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平成30年2月定例会(第12日) 本文
平成30年2月定例会(第12日) 名簿

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  1. 福岡県議会 2018-02-12
    平成30年2月定例会(第12日) 本文


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(樋口 明君) ただいまから本日の会議を開きます。  日程に従い一般質問を行います。順次発言を許可いたします。香原勝司君。(拍手) *香原議員質問 2 ◯十七番(香原 勝司君)登壇 皆さん、おはようございます。自民党県議団の香原勝司です。三日目の第一……の続きはなかなか出てまいりませんけれども、議会中でもありますし、大変寝不足の中であると思いますが、しっかりとおつき合いをいただきたいというふうに思います。  では、通告に従いまして、JR九州の交通機関としての公共性、今回の大幅減便問題について知事の戦う姿勢をただしてまいりたいと思います。  鉄道は、地域の住民の方々の通勤、通学、通院、買い物などの日常生活や、インバウンドを含む旅行者の方々にとって重要な移動手段となっています。また、高齢化が進展していく中において、免許を返納した方々が安心して生活を営むためには、公共交通の役割は今後ますます大きくなることは明白であります。こうした中、JR九州は昨年十二月十五日に、ことしの三月に予定をしているダイヤ改正について発表を行いました。その内容は、新幹線で六本、特急で二十四本、在来線の快速、普通列車で八十七本の計百十七本の減便といった、JR九州発足後、最大の減便を伴うものでありました。私の地元である福北ゆたか線のJR直方駅においても、昼間の時間帯を中心に折尾方面で上下八本、博多方面で上下十本の計十八便の減便が予定をされております。また、昨年三月のダイヤ改正時には、筑豊本線で多くの駅が無人化されました。これは、駅遠隔案内システムを導入することで駅の無人化を図るというものです。JR九州は、遠隔操作をするオペレーターと監視カメラや巡回職員を配置することで、安全や利用客の利便性は確保できると説明をしたと聞いております。しかしながら、この無人化の方針が判明した途端、住民や視覚障がいの方々から大きな不満の声が上がりました。JR九州に対しては、自治会や障がい者団体の方々から計画の見直しの申し入れがなされ、最終的には、主に定期券の購入の利便を図るという観点で、若松駅と中間駅の二駅のみに朝の通勤、通学時間帯に駅員を配置するといった対応がとられましたが、無人化は予定どおり実行されたことは記憶に新しいところであります。  このようなJR九州の経営姿勢に対して、私のところには、JR九州は経営の合理化ばかりを進めており、自分たち住民の利便性や足の確保といった視点が欠落しているのではないかという声が聞こえてまいります。JR九州は、今回のダイヤ改正や駅の無人化は、鉄道路線網の維持に向けた収支改善のための取り組みの一環であると言っておりますが、一方でJR九州は、平成二十九年九月期の中間決算では、好調な駅ビル、不動産事業を背景に過去最高の売上高、利益を計上しています。JR九州全体で大きな利益を上げており、会社全体の収益で鉄道を支えることもあってはいいのではないかというふうに考えております。  先日の我が党の代表質問においても申し上げましたが、JR九州発足時には、路線維持のための経営安定基金が国庫から支出され、また固定資産税等の減免措置も講じられております。JR九州に対してはいろんな形で税金が投入されています。そういった点では、JR九州は国民負担の上で成り立っている企業であり、単なる民間企業とは異なるものであります。県においても、これまで博多駅、行橋駅の耐震化において助成を行っています。駅そのものはJR九州が所有しているにもかかわらず県が助成をしているのは、JR九州が公共性の高い企業だからではないでしょうか。一方で、ダイヤ改正のような合理化は、民間企業だから自治体や住民の意見も聞かずに進めていく。果たしてこのようなことでいいのでしょうか。日田彦山線をめぐるJR九州の発言を見ても、バスやタクシーへの転換や赤字路線の維持に地元負担を示唆するなど、みずから鉄道を維持するという意欲に乏しく、公共性が非常に高い事業を営んでいるという責任を認識していないのではないかと思わざるを得ません。  そこでお尋ねいたします。知事は、JR九州の公共交通を担う会社としての姿勢をどう考えるのか、またどのようにしてJR九州に対して県や市町村の意見を反映させていくのか、お尋ねをいたします。  知事の力強い答弁をお願いします。(拍手) 3 ◯議長(樋口 明君) 小川知事。 *知事答弁 4 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  JR九州の公共交通を担う会社としての、その姿勢についてでございます。鉄道事業は、住民の皆様の日常生活の維持はもとより、地域経済また社会の発展に大きな影響を及ぼす極めて公共性また公益性の高い事業であると考えております。特に、固定資産税などの税の優遇措置、それから完全民営化に際しての経営安定基金、その取り扱いなどを勘案をいたしますと、JR九州を一般の民間企業と同列に論じることはできないと思っております。より高い社会的使命を有していることを認識した上で、この事業経営を行っていただく必要がある、このように考えております。  そのような中、JR九州は地元に十分な説明を行わないまま、御指摘のありました筑豊本線の駅の無人化、また今回の過去最大規模の減便を伴うダイヤ改正の発表を行い、このことが沿線市町村や、また地域の住民の皆様に大きな不安や不満、そして不信感を抱かせることになったわけであります。今般の一連の進め方につきましては、私も遺憾であると、このように考えております。県におきましては、大幅な減便方針、その公表直後でございますけれども、九州各県、私どもから呼びかけをいたしまして、知事及び議長の連名で、ダイヤ改正の再考等を求める緊急要望を行ったわけであります。また、その後も県内市町村と連携して再三にわたり要望活動を行いました結果、JR九州はダイヤ改正の一部見直しを行い、また改正後も利用者の声を聞き、利用状況を把握しながら、変えるべきものがあれば対応していくと、このように回答しているところであります。現在、具体的な影響調査を行っておりまして、その結果をも踏まえ、必要に応じてその見直しを求めていくとともに、公共性の高い鉄道の事業者といたしまして、地域住民の生活、また地域の活性化に配慮した事業運営がなされるよう求めてまいります。 5 ◯議長(樋口 明君) 香原勝司君。 6 ◯十七番(香原 勝司君)登壇 では再質問させていただきます。  今の知事の答弁をお聞きする限りでは、県はこれまでJR九州に対して、ダイヤ改正の見直しや駅の無人化の撤回など、地域住民の意向を踏まえて要望をされてきたということですが、基本、成果は何も上がっていないということであります。JR九州のこのような姿勢を正すためには、県の力だけでは限界があるということなのでしょうか。許認可権限を有する国が関与することが必要であるとも考えます。  国土交通省は、JR九州の完全民営化の際、国鉄改革の経緯を踏まえた事業運営を担保する必要があるとの観点から、JR九州が当分の間配慮すべき事項を指針として発表されました。この指針によると、新会社は国鉄改革の実施後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化を踏まえて現に営業する路線の適正な維持に努めるものとするとされております。そしてまた、国土交通大臣には指導や助言、勧告、命令の権限が付与されています。  私は、JR九州に対する指導等を国に求めていくべきであると考えますが、知事の見解をお聞かせください。
     そしてまた、JR九州がダイヤの見直しや駅の無人化など住民の利便性に大きくかかわる決定を行う場合には、県や市町村に事前に協議する場を設けるべきであると考えますが、あわせて知事の見解をお聞きします。 7 ◯議長(樋口 明君) 小川知事。 8 ◯知事(小川 洋君)登壇 JR九州に対する指導等についてお尋ねでございます。御指摘のありました国土交通大臣が示した指針の趣旨は、JR九州が鉄道事業にかかわる利用者の利便性の確保と適切な利用条件の維持、そしてその事業を営む地域経済及び社会の健全な発展の基盤を確保、それを目的とするというふうになってございます。この趣旨を踏まえますと、先ほど申し上げましたように、JR九州には住民生活また地域の活性化に十分配慮した事業運営に取り組んでいただくこと、その必要があると考えております。  今回、JR九州は、九州各県、議会、県内市町村から再三の要望を受けまして、ダイヤ改正の一部の見直しを行いました。また、二月十六日でございますが、先ほども申し上げましたように、青柳社長、コメントされておりまして、これからも利用者の意見や地域の意見に耳を傾け、利用状況の把握に努め、時刻の修正や車両の増結、列車の増便や運転区間の延長等柔軟に対応していくと、このように言われております。このように、自治体や利用者の意見を聞きながら事業運営を行う姿勢を、今示しているところから、まずは九州各県、議会、県内市町村、連携を強めまして、JR九州に対し、公共性の高い交通機関としての認識を持って事業運営を行うよう、引き続き粘り強く働きかけを続けていきたいと考えております。  また、JR九州と協議する仕組みでございますけれども、今回のような大幅な減便、駅の無人化といった利便性の確保に重大な影響を及ぼす事項につきまして、地元の意見を反映させるため、早い段階でそれらの情報提供がなされ、事前に私ども県や地元自治体との協議をする機会を設けるよう要請をしてまいります。 9 ◯議長(樋口 明君) 香原勝司君。 10 ◯十七番(香原 勝司君)登壇 今、知事の答弁をお聞きすると、国の力ではなく、まず県でやらせてほしいという御答弁であったというふうに思います。そしてまた、事前に協議をする場というものをJRに要請するというふうに言われましたので、この要請をされた結果、JR九州がどのような回答をなされたのか、早急に議会のほうに報告をしていただきたいと思います。この件については、続くということで、今回の一般質問を終わります。(拍手) 11 ◯議長(樋口 明君) 佐々木允君。(拍手) *佐々木(允)議員質問 12 ◯三番(佐々木 允君)登壇 改めまして、皆さん、おはようございます。民進党・県政クラブ県議団、佐々木允でございます。ただいまより一般質問を行います。どうぞよろしくお願いをいたします。  まず第一点目に、子供の健康診断及び予防施策のうち、風疹に関してお聞きをしたいと思います。風疹に関しては、長く流行していない病気ではありますが、二〇〇二年から局地的流行が報告されたことから、二〇〇四年、厚生労働科学研究班による緊急提言がなされたところであります。その後、局地的な流行の阻止を達成することを目的に、二〇〇五年七月、予防接種法施行令の改正がなされ、これまでの一回接種から、第一期の一歳から二歳未満、第二期の五歳以上七歳未満の者で小学校就学前の一年間の計二回の接種に制度変更がなされています。二〇一二年から二〇一三年には国内で大規模な流行が発生し、延べ患者数一万六千人、そのうち四十五名の赤ちゃんが難聴などを引き起こす先天性風疹症候群に診断されるなど社会問題となりました。また福岡県でも二〇一一年に地域流行が認められているところです。  国内のこのような問題と世界保健機関(WHO)による風疹排除の達成目標が示されたことに伴い、二〇一四年、厚生労働省は風しんに関する特定感染症予防指針を策定し、二〇二〇年度までに風疹の排除を達成する目標を掲げています。確かにここ数年、本県において風疹の発生数は数件にとどまっていますが、地域流行の経験もあることや、あと二年で風疹の排除を達成するという国の目標に到達するためにも、発生予防に最も有効な対策である予防接種について、その現状と課題、今後の取り組みの充実に関して、以下、知事に順次、御質問をいたします。  まず、風疹ワクチン接種率の現状についてです。先ほど申し上げた風しんに関する特定感染症予防指針によると、風疹の排除を達成するためには、予防接種の接種率が九五%以上になることが定められています。国においては、国全体を一つの単位として、その接種率の目標設定を行っているところでありますが、予防接種を行う主体が市町村であることからも、それを統括する都道府県や市町村単位まできめ細かくその接種率がどのようになっているか把握し、適切な助言を県として行うことが重要だと考えます。  そこで一点目に、第一期の風疹ワクチン接種率について、県平均接種率、国が目標として定めている接種率九五%を下回っている県内市町村の数や地域の状況及びその状況に対する知事の認識についてお答えをください。  