↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(樋口 明君) ただいまから本日の会議を開きます。
日程に従い一般質問を行います。順次発言を許可いたします。香原勝司君。(拍手)
*香原議員質問
2 ◯十七番(香原 勝司君)登壇 皆さん、おはようございます。
自民党県議団の香原勝司です。三日目の第一……の続きはなかなか出てまいりませんけれども、議会中でもありますし、大変寝不足の中であると思いますが、しっかりとおつき合いをいただきたいというふうに思います。
では、通告に従いまして、JR九州の交通機関としての公共性、今回の大幅減便問題について知事の戦う姿勢をただしてまいりたいと思います。
鉄道は、地域の住民の方々の通勤、通学、通院、買い物などの日常生活や、インバウンドを含む旅行者の方々にとって重要な移動手段となっています。また、高齢化が進展していく中において、免許を返納した方々が安心して生活を営むためには、公共交通の役割は今後ますます大きくなることは明白であります。こうした中、JR九州は昨年十二月十五日に、ことしの三月に予定をしている
ダイヤ改正について発表を行いました。その内容は、新幹線で六本、特急で二十四本、在来線の快速、普通列車で八十七本の計百十七本の減便といった、
JR九州発足後、最大の減便を伴うものでありました。私の地元である
福北ゆたか線のJR直方駅においても、昼間の時間帯を中心に折尾方面で上下八本、博多方面で上下十本の計十八便の減便が予定をされております。また、昨年三月の
ダイヤ改正時には、筑豊本線で多くの駅が無人化されました。これは、
駅遠隔案内システムを導入することで駅の無人化を図るというものです。JR九州は、遠隔操作をするオペレーターと監視カメラや巡回職員を配置することで、安全や利用客の利便性は確保できると説明をしたと聞いております。しかしながら、この無人化の方針が判明した途端、住民や視覚障がいの方々から大きな不満の声が上がりました。JR九州に対しては、自治会や障がい者団体の方々から計画の見直しの申し入れがなされ、最終的には、主に定期券の購入の利便を図るという観点で、若松駅と中間駅の二駅のみに朝の通勤、通学時間帯に駅員を配置するといった対応がとられましたが、無人化は予定どおり実行されたことは記憶に新しいところであります。
このようなJR九州の経営姿勢に対して、私のところには、JR九州は経営の合理化ばかりを進めており、
自分たち住民の利便性や足の確保といった視点が欠落しているのではないかという声が聞こえてまいります。JR九州は、今回の
ダイヤ改正や駅の無人化は、鉄道路線網の維持に向けた収支改善のための取り組みの一環であると言っておりますが、一方でJR九州は、平成二十九年九月期の中間決算では、好調な駅ビル、
不動産事業を背景に過去最高の売上高、利益を計上しています。JR九州全体で大きな利益を上げており、会社全体の収益で鉄道を支えることもあってはいいのではないかというふうに考えております。
先日の我が党の代表質問においても申し上げましたが、
JR九州発足時には、路線維持のための
経営安定基金が国庫から支出され、また
固定資産税等の減免措置も講じられております。JR九州に対してはいろんな形で税金が投入されています。そういった点では、JR九州は国民負担の上で成り立っている企業であり、単なる民間企業とは異なるものであります。県においても、これまで博多駅、行橋駅の耐震化において助成を行っています。駅そのものはJR九州が所有しているにもかかわらず県が助成をしているのは、JR九州が公共性の高い企業だからではないでしょうか。一方で、
ダイヤ改正のような合理化は、民間企業だから自治体や住民の意見も聞かずに進めていく。果たしてこのようなことでいいのでしょうか。日田彦山線をめぐるJR九州の発言を見ても、バスやタクシーへの転換や赤字路線の維持に地元負担を示唆するなど、みずから鉄道を維持するという意欲に乏しく、公共性が非常に高い事業を営んでいるという責任を認識していないのではないかと思わざるを得ません。
そこでお尋ねいたします。知事は、JR九州の公共交通を担う会社としての姿勢をどう考えるのか、またどのようにしてJR九州に対して県や市町村の意見を反映させていくのか、お尋ねをいたします。
知事の力強い答弁をお願いします。(拍手)
3 ◯議長(樋口 明君) 小川知事。
*知事答弁
4 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
JR九州の公共交通を担う会社としての、その姿勢についてでございます。鉄道事業は、住民の皆様の日常生活の維持はもとより、地域経済また社会の発展に大きな影響を及ぼす極めて公共性また公益性の高い事業であると考えております。特に、固定資産税などの税の優遇措置、それから
完全民営化に際しての
経営安定基金、その取り扱いなどを勘案をいたしますと、JR九州を一般の民間企業と同列に論じることはできないと思っております。より高い社会的使命を有していることを認識した上で、この事業経営を行っていただく必要がある、このように考えております。
そのような中、JR九州は地元に十分な説明を行わないまま、御指摘のありました筑豊本線の駅の無人化、また今回の過去最大規模の減便を伴う
ダイヤ改正の発表を行い、このことが
沿線市町村や、また地域の住民の皆様に大きな不安や不満、そして不信感を抱かせることになったわけであります。今般の一連の進め方につきましては、私も遺憾であると、このように考えております。県におきましては、大幅な減便方針、その公表直後でございますけれども、九州各県、私どもから呼びかけをいたしまして、知事及び議長の連名で、
ダイヤ改正の再考等を求める緊急要望を行ったわけであります。また、その後も
県内市町村と連携して再三にわたり要望活動を行いました結果、JR九州は
ダイヤ改正の一部見直しを行い、また改正後も利用者の声を聞き、利用状況を把握しながら、変えるべきものがあれば対応していくと、このように回答しているところであります。現在、具体的な影響調査を行っておりまして、その結果をも踏まえ、必要に応じてその見直しを求めていくとともに、公共性の高い鉄道の事業者といたしまして、地域住民の生活、また地域の活性化に配慮した事業運営がなされるよう求めてまいります。
5 ◯議長(樋口 明君) 香原勝司君。
6 ◯十七番(香原 勝司君)登壇 では再質問させていただきます。
