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  1. 福岡県議会 2019-02-10
    平成31年2月定例会(第10日) 本文


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(井上 順吾君) ただいまから本日の会議を開きます。  日程に従い一般質問を行います。順次発言を許可いたします。桐明和久君。(拍手) *桐明議員質問 2 ◯四十一番(桐明 和久君)登壇 おはようございます。自民党県議団の桐明和久であります。通告に従い一般質問を行います。今回は、福岡県をさらに元気にする施策の推進について質問をさせていただきます。  さて知事は、本議会の議案説明において、「知事就任以来、県民幸福度日本一の福岡県を目指して、これまで県民の皆様の生活の安定、安全、安心の向上に全力で取り組んでまいりました。その際には、……温かみのある行政を心がけ、福岡県をさらに元気にすべく施策を推進してきました。」と述べられております。確かに、知事が発言されていますように、数字的には福岡県は元気に見えますが、私は、県内四地域別に見てみますと、違和感を強く感じますので、知事みずからはどのように評価されているのかを質問させていただきます。  まず、地域経済の活性化と魅力ある雇用の創出についてでありますが、産業振興策による雇用の場の確保と求人倍率、就業者数の増加を挙げられておりますが、それでは、この施策を知事みずから評価すると何点だと思われるのかお聞きいたします。あわせて、県内四地区の現状と課題についてもお聞かせください。  また、この項の中で、観光面で、インバウンド観光客が急増していると認識されておりますが、今議会の自民党県議団代表質問の中で宿泊税問題の解決の見通しについての答弁で、宿泊税の導入に当たっては、準備に一定の期間を要するため、多数の外国人観光客の来訪が見込まれる来年のオリンピックパラリンピックを念頭に宿泊税の施行時期を考えると、できるだけ早い時期に宿泊税の制度を固める必要があると考えていると発言されております。  そこで質問いたしますが、知事は、ことし九月に開催されますラグビーワールドカップが全国十二カ所で開催されるのに当たり、平成二十七年十月のイギリスを皮切りに香港、フランスなどを訪れ、九州三会場、大分、福岡、熊本での開催における福岡県への誘客観光PRを行っておられますが、何のために行かれたのか疑問に思います。県議会では、昨年の十二月七日に、元ラグビー日本代表の監督の向井昭吾氏を迎えてのスポーツ議員連盟の講演会が開催されました。その中で、ラグビーワールドカップがアジアで初めて開催される意義と、オリンピックと比べて開催期間が長く、ヨーロッパ諸国からの来訪客が多いことや長期滞在となること、試合と試合との間隔が長いので、その間に観光に回る人が多いことなど、大きな経済効果があるとの説明を受けました。このことは知事も知っておられ、より多くの外国人観光客の来訪を、福岡に来ていただくためにPRに行かれたのだと思っておりました。また、福岡市の高島市長も、同じく宿泊客による経済効果の大きさは御存じだと思います。だったら、宿泊税の問題解決のために知事と高島市長とのトップ会談が必要と考えているのであるのならば、即実行に移すべきだと思いますが、知事の考えをお聞きします。  次に、人口減少の中で若者の定住促進は、各地域の重要課題であります。そこで、若い世代の夢と希望をかなえる社会の実現についての施策について、知事みずから評価すると何点だと思われているのかお聞きいたします。あわせて、県内四地区の現状と課題についても知事の認識をお尋ねいたします。  次に、今日の異常気象による自然災害は、いつ、どこで発生するかわからないと言われ、日本全国で毎年のように大きな災害が発生しています。本県においても、二年続けて発生し、県の最重要政策課題として、早急の復旧、復興に向けて進められているところであります。  そこで、安全、安心、災害に強い福岡県づくりの施策に対する現状と課題についてお聞きしますが、特に朝倉、東峰村を初めとする災害に見舞われた地域についてお聞きいたします。  また、安全面での取り組みの一つに、飲酒運転撲滅を挙げられておりますが、本取り組みについての知事の評価をお聞きいたします。  次に、少子、高齢化の中で、日本の強い経済を取り戻すためには女性の活躍推進が不可欠であり、あわせて高齢者、特に定年後の方々の活躍は地域の活性化にとって不可欠であります。  そこで、県内四地区の誰でもが活躍できる社会の実現の現状と課題についてお聞きいたします。あわせて、本施策に対する知事の評価もお聞きいたします。  次に、県民意識調査について知事は、就任以来上昇基調にあり、ここ三年間連続して八割を超えていると発言されております。  そこで、県内四地区の県民意識調査での、福岡県に生まれてよかった、生活してよかったについて、知事の評価とそれぞれの地域の現状と課題についてお聞きいたします。  次に、地方創生の基本である、誰でもが住みなれたところで働き、安心してお子さんを産み育て、長く元気に暮らすことができる、そうした地域社会をそれぞれの地域につくっていくことについてでありますが、このことは、知事の就任以来の二期八年の評価であると思いますので、知事自身の評価点数をお聞きいたします。あわせて、県内四地区ごとのその現状と課題についてもお聞きいたします。  最後に、福岡県のエネルギー政策についてお聞きいたします。エネルギー政策は、基本的には国主導によって行われてきましたが、東日本大震災以来、分散型エネルギーシステムの導入など地域が果たす役割が大きくなり、エネルギーシステムの大きな変革期を迎える中、我々県議会では、九州の自立を考える会が策定した九州の成長戦略に係る政策提言の、多様かつ低コストで安定的なエネルギー供給とともに、平成二十四年の我が会派の代表質問において、電力の安定供給のための有識者研究会を設置すべきとの提案を受け、知事は、福岡県地域エネルギー政策研究会を平成二十五年二月に設置し、同研究会が、平成二十七年三月に取りまとめた報告書を踏まえ、県のエネルギー政策を推進していると認識しているところでありますが、その考えに変わりはないかお聞きして、私の質問を終わります。(拍手) 3 ◯議長(井上 順吾君) 小川知事。 *知事答弁
    4 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、地域の経済の活性化と魅力ある雇用の創出でございます。県におきましては、企業誘致、地域資源を活用した観光の振興、ブランド化などによります農林水産業の振興に取り組むとともに、基幹的な交通網を整備いたしまして、地域経済の活性化を進めてまいりました。その結果、例えば自動車関連企業は平成三十年十月現在で五百六十社が県内に立地をしておりますが、地域別にこれを見ますと、福岡が百十三社、北九州が二百三十八社、筑豊が百四十五社、筑後が六十四社と県内各地域に広く立地をしております。グリーンアジア国際戦略総合特区制度、これを活用して設備投資を行いました企業数も、平成三十一年一月末で福岡が二十一社、北九州が六十六社、筑豊が三十六社、筑後が二十三社となっておりまして、同様に県内各地域に広がっております。また、主な企業誘致を御説明いたしますと、北九州地域では苅田町にユニ・チャームプロダクツの衛生用品等の、筑後地域では、今般の久留米市に資生堂のスキンケア製品の生産工場の立地が実現をしているところであります。企業の設備投資意欲の高まりに応じまして、引き続き企業の受け皿となります工業用地の確保も必要になってくると、このように考えております。  各市町村が調査をいたしました平成二十八年の観光入り込み客数は、五年前と比較して一六・九%増加をいたしておりまして、現在一億二千万人となってございます。地域別にこれを見ますと、福岡、北九州で増加をし、筑豊、筑後では横ばいの状況にございます。昨年度観光入り込み客数が過去最高を記録いたしました柳川市の例もございまして、地域の資源を掘り起こしてその魅力を向上させることで、観光の振興を各地で図っていく必要があると考えております。  農業におきましては、新規就農者数が年々増加をいたしておりまして、昨年度は一年間で三百八十人が新たに就農をされております。地域別には、福岡が百五十人、これは朝倉地域が含まれております、北九州が三十八人、筑豊が三十四人、筑後が百五十八人となってございます。県内全域で栽培をされております、あまおうのその販売単価は十四年連続で日本一、筑後地域の八女茶は全国茶品評会におきまして、その玉露部門で五年連続日本一となるなど、農林水産物ブランド化も進んでいるところであります。  有効求人倍率でございますけれども、平成三十年十二月時点で福岡が一・八五、北九州が一・五〇、筑豊が一・三八、筑後が一・六〇で、各地域ともにそれぞれの過去最高水準で推移をいたしているところでございます。雇用の状況は、各地域とも大きく改善をいたしております。しかしながら、福岡地域以外の地域は人口が減少し、少子、高齢化が進んでいるところであります。今後とも、それぞれの地域の特色と強みを生かして、魅力ある雇用の場の創出と地域の経済の活性化に取り組んでいく必要があると、このように考えております。  これに関連して宿泊税についてお尋ねがございました。宿泊税の問題は、県民、市民、そしてホテル、旅館等の宿泊事業者の方々の懸念も大きいものがございます。また、宿泊税の導入に当たりましては、宿泊事業者決済システムの変更など準備に一定の期間を要します。多数の外国人観光客の来訪が見込まれます来年のオリンピックパラリンピックを念頭に、宿泊税の施行時期、これを考えますと、できるだけ早い時期に宿泊税の制度を固める必要があると考えております。現在、この宿泊税における新たな福岡方式による制度案を福岡市に提示をし、鋭意解決に向けて協議を続けているところでございますが、この問題の解決のためには、私と高島市長とのトップ会談が、その状況を見て必要であるというふうに考えております。そのためにも、まず五回目の協議の日程を調整をしております、その協議をしっかりやらせていただきたいと、このように考えております。  次に、若い世代の夢と希望をかなえる社会の実現についてでございます。本県におきましては、平成二十八年七月、ふくおかよかとこ移住相談センターを開設をいたしまして、首都圏等から本県への移住に取り組んでまいりました。ことしの一月までに、このセンターを利用して福岡県に移住された三百十五人の方がいらっしゃいますが、その七割が三十代までの若い世代でございます。その移住先は、福岡地域が二百二十六人、北九州地域が三十六人、筑豊地域が十一人、筑後地域が四十二人と、福岡地域がその七割を占めておりまして、人口が減少しております地域への移住、これをふやしていく必要があると考えております。  待機児童を解消していくため、平成二十三年度から二十九年度までの七年間で二万二千四百二十七人分の保育所の定員をふやすとともに、保育士確保に取り組んでまいりました。しかしながら、待機児童は平成三十年四月に、この時点で福岡地域が八百四十一人、北九州地域が二十三人、筑豊地域が四十五人、筑後地域が八十六人で、全体の八五%を福岡地域が占めております。引き続き、待機児童の早期解消に取り組んでいく必要がございます。  放課後児童クラブ等の小学校区への設置の割合について見ますと、平成二十九年五月時点で、福岡地域が九五・七%、北九州地域が九九・五%、筑豊地域が九八・八%、筑後地域が九七・九%となっておりまして、各地域において、この一〇〇%設置を目指して取り組みを進めてまいります。  子供の学力につきましては、全国学力調査において、県全体では、小学校は全国平均を上回っております。中学校は全国平均を下回っておりますけれども、その差が縮まってきているところであります。地域別には、筑豊や北九州が低く、福岡が高い状況にございますけれども、ここ数年の学力向上に向けた重点的な取り組みによりまして、その差は縮まってきているところであります。引き続き、きめ細かな施策をそれぞれの地域で総合的に行っていく必要があると考えております。  次に、安全、安心、災害に強い福岡県づくりでございます。本県では、この八年間で三度の豪雨災害に見舞われました。平成二十四年の災害につきましては、昨年度末をもって全て復旧が完了いたしまして、また一昨年、昨年の災害につきましては、それぞれの被災地、その復旧、復興に全力を挙げているところでございます。また、県内各地域において、緊急輸送道路の整備、河川の改修、監視カメラの設置、砂防ダムの整備などを行うとともに、熊本地震や一昨年の九州北部豪雨災害などを教訓として地域防災計画の見直し、災害時における支援と受援体制の整備、建築物の耐震化、ブロック塀の安全対策などの防災、減災対策、さらには学校における空調設備の整備にも取り組んでいるところであります。  治安面では、暴力団対策飲酒運転撲滅など県を挙げて取り組んでまいりました。暴力団対策につきましては、県内四地域における暴力団追放決起大会の開催、公共工事や補助事業からの暴力団の徹底した排除、暴力団からの離脱の支援などの取り組みによりまして、昨年末の暴力団構成員等の数は、ピーク時の平成十九年と比較いたしまして半減をいたしております。特に、北九州地域におきましては、工藤會幹部の逮捕など徹底した取り締まりによりまして、暴力団壊滅に向けた取り組みが大きく前進をいたしました。飲酒運転撲滅につきましては、議員提案により制定をしていただきました飲酒運転撲滅条例の周知、飲酒運転撲滅宣言企業と宣言の店のさらなる拡大、飲酒運転撲滅アドバイザーの派遣などに取り組んでまいりました。その結果、飲酒運転事故件数は、私の知事就任前の平成二十二年の三百三十七件から平成三十年百四十四件まで減少いたしております。地域別では、福岡が六十五件、北九州が四十四件、両地域で全県の四分の三の事故件数を占めているところであります。  県民の皆さんが県内それぞれの地域で安心してお暮らしいただけるよう、県警察、市町村、関係機関、団体と連携し、引き続き安全、安心、災害に強い地域づくり、福岡県づくりを進めていく必要があると考えております。  誰もが活躍できる社会の実現でございます。女性の活躍につきましては、県内四地域に設置をいたしております子育て女性就職支援センター、その支援によりまして、昨年末までに五千八百三十九人の方が就職をいたしております。地域別には、福岡が二千一人、北九州が一千百九十九人、筑豊が九百二十四人、筑後が一千七百十五人で、人口に対する割合は筑後地域が多くなってございます。また、平成二十九年四月現在の県内市町村の審議会の女性委員の比率、これを見ますと、地域別には福岡が三二・九%、北九州が三二・八%、筑豊が二五・九%、筑後が三二・九%となっております。  高齢者の活躍につきましては、私ども福岡県は、全国に先駆けまして七十歳現役応援センターを県内四地域に設置をいたしまして、昨年末までに七千五百八十六人の方が、このセンターの支援により就職あるいは社会参加を実現されております。地域別では、福岡が三千三百四人、北九州が二千百四十五人、筑豊が七百三十六人、筑後が千四百一人となってございます。  障がい者の自立支援でございますけれども、障がいのある人がおつくりになるまごころ製品の販売の促進、県が率先して障がい者施設などからの調達を進めたことによりまして、施設等で働く方の工賃総額は、平成二十四年度の十八億八千万円から平成二十九年度には四十六億円と大幅に増加いたしております。地域別では、福岡が三倍、北九州が一・九倍、筑豊が二・二倍、筑後が二・八倍と、いずれの地域も大きく伸びております。  生涯にわたり要介護にならず元気で活躍をするためには、加齢による運動機能の障がいや衰えによる転倒、骨折を予防する必要がございます。このため県におきましては、ロコモティブシンドロームの正しい知識、その予防のための運動の普及に市町村とともに取り組んでまいりました。要介護、要支援の認定を受けてない元気な高齢者の方の割合でございますけれども、平成二十九年十一月現在、県全体で八〇・八%でございます。地域別には、福岡が八二・三%、北九州が七九・〇%、筑豊が七七・八%、筑後が八一・九%となってございます。  これまで以上に女性、高齢者、障がいのある人など誰もが生き生きと活躍できる社会の実現に向けた取り組みに力を入れていく必要がございます。  次に、県民意識調査の結果と課題でございます。県民意識調査におきまして、福岡県に生まれてよかった、生活してよかったと言っていただいている方は、いずれの地域においても上昇基調にございます。ここ三年の平均を見ますと、福岡が八四%、北九州と筑後が七八%、筑豊が七五%となっております。人口減少や少子、高齢化が数値に影響していると考えられまして、それぞれの地域の皆様の幸福実感をさらに高めていけるよう、地域の実態、またそのニーズに合わせて施策の一層の充実強化に努めていく必要があると考えています。  地方創生への取り組み総括でございますけれども、これまで各項目につきまして、御質問にありましたように県内四地域の状況を含めて説明をさせていただきました。それぞれの地域の実態とニーズを踏まえまして、地域の皆様と知恵を出し合い、力を合わせて、それぞれの地域の強み、特色、これらをさらに磨きをかけることによりまして、改善すべき点は改善をし、各地域を元気にして福岡県全体を前進し、発展させていきたいと考えております。  それぞれの取り組みについての評価でございます。これまで述べてまいりましたそれぞれの取り組みにつきましては、平成二十七年に策定をいたしました福岡県人口ビジョン地方創生総合戦略に位置づけまして、これを推進してきているところであります。その中で九十八件のKPI(業績評価指標)を設定しているところでございますが、そのうちおおむね八割が順調に進捗をいたしております。  なお、お尋ねのそれぞれについての私自身の点数づけでございますが、こうした施策の展開を通じて、これは県民の皆様が評価をされていくものだと考えております。県民の皆様に合格点をつけていただければありがたい、そう思っております。  次に、エネルギー政策についてお尋ねでございます。県におきましては、県議会からの政策提言も踏まえまして、学識経験者や事業者、自治体などで構成しております福岡県地域エネルギー政策研究会を平成二十五年二月に設置をいたしまして、エネルギーの効率的な利用、地域の特性に応じた多様なエネルギーの導入の促進など、需給両面からの取り組みについて幅広く研究を行ってまいりました。