二点目に、国の風疹排除目標年である二〇二〇年度までに全ての市町村で接種率九五%を超えることが重要だと考えます。市町村に対して、この目標達成のためどのような支援を行っていくのか、知事の所見をお聞かせください。  次に、三歳児健診における視力検査についてお聞きします。三歳児は、心身ともに目覚ましく成長する時期であり、身体面においてもさまざまな機能が発達するため、この時期に健診を実施することは、病気などの早期発見に極めて有意義であります。とりわけ、視力は情報の八割を得る重要な機能を有しており、三歳ごろまでの発達が急速で、正常に発達すれば三歳で視力はほぼ一・〇に達し、その後も徐々に発達し、六歳ごろに完成すると言われています。視力の発達時期に斜視や強い屈折異常があり目が正しく使えないと、視力や眼球運動などの視覚機能の発達停止や遅延が起こり、弱視となってしまう可能性があります。一方、この時期に治療を的確に開始をすれば、弱視や斜視の予後はよいと言われています。  昨年四月、厚生労働省は各都道府県に対して、三歳児健康診査における視力検査の実施についてという通知を出しております。ここには、屈折異常や斜視が見逃された場合に、治療がおくれ、十分な視力が得られないという指摘を行った上で、都道府県に対して、管内市町村において視力検査が適切に実施されるよう助言を行うように要請をしております。  そこで、まずその要請内容についてお示しください。その上で、県は市町村にその内容について、どのような働きかけを行ったのかお聞きをしたいと思います。また、その結果、市町村は要請に基づいた視力検査が適切に行われているのか、その現状について県としてどのように把握をしているのか、あわせてお聞きしたいと思います。  さて、三歳児の視力検査については、今の現状では、親が花や鳥などの絵を子供に見せた上で、視力があるかどうかを判断する形をとっています。しかし、この方法では、屈折異常が適切に判断できないという課題が言われています。田川市立病院小児科部長尾上泰弘先生が、田川市の三歳児健診において昨年四月から五カ月間行った機器による検査によると、延べ百五十人中十名が要検査となり、その後の眼科医の診断によって十名全てに乱視や弱視等の診断が下されています。一方、この十名に対して従来の検査を行ったところ、要検査となった子供は一名とのことでした。もし、機器を活用した検査が行われなかった場合、九名もの子供の視覚異常が見逃された可能性が高いことが言えます。尾上先生は、視力検査とあわせ機器による屈折検査も行うことで、屈折異常などの視覚機能の異常を早期に把握し、治療につなげることができるとおっしゃっていました。子供は見える世界自体を知らないため、仮に視力の問題があっても気づかないことがほとんどであり、親も視覚異常については目に見える異常ではないため、気づかれないまま手おくれになってしまうという事例も多くあります。子供の将来に大きな影響がある目の健康を保つためにも、屈折異常について、より的確に把握できる手法の導入について知事の見解をお尋ねします。  次に、田川地区における県立高校のあり方について質問をいたします。私の地元田川市及び田川郡が範囲となる第十一学区は四つの県立高校があり、それぞれの特色を生かした教育活動が行われています。しかし、近年、この県立高校四校の志願状況について厳しい状況が続いています。特に、二〇一五年以降直近まで延べ四年間にわたり、第十一学区全体で志願倍率が一を切っている状況です。また毎年の志願状況を見ると、五年前の二〇一四年度においては十一学区全体で八百十七名いたにもかかわらず、今回の入試の志願者数は六百六十八名と、わずか五年間で一八・二%、二割近く減少しているのが現状です。一方、同時期における第十一学区内の中学校卒業者の減少率は七%であるわけですから、その差は一〇%以上あるわけで、田川地区において生徒の県立高校離れが加速しているということが言えます。  この志願者数の減少に呼応する形で、第十一学区の県立高校の定員は、この五年間で全体の一割に当たる八十人減員をしています。このことから、県立高校の小規模化が進んでいる状況です。第十一学区内における小中学生の今後の推移は、九年間ほぼ横ばいであり、将来的に生徒数の増加が見込めない状況の中、地域の生徒、保護者に選ばれ、地域に必要とされる県立高校として、今こそ県教育委員会として格段の取り組みを求める立場から、以下質問をいたします。  まず一点目に、田川地区の県立高校の現状に対する認識についてです。先ほど示したように、近年、田川地区内の県立高校の志願者数が減少している状況ですが、この一因として、県立高校より他地区の高校が選ばれている状況もあり、このまま志願者数の減少が続けば、現在の県立高校の存立自体が危うくなるのではないかと懸念する声も地元から上がってきている状況です。田川地区の県立高校の志願状況が低迷している現状に対してどのように認識をしているのか、教育長の所見をお聞かせください。  二点目に、志願状況改善のための取り組みについてお聞きします。昨今の志願状況の低迷は、中学生や保護者にとって県立高校の魅力がなくなってきていることが第一の原因と思われます。確かに、県立高校の魅力を向上させるために、例えば田川高校では進学に特化したスーパー特進クラスの設置や、田川科学技術高校では地域のニーズを踏まえ土木の教育内容の取り入れを行っていますが、現状を考えるとよりそれらの取り組みの拡充が急務だと考えます。  そこで、県教育委員会としては、これまで地区の県立高校の志願状況改善のためにどのような取り組みを行ってきたのかお聞きをするとともに、取り組みをより拡充させていく必要性についてどのように考えているのか、教育長にお聞きします。  三点目に、中学生や保護者への効果的な広報についてお聞きします。幾ら県立高校に魅力があり、特色のある活動を行ったとしても、その取り組みが中学生や保護者に知られていなければ、魅力のない高校に映ってしまう結果となってしまいます。県内の県立高校を見ると、魅力が十分に発信されていないように感じますし、これは県立高校そのものが、広報自体に不得手であるということが一因にあるのではないでしょうか。  そこで、今後、県立高校の広報について、これまでと違った形で改善することの必要性と取り組みについて教育長の見解をお聞きをしたいと思います。  四点目に、地区の生徒から選ばれる県立高校のあり方についてお聞きします。広報の改善の必要性に言及したところでありますが、そもそも現在の田川地区の県立高校のあり方自体にさまざまな課題があるのではないかと感じています。そもそも学区制度というのは、その中で望む教育内容が網羅的にあることが望ましいはずであります。また、通学時間や費用の軽減はもとより、田川地区にある県立高校で学ぶことは地域愛の醸成を図る観点からも極めて重要です。そのためには、田川地区の県立高校四校が、生徒の進学や就職といった進路希望に十分に応えられる教育環境づくりについてこれまで以上の取り組みを進めるべきだと考えますが、教育長の認識及び今後の取り組みをお聞きをしたいと思います。  以上、答弁をお願いをいたします。(拍手) 13 ◯議長(樋口 明君) 小川知事。 *知事答弁 14 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、県内の市町村における風疹ワクチンの接種率でございます。国の調査によりますと、平成二十八年度における福岡県の第一期風疹ワクチン接種率の平均は九六・六%となってございまして、国が接種率の目標と定めております九五%を上回っているところであります。目標値を下回っている市町村数は現在三十一ございまして、二次保健医療圏ごとの状況、これを見ますと、田川保健医療圏で接種率が低い傾向にございます。風疹ワクチンの接種は、風疹の予防、蔓延防止のため大変重要でございまして、これらの市町村の接種率を目標値であります九五%、これに向けて引き上げていく必要があると、このように考えております。そのため県といたしましては、副市町村長会議等を通じまして、接種率向上のための取り組みをこれらの市町村に促すとともに、接種率が低いこれらの市町村を対象とした研修会を開催をし、他の市町村の取り組み事例も紹介しつつ、各市町村の取り組みというものを支援してまいります。  次に、三歳児健康診査の視力検査における市町村への働きかけでございます。子供の目の機能というのは、六歳までにほぼ完成するため、三歳児の視力検査において目の機能の異常を早期に発見し、治療につなげることは、非常に重要なことであると考えております。通知におきましては、市町村は三歳児健康診査におきまして、まず視力検査の重要性について保護者に周知をすること、家庭において適切な視力検査が実施できなかった場合、健診会場で必ず検査を実施すること、そして〇・五の視標が正しく見えなかった児及び視力検査未実施児に対して眼科医療機関への受診を勧奨すること、そして受診勧奨したお子さんの保護者に対して受診結果を確認をすること、そのようになっております。国からの通知を受けまして、その内容を市町村に周知を図るとともに、視力検査を適切に実施するよう市町村に働きかけてきております。県におきましては、三歳児健康診査の実施状況について報告を受けているところでありますけれども、詳細な視力検査の状況については報告の項目となってございません。今後、市町村の担当者が集まる会議、研修会の場を利用しまして、視力検査の実施状況について確認をしながら、適切にこれを実施するよう助言をしてまいります。  屈折異常を的確に把握することができる手法の導入についてお尋ねがありました。国の研究班から、三歳児健康診査において視覚異常の検査精度を高めるため、これまでの視力検査に加えまして、屈折異常の検査機器の導入が効果的であることが報告をされております。各市町村におきましては、国が勧めております検査方法を従来から実施をしてきているところでありますが、田川市など一部の市町村において、従来のこの検査方法に加え、今申し上げました屈折異常を検査する機器を導入しているところがあると聞いております。県といたしましては、これらの市町村から、機器を活用する上での課題や効果等について情報収集しながら、一方で国の動向も注視をしてまいります。 15 ◯議長(樋口 明君) 城戸教育長。 *教育長答弁 16 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 田川地区の県立高校の現状に対する認識についてでございます。田川地区では、志願割れが続いている学校があり、厳しい志願状況でございますが、これは学校の魅力が中学生や保護者にしっかりと届いていないことや、以前と比べて相対的に魅力が低下していることによるものと考えております。県教育委員会といたしましては、田川地区の県立高校が将来にわたって中学生や保護者から選ばれ、地域での重要な役割を果たし続けられるよう、魅力ある学校づくりに努める必要があると考えております。  志願状況改善のための取り組みについてでございます。県教育委員会といたしましては、これまで各学校が進学や就職などのニーズに応じた取り組みを十分に実施できるよう、人的措置や経費的支援、施設、設備の整備などを行ってきたところですが、志願割れの解消には結びついていないことから、今後とも県立高校の魅力向上の取り組みをより一層進めていく必要があると考えております。  中学生や保護者への効果的な広報についてでございます。学校における魅力向上の取り組みを志願状況の改善につなげていくためには、その内容や成果について中学生や保護者にしっかりと伝えることが重要であります。このため、学校が自校の特色をより的確かつ効果的に中学校や生徒、保護者に伝えられるよう、学校の広報担当者の技術向上、広報媒体の工夫など広報活動の充実に努めてまいりたいと考えております。また、今後は各学校の取り組みを下支えするため、県教育委員会といたしましても、県立高校の教育方針や特色などを県民に積極的にアピールし、県立高校全体のイメージアップに努めてまいります。  地区の生徒から選ばれる県立高校のあり方についてでございます。これまで田川地区においては、県立高校再編整備により、県内唯一の総合型産業高校である田川科学技術高校を開校し、学科の枠を超えた科目選択が可能となる総合選択制を取り入れるなど職業教育の充実を図ってまいりました。また、普通科高校については、田川高校における授業改善の推進のための研究開発や東鷹高校における生徒の幅広い進学ニーズに応じたクラス編制などに取り組んでおります。また、医療、福祉分野の従事者の割合が高いという地域の特色を踏まえ、西田川高校において、専門学校等との連携により、看護師を志す生徒の進学支援の取り組みを行っております。今後も、地区の県立高校四校が多様な生徒の進路希望にしっかりと対応し、地域の信頼を得ることが必要であると考えております。