今の知事の答弁をお聞きする限りでは、県はこれまでJR九州に対して、
ダイヤ改正の見直しや駅の無人化の撤回など、地域住民の意向を踏まえて要望をされてきたということですが、基本、成果は何も上がっていないということであります。JR九州のこのような姿勢を正すためには、県の力だけでは限界があるということなのでしょうか。許認可権限を有する国が関与することが必要であるとも考えます。
国土交通省は、JR九州の
完全民営化の際、国鉄改革の経緯を踏まえた事業運営を担保する必要があるとの観点から、JR九州が当分の間配慮すべき事項を指針として発表されました。この指針によると、新会社は国鉄改革の実施後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化を踏まえて現に営業する路線の適正な維持に努めるものとするとされております。そしてまた、
国土交通大臣には指導や助言、勧告、命令の権限が付与されています。
私は、JR九州に対する指導等を国に求めていくべきであると考えますが、知事の見解をお聞かせください。
そしてまた、JR九州がダイヤの見直しや駅の無人化など住民の利便性に大きくかかわる決定を行う場合には、県や市町村に事前に協議する場を設けるべきであると考えますが、あわせて知事の見解をお聞きします。
7 ◯議長(樋口 明君) 小川知事。
8 ◯知事(小川 洋君)登壇 JR九州に対する指導等についてお尋ねでございます。御指摘のありました
国土交通大臣が示した指針の趣旨は、JR九州が鉄道事業にかかわる利用者の利便性の確保と適切な利用条件の維持、そしてその事業を営む地域経済及び社会の健全な発展の基盤を確保、それを目的とするというふうになってございます。この趣旨を踏まえますと、先ほど申し上げましたように、JR九州には住民生活また地域の活性化に十分配慮した事業運営に取り組んでいただくこと、その必要があると考えております。
今回、JR九州は、九州各県、議会、
県内市町村から再三の要望を受けまして、
ダイヤ改正の一部の見直しを行いました。また、二月十六日でございますが、先ほども申し上げましたように、青柳社長、コメントされておりまして、これからも利用者の意見や地域の意見に耳を傾け、利用状況の把握に努め、時刻の修正や車両の増結、列車の増便や運転区間の延長等柔軟に対応していくと、このように言われております。このように、自治体や利用者の意見を聞きながら事業運営を行う姿勢を、今示しているところから、まずは九州各県、議会、
県内市町村、連携を強めまして、JR九州に対し、公共性の高い交通機関としての認識を持って事業運営を行うよう、引き続き粘り強く働きかけを続けていきたいと考えております。
また、JR九州と協議する仕組みでございますけれども、今回のような大幅な減便、駅の無人化といった利便性の確保に重大な影響を及ぼす事項につきまして、地元の意見を反映させるため、早い段階でそれらの情報提供がなされ、事前に私ども県や地元自治体との協議をする機会を設けるよう要請をしてまいります。
9 ◯議長(樋口 明君) 香原勝司君。
10 ◯十七番(香原 勝司君)登壇 今、知事の答弁をお聞きすると、国の力ではなく、まず県でやらせてほしいという御答弁であったというふうに思います。そしてまた、事前に協議をする場というものをJRに要請するというふうに言われましたので、この要請をされた結果、JR九州がどのような回答をなされたのか、早急に議会のほうに報告をしていただきたいと思います。この件については、続くということで、今回の一般質問を終わります。(拍手)
11 ◯議長(樋口 明君) 佐々木允君。(拍手)
*佐々木(允)議員質問
12 ◯三番(佐々木 允君)登壇 改めまして、皆さん、おはようございます。民進党・
県政クラブ県議団、佐々木允でございます。ただいまより一般質問を行います。どうぞよろしくお願いをいたします。
まず第一点目に、子供の健康診断及び予防施策のうち、風疹に関してお聞きをしたいと思います。風疹に関しては、長く流行していない病気ではありますが、二〇〇二年から局地的流行が報告されたことから、二〇〇四年、
厚生労働科学研究班による緊急提言がなされたところであります。その後、局地的な流行の阻止を達成することを目的に、二〇〇五年七月、
予防接種法施行令の改正がなされ、これまでの一回接種から、第一期の一歳から二歳未満、第二期の五歳以上七歳未満の者で小学校就学前の一年間の計二回の接種に制度変更がなされています。二〇一二年から二〇一三年には国内で大規模な流行が発生し、延べ患者数一万六千人、そのうち四十五名の赤ちゃんが難聴などを引き起こす
先天性風疹症候群に診断されるなど社会問題となりました。また福岡県でも二〇一一年に地域流行が認められているところです。
国内のこのような問題と
世界保健機関(WHO)による風疹排除の達成目標が示されたことに伴い、二〇一四年、
厚生労働省は風しんに関する
特定感染症予防指針を策定し、二〇二〇年度までに風疹の排除を達成する目標を掲げています。確かにここ数年、本県において風疹の発生数は数件にとどまっていますが、地域流行の経験もあることや、あと二年で風疹の排除を達成するという国の目標に到達するためにも、発生予防に最も有効な対策である予防接種について、その現状と課題、今後の取り組みの充実に関して、以下、知事に順次、御質問をいたします。
まず、
風疹ワクチン接種率の現状についてです。先ほど申し上げた風しんに関する
特定感染症予防指針によると、風疹の排除を達成するためには、予防接種の接種率が九五%以上になることが定められています。国においては、国全体を一つの単位として、その接種率の目標設定を行っているところでありますが、予防接種を行う主体が市町村であることからも、それを統括する都道府県や
市町村単位まできめ細かくその接種率がどのようになっているか把握し、適切な助言を県として行うことが重要だと考えます。
そこで一点目に、第一期の
風疹ワクチン接種率について、
県平均接種率、国が目標として定めている接種率九五%を下回っている
県内市町村の数や地域の状況及びその状況に対する知事の認識についてお答えをください。
二点目に、国の
風疹排除目標年である二〇二〇年度までに全ての市町村で接種率九五%を超えることが重要だと考えます。市町村に対して、この目標達成のためどのような支援を行っていくのか、知事の所見をお聞かせください。
