調整機能を応援するため、自治体の医師や保健師らで構成する災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)が、各地域で運用を始めているとは聞きますが、本県での状況はどうなっているのか、また今後どのように運用されていくのか伺います。さらに、実践的な研修も必要だと思われますが、どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。
最後に、国指定、県指定文化財の防災について、教育長にお尋ねいたします。
まず地震、水害、火災などの災害に対する文化財の防火対策の現状はどうなっているのか、また、それに対して、県はどのように取り組まれているのかお伺いいたします。
次に、火災発生時の文化財建造物の安全対策についてお伺いいたします。四月十五日に発生したパリ・ノートルダム大聖堂の火災では、屋根が焼け落ちるなど甚大な被害を受け、迅速な消火活動が行われたことは記憶に新しい出来事かと思います。ふだんからの備えと訓練があればこそ、万が一の火災に対して適切に対応することができます。
そこで、県内の文化財建造物について、具体的に実施している防火対策についてお伺いいたします。
政治は現実である。そこには人々の生活がかかっている。足元を見据えぬ理想論は空想にすぎない。現実の地道な改善、向上が図られてこそ、人々の支持もあると言われます。また建設は死闘、破壊は一瞬という言葉もあります。県民生活の安心、安全のため、よりよい政策、システムの構築が常に大変に重要であると考えます。知事、教育長及び執行部におかれましては、現場の声をしっかりと受けとめ、県民の皆様の安心、安全のため、なお一層尽力していかれることを要望し、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございます。(拍手)
11 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。
*知事答弁
12 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず初めに、
県内市町村における国土強靱化地域計画の策定でございます。国土強靱化基本法におきましては、都道府県または市町村は、国土強靱化に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、国土強靱化地域計画を定めることができると、このようにされております。その計画の策定のメリットといたしましては、地域強靱化に係る国の交付金や補助金の配分に当たりまして、一定程度配慮、いわゆる優先配分をされることになってございます。強靱化の取り組みを加速していく上でプラスになると、加速するものになるというふうに理解をしているところであります。
現在、
県内市町村における計画の策定状況でございますけれども、策定済みの北九州市、そして策定中の福岡市、その二市となっているところであります。これまで県におきましては、副市町村長、防災担当課長を対象とする会議の場におきまして、この計画の意義、国の支援策というものを説明し、その早期の策定というものを促してまいりました。また市町村の担当者向けに、国の職員を講師として派遣をし、研修会も開催をいたしているところであります。今後も計画未策定の市町村に対しまして、県の担当者が出向いて計画策定の必要性や他の市町村の策定の事例、これらについて紹介をしながら計画策定が進むよう支援をしてまいります。
次に、地区防災計画の作成を進めるための県の支援についてでございます。地区防災計画は、地区内の居住者や事業者が共同して行います防災訓練、資機材の備蓄、災害発生時の相互支援など防災活動に関する計画でございまして、市町村の地域防災計画の中に位置づけられるものでございます。国の調査によりますと、昨年四月現在、全国では四十一市町村、二百四十八の地区が、この地区防災計画を策定しているということでございます。県内におきましては、一昨年の九州北部豪雨で甚大な被害を受けられました朝倉市の久喜宮、この地区におきまして、ことしの三月、この計画が策定されているところであります。