そのため、県教育委員会といたしましては、各学校の実情を十分に把握した上で、地域の中学生や保護者のニーズに応えられるよう、それぞれの特色を強化するとともに、各学校の特色を生かした連携を進めることにより、地区の県立高校全体の魅力向上に努めてまいります。 17 ◯議長(樋口 明君) 佐々木允君。 18 ◯三番(佐々木 允君)登壇 知事に一点、そして教育長に一点、それぞれ要望させていただきたいと思います。  まず風疹に関してでありますが、県内の全ての市町村で風疹制圧レベル九五%を超えることが必要だということが述べられましたが、一方でその目標に達していない市町村が三十一と県内市町村の半数を超え、特に田川保健医療圏では率が低いなど、厳しい実態も明らかとなったところであります。その上で、全自治体の接種率を九五%としていくための県の支援について、来年度から何かしらのことが始まるということも言及をされました。本県は二〇一一年には地域流行を引き起こしており、率直に申し上げて、県も風疹対策会議の設置者でもあるわけでありますから、この半数以上もの市町村が風疹制圧レベル以下であるという現状について、もっと県は目を配るべきではなかったのかと率直に思います。今後、県の支援によって、田川地区も含め、接種率の低い地域の接種率向上につながるよう、県当局として特段の取り組みを要望したいと思います。  田川地区の県立高校のあり方については、教育長から力強い取り組みの推進や決意の言葉をいただきました。今回、田川地区の県立高校と限定してお話をしましたが、直近の今回行われた入試では、飯塚・嘉麻地域の第十二学区、直方・宮若地域の第十三学区も学区全体で志願倍率が一を下回っています。ということは、筑豊地区全体で県立高校の志願倍率が一を下回ったことになります。地域全体で志願倍率が一を下回るというのは、この長い県立高校入試の歴史で初めての現象であり、このような状況が続けば、近い将来、極めて厳しい局面となってしまうのは自明の理であります。ぜひ県教育委員会は、田川地区はもとより、筑豊地区全体も含め、この現状を重く受けとめ、抜本的な対策に向け、来年度、具体的な動きが見える形で行われるよう、また田川地区の県立高校については、そのあり方について、もっと深く議論が行われることを強く教育長に要望して、終わりたいと思います。  ありがとうございました。(拍手) 19 ◯議長(樋口 明君) 高橋雅成君。(拍手) *高橋議員質問 20 ◯六十二番(高橋 雅成君)登壇 皆さん、こんにちは。公明党の高橋雅成です。通告に従いまして、福岡県のエイズ、HIV対策について伺います。  初めに、エイズとHIVについての理解を深めておきたいと思います。エイズは後天性免疫不全症候群の略で、さまざまな病原体から体を守っている免疫機能が働かなくなる病気です。HIVつまりヒト免疫不全ウイルスに感染することにより発症します。私たちの周りには、病気の原因となる細菌、ウイルス、カビなどが存在していますが、人間には免疫機能と呼ばれる抵抗力があり、そうした病原体を排除しています。しかし、HIVに感染することで免疫機能が低下してしまうと、健康な人なら何でもない細菌、ウイルス、カビなどに抵抗できなくなり、病気にかかりやすくなります。しかし、HIV感染イコールエイズではありません。HIVに感染すると徐々に免疫機能が失われていきますが、HIV陽性者に自覚症状はありません。気づかないまま何も治療しなければ、平均十年ほどでエイズを発症すると言われています。かつては、エイズには有効な治療法がなく死の病であるというイメージが定着していましたが、医療の進歩により、現在ではさまざまな治療薬が開発され、HIVに感染してもきちんと服薬することでエイズの発症を抑えることができます。HIV陽性者は服薬の継続で感染していない人と同等の生活をすることができるようになっています。さらに、HIVは感染力の弱いウイルスで、少量では感染しないし、熱や塩素に弱く、人の体の中に入らなければ生きていけないということです。福祉施設で受け入れが進んでいるB型肝炎やC型肝炎に比べHIVの感染率は十分の一から百分の一と低いのです。しかし、このことが社会の共通の認識とはなっておらず、HIV感染者はさまざまな偏見や無理解に苦しめられているのが実情です。  さて、全国のエイズ患者やHIV感染者の数は増加傾向にありましたが、平成二十五年をピークにわずかずつではありますが、減少に転じています。そのような中、福岡県での患者、感染者数は、平成二十九年は七十八人と前年よりやや減少しているものの、平成二十八年には九十二人と過去最多となっています。二十八年の状況について、県の分析によると、三十代以上が七五%を占め、同性間性的接触によるものが七〇・七%、異性間性的接触によるものが一八・五%となっています。  先日、私は国立病院機構九州医療センターを訪問し、AIDS/HIV総合治療センター部長の山本政弘医師と医療ソーシャルワーカーの首藤美奈子さんのお話をお伺いしてきました。山本医師は、今は一日一回一錠の薬を飲めばHIVウイルスはコントロールでき、年に四回の通院で済む患者も多いとし、治療をすることが感染の予防になると強調されました。現に全国の感染の拡大は頭打ちとなり、東京や大阪では新規受診者が半減している病院もあるということです。その原因として、地域や年齢に応じた検査と治療、予防の啓発が進み、文書などで啓発を進めていると分析しました。  これに対し、福岡県の患者、感染者の特徴はエイズを発症してから見つかるケースが多いということで、全国約三割に対して福岡県は約五割ということでした。つまり、発症するまでHIV抗体検査をしていない。保健所などで無料、匿名の検査があることが十分に知られていないことが背景にあると指摘しておりました。福岡県はこの点、どのような体制で検査を進めているのか、また十二月一日の世界エイズデーや六月のHIV検査普及週間の活動はどのようにされているのかを含め、受検を促す啓発活動はどのように進めているのか伺います。  また、今後とも検査体制の充実、啓発の促進にさらに力を入れていくべきと考えますが、知事の認識を伺います。  次に、医療と福祉、介護との連携の問題です。山本医師によると、福岡県でHIV検査を受け、感染が明らかになる人は五十歳代、六十歳代の人が多いそうです。七十歳以上の人もいたそうです。高齢になると、命は助かったが、肢体不自由など介護が必要なケースがふえてきます。ところが、医療ソーシャルワーカーの首藤さんによると、HIVというと医療機関や介護施設等から半数は受け入れを断られるということでした。それでも十年前に比べれば理解が進んだほうだということです。首藤さんは現在、年十二回、山本医師とともに医療機関や介護福祉施設に出向き、出前研修を行い、HIV感染者やエイズ患者の正しい知識を広めるための活動をしています。  ところで、HIV感染者は平成十年四月から感染症の状態に応じて身体障害者手帳が交付され、医療費助成、各種手当の給付、税金の軽減補助などを受けています。山本医師らは、受け入れ拒否は障がい者差別になる。人権問題でもあり、標準予防策を講じ肝炎患者を受け入れている施設であればHIV感染者も受け入れられないはずはないと強調されていました。また、医療の側の理解も必要です。HIV感染者が通常の病気などで病院や歯科医院に行くと、HIVというだけで断られるケースがあるということです。受け入れ拒否や受診拒否をなくすため、介護施設などの福祉施設、また医師会、歯科医師会などに対し、HIV医療の正しい知識を普及する必要性を感じるものですが、県としての取り組みをどうされるのか、知事の見解をお聞きします。  また、病院や介護の現場で針刺し事故が起こった場合、HIVの感染率は低いそうですが、さらに事故から二時間以内に予防薬を飲めば感染はしないそうです。ところが肝心の予防薬は、九州ブロックの拠点病院である国立病院機構九州医療センターや、県の中核拠点病院である産業医科大学病院を初め八カ所の拠点病院等に配置されているものの、身近な病院には置いていないのが実態です。身近な病院に予防薬を常備しておけば、医療介護従事者の安心が得られると思います。ぜひ検討していただきたいが、いかがでしょうか。  ゲイやバイセクシュアル男性への啓発に取り組んでいる福岡市の団体Hacoの牧園祐也代表にも話を伺いました。同団体は昨年十一月、福岡市の博多区保健福祉センターと協働し、Hacoを会場にしてゲイ、バイセクシュアル男性を対象にHIV検査をしたそうです。受検者は十八人だったそうです。牧園代表は、県や市の縦割りではなく、連携、協力をして啓発活動に取り組むべきだと指摘しました。その上で、以下三点の提案をしています。一つは、新規HIV感染及びエイズ発症の最も多いゲイ、バイセクシュアル男性については、福岡県、政令市等保健所設置市、NPOが連携、協働して効果的、効率的な普及啓発を行うこと。また、検査体制も見直し、より効果的で効率的な検査促進の方法を検討し実施すること。特に爆発的に普及するスマートフォン利用者を意識し、インターネットやSNSの積極的な活用方法を検討すること。二つ目は、九州医療センターその他の拠点病院、保健所設置市と連携して、県内の感染状況の丁寧な情報収集と分析を行うこと。三つ目が、外国人の本県訪問者及び留学生を含む居住者がふえているので、保健所等での外国語対応を進めること。以上です。  これら三点についての知事の御所見を伺います。  本県の保健医療介護部がん感染症疾病対策課感染症対策係の担当者は、毎年、エイズデーの夜間、休日検査に関する広報において、Hacoと協働して、少ない予算と制約の中で頑張っていると聞いております。今後とも、NGO、NPOとよりよい協働関係を続けていっていただきたいと願います。  いずれにしましても、HIV感染者やエイズ患者の方が社会から偏見を持たれたり、差別的な扱いを受けたりしないことが大事であり、この問題が二十年以上たっても解決されていないことが一番の問題です。HIV、エイズを第二のハンセン病にしないため、正しい知識の普及を目指し積極的に活動することを強く要望します。  以上です。(拍手) 21 ◯議長(樋口 明君) 小川知事。 *知事答弁 22 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  初めに、HIV抗体検査の実施体制と啓発でございます。本県におきましては、政令市等保健所設置市及び県保健所の分庁舎を含めまして、二十五カ所で検査を実施をしております。このうち七カ所で、約一時間でわかる迅速検査を実施しておりますけれども、今後、検査を受けられる方の利便性向上のため、他の県の保健所でもこれを実施できる体制をとってまいります。また、六月の検査普及週間には九カ所で、十二月一日の世界エイズデーには十一カ所の保健所などで、平日夜間や休日に時間を拡大をして臨時検査を実施しております。これにあわせまして、高校、大学、コンビニ、駅等でパンフレットの配布、ポスターの掲示、ラジオ、テレビ、新聞広告等を活用した広報によりまして受検促進を図っているところであります。新年度は、働く世代に対しまして、労働者や事業者を対象とした各種セミナー、また商工会議所の総会等の場を活用させていただきまして受検促進のチラシを配布するなど、さらなる啓発に取り組んでまいります。  次に、医療従事者等への正しい知識の普及でございます。県におきましては、産業医科大学病院に委託をいたしまして、歯科医師を対象にエイズ、HIVの最新知識や歯科診療における感染予防についての研修を行っております。また、県の保健所におきましては、医師、歯科医師、看護師、介護支援専門員等を対象にいたしまして、エイズ、HIVに関する正しい知識を身につけるための研修を実施しております。これらの研修にしっかり取り組んでいきますとともに、県が行う説明会などさまざまな機会を活用いたしまして、福祉施設の管理者等に対しましても正しい知識の普及を図ってまいります。  次に、拠点病院以外への医療機関における予防薬の配置でございます。エイズ治療薬の一部が予防薬として用いられておりますけれども、これらの薬剤は、感染リスクを低下させ、予防効果は高いとされております。しかしながら一方で、薬剤の処方に当たりましては、対象者の基礎疾患、服薬状況、副作用等について注意をする必要があると、そういった考え方も一方でございまして、拠点病院のみに配置をしている他の自治体の例がございます。このため、拠点病院以外への医療機関への配備のあり方につきましては、これら薬剤の処方に精通をしております拠点病院とよく協議をしていく必要があると、このように考えているところであります。  次に、ゲイ、バイセクシュアル男性に対する受検促進のための普及啓発と検査体制の見直しでございます。県におきましては、政令市等保健所設置市、HIV抗体検査の受検促進に取り組んでおられる民間団体と協働いたしまして、世界エイズデー等に駅や公共施設のほか、ゲイ、バイセクシュアル男性が集まるイベント等におきまして、ポスターの掲示、チラシの配布を行っているところであります。