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令和元年6月定例会(第8日) 名簿
令和元年6月定例会(第8日) 本文

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  1. 福岡県議会 2019-06-08
    令和元年6月定例会(第8日) 本文


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(栗原 渉君) ただいまから本日の会議を開きます。  日程に従い代表質問を行います。順次発言を許可いたします。香原勝司君。(拍手) *香原議員質問 2 ◯四十二番(香原 勝司君)登壇 皆さん、おはようございます。自民党県議団の香原勝司でございます。ただいまより代表質問を行います。  令和新時代に入り、初めて迎えた福岡県定例県議会であります。会派を代表して質問に立たせていただきますことを、まことに名誉に思い、機会を与えていただいた県議団会長を初め県議団の先輩各位に深く感謝をするところであります。もとより、令和の新時代を迎えたといえども、歴史に切れ間があるわけではありません。我々は今日の福岡県と福岡県議会を築いていただいた先人の努力に深く感謝し、これを継続しながら、令和新時代にふさわしい新しい県政と県議会を築いていかなければなりません。そのためにも、この代表質問がその第一歩、いわば嚆矢となることを念じているところであります。  さて、具体的質問に入ります前に、さきの県知事選挙のさなかに見られた、文字どおり知事の政治姿勢についてただしておきます。議員各位、十二分に御承知のように、小川知事が三たび選ばれた、さきの福岡県知事選挙において、私たち自由民主党福岡県連並びに自由民主党福岡県議団は、武内和久氏という将来を嘱望されていた元中央省庁の中堅官僚を推し、小川知事と戦ったわけであります。その知事選挙のさなかの出来事であります。小川知事は、我々とたもとを分かった福岡市の元自民党県議団所属県議会議員候補の総決起集会で、その壇上に立ち、激励挨拶の中で、ある内幕めいた話をされました。さきの二月県議会において、その県議が心ならずも、まるで踏み絵を踏まされたがごとく、まことに厳しい小川批判の代表質問をさせられましたと、あたかも事実のように述べられているのでありますが、果たしてそうでしょうか。知事、あなたは、マスコミ報道を真に受けて、真実のごとく語られているのではないでしょうか。事実、当該議員は自民党県議団の議員総会の中で、そのような事実がないことを明らかにされています。いかがでしょうか。  さらに、代表質問に先立ち、議員から相談があったことと兼ねて、あらかじめ報告があったことも明らかにされています。その議員は、多分厳しい内容の知事批判質問になりそう、知事に迷惑をかけそうなことを心配し、あらかじめ、あなたに事実の報告をしたのでしょうが、これに対し、小川知事、あなたは何と答えられていますか。私のことはお気遣い無用です、どうぞ好きなようにやってくださいと励まされたものの、実際の代表質問には本当にかちんときたと、ぞんざいな言葉を使って壇上から多くの聴衆の方々に述べられておられますね。  我々は、全く理解に苦しみ、到底看過できることではありません。一体なぜ、県政の最高議決機関とされる県議会の権威をもおとしめかねない、このような、いわば私ごとに類する事実を、多数が集まった政治集会で明らかにされたその意図は何だったんですか。言うまでもなく、県知事という公人として、まことにあるまじき発言であり、所作であり、私人としても許されることではありません。小川知事、まさか、あなたはこのことを公人として間違いのない行動だったと思われているのではないでしょうね。一体どのような意図や背景があって、あのような発言をされたのですか。その発言が本日ただいま、私がこの本会議でただしていますように、大きなトラブルと県政不信を招く重大問題につながるとは思慮されなかったのでありますか。我々には、まことに理解しがたい事実であります。  そこで、改めてお尋ねいたします。発言の意図は一体どこにあったのでしょうか。そして、その発言が招来するであろう大きな混乱、その他もろもろを考慮されなかったのですか。まず、具体的に答弁願います。  その上で、あの発言が今日なお、事実関係に照らしまして正しかったと考えておられるのかどうか、明確にその所見をお示しください。  さて、もう一点は、選挙期間中、それも投票当日に流された福岡県庁提供広報テレビ番組の中身についてであります。「福岡県庁知らせた課」と名づけた広報番組の中で、女性と子供の安全見守り企業として顕著な実績を残したある企業を紹介していたのですが、その際、小川知事名での表彰状を大写しにしていました。問題は放映日です。この番組が放映されたのは、投票当日の四月七日の十七時ごろ。しかも、番組の終わりには、きょうは県知事選挙の投票日です、もう投票はお済みですか、忘れずに投票に行きましょうと御丁寧にアナウンスまで流されていました。放映の日取りといい、その放映時間帯といい、まさに小川知事に投票を促していたようなもので、まさに重大な選挙違反につながるものと言えます。小川知事、あなたは一体このような事実をどこまで認識されていたのですか。あなたが全く知らない間につくられていた広報番組ですが、後日、こうした事実を知った県民の多くは、その後、その無知ぶりにあきれ返り、怒りを募らせたというふうに聞いております。  この際、明確にその事実関係を明らかにし、その責任の所在を明確にしてください。冒頭、まず知事の政治姿勢を厳しくただしておきます。  それでは、これより順次、当面する県政の重要課題についてただしてまいります。  まず最初に、提案されています当初予算案を中心に小川知事の県政に対する基本姿勢についてであります。知事は、一般会計総額一兆七千八百五十八億円、対前年度比三・一%増、うち一般歳出四・五%増の令和元年度当初予算案を本六月議会に提案されました。さきの統一地方選挙による三選後、最初の予算案であります。  まず、歳入面から、主として県税についてお尋ねをいたします。内閣府は、去る五月十三日、三月の国内景気を、悪化していると判断しました。実際、上場企業も製造業を中心に業績悪化が進んでいると聞きます。景気後退局面があらわになりつつあると認識せざるを得ない、厳しい状況に立ち至っているのではないでしょうか。  そこでまず、足元の景気状況をどのように受けとめ、今後の動向をどのように見通しておられるのか、さらに本県経済にいかなる影響が及ぶと予想されているのか、知事の基本的な認識をお尋ねいたします。  また、一般会計予算当初案では、県税収入を対前年度比二・二%増、地方消費税清算金は一・九%増、地方譲与税は五・七%増と見込まれています。いずれも本年度の地方財政計画が見込む伸び率並みとなっているわけであります。しかし、県税は、法人事業税法人住民税など景気変動に敏感な税目が大宗であります。税収の計上に当たっては、地方財政計画にとどまらず、県内主要企業に対する個別の聞き取りもされた上で見積もられていると拝察するものの、国際経済情勢の目まぐるしい変転などを目の当たりにしますと、企業経営者といえども景気悪化の動向を正確に見通せているのか、いささか不安になるのであります。  そこで、当初予算案の税収を確実に見込むことができるのか、不安要因は何か、地方消費税地方譲与税を含めて知事の見解をまずただします。  次に、税収に関連し、いわゆる、ふるさと納税制度についてお聞きします。平成二十年度から始まりましたこの制度も十年が経過し、本年度の地方税法改正で制度が見直されました。税法上の特例を受けるためには、一定の基準を守ることを前提に、寄附先の自治体が総務大臣の指定を受けることが必要になりました。この新たな制度が、今月一日より施行されています。というのも、特例制度が拡充された平成二十七年度以降、過度の返礼品競争によって制度がネット通販に変質し、その地方税制の堕落を自覚できないごく一部の市町村が、アマゾンギフト券つき返礼品などへとさらに過激化したからであります。非常識な暴挙を抑える見直しを余儀なくされたのです。もっとも、ほとんどの市町村は、総務大臣から来年九月三十日まで一年四カ月間の指定を受けることができたところです。今後、基準違反がない限り、一年ごとの更新を受けられるようになっています。しかし、余りに過剰な返礼品で多額の寄附を集め、世論のひんしゅくを買った静岡県小山町など四市町は、指定を受けることができませんでした。また、昨年十一月から本年三月までの間に、返礼割合三割超または地場産品以外の返礼品を提供することで二億円を上回る寄附額を集めた四十三団体は、指定対象期間が四カ月とされました。この中には、遺憾ながら私の地元直方市など八市町村も含まれています。  そこで知事に伺います。地方財政法では、第二条で、地方財政運営の基本が定められています。「地方公共団体は、その財政の健全な運営に努め、いやしくも……他の地方公共団体の財政に累を及ぼすような施策を行つてはならない。」という規定です。これら八団体に対し、県はどのような指導をされてきたのか、県の指導に従わなかったのか、これまでの経緯を含め納得のいく説明を求めます。
     そもそも、個人住民税は、住民が住む自治体に対し、会費として納めるものとされています。その負担に対する受益として、さまざまな行政サービスを享受するというところに課税の根拠を見出すものであります。他団体への寄附額が税額控除され、実質的に住民税額の一部を他団体へ移転させるような特例は、極めて限定的な特例にとめるべきであります。その意味で、平成二十七年度の改正によって、寄附金税額控除の限度を納税額の一割から二割に引き上げたことは致命的な改悪であったと認識すべきであります。一方、新制度についても、地方税法に総務大臣の裁量を持ち込まざるを得なかった、これは地方分権の精神に逆行するものとして、断じて望ましいものではありません。また、新基準によって、結果的に三割以下の返礼品なら許容されることになりました。なぜ三割以下か、合理的な説明は困難です。寄附は本来無償の行為であるとされる、その意義を没却する結果となることを謙虚に受けとめなければならないと考えます。  そこで、知事はどのような見解をお持ちなのか。もし同様の考えならば、政府に対しその趣旨を伝えるべきだと考えます。知事の見識ある見解を求めます。  次に、法人関係税の偏在是正についてお尋ねをいたします。平成三十一年度、要は令和元年度の地方税制改正で、地方法人課税に新たな偏在是正措置が講じられました。消費税率一〇%への引き上げとあわせ、本年十月一日から施行されることになっています。法人事業税の一部を地方法人特別税という名前の国税にしてきた現行制度を廃止し、復元された法人事業税のうち所得割、収入割部分の約三割を特別法人事業税という名前の新たな国税として分離するものであります。その税収全額が、特別法人事業譲与税として都道府県に譲与されることになっています。譲与基準は、人口とされています。そのため偏在是正効果は大きく、東京都からおよそ四千二百億円の税収が地方へ移転すると言われています。東京都のほか、愛知県、大阪府の法人税収も減収になるようです。加えて、今年十月からは、法人住民税から地方法人税という名前の国税へ移転され、移転額が地方交付税として地方に再配分される部分の割合が高まることになっています。これを合わせますと、東京都から地方へ流れる税収は、およそ九千二百億円に上ります。今回の偏在是正措置の狙いは、県内総生産の分布状況と比較して大都市に税収が集中する構造的な課題に対処することだとされています。知事は、この趣旨をどのように理解し、受けとめているのか、本県税収への影響額も含め、率直な思いをお聞きします。  ところで、残された重大課題は、東京都を中心に大都市から地方に移転される九千数百億円にも上る税収の活用方法です。その全額が地方財政計画に歳出として計上し、歳出規模を拡大しなければ、地方交付税交付団体の税収がふえる分、地方交付税が削減される結果になります。それでは、国の財政当局が喜ぶだけです。何のための偏在是正か、地方自治体にとってメリットがありません。この九千数百億円は、人口減少など社会経済や地域の構造変化を見据えつつ、地方創生や地方の活力向上に向けて、ぜひとも有効活用する必要があります。来年度の地方財政対策が本格化する前に、地方六団体を通じ総務省や財務省に具体的な提言を行うべきだと考えます。知事は現在、どのようなアイデアや戦略を抱いておられるのか、今後どう行動するおつもりか、明らかに願います。  次に、提案をされています県一般会計予算の構造的な課題についてお尋ねいたします。財政課によると、本県は一般歳出で地方財政計画を上回る積極予算を編成されたとされ、平成二十八年度に次ぐ過去二番目の規模になるそうであります。しかしながら、一昨年来の集中豪雨による大規模災害などに対する災害復旧費は、前年度を大幅に上回る七四・一%増の事業費を計上された割には、思い切った積極予算を編成されたという評価には遠い予算案ではないか、そんな印象を受けています。当然、本県財政の健全性を堅持することに配慮され、災害復旧費以外の経費において事業費を削減、抑制することに苦慮されたような気がいたします。  そこでまず、財政当局が言う、思い切った積極予算という性格が本年度予算案の一体どこに具体化されているのか、一方、事務事業の見直しや事業の効率性アップなどによる経費の削減、抑制がどのように図られているのか、要はこの両者をどのようにうまく調和されたのか御説明を願います。  次に、小川知事は、本年度予算編成方針において、誰もが住みなれたところで働く、暮らす、育てる、そういう地域社会づくりを重点的に推進することを明らかにされています。働くでは、第四次産業革命に対応する最新技術の先進的な導入を初め諸産業の発展に、暮らすでは、健康、福祉、女性活躍などにかかわる諸施策に、育てるでは、少子化対策や学校教育の振興などに積極的に取り組まれると聞いております。ところが、公共事業関連分野の伸び率が極めて高いせいもあって、保健費や教育費の伸びを見ただけでは、どこに知事の意欲が込められたか、工夫を凝らされたか、なかなか理解しがたいものがあります。幼児教育、保育の無償化の財源は、本年度、全額国費で措置されていますので、これを別にして、働く、暮らす、育てる、この三分野の中核をなす事業として、純粋に単独事業と言える医療、福祉施策、教育施策などをどのように充実されたのか、つまびらかに願います。  続いて、財政改革プランの進捗についてお尋ねいたします。財革プランでは、人件費の抑制、社会保障費の増加抑制、建設事業の重点化などの諸改革を進め、本年度予算では改革前の財源不足額百三十八億円を三億円まで圧縮、この財源不足額財政調整基金等三基金の取り崩しで補填する仕組みになっています。ところが、実際には約十八億円の取り崩しになっている。そのためか、令和元年度末には三百八十九億円の残高を確保する計画に対し、現状の見通しは、空港ビル株式売却収入の残額二十九億円を含め三百八十三億円となっています。通常債残高については、令和三年度末通常債残高を平成二十八年度末に比べて七百八十億円程度圧縮することを目標に、本年度末では三百八十八億円減少させることになっています。しかし、現状は二十八年度末に比べて八百四十六億円の増となる見込みです。また、通常債の発行額と残高を毎年度確実に減少させる計画ですが、現実を見ると、本年度の発行額は百六十二億円の増、残高は百三十五億円の増となっています。プライマリーバランスについては、令和三年度までの黒字化を目標にして、本年度七十一億円の黒字を目指す計画でしたが、実際は八十七億円の赤字となっております。豪雨災害復旧、復興対策、国土強靱化対応が原因とされておりますが、昨年二月議会の代表質問で我が会派は、財革プランの前提が豪雨災害や政府方針の軌道修正に伴う県債の増発などによって大きく揺らいでいることを指摘し、遠からずプランの修正を余儀なくされる懸念を表明しました。しかし、知事は、国補正予算に対応して実施する補助公共事業は通常より地方財政措置が手厚い、本県に配分される臨時財政対策債の割合が大きいためプライマリーバランスが赤字になりがちなどと、計画どおり財政再建が進まないもっともな理由を挙げて、丁寧に説明することによって県民の理解を得られると考えている、災害対応などやむを得ない特殊要因を除いたところでは、引き続きプランに沿って財政健全化を着実に推進するというふうに主張されて、プランの修正に前向きな姿勢は示されませんでした。  しかし、一体誰のための財革プランですか。特殊要因を除いて分析しなければ計画どおり順調に進行しているかどうかわからないではないですか。県民のためのプランと言えるのでしょうか。知事が主張されるとおりなら、その事情もプランに加味し、現実に即するように改定なり修正なりすべきであります。  また、我が会派は、県民生活に大きく影響する重要な事業について、上辺だけかんなで削るような予算削減を行っていては根本的な解決には至らないことを指摘しました。財革プランの中で幾つか具体的に列記し、その背後の構造から是正することを提案しました。知事は、見直しを行う個別事業を財革プランに明記することは必要だと明言されたように記憶をしています。ジェネリック医薬品の使用促進などによる医療費の適正化、ケアプランチェックの促進等による介護給付費の適正化は現行プランに記載をされています。本年度はそれに加えて、どのような事業が明記されたのですか。そのためにプランの改定手続はどうされるのですか。議会に公約された事項ですから、責任ある答弁を求めます。  次に、地方創生に関連して、就職世代の東京圏への集中と大阪都構想について、知事の所見をお尋ねいたします。  まず、総務省の人口移動報告によると、最近の景気回復や人口減少に伴う人手不足の影響などもあり、東京圏では二十歳から二十四歳の転入超過数が増加傾向にあります。平成三十年では約七万五千人となっています。流入が目立つ第一位は茨城県の約四千八百人ですが、第二位は本県の約四千百人となっています。知事は、誰もが住みなれた地域で働くことができる社会づくりを公約とされています。これでは、なかなか公約が果たせていると積極的に評価することが難しい気がいたします。どこに問題があるのか、知事の現状分析と公約実現に向けた政策を説明願います。  最後に、人事政策の一環として、職員の長期病気休暇問題に触れておきます。近年、さまざまな複雑な要因によって精神疾患に陥る職員も多いように思われます。人事当局から示された資料によると、平成三十年度の長期病休者、三十日以上の病気休暇取得者は二百二十八人、このうち約六〇%が精神疾患を原因とするものであります。男女別では、男性六七%、女性五〇%となっています。過去五年間の推移でも、精神疾患を原因とする長期病休者が、男女合わせ、おおむね百五十人前後で推移し、長期病休者全体の六割から七割を占めています。  そこでまず、一般職員や係長級を含め、精神疾患に陥り長期病休を取得せざるを得なくなる原因をどう分析されているのか、その防止対策としてどのような方策を講じているのか説明を求めます。  あわせて、精神疾患で病休を取得する職員の割合は他県に比較してどのような状況にあるのかお尋ねします。  男女を問わず、管理職や管理職候補の補佐級などに積極的に登用された職員が、職責の重荷の所為で精神疾患に陥ることは、県政にとっても本人にとっても不幸なことです。極力避ける必要があります。  そこで、補佐級以上の職員について、精神疾患で長期病休を余儀なくされた者の状況を長いスパンで分析したとき、男女で何か特徴的なことがあるのか。いずれにせよ、今後とも一層積極的に女性を登用していく上で重要な作業だと考えます。特徴があるとすれば、どんな対策を講じているのか説明を求めます。  また、男女を問わず管理職や補佐級が精神疾患に陥らないためのサポートにどのように取り組んでいるのか、一般職員や係長級とは違った配慮が必要なのか、これらの点についても説明を求めます。  また、この際、今議会に関係条例案も提案され、可決されたならば、来年四月から実施が予定されています会計年度任用職員制度についても、最後に若干ただしておきます。厳しい地方財政が続く中、これまで臨時職員や非常勤職員が野放しに増加し、これらの職の任用の趣旨に沿わない運用が見られたため、これを是正するものと聞いております。一般職の非常勤について適用される制度と聞いていますが、その採用方法や任期はどのようになっているのでしょうか。当該職員にとっては、処遇の改善、適正化につながるのでしょうか。本県財政に与える影響も極めて大きいと考えますので、どのような基本方針に基づき、この問題に対処されるというふうに考えているのか、負担増は現行財革プラン織り込み済みなのか、また市町村の準備状況はどうなっているのか、あわせてお聞きをいたします。  次に、宿泊税についてお尋ねをいたします。