↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(栗原 渉君) ただいまから本日の会議を開きます。
日程に従い代表質問を行います。順次発言を許可いたします。森下博司君。(拍手)
*
森下議員質問
2 ◯七十五番(森下 博司君)登壇 皆様、おはようございます。公明党の森下博司でございます。通告に従い、本日は、福岡県民のパイプ役に徹して、党を代表し質問いたします。
小川県政の三期目の課題と挑戦について、まず質問します。知事は令和元年度当初予算のポイントとして、災害復旧、復興を加速、時代の変化を的確に捉え、第四次産業革命への取り組みを進めるとともに、人生百年時代に向けて、人生を充実して過ごせる百年
グッドライフ福岡県を構築、また地方創生の実現に向け、県民の誰もが住みなれたところで働く、暮らす、育てることができる地域社会をつくっていくとの三点を掲げました。
ここで気になることは、第四次産業革命と百年
グッドライフ福岡県という二つの言葉です。まず、第四次産業革命とは、さまざまなものがインターネットにつながり、それをAIが制御するようになる産業社会のことで、ドイツが二〇一二年から打ち出している
技術戦略インダストリー四・〇を日本語化したものであります。これに対し日本では、
科学技術基本法に基づき、平成八年から五年ごとに基本計画が設けられ、長期的な視野に立った体系的で一貫した
科学技術政策が推進されています。第五期に当たる平成二十八年から令和二年までの基本計画の中に
ソサエティー五・〇が含まれており、その柱は、必要な物、サービスがニーズに合わせ、きめ細かく人に配分される超
スマート社会の実現であります。
それでは、
インダストリー四・〇、つまり第四次産業革命と
ソサエティー五・〇の違いは何か。
インダストリー四・〇も
ソサエティー五・〇も、鍵はともに、IoTやAI、そしてロボットなどの技術革新であります。しかし、
ソサエティー五・〇は、経済成長や健康長寿の形成、社会変革など多岐にわたる分野で
最新テクノロジーを活用することに主眼を置いているのに対し、
インダストリー四・〇の
メーンターゲットは製造業です。少子、高齢化や人口減少によって打撃を受ける日本の中小企業や地方自治体を視野に入れ、遠隔診療や自動運転可能なバス運営など、IoTやAIの技術を活用して
労働者不足や過疎などの社会問題に立ち向かおうとする言葉としては、
ソサエティー五・〇こそがふさわしいと言えます。
そこでお尋ねしたいのは、知事は、第四次産業革命という言葉をどういう意味で使われたのか。今、説明したような背景を理解した上での言葉なのかという点であります。日本政府が進める
ソサエティー五・〇という言葉を使うべきではなかったでしょうか。お答えください。
次に、百年
グッドライフ福岡県についてであります。政府は一昨年九月、第一回目の人生百年
時代構想会議を開き、その後、一昨年十二月に中間報告を提示した後、昨年六月に、
人づくり革命基本構想を発表しました。この中で、日本は世界一の健康長寿国であるとし、人生百年時代を前提として、全ての人が元気で安心して暮らすことができる社会をつくるため、
人づくり革命、人材への投資が重要としています。その上で、具体的な施策として幼児教育の無償化、高等教育の無償化、大学改革、
リカレント教育、
高齢者雇用の促進等の六点を挙げています。多くの人が健康で長寿を全うできることは、もちろんいいことです。また、具体的な施策についても賛成できる内容であります。ただ、百年
グッドライフ福岡県を構築すると掲げられると違和感を抱いてしまいます。県民の中には現在、寝たきりで過ごしている方もいます。がんなどで余命宣告を受けた方もいるでしょう。難病や生活習慣病、障がいで苦しんでいる人、スポーツなどできない人もいます。働きたくても働けない、一日一日を懸命に生きている人に、人生百年という用語はどのように映るのでしょうか。百年
グッドライフという用語の使い方は、こうした人に対する配慮に欠けているのではないかと思えてなりません。知事の見解を伺います。
さて、三期目の小川県政がいよいよ本格的に始まりました。令和元
年度予算案は、バランスがとれているものの、政府の目指す社会を踏襲して目指すという内容が目立ち、これといった目玉政策は見当たらないという感想です。福岡県は日本の縮図とも言える状況で、福岡市とその周辺だけに人口が集中し、他の自治体では人口が減少する傾向にあります。早晩、県全体の人口も減少に移ります。出生率の低下にも歯どめがかかりません。労働人口の減少も危惧されており、これをカバーするためのIoTやAIの普及は間に合うのでしょうか。知事は、福岡県の現在の課題はどこにあると考えるのか伺います。
さらに、これから三期目の四年間、福岡県をどのような県としたいのか、県の課題に対する知事の挑戦の姿勢を問います。
次に、本県の財政運営と二〇四〇年問題について伺います。本県の平成二十九年度
普通会計決算において、個人県民税が前年比四・二%増の一千七百八十八億円、そして法人二税が二・三%増の千五百六十三億円となり、過去最高の県税決算となりました。一方、歳出におきましては、事務事業の見直しなど内部努力もありますが、実質収支額は約七十六億円となりました。現時点において、本県として、この数字をどのように捉えているのか、また今年度予算編成にどのように生かされているのか伺います。
この項の終わりに、昨年十月末、我々
公明党県議団は、二〇一九年度予算編成に対して二十七項目にわたる予算要望書を小川知事に直接手渡しさせていただきましたが、この新
年度予算案にどのような形で反映されているのか具体的にお答えください。
時代の変化を踏まえて、二〇二五年には団塊の世代が
後期高齢者になり、二〇四〇年には高齢者の人口がピークを迎えると言われています。そして、総人口が毎年百万人近く減少する見込みです。このような状況の中、政権与党の一翼を担う我が公明党は先月、党の政調内に、仮称二〇四〇年委員会を設置し、高齢人口がピークを迎える二〇四〇年問題に総力を挙げて取り組んでいくことといたしました。このような二〇四〇年問題という大きな課題は、本県の取り組みだけで解決できないことは理解していますが、知事には、二〇四〇年問題を乗り越えるべく、中長期な視点に立っての県政運営が求められるのではないかと思います。
そこで知事に伺います。この人口減少、超高齢化の進展という二〇四〇年問題に対し、どのように対応していくお考えか、お答えください。
次に、高齢者等の交通弱者に対する
移動支援策についてお伺いします。知事は、今議会で、誰もが住みなれたところで暮らすことができる
地域社会づくりに取り組むと表明されていますが、昨今、本県を初め全国各地で、
高齢者ドライバーによる事故が多発し、多くのとうとい人命が失われています。一方、高齢者にとって、日常生活を送る上で、自家用車以外の交通手段の確保が困難なため、どうしても車を手放せないという高齢者が本県にも多数存在しており、知事の言う、誰もが住みなれたところで暮らすことができる
地域社会づくりのためには、そうした方への自家用車にかわる移動手段の確保が急務となっていると考えます。ことしの二月議会において我が会派が代表質問で
買い物弱者対策をただしたのに対し、知事からは、県民の
生活交通確保の観点から、
コミュニティーバスや
デマンド交通など、移動手段の充実確保に取り組む市町村に対して、運行経費や車両購入費に対する助成を実施している。また、
交通事業者に対して、国と連携して、
路線バス維持のための運行経費に対する助成を行うとともに、
生活交通バス路線の維持充実や
バリアフリー化について要望しているところである。今後とも、こうした取り組みを通して、免許証の返納者や高齢者が、買い物や通院といった日常生活を営む上で、より利用しやすい生活交通の充実強化を図っていくとともに、知事は、それぞれの地域における買い物や通院といった生活実態を踏まえ、
コミュニティーバスの広域運行を進めていくとの強い答弁がありました。そして、小川県知事の今期の公約として、みずからの選挙広報紙に、
コミュニティーバス等の
広域運行路線数を四割ふやすとの公約を掲げていました。以上を踏まえて、以下、数点お尋ねします。
まず、
コミュニティーバス等の
広域運行路線数を四割ふやすという選挙公約に対して、今後、知事は、県内及び県域を越えることを含めた
コミュニティーバスの広域運行の推進に関して、具体的にどのような考えで路線をふやすつもりなのかお聞きします。
次に、高齢者等の
移動支援策については、県内市町村はもちろん県外の隣接する自治体等とも緊密に連携をとっていく必要があると思われます。本県が県外の市町村との高齢者等の
