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  1. 福岡県議会 2015-02-08
    平成27年2月定例会(第8日) 本文


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(加地 邦雄君) ただいまから本日の会議を開きます。 *議案上程  このたび、知事から第五九号議案「平成二十六年度福岡県一般会計補正予算」外二十五件がお手元配付のとおり提出されましたので、これを日程に追加し、一括報告上程いたします。      ──────────────────────────────────────────  第五九号議案  平成二十六年度福岡県一般会計補正予算(第四号)  第六〇号議案  平成二十六年度福岡県財政調整基金特別会計補正予算(第一号)  第六一号議案  平成二十六年度福岡県公債管理特別会計補正予算(第一号)  第六二号議案  平成二十六年度福岡県市町村振興基金特別会計補正予算(第一号)  第六三号議案  平成二十六年度福岡県災害救助基金特別会計補正予算(第一号)  第六四号議案  平成二十六年度福岡県就農支援資金貸付事業特別会計補正予算(第一号)  第六五号議案  平成二十六年度福岡県小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計補正予算(第一号)  第六六号議案  平成二十六年度福岡県公共用地先行取得事業特別会計補正予算(第一号)  第六七号議案  平成二十六年度福岡県河川開発事業特別会計補正予算(第一号)  第六八号議案  平成二十六年度福岡県県営埠頭施設整備運営事業特別会計補正予算(第一号)  第六九号議案  平成二十六年度福岡県流域下水道事業特別会計補正予算(第二号)  第七〇号議案  平成二十六年度福岡県住宅管理特別会計補正予算(第一号)  第七一号議案  平成二十六年度福岡県電気事業会計補正予算(第一号)  第七二号議案  平成二十六年度福岡県工業用水道事業会計補正予算(第一号)  第七三号議案  平成二十六年度福岡県工業用地造成事業会計補正予算(第一号)  第七四号議案  福岡県森林整備加速化林業再生基金条例の一部を改正する条例の制定について
     第七五号議案  空港整備事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について  第七六号議案  独立行政法人水資源機構営両筑平野用水事業に要する経費の負担についての議決内容の一部変更について  第七七号議案  独立行政法人水資源機構筑後川下流用水施設の管理業務に要する経費の負担について  第七八号議案  農業農村環境整備事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について  第七九号議案  県営土地改良事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について  第八〇号議案  漁港関係事業の経費の負担について  第八一号議案  港湾関係事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について  第八二号議案  街路関係事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について  第八三号議案  海の中道海浜公園事業の経費の負担について  第八四号議案  流域下水道事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について      ────────────────────────────────────────── 2 ◯議長(加地 邦雄君) この際、知事から提案理由の説明を求めます。小川知事。 *知事提案理由説明 3 ◯知事(小川 洋君)登壇 本日、追加提案いたしました議案は二十六件であります。その内訳は、平成二十六年度補正予算関係議案十五件、条例議案一件、経費負担に関する議案十件であります。  まず、予算議案について御説明申し上げます。  今回の補正予算は、国の地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策に係る補正予算を最大限活用した事業を実施するために必要な経費につきまして、総額二百十八億八百万円余を追加いたしております。そのほか、国庫支出金等の決定に伴う追加経費、その他県政運営上年度内に措置する必要がある経費について増額補正するものであります。また、経費の節減などにより年度内の所要額がほぼ確定した事業費等について、減額補正を行っております。  補正予算の額は、一般会計で四十九億百万円余、特別会計で二十八億四千百万円余を減額しております。また企業会計では、電気事業会計ほか二会計において増額を行っています。一般会計の歳入につきましては、県税、地方交付税のほか歳出予算に対応した国庫支出金、県債、基金繰入金等の補正を行っております。その結果、平成二十六年度予算の総額は、一般会計で一兆六千九百二十六億三千六百万円余、特別会計で六千百四十九億四百万円余となっております。  なお、本年度は県税収入が当初予算を百十億円余り上回る見込みであり、さらに地方譲与税の増額や経費の節減などによって一般財源を確保できるため、昨年度に引き続き、財政調整基金等からの繰り入れを行わないこととし、今後の財政運営に備えることといたしております。  次に、経済対策に係る補正予算で追加をいたしました主な項目について御説明申し上げます。  国の地域住民生活等緊急支援のための交付金を活用いたしまして、県内の消費喚起対策や地域の実情を踏まえた実効性の高い人口減少対策を推進いたします。あわせて公共事業費を増額し、事前防災、減災対策の取り組みを加速します。  第一は、消費喚起対策であります。商工会議所、商工会等が行うプレミアムつき地域商品券の発行に対する助成費を大幅に増額するとともに、インターネット通販サイト等において、福岡県内での宿泊、周遊に利用できる旅行券や福岡の名物商品を割引販売するための経費を新たに措置しております。県内市町村を初め観光、物産、農林水産業など関係団体と連携し、域内、域外の個人消費を一層喚起し、地域経済の活性化を図ってまいります。  第二は、人口減少対策であります。まず、景気、雇用対策として、魅力ある雇用を創出し、安心して働けるよう取り組みます。燃料電池自動車(FCV)の普及と水素ステーションの整備を一体的に推進することとし、FCVについて、タクシー事業者に加え、新たにレンタカー事業者への導入助成費を措置いたします。また、県内に水素ステーションを整備する事業者への助成費を増額するとともに、県庁に移動式水素ステーションを整備するための経費を新たに措置しております。グリーンアジア国際戦略総合特区について、特区事業者と直接取引のある県内中小企業が行う設備投資への助成費を増額しております。中小企業の販路開拓のための合同物産展・商談会の開催及び首都圏での県産品のテストマーケティングに要する経費を新たに措置するとともに、バイオ技術を活用した製品や医療福祉機器の開発支援、物づくり人材の育成に要する経費を増額しております。また、農林水産物の販路拡大を図るため、新たに首都圏の外食事業者へのマーケティングの強化、鐘崎天然とらふくなど県産天然魚の魅力を発信するキャンペーンの実施や加工技術の開発に要する経費を計上するとともに、県産酒米夢一献、山田錦の生産安定、品質向上技術の確立、利用の拡大に要する経費を措置しております。あわせて、海外の料理教室を活用した和食講座の開催、ミラノ国際博覧会での福岡の酒や八女茶のPRなど、和食ブームを捉えた県産品の輸出拡大を図るための経費を新たに措置いたしました。障害者の方々の収入向上を図るため、「まごころ製品」大規模販売会に加え、新たに、来場者の投票による「まごころ製品」美味しいものグランプリを開催するとともに、開設間もない障害者就労支援事業所への経営改善を支援する経費を措置しております。また、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、二〇一九年ラグビーワールドカップの開催に向け、キャンプ地や試合会場の誘致を実現するためのPR、情報収集等に要する経費を増額いたします。さらに、明治日本の産業革命遺産世界遺産登録を契機に、産業観光のブランド化を進めるための経費及び公衆無線LANについて、大勢の観光客の来場が見込まれる県有施設への設置、旅館、飲食店、観光施設等に対する普及促進セミナーの開催に要する経費を新たに措置しております。そのほか、若者、三十代、中高年といった年代別及び対象別の就職支援センターにおきまして、個別相談や合同会社面談会に加え、保護者向けUターン就職相談を実施するための経費を計上するとともに、七十歳現役応援センターについて、新たに久留米市、飯塚市にオフィスを設置するための経費を措置しております。  次に、少子化対策であります。若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえるよう取り組んでまいります。二万店舗を超えております子育て応援の店の利用対象者を、小学校入学前の子供がいる家庭から十八歳未満の子供がいる家庭に拡大するための経費を計上するとともに、ふくおか「あかい糸めーる」による出会いの場の提供、十一月のふくおか・みんなで家族月間キャンペーンの実施など、結婚や子育てを社会全体で応援するための経費を増額しております。また、県内企業の人材確保を支援するため、全国の大学生への子育て応援宣言企業の情報発信、男性の育児参加を宣言する企業の拡大に要する経費を新たに措置しております。さらに、子育て女性が身近な地域で就職できるよう支援するため、県内四カ所の子育て女性就職支援センターについて、個別相談の実施、求人情報及び保育情報の提供、就職あっせんに要する経費を措置しております。  次に、地域活性化対策でございます。時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守る取り組みを進めてまいります。県外在住の方が一定期間本県で働きながら生活し、福岡県の魅力や住みやすさを情報発信することで、多くの方々の移住につないでいく、ふくおかトライアルワーキングステイを実施するとともに、首都圏において、市町村との合同による、ふくおか移住・定住フェアを開催する経費を新たに措置しております。また、中山間地域の活性化を図るため、地域住民との協働や六次産業化商品の開発など、直売所を拠点とした地域振興の取り組みに対する助成費を新たに措置いたしました。  第三は、事前防災、減災対策であります。河川、道路、砂防、治山などの公共事業費を追加するとともに、病院、有床診療所のスプリンクラー設置を加速するための助成費を増額しております。また、災害時の指定緊急避難場所等に適した県有施設への公衆無線LANの設置に要する経費を新たに措置しております。  そのほか、経済団体や金融機関との連携により、女性の起業を支援するふくおか女性起業家育成塾の開催に要する経費及び女性農業者と商工業者を結びつけることにより、農作業に必要な機械や作業着、洗剤、化粧品など、女性の視点を生かした商品の開発を促進するための経費を新たに措置しております。  これらの事業費のほか、農地中間管理事業支援基金などの積立金を計上しております。  以上が補正予算の概要であります。  条例議案は、福岡県森林整備加速化林業再生基金条例について、平成二十七年度以降も基金事業を継続するため、条例の有効期限に係る規定を削除するほか、所要の規定の整備を行うものであります。  経費負担に関する議案は、海の中道海浜公園事業外二件について市町の負担すべき金額を定めるもの及び空港整備事業外六件について議決内容の一部を変更するものであります。  以上、提出議案の概要について御説明申し上げましたが、いずれの議案も県政運営上緊要なものでありますので、慎重御審議の上、議決くださいますようお願いを申し上げます。 4 ◯議長(加地 邦雄君) 知事の説明は終わりました。  日程に従い代表質問を行います。順次発言を許可いたします。上岡孝生君。(拍手) *上岡議員質問 5 ◯六十九番(上岡 孝生君)登壇 皆さん、おはようございます。公明党の上岡孝生でございます。公明党県議団を代表して、通告に従い早速質問をいたします。  初めに、テロへの警戒について伺います。過激テロ組織のイスラム国が、日本人二人を人質にした上殺害するという衝撃的な事件が起こりました。犠牲となられたお二人の御冥福を心から祈るばかりですが、残された御家族、関係者の皆様の悲しみ、無念さはいかばかりかと言葉もありません。同時に、非道、卑劣きわまりないテロ行為には強い憤りを覚えます。いかなる理由があろうと、テロ行為は決して許されません。人命をもてあそび、みずからの理不尽な要求の盾に使い、殺害行為をネット上に流すなど言語道断であり、人間として最も忌まわしい行為であると、強く強く非難するものであります。  このイスラム国は、引き続き日本人を標的にすると声明しました。このため、政府は在外邦人の安全確保や、情報収集、集約、分析を通じてテロを阻止することに全力を挙げるとしています。また、警察庁は、警備局長をトップとする国際テロ対策推進本部を設置、テロ関連の情報収集、重要施設の警備、テロリストの入国を防ぐ水際作戦、他省庁や民間との連携などについて課題を洗い出し、体制強化や新技術の活用を検討するとしています。  そこで知事に伺います。今回のテロ事件に対する知事の率直な感想を伺います。  また、一連の報道に接し、テロ行為とは何らの関係もない善良なイスラム圏の方やイスラム教徒の方が、暴力や嫌がらせに遭ったり、差別を受けたりすることが危惧されますが、県としてどのように対応するのか、知事に伺います。  教育長にも質問します。教育現場で、イスラム圏から来県している子供に対するいじめなどはないか、特段の配慮はなされているのか、お答えください。  次に、福岡県の汚水処理構想について伺います。私たち公明党福岡県議団は、平成二十五年二月定例会の一般質問で、福岡県の汚水処理構想について本県の進捗状況、今後の取り組みについてただしました。国は、生活排水等の汚水の処理の整備については、国として取り組まなければならない重要な政策課題と位置づけられております。生活排水の処理施設には、下水道、農業集落排水施設、浄化槽などがありますが、これらの整備は、生活環境の改善や水質保全といった観点から、速やかな整備が地方自治体に求められています。まずは、本県の汚水処理施設の整備の進捗状況をお示しください。  平成二十六年一月三十日、国から、農水省、国土交通省、環境省、三省合わせて持続的な汚水処理システム構築に向けた都道府県構想の見直しの推進についてという通知がなされています。この通知によると、早期の汚水処理を達成するため、三省が設置した審議会の答申を受け、三省統一の持続的な汚水処理システム構築に向けた都道府県構想策定マニュアル、いわゆる新マニュアルを策定しました。そこには、今後十年を目標に汚水処理を完了すること、そのためにアクションプランを策定すること、その進捗については定期的に公表することなどとしているようです。県は新マニュアルを受け、早期に新たな汚水処理構想を策定しなければなりません。  知事に伺います。まず、国が示した新マニュアルの概要をお示しください。  次に、国は、省庁縦割りの考え方から、汚水処理の整備を三省合同で検討を進めたとお聞きしていますが、本県の汚水処理構想の見直しについては、どのような体制で臨んでおられるのかお答えください。  私たち公明党福岡県議団は、浄化槽の一層の普及について県に求めてまいりました。浄化槽は、短期間で比較的費用も少なく、また地形の影響を受けることなく設置できること、さらに処理水を河川に放流して河川流量の維持に役立っているという特徴を備えており、人口密度が比較的低い市町村など、今後、生活排水対策推進が必要となる地域に適した施設であります。また、東日本大震災に被災した浄化槽にかかわる環境省の調査によりますと、全損が三・八%、応急措置で機能を回復した浄化槽は二八・四%で、その他の実に七割弱の浄化槽は正常に機能したと聞き及んでおります。今後の人口減少社会、必ず起こるであろう大震災に備えて、浄化槽の整備こそ急ぐべきと思います。  この項の結びに、国は達成目標を十年程度とすべきとしています。そうなれば、浄化槽事業の普及、拡大こそが急務と考えますが、予算規模も含めて知事の考えをお聞きします。  次に、知事の政治姿勢で、今国会の目玉である地方創生についてお尋ねします。この地方創生は、人口減少に歯どめをかけ、地方の活性化を推し進めることで活力ある社会を再構築していくことを目指しており、今国会にて補正予算が組まれ、短期的な地域消費喚起生活支援型交付金と、五年間のはしりとして、地方創生先行型交付金が提示されました。  そこでお尋ねします。地方創生交付金は五年間にわたり交付される、かつてない地方裁量型の交付金の活用が鍵です。そのためには、本県の人口ビジョン、長期戦略が重要です。