新年度は、現在行っておりますツイッターでの普及啓発に加えまして、インターネットを活用して民間団体の方と連携をし、ゲイ、バイセクシュアル男性が閲覧をするウエブサイトでその受検を呼びかけることといたしております。また、ゲイ、バイセクシュアル男性の受検しやすい場所での出張検査など効果的な検査の実施について、政令市等保健所設置市、民間団体と協議を進めてまいります。  次に、ゲイ、バイセクシュアル男性のHIV感染状況にかかわる情報の収集と分析でございます。県におきましては、さまざまな機会を通じて、九州医療センター等の拠点病院、政令市等保健所設置市、また民間団体の皆さんとの間でHIV感染状況にかかわる最新情報等について、その情報共有と意見交換を行っているところであります。今後とも、これらの関係者からよく御意見を伺い、きめ細かな情報の収集に努めてまいります。また、収集いたしました情報につきましては、県、拠点病院、医療関係者、学識経験者等で構成しておりますエイズ・性感染症対策推進協議会におきまして分析をし、効果的な対策が実施できるよう協議を行っているところでございます。  次に、保健所等での外国語対応についてでございます。留学生など在留外国人がふえております中、県におきましては、福岡市と共同して、外国人との電話通訳等を行う医療に関する外国語対応コールセンター、これを設置しているところであります。保健所におきましても、この問題についても、このセンターを活用して、しっかり対応してまいりたいと考えております。 23 ◯議長(樋口 明君) 高橋雅成君。 24 ◯六十二番(高橋 雅成君)登壇 三月六日に、先ほどからお話ししておりますけれども、九州医療センターの首藤さんからメールをいただきました。こんな内容でございました。昨日も、つまり三月五日の月曜日ですけれども、とある病院から、うちはHIV患者は受け入れないと、病気を理由にはっきり受け入れ拒否をされました。HIVは、ウイルスは検出感度以下だから入院してもほかの人に感染はしませんよと説明してもだめでした。まだまだ私たちの力が及ばないところがありますという、そういう内容のメールをいただきました。HIV自体は医療の力で克服しました。医療の勝利であります。それに対してHIV感染者を受け入れないという医療従事者がいらっしゃいます。医療の敗北だと思います。医療の勝利と敗北を同時に見ているような感を受けます。しかし、この敗北は、すぐにでも逆転できるはずです。医療センターの首藤さんは、メールの中で、力が及ばないとおっしゃっておりましたが、行政やマスコミ、私たちの口コミの力で問題は必ず解決できると思います。また、問題の背景には、MSMに対する蔑視、差別意識があるのではないかというふうにも思いますが、県民の誤解を解かず、偏見を与え続けているのは大変な人権問題であり、このまま問題を放置していれば、後世、ハンセン病と同じように必ず批判の的となるものと思います。エイズやHIVに対する誤解、偏見を解き、正しい知識普及への知事の決意を改めて問いまして、私の一般質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 25 ◯議長(樋口 明君) 小川知事。 26 ◯知事(小川 洋君)登壇 誤解、偏見をなくすための普及啓発、それについての私の決意でございます。議員も御指摘なされたとおり、近年、医療の進歩によりまして、HIVに感染をしても、その感染を早く知り、治療を早期に始めることによりまして、感染する前と同じように日常生活を送ることができるようになってございます。また、感染力が弱く、日常生活においても周りの人が感染することはまずない、そういう状況にございます。こうしたことを正しく理解をしていただき、誤解、偏見をこの社会でなくしていくことが重要でございます。これからもさまざまな機会を捉え、またさまざまな方法で、このエイズ、HIVについての正しい知識の普及に取り組んでまいります。 27 ◯議長(樋口 明君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後一時十分といたします。           午 後 零 時  零 分  休 憩           午 後 一 時  十一分  再 開 28 ◯副議長(守谷 正人君) 再開いたします。  休憩前に引き続き、一般質問を行います。順次発言を許可いたします。江口善明君。(拍手) *江口議員質問 29 ◯二十七番(江口 善明君)登壇 皆さん、こんにちは。緑友会・立志福岡県議団の江口善明でございます。発言通告に従い、空き家バンクの活性化について質問をいたします。  今議会でも、人口減少社会についての質問がありました。人口が減少すれば、空き家がふえるのは自明の理であります。この空き家問題についてもさまざま県議会でも質問されておりますが、今回は空き家バンクの活性化ということに絞って質問させていただきます。  空き家といいましても多種多様であります。中古住宅市場に流通する空き家から老朽空き家まで、利活用できるものから取り壊しをしなければならないものまで解決策も多岐にわたっております。今回の私の質問は、中古住宅市場に流通しづらい空き家を対象とした、市町村が運営する空き家バンクへの本県の取り組みに絞り質問いたします。  平成二十七年、空家対策特別措置法が施行され、市町村が空き家対策を実施をし、県は市町村を支援することになりました。本県でも県、市町村、民間事業者が一体となった福岡県空家対策協議会を平成二十七年三月に設立をし、空き家対策を官民一体となって総合的に取り組んでおります。空き家バンクとは、民間ベースで採算がとれない空き家や今後の方針が確定をしていない空き家の所有者から相談を受け、所有者の合意のもと市町村が登録をし、インターネットや市町村の窓口を通じて購入または賃貸の希望者に情報提供する制度であります。最近では、安い家賃で住みたい、田舎に住みたいというニーズもあり、移住、定住政策の推進にも役に立っております。また、県外からの移住者にとって、空き家バンクは借りたい物件や買いたい物件の情報だけでなく、市町村の支援策や町の魅力に関しての情報も得られる貴重な情報源となっております。  福岡県の空き家バンクは、平成十八年、宮若市で初めて設置をされ、現在、県内六十市町村中三十二市町村で設置をされております。福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略でも空き家対策の推進が掲げられてあり、数値目標として、空き家バンクを設置をしている市町村数を、平成二十六年度二十市町村から平成三十一年度には四十市町村を目指すとしています。  そこで知事にお伺いをいたします。空き家バンクに対する知事の認識と、市町村が空き家バンクを設置することを推進するために今まで本県はどのような取り組みをしてきたのかお聞きをします。  次に、空き家バンクの課題と活性化についてお伺いをします。私の地元久留米市も空き家バンクを設置をしております。久留米市は、空き家所有者意向調査を平成二十九年に二回実施をしております。いわゆる外観から空き家と推定をされる家屋千百三十五件の所有者に意向調査を郵送したところ、回収率は四四・一%五百一件で空き家率は四三・一%二百十六件とのことでした。担当者の話をお聞きをいたしますと、空き家の把握は難しいということでした。また、久留米市では空き家所有者向け相談会を平成二十九年に二回、平成三十年に一回実施をしております。相談件数は三回の合計で九十八件、うち久留米市内が六十二件、県内十九件、県外十七件と親元を離れられた市外の方も多くいらっしゃいます。この相談会の相談内容は、売買に関するものが三〇・二%六十一件、解体に関するもの二五・七%五十二件、相続に関するもの一二・四%二十五件、賃貸に関するもの九・九%二十件となっており、賃貸よりも売買、老朽空き家については解体の相談が多いようであります。久留米市の空き家情報バンクの申請状況は、平成三十年二月二十八日現在、申請件数が三十三件、うち売買三十一件、賃貸二件となっております。登録済みが二十一件、現在公開中が十件であります。  県南地域の市町村で比較してみますと、空き家バンクの登録件数は筑後市三十一件、大牟田市二十七件、八女市二十四件、みやま市二十四件となっており、単純比較は難しいのですが一桁の市町村もあります。久留米市の十件は人口の割には少ないのではないかと市役所の担当者に聞きますと、久留米市は宅建業者が三百三十二業者と多く、市場に流通している空き家もあるのではとのことでした。しかし、宅建業者の数は市町村によってばらつきがあり、宅建業者が少ない市町村こそ空き家バンクの役割が大きいのではないかと思います。  来年度、本県は、福岡県宅建協会の情報サイトふれんず内に、今まで市町村ごとに情報提供されていた空き家情報を県全域で集約をする検索サイト福岡安心空き家バンク(仮称)をつくるとしています。また、市町村に対し市場に出ていない空き家の掘り起こし支援策として空き家所有者情報外部提供マニュアル(仮称)を作成、研修を実施するとしています。本県が市町村の空き家バンクに関してまとめ、福岡県庁のホームページで公開をしている資料、空き家バンクの豆ガイドによりますと、空き家バンクの課題は、空き家の物件を収集、登録をするときには、仏壇や亡くなった故人の遺品があり空き家を処分できない、思い入れがあり賃貸、売買への抵抗感がある、物件の登録件数が少ないとされています。また情報を提供するときには、移住、定住を考えるときに学校や医療機関など生活圏域の生活情報の提供をしてほしい、また契約交渉のときには、専任職員がいないなど運営主体である市町村の体制不足、地域に不動産会社が少ないなどの指摘があります。この全ての課題を解決することは難しいものがありますが、来年度の県下全域の空き家バンクの広域化は、登録件数の増加によりまして空き家を探す人たちへの効果が従来以上に期待ができると思います。  そこで知事にお伺いをいたします。来年度、空き家バンクの県下全域への広域化を踏まえ、空き家バンクの活性化をどのように図っていくのか、知事の御所見をお伺いをいたします。  また、市町村ごとに登録している空き家情報は条件が統一されていないなどから、利用者にわかりやすい情報提供が必要と思います。また、リフォームなどの補助金の紹介も重要ではないかと思います。空き家バンクの広域化には、利用者にわかりやすい情報提供が必要不可欠であると思いますが、知事の御所見をあわせてお伺いをいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 30 ◯副議長(守谷 正人君) 小川知事。 *知事答弁 31 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  空き家バンクについてのお尋ねでございますが、まず、その認識でございます。空き家バンクは、市町村が空き家所有者に働きかけ収集をいたしました物件情報を、ホームページ、また窓口で提供するものでございます。空き家の利活用や移住、定住が進んで地域の活性化につながるものであると考えております。このため、県におきましては、市町村、関係団体から成る福岡県空家対策連絡協議会、これを立ち上げまして、空き家バンクの先進事例、運営のノウハウなどを取りまとめた空き家バンクの豆ガイド、これを作成をし、空き家バンクの設置を促してきたところでございます。  空き家バンクの活性化でございますけれども、そのためには登録物件数をふやすこと、認知度を高めアクセスの機会をふやすこと、さらに空き家の立地する地域にかかわるさまざまな情報をそこで得られるようにすること、これが非常に重要であると、このように考えております。まず、この登録物件数をふやすということでございますけれども、市町村が積極的に空き家所有者に利活用を促し、登録につなげていくことが必要でございます。国は、昨年の三月でございますが、市町村が収集、保有をしております空き家の所有者情報を宅建事業者等に提供する場合の配慮事項についてガイドラインを示し、モデル事業を実施したところであります。県におきましては、川崎町と共同して、この国の事業に取り組みまして、情報の外部提供に関する手順や同意書の様式等について検討を行ったところであります。今後、その事業の成果、これを取りまとめまして、市町村職員向けのマニュアルを策定をいたします。また、多くの物件をわかりやすい共通の様式で掲載することによりまして、利用者の方が求める情報に容易にアクセスできるようにするため、福岡県宅建協会が持っております情報サイトであります、ふれんず、この中に市町村の空き家情報を集約をいたしまして、県下全域の空き家情報を提供するサイトを立ち上げます。なお、このサイトからは各市町村の空き家バンク等へリンクをさせることによりまして、利用者の方がその空き家が所在する町の魅力や移住者への支援策、それらのさまざまな情報が得られるようにもしてまいります。 32 ◯副議長(守谷 正人君) 山口律子君。(拍手) *山口議員質問
