リピーターを見ていくと、関東では男性二十歳から四十歳代や関西の男性全般は比較的高いものの、女性層が少なく、中でも二十歳から四十歳代の若い女性層が特に低くなっています。再来福意向では、九州の女性で非常に行きたいと思うが半数以上と高い数値を示しています。九州では福岡にしかないお店や福岡のみで開催されるライブやコンサート、展示会など福岡でしかできない価値観が認められています。まだ福岡に来ていない人の来福意向や再来福意向は高いものの、実態としては、実際の来福行動に結びついていない現状が見られました。
福岡県のイメージとして、豚骨ラーメン、めんたいこは特に高いのですが、今や、どこでも食べることができ、独自性は感じていないようです。また、アクセスがよくて来やすいが、関東や関西などの大都市圏と町並みはそう変わらず、九州他県に比べて旅行をしている実感を余り感じず、グルメがメーンで、それ以外の魅力的な観光スポットも余りないという印象が強いようです。
福岡県の三大観光は太宰府、柳川、天神・中洲の屋台になっていますが、どれも一回行けばよいという場所で、次の旅行で、ほかに行きたいと思う観光地が浮かんでいません。行ってよかった場所とその理由について問うたところ、総じて自分の住んでいるところで見られない、体験できないと感じたものは支持されていて、今回の調査では、福岡は、今まで行った中でよかったところでも、九州でよかったところでも選ばれていません。
観光資源についての調査では、有名な観光地は福岡市及びその周辺に集中しており、北九州、筑後は認知度が低く、筑豊は認知のある施設はほとんどありませんでした。
ユネスコ記憶遺産の山本作兵衛についても認知は二割から三割程度で、九州地区の六十歳以上のみ認知が半数程度です。明治日本の産業革命遺産の注目度は低く、長崎の軍艦島への関心にとどまっています。一方、推薦候補になった沖ノ島は、島の神秘性や女人禁制といった制限など、パワースポット的な特徴に魅力が感じられ、島の近くでもいいから行ってみたいという人がどのグループにもいました。産業遺産より文化遺産のほうに魅力を感じる傾向が強いことがうかがえます。
そこで何点か質問をいたします。一点目に、福岡市郊外に行ってもらおうという提案です。調査から、観光する場所が少ないという意見が多数ありました。でも、それは郊外にある観光スポットを見て言っているわけではありません。市街地を起点に郊外へ行く、例えば、
はとバスツアーのようなバスの活用・支援や、郊外の農家、例えば、あまおうのイチゴ農家や温泉地への誘導、割引券つきの通行手形の発行等、県全体で利用してもらうなど、県内各地を広く周遊してもらうための取り組みを進めることが重要だと思いますが、知事の考えをお聞かせください。
二点目に、地元グルメをもっと味わってもらおうという提案です。福岡でしか食べられない、福岡で食べるメリットを感じてもらう企画はどうでしょうか。豊前海一粒かきなどの海の幸、水炊きや合馬のタケノコ、もぎたてフルーツなどの紹介マップやクーポン券を空港や主要駅などに配布したり、福岡グルメを試食したり、工場見学ができるような施設をもっと紹介、アピールして観光の幅を広げることも大事だと思いますが、知事はどう思われますか。
三点目に、福岡県の観光について、もっと知ってもらおうという提案です。調査結果から、福岡県は観光をちゃんとアピールしていないという印象を感じます。例えば、あまおうは有名なのに、福岡県産のものだと余り認知されていないことや、福岡県の世界遺産が余り注目されていないこと、旅行ツアーに福岡の観光地が余り選ばれていないことなど残念でなりません。福岡県の
LINEスタンプの提供などSNSの活用はさらに積極的に取り組む必要があると考えます。また、世界遺産の宣伝活動や、
世界遺産ツアーや産業ツアーなどの旅行商品の造成を積極的に働きかけるべきと考えます。また、例えば県内市町村や組織にあるゆるキャラで福岡選抜やAKBばりにセンターを投票で選んで福岡県をアピールしたり、さまざまなアイデアを考えるべきだと思います。このような取り組みを行うためには、他県に負けぬように、マスコミや旅行会社へのプロモート、すなわち福岡県の観光をマスコミや旅行会社に売り込むため、プロモーションの推進体制を強化すべきと思いますが、知事の考えをお聞かせください。
四点目に、福岡県ならではの観光の魅力のブランド化について提案です。福岡県は女友達とおいしいものを食べたり、ショッピングしたり、九州各県に行きやすいという点が魅力です。しかし、今は小さな子供と楽しめるような人気のテーマパークや自然、高齢の親と一緒にのんびりできるような温泉、福岡といえばこの場所、施設という観光スポットをイメージさせられていないのは、観光誘致にとって大きな問題です。子供が遊べる場所やのんびりできる自然のある風景など、福岡ならではのものが今後の観光PRの重要課題です。
また、その中に福岡県の
世界遺産ツアーを長崎県と組んで軍艦島とセットでPRするのもお互いの県にとってメリットになるので検討の価値があると思います。また、沖ノ島を盛り上げて観光の魅力につなげることも考慮すべきではないでしょうか。また、県内に数多くある伝統工芸や酒を生かすことも一案です。加えて、一人でも気楽に行けるように、お一人様に優しいという印象を強めることは、他県との差別化や旅行好きな女性の獲得に効果が期待できると思います。調査から、来福意向が高いことは間違いありません。福岡への興味が冷めないうちに、今がチャンスと捉え行動を起こすことが必要です。福岡県の魅力、県独自のオリジナリティーとは何かを探し、実態に即した価値を見出し、ブランドとして育て、それをきちんと伝えることがより一層必要だと考えます。知事の見解をお聞かせください。
次に、にせ
電話詐欺対策についてお聞きします。私
たち公明党福岡県議団は、高齢者をターゲットにしたにせ
電話詐欺対策について日常的に相談を受けてきました。にせ電話詐欺のほとんどは電話によるものであります。その対策として
自動通話録音装置の設置が最も有効であることから、何度も議会で執行部の対応をただしてまいりました。昨年の
予算特別委員会では壹岐和郎議員から、六月議会の代表質問では森下博司団長、さらに
予算特別委員会では新開昌彦議員が
自動通話録音装置の設置を緊急対策として訴えました。知事は、知事保留質疑の答弁で、にせ
電話詐欺対策として
自動通話録音装置の設置について警察本部と十分協議した上で速やかに実施すると答弁されました。その後、八月十一日に知事は、にせ
電話詐欺対策として予算措置することを記者会見されました。事業内容は、自動録音装置の貸与として千三百八十八万二千円、ニセ電話気づかせ
隊活動普及促進事業として千四百八十五万九千円、広報啓発事業として三百万円、合計三千百八十四万一千円の予算をつけ、直ちに実施していくという内容でありました。私
たち公明党県議団は、知事の緊急対策としての予算措置を高く評価いたします。問題は、昨年の二倍を超す被害人数と被害額がこの対策を開始してからどう変化したかであります。予算化して一カ月ではありますが、ニセ電話気づかせ隊などの取り組みを開始してから三カ月であります。
知事、警察本部長にお聞きします。事業の実施経過と、にせ
電話詐欺対策の成果及び今後の決意をお聞かせください。
次に、女性活躍推進について伺います。本年八月二十八日、
女性活躍推進法が成立しました。これまでもこのことについて質問をしてきましたが、我が会派は二〇一四年六月定例会の代表質問において、福岡県女性の
活躍加速化推進事業を踏まえ、指導的地位にある女性の目標を達成するには、あらゆる分野で女性の参画拡大を強力に推進すべきと質問しました。質問について、知事は女性の活躍を推進する
支援マニュアルを作成し、中小企業を中心に女性の登用を進めていくと答弁されましたが、それではどのような取り組みをされたのか、その取り組みの内容について具体的にお示しください。
また、ふくおか女性いきいき塾の塾生の中から、企業や地域リーダーとなる女性の育成に取り組むとありましたが、塾生の何割がどの分野に進出して活躍しているのか、実態と成果についてお尋ねします。
次に、経済活性化の原動力となる女性の活躍ですが、現状は、働く女性の約六割が第一子を出産した後、長時間労働のために退職してしまう、また子育てや介護などの理由で働けないなど課題も多くございます。結婚、出産後も仕事と両立できる柔軟な勤務体制、保育所の整備に加え、男性中心の長時間労働の是正と同時に働き方の工夫が必要です。
さきの八月から九月の期間、県庁内職員の選択による朝型勤務を実施した現時点における取得した職員の人数や、職員の比率、その効果についてお聞かせください。
朝型勤務を導入することで働き方の改善につながる可能性があれば、中小企業における働き方の参考となります。朝型勤務を、単に暑さ対策の一過性のもので終わることなく、今後、取得者の声を吸い上げ、その結果を分析して、制度の改善に取り組まれることを提案いたします。
最後に、日本企業はチーム単位の仕事のため長時間勤務につながってしまう点は、女性にとってかなり大きな障壁となります。新法による女性の登用や昇進は確かに加速することでしょうが、企業自体が制度の改革だけでなく、質的な改革や仕事と家庭生活が両立しやすい職場づくりを進めることが多くの女性活躍の発展につながり、
男女共同参画社会の目指すべき姿だと思います。
知事に伺います。日本企業の働き方について、この認識及び今後の男女の働き方について御所見と御決意を伺い、この項の質問を終わります。
次に、救急医療体制の整備充実について伺います。昨年十二月、
ドクターヘリの佐賀県との相互乗り入れが提携されました。この結果、重複要請など、これまでなら
ドクターヘリが現場に向かえなかったような事例の大半に対応できるようになったと聞いております。しかし一方、昨今では、台風、豪雨、土砂災害など予期せぬ自然災害も続いております。この昨今の状況も踏まえ、
ドクターヘリの相互乗り入れを、昨年の佐賀県に加え、山口県、熊本県などの隣県にも拡大すべきと思いますが、知事の見解を伺います。
また、近年、公共性の高い消防や
防災ヘリコプターの需要が大幅に増加し、操縦士不足が深刻化しており、操縦士の養成確保が重要な課題となっています。操縦士不足、そして操縦士の約八割が四十代以上を占めることなど、これからの高齢化も深刻化しております。
ドクターヘリを安定的に事業継続するため、操縦士の養成確保が必要だと考えますが、知事に見解を求めます。
ドクターヘリそしてドクターカーこそ命を守る地域のとりでとして、一人でも多くの人命救助に果たす役割は極めて重要です。そのためにも
ドクターヘリが離着陸できない地域、場所にこそドクターカーの存在意義があります。また、ドクターカーは救急専門医と看護師を乗せ、救急車との
ドッキングポイントや救急現場へ向かう専用車両であり、重篤な患者の治療を行う
救命救急センターや周産
期母子医療センターを中心に配備されています。本県内の
救命救急センターや周産
期母子医療センターのドクターカーの稼働の現状と今後の運用について、知事の見解を伺います。
最後に、救急患者の
たらい回し対策についてお伺いいたします。奈良県そして東京都の病院において、受け入れを断られた妊婦が亡くなられた問題を機に、二〇〇九年に総務省より、
たらい回し状態を防ぐための傷病者の搬送及び受け入れに関する実施基準の策定が各都道府県に義務づけられました。しかし、実施基準の中の救急搬送の
受け入れ医療機関確保基準が定められていない府県が全国で十八府県あり、本県もまだ定められておりません。
たらい回し患者には、手術や入院が必要だったり、聞き取りや処置が難しい高齢者や精神疾患患者が多いとのこともあり、医師不足や専門外を理由に断られるのが現実です。たらい回しの悲劇を防ぐための
受け入れ医療機関確保基準について早急に対応すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
次に、
障害者差別解消法施行に向けた取り組みについてお伺いします。来年四月から、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる
障害者差別解消法が施行されます。障害のある人もない人も、ともに自分らしく生きていく共生社会の実現を目指す上で、大変に画期的な法制度がスタートすることとなりました。
