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平成24年度 決算特別委員会 本文 開催日: 2013-11-01

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  1. 福岡県議会 2013-11-01
    平成24年度 決算特別委員会 本文 開催日: 2013-11-01


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    平成二十五年十一月一日(金曜日)    午 前 十 一 時 零 分 開 議 ◯松本國寛委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから委員会を開きます。  本日は、福岡県議会だよりに掲載するため、本委員会の審査状況の写真撮影が行われますのでお知らせいたします。  審査日程に従い本日の議事を行います。  お手元に企業会計の資料を配付しております。御確認願います。  最初に、商工部所管分の審査を行います。  まず、第一三五号議案「平成二十四年度福岡県一般会計決算」のうち歳出について説明を求めます。今村商工部長。 2 ◯今村商工部長 おはようございます。それでは、商工部所管分一般会計決算について御説明を申し上げます。  決算概要説明書の百八ページをお願いいたします。  七款商工費は決算額一千二百十一億八千五百万円余となっております。  内訳について御説明申し上げます。  一項商業費は決算額一千百五十二億八千九百万円余となっております。決算の主なものは、中小企業振興資金融資費小規模指導事業費などでございます。翌年度へ繰り越しを行っておりますのは、国の緊急経済対策に伴います雇用対策事業で、コンテンツビジネス雇用創出支援費でございます。また、不用額を生じております主な理由は、小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計への繰出金の残でございます。  百十ページをお願いいたします。  二項工鉱業費は決算額五十六億二千九百万円余となっております。決算の主なものは、技術振興対策費企業立地対策費などでございます。翌年度へ繰り越しを行っておりますのは、国の緊急経済対策に伴います雇用対策事業で、その主なものはバイオ新製品開発雇用創出支援費ベンチャービジネス雇用創出支援費などでございます。また、不用額を生じております主な理由は、戦略的企業立地促進事業費の残でございます。  百十一ページをお願いいたします。  三項観光費は、決算額二億六千五百万円余となっております。決算の主なものは観光振興費などでございます。  以上でございます。よろしく御審議のほどお願いいたします。 3 ◯松本國寛委員長 説明は終わりました。これより歳入及び歳出の質疑を行います。質疑はありませんか。塩川秀敏委員。 4 ◯塩川秀敏委員 おはようございます。自民党県議団の塩川秀敏でございます。きょうは中小企業の海外展開支援について質問させていただきたいと思います。
     皆さん御存じのように、十月九日から十二日までの四日間、第八回海外福岡県人会世界大会が母県である福岡で十二年ぶりに開催をされました。本当にすばらしいプログラムがありまして、感動的な内容でございました。準備にかかわられた方に心から感謝と御礼を申し上げたいと思います。  そのプログラムの中に二回、ビジネスセミナーというのを計画していただきました。そのビジネスセミナーに私も出席をさせていただきまして、そのうちの一つが福岡アジアビジネスセンターで開催をされ、そこに行かせていただきました。本当に私、済みませんけれども、初めて福岡アジアビジネスセンターにそのとき足を運ばせていただいた次第でございまして、名前は知っておりましたけれども、どこにあるかは全く知りませんで申しわけなく思っておりますが、そこでいろいろな勉強をさせていただいて、これから海外に出ていこうという人、あるいは海外に進出した経験者とのいろいろな交流が行われまして、非常に進取のエネルギーに満ちたすばらしい内容の研修会でございました。  そのときに、その主管を国際経済観光課の武濤課長さんがされたということでございますので、そのときの様子なり概要を説明していただくとありがたいと思います。 5 ◯松本國寛委員長 武濤国際経済観光課長。 6 ◯武濤国際経済観光課長 福岡アジアビジネスセンターでは、十月十日、県内企業と世界のビジネスの場で活躍されています県人の皆さんから現地の最新情報やネットワークをつくってもらうという目的から、北米セミナーを開催したところであります。南加福岡県人会の会員で、現地で弁護士、公認会計士として活躍されている堀隆幸さんから、「米国で起業し成功する方法」と題して講演いただき、県内企業を中心に海外県人会メンバーも交えまして二十四名の参加を得ました。セミナーに参加した企業からは、米国での起業のポイントやビザ取得の話など大変ためになったとの評価をいただきました。また、海外県人会メンバーからもアニメーション分野での県内企業との連携について関心が寄せられたところであります。 7 ◯塩川秀敏委員 そういう内容でございまして、非常に勉強になりました。  そこで質問に入りたいと思いますが、福岡アジアビジネスセンターについてという資料を要求しておりますので、お取り計らいのほどをよろしくお願いいたします。 8 ◯松本國寛委員長 お諮りいたします。  ただいま塩川委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 9 ◯松本國寛委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま塩川委員から要求がありました資料について提出できますか。 10 ◯武濤国際経済観光課長 直ちに提出できます。 11 ◯松本國寛委員長 資料を正副委員長に確認をさせてください。     〔資料確認〕 12 ◯松本國寛委員長 事務局は資料を配付してください。     〔資料配付〕 13 ◯松本國寛委員長 資料が配付されましたので、塩川委員、質疑を行ってください。 14 ◯塩川秀敏委員 まずこのアジアビジネスセンターは言葉が長うございますので、これからは福岡ABCという言い方でさせていただきたいと思いますが、これを天神のど真ん中に開設した理由と、平成二十四年はどれぐらいお金を使ったか、決算を教えてください。 15 ◯武濤国際経済観光課長 これまで海外展開に意欲を持つ県内中小企業から、県に対しまして海外展開についての相談が多数寄せられておりました。そのことから、県内中小企業の海外展開への関心の高まりを感じていたところでございます。一方で中小企業は、ビジネスパートナー確保の困難さや法規制、商習慣といった現地情報の不足等から海外展開に踏み込めない企業が多い状況でもあります。そこで、県内中小企業が積極的にアジア展開できるよう、情報提供から現地サポートまでワンストップで支援するために開設したものであります。  平成二十四年度の決算額は、賃料、人件費、事業費等を合わせて三千三百六十一万円余であります。 16 ◯塩川秀敏委員 企業からのニーズが非常に高くなってきたと。そして、利便性の高い天神に設けて、三千三百万余の予算を使ってやってきているということです。それでは資料を使いまして、福岡ABCの概要、あるいは利用状況、実績を説明してほしいと思います。 17 ◯武濤国際経済観光課長 では、お手元の資料の一、概要をごらんください。開設時期は平成二十四年一月二十三日です。場所は、バスや地下鉄などにすぐで利便性の高い場所として、福岡天神の福岡ビル四階に設置しております。約三百平米のスペースに面談室やセミナールームを設けております。運営主体は、官民で構成する福岡県中小企業海外展開支援協議会です。支援体制としては、ごらんのとおりスタッフ三名、それからアドバイザー六十二名を置いております。  機能も、ごらんのとおり情報ハブ、学習・交流、個別コンサルティングビジネスサポートの四つでございます。  利用状況及び成果ですけれども、開設から十月十五日時点までに、利用者は八千四百十五名、具体的なビジネスに関する相談は四百二十八件寄せられております。相談内容の内訳、相談企業の業種、それから販路開拓・進出希望先等につきましては、それぞれごらんのとおりでございます。  