研究会からは、二十七年の三月でございますけれども提言といたしまして、エネルギーを無駄なく最大限効率的に利用する社会、環境にも配慮したエネルギーが安価かつ安定的に供給される社会、水素を本格的に利活用する水素エネルギー社会の実現、新たなエネルギー関連産業の育成・集積による地域振興・雇用創出、この四つの目指すべき方向性が示されました。また、同研究会からは原子力につきましても、当分の間、原子力発電の安全性を向上させながら、これに向き合っていくことが必要であると提言が示されているところであります。県におきましては、この提言に基づき、各部局におきまして、地域の特性を生かした多様なエネルギー施策の充実に取り組んできているところでございまして、現在もその考え方に変わりがありません。 5 ◯議長(井上 順吾君) 桐明和久君。 6 ◯四十一番(桐明 和久君)登壇 一点再質問と、一点要望を申し上げます。  まずは要望のほうでありますが、私が述べましたとおり、やはりこの二期八年の評価という部分であります。先ほど知事の答弁の中にありましたが、福岡県人口ビジョン地方創生総合戦略で、約八割が順調に進捗しているということであります。やはりこのことは、知事も評価する、また自分としてはこれだけやった、これでないとこの評価、知事がこの二期八年はどうだったのか、ぜひみずからこの評価をしていただきたいことを要望いたします。  さて、再質問でありますが、再度確認をさせていただきたいと思います。福岡県の地域エネルギー政策研究会からの提言は、平成二十七年三月五日に、福岡県が目指すべき方向性としての四つの提言がなされております。一つは、エネルギーを無駄なく最大限効率的に利用する社会、二つ目が、環境にも配慮したエネルギーが安価かつ安定的に供給される社会、三つ目が、水素を本格的に利活用する水素エネルギー社会、四つ目が、新たなエネルギー関連産業の育成・集積による地域振興・雇用創出でありまして、特にこの二番目の項目につきましては、「現状において、国民生活や経済活動の基盤となる電力の安定供給を確保しつつ電力コストの抑制を図るためには、当分の間、原子力発電の安全性を向上させながら、これに向き合っていくことが必要である。」と提言されておりますが、その考えには変わりがないか、再度お聞きしまして、私の質問を終わらせていただきます。 7 ◯議長(井上 順吾君) 小川知事。 8 ◯知事(小川 洋君)登壇 先ほど御答弁いたしましたように、原子力の問題も含めまして、私ども福岡県は、福岡県の地域エネルギー政策研究会からの提言に基づき施策の展開を図っております。その考え方には変わりはございません。 9 ◯議長(井上 順吾君) 佐々木允君。(拍手) *佐々木(允)議員質問 10 ◯三番(佐々木 允君)登壇 改めまして、皆さん、おはようございます。国民民主党県政クラブ県議団の佐々木 允でございます。ただいまから通告に従い、本県汚水処理の推進について一般質問を行います。  本県の汚水処理人口普及率を見ると、二〇一七年度末において、県全体では九一・五三%となっています。しかし、十五の広域地域振興圏ごとに見ていくと、最も高い福岡市の九九・九三%から田川地域の四六・二八%と五〇%以上の差があり、ほかにも直方・鞍手地域で五八・四二%、飯塚・嘉穂地域で六八・四五%と、筑豊地域を中心に低い値となっています。本県は、汚水処理の早期概成を目指し、二〇一七年三月、福岡県汚水処理構想を策定し、二〇二五年度までにおおむね汚水処理が概成できるよう、その推進に取り組むことが明記をされています。また、田川地域など汚水処理人口普及率の低い地域は、いずれも下水道の未整備地域であり、早期の汚水処理を行うためには、合併浄化槽による汚水処理が効果的だと思います。  この点については、二〇一六年二月の私の一般質問に対して知事も、今後十年程度で汚水処理施設の整備をおおむね完了させていくためには、浄化槽の整備を進めていくことが重要であると考えていると述べ、そのために特に、単独浄化槽またはくみ取り便槽の家庭を合併浄化槽へ転換させていくことが重要な課題であると述べました。そして、浄化槽への転換が促進されるような対策についても検討し、その整備を一層推進したいと述べています。  そこで一点目に、知事は浄化槽整備を一層推進するために、これまでどのような取り組みを二〇一六年二月議会以降取り組んできたのか、市町村への支援も含めてあわせてお答えください。  二点目に、田川市による新たな合併浄化槽設置の推進に対する評価と、今後の支援についてお聞きをいたします。私の地元田川市では、市長の決断で、汚水処理施設整備計画を、これまでの下水道を新たに設置する方式から、個人設置型浄化槽の促進による整備に政策転換し、単独浄化槽またはくみ取り便槽から合併浄化槽への転換の際の個人負担に対して、これまで以上に補助金を拡充し、ほぼ自己負担ゼロで合併浄化槽の設置が可能となっています。この制度はことしの四月から実施される予定でありまして、この方式は全国的にも珍しく、かつ四万八千人規模の都市で全てを浄化槽で汚水を処理することを決断した市はほとんどないとのことであります。  そこで二点目に、田川市のこの取り組みについて、知事はどのように評価をしているのかお聞きするとともに、来年度より設置戸数が大幅に増加する予定ではありますが、その場合の県補助金の増加についても、その予算の確保についてどのように考えているのか、お答えをいただきたいと思います。  三点目に、個人設置型浄化槽の維持管理の適正化についてお聞きをいたします。これまで浄化槽での汚水処理の推進を申し上げてきましたが、これと同時に大切なのは、適切な維持管理であります。個人設置型浄化槽は、その維持管理は個人が責任を持って行うことになっており、浄化槽法第十一条に定められた年一回法定検査を受けるほか、保守点検、そして清掃を行うことが法律で義務づけられています。以前、私は地域の方から、浄化槽が無管理となっており悪臭がするというクレームをいただき、県に対応をお願いをしたことがあります。そこでは、長年浄化槽の維持管理は全く行われておらず、結果、ほぼ未処理の汚水が河川に流されていたという事例でありました。業界関係者の皆さんと懇談をした際も、今のような事例は後を絶たないとのことで、指導監督権者である県の指導も十分行き届いていないという声も聞いています。個人設置型浄化槽は、国、県、自治体が多くの補助金を交付して設置しており、先ほど申し上げたように、維持管理等も義務づけられており、また水環境にも大きく影響があることからも、維持管理を徹底させることを、本県として、この機会に強く指導する体制を構築すべきだと考えます。  そこで三点目に、本県のいわゆる十一条検査の受検率の状況をお示しください。その上で、法定検査の未受検や保守点検及び清掃の未実施、いわゆる無管理浄化槽の実態について、指導監督権者である本県として、しっかり指導すべきだと考えますが、実態把握の現状はどのようになっているのか、また適正管理をさらに推進するために、知事として今後どのように取り組むのかお聞きします。  以上、知事の前向きな答弁を期待し、一般質問といたします。ありがとうございました。(拍手) 11 ◯議長(井上 順吾君) 小川知事。 *知事答弁 12 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  浄化槽整備における市町村への支援でございます。浄化槽の整備につきましては、平成元年度に県の補助制度というものを創設をいたしました。市町村を通じて設置者に補助を行うことによりまして、その整備を着実に進めようとするものでございまして、これに基づきその整備が進んできているところであります。昨年度からは、浄化槽の整備を一層進めるために、この補助制度を拡充いたしまして、し尿のみを処理する単独浄化槽及びくみ取りから生活排水とし尿をあわせ処理できる合併浄化槽に転換する場合に、従来の浄化槽本体と工事費に対する補助に加えまして、単独浄化槽等の撤去費、また配管費につきましても補助を行うこととしたところであります。この拡充した補助制度につきましては、市町村説明会を開催をするとともに、個別に御説明を申し上げ、その制度の利用について働きかけを行い、これまで十二の市町において活用されているところであります。加えて、浄化槽整備を促進していくため、市町村の政策決定に携わられます市町村長、いわゆる首長さんたちを対象とした浄化槽シンポジウムを開催をいたしまして、浄化槽にかかわる国の動向、他の自治体の先進的な取り組みの事例など、市町村に役立つ、意思決定に役立つ情報の提供にも取り組んできたところであります。今後とも、このような取り組みを進め、浄化槽整備を進める市町村をしっかり支援をしてまいります。  次に、田川市による新たな合併浄化槽設置の推進についてでございます。私どもの福岡県汚水処理構想におきましては、住居が散在をし、下水道など集合処理が非効率な地域につきましては、浄化槽が最も適した汚水処理施設でございますことから、こうした地域の汚水処理人口普及率の向上のために浄化槽の整備というものを進めることといたしております。田川市におきましては、単独浄化槽やくみ取りから合併浄化槽へ転換する場合に、市民に交付をしておられます補助金を来年度から市独自で大幅にこれを拡充されることとしております。その取り組みは、浄化槽の整備に弾みをつけ、私ども福岡県の汚水処理構想における田川市の目標達成に寄与するものであると、このように考えております。また、県の補助につきましては、県内の各市町村における浄化槽の設置予定数をしっかり踏まえまして、その整備に支障が生じることのないよう、必要な予算の確保を図ってまいります。  次に、個人設置型浄化槽の維持管理の適正化でございます。浄化槽の所有者は、浄化槽管理者といたしまして、毎年、浄化槽法第十一条の規定に基づく水質に関する検査を受けるとともに、同法第十条により保守点検及び清掃をみずから行わなければならないとされております。本県における法第十一条検査の受検率でございますけれども、年々上昇しております。昨年度は六九・二%で一昨年度の、数字がありますのは全国は一昨年度しかありませんが、一昨年度の全国の平均受検率が四〇・三%、本県は昨年度で六九・二%でございます。全国の平均受検率四〇・三%と比べると、高い状況にございます。一方で、引き算すると三〇%近い浄化槽管理者が受検をされてないわけでございまして、県におきましては、一般財団法人福岡県浄化槽協会と連携をいたしまして、検査の未受検者、保守点検、清掃の未実施者の把握に今努めているところであります。検査を受検してないことが明らかになった浄化槽管理者に対しましては、文書による受検勧奨を行っているところであります。また、保守点検、清掃を適正に行っていない疑いのある浄化槽管理者に対しましては、市町村と合同で立入検査を行い、改善が必要な場合には是正指導を行っているところであります。今後、市町村や関係団体と連携をしながら、その実態把握、これを徹底するとともに、必要に応じて改善命令を発出するなど、その適正管理に関する指導を強化をしてまいります。 13 ◯議長(井上 順吾君) 壹岐和郎君。(拍手) *壹岐議員質問 14 ◯三十四番(壹岐 和郎君)登壇 公明党の壹岐和郎でございます。通告に従い質問をいたします。  一点目に、中小企業の人材、人手不足問題と高齢者雇用の拡大について質問します。北九州市が昨年十一月から十二月にかけ、人手不足の現状について市内企業から聞き取り調査を実施しました。対象は建設、運輸、製造、警備、ビルメンテナンス、清掃業などの十六社で、結果は、建設業では、下請への発注が断られることがある、運輸業者からは、年配ドライバーでも人材のとり合いになっているなど、人手不足を訴えている企業がほとんどであったようです。市内の有効求人倍率は昨年十一月現在で一・五二倍となっており、今後も上昇を見込んでいるようです。一方、企業は働き方改革に向け一人当たりの労働時間の削減への努力もしなければなりません。  私もさまざまな場面で、中小企業の人手不足の声、特に技術者不足に頭を悩ます企業と出会います。中小企業にとって、人材確保が大変重要な課題となっています。同時に、中小企業が生き残るためには、大変重要なポイントであるにもかかわらず、中小企業の従業員に対する人材育成は、資金や組織体制などの理由から大企業のように取り組めないのが現状です。  そこで質問をいたします。本県の人手不足の状況に対する知事の認識並びに中小企業支援策としての人材育成の重要性とその取り組みについて知事にお尋ねします。  本県は、七十歳現役社会の実現に向け、県内四カ所に福岡県七十歳現役応援センターをつくり、先進的な取り組みを行っています。北九州オフィスを見ると、平成二十九年度末での登録者三千三百八十五名、進路決定者千八百十八名と着実に成果を上げています。しかしながら、平成二十七年以降、新規登録者数は減少傾向です。進路決定者数は堅調に推移していることからも、登録者数が増加すれば進路決定に結びつく人もふえるのではないかと推測します。北九州オフィスは町なかにあるものの、ビルの四階に所在し、看板も目立ちません。  そこで、成果の出ている事業ですので、福岡県七十歳現役応援センターの事業内容自体や当オフィスの周知にもっと力を注ぐべきと考えます。同時に、イベントの共催なども含め、北九州市との連携強化も必要と考えます。北九州市の平成三十年九月の住民基本台帳に基づいた六十歳から七十四歳の人口は十九万九千人、平成二十七年国勢調査での同年代の就業人口は八万七千人となっています。その差は約十一万二千人で、まだまだ登録者、進路決定者数の増加する余地は大きいと考えます。現状並びに今後の取り組みについてお尋ねします。  次に、平成二十九年度北九州オフィスでの進路決定者のうち、当センターが独自に開拓した先に就職した人は八十六名となっており、全体の二〇%です。四オフィス全体でも同様な傾向です。高齢者が就業する場合、新卒者等の採用に比べれば、時間設定や就業日数など制約も多いのではないかと推測します。また、人手不足の企業への対応の上からも、紹介企業の開拓を推進できるよう体制強化も視野に入れて検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、七十歳まで働ける企業の増加も重要な課題です。県の取り組み状況と成果についてお尋ねします。  平成三十年十一月に北九州市で開催された、しごと・ボランティア合同説明会には、限られた対象範囲にもかかわらず、参加企業、団体二十一、参加者数七十六と関心の高さがうかがわれます。参加企業を見ると、ビルメンテナンス、介護、警備など日ごろから人手不足の声を耳にする業種ばかりです。周知方法、開催時期や小倉駅広場など開催場所も工夫しながら、参加企業、団体、参加者の増加を図る取り組みをもっと進めていただきたいと考えます。  次に、北九州空港を核とした地域活性化についてお尋ねします。新聞報道によれば、国土交通省大阪航空局は二月四日、二〇一八年の管内空港の利用状況速報値を発表し、北九州空港の旅客数は、過去最高の百七十四万九千九百六十二人となりました。前年比六・八%増で、離島を除き九州の空港では最も高い伸び率となったようです。特に昨年十月、台湾線が就航した国際線は一八・三%増の三十二万五千人となりました。また、昨年六月に全日本空輸が国際定期貨物便を就航させ、国際貨物取扱量は三千六百七十一トン、前年比一四七・三%増と大幅な伸びを示しました。福岡県、北九州市、苅田町が連携し、路線誘致などの努力の結果と考えます。  北九州空港の定期便は国内線が東京、名古屋、沖縄の三路線、国際線が釜山、ソウル、台北など六路線、また成田、北九州、那覇を結び、零時四十五分北九州空港を出発、那覇を経由し、同日の四時五十五分から九時二十分までには上海、香港、バンコク、シンガポール四都市へ到着する国際定期貨物便が就航しています。このように、北九州空港はアクセスの利便性について課題を有しながらも、二十四時間空港であることの優位性を徐々に発揮しながら、特にこの数年は堅調に推移しています。  そこで知事に何点か質問します。一点目に、現在取り組んでいる福北リムジンバスの利用実績と効果並びに今後の方針についてお尋ねします。  二点目に、貨物便が定期就航しました。貨物取扱量拡大に向けた県としての取り組みをお尋ねします。  三点目に、平成三十一年度暫定予算の中で、北九州空港の利用促進のため、海外の旅行会社による北九州空港国際線を活用した旅行商品の販売支援費一千五百三十六万六千円が計上されています。大変効果的な取り組みであると思います。こうした取り組みにより、北九州空港を利用して国内外から北九州地域への訪問が期待されますが、北九州市は福岡市や北九州市と同様に海峡に面した函館市などと比較して、日帰り客が多く、市内消費額も福岡市の三割、函館市の八割程度です。北九州地域や京築地域への誘客に向けた取り組み、加えて宿泊を含めた消費額アップのため、本州や四国とも近い地の利を生かし、何らかの方法で九州のみにとらわれず、中四国を含めた観光ルートの開発を促進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。  最後に、平成二十三年九月定例会にて、関門地域の観光推進に当たり、関係自治体との連携強化と関門海峡のブランド化についてお尋ねしました。その点に関し、その後どのような取り組みがなされたのか、あわせて今後の取り組みについてお尋ねします。  以上でございます。(拍手) 15 ◯議長(井上 順吾君) 小川知事。 *知事答弁 16 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、中小企業の人材、人手不足問題でございます。福岡県が昨年、県内中小企業約一千二百社を対象にして実施いたしました調査によりますと、人材が不足していると回答をいただいた企業の割合が約五割となってございます。このうち不足している職種といたしましては、専門、技術職の割合が最も多く、技術者の不足というものが顕著になっていると考えております。外部からの人材確保が難しさを増す中、県内中小企業にとりましては、自社で働く技術者の技術力の向上を図っていくことが重要な課題になります。このため県におきましては、県内の物づくり中小企業の技術者育成を支援をするため、物づくりに欠かせない基盤技術でございます金型、メッキ、プラスチックに関する講座、また付加価値の高い製品づくりに必要となります三次元設計等のデジタル技術に関する講座、これらを実施しているところであります。