    33 ◯二十九番(山口 律子君)登壇 日本共産党の山口律子です。  最初に、玄海原発発電所再稼働について質問します。玄海原発三号機の再稼働が今月下旬に迫り、二十日には玄海原発三、四号機の再稼働差しとめの仮処分を求めた可否の決定が下されることになっており注目を集めています。福島原発の事故を受けて、電力会社は、新規制基準に基づき原発から百六十キロ圏の火山の影響調査を義務づけられました。原発の運用期間中に噴火が起きて火砕流や溶岩流が到達するおそれがあると評価されれば、立地不適格で原発は稼働できません。広島高裁は、阿蘇山から百三十キロの伊方原発について、阿蘇山の大規模噴火が起これば火砕流の到達を否定できず、運転差しとめを命じる決定を下しました。玄海原発も、川内原発も、ほぼ同じ距離に位置します。  九電社長は一月三十一日の記者会見において、破局的噴火のおそれがある場合はモニタリングしているので予兆を捉えられると言っています。しかし、火山学会は噴火の規模や時期の特定予測はできないと明言しており、原子力規制委員会もこれを認めています。仮に予兆できたとしても、核燃料を搬出するためには数年間冷やさなければならず搬出先も決まっていません。九電が、火山噴火を予知して確実に対処できるのでしょうか、知事の御認識を伺います。  昨年八月、私ども日本共産党は国会議員、県議会議員、玄海原発三十キロ圏内の市町議員で現地視察を行いました。九電は玄海原発の安全性について、世界で最も厳しい水準にある新規制基準に適合し、安全対策の有効性が認識されたと言っています。さらに万が一の事故の際において、放射性物質の放出量は福島第一原子力発電所事故時の約二千分の一の四・五テラベクレルであることが確認されたと説明しました。しかし、私たちが、なぜ二千分の一になるのかとただしたのに対し、その根拠を示せませんでした。福島原発事故時の放射性物質の放出量についてさえ、いまだ明らかになっていないのに、玄海原発が事故を起こした場合の放射性物質の放出量など言えるわけがありません。  玄海原発から三十キロのUPZ内の糸島市は避難計画を義務づけられています。避難計画について、これまで民進党・県政クラブの川崎俊丸議員が繰り返しただし、私も質問したところですが、実効性が困難なのは明らかです。まして、福岡市にも影響を及ぼすことは確実で、百五十万市民の避難をどう実現するのか想定できるものではありません。  玄海原発が再稼働をすると、使用済み核燃料の保管プールはあと三、四年で満杯となります。保存場所も廃棄物処理方法もない現状で、どうして再稼働ができるでしょうか。県民の命と暮らしを守る責任がある福岡県知事として、この際、政府と九電にきっぱりと再稼働中止を要求するべきだと思いますが、知事の答弁を求めます。  次に、生活保護問題について伺います。ことしは五年に一度の生活扶助基準の見直しの年となっていますが、安倍政権が十月から最大五%、平均して一・八%の生活扶助基準引き下げの方針を決めました。生活保護の問題は制度を利用している人だけの問題ではありません。生活扶助基準の引き下げは住民税、保育料、介護保険料、就学援助、最低賃金など四十七の施策に連動し、広範な国民の生活に重大な影響を与えます。憲法二十五条に明記された国民の生存権を保障する最後のセーフティーネットである生活保護のあり方は、全ての国民の権利にかかわる重大な問題です。安倍政権は二〇一三年の生活保護基準の見直しで最高一〇%、平均で六・五%という過去最大の生活扶助基準の引き下げを行いました。それ以前にも二〇〇四年から七十歳以上の老齢加算が縮小、廃止され、七十歳以上の高齢者は、今回引き下げられれば都市部で二四・三%ものカットとなります。二〇〇六年に老齢加算が廃止された際、一番つらかったのは隣近所や親戚の葬儀にも参列できなかったことなど悲痛な声が上がりました。  そこで知事に伺います。二〇〇四年以降、たび重なる生活保護基準の引き下げに対し、どのような認識をお持ちでしょうか。  本県は、全国でも五番目に高い保護率であり、昨年十一月現在、十二万七千七百七十二人の方が生活保護を利用しています。また、その数倍もの生活困窮者を抱えています。県民幸福度日本一を目指す知事として、今回の生活保護基準の引き下げをやめるよう政府に迫るべきではありませんか。知事の御所見を伺います。  今回の見直しの最大の問題点は、二〇一三年のときもそうでしたが、所得が最も少ない一〇%の層と比較していることです。この階層の所得は十五年間で二十八万円も下がり続けています。この方式をとり続けるなら生活保護基準は見直しのたびに引き下げられていきます。以前のように一般勤労世帯の生活水準の六割を目指すという方針に戻すべきではありませんか。知事の御所見を伺います。  二〇一五年に冬季加算の減額とあわせ住宅扶助費が見直されました。北九州市は、基準額が一人世帯の場合、三万一千五百円が二万九千円に引き下げられました。一方で、隣接している田川郡などは、二万六千円が三万二千円に引き上げられています。北九州市内で二万九千円の借家など公営住宅を除いてほとんどありません。実態と乖離した住宅扶助基準の根拠をお示しください。実態に合わないものに対して、見直しを国に強く求めていただきたいと思います。知事の御答弁を求めます。  生活保護の捕捉率は欧米に比べて著しく低い二割程度と言われています。その理由として、多くの専門家は生活保護は恥だという意識や、生活保護に対するバッシングで申請をためらってしまうこと、生活保護制度に対する周知不足で働いたらだめ、扶養家族がいたらだめ、持ち家や田畑があったらだめと思っている人が多数いることなどが挙げられています。必要な方が必要な保護を受けられるような取り組みが何より重要かと思いますが、知事の御所見を伺います。  住宅扶助については限度内の安い物件がない場合、一・三倍などの特別基準の適用が実施要領で認められていますが、県内の多くの福祉事務所で住宅扶助の特別基準が適用されていません。また通院にかかる交通費についても支給できますが…… 34 ◯副議長(守谷 正人君) 山口律子君に申し上げます。発言時間を超過しております。発言は簡潔にお願いいたします。 35 ◯二十九番(山口 律子君)(続) 制度について知らないため、申請されない方が多くいます。全ての福祉事務所において、実施要領どおりの支給が確保されるよう県の助言、指導により是正すべきと思います。知事の御所見を伺い、質問を終わります。(拍手) 36 ◯副議長(守谷 正人君) 小川知事。 *知事答弁 37 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず九州電力による火山噴火の予知でございますが、九州電力は、玄海原子力発電所の安全に影響を及ぼす可能性のある火山につきまして、原子力規制委員会に対し以下を報告をしております。最新の知見を踏まえ、火山事象が敷地に影響を及ぼさないと評価をしていること、第二に、過去にカルデラ噴火が発生した火山を対象にモニタリングを実施をすること。原子力規制委員会では、その審査におきまして、この報告の内容について確認をされているところであります。このような火山対策を含め、玄海原子力発電所の安全性につきましては、原子力規制委員会におきまして厳正に審査をされ、世界で最も厳しい新規制基準に適合していると認められ、国により確認されていると認識をいたしております。  次に、再稼働中止を要求したらどうかという御質問でございます。玄海原子力発電所の再稼働につきましては、その安全性について国が責任を持って確認、確保し、電力事業者とともに国民の皆様に十分な説明を行い、理解を得ていく取り組みをこれからも続けていただくとともに、原子力防災対策の充実強化を行う我々自治体をしっかり支援をしていただきたいと、このように思っております。県といたしましては、これからも糸島市と連携、協力をして訓練の実施とその検証を積み重ねていくことによりまして、原子力防災対策の実効性を高めてまいります。  次に、生活保護基準の見直しについてお尋ねがありました。今回の改定につきましては、国において一般低所得世帯の消費実態との均衡を図る、その観点から統計データによる客観的な検証を行い、専門家による審議を経て行われたものと私は認識いたしております。  次に、生活保護基準の見直し方針でございますが、生活保護制度は、生活保護法におきまして、国が生活に困窮する全ての国民に対し、その困窮の程度に応じ必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障すると、このように明記をされているところであります。したがいまして、生活保護基準の考え方につきましては、国の責任において定められるべきものと考えているところであります。  次に、住宅扶助基準の根拠についてお尋ねがありました。一昨年度に改定されました住宅扶助基準、これにおきましては、国において複数の統計データをもとに現に生活保護世帯が居住しておられる住宅の家賃と近隣の一般世帯の家賃との比較を行った上で、地域の実態に即して改定されたものであるというふうに認識をいたしております。  次に、生活保護制度の周知でございます。制度の趣旨やその内容を県民の皆様に正しく理解をしていただき、生活保護を必要とする方が必要な保護を受けられるようにしていくことは極めて重要なことであると考えております。このため、申請をためらうことなく相談をしていただけるよう、県の各戸配布広報紙によりまして、この生活保護制度、また生活困窮者自立支援制度、そのそれぞれの相談窓口の周知を行っているところであります。また、福祉事務所に相談にお越しになられた際には、生活保護の仕組みを丁寧に御説明をし、制度への誤解が生じないように努めてきているところであります。さらに、民生委員や自立相談支援機関とも連携をいたしまして、地域で生活に困窮されている方のその把握に努めているところであります。  実施要領に基づいた対応でございます。県におきましては、これまでも福祉事務所のケースワーカーなどを対象とした研修や監査を通じまして、生活保護の適正な運用の確保を図ってきたところであります。住宅扶助の特別基準などに関する適用に当たっての留意点、通院にかかる交通費の受給手続などに関する受給者への周知徹底につきましては、今後とも研修や監査、これらを通じまして各福祉事務所を指導してまいります。 38 ◯副議長(守谷 正人君) 渡辺勝将君。(拍手) *渡辺(勝)議員質問 39 ◯七番(渡辺 勝将君)登壇 皆さん、こんにちは。自民党県議団の渡辺勝将でございます。通告に従い、平成二十七年六月議会の一般質問で行って以来の、ラグビーワールドカップ二〇一九大会成功に向けた取り組みについて質問いたします。  ラグビーワールドカップ二〇一九までいよいよ残り一年半。昨年の秋には対戦カードも決まり、ここ福岡で世界ランキング三位のアイルランド、十位のフランスなど強豪国の熱戦が繰り広げられることが期待されているところであります。ことし一月からはチケット販売もスタートし、一人のラグビーファンとして待ち遠しい限りであります。  そしてもう一つ、大変うれしいニュースがありました。ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会の開催地の一つでもあります埼玉県熊谷で今月三十日から開催される第十九回全校高校選抜ラグビー大会に、私の母校、福岡工業高校のラグビー部が東福岡とともに出場することが決定しました。関係者に改めて福岡のラグビーの底辺の広さ、レベルの高さが認められたものだと考えております。だからこそ、二〇一九年の福岡大会を是が非でも成功に導くとともに、福岡県にとってラグビーの、そしてスポーツのさらなる普及や地域振興につながるものであってほしいと思うところであります。  そこで知事にお尋ねします。知事は二〇一九年大会の成功の一つに、会場を満員の観客で埋めることと発言されていますが、会場を満員にするためにどのような方策をとられるのかお尋ねいたします。  また、大会がここ福岡で開催されることは、県民の皆様がラグビーと身近に触れ合う絶好の機会であり、これを契機にラグビーを普及させる絶好のチャンスでもあると考えます。  そこで知事にお尋ねいたします。大会を契機として、ラグビーの普及に向けてどのように取り組んでいかれるのかお尋ねいたします。  次に、来年度予算の中に、二〇一九大会に向けて海外からの観戦客の誘客を図るため、香港、フランス、オーストラリアにおける海外プロモーションが計上されています。一昨日行われましたスポーツ議員連盟の講演会において九州ラグビー協会森会長の講演の中でもありましたが、ラグビーワールドカップの特徴の一つは大会期間が四十四日間と非常に長いこと。九州だけ見ても九月二十六日の福岡会場の試合を皮切りに、十月十九日の大分会場での準々決勝まで二十四日間にわたります。