次に、三歳児健診における視力検査についてお聞きします。三歳児は、心身ともに目覚ましく成長する時期であり、身体面においてもさまざまな機能が発達するため、この時期に健診を実施することは、病気などの早期発見に極めて有意義であります。とりわけ、視力は情報の八割を得る重要な機能を有しており、三歳ごろまでの発達が急速で、正常に発達すれば三歳で視力はほぼ一・〇に達し、その後も徐々に発達し、六歳ごろに完成すると言われています。視力の発達時期に斜視や強い屈折異常があり目が正しく使えないと、視力や眼球運動などの視覚機能の発達停止や遅延が起こり、弱視となってしまう可能性があります。一方、この時期に治療を的確に開始をすれば、弱視や斜視の予後はよいと言われています。
昨年四月、
厚生労働省は各都道府県に対して、三歳児健康診査における視力検査の実施についてという通知を出しております。ここには、屈折異常や斜視が見逃された場合に、治療がおくれ、十分な視力が得られないという指摘を行った上で、都道府県に対して、
管内市町村において視力検査が適切に実施されるよう助言を行うように要請をしております。
そこで、まずその要請内容についてお示しください。その上で、県は市町村にその内容について、どのような働きかけを行ったのかお聞きをしたいと思います。また、その結果、市町村は要請に基づいた視力検査が適切に行われているのか、その現状について県としてどのように把握をしているのか、あわせてお聞きしたいと思います。
さて、三歳児の視力検査については、今の現状では、親が花や鳥などの絵を子供に見せた上で、視力があるかどうかを判断する形をとっています。しかし、この方法では、屈折異常が適切に判断できないという課題が言われています。
田川市立病院小児科部長の
尾上泰弘先生が、田川市の三歳児健診において昨年四月から五カ月間行った機器による検査によると、延べ百五十人中十名が要検査となり、その後の眼科医の診断によって十名全てに乱視や弱視等の診断が下されています。一方、この十名に対して従来の検査を行ったところ、要検査となった子供は一名とのことでした。もし、機器を活用した検査が行われなかった場合、九名もの子供の視覚異常が見逃された可能性が高いことが言えます。尾上先生は、視力検査とあわせ機器による屈折検査も行うことで、屈折異常などの視覚機能の異常を早期に把握し、治療につなげることができるとおっしゃっていました。子供は見える世界自体を知らないため、仮に視力の問題があっても気づかないことがほとんどであり、親も視覚異常については目に見える異常ではないため、気づかれないまま手おくれになってしまうという事例も多くあります。子供の将来に大きな影響がある目の健康を保つためにも、屈折異常について、より的確に把握できる手法の導入について知事の見解をお尋ねします。
次に、田川地区における県立高校のあり方について質問をいたします。私の地元田川市及び田川郡が範囲となる第十一学区は四つの県立高校があり、それぞれの特色を生かした教育活動が行われています。しかし、近年、この県立高校四校の志願状況について厳しい状況が続いています。特に、二〇一五年以降直近まで延べ四年間にわたり、第十一学区全体で志願倍率が一を切っている状況です。また毎年の志願状況を見ると、五年前の二〇一四年度においては十一学区全体で八百十七名いたにもかかわらず、今回の入試の志願者数は六百六十八名と、わずか五年間で一八・二%、二割近く減少しているのが現状です。一方、同時期における第十一学区内の
中学校卒業者の減少率は七%であるわけですから、その差は一〇%以上あるわけで、田川地区において生徒の
県立高校離れが加速しているということが言えます。
この志願者数の減少に呼応する形で、第十一学区の県立高校の定員は、この五年間で全体の一割に当たる八十人減員をしています。このことから、県立高校の小規模化が進んでいる状況です。第十一学区内における小中学生の今後の推移は、九年間ほぼ横ばいであり、将来的に生徒数の増加が見込めない状況の中、地域の生徒、保護者に選ばれ、地域に必要とされる県立高校として、今こそ
県教育委員会として格段の取り組みを求める立場から、以下質問をいたします。
まず一点目に、田川地区の県立高校の現状に対する認識についてです。先ほど示したように、近年、田川地区内の県立高校の志願者数が減少している状況ですが、この一因として、県立高校より他地区の高校が選ばれている状況もあり、このまま志願者数の減少が続けば、現在の県立高校の存立自体が危うくなるのではないかと懸念する声も地元から上がってきている状況です。田川地区の県立高校の志願状況が低迷している現状に対してどのように認識をしているのか、教育長の所見をお聞かせください。
二点目に、
志願状況改善のための取り組みについてお聞きします。昨今の志願状況の低迷は、中学生や保護者にとって県立高校の魅力がなくなってきていることが第一の原因と思われます。確かに、県立高校の魅力を向上させるために、例えば田川高校では進学に特化した
スーパー特進クラスの設置や、
田川科学技術高校では地域のニーズを踏まえ土木の教育内容の取り入れを行っていますが、現状を考えるとよりそれらの取り組みの拡充が急務だと考えます。
そこで、
県教育委員会としては、これまで地区の県立高校の
志願状況改善のためにどのような取り組みを行ってきたのかお聞きをするとともに、取り組みをより拡充させていく必要性についてどのように考えているのか、教育長にお聞きします。
三点目に、中学生や保護者への効果的な広報についてお聞きします。
幾ら県立高校に魅力があり、特色のある活動を行ったとしても、その取り組みが中学生や保護者に知られていなければ、魅力のない高校に映ってしまう結果となってしまいます。県内の県立高校を見ると、魅力が十分に発信されていないように感じますし、これは
県立高校そのものが、広報自体に不得手であるということが一因にあるのではないでしょうか。
そこで、今後、県立高校の広報について、これまでと違った形で改善することの必要性と取り組みについて教育長の見解をお聞きをしたいと思います。
四点目に、地区の生徒から選ばれる県立高校のあり方についてお聞きします。広報の改善の必要性に言及したところでありますが、そもそも現在の田川地区の県立高校のあり方自体にさまざまな課題があるのではないかと感じています。そもそも学区制度というのは、その中で望む教育内容が網羅的にあることが望ましいはずであります。また、通学時間や費用の軽減はもとより、田川地区にある県立高校で学ぶことは地域愛の醸成を図る観点からも極めて重要です。そのためには、田川地区の県立高校四校が、生徒の進学や就職といった進路希望に十分に応えられる