この実施に当たりましては、受講料を教材費のみといたしまして、中小企業の方の費用負担を軽減するとともに、現場で技術者が長期不在とならないよう受講日を複数回に分けて設定するなど、皆さんが受講しやすい環境づくりにも努めているところであります。昨年度までの五年間で約千二百名の方がこの受講をされているところであります。今後も、県内中小企業の技術者の育成に取り組むことによりまして、中小企業の事業活動に必要な人材の確保、これを支援してまいります。  次に、七十歳現役応援センター、それから北九州オフィスについてお尋ねがございました。県におきましては、高齢者に対する就労相談や合同説明会、企業向けのセミナーなど七十歳現役応援センターが実施しております事業について、センターの専用ホームページや県のホームページ、また各戸配布の県の広報紙によりまして、その情報発信を行っているところであります。このほか、市町村の広報紙や求人情報誌への掲載、福岡労働局との共催によるアクティブシニアしごと合同説明会における紹介ブースの設置などによりまして、その周知を図ってきているところであります。  北九州市との連携についてでございますが、これまで北九州市で実施してきましたセンター主催のしごと・ボランティア合同説明会、これに加えまして、今年度からは市のいきがい活動ステーションにおきまして北九州市シルバー人材センターと合同いたしまして出張相談会を開催しております。これらを通じまして、北九州オフィスの認知度向上とその利用者の増加に努めておるところであります。今後とも、北九州市と連携をいたしまして、就労また社会参加、この意欲のある多くの高齢者の方が、もっと利用していただきますよう、センター及びオフィスの認知度向上に取り組んでまいります。  次に、七十歳現役応援センターによる求人企業の開拓についてお尋ねがございました。県におきましては、平成二十四年にセンターを設置したわけでございますが、以来、商工会、商工会議所の会員企業、また高齢者雇用促進セミナーなどに参加をされた企業に、その求人開拓、取り組んできているところであります。二十八年度からは、新たにアドバイザーを配置いたしまして、人手不足が深刻な介護サービス分野、小売業、食料品製造業におきまして、専門的知識や技術がなくても行える業務を切り分けした事例など、高齢者に適した職場環境や働き方というものを提案をし、高齢者の新たな職域の拡大と求人の開拓というものを行ってきているところであります。これらの取り組みによりまして、引き続き高齢者向けの求人の開拓に取り組んでいくとともに、県内の各ハローワークに設置が進んできております生涯現役支援窓口との連携体制を整えていくことによって、高齢者の活躍の場のさらなる拡大を図ってまいります。  七十歳まで働ける企業の拡大についてでございます。七十歳現役応援センターにおきましては、県内の企業を訪問いたしまして、高齢者を積極的に採用している企業の取り組み事例、また公的な助成制度などを紹介しながら、定年の廃止、定年の延長、継続雇用といった七十歳まで働ける制度についての導入を働きかけしてまいりました。この働きかけによりまして、七十歳まで働ける制度を導入した企業は、昨年十二月末までに五百六十五社になってございます。今後とも、七十歳まで働ける制度の導入について、企業の理解の促進を図っていき、高齢者の活躍の場がさらに広がっていくよう取り組んでまいります。  次に、福北リムジンバスについてでございます。福北リムジンバスにつきましては、平成二十六年十一月に策定をいたしました私どもの福岡県の空港の将来構想に掲げております福岡空港と北九州空港との役割分担と相互補完を進めていくため、福岡空港では対応できない深夜、早朝便の利便性の向上を目的といたしまして、二十七年七月からその運行を開始をしております。これまでの利用実績でございますけれども、平成三十年十二月までの三年半で累計三万人を超えております。一方で、一便当たりの利用者数は毎年徐々に増加しておりますものの、平均六・六人にとどまっているところであります。一方で、昨年十月実施をいたしました利用者アンケート、これによりますと、七割以上の方が、リムジンバスがない場合には北九州空港の深夜、早朝便は利用しなかったんだと、そうお答えになっておられまして、この福北リムジンバスによって福岡都市圏と首都圏とのアクセスの利便性の向上が図られ、深夜、早朝時間帯の北九州空港の利用の促進につながっているものと認識いたしております。  福北リムジンバスを今後継続的に運行していくためには、さらに利用者をふやしていく必要がございます。そのため去年の七月からでございますけれども、直方、若宮、新宮など降車可能な停留所というものをふやしたところでございます。また、機内広告、バス車内広告、県による新聞、テレビ、ラジオなどの広報に加えまして、今申し上げました新たに設置した停留所沿線の市町村、そのホームページや広報紙などにおいてもその周知を行っているところでございます。今後とも、航空会社やバス事業者、停留所周辺の市町と連携をいたしまして、この福北リムジンバスの周知を図り、さらなる利用者の増加を図ってまいります。  次に、貨物取扱量の拡大に向けた取り組みでございます。昨年の六月、ANA定期貨物便の就航によりまして、二十四時間利用可能な特性を生かし、深夜に北九州空港を出発し、那覇空港を経由してアジアの主要四都市へ早朝に貨物を届けることができる、迅速かつ安定的な物流ルートというものができました。このANAの定期便でございますが、九州で唯一の貨物専用機による定期便でございまして、これまで福岡空港では搭載できずに関西空港や成田空港へ陸送しておりました大型貨物、危険物等を九州から直接空輸できる体制が整ったところであります。この定期便の就航によりまして、県内はもとより九州各県で製造されております機械部品、半導体などを輸出するときに北九州空港が利用されるようになり、九州の物流の効率化にも寄与しているところであります。今後、この北九州空港を福岡県の空港将来構想に掲げる貨物拠点空港として発展させていくためには、その貨物取扱量を拡大していくことが重要であります。このため、北九州空港を利用していただいております荷主、物流事業者に対する助成も活用いたしまして、現在は十分に利用が進んでおりません大型貨物、また農林水産物の利用も含め、ANA定期貨物便のさらなる利用促進に取り組んでいくとともに、一方で、貨物のチャーター便の誘致についてもあわせて取り組んでいきたいと思っております。  次に、北九州・京築地域への誘客、中四国を含めた観光ルートの開発についてお尋ねがございました。昨年度、北九州・京築地域の市町と連携をいたしまして、お勧めのモデルコースというものを開発をいたしました。またあわせて、コース周辺の食や見どころを掲載したガイドブックを作成をし、それぞれの情報発信を行っております。また、北九州・京築地域の観光名所への誘客を図るため、ふくおかよかとこパスポートスタンプラリーというのも実施したところであります。加えて、昨年度に引き続き、北九州マラソンの開催に合わせまして、今週末になりますけれども、ぞっこん北九州・京築フェア、これを実施をいたしまして、県内外からの訪れられるお客さんに観光ルートを紹介するとともに、グルメ、特産品、伝統文化などこの地域の魅力というものを大いに発信したいと思っております。また、国内はもとより自転車愛好家の多い台湾などからの誘客を促進するため、サイクルツーリズムにも取り組んでおりまして、その広域モデルルートの一つとして、門司港から上毛までのルートを決定し、その発信を行っております。さらに、中四国を含めた観光ルートといたしましては、この広域モデルルートを山口県までつなげていくことが有効であると考えております。昨年の五月、九州地方知事会、九州地域戦略会議におきまして、私のほうから各県知事、経済界の皆さんに、県域をまたぐルートの設定など九州・山口を挙げて、このサイクルツーリズムに取り組んでいくことを提案をいたしました。現在、その推進方針をまとめるため、九州各県、山口県の担当者と協議が進んでいるところであります。こうした取り組みを進めることによりまして、新たな観光ルートを開発し、北九州・京築地域への誘客を促進してまいります。  次に、関門海峡のブランド化についてお尋ねがございました。北九州市及び下関市は、共同して、これまで観光パンフレットやマップの作成、関門海峡花火大会、関門地域夜間景観周遊バスの運行など実施をされてこられました。また、両市は下関、門司港、両港の沿岸部にレトロな町並みとして残る重厚な近代建築物群に加えまして、フグ料理、バナナのたたき売りといった食文化、あるいは風物詩というのがございます。それらを関門「ノスタルジック」海峡として文化庁に申請をし、日本遺産の認定を受けたところでございます。県におきましては、このようなイベントや観光スポットを県の観光ホームページでありますクロスロードふくおかなどで御紹介をするとともに、東京、大阪などで開催されます観光素材説明会などにおきまして、旅行会社に対しまして、そうした魅力について情報を提供し、旅行商品の造成というものを促してきているところであります。現在、日本遺産の構成資産の一つであり、国の重要文化財でもあります門司港駅の復元工事が国、県、北九州市の財政支援のもと、JR九州によって進められているところであります。一部を除き、この復元工事は完了しておりまして、来月十日にはグランドオープンの予定となってございます。さらに、関門海峡ミュージアムも、この秋リニューアルオープンする予定でございます。北九州市と連携して各種イベントの開催や、門司港地区をめぐるモバイルスタンプラリーの実施に取り組んでまいります。引き続き、北九州市などと連携をいたしまして、関門地域の魅力の向上を図るとともに、日本遺産として認定された関門「ノスタルジック」海峡、またリニューアルされる門司港駅や関門海峡ミュージアムなど施設を活用し、同地域への誘客に努めてまいります。 17 ◯議長(井上 順吾君) 壹岐和郎君。 18 ◯三十四番(壹岐 和郎君)登壇 御答弁ありがとうございました。二点。  一点目は、高齢者雇用の拡大について要望いたします。いろんな施策を今ずっと打っておられるんですけれども、なかなか北九州オフィスでは伸びてないというのが現状なので、登録者数が約三千人ちょっと。今申し上げたように、働いていない方、これは働けない方も含めるんですけれども、十一万ぐらいおられるわけですから、もっともっと伸びる余地は大きい。職に結びついた方の確率も五〇%以上なので、この登録者数の拡大を、ぜひ力を入れてやっていただきたい、それがそのまま高齢者雇用の拡大につながると思います。  二点目に、北九州空港を核とした地域活性化について、これは要望をいたします。今、サイクルツーリズムの取り組みについて御答弁ありました。北九州空港の連絡橋はサイクリストにも大変人気があります。海外からの旅行者が、空港からそのまま自転車で移動できるように、北九州空港で自転車の組み立てスペースの確保、これが有効のようです。限られた投資で可能と考えますので、ぜひ検討をお願いしたいと思います。  また、ちょっと先の話になりますけれども、下関北九州道路が決定し、仮に橋となれば、自転車が走るようになれば、大きな観光資源となります。また、今知事からもあったように、関門「ノスタルジック」海峡として認定を受けた日本遺産もしっかり活用しながら、北九州・京築地域の活性化を図っていただくことを期待して質問を終わります。  以上です。ありがとうございました。(拍手) 19 ◯議長(井上 順吾君) 椛島徳博君。(拍手) *椛島議員質問 20 ◯二十八番(椛島 徳博君)登壇 皆さん、こんにちは。食と緑を守る緑友会・立志福岡県議団の椛島徳博でございます。通告に従いまして、国際貿易交渉への対応についてお尋ねをいたします。  我が会派が一貫して反対の姿勢を貫いてきましたTPP協定が、昨年十二月三十日、アメリカを除く十一カ国で発効しました。この協定は、我が国の農林水産業に大打撃を与え、食の安全や医療、労働、政府調達、国の主権をも失う可能性のあるISD条項など、我が国が築いてきた仕組みや基準を変更させられる可能性があるということを、これまでも指摘をしてきたところであります。中でも最も懸念されますのが、やはり農林水産業への影響です。新聞などでも御存じのとおり、大手スーパーの中には、協定の発効に先駆け、昨年十二月上旬からオーストラリア産の牛肉の値下げを行っていて、協定が発効した年明けからは、TPPイレブン参加国からの牛肉の輸入量が急増しております。財務省が公表したTPP参加国からの本年一月の牛肉の輸入量は、前年同月と比べ六割も上回ったようです。今月一日には、日・EU・EPAも発効し、これからの関税引き下げによって価格競争力をつけた輸入農林水産物が市場に出回り、我が国の農林水産物への影響が懸念されるところであります。さらに、今後は、TPPの合意水準を上回る自由化を求めてくる可能性の高いアメリカとの日米物品協定が控えております。協議の開始は、アメリカ政府機関の一部閉鎖の影響で、春以降にずれ込んでいるようですが、アメリカの農業団体がTPP以上の自由化を強く求めているとのことですから、厳しい交渉になることは確実であります。  このような状況の中にあっても安倍総理は、昨年の日米首脳会談で、農林水産品については過去の経済連携協定で約束した内容が最大限であるという合意があるとの発言を繰り返しているようです。しかし、アメリカの大統領がトランプ氏となり、TPPから離脱をし、二国間交渉に軸足を移したことを考えれば、より有利な条件を求めてくることは容易に想像がつくことであります。また、アメリカがそのような合意を守るとは到底考えられないのではないでしょうか。  このような中、私の地元柳川市では、平成二十七年度に野菜の集出荷場を整備し、昨年は、北海道を除けば国内最大のカントリーエレベーターが整備されました。また、先日、国営の筑後川下流事業を初めとする土地改良事業が完工しました。この事業で整備された農業生産基盤を最大限に活用し、競争力の強化を図ろうと、農家を初め関係者が一丸となって今必死に取り組んでおります。しかし、どんなに関係者が努力をしても、たびたびハードルを上げられるのでは、一体どこまで頑張れば報われるのかわかりません。  政府は、TPP交渉に当たり、聖域である米や麦、牛肉、豚肉など重要五品目は例外または再協議の対象にする、十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないとした約束を、簡単にほごにしたことを我々は忘れてはいけません。今回、関税削減や撤廃、輸入枠の設定など農林水産業を犠牲にして交渉を進めることも十分考えられます。本県におかれましては、再び国が安易な妥協をすることがないよう、今後も国への強い働きかけをお願いするところであります。  さて、我が国は、いにしえより瑞穂の国として、土を耕し、水を分け合い、自然と共生してきました。農業は国民の命を守り、国土を守り、悠久の歴史の中で風土と文化を醸成しながら国の発展を根底から支えてきました。この穏やかな田園風景や自然環境は、どんなにお金を積んでも、決して輸入することはできません。農は国の基です。農業は国の成り立ちの根っこ、土台であり、これからもしっかり守り続けていかなければなりません。そのためにも、今後、激化するであろう国内外との競争に勝ち抜かなくてはなりません。  そこで知事にお尋ねします。本県農業の競争力強化にどのように取り組まれるのかお尋ねをいたしまして、私の一般質問を終わります。(拍手) 21 ◯議長(井上 順吾君) 小川知事。 *知事答弁 22 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  国際貿易交渉への対応でございます。県におきましては、福岡県の農業の競争力を強化をするため、平成二十八年度から国のTPP関連対策予算、これを最大限活用いたしまして、強風にも耐えるハウス、カントリーエレベーター、果樹の集出荷施設、はかた地どりの処理加工施設など施設の整備に取り組んでまいりました。また、福岡県独自の対策についても、これを強化をしておりまして、トラクターやコンバイン、野菜の移植機など高性能機械の導入によります生産コストの低減、博多和牛の繁殖雌牛といった優良家畜の導入などによります生産性の向上、優良品種早味かんへの改植、また優良品種秋王、甘うぃの果樹棚の整備など、これらによります品質の向上、海外の量販店における販売促進フェアの開催やバイヤーの産地への招聘などによります輸出の促進、これらに取り組んできているところであります。今年度からは、畜産のブランド力強化のため、新たに関係団体から成ります福岡県肉用牛振興協議会を昨年の十一月に設立をいたしまして、博多和牛の肉質向上に向け高品質の子牛の県内確保の取り組みというものを開始しております。さらに、輸出の拡大を図るため、昨年の八月には梨をベトナムへ、九月には元気つくしのパック御飯を中国へ、十月には柿を米国へ、ことしの一月にはミカンをタイへ、それぞれ初めて輸出をいたしております。加えて販売、消費拡大を図っていくため、昨年の十一月、東京に本県の食の魅力を発信するアンテナレストランでございます福扇華をオープンしたところであります。県といたしましては、本県の大事な農林水産業、これをしっかり守っていくと同時に、今申し上げましたように、攻めの農林水産業を目指していきたいと、このように考えております。このような今申し上げました取り組みを通じまして、我が福岡県の農業の競争力の強化に取り組んでまいります。 23 ◯議長(井上 順吾君) 山口律子君。 *山口議員質問 24 ◯二十九番(山口 律子君)登壇 日本共産党の山口律子です。下関北九州道路について質問します。  下関北九州道路は、二〇一七年度に国の道路調査補助を受け、二県二市、経済界、国の地方整備局を構成員として下関北九州道路調査検討会が設立され、翌年、調査検討取りまとめを行うなど、建設に向けての本格的な検討を強めています。知事は本議会においても、たびたび下関北九州道路の必要性を説いてこられ、早期の実現を目指して活発に行動されてきたことは承知しております。しかし、先日行われました北九州市長選挙では、下関北九州道路の建設推進の是非が争点として浮上し、マスコミも大きく取り上げ、県民の関心事となっております。