移動支援策の連携を進めることに関して、今後、具体的にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。
また、近年、中山間地など郊外の地域のみならず、福岡市、北九州市などの都市部においても移動手段の確保に困難を感じている高齢者が増加しているように思われます。知事は、移動支援を必要とする高齢者等の交通弱者がいる地域について、どのような認識をお持ちなのか。今後の本県における移動支援のニーズをどのように把握していくつもりなのか、知事の所見をお伺いします。
さて、千葉県の我孫子市では、市内の
自動車教習所や病院、大学、市の福祉施設への送迎のために運行しているバスの空席を活用して、高齢者や障がいを持つ方が買い物などに利用できる
外出応援事業を実施しております。また、横浜市でも、
地域貢献送迎バスモデル事業として、病院が運行する
無料送迎バスの空席を対象地域に居住する高齢者等の日常的な移動手段に活用する実証運行を昨年度実施し、現在検証を行っております。これら既存の固有の移動目的のためにあるバスを高齢者等の日常的な移動手段に活用する取り組みは本県でも実施可能ではないかと思われます。
そこで、この項の最後の質問です。本県における
公共交通機関や市町村等の実施する
コミュニティーバス以外に、民間で高齢者等の移動支援を提供している例はあるのでしょうか。また、我孫子市や横浜市の先進事例を参考に、ぜひ本県でも同様の
交通手段提供の取り組みを推進すべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。
次に、障がい者福祉について質問します。まず、
障害者手帳のカード化について伺います。障がい者に交付される
障害者手帳は、本年四月一日以降、交付主体の都道府県や
政令指定都市、中核市の判断でカード型の手帳を発行できることになりました。カード型の手帳はプラスチックなど耐久性のある素材で運転免許証などと同じ大きさになります。現在の手帳は大きくて財布に入らず、持ち運びが不便、また、交通機関などを利用するたびに開いて提示するため、傷みやすいことも悩みの種となっていました。いわゆる本人確認のため、交通機関を利用するごとに
障害者手帳の提示を求めているのが現状です。しかし、手や腕が不自由な人にとっては、手帳の提示自体が負担を伴い、時間もかかります。
そこで、本県も今までの
身体障害者手帳や
精神障害者保健福祉手帳から
カード型障害者手帳に切りかえてはいかがでしょうか。利便性は高まり、そして
公共交通機関の利用もふえると思います。前向きな答弁を求めます。
次に、有料道路における障がい
者割引制度について伺います。福岡、
北九州都市高速では、割引の対象者としては身体障がい者の場合、障がい者御本人が運転される場合は、
身体障害者手帳の交付を受けている全ての方が対象になっています。また、障がい者御本人以外が運転され、障がい者本人が乗車される場合、
身体障害者手帳または療育手帳の交付を受けている方のうち、重度の障がい者が対象になっています。割引額は通常料金の半額と定められ、割引の対象となる自動車については、障がい者一人につき、事前に登録された自動車一台として、
所有者要件にも、個人名義に限るなど一定の条件が課せられています。この割引制度は、通勤、通学、通院等の日常生活において自家用車を利用されている障がい者に対して、通行料金を割り引くことにより、走行条件のよい有料道路を快適に御利用いただき、社会的自立をお手伝いしようという観点から導入されたものと理解しております。そこで、本年二月のことですが、身体障がい者は本人が運転しても割引があるのに、知的障がい者は本人が運転する場合は割引の対象になっていないのは理解ができないとの声が上がりました。疑問を呈され、知的障がい者に対する配慮がないのではないかとの声を知的障がい者団体からいただきました。
そこで知事に伺います。有料道路の障がい者割引において身体障がい者本人が運転される場合、
身体障害者手帳の交付を受けている全ての人が対象になるのに対して、知的障がい者の場合、本人が運転する場合は対象になっていないのは、知的障がい者に対する配慮が足りないのではないかと思っています。知事の見解をお聞かせください。
次に、発達障がい者支援について伺います。社会生活に支障を来している発達障がい者が、どの
障害者手帳の交付対象にも当てはまらないケースが本県でも発生しています。発達障がいは、自閉症のほか、集中力がない、また読み書きや計算が難しいといったさまざまな症状があり、外見からはわかりにくく困り事は十人十色です。近年、相談例は増加していますが、発達障がい者に特化した手帳制度は存在していません。しかし、行政の就労支援、税や公共料金の減免、
公共交通機関の割引などを受けるには、療育手帳か
精神障害者保健福祉手帳を取得するしかありません。このうち療育手帳は国が統一的な交付基準を示していないために、発達障がい者への配慮の度合いが都道府県によって異なっています。本県は、
IQ知能指数を七五と定め、発達障がいを考慮する特例措置の定めもありません。静岡県など十道県のようにIQ基準を緩和するとか、多様な症状を考慮するなど特例措置を設けてはいかがでしょうか。昨年の
予算特別委員会で、発達障がい者に対する手帳の交付基準の見直しをとの我が党の質問に対して、
福祉労働部長は、専門家や当事者らによる協議会を新設し議論すると述べました。
そこで知事に伺います。他県の基準や本県の問題点について、しっかり議論されているのでしょうか。また、その結果、交付基準の見直しや特例措置などを検討されたのかお聞かせください。
この項の終わりに、発達障がい支援の強化策についても伺います。一点目ですが、障がいも含み、妊娠、出産、子育ての相談に
専門スタッフが
ワンストップで対応する
子育て世代包括支援センターの設置は、現在、本県内六十市町村のうち三十五市町に限られています。また、発達障がいの早期発見につながるいわゆる五歳児健診の導入についても四市町に限られています。県内の市町村で生じている格差の解消に取り組んでいただきたい。そのためには、各市町村に対して早期の設置、導入に向け、知事の見解をお聞かせ願いたい。
二点目は、在留外国人の発達障がい支援について伺います。本県に住む外国人が急増する中で、外国人の子の発達のおくれが言葉の壁などの環境の要因なのか、発達障がいなのかの判断が困難だとの事例がありました。
ここで知事に伺います。現状を踏まえた早期発見、そして支援向上の方策を本県として検討してはいかがでしょうか。答弁を求めます。
次に、
私立高等学校の専攻科についてお聞きします。国は、一部野党の反対はあったものの、来年四月から、大学や
専門学校等の高等教育の無償化をする
大学等修学支援法を成立させ一歩踏み出すこととなっています。具体的には、大学、短期大学、
高等専門学校、そして専門学校における
住民税非課税世帯等の学生を対象に授業料等の減免制度の創設、
給付型奨学金の拡充が実施されます。例えば、来年四月からは一定の要件を満たした専門学校の
住民税非課税世帯の学生については、授業料が年間約五十九万円を上限に減免されることになっています。
ここで知事に具体例を挙げて質問します。本県の私立学校には、専攻科を設けている学校があります。例えば、
看護専攻科では、本科三年と専攻科二年間を合わせて五年一貫の
看護師養成課程を置き、看護師の受験資格を取得するための最短コースとなっています。しかし、現在は、専攻科の二年間は
高校卒業者であるため
高等学校等就学支援金の対象にはなっていませんし、来年実施される大学等の
高等教育無償化の対象にもなっていません。この点について、私たちは、公明党の
秋野公造参議院議員に情報提供しました。国会において秋野議員が、高校の専攻科についても教育費の支援を検討すべきではないかと質問し、文科省は、地域において専門的な人材を育成するための資格取得に対応した教育などを行っている課程があり、一定の社会的な役割を担っていると評価しながらも、現在、専攻科の学科や教育内容、修了後の進路、授業料や
教育費負担の状況の調査を行っているとの答弁がありました。
知事に伺います。まず、本県の
私立高等学校専攻科について、設置している学科ごとの高校数とそこに学ぶ生徒の数をお示しください。
次に、専攻科における教育内容、修了後の進路、授業料や教育費の負担の状況についてお示しください。
最後に、私たちは、