まず初めに、
障害者差別解消法について、福岡県として、どのように受けとめ、どのような姿勢で施策に取り組んでいくのか、基本的な認識や考え方、あるいは課題についてお尋ねします。
次に、この法律の施行に向けた福岡県の具体的な取り組みや、これまで法施行に先駆けて実施してきた
障害者差別解消に資する取り組みについてお尋ねいたします。
また、法の実効性の担保を確実なものにするために、県として、県内の市町村の法施行に向けた取り組みに対して支援を行う考えがあるのかどうかもお尋ねします。
最後に、福岡県として、今回の
障害者差別解消法の施行に際し、障害のある当事者やその家庭の参画に対する考え方や具体的な取り組みについてお尋ねします。
以上、知事の見解をお伺いします。
次に、介護人材の不足とその対応についてお伺いします。川崎市の
有料老人ホームで、昨年十一月から十二月にかけて、八十六歳から九十六歳の三人の入所者が相次いでベランダから転落して死亡するというニュースが報じられました。川崎市はこれまでにも施設側に対して再発防止を求めるなどの指導を行ってきましたが、転落死が三件相次いだ事態を重く見て、今月十六日、介護保険法などに基づく監査を始めたとのことであります。この施設では、ことし八月、男性職員四人が、入所している八十五歳の女性の頭をたたく、投げつける、暴言を吐くなどとして、市から改善指導も受けていたことがわかりました。
まず、福岡県において、高齢者が入居する施設などにおける虐待の実態と虐待防止のための取り組みについてお聞かせください。
介護また介護施設といっても、しょせんその業務に携わる人が問題であり、介護職員として業務に携わるスキル、介護の役割、人生の晩年の世代に接する温かい心等々と、高度な精神性と体力を必要とする業務であります。厚生労働省による推計では、団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年度には、介護職員が全国で約三十八万人不足すると発表しました。介護サービスの需要がふえる一方で、少子化で働く若者世代が減少し、人材供給が追いつかないことが影響していると思われます。若き介護職員の人材が育成されるべきコースである県内の公立高等学校、私立高等学校の福祉課程の平成二十七年度の定員は四百一名に対し、入学者数は二百二十二名、充足率は五五%となっております。また、平成二十七年度、
介護福祉士養成のための県内の福祉専門学校の定員数三百八十名に対し、入学者数は百八十六名、充足率は四九%という結果が出ております。
知事にお尋ねします。介護人材を養成する高校や専門学校の定員割れに対して、知事はどのように認識し、対応されるのでしょうか。
また、国は二〇二五年度に介護職員が約三十八万人不足するとしていますが、今後、介護職員が不足していけば、人材不足により閉鎖せざるを得ない施設や事業所が出てくるような事態も考えられます。本県の不足の状況はどのようになり、その確保のための取り組みはどうされるのでしょうか。
現在、介護の現場で奮闘しておられる介護職員の皆さんの定着や
キャリアアップについて、県は、具体的にどのような取り組みを進められるのかお尋ねします。
次に、本県の
不法係留船対策について伺います。本県の河川河口域には、多くのプレジャーボートが不法に係留されており、台風や大雨、高潮が発生した場合、不法係留船によって護岸の損壊や、河川の流れが阻害され、洪水被害をもたらす可能性があり、河川管理上深刻な問題となっています。また、地域住民に対する騒音やごみ投棄、違法駐車等、生活環境上の問題も発生しています。平成二十二年九月議会、我が会派の大塚勝利議員の一般質問で、福岡市東区の多々良川の不法係留について質問しました。当時、多々良川河口域には多くの不法係留が確認され、特に平成二十一年七月の豪雨で対岸の護岸が崩壊し、今後河川が増水した場合、甚大な被害が発生するのではないかとの地域住民の不安の声をもとに知事に対策を求めたところです。そのような状況の中、県は平成二十五年二月、多々良川河口域を二級河川で九州初の重点的撤去区域に設定し、本格的な
不法係留船対策が行われました。今もなお、一級河川の遠賀川や、福岡市から宗像市までの福岡水域の河川河口域でも不法な係留が確認され、昨年八月、福岡都市圏広域行政推進協議会は、住民からの要望をもとに、速やかに二級河川域の不法係留船に関する調査、重点的撤去区域の設定など、県の積極的な不法係留への取り組みを要望されています。
そこで知事に伺います。本県管理河川の不法係留の現状と、多々良川河口域では、どのような対策がとられたのかお尋ねします。
近年、想定をはるかに超える大雨による甚大な被害が発生する中、河川の氾濫など災害を未然に防止するのは県の責務です。今後の
不法係留船対策についてどのように進めるのか伺います。
次に、教育問題についてであります。学校教育の充実のための専門スタッフを活用したチームとしての学校づくりについて教育長に伺います。本県においては、小学校の暴力行為は七十三件で前年と比べて大幅に減少していますが、不登校は小中合わせて五千六十二人と、前年と比べて六十七人増加しており、依然として大変憂慮すべき状況にあります。これらの問題行動に適切に対処するためには、児童生徒への臨床心理面からのアプローチや、家庭環境改善につながる社会福祉的な視点での援助など、専門的な支援が必要です。この点に関して、文部科学省の中間まとめでは、単に子供の問題行動のみに着目して対応するだけではなかなか減らないが、教員が家庭や地域に心理や福祉の観点から働きかけ、問題状況を改善していくことは難しいと指摘されています。これらのことを踏まえ、教育長に以下五点をお尋ねします。
まず、複雑化、多様化している学校の課題に対応するために、教員以外の専門スタッフの配置を充実する必要性について、どのようにお考えでしょうか。
次に、専門スタッフの中でも、複雑化している家庭環境や貧困の課題への対応のための福祉分野の専門家であるスクールソーシャルワーカー、また、いじめや不登校に悩む児童生徒の心のケアを行うスクールカウンセラーの果たす役割が大きいと考えますが、本県におけるスクールソーシャルワーカー及びスクールカウンセラーの配置状況と、今後の配置をどのように考えているのかお伺いします。
また、以前から申し上げていますが、学校の体制整備を検討する際には、中間まとめにおいても指摘されている教職員の多忙化に対応し、教員の負担を軽減する視点が重要であると考えます。例えば、小学校高学年においては、外国語活動の教科化を初めとして、より専門的な指導が求められていることを踏まえて、小学校における専科制を拡充していくことが、児童の理解促進と教員の負担軽減の両方に有効であると考えます。本県において、専科制の進捗状況と、より拡充することについてどのようにお考えかお尋ねします。
さらに、このことも以前から訴えてまいりましたが、現在、県教育委員会では新規事業で、中学校運動部活動に外部指導者を派遣していますが、具体的に進捗状況をお聞かせください。
そして、今後指導をさらに充実していくとともに、教員の負担軽減のために、運動部活動における外部指導者の学校内での位置づけを整備するとともに、必要な研修を充実することは有効であると考えますが、この点についてもどのようにお考えかお尋ねいたします。
最後に、これまでも特別支援学校における看護職員の十分な配置を訴え続けてまいりましたが、特別支援学校における看護職員配置状況についてお尋ねします。近年、学校は外部専門家との連携が重要視されています。その専門家の中でも、特別支援学校において子供の命を守る医療スタッフとして看護職員の果たす役割は特に重要と考えます。医療ケアが必要な幼児児童生徒が安全に教育を受けるためにも、保護者が安心して我が子を学校に通わせるためにも、看護職員の配置は重要であり、さらに教員にとっても多くの職種との連携や協働といった点で大きな意味を持っています。
そこで、特別支援学校における看護職員の配置状況の改善に加え、任用形態の弾力化や今後の増員を推進すべきと考えますが、御見解をお伺いします。
次に、暴力団対策についてお尋ねします。県警察が特定危険指定暴力団工藤會の壊滅作戦に踏み切って一年がたちました。昨年から工藤會トップ、ナンバーツー等の逮捕を皮切りに工藤會幹部の逮捕が相次ぎ、県警察の本気度が示されています。我が会派は、高く評価しているところでございます。また、県民の皆様の暴力団追放に御協力いただいていればこその成果であるとも考えます。
さて、福岡県警は、工藤會が関与した事件の摘発と並行して、組員の離脱支援を強化すると報道されていました。暴力団を離脱した元組員の就労支援に向け、全国の警察とNPO法人などが十六日、全国社会復帰対策連絡会議を発足させた、福岡県警の要請に警察庁などが応じ、実現したと載っておりました。この一年間で三十六人離脱者が出ていると聞いております。しかし、気がかりなのは、離脱した元組員がリターンしないように、どう社会にソフトランディングさせるかです。そのためには、彼らの生活の場と職場が重要であることは論をまちません。そこで、二点県警察本部長に、一点知事に伺います。
まず、警察本部長にお尋ねします。今後、組員のさらなる離脱促進を図る課題は何か。また、元組員が更生するには、仕事場所が問題です。県外が最適かと思います。離脱した組員の雇用が進んでいないようにも聞いています。今後どうすれば県外就職が推進できるとお考えかお答えください。
雇い入れ側の企業の課題もあります。現在、刑務所からの出所者を雇う事業者に年間最大七十二万円を支給する就労奨励制度があります。しかし、刑務所に出入りはしていても現在社会にいる組員を雇用しても対象になっていない。今後、離脱を促進するために、どのように取り組んでいかれるか所見をお聞かせください。
最後に、知事にお尋ねいたします。福岡県として暴力団壊滅は最重要課題の一つであると考えます。福岡県警の提唱で始まった全国社会復帰対策連絡会議では、離脱した組員を雇用する企業情報を全国で共有し、就職後の声かけなど継続的な支援を行うとされています。離脱した組員の中には、地元での生活に不安を覚え、県外での就職を希望する者もいることから、こうした取り組みによって県外で仕事につけるよう支援する必要があり、各県が相互に受け入れ合うことが求められています。このため、本県においても、他県からの離脱者を受け入れる取り組みが大事だと考えます。知事の見解を求めます。
以上で公明党の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
3 ◯議長(井上 忠敏君) 小川知事。
*知事答弁
4 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず初めに、河川の総点検やその事前対策についてでございます。今回、台風十八号による豪雨災害におきましては、関東、東北地方において、線状の降雨帯の停滞によりまして記録的な大雨となりました。鬼怒川を初め十九の河川において堤防が決壊し、大きな被害が発生をしております。現在国では、こういった河川堤防の決壊の原因について調査中でございまして、その結果を踏まえ、全国の河川堤防の緊急点検を実施する方針であるというふうに承知をいたしております。本県では、三年前の九州北部豪雨による矢部川、沖端川の堤防決壊を受けまして、県が管理をしております河川について緊急点検を実施をいたしました。その結果をもとに、侵食、漏水に対する対応が必要な七百十七カ所につきまして、平成二十七年八月、ことしの八月までに対策が完了いたしております。本県といたしましては、今後明らかになります堤防決壊の原因、国の緊急点検の内容を踏まえまして、県管理河川について、さらに必要な点検を実施し、その結果をもとに適切に対応してまいります。
