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平成30年12月定例会(第8日) 本文
平成30年12月定例会(第8日) 名簿

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  1. 福岡県議会 2018-12-08
    平成30年12月定例会(第8日) 本文


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(井上 順吾君) ただいまから本日の会議を開きます。  日程に従い代表質問を行います。順次発言を許可いたします。田中正勝君。(拍手) *田中(正)議員質問 2 ◯七十一番(田中 正勝君)登壇 皆さん、おはようございます。公明党の田中正勝でございます。  平成七年の四月の統一地方選挙県議会議員に当選させていただき、二十四年の議員生活最後の代表質問の場を与えていただいた公明党県議団の森下団長を初め同僚議員、そして多くの議員の皆様方に感謝を申し上げながら、早速通告に従いまして、公明党の代表質問を行います。  初めに、知事の政治姿勢について伺います。知事の二期目の任期も余すところ四カ月となり、成熟、そして総仕上げを迎えています。喫緊の課題は、平成二十九年、そして平成三十年の七月の豪雨災害からの復旧、復興をなし遂げることです。また、本県の景気は、全国的に見ても好調が続き、有効求人倍率も高い水準で維持しています。今こそ新たな成長産業を育成、発展させ、次の時代の経済発展を確かなものにしていく必要があります。そして、待機児童の解消を初めとする少子化対策、障がい者や高齢者のさらなる活躍、そして県民の健康づくりといった課題にもしっかりと取り組んでいく必要があります。来年はラグビーワールドカップ、再来年は東京オリンピック・パラリンピックも開催されます。スポーツの力で地域を活性化していく好機を迎え、スポーツ立県福岡の取り組みを一層進めることも重要です。  このように、本県にはまだまだ多くの課題が山積しています。この課題にどう立ち向かって解決されようとしているのか、それぞれの政策に対して、二期目の総仕上げとしての知事の所見をお聞かせください。  この項の最後に、知事の任期も残り四カ月となり、県民の声もいろいろと聞こえてきます。そうした中、ここ数日間、知事の三選に対する新聞報道がなされていますが、知事の率直なる見解をお聞かせください。  次に、防災対策について伺います。平成二十三年三月十一日に起きた東日本大震災を教訓に、公明党福岡県議団は、想定外は許されないとの思いから、今後の防災対策について知事をただしてまいりました。特に、福岡県の津波、高潮の状況について調査し、平成二十三年の決算特別委員会では高橋雅成議員が、平成二十七年、二十八年の特別委員会、一般質問では新開昌彦議員が質問に立ちました。国が防災対策の基準に据えているのは、数年間の満潮位の平均値、朔望平均満潮位を使っています。福岡県もこの値を使って防災計画をつくっています。東北もそうでした。しかし、その想定をはるかに超える事態が起きてしまったのであります。  私たちの主張は二点です。朔望平均満潮位は平均値ですので、最高満潮位よりも低いのは当然で、防災対策に想定を低いほうに定めているのはおかしいのではないか。この際、防災の基準を最高満潮位に据え直すべきではないか。  二点目に、潮汐をはかる検潮所が余りにも少ないために、朔望平均満潮位の精度にも問題があるという指摘をしました。昨今では、想定を超える大雨、高潮による災害が続いています。今年は台風二十一号が招いた高潮で、関西空港が機能停止をしたことは記憶に新しい。京都大学のチームが、百四十年に一度の災害と解析しましたが、このまま温暖化が進めば、四十年に一度の可能性を示唆したことは、私たちは肝に銘じなければならないと思います。  県は、ことしの三月三十日、新たな高潮浸水想定区域図を公表しました。国は、平成二十七年七月に高潮浸水想定区域図作成の手引を作成し、基準の潮位は朔望平均満潮位とするものの、過去に当該海岸で異常潮位が生じた場合は、その値の最大偏差の平均を朔望平均満潮位に加えることとすると解説しています。三月に公表した高潮浸水想定の場所は玄界灘沿岸であり、福岡市内の被害が大きく、朔望平均満潮位をはるかに超える想定が示され、県庁も一・五メートル、福岡市役所は三・三メートル浸水するとしています。  知事に伺います。まず、高潮浸水想定の考え方をお示しください。  次に、福岡県全体の浸水想定の進捗状況をお示しください。  次に、高潮浸水想定の先には、市町村が作成するハザードマップの作成が必要になっていますが、その進捗についてお示しください。  最後に、知事は県民の命を守るためにソフト面、ハード面、どのような対策を講ずるのか、決意をお聞かせください。  次に、外国人材の就労拡大と介護人材の不足について伺います。私どもが、日々いろいろな企業や事業所を訪問しますと、必ず雇用人材の確保で苦慮されているところが多くあることを肌身で感じます。近年、中小零細企業では、人材不足による倒産も少なからず実際に起こっているようです。先日訪問しました車両の販売と整備を行っている事業所では、経営者の方から、国会での外国人労働者の受け入れについての審議が進んでいることから、純粋にうれしい、もちろん法律の整備はあるだろうが、現場の人材不足は現実の大きな直面している問題で、雇用の選択肢が広がることはありがたいとの切実な御意見を伺いました。  そこで、初めに、本県の現在の外国人労働者について、在留資格、人数、産業、出身国による分布の状況、本県の特徴を伺います。  基本的には、国として政策が当然進んでいくと思われますので、本県内に在住する外国人材は大きく増加していくと見込まれます。このため、地方での受け入れ環境の整備が必要であり、外国人材の生活、教育、就労といった身近な問題に対するワンストップでの相談支援体制の充実など、さまざまな対応が必要になると考えます。国の政策を受けて、県としては今後の対応について何か考えがおありなのか伺います。  人材不足で大変に苦慮している職種に介護業があります。関係する介護事業者の多くからは、やはり深刻な介護人材の不足の御意見をたくさん伺います。団塊の世代の方々全てが後期高齢者となる二〇二五年には、現在よりも当然介護需要が高まることになると思われますが、国の推計では、全国で約三十四万人の介護人材の不足が見込まれており、本県でも約一万人不足する見通しと言われております。現場では、求人募集を積極的に行っているようですが、一年以上も応募がなかったり、たまにあったとしても数カ月でやめてしまったりという状況が多いと聞き及んでおります。また、県内の介護の専門学校では、定員割れどころか五〇%を切った状態で経営されているところもあるようで、若年世代を中心に介護職希望離れが顕著に見られます。
     そうした中、対策の一つとして、外国人介護人材の活用が考えられます。外国人介護人材を受け入れる制度としては、EPAに基づく介護福祉士候補者の受け入れ、国内の介護福祉士養成施設を卒業した外国人留学生が、介護福祉士の資格を取得した場合に認められる在留資格「介護」の付与、そして国内の介護施設、事業所での介護の技能実習生の受け入れがあります。  そこで知事に伺います。まず、EPAに基づく介護福祉士候補者について、県内の介護施設でこれまで何人受け入れたのか。  次に、県内の介護福祉士養成施設で学ぶ外国人留学生は現在何人いるのか、また、介護の技能実習生について、県内の介護施設などで現在何人受け入れているのかお答えください。  あわせて、これらの外国人介護人材の受け入れに関して、県としてはどのように取り組んでいるのかお答えください。  中でも、外国人技能実習制度については、母国への技能移転が目的ではありますが、介護人材不足に対応できる側面もあると思います。関東を中心に入国が始まっており、本県の介護施設においても徐々に受け入れが始まるのではないかと期待しています。介護の技能実習生の受け入れに当たっては、技能実習制度の中で、介護が初めての対人サービスであることに鑑み、介護固有要件の一つとして、技能実習生に一定の日本語能力を課すことが定められています。現場では、技能実習生に対する期待が高まっている一方で、技能実習生に対する日本語学習に時間がかかるのではないかといった声も聞きます。  そこで知事に伺います。介護の現場で技能実習生を受け入れる場合、言葉の問題は大きな課題です。このような課題に対しては、何らかの支援が必要ではないかと思いますが、どのようにお考えかお聞かせください。  次に、医療的ケア児者への支援強化について伺います。本県では、本年一月より小児慢性特定疾病児童等レスパイト支援事業が開始され、在宅で療養中の子が、介護されている家族の休息等で一時的に在宅での療養が困難になった場合に、医療機関に一時入院できる体制が整備されたところであります。一方、医療的ケア児者を対象とした日中一時支援や障がい児通所支援短期入所等の事業所では、医療的ケアができる環境整備が不十分なことや、医療的ケア児者に対応できる看護師が少ないことなどから、重度の障がい児も含めての受け入れが極めて限定的な状況になっております。  そこで知事にお尋ねいたします。医療的ケア児者に対する支援が徐々に進められてきているものの、医療的ケア児者を受け入れる事業所等が広がらない原因をどのように分析しておられるのかお答えください。  また、医療的ケア児者が在宅生活を継続していくためには、福祉や医療などの関係分野についての知識を有した医療的ケア児等コーディネーターと呼ばれる調整役が必要であると考えます。しかし、八月に厚生労働省が行った調査では、配置している市町村は全国で約一割にとどまっていることがわかりました。本県でも養成のための研修は進められているようですが、実際にこうしたコーディネーターの所属先や報酬体系がはっきりせず、養成しても定着は見通せないのではないかと懸念しております。来年度、同省は予算の増額を要望しているとのことであります。  そこで、県における医療的ケア児等コーディネーターの確保、人材育成に関する現状と実績をお尋ねします。  また、育成した医療的ケア児等コーディネーターが、地域でしっかりと役割を果たしていくことが重要と考えますが、県としてどのように進めていくお考えかお答えください。  県内各自治体において、医療的ケア児者支援に向けた取り組みが徐々に進められてはおりますが、課題の根底にあるのは、受け皿となる施設、事業所における医療的ケアの経験を有する、特に子供のケアになれた看護師など、支援に携わる人材の不足が根底にあると考えます。  当事者の家族にその実態をお聞きいたしました。預けようと相談しても、症状が重度であることや、施設からの距離も遠く送迎が難しいこと、看護師体制の不備などから受け入れ施設が見つからない、結局制度の利用にはつながっていないとの声をよく聞きます。また、現在本県を初め各自治体で進められている医療的ケア事業を見てみますと、その対象は、小児慢性特定疾病児や重度の肢体不自由と重度の知的障がいをあわせ持つ重症心身障がい児であることとなっています。つまり、たんの吸引、経管栄養などの医療的ケアが必要であっても、病気ではなく、重度の障がいもない、いわゆる歩ける医療ケア児は、原則対象ではありません。つまり、制度の枠組みに当てはまるのは一部の対象者にとどまっています。制度に線が引かれることにより、本当に医療的ケアが必要でレスパイトを求めている親御さん方が対象から外され、制度のすき間から抜け落ちている状況です。このような状況に置かれている親御さんがいらっしゃるということを認識した上で、必要な施策を検討すべきと指摘しておきます。  そこで知事にお尋ねいたします。小児慢性特定疾病児童等レスパイト支援事業は、現行では、利用日数が一人の児童当たり年間十四日までとなっています。これでは二泊三日の期間で利用すると、年間四回しか利用できません。人工呼吸器を使用している小児慢性疾病のお子さんの御家族の負担を考えますと、これでは足りないと考えます。利用日数をふやすべきと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。  本県では、ことし在宅の医療的ケア児者の実態調査が行われました。県は、行政がつかめていない実態を把握して対応を考えたいとのことでした。実際に、制度のはざまでサービスを受けにくい、いわゆる歩ける医療ケア児がどれくらいいるのかということも判明することと思います。  医ケア児者への調査結果を踏まえ、自宅で暮らしている当事者や家族の方々のニーズを今後の具体策に反映していただき、各自冶体が取り組んでいる事業の中から抽出される課題について、もっと耳を傾け、先ほど指摘しました人材の確保や制度の外に置かれた医療的ケア児者の問題など、より積極的な支援の強化について、知事の御決意を伺います。  最後に、先日医療ケアが必要な子供を持つ親御さん方と意見交換の場を持ちました。そこで必死に訴えられた内容をもとに、学校における医療的ケアの充実について教育長にお伺いいたします。県教委は、平成十九年度から県立特別支援学校における医療的ケアのための看護師配置を始め、その後配置の拡大や医療的ケアができる教員の研修、高度の医療的ケアへの対応など、その拡充に努めてこられました。このような取り組みに対しては、医療的ケアが必要な児童生徒への支援として一定の評価をするところであります。ただし、看護師が配置されている特別支援学校においても、スクールバス内では医療的ケアの対応ができませんし、修学旅行の全日程に看護師が同行することもできないため、今なお、子供に付き添わなければならない親御さんが少なくありません。研修を受けて医療的ケアができる教員ができる行為は、さらに限定的だと伺っております。もちろん万が一の事故が起こらないよう、本人も家族も学校側も、安心して安全に預かる、預けられる環境づくりを進めることはとても大切であります。  そこで教育長に伺います。このような環境づくりについて、どのような認識と見解をお持ちか伺います。  県内では、ようやく医療的ケアが必要な子供を預かるため、各自治体が保育園に看護師を配置する動きが始まりました。ただ、もちろん十分な数を受け入れられる体制ではありません。こうした子供は、歩ける元気な医ケア児が多く、皆学齢期を迎えます。中には、看護師が配置されていれば地域の通常学級で学べるにもかかわらず、配置されていないために、自宅から遠い特別支援学校を選択せざるを得ない生徒が、これからふえていくと思います。子供たちは皆教育を受ける権利が保障されているはずです。子供の教育を受ける権利を奪ってはなりません。  特別支援学校だけではなく、地域の学校も含め幅広く医療的ケアに対応していくために、スピード感ある体制づくりが急務であると考えますが、医療的ケアが必要な児童生徒に対して、今後どのような方針で支援を充実させていくのか、決意を含めお答えください。  次に、聴覚障がい児者への支援について伺います。新生児聴覚検査により乳幼児期に難聴が発見されたその子は、健常者に近い幼児期を過ごすことができ、その後の学校や社会人生活も人とのコミュニケーションが維持され、人生を孤立することなく生活できる、新生児にとって、また保護者にとっても重要な検査だと考えます。  そこで知事に伺います。国は、各自冶体に積極的な公費負担を求めていますが、残念ながら、本県で公費負担を行っているのは、六十の市町村のうち北九州市とうきは市のわずか二市だけであります。実施割合から換算すれば、わずかの三・三%、今年十月一日現在、九州各県の中でも、実施割合一〇〇%の長崎県、大分県、そして鹿児島県があるという中で、わずか一桁の実施割合の本県の現状を、知事はどうお考えでしょうか、御見解をお伺いいたします。  新生児が、その後の人生でかかわっていく数多くの人たち、そして社会とのコミュニケーションに必要な聴覚の検査を受けることは、人として生まれてきた新生児にとって当然の権利ではないでしょうか。二〇一六年度の予算特別委員会において、私はこの新生児聴覚検査の促進についてお尋ねした際に、県は、実施主体である市町村が検査の重要性を認識することが必要であることから、県医師会、産婦人科医会耳鼻咽喉科医会の協力を得て研修会を実施し、市町村の理解の促進を図ったところと答弁されました。そして、本年二月、新生児難聴の早期発見に向けた検討会議を発足されたと聞いております。同会議会長の中川教授は、どこの施設で生まれても、公的補助を受けられるような全県的な体制の構築を検討したいと述べられています。全ての新生児が検査を受けることができ、支援の必要な子供が早期に療育を受けられるよう、全県的な体制の構築をしていくべきと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。  次に、人工内耳機器の助成について伺います。新生児聴覚検査で異常が発見された場合、幼少期の早いうちに人工内耳手術を受ける方もふえています。しかしながら、体外装置の耐用年数は五年と短く、高額な費用の負担になるため、買いかえをせずに、そのまま古い機器を長年使用されたり、人工内耳の装着自体をちゅうちょされ、諦めておられる方も相当いらっしゃるのではないかと思います。  