高等学校専攻科に学ぶ生徒たちについては、経済的支援はぜひとも受けられるような環境整備をしなければならないと考えています。知事には国に対して特段の御尽力を賜りたいと思いますが、知事のお考えをお聞きします。
次に、
鳥獣被害防止について伺います。本県のイノシシの第六期
特定鳥獣管理計画において、二〇二一年度までに
イノシシ被害額を三億円未満に抑えることを目標として、被害防除や捕獲の推進など総合的に実施しています。しかし、二〇一七年度の被害額は三億四千五百万円と目標達成には至っていない状況です。そこで、被害防止のための対応策について何点か提案します。
まず一点は、イノシシ、鹿、猿などの生息数や群れの状況、そして習性などの調査にドローンを使用した
集落環境調査の実施です。イノシシが掘った穴やけもの道、そして鳥獣のすみかなどを特定することによって、効率的な被害防除や捕獲対策を講じることができると思います。
二点目は、野生鳥獣を捕獲するハンターの高齢化と
後継者不足の問題です。本県の猟友会の会員は約二千五百人、そして銃の
免許取得者は約千五百人です。猟銃の
免許取得者は減少傾向なので、行政は免許取得に対する補助や、試験の回数をふやす、試験費用を減免するなど考慮してハンターを増員していくことが必要と思いますがいかがでしょうか。
三点目は、捕獲にかかる経費への支援についてです。捕獲経費に対しては補助はあるものの、採算ベースに乗らないので、手当などの見直しは必要ではないでしょうか。
四点目は、ジビエの供給と利用の拡大についてです。獣肉の鮮度を維持し、市場への流通を強化するため、
獣肉処理加工施設の増設や、新たに
移動処理車両などの導入を考えてはいかがでしょうか。また、ジビエ肉を地域の魅力ある資源としてのPRをし、もっと利活用する取り組みへの支援が必要と思われます。
何点か提案しましたが、それを受けての本県のイノシシの第六期
特定鳥獣管理計画の目標達成に向けて、今後、どのように取り組んでいくのか知事の見解を伺います。
次に、イノシシによる
農作物被害対策と同様に
人身被害対策も大変重要なので、ここでただしておきたいと思います。昨年十月、イノシシが住宅地などに出没し、人にけがを負わせる事故が福岡市で二件発生しました。また、私の住む北九州市門司区
小森江西校区内にある北川町砂防ダムにイノシシが二頭入り込み、マスコミを騒がせ、二週間とどまっていました。県は長年対策を講じてはいますが、今も夜になると住宅街や商店街の生活ごみを求めて走り回ります。住民が襲われないか心配する声も出ています。
そこで提案ですが、生活ごみが餌づけの大きな理由となっていることから、住民を守るパトロールを実施し、悪質な地域においては、この行為が人身被害を誘発する可能性があることを知らしめることが必要と思います。そこで、人身被害の防止策を地域住民にしっかりと周知するため、今後どのような取り組みを行っていくのかお答えください。
また、地域住民などからの被害情報や目撃情報をいち早く収集し、市町村とも情報共有することで、被害対策の強化が図られると考えますが、知事の見解をお聞かせください。
次に、
下関北九州道路について質問します。
下関北九州道路は、九州と本州を道路で結んでおります
関門トンネル、関門橋に加えて、三つ目のルートとして検討が進められております。
下関北九州道路は、平成二十年三月に個別の
プロジェクトに関する国による調査は行わないこととされました。しかし、この道路は、渋滞といった
既存道路ネットワークの課題の解消や
関門トンネル、関門橋の代替機能の確保、さらには
循環型ネットワーク形成による関門地域の一体的発展のため、早期の整備が必要な道路であることを、我が党では秋野公造、河野義博両参議院議員や衆議院議員を務めていた現
吉田宣弘県議会議員による国会論戦を重ね、
下関北九州道路整備促進期成同盟会などの取り組みで、
下関北九州道路は、既につながっている
関門トンネルや関門橋の
バイパス機能の確保など、他の五つの
海峡横断プロジェクトとは違いがあるという
石井国土交通大臣の認識に至らしめることができ、平成二十八年十一月には、一度、ゼロベースで必要性を再整理することが必要と考えているとの答弁が出ました。この
石井国土交通大臣の答弁を国の予算面で裏づけするものとして、平成二十九年三月に地域で行う調査が国の
道路調査費補助に採択されました。この調査費の補助を受けて福岡県、山口県、北九州市、下関市が中心となり、
下関北九州道路調査検討会が設置されました。また、この
調査検討会では、概略ルート、構造形式、整備手法の三つの観点から検討を行っており、地域住民、企業等へのアンケートや有識者等へのヒアリング、
PFI的整備手法の可能性を探る
民間意識把握調査を行うなど精力的な検討を進められ、本年三月には調査検討の取りまとめが行われたところであります。加えて、平成二十八年十二月には
福岡県議会においても
北九州下関道路整備促進福岡県議会議員連盟が結成され、建設に向けて、
自民党県議団、
民主県政県議団、緑友会、そして我々公明党といった党派を超えた協力体制のもと、熱心に活動が行われているところであります。このような各界各層の熱心な取り組みが実を結び、国は平成三十一
年度予算案において
下関北九州道路に対する国による
直轄調査事業費が計上され、採択されたところであります。このような経緯を踏まえますと、
下関北九州道路の実現に向けては、これまで高まってきた機運を冷やすことなく、国による調査に地元として最大の協力が必要であると考えております。さらに、これまで共闘してきた山口県を初め関係自治体などとの信頼関係、協力関係は強固になっていると思います。この事業の進展を
広域地域連携や産業連携など地域の発展に確実につなげていくためにも、これらの関係をますます強固にしていく必要があると考えます。
そこで知事にお尋ねします。
下関北九州道路の実現に向けての今後の取り組みについて、知事の見解を伺います。
次に、本県における
空き家対策の強化について伺います。全国的に、
空き家が年々増加しており、本年四月、総務省より公表された住宅・
土地統計調査の概数集計結果によりますと、二〇一八年十月時点では、
空き家数が約八百四十六万戸と言われており、総住宅数に対する割合、いわゆる
空き家率が約一三・六%とのことで、近年、大きな問題となっております。中でも、老朽化による倒壊や衛生環境の悪化など、老朽
空き家の件数も増加している現実があります。そこで、本県における老朽
空き家対策や
空き家の利活用についてお尋ねします。
初めに、周辺への影響が大きい老朽
空き家について、県内の直近の件数及びその状況についての知事の認識をお伺いします。
空き家対策においては、県内市町村との連携は、大変に重要であると考えます。県は、特措法の公布を念頭に市町村との協議を始め、施行後直ちに、県内全市町村と関係団体から成る
空き家対策の連絡協議会を設置していますが、どのような活動を行っているのか、お伺いします。
また、県では、昨年度、
空き家の流通促進を目的とした、市町村が所有する
空き家情報を集約した県版の
空き家バンクを開設したと聞いていますが、現在の運営状況をお聞かせください。
次に、老朽
空き家をふやさないためには、まだ使える
空き家の利活用を促すことが重要で、中古住宅の流通を促進することが必要だと思います。新築住宅にこだわらない世帯もふえる中、中古住宅市場の活性化は、子育て世帯などの若い人たちが十分な広さの住宅を取得しやすくし、定住化を促すことにもつながります。一方で、中古住宅の購入の際には、構造や雨漏りの心配といった不安な面があることから、中古住宅の流通を促進するためには、購入者が中古住宅に対する安心感を抱くことが重要です。この点について、現在、県がどのように取り組まれているのか伺います。
さらに、近年、高齢者のひとり暮らしや高齢者のみの世帯がふえている中、自分の子供や周囲の人たちに迷惑をかけずに人生を終えるための準備、いわゆる終活に取り組む人がふえていると聞きます。
そこで知事に伺います。これからの
空き家対策では、老朽化した
空き家への対策や
空き家の利活用を行うだけでなく、
空き家になる前に、所有者が自分の住まいの将来のことを真剣に考えることを促し、
空き家の発生の抑制につなげていくための取り組みも必要かと考えますが、知事の見解をお伺いします。
次に、人口減少、高齢社会に対応したまちづくりとICTの活用について質問します。近年、住宅や大規模店舗が郊外へ立地が進み、市街地が拡散する一方、急速な人口減少と高齢化によって、中心市街地では人通りのまばらな商店街や、
