↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(井上 順吾君) ただいまから本日の会議を開きます。
日程に従い代表質問を行います。順次発言を許可いたします。岳康宏君。(拍手)
*
岳議員質問
2 ◯十番(岳 康宏君)登壇 皆さん、おはようございます。
自民党県議団の岳康宏です。今任期最後の議会となりましたこの二月定例議会におきまして、
自民党県議団を代表して質問する機会をいただきましたことを、まことに光栄に存じます。(発言する者がある)ありがとうございます。
私は、思いのたけを県政にという思いで、この一期、走り抜けてまいりました。ことしは選挙の年です。外向きのメンツにこだわることなく、県民の内なる思い、声なき声を聞く努力をして、ここは謙虚に頑張りたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、ただいまより代表質問に入らせていただきます。
さて、
具体的質問に入ります前に、間近に迫った
統一地方選挙において行われます
次期県知事選挙について触れさせていただきます。この
次期県知事選挙に関し、我が党は
厚生労働省出身の武内和久氏を推薦候補とすることを党本部が決定し、我が党県連に伝達されました。よって、我々県議団といたしましても、一丸となって奮闘してまいる決意であることを表明したところであります。
さて、二期八年にわたり知事を続けてきた現職の
小川知事が、なぜ我が党の
自民党推薦を受けることができなかったのでしょうか。これについては、既に一部のマスコミの報道により多くの方が御存じのことでしょうが、大前提としてまず言えることは、原発否定を党是とした
立憲民主党と真っ先に政策協定を交わしたことであり、しかも、その
立憲民主党との政策協定を今後の県政運営の指針とするとされたことは、我々自民党が到底容認できないところであります。このことだけでも、既に我が党の推薦対象から外れていると言えるところですが、
小川知事、あなたは五百万県民を幸せに導く
県政指導者としての
リーダーシップが欠けておりました。世間ではよく決断力、
企画構想力、実行力、そして最後に人間的な包容力、この四つが
リーダーシップの必要条件として挙げられます。遺憾ながら、
小川知事はこのいずれも持ち合わせていなかった。とりわけ
重要課題解決に向けてみずから動くこともなければ、トップダウンで部下職員への適切な指示も見られなかった。あなたは、行政課題の処理に当たってみずから動こうとせず、部下の幹部職員任せ、そのくせ万が一失敗すれば、その責任を部下に押しつける。職員からしばしば批判めいたぼやきの言葉が流れていたのを、知事は恐らく御存じないでしょう。その一方で、職員からボトムアップで上がってきた政策や
具体的事業について、自由で豊かな自己表現もなければ、それを動かす意欲もない。結局、日の目を見ることなく
賞味期限切れとなってしまったような話をよく耳にします。
その顕著な例の一つが、宿泊税をめぐる福岡市との調整問題だと感じるところです。以前テレビに映し出された、宿泊税問題の円満解決のため福岡県と福岡市の
担当幹部職員の交渉する場面は、今の県政の実相や内部事情を如実にあらわしたものではないかと存じます。もちろん、誰が見ても失礼きわまりない福岡市側の対応は看過できませんし、責められるべきものですが、こうした事態となったのも、もとはといえば、的確な方針や指示がないため、部下が共感できる意義を見出せなかったことと、周囲を巻き込む能力にあなたが欠けていたためです。温かみのある行政と言いながら、職員に対する温かみを感じません。リーダーに誠実さと思いやりの心がなければ、相互の信頼と尊敬は決して生まれません。また、このような例は枚挙にいとまがないようです。
小川知事、あなたが麻生渡前知事の後を受け第十七代
福岡県知事に就任された平成二十三年春には、県庁周辺の飲食店やホテルが夜遅くまでにぎわい、周辺では小川特需なる言葉が
生まれ関係業者に喜ばれていたことを御存じでしょうか。決断力に欠ける知事のせいで、いつまでたっても予算や人事の決裁が得られない。このため、連日どこの部署も多数の職員が残らなければならない羽目となり、深夜残業を余儀なくされた。このため、近くで夕食や夜食をとることとなり、交通機関がなくなった職員は連日ホテルに泊まり込んで翌日を迎えるといった日々が続いたようです。働き方改革が叫ばれている昨今、実に嘆かわしいことです。したがって、八年たった今でも、そのときのことを職員は苦々しく思い出すのであります。そして、当時、夜間四時間も五時間も待たされたあげく、やっと決裁がもらえると思ったら、起案文書のてにをはを直されただけ、ばからしくてやってられないとぼやく職員が続出したと仄聞しております。
小川知事、あなたを取り巻く幹部職員は皆、優秀です。どうして迅速な指示を下し、職員を信頼して、直ちに仕事に取り組めるような状況をつくってやれなかったのですか。しかも、部下職員が上げた文書への知事決裁がおくれ、事務を遅延させている、このような状況は依然続いていると聞いております。これを
小川知事、あなたの単なる優柔不断で慎重な性格がもたらした事態というだけでは済まされないのであります。賢明なる判断を瞬時に下して、政策決定における
スピード感を持って職員を素早く動かす。これこそ賢明なる指導者に求められる姿ですが、あなたは真逆の姿を見せ、このままだと福岡県政の停滞を招くばかりです。みずから賢明なる判断が求められていることを、この際厳しく糾弾しておきます。
そして、
小川知事、あなたのような
行政スタイルは今日ではもはや通用しない。慎重に対応しているため時間がかかると言えば聞こえはよさそうですが、迅速かつ的確な課題の処理や実現が、国、地方を問わず全ての行政面で最も求められるところとなっています。情報技術の急速な進歩によって、かつての十年が一年、百年が十年と縮まってきたわけですから、当然、行政もその迅速な処理、的確な課題の処理、実現が求められていることは言うまでもないことです。
こうしたことも含めて考えた場合、一層あなたが本当に福岡県政の指導者にふさわしいかどうか、さらに厳しい自己判断と自己決定が求められることを指摘し、猛省を促したいと存じます。
さて、これまで大局的、理念的に述べてまいりましたが、これよりは
小川知事の今日までの二期八年間を振り返り、
小川知事が掲げた政策のうち、重立ったものについて触れ、小川県政の実相を検証し、評価してまいりたいと存じます。
小川知事が当選したばかりの平成二十三年六月議会で、あなたは県民一人一人が福岡県に生まれ、生活してよかったと実感できる
県民幸福度日本一を目指すと語り、初めて取り組まれた当初予算の編成では、そのような観点から施策を体系的に整理し、重点的に進めることとした、とも宣言されました。そのとき私はまだ当選しておりませんが、当時の
自民党県議団所属の議員全員が、極めて少なからぬ違和感と不快感を覚えたと伺っております。といいますのも、当時は
民主党政権下、政府でも幸福度の研究などが盛んに進められていた風潮に、
内閣広報官を務められた知事がすかさず呼応し、こびを売ったと理解したからであります。もともと幸福も不幸も自分の心のありようです。そんな主観的な概念は政策の対象になり得るはずがないと疑問を呈し、新知事の浅薄さを厳しくただしました。取ってつけたような
県民幸福度日本一の幸福度をどんな指標や尺度で測定するのか、他県とどのように比較するのか、我が党会派にとどまらず、多くの議員が皆ひとしく抱く疑問でありました。しかし、当時知事からは明快な説明が得られず、今日に至るまで納得のいく説明を一度として得たことがありません。
次に、知事は平成二十四年三月に策定された県の総合計画に、早速、
県民幸福度日本一のレッテルを張りつけました。その後も議会で、幾度も
県民幸福度日本一は政策たり得ない、単なるスローガンではないかと我々から批判、指摘を受けながら、一昨年三月の改定計画でもその姿勢を変えていません。
一方、知事は、
県民幸福度日本一の基本は、県民生活の安定、安全、安心を向上させることだと、これまで明言してきました。この三つが県政の重大な使命であることに、もちろん異論はありません。と同時に、私たちは雇用が安定し、経済的に裕福であっても、不幸な家庭が日常的に見られることを経験的に知っています。知事の定義は、明らかに
生活満足度に近いと言うべきであります。あなたも、そのことを本心ではわかっていたはずです。安定、安全、安心を実現するための諸事業も、実際は
生活満足度の向上を目指す施策です。これらについて、県では毎年、
事務事業評価が行われています。
県民幸福度日本一が政策だというなら、なぜその達成度、成果について評価を行わなかったのですか。
県民意識調査の、本県で生まれてよかった、生活してよかった八割以上は、他県と比較できないもので、日本一についての政策評価には何らなり得ません。知事の言うとおり、幸福度が特定の指標で測定できないものだとすれば、日本総研が行っている四十七