     そこで改めて本道路について知事にお伺いします。本県の通行需要予測では、二〇一四年時点で一日七万台から二〇三〇年に約六万六千台と四千台も減ると見込んでおり、国立社会保障・人口問題研究所の予測では、下関、北九州両市の人口は二〇一五年からの二十年間で約二十万人も減る見通しです。本当に海峡横断道路をもう一つつくる必要があるでしょうか、極めて疑問です。知事は、現在ある関門橋、関門トンネルが、老朽化に伴い定期的な点検、補修工事が欠かせないとし、補修工事や台風、大雪などの悪天候、交通事故により通行どめが頻繁に発生しており、ネットワークとして脆弱であるためと、その必要性を述べられました。NEXCO西日本によれば、二〇一六年時点で過去五年間の通行どめの大半は工事によるものであり、工事を除くと通行どめは四百五時間、一日わずか十二分弱で、落下物によるものが大半です。台風や大雪などの影響については、仮に下関北九州道路ができても、その影響を受けるのは同じであり、全く必要性の根拠になっていません。NEXCO西日本は、トンネルも橋も定期的に点検、補修を行っていて健全で安全に使えると答えており、二〇一三年から大規模改修を行った関門橋に至っては、あと百年の使用も夢ではないと胸を張っています。  知事は、大規模災害時の代替道路としての必要性についても言及されました。しかし、予定されているルートのすぐそばを小倉東断層が走っており、代替どころか最も危険な道路となるおそれがあります。余りにも無謀な計画ではありませんか。費用対効果や安全性を鑑み、下関北九州道路は必要だと知事は本心からお考えですか、お答えください。  建設促進協議会が二〇一三年七月に発行した資料によると、ルートは下関市彦島迫町から小倉北区西港付近で、陸上部四キロメートル、海上部二キロメートル、下関側は下関西道路を建設し中国道に、北九州側は都市高速につなぐとされています。総事業費は二千億円から二千七百億円となっており、かつて国交省が十年、調査費七十億円を費やして行った海峡横断プロジェクトの調査結果そのものです。まさに無駄な公共事業と批判され、凍結された計画の復活です。国交省の調査では、橋梁の事業費は千五百七十八億円、現在の税率込みで千六百八十二億円。通行料を二百八十円にした場合、通行台数一日二万二千二百台、年間の通行料金収入は約二十三億円の想定です。三十年間の返済金は利息なしでも年間五十六億円、毎年三十三億円の赤字が生じ採算性は全くありません。その負担は誰が担うことになるのでしょうか。  本四架橋の例を見ますと、建設費は当初予算の七千四百七十八億円が三・八倍の二兆八千六百六十二億円に膨らみ、通行量も予測を大きく下回りました。そのため、国と自治体が二対一の割合の出資金で赤字の埋め合わせをする事態になり、関係八府県二政令市が二〇一三年四月末までに五千六百二十二億円を負担しました。国も入れた総額で一兆七千億円に達しています。二〇一四年度からは全国の高速道路料金収入を本四架橋の借金返済に充てることになりましたが、この先四十年間も高速道路利用者が負担を続け、国と自治体が出した拠出金の返還のめどは全く立ちません。結局、国民や県民が負担することになったわけです。  知事は、下関北九州道路の採算性についてどのようにお考えですか。財政難や人口減少を考えると費用対効果を無視した安易な構想は中止すべきだと思います。御所見を伺います。  安倍政権は、アベノミクスの三本の矢の一つとして、新規の大型開発事業に多額の予算を投入し、国際競争力の強化を前面に押し出した成長戦略を進め、国土形成計画、国土強靱化、国家戦略特区などの政策により、巨額のインフラ整備を加速させています。その中で復活してきたものの一つが下関北九州道路です。こうした公共事業政策は、バブル崩壊後の九〇年代のやり方と同じですが、結局、膨大な借金を抱えただけで、日本経済の再生につながりませんでした。国と地方の借金は、今や一千兆円を超え本県も県債残高が毎年更新しています。一方で、長引く消費不況の中、国民には安倍政権の七年間で二兆円の年金給付削減を初め医療や介護、生活保護費の抑制など四・三兆円もの負担増が押しつけられ、さらに消費税の一〇%への増税が計画されています。  本県は二〇一六年度末で、高齢者の四割が住民税非課税世帯で、本人が住民税非課税者を入れると六五%にもなります。生活保護受給者は二〇一七年十一月現在、全国五番目の保護率で、生活保護基準以下の貧困層は六十四万人と推計されます。また、非正規率全国四位の本県では、民間労働者は三人に一人が年収二百万円以下のワーキングプア、完全失業率は全国トップクラスです。本県の県民は、全国的にもとりわけ厳しい生活実態にあると言わざるを得ません。  地方公共団体の役割は、住民の福祉の増進、安全、安心を図ることにあります。国と一緒に大型開発を進めるのではなく、県民の暮らしを支える施策こそ充実させるべきではありませんか。昨年、一昨年と本県は大規模な災害に見舞われました。毎年のように起こる災害に、土砂災害危険箇所や河川の整備、老朽化した道路や橋、水道管などのインフラの整備を急ぐ必要がありますが、全く予算が足りずおくれています。公共事業は緊急性に疑問符がつく大型事業から、防災、老朽化対策優先に切りかえるべきではありませんか。  我が会派は、過大な需要予測に基づく水源開発により、今後水道料金の高騰が県民に押しつけられるダムの建設など不要不急の…… 25 ◯議長(井上 順吾君) 山口律子君に申し上げます。発言時間を超過しております。発言は簡潔に願います。 26 ◯二十九番(山口 律子君)(続) 大型開発事業を見直し、県民の暮らしや福祉、教育、防災のための予算を抜本的に拡充すべきだとただしてきましたが、そのお考えはありませんか。三期目を目指すに当たって知事にその所信を重ねてお尋ねし、質問を終わります。(拍手) 27 ◯議長(井上 順吾君) 小川知事。 *知事答弁 28 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  下関北九州道路の必要性でございます。北部九州と山口県には、フランス、イギリスに匹敵する自動車産業が集積をいたしております。また、関門地域は、わずか二キロメートルの海峡を挟んで市街地が集積をいたしておりまして、両都市間の通勤、通学の往来というのは、一日一万人でございます。海峡を越えた生活圏というのが形成されているところであります。これらのように、両地域は密接に今つながっております。こうした交流、連携を支え、また本州と九州を結んでおります関門トンネル、関門橋の大動脈としての役割は、今後とも、いささかも変わりがないと、このように考えております。  一方で、関門トンネルは昭和三十三年に、関門橋は四十八年にそれぞれ開通をいたしておりまして、老朽化に伴う補修工事、台風、大雪などの悪天候、また交通事故などによりまして通行どめというのが頻繁に発生をしております。また、両市を結ぶ道路の主要な交差点におきましては交通混雑が発生するなど、道路としての課題も有しているところであります。昨年七月の豪雨の際には、関門トンネル、関門橋へとつながる九州自動車道と北九州都市高速道路がそれぞれ土砂崩れにより通行どめとなりまして、並行する国道三号や県道門司行橋線などへの迂回というものが必要になりました。このため、周辺道路は大変な渋滞が発生をいたしまして、学校が三日半休校になったほか、自動車工場では数日にわたり生産に影響が出るなど、市民生活や経済活動に大きな影響が及んだわけでございます。改めて、代替機能の確保、いわゆるリダンダンシーの重要性というものを認識したところでございます。  以上のことから、既存道路ネットワークの課題の解消や関門トンネル、関門橋の今申し上げた代替機能の確保、さらには循環型ネットワーク形成による関門地域の一体的発展のために、この三本目のルートといたしまして、下関北九州道路は必要不可欠なものであると、このように考えております。  この採算性でございますけれども、公共事業につきましては、おっしゃるとおり客観性、透明性の確保が大切でございまして、費用対効果を含めた総合的な観点から評価をしていくことが重要であると考えております。下関北九州道路につきましては、昨年度から国の技術面、そして予算面での御支援を受けまして、我々地域が主体となった下関北九州道路調査検討会を立ち上げ、住民、企業や有識者の皆さんから御意見も聞きながら、ルートについて推奨案の検討、構造について橋やトンネルの特徴の整理とその評価、そして整備手法につきましては可能性のあるPFI的な整備手法の整理、それらについて基礎的な調査を行ってきているところであります。今後、この道路の総事業費や費用対効果を算定していくに当たりましては、高度な技術力、また多岐にわたる知見が必要となります。このため、国が主体となりルートや構造などにつきまして、より具体的な調査を行うことが不可欠であるというふうに考えております。このため、二県二市の首長さん、それから議会、地元経済界の皆様方と一体となりまして、国に対し、この必要な調査、国による調査、これを実施し、総合的な評価をしていただくよう働きかけを続けているところであります。  次に、福祉、防災など県民の暮らしを支える予算への重点配分についてお尋ねがございました。本県におきましては、これまで政策課題の一つに、安全、安心、災害に強い福岡県づくりを掲げまして、道路ののり面対策、橋梁の耐震対策、河川改修、砂防ダムの設置など防災、減災対策に積極的に取り組んできたところであります。また、道路、河川などの公共土木施設の定期的な点検、補修によります計画的な老朽化対策にも取り組んできているところであります。さらに、昨年、五ケ山ダム、伊良原ダムが完成したわけでございますけれども、こうしたダムにつきましても、昨年、一昨年の洪水被害、その際の下流域の洪水被害の軽減、また今回の福岡市への五ケ山ダムからの水道用水の供給など、大きな効果を上げているところであります。一方で、生活者の視点を重視しながら、課題や問題を抱えておられます県民の方々に寄り添う温かみのある行政、これについても一層力を入れてきておりまして、子育て支援、子供の貧困対策、障がい者福祉など、それぞれの施策の充実強化を図ってきているところであります。今後とも、こうした考え方のもとに予算編成というものを行っていきたいと考えております。 29 ◯議長(井上 順吾君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後一時四十分といたします。           午 後 零 時 三十一分  休 憩           午 後 一 時 五十一分  再 開 30 ◯副議長(畑中 茂広君) 再開いたします。 *諸般の報告  諸般の報告を行います。  提出議案中、第二一号議案「福岡県職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部を改正する条例の制定について」外三件について、人事委員会の意見を求めましたところ、お手元配付のとおり意見の提出がありました。      ────────────────────────────────────────── 31 ◯副議長(畑中 茂広君) 以上、報告いたします。  休憩前に引き続き一般質問を行います。順次発言を許可いたします。古川忠君。(拍手) *古川議員質問 32 ◯六十六番(古川 忠君)登壇 真政会の古川忠であります。いよいよ今任期最後の議会となりました。私なりにこの四年間を振り返って、十分な働きができたかどうか反省するとともに、小川県政八年間の評価を改めて行っているところであります。  本会議冒頭の議案説明の中で、知事は各部署の政策一つ一つについて、その成果を述べられました。一方、自民党の代表質問では、これも多岐にわたってかなり厳しく、中には聞くに忍びないほど辛辣な指摘もあったように思います。議会は県政の後押しをする一方、厳しくチェックすることも大きな役割であります。代表質問における自民党の評価が妥当であるか否かは別として、一つ一つの指摘について、小川知事はこれを真摯に受けとめ、引き続き県政を担う際には、今後の政策に生かしていただきたいと思っております。  私は、本会議あるいは委員会の議論の中でも、一貫して是々非々でやってまいりました。例えば、一昨年、農林水産部の緊急雇用対策事業について、二度にわたり知事を厳しく追及いたしました。しかし、この問題が司法に持ち込まれた今、本会議等での質問は控えておりますが、いずれ決着をつけるべき課題として抱えております。しかしながら、この八年間の小川県政全般としては、私は一定の評価をしております。厳しい財政事情や多様化、複雑化する県民ニーズに対し、小川知事は時に慎重過ぎるなどの声も聞かれますが、それぞれの困難な課題に対してこつこつ、たゆまず努力されてきたことを、私はまず認めたいと思います。特に、この四年間の任期中、八女、筑後地区の大水害、一昨年の朝倉市、東峰村での局地的豪雨災害、昨年の福岡北部の水害と、次々に襲ってきた大災害。知事はもちろん執行部の皆さんの御苦労は大変なものだったろうと思っております。ここにおられる皆さんも同じだと思いますが、私も幾度となく現地を訪ねました。そのたびに多くの県民から感謝の言葉をいただいたことをここに申し上げておきたいと思います。  二日目の代表質問では、二十九年度の決算議案の不認定に対しての発言がありましたが、私はそれをもって小川県政全般を否定することはできないと思っております。決算議案が不認定になったのは、麻生県政の平成九年以来、実に二十一年ぶり。議会の不認定というのは、確かに重い判断ではあります。私も当時決算委員として不認定に加わった一人です。平成七年度の決算の中で、いわゆる裏金問題が議論になりました。各部署で少しずつプールしたお金が官官接待あるいは議員接待等に使われ、政策がゆがめられたと判断したからであります。今回の二十九年度決算の議論を、私は委員会室で、あるいは控室のモニターテレビで聞いておりました。委員の皆さんがそれぞれの課題を持ち、真剣な議論を行っていましたが、決算そのものに対する議論は余りなかったように思います。一年間懸命に予算を執行してきた知事並びに職員の努力に対し、二十九年度決算を不認定にするには、その根拠に乏しいと思い、残念ながら、ただ一人でありましたが、私は認定に賛成いたしました。  質問時間が限られていますので、これ以上個別の問題について論ずることはできませんが、この一年の議会で最も注目を集めることとなった県と政令市との関係、とりわけ宿泊税をめぐる福岡市との対立について、知事への提言も含めて質問させていただきます。  福岡市は人口百五十万人を超す県内最大の都市であり、県経済の牽引役ではありますが、福岡県という広域行政から見れば、あくまでも県内六十自治体の一つであります。確かに、行政権の多くが政令市に委ねられているとはいえ、あらゆる県の政策の立案、実行において、福岡市の情勢、動向を常に把握しておくことは欠かせません。一方、福岡市にとっても周辺市町村を初め、県の情報をしっかり把握しておくことは大変重要なはずであります。観光一つとっても、観光客は柳川の川下り、あるいは太宰府天満宮や国立博物館を訪れるため福岡市に宿泊いたします。周辺の市や町が潤ってこそ、福岡市に買い物客があふれます。福岡市単独では発展も繁栄も望めないのは自明であります。  しかるに、県はふだんから政令市と日常的に連携を密にしてきたかといえば、私は、圧倒的に不十分だったと言わざるを得ません。県が発表するさまざまな調査やデータの公表の際、多くの場合、政令市のデータが抜け落ちていることがあります。福岡市は、北九州市はと尋ねると、今手元にデータがありません、あるいはこれから問い合わせますという返答がしばしばあります。互いに遠慮があるのか、事前に問い合わせが面倒なのかはわかりませんが、政令市との情報を常に交換し、共有するという努力をこれまで余りしてこなかったのではないでしょうか。さきにも述べましたが、知事、県職員には、政令市といえども県を構成する自治体の一つだという強い認識、もっと言えば、両政令市を引っ張っているのも我々県であるくらいの自信と誇りを持ってもらいたいのであります。  今回の宿泊税で、県が示した各自治体の主体性を尊重しつつ税を課すという福岡方式は、いずれ独自の宿泊税を導入したいという自治体があらわれた場合でも適用できる、実によくできた妥当な案だと考えています。トップ同士の話し合いももちろん大切ですが、惜しむらくは、ふだんから現場レベルでの交流や話し合いが密に行われておれば、もっとスムーズに違った展開になったのではないかと思っております。小川知事はこの点についてどのように思われるか、御答弁を願います。  私は常々、首長の任期は三期を一つの目安とすることがよいのではないかと考えています。よほどの失政や自身の不祥事がない限り、三期目はまさに仕上げのときであります。知事は、来る統一地方選挙に三選への決意をマスコミを通じて表明されました。一方で、ここにおられる議員の皆さんは、知事がどのような思いで決心されたか、三選に臨むに当たって何をどうしたいのか、直接聞かれた方はいないのではないでしょうか。議員はそれぞれの自治体や地域を代表してここに集まっております。私どもは、議会のたびに広報紙など何らかの方法を通じて県民と深く結びついております。言いかえれば、議会で議論されたこと、とりわけ知事の発言や方針を県民にお伝えする義務を負っているとも言えます。  小川知事は、今回の議案説明で、多くの時間を割いて四年間の実績をとうとうと述べられました。しかし、次の四年間どのような気持ちで県政を担い、次に何を目指すのかには触れませんでした。各政党や団体との調整、ありていに言えば、根回しに時間を費やし、そのタイミングを逸したのかもしれません。ここはまさに自民党の指摘のように、強いリーダーシップを持って、政治家小川として、自信を持って堂々と旗を立てるべきではなかったかと思います。知事三選をめぐって、これまでの知事与党にさまざまな混乱を起こしております。もっと早く小川知事が決断し、内外に打って出たならば、全く別の展開になったのではないかと、私は残念に思っております。  今議会は、私どもにとって任期中最後の議会であり、最後の機会であります。おくればせではありますが、ここにおられる議員諸兄に対して、また我々議員を通して、広く県民の皆様に次の県政を担わんとする強い決意を表明していただきたいと思います。  知事並びに皆さんと、来年度、この議場でまたお会いすることを念じながら、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 33 ◯副議長(畑中 茂広君) 小川知事。 *知事答弁 34 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  両政令市との関係でございます。福岡、北九州両政令市は、私ども福岡県にとってなくてはならない大きなエンジンでございます。このため、それぞれの施策を進めていく上で、お互いに情報を共有し、連携、また協力をしていくことが必要であると、このように考えております。県と両政令市におきましては、これまでもグリーンアジア国際戦略総合特区の推進、北九州空港への路線の誘致、利用客の拡大、ダム建設による水資源の確保、河川整備による治水対策、アイランドシティ、福岡空港への都市高速道路の延伸、そういった分野において各種取り組みにおきまして、関係部局の職員による情報交換に努め、連携、協力してこれらの事業を推進してまいりました。改めまして、県全体の発展に向けて連携して取り組みを進めていくため、両政令市とはふだんからより密接な情報交換を行い、また率直に意見を交わしながら必要な協議を進めていけるよう、円滑な関係づくりに私自身努めていきたい、このように思っております。  次に、三選に向けた決意でございます。知事就任以来、県民幸福度日本一の福岡県を目指しまして、県民の皆様の生活の安定、安全、安心、これを向上させたい、そう考えまして、これまで全力投球をしてまいりました。その際、現場主義、生活者の視点、県民の皆様に寄り添い、向き合う、温かみのある行政、これを心がけてまいりました。県民の皆様から御理解、御支援をいただき、また県民の皆様の御努力によりまして、その成果は着実に上がってきていると、このように考えております。しかしながら一方で、御指摘のありました豪雨災害からの復旧、復興を初めといたしまして、引き続きスピード感を持って取り組んでいかなければならない課題もあるわけでございます。現在福岡県は、前年より人口が増加した七都県の一つではございますけれども、しばらくいたしますと、当県も人口は減少に転じると予測をされております。地方創生が喫緊の課題であるわけであります。この地方創生の基本は、誰もが住みなれたところで働くことができる、安心してお子さんを産み育てることができる、長く元気にその地域に暮らすことができる、そういった地域社会をそれぞれの地域につくっていくことにあると、このように思っております。働く、暮らす、育てる、この県民の皆様の生活の基本、これを大切にしながら、地域の皆様と一緒になって、それぞれの地域の強みと可能性を最大限に発揮させることによりまして、それぞれの地域を発展させ、福岡県をもっともっと元気に、またもっともっとよくしていきたいと、このように思っております。あわせて、県民の皆様が生涯にわたり長く元気にお暮らしいただけるよう、お一人お一人がみずからの健康について改めて考えていただき、みずからその維持、増進に取り組んでいく、ふくおか健康づくり県民運動、これについてもしっかり推進をしてまいります。  私は、まず、これまで目指してまいりました目標の達成、そして本県を取り巻いております、先ほど申し上げましたような課題を含めました諸課題に果敢に挑戦をし、前進し、発展し続ける福岡県、これを目指しまして、県民の皆様を第一に、また県民の皆様の声に耳を傾け、県民の皆様のために全力を尽くす覚悟でございます。そして、日本海側の、またアジアを向いた一大拠点として、この県を発展させ、九州を引っ張り、我が国の発展に貢献をしたい、このように思っております。 35 ◯副議長(畑中 茂広君) 井上博行君。(拍手) *井上(博行)議員質問 36 ◯十三番(井上 博行君)登壇 自民党県議団の井上博行です。通告に従いまして、火事場に命をかけた火消したちの心意気を示す象徴である、まとい振りを初めとする消防伝統技術について、県の文化財として、その歴史と伝統を守っていくべきだという見地から幾つか質問させていただきます。  消防伝統技術とは、まとい振り、はしご乗り、太鼓、木やりなどの技術を総称したものをいいますが、私は、まとい、あるいはまとい振りを中心に申し上げたいと思います。  まず、簡単に火消しとまといの歴史について、私の地元である博多を例にとって説明申し上げます。博多は古代から海外貿易の地の利を占めており、たびたび戦場と化していました。秀吉が九州を平定した後、太閤町割りを行い、現在まで続く町の原型を完成させました。そして、一五八七年(天正十五年)に布令した、出火付火等朱印定書が火消しの始まりと言われています。その後、火消しがまといを用いたのは、江戸時代に火事場の旗印として使用、火事場は戦場に準ずるものとして、まといを先頭に火事場に駆けつけたのが始まりと言われています。博多と福岡では、藩から町火消しに一六七二年(寛文十二年)に、御城内出火之節火消之事の布令が出ており、ここに城内での火災の際には、火消し道具を持参して集合することが記載されています。以後、まといは町火消しの組のシンボルであり、かつ延焼防止ラインがどこに設定されているかや、どこの組が消火に当たっているかを判別、また現場活動の士気を高めるといった重要な役割も担ってきました。現在でも、まといは各消防団の象徴であり、魂であります。また、まとい振りの技術は長年にわたり継承してきた伝統文化であります。  そこで教育長に幾つか質問してまいります。まず、今述べてきましたとおり、長い歴史と伝統を持つ、このまとい振りを初めとする消防伝統技術について、私は文化財として非常に重要な価値を持つと考えておりますが、この価値についていかがお考えでしょうか。  また、私は、福岡、博多のまとい振りを初めとする消防伝統技術を、その重要性から県の文化財とするべきと考えておりますが、これを県の文化財として評価することについて、どのようなお考えであるでしょうか。  最後に、本日私が述べてきましたとおり、まといを初めとする消防伝統技術は、消防団の象徴であり、魂であります。また郷土愛護、義勇の火消し、消防の精神とともに、時代から時代へ、人から人へ、人々の命と暮らしを守るという使命感を持って、長く受け継がれてきたものであります。この消防伝統技術が県の文化財となり、福岡、博多の誇りとして末永く保存、継承されていくことを期待いたしまして、私の一般質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 37 ◯副議長(畑中 茂広君) 城戸教育長。 *教育長答弁 38 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 まとい振りを初めとする消防伝統技術の価値についてでございます。消防伝統技術については、全国各地で年始に開催される消防出初め式などの場において毎年披露され、火消しの精神を伝える伝統芸能として人々を魅了し、今もなお生き続けています。これは、関係する方々の取り組みにより、その伝統が守られているものであり、江戸時代から近代に及ぶ地方のならわしや文化を知り、火災発生時における消火活動の変遷を知る上でも、歴史的価値を有するものと認識しております。  福岡、博多のまとい振りを初めとする消防伝統技術を県の文化財として評価することについてでございます。県の文化財として評価するためには、消防伝統技術に関する文献などの史料調査、まといなど消防道具の調査、江戸時代以降の火災に関する記録の調査など、体系的かつ詳細な学術調査を行う必要があります。福岡・博多の消防伝統技術においては、それらの調査が行われていないため、現段階で正しく評価はできておりません。このため、県教育委員会といたしましては、関係団体の理解と協力を得た上で、無形民俗文化財としての価値を評価するための記録選択の手続を行い、地元自治体等が行う学術調査や報告書の作成に対しまして、専門的見地から指導、助言に努めてまいる考えでございます。 39 ◯副議長(畑中 茂広君) 岩元一儀君。(拍手) *岩元議員質問 40 ◯六十一番(岩元 一儀君)登壇 皆様、こんにちは。国民民主党・県政県議団の岩元一儀でございます。通告に従い、防犯施策の充実について一般質問をさせていただきます。  福岡県議会は、性暴力を抑止し、性被害から県民を守るための条例案をまとめ、今議会の議決を目指しています。また、これまで飲酒運転で県民が被害に遭わず、飲酒運転をなくすため、飲酒運転撲滅運動の推進に関する条例を平成二十四年に制定し、運動を展開し、成果を上げてきました。さらに、昨年三月には、犯罪被害者等支援条例を制定し、基本的施策を行っています。  我々は、あらゆる角度から県民の安心、安全な暮らしを守り育てるための条例を制定し、努力しています。そして、行政や団体、企業、県民の皆様と運動が展開され、結果も出しているところであります。こうしたことに加えて、これから防犯ということでは、県民個人の防犯力の強化と、これを支援する担い手の育成ということも、さらに図っていくことが大事ではないかと考えています。それには子供のころからの体験的学習が、私は必要だと思います。  ところで、皆様、犯罪機会論という言葉を御存じでしょうか。簡単にいいますと、犯罪機会論とは、犯罪の機会を与えないことによって犯罪を未然に防止しようとする考え方で、犯行に都合の悪い状況や犯罪企図者、つまり犯罪を企てようとする者に犯行を諦めさせる状況をつくり出すことによって、街頭犯罪等を減少させていこうというものでございます。  NPO法人体験型安全教育支援機構によると、この犯罪機会論により、例えば、町の中でどういう場所に危険が潜んでいるのかを察知することや、身の危険を感じたときに立ちどまり、引き返し、全力で逃げる判断をすること、もしものときには大きな声を出す、捕まったときの対処の行動を実際に想定し、日ごろから訓練しておくことが大きな防犯につながるといいます。愛知県では、全国で連れ去り事件が頻発し、凶悪事件の発生はないものの平成二十六年中、十三歳未満の子供に対する声かけやつきまとい等の性犯罪等の前兆事案が八百六十九件と、平成二十三年中の約二倍の認知件数という憂慮すべき事態でした。そこで、愛知県警とNPO法人体験型安全教育支援機構が一年がかりで準備し、平成二十七年十一月に、BO─KENあいちという防犯体験学習プログラムを開催いたしました。「ぼう」は防犯の防、「けん」は体験の験を意味します。このプログラムは、子供を守るための総合的な安全対策として、子供自身の自己防衛能力や危機回避能力を指導するボランティアの育成を図ることを目的とし、模擬の町並みなどの施設を模した日本初の体験型防犯教室でありました。  これから、こうした例を引きながら、さらなる安心、安全の福岡県づくりのため、施策充実のために、以下質問と提案をいたしてまいります。  まず、本県の刑法犯認知件数は、平成十四年の約十六万八千件をピークに減少に転じて、平成三十年約三万七千件とピーク時の四分の一以下となっています。これは高く評価したいと思いますが、この成果について、各種の防犯活動が功を奏したものと思いますが、県警察としてどのような取り組みを行ってきたのか、まずお聞きいたします。  特に、その一因として、地域防犯活動を支援する県の取り組みで、防犯ボランティアなどとの連携を強化し、その活動を支援するため、地域防犯団体が積極的に防犯活動を行えるよう市町村や事業者などと連携していると聞きますが、どのような取り組みを行ってきたのか、知事にお聞きします。  地域防犯活動においては、私も街頭で交通安全活動などを行い、ボランティアの方々とお話しする機会もあります。近年、団体数の伸び悩みや構成員の高齢化などについての課題を聞きます。ふやす努力も怠ってはならないと思いますが、子供の防犯力をアップさせることも大切ではないかと思います。  先ほど言いましたが、愛知県で開催された子供防犯体験学習プログラムについてですが、愛知県警を中心として、特設施設で、二週間で子供千八百四十人、大人九百二十四人が参加しました。その具体的な内容は、発見、判別行動の学習として、犯罪者は二十メートル前から標的とする子供を見ているため、怪しい人を発見するために、二十メートル前を見て歩くことが大切だとされています。さらに、子供の視界は大人より狭いため、周囲を見るためにきょろきょろしてもよいから、しっかりと見る学習や、怪しい人の見分け方の学習、回避、逃走行動として、すれ違うときは、相手の腕が伸びても届かない、相手の伸長掛ける〇・八メートルの間をあけてすれ違うことの学習、また、あたかも自分が襲われたかのような3D映像を視聴する学習などもあります。こうした学習を子供が体験するため、道路と公園の場面分けをし、先ほどの学習項目に必要な注意事項、例えば、怪しい人が潜んでいる空き家や逃げ場のない壁に挟まれた細い道などを入れた模擬の町並みが製作され、実際に行われました。参加者のアンケートから、子供に対する効果等については、防犯体験学習は説明のみの防犯講話による学習とは異なり、子供の危ない状況等をよりリアルに体験できるところです。そして、模擬の町並みでバーチャル体験をした注意すべき事項を、日常生活を送る通学路や公園などに置きかえて考えることにより、危機回避能力の向上につながるとして、現在もいろいろな形態を変えて、愛知県内で開催をされています。  そこで、知事に次の二点についてお聞きをいたします。まず、先ほど申し上げましたが、地域防犯団体数の伸び悩みや構成員の高齢化といった課題について、どのような対策を講じることにより地域防犯力の強化を図っていくのかお聞きいたします。  そして、子供の防犯力を高めるため、これを支援する担い手の育成や子供本人への啓発として、どのような対策を講じているのかお聞きします。  警察本部長には、県内の性犯罪等の前兆事案は、近年どのような状況にあるのか、また子供を犯罪から守るためには、BO─KENあいちのような取り組みが大事だと考えますが、県警はどのような取り組みをしているのかお聞きします。  私は、体験型防犯教室BO─KENあいちを参考にして、福岡県独自の犯罪防止につながる取り組みを行うべきだと考えます。一会場二週間程度開催し、県内を移動させ、県内の子供たちや自治会研修者や学校関係者に体験をしてもらうことも提案しておきたいと思います。全国でも取り組みは広がり、静岡や東京都でも行われています。また、イギリスでは、これに類する常設施設はセーフティーセンター、あるいはライフスキルズセンターと呼ばれており、二十カ所あります。子供たちの防犯に効果を上げているようであります。将来、福岡県でも期間を限定した特設施設などでノウハウを積み上げ、日本でも初めてとなる常設の体験施設を備えて、県内外からの子供たちや自治体や学校関係者を修学旅行や研修などで呼び込むこともよいのではないかと思います。  できれば、スペースワールドの閉園に悩んでいる北九州に誘致できたらと希望しますが、最後に、このような防犯について体験的に学べる常設の施設について、知事の御所見をお聞きし、私の一般質問といたします。  ありがとうございました。(拍手) 41 ◯副議長(畑中 茂広君) 小川知事。 *知事答弁 42 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、これまでの地域防犯活動の取り組みでございます。自治会やPTAなど自主的な防犯活動を行っていただいております地域防犯団体は、県内に今、二千三百団体ございます。県におきましては、平成十八年度にこのような団体が活動を行われる際の防犯ベストやのぼり旗など、それらの購入費を補助する制度を創設いたしまして、これまで延べ六百四十六団体に対し助成を行ってきたところであります。このほか市町村や事業者と連携した防犯リーダー養成講座の開催や、安全・安心まちづくりアドバイザーの派遣を行うなど、地域防犯団体への支援に取り組んできたところであります。このような取り組みを通じまして、県内の刑法犯認知件数を見ますと、十六年連続で減少いたしておりまして、昨年はピーク時の四分の一以下となります約三万七千件まで減少いたしているところであります。警察活動はもとより、防犯ボランティアの方々を初め県民、事業者の皆様方の自主的な活動が実を結んだものだと考えております。  次に、地域防犯力の強化でございます。近年、地域防犯団体の数や、その構成員数が頭打ちとなってございまして、担い手の高齢化、担い手不足といった問題に直面をいたしておりまして、今後、見守りの空白地帯が生じていくことが懸念されております。こうした問題に対し、地域の安全に意識を持って見守っていただく方を確保していくため、ウオーキング、犬の散歩、通勤、通学、買い物など日常生活の中で気軽に防犯パトロールや見守りなどを行う、ながら防犯、これを実践することが一つの有効な手段だと考えております。このため、地域防犯団体等の交流ネットワークづくりを目的として開催をさせていただいております安全・安心まちづくり県民の集い、またアドバイザー派遣事業などを通じまして、このながら防犯のことを御紹介をし、それぞれの地域の実情に合ったながら防犯の実践を促して、地域の安全は地域の総力で守るという取り組みの輪というものを広げてまいります。  次に、子供の防犯力を高めるための対策についてお尋ねがございました。本県におきましては、地域で防犯活動を牽引しておられます防犯リーダーに参加を呼びかけ、みずから町を歩き、危険な場所や安全な場所を確認していただき、地域安全マップを作成する研修というものを実施いたしております。この研修を通じまして得られましたノウハウというものを、それぞれの地域でお子さんと一緒になった通学路の地域安全マップづくりなどに役立てていただいているところであります。また、被害に遭いやすいお子さんや女性を対象といたしまして、防犯ブザーの使い方などについて習得をしていただく、親子と女性のための防犯教室を開催するほか、県のホームページ上に、子供が知らない人から声をかけられたときの対応などを学ぶ防犯シミュレーション、これを設けまして、疑似体験を通じた防犯意識の向上に努めているところであります。  防犯について体験的に学べる常設の施設でございます。御紹介のありました防犯体験学習プログラムにつきまして、愛知県警察に確認をさせていただきました。二週間にわたり設置した体験型施設に約二千人の小学生らが参加をし、反響があったということであります。その事業効果は、むしろイベントの実施後にある、それに携わったボランティアの皆さんが、そのノウハウをそれぞれの地域に持ち帰って、学校などでの体験型防犯教室の開催などに活用されまして、県内での広がりを見せていることにあると、このように伺っております。