そうした中、対策の一つとして、
外国人介護人材の活用が考えられます。
外国人介護人材を受け入れる制度としては、EPAに基づく
介護福祉士候補者の受け入れ、国内の
介護福祉士養成施設を卒業した
外国人留学生が、
介護福祉士の資格を取得した場合に認められる在留資格「介護」の付与、そして国内の介護施設、事業所での介護の
技能実習生の受け入れがあります。
そこで知事に伺います。まず、EPAに基づく
介護福祉士候補者について、県内の介護施設でこれまで何人受け入れたのか。
次に、県内の
介護福祉士養成施設で学ぶ
外国人留学生は現在何人いるのか、また、介護の
技能実習生について、県内の介護施設などで現在何人受け入れているのかお答えください。
あわせて、これらの
外国人介護人材の受け入れに関して、県としてはどのように取り組んでいるのかお答えください。
中でも、
外国人技能実習制度については、母国への技能移転が目的ではありますが、
介護人材不足に対応できる側面もあると思います。関東を中心に入国が始まっており、本県の介護施設においても徐々に受け入れが始まるのではないかと期待しています。介護の
技能実習生の受け入れに当たっては、
技能実習制度の中で、介護が初めての
対人サービスであることに鑑み、
介護固有要件の一つとして、
技能実習生に一定の日本語能力を課すことが定められています。現場では、
技能実習生に対する期待が高まっている一方で、
技能実習生に対する
日本語学習に時間がかかるのではないかといった声も聞きます。
そこで知事に伺います。介護の現場で
技能実習生を受け入れる場合、言葉の問題は大きな課題です。このような課題に対しては、何らかの支援が必要ではないかと思いますが、どのようにお考えかお聞かせください。
次に、
医療的ケア児者への支援強化について伺います。本県では、本年一月より
小児慢性特定疾病児童等レスパイト支援事業が開始され、在宅で療養中の子が、介護されている家族の休息等で一時的に在宅での療養が困難になった場合に、医療機関に一時入院できる体制が整備されたところであります。一方、
医療的ケア児者を対象とした日中一時支援や障がい
児通所支援、
短期入所等の事業所では、
医療的ケアができる環境整備が不十分なことや、
医療的ケア児者に対応できる看護師が少ないことなどから、重度の障がい児も含めての受け入れが極めて限定的な状況になっております。
そこで知事にお尋ねいたします。
医療的ケア児者に対する支援が徐々に進められてきているものの、
医療的ケア児者を受け入れる事業所等が広がらない原因をどのように分析しておられるのかお答えください。
また、
医療的ケア児者が在宅生活を継続していくためには、福祉や医療などの関係分野についての知識を有した
医療的ケア児等コーディネーターと呼ばれる調整役が必要であると考えます。しかし、八月に厚生労働省が行った調査では、配置している市町村は全国で約一割にとどまっていることがわかりました。本県でも養成のための研修は進められているようですが、実際にこうした
コーディネーターの所属先や報酬体系がはっきりせず、養成しても定着は見通せないのではないかと懸念しております。来年度、同省は予算の増額を要望しているとのことであります。
そこで、県における
医療的ケア児等コーディネーターの確保、人材育成に関する現状と実績をお尋ねします。
また、育成した
医療的ケア児等コーディネーターが、地域でしっかりと役割を果たしていくことが重要と考えますが、県としてどのように進めていくお考えかお答えください。
県内各自治体において、
医療的ケア児者支援に向けた取り組みが徐々に進められてはおりますが、課題の根底にあるのは、受け皿となる施設、事業所における
医療的ケアの経験を有する、特に子供のケアになれた看護師など、支援に携わる人材の不足が根底にあると考えます。
当事者の家族にその実態をお聞きいたしました。預けようと相談しても、症状が重度であることや、施設からの距離も遠く送迎が難しいこと、
看護師体制の不備などから
受け入れ施設が見つからない、結局制度の利用にはつながっていないとの声をよく聞きます。また、現在本県を初め各自治体で進められている
医療的ケア事業を見てみますと、その対象は、
小児慢性特定疾病児や重度の肢体不自由と重度の知的障がいをあわせ持つ
重症心身障がい児であることとなっています。つまり、たんの吸引、経管栄養などの
医療的ケアが必要であっても、病気ではなく、重度の障がいもない、いわゆる歩ける
医療ケア児は、原則対象ではありません。つまり、制度の枠組みに当てはまるのは一部の対象者にとどまっています。制度に線が引かれることにより、本当に
医療的ケアが必要で
レスパイトを求めている親御さん方が対象から外され、制度のすき間から抜け落ちている状況です。このような状況に置かれている親御さんがいらっしゃるということを認識した上で、必要な施策を検討すべきと指摘しておきます。
そこで知事にお尋ねいたします。
小児慢性特定疾病児童等レスパイト支援事業は、現行では、利用日数が一人の
児童当たり年間十四日までとなっています。これでは二泊三日の期間で利用すると、年間四回しか利用できません。
人工呼吸器を使用している
小児慢性疾病のお子さんの御家族の負担を考えますと、これでは足りないと考えます。利用日数をふやすべきと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。
本県では、ことし在宅の
医療的ケア児者の実態調査が行われました。県は、行政がつかめていない実態を把握して対応を考えたいとのことでした。実際に、制度のはざまでサービスを受けにくい、いわゆる歩ける
医療ケア児がどれくらいいるのかということも判明することと思います。
医ケア児者への調査結果を踏まえ、自宅で暮らしている当事者や家族の方々のニーズを今後の具体策に反映していただき、各自冶体が取り組んでいる事業の中から抽出される課題について、もっと耳を傾け、先ほど指摘しました人材の確保や制度の外に置かれた
医療的ケア児者の問題など、より積極的な支援の強化について、知事の御決意を伺います。
最後に、先日医療ケアが必要な子供を持つ親御さん方と意見交換の場を持ちました。そこで必死に訴えられた内容をもとに、学校における
医療的ケアの充実について教育長にお伺いいたします。県教委は、平成十九年度から
県立特別支援学校における
医療的ケアのための
看護師配置を始め、その後配置の拡大や
医療的ケアができる教員の研修、高度の
医療的ケアへの対応など、その拡充に努めてこられました。このような取り組みに対しては、
医療的ケアが必要な児童生徒への支援として一定の評価をするところであります。ただし、看護師が配置されている
特別支援学校においても、スクールバス内では