教育環境づくりについてこれまで以上の取り組みを進めるべきだと考えますが、教育長の認識及び今後の取り組みをお聞きをしたいと思います。
以上、答弁をお願いをいたします。(拍手)
13 ◯議長(樋口 明君) 小川知事。
*知事答弁
14 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず初めに、県内の市町村における
風疹ワクチンの接種率でございます。国の調査によりますと、平成二十八年度における福岡県の第一期
風疹ワクチン接種率の平均は九六・六%となってございまして、国が接種率の目標と定めております九五%を上回っているところであります。目標値を下回っている市町村数は現在三十一ございまして、二次
保健医療圏ごとの状況、これを見ますと、
田川保健医療圏で接種率が低い傾向にございます。
風疹ワクチンの接種は、風疹の予防、蔓延防止のため大変重要でございまして、これらの市町村の接種率を目標値であります九五%、これに向けて引き上げていく必要があると、このように考えております。そのため県といたしましては、副
市町村長会議等を通じまして、
接種率向上のための取り組みをこれらの市町村に促すとともに、接種率が低いこれらの市町村を対象とした研修会を開催をし、他の市町村の取り組み事例も紹介しつつ、各市町村の取り組みというものを支援してまいります。
次に、三歳児健康診査の視力検査における市町村への働きかけでございます。子供の目の機能というのは、六歳までにほぼ完成するため、三歳児の視力検査において目の機能の異常を早期に発見し、治療につなげることは、非常に重要なことであると考えております。通知におきましては、市町村は三歳児健康診査におきまして、まず視力検査の重要性について保護者に周知をすること、家庭において適切な視力検査が実施できなかった場合、健診会場で必ず検査を実施すること、そして〇・五の視標が正しく見えなかった児及び視力検査未実施児に対して眼科医療機関への受診を勧奨すること、そして受診勧奨したお子さんの保護者に対して受診結果を確認をすること、そのようになっております。国からの通知を受けまして、その内容を市町村に周知を図るとともに、視力検査を適切に実施するよう市町村に働きかけてきております。県におきましては、三歳児健康診査の実施状況について報告を受けているところでありますけれども、詳細な視力検査の状況については報告の項目となってございません。今後、市町村の担当者が集まる会議、研修会の場を利用しまして、視力検査の実施状況について確認をしながら、適切にこれを実施するよう助言をしてまいります。
屈折異常を的確に把握することができる手法の導入についてお尋ねがありました。国の研究班から、三歳児健康診査において視覚異常の検査精度を高めるため、これまでの視力検査に加えまして、屈折異常の検査機器の導入が効果的であることが報告をされております。各市町村におきましては、国が勧めております検査方法を従来から実施をしてきているところでありますが、田川市など一部の市町村において、従来のこの検査方法に加え、今申し上げました屈折異常を検査する機器を導入しているところがあると聞いております。県といたしましては、これらの市町村から、機器を活用する上での課題や効果等について情報収集しながら、一方で国の動向も注視をしてまいります。
15 ◯議長(樋口 明君) 城戸教育長。
*教育長答弁
16 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 田川地区の県立高校の現状に対する認識についてでございます。田川地区では、志願割れが続いている学校があり、厳しい志願状況でございますが、これは学校の魅力が中学生や保護者にしっかりと届いていないことや、以前と比べて相対的に魅力が低下していることによるものと考えております。
県教育委員会といたしましては、田川地区の県立高校が将来にわたって中学生や保護者から選ばれ、地域での重要な役割を果たし続けられるよう、魅力ある学校づくりに努める必要があると考えております。
志願状況改善のための取り組みについてでございます。
県教育委員会といたしましては、これまで各学校が進学や就職などのニーズに応じた取り組みを十分に実施できるよう、人的措置や経費的支援、施設、設備の整備などを行ってきたところですが、志願割れの解消には結びついていないことから、今後とも県立高校の魅力向上の取り組みをより一層進めていく必要があると考えております。
中学生や保護者への効果的な広報についてでございます。学校における魅力向上の取り組みを志願状況の改善につなげていくためには、その内容や成果について中学生や保護者にしっかりと伝えることが重要であります。このため、学校が自校の特色をより的確かつ効果的に中学校や生徒、保護者に伝えられるよう、学校の広報担当者の技術向上、広報媒体の工夫など広報活動の充実に努めてまいりたいと考えております。また、今後は各学校の取り組みを下支えするため、
県教育委員会といたしましても、県立高校の教育方針や特色などを県民に積極的にアピールし、県立高校全体のイメージアップに努めてまいります。
地区の生徒から選ばれる県立高校のあり方についてでございます。これまで田川地区においては、県立高校再編整備により、県内唯一の総合型産業高校である
田川科学技術高校を開校し、学科の枠を超えた科目選択が可能となる総合選択制を取り入れるなど職業教育の充実を図ってまいりました。また、普通科高校については、田川高校における授業改善の推進のための研究開発や東鷹高校における生徒の幅広い進学ニーズに応じたクラス編制などに取り組んでおります。また、医療、福祉分野の従事者の割合が高いという地域の特色を踏まえ、西田川高校において、専門学校等との連携により、看護師を志す生徒の進学支援の取り組みを行っております。今後も、地区の県立高校四校が多様な生徒の進路希望にしっかりと対応し、地域の信頼を得ることが必要であると考えております。そのため、
県教育委員会といたしましては、各学校の実情を十分に把握した上で、地域の中学生や保護者のニーズに応えられるよう、それぞれの特色を強化するとともに、各学校の特色を生かした連携を進めることにより、地区の県立高校全体の魅力向上に努めてまいります。