空き家、空き地など低未利用地が発生するスポンジ化が進行しており、その結果、広い地域に少ない住民が散在する低密度な市街地が今後増加すると想定されています。特に中山間地域や都市部の郊外で将来にわたって地域住民が暮らし続けるには、住民の生活に必要なサービスの提供が確保されることが最低条件となっています。人口が分岐点を下回ると、順次サービスの撤退が始まり、その結果、日常生活に不便を感じる住民が流出し、さらに人口減少が進む負のスパイラルに至るおそれがあります。居住する地域のサービスの消失は、他地域までのアクセスに時間を要し、住民がサービスを利用する困難度がふえていきます。こうした状況にあって、生活に必要なサービスを確保することは地域存在の前提となり、その対策が急がれるところであります。以下質問します。
まず、ICTの活用によっては、立地にとらわれずに生活に必要なサービスを提供することが可能となってきています。離島や過疎地など医療資源の乏しい住民に行われていた遠隔診療は、ICTの著しい進歩と遠隔診療への現場ニーズの高まりから、指針が示され、平成三十年度の診療報酬改定で位置づけられました。医師の偏在や働き方改革にも寄与するものと考えます。本県では遠隔診療にどのように取り組まれているのかお聞きします。
次に、日常生活で必要な飲食料品等は宅配で購入できますが、サービス拠点まで出向き地域の住民と交流することは、高齢者が健康的な生活を送る上で必要なことです。スーパーやガソリンスタンド、また銀行など生活サービスの拠点を集約する小さな拠点について、今後人口減少が進む中、高齢者の生活支援など地域の暮らしを支える上で、多くの地域で必要性が高まると考えます。
そこで質問です。市町村への小さな拠点形成の働きかけとプラン策定、そして継続して運営するための組織づくりなど官民協働で行うことが必要となりますが、本県はどのように推進するのか。小さな拠点の形成に当たっては、周辺集落から交通ネットワークでつなぐことが不可欠となりますが、どのように取り組まれるのか伺います。
三点目に、公共施設や商業施設、医療、介護サービス等の都市機能が適切に配置され、住民がアクセスしやすいまちづくりと、中心市街地とその周辺地域をつなぐ公共交通ネットワークを組み合わせた取り組みは、人口減少、高齢社会に対応する地方都市が目指すべき姿であり、高齢者が歩いてサービス施設にアクセスできれば、生活利便性は向上し、利用者がふえ需要が高まれば新たな事業者の進出も期待できます。本県では従来の土地利用の計画に加え、計画的に居住機能や都市機能の誘導を図るために立地適正化計画を策定する市町村支援などに取り組んでいますが、今後、加速度的に都市の衰退が進行するおそれも懸念される中、持続可能な都市を構築するためには、高齢者などに配慮したサービス拠点へのアクセスの向上や公共施設を活用した官民協働の取り組みによる地域経済の活性化を図るなど、計画の実効性を担保することが重要であると考えます。
そこで質問ですが、人口減少、高齢社会にあって、住民の生活に必要なサービスが享受でき、多様な世代が安心して快適に暮らせる持続可能な都市を実現するため、本県ではどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、学校における食物アレルギー対策について伺います。この十年間で食物アレルギーのある子供の人数がさらにふえており、食物アレルギーの原因となる食品なども多様化していると思われます。
そこで教育長に伺います。現在、食物アレルギーのある本県公立小中学校の児童生徒の状況は、どのようになっているのかお答えください。
また、県教委が配置している栄養教諭は、国の教職員定数の標準法に基づき配置されていますが、国が自治体に人件費を配分するこの基準は、栄養教諭制度が新設されて以降も学校栄養職員時代から全く変わっていません。それどころか栄養職員を配置し続けている自治体もあります。そうした中で、全校に栄養教諭が配置されなければ、一番大事な家庭や地域とつながる機会が少なくなり、子供一人一人のアレルギー体質を正確に把握することができないだけでなく、教職員との信頼関係もつくりにくくなっていきます。栄養教諭が働きやすい環境を整え、食育指導の学校間格差を是正するためにも、全校配置が一つの解決策となるのではないでしょうか。教育長の答弁を求めます。
また、本県の全ての給食調理場に、アレルギー対応食専用の調理室が完備されているわけではありません。食物アレルギーのある子供たちが給食の時間を楽しんで過ごすために、安全な給食を提供しようとする市町村教委や学校の取り組みに対し、支援すべきと思いますが、教育長の見解をお聞きします。
また、事故が起きた場合の備えも忘れてはいけません。誤食によるショック症状の発生などに備え、各自の役割分担を明確にした実践的なマニュアル整備と、ショック症状を緩和する自己注射薬エピペンを全教職員が扱えるための校内研修に取り組んではいかがでしょうか。新学期が始まって新入生も入り、教職員も入れかわりました。このような時期だからこそ、給食事故の防止のため、各学校は情報共有を一層徹底し、関係者一丸となって取り組むべきと思いますが、教育長の見解をお聞かせください。
次に、公立夜間中学設置についてお尋ねします。先日、福岡市博多区の千代中学校で開かれている自主夜間中学よみかき教室を私たち公明党福岡県議団は視察しました。この教室は、水曜日と金曜日に開かれています。授業が始まり、まず、校歌斉唱、ラジオ体操でした。そして金曜日は、個人学習、生徒さん自身の学びたいことの自由学習です。自分の学びたいことを学べる。先生がマンツーマンでつき、熱心に学習されていました。生徒さんの表情はとても明るく、笑いの中に真剣さがにじんでいました。その光景には、学ぶ楽しさが満開でした。戦後、貧困や差別により学校へ通えなかった子供たちに教育を受けさせたいという教師や地域の人々の熱意が夜間中学の開設を後押ししました。義務教育となった中学校における長期欠席者は多く、全国の公立夜間中学は、一九五五年がピークで八十九校、生徒五千二百八人までになりました。それ以降減少に転じ、一九六六年、少年労働に関する行政監察結果に基づく勧告がなされ減少に拍車をかけました。しかし、廃止勧告に対する反対運動も起き、再び夜間中学が設置されるようになり、生徒層も変化があり、一九六〇年代からは、学齢超過者(十六歳以上)が多数占めるようになってきました。日韓、日中の引揚者、帰国者の入学が急増する、また就学猶予、免除を受けていた障がい者の方々が学び直しのために入学するケースもふえ、そういう時代背景の中、一九九七年、福岡よみかき教室は誕生しました。ことし五月で開設二十二年目を迎えたそうです。
さて、国も近年、ようやく動き出しました。二〇一五年、公立夜間中学に既卒者の再入学を認める、二〇一六年、教育機会確保法制定により不登校になっている学齢生徒の夜間中学での受け入れ可能を通知しました。福岡大学の添田祥史准教授は二月に行われた日教組の教育研究全国集会の特別分科会の席上、二〇一〇年の国勢調査で示された義務教育未就学者数は、全国十二万八千百八十七人で福岡県は全国四位で六千五百四十三人、九州では最も多いと指摘しています。また、報道によれば、今月五日に千代の夜間中学を文科省教育制度改革室長が視察をし、生き生きと楽しそうに勉強する姿が印象的だった、各
政令指定都市に一つは公立夜間中学を設置するよう促していきたいとコメントが掲載されています。文科省によると、公立夜間中学は九都道府県に三十三校あるが、九州にはないという実態です。
そこで教育長に尋ねます。まず、夜間中学に関する認識をお聞かせください。六千五百四十三人という数字に対し、どのような感想をお持ちでしょうか。
文科省は、学び直しのための公立夜間中学を
政令指定都市に一つ設置をとコメントしています。私たち公明党は、一人も置き去りにしない教育との政治信条から、両政令市と筑豊、筑後地域に四カ所、それぞれ設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。
本県には、自主夜間中学が三教室あります。すぐに県としてサポートできるのは、県の広報紙で夜間中学のアピールをしてあげることです。ぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、お答えください。
