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  1. 福岡県議会 2018-09-08
    平成30年9月定例会(第8日) 本文


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(井上 順吾君) ただいまから本日の会議を開きます。 *諸般の報告  諸般の報告を行います。  知事から継続費精算報告書財政調整基金運用状況等報告書健全化判断比率報告書及び資金不足比率報告書がお手元配付のとおり提出されました。  以上、報告いたします。 *議案上程  このたび、知事から第一四〇号議案「平成二十九年度福岡県一般会計決算」外十九件がお手元配付のとおり提出されましたので、これを一括報告上程いたします。      ──────────────────────────────────────────  第一四〇号議案  平成二十九年度福岡県一般会計決算  第一四一号議案  平成二十九年度福岡県財政調整基金特別会計決算  第一四二号議案  平成二十九年度福岡県公債管理特別会計決算  第一四三号議案  平成二十九年度福岡県市町村振興基金特別会計決算  第一四四号議案  平成二十九年度福岡県母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計決算  第一四五号議案  平成二十九年度福岡県災害救助基金特別会計決算  第一四六号議案  平成二十九年度福岡県就農支援資金貸付事業特別会計決算  第一四七号議案  平成二十九年度福岡県県営林造成事業特別会計決算  第一四八号議案  平成二十九年度福岡県林業改善資金助成事業特別会計決算  第一四九号議案  平成二十九年度福岡県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計決算  第一五〇号議案  平成二十九年度福岡県小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計決算  第一五一号議案  平成二十九年度福岡県公共用地先行取得事業特別会計決算
     第一五二号議案  平成二十九年度福岡県河川開発事業特別会計決算  第一五三号議案  平成二十九年度福岡県県営埠頭施設整備運営事業特別会計決算  第一五四号議案  平成二十九年度福岡県流域下水道事業特別会計決算  第一五五号議案  平成二十九年度福岡県住宅管理特別会計決算  第一五六号議案  平成二十九年度福岡県病院事業会計決算  第一五七号議案  平成二十九年度福岡県電気事業会計利益の処分及び決算  第一五八号議案  平成二十九年度福岡県工業用水道事業会計利益の処分及び決算  第一五九号議案  平成二十九年度福岡県工業用地造成事業会計決算      ────────────────────────────────────────── 2 ◯議長(井上 順吾君) お諮りいたします。この際、本件につきましては会議規則第十八条の二の規定により提案理由の説明を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。           〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 3 ◯議長(井上 順吾君) 御異議がありませんので、そのように決定いたしました。  日程に従い代表質問を行います。順次発言を許可いたします。新開昌彦君。(拍手) *新開議員質問 4 ◯六十八番(新開 昌彦君)登壇 皆さん、おはようございます。公明党の新開昌彦でございます。早速、通告に従いまして、公明党の代表質問を行います。  ことしは大阪北部地震、広範囲に及ぶ七月豪雨災害、猛烈な台風二十一号、北海道全体を揺るがす胆振東部地震と、大きな災害に見舞われました。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。  まず、防災、減災対策について伺います。私たちは、昨年に続いて今回の平成三十年七月豪雨災害も、被災現場に赴き、被害に遭った方々の生の声をまとめ、七月十三日、知事に緊急要望をいたしました。知事は、私たちの要望を受けとめ、今議会に補正予算を措置し、鋭意復旧、復興に取り組んでおられます。心から感謝をいたします。  さて、気象庁が大雨特別警報を発表し、経験したことのないような大雨で重大な危険が差し迫った異常状態です、命を守る行動をとってくださいと警戒を呼びかけます。これは五十年に一度と言われていましたが、今回の平成三十年七月豪雨では、大雨特別警報が十一府県という広範囲に出されました。本県は昨年も経験をいたしました。日本の気候は異常が日常になりつつあります。想定外という言葉が、全国で頻繁に使われています。私たちは、命を守るために何をすればよいのか、原点に立ち返る必要があります。今回、私は全国で起こっている災害についても課題として取り上げ、福岡県の防災、減災のあり方をただしてまいります。  まず、ダムの緊急放流について伺います。今回の平成三十年七月豪雨災害では、総理は、愛媛県の野村ダムを初め全国八カ所で緊急放流がなされ甚大な被害が出たことに、ルールに沿って対応したが、徹底的に検証すると述べられました。ダムの緊急放流のルールは、寺内ダムに例をとりますと、洪水時最高水位の百三十一・五メートルを超えると、ダム決壊のおそれがあるため緊急放流を実施することになっております。洪水を防ぐための計画規模は、百五十年に一度の雨とし、想定は最大流入量が毎秒三百トン。ところが、寺内ダムでは二年連続でこの計画規模を超えてしまいました。昨年は、想定をはるかに超える毎秒八百八十八トンの流入量でありました。当時渇水状態でありましたが、一気に増水し、洪水時最高水位にあと五十七センチに達していました。ことしは利水のための満水状態でありましたところに毎秒三百三十七トンの流入量があり、あと三・三メートルと迫っていました。  ダムは、利水のための満水を保つことが責務になっておりますが、近年の気象状況の予測の正確性を考えれば、どこにどの程度の雨が降るかは予測可能かと思われます。この際、操作規則を見直し、事前に利水のための満水状態を減らしてでも、洪水調節容量を確保すべきではないでしょうか、お答えください。  次に、住民に対する情報提供は、避難行動のためには重要であります。本県の洪水浸水想定区域図の作成の状況、公表についてお答えください。  次に、急傾斜地対策について伺います。北九州市門司区では、急傾斜地の土砂崩れによって住宅が被害に遭い、二人の命をのみ込んでしまいました。急傾斜地対策の工事は、スピードを上げて推進すべきであります。県は、ソフト対策としてがけ地近接等危険住宅移転事業を行っています。この事業は、急傾斜地に居住している方々が安全な場所に移転する際、移転先の自宅の建築費の利子補給や、もとの住居の撤去費用を上限八十万二千円まで助成するというものであります。  知事に伺います。まず、土砂災害特別警戒区域いわゆるレッドゾーン、警戒区域のイエローゾーン、そして県条例で指定している崖地に居住している方々は、それぞれ家屋は何戸あるのか、お答えください。  次に、がけ地近接等危険住宅移転事業の実績についてお示しください。  また、住民に対する情報提供と今後の対応をお聞かせください。  次に、公明党は、四月から三カ月間で百万人訪問・調査を行い、先日結果をまとめました。子育て、介護、中小企業、防災・減災の四分野でありましたが、御協力いただいた県民の皆様に心から感謝を申し上げます。  今回は、防災・減災について二点質問をいたします。一点目は、地域において危険で改善が必要な場所は、との問いに、空き家が三六%、道路が三四%、河川三〇・六%であり、通学路は二一・七%でした。地域の安全確保を図るため、社会インフラの老朽化に伴う補修、更新、空き家対策、通学路総点検などの知事の方針並びに見解をお聞かせください。  二点目は、アンケートの自由回答の中に、避難所では女性や子供の防災備品の設置や高齢者、子供、妊婦などの災害弱者を守る対策をといった女性の視点を生かしてほしいとの要望が寄せられていました。防災行政として、今後はマイタイムラインの普及やレッドゾーンに指定された民有地の安全対策、避難所には高齢者などにベッドの対応など、避難できる環境改善を実現すべきと思いますが、知事の見解をお聞かせください。  この項の最後に、私の地元早良区の室見川についてただしておきたいと思います。私は、室見川流域の地域の方々から、護岸復旧、倒木やアシの撤去、特にしゅんせつの要望を受け、公明党の緊急要望の項目にも入れ、知事に手渡しをしております。  今回の豪雨で、七月六日、早良区の室見川の橋本橋は氾濫危険水位を大きく超え、氾濫寸前でありました。福岡市は約二十万人に避難勧告を出しました。幸いにも氾濫は免れましたが、流域住民は氾濫への危機的状況に強い不安を感じています。八月二十七日、福岡市から県知事に対し、室見川の早期復旧及び適切な維持管理を求める要望書が提出されています。同日、早良区の室見川流域の七つの自治協議会会長が連名で、同様の要望書を小川知事に提出されています。特に、治水能力を確保するための立ち木の撤去、除草及びしゅんせつが強く要望されています。  改めて、室見川の早急な復旧としゅんせつを実施すべきと思いますが、知事の答弁を求めます。  次に、ブロック塀についてお聞きします。本県では、西方沖地震でブロック塀が倒壊し、高齢者が一人亡くなりました。県は、福岡県ブロック塀等安全対策推進協議会を設置しました。その際、通学路の点検を行っています。今回の大阪北部地震でも一人の小学生が犠牲になりました。本県も小中高等学校、保育所、県有施設のブロック塀を緊急点検しました。その結果、小中、私立学校一千二十一カ所の六八・八%、県立学校は九四・三%が安全性に問題ありと判断され、要改修、撤去するとなっています。  まず、安全であるべき学校で、安全性に問題があるブロック塀が放置されてきたのはなぜなのか。その理由と、その改善策を、知事、教育長に伺います。  次に、ブロック塀の設置について、建築基準法が守られていない理由とその対策をお示しください。  次に、健康寿命について伺います。人は誰でも健康で長生きがしたいと思っています。健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間をいいます。福岡県民の健康寿命は、男性七十一・四九年で全国四十位、女性は七十四・六六年で全国三十位、平均寿命との差は、男性が九・二三年、女性は十二・六六年です。健康寿命と平均寿命の差をどう縮めていくかが大切なことになります。  今回、公明党福岡県議団は、健康寿命について、福岡県内の二十代から六十代までの男女一千人にインターネット調査を、また同じく三十五歳から六十四歳までの男女四グループにインタビュー調査を実施いたしました。調査は大きく二点、健康についてと食生活についてであります。以下、調査の結果を報告いたします。  県民の約八割の方が、現在自分自身は健康だと思っている一方、ふだん健康を意識している、食生活においても健康を意識しているというのは約六割でありました。健康診断、人間ドックを一年以内に受けたというのは五一・四%。市町村のがん検診については、子宮頸がん、乳がんは受診者が三割、肺がん、大腸がん、胃がん、それぞれ一割強でありました。  食生活については、ふだん外食をすると回答したのは、全体の八割。利用店舗としてはファミリーレストラン、うどん、そば店が中心。男性は女性に比べて外食頻度が週四日から五日以上の層の割合が大変高く、また利用店舗としては中華、ラーメン店のスコアが高目となっていました。食の嗜好、習慣として、濃い目の味つけを好む、麺類のスープを飲むほうだと回答したのは全体の約五割、いずれも男性では約六割でありました。健康志向の食材、メニュー、総菜、弁当類として、最も利用意向が高いのは、野菜が多くとれるもので、通常より多少値段が高くても、全体の七〇・六%の方が利用したいと回答しています。次に高いのは、塩分が少ないもので、多少値段が高くても、全体の六四%の方が利用したいと回答していました。全体的に健康について、食生活について、いずれも女性に比べて男性の意識の低さが際立つ結果となりました。  健康診断の未受診層を少し掘り下げると、受診費用が負担に感じたからと答えた層は、女性二十代、三十代で三五%を超えました。職業勤務形態は、非正規雇用が多く、年収は四百万円未満でありました。こうした結果から、勤務先での従業員の健康管理の問題が浮き彫りになったと思います。そして、外食頻度は八〇%と高く、ファストフード店が四割、中食ではコンビニではなくスーパーが高く、九割が利用していました。今後の展開として、野菜摂取、減塩対策をするのであれば、ファストフード店、スーパーの総菜、弁当売り場のアプローチは効率よく訴求できると思われます。さらに、近年の生活習慣病発症年齢の低下傾向などを踏まえますと、四十代はもとより、男性二十代、三十代の健康寿命への意識の低さこそ問題とも言えると思います。一方で、野菜摂取、減塩に対する意識、意向は、性、年代問わず、男性若年層においても比較的高い結果となっていました。  これらの要素を考慮して、若年層に対しアプローチすることが、結果として現役世代に向けたふだんの食生活における健康意識の醸成、ひいては健康寿命延伸意識を高めることにもつながると思います。  福岡県も健康寿命を意識して、八月十日、小川知事を会長にふくおか健康づくり県民会議が発足をいたしました。構成員は保健医療団体、医療保険者、健康づくり関係団体、経済団体、経営者団体、企業、労働組合、大学、マスコミ、地域団体、その他の関係団体、行政の代表者と大変幅広く、百十の団体が参加をしています。知事の強いメッセージをお聞きしたいと思い、幾つか質問をいたしたいと思います。  まず、県民に対する情報提供について伺います。静岡県や愛知県、東京都足立区など、健康寿命先進地では、住民に対して情報の見える化を行っています。本県も健康寿命延伸の活動を提案し、お願いするわけでありますが、県民にどんな情報を提示するのか、お示しください。  次に、私たちの調査では、県民は野菜摂取、減塩について、少々高くても利用したいという高い意識を持っていました。イギリスでは、国民が知らないうちに減塩に成功しております。主食のパンに使う塩を、八年かけて二〇%減らしたことで、国全体の脳卒中、心疾患の患者が四〇%減り、医療費も二千三百億円の削減に成功しております。ぜひ知事には、福岡県を、住んでいるだけで健康になる町にするという意気込みを持って取り組んでいただきたいと思います。知事は、県民会議の皆さんに対して具体的な呼びかけを考えておられればお示しください。  次に、興味を持って取り組めるツール、その開発について伺います。先日、私たちは、神奈川県の未病の取り組みを学んでまいりました。スマホで自分の健康管理ができるマイME-BYOカルテは、大変好評だといいます。さらに、県の幹部が企業を訪問し、未病の取り組みを説明し協力を求めたところ、三十の企業が独自の未病プログラムを開発し、県民、子供たちにとても好評で引っ張りだこだということをお聞きいたしました。知事は、県民が興味を持って取り組めるツールをお考えでしたら、お示しください。  最後に、改めてこの県民会議を立ち上げた理由と知事の決意をお聞かせください。  この項の最後に、介護予防について伺います。国は、健康寿命を延ばすための要因として、介護予防に取り組むことを奨励し、地域包括ケアシステムの構築を求めています。それには、地域の課題の把握と人材や特徴的な地域資源などの発掘を行い、次いで地域の関係者による対応策の検討を行い、対応策を決定し実行する、この繰り返しをすることだと言っています。しかし、最初の一歩の課題の抽出と分析は市町村単独では難しい。  私たちは、千葉大学の近藤克則教授を訪ねました。近藤教授は、独特のアンケート調査をもとに地域の診断書をつくり、自治体に提供しています。この手法は日本老年学的評価研究機構が実施をしています。近藤教授は、中学校程度の広さで地域を分析すると、意外にも隣の校区のほうが元気だとか、病人が多いなどの地域を見える化することができます。見える化したものを、現場がよくわかる人が見ると気づきが生まれる。そして、何をすればよいかを検討し、政策実行し、再度調査をする。その繰り返し、PDCAサイクルで市町村を元気にすることができるという理論であります。  お金の話をして恐縮でありますが、日本老年学的評価研究機構のシステムを使って地域診断書をつくるために、人口五万人程度の自治体で約二百万円程度かかるそうであります。一人当たりの介護給付のコストは年間百九十二万円と言われています。一人介護予防ができれば、調査の費用は捻出できます。また、見える化の調査には、地域支援事業交付金が使えます。市町村の負担は一二・五%です。さらに、国は計画を策定、実施している自治体には、今回インセンティブ交付金保険者機能強化推進交付金)というものが出るようになっています。  まず、知事は日本老年学的評価研究機構の地域の見える化の考え方について、どのような認識をお持ちかお答えください。  次に、福岡県を確実に元気にするために、本県においても地域の見える化を活用した介護予防を取り入れてはどうか、知事の答弁を求めます。  最後に、健康長寿の要素として、今、世界でも常識になっている社会参加について伺います。静岡県の調査でも、健康長寿の三要素は運動、栄養、社会参加、特に社会参加をしている人の死亡率は、何もしていない人に比べて五〇%も健康で長生きをしているという結果を公表していました。イギリスでは、孤独であることが四・九兆円の損失を生んでいると試算し、ことし一月から孤独担当大臣を置いて社会参加に力を入れると聞いております。愛知県の武豊町では社会参加に力点を置いたところ、介護認定率が福岡県より六・七%も低く抑えることに成功しています。知事は、社会参加についてお考えがあれば、お示しください。  次に、再生可能エネルギーの促進について伺います。国の第五次エネルギー基本計画では、温暖化対策の国際的枠組みのパリ協定を踏まえて、再生可能エネルギーを主力電源化として、初めて打ち出しをしました。  公明党福岡県議団は、再生可能エネルギーの可能性が高い九州でどんな取り組みをしているのか、調査をしてまいりました。福岡県は水素エネルギー、長崎県は五島沖の浮体式洋上風力発電、大分県では地熱発電、バイオ発電、鹿児島県では屋久島の水力発電、宮崎県ではサツマイモ発電、鶏ふん発電、沖縄県では海洋温度差発電、熊本県では藻を使った省エネ技術のバイオ燃料。先日は、九電が豊前市に設置をしている日本一の蓄電施設など既に実用化しているものもあり、多種多様な再生可能エネルギーの芽生えを実感してまいりました。九州の再生可能エネルギーは、太陽光発電の比率が大変高く、ことしの四月二十九日、五月三日、五日と、太陽光発電だけで九州全体の需要の八〇%を超えました。これは九州の再生可能エネルギーのポテンシャルの高さ、これを示したものと評価をしたいと思っています。