17 ◯議長(樋口 明君) 佐々木允君。
18 ◯三番(佐々木 允君)登壇 知事に一点、そして教育長に一点、それぞれ要望させていただきたいと思います。
まず風疹に関してでありますが、県内の全ての市町村で風疹制圧レベル九五%を超えることが必要だということが述べられましたが、一方でその目標に達していない市町村が三十一と
県内市町村の半数を超え、特に
田川保健医療圏では率が低いなど、厳しい実態も明らかとなったところであります。その上で、全自治体の接種率を九五%としていくための県の支援について、来年度から何かしらのことが始まるということも言及をされました。本県は二〇一一年には地域流行を引き起こしており、率直に申し上げて、県も風疹対策会議の設置者でもあるわけでありますから、この半数以上もの市町村が風疹制圧レベル以下であるという現状について、もっと県は目を配るべきではなかったのかと率直に思います。今後、県の支援によって、田川地区も含め、接種率の低い地域の
接種率向上につながるよう、県当局として特段の取り組みを要望したいと思います。
田川地区の県立高校のあり方については、教育長から力強い取り組みの推進や決意の言葉をいただきました。今回、田川地区の県立高校と限定してお話をしましたが、直近の今回行われた入試では、飯塚・嘉麻地域の第十二学区、直方・宮若地域の第十三学区も学区全体で志願倍率が一を下回っています。ということは、筑豊地区全体で県立高校の志願倍率が一を下回ったことになります。地域全体で志願倍率が一を下回るというのは、この長い県立高校入試の歴史で初めての現象であり、このような状況が続けば、近い将来、極めて厳しい局面となってしまうのは自明の理であります。ぜひ
県教育委員会は、田川地区はもとより、筑豊地区全体も含め、この現状を重く受けとめ、抜本的な対策に向け、来年度、具体的な動きが見える形で行われるよう、また田川地区の県立高校については、そのあり方について、もっと深く議論が行われることを強く教育長に要望して、終わりたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)
19 ◯議長(樋口 明君) 高橋雅成君。(拍手)
*高橋議員質問
20 ◯六十二番(高橋 雅成君)登壇 皆さん、こんにちは。公明党の高橋雅成です。通告に従いまして、福岡県のエイズ、HIV対策について伺います。
初めに、エイズとHIVについての理解を深めておきたいと思います。エイズは後天性免疫不全症候群の略で、さまざまな病原体から体を守っている免疫機能が働かなくなる病気です。HIVつまりヒト免疫不全ウイルスに感染することにより発症します。私たちの周りには、病気の原因となる細菌、ウイルス、カビなどが存在していますが、人間には免疫機能と呼ばれる抵抗力があり、そうした病原体を排除しています。しかし、HIVに感染することで免疫機能が低下してしまうと、健康な人なら何でもない細菌、ウイルス、カビなどに抵抗できなくなり、病気にかかりやすくなります。しかし、HIV感染イコールエイズではありません。HIVに感染すると徐々に免疫機能が失われていきますが、HIV陽性者に自覚症状はありません。気づかないまま何も治療しなければ、平均十年ほどでエイズを発症すると言われています。かつては、エイズには有効な治療法がなく死の病であるというイメージが定着していましたが、医療の進歩により、現在ではさまざまな治療薬が開発され、HIVに感染してもきちんと服薬することでエイズの発症を抑えることができます。HIV陽性者は服薬の継続で感染していない人と同等の生活をすることができるようになっています。さらに、HIVは感染力の弱いウイルスで、少量では感染しないし、熱や塩素に弱く、人の体の中に入らなければ生きていけないということです。福祉施設で受け入れが進んでいるB型肝炎やC型肝炎に比べHIVの感染率は十分の一から百分の一と低いのです。しかし、このことが社会の共通の認識とはなっておらず、HIV感染者はさまざまな偏見や無理解に苦しめられているのが実情です。
さて、全国のエイズ患者やHIV感染者の数は増加傾向にありましたが、平成二十五年をピークにわずかずつではありますが、減少に転じています。そのような中、福岡県での患者、感染者数は、平成二十九年は七十八人と前年よりやや減少しているものの、平成二十八年には九十二人と過去最多となっています。二十八年の状況について、県の分析によると、三十代以上が七五%を占め、同性間性的接触によるものが七〇・七%、異性間性的接触によるものが一八・五%となっています。
先日、私は国立病院機構九州医療センターを訪問し、AIDS/HIV総合治療センター部長の山本政弘医師と医療ソーシャルワーカーの首藤美奈子さんのお話をお伺いしてきました。山本医師は、今は一日一回一錠の薬を飲めばHIVウイルスはコントロールでき、年に四回の通院で済む患者も多いとし、治療をすることが感染の予防になると強調されました。現に全国の感染の拡大は頭打ちとなり、東京や大阪では新規受診者が半減している病院もあるということです。その原因として、地域や年齢に応じた検査と治療、予防の啓発が進み、文書などで啓発を進めていると分析しました。
これに対し、福岡県の患者、感染者の特徴はエイズを発症してから見つかるケースが多いということで、全国約三割に対して福岡県は約五割ということでした。つまり、発症するまでHIV抗体検査をしていない。保健所などで無料、匿名の検査があることが十分に知られていないことが背景にあると指摘しておりました。福岡県はこの点、どのような体制で検査を進めているのか、また十二月一日の世界エイズデーや六月のHIV検査普及週間の活動はどのようにされているのかを含め、受検を促す啓発活動はどのように進めているのか伺います。
また、今後とも検査体制の充実、啓発の促進にさらに力を入れていくべきと考えますが、知事の認識を伺います。
次に、医療と福祉、介護との連携の問題です。山本医師によると、福岡県でHIV検査を受け、感染が明らかになる人は五十歳代、六十歳代の人が多いそうです。七十歳以上の人もいたそうです。高齢になると、命は助かったが、肢体不自由など介護が必要なケースがふえてきます。ところが、医療ソーシャルワーカーの首藤さんによると、HIVというと医療機関や介護施設等から半数は受け入れを断られるということでした。それでも十年前に比べれば理解が進んだほうだということです。首藤さんは現在、年十二回、山本医師とともに医療機関や介護福祉施設に出向き、出前研修を行い、HIV感染者やエイズ患者の正しい知識を広めるための活動をしています。