成果としましては、販路開拓が二十一件、現地進出が八件となっております。 18 ◯塩川秀敏委員 今、資料で福岡ABCの概要について説明をしていただきましたけれども、ワンストップでいろいろな要望にはよく応えているなと思うところでございます。そういう意味では大変意義があるし、役割は非常に重要であろうと思っているところでございます。  問題は、天神のあそこにABCがあって、そして意欲がある人がそこに事務所があるということを知っておかないとそこに行けないわけですね。あるいは「どげんしようか」と迷っている人たちに、海外に行くためにはこんなことが重要ですよという情報が流れてくると「ではちょっと研究してみようかと」ということになってくると思うんです。ということは、ワンストップをつくっていることは大事ですが、これから大事なことは、やはりそこからどういう情報を発信して中小企業の方に伝えていくかという、この情報発信をどうしているかということが非常に大事なことだろうと思うところでございます。  そういう意味で、ABCのこれからの活動の広報をどうしていくか、それを今後どのように充実していくかお聞かせください。 19 ◯武濤国際経済観光課長 引き続きお手元資料の二ページ下段のほう、四、県内企業への広報の図をごらんいただけますでしょうか。この福岡アジアビジネスセンターでは、みずからが行うアジア展開促進セミナーイブニングワークショップや、ジェトロ等が実施するセミナー等の開催案内を広報しております。まず、ABCみずからが直接県内企業に広報するルートとして、左の矢印のとおりホームページや、これまでの利用者等二千三百名に対するメールマガジン、あるいは新聞のセミナー情報記事欄などを活用して情報提供しております。また、右の矢印のほうにございますように、行政、経済団体、支援機関、金融機関といった関係機関の協力を得て、ホームページ等幅広い方法により広報しております。  また、資料三ページ目のほうには、中小企業団体を通じた広報経路の詳細について記載させていただいております。赤の矢印で経路を示しておりますが、福岡アジアビジネスセンターから商工部の出先であります中小企業振興事務所、あるいは各中小企業団体の連合組織を通じて広報しております。今後も各関係機関の御協力を得ながら、福岡アジアビジネスセンターの活動について県内中小企業への周知を強化してまいります。 20 ◯塩川秀敏委員 今、どうやって広報しているかということが図的に説明がありましたけれども、一番最後の資料にございますように、中小企業団体を通じた福岡アジアビジネスセンターの広報の経路ということですが、大事なことは、そこに例えば商工会議所がございます。県下に十九ありますけれども、ここにもやっぱり中小企業の商工業の人たちが集まっておりますし、商工会にももちろん、五十二ぐらいあるんですかね、集まっておりますね。そういうところに大体地域の中小企業の方たちがずっと情報を求めていますので、そういうところから流れていくということが重要になってくるだろうし、それにありますように、中央会・筑後支所とかと非常に密接な関係を持っていますような中小企業団体連合会、こういうところにABCが持っている情報が流れていく。そのためには、ABC独自で流すことも重要ですが、例えば商工会議所の所管とか、中央会と関係しているところとか、庁内のそれぞれの中小企業に関係している課が、お互いに横の連携をとりながらABCの情報をとっていくということが非常に大事なことだろうと思うんですよね。そういうことについてのお考えを聞きたいと思います。徹底するためには、そういうことはどうかということについて、お考えをお聞かせください。 21 ◯武濤国際経済観光課長 国際経済観光課としましても、しっかり他の組織や課と連携して、一緒に広報、周知を徹底してまいりたいと思います。 22 ◯塩川秀敏委員 そういうことを本庁は本庁としながら、そして国際経済観光課福岡ABCと連携をとって進めていくとなると、非常に情報がスムーズに流れていくのではないかなと期待しているところでございます。  次に、広報はそういうことでわかりましたけれども、このABC自体の活動が中小企業と密着していくということも大事なことだろうと思います。その辺について、中小企業が利用しやすくなるような方策としてどんなことを考えてあるかお知らせください。 23 ◯武濤国際経済観光課長 現在、海外展開に関心のある企業を対象に、海外展開に必要となる人的な情報を提供するアジア展開促進セミナーを福岡、北九州、久留米、飯塚の県内四地区で開催しております。一方で、国や分野を具体的なテーマと設定したイブニングワークショップや、個別相談対応については従来、天神の福岡アジアビジネスセンター一カ所で開催しておりました。今後は、この二つにつきましても、北九州、久留米、飯塚の三カ所に出向いて開催いたしまして、より地域に密着し、県内企業に利用しやすくしてまいります。 24 ◯塩川秀敏委員 個別相談の対応とかはないんですか。 25 ◯武濤国際経済観光課長 個別相談の対応につきましても、北九州、久留米、飯塚の三カ所にしっかり出向いて開催してまいりたいと思います。 26 ◯塩川秀敏委員 今ありましたように、今まではABCで開催をしておったものを、できるだけ地域に行って、そこで開催することによって地域の中小企業の方たちに多く参加してもらう。非常にいいことだと思いますので、ぜひこういう地域に密着した活動を展開して、充実させていただきたいと思います。  その次に、そういう会を開いたとしても、結局、企業ニーズもいろいろ変化していると思いますので、それに対応できる体制、いわゆるABCの体制強化というのが重要かと思いますが、その辺はどのように考えてありますか。 27 ◯武濤国際経済観光課長 ASEANに関する相談が福岡ABC開設当初は約三割でした。これが、この一年間では五割に増加するなど企業ニーズが大変変化しております。そのため、現在四十四名登録しております国別のアドバイザーを企業のニーズに応じてASEANを中心に増員するとともに、バンコク事務所を初め各海外事務所との連携を深めることにより、現地でのサポートを強化してまいります。今後も変化する企業ニーズに対応し、柔軟、機動的に福岡アジアビジネスセンターの支援体制をつくってまいります。 28 ◯塩川秀敏委員 今説明がありましたけれども、資料の一ページに書いていますように、今、いわゆる現地、日本ではない現地で、支援体制の中で個別にお願いをして相談をしていただく方が六十二名いるということでございます。中身をずっと見ていくと、やっぱりだんだんASEANのほうにそのニーズが移っていっていることがよくわかるわけでございますけれども、こういう現地の相談員をしてくださいという相談をするということについても、やはり福岡県の事務所というものがどんどん、例えばバンコク事務所があの地域をやってくれるだろうということだと思うんです。そういう意味でも海外事務所の重要性というのはこれから高まってくるのではないかと、今、思っているところでございます。  そこで部長に伺いたいと思います。私はこういうビジネスにはあんまり関心がなかったんでございますけれども、議員になってすぐ、平成二十年にブラジル移民百周年で行かせていただきまして、二十二年にまたブラジルに、今度は福岡県移民百周年で行かせていただきました。二回ブラジルに行ったときに、ブラジルの二世、三世の方々が、日本とのビジネス交流を非常に求めているということが現実にありました。これは実感として返ってきまして、今回、海外福岡県人会のビジネスセミナーに参加したのは、これが大きな私自身の動機づけでございました。そして、海外福岡県人会に参加してみると、また今度は日本の方が求めている、非常にそういう状況を知ってまいりました。  私は台湾の日台友好議員連盟の事務局をお世話しておりますけれども、この前、台湾に行かせていただきましたら、台湾政府も、TJPOというんですけれども、台湾政府が委託をした方たちに日本とのビジネス交流を盛んにするようなことをずっとやっております。そういうことを目の当たりに感じてきました。また、私の事務所では早くから中小企業の振興のために世界戦略を考えると。これは麻生知事から任命してもらいましたけれども、直鞍産業振興世界戦略研究会というのを、大きな名前ですが設けて、独自に東南アジアのほうに自分たちで研修に行ったりしながら情報を収集してきておるわけでございます。  