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  1. 福岡県議会 2014-02-14
    平成26年2月定例会(第14日) 本文


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(松尾 統章君) ただいまから本日の会議を開きます。 *議長発言  議事に先立ち申し上げます。  未曽有の被害をもたらした東日本大震災の発生から本日で三年を迎えました。この震災により犠牲となられた全ての方々に対し、哀悼の意をあらわすために、謹んで黙祷をささげたいと思います。  一同、御起立願います。なお、傍聴席の方々も、この際、起立について御協力をお願いいたします。           〔総 員 起 立〕 2 ◯議長(松尾 統章君) 黙祷。           〔黙      祷〕 3 ◯議長(松尾 統章君) 黙祷を終わります。御着席ください。  日程に従い一般質問を行います。順次発言を許可いたします。板橋聡君。(拍手) *板橋議員質問 4 ◯十一番(板橋 聡君)登壇 私は、東日本大震災の一カ月後に初当選し、県政の場に送り出させていただきました。活力ある福岡県であることが日本全体の復興につながると信じ、ともに頑張りましょう。  おはようございます。自民党県議団の板橋聡でございます。本日は、スポーツによる広域地域振興について質問させていただきます。  ソチ・オリンピックで金メダル最有力との呼び声が高かった女子スキージャンプ高梨沙羅選手、彼女は北海道上川郡上川町出身です。人口わずか四千人にもかかわらず、この町には二十メートル級、四十メートル級のジャンプ台があり、長野オリンピックスキージャンプ金メダリストの原田雅彦さんはこの町の出身。そして高梨選手のお父さん、お兄さんもスキージャンプの選手でした。八歳のときから上川町でジャンプになれ親しみ、世界の頂点を目指した高梨選手を応援するため、町を挙げてのパブリックビューイングには三百人以上の老若男女が声援を送りました。残念ながら女子ジャンプ代金メダリストにはなれませんでしたが、その翌日、上川ジャンプ少年団の選手たちはいつもどおり練習にいそしみ、テレビ取材で向けられたマイクに、沙羅ちゃんみたいになりたい、オリンピックに出たいと、屈託なく答えていました。スキージャンプとともに歩む上川町、スポーツは地域に活力を与える全員参加型の文化だと実感した次第です。  今から十年ほど前、スポーツジャーナリストの二宮清純氏がこのような主張をされていました。元来スポーツは地域の文化だが、日本のスポーツは学校と企業を中心に運営されてきた。スポーツにおける大政奉還をして、もう一度スポーツを地域に取り戻すべきだと。文部科学省においても総合型地域スポーツクラブの設置が推進される中、二〇一一年にスポーツ基本法が制定され、スポーツが地域の一体感や活力を醸成し、地域社会の再生に寄与すると定義されました。  そこで知事に質問です。福岡県におけるスポーツがもたらす地域活性化の効果について、知事はどのように認識しているか御所見を披露ください。  スポーツは、選手、コーチ、またそれをサポートする人々がいて、競技、トレーニングを行う施設が存在し、かつ選手同士が集い、競い合う大会の開催が物語を生み出し、普及をしていきます。人、場所、物語が伝統を織りなす。これは地域に根づくお祭りの要素と似ており、スポーツもお祭り同様に地域特性があります。県下全域で画一的な施策を行ってもなかなかうまくいきません。  そこで知事に質問です。京築地域の神楽のように、地域のお祭り的な伝統、文化のような捉え方で、スポーツと地域の結びつきを活用し、地域振興を目指すべきと考えますが、現在県においてスポーツを所管している教育庁、県民文化スポーツ課だけでは自治体との連携や地域振興の観点が足りないと感じます。スポーツの特性を生かし、広域地域振興を市町村と連携して取り組むべきと考えますが、知事のお考えはいかがでしょうか。  筑後地域は八女市、みやま市の剣道、ソフトボール、大川市のサッカー、柳川市の相撲など、地域に根づいた伝統的に盛んな競技が多数存在しています。また、みやま市、筑後市にまたがり体育館、テニスコート、野球場、サッカーを同時に四面開催できる多目的グラウンド、完成を控えた公認五十メートルプールを擁する県営筑後広域公園があります。そして、そのエリアに福岡ソフトバンクホークスファーム本拠地がやってきます。しかしながら、現在企画・地域振興部が推進する広域連携プロジェクトには、スポーツを柱とした事業がありません。  そこで知事に質問です。全国的にも東京オリンピック開催に向けてスポーツの力に対する注目度が上がっている中、筑後地域は福岡県の県有施設である筑後広域公園が存在し、福岡ソフトバンクホークスファーム本拠地が移転してきて、公認五十メートルプールも完成します。まさに天の時、地の利が整いつつある筑後地域で、知事のリーダーシップにより人の和、地域の和をつくりませんか。ぜひ、広域連携プロジェクトの一環として、スポーツを柱とした広域地域振興を筑後の地で目指したらいかがでしょうか。知事の所見をお伺いいたします。
     先述のとおり、福岡ソフトバンクホークスファーム本拠地が筑後市にやってきます。筑後市のみならず近隣自治体でも、アベノミクスによる景気の活況や東京オリンピック誘致を上回るほどの明るい話題となっています。ソフトバンクホークスファーム本拠地は、筑後市を含む三十三自治体による誘致合戦となりましたが、筑後市は第一次選考を突破した段階で、ソフトバンクホークスファーム本拠地を筑後市に、というキャッチフレーズを改め、ソフトバンクホークスファーム本拠地を筑後に、としました。それに呼応し、矢部川流域の七自治体で構成されます筑後七国を初めとする県南の市町村が協同して、広域で誘致活動を行いました。昨年秋十月六日に行われた筑後広域公園での県南地域住民一同による感動的な一万人決起集会は記憶に新しいところです。  そこで知事に質問です。移転先の選考において、このような広域の取り組みや筑後広域公園の存在が高く評価されたと聞いております。惜しくも誘致することができなかった三十二自治体の皆様にとっても、筑後、頑張ってるじゃないか、筑後に決まってよかったやんかと評価していただけるよう、地元ももちろん頑張りますが、県としても大いに関与して、筑後地域の振興を目指すべきと思いますが、知事の御所見を披露願います。  また、そのためには県とソフトバンクホークスでよく話をし、その上で県と地元自治体ソフトバンクホークスの三者で話し合う場も必要と思いますが、いかがでしょうか。また、これは庁内横断の事業となります。県庁内でも所管部署があってしかるべきと思いますが、知事の考えをお聞かせください。  さて、本県にはソフトバンクホークス以外にも、Jリーグのアビスパ福岡ギラヴァンツ北九州bjリーグライジング福岡、大相撲十一月場所などプロスポーツの拠点が存在しておりましたが、それらは福岡市を中心とした政令都市だけの存在でした。今回、筑後地域にとっては待望のプロスポーツ本拠地が進出することとなり、プロスポーツの拠点が県下各地に広がり始めました。Jリーグには百年構想があり、地域におけるサッカーを核としたスポーツ文化の確立を目指す中、ホームタウンと協力し、スポーツ地域活性化経済活性化に寄与するべく活動しておられます。また、プロ野球においても、当時の横浜ベイスターズはファーム球団を一軍とは違う湘南シーレックスと命名し、ファーム本拠地において地域密着の球団運営をされていました。  そこで知事に質問です。現在のソフトバンクホークスファーム本拠地である雁ノ巣では、地域活性化の観点でどのような事業があり、その効果、メリット、デメリットを含め、まず県として把握すべきではないでしょうか。その上で、プロ野球球団ソフトバンクホークス以外に十一あります。他のファーム本拠地Jリーグチームホームタウンの行政がどのようにプロスポーツチーム地域活性化に活用しているか、筑後市を初めとする地元自治体をリードして先行事例を研究すべきと思いますが、いかがでしょうか。  一方で心配な部分もあります。「財界九州」という雑誌の三月号の記事で、ソフトバンクホークスファーム本拠地誘致で沸く筑後の課題として、用地の問題とアクセス道路の問題が指摘してありました。民間と住民がこれだけ盛り上がっているのに行政が水を差すようなことがないよう足並みをそろえて対応することを強く要望し、知事に質問いたします。  ファーム本拠地誘致による相乗効果で、地域外からの自家用車を利用した来訪者が増加することが予想されます。ふなれな地で渋滞のストレスを感じたり、ましてや事故などを起こすようなことがあってはなりません。スポーツによる広域地域振興を下支えするインフラ整備についてどのようにお考えか、知事の所見をお聞かせください。  知事は年頭から、景気、雇用対策に全力を尽くすとおっしゃっておられます、そうですね知事。筑後地域にはまだまだアベノミクスの恩恵が感じられないと評価される方も多いようですが、景気は気からと言われます。アベノミクスはようわからんばってん、オガノミクスもよかやっかと言っていただけるような、地域に光を与え、地域住民が前向きに一歩踏み出したくなるような答弁を期待して、私の一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5 ◯議長(松尾 統章君) 小川知事。 *知事答弁 6 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、スポーツがもたらす地域活性化の効果についてでございます。スポーツは、体力の向上や心身の健康増進はもとより、人と人、また地域と地域との交流を促し、地域の一体感や、また活力を醸成するものであると、このように考えております。また、先日、北九州ではマラソンを行いましたが、そういった地域の特色のあるスポーツイベントというのは誘客効果がある、また観光資源としても活用できる、そういったことから地域活性化に寄与するものであるというふうに思っております。こうしたことから、今議会に御提案をさせていただいております福岡県スポーツ推進計画の中でも、スポーツの活力を生かした地域の魅力の創造というものを柱の一つに掲げさせていただいております。今後とも、それぞれの地域の特色を生かしたスポーツを振興することによりまして、地域の活性化を推進していきたいと考えています。  スポーツと地域との結びつきを生かした地域振興についてお尋ねがございました。県内では、見渡しますと、世界最高峰の大会となりました飯塚市の国際車いすテニス大会、九州最大のボート競技大会でございます遠賀町の九州朝日レガッタ高校ラグビーの国際大会でございます宗像市のサニックスワールドラグビーユース交流大会、それから真木和泉守にちなんだ久留米市の紫灘旗全国高校的弓道大会など、それぞれの地域におきまして、それぞれの自然環境や競技施設というものを活用したスポーツイベント、大会が実施されているところでございます。このような地域に根差したスポーツの活用というのは、地域住民のきずなを強める、また郷土愛を醸成していくことにもつながるものであると考えております。今後とも、市町村と連携いたしまして、スポーツを地域資源として活用した地域の振興に取り組んでまいります。  筑後地域の振興についてでございます。スポーツイベントの誘致やスポーツを見る、それからする、そのための旅行と周辺地域の観光というものをあわせたスポーツツーリズムといった取り組みは、地域の振興を図る上で有効なものであると考えております。県では、筑後広域公園の多目的運動場、体育館、テニスコートなどに加えまして、現在プールの整備を進めているところでございます。議員御指摘のとおりであります。県立の久留米スポーツセンターの改築も行うこととしております。また、八女市ではグリーンフィールド八女におきまして天然芝サッカー場が整備されております。このように、筑後地域ではスポーツのための施設整備が進んできております。また、福岡ソフトバンクホークスファーム本拠地の移転先が筑後市に決定され、地元におきましては、先ほどお話がありましたように、スポーツを活用した地域振興に関して大きな期待が高まってきていると、このように承知しております。今後、筑後地域の市町村とも協議を行いまして、スポーツを活用した広域的な取り組みについて検討を進めていきたいと思っております。  福岡ソフトバンクホークスファーム本拠地移転への対応でございます。ファーム本拠地移転予定地は、九州新幹線、鹿児島本線の筑後船小屋駅、また九州自動車道の八女インターチェンジみやま柳川インターチェンジ有明海沿岸道路からも近く、九州一円からのお客様が期待できる絶好の場所にあると思っております。また、隣接する筑後広域公園には、先ほど申し上げました各種スポーツ施設のほか、昨年四月には芸術文化交流拠点といたしまして九州芸文館が開館をしたところでございます。今回のファーム本拠地の立地というのは、これらの施設とあわせて集客の相乗効果を生むものとして期待をしているところであります。今後、県としても関係部局しっかり連携いたしまして、地元を含め関係者の皆さんと一体となって知恵を出し合いながら、筑後地域でのスポーツツーリズムの推進などファーム本拠地を核とした広域的な地域振興に取り組んでまいります。  ファーム移転に伴う協議の場でございますけれども、今回のファーム移転を地域の活性化につなげていくためには、県、地元自治体ソフトバンクホークス、関係者の連携が不可欠でございます。今後、県、筑後市、みやま市など関係自治体ソフトバンクホークスとの間で協議の場を設けまして、しっかり地域振興につなげていきたいと考えております。  県の担当部署でございますけれども、移転に伴う道路などの関連インフラの整備のみならず観光、スポーツの振興など全庁的にわたる業務となりますことから、県政の総合調整と広域地域振興とを担っております企画・地域振興部を担当といたしまして、その中で広域地域振興課を担当課とさせていただきます。  次に、プロスポーツ活用方法の先進事例の研究についてお尋ねがございました。