ところで、HIV感染者は平成十年四月から感染症の状態に応じて身体障害者手帳が交付され、医療費助成、各種手当の給付、税金の軽減補助などを受けています。山本医師らは、受け入れ拒否は障がい者差別になる。人権問題でもあり、標準予防策を講じ肝炎患者を受け入れている施設であればHIV感染者も受け入れられないはずはないと強調されていました。また、医療の側の理解も必要です。HIV感染者が通常の病気などで病院や歯科医院に行くと、HIVというだけで断られるケースがあるということです。受け入れ拒否や受診拒否をなくすため、介護施設などの福祉施設、また医師会、歯科医師会などに対し、HIV医療の正しい知識を普及する必要性を感じるものですが、県としての取り組みをどうされるのか、知事の見解をお聞きします。
また、病院や介護の現場で針刺し事故が起こった場合、HIVの感染率は低いそうですが、さらに事故から二時間以内に予防薬を飲めば感染はしないそうです。ところが肝心の予防薬は、九州ブロックの拠点病院である国立病院機構九州医療センターや、県の中核拠点病院である産業医科大学病院を初め八カ所の拠点病院等に配置されているものの、身近な病院には置いていないのが実態です。身近な病院に予防薬を常備しておけば、医療介護従事者の安心が得られると思います。ぜひ検討していただきたいが、いかがでしょうか。
ゲイやバイセクシュアル男性への啓発に取り組んでいる福岡市の団体Hacoの牧園祐也代表にも話を伺いました。同団体は昨年十一月、福岡市の博多区保健福祉センターと協働し、Hacoを会場にしてゲイ、バイセクシュアル男性を対象にHIV検査をしたそうです。受検者は十八人だったそうです。牧園代表は、県や市の縦割りではなく、連携、協力をして啓発活動に取り組むべきだと指摘しました。その上で、以下三点の提案をしています。一つは、新規HIV感染及びエイズ発症の最も多いゲイ、バイセクシュアル男性については、福岡県、政令市等保健所設置市、NPOが連携、協働して効果的、効率的な普及啓発を行うこと。また、検査体制も見直し、より効果的で効率的な検査促進の方法を検討し実施すること。特に爆発的に普及するスマートフォン利用者を意識し、インターネットやSNSの積極的な活用方法を検討すること。二つ目は、九州医療センターその他の拠点病院、保健所設置市と連携して、県内の感染状況の丁寧な情報収集と分析を行うこと。三つ目が、外国人の本県訪問者及び留学生を含む居住者がふえているので、保健所等での外国語対応を進めること。以上です。
これら三点についての知事の御所見を伺います。
本県の保健医療介護部がん感染症疾病対策課感染症対策係の担当者は、毎年、エイズデーの夜間、休日検査に関する広報において、Hacoと協働して、少ない予算と制約の中で頑張っていると聞いております。今後とも、NGO、NPOとよりよい協働関係を続けていっていただきたいと願います。
いずれにしましても、HIV感染者やエイズ患者の方が社会から偏見を持たれたり、差別的な扱いを受けたりしないことが大事であり、この問題が二十年以上たっても解決されていないことが一番の問題です。HIV、エイズを第二のハンセン病にしないため、正しい知識の普及を目指し積極的に活動することを強く要望します。
以上です。(拍手)
21 ◯議長(樋口 明君) 小川知事。
*知事答弁
22 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
初めに、HIV抗体検査の実施体制と啓発でございます。本県におきましては、政令市等保健所設置市及び県保健所の分庁舎を含めまして、二十五カ所で検査を実施をしております。このうち七カ所で、約一時間でわかる迅速検査を実施しておりますけれども、今後、検査を受けられる方の利便性向上のため、他の県の保健所でもこれを実施できる体制をとってまいります。また、六月の検査普及週間には九カ所で、十二月一日の世界エイズデーには十一カ所の保健所などで、平日夜間や休日に時間を拡大をして臨時検査を実施しております。これにあわせまして、高校、大学、コンビニ、駅等でパンフレットの配布、ポスターの掲示、ラジオ、テレビ、新聞広告等を活用した広報によりまして受検促進を図っているところであります。新年度は、働く世代に対しまして、労働者や事業者を対象とした各種セミナー、また商工会議所の総会等の場を活用させていただきまして受検促進のチラシを配布するなど、さらなる啓発に取り組んでまいります。
次に、医療従事者等への正しい知識の普及でございます。県におきましては、産業医科大学病院に委託をいたしまして、歯科医師を対象にエイズ、HIVの最新知識や歯科診療における感染予防についての研修を行っております。また、県の保健所におきましては、医師、歯科医師、看護師、介護支援専門員等を対象にいたしまして、エイズ、HIVに関する正しい知識を身につけるための研修を実施しております。これらの研修にしっかり取り組んでいきますとともに、県が行う説明会などさまざまな機会を活用いたしまして、福祉施設の管理者等に対しましても正しい知識の普及を図ってまいります。
次に、拠点病院以外への医療機関における予防薬の配置でございます。エイズ治療薬の一部が予防薬として用いられておりますけれども、これらの薬剤は、感染リスクを低下させ、予防効果は高いとされております。しかしながら一方で、薬剤の処方に当たりましては、対象者の基礎疾患、服薬状況、副作用等について注意をする必要があると、そういった考え方も一方でございまして、拠点病院のみに配置をしている他の自治体の例がございます。このため、拠点病院以外への医療機関への配備のあり方につきましては、これら薬剤の処方に精通をしております拠点病院とよく協議をしていく必要があると、このように考えているところであります。
次に、ゲイ、バイセクシュアル男性に対する受検促進のための普及啓発と検査体制の見直しでございます。県におきましては、政令市等保健所設置市、HIV抗体検査の受検促進に取り組んでおられる民間団体と協働いたしまして、世界エイズデー等に駅や公共施設のほか、ゲイ、バイセクシュアル男性が集まるイベント等におきまして、ポスターの掲示、チラシの配布を行っているところであります。新年度は、現在行っておりますツイッターでの普及啓発に加えまして、インターネットを活用して民間団体の方と連携をし、ゲイ、バイセクシュアル男性が閲覧をするウエブサイトでその受検を呼びかけることといたしております。また、ゲイ、バイセクシュアル男性の受検しやすい場所での出張検査など効果的な検査の実施について、政令市等保健所設置市、民間団体と協議を進めてまいります。