ところで、国が示す総合戦略の骨格は、一つ目は地方における安定した雇用を創出する、二つ目は地方への新しい人の流れをつくる、三つ目は若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえる、四つ目は時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携する、です。国が示す骨格を踏まえ、知事は人口ビジョン、総合戦略をどう描かれているのか示してください。  さらに、福岡県人口減少対策本部を設置し、人口ビジョン、総合戦略も検討し、二十七年度中に総合戦略を決定すると聞いています。公明党としての具体例の提案です。現在、大学や専門学校の奨学金返還が問題になっています。若者のUIJターン促進のために、本県に住む青年の奨学金の利子補給を行ってはいかがでしょうか、お答えください。  さて、地方創生は、福岡県が国から自立する意気込みが大事です。そのチャンスと捉え、地方創生の提案を公明党としても、今後も積極的に行ってまいります。この項の最後に、知事の本県の人口ビジョンと総合戦略で、六十市町村の活性化の責任も担わざるを得ないと思います。したがいまして、知事の強いリーダーシップが望まれます。知事の福岡県自立への強い決意をお聞かせください。  次に、認知症対策についてお伺いをいたします。認知症とは、記憶や判断力の障害により、生活に支障を来す状態であり、認知症徘回者の行方不明は、今でも一万人を超えています。厚生労働省は、団塊の世代が七十五歳以上になる十年後の二〇二五年には、認知症の人が最大で七百三十万人に達し、六十五歳以上の五人に一人という割合になるとの推計を明らかにしました。そして、政府はこの推計を盛り込んだ認知症対策の新たな国家戦略をまとめ、名称を認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)として、本年一月に策定しました。このプランでは、認知症の人がその意思を尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会の実現を目指すこととして、我が国の認知症施策を加速させ、政府一丸となって生活全体を支えることとされています。  本県では、大牟田市のように市民ぐるみで認知症の人や家族に寄り添うまちづくりに取り組む自治体もあります。また、北海道の苫小牧市では、認知症の人や家族を支える認知症サポーターに一万人の市民の方々が登録されています。これは全国平均の三・九%を大きく上回る五・八%がサポーター登録をされていることになります。この取り組みは、厚生労働省が二〇〇五年から養成を始め、昨年九月末現在、全国で五百四十五万人が登録しています。また、認知症の高齢者や支える家族にとって、同じ悩みを共有し、話し合える場を設けるため、苫小牧市ではほっとカフェという名称で、認知症カフェを市内十カ所に開設しています。さらに、国が進める認知症初期集中支援チームにも取り組んでいます。このチームは認知症の人やその家族に対し、初期の支援を包括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行うもので、作業療法士、精神保健福祉士及び介護福祉士のいずれかと、看護師、専門医の四人で早期の診断と治療などの対応を目指しています。それと、SOSネットワーク事業の取り組みでは、行方不明になるおそれのある認知症高齢者等の捜索だけが目的ではなく、日ごろから見守る、助け合える意識が大切であるとされています。認知症になっても安心して暮らせる社会に向けて、各種の施策を強力に推進しています。何よりも認知症を社会全体で支える地域づくりが大切であります。  そこで、本県の認知症高齢者の人数と将来推計及び現在の認知症サポーターの人数と、苫小牧市の取り組みについての知事の御所見を伺います。  安倍総理は、認知症に関する会議で、一万人の追跡調査を国家戦略の柱の一つとして行うとし、調査対象は認知症を発症していない四十代以上の男女を想定し、生活習慣を聞き取るほかに、血液検査で血糖値の変化や遺伝子型を把握し、発症リスクとの関連を調べるとのこと、しかも久山町で一九八五年から実施している住民の健康に関する追跡調査がモデルになるとし、久山町の取り組みを参考にして、早期診断、治療に役立てるということです。  私は、久山町研究について、平成二十三年九月に代表質問をしました。知事は、久山町での研究継続に関して、九州大学はもとより、久山町民の皆様の絶大な御協力のたまものであり、多くの関係者の御尽力に心から敬意を表すると言われ、関係者の方々と意見交換をさせていただきたいと答弁をされました。再質問では、久山町のこれまでの基礎研究の成果、これがどのように評価されているのか、そして、その今までの成果がこれからの活用に向けてどういう課題があるのかと、その辺について、まず勉強させていただきたいと答弁をされました。国は動き出しました。県として久山町研究をどう評価し、具体的に生かしていくお考えなのかお答えください。  平成十六年九月の代表質問で、当時の麻生知事の久山町研究の幾つかの答弁の中で、次のような答弁がありました。それは、「特区をつくったらどうかということでございますが、特区をつくらなければいけない可能性はあり得ると思っております。研究開発を進めていく、あるいは創薬を進めていくという過程におきまして、外国とのいろんな協力あるいは実験のやり方等々を考えますと、特区という方法で規制緩和ということが必要になる場合もあり得ると思っています。そういうことも視野に入れて、今後検討を進めていきたい」と答弁をされましたが、小川知事はこの答弁についてどう思っておられるのか、御所見を伺いたいと思います。  この久山町研究、いわゆる久山スタディーに関しては、平成十六年、平成二十二年の予算特別委員会、そして平成二十三年、そして今回で四回目です。ほとんどの答弁は、勉強します、鋭意努力をしますという決意発表で終わっています。知事も含め私たちの世代も、すぐそこに認知症という関所が待っています。久山町研究五十四年の蓄積をいかに生かし、輝かせきるか、今岐路に立たされています。知事の英断、決断に期待し、この項の質問を終わります。  次に、国民健康保険の都道府県への移管について質問します。政府は、本年一月に国民健康保険の財政基盤を強化するため、財政運営の責任を市町村から都道府県に移管する医療保険制度の改革案をまとめました。しかし、この改革案は、将来的な安定財源のめどが示されておらず、抜本的な問題の解決につながる内容とはなっていません。国民健康保険は財政難が続いています。本来自営業者に向けての制度ですが、六十五歳から七十四歳の高齢者が加入者の三割を占め、平均所得が低いにもかかわらず、医療費の支出が大きく、また近年は失業者や非正規労働者が八割を占めており、加入者の保険料負担は大変に重くなっています。市町村の六割は、一般会計からの繰り入れで赤字を埋め、その総額は三千五百億円となっています。また同じ県内でも、市町村ごとの保険料格差が三倍近い差があるところもあり、市町村での運営は限界となっています。そこで政府は、二〇一八年度から、運営責任を市町村から都道府県に移管し、財源は国からの補助金と市町村の所得や医療水準に基づいた分担金を市町村が都道府県に納めるとしています。  まず、知事は国民健康保険の現状をどのように評価されていますか。本県の一般会計から法定外繰り入れを行った市町村数と、その総額と、保険料の県内市町村の較差の現状をお示しください。  二点目に、改革案では、都道府県が財政運営の責任を担うとしていますが、今後三千億円を超える財政赤字をどのように負担するのでしょうか。政府は、消費税の増収分と健康保険組合の保険料引き上げによって財源を確保し、赤字の穴埋めに充てるとしていますが、知事は、政府が示した医療保険制度の改革案をどのように評価されていますか。  三点目に、サラリーマンの保険と比べて高過ぎる保険料を下げてほしいとの県民の声をよく耳にします。滞納世帯も全体の二割を占め、重い保険料負担の軽減について本腰を入れて取り組まなければ、国民皆保険制度が維持できなくなるのではないかと危惧します。改革案では、国民健康保険は高齢者が多いため、医療費の支出が大きいという課題の解決策については示されていません。抜本的な構造を変えなければ、加入者の負担増の解消は図れないと考えますが、知事のお考えを伺います。  国保の都道府県移管については、今後、地域医療構想を含む医療計画の策定者となる都道府県が、国保の財政運営にも責任を持つ仕組みとなるため、県の財政の厳しさを理由に、医療サービスを抑制されることがあってはならないと考えますが、医療の確保について知事の所見をお聞かせください。  また、二〇二五年に団塊の世代が七十五歳を超える中、今後医療の質を低下させることなく、県民が安心して医療サービスを受けることができるようにするために、知事はどのように取り組まれるのか伺います。  この項の最後に、厳しい財政状況の中、医療を持続可能なものとするために、保健指導の果たす役割が一層大きくなります。今後ITによるデータ処理が進み、レセプトや健診データから治療の内容や疾病ごとの医療費が明確になることから、特定健診を受けていない人や、必要な治療を受けていない人に対する保健指導が可能となります。今回の改革においても、市町村が引き続き担うこととされていますが、県は今後、保健指導にどのように取り組まれるのか伺います。  次に、障害者の六十五歳問題について質問します。現行の我が国の障害者福祉制度では、原則として、障害者が六十五歳に達すると障害者の自立支援サービスより介護保険サービスが優先して適用されます。これにより、障害者として自己負担なしで生活支援等のサービスを受けられていた方が、要支援者に枠組みが変わることで、原則一割負担が生じ、今まで受けられていたサービスが減少したり、生活費が増加したりするケースが生じ、障害者の方から不満や不安の声を聞きます。ある車椅子生活の高齢者は、現在公営住宅に住んでいるのですが、あと数年後に六十五歳になると、介護負担一割を捻出するために、今の公営住宅の家賃を払えなくなる。引っ越ししないといけない。けれども、高齢の身で、しかも車椅子で違う場所に移り住むのは非常に難しく、戸惑いを覚えると嘆いていました。  国の平成二十六年版障害者白書には、在宅の身体障害者の数は、平成二十三年の時点で、全国で三百八十六万四千人いますが、年齢階層別の内訳を見ると、十八歳未満が七万三千人、一・九%、十八歳以上六十五歳未満が百十一万一千人、二八・八%、六十五歳以上が二百六十五万五千人、六八・七%となっており、総人口に占める六十五歳以上人口の割合、二三・三%に比べ、身体障害者ではその約三倍も高齢化が進んでいる状況にあることが紹介されています。  このことから、障害福祉の支援が制約されてしまう高齢者は、一般の高齢者よりも増加傾向にあると考えられます。国は、介護保険優先の原則はあくまで原則であり、市町村に独自の対応を求めているようですが、市町村によって、国の方針に対する解釈や対応状況に差異があり、同じ障害の状況であっても、住んでいる市町村によって格差が生じていないか危惧されます。本県には、身体障害者手帳を交付されている方が約二十三万人います。また、身体障害、知的障害、精神障害を合わせた障害福祉サービス利用者数は三万八千人に上ることから、この障害者の六十五歳問題の本県における影響は非常に大きいと思われます。  以上を踏まえて、知事に三点質問します。まず一点目、知事は、この障害者の六十五歳問題について、どのように認識しているのか伺います。  二点目、本県におけるこの問題に対する市町村の対応はどのようになっているのか、地域間格差が生じていないか伺います。  三点目、県としてこの問題に対し、どのように取り組んでいくのか伺います。  次に、バイオバレープロジェクトの推進について伺います。福岡県では、これまで自動車産業を初めとして、半導体、バイオテクノロジー、ロボット、Ruby、コンテンツ、環境、エネルギーなど先端成長産業の育成、集積、拠点化に力を注いでまいりました。その中で、バイオテクノロジーについては、久留米地域を拠点として、最先端のバイオ関連産業や研究機関の一大集積の形成を目指す福岡バイオバレープロジェクトに取り組んでいます。バイオ関連産業については、これからの日本経済を牽引する成長産業の柱となり得る産業分野であり、新興国の経済成長や世界的な高齢化の進行などを背景に、医薬、食品を初めとするバイオ関連産業の需要は、今後ますます拡大することが見込まれています。また、国の成長戦略でも、この分野が重要な柱の一つとして掲げられており、バイオを核とした革新的な医薬品開発や機能性食品の開発等は、国民の健康、幸福に大きく貢献するものであると考えます。福岡バイオバレープロジェクトの開始から十年余りが経過し、がんペプチドワクチンの研究やがんワクチンセンターの開所、核酸医薬の創薬系ベンチャーの成長など着実な進展が見られます。今後、久留米市を中心とした県南地域にバイオ関連産業の育成、集積、拠点化が進めば、新たな雇用の場を生み出すとともに、地域企業にとっても波及効果をもたらすことになり、地域経済の発展につながっていくものと期待しているところです。そこで、以下のことについて、県の考えやこれまでの取り組み評価、今後の展開、支援等についてお伺いします。  初めに、福岡バイオバレープロジェクトの評価についてであります。県としては、これまでの十年余りのプロジェクトの進展をどう評価しているのか、また当初に設定した数値目標等があれば、その達成状況についてお伺いします。  次に、地域経済への波及に向けた取り組みについてであります。一点目に、がんペプチドワクチン開発や核酸医薬の創薬系ベンチャーの成長など、特に次世代医薬品の開発で成果が見られますが、このような開発に向けた取り組みを通じて、どのように地域経済の活性化を図っていこうとしているのか、具体的にお伺いをします。  二点目に、久留米地域には、がんワクチンセンターを初め高度な医療機関が集積する恵まれた環境を有しています。さらに、近隣の鳥栖市には最先端のがん治療の施設、九州国際重粒子線がん治療センター(サガハイマット)が一昨年オープンしました。これらの地域資源を生かし、国際的な研究、開発、治療の高度先進拠点を目指すべきではないでしょうか。実現すれば、がん治療や研究のため、国内や国外から多くの人が訪れることになり、地域経済全体の発展につながっていくと考えます。今後の取り組みについてお伺いします。  三点目に、食品分野についても重要であり、医薬と比較してスピーディーに成果が出やすい分野です。また、地域には多くの食品加工事業所があるため、食品分野での成果は地域経済の活性化につながりやすいと考えます。プロジェクトにおいても、試験研究機関である生物食品研究所を生かして取り組みを強化していくとのことでありますが、食品分野に関して今後どういった支援を行っていくのか、今後の展望を含めてお伺いします。  最後に、さらなる発展に向けた取り組みについてであります。一点目に、バイオクラスター形成をさらに加速させるためには、現在、この分野で事業を展開している事業者の支援強化はもとより、新しく業を起こす起業やベンチャー企業を多く出していくことが重要であると考えますが、どのような取り組みを考えているのかお伺いをいたします。  二点目に、バイオ関連産業の集積に関しては、神戸や大阪を初め多くの地域が成長戦略としてバイオクラスター構想を打ち出しています。それぞれに独自の特徴を打ち出してはいますが、この分野は競合が多く、今後海外を含め地域間で競合が生まれれば、弱いところは淘汰されることが考えられます。そこで、地域のポテンシャルを生かした独自の取り組みが必要と考えます。また、国内にとどまらず国際展開に向けた取り組みも重要です。今後、県では国際展開も含め、県独自の取り組みをどのように進めていこうと考えているのかお伺いをいたします。  以上、知事のお考えをお聞かせください。  次に、農林水産業について質問します。  まず、食の安全、安心について伺います。昨年末、国民生活センターが消費者相談件数の多かった内容や、注目を集めた出来事をもとにまとめた二〇一四年の十大項目では、食の安全に対する不安が大きく取り上げられているところです。平成二十一年には消費者庁が設置され、平成二十五年六月、複数の法令に分かれていた食品表示が一元化され、食品表示法が制定されました。しかし、一昨年末、冷凍食品会社で起きた冷凍食品への農薬混入事件、また昨年七月にはファストフード店やコンビニエンスストアが輸入している中国の食品加工会社が期限切れの鳥肉を使っていることが発覚し、昨年末には即席麺にゴキブリが混入した事件、また県内では、昨年中国産の農産物加工品を国産と表示して販売するという産地偽装事件、さらに相次いで発覚したホテルや有名料理店の虚偽表示が繰り返されたものでした。このような事件が多発したことから消費者は大きく不安に感じ、食の安全に関する国民生活センターへの相談は、ここ五年で最多となっています。食の問題は、消費者の生命にかかわる重要な問題であるということは言うまでもありません。このことは、農家の方が丹精込めて生産した農産物の売れ行き不振など、さまざまな問題を生じることが危惧されるところであります。