議員御指摘のとおりでございまして、地元市町あるいは関係者の皆さんと一緒になって、プロスポーツを活用してきたいろんな地域のいろんな先進事例も研究して、より効果的な私どもの取り組みが進められるよう努力していきます。  次に、ソフトバンクホークスファームの新本拠地周辺の道路整備についてでございます。ファーム新本拠地が完成をし、試合やイベントが開催されるときには、多くのお客様が車を使って訪れ、周辺道路が混雑することが予想されます。このため、新たに発生する交通量が周辺の道路にどういう影響を与えるか把握する必要があると考えております。そのため、まず筑後市、みやま市などの関係自治体や球団から、球場や駐車場の規模等につきまして情報をいただきまして、それらの情報をもとにJR筑後船小屋周辺道路また九州自動車道有明海沿岸道路から球場へのアクセス道路、それらを中心にいたしまして、道路や交差点の容量と想定される交通量というものを比較いたしまして、容量不足の箇所を抽出するなど周辺道路の整備についての課題点を整理していきます。 7 ◯議長(松尾 統章君) 原中誠志君。(拍手) *原中議員質問 8 ◯二十二番(原中 誠志君)登壇 民主党・県政クラブ県議団の原中誠志であります。通告に従いまして、政務活動に基づき一般質問を行わせていただきます。  本題に入る前に、先ほど本議会でも黙祷をいたしましたとおり、本日三月十一日は東日本大震災の発生三年目となります。地震、津波及びその後の大きな余震により、本年二月末現在で、死者一万五千八百八十四人、行方不明二千六百三十六人となっております。犠牲になられた方々には心から哀悼の誠をささげますとともに、今なお避難生活を強いられておられる方々は二十六万七千四百十九人にも上っております。被災者の方々の生活再建、被災地の一日も早い復興を願うとともに、我が会派としても復興支援を全力で進めてまいることを決意して、質問に入らせていただきます。  それでは、初めに本県の薬物使用防止対策について質問いたします。なお、今議会では代表質問、一般質問でも取り上げられておりますので、重なる部分は割愛させていただき質問に入らせていただきます。  まず、薬物使用防止対策についてであります。本県のホームページでは、「違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)とは、麻薬、覚醒剤等……と類似の有害性が疑われる物質」とした上で、「これらドラッグを使用した後に車を運転し他人をけがさせた例、錯乱状態で他人を殺害した例、過量使用により急性中毒死した例も報告されています。」、「覚せい剤や麻薬に指定されていないため、合法などと言われ、安心であるかのような誤解がありますが、決してそうではありません。」と指摘しているところであります。すなわち、本県においては、薬物使用については、MDMAやMDAなどに代表される錠剤タイプで、直接口から摂取するもののほか、たばこのように紙巻きや葉巻などの吸引物、またお香のように物質をたくことによって結果的に吸引するようなもの、さらには肌に塗ったりすり込むようなアロマ系のタイプのものまでありますが、いずれのものにせよ、中枢神経に作用し、覚醒作用や幻覚などを起こさせる物質を含む薬物については全て使用してはならないとしています。県として、県民に対して、こうした薬物は買わない、所持しない、使用しないということを強く求め、徹底しているところであります。  そうした立場からいいますと、どのようなタイプにせよ、中枢神経に作用し、覚醒作用や幻覚などを起こさせる物質を含む薬物は全て使用禁止ということで、そこには薬事法で規制されている物質を含まなければ合法という認識は有すべきではなく、グレーゾーンというのは存在しない、全て黒、違法であるという姿勢を強く持つというのが私の考えでもあります。脱法という言葉を使うことで、違法ではないというふうに正当化したり、果ては買ったり、使用したりする者も罪悪感をみずから希薄化させるのではないかと思います。  薬事法による規制では、対象となるドラッグやハーブ類が指定薬物でなければ有害性立証が低く、いわゆる脱法ドラッグとされています。しかし、脱法ということで薬事法の規制から逃れられるとか、違法性を免れるということではありません。前段で述べましたとおり、本県は合法であるとか脱法であるということではなく、薬物の使用は全てやめようということで訴えているわけであります。絶対だめというのを、もっともっと県民へ伝えていかなければならないと思います。  そこで、中枢神経の興奮、抑制または幻覚の作用を有する薬物についての取り締まり並びに防止対策について、二点知事に質問させていただきます。  まず一点目は、本県では、ハーブ店から無作為にハーブを抽出して買い上げ、検査しているとのことですが、これまでにどれくらいの製品について検査を行い、そのうちどれくらいから指定薬物が発見されたのでしょうか。また、違反が発見された場合は業者に対してどのように対応されてきたのでしょうか、お聞きいたします。  二点目に、薬物使用禁止に向けた啓発についてであります。取り締まりに加え、この啓発は極めて大切な取り組みだと思います。特に、若者に対する啓発については重要であります。日常的に若者がよく利用する施設の一つに、コンビニエンスストアがあります。このコンビニを利用しての啓発が効果的と考えますが、対策をお考えであればお聞かせください。  次に、薬物使用が原因と考えられる重大な自動車事故への対応と対策についてお尋ねいたします。去る二月四日、福岡市中央区天神一丁目の渡辺通四丁目交差点において、男性二人が乗った乗用車が突然急発進、暴走を始め、停車中の車両に次々と衝突するという事故が発生しました。この事故が起こった現場は、九州一の繁華街天神の中心部であり、渡辺通りという極めて交通量の多い場所です。事故発生時間帯は午後十一時十五分ごろとはいえ、平日のその時間帯は多くの車両が行き交う場所であり、一つ間違えば死亡事故にもつながりかねない極めて危険性の高い事故でありました。現在、関係機関により慎重な取り調べが行われていると聞きますが、今後、事実関係の判明とともに事故に対する責任の追及を強く求めるものであります。そして何より、いかに再発防止を図るかというのが問われている事故でもあります。  そこで知事に二点お聞きいたします。一点目は、ハーブの吸引が原因と疑われる今回の天神での交通事故の発生に対し、小川知事としてどのような御認識をお持ちなのかお聞きいたします。そして、再発防止を含め、今後どのように対策を取り組まれるのかお聞きいたします。  二点目は、薬物を使用しての運転の規制についてであります。薬物を使用して車両を運転することに対し、条例で規制できるものであれば規制条例をつくるべきだと考えますが、知事のお考えをお聞きいたします。  本項の最後に、警察本部長にお聞きいたします。薬物などの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で車を運転している者の取り締まりについて、県警本部長のお考えをお聞かせください。  次に、飲酒運転撲滅対策について知事に質問いたします。二〇一二年二月議会において、議員提案による飲酒運転撲滅条例を制定し、その年の四月一日から施行され、間もなく二年となります。この間、県警は、飲酒運転による事故は重大な人身事故を招き、時として人の命を奪う重大な犯罪であるため検挙に力を注がれてこられました。その結果、飲酒運転撲滅条例制定前の二〇一一年の飲酒運転による事故件数は二百五十七件で全国ワースト二位だったのが、制定の年の二〇一二年には百八十五件、ワースト十位となり、二〇一三年には百七十一件、全国ワースト九位となっています。飲酒運転撲滅条例と毎月二十五日の飲酒運転撲滅の日の制定並びに県警における日々の取り締まりの相乗効果があらわれていると言えます。しかしながら、飲酒運転の検挙件数は条例制定後も毎年一千件を超えているところであります。先月の飲酒運転撲滅の日においても、飲酒運転の検挙が二件、そのうち一件は飲酒運転現行犯逮捕でした。去る三月五日にも市の職員が飲酒運転で事故を起こし、停職六カ月の懲戒処分となっているところであります。  そこで、飲酒運転がゼロになるまで、飲酒運転は絶対しない、させない、許さないの合い言葉のもと、県民への飲酒運転撲滅条例の周知徹底と飲酒運転撲滅対策について、知事に四点お聞きいたします。  一点目は、飲酒運転撲滅条例の県民への周知についてお聞きいたします。御承知のように、道路交通法では二〇〇七年の法改正で、飲酒運転は五年以下の懲役、百万円以下の罰金など厳罰化が進みました。本県でも、飲酒運転の撲滅をさらに推進するために、二〇一二年九月二十一日より全国初の罰則つき飲酒運転撲滅条例が全面施行されたところであります。具体的には、飲酒運転の再犯者に対しアルコール依存症の受診の義務づけや、受診しない場合は五万円以下の過料、酒を提供した店にも、再発防止の指示に従わず必要な措置を講じなかった場合、店の名前を公表するほか、指示書の掲示違反者に対し五万円以下の過料を科すなどとなっております。そこで、条例が全面施行されて一年半、条例周知のために具体的に何を行い、その結果、県民への周知はどの程度進んだと考えられるのかお尋ねいたします。  二点目は、罰則つきの飲酒運転撲滅条例による県民への抑止効果についてお聞きします。先ほど述べましたように、飲酒運転による事故は減少しつつも、飲酒運転による検挙件数は年間一千件を超えています。そこで、罰則つき飲酒運転撲滅条例による県民への抑止効果は果たして上がっているのか、知事のお考えをお尋ねいたします。  三点目は、飲酒運転の再犯防止対策についてお聞きいたします。飲酒運転による検挙者の中には再犯者もいます。飲酒運転撲滅条例の施行後、飲酒運転違反者に対するアルコール依存症の受診努力義務対象者、これは一回の違反者ですが、ことしの二月末現在で一千四百六人、我が会派の岩元県議が昨年の六月県議会で質問した時点から八百五十七人もふえているわけであります。そのうち再犯者に対する受診報告義務該当者は十七名で、昨年六月時点から十四名も増加しております。その上で、昨年六月時点でアルコール依存症の受診義務者三人は、受診期間が過ぎても二人が受診していない状態が続いております。このことを含め、受診はどのようになっているのかお尋ねし、受診していない者がいるとすれば、その対策はどのようにとられているのかお尋ねいたします。  最後に、飲酒運転撲滅に向けた今後の取り組みについてお聞きいたします。飲酒運転により、福岡市東区の海の中道大橋で幼い三人の子供の命が奪われた悲惨な事故から七年が経過しました。この事故を、県民は決して風化させてはなりません。それは、本日三月十一日が東北大震災から三年目を迎え、決して風化させてはならないことと同様と考えます。これからも飲酒運転事故ゼロの安心、安全社会を構築していくため、今後どのように取り組まれるのか知事にお尋ねいたします。(拍手) 9 ◯議長(松尾 統章君) 小川知事。 *知事答弁 10 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず、私のほうからお答えをさせていただきます。  初めに、コンビニエンスストアを活用した若者への啓発についてでございます。これまで県では、独自に制作いたしました啓発ポスターを、若者が多く集まるカラオケボックス、ネットカフェ、ボウリング場など県内三百カ所に配布をしてまいりました。また、今年度から、違法ドラッグ夜回り隊による街頭啓発、繁華街にあります駅でのポスター広告を行うなど若者を対象とした啓発を行ってきている、また強化してきているところでございます。今後、若者が多く利用するコンビニエンスストアでの啓発についても検討してまいります。  次に、いわゆる脱法ハーブの吸引が原因と疑われる交通事故に対する認識と今後の取り組みについてでございます。今回の交通事故と脱法ハーブとの因果関係につきましては、まだ明らかになっておりませんが、脱法ハーブが原因と疑われる交通事故が全国的に発生しておりますことは大変憂慮すべきことであると思っております。脱法ハーブを吸引した者が救急搬送される事例も発生しておりまして、その危険性というものを県民お一人お一人に周知をすることが重要であると考えております。今後とも、脱法ハーブには、絶対に手を出さない、許さないという姿勢で、県民の皆様の啓発に努めてまいります。また、指定薬物が検出された場合には、県警察、九州厚生局麻薬取締部と合同で捜査をするなど、その連携を強化し、販売者や使用者等を徹底的に取り締まってまいります。  次に、薬物を使用しての運転の規制についてでございます。道路交通法では、「何人も、過労、病気、薬物の影響その他の理由により正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。」と規定されております。これは、交通安全という目的を達成するために、どのような理由であれ、正常な運転ができないおそれがある状態の場合に運転を禁止しているものでございまして、法律上、薬物を使用して運転する行為を一律に規制しているわけではございません。なお、薬事法の指定薬物につきましては、今回の同法の改正によりまして、新たに所持や使用というものが禁止されております。条例による薬物を使用しての運転の規制につきましては、薬物の一つであります医薬品の常用が必要な方が、その医薬品が運転に支障が生じない場合でも運転ができなくなります。また、脱法ハーブ等につきましては、その使用と危険な運転との因果関係が医学的な見地から明らかになっておりません。したがいまして、条例で薬物や脱法ハーブを使用して運転する行為を規制することは、道交法の趣旨を超えておりまして、法律上困難であるというふうに考えております。  次に、飲酒運転撲滅条例の県民への周知についてでございます。平成二十四年二月の条例制定後、県民の皆様への周知を図るために、市町村の施設や公共交通機関等でのポスターの掲示、街頭やコンビニにおけるチラシの配布、それから全戸配布の「福岡県だより」や県のホームページによります広報を実施してまいりました。さらに、飲酒運転撲滅活動推進員による事業所や飲食店への直接訪問、事業者が行います研修へのアドバイザーの派遣などさまざまな形で条例の周知の取り組みを行ってまいりました。