次に、ゲイ、バイセクシュアル男性のHIV感染状況にかかわる情報の収集と分析でございます。県におきましては、さまざまな機会を通じて、九州医療センター等の拠点病院、政令市等保健所設置市、また民間団体の皆さんとの間でHIV感染状況にかかわる最新情報等について、その情報共有と意見交換を行っているところであります。今後とも、これらの関係者からよく御意見を伺い、きめ細かな情報の収集に努めてまいります。また、収集いたしました情報につきましては、県、拠点病院、医療関係者、学識経験者等で構成しておりますエイズ・性感染症対策推進協議会におきまして分析をし、効果的な対策が実施できるよう協議を行っているところでございます。
次に、保健所等での外国語対応についてでございます。留学生など在留外国人がふえております中、県におきましては、福岡市と共同して、外国人との電話通訳等を行う医療に関する外国語対応コールセンター、これを設置しているところであります。保健所におきましても、この問題についても、このセンターを活用して、しっかり対応してまいりたいと考えております。
23 ◯議長(樋口 明君) 高橋雅成君。
24 ◯六十二番(高橋 雅成君)登壇 三月六日に、先ほどからお話ししておりますけれども、九州医療センターの首藤さんからメールをいただきました。こんな内容でございました。昨日も、つまり三月五日の月曜日ですけれども、とある病院から、うちはHIV患者は受け入れないと、病気を理由にはっきり受け入れ拒否をされました。HIVは、ウイルスは検出感度以下だから入院してもほかの人に感染はしませんよと説明してもだめでした。まだまだ私たちの力が及ばないところがありますという、そういう内容のメールをいただきました。HIV自体は医療の力で克服しました。医療の勝利であります。それに対してHIV感染者を受け入れないという医療従事者がいらっしゃいます。医療の敗北だと思います。医療の勝利と敗北を同時に見ているような感を受けます。しかし、この敗北は、すぐにでも逆転できるはずです。医療センターの首藤さんは、メールの中で、力が及ばないとおっしゃっておりましたが、行政やマスコミ、私たちの口コミの力で問題は必ず解決できると思います。また、問題の背景には、MSMに対する蔑視、差別意識があるのではないかというふうにも思いますが、県民の誤解を解かず、偏見を与え続けているのは大変な人権問題であり、このまま問題を放置していれば、後世、ハンセン病と同じように必ず批判の的となるものと思います。エイズやHIVに対する誤解、偏見を解き、正しい知識普及への知事の決意を改めて問いまして、私の一般質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
25 ◯議長(樋口 明君) 小川知事。
26 ◯知事(小川 洋君)登壇 誤解、偏見をなくすための普及啓発、それについての私の決意でございます。議員も御指摘なされたとおり、近年、医療の進歩によりまして、HIVに感染をしても、その感染を早く知り、治療を早期に始めることによりまして、感染する前と同じように日常生活を送ることができるようになってございます。また、感染力が弱く、日常生活においても周りの人が感染することはまずない、そういう状況にございます。こうしたことを正しく理解をしていただき、誤解、偏見をこの社会でなくしていくことが重要でございます。これからもさまざまな機会を捉え、またさまざまな方法で、このエイズ、HIVについての正しい知識の普及に取り組んでまいります。
27 ◯議長(樋口 明君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後一時十分といたします。
午 後 零 時 零 分 休 憩
午 後 一 時 十一分 再 開
28 ◯副議長(守谷 正人君) 再開いたします。
休憩前に引き続き、一般質問を行います。順次発言を許可いたします。江口善明君。(拍手)
*江口議員質問
29 ◯二十七番(江口 善明君)登壇 皆さん、こんにちは。緑友会・立志福岡県議団の江口善明でございます。発言通告に従い、空き家バンクの活性化について質問をいたします。
今議会でも、人口減少社会についての質問がありました。人口が減少すれば、空き家がふえるのは自明の理であります。この空き家問題についてもさまざま県議会でも質問されておりますが、今回は空き家バンクの活性化ということに絞って質問させていただきます。
空き家といいましても多種多様であります。中古住宅市場に流通する空き家から老朽空き家まで、利活用できるものから取り壊しをしなければならないものまで解決策も多岐にわたっております。今回の私の質問は、中古住宅市場に流通しづらい空き家を対象とした、市町村が運営する空き家バンクへの本県の取り組みに絞り質問いたします。
平成二十七年、空家対策特別措置法が施行され、市町村が空き家対策を実施をし、県は市町村を支援することになりました。本県でも県、市町村、民間事業者が一体となった福岡県空家対策協議会を平成二十七年三月に設立をし、空き家対策を官民一体となって総合的に取り組んでおります。空き家バンクとは、民間ベースで採算がとれない空き家や今後の方針が確定をしていない空き家の所有者から相談を受け、所有者の合意のもと市町村が登録をし、インターネットや市町村の窓口を通じて購入または賃貸の希望者に情報提供する制度であります。最近では、安い家賃で住みたい、田舎に住みたいというニーズもあり、移住、定住政策の推進にも役に立っております。また、県外からの移住者にとって、空き家バンクは借りたい物件や買いたい物件の情報だけでなく、市町村の支援策や町の魅力に関しての情報も得られる貴重な情報源となっております。
福岡県の空き家バンクは、平成十八年、宮若市で初めて設置をされ、現在、県内六十市町村中三十二市町村で設置をされております。福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略でも空き家対策の推進が掲げられてあり、数値目標として、空き家バンクを設置をしている市町村数を、平成二十六年度二十市町村から平成三十一年度には四十市町村を目指すとしています。