しかも太陽光発電は毎年増加をしています。さらに、二〇二〇年には響灘沖に四十四基の風力発電、福岡県もバイオマス発電を積極的に誘致しています。  再生可能エネルギーの課題は、発電のむらを解決することであります。現在、再生可能エネルギーは、九電の中央制御でコントロールされています。抑制の順番は、揚水発電、火力発電、その次に太陽光と風力となっています。原発の出力制限は仕組み上不可能であるということでありました。しかし、発電した電気が使われないのであれば、再生可能エネルギーの育成につながりません。私は、昨年九月議会で総合計画に掲げる再生可能エネルギーの目標をただしたところ、FITの買い取り価格が下がっているために、太陽光発電に加えバイオマスなど地域特性を生かした多様なエネルギーの導入が必要と答弁をされましたが、育成しても出力制限するのでは意味がありません。  知事に三点質問をしたいと思います。まず、再生可能エネルギーの電気を再利用するには、蓄電池にためるか、水素を利用した蓄電が考えられます。福岡エネルギー政策推進本部長として、電池の技術開発について、知事の見解をお聞かせください。  次に、電力の広域融通があります。現在、九州の広域電力の融通は関門連系線で行っています。しかし、能力の半分、二百七十八万キロワットは利用されていないと伺っておりますが、広域電力融通の推進について、知事の見解を求めます。  最後に、再生可能エネルギーの育成について、知事の決意をお聞かせください。  次に、自転車の安全利用について伺います。私は、自転車の安全利用について、平成二十四年から議会で取り上げてまいりました。しかし、福岡の自転車の事故は減少しません。昨年の自転車が関係した事故は五千七十四件、そのうち自転車と歩行者の事故は百十件と、前年より十九件ふえております。  まず、自転車保険について伺います。自転車の保険制度は、私が提案して二年後、自転車条例とともに、昨年四月にふくおかの県民自転車保険として実現の運びとなりました。国土交通省は、本年六月に発表した自転車活用推進法に基づく推進計画の中で、法律による保険加入の必要性、これを検討する方針を明記いたしました。さらに、平成二十七年度以降、条例で保険加入を義務化する自治体が六都道府県、四政令市に広がりを見せています。  福岡県は、自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例を昨年三月に制定をいたしましたが、保険加入については、利用者、子供を持つ保護者、そして事業者も努力義務になっています。事業者については、近年、民間や行政が行う貸し自転車が急増しています。最大はメルカリが福岡市内にシェアサイクルとして六十カ所の拠点で三百台の自転車の貸し出しを行っています。県内に貸し自転車の事業所は三十二あり、貸し自転車の数は二千六百台を超えております。貸し自転車は、旅行者や外国人の利用者も多いことから、業者の保険加入については義務化すべきと考えますが、本県の事業者の保険加入の実態と義務化に関する知事の見解をお聞きいたします。  さらに、利用者が自転車保険に加入している数は把握されておりませんので、推計するしかありません。自動車保険の個人賠償補償がついた保険の加入率から推計すると、福岡県は一九・一%であります。つまり八〇%の方は自転車の保険に加入していないということになります。また、警察庁は、昨年の全国の自転車事故の加害者の三割が保険未加入という実態を公表いたしました。楽しいはずの自転車ライフが一転して加害者、被害者になる可能性があることを認識せざるを得ません。利用者個人の保険の義務化について、知事の認識を伺います。  次に、条例の改正について伺います。本県の条例の附則には、条例施行後三年をめどに、必要があると認めるときは条例に検討を加え、必要な措置を講ずるとしております。国も保険加入の必要性を検討し始めました。全国でも、先ほど示したとおり、自転車保険を義務化する方向に動いております。本県の自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の十三条、自転車保険の加入について義務化するよう改正すべきと考えますが、知事の答弁を求めます。  最後に、自転車利用の実態調査について伺います。大阪府は、昨年七月に自転車の安全利用に関するアンケート調査を行いました。大阪府も保険加入の公式な統計がないために、独自で事業推進のため自転車保険の加入や認識を調査しています。特徴的な結果は、自転車を利用する頻度が高い人ほど自転車保険に加入しているものの、十五歳から二十歳代や六十歳以上の高齢者は保険加入率も低く、交通規則の認識も低いという結果でありました。福岡県も自転車利用の実態調査は、本格的には行われていません。一番事故に遭いやすい子供や高齢者ほど、交通法規の認識も低く、保険加入の数も少ないという現実は、福岡も同様と推測されます。実際、本県の自転車保険の賠償件数は、全体の半分が児童、学生なのであります。大阪府と同じように、自転車利用の実態調査を行ってはどうか、知事のお考えをお聞きします。  次に、児童虐待について伺います。本年三月、目黒区で五歳の女の子が父親に虐待され死亡した事件があり、連日報道もされ、本議会でも取り上げられました。福岡県でもことし六月、北九州市で父親が四歳の子供をテレビ台の引き出しに押し込み、死亡させた事件がありました。厚労省が、平成二十八年度の児童虐待死の情報を公開しています。心中による虐待死は二十八人、心中以外の虐待死は四十九人に上り、一年間で七十七人の子供たちが命を落としています。対策を急がねばなりません。  国は、こういった児童虐待を重く見て、七月二十日、関係閣僚会議を開き、主に六つの緊急対策を発表しました。一つは、児童相談所の支援を受けている家庭が引っ越しした場合は、書面だけでなく、原則対面で児童相談所の職員が引き継ぎを行うとしました。二つ目の対策は、虐待の通報から四十八時間以内に子供と面会できず、安全の確認ができない場合は立入調査を行い、警察に援助を求めることになります。三つ目の対策は、児童相談所と警察との情報共有の強化であります。四つ目は、リスクが高まった場合にはためらわず、再び一時保護をすることになります。五つ目の対策は、乳幼児健診を受けていなかったり、保育園、小学校に通っていないなど、安全を確認できていない子供の情報を速やかに状況を確認するよう求めています。六つ目の対策は、児童相談所の体制強化で、児童福祉司の数を二〇二二年度までにおよそ二千人ふやすなどして、児童虐待を防ぐ取り組みを進めるとしました。  どれも大切な項目ではありますが、何点かに絞って知事にお聞きをしたいと思います。まず、児相と警察との連携であります。私たち公明党福岡県議団は、先日、愛知県の児童相談所と警察の連携についてお聞きをしてきました。愛知県では、児相だけでは難しい事案がふえてきたために、児相と警察が全ての情報を共有するという協定を結んでいます。協定の概要は、児童相談所は児童虐待事案を全て警察に情報提供する。重篤事案については常に行い、それ以外の事案については毎月定期的に情報提供するというものであります。この協定によって早期発見ができていると成果を示されておられました。福岡県も県、両政令市の児相と警察が情報共有の協定を結んでいます。しかし、警察の情報は全て児相に提供されておりますが、児相から警察に対する情報提供は全てではありません。そして、警察は県内六つの児相中二カ所に常駐しておりますが、両政令市には配置をされていないというのが現状であります。  二点質問をいたします。まず、愛知県のように、事件は警察、子供は児相と役割を明確にし、全ての情報を共有するよう協定を組み直してはいかがでしょうか。知事、警察本部長の答弁を求めます。  次に、両政令市の児相にも警察官を配置してはどうか、警察本部長に答弁を求めます。  次に、市町村と児相との情報共有について伺います。まず、国は、九月までに市町村が実施する乳幼児健診や保育園、小学校に通っていない子供の情報を確認するとなっていますが、作業の進捗状況をお示しください。  この項の最後に、国は、児童福祉司を二〇二二年度までにおよそ二千人ふやすとしていますが、本県にはどの程度配置できるのか、また人材の育成はどのように考えているのか、お答えください。  次に、人格形成を高める教育について伺います。平成二十六年、内閣府が日本を含めた七カ国の若者の意識調査を公表しています。それによりますと、自己肯定感では、自分自身に満足している、自分には長所がある、うまくいかないことでも意欲的に取り組むという問いでは、七カ国中全て最下位。逆に、つまらない、やる気が出ないと感じたことがある、憂鬱だと感じたについては、どの国よりも高い数値を示しています。では、自己肯定感を高めるためにはどうすればいいのか。ベネッセの調査では、自己肯定感を高める要素は、成績が上がった子、勉強が好きになった子、将来目標が明確になった子は自己肯定感が高まり、環境面では、自分のクラスに愛着を感じるようになった子、保護者が努力の効果を感じている子ほど自己肯定感が高いと分析をされています。  本県の二十八年度の国公立、私立含めての在籍児童生徒数は四十一万六千百二十七人、小学生は二十七万六千五百九十七人、中学生が十三万九千五百三十人、そのうち不登校児童生徒数は五千二百三十五人、小学生は一千八十七人で〇・三%、中学生は四千百四十八人で三%、不登校生は中学校の一クラスに一人は存在する数字であります。不登校の原因は、病気が三割、七割は友人関係、学業不振、家庭関係、暴力、いじめとさまざまありますが、調査機関の結果にあるとおり、自己肯定感、子供たちに自信を取り戻させる教育を本気で取り組めば、不登校は減少するはずと、私は思います。  本県では、平成二十七年度から鍛ほめ福岡メソッド事業を開始しています。これは子供の学ぶ意欲や自尊感情、向上心やチャレンジ精神、勤勉性や逆境に立ち向かう心など、人格的素質の育成を狙いとする事業であります。この事業に県内の六つの小中学校が手を挙げ、実践し、アンケート調査によって効果を検証しております。  今回私は、鍛ほめメソッド事業がより効果を生むことができるよう提案をいたしたいと思います。私は、平成二十五年三月、春日市で、「世界一受けたい授業」に取り上げられた、ある中学校体育教師の取り組みを通して、学校から体罰、いじめをなくすことができることを紹介しました。そして、教員の資質向上を教育長にただしましたが、さまざまな理由で実現はしませんでした。私は、先日その方にもう一度会い、本当にいじめをなくすことができるのかと問うと、あなたのその意識が変わらなければなくなりませんと、喝破されました。  彼は、私にもわかりやすく教えてくれました。まず、節目節目に子供たちとあることを確認し合うといいます。あることとは、子供たちと一緒に人の行動価値というテーマでディスカッションをするんですと。子供たちにマイナスの行動は何かと問うと、意地悪、からかい、いじり、いじめという言葉が列挙されてきます。幸いなことに、ほとんどの子供たちは、やってはいけないことだとわかっているといいます。では、いじめのない状態はと問うと、当たり前の行動だと答えが返ってくる。では、プラスの行動はと聞くと、親切、思いやりの言葉などという答えが返ってきます。子供たちはわかっているんです。そこで確認をするんです。具体的には三つ、友達が困っていることに気づいたら声をかけよう、そして一緒に行動しようということをお互いに確認する。子供たちは純粋です。その日から行動してくれます。すると、学校は目に見えて変わってきます。そして彼は、その原理を使って体育教科で実践してきました。それがスモールティーチャー方式です。できる子ができない子を教える。どうすればできるようになるかを一緒に考えるということを実践していくと、子供と教師がともに感動できる学校になります。そうなれば、いじめは当然なくなりますよと教えてくれました。私は、彼の教え子に聞いてみました。その子は、スモールティーチャー方式で一千メーター泳げるようになったことで、やればできるという自信がついた、体育以外にも学ぶ意欲が出た、何よりも学校に行くことが楽しかったと述懐していました。  教育長に二点質問をいたします。まず、教育長は、スモールティーチャー方式が人格形成についてどのような効果があると認識をしているのか、お答えください。  次に、鍛ほめメソッド事業にスモールティーチャー方式を取り入れてはどうか、お答えください。  次に、不登校や中退から蘇生する教育について伺います。まず、実態把握について伺います。私は平成十七年に、中退した子供たちが福岡県の中でどのような状態でいるのか、どこが把握し、考えていくのかをただしました。当時麻生知事は、県は自立のためのさまざまな施策を行っているが、そのためには、出発点となる中退した子供たちがどういう状況になっているかということを正確につかむ必要がありますので、しっかりやっていくと答弁をされました。十三年たって、同じ質問をいたします。知事に、高校中退の子供の実態はどこが把握しているのか、そして、課題とその対応をお示しください。  あわせて、県内の中学校を卒業後、就職も進学もしていない子供の実態を、教育長にお聞きいたします。  私は、今不登校や中退の子供たちをよみがえらせている二つの学校に注目をしています。それは、神村学園高等部福岡学習センターとC&S音楽学院であります。この二校とも、福岡県教育委員会が指定した技能連携校であります。国は、教育の無償化について高校教育では専修学校までとし、県教育委員会が指定している技能連携校は、今のところ対象外になっています。これについては、私は、子供たちの学びたいという気持ちに対して機会均等であるべきだと考えています。  さて、この二校に入学してくる子供たちは、中学時代に不登校だったり、高校を中退したり、心に傷を持って入学の面接に来ます。学校は、子供に真剣に向き合うことで自信を取り戻させる。子供は生きる目標を持ち、通信制のサポートを受けながら、高校卒業資格を取り、次のステップに向かっています。そして、子供たちが自信を取り戻した姿を通して、親も学校の職員もともに感動的な卒業式が挙行されている姿を見ますと、教育のすばらしさを実感しますし、まさに不登校からよみがえる教育はできるんだと希望が湧いてきます。C&S音楽学院の卒業生には、スタジオジブリのアニメ主題歌を歌った手嶌葵さんや昨年のレコード大賞新人賞をとったNOBUさんなどがおられます。神村学園では、通信教育のきめ細かなサポートで自信を取り戻した子供たちが大学に進学したり、博多券番を目指した女性もおられます。何度も言いますが、皆さん不登校だった子供たちであります。  知事は、不登校や中退した子供たちの立ち直り支援を実施していますが、その子供たちに自信を取り戻させることがいかに大変か、よくおわかりと思います。国は、若年無業者が福岡に三万六千人いると推計をしています。一人でも多く社会進出をさせることは、福岡県にとって大変重要な取り組みであると思います。私が紹介した二つの技能連携校のような実績のあるところに対して、何らかの支援を行うべきではないかと思いますが、知事の答弁を求めます。(拍手) 5 ◯議長(井上 順吾君) 小川知事。 *知事答弁 6 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、ダムの洪水調節容量の確保でございます。県管理ダム、これは全て多目的ダムになっておりまして、主な役割といたしまして、治水面では洪水調節機能により下流域の洪水被害を防止または軽減、利水面では既得水利を含む河川流量の安定化、水道用水の供給、これらがあるわけであります。多目的ダムにおきましては、利水者も負担金を出し、建設をされておりますことから、利水者の同意を得た上で利水容量を減らし、治水容量を拡大することは運用上可能であると考えております。しかしながら、一方で、ダムで事前に放流するための降雨の予測というのは、ダム流域という非常に狭い範囲が対象となりますために、依然としてその精度が低いという課題がございます。確実に水道用水やかんがい用水といった利水容量が回復すること、それが見込めないことから、利水者の同意を得ることが容易ではないと、このように考えております。これからの降雨予測技術の精度の向上、またダム操作に関する国の動き、これらを注視していきたいと考えております。  次に、洪水浸水想定区域図でございます。県におきましては、近年の想定を上回る浸水被害が全国的に発生をしていることから、想定最大規模降雨に基づき、その区域の見直しを進めてきております。ことしの四月二十七日、水位周知河川四十河川のうち三十一の河川区域図を公表するとともに、関係市町村へ通知を行いました。残りの九河川の洪水浸水想定区域の見直しに当たりましては、関係市町に対しまして、個別に想定最大規模降雨による洪水浸水想定区域の、この制度の趣旨、そしてまた浸水範囲など、その内容について丁寧に説明を行い、来年の出水期前の公表を目標に鋭意作業を進めているところでございます。  土砂災害特別警戒区域等に存在をしております家屋数でございます。土砂災害警戒区域には、約十九万戸の家屋がございます。このうち土砂災害特別警戒区域には約二万五千戸の家屋が存在しております。また、県の建築基準法施行条例第五条に規定をしております、いわゆる崖条例でございますが、これは区域を指定するものではなく、崖の高さや形状によりまして、個々の建築行為の制限を規定するものでございまして、あらかじめその家屋数の把握を行うものではございません。  がけ地近接等危険住宅移転事業の実績でございます。この事業は、崖崩れや土石流などの危険がある区域内の既存住宅を除却し、安全な土地にその住宅を新築または購入する際、その費用を補助する事業でございます。昭和四十八年度のこの事業の開始から昨年度までの実績でございますけれども、除却費が九十七件、新築等の建物助成費が八十一件と、それぞれなってございます。  住民に対する情報提供につきましては、事業概要を県のホームページで掲載をするとともに、県が毎年開催をしております防災や建築行政の会議におきまして、市町村担当者にその事業内容の説明を行い、住民への周知というものを依頼してきているところであります。また、建築設計団体や宅建業団体、建設業団体が実施をしております講習会、研修会の機会を捉えまして、この事業の説明を行い、関係する事業者の理解を深めるとともに、それらの団体に対しまして、県民への周知というものを要請しているところであります。今後も市町村や事業者と連携をいたしまして、県民の皆様へのこの事業の周知を行ってまいります。  次に、社会インフラの老朽化に伴う補修、更新でございます。県で管理をしております公共土木施設は、昭和三十年代の後半から整備が進められたものが多うございまして、これらが今後五十年を超えることから、地域の安全確保のためには適切な維持管理、これが重要でございます。このため県が管理をしております道路、河川につきましては、定期的に巡視や点検を行うとともに、橋梁、トンネル、水門など重要な施設につきましては、法律に基づき計画的に点検を行うことで、異常や損傷を的確に把握するよう努めてきております。