平成二十五年十一月に実施しました県政モニターアンケートによりますと、六八・三%の方が全国初の罰則つきの飲酒運転撲滅条例が施行されたことを御存じでございました。条例全面施行後一年余の期間を経て、一定程度その周知が進んでいるというふうに考えております。  飲酒運転撲滅条例による抑止効果についてでございます。平成二十五年の飲酒運転事故件数は百七十一件となりまして、前年と比較して十四件減少し、統計が残っております昭和四十年以降最少の件数となってございます。平成二十二年には三百三十七件でワーストワンでありました全国順位につきましても、現在ワースト九位まで改善はされております。さらに、平成二十五年の飲酒運転による検挙件数は千二百四十一件でございまして、条例施行前の平成二十三年と比べて五百八十一件、率にいたしまして三〇%以上の減少を見ております。こうしたことは、条例の施行と、そして飲酒運転撲滅に向けたさまざまな取り組み、当然警察の取り締まりもございます、によりまして、飲酒運転撲滅意識というものが県民の皆様に広がった結果でありまして、飲酒運転を抑止する効果は上がってきているのではないかと考えております。しかしながら、検挙件数は今申し上げましたように年間千件を超えております。飲酒運転はいまだに後を絶っておりません。飲酒運転の撲滅は極めて重要な課題でございます。  次に、飲酒運転再犯者の受診状況と対策についてお尋ねがございました。飲酒運転再犯者の十七名のうち、これまで八名が受診をしております。受診をしていない受診義務者九名のうち、定められた期限内に受診をしていない六名に対しましては、現在、電話や文書、訪問によって継続して受診を促しているところでございます。これに従わない者に対しましては、受診を命令することによって対象者が確実に診断を受けるようにしてまいります。  次に、飲酒運転撲滅に向けた今後の取り組みについてでございます。これまで飲酒運転の撲滅に向けまして、先ほど来御答弁いたしましたように、条例の周知徹底を図りますとともに、飲酒運転撲滅キャンペーンの実施、飲酒運転撲滅活動推進員の関係企業、店の直接訪問による宣言企業、宣言の店の登録の拡大、飲酒運転違反者への受診指導などに取り組んでまいりました。来年度からは、従来の飲酒運転撲滅キャンペーンに加えまして、飲酒運転撲滅の日でございます毎月二十五日にも新たにキャンペーンを実施させていただきます。また、若年者に対する啓発を進めていくため、新たに専門の講師を県下の全高校に派遣をいたしまして、飲酒運転は絶対にしない、させない、許さない、そういう意識の徹底に取り組んでまいります。飲酒運転は、許すことのできない重大な犯罪でございます。県民生活の安全、安心の実現に向けまして、飲酒運転を撲滅すべく、これからも県警察、県議会、関係団体、そして県民の皆様と一体となって全力で取り組んでまいります。  残余につきましては保健医療介護部長から答弁させていただきます。 11 ◯議長(松尾 統章君) 福山保健医療介護部長。 *保健医療介護部長答弁 12 ◯保健医療介護部長(福山 利昭君)登壇 県が買い上げた、いわゆる脱法ハーブの検査結果と違反業者への対応についてであります。指定薬物制度が導入された平成十九年度以降、八十八製品の検査を行っておりますが、そのうち七製品から指定薬物が検出されております。昨年九月までに違反を発見した五業者については、管轄の警察署に告発を行いました。また、昨年十月に指定薬物に係る司法警察権が県の麻薬取締員に付与されました。現在、一業者に対して県警察及び九州厚生局麻薬取締部と合同で捜査を行っております。 13 ◯議長(松尾 統章君) 樋口警察本部長。 *警察本部長答弁 14 ◯警察本部長(樋口 眞人君)登壇 薬物などの影響がうかがえる運転者の取り締まりについてでございますが、道路交通法は、正常な運転ができないおそれがある状態で車を運転することは極めて危険な行為であり、重大事故を引き起こす要因の一つであることから、その第六十六条において「何人も、過労、病気、薬物の影響その他の理由により正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。」とそのように規定しております。そこで、県警察では、この道路交通法第六十六条で禁止されているような運転をする者に対しては、同法による取り締まりはもちろんのこと、交通事故を起こした場合には危険運転致死傷罪の適用を視野に入れた捜査を行っております。今後とも、悪質、危険な運転者を道路交通の場から排除し、交通秩序の維持に努めてまいります。 15 ◯議長(松尾 統章君) 原中誠志君。 16 ◯二十二番(原中 誠志君)登壇 ただいま知事並びに県警本部長より御答弁をいただきました。最後に、知事に一点要望して終わりたいと思います。  先ほど申し上げました、二月四日に発生しました天神での暴走事故についてでありますけれども、これまで県行政も県警察も、私たちも、そして市民の多くが想定していなかった、前提もしていなかった事故と言っても決して過言ではないと思います。どういうことかといいますと、知事は先ほどの答弁の中で、一律に薬物を規制するものではないというふうに御答弁いただきましたけれども、風邪薬や花粉症の薬のように眠気を催す薬というものはありますけれども、今回の薬物使用についての事故とは根本的に質の違うものと思っております。マスコミでも報道されておりますとおり、運転手は脱法ハーブを吸引して運転したと供述しているとのことであります。すなわち、今回の事故については、中枢神経に作用し、覚醒作用や幻覚などを起こさせる物質を含む薬物を吸引した結果の事故と考えられます。これまでの私たちの常識の中では、覚醒作用や幻覚などを起こさせる物質を含む薬物を摂取して、また吸引しながら運転するなどというのはやるはずもないというのが前提だったわけではないでしょうか。しかし、その前提は崩れ、起こるはずのないこと、起こってはならないことが現実に起こってしまったわけであります。今回の事故は、薬事法のすき間といいますか、網の目をすり抜けるとでも言える行為であり、確かに道交法の適用で処罰が可能とはいえ、飲酒運転の逮捕者のように、明らかに薬物吸引している行為者をその場で検挙できないということに対しては、先ほども申し上げましたように、薬物を使用して車両を運転することに対し、条例で規制できるものであれば規制条例をつくるべきだと考えます。ぜひとも、今後検討していただくことを知事に強く要望し、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 17 ◯議長(松尾 統章君) 浜崎達也君。(拍手) *浜崎議員質問 18 ◯六十四番(浜崎 達也君)登壇 皆さん、こんにちは。公明党の浜崎達也です。通告に従いまして一般質問を行います。  私は、高校進学は、発達障害のある生徒や保護者の皆さんには大変深刻な問題です、本県においても福岡県教育庁の英知を結集し早急に取り組んでいただきたいと、再三質問してまいりました。今回四回目の質問になりますが、さらに不登校の経験のある生徒も加え、高校進学について県知事並びに教育長に質問をいたします。  さて、二月十日に佐賀県立太良高校の三回目の視察に上岡、二宮、壹岐議員と私四人で参りました。今回の視察目的は、発達障害のある生徒と不登校の生徒の一期生がこの春卒業であります。いわば、全国で初の取り組みの成果が問われる時期でありました。どんな成果が出ているか期待しながらの訪問でした。  学年末で大変に忙しい中に応対していただいた校長先生には、今年度より教頭先生が昇格されていました。さて、入学当初、不登校、発達障害のある生徒は三十名でした。そのうち中途退学が十一名、留級生徒が三名、卒業生が十六名。結果としては三年間で三十名中十六名が卒業できたわけです。不登校生徒と発達障害のある生徒との卒業内訳は、不登校の生徒が残念ながら中途退学し、発達障害のある生徒は、前回紹介した唐津から二時間半かけて通学した生徒も含め全員卒業できたそうであります。この卒業生の進路は、進学が四年制大学に四名、専門学校に四名、就職が七名、海外留学が一名でありました。特筆すべきは、不登校の生徒が国立大学に合格したそうです。当校では、何と十一年ぶりの快挙であったようです。当校の教職員初め地域の方々が三年間、三十名の生徒一人一人にかけた愛情と御苦労に心から敬意を表する次第です。  三月一日の卒業式は、晴れやかで感動的な卒業式であったそうです。行き場のなかった生徒たちと悩み続けた保護者に、自立のための高等教育の場をつくってあげた佐賀県教育委員会の英断に改めて敬意を表するものです。  さて、本県に話題を戻して、私立、県立高等学校の取り組みについてお聞きします。  まず、知事にお尋ねします。今述べました佐賀県立太良高等学校の取り組みに対しての率直な感想をお聞かせください。  次に、私立高校における発達障害のある生徒と不登校の傾向のある生徒に対する特別支援教育を行っている学校はどれくらいありますか。あわせて、私立高校での不登校ぎみの生徒のためのセーフティーゾーンであります県内四カ所の学習支援センターの状況と、それに対する所感もお聞かせください。  次に、昨年知事は、「専任教職員配置に対する助成の見直しにつきましては、各学校の特別支援教育にかかわる経費負担の状況を調査いたしまして、私学団体など関係者と協議を行い、検討を進めていきたいと思います。」との答弁でありました。私学の助成に関する検討はどのようになっているかお答えください。  次に、県立高校での取り組みについて教育長にお尋ねします。佐賀県立太良高校は、単位制の学校です。本県にも福岡市に博多青松高校、北九州市にひびき高校と設置されています。ところで、県教委が毎年中学生に県立高校の案内の冊子を配られています。その中に博多青松高校とひびき高校の紹介に、一、自分で時間割りをつくる、二、マイペースで学習できます、とありました。中学生には心地よい高校生活が送れると思うのか、毎年の競争率は、一期入試、面接と作文の昼間の部の倍率はそれぞれ三倍前後であります。教育長は、「県立高校では、……障害の特性に応じて、自分のペースでの学習を望む生徒に対しましては、三部制の単位制高校等の整備を行っておるところでございます。」との答弁がございました。本来なら、今申し上げた発達障害のある生徒や不登校の傾向のある生徒が教育を受けやすい学校だったはずですが、子供たちにとって極めて狭き門になっています。  そこでまず、この二校の設立目的と現状の認識をお聞かせください。  次に、太良高校の文科省へのレポートを通し、以下三点お尋ねします。一点目、発達障害のある生徒はどこの学校にもいることが考えられることから、今後は全ての高等学校教員に特別支援の知識が求められているのではないかと考えると報告がされていました。本県における高校教員の発達障害の研修はどのようにされているかお聞かせください。  二点目、太良高校では、学校と教育行政と就労支援と地域との総合的なバックアップの必要性が報告されていました。本県で特別支援クラスを設置するため大変参考になると思いますが、お考えをお示しください。  三点目、本県には、先ほど触れた二校以外にも全日制の単位制高校が七校あります。各校特色を出しての教育がなされているとは思います。改めて教育長、発達障害のある生徒と不登校の生徒を受け入れるクラスの設置を決断すべきだと考えますが、明確にお答えをいただきたいと思います。  続いて、がん予防教育推進についてお尋ねします。平成二十六年二月五日、飯塚市の穂波西中学校で、九州初となる、生きるの教室/ドクター中川のがんと向き合う、が開催されました。初日の一般質問でも取り上げられましたが、教室開催の提案者として開催報告と質問をいたします。  この教室は、二〇一一年十月から毎年全国の中学校二年生を対象に開催されており、今回で十二回目となる本プログラムは、全国で大きな反響を呼んでおります。民放テレビの「世界一受けたい授業」でも放映されたようです。昨年の十月に、関西よりこの教室の九州開催の要請を受け、県教育庁に持ちかけました。穂波西中学校の校長先生から、この授業を通して命の大切さをぜひ生徒たちに学んでほしいとの声が寄せられ、九州初となる今回の教室開催の運びとなりました。授業内容は、中川先生による講義とアニメ映像、がん経験者による体験談の第一部、グループに分かれて行う討議を中心とした第二部で構成された授業は、約二時間近くにわたりましたが、子供たちは終始真剣な態度で取り組んでいました。特にグループ討議では、大切な人をがんで亡くさないために何ができるかなどのテーマが掲げられ、授業が終わった後の生徒たちの感想には、自分の健康への感謝だけではなく、家族に対して、帰ったらたばこをやめてと言いますなどの声もあり、まさに命の大切さを学ぶ大変有意義な授業であったと感じています。中川先生からも、これまで行った授業の中で一番真面目に授業を受けてくれた、グループ討議も真剣に議論しており、非常に質の高い授業になったとの評価もいただきました。私も約二時間、生徒たちと一緒に真剣に学ばさせていただきました。今回は、我が会派から大塚議員と公明の地元市議会議員とともに地元の江藤議員も出席していただき、大変にありがとうございました。私自身、九州初の授業ということもあり、不安もありましたが、校長先生を初め教職員の皆様、生徒全員が一体となって正面から取り組んでいただきました。心から感謝いたします。子供たちが命の大切さから日常生活の友達とのかかわりを見詰め、毎日が楽しい学校生活となることを切に願っております。  そこで教育長にお尋ねします。先ほど述べました生きるの教室には、教育庁の関係者も参加していただきました。まず、教育長のこの授業に対する感想をお聞かせください。  次に、来年度予算で、昨年新たながん対策推進基本計画が閣議決定され、学校における教育全体の中でがん教育への取り組みを推進する、各都道府県等が主体的に行うがん教育に関する多様な取り組みに対して支援を行うとのようでありますが、本県は、この国の予算提案に対してどのように取り組むのか具体的にお示しください。  以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 19 ◯議長(松尾 統章君) 小川知事。 *知事答弁 20 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  佐賀県立太良高等学校における取り組みについてでございます。太良高等学校では、発達障害のある者や不登校経験のある者、中途退学者を対象といたしまして生徒募集を行っておられます。そして、学ぶ意欲と能力のある生徒に対して基礎を学び直す授業や個別の指導、インターンシップを重視したキャリア教育など特色のある教育が行われている、そのように教育委員会から報告を受けております。本県におきましても、多様なニーズを持つ生徒さんたちに対する取り組みを進めてきております。後ほど教育長がその内容を御説明させていただきますけれども、議員から御紹介いただきました太良高等学校の取り組みというのも、そうした生徒さんたちに対応するための、ある高等学校における取り組みの一つであると、このように認識をさせていただいております。  私立高校における特別支援教育と学習支援センターの状況についてお尋ねがございました。県内の私立高校では、五十九校中、発達障害のある生徒が在籍している学校は三十九校ございます。いずれの学校におきましても特別支援教育が行われておりまして、そのうち三校で専任教職員の配置がなされております。また、学習支援センターにつきましては、県内の私立高校生の不登校、中途退学防止を目的にいたしまして、本県の私学団体が福岡市、北九州市、飯塚市、久留米市の四カ所に設置をいたしております。学習支援や臨床心理士によりますカウンセリングを行っているところでございます。センター全体では、平成二十二年度百五十二名、二十三年度百五十九名、二十四年度百五十六名の生徒さんが利用しておりまして、そのうち毎年約八割の生徒さんが在籍校への復帰あるいは他校への転学を行うなど学業継続が図られているところであります。このような学習支援センターの活動は、本県私立高校の不登校、中途退学防止に大きな役割を果たしているものと認識をいたしております。県としましても、運営費の一部を助成し、その活動を積極的に支援をしているところでございます。  次に、私立高校における発達障害のある生徒にかかわる専任教職員配置に対する助成の見直しでございます。私立高校に対して調査を行いましたところ、発達障害のある生徒が在籍をしております三十九校において、十一校で専任教職員の配置が検討されております。しかしながら、人件費の負担というのが課題として挙げられたところでございます。また一方で、その調査の中で、発達障害のある生徒に対する教育というのは、一部の教職員だけではなく全教職員による対応が必要である、またさらなる専門性の向上が課題であると、そういった御意見も寄せられているところでございます。そういったところから、各学校の意向も踏まえまして、教職員のこの分野における資質の向上を図るための効果的な方策につきまして、さらに調査を行いまして、専任教職員の配置に対する助成の見直しとあわせて、発達障害のある生徒さんに対する教育のあり方、その支援のあり方について検討を進めていきたいと考えております。 21 ◯議長(松尾 統章君) 杉光教育長。 *教育長答弁 22 ◯教育長(杉光 誠君)登壇 博多青松高校及びひびき高校の設立目的と現状認識についてでございます。本県においては、生徒たちの多様化した学習ニーズや生活実態に適切に対応するため、三部制の定時制単位制高校として博多青松高校とひびき高校を設置しております。この二校では、他の高校で中途退学したり不登校になった生徒も、学校の修学期間や授業時間、履修科目を選択し、みずからの計画で学ぶことができます。また、両校では発達障害及びその疑いのある生徒が一割から二割、不登校経験のある生徒が二割から三割程度受け入れられております。そうした生徒に対しましては、個別の教育支援計画を策定するなどきめ細かな学習支援などに取り組んでおり、この二校で学んだ生徒の約九割が卒業を果たしております。  次に、高校教員の発達障害に関する研修でございますが、本県では初任者研修や十年経過研修といった基本研修のほか、各学校の管理職や主任主事等に対して行う研修会の中で、発達障害を含む特別支援教育に関する講義、演習を設定しております。また、各学校には生徒への適切な支援のため、関係機関等との連絡調整や職員の協同的な対応を可能にする役割として、特別支援教育コーディネーターを指名しており、このコーディネーターを対象に特別に支援が必要な生徒に対する教育に関する専門性の向上のための研修を行っております。  次に、佐賀県立太良高校の取り組みについてでございますが、この太良高校は、全日制単位制のシステムを生かし、自分の進路目標や興味、関心、適性に応じて個別の時間割り作成が可能となっており、また基礎から学ぶ新たな科目を設け、少人数指導などのわかりやすい授業を行っていると聞いております。さらに、三年間を見通した進路指導計画を作成し、進路ガイダンスを一年次から行ったり、インターンシップへ全員参加させるなどのキャリア教育に関する取り組みも行われていると聞いております。これらの試みは、多様なニーズを持つ生徒に対応するための取り組みの一つと認識をしております。  発達障害のある生徒と不登校の生徒を受け入れるクラスの設置についてでございます。本県においては、全ての県立高校において、発達障害があるということや欠席日数が多いということのみをもって選考対象から除外することなく、入学者選抜において別室受験を認めるなどの配慮を行いますとともに、入学後も各学校において生徒の実態に応じて指導内容や指導方法の工夫を行い、適切に受け入れを図ってまいりました。また、これまで県では、佐賀県立太良高校を初め発達障害や不登校の経験のある生徒への対応を進めている学校を視察したり、情報収集を行う等して研究を進めてまいりました。太良高校の取り組みは一つの受け入れ方法と考えますが、今回初めての卒業生を出した段階であり、今後の成果について十分見きわめる必要があると考えます。また、特定の学校に受け入れ枠を設けるに当たりましては、生徒の通学上の負担への配慮や必要な指導体制などについても、さらに研究する必要があると考えております。いずれにしましても、発達障害のある生徒や不登校の経験のある生徒の自立や社会参加に向けての高校教育のあり方は重要な課題であると認識をしており、より適切な受け入れの方法について、引き続き幅広い研究を行ってまいりたいと考えております。  次に、がん予防教育についてのお尋ねでございます。まず、生きるの教室の感想についてでございます。飯塚市立穂波西中学校で行われました生きるの教室の授業につきましては、残念ながら私は見ることができませんでしたが、がんの専門医からの講義とがん患者からの命の大切さへのメッセージを直接聞いた生徒からは、がんは早く見つければ治る病気だということがわかった、がんになっても治療することでしっかり生き続けようとする思いが伝わった、家族に検診を早く受けるよう話してみるなどの、がんに対する前向きな感想が出されたとのことでございます。このような生徒の感想や参観した職員の話を聞きますと、生徒自身ががんに対する理解を深めるだけでなく、生徒から保護者等にがん検診の早期受診を促す観点からも、がん教育をさらに推進していく必要があると感じたところでございます。  国のがん教育に対する支援への対応についてでございます。これまでもがん患者支援のNPO団体を招聘し、がん患者の体験談からがんとともに生きることの大切さなどを学ばせている学校がございます。このような取り組みをさらに広げ、がんに対する正しい理解やがん患者に対する正しい認識、命の大切さに対する理解を図ることを目的といたしまして、来年度からがん教育推進事業を実施することとしております。具体的には、有識者で組織しますがん教育推進委員会の設置、がんに関するDVDの配付、小中高等学校へのモデル授業の研究指定委嘱、教職員に対する研修会の実施を計画しておりますが、各事業の詳細は今後検討していきます。この事業を推進することによりまして、児童生徒のみならず保護者等がみずからの健康を適切に管理し、がん予防やがんの早期発見、早期治療につながる検診の重要性の理解を促すことなどが期待できます。 23 ◯議長(松尾 統章君) 浜崎達也君。 24 ◯六十四番(浜崎 達也君)登壇 私の質問が多かったのか、教育長も長々とたくさんありがとうございました。
     一点だけ、これは質問じゃなくて要望にかえますけれども、太良高校の取り組みで、種々お答えもいただきました。研究すると言って、前回も研究すると言いながら、二年前に一回行かれただけなんですよね、教育委員会は。しかも今回、私が質問するというのをうわさで聞かれたのか、慌てて電話を入れられたそうであります。その研究というのは電話一本でいいのかどうか、私は定かにわかりませんが、もう少し教育長、真剣にこの問題、取り組んでいただきたい。何回やっても同じ答え、これでは雄県と言われる福岡県の教育はどうなってるんだと、私はそう言わざるを得ません。どうかしっかり今後取り組んでいただきたいことを強く要望しまして、私の一般質問を終わります。  以上でございます。(拍手) 25 ◯議長(松尾 統章君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後一時二十分といたします。           午 後 零 時  十四分  休 憩           午 後 一 時 二十一分  再 開 26 ◯副議長(長 裕海君) 再開いたします。  休憩前に引き続き、一般質問を行います。順次発言を許可いたします。吉武邦彦君。(拍手) *吉武議員質問 27 ◯二十九番(吉武 邦彦君)登壇 皆さん、お疲れさまです。食と緑を守る緑友会・清進福岡県議団の吉武邦彦でございます。よろしくお願いします。  まず、日本の捕鯨が置かれている現況につきまして少しお話をさせていただきます。日本政府が反捕鯨国との対立によって商業捕鯨を一時停止して、はや三十年近くになります。現在、日本は南極海などで国際捕鯨取締条約に基づいて、鯨の資源が十分にあることを科学的に証明する目的で調査捕鯨に当たっています。その南極海では、アメリカに本部を置くエコテロリストとも呼ばれるあの悪名高い反捕鯨団体シーシェパードが、調査に反対して激しい妨害活動を行っており、操業が大変危険な状態にあります。一方では、オーストラリア政府が、日本政府に対して南極海の調査捕鯨までも中止を求めた訴訟がオランダ・ハーグの国際司法裁判所で争われており、いよいよ今月末に判決が出される見込みであります。この裁判は拘束力があり一審制で上訴はできません。  我が日本国は四面を海で囲まれ海洋国家で、捕鯨が有史以前から続けられており、歴史的な伝統文化の一つであります。国家の成り立ちはさまざまであり、西洋の鯨に対する価値観や食文化の押しつけは、私には納得がいかないところであります。世界中の鯨が食べる魚、イカ、オキアミなどの餌の消費量は、世界中の人間の魚の消費量の三倍から六倍という計算もあります。保護されたために海洋の生物資源は減少しており、捕鯨は海洋生物資源の保全につながるという意見もあります。現在では、世界の鯨資源は健全に増加をしており、資源管理と捕獲数管理を行えば、適正な捕鯨は問題ないと認識しております。判決においては、日本政府の正当性ある主張がぜひ受け入れられて、勝訴するものと信じております。そして、我が家の食卓でも、鯨の刺身や大和煮、竜田揚げや軟骨のかす漬けが味わえるように、また昔懐かしい鯨肉のライスカレーが学校給食に復活できることを期待いたしまして、はるかかなたの南氷洋と大海原でつながっています福岡県の水産振興についてお尋ねいたします。  まず、まき網漁業の経営安定対策についてでございます。御承知のとおり、九州の北西部に広がる玄界灘には大陸棚が韓半島へと延びており、暖流の対馬海流が流れ、暖流域の魚であるアジ、サバ、ブリ、サワラ、タチウオ、イワシ、タイ、ヒラメなど多くの魚種が回遊し生息する、世界でも有数の漁場となっています。宗像から沖ノ島へと続く宗像沖の海域は、対馬海流の恩恵で良好な漁場となる天然礁が多く点在し、その一帯ではさまざまな漁法で漁業が昔より営まれております。古来より、宗像沿岸は大変漁業の盛んな地域となっております。毎年十月一日には、航海の安全や、大漁、豊漁を祈願して多くの漁船による海上神幸行事みあれ祭が漁業者によって厳かにとり行われています。  しかしながら、近年、宗像の漁業の大黒柱であるまき網漁業が、水揚げの減少や燃油などのコスト高により、その経営が年ごとに苦しい状況となっております。主な漁獲物であるアジ、サバは、気候や漁場環境によって資源量や回遊経路が大きく変化するため、本県沿岸域での漁獲が不安定になっております。また、まき網漁は、明かりをたく船、網を巻く船、魚を運ぶ鮮魚運搬船などで船団を組みます。沖場での操業のため、現在のような燃油価格の高どまりで経費がかさみ、経営に大きなダメージを受けています。五月に解禁となった平成二十五年の漁期は十二月末で操業を終了しました。終盤でのブリの豊漁はあったものの、平成二十四年同様低調な水揚げとなってしまいました。このような中、私は昨年の六月議会で我が会派の代表質問において、県はまき網漁について具体的にどのような経営モデルを漁業者に提案し、指導していくのかただしました。  そこで知事にお尋ねいたします。まき網漁業者の経営安定のために、これまでの具体的な取り組みとその成果を踏まえ、今後どのような取り組みを行っていくのかお伺いいたします。  次に、トラフグ資源の増殖対策についてお尋ねいたします。フグ料理と言えば福岡の代表的な冬場の味覚であります。宗像ではトラフグを狙ってのフグはえ縄漁も盛んに行われています。本県は天然トラフグの漁獲量日本一を誇っています。その大部分は鐘崎のフグはえ縄漁で漁獲されています。全国で流通しているトラフグの九割以上が養殖である中、宗像は玄界灘の荒波で育ち、身の引き締まったとてもおいしい天然トラフグがとれる貴重な産地であります。  地元宗像市では、トラフグが最もおいしくなる冬場に、地元漁協と観光関係者が連携した鐘崎天然とらふくフェアが行われています。二月には東京でも宗像の天然トラフグを宣伝するフェアが行われました。