今後安心して営農を続けるためにも、今後どのように食の安全、安心を確保し、本県農産物の信頼向上を図っていくのか、知事の考えをお伺いします。  一方、農産物の生産現場においても、依然として農業現場で使用される農薬への不安感を持つ消費者も多いのも現実でございます。昨年、一昨年と、本県においてはウンカの大発生や、夏の長雨による日照不足による病害虫の発生があり、品質のよい農産物を消費者に届けるため、例年より多くの農薬の使用を余儀なくされたと農家の方から聞いています。このような中、化学農薬に置きかわる天敵製剤の導入が行われています。これは、総合的病害虫管理(IPM)と言われています。その内容は、病害虫の発生予察情報に基づき、耕種的防除、生物的防除、化学的防除、物理的防除を組み合わせた防除を実施することにより、農薬の使用量を減らす管理方法です。欧州では広く広がり、安全な農産物には欠かせないと言われております。県においても、化学合成農薬の散布回数と化学肥料の使用量を、ともに県基準の半分以下で生産する栽培計画を認証する、ふくおかエコ農産物認証制度を実施しています。この制度に基づき生産された農産物には、認証マークが張られています。この制度が広く県民に認知され、安全な農産物が消費者に届けられることを大きく期待しているところです。  このように農薬の使用量を減らすことは重要であることから、特に病虫害の防除に使用される天敵農薬は大きく期待されています。今後、天敵農薬の利用を含め、総合的防除、いわゆるIPMをどのように進めていくのか、知事の考えを伺います。  次に、鳥インフルエンザ対策について伺います。鶏の家畜伝染病である鳥インフルエンザは、昨年四月に熊本県で発生して以来、今冬の十二月になると宮崎県、山口県、そして先月には岡山県に続き隣の佐賀県でも本病が確認されました。隣国の韓国では、昨年以降、本病の大流行により韓国全土で約一千五百万羽の鶏やアヒルが殺処分されたと聞いています。このように福岡県の周りでは、東西南北いずれにおいても発生が見られ、いわば囲まれた状況で、福岡県での発生がないのは、養鶏農家はもちろん関係当局や県獣医師会などの関係機関における家畜衛生に対する意識の高さ、一体となった防疫体制の強化のたまものであり、関係者の御努力に敬意を表するものであります。しかしながら、鳥インフルエンザは、養鶏業に大きな損害を与えるだけでなく、蔓延が拡大すると鳥肉、鶏卵の安定供給を脅かすなど、社会に大きな影響を及ぼします。また、過去の鳥インフルエンザの国内での月別発生では一月から三月に集中していて、関係者には今後も緊張感が続く日々と思われます。  そこで知事にお伺いします。鳥インフルエンザの発生予防や蔓延防止に対し、どのような対策をとっているのか、特に、今冬、周辺県での続発に対してどのように対応されたのかお伺いをします。  次に、武道教育及び文化交流について、相撲を通じて質問をさせていただきます。最近では、東京両国国技館に足を運ぶ女性ファンがふえているそうです。それも二十代、三十代の若い女性が多いようです。大相撲すなわち格闘技と捉える傾向が強い男性に比べ、彼女たちには歌舞伎などと同じ日本の伝統文化として映っているようです。両国国技館の雰囲気に魅せられたとの声もあります。これまで敷居が高いと思われがちだった大相撲が、若い女性たちにも親しみやすくなった点は評価できると思います。  いつのころからかわからないけれども、子供たちの遊びの中から相撲が見られなくなったように思います。日本がまだ高度経済成長期以前には、相撲は遊びの中に当たり前のようにありました。翻って、現代社会と相撲のかかわり合いはどうなのかを考えますと、互いの力と力、わざとわざ、そして何よりも体と体をぶつけ合うという意味では、今も昔もコミュニケーションづくりに一役買う存在であることに間違いないと思います。このように、我々日本人の心の片隅に、いつまでもその存在感を失わないでいる相撲ですが、競技人口となると伸び悩んでいるのが実情であります。  そこで質問しますが、相撲競技の底辺の拡大に対する認識について教育長の考えをお聞かせください。  そして、今現在の土俵の設置状況と今後の取り組みについて、また指導者についての今後の取り組みとあわせてお答えください。  九州と相撲の縁は深く、特に福岡県は東京、大阪、名古屋とともに大相撲の本場所開催地であります。昭和三十二年に、当時の関係者の方々の御尽力で本場所開催が実現した経緯がありました。前にも申し上げましたが、相撲ファンの中で力士へ格別な援助を惜しまない後援者のことをタニマチと言っています。これは明治末期に大阪の谷町にいた相撲好きの外科医が、力士の治療代を無料にしていたことに由来します。その外科医とは、一八六六年福岡県糟屋郡席内村、現在の古賀市筵内に生まれる、名は薄恕一。彼は箱崎中学校卒業後、医師を志して大阪で苦学、一八八九年に大阪市中央区谷町に薄病院を開業。大変な相撲好きで、力士を無料で治療したり、小遣いを与えたりしたことが自然と知られるようになって、病院の所在地の谷町が後援者の意味に転化したと言われています。  また、横綱の土俵入りの型には雲龍型と不知火型がありますが、雲龍型は今の柳川市出身の第十代横綱雲龍久吉にちなむものとされており、また、不知火型は第八代横綱不知火諾右衛門が創始したものと言われていますが、同じ不知火を名乗ったのが嘉麻市出身の不知火光五郎であります。第四代横綱谷風梶之助の再来とうたわれた久留米市出身の横綱小野川才助や、朝倉郡杷木町出身で勝率九割五分で歴代横綱の中で最高の成績を残した第十五代横綱梅ヶ谷藤太郎でございます。  先月、東京開催の初場所では、十八年ぶりに十五日間全てを通して、定員が八割以上埋まる満員御礼を記録し、第六十九代横綱白鵬翔が全勝優勝をしました。横綱白鵬はあの大鵬の記録、優勝三十二回を更新し、歴代一位となりました。これで日本人の優勝は栃東以来九年間ありません。そして最後の日本人横綱は若乃花以来十五年の空白があり、ちなみに九州出身の横綱は長崎県出身の佐田の山以来五十年です。もし福岡県から横綱が出れば、梅ヶ谷以来百三十一年ぶりになります。実現すれば九州場所は連日満員御礼、そして新幹線も高速道もありますので、経済効果は大変なものになります。  そこで、知事、教育長におかれましては、相撲を通じて青少年の心身を鍛錬、そして本県から横綱を出すということについて、どのような決意、お考えをお持ちかお尋ねをいたします。  今では広く海外にも普及し、国際スポーツの一つとして愛好されており、国際相撲連盟加盟国も八十六カ国を超えるまでになり、世界相撲選手権大会も開催され、昨年八月には台湾の高雄市で開催され、次回は大阪府堺市で開催されると伺っています。ぜひ福岡でも開催し、交流を深めていけばと思いますが、知事の御所見を伺います。  この項の最後になりますが、九州場所では福岡県民のみならず、九州各県、全国より多数の観客がお見えになる機会であります。御来場の皆さんへ本県農産物を初め本県のすばらしさをアピールするには絶好の本場所であると思います。いろいろと考えて取り組んでいるとは思いますが、さらに一歩踏み込んでの知事の考えをお聞かせください。  最後に、特別支援教育について伺います。近年、特別支援学級や通級指導教室を希望する児童生徒は著しく増加の傾向にあります。そこで何点か質問をいたします。障害者の権利に関する条約第二十四条によれば、障害のある者が教育制度一般から排除されないこと、生活する地域において初等、中等教育の機会が与えられること、個人に必要な合理的配慮が提供される等が必要とされています。  そこで、このことを踏まえ、まず特別支援学級について教育長にお聞きします。知的障害及び自閉、情緒障害の特別支援学級の設置について、県内市町村からの新設等の要望に対する充足状況についてお示しいただき、この際、特別支援学級の編制基準について改めてお聞きします。そして今後の方針について考えをお聞かせください。  次に、通級指導教室についてお聞きします。通級指導教室に通う児童生徒が増加する一方で、教室の不足が指摘されています。例えば、北九州市の場合、障害種別全般が同区内で充足されておらず、障害種別によっては区外へ越境した他校通級が実施されています。その際、通級希望者には、一、保護者の送迎が可能であること、二、自立した活動ができるか否か、三、通常学級からの抜け出しに対する理解といった三条件が課せられており、希望者全員が通級できていない現状があります。福岡市に至っては、状況はより深刻であるとも聞き及んでいます。拡充の必要があるのではないでしょうか。完全自校通級がベストではありますが、せめて同区内、同地域内の通級指導教室が設置されるべきではないでしょうか。他校通級、巡回指導などの指導や設置のあり方を検討する必要があると考えます。現状及び今後の方針について教育長に答弁を求めます。  済みません、一つ漏れていました。  地域包括ケアシステムについて伺います。団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年には、医療と介護の需要が急増すると見込まれています。地域包括ケアは、保険者である市町村や県が地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じてつくり上げていくことは言うまでもありません。超高齢化社会を目前に控えて、介護保険制度を持続可能なものとするためにも、介護給付に加え、新たな地域の支え合いの仕組みをつくってこそ、地域創造型の福祉を具体化する第一歩だと思います。  そこで質問します。まずは、必要な財源の確保です。県においては、昨年十二月に消費税の増収分を財源とした地域医療介護総合確保基金を設置し、今年度から医療分野の事業が開始され、来年度には介護分野も加わることになっております。この基金について、財源をどう確保するのか、また今後どのように活用するのかお聞かせください。
     二点目は、介護人材の確保、定着です。二〇二五年には、全国でさらに百万人の介護職員が必要となると言われており、介護人材の確保、定着は本県でも重要な課題であると考えます。そこで、処遇改善も含め、本県の介護人材の確保、定着の取り組みについてお聞かせください。  三点目は、サービスの確保です。地域包括ケアシステムを支える中核的なサービスと位置づけられている定期巡回・随時対応型訪問介護看護、いわゆる定期巡回・随時対応サービスは、地域密着型サービスであり、保険者である市町村が指定することとなりますが、その普及について、本県はどのようにかかわり、どう支援していくのか伺います。  四点目は、住みなれた地域で日常生活の支援や介護予防等が必要な高齢者と地域の資源をつなげる生活支援コーディネーターを、市町村別に早急に配置すべきと思いますが、知事の見解をお聞かせください。  五点目は、この制度は、高齢者だけの仕組みではないと思います。障害者や子育て世代など、地域で支援が必要な人に総合的にサポートしていく支え合いと共生の社会の仕組みにすべきと考えます。新たな弱者に優しい地域づくりに対する知事の力強い決意をお聞かせください。  この項の終わりに当たり、教育長に伺います。中長期的に福祉サービスに対して、今後の人材を育成する観点として、教育現場において高齢者と交流を深めたり、社会的弱者を思いやる心を育む体験学習などを織り込んで、小学生、中学生、そして高校生に福祉教育の授業を本格的に取り入れてはいかがでしょうか、お答えください。  最後になりますが、この代表質問の項目はどれも重要な項目でありますので、知事、教育長におかれましては、一歩前進するような答弁を求めます。  また、本年四月、統一地方選挙がありますが、知事を初め県議会議員の皆様方の健闘を心より祈念を申し上げまして、私として最後の代表質問を終わらせていただきます。四期十六年間ありがとうございました。(拍手) 6 ◯議長(加地 邦雄君) 小川知事。 *知事答弁 7 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、今回の邦人殺害テロ事件についての感想でございます。今回の非道、卑劣きわまりないテロ行為に対しまして、私自身強い怒りを覚えているところであります。改めて、テロの脅威から県民の皆様の生命、身体、これを守っていかなければならないと、このように強く思った次第であります。  次に、イスラム圏の方やイスラム教徒への暴力や嫌がらせ等についての対応でございます。県の国際交流センターの外国人相談窓口、また市町村の相談窓口におきましては、現時点ではそのような相談に接しておりません。言語、宗教、文化、習慣などの違いから、外国人に対して暴力や嫌がらせをしたりすることは、決して許すことのできないことだと考えておりますが、現時点ではそういったケースに接していないところであります。  本県では、外国人への偏見や差別が起こらないようにするために、外国人の人権をテーマといたしまして、県民講座、ラジオ番組等を通じて県民の皆様の人権啓発に取り組んでいるところであります。また、福岡法務局と連携をいたしまして、アクロス福岡のこくさいひろば、ここに相談窓口を開設をし、外国人の人権擁護を図ってきているところであります。今後とも、このような取り組みを通じまして、外国人への偏見や差別の解消に努めてまいります。  次に、福岡県汚水処理構想についてお尋ねがございました。本構想は生活環境の改善と公共用水域の水質保全を図るために下水道、農業集落排水施設、浄化槽などの汚水処理施設を計画的、効率的に整備することを目的といたしまして、県全域における汚水処理施設整備の将来像をまとめたものでございます。本県では、平成六年度に策定をして以来、市町村合併あるいは人口減少といった社会情勢の変化を反映いたしまして見直しを適宜行ってきているところであります。現在の構想は平成二十一年三月に見直しを行いまして、二十七年度末における汚水処理人口普及率の中期目標値といたしまして九〇%を設置いたしております。二十五年度末では八九・八%の普及率となっているところでございます。  国が示した新しいマニュアルの概要についてお尋ねがございました。このマニュアルは、汚水処理を所管する関係三省、農水省、国交省、環境省、この三省において地方公共団体が各種汚水処理施設のより効率的な整備と適正な管理運営を計画的に実施していくことを目的として策定されたものでございます。このマニュアルにおきましては、将来の人口や汚水量の推計方法が示されております。その推計値をもとに、未整備地域につきましては、今後十年程度で汚水処理施設の整備をおおむね完了させることを目標といたしまして、整備を着実に実施するための各種汚水処理施設の経済比較方法が、また既整備地域につきましても、適正な管理運営のための施設の効率的な改築、更新、各種汚水処理施設間の連携などの手法が示されているところでございます。  福岡県の汚水処理構想の見直し体制についてでございます。汚水処理構想の見直しに当たりましては、県と市町村が協力をし、地域の特性、各種汚水処理施設の経済性、効率性などを総合的に勘案をいたしまして、その地域で最適な整備手法を選定していく必要がございます。このため、各種汚水処理施設を所管する関係各課で構成される福岡県汚水処理構想策定委員会を設置いたしまして、市町村との調整を図りながら、汚水処理構想の見直しに取り組んでまいります。  浄化槽事業の普及、拡大についてでございます。浄化槽は、議員も御指摘されましたけれども、住居が散在し、下水道や農業集落排水施設といった集合処理が非効率な地域に最も適した汚水処理施設でございます。また、設置の際に地形の影響を受けにくいこと、短期間で設置されること、河川の流量維持に役立つことなど、そういった特徴を持っている施設でございます。このような浄化槽の整備につきましては、これまで汚水処理構想に基づき、目標を達成する上で必要な予算を計画的に措置し、市町村を通じて設置者に補助を行うことにより、これを着実に進めてまいりました。現在、市町村の意向や将来の人口の動向を十分踏まえて、新たな汚水処理構想の検討を行っているところでございますけれども、県といたしましては、今後十年程度で汚水処理施設の整備をおおむね完了させるため、浄化槽の特性を生かして、その整備をしっかり進めてまいりたいと、このように考えております。  次に、県の人口ビジョン、総合戦略についての考え方、リーダーシップについてお尋ねがございました。人口減少に歯どめをかけ、活力ある社会を維持していくことは、国、地方、総力を挙げて取り組むべき重要な課題でございます。少子化につきましては、出会い、結婚、出産、子育て、仕事といった、人それぞれのライフステージに合わせたきめ細かな施策を講じ、それを切れ目なく総合的に展開しているところでございます。また、社会増減、特に若者の定住を維持、拡大をしていくためには、何よりもそれぞれの地域に魅力ある雇用の場をつくっていくことが重要であります。このため、各地域が持っております特性、またその地域資源を生かして、製造業の競争力の強化、企業の誘致、創業の支援、観光の振興、農林水産業の経営力の強化など産業の振興を図ってきているところでございます。