そこで知事に質問いたします。人工内耳装着者に対する給付、助成制度に関して、県内でも幾つかの自冶体が取り組みを始めておりますが、県内自治体の支援状況をどのように把握しておられるのかお答えください。  人工内耳体外装置の買いかえ助成制度は、経済的負担の重さの面がある一方、子供の教育という視点からも重要であると考えます。新生児聴覚検査で早期に発見され、早期治療を開始し、人工内耳を装用することで、健常者とほとんど変わらない教育を受けることが可能になるならば、学習支援、社会参加促進の面においても大きな効果が期待できると考えます。  そこで知事にお尋ねします。九州では、長崎県で平成二十九年度から人工内耳体外装置購入助成制度を実施しているとのことですが、本県は同様の助成制度をスタートさせるお考えはありませんか。もしくは、日常生活用具給付事業に、県として上乗せ補助の考えはありませんか、お答えください。  聴覚障がい児者に関する質問の最後に、仮称福岡県手話言語条例の制定を求めます。この項については、二〇一三年十二月定例会で壹岐議員が質問に立ちました。聞こえる人は、声を出す、声を聞くという音声言語を使ってコミュニケーションをとります。聾者は、昔から手話、体の動き、表情、それらを目で見るという視覚言語を使ってコミュニケーションを行ってきました。しかし、法的には手話は言語として認められていなかったため、聾者は社会のいろんな場面で不利益をこうむり、差別され、排除されてきました。手話を、音声言語と同じように生活のあらゆる場面で使う、使ってもらえる社会に、手話や聾者に対して理解があり、聾者が安心して暮らせる社会となるよう、本県に県条例、仮称福岡県手話言語条例の制定をすべきと考えますが、知事の答弁を求めます。  次に、中小企業、小規模事業者の支援について伺います。私たち公明党は、百万人訪問・調査運動を行いました。中小企業をテーマにしたアンケートの回答をもとに、以下二点質問します。  一点目、現行の支援制度の活用についてお尋ねします。中小企業、小規模の事業者が、支援策の情報入手から補助金申請などをワンストップで行うことができるプラットホームの構築を進めるとともに、商工会議所などの地域の支援機関の相談員が直接事業者のもとに足を運び、相談に応じる、伴走型支援の強化に取り組むべきだと考えます。現状となお一層の強化を知事はいかにお考えかお答えください。  二点目、中小小売業商店街活性化策についてお尋ねします。消費税の引き上げ前後、大規模なセール合戦が予想され、地域住民の身近な購買所であり、地域のにぎわいの創出を担う中小の小売店や商店へのしわ寄せが懸念されます。国においては、キャッシュレス決済を対象にしたポイント還元といった新たな手法による支援などを検討しているようです。具体的な制度設計では、国が必要な対策を講じるようですが、国内のキャッシュレス支払い比率はおよそ二割と言われ、来年十月時点ではその恩恵を受けられる方は限定的であり、消費喚起策としては不十分と言われています。  消費税引き上げに伴う需要の落ち込みを防ぐためには、前回の消費税引き上げ後に全国的に実施され、一定の消費喚起効果が得られたプレミアムつき地域商品券の発行が有効だと考えますが、知事の見解をお聞かせください。  次に、農業問題について伺います。二〇一五年農林業センサスを見てみますと、本県で日常的に農業に携わっている方、いわゆる基幹的農業従事者数は約四万六千人であります。しかしながら、この数は五年前から約一〇%、十年前からは実に二五%も減少しております。また、六十五歳以上の占める割合は六割を超えており、今後このような状況がさらに進めば、本県の農業、農村は衰退の一途をたどっていくのではないかと大変心配しております。今回そういった視点で質問させていただきます。  農業、農村は、私たちが生きていく上で欠かせない食料を生産する場であります。しかしながら、その役割はそれだけにとどまらず、例えば、水田は雨水を一時的に貯留し、洪水を防ぎ、しみ込んだ水は地下水となります。また、美しい田園風景は、私たちの心も和ませてくれます。これは多面的機能と呼ばれておりますが、これを維持してこられたのも、農家の皆さんが草刈りや水路の泥上げなどの管理を行い、農業を続けてこられたからにほかなりません。しかしながら、農業従事者の減少や高齢化が進み、将来的に農地や水路の維持管理ができなくなるのではといった不安を抱える地域がふえてきたことから、国は地域住民など農家以外の参加も得て、農地などの維持管理を行う組織に対する支援を、平成十九年度から開始しました。現在で言う多面的機能支払い制度であり、本県においても、各地で活動組織が立ち上げられ、取り組みが行われていると聞いております。しかしながら、活動から十数年が経過し、役員や構成員の高齢化が進む中、組織運営に不安を抱く組織もあると聞いており、大変心配しているところです。  そこでお尋ねします。県では、多面的機能支払い制度による現地の取り組みを継続させるために、どのように支援していかれるのかお伺いします。  次に、新規参入者についてお尋ねします。国会では、労働力不足を解消するため、外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法の改正案が審議されております。その審議の中で、将来的にどの程度人手不足が発生するのか、その見込みが示されたようで、農業では五年後に全国で約十三万人もの労働力が不足するとのことです。外国人労働力を活用し、不足する労働力の一部を補うことも検討すべきと思いますが、その地域で永続的に農業を営む担い手の確保、育成が重要であることは言うまでもありません。そのためには、農家子弟の就農を支援することは当然のことながら、農家子弟以外、いわゆる農家以外の方への働きかけや支援もしっかりとやっていくべきであると考えます。近年では、農業法人などに雇用され、その後独立し、農業を始める方もふえていると聞いております。私は、農家以外の方にもっと農業のことを知ってもらい、就農前後の支援をしっかり行っていけば、農家以外からの参入は今以上にふえるものと、日ごろから考えているところであります。  そこでお尋ねします。農家以外からの新規参入者の確保、育成について、県はどのように取り組んでいるのかお伺いします。  次に、教職員の負担軽減の推進について伺います。昨年四月に文部科学省が発表した調査によりますと、二〇一六年度の公立小中学校の教員の勤務時間は、十年前と比較すると、週当たりで、さらに四時間から五時間増加しております。また、残業時間が月八十時間以上の過労死ラインに達する教員は、小学校で三四%、中学校では五八%となり、文部科学省は看過できない深刻な状況であると警鐘を鳴らしております。文部科学省は、その緩和対策として外部人材を積極的に活用し、教員支援にスクールサポートスタッフ、また長時間労働の一因とされる部活については部活動指導員の配置を行い、そしてまた中学校の生徒指導体制の強化のための教員の配置、学校総務、財務業務の軽減を目的とした共同学校事務体制の強化のための事務職員の増員など、教員が余裕を持ち子供と授業に向き合える環境づくりを目指しております。この経費に関しては、来年度概算要求に盛り込まれています。  教育長は、この文部科学省の教員の過重勤務に対する緩和対策にどのように取り組まれるのか、御見解をお聞かせください。  文部科学省の調整室による資料によりますと、今年度の指導員等派遣事業におけるスクールサポートスタッフの配置人数を見ましても、本年九月時点で、全国の四十七の都道府県、指定都市で二千八百四十六人の配置が予定され、県内では指定都市である北九州市が四十人の配置予定人数があるだけで、本県としては配置人数はゼロとなっております。スクールサポートスタッフは、定時退校日の実施や学校閉庁日の設定など、教員の働き方改革を進める市町村教育委員会の取り組みを支援するために、非常に有効な事業であると思います。  教育長にお尋ねします。本県で、先ほど述べました緩和対策が実施されないのはなぜなんでしょうか。実施のための検討、調整などの予定の具体策があればお答えください。  また、教員の負担軽減を進めるためには、特に小学校において、より専門的な知識や技術による指導が求められる教科について専科制を推進していくことが、教員の授業準備に係る負担軽減とあわせて授業の質の向上にもつながることから、効果的な方策であると考えます。  そこで教育長にお尋ねします。小学校における専科制の実施状況と、今後の専科制の推進についてどのようにお考えかお聞きします。  教員の勤務時間の負担軽減の最大の目的は、教員が児童生徒と向き合える時間の確保にあると思います。教員の負担が増している現状では、いじめという深刻な事態に対して、細かい事案であっても、その対処に追われてしまい、いじめ防止法が定める重大事態の件数も、全国で二〇一六年度から七十八件もふえ、二〇一七年度は四百七十四件が発生しております。この深刻化に何としても歯どめをかけなければなりません。今まさに危機感を持って重大事態の対応策の一つとして、ぜひとも教員の負担軽減のための具体策の一つ一つがいかに重要なものであるかを認識して進めていくべきであります。  そこで教育長にお尋ねします。年々増大する生徒や保護者、教職員からの相談案件に対応していくためのスクールカウンセラーの本県の配置の基準、そして実態はどうなっているのでしょうか。また、教職員の働き方改革に対する具体的な施策として、スクールカウンセラー活用についてどのようにお考えかお伺いします。  次に、夜間中学の設置について伺います。戦後の混乱期の中で義務教育を修了できなかった人や、さまざまな理由から本国で義務教育を修了せずに日本で生活を始めることになった外国籍の人など、多様な背景を持った人たちが一生懸命学んでいます。最近では、形としては中学校を卒業していても、不登校などの理由で十分に通うことができなかった人たちの学び直しの場としての役割も期待されるようになったとあります。昨年十一月に公表された文部科学省の調査結果では、新設の準備や検討を進めている自治体は八十にもなり、各地で取り組みが前進しています。夜間中学のニーズに関して文部科学省は、義務教育未修了者が全国で約十二万八千人いるとされています。二〇一九年度概算要求でも、予算がさらに増額されております。公立の夜間中学は、一六年度現在、全国で三十一校が設置されています。そこで文科省は、全ての都道府県に少なくとも一つは夜間中学を設置することを目指すとの方針を掲げております。  そこで、以下四点について教育長に伺います。  一点目として、夜間中学での受け入れが想定される義務教育を修了しないまま学齢期を超過した義務教育未修了者を把握されてありますか。また、把握してあるのであれば、県全体でどれだけの方がおられるのでしょうか。  二点目として、不登校などで実質的に十分な教育を受けられないまま中学校を卒業し、学び直しを希望する人、外国籍の人など、これらの人に対する教育機会の確保についての認識についてお答えください。  三点目に、今までに福岡県で実施された文部科学省の委託事業において、夜間中学や自主夜間中学の現状及び課題など、研究の成果についてお答えください。  四点目に、文科省は、全ての都道府県に少なくとも一つは夜間中学を設置することを目指すとの方針を示していますが、学び直しの機会拡充となる夜間中学に関して、福岡県としてどのように対応していくのか、以上四点、教育長に伺います。  次に、運転免許センターへの医療職の配置について伺います。高齢者の逆走事故をどう防ぐかは、今の超高齢化社会の大きな課題であります。ドライバーが逆走する背景として、認知症、あるいはその疑いのあるケースが指摘されています。この具体的対応策として、運転免許証の更新時に、認知機能や運動機能の低下など運転に支障が出る症状を早期に発見しようと、運転免許センターに看護師等の医療スタッフを配置する自治体が出てきました。医療のプロの目で健康状態を判断し、場合により免許の返納を促すなど、高齢運転者の事故抑止に効果が期待されております。熊本県は、二〇一五年一月、県運転免許センターに看護師を配置しました。免許証更新に訪れた高齢者らの健康状態への目配りや相談業務を行います。看護師設置の本来の目的は、免許の返納者数をふやすことではありません。車を運転できることが誇りだが、身体的機能の衰えは認めたくないという高齢者が多く、医療スタッフとの相談が自身の健康状態を客観的に考えるきっかけになっているのであります。こうした取り組みは、ほかの県でも始まっています。鳥取県は昨年十二月、県内三カ所の免許センターに看護師を配置しました。相談のほか、認知症の簡易検査も行います。宮崎県もことし四月から県内三カ所の免許センターに看護師を計四人配置しました。国立長寿医療研究センターの長寿政策科学研究部長、荒井由美子氏は、更新手続に医療や介護の専門的な視点を加えることは非常に有意義な試みと話しておられます。  そこで警察本部長にお伺いいたします。運転に自信がなくなった方や、その家族からの自主返納に関する相談に対応するため、全国では三十一の都道府県で運転免許センターに医療スタッフが配置され、九州でも既に六県で導入されております。福岡県警でも配置を検討すべきと思いますが、本部長の御見解をお伺いいたします。  これで私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 3 ◯議長(井上 順吾君) 小川知事。 *知事答弁 4 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  県政の諸課題への取り組みでございます。これまで私は、県民幸福度日本一福岡県を目指して、県民生活の安定、安全、安心、その向上に全力で取り組んでまいりました。この七年間で各分野で着実な前進を見ているわけでございますけれども、御指摘のように、今後なお解決を図っていかなければならない課題もたくさんあるわけであります。  まず初めに、豪雨災害からの復旧、復興でございます。河川、道路などの公共土木施設や農地、農業施設の復旧工事を進めるとともに、被災した商工業者、農林水産業者の事業継続、再開に向けた支援、災害公営住宅の整備を行いまして、被災者の方々が一日も早くもとの生活にお戻りいただけるようスピードを上げて取り組んでいく必要がございます。先端成長産業につきましては、バイオテクノロジー、水素エネルギー、IoT、航空機、そういった将来の成長と大きな雇用が見込まれます産業分野におきまして、企業の製品開発や参入に向けた支援を進め、さらなる関連産業の集積、拠点化というものを目指しているところであります。少子化への対応でございますけれども、出会い、結婚応援、保育所整備や子育て応援宣言企業の登録によります子育て支援など、人それぞれのライフステージに合わせたきめ細かな施策を講じていくことが、これまで以上に求められております。また、七十歳現役社会づくりや障がいのある方々の自立の支援、男女共同参画の取り組みなど、これらについてより一層進めていき、誰もが活躍できる社会の実現を目指していかなければなりません。生涯にわたって元気に暮らしていくためには、健康寿命を延ばしていくことが重要であります。医療、介護の充実を図るとともに、県民お一人お一人が自分の健康について考え、その維持、増進に取り組んでいく県民運動というものを具体的かつ着実に進めていく必要があります。スポーツ立県福岡につきましては、御指摘がありましたように、ラクビーのワールドカップ、オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致に積極的に取り組んできて成果を上げているところでありますが、今後具体的なキャンプの実施と地域との交流を進めていくとともに、年齢、性別、障がいの有無にかかわらず誰もがスポーツを楽しむことができる環境の整備も図っていくことが求められております。引き続き、こうしたそれぞれの課題の解決に向け、全庁挙げて取り組んでいきたいと、このように考えております。  三期目について御質問がございました。知事就任以来、福岡県を東京、大阪、愛知に次ぐアジアを向いた大都市圏として発展をさせ、我が国の発展にその役割を果たしていきたいと考えまして、全力投球をしてまいりました。県民の皆様、そして県議会の皆様の御理解、御支援をいただきまして、その成果は着実に上がってきていると考えております。しかしながら一方で、御指摘がありましたように豪雨災害からの復旧、復興を初めといたしまして、引き続きスピード感を持って取り組んでいかなければならない課題も多くあります。三期目の対応でございますけれども、今申し上げましたような現状、そして県民、各界からお寄せいただいております声、これらを十分踏まえまして、できる限り早い時期に決めたいと、このように考えております。  次に、高潮浸水想定の考え方についてお尋ねがございました。近年、洪水のほか内水、高潮により、想定をはるかに超える浸水被害が多発をしておりますことから、平成二十七年五月に水防法が改正をされました。