これらの取り組みによって新たな出荷先ができ、漁業者の所得向上と地域活性化につながっています。このように販路拡大、付加価値向上対策についてはしっかりと取り組まれております。  しかし一方、漁業者からはトラフグの資源が厳しい状況にあるという言葉をよく耳にします。本県のトラフグ水揚げは、昭和六十二年の四百五十トンをピークに減少しており、近年は五十トンから六十トンで、何と最盛期の八分の一程度にまでも落ち込んでしまいました。先ほどは、まき網漁業者の経営が非常に苦しいというお話をさせていただきましたが、まき網漁は十二月に操業を終わり、一月からはトラフグ漁に入ります。いわゆる海の二毛作であります。このトラフグも不漁であれば漁業者の経営が成り立たず、若い後継者も育たなくなると危惧をいたしております。  そこで知事にお尋ねいたします。県として、トラフグの資源をふやすために、今後どのように取り組まれていくのかお伺いいたします。  次に、漁協の合併についてお尋ねいたします。いよいよことしの四月一日に、福津市と宗像市にまたがる地域にある宗像漁協と、宗像市にある鐘崎漁協が合併し、新たに宗像漁協として発足する運びとなりました。水揚げの減少や魚価の低迷など漁船漁業を取り巻く環境の悪化に伴い、宗像漁協と鐘崎漁協においても経営の厳しさが増しておりました。このような中、合併検討委員会を通じて二年近く検討、協議を重ね、昨年十二月二十一日の両漁協の臨時総会において合併の合意がとれたことは、本当に喜ばしいことでございます。合併の合意形成を図るに当たっては、両漁協の役員が御尽力されたことはもちろんでありますが、福岡県や宗像市の職員が両漁協の理事会や各種の集会に積極的に参加し、適切な指導、助言があったからこそだと考えております。  両漁協の平成二十四年度の水揚げ高はピーク時の三分の一程度に減少したものの、鐘崎漁協が十六億二千万円、宗像漁協が九億四千万円であり、合併すれば県内二位、漁船漁業としては県内一位の規模を誇ることになり、県内有数の漁協が誕生いたします。漁業の振興はもちろん、地域の活性化を図っていく上で、漁業者の中核となる宗像漁協の役割は大変重要であります。今後、経営基盤を強化し末永く安定させるには、県による漁協への継続的な経営状況の常例検査を含め、指導、助言を適切に行い、支援策についても宗像市と共通認識のもと、積極的なアプローチをお願いしたいと思います。  そこで知事にお尋ねいたします。県は、新生宗像漁協の経営安定のため、今後、どのような取り組みを行っていくのか、知事のお考えをお聞かせください。  次に、私が本県の漁船漁業への悪影響を大変心配しております事案であります、東シナ海の中国漁船によるトラ網漁についてお尋ねいたします。最近東シナ海において、トラ網と呼ばれる特殊な形状の網でアジやサバを大量に漁獲する中国漁船の実態が報道されております。トラ網は、日本国内では使用が禁止されている非常に強い集魚灯で魚を一カ所に集め、網目の細かい巨大な網で魚群を包囲して一気に漁獲するという、まき網と底びき網を組み合わせたような漁法であります。効率の高い漁法で、大量の魚を短時間に少人数で漁獲し、しかも小さな魚も網に入るということで、今後の水産資源への悪影響を大変心配しております。  我が国と中国との間には、東シナ海での漁業に関する取り決めである日中漁業協定が締結されています。その内容は、両国の排他的経済水域、いわゆるEEZの間に、暫定措置水域などの海域を設定し、自分の国のEEZでは相手国漁船に対して許可、取り締まりができるとなっています。また、毎年、両国の代表による委員会を開催し、相互入漁の条件や暫定措置水域における資源管理のための措置などについての協議をしており、昨年は八月に北京で開催されております。暫定措置水域では毎年、操業隻数と漁獲量の上限が決められております。昨年二月二十日には、博多を定係港にしている漁業取締船「白鴎丸」が、長崎県五島沖で我が国のEEZ内で操業していた中国トラ網漁船を違反操業で拿捕する事件も起きています。  暫定措置水域の二〇一三年の操業隻数は我が国の八百隻に対し中国は一万八千隻、漁獲量は我が国の十一万トンに対し中国は百七十万トンと、日中の間で非常に大きな差となっております。魚にとっては海に境界線があるわけではなく、東シナ海の魚は暫定措置水域を含めた日中両国の海を自由に回遊しています。東シナ海の沖合においては我が国と中国漁船は、共通の資源をとり合っている状況であります。  このように、圧倒的な数の中国漁船がこれらの海域で操業をしている中で、さらに漁獲効率が非常に高いトラ網漁法による漁獲が続くと、東シナ海全体の水産資源に深刻な影響を与えることを懸念しております。本県沿岸のまき網漁業においては、近年アジ、サバの漁獲量が減少してきております。アジ、サバは、本県のまき網漁業者にとって重要な魚種であり、その経営が苦しくなっている主な原因もアジ、サバの不漁によるものであります。本県の沖合では中国漁船との国際問題は直接的には発生しません。しかし、東シナ海と本県の漁場である玄界灘は対馬海流でつながっており、本県沿岸の水産資源にも多大な影響を与えていると私は考えています。昭和三十年代のピーク時には三十七万トンの漁獲量を誇り、乱獲によりその後、東シナ海での資源が枯渇し衰退していった以西底びき網漁業を思い起こさずにはいられません。  そこで知事にお尋ねいたします。本県の沿岸漁業を守るために、また貴重な日中共通の水産資源を守るために、トラ網による操業問題について、どのように対処されているのかお伺いいたします。  どうぞ、踏み込んだ答弁をお願いしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 28 ◯副議長(長 裕海君) 小川知事。 *知事答弁 29 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まき網漁業の経営安定対策でございますが、まき網漁業の経営を安定させるためには、まず操業にかかわる経費の削減を行いますこと、また漁獲物の付加価値を高め、収益を向上させることが重要であります。まず、経費の削減の取り組みでございますけれども、昨年から宗像地区の五船団におきまして、各船団の運搬船を一隻休ませて、漁獲の多いときには他の船団がそれを運搬するという共同運搬方式を試行的に実施をいたしました。その結果、燃油の使用量を約一三%削減することが確認されまして、漁業者の方々は今後もこの方式を取り入れていくこととされております。また、付加価値を高める取り組みについてでございますが、県では、今年度、血抜き処理を行うための装置を漁港に導入いたしまして、生きたまま水揚げされたブリでその効果を検証いたしました。その結果、市場の評価も高く、未処理のブリと比較いたしまして約一・七倍の単価で取引をされたところであります。この成果を踏まえまして、来年度は船上に装置を設置いたしまして、操業中の作業方法についてその実証を行いたいと思っております。さらに、コスト削減につながる網の改良にも取り組んでおりまして、模型による水槽実験によりまして網の改良点が明らかとなりましたので、来年度は漁場での試験操業を実施することといたしております。  次に、トラフグ資源の増殖対策でございます。トラフグは広域に回遊する魚でありますことから、その資源をふやすためには、まず稚魚の放流、これに加えまして操業期間の短縮、漁獲するトラフグの体長制限等によって資源管理を徹底すること、それらについて国や山口県、長崎県といった関係県と連携して取り組んでいくことが重要であります。本県では、稚魚の放流効果を高めるために放流する稚魚の大型化に取り組んでおります。これとあわせて、放流数を来年度は十万尾ふやしまして四十万尾とすることといたしております。また関係県の漁業者間では、漁獲された二十五センチ以下のフグは海に戻す取り決めをしておりますけれども、福岡県におきましては、ことしからさらに厳しい資源管理に取り組むため、これを三十センチ以下としたところであります。これらの取り組みにつきましては、国と関係県で組織をされております広域資源管理検討会議などを通じまして、広域的な取り組みとなるよう働きかけをしてまいります。  次に、合併後の宗像漁協に対する県の取り組みでございます。今回の合併によりまして、宗像漁協は漁船漁業の販売取り扱いでは、議員も触れられましたけれども県内第一の漁協となります。合併後の宗像漁協が、今後組合員である漁業者の負託に応えていくためには、経営の基盤の強化を図ることが重要であります。このため県では、今後の組織や事業のあり方等につきまして、漁協みずからが合併を進める際に定めました経営計画、これが着実に達成できるよう経営状況を随時把握しながら指導、助言をしてまいります。特にこの経営計画におきましては、販売部門を強化することとされておりまして、県では、漁協が取り組んでいかれるPR活動、また地元の飲食店と連携した直接取引などを支援をしてまいります。また、先ほど申し上げました漁協の基幹漁業でありますまき網漁業の経営安定化対策とあわせまして、地元宗像市、福津市とも連携いたしまして、この合併後の宗像漁協の経営の安定を図ってまいります。  次に、東シナ海のトラ網についてお尋ねがございました。東シナ海での中国との漁業交渉は、日中漁業協定の枠組みの中で国が行っているものでございます。中国のトラ網漁船の取り扱いにつきましては、昨年、日中両国の協議の場でございます日中漁業共同委員会におきまして、その管理を強化することが合意されております。しかしながら、具体的なその管理の内容についてはまだ決まってないという状況にございます。アジ、サバなどの回遊する魚につきましては、広い海域での資源の管理が必要になります。トラ網のような漁獲能力の高い漁法が増加していきますと、本県の持続的な水産資源の利用に支障を来すおそれがございます。このため、県におきましては、国に対し全国知事会を通じまして、日中暫定措置水域などにおける資源管理体制と、そして操業秩序の確立、排他的経済水域内における外国漁船の違法操業に対する我が国の監視、取り締まり体制の充実強化、それらにつきまして要望しているところでございます。県としましては、今後とも全国知事会を通じ、また九州・山口各県と連携しながら、国に対し働きかけを続けてまいります。 30 ◯副議長(長 裕海君) 川端耕一君。(拍手) *川端議員質問 31 ◯八番(川端 耕一君)登壇 皆様、お疲れさまでございます。自民党県議団の川端耕一でございます。早速質問に入らせていただきます。  学校における金融経済教育、金融リテラシーについて教育長に質問いたします。金融経済教育とは、簡単に言えばお金の勉強です。私たちの人生にとってお金は切っても切り離せないものであり、大切なものです。しかし、過去の教育現場において、この人生を左右することのあるお金についての勉強が、義務教育において、また高校の授業においても十分行われておりませんでした。しかし、平成十八年の教育基本法改正により、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視することや、主体的に社会に参画し、その発展に寄与する態度を養うことなどが規定され、これを受け学習指導要領が改訂され、小学校は平成二十三年度から、中学校は平成二十四年度から全面実施され、高等学校においては平成二十五年度から年次進行で実施されているそうです。また平成十六年に消費者基本法、平成二十四年には消費者教育の推進に関する法律が施行され、学校において消費生活に関する教育を充実させることが指摘されており、金融経済教育も消費者教育という側面から充実させることが求められています。  そこで質問です。現在、県内において金融経済教育はどのように進められているのか教えてください。  私も県内の学校で使用している教科書などを調べさせていただきましたが、予想以上に金融経済に対しての実社会とつながった教育内容であるのに驚きました。また、千葉県のある高校の金融経済教育では、全国銀行協会の講師がローン、クレジットの仕組みや債務と債権などの授業で、ローンの審査、判断には四つのCがある、人格のキャラクターのC、支払い能力、キャパシティーのC、資産、キャピタルのC、自己管理、コントロールのC、この四つのCを見きわめてお金を貸すか貸さないか決めているという銀行内部の実社会の話や、また生活設計・マネープランゲームという、職業カード、基本生活支出・収入カード、人生の選択カード(結婚、子育て、住居)、イベントアクシデントカード、保険カードなどを使って、具体的な人生シミュレーションができる、遊びながら学べる教材を使っての興味深い授業を金融のプロの講師が行っているそうです。この授業の生徒の結果感想は、貯金は三億八百万円になったが忙しくて旅行も行けなかった、借金が一千万円あったが子供を三人育てて大変だった、貯金は七百七十万円だが結婚できず寂しい老後になりそうなど、さまざまな人生シミュレーションができ、収支バランスの大切さやマクロ的視点、ミクロ的視点で考えていく力がついたということであったそうです。私も学生のときにこのように学ぶ機会があったら、今ごろ一財産が築けていたかもしれません。このような金融経済授業をいかに生かすかで、現在問題になっている多重債務者や個人破産、また若年層の生活保護者の増加など、問題は少し解決に向かうのではないかと期待されます。  しかし最近では、ビットコインなどネット上での仮想通貨や電子マネーなどの問題、若年層におけるネット上のデジタルコンテンツによる高額な請求を受ける問題が増加してもいます。これらも、手に触れるお金と違って子供たちにとっては金銭感覚や金融リテラシーの欠如がもたらす新たな問題と考えます。そういったことを受け、現在の教科書には金融や消費者としての考え方ややりくりの技術、ライフ設計やリスク管理など方法や知識は学べる教材になっている気がいたしましたが、そもそもお金とは何ぞやという本質の部分を深く考えさせる箇所が見当たらなかったように感じます。そこが抜け落ちると、小手先の貯蓄や財テクは学べても何のための金融教育なのか、何が幸せなのかがわからなくなるような気がしてなりません。その点、非常に金融経済教育というのは大きなメリットもありますが、難しいものも含んでいる気がいたします。  