次に、高齢ドライバー対策についてお聞きします。昨今、高齢ドライバーによる人身事故が続いています。本年四月、東京池袋で八十七歳の高齢者の運転する車が暴走し、母子が亡くなっています。六月には本県早良区でも、六台が絡む多重事故で、運転していた八十一歳の男性と助手席の妻が死亡されました。その事故の大きさにマスコミは大きく取り上げていますが、私たちの仕事は、高齢ドライバーの安全対策や生活環境の整備を整えることこそ大事だと思っています。七十五歳以上に焦点を当てると、個人差はあるものの、七十五歳から身体的、精神的にも衰えてくる年代であると言われています。さらに、二〇二五年には団塊の世代全員が七十五歳以上となり、医療、介護の対策は当然のことながら、それ以外にも対応策を考えなければなりません。生活の足の確保などもその一つであります。
警察本部長に伺います。本県の七十五歳以上の運転免許証の保有数は、この十年間でどのような推移を示していますか。二〇二五年にはどのようになっていると予測されますか。お答えください。
次に、事故の実態をお聞きします。七十五歳以上の事故の割合は、それ以下の年齢層に比較してどのような特徴があるかお答えください。
次に、認知機能検査について伺います。平成二十一年三月に施行された道路交通法により、七十五歳以上で運転免許を更新する際は、認知機能検査が義務づけられました。平成三十年、福岡県では、認知機能検査を受けた方は八万一千七十三人、そのうち認知のおそれがあるとされた方の数は二千百八十一人です。さらに、自主返納や失効など免許を失った方の人数は九百二十二人に上ります。本県は、認知機能検査の予約をコールセンターにおいて教習所の混雑を避けるために、予約制度を実施していますが、現状をお示しください。
さらに、認知症のおそれが見当たらず継続して運転している方については、どのように対応しているのかお示しください。
次に、病気等で高齢者が、自主返納の意思があるが、警察署に行けない場合はどのような対応を行っているのか、ガイドラインがあればお示しください。
次に、免許証の自主返納した方に対する特典について伺います。自主返納をためらう人は、七割の方が、生活が不便になるという理由であると聞いています。自主返納を促すのであれば、返納後の高齢者の生活の不便を解消する環境をつくることこそが知事の仕事であると強く申し上げておきます。
そこで何点か知事にお聞きします。公明党の提案で、免許証を自主返納する際には、知事部局と警察が連携をとり合って地方自治体で実施している高齢者に対するサービスや連絡先などの情報を警察署の窓口で一覧にして配布することとなっていますが、情報の更新はどのように行っているのかお示しください。
警察本部長にもお聞きします。自主返納者に対してどのように配布しているのかお聞きします。
次に、知事に伺います。本県において運転免許証を自主返納し、運転経歴証明書を提示することで、どのようなサービスや情報提供を行っているのかお答えください。
次に、車の安全対策について伺います。まず、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違い対策について、熊本県の企業が開発した急発進をさせないペダル、ワンペダルや、急なアクセルを感知すると制御する装置、ペダルの見張り番など後づけ装置が開発されています。東京都は、自己負担の九割を助成することを六月議会で表明しました。福岡県でも東京都が行うような助成制度を設けるべきと思いますが知事の答弁を求めます。
代表質問の最後の項として、ゲーム依存症対策について伺います。先月、WHO(世界保健機関)は、病気の名称や症状を示す統一基準として広く使われる国際疾病分類の最新版に、オンラインゲームなどに没頭し、生活や健康に支障を来すようになる状態であるゲーム障がいを加え、新たな依存症であることを認定しました。これはネット依存に陥る人の増加が世界中で社会問題となっているという憂慮すべき事態に警鐘を鳴らしたものであります。韓国では、過去に八十時間以上オンラインゲームを続けた若者が血栓症で死亡するという痛ましい事故も起きました。厚生労働省が二〇一二年に実施した調査によると、我が国では、成人約四百二十一万人、中高生約五十二万人に、ゲームを含めたインターネット依存のおそれがあると推計されており、さらに二〇一七年の調査では、中高生は九十三万人と、五年間で四十万人も増加しているという数値もありました。
そこで知事に伺います。国際的に疾患として認定されたこの機会に、本県におけるゲーム依存症に関する実態調査をしてはいかがでしょうか。
あわせて、インターネット依存対策について、その予防と治療体制の充実が必要と思われますが、県内で相談できる医療機関は限られており、専門の医師も少ない状況であると言えます。また、特に心配なのが若年層の依存症で、一度、依存症になってしまうと大人と比べて治りにくいと久里浜医療センターの樋口進院長は指摘されております。子供を重症化させないために、家庭や学校がどう対応すべきかという点を最重要課題として、予防策の強化や治療体制の構築など県全体を挙げて取り組んではいかがでしょうか。前向きな答弁を期待し、公明党を代表しての質問を終わります。
御清聴大変にありがとうございました。(拍手)
3 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。
*知事答弁
4 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず初めに、第四次産業革命、これについての考え方でございます。AI、IoT、5Gといった最新技術を用いることによりまして、大量生産、画一的サービスの提供から、個々のニーズに応じた効率的な生産、サービスの提供への移行、資源、資産の効率的な活用、人が行っております労働のロボットやシステムによる代替、補完を進めていくことによりまして、産業の生産性の飛躍的向上を図ることができます。また、それは生産、販売、消費といった経済活動だけにとどまるものではございません。地域の足の確保、保健医療、介護福祉など幅広い分野におきまして、それぞれの生産性の向上や人材不足対策、働き方改革といったものを推進させることにもつながってまいります。私が三期目のビジョンで掲げましたこの第四次産業革命というのは、そうした全てのことを含む意味で使わせていただいているところでございます。
次に、百年
グッドライフ福岡県についてでございます。御指摘の病気など社会的に弱い立場にいらっしゃいます県民の皆様に対しまして、三期目のビジョンにおいて、弱い立場にある方々、困難な問題を抱えておられる方々に寄り添う温かみのある行政を推進し、県民の皆様が生涯にわたって安心して暮らせる地域づくりに引き続き取り組みますと明確に掲げさせていただいております。その上で、我が国は世界有数の長寿国となりましたけれども、生涯にわたり安心して暮らし、そして元気に活躍し続けるためには、健康寿命をさらに延ばしていくことが重要でございます。このため、県民一人一人の健康寿命を延ばす、ふくおか健康づくり県民運動と、スポーツの力でもって県民生活を元気にするスポーツ立県福岡、これらを推進し、その相乗効果によりまして県民の皆様を元気にし、百年の人生を充実して過ごせる福岡県にしたい、そういう思いを込めまして、三期目のビジョンの一つとして、百年
グッドライフ福岡県というものを掲げさせていただいたところであります。
次に、現在の課題でございます。まず第一は、豪雨災害の復旧、復興でございます。一昨年、昨年の豪雨災害の復旧、復興については、まさにこれからが正念場だと考えておりまして、被災者の皆様の生活再建を進めるとともに、道路、河川、治山ダムといった公共土木施設はもとより、農地、農業用施設の復旧を加速化させまして、目に見える進捗を図っていき、一日も早い被災地の復旧、復興をなし遂げていきたいと考えております。そして、最も大きな課題が地方創生でございます。現在、福岡県は前の年に比べて人口がふえております七都県の一つになってございますが、将来に備えていくため、地方創生が喫緊の課題であります。この大きな課題に立ち向かっていくため、県民の皆様が誰もが住みなれたところで働く、暮らす、育てる、この三つができる地域社会をつくってまいります。そして、先ほども申し上げましたが、弱い立場にいらっしゃる方、困難な問題を抱えておられる方々に寄り添う温かみのある行政に、これまで以上に力を入れさせていただきたいと思います。これらの課題に積極果敢に挑戦をいたしまして、県民の皆様が生涯にわたって安心して暮らしていただけるような福岡県、地域社会をつくってまいります。