次に、ため池の防災対策でございます。国では、近年の大規模地震や豪雨などによりまして、ため池が被災をし、大きな被害が生じていることを踏まえ、平成二十五年度に、ため池の全国一斉点検の方針を示したところでございます。これを受け、県では二十五年、二十六年度に、県内四千五十カ所のため池を対象に、地震、豪雨に対して被災する可能性、また周辺地域への影響について点検を行ったところでございます。その結果、今後、ため池堤防の形状、漏水状況など詳細な調査を要するため池は八百五十三カ所、またそのうち下流に人家や公共施設等があり、決壊した場合に重大な影響が懸念されるため池は五十三カ所となってございます。県といたしましては、この五十三カ所について、さらに詳細な調査を今行っておりまして、今年度中に完了することといたしております。その他八百カ所につきましても、関係市町村と協議を行い、ため池堤防の形状変化、漏水度合いなどを踏まえ、緊急性の高いものから詳細な調査を進めていくことといたしております。これらの調査の結果、施設の改修、補強などが必要な場合には、受益面積、事業費などによって、この事業主体が異なりますために、関係市町村、地元農家との協議をした上、必要な工事を実施してまいります。また、ため池の防災、減災対策を計画的に進めていくためには、国において、その予算を確保していくことが不可欠でございます。そのため、国に対し、引き続き必要な予算の確保を働きかけてまいります。
次に、タイムラインの策定に向けた県の取り組みについてでございます。タイムラインには、台風のように、あらかじめ発生が予測できる災害に対し、関係機関や住民がどのように対応を行っていくか、それを時系列で整理することによりまして、災害対応のおくれや漏れを防ぐことができる、関係機関の対応について情報共有ができる、関係機関相互の協力関係が構築できる、そういった効果、効用があるとされております。九州地方整備局におきましては、大型台風の接近、上陸を想定をいたしました九州地方整備局災害対策本部タイムライン、これをことしの三月策定されておりまして、実際の防災対応に適用し、その検証結果等を踏まえ、逐次レベルアップを図ることとされておられます。県といたしましては、この国のタイムラインを参考にいたしまして、大型台風を想定したタイムラインの導入について検討してまいりたいと考えております。
次に、複合災害用の防災マップについてお尋ねがございました。県内の多くの市町村では、発生可能性の高い洪水と土砂災害、この複合災害を想定した防災マップを作成しております。しかしながら、緊急避難場所や避難所等が単独災害を想定したものとなってございまして、複合災害の想定に基づく見直しが十分ではない市町村も見受けられるところでございます。県といたしましては、市町村に対しまして、まずは洪水と土砂災害の複合災害を想定した緊急避難場所や避難所等の見直しを適切に行い、防災マップに反映するよう要請をしてまいります。
グリーンインフラの取り組みでございます。
グリーンインフラとは、議員も御指摘ありましたように、防災、減災、また良好な景観形成などに自然環境の有する機能を積極的に利用し社会資本の整備や土地利用を進める手法でございます。防災、減災に関する
グリーンインフラの具体的な事例といたしましては、一つは、海岸堤防の陸側に盛り土をいたしまして植樹を行うこと、木を植えることによって、津波に襲われても壊れにくく、あわせて良好な景観の創出につながっていく緑の防潮堤、また大規模災害発生時の延焼防止帯となります公園緑地といったものが挙げられます。国では、ことしの八月策定されました国土形成計画におきまして、
グリーンインフラの取り組みの推進をうたっております。現在、全国の現地調査、ケーススタディーを実施し、その結果を踏まえて、効果的な手法、留意点の整理、ガイドラインの作成といった作業を行われると、このように承知をいたしております。今後、本県におきましても、こうした国における調査、検討の結果も活用しながら、
グリーンインフラの取り組みについて研究を進めてまいります。
造園職の採用でございます。本県には、造園工事の施工計画作成等の専門的な業務を行う造園施工管理技士の資格を有する職員に加えまして、国土交通大学校に職員を派遣をいたしまして、公園緑化事業にかかわる知識と技能を習得した者が十数名いるところでございます。
グリーンインフラの取り組みにつきましては、繰り返しになりますけれども、現在、国において、その取り組みの推進のための調査検討が行われているところでございます。そういうことから、国の動きも見ながら、国の研修なども活用し、必要とされる人材の育成について検討を進めてまいります。
災害派遣福祉チーム(DCAT)、その創設、拡充についてお尋ねがございました。高齢者や障害者といった方々の中には、災害発生時において、福祉関係の専門職の不足から十分なケアが受けられずに、避難所における生活に支障を来す方々もいらっしゃいます。DCATとは、このような方々を支援するため、あらかじめ登録された民間施設の介護福祉士、社会福祉士、理学療法士などから成ります福祉関係の専門職のチームのことでございまして、岐阜県、熊本県など五団体が設置をいたしております。本県では、日ごろから高齢者、障害者といった方々のケアに当たっていただいております介護福祉士の方々を被災した市町村の要請に応じて派遣できる体制を整備するため、ことしの三月、公益社団法人福岡県介護福祉士会と災害時における介護福祉士の派遣に係る協定というものを締結したところでございます。今後は、これに加えまして、社会福祉士、理学療法士などの派遣も可能となるように、他の福祉関係の団体と協定締結を進めていくことといたしております。これらの協定の運用に当たりましては、福祉関係の専門職を現場の実態やニーズに合わせて、その実態に合わせて組み合わせを行い、迅速かつ効果的に派遣する考えでございます。これによりまして、高齢者、障害者の方々の大規模災害時の避難生活に対する実効のある支援、これができることになると思いまして、そのように取り組んでいきたいと思っております。
市町村におけるワンストップ
被災者相談窓口の設置でございます。大規模災害時には、被災者の住まいや生活資金の確保、生業、就労の回復、心身のケアなど多様なニーズが発生をいたします。被災者支援の主体となります市町村におきましては、各種相談、申請窓口がその所管部局ごとに設置されることが通例でございます。ございますけれども、相談等にワンストップで対応する窓口の設置というのは、被災者に対するきめ細かな支援につながるものであるというふうに考えております。本県でも平成二十四年の七月の北部豪雨災害の際に、柳川市において、そういった窓口が設置をされております。国は、災害時・被災者支援業務の手引きにおきまして、国、県などの関係機関の役割とその連携方策も含めて、ワンストップの相談窓口の設置運用例というものを示しております。県といたしましては、こうした国の考え方、これまでの先進事例というものを踏まえて市町村に助言をしてまいります。
家族構成等に応じた家庭内の災害備蓄についてでございます。県内では、昨年三月に策定をいたしました福岡県備蓄基本計画におきまして、県民が平素から備蓄すべき物資の品目それから数量の目安を示させていただいております。この周知を図るために、昨年度、啓発用チラシを三十五万枚、ポスターを五千枚作成をいたしまして、自治会の会合に直接職員が出向き配布をするとともに、テレビ、ラジオ、電車の中づり等を活用した広報啓発を実施してきているところでございます。県としましては、今年度末までに、家族構成のモデルごとにも備蓄物資の品目、その数量の目安を示し、ホームページなどの広報媒体を通じて広く啓発をすることといたしております。
音声コードつき防災に関する手引書の作成でございます。県では、県民生活に密着した県の広報物につきまして、音声コードつきのものをあわせて作成するよう努めております。ことしの八月、土砂災害の前兆現象、日ごろの備え、避難方法などをわかりやすく解説、説明をいたしました音声コードつきのリーフレットを作成、配布したところでございます。今後、県で防災に関する手引書を作成する場合には、音声コードつきのものをあわせて作成してまいります。
県内市町村における
個別避難支援計画の策定状況についてでございます。
個別避難支援計画の策定率でございますけれども、昨年度末で六割に達すると見込んでおりましたけれども、御答弁申し上げましたけれども、残念ながら、避難支援者の確保に時間を今、要しておりまして、そういった理由から、本年九月現在で五三・三%という状況でございます。県としましては、今後とも市町村に対し、モデル地区で培った
個別避難支援計画策定のノウハウというものを他の地区に広げていく事業、制度解説や先進事例を紹介することを内容とする研修、定期的なヒアリングによるそれぞれの市町村の進捗管理の徹底、県幹部職員による市町村長、首長さんへの働きかけ、これらをもう一遍精力的に行うことによりまして、
個別避難支援計画策定、その促進を図ってまいります。また、これらの取り組みに加えまして、要支援者への声かけ、複数人で避難支援を行うなど住民の方が協力しやすい具体的な避難支援の例、事例というものを記載した住民向けリーフレットを作成いたしまして市町村に提供し、避難支援者の確保、その広がりというものを確保していきたい、このように考えておりまして、市町村にその支援を申し上げていきたいと思っております。
次に、避難行動要支援者に対する相談窓口でございますけれども、避難行動要支援者が災害時に相談できる窓口につきましては、市町村がそれぞれの地域の実情を踏まえて必要に応じて設置をしているというふうに承知をいたしております。これに加えまして、在宅の重度障害児者といった方々の避難行動要支援者が災害時に安全に避難をしていただくためには、避難支援者、移動手段、そして避難先の確保というものが重要でございます。このため市町村では、こうした事項を盛り込んだ個別の避難支援計画の策定を今進めているところでございまして、県としては、この避難行動要支援者が適切に避難できるように、引き続き市町村を支援をしていきたいと考えております。
次に、観光客の県内各地への周遊でございます。県内には筑豊、京築、筑後など各地に自然や歴史を体感できる魅力的な観光資源が数多くありまして、より多くの方々に来ていただく取り組みというものが重要であると考えております。本県では、これまで九州新幹線の全線開通、大河ドラマ「軍師官兵衛」、また朝の連続ドラマ、テレビ小説「花子とアン」の放映などの機会を捉えまして、市町村や団体と協力しながら県内各地域の観光振興に努めてまいりました。その結果、観光客の数が増加をし、またこれまで余り観光地として認識されていなかった地域で観光客が訪れるようになったところも出てきております。さらに今年度は、福岡よかとこ旅行券事業におきまして、神主など専門家自身がガイドをしていただくバスツアー、海水を炊いて塩をつくる塩炊き体験ツアーなど新しい視点による旅行商品や体験プログラムの開発を進めているところでございます。今後とも、一人でも多くの観光客の皆さんに県内各地を広く回っていただけるよう取り組んでまいります。
福岡の食を活用した観光についてでございます。お茶、うどん、そば、まんじゅう、これらは全て博多から全国に広がっていったものであります。また、かつては三大酒どころとも言われ、今でも七十の酒蔵を誇っております我が県、その食の歴史には誇るべきものがございます。全国的に有名な豚骨ラーメン、もつ鍋、水炊きのほか、田川のホルモン鍋、小倉の焼きうどん、久留米の焼き鳥など地元の皆様に親しまれている御当地グルメ、またイチゴのあまおう、天然トラフグ、豊前、糸島のカキ、そういった数多くの県産のブランド農水産物がございます。こうした魅力的な食にかかわる観光資源がたくさんあるわけでございます。こういった福岡の食の強みを最大限に生かして、観光のその幅を広げていくことが大事だと思っております。このため、大手航空会社とタイアップをいたしまして、その機内誌、機内放送による観光PR、機内食やラウンジでの県産食材の提供をこれまで実施をしてまいりましたほか、東京、大阪を中心に店舗展開をしておられる外食チェーンと連携して福岡フェア、こういった催し物を開催をするなど効果的なPRに努めてきているところでございます。今後とも、いろんな手法を駆使いたしまして、福岡の食というものを生かした観光についての情報発信を行ってまいります。