そこで教育長に質問です。金融経済教育を行う目的は何なのか、そして今後県として金融経済教育をどのように充実させていこうと考えているのかを質問させていただきます。  最後に、お金は人間が使う物です。使い方によっては信用を得ることもあり、信用を失うこともあります。また人を生かすこともあり、人を殺すこともあります。そういった意味で、お金の道徳的な視点の勉強も、さらに強く教育していただくことをつけ加え、要望させていただき、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 32 ◯副議長(長 裕海君) 杉光教育長。 *教育長答弁 33 ◯教育長(杉光 誠君)登壇 いわゆる金融経済教育の現状についてでございます。小中高等学校では、発達段階に応じてお金の役割、意義、物や金銭の使い方、金融の仕組みや働きについての学習を行っております。例えば、小学校家庭科では、計画立てた物の購入の仕方を学習します。その上に立って中学校技術・家庭科では、物質、サービスの適切な選択、購入、活用の大切さ、悪質商法への対処等を学習します。また、高等学校では、家庭科等において消費生活の現状と課題、経済の仕組みや金融機関の働き、さらには消費者の信用に基づいた金融サービスやネットワーク詐欺への対処等を学習しております。  金融経済教育の目的についてでございますが、金融経済教育は、全ての児童生徒に対してお金や金融に関する幅広い知識と適切な考えを養い、それを通して自分の暮らしや社会について深く考え、より豊かな生活やよりよい社会づくりに向けて、自立した生活を営むために必要な能力を身につけることを目的としております。  最後に、金融経済教育の充実についてでございます。現在、社会の情報化が急速に進んだことにより、児童生徒がネット取引等による金銭のトラブルに巻き込まれる例が増加をしております。このような事例に対応するため、学校教育の中で架空請求やワンクリック詐欺、インターネットショッピングでのトラブルなど、具体的な事例を取り上げた学習を進めております。また、今後とも金融経済を疑似体験的に学ぶことができる教材や、金融広報中央委員会が提供をします資料等を効果的に活用し、児童生徒に時代に即した学習内容を提供できるよう周知、啓発に努めてまいります。さらに、福岡県金融広報委員会や消費生活センターなどと連携し、外部講師を活用した学習の充実に努めるとともに、教員が金融に関する今日的な課題や金融経済教育のあり方等について認識を深めることができるよう研修の充実にも努めてまいります。 34 ◯副議長(長 裕海君) 大橋克己君。(拍手) *大橋議員質問 35 ◯二十番(大橋 克己君)登壇 皆さん、こんにちは。民主党・県政クラブの大橋克己でございます。発言通告に従いまして、福岡県内の常備消防力格差について質問をいたします。  本日で東日本大震災から三年が経過をいたします。震災でお亡くなりになった方々に改めて哀悼の意を表すとともに、一日も早い被災地の真の復興を心より祈念をいたしたいと思います。  そして、東日本大震災の教訓を忘れることなく、その教訓に学び、それを生かしていくことこそが我々命ある者の責務であろうと思います。そういった観点から、小川知事にただしていきたいと思います。  小川知事は、平成二十六年度当初予算に当たって、県民幸福度日本一の福岡県を目指し、県民生活の安定、安全、安心の向上を図るための取り組みを着実に進めていくことを基本方針に掲げています。特に、安全、安心の向上のために、事前防災、減災対策や地域防災力の強化を一層加速し、災害に強い福岡県をつくる具体的施策が挙げられています。不特定多数の人が利用する民間の大規模建築物や私立学校施設、主要ターミナル駅に対する耐震化促進事業の創設や木造戸建て住宅の補助制度拡充、消防団員が主体となって自主防災組織を指導、支援する、いわゆる福岡方式の強化など、知事の本気度がうかがえます。東日本大震災、二〇一二年の九州北部豪雨、そして本年二月の関東甲信、東北地方の記録的な大雪などの自然災害を例に挙げるまでもなく、災害は時と場所を選びません。知事が唱える福岡県民の安全、安心を守るため、東日本大震災等の教訓を踏まえて、県内消防本部、消防団、地域防災組織、地域住民が連携し、防災に取り組む必要がありますが、その中で中心的な役割を求められるのは、常備消防である各消防本部であると思います。常備消防の充実強化は、県民の安全、安心にとって大きなウエートを占める部分であるはずです。しかし、新年度予算の中で常備消防充実のための施策が余り見受けられず、非常に残念です。そこで、知事に以下三点、常備消防についてお聞きいたします。  一点目は、常備消防の役割について、知事はどのような認識をお持ちか、お伺いいたします。  二点目は、具体的な福岡県内の常備消防力の格差についてお聞きします。市町村においては、消防を取り巻く環境の変化を踏まえ、今後とも、住民の生命、身体及び財産を守る責務を全うするため、消防力の充実強化を着実に図っていく必要がございます。言うまでもなく、建築物の大規模化、複雑化、高齢社会の進展等に伴う救急出動件数の増加、救急業務の高度化及び複雑、多様化する災害など消防を取り巻く環境は激変をしております。こうした事情を踏まえ、総務省消防庁は、平成二十年三月に消防力の整備指針を改正いたしました。これは市町村が目標とすべき消防力の整備水準を示すもので、市町村においてはその保有する消防力の水準を総点検した上で、この指針に定める施設及び人員を目標として、地域の実情に即した適切な消防体制を整備することが求められています。しかしながら、県内各市町村の財政状況の厳しさ等により、目標とすべき消防力の整備水準にはほど遠い現状にある消防本部が県内には数多くあると聞き及んでいます。  特に、消防吏員不足に起因するさまざまな弊害が指摘されています。例えば、消防力の整備指針の第二十九条では、消防ポンプ自動車に搭乗する消防隊の人員数は、ポンプ自動車一台につき五人と明記されています。しかし、県内のある消防本部における建物火災初動時の出動態勢は、ポンプ車に三名乗車という現状が見受けられるんです。これでは、火災時に出動するものの、消火作業に従事することで手いっぱいとなり、防御活動の安全が確保できない中で、取り残された人への避難誘導や救出への対応ができない現状があります。まさに、綱渡りの状況でございます。  そこで、消防力の整備指針に基づいて整備すべき各種車両に対する人員数と現有数について、県内ではどのような現状であるのかお教えください。  また、この数字に対する知事の率直な感想をお聞かせいただきたいと思います。  次に、消防力の整備指針の第十七条では、災害現場において指揮活動を行うため、指揮車を配置するものとされています。しかし、指揮車が配置はされているものの人員不足のため、指揮隊の運用がなされていない消防本部があります。こういった場合、他の消防車で駆けつけた上席者が、消火活動をしながら指揮をとることとなり、指揮、命令系統に大きな支障を来すこととなります。  そこで、県内の指揮隊の運用状況についてお聞かせをいただきたいと思います。あわせて、この現状に対する知事の御所見についてもお尋ねいたします。  次に、総務省消防庁は本年二月に、平成二十四年度末の防災拠点となる公共施設等の耐震化推進状況調査報告書を公表しました。報告書によると、消防本部、消防署の全国耐震化率が八二・四%であるのに対し、本県の耐震化率は七七・四%であり、全国平均を大きく下回っています。言うまでもなく、消防本部、消防署は災害応急対策のかなめとなる防災拠点です。その拠点が地震等により被害を受ければ、災害応急対策に多大な影響を及ぼし、被害の拡大を招くおそれがあります。  そこで知事は、福岡県内の消防本部、消防署の耐震化率七七・四%という数字に対し、どのような評価をなされているのか、お答えください。  三点目は、県内常備消防力格差に対する福岡県の役割についてお聞きします。自治体消防の整備については各市町村の責務であります。しかしながら、先ほど述べましたように、県内各市町村の財政状況の厳しさに起因する県内常備消防力格差が生じていることは紛れもない事実であります。県民生活の安定、安全、安心の向上を図るための取り組みを着実に進めていくことを基本方針に掲げる小川知事は、この厳しい現状をどのように受けとめられ、県の役割を含め、県民生活の公平性を図るため、県内常備消防力格差の是正に向け、具体的にどのように取り組まれるのか、お聞かせをいただきたいと思います。(拍手) 36 ◯副議長(長 裕海君) 小川知事。 *知事答弁 37 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず、常備消防の役割についてでございます。市町村は専任の消防職員を常時配置をいたしております消防本部、消防署というものを設置し、火災の予防、消火、救急業務、救助、災害応急対策、そういった消防活動を確実に行う責任を有しております。本県では、二十五の消防本部が設置されておりまして、県内全域で常備消防が活動いたしているところでございます。常備消防は、地域住民の生命、身体、財産、それらを守るため、最前線の現場で常時その責務を全うしていただいていると考えております。  消防力の整備指針に基づく消防体制の現状についてお尋ねがございました。この指針は、整備すべき最低限の基準ではなく、目標とすべき基準として示されております。指針に基づく消防車両の運用に必要な人員に対する職員数の割合でございますけれども、県全体で七七%となってございます。全国平均と大体同程度になってございます。この割合を消防本部ごとに見ますと、県平均を下回る団体は十四ございまして、その多くは管轄人口が十万人未満の小規模な消防本部となってございます。  また、火災、災害現場における指揮隊の運用状況をお尋ねでございますが、指揮隊を編成をしていない団体は九団体ございまして、その多くは小規模な消防本部でございます。これらの団体におきましては、現場の責任者が指揮車やポンプ自動車などに搭乗してその場で指揮をとっていると、このように理解をしております。小規模消防本部におきましては、地域の実情に応じて消防業務と他の業務との兼務、車両運用の工夫など、効率的な運用に努めるとともに、協定に基づく近隣消防本部との相互応援というものを図りまして、必要な消防力を確保しているものと考えております。  消防本部、消防署の耐震化についてでございます。消防本部、消防署は、災害時の防災拠点でございます。地域住民の安全、安心を確保するためには、耐震化を進めていく必要があると考えております。市町村に対しまして、これまでその実施を要請してきているところでございます。一部事務組合を含めましてそれぞれの市町村は、耐震化が未実施の施設につきまして、計画的にその補強、建てかえを進めているところでございます。県としてもそれを支援をしているところでございます。  県内の常備消防力の格差是正についてでございます。今後、消防が救急需要の増大、高度化、大規模災害への対応などを求められていく中で、小規模な消防本部におきましては、出動態勢、保有する消防車両などの面でさまざまな課題があると考えております。県といたしましては、市町村の消防力を充実していくためには、広域的な応援体制の構築、自主的な消防の広域化を図っていく必要があると考えております。このため、大規模災害時の各消防本部間の相互応援、これが円滑に行われますよう応援体制を点検するとともに、各消防本部が消防ヘリによる救急搬送、林野火災の消火、人命救助などの応援が受けられる制度というものを整備し、その運用を行ってきているところでございます。また、消防の広域化につきましては、福岡都市圏の七つございます消防本部、筑後地域の八つの消防本部におきましては、消防指令業務の共同運用を進めております。消防力の強化のためには有効な取り組みであると考えておりまして、県としましては、効率的なシステムが構築されますよう市町村、消防本部間での調整など積極的にこれを支援を行っているところであります。今後もこうした取り組みを続けていきますことによりまして、市町村の実情やその御意向というものをしっかり確認しながら消防力の充実強化に努めてまいります。 38 ◯副議長(長 裕海君) 大橋克己君。 39 ◯二十番(大橋 克己君)登壇 突っ込みどころ満載の答弁をいただきまして。要望とそれから指摘、そして再質問をさせていただきたいと思います。  まず要望です。複雑、多様化する消防活動を行う上で、専門的で高度な技術の習得でありますとか、具体的には特殊免許、資格が必要であります。しかし、各種教育訓練のための入校や研修は長期間にわたるものがあります。その期間中は、先ほど申したように実質職員数に欠員を生じて、もともと少ない人員の中で欠員が生じることになります。その結果、人員確保ができなければ、いわゆる教育の研修派遣は行えず、計画的な育成が行えないということになります。ここで要望なんですけれども、教育期間の見直し等も含めて教育訓練の、機会の確保のため特段の考察と配慮を、まずお願いをしたいというふうに思います。  次に、指摘と再質問をさせていただきたいと思います。知事は、県内の常備消防力の格差是正のために自主的な消防の広域化を図る必要があると答弁されまして、あたかも消防の広域化で全てが解消するかのように言われますけれども、広域化についてもさまざまな指摘があっておりまして、機動性の問題でありますとか、構成する市町村のこれまでの生活様式や生活文化もありますので、そう簡単にいくものではないというのが現実であるということも、よく御存じだと思います。また、その周辺に柱となる、核となる市町村がもし存在しないような地域では、広域は困難というのも現実としておわかりいただけるというふうに思います。その部分を指摘させていただきたいと思います。  次に、知事は答弁の中で、この指針は整備すべき最低限の基準ではなくて、目標とする基準なんだということを示した上で、小規模な消防本部においても、ここはちょっと本当にひっかかるんですけれども、必要な消防力を確保していると断言されました。私と根本的に見解の相違があります。私の冒頭の質問に、知事に対する説得性がなかったからでしょうか。