医療的ケアの対応ができませんし、修学旅行の全日程に看護師が同行することもできないため、今なお、子供に付き添わなければならない親御さんが少なくありません。研修を受けて
医療的ケアができる教員ができる行為は、さらに限定的だと伺っております。もちろん万が一の事故が起こらないよう、本人も家族も学校側も、安心して安全に預かる、預けられる
環境づくりを進めることはとても大切であります。
そこで教育長に伺います。このような
環境づくりについて、どのような認識と見解をお持ちか伺います。
県内では、ようやく
医療的ケアが必要な子供を預かるため、各自治体が保育園に看護師を配置する動きが始まりました。ただ、もちろん十分な数を受け入れられる体制ではありません。こうした子供は、歩ける元気な医ケア児が多く、皆学齢期を迎えます。中には、看護師が配置されていれば地域の通常学級で学べるにもかかわらず、配置されていないために、自宅から遠い
特別支援学校を選択せざるを得ない生徒が、これからふえていくと思います。子供たちは皆教育を受ける権利が保障されているはずです。子供の教育を受ける権利を奪ってはなりません。
特別支援学校だけではなく、地域の学校も含め幅広く
医療的ケアに対応していくために、スピード感ある
体制づくりが急務であると考えますが、
医療的ケアが必要な児童生徒に対して、今後どのような方針で支援を充実させていくのか、決意を含めお答えください。
次に、聴覚障がい児者への支援について伺います。
新生児聴覚検査により乳幼児期に難聴が発見されたその子は、健常者に近い幼児期を過ごすことができ、その後の学校や
社会人生活も人との
コミュニケーションが維持され、人生を孤立することなく生活できる、新生児にとって、また保護者にとっても重要な検査だと考えます。
そこで知事に伺います。国は、各自冶体に積極的な公費負担を求めていますが、残念ながら、本県で公費負担を行っているのは、六十の市町村のうち北九州市とうきは市のわずか二市だけであります。実施割合から換算すれば、わずかの三・三%、今年十月一日現在、九州各県の中でも、実施割合一〇〇%の長崎県、大分県、そして鹿児島県があるという中で、わずか一桁の実施割合の本県の現状を、知事はどうお考えでしょうか、御見解をお伺いいたします。
新生児が、その後の人生でかかわっていく数多くの人たち、そして社会との
コミュニケーションに必要な聴覚の検査を受けることは、人として生まれてきた新生児にとって当然の権利ではないでしょうか。二〇一六年度の
予算特別委員会において、私はこの
新生児聴覚検査の促進についてお尋ねした際に、県は、実施主体である市町村が検査の重要性を認識することが必要であることから、県医師会、
産婦人科医会、
耳鼻咽喉科医会の協力を得て研修会を実施し、市町村の理解の促進を図ったところと答弁されました。そして、本年二月、
新生児難聴の早期発見に向けた検討会議を発足されたと聞いております。同会議会長の中川教授は、どこの施設で生まれても、公的補助を受けられるような全県的な体制の構築を検討したいと述べられています。全ての新生児が検査を受けることができ、支援の必要な子供が早期に療育を受けられるよう、全県的な体制の構築をしていくべきと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。
次に、
人工内耳機器の助成について伺います。
新生児聴覚検査で異常が発見された場合、幼少期の早いうちに
人工内耳手術を受ける方もふえています。しかしながら、体外装置の耐用年数は五年と短く、高額な費用の負担になるため、買いかえをせずに、そのまま古い機器を長年使用されたり、人工内耳の装着自体をちゅうちょされ、諦めておられる方も相当いらっしゃるのではないかと思います。
そこで知事に質問いたします。
人工内耳装着者に対する給付、助成制度に関して、県内でも幾つかの自冶体が取り組みを始めておりますが、県内自治体の支援状況をどのように把握しておられるのかお答えください。
人工内耳体外装置の買いかえ助成制度は、
経済的負担の重さの面がある一方、子供の教育という視点からも重要であると考えます。
新生児聴覚検査で早期に発見され、早期治療を開始し、人工内耳を装用することで、健常者とほとんど変わらない教育を受けることが可能になるならば、学習支援、
社会参加促進の面においても大きな効果が期待できると考えます。
そこで知事にお尋ねします。九州では、長崎県で平成二十九年度から
人工内耳体外装置購入助成制度を実施しているとのことですが、本県は同様の助成制度をスタートさせるお考えはありませんか。もしくは、
日常生活用具給付事業に、県として
上乗せ補助の考えはありませんか、お答えください。
聴覚障がい児者に関する質問の最後に、仮称福岡県
手話言語条例の制定を求めます。この項については、二〇一三年十二月定例会で壹岐議員が質問に立ちました。聞こえる人は、声を出す、声を聞くという音声言語を使って
コミュニケーションをとります。聾者は、昔から手話、体の動き、表情、それらを目で見るという視覚言語を使って
コミュニケーションを行ってきました。しかし、法的には手話は言語として認められていなかったため、聾者は社会のいろんな場面で不利益をこうむり、差別され、排除されてきました。手話を、音声言語と同じように生活のあらゆる場面で使う、使ってもらえる社会に、手話や聾者に対して理解があり、聾者が安心して暮らせる社会となるよう、本県に県条例、仮称福岡県
手話言語条例の制定をすべきと考えますが、知事の答弁を求めます。
次に、中小企業、
小規模事業者の支援について伺います。私
たち公明党は、百万人訪問・調査運動を行いました。中小企業をテーマにしたアンケートの回答をもとに、以下二点質問します。
一点目、現行の支援制度の活用についてお尋ねします。中小企業、小規模の事業者が、支援策の情報入手から
補助金申請などを
ワンストップで行うことができるプラットホームの構築を進めるとともに、
商工会議所などの地域の支援機関の相談員が直接事業者のもとに足を運び、相談に応じる、
伴走型支援の強化に取り組むべきだと考えます。現状となお一層の強化を知事はいかにお考えかお答えください。
二点目、
中小小売業、
商店街活性化策についてお尋ねします。消費税の引き上げ前後、大規模なセール合戦が予想され、地域住民の身近な購買所であり、地域のにぎわいの創出を担う中小の小売店や商店へのしわ寄せが懸念されます。国においては、
キャッシュレス決済を対象にした
ポイント還元といった新たな手法による支援などを検討しているようです。具体的な制度設計では、国が必要な対策を講じるようですが、国内の
キャッシュレス支払い比率はおよそ二割と言われ、来年十月時点ではその恩恵を受けられる方は限定的であり、
消費喚起策としては不十分と言われています。
消費税引き上げに伴う需要の落ち込みを防ぐためには、前回の