こうしたことから、本県といたしましても、関係機関と連携して、専門家を招いて子供への安全指導のノウハウを学んだり、地域安全マップをつくるなど体験型学習を通じた地域防犯リーダーの育成を図っていきまして、そうした育成を図られた防犯リーダーの方々が、それぞれの地域においてお子さんが参加する体験型の防犯教室を行っていただくなど、そういった取り組みが促進されるよう、そういったリーダーの方々に働きかけをしてまいります。 43 ◯副議長(畑中 茂広君) 高木警察本部長。 *警察本部長答弁 44 ◯警察本部長(高木 勇人君)登壇 犯罪防止施策について、まず、これまでの取り組みについてお答えをいたします。平成十五年以降の犯罪減少については、人口構造の変化や少年の意識の変化を初めとしたさまざまな社会構造の変化も重要な背景要因としてあったと思われますが、官民一体となった総合的な犯罪対策も相当の効果を上げてきたものと認識をしております。この間、警察といたしましては、まず、特に多発していたひったくり、自動車盗などの街頭犯罪や住宅等に対する侵入犯罪の抑止を重点的に取り組みました。具体的には、これら街頭犯罪、侵入犯罪の徹底した捜査による検挙に努めるとともに、例えば、住宅への侵入犯罪の抑止のためには施錠するなど、県民の防犯行動を促進するための啓発や防犯性能の高い住宅の普及への協力を行うなど、個別の犯罪手口ごとに対応したさまざまな対策を推進いたしました。また、ボランティアとして防犯活動をしていただける方々の活動を支援するため、犯罪情勢などの情報提供や、合同によるパトロールなどを行うとともに、個々の県民の自主的な防犯行動につながるような各地域における犯罪等の発生状況や防犯対策に関する情報提供に努めてまいりました。  次に、性犯罪等の前兆事案の発生状況についてお答えをいたします。県内における、いわゆる声かけ、つきまといの発生については、最近五年間は二千五百件前後で推移しております。こうした声かけ、つきまとい等の事案は、子供や女性に対する性犯罪等の前兆事案と見られることから、警察といたしましては、被害者からの事情聴取、現場周辺における聞き込み、張り込み等により行為者の特定に努め、犯罪を未然に防止するとの観点から、必要な検挙または指導、警告措置を実施することとしております。  最後に、子供を犯罪から守るための取り組みについてお答えいたします。議員御指摘の愛知県警察の取り組みが目指しているとおり、子供を犯罪から守るためには、子供の自己防衛能力の向上や防犯ボランティアの育成が重要と考えます。福岡県警察におきましても、子供が危険を予測、回避する能力を向上させるため、教育機関等と連携し、児童みずからが通学路等の危険箇所を抽出する地域安全マップの作成や親子で参加していただく防犯教室において、被害に遭いそうになった場合の対応方法について訓練を実施するなど、参加体験型の実践的な防犯教育を推進しております。また、地域における子供の見守り活動が効果的に行われるよう、防犯ボランティアの方々に対して、地域における犯罪等の発生状況に関する情報を提供するとともに、例えば、地域安全マップを実際に作成して、そのノウハウを学ぶためのボランティア研修会に警察官を派遣するなどにより、防犯活動や防犯環境設計に関する知識の提供を図っております。今後とも、関係機関と連携しつつ、子供に対する防犯教育や防犯ボランティア活動に対する支援など、子供を犯罪から守るための取り組みを推進してまいります。 45 ◯副議長(畑中 茂広君) 香原勝司君。(拍手) *香原議員質問 46 ◯十八番(香原 勝司君)登壇 自民党県議団の香原勝司でございます。通告に従いまして、質問を始めたいというふうに思います。  まずは、本県運動部活動の今後のあり方について質問いたします。           〔畑中副議長退席 井上議長着席〕  先週の土曜日から、フランス・パリで開催をされました柔道グランドスラムにおいて、久留米市立南筑高校の素根輝選手が銅メダルを獲得されたとの報道がありました。準決勝では、世界ランク五位のアゼルバイジャンの選手との対戦で、試合序盤、隣の試合場の男子選手が勢い余って倒れ込み、素根選手の右膝に直撃するというアクシデントに見舞われ、敗退をしてしまいましたが、続く三位決定戦では気持ちを切りかえ、支えつり込み腰でわざありを奪い、執念の三位入賞を果たしました。不運に見舞われながらも、かち取った銅メダルに称賛を送りたいと思います。本県では、この素根選手のほかにも、TリーグMVPで今年度全日本卓球選手権女子ダブルス優勝の早田ひな選手、ことし本県において開催されるラグビーワールドカップでの活躍が大いに期待される福岡堅樹選手など、世界で活躍する選手を多く輩出しております。また、これらのトップ選手の登竜門でもある国民体育大会においても、今年度天皇杯三年ぶりの八位入賞、皇后杯でも五年ぶり八位入賞するなど、本県の競技力は非常に高いと認識をいたしております。スポーツ雄県福岡として、ジュニアアスリートの育成が着実に進んでいる成果であり、今後ますますの充実を期待するところです。  学校に目を向けますと、子供たちの体力について、ここ数年、本県の小中学校男女ともに右肩上がりで向上し、全国平均値を上回ることができており、二〇二〇年東京オリンピックパラリンピックの開催を契機に、子供たちのスポーツへの興味、関心もこれまで以上に高まっていくものと捉えております。このように本県の競技力や体力向上を下支えしているのが、運動部活動ではないかと思っております。世間では、この運動部活動に対し、ブラック部活動といった言葉が飛び交い、いかにも部活動が悪いようなイメージを与えています。教員の働き方改革の議論もあっていますが、一番大事にするべき子供たちのための部活動としてどうあるべきかの議論が必要であると考えております。  私は、直方市の体育協会の会長をさせていただいておりますので、スポーツに関する新聞記事や発行物をよく目にしますが、先日ある発行物の運動部活動のあり方に関する内容に目がとまりました。その内容は、今回の我が会派の代表質問にもあった運動部活動のガイドラインについて述べられたものであり、持続可能な運動部活動、地域との連携、教員の負担軽減、働き方改革、レクリエーション志向、競技力志向といったキーワードが示されたものであります。これらのキーワードは、現在の運動部活動にかかわる課題なのでしょうか。これら全ての課題を解決する方策は、果たしてあるのだろうかと考えれば考えるほど、平行線で交わることのない課題であるようにも感じます。  もう一つ、読みながら疑問に感じたことがあります。それは、国が作成したガイドラインは、生徒のために作成されたものなのか、それとも教員のために作成されたものなのかということであります。私は本来、運動部活動は子供たちのためにある学校教育活動であり、このガイドラインも生徒のために作成されるべきであるというふうに思っています。確かに、先生方の日々多忙な勤務実態を考えれば、負担軽減の方策を検討していくことも必要なことであり、そのこと自体を否定するつもりはありません。しかし、本来子供たちのためによりよい運動部活動の体制を築くためにどうすべきかを中心に議論し、その体制が先生方にとってどうかという議論をすべきだと考えます。
     運動部活動は学校教育活動の一環として持続可能なのか。競技力志向やレクリエーション志向といった生徒の多様なニーズに応えるために、どのような体制づくりが必要なのか。地域と学校がどのように連携をすればいいのか。その中で、先生方の運動部活動にかかわる負担をどのように軽減するのか、軽減できるのか。このままでは、子供たちにとって一番身近なスポーツ環境である運動部活動がなくなるのではないかというふうに心配しております。だからこそ、大人である私たちが、子供たちのために知恵を出し合い、解決していくべきであると考えております。  そこで教育長にお聞きします。まず、運動部活動の課題とその対策についてです。  次に、今回の我が会派の代表質問で、教育長が、地域の実情に応じた新たな運動部活動の形態の構築について調査研究してまいるという答弁をされましたが、新たな運動部活動の形態とはどのようなものを想定しているのかお聞かせください。  最後に、運動部活動は課題が山積していますが、これらの課題を解決し、子供たちにとって持続可能な運動部活動となることが必要であると考えます。そこで、今後の運動部活動のあり方について、教育長の見解をお伺いいたします。  次は、知事と立憲民主党との政策協定について質問をしてまいりたいと思います。  まず初めに、知事そして県民の皆さんにお断りしておきたいのは、この問題に関する代表質問、そして私の一般質問は、選挙のための議論をしているわけではないということであります、知事選をめぐる報道では、虚実をないまぜにして、さまざまなことが言われ、中には、義理人情の世界で説明しようとする向きさえあります。しかし、問題の本質は県民の生活を守り、本当の意味での県民の幸せを追求するための施策、そのあり方に関して、小川知事と我々の間に見解の相違が生じているということであります。  最近のマスコミの論調でも、早く政策論議をしてほしいという声が強くなっています。そのとおりであります。繰り返しますが、今、求められているのは県民の生活を守るための政策論議であり、選挙の結果は、いずれの政策を県民が選択したかという問題にすぎません。決して、選挙に勝つための政策論議であってはならないのです。ところが、知事の選挙のためとしか思えない不可解な行動によって、まことに不本意ながら、この政策論議の前に、まず知事の政治姿勢をただし、確認せざるを得なくなったというのが、これまでの事態の真相であることを、まず声を大にして申し上げたいと思います。  振り返って経緯を説明します。小川知事は、一月二十七日付で立憲民主党と政策協定を締結し、立憲民主党の推薦が決定したという報道がありました。一月三十日、自民党本部が知事推薦候補を決定するよりも前で、各政党の中で真っ先でありました。立憲民主党は、原発ゼロを標榜する政党であります。大上段からの物言いで大変恐縮ですが、保守と革新の概念を区分するメルクマールは何でしょうか。一九八九年のベルリンの壁崩壊をきっかけとして、今日この世界から事実上社会主義国、共産主義国が消滅し、社会主義、共産主義という、かつての革新の代名詞が有名無実化した今日、辛うじて革新らしさをあらわすものが原発の否定であります。そこで、革新政党の一丁目一番地を標榜するため、立憲民主党が打ち出したスローガンが原発ゼロなのです。したがって、そのような政党と政策協定を結ぶというのは、我が会派としては遺憾のきわみというほかはなく、またどのような政策で合意していたのか、県民にとっても重大な問題でありますから、強い関心を持っていたのであります。  ところが、自民党本部が武内和久氏を知事選の候補として推薦することが決定されるや、小川知事としては珍しく、極めて迅速に政党への推薦願の取り消しを申請し、立憲民主党も取り消す方針であると報道されました。それが二月一日であります。当然もう取り消されていると思っていましたので、本来、今回の代表質問ではこのことを質問する予定はありませんでした。  事態が急変したのは、代表質問の日、十二日の午前、代表質問の直前であります。県連の執行部会を行っているとき、自民党本部から、立憲民主党の小川知事への推薦は、まだ残っているとの連絡がありました。したがって、政策協定もまだ生きているということになります。そこで、急遽再質問で政策協定について質問し、その内容を確認した上で、政策論議を行うこととしたのですが、小川知事が政策協定の内容を明らかにすることを拒否されました。しかも、この時点では、まだ正式な推薦が、したがって政策協定も残っていたにもかかわらず、知事は、推薦は内定であって推薦書の交付を受けていない、政策協定も根っこから取り消したと答弁をされました。明らかに虚偽であります。このことは翌十三日の朝刊に、十二日の立憲民主党の常任委員会で、これは知事の答弁の後でありますが、小川知事の推薦を取り消したことが報道され、客観的にも証明をされております。  我々は、知事がなぜ、そうまでして政策協定を隠すのか、政策協定の内容に不信感を持つのは当然であります。特に危惧したのは、政策協定における原発の位置づけであります。なぜなら、冒頭述べましたように、立憲民主党は原発ゼロ、原発の否定をスローガンとしているからです。原発がいつかは不要になればいいというのは、誰しも思うことでしょう。しかし、立憲民主党の原発ゼロは五年以内を標榜しています。これはもはや政策とは言えず、革新であることを証明するイデオロギーにすぎません。エネルギーは、県民、国民の生活や産業にとって、いわば血液です。その流れがとまると、県民生活も破綻をします。どのようにして電力を、エネルギーを安定的にかつ低コストで供給するかは、県政にとって大変重要度が高い課題であり、また現実に原発が果たし、また今後当分の間は果たすであろう、その役割を無視することはできないのであります。  そこで、我が会派の代表質問で、立憲民主党との政策協定の内容を説明するよう求め、その事実を前提として、改めて知事のエネルギー政策に関する考え方を、いま一度確認し、この議場という公の場で、堂々と議論を闘わせようとしたことは、さきに御説明したとおりであります。しかし、残念ながら、知事は政策論議を拒否されました。  我々は、知事が立憲民主党の推薦の取り消しを申請し、政策協定を破棄することとされた理由も問題であるというふうに感じています。知事御自身が政策協定の内容を再確認し、御自身の政策とは異なることが判明したから破棄したというのであれば何の問題もありません。しかし、広く県民の支持を得て仕事をさせていただきたいからと説明をされています。聡明な知事ですから、御承知の上とは思いますが、これは選挙に勝ちたいからと言っているのと同じです。実際、立憲民主党も県民を巻き込んで、より勝てる状況をつくりたいという候補者の意思があったと説明をされております。  知事、あなたは、政策は何のために、誰のためにあるとお考えなのでしょうか。勝つための政策協定であり、また勝つために政策協定を破棄されたのであれば、再び知事になられたとき、破棄したはずの政策協定がよみがえることも想定しなければなりません。したがって、我が会派としては、県民生活に極めて重要な影響を及ぼす可能性がある立憲民主党との政策協定の内容を、このままうやむやにできないと考え、また、その内容を踏まえて政策論議をする必要があると考えて、独自に問題の政策協定を入手いたしました。政策協定には、知事が真摯に受けとめると約束された福岡県政に対する七つの提言が入っており、その第六項目に、福岡県が原発ゼロ等を進めるとし、さらに立憲民主党が国会に提出した原発ゼロ基本法を理解するというふうに書いてあります。  さて、この事実をもとに、改めて知事のエネルギー政策についてただしたいと思います。桐明議員の質問でも確認いたしましたが、我々県議会議員が参加する九州の自立を考える会が、平成二十六年十月に策定しました九州の成長戦略に係る政策提言では、多様かつ低コストで安定的なエネルギー供給とともに、効率的で環境面でもすぐれた発電方式であるLNG火力発電やコージェネレーションの利用を確実に実施するよう求めてきました。この内容は、知事、あなたが当時設置されていた福岡県エネルギー政策研究会の議論を踏まえた提言であります。また現在、太陽光発電等を初めとする再生可能エネルギーについては、環境面や安定性が問題となっていますが、五年前の自立の会の提言では、既にそのことを指摘し、再生可能エネルギーは原子力の代替電源になり得ない、したがって、原子力の比率を下げる必要があるものの、当分の間、これが数十年のスパンになると考えるのが常識的でありますが、多様な電源構成の一つを担うという認識が前提にありました。この時点で、知事も賛同されていたはずであります。それは、九州電力を初め研究会に参加されていたエネルギー政策の関係者も同様の考え方であったと思います。  実際、知事は、東日本大震災の直後、平成二十三年六月の本会議でも、我が会派の代表質問において、電力の安定化を図るため、代替電源の確保、再生エネルギーの導入、省エネルギーを進めるとともに、原子力発電については、事故原因の解明を進め、安全性の検証と確保に全力を挙げ、国民の理解を得ることが重要と考えていると答弁されています。ここで、国民の理解とは、原子力発電の継続に対する理解であることは自明であり、その後も、知事は同様の立場を繰り返し表明されていました。桐明議員の質問においても同様の答弁をされました。したがって、知事はどのようなお考えで、知事の従来のお立場と矛盾するこの政策協定に署名をされたのか、明らかにする責任があるというふうに思います。  そこで質問です。知事、あなたはこのような内容の政策協定になぜ署名をされたのですか。  また、そもそもあなたは、公党との政策協定がどのような性質を持ち、公においてどのような効力を持つものと理解されているのかお伺いいたします。  次に、あなたはなぜ立憲民主党の推薦を辞退されたのですか。また、公の政党との約束を、公人の代表たる知事がほごにされたのはなぜですか。こんなことでは、県民に対する公約も簡単にほごにされるのではないかと、県民の信頼にも大きな影響を及ぼすとお考えにならなかったのですか。詳しく知事のお考えをお聞かせください。  最後に、協定には、立憲民主党が国会に提出した原発ゼロ基本法を理解しとありますが、原発ゼロで県民生活と本県の産業を守ることができると本当にお考えですか。原発を含む本県における知事の電力行政観を改めてお答えください。  また、立憲民主党と政策協定を結ぶに当たり、本県の電力行政の事情や再生可能エネルギーの比率が上がる一方で、電力料金の県民負担がますます増大しているという事情を考慮されたことがあるのか、あわせてお答えください。  以上です。(拍手) 47 ◯議長(井上 順吾君) 小川知事。 *知事答弁 48 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、政策協定についての捉え方でございますけれども、私自身、政策協定というのは、両当事者が合意をいたしまして、それぞれ合意したところに従って対応していく、そういう性格のものであるというふうに思っております。そして、一月二十七日に立憲民主党福岡県連合の山内代表と私との間で合意しました内容をもとに協定書を作成し、交わしたものでございます。その後、二月一日、私のほうから山内代表に対しまして推薦願の取り下げと、そしてそれに伴って協定についても、そもそもなくなることについて申し入れをし、その場で両当事者間で合意をしたものであります。