把握をいたしました異常や損傷につきましては、安全を最優先として、早期にその補修を行うとともに、施設の長寿命化を図りながら、計画的に更新を行っているところであります。  次に、地域の安全確保のための空き家対策でございます。放置をされました空き家は、防災、衛生、景観など周辺の生活環境に悪影響を及ぼすことから、地域住民に身近な市町村が空き家の適正管理の促進に取り組むことが重要であると考えております。このため、県におきましては、平成二十七年二月、空き家等対策特別措置法施行後、直ちに県、全市町村、関係団体で構成をしております福岡県空家対策連絡協議会を設置いたしまして、その活動を通じて市町村の取り組みを支援してきているところであります。具体的には、周辺に著しく悪影響を与える特定空き家等の判定の基準、特定空き家等の所有者に対する勧告、命令等の措置の手順、所有者及び相続人の調査の方法、これらを示した手引を順次作成をいたしまして、市町村職員向けの説明会、あるいは実地研修会を実施しているところであります。また、地域の課題解決のため、県土整備事務所管内ごとに、司法書士等の専門家を交えた連絡会議というものを開催しております。今年度は自治会等を通じた空き家の早期把握と所有者への適正管理の働きかけ、その仕組みについて県と市町村で作業部会を設け、その検討を行っているところであります。今後も、協議会の活動を通じまして、市町村の空き家対策が進むよう支援を続けてまいります。  次に、通学路の点検でございます。小中学校や市町村教育委員会におきましては、防災や防犯、交通安全等の観点から子供の安全を確保するため、地域や保護者、警察等の関係機関と連携をいたしまして通学路の危険箇所の点検を行っており、その結果を踏まえて、自治体等によりまして防犯灯や道路照明の設置、看板での注意喚起等が行われているところであります。県におきましては、さきの大阪府の北部地震を踏まえ、現在行っております小学校の通学路に面したブロック塀の再点検に加えまして、中学校の通学路の緊急点検を実施し、安全性に問題があるブロック塀の所有者に対し、その改善指導を行っているところであります。また、所有者による速やかな改善を促すため、撤去費の助成制度の創設につきまして、今回補正予算でお願いをしているところであります。今後とも教育委員会や警察等の関係機関と連携をして、子供にとっても安全、安心なまちづくり、これを推進してまいります。  次に、マイタイムラインの普及でございます。マイタイムラインでございますけれども、災害時に住民一人一人が自分自身に合った避難に必要な情報、判断、行動を把握し、自分の逃げ方というものを時系列で整理した行動計画でございます。現在、先駆的な事例といたしまして、国土交通省関東地方整備局、茨城県、関係市町などで構成をしております鬼怒川・小貝川下流域大規模氾濫に関する減災対策協議会、ここにおきましては、マイタイムライン検討会を設置し、住民一人一人が洪水に対するマイタイムラインをみずから検討する取り組みというものが進められております。県としては、この取り組みを注視していきたいと考えております。  レッドゾーンに指定された民有地の安全対策でございます。ハード対策につきましては、保全対象の人家戸数、公共施設の有無、過去の災害履歴、地元の協力体制などを勘案いたしまして、効率的、効果的な整備に努めてきております。ソフト対策につきましては、市町村や住民に対し、土砂災害危険度情報など避難判断に有効な情報の提供をホームページ、防災メール、テレビのデータ放送で配信をしているところであります。さらに、現在、要配慮者利用施設に配信をしております土砂災害危険度情報、これを改めて登録していただいた県民の方々へもプッシュ型でメール配信できるよう、そのソフト対策の充実にも努めてまいります。また、住民に対する土砂災害についての出前講座の実施や、市町村の防災訓練の機会を活用することなどによりまして、土砂災害警戒区域の説明、避難行動についての啓発というものを行っているところであります。今後とも、ハード、ソフト一体となった総合的な対策をしっかり進めてまいります。  次に、避難所の環境改善でございます。災害が発生した際、市町村の避難所には高齢者やお子さん、妊婦などの配慮を要する方も避難されますことから、これらの方々の視点に立った避難所の運営というのが求められております。県におきましては、福岡県避難所運営マニュアル作成指針を策定いたしまして、要配慮者に関する避難所運営のあり方を示しておりまして、市町村に対して、この指針を参考にしてマニュアルを作成するよう要請するとともに、昨年度からは避難所運営の研修や訓練、これも行っているところであります。また、避難所運営資機材につきましては、市町村に備蓄を促すとともに、県におきましても、それを補完するために、パーティションや段ボールベッドなどを備蓄しておりまして、これらを有効に活用するよう市町村に対し通知をしているところであります。あわせて、民間事業者と災害時協力協定を締結いたしまして、畳、仮設トイレなど必要な資機材を供給してもらう体制というものをとっているところであります。今後とも、避難所におきまして良好な生活環境が確保できるよう市町村を支援してまいります。  次に、室見川の復旧としゅんせつでございます。今回の豪雨で、室見川を初めとする県管理河川におきまして、護岸の崩壊といった施設の被害、また上流から流出した土砂の堆積というものが多数発生いたしております。施設被害の復旧につきましては、発災直後の八月上旬から国の災害査定を受けているところでございまして、この査定が終了次第、速やかに工事着手できるよう取り組んでまいります。また、今回の豪雨によって河川内に堆積をしました土砂につきましては、現在所管の県土整備事務所が、その堆積状況の調査を行っており、撤去が必要な土砂、これを把握しているところでございます。今後は、その結果に基づき必要なしゅんせつを実施してまいります。  次に、私立学校において安全性に問題のあるブロック塀についてでございます。私立学校施設の管理につきましては、児童生徒等が安全に学校生活を送ることができるよう、その学校の設置者が責任を持って適切に対応していく必要がございます。このため県におきましては、これまで私立学校を設置する学校法人に対し、学校施設において外壁やモルタルの落下などの老朽化等に起因する事故などを受けまして、学校施設の安全管理について適切に対応するよう要請をしてきたところであります。  ことし六月の大阪北部地震による事故を受けまして、児童生徒の安全を確保する観点から、私立学校のブロック塀につきまして、外観による緊急点検を行いました。その結果、ブロック塀を有する三百三十七校のうち約四割に当たる百四十三校で劣化、損傷が進行したこと等によりまして、その改修、撤去が必要であると判断をされたところであります。県では各学校法人に対し、六月に安全点検と安全対策を実施するよう要請をし、七月には応急対策を講じていない学校に対し、早急に対応するよう要請を行いました。その結果、八月には全ての学校で応急対策が講じられているところであります。引き続きブロック塀の改修、撤去等を促してまいります。また、私立学校を取り巻く経営環境が大変厳しい状況にありますことから、八月、国に対しまして、ブロック塀等の安全対策に対する助成制度の創設、拡充、これを図るよう要望したところであります。  次に、ブロック塀の設置について建築基準法が守られていない理由でございます。建築物に附属するブロック塀につきましては、建築基準法の規制の対象になりますが、建築主や施工者の構造基準に関する知識の不足、構造基準どおりの工事に要する費用や手間、控え壁の設置による敷地利用への支障、そういった理由によりまして、建築基準法が守られてないブロック塀が築造されているものと考えております。
     県では、平成十七年に発生をいたしました西方沖地震の被害を踏まえまして、これまでもリーフレット、ホームページなどを活用し、広く県民の皆さんにブロック塀の構造基準やその重要性について啓発を行ってまいりました。さらに、今回の大阪府北部地震を受けまして、各戸配布の広報紙「福岡県だより」を通じ、その周知を図ったところであります。あわせて、実際に施工に携わる事業者に対しましても、ブロック塀の適切な工事の施工に関する研修会を開催しております。また、福岡県ブロック塀等安全対策推進協議会の中に相談窓口を開設いたしまして、建築主、また施工者からの具体的な相談に対応しているところであります。今回の事故を受けまして、県民の皆さんからの相談も多く寄せられておりまして、ブロック塀の安全性に対する関心が高まってきております。この機会を捉えまして、県民向けの講習会、事業者向けの研修会等におきまして地震被害の実例を紹介するなど、その内容の充実を図りまして法令遵守の徹底、これを推進してまいります。  次に、県民に対する健康づくりに関する情報提供についてお尋ねがございました。ふくおか健康づくり県民会議におきましては、健康寿命や健診受診率など、県民の健康、生活習慣の現状に関するデータを踏まえまして、健診受診率の向上、食生活の改善、そして運動習慣の定着、この三つに重点的に取り組んでいくことといたしております。これまで県のホームページにおきまして、健診につきましては特定健診、がん検診の受診率、食生活の改善につきましては野菜摂取量、食塩摂取量、運動習慣の定着につきましては日常生活における歩数、運動習慣者の割合といったデータを公表してまいりました。今後、健康づくり県民運動専用の情報発信サイトの中で、これらのデータをもとに情報の見える化など、他県の事例も参考にしながら、わかりやすく提供し、県民の皆様の健康づくりにつなげていきたいと、このように考えております。  県民会議構成団体への呼びかけでございます。私は、今般の県民会議の設立総会におきまして、構成団体の皆様に対し、まず健康づくりに関する情報や思いというものを共有し、お互いの連携を密にしていきたい、そして、県民の皆様がみずからの健康に関心を持ち、それを維持、増進するため、健診の受診、食生活の改善、運動、その三つに取り組んでいただき、その輪を社会全体に広げていきたいと呼びかけを行ったところであります。県民会議の構成団体には、関係団体や傘下団体を通じまして、地域や職場などいろんな角度から、県民の皆様一人一人に健康づくりの働きかけを行っていただきたいと考えております。具体的には、団体、事業所におきまして、従業員や県民の健康づくりの意識を高め、積極的な取り組みを進めることを目的といたしまして、健康づくり団体・事業所宣言、これを開始したところでございます。今後一年間で五千件の登録を目標といたしておりまして、県民会議の構成団体には積極的にその宣言を行っていただくよう呼びかけているところであります。また、食生活の改善に関し、これまでも野菜たっぷり、塩分控え目など、ヘルシーメニューを提供していただく店舗を食の健康サポート店として登録をする取り組みを行ってきておりますが、この取り組みを県下全域に広げていくよう呼びかけているところであります。  次に、県民が健康づくりに興味を持つツールについてお尋ねがございました。県におきましては、九州大学と久山町が協力して行っております生活習慣病等の疫学調査であります久山町研究の最新の知見というものを活用して、高精度で見やすい、新たな生活習慣病発症予想ツール、私どもは、ひさやま元気予報と呼ばせていただきたいと思っておりますが、これを作成し、来週九月十八日、専用の情報発信サイトで公開をする予定でございます。県民の皆さんが、このひさやま元気予報にアクセスをし、みずからの年齢、体重、血圧、血糖値など最新の健康診断の結果などを入力いたしますと、その方の五年後、十年後の糖尿病等の生活習慣病の発症確率、同性、同年代の人と比較した御本人の発症リスクというのが、天気予報の形で表示されることになります。また、そこから三キロ体重を減らした場合や、禁煙した場合など、具体的な取り組みによってどの程度発症リスクが低下するか、そのシミュレーションをすることもできるようになってございます。このひさやま元気予報、これは県民の皆さんがみずからの健康に興味を持ち、楽しみながら、その維持、増進に取り組んでいただくきっかけになるものと考えております。今後、専用の情報発信サイトに健診やイベントなど、さまざまな関連情報も掲載し、その内容の充実を図っていくことによりまして、より多くの県民の皆様に活用いただけるよう工夫を凝らしていきたいと考えております。  県民会議を設置した理由でございます。我が国は、保健衛生活動の充実や医学の進歩などによりまして、世界でも最高水準の長寿国になっております。しかしながら、真の長寿国になるためには、健康寿命を延ばしていかなければなりません。しかしながら、私ども福岡県の健康寿命は、全国平均を、今下回っておりまして、健診受診率、食生活、運動習慣といった生活習慣の改善、これは決して十分ではなく、県民の皆様一人一人が御自身の健康をもっと大切にし、健康の維持、増進を意識しながら生活をしていくことが必要になっております。このため、地域や職場など、さまざまな主体が横のつながりを持って、社会全体でいろんな角度から県民の皆様に働きかけを行い、今申し上げました、県民の皆さんお一人お一人が改めて自分の健康について考え、具体的な健康づくりの取り組みを行っていくこと、また国、県、市町村、これは縦のつながりになりますが、縦のつながりを持って、それぞれの役割を分担しながら、総合的にこの運動を厚みのある取り組みにしていくことが重要でございます。このような観点から、保健、医療関係団体、経済団体、大学、行政などさまざまな団体から成ります県民会議というものを設置させていただいたわけであります。県はもとより、県民会議の構成団体一体となりまして、先ほど申し上げました三つの柱を重点的に健康づくりを県民運動として進めてまいります。それによりまして、県民の皆様お一人お一人の健康寿命を延ばし、真の長寿県というものを目指してまいります。  次に、日本老年学的評価研究機構の地域の見える化、これについての認識でございます。同機構は、平成二十二年に実施をいたしました全国三十一自治体、十一万人の高齢者を対象とした調査、分析の結果などをもとにいたしまして、通いの場への参加などと介護予防効果との相関関係、これを明らかにするとともに、自治体から提供された介護保険データや住民アンケート調査結果等を用いまして、中学校区などの地域別に通いの場への参加状況、要介護認定率などをグラフや地図上に表示をする見える化システムというものを運用されております。このシステムは、地域ごとに現状や課題などをわかりやすく表示されておりますため、市町村や地域住民の方が、地域の特性に合った介護予防の取り組みを進めていく上で参考になるものであると、このように考えております。  地域の見える化を活用した介護予防についてでございますが、全国では、今申し上げましたように、データ分析により地域ごとの現状と課題を把握し、効果的な介護予防事業を展開しておられる事例というものがあるわけでございます。県といたしましては、県内市町村に対しまして、その会議や研修会の機会を利用して、そうした先進的な事例、これについて紹介をさせていただきたいと、このように考えております。  次に、通いの場等への社会参加でございます。高齢者の方が地域の通いの場に参加をされることは、高齢者の介護予防に有効であると考えております。このため市町村におきましては、地域住民やNPOなどの協力を得ながら、地域の高齢者の方が集う体操教室、趣味サークル、認知高齢者の方が集う認知症カフェなど通いの場というものが開設、運営されているところであります。こうした地域の通いの場を広げていくためには、地域住民のニーズの把握、関係者間の情報の共有、そして担い手の養成、運営方法の検討などを行う必要がございます。このため市町村は、それらを担うコーディネーターを配置することとされておりまして、県は平成二十七年度からそのコーディネーターの養成を行ってきているところであります。本年四月現在、県内五十六市町村で二百十三名のコーディネーターが配置をされているところであります。今年度からは、市町村に配置されたこれらのコーディネーターに対しまして、住民主体の活動の推進方法などの知識や技術を学んでいただくためのフォローアップのための研修、これを実施し、コーディネーターの活動がより効果的になるよう支援をしてまいります。また、市町村が通いの場等における介護予防事業を効果的に実施できるよう、県内四カ所に介護予防支援センターを設置いたしまして、市町村からの相談対応など、その支援を行っております。さらに、通いの場の立ち上げや運営等のノウハウについてまとめた手引、これを県で作成いたしまして、市町村に配付をし、介護予防の取り組みを促しているところであります。  次に、蓄電の技術開発に関する見解でございます。再生可能エネルギーのさらなる普及促進を図っていくためには、電力需要の少ない時期におきましても、再生可能エネルギーの出力制御を回避できる蓄電の技術開発というものが不可欠になると思います。特に、余剰電力で水を水素と酸素に分解をいたしまして、電気を水素エネルギーとして貯蔵するシステムは、蓄電池に比べより大規模かつ長期間にわたって電力の貯蔵が可能となる技術として有望とされておりまして、その開発を着実に進めていく必要があると考えております。県におきましては、昨年度から九州大学が行います再生可能エネルギーを利用した高効率な水素製造技術に対する支援を行っております。また、一昨年度から国の事業を活用いたしまして、トヨタ自動車九州において自社工場での太陽光発電を行い、その電力で水素を製造し、貯蔵するシステムを構築して、工場内での燃料電池フォークリフトや展示施設の照明などに利用する実証というものを進めているところであります。  家庭用蓄電池につきましては、現在、国においてコストダウンの目標を設定いたしまして、さらなる技術開発と量産化を促しているところであります。一般的な家庭用蓄電池の容量六キロワットアワーで換算をした場合、二〇二〇年度までに、二〇一五年度の実績価格、今百三十二万円でございますが、それが二〇年度までに五十四万円以下になると、国のほうではしております。そういうことでございますので、県としてもその普及促進に努めてまいりたいと、このように考えております。  次に、広域電力融通についてでございます。現在、広域的な融通に必要な関門連系線などの系統は、大規模災害時や送電線の切断など不測の事態が生じた場合でも、周波数を一定に保って電力を安定的に供給できるよう、その半分について空き容量として確保し、運用されているところであります。一方で、再生可能エネルギーの余剰電力を有効活用するためには、電力を広域的に融通していくことが必要であると考えております。このため国におきましては、過去の実績をもとに将来の運用状況を想定し、空き容量を算出する想定潮流の合理化、事故時の瞬時停止装置を用いた緊急時枠の活用、系統混雑時における出力制御を前提とした系統への接続、これらによりまして、系統の空き容量を柔軟に活用する日本版コネクト・アンド・マネージというものを進めているところであります。