今議会において、執行部から、宿泊税を新たに賦課徴収する税条例案と、これに伴う基金条例案が提案されました。この宿泊税は、観光振興のための施策、事業の経費に充てられる法定外目的税であり、この条例により、私どもが組織しています九州の自立を考える会が平成二十六年十月に公表した九州の成長戦略に係る政策提言において、その必要性を指摘していた観光行政推進のための提言が実り、新たな財源措置が実現することになります。また、平成二十八年十月に議員提案により制定された、いわゆる福岡県観光振興条例においても、その第十二条で、「知事は、観光振興に関する施策を安定的かつ継続的に実施するため、新たな税制を含めた財源に関する検討を進め、……その確保に取り組むものとする。」と規定をされております。県議会としても、その導入を強く望んできたところでもあります。このような経緯からしても、先般、県と福岡市のトップ会談により、宿泊税の課税額について双方が五十円ずつ譲歩し、福岡県五十円、福岡市百五十円との合意が成立したことを踏まえ、今議会に条例案が提案されたことは、画期的であったと言えそうです。もっとも、県と福岡市との実務者協議は昨年十一月に開始され、半年間にわたって行われた中で協議が暗礁に乗り上げることもしばしばです。福岡市内においては福岡県の課税を一切認めないと、かたくなに主張する福岡市との協議が、極めて苦労を伴ったことは想像にかたくありません。一体、トップ会談で急転直下、解決に至った背景にはどのようなことがあったのでしょうか。無論、基本的には本県の商工部職員の粘り強い折衝術が功を奏し、今回の合意に至ったものというふうに認識をしておりますが、背景等具体的に説明を願います。  ところで、今後この宿泊税によって得られる財源を活用して、どのように県全体の観光振興を図っていくのか、このことに県民や宿泊事業者は注目をしています。もとより我が会派の松本國寛会長がマスコミにも語っていますように、税は誰が幾ら課税するよりも、その税収入を使って何をするのか、何がなされるのかが最も重要視されるべきであるということは言うまでもありません。  そこで知事にお尋ねします。宿泊税を財源とした観光振興施策の具体的な内容は、令和二年度以降の当初予算において明らかになるものと考えますが、知事は現時点において、どのような方針でこの財源を活用しようとお考えなのか、お聞かせください。  次に、日田彦山線の問題についてお尋ねします。平成二十九年の九州北部豪雨で被災し、添田─夜明間が不通となっておりますJR九州の日田彦山線は、いまだ復旧の見通しも立っておらず、間もなく二年が経過しようとしています。現在は、同区間においてバスによる代行輸送が行われていますが、これまでの鉄道より多くの時間がかかるなど、沿線住民にとっては、長期間にわたって生活の利便性が失われる不便を強いられています。  ところで、各位御承知のように、この日田彦山線の復旧に向けては、昨年四月に本県、大分県や東峰村、添田町、日田市のトップ及び鉄道事業者であるJR九州社長で構成する日田彦山線復旧会議が立ち上がり、鉄道での復旧を目指して協議が進められてきたというものであります。こうした中、昨年十月に開催された日田彦山線復旧会議でJR九州の社長から、初めて、鉄道で復旧するには運行経費に対する自治体の財政支援が必要との考えが示されました。また、ことし一月の事務レベルの会議では、復旧後に継続的な運行を続けるには年間一・六億円の収支改善が必要、すなわち自治体の財政支援が必要だとの見解が重ねて明らかにされています。自治体側としては、災害復旧にかかわる初期投資については可能な限り協力する、また復旧後の運行については、鉄道利用者をふやすための取り組みについては協力するが、運行経費への財政支援は、民間事業に直接、公共助成することについて財政法上を初めとして数多く問題があることなどから、できないと見解を明確にしています。  そこで、こうしたスタンスで、再三にわたり、運行経費に対する財政支援については、JR九州に対し再考を促してこられたと聞いているところであります。しかしながら、両者の隔たりは大きく、合意点を見出せないまま現在に至っています。  このような中、去る四月二十三日に開催された日田彦山線復旧会議において、JR九州は、財政支援を求めることなく、鉄道で復旧する方策を見出せなかったことについては、皆様の期待に沿えず申しわけないと発言し、改めて、鉄道で復旧するには自治体の運行経費に対する財政支援が必要と表明しました。その上で、運行経費に財政支援を条件とした鉄道案に加え、BRT案及びバス案による三つの復旧案をJR九州が提示したと伝えられ、我々もそのように理解をしております。  そこで知事にただします。知事はこれまで、鉄道での復旧を前提に協議を進めてこられ、政治生命を賭して実現を図るとされてきましたが、これまでどのような活動を展開されてきたか、まず具体的にお示しください。  次に、復旧協議がなかなか進まない現状において、この日田彦山線の復旧について、今後どう進めていこうと考えておられるのか、とりわけ今回JR九州側が従来の鉄道案に加えて新しくバス専用道に連節バス等を組み合わせた高次の機能を持つバスシステム、いわゆるBRT案並びにバス案を示したことについて、これをどう評価されているのか、一部ではこれを解決のきっかけとすべきであるという声もあります。知事の率直なる見解を求め、日田彦山線全面解決に向けた所信をお示し願います。  次に、農林水産問題に移ります。  まず、高収益型園芸事業の予算のあり方についてであります。本県では、平成早々から農家の収益性の確保や所得拡大に向け、野菜を初めとする園芸農業の振興に寄与してきたことは、農業者はもとより多くの県民が少なからずとも認識しているところです。当時、米の生産調整が強化される真っただ中であり、園芸農業へのシフトは喫緊の課題であったことは言うに及びませんが、我が自民党農政懇話会が主導して、県独自の農政予算の強化に乗り出したころでもあります。とりわけ、ハウス施設の整備を進めるため、平成四年度から我々自民党県議団の呼びかけに応じ、全国に先駆けて県単独の事業として開始された高収益型園芸事業がその中心的な役割を果たしてきました。年間十数億円を超えるという全国一の県予算を投じるとともに、初期投資の軽減を図る施設の長寿命化であるとか、雇用経営の導入による規模拡大など、現場のニーズに即した要件を組み立ててきたのも、我が会派が農業振興でこの高収益型園芸事業の拡大を常に柱に据え、拡大に不断の努力を惜しまなかったためと考えているところであります。ところが、この高収益型園芸事業が、四十七都道府県で有数の予算規模と県当局が誇示しているにもかかわらず、ここ数年、年によっては一億円を超す事業が翌年回しにされるような事態を招いていることは、いかがしたものでしょう。  そこで、知事にこの事業の本質を厳しく指摘し、誠意ある答弁を求めます。既に全国一のブランドに成長したと評判をとるあまおうを初め、果樹や八女茶など、本県の園芸振興を図る屋台骨である高収益型園芸事業を見てみると、確かに令和元年度の予算では、スマート農業の推進を図るため予算を増額して計上されているようですが、しかしながら、我々がただいま指摘している、この事業の基本スタンスは、園芸農業の振興に必要なハウス施設の整備を進めるものであるはずです。確かに、スマート農業の推進も大事ではあるでしょうが、意欲ある農業者の要望を先送りにしているような状況がある中で、果たして、この予算額で現場の要望に対応できると考えておられるのか、我々は不信と不安を覚え、極めて疑問視するところであります。そこで、知事に農政振興の信をした、率直、明快な説明を求めます。  さて次に、農協合併問題についてただします。せんだって、大変気になる新聞記事を読みました。一県一JA構想の実現について、福岡県では難しいというものです。この合併構想は、福岡県農業協同組合中央会や、県内全二十JAなどのJAグループ福岡が、昨年末の福岡県大会において、JA中央会と二十JAなどを一つの組織に再編する県内オールJA構想として打ち出され、三年後となる令和四年四月をめどに統合を図るとされていました。  そこでまず、知事はこの一JA構想について、いかなる所見を持ち、その実現に向けて現在までどのような指導や関与をしてきたのか、具体的に説明願います。  次に、私たちは、この新聞報道で初めてその中身を知り得たわけですが、そもそも現在の二十JAから、この一JA構想について、事前に県当局に確かな説明があっていたのかどうか。まさか、何も知らなかったでは済まされない重要な案件でありますから、その間の事情を詳細に説明願います。  農協の経営基盤の強化は、生産者の経営にも直接影響する問題でもあります。県が打ち出す政策を実現するためにも、しっかり連携すべきと考えます。こうした問題は農協自身で解決すべきであるみたいな、突き放した対応は到底許されるものではありません。  次に、この構想の実現の可能性について知事はどのように評価をされているのでしょうか、具体的にお聞きします。  ちなみに、JA合併の動きを振り返りますと、平成十五年ごろ、当時はたしか福岡、久留米などの三JA構想のもとでさまざまな議論が行われてきました。そして、平成十五年の二十五JAから平成二十五年までの約十年に近い歳月を経て、二十JAまで再編され、現在に至っております。それ以降、全く動きがなかった中で、唐突感が否めないJA構想です。このような過去の変遷や議論について、知事、あなたはどのように理解をされているのでしょうか。つまり、これまでの三JA構想から新たな一JA構想に至るまでの間、県はどのように関与してきたのか、正直なところその姿が全く見えてこないわけであります。知事は、かねてから農協改革は自己改革が基本とのスタンスでありました。ですからこの農協合併につきましても、同じスタンスや同じ姿勢で今回も静観されているのでしょうか。  そこで、この農協合併劇につきまして、まずは三JA構想は一体どうなったのか、その検証から始めることが大切であると考えますが、いかがでしょうか。その上で、県下一農協について言及すべきと考えますので、明確に答弁願います。  次に、農林水産物についての輸出の取り組みであります。知事は、今回の選挙公約において、稼げる農林水産業をつくりますと宣言され、その手段の一つとして、九州各県と力を合わせ輸出の拡大という政策を掲げておられました。そして知事は、何かにつけて、本県の農林水産物の輸出額が最高額を更新したと言われます。しかしながら、テレビや新聞などで報道されていますが、国の輸出額を見てみますと約四千七百億円余りで、本県のシェアは国全体の一%にも満たない状況にあります。決して誇れる数字ではなく、つまり、本県の輸出の取り組みについては、いろいろな課題を抱えている、それが実態ではないでしょうか。上昇している数字の表層だけを切り取って、しゃにむに御自分の成果にするあたりは、少し前に全国民を震撼させた、霞が関における統計データの不正流用が、もはや他人事ではないかのようです。輸出額が七年前から三倍に伸びていると豪語されておりますが、輸出に取り組んでいる方々の所得は、七年前と比べて一体どうなっているのか、詳細に説明を求めます。  次に、知事が選挙公約の一つに掲げられておられました、新県立美術館についてお伺いします。現在の須崎公園にある県立美術館は、昭和三十九年に文化会館として建設された建物をそのまま改装したため、基礎的な構造が美術館仕様ではなく、大変狭隘で、年々老朽化が進んでいます。こうしたことから、我が会派としては、県民のみならず全国あるいは世界から雄県福岡と称されるような美術館を整備する必要があると、これまで幾度となく指摘してまいりました。とりわけ平成二十八年十二月の代表質問では、県民の悲願と言うべき新県立美術館の実現を図るべく、その業務については知事傘下の部局に移管し、しっかりとした体制を構築して知事のリーダーシップのもと、実効性ある取り組みを進めることが必要ではないかとただしているところです。その結果、平成二十九年度には、新県立美術館の整備に関する業務が教育委員会から知事部局に移管されたところです。こうした経緯も経て、今回の選挙で小川知事は、選挙公約として、新県立美術館をつくりますと、はっきり明言されています。これはまさに、知事の新県立美術館建設に向けてのやる気のあらわれであろうと思っていました。しかしながら、知事選後初の今回の予算編成を見てみますと、新県立美術館に関する予算はどこにも見当たりません。この事態をどのように考えればいいのでしょうか。一体知事は、今後、新県立美術館建設に向けてどのような方針で取り組まれるのでしょうか。公約として県民に明らかにされたことであります。県政不信を招かないためにも、この際明確にその方針をお示し願います。  次に、教育問題についてただします。本年から令和という新しい時代が始まりました。学校教育においても新しい時代が始まろうとしています。いよいよ来年度から、新しい学習指導要領が小学校で全面実施を迎えます。そして、令和三年度から中学校、令和四年度から高等学校で順次実施されていくようです。学習指導要領の改訂は、新しい時代に必要となる資質や能力の育成を大目標とし、教育内容の主な改善ポイントが幾つかありますが、とりわけ外国語教育の充実、つまり小中学校における英語教育の早期化、高度化こそが注目すべきポイントであると感じています。  そこで、新しい学習指導要領の全面実施に向けた準備について、これまで我が会派は再三ただしてまいりましたが、改めて教育長に三点お尋ねします。  まず、新しい学習指導要領が来年四月から小学校において全面実施となることに向けて、準備は整っているのでしょうか。とりわけ小学校で外国語が教科となることについて、円滑な実施に向けた準備期間としての授業時数の確保はどうなっているのかお伺いします。  次に、小学校における外国語科の実施に向けて、指導する教員の意識の醸成や、英語力、指導力の育成は十分に達成されているのかお伺いします。  また、中学校において全面実施までの準備期間が二年を切っていますが、中学校は義務教育の最終段階であり、子供たちが将来の自己実現に向けて、高校などの次のステップに飛躍する前の大切な時期に当たります。英語教育の早期化に伴う中学校英語教育の高度化への準備について、万全を期して順調に進んでいるのかお伺いします。  次に、定時制単位制高校の整備方針についてであります。この定時制単位制高校は、全日制高校でやむを得ず中途退学や不登校に至った生徒の受け皿となる一方で、大学進学などの明確な進路目標を持つ生徒に向け充実した教育内容を提供するなど、多様な生徒の学習の場として重要な意義を持っていると極めて評価が高いようです。しかしながら、本県では現在、各位御承知のとおり、福岡地区に博多青松高校が、そして北九州地区にひびき高校が設置をされているだけで、筑後地区、筑豊地区には存在しません。平成三十一年度入試における志願倍率を見ますと、県内の全日制高校の平均が一・二倍であるのに対し、青松、ひびきの二校の昼間の課程は平均一・六倍となっております。また、県内の夜間定時制高校の平均倍率は〇・三ですが、両校の夜間課程はほぼ一倍であります。このように、定時制単位制高校は、生徒にとって既存の高校とは異なる、魅力ある学校として高く評価されており、他の地区でもこうしたニーズが多く存在するものと思われます。  そこで、我が会派は、昨年十二月の代表質問において教育長に、定時制単位制高校の今後の方向性についてただしています。その際、教育長は、「未設置の筑後地区、筑豊地区にも定時制単位制高校が必要」であり、「今後、整備対象校や教育内容等の検討を進め、その方針を取りまとめたい」と答弁されました。それからちょうど半年が経過をしております。筑後、筑豊地区に定時制単位制高校を設置すれば、県内の生徒が定時制単位制高校をより選択しやすくなる、そして既存高校の改編により設置することで学校活性化を図ることもでき、また県土の均衡ある発展の観点からも、できるだけ早く両地区に新たな定時制単位制高校を整備すべきと考えます。  そこで教育長にお尋ねします。新たな定時制単位制高校の整備について、これまでの経緯からしても既に具体的な方針を示すべき時期を迎えていると考えているところですが、いかがでしょうか。時期、場所等を含めて具体的に答弁を求めます。  次に、学校における体育・スポーツ活動における事故防止についてであります。先月、気になる二つの新聞記事を目にしました。その一つの記事には、プール授業不自由になった、体育の飛び込み禁止徹底されずという見出しで、中学三年生の男子生徒が水泳の授業で飛び込みの練習をしていてプールの底に頭を打ち、頸椎を損傷して首から下が動かなくなった事例が取り上げられていました。また、小中学校の授業で禁じられた飛び込みによる事故は二〇一四年から二〇一六年度に四十二件起きていたとも書かれていました。そして、もう一つの記事には跳び箱頭から落ちて、小中の体育重大事故で最多の見出しとともに、体育の授業における跳び箱の事故について書かれていました。中学二年生の男子生徒が跳び箱を跳ぼうとしたがバランスを崩し、頭から落ちて首を損傷、胸から下が動かせなくなり、手術と一年以上の入院を経て、現在もリハビリに通われているそうです。また、跳び箱事故は二〇一四年から二〇一六年度に小学校で一万五千件起き、体育の種目で最も多いとも書かれていました。体育の授業で特に重い事故が多い種目として、小学校では跳び箱が一位、鉄棒が二位、中学校では跳び箱が一位、サッカー、フットサルが二位というデータも示されています。本来、健康の保持・増進や体力の向上を目指す体育の授業でこのような重大事故が発生していることは、まさに驚きです。  そこでまず、昨年度の本県小中学校における体育授業での事故発生状況についてお尋ねします。  ところで、昨年度の二月議会において、我が会派の代表質問でも述べましたが、危険なことは全て子供から遠ざければよいという考え方にとらわれたのでは、課題解決につながりません。子供たちにとって有意義なスポーツ環境を維持、整備し、安全に運動や遊びをするために何に気をつければよいのか、保護者や指導者、教員などの大人が何を考えればよいのかを議論していく必要があると考えます。  そこで、本県の小中学校における体育・スポーツ活動での事故防止にかかわる県教育委員会の取り組みについてお尋ねします。  また、学校における体育・スポーツ活動の適切な実施に向けた教育長の見解をお伺いします。  さて、教育問題の最後に学校給食について、とりわけその費用の徴収問題についてただしておきます。戦後、深刻な食糧難が広がり、育ち盛りの多くの子供たちが空腹にあえいでいる中、子供たちの栄養状態を何とか改善しようとして始まったのが、国の制度による学校給食であります。小中学校における学校給食については、例えば市町村立の小中学校では、設置者である市町村が給食の実施を決定、運営するものとされています。昨年五月現在、県内市町村における給食実施率は、牛乳のみを提供するミルク給食を含め、小学校で九九・八%、中学校で一〇〇%と、ほぼ全ての小中学校で学校給食が実施されているとのことであります。全国では、小学校で九九・七%、中学校で九六%であるため、本県は全国よりも学校給食が進んでいる県と、県教育委員会はよく説明されていると聞きます。  ところで、学校給食の実施に必要な経費については、法律上、人件費、設備費は設置者が負担し、食材費は保護者が学校給食費として負担されるとされています。ところが、この保護者が負担する学校給食費について、子供たちが学級担任に直接、現金を手渡したり、あるいは税金のように納付書による銀行振り込みなど、市町村や学校によってさまざまのようであります。また、先日の新聞報道によれば、柳川市のようにPTAが主体となって保護者が各家庭を訪れて学校給食費を集めているところもあり、これは全く驚きの事実であります。また、会計処理の方法も、学校が主体で行っている場合と、各市町村が学校給食費に関して市町村の予算に計上する、いわゆる公会計化している市町村の存在も耳にします。学校給食が、ほぼ全ての小中学校で市町村が実施主体となって運営されているにもかかわらず、学校給食費の徴収方法については市町村や学校によってまちまちというのは、理解しがたいところであります。その状況を県民が知るならば、極めて統一感がなく、なぜそのようなまちまちなものなのか、深い疑問を感じるというふうに思います。  そこで、県内市町村における学校給食費の徴収の現状を示していただき、まちまちとなっている現状について、県教育委員会はどのような見解を持っておられるのか、今後学校給食費の徴収に県教育委員会としてどのようにかかわっていくのか、少なくとも保護者が直接、徴収にかかわるような好ましくない徴収方法について改善を求め、その上で望ましい徴収指針を示し、改善を図っていくべきと考えますが、教育長にお伺いします。  さて、私はこの代表質問を閉じるに当たって、最後に、動物愛護法の改正について言及をしておきます。