観戦客の滞在は平均十日から十四日とも言われており、インバウンド効果がほかのスポーツ大会に比べて大きいとされています。このため、大会に多くの外国人観戦客の誘客を図るため海外プロモーションを計画されていることは、非常に有意義だと思うところであります。特に、二〇一九大会は九州三会場で試合が行われることになっています。  そこで知事にお尋ねいたします。試合と試合の合間に、福岡、大分、熊本の開催地だけではなく、九州各地への周遊を促すことが必要であると考えますが、どのような取り組みを行っているのかお尋ねいたします。  大会開催まで残り一年半。昨年十月段階では、まだラグビーワールドカップ二〇一九の認知度は国民の五一%という報道もあったところであります。ことしは八十年以上の歴史があるニュージーランド代表とオーストラリア代表の伝統の試合ブレディスローカップが横浜で開催されるのを初め、東京、大分、神戸、豊田では日本代表戦が開催されます。これらの試合は国民の皆様に大会の周知を図る絶好のチャンスであります。そして、それぞれの試合会場が満員の状態になることが大会の成功につながるものだと思うところでもあります。福岡においても、来年度海外チームを招待しての試合が計画されているとお聞きしております。博多の森球技場がラグビーの試合で満員になったことは一度もありません。ぜひこの試合を満員の観客で埋め、二〇一九大会の成功につなげていただきたいと考えているのは、私だけではないと思うところであります。静岡県では、日本代表戦が開催された際に、知事が先頭に立たれ、副知事に直接企業回りを指示するなどして観客動員に努めたという話を伺い、静岡県としての本気度を感じたところでもあります。  最後に、この試合の対応も含め、大会成功に向けた知事の意気込みをお尋ねし、私の一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 40 ◯副議長(守谷 正人君) 小川知事。 *知事答弁 41 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、試合会場を満員にするための方策でございます。試合会場を満員にするためには、国内外から一人でも多くの観戦客を集める必要がございます。今月十九日からは開催都市住民、五月からは大会公式サポーターズクラブ登録者向けの先行抽せん販売、これらが、また九月からは一般抽せん販売が始まります。今回の大会では、チケット購入にはインターネットによるID登録が必要となります。しかし、一般的にはそのことが余りまだ知られていない状況にございます。このため、大型商業施設等でのPR、県の広報媒体での紹介、さらに報道機関や県内企業の協力を得て、県民の皆様に対しチケット購入方法を含め、この大会の情報について周知を図ることといたしております。登録方法がわからない方に対しましては今後開催するいろんなイベントにおきまして相談コーナーを設け、登録の支援を行うことといたしております。また、海外から多くの観戦客に来ていただけるよう、新年度は福岡で試合が開催されるフランス、多くの観戦客が見込まれる豪州、そしてアジア最大のラグビーイベントを行っておられます香港において、それぞれプロモーションを実施することといたしております。  大会を契機としたラグビーの普及についてお尋ねがございました。今回の大会は、アジア初の大会となります。私はこの大会のレガシーといたしまして、ラグビーの競技人口がふえること、ラグビーファンがふえトップリーグの試合などに多くのファンが詰めかけるようになること、そしてアジア地域においてもラグビーが普及していくこと、これらだと考えております。そのため、ラグビー協会と連携をいたしまして、トップリーグの試合にお子さんたちを無料招待するとともに、県内全公立小学校でのタグラグビー教室などを行ってまいりました。その成果もありまして、県内の小中学生のラグビーチームに参加する人数は増加をしているところであります。また、ファンの増加を図っていくために、ラグビー体験イベント、日本代表戦のパブリックビューイングなどをこれまで実施してきたところであります。さらに、アジア地域へのラグビーの普及に向けまして、アジア太平洋こども会議に参加をされるお子さんたちを対象に、昨年度から実施をしておりますラグビー体験事業に加えまして、新年度新たにアジア地域の中学生とその指導者を招聘し、ラグビー交流試合を行うことといたしております。  二〇一九年大会期間中の九州各地への周遊の促進についてでございます。県におきましては、これまでラグビーワールドカップを契機として、九州各地への誘客が期待できる国・地域に向け、開催自治体や九州観光推進機構と連携をいたしまして、本県そして九州の観光情報について発信をしてきたところであります。具体的には試合の間に九州各地を周遊するモデルルートのウエブサイトでの紹介、ラグビーワールドカップ二〇一九の関係者が集まるイベントにおけるPR、欧米豪のメディア及びラグビーワールドカップ二〇一九の公認旅行会社の招請などを実施してまいりました。これらの取り組みに加えまして、新年度は先ほど申し上げましたとおり、フランス、豪州、香港においてラグビー関係者や旅行業者などを対象としてセミナーの開催、あるいはイベント会場でのPRなどを予定をいたしております。また政府観光局などのインバウンド向けの旅行情報サイトを通じた情報発信、また旅行会社に対する福岡、九州をめぐる旅行商品造成、それへの働きかけなど、継続してプロモーションを実施をいたしまして、さらなる周遊促進に努めてまいります。  大会成功に向けた意気込みでございます。ラグビーワールドカップの本県での開催は、スポーツの裾野の拡大、国際交流の推進、地域経済への波及効果が期待されるとともに、福岡の名とその魅力を世界にアピールする絶好の機会であると考えております。新年度、計画をしておりますリハーサルマッチは、大会本番を想定して実施するものでございます。昨年の日本代表対世界選抜戦におきましては、ちょうど海づくり大会と重なったわけでございますけれども、被災地のお子さんたちの無料招待や県内企業等へのチケット販売の促進など、さまざまな集客方策に取り組んでまいりました結果、あいにくの天候ではありましたけれども一万人の方に見に来ていただいたわけでございます。リハーサルマッチにおきましては、さらに多くの人にお越しいただき、会場が満員となるよう私自身先頭に立って集客に努めてまいります。  いよいよ四月には、大会組織委員会福岡地域支部も設置をされます。大会の成功に向け、この組織委員会を初め関係の皆さんと一体となり準備に万全を期してまいります。そして、九州各県とも連携をし、九州全体の活性化につながるよう取り組んでまいります。 42 ◯副議長(守谷 正人君) 仁戸田元氣君。(拍手) *仁戸田議員質問 43 ◯二十一番(仁戸田 元氣君)登壇 皆さん、お疲れさまです。民進党・県政県議団の仁戸田元氣でございます。通告に従い、政務調査に基づきまして地域経済分析システムを活用した中小企業振興について、指定避難所における防災非常用電源の設置についての二項目に関して一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  まず、地域経済分析システムを活用した中小企業振興について質問します。二〇一四年にまち・ひと・しごと創生法が公布、翌年には地方版総合戦略が策定され、五年間の中間年を少し過ぎたところであります。改めて地方創生とは何かといえば、全国の自治体の人口減少に歯どめをかけるということ、そして東京一極集中を是正するということであります。もっと言えば、昭和三十七年から四十五年にかけて集団就職等で約四十二万人の若者が東京に移住しましたが、その逆の人の流れをつくることであります。地方は若者が高校から大学に進学をする際、それから大学から就職する際に人口が流出し戻ってこず人口が減ります。一方、東京は全国で一番出生率が低く、地方から流入する人口を頼りにしていますが、地方の人口が減少しますから東京の都市としての持続可能性がなくなってしまいます。この地方と東京の人口減少、今後何も手を打たなければ、二〇六〇年に約八千六百万人、二一〇〇年には約四千九百万人まで人口が落ち込んでしまうと国が推計しており、これを食いとめるために都市から地方へと人の流れを変え、出生率を上げ、東京が全てではないという価値観を持てるような政策を実行していき、一億二千万人の人口を二〇六〇年までに一億人を維持することを目標にしています。  そんな中、政府は大きく三つの支援を行ってきました。一つは、地方創生関係の交付金や企業版ふるさと納税などの財政支援であります。二つ目は、意欲と能力のある霞が関の国家公務員、大学研究者、民間人材などを自治体の手挙げ方式で派遣する人の支援、そして三つ目は自治体で税金を多く納めている企業はどこか、雇用を多く生んでいる企業はどこか、観光客の長時間滞在場所、またはどこの自治体に男女別にどれくらい人口が流出しているか等を把握できる情報の支援であります。とりわけ情報の支援は、地域経済分析システム、通称RESASと呼んでおりますが──を通して行っておりまして、今後経験と勘と思いつきに頼る政策立案から、きちんとエビデンスに基づく政策立案に変わっていくと思いますし、行政だけではなく県民、事業者にも閲覧できるようになっており、さまざまな立場の方の視点が地方創生の施策に反映されるよう努めなければなりません。  そこで二点質問をいたします。まず、地域経済分析システム、通称RESASの利活用の促進についてです。政府は、地方版総合戦略策定時に地域経済分析システムを自治体に提供しています。国は地域経済分析システム(RESAS)を地方にどのように活用することを望んでいるのかお示しください。  次に、これまで県庁内、県民、県内の事業者に、RESASについてどのように広報や活用促進のために取り組みを行ってきたのか、また、今後どのように取り組むのかお伺いします。  次に、これまで地域経済分析システムは当初自治体に提供してきた情報より情報量がふえていると聞き及んでいますが、今後、地域経済分析システム(RESAS)を地方創生のためや県の計画策定にどのように活用していくつもりかお伺いします。  RESASは、一部には国及び自治体職員が一定の制約のもとで利用可能な限定メニューもあるようですけれども、製造業や農林水産業などの産業構造の状況や、地域内仕入れが多く地域外販売が多い企業、売り上げや雇用が伸びている企業など、いわば地域を支える中核企業の把握もできるそうです。例えば、ある物づくりの企業が県外から部品を調達して組み立てをして商品として県外に販売しているとすると、県は県外の部品と同じスペックの部品を製造できる企業を県内で探すことができ、そしてマッチング支援に県が取り組めば、そのことによって産業は強くなり、税収が上がり、行政サービスがよくなるという好循環をつくることができます。我が国が本格的な人口減少社会を迎える中、地域の活力を維持向上させていくためには、地域経済を牽引し大きな波及効果を持つ、いわゆる地域の中核企業を育成支援していくことが、私は重要だと考えます。  こうした中、国において昨年、地域特性を生かし地域経済への波及効果が高い企業の取り組みを支援する地域未来投資促進法が施行されました。これは、地域経済への波及効果が高い地域経済牽引事業の実施主体である企業の取り組みをさまざまな支援措置を講じて促進しようとするものであります。現在はまだ増加している本県の人口も早晩減少に転ずることが見込まれており、本県でも地域経済の活力を維持向上させていくことは重要な課題であり、取り組みを積極的に推進すべきと考えます。また国では、この地域経済牽引事業の担い手となる候補企業として地域未来牽引企業二千百四十八社を選定しています。これは、企業データベースから高い付加価値を創出しているなどの定量的指標に加え、自治体や経済団体、金融機関などから今後の地域経済への貢献が期待できる企業を推薦してもらい、外部有識者から成る選定委員会での審査を経て選定されたものと聞いています。この地域未来牽引企業には、県内企業七十四社が選出されており、静岡県と並び最多となっております。本県には、昨年発行された「福岡県ものづくりモノ語り百」に代表されるような高い技術力を有する中小企業や先進的な取り組みを行う中小企業など、地域の中核企業となり得る企業は多数あります。  そこで知事にお尋ねします。地域未来牽引企業七十四社はもとより、RESASを活用することによって地域経済牽引事業の担い手候補となる企業を広く抽出し、さまざまな支援措置について重点的な周知を図ることで効果的な支援に結びつけることが可能になるものと考えますが、知事の見解をお伺いします。  次に、指定避難所における防災非常電源設備の設置についてお聞きします。二〇一六年四月に発生した震度七の地震で甚大な被害をこうむった熊本県阿蘇市では、発災後に市の中心部でも停電が発生し、家族の安否確認や情報収集等で携帯電話を利用したいという方々が、自家発電設備を設置している方々の自宅に集まったり、電力会社により派遣された電源車に長蛇の列ができるといった現状がありました。