県におきましては、これまでも国に対し系統制約の解消のために、既存地域間連系線の弾力的運用について要望を行ってきたところでございまして、引き続き国に働きかけを続けてまいります。  次に、再生可能エネルギーの育成に向けた決意でございます。県におきましては、これまで県有施設の率先導入、市町村が行う導入可能性調査に対する支援、中小企業を対象とした融資制度の創設などに取り組んでまいりました。その結果、平成二十八年度末における再生可能エネルギーの導入容量というのは、今百九十二万キロワットとなってございまして、三十三年度末までに二百三十万キロワットを目指す県の総合計画の目標達成に向け、順調に推移をしているところであります。県といたしましては、これまでの取り組みに加え、市町村に対し再生可能エネルギー導入計画の立案を支援するための専門家を派遣するとともに、民間事業者に対しましては、メンテナンスに関するセミナーや技術者育成のための研修会を開催しているところでございまして、これからも再生可能エネルギーの普及促進にしっかり取り組んでまいります。  次に、自転車貸し付け業者の保険加入の義務化でございます。条例では、自転車貸し付け業者は、自転車利用者に貸し付ける際、保険加入の有無を確認し、加入してない場合には、加入に関する情報を提供するよう努めなければならないとされているところであります。県では、条例に基づいた対応が行われているかどうかにつきまして、昨年十月、そして本年の八月、二回にわたりまして、貸し付け業者の実態調査を行いました。その結果、みずからが保険に加入している貸し付け業者は、八月調査では四十四社中三十一社と約七割に上っております。無人での貸し出しにより利用者への保険加入の確認が現場でできないシェアサイクル貸し付け業者、六社ございますが、それは全てみずから保険に加入をしているところであります。一方、みずから保険に加入してない残りの三割の貸し付け業者に対しまして個別に確認をいたしましたところ、貸し出しに際しましては、必ず保険加入を確認し、加入してない場合には携帯電話やコンビニで手軽に加入できる方法を紹介するなど、条例に基づいた対応をとっているという結果が明らかになったところであります。県といたしましては、引き続き条例に基づき、自転車利用者みずから保険に加入することを基本としながら、貸し付け業者もみずから保険に加入することについても働きかけを行い、レンタサイクルの安全で安心した利用の促進に努めてまいります。  次に、自転車利用者の保険加入の義務化でございます。県内の自転車事故は、全体として減少いたしております。一方で、対歩行者事故は増加傾向にございまして、全国的にも自転車利用者が加害者となる事故で、高額な損害賠償請求事例というのが発生いたしております。こうした状況を踏まえますと、被害者を救済し、加害者の負担を軽減するため、自転車利用者には努めて保険に加入していただきたいと、このように考えております。このため、県では条例の制定の際、加入年齢無制限で最高一億円まで補償するふくおかの県民自転車保険というものを創設いたしております。その加入件数は、運用を開始した昨年の五月の三千六百件から、ことしの八月には約三倍のおよそ一万件まで増加するなど、県民の方の保険加入は徐々に広がってきているところであります。県といたしましては、条例施行から一年を経過しておりません、こういう状況でございますので、当面、四季の交通安全県民運動などの機会、また自転車小売事業者等を通じまして、県民の皆様に対し保険の必要性を強く訴え、その加入を働きかけしてまいります。  次に、自転車の利用の実態調査の実施についてでございます。ことし一月、県政モニターの方を対象に、保険の加入について調査を実施いたしました。これによりますと、自転車利用者二百二十人のうち、保険に加入しておられる方が約四割、御自身が加入しているかどうかわからない方が約一割という結果になっております。これは自動車総合賠償責任保険の中に附帯でつけているかどうかが、御本人が知らないとかいうことがあったようでございます。また、福岡県の自転車活用推進計画の策定のために、福岡県自転車活用推進計画、今これを策定しようとしているんですが、この策定のために、県民の皆様四千人を対象とした自転車利用に関するアンケート調査を行おうとしております。その中で、この保険の加入状況についても調査をすることといたしております。  次に、児童相談所と警察との情報共有でございます。本県では、これまで刑事事件として立件の可能性のある重篤な虐待事案などについて、児童相談所から所轄の警察署へ情報提供を行ってまいりました。平成二十七年四月からは、児童相談所に配置をいたしました二名の警察官が専門的な見地からの助言、所轄警察署との連絡調整などを行うことによりまして、警察との連携をより一層図ってきているところであります。加えて、二十八年の十一月には、県、県警、福岡市及び北九州市の四者で協定を締結いたしました。その後、県警から児童虐待が疑われる児童の情報について、児童相談所へ情報提供が行われているところであります。  こうした中、先般の東京都目黒区の児童虐待死亡事件が発生をいたしまして、これを受け、ことしの七月、厚生労働省から児童相談所と警察との情報共有に関する新たな基準が示されました。それによりますと、虐待による外傷、ネグレクト、性的虐待があると考えられる事案などについて、情報共有を行うこととされております。児童相談所が認知をしました全ての情報の共有につきましては、子育てに関して問題を抱えた保護者が、警察に知られることを恐れて、児童相談所に相談しに来なくなるといった問題、児童相談所と保護者との信頼関係に影響を与えるケースも懸念されますことから、慎重に検討する必要があると考えております。このため、まずは、国が示した新しい基準に沿った情報共有を実現すべく、現協定の見直しを含め、県警及び両政令市との四者で協議を進めているところでございます。  次に、子供の情報の確認でございます。この調査では、まずは各市町村が、ことしの六月一日時点で住民登録をされているお子さんについて、乳幼児健診未受診、保育園、小学校に通っていないなどの情報を九月末までに把握することとされております。その後、出国状況の確認や家庭訪問での目視等によりまして、対象となるお子さんの安全確認を十一月末までに行い、その結果を十二月五日までに国に報告することとなってございます。現在、国からの調査依頼の通知を受けまして、各市町村において対象となるお子さんの確認作業を進めているところであります。  次に、本県における児童福祉司の配置でございます。児童福祉司につきましては、国が平成二十八年に示した児童相談所強化プランに基づき、県内六つの児童相談所に七十五名を配置し、その体制強化を図ってまいりました。こうした中、国は緊急総合対策の一環といたしまして、このプランを年内に見直すこととしておりまして、今後の児童福祉司の配置につきましては、その国の見直し内容を踏まえながら、必要な職員体制の確保に努めてまいります。  次に、児童福祉司の人材育成についてでございます。県におきましては、これまでも児童福祉司の専門性を高めるため、児童福祉司の任用前と任用後の研修、児童福祉司の指導、教育を行うスーパーバイザーの研修、これらを実施してまいりました。また、個別の課題をテーマとした研修といたしまして、家庭への立入調査を模擬的に行う警察との合同研修、家族再統合に向けた援助方法の研修、さらには被措置児童の性の問題に関する児童養護施設との合同研修なども行ってきたところであります。今後とも、これらの研修を通じまして、職員の人材育成に取り組んでまいります。  次に、高等学校中退者の実態把握と課題への対応でございます。高等学校では、県立、私立とも中退者のその後の進路について、できる限りその把握に努めているところであります。平成二十八年度の中退者一千六百六十五名のうち、就職している者が約四割、進学している者が二割、就職も進学もしていない者が二割、連絡がつかない者が二割と、それぞれなっております。特に、個々の状況に応じた支援が必要なのは、進路が定まってない中退者となるわけでございますけれども、県におきましては、これまで若者サポートステーションやひきこもり地域支援センターなどを開設いたしまして、本人や保護者に対し、学校を通じてその利用を促してきたところであります。しかしながら、進路が定まってない中退者の利用というのは、必ずしも多くはありませんで、支援につながっていないという課題があったわけであります。このような課題に対応するため、今月新たに、進路が定まってない若者を対象に、彼らを適切な支援機関につなぐ福岡県若者自立相談窓口を開設したところであります。この窓口におきましては、まず高等学校からの情報提供された中退者に対し、窓口のほうから連絡をとってまいります。その後、専門的知識や経験を有するスタッフが相談者の家庭を訪問し、将来の進路希望や心身の状態等を把握した上で適切な支援機関に同行するなど、きめ細かな支援を行うことになってございます。この窓口を通じて、進路が定まっていない中退者の就学、また職業的な自立というものを図ってまいります。  次に、技能連携校に対する支援についてでございます。技能連携校におきましては、高等学校中退者を積極的に受け入れ、通信制課程の高等学校との連携によりまして、高等学校卒業資格の取得のための役割を果たしていると、このように考えております。県におきましては、先ほど申し上げましたが、今月開設をいたしました福岡県若者自立相談窓口において高等学校中退者に対する支援を行っていくこととしておりますが、その中で、高校卒業資格取得を希望する若者に対し、このような技能連携校についても御紹介をしていきたいと考えているところであります。 7 ◯議長(井上 順吾君) 城戸教育長。 *教育長答弁 8 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 安全性に問題があるブロック塀が放置されてきた理由と改善策についてでございます。県立学校におきましては、建築基準法に基づく定期点検等を行い、明らかに危険性が認められるブロック塀については、その都度撤去や改修の対策を講じてきたところでございます。しかしながら、大阪北部地震による悲惨な事故を重く受けとめ、これまでの点検方法では十分に安全性を確保できないとの認識から、今回の緊急点検では、劣化、損傷の進行によって今後危険となるおそれがあるもの、あるいは法令違反ではないものの現行の基準には適合していないと思われるものについても、撤去またはフェンス等への改修を行うことにいたしました。これが今回多くのブロック塀が安全性に問題があるという結果になった理由でございます。なお、緊急点検において安全性に問題がないとされたものについても内部点検を実施し、安全確保を図ってまいります。また、公立小中学校につきましては、学校の設置者である市町村教育委員会に対し、これまでも機会あるごとに通知文を発出し、適切な管理を行うよう注意喚起を行ってきたところでございますが、このたびの事故を受け、県と同様の安全対策を講じるよう指導を行ってまいります。  スモールティーチャー方式の効果に対する認識についてでございます。県内において、体育の水泳や陸上運動等の学習において、運動技能の高い子供が運動を苦手としている友達に対して動きのコツを教えるなど、教え合ったり、考え合ったりする場面を取り入れて目標を達成させ、自尊感情を育んでいる学習事例があり、一定の効果が上がっていると承知をしております。新しい学習指導要領においては、子供たちが主体的、対話的に学びを深め合うこと、また、たくましく生き抜くための自信や意欲、チャレンジ精神、逆境に立ち向かう心などの人格的資質の育成が重視されており、こうした学習は指導要領の趣旨にも沿うものと認識しております。  鍛ほめメソッド事業の今後の取り組みについてでございます。県教育委員会では、鍛えて、褒めて、子供の可能性を伸ばすことをコンセプトとした鍛ほめ福岡メソッドを、本県独自の教育方法として実践校を指定し、取り組みを進めているところであります。次年度は、この取り組みについて総括を行い、人格的資質を効果的に育成するための活動のあり方について検証することが課題となっており、今後、この取り組みにおけるより実効性の高い学びの方法について研究を重ねてまいりたいと考えております。  中学校卒業後の子供の実態についてでございます。平成二十九年三月の県内の公立中学校卒業者四万四千六百六十七人のうち、進学も就職もしていない者は四百三十二人となっておりまして、その多くは病気や長期の不登校等の生徒と考えております。 9 ◯議長(井上 順吾君) 高木警察本部長。 *警察本部長答弁 10 ◯警察本部長(高木 勇人君)登壇 児童虐待対策についてお尋ねがありました。警察といたしましては、児童虐待事案について、所要の捜査を行うのみではなくて、関係機関との緊密な連携を保ちつつ、児童の安全確保のために必要な措置を講じることについても、県民から警察の果たすべき責務として期待されているものと認識をしております。  まず、児童相談所との間における情報共有についてお答えをいたします。日常の警察活動といたしまして、近隣住民から、例えば子供の激しい泣き声がする、あるいは子供が家の外で座り込んでいるなどの断片情報が一一〇番通報によって寄せられ、警察官が現場に臨場することがありますが、あらかじめ児童相談所から当該家庭について児童虐待の可能性がある旨の情報がもたらされていれば、警察官による判断や措置が一層適切に行えることになる、そういったことに資するものと考えております。  児童相談所との間における情報共有の強化については、本年七月に、関係閣僚会議において決定された児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策を踏まえつつ、県及び両政令市との間で協議を進めてまいります。  次に、児童相談所への警察官の配置についてお答えをいたします。現在、県の児童相談所には、警部の階級にある警察官を二名派遣しているところ、児童相談所と警察との連携強化に効果を上げているものと認識をしております。両政令市に対しても同様の取り組みについて働きかけを行ってまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、子供の安全確保に向け、児童相談所を初めとする関係機関との連携強化に努めてまいる所存であります。 11 ◯議長(井上 順吾君) 新開昌彦君。 12 ◯六十八番(新開 昌彦君)登壇 答弁ありがとうございました。知事に要望を二点、再質問を一点いたします。  まず、地元室見川の復旧としゅんせつについてでございます。地域住民の代表の皆さんの署名までいただいた要望でございます。知事におかれましては、ぜひ人命を第一に考えて対応していただきますよう強く要望しておきたいと思います。  二点目は、ブロック塀についてであります。私たちは、一個のブロック塀は軽いけれども、壁になると凶器に変わることがあるということを再認識いたしました。知事は、ブロック塀施工に建築基準法が守られていない理由に、施工関係者の知識不足、費用や手間、現場の状況などを挙げられました。しかし、今後の対応策は、今までどおり研修会など周知を図るということでございます。このままでは同じことが起こるのではないかと危惧をしております。施工業者などへの完成後の報告など、建築基準法遵守の徹底した指導を行うべきだと強く要望しておきます。  最後に提案でございます。県内の中退者などの無業者の実態把握、これについては難しいというような答弁だったと思います。把握が難しいのであれば、義務教育の場では、自尊感情を育てる教育を行い、一人でも不登校の子供を減らしていただきたい。高校では、福岡県若年者自立相談窓口を最大限に利用し、中退した子供たちが一人でも多く社会へ進出できるよう、大いに期待をしておるところでございます。  私が紹介した二つの技能連携校は、二校合わせて二百人近い中退者や不登校の子供たちを、毎年蘇生させているわけであります。そこで提案でございますが、知事は、現場主義を標榜されております。中退者や不登校の子供たちがどうすれば自尊感情を取り戻し、目標を持ち、社会に送り出せる教育ができるのか、ぜひ現場に足を運んではいかがでしょうか。課題は現場にありますし、その解決策も現場にあるはずであります。ぜひ、私が紹介をした二つの技能連携校を訪問することを提案いたしますが、知事のお考えをお聞きしたいと思います。  以上で公明党の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 13 ◯議長(井上 順吾君) 小川知事。 14 ◯知事(小川 洋君)登壇 先ほど、新しく設置をいたしました福岡県若者自立相談窓口、御紹介をさせていただいたわけでございますが、その窓口を効果的に運用していくためには、やっぱり、その関係先の状況あるいは関係者の方々の御意見、これを踏まえていくことが非常に重要であると考えます。御提案につきましては、関係方面と調整をさせていただきまして、県内の技能連携校のいずれか訪問させていただきたいと、このように思います。 15 ◯議長(井上 順吾君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後二時といたします。           午 後 零 時 五十六分  休 憩           午 後 二 時  一 分  再 開 16 ◯副議長(畑中 茂広君) 再開いたします。  休憩前に引き続き代表質問を行います。発言を許可します。江口善明君。(拍手) *江口議員質問 17 ◯二十七番(江口 善明君)登壇 こんにちは。食と緑を守る緑友会・立志福岡県議団の江口善明でございます。  平成三十年七月豪雨、台風二十一号、平成三十年北海道胆振東部地震と相次ぐ災害でお亡くなりになられた方々に心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。  本県において、平成三十年七月豪雨は、朝倉地域を中心に甚大な被害をもたらした昨年の九州北部豪雨からちょうど一年後の災害でした。九州北部豪雨の復旧、復興もまだ道半ばであります。今議会を災害に強い福岡県を目指し、県行政と県議会が一体となって取り組むための議論の場にしていきたいと思い、代表質問に臨みます。  まず、平成三十年七月豪雨災害についてお伺いします。今回の豪雨は、七月六日午後五時十分に福岡、佐賀、長崎の三県に大雨特別警報が発令され、実に十一府県に大雨特別警報が発令されるという、広域的な豪雨でした。まさに局地的豪雨だった一年前の九州北部豪雨とは対照的な豪雨であります。今回の災害から二カ月が経過しましたが、豪雨災害の本県の被害は死者四名を初め、床下床上浸水三千件以上に上るなど被害は甚大であります。  そこで知事にお伺いします。これまで明らかになった被害の状況についてまず御説明ください。またその際、被害が甚大となった要因についても、あわせて御答弁願います。  次に、本県の対応についてお伺いします。