こういう意味で、これから中小企業の方々がどんどん海外に進展を求めているという現状は、私が自分で非常にこのごろ感じているところでございます。そのためには、中小企業の方ですからスタッフもいないし情報も少ないから、情報をしっかり伝えていくと。そういう意味では、先ほどの情報の徹底というのは非常に力強いものを感じております。そして、県が中心となってそれをどんどん推進していくような体制が私は重要と思うんですけれども、そういう意味を含めまして、部長の決意のほどをお聞きしたいと思います。 29 ◯松本國寛委員長 今村商工部長。 30 ◯今村商工部長 委員御指摘のとおり、今後中小企業が事業を継続、さらにはまた拡大していくということには、急速に発展しておりますアジアを初め海外に視野を広げて、グローバルな視点でビジネスを展開していくということが非常に重要ではないかと考えております。課長のほうからも説明いたしましたように、福岡ABCは非常に今、利用者が増加をしてきておりまして、県内中小企業の海外展開への意欲というものもかなり高まってきていると認識をしております。今後はさらに県内の企業のニーズに応じて、多くの県内企業に利用していただきますように、ABCの活動ももとよりでございますけれども、商工関係の団体等を通じた広報も強化をいたしまして、まず県内の企業さんに御利用いただき、こういった機会をできるだけ設けていきたいと思っています。  あわせまして、今まで福岡でやっておりましたいろいろな取り組みにつきましても、筑豊、北九州、久留米の各地域におきまして取り組みを充実させていきまして、この県内の中小企業の海外展開の実績がさらに多く生み出せるように、我々としては関係機関とも連携をして取り組んでまいりたいと考えております。 31 ◯塩川秀敏委員 今細かいところまでやるという決意をいただきまして、非常に力強さを感じております。  海外との関係と言いますと、海外の例えば事務所の関係もございますし、また事業を拡大していくとすると予算の関係もあります。特に私、今回台湾に行かせていただいて、いわゆる交流協会の向こうに派遣しております職員の方に大変お世話になって、そういうことも含めて、やっぱり海外の事務所の充実とか、それから中国に企業が進出していったときのいろいろな問題点のこともあります。そういう意味で、知事としての見解をしっかり聞きたいと思っておりますので、知事保留をぜひお願いしたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。 32 ◯松本國寛委員長 ただいま塩川委員から申し出がありました知事保留質疑を認めることにいたします。  なお、知事保留質疑は十一月八日金曜日に行う予定でありますので、御了承願います。 33 ◯塩川秀敏委員 ありがとうございました。(拍手) 34 ◯松本國寛委員長 ほかに質疑はありませんか。中村誠治委員。 35 ◯中村誠治委員 民主党・県政クラブ県議団の中村誠治でございます。どうぞよろしくお願いします。  グリーンアジア国際戦略総合特区と自動車産業の振興について質問をいたします。  まず特区について議論させていただきたいと思います。  グリーンアジア国際戦略総合特区については、全国七カ所の国際戦略総合特区の一つとして、一昨年十二月に指定を受け、間もなく二年がたとうとしています。昨年の決算委員会でも質問させていただきましたけれども、本特区は自動車産業を初め、環境を軸とした産業の国際競争力の強化を目的といたしております。  私は、この特区は本県経済の振興を図る上で非常に重要な鍵を握っていると思っております。平たく言えばグリーンイノベーションにより二〇二〇年に五兆円の追加売り上げを目指すというものですから、本県の成長戦略としてしっかり活用していくことが重要だと考えます。  そこでお尋ねであります。  特区に指定された場合の支援策について、国の支援策のほかに地域独自の支援策についてもこの間充実されてきています。どのような支援策があるか、まず初めにお聞かせください。 36 ◯松本國寛委員長 恒吉国際戦略総合特区推進室長。 37 ◯恒吉国際戦略総合特区推進室長 まず特区の支援措置についての御質問でございます。  国によります法人税の課税の特例、あるいは利子補給制度といった金融面などの支援措置というものがございますけれども、これに加えまして、地域独自の支援策といたしまして県の企業立地交付金の上乗せでありますとか、あるいは不動産取得税、固定資産税の課税免除といった措置をいたしているところでございます。  さらに今年度からは、特区の効果を県内の中小企業に広げていくため、特区の指定法人と直接取り引きをいたします県内中小企業の設備投資に対する助成制度を講じてまいりました。 38 ◯中村誠治委員 私は、おっしゃっていたような支援策を個々の県内企業の発展に生かし、そして県全体の産業の活性化につなげていくべきだと思います。  それでは、これまでの特区の実績について、課税の特例を活用して行われてきた県内での設備投資の状況について、どのような分野でどれぐらい行われてきたかお聞かせください。 39 ◯恒吉国際戦略総合特区推進室長 これまで課税の特例措置を受けられる法人として指定をいたしております企業は二十社でございます。この二十社の設備投資の合計額は約五百五十億円で、これに伴います新規雇用は約三百七十名という状況でございます。  分野でございますけれども、これは産業用ロボット、あるいはパワー半導体、レアメタルのリサイクルといった企業もございますが、環境配慮型の自動車関連の企業が中心でございまして最も多く、二十社中十二社という状況になってございます。 40 ◯中村誠治委員 これまで幅広く活用されているけれども、特に自動車産業を中心に特区の制度を活用した設備投資が進んでいると理解してよろしいかと思っております。  特区では、環境ビジネスのアジア展開、グリーンイノベーションを主導する産業拠点の形成、資源リサイクルに関する次世代拠点の形成と展開、アジアとのネットワークを活用したシームレスなビジネス環境の実現という四つの事業に取り組むとされていますが、中でも本県の自動車産業の振興に積極的に活用していくことが本県経済の強化のためにとりわけ重要だと考えます。  実は先日、私の地元久留米にあるダイハツ九州久留米工場を会派で視察いたしました。この久留米工場は、平成二十年の創業ですから、まだ五年と日が浅いこともあって、地元交流事業を積極的に行うなど地域に愛される企業となるための努力を払っているとはお聞きしていましたけれども、改めて話を伺って、地域に根づき、久留米のダイハツとして地元とともに発展していこうとする決意を強く感じたところでもありました。  ここで、燃費のすぐれた新型エンジンをつくるための新しい生産ラインが導入され、先ごろ稼働いたしました。これらの設備の導入に当たって、特区でも支援してもらっていますけれども、百人を超える新規雇用を生み出すなど地域経済にも大きく貢献しております。さらに久留米工場では、ダイハツの本社であるダイハツ工業のエンジンミッションの開発センターの設置が計画されており、将来的には車台、すなわちアンダーボディー設計もここで行いたいとの力強い話も聞きました。こうした開発センターの設置を明確に打ち出したのは、県内自動車メーカーの中でもダイハツが初めてで、九州は車両開発機能なき生産基地と言われ続けてきましたが、これで展望が何とか開けそうな気がしております。  本県の経済を発展させていくためには、こうした意欲的な企業を県全体で支援し育てていく必要があると思います。また当然、自動車産業の国際競争力を強化し、アジアのマザー工場としての機能を高めていくという特区の目的にも合致することになりますので、引き続き特区による支援を検討すべきだと考えます。どうでしょう。お考えをお聞かせ願いたいと思います。 41 ◯恒吉国際戦略総合特区推進室長 委員おっしゃいましたとおり、環境配慮型自動車の、しかもその基幹部品でありますエンジンの開発センターをこの地域で設置されるということでございます。そういった意味では、我々が目指しますグリーンアジア国際戦略特区の推進にも大きく貢献をしていくものだろうということで期待をいたしておるところでございます。そういった意味で、特区の活用による支援ということを、そういう方向で現在も実は企業のほうと協議を行っているということでございます。 