また、二〇一七年七月に発生した集中豪雨により甚大な被害をこうむった朝倉市、東峰村においても、九州電力の発表によると、昨年の九州北部豪雨で約五千百件の停電が発生しました。九州電力は天候回復後直ちに復旧に着手し、豪雨発生の翌日、七月六日の深夜には、道路の損壊や水没などにより進入不可能な地区を除き送電できるようになりました。八日午後九時までには、朝倉市と東峰村で開設している全ての避難所に送電できるようになったと聞いております。九州電力の復旧に向けた御努力に敬意を示すとともに、それでも三日間は停電していた避難所があったということは直視しなければならないと思います。  先日、朝倉の復興支援にかかわった方々からお話を伺うと、現在は高齢者の大半が携帯電話を所有しており、災害時に携帯電話を使うことができれば、二次災害の防止、安否確認等の情報収集力が格段に上がり、孤立者、高齢者にとってみれば、誰かの声が届くだけで精神的な安定につながるとおっしゃっておりました。現代社会において電気はスマホや携帯電話などによる情報通信、テレビなどによる情報収集、照明、あるいは夏季であれば冷房、冬季であれば暖房など被災者にとって不可欠なものであります。よって、市町村が指定する避難所である全ての指定避難所で非常用電源の配備が望ましいと考えます。市町村の中では、積極的に指定避難所への非常用電源の配備を進めている市町村もあると聞いています。また、本県でも太陽光発電を非常用電源として設置した事例もあると聞いております。  そこで知事にお聞きします。まず、市町村が指定する避難所数と、そのうち非常用電源が配備されている避難所は何施設あるのかお示しください。  また、県として市町村が指定する避難所に非常用電源の配備が進むように推進すべきだと考えますが、知事の見解をお示しください。  以上です。(拍手) 44 ◯副議長(守谷 正人君) 小川知事。 *知事答弁 45 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、地域経済分析システム、いわゆるRESASの利活用でございます。RESASは、各自治体が客観的なデータに基づきそれぞれの地域の現状と課題を把握し、その特性を踏まえた地方創生を推進できるよう、国のほうで自治体の産業構造あるいは人口動態、観光の人の流れなどに関するビッグデータを集約をし、これを可視化したものであります。平成二十七年四月から情報提供を開始をしております。国におきましては、各自治体が地方創生総合戦略を展開する際に、KPIの設定やPDCAサイクルの確立にこれが寄与すること、またインターネット上でこれを情報提供することによりまして、地域の方々からの地方創生に関するさまざまな政策提言がなされる、そのことを期待をしているところであります。  本県におきましては、職員のこのRESASの利用を促していくため、国の講師をお招きして、分析手法やシステム操作に関する講習会を開催をしております。また、県民の皆様に対しましても、県が策定したふくおか経済統計ハンドブック、県のホームページ等を通じまして、このRESASの機能とその活用事例というものを紹介させていただいております。今後はこうした取り組みに加えまして、県や自治体の職員を初め広く県民の皆様に対し、このRESAS活用のために国が開催をしております各種セミナーあるいは政策アイデアコンテスト、そういった場への参加を促していくことによりまして、RESASの普及に努めてまいります。  次に、今後の計画策定におけるRESASの活用についてでございます。計画の策定や政策の企画立案、その検証、評価、これらを行うに当たりましては、調査統計とそれに基づく分析というものが不可欠であります。RESASには市町村ごとの生産、分配、消費分析など、公的な統計からは得られないデータというのも含まれておりまして、ここから得られる情報も参考にしながら実効性のある計画の策定などに生かしてまいります。  次に、地域経済牽引事業の担い手企業を把握するために、このRESASを活用してはどうかという御質問でございます。地域経済牽引事業というのは、地域未来投資促進法におきまして地域の成長発展の基盤を図るため、地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者に対する相当の経済効果を及ぼすことによって、地域における経済活動を牽引する事業と定められているところであります。地域経済牽引事業が及ぼす経済的波及効果をより大きなものにしていくためには、雇用貢献度の高い企業、また域内の仕入れが多い企業など、いわゆる地域の中核企業のこれらに、さらなる投資を促していくことが非常に効果的であります。そのため、そのような企業を把握する上で、このRESASの活用は有用でございます。そこで、これを活用して一社でも多くの企業を掘り起こしてまいります。  次に、指定避難所への非常用電源の配備についてお尋ねがございました。市町村が指定する避難所は現在二千七百三十三施設ございます。そのうち八百四の施設にこの非常用電源が配備されているところであります。県におきましては、昨年三月、非常用電源である発電機、またバッテリーなど避難所に必要な資機材を記載した避難所運営マニュアル作成指針というものを策定をし、市町村に対しお示しをしているところであります。また、指定避難所における非常用電源の配備につきましては、国の緊急防災・減災事業債の対象となっておりまして、これを活用して配備を進めるよう副市町村長会議、また防災関係課長会議などを通じて助言を行ってきているところであります。今後もさまざまな機会を捉えまして、この非常用電源の配備というものを促してまいります。 46 ◯副議長(守谷 正人君) 仁戸田元氣君。 47 ◯二十一番(仁戸田 元氣君)登壇 御答弁いただきまして、知事に一点だけ要望させていただきたいと思います。  指定避難所への非常用電源の配備についてであります。知事が答弁されましたように、指定避難所では、被災者にとって電源は必要不可欠でありまして、現在市町村が指定する避難所の二千七百三十三施設のうち、まだ八百四施設にしか非常用電源が配備されていないということでありますから、早急に指定避難所への非常用電源の配備に努めていただきたいと思っております。  またその際に、発電機、バッテリーはもちろんですが、県の総合計画の中でも数値目標を設定していますから、再生可能エネルギーなど多様な非常用電源の配備が進むよう市町村に働きかけていただくことを強く要望しまして質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 48 ◯副議長(守谷 正人君) 津田公治君。(拍手) *津田議員質問 49 ◯四十四番(津田 公治君)登壇 皆さん、こんにちは。自民党県議団、津田公治であります。まずは通告に従いまして、北九州都市高速道路に接続する道路整備について質問をさせていただきます。  ことし北九州市は市制五十五周年を迎えました。北九州市は県内第一位の面積、県内第二位の人口を誇り、福岡市と並ぶ都市であり、福岡県にとって工業、産業、経済、文化の発展に欠かすことのできない都市であります。しかしながら、平成二十四年の東芝北九州工場の閉鎖に代表される基幹産業の生産集約や少子、高齢化を背景に、北九州市の人口は減少し続けております。最近の新聞報道では、住民基本台帳に基づく平成二十八年の人口動態統計で、北九州市は一年間で五千人減り、減少数が全国の自治体の中で三年連続で最も多くなりました。さらに残念なことに、五市合併以来、初めて九十五万人を下回ったと発表されました。こうした人口減少は、若者が就職を機に東京や福岡に転出する傾向が続いていることが主な要因であると見られますが、減少幅は徐々に縮小しております。           〔守谷副議長退席 樋口議長着席〕  一方で、ことし、情報誌の住みたい町ランキングでは、人口十万人以上の都市が対象の全四部門のうち、総合とシニア世代の二部門において北九州市が全国一位となったと発表されました。これは、移住者支援に好評価を得られていることだと考えております。  このような状況の中、地域の活性化を支える施策としてインフラ整備は欠かせないものであります。特に道路は、人々の生活を支える基礎的な社会資本であり、地域間の交流、連携を進め、自動車産業や観光を初めとする地域産業の発展を図る上で必要不可欠な社会基盤であります。また、大規模自然災害への備えや県民のよりよい生活環境の実現のためには、高速自動車道を初めとする高規格幹線道路から地域の生活道路に至るまでの道路ネットワークを着実に整備することが必要であります。  そこで今回、北九州市内において都市交通の主要な部分を担う北九州都市高速道路について、接続する道路の整備状況について質問いたしたいと思います。  昭和四十六年に福岡県、福岡市、北九州市により福岡北九州高速道路公社が設立されました。北九州都市高速道路は、昭和四十七年に当初計画十九・九キロの都市高速道路の大臣許可を受け、北九州市の都心部と周辺部との連結及び市内の各拠点の連結強化及び都市内の交通混雑緩和を図ることを基本としています。その構成としては、北九州市の都心である小倉を南北に結ぶ高速一号線、小倉と戸畑を結ぶ高速二号線、一号線と二号線を結ぶ高速三号線、門司から八幡を東西に結ぶ高速四号線、八幡東区東田地区を四号線と結ぶ高速五号線の五路線、全長四十九・五キロで構成されております。供用の歴史としては、昭和五十五年の篠崎北から日明間の開通が最初でした。開通を皮切りに、平成三年には、旧道路公団から高速四号線として春日から馬場山間を引き継いだところであります。平成十二年には高速一号線が長野まで延伸し、平成十三年には北九州博覧祭に合わせて北九州高速五号線を枝光まで延伸しました。  しかし、五号線はその延伸を最後に十数年、枝光-戸畑間の工事が大幅におくれております。それで、この間が未完成のため都市高速全体の環状線化が進んでおりません。福岡都市高速道路の例を見るまでもなく、周辺道路とのアクセスの向上のため、早期の環状線化が望まれているところであります。近年は、北九州都市高速道路を中心とした道路整備が進められ、今後、建設が期待される下関北九州道路や若松区の響灘再開発地域、そして黒崎バイパス等々のアクセスなど、さらなる道路ネットワークの構築が進められているところであります。  そこで、以下三点質問させていただきます。最初に、国土交通省においては、国道三号の黒崎バイパスの整備が進められているところでありますが、この国道三号黒崎バイパスの整備状況についてお伺いいたします。  次に、北九州市においては、北九州都市高速道路の戸畑インターから枝光インターまでの間を都市計画道路戸畑枝光線として建設を進められているところでありますが、この戸畑枝光線の整備状況についてお伺いします。  三点目は、戸畑枝光線が完成し環状線化が実現すると利便性が一層高まると考えております。つきましては、国道三号黒崎バイパスと戸畑枝光線が及ぼす効果についてお伺いして、この項の質問を終わります。  次に、スペースワールドの跡地活用に係る県の今後の対応についての質問です。北九州市のテーマパークスペースワールドが、一昨年十二月の突然の閉園発表から一年余りとなる昨年十二月三十一日、多くの方々に惜しまれつつ閉園いたしました。スペースワールドは、平成二年に、当時の新日本製鐵八幡製鐵所の東田地区約二十四万平方メートルの遊休地に宇宙をテーマとして開業して以来、経営的に苦しい状況が続いた時期もありましたが、近年は企業努力により収益も改善され、市内有数の観光スポットとして県内外の多くの方々に親しまれてきました。それだけに、閉園については大変寂しく残念に思っております。閉園が発表されてからこの一年間は、連日、大勢のお客様でにぎわっておりましたが、閉園した現在は、当然のことでありますがお客様たちの歓声やジェットコースターの音もなくなり、全く寂しい状況であります。  そのような中、イオンモール株式会社(本社千葉)と地権者の新日鐵住金株式会社が、二月十六日付でスペースワールド跡地利用の仮契約を締結したとの報道がありました。両社は、これまで優先交渉先であったイオンモール株式会社が正式な跡地利用の事業者となったことから、同月十八日、福岡県及び北九州市に対して経過報告を行ったとのことであります。この報告の席でイオンモール株式会社のコメントは、新しい施設について国内外からの集客が図られ、地域経済の活性化につながるような新たな地域の拠点として、ショッピングのみならず娯楽、文化、食を融合した施設計画を検討していくとし、そして、可能な限り早期に工事に着手し、二〇二一年中のオープンを目指したいと意欲を示したようであります。  新施設は、既存のイオンモール八幡東と合わせると三十三万七千平方メートルで、イオン社最大の埼玉県越谷市の施設に匹敵する広さであります。