この改正におきましては、都道府県知事が高潮浸水想定区域を指定をいたしまして公表する制度が創設されたところであります。高潮浸水想定区域の検討を行うに当たりまして、国が新たに示した指針によりますと、台風の規模は日本に接近した台風のうち最大の台風を基本とする、台風の経路と速度は各沿岸で潮位が最大となるように設定をする、基本となる潮位は朔望平均満潮位に過去に生じた異常潮位の平均値を加える、河川の流量それから堤防の決壊も考慮する、そういった最悪の条件を設定することになっておりまして、県におきましては、これを踏まえて検討を行っております。  福岡県全体の高潮浸水想定区域図の作成状況でございます。玄界灘沿岸は、ことしの三月、高潮浸水想定区域図を全国に先駆けて公表させていただきました。残る豊前、豊後沿岸、有明海沿岸につきましても、昨年度から有識者で構成する検討会を立ち上げておりまして、現在作業を行っているところであります。  次に、高潮ハザードマップ作成の進捗状況でございます。県では、ことし三月の高潮浸水想定区域図の公表に先立ちまして、関係市町に対し説明会を行い、浸水想定の考え方、先進事例の紹介などハザードマップの作成支援を行いました。その結果、現在、玄界灘沿岸に関係する十五の市町のうち五つの市町において、今年度中のハザードマップ作成を目途に作業を進めております。残る市町につきましても、早期にハザードマップ作成に着手するよう、引き続き働きかけを行ってまいります。  次に、高潮から県民を守るためのソフト、ハード両面の対策でございます。ソフト面の対策は、関係市町においてハザードマップを作成するまでの間、被災リスクに対する認識や防災意識の向上を図るため、県独自の自助行動のすすめというパンフレットを作成いたしまして、県のホームページへの掲載、県や市町村が実施する防災イベントでの活用などによりまして、県民の皆様への周知を図っております。ハード面の対策でございますが、災害履歴を踏まえ、緊急性の高い箇所から堤防のかさ上げを行っておりまして、本年十二月末までに整備率約八〇%となる見込みでございます。今後も県民の命を守るということを基本に、ハード、ソフト両面の対策一体となった高潮対策に取り組んでまいります。  次に、外国人労働者の在留資格などの分布状況についてお尋ねがございました。福岡労働局が発表いたしました、昨年平成二十九年十月末現在の本県における外国人雇用の届け出状況、これによりますと、外国人労働者数は三万九千四百二十八人でありまして、前年同期比七千八百八十七人、二五%の増加となっております。内訳を見ますと、在留資格別では、主なものといたしまして、留学生を初めとする資格外活動が一万八千四人で全体の四五・七%、技能実習が八千二百六十五人で二一%、日本人の配偶者などの身分に基づく在留資格が六千三百八十九人で一六・二%とそれぞれなっております。また、産業別では、主なものといたしまして、卸売業、小売業が七千四百六十五人で全体の一八・九%、製造業が七千三百三人で一八・五%、サービス業が六千三百七十九人で一六・二%と、それぞれなっております。国別に見ますと、主なものといたしまして、中国が一万一千二百九十九人で全体の二八・七%、ベトナムが一万八十四人で二五・六%、ネパールが六千五百九十一人で一六・七%とそれぞれなっております。  本県の特徴といたしましては、人数では全国八位でございます。また、在留資格別では、資格外活動として就労している留学生の割合が全国第一位となっております。また、在留資格別、産業別に見ますと、全国平均に比べ技能実習生の割合が高いのが建設業や製造業であります。また、留学生の割合が高いのが卸売業、小売業となっているところであります。  次に、外国人受け入れに対する今後の対応でございます。県におきましては、年々増加をしております在住外国人の方に対し、公益財団法人福岡県国際交流センターにおける生活全般にわたる多言語での相談対応、医療機関と外国人との電話通訳サービスの提供、災害発生時の安全確保の情報を多言語で掲載した冊子の配布や国際交流センターとの協力によります福岡県災害時多言語支援センターの運営など、さまざまな生活上の支援を行っているところであります。現在、国におきましては、人材確保が困難な産業分野に技能を有する外国人材の受け入れを図るため、新たな在留資格を創設することとし、各省庁においてさまざまな対応策の検討が進められているところであります。県におきましては、こうした国の動きを踏まえまして、先月、知事部局、教育庁、警察本部によります部局横断的な連絡会議というものを設置をいたしております。この連絡会議におきまして、新たな在留資格制度の内容、各省庁との対応策に関する情報収集を行うとともに、新たな制度の対象として検討されております業界のヒアリングを行い、受け入れに当たっての課題等の把握を進めながら、新たな外国人材の円滑な受け入れに向けた今後の対応について検討を進めてまいります。  次に、外国人介護人材の受け入れ状況でございますが、まず経済連携協定(EPA)に基づく介護福祉士候補者につきましては、県内の介護施設で平成二十一年度から本年度までの間に八十三名を受け入れているところであります。次に、県内の介護福祉士養成施設で資格取得を目指す外国人留学生でございますが、年々増加をいたしておりまして、本年六月現在で六十七名でございます。介護の技能実習生につきましては、まだ県内の介護施設等での受け入れというものがございません。これらの制度での受け入れに関しましては、県では、平成二十二年度から国の補助制度を活用いたしまして、EPAに基づく介護福祉士候補者を受け入れた施設が、その候補者の日本語学習や介護分野の専門的な知識習得などを支援をする費用、これについて県は助成をしているところであります。また、介護福祉士を目指す学生に対する修学資金貸付制度につきましては、本年三月から貸し付けに必要な連帯保証人の要件を緩和するとともに、法人による連帯保証の手続を明確化し、外国人留学生がこれを利用しやすいよう見直しを行ったところであります。  次に、介護の技能実習生の言葉の問題でございます。国が全国の介護施設等を対象に実施をいたしました調査によりますと、外国人介護人材を今後活用する上での課題といたしましては、利用者等との会話等における意思の疎通に支障がある、これが五八・九%と最も多いです。次いで、日本語文章力、読解力の不足等により介護記録の作成に支障がある、これが五四・一%となっているところであります。県が行いました調査におきましても、同様の調査結果が見られた、同様の傾向が見られております。このようなことから、県といたしましては、介護サービスの質を確保するとともに、利用者の不安を招かないようにするためにも、介護の技能実習生の日本語能力の向上というのが重要であると、このように認識をいたしております。現在、国におきまして、介護の技能実習生を受け入れた介護施設等が行う日本語学習などの取り組みに対する支援策というものが検討されているところでございますので、県といたしましては、こうした国の動きを注視していきたいと考えております。  次に、医療的ケア児者を受け入れる事業所等が広がらない原因でございます。医療的ケア児者は、人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養など医療的ケアを日常的に必要とされます。このため、障がい福祉サービス事業所が医療的ケア児者を受け入れるには、利用者お一人お一人に必要な医療的ケアに対応できる看護師や介護職員などの人材が必要となります。このような人材の確保には、現在の看護職員加配に係る加算措置などでは報酬単価が低く経営が成り立たない、そういう声がありますことや、看護職員を確保することもそもそも難しい、そういった問題がございます。また、医療的ケアに必要な機材の確保や受け入れに向けた職員研修などの事前準備が必要であること、医療事故発生のリスクを懸念し、施設側が受け入れに消極的になっていることなどが挙げられます。これらのことが受け入れる事業所等が広がらない原因ではないかと考えております。  医療的ケア児等のコーディネーターでございます。本県におきましては、昨年度から医療的ケア児を適切なサービスにつなぐ役割を期待されております医療的ケア児等コーディネーターを養成するための研修を実施しております。これまでに百四十一名が修了いたしまして、県内の三十三市町の相談支援事業所に配置をされております。一方、研修修了者のいない市町村が二十七ございますため、県といたしましては、これらの市町村の相談支援事業所に養成研修受講というものを働きかけてまいります。また、養成したコーディネーターが地域で十分その役割を果たしていただくために、コーディネーターのもとで福祉、医療、介護、教育など関係機関が連携して適切な支援が行われるよう、県のほうから市町村に働きかけをしてまいります。  次に、小児慢性特定疾病児童等のレスパイト支援事業でございます。県におきましては、ことし一月末から北九州市、福岡市、久留米市と共同しまして、人工呼吸器を使用している小児慢性特定疾病のお子さんたちを対象に、一時入院によるレスパイト支援に取り組んでいるところであります。その利用日数につきましては、これまで実施をされている他の県の利用状況等も踏まえまして、十四日間としたところであります。十月末までの九カ月の我々の実績を見ますと、二十三人が利用されまして、そのうち十四日間利用された方が五人、平均利用日数は約八日間となっているところであります。この事業は、ことし始めたばかりでございますので、今後の利用状況、御家族の御意向、医療機関における受け入れ可能な人数、日数等の状況を見ながら、現在の利用日数で受け入れに支障がないかなど、まずは実態を把握をさせていただいた上で、政令市等と意見交換を行ってまいります。  次に、医療的ケア児者の調査結果を踏まえた、より積極的な支援の強化であります。県におきましては、今年度、医療的ケア児者とその御家族の生活実態、医療、福祉サービスの利用状況、その利用における困り事や相談に関する状況、そして今後御希望されるサービスなどについて、その実態調査を行いました。県といたしましては、この調査で得られましたニーズや課題、これらをもとに、今後必要な施策について検討を進めてまいります。  次に、新生児聴覚検査の公費負担についてでございます。国におきましては、検査の実施を促進するため、平成十九年度から市町村に対し地方交付税措置をしておりますけれども、公費負担を実施している市町村は県内で二市にとどまっているところであります。一方で、この新生児の九割を超えるお子さんたちが、この検査を受診されている、そういう状況でございます。県におきましては、保護者に対しまして検査の重要性を周知を図るなど、その受診を促していくとともに、市町村に対しましても公費負担を実施するよう働きかけてきたところであります。今後とも、それぞれにさらなる働きかけを続けてまいります。  次に、全県的な体制の構築でございます。県におきましては、聴覚障がいの早期発見、早期療育が重要でありますことから、新生児聴覚検査の推進を図るため、医師会等の関係団体、有識者、行政で構成する検討会議を設置しております。この会議におきまして、未受診児対策、マニュアルの作成、公費負担の実施等について協議を行い、四ブロックごとに検査から療育までの体制の整備を図っているところであります。また、保護者向けリーフレットの作成など検査受診の推奨のための啓発にも努めているところであります。こうした取り組みによりまして、全ての新生児が検査を受けることができ、聴覚障がいの早期発見、早期療育が図っていけるよう、今後とも検査から療育までの体制の充実に努めてまいります。  次に、人工内耳装着者に対する県内自治体の支援状況でございます。音を集め内耳に伝える体外機の買いかえ、電池交換等の維持管理費用についての助成制度、その現状でございますけれども、県から市町村に対し、国と県の補助を受けられる地域生活支援事業の活用を働きかけました結果、昨年度の三市から、今年度は十一市町に増加いたしております。そのうち、五年程度で更新が必要で価格も高い体外機に対する補助を行っておりますのが八市町でございまして、このほか八市町が助成制度の創設を検討しているという状況でございます。  次に、人工内耳装着者に対する県の助成でございます。市町村の助成制度が広がり、人工内耳装着が促進されますことは、聴覚障がい児の発達段階に応じた療育効果の飛躍的な向上によりまして、将来にわたって自立して安定した生活を送ることにつながっていくものと考えております。このため、このような意義、効果というものを市町村に対し丁寧に御説明をし、地域生活支援事業による助成制度の創設というものを促してまいります。また、人工内耳の体外機などの更新費用への医療保険制度の適用、あるいは補装具への位置づけにつきまして、九州各県と一緒になりまして、国に対して今要望をしているところでございます。人工内耳は、補聴器による聴覚改善が難しい人が、その聞こえを取得するための有効な手段でございます。これにより、言語習得の機会が広がり、意思疎通の制限が解消されることになるわけであります。今後とも、聴覚障がいのある方の自立と社会参加が進むよう鋭意取り組んでまいります。  次に、手話言語条例の制定でございます。手話は、聴覚障がいのある方にとりまして、情報の取得や他者との対話を円滑にするための重要な手段の一つでございまして、障害者の権利に関する条約及び障害者基本法において、手話が言語であることが明記されているところであります。また、福岡県障がいを理由とする差別の解消の推進に関する条例におきましても、手話が意思疎通のための手段の一つであることを明記した上で、県、市町村及び事業者は、障がいのある人にとって円滑な情報の取得及び利用、意思表示並びにコミュニケーションに資するための支援を、あらかじめ講ずるよう努めることといたしております。  手話や聴覚障がいのある人に対する県民の理解が促進をされ、聴覚障がいのある人が安心して暮らせる社会となっていくためには、コミュニケーション手段としての手話を広く定着させていくことが必要であると考えます。このため、福岡県手話の会連合会との協力による手話通訳者の養成、日常会話程度の手話技術の習得を目的に、市町村が実施をしております手話奉仕員養成研修への助成、県職員の手話奉仕員としての養成などを行っておりまして、これらを通じて手話ができる人材というのをふやしてまいりました。また、聴覚障がいのある人が行政や医療機関の窓口に行く場合や、聴覚障がいのある人が参加する会議や大会への手話通訳の派遣によりまして、手話の普及、定着にも努めております。まずは、このような取り組みを着実に実施をいたしまして、手話の普及というものを図っていきたいと、このように考えております。  次に、中小企業、小規模事業者の現行支援制度の活用でございます。県におきましては、平成二十七年四月に、県内四地域に設立をいたしました地域中小企業支援協議会、ここにおきまして、管内の市町村、商工会議所、商工会、金融機関などが連携をいたしまして、中小企業、小規模事業者からのさまざまな相談に対応するとともに、補助制度についての情報提供や申請の支援など総合的な支援に取り組んでいるところであります。その協議会におきましては、商工会議所、商工会の経営指導員が伴走型の支援によりまして把握した支援ニーズ等をもとに、構成機関が緊密に連携をいたしまして、個々の中小企業、小規模事業者の発展段階や事業環境に応じたきめ細かな支援を行っているところであります。今後とも、中小企業、小規模事業者が成長、発展していくよう、しっかり取り組んでまいります。  次に、プレミアムつき地域商品券の発行支援でございます。来年十月からの消費税率の引き上げによりまして、駆け込み需要による反動減、消費者の買い控えが懸念をされるため、その影響を最小限にとどめることが重要であります。地域商品券は、必ずその地域で使われますことから、地域の消費を喚起し、地域経済に直接の効果をもたらすものであると、このように考えております。来年度の消費税率の引き上げに対して、国では現在、低所得者、子育て世帯向けプレミアムつき地域商品券や、中小小売業に対する消費者へのポイント還元支援などについて検討が進められております。このような国の検討状況等を注視しつつ、市町村や発行団体の声を聞きながら検討を進めてまいります。  次に、多面的機能支払い制度の取り組み継続についてでございます。県におきましては、この制度を活用して、農業、農村の持つ多面的な機能の維持と発揮を図るため、地域の皆さんが共同で行われます農地や農業用水路等の保全管理を推進してきたところであります。その結果、平成二十九年度、昨年度の取り組みは、五年前に比べて二百七十一組織、約六千二百ヘクタールの増加となる九百七十二組織、約三万九千ヘクタールとなっているところであります。一方、現地におきましては、活動組織の構成員の高齢化に伴い、活動継続を取りやめた組織もございまして、事務処理や組織運営に対する負担が重いといった課題も生じております。このため国におきましては、事務処理の簡素化を行ってきておりまして、県におきましては、この国の簡素化を反映した書類作成マニュアルを作成をいたしまして、毎年度県内三カ所でその研修会を実施してきているところであります。