プロモーションの推進体制でございます。地域の特産品と観光とを組み合わせてそのPRを展開していくことは、福岡県の観光地としての認知度を上げるのに効果的であると考えております。そこで県では、昨年の四月、観光と物産を一体的に施策推進ができるように、観光・物産振興課を設置をいたしました。また、福岡県観光連盟に海外市場や新たな情報発信に対応できる専任のスタッフを配置したところでございます。さらに、四月、首都圏における観光と農林水産物のプロモーションを推進するために、東京事務所に福岡よかもん・よかとこプロモーションセンター、これを新たに設置をいたしました。こうした体制のもと、海外の観光展、商談会などで本県の観光PRを行うとともに、海外の旅行会社やメディアそしてブロガー、そういった方々を県内の観光地に招きまして、旅行商品の造成や雑誌、テレビ番組の制作を促進してきているところでございます。フェイスブック等SNSを活用した本県にかかわる情報発信も実施いたしております。さらに、首都圏の百貨店や観光事業者等に対する営業活動、PR活動にも努めているところでございます。今後とも、国内はもとより、海外からも多くのお客様が本県を訪れていただけるよう九州各県、九州観光推進機構、市町村、観光協会などと連携を強化いたしまして、福岡県の魅力をしっかりPRをさせていただきます。
福岡県の観光のブランド化でございます。本県には、歴史や文化に裏づけをされ、国内はもとより、海外にも通用する観光ブランドとなり得る独自の観光資源が多くあると思っております。例えば、長い、物づくりの歴史を有する本県ならではの観光資源といたしまして、産業観光というのがございます。また、本県には、世界文化遺産である明治日本の産業革命遺産と、世界記憶遺産である山本作兵衛さんの炭坑記録画というのがございます。我が国の近代化産業遺産の中で、この二つの世界遺産を両方とも有するのは、全国、福岡県だけでございます。極めて特徴的な観光資源であると言えます。また、製品開発の過去、現在、そして未来までが学べる安川電機のロボット村、TOTOのミュージアムなどユニークな施設も言われた観光資源として戦列に加わってきていただいているわけであります。さらに、本県には、先ほど申し上げた酒蔵を初め博多織、久留米絣といった伝統工芸、我が国有数の生産高を誇る大川の家具、木工などの伝統産業が数多くございます。これらは昨今人気が高まっております体験型の観光資源としても有望でございます。現在、日本酒と、これと相性のよい和食の試食の体験、久留米絣によるニット製作体験、そういったプレミアム感のある体験プログラムの開発を進めているところでございます。このほかにも、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が国内推薦候補に決定をされ、今、大きな注目を集め始めているところであります。いろいろ御指摘をいただきました。今後とも、地域の皆様とともに、こうした新たな観光資源というものを掘り起こし、磨いて、そして点から線、面とつなぐことによりまして、県内各地の魅力を一層高め、福岡県ならではの観光ブランドを確立をし、それに取り組んでいくとともに、それらの情報発信に努めてまいります。
次に、にせ電話詐欺についてでございます。県内でにせ電話詐欺が増加する中、県では詐欺対策として、さまざまな方法で注意喚起を行いました。六月には、ニセ電話気づかせ隊推進委員会を発足させ、気づかせ隊の活動推進にも努めてまいりました。しかしながら、御指摘がありましたように、七月末時点の詐欺被害が昨年の一年間を上回る危機的な状況になりましたために、緊急対策といたしまして、一に
自動通話録音装置の貸し出し、ニセ電話気づかせ隊の一層の活動の強化、さらなる広報啓発というものを実施することとさせていただきました。まず、
自動通話録音装置につきましては、被害に遭いやすい高齢者の方々を対象に、早速、九月から貸し出しを始めているところであります。また、家電量販店や中小電器店で構成する事業者団体に働きかけまして、この
自動通話録音装置等の普及というものを店内で図っていただいているところでございます。ニセ電話気づかせ隊の参加者数でございますけれども、九月二十五日現在、六千六百六十三団体、二十二万八千八百三人と、当初の目標を大きく今、上回っておりまして、県民の皆様に被害の防止に対する意識がだんだん広がってきたんじゃないかなというふうに考えております。さらに、注意喚起のチラシ、電話機に張るステッカーなどをそれぞれ五十二万部作成し、市町村、民生委員、消費生活サポーターの協力もいただきながら、県下の全高齢者世帯への配付を始めたところでございます。被害額は、それ以前に比べて減少してきております、ペースが落ちてきておりますが、しかしながら、危機的な状況であることは変わりません。今後とも、県警察と連携をいたしまして、危機意識を持って被害防止に全力で取り組んでまいります。
福岡県の女性
活躍加速化推進事業についてでございます。この事業は、県、あすばる、女性の大活躍推進福岡県会議を初めとする関係機関が連携をいたしまして、それぞれのノウハウなどを持ち寄り、活用しながら、一体となって事業を企画、実施をしております。女性の活躍を加速化することを目的にしてやっている事業でございます。具体的には、女性管理職が活躍する企業の紹介、管理職登用のポイントをまとめたリーフレットを中小企業等の経営者の方々に配布をするとともに、女性管理職の将来目標の自主宣言から、その目標達成までの手順を示した実践的なマニュアル、これをあわせて周知をいたしますことで企業の取り組みというものを促しているところでございます。これらの取り組みの結果、自主宣言をする企業が現在、百九十六の企業、団体となるなど、本県の女性活躍を促進する動きが広がってきております。また、二十六年十月、県内の創業した女性による展示商談会、今後創業しようとする女性を対象とした相談会、これらを開催をいたしました。参加した二十八事業者の約六割が商談が成立をするなど成果を上げてきております。今後も、これらの事業の成果を踏まえながら、さらなる女性の活躍を進めてまいります。
ふくおか女性いきいき塾についてでございます。この事業は、今後、企業や地域等におきまして指導的な地位で活躍をする女性を育成するため、各分野の第一線で活躍する講師陣によります講演と討議、そして参加者グループによる課題研究、これを行っているところであります。平成二十四年度の開塾以来二十六年度まで、三期、九十三人の方が卒塾をされております。第一期生及び第二期生の六十四人に対する卒塾後の調査を行いました結果、三人が創業、六人が企業の管理職等へ昇進をされております。このほか、全国的な女性経営者のためのビジネスプランコンテストで入賞される方が出るなど、約三割の方が企業の指導的地位で活躍をされておられます。また、十五人の方が自治会、PTAの役員や自治体の審議会等の委員に御就任をされ、二人の方が市町村議会議員になられております。地域でも活躍をされているわけでございます。このほか、多くの方が行政、企業、学校などが主催をする研修、講演等の講師、パネリストを務められるなど、ロールモデルとして後に続く多くの女性の方々に影響を与える存在として活動いただいているところでございます。
次に、朝型勤務でございます。本県では、八、九月二カ月間、職員のワーク・ライフ・バランスの推進を図る目的で、本庁勤務職員を対象に、勤務時間と退庁時間を定時より三十分それぞれ早めることで夕方の時間を有意義に活用してもらう朝型勤務というものを実施しております。この二カ月間で朝型勤務を実施した職員は二百二十六名でございます。本庁勤務対象者の約一割の職員が、この朝型勤務を実施しております。また、朝型勤務実施者は、ほぼ全員定時退庁しております。時間外勤務の縮減に一定の効果があったと考えております。今後、朝型勤務実施期間終了後、職員に対しましてアンケート調査を行い、取得者の声を把握しながら、その効果、課題を検証し、より活用しやすい制度の構築に向け検討していくことといたしております。
日本企業の働き方と女性の活躍についてお尋ねがございました。日本の企業におきましては、男性を中心とした長時間労働を前提とした働き方となっておりまして、まだまだ女性が家事、子育てを担っております。男性の育児休業取得率は二%ほどで、第一子出産後、出産を機に約六割の女性の方が仕事をおやめになっている状況にございます。こうした状況の中で女性の活躍を進めていくためには、男女ともにそれぞれの働き方や意識を変えていく必要がございます。現在県におきましては、子育て応援宣言企業の登録拡大を進めているところでございますけれども、最近では、男性の育児休業、育児参加の促進、在宅勤務制度の導入など先進的な宣言を行う企業がふえてきております。今年度は、男性の育児参加を促進する取り組みにも私ども、力を入れてまいります。このほか、女性が活躍できる環境をつくっていくため、男性の経営者、管理職を対象としたセミナーの開催にも引き続き取り組んでまいります。
女性活躍推進法の成立を踏まえまして、県といたしましては、子育て応援宣言企業の登録制度を初め、これまでの取り組みの実績を生かしながら、企業における長時間労働など働き方の見直しを促進し、男女ともに仕事と家庭の両立を図り、生き生きとそれぞれが活躍できる社会づくりを進めてまいります。
次に、ドクターヘリの相互応援についてお尋ねがございました。本県のドクターヘリと佐賀県のドクターヘリは、救命効果が高いとされる運航範囲がほとんど重なっておりまして、両県の大部分に出動できる、そういう状況にあります。このため、消防機関からの出動要請が重なった場合などに、
ドクターヘリを相互に活用し合えるというメリットがあるため、昨年十二月、佐賀県との間で相互応援協定を締結したものでございます。佐賀県以外の隣県への拡大につきましては、今申し上げました運航範囲の重なり、隣県の
ドクターヘリの稼働状況、相互のメリットの有無、そして何より
ドクターヘリを運航しておられます久留米大学病院、出動要請を行われる消防機関、隣県等の御意向も踏まえた上で検討を進めてまいります。
ドクターヘリの操縦士の養成確保についてでございます。本県における
ドクターヘリは、久留米大学病院が西日本空輸株式会社にその運航を委託しております。西日本空輸の操縦士の数でございますけれども、
ドクターヘリ一機当たり二・八人でありまして、一機当たり必要とされる一・八人というものを上回っている状況でございます。今の段階で操縦士不足という状況にはございません。しかしながら、五十歳以上の操縦士が約三分の二を占めております。操縦士の資格取得者数が近年、日本全体で減ってきております。将来的には、本県におきましても操縦士が不足する可能性がございます。国では、ことしの三月、ヘリコプター操縦士の養成確保のあり方について検討するための関係省庁連絡会議というものを設置されました。七月には、その課題と対策の方向性が取りまとめられたところでございます。そこでは、民間事業者等と関係省庁とが連携しながら操縦士にかかわる訓練プログラムを開発していく、若年定年退職自衛官、その活用等の対策を検討していくこととされております。県といたしましては、こうした国の検討動向を注視していきたいと考えております。
次に、ドクターカーについてお尋ねがございました。本県の
救命救急センター、周産
期母子医療センターには、平成二十六年度末現在、十六施設のうち十五の施設でございますが、二十二台のドクターカーが配備をされております。救急現場への出動、患者の病院間搬送に使われているところであります。二十五年度のドクターカーの稼働状況でございますけれども、救急現場への出動回数が約五百回、患者の病院間の搬送が約千九百回となってございます。一方で、ほとんど稼働実績のない医療機関も見受けられるところでございます。ドクターカーは、救急現場において一刻も早く医師による診療を開始し、救命率を向上させることを目的として配備されているものでございますけれども、その運用については、全国的に見ましても、スタッフの確保などに課題があるというふうにされております。今後の運用につきましては、まずこの医療機関における稼働状況、その低調な要因について、しっかり調査をさせていただきたいと思っております。
次に、救急搬送の
受け入れ医療機関確保基準についてでございます。本県では平成二十二年度に、医療機関と消防機関で構成される福岡県救急業務メディカルコントロール協議会において、消防機関が受け入れ要請を行っても受け入れ不可が続くなど受け入れ医療機関が速やかに決定をしない場合に、最終的な受け入れ医療機関を確保するための