そこで知事にお伺いをいたします。空き家バンクに対する知事の認識と、市町村が空き家バンクを設置することを推進するために今まで本県はどのような取り組みをしてきたのかお聞きをします。
次に、空き家バンクの課題と活性化についてお伺いをします。私の地元久留米市も空き家バンクを設置をしております。久留米市は、空き家所有者意向調査を平成二十九年に二回実施をしております。いわゆる外観から空き家と推定をされる家屋千百三十五件の所有者に意向調査を郵送したところ、回収率は四四・一%五百一件で空き家率は四三・一%二百十六件とのことでした。担当者の話をお聞きをいたしますと、空き家の把握は難しいということでした。また、久留米市では空き家所有者向け相談会を平成二十九年に二回、平成三十年に一回実施をしております。相談件数は三回の合計で九十八件、うち久留米市内が六十二件、県内十九件、県外十七件と親元を離れられた市外の方も多くいらっしゃいます。この相談会の相談内容は、売買に関するものが三〇・二%六十一件、解体に関するもの二五・七%五十二件、相続に関するもの一二・四%二十五件、賃貸に関するもの九・九%二十件となっており、賃貸よりも売買、老朽空き家については解体の相談が多いようであります。久留米市の空き家情報バンクの申請状況は、平成三十年二月二十八日現在、申請件数が三十三件、うち売買三十一件、賃貸二件となっております。登録済みが二十一件、現在公開中が十件であります。
県南地域の市町村で比較してみますと、空き家バンクの登録件数は筑後市三十一件、大牟田市二十七件、八女市二十四件、みやま市二十四件となっており、単純比較は難しいのですが一桁の市町村もあります。久留米市の十件は人口の割には少ないのではないかと市役所の担当者に聞きますと、久留米市は宅建業者が三百三十二業者と多く、市場に流通している空き家もあるのではとのことでした。しかし、宅建業者の数は市町村によってばらつきがあり、宅建業者が少ない市町村こそ空き家バンクの役割が大きいのではないかと思います。
来年度、本県は、福岡県宅建協会の情報サイトふれんず内に、今まで市町村ごとに情報提供されていた空き家情報を県全域で集約をする検索サイト福岡安心空き家バンク(仮称)をつくるとしています。また、市町村に対し市場に出ていない空き家の掘り起こし支援策として空き家所有者情報外部提供マニュアル(仮称)を作成、研修を実施するとしています。本県が市町村の空き家バンクに関してまとめ、福岡県庁のホームページで公開をしている資料、空き家バンクの豆ガイドによりますと、空き家バンクの課題は、空き家の物件を収集、登録をするときには、仏壇や亡くなった故人の遺品があり空き家を処分できない、思い入れがあり賃貸、売買への抵抗感がある、物件の登録件数が少ないとされています。また情報を提供するときには、移住、定住を考えるときに学校や医療機関など生活圏域の生活情報の提供をしてほしい、また契約交渉のときには、専任職員がいないなど運営主体である市町村の体制不足、地域に不動産会社が少ないなどの指摘があります。この全ての課題を解決することは難しいものがありますが、来年度の県下全域の空き家バンクの広域化は、登録件数の増加によりまして空き家を探す人たちへの効果が従来以上に期待ができると思います。
そこで知事にお伺いをいたします。来年度、空き家バンクの県下全域への広域化を踏まえ、空き家バンクの活性化をどのように図っていくのか、知事の御所見をお伺いをいたします。
また、市町村ごとに登録している空き家情報は条件が統一されていないなどから、利用者にわかりやすい情報提供が必要と思います。また、リフォームなどの補助金の紹介も重要ではないかと思います。空き家バンクの広域化には、利用者にわかりやすい情報提供が必要不可欠であると思いますが、知事の御所見をあわせてお伺いをいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
30 ◯副議長(守谷 正人君) 小川知事。
*知事答弁
31 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
空き家バンクについてのお尋ねでございますが、まず、その認識でございます。空き家バンクは、市町村が空き家所有者に働きかけ収集をいたしました物件情報を、ホームページ、また窓口で提供するものでございます。空き家の利活用や移住、定住が進んで地域の活性化につながるものであると考えております。このため、県におきましては、市町村、関係団体から成る福岡県空家対策連絡協議会、これを立ち上げまして、空き家バンクの先進事例、運営のノウハウなどを取りまとめた空き家バンクの豆ガイド、これを作成をし、空き家バンクの設置を促してきたところでございます。
空き家バンクの活性化でございますけれども、そのためには登録物件数をふやすこと、認知度を高めアクセスの機会をふやすこと、さらに空き家の立地する地域にかかわるさまざまな情報をそこで得られるようにすること、これが非常に重要であると、このように考えております。まず、この登録物件数をふやすということでございますけれども、市町村が積極的に空き家所有者に利活用を促し、登録につなげていくことが必要でございます。国は、昨年の三月でございますが、市町村が収集、保有をしております空き家の所有者情報を宅建事業者等に提供する場合の配慮事項についてガイドラインを示し、モデル事業を実施したところであります。県におきましては、川崎町と共同して、この国の事業に取り組みまして、情報の外部提供に関する手順や同意書の様式等について検討を行ったところであります。今後、その事業の成果、これを取りまとめまして、市町村職員向けのマニュアルを策定をいたします。また、多くの物件をわかりやすい共通の様式で掲載することによりまして、利用者の方が求める情報に容易にアクセスできるようにするため、福岡県宅建協会が持っております情報サイトであります、ふれんず、この中に市町村の空き家情報を集約をいたしまして、県下全域の空き家情報を提供するサイトを立ち上げます。なお、このサイトからは各市町村の空き家バンク等へリンクをさせることによりまして、利用者の方がその空き家が所在する町の魅力や移住者への支援策、それらのさまざまな情報が得られるようにもしてまいります。
32 ◯副議長(守谷 正人君) 山口律子君。(拍手)
*山口議員質問