私を本部長とする福岡県人口減少対策本部におきまして、人口ビジョンと総合戦略を策定し、先ほど申し上げました取り組みを基本としながら、本県ならではの実効性のある施策を立案し、全庁挙げて取り組んでいくことといたしております。その際、人口減少対策において大きな役割を果たすのは市町村でございます。この問題についての市町村の状況や課題を把握しまして、しっかり連携を図りながら、地方創生に向け全力で取り組んでまいります。  奨学金について御提案がございました。今後、総合戦略の策定作業を進める中で、UIJターンの促進のために、どういった施策の組み合わせが効果的であるか、そういった観点から総合的に検討していきたいと考えております。  次に、本県の認知症及び認知症サポーターの現状についてでございます。福岡県の認知症高齢者数を厚生労働省の研究班による認知症有病率をもとに算定をいたしますと、平成二十六年で約十八万人、平成三十七年には約三十万人に増加することが見込まれております。また、県内の認知症サポーターは、昨年十二月末現在で約二十万人となっております。  次に、苫小牧市の認知症の取り組みについてでございますけれども、認知症の方を地域で支えるために、早期診断、早期対応から居場所の提供、徘回SOSネットワークなど総合的に取り組んでおられることが特徴である、参考になる例であると、このように考えております。本県の市町村におきましても、それぞれの取り組みが進んでいるところではありますけれども、認知症初期集中支援チームの設置やSOSネットワークの構築について、まだ十分とは言えない状況にございます。県といたしましては、市町村におけるこうした認知症の取り組みがより一層進みますよう、研修会などを通じ助言、指導を続けてまいります。その際、先ほど申し上げました苫小牧の事例も紹介させていただくことといたしております。  次に、久山町の研究の評価と活用についてお尋ねがございました。久山町研究は、久山町民の協力のもと、九州大学が半世紀にわたり実施をしている精度の高い疫学研究でございます。この久山町研究におきまして、糖尿病や高血圧、それから喫煙が認知症の発症リスクを高めること、運動や野菜摂取等生活習慣がその発症のリスクを減らすことが、最近明らかにされたところであります。この研究成果は、認知症の予防対策を進める上でも貴重なものだと思っております。このため県では、認知症の発症予防に関する講演会などにおきまして、この久山町の成果を周知するとともに、この研究成果を踏まえまして禁煙や運動、栄養改善などの保健指導を進めているところでございます。  平成十六年九月議会代表質問の麻生知事の答弁についてお尋ねがございました。十六年度の答弁は、治療薬などの開発を進める上での特区の活用や規制緩和に関して言及されたものであると、私自身認識をいたしております。当時の医薬品開発の状況でございますけれども、欧米に比較して治験、そして審査に要する期間が非常に長いということが課題になっておりました。その後、国の指針が出されまして、海外の治験データの活用が進むようになりました。また、国の審査体制が強化されたことによりまして、現在、欧米との期間の差は、平成十六年度当時二・五年ありましたが、二十四年度では〇・三年と大幅に短縮をしてきております。また、昨年十一月でございますけれども、薬事法が改正をされました。再生医療等製品につきましては、一定の効果、安全性が確認されれば、条件つきで早期に承認が得られる新たな制度も導入されたところでございます。このように医療分野の開発に関する諸制度が大きく改善されてきたものと、このように認識をいたしております。  次に、国民健康保険の現状に対する評価についてでございます。市町村国保におきましては、高齢者の割合が高く、それによって医療費水準も高くなる一方で、無職者の割合が高く、所得水準が低いために、保険料収入が得にくい、そういった構造的な問題を抱えております。厳しい財政運営を余儀なくされているところであると、このように考えております。平成二十五年度におきましては、県内六十市町村のうち四十五の市町村が、総額約百四十八億円の一般会計からの法定外繰り入れを行っております。また、県内市町村の保険料較差について、仮に三十歳代、夫婦二人子供二人の四人世帯の保険料額を算定をいたしますと、一番高いところで二十七万六千八百円、一番低いところで十七万八千九百円と、その較差は一・五五倍となっております。  国民健康保険の県への移管にかかわる改革案についてでございます。これまで知事会は、都道府県への移管の前提条件といたしまして、財政上の構造問題の解決に向けた抜本的な財政基盤強化策、そして今後増嵩する医療費に対し、将来にわたり安定的な運営が行われるよう制度的な措置を講ずること、これらを求めてきたところであります。今般、国との協議の結果、平成二十七年度から段階的に公費を追加投入いたしまして、二十九年度以降毎年約三千四百億円の財政支援の拡充を行うことになりました。また、移管後も不断の検証を行い、その結果に基づき必要な措置を講ずることが法律に明記される見通しとなりました。したがいまして、今回の改革案につきましては、全国知事会の要請が一定程度受け入れられたものと考えているところであります。  国民健康保険の加入者負担の軽減についてお尋ねがございました。今回の改革に伴う公費投入によりまして、国保が抱える財政赤字はおおむね解決されますが、構造問題については依然として残されたままであると考えております。このため、将来にわたる安定した制度運営の確保に向けまして、市町村国保だけではなく、被用者保険も含めた全ての医療保険制度の全国レベルでの一元化についても引き続き国に働きかけを行っていく考えでございます。  国民健康保険の都道府県移管後の医療の確保についてでございます。県では、県民の健康の確保のため、県民の健康づくりを推進するとともに、効率的で質の高い医療提供体制の確保に努めてきております。国保の都道府県移管後も、引き続き医療提供体制を確保し、県民の皆様が安心して医療を受けられるよう医療サービスの維持向上に努めてまいります。  二〇二五年を見据えた医療提供体制の確保についてでございます。団塊の世代が後期高齢者となります二〇二五年を見据え、高齢化の進展に伴う疾病構造の変化に対応した医療提供体制を構築していくことが必要となります。このため、県では、県民の皆様が安心して質の高い必要な医療サービスが受けることができるよう、二〇二五年に目指すべき医療提供体制の姿、その実現に必要となる施策などを示した地域医療構想、これを市町村や医療関係者の協力を得ながら策定することといたしております。この構想に基づきまして、在宅医療の推進、医療機関の役割分担と連携の推進、医療従事者の確保、養成に取り組んでまいります。  今後の保健指導の取り組みについてお尋ねがございました。医療保険制度を安定的に運営をしていくためには、保険によって賄う医療費の伸びの適正化を図っていく必要がございます。このため保険者による健康づくり、疾病の予防への取り組みが求められておりまして、中でも加入者の生活習慣の改善や重症化予防を目的とした保健指導というものが重要でございます。保健指導は、引き続き市町村が担うこととされておりまして、今後財政運営を担うこととなります県といたしましては、健診結果やレセプトといったデータを活用した、よりきめ細かな保健指導が行われるよう、市町村の取り組みを支援してまいります。  次に、六十五歳以上の障害者に対する障害福祉サービスと介護保険サービスの適用にかかわる問題についてでございます。この適用につきましては、障害者総合支援法の規定によりまして、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合には、基本的に介護保険サービスが優先されることとなっております。一方、国の通知によりまして、サービス支給の決定に当たりましては、介護保険サービスを一律に優先させるのではなく、利用者の意向を把握した上で、必要とされる支援内容を市町村が適切に判断し、決定することとされているところでございます。こうしたことから、介護保険に障害福祉サービスに相当するサービスがない場合、また介護保険サービスのみでは適当と認める支給量が確保できない場合には、障害福祉サービスにより必要な対応がなされているものと考えております。また、障害福祉サービスから介護保険サービスへ移行することに伴い、新たに自己負担が発生するケースがあることにつきましては、制度上の課題であると、このように認識をしております。  市町村の対応についてでございます。県では、今年度、障害福祉サービスと介護保険サービスとの併給に関する利用状況を把握するためのサンプル調査、これを実施いたしました。この調査結果によりますと、六十五歳以上の利用者のうち二五%の方が障害福祉サービスに加え、介護保険サービスもあわせて利用されているところであります。また、そのうちの六三%は、介護保険サービスのみでは適当と認める支給量が不足する分について、障害福祉サービスにより上乗せ利用されていることがわかりました。なお、県では障害福祉サービスの支給が適正に行われているか、それを確認するために、市町村に対し定期的に実地指導を行っているところでございます。  今後の県の取り組みでございますけれども、県では、これまでも障害者の方に対するサービス提供が適切に行われるよう、毎年制度の趣旨、内容につきまして、市町村を集めた会議等で説明をしてまいりました。また、市町村が行う障害福祉サービス支給の決定事務につきまして、実地指導を二年に一度の頻度で実施してきているところであります。今後とも、このような取り組みを通じまして、制度の適切な運用が図られるよう市町村を指導してまいります。また、国に対しまして、障害福祉サービスから介護保険サービスに移行する場合に、急激な利用者負担増とならないよう、所要の措置を講ずるよう要望してまいってきておりますけれども、引き続き国に対し要望を続けてまいります。  次に、福岡バイオバレープロジェクトの評価についてお尋ねがございました。福岡県では、福岡バイオバレープロジェクトを推進するため、平成十三年度に産学官によりまして、福岡県バイオ産業拠点推進会議を設立いたしまして、研究開発、人材育成、ベンチャー育成等を総合的に取り組んでまいりました。推進会議の会員数でございますけれども、当初七十二会員でございましたが、現在四百八十三会員と、大きく拡大してきております。同プロジェクトにおきましては、バイオ関連企業の創出数と製品開発件数を目標に掲げておりまして、企業の創出数につきましては、平成二十五年度末の目標二百社に対しまして、既に二百三社を創出したところでございます。製品開発件数につきましては、平成二十八年度末に六十五件を目標とし、現在県産オリジナル酵母を使った吟醸酒、天然植物素材の消臭剤、エビ養殖用の飼料添加剤など五十九件の製品化を実現しておりまして、全体としてプロジェクトは着実に進捗をしているものと考えております。  次に、次世代医薬品開発を通じた地域経済の活性化でございます。久留米大学のがんペプチドワクチンは、臨床試験が順調に進んでおりまして、四年後の薬事承認が期待されております。また、核酸医薬につきましては、県内創薬ベンチャーが大手医薬品原料メーカーと業務提携を結ぶなど研究開発が加速してきております。地域の産学官で最先端の医薬品開発を進める中で、診断薬、検査装置、細胞培養装置などの開発も見られ、医薬品以外の周辺部門への広がりも出てきております。また、これまでの取り組みによりまして、開発ノウハウが蓄積され、高度なバイオ技術を有する人材の育成も進んできております。こうした立地環境を踏まえまして、研究所の開設や工場の増設を行った企業、県内に新たに立地した企業も出てきているところであります。今後とも、これらの取り組みを強化をいたしまして、関連産業の集積を図り、雇用を創出することによりまして、地域経済の活性化を図ってまいります。  がん治療の高度先端拠点に向けた取り組みについてでございます。久留米大学におきましては、平成二十五年七月、がんワクチンセンターを開設されまして、これまで延べ二万七千人を超える患者に対しまして、ペプチドワクチンによる治療が行われているところであります。また、平成二十五年五月に開設をされましたサガハイマットにおきましては、身体への負担が少なく、短期間で治療可能な重粒子線治療が行われているところでございます。久留米大学を初めとする地域の医療機関と患者の受け入れ等に関する連携協定を、サガハイマットは結んでおりまして、これまで延べ六百人の治療実績がございます。私どものペプチドワクチンにつきましても、体への負担が少なく、外科手術、抗がん剤、放射線に次ぐ第四のがんの治療法として期待されているところであります。今後、ペプチドワクチンの薬事承認が得られれば、第三の治療法でございますサガハイマットの重粒子線治療との併用療法など、多様ながん治療の提供が可能となります。患者の治療の選択肢が広がりますことから、国内外から、さらに多くの患者の方が治療に訪れられることが期待できます。県では、これらの先進施設を核にいたしまして、がん治療分野における久留米・鳥栖地域の高度先端拠点を目指してまいります。  食品分野に関する今後の支援と展望についてでございます。本県の食料品、飲料等の製造業は、県内製造業におきまして最も多い四万七千人の雇用を支えております。自動車などの輸送機械器具製造業に次ぐ一兆六千億円の出荷額を有しているところであります。近年、食品分野におきましては、健康、安全、安心への志向の高まりから、機能性食品、高齢者向け食品の需要が拡大するなど、消費者ニーズに大きな変化が見られます。このため、食品企業はこれらの変化をする多様なニーズに合った付加価値の高い商品を迅速に開発、提供していくことが求められております。このような状況を踏まえまして、県内企業の新商品開発を支援するため、その支援を強化するために、開発に必要な加工や分析機器を整備いたしました、ふくおか食品開発支援センターを、昨年十一月ですが、県生物食品研究所内に開設をしたところでございます。今後は、このセンターを核にいたしまして、これまで培ってきた研究所の技術力、研究成果も十分活用しながら、機能性食品などの高付加価値の食品の開発を支援してまいります。また、センターには食品開発プロモーターを配置をいたしまして、販路を見据えた商品の企画から製品までのアドバイスを行いますとともに、中小企業振興センター、福岡アジアビジネスセンターとの連携による販路開拓支援等を通じまして、国内はもとより海外へも商品を売り込むことができる企業を育ててまいります。  バイオ分野における創業支援の取り組みについてでございます。福岡バイオバレープロジェクトにおきましては、これまで大学における研究成果をもとにしたベンチャーの起業や異分野からの参入を促進するため、大学と企業のマッチング、製品開発に対する助成、国の大型研究資金の獲得の支援、さらにはフクオカベンチャーマーケットによる販路開拓支援等に取り組んでまいりました。さらに、研究機能を備えた福岡バイオインキュベーションセンターや、試作や小規模な製造まで行うことができる福岡バイオファクトリーを整備し、バイオベンチャーの育成に努めてきたところでございます。今後は、バイオ分野における創業をさらに促進するため、昨年七月設立のふくおか医療福祉関連機器開発・実証ネットワークを活用することによりまして、病院、福祉施設のニーズに基づいた機器の開発、食品や製薬等の大企業とのマッチング、そういった取り組みを強化をしてまいります。  次に、バイオ分野における県独自の取り組みについてお尋ねがございました。福岡県には最先端のバイオ研究ポテンシャルを有する四つの大学の医学部、理系大学、高度な医療機関の集積、酒、しょうゆなど全国屈指の醸造発酵企業など、バイオ産業を振興していく上での大きな強みを有しております。これらを生かして、がんペプチドワクチンや核酸医薬などの創薬に加えまして、幅広い分野に取り組むことによって、福岡オリジナルの吟醸酒、天然植物素材の消臭剤、エビ養殖用の飼料添加剤を初めとするさまざまな成果を生み出してまいりました。今後は、超高齢社会の到来、人口減少に伴う国内需要の縮小といった社会環境の大きな変化を踏まえまして、健康志向の高まりなど消費者のニーズに基づいた機能性食品の開発、需要拡大が見込まれる医療、福祉機器の開発、さらにはアジアを初め海外への輸出を視野に入れた食品等の開発に対する支援の強化に取り組みまして、本県ならではのバイオ産業の振興を図ってまいります。  次に、食の安全、安心確保による県農産物の信頼向上についてでございます。食の問題は、県民の生命にかかわる重要な問題であると認識しております。本県農産物に対する県民の皆様の信頼を高めていくためには、安全で安心な農産物を生産することはもとより、食品の製造、販売段階におきましても、安全、安心を確保していくことが重要であります。このため、生産段階におきましては、農薬の適正使用の徹底を図るとともに、生産から出荷までの工程管理を明らかにする、いわゆるGAPの取り組みを一層進めてまいります。また、昨年七月に制度の名称やマークを一新したふくおかエコ農産物認証制度の取り組みを進めることによりまして、減農薬、減化学肥料栽培の拡大も図ってまいります。