この改正法により、動物虐待防止の厳罰化や子犬、子猫の販売を始められる時期を生後五十六日間超に引き上げるとともに、犬猫等の販売業者にマイクロチップの装着、登録を義務づけました。また、一般の飼い主にも装着義務が努力義務とされたところであります。マイクロチップは、迷子、災害、盗難、事故などの際でも、情報をデータベースに登録しておけば、安全で確実な犬や猫の身元証明になります。公益社団法人日本獣医師会のホームページによると、近年、ヨーロッパやオセアニア、アジアの一部では、行政機関によるマイクロチップの装着の義務化が急速に進んでいるというふうに聞いております。  ところで、福岡県においては、今から三十年前、現日本獣医師会会長の藏内勇夫議員が、故吉原太郎議員とイギリス王立動物愛護団体を視察した際に、マイクロチップの装着が普通に行われていることに触発され、本県においてこれを実施した経緯があります。このため、既に本県では、当時の福岡県獣医師会の呼びかけのもと、現在では福岡県内の動物病院の約半数でマイクロチップリーダーが備えられ、毎年四百頭を超える動物がチップの注入を受けていると聞いております。また、県議会としても、こうした公益社団法人福岡県獣医師会の先導的役割に呼応して、平成十八年に、政府に対してマイクロチップの法整備を図るよう意見書を提出してきたところであります。したがって、今回の法改正は、福岡県議会としても、まことに意義深いものだと受けとめています。  さて、この法改正の施行は、三年を超えない日で政令が定める日となっています。  そこで知事にお伺いします。まず、県はマイクロチップの普及促進について、今までどのような取り組みをされてきたのでしょうか、詳しく説明を願います。  さらに、今回の法改正に伴うマイクロチップの装着義務化についてどう受けとめ、今後どのように装着の徹底を図ろうとされているのか、その取り組みについて具体的にお示しを願います。  以上で私の代表質問を終わります。(拍手) 3 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。 *知事答弁 4 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、統一地方選挙中における私の発言でございます。二月の定例県議会におきまして、私を支持いただいております議員が、私を批判する代表質問を行うことになったことにつきまして、当時、踏み絵を踏まされたのだろうと、そういった見方が広がっている、そういった報道が広くなされておりました。こうした状況にございましたため、同議員への応援演説に当たりまして、いわば踏み絵みたいなと表現したものでありました。自民党県議団やその議会活動を批判する意図を持って行ったものではありません。  次に、県の広報番組についてでございます。「福岡県庁知らせた課」、この番組は、毎週日曜日、午後四時五十四分から午後五時にかけて放送しております番組です。県民情報広報課におきまして、時期に合ったテーマを選定をし、県民の皆様にわかりやすくお伝えをしているところであります。四月七日の番組でございますけれども、進学、就職、転勤などによりまして女性がひとり暮らしを始める機会の多い時期でありますことから、性犯罪に対する注意喚起を行うとともに、こうした性犯罪を防止するためには社会全体での取り組みが重要でありますことから、社を挙げて見守り活動を行っている企業を紹介をしておるわけであります。このような企業の積極的な活動を評価するとともに、社会全体の取り組みの輪がさらに広がっていくことを期待いたしまして、県知事の表彰を受けたとして、その表彰状を映したものでございます。一方で、当日が県知事選挙及び県議会議員一般選挙の投票日に当たっておりましたため、県選挙管理委員会からのお知らせとして、投票の呼びかけを行いました。社会全体の取り組みの重要性を示すための見守り企業の紹介と、今申し上げました投票の呼びかけの部分は、それぞれ目的を異にし、私への投票を促すものではございません。今後も選挙期間中におきましては、特定の候補者への投票を呼びかけるような内容にならないよう十分注意をしてまいります。  次に、足元の景気状況と今後の見通しでございます。内閣府が公表いたしました三月の景気動向指数によりますと、景気の基調判断は六年二カ月ぶりの悪化となってございます。これは、中国経済の減速などから輸出の伸びが鈍化をいたしまして、製造業を中心とした生産活動に弱さが見られる状況が指標にあらわれたものだと考えられます。一方で、四月の日銀短観によりますと、製造業の業況判断に慎重さが見られますけれども、非製造業の景況感は、個人消費の持ち直しなどから高い水準が続いております。また、本年度の設備投資計画が前年度を上回るなど企業の投資意欲は堅調でございます。内閣府が六月十八日に公表いたしました月例経済報告におきましては、「景気は、輸出や生産の弱さが続いているものの、緩やかに回復をしている。先行きについては、当面、弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。」、このようにしているところであります。  こうした中にありまして、我が福岡県の経済を見ますと、生産及び輸出は電子部品関係の一部に海外需要減退の影響が見られますけれども、自動車は堅調でございます。総じて高水準で生産、輸出は推移をしているところでございます。また、消費は緩やかに増加をし、雇用も四月の有効求人倍率が過去最高を記録するなど着実に改善をしております。このため、本県の景気は、生産や輸出の一部に海外経済減速の影響が見られるものの、緩やかに拡大をしている、そう判断をしているところであります。  先行きにつきましては、雇用環境の改善が続く中、企業の設備投資も堅調でございますことから、緩やかな景気回復が続くことが期待されるところでございますが、米中貿易摩擦の動向が世界経済に与える影響、中国経済の先行きなど海外景気の下振れリスクには注意をしていく必要があると、このように考えております。  当初予算の県税収入でございます。県税収入の算定に当たりましては、地方財政計画を参考にしながら県経済の見通しを踏まえるとともに、国の税制改正による影響額等を勘案をしております。法人事業税及び法人県民税の、いわゆる法人二税につきましては、県内主要企業に対する令和元年度申告見込み額、その聞き取り調査等により算定をいたしております。地方消費税は、前年度の決算見込み額をベースに令和元年度の地方財政計画の前年度決算からの伸び率により算定をいたしております。また、地方譲与税につきましては、国が国税として徴収した税を地方団体に一定の基準に従って配分するものでございますため、それぞれ地方財政計画をもとに本県のシェアを乗じた額を計上しております。このように税目ごとに直近のデータに基づいて適切に算定をいたしておりまして、当初予算に係る税収というのは確保できるものと考えております。  なお、先ほどお答えいたしましたように、米中貿易摩擦の動向が世界経済に与える影響や中国経済の先行きなど海外景気の下振れリスクについては注意をしていく必要があると考えております。  次に、ふるさと納税制度についてお尋ねがございました。総務大臣から、平成二十九年四月に、寄附額に対する返礼品の割合を三割以下とすることの通知が、また加えて昨年の四月には、返礼品は地場産品とすることが適切であること、そういった通知が出されております。これを受けまして、県におきましては、昨年六月以降、市町村に対して毎月報告書の提出を求め、通知に反する取り扱いをしていた二十一の市町村に対しまして直接出向きまして指導を行ってまいりました。その結果、十三の市町が県の指導に従って見直しを行います一方、八つの市町村におきましては、年度途中で返礼品の見直しを行うことが困難である、また地場産品についての解釈の相違によって返礼品の見直しが進みませんでした。このため、ことしの五月、この八市町村は、国の通知に反し、短期間に二億円以上の寄附を集めた団体として国により公表されたところであります。これらの市町村につきましても、六月から始まりました新しい制度のもとにおきましては、取り扱いを是正し、ふるさと納税の対象となる団体として指定をされたところであります。  なお、当分の間、その税額控除の適用期間は四カ月間に限定されておりまして、期間内に適正な運用を行った上で、改めてその指定を受ける必要がございます。  次に、ふるさと納税の意義でございます。ふるさと納税制度は、ふるさとや地方団体のさまざまな取り組みを応援する納税者の気持ちを橋渡しし、これを支え合う仕組みでありますとともに、地方団体がみずから財源を確保し、さまざまな施策を実現していく上で有効な手段とされているところであります。一方で、ふるさと納税の収入が地方交付税の配分の際、収入として算定をされないこと、行政サービスを実施している自治体が本来受け取るべき税収というものを受益者負担の原則に反して他の自治体が受け取る、そういった批判が見られるところであります。このふるさと納税制度につきましては、全国知事会を通じて国に対し、金銭類似性の高いもの、資産性の高いものを返礼品として送付する行為は行わないようにするなど、節度ある運用とすべきことを要請をしてきたところであります。今回の税制改正は、この知事会の要請も踏まえまして、過剰な返礼品を廃し、ふるさと納税制度を健全に発展させていくために行われたものであると、このように理解をしております。本県といたしましては、この法で定められたルールが遵守されますよう、市町村を指導していきたいと考えております。  法人関係税偏在是正措置についてでございます。平成三十一年度の税制改正によりまして、令和元年の十月一日以降に開始される事業年度からは、法人事業税の一部を国税として分離をし、特別法人事業税を創設をいたしました。この税は人口を基準に、特別法人事業譲与税として都道府県に配分されることとなっております。今回の偏在是正措置は、地方税収が全体として増加をしていく中で不交付団体の基金残高が増加するなど、再びそれが拡大する傾向にある地域間の財政力格差、これを是正するものであります。これによりまして、各都道府県における法人二税と譲与税を合わせた地方法人課税の税収とそれぞれの県内の総生産のシェア分布というものがおおむね合致することになります。本県におきましては、令和三年度以降、平年度ベースで約九十億円の増収となる見込みでございます。今回の措置は、これまで全国知事会が主張してまいりました偏在性が小さい地方税体系の構築に資する実効性のある取り組みであり、評価をしているところであります。  偏在是正措置により生ずる財源についてでございます。この財源につきましては、その全額を地方財政計画に歳出として新たに計上することなどによりまして、地方財政計画全体として、より実効性のある偏在是正措置とすることが重要であると、このように考えております。このため、先月二十日には、全国知事会から自由民主党に対し、今月六日には国と地方の協議の場におきまして、地方六団体から国に対し、それぞれ要請を行ったところであります。今後とも、国に対し、全国知事会等を通じ要請を続けてまいります。  当初予算編成の考え方でございます。今回の当初予算におきましては、豪雨災害の復旧、復興を加速し、時代の変化に対応して福岡県をさらに元気にしていくための施策に重点的に取り組むことといたしております。あわせて、厳しい財政環境を踏まえ、財政改革プランに沿っためり張りのきいた予算編成を行いました。具体的には、歳出面では、必要性や効果の低いものにつきまして、廃止、効率化、重点化を行う事務事業の見直し、歳入面におきましては、個人県民税の徴収対策強化、未利用県有地売却によります収入の確保などによりまして、合わせて約百三億円の財源を確保した上で、豪雨災害の復旧、復興の加速、中小企業の生産性の向上、スマート農業への転換など第四次産業革命への取り組み、健康づくり県民運動の充実とスポーツ立県福岡の推進、地方創生の実現に向け誰もが住みなれたところで働く、暮らす、育てることができる地域社会づくりなどの施策に重点配分をしたところであります。  次に、医療、福祉、教育分野の施策についてお尋ねがございました。今回の当初予算におきましては、医療、福祉、教育分野におきましても、これまでの取り組みに加えまして、喫緊の課題に対応するための施策の充実強化を図ったところであります。  まず、医療、福祉分野におきましては、県民一人一人が健康の維持、増進を目指すふくおか健康づくり県民運動を推進していくため、新たにアプリを活用した健康ポイント事業などを実施いたします。また小児、AYA世代のがん患者の方が希望を持ってがん治療に取り組むことができますよう、妊孕性の温存治療費を助成するほか、医療的ケア児への支援を強化するため、医療的ケア児の自宅へ看護師を派遣し、介助者の負担軽減を図ることといたしております。さらに、待機児童の解消を図るため、新たに待機児童の八割を占める三歳未満児の受け入れをふやす保育所や認定こども園を支援をしてまいります。  次に、教育分野では、来年度以降、学校教育が大きく変わりますことを踏まえ、小中高各段階に応じたプログラミング教育の円滑な実施に向けモデルカリキュラム、また教員研修プログラムを開発をいたしまして、教員の指導力の向上を図ってまいります。また、県立学校における教育のICT環境を充実するため、無線LANやタブレット型のパソコンの整備を図ることといたしております。  次に、財政改革プランについてでございます。このプランは、行政改革大綱と同様、取り組みを継続することによりまして効果を上げるとともに、一方で経済社会の状況の変化のスピードを考慮いたしまして、令和三年度までの五年間を計画期間といたしているところであります。また、目標達成に向けた年度ごとの見込み額を示しておりまして、毎年度、当初予算とあわせ目標達成状況を公表しているところであります。豪雨災害復旧、復興対策などプランの策定時には見込むことができず、目標と乖離が生じたことにつきましては、丁寧に県民の皆様に御説明することによりまして、県民の皆様の御理解をいただけるものと考えております。このようなやむを得ない要因を除いたところにつきましては、引き続き現行のプランに沿いまして財政健全化を着実に進めていく考えであります。  令和四年度からの次期プランの策定に当たりましては、まずは現行プランにおける改革措置の成果の検証、そして豪雨災害復旧、復興対策などの影響を踏まえた財政の現状分析、そして将来推計を行った上で、具体的な改革措置について、歳入歳出全般にわたり幅広く検討を進めていくことになります。その際、特に財政に大きな影響を与える項目につきましては、次期プランに明記をしたい、このように考えております。  次に、東京圏への若者の流出への対応でございます。平成三十年住民基本台帳人口移動報告によりますと、福岡県から東京、神奈川、千葉、埼玉の一都三県への二十歳から二十四歳の若者の人口移動、これについては四千百十六人の転出超過となってございます。その男女の内訳は、男性が一千九百二十五人、女性が二千百九十一人と女性のほうが多くなってございます。これは、大学などを卒業し、就職する際、地元にとどまらず東京圏へ就職していることが主な理由として考えられます。内閣官房のまち・ひと・しごと創生本部事務局よりますと、男女とも学歴が高くなると大企業に就職する傾向が見られ、女性の大学進学率の高まりも大企業が集中する東京圏への移動を後押しをする要因の一つになっていると、このように分析をいたしております。また、東京圏への転入者が仕事を選ぶに当たって重視しますことは、男女とも給与水準や自分の関心事に近い仕事ができること、その割合が高く、さらに女性につきましては、育児、介護の制度が充実していること、その割合が高くなってございます。そのため、東京圏への若者の流出防止には、研究開発部門を初めとする本社機能の誘致など大学等で学んだことが生かせる魅力ある雇用の場を地域に一つでも多くつくること、地域の中小企業の魅力を伝え、マッチングを支援していくこと、結婚、出産、子育て、介護をしながら働き続けることができる職場環境と地域づくりというものを進めていくことが重要であると考えております。こうした取り組みを積極的に推進していくことによりまして、若者の地元での就業につなげ、東京圏への転出というものを食いとめていきたいと考えております。  次に、職員の長期病休についてお尋ねがございました。精神疾患による三十日以上の長期病休者及びその上司から、私どもの産業医が聞き取りを行いましたところ、発症の主な要因といたしましては、仕事上の人間関係、仕事の量や質のほか、家庭における問題など多岐にわたっております。県におきましては、福岡県職員心の健康づくり計画に基づきまして、ストレスや強い悩み、不安など心身の健康に問題が生じるメンタルヘルス不調の未然防止に重点的に取り組んでいるところであります。具体的には、それぞれの階層に応じたメンタルヘルス研修を行うとともに、全職員最低年二回のストレスチェック、新規採用職員に対する保健指導などを実施しております。加えて、ストレス度の高い職員に対する保健師や産業医によるきめ細かな助言、指導を行うとともに、ストレス度の高い所属につきましては、職場環境改善のための指導を行っております。また、初めて本庁勤務となりました若手職員に対しましても保健指導を実施するなど、取り組みの強化を行ってまいりました。本県の精神疾患による長期病休者の全職員に占める割合は、平成二十九年度は一・九%となってございます。これは四十七都道府県中三番目の高い水準となっておりますけれども、先ほど申し上げました取り組みを積み重ねることによりまして、二十九年度以降は当該病休者は減少傾向にございます。引き続き取り組みをしっかり進めてまいります。  次に、課長補佐級以上の精神疾患による長期病休者の男女別の特徴についてお尋ねがございました。精神疾患による長期病休者のうち課長補佐級以上の職員は、過去五年間で延べ三十九名となってございますが、そのうち女性は三名でございます。その要因につきましては、仕事上の人間関係や職場環境の変化であり、男女間で特徴的な違いは認められませんでした。  課長補佐級以上の職員が精神疾患にならないためのサポートについてでございます。過去五年間で見ますと、全職員のうち課長補佐級以上の割合が二二・五%であるのに対しまして、精神疾患による長期病休者の当該職の割合は五・六%にとどまり、低い水準となってございます。課長補佐級以上の職員には、部下との良好な関係を築き、組織をマネジメントする能力というものが求められます。このため、その配置に当たりましては、それぞれの職員の能力、適性、経歴、勤務実績等を総合的に判断をし、職務が遂行できる人材を登用しているところであります。また、新任の課長補佐及び課長、所属長に対しましては、部下の能力を高める人材育成の手法やメンタルヘルス対策を初め危機管理や組織運営など管理者として必要な研修というものを行い、部下と上司の関係が円滑にいくようにしているところであります。  次に、会計年度任用職員制度についてでございます。地方公務員法及び地方自治法の改正によりまして、これまで自治体により任用、勤務条件に関する取り扱いが異なっておりました臨時職員及び非常勤職員につきましては、来年度から、その任用要件が厳格化、統一化されるとともに、新たに会計年度任用職員制度というものが創設されることになりました。このため、本県におきましても、法改正の趣旨を踏まえて、新制度へ円滑に移行できるよう、本県議会に関係条例を提案させていただいているところでございます。当該職員の任期は一年以内の業務の遂行に必要な期間とされ、また期末手当や地域手当等の支給が可能となるなど処遇の改善も図られることになっております。採用方法は、広く募集を行った上で、面接や書類選考等によることとされておりまして、現在、その手法について検討を進めているところであります。制度導入に伴い増加する経費につきましては、法改正が財政改革プラン策定後でありましたことから、プランには見込んでおりませんけれども、それに必要な地方財政措置が図られるよう国への働きかけを行うとともに、全国知事会を通じた要請も行っているところであります。市町村につきましては、昨年十二月、全市町村を対象に会計年度任用職員に関する意見交換会というものを実施し、この制度の趣旨や県の対応方針を説明した上で、早期の市町村における対応というものを促したところであります。移行に必要な条例につきましては、県内全ての市町村におきまして九月議会までに提案をする予定となっております。  次に、宿泊税についてお尋ねがございました。福岡市との合意に至った背景でございます。福岡県議会議員の皆様を中心として、九州の政財界の有志により結成されました九州の自立を考える会からの政策提言がありまして、その後、福岡県観光振興条例が成立をいたしました。これらを受けまして、県におきましては、昨年七月から宿泊税導入の検討を開始いたしました。