42 ◯中村誠治委員 それは、自分にとってとても朗報だと思って感謝申し上げますが、ところで、その実現方といいますか、着工は実は内々、この一週間ぐらいあると聞いていますけれども、それが回り始める稼働はいつごろになるかお尋ねしたいと思います。 43 ◯松本國寛委員長 林自動車産業振興室長。 44 ◯林自動車産業振興室長 エンジンミッションの開発拠点、久留米開発センターという名前になるとお聞きしておりますが、これは来年の春稼働ということで現在お聞きしているところでございます。 45 ◯中村誠治委員 ありがとうございます。  さて、本県では、半導体や水素、バイオ産業など、さまざまな産業振興プロジェクトが進められているわけであります。今回のダイハツのこうした取り組みは、これまで県が進めてきた北部九州自動車百五十万台プロジェクトの一つの成果であるとも言えると思います。北部九州には現在、ダイハツ九州を初め四社の完成メーカーが立地しており、自動車生産能力は合計で年間百五十四万台、昨年度の生産台数は過去最高の百四十二万台となっています。こうした自動車メーカーの集積の効果をきちんと地元企業の振興につなげていくことが重要なことだろうと思います。  そこでお尋ねします。本県には自動車部品製造業などの関連企業は何社集積しているか、また、自動車部品等製造の出荷額はどの程度になっているのか、さらに地元調達率はどの程度になっているかお尋ねしたいと思います。 46 ◯林自動車産業振興室長 自動車の百五十万台プロジェクトは平成十八年から開始しておりますが、その平成十八年度と現在の比較で御説明したいと思っております。  自動車関連企業の数でございますけれども、平成十八年には三百三十二社でございましたが、現在四百七十五社と、百四十三社増加しております。また、自動車部品の製造業出荷額でございますが、平成十八年には二千二百七十三億円でございましたが、最新のデータでございます平成二十三年の数字は三千七百四十八億円と、額にしまして一千四百七十五億円、率にしまして約七割増加しているところでございます。地元調達率につきましては、約五割から現在約六割へ上昇しているといった状況でございます。 47 ◯中村誠治委員 本県における自動車部品等の出荷額や関連企業の数から見ても、自動車産業はまさに本県の基幹産業と言って間違いないということになろうと思います。裏を返せば、自動車産業を今後さらに発展させていくことが本県経済の活性化につながっていくとも考えます。  しかし一方で、自動車産業を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。中国を初め新興国ではモータリゼーションが急速に進展しています。自動車メーカーはこうした市場が拡大しているところで生産も拡大させており、グローバルな生産拠点間の競争が激化している状況であります。  こうした中で国内自動車メーカーは、自動車部品の一部を韓国や中国から輸入し始めていて、地元の企業はこれら海外企業との価格競争を余儀なくされています。また、自動車の構造自体も大きく変わりつつあります。先進国を中心に環境性能にすぐれた自動車、具体的には超低燃費のガソリン車を初め、ハイブリッドやプラグインハイブリッドの普及、さらには電気自動車、また二〇一五年には市販化が予定されております燃料電池自動車等の本格普及も目前に迫ってきております。地元企業は、グローバル競争に打ち勝つとともに、こうした次世代自動車や新しい自動車技術にしっかり対応していかなければなりません。  そこでお尋ねいたします。県はことし四月、自動車産業振興のため北部九州自動車産業アジア先進拠点プロジェクトを新たに策定していますけれども、その内容について教えていただきたいと思います。 48 ◯林自動車産業振興室長 このプロジェクトの内容でございますが、主な目標としまして、地場・地元企業の生産技術や研究開発力の強化を図って国際競争力の高い企業の集積を促進する、そして地元調達率についても七〇%を達成していこうといった目標を一つ掲げております。  また、こうした国際競争力の高い企業の集積を背景に、新技術を駆使した環境対応車とか、委員言われたような次世代自動車の開発の生産拠点になる、こうしたことによりまして、北部九州がアジアをリードする自動車の先進的な生産開発拠点となりまして、今後十年間の間に国内の乗用車生産台数の、シェアでしますと約二〇%、台数でしますと百八十万台、これを達成していこうといった目標を掲げているものでございます。 49 ◯中村誠治委員 私も、これからの自動車のあり方を見据えて、地元調達率の一層の向上を図ることやアジアをリードする自動車の開発、生産拠点になることが重要であると考えますが、目標達成に向けて本県ではどのような取り組みを行っているのか、またしようとしているのかお聞かせ願いたいと思います。 50 ◯林自動車産業振興室長 主な取り組みでございますが、自動車メーカー等の現役社員の方やOBを自動車産業アドバイザーとして五名配置しております。このアドバイザーの方が地元企業を訪問しまして生産改善指導を行い、高品質な部品を、かつ低コストで製造できるように支援しているところでございます。また、産学官共同研究などを支援しまして、自動車の新しい技術とか新たな生産技術、こういったものの開発を促進しているところでございます。さらに、ハイブリッドや電気自動車などに関する最新技術セミナーや、実際にこうした車を分解して構造研究する分解研究会、こういったものも開催しまして、地元企業の次世代自動車への参入を支援しているところでございます。  また、こうした地元企業の取り組みを支えるのはやはり人材でございます。金型メッキ等の高度技術を有する製造基盤技術者や高度設計技術者などの人材育成などにも努めているところでございます。 51 ◯中村誠治委員 本県経済の活性のためには基幹産業である自動車産業の振興なしでは語れないと思います。今回のダイハツ九州におけるエンジンの生産能力増強や開発センターの設置、本県における自動車産業のこうした動きをきちんと捉え、さらに加速させ、アジアをリードする自動車生産拠点にしていくため、ぜひとも強力に支援していただきたいと思います。  それでは、最後に部長の決意をお聞かせいただきたいと思います。 52 ◯松本國寛委員長 今村商工部長。 53 ◯今村商工部長 これまで産学官一体となって自動車産業の振興に取り組んでまいりました結果、本県には四つの自動車メーカーが設置いたします完成車工場でありますとかエンジン工場、その他関係の部品企業四百七十五社が立地する自動車の大きな拠点になってまいりました。しかし、一時期の非常に過度な円高というのは是正されてきておりますけれども、やはり海外に目を向けますと、モータリゼーションが新興国において急速に進んでおりまして、ここにおける現地の生産といったものは依然として増加、拡大をしてきているところでございます。そういうことでは海外の生産拠点との競争はさらに激化していくと考えております。  私どもといたしましては、自動車産業を取り巻くこのようなグローバルな環境変化をしっかりと捉えまして、これまで以上に地元企業の高度な生産技術を確立する、また研究開発機能を高める、さらに次世代自動車への参入支援をしていく。それからさらに、こういった開発というのは、何と言ってもそれを支える高度な技術を有する人材が鍵になるわけですけれども、そういった人材の育成、そしてさらには、先ほど委員からも御質問がございましたグリーンアジア国際戦略総合特区の設備投資に対する支援制度を活用して、さらに県内における関係企業の設備投資を拡大していただくといったことを進めまして、この北部九州が、発展するアジアの中におきましてもそれをリードできるような自動車の一大生産拠点になっていくということに向けて、我々はしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 54 ◯中村誠治委員 グリーンアジア国際戦略総合特区の制度をまさしく戦略的に活用し、本県の基幹産業たる自動車産業を中心に経済の活性化を図り、そして本県の成長発展に向けてさらに努力を重ねていただくことを期待して、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) 55 ◯松本國寛委員長 ほかに質疑はありませんか。平井一三委員。