加えて、昨年度から組織運営の効率化を図るため、市町村と連携をいたしまして、活動の継続が困難であるとの声が上がっている地域を対象に、事務処理能力や組織運営能力のある土地改良区をその主体とした広域化というものを進めているところであります。その結果、今年度は広川町におきまして、町内全五組織が一組織に合併をし、活動が開始されたところであります。今後とも、こうした取り組みを通じまして、多面的な機能支払い制度による活動が継続していけるよう支援をしてまいります。  次に、農家以外からの新規参入者の確保、育成でございます。昨年度は、雇用就業を含めた新規就業者三百八十人のうち、非農家からが約六割を占めております。農業の担い手の減少が見込まれております中、この非農家からの新規参入者の確保、育成というのは、ますます重要であります。このため県におきましては、農業に関心のある県内外の人を対象に、就業セミナーや相談会を開催をいたしまして、具体的な支援策についての情報を提供してきております。就農に際しましては、営農から生活関連まで一体的に受け付ける市町村の相談窓口の設置でありますとか、国の交付金制度を活用して、就農前後の所得の確保を支援しております。就農後も、普及指導センターにおきまして土づくりや農業簿記などの基礎を学ぶ営農講座を実施をいたしまして、技術面、経営面から指導を行ってきております。さらに、昨年度からは、日々の相談相手となります就農里親、これが栽培技術をマンツーマンで教える取り組みを行うとともに、就農五年から十年までの方を対象に農業経営確立塾、これを開講し、農業経営を体系的に学んでいただく機会、それも提供しているところであります。今年度から新たに、経営を譲りたい農家が持っておられる資産、販路、技術、これらを新規就農者に円滑に継承するため、両者のマッチング等を支援をしているところであります。県といたしましては、こうした取り組みを通じまして、農業への新規参入者の確保、育成を推進してまいります。 5 ◯議長(井上 順吾君) 城戸教育長。 *教育長答弁 6 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 特別支援学校に児童生徒を安心、安全に預けられる環境づくりについてでございます。県教育委員会では、特別支援学校において、医療的ケアが必要な児童生徒が安全に教育を受けられるよう、保護者や専門家の意見に基づいて、看護職員や研修を修了した教員による医療的ケアを実施しております。今後とも、保護者の負担軽減に配慮しながら、障がいのある児童生徒一人一人が、その能力及び特性に応じた十分な教育が受けられるよう安全、安心な教育環境の整備に努めてまいります。  医療的ケアが必要な児童生徒に対する支援の充実についてでございます。県教育委員会といたしましては、市町村に対しまして、看護職員の配置について補助対象経費の三分の一以内を国が補助し、あわせて地方交付税措置がなされる制度の活用を働きかけるとともに、必要な指導、助言を行い、小中学校において医療的ケアが適切に実施されるよう体制づくりを支援してまいります。また、県立特別支援学校においても、引き続き保護者や看護職員、関係医療機関との連携に基づく医療的ケア体制の充実に努めてまいります。  国における教員の過重勤務に対する緩和対策についてでございます。来年度の文部科学省の概算要求では、小学校英語専科指導の充実を図るための教員定数の改善や、スクールカウンセラー、部活動指導員等の外部人材の配置拡充など、新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革実現のための予算が盛り込まれております。これらの諸施策は、学校の指導運営体制の強化、充実を図り、かつ教員の負担軽減と学校教育の質的向上につながるものであり、可能なものから着実に取り組んでまいる考えでございます。  スクールサポートスタッフ配置による緩和対策の実施についてでございます。国においては、これまで教員が担ってきた業務を整理し、役割分担の見直しや業務量の削減を進める方針が示されております。本県としても、まずは、現在教員が行っている業務について、専門性を有する外部人材の活用や、保護者、地域等との連携強化を十分に行うことが重要であると考えております。例えば、県では、ことし県PTA連合会と教員の負担軽減方策について協議を行い、県PTA連合会として、福岡県教職員の働き方改革サポート宣言を表明していただき、保護者から学校、教員に対する支援についての検討が進みつつあります。現在、学校現場の教員が抱える負担感は非常に大きく、学校、家庭、地域、行政で取り組むべき重要な課題でございます。今後、他の都道府県等でのスクールサポートスタッフの導入の成果や各市町村の状況を十分に踏まえまして、外部専門家の活用充実も含め、県として教員の負担軽減を一層進めてまいります。  小学校における専科制の実施状況と今後の推進についてでございます。現在本県では、各小学校の判断により、担任外教員を活用した専科制が、主に高学年の算数、理科、音楽、家庭科、外国語等の教科でなされております。平成二十九年度においては六三%の小学校で実施されており、三年前の平成二十六年度と比べて四ポイント増加しております。このような専科制を講じることは、児童の学習への理解や関心、意欲の向上を図るとともに、教材研究に要する時間の効率化による教員の負担軽減につながる有効な方策と考えます。今後、県教育委員会といたしまして、学級担任同士が得意とする教科を相互に交換し合って指導を入れかわる、いわゆる交換授業の取り組みとあわせまして、効果的な指導体制の工夫について啓発を図り、より一層教育活動の充実に努めてまいります。  スクールカウンセラーの本県の配置基準等についてでございます。本県では、全中学校区にスクールカウンセラーを配置するとともに、前年度の相談件数等をもとに重点的な配置を工夫するなど、できる限り市町村の意向を尊重しながら効果的な活用に努めております。加えまして、各教育事務所六カ所に、スクールカウンセラースーパーバイザーを配置し、不慮の事故や災害時等の対応、学校配置のカウンセラーへの指導、助言を行うなど、各教育事務所管内の相談事業の充実を図っております。現代の子供の抱える心の問題は複雑化し、多岐にわたる中、教職員はきめ細かで丁寧な対応が求められ、負担も増加しております。スクールカウンセラーの支援は、子供の抱える心の問題を改善、解決へ適切に導くとともに、教職員の負担軽減にもつながることから、県としても今後一層、スクールカウンセラーの効果的な活用を図ってまいります。  義務教育未修了者の把握についてでございます。平成二十二年国勢調査では、在学したことがない者、または小学校を中途退学した者が未就学者として把握されており、本県の人数は六千五百四十三人であります。  教育機会の確保に対する認識についてでございます。義務教育を受ける機会は、さまざまな事情により十分な教育を受けられないまま学齢期を経過した方々など、全ての者に確保されるべきであると考えております。  夜間中学の現状及び課題等についてでございます。他県の夜間中学等を訪問し、その実態を調査したところ、中学校卒業資格の取得を重視する学校教育タイプと、夜間に学びの機会と場所を提供することを重視する生涯学習タイプの二種類が見られましたが、夜間中学の在籍者は、年齢や国籍、学力や日本語等の能力もさまざまであり、実態に応じた指導等の工夫がなされておりました。このように、先行する他県の夜間中学においても在籍する生徒の実態はさまざまでありますので、今後、市町村において学習ニーズや入学対象とすべき者等の正確な把握を踏まえました設置の必要性、教育課程の編成、教職員の配置等の検討が課題であると考えております。  夜間中学に関する本県としての対応についてでございます。本年七月に、文部科学省の夜間中学の設置・充実に向けての手引が改訂され、効果的なニーズの把握の方法、設置する際の不登校生徒の受け入れ時の留意点等について示されたところであります。夜間中学は、義務教育を受けられないまま学齢期を超えた者の教育機会を確保する重要な役割を持っておりまして、今後、県としてはこの手引を活用し、夜間中学の設置を検討する市町村教育委員会と密に連携し、ニーズの把握方法や設置運営上の工夫等について助言してまいります。 7 ◯議長(井上 順吾君) 高木警察本部長。 *警察本部長答弁 8 ◯警察本部長(高木 勇人君)登壇 運転免許試験場等への医療系専門職員の配置についてお答えをいたします。交通事故が減少傾向で推移する中、全事故に占める高齢運転者による事故の割合は増加しており、高齢運転者による事故防止が重要な課題であるものと認識をしております。県警察におきましては、運転に自信のなくなった方やその家族からの相談については、最寄りの警察署、運転免許試験場及び警察本部で受け付けておりますが、その際、さらに医学的なアドバイスが必要な場合には、県が指定する認知症医療の専門機関である十七カ所の病院と連携して対応しているところであります。しかしながら、高齢化の進展に伴い、今後高齢運転者にかかわる相談の増加や相談内容の複雑化がさらに進み、医療関係の専門知識に基づく対応の必要性も高まることが予想されることから、御指摘の医療系専門職員の運転免許試験場等への配置についても検討してまいりたいと考えております。 9 ◯議長(井上 順吾君) 田中正勝君。 10 ◯七十一番(田中 正勝君)登壇 小川知事、そして城戸教育長、そして警察本部長から御答弁をいただきました。指摘と要望をさせていただきます。
     小川知事に、ぜひともお願いでございますが、一人の声の裏には、お一人ではなくて、たくさんの同じ悩みを持って、何とか乗り越えよう、そのことを叫ばれる、そんな思いで必死に現場で頑張っておられる方がおられることを、ぜひとも知事、現場に足を運んでいただいていることは承知しておりますが、知事及び担当部長、課長は、例えば、医療的ケアの必要な家庭、一年三百六十五日見ていらっしゃるのは家族で、そして、ほとんどがお母さんです。そのお母さんは、夜着がえをすることもなく、その子供のそばで、三百六十五日寄り添って面倒を見てくださっているという状況でございます。どうか、知事部局、それぞれ現場に足を運んでいただきたい、その一人の声の裏にはたくさんの隠された声があるということを新たに認識していただきたいことを、切に要望しておきます。  そして、特定慢性疾病小児の十四日間のレスパイトですが、まだ発足して長くないので検証するというお話でございますが、十四日間、二泊三日でとれば、四回も五回もとれないわけでございます。十四日間というのは、確かに検証の今の時点で利用された方は八日とか、そういう統計でありましょうけれども、実際はとりたくともとれなくて、とっていらっしゃらないことがあろうかと思います。  そしてまた、聴覚障がいを持たれた方々、これは生まれて聴覚検査をすること、これがどこで出産しても同じ制度でなくてはなりません。福岡県どこで出産しても、同じ制度の中で出産できる体制をつくらなければならないと強く思っております。そして、早く発見できれば、通常の学校にも通い、社会人としてより健常者に近い生活ができることを、どうか支援の強化を強くお願いをさせていただきます。  そして、農業は日本の基幹産業でございます。私は先輩から教えていただいた、農栄えて国の山河あり、農滅びて国もまた滅ぶべし。本当に大事な後継育成をしていかないといけないと思っております。  そして最後に教育長、教育現場の先生方は本当に大変です。このままいけば、教員になり手はますます減ってくると思います。教員の負担軽減については、これからもより支援を強化してほしいと思います。  警察本部長にはお礼を申し上げます。本当に長く訴えてきた今回のこの課題でございました。より前に進めていくという御答弁をいただきましたこと、県民の安全、安心のために、これからも警察本部長には、一時も早くこのことが実現していきますことを切にお願い申し上げ、そして全ての代表質問をこれで終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 11 ◯議長(井上 順吾君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後一時三十分といたします。           午 後 零 時 二十八分  休 憩           午 後 一 時 三十一分  再 開 12 ◯副議長(畑中 茂広君) 再開いたします。  休憩前に引き続き代表質問を行います。発言を許可いたします。椛島徳博君。(拍手) *椛島議員質問 13 ◯二十八番(椛島 徳博君)登壇 皆さん、こんにちは。食と緑を守る緑友会・立志福岡県議団の椛島徳博でございます。五回目の代表質問を行います。きょうは、地元からたくさんの後援者の皆さん方がお越しいただいております。元気をいただいて、早速通告に従いまして質問を行います。  冒頭、柳川にゆかりのある二本の映画を紹介させていただきます。まず、ことしの童謡誕生百年を記念してつくられた「この道」という映画を紹介します。この作品は、柳川が誇る国民的詩人、北原白秋と、名作曲家、山田耕作を主人公にした映画で、来年一月十一日、実は私の誕生日であります、この日に全国で一斉に公開されます。主演は、北原白秋役の大森南朋さん、山田耕作役はEXILEのAKIRAさん。主題歌「この道」はEXILEのATSUSHIさんが歌います。一カ月後の公開を大変楽しみにしております。もう一つの作品は、「柳川堀割物語」です。この映画は、昭和の時代が終わろうとする昭和六十二年に公開されたものです。「風の谷のナウシカ」で知られる高畑勲さんが監督、ジブリ映画の宮崎駿さんがプロデュースしたドキュメンタリー映画です。昭和四十年代、我が国は高度経済成長に伴い環境問題が深刻化し、全国的にも河川の汚染が進みました。水郷柳川も例外ではありませんでした。私が子供のころは、川には水神様が住んでおられて、大人も子供も協力し合い川を大切に守ってきました。しかし、水道が普及し生活が豊かになるにつれ、いつしかごみが捨てられ、川は荒廃していきました。この映画は荒廃しかけた柳川の掘り割りを、行政と市民の協働の力で復活させた物語です。豊かさと引きかえに大切なものをなおざりにしてきた現代社会に警鐘を鳴らした作品であります。この映画が私たちに投げかけた大きなテーマは、人と地域の連帯、特に行政と住民の連帯の大切さであります。この連帯感が県内全域に広がることを期待し、質問に入ります。  最初に、知事の政治姿勢についてお尋ねします。  まず、県民幸福度日本一について伺います。日本総合研究所が発行した全四十七都道府県幸福度ランキング二〇一八年版によると、本県の幸福度は四十七都道府県中三十位となっています。知事は、この調査結果について御存じだと思いますが、率直な感想をお聞かせください。  一方、小川知事就任後、県民の幸福度はどのように変化をしたのでしょうか。そして、県民幸福度日本一の目標を掲げ取り組んでこられたこの七年八カ月の県政を総括し、どのように評価されているのかお聞かせください。  ところで、近年、民間企業では顧客満足度を向上させるために、顧客のクレームを業務改善の好機と捉え、対応しているようです。例えば、不満を持つお客様で苦情として直接訴えるのは、わずか四%だそうです。残りの九六%の人は、静かに去っていくということです。ということは、一人のクレームがあれば二十四人の顧客が不満を持っていることになります。この対応次第では、企業の存続に影響を与えかねません。そこで、民間企業ではクレームを反面教師として捉え、接客に努めています。一方、顧客満足度を上げ、業績を高めるために、従業員の満足度を向上させることにも積極的に取り組んでいるようです。官民の違いはありますが、公共サービスの提供側である本県に置きかえてみれば、県民幸福度日本一を目指すためには、まず県民の意見やクレームへの適切な対応と職員の幸福度やモチベーションを高める取り組みも重要だということになります。  そこで知事にお尋ねします。県民の意見やクレームをどのように受けとめ、どのような対処をしているのか伺います。また、職員のモチベーションを上げるために、どのように取り組まれておられるのかお答えください。  次に、地方創生と一極集中についてお尋ねします。平成二十七年国勢調査人口を見ると、急速に進む都市への人口集中と地方の過疎化がより一層鮮明になっています。過疎地域では、高齢化に伴う医療の確保、教育の振興、産業の担い手、災害対策など広大な面積を抱えながらさまざまな課題が山積しています。このまま人口減少が加速化すると、過疎地域の民意を反映させることが困難になるのではないかと懸念されています。そういった観点から、平成二十八年六月議会の我が会派の代表質問で、地方創生と一極集中についてお尋ねしました。知事は、県内各地域に魅力ある雇用の場をつくっていく、そして定住人口をふやしていくことが重要であるとの考えを示されました。今後、知事は過疎地域や中山間地域の振興に向けてどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお尋ねします。  