そうした中、福岡市議会において九月に宿泊税導入を明記した条例が成立をしたわけであります。宿泊税につきましては、宿泊者や宿泊事業者の方々の負担を軽減するため、県と市との間で十分な調整が必要であると、このように考えまして、十一月一日、福岡市長と会談を行い、速やかにかつ精力的に事務方同士で協議を行うことを確認し合い、十一月二十一日から実務者協議を開始したところであります。また、県議会からは十二月十七日、県民生活商工委員会におきまして、少しでも早く議論の妥結を導き出していただきたい、福岡市との交渉に当たっては柔軟性を持って協議に臨んでいただきたい、そういった御指摘をいただいたところでございます。こうした御指摘も踏まえながら、県と市の実務者協議の中で、県市双方の宿泊税の制度案、観光戦略、観光振興施策など互いに説明をし合い、市内における役割分担について精力的に協議を続けてまいりました。この宿泊税の導入に当たりましては、宿泊事業者の方々の決済システムの変更、また県内外からお越しになられる方々への事前周知など、その準備に一年程度の期間が必要とされております。このため私といたしましては、来年のオリンピック・パラリンピックを念頭に置いて、六月議会に条例議案を提出する必要があると考えていたところであります。このため、半年にわたる実務者協議の議論も踏まえ、九州の自立を考える会、また県議会の皆様の御支援をいただき、高島市長と五月二十四日に会談を行い、県市双方が歩み寄ることによって今回の合意に至ったところでございます。  今後の観光振興施策でございますけれども、県におきましては、この宿泊税による財源を活用いたしまして、県が広域的な観点から観光振興施策を実施するとともに、市町村が実施をする観光振興施策への財政的支援に取り組み、県全体の観光の魅力を底上げし、福岡県の観光における競争力というものを高めていきたいと、このように考えております。  県が取り組む広域的な観点からの観光振興施策につきましては、例えば市町村をまたがる広域サイクリングルートの整備、宿泊施設や飲食店の多言語化の支援、欧米豪からの誘客プロモーションの強化といった効果的な情報発信等に活用したいと考えております。また、市町村への財政的支援につきましては、独自に課税する福岡市を除く市町村に対しまして、それぞれの地域の現状と課題を踏まえ、それぞれ創意工夫を凝らした観光施策が実施できるよう、自由度の高い交付金を交付したいと考えております。こうした宿泊税を財源とした施策の具体的な内容につきましては、関係の皆様の御意見も伺いながら、効果的な事業が実施できるよう努めてまいります。  日田彦山線の復旧についてでございます。日田彦山線については、この豪雨災害の発災直後、地元の県議会議員の皆様、沿線の町村長とともにJR九州本社の青柳社長を訪ねまして、早期復旧と代替交通手段の確保を要請いたしました。その後、JR九州の要請に応じまして、昨年の四月、本県、大分県、沿線市町村、JR九州によります日田彦山線復旧会議、これが発足いたしまして、復旧に向けた議論を行ってまいりました。十月には、関係自治体に呼びかけ、ともに国土交通事務次官、鉄道局長と面談し、JR九州の株式上場に際して定められた指針に基づいて路線の適切な維持に向けた指導を行うよう要請を行ったところでもあります。また、十月の復旧会議でJR九州が運行経費にかかわる自治体の財政支援を求めてきたことから、十一月には単独でJR九州に私、赴きまして、青柳社長に対し、直接早期復旧に向けた地域の思いというものを伝えるとともに、この財政支援について再考を要請したところであります。そうした中、四月二十三日の復旧会議におきましては、青柳社長から、自治体の財政支援を前提とした復旧案のほか、新たにBRTや路線バスによる復旧案が示されましたことから、まずは地域の皆様に対し、この新たな提案を含め地域に必要な交通手段の確保に関するJR九州の考え方というものを説明し、地域の皆様の声を聞いていくこととなったわけであります。このため、先日も東峰村、添田町を訪問し、お二人の町村長と、地域の皆さんの意見を聞くための具体的な時期、手法や今後の進め方について協議を行ってきたところであります。  今後の進め方でございます。四月二十三日の復旧会議では、自治体側からの、地元に財政支援を求めることなく鉄道で復旧すべきとの再三の求めに対し、青柳社長からは、改めて社内で検討した結果、やはり継続的な運行を確保するためには、利用促進策とあわせて運行支援による年間一億六千万円の収支改善が欠かせない、財政支援を求めることなく鉄道で復旧する方策を見出せなかったことについては、皆さんの期待に沿えず大変申しわけないとの表明があり、その上で、地域に必要な交通手段を確保するための考え方として、自治体の財政支援を前提とした鉄道復旧案のほか、BRTまた路線バスによる復旧案というものが提示されました。新たに示されました案は、いずれも地元に財政支援を求めることなく、地域に必要な交通手段を確保するための考え方として示されたものだというふうに受けとめております。県といたしましては、これまでの経緯も踏まえ、今後地域の皆様の御意見を伺った上で、どういう方策が望ましいのか、沿線自治体とともに考え、解決に向けて取り組んでいきたいと考えております。  次に、高収益型園芸事業の予算についてでございます。県におきましては、収益性の高い園芸農業を実現するため、県単独の事業といたしまして、全国一の予算規模を確保し、先進技術の導入や省力機械、施設の整備を支援してまいりました。この結果、農業産出額に占める園芸農業の割合は、この事業を開始いたしました平成四年の四六%から、現在では五九%へと増加をいたしておりまして、全国が四〇%、その数字と比べても高い比率となってございます。このように、本事業は園芸農業の振興に大きく寄与しているものと考えております。  そうした中、近年、高収益型園芸事業に対する御要望が非常に多くなってございまして、昨年度を含め全ての要望を採択できなかった年度も出てきております。要望についても増加傾向にあると考えております。一方、近年は台風等の災害がふえておりますため、二十八年度からは国が創設した産地パワーアップ事業を活用し、強風にも耐えられるハウスの整備に対応してきたところであります。加えて今年度からは、この事業の要件が緩和をされまして、これまで高収益型園芸事業で採択をしておりました案件につきましても、この国の産地パワーアップ事業の活用が可能となっているところであります。こうしたことから県といたしましては、現在のところ、高収益型園芸事業の当初予算に加えまして、この国の事業も活用することによって、今年度要望分について対応していく考えでございます。しかしながら、事業の執行を進めていく中で、万が一想定以上に施設整備のコストが上昇し、予算不足により事業が採択されず作付ができないと、そういった事態が生じるような場合においても、営農を続けていただけるよう、しっかり対応していきたいと考えております。  次に、県下一JA構想についてお尋ねがございました。県といたしましては、この構想はスケールメリットを生かした共同仕入れ、一括配送によるコストの削減、総務管理業務の集約による経費削減等を通じまして、経営の効率化や経営基盤の強化を図ろうとするものであるというふうに考えております。一方で、この構想は自己改革を推進するための手段として、JAグループ福岡が主体的に取り組むべきものであると認識をいたしておりまして、その組織のあり方については組合員で十分協議をし、決めていただきたいと考えております。このため県におきましては、この構想について組合員に対し丁寧に説明をし、十分協議をするよう、各JAに指導を行ってきたところであります。  県下一JA構想の事前説明についてでございます。この構想については、平成二十八年六月にJAグループ福岡の組織整備専門委員会が、JA福岡中央会会長に対し答申をいたしております。この答申を受け、二十九年四月に、この構想について検討するため、JAグループ福岡に組織再編戦略推進委員会が設置をされまして、三十年の三月に具体的な戦略案が作成をされました。この戦略案を踏まえ、三十年十一月のJA福岡県大会におきまして、県下一JA化を目指すことが決定をされたところであります。県につきましては、三十年の四月にJA福岡中央会からこの戦略案について説明を受けたところであります。その後、各JAとの意見交換を実施し、戦略案の組合員への説明及びその検討状況について情報収集に努めてきているところであります。  その構想の実現可能性についてでございます。JAグループ福岡の県下三JA構想は、当時、県内二十五ございましたJAを三JAにするという構想で、平成十五年十一月の第三十七回JA福岡大会において議決をされ、取り組まれてきました。県下三JA構想におきましては、まず県内を六地区に分け、地区ごとに段階的な合併を目指しており、二地区において三JAの合併によるJA北九、二JAの合併によるJA福岡京築が誕生いたしたところであります。一方、他の四地区のJAにおきましては、JA内での合理化、効率化できることを最優先したことによりまして、本格的な合併協議には至らなかったというふうに理解をいたしております。そうした中、平成二十六年からの農協改革、TPPや米政策の見直しなど経営環境が厳しさを増していく中、さらなる経営資源の集約化、組織の効率化を図る必要があると、そういうお考えから、県下一JA構想の提起に至ったものというふうに理解をいたしております。現在、各JAにおきましては、来年の総代会における意思決定に向け検討が進められており、この構想が実現するか否かの判断は、今後各JAの意思決定次第であると、このように考えております。このため県といたしましては、これまで行ってきたところでございますけれども、各JAに対し、組合員への丁寧な説明を行うよう、また協議をするよう、これからも引き続き指導してまいります。  次に、輸出に取り組んでおられる生産者の所得についてでございます。人口減少や少子、高齢化による国内需要の減少が懸念をされております中、将来を見据えて海外への販路を拡大し、農林漁業者の所得向上を図っていくため、県におきましては、これまで輸出の拡大に取り組み、平成三十年度輸出額は三十三億六千万円となりました。まだまだこの数字は伸ばしていかなければならない数字だというふうに考えております。お尋ねの生産者の所得につきましては、多くの農林水産物が市場出荷後に輸出に仕向けられておりまして、生産者の段階でその輸出の割合が把握できませんこと、また出荷割合が把握をできております生産者にありましても、輸出に係る所得だけを割り出すには大きな負担、多大な事務負担が伴いまして、生産者の協力が得られにくい、そういったことがございまして、把握は非常に難しい状況でございます。  しかしながら、輸出に取り組むことによりまして生産者の所得向上につながる事例というのも出てきているわけであります。例えば、台湾向けあまおうの九州農産物通商による買い取り価格は市場価格よりも高くなってございます。また、国内では価格が低迷しております、サイズが小さいミカンについては、台湾ではこれは好まれておりまして、九州農産物通商が輸出した昨年度のこのミカンの平均買い取り価格は、市場価格より一割程度高くなってございます。一方、米国向けの柿など新たに輸出が解禁された品目につきましては、動植物検疫条件や残留農薬基準が厳しく設定をされておりますため、国内向け生産とは異なる栽培方法や新たな手続というものが必要となり、新たなコストが生じております。そういったことから、検疫条件に適した病害虫の少ない園地の選定でありますとか、技術改良による検疫対応コストの低減、また輸出拡大による現地植物検疫官の招聘コストの低減、これらに取り組んでいるところであります。また、引き続き国に対しまして、二国間協議で輸出の解禁や検疫条件の緩和、撤廃等について要望を続けていくとともに、こうした輸出が緩和されたような場合に対応するため、この輸出向け生産の効率化、これを進めていくことによりまして、生産者の所得向上につなげていきたいと考えております。
     次に、新県立美術館建設に向けた今後の方針でございます。平成二十九年三月、新・福岡県立美術館基本構想検討委員会報告におきまして、新県立美術館のコンセプト、整備方針など基本的な方向が示されました。この報告を踏まえまして、基本計画策定に向けて関係部局の職員により、新たな美術館に求められる施設整備や規模、運営形態などについて検討を進めているところでございます。美術館は、県民の芸術文化の拠点としての機能だけではありません。まちづくり、地域活性化の拠点、観光の拠点としての役割も期待されております。こうした分野で知見のある方々にも御意見を伺い、内外に誇れる美術館の建設に向け、引き続き基本計画の策定準備というものを進めてまいります。  次に、犬猫へのマイクロチップの装着についてでございます。マイクロチップは、首輪や迷子札に比べ、損傷や脱落することがないことから、平常時はもとより災害発生時におきましても、飼い主を確実に特定できる大変有効な方法であると考えております。このため、福岡県動物愛護推進計画におきまして、マイクロチップ装着の推進を位置づけ、普及を図ってきているところであります。具体的には、県のホームページにおいてその有効性を周知するとともに、市町村や動物愛護センター、獣医師会等関係団体と連携した街頭キャンペーンや動物愛護フェスティバル等の機会を捉えまして、県民の皆様に対しマイクロチップの装着というものを促してきているところであります。また、福岡県動物愛護センターにおいて生後九十日を経過した犬猫を譲渡する際にマイクロチップの装着を行っているところであります。こうした取り組みによりまして、犬猫のマイクロチップ装着数は増加をしてきているところであります。  法改正に伴う装着の義務化についてでございます。今回の法改正によりまして、犬猫等販売業者は生後九十日を経過した犬猫を販売する際にマイクロチップの装着が義務づけられます。また、犬猫の飼い主に対しましては、マイクロチップ装着の努力義務というのが課せられることになります。県といたしましては、この法改正によりまして、マイクロチップ装着がより一層進むとともに、動物愛護のさらなる向上につながるものと考えております。  これからの県の取り組みでございますけれども、犬猫等販売業者に対しましては、毎年開催をしております動物取り扱い責任者研修会におきまして、この法律の遵守の徹底を図るとともに、保健福祉環境事務所の立入調査において、マイクロチップの装着状況というものを確認してまいります。また、飼い主に対しましては、これまでの取り組みに加えまして、今回の法改正の趣旨についてチラシを作成し、動物病院やペットショップ、市町村の動物行政担当課を通じて配布をいたしますとともに、県の広報媒体を活用してその周知を図ってまいります。これらの取り組みによりまして、マイクロチップのより一層の装着を図ってまいります。 5 ◯議長(栗原 渉君) 城戸教育長。 *教育長答弁 6 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 新しい学習指導要領の全面実施のための準備状況についてでございます。  まず、平成三十年度から二カ年で全ての小中学校の教員を対象に、新教育課程説明会を開催するなど趣旨の徹底を図っております。また、新指導要領では、みずから考え、他者との対話や協働を通して課題を解決する力を育成するための授業改善が求められておりますが、これに対応するため、平成二十八年度から授業実践講座を実施しており、教員の実践的指導力の向上を図ってまいりました。さらに、小学校での英語教育の実施に向けて平成三十年度から本年度までの移行期間において、高学年で最低年五十時間の実施が求められております。本県域の小学校においては、平成三十年度に平均五十六時間が実施され、本年度は平均六十一時間の実施が予定されておりまして、全面実施に向けての時数を増加し、準備を整えている状況でございます。  小学校外国語科を指導する教員の意識、能力の育成についてでございます。本県では、これまで小学校教員の英語力、指導力向上に向けた研修の実施により、小学校英語教育推進の中核となる教員を平成二十七年度からの四年間で九百四十名育成し、各小学校に二名配置したところでございます。その中核となる教員を対象に、平成三十年度から、さらに英語力向上を図るための研修を実施しております。本研修前後に実施した英語力診断テストでは、聞くこと、読むこと、書くことの三技能のいずれも、平均正答率が向上しているとの結果が出ており、英語力の育成が図られております。また、平成三十年度からの二年間、県内五十八市町村の各一中学校区をモデル地区として指定し、英語力、指導力にすぐれた教員が小学校を巡回し、モデル授業の公開等による指導力の向上や教育課程編成への助言などの支援を行っております。このような取り組みを通して、各小学校において英語教育を円滑に実施できる体制を整えております。  中学校英語教育の高度化への準備状況についてでございます。これまで、教員の英語力、指導力向上のために全ての中学校英語教員を対象にTOEICの受検や研修を実施してまいりました。これらの取り組みにより、平成三十年度英語教育実施状況調査においては、昨年度と比べ英検準一級程度以上の英語力を有する英語教員の割合が四・九ポイント、英検三級程度以上の英語力を有する生徒の割合が四・五ポイント向上しており、中学校における英語教育の高度化への対応準備は着実に進んでいるものと考えております。  あわせて、本年度から来年度にかけて、全ての中学校英語教員を対象に英語関係企業のノウハウを取り入れた研修を実施し、さらなる英語力の向上を図ることとしております。また、小学校での英語教育による学びが中学校の英語教育の高度化に円滑に接続できるよう、小中連携による指導体制の充実や、九年間の教育課程編成について指定校による実践研究を行っております。これらの取り組みを通じ、中学校における英語教育の改善に向けて着実に準備を進めてまいります。  新たな定時制単位制高校の整備についてでございます。現在、県教育委員会において、令和三年四月の開校を目標に鋭意検討をしているところでございます。整備対象校としては、地理的条件や学校活性化等の観点から、筑後地区においては大牟田北高校、また筑豊地区においては西田川高校を、その候補と考えております。今後さらに、当該学校との協議を進め、本年秋を目途に、教育内容や募集方法を含めた整備計画を策定したいと考えております。  昨年度の本県公立小中学校における体育授業での事故発生状況についてでございます。本県において日本スポーツ振興センターが災害給付金を支給した昨年度の体育授業中の事故件数は、小学校が四千四百十件、中学校が三千二百五十四件でございました。そのうち、事故件数の多かった種目は、小学校では跳び箱が九百三十件、バスケットボールが四百九十二件、中学校ではバスケットボールが千五十四件、バレーボールが三百十七件でございました。  本県の小中学校における体育・スポーツ活動での事故防止に係る県教育委員会の取り組みについてでございます。県教育委員会では、体育・スポーツ活動に関する学校安全点検の指針の策定や、事故防止に係る通知文を発出するとともに、管理職研修会を初め各種研修会において事故防止について周知徹底を図っております。また、初任者研修を初め経験年数に応じた基本研修や体育研究所における専門研修において技能の習得のみならず、安全管理や安全指導に関する内容についての実技研修を実施し、事故防止の取り組みを進めております。  学校における体育・スポーツ活動の適切な実施についてでございます。学校における体育・スポーツ活動は、児童生徒が生涯にわたって運動に親しむとともに、健康の保持、増進と体力の向上を目指し、豊かな生活を営む態度を養う上で大変有意義な活動であると認識しております。しかしながら、その行い方によっては危険を伴い、事故につながるおそれもあることから、児童生徒の実態に応じた段階的な指導のあり方を周知徹底するとともに、児童生徒がみずから判断し、安全な行動がとれるよう、事故防止に関する具体的な指導資料を作成し、さらなる事故防止に取り組んでまいります。  県内市町村における学校給食費の徴収の現状と見解、学校給食費の徴収に対する県としてのかかわり方についてでございます。学校給食費の徴収方法は、本年五月時点で、振り込みや自動引き落としなど金融機関を介して徴収している市町村が三十二、現金により徴収している市町村が十四、学校によりこれらの方式が異なる市町村が十五となっております。このうち教職員以外の者が児童生徒宅を訪問し徴収している市町村は十一となっております。学校給食が学校教育の一環として公的に実施されていることを踏まえますと、学校給食費の徴収業務についても、市町村が主体となって実施することが望ましく、本県の一部地域でPTAなどが徴収している現状は好ましいものではないと考えております。