    56 ◯平井一三委員 自民党県議団の平井一三であります。  ILCの誘致について質問をいたします。  ILCの話をしますと随分前のように感じますけれども、つい三カ月前までは福岡、佐賀両県は誘致を目指しまして県民と一体になって活動を行ってまいりました。両県民の期待も大変大きかったものであると思っております。国の諮問を受けました日本学術会議の検討結果は、二、三年かけて慎重に検討すべしということでございました。このことは国がやっと真剣にILCの誘致を検討し始めたものであると、私は喜ばしいことであると思っております。  一方、ILCの研究者で組織されましたILC立地評価会議の評価結果は、北上地域が脊振地域よりもすぐれた候補地であり、今後はこの地域を想定した計画を進めていくという内容でございました。我々にとっては全く残念な結果であります。この結果に対しまして、県民の皆さんからは厳しい意見をいただきました。県はどんな誘致活動をしてきたのか、本当に頑張ってくれたのか、評価のポイントは何だったのか、福岡は何でだめであったのか、今後も誘致活動を行うのか、やるとすればどのような戦略を持って進めていくのかと、このような意見であります。それぞれの評価結果が出た今、これまでの誘致活動の検証と今後の誘致方針について確認するために今回の質問を行っているところであります。  まず最初に、ILC立地評価会議の評価結果と日本学術会議のILC計画に対する所見の概要について、御説明をお願いいたします。 57 ◯松本國寛委員長 田代新産業・技術振興課長。 58 ◯田代新産業・技術振興課長 まず、ILC立地評価会議の評価結果でございます。ILC計画を推進する素粒子物理の研究者で組織されておりますILC立地評価会議が出した結果でございます。脊振、北上、両候補地は立地のための必須条件を満たす極めて良質な地質を有し、技術的な観点、社会環境基盤の観点での必須要件も基本的に充足している。しかし、施工上及び運用上のリスク、工期、コストなど技術的な観点から北上サイトが大きく優位である。こうした理由からILCの国内候補地として北上サイトを最適と評価するというものでございます。  一方、我が国の科学者を代表する組織でございます日本学術会議が、文部科学省から要請を受けまして九月三十日に取りまとめた所見でございます。ILC計画の我が国における本格実施を現時点において認めることは時期尚早、ILC計画の実施の可否判断に向けた諸課題の検討を行うために、二、三年をかけて当該分野以外の有識者及び関係政府機関も含めて集中的な調査検討を進めるということを提言しております。 59 ◯平井一三委員 評価結果はわかりました。  それでは、このILC立地評価会議の評価に対します県の考え方を教えてください。 60 ◯田代新産業・技術振興課長 ILC立地評価会議は、まず加速器を設置しますトンネルを設置するために必要な技術評価、それと住居、あるいは交通アクセス、教育・医療機関などの社会環境基盤評価の両面から評価するということでございました。しかしながら、発表されました評価結果は技術評価のほうに圧倒的に重きを置くというものでございまして、私どもとしては到底納得できるものではございません。このようなことから、九州・山口の産学官政で組織しておりますILCアジア─九州推進会議が評価時点における評価基準、あるいは評価結果に至った根拠資料といったものを要求しております。しかしながら、いまだ提出がなされていないという状況でございます。 61 ◯平井一三委員 私も九月十九日に九大で開催されました説明会に参加をしてまいりました。内容としては、キャンパスヤードあるいはダムや都市部の近傍を通過すること、あるいはアクセストンネルなどがリスクとされているという説明がありまして、おのおのの項目ごとの説明ではなるほどだなと納得できる部分もあったわけでございますけれども、県として誘致を目指していきたいという熱い思いでこれをやってきたわけでありますので、私としてはもっと評価会議の意向を聞き出しながら代案を示すなど、そのような積極的な活動が必要ではなかったのかと思っているところでありますが、県はこれまでどのような努力をされてきたのかお聞かせください。 62 ◯田代新産業・技術振興課長 私ども、今回の評価に対しまして、これまで築いてきました学とのネットワークといったものを活用して評価会議の情報を入手したり、あるいは評価会議の委員に直接当たって情報入手に努めてまいりました。しかし、今回の評価につきましては、ILC立地評価会議がみずから行うということで私ども地域の意見といったものを聞かないと、閉ざすというような姿勢でございました。ILC立地評価会議は、技術評価と社会環境基盤評価の二つの側面で必要になります評価項目を示しまして、この二つの側面から評価するということでございましたことから、私どもの地域としましては、九州大学あるいは佐賀大学を中心として、この評価項目を満たす情報を積極的に提供してまいりました。  こういう中で県としてどういう努力をしてきたかということでございますけれども、佐賀県と連携しまして、交通アクセスであったり、医療・教育機関といった地域の強み、こうした情報を積極的に収集し、大学に協力して脊振地域の優位性というものをしっかりアピールしてきたつもりでございます。 63 ◯平井一三委員 ILC立地評価会議の技術評価のポイントについて少しお話ししたいと思うんですけれども、この大きなポイントは断層をまず避けるというところからスタートしているところにあるのではないかなと思っています。そのため、ルートの選定が非常に限定的になり、ダムの近傍でありますとか市街地の下を通らなくてはいけない、あるいは取りつけ道路の延長が長くなると、そのようなデメリットが生じていると考えているところであります。  一般的に日本の道路とか鉄道のトンネルは、ほとんど断層を横断してつくられております。ちなみに福岡の地下鉄も警固断層を横断してつくられておりますけれども、過去の地震において地下鉄が崩壊したというお話は聞いたことがありません。断層に地震を受けても、日本の今の土木技術では十分耐え得る構造物をつくるのは容易なことであると私は理解をしておりますけれども、万が一、千年に一度という想定ですけれども、千年に一度で五センチ、十センチの亀裂が発生したとしても、その機器を据え直せば済むことであろうと。時間と少しお金をかければという程度の内容だと僕は思っております。ちなみに私どもがことしの春に自民党県議団の若手でKEKの視察をしたときには、東日本大震災のときにやはり被害を受けてずれたんだけれども、それは直してまた使っていますというお話も聞きました。ですから私は、立地評価会議の今回の評価内容というのはこの程度のものであろうと理解をしております。  それよりももっと問題と思っておりますのは、このような評価内容があるにもかかわらず、時間の経過とともに県民や国民の意識が脊振地域から遠ざかっていくことであると思っております。一日も早く払拭しなければならないと考えているところでありますし、県もしっかりと反論すべきだと思いますが、どう考えておられますか。 64 ◯田代新産業・技術振興課長 ILC立地評価会議の評価で彼らは、脊振地域も立地のための必須条件を満たす極めて良質な地質を有し、技術的な観点での必須要件も充足しているということを認めております。このことは、北部九州においてもILCを技術的に設置することができるということを認めているわけでございます。しかしながら、このILC立地評価会議は、今委員御指摘がございましたダム湖の近傍を通るとか、そういったごく一部を切り出しまして、それがたとえ技術的に解決できることであってもコストとしてはマイナスだという評価をしております。こういう中で、一方、我々の強みとしております交通インフラ、あるいは医療・教育機関といった社会環境基盤評価の部分は適切な評価がなされておりません。  こういうことで今、ILC立地評価会議に対しまして資料を要求しておりますけれども、資料提出を促しまして、立地評価会議が出しました評価結果に対する問題点を学術的な観点からしっかり検証して反論しようということを考えております。 65 ◯平井一三委員 ところが、県民の意識の中にはILCは終わったという感じがあります。知事は、先般の私どもの代表質問におきまして、これからもしっかり取り組んでいくという答弁がなされたところでありますけれども、しかし、この段階まで来て今までと同じような取り組みではいけないのではないかなと私は思っています。