消費税引き上げ後に全国的に実施され、一定の
消費喚起効果が得られた
プレミアムつき地域商品券の発行が有効だと考えますが、知事の見解をお聞かせください。
次に、農業問題について伺います。二〇一五年
農林業センサスを見てみますと、本県で日常的に農業に携わっている方、いわゆる
基幹的農業従事者数は約四万六千人であります。しかしながら、この数は五年前から約一〇%、十年前からは実に二五%も減少しております。また、六十五歳以上の占める割合は六割を超えており、今後このような状況がさらに進めば、本県の農業、農村は衰退の一途をたどっていくのではないかと大変心配しております。今回そういった視点で質問させていただきます。
農業、農村は、私たちが生きていく上で欠かせない食料を生産する場であります。しかしながら、その役割はそれだけにとどまらず、例えば、水田は雨水を一時的に貯留し、洪水を防ぎ、しみ込んだ水は地下水となります。また、美しい田園風景は、私たちの心も和ませてくれます。これは
多面的機能と呼ばれておりますが、これを維持してこられたのも、農家の皆さんが草刈りや水路の泥上げなどの管理を行い、農業を続けてこられたからにほかなりません。しかしながら、
農業従事者の減少や高齢化が進み、将来的に農地や水路の維持管理ができなくなるのではといった不安を抱える地域がふえてきたことから、国は地域住民など農家以外の参加も得て、農地などの維持管理を行う組織に対する支援を、平成十九年度から開始しました。現在で言う
多面的機能支払い制度であり、本県においても、各地で活動組織が立ち上げられ、取り組みが行われていると聞いております。しかしながら、活動から十数年が経過し、役員や構成員の高齢化が進む中、組織運営に不安を抱く組織もあると聞いており、大変心配しているところです。
そこでお尋ねします。県では、
多面的機能支払い制度による現地の取り組みを継続させるために、どのように支援していかれるのかお伺いします。
次に、
新規参入者についてお尋ねします。国会では、労働力不足を解消するため、
外国人労働者の受け入れを拡大する
入管難民法の改正案が審議されております。その審議の中で、将来的にどの
程度人手不足が発生するのか、その見込みが示されたようで、農業では五年後に全国で約十三万人もの労働力が不足するとのことです。
外国人労働力を活用し、不足する労働力の一部を補うことも検討すべきと思いますが、その地域で永続的に農業を営む担い手の確保、育成が重要であることは言うまでもありません。そのためには、農家子弟の就農を支援することは当然のことながら、農家子弟以外、いわゆる農家以外の方への働きかけや支援もしっかりとやっていくべきであると考えます。近年では、農業法人などに雇用され、その後独立し、農業を始める方もふえていると聞いております。私は、農家以外の方にもっと農業のことを知ってもらい、就農前後の支援をしっかり行っていけば、農家以外からの参入は今以上にふえるものと、日ごろから考えているところであります。
そこでお尋ねします。農家以外からの
新規参入者の確保、育成について、県はどのように取り組んでいるのかお伺いします。
次に、教職員の負担軽減の推進について伺います。昨年四月に文部科学省が発表した調査によりますと、二〇一六年度の公立小中学校の教員の勤務時間は、十年前と比較すると、週当たりで、さらに四時間から五時間増加しております。また、残業時間が月八十時間以上の過労死ラインに達する教員は、小学校で三四%、中学校では五八%となり、文部科学省は看過できない深刻な状況であると警鐘を鳴らしております。文部科学省は、その緩和対策として外部人材を積極的に活用し、教員支援にスクールサポートスタッフ、また長時間労働の一因とされる部活については部活動指導員の配置を行い、そしてまた中学校の生徒指導体制の強化のための教員の配置、学校総務、財務業務の軽減を目的とした共同学校事務体制の強化のための事務職員の増員など、教員が余裕を持ち子供と授業に向き合える
環境づくりを目指しております。この経費に関しては、来年度概算要求に盛り込まれています。
教育長は、この文部科学省の教員の過重勤務に対する緩和対策にどのように取り組まれるのか、御見解をお聞かせください。
文部科学省の調整室による資料によりますと、今年度の指導員等派遣事業におけるスクールサポートスタッフの配置人数を見ましても、本年九月時点で、全国の四十七の都道府県、指定都市で二千八百四十六人の配置が予定され、県内では指定都市である北九州市が四十人の配置予定人数があるだけで、本県としては配置人数はゼロとなっております。スクールサポートスタッフは、定時退校日の実施や学校閉庁日の設定など、教員の働き方改革を進める市町村教育委員会の取り組みを支援するために、非常に有効な事業であると思います。
教育長にお尋ねします。本県で、先ほど述べました緩和対策が実施されないのはなぜなんでしょうか。実施のための検討、調整などの予定の具体策があればお答えください。
また、教員の負担軽減を進めるためには、特に小学校において、より専門的な知識や技術による指導が求められる教科について専科制を推進していくことが、教員の授業準備に係る負担軽減とあわせて授業の質の向上にもつながることから、効果的な方策であると考えます。
そこで教育長にお尋ねします。小学校における専科制の実施状況と、今後の専科制の推進についてどのようにお考えかお聞きします。
教員の勤務時間の負担軽減の最大の目的は、教員が児童生徒と向き合える時間の確保にあると思います。教員の負担が増している現状では、いじめという深刻な事態に対して、細かい事案であっても、その対処に追われてしまい、いじめ防止法が定める重大事態の件数も、全国で二〇一六年度から七十八件もふえ、二〇一七年度は四百七十四件が発生しております。この深刻化に何としても歯どめをかけなければなりません。今まさに危機感を持って重大事態の対応策の一つとして、ぜひとも教員の負担軽減のための具体策の一つ一つがいかに重要なものであるかを認識して進めていくべきであります。
そこで教育長にお尋ねします。年々増大する生徒や保護者、教職員からの相談案件に対応していくためのスクールカウンセラーの本県の配置の基準、そして実態はどうなっているのでしょうか。また、教職員の働き方改革に対する具体的な施策として、スクールカウンセラー活用についてどのようにお考えかお伺いします。