現在、国において会計業務の透明性を確保する等の観点から、学校給食費の公会計化や、徴収業務を自治体が担うようにするためのガイドラインを策定中でございまして、県教育委員会といたしましては、今後ガイドラインの趣旨に沿って、市町村における学校給食費の公会計化等を進めてまいります。 7 ◯議長(栗原 渉君) 香原勝司君。 8 ◯四十二番(香原 勝司君)登壇 知事の答弁をお聞きしまして、我々の会派の考え方とは何点も違うなと、考え方が違うなというふうに感じた次第であります。やはり、我々は厳しい選挙戦を通して県民の声、そして現場の声を聞いてきました。知事も同じように選挙戦を戦われたと思いますが、やはり我々県議会議員は、現場の、そして県民の深いところで、そして密着した中で、県民の声を聞いてきた。やはり、先ほどの答弁の違いというのは、知事は一部の、そして上辺だけの県民、現場の声というものを聞かれた結果、このような答弁になったというふうに思う次第であります。したがって、この考え方についての違いは、今議会でしっかりと議論を深めてまいりたいというふうに思っております。  そしてまた、冒頭の踏み絵の発言の答弁についてでありますが、県知事の発言は極めて重いものであります。さきに指摘をしておりますが、本人が否定しているにもかかわらず、新聞報道を真に受けて発言したということですが、そして批判する意図はないというふうに言われておりますが、私は批判しか聞こえてきません。踏み絵をさせたということは、我が会派が人権を無視し、民主的な運営がなされていないというふうに知事に指摘をされたということと同然であります。極めて屈辱であります。県知事として軽率な発言であり、猛省を促す。以上です。(拍手) 9 ◯議長(栗原 渉君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後二時十分といたします。           午 後 零 時 五十四分  休 憩           午 後 二 時  十一分  再 開 10 ◯副議長(原中 誠志君) 再開いたします。  休憩前に引き続き代表質問を行います。発言を許可いたします。岩元一儀君。(拍手) *岩元議員質問 11 ◯六十三番(岩元 一儀君)登壇 皆さん、こんにちは。民主県政クラブ県議団会長の岩元一儀でございます。会派を代表して代表質問をさせていただきます。  初めに、天皇、皇后両陛下が御即位をされましたことに心からお祝いを申し上げます。令和という新しい時代が日本にとって、世界にとって、平和で繁栄する時代となりまするよう御祈念申し上げます。また上皇、上皇后陛下におかれましては、今後ますますの御健勝と御多幸をお祈りを申し上げます。  さて、小川知事におかれましては、四月七日に実施されました福岡県知事選挙において百三十万票近くの票を獲得され、三期目の当選を果たされました。これから小川県政三期目が本格的にスタートしますが、我が民主県政県議団としては、二元代表制の一翼を担う議会の立場、役割を十分に踏まえて、緊張感を持って福岡県のさらなる発展のために、県知事とともに県民のために力を尽くしてまいる所存でございます。  それでは、会派を代表して、令和元年初の代表質問をさせていただきます。  初めに、小川県政三期目最初の本年度一般会計予算についてでございます。本年度予算は、我が会派がこれまで指摘してきた課題に対し、新規事業として幾つもの予算措置がなされております。例えば、さきの議会で条例が制定されました性暴力対策について五千四百四十七万円、骨髄ドナー助成事業として三百四十三万円、長期入院した高校生に対する学習支援で八百二十二万円、高校におけるICT活用について三億九千百五十四万円などがあり、このことについては一定の評価をしたいと思います。  全体としては、本年度一般会計予算は、昨年度より五百三十三億円増の一兆七千八百五十八億円で、過去二番目の予算規模となっています。知事も三期目に入り、スマート農業の推進など、第四次産業革命を意識した内容を盛り込むなど、御自身の思いがこれまでよりも反映された予算であると思います。しかし、財政の硬直化を示す経常収支比率については、二〇一六年度九八・四%、二〇一七年度九六・八%と、若干改善してきているものの高どまりのままでございます。この原因の一つである通常債残高については、二〇一七年度策定で、計画期間が五年の財政改革プランでは、策定時に二兆二千五百九十二億円だった通常債残高を、二〇二二年度までに、二〇一六年度比七百八十億円程度圧縮し、二兆一千八百十一億円にすることを目標としています。また、この通常債残高については、昨年の我が会派の代表質問において、災害などの特殊要因を除いて考えるべきであると指摘したことを受け、今年度は通常債残高を五百六十八億円減少させ二兆二千二十四億円にすることとされています。  そこで一点目に、今後必要な事業を行い、人件費削減などの安易な方法に頼ることなく、特殊要因を除いた上で、あと残り三年で目標に達することができるのか、知事の見解をお示しください。さらに、今後経常収支比率をどのように改善していくのかお尋ねをいたします。  二点目に、臨時財政対策債についてでございます。今年度臨時財政対策債は、昨年と比較して減少はしているものの八百十九億円計上されています。臨時財政対策債は、地方交付税の不足分を自治体に借金をさせ、それを交付税措置で後から補償するという制度ですが、将来にわたり本当に交付税措置がなされるのかどうか不安が拭えません。もともと二〇〇一年から二〇〇三年までの臨時的措置として国が導入したものですが、十八年経過した現在まで制度が継続されています。  そこで、まず本県の臨時財政対策債の累積残高がどれほどになったのか、また県内六十市町村の臨時財政対策債の累積残高は幾らになったのかお示しください。  その上で我が会派は、国の借金が一千兆円を超え、今なおその額がふえ続けていることを考えると、この制度への強い危機感を持たざるを得ません。そこで地方の危機的な状況を踏まえ、この制度に対する知事の認識をお聞かせいただくとともに、国に対して知事会などを通じて、さらにこの制度を廃止を含めて強く求めていく、訴えていくべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。  次に、知事選での選挙公約についてでございます。小川知事は、今回の知事選挙に当たり、県民第一、県民の声を大切に、県民のためにを合い言葉に選挙戦を戦われました。また選挙公約及びおがわ洋の政策集では、タイトルを県民第一の福岡県とされ、目指すは人の元気、地域の元気であるとうたわれ、これまで以上に県民という言葉を強く打ち出されておられます。また小川知事は政策集の中で、二期八年のこれまでの取り組みについて、県民幸福度日本一の福岡県を目指し、県民生活の安定、安全、安心を向上させていくため全力を尽くし、その取り組みは着実に進んできたと記載されています。  この県民幸福度日本一の福岡県については、これまで本会議場では政策か、公約か、スローガンかで質疑応答が交わされました。事実、小川知事が就任された直後の二〇一一年六月定例会代表質問において、当時の我が会派の吉村敏男会長が、県民幸福度日本一はスローガンか、政策目標かとただしたのに対し、小川知事はスローガンではなく政策目標であり、目指すべき政策として目指したい目標だというふうにお答えされておられます。  そこで一点目の質問で、知事は今回、これまで以上に県民という言葉を強く打ち出され、県民第一の福岡県というメーンタイトルを示されましたが、この県民第一の福岡県とはスローガンなのか、それとも政策目標なのかお答えください。また、これまで掲げられた県民幸福度日本一との違いは何か、県民にわかりやすくお答えください。  二点目に、県民第一の福岡県に加えて目指すものとして掲げられた、人の元気、地域の元気についてでございます。我が会派としては、知事が人と地域に焦点を当てられていることは評価したいと思いますが、知事は、これまでも二〇一七年に策定された福岡県総合計画のポイントとして、県民が元気、温かみ、安定を感じられる施策を掲げられております。そこで人の元気と地域の元気とは、これまでの総合計画にある県民が元気、温かみ、安定を感じられる施策と比べて何が違うのでしょうか。もし、意味が同じであるとすれば、単に言葉を操り、イメージを先行させ、言葉を軽んじているとも受け取られます。県民に理解してもらうためには、同じ言葉を使ったほうがわかりやすいと思いますが、今回あえて表現を変えて訴えられた意味はどこにあるのか、具体的にお聞かせください。  次に、平成二十九年七月九州北部豪雨被害への支援についてお聞きいたします。  初めに、一昨日夜十時二十二分ごろ発生した山形県沖の深さ十四キロを震源とするマグニチュード六・七の地震により被災された多くの方々に心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早くもとの生活に戻られますことをお祈りいたします。  さて、平成二十九年七月九州北部豪雨についてでございますが、日本における中山間地域での土砂災害では、過去最大の被害だったと言われております。大分県日田市、そして我が県朝倉市、東峰村、添田町などに甚大な被害がもたらされました。その被害は、死者、行方不明者三十八名、重傷者十二名、住宅の被害は、家屋の全壊、流失、半壊、床下浸水など合わせて二千三百六十七戸となり、多くの住民が被災し、住居を失い、大災害でした。  しかしながら、この災害は被災の規模が小さいという理由で、国の特定非常災害特別措置法に基づく特定非常災害には認められておりません。特定非常災害とは、著しく異常かつ激甚な非常災害のことであり、その基準は、一、死者、行方不明者、負傷者、避難者等の多数発生、二つ目、住宅の倒壊等多数発生、三つ目、交通やライフラインの広範囲にわたる途絶、四番目、地域全体の日常業務や業務環境の破壊とされています。ところが、この基準は多数発生や広範囲にわたるなどの言葉であらわされており、例えば、今回のような同じ場所で数時間にわたり大雨をもたらす線状降水帯による被害の場合、広範囲ではなく局地的に甚大な被害をもたらし、全国的に各地で発生している大災害の状況を鑑みますと、全く現状に合っていないのではないかと考えます。  そこで一点目に、特定非常災害の認定基準について、内閣府の政令で指定されている基準の不備を国に指摘し、現実に即して改善を図るよう強固に働きかけていくべきと考えますが、知事のお考えをお尋ねいたします。  次に、仮設住宅の入居期限問題でございます。発災から二年がたとうとしている今なお、多くの方が建設型応急住宅、いわゆる仮設住宅やみなし住宅などで暮らされていますが、前述の特定非常災害に認定されていないことから、被災後二年の入居期限という壁が立ちはだかり、仮設住宅に住む被災者は、今後の生活に対して大きな不安を抱えています。  この入居期限の問題は、急に浮上したわけではなく、被災して五カ月がたったころ、被害の最もひどかった杷木地区で開催された復興委員会の席上において、二年で仮設閉鎖を前提とするのは無理であるとの発言が既になされていました。また去る四月十一日、朝倉市の仮設、みなし住宅に暮らす人たちは被災者の会を立ち上げ、期限の延長を知事に要請しました。さらに期限延長については、五月十六日、福岡県弁護士会からも要望が提出をされています。しかし、これら被災者らの要請に対して、知事は延長は法的にも困難であるし、自力再建をした住民へのバランスも考え難しいと回答されています。また六月二日に行われた被災者との面談の場においても、今の枠組みで精いっぱい再建の道を追求したい、支援の公平性を考えて総合的に判断すると説明し、入居期限の延長は困難との態度を崩しませんでした。  朝倉市では、五月二十二日の時点で、再建未定の方が八十四世帯おられますが、誰一人として仮設住宅での生活を望んで入居しているわけではありません。途方に暮れている被災者を、知事は自力で努力した人とのバランスや公平性という表現で切り捨て、県民第一の福岡県とはかけ離れた発言をされており、強く憤りを感じます。  そこで二点目に、知事の言うバランスや公平性とは一体何なのか、被災者にわかりやすく、納得のいく御説明をお願いしたいと思います。また再三の被災者からの要請があっていますが、これまで知事は国に対して御自身で被災者の窮状を訴えられ、二年の期限延長の要望をされたことがあるのかお伺いいたします。  次に、二年の入居期限の根拠についてですが、仮設住宅の強度の関係から、建築基準法により入居が二年と制限されています。そうであるなら、仮設住宅の補強をすることで延長して住み続けることが可能になると考えます。実際に二〇〇五年の福岡西方沖地震の際には、市営住宅の建設が間に合わないことを理由に、当時の知事の判断のもと、仮設住宅の入居期限を一年延長することを決定し、建築基準法上許可が出るように補強工事を行った上で、引き続き仮設住宅に住んだ経過があります。  そこで三点目に、我が会派としては、本当の意味で知事のうたわれる人の元気と地域の元気を実現するためには、今回も西方沖地震の前例のように、仮設住宅の入居の期限の延長を行うべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、政策集にある女性活躍先進県についてお聞きをいたします。政治分野において、二〇一八年五月に政治分野における男女共同参画の推進に関する法律が施行されておりますが、我が会派は、さきの統一地方選を経て二十二名の構成議員のうち三割を上回る七名が女性となりました。そのため今後はさらに力強く、女性活躍推進に関する施策を推進してまいる所存であります。一方知事は、今回の選挙における政策集の中で、女性活躍先進県という言葉を初めて使い、農林水産業や建設分野での女性の就業促進を初め、本庁課長相当職以上に占める女性職員の割合を一五%以上にし、市町村や経済界へ波及させるとしています。  そこで一点目の質問です。そもそも女性活躍先進県という言葉を政策集に盛り込んだ知事の思いをお聞かせください。その上で、先進県となるために具体的に何に取り組むのか、ポイントを絞って端的にお答えください。  次に、本庁課長相当職以上に占める女性職員の割合についてでございます。三期目スタートとなる本年幹部職員人事では、女性の管理職の割合は一四・一%であり、五年前の二〇一四年度が七・一%であったことを考えると、今年度の結果は一定の評価ができます。しかしながら、課長相当職以上の方が多い五十代の女性職員の割合は二四・九%であることを鑑みると、女性の管理職への登用はまだまだその途上にあると言わざるを得ません。  そこで二点目に、女性の管理職への登用を阻んでいるのは何であると分析しているのかお聞かせください。その上で、今後さらに女性の登用を進めていくために、我が会派としては管理職の働き方改革や、管理職として育成する環境と仕組みをつくっていくことが大事であると考えますが、今後どのような方法で、さらに女性の登用を進めていくのかお伺いいたします。  三点目に、来年度以降の本庁課長相当職以上に占める女性職員の割合についてでございます。さきの二月定例議会の所信表明で、知事は、県みずから率先して県庁の女性管理職を三倍にふやすなど女性の活躍を進めてきたと発言されています。しかしながら、全国都道府県における女性管理職登用率の目標数値を見ると、本県の一五%より高い数値目標を設定している都府県が五つあり、最も高い目標設定値は二〇%となっています。今後女性活躍先進県と言うからには、本県においてもより意欲的な数値を打ち出すべきと考えますが、知事の考えをお聞かせください。  次に、宿泊税導入についてお伺いをいたします。宿泊税導入をめぐっては、昨年九月に福岡市が宿泊税の導入を柱とする条例案を可決してから、この間本県と議論が一向に進まなかった中で、今回新聞報道などによると、県議会筋の仲介により、福岡市の高島市長とのトップ会談が実現し、福岡市内に一人一泊二万円未満で泊まった場合、福岡市が百五十円、県が五十円徴収する案で合意に達しました。このことについては率直に評価したいと思いますが、以下一点のみ質問をさせていただきます。  それは、福岡市と同じ政令市である北九州市の宿泊税をめぐる動きについてでございます。北九州市の北橋市長は、五月二十九日の記者会見で、独自に課税、徴収する方針を明らかにした上で、県と福岡市が二十四日に合意した二重課税を前提に、同じ県内の政令市として検討すると表明しました。今後の予定としては、九月議会をめどに方向性を出すとしています。現在、北九州市は検討委員会を設置する準備段階にありますが、仮に北九州市が検討委員会で検討の結果、市税として課税することが決定した場合、県としてはどのように対応するのかお尋ねします。  ここで一回目の質問とさせていただきます。(拍手) 12 ◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。 *知事答弁 13 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、財政改革プランにおける通常債の残高の圧縮目標、その達成見込みでございます。令和元年度末の通常債残高見込みでございますけれども、平成二十八年度末と比べて八百四十六億円増加をいたしております。しかしながら、これは豪雨災害復旧、復興対策などやむを得ない要因を除きますと、プラン策定時の目標を上回る五百六十八億円を圧縮することができております。今後も豪雨災害の復旧、復興にしっかり取り組んでいきますとともに、このようなやむを得ない要因を除きまして、プランに沿って財政の健全化を着実に進めることによりまして、通常債の残高の圧縮に取り組んでまいります。  次に、経常収支比率についてお尋ねがありました。経常収支比率でございますけれども、人件費、社会保障費、公債費など、毎年度継続的に支出をされる経費に充てた一般財源の額が、県税、地方交付税など毎年経常的に収入される一般財源の額にどの程度占められているか、これをあらわす数字でございまして、財政構造の弾力性を示す指標でございます。平成二十九年度におきます本県の経常収支比率は九六・八%となってございまして、全国平均の九四・二%を上回っておりますものの、前年度に比べ一・六%改善をしているところでございます。本県におきましては、現在財政改革プランに沿って人件費の抑制、社会保障費の増加の抑制、建設事業の重点化によります将来の公債費の抑制といった歳出削減を進めてきているところであります。あわせて地域経済の活性化と魅力ある雇用の創出などの施策に取り組むことによりまして、税源の涵養というものも図ってきているところであります。こうした取り組みを続けることによりまして、経常収支比率の改善に努めてまいります。  次に、本県及び県内市町村における臨時財政対策債の状況でございます。臨時財政対策債の平成二十九年度末残高は、本県におきましては一兆三千一億円、県内市町村の合計では一兆七百七十六億円と、それぞれなっております。累増する臨時財政対策債につきましては、極めて厳しい地方財政の現状を踏まえまして、その廃止、それから地方交付税の法定率の引き上げを含めた抜本的な改革等を行うべきであり、臨時財政対策債に頼らず、安定的に交付税総額の確保を図ること、また発行額の縮減に努めるとともに、償還財源を確実に確保すること、この二つが極めて重要であると認識をいたしておりまして、国に対し、全国知事会等を通じまして、引き続き要請を続けてまいります。  次に、知事選挙で用いた県民第一の福岡県という言葉でございます。私は、知事就任以来、県民幸福度日本一の福岡県、この目標を掲げ、県民生活の安定、安全、安心、この三つの向上に全力で取り組んでまいりました。これは三期目の県政を担うに当たっても変わるものではございません。その上で、県民第一の福岡県という表現でございますけれども、これからも県民の皆様のこと、皆様の思い、これを第一に県政を推進していくという私の政治姿勢、これを県民の皆様に改めて示すために用いた言葉でございます。  次に、総合計画における元気、温かみ、安定と、公約に掲げました人の元気と地域の元気、これについての関係でございます。まず、県民の皆さんが元気、温かみ、安定を感じられる施策の推進というのは、総合計画に掲げる施策の体系をわかりやすく整理したものでございまして、今後もその考え方に沿って施策を展開をしてまいります。一方で、人の元気と地域の元気という表現でございますけれども、少子、高齢化、人口減少という現下の大きな課題、これに立ち向かっていき、地方創生というものを推進していく私自身の決意というものを県民の皆様にわかりやすくお伝えをするために用いた言葉でございます。  次に、特定非常災害の指定についてお尋ねがございました。特定非常災害特別措置法でございますけれども、阪神・淡路大震災が発生しました当時、さまざまな法律の特例措置が行われましたことを踏まえて、極めて大規模かつまれに見る災害が発生した場合に、被災者の権利、利益の保全などを定めたものでございます。