それとも、県内消防本部の各車両に対する人員の充足率が七七%と比較的良好に見えるからでしょうか。  そこで再質問します。それでは、政令指定都市を除く県内消防本部の各種車両に対する人員の充足率を教えてください。 40 ◯副議長(長 裕海君) 小川知事。 41 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  両政令市を除きまして、指針に基づく消防車両の運用に必要な人員に対する職員数の割合は、約六九%となってございます。 42 ◯副議長(長 裕海君) 大橋克己君。 43 ◯二十番(大橋 克己君)登壇 六九%。つまり、政令市が充足率を押し上げて、見かけ上良好に見えているだけなんです。ちなみに、ちなみに知事が今おっしゃっている、答えていらっしゃる数字は、私が冒頭の質問の中で二つの質問をしたつもりなんですけれども、一つのほうしか答えられていません。今、各消防本部が保有している車両、つまり現有数に対する充足率を答えられているんですけれども、これを消防力の整備指針に基づく水準数の数値となるともっと低い数値が出るんです。私の知る範囲では、充足率五〇%に達していない消防本部があるんです。数字のマジックに惑わされてはいけないと思います。常備消防における消防職員の不足は本当に深刻なんです。  冒頭の質問は、火災活動に言及して行いましたが、火災活動だけではなく、緊急出動件数の増加により日々の業務に支障が出ているという現状もあります。救急車の運用台数や出動件数を例示してしまうと、消防本部が特定されますので控えますけれども、各消防本部とも緊急出動件数は増加の一途です。消防本部が保有している救急車全てが出動する同時出動も増加をしています。そういった同時出動が行われた際など、人員を確保するために非番や週休者の署員を招集し、災害に対応できる態勢をとっている消防本部が県内には数多くあるんです。非番や週休の際の呼び出しが頻発すれば、消防活動に本当に必要とされています体力でありますとか集中力に支障を来しかねません。住民の生命、身体及び財産を守る崇高な責務を全うしようとする消防職員の使命という精神論の上に成り立つ防災体制で本当にいいのでしょうか。  確かに、消防力の整備指針に基づく整備水準を満たさない場合の罰則はなく、指針の拘束力はありません。しかし、国民の安全を守る国の責任から、自治体に対して安全の具体的要求水準や要求内容を数値化して明確にしたものが消防力の整備指針じゃないんですか。単なる目安じゃないんです。知事は、答弁で市町村の実情や意向をしっかり把握するとおっしゃいましたけれども、意向をしっかり持つべきは、知事、あなたなんです。福岡県が求める消防力の整備水準を明確にすることで、市町村にその強いメッセージが伝わるはずです。影響は大きいはずなんです。そうでなければ、小川知事が掲げる災害に強い福岡県は、絵に描いた餅になると私は思います。各消防本部の実情をもっとつぶさに、つぶさにですよ、検証した上で、各市町村に要望ではなく要請をしていただくよう、心から強く、強くお願いをして、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 44 ◯副議長(長 裕海君) 大城節子君。(拍手) *大城議員質問 45 ◯三十二番(大城 節子君)登壇 皆様、こんにちは。公明党の大城節子でございます。通告に従い、早速質問に入ります。  今国会において政府は、あらゆる人が個々の可能性を発揮できるチャンスに満ちた社会ならば、少子、高齢化であっても日本は成長できると表明し、しかも、全ての女性が活躍できる社会をつくることが、安倍内閣の成長戦略の中核であると明言されました。その発言について多くの女性は、ライフスタイルの広がりに希望を抱くと同時に、かすかな戸惑いもよぎったことと思います。それは女性が男性に比べて、結婚や出産、子育てにより就業や社会参画が制約されることが少なくないからです。また、社会進出を果たしても健康でなければ活躍できません。健康であることは万人の願いであります。  さて、我が国の疾病の中で死亡原因の一位を占めるがんは、女性特有のがんについても異論を挟む余地がありません。国民の九四%の方が、がん検診は早期発見、早期治療につながる重要な検査であるとの認識を持っています。しかし、死亡数の多い肺がん、胃がん、大腸がんの検診について調べてみると、約半数ががん検診を受診していない実態です。また、仕事をする未婚の女性や専業主婦の未受診の原因として、経済的負担、時間がないことが考えられ、しかも専業主婦においては強制されなければ検診を受けないのが現状です。  以下、知事及び教育長に伺います。本県のがんによる死亡率は、平成二十四年度人口十万人当たり八十六・〇人で、全国平均八十一・三人よりも高くなっており、男女とも四十歳代からの死亡率の上昇傾向が見られ、いまだに歯どめがかかっていないのが現状です。がん検診は市町村が実施主体の一つでありますが、県行政は、これまで検診受診率の向上のためにどのような対策を講じてきたのか、同様に女性特有のがんについてもお尋ねします。また、本県の市町村が実施するがん検診受診率の推移についても知事に説明を求めます。  二点目、平成二十一年度から乳がん、子宮頸がんの無料クーポン券を活用した検診受診率の変化について伺います。日本対がん協会の調査によると、無料クーポン券を配付した平成二十一年度と前年の平成二十年度の検診受診者を比較したところ、平成二十一年度の乳がん検診は十二万五千七十八人ふえ百一万八百四人へ、前年比一四・一%増加、子宮頸がん検診は八万七千七百十一人ふえ百五万八百八人へ、前年比九%の増加となっています。  そこで知事にお尋ねします。本県における検診無料クーポン券対象のがん検診受診率が、利用年度と前年度でどのように変化したのか、また無料クーポン券の適用対象外のがん検診の受診率の推移と比較して、検診率向上にどのような変化が見られたとお考えなのかお聞かせください。  三点目、本県は、働く世代のがん検診受診を促進するため、平成二十四年度から働く世代をがんから守るがん検診推進事業を実施していますが、この事業では、市町村が実施する検診を従業員及びその家族に受診してもらうよう働きかける事業所を登録することにしています。  知事に伺います。この事業のメリットについてお尋ねします。また、がん検診受診率向上のための評価方法について伺います。  四点目、本県はこれまでもがん検診の受診率向上への研修会、がん撲滅キャンペーンなどの事業を推進してきた経緯がありますが、女性の社会進出は、職場や自治体、人間ドック等での検診受診を促進していくための働きかけが問われています。国は、平成二十五年度補正予算事業に働く世代の女性支援のためのがん検診推進事業として四十四億円余を計上しています。働く女性支援のためのがん検診推進事業はどのような内容なのか、知事の説明を求めます。           〔長副議長退席 松尾議長着席〕  五点目、子宮頸がん対策について伺います。本年、公明党県本部の女性局主催の子宮頸がん撲滅についての講演の中で、国立病院機構九州医療センター産婦人科医長の蓮尾泰之氏は、二十代の進行がんの方が、毎年のように同センターで受診、治療を受けられていること、その若年化の傾向に歯どめをかけるには正しく疾病を知ること、定期的な検診を定着させること、数は少ないが十代から発症するタイプもあるのでワクチンによる頸がんの予防と、頸がんの発見には細胞診などが有効であると述べられました。昨年の暮れには、島根県立中央病院産婦人科の医学博士岩成治氏から、島根県医師会が中心となって子宮頸がん検診に細胞診、HPV検査併用を取り入れた結果、島根県の浸潤がんが半減し、同県の出雲市では子宮頸がんがおおむね撲滅したとのお話を伺いました。同氏は、ここ数年、子宮頸がん罹患者が若年化する一方で妊産婦が高齢化したため、妊産婦年齢と子宮頸がん年齢が重なり、妊娠前や妊娠中の子宮頸がんが急増してきた流れに大変危惧されていました。平成十二年に日本でもハイリスクHPVの一括検査が認可されたのを契機に、平成十七、八年に細胞診、HPV検査併用検診の全国共同研究の機会を得た後、島根県立中央病院で五千例を施行。その後、島根県のモデル事業として、出雲市で平成十九、二十年に併用検診を施行し、島根県の推進により平成二十一年から全県内に導入されたこと、その結果、四年目の島根県では浸潤がんが半減、六年目の出雲市では子宮頸がんによる子宮全摘出の例がゼロとなって、浸潤がんをほぼ撲滅できたと説明されました。高精度の効率的な細胞診、HPV併用検診を取り入れた結果、死亡率減少にとどまらず浸潤がん防止につなげた経緯から、島根県の住民検診においてほぼ撲滅できたとの報告は画期的であります。また、子宮頸がん征圧をめざす専門家会議では、現在、百以上の自治体が独自の判断で子宮頸がん検診HPV併用検診を導入していると報告しています。我が会派は、平成二十四年度定例会の代表質問の中で、福岡県でも子宮頸がん検診に細胞診、HPV検査併用検診の導入を訴えましたが、県は国の動向を注意深く見守っていくとの答弁でした。
     そこで提案でありますが、国の動向を見守る姿勢は当然としても、本県でも島根県の実例を参考にしつつ、県医師会やがん患者団体とも連携をとりながら、若年化傾向の子宮頸がんを制圧するため、近い将来、県下の検診内容にHPV検査併用検診について実施可能かどうか積極的に考察するなど、仮称ですが専門家研究検討会を設置すべきと考えますが、知事の御見解を伺います。  六点目、学校教育における子宮頸がん対策について伺います。がんに関する学習指導要領を見ますと、小中高等学校におけるがん教育は、主に生活習慣病など生活行動が要因となって健康を損なう内容となっています。先ほど同様、平成二十四年度の代表質問でも、日本での検診受診率が低いのは、がん検診の必要性についての認知度の低さに由来していると訴えました。その後、中高等学校の保健体育科で学習するがん教育について、また子宮頸がんと検診に関する学習内容についてどのように取り組んできたのか、また平成二十六年度当初予算新規事業として、がん教育推進費に百三十万三千円余計上されていますが、この事業の効果についてどのように認識されているのか、教育長に伺います。  七点目、平成二十五年四月には、中学一年生から高校一年生の女子を対象に検診受診以前の予防対策としてワクチンの定期接種化になりました。しかし、ワクチン接種後に副反応の症例の報告があり、現在、頸がん予防対策が積極的勧奨から任意接種になっています。本年二月、子宮頸がんの患者団体シンクパールの難波美智代代表理事は、厚生労働省が予防ワクチンの積極的勧奨を差し控えたため、接種者が激減した現状を踏まえ、女性の生命を救うため積極的勧奨の早期再開、ワクチン有害事象への対応と補償の拡充などを求め、同省に要望書を提出しています。もちろん積極的勧奨の効果は大でありますが、ワクチンの安全性を担保した上で判断を急ぐべきと考えます。DVD活用によるがん教育を実施する場合、疾病について教えるだけでなく、疾病を防ぐための対策についての工夫が必要だと考えます。学校教育の場で小中高生徒が正しく知識を習得するためにも、医療専門医を講師に招き、人の一生を生物学的に学習できる取り組みが求められます。教育長の御所見を伺います。  女性が健康についての知識を正しく習得し、賢明な予防対策をみずからに課したとき、社会進出はさらに現実のものとなります。女性の健康対策は社会参画を後押しすると考えます。昨日の新聞報道によりますと、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は、子宮頸がん予防ワクチンの接種後、痛みなどの重篤な患者に対し、適切な治療を迅速に行う体制を今月中につくる方針です。同学会と医会は、ウイルス感染を減らすワクチンの接種希望者が安心して接種できる環境を整えるとありました。県行政は、子宮頸がん対策について、がん教育とともに、頸がん予防ワクチン接種の対策も考慮すべきと考えます。知事及び教育長に、最善の予防対策を着実に講じるべきと強く要望し、質問を終わります。(拍手) 46 ◯議長(松尾 統章君) 小川知事。 *知事答弁 47 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  がん検診受診率の向上のための対策でございます。県では、県政出前講座、患者団体と連携した街頭啓発、企業と連携をした県民の受診勧奨などによりまして、がんに対する正しい認識、知識を持つこと、検診の必要性について広く県民の皆様に呼びかけを行っております。また、市町村が実施をするがん検診と特定健診とを同時に受診できる総合健診というものを推進してきております。女性特有の子宮頸がんや乳がんにつきましては、これらの取り組みに加えまして、無料クーポン券の使用による検診について居住地にかかわらず県内のどの市町村でも受けることができる体制づくりを行ってきたところでございます。  次に、市町村が実施をするがん検診受診率の推移についてでございます。平成十九年度から五年間の推移を見ますと、子宮頸がんは一・五ポイント、乳がんは三・九ポイントそれぞれ増加をしております。これに対しまして、胃がんは一・八ポイント、肺がんは五・六ポイント、大腸がんは〇・七ポイントといずれも減少をしております。  子宮頸がん、乳がん検診の無料クーポン券導入による受診率の変化についてお尋ねがございました。県内の市町村が実施をするがん検診のうち、平成二十一年度に無料クーポン券が導入されました子宮頸がん、乳がん検診の受診率は、それぞれ導入前の平成二十年度と比較いたしまして、子宮頸がんが二・〇ポイント、乳がんが二・一ポイントの伸びとなってございます。他のがんの検診の受診率は、胃がんが〇・一ポイントの増加、肺がんが一・四ポイントの減少、大腸がんは変化がございませんでした。無料クーポン券の利用率は、二割程度にとどまっておりまして、その効果は定かではありませんが、子宮頸がんと乳がん検診の受診率は他の検診受診率よりも高くなっております。  働く世代をがんから守る検診推進事業における登録事業所のメリットについてお尋ねがございました。登録事業所につきましては、県の競争入札参加資格審査における地域貢献活動評価の中で加点の対象といたしております。