本県は平成二十七年度に福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略を策定しています。県は統計データに基づいて、県内十五の広域地域振興圏ごとに地域ポテンシャルと施策の方向性を市町村に提示し、あるいは県が基本フレームを提供することで市町村みずからが地方版総合戦略を策定し、施策ごとに検証のための重要業績評価指標(KPI)を設定しています。  そこで知事にお尋ねします。現状の県及び市町村の地方版総合戦略に対する評価について伺います。また、最終的な目標の達成見通しについてもあわせてお聞かせください。  次に、来年十月の消費増税にあわせて導入が予定されている軽減税率への対応についてお尋ねします。国税庁は先月、軽減税率のQアンドA集を改訂しました。これに関し、多くのニュース番組で報道がなされたところであります。その報道を見た感想は、飲食料品などで線引きが難しく、小売店など現場での対応が混乱するのではないかということでした。スーパーで買ったお弁当をそのまま持ち帰れば軽減税率が適用され消費税八%、店内の飲食スペースで食べれば一〇%、しかも購入時にレジ係がそれを確認しなければならないなど、消費者への税負担を軽減するという趣旨は理解できますが、対応しなければならない事業者にとっては作業負担の増加などが懸念され、その点のケアが不可欠であります。  そこで知事にお尋ねします。まず、軽減税率については、今述べたように制度が複雑であるため、円滑な導入のためには早い時期から周知に努めていく必要があります。県としてどう取り組んでいくのかお聞かせください。  次に、導入に際してさまざまな困難が予想される事業者対策や支援について伺います。例えば、スーパーなどでは軽減税率に対応したレジカウンターやポイント還元のための機器を導入する必要があり、大きな負担になります。  そこでお尋ねします。これら悩みを抱える事業者に対し、機器の導入支援や従業員研修などさまざまなサポートが必要になると考えますが、県としてはどのように取り組んでいくのか、国の支援の活用もあわせ、どのようなことができるのか、お答えください。  次に、宿泊税の二重課税についてお尋ねします。ホテルなどの利用客に課税する宿泊税をめぐり、県と福岡市の双方が導入をする方針を示し、二重課税となる懸念が浮上しているところであります。言うまでもありませんが、観光客の行動範囲は一つの市町村にとどまりません。宿泊場所は福岡市でも、太宰府天満宮や私の地元柳川の川下りなど市外で観光を楽しむ人が多いのが実態です。県内各地域の観光地をつなぎ、全体的な魅力を発信することは、県にしかできません。県が宿泊税を導入することで、さらに県全体の観光PRや市町村の観光施策への財政的な支援など可能となります。ところが、県と市の二重課税になれば、県内観光全体に影響が及びます。  十一月十六日、観光振興財源検討会議から報告書が県に提出されました。その内容は、税額を原則として一人一泊二百円とすることや、独自で宿泊税を導入する市町村に対しては税額を減額する特例措置を慎重に検討することとした参考案などが盛り込まれています。この場合、福岡市が宿泊税を導入すれば、福岡市内では県の宿泊税は二百円から百円に減額されます。これは、宿泊される方にとって一定の配慮がなされたものと考えますが、一方で、県と市の双方が宿泊税を導入することになれば二重課税の懸念は拭えません。知事は、このことについてどのように認識されているのかお尋ねします。  また、十一月に福岡市の高島市長と会談をし、実務者協議が始まったということですが、県と福岡市との現在の調整の状況についてお聞かせください。  次に、NHK大河ドラマ招致についてお尋ねします。昨年四月、柳川の初代藩主立花宗茂とその妻ギン(もんがまえに言)千代を主人公にした大河ドラマの招致活動がスタートしました。そこで私は、二十九年六月議会の一般質問でこのことを取り上げ、県の協力と支援についてお尋ねしました。知事からは、県としてのネットワークを生かし、ゆかりの市町村や経済団体への協力要請、NHKへの働きかけなど積極的に取り組むとの答弁をいただいたところです。  そこで知事に伺います。昨年六月以降、どのような取り組みを行ってこられたのか、柳川市やゆかりの地がある市町との連携など広域的な取り組みなども含めて具体的にお答えください。  ところで、立花宗茂とギン千代が当初目指していた二〇二〇年のNHK大河ドラマは、残念ながら、明智光秀を主人公とした「麒麟がくる」に決まりました。しかし、大河ドラマの招致については、ほかの地域の例を見ても五年以上の時間がかかっているようです。ここは大河ドラマ実現に向け、地元柳川や県内各地を一層盛り上げていく準備期間が延びたと前向きに考えています。このような思いを持って、引き続き招致活動を続けるべきだと考えています。知事も同じ気持ちでおられると思いますが、改めて知事の強い意気込みをお聞かせください。  教育長にも伺います。県立図書館の諮問機関である福岡県立図書館協議会に、我が会派の神崎議員が県議会の推薦委員として出席しています。その折、神崎議員は、県立図書館が中心となって県内市町村の図書館と連携をし、各地に残る立花宗茂やギン千代、あるいは戦国武将のエピソードやゆかりの史跡、文献を活用した事業が考えられないかと話題にしたそうです。とてもありがたい提案だと思います。  そこで、県立図書館と市町村図書館が連携をした大河ドラマの招致に向けた機運醸成の取り組みについて教育長に伺います。  この項の最後に、福岡県防災・行政情報通信ネットワーク再整備についてお尋ねします。福岡県防災・行政情報通信ネットワークの再整備では、高速大容量の光回線や可搬型無線設備を整備し、災害に強いネットワークを構築するとしています。また、全国的な災害防災情報基盤であるLアラートを導入すれば、県民の皆さんにより迅速な情報を提供できるようになります。  そこで知事に伺います。まず、このネットワークの再整備の進捗状況についてお聞かせください。  また、ネットワークの再整備に当たっては、被災箇所の位置情報を効率的に伝達できる防災GISの活用や、いざというとき活動の拠点となる庁舎が被災した場合にもデータを失うことなく防災情報の利用を可能とするクラウドの活用はどうなっているのか、また非常電源は確保されているのかについても、あわせてお尋ねします。  さらに、市町村における同報系防災行政無線の整備状況はどのようになっているのか、デジタル化への対応についてもお聞かせください。  次に、農業問題について四点お尋ねします。  初めに、平成三十年七月豪雨災害で被災した農業者に対する支援についてであります。八月に県が公表した三十年七月豪雨の農業被害の内訳を見ますと、被害総額約百億円のうち農地や農業用施設の被害額が約七十億円と最も多くなっておりますが、そのほかの被害三十億円のうち野菜の被害が約十五億円、かん水ポンプや暖房機などハウスの附帯施設の被害が約十二億円と、施設野菜を中心に大きな被害が出ていることがわかります。県は、こうした現地の状況を踏まえ、九月補正予算で支援策を講じております。また、国においても昨年の九州北部豪雨災害対応をもとに、速やかに経営再開に向けて支援策が打ち出されたところであります。  そこでお尋ねします。現地では復旧に向けた取り組みが進んでいるようですが、国や県の経営再開に向けた支援策はどの程度活用されているのか、その実績をお尋ねします。あわせて、今後本格化する農地や農業用施設の復旧の見通しについてもお答えください。  次に、はかた地どりの振興についてであります。昭和六十二年に本県で開発されたはかた地どりは、誕生して三十周年となり、これを記念する式典が本年三月、開催されました。十月十六日付の朝刊の一面に、 「はかた地どりが九州トップ奪還」との見出しで、昨年度のはかた地どりの出荷羽数が十二年ぶりに九州一、全国でも昨年の五位から三位にランクアップしたという記事が載りました。しかしながら、みやざき地頭鶏との差は僅差であり、九州一の座を守り抜くためには、今後も生産の拡大を進めるとともに、さらなる需要の拡大が重要と考えます。  そこで知事に伺います。はかた地どりの生産拡大と販売促進について、今後どのように取り組まれるのかお答えください。  次に、これから寒くなると注意が必要となってくるのが、鳥インフルエンザであります。ことしの冬も、国内の養鶏場で鳥インフルエンザが発生しないか大変心配しているところです。また、先ほど申しました、はかた地どりのように県が単独で開発したようなものは、その種鶏が被害を受けたからといって、他県からひなを持ってくるようなことはできず、生産の回復には時間がかかるものと考えます。  そこで知事に伺います。県では、農家への指導も含め、鳥インフルエンザの対策にどのように取り組んでおられるのか、またはかた地どりについてはどのような対策をとられているのか、あわせてお答えください。  次に、農協改革についてお尋ねします。農協改革の集中推進期間の期限である三十一年五月まではあと半年であります。ここで一定の成果を示さなければ、自分の主張だけを押しつける規制改革推進会議にさらなる注文をつける口実を与えかねません。JAグループ福岡においては、実践期間を二十八年度から三十年度までの三カ年とする中期方針を策定し、自己改革に取り組まれております。また、先月行われたJA福岡県大会では、次の三カ年の中期方針において、これまでの取り組みを継続するとともに、農協の自己改革の取り組みに対する自己評価と農家の評価の乖離を埋めるため、自己改革の見える化に取り組んでいくことが決議されたと聞いております。  そこで伺います。農協改革集中推進期間の期限が迫る中、知事は、JAグループ福岡の現在までの取り組み状況をどのように評価しているのか、また今後どう対応していくのかお聞かせください。  次に、有明海の漁業振興についてお尋ねします。まず、ノリ養殖漁業について伺います。御存じのとおり、有明海のノリ養殖は本県の漁業生産額の約五割を占め、ここ数年は生産金額が四年連続で百五十億円を超える重要な産業であります。このような中、昨年に続き、本年七月の豪雨災害で流れ出た大量の流木や漂着ごみ、土砂の流入などの被害が発生しました。しかしながら、関係各位の連携で、今期のノリ養殖が始まる前にごみの処理や航路のしゅんせつなど速やかな対策を講じていただきました。おかげで、例年どおりのノリの種つけが行われ、去る十二月三日の初摘みノリの入札では、価格も品質も平年並み以上の製品が出荷され喜んでいるところであります。このように、生産者の皆さんや漁連、漁協と行政の連携は大変重要であります。とりわけ水産海洋技術センター有明海研究所の役割は極めて大きいものがあります。  そこでお尋ねします。有明海研究所は、ノリ養殖の生産がより安定するために、有明海漁連や漁業者に対しどのような指導を行っているのかお聞かせください。  次に、有明海の漁船漁業の振興について伺います。有明海の漁船漁業では、アサリなど二枚貝は重要な資源であります。先日、絶滅したとまで言われた有明海の特産品アゲマキが試験販売されたという記事が新聞に掲載されました。本県でも、今年度から佐賀県と連携をし、アゲマキの稚貝の放流試験などを実施すると聞いております。私は、平成二十八年の決算特別委員会でアゲマキの復活の取り組みについて要望しました。このことに早速、応えていただいたことに感謝いたします。一方、アサリの生息状況ですが、県の事業で覆砂した場所を中心に平成二十七年以降、稚貝が大量に発生し、採貝漁業も活気が出てきました。  そこでお尋ねします。我が会派では、三年前の十二月議会で、有明海におけるアサリの稚貝の保護について質問しました。知事からは、稚貝の保護、育成に取り組み、漁獲につながるよう努めていくとの答弁がありましたが、その後どのように取り組んできたのか、具体的にお答えください。  次に、スポーツ立県の具体策、河川敷の活用についてお尋ねします。知事は今年度新たに、スポーツ立県を大きな柱として取り組むと宣言しました。また、本年八月に開催された、ふくおか健康づくり県民会議の設立総会においても、運動習慣の定着が取り組みの三つの柱の一つに設定され、この点からもスポーツ環境の整備は重要だと考えます。まず、気軽に楽しめるスポーツといえば、ウオーキングやランニングが代表です。また、サイクリングも比較的取り組みやすいと思います。そして、これらのスポーツに取り組む上でよい環境として、例えば河川敷が挙げられます。自動車の交通がなく安全で、信号もなくストレスを感じずにスムーズにスポーツが楽しめます。一方で、大雨のときなどには安全に利用できないなどの課題もあります。  そこでお尋ねします。スポーツ立県を実現する上で、河川敷をスポーツインフラとして活用することには積極的な意義があると考えますが、知事の見解をお聞かせください。  また、河川敷を有効に活用するためには、サイクリングのための道を舗装したり、道が途切れ途切れにならないようにつなげるなど利用に適した環境整備が重要です。この点についてのお考えもお聞かせください。  河川敷については、洪水対策のみならず、スポーツ立県の観点からの積極的な整備も重要と考えるため、市町村から要望などがあった場合にはしっかりと対応していただけるように要望をしておきます。  次に、本県の健康づくりの取り組みについてお尋ねします。超高齢社会の現在、平均寿命ではなく健康寿命という考え方が出てきました。つまり、単に長生きするだけではなく、いかに健康で長生きできるのかという考え方です。九月の代表質問で公明党の新開議員が取り上げられた未病の取り組みについて、我が会派もとても重要なことだと考え、十月、神奈川県庁を訪問し、未病の取り組みを視察しました。未病とは、政府の閣議決定によりますと、健康か病気かという二分論ではなく、健康と病気を連続的に捉えるという考え方とされています。神奈川県では県民の健康づくりとして未病に力を入れており、高齢者だけではなく、就学前から高校生までの子供、女性、働き盛りの世代、中高年などあらゆる世代への健康づくりの施策を行っています。一例を挙げますと、今年度には高校生を対象とした健康・未病学習教材を作成し、保健や現代社会などの授業で、社会のこととして国民皆保険制度、自分のこととして食生活と健康、家族のこととして、がんや認知症を学ぶとしています。この取り組みはまだ試行段階とのことですが、あらゆる世代に健康づくりを啓発することは非常に意義があることだと思います。  そこで知事にお尋ねします。まず、神奈川県の未病の取り組みについて知事はどのようにお考えか伺います。また、健康寿命を延ばす本県の健康づくりの課題と、これを受けて高齢者だけではなく子供や女性、現役世代に向けての健康づくりの取り組みを強化すべきと考えますが、知事の御所見を伺います。  次に、介護サービスの充実についてお尋ねします。まず、在宅サービスの充実についてであります。多くの高齢者は、介護や医療が必要になっても、住みなれた地域で生活を続けることを希望しております。このことは当然のことでありますが、その願いに応えるためには、在宅で利用できる介護サービスの充実、中でも介護や医療のニーズのある方々の在宅生活を支えるサービスの充実が不可欠であります。平成二十七年九月議会の代表質問で在宅サービスの普及状況をお伺いしましたが、当時、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は八市町の二十二の事業所で、看護小規模多機能型居宅介護は八市町の十三事業所で提供されていると答弁がありました。  そこで知事に伺います。これらのサービスは、その後、どのくらい普及したのでしょうか。また、これらのサービスを普及させるために、県ではどのような取り組みを行っているのかお聞かせください。  次に、施設サービスの充実についてであります。前段で申し上げたように、多くの高齢者の願いは、住みなれた地域で生活を続けることです。ところが、現実には認知症高齢者や高齢者の単独世帯、夫婦のみ世帯が増加し、認認介護や老老介護という深刻な問題があります。さらには、介護離職も大きな社会問題となっております。このような中、特別養護老人ホームの整備を進めることは、在宅生活を維持することが難しい高齢者が安心して生活を送れる場所をつくるとともに、介護離職をなくすることにもつながるものであります。現在、介護人材の確保が非常に厳しくなっていると聞いておりますが、必要な施設整備は着実に進めていく必要があります。  そこで知事にお尋ねします。本県における特別養護老人ホームの入所申し込み者の状況はどのようになっているのか伺います。また、今後、高齢化がさらに進んでいくと見込まれますが、特別養護老人ホームの整備にどのように取り組んでいかれるのか伺います。  次に、戦没者慰霊や遺骨収集の取り組みについて伺います。我が会派は、このことについて平成二十七年六月、二十八年十二月議会代表質問において知事に質問しました。今回は、その後の状況などについて伺います。  まず、戦没者慰霊祭ですが、県内自治体の実施状況はどのようになっているのか。