一方で、応急仮設住宅の供与というのは、災害救助法で定められた救助の内容でございます。にもかかわらず、その延長というのは、その災害救助法には定めがありません。特定非常災害特別措置法の指定を受けなければならない、そのようになってございます。被災者の立場に立って、現行制度を見直していくためには、被災した場合に災害の規模の大小にかかわりなく、同じ取り扱いがなされるよう災害救助法の弾力的な運用を行うことが必要であると、このように考えております。このため県といたしましては、全国知事会を通じて、被災者の迅速かつ効果的な救助を行うため、仮設住宅の供与期間、災害ボランティアの食費などの資金使途の制約の撤廃などにつきまして、自治体の自主的、弾力的な運用が可能となるよう災害救助法の見直しについて要望を行ってきているところであります。  次に、支援のバランス、公平性についてお尋ねがございました。県におきましては、被災者の一日も早い住宅再建が進みますよう、朝倉市と協力しながら、被災者生活再建支援金に加えまして、再建時の借入金の利子補給、入居に際しての初期費用、引っ越し費用の助成、義援金の追加配分など支援策を講じてきたところであります。五月二十二日現在、再建方針は決まっているけれども、具体的な転居先を今探している、そういう方も含めて再建のめどが立っておられない方が八十四世帯ございます。これらの支援策の活用によりまして、過去最大で一千六十九世帯ありました支援対象のうち、これまで九百八十五世帯、約九二%の世帯の方々が住宅再建が進んでいる状況にございます。そうした中、バランスや公平性と申し上げましたのは、行政としては、同じ災害に遭われた方々に対しては、同じような支援を行わなければならない、行っていくと、そういう役割、使命があるという意味で申し上げたところであります。これまで被災者お一人お一人の御意向をきめ細かに確認しながら、また、その状況に応じた住宅再建ができるよう御支援をしてきたところでございますが、このように具体的な再建のめどが立っておられない方についても、引き続き朝倉市と一緒になって、こうした支援策の活用についても働きかけながら、最後までしっかり御支援をしていきたいと、このように考えております。  仮設住宅の入居期限の延長にかかわる国への要望についてでございます。仮設住宅の供与期間を超える延長を行うためには、先ほど申し上げましたように、特定非常災害として国が政令で指定する必要がございます。このため内閣府に問い合わせを行いましたところ、九州北部豪雨災害につきましては、特定非常災害には指定されていないことから、災害救助法による仮設住宅の供与期間の延長はできない、その旨の説明を受けました。また特定非常災害の指定を受けていない場合であっても、災害救助法施行令に定めのある内閣総理大臣への協議ができるか、これについても確認をいたしました。その結果、協議しても建築基準法による仮設住宅の存続期間の特例措置を定めた特定非常災害特別措置法に基づく特定非常災害の指定を受けなければ、仮設住宅が建築基準法違反の建築物となるため同意することはできないと、その旨の回答でございました。こうしたことから災害救助法による延長は難しいと、このように考えまして、私自身国に要望をしたことはございません。  次に、仮設住宅の入居期限の延長でございます。福岡西方沖地震の際には、被災地玄界島には民間賃貸住宅がなく、しかも被災者が入居先として予定をされておりました福岡市営住宅、その完成が仮設住宅供与期限までに間に合わなかったことから、福岡市と協議の上、延長したものでございます。今回は、災害公営住宅が仮設住宅の入居期限内に完成する予定でありますことに加えまして、民間賃貸住宅や公営住宅の供給数が地域に一定程度ございますことから、福岡西方沖地震の場合とは状況が異なるのではないかというふうに考えております。いまだ再建のめどが立っていらっしゃらない方々に対しましては、被災者お一人お一人の状況に応じた住宅再建が進みますよう、朝倉市と一緒になって、今の支援策を最大限活用していただきながら、再建の道筋がつくよう懸命に支援をしていきたいと、このように思っているところであります。一方で、先ほども申し上げましたように、今までみずから再建をされた方との公平性というものも、行政としては考慮しなければなりません。こうしたことを踏まえて、朝倉市とも協議しながら、今後の対応については総合的に判断をしていきたいと、このように考えております。  女性活躍先進県に込めた思いと具体的な取り組みについてでございます。私は、福岡県は女性が大変活躍をしている県の一つだというふうに考えております。福岡県の人口構成を見ますと、全国では五十歳代から上が、女性が男性の数を上回っているわけでございますが、本県におきましては、二十代から上の世代が全て女性が男性の数を上回っております。また県内の企業の七社に一社は女性の社長でございます。その割合は全国で三番目の高さとなってございます。まさに女性の活躍というのが、本県発展の鍵を握っているというふうに考えられ、社会のあらゆる分野で女性がそれぞれの個性と、また能力を最大限に発揮をしていただき、生き生きと活躍をされる女性活躍先進県というものを目指したいと考えているところであります。このため、これまでも県みずから率先垂範して女性管理職の登用を行いますとともに、社会における女性活躍のための環境の整備に取り組んでまいりました。  具体的に申し上げますと、経済団体や市町村などで構成しております福岡県女性の活躍応援協議会、これを設置いたしまして、企業や市町村における女性管理職の登用や働きやすい職場づくりというものを促してまいりました。また子育て応援宣言企業の登録の拡大、子育て女性の就職の支援などによりまして、結婚や出産後も女性が職場で活躍し続けられるよう取り組んでまいりました。あわせて女性による元気な地域づくり応援講座を開設をいたしまして、地域における女性のリーダーというものを育成してまいりました。  今年度は、こうした取り組みに加えまして、女性の活躍の場をさらに広げていくため、農林漁業の就業間もない女性を対象とするキャリアプラン作成講座の開催、また建設業の女性従業員みずからが行う職場のイメージアップ、あるいは環境の改善への支援というものを行っていきます。また市町村の審議会委員や自治会役員など、地域で活躍をしていただく女性をふやしていくため、市町村職員を対象として実践講座というものを実施することといたしております。今後とも職業生活や地域社会活動のあらゆる分野で、女性が生き生きと活躍をする福岡県の実現に向け全力で取り組んでまいります。  次に、女性職員の管理職への登用でございます。本県におきましては、平成二十八年三月、特定事業主行動計画を策定したところであります。この計画の策定に当たりましては、本県における女性活躍推進の現状というものを把握し、分析を行いました。その結果でございますが、管理職に占める女性職員の割合が低い要因といたしましては、管理職となるための十分な経験を積んできた女性職員が少ないこと、ロールモデルとなる職員も少なかったこと、仕事と家庭の両立に不安をお持ちだったこと、そういった課題があることがわかりました。このため女性職員につきましては、男性職員と同様、事業部門や企画部門等多様な業務に配置をいたしますとともに、国や市町村、民間企業等にも積極的に派遣をいたしまして、これらを通じて幅広い分野の経験を積んでいただくことによりまして、その人材育成に努めてきているところであります。また女性職員を対象とした女性活躍推進研修というものを実施いたしまして、ロールモデルとなる先輩職員の経験談、あるいはワーク・ライフ・バランスの実践について学ぶことを通しまして、キャリアアップに対する意欲の向上というものにも取り組んできているところであります。加えて時間外勤務の縮減、男性の育児休業の取得の促進、育児休業者への職場復帰の支援などによりまして、仕事と家庭を両立しやすい職場の環境の整備にも取り組んでいるところであります。今後ともこうした取り組みによりまして、女性職員の人材育成と職場環境の整備を図っていきまして、女性管理職への登用というものを進めてまいります。  次に、女性職員の管理職登用に係る目標についてでございます。現行の目標でございますけれども、私が知事になる前三・七%でございました。これを一五%に引き上げるものでございまして、現在の国の目標値は七%でございます。また都道府県の平均目標値は、今一二・六%でございます。これを大きく上回る水準となってございます。まずは、この目標を来年度末までに達成すべくしっかり取り組まさせていただきたいと、このように思います。その上で、これまでの取り組みについて検証を行い、来年度中に策定予定でございます次期計画の中で、本県の実態に即した新しい数値目標というものを設定したいと考えております。  次に、宿泊税をめぐる北九州市への対応でございます。北橋市長が五月二十九日の記者会見におきまして、宿泊税を課税することの検討を開始する旨表明をされました。これを受けまして、県といたしましては、県の宿泊税制度、そして福岡市との今般の合意が福岡市内における県市双方の役割分担を調整した結果、県課税額を五十円減額したものであること等につきまして、既に北九州に対し説明を行っているところであります。これらを踏まえまして、今後北九州においては、有識者による検討会で宿泊税について検討がなされるものというふうに考えております。仮に、北九州市が宿泊税の導入を決定される場合には、宿泊者や特別徴収義務者となります宿泊事業者のそれぞれの負担の軽減を図っていく必要がございます。このため北九州市内における県と市の役割分担を踏まえた税額の調整、また税の徴収の一本化等について、福岡市と同様、協議を行っていく必要があると、このように考えております。 14 ◯副議長(原中 誠志君) 岩元一儀君。 15 ◯六十三番(岩元 一儀君)登壇 ここで再質問一件、そして要望を二件させていただきます。  まず、選挙公約に基づく知事の基本姿勢について再質問をさせていただきます。知事が掲げられた県民第一の福岡県について、スローガンか政策目標かをお尋ねいたしましたが、知事は、我が会派の代表質問に答えず、あえて政治姿勢と答弁されました。  そこで再度単刀直入にお伺いいたします。県民第一の福岡県とはスローガンですか、それとも政策目標ですか、端的にお答えください。  また三期目の県政を担うに当たり、これまで掲げられてきた県民幸福度日本一という目標は変わらないとの旨を答弁されました。であるならば、今後も政策目標として県民幸福度日本一を掲げられるのかお答えください。  なお、その上で、政治姿勢と言われるのであれば、特に、九州北部豪雨災害の被災者への支援については、知事自身が県民第一の政治姿勢を具体的に県民にお示しいただくために、以下要望をさせていただきます。  まず、災害救助法の改正についてでございます。知事は、災害救助法の弾力的な運用について、全国知事会で要望していると述べられました。九州北部豪雨災害においても、災害救助法が弾力的に運用できるものであったなら、本県としてさまざまな取り組みが可能であったはずです。今後も九州北部豪雨災害を経験した本県知事として、粘り強く法改正を訴えていただきまするよう強く要望をいたします。  次に、仮設住宅の入居期限の延長についてでございます。まず福岡西方沖地震の際の入居期限の延長については、九州北部豪雨災害と状況が違うとの発言でございました。しかし、県が独自に入居期限の延長を行うことそのものは可能であることが、まさに示されたわけであります。そして、現在入居者から窮状が何度も県に届けられているにもかかわらず、知事は独自の延長を決断しなかったことは、被災者に寄り添うという知事の言葉と逆行するものであり、大いに問題があると指摘せざるを得ません。しかし、知事は先ほど答弁において、いまだ再建のめどが立っていらっしゃらない方々に対して、再建の道筋がつくよう朝倉市と協議しながら総合的に判断していくとも述べられました。みなし仮設も含め、仮設住宅にお住まいの方のうち、入居期限の二年を迎える方は、最も早くて七月中旬であるとお聞きをいたしております。もう待ったなしの状況であり、再建のめどが立っていらっしゃらない方は、日々不安が増しています。総合的に判断する際には、入居期限の延長を前提に朝倉市と十分に協議した上で、知事自身の決断のもと、被災者の側に立った取り組みを進めていただくことを強く強く要望いたします。  続いて、女性活躍先進県について、知事に要望します。管理職に占める女性の割合が低い理由として、経験不足、ロールモデル不足、仕事と家庭の両立への不安の三つの要因が挙げられました。しかし、女性は管理職になるための十分な経験を積まなかったのではなく、子育てや家事などの負担の多くを女性が担った結果、十分な経験を積める環境や機会を得られなかったのではないでしょうか。福岡県は二〇〇一年に男女共同参画推進条例を制定され、その中で男女が職域、学校、地域、家庭、その他の社会のあらゆる分野において対等な構成員として参画する機会が確保され、かつ男女がともに責任を担うとし、県はこの理念にのっとり施策を策定し、実施する責務を負うこととなっています。あれから約二十年が経過しているが、いまだに管理職となるための十分な経験を積んできた女性が少ない、ロールモデルがない、家庭との両立に不安を覚える女性職員が多いというのは、この間、県は足元で県職員に対して一体どのような施策を実施してきたのかとあきれる思いであります。  また知事は、答弁で幅広い分野の経験を積ませることによって人材育成に努めてきているとお答えになりましたが、積ませるという表現は、女性本人の能動的な意思ではなく、社会が強制的に行わせると解釈でき、これでは行政の感覚、意識がおくれていると言わざるを得ません。知事には女性の社会参画の阻害要因についてもっとその認識を深められ、真の女性活躍に向けた取り組みを進めていただきますよう強く要望しておきます。 16 ◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。 17 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、県民第一の福岡県という表現でございますけれども、政策目標やスローガンといったものではないと考えております。私の政治姿勢、県民の方々に対する私の心構え、これを県民の皆様に改めて示すために用いた言葉であります。  次に、県民幸福度日本一福岡県でございますが、知事就任以来、この県民幸福度日本一福岡県を目指して、県民生活の安定、安全、安心の向上に全力で取り組んでまいりました。このことにつきましては、三期目以降、三期目の県政を担うに当たっても変わるものではない、こういう考え方で進めさせていただきます。 18 ◯副議長(原中 誠志君) 岩元一儀君。 19 ◯六十三番(岩元 一儀君)登壇 次の項に入らせていただきます。  私立学校における働き方改革の推進について、知事にお聞きします。近年では長時間労働の常態化や過労死、非正規労働者に対する不合理な待遇差など、働き方の問題に伴う弊害が深刻な社会問題となっています。また企業だけでなく、学校においても同様の問題を抱えていることが指摘されるようになり、我が会派は、これまで公立学校及び私立学校における働き方改革についてたびたび取り上げてまいりました。  そこで、これまでの質問を踏まえ、一点目に、県内私立高校における労働基準法の遵守状況に対する県としての認識と対応についてお聞きします。我が会派が本年二月議会の代表質問において、県内の私立高校六十校における労働基準法の遵守状況をただしたところ、労働契約の際に書面を交付していなかった私立高校が四校あることがわかりました。さらに時間外勤務、休日出勤ともに、三六協定を締結していない私立高校が、教員については三十九校と全体の七割を占めていること、事務職員についても二十三校と全体の四割を占めていることが初めて明らかになりました。  そこで、まず県は、私立学校の運営費に対する補助を実施しており、補助金が適正に施行されるよう指導監督する立場にあるわけですが、労働基準法を遵守していない私立高校が、これだけの数に上っていることについて、知事はどのように認識しておられるのか、改めてお聞きをします。その上で、県としてこの間、労働基準法を遵守していない県内私立学校に対してどのような指導を行ったのか、また、その結果どの程度改善が見られたのかお聞きします。  二点目に、労働条件の客観的な把握についてでございます。本年四月より働き方改革関連法が順次施行されるようになり、本年四月一日に労働状況の客観的な把握が義務づけられました。私立学校についても企業と同様、この法律の対象となるわけであります。我が会派が同じく二月議会の代表質問において、県内私立学校における教職員の勤務実態について、県として把握しているのかをただしたところ、知事は、国が実施した全国調査の結果では、退勤時間を客観的に確認できていない私立学校が多く、休憩時間をとれていない教職員や休日勤務が多いとしながらも、県としては私立学校の教職員勤務実態について調査を行っていないと答弁されました。同時に知事は、私立学校法の規定に基づき教育の調査、統計、その他に関し必要な報告の提出を求めるという権限を有しているとも答弁されています。  そこで学校における働き方改革を進めるには、教師の人間性や創造性を高め、効果的な教育活動を行うために重要であり、所管庁である県として、早急に勤務実態について、学校法人に報告の提出を求めるべきであると考えますが、改めて知事の意向をお聞きをいたします。  三点目に、有期雇用契約で働く常勤講師、いわゆる非正規教員の状況についてお聞きをいたします。文部科学省が実施した平成三十年度学校基本調査によれば、フルタイムで働く教員は公立高校で十七万人、私立高校で六万人、そのうち常勤講師は公立高校においては約九千七百人で、教員に占める割合は五・七%、私立高校では約八千六百人で、教員に占める割合は一三・八%となっています。ところが、本県の私立学校においてフルタイムで働く教員三千百十一人のうち常勤講師は八百四人で、教員に占める割合は二五・八%であり、全国平均の一三・八%を大きく上回っています。この比率の高さは、四十七都道府県のうち熊本県、大阪府に次いで三番目となっています。  そこで、まず我が会派は県内私立高校教員の四分の一もが常勤講師として非正規で働いている現状は、教員の使命と職責の重要性に鑑み、その身分は尊重され、待遇の適正が期されなければならないと定められている教育基本法の趣旨に反するものと考えますが、知事はどのような認識を持っておられるのかお聞きします。  また昨年四月から労働契約が五年を超えて繰り返し更新された場合、本人からの申し込みにより、期間の定めのない労働契約に転換される無期転換制度が始まっています。そもそもこの制度は、雇いどめの不安を解消し、雇用を安定させる目的で導入された制度ですが、無期転換を逃れるため、五年を超える前に雇いどめする事例が出てきています。我が会派は、県内私立高校においても、雇いどめにより教育条件の維持向上が著しく損なわれているのではないかと危惧するものでございます。県として雇いどめが行われないよう、私立高校を指導すべきと考えますが、知事の見解をお聞きをいたします。