また、登録された事業所名を県のホームページで公表すること、また県発行の参加登録証を事業所内に掲示していただくことによりまして、従業員の健康を大切にする事業所であること、その会社のイメージアップが期待されると考えております。さらに、登録事業所は、そのがん検診推進員が従業員に対して受診勧奨を行いやすくなるように、がん検診のハンドブックや啓発グッズというものを無料で配付をさせていただいております。  次に、がん検診受診率向上の評価方法についてでございます。登録事業所からは、毎年度の受診者数や受診促進の取り組み内容を報告をしてもらうことになっております。これによりまして、受診率がどの程度向上したのか、またどのような取り組みが効果があったのかというものを把握することといたしております。  働く世代の女性支援のためのがん検診推進事業の内容についてでございます。子宮頸がん及び乳がん検診の無料クーポン券事業というのは、平成二十一年から平成二十五年度まで実施をされております。無料クーポン券の利用率が低いという状況にございました。このため国は、来年度、これまでに無料クーポン券の配付を受けた未受診者に対し、無料クーポン券の再度の配付、また受診率向上に効果があるとされておりますはがきや電話による受診勧奨を行う市町村に対しまして、その経費を補助することとしております。また、新たに検診対象年齢となられます、子宮頸がんでは二十歳、乳がんでは四十歳の方々に対しまして、それぞれ無料クーポン券の配付と受診勧奨を行う市町村に対しても、その経費を補助することとしております。  HPV検査併用検診に関する県の検討会、お尋ねがございました。現在、国の検討会で、現行の検診HPV検査を併用することについて、その検証を行っているところでございます。有用性を検証するためには、多くのデータを必要とすることから、国では今年度、HPV検査を併用した検診を実施する市町村に対する助成を行いまして、データを収集する試行的な事業を行っております。今後、この事業で得られた受診者のその後のデータをもとに、有用性の検証が進められていくものと考えております。県としましては、こうした国における検証の動向、これについて注意深く見守ってまいりたいと思います。 48 ◯議長(松尾 統章君) 杉光教育長。 *教育長答弁 49 ◯教育長(杉光 誠君)登壇 まず、中高等学校でのがん教育と子宮頸がん、検診の学習内容についてでございますが、中高等学校の保健学習において、がんを生活習慣病や喫煙、飲酒、薬物乱用等との関連で取り上げ指導をしております。その際、高等学校において、子宮頸がんと検診の内容を含んだ文部科学省作成の補助資料を活用するなど女性特有のがんの予防も含め、がんに対する正しい知識や検診等の重要性について理解を深めるよう指導をしております。さらに、各県立高等学校において性と心の健康相談事業を実施し、現在十三校の学校で産婦人科などの専門医を派遣し、生徒、保護者や教職員を対象に、学校の実情に応じまして子宮頸がんの内容を含んだ講演会や相談等を行っております。  がん教育推進事業の効果についてでございますが、現在、県内の小中学校におきましては、がんの専門医やがん患者等を招聘し、がんに関する教育を実施している学校もございます。こうした取り組みを広げ、学校教育全体を通して、みずからの健康を適切に管理し、がんに対する正しい理解と、がん患者に対する正しい認識を持たせるために、がん教育推進事業を実施することとしております。この事業を通しまして、がんに対する予防や検診の重要性に関する知識に加え、がんという病気から健康問題や命の大切さまで児童生徒の発達段階に応じて体系的に学べるものと考えております。  がん教育における疾病を防ぐための対策の工夫についてでございます。がん教育を効果的に推進していく上で、DVD等の視聴覚教材の活用とともに、専門医などを講師とし、医学的な観点から女性特有のがんを含めがんに対する正しい知識と早期検診の重要性を理解させることも必要であると考えております。今後は、新規事業の中で設置いたしますがん教育推進委員会で、医学的な視点からの指導法を含め中高等学校の生徒の発達段階に応じた効果的ながん教育の進め方を検討してまいります。 50 ◯議長(松尾 統章君) 吉村悠君。(拍手) *吉村(悠)議員質問 51 ◯七番(吉村 悠君)登壇 皆さん、こんにちは。自民党県議団の吉村悠です。  本日、多くの議員が述べましたが、十四時四十六分、今から約十分ほど後に、東日本大震災から三年を迎えます。私も他の議員同様、被災されて亡くなった方々の御冥福を祈り、被災地の一日も早い復興を祈念して、質問に入らせていただこうと思いますが、その前に、本日の一人目の一般質問者である板橋議員も述べていましたが、災害直後に初当選した議員の一人として、福岡県の発展が日本の発展につながることを信じていることも一言述べさせていただきたいと思います。  それでは、あらゆることの礎となる教育の中でも、特に今回は県民読書運動の推進について、通告に従いまして質問をいたします。  前回の決算特別委員会において私は、福岡県の図書館の図書資料購入費の低さを指摘し、読書県民運動の推進の一環として福岡県の図書資料購入費の確保について強く求めました。低いと一口に言ってもわかりにくいとは思いますが、具体的には、県民一人当たりの福岡県の図書購入費は、全都道府県中四十位でした。質問の結果、来年度の予算は約五百万円増額されました。それについては評価をしたいと思います。ただ、今期の我が会派の代表質問で中尾議員が指摘したとおり、図書資料購入費が増額した分、肝心の子供の読書運動を推進するための五百万弱の事業がなくなっております。これでは内部調整しただけではないかとの疑問が出るのも当然です。代表質問での指摘については教育長の答弁がありましたが、この点については予算にかかわることですので、アンビシャス運動のリーダーでもある知事の所見をお尋ねしたいと思います。  読書運動という点でさらに述べさせていただきますと、今まで行われてきた子供の読書運動を推進するための事業が終了するかわりに、二十六年度からは新たに、ふくおか読書活動推進費が計上されています。  そこで教育長にお尋ねいたします。この事業の目的は何なのでしょうか。また、予算額が二百万余で、本年度まで実施していた事業に要する予算より二百八十万円余低くなっております。少なくなった予算の中で、実効性のある取り組みができるのか、お答えください。  次に、図書資料購入費についてです。先ほど述べたように、図書資料購入費は五百万余を増額しておりました。しかし、これを県民一人当たりに換算すると、わずか一円の増額にすぎません。実際に全国順位で見ても、増額によって四十位が三十八位になった程度です。県立図書館は、県民の知の拠点として中心的役割を果たすべく機能充実が求められています。特に、図書資料は県民の読書活動のいわば生命線とも言うべきものであり、九州の雄福岡の県立の図書館がそのような状況であることは極めて遺憾です。  今後の図書資料購入費の予算措置について、知事の所見をお尋ねいたします。  読書は、人に知識を与えるとともに想像力や思考力を鍛え、判断力や創造性を培い、個人の自立の基盤をつくるものであり、知的で心豊かな国民生活と活力ある社会の実現に向けて欠くことのできないものであると考えております。昨年、OECDが実施した大人を対象とした国際学力テストの結果が報じられました。日本の大人は読解力や数学的な思考力の分野でもトップの成績であったそうです。その要因はいろいろあると思いますが、我が国において読書が重視され、すぐれた古典等が世代を超えて読み継がれてきたことが、国民の高い学力水準を支えてきた大きな要因ではないかと考えられます。現在の激動の時代を生き抜くためには、高い知性と教養を身につけることが必要であり、県民、国民の知的能力が国力の源泉となると考えます。こうしたことから我が会派では、これまで読書運動の重要性を主張し、県議会においても読書県民運動の展開を図るため、たびたび質問してきたところです。しかし、残念ながら、現状を見ると、とても読書活動が県民運動として展開しているとは言えない状況です。  全国で最も人口の少ない鳥取県は、図書購入費では本県を大幅に上回っており、また県民サービスについても充実しておりますが、それは、片山前知事が強いリーダーシップを発揮し、図書館の機能充実を強く指示し、県民の読書活動の推進を図ったことによるものと聞いております。片山前知事は、読書活動の推進が県民の幸せ、地域の活性化の実現につながるものと確信し、しっかりとしたビジョンを持って取り組まれ、現在もその施策は継続されているとのことです。  私は、福岡県を日本一の読書運動展開県に育てるため、今こそ小川知事が先頭に立ってリーダーシップを発揮すべきときと考えます。これからの読書県民運動の推進に向け、知事の力強い答弁を求めます。そして執行部におかれましても、子供の読書活動の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実行されることを強く要望し、私の一般質問を終わります。(拍手) 52 ◯議長(松尾 統章君) 小川知事。 *知事答弁 53 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  読書活動の推進についてでございます。お尋ねの小学生読書リーダー活動推進事業におきましては、平成二十三年度から三年間で、全市町村におきまして千百八十人の小学生読書リーダーが養成されました。また、市町村の事業として定着をしてきましたことから、本事業の目的についてはおおむね達成したものと聞いております。これを受けまして、平成二十六年度は、市町村で養成された、こうした読書リーダーというのが一堂に会して情報交換を行うことによって、それぞれその資質を高め合い、引き続き学校や地域における読書活動の輪を広げて、その充実を図っていくこととして、新たにそのためのふくおか読書活動推進費というものを計上させていただいたところでございます。  図書資料購入費の予算についてでございます。県立図書館は、豊富な図書資料を有し、読書活動の拠点的な施設といたしまして、県民の読書環境の整備充実を図っているところでございます。図書資料につきましては、県立図書館の機能を支える基盤でございますことから、二十六年度予算では増額をさせていただきまして、所要の予算を確保したものでございます。その予算で、特に小中学校に貸し出しをする図書を購入しまして、学校での読書活動を支援することといたしております。今後とも、教育委員会の意見も踏まえながら、適切な予算編成に努めてまいります。  次に、読書県民運動の推進についてでございます。読書活動は、言葉を学び、感性を磨き、創造力を豊かなものにして、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないものであると考えております。社会全体で積極的にその環境の整備を推進することが重要であると考えております。このため、福岡県子ども読書推進計画に基づきまして、読書活動の推進に取り組んでいるところでございますけれども、一方、青少年アンビシャス運動におきましても読書をしようというのを柱の一つに掲げまして、乳幼児への読み聞かせを行う幼児読書推進事業を進めているところであります。また、学校におきましては、全校一斉の読書活動、各教科等で読書指導の促進を図っているところであります。さらに、県立図書館は地域の拠点であります市町村立図書館や学校図書館に対しまして、職員等の資質向上を図る研修、図書に関する情報の提供、蔵書の貸し付け、貸し出しを行うことによりまして、県民の皆様の読書活動を進めているところであります。今後、教育委員会や関係団体との連携を強めながら、こうした取り組みをさらに一層進めていきまして、学校、家庭、地域が一体となりまして総合的に読書活動の推進を図ってまいります。 54 ◯議長(松尾 統章君) 杉光教育長。 *教育長答弁 55 ◯教育長(杉光 誠君)登壇 ふくおか読書活動推進費についてのお尋ねでございます。平成二十三年度から、小学生読書リーダーを養成し、その読書リーダーが読書の楽しさを友達に伝えるなど、学校内での読書活動の活性化を図ってまいりました。この事業手法が蓄積をされ、多くの市町村で継続的に取り組みが行われ、さらに活動が広がり、所期の目的をおおむね達成したところでございます。これを受けまして、平成二十六年度は、市町村で養成されました小学生読書リーダーが実践発表をし、交流できる場として、ふくおか読書活動フェスティバルを開催することで、県下の読書活動をさらに活性化することといたします。この事業を効果的に実施をするため、市町村教育委員会と連携を密にし、本県の小学生の読書活動をさらに推進してまいります。 56 ◯議長(松尾 統章君) 吉村悠君。 57 ◯七番(吉村 悠君)登壇 知事は、人口約五十九万人の鳥取が、図書資料購入費に幾ら予算をつけているか知っていますか。もちろん御存じだと思いますが、福岡県が七千七百万円に対して、鳥取は約一億二百万円です。鳥取は十分の一程度の人口、五分の一程度の予算の枠の中で、一億を超える予算を図書資料購入費に充てています。それもひとえに前知事の決断、いや英断によるものでした。福岡県の発展のために重要なのは、バランスのとれた各課への予算の配分ではありません。必要なところに必要な予算をつけるという知事の決断こそが重要なのであり、その決断こそが、福岡県の小川色となってくるのだと思います。  私が指摘しております読書運動は、実に地味なことかもしれません。しかし、ここに大量の予算を投入して県民運動を展開していき、いわば読書の小川という名声を博してみませんか。  以上のことを要望いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。(拍手) 58 ◯議長(松尾 統章君) 本日の一般質問はこれまでとし、残余は明日取り進めることにいたします。  本日はこれをもって散会いたします。           午 後 二 時 四十九分  散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...