次に、夜間中学の設置について伺います。戦後の混乱期の中で義務教育を修了できなかった人や、さまざまな理由から本国で義務教育を修了せずに日本で生活を始めることになった外国籍の人など、多様な背景を持った人たちが一生懸命学んでいます。最近では、形としては中学校を卒業していても、不登校などの理由で十分に通うことができなかった人たちの学び直しの場としての役割も期待されるようになったとあります。昨年十一月に公表された文部科学省の調査結果では、新設の準備や検討を進めている自治体は八十にもなり、各地で取り組みが前進しています。夜間中学のニーズに関して文部科学省は、義務教育未修了者が全国で約十二万八千人いるとされています。二〇一九年度概算要求でも、予算がさらに増額されております。公立の夜間中学は、一六年度現在、全国で三十一校が設置されています。そこで文科省は、全ての都道府県に少なくとも一つは夜間中学を設置することを目指すとの方針を掲げております。
そこで、以下四点について教育長に伺います。
一点目として、夜間中学での受け入れが想定される義務教育を修了しないまま学齢期を超過した義務教育未修了者を把握されてありますか。また、把握してあるのであれば、県全体でどれだけの方がおられるのでしょうか。
二点目として、不登校などで実質的に十分な教育を受けられないまま中学校を卒業し、学び直しを希望する人、外国籍の人など、これらの人に対する教育機会の確保についての認識についてお答えください。
三点目に、今までに福岡県で実施された文部科学省の委託事業において、夜間中学や自主夜間中学の現状及び課題など、研究の成果についてお答えください。
四点目に、文科省は、全ての都道府県に少なくとも一つは夜間中学を設置することを目指すとの方針を示していますが、学び直しの機会拡充となる夜間中学に関して、福岡県としてどのように対応していくのか、以上四点、教育長に伺います。
次に、運転免許センターへの医療職の配置について伺います。高齢者の逆走事故をどう防ぐかは、今の超高齢化社会の大きな課題であります。ドライバーが逆走する背景として、認知症、あるいはその疑いのあるケースが指摘されています。この具体的対応策として、運転免許証の更新時に、認知機能や運動機能の低下など運転に支障が出る症状を早期に発見しようと、運転免許センターに看護師等の医療スタッフを配置する自治体が出てきました。医療のプロの目で健康状態を判断し、場合により免許の返納を促すなど、高齢運転者の事故抑止に効果が期待されております。熊本県は、二〇一五年一月、県運転免許センターに看護師を配置しました。免許証更新に訪れた高齢者らの健康状態への目配りや相談業務を行います。看護師設置の本来の目的は、免許の返納者数をふやすことではありません。車を運転できることが誇りだが、身体的機能の衰えは認めたくないという高齢者が多く、医療スタッフとの相談が自身の健康状態を客観的に考えるきっかけになっているのであります。こうした取り組みは、ほかの県でも始まっています。鳥取県は昨年十二月、県内三カ所の免許センターに看護師を配置しました。相談のほか、認知症の簡易検査も行います。宮崎県もことし四月から県内三カ所の免許センターに看護師を計四人配置しました。国立長寿医療研究センターの長寿政策科学研究部長、荒井由美子氏は、更新手続に医療や介護の専門的な視点を加えることは非常に有意義な試みと話しておられます。
そこで警察本部長にお伺いいたします。運転に自信がなくなった方や、その家族からの自主返納に関する相談に対応するため、全国では三十一の都道府県で運転免許センターに医療スタッフが配置され、九州でも既に六県で導入されております。福岡県警でも配置を検討すべきと思いますが、本部長の御見解をお伺いいたします。
これで私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
3 ◯議長(井上 順吾君) 小川知事。
*知事答弁
4 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
県政の諸課題への取り組みでございます。これまで私は、県民幸福度日本一福岡県を目指して、県民生活の安定、安全、安心、その向上に全力で取り組んでまいりました。この七年間で各分野で着実な前進を見ているわけでございますけれども、御指摘のように、今後なお解決を図っていかなければならない課題もたくさんあるわけであります。
まず初めに、豪雨災害からの復旧、復興でございます。河川、道路などの公共土木施設や農地、農業施設の復旧工事を進めるとともに、被災した商工業者、農林水産業者の事業継続、再開に向けた支援、災害公営住宅の整備を行いまして、被災者の方々が一日も早くもとの生活にお戻りいただけるようスピードを上げて取り組んでいく必要がございます。先端成長産業につきましては、バイオテクノロジー、水素エネルギー、IoT、航空機、そういった将来の成長と大きな雇用が見込まれます産業分野におきまして、企業の製品開発や参入に向けた支援を進め、さらなる関連産業の集積、拠点化というものを目指しているところであります。少子化への対応でございますけれども、出会い、結婚応援、保育所整備や子育て応援宣言企業の登録によります子育て支援など、人それぞれのライフステージに合わせたきめ細かな施策を講じていくことが、これまで以上に求められております。また、七十歳現役社会づくりや障がいのある方々の自立の支援、男女共同参画の取り組みなど、これらについてより一層進めていき、誰もが活躍できる社会の実現を目指していかなければなりません。生涯にわたって元気に暮らしていくためには、健康寿命を延ばしていくことが重要であります。医療、介護の充実を図るとともに、県民お一人お一人が自分の健康について考え、その維持、増進に取り組んでいく県民運動というものを具体的かつ着実に進めていく必要があります。スポーツ立県福岡につきましては、御指摘がありましたように、ラクビーのワールドカップ、オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致に積極的に取り組んできて成果を上げているところでありますが、今後具体的なキャンプの実施と地域との交流を進めていくとともに、年齢、性別、障がいの有無にかかわらず誰もがスポーツを楽しむことができる環境の整備も図っていくことが求められております。引き続き、こうしたそれぞれの課題の解決に向け、全庁挙げて取り組んでいきたいと、このように考えております。
三期目について御質問がございました。知事就任以来、福岡県を東京、大阪、愛知に次ぐアジアを向いた大都市圏として発展をさせ、我が国の発展にその役割を果たしていきたいと考えまして、全力投球をしてまいりました。県民の皆様、そして県議会の皆様の御理解、御支援をいただきまして、その成果は着実に上がってきていると考えております。しかしながら一方で、御指摘がありましたように豪雨災害からの復旧、復興を初めといたしまして、引き続きスピード感を持って取り組んでいかなければならない課題も多くあります。三期目の対応でございますけれども、今申し上げましたような現状、そして県民、各界からお寄せいただいております声、これらを十分踏まえまして、できる限り早い時期に決めたいと、このように考えております。