     次に、中高年のひきこもり問題についてお聞きをします。ことし三月二十九日、四十歳から六十四歳のひきこもり状態の人が、全国に六十一・三万人、そのうち男性が四分の三以上を占める。ひきこもり期間は七年以上が半数を超え、三十年以上が六・四%もいるという衝撃の事実が内閣府から公表され、大きな驚きとともに社会問題となりました。これは、内閣府が平成三十年十二月に実施した生活状況に関する調査結果によるもので、八十代の親と五十代の子供の世帯の孤立と困窮という八〇五〇問題が叫ばれるようになり、今回初めて四十歳から六十四歳の調査に踏み切ったものと思われます。そして、ことし五月に起きた川崎での殺傷事件では、容疑者が五十代の男性であり、八十代の高齢者と同居し、ひきこもり傾向があったことがわかったことから、八〇五〇問題に改めて注目が集まりました。しかしながら、この事件により、ひきこもりの当事者への誤解や偏見が助長されかねないと懸念すると同時に、当事者やその家族が、今まで以上に相談さえできなくなるのではないかという危惧も持たれています。こうした観点から、ひきこもり問題の早期解決に向けて本腰を入れて取り組むべき時期が来ていると強く主張した上で、以下質問をさせていただきます。  本県では、二〇一一年六月、精神保健福祉センター内に福岡県ひきこもり地域支援センターを開設し、相談者の年齢に関係なく対応を行っています。同センターは、開設後の相談件数が年間約千件程度で推移してきていますが、昨年、二〇一八年度は千五百件を超え、二〇一九年度においては四月から六月十四日までのわずか二カ月半で五百十二件の相談が寄せられており、このペースだと年間二千五百件を超えると予想されます。このような相談件数が大幅に増加する中、同センターの方の話によると、相談先の選択肢をふやし、当事者のニーズに合った支援が必要だと強調されています。現在、県内にひきこもり地域支援センターは、春日市に一カ所、福岡市に二カ所、北九州市に一カ所の計四カ所でありますけれども、さきに述べたような現状から鑑みても、深刻な社会問題となっている中高年ひきこもり問題に対して、これまでの相談体制のままで十分に対応できるのか、甚だ疑問でございます。  そこで、初めに八〇五〇問題に対する知事の認識をお聞かせください。その上で、現行の相談体制のままでは全く不十分であり、少なくとも相談員を増員したり、相談窓口の設置箇所をふやすなどの必要があると考えますが、知事のお考えをお聞かせください。  次に、県独自の実態調査についてでございます。中高年のひきこもりに対し、一刻も早い支援強化を図るために、より身近な地域で現状を把握し、具体的な課題を浮かび上がらせることが必要です。二〇一六年決算特別委員会において、我が会派の渡辺美穂議員が、島根県や山形県を例に、実態調査を行うべきではないかと指摘をし、執行部は実態把握は困難だという姿勢を崩しませんでした。しかし、この間、今申し上げましたとおり、事態は深刻さを増しております。年齢に関係なく、本県独自の実態調査の実施を早急に行うべきと考えますが、知事の見解をお示しください。  次に、本県における優生手術に関する被害者救済について質問をいたします。旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律、いわゆる旧優生保護法救済法が、議員立法により本年四月二十四日に国会で成立し、公布、施行されました。この法律の前文には、旧優生保護法に基づき多くの方々が特定の疾病や障がい等を理由に生殖を不能にする手術等を受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けられたことに、深く心からおわびする旨の趣旨が記されています。議員立法により被害者への謝罪と補償を行ったことに対しては一歩前進と言えますが、実際救済に当たってはさまざまな問題があり、安易に喜べる状況ではありません。この法律の中で、都道府県に求められる役割としては、一、請求に係る事務、二、支給手続の周知、三、相談支援とされていますが、そもそも今回の救済法適用となる対象者の把握が困難な状況にあるのが現状であります。本県内の強制不妊手術の件数については、平成三十年六月議会の我が会派の代表質問に対して、本県の統計上、本人の同意を要しない優生手術件数が三百六十四件、個人が特定できる記録は六名であると答弁されており、対象の方全てに救済の手を差し伸べられるのか、甚だ疑問でございます。  そこで一点目に質問ですが、本県が旧優生保護法下において、国からの機関委任事務とはいえ、不妊手術を強制、強要する実務者となっていたという歴史的な事実について、知事は、昨年の我が会派の代表質問に対して、本人の同意を得ず、そのような手術が行われたことは大変痛ましく、関係者の皆様方のお気持ちを考えるといたたまれない思いになるということを答弁されておられます。そこで今回救済法ができた意義について、どうお考えなのかお聞かせください。  二点目に、救済法の対象者についてですが、さきに述べたように、昨年の代表質問に際し、個人が特定できる記録は六名であると答弁されています。その答弁から一年がたちましたが、その後、個人を特定するために何らかの調査を行ったのかお答えください。  また、救済法の対象となる方は、優生手術等を受けた生存する本人とされており、現時点では手術された方の生存確認すらできないとお聞きしています。そこで、今回救済法の対象となり得る方をどうやって把握するおつもりなのか、知事のお考えをお答えください。  三点目に、県の役割である請求に係る事務についてでございます。この請求事務には、煩雑かつすぐに準備することが難しい資料も含まれております。そこで質問です。実際に救済法請求に当たって、煩雑な資料作成や請求に対して、県として全面的に支援しなければなりませんが、到底申請することは難しいと考えます。支援がなければ難しいと思われます。どのように支援するのかお答えください。  この項の最後に、救済法の対象になる方に支払われる一時金についてであります。これまで日本は、今回の優生手術の誤った国策により、多くの方に苦痛を与えた痛ましい過去があります。その一つが、全ての患者を隔離することを定めたらい予防法です。その後、らい予防法は廃止され、隔離政策で不当な差別や偏見を受けたハンセン病の患者らに対して補償金が支払われました。また、熊本県水俣市にあるチッソ水俣工場による工業廃水の排出が原因となったメチル水銀中毒症、いわゆる水俣病の患者への補償では、認定患者に対しチッソから慰謝料としての一時金が支払われています。しかし、この水俣病については、一時解決後も二次訴訟、三次訴訟と続き、今なお訴訟が続いているものであります。こうした中で、我が会派として、過去の事例を見ても、今回の優生保護法に基づく手術を受けられた方への一時金三百二十万について不十分であると考えますが、今回一律三百二十万円となった経過とその額が妥当なものかどうか、知事の御所見をお伺いいたします。  これで二回目の質問とさせていただきます。 20 ◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。 21 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  私立学校における労働基準法遵守状況についてでございます。労働基準法が遵守されていない私立学校があることは大変遺憾であると、このように思っております。このため労働契約の際、書面を交付していなかった四校に対し個別指導を行いました結果、現在では全てが書面を交付しております。また、本年三月と五月に、県内全ての私立学校に対し労働基準法を遵守するよう通知をいたしますとともに、私学団体の総会においても要請を行ってきたところであります。その結果、三六協定を締結していなかった私立高校のうち、教員については八校、事務職員については五校が、それぞれ新たに協定を締結をし、さらに今年度中に教員については十五校、事務職員については十校が、それぞれ協定を締結する予定となっております。教員につきましては、残る十六校、事務職員については八校、これがそれぞれ残っておりますが、これらについても全て協定が締結されるよう、引き続き指導を続けてまいります。  次に、私立学校における勤務実態の把握についてでございます。働き方改革関連法の施行によりまして、私立学校においても時間外労働の上限規制の導入、年次休暇の確実な取得等労働基準法の改正が行われたところであります。この改正につきまして、県といたしましては優良事例の紹介をするなど、各学校の取り組みに対する必要な支援を行っていくことといたしております。また福岡労働局が私立学校を対象とした説明会を予定いたしておりまして、県にその協力要請がありました。このため、この説明会への参加について、各学校に今、促してまいります。また労働基準法に基づく監督権限というのは、法律上国にあります。このため、その実態調査等は労働基準監督署において行われるべきものであると考えておりますけれども、県といたしましても、法令の遵守について、私立学校がこれを行うよう指導を続けてまいります。  次に、私立高校における教員の雇用形態の現状についてお尋ねがございました。私立高校は、それぞれの建学の精神に基づき特色ある教育の推進を図り、国及び地方公共団体はその自主性を尊重するものとされております。このため教員の雇用形態につきましては、各私立高校が教育内容やその学校の状況に応じまして自主的にお決めになるものでございます。一方で、教員が勤務する際には、教育活動に専念ができるよう教育基本法の趣旨を踏まえることも必要であると、このように考えております。  私立高校における労働契約法の無期転換ルールへの対応でございます。無期転換ルールは、有期労働契約が反復更新されて通算五年を超えたときに、労働者の申し込みにより無期労働契約に転換できるものでございまして、労働者の雇用の安定を目的とするものでございます。県におきましては、無期転換となるのを抑えるための雇いどめが懸念されますことから、これまでも福岡労働局と連携をいたしまして、県内の各私立高校に対し無期転換ルールについて、その周知を図ってきたところであります。今後も、私学団体の会議や校長、事務長を対象とします研修会等におきまして、この無期転換ルールを定めた労働契約法の趣旨というものを周知を図ってまいります。  次に、八〇五〇問題に対する認識と相談体制のありようでございます。中高年のひきこもりのお子さんを持つ親の高齢化に伴いまして、親子ともに社会的に孤立をし、経済的に困窮する事例というものがふえておりまして、こういった八〇五〇問題というのは重要な課題の一つであると認識いたしております。本県におきましては、県の精神保健福祉センター内に設置をいたしております福岡県ひきこもり地域支援センターにおきまして、精神保健福祉士等の相談員が、本人や御家族からの相談に応じるほか、県内九カ所の保健福祉事務所においても保健師が相談に応じてきているところであります。また両政令市におきましては、北九州市一カ所、福岡市二カ所のひきこもり地域支援センター、また保健所におきまして、同様に相談に応じているところであります。  県のひきこもり地域支援センターにおきましては、電話や来所による相談に応じておりますほか、必要に応じて訪問支援というものも行わさせていただいております。本人への対応方法に不安を抱えておられます家族からの相談、これがふえております。そういうことから、このカウンセリングを充実させ、またきめ細かな相談支援を行うため、昨年臨床心理士を一名増員をいたしまして、四名体制としたところでございます。また、ひきこもり相談に応じる保健福祉事務所職員の資質の向上を図るため、ひきこもりの対応方法や地域での連携のあり方、手法について研修会を開催をしているところであります。県といたしましては、ひきこもりの悩みを抱えておられる御本人、そして御家族が地域社会から孤立することがないよう、ひきこもり地域支援センターなどの相談窓口についての周知に努め、きめ細かな相談支援というものを行ってまいります。  次に、本県独自の実態調査の実施についてお尋ねがございました。国におきましては、昨年十二月、内閣府が四十歳から六十四歳の五千人の方を抽出し、実態調査を実施いたしました。その結果、全国でひきこもりの方が約六十一万人と推計されたところでございまして、これを我が県に当てはめますと、四十歳から六十四歳のひきこもりの方は約二万人ということになります。また同様に、二十七年に国が実施をいたしました、十五歳から三十九歳までの方を対象とした調査、その結果によりますと、全国で約五十四万人、福岡県に当てはめますと約二万人となりますけれども、そういうことからいいますと、十五歳から六十四歳までの我が福岡県におけるひきこもりの方は、合わせて約四万人ということになります。  御指摘の島根とか山形の実態調査でございますけれども、民生委員の方を通じて行ったものでございまして、民生委員の方が各家庭のひきこもりの方の状況まで十分把握していないことから、国の調査結果と比べてはるかに小さな数字となってございます。  一方で、私どもの福岡県のひきこもり地域支援センターにおきましては、平成二十二年からの開設以降、これまで約一万件に上る相談、これを受け付けていた、また実績があるわけでございます。これまでこうやって受け付けてまいりました相談の実績、その内容というものを分析をいたしまして、ひきこもりの方、また御家族のニーズに合った支援というものに生かさせていただいてきているところであります。あわせて民生委員等の情報も活用しながら、必要に応じて訪問支援というものを行ってきております。そういうことから、県といたしましては、今後ともきめ細かく対応していくことによりまして、支援の実効性というものを高めていきたいと、このように考えております。  次に、救済法ができた意義についてお尋ねがございました。昭和二十三年制定の旧優生保護法に基づき、あるいは同法の存在というものを背景にいたしまして、多くの方々が特定の疾病や障がいを有することなどを理由に、生殖を不能にする手術等を受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けてこられましたことは、大変痛ましく、関係の皆様のお気持ちを考えたときにはいたたまれない思いになる、これは前答弁したとおり、思いは変わっておりません。その上で、今回救済法が制定されたわけであります。このような事態を二度と繰り返すことがないよう、特定の疾病や障がいの有無によって分け隔てられることがなく、人格と個性というものを尊重し合いながら共生していく社会、その実現に向けて国全体として努力を尽くしていく、そのことが今回明らかになったわけでございまして、大きな意義があるというふうに考えております。  次に、救済法の対象者でございます。平成三十年の三月から五月にかけまして、県が保有する資料について調査をいたしました。その結果、個人が特定できる資料は、県の公文書館に保管されております優生保護審査会の記録だけでございまして、昭和五十五年度二名、五十六年度四名、合計六名分でございました。それ以降新たな資料は見つかっておりません。また優生手術等を受けられた方を把握している場合におきましても、個々人が置かれている状況はさまざまでいらっしゃいまして、例えば、家族には一切伝えておられないケースもあります。また当時のことを思い出したくないという方々もいらっしゃいます。そういったことが想定されますことから、一律に一時金の支給対象となり得る旨を対象者の方々に個別に通知をすることは慎重に考えるべきだという立法過程における議論がありまして、そのため、この法律には個別に把握して通知をするといったような規定は設けられてないわけであります。したがいまして、県といたしましては、個別に対象となる方を把握して通知を行うのではなくて、十分に関連の情報が行き渡るよう、さまざまな機会を捉えて、積極的に繰り返し周知、広報に努めているところでございます。  請求にかかわる支援についてお尋ねがございました。県におきましては、希望される方々が、円滑にその請求が行うことができますよう、法施行後速やかに請求手続の詳細を県のホームページに掲載をいたしました。あわせて専用ダイヤルを設置し、電話による相談や来庁された方々の相談に、今応じているところでございます。請求書を作成することができないような特別の事情のおありの方につきましては、県職員が口頭で述べられた内容を聞き取って請求書というものを作成させていただき、これを読み上げた上で、請求者とともに署名や記名押印するなど、請求者の状況に応じた支援というものを行うことといたしております。また請求者御自身には医療機関等からの手術にかかわる記録の入手等、みずから行っていただく必要はございません。県が請求書に記載された内容をもとに、関係機関における記録の確認や調査というものを行わせていただきます。  救済法で支払われる一時金についてお尋ねがございました。この一時金の支給額でございますけれども、スウェーデンにおける本人の意思によらない優生学的不妊手術を受けた者に対する一時金の支給に関する事例というものを参考にされたというふうに承知いたしております。また今回の救済法でございますけれども、与党ワーキングチーム、あるいは超党派の議員連盟で議論が続けられ、まとまった与野党一致で取りまとめられたものでございます。そういう意味で、その内容というのは、まさにそれらの立法過程における審議、議論の結果によるものだというふうに認識をいたしております。県といたしましては、この法律に基づき、一時金の支給が円滑に行われますよう市町村、県医師会、障がい者団体等の関係機関の協力も得ながら、制度の周知、相談や請求にかかわる支援、これらにしっかり取り組んでいきたい、このように考えております。 22 ◯副議長(原中 誠志君) 岩元一儀君。 23 ◯六十三番(岩元 一儀君)登壇 まず、中高年ひきこもり問題への答弁に対し、知事に一点要望をさせていただきます。県内十五歳から六十四歳までのひきこもりの方の推計は約四万人という答弁がありました。春日市にある県のひきこもり地域支援センターで受けた相談件数は、八年間で延べ一万件ということですが、同センターによる六月十九日現在、実人数は六百八十四人ということです。現場は、現時点で相談者数の対応をするだけでも、既にオーバーワークになっていることに加え、ことしに入って、さらに相談件数が急増している現状を踏まえると、両政令市に設置されているものの、県のひきこもり地域支援センター一カ所しかなく、しかもたった四人での体制で、今後急増するであろう相談者への対応は極めて困難だと考えます。中高年ひきこもり問題が浮き彫りになった今、少なくとも相談員を倍にふやし、県内各保健福祉センターに専門の施設を設置して、兼任ではなく専任の保健師を配置するなど、具体的な相談体制の整備をすべきであると考えます。  今回知事の答弁は、ひきこもり問題への執行部の認識の甘さを露呈していると思います。年々深刻さを増し、近い将来、さらに大きな社会問題となる可能性が非常に高いひきこもり問題に対し、早急な体制整備の強化をするよう、改めて強く強く要望させていただきます。また、我が会派としては、このひきこもり問題は、重要な県政の課題であるという認識のもと、問題解決に向けて引き続き取り組んでいくことをお伝えし、次の質問に移らせていただきます。  日田彦山線の復旧問題に関しては、これまで知事、そして沿線市町村である添田町、東峰村、大分県日田市、JR九州による日田彦山線復旧会議において議論がされてきました。このような中、四月二十三日に行われた第四回会議において、JR九州は鉄道での復旧案に加え、バス高速輸送システム(BRT)やバスも含めた新たな提案を提示したと報道され、鉄道での復旧をJR九州は一気にトーンダウンさせております。強い憤りを感じております。そもそもJR九州の青柳俊彦社長は、二〇一八年二月十五日に県庁で知事と会談した際、鉄道での復旧に取り組んでいきたいという旨の発言をされており、その後も復旧会議そのものについて、鉄道で復旧したいので協議の場に参加してもらいたいと、知事に対し申し入れをしています。そのことは二〇一八年二月定例議会において、知事が明らかにされているところであります。  そこで知事に、以下三点質問をさせていただきます。まず一点目に、知事は日田彦山線の復旧について、これまで明言してきたように、最後まで鉄道での復旧を実現するという強い意思で臨んでいくのか、改めて基本的な姿勢をお聞きします。  二点目に、JR九州の鉄道復旧に対する姿勢についてであります。先ほど述べてきたように、JR九州は当初は鉄道での復旧を明言してきたにもかかわらず、一年もたたない中で、鉄道での復旧は大きく後退させるかのような提案をしてきています。その理由は、復旧に係る費用としてのその後のランニングコストの負担がネックとなり、鉄道以外の手段を提案していると報道されていますが、このことに対する知事の認識をお聞きします。  また、もしそうであるならば、今後、各地のローカル線で同様の被害が発生した場合、その復旧において、鉄道以外の手段に置きかわることが考えられ、今回鉄道での復旧がなされない場合、ローカル線の廃止への前例となってしまうおそれがある。こうしたJR九州の姿勢をどのように認識しているのかお聞きをいたします。  三点目に、沿線自治体が行う説明会についてでございます。今後JR九州は、新たな提案を含めた復旧案について、沿線自治体への説明を行うとしております。知事もJRが直接住民に説明する必要があると述べています。しかしながら、ここでの説明とは、鉄道復旧も含まれるものの、主に鉄道以外のバス高速輸送システム(BRT)やバスといった新たな提案をするものであり、住民側から見れば、JR九州の一方的な説明にすぎません。さらに知事に関しては、住民への説明をJR九州が直接する必要があるという表現で、御自身の住民への説明責任を放棄されているかのような発言をされています。ここは知事としてみずからリーダーシップを発揮し、もともと主張されていた鉄道での復旧を目指し、県としての立場を知事自身が説明することが重要であると考えますが、知事のお考えをお聞きします。  再生可能エネルギーの活用についてお聞きをいたします。近年、異常気象や豪雨被害が頻発していますが、こうした災害の原因と言われるのが地球温暖化であります。そのため石炭を用いた火力発電や石油、ガス等の化石燃料などにかわり、太陽光、風力、水力などの再生可能エネルギーの活用が急務となっています。