なお、施設の内容については現在検討中であり、今後、詳細を含め段階的に公表していく考えのようであります。スペースワールドの閉園は大変残念ではありましたが、一方で、その跡地に新しい施設ができるということで、地域の関心も高く、また新しいまちづくりや地域の発展の起爆剤にもなり得るという意味で、期待しているところであります。  そこでお尋ねをします。今回の報告を受け、知事、北九州市長から両社に対し跡地の活用について要請を行ったとのことですが、この中で知事は、今後、跡地活用計画を推進していくことになるイオンモール株式会社に対し、どのような要請を行ったのかお聞かせください。  また、今後の行政としての対応は北九州市が中心になるのでしょうが、県としてはどのような対応を行うおつもりなのか、小川知事の御意向をお聞かせください。  今回の質問は北九州市に関する質問でありましたが、北九州市は政令都市ではありますが、冒頭に申し上げましたように、人口の減少、少子、高齢化等々多くの問題を抱えております。現在、福岡県そして北九州市は良好な関係であるとは思いますが、今後とも、県と北九州市の連携、そして協力を密にして進んでいきたい、そのことをお願い申し上げまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手) 50 ◯議長(樋口 明君) 小川知事。 *知事答弁 51 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、国道三号黒崎バイパスの整備状況でございます。黒崎バイパスは、北九州市八幡東区と西区を結ぶ約六キロの道路でございまして、国道三号の渋滞の解消、交通安全の確保を目的といたしまして、国が平成三年度からその事業を進めてきております。平成二十年度から随時供用が開始されておりまして、二十四年度には北九州都市高速道路に接続をされております。現在、国道三号のバイパスと現道とを接続する春の町ランプの工事が行われているところでございます。  次に、都市計画道路戸畑枝光線の整備状況でございます。戸畑枝光線は、北九州都市高速道路二号線の戸畑出入り口と五号線の枝光出入り口を結ぶ約四キロメートルの道路でございます。牧山出入り口から枝光出入り口までを第一期区間、残りの区間を第二期区間として北九州市が事業を進めてきております。一期区間でございますけれども、昨年九月に用地買収が完了いたしまして、現在本線部の橋梁などの工事が行われておりまして、二期区間では用地測量が完了し、昨年十一月に用地買収に向けた説明会が開催されたところであります。  この国道三号黒崎バイパスと戸畑枝光線が及ぼす効果でございます。黒崎バイパスと戸畑枝光線の供用によりまして北九州都市高速道路と一体となり、北九州市の放射、環状型のネットワークというものが形成されることになります。これによりまして都心を迂回することによる交通混雑の緩和、災害が発生した場合の代替ルートの確保、響灘地区や東田地区の開発の促進、そういった効果が見込まれるところであります。県といたしましては、こうした効果が早期に発現するよう、国や市に対し整備の促進を働きかけてまいります。  次に、スペースワールド跡地の活用についてでございます。スペースワールドの跡地は、北九州市東田地区の中核エリアに位置をし敷地面積も広大でありますことから、その活用はこの地域における今後のまちづくり、そして地域活性化を図っていく上で大変重要な課題であります。このため、正式な跡地活用の事業者に決まったイオンモール株式会社に対しまして先月十八日、北九州市の北橋市長とともに跡地利用に関する私ども地域の考え、そしてその思いというものを直接伝えたところであります。私のほうからは、新しい施設が今後の北九州市のまちづくり、地域の活性化に資するとともに、新たな雇用につながっていくものであること、また二〇二一年中に開業したいとそういう話があったんですが、その開業時期について一日も早く地域ににぎわいの場が訪れるよう着実にその計画を進めていくこと、施設計画につきまして、節目節目で情報提供を行うとともに市のまちづくりあるいは地域活性化の観点から県や市の取り組みとの連携を図っていくこと、これらを要請したところであります。県といたしましては、今後跡地活用の計画が具体化をしていく中で、新しい施設が県内外の多くの方に親しまれ、地域に元気を与えてくれるものとなるよう、北九州市と緊密に連携しながらイオンモール株式会社に働きかけをしてまいります。
    52 ◯議長(樋口 明君) 大田京子君。(拍手) *大田(京)議員質問 53 ◯四番(大田 京子君)登壇 民進党・県政クラブ県議団の大田京子です。通告に従い、民泊について一般質問いたします。全国的に民泊を解禁する住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法がいよいよ本年六月十五日に施行されます。民泊の問題については、我が会派の原中誠志議員が昨年十二月議会でも取り上げ、県の対応をただしてきた経緯がありますが、今回は民泊新法の施行が目前に迫っており、喫緊の課題に絞って質問いたします。  日本政府観光局によると、昨年の訪日外国人の数は前年比一九・三%増の二千八百六十九万一千人で過去最多を記録しており、ホテルの客室数不足や宿泊費の高騰が懸念されています。こうした中、国は民泊新法を制定し民泊を促進しようとしていますが、騒音やごみ問題を招くなど各地で民泊に関する苦情が出ていることに加え、先月にはアメリカ人男性が日本人女性を殺害し遺体を遺棄する事件が起きたことから、民泊の規制を求める声が高まっています。  観光庁の調べによれば、全国の民泊の監督官庁になり得る地方自治体百五十カ所のうち三分の一に当たる五十二カ所が条例で民泊を規制した、もしくは規制しようとしている状況にあるといいます。東京都大田区や兵庫県は、民泊が可能な地域を制限、東京都新宿区は住宅専用地域の民泊は週末のみとし、京都市では一月から三月の閑散期に制限するなどの動きがあります。  本県においても昨年の入国外国人数は三百十八万八千人を記録しており、宿泊施設不足を背景に民泊に対する需要が高まっています。しかし一方で、報道によると、近隣住民からの苦情が昨年四月からの七カ月間で約百件というペースで寄せられており、安全、安心な暮らしを守るための対策が早急に求められています。  そこで初めに、民泊新法における事業の届け出についてお聞きします。法施行の三カ月前に当たる今月十五日から住宅宿泊事業者、住宅宿泊管理業者、住宅宿泊仲介業者の届け出及び登録が始まります。県内には数多くの民泊を行っている宿泊事業者が存在しますが、今後、民泊を行おうとする者が具体的にどういった手続で民泊事業者になるのかお示しください。その上で、県が管理することになる住宅宿泊事業者の届け出後の情報公開についてもあわせてお示しください。  次に、住宅宿泊事業者に係る指導監督事務、いわゆる民泊に関する苦情への対応についてお聞きします。両政令市、久留米市、大牟田市の保健所設置市は、住宅宿泊事業者に係る指導監督事務等を都道府県にかわって処理することができるとされており、事務を行う場合は開始する三十日前までに、その旨の公示が必要となります。しかしながら、届け出等準備行為が開始される三月十五日を目前にしても公示がなされておらず、民泊が集中していると思われる福岡市を含め、いずれの保健所設置市も監督の事務を行う意向は現段階ではないということになります。  現在、民泊の苦情に関しては、区役所、市役所、警察、県庁などさまざまな機関へ寄せられています。国によると、新法施行後には、全国共通ナビダイヤル民泊制度コールセンターが苦情相談窓口になるとしていますが、現実的には、県民、市民の多くは地元の身近な機関に申し出ると思われます。民泊が多く集中していると思われる福岡市には、苦情や相談が多く寄せられると予想されます。  そこで、県だけではなく、福岡市などのさまざまな各機関に寄せられた民泊に関する苦情に対し、県はどのような対応をとるのか、県民、市民の不満や不安に対し、行政側がしっかりと対応、対策できるよう関係機関の連携も含めお答えください。  最後に、条例制定に対する考えについてお聞きします。昨年十二月議会で知事の答弁は、国が今後示すガイドラインの内容や他の都道府県の動向も勘案しながら制定の必要性も含め見きわめてまいりますといったものでしたが、冒頭述べたように、その後の報道を見ると他の道府県の中には、二月、三月議会に条例案を上程されているものもあります。本県においても住民の生活環境の悪化を防止する観点から、規制条例を早急に制定すべきであると考えますが、いま一度知事の考えをお聞かせください。  以上、知事の答弁を求めます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 54 ◯議長(樋口 明君) 小川知事。 *知事答弁 55 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、住宅宿泊事業の手続であります。住宅宿泊事業法におきましては、制度の一体的かつ円滑な執行を確保するため、住宅宿泊事業者、住宅宿泊管理業者、住宅宿泊仲介業者という三つの種類の事業者が位置づけられております。住宅宿泊事業を営もうとする者は県への届け出、住宅宿泊管理業を営もうとする者は国土交通大臣への登録、住宅宿泊仲介業を営もうとする者は観光庁長官への登録がそれぞれ必要となります。これらの手続につきましては、今月十五日から開始をされ、原則として国が開設をする民泊制度運営システムを利用してインターネット上で行っていただくことになります。このシステムを経由して届け出を受けた私ども県は、届け出書の記載内容、添付書類を審査をいたしまして、不備がなければ届け出者に対しその届け出番号を通知をいたします。あわせて、宿泊者、近隣住民の皆様などがこの住宅宿泊事業の届け出の有無について御確認できるよう、国のガイドラインに沿ってその届け出番号及び住所について県のホームページで公表することといたしております。また、国は今月一日に民泊制度コールセンターを開設をしておりまして、こうした手続方法について相談を受け付けているところであります。県におきましても、県のホームページにこの民泊制度運営システムと民泊制度コールセンターについて掲載をし、その周知を図るとともに、問い合わせに対し電話、メールあるいは来所による相談を受け付けてきているところであります。  民泊に関する苦情への対応でございます。県民の方からの民泊に対する苦情相談は、さきに申し上げました民泊制度コールセンターでも対応を行いますけれども、議員が御指摘されたように、新法施行後も県や民泊の多い福岡市に寄せられることが予想されます。本県におきましては平成二十八年度、県、福岡市を含む保健所設置市及び県警で民泊に関する連絡会議を設置をいたしておりまして、民泊の状況、違法事例の取り締まり状況について情報共有を行ってきております。今後は、この会議の場におきまして、新法施行後の苦情対応が円滑に行えるよう協議をし、関係機関において問い合わせ対応マニュアルを作成するなど、県民の皆さんからの苦情相談に対し、関係機関十分連携して適切に対処してまいります。  次に、条例の制定でございます。住宅宿泊事業法は、一定のルールのもとで健全な民泊の普及を図ることを目的として定められたものでございます。この法律におきましては、住宅宿泊事業者、または住宅宿泊管理業者には、宿泊者に対し、騒音防止、ごみの適正処理、火災防止など届け出住宅の周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し、必要な事項を説明する義務が課せられているところであります。また、これらの事業者には周辺地域の住民からの苦情、問い合わせについて適切かつ迅速に対応することが求められております。このように事業者に対し、さまざまな義務が課せられておりますことに加えまして、私ども都道府県知事には事業者に対する業務改善命令、業務停止命令等の権限が付与されているところであります。その上で、都道府県は騒音の発生などによる生活環境の悪化を防止するため合理的に必要と認められる限度におきまして、条例で住宅宿泊事業の実施を制限することができると、このようになっておるわけであります。この条例の制定でございますけれども、現在、約七割の都道府県が新法施行後の状況を見て検討することといたしております。本県におきましては、新法施行後の実態、例えば苦情の発生の状況、行政による指導監督の状況、生活環境の変化等を見ながら、必要があれば条例制定について検討してまいります。 56 ◯議長(樋口 明君) 本日の一般質問はこれまでとし、残余は三月十二日、取り進めることにいたします。  本日はこれをもって散会いたします。           午 後 二 時 三十六分  散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...