いろいろな課題が少しずつ明らかになってきているこの段階におきまして、その辺を踏まえて今後、具体的にどのようなアクションを起こしながら展開していくのかということについて、御意見をお伺いしたいと思います。 66 ◯田代新産業・技術振興課長 現在、文部科学省は日本学術会議の提言を踏まえまして、これから調査検討を行うという予定でございます。ILCの候補地といいますのは、やはり世界の研究者がより多く、そしてより長く継続して研究できる、安全、安心で住みよい地域であるということが必要と考えております。こうしたことから、国に対しましては交通インフラであるとか、あるいは医療・教育機関、こうした生活環境、それと、多額の国費を投じるわけですので大学や研究機関、あるいは産業の集積を生かした社会、経済への波及効果といった総合的な観点からしっかり検討調査してほしいということを早急に要望してまいりたいと考えております。それから、国の調査検討に対応しまして、私どもの強みとなるデータ、情報といったものを提出し、改めて脊振地域の優位性を訴えてまいりたいと考えております。 67 ◯平井一三委員 最後に、部長にお伺いしたいと思います。  去る十月二十六日の日本経済新聞にILCに関する記事が載っておりました。ちょっと読ませていただきますけれども、国内誘致を目指す研究者組織は、八月、岩手、宮城両県にある北上山地に候補地を決めたと。ほかに有力な候補地は見当たらず、日本政府が誘致を表明すればほぼ決まると。マスコミもこのように北上しかないという報道をなされていると。この件について、部長の率直なお考え、気持ちを述べていただきまして、その後に、今、課長からも今後一生懸命やっていきたいというお話がありましたけれども、部長としてどのような気持ちで取り組んでいかれるかお聞かせいただきたいと思います。 68 ◯松本國寛委員長 今村商工部長。 69 ◯今村商工部長 まず先日の新聞報道についてでございますけれども、私も読みましたけれども、まるで北上のほうに決定したかのような表現でございまして、私自身はこの記事について大変遺憾に思っております。課長が答弁いたしましたように、ILCの候補地というものは世界のより多くの研究者がそこでより長く研究を続けていけると。そしてまた安全、安心で住みやすい環境であるということが非常に重要であると考えております。この条件を満たし、我が国において世界に誇れるような国際研究所を設置し、またそれが我が国の国力の発展、拡大につながっていくということを考えますと、このILCの研究所というのは、私は脊振地域が最適であると考えております。  ILC立地評価会議の評価は、ILC計画をみずから推進しております素粒子物理の研究者によるものでして、この研究者みずから行ったものでございます。それも加速器を設置するために五十キロのトンネルを掘って、加速器を設置して、そしてその近くに研究所を設置するといった部分のみについて評価をしておりまして、私は、もともと立地評価会議が社会基盤についても評価をするというふうに項目を挙げていたのに比べると、非常に技術的な評価に偏っていると思っております。下村文部科学大臣も、このような専門家の評価というのは参考にはするが必ずしもそれにとらわれるものではないと発言をされておられまして、私は候補地がまだ決まったというわけではないと考えております。  国は今後、日本学術会議からの提言を踏まえまして調査検討を始めるという予定になっております。私どもといたしましては、このような国に対して、先ほど来説明しておりますように、この研究所が本当に地域に生きた研究所として活動できるための総合的な観点からの検討をぜひともお願いするということで、国へ働きかけを早急にやってまいりますとともに、今後とも県議会を初め、地域の産学官政で構成をしておりますILCアジア─九州推進会議と連携をいたしまして、全力で取り組んでまいりたいと考えております。 70 ◯平井一三委員 ただいま部長と課長から、熱い思いを持ってこれからも誘致に取り組んでいくというお気持ちが感じられました。私も先ほどのマスコミの記事は非常に残念に思っているところであります。しかし、このような状況、世情を払拭するのは知事だけができるのではなかろうかと僕は思っております。そして、この払拭していくということが知事の大きな使命であろうとも思っております。知事の決意を確認したいと思っておりますので、知事保留質疑のお取り計らいをよろしくお願いして質問を終わります。 71 ◯松本國寛委員長 ただいま平井委員から申し出がありました知事保留質疑を認めることにいたします。  なお、知事保留質疑は十一月八日金曜日に行う予定でありますので、御了承願います。 72 ◯平井一三委員 ありがとうございました。(拍手) 73 ◯松本國寛委員長 ほかに質疑はありませんか。     〔「なし」と呼ぶ者がある〕 74 ◯松本國寛委員長 ないようですので、以上で塩川委員、平井委員の知事保留質疑を残しまして第一三五号議案の質疑を終わります。  次に、第一四五号議案「平成二十四年度福岡県小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計決算」について説明を求めます。今村商工部長。 75 ◯今村商工部長 第一四五号議案、平成二十四年度福岡県小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計の歳入歳出決算について御説明申し上げます。  決算概要説明書の百七十一ページをお願いいたします。  この特別会計は、中小企業に対する設備資金の貸し付け及び協同組合等に対する高度化資金の貸し付け等を実施しているものでございます。  まず、歳入でございます。収入済額は三十九億五百万円余で、予算現額に対しまして二十億二百万円余の増となっております。主な理由といたしましては、繰越金が見込みを上回ったことによるものでございます。不納欠損額三百万円余は、貸付企業の倒産等により長期間償還がなく、時効の援用がなされたことによるものでございます。また、収入未済額二十四億二千二百万円余の主なものといたしましては、貸付金償還金が貸付組合の事業不振等によりまして、過年度分も含め年度内に収入できなかったものでございます。  百七十二ページをお願いいたします。  続きまして、歳出について御説明を申し上げます。  一款一項小規模企業者等設備導入資金貸付事業費は、決算額七億九千六百万円余となっております。決算の主なものは、設備導入資金貸付金でございます。また、不用額を生じております主な理由といたしましては、設備導入資金助成費におきまして貸付事業実績が見込みを下回ったものでございます。  百七十三ページをお願いいたします。  二款一項公債費は決算額九億三千九百万円余となっております。決算の主なものは、中小企業基盤整備機構への償還金でございます。  以上でございます。よろしく御審議のほどお願いいたします。 76 ◯松本國寛委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。     〔「なし」と呼ぶ者がある〕 77 ◯松本國寛委員長 質疑がないようですので、第一四五号議案の質疑を終了し、商工部所管分の審査を終わります。  次に、企業局所管分の審査を行います。  第一五二号議案「平成二十四年度福岡県電気事業会計決算」、第一五三号議案「平成二十四年度福岡県工業用水道事業会計決算」及び第一五四号議案「平成二十四年度福岡県工業用地造成事業会計決算」の三件について一括議題とし、まとめて説明を求めます。西田企業局長。 78 ◯西田企業局長 平成二十四年度福岡県公営企業会計決算のうち企業局所管分の決算について御説明いたします。  企業局では、電気事業、工業用水道事業及び工業用地造成事業の三つの事業を行っております。お手元に企業局の「平成二十四年度事業の概要」の資料を配付しておりますので、あわせてごらんいただければと思っております。  それでは、議案その四、公営企業会計決算書の十一ページをお願いいたします。  第一五二号議案、電気事業会計決算でございます。電気事業では、県下の三つの発電所において水力発電を行い、九州電力に電力を供給しております。(一)の収益的収入及び支出でございます。収入の第一款電気事業収益の決算額は四億八千八百万円余で、その主なものは電力料金収入でございます。