九州は地政学的にも太陽光発電が活発であるものの、日中、電力供給バランスのために一時的な発電停止を求める出力制御が相次いでいる現状にあります。この電力の需要と供給のバランスを整えるのが、電力の蓄電技術システムです。二〇一八年九月定例議会においては、再生可能エネルギーについて、さらなる普及促進を図っていくために、蓄電池の技術開発は不可欠、特に電気を水素エネルギーとして蓄電するシステムは、蓄電池に比べて大規模かつ長期間にわたって電力の貯蔵が可能になる技術として有望視され、その開発を着実に進めていく必要があると答弁をされています。さらに、今回の知事選挙における公約でも、水素エネルギーを担う産業振興を掲げられています。  そこで一点目に、県内における水素エネルギーの普及状況についてお伺いするとともに、知事が有望とされると言われた電気を水素エネルギーとして貯蔵するシステムについて、実用化に向けどのように技術開発が進んでいるのかお聞きをいたします。  次に、電力の出力制御についてでございます。九州電力が再生可能エネルギーの導入推進に向け、二〇一八年二月に経済産業省資源エネルギー庁の再生可能エネルギー出力制御量低減のための技術開発事業を受託し、開発を進めてきました。そして本年四月から転送遮断システムの実効性が確認できたことから、関門連系線においては、九州エリアから他エリアへの再生可能エネルギーの送電可能量を最大で三十万キロワット程度拡大することが可能になりました。これにより、再生可能エネルギー電源の出力制御の低減が期待されますが、運用が開始された四月以降も出力制御がされており、災害発生時の柔軟な電力供給やライフラインが途絶える問題が発生する可能性があることを考えると、電力系統のレジリエンス強化、すなわち弾力強化を図っていくことが、本県にとっても、日本の全体にとっても非常に重要なことであると考えます。  そこで二点目に、送電線の容量をふやすことに対する知事の認識をお聞きします。  次に、児童虐待についてお伺いいたします。本年一月、千葉県野田市で起きた小学四年生の栗原心愛さんの虐待死亡事件では、深い悲しみと両親への強い怒り、そして救いの手を差し伸べられなかった後悔の念を覚えた事件となりました。この事件を受けて、内閣府、厚生労働省、文部科学省はそれぞれ実態調査に乗り出しました。この調査は、本県内の国公私立の幼稚園、小中学校、高校、特別支援学校や保育所、認定こども園などに在籍する幼児児童生徒のうち、二〇一九年二月一日から二月十四日まで一度も登校していない五千十六人を対象に、教職員などとの面談を通して虐待の有無を確認するという形で行われました。面会できた児童生徒四千四百四十人のうち九十七人については、虐待の可能性が否定できないということで、市町村、児童相談所、警察へ情報共有が図られました。また面会できなかった五百七十六人のうち二百九人についても、面会できなかった理由が明確でなく、虐待のおそれがあるため、同様の情報共有が図られています。さらに、この調査結果をフォローアップした結果、面会できなかった五百七十六人の中で、情報共有をしていない三百六十七人のうち二百六十四人については面会を果たし、さらに二十二人について情報共有が図られました。  そこで教育長にお伺いいたします。一点目に、情報共有が図られた児童生徒は虐待を受けている可能性がありますが、県教育委員会として、特に児童生徒が在籍する公立小中学校を所管する市町村教育委員会に対してどのような指導、助言を行ってきたのかお聞かせください。  また、千葉県の虐待死亡事件では、保護者の威圧的な態度に学校が屈した形で、心愛さんの訴えを書いたアンケートを開示したことの問題も問われています。  そこで二点目に、県教育委員会に対し、市町村教育委員会から報告があった虐待の疑いがある児童生徒の保護者からの不当要求の事例はどのくらいあるのかお聞かせください。  次に、知事、教育長及び警察本部長にお伺いいたします。虐待防止や早期発見には児童相談所、学校、警察の連携が非常に重要だということがわかります。そこで今後保護者からの不当要求に屈することない体制づくりも含め、具体的にどのような連携を図り、どのように強化していくのかお答えください。  さて、こうした中で、ことし四月に児童福祉法施行令が改正され、児童相談所管内人口三万人に一人を配置するなど、児童福祉司を増員すべく配置基準が見直されました。また親による体罰禁止が明記されたり、児童心理司の配置基準を法定化する条項が盛り込まれた、さらなる児童虐待防止法改正案が、昨日参議院本会議で可決、成立をしました。  そこで知事にお伺いします。今回の改正の柱の一つである児童福祉司の増員など児童相談所の強化について、施行令改正後の基準どおりに見直した場合、何人の児童福祉司の増員が必要と考えるのか、また、それを達成するために、県としてどのように計画的に実施していくのかお答えください。  最後に、園児巻き込み事故を受けた本県の対応についてお聞きいたします。ことし五月八日、滋賀県大津市で起きた事故では、園児二名のとうとい命が犠牲になりました。この重大な事故を、我々大人は厳しく受けとめ、今後二度とこのような事故が起こらないための対策を講じなければなりません。また今回事故に遭った園児が通っていた保育園のような企業主導型保育所などの増加に伴い、園庭がなく、必然的に園外活動を行う施設がふえている中、厚生労働省も園外活動を推奨しており、今後も園外活動はさらに活発になることが予想される一方で、その安全確保は大きな課題となっています。  そこで、まず今回の事故後、県では県内の保育所、保育園、幼稚園などの施設に対してどう指導、助言などを行ってきたのかお伺いします。  次に、園外活動に欠かすことができない道路整備についてですが、今回の事故を受けて、五月十七日、石井国交大臣は、警察と連携して過去五年間に子供の重大事故が起きた交差点を対象に点検するよう指示しました。また岡山市は、五月に市内の保育園など子供が通う施設周辺の交差点の歩道に、車の進入を防ぐため金属製のポールを設置する対策を進める考えを示しました。また政府は、今月十八日、交通安全対策に関する関係閣僚会議で、保育園などの周辺へのキッズゾーンの新設や高齢者の事故防止のため安全運転サポート車のみ運転できる限定免許制度の創設を検討する方針を決めました。こうした政府の決定や岡山市などの例を踏まえ、本県管理の道路についても、必要な対策を早急に講じる必要があると思いますが、知事のお考えをお聞かせください。 24 ◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。 25 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、日田彦山線復旧に対する基本的な考え方でありますが、日田彦山線につきましては、昨年の四月、本県、大分県、沿線市町村、JR九州によります日田彦山線復旧会議を設置いたしまして、鉄道での復旧に向けた協議を行ってきたところであります。私としては、鉄道での復旧が望ましいという考え方は変わっておりません。  JR九州の姿勢でございます。これまでの協議におきまして、自治体側としましては、ハードの復旧工事につきましては、災害復旧事業を活用することで、JR九州の負担額を低減させる方策というものを見出してまいりました。一方で、JR九州からは、被災区間の年間赤字が二億六千万円に上り、復旧後の継続的な運行を確保するためには、自治体側に運行経費にかかわる一億六千万円の財政支援を求めるとの意向が示されたところであります。これに対し、私ども自治体側は収支改善のための利用促進策というものを示しながら、運行経費への財政支援はできないといたしまして、JR九州に対してその再考を促してまいりました。四月二十三日の復旧会議におきまして、JR九州の青柳社長から、改めて社内で検討した結果、やはり継続的な運行を確保するためには、利用促進策とあわせて運行支援による年間一億六千万円の収支改善が欠かせない。財政支援を求めることなく鉄道で復旧する方策を見出せなかったことについては、皆さんの期待に沿えず大変申しわけないといった表明がございました。その上で、私としましては、JR九州が地域に必要な交通手段を確保するための考え方として、自治体の財政支援を前提とした鉄道復旧案のほかBRT、また路線バスによる復旧案というものを示したものであると、このように認識をいたしております。また青柳社長からは、我々としては地域に適したネットワークをきちんと残していくことが使命であると、そういった認識も表明されました。県といたしましては、JR九州には公共交通を担う事業者としての使命感を持って交通ネットワーク維持の責務を果たしていただきたいと、このように考えております。  沿線自治体への説明でございます。さきの復旧会議におきましては、JR九州から鉄道の継続的な運行を確保するためには、自治体側に財政支援を求めることは避けられないとの検討結果とあわせて、新たな復旧案が示されたわけであります。このため、まずは地域の皆さんに対し鉄道による復旧に加え、この新しい提案も含め、地域に必要な交通手段の確保に関するJR九州の考え方というものを説明し、そのお声を聞いていくこととなったわけであります。県としましては、これまでの経緯を踏まえ、今後地域の皆様の御意見を伺った上で、どういう方策が望ましいのか、沿線自治体の皆さんとともに考え、解決に向け取り組んでまいります。  次に、県内における水素エネルギーの普及状況でございます。燃料電池自動車(FCV)は、平成二十六年に市販が開始され、現在県内で百十台が走行いたしております。水素ステーションは二十六年に県内第一号が開設されて以降、二十九年まで毎年新設をされておりまして、現在十カ所となってございます。さらに本年四月には、県南地域初となる水素ステーションが久留米市で整備されることが決定をいたしまして、来春からその運営が開始される予定となってございます。  また家庭用燃料電池でありますエネファーム、これにつきましては、平成二十一年の市販開始以降、同年度、一年目約二百三十台でありましたのが、五年後の二十五年度は約二千六百台、十年経過した現在では約一万台が導入されているところでございます。着実に普及が進んでいると言えると思います。  電気を水素エネルギーとして貯蔵する取り組みにつきましては、県におきましては、トヨタ自動車九州などと連携いたしまして、平成二十八年度から国の事業を活用して、トヨタ自動車九州の工場内において太陽光発電から水素を製造、また貯蔵し、その結果燃料電池フォークリフトや展示施設の照明等にこれを利用する実証というものを行っております。現在このシステムの稼働によるCO2削減効果等の検証に取り組んでいるところであります。また、九州大学が行っております再生可能エネルギーを利用した高効率な水素製造技術の開発に対し支援を行うとともに、グリーンアジア国際戦略総合特区における調整費を活用して、九州大学が行っております安全で高性能の水素貯蔵技術の開発というものを促進しているところであります。  次に、関門連系線の容量増についてでございます。県におきましては、これまで国に対し系統制約の解消のために関門連系線の複数ルート化というものを要望してまいりましたけれども、国では昨年三月、増強費用に見合う効果が見込めないということで、検討を当面見送る方針というのを示したわけであります。その一方で、国は系統の空き容量を柔軟に活用し、送電量をふやすため、過去の実績をもとに将来の運用状況を想定し、空き容量を算出する想定潮流の合理化というものを昨年四月から、また事故時の瞬時停止装置を用いた緊急時枠の活用を十月から、それぞれ開始をいたしておりまして、現在関門連系線における再生可能エネルギーの最大送電量は百五万キロワットから三十万キロワット程度、今増加したところでございます。また再生可能エネルギーの余剰電力のさらなる有効活用のため、国においては系統混雑時を除き、系統への接続を認める方策について、その検討を進めているところであります。今後とも国に対し系統制約解消のため、既存の地域間連系線の弾力的運用について働きかけを続けてまいります。  次に、児童相談所、学校、警察の連携でございます。学校が児童に虐待の疑いがあると判断した場合には、児童相談所に情報提供が行われます。児童相談所と警察は県、県警、福岡市、北九州市の四者で締結をしております協定に基づき情報の共有というものを図ってきております。学校等からの情報の提供がありました後、児童相談所の職員が安全確認を行うに当たって、保護者が児童との面会を拒否した場合、また保護者による威圧的な要求等が予想される場合には、管轄の警察官、または児童相談所に配置された警察官と同行いたしまして、立入調査等を行っているところであります。また法的な対応が必要となる場合には、随時弁護士への相談も行っているところでございます。  児童相談所で一時保護した後、児童を家庭に戻す場合などにつきましては、市町村、学校へその情報を提供いたしております。その後は、市町村が設置をし、児童相談所、学校、医療機関等で構成をしております要保護児童対策地域協議会におきまして、定期的にその状況を確認するなど、連携した見守りというものを行ってきているところであります。今後とも虐待の疑いのある児童の速やかな情報の共有、安全確認、連携した見守りというのが適切になされるよう要保護児童対策地域協議会の場などを活用いたしまして、その周知徹底というものを図ってまいります。  児童福祉司の配置についてお尋ねがございました。本県におきましては、児童虐待防止法が施行された平成十二年度からこれまでの間、県内六つの児童相談所の児童福祉司につきまして、二十九名から七十八名と大幅に増員をし、体制の強化を図ってまいりました。今回児童福祉法施行令改正によりまして示された、その配置基準によりますと、人口三万人に一人では十三名の児童福祉司の増員というものが必要になります。また虐待件数に応じた加算、また里親養育支援及び市町村支援というのを担当する児童福祉司の配置で、さらなる増員というものが必要となります。この配置基準を踏まえまして、経過措置の期限であります令和四年度までに計画的に児童福祉司を増員をしてまいります。  次に、今回の交通事故後の保育所等に対する指導、助言でございます。県におきましては、これまで保育所に対して保育の基本的な考え方をまとめた保育所保育指針に基づき施設内外での保育活動にかかわる安全点検に努め、危険箇所などの情報を職員間で共有するよう指導監督、また立入調査を通じて指導を行ってきたところであります。また幼稚園に対しましては、学校における安全教育の充実と適切な安全管理を示した国の学校安全資料等に基づき安全管理を徹底するよう、これまで要請をしてまいりました。今回の事故を受けまして、県におきましては、まず保育所に対しまして、市町村を通じて国からの事故防止対策にかかわる要請を踏まえ、改めて施設外の活動にかかわる移動経路の安全性について再確認を行い、安全管理の徹底を図るよう通知したところであります。また幼稚園に対しましても、国からの要請を踏まえ、改めて園児の命を脅かす事件、事故の発生防止に努めるとともに、園児の安全確保に万全を期すよう要請をしたところでございます。  本県管理道路の安全点検と対策でございます。次世代を担う子供の命を交通事故から守ることは極めて重要な課題であります。これまで県におきましては、五月十三日の国土交通省からの通知に基づき、県警察において過去五年間に子供が当事者となった交通死亡事故及び重傷事故が発生した交差点を抽出したところであります。今後は道路管理者であります国、県、市町村が県警察と連携をしまして点検を進め、どのような対策を実施するか検討を進めることとなってございます。さらに六月十八日に行われました政府の関係閣僚会議において、関係省庁連携のもと、保育所などにおいて子供たちが日常的に集団で移動する経路の緊急安全点検を実施することが決定をされたところでありまして、その内容が通知をされてきました。本県といたしましては、この通知を踏まえ、庁内関係各課の連絡会議を速やかに立ち上げ、市町村、関係施設と連携して緊急安全点検を実施いたします。その結果をもとに関係機関においてハード、ソフト両面の対策を具体化をし、ガードレールの設置や集団移動経路の見直しなど必要な対策を講じていくことといたしております。 26 ◯副議長(原中 誠志君) 城戸教育長。 27 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 虐待の疑いがある児童生徒に関する情報共有等についての市町村教育委員会への指導についてでございます。児童相談所等と情報共有を行った児童生徒については、当該教育委員会及び学校において、引き続き児童生徒の出席状況や気になる行動、保護者の様子や家庭の状況等を日ごろから観察しながら、関係機関と必要な情報を共有するよう指導しております。さらに、面会できず情報共有もしなかった児童生徒については、当該教育委員会に対して情報共有しなかった理由を確認し、客観的に虐待の可能性が否定できないと考えられる場合は、関係機関との情報共有を行うよう促したところであります。また、国のフォローアップ調査の後、五月に再フォローアップ調査が行われた際にも、面会できないままの児童生徒については、必ず児童相談所、または警察と情報共有するよう指導しております。  虐待の疑いがある児童生徒の保護者からの不当要求事例についてでございます。県内の市町村教育委員会から二件の報告を受けておりますが、当該教育委員会においては毅然とした対応を行っていると聞いております。  関係機関との連携強化についてでございます。今回の事案を受けて、文部科学省において本年五月に学校・教育委員会等向け虐待対応の手引きが作成されております。県教育委員会といたしましては、本手引を踏まえ、虐待の疑いがあれば、各学校において児童生徒の安全確保を最優先にし、保護者との関係悪化をためらわず、速やかに児童相談所等に通告するよう指導しております。また、保護者から威圧的な要求がある場合は、学校・教育委員会が組織的に対応し、児童相談所や警察等と迅速に情報共有を行い、連携を図るなどの対応を指導してまいります。 28 ◯副議長(原中 誠志君) 高木警察本部長。 29 ◯警察本部長(高木 勇人君)登壇 児童虐待の防止、あるいは早期発見のための警察の対応についてお答えをいたします。子供の泣き声など、児童虐待が疑われる情報を認知した場合には、可及的速やかに警察職員が現場に臨場し、児童の状況を直接確認するとともに、児童や保護者等から事情を聴取することとしております。その結果、児童が虐待を受けたと判断される場合には、児童相談所に対する通告を実施するとともに、犯罪の捜査や人の生命、身体を保護するために認められる権限の行使等により、児童の安全確保を最優先とした対応に努めております。  虐待を受けたと直ちには判断できない場合には、児童相談所、市町村等関係機関に対して当該児童にかかわる過去の取り扱い状況について照会を実施し、それによって得られた情報を勘案した上で、虐待の蓋然性が高いと認められる場合には、児童相談所に通告を実施するとともに、それ以外の場合においても、児童相談所、市町村等関係機関に対して、警察において把握した児童や家庭の状況等について、客観的かつ具体的な情報を提供することとしております。こうした通告や情報提供を行った後においても、その後の関係機関における対応結果や措置状況等の関係情報の把握に努めるなど、事案の危険性の程度や事態の変化に応じて必要な情報交換を実施することとしております。警察といたしましては、組織としての的確な対応を徹底するとともに、児童相談所を初めとする関係機関との連携により児童の安全確保に取り組んでまいります。 30 ◯副議長(原中 誠志君) 岩元一儀君。 31 ◯六十三番(岩元 一儀君)登壇 最後に、JR日田彦山線の復旧について要望をさせていただきます。二〇一七年七月に発生した九州北部豪雨で被災したこの線は、二年近くが経過した今日まで、復旧のめどが、結果として立っておらず、沿線住民から落胆の声が上がっています。鉄道は地域住民にとって極めて重要な公共交通であり、また観光や都市間交通としての日田彦山線は、今後も大きな役割があります。我が会派は、鉄道の復旧を強くJR九州に求めるとともに、県として早期全面復旧に向けて、今後とも粘り強く取り組んでいかれますよう強く要望し、代表質問を終わらせていただきます。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 32 ◯副議長(原中 誠志君) 本日の代表質問はこれまでとし、残余は明日取り進めることにいたします。  本日はこれをもって散会いたします。           午 後 四 時  四 分  散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...