次に、
高潮浸水想定の考え方についてお尋ねがございました。近年、洪水のほか内水、高潮により、想定をはるかに超える浸水被害が多発をしておりますことから、平成二十七年五月に水防法が改正をされました。この改正におきましては、都道府県知事が
高潮浸水想定区域を指定をいたしまして公表する制度が創設されたところであります。
高潮浸水想定区域の検討を行うに当たりまして、国が新たに示した指針によりますと、台風の規模は日本に接近した台風のうち最大の台風を基本とする、台風の経路と速度は各沿岸で潮位が最大となるように設定をする、基本となる潮位は
朔望平均満潮位に過去に生じた異常潮位の平均値を加える、河川の流量それから堤防の決壊も考慮する、そういった最悪の条件を設定することになっておりまして、県におきましては、これを踏まえて検討を行っております。
福岡県全体の
高潮浸水想定区域図の作成状況でございます。玄界灘沿岸は、ことしの三月、
高潮浸水想定区域図を全国に先駆けて公表させていただきました。残る豊前、豊後沿岸、有明海沿岸につきましても、昨年度から有識者で構成する検討会を立ち上げておりまして、現在作業を行っているところであります。
次に、高潮
ハザードマップ作成の進捗状況でございます。県では、ことし三月の
高潮浸水想定区域図の公表に先立ちまして、関係市町に対し説明会を行い、浸水想定の考え方、先進事例の紹介など
ハザードマップの作成支援を行いました。その結果、現在、玄界灘沿岸に関係する十五の市町のうち五つの市町において、今年度中の
ハザードマップ作成を目途に作業を進めております。残る市町につきましても、早期に
ハザードマップ作成に着手するよう、引き続き働きかけを行ってまいります。
次に、高潮から県民を守るためのソフト、ハード両面の対策でございます。ソフト面の対策は、関係市町において
ハザードマップを作成するまでの間、被災リスクに対する認識や防災意識の向上を図るため、県独自の自助行動のすすめというパンフレットを作成いたしまして、県のホームページへの掲載、県や市町村が実施する防災イベントでの活用などによりまして、県民の皆様への周知を図っております。ハード面の対策でございますが、災害履歴を踏まえ、緊急性の高い箇所から堤防のかさ上げを行っておりまして、本年十二月末までに整備率約八〇%となる見込みでございます。今後も県民の命を守るということを基本に、ハード、ソフト両面の対策一体となった高潮対策に取り組んでまいります。
次に、
外国人労働者の在留資格などの分布状況についてお尋ねがございました。福岡労働局が発表いたしました、昨年平成二十九年十月末現在の本県における外国人雇用の届け出状況、これによりますと、
外国人労働者数は三万九千四百二十八人でありまして、前年同期比七千八百八十七人、二五%の増加となっております。内訳を見ますと、在留資格別では、主なものといたしまして、留学生を初めとする資格外活動が一万八千四人で全体の四五・七%、技能実習が八千二百六十五人で二一%、日本人の配偶者などの身分に基づく在留資格が六千三百八十九人で一六・二%とそれぞれなっております。また、産業別では、主なものといたしまして、卸売業、小売業が七千四百六十五人で全体の一八・九%、製造業が七千三百三人で一八・五%、サービス業が六千三百七十九人で一六・二%と、それぞれなっております。国別に見ますと、主なものといたしまして、中国が一万一千二百九十九人で全体の二八・七%、ベトナムが一万八十四人で二五・六%、ネパールが六千五百九十一人で一六・七%とそれぞれなっております。
本県の特徴といたしましては、人数では全国八位でございます。また、在留資格別では、資格外活動として就労している留学生の割合が全国第一位となっております。また、在留資格別、産業別に見ますと、全国平均に比べ
技能実習生の割合が高いのが建設業や製造業であります。また、留学生の割合が高いのが卸売業、小売業となっているところであります。
次に、外国人受け入れに対する今後の対応でございます。県におきましては、年々増加をしております在住外国人の方に対し、公益財団法人福岡県国際交流センターにおける生活全般にわたる多言語での相談対応、医療機関と外国人との電話通訳サービスの提供、災害発生時の安全確保の情報を多言語で掲載した冊子の配布や国際交流センターとの協力によります福岡県災害時多言語支援センターの運営など、さまざまな生活上の支援を行っているところであります。現在、国におきましては、人材確保が困難な産業分野に技能を有する外国人材の受け入れを図るため、新たな在留資格を創設することとし、各省庁においてさまざまな対応策の検討が進められているところであります。県におきましては、こうした国の動きを踏まえまして、先月、知事部局、教育庁、警察本部によります部局横断的な連絡会議というものを設置をいたしております。この連絡会議におきまして、新たな在留資格制度の内容、各省庁との対応策に関する情報収集を行うとともに、新たな制度の対象として検討されております業界のヒアリングを行い、受け入れに当たっての課題等の把握を進めながら、新たな外国人材の円滑な受け入れに向けた今後の対応について検討を進めてまいります。
次に、
外国人介護人材の受け入れ状況でございますが、まず経済連携協定(EPA)に基づく
介護福祉士候補者につきましては、県内の介護施設で平成二十一年度から本年度までの間に八十三名を受け入れているところであります。次に、県内の
介護福祉士養成施設で資格取得を目指す
外国人留学生でございますが、年々増加をいたしておりまして、本年六月現在で六十七名でございます。介護の
技能実習生につきましては、まだ県内の介護施設等での受け入れというものがございません。これらの制度での受け入れに関しましては、県では、平成二十二年度から国の補助制度を活用いたしまして、EPAに基づく
介護福祉士候補者を受け入れた施設が、その候補者の
日本語学習や介護分野の専門的な知識習得などを支援をする費用、これについて県は助成をしているところであります。また、
介護福祉士を目指す学生に対する修学資金貸付制度につきましては、本年三月から貸し付けに必要な連帯保証人の要件を緩和するとともに、法人による連帯保証の手続を明確化し、
外国人留学生がこれを利用しやすいよう見直しを行ったところであります。
次に、介護の
技能実習生の言葉の問題でございます。国が全国の介護施設等を対象に実施をいたしました調査によりますと、
外国人介護人材を今後活用する上での課題といたしましては、利用者等との会話等における意思の疎通に支障がある、これが五八・九%と最も多いです。次いで、日本語文章力、読解力の不足等により介護記録の作成に支障がある、これが五四・一%となっているところであります。県が行いました調査におきましても、同様の調査結果が見られた、同様の傾向が見られております。このようなことから、県といたしましては、介護サービスの質を確保するとともに、利用者の不安を招かないようにするためにも、介護の