受け入れ医療機関確保基準について検討を行ったところでございます。その協議会におきましては、搬送先の選定が困難な状態と判断するその条件、あるいは受け入れを行う医療機関を画一的に定めることによって、かえって現場の柔軟な対応が阻害されるのではないか、そういった意見が数多く出されたところから、具体的な確保基準というものを定めるまでには至りませんでした。本県におきましては、消防機関と医療機関が定期的に連絡会議を開催いたしまして、受け入れに関する協議を行っております。これらを通じまして、救急搬送に緊密な連携が図られておりまして、救急搬送に要する時間は、全国四十七都道府県のうち、一番短い状況に福岡県はございます。また、受け入れ先確保が難しい場合には、県内九カ所の
救命救急センターが最終的な受け入れ先としての役割を今、果たしております。近年、救急搬送に要する時間がだんだん長くなってきていること、また救急搬送人員が年々ふえていることも踏まえまして、他県における確保基準の運用状況も調査の上、福岡県、今申し上げましたメディカルコントロール協議会におきまして、具体的な確保基準について研究を進めていきたいと考えております。
次に、
障害者差別解消法についての基本認識等についてお尋ねがございました。来年四月から施行されますこの法律は、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることがなく相互に人格と個性を尊重し合う社会の実現を目指しております。県では、これまでも県民幸福度日本一の福岡県を目指し、障害のある人もない人もともに支え合う共生社会の実現に向け、さまざまな施策を展開してきたところであります。今回の法施行を契機といたしまして、各部局のあらゆる事務事業において、障害の状態に応じて、社会的な障害を取り除くための合理的な配慮が的確に行われ、差別解消の視点が反映されるよう、より一層職員の意識を高め、法の趣旨を踏まえた適切な事務改善、この二つを進めてまいります。同時に、民間事業者につきましても、この法律の趣旨について理解を深めていただき、障害者に対する合理的な配慮に積極的に取り組んでいただく必要がございます。そのための啓発を進めてまいります。また、差別解消の取り組みを効果的、円滑に行うため、市町村及び関係機関による地域連携体制もしっかり構築をしてまいります。
次に、法施行に向けた取り組みでございます。ことしの職場研修の必須テーマといたしまして、日ごろの業務の進め方について、同法で禁止されております差別的取り扱い及び求められる合理的な配慮、両方の観点から職員一人一人に点検を求め、各職場での話し合いを実施するなど、法施行に向けて意識の醸成を図ったところでございます。また、各市町村におきましては、医療、介護、教育、その他の関係機関による
障害者差別解消支援地域協議会を設立するよう要請をするとともに、県の取り組み状況について、先月、意見交換を行ったところであります。今後、差別的取り扱いを防止し、障害に応じた合理的な配慮を行うための本県職員の対応要領というものを年内めどに策定をした上で、ケーススタディーによる研修を行い、職員に周知徹底を図っていこうと思っております。また、市町村に対しましてもこれらの情報提供を行うことによって、それぞれの職員対応要領の策定を働きかけてまいります。あわせて、県民や事業者の方々に対しましては、求められる合理的配慮、禁止される差別的取り扱いなど心得るべき点について、わかりやすく示したリーフレットを作成し、配布をする、シンポジウムを開催をする、地域の障害者相談員に対する研修を実施するなど効果的な周知方法によって、法の普及と啓発を図ってまいります。
市町村に対する支援でございます。先ほど申し上げました市町村の
障害者差別解消支援地域協議会におきましては、障害を理由とする差別に関する住民の相談というものを踏まえ、事案の情報共有、関係機関への提言、問題解決を後押しするための協議などを行うことといたしております。県といたしましては、市町村の地域協議会が適切に機能いたしますよう各市町村の事例や解決策にかかわる協議会間の情報共有体制の確立、困難な事例への専門的な助言などを行うとともに、地域で障害者にさまざまな支援を行っております障害者相談員を対象とした研修というものを実施することによりまして、市町村を支援をしてまいります。
障害のある当事者やその御家庭の参画でございます。障害者に対する差別解消の取り組みを実効性のあるものとしていくためには、現場の実態をしっかり踏まえた上で職員対応要領を策定し、確実にそれを職員に定着させていくことが必要でございます。その策定に当たりましては、毎年実施をしております障害者の皆さんとの意見交換、その内容を踏まえますとともに、障害者団体の御意見も伺うことといたしております。また、年内にはパブリックコメントにより県民の皆様の御意見を十分伺った上で、福岡県障害者施策審議会に諮って、この要領というものを策定してまいります。
高齢者が入居する施設における虐待の実態でございます。高齢者虐待防止法に基づき通報を受けた市町村が虐待と認定しました件数は、当県では平成二十四年度は四件、二十五年度は九件、二十六年度は十一件となってございます。この三年間の二十四件の主な内容を見ますと、安易な身体拘束、入居者をたたくといった身体的な虐待が十七件、大声でどなる、侮辱するといった心理的な虐待が八件、病気になっても病院に連れていかない、そういった介護等放棄、これが四件となってございます。
次に、虐待防止の取り組みでございますが、高齢者虐待防止法において、施設や事業所の設置者は虐待防止のための従事者への研修、利用者本人、家族からの苦情に対応するための体制づくり、これらを行うこととされております。県では、施設等の管理者を一堂に集めまして、介護保険の運営に関する講習会を毎年開催をいたしておりますけれども、この講習会におきまして、虐待防止のための取り組みを行うよう指導するとともに、施設に出向いて実地指導や監査を行い、状況を確認しているところでございます。また、昨年から、講習会の参加対象としておりません住宅型の
有料老人ホームの管理者等に対しましても虐待防止のための研修というものを実施いたしております。虐待に関する情報提供があった場合には、市町村と共同で施設等に立ち入り、職員や入所者からの聞き取り調査等を行っているところでございます。虐待が確認された場合には、老人福祉法及び介護保険法に基づく指導、改善命令等を行うことといたしております。
介護人材を養成する学校等の定員割れでございます。定員割れにつきましては、少子化等により若者の数それ自身が減少していること、介護について、きつい、大変といった画一的なイメージが生徒や保護者の方々の間に広がっている、そういったことによるものと考えております。このため県では、今年度から、中学生、高校生、その保護者、教師の方々を対象とした介護施設見学、就業体験というものを実施することといたしております。また、進路指導の先生方を対象とした介護講座の開催、介護の仕事の内容とその魅力というものを生徒の皆さんに紹介するパンフレット、介護の仕事を目指す専門学校の学生によるフリーペーパーを作成するなど取り組みを進めているところでございます。さらに、ことしの九月でございますけれども、市町村、事業者団体、公共職業安定所、県社会福祉協議会などの関係機関、また介護福祉士会、
介護福祉士養成施設協議会など関係団体で構成をいたしております福岡県介護人材確保・定着促進協議会、これを立ち上げたところでございます。今後、この協議会を通じまして、介護の仕事への正しい理解の促進、魅力の発信、就業環境の改善の推進に取り組んでいき、介護の仕事を目指す若い方々をふやしていきたい、このように考えております。
次に、二〇二五年における本県の介護職員の不足状況についてでございます。本県の平成二十五年の介護職員数は約七万人でありますが、三十七年度に必要とされる職員数は、県内の市町村のサービス必要量の見込みをもとに推計をいたしますと、約九万四千人となります。これに対しまして、三十七年度の本県における供給側、供給可能な介護職員数は、近年の入職者、離職者の状況、将来の生産年齢人口の減少などをもとに推計をいたしますと八万四千人となり、先ほど、必要量九万四千人との差一万人が不足する見込みとなってございます。このため県では、介護の仕事を目指す若い方々の増加を図る取り組みに加えまして、今年度から、介護現場から離れておられます介護福祉士の方々の復職、これを支援するために、実技研修、施設見学、就職支援、マッチング等を行う就労支援セミナーというものを開催をいたします。また、高等技術専門学校における職業訓練、福祉人材センター、福祉人材バンクによる職業、就職情報の提供、就職相談、合同就職面談会を行っているところでございます。さらに、求職者の方々を社会福祉施設に派遣をし、介護の仕事を実際に経験しながら研修を受けていただくことによりまして当該施設への就職を促す事業というものも実施しているところでございます。
介護職員の定着と
キャリアアップについてでございます。現場で御奮闘いただいております介護職員の皆さんの定着を図っていくためには、働きやすい職場環境の実現とその処遇、賃金の改善が重要であります。働きやすい職場環境の実現につきましては、事業所の管理者を対象に、雇用管理の改善、人材育成に関する研修というものを実施しております。今年度からは、介護業務の負担軽減や効率化を図るための介護ロボットの導入、離職率の高い小規模事業所が共同で実施をいたします研修や交流会の開催を支援することといたしております。また、賃金の改善につきましては、介護報酬の改定によりまして、今年度から、介護職員処遇改善加算制度というものが拡充されたところでございます。これによりまして、職位、職責に応じた任用要件、賃金体系を定め、かつ人材育成に計画的に取り組む事業所に対し、一人当たり月額一万二千円相当の賃金改善が図られたところでございます。
次に、介護職員の
キャリアアップを図るためには、将来展望を持って職場で働き続けることができるようにすることが大事でございまして、知識、経験、技術などに応じた適切な処遇、これが重要であります。このため県は、介護サービス事業所に対しまして、職位、職責に応じた人事制度の確立、計画的な人材の育成というものを指導しております。また、介護職員の経験年数に応じた技術向上研修を実施し、知識や技術の一層の向上を支援するとともに、資格取得のための研修の受講機会を確保できるよう研修期間中に代替職員を派遣する事業も取り組んでいるところでございます。
次に、不法係留船についてお尋ねがございました。河川区域内の不法係留船は、洪水の流下の阻害、たまった水が下流に流れていくことでございますが、流下の阻害や河川工事の実施の妨げとなるなど河川管理上の支障となっておりまして、その対策は非常に重要な課題でございます。本県管理河川の不法係留船の現状でございますが、平成二十七年一月現在五百六十九隻、二十二年十月に比べて三割以上減少している状況でございます。
多々良川河口区域における対策でございます。平成二十五年二月に重点的撤去区域を公示をいたしました。同年四月から警告看板を設置し、船舶所有者に撤去指導を行った結果、昨年二十六年二月に不法係留が解消したところでございます。
現在、県管理河川の不法係留船の約四割を占める名柄川におきまして、平成二十六年十一月に重点撤去区域を公示し、警告看板の設置や所有者調査を行い、対策を進めているところでございます。また、遠賀川流域におきましても、国土交通省遠賀川河川事務所が主催する協議会におきまして、同様の対策が現在進められているところでございます。今後とも、不法係留船の解消に向けて、関係機関と連携を図り、対策に取り組んでまいります。
次に、暴力団離脱者の就職についてでございます。暴力団壊滅のためには、離脱者が再び暴力団に戻ることがなく、善良な社会の一員として更生され、社会に復帰できるような支援体制の構築が重要であります。本県におきましては、県警察本部が中心となりまして、昨年十二月、県の関係部局やハローワークといった就労支援機関などを会員とする福岡県暴力団離脱・就労対策連絡会というものが設立をされ、暴力団離脱希望者への離脱支援や就労支援というものを行っているところでございます。県外からの暴力団離脱者につきましても、この連絡会を通じて県警察本部を初め関係機関と相互に支援内容の情報共有などを図りながら、連携、協力してその方々の就労支援に取り組んでまいります。
5 ◯議長(井上 忠敏君) 城戸教育長。
*教育長答弁