本県では、災害のおそれのある時点から災害対策本部を設置し、自衛隊、警察、消防団など多くの関係機関と連携し、人命救助や避難活動、被災者支援、インフラ復旧に取り組んできました。改めて、昼夜を問わず災害対応に御尽力された関係機関の方々に感謝申し上げたいと思います。災害復旧は今も続いておりますが、まずこれまでの初動対応も含め、本県の取り組みについてお答えください。また、復旧、復興にどのように取り組まれるのか、知事の決意をお聞かせください。  次に、農産物被害の現状と取り組みについてお伺いします。今回の豪雨では、主として筑後川支川が浸水し、筑後平野の農村地帯に甚大な被害をもたらしました。我が会派は発災後、現地を視察し、被災農家から被害状況と要望をお聞きしました。特に、若手農業者が意欲的に大規模栽培を展開している久留米市、小郡市、大刀洗町などのビニールハウスは浸水、農作物被害だけでなく、かん水ポンプなど農業機械も水につかり故障しました。農業者の高齢化が深刻な中、農業に意欲を持つ若手農業者の営農意欲をそがないためにも、園芸農業の振興に取り組んでいる本県の支援は必要であると思います。  そこでお伺いします。本県の農業被害の現状とその支援についてどのように取り組んでいるのかお伺いします。  次に、商工業の被害の現状と取り組みについてお伺いします。今回の豪雨では、商工業にも甚大な被害が出ました。久留米市合川地区や西田地区では商店や工場が浸水し、工場機械や自動車が被災しました。特に、中小企業では、経営の継続に不安を抱える経営者も多くいらっしゃいます。  そこでお伺いします。本県における豪雨災害で被災された商工業の現状と本県としての支援策についてお伺いします。  次に、豪雨災害時におけるダムの大量放流による河川氾濫についてお伺いします。昨年の九州北部豪雨に続き、平成三十年七月豪雨災害の被害は、私たちにさまざまな課題を突きつけました。その一つが、ダムの大量の放流によって、下流で大規模な氾濫が起こり、とうとい命が奪われた愛媛県西予市での甚大な被害でありました。ダムの放流は適切であったのか、住民への避難伝達はどうだったのかなど、しっかりと検証しなければいけないと思います。  そこで知事にお伺いします。ダム放流を実施する場合において、河川管理者として、県は関係市町村や地域住民への情報提供はどうなっているのか、お答えください。  また、今回の豪雨で、本県が管理運営する十五県管理ダムと二試験湛水中ダムにおいて、愛媛県と同様に放流を行ったダム、あるいはおそれのあったダムはあったのか、あればどのような対応をとったのかお示しください。  ダム下流の地域には介護が必要だったり、障がいがあったりして災害時に自力で避難が難しい人たちもいます。今回の経験を踏まえて、住民の命を守る運用とするため、ダム放流時に適正な避難を支える情報伝達のあり方について、今後どのように考えているのか知事の御所見を伺います。  次に、筑後川支川の浸水についてお伺いします。今回の豪雨では、筑後川本川は辛うじて大丈夫でしたが、筑後川支川から浸水しました。この豪雨による浸水面積は、筑後川の七支川の流域で三千三百二十五ヘクタールと、久留米市の面積の七分の一に相当する広範囲なものとなりました。特に久留米市では、七月五日から七日までの四十八時間雨量が観測史上最大の四百七ミリを記録しました。筑後川本川の水位が支川よりも上昇したため、筑後川本川と支川の合流地点の水門を閉鎖しました。閉鎖しなければ、支川よりも水位が高い筑後川本川から水が逆流します。筑後川本川へ水を押し出すポンプも稼働しましたが、支川は浸水をいたしました。私も支川の山ノ井川を視察し、現地でさまざまな声をお聞きしました。具体的な検証が必要と思います。八月一日には、久留米市で国土交通省筑後川河川事務所、福岡県、久留米市、大木町、大刀洗町と学識経験者で構成される久留米市街地周辺内水河川連絡会議が開かれ、検証が始まりました。  そこでお伺いします。今回の筑後川支川の浸水の原因を本県はどのように分析しており、その対策にどのように取り組むのか、知事の御所見をお聞かせください。  続いて、ハザードマップの見直しについてお伺いします。本年四月に、県が管理する水位周知河川四十河川のうち三十一河川について、想定される最大規模の降雨による洪水浸水想定区域を公表され、それに基づき一部の市町村では、浸水ハザードマップの見直しが進められていると聞いています。  そこでお伺いします。四月に公表した浸水想定区域と、今回の災害で実際に浸水した地域がどのような状況であったのかお聞かせください。  また、残る水位周知河川九河川の洪水浸水想定区域の公表がいつごろになるのか、あわせてその周知についてもお示しください。  次に、九州北部豪雨災害から一年、復旧状況と見えてきた課題についてお伺いします。昨年の豪雨災害で甚大な被害を受けた朝倉市でも、少しずつではありますが復旧が進み、市のシンボルである三連水車も復旧し、土砂が撤去された水田では実りの秋を迎えています。朝倉市では、対応のおくれにより被災農地の一部が農林水産省の災害復旧事業費を受けられない事態が発生しました。現在、朝倉市で実態調査が行われているところです。市も限られた人数の中で、通常の業務に加え膨大な災害復旧事業の事務処理に当たり、厳しい状況であったものと思われます。  そこでお伺いします。県は、朝倉市に対し農業の災害復旧業務を円滑に進めるため、昨年の発災直後から、どういった支援を行ってきたのかお尋ねします。  また、災害は県内どこで発生してもおかしくない状況ですが、市町村によっては農業の災害復旧事業に精通した職員が少ない市町村もあるように聞きます。市町村の災害復旧事業に関する技術力向上に対し、県の支援が重要であると考えますが、知事の御所見をお聞かせください。  また、九州北部豪雨災害で甚大な被害を受けた朝倉市や東峰村では、農家の高齢化や担い手不足は大きな問題であります。今回の豪雨災害でも、高齢の方が被災したと聞いており、地元では、復旧がおくれればおくれるほど、高齢者を中心に営農を再開する意欲が失われ、農業をやめていく方がふえ、産地の縮小に拍車がかかるのではないかと危惧する声を聞きます。  そこで知事にお伺いします。甚大な被害を受けた朝倉市や東峰村では、農林業の基盤となる農地や林道について、どの程度復旧工事が進んでいるのか、現在の状況と早期復旧に向けて、今後どのように進めていくのかお答えください。  また、これら復旧と関連する河川や道路の今後の復旧の進め方についてもあわせてお答えください。  次に、JR日田彦山線の復旧についてお伺いします。六月の我が会派の代表質問でも知事にただしたところですが、JR日田彦山線の復旧について検討会議などが開催されていますが、先日、JR九州は不通区間の添田─夜明間二十九・二キロにおいてバス高速輸送システムへの転換を検討しているとの報道がなされたところです。  そこで知事に伺います。検討会議ではどのような協議がなされているのか、現在の状況と、県として住民の交通手段を確保するためにJR日田彦山線の復旧をJR九州に求めていくのか、重ねてお尋ねします。  次に、防災意識の向上についてお伺いします。昨年の九州北部豪雨に続き、ことしも数十年に一度の災害が起こっています。被害を最小限にとどめるには、行政の対応だけでは限界があります。昨年の災害においても早期避難が重要であると言われてきました。しかし、平成三十年七月豪雨でも土砂災害警戒区域や洪水浸水想定区域において、避難指示が出されているにもかかわらず、実際に避難したのは三%であったとの報道もなされています。このように、幾ら市町村が避難指示を出しても住民が避難しないのであれば被害を最小限にすることはできません。まさしく、他人事ではなく、自分の命は自分で守るという自助の精神を再認識しなければならないと強く感じております。  そこで伺います。県として今後、防災意識の向上についてどのように取り組んでいくのかお聞かせください。  次に、佐賀空港へのオスプレイ配備計画に対する本県の対応についてお伺いします。柳川市は、佐賀空港まで直線距離で約四キロメートルしか離れておらず、しかも民間航空機が上空を通ることから、平成十年七月の佐賀空港開港時、佐賀県との間に佐賀空港における航空機の運航に伴う環境保全に係る合意書を締結しております。その中には、空港の用途変更の場合は誠意を持った協議を行うことが定められています。これまで、オスプレイ配備計画が発表されて以降、柳川市の金子市長は、平成二十六年十一月五日、当時の古川知事を訪れ、佐賀空港へのオスプレイ等の配備計画に関する要請書を手渡し、誠意を持って柳川市と協議すること、配備計画の是非を判断するに当たっては柳川市の意向を十分踏まえることを要請しました。このときの古川知事の返答は、柳川市との合意書の規定は、何もかも全てが決まってから、これでいきますというものではないと理解している。合意書の精神をしっかりと踏まえた上で、柳川市と協議する必要が出てきたときは、しっかりとやりたいというものでした。またその後、平成二十七年十一月四日には、新たに知事に就任された山口知事を訪れ、改めて要請した折にも、山口知事からは、真摯に受けとめしっかりと対応していきたいと回答があっていたところです。ところが、去る八月二十四日、佐賀県の山口知事と小野寺防衛大臣が会談され、合意文書を交わし正式にオスプレイ受け入れを表明されました。この突然の受け入れ表明に驚いたのは柳川市です。今回、柳川市との事前協議もなく防衛省との合意がなされたことに対し、金子市長や柳川市議会はもとより、市民の中からも遺憾の声や抗議の声が上がりました。市議会では、早速、協議不履行の抗議議決がなされ、翌日の八月二十八日、金子市長と田中議長が佐賀県庁を訪れ、抗議文書を渡されたところです。オスプレイの配備は、国の防衛にかかわることで、協力すべきであることは十分に認識しております。しかしながら、地域住民の不安がいまだ払拭できない中、今回佐賀県の一方的な合意で行政間の信頼関係がほごにされたことは、まことに遺憾であります。  そこで知事に伺います。福岡県は防衛省からいつ説明を受けたのか、また、それを受け、今後、影響のある柳川市などと、どのように対応していかれるのかお聞かせください。  この項の最後に、相次ぐ県職員の不祥事についてお伺いします。あってはならないことが、また起こったと思います。八月十二日、本県職員が、道路交通法違反、酒気帯び運転の疑いで、福岡県警に逮捕されました。昨年の八月六日には福岡農林事務所職員が、酒に酔ってコンビニの駐車場で事故を起こし、酒気帯び運転容疑で逮捕されています。その二週間後には私学振興・青少年育成局政策課職員がホテルの男湯の脱衣所を盗撮して建造物侵入容疑で逮捕、また、九月二十三日には総合政策課職員が酒に酔って路上で見知らぬ女性を殴り、暴行容疑で逮捕、十月二十日には廃棄物対策課職員が食料品を万引きして窃盗容疑で逮捕されました。そして十月二十五日には県土整備部企画課職員が、路線バスで二十二歳の女子大生に痴漢して県迷惑行為防止条例違反容疑で逮捕です。ことしに入ってからも、五月八日には財政課職員が、行政機関トップらの親睦団体会費を着服したとして業務上横領容疑で捕まり、七月二十六日には京築県土整備事務所職員が酒に酔って救急隊員を転倒させ、暴行容疑で逮捕されております。酒気帯び運転、盗撮、窃盗、横領、暴行でいずれも懲戒処分を受けておりますが、今回の逮捕も含め、半数が酒に酔った上での犯罪であります。  そこで知事にお伺いします。一連の県職員の不祥事は、職員の公務員としての倫理意識の欠落や知事との信頼関係が極めて希薄になっていることは明らかだと思います。県行政のトップを預かる知事の政治責任をいかに考えておられるのかお伺いいたします。  次に、農林水産問題についてお伺いします。  まず、農地の基盤整備についてであります。農地の基盤整備は、農地の形を農業用機械が利用しやすいよう長方形に区画整理し、道路、用水路、排水路を一体的に整備することで効率的な作業ができるようになり、労働時間の短縮や生産コストの削減が図られます。また、米作しか利用できなかった水田の排水性がよくなることで、畑作にも利用できるようになります。  そこで知事に伺います。本県では、これまでどのように基盤整備を進められ、どの程度基盤整備が進んでいるのかお答えください。  次に、農地中間管理事業を活用した担い手への農地の集積について伺います。この農地中間管理事業は、農地中間管理機構が農地を貸したい農家から農地を借り受け、農地を借りたい農家に貸し付けるものですが、今後、高齢化の進行に伴い、その面積はさらに増加するものと考えております。しかしながら、こういった農地の中には、基盤整備が十分に行われていない農地も多く、そういった農地については、担い手が借り受けないおそれがあります。一方で、基盤整備が十分に行われていない農地の所有者は、農地中間管理機構に預けるために、自己負担をしてまで基盤整備をされるとは到底思えません。このため、そういった農地については、最悪の場合、耕作放棄地となる可能性も十分にあるものと考えております。  国は、農地中間管理機構が借り入れている農地について、農業者の申請や同意、費用負担を求めず、都道府県が基盤整備を実施することを可能とした農地中間管理機構関連農地整備事業を本年度創設されました。この事業を活用すれば、担い手への農地の集積が一層進むものと大変期待しているところです。  そこで知事にお伺いします。新たな基盤整備事業の新設を踏まえ、今後、農地の基盤整備をどのように推進していくのかお答えください。  次に、東京に設置するアンテナレストラン「福扇華(ふくおか)」についてお伺いします。我が会派は、首都圏における県産農林水産物の販売拡大の取り組みとして、アンテナレストランには大変期待をしているところです。今からどのようなレストランになるのかオープンが待ち遠しいところです。しかしながら、多くの飲食店がひしめく東京で、たくさんのお客様に来ていただくためには、魅力的な店づくりに加え、その魅力を知っていただくための情報発信も重要ではないでしょうか。  そこで知事にお尋ねします。二月議会の我が会派の代表質問では、集客のための店づくりについてただし、知事は、本県の魅力を総合的に発信していくと答弁されました。オープンまで二カ月となり、開店準備も大詰めを迎えている段階だと思いますが、具体的にどのような広報やPRなどの取り組みを行っていかれるのかお答えください。  次に、県育成品種の知的財産の保護についてであります。平昌オリンピックで銅メダルを獲得したカーリングの女子日本代表がもぐもぐタイムに、おいしそうに真っ赤なイチゴを食べていた映像が流れました。当然、お茶の間では、日本産のイチゴと思われましたが、韓国産のイチゴでした。このことをきっかけに、我が国で開発したイチゴの海外流出に注目が集まったことは記憶に新しいところです。韓国では、我が国から無断で持ち出されるなどした、とちおとめや章姫などの品種をもとに新しい品種の開発が行われており、こういったイチゴは全栽培面積の九割以上を占めているそうです。また、アジア各国にも盛んに輸出が行われており、農林水産省の試算では、日本からの輸出機会が奪われ、五年間で最大二百二十億円の損失があったとの報道もなされているところです。こういった違法栽培を防止するため、世界的には、各国が共通の基本原則に従って新品種を保護することを目的とした、UPOV条約と呼ばれる国際条約があり、日本や韓国を含む七十五の国や地域が批准しているそうです。これに批准している国で品種登録する場合、自国で種子や苗の譲渡が始まってから、果樹などの永年性植物については六年以内、その他のものについては四年以内でないと品種登録ができないこととなっており、先ほどのような品種では、現時点で打つ手がないようです。県育成品種は、長い年月をかけて、多くの労力と予算を使って育成した本県の貴重な財産であります。今後、農産物のブランド化や輸出の拡大を進める上で、国内は当然のことながら海外も含めた知的財産の保護は重要な課題であります。  そこでお尋ねします。県育成品種の知的財産の保護について、どのように取り組まれているのかお伺いします。  次に、熱中症対策についてお伺いします。ことしは三十度を超える暑さが連日続き、熱中症が全国的に猛威を振るいました。熱中症とは、高温多湿な環境に長くいることで徐々に体内の水分や塩分などのバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。熱中症で病院に緊急搬送される人も多くなっており、最悪のケースでは死に至ることさえあります。実際に七月には愛知県で、小学校一年生が校外学習後、熱中症で死亡しました。また、八月には岐阜県で、クーラーが故障した病室で入院患者五人が熱中症の疑いで死亡しました。このケースは一概に熱中症と断言できませんが、一週間ほどクーラーなしの状態の病室に置かれていたことから警察が業務上過失致死容疑で捜査を進めています。こうした死に至る危険性のある熱中症対策は、行政の課題とも言えます。  そこで、熱中症になりやすい子供と高齢者の対策についてお伺いします。まず教育長に、子供の熱中症対策について伺います。学校現場から熱中症で病院に搬送された子供の現状をお示しください。  子供は一日の生活の大半を学校で過ごします。そこで、小中学校のクーラー設置状況はどうなっているのかお伺いします。  また、普通教室のクーラー設置は進んでおりますが、特別教室の設置はおくれているとお聞きします。特別教室の状況もあわせて、本県の現状と課題についてお伺いします。  また、文部科学省はことしの猛暑から、来年度のクーラー設置費用の増額を財務省に要求しています。クーラー設置については国の補助が必要不可欠です。本県として国へどのような働きかけをしているのかお答えください。  次に、部活動やスポーツ大会に対する対応についてお伺いします。熱中症は、子供の場合、主に炎天下の屋外で発生しています。ことしの夏の甲子園でも、熱中症対策として水を飲む給水タイムが導入されました。  そこで教育長にお伺いします。部活、スポーツ大会における熱中症対策を、本県はどのように取り組んでいるのかお答えください。  次に、高齢者の熱中症対策についてお伺いします。少子、高齢化社会の今、ひとり暮らしの高齢者が多く、熱中症の自覚がなく体調不良から病院に搬送されて熱中症と診断されるケースが多いとお聞きしています。