都道府県幸福度ランキングも、実際は生活満足の比較ということになります。昨年の県議会でも我々が指摘したように、本県は中位以下の三十位。毎年多少の上下変動はあるでしょうが、知事在職二期八年に際立った上昇は全くなく、成果があったとは到底思えません。反省とその責任を含め、県民にきちんと説明されるべきであります。改めて答弁を求めます。
次に、
財政構造改革についてであります。この重要改革についても、県財政当局任せで知事の
リーダーシップを全く感じさせない小川県政の
取り組み姿勢には、幾つもの看過できない問題がありました。知事に就任されて約一年後の平成二十四年三月、新
財政構造改革プランが終了しました。それまで四次にわたり
財政改革のため取り組んできた、財政の健全性と安定性を確保する羅針盤であるプランが途絶えてしまったのであります。我が会派は、再三、
財政構造改革のための
次期プランを早急に策定するよう求めました。ところが知事、あなたは当時政府で進められていた社会保障と税の一体改革の行方が不透明であることなどを理由に、重い腰を上げず、およそ
財政構造改革への取り組みが感じられなかったのでありました。その後一年を経て、しばらく平成二十六年度から二十八年度を改革期間とする
財政改革推進プランを策定。最終年度までに
財政調整基金等三基金の取り崩しに頼らない
財政運営を実現する、県債のうち
臨時財政対策債以外の通常債の残高を毎年度確実に減少させることを改革方針として公約しました。そして
プラン最終年度の二十八年度当初予算では、三基金の取り崩しを回避し、体裁だけを整えて、公約を守ったふりはしました。しかしながら、もともと財源がないのですから、ぼろはすぐ出るものです。早くも二月補正では約束を翻し、取り崩しを余儀なくされました。全く県民を愚弄したものでありました。それだけに、この事実は今日でもその記憶が直ちによみがえってきます。そればかりか、あきれたことにその後二十九、三十年度予算では、当初からさも当然のごとく堂々と三基金に依存し、以前のままの歳入構造に立ち戻るという、全くもって厚顔無恥と言うべき対応であります。
平成二十九年度以降の
財政改革プラン二〇一七は、あきれたことに知事の二期目の任期を超える平成三十三年度までの計画となっています。そこでの新たな改革方針は、計画期間中に
基礎的財政収支いわゆる
プライマリーバランスを黒字化する、通常債の発行額と残高を毎年度確実に減少させる、三基金の残高を確保するなどとされています。あなたは本当に平成三十三年度まで責任を持つつもりだったのですか。どうして持てるのですか。
小川知事、あなたがこれまで策定された二つの
財政改革プランを振り返りますと、所期の目標が達成されないまま次のプランがつくられ、しかも十分な説明がないまま新たな目標にすりかえられ、持続可能で安定的な財政基盤を本気で確立しよう、そんなかたい意思が全く感じられなかったのであります。いや、もともとなかったのでしょう。ましてや、確実に再選される制度的な保証もないのに、最終目標が任期後になる五カ年のプランを策定されています。全く無責任きわまりないものです。平成三十三年度までの
プライマリーバランス黒字化を強調されても、その実現に知事、あなたは責任持てますか。まさにこの指摘が現実のものとなりつつあります。せめて三カ年の計画であればともかく、そうした知事の安易な姿勢や
財政改革に対する知事の不誠実さが我々の疑念を増幅させ、今日、我が党本部があなたを
次期知事選挙における推薦候補にしなかった大きな原因の一つとなったわけであります。このことを知事、あなたはどのように理解されていますか。率直に答弁願います。
また、昨年二月の代表質問で、公共投資を充実する方向にある政府の最近の方針を踏まえれば、
投資的経費の抑制を基調とする
財政改革プランでは計画と現実の乖離が拡大し、プランの
構造そのものにゆがみが生じないか、大いに危惧されることを指摘しました。現に、平成三十一年度の
政府予算案や
地方財政計画を拝見しますと、防災・減災、
国土強靱化のための三か年緊急対策を推進するため、
公共投資拡大の傾向は一段と強まっています。二十一世紀半ばに向けて道路、橋梁、
河川管理施設、上下水道などのインフラ、学校を初め公共施設の老朽化も急速に進み、財政需要も膨大になることが確実に見込まれることを踏まえた予防的な対応だと推察されます。知事も
政府予算要望などで道路施設の
老朽化対策の推進を要望されていますが、最重点要望には位置づけられていません。
財政改革プラン二〇一七を策定するに当たり、このような諸状況をどの程度反映できているのでしょうか。抑制基調のプランをそのままに、災害復旧、復興は別だ、国から
国土強靱化対策の推進を要請されたなどと一々言いわけするような姿勢は、
安定的財政運営の確保に向けた知事の優柔不断さに相通ずるものがあります。これまでの二期八年間を謙虚に振り返り、どんな理念に基づき、具体的にどのような改善を目指して
財政改革に取り組まれてきたか、知事自身の総括を求めます。
さて、八年間の小川県政への評価として、最後に、政府・与党に対する要望活動の達成率と宿泊税の動向についてただしておきます。
毎年、最重点要望と重点要望に分けて、昨年は最重点で二十件を超える、重点要望で百五十件に近い要望を行っています。この八年、知事の政治力によってどの程度の達成率があったのか。各部にわたる大勢の職員を帯同させて上京されているのですから、これに要する経費もばかにならないでしょう。行政評価を言うなら、要望活動のコストパフォーマンスもあわせて明確にしておく必要があると考えます。答弁を願います。
次に、既にさきにも少し触れましたように、宿泊税についてであります。福岡市との確執、対立についてこれまでも何ら行政手腕を発揮できず、今なお混乱が続いているようです。今日までの交渉経緯なども含め、最近の動向についても御報告願います。
ところで、麻生前知事の二期目にも、法定外税の創設に関連して県と北九州市との間で似たような紛争が生じたことを知事は承知のことと思います。
産業廃棄物をめぐって、本県の
産業廃棄物税と北九州市の
環境未来税の間に生じた二重課税問題でした。今日の宿泊税をめぐる福岡市との関係と全く同じ様相を呈して解決困難だと悲観的な見通しもありました。しかしながら、広域にわたる
産業廃棄物の流通の実態に応じて、二重課税を避けつつ課税団体間の課税権を調整する画期的な福岡方式を当時の
県税担当者が英知を凝らしてつくり出し、現在では
産業廃棄物税を創設する場合の模範的なモデルとして、国はもとより学界においても高く評価されています。知事は、この宿泊税をめぐる福岡市との確執で、かつての
産廃税創設の際の県と北九州市でつくり上げた福岡方式を参考にされたことがあったのですか。恐らくその事実さえも認識されていなかったと想像しますが、いかがですか。
そこで、今回の宿泊税問題で新たな福岡方式を生み出し、一体トラブルを解決される成算を持っておられるのか。解決の見通しを持っておられるのであれば、この際、御披露いただきたいと存じます。
さて、それでは次に、当面の県政課題についてただしてまいります。
まず最初に、三年間は据え置くとした約束をわずか二年間でほごにしようとして市町村の怒りと不信を招き、
小川県政下ならではの混乱に終始した今回の
国民健康保険料問題についてただします。そもそも
国民健康保険は、昭和三十六年、国民皆保険制度が発足する中で、自営業者や
農林水産業者などを対象に
市町村事業として開始され、制度開始から五十年以上が経過したわけであります。この間、
文字どおり国民の健康保持に大いに貢献したところでありますが、一方で財政的には火の車の歴史であったと言っても過言ではないでしょう。慢性的な赤字経営から脱却し、国保財政の
基盤安定化を図るため、平成十五年当時の小泉内閣において
医療保険制度抜本改革の一環として、保険者の統合、再編という方向性を打ち出しました。以来この十数年間、財政負担にあえぐ市町村と、国保に対する責任を都道府県に押しつけようとする国、そして抵抗する都道府県という構図の中で、着地点を求めて知謀浅短が繰り広げられることとなりました。こうした過程を経て、平成三十年四月、国保の
財政運営が都道府県に移管されることとなったことは、おのおの御承知のことと存じます。
さて、具体的問題に入ります。県当局は、平成二十九年度、新制度発足に先立ち、
国保事業費納付金算定において、制度施行三年間、すなわち平成三十、三十一、三十二年度については、一定割合をゼロ%とする
負担緩和措置を維持し、制度変更に伴う市町村の実質的な負担上昇を抑制することを約束されました。この約束をもとに、平成三十一年度の
国保事業費納付金の算定方法について協議する第一回福岡県
国保共同運営会議が平成三十年十一月十三日に開催されております。この会議は、市町村側の委員として
県市長会会長、
県町村会会長などが出席し、県側も担当副知事や
保健医療介護部長などが顔をそろえる、いわば国保運営に関し次年度の基本方針を定める
トップ会議の位置づけであります。この会議において、県執行部は平成三十一年度においても一定割合をゼロ%とする
負担緩和措置を維持すると明言され、