次に、二十九年度の実質収支についてお尋ねがございました。二十九年度決算におきましては、景気回復に伴い県税収入が増加したこと、また経費節減に努めたことなどから、実質収支は七十六億円と過去最高額となってございます。この実質収支を他県と比較いたしますと、金額ベースでいきますと十番目、十位、財政規模に対する比率は二十九位となってございます。実質収支の二分の一に当たります三十八億円につきましては、地方財政法の規定によりまして財政調整基金に積み立て、今年度の当初予算では、収支均衡を図るため、同基金から十八億円を繰り入れたところでございます。実質収支のうち残る三十八億円でございますけれども、繰越金といたしまして三十年度の歳入に計上し、豪雨災害の復旧、復興、ブロック塀の安全確保対策などに充当したところでございます。
公明党県議団の皆様方からの御要望についてでございます。
公明党県議団の皆様から、昨年十月末でございますけれども、豪雨災害からの復旧、復興、景気、雇用対策、安全、安心な社会保障の構築など、いずれも県政の重要課題について貴重な御要望をいただいたところでございます。当初予算に計上いたしましたその主なものを御説明させていただきます。まず、豪雨災害の復旧、復興では、被災者の皆様の生活再建を図るため、災害公営住宅等を着実に完成をさせる、そのこととあわせて、仮設住宅等からの引っ越し費用などを助成することといたしております。また、被災した道路、河川などの復旧を加速をし、災害の再発防止にも努めていきます。次に、時代の変化へ対応するため、第四次産業革命への取り組みにつきましては、人手不足に悩む中小企業の生産性の向上を図るため、中小企業診断士等専門家を派遣をいたしまして、現場の実態とニーズを踏まえた最新の技術の導入をきめ細かく指導してまいります。また、百年
グッドライフ福岡県の構築につきましては、ふくおか健康づくり県民運動を推進するため、新たに、アプリを活用した健康ポイント事業などを実施させていただきます。スポーツ立県福岡につきましては、ラグビーのワールドカップ二〇一九の開催、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた事前のキャンプの受け入れを進めてまいります。地方創生の実現に向け、住みなれたところで働く、暮らす、育てる、この三つができる
地域社会づくりにつきましては、地域資源を活用した観光プロモーションの強化などによりまして、国内外からの本県への誘客を促進してまいります。また、待機児童解消を図るため、新たに三歳未満児の受け入れをふやす保育所等を支援いたしますほか、糸島特別支援学校、これ仮称でございますが、その新設に向け、基本設計に着手することといたしております。
次に、二〇四〇年、二〇四〇問題への対応でございます。いわゆる団塊ジュニア世代が高齢者となります二〇四〇年には、高齢者の増加、そして現役世代の急激な減少によりまして、我が国は、経済活動、また社会保障制度を維持していく上で大きな課題に直面すると指摘されております。この将来的な課題に対応していくためには、まず県民の皆様が元気である、また健康であることが重要であります。県民お一人お一人の健康寿命を延ばす、ふくおか健康づくり県民運動と、先ほど申し上げましたスポーツの力で県民生活を元気にするスポーツ立県福岡、これらを一緒に推進し、その相乗効果によりまして、県民の皆様を健康で元気にしてまいります。あわせて、病床転換を初めとする医療提供体制の整備、高齢者地域包括ケアシステム体制の確立などを計画的に進めていき、医療、介護、福祉サービスの整備というものを図ってまいります。労働力不足につきましては、AI、IoT、ロボットといった最新技術を先導的に導入をいたしまして、企業の生産性を高めるとともに、地域交通、保健医療、介護福祉など幅広い分野における人材不足に対応してまいります。また、女性、高齢者、障がいのある方など働く意欲のある全ての方が活躍できるよう、七十歳現役社会づくりや女性や障がいのある方への就労支援に今後とも取り組んでまいります。介護人材につきましては、今年度、新たに設置いたしました介護人材確保対策室、ここを中心に、高齢者など介護未経験者の参入の促進を図ることなどに努めまして、その確保に努めてまいります。ことし四月に新たな在留資格制度が施行され、外国人の受け入れが拡大されましたことを踏まえまして、関係する機関、団体による福岡県外国人材受入対策協議会を設置したところであります。この協議会を通じまして、外国人材の受け入れの環境の整備を図ってまいります。二〇四〇年問題という大きな課題に対し、中長期的な視点を持ちまして、庁内各部局連携して、しっかり取り組みを進めさせていただきます。
次に、
コミュニティーバスの広域運行についてお尋ねがございました。福岡県総合計画におきましては、市町村域を越えた
コミュニティーバスの広域運行路線を平成二十七年度時点の二十八路線から、令和三年度末までに四十路線にふやす、そういう目標を掲げております。広域運行路線は、今年度に入りまして五路線増加いたしました。現在、県境を越えて運行している三路線と合わせまして三十八路線となってございます。まずは、この目標としております四十路線への拡大というものを図っていき、その目標達成後も、路線バスが休廃止となるような地域における買い物、通院といった生活実態を踏まえて、
コミュニティーバスの広域運行を初めとする移動手段の確保というものを進めてまいります。
高齢者の
移動支援策にかかわる自治体との連携でございます。現在、大牟田市と荒尾市、久留米市と鳥栖市におきましては、県境をまたいだ路線バスが運行されております。それぞれ関係する市町、国、県、
交通事業者による協議会を設置し、その利便性の向上や利用促進のための連携というものが行われております。このような取り組みを進めていくために、県をまたいだ生活圏が形成された地域におきまして、必要に応じ、県及び県の枠を超えた自治体などの関係者によりまして課題を共有するための場を設けていき、路線の見直しや異なる交通手段の接続改善など、これらについての協議を進めてまいります。
次に、県内の移動困難者の状況把握についてお尋ねがございました。高齢化に伴いまして、高齢ドライバーによる交通事故が今、社会問題化しております。そういう中にありまして、過疎地域や中山間地域のみならず都市部においても、高齢者が住みなれた地域で安心して日常生活を送るため、通院、買い物など移動手段の充実確保が必要となってございます。県といたしましては、市町ごとに設置され、自治会の代表など住民の代表の方々も参加いただいております地域公共交通会議を通じまして、移動困難者の状況を初めとする地域の課題をお聞きし、市町村の実情に応じた支援を行うことによりまして、日常生活に必要な交通手段の充実とその確保に努めてまいります。
民間による高齢者の移動支援についてでございます。議員のほうからは、我孫子それから横浜の例に触れられましたけれども、本県におきましても、路線バスが廃止、減便となった地域におきまして、地元企業や社会福祉施設が地域住民の通院、通学、買い物のために
無料送迎バスを運行している例がございます。このような企業や社会福祉施設の地域貢献活動の事例につきましては、路線バスや
コミュニティーバスの継続が困難な交通空白区域における移動手段の確保に有効でありますことから、地域の実情に応じまして、市町村へのこれらについての情報提供に努めてまいります。
障害者手帳のカード化についてでございます。本年四月、身体障がいと精神障がいに関する施行規則が改正をされました。障がいのある方が希望する場合には、カード形式の手帳を発行することが可能となりました。カード化の実施に向けましては、現行の手帳発行管理システムの改修、運用コスト、入力業務に関する県と市町村の役割分担など課題がございます。このため、カードについての当事者のニーズ、市町村の意向を確認しながら検討を進めさせていただきます。また、導入に必要な経費につきましては、国が責任を持って財源措置するよう要望を行ってまいります。
次に、福岡、
北九州都市高速における知的障がい者本人に対する割引制度でございます。現在の有料道路制度というのは、道路の建設、管理等に要する費用を借入金で賄い、利用者からいただく料金収入でもってその借入金を返済することで成り立っております。割引に伴う減収につきましては、他の利用者からいただく通行料金がその財源となっているわけであります。したがいまして、新たな割引制度を導入する際は、他の利用者との均衡を図る観点というものが必要となります。現在、有料道路の割引措置につきましては、全国の有料道路事業者の申し合わせにより統一をされております。このため、各有料道路事業者とも連携し、検討していただく必要があるものと考えております。今回御質問のありました知的障がい者の御本人についてのお声につきましては、福岡北九州高速道路公社に私のほうからしっかりお伝えしたいと、このように考えております。