6 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 学校の課題に対応するための教員以外の専門スタッフの配置についてでございます。複雑化、多様化している学校の課題に対応していくためには、学校の組織力を全体として高めていくことが重要でございます。このため、学校における教職員の役割などを見直すとともに、教員以外の専門家や関係機関、地域との連携を強め、その力を活用することによりまして、教員が児童生徒の指導に専念しやすく、学校が一つのチームとして組織的に課題解決に取り組むことができるようにしていく必要があると考えております。
スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーの配置状況と今後の配置充実についてでございます。今年度、スクールソーシャルワーカーについては、県による配置が三市三町、市町独自の配置が二十市十四町となっております。スクールカウンセラーについては、県内全ての公立中学校に拠点校方式で配置しております。また、小学校や緊急事案には、教育事務所に配置しているスクールソーシャルワーカー及びスクールカウンセラーが対応することとしております。国の来年度予算の概算要求には、いじめ、不登校対策等の推進のため、スクールソーシャルワーカー及びスクールカウンセラーの配置拡充が盛り込まれたところであり、国の動向等を踏まえまして、今後、必要な配置に努めてまいります。
専科制の進捗状況と拡充についてでございます。現在本県では、各小学校の判断により、担任外教員を活用した専科制が主に高学年の一部の教科で実施されております。平成二十六年度においては五九%の学校で実施されており、前年度と比べて一・九ポイント増加しております。今後、教務担当教員や指導方法工夫改善担当教員等を活用した専科制の取り組みをさらに促し、教育活動の充実に努めてまいります。
中学校運動部活動に外部指導者を派遣する新規事業の具体的な進捗状況についてでございます。現在、県立中学校を含む県域の中学校二百十校中、申請のあった百八十一校に外部指導者を派遣しております。また、複数の外部指導者を必要としている中学校もあることから、各学校の要望に応じられるよう、現在調整しているところでございます。各学校においては、魅力ある運動部活動を構築するため、単一の部活動への技術指導や複数の部活動へのトレーニング指導など、各学校の実態に応じた活用を行っております。
外部指導者の学校内での位置づけと研修の充実についてでございます。外部指導者は、顧問と連携して専門的な技術指導を行っております。なお、外部指導者の位置づけについては、現在国において検討が進められており、その推移を見守る必要があると考えております。また、外部指導者については、学校の教育目標や方針、生徒の発達段階に応じた指導等についての理解が必要でございますので、昨年度から、外部指導者を対象とした研修会を実施しております。今後とも、運動部活動の適切な運営のあり方やスポーツ医科学に基づいた指導等について、研修のさらなる充実に努めてまいります。
次に、政府関係機関の誘致に関する他県との競合状況、誘致の狙いとその効果についてお尋ねがございました。本県が誘致を提案をしております産業技術総合研究所、理化学研究所など合計五機関九部門ございますけれども、このうち産業技術総合研究所の人工知能研究センターと理化学研究所の疾患多様性医科学研究部門、この二つの部門を除く全ての部門で他県と競合いたしております。本県の強みでございます水素エネルギー分野を初めとする研究開発と試験機能、自動車、ロボット、環境といった先端産業の集積、それに加えまして、今回移転されることになる、移転されればということですが、移転される政府関係機関、それらが一体となって活動をすることによって、その分野における、この日本の国の研究開発あるいは産業化というのをより一層進展させることができるのではないか、このように考えて、今回私どもは、機関を選んで提案をしたわけでございます。こうした政府関係機関の移転が実現した場合には、県経済を支える新たな成長産業の創出のきっかけになるほか、政府系関係機関自身の職員の方の移住に加え、海外を含む研修生の拡大による交流人口の増加にもつながっていくものと考えております。
政府関係機関の地方移転と連携をした企業誘致についてでございます。県では、これまで本県の災害リスクの低さ、あるいは充実した交通インフラ、豊富な人材といった立地環境を立地セミナー等の場でPRするなど、企業誘致に取り組んでまいりました。今回、私どもが誘致を提案をしております政府関係機関、例えば先ほど申し上げました産業技術総合研究所では、福岡県が推進しております自動車、ロボットといった産業振興プロジェクトと関係の深いテーマにおいて、多数の民間企業と共同研究等なさっておられます。県としましては、そういった企業の事情も十分考慮しながら、今後とも立地セミナーの開催あるいは、そういった企業への戸別訪問などを通じて、本県のすぐれた立地環境というものをPRし、説明をし、企業誘致につなげていきたいと考えております。
次に、友好提携の位置づけと今後の国際交流についてお尋ねがございました。国際交流の推進に当たりまして御指摘いただきました縁、すなわち人と人との交流だと私は思いますけれども、あらゆる交流の原点となる非常に大事なものであるというふうに考えております。あわせて、地域間交流を積み重ねていきますことも、国同士の信頼関係あるいは友好関係の基礎をなすものだと考えております。県ではこうした考え方に立ちまして、友好提携をしております五つの地域を中心に、経済、環境、青少年、教育、文化、学術といった幅広い分野で交流を進めているところでございます。
こうした友好提携の今後の展開でございますけれども、形式的な交流ではなく、実りあるものとしていかなければならないと、このように考えております。地域ができることを具体的に一つずつ進めていって、交流の間口を広げ、そして奥行きのあるものにしていくことが重要であると考えております。今後は、ラグビーのワールドカップやオリンピック・パラリンピックというものがあります。これらを控えて、海外からの多くの観光客やスポーツ関係者の来日というのが見込まれるところでございます。そうした機会を捉えて、一人でも多くの関係者の方々が、この県に来られ、さまざまな形で県民の皆様と相互理解を深める機会をつくっていきたい、そういう形で人と人との草の根交流あるいは地域間交流というものを進めていきたいと考えております。
県内の自治体の友好提携数と国際交流促進の取り組みということでございます。県内では、現在、十四の市町が十カ国二十九の自治体と友好提携を締結いたしております。県では、国際交流市町村連絡会議というものを設置いたしておりまして、国際交流事業の取り組み事例の紹介でありますとか、また意見交換を行うなど情報共有を図ってきているところでございます。また、海外の自治体から寄せられた友好提携の情報というものを各市町村に提供し、交流を促しているところであります。さらに、交流事業に取り組んでいこうとされる市町村に対しましては、必要に応じて、私ども県が有しておりますノウハウの提供、あるいは助言、現地機関との連絡調整のお手伝いなど、具体的な協力、支援を行っているところでございます。今後とも、こうした取り組みを通じて、市町村における国際交流、友好提携を御支援申し上げたいと思います。
ラグビーワールドカップ・イングランド大会の視察についてお尋ねがございました。現在、御承知のとおり、イングランドで熱戦が繰り広げられております。初戦の南アフリカ戦での我が桜ジャージーの劇的な勝利は、私自身も大変感激をしたところでございます。この大会は、アジアで初の日本の大会の前回、一つ前の大会でございます。また、イングランドは過去にも開催経験を持っておられ、アジアで初の開催となる我が日本の大会の成功に向け、大いに参考になる大会ではないかと思っております。
私は、県議会の代表者の方々とともに十月三十日から現地へ赴く予定でございますけれども、今回の視察には、私自身、二つの大きな目的があると思っております。一つは、現地に集まってこられるラグビー関係者、また多くの観戦者に対しまして、二〇一九年の我が日本の大会の開催地の一つであります、またキャンプ地の候補地としての我が福岡県、これをしっかりアピールすることであります。このため、滞在中は日本の組織委員会が主催をしますワールドラグビー幹部あるいは海外のラグビー協会の関係者、イギリス政府関係者などを招待した情報交換会、また日本の大会の開催都市をそれぞれ紹介するジャパンパビリオンでのPR、さらには福岡県みずから単独で独自のプロモーション、これを開催をし、しっかり我が福岡県の魅力をPRしたいと思っております。二つ目の大きな目的は、福岡大会を成功に導くための情報収集であります。試合会場や大会運営のノウハウについて、直接大会関係者から情報を収集するとともに、ラグビー発祥の地でございますイングランドにおける市民挙げての盛り上げ、あるいはおもてなしといった受け入れ態勢、それらにつきましても、私自身、じかに見て、肌で感じて、今後の取り組みに生かしていけるような視察にしたいと考えております。
ラグビーのワールドカップ福岡開催に向けた機運の醸成でございます。先日の南アフリカ戦での歴史的勝利で、今日本国内の関心、ラグビーに集まってきていると思います。日本代表は、今後ベストエイトをかけてサモア、アメリカ戦を残しておりますが、一戦ごとに、またこれが勝利すればなおさらでございますけれども、ラグビー熱は高まっていくものと期待しております。本県におきましても、八月二十二日、御指摘の博多の森球技場で開催されました日本代表のイングランド大会に向けた壮行試合、その開催に当たりまして、競技団体、企業、行政一体となりまして、高校生のラガーマンによる街頭でのチラシ配布、テレビ、ラジオでの観戦の呼びかけ、県のホームページを活用した広報などに積極的に取り組んでまいりました。その結果、当日、県内で開催されたラグビーの試合としては過去最高となります一万人を超える観客の皆さんが集まり、日本代表のプレーに大きな声援を送っていただきました。その際、観客席のほうからは、初めて見に来たけど迫力がある、また見に来たい、二〇一九年が楽しみだ、そういった声も聞こえてまいりました。ラグビーへの関心が少し高まったかなといって、帰ってきたところでございます。しかしながら、これからでございます。現在、県庁ロビーでイングランド大会、日本代表の紹介コーナーを設けているところでございますが、県といたしましては、この機会を逃すことなく競技団体、経済団体とも連携をいたしまして、お子さんたちを対象としたラグビー教室、あるいはラグビーフォーラムといったものを開催する、トップリーグを初め県内で開催される試合の周知をより一層図っていく、そういったことを通じまして、二〇一九年福岡開催成功に向け、新たなファン層の拡大、機運の醸成に努めてまいります。
農産物の輸出についてお尋ねがございました。本県農産物の輸出額は、福岡県総合計画の策定時、平成二十三年度は九億六千七百万円でございましたが、その後増加を続けております。平成二十六年度におきましても、前年度比二割アップの十六億二千六百万円と、我が県にとりましては過去最高額となってございます。これは、世界的な和食ブーム、そして円安に加え現地での販売促進フェアといった取り組みなどによりまして、アジアを中心にあまおうといった果実、それから野菜を初め八女茶、博多和牛の輸出が増加したことによるものでございます。
輸出拡大に向けた取り組みといたしましては、現在、ミラノで国際博覧会が開催中でございますけれども、そこで八女茶、県産酒のPRを実施いたしております。特に、日本食レストランにおける懐石メニューへの八女茶の提供、あるいは日本館のフードコートにおける県産酒販売に加えまして、今月二十七日からきょうまでの四日間でございますけれども、日本館のイベント広場におきまして、関係の団体と連携し、我が八女茶の試飲とサンプル配布を行っているところであります。また、輸送コスト低減のための新技術を活用した船便輸送の実証、これを行うとともに、本年度から新たに、海外の料理教室において県産農水産物を使った和食講座を開催をいたしております。こういう幅広い取り組みを進めているところでございます。あわせて、福岡農産物通商を活用した九州一体となった取り組みも進めているところでございまして、現在、福岡農産物通商を窓口として、ことし八月、香港で開催された国際的なお茶の商談会には九州五県合同参加をしました。また、昨年度から取り組んでおります九州の他県と連携した現地量販店における販売促進フェアにつきましても、引き続きこれを開催する予定でございます。県では、今後ともこうした取り組みを積極的に進め、和食ブームなどの追い風をしっかり捉え、一層の輸出拡大に取り組んでまいります。