出席メンバー全員でその方針を確認されたと仄聞しているところであります。
ところがであります。甘い見通しだったのでしょう。その一月後の十二月十七日、まさに唐突に、県執行部は仮算定結果として、一定割合を八・四%なる文書を全市町村に通知され、同二十一日の
市町村説明会では八・四%への見直しを提案され、その後二十六日、畳みかけるかのごとく第二回の
国保共同運営会議幹事会を開催し、同様の内容を説明されました。受け手である市町村はまさにハトに
豆鉄砲状態で、
国保共同運営会議は大混乱に陥ったと聞いています。わずか一月前に、市長会、町村会のトップも出席する会議で方針確認されていたにもかかわらず、
ちゃぶ台返しとなり、混乱を招く事態となったことで、
事国保事業に関する限り、市町村の県に対する信頼はまさに地に落ちたと言うべきものがあります。
そこで質問に移ります。まずは、新制度移行に先立ち、向こう三年間、一定割合をゼロ%とする
負担緩和措置を維持し、制度変更による市町村の実質的な負担上昇を抑制することとされた、当時の根拠や背景について知事の答弁を求めます。
次に、そうした方針をもとに、平成三十一年度の取り扱いについて、担当副知事も出席の上、市長会及び町村会のトップを交え
据え置き方針を確認されたにもかかわらず、唐突に納付金の引き上げを提案されることとなった背景や理由について、知事の答弁を求めます。
あわせて、この経緯により
メンツ丸潰れとなった副知事に対しどのような釈明をされたのか、
保健医療介護部長の答弁を求めます。
まさに舞台が二転三転し、最後は当初の
方針どおり据え置きとなったわけでありますが、
小川知事、そもそも三年間の据え置きという県民への約束を破るような発言を幹部職員にさせ、市町村に不安を与えたことは言語道断であります。ここにも
リーダーシップの欠如が十分にうかがえるところですが、一体知事、あなたは、今回の
国民健康保険をめぐる問題で、いずれの市町村もおかしいではないかと不信の声を上げ、市町村みずからの努力では利用料の引き上げをしないで済むような一般会計からの繰り入れなどでこの問題を乗り切ろうとした自治体が少なからずあったことを御存じなのか、事情を説明ください。
その上で、最終的には据え置きとされたその背景や
具体的理由、根拠について改めて知事に答弁を求めます。
また、今回の問題について県執行部のトップとして知事には反省すべき点が大いにあり、
小川知事がいかに責任を感じているか、率直に心情を述べてください。
あわせて、県の方針として明確に言明された、三年間保険料は据え置くとしたこの県民への約束について、この際、再度改めて明らかにされることを求めます。
次に、平成二十七年度から制度が始まり、国民一人一人に十三桁の個人番号が割り当てられることになりました、いわゆる
マイナンバー制度について、この際ただしておきます。
マイナンバー制度の導入により、県民にとっては税の申告や社会保障の給付の手続の際に、住民票や
所得証明書といった書類を添付する必要がなくなり、利便性が大きく向上することが期待されたはずです。県や市町村にとっても、情報を照合したり、入力や転記に要する時間や労力が削減され、事務の効率化につながることが期待されました。平成二十八年一月には、顔写真と
ICチップを搭載した
マイナンバーカードの交付も始まりました。
マイナンバーカードの交付開始直後には、カードの発行事務を担う
地方公共団体情報システム機構の
コンピューター処理システムの障害によりカードの発行が滞ったことはありましたが、
マイナンバーカードの交付開始から三年が経過した現在でも、
マイナンバーカードの交付が全国的に一割程度というのは、全く普及が進んでいないと考えざるを得ません。
そこでまず最初に、本県の普及状況をお示しください。
次に、全国的に
マイナンバーカードの交付が進んでいないのは、どのような課題、問題があるためか。県民がカードの発行に全面的に信頼を寄せていないためか、
カード発行にメリットを感じていないのか、具体的に課題を踏まえて今後の
マイナンバーカードの普及のため、国や県、市町村ではどのような取り組みを行おうとしているのかお尋ねします。
次に、国や県、市町村が
マイナンバーを利用して個人情報を相互にやりとりする、いわゆる
情報連携についてお尋ねします。
情報連携が進めば、税の申告や
社会保障給付のために必要な情報が国や県、市町村間で相互にやりとりされるため、県民が住民票や所得証明などの書類を取得する必要がなくなることはもとより、
申請手続そのものを行う必要もなくなります。
情報連携が進めば、県民の利便性が大きく向上するものと考えます。本県では、どのような手続を
情報連携対象として実施し、それに伴いどのような効果が得られていると考えているのかお尋ねします。
ところで、
マイナンバー制度が県民に信頼される制度として普及していくためには、何よりも個人情報が適切に保護されることが不可欠です。個人情報の保護には、
情報連携など活用する
コンピューターシステムに万全の
セキュリティー対策がとられ、適切に運用されることが求められています。また、個人番号を取り扱う職員が十分な知識を持ち、細心の注意を払って事務処理を行うことが重要です。今日、
マイナンバーの普及が進まないのも、尽きるところ、個人情報保護で役所が国民の信頼を得ていないことに尽きるのではないでしょうか。個人情報保護が本当に図られているのか、下手すると
マイナンバーを管理運営する行政から個人情報が漏れていくのじゃないか、こんな心配の声が実際に随所で聞かれるのであります。
そこで、本県では
マイナンバーに関する個人情報保護のため、どのような対策を講じているのかお答え願います。
次に、農政問題に移ります。
まず最初に、本年一月から始まりました収入保険制度についてただします。この制度は、ほぼ全ての農産物が対象で、自然災害による収穫量の減少だけでなく、価格低下など農家の経営努力では到底補うことができない収入減少を補填するものであります。病気やけがで収穫ができず収入が減った場合や、保管中のものが洪水で水につかり出荷できなくなった場合にも補填されるということですから、TPPイレブンや、域内人口が六億人を超え世界最大の自由貿易圏となった日・EU・EPAによる農産物の価格低下や、二年連続で本県を襲った集中豪雨による被害など幅広いリスクに対応できる制度であり、大変有効なものではないかと考えております。当初、この制度の申し込み期限は昨年十一月末とされていたようですが、生産者の中には制度加入の検討が十分できない方もいるとの判断から、十二月末まで延長されたと聞いているところです。加入申し込み期間も長くなり、多くの方が加入されるものと思っていましたが、年明けに報道されていた全国の加入見込み者数は三万五千経営体で、目標の十万経営体に対しわずか四割にも満たなかったのは、心底遺憾であります。制度について周知が到底足りなかったからでしょうか。
そこで気になるのが、本県の加入状況についてであります。この際、明らかにしていただき、その状況について知事はどのように認識、評価されているのか。国同様に本県においても加入が予想外に少ないのであれば、一体何が原因なのか。就任以来、農業行政に余り関心を示してこられなかった
小川知事の熱意のなさが見事に反映していると言うべきでしょうか。詳細に説明いただき、さらに今後どのように対応していかれるのかお答えください。
第三に、中山間地域における農業の振興についてであります。一昨年の九月議会において、我が会派が代表質問でこの中山間地域における農業振興についての認識と振興方策についてただしたところ、中山間地域の主要な産業は農業であることから、その振興は地域の発展にとって重要である。国の交付金を活用した荒廃農地対策や県独自の支援策を総合的に進めることで、中山間地農業の振興を図っていくと答弁されました。中山間地域農業の振興に即効性のある特効薬のようなものがないことは、国や都道府県が長年取り組んできたにもかかわらず多くの地域で目に見える改善が図られていないことからも明白であります。とりわけ中山間地域で一層進む荒廃農地が一番深刻と言えそうです。荒廃農地が中山間地域にどれだけあるのか国は公表しておりませんが、その多くが中山間地域にあるということは明らかであり、全体の数値からその傾向をうかがうことは可能であります。平成二十九年の状況を見ますと、全国で二十八万ヘクタール、この五年間で約七%、約一万八千ヘクタール増加しており、また本県でも四千七百八十ヘクタール、五年間で一%、二十八ヘクタールの増加となっているように、荒廃農地一つとっても目に見える改善は図られていない状況です。
とはいえ対策を講じないわけにはまいりません。大事なことは、地域ごとに異なる課題に対し、現時点で考えられる対応策を十分講じることです。知事の言葉をかりるならば、その地域に住む方が、その地域に生まれ、生活してよかったと実感できるようにすることが重要であります。一方で、国が実施した調査では、近年、農山漁村に定住したいと考える若者が多くなっているようで大変心強いことではあります。ただし、若者たちは医療や交通、そして仕事の少なさを定住の不安要因として挙げています。このことは、特に中山間地域において大きな問題であり、医療や交通といった生活面のインフラ整備に加え、生活をしていくための仕事、いわゆる主要な産業である農業を元気で魅力的なものにしていかなければ、中山間地域農業の発展は望めないところです。