食品の製造、販売段階におきましては、食品製造施設や販売店の立入検査などを実施いたしまして、食品による健康被害の発生防止を図ってきているところであります。また、今議会に関連の条例案を提出させていただいているところでございますが、製造工程ごとのリスク分析に基づく衛生管理手法でございますHACCPの導入を推進してまいります。さらに、消費者が商品の選択をする際に重要な情報源となります食品の表示につきまして、製造業者等への指導を強化し、適正表示の推進を図っているところであります。今後とも、食の安全、安心確保対策に県を挙げて総合的に取り組むため、庁内の関係課で構成しております食の安全対策推進会議におきまして、情報を共有し、連携を強化し、本県農産物の信頼向上に努めてまいります。  次に、総合的防除、インテグレーテッド・ペスト・マネジメント、いわゆるIPMについてお尋ねがございました。IPMとは、病害虫や雑草の発生を抑制するために、化学農薬のみではなく天敵昆虫、防虫ネットなどを組み合わせて防除をする技術のことであります。県内では、イチゴでの天敵昆虫や梨での黄色蛍光灯を使用した害虫の防除が全面積の約二割を、トマト、ナスでは防虫ネットを使用した防除が約三割取り組まれているところでございます。この技術は環境への負荷を低減するものでありますが、化学農薬による防除に比べ新たな資材の購入が必要となり、コスト面での課題がございます。このため、県では市販されております天敵昆虫と生産者みずから増殖できる土着天敵等を組み合わせ、化学農薬使用回数の半減とコストの削減、その両立を図る実証試験を今進めているところでございまして、イチゴでは既にマニュアル化を終了し、ナスにつきましても本年度中にマニュアルを作成することといたしております。今後は、こうしたマニュアルに基づきまして、普及指導センターが行う研修会等で生産者の方々を指導し、IPM技術の普及、拡大に努めるとともに、県が進めるふくおかエコ農産物の拡大にもつなげてまいります。  次に、鳥インフルエンザの発生予防、蔓延防止についてでございます。鳥インフルエンザは感染力が強い家畜伝染病でありますために、発生予防、そして迅速、的確な初動防疫が重要な対策となります。まず、発生予防につきましては、県では養鶏農家に対しまして、農場の消毒、人、車両の立入制限などを定めた飼養衛生管理基準の遵守、その指導を行っております。また、昨年十二月以降、近県での発生を受けまして、緊急に庁内における関係各課から成る対策会議を開催するとともに、県内の養鶏農家や関係機関に対しまして注意喚起の文書を発出しているところであります。また、今回より一層の発生予防を図る観点から、県内全ての養鶏農家に対しまして、家畜保健衛生所の職員が個別に衛生指導を行いながら消毒薬の配付をしたところでございます。迅速、的確な初動防疫体制につきましては、民間獣医師の迅速な応援が得られるよう、福岡県獣医師会など関係団体との防疫協定を結ばさせていただいておりまして、これら関係団体を加えた防疫演習を定期的に実施しているところであります。さらに、昨年四月に発生をいたしました熊本県における防疫対応の、同県による自己評価も踏まえまして、県では、大規模農場での発生に備え、防疫作業に従事する予定人数の増員、防護服、マスクなどの備蓄の強化とその分散備蓄を行うなど、防疫体制の強化を図ったところでございます。これらの取り組みによりまして、養鶏農家や関係団体の家畜防疫に対する意識を高め、発生予防や迅速、的確な初動防疫に努めてまいります。  次に、相撲を通じた青少年の心身の鍛錬と本県から横綱を出すことについてお尋ねがございました。相撲は日本古来の武道でございます。我が国の国技でもあります相撲に取り組んでいくことは、心身の鍛錬、人格の形成など青少年の健全な育成に大変有意義なものであると認識をいたしております。本県では、毎年九州場所が開催されておりまして、秋の風物詩として大いに盛り上がっているところであります。この福岡県から横綱が出ることになりますれば、相撲熱がますます高まり、お子さんたちを初め県民の皆様に夢や希望、元気を与えることにもつながっていくと思います。そのため、私自身も含めまして、これまでも魁皇関、琴奨菊関など、地元出身力士を応援してきているところでございます。本県から横綱を誕生させるためには、何よりも県民の皆様の関心が高まり、底辺を拡大していくことが大切であると考えております。県では、これまで県庁ロビーにおけるのぼりや番付表を使った大相撲九州場所のPRや魁皇関の銅像の展示、さらには県民の皆さんと力士との交流など、いろんな形で取り組んでまいりました。今後もさまざまな機会を捉えまして相撲の魅力を発信し、それに対する関心が高まるよう努めてまいります。これらに加えまして、県相撲連盟や市町村、子ども会等が、今実施しております相撲教室や大会の開催というものを広く県民の皆様に周知をするなど、相撲競技の普及、拡大に取り組んでまいりたいと、このように考えております。  次に、世界相撲選手権大会の福岡県における開催についてでございます。県内における国際大会の開催は、スポーツの推進はもとより、国際交流、地域の活性化などさまざまな効果が期待されます。県では、これまでフィギュアスケートのグランプリファイナルを初めさまざまな国際大会を誘致してきております。また、現在も福岡市や経済団体と連携をいたしまして、二〇一九年のラグビーのワールドカップの試合会場誘致に取り組んでいるところでございます。世界相撲選手権大会の開催につきましては、まずは過去の開催状況、開催にかかわる条件について調査をいたしますとともに、県内自治体の御意向、あるいは県民の皆様の盛り上がり、そういったものを見据えながら、今後研究していく必要があると、このように考えております。  次に、大相撲九州場所における本県のPRについてでございます。本県では、九州場所の優勝力士に福岡県知事賞を贈りまして、副賞としてあまおうや福岡のりといった県産の農林水産物を贈呈しております。平成二十三年からは、新たに本場所中、日本相撲協会の御協力をいただきまして、会場ロビーで菊、トルコギキョウといった福岡県の花の展示を行っております。さらに、その翌年二十四年からは、会場の正面玄関の前で、元気つくしや八女茶といった県産の物の試食販売も実施しているところでございます。  近年、大相撲は女性を中心に人気が回復傾向にありまして、昨年の九州場所では七日間の大入りが出されました。また、日本の歴史や文化に対する海外からの関心も高まっておりまして、外国人の観光客も増加をしていると伺っているところであります。このため、県といたしましては、国内外からの九州場所観戦に訪れられる観光客に、県内各地域の特産品や観光の魅力をもっと知っていただけるよう、主催者であります日本相撲協会と協議をしながら、PRの充実について検討させていただきます。また、これまで県の多言語観光ウエブサイトクロスロードふくおかなどで九州場所を紹介してきているところでございますが、今後は海外の旅行会社に対する説明会や商談会におきまして、この相撲というのを観光素材の一つとして積極的にPRし、外国からのお客様の誘致に取り組んでまいります。  次に、地域医療介護総合確保基金の財源確保と活用についてお尋ねがございました。基金事業の実施に当たりましては、毎年度県において事業計画を策定することとなっておりまして、その策定につきましては、市町村、医師会、歯科医師会、社会福祉協議会、介護福祉士会など関係団体と十分協議を行うことといたしております。基金事業の財源につきましては、事業計画の国との事前協議におきまして、事業の必要性を十分に説明し、必要な金額が確保されるよう要請をしてまいります。この基金を活用し、市町村や関係団体と協力しながら、私どもの事業計画に基づいて、効率的で質の高い医療提供体制、地域包括ケアシステムの構築というものを進めてまいります。  介護人材の確保、定着についてでございます。介護人材の確保、定着には人材の参入の促進、そして働きやすい職場づくり、賃金の改善が重要であります。  まず、参入の促進につきましては、求職者を施設に派遣し、介護の仕事を経験しながら研修を受けることによりまして、施設への就職を促す事業を実施してきております。介護につきましては、画一的なマイナスイメージが参入の阻害要因となっておりまして、今後県民の皆さん、特に学生、保護者、教師の皆さん方に介護の仕事についての正しい理解の促進を図ってまいる考えでございます。  次に、働きやすい職場づくりについてでございますが、管理者を対象に雇用管理の改善や人材育成の研修を実施してきているところであります。今後、アドバイザーの派遣など離職率の高い小規模事業所における働きやすい職場づくり、これについても支援をしてまいりたいと考えております。  さらに、賃金改善につきましては、平成二十七年度からの介護報酬の改定におきまして、介護職員処遇改善加算制度が拡充をされ、一人当たり一万二千円相当の賃金改善が図られることとなっております。県では、全事業者を対象に、その説明会を開催し、制度の周知とその活用促進を図ってまいります。また、加算の届け出の際、賃金改善の取り組みについて事業者に助言をいたしますとともに、事業実績の審査におきましても、改善の状況を確認することによって、事業者による賃金改善を図ってまいります。こうした取り組みによりまして、本県における介護人材の確保、定着、これを図ってまいります。  次に、定期巡回・随時対応サービスの普及についてでございます。このサービスは、訪問介護と訪問看護が連携をいたしまして、定期巡回訪問と通報による随時の対応を行い、医療や介護が必要な高齢者の方々の在宅生活を二十四時間お支えするものでございます。このサービスは、地域包括ケアシステムの中核を担う重要なものでございますけれども、全国的に普及がまだ進んでおりません。このため、県では本年度から市町村を対象に地域包括ケアシステムにおいて、このサービスが果たす役割などについて理解を深め、その導入に取り組んでもらうための研修会を実施してきているところであります。また、事業者に対しましても、事業のメリットや留意点を説明し、参入を促進するセミナーを実施しているところであります。さらに、実際に活用されるためには、現場の介護支援専門員や地域包括支援センターの職員の方々の理解が重要であります。そういうことから、それらの方々を対象に研修会を開催しているところでもございます。県では引き続きこれらに取り組むことによりまして、サービスのさらなる普及に努めてまいります。  次に、市町村における生活支援コーディネーターの配置についてでございます。介護保険制度の改正によりまして、生活支援、介護予防サービスの充実を図るため、全ての市町村に生活支援コーディネーターを配置することとされました。この生活支援コーディネーターは、市町村社会福祉協議会やNPOの職員などが想定されておりまして、その養成は私ども県が行うこととされております。県といたしましては、高齢者の生活支援、介護サービスが全ての市町村において円滑に提供されるよう、国が示しておりますカリキュラム、テキスト等を活用して研修を行い、生活支援コーディネーターの養成を進めてまいります。  次に、地域包括ケアシステムによる障害者や子育て世代などへの支援についてでございます。地域包括ケアシステムは、今後さらに高齢化が進む中で、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせるよう医療、介護、予防、生活支援、そして住まいの五つのサービスが、必要に応じ適切に提供される体制を構築するものでございます。こうした地域包括ケアシステムの構築を通じまして、地域ごとに形成されるサービスのネットワークというものは、高齢者のみならず、障害者福祉、子ども・子育て支援、困窮者支援にも活用できる貴重な地域の社会資源となり、将来世代に引き継げる共通財産になるものと考えております。このため、県といたしましては、まずは急速な増加が見込まれております高齢者の方々の暮らしを支えるため、地域包括ケアシステムの構築を積極的に推進してまいります。将来的には、地域包括ケアシステムが高齢者だけを対象とするのではなく、障害者や子育て世代など地域で支援を必要とする多くの方々についても活用できるよう、これを目指してまいりたいと思っております。 8 ◯議長(加地 邦雄君) 城戸教育長。 *教育長答弁 9 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 まず、イスラム圏の子供に対するいじめなどについてでございます。公立学校にはさまざまな国籍等を有する児童生徒がおりますが、現時点において、県立学校及び市町村教育委員会からは、国籍等を理由としたいじめの報告は受けておりません。教育委員会では、これまで学校における在日外国人の人権に関する指導上の指針を策定し、児童生徒が異なる文化や習慣を理解し、お互いに認め合う人間関係をつくり出すことができるよう研修会等で指導してきたところでございます。今後、近く行われる公立高等学校長協会や教育事務所主催の市町村教育長会議を通じて、各学校に対し改めて注意喚起を行ってまいります。  次に、相撲競技の底辺の拡大についてでございます。相撲の競技人口をふやすためには、子供たちが学校や地域で相撲に触れることができる機会を確保することが重要でございます。このため、県体育協会や県相撲連盟と連携して小学生相撲大会や有望選手の発掘事業などに取り組み、相撲競技の底辺拡大に努めているところでございます。なお、平成二十六年度県相撲連盟に登録している児童生徒の競技人口は二百二十名となっており、五年前と比べ三十名増加しております。  現在の土俵の設置状況についてでございますが、公立の小学校では九十二校、中学校では十三校、県立学校では三校、また市町村の施設においては三十六カ所に土俵が設置されております。なお、近年では体育館などで使用できる土俵マットの導入も進んでおり、現在小学校で二十校、中学校で六校、また市町村の施設においても八カ所で使用されております。今後は、各学校や地域において相撲に取り組みやすい環境づくりを進める観点から、土俵マットの活用を勧めてまいります。  指導者についての今後の取り組みについてでございます。現在、中学校の保健体育科教員を対象に、相撲の授業の進め方や段階的な指導法についての研修会を実施しております。また、地域の指導者を対象に、県体育協会や県相撲連盟と連携して、競技レベルに応じた専門的な指導法についての講習会にも取り組んでおります。今後とも、このような研修会等の充実を図り、質の高い指導者の確保に努めてまいります。  相撲を通じた青少年の心身の鍛錬と本県から横綱を出すことについてでございますが、相撲は体力、気力を養うとともに、相手を尊重する態度や礼儀、公正な態度を養うなど、社会的に望ましい行動の仕方を身につけることができるもので、青少年の健全育成に寄与するものと考えております。また、国民体育大会やインターハイなどの全国大会で本県代表選手が優秀な成績をおさめたり、大相撲で本県出身の力士が横綱となって活躍することは、県民に夢や感動を与えるとともに、子供たちの相撲への興味、関心を高めるなど相撲の振興を図る上で意義深いものであると考えております。このため、学校教育の中で相撲がより多く取り入れられるよう、その教育的意義の周知を図るとともに、トップレベルの競技力を有する選手の育成に取り組み、さらなる相撲の振興に努めてまいります。  次に、特別支援学級の設置についてでございます。平成二十六年度における市町村教育委員会からの知的障害及び自閉、情緒障害の特別支援学級の要望数は千六百七十六学級で、設置数は千六百二十六学級となっており、充足状況は九七%となっております。また、特別支援学級の学級編制基準は、義務標準法において一学級の児童生徒数は八人までを標準とするとされております。本県では、市町村教育委員会が特別支援学級を設置する場合は、一人一人の子供に対する手厚い指導とあわせて社会性を身につけていくことも重要であるところから、原則三名以上での学級編制をお願いしておりますが、二名以下の場合にあっても、お申し出があれば、通学事情等を個別に検討し、柔軟に対応しているところでございます。今後とも、特別支援学級の設置に当たっては、市町村教育委員会と十分に協議を行いながら適切な対応に努めてまいります。  次に、通級指導教室についてでございます。自校通級、他校通級、巡回指導などの通級指導教室の設置形態については、児童生徒の障害の状態や人数、保護者の希望等を勘案した上で、地域の実情に応じ、市町村教育委員会が決定しております。県教育委員会といたしましては、適切な形態で通級指導教室が設置され、通級による指導が十分に効果を発揮できるよう市町村教育委員会への支援に努めてまいります。また、県教育委員会では、市町村教育委員会の要望を踏まえ、国の加配定数に基づく教員配置を行っており、今後も引き続き通級指導充実のための定数措置について国に要望してまいりたいと考えております。  最後に、福祉に関する教育についてでございます。小中学校においては、道徳や総合的な学習の時間などで奉仕の精神と福祉への理解を高める取り組みを実践しており、小学校で九割、中学校で六割の学校が福祉施設での介護体験等を実施しております。