技能実習生の日本語能力の向上というのが重要であると、このように認識をいたしております。現在、国におきまして、介護の
技能実習生を受け入れた介護施設等が行う
日本語学習などの取り組みに対する支援策というものが検討されているところでございますので、県といたしましては、こうした国の動きを注視していきたいと考えております。
次に、
医療的ケア児者を受け入れる事業所等が広がらない原因でございます。
医療的ケア児者は、
人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養など
医療的ケアを日常的に必要とされます。このため、障がい福祉サービス事業所が
医療的ケア児者を受け入れるには、利用者お一人お一人に必要な
医療的ケアに対応できる看護師や介護職員などの人材が必要となります。このような人材の確保には、現在の看護職員加配に係る加算措置などでは報酬単価が低く経営が成り立たない、そういう声がありますことや、看護職員を確保することもそもそも難しい、そういった問題がございます。また、
医療的ケアに必要な機材の確保や受け入れに向けた職員研修などの事前準備が必要であること、医療事故発生のリスクを懸念し、施設側が受け入れに消極的になっていることなどが挙げられます。これらのことが受け入れる事業所等が広がらない原因ではないかと考えております。
医療的ケア児等の
コーディネーターでございます。本県におきましては、昨年度から
医療的ケア児を適切なサービスにつなぐ役割を期待されております
医療的ケア児等コーディネーターを養成するための研修を実施しております。これまでに百四十一名が修了いたしまして、県内の三十三市町の相談支援事業所に配置をされております。一方、研修修了者のいない市町村が二十七ございますため、県といたしましては、これらの市町村の相談支援事業所に養成研修受講というものを働きかけてまいります。また、養成した
コーディネーターが地域で十分その役割を果たしていただくために、
コーディネーターのもとで福祉、医療、介護、教育など関係機関が連携して適切な支援が行われるよう、県のほうから市町村に働きかけをしてまいります。
次に、
小児慢性特定疾病児童等の
レスパイト支援事業でございます。県におきましては、ことし一月末から北九州市、福岡市、久留米市と共同しまして、
人工呼吸器を使用している小児慢性特定疾病のお子さんたちを対象に、一時入院による
レスパイト支援に取り組んでいるところであります。その利用日数につきましては、これまで実施をされている他の県の利用状況等も踏まえまして、十四日間としたところであります。十月末までの九カ月の我々の実績を見ますと、二十三人が利用されまして、そのうち十四日間利用された方が五人、平均利用日数は約八日間となっているところであります。この事業は、ことし始めたばかりでございますので、今後の利用状況、御家族の御意向、医療機関における受け入れ可能な人数、日数等の状況を見ながら、現在の利用日数で受け入れに支障がないかなど、まずは実態を把握をさせていただいた上で、政令市等と意見交換を行ってまいります。
次に、
医療的ケア児者の調査結果を踏まえた、より積極的な支援の強化であります。県におきましては、今年度、
医療的ケア児者とその御家族の生活実態、医療、福祉サービスの利用状況、その利用における困り事や相談に関する状況、そして今後御希望されるサービスなどについて、その実態調査を行いました。県といたしましては、この調査で得られましたニーズや課題、これらをもとに、今後必要な施策について検討を進めてまいります。
次に、
新生児聴覚検査の公費負担についてでございます。国におきましては、検査の実施を促進するため、平成十九年度から市町村に対し地方交付税措置をしておりますけれども、公費負担を実施している市町村は県内で二市にとどまっているところであります。一方で、この新生児の九割を超えるお子さんたちが、この検査を受診されている、そういう状況でございます。県におきましては、保護者に対しまして検査の重要性を周知を図るなど、その受診を促していくとともに、市町村に対しましても公費負担を実施するよう働きかけてきたところであります。今後とも、それぞれにさらなる働きかけを続けてまいります。
次に、全県的な体制の構築でございます。県におきましては、聴覚障がいの早期発見、早期療育が重要でありますことから、
新生児聴覚検査の推進を図るため、医師会等の関係団体、有識者、行政で構成する検討会議を設置しております。この会議におきまして、未受診児対策、マニュアルの作成、公費負担の実施等について協議を行い、四ブロックごとに検査から療育までの体制の整備を図っているところであります。また、保護者向けリーフレットの作成など検査受診の推奨のための啓発にも努めているところであります。こうした取り組みによりまして、全ての新生児が検査を受けることができ、聴覚障がいの早期発見、早期療育が図っていけるよう、今後とも検査から療育までの体制の充実に努めてまいります。
次に、
人工内耳装着者に対する県内自治体の支援状況でございます。音を集め内耳に伝える体外機の買いかえ、電池交換等の維持管理費用についての助成制度、その現状でございますけれども、県から市町村に対し、国と県の補助を受けられる地域生活支援事業の活用を働きかけました結果、昨年度の三市から、今年度は十一市町に増加いたしております。そのうち、五年程度で更新が必要で価格も高い体外機に対する補助を行っておりますのが八市町でございまして、このほか八市町が助成制度の創設を検討しているという状況でございます。
次に、
人工内耳装着者に対する県の助成でございます。市町村の助成制度が広がり、人工内耳装着が促進されますことは、聴覚障がい児の発達段階に応じた療育効果の飛躍的な向上によりまして、将来にわたって自立して安定した生活を送ることにつながっていくものと考えております。このため、このような意義、効果というものを市町村に対し丁寧に御説明をし、地域生活支援事業による助成制度の創設というものを促してまいります。また、人工内耳の体外機などの更新費用への医療保険制度の適用、あるいは補装具への位置づけにつきまして、九州各県と一緒になりまして、国に対して今要望をしているところでございます。人工内耳は、補聴器による聴覚改善が難しい人が、その聞こえを取得するための有効な手段でございます。これにより、言語習得の機会が広がり、意思疎通の制限が解消されることになるわけであります。今後とも、聴覚障がいのある方の自立と社会参加が進むよう鋭意取り組んでまいります。
次に、