そこで知事にお聞きします。言われて久しい本県中山間地域の農業振興について、もともとどのような基本理念を持たれているのか。その上で、今後どのように中山間地域の農業振興を基軸とした地域発展を描かれるのか、具体的に説明願います。
次に、九州北部豪雨災害で一点だけお聞きしておきます。九州北部豪雨災害で大きな被害を受けた朝倉市、東峰村では、一部の平たん地域の水田に広範囲に流入した土砂の撤去も終わり、主要作物の米、大豆、麦の作付が始まりつつありますが、山間部の柿などの樹園地や大規模に農地が流失した河川沿いの復旧は、これから本格化するとのことで、全ての工事が完了するまでには数年もかかる地区もあると聞いております。既に発災から一年七カ月もたっており、被災された高齢農家の中には、これを機に営農を縮小しようとする声が聞こえるなど、このままではこの地域の農業が衰退していくのではないかと大変危惧しているところです。そうならないためにも、被災農家や地域の担い手となる後継者が将来に希望が持てるよう、今後の農業の姿や振興方針を県が示し、支援していくことが必要であるということは言うまでもないところです。知事は、何かにつけて被災地の復旧、復興を速やかに取り組んできたと言われますが、私には
スピード感を全く感じられません。
そこでお尋ねします。こうした朝倉市及び東峰村で甚大な被害を受けた地域の農業復興に、今後どのように取り組まれるのかお尋ねします。
この農政問題の最後に、豚コレラについてただします。先週六日、愛知県豊田市の養豚場において、豚コレラの感染が確認されました。この農場からは、愛知県内や長野県、岐阜県、滋賀県、大阪府の農場にも子豚が出荷されていたため、感染は一気に一府四県にまで拡大したようです。本県においては、昭和五十六年を最後に豚コレラの感染は確認されていませんが、本県でも発生するのではないかと養豚農家の不安が高まっていると聞いております。
そこでお尋ねします。県では、豚コレラの防疫対策についてどのように取り組まれているのかお答え願います。
この豚コレラは、人には感染しないと言われていますが、中国や東南アジアなど周辺国で蔓延している鳥インフルエンザは、御承知のように人に感染するウイルスがあります。これまで本県では、鳥インフルエンザの発生はないものの、ウイルスを媒介する渡り鳥は毎年飛来しており、いつ発生してもおかしくない状況と聞いております。鳥インフルエンザのような人と動物の共通感染症は、一たび人への感染が広がると社会に与える影響は極めて大きいものがあります。
そこでお尋ねします。県では、人と動物の共通感染症対策についてどのように取り組まれているのかお尋ねします。
さて、知事を初めとした知事部局への質問から離れ、最後に子供のスポーツ環境の充実について県教委にただし、私の代表質問を終わります。
さきにスポーツ庁から、平成三十年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果が公表されました。本県は小学校男女及び中学校男女全ての区分で、実技八種目の記録を点数化し合計した体力合計点の平均値が平成二十年の調査開始以降最高値となり、とりわけ小学校男子の県平均値は四年連続、中学校男子は三年連続、小学校女子及び中学校女子は二年連続で全国平均値を上回っていたようで、心強く感じたところです。もっとも、報道では全国的に体力がピークだったとされる一九八五年ごろに比べると低水準であること、これは本県も同様ではないかと思っています。昔に比べて体力が低水準であることの背景として、運動機会の減少が挙げられています。スポーツ庁の調査報告でも、幼少期に外遊びの頻度が高かった小学生ほど運動習慣が身につき、体力テストの合計点が高い傾向にあるといった、幼少期の運動の重要性が示されています。私たちの先輩からお聞きしたお話では、一九五六年のメルボルン・オリンピックに出場した三段跳び当時の世界記録保持者である小掛照二氏らに憧れ、全国津々浦々の小学校で多くの子供たちがホップ、ステップ、ジャンプと声を上げて遊びながら三段跳びで競い合っていたようです。昨今の子供たちはいかがでしょう。これらのことからすれば、文部科学省の、最近の子供は、スキップができないなど体を上手にコントロールできない、あるいはリズムをとって体を動かすことができないといった、自分の体を操作する能力が低下しているとの指摘に納得しているところです。
子供たちがけがをするからという理由で、かつてどこの学校でも見られたような気がする校庭での学校の相撲場が姿を消し、高鉄棒などの運動施設も撤去されていると聞きました。私は、これらの運動施設が小学校にあることは、大変重要であると考えます。なぜなら、子供たちは、相撲場があればそこで相手を押したり寄ったりして遊ぶことができます。また、鉄棒があれば、ぶら下がったり、回転したりして遊ぶことができます。そのことで、自然と運動能力が高まっていくはずです。一九八五年ごろの高い運動能力を下支えしていたのは、身近にある運動施設での日々の運動の積み重ねではないかと思います。平成二十八年に組み体操の事故が全国で話題になったときに、運動会での組み体操を取りやめる学校が相次ぎました。危険なことは全て子供から遠ざければよいという考え方ではなく、少し考え方を変え、子供たちにとって有意義なスポーツ環境は維持、整備し、安全に運動や遊びをするためには何を気をつければよいのか、保護者や指導者、教員などの大人が何を教えればよいのかを議論していく必要があると私は考えます。
次に、中高校生にとって有意義なスポーツ環境の一つとして、運動部活動が挙げられます。小学生におけるスポーツ環境は身近な外遊びが中心となりますが、中学生、高校生になると外遊びの機会が減少し、スポーツ環境の中心は運動部活動に移行していきます。小学生にとっての相撲場や高鉄棒などのスポーツ環境を整備していくことと同様に、中学生、高校生の運動部活動の環境を整備、充実していくことが、さらなる体力の向上やスポーツの活性化につながると考えます。昨年三月に、スポーツ庁は運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインを策定し、これを受け、県においても、国のガイドラインを受け、昨年十二月に福岡県運動部活動の在り方に関する指針を策定したと伺っています。しかしながら、その一方で過度の練習によるスポーツ障がい、外傷、少子化の進展、指導者不足や顧問の負担過重等の課題により、従前と同様の運営体制では維持は難しくなってきており、学校や地域によっては運動部活動の存続の危機にあるとも聞くところです。
運動部活動も相撲場や高鉄棒、組み体操と同様に、世論が騒げばすぐ廃止する、縮小するではなく、子供たちにとって、先生方にとって、どのように改善すれば教育効果の高い運動部活動が持続可能なものになるのかを議論し、子供たちのスポーツ環境を維持、整備していくべきだと考えます。
そこで教育長にお尋ねします。まず、小学生のスポーツ環境の充実の観点から、本県の公立小学校における相撲場及び高鉄棒の設置数とその設置状況の変化についてお答えください。
また、相撲場や高鉄棒が未設置の小学校は、体力を高めるためにどのような取り組みをされているのかお尋ねします。
また、先ほど来触れています、かつてどこの小中学校でも見られたような気がする鉄棒や土俵がなくされたことについて、その原因も含め実相を説明ください。
次に、中高校生のスポーツ環境の充実の観点から、本県が策定した福岡県運動部活動の在り方に関する指針の内容と、今後の本県運動部活動のあり方についてお答えください。
最後に、体力向上に係るスポーツ環境の充実について教育長の見解をお聞かせください。(拍手)
3 ◯議長(井上 順吾君)
小川知事。
*知事答弁
4 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず初めに、
県民幸福度日本一の取り組みの考え方と成果でございます。私が平成二十三年知事選挙に臨んでおりました当時は、世界同時不況からの経済再生、深刻な財政状況など課題山積でありましたこの日本の国に、未曽有の大震災による甚大な被害が加わりまして、我が国はこれまで経験したことのないような大きな試練を迎えた、そういう時期でありました。一方で、社会の成熟化によりまして人々の価値観が多様化をいたしまして、幸福度の高い社会を構築していこうと、そういう動きが国の内外で活発化しておりました。そういう時期でもありました。そのような状況のもと、福岡県は大きな可能性を秘めた魅力ある県となってきておりまして、私はその基盤の上に立って、時代の変化と新しい課題に対応して、この福岡県をより一層発展させたいと、このように考えておりました。そして私は、きのうよりきょう、きょうよりあしたはよくなる、将来に向かって希望を持てるような地域社会をつくっていきたいと考えまして、この実現に向け、県民の皆様が、この福岡県に生まれてよかった、生活してよかったと実感していただける