また、知事は戦没者追悼式への若い世代の参加を進めてきていると答弁されましたが、どのように進んでいるのか、あわせてお聞かせください。  また、慰霊碑の管理状況についても伺います。知事は答弁で、国が行う実態調査に積極的に協力していきたい旨述べられましたが、その後どうなったのか、お答えください。  次に、戦没者遺骨収集や海外などでの慰霊巡拝について伺います。本年七月、県議会オイスカ議連有志でパプアニューギニアを訪れました。国際NGOオイスカの行う途上国農業支援などの視察調査が主な目的でした。その際、あわせてニューブリテン島ラバウルにある南太平洋戦没者の碑を訪れました。緑深い丘の中腹から美しい海を見おろす台地に設置されたこの碑は、日本遺族会によりますと、南東方面で没したおよそ二十万人にささげられた慰霊碑であり、碑文には「さきの大戦において南太平洋の諸島及び海域で戦没した人々をしのび平和への思いをこめてこの碑を建立する」と記されていました。今に生きる我々の平和が、先人たちのとうとい犠牲の上に成り立っていることを改めてかみしめ、恒久平和の誓いを新たにし、同時に、いまだ日本への帰還ならない御遺骨の収集を一刻も早く果たしたいと心から思いました。  そこで伺います。二十八年代表質問で知事にお尋ねして以来、遺骨収集について本県としてどのように取り組みを進めているのか、状況をお聞かせください。あわせて、慰霊巡拝についてどのように取り組んでいるのかお答えください。  この項の最後に、遺骨収集や戦没者慰霊について、改めてその意義と、今後県としてどのように取り組んでいくのか、知事の思いをお聞かせください。  次に、再犯防止推進についてお尋ねします。このことについては、我が会派の昨年六月議会の代表質問、十二月議会の堀議員の一般質問で取り上げましたが、その後の状況について伺います。  まず、本県の再犯防止推進計画策定の進捗状況については現在どのようになっているのかお答えください。  次に、再犯防止の推進に当たっては、保護司などの関係者、民間団体の方々が現場で奮闘されております。特に更生保護サポートセンターは、保護司の重要な活動拠点となっておりますが、サポートセンターの意義と県内における現状についてお答えください。  計画策定に当たっては、こうした再犯防止推進の現場で活躍されている方々の意見を取り入れることが重要であると考えます。再犯防止推進法にも、保護司会などの民間団体と連携することが規定されており、知事も同様の趣旨で答弁されました。  そこで知事にお尋ねします。現在、策定が進められている推進計画の中で、関係者、民間団体などの意見はどのような形で取り入れられているのかお答えください。  次に、市町村との関係についてであります。地方再犯防止推進計画の策定は、市町村にも努力義務として課せられています。県内では、まだ策定した市町村はないと聞いておりますが、現在県内市町村は、推進計画策定に向け、どのように取り組んでいるのでしょうか。再犯防止推進のためには、できるだけ早期の策定が求められますので、取り組み状況とあわせて県として今後市町村支援をどのように行っていくのかお尋ねします。  次に、福岡県立図書館についてお尋ねします。福岡県立図書館は、ことし開館百周年を迎えました。現在では、本県の文化の継承、発展を図り、地域で活躍する人材を育て、日々の暮らしや仕事の中での課題解決、また読書の喜び、心の豊かさを育む目標のもとで、本県の人、学び、文化の発展に貢献しています。  さて、我が会派は、去る十月、神奈川県大和市の文化複合施設シリウスを視察いたしました。シリウスは、図書館を中心とした芸術文化ホール、生涯学習センター、屋内こども広場など四施設の複合施設で、六社による共同事業体である指定管理者が運営を行っています。基本的な考え方は、この施設を丸ごと図書館として緩やかなルールで運営されております。館内であれば自由に本を持ち運べる、どこでも読書ができる、飲食は自由で少々のおしゃべりも許容しています。大和市の主要施策の健康をテーマに、開館以来毎日健康に関するイベントを行うなど、近隣の市や町からも乳幼児から高齢者まで世代を問わず訪れています。一昨年のオープン以来、来館者が約六百万人を達成し、新しい指定管理のあり方として注目されています。本県の市町村立図書館も、知の拠点としてさまざまな取り組みにより地域文化の創造にかかわっていますが、運営形態は各自治体の直営や指定管理者制度など多岐にわたると伺っています。  そこで教育長にお尋ねします。本県の市町村立図書館のうち、指定管理者制度を導入している図書館は何館あるのか伺います。  また、運営形態に合わせて、そこで業務に従事する職員の雇用形態も多岐にわたるのではないかと考えます。市町村立図書館に正規に雇用されている市町村の職員の割合はどのぐらいなのかお尋ねします。  運営形態や雇用形態が変わっていく中、地域における身近な学習活動の拠点として住民ニーズに応え、地域の課題解決に役立つ市町村立図書館として今後もあり続けるためには、その支援を担っている県立図書館の役割が重要であります。市町村立図書館の人材育成にどのように取り組まれているのか、また県立図書館と市町村立図書館との本の貸し借りのネットワークの現状と課題についてお尋ねします。  県立図書館は、市町村の図書館や民間が運営する図書館とは、その役割が大きく異なってくると考えます。先ほど述べました市町村立図書館の支援のほか、特に本や図書館員の専門性を活用した取り組みや、対象別のセミナーや講演会、また県内広域での図書館職員のさまざまな研修、ボランティア育成などは県立ならではのミッションなのではないでしょうか。この百周年を機に、今後県立図書館のあり方をどのように考え、これまで以上の充実をどのように図られていくのか、教育長にお尋ねします。  最後に、警察問題についてお尋ねします。治安のかなめである交番が襲われる事件が相次ぎました。本年六月、富山市で警部補が刺され死亡、拳銃を奪った男が近くの小学校で警備員を射殺。九月には、仙台市で男子大学生が巡査部長を刺殺。市民の安全を守る警察官が危険にさらされており、対策が急務となっております。  そこで警察本部長に伺います。まず、今回の市民が交番を襲撃する事件の続発をどう受けとめているのかお聞かせください。  次に、交番や駐在所に勤務する警察官の安全対策について伺います。県内には二百二十二カ所の交番、百七カ所の駐在所で多くの警察官が昼夜を分かたず市民の安全を守っています。交番、駐在所は、地域住民に開かれた、まさに地域密着型のすばらしいシステムですが、住民との距離が近い反面、現場で受傷する可能性が高いという特徴もあります。一一〇番通報を受けていち早く現場に駆けつけるのも、不審者を職務質問するのも交番、駐在所の警察官ですが、身の安全は最大限に守られるべきであります。他方で、市民に開かれた親しみやすい警察という点から交番、駐在所はいわば窓口的存在で、極度に物々しい雰囲気にはしにくいという意見も聞きます。そのような中で、いかに交番、駐在所で勤務する警察官の安全を守るのか、大変重要な問題です。特に、県内に百七カ所ある駐在所には、警察官のみならず家族も住んでいることが多く、先般の事件のように駐在所が襲撃されれば、警察官だけでなく家族も危険に巻き込まれることになります。  そこで伺います。県警察では、交番や駐在所に勤務する警察官の安全対策のため、ソフト、ハード両面でどのような取り組みをしているのでしょうか。また、先般の交番襲撃事件を受けて、取り組みを強化した点などはあるのか伺います。  最後に、交番、駐在所の安全対策、またそこで勤務する警察官の安全対策の取り組みについて、今後の抱負も含め警察本部長の決意をお聞きしまして、私の代表質問を終わります。(拍手) 14 ◯副議長(畑中 茂広君) 小川知事。 *知事答弁 15 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、都道府県幸福度ランキングでございます。このランキングは、民間の調査機関が幸福度を捉えるために、仕事、生活、教育といった特定の指標をもとにその順位づけを行ったものでございます。本県におきましては、仕事分野における事業所新設率、教育分野における学童保育設置率の指標が全国で上位となる一方で、生活分野におきます持ち家比率、生活保護受給率といった指標が全国より低いというふうにされております。こうした指標が総合順位を引き下げているものだと考えております。本県におきましては、強みとなっております部分をさらに伸ばしていくとともに、全国に比べ改善が必要な分野はそれをしっかり改善すべく取り組んでいるところであります。今後とも、こうした民間の調査内容も参考にしながら施策の充実強化に努めてまいります。  次に、県民幸福度の幸福実感の変化についてお尋ねがありました。幸福の捉え方、考え方というのは、人によってさまざまでございます。一律に、また特定の指標によってこれを的確にあらわすことは難しいとされておりますことから、毎年、県民意識調査を行いまして、県民の皆様がどう感じておられるか、主観的な幸福実感というものを把握していっているところであります。福岡県に生まれてよかった、または生活してよかったと言っていただけている方は、知事就任時以来、上昇基調にございまして、ここ三年間は連続して八割を超えるなど、県民の幸福実感は着実に高まってきているというふうに考えております。  これまでの県政の総括と評価でございます。私は県民幸福度日本一の福岡県を目指して、県民生活の安定、安全、安心の向上に全力で取り組んでまいりました。その主なものを幾つか掲げさせていただきますと、中小企業、先端成長産業、農林水産業、観光の振興など地域経済の活性化と魅力ある雇用の創出、また出会い、結婚の応援、子育て支援など若い世代の夢と希望をかなえる社会づくり、豪雨災害からの復旧、復興、防災、減災、暴力団対策、性犯罪対策など安全、安心、災害に強い福岡県づくり、女性の活躍推進、七十歳現役社会づくり、障がいのある人の自立支援、医療、介護の充実など、誰もが活躍できる社会づくり、福岡空港の過密化対策、北九州空港との連携の強化、道路ネットワークの整備といった生活の利便性、安全性の向上、産業の発展を支える社会基盤の整備などに取り組んでまいりまして、これらの分野において着実に成果が上がってきているというふうに考えております。一方で、保育所待機児童数、審議会等委員に占める女性の割合、特定健康診査の実施率、にせ電話詐欺被害額などにつきましては、引き続き改善に向けてその対策を強化をする必要があると考えております。  県民の皆様の意見やクレームへの対応でございます。県政に対する意見やクレームにつきましては、総合窓口であります県民情報広報課に県政提案メール、県政モニター制度を設け、文書、ファクス、電子メール等でその受け付けを行っているところであります。これらの意見やクレームは、新規施策の企画、立案、事業の見直しや改善に活用させていただくとともに、回答を希望されるものにつきましてはできるだけ速やかにその回答を行っているところであります。本庁の各部局や出先機関が直接受け取りました意見やクレームにつきましては、それぞれの担当課において業務改善に生かす等適切な対応に努めております。このような寄せられた意見等に基づく事業の見直しや改善策につきましては、データベース化をいたしまして、職員間でその情報を共有させていただいております。また、本庁一階の県民相談室及び各地域の保健福祉環境事務所等では、面接や電話によりまして県の事業に対する要望から家庭生活上の悩みまで幅広く県民の皆様からの御意見、クレーム、相談というものをお聞きいたしております。これまで県民の皆さんからの声を丁寧にお聞きするため、広聴の手引を作成をいたしまして、対話の方法、適切な説明や応対の仕方などを職員に周知をするとともに、職員研修所におきまして接遇やクレーム対応の研修を行ってきているところであります。今後、職員一人一人に対しまして、改めて県民に対する丁寧な対応というものを促してまいります。  次に、職員のモチベーションを高める取り組みでございます。県民幸福度日本一、これに限らず、県民の皆様のニーズに応える行政を目指していくためには、職員一人一人が公務員としての誇りと使命感を持って意欲的にその業務に取り組む必要があると考えております。そのためには、具体的な政策を実現したり、課題を解決したりすることで、それを経験することで、また達成感を感じることが一番大事なことであると、このように思っております。加えて、制度面でも、政策形成力や業務遂行力の強化といった職員研修所による研修のほか、中央省庁や自治大学校、県内市町村、民間企業等への派遣研修というものを実施いたしております。これらの派遣研修につきましては、庁内で公募いたしまして、職員の意欲を引き出すようにしているところであります。また、職員のアイデアを県行政に生かす職員提案制度や、組織を挙げて業務遂行に当たりすぐれた成果を上げた所属を表彰いたします職域表彰などによりまして、職場の活性化というものを図っております。このほか、人事評価制度におきましては、上司が面談を通じて部下職員に指導、助言を行い、職員が意欲を持ってそれぞれの業務課題に取り組めるよう支援を行うとともに、業務に向き合う姿勢や実績などについて評価をいたしております。その評価結果につきましては、給与に反映され、頑張った職員に報いる仕組みとさせていただいております。こうした取り組みを通じて、職員のモチベーションの向上に努めているところでございます。  次に、過疎地域や中山間地域の振興に向けた取り組みでございます。県土の保全や水源の涵養といった多面的な機能を担っております過疎地域及び中山間地域の振興は、県全体の振興のためにも不可欠であります。また、豊かな自然環境の保全、美しい景観や伝統文化の継承、食料生産の担い手の確保を図っていく上でも重要であると考えております。このため、まずは地域の自立を支える雇用の場を一つでも多くつくることが必要でございまして、ブランド化や六次産業化などによります農林水産業の収益力の向上、地域の中小企業の振興及び企業誘致、豊かな自然や景観、伝統文化など地域の魅力ある資源を生かした観光の振興などに取り組んでいるところであります。これらに加えまして、道路、医療など生活環境の整備や新規就農や移住、定住の促進による地域を支える人材の確保に重点的に取り組んでまいります。その際には、地方創生推進交付金を初めさまざまな国の制度も最大限活用して、これを進めていきたいと考えております。  次に、県及び市町村の総合戦略に対する評価と目標達成見通しでございます。県の総合戦略は、平成二十七年度から三十一年度までの五カ年計画になってございます。現時点では九十八の重要業績評価指標(KPI)このうち約八割がおおむね順調に進捗をしているところであります。進捗が順調なものにつきましては、新たな目標値を策定するなど、その取り組みをさらに加速させるとともに、目標達成に向けもう一段努力が必要なものについてはしっかり課題を分析をし、必要な施策に重点的に取り組んでまいります。  市町村の総合戦略につきましては、それぞれのKPIを十分野に分類をいたしまして、その進捗状況の把握を行ったところでございます。そのうち観光、移住・定住、子供・子育てなど七分野は多くの市町村でおおむね順調に進捗をしているところであります。県といたしましては、市町村ごとに努力が必要な分野を分析した上で、全市町村が参加する副市町村長会議の場や、市町村の求めに応じ県職員を派遣し総合戦略の推進を支援する、私ども創設いたしております地方創生ふるさと貢献隊、この派遣を通じまして必要な助言を行っております。また、広域的な取り組みが効果的な分野につきましては、地方創生市町村圏域会議におきまして協力して取り組みを進めるよう促すことによりまして、いずれの市町村においても目標達成ができるよう支援をしてまいります。  軽減税率制度の周知でございます。消費税及び地方消費税の税率が八%から一〇%に引き上げられることに伴いまして、低所得者に配慮する観点から軽減税率制度というものが実施されることとなっております。この制度を円滑に導入するため、国、県、経済団体、中小企業団体、金融機関などで構成しております福岡県消費税軽減税率制度実施協議会、これが平成二十九年、昨年の九月に設置をされました。この協議会におきまして軽減税率制度や中小企業者等の支援措置に関する情報共有を図っていき、各構成機関がその周知に取り組んでいるところであります。本県といたしましても、国が作成した各種広報資料について各市町村に配架を依頼するとともに、ホームページや県の広報紙、県の各窓口、事業者向け説明会を通じて、その制度周知を図っているところであります。今後とも、関係機関と連携しながら、さまざまな機会を捉え、軽減税率制度について一層の周知を行ってまいります。  軽減税率導入に伴う事業者対策と支援でございます。消費税軽減税率制度の実施に当たりまして、中小企業、小規模事業者は、複数税率に対応したレジの準備に加えまして、納品時の税率の確認、税率区分に応じた帳簿の記帳、領収書の発行、さらには適正な税額計算に基づく税務申告など具体的な事務の方法に不安を抱いておられるというふうに考えています。国では、複数税率対応レジの導入や受発注システムの改修等が必要な事業者に対する補助制度、商工会議所、商工会と連携しました講習会の開催、相談窓口の設置や専門家派遣など支援策を講じているところであります。本県におきましては、県内四地域にあります地域中小企業支援協議会を通じまして、これら国の支援策を周知するとともに、事業者が集まる各種セミナーなどの機会を捉えまして、軽減税率導入に伴う知識あるいは事務手続について啓発を進めています。具体的な相談につきましては、協議会の構成機関であります地域の中小企業支援団体等と連携をいたしまして、個々の事業者の状況に応じたきめ細かな支援を行ってまいります。  次に、宿泊税についてお尋ねがございました。二重課税については、地方自治法の考え方では、広域にわたる観光行政は県が取り組む行政課題であり、県全体の観光の底上げを図る施策を実施することは県の役割であると、このように考えております。本年五月に策定をされました全国知事会の新しい地方税源と地方税制を考える研究会の報告書におきましては、宿泊行為に対する課税について、観光地と宿泊地が異なる場合の受益と負担の関係、消費税、地方消費税創設以降の特別地方消費税等における対応、税源の偏在等の存在などを考慮すると、都道府県税として賦課徴収した上で、その一部を一定の基準に基づき市町村交付金として配分する方法も考えられると、このように報告をされております。地方公共団体が有する課税自主権につきましては、既に宿泊税を導入している自治体の例からおわかりいただけるよう、県と市町村いずれの一方が優先されるものではありませんが、県といたしましては、全国知事会による先ほどの報告書の趣旨、我々の財源検討会議の報告書の内容を踏まえまして、県が持つ課税自主権に基づき宿泊税を導入する考えであります。  県の宿泊税は税額を原則二百円とし、その税収の半分を市町村が主体となって取り組む事業に充てることができる自由度の高い交付金として配分いたします。しかしながら、仮に市町村が独自に宿泊税を導入する場合には、宿泊者の方に過重な負担が生じないよう、当該市町村内の税額については、市町村主体事業分に相当する百円、これを減額するという特例措置を講ずる考えでございます。この場合、形式的には二つの税が並立することにはなりますけれども、その負担が宿泊者及び特別徴収義務者であります宿泊事業者にとりまして過重なものかどうかというのが大事な要素だと考えております。