手話言語条例の制定でございます。手話は、聴覚障がいのある方にとりまして、情報の取得や他者との対話を円滑にするための重要な手段の一つでございまして、障害者の権利に関する条約及び障害者基本法において、手話が言語であることが明記されているところであります。また、福岡県障がいを理由とする差別の解消の推進に関する条例におきましても、手話が意思疎通のための手段の一つであることを明記した上で、県、市町村及び事業者は、障がいのある人にとって円滑な情報の取得及び利用、意思表示並びに
コミュニケーションに資するための支援を、あらかじめ講ずるよう努めることといたしております。
手話や聴覚障がいのある人に対する県民の理解が促進をされ、聴覚障がいのある人が安心して暮らせる社会となっていくためには、
コミュニケーション手段としての手話を広く定着させていくことが必要であると考えます。このため、福岡県手話の会連合会との協力による手話通訳者の養成、日常会話程度の手話技術の習得を目的に、市町村が実施をしております手話奉仕員養成研修への助成、県職員の手話奉仕員としての養成などを行っておりまして、これらを通じて手話ができる人材というのをふやしてまいりました。また、聴覚障がいのある人が行政や医療機関の窓口に行く場合や、聴覚障がいのある人が参加する会議や大会への手話通訳の派遣によりまして、手話の普及、定着にも努めております。まずは、このような取り組みを着実に実施をいたしまして、手話の普及というものを図っていきたいと、このように考えております。
次に、中小企業、
小規模事業者の現行支援制度の活用でございます。県におきましては、平成二十七年四月に、県内四地域に設立をいたしました地域中小企業支援協議会、ここにおきまして、管内の市町村、
商工会議所、商工会、金融機関などが連携をいたしまして、中小企業、
小規模事業者からのさまざまな相談に対応するとともに、補助制度についての情報提供や申請の支援など総合的な支援に取り組んでいるところであります。その協議会におきましては、
商工会議所、商工会の経営指導員が伴走型の支援によりまして把握した支援ニーズ等をもとに、構成機関が緊密に連携をいたしまして、個々の中小企業、
小規模事業者の発展段階や事業環境に応じたきめ細かな支援を行っているところであります。今後とも、中小企業、
小規模事業者が成長、発展していくよう、しっかり取り組んでまいります。
次に、
プレミアムつき地域商品券の発行支援でございます。来年十月からの消費税率の引き上げによりまして、駆け込み需要による反動減、消費者の買い控えが懸念をされるため、その影響を最小限にとどめることが重要であります。地域商品券は、必ずその地域で使われますことから、地域の消費を喚起し、地域経済に直接の効果をもたらすものであると、このように考えております。来年度の消費税率の引き上げに対して、国では現在、低所得者、子育て世帯向け
プレミアムつき地域商品券や、
中小小売業に対する消費者への
ポイント還元支援などについて検討が進められております。このような国の検討状況等を注視しつつ、市町村や発行団体の声を聞きながら検討を進めてまいります。
次に、
多面的機能支払い制度の取り組み継続についてでございます。県におきましては、この制度を活用して、農業、農村の持つ多面的な機能の維持と発揮を図るため、地域の皆さんが共同で行われます農地や農業用水路等の保全管理を推進してきたところであります。その結果、平成二十九年度、昨年度の取り組みは、五年前に比べて二百七十一組織、約六千二百ヘクタールの増加となる九百七十二組織、約三万九千ヘクタールとなっているところであります。一方、現地におきましては、活動組織の構成員の高齢化に伴い、活動継続を取りやめた組織もございまして、事務処理や組織運営に対する負担が重いといった課題も生じております。このため国におきましては、事務処理の簡素化を行ってきておりまして、県におきましては、この国の簡素化を反映した書類作成マニュアルを作成をいたしまして、毎年度県内三カ所でその研修会を実施してきているところであります。加えて、昨年度から組織運営の効率化を図るため、市町村と連携をいたしまして、活動の継続が困難であるとの声が上がっている地域を対象に、事務処理能力や組織運営能力のある土地改良区をその主体とした広域化というものを進めているところであります。その結果、今年度は広川町におきまして、町内全五組織が一組織に合併をし、活動が開始されたところであります。今後とも、こうした取り組みを通じまして、多面的な機能支払い制度による活動が継続していけるよう支援をしてまいります。
次に、農家以外からの
新規参入者の確保、育成でございます。昨年度は、雇用就業を含めた新規就業者三百八十人のうち、非農家からが約六割を占めております。農業の担い手の減少が見込まれております中、この非農家からの
新規参入者の確保、育成というのは、ますます重要であります。このため県におきましては、農業に関心のある県内外の人を対象に、就業セミナーや相談会を開催をいたしまして、具体的な支援策についての情報を提供してきております。就農に際しましては、営農から生活関連まで一体的に受け付ける市町村の相談窓口の設置でありますとか、国の交付金制度を活用して、就農前後の所得の確保を支援しております。就農後も、普及指導センターにおきまして土づくりや農業簿記などの基礎を学ぶ営農講座を実施をいたしまして、技術面、経営面から指導を行ってきております。さらに、昨年度からは、日々の相談相手となります就農里親、これが栽培技術をマンツーマンで教える取り組みを行うとともに、就農五年から十年までの方を対象に農業経営確立塾、これを開講し、農業経営を体系的に学んでいただく機会、それも提供しているところであります。今年度から新たに、経営を譲りたい農家が持っておられる資産、販路、技術、これらを新規就農者に円滑に継承するため、両者のマッチング等を支援をしているところであります。県といたしましては、こうした取り組みを通じまして、農業への
新規参入者の確保、育成を推進してまいります。
5 ◯議長(井上 順吾君) 城戸教育長。
*教育長答弁
6 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇
特別支援学校に児童生徒を安心、安全に預けられる
環境づくりについてでございます。県教育委員会では、
特別支援学校において、
医療的ケアが必要な児童生徒が安全に教育を受けられるよう、保護者や専門家の意見に基づいて、看護職員や研修を修了した教員による
医療的ケアを実施しております。今後とも、保護者の負担軽減に配慮しながら、障がいのある児童生徒一人一人が、その能力及び特性に応じた十分な教育が受けられるよう安全、安心な教育環境の整備に努めてまいります。