また、高等学校では全員が家庭科において共生社会における家庭、地域の役割や福祉の意義について学習するとともに、福祉に関する学科、コース等においては、将来の福祉サービスの従事者として必要な能力、態度の育成を図っております。今後とも、学校や地域の実態を踏まえ、発達段階に応じた福祉に関する教育を適切に実施してまいりたいと考えております。 10 ◯議長(加地 邦雄君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後二時二十分といたします。           午 後 一 時  十九分  休 憩           午 後 二 時 二十一分  再 開 11 ◯副議長(岩元 一儀君) 再開いたします。  休憩前に引き続き代表質問を行います。発言を許可いたします。出利葉史郎君。(拍手) *出利葉議員質問 12 ◯三十番(出利葉 史郎君)登壇 皆さん、こんにちは。私は食と緑を守る緑友会・清進福岡県議団の出利葉史郎でございます。会派を代表いたしまして質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  まず、平成二十七年度の国予算と本県の施策の方向性についてお尋ねいたします。去る一月十四日に、我が国の平成二十七年度予算案が閣議決定されました。消費増税の影響を早期に払拭し、デフレ脱却と経済の成長を確固たるものとすることを目標として、経済再生と財政再建の両立を実現する予算と位置づけられたものとなっております。施策の柱としては、地方創生の観点から魅力あふれるまちづくり、人づくり、仕事づくりの推進。消費税増税分を活用した子育て支援並びに医療、介護分野の充実及び持続可能な社会保障制度の確立。事前防災、減災の観点からの国土強靱化の推進などに力を入れることとされております。  これは、昨年四月の消費増税の影響による個人消費の伸び悩みや、人口減少による地域の活力喪失といった問題に直面する我が国の現状を鑑みますと、まことに時宜を得た内容であると評価するところであり、消費税増税の延期の判断、二十六年度の補正予算の実施とあわせたこの二十七年度予算の着実な実施が、我が国の持続可能な発展に欠かせないものであると考えております。  一方、翻って我が県の状況を見てみますと、昨年十二月末に発表された県内経済の動向では、消費、雇用について持ち直しや改善の動きが見られるものの、依然、一部に弱さが見られる状況であり、また企業の景気判断についても横ばいではあるものの先行き不透明ということでありまして、慎重な見通しとなっております。我が県経済が持ち直していくのか、再び失速してしまうのか、ここが正念場という状況であります。これらのことを考えますと、今こそ、我が県においても国と足並みをそろえ、活力ある福岡県を維持し、発展させていくための取り組みを前に進めていくべきであると考える次第であります。  そこで、先ほど述べました国の予算の話に戻りますと、国の予算にあわせ総務省が定めます地方財政計画、これは、毎年度の社会経済情勢の変動や国の施策の展開に対応して地方財政の全体計画を定めるものでありますが、この地方財政計画においては、地域の実情に応じた地方創生のための各地方公共団体の取り組みとして一兆円が歳出計上されるとともに、消費税増収分の財源を活用した社会保障の充実を進めることとされております。まさに、活力ある県づくり、安心して暮らせるための福岡県づくりの材料が、まず国によってしっかりと準備されていると感じます。  そこで知事にお尋ねします。国における、地方創生にかかわる取り組みの推進や社会保障の充実という方針を受け、我が県でもそれらに対する取り組みを今後どのように進めていこうとする考えなのかお尋ねいたします。  国においては、地方創生をかけ声だけで終わらせないために、平成二十六年度補正予算と平成二十七年度当初予算で地方創生の推進に向けた財政的支援措置を盛り込んでおります。こうした国の予算を活用しながら地方創生に取り組むべきだと思います。今年度は暫定予算であるため、具体的な事業内容についてはまだまだこれから六月の本予算に向けて検討していく段階であると承知しておりますが、まずは地方創生をどのように進めていかれるのか、その基本的な考え方についてお示しください。  さらに、税率の引き上げがない中、消費税財源を活用し、社会保障の充実にどのように取り組まれるのか、その点お尋ねいたします。  次に、本県の地方創生への取り組みについてお尋ねします。我が国の人口は、二〇〇八年をピークにして人口減少局面に入っており、このまま何も手を打たなければ二〇六〇年には五千万人を割り込む水準にまで減少するとの推計を国は示しております。日本は、世界でも類を見ない人口減少、超高齢化社会を迎えようとしております。こうした長期的な人口減少や超高齢化という人口構造の変化については、国内需要の縮小、労働力人口の減少、社会保障を支える現役世代の減少、地域の担い手不足など、さまざまな影響を社会経済全般にもたらすことが懸念されております。こうした待ったなしの課題について、昨年十一月にまち・ひと・しごと創生法が制定されるとともに、十二月二十七日には、人口の現状と将来の姿を示し、今後目指すべき将来の方向を提示するまち・ひと・しごと創生長期ビジョン及びこれを実現するために今後五カ年の目標や施策の基本的な方向、具体的な施策を提示するため、まち・ひと・しごと創生総合戦略が閣議決定されました。  また一月九日に閣議決定された二十六年度補正予算案において、使い勝手のよい地方創生関連の交付金四千二百億円が創設されたと聞いております。さらに、同月十四日には、地方創生に関する施策を盛り込んだ平成二十七年度当初予算案も閣議決定されるなど、地方創生の推進に向けた国の財政的支援が本格的にスタートしたという感じがあります。福岡県の人口動向を見ますと、全体として人口は引き続き増加が続いているようですが、地域ごとの状況に目を転じると、既に人口減少と少子、高齢化が進んでいる地域も少なくありません。国立社会保障・人口問題研究所によると、本県の二〇四〇年の推計人口は二〇一〇年の五百七万人から一四%、六十九万人減の四百三十八万人になるとの推計が示されており、県内四地域別で見ましても、いずれの地域も減少に転じる見通しとなっております。こうした地域ごとの実情をしっかり踏まえ、県民と共有しながら人口ビジョンと総合戦略を策定していくことが極めて重要であり、本県としてもしっかり取り組んでいく必要があります。  また、まち・ひと・しごと創生法では、市町村に対しても総合戦略策定に関する努力義務が規定されており、県内市町村にとっても重要な課題であると考えております。そこで、知事に地方創生について二点お尋ねします。  一点目は、人口ビジョンと総合戦略を策定するに当たって、本県の基本的な考え方についてお答えください。  次に、地方創生を進めていくためには、基礎自治体である市町村の役割が重要であると考えますが、総合戦略策定に当たり、本県では市町村との連携をどのように図っていくのかお示しください。  次に、地方分権の推進についてお尋ねします。昨年の暮れの総選挙において、多くの政党が政権公約に地方分権や地方創生を掲げていました。そのことは、率直に評価したいと思っていますが、一方、自民党、公明党が政権を取り戻した前回の選挙においても地方分権については各政党とも政権公約に掲げており、今回の選挙まで地方分権が目に見えて進められなかったことも事実であります。その間、我々県議会は、自民党藏内会長をトップとして九州の自立を考える会を創設し、九州全体の自立的発展を目指して検討を重ね、昨年秋には政策提言をしたところであります。  まず質問します。これらの政府の動向、さらには我々県議会の活動をどう評価されるのか、お答えください。  地方創生という考え方は、地方消滅というショッキングな公表がされたことと並走しています。しかし、現実には限界集落、人口減少社会など以前から言われてきたことに基づくものであり、それに対する行政活動に国、地方を挙げて取り組んできたのは事実であります。国は、今回の地方創生においても、あくまでも地方を指導することを目指しており、自治体が取り組む政策メニューも国が概要を示し、それを選択、実行すれば財源を上げますという従来からの手法と異ならないものではないでしょうか。やはり地方に権限と財源が移譲されなければ、地方の疲弊は今後とも続くのではと危惧しております。  そこでお尋ねします。今後予想される地方分権に関する具体的な政策展開に対して、知事は国に意見を申し述べるべきと考えますが、そのような考えがあるのかお聞かせください。  福岡県は、全国から注目される県であります。知事はさきの十二月議会で次の県知事選に立候補されることを表明されました。地方分権、地方創生などさまざまな言葉がつくられますが、目標は一つ、県民が住みやすく、経済活動を行いやすい福岡県をつくっていくことであります。我が会派はこれまで幾度も聞いてきましたが、知事の地方分権に関する思いを改めてお聞かせください。  我が会派は、自立できる福岡県、そして自立できる県内市町村を目指して、今後とも議論をしていきたいと考えております。  次に、昨年産米の大暴落、政府の性急で強引な農業、農協改革、また一昨年四月の国会決議、七月の参議院選挙や昨年十二月の総選挙で自民党公約である農畜産物五項目六品目は必ず守るとした聖域を逸脱するようなTPP交渉、特に日米協議の報道に、多くの農業者、市民は不信と不安と憤りを募らせています。そこで、農業、農協改革とTPP交渉についてお尋ねします。  まず、農協改革についてであります。先日、安倍総理は施政方針演説で、農業は成長産業と位置づけており、そのために農業委員会、農業生産法人、農協改革を断行するとして、農協改革では全国農業協同組合中央会(JA全中)の監査、指導権を廃止し、JA全中を一般社団法人に転換することなどを柱として改革案を説明しました。そもそも今回、農協改革は必要だったのでしょうか。誰のための改革なのでしょうか。政府の言う、全中の監査権限の廃止、会計監査と業務監査の分離が単位JAの強化に結びつくか。特に疑問に思われるのが、農業、農村の所得向上に効果があるのか、といったことなど説明がされないまま法律改正が行われようとしています。JAの自己改革を基本として議論を積み重ね慎重に対応すべきという、全国の都道府県、市町村及び議会の要請、JA及び多くの農業者の思いと違っているのではと考えざるを得ません。知事の見解をお聞かせください。  知事はこれまで、議会での答弁等でJA中央会とは水田農業の推進、農産物のブランド化、担い手の育成など、一体となり本県農業の推進に取り組んできていると言われてきました。JA改革が進む中、県内JA中央会、各連合会は、みずからの改革を進めながら農業生産の拡大、農業者の所得向上、地域貢献を柱にJA運営に努力することとされているようです。  そこで知事にお尋ねします。今後JAと連携して、農業、農村の振興、地方創生にどう取り組んでいこうとお考えなのかお聞かせください。  次に、TPPについてお尋ねします。平成二十二年秋の国会で、時の民主党菅総理のTPP交渉に向けての発言以来、TPPが原則関税撤廃を原則とする協定であり、日本農業の崩壊を招き国の形を一変させるおそれがあることから、我が会派ではこれまで一貫して反対してきたところであります。最近のTPP交渉の進捗状況には、多くの農業者のみならず国民もなし崩し的に進む日米協議に不信と不安と憤りを募らせています。聖域であったはずの米の特別輸入枠の設定、牛肉、豚肉などの関税大幅引き下げなどの情報が飛び交っています。政府には、衆参農林水産委員会の決議を遵守すべきであり、今後、知事には九州地方知事会の中で、また福岡県政のリーダーとして、しっかりと対応されたいと考えます。決意をお聞かせください。  次に、農林水産問題についてお尋ねします。  まず、六次産業化の取り組みについてお尋ねします。政府が、昨年度、農林水産政策の展開方向として示した農林水産業・地域の活力創造プランにおいては、現状一兆円程度とされる六次産業の市場規模を、十年後には十倍に拡大するといった意欲的な目標が掲げられております。また、現在、政府が進めようとしているまち・ひと・しごと創生総合戦略においても、地方での仕事づくりに向けては、この六次産業化がその具体策として掲げられているようであり、我が会派としても、この取り組みを一層進めなければならないと考えるところであります。本県においても、各地で新たな加工品の開発が進められており、しかしながら、商品を開発しても、これが販売拡大でき、所得の増大につながっているものは、まだまだ少ない状況であります。このことについて、生産者の方々から販売先が見つからないとの悩みがある一方、販売関係者からは同様の商品が多い、特徴ある商品が少ないなどの声を聞かされます。この六次産業化の取り組みは、川下ベースに立ち、いかに販売まで結びつけるかが重要であります。  そこで知事にお尋ねします。六次産業化による売れる商品づくりや販路の確保を目指す生産者への後押しの具体策について、知事の考えをお示しください。  次に、女性農業者の活躍促進についてお尋ねします。アベノミクス三本の矢により始まりつつある経済の好循環を、一過性のものに終わらせず持続的な成長軌道につなげるため、国は、昨年六月に日本再興戦略未来への挑戦を閣議決定いたしました。この日本再興戦略では、我が国最大の潜在力である女性の力を最大限に発揮できるようにすることは、人材の確保にとどまらず、家庭や地域の価値を大切にしつつ社会全体に活力を与えることにもつながるとしております。私も、常々農業分野においては女性の活躍の場を広げ、地域の活性化と農業振興につなげていくことが重要であると考えているところであります。  県内の農業委員会における女性委員の登用状況を見ますと、平成二十二年には五十二名であった女性農業委員は平成二十六年には九十一名まで増加し、地域における社会参画を通じて、女性農業者の活躍の場は着実に広がっていると感じております。このような女性農業者の活躍の場を、農業の生産現場でも広げていかなければなりません。平成二十二年に六万八千人であった農業就業者は、高齢化や就業人口の減少が進行しており、農業就業者の半数を占める女性農業者の活躍なくしては農業生産は維持できないと言っても過言ではありません。本県農業の重要な担い手として、今後ますます役割が大きくなる女性農業者について、どのように育成し活躍を支援していくのか、知事の考えをお尋ねします。  次に、チョウザメの養殖でお尋ねします。私の地元の大石長野水道の沿線には、豊富で清らかな水を利用して、かつては数多くの養鯉業が営まれておりました。しかし、平成十六年にコイ独特の伝染病コイヘルペスが発生しました。同時期に全国各地で発生し、連日のようにマスコミで取り上げられました。コイヘルペスは、持続的養殖生産確保法に規定された特定疾病であり、このため他地域への感染拡大を防止するために養殖業者に対し、全てのコイを廃棄処分するよう法に基づいた知事命令が発出されたところであります。この際、県の水産局を初め、関係職員の方々が夜なべで対応に当たるなど大変御苦労いただきましたが、残念なことに、今ではその多くが廃業に至っております。現在、その遊休化した養殖施設を有効に利用していこうと、地元の方々が知恵を出し合って八年ほど前からチョウザメの養殖に取り組まれている方々がおります。  御存じのとおり、チョウザメからは高級食材であるキャビアがとれるわけですが、試行錯誤を繰り返しながら挑戦を始めてから、長い時間かけてこのチョウザメから初めてキャビアがとれたということで、昨年末からマスコミにも取り上げられているところであります。また、キャビアだけでなく、チョウザメの肉は食用にもなることから、地元の温泉組合などと連携して、地元の特産品として育てていこうという動きもあります。このような地域の方々が、いろいろなチャレンジして新しい産業を目指すことは、地方創生にとっても重要なことではないかと考えます。