     そこで知事にお尋ねします。本県の高齢者の熱中症の現状とその対策についてお答えください。  次に、県施設の熱中症対策についてお伺いします。先日、本県が設置主体の障がい者支援施設で、施設のクーラーが午後九時半から朝まで消されるとの新聞報道がありました。報道では障がい福祉課がその後、必要に応じて冷房をつけるよう指導したとありましたが、これが事実であればゆゆしき事態であります。この施設の熱中症対策について知事の御所見をお聞かせください。  また、青年の家や少年の家などの県立の青少年教育施設の夜間のクーラー使用の状況について教育長にお伺いします。  次に、本県の再生可能エネルギーに関する状況及び施策についてお伺いします。本県では、一定程度の日射量が得られることや設置場所の確保が比較的容易であるなどの地域特性を生かし、太陽光発電が著しい伸びを見せているようです。その一方で、我が国における再生可能エネルギーの普及については、固定価格買い取り制度の導入などにより進んできてはいるものの、現時点では発電コストがいまだ高く、再エネ賦課金という形で経済的な国民負担が生じており、調整電源の確保も必要とされています。また、先日の新聞では、九州電力は、冷房需要が落ち込む今秋にも、離島を除く九州本土で初めて、太陽光発電事業者に送電停止を求める、いわゆる出力制御に踏み切る可能性が高まったとの記事が掲載されておりました。  そこで知事にお伺いします。このような太陽光発電の現状と課題について、どのような認識をお持ちであるのかお答えください。  また、これまでの取り組み状況とあわせて、県として今後、どのように取り組んでいくのかお答えください。  次に、太陽光発電の安全対策について伺います。太陽光発電は、家庭用からメガソーラーと呼ばれる大規模なものまで、さまざまな規模のものがありますが、その基本構造は、いずれも架台と呼ばれる屋根や地面に固定するための基礎部分に太陽電池パネルが据えつけられたものであります。中でもメガソーラーと呼ばれる一定規模以上の大規模開発となれば、発電事業者は、さまざまな土地利用法制上の課題を解決する必要があります。また、地域住民との円滑な関係性の確保や緊急時の対応などが必要です。特に許可を得て、盛り土や斜面、崖地といった形状の土地で事業を実施する場合であるほど、大規模な事故に発展しないための当然の備えとして、設計、施工の段階から入念な安全対策に努めることが非常に重要です。先般も台風二十一号によって多くのソーラーパネルが飛散する事案が発生したばかりです。  そこで知事に伺います。太陽光の長期安定的な発電継続を実現するための設置基準や安全対策について、これは平成二十七年九月議会の代表質問において、我が会派の堀議員から質問した経緯がありますが、その後どのような強化が図られたのかお答えください。  また、設置時における法令上の規制だけでなく、設置後、長期間にわたり適切な発電を続けていくための保守点検についても今後対応すべき重要な課題と考えますが、本県の取り組み状況について、あわせてお答えください。  次に、環境問題として海岸漂着ごみについてお伺いします。近年、海岸に国内や周辺の国から大量のごみが漂着しており、生態系を含む海岸環境の悪化、海岸機能の低下、漁業への影響などの被害が生じています。また、台風や豪雨などの大規模な自然災害によっても海岸への漂着ごみが大量に発生しているところです。海岸漂着物処理推進法では、海岸管理者などが海岸漂着物などの処理のため必要な措置を講じなければならないとされております。流出ごみの発生元にかかわらず、本県においても県や市町などの海岸管理者などにおいて、海岸漂着ごみの処理が行われているところです。平成三十年七月豪雨では、河川系流出ごみが県内多くの海岸に大量に漂着しました。また海洋を漂流したり海底ごみとしても発生しています。漂着ごみはそれぞれの海岸管理者などにおいて、撤去や処理が行われたものと考えます。このことは、財政規模が小さい市町においては、大きな負担であると思います。  そこで知事にお尋ねします。今回の豪雨で発生した海岸の漂着ごみの処理について、県は市町に対してどのような支援を行ったのかお答えください。  次に、河川などから流出した大量の漂流ごみや海底ごみは、一度撤去した海岸に風向きや潮流の影響を受け、何度となく漂着ごみとして打ち寄せてきます。このような場合についても、市町に対してどのような支援が可能なのかお答えください。  次に、本県の海外県人会を中心とした国際交流の取り組みについてお伺いします。去る七月二十一日、ブラジルのサンパウロ市で、ブラジル日本移民百十周年記念式典が、眞子内親王殿下御臨席のもと、盛大に開催されました。本県からも井上順吾県議会議長、服部誠太郎副知事を初め訪問団がこの式典に出席しました。本県は、沖縄県、熊本県、広島県に並んで海外移民を数多く輩出しております。日本から遠く離れた異郷の地で御苦労も多かったと思いますが、ブラジルでは現在、日系人は約二百万人で、ジャポネス・ガランチード、直訳すると信用できる日本人と呼ばれ、確固たる地位を確立しました。移民の方々が現地での厳しい生活を互いに助け合う中で設立した移住県人会は、現在本県と海外をつなぐ重要な存在となっています。そして、県と移住県人会との連携による県費留学生制度など、日系人の子弟が日本で学ぶ機会をつくるといった本県独自の取り組みは大変有意義なものであると思います。しかし、本県側から考えてみますと、県民の方々に本県出身の移民の方々の努力の歴史を知らせる機会が少ないと思います。  そこで知事にお尋ねします。移民の方々の歴史や県人会の状況を伝える本県の取り組みが必要と考えますが、知事の御所見をお伺いします。  次に、企業県人会を活用した本県中小企業の海外展開についてお伺いします。本県の海外県人会は、戦前に渡航された北米や南米だけでなく、現在、企業の海外駐在をされている方々を中心に構成されているアジア地域の県人会も数多く組織されています。特に、人口減少社会の中で本県中小企業が成長していくためには、成長著しいアジアに展開していくことが必要であり、そのためには、アジア地域の県人会ネットワークを活用することが今後ますます重要になってきます。  そこでお尋ねします。県として、アジア各地域の海外県人会ネットワークを活用して、中小企業の海外展開にどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いします。  次に、空き家対策についてお伺いします。全国的に所有者不明の土地問題がクローズアップされていますが、県民に身近な問題として、放置された空き家の問題があります。老朽化した空き家が危険なまま放置されると、台風、地震などのときに隣家や周辺へ大きな被害拡大に結びつくおそれがあります。また、空き家が放置されたままとなると、その地域も含め有効活用できず、利用されている土地と利用できない土地が混在する虫食い状態となることにもなります。平成二十七年に施行された空家等対策の推進に関する特別措置法では、市町村長が特定空き家等の所有者に対し、助言または指導、勧告を行い、所有者がこれに従わない場合は命令、さらには代執行を行うことができるとされています。空き家問題は、人口減少が進行している市町村だけの問題ではありません。人口増加が続く福岡市及びその周辺自治体でも発生している極めて重要な問題であります。  そこで知事にお伺いします。特別措置法では、県は、市町村が行う空き家対策について情報提供や市町村相互間の連絡調整などの支援を行うとされていますが、県は、法律施行時から今までどのように市町村の対策にかかわり支援を行ってきているのか、また今後どのように取り組むのか、お答えください。  現在、市町村では、空き家の売却や賃貸を希望する所有者からの相談に応じて収集、登録した物件情報を利用者に提供する空き家バンクを運営し、空き家の利活用に取り組んでおります。そのような中、今年度、県は、県内市町村の空き家情報を集約する福岡県版の空き家バンクを整備し、その活用により全県的に空き家の利活用が促進されることが期待されます。  そこで知事にお尋ねします。空き家の利活用は、市町村と取り組むべき重要な課題であると考えますが、現状、福岡県版の空き家バンクにどのように取り組まれ、今後どのようにして空き家の利活用に取り組んでいくのか、知事のお考えをお示しください。  次に、認知症高齢者保護のための取り組みについてお伺いします。  まず、認知症高齢者を対象とする損害賠償保険について伺います。この点については、昨年の九月議会で岩元議員が尋ねられておりますので、これも踏まえて伺いますが、岩元議員が触れられたように、神奈川県大和市は全国で初めて、認知症高齢者を被保険者とする個人賠償責任保険に、自治体の負担で加入する取り組みを始めました。その後、この取り組みは広がりを見せており、愛知県大府市、栃木県小山市、神奈川県海老名市などが導入、そして私の地元久留米市も来月この制度を導入します。  そこで伺います。大和市の取り組みが広がりを見せる中、県として久留米市の取り組みをどう評価しているのかお聞かせください。また、今後県内自治体での導入についてどう取り組んでいくのかお聞きします。  次に、徘回対策のためのGPS活用についてお伺いします。先ほどの賠償責任保険の制度が事後的なものであれば、認知症の方を早期に発見し、事故を未然に防ぐことも重要です。現在GPS機器が普及してきておりますが、認知症の方の徘回対策におけるGPS機器の有効性について知事はどのように考えているのかお聞かせください。  次に、認知症高齢者を法的な面から保護する成年後見制度の利用促進について伺います。まず、現在県では、成年後見制度の利用促進についてどのように取り組んでいるのかお聞かせください。  次に、成年後見制度では、弁護士、司法書士などの専門家でない親族などが後見人を務めるケースもあります。そのような場合には、申し立て段階だけでなく後見段階での継続的なサポートも非常に大切になると考えられますが、親族後見人への支援も含め、成年後見制度の利用促進について県はどのように取り組んでいくのかお聞かせください。  この項の最後に、認知症高齢者保護のための取り組みに関する国への要望について伺います。先ほどお尋ねしました認知症高齢者を対象とする損害賠償保険などについては、意欲のある地方自治体が、認知症の方やその家族の方が安心して生活できるようにするため、独自に取り組みを進めている状況にあります。日本全体で高齢化が進んでいる中、認知症施策の推進には国を挙げて取り組んでいかなければならないと思います。お尋ねした認知症の人による事故に起因する損害への対応、認知症の方の徘回対策に有効なGPS機器の普及促進、成年後見制度の利用促進の三点については、国としてしっかりと取り組んでもらう必要があると思います。こうした点について国に要望すべきと考えますが、知事はどのように考えているかお聞かせください。  最後に、教育問題についてお伺いします。本年六月十三日、成人年齢を現行の満二十歳から十八歳に引き下げる民法改正案が参議院本会議で可決、成立しました。大日本帝国憲法さえ存在しなかった明治九年の太政官布告で、二十歳が成人と定められて以来、約百四十年ぶりに変更されることとなり、二〇二二年四月一日に施行されます。百四十年ぶりという感慨深い出来事ですが、まず、成人年齢引き下げについてどのように受けとめているのか、どのような意義があるとお考えか、教育長の率直な感想をお聞かせください。  次に、成人年齢引き下げに伴う課題について伺います。引き下げにより満十八歳に達した者は成年として扱われ、民法上、親権者の同意がなくても契約などの法律行為ができるようになります。法律上一人前として扱われる反面、未成年者と比べ、契約の取り消し権が制限されるなど、成年として重い責任を負うということにもなります。このようなことから、消費者被害が拡大するのでは、などの懸念も示されており、どのように対処していくかが課題となります。改正法は二〇二二年度に施行されるので、多くは再来年度に高校入学する生徒が在学中に成人します。今から対応を考えることが重要ですし、今のうちからやっておかないと間に合いません。  ところで文部科学省は、国会での改正法成立を受け、七月二十三日に都道府県教育委員会や知事などに対し、成年年齢引下げ等を見据えた環境整備についてという通知を出し、環境整備についての留意事項を取りまとめました。この中では、さらなる消費者教育の推進や、在学中に生徒が成人することを踏まえた生徒指導、自立のための法教育や主権者教育の充実などが記されています。国も関係府省庁間の連絡会議を設け、環境整備を進めているところですが、本県としても一丸となって取り組んでいかなければいけないと思います。  そこで教育長に伺います。再来年度入学の生徒に対応するとなれば、環境整備の期間は長くはありません。特に、より具体的、実践的な取り組みをするには綿密な準備が必要です。本県として十八歳成人に伴う課題に対応するため、教育現場への環境整備に今後どのように取り組んでいくのか、決意とともにお聞かせください。  あわせて、十八歳成人により、校則について一定の見直しが必要になるのではとも考えます。十八歳を大人として扱うことで不要とすべきものもあれば、新たに加えるべきものなどの検討も必要かと思いますが、時代に即した校則にするため、どのように対応していくのか、お聞かせください。  これで私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 18 ◯副議長(畑中 茂広君) 小川知事。 *知事答弁 19 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、今回の豪雨災害による被害状況と要因でございます。今回の豪雨災害による被害状況でございますが、八月三十一日現在で、人的被害死者四名、重軽傷者二十二名、家屋被害床上浸水九百五十二件、床下浸水二千二百九十四件を含む三千六百六十九件、道路被害、これにつきましては、路盤、路肩の損壊など四百三十七カ所、河川被害は河川施設の損壊など二百七十九カ所、土砂災害は崖崩れなど一千百十四カ所とそれぞれなっております。また、その被害額でございますが、道路、河川等の公共土木施設が約百九十八億円、農業が約百四億円、森林、林業が約五十二億円、商工業が約七億円となっておりまして、総額約三百九十七億円となっております。被害が甚大となりました要因でございますが、県内五十一市町村におきまして大雨特別警報が発表されるなど、今回の豪雨が広範囲で長時間続き、県内の広い範囲で崖崩れ等の土砂災害が発生をしたということに加えまして、本川や支川、またそれにつながる水路などの水位が上昇いたしまして、水の行き場がなくなったことによりまして浸水被害が多数発生した、このように考えております。  今回の豪雨災害における本県の取り組みでございます。県におきましては、七月五日の十二時二十分、県内に大雨警報が発表されたことを受けまして、直ちに災害警戒本部及び災害警戒地方本部を設置をいたしまして、その翌朝の六日九時には、災害対策本部及び災害対策地方本部にその体制を移行いたしまして、自衛隊、消防等関係機関と連携して、人命救助、緊急復旧工事の実施などに取り組んでまいりました。また、七月十二日には、副知事をトップとする被災者支援チームを立ち上げ、生活再建、事業継続、行政の運営の支援に取り組んでおります。その後、七月十三日十七時に災害対策本部を災害復旧・復興推進本部へと移行いたしまして、被災地の復旧、復興、これに今全力を挙げているところでございます。今後とも、被災者の皆様に寄り添いながら、一日も早くもとの平穏な生活とお仕事に戻っていただけるよう、市町村など関係機関と連携をいたしまして、全庁一丸となって、迅速かつ円滑な復旧、復興に取り組んでまいります。  次に、農業被害の現状と支援策であります。今回の豪雨によりまして、農地の冠水によります農作物の損傷、ハウス施設、農業機械の損壊、家畜用飼料の流失、農地のり面の崩壊、ため池や水路の損壊などの被害が発生をいたしました。その被害額は八月三十一日時点で百二億円と大きな被害となっておるところであります。県では、災害発生後直ちに、発災直後から農業共済団体に対し、損害評価の迅速かつ適切な実施、共済金の早期支払いを要請するとともに、各農林事務所、普及指導センターなどに相談窓口を設置いたしまして、被災農林漁業者に対する融資、共済など支援制度についての情報提供、栽培技術、経営の相談といった支援に取り組んできているところであります。さらに、無利子融資制度を創設いたしましたほか、ハウス施設や農業用機械の再取得、修繕、被害を受けた農作物の種苗や土壌改良資材、流失した家畜用飼料の購入などに要する経費を支援をしております。今後、農地、農業用施設の復旧を初め、被災地の農産物の販売促進などについても全力で取り組んでまいります。  次に、商工業の被害状況と支援策であります。今回の豪雨災害により被災された商工業者は十六市七町一村の三百六十四事業所でございまして、その被害額は約七億円となっております。主な被害でございますが、店舗、工場等の浸水による商品や原材料の破損、設備の損壊、車両の水没などとなってございます。事業者の方々が、事業継続に不安を覚えることがないよう、迅速に対応していくことが重要であります。このため、県におきましては、被災された中小企業の資金繰りを支援するため、発災直後から相談窓口を設置するとともに、低利融資、それから返済条件の緩和措置を行ってまいりました。また、追加対策といたしまして、県制度融資に通常よりも低利でかつ保証料を全額県で負担をいたします緊急特別融資枠を創設をいたしまして、被災事業者の負担軽減を図ることといたしたところであります。八月三日の取り扱い開始から八月末時点で十四件、一億三千万円余の融資が実行されております。  さらに、県では被災事業者が行います販路開拓の取り組みを支援するため、八月二十一日から公募が開始されております国による小規模事業者持続化補助金に採択された事業者に対しまして、自己負担分の一部を助成することといたしております。今後ともスピード感を持ってこれらの取り組みを通じ、関係機関と連携して被災事業者の事業の継続、早期再開というものを支援してまいります。  次に、ダム放流における関係市町村や住民への情報提供についてお尋ねがございました。愛媛県で実施されましたダムの放流は、異常洪水時防災操作、いわゆるただし書き操作による放流であります。このただし書き操作とは、ダムの水位が上昇し、洪水調節機能が満杯となることが予測された場合に、ダムからの放流量と流入量を、それが同量になるまで徐々に放流量を増加させる操作のことであります。ただし書き操作を実施することが予測される場合には、国の通知に従いまして関係する市町村へファクシミリを用いて操作開始予測時刻の三時間前、一時間前、そして操作を開始したときに、それぞれ情報提供や通知を行うこととなっております。関係する市町村は、これらの情報やその他の防災情報を踏まえまして、住民の方への避難勧告や避難指示といった避難情報の周知を行うこととなっております。  ダムの放流についてでございます。今回の豪雨におきまして、本県ではただし書き操作を実施したダムはございませんでした。しかしながら、操作の実施が予測されるダムはございました。それらのダムにおきましては、国の通知に従い、操作開始予測時刻三時間前、また一時間前にそれぞれ適切に情報提供や通知を行いました。さらに、所管の県土整備事務所長等が関係市町の首長などに対しまして直接電話を行うとともに、県では地域住民の皆さんに対してホームページにおいて、市町の情報に従い避難行動をとっていただくようその注意喚起を行ったところであります。  ダム放流時の適正な避難を支える情報の伝達でございます。今回の豪雨では、他県におけるただし書き操作の実施に伴い、情報が流域住民の避難行動につながっていなかったとの報道や学識経験者からの指摘がございます。