今申し上げましたように、両当事者間で合意したことによりまして、現時点では政策協定の合意自体なくなっているわけでございますが、その上で、御質問にお答えをしたいと思っております。  立憲民主党との政策協定の締結に当たりましては、先ほど議員も御指摘になりましたように、私は、電力は低廉で環境に優しく、安定的に供給していくことが必要不可欠であって、現在のエネルギー需給状況下の中では、安全性の確保というものを大前提に、当面、原子力発電と向き合っていかなければならないと、その私の考えは今後も変わらないということを先方にお伝えをし、その上で、示された案文、話し合って、双方で合意をして、私の考えと反しない内容であるということで交わしたものであります。  次に、原子力発電を含む本県における電力行政についてでございます。二〇一五年の七月に国が策定をいたしました長期エネルギー需給見通し、いわゆるエネルギーミックスでございますけれども、二〇一〇年度時点で、石油、石炭などの火力全体で六四%、原子力二六%、再生可能エネルギー一〇%でそれぞれありました電源構成比を、二〇三〇年度には火力全体で五六%、原子力二二ないし二〇%、再生可能エネルギー二二ないし二四%とすることとされております。また、九州電力が公表されました二〇一七年度の実績の電源構成を見ますと、火力で六三%、原子力で一六%、再生可能エネルギー二〇%とそれぞれなっているわけであります。電力は広く県民生活を支えるとともに、厳しい国際競争を戦っております県内企業を初め経済活動の基盤でありますことから、低廉で環境に優しい電力を安定的に供給していくことが必要不可欠であります。あわせて、徹底した省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの最大限の導入などを進めつつ、原子力の依存度というのは、可能な限り低減をさせていくべきでありますけれども、現在のエネルギー需給状況のもとでは、安全性の確保を大前提に、当面、原子力に向き合っていかなければならないと、このように考えているところでございます。  電力は、低廉で環境に優しく、安定的に供給をしていくことが必要不可欠なエネルギーであります。そして、先ほど申し上げましたように、現下の状況のもとでは安全性確保を大前提に、当面、原子力発電と向き合っていかなければならないと、このように考えております。政策の協定締結に当たりましても、この私の原子力についての考え方というのを十分御説明をし、いわゆる原発ゼロ政策については、その実現を目指すことは困難であると、この旨もお伝えをし、御理解を得ていると、このように理解をしているところであります。  立憲民主党からの推薦の辞退についてお尋ねがありましたけれども、知事選に立候補するに当たりまして、県民の皆様の御支援をいただき、県民の皆様のために働かせていただきたい、これを基本的な考え方といたしまして、その際、これまで二回の選挙と同じように、幅広く政党や団体の御推薦、御支持、御支援がいただければありがたいと考えまして、政党では前回と同じように自由民主党、公明党、立憲民主党、国民民主党、社民党に推薦のお願いをしたわけであります。その後、立憲民主党において推薦の決定がなされる一方で、自由民主党につきましては、残念ながら推薦をいただけないことになりました。そうしております中で、一部には、私は野党を代表して与党と対峙するかのように捉えられる向きが出たわけであります。それは、冒頭申し上げましたように、私が述べました基本的な考え方、広く県民の皆様の御支持を得て働かせていただくと、この基本的な考え方と相反するものでありまして、私の本意ではありません。そのため、この際、政党に対する推薦願を全て取り下げさせていただくこととし、各党に対し事情を御説明し、御理解をいただいて取り下げをさせていただいたところでございます。立憲民主党以外の各政党については、申請の申し出をしていたところにとどまっておりましたことを申し添えます。 49 ◯議長(井上 順吾君) 城戸教育長。 *教育長答弁 50 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 運動部活動の課題とその対策についてでございます。現在の運動部活動は、少子化による生徒数の減少や指導者の不足等により、従前の運動部活動を維持できない、部員の人数がそろわないために大会に出場できない、専門的な技術指導を受けることができないなどの課題がございます。また、平成二十八年度に文部科学省が実施した教員勤務実態調査によりますと、中学校の教員が部活動指導に従事する時間は、十年前と比較すると、休日一日当たり約一時間増加しており、部活動の指導が教員の多忙化の一因となっているという課題もございます。このため今年度、福岡県運動部活動調査研究委員会を設置し、本県における運動部活動の在り方に関する指針を定め、諸課題の解決に向け協議を行っているところでございます。また、技術的な指導に従事するとともに、単独での指導や引率を行うことができる部活動指導員を県立学校等に配置し、指導体制の充実と教員の負担軽減に努めているところでございます。  地域の実情等に応じた新たな運動部活動の形態についてでございます。現在想定しております形態としては、例えば、部員数の少ない複数校の生徒が合同で活動する部活動や、隣接する学校で種目が重ならないよう学校ごとに異なる種目を実施する拠点校方式の部活動、地域のスポーツクラブ等が学校の施設を利用し、運動部活動の生徒と一緒に活動する部活動などが考えられます。  今後の運動部活動のあり方についてでございます。運動部活動は、我が国のスポーツ振興を支えてきたばかりでなく、学校教育の一環として、生徒の心身の発達や人格形成等に資するとともに、教職員にとっても学級や授業中には見ることのできない生徒の姿を把握できるなどの教育的意義がございます。このような運動部活動を持続可能なものとするためには、学校と地域が協働、融合した形でのスポーツ環境を整備していく必要があると認識しており、引き続き本県の実情を踏まえました新たな運動部活動のあり方について調査研究を進めてまいります。 51 ◯議長(井上 順吾君) 香原勝司君。 52 ◯十八番(香原 勝司君)登壇 では、知事に再質問をさせていただきたいと思います。  初めに、知事の御答弁に対する感想を述べさせていただきます。知事の政治姿勢の問題点を指摘させていただきました。ある意味で、大変小川知事らしい答弁だと感心をいたしております。あなたの御答弁は、全て自分はこう考えていた、だから、それが全てである。先ほどの立憲民主党との推薦の話を見ても、自分は推薦を取り下げた。だから、もうこれは推薦は取り下げられているんだ。でも、それから数週間後に、立憲民主党の正式な推薦の取り下げの新聞報道があった。あくまでも相手があってのことであります。  私が考えるに、あなた自身の発言がどのように受け取られて、客観的にどのように解釈されるのか、その影響を全くお考えになっていない。相手の心がわかっていない。究極の鈍感力と評されているようですが、まさにそのとおりであると思います。あなたの一方的な解釈ではなく、立憲民主党があなたの見解を認めたという証拠がどこにあるのでしょうか。あなたは、原発は必要と伝えたと答弁をされていますが、協定書には、間違いなく原発ゼロの文字しかありません。また、あなたの答弁のとおりであれば、立憲民主党の原発ゼロは、国民の支持を集めるためだけの単なるスローガンだと、みずから認めたことになります。本当に協定書としてこのようなことが行われるのか、甚だ疑問であります。  あなたの自己評価ではなく、あなたの行動を客観的に評価しますと、立憲民主党の支援を得たい一心で、五年以内の原発廃止を公約とする政党と政策協定を結ぶことが、日本、そして福岡県の電力行政にどのような悪影響を及ぼすかという大局観を失った行動と言わざるを得ません。政策協定を結ぶということは、その内容があなたのビジョンやミッションになるということにほかならないということを、本当に理解されていたのか。そうであれば、そんなに簡単にほごにしていいのでしょうか。このように一事が万事、あなたの政治姿勢は行き当たりばったりであります。我々は、二期八年の県政を見守ってきましたが、余りにもこういう相手の心を理解しない、ひとりよがりと言ってもいい行動が多く、県の政策も麻生知事の遺産を食い潰すだけで、何ら新しいビジョンも示しませんでした。職員からの提案も、官僚としてのさがでしょうか、きめ細かな難点を指摘するだけで、方向性を示さないため意欲が湧かないというふうに聞いております。職員の方々も大変苦労をされています。今まで述べてきた、以上のような知事の政治姿勢の問題点を踏まえ、我が会派は、これ以上あなたを支持することができないと決定したのであります。  以上で私の一般質問を終わります。(拍手) 53 ◯議長(井上 順吾君) 大田京子君。(拍手) *大田(京)議員質問 54 ◯四番(大田 京子君)登壇 皆様、こんにちは。国民民主党県政クラブ県議団の大田京子です。通告に従い、障がい者グループホームの充実について質問いたします。  障がい者グループホームとは、集団生活をする、いわゆる施設とは異なり、主に精神や知的障がいのある方たちが家事支援などを受け、自宅と同じような環境のもと共同で生活する住居のことをいい、定員は原則十名以下とされています。現在、障がいがある方で施設や病院で過ごされていても、支援体制が整えば、住みなれた地域で共同生活を送ることができる方はたくさんいらっしゃいます。また、自宅で家族の支えを受けながら生活している方で、親御さんが高齢になり、今後の生活に大きな不安を抱えている方も多くいらっしゃいます。そうした方たちに暮らしの場を提供する障がい者グループホームは大変重要な役割を果たすものと考えます。  本県においても、そのニーズの高さから、事業所数は年々増加傾向にあり、平成三十年十一月一日現在、四百十二の事業所が開設しており、利用定員は五千九百八十六人となっています。身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の保有者数も平成三十年三月現在で合計約三十一万一千人になり、前年の同時期に比べて約二千四百名増加している状況を鑑みると、障がい者グループホームのニーズはますます高まっていくことが予想されます。今後は、数の面からも、県内全域に障がい者グループホームの整備を促進していくことが重要であると考えます。  そこで、まず、本県における障がい者グループホームが果たすべき役割と、今後の本県における障がい者グループホームの整備に対する知事の認識をお伺いします。  次に、近年、質的な面から浮き彫りとなっている障がい者グループホームの課題についてお伺いします。現在、障がい者グループホームに入所している方は、障がいの程度が軽い方が多く、障がいの重い方が入所できていない状況になっています。その最たる原因は、国が設定している報酬単価が余りにも低く、実際に必要とされる介護量と報酬が見合っていないことにあります。平成三十年度に報酬改定が行われてはいますが、それでも十分ではなく、グループホームの運営主体は赤字経営を避けるため、介護に係る人員を必要最小限にし、高度な障がいに対応可能な医療スタッフを、そもそも初めから配置していないということが常態化していると聞き及んでいます。結果として、夜間支援員の複数配置や医療スタッフの常駐が必要となる重度障がい者は入所することができず、障がい者グループホームは、そのニーズの高さ、存在意義の重要性にもかかわらず、全ての障がい者が一律にサービスを受けることができないというのが現状です。  そこで、このことに対する知事の認識をお伺いし、この問題を解決し、障がい者グループホームの質的充実を図るために、何よりも報酬単価の引き上げが必要だと考えますが、知事は国に対して何らかの要請を行っていくつもりはないのかお伺いします。  以上、知事の前向きな答弁を期待し、私の一般質問を終わります。ありがとうございます。(拍手) 55 ◯議長(井上 順吾君) 小川知事。 *知事答弁 56 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  障がい者グループホームの役割と今後の整備についてお尋ねでございます。障がい者グループホームは、障がいのある方が地域において自立した社会生活を営むため、日常生活上の相談、また入浴、食事などの介護、その他の援助を受けながら共同生活を行う施設でございます。重度障がいのある方は、御自身とその介護者の高齢化によりまして、地域で自立した将来の生活について切実な不安をお持ちでございます。また、入院されている精神障がいのある方の退院に際し、地域の一員として安心して暮らせる場を確保していくことも必要でございます。このようなことから、地域生活への移行のための受け皿の一つとして、グループホームの果たす役割の重要性というのが高まってきているわけであります。県におきましては、市町村が見込んだ今後のグループホームの必要量を第四期障がい者福祉計画に位置づけるとともに、今後重点的にその整備を進めていく施設として、グループホームを県の障がい者福祉施設の整備方針、これに盛り込みまして、その整備を促進してきているところであります。  次に、障がい者グループホームの報酬単価についてでございます。県におきましては、これまで重度障がいのある方に対応するため必要な支援員や、より実効性のある夜間支援体制を確保するため、報酬額等の改善を図るよう、国に対し要望を行ってまいりました。その結果、今年度の報酬改定におきまして、グループホームの新たな類型といたしまして、常時介護を要する方に対応する日中サービス支援型グループホームが創設をされましたほか、看護職員の配置に対する加算が新設をされたところであります。しかしながら、利用者数に応じて、その報酬が決定されます現在の仕組みによりますと、比較的小規模で運営されるグループホームでは、重度の障がいのある方に対応するために必要な人材を確保することがなかなか難しい、そういう状況にございます。このため、事業の継続的な運営、人材の安定的な確保ができるような報酬となるよう、引き続き国に対し要望を続けてまいります。 57 ◯議長(井上 順吾君) 以上で一般質問を終わります。  次に、各調査特別委員会に付議しております事件の調査の経過について委員長の報告を順次求めます。  まず、空港、防災及び水・エネルギー等社会基盤調査特別委員長の報告を求めます。中尾正幸君。(拍手) *空港、防災及び水・エネルギー等社会基盤調査特別委員長報告 58 ◯空港、防災及び水・エネルギー等社会基盤調査特別委員長(中尾 正幸君)登壇 私は、空港、防災及び水・エネルギー等社会基盤調査特別委員会の委員長といたしまして、昨年二月定例会におきます中間報告以降、本委員会が今日まで取り組んでまいりました調査活動の経過について、その概要を報告いたします。  まず、空港行政についてであります。福岡空港の民間委託について、五月の委員会で、福岡空港特定運営事業等の優先交渉権者として福岡エアポートホールディングスグループ、いわゆる地元連合が選定されたこと及び選定の経緯や今後のスケジュールについて報告がありました。これに対し委員からは、今回選定された優先交渉権者に対し、県は出資を行うが、一番恩恵をこうむる福岡市が出資しないことに疑問を出され、県が福岡市に出資の働きかけを行うことについて明確な答弁がなされなかったことから、本委員会として知事に直接考えをただす必要があると判断し、知事に出席を求めました。  知事からは、民間委託に際して、県が出資及び役員派遣を行うことは福岡市に伝えており、その上で、市においては市議会での議論を経て、最終的に出資しない結論に至ったものと理解していると答弁がなされ、委員からは、知事は行政マンであると同時に政治家であり、福岡市に対して、一緒に出資して福岡空港をよりよい空港にしていこうと働きかけを行わなかったことは大変遺憾であるとの意見が出されました。また、市が出資しない以上、県は出資者として主体的にしっかり主導権を握り、責任を持って運営会社と連携、協力して福岡県全体としての視点から福岡空港を活性化させ、ひいては福岡県や九州の発展に寄与する空港運営がなされるよう強く要望がなされたところであります。一方、北九州空港に関しても、福岡空港との連携について、民間の柔軟なアイデアと、それに行政がどうかかわっていくか、大きく期待しているので、しっかりと連携をとっていくように、知事に対して要望がなされたところであります。  七月の委員会では、国から公表された選定結果や提案概要の報告がありました。まず、運営権対価として一時金二百億円、分割金として一年当たり百四十二億円、三十年間の合計で四千二百六十億円、一時金と合わせて四千四百六十億円が国に支払われることになりました。  次に、提案概要ですが、三十年後の福岡空港の将来イメージとして、国際線の旅客数を現在の三倍近くの千六百万人に、路線数を四倍近い六十七路線にふやすことが提案されております。また、国際線地区では、国際線旅客ターミナルビルの増築や新たなLCC棟の建設、国際線旅客ターミナルビル前のスペースにホテルやバスターミナル、立体駐車場の建設が、国内線地区では、商業施設やホテル、バスターミナルを含む複合施設や新たな立体駐車場の建設が提案されております。加えて、エアラインの誘致、北九州空港との連携、エアポートシティーの実現、空港アクセスの強化、空港容量の拡大、地域との共生、安全性向上、保安強化などに向けたさまざまな取り組みが提案されております。これに対し委員からは、福岡県の空港の将来構想では、北九州空港ではLCCの拠点化を目指していくこととなっており、福岡空港にLCC棟を設けることは、県の将来構想と整合性はとれるのかとの意見が出されました。執行部からは、今後、空港運営会社と十分な意思疎通を図りながら、福岡県の空港の将来構想の実現にどういう協力がいただけるのかということも含めて協議をしていきたいとの答弁がなされたところであります。  北九州空港については、貨物定期便の新規就航として、ANAによる北九州と沖縄間の国際貨物定期便が平成三十年六月から就航されることになり、これまで関西空港や成田空港まで陸送された貨物が、九州において搭載されることが可能となることから、輸送にかかるコストや時間の削減ができ、これを契機に北九州空港の貨物量の増加につながるものと期待しているとの報告がありました。  次に、防災対策についてであります。