県民幸福度日本一の福岡県を目指すことといたしたものであります。
幸福の考え方というのは、人によってさまざまであります。就任後、そのため設置をいたしました有識者会議におきましても、一律にまた特定の指標でもってこれを的確にあらわすことは難しいと、そういう結論でございましたが、一方で主観的な幸福実感ははかることができると、このように会議から報告を受けたわけであります。そのため、毎年
県民意識調査というものをやらせていただきまして、県民の皆様がどう感じておられるか、主観的な幸福の実感というものを把握してきているところであります。福岡県に生まれてよかった、生活してよかったと言っていただける方は、知事就任時以来上昇基調にございまして、ここ三年は連続して八割を超えるなど着実に成果が上がってきていると考えております。
一方で、御指摘のあった
都道府県幸福度ランキングでございます。この中では、福井県が第一位となっておりますけれども、この民間機関が幸福度を捉えるために、仕事、生活、教育といった特定の指標をもとに順位づけを行ったものでございます。本県は、仕事分野における事業所新設率、教育分野における学童保育設置率の指標が全国で上位となっております一方で、生活分野における持ち家比率、生活保護受給率といった指標が全国下位にあり、そうした指標が総合順位を引き下げているものと考えております。今後とも、こうした民間の調査内容も参考にしながら、私ども福岡県の強みとなっている部分をさらに伸ばしていくとともに、全国に比べて改善の必要な分野につきましては、それを改善すべく取り組みを進めていき、施策の充実強化、これに努めてまいります。
次に、
財政改革プランの計画期間についてお尋ねがございました。
財政改革プランは、将来に向けて持続可能で安定した
財政運営の実現、これを目指しまして、歳入歳出全般にわたる改革の方針と取り組みを定めるものでございます。プランの策定とその実施は、本県の行政改革に関する基本計画であります行政改革大綱において、重要な改革事項として位置づけられております。この大綱は、取り組みを継続することで成果を上げていくとともに、一方で経済社会の状況の変化のスピード、これも考慮いたしまして、五年間というものを計画期間といたしております。この大綱の計画期間が五年間の計画期間といたしております。そこで、プランの計画期間もこの大綱と合わせまして、平成二十九年度から三十三年度までの五年間としたものでございます。プランは五年間の計画といたしておりますけれども、目標達成に向けた年度ごとの見込み額を示しております。毎年度、当初予算とあわせましてプランの目標達成状況を公表させていただいておりまして、責任を持って改革に取り組んできたところであります。
なお、財政健全化に向けた計画は平成八年度(一九九六年度)以降数次にわたって策定をしてきておりますけれども、そのほとんどが五年間を計画期間としていることを申し添えさせていただきます。
次に、
財政改革の取り組みの総括でございます。社会経済情勢の変化に対応いたしまして、県民の皆様のニーズにかなった行政サービスを提供していくためには、自主財源の確保、県債残高の縮減などを通じた持続可能で安定した
財政運営が不可欠でございます。このため、地域経済の活性化と魅力ある雇用の創出などの施策に取り組むことによりまして税源の涵養を図るとともに、歳入歳出全般にわたる不断の
財政改革を進めていくという理念のもと、適切な
財政運営に努めてまいりました。私が知事に就任いたしました平成二十三年度から本年度まで、
財政改革プラン等に沿って人件費の抑制、事務事業の見直しなどの改革項目に取り組んでまいりまして、三千四百億円を超える累積効果を上げているところでございます。加えて、堅調な企業業績による法人二税、所得、雇用増によります個人県民税の増加などによりまして県税収入は二十七年度から三年連続で過去最高を記録しております。また、三基金残高は就任前の二十二年度最終予算時の三百六十八億円に対しまして、本年度末におきましてはプランの目標を超えます四百億円程度を見込んでおります。予期しない税収減、災害対応に必要な残高はしっかり確保させていただいております。通常債の残高でございますけれども、平成二十二年度最終予算時の二兆三千二百十億円に対しまして、本年度末では豪雨災害の復旧、復興対策などの特殊要因、これを除きますと、約一千億円減の二兆二千二百億円程度となる見込みでございます。さらに、実質公債費比率など財政の健全性を示す指標につきましても、法令で定められた健全性の基準を満たしておりまして、本県の財政状況は健全性を維持しているものと考えております。
政府要望の達成状況についてでございます。毎年二回、夏の概算要求と秋の予算編成時、この時期を捉えまして、県議会の皆様とともに、国に対して施策や制度、予算についての提言、要望を行っているところであります。私が知事に就任してからの八年間では、最重点が百五十項目、重点項目が八百四十一項目、合計九百九十一の項目の提言、要望を行ってまいりました。このうち、おおむねその七割が、何らかの形で予算の獲得、制度の実現に実を結んでおります。例えば、平成二十九年度豪雨災害につきましては、二十九年度及び三十年度で合計五百二十二億円の国の予算が本県に配分をされました。また、グリーンアジア国際戦略総合特区が指定されましたことによって、近々行われる分を含めまして二千五百億円を超える設備投資が新たに行われ、地域に約一千五百人を超える雇用が生まれたわけであります。要望事項が多岐にわたり、また関係省庁も多い中、私が知事に就任したときと比べまして、今最少の人数で対応することを心がけ、昨年秋の要望におきましては、各省庁の担当部局に個別に説明に参ります関係部の部長及び担当職員二名、これを含めまして、全体で二十数名が参加をし、その旅費は約百九十万円となってございます。今後とも、経費の節減に留意しながら、効果的、効率的な要望、提言活動を行ってまいります。
次に、宿泊税の福岡市との協議状況でございます。昨年十一月一日、私と高島市長とのトップ会談を行いまして、その結果、十一月二十一日から実務者協議が開始をされ、本年一月二十二日まで四回の協議を行ってまいりました。この協議の中で、福岡市は九州のゲートウエー機能の強化やMICEの充実など独自に取り組んでいる、また地方自治の原則では基礎自治体優先であり、二重課税は二重行政を招き、税の原則である簡素性に反するとともに事業者の負担となることから、二重課税は避けるべきであると、福岡市内においては県は課税すべきではないと、そういう意見を述べられています。これに対しまして県は、九州のゲートウエー機能を担う福岡空港等の整備、九州への誘客に取り組む九州観光推進機構への運営に多額の負担をしております。地方自治法の考え方におきましては、広域にわたる観光行政は県が取り組むべき行政課題であり、県は県全体の観光の底上げを図るための施策に取り組んでいく。二重課税そのものが二重行政を招くのではなくて、互いの施策が最大の効果を発揮するように互いに調整をすると、そういった意見を述べた上で、税額は原則二百円としますけれども、市が課税する場合には、納税者の負担を軽減するため、市内は百円とするという提案をいたしております。今の協議状況は、こうしたお互いの意見について、少しでも互いの理解が深まるよう、県、市それぞれ観光戦略や観光振興施策を具体的に説明し、協議を行っているところであります。宿泊税の問題につきましては、県、市ともに解決に向け継続して協議を行っていく考えでございまして、現在五回目の協議の日程調整を行っているところでございます。
産業廃棄物税における北九州市との調整についてお尋ねがございました。本県の
産業廃棄物税につきましては、
産業廃棄物の焼却施設または最終処分場への搬入に対して課税するものでございまして、北九州市の
環境未来税は、市内に所在する最終処分場での埋め立てに対して課税するものでございます。本県は、北九州市内の最終処分場への搬入について、私どもの
産業廃棄物税を課税免除いたしております。このことは、
環境未来税との重複による過重な負担を回避するための租税調整を行っているものでございます。宿泊税につきましては、税額を原則二百円と設定いたしまして、市町村が独自に宿泊税を導入する場合は、その市町村内は百円に減額するという制度を検討しているところであります。その内容は、市町村の課税自主権を尊重するとともに、県全体の観光の底上げを図る県の広域的な観光行政施策に要する財源を確保しながら、宿泊者に過重な負担とならないよう租税調整を図るものでございまして、新たな福岡方式として
産業廃棄物税の考え方にもつながるものと承知をしていたところであります。