このため、国におきましては、検証の場を設け、より有効な情報の提供、住民への周知のあり方について検討が進められています。また、本県におきましても、県管理の全てのダムの下流域市町村の防災担当職員に対しまして、ダム操作の正しい理解を得るための説明会を開催したところであります。今後は、この国の検討結果も踏まえて、情報提供のさらなる改善を行ってまいります。  筑後川支川における浸水の原因と対策であります。今回の豪雨が広範囲で長時間続き、多量の雨水が河川に流れ込んだため、本川や支川の水位が上昇し、水の行き場がなくなって支川から越水、溢水したことが浸水の主な原因と考えております。現在、浸水被害のありました支川において浸水の実態の把握を行っておりまして、特に被害が大きかった支川について、国、県、関係市町などから成ります久留米市街地周辺内水河川連絡会議において、浸水状況やその要因を共有し、点検、確認、検証を行い、今後の対策を協議をしてまいります。それらの結果を踏まえまして、河川改修などのハード対策、地域住民への情報共有、連絡体制のあり方といったソフト対策の両面から総合的に検討を進めてまいります。  洪水浸水想定区域についてお尋ねがございました。県におきましては、近年の想定を上回る浸水被害が全国的に発生をしておりますことから、想定最大規模降雨に基づきその区域の見直しを進めてきております。ことしの四月二十七日に三十一河川の区域図を公表するとともに、関係市町村へ通知を行ったところであります。四月に公表を行いました三十一の河川のうち、今回の災害で浸水被害が発生した河川は十一河川でありました。今回の降雨は、この十一の河川の流域においていずれも想定最大規模の降雨に比べまして小規模であったため、浸水被害は公表した想定区域の範囲内で発生しておりました。残りの水位周知河川九河川の洪水浸水想定区域の見直しに当たりましては、関係市町に対し、個別に想定最大規模降雨による洪水浸水想定区域の趣旨、また浸水地域などその内容について丁寧に説明を行い、来年の出水期前の公表を目標に鋭意作業を進めているところであります。  農業の災害復旧業務に対する支援でございます。県におきましては、朝倉市に対しまして昨年の発災直後は農地、水路などの被害調査のため、延べ四十四名の農業土木職員を派遣するとともに、災害復旧事業を集中的、効率的に実施をするため昨年九月に朝倉農林事務所に災害事業係というのを新たに設置をいたしました。その後、四名の職員を市に常駐させ、災害査定が最盛期を迎える十一月からは、さらにその一名を増員いたしまして、査定設計書の作成、工事の発注業務などについて支援を行ってまいりました。これら人的支援に加えまして、甚大な被害を受けた規模の大きなため池四カ所につきましては、県が代行してその復旧に取り組んでいるところであります。今年度からは派遣職員を六名に増員をいたしまして、農家に対する復旧工法の説明、工事の設計書作成などの業務を行いまして、早期復旧に努めているところであります。  次に、市町村の技術力向上に対する支援でございます。県におきましては、平成二十年度から農林事務所ごとに市町村や土地改良区などと災害復旧に係る協議会というものを設置いたしまして、災害発生後の被災状況の把握、応急工事の進め方、ため池の防災点検の方法などについて研修を行っているところであります。また、県域単位におきましても、災害復旧事業の仕組み、査定に当たっての留意点など、基礎的な知識の習得に力点を置きまして、災害復旧にかかわる研修会を開催をしてまいりました。今年度からは、より実践的な能力を高めるため、過去の災害現場を事例として、査定設計書の作成演習、これも行っているところであります。今後とも、こうした取り組みを通じまして、市町村職員の技術力の向上に努めてまいります。  次に、朝倉市と東峰村の農地、林道の復旧についてであります。まず、農地につきましては、平たん部二百十二ヘクタール、河川沿い百四十九ヘクタール、山間部八十六ヘクタール、合計四百四十七ヘクタールが被災をいたしております。このうち平たん部の農地二百十二ヘクタールにつきましては、八月末までに二百二ヘクタールの復旧が完了し、残り十ヘクタールについても十月までに復旧を終える見込みとなってございます。河川沿いの農地百四十九ヘクタールにつきましては、十四の区域に分けて地元の推進体制を整備してまいりました。役員の選出など体制の整った十二の区域においては、作業効率のよい区画、道路、水路の配置などについて話し合いを進めてきておりまして、地元の合意が得られ次第、測量設計に入ることといたしております。山間部の農地八十六ヘクタールにつきましては、七ヘクタールで工事に着手をいたしております。残り七十九ヘクタールにつきましては、現在、関係農家から復旧工事の同意を得て、六十七ヘクタールで測量設計を行っているところでありまして、十一月からその工事に着手をすることといたしております。林道につきましては、被災した百四十一カ所のうち、百七カ所で工事に着手をしておりまして、残りの箇所についても資材の搬入路が確保され次第、着手することといたしておりまして、今年度末までに全体の四割の箇所について復旧を終える見込みでございます。引き続き、朝倉市、東峰村との間でこれらの工事の進捗状況を共有しながら工事の早期完了を目指してまいります。  次に、農業の災害復旧と関連する河川、道路の今後の復旧の進め方でございます。昨年の九州北部豪雨で被災した朝倉市と東峰村におきましては、農地、林道の復旧工事と隣接して河川や道路の改良復旧事業を同時並行的に行っているところもございます。円滑な復旧を進めるためには事業間の連携が重要になる、このように思っております。県では、昨年九月に農林水産部と県土整備部で設置をいたしました朝倉・東峰災害復旧拡大連絡会議、この場で事業全体の進捗管理、事業計画の調整を行っているところでございます。今後も事業主体間のより一層の連携を図ることによりまして、一日も早い地域の復旧、復興を目指してまいります。  次に、日田彦山線の復旧についてお尋ねがございました。日田彦山線の復旧につきましては、JR九州の青柳社長から、鉄道で復旧したいので協議の場に参加してもらいたいとの申し入れがありましたことから、本県、大分県、沿線市町村、JR九州による日田彦山線復旧会議を設置をいたしまして、実務者レベルの検討会においてもその協議を行っているところであります。七月二十日に開催されましたこの検討会におきまして、福岡、大分両県からは、災害復旧事業を活用することでJR九州が当初提示をいたしました七十億円の鉄道復旧費は五十六億円まで低減できること、沿線市町村からは日田彦山線の復旧後の継続的な運行を確保するため、利用促進のための具体的な取り組みを行うことと、その内容についてそれぞれ提示をいたしたところであります。その上で、年度内に議論をまとめ、早期着工を目指すことで関係者の合意が得られたところであります。こうした協議の中、JR九州の青柳社長が定例記者会見におきまして、運行費用の負担や鉄道以外での運行といった、協議の場に提案すらなされていないことを発言されました。このことは、協議の場をないがしろにするだけではなく、鉄道での復旧を切望している沿線住民の方々及び自治体に大きな不安と不信感を与えるものであります。協議の前提となる信頼関係を大きく損なうものであると言わざるを得ず、私としても憤りを感じているところであります。  このため、そこで大分県、沿線市町村に急遽呼びかけを行いまして、去る八月三十一日、復旧に向けた議論については、日田彦山線復旧会議の場においてこれを進めていくよう、JR九州に対し強く要請をしたところであります。JR九州からは、青柳社長の会見における一連の発言について謝罪がなされたところであります。JR九州には、国鉄の時代から線路の整備、鉄道の運営に多額の税金が投入をされ、民営化に当たりましてはそれまでの債務の承継が免除をされ、三千八百七十七億円の経営安定基金が投入されるとともに、固定資産税の減免がなされていること、これらを踏まえると、JR九州には鉄道ネットワークを維持していく重要な責務があります。私といたしましては、事業者でありますJR九州が、公共交通機関としての使命感を持って主体的に鉄道で復旧すべきであると、このように考えております。JR九州は、一日も早く沿線住民の方々が被災前の利便性を取り戻すことができるよう、誠実に対応すべきであります。日田彦山線復旧会議を早期に開催し、鋭意協議を進めてまいる考えであります。  次に、住民の防災意識の向上でございます。住民の皆さんが適時的確に避難行動をとるためには、日ごろから災害発生のおそれがある場合には、自発的、速やかに避難するという意識を持っていただくことが重要であります。このため、県におきましては災害への備えと具体的な行動に結びつくよう、「福岡県防災ハンドブック」を作成するとともに、防災講演会や地域防災シンポジウム、市町村と合同で行います避難訓練などを通じまして、避難勧告、避難指示の意味、そのときとるべき行動などについて理解を深めていただく取り組みというものを行ってきております。さらに、個人が避難をちゅうちょされる場合には、近隣住民の間で声かけも必要でございます。地域全体で災害時に支え合うための自主防災組織の役割が重要となります。このため、県政出前講座や自主防災組織のリーダー研修、避難訓練、これらを通じまして、自主防災組織の育成強化も図ってきているところであります。今後も機会を捉えまして、住民や自主防災組織を対象とする研修や訓練を実施していくことで、地域における防災意識の向上に努めてまいります。  次に、佐賀空港へのオスプレイ配備計画でございます。佐賀空港は、福岡県に隣接をしておりまして、県としましては、安全性の確保と環境保全の観点から、重大な関心を持ってこの問題を捉えてきております。八月二十八日夕方、九州防衛局から本県に対し、防衛省と佐賀県との合意事項についての説明がありまして、翌日、その内容を柳川市など関係市町に情報提供したところであります。本県といたしましては、今回の合意に基づいた国と佐賀県、佐賀県有明海漁協など関係者の動向を注視をいたしまして情報収集を行い、柳川市を初め、県内の関係市町と連携しながら必要な対応をしっかり行ってまいります。  次に、県職員の不祥事に対する私の政治責任であります。不祥事の再発防止に取り組んでいるさなか、今回再び職員が逮捕される事件が発生いたしましたことは、痛恨のきわみであり、県民の皆様に大変申しわけなく思っております。このような事態になりましたことに県政のトップとして責任を痛感しておりまして、再発防止に全力で取り組むとともに、県政の推進に邁進をし、県民の皆様の信頼を回復していかなければならない、このように考えております。  次に、農地の基盤整備についてでございます。圃場整備を初めとした農地の基盤整備は、農業生産の安定と生産性の向上を図るために重要であります。これまで積極的に取り組んできたところであります。その結果、平成二十九年度までに、本県の圃場整備率は全国第四位と八五・四%となっておりまして、全国平均の六三・一%を大きく上回っている状況にあります。本年度から、担い手への農地集積を加速させ、収益性の向上を図ることを目的といたしまして、農地中間管理機構関連農地整備事業というものが創設をされました。この事業は、農地中間管理機構が借り受けた農地に対しまして県が基盤整備を行うものであり、農家の費用負担が生じないことから、基盤整備の推進には非常に有効な手段であると考えます。県といたしましては、これまで農地中間管理機構と連携いたしまして、その事業の内容や取り組み方法について関係市町村へ説明を行い、中でも担い手への農地集積に意欲的な地区に対しましては事業の積極的な活用を働きかけてきているところであります。現在、事業を要望する地区に対しましては、関係市町村とともに高収益作物を導入する将来の営農計画の作成などの指導、助言というものを行っているところであります。今後とも、農地中間管理機構関連農地整備事業を含め、その地域の要望や実情に合った形で農地の基盤整備、これを進めてまいります。  次に、アンテナレストランについてお尋ねがございました。このレストランは、本県自慢の食材をふんだんに使った料理や県産酒など、福岡の食を堪能できるだけではなく、店舗の内装には博多織や久留米絣や大川組子を、食器には小石原焼、上野焼など、伝統工芸品を使用した福岡を体感できるお店として準備を進めているところであります。これらの特色を含め、レストランの名称は福の扇の華やかの華と書く「福扇華(ふくおか)」という名前でございますが、そのグランドオープンは十一月二十一日を予定しております。その旨、七月二十四日に記者発表したところでありますが、この発表は多くのメディアに取り上げられたところでございます。現在、東京におきましては、県人会や本県ゆかりのある方々の会合にも使用していただけるよう、その働きかけを行っているところであります。県内におきましても、レストランの利用機会が高いと見込まれます企業や団体に対し、働きかけを行っているところでございまして、今後、商工会議所、商工会連合会のネットワークを活用した周知と戸別訪問を行っていきたいと考えております。また、タウン情報誌への広告掲載、SNSによる情報発信に加えまして、マスコミやインフルエンサーなど発信力の高い方を招いたイベントを開催をするなど、幅広く広報活動を行っていきたいと考えます。  さらにレストランオープン後は、八女茶の入れ方教室など、ワークショップを開催をいたしまして、あわせてそのことを在京メディアに取り上げていただくことによりまして、レストランのPRにつなげていきたいと、このようにも考えております。県といたしましては、こうした取り組みを継続的に実施をし、レストラン「福扇華」の広報、そしてそのPRに努めてまいります。  次に、県産育成品種の知的財産の保護でございます。県におきましては、付加価値を高め生産者の所得向上につながるブランド化を進めるため、あまおう、ラー麦、秋王など、独自品種を開発し、消費者から高い評価を受けてきております。こうした品種につきまして、無断栽培、不法な流通、販売を防止するため、国内では必ず品種登録を行っております。特にあまおうにつきましては、海外でも品種登録を行うとともに、ブランド名を独占し、永続的にこれを使用するため、国内外で商標権を取得いたしております。また、種苗につきましては、第三者に無断で譲渡しないことを条件に、農業団体等を通じて生産を許諾した県内生産者に限定し、それを供給することといたしておりまして、厳しく管理を行っているところであります。これらの取り組みに加えまして、全都道府県で組織をしております農産物知的財産権保護ネットワーク、これらを活用いたしまして、無断栽培や不正流通、販売に関する情報収集に努めるとともに、発見した場合には速やかに品種を鑑定できるよう、あまおうや元気つくしなどのDNA判別技術というものを開発しております。実際に昨年、元気つくしでは、このネットワークの情報を活用し、DNA鑑定により無断栽培が確認をされたため、その販売を停止させたところであります。県といたしましては、今後もこうした取り組みを進めることによりまして、知的財産の保護に努めてまいります。  次に、高齢者の熱中症の現状とその対策であります。本県におきまして、ことし七月から八月にかけて熱中症により救急搬送された方は三千三百二十七人であり、昨年同期間と比較いたしまして九百九十人、約四二%の増加となっております。このうち、高齢者は一千五百八十九人となっておりまして、昨年の同期間と比較し四百九十二人、四五%の増加となっております。熱中症予防につきましては、熱中症がどのようにして起こるのか、それをしっかり理解をしていただき、小まめな水分と塩分の補給、エアコンの利用などを行っていただく必要がございます。県におきましては、これらの熱中症の予防について県のホームページや県広報紙に掲載をするとともに、市町村、医療機関に対し、熱中症予防のための注意喚起を行っていただくよう通知を行っております。この通知を受けまして、市町村におきましては、そのそれぞれの広報紙に掲載をするほか、地域包括支援センターの職員による高齢者宅の訪問時の声かけなどにも取り組んでいただいております。また医療機関では、熱中症予防ポスターを掲示するとともに、患者さんに対し、診察の際にその注意喚起を行っていただいております。特に、高齢者の方は自覚症状が乏しく、重症化しやすいという傾向がありますため、県におきましては、介護サービス事業者や高齢者施設に対し、通知を行い注意喚起をいたしております。また、老人クラブ連合会に対し、地域の高齢者の見守り活動の際に、この熱中症予防の呼びかけをしていただくよう働きかけを行っております。  本県が設置主体の障がい者支援施設における熱中症対策でございます。障がい者支援施設の運営に当たりましては、入所者お一人お一人の状況を踏まえ、空調設備等による適温の確保に努めることが基本であると、このように考えます。障がいのある人の中には、体温調節やその意思表示が難しい方もおられますので、近年のように気温が高い日が続く場合には、当該施設については特に配慮が必要であり、県としても温度管理に関して十分指導する必要があったものと考えております。このたび、当該施設の冷房運転に関する通報を受けまして指定管理者に確認したところ、日中及び夜間の消灯時間前までは冷房を運転しているけれども、その他の時間には運転していないということでありましたので、必要に応じて夜間も冷房を使用するよう早速指導し、改善を図ったところであります。なお、県が設置をしております障がい者の入所を伴うほかの二施設につきましては、夜間の運転についても適切にこれが行われていることを確認いたしております。  次に、太陽光発電の現状と課題でございます。太陽光発電は、本県の再生可能エネルギー導入容量の約九割を占める重要な電源でございまして、本県の電力消費量の約五・三%に相当いたしております。また、温室効果ガスを排出せずに国内生産可能で、国際情勢に左右されにくい再生可能エネルギーの一つといたしまして毎年導入量が増加しており、固定価格買い取り制度に基づく新規導入容量は全国で五番目、五位となっているところであります。その一方で、太陽光発電は天候に左右されやすく、変動する出力を調整するために火力や揚水といった他の調整電源を確保する必要があること、春、秋などの電力需要が低い時期において日中の太陽光出力が大きい場合に、電力の安定供給のために出力制御が実施される可能性があること、連系線を活用した広域的な連系運用が必要になること、そういった克服すべき課題があると考えているところであります。  太陽光発電の普及についてでございます。県はこれまで県有施設の率先導入、日照時間など導入検討に必要な基礎情報のインターネットによる提供、中小企業を対象とした融資制度の創設などによりまして、この太陽光発電の普及促進に取り組んでまいりました。こうした取り組みの結果、平成二十八年度末における太陽光発電の導入容量は百七十七万キロワットとなっておりまして、平成三十三年度末までに再生可能エネルギーを全体で二百三十万キロワット、これを目指す県の総合計画の目標値達成のため、重要な電源となっているところであります。