     そこでお尋ねします。地元で行われているチョウザメ養殖について、県ではどのような指導を行っているのかお聞かせください。  農林水産問題の最後に要望しておきます。私の地元を流れる筑後川流域の中心産業は、何といっても農林水産業であります。この地域では、先ほどただしました地方創生にもつながるさまざまな取り組みが行われているところであり、ここで一つ事例を御紹介させていただきます。  筑後川中流域は、今から三百五十年前に袋野隧道、長野水道、久喜宮の堰、山田堰、床島堰、恵利堰などのかんがい施設が建築され、多くのため池がつくられました。それぞれの施設は、これまで幾多の災害を乗り越えて現役として活躍しておりますし、現在、筑後川中流域は水稲や麦を初め、野菜、果樹、苗木などの多様な農作物の一大産地となった礎となる施設であります。このような中、朝倉市の山田堰や堀川用水、三連水車などの水車群が国際かんがい排水委員会によって本年度新たに創設されたかんがい施設遺産に登録され、これを契機に筑後川中流域を世界農業遺産に登録しようという機運が高まっております。  世界農業遺産とは、世界的に重要な農業地域を次世代へ継承することを目的に国連食糧農業機関が二〇〇二年から開始したプログラムであり、これまでペルー、チリ、中国、フィリピン、アルジェリアなどの地域が認定され、国内では二〇一一年に初めて佐渡と能登が認定され、二〇一三年には静岡の掛川、熊本の阿蘇、大分の国東が認定され、現在、世界では三十一の地域が認定されております。この筑後川中流域が世界農業遺産に認定されれば、JAの合併など農業組織の連携が強化されることも期待されますが、何より地域の文化や伝統など、さまざまな情報が世界に発信されることによって、国内外から多くの方々が訪れる機会となることから、昨年九月、私とともに、意を同じくする地元の県議会議員を初め、筑後川中流域に係る商工団体、農業団体、関係市町から成る筑後川中流域世界農業遺産登録推進協議会を設立し、登録に向けて取り組みを一歩一歩進めているところであります。このような地域の活性化につながるさまざまな取り組みを大切に育てていくことは、地方創生の実現とともに、ひいては本県の農林水産業の発展にもつながるものと考えておりますので、今後とも県の積極的な協力をお願いして、この項を終わらせていただきます。  次に、高齢者問題についてお尋ねします。介護保険制度の改正と介護職員の処遇改善についてお尋ねします。  去る一月に、平成二十七年度政府予算案が閣議決定されました。この予算では、一般会計の歳出総額が九十六兆三千億円、そのうち社会保障関係費は三十一兆五千億円と、全体の約三分の一を占めており、昨年度と比較しても一兆円も増加しております。今後、少子、高齢化がさらに進行する中で、我が国の社会保障制度をどのように維持していくのか、大変重要な課題であります。このような中、来年度から介護保険制度が大きく改正されます。介護保険制度は、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして平成十二年度に創設されました。現在、本県では、二十四万人を超える高齢者が要介護認定を受けるなど、私たちの生活の中にしっかりと定着しております。  そこで、まず知事にお尋ねします。このような介護保険制度について、今回の改正の目的としてその主な内容はどのようになっているのでしょうか。また、今回の制度改正について、どのような課題があり、その課題に対して県はどのように対応されるのでしょうか、お聞かせください。  高齢化の進行に伴う介護ニーズの増加を考えると、介護人材の確保、定着は、本県にとっても大変大きな課題です。このため我が会派では、昨年十二月の代表質問において、介護人材の確保、定着のための今後の県の取り組みについてお尋ねしました。その後、国の社会保障審議会において介護職員の処遇改善について審議がなされていますが、今回の平成二十七年度政府予算案では、介護職員の処遇改善についてどのような内容が盛り込まれているのか、また、これに対し県はどのように対応されるのかお尋ねします。  介護職員については離職率が高いと言われています。その原因はさまざまと考えられますが、身体的に負担が大きいことが離職者が多い原因の一つとなっていると指摘されています。介護に係る身体的負担は、自宅などで介護されている御家族の方々も同様であろうと考えます。このような負担を軽減するためには、介護ロボットなど介護をする人の身体的負担を軽減するような医療介護関連機器の開発が必要であると考えますが、この分野について、県はどのように取り組まれているのか、知事にお尋ねします。  最後に、県立高校の定員割れ問題、活性化について教育長にお尋ねします。この問題については、本議会や特別委員会で、私を含めこれまで何度か取り上げてただしてきたところです。それを受け、平成二十四年度から県教委では、県庁内にプロジェクトチームを新たに設置し、県立高校の定員割れの解消、活性化に取り組んでこられました。この間の県立全日制高校の志願状況を見ますと、平成二十五年度入試の一般入試締め切り時点で、二十校二十六学科で四百二十三人、昨年の平成二十六年度入試では、高校再編整備以降では最悪となる二十七校三十六学科などで五百十五名の定員割れが生じております。なかなか取り組みの効果が出ていない状況で、非常に憂うべき状況であると考えます。近々には平成二十七年度入試の志願状況も明らかになるところですが、学校は、定員を大きく割る事態となると、魅力や活力の低下を引き起こし、ひいては地域の信頼を損なうこととなるため、非常に心配をしているところです。  そこで、私の地元の話をしたいと思います。県立高等学校再編整備に関する第二次実施計画により、平成二十年度に朝倉農業高校と朝羽高校が統合され、地域とともに成長し、地域の活性化に寄与する学校づくりを設置の基本理念とする朝倉光陽高校が開校しました。しかし、開校初年度を除いて定員割れが継続しております。朝倉光陽高校では、広報誌の配布や中学校への出前授業などさまざまな取り組みを行っているようですが、残念ながら具体的な成果につながっておらず、何か抜本的な方策が必要と思われます。  そこで、我が会派では、三重県の県立相可高校を視察してまいりました。この学校は、普通高校と農業高校が統合し、普通科、生産経済科、環境創造科、食物調理科の四学科がそれぞれ特徴を生かした指導を行っており、中でも視察しました食物調理科は卒業後に即戦力となる人材の育成を目指し、その教育の一環として生徒が運営する高校生レストランまごの店では、調理はもちろんのこと接客も生徒たちで行うという特徴ある取り組みを行っております。その取り組みは、テレビや雑誌など各種メディアに取り上げられ、テレビドラマのモデルにもなったものであります。調理場やフロアでの生徒たちの生き生きとした姿には感動いたしました。  また、島根県の隠岐島前高校では、全国や海外からの生徒を受け入れる島留学を実施しております。これにより、さまざまな価値観や文化に触れる環境がつくられており、その上で、地域総がかりでさまざまな取り組みを、例えば、地域に根差したキャリア教育である地域創造コースを新設し、地域の課題解決授業を実施したり、地域と高校が連携した公営塾を設立したりすることにより、学校の魅力向上、活性化が図られております。  これらの取り組みは、学校の活動だけでなく、地元の町や村、地域住民との連携も重要な要素となっており、まさに地域とともに成長し、地域の活性化に寄与する取り組みであり、非常に参考になる事例であると感じたところであります。  本県の県立高校は、かねてより社会に有為な人材を輩出するため、学校長を中心に教職員が一丸となって、日夜、さまざまな努力や工夫を重ね、その結果、県民の期待にしっかりと応えてきたものと考えており、その取り組みに対しては一定の評価をするところであります。また、県立高校は、地域にあっては、その魅力、活力の源となる存在であり、県立高校が活性化することが地域の活性化にもつながるものと考えます。特に、人口減少、高齢化が加速的に進む地域では、若者の存在が地域の生命線であり、日中に高校生が行き交うことで町のにぎわいが創出され、まさに地方創生につながるものと考えるところであります。その中で、平成二十四年度から始まった県立高校の定員割れ対策、活性化の取り組みも三年目が終わろうとしています。  そこで教育長にお尋ねします。この三年間どのような取り組みを行い、どのような成果と課題があったのか、またそれを踏まえ、今後どのような取り組みをされるおつもりか、熱意ある答弁を求めます。  これで私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 13 ◯副議長(岩元 一儀君) 小川知事。 *知事答弁 14 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、地方創生を進める際の基本的な考え方でございます。人口減少に歯どめをかけ、活力ある社会を維持していくことは国、地方ともに総力を挙げて取り組むべき重要な課題であると考えております。地方創生を進めるに当たりましては、それぞれの地域がその現状、ニーズを十分踏まえ、みずからの責任のもと創意工夫を凝らしてさまざまな施策に取り組んでいく必要があると考えております。少子化につきましては、出会い、結婚、出産、子育て、仕事といった人それぞれのライフステージに合わせたきめ細かな施策を講じ、それを切れ目なく総合的に展開していくことが必要であります。そのように今、施策を展開しているところでございます。また、社会増減、特に若者の定住を維持、拡大していくためには、何よりもそれぞれの地域に魅力のある雇用の場をつくっていくことが重要であります。このため、各地域が持っております特性、地域資源を生かして製造業の競争力の強化、企業の誘致、創業の支援、観光の振興、農林水産業の経営力の強化などの産業振興を図ってきたところでございます。昨年十一月、私を本部長といたします福岡県人口減少対策本部、これを設置したところでございまして、この本部において人口ビジョン、総合戦略を策定し、先ほど申し上げました取り組みを基本としながら、福岡県ならではの実効性のある施策を立案し、全庁を挙げて取り組んでまいります。  次に、消費税財源を活用した社会保障施策の充実についてでございます。国におきましては、消費税率一〇%の引き上げが平成二十九年度四月に延期されたことに伴いまして、施策の優先順位をつけて平成二十七年度の社会保障の充実を実施することといたしておりまして、子供、子育て支援の充実、医療、介護サービスの提供体制の改革の着実な実施などに優先的に取り組むことといたしているところであります。本県におきましても、国のこうした対応に沿いまして、子供、子育て分野では保育所定員等の拡大に伴い保育給付費負担金を増額するとともに、地域子ども・子育て支援事業への支援を拡充することで、待機児童の早期解消、平成二十七年から実施されます子ども・子育て支援新制度の着実な推進を図ることといたしております。また、医療、介護分野では、地域医療介護総合確保基金を活用いたしまして、地域における医療機関の連携、在宅医療の充実などを実施することといたしております。  次に、総合戦略を策定するに当たっての市町村との連携についてでございます。県の総合戦略の策定に当たりましては、人口減少対策において大きな役割を果たすのは市町村でございますので、この問題についての市町村の状況や課題をしっかり把握をいたしまして県の戦略に反映していくことが何より重要であると考えております。このため、まず、みずから策定主体であります市町村に、国の総合戦略等についての考え方を十分理解をしてもらう必要がございます。そのため、随時国の動きを情報提供してきたところでございます。今後、市町村支援課が窓口となりまして、県の戦略等についての考え方とその検討状況に関し、市町村にその資料やデータを提供いたしますとともに、ヒアリングや圏域市町村会議などを通じまして市町村の考え方などを聞くことによりまして、互いの情報を共有しながら、できるだけ双方の整合性を図っていきたいと考えております。  次に、地方分権に関する政府の動向と、県議会における九州の自立を考える会の創設といった活動についてでございます。地方分権につきましては、第一次から第四次までに及ぶ分権一括法が成立をいたしまして、義務づけ、枠づけの見直し、条例制定権の拡大、国から地方への権限移譲などについては着実に進んできていると受けとめております。特に、今年度から導入されました提案募集におきましては、本県が提案をいたしました採石業からの暴力団排除のための法改正、企業立地促進法に基づく国の同意協議の見直しなど地方からの提案八百六十六件のうち、約六割、四百九十五件が実現されることになりましたのは、地方の発意に根差した改革の進展を図る上で大きな前進であると、このように考えております。しかしながら、一方で国の出先機関改革につきましては、法案の閣議決定はなされたものの国会提出には至りませんでした。また、条例制定権の拡大に当たり、従うべき基準が多用されるなど不十分な面もあると考えております。この間、県議会におかれましては、九州の自立、発展という大きな目標を掲げ、党派や理念を超えて新しい公共政策のあり方について検討する九州の自立を考える会を設立されまして、昨年十月には九州の成長戦略に係る政策提言を取りまとめになったところであります。広域行政の必要性がますます高まっている中、まことに時宜を得た意義深い活動であると、このように認識をいたしております。この政策提言は、福岡県だけではなく、九州全体の経済の活性化を図るための多岐にわたる大変貴重な御提言になっておりまして、観光の振興、農産物の輸出といった九州一丸となった取り組みなどにつきまして、さらに検討を進めていきたいと考えております。  次に、地方分権の推進に向けた国への働きかけについてお尋ねがございました。我が国は急速な少子、高齢化、人口減少の進展、経済のグローバル化など社会構造の著しい変化、また東日本大震災後のエネルギーの安定供給といったさまざまな課題に対応することが求められているところであります。複雑化し、多様化しているこうした課題につきましては、全国一律の対応ではなかなか解決が難しい状況になってございます。そういうことから、国の総合戦略におきましては、地方の自立につながるよう地方みずからが考え、責任を持って総合戦略を推進する必要がある、また地方を主体とした枠組みの構築に取り組んでいく必要があるとされたところであります。地方が責任を持ち、自立して地方創生、人口減少対策に取り組んでいくためには、十分な財源と確固たる権限が不可欠であると考えております。このため、全国知事会や九州地方知事会と連携いたしまして、地方の責任において活用できる自由度の高い交付金の継続的な措置とあわせまして、地方税財源の充実確保と地方分権のさらなる推進を国に対し積極的に働きかけてまいります。  地方分権に関する私の思いについてお尋ねがございました。私はかねてから、国の出先機関改革を初め国から地方への事務、権限の移譲などの地方分権改革を着実に進めることによりまして、国と地方の役割分担を抜本的に見直していくことが必要であると考えております。特に人口減少社会におきましては、地方の自立なくして持続可能な社会は実現しないわけでございます。そのことから、一層の地方分権を進める必要があると認識いたしております。今後とも地方分権のさらなる推進に取り組んでまいります。  次に、農協改革についてでございます。これまでも申し上げましたように、農協改革は自己改革が基本であると認識いたしており、関係者の意見を聞いた上で慎重かつ丁寧な議論が必要であると考えております。このため、これまでも機会あるごとに、国に対しましてその旨の要請を行ってきたところでございます。また、先月下旬から、政府・与党におきまして議論が本格化いたしましたことから、私から九州・山口各県の知事に働きかけを行いまして、改めてその旨の要請を九州地方知事会議として行うこととし、去る二月三日に国に対し要請を行ったところでございます。先般、政府・与党におきまして、全国農業協同組合中央会の一般社団法人への転換、県中央会の連合会への移行など、農協法改正案の骨格というものが取りまとめられたところであります。これは、政府・与党とJAグループとの間において精力的な議論が行われ、また全国の各県や議会の要請など関係者のさまざまな意見も聞いた上で取りまとめられた結果であるというふうに考えております。今後は、今回合意された改革案をもとに、改革の目的であります農家所得の向上に向けて双方がしっかり取り組んでいかれることを期待するものでございます。  次に、JAと連携した農業、農村の振興、地方創生についてお尋ねがございました。昨年十二月に制定いたしました農林水産業・農山漁村振興条例の中で、県の役割として、農林漁業者や関係団体等との連携のもと、総合的な施策を推進することといたしております。JAグループにつきましては、これまでも県産農産物のブランド化や輸出の促進、食育、地産地消、農地中間管理事業の推進など、地域に根差した農業団体といたしまして本県の農政を進める上で重要な役割を果たしていただいているところでございます。県といたしましては、今後ともJAグループと連携して、この条例やこれから策定する地方創生の総合戦略に基づきまして、生産性の向上はもとより、新しい市場の開拓、六次産業化、輸出の拡大などに取り組んでいき、農業と農林水産業及び農村、漁村の振興に努めてまいります。  次に、TPPについてでございます。TPP協定交渉につきましては、関係十二カ国や日米二国間の協議が進められておりまして、特に日米二国間協議におきましては、米の特別輸入枠の設定、牛肉、豚肉の関税引き下げなどの報道がなされているところでございます。言うまでもなく、TPPは、日本経済の再生とさらなる成長を目指すためのものであり、農林水産業を初めとする地域産業の維持発展や住民福祉の向上につながるものでなければなりません。しかしながら、地方への影響、とりわけ食料の安定供給はもとより、食の安全、安心、国土や自然環境の保全など、多面的な重要な役割を果たしている農林水産業への影響が懸念されるところでございます。私はこれまで一貫して申し上げてきましたけれども、TPP協定交渉に当たりましては、重要五項目を守ることを前提に交渉入りしたことを十分に踏まえ、日本の国益を確保するという観点から判断をしていただきたい、このように考えております。