     次に、福岡市との調整状況でございます。宿泊税の問題は、緊急かつ重要な課題でありまして、県民の皆様の不安を払拭するためにも、課税を検討されている福岡市との協議を進め、建設的に解決したいと考えておりまして、十一月二十一日から県と福岡市との間で実務者同士の協議を始めております。協議はこれまで二回行われまして、協議の中で福岡市は、九州のゲートウエー機能の強化やMICEの充実など独自に取り組んでいる。また地方自治の原則は基礎自治体優先であり、二重課税は二重行政を招き税の原則である簡素性に反するとともに事業者の負担となることから、二重課税は避けるべきである。したがって、福岡市内においては県は課税すべきではないと意見を述べておられます。これに対して県は、九州のゲートウエー機能を担う福岡空港等の整備、九州への誘客に取り組む九州観光推進機構の運営に多大な負担をしている。また地方自治法の考え方では、広域にわたる観光行政は県が取り組む行政課題であり、県は県全体の観光の底上げを図るための施策に取り組む。二重課税そのものが二重行政を招くのではなくて、互いの施策が最大の効果を発揮するように調整をするということである。税額は原則二百円であるが、市が課税をする場合には納税者の負担を軽減するため、市内は百円とするという意見を述べているわけであります。引き続き、こうした論点について実務者同士の協議をしっかり積み重ねてまいります。その上で、協議の状況を踏まえて、必要に応じトップ会談を行いたいと考えております。  次に、立花宗茂、ギン(もんがまえに言)千代のNHK大河ドラマ招致についてお尋ねがございました。昨年の十月でございますが、柳川市長を会長とする立花宗茂、ギン千代NHK大河ドラマ招致委員会が設立をされました。県議会の議長を初め関係の皆さんとともに、私も顧問に就任をいたしております。この委員会は、柳川市、県、国、経済界、観光関係団体、大学、ゆかりの地を有する県内外の関係自治体など幅広い関係団体で構成をされ、官民一体となって招致の取り組みを進めてきております。具体的には、ポスターやチラシの配布、宗茂、ギン千代役のイメージキャラクターによるPRの実施など大河ドラマ招致に向けて地元の盛り上がりを進める取り組みを行ってまいりました。また、これまで数回にわたりましてNHK本社やNHKの福岡放送局を訪問いたしまして、五十話分のドラマプロットを渡すなど、立花宗茂、ギン千代の魅力というものを大いにアピールし、大河ドラマ化について強く働きかけを行ってきております。県といたしましても、地元柳川市に加え岩屋城跡がある太宰府市、立花山がある新宮町などゆかりの地を有する市町と連携をいたしまして、立花宗茂、ギン千代のエピソードと観光スポットを紹介する特集記事を旅行雑誌に掲載をいたしまして、ゆかりの地をめぐるツアーというのも実施をいたしました。また、県庁ロビーで関連グッズの販売、イメージキャラクターによる演武の披露、プロモーション動画の放映などを行うことによりまして、立花宗茂、ギン千代の認知度その向上に努めているところであります。  次に、大河ドラマ招致に向けた私の思いでございますが、招致活動を成功に導くためには、大河ドラマの招致の機運というものを地元柳川市だけではなくて県全体に広げていくことが重要であると、このように考えております。これまで行ってまいりましたさまざまな取り組みもありまして、ことしの博多祗園山笠におきましては、立花宗茂を題材とする飾り山が三基登場いたしました。また、十一月に本県で三十年ぶりに開催をされました伝統的工芸品月間国民会議全国大会福岡大会、ここにおきましては、県内外に広くPRをするため、メーン会場の中央に宗茂を題材とする飾り山を設置をしたところであります。大河ドラマ招致実現までには時間がかかる息の長い取り組みが必要となろうと思いますけれども、今後とも官民挙げて招致活動を粘り強く行っていきたいと、このように考えております。加えて、立花宗茂柳川再封四百年の節目となります二〇二〇年には、立花宗茂、ギン千代をさまざまな形で取り上げていただけるよう、NHKを初め関係各機関に働きかけを行っていきたいと、このように考えております。  次に、福岡県防災・行政情報通信ネットワークについてでございます。県と市町村等を結びます光回線のネットワークは、本年度末までに工事を終え、来年度から供用を開始する予定で、今現在順調に工事は進捗いたしております。来年度はバックアップとなります多重無線回線の工事を実施する予定であります。このネットワークの再整備によりまして、電子地図上に避難指示等の発令状況、被害情報等を表示をし、関係機関の間で位置情報を迅速に共有できる防災GISの活用というものが可能になります。また、外部のデータセンターに防災情報をバックアップすることによりまして、防災、行政情報を通信ネットワークと接続されていない場所からクラウドサービスを活用して情報共有というものが可能になります。ネットワークの非常電源につきましても、現在県及び全市町村に設置をしております非常用発電機について、必要に応じ設備を更新をしてまいります。市町村が屋外スピーカーや戸別受信機によりまして住民の方に情報をお知らせをする同報系防災行政無線につきましては、現在五十三の市町村で導入されておりまして、このうち四十四の市町村はデジタル化に対応いたしております。災害時におきましては、住民の方々に必要な情報が確実に伝達されることが重要でありまして、県におきましては市町村に対して、それぞれの地域の特性に応じた情報伝達手段を整備するよう促しているところであります。  平成三十年、ことし七月の豪雨災害の復旧状況についてお尋ねがございました。県では、被災された生産者が一日も早く経営を再開できるよう、八月上旬に市町村やJA等の関係機関を対象といたしまして、支援事業の説明会を実施をいたしました。また、八月下旬からは市町やJAが開催する地域ごとの説明会に県からも参加し、被災された生産者に対して申請手続の支援などを行ってまいりました。この結果、これまでに農業用機械やハウス施設の再取得、修繕、被災した野菜、花卉の種苗の購入、流失した家畜用飼料の購入、この三つに対する助成事業について千六百三十八件、約十一億円の補助金の申請がなされ、着手できるものから順次復旧が進められているところであります。農地、農業用施設につきましては、発災直後から、水路などが被災し通水できなくなった水田に水を供給するためのポンプの設置や用水路の土砂の撤去、ため池の被災箇所へのブルーシートの設置などの応急的な対策を支援してまいりました。また、災害査定を円滑に進めるため、国との事前調整を行うとともに、市町村に対し復旧工法の検討など技術的な助言を行ってまいりました。この結果、これまでに全体の八七%に当たる五百七十四カ所の査定が実施をされておりまして、今月二十一日には全ての査定が完了する見込みとなってございます。県におきましては、市町村が一日も早く復旧工事に着手できるよう、災害査定が終わった箇所について実施設計書の作成を支援しております。市町村におきましては、準備が整ったところから順次復旧工事を発注しているところでございまして、引き続き市町村への支援を行い、農地、農業用施設の早期復旧に努めてまいります。  次に、はかた地どりについてお尋ねがございました。県が開発をし、その後改良により食味が向上いたしましたはかた地どりでございますが、そのブランド化を進めるため、県におきましては、生産施設の整備、販路の拡大などの支援を行ってきているところであります。生産拡大につきましては、専用養鶏場の整備に加えまして、出荷羽数の増加に対応した処理加工施設の整備を支援しております。販売促進につきましては、これまで商談会への出展や各種イベントでのPR活動を支援をするとともに、首都圏、関西圏等の外食事業者と連携をいたしまして、はかた地どり等を使った料理を提供する福岡フェア、これを開催をしております。また、十一月二十一日に東京半蔵門にオープンをいたしました我が福岡県のアンテナレストラン福扇華におきましても、はかた地どりを使ったメニューを提供するなど、そのPRを強化しているところでございます。また、その輸出につきましても、香港のレストランでははかた地どりフェア、これを開催をいたしまして、取引も拡大してきているところであります。こうした取り組みに加えまして、ブランド力を強化するため、今年度から新たに、はかた地どりに多く含まれ認知症予防に効果があると言われております機能性成分を保持するための加工技術の開発を進めているところであります。今後とも、このような取り組みによりまして、はかた地どりの生産の拡大と販売の促進を進めてまいります。  鳥インフルエンザ対策についてでございます。鳥インフルエンザは、感染力が強い家畜伝染病でございますため、発生の予防そして迅速、的確な初動防疫というものが重要な対策となります。発生予防につきましては、県におきましては県内の全ての養鶏農家に対しまして、農場の消毒、人、車両の立ち入り制限などを定めました飼養衛生管理基準この遵守を指導してきているところであります。また発生予防に取り組む畜産農家の負担を軽減をするため、野生鳥獣の侵入防止ネットの助成や鳥インフルエンザが近隣県で発生した場合の消毒薬の緊急配付というものを行ってきたところであります。迅速かつ的確な初動防疫体制、この段階につきましては、家畜の殺処分を迅速に行うため、福岡県獣医師会や福岡県バス協会など関係団体との防疫協定を締結をしているところであります。関係団体や市町村と連携して防疫演習も定期的に実施をしているところであります。また、今年度から新たに鳥インフルエンザの発生の影響を軽減するため、はかた地どりの親となる種鶏、種の鳥でございます種鶏を県内に分散して飼育する取り組みに対して支援を行っております。これらの取り組みによりまして、養鶏農家や関係団体の家畜防疫に対する意識を高め、発生予防、そして迅速、的確な初動防疫に努めてまいります。  次に、農協改革でございます。これまでも申し上げてまいりましたように、農協改革は自己改革が基本であると、このように認識をいたしております。現在、JAグループ福岡は、その自己改革といたしまして、農業者の所得増大、農業生産の拡大、地域の活性化を重点分野と位置づけられ、新たな販路の拡大や六次化商品の開発、新規就農者の育成、輸出の拡大、中山間地域の活性化などに取り組んでおられます。県としましては、こうした取り組みは農業の競争力の強化、農村の活性化につながるものであると考えており、その取り組みを支援しているところであります。具体的には、新たな販路拡大策といたしまして、福岡の食販売促進課と福岡よかもん・よかとこプロモーションセンターを設置をいたしまして、県内外の外食、中食事業者への売り込み活動というものを行っております。また、六次化商品の開発につきましては、商品開発に必要な経費の助成、専門家の派遣を行いますとともに、JAグループと一体となって販路開拓のための展示商談会を開催をいたしております。さらに、新規就農者の育成につきましては、普及指導センター職員をJA就農支援センターに派遣をいたしまして、研修カリキュラムへの助言、栽培技術の指導を行っております。加えて、輸出の拡大におきましては、輸出に取り組む産地に対する技術指導、輸出専用の防除機械の導入などについて支援をしているところであります。このほか、中山間地域の活性化につきましては、農産物の巡回集荷や都市圏への出張販売、農業体験を通じた都市住民との交流活動など支援をしているところであります。今後とも、こうした取り組みを通じまして、JAグループの自己改革というものを支援してまいります。  次に、有明海におけるノリ養殖についてお尋ねがございました。ノリ養殖の生産を安定させるためには、海の環境やノリの状態を把握をいたしまして、その状況に応じた適切な養殖管理を行うことが重要であります。このため県の有明海研究所におきましては、生産にかかわる重要な日でございますノリの種つけ日、それから冷凍網を海に出す日、それぞれを決定する際にはノリ網を海に張る前の水温、気象情報などをもとに有明海漁連に対し指導を行っているところであります。また、ノリ網を海に張った後は漁場に設置をした装置で水温、塩分など海の環境を三十分間隔で観測いたしておりまして、その測定値を漁業者に対しリアルタイムで提供するほか、ノリ網をつるす高さなどの養殖管理について指導を行っているところであります。県といたしましては、今後とも高品質なノリを安定的に生産できるよう、迅速な情報の収集とその提供を行うとともに、漁業者の皆様に対するきめ細かな指導に努めてまいります。  次に、有明海におけるアサリの保護、育成でございます。県におきましては、底質改善を図るため覆砂事業を継続的に実施しておりまして、その場所を中心にアサリの稚貝が高密度に発生しております。この稚貝の成長を促し、生存率を高めていくためには、稚貝の発生場所を保護区域といたしまして、その区域から生息密度の低い場所へ稚貝を移す取り組みというのが有効であると言われております。このため、有明海漁連におきましては、県の指導のもと、稚貝が高密度に発生した場所を保護区域に設定をし、その面積は現在約二百四十ヘクタールとなっております。その区域から、平成二十七年から三年間にわたりまして約千三百トンの稚貝が生息密度の低い場所へ移され、これらの稚貝は今順調に成長し、現在盛んに漁獲が行われているところであります。このアサリが高価格で販売できるよう、県の指導のもと、平成二十八年から有明海漁連が新たに共同販売というものを実施してまいっております。その結果、従来の個人販売に比べまして約二倍の価格で取引をされておりまして、現在までに約一億七千万円を売り上げたところであります。県といたしましては、今後ともアサリ資源を持続的に利用できるよう、保護、育成対策を推進するとともに、その販売対策にも積極的に取り組んでまいります。  河川敷の活用でございます。河川は、流水を安全に流下させる目的がございまして、降雨時にはその水位が上昇し、河川敷も水が流れる場所となります。一方、平常時におきましては、水が流れていない河川敷ではウオーキングやランニングなど気軽に楽しむことができるわけであります。このような河川の特性を踏まえまして、利用者が安全に配慮し、また河川管理上支障のない範囲でスポーツインフラとして活用していくことは、身近なスポーツの場を提供するという意味から非常に意義があると、このように考えております。  河川敷を有効に活用するための環境整備についてでございます。河川敷を活用したサイクリングロードのようなスポーツインフラにつきましては、河川管理上支障のない範囲で、地元自治体等が占用許可を得てその整備と管理を行っているところであります。県といたしましては、地元自治体等が利用に適したスポーツインフラの整備を行う際には、その河川の状況を踏まえつつ、適切に対応していきたいと考えております。  