それから、宿泊税の問題の解決でございますけれども、宿泊税の問題は、県民、市民、そしてホテル、旅館等の宿泊事業者の方々の懸念も大きなものがございます。また宿泊税の導入に当たりましては、事業者の方々の決済システムの変更などその準備に一定の期間を要するものであります。多数の外国人観光客の来訪が見込まれます来年のオリンピック・パラリンピック、これを念頭に宿泊税の施行時期というものを考えますと、できるだけ早い時期に宿泊税の制度を固めていく必要があると考えております。現在、先ほど申し上げました宿泊税における新たな福岡方式による制度案を福岡市に提示をし、鋭意実務者協議を進めているところでございますが、この問題の解決のためには、私と高島市長とのトップ会談が必要であると、このように考えております。その際には、十二月議会で御指摘をいただきましたとおり、柔軟性を持って協議に臨み、議会の皆様とも十分相談をしながら結論を出したいと、このように考えております。
次に、三年間の一定割合をゼロ%とする市町村納付金の
負担緩和措置を決定した背景でございます。国保制度改革が円滑に施行されるよう、国から被保険者の
負担緩和措置を講じることを要請されまして、負担緩和に充てる国費も拡充をされました。このため県におきましては、この緩和措置の内容について福岡県国保共同運営準備協議会を通じまして市町村との間で協議を進め、検討を重ねてまいりました。当時は、国保の被保険者の減少に伴い保険給付費が減少傾向にあるとともに、制度改革に伴って普通調整交付金や特別調整交付金など国費が拡充され、前期高齢者交付金についても、これまで増加傾向にありましたことから、歳入も十分確保できると見込んでおりました。国から示された計算方法や係数に基づいて行った平成三十年度の試算におきましても、被保険者一人当たりの納付金の試算値も制度改革前の水準を下回る状況となりました。これらを踏まえまして、福岡県国保共同運営準備協議会で協議をいたしましたところ、市町村からは、制度施行後三年程度は負担を抑えたいとの御意見があり、協議をいたしました結果、三年間一定割合をゼロ%とする負担緩和の方向で進めることになりました。加えて、有識者で構成をされております福岡県
国民健康保険運営協議会からも、制度施行三年間は納付金の算定に当たり一定割合をゼロ%とする答申がなされ、県として三年間一定割合ゼロ%を決定したものでございます。
次に、平成三十一年度の納付金の仮算定でございます。納付金算定に必要な国や各市町村からのデータが昨年の十一月十七日にそろいました。その仮算定の結果が二十五日に判明をいたしました。その内容は、歳入においてこれまで増加傾向にありました前期高齢者交付金が、今回の国からの提示では突然大幅に減少いたしておりまして、拡充された普通調整交付金も減額をされるなど想定外の状況となりました。このため直ちに国に対し抗議をするとともに、財政措置の要請を行いました。他の道県も同じように国に対し抗議や要請を行っていると承知をいたしております。一方で、市町村からは仮算定結果を早期に提供するよう要望がなされておりましたことから、十二月十七日に全市町村にこれを通知するとともに、二十一日の説明会において仮算定の結果を改めてお示しをし、県として国に対し抗議と要請を行っていること、さらにその要請を続けていく旨お伝えをするとともに、今後の対応について市町村と協議をしていきたい旨、説明をさせていただいたところでございます。
納付金を今回据え置いた背景でございます。市町村からは、仮算定結果に対しまして、この時期に一定割合を見直されると大変厳しい、納付金の増加を保険料に反映することは困難であり一般会計からの法定外繰り入れや基金の取り崩しをせざるを得ない。県による財政支援がお願いできないか、そういった多くの意見があったと、このように報告を受けております。そして十二月二十七日には、五十三の市町村長連名で平成三十一年度の激変緩和措置については一定割合をゼロ%に維持してほしいとの要望書が提出をされました。県といたしましては、これまでも国に対し、抗議、要請を行ってまいりましたが、改めて国に対し抗議を行い、財政措置について強く要請をしたところであります。その結果、国の普通調整交付金や負担緩和のための財源というものが増額をされまして、仮算定時の不足額を圧縮することができました。また、仮算定時に活用できないとされておりました県の繰入金や財政安定化基金についても、その活用ができるようになりました。以上を踏まえまして、大幅な歳入の変動への対応策を検討し、平成三十一年度につきましては一定割合をゼロ%とすることが可能となりましたところでありまして、その内容で市町村との間で合意に至ったところであります。
今般の国保問題についての私の思いでございますけれども、国からは、それまで想定できないような仮係数の提示を受けたため、大幅な歳入変動がありました。また、その算定結果については市町村に早期にお示しする必要があった、そういった状況とはいえ、市町村が困惑するような事態になりましたことについては重く受けとめております。今回の算定におきまして、国からの提示により想定を上回るような大幅な変動があったこと、これを踏まえますと、またこれを考えますと、二〇二〇年度の一定割合をゼロ%にすると現時点で申し上げるのは適切ではないと、このように考えております。また、一月七日に開かれました市町村担当課長会議におきまして、二〇二〇年については改めて協議を行うこととされたところであります。
次に、
マイナンバーカードの普及状況でございます。本県におけるカードの交付枚数は、平成三十年十二月末現在で約五十五万枚となってございます。人口に対する交付率は一〇・九%でございます。カードの普及が進んでいない要因といたしましては、現時点ではカードを活用したサービスが少なく、住民の皆さんがカードを持つメリットというものを感じておられないことが考えられます。国は来年度から新たに、自宅から介護認定の申請ができるサービスを開始するとともに、健康保険証としての利用やスマートフォンへの搭載など順次に拡大する予定でございます。市町村におきましても、自宅から保育所の利用申し込みや児童扶養手当の認定手続ができるサービス、またコンビニエンスストアでの住民票や所得証明等の交付などカードを活用した新たなサービスを開始する団体がふえてございまして、県といたしましては、こうした市町村の取り組みが進んでいきますよう、システムの共同運用や開発といった技術的な支援を行っているところであります。また、カードの利便性を実感していただくため、国における新聞、テレビを通じた広報、市町村における窓口や広報紙での周知とあわせまして、県におきましても運転免許試験場や警察署での免許返納者に対する周知に加えまして、新たに商業施設で子育て世代を対象に周知を行うなど住民ニーズやサービスの対象者に着目した取り組みを進めることといたしております。今後とも、国、県、市町村と連携をいたしまして、役割分担をしながら
マイナンバーカードの普及に取り組んでまいります。
次に、
マイナンバーを用いた
情報連携でございます。本県におきましては、生活保護や児童手当、障害者手帳、難病特定医療費など福祉や医療分野における三十一の手続につきまして
情報連携を行っております。平成二十九年十一月の運用開始から昨年の十二月末までの間に、約五万四千件についてオンラインによる情報照会を実施しております。今後は、高等学校就学支援金の給付や県営住宅の入居、自動車税の減免などの手続についても対象としています。これらによりまして、住民にとりまして、住民票や所得証明等の各種証明書を取得する必要がなくなりまして、手数料が不要となるなどその負担が軽減をされました。また、行政機関におきましては、国、県、市町村間で文書による照会事務というものが必要でなくなり、手続の効率化と迅速化が図られていると考えております。
マイナンバーに関する個人情報保護対策でございます。
マイナンバーを利用する行政機関における個人情報の適正な取り扱いを確保するため、国が設置をいたしました個人情報保護委員会におきまして、特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドラインというのが策定されております。本県におきましては、この国のガイドラインに従いまして、外部からの侵入による情報漏えいを防ぐため、
マイナンバーを取り扱うシステムにつきましては、他の情報システムと分離した専門のネットワークを整備いたしております。さらに、データの暗号化やUSBメモリーなどにより無断でデータを取り出せない仕組みの導入、システムの利用者を制限するためのパスワードとICカードの併用など、
マイナンバーを取り扱うシステム内の個人情報保護に万全の対策をとっているところであります。また、毎年、
マイナンバーを取り扱う職員に対しましても、個人情報の保管方法、盗難、漏えい防止対策、廃棄方法といった具体的な事務処理方法を徹底するための研修を実施しているところであります。
マイナンバーを取り扱う部署に対しましては、担当職員とその役割の明確化、取得から廃棄までの具体的な手順など事務処理体制や
マイナンバーの取り扱い方法について実地監査を行いまして、改善、指導を実施してきているところであります。今後も、こうしたハード、ソフト両面からの
セキュリティー対策を徹底いたしまして、個人情報の保護に万全を期してまいります。