今後はこれまでの取り組みに加えまして、市町村における太陽光発電のための助言、指導、事業計画立案を支援する専門家の派遣など取り組みを進めることによりまして、さらなる太陽光発電の普及、拡大を図ってまいります。  太陽光の長期的、安定的な発電継続を実現するための設置基準や安全対策についてでございます。国におきましては、太陽光発電設備の安全対策の充実を図るため、平成二十八年の六月に改正FIT法の成立に伴い、従来の設備の認定に加えまして全ての発電事業者に再生可能エネルギーの発電事業計画を作成、提出させ、国の認定を受けなければならないという制度を創設をいたしました。また、あわせて平成二十九年三月に、事業計画策定のための遵守事項や配慮事項を記載した事業計画策定ガイドラインを策定し、同年四月の改正FIT法施行以降、違反時には発電事業者に対し助言、指導や改善命令、認定取り消しを可能とする規制の強化がなされたところであります。これに加えまして、平成二十八年十一月には、電気事業法の保安規制を見直し、発電規模五百キロワット以上、二メガワット未満の事業者を対象に、発電設備の事前確認を義務づける制度などを創設いたしております。また、私ども県におきましては、適切な保守点検により安全の確保を図るため、太陽光発電事業者に設備のメンテナンス、安全対策について助言を行うアドバイザー派遣事業、適切な保守点検等を行う人材を育成するメンテナンス技術者育成講座、保守点検の必要性や手法、効果を紹介する太陽光発電メンテナンスセミナーなどを行っておりまして、太陽光発電事業を支援しているところであります。  次に、平成三十年七月豪雨で発生した海岸漂着ごみの処理でございます。県におきましては、市町が管理する海岸の漂着ごみの処理について、国の海岸漂着物等地域対策推進事業を活用できるよう、その制度に関する周知や助言を行っているところであります。今回の豪雨災害におきましては、発災後速やかに市町に対しまして海岸漂着ごみの発生状況の調査を行いました。これに基づきまして、福岡市、宗像市、芦屋町の三市町につきましては、既に国の事業で採択をされております予算の範囲内では、今回のごみの処理費用が不足するということが見込まれましたことから、国に対し必要額の追加要望を行いました。その結果、八月三日に国から要望どおりの額が内示されたところでございます。  ごみ撤去後の海岸に何度も漂着するごみの処理についてお尋ねがございました。海岸漂着物については、いわゆる海岸漂着物処理推進法によりまして、海岸を管理する市町などがその回収、処理を行うこととされております。また、同法では、国は海岸漂着物対策を推進するために必要な財政上の措置を講じなければならないことになってございます。このため県は、国に対しまして地方公共団体が実施するこの海岸漂着物対策について適切な財政支援を行うよう求めてきているところでありまして、漂着ごみの撤去が何度も必要となる場合にもこれに対応できるよう、これからも海岸漂着物等地域対策推進事業における十分な予算の確保を要望し、市町の負担軽減を図ってまいります。  次に、海外移民の歴史を伝える取り組みでございます。本県からは北米、中南米に五万人を超える方が移住をされ、海外移住者数では本県は全国で四番目、四位となってございます。移住された方々は、それぞれの異国の地で幾多の困難を乗り越え、今日確固とした地位を築かれ、活躍をしておられます。また、ふるさと福岡県に対する熱い思いから、九カ国に二十の移住県人会が設立をされ、現在、本県とさまざまな交流を続けておられ、本県とそれぞれの国・地域をつなぐかけ橋として我が福岡県の心強い応援団となっておられます。こうした移住県人会と本県のきずなを一層深めていくためには、移住された方々の歴史、移住県人会の状況、県人会会員の活躍ぶりなどを広く我々の県民の皆さんに知っていただくことが大変重要であります。このため、県におきましては、三年ごとに開催をされます県人会世界大会に合わせまして県内四地域で海外移住資料展を実施をし、移住県人会のある国や地域、移民船や住居、農作業の様子など、当時の生活の様子、県人会会員の活躍の御様子、それらを伝えているところであります。また、毎年開催をされておりますハワイアンフェスティバルにおきまして、移住された当時の生活の状況などを伝える写真展を開催をさせていただいております。  次回の県人会世界大会は、来年度、本県で開催をされる予定でございます。県といたしましては、この機会を捉えて、海外移民の歴史や海外移住県人会の状況などにつきまして、県民の皆様により一層知っていただくよう努めてまいります。  次に、企業県人会を活用した本県中小企業のアジア展開についてでございます。県内中小企業のアジア展開に当たりましては、本県の海外事務所が現地で経済活動を行っておられます県人会会員の人脈やノウハウを活用いたしまして、ビジネスパートナーの紹介、また現地企業とのネットワークづくり、これらの御支援を行っているところであります。例えば、上海におきましては、県産酒を取り扱う商社に高級和食店の総料理長を務められております県人会会員を紹介した結果、同店での県産酒取り扱い開始につながりました。また、香港では野菜の輸出を検討されております中小企業に県人会会員の現地商社を紹介をし、高級フランス料理店など複数の店舗から定期的な受注につながりました。さらに昨年度、本県の海外ビジネス訪問団がバンコクと上海を訪問した際には、県内中小企業と現地の県人会企業とが交流する場を設定をいたしまして、海外進出に向け、ネットワークづくりを支援したところであります。県といたしましては、引き続き各地の県人会と密接に連携し、本県中小企業の海外展開を支援してまいります。  市町村の空家対策に対する県の支援でございます。県におきましては、空家等対策特別措置法施行後、直ちに県、全市町村、関係団体で構成する福岡県空家対策連絡協議会を設置をし、その活動を通じて市町村が取り組む空き家対策への支援を行ってきているところであります。これまでに、周辺に著しく悪影響を与える特定空き家等の判断の基準、特定空き家等の所有者に対する勧告、命令等の措置の手順、所有者及び相続人の調査の方法などを示した手引を順次作成をいたしまして、市町村職員向けの説明会、現地研修会を実施しているところであります。また、地域の課題解決のために、県土整備事務所管内ごとに司法書士等の専門家を交えた連絡会議というものを開催いたしております。さらに、市町村が所有者不明の空き家を除却した後、その跡地処分が円滑に進むよう、司法書士会から講師を招き相続財産管理制度の活用に関する研修会も実施いたしました。今年度は、自治会等を通じた空き家の早期把握と所有者への適正管理を働きかける仕組みについて、県と市町村で作業部会を設け、その検討を行っているところであります。今後も、協議会の活動を通じて市町村の空き家対策が進むよう支援を続けてまいります。  空き家の利活用でございます。県では、利用者が求める空き家情報に容易にアクセスできるよう、市町村の物件情報を集約をいたしました福岡県版空き家バンクを福岡県宅建協会の情報サイトふれんずにことしの八月開設いたしました。開設したサイトにおきましては、物件情報に加え、利用者がさまざまな情報が得られるよう、町の魅力や移住者への支援対策など閲覧できるようにしております。また、県内外に広く周知を図るため、本県の移住、定住ポータルサイトや東京福岡県人会や関西福岡県人会、それぞれのホームページからもこのサイトにつながるようリンクを張っております。あわせて、登録物件をふやすため市町村が空き家所有者に働きかけを行う際の留意事項等をまとめたマニュアルを作成をし、市町村職員への研修を実施したところであります。これからも県版の空き家バンクを広く周知をいたしますとともに、多くの物件を市場に流通させることによって空き家の利活用を促進してまいります。  次に、認知症高齢者を対象とする損害賠償保険についてでございます。電車事故で鉄道会社から認知症高齢者の遺族に対し高額の損害賠償が請求されましたことを受け、国におきましては、認知症高齢者等にやさしい地域づくりに係る関係省庁連絡会議におきまして、事故等が起こった場合の損害への対応等について検討を行っております。国は、個人の賠償責任を補償する保険につきましてはさまざまな商品が開発されていることから、今後の商品開発の実態を注視するとともに、市町村や関係団体と連携しつつ、必要に応じ紹介、普及等を行うこととしております。県といたしましては、こうした国の動向も踏まえまして、保険商品の開発及びその普及状況というものを注視していきたいと、このように考えております。なお、久留米市の取り組みにつきましては、民間保険活用の手法の一つであると、このように考えております。  次に、徘回対策におけるGPS機器の有効性でございます。行方不明になられた認知症高齢者の早期発見は生存率に大きく影響しますことから、早期発見が可能となるGPS機器は徘回対策において有効であると、このように考えております。  成年後見制度の利用促進に向けた県の取り組みであります。県におきましては、これまで成年後見制度の相談窓口となります市町村、地域包括支援センターの職員及び介護職員を対象といたしまして、その制度の概要、利用手続等を学ぶ研修会を毎年度開催をしてきております。また、その制度の周知を図るため、市町村や県社会福祉協議会が行うパンフレットの作成、市町村が行う説明会の開催、それぞれについて助成を行っているところであります。さらに、低所得の方であってもこの制度が利用できるよう申し立てや後見人の報酬等について、必要な経費について市町村が低所得の高齢者にこれを助成する場合、その経費について県も助成を行っております。加えて、今後の制度利用者の増加に対応できるよう市町村が行う後見人後継者を育成する研修につきましても助成を行っているところであります。  次に、成年後見制度の利用促進に向けた取り組みであります。成年後見制度は、認知症などによりまして、財産の管理または日常生活に支障のある方を社会全体で支えるための重要な手段であります。このため、国におきましては、平成二十九年三月、成年後見制度利用促進法に基づき基本計画を定め、その中で市町村は本人や後見人を支援する福祉、行政等の関係者で構成する地域連携ネットワークの構築、それにその中核となる機関の設置に努めることとしたところであります。県におきましては、基本計画の趣旨について、市町村職員を対象とした研修会においてその説明を行ってきたところであります。後見人には弁護士などの専門職だけではなく、親族の方が選任される場合もございまして、親族後見人に対して日常的な支援が重要であると考えております。県といたしましては、親族後見人の日常的な相談支援を担う地域連携ネットワーク及びその中核となる機関の整備について、具体的に検討がされるよう必要な助言を行ってまいります。  次に、認知症高齢者保護のための取り組みに関する国への要望でございます。認知症高齢者の増加が見込まれる中、国、地方を挙げて認知症の人やその家族の視点に立った取り組みを早急に進めていく必要があると考えております。このため、全国知事会を通じまして、国に対して認知症の人やその家族が安心して暮らしていけるよう、損害賠償責任に関する法整備、公的救済システムを構築すること、行方不明の認知症の人を発見するために有効なGPS等の機器については、介護保険給付の対象とするよう早急に検討すること、成年後見制度の利用促進について、本人や後見人を支援するための中核機関の整備及び市町村長申し立てにかかわる体制整備に必要な財政措置等を講じること、これらについて要望を行っているところでございます。 20 ◯副議長(畑中 茂広君) 城戸教育長。 *教育長答弁 21 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 熱中症で搬送された子供の現状についてでございます。県域の公立学校では、ことし四月から八月末日までの間に、百八十六校四百二十三名の児童生徒が熱中症と見られる症状により病院に搬送されております。内訳は、小学校が二十九校三十九名、中学校が九十八校二百二十六名、高校が五十九校百五十八名となっており、主に部活動やクラスマッチ、体育大会の練習等屋外の活動で多く発症しております。なお、幸い重篤な症状となった事案は報告されておりません。  小中学校のクーラー設置に係る現状と課題についてでございます。本年九月一日現在において、小中学校の普通教室における空調設備の設置率は八一・六%、特別教室における設置率は四〇・八%となっております。特別教室の設置率が低いのは、市町村において空調設備に多額の費用を要する中で、まず普通教室における整備を優先させた結果であり、整備に係る予算と財源の確保が喫緊の課題であります。  国への働きかけについてでございます。整備がおくれている市町村においては、いずれも近年の猛暑等を考慮し、整備を進めていく考えがあることから、県教育委員会といたしましては、市町村の空調整備が計画どおりに実施できるよう、国における十分な予算の確保について県単独であるいは教育長協議会等を通じて、文部科学省に強く要望を行っているところでございます。  部活動等における熱中症対策についてでございます。熱中症事故の防止については、これまで県立学校、市町村教育委員会及び学校体育団体に対し、小まめな水分、塩分補給や暑さ指数等を活用し、必要な場合にはちゅうちょすることなく計画の変更、中断を行うなど、適切な措置を講ずるよう働きかけてまいりました。これを受け、大会を主催する中学校体育連盟や高等学校野球連盟は、給水タイムの導入のほか、開会式の中止、短縮、大会日程の変更、軽装による応援等の対策を講じております。今後も日常的な部活動を初め、大会への参加及び体育大会等の実施において、引き続き熱中症事故の防止に万全を期すよう指導してまいります。  県立青少年教育施設における夜間のクーラー使用状況についてでございます。夜間のクーラー使用につきましては、各施設の利用規定等に基づき行っておりますが、本年のような暑さの厳しい夏につきましては、利用者の体調を考慮し、使用時間を延長するなど弾力的な運転を行っているところでございます。  成年年齢引き下げの意義についてでございます。少子、高齢化が急速に進む中、我が国の将来を担う若年者には社会のさまざまな分野において積極的な役割を果たすことが期待されており、成年年齢引き下げにより、十八歳、十九歳の若年者の社会参加の時期を早め、その自覚を高めることは、我が国の社会に活力をもたらすものと考えております。このため、高校教育の段階では、大人としての権利と責任の自覚を促し、自立を支援する教育の充実が重要であると考えております。  学校教育における今後の取り組みについてでございます。県教育委員会といたしましては、成年年齢引き下げに伴い最も懸念される若年者の消費者被害を防止するため、高校段階において消費者政策の変化に即した教育を推進する必要があると考えております。このため、公民科や家庭科の授業のほか、弁護士や消費生活相談員等の外部講師を活用し、最新の啓発資料や専門家の知見に基づく実践的な学習の充実を図ってまいります。また、関係機関との連携により、効果的な指導方法について教員研修を実施し、消費者教育を担う教員の資質向上を図ってまいります。  校則の見直しについてでございます。校則は学校の教育目標を実現し、その秩序を維持するために生徒が遵守すべき学習上、生活上の規律を定めたものであります。今般の成年年齢引き下げに伴い、法令上新たに保護者の同意なしに行うことが可能となった行為については、その趣旨を踏まえ、校則の緩和を検討する必要があると考えております。一方で、そうした行為であっても、生徒間での金銭貸借など校内で行うことが教育上望ましくないものについては、新たに校則に盛り込むことも考えられます。県教育委員会といたしましては、社会情勢の変化に対応し、今後とも生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長していくための行動の指針となるよう校則の見直しについて指導してまいります。 22 ◯副議長(畑中 茂広君) 江口善明君。 23 ◯二十七番(江口 善明君)登壇 熱中症対策について、二点質問いたします。九月二日の地元新聞の一面で、「障害者施設 切られる冷房」ということで記事が出ていました。その投書があってから県が対応して柔軟な運営にしたと思うのですが、知事の答弁では県としても温度管理に関して十分指導する必要があったと考えるという答弁をいただきました。普通の民間施設ではなく、県設置の県が主体の施設ですよ。指定管理ではありますが、その方がもし何かあったときは県が責任をとらないといけないのじゃないですか。片や県知事が、私の答弁で本県の高齢者の熱中症の症状と対策についてというときに、エアコンなどの利用を行っていただく必要がある、そして県ホームページや県広報紙に掲載するとともに、市町村医療機関に対し熱中症予防のための注意喚起を行っていただくよう通知を行っている、片や熱中症予防を推進しないといけないって言っているんですよ。片や自分たちの施設でこういうことが起きたんですよ。職員の不祥事のときだけ謝りましたけれども、この件については、全く謝っていないじゃないですか。私は県民の方に謝るべきだと思います。再度答弁をお願いしたいと思います。  そして、入所者の方の記事のコメントを引用しますが、入所者本人はやっと入れたと。施設に感謝している。苦情のようなことは言いたくないということで、その親族の方が投書されたという事実だそうです。非常に苦情が言いにくいという状況だったと思います。何ら検証をせず、ただ温度管理に対して十分指導する必要があったという答弁では、私は納得できないと思います。きちんとこの事実は検証すべきではないでしょうか。そして、苦情が言いにくいというのは、病院で亡くなった方たちもそうだと思いますよ。施設にやっと入れた、だから言わなかったと思いますよ。きちんとした検証、その二点、お伺いをしたいと思います。 24 ◯副議長(畑中 茂広君) 小川知事。 25 ◯知事(小川 洋君)登壇 先ほど御答弁申し上げましたように、熱中症対策にいろいろ対応してきた中で、私どもが設置主体になっております施設でこういうことが起こりましたことにつきましては、県としても十分指導する必要があったものとして反省し、おわび申し上げたいと思います。  その上で、検証もやっていきたいと思いますけれども、それまでの間は、今回はいわゆる冷房運転のケースでございますけれども、障がい者支援施設の運営に当たりましては、日ごろから入所者お一人お一人、その状況に合わせて、またその方々に寄り添う、そういった形で対応することが必要であると、このように考えております。県といたしましては、指定管理者に対しまして入所者に対する配慮を怠りなく適正な運営を行うよう指導してまいりたい、徹底させていただきたいと思います。 26 ◯副議長(畑中 茂広君) 以上で代表質問を終わります。  本日はこれをもって散会いたします。           午 後 三 時 四十三分  散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...