医療的ケアが必要な児童生徒に対する支援の充実についてでございます。県教育委員会といたしましては、市町村に対しまして、看護職員の配置について補助対象経費の三分の一以内を国が補助し、あわせて地方交付税措置がなされる制度の活用を働きかけるとともに、必要な指導、助言を行い、小中学校において
医療的ケアが適切に実施されるよう
体制づくりを支援してまいります。また、
県立特別支援学校においても、引き続き保護者や看護職員、関係医療機関との連携に基づく
医療的ケア体制の充実に努めてまいります。
国における教員の過重勤務に対する緩和対策についてでございます。来年度の文部科学省の概算要求では、小学校英語専科指導の充実を図るための教員定数の改善や、スクールカウンセラー、部活動指導員等の外部人材の配置拡充など、新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革実現のための予算が盛り込まれております。これらの諸施策は、学校の指導運営体制の強化、充実を図り、かつ教員の負担軽減と学校教育の質的向上につながるものであり、可能なものから着実に取り組んでまいる考えでございます。
スクールサポートスタッフ配置による緩和対策の実施についてでございます。国においては、これまで教員が担ってきた業務を整理し、役割分担の見直しや業務量の削減を進める方針が示されております。本県としても、まずは、現在教員が行っている業務について、専門性を有する外部人材の活用や、保護者、地域等との連携強化を十分に行うことが重要であると考えております。例えば、県では、ことし県PTA連合会と教員の負担軽減方策について協議を行い、県PTA連合会として、福岡県教職員の働き方改革サポート宣言を表明していただき、保護者から学校、教員に対する支援についての検討が進みつつあります。現在、学校現場の教員が抱える負担感は非常に大きく、学校、家庭、地域、行政で取り組むべき重要な課題でございます。今後、他の都道府県等でのスクールサポートスタッフの導入の成果や各市町村の状況を十分に踏まえまして、外部専門家の活用充実も含め、県として教員の負担軽減を一層進めてまいります。
小学校における専科制の実施状況と今後の推進についてでございます。現在本県では、各小学校の判断により、担任外教員を活用した専科制が、主に高学年の算数、理科、音楽、家庭科、外国語等の教科でなされております。平成二十九年度においては六三%の小学校で実施されており、三年前の平成二十六年度と比べて四ポイント増加しております。このような専科制を講じることは、児童の学習への理解や関心、意欲の向上を図るとともに、教材研究に要する時間の効率化による教員の負担軽減につながる有効な方策と考えます。今後、県教育委員会といたしまして、学級担任同士が得意とする教科を相互に交換し合って指導を入れかわる、いわゆる交換授業の取り組みとあわせまして、効果的な指導体制の工夫について啓発を図り、より一層教育活動の充実に努めてまいります。
スクールカウンセラーの本県の配置基準等についてでございます。本県では、全中学校区にスクールカウンセラーを配置するとともに、前年度の相談件数等をもとに重点的な配置を工夫するなど、できる限り市町村の意向を尊重しながら効果的な活用に努めております。加えまして、各教育事務所六カ所に、スクールカウンセラースーパーバイザーを配置し、不慮の事故や災害時等の対応、学校配置のカウンセラーへの指導、助言を行うなど、各教育事務所管内の相談事業の充実を図っております。現代の子供の抱える心の問題は複雑化し、多岐にわたる中、教職員はきめ細かで丁寧な対応が求められ、負担も増加しております。スクールカウンセラーの支援は、子供の抱える心の問題を改善、解決へ適切に導くとともに、教職員の負担軽減にもつながることから、県としても今後一層、スクールカウンセラーの効果的な活用を図ってまいります。
義務教育未修了者の把握についてでございます。平成二十二年国勢調査では、在学したことがない者、または小学校を中途退学した者が未就学者として把握されており、本県の人数は六千五百四十三人であります。
教育機会の確保に対する認識についてでございます。義務教育を受ける機会は、さまざまな事情により十分な教育を受けられないまま学齢期を経過した方々など、全ての者に確保されるべきであると考えております。
夜間中学の現状及び課題等についてでございます。他県の夜間中学等を訪問し、その実態を調査したところ、中学校卒業資格の取得を重視する学校教育タイプと、夜間に学びの機会と場所を提供することを重視する生涯学習タイプの二種類が見られましたが、夜間中学の在籍者は、年齢や国籍、学力や日本語等の能力もさまざまであり、実態に応じた指導等の工夫がなされておりました。このように、先行する他県の夜間中学においても在籍する生徒の実態はさまざまでありますので、今後、市町村において学習ニーズや入学対象とすべき者等の正確な把握を踏まえました設置の必要性、教育課程の編成、教職員の配置等の検討が課題であると考えております。
夜間中学に関する本県としての対応についてでございます。本年七月に、文部科学省の夜間中学の設置・充実に向けての手引が改訂され、効果的なニーズの把握の方法、設置する際の不登校生徒の受け入れ時の留意点等について示されたところであります。夜間中学は、義務教育を受けられないまま学齢期を超えた者の教育機会を確保する重要な役割を持っておりまして、今後、県としてはこの手引を活用し、夜間中学の設置を検討する市町村教育委員会と密に連携し、ニーズの把握方法や設置運営上の工夫等について助言してまいります。
7 ◯議長(井上 順吾君) 高木警察本部長。
*警察本部長答弁
8 ◯警察本部長(高木 勇人君)登壇 運転免許試験場等への医療系専門職員の配置についてお答えをいたします。交通事故が減少傾向で推移する中、全事故に占める高齢運転者による事故の割合は増加しており、高齢運転者による事故防止が重要な課題であるものと認識をしております。県警察におきましては、運転に自信のなくなった方やその家族からの相談については、最寄りの警察署、運転免許試験場及び警察本部で受け付けておりますが、その際、さらに医学的なアドバイスが必要な場合には、県が指定する認知症医療の専門機関である十七カ所の病院と連携して対応しているところであります。しかしながら、高齢化の進展に伴い、今後高齢運転者にかかわる相談の増加や相談内容の複雑化がさらに進み、医療関係の専門知識に基づく対応の必要性も高まることが予想されることから、御指摘の医療系専門職員の運転免許試験場等への配置についても検討してまいりたいと考えております。
9 ◯議長(井上 順吾君) 田中正勝君。
10 ◯七十一番(田中 正勝君)登壇 小川知事、そして城戸教育長、そして警察本部長から御答弁をいただきました。指摘と要望をさせていただきます。