次に、発達障がい者に対する療育手帳の交付でございます。県の療育手帳の交付にかかわる判定基準におきましては、IQの上限をおおむね七五までとしておりますけれども、発達障がいのある方については、判定に当たって面接を行い、御本人の状態を確認をし、保護者及び市町村からの聞き取りを通じて支援の必要性を総合的に判断した上で、IQが七五を上回る方であっても手帳の交付を行っているところであります。判定基準の考え方につきましては、知的障がいと発達障がいの判定にかかわっております県の関係職員による検討を行いますとともに、
政令指定都市の職員、専門医、相談機関、当事者団体などを加えまして協議を行ってまいりました。その中で、県の基準については柔軟な対応を求める意見がある一方で、発達障がいがあることをもって判断基準を変更する場合、IQ上限をどこに設定するか客観的な根拠を見出すことが難しい、そういった意見もございました。また、数値に縛られると、かえってお一人お一人の状況に応じた判定が難しくなるのではないか、そういった御意見もありました。このように現状では統一的な意見の集約に至っておりません。このため、今後とも検討を続けさせていただきたい、継続していきたいと考えております。
次に、市町村における
子育て世代包括支援センターの設置等についてお尋ねがございました。
子育て世代包括支援センターは、母子保健法に基づき、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を行うことを目的に市町村が設置するものでございまして、国は、令和二年度末までに全市町村での設置というものを目指しているところであります。県におきましては、これまで市町村の担当職員が出席いたします会議、研修会等におきまして、このセンターの役割や設置に対する補助制度について説明をするほか、先駆的な市町村の取り組みについてもそれを紹介し、その設置というものを促してまいりました。その結果、センターの設置市町村数は年々増加してきておりまして、本年の四月一日現在で三十五市町で設置されております。国が目指す令和二年度末までには県内全ての市町村で設置される予定となってございますが、これをできるだけ早期に設置ができますよう、未設置の市町村に対し、引き続き働きかけを続けてまいります。
また、五歳児健診につきましては、国は、発達障がいの早期発見に対する有効性を今、明らかにしていない状況でございますので、国の動向を引き続き注視をさせていただきます。発達障がいを早期に発見するためには、幼児と接する機会の多い方たちが発達障がいの兆候に早く気づくことが大切であります。このため県におきましては、発達障がいへの対応力を向上させるためのかかりつけ医の皆さんに対する研修、相談、支援の知識や技術を習得していただくための保育士、幼稚園教諭及び保健師の方々に対する研修というものを実施し、発達障がいの早期発見に努めているところでございます。
次に、在留外国人の発達障がいについての支援でございます。発達障がいの早期発見と支援を行うためには、医療機関の受診というものが必要であると考えます。県におきましては、この外国人向けの支援といたしまして、医療機関を受診される場合には通訳サービス、また外国語による医療情報の提供といったものを行っております。発達障がいのあるお子さんを持っておられる外国人の保護者に対しましては、国は、教育、医療、福祉サービスを紹介するパンフレットをホームページで公開をいたしております。県といたしましては、そうした支援に係る情報が県内にお住まいの在留外国人の方々に届くよう市町村を通じて働きかけを行うとともに、県の発達障がい支援機関にかかわる情報の提供についても検討を進めてまいります。
次に、本県の
私立高等学校専攻科についてでございます。本年五月一日現在、福岡県の
私立高等学校の専攻科には、
看護専攻科と自動車専攻科の二学科ございまして、
看護専攻科は八校、生徒数七百五十九人、自動車専攻科は二校、生徒数六十一人とそれぞれなっております。
看護専攻科におきましては看護師の資格を、自動車専攻科では二級整備士の資格をそれぞれ取得するために必要な授業や実習が行われておりまして、専攻科修了後の生徒の九割が就職をされ、残りの一割が大学等へ進学をされているところであります。また、その入学金は平均が三万円、年間の授業料は平均が三十二万円、実習費や教材費、これが平均三十一万円とそれぞれなっているところであります。
私立高等学校専攻科に対する経済的支援についてお尋ねがありました。国は、意欲と能力のある生徒が経済的理由により進学を断念することがないよう、安心して学ぶことができる環境を整備するため、来年四月から、大学、
専門学校等の高等教育の授業料、入学金の減免、
給付型奨学金の支給というものを行うことといたしております。しかしながら、御指摘がありましたように、看護師、自動車整備士といった専門的な人材を養成する
高等学校専攻科につきましては、この経済的支援の対象とされておりません。一方で、同様の人材を養成をいたします専門学校の学生については、経済的支援の対象とされております。私は、これは均衡を失するものであると考えております。このため、国に対しまして、こうした実情を説明をし、
高等学校専攻科の生徒についても経済的な支援の対象とするよう要望してまいりたいと、このように考えております。
次に、イノシシの
特定鳥獣管理計画の目標達成についてでございます。まず、ドローンの活用でございますが、現在、国におきまして、ドローンを使って野生鳥獣の生息数、また行動状況を把握する技術の実証を行っております。今後、その結果を踏まえまして、活用について検討を進めてまいります。
銃猟者の確保につきましては、県におきまして、狩猟免許の取得経費を助成するとともに、この試験の回数を年二回から四回にふやしたところでございます。その結果、銃猟の免許合格者は毎年増加をいたしておりまして、平成二十七年度以降、百名以上の合格者を輩出しているところであります。引き続き、銃猟者の確保に努めてまいります。
次に、捕獲活動経費の支援でございます。捕獲したイノシシの処分方法に応じまして、一頭当たり七千円から九千円交付をさせていただいておりますけれども、これに対して市町村で上乗せをしているところがございます。その場合、特別交付税が措置をされますので、こういった国の制度の活用についても周知を図っているところであります。
ジビエの供給拡大につきましては、
獣肉処理加工施設、
移動処理車両に対しまして国の交付金の活用が可能となってございまして、昨年度、この国の交付金を活用いたしまして、田川市と豊前市で施設が整備されております。今後とも、市町村の御要望を踏まえながら対応を進めてまいります。利用拡大でございます。平成二十五年度から、県内の飲食店でジビエ料理を提供する、ふくおかジビエフェアというものを開催をしてきておりまして、参加店舗、来客数とも年々着実に増加をしております。引き続き、その参加店舗の拡大に努めてまいります。
県といたしましては、引き続き、関係機関と連携をいたしまして、今申し上げましたような取り組みを進めていき令和三年度までに被害額を三億円未満に抑えるよう、そのイノシシの
特定鳥獣管理計画の目標の達成を図ってまいります。
次に、
人身被害対策でございます。近年、農山村の集落はもとより、市街地までイノシシが出没をし、人的被害が発生をいたしております。このため県におきましては、ごみやペットの餌の放置による無意識の餌づけ、その防止、またイノシシと出くわした際の対応などをまとめました鳥獣被害対策実践マニュアルというものを作成し、ホームページを通じ、その周知を図っております。市町村におきましても、この私どものマニュアルを活用してチラシ、広報紙、市町村のホームページへの掲載、また広報車での巡回によりまして、対応策の周知というものを図っているところであります。また、地域の住民の皆様からの被害情報、これにつきましては農林事務所ごとに市町村、県、狩猟者等で構成しております鳥獣被害対策広域協議会を設置をしておりまして、情報収集を行い、その共有というものを図ってきているところであります。今年度からは、鳥獣保護管理員や森林保全巡視指導員からの被害情報、また目撃情報につきましても、この協議会において情報を共有することといたしておりまして、そこで集まった情報についても地域の皆様方へ周知をすることで被害対策強化を図っていきたいと、このように思っております。
次に、
下関北九州道路の実現に向けた取り組みでございます。この道路の実現に向けましては、議員も御指摘になりましたように、これまで福岡県、山口県、北九州市、下関市の各地元自治体、そして党派を超え応援をいただいております