熊本地震と九州北部豪雨などを踏まえ、地域防災計画を改定するとともに、大規模災害発生時に県外からの広域的な支援を円滑に受け入れ、迅速かつ効果的に被災地を支援するための福岡県災害時受援計画を策定するとの報告がありました。これに対し、ボランティア等の受け入れ窓口について、県民の方にわかりやすく、シンプルにしっかりと知らせることが重要であるため、具体的に打ち出すよう要望がなされました。  また、津波対策については、県内十七市町において津波災害警戒区域の指定を行い、その区域の範囲と基準水位を公表していること、また未指定の福岡市、糸島市についても早期に指定を行い、関係する市町とともに、津波に対する警戒避難体制がより確実となるよう努めるとの報告がありました。  次に、水資源対策についてであります。独立行政法人水資源機構が事業主体である小石原川ダム事業の進捗状況については、平成二十八年四月にダム本体工事に着手し、現在はダム本体盛り立て中であり、あわせて昨年度に引き続きつけかえ道路工事などが進められており、県としては、平成三十一年度のダムの確実な完成に向けて必要な財源を確保するとともに、スピード感を持ってダムの建設が進むよう国や水資源機構に対し、あらゆる機会を通じて今後とも要請を行っていく旨の報告がありました。これに対し委員からは、このダムの完成で県南地域の水道水としての需要に対する供給及び異常渇水時の緊急水の補給は完備できるのかと質問がなされ、執行部からは、県南地域の水道水の補給はおおむね大丈夫であり、異常渇水時の水の補給についてもおおむね計算された分量を確保できたとの答弁がなされました。  また、水資源開発促進法に基づき、水資源の総合的な開発と利水の合理化の促進を図るための国土交通省策定の水資源開発基本計画が一部変更され、各改築事業を改築事業群として包括的に掲上できるようになったため、施設の老朽化に伴う長寿命化対策や耐震化対策などが計画変更の手続なしに機動的に実施できるようになったとの報告がありました。  次に、エネルギー対策についてであります。福岡県地域エネルギー政策研究会から提言いただいた四つの将来像に沿って事業に取り組んでおり、再生可能エネルギー利用可能性調査の未実施市町村を対象に先進事例の紹介を行うとともに、専門家を派遣して事業手法の検討や事業計画の立案を支援する再生可能エネルギー等導入促進事業など、平成三十年度に行う新規施策について報告がありました。これに対し委員からは、県が再生可能エネルギーの推進について積極的に取り組んでいるように、ぜひ県内全ての市町村で、さまざまな取り組みが有効に機能するように努力していただきたいとの要望がなされました。  最後に、平成三十年七月豪雨の被害と県の対応状況についてであります。災害対策に関しましては、地域防災計画の見直し以外の現年災害における災害救助や災害復旧などは、各所管常任委員会で取り扱うこととなっておりますが、豪雨災害による被害が甚大であったことから、例外的に本委員会において豪雨災害の県内被害状況や被害額、主な対応状況及び本県から他県への支援状況などについて詳細な報告を受けました。  以上、調査の概要について述べてまいりましたが、当局におかれましては、本委員会で出された意見、要望を十分に踏まえ、本県の実情に即した主体的な取り組みによって、より一層県民の安心、安全に尽くされますよう強く要望するものであります。  結びに、本委員会の調査に当たり、終始熱心に御協力賜りました委員各位並びに執行部の皆様に心から深く感謝申し上げ、報告を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 59 ◯議長(井上 順吾君) 次に、こども・子育て支援調査特別委員長の報告を求めます。井上博隆君。(拍手) *こども・子育て支援調査特別委員長報告 60 ◯こども・子育て支援調査特別委員長(井上 博隆君)登壇 私は、こども・子育て支援調査特別委員会の委員長といたしまして、昨年二月定例会におきます中間報告以降、本委員会が取り組んでまいりました調査活動の経過につきまして、その概要を報告いたします。  本年一月に公表された総務省の人口推計によりますと、我が国の総人口は、平成三十年八月一日現在で約一億二千六百四十九万六千人となり、前年同月に比べ約二十五万九千人の減少、十五歳未満人口も約十七万八千人減少しております。また、本県の総人口は、福岡県人口移動調査による推計によりますと、平成三十年十二月一日現在で約五百十一万三千人となり、前年同月に比べ約七百人の増となっていますが、十五歳未満の年少人口は約一千人減少しております。また、少子化の主な要因である合計特殊出生率を見ると、本県では平成二十九年現在で一・五一と前年を〇・〇一ポイント上回ってはいますが、人口維持に必要な二・〇七は大きく下回っている状況であります。こうした急速な少子化の進行は、労働力人口の減少、高齢者比率の上昇や市場規模の縮小、現役世代の負担の増大など、将来の我が国の社会経済に広く深刻な影響を与えると懸念されております。  このような中、本委員会では、出生率向上に資する方策、子供を取り巻く環境改善に資する方策、子供の健全育成促進のための環境整備に資する方策及び全ての子供が平等に生きる力を身につけるための環境整備に資する方策を委員会運営方針として重点的に調査するとともに、本委員会の付議事件にかかわる基本計画であるふくおか子ども・子育て応援総合プランの調査を進めてまいりました。  まず、ふくおか子ども・子育て応援総合プランについてであります。本委員会では、平成二十九年度実施状況について、若者の就業支援や結婚応援、子育てと仕事の両立の推進、保育サービスの充実など三百六の施策、事業について報告を受けるとともに、施策、事業の進捗状況を踏まえた目標数値の見直しについて説明を受けました。また、三十三市町において、市町村子ども・子育て支援計画が見直されていることから、県においてもプランのうち、福岡県子ども・子育て支援事業支援計画の部分について見直しを行い、その内容について説明を受けました。委員からは、結婚応援事業について、参加人数をふやすだけでなく、最終的に成婚につなげる工夫が必要であるとの指摘がなされました。また、計画の見直しに当たっては、女性の社会進出や外国人労働者の問題など、新たな課題にも対応する項目を加えることも検討するべきとの要望が出されました。  次に、委員会運営方針の柱のうち、出生率向上に資する方策に関して、安心して妊娠、出産できる環境づくりとして、妊娠期からのケア・サポート事業について調査を行いました。執行部からは、県が定めた妊婦アンケートや医療、行政機関の連絡様式等を活用して、要支援者を早期に把握していること、県、市町村、医療機関等の関係機関がその情報を共有することにより、妊産婦に対する支援を行っていること、市町村が要支援者を把握し、フォローしている事例について報告を受けました。また、今後の方向性として、子育て世代包括支援センターの設置を促進し、産婦人科に加えて精神科や内科、小児科等との連携強化を図るため、県と市町村、医師会等で構成する妊娠・出産包括支援体制整備検討会議を設置し、その連携体制の充実について検討を行っているとの説明を受けました。委員からは、妊婦やその家族に対する風疹、麻疹の予防接種の受診についてただされ、執行部からは、妊婦健診等において、風疹などの既往歴の確認、抗体検査等を行い、必要な指導を行っているとの答弁がありました。また、市町村が要支援者を把握し、フォローしている事例については、政令市も含め地域別の比較ができるよう要望が出されました。  次に、委員会運営方針の柱のうち、子供を取り巻く環境改善に資する方策及び子供の健全育成促進のための環境整備に資する方策に関して、交通安全教室、防犯ボランティアとの連携、活動に対する支援、女性と子供の安全を見守る企業運動の推進、教育相談、家庭教育に関する支援、青少年インターネット適正利用推進事業、子供の体力向上にかかわる取り組みの充実について調査を行いました。  防犯ボランティアとの連携、活動に対する支援に関して、執行部からは、新たに防犯活動を開始する団体等に対する補助や、安全・安心まちづくりアドバイザーの派遣、防犯リーダーの養成講座などの取り組みを通じて、子供を犯罪の被害等から守る環境づくりに努めていくとの報告がなされました。委員からは、新潟で起きた痛ましい事件を受けて、朝だけでなく、夕方の防犯活動の強化が必要であることや、防犯活動をする団体の負担にならないように、ついで隊を普及させるべきとの意見が出されました。特に、青パトの普及について、市町村や商工会などの公用車を青パトにするなど、普及の促進を促す考えはないかただされ、執行部からは、所管の警察とともに、青パトの普及に努めていくとの答弁がありました。また、委員から、地域で設置する防犯カメラの設置費用の補助について県の考えをただされ、執行部からは、これまでも市町村や地域の団体が設置する防犯カメラの設置費用の補助をしており、今後も引き続き取り組んでいくとの答弁がありました。  最後に、委員会運営方針の柱のうち、全ての子供が平等に生きる力を身につけるための環境整備に資する方策に関して、社会的養護体制の充実、福岡県子どもの貧困対策推進計画について調査を行いました。執行部からは、虐待を受けた子供などに対する支援のため、児童養護施設等でのケア体制の充実や施設退所児童等に対する自立支援策の強化を図るとともに、里親委託の推進に取り組んでいるとの報告を受けました。また、県、両政令市、警察の間で新たに協定を締結した児童虐待事案の情報共有の実施について説明を受けました。委員からは、社会的養護体制は非常に充実した内容になっているが、児童虐待事案への対応に当たっては、児童相談所や県警などの関係機関において、責任の所在を明確にし、最終責任者による連携を徹底するよう要望がなされました。  また、スクールソーシャルワーカーと子ども支援オフィスの業務分担についてただされ、執行部からは、スクールソーシャルワーカーが自身の範囲内でできることはその場で対応し、スクールソーシャルワーカーが踏み込めない家庭の問題等は、子ども支援オフィスから親御さんに接触するといったすみ分けになっているとの考えが示されました。  以上、本委員会の調査活動の概要について述べてまいりましたが、子供や子育てにかかわる諸問題は、その要因、背景、影響が複雑多岐にわたるため、長期的、総合的な展望に立った施策の実施が重要であります。当局におかれましては、本委員会の委員各位の意見、要望などを十分に踏まえ、関係各部各課と関係機関との連携を強化し、より効果のある横断的、総合的な施策を実施され、県民が安心して結婚、出産、子育てができるような社会づくりに尽力されることを強く要望するものであります。  終わりに、本委員会の調査に当たり、終始熱心に御協力を賜りました委員各位並びに執行部の皆様方に心から深く感謝申し上げ、私の報告といたします。(拍手) 61 ◯議長(井上 順吾君) 次に、生涯健康安心社会調査特別委員長の報告を求めます。新開昌彦君。(拍手) *生涯健康安心社会調査特別委員長報告 62 ◯生涯健康安心社会調査特別委員長(新開 昌彦君)登壇 私は、生涯健康安心社会調査特別委員会の委員長といたしまして、昨年二月定例会におきます中間報告以降、本委員会の今日までの調査活動の経過について、その概要を御報告いたします。  本委員会では、健康寿命の延伸を目的とした健康づくりの取り組みを調査活動の中心に据え、高齢者対策や障がい者対策に関する諸調査に精力的に取り組んでまいりました。  まず、健康づくりの取り組みについてであります。本県では、県民一人一人が改めて自分の健康について考え、みずからその維持、増進に取り組むことを目的とし、健診受診率の向上、食生活の改善、運動習慣の定着を取り組みの柱とするふくおか健康づくり県民運動を展開しており、その推進母体として、昨年八月に保健・医療団体、経済団体、行政機関など百十の団体で構成されるふくおか健康づくり県民会議が発足いたしました。こうした運動は、今全国的に大きな注目を集めており、本県でも県民の健康寿命の延伸に寄与することが期待されています。  このことから、本委員会では、ふくおか健康づくり県民運動について執行部に説明を求め、健康寿命の延伸に向けた本県の取り組みについて議論を行いました。本県の特徴的な取り組みとして、がん検診受診率向上に取り組むがん検診推進事業所や食生活改善のためにヘルシーメニューを提供する食の健康サポート店の登録拡大、ロコモティブシンドローム予防推進員の養成などが報告をされ、委員からは、ふくおか健康づくり県民運動は成人、大人を対象とした取り組みだと思うが、新生児などにも目を向け、早期発見、早期予防という観点からもしっかり取り組んでほしいとの意見が出されました。  また、委員会では、県民の健康寿命の延伸のためにどのような取り組みが必要なのか、その知見を広めるため、静岡県を初め先進的な取り組みを行っている三つの自治体を視察しました。健康寿命の延伸の取り組みについて、これらの自治体に共通していたのは、健康づくりは一人で取り組むよりも仲間と取り組むほうが、楽しみながら継続でき、認知症発症のリスクを低く抑えることができるという認識でありました。その上で、地域住民の社会参加を促進するための取り組みを積極的に行っておられました。こうした他県等の取り組みは、本県の施策においても大いに参考になるところであります。  次に、高齢者施策の取り組みについてであります。本県では、昨年三月に策定された第八次福岡県高齢者保健福祉計画に基づいて各種施策が実施されております。委員会では、この計画に基づく地域包括ケアの進捗状況、在宅医療の推進、介護人材の確保、定着に向けた取り組みについて執行部の説明を求めました。地域包括ケアについて、委員からは、大規模災害時における地域防災という観点からの医療、介護、福祉など関係部局間の連携を議論すべきとの意見が出され、執行部より、市町村の防災計画に定める高齢者の防災対策などの実効性が上がるように、関係者との連携のあり方を検討していくとの答弁がありました。また、在宅医療について、在宅療養支援診療所及び歯科診療所が地域住民にわかるように表示する必要があるとの意見が出され、執行部からは、各保健所にある地域在宅医療支援センターなどで地域住民への案内を行っているが、今後、これをさらに徹底してまいるとの答弁がありました。そのほかにも、地域における高齢者の生活支援、介護予防サービスの体制整備を推進する生活支援コーディネーターの養成、地域包括ケアにおける市町村の取り組み状況の把握等について意見や要望が出されました。今後想定される本格的な高齢社会にとって、介護人材の確保、定着、そして離職防止の取り組みは大変重要な課題であります。本委員会といたしましては、執行部に対し、人材確保とともに職場環境の整備、賃金の改善などの離職防止対策について、先進地の事例も参考にしながら、しっかりと取り組んでいくよう強く要望するものであります。  次に、障がい者施策の取り組みについてであります。本県では、平成二十七年三月に策定された福岡県障害者長期計画、平成二十九年十月に施行された福岡県障がいを理由とする差別の解消の推進に関する条例に基づき、各種施策が実施されております。委員会では、県が作成した障がいのある人への合理的配慮ガイドブックの内容や、就労支援の取り組みについて執行部の説明を求めました。委員から、障がいのある人への合理的配慮に関し、一般の方々により浸透していくよう、県民に向けた啓発イベントなどを企画してはどうかとの意見が出され、執行部から、関係部局と連携し、さまざまな人が集まるイベント等での周知を検討していくとの答弁がありました。このほか、障がいのある方など、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への入居拒否をなくすための、民間不動産会社などへの啓発及び周知の徹底、発達障がいの可能性のある人に配慮した職場環境づくりへの工夫、障がいのある人の就労継続の状況把握及び就労継続ができていない場合の原因の分析等について意見や要望が出されました。  以上、本委員会の調査活動の概要について述べてまいりました。  執行部におかれましては、本委員会での委員各位の意見、要望等を十分に踏まえ、関係部局が連携を密にし、課題の検証及び明確な目標設定を行い、県民が生涯健康で安心して暮らすことができる社会づくり、やむを得ず健康を損なわれた方や障がいを抱えられた方が住みやすい社会づくりのために、効果的な施策を実施されることを強く要望するものであります。  結びに、本委員会の調査に当たり、終始熱心に御協力を賜りました委員各位並びに執行部の皆様方に心から深く感謝申し上げ、私の報告といたします。  以上でございます。(拍手) 63 ◯議長(井上 順吾君) 以上で調査特別委員長の報告は終わりました。
    *議案及び諮問審査付託  次に、提出議案等審査のため、さきに上程いたしました第一号議案から第四五号議案まで、第四八号議案から第六六号議案までの六十四件及び諮問第一号を、お手元に配付いたしております議案及び諮問付託表のとおり所管の常任委員会に付託いたします。      ────────────────────────────────────────── *議案の委員会付託省略 64 ◯議長(井上 順吾君) 次に、議案の委員会付託の省略についてお諮りいたします。  さきに上程いたしました第四六号議案及び第四七号議案の二件については、委員会への付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。           〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 65 ◯議長(井上 順吾君) 御異議がありませんので、そのように決定いたしました。 *請願上程  次に、請願三件がお手元配付の請願文書表のとおり提出されましたので、これを一括報告上程いたします。      ────────────────────────────────────────── *審査付託 66 ◯議長(井上 順吾君) ただいま上程いたしました請願三件は、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  本日はこれをもって散会いたします。           午 後 三 時 四十八分  散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...