次に、収入保険制度についてお尋ねがございました。県といたしましては、できるだけ多くの農家が、御自身の経営に合ったセーフティーネットに加入していただくことが重要であると考えております。今回国は、品目の枠にとらわれず、自然災害に加え価格の低下などによる経営全体の収入減少を補填する収入保険制度というものを新たに創設をいたしました。このため県におきましては、できるだけ多くの農家がそれぞれの御自身の経営に合ったこういった制度が選択できるよう、各制度の周知に努めてまいりました。具体的には、制度の実施主体であります農業共済組合と連携をいたしまして、制度加入の要件であります青色申告を促進するとともに、農協の生産部会や農家の集まりなどにおきまして二年間で約一千回、延べ二万七千人の方々に対し、各制度の詳細について周知を図ったところであります。こうした制度の周知を通じまして、関心を示された農家それぞれの御意向をもとに、農業共済組合が約四千経営体を戸別に訪問をさせていただきました。このうち約八百の経営体につきましては、農家の要望に応じ、収入保険に加入した場合の試算もお示ししたところであります。こうした取り組みによりまして、本県の加入者数は、昨年十二月末現在で六百四十一でありましたが、米、麦の共済や野菜価格安定制度など品目別に複数の制度を御利用いただいておりました複合経営農家や、これまで果樹共済を利用していただいておりました果樹農家などが加入をされているところであります。その一方で、制度の初年ということもございまして、制度には興味があるけれども、もう少し検討したい、そういった御意見で加入を見送られている農家もおられると、このように認識をいたしております。このため県といたしましては、引き続き農業共済組合と連携をいたしまして、それぞれの農家が御自身の経営に合った制度を選択していただけるよう、青色申告の促進やそれぞれの制度の周知を図ってまいります。また、今回加入を見送られた農家に対しましては、加入の判断に役立ちますよう、制度開始後の状況について丁寧に説明をしてまいりたい、このように考えております。
次に、中山間地域の農業振興でございます。本県におきましては、中山間地域の経営耕地面積や農家戸数は県全体の約三割を占めております。食料の安定供給に加え、国土の保全、水源の涵養といった多面的な機能の維持、発揮といった重要な役割を、この中山間地域、担っておられますことから、この地域の農業の振興を図っていくことは、地域はもとより我が福岡県の農業の発展に極めて重要であります。このため県におきましては、中山間地域において、その立地条件を生かしたお茶や果樹、シイタケなどの生産振興に取り組むとともに、国の中山間地域等直接支払制度を活用いたしまして、営農活動が継続できるよう支援をしてきているところであります。また、平成二十七年度から直売所を地域振興の拠点といたしまして、農業体験等を通じた都市住民との交流、地域の特産物を生かした加工品の開発などに関する取り組みについて県から支援をしておりまして、現在十五の直売所で取り組みが行われているところであります。今年度からは、農業者と企業等から成ります協働組織が荒廃農地を再生して行う農産物の生産や加工品の開発などの取り組みを支援しておりまして、現在三地域で活動が開始され、糸島市におきましては再生した農地へのアマナツの植えつけや収穫体験、アマナツを活用した加工品の開発が行われているところであります。また、高品質なシイタケを生産、販売するため、クヌギを原木用のほだ木、また菌床用のおが粉に分けて効率的に利用する取り組みや、ロゴマークを活用した販売の促進活動を支援しているところであります。さらに、中山間応援サポーター制度におきましては、これまで二千百三人の方に御登録をいただいておりまして、地域からの支援要請に応じて二百八十九名の方に農産物の収穫作業や災害復旧での農業ボランティア活動などに参画をしていただいているところであります。県におきましては、こうした取り組みを総合的に進めていき、中山間地域の主要な産業であります農業、その振興を図っていき、地域の発展に努めてまいります。
次に、九州北部豪雨災害からの農業復興についてお尋ねがございました。朝倉市の山間部の地域や東峰村につきましては、被災農地が広範囲に散在する一方で、朝倉市の赤谷川など九河川沿いの地域につきましては、原形を確認できないほどの甚大な被害が出ました。そうした、地域によって被害の状況が大きく異なっているところであります。県におきましては、こうした各地の被害の状況、実情、これを踏まえまして、被災農家の方々が将来への希望が持てるよう、収益性が高く、早期の収入確保につながっていく今後の営農の姿というものを示すことが重要であると考えております。
まず、朝倉市の山間部の地域におきましては、被災農家の多くが果樹の栽培を希望されておりますことから、農地の復旧にあわせて秋王やキウイフルーツなど収益性の高い作物への改植というものを支援してまいります。また、朝倉市の河川沿いの地域では通常の方法では農地の復旧が困難でありましたことから、市が区画整理型の復旧工事を行うことといたしております。この復旧状況を踏まえまして、キウイフルーツやあまおうなど収益性の高い園芸作物や自動草刈り機などの省力機械、また作業の効率化や早期の収穫につながる柿の新たな栽培の技術などを導入する複合経営園地というものを順次整備をしてまいります。さらに、東峰村におきましては、被災農家の多くが米の生産というものを希望されております。そのために棚田の景観に配慮した農地の復旧にあわせまして、米の生産再開というものを支援してまいります。また、早期の営農再開につながりますよう、朝倉市と東峰村に対して農業土木職員を派遣をし、その復旧工事の設計書作成などを行っているところでございまして、引き続きこの復旧工事がさらに進捗していくよう人的支援を行ってまいります。県といたしましては、市、村、JAと一体となりまして、これらの取り組みを進め地域の農業復興に取り組んでまいります。
豚コレラの防疫対策についてお尋ねがございました。豚コレラは、鳥インフルエンザや口蹄疫と同様に感染力の強い家畜伝染病でございます。そのために、発生予防、そして迅速、的確な初動防疫というのが重要な対策となります。昨年九月の岐阜県での発生を受けまして、本県におきましては、発生予防対策として全ての養豚農家に対し、農場の消毒、人、車両の立ち入り制限などを定めた飼養衛生管理基準、その遵守について指導するとともに、飼養している豚に異常がないことの確認を定期的に実施してまいりました。こうした中、今月の五日でございますけれども、愛知県の農場で感染の疑いのある豚が発生したという、その一報を受けまして、直ちに全ての養豚農家に異常がないことを確認をいたしました。また、翌六日には愛知県を含む五府県で発生をいたしました。その情報を受けまして、県内の養豚農家や福岡県畜産協会など関係団体に対しまして注意喚起の文書を発出をいたしました。さらに、翌七日には緊急に庁内の関係各課や養豚関係団体による対策会議というものを開催をいたしまして、農場の消毒などの防疫対策を再度徹底をさせていただいたところであります。
なお、全ての養豚農家に対し、異常がないかについて、その確認をずっと継続して実施してきておりますけれども、現在まで異常が報告をされておりません。そのことを申し添えさせていただきます。
また、迅速かつ的確な初動防疫体制につきましては、家畜の殺処分を迅速に行うため、福岡県獣医師会や福岡県バス協会など関係団体との防疫協定というものを締結をいたしております。さらに、畜産関係団体や市町村と連携して防疫演習というのも昨年十一月に実施をさせていただきました。今後とも、養豚農家に対し、異常がないことを確認し続けていきますとともに、家畜伝染病の発生の予防、そして迅速、的確な初動防疫に努めてまいります。
人と動物の共通感染症対策についてでございます。県におきましては、平成二十六年度から全国に先駆けまして、県獣医師会、県医師会とともに共通感染症対策協議会、これを設置をいたしまして、県民向けのシンポジウムの開催、動物の病原体保有状況調査、狂犬病の発生を想定した訓練など共通感染症対策に取り組んでまいりました。平成二十八年には日本獣医師会及び日本医師会の御尽力によりまして、我が北九州市でワンヘルスに関する国際会議が開催をされました。その中で、人の健康、動物の健康、環境の保全、それらは相互につながっており、関係する学術分野が連携してその課題解決に当たるべきというワンヘルスの理念を、認識する段階から実践する段階に進むと、これをうたった福岡宣言というものが採択をされました。これを踏まえまして、昨年の一月でございますけれども、共通感染症対策を含むワンヘルスに関する施策を進めるため、ワンヘルス推進庁内連絡会議というものを設置させていただきました。さらに、これまでの共通感染症対策協議会につきましては、新たに環境分野の専門家等を加えまして、ワンヘルス推進協議会に発展改組することといたしております。今月の三日にはワンヘルスの理念を実践段階に移していくため、台湾や韓国からの専門家も招聘をいたしまして、ワンヘルス連携シンポジウムというものを開催させていただきました。今後とも、ワンヘルスの理念について県民の皆様への周知を図るとともに、外部有識者の御意見も取り入れながら、ワンヘルスに対する対策というものを進めてまいります。