北九州下関道路整備促進福岡県議会議員連盟など各議会の議員連盟、九州経済連合会など経済界が一体となりまして、その必要性、緊急性というものを国へ精力的に訴えてきたところであります。その結果、私ども地域が主体となった
下関北九州道路調査検討会、これは技術的、資金面での支援も受けたわけでございますが、そこでの取りまとめを踏まえ、今年度から国が直轄調査を行うことになったわけであります。言うまでもなく、この道路の早期実現のためには、国による直轄調査を迅速かつ着実に進めていただく必要がございます。我々といたしましては、一日も早いこの道路の実現に向けまして、国の調査に全面的に協力をするとともに、引き続き、地元自治体、議会、経済界、より緊密な連携を図っていき、整備促進大会の開催など機運を醸成しながら、要望活動など国への働きかけというものを続けてまいります。
次に、県内の老朽
空き家対策でございます。空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき市町村が実施をしております
空き家の実態調査によりますと、県内の
空き家は、平成三十年度末時点におきまして四万五百四十三戸でございまして、そのうち老朽
空き家は九千三百七十四戸となってございます。適正に管理をされていない老朽
空き家が増加をいたしますと、防災、衛生、景観など周辺の生活環境に悪影響を及ぼします。そのことから、地域住民に身近な市町村が
空き家の適正管理の促進に取り組むことが非常に重要でございまして、県といたしましては、市町村に対し、情報提供や技術的助言などの支援を行ってきたところであります。
福岡県空家対策連絡協議会の活動についてお尋ねがございました。県が平成二十七年三月に設置をいたしましたこの協議会では、まず老朽
空き家のうち、周辺に著しく悪影響を与える特定
空き家の判断基準、特定
空き家の所有者の調査方法、所有者に対する勧告、命令等の手順、所有者不明の特定
空き家に対する略式代執行の手順などについての手引や事例集を作成をいたしました。また、あわせて
空き家対策に取り組む市町村職員を対象とした説明会や研修会というものも毎年実施してきているところであります。また、平成二十八年度からは、県土整備事務所管内ごとに、地域の課題を解決をするため、市町村の担当者との間で意見交換や協議を進めてきているところであります。
県版
空き家バンクの運営状況についてでございます。県におきましては、昨年度、公益社団法人福岡県宅地建物取引業協会及び公益社団法人全日本不動産協会福岡県本部と連携をいたしまして、市町村の
空き家情報を集約した福岡県版の
空き家バンク、これをそれぞれの情報サイトに開設をいたしました。開設をいたしましたサイトにおきましては、利用者に対し、物件情報に加えて、それぞれの町の魅力、移住者への支援策等についてもその情報の提供を行っております。また、県内外に広くその周知を図るため、本県の移住・定住ポータルサイト、また東京、関西、中京にあります各福岡県人会のホームページからも、これらのサイトにリンクをさせているところでございます。この県版
空き家バンクの参加市町村数でございますけれども、開設当時から七市町ふえまして、現在、四十一市町村となってございます。今後も、
空き家バンクを設置していない市町村を訪問するなど、その参加について働きかけを続けてまいります。
中古住宅を安心して購入できるようにするための取り組みでございます。既存住宅を安心して取引していただくためには、買い主の不安を解消することが必要でございます。そのために、専門家による住宅性能に関する建物現況調査でございます住まいの健康診断を普及していくことが重要であると考えております。このため県では、平成二十三年度から、住まいの健康診断の費用への助成を行っております。この費用につきましては、福岡県宅地建物取引業協会や全日本不動産協会福岡県本部からも、それぞれ独自の追加の助成が行われておりまして、その普及に御協力をいただいているところでございます。また、既存住宅の流通促進をテーマとしたセミナーや相談会を通じまして、県民や事業者の皆様に対して、住まいの健康診断の普及啓発を行っているところでございます。これらの結果、実施件数は年々増加をし、昨年度は四百五十二件となっているところでございます。
次に、
空き家の発生抑制でございます。所有者が自分の住まいの将来について、
空き家になる前に、その利活用あるいは処分のことを考えていただくことが重要であります。このため今年度、福岡県空家対策連絡協議会の活動といたしまして、市町村が自治会などと連携して、今後
空き家になる可能性のある住宅を把握をする、その所有者に利活用や処分の検討を促していく仕組み、司法書士や宅建事業者など専門家が連携して、その住宅の利活用や相続手続など所有者からの相談に応じていく仕組み、それらについて検討を進めることといたしております。また、中古住宅市場などを活性化をするため、県、政令市及び住宅関連の業界団体等で設置をいたしております住宅市場活性化協議会の活動といたしまして、
空き家にしないための自宅の有効活用について、県民の皆様を対象にしたセミナーを開催することといたしております。
次に、ICTの活用による遠隔診療についてお尋ねがございました。遠隔診療は、医師と患者が直接対面して行う診療の例外として認められているものでございます。触診ができない、そういった得られる患者情報が限られるといった制約もございますけれども、離島や僻地など医療の確保が困難な地域の患者さんにとりましては、医療を受ける機会を確保する有効な手段でございます。県内における例といたしましては、北九州市の離島でございます藍島の診療所におきまして、医師が不在の日に、テレビ電話システムを活用した遠隔診療というものが実施されているところであります。県におきましては、離島や僻地にあります医療機関などに対しまして、この遠隔診療の実施に必要な通信機器等の整備にかかわる補助事業というものをやっております。そのことを紹介をし、その活用を促しているところでございます。
次に、小さな拠点の形成についてでございます。小さな拠点の形成は、人口減少、高齢化が著しい中山間地域等におきまして、生活サービス施設の撤退等に対応し、将来にわたって地域の住民の皆さんが暮らし続けることができるようにするため、集落生活圏を維持していくための生活サービス機能の集約、確保と集落生活圏内外との交通ネットワーク化、この二つを図るものでございます。この小さな拠点の形成には、地域住民みずからによります主体的な地域の将来計画の策定と、その取り組みを持続的に行うための地域運営組織づくりというものが必要になります。これまで県は、市町村や自治会長といった地域のリーダー層向けの研修会、個別の助言等を通じまして、この小さな拠点の形成を促してまいりましたけれども、地域運営組織の財政的な基盤が弱く、地域の将来計画の策定経費、これを拠出することも困難な状況にございました。このため今年度から新たに、小さな拠点の形成に向けた取り組みを進めようとする自治会等の地域団体に対しまして、将来計画の策定と住民による地域運営組織の体制確立等に要する経費、その支援を行う考えでございます。また、この圏域内外との交通ネットワーク、これにつきましては集落を結ぶ
コミュニティーバスの新規路線開設に対する補助率の優遇、地域コミュニティー運送の実証実験経費の助成によりまして、市町村の取り組みというものを支援しているところであります。
持続可能な都市の実現に向けた取り組みでございます。今後、本県におきましても、人口減少やさらなる高齢化が見込まれます。そのことから、持続可能な都市づくりについて、居住機能、医療、福祉、商業といった都市機能、それらの適正な立地を図っていくことが必要でございます。現在、市町村に対し、町なかや公共交通の沿線にそうした機能を誘導するための立地適正化計画の策定について促しているところであります。また、昨年度から、県独自の事業といたしまして、市町村が公共交通から医療機関など都市機能へのアクセス改善を検討する取り組み、住民や事業者等と連携し住宅地内の
空き家や空き店舗を活用して行うまちづくり活動に対し、それぞれ支援を行っております。さらに、今年度から、民間事業者等に呼びかけまして、町なかの公共不動産の有効活用を図り、さらなる民間投資を呼び込むなど魅力的なまちづくりの促進にも取り組んでまいります。今後も、このような取り組みを通じまして、都市機能へのアクセスの向上、
空き家、空き店舗、町なかの公共不動産を活用した地域の活性化を図ってまいりまして、持続可能な都市づくりというものを進めてまいります。