次に、農地中間管理事業の取り組み状況についてでございます。平成二十七年度の第一回目の募集を五月に実施をいたしましたところ、目標面積一千五百ヘクタールに対しまして約二千ヘクタールの借り受け希望がございました。このうち貸し付け面積は約一千ヘクタールとなり、昨年度実績の五百六十二ヘクタールに比べ大幅に伸びました。これは昨年から、農家の方々への説明会を開催するとともに、担い手であります個別農家あるいは法人組織への戸別訪問を実施した結果、制度の周知が図られてきたことによるものでございます。また、県内にモデルとなる集落を二十カ所設置をいたしまして、農家みずからの話し合いを私ども県が支援をいたしましたが、その成果が周辺地域にも波及したものでございます。しかしながら、貸し付け面積のうち、法人組織への貸し付けというのは約八百ヘクタールになっているのに対し、個別農家への貸し付けは約二百ヘクタールにとどまっているところであります。この理由といたしましては、個別農家で多くの農家と話をまとめていくのがなかなか大変、そういった声が聞かれたところでございます。このため県では、本年度から新たに、農地中間管理機構と個別農家が連携をいたしまして、農地の出し手農家へ戸別訪問を実施していっているところであります。引き続き、出し手農家向けのパンフレットを作成、配布をしまして、市町村、JAとも連携して、先行事例も紹介しながら、本制度の内容の周知徹底を図ってまいります。県といたしましては、今後も担い手の農地集積をより一層進め、水田農業の持続的発展のために永続性のある担い手が中心となる生産構造に誘導をしてまいります。
次に、農協改革についてお尋ねがございました。農協改革については、自己改革が基本である、そういう認識のもと、関係者の意見を聞いた上で慎重かつ丁寧な議論を行うよう、これまでも機会あるごとに国に対し要請を行ってきたところであります。こうした中、農協法改正法案は、ことしの四月三日に国会に提出され、八月二十八日に可決、成立を見たところでございます。その際、農協の理事の構成について関係者の意向や地域の実態を踏まえること、准組合員の事業利用のあり方を検討するに当たっては、農協が果たしている役割や関係者の意向を踏まえること、そういったことを内容とする附帯決議がつけられております。これは、JAグループや各県、議会の要請など関係者のさまざまな御意見というものを聞いた上で、この附帯決議は取りまとめられたものであるというふうに考えております。現在、国において、この改正農協法にかかわる運用について検討が進められているところでございます。県としましては、今申し上げました附帯決議の趣旨も十分踏まえ、関係者の意向や地域の実態に応じて適切に対応するよう、国に対し来月にも要請することといたしております。
本県における栽培漁業の取り組みについてでございます。種苗を漁業者みずからが放流し、資源づくりを行う栽培漁業は、水産資源を維持、増大させるため重要な取り組みであるというふうに考えております。このため本県では、公益財団ふくおか豊かな海づくり協会におきまして、主要な魚種であるトラフグ、アワビなどの種苗を生産し、県内の漁連や漁協に販売をしております。また、これらの団体は放流後の生存率を高めるために、漁港に設置した水槽で種苗をさらに大きく育てた後、それぞれの漁場に放流をされております。また県では、健全な種苗を安定的に放流できるよう、ふくおか豊かな海づくり協会に対しまして、種苗の生産経費の助成でありますとか防疫対策強化などの技術指導というものを行ってきているところであります。さらに、漁連や漁協に対しましては、県の水産海洋技術センターが定期的に現場を巡回し、餌の量、水かえなどの飼育の方法、それから種苗が食害を受けない放流の方法などについてきめ細かな指導を行っているところでございます。今後とも、水産資源の維持、増大が図られるよう、栽培漁業の取り組みを進めてまいります。
次に、特別養護老人ホームの入所申込者の状況等についてお尋ねがございました。県では、高齢者保健福祉計画策定の基礎資料とするために、三年ごとに県内全ての特別養護老人ホームを対象に、入所申込者の調査というものを行ってきております。直近に実施をいたしました二十五年十月の調査におきましては、入所申込者は一万八千二百五十五人、そのうち要介護三以上で入所の必要性の高い、自宅におられる方が三千百八十名いらっしゃいました。本年三月に策定をいたしました第七次高齢者保健福祉計画におきましては、まず保険者が入所申込者数、高齢者の増加の見込み、住民の意向、それから調査後に開設をした定員数等を勘案をしまして、特別養護老人ホームの必要量というものを見込んでおります。県はそれを踏まえて、平成二十九年度までに県全体で二千五百九十八床を整備することとしたところであります。今後とも、特別養護老人ホームにつきましては、入所申込者の状況等を把握した上で、各保険者の意向も踏まえ、計画的に整備を進めてまいります。
定期巡回・随時対応サービスと看護小規模多機能型居宅介護についてお尋ねがございました。現在、県内で医療と介護両方のニーズに二十四時間対応できる定期巡回・随時対応サービスというのは八市町二十二事業所で、また通所介護を中心に短期宿泊、訪問介護、訪問看護を組み合わせた看護小規模多機能型居宅介護、これは八市町十三事業所でそれぞれ提供されているところであります。これらのサービスにつきましては、各保険者において二十七年度から二十九年度までの期間とする介護保険事業計画に基づき、その整備を進めることといたしております。二十九年度までに定期巡回・随時対応サービスは三十市町五十七事業所に、看護小規模多機能型居宅介護は十五市町三十二事業所に、それぞれなる予定でございます。県では、定期巡回・随時対応サービスに事業者の参入を促進するため、昨年度から事業の仕組みに加えまして、職員稼働率の向上、訪問ルートの効率化、そのメリットを説明する事業者向けセミナーというものを開催をいたしております。このサービスを利用していただくため、ケアプランを作成する介護支援専門員及び高齢者からの相談に応じる地域包括支援センターの職員の方々を対象にした研修会も開催をしているところであります。さらに、事業所開設に必要なコール端末といった機器の導入に対しまして、市町村を通じ助成を行っております。看護小規模多機能型居宅介護につきましては、各保険者に対し、小規模多機能型居宅介護に訪問看護を加えるメリットというものを説明するとともに、施設の整備に対して市町村を通じ助成を行っているところでございます。
生活困窮者の自立支援制度の任意事業の取り組みについてお尋ねがございました。任意事業には、まず就労準備支援事業、そして一時生活支援事業、家計相談支援事業、それに学習支援事業、四つがございます。このうち県では、町村部を対象として、家計相談支援事業と学習支援事業というものを行っております。市では、四事業を実施しておりますのが一市、三事業が一市、二事業が四市、一事業が六市、実施していない市が十六市と、それぞれなってございます。
県の家計相談支援事業では、相談に来られた方々の家計の収支表というものを作成し、多重債務の問題や家計の安定に必要な収入額というものを明らかにしております。その上で、法律の専門家やハローワークにつなげることができるため、実際に相談者の生活を立て直していくための有効な手段となっております。市でこの事業に取り組んでおりますのは、現在七市ございまして、まだ全体の四分の一にとどまっておりますことから、県では九月に、市の担当課長さんたちが集まった会議を開催したところでございます。会議では、債務の解決と再就職により家計と家族が再生した、そういう事例を紹介し、各市における積極的な事業の取り組みを促しているところでございます。県としましては、今後も市に対して説明会や研修会といった機会を捉えて情報提供を行うなど、本事業の実施に向けた働きかけを強めていきたいと考えております。
次に、自主防災組織の設立と活動継続のための取り組みについてでございます。自主防災組織は、自助、共助の精神に基づき、災害時の避難誘導など自発的な防災活動を行う地域防災のかなめでございます。その育成強化を図ることが重要であります。県では、自主防災組織の設置を促進するため、市町村と連携をし、住民による災害危険箇所や避難ルートの現地確認作業というものを通じて、組織設立の機運を高めるとともに、組織の中心となるべきリーダーの養成研修を行っているところであります。また、自主防災組織の活動を充実させていくためには、高齢者の見守り活動の際に、避難行動要支援者の確認を行うなど、組織の防災活動というのを地域のコミュニティー活動と組み合わせて継続的に実施することが効果的でございまして、県では、自主防災組織の活動計画にこうした有効な取り組みというものが盛り込まれるよう支援をしているところであります。これらの取り組みによりまして、自主防災組織の組織率は、ことしの四月現在で九二%まで上がってきているところであります。
次に、自主防災組織の継続的な活動に資する先進事例、その活用についてでございます。先進的な取り組み、また被災者の方々の体験、これは自主防災組織で活動される方々にとって大いに参考になるものであり、また刺激となるものでございます。このため県では、住民の皆さんを対象とした出前講座や防災研修会におきまして、こうした先進事例を紹介するとともに、平成二十六年三月に事例集として取りまとめ、ホームページに掲載するなど広く県民の方々に周知を図っているところであります。特に、すぐれた県内の取り組みにつきましては、福岡県防災賞を授与し、県民の皆様に対して活動内容をお知らせしているところでございます。また、東日本大震災等の被災地から講師をお招きをいたしまして、防災イベントや研修会で、それぞれの被災体験や教訓を交えた御講演というものをいただいているところでございます。今後は、県外の先進的な取り組み、最近起こっております災害での反省点、教訓等につきましても我々の事例集に盛り込んで、県の出前講座で紹介をするなど県民の皆様に積極的にその周知を図ってまいります。
次に、台風十五号による太陽光発電設備の被害状況でございます。県で把握したところでは、太陽光発電設備が強風により破損したものが行橋市などで二件、太陽光発電設備の破損により周辺住宅にも被害を及ぼしたものが柳川市などで二件、合計県内で四件の被害が発生しているところでございます。
事業用の発電設備の設置基準、安全対策でございますけれども、事業用の太陽光発電設備につきましては、電気事業法におきまして、発電規模にかかわらず、事業者に対して、設備の強度や施工が一定の技術水準に適合するよう義務づけがなされております。これに加え、発電規模が五十キロワット以上の場合には、保安規程の国への届け出、電気主任技術者の選任の義務があります。さらに、発電規模が二メガワット以上になりますと、施設の使用前自主検査の実施と、国による安全管理審査を受けることが義務づけられているところでございます。こうした法令上の規制のほか、発電事業者あるいは設備メーカー等の業界団体が適正な設計施工に関する自主的なガイドラインというものを定めておられます。事故発生時における損害の補償につきましては、火災保険の特約あるいは動産保険など民間の任意保険が用意されているところでございます。
こうした太陽光発電設備の安全対策についてでございます。先ほどお答え申し上げましたように、太陽光発電設備は、台風の強風などにより飛ばされた場合に、周囲の住宅に被害を及ぼすほか、今回はありませんでしたけれども、人身事故を引き起こす可能性もあります。その設置及び維持管理に関して適切な安全対策が求められるところでございます。県といたしましては、まず国との連携、協力によりまして、業界団体等に対する法令遵守と自主規制の徹底の指導をやる、事業者が集まる会議や県のホームページを通じて任意保険への加入の呼びかけを行う、地域住民から県に寄せられる苦情相談内容の国、市町村との情報の共有化、そして事業者に対する適切な措置の働きかけ、そういった、今申し上げました三点を行うなど、きめ細かな対応を今後図ってまいります。