なお、残余につきましては
保健医療介護部長から答弁をさせていただきます。
5 ◯議長(井上 順吾君) 大森
保健医療介護部長。
*
保健医療介護部長答弁
6 ◯
保健医療介護部長(大森 徹君)登壇 納付金の仮算定結果の副知事への報告についてであります。十一月十三日に開催いたしました福岡県
国保共同運営会議の時点では、昨年度までの保険給付費や公費等の状況から、一定割合をゼロ%とすることが可能であると見込んでおりました。しかし、その後、仮算定を行ったところ、歳入においてこれまで増加傾向にあった前期高齢者交付金が、今回国からの提示では突然大幅に減少するなど想定以上の変動が生じる見込みとなったこと、また国の要請に基づき緩和措置を行ったにもかかわらず、このような状況になっていることに対し、国に抗議するとともに、追加の財政措置を早急に求めていくことについて報告いたしました。
7 ◯議長(井上 順吾君) 城戸教育長。
*教育長答弁
8 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 公立小学校における相撲場及び高鉄棒の設置状況についてでございます。昨年十一月に政令市を除く市町村教育委員会を対象に実施した調査によりますと、相撲場が設置されている小学校は、開校時百三十九校でございましたが、その後七十二校で撤去され、現在六十七校でございます。また高鉄棒は、開校時二百八十四校でございましたが、その後六十六校で撤去され、現在二百十八校でございます。
相撲場や高鉄棒が未設置の小学校における体力を高めるための取り組みについてでございます。相撲場や高鉄棒を撤去した主な理由は、いずれも老朽化や教育活動で使用しない、危険である等でございました。相撲場や高鉄棒を撤去したり、開校の当初から未設置の小学校では、相撲マットや砂場を使って相撲の動きを取り入れた活動を仕組むことで瞬発力や巧みに体を動かす能力を高めたり、低鉄棒を使って長く体を維持するわざを取り入れることで筋力やバランス感覚を高めたりするなど、今ある運動施設や設備を効果的に活用し、体力を高める取り組みを行っております。
福岡県運動部活動の在り方に関する指針の内容と今後の本県運動部活動のあり方についてでございます。今回の指針は、子供の健康、安全の確保、持続的な指導体制の確立及び教員の負担軽減の観点から、国のガイドライン及び本県の実情を踏まえ作成をいたしました。その主な内容として、休養日については、原則として土日の一日を含む週二日以上、活動時間については平日二時間、休日三時間程度とし、国のガイドラインと同様の基準といたしました。ただし、学校の実態に応じて弾力的に運用することができるようにしております。今後は、本指針を踏まえた運動部活動改革の取り組みを進めるとともに、地域の実情等に応じた新たな運動部活動の形態の構築について調査研究してまいります。
次に、体力向上に係るスポーツ環境の充実についてでございます。体力を高めるためには、単にトレーニング的な運動を行うのではなく、遊びの要素を取り入れた体力づくりを実践したり、部活動指導員を含め地域と連携した運動部活動の環境を整備したりすることで積極的かつ継続して運動に取り組む子供を育てることが重要であります。このような観点を重視して、今後、子供たちが体力を向上させ、生涯にわたる豊かなスポーツライフを実現できるようスポーツ環境の充実に努めてまいります。
9 ◯議長(井上 順吾君) 岳康宏君。
10 ◯十番(岳 康宏君)登壇 一点のみ再質問させていただきます。
知事の政治姿勢として冒頭まずお聞きしました、我が自由民主党が何ゆえに
小川知事を推薦しなかったのか。その最大の理由として挙げられたのが、知事が原発阻止、原発反対を党是とした
立憲民主党からの推薦を受け、かつその
立憲民主党の政策を今後の県政運営の基本的方針、指針とされたと聞いたことであります。この件につきましては、その後の一部報道によりますと、推薦を撤回され、政策協定も破棄された、またほかの推薦を受けた政党についても同様の措置をとられたと伝えられていますが、事実はどうなっているのか。また、もともと協定書なるものには、どのようなことが示されていたのか。さらに、
立憲民主党の政策綱領にはどのようなことが述べられていたのか。これらについて詳細に説明を求めるところであります。
11 ◯議長(井上 順吾君)
小川知事。
12 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
私は今回の選挙に当たりまして、広く県民の皆様の御支持を得て県民の皆様のために働かせていただこうということで、立候補を決意をさせていただきました。その際、前二回の選挙もそうでございましたけれども、多くの政党や団体、その御支持等が得られれば、それはありがたいことだということで、今までと同じように各政党や団体に支持、御支援のお願いをしてきたところであります。そういう中で、
立憲民主党もその一つに入っていたわけでございます。
そして今回、自民党の御推薦というのが受けられなかったわけでありますけれども、その間に
立憲民主党のほうにお願いをしていたことにつきまして政策協定を結び、そして推薦の内定が得られたわけでございます。しかしながら、冒頭申し上げました私の基本的な立場は、広く県民の皆様の御支持を得て仕事をさせていただくということにありますので、状況を見ていきますと、私のその基本的な考え方とは違うような方向での受け取られ方が一部にされておりました。そういうことから、改めて私は、広く県民の皆様の御支持、御支援によって仕事をさせていただきたいと、その原点に立ち返りまして、お願いをしておりました推薦の申し出、これを全て取り下げさせていただいたわけでございます。
立憲民主党につきましては、御相談をいたしまして、申請を取り下げをさせていただきました。当然、その中で、それを踏まえてやった政策協定書、これについてもないものとなったわけであります。当初からないということになったわけでございます。
ほかの政党につきましては、申請のお願いをしていた段階でございました。
立憲民主党については、内定を受けておりましたけれども、推薦書の交付をまだいただいてない、そういう状況であったということを申し添えさせていただきます。
立憲民主党との関係でございますけれども、この県議会の場でも、私、原子力発電についてのいろんな質疑がございましたが、その際明らかにした、それが私の立場でございまして、その立場はいささかも変わっておりません。そういう意味で、そういう私の立場を踏まえた形の政策協定というものになっておりましたので、署名をさせていただいたということでございますけれども、いずれにいたしましても、私自身の立場というのは、原発に対する立場、この議会で表明しているとおりでございます。変わっておりません。安全性確保というのを大前提にして、今のエネルギー需給の状況を踏まえていきますと、安全で安定して、また低廉なエネルギーの安定供給を図っていくためには、原発の依存度は今後下がっていくであろうけれども、今の間はしっかり向き合っていかなければならない、そういうエネルギー源だと考えておりまして、その考え方をもとに、協定書についても文言等を考えて署名をさせていただいたわけでございますが、いずれにしてもその協定書、それ自身、また申請をお願いしたその行為についても根っこから取り消させていただいたところでございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
13 ◯議長(井上 順吾君) 岳康宏君。
14 ◯十番(岳 康宏君)登壇 質問に答えていらっしゃらない部分をもう一度申し上げます。
もともと協定書なるものには、どのようなことが示されていたのか。さらに、
立憲民主党の政策綱領にはどのようなことが述べられていたのか。
先ほど申しましたように、原発阻止、原発反対など県政運営に大変大きな問題であります。破棄されたとはいえ、協定書にサインされたことについての心情をお聞きしたいと思います。
15 ◯議長(井上 順吾君)
小川知事。
16 ◯知事(小川 洋君)登壇
立憲民主党の綱領とか、そういう具体的な内容は正確に言わないといけないものですから、ここでちょっと今答えられませんけれども、脱原発というふうに言われているわけだと私は承知しておりますが、そういう考え方は基本にありながら、県政を運営していくという意味で、
立憲民主党の皆さんもお考えになっておられたと思います。
私自身は、先ほど申し上げましたように原発に対する考え方、姿勢というのはいささかも変わっていないわけでございまして、それを踏まえて、
立憲民主党との間で協定について話し合いをし、まとめたというふうに理解をしております。そういう意味では、私どもの、私の考え方というのが認められているというふうに認識をいたしておりますので、協定にサインをしたわけでございます。