神奈川県の未病の取り組みについてお尋ねがございました。未病とは、健康と病気を二分論で捉えるのではなく、健康と病気の間を連続的に変化するものとして捉え、この全ての過程を示す概念であるとされております。神奈川県は、この未病という概念を用いて、病気でないから健康であると捉えるのではなくて、それは未病という状態であるとして心身をより健康な状態に近づけていくために、子供から高齢者まで全ての世代を対象に未病の改善を推進をされています。あらゆる世代の方々を対象に早い段階から健康づくりに取り組んでいく、そのことは健康寿命を延伸する上で極めて意義があるものと考えておりまして、それはまさに本県においてもそのような観点でこの取り組みを進めているところであります。  次に、健康づくりの課題と取り組み強化でございます。健康寿命を延ばしていくためには、子供から高齢者までの世代や男女の性別にかかわらず県民一人一人がみずからの健康をもっと大切にし、みずからの健康の維持増進を意識して生活をしていくことが重要であります。しかしながら、本県の健康寿命は全国平均を下回っておりまして、健診の受診率、食生活や運動習慣など生活習慣の改善というものは決して十分ではなく、県民一人一人に健康づくりの取り組みが浸透していると言えない状況にあると思います。県では、健康づくりの取り組みを強化するために、県民の皆様の健康づくりというものを大きな広がりを持った県民運動として展開をしていくことといたしまして、ことしの八月、その推進母体であります保健医療関係団体、経済団体、大学、教育委員会、PTA連合会、婦人会などさまざまな団体から成ります県民会議というものを設置いたしたところであります。現在、地域や職場などさまざまな主体が健康づくり団体事業所宣言を行うなど、社会全体でいろんな角度から県民一人一人に食生活や運動習慣など具体的な健康づくりの取り組みというものを働きかけているところであります。また、新たなサイトを立ち上げまして、ひさやま元気予報を初めさまざまな健康に関する情報を広く発信をしているところであります。  世代や性別に応じた取り組みについては、これまでも子供世代に対する食育の推進、痩せ過ぎなど女性の健康問題の啓発について取り組んできたところでありますけれども、今後は県民会議の構成団体と連携を図りながら、きめ細かにそれぞれのライフステージなどに応じた健康づくりを推進し、県民の健康寿命の延伸というものを目指してまいります。  次に、定期巡回・随時対応型訪問介護看護と看護小規模多機能型居宅介護の普及状況と、その普及のための取り組みについてでございます。本年十二月一日現在、県内で医療と介護の両方のニーズに二十四時間対応できる定期巡回・随時対応型訪問介護看護は十九市町五十三事業所で、また通所介護を中心に短期の宿泊、訪問介護、訪問看護を組み合わせた看護小規模多機能型居宅介護、これは七市町二十一事業所でそれぞれ提供されているところであります。県におきましては、これらのサービスの普及を図るため、県内の市町村を対象といたしまして、その意義と有効性について理解を深める研修会を開催をいたしております。また、これらのサービスへ参入を促進するため、事業者を対象といたしまして起業セミナーを開催するとともに、昨年度からは具体的に参入を検討されている事業者に対しアドバイザーを派遣し、事務所の開設や経営に関するノウハウについて助言をいたしております。参入する事業者に対しましては、市町村を通じて事業所の開設に必要な機器類の導入に助成をするとともに、看護小規模多機能型居宅介護につきましては、施設の整備の助成も行っております。さらに、これらのサービスの利用を進めるため、ケアプランを作成する介護支援専門員、また高齢者の相談に応じる地域包括支援センターの職員等を対象にいたしまして研修会を開催をしているところであります。  次に、特別養護老人ホームの入所申し込みの状況でございます。直近に実施をいたしました平成二十八年四月の調査におきまして、入所申し込み者は七千九百二十三人でありまして、そのうち要介護三以上で入所の必要性が高い、御自宅にいらっしゃる方は二千百六十五人であります。本年三月に策定をいたしました県の第八次高齢者保健福祉計画におきましては、各保険者が入所申し込み者数や、調査後に開設をした定員数、今後の高齢者の増加見込み数などを勘案して見込んだ特別養護老人ホームの必要量、これを踏まえて、二〇二〇年度までに県全体で一千百五十五床を整備することといたしております。県といたしましては、今後とも入所申し込み者の状況等を把握した上で、各保険者の意向も踏まえて、施設の整備、また開設準備に要する経費を助成しながら、計画的に特別養護老人ホームの整備を進めてまいります。  県内自治体での慰霊祭の実施状況と県戦没者追悼式への若い世代の参加でございます。県内自治体の戦没者慰霊祭につきましては、今年度から新たに一つの町が加わりまして、五十四の市町村において実施されているところであります。県戦没者追悼式への若い世代の参加につきましては、福岡県遺族連合会、県内の小中高等学校、日本ボーイスカウト福岡県連盟の御協力をいただき、御遺族はもとより御遺族以外の若い世代の方にも幅広く参加を促し、平成二十七年度、二十八年度両年度は約七十名、昨年度及び今年度は約百名の方に参列をしてもらったところであります。また、一昨年度から県戦没者追悼式におきまして、若い世代の方にも追悼の言葉を述べてもらうとともに、献花の補助というものをお願いしているところであります。  次に、実態調査後の県内慰霊碑の管理状況についてお尋ねがございました。国におきましては、平成二十六年度の調査以降、さらなる調査は実施されておりませんけれども、今年度、県としまして独自に管理状況を確認しましたところ、県内にある慰霊碑三百六十一基ございますが、三百六十一基の中の管理状況が不良であった三十四基のうち、管理者がおらず倒壊などのおそれのある五基について、自治体において撤去などが実施されているところであります。また、残り二十九基につきましては、一基は管理者により撤去され、二十八基につきましては現在倒壊のおそれがないということを確認いたしておるところであります。  次に、戦没者の遺骨収集と慰霊巡拝事業についてでございます。戦没者の遺骨収集につきましては、平成二十八年四月施行の戦没者の遺骨収集の推進に関する法律に基づき、国において同年四月からことしの三月までの間に千八百二十柱の御遺骨が収集されたところであります。また、この期間中に身元が判明し、御遺族に伝達されました御遺骨ですが、全国で六十一柱、このうち本県につきましては二柱ございました。県職員が厚生労働省に伺ってお預かりをいたしまして、お預かりいたしました当日、訪問の上、御遺族にそれをお引き渡ししたところであります。慰霊巡拝につきましては、沖縄及び海外で亡くなられた戦没者への追悼、平和への誓いを新たにすることを目的といたしまして、福岡県遺族連合会が実施をされます事業に対し助成を行っております。昨年度は、沖縄を初めミャンマー及びマレーシア地域に四十八人の御遺族が参加をされました。また、同巡拝団には御遺族の方とともに本県出身戦没者の方々を追悼し、平和を祈念するため、県を代表いたしまして職員を派遣しているところであります。  次に、遺骨収集及び戦没者慰霊の意義と今後の取り組みについてでございます。今日の平和と繁栄は、戦没者の方々のとうとい犠牲の上に築かれたものであることを、私たちは決して忘れてはなりません。戦後七十三年がたち、御遺族の高齢化が進んでいく中で、ふるさと福岡県を離れ、異郷の地に残されている御遺骨を一柱でも多く早期に御遺族のもとにお渡しすることが必要であると考えます。また、慰霊の取り組みにつきましても、次世代にしっかり継承していくことが私どもの責務であると考えております。今後とも、遺族の方々の切実な思いに寄り添い、御遺骨の伝達と戦没者追悼式の実施、慰霊巡拝など慰霊にかかわる取り組みというものを進めさせていただきます。  次に、再犯防止推進計画策定の進捗状況でございます。県におきましては、本年四月以降、計画策定に向け保護観察所や検察庁、矯正施設を管轄する矯正管区との間で勉強会を行うとともに、保護司会連合会や協力雇用主会など民間団体の方々と意見交換を行いまして、罪を犯した人への支援の状況、課題の把握といったものを行ってまいりました。これらを踏まえまして、十月三十日、国の機関と県の関係課で構成する福岡県再犯防止推進計画策定会議、これを設置いたしまして、年度内の計画策定に向け検討作業を進めているところであります。  次に、更生保護サポートセンターの意義と県内の現状でございます。更生保護サポートセンターというのは、保護司や保護司会が地域の関係機関、団体と連携をしながら、地域で更生保護活動を行うための拠点でありまして、保護司を初めとする更生保護活動にかかわる民間協力者の方々の活動を促進する上で、このセンターの設置というのは重要なことであります。センターは法務省により設置が進められておりますが、現在、県内三十保護区のうち既に二十五の保護区にこのセンターが設置されているところであります。  次に、再犯防止推進計画策定における関係者の意見の反映でございます。先ほど申し上げましたように、県におきましては、計画策定に先立ちまして、罪を犯した人への支援に取り組んでおられる民間団体の方々と意見交換を行ってまいりました。また、再犯防止の実務に携わっておられる関係者や民間団体の方々の意見を計画案に反映をさせていくため、協力雇用主会、保護司会連合会及び社会福祉士会などによります有識者会議というものを設置しておりまして、十一月二十日に第一回会議を開催したところであります。こうした方々の意見をしっかりお聞きしながら、実効性のある計画の策定というものを進めてまいります。  次に、地方再犯防止推進計画策定に向けた県内市町村の取り組み状況でございます。現在、県内において計画を策定している市町村はありませんで、多くが具体的な検討には至っていない状況にあります。県では、これまで市町村への支援といたしまして、再犯防止等の推進に関する法律、国の計画の概要についてそれぞれ情報提供を行うとともに、北九州市、福岡市、久留米市に対しましては国の機関との勉強会への参加を呼びかけ、本県における再犯防止を取り巻く現状やその課題、それらについての共有を図ったところであります。また、さきに述べた有識者会議に市長会及び町村会の出席を求めまして、計画案への意見をお聞きするとともに、再犯防止に関する市町村の役割などについて各市町村への周知というものをお願いしているところであります。まずは、県において速やかにこの計画を策定いたしまして、それを市町村に示しながら、市町村における計画策定というものを促していきたいと、このように考えております。 16 ◯副議長(畑中 茂広君) 城戸教育長。 *教育長答弁 17 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 柳川藩主立花宗茂に関する文献等を活用した図書館の取り組みについてでございます。県立図書館におきましては、平成二十四年度に近世福岡の城郭に関する企画展を開催し、その中で、柳川城を紹介いたしました。また、二十五年度に歴史研究団体と連携し、近世柳川城の歴史とその構造と題して講演会を実施いたしました。さらに、九州歴史資料館分館であります柳川古文書館におきましては、二十九年度に立花宗茂と柳川の武士たちをテーマに特別展を開催いたしました。今後とも、県立図書館の情報ネットワークを生かし、知事部局や市町村等と連携しながら企画展を開催するなど、柳川藩主立花宗茂に関する県民の理解を深める取り組みを進めてまいります。  県内市町村立図書館における運営形態についてでございます。県内市町村立図書館等百二十一館のうち、指定管理者制度を導入しているものは三十四館でございます。また、正規に雇用されている市町村の職員の割合は、平成二十九年度の統計によりますと約一六%となっております。  県立図書館における市町村立図書館への支援についてでございます。県立図書館におきましては、毎年、福岡県公共図書館等職員の研修計画を作成し、市町村図書館職員の参加を呼びかけて人材育成を図っております。また、県内全ての市町村立図書館等と相互に資料を貸し借りするネットワークを構築しており、平成二十八年度の県内公共図書館との相互貸借件数は約十三万九千件となっております。なお、物流費の高騰が課題となっており、配送方法の見直し等について検討をいたしております。  百周年を契機とした県立図書館の今後のあり方とさらなる充実についてでございます。県立図書館は、知識、情報の拠点として多様な資料を提供することにより、県民や地域社会の要請に応えてまいりました。この役割をより十全に果たすため、今後は高度化、多様化する県民のニーズに応じて、大学図書館との相互貸借の拡大やデジタルアーカイブの構築とそのネットワーク化を目指すなど図書館サービスの充実に努めてまいります。 18 ◯副議長(畑中 茂広君) 高木警察本部長。 *警察本部長答弁 19 ◯警察本部長(高木 勇人君)登壇 交番、駐在所の安全対策についてお答えをいたします。  まず、交番襲撃事案に対する認識についてであります。交番、駐在所は、地域住民の安全、安心のよりどころであるべきところ、これが襲撃され、勤務員が死傷し、あるいは拳銃を奪われるという事態は、住民を極度の不安に陥れる、あってはならない事態であります。しかしながら、交番、駐在所に勤務する警察官は、所管の地域に溶け込み、地域社会の実態に即し、かつ住民の意見、要望に応えた活動を行うことを任務としており、交番、駐在所への来訪者に対しては丁寧に応接する必要があるため、交番、駐在所は多くの人々に対して開かれた存在でなければならないことから、襲撃事案への的確な対処を確保するためには、組織として特段の努力が求められているものと認識をしております。  次に、これまでの安全対策についてお答えをいたします。本県におきましては、平成九年に駐在所勤務員が来訪者を装った男に刃物で刺殺されており、この事案を受け、安全対策を強化してまいりました。具体的には、交番、駐在所について、間合いをとることにより、不意の第一撃をかわすことができるための施設構造の確保、被害の防止、犯人を制圧するための装備資機材の配置、夜間帯も含めて複数の勤務員で事案に対応できる体制の確保、襲撃を想定した訓練の実施などの対策に取り組んでまいりました。さらに、本年の富山、仙台における事案を受け、全ての交番、駐在所について施設構造、装備資機材の点検を改めて実施するとともに、拳銃奪取を企図する者による襲撃に対処するための訓練を、警察本部から指導者を派遣するなどして実施しているところであります。  最後に、今後の対策についてです。交番、駐在所に対する襲撃事案への的確な対処を確保することは、地域住民の安全、安心確保の大前提であります。施設の整備、装備資機材の充実、勤務体制の確保、反復、継続した訓練の実施など必要な対策を総合的に推進することにより、交番、駐在所に対する襲撃事案への組織としての対処能力を一層向上させてまいります。 20 ◯副議長(畑中 茂広君) 椛島徳博君。 21 ◯二十八番(椛島 徳博君)登壇 答弁いただきました。一つだけ知事に要望をさせていただきたいと思います。  職員のモチベーションを向上させるための取り組みについてということでお答えをいただきました。県民幸福度日本一に限らず、県民ニーズに応える行政を目指すためには、職員に使命感や達成感を感じてもらうことが重要だということでございました。そのために、研修制度や表彰、人事評価制度を充実させ取り組んでいる、その旨の答弁がございました。もちろん、制度や形は大事であります。しかし、その根っこはやはり、上司と部下との人間関係に尽きると、私はそのようにも思います。私のささやかな経験ですが、仕事に追われ失敗し、つらく苦しく心が折れそうになったとき、直属の上司から、誰でも失敗はある、その失敗を経験しながら成長するものだと、俺が責任者だ、心配するなと、その上司は私に言ってくれました。その言葉で救われたことがありました。人は理屈だけではなかなか動きません。熱い思いや温かい心が人情の機微に触れたとき、その人のために頑張ろうとやる気を起こすものであります。  縁あって今という時、ここという場所でともに働くことができることは、何と不思議な、何とありがたいことでしょうか。職員の皆さんがはつらつと活躍していただきたいと、エールを送りたいと思います。そのためにも、管理職の皆さんには職員各位との連帯感が深まるような人間関係に心を尽くしていただきたいと願う次第であります。知事には、トップリーダーとして、これからも心の通う職場環境づくりに努めていただきますよう強く要望申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 22 ◯副議長(畑中 茂広君) 以上で代表質問を終わります。  本日はこれをもって散会いたします。           午 後 三 時  十 分  散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...