次に、中小企業振興条例の周知でございます。中小企業は、本県企業の九九・八%を占めております。雇用の約八割を担っていただいておりまして、我が福岡県の経済発展の原動力であります。このため御賛同いただければ、この条例の制定後、まず条例の内容について県のホームページや広報紙などの広報媒体を通じて広く周知を図ってまいります。また、個々の中小企業者の方々に対しましては、商工会議所、商工会の経営指導員による企業訪問、関係機関のホームページや会報紙等を通じて、その周知徹底を図ってまいります。あわせて、支援団体、金融機関、大学、研究機関、市町村など中小企業の振興に連携して取り組んでおります関係機関に対しましても説明会を開催をしたりして、その周知を図ってまいります。このように、条例の周知徹底を図っていくことによりまして、中小企業者を初めあらゆる関係者の方々によって、この条例に基づく各種施策が積極的に活用され、県内中小企業の発展につながるように取り組んでまいります。
今後の中小企業の振興についてでございます。中小企業の振興を図るためには、中小企業の成長発展段階に応じて的確な支援を行っていくことが何よりも大事であります。このため、この条例案では、アンケート調査、ヒアリング調査によって把握いたしました県内中小企業の課題あるいはニーズ、それらを踏まえまして、企業の創業段階から経営基盤の強化、さらには新たな事業展開といった中小企業それぞれの成長段階に応じて施策を効果的に講ずることといたしております。また、小規模企業につきましては、その提供する商品、サービスがその地域の消費に依存いたしておりますから、事業の持続的な発展という観点からは、域外への販路拡大などにつきまして、事業計画の策定、生産性の向上にかかわる支援施策を講じることといたしております。
さらに、これらの施策の推進に当たっては、県内四カ所ございます中小企業振興事務所を核にいたしまして、地域ごとに支援体制を整備し、県、中小企業支援団体、金融機関、市町村など関係機関が緊密に連携し、いわば地域の力を結集してこれを行うことといたしております。
条例の実効性を確保するため、おおむね三年を期間とする基本計画を策定し、毎年県内中小企業の動向、施策の実施状況を検証し、これを公表することといたしております。この条例に基づき、今後中小企業者一社一社に対し、それぞれの実態を踏まえ、よりきめ細かく総合的に支援を申し上げることによりまして、中小企業の事業の継続そしてその成長発展を図ってまいります。
地域中小企業支援協議会についてお尋ねがございました。先ほど申し上げました、県内四地域ありますが、それぞれの四地域に設立しました中小企業支援協議会におきましては、県の中小企業振興事務所を核に、今申し上げました関係機関が垣根を越えて広域的に連携をし、中小企業を総合的に支援をしているところでございます。具体的には、まず協議会の構成機関が推薦をする意欲ある中小企業二百二十社、これを重点支援企業として選定いたしまして、それらの企業に対して協議会の構成機関が連携をして経営課題の分析、必要な支援策についての検討を行っております。また、国の機関であります、よろず支援拠点と連携をいたしまして、各地域で毎月一回相談会を開催し、幅広く中小企業者の方が抱える課題に対応しているところでございます。さらに、十月と十一月には、県内中小企業の販路を拡大するために、両政令市におきまして四地域合同した物産展、商談会というものを開催することといたしております。現在、参加企業の選定、招聘バイヤーの調整、参加企業を対象とした事前セミナーの準備というものを行っているところでございます。また、域外の創業希望者に地域の魅力を発信する創業支援プログラムの策定を市町村に対して促すとともに、創業セミナーや創業塾を複数の市町村で合同で開催するなど、地域における創業支援にも取り組んでいるところでございます。
プレミアムつき地域商品券についてお尋ねがございました。今年度、県では国の交付金を積極的に活用いたしまして、市町村と連携して地域商品券の発行支援に取り組んでまいりました。その結果、地域商品券の年間発行額は二百五十九億円、発行団体数は百八十九団体となる見込みでございます。また、九月までに二百三十四億円が発行され、既に九九%が販売済みとなってございます。地域商品券は、御承知のとおり、必ずその地域で使われます。地域の消費を喚起し、地域経済に直接の効果をもたらすものであります。また、地域商品券の発行に当たりましては、商店街独自のセールやイベントの開催、住宅リフォームに特化した商品券の発行などさまざまな工夫を凝らした取り組みというものが行われ始めております。そういうところからも地域の消費の拡大にも結びついております。昨年度、地域商品券を発行した百二十九団体に対して事業効果について尋ねましたところ、八割の団体から、地域商品券は地域の消費を喚起する効果があった、そういう回答をいただいております。また、販売時に購入者の方に対して今後の予定についてお尋ねしましたところ、五割の方から、買い物をふやすんだという回答をいただいたところでございます。今年度は購入者に対し、地域商品券の使用目的、それから購入した商品とサービスの金額、これを記載していただく調査を今実施しているところでございます。その結果を用いて、商品券の発行というものが新たに誘発をしました消費額、そしてその経済波及効果というものを試算をいたしまして、地域商品券の消費喚起効果というものを数値で検証したいと考えております。
次に、生活困窮者自立支援制度の学習支援事業でございます。本事業は、貧困の連鎖を防止することを目的といたしまして、生活に困窮する世帯のお子さんたちに対し、ボランティアの大学生あるいは教員OBが定期的にその学習の指導を行う場を提供するものでございます。県では、町村と協力をいたしまして、ことしの八月からでございますけれども事業を開始したところであり、現在、三つの町で二十八人のお子さんたちが参加し、十月以降、さらに五つの町で事業を開始する予定でございます。また、県内八つの市におきましても、本事業が取り組まれているところでございます。こうした事業によりまして、子供が学習する習慣を身につけ、日々の学習に積極的に取り組むことはもとより、大学生などと接する機会を通じて進学への意欲を高めることにもつながると考えております。県では今後、この県事業の実施町村数を拡充していくとともに、各市に対しましても本事業実施の働きかけを行いまして、学習支援事業のさらなる充実を図ってまいります。
次に、教育への思いと新しい教育制度のもとでの教育に対する取り組みについてでございます。教育は、国の根幹であります。お子さんたち、子供たちというのは、次代の福岡県、そしてこの日本の国を担う大切な宝でございます。大きな可能性を秘めた子供たちには、相手のことを尊重し、互いの個性、可能性を認め合い、思いやりや豊かな心、志を持ったたくましい人に育ってもらいたい、このように考えております。資源に乏しい我が国にとりましては、人こそが最大の資源でございます。そして、今後の福岡県、日本の国の発展を考えますと、人づくりは最重要課題の一つでございまして、かつ喫緊の課題でもございます。人材育成に当たりましては、教育の果たす役割は極めて大きいものがございまして、教育を充実強化することが重要でございます。このため総合教育会議におきましては、教育委員会と十分意思疎通を図って、地域の教育の課題やあるべき姿というものを互いに共有して、学校教育の充実はもとより放課後活動の支援、学校、家庭、そして地域との間の連携、協働、学力の向上と地域間格差の解消など幅広い視点から大綱の策定、そして重要施策の検討に取り組んでまいります。
18 ◯副議長(原竹 岩海君) 城戸教育長。
*教育長答弁
19 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 全国学力・学習状況調査の結果についてでございます。本年度も目標を達成できなかったという結果については極めて残念であり、本県教育に責任を負う者として大変重く受けとめております。平成十九年度からの推移では、全体として小学校は上昇傾向にあり改善が見られますが、中学校はやや下降傾向であり、取り組みのさらなる徹底、特に中学校における改善強化が必要と考えております。その中で、筑豊地区においては、全国平均との差が国語、算数、数学の全ての教科区分で縮小しており、これが県の学力向上強化指定等を受けての市町村教育委員会と学校の取り組みの成果であると考えております。
勉強する意義や目的についてでございます。勉強は、子供が自立した社会生活を送るための基礎を培うとともに、夢や希望を実現したり、有為な社会人となるために必要不可欠なものであります。また、学校教育は、そのための最も重要な場でございます。このため、全ての教師が一人一人の児童生徒に対し、何を学ぶのか、何のために学ぶのか、学んだことをどう生かしていくのかなどについて伝え、考えさせ、理解させる指導を行っていくことが重要でございます。また、児童生徒がテストを受けるに当たっては、身につけた学力を存分に発揮することが大切であり、このため教師は、テストが学びの成果をはかる重要な方法であることを児童生徒にしっかり理解させる必要があると考えております。
学力テスト結果の背後にある地域間格差と全庁的な取り組みについてでございます。県内には家庭の経済的な状況など厳しい環境により勉学に力を注ぎにくい児童生徒がおり、学力調査においてもこのような厳しい環境下にある児童生徒の割合が高い地域では、学力に課題があるという傾向が見られます。家庭の経済状況にかかわらず、全ての児童生徒が安心して充実した義務教育を受けられるようにすることは、義務教育の機会均等、教育水準の維持向上の上から極めて重要であると考えております。このため県教育委員会といたしましては、児童生徒を取り巻く家庭環境等の改善に向けて関係部局と連携しながら全庁的な取り組みを推進するとともに、各学校においては勉学が困難な児童生徒に対して補充学習や学習習慣の定着等のきめ細かな支援に取り組んでいく必要があると考えております。
20 ◯副議長(原竹 岩海君) 藤井選挙管理委員会委員長。
*選挙管理委員会委員長答弁
21 ◯選挙管理委員会委員長(藤井 克已君)登壇 県議会議員選挙における選挙公報の配布方法と配布の時期についてでございます。選挙公報の配布を行っている市区町村の選挙管理委員会に照会いたしましたところ、配布方法については、自治会への依頼、配布業者への委託など、地域の実情に応じたやり方で行われております。次に、配布時期については、県議会議員選挙における選挙公報に関する条例に規定されたとおり、選挙期日の前日までの間に各世帯への配布が完了いたしております。選挙公報は、立候補受け付け終了後に作成を開始するため、その印刷、配布には一定の日数を要するところでございます。市区町村の選挙管理委員会においては、可能な限り早期に配布する努力が行われているものと考えておりますが、さらに改善の余地がないか、市区町村の選挙管理委員会に検討を促してまいりたいと存じます。
期日前投票における選挙公報の閲覧についてでございます。現在、二割を超える市区町村で、期日前投票所入り口付近に選挙公報を備え置いているほか、約七割の市区町村において、有権者の求めに応じて選挙公報を交付するなどを行っております。選挙公報は、各世帯への配布が原則でありますが、期日前投票の際に配布が間に合わなかった有権者に対して、選挙公報を閲覧できるようにすることは望ましいことであると考えております。このため、先ほど申し上げた閲覧、交付の措置をとっていない市区町村に対しては、実施に向けた検討を促すとともに、求めに応じて選挙公報を交付するなどしている市区町村においても、できるだけ有権者の目に触れやすい場所に選挙公報を据え置くよう働きかけをいたしていきたいと存じております。
22 ◯副議長(原竹 岩海君) 以上で代表質問を終わります。
本日はこれをもって散会いたします。
午 後 三 時 二十分 散 会
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