支出の第一款電気事業費の決算額は四億六千五百万円余で、その主なものは人件費、減価償却費などの発電所の運転経費でございます。不用額を生じております主な理由は、人件費などの執行残でございます。  次に十二ページをお願いいたします。  (二)の資本的収入及び支出でございます。収入はございません。支出の第一款資本的支出の決算額は六千九百万円余で、その主なものは発電設備の更新等の建設改良費でございます。不用額を生じております主な理由は、堰堤改良事業負担金及び予備費の執行残でございます。  次に十三ページをお願いいたします。  損益計算書でございます。下から三行目、当年度純利益は一千九百万円余で、これは企業債の償還及び建設改良積立金に充てることとしております。また、十四ページ以降に関係諸表を記載しております。  以上が電気事業会計決算でございます。  次に、十九ページをお願いいたします。  第一五三号議案、工業用水道事業会計決算でございます。工業用水道事業では、苅田町、大牟田及び宮若など三三町において、受水企業に工業用水を供給しております。  (一)の収益的収入及び支出でございます。収入の第一款工業用水道事業収益の決算額は十六億一千七百万円余で、その主なものは工業用水の料金収入でございます。支出の第一款工業用水道事業費の決算額は十二億一千七百万円余で、その主なものは人件費、減価償却費などの工業用水の供給に必要な経費でございます。不用額を生じております主な理由は、資産減耗費、共同施設管理費及び人件費などの執行残でございます。  二十ページをお願いいたします。  (二)の資本的収入及び支出でございます。収入の第一款資本的収入の決算額は四千万円余で、これは国道二百八号改築工事に係る配水管移設工事に係る受託金でございます。支出の第一款資本的支出の決算額は九億二千二百万円余で、その主なものは企業債償還金と浄水施設取り壊し工事等の建設改良費でございます。翌年度への繰越額は七億七千一百万円余で、これは沈砂地改修工事などに要する経費でございます。不用額を生じております主な理由は、施設更新等の建設改良費の執行残でございます。  次に、二十一ページをお願いいたします。  損益計算書でございます。下から三行目、当年度純利益は三億八千三百万円余で、これは企業債の償還金及び建設改良積立金に充てることとしております。また、二十二ページ以降に関係諸表を記載しております。  以上が工業用水道事業会計決算でございます。  最後に、二十七ページをお願いいたします。  第一五四号議案、工業用地造成事業会計決算でございます。工業用地造成事業では、宮若の磯光地区及び糸島の前原インターチェンジ南地区で事業を行っております。  (一)の収益的収入及び支出でございます。収入の第一款造成事業収益の決算額は三千万円余で、その主なものは前原インターチェンジ南地区の土地のリース料収入でございます。支出の第一款造成事業費の決算額は七千二百万円余で、その主なものは人件費、造成地の維持管理費などでございます。不用額を生じております主な理由は、磯光地区などの造成地の維持管理費の執行残でございます。  二十八ページをお願いいたします。  (二)の資本的収入及び支出でございます。収入の第一款資本的収入の決算額は二十四億円で、その主なものは、他会計借入金収入でございます。支出の第一款資本的支出の決算額は二十四億円で、その主なものは、他会計借入金償還金でございます。  次に、二十九ページをお願いいたします。  損益計算書でございます。下から三行目、当年度純損失は四千一百万円余で、これは翌年度への繰越欠損金としております。また、三十ページ以降に関係諸表を記載しております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 79 ◯松本國寛委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。     〔「なし」と呼ぶ者がある〕 80 ◯松本國寛委員長 質疑がないようですので、第一五二号議案外二件の質疑を終了し、企業局所管分の審査を終わります。  次に、県土整備部所管分の審査を行います。  まず、第一三五号議案「平成二十四年度福岡県一般会計決算」のうち歳出についての説明を求めます。村山県土整備部長。 81 ◯村山県土整備部長 それでは、県土整備部所管一般会計の決算について御説明を申し上げます。  平成二十四年度福岡県歳入歳出決算概要説明書の百十五ページをお願いたします。  八款県土整備費の決算額は千百八十億五千六百万円余でございます。  内訳につきまして御説明いたします。  一項県土整備企画費の決算額は二十九億八千八百万円余でございます。その主なものは、人件費などの管理費及び九州新幹線建設費の負担金などでございます。翌年度へ繰り越しましたのは、九州新幹線建設事業において騒音、振動等の環境対策に時間を要したことなどによるものでございます。不用額の主なものは、九州新幹線建設費の負担額の確定に伴う執行残でございます。  百十六ページの二項道路橋りょう費の決算額は、六百六十八億二百万円余でございます。その主なものは、道路の維持管理、新設、改良に要した経費及び国の直轄事業に対する県の負担金、福岡都市高速道路の建設に対する出資貸付金でございます。翌年度へ繰り越しましたのは道路新設改良事業において地元調整、用地に係る物件移転等に時間を要したことなどによるものでございます。不用額の主なものは、人件費及び各事業費の確定に伴う執行残でございます。  百十八ページに移りまして、三項河川海岸費の決算額は三百九十九億六千二百万円余でございます。その主なものは、河川、砂防、海岸の各事業費及び国の直轄河川事業に対する県の負担金でございます。翌年度へ繰り越しましたのは河川改良事業において地元調整、用地に係る物件移転等に時間を要したことなどによるものでございます。不用額の主なものは、人件費及び各事業費の確定に伴う執行残でございます。  百十九ページの四項港湾費の決算額は三十九億五千八百万円余でございます。その主なものは、県管理港湾の整備事業費及び国の直轄港湾事業に対する県の負担金でございます。翌年度へ繰り越しましたのは港湾建設事業において地元調整に時間を要したことなどによるものでございます。不用額の主なものは、人件費及び各事業費の確定に伴う執行残でございます。  百二十ページの七項河川総合開発等事業費の決算額は二十七億五千六百万円余でございます。その主なものは、県土整備部所管の特別会計への繰出金でございます。  百二十一ページの八項水資源対策費の決算額は十五億八千八百万円余でございます。その主なものは、水資源対策費及び水道企業団等が行う水道広域化施設整備事業に対する県の補助金でございます。不用額の主なものは、水源地域振興事業費の県負担金の執行残でございます。  続きまして、十一款災害復旧費について御説明いたします。  百二十二ページの十一款災害復旧費の決算額は四十六億三千九百万円余でございます。また、十一款二項土木施設災害復旧費の決算額も同額でございまして四十六億三千九百万円余でございます。その主なものは、河川道路等の災害復旧に要した経費でございます。不用額の主なものは、事業費の確定に伴う執行残でございます。  以上が県土整備部所管の一般会計の決算の概要でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 82 ◯松本國寛委員長 説明は終わりました。これより歳入及び歳出の質疑を行います。質疑はありませんか。縣善彦委員。 83 ◯縣 善彦委員 自民党の縣でございます。  先日、今年度から県が調査を開始すると発表がありました関門海峡道路につきまして質問をさせていただきます。  六月の一般質問におきまして、東日本大震災以降、コストをかけてでも国民を守り、社会を守ることの重要性に目が向けられるようになってきましたこと、そしてまたその観点から、九州の物流の大動脈である関門海峡道路について考える時期に来ているのではないかという問題提起をさせていただきました。関門橋並びに関門トンネル合わせて一日六万三千台もの自動車が利用しているわけですが、一方で、ことしで関門橋が約四十年、関門トンネルが五十五年、開通してから経過をしております。関門トンネルは十年に一回は大規模なリフレッシュ工事を行っておりまして、関門橋はまさに今、車線を減らして補修工事が行われている状況でございます。  両方とも同じ場所に位置しておりまして、大規模災害時に両方が同時に遮断される事態も予想されます。悲しいことに、そのときの代替ルートがありません。さらには、両方の交通が遮断された場合の経済的影響が日本全体に及ぼすことは明らかでありまして、関門海峡道路建設促進協議会によりますと、その損失は約十四兆円とも言われております。関門海峡を渡る道路は今やなくてはならないものとなっており、その意味からも私は以前あった三浦半島と房総半島を結ぶ夢のような道路とか、そういう大きなプロジェクトとは別物であると考えているところであり、関門海峡道路は北九州、下関地域の活性化に大きく寄与するものと考えております。  そこで質問ですが、まず私が六月議会で質問したその後の動きを教えていただきたいと思います。 84 ◯松本國寛委員長 義経道路建設課長。