このため、国に対しまして十分な情報提供を求めるとともに、安易に妥協することなく強い姿勢で交渉に臨むよう県議会の皆様とともに要請を行ってきたところでございます。また、九州地方知事会におきましても特別決議を行い、会長でございます大分県知事から国に対して同様の要請活動を行ってきております。今後とも、国に対し、こうした要請を続けてまいります。いずれにいたしましても、競争力強化による農業の維持発展、厳しい経営環境にあります中小企業の振興、そういった課題は県政の基本的な重要課題でございます。TPPのいかんにかかわらず、これらの施策につきましてはしっかり取り組んでまいります。  次に、六次産業化の取り組みについてでございます。県では、関係部局一体となりまして農業団体、商工団体と連携をいたしまして、商品開発から販路開拓までを総合的に支援をしているところでございます。具体的には、六次産業化に取り組む意欲を持った生産者の方々に対し、商品開発に必要な専門家の派遣、市場調査や試作などに対する支援を行っております。また、販路を開拓する取り組みといたしまして、商品の価格設定、商談の進め方などについての研修会、また百貨店、量販店のバイヤーとの「農と商工の自慢の逸品」展示商談会、開催させていただいております。その結果、とよみつひめのお菓子や野菜スープ、ごぼうの揚げ物など多くの商品が開発をされてきております。特に、とよみつひめのお菓子につきましては、菓子工業組合とJA全農ふくれんという県域組織が互いに連携をした初めての取り組みでございまして、昨年十二月から十二社で一斉に販売が開始されているところでございます。また、先月実施をいたしました展示商談会におきましては、参加バイヤーから魅力的な商品が去年に比べてふえてきたとの声も聞かれるなど活発な商談が行われまして、出展した七十六社のうち、当日四社の取引が成立、現在四十九社の商談が継続されているところでございます。これらに加えまして魅力ある商品づくりと販売拡大を促進するため、本年度、新たに福岡県六次化商品コンクール、実施いたしました。入賞商品を初め八十一点のコンクール参加商品は、展示商談会の場でバイヤーさんにも披露を申し上げ、それぞれの魅力をアピールしたところでございます。県といたしましては、こうした取り組みを通じまして農林水産業の六次産業化を促進してまいります。  女性農業者の育成と活躍の支援についてでございます。本県の農業就業人口のうち女性は約半数を占め、私ども福岡県の農業生産の重要な担い手となっていただいております。このため県では、平成二十四年度から専門の係を設置いたしまして、女性農業者の負担軽減、経営参画を促進してきているところであります。まず、負担軽減につきましては、女性が安心して農業に取り組むことができるよう、農協におきまして高齢者が過ごせるあんしんの広場、農繁期に作業者を派遣する営農ヘルパー制度の導入を二十四年度から進め、本年度までに県内全ての農協で実施されることになりました。経営参画につきましては、女性の発想や視点を生かした農業経営が展開できるよう生産技術の習得はもとより、みずからの経営を分析し、より高度な経営を目指すための研修、これを実施しております。さらに、量販店などで消費動向を実感をしていただく体験研修、また女性の杜氏など異業種の方々との交流講座も実施させていただいております。この結果、雇用を導入し、規模を拡大した事例や、交流講座に参加をされた量販店のバイヤーさんと商談を行い販路開拓に取り組んでいる事例も出てきております。さらに、女性農業者の活躍を広く知っていただくために、昨年十一月、県で初めてでございますけれども、女性農業者の大活躍大会という大会を開催をいたしました。参加者からは、女性の知恵やニーズを生かしていきたい、私もオリジナル商品を販売したいといった意欲的な声を多数いただいたところでございます。県といたしましては、こうした取り組みを通じまして、これからも農業経営の中で生き生きと活躍いただく女性の人材育成とその活躍支援に努めてまいります。  次に、チョウザメの養殖に対する県の指導についてお尋ねがございました。チョウザメの養殖は全国各地で地域おこしの取り組みの一環として行われておりまして、本県におきましても、うきは市で現在三名の方が養殖に取り組んでおられます。しかし、チョウザメはキャビアがとれるようになるまで六年以上かかること、良質な卵を得るための飼育管理に技術を要することなど養殖が難しい魚種でありますことから、事業化されているのは現在、全国で宮崎県など三カ所程度だというふうに承知をいたしております。このため県では、水産海洋技術センター内水面研究所におきまして、チョウザメの養殖に取り組んでおられる方々に対しまして適正収容密度、餌の量の管理など基礎的な知識や技術の習得ができるよう指導を行わせていただいているところであります。また、今年度からは内水面研究所の職員が各養殖施設を巡回をいたしまして、飼育池の水質、飼育水の循環状況、魚の状態等を確認するなど個別の指導を行ってまいりました結果、まだわずかではございますが、初めてキャビアがとれたところでございます。県といたしましては、チョウザメの養殖がより安定するよう、ほかの県の事例も参考にしながら引き続き指導をしてまいりたいと思います。  次に、介護保険制度の改正目的と主な内容、課題、それに対する県の対応でございます。  まず、改正の目的でございますけれども、今後、高齢化の一層の進展、認知症高齢者やひとり暮らし高齢者の増加などに伴いまして、医療や介護のニーズが大きく増加することが見込まれます。このような状況に対応するため、地域における介護の体制を確保すること、また介護保険制度の持続可能性を確保することを今回の制度改正は目的といたしております。  次に、主な改正の内容といたしましては、地域包括ケアシステムの構築を促進するために、市町村による在宅医療と介護の連携、認知症施策の推進、それに生活支援サービスの充実強化を図るとともに、多様なニーズに効果的、効率的に対応できるよう、予防給付のうち訪問介護や通所介護を市町村の事業に移行することとされております。また、費用負担の公平化といたしまして、低所得者の保険料負担の軽減、所得、資産のある方の利用者負担の見直しを行うこととされております。  改正にかかわる課題といたしましては、地域包括ケアシステムを構築していくためには、特に在宅医療と介護の関係者の間での協力体制、情報共有が必要でございますけれども、多くの市町村ではそれがまだ不十分でございます。また、生活支援のサービスの担い手を初め、必要な人材の確保を図っていく必要がございます。さらに、費用負担の公平化につきましては、市町村が条例の改正、システムの改修、対象者の把握など、そういった対応を確実に進めていく必要がございます。このため県では、モデル市町村を選定をいたしまして、当該市町村が県の支援のもと在宅医療の知識を有する介護職員の育成の事業、医療資源と介護資源の把握と情報共有の事業などを実施いたしまして、そのモデル市町村におけるそういった事業の成果を他の市町村にも広げていくことといたしております。また、今後生活支援サービスの担い手となりますボランティアの育成、地域において高齢者に対する生活支援や介護予防サービスの調整を行います生活支援コーディネーターの養成など、市町村が必要とします人材の育成にも取り組んでまいります。さらに、費用負担の公平化につきましては、県において準備状況にかかわるチェッキングリストを独自に作成をいたしまして、市町村に配付をし、市町村における円滑な準備を促すとともに、個別の助言や相談対応を行ってまいります。  次に、平成二十七年度政府予算案における介護職員の処遇改善の内容についてお尋ねがございました。二十七年度政府予算案におきましては、介護職員のさらなる賃金改善を図るため、二十四年度から介護報酬において実施される介護職員処遇改善加算が拡充され、一人当たり月額一万二千円相当の賃金改善が図られることとなっております。県といたしましては、処遇改善加算の拡充につきまして全介護事業者を対象とした介護報酬改定に関する説明会を開催をいたしまして、その制度の周知と活用の促進を図ってまいります。また、事業者からの加算の届け出の際に、賃金改善の取り組みについて助言を行いますとともに、実績の報告の審査におきましてもその改善の状況を確認することによりまして、事業者による賃金改善を図ってまいります。  次に、介護者の負担を軽減する機器の開発に対する県の取り組みについてお尋ねがございました。介護の現場におきましてロボットなど機器を活用することは、介護者の身体的負担の軽減に有効であると考えております。県では、これまで大学や物づくり企業の集積を生かしまして、介護を初めとするさまざまな分野のロボットの製品開発を支援してまいりました。これによりまして、認知症高齢者の見守りや歩行のリハビリ、ベッドから車椅子への移乗の補助などを行いますロボットの開発が進みまして、施設等での大規模な実証が進んでいるところであります。こうした取り組みをさらに強化をするため、昨年七月には企業、病院、福祉施設、大学等で構成をいたしておりますふくおか医療福祉関連機器開発・実証ネットワークを設立いたしまして、医療や介護現場のニーズに基づいた機器開発を促進しているところでございます。現在、県内企業と病院などによる新たな共同開発の事例も出てきております。今後とも、介護分野を初めとする医療福祉関連機器の開発を積極的に支援をしてまいります。  失礼いたしました。人口ビジョンと総合戦略の策定に当たっての私どもの基本的な考え方についての御質問に対して答弁が漏れておりましたので、お答えを申し上げたいと思います。  人口ビジョンと総合戦略の策定に当たっての基本的な考え方でございますけれども、国の総合戦略等を踏まえまして、人口減少対策本部におきまして本県の人口動向を分析し、将来展望を示す人口ビジョン、そしてそれをもとに今後の目標や取り組むべき施策の方向性を示す総合戦略、その策定をすることといたしております。その際、これまで取り組んできました施策を評価、検証いたしまして、さらに充実をさせるとともに、それぞれの地域の課題が異なりますことから、画一的な対応ではなく、地域の実態に即した施策を効果的に実施できるよう検討を進めてまいります。また、人口減少対策に重要な役割を果たす市町村との連携を図ることはもちろんのことでございますが、幅広い意見を反映していくため、各分野の関係の皆様からも御意見を伺っていきたい、このように考えております。 15 ◯副議長(岩元 一儀君) 城戸教育長。 *教育長答弁 16 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 まず、県立高校の活性化に関するこれまでの取り組みについてでございます。平成二十四年度から、定員割れが生じるなど活性化が必要な各学校においては、生徒、保護者や地域のニーズに応じた教育内容の見直し、生徒指導の改善、学校ホームページの刷新や中学校への訪問強化などに取り組んでまいりました。また、教育委員会においては、効果的な人員配置や広報活動の強化などの支援を行うほか、中学校長から県立高校に関する意見、要望を聴取し、対応を行ってきたところであります。これらの取り組みにより、生徒の出席状況等の改善が図られたり、中学校を含め地域との連携が深まり、志願状況が回復しつつある学校もございます。しかし、志願状況の改善に至らなかった学校や新たに定員割れが生じた学校もあるなど、課題も残っている状況でございます。  今後の県立高校の活性化の取り組みについてでございます。三年間の取り組みの中で一定の成果は見られたものの、まだ課題の見られる学校もあることから、今後は、教育委員会として学校への支援のさらなる充実を図ってまいります。また、県立高校の活性化には、地元の理解、協力が不可欠でございますことから、中学生や保護者はもとより地域の方々との協議、連携を深め、学校と地域が協働した取り組みや地域の特色を生かした教育活動を推進してまいります。これらの取り組みを通して、地域の活性化にも寄与できる学校づくりに努めてまいる考えでございます。 17 ◯副議長(岩元 一儀君) 出利葉史郎君。 18 ◯三十番(出利葉 史郎君)登壇 二点ほど要望させていただきたいと思っております。  一点目は農協改革であります。これは先ほど知事さんもいろいろ頑張っていただいたわけでありますけれども、私はどうしても納得いかないわけでありますから、これは再度要望させていただきたいと思うわけであります。  今回の改革案は、特に全国農協中央会の監査権限の廃止や一般社団法人への移行については、JA全中の自己改革案と内容が違っております。最終的には合意した格好になっておりますけれども内容は違っておりまして、非常に残念でなりません。それもそもそも政府は、終戦直後の食料難を解消するために農業を基幹産業として位置づけ、農業に従事する人の助け合いを目的として農協法を制定し、地域ごとに、農協ごとに定めたわけであります。したがって、農協が今までずっと活躍してきたわけでありますけれども、当時の地域農協は運営能力や農業指導のノウハウが十分でありませんで、経営破綻する農協がどんどん出たわけであります。したがって、政府は農協の指導役として、指南役としてJA全中を中心にした中央会制度を発足させまして、農協は全中の監査を受ける義務をつけました。したがって、農協法が制定されて当時は全国で一万三千の農協があったわけでありますけれども、現在では約七百に減ってきておりまして、これまで経営破綻したとか、そういった農協もなく、健全に経営をさせていただいておるわけであります。これも中央会が会計監査や業務監査を行い、農協運営や業務改善など適切な指導を行ってきたためであろうと思っております。農業所得の向上に、全中の監査権限を外すことは、つながらないと思っておるわけであります。政府は、中央会の監査権限を外すことによって農家所得がふえるということで言われて、今回の実行であるわけでありますけれども、私はどうしてもそこが納得できないわけでありまして、今回もまだ納得してないわけですけれども、政府はそういった法をつくりかえることになっておりまして、今のままでも各農協が自由な発想でやってきて、全中の監査が足かせになっているとは思いません。私も組合長を経験しておりましたので、肌で感じておるわけでありますけれども、本当に私たちの思いと全く違う方向になっておることについては、残念でならないところであります。JA全中が提案しております自己改革や政府が目指す農協改革の目的は、農業所得の向上であります。ひいては地域農業、農村の振興はJA単独ではできません。先ほど知事の答弁でありましたように、行政がJAグループを初め、地域と連携して取り組んでいくということでありますから、特にその点については、よろしくお願いしておきたいと思います。  次に、県立高校の定員割れの問題、活性化について要望いたします。質問の中で取り上げました三重県立相可高校のレストランまごの店で、教育長はこのレストランがなぜまごの店という名前がついたのか、御存じでしょうか。わかっとりますかね。このまごの店というのは、高校がある多気町の中の自然休養村多気町五桂池ふるさと村にございまして、ふるさと村にある農産物直売所がおばあちゃんの店という店があるわけでありますけれども、この施設の前にあって、おばあちゃんから見ると孫のような高校生でありますから、まごの店と名をつけられたそうであります。したがって、学校と地域が一体となって取り組んだレストランでありまして、地元でも大変好評をしていただいているわけでありますので、今後とも頑張っていただきたいと思っておるわけであります。  それからもう一つ、島根県立隠岐島前高校というのが隠岐の島にあるわけでありますけれども、こちらは先ほど申し上げましたように、地域総がかりで学校の魅力向上に努める取り組みを行っており、その一つとして、学校内に異文化や多様性を取り込む島留学を実施しております。島外の生徒受け入れに当たっては、学校に寄宿舎を整備するとともに、地元の海士町において寮費などの補助制度を設けて、現在では在校生百六十名の四割以上が東京や京都、東北、果てはドバイなど島外からの留学生が来ておるわけでありまして、福岡県におきましても、このような他県の特色ある事例を参考にしていただきながら、学校、地域ともに知恵を出し合い、定員割れ解消に向けて効果的な取り組みをしていただくよう強く要望したいと思っております。  私、今議会をもちまして引退させていただくわけでありますので、皆さん方に長年お世話になったお礼を申し上げますとともに、四月にはまた選挙があるわけであります。どうか皆さん方、全員当選していただきまして、福岡県議会の発展、そしてまた県政の発展により一層頑張っていただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 19 ◯副議長(岩元 一儀君) 以上で代表質問を終わります。  本日はこれをもって散会といたします。           午 後 三 時 二十八分  散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights 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