地区防災計画を作成することによりまして、人口構成、想定される災害など、それぞれの地域の特性を踏まえた地域防災力の向上というものが期待されます。そのため県といたしましては、既に計画を作成した地区における、その作成手順や成果物、計画の中身について防災担当課長会議や研修会の場を通じまして情報提供を行い、市町村がそれぞれの地域に働きかけて、地区防災計画の作成を進めていけるよう市町村に対する支援を行ってまいります。
次に、消防団における大規模災害団員の導入についてお尋ねがございました。国におきましては、全国的な消防団員のなり手不足の現状を踏まえまして、大規模災害時に限って出動し、避難誘導、安否確認などの活動を行う機能別団員制度でございます大規模災害団員、この導入を促しているところであります。大規模災害団員のなり手といたしましては、消防団員のOBの方、自主防災組織の構成員の方、事業所の従業員の方などが想定をされているところであります。県といたしましては、市町村の防災担当者会議等の場を通じまして、この制度の説明を行い、導入を促してまいりました。現在大牟田市、八女市、朝倉市、筑前町、東峰村の五市町村におきまして四百八十三名の方が、この大規模災害団員となっておられます。ちなみに全国では二千三百九十五名の大規模災害団員の方が団員となって活動をされているところでございます。昨年の豪雨災害におきましては、朝倉市、東峰村、八女市におきまして、それぞれ団員の方が住民への避難の呼びかけ、河川の警戒、土のう積みに従事をされているところであります。今後とも、市町村に対しまして、このような活動事例について情報提供を行いながら、積極的にこの制度の導入を働きかけてまいります。
次に、災害時健康危機管理支援チーム、いわゆるDHEATについてお尋ねがありました。国におきましては、災害に伴う重大な健康危機発生時におきまして、被災地方公共団体の保健医療行政の指揮調整機能を応援をするDHEAT構成員、その養成を行うため、平成二十八年度から研修というものを始めております。本県におきましては、医師や保健師等の職員を毎年度、この養成研修に参加をさせるとともに、県におきましても、この研修を受講した人を講師といたしまして、DHEATの活動内容等について、県の研修というものを実施し、DHEAT構成員の養成を図ってきているところであります。現在、国または県の研修を四十九名の方が受講されておりまして、一班五名程度で構成をされますチーム、九班編成できる体制を整えているところであります。今後国が集約、調整をする被災都道府県からの応援派遣の要請に応じまして、私ども福岡県のDHEATを派遣してまいりたいと、このように考えております。
また災害発生時の健康危機管理に必要な情報収集、分析など対応力の向上を図っていくため、昨年十二月に地震、大雨等の大規模自然災害の発生を想定した実践的な研修も行ったところであります。今後ともこのような研修を積み重ねていくことによりまして、構成員の実践力の向上を図ってまいります。
13 ◯議長(栗原 渉君) 城戸教育長。
*教育長答弁
14 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 文化財の防災対策についてでございます。文化財は国民共有の財産であり、一たび失われるともとに戻らない貴重な遺産であるため、確実に保存して後世に伝えていく必要がございます。文化財の防災対策は、基本的には想定される災害、文化財の種類、置かれた環境等を勘案しながら、所有者が行っております。これに加えまして、県や市町村の専門職員が随時現地で管理状況を確認するとともに、福岡県文化財保護指導委員による定期的な巡視を行い、防災対策の推進に努めているところでございます。
県内文化財建造物の防火対策についてでございます。文化財建造物は木やカヤ、ヒワダなどの伝統的材料を使用しているものが多いため、火災への取り組みが特に重要でございます。そのため火災への備えとして、早期発見を目的とした自動火災報知設備や文化財への延焼を防ぐ放水銃、人の少ない夜間でも操作ができる消火設備の設置、また建造物の特性に応じた防災計画の策定など、実情に応じた対策が進められているところであります。さらに一月二十六日の文化財防火デーを中心に県内各地で防火訓練が実施されております。今回のノートルダム大聖堂の火災を踏まえ、工事やイベント等の際の出火防止対策の徹底、消防用設備等の適切な維持管理、火災時の初動体制の再確認に万全を期すよう文化財所有者への指導を行ってまいります。
15 ◯議長(栗原 渉君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後一時といたします。
午 前 十一時 五十二分 休 憩
午 後 一 時 一 分 再 開
16 ◯副議長(原中 誠志君) 再開いたします。
休憩前に引き続き一般質問を行います。順次発言を許可いたします。松尾嘉三君。(拍手)
*松尾(嘉)議員質問
17 ◯四十一番(松尾 嘉三君)登壇 皆さん、こんにちは。
自民党県議団の松尾嘉三でございます。三期目も県勢発展のため尽力してまいります。
今回の私の質問でございますが、福岡県の交通安全対策について知事並びに関係所管にお尋ねいたします。令和元年を迎え、人々が令和ブームで沸くさなか、五月八日に滋賀県大津市で起きてしまった衝撃的な交通事故。保育園側によれば、車道側から離れた歩道の端を歩き、前方、中間、後方と保育士を配置し、安全に歩行していたにもかかわらず、交差点で信号待ちをしていた歩行者へ車が突っ込んでしまい、園児と保育士を含む十五名の死傷者を出し、将来のある二名の園児は帰らぬ結果となってしまいました。また、四月十九日に起きました東京都池袋の高齢ドライバーの暴走事故では、幼き子供と歩道を通行中の母子の二名が死亡、八名が重軽傷を起こす悲惨な事故となりました。これらの、運転技術が未熟なドライバーや高齢ドライバーによる事故は全国的にふえ続けており、交通弱者である歩行者が犠牲となる事故は、他県ごとではございません。
我が春日市におきましても、五月三日に七十四歳の女性高齢者が運転する乗用車が、逆光で車道側の赤信号が見えなかったと、青信号にて横断歩道を横断中の小学生二名と衝突し、傷害を負わせる事故が起こっております。また、その近郊の県道でも、昨年、小学生が公園から道路へ飛び出し、車にひかれて死亡する交通事故も起こっております。さらに、今月四日に福岡市早良区の交差点で起こった、同じく高齢ドライバーの運転する乗用車の暴走事故では、乗用していた二名が死亡、七名が重軽傷を負っております。現在の福岡県の交通事故状況は、平成三十年度で三万一千二百七十九件、うち高齢者の交通事故が六千四百七十一件。事故類型別では、車両相互による出会い頭事故が千七百九十八件で全体の約三〇%。車両と歩行者との事故が八百二十九件、うち歩行者が横断中であったものが四百五十件で五〇%以上を占めております。人的要因での事故では、今問題となっておりますブレーキとアクセルの踏み間違いによります交通事故が三百三十七件。二十四歳までの若年層が全体の約二〇・五%、高齢者が全体の約二九・一%となっており、何も高齢者だけの問題ではございません。高齢者の交通事故に関して言えば、事故原因で、人や対象物の発見おくれが最も多く五千四百十七件で、全体の約八三・七%にも上っております。次に、県内の死亡事故では、交通事故死亡者数百三十六名中、交差点内での死者数が六十二名で全死者の約四五・六%、歩行者が犠牲となるケースが六十八名と全死者数の五〇%にも及んでおります。また、その犠牲者も六十五歳以上の方が八十名と全死者数の五八・八%を占める結果となっております。
このような状況下、春日市民の皆様からの信号機の新設要望や、先輩議員からの熱い御指導のもと、再三再四、危険な交差点やスクールゾーンへの信号機の新設、横断歩道設置等を粘り強く陳情させていただいておりますが、執行部からは、県の逼迫した財政状況ではこれ以上の新設は難しいとの返答でございます。御要望いただいた方々は、今では諦め顔で、県は死亡事故などの大きな事故が起きなければ信号機をふやしてくれない、歩行者を守るための交通安全対策はしてくれないとの嘆きの声まで聞かれる始末でございます。
今議会での知事の所信表明にもございました、福岡県民の安全、安心なまちづくりとうたってあるのは、何を思われて言われているのか、私には理解できません。理想をただ声に出されるばかりではなく、その実効性をどのような形にて担保されていかれるおつもりなのかお尋ねしたいと思います。
平成三十年三月現在、県内の信号機設置台数は約一万三百基であります。信号機一基当たりの平均単価を調べますと、約四百万円でございました。また、それに付随する電気料金や設備消耗品費などの維持費、旧式信号機から新型LED信号機への改修費もかさんでおり、今期の予算配分では新規要望箇所への新設までは不可能な状況だと認識させていただいております。言いかえますならば、知事はこれ以上の新規の信号機の設置は、お考えではないと推測されるわけであります。それであれば、県内の事故多発交差点に対する交差点改良工事や車両進入防護柵、歩行者防護ポールなどの設置等、ハード面での対処だけでも早急に行うべきだと私は思っております。県内の特に危険な交差点を含めた交通安全対策について、知事の御所見をお伺いいたします。
続きまして、連日の未熟なドライバーの交通事故や高齢ドライバーの交通事故を受け、東京都では、今月十一日にアクセルとブレーキの踏み間違い事故防止装置ですが、この取りつけ費用の九〇%の補助を決定いたしました。また、石川県におきましては今月十五日に、アクセルを踏んだ際の急発進を防ぐ装置の購入費用の補助の検討を既に開始してあります。驚いたことに同県では、昨年、七十歳以上の県民を対象に安全機能を備えた安全運転サポート車の新車購入費の補助制度を全国に先駆けて設けてありましたが、高齢者への普及が進み、今では制度廃止してあり、対処の速さに目を奪われました。
そこでお尋ねいたします。事故防止装置を装着した車の普及拡大のため、助成制度を創設するお考えはないのか。すぐにできないとしても、安全運転サポート車の普及啓発に積極的に取り組むべきだと私は考えておりますが、知事の御所見をお尋ねいたします。
最後に、古くから町並みを形成しております地域におきましては、歩行者道もなく、全体の道幅も狭く、狭隘道路化している旧道が、今なおスクールゾーンとなっている場所も多いと思われます。各市町村の管理者においても、道路拡幅予算が乏しく、危険なスクールゾーンだと認識していても、やむを得ずその端々に、歩行者用グリーンレーンを引いて利用している状況下であります。平成二十四年に起きました、京都府亀岡市の登校中の小学生の列へ車が暴走して突入してしまった交通事故時、県は各市町村へ、通学路の緊急安全点検と銘打たれて、これらの危険なスクールゾーンの調査報告を求められ、その後、おおむねの市町村では安全対策済みとなっているようでございますが、実際にPTAの方々からお話を伺えば、カーブミラーが数基増設されただけ、歩道のカラーポールが何本か増設されただけとの状況説明を受け、ゾーン30のエリア拡大や歩道の拡幅等、ハード面での対策は不十分な状態でありました。
そこで、子供の命を守るためのスクールゾーンとはどういう制度なのか、そしてそのスクールゾーンでの交通安全確保を今後どのように充実させていかれるおつもりなのか、教育長の御所見をお尋ねいたします。
18 ◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。
*知事答弁
19 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず初めに、交差点を含めた交通安全対策でございます。県におきましては、交通事故が多発しております幹線道路の事故防止、そして通学路の交通安全対策、これについて計画的に進めてきているところであります。幹線道路につきましては、国、県、政令市の道路管理者と県警察が連携をいたしまして、死傷事故が多発しております箇所を事故危険箇所として抽出をいたしまして、平成二十八年度から五カ年計画で、その交差点の改良や注意喚起表示などの対策を進めてきているところであります。また、通学路につきましては、平成二十四年に京都府の亀岡市におきまして児童と保護者の列に車が突入し、児童三人が死亡した痛ましい事故がありました。これを受けまして、教育委員会、県警察などと連携をいたしまして、通学路の安全点検を行い、歩道整備、路肩のカラー舗装といった対策を実施してきたところでありまして、その後も継続的に通学路の安全点検を行い、同様の対策を行ってきているところであります。今後とも、交通事故を減少させるために、交差点における右折専用レーンの設置、通学路におけるガードレールの設置など、それぞれの現場の実態、状況に応じた交通安全対策を進めさせていただきます。
次に、事故防止装置を備えた車の普及についてでございます。現在、さまざまな機能や性能を有する事故防止装置というものが開発、販売をされておりまして、その性能をどう評価するかという難しい課題がございます。このため国におきましては、今月の十八日でございますが、開かれた関係閣僚会議におきまして、交通安全緊急対策の一環として、こうした事故防止装置の性能認定制度、そしてその普及方策というものを検討していくことを決定したところであります。県といたしましては、事故防止装置の助成制度につきましては、まずはこのような国の動き、これを注視して、その上で対応を検討させていただきます。
安全運転サポート車の普及促進でございますけれども、これまでも県警察と連携をいたしまして、その機能を体験していただく試乗会というものを実施してきたところであります。先月、包括連携協定を締結しております自動車メーカーの協力のもとで、多くの人が集まる商業施設におきまして、その試乗会を実施したところであります。県といたしましては、引き続きこうした取り組みを県内各地で実施をしていきたいと考えております。また、安全運転サポート車の機能を紹介したチラシを作成をいたしまして、交通事故をなくす福岡県県民運動本部の構成員でございます市町村、老人クラブ、地域婦人会等を通じまして、そのチラシを配布するとともに、県の広報紙やホームページでも、その紹介をしてまいります。
20 ◯副議長(原中 誠志君) 城戸教育長。
*教育長答弁
21 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 スクールゾーンにおける交通安全確保についてでございます。スクールゾーンとは、通学路の安全対策の一つとして、幼稚園、小学校を中心に、おおむね半径五百メートルの範囲内において、警察や道路管理者の協力を得て、歩道の設置、カラー舗装、さらには一方通行や速度規制等の交通規制を講じることで幼児児童の安全を図るものでございます。これまで各学校においては、地域や保護者と連携をいたしまして、スクールゾーンを含む通学路の安全点検を行い、点検結果を踏まえまして、危険箇所への措置を警察や道路管理者等へ働きかけるなどの取り組みを継続して行っているところでございます。
最近、県内外で子供を巻き込む痛ましい事故が多発しております。県教育委員会といたしましては、今後より一層、各学校が教育委員会等と連携して、警察や道路管理者へのスクールゾーンにおける安全確保の取り組みを積極的に働きかけるよう指導してまいります。
22 ◯副議長(原中 誠志君) 松尾嘉三君。
23 ◯四十一番(松尾 嘉三君)登壇 さきにも述べましたとおり、滋賀県大津市の痛ましい交通事故や福岡市早良区や春日市における歩行者が犠牲となる交通事故を防ぐためにも、交通安全対策は喫緊の課題だと思われます。県内では、苅田町やうきは市で対策を行ってあるということでございますが、残り五十八市町村へ安全運転サポート車の普及啓発を早急にしていかなければならないと、私は思っておるわけでございます。常に知事は現場主義と言われるが、甚だ疑問でございます。県民に寄り添う気持ちが、私は足りないのではないか、そのように思わざるを得ません。今後、しっかりと各市町村からの助成申請、これが県に上がってくるわけでございますが、この申請を積極的に受けとめていただきまして、福岡県の交通安全対策をより一層推進されますことを強く要望し、一般質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
24 ◯副議長(原中 誠志君) 中嶋玲子君。(拍手)
*中嶋議員質問
25 ◯十一番(中嶋 玲子君)登壇 民主県政クラブの中嶋玲子でございます。朝倉市郡選挙区の一回生でございます。議員各位の皆様、そして小川知事を初めとします行政当局の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、通告に従い、九州北部豪雨被災者に対する生活再建支援について質問をいたします。
代表質問で知事に対し、仮設、みなし仮設での期限延長を求める質問がありましたが、知事の答弁は被災者の気持ちに寄り添うものにはほど遠いものでした。大変残念に思います。この災害で私自身も被災をしました。被災したからこそ伝えたい思いがあります。
まずは、だんだん忘れられ始めた二年前の災害の状況を述べたいと思います。平成二十九年七月五日、線状降水帯による豪雨は、一日の降水量が観測史上初の五百十六ミリもの雨を局地的に降らせました。福岡ドーム七杯分とも言われる大量の流木や、一千万立米の土砂流出により、風光明媚なふるさとの山林は、無残にも至るところで山肌をむき出しにしてしまいました。濁流は急勾配の山の斜面をえぐり取り、谷合いの集落は一瞬にして巨石と土砂が堆積した石河原と化してしまいました。その濁流の勢いは加速して、町なかを流れる二級河川、小川、側溝までをもあふれさせ、中心部の住宅街をのみ込みながら、恐ろしい勢いで筑後川に流し込みました。山林、田畑、樹園地、河川、家屋、三十三人の命など何もかもを奪い、そこに住む人たちの暮らしを崩壊させ、一夜にして見るも無残な爪跡を残し去りました。突然の天変地異、構造物や農業被害もさることながら、住民の生活、暮らしの壊滅的被害を目の当たりにして、声も涙も出ないほど、ただただ驚愕するばかりでございました。
朝倉市では、家屋の流失、全壊二百六十戸、大規模半壊百十九戸、半壊六百六十三戸、一部損壊四百二十七戸で、千四百六十九戸にも罹災証明が出されました。中でも旧杷木町が最も被災率が高く、市全体で二百六十戸の住家が全壊、流失したうちの二百戸は旧杷木町でございます。現在、二年目の出水期を目前にして河道の設計は終わったものの、まだ安全な川は形さえ見えません。ほかの地域の河川上流部も同じ状況です。余りにも被害箇所が多かったため、復旧も復興もなかなか進みません。私の住む集落は壊滅状態でした。三年目を迎える今も、二十二戸中二戸しか住んでいませんし、近くの四つの集落は長期避難で、全戸地区外避難が続いています。家中に土砂が床上七十センチまで流れ込んだため、半壊の認定を受けた私の自宅は、幸いにも何とか居住できる程度まで家が残っただけありがたいことでございました。たくさんの地域の人々は全てをなくし、着のみ着のままで避難生活を強いられ、いまだに帰れない状態です。別の市町村に転居したり、生活再建できた人もいますが、まだ仮設、みなし仮設にお住まいの方がほとんどです。安全な暮らしが、いつになったらできるのでしょう。
さて、知事は去る六月二日、被災者の会からの要請で現地を視察されました。視察箇所については朝倉市役所と県担当部署とで打ち合わせをされ、黒川、桂川比良松橋付近、杷木志波道目木、久喜宮、寒水など被災者の会が見てほしい箇所として要望していた現場は全て行程に入っていませんでした。知事は、完成間近の災害公営住宅や、新たな場所で施設園芸に取り組み始めている農業者などの進捗状況を見られました。復旧工事や復興が少しずつ進んでいることは、まことにありがたいことです。
しかし一方では、まだまだ復旧が何年先になるかわからない災害現場はたくさんあります。今の状態で、帰りたくても帰れない、自宅のあった場所の復旧工事が終わり、安全性が確保できたら帰って家を建てたい方、現状では自立できないからと期限の延長を求めている方など、一人一人事情が違います。なぜ被災者が延長をお願いしたいのか、どんな状況にあるから帰れないと主張するのか、あの視察で知事はおわかりになられたのでしょうか。復旧の進んでいる面と進んでいない面の両方を見ていただかなければ判断できないと思います。
また、今回の視察では仮設住民との意見交換が実質二十分という非常に少ない中でしたが、知事、視察でお会いになった松末小河内の八十歳のひとり暮らしの女性が、国民年金で暮らし、仮設にいても毎月二万円近くの赤字で暮らしている人が多いこと、また九十九歳の実母を施設に入れて、その経費も払いながらの苦しい生活の実情を話されたのを聞かれて、どう思われましたか。私の目には、知事が、せめてそんな高齢者の思いを何とかしてさしあげられないかと感じられたと思いました。それがお一人お一人に寄り添うという知事の考え方だと思いますが、いかがでしょう。
そこで一点目の質問です。なぜ視察の行程から被災者の要望箇所を外したのか、また視察での知事の思いと感想をお聞かせください。
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