    85 ◯義経道路建設課長 関門海峡道路に係る六月議会後の動きでございます。  まず七月二十三日に国に対しまして要望提言活動を行っております。また、七月二十六日には地元経済団体や企業で組織する関門海峡道路建設促進協議会が七年ぶりに総会を開催し、関係します福岡県、山口県、北九州、下関の二県二の首長も来賓として参加しておるところでございます。 86 ◯縣 善彦委員 民間の方々も関門海峡道路に期待をして、機運が盛り上がっているようであります。  では、関門海峡道路の整備効果を県はどうお考えでしょうか。 87 ◯義経道路建設課長 関門海峡道路でございますけれども、北九州、下関の都心部を結び、関門トンネルや関門橋と一体となりまして海峡エリアの循環性を高めるネットワークを形成する道路でございます。物流の効率化、利便性の向上、また大規模災害時の代替機能の確保といった効果が期待されるものと考えております。 88 ◯縣 善彦委員 そのような効果に、地元の皆さんも期待をしているんだと思います。  ところで今、整備効果の一つに大規模災害時の代替機能と言われましたが、関門トンネルは大規模補修のときだけではなくて平時も落下物等により通行どめが発生していると聞いております。一年間に関門トンネルが何回ぐらい通行どめになっているのかお答えください。 89 ◯義経道路建設課長 関門トンネルの通行どめ回数でございます。管理しております西日本高速道路株式会社によりますと、平成二十三年度におきまして、落下物や事故等によりまして長時間、短時間を含め通行どめされた回数は、上下線合わせまして四百六十六回と聞いております。 90 ◯縣 善彦委員 想像以上の通行どめが起こっているということであります。笹子トンネルみたいにならないように注意をしてもらいたいと思います。大規模災害だけではなくて、そういうところからも大動脈として非常に心もとないと言わざるを得ないために、代替機能は是が非でも必要であると言えるのではないかと思います。  ところで、今回県が調査を行うと発表した経済影響調査ですが、具体的に御説明をお願いいたします。 91 ◯義経道路建設課長 今回調査を開始すると発表いたしました経済影響調査でございます。これは二県二が連携し分担しながら行う調査でございます。この調査は、関門海峡道路が整備された場合の効果を定量的に算定しようとするものでございます。走行時間短縮などの直接的な効果でありますとか、産業や観光面への波及効果、防災面への効果といったものの調査を予定しております。このうち福岡県では今年度、将来交通需要推計調査と言いまして、経済影響調査の基礎データとも言えます将来の交通量を推計する調査を行う予定としております。 92 ◯縣 善彦委員 それで、そういう調査は何に使うことになりますか。 93 ◯義経道路建設課長 調査の使い方でございます。二県二ではこれまでも関門海峡道路の具体化に向けた調査促進を国に働きかけてきたところでございますけれども、それを補強するために必要な資料作成に使ってまいりたいと考えております。 94 ◯縣 善彦委員 二県二が連携をして地域ができる調査を行って、経済的な影響についてのデータを持って国にお願いをするということだと思います。国を説得するに当たってデータが必要であるということは言うまでもないことです。しかし、これをずっとだらだらやっていても仕方がないと思いますが、どのぐらいの期間をお考えですか。 95 ◯義経道路建設課長 調査期間でございます。本調査は二県二で連携をしながら今年度及び来年度で一定の取りまとめを行い、要望や提言の内容に反映させてまいりたいと考えております。 96 ◯縣 善彦委員 二県二がしっかりと、そしてスピーディーに調査を行いまして、一日も早く調査を開始され、また一日も早く関門海峡道路が実現するように努力をしていただきたいと思います。  最後に、県土整備部長に関門海峡道路の実現に対する考え方をお聞きしたいと思います。 97 ◯松本國寛委員長 村山県土整備部長。 98 ◯村山県土整備部長 お答えいたします。  この関門海峡道路は北九州、下関の都心部を結びまして、関門トンネルや関門橋と一体となりまして関門海峡エリアの循環性を高めるネットワークを形成する道路と考えてございます。整備効果といたしましては、物流効率化、利便性の向上、また大規模災害発生時におきます代替機能の確保といったものがあると考えております。  現在、国に対しまして関門海峡道路の具体化に向けました調査を行うよう働きかけている段階でございます。今後とも福岡県、山口県、北九州、下関及び地元経済団体が構成員であります関門海峡道路整備促進期成同盟会、また地元経済団体で組織する関門海峡道路建設促進協議会といったものと連携しながら、国に対しまして関門海峡道路の具体化に向けた調査を行うよう働きかけをしてまいりたいと考えております。 99 ◯縣 善彦委員 私たちは地元の利便性、あるいはいろいろな災害対応ということを考えて、ぜひとも必要だと思っておりますが、ぜひ緻密な調査をしていただきまして費用対効果、本当に住民あるいは地域にとって必要なものであるという調査の結果が出れば、ぜひ強く推進をしてもらいたいと思います。  この件につきまして、部長のお考えはわかりましたが、これは二県二にわたる事業でもあり、関係自治体がそのように複数ですので、知事の考え方もお尋ねしたいと思いますから、委員長、知事保留質疑のお取り計らいをお願いしたいと思います。 100 ◯松本國寛委員長 ただいま縣委員から申し出がありました知事保留質疑を認めることにいたします。  なお、知事保留質疑は十一月八日金曜日に行う予定でありますので、御了承願います。 101 ◯縣 善彦委員 よろしくお願いします。終わります。(拍手) 102 ◯松本國寛委員長 この際、しばらく休憩します。  再開は午後一時四十分をめどに、放送をもってお知らせいたします。    午 後 零 時 三 十 五 分 休 憩    午 後 一 時 四 十 分 再 開 103 ◯新村雅彦副委員長 ただいまから委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き議事を進めます。  県土整備部所管分について、ほかに質疑はございませんか。宮浦寛委員。 104 ◯宮浦 寛委員 こんにちは。民主党・県政クラブ、宮浦寛であります。  今回、私は都市高速道路公社が運営を委託する料金収受業務中の飲酒問題について質問いたします。  まず、質問に当たりまして、料金収受業務に係る契約手続と契約実績について資料を求めていますので、お取り計らいのほどよろしくお願いいたします。 105 ◯新村雅彦副委員長 お諮りいたします。  ただいま宮浦委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 106 ◯新村雅彦副委員長 御異議ございませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま宮浦委員から要求がありました資料については提出できますか。田丸高速道路対策室長。 107 ◯田丸高速道路対策室長 直ちに提出いたします。 108 ◯新村雅彦副委員長 確認させてください。     〔資料確認〕 109 ◯新村雅彦副委員長 それでは、事務局は資料を配付してください。     〔資料配付〕 110 ◯新村雅彦副委員長 資料が配付されましたので、宮浦委員、質疑を行ってください。 111 ◯宮浦 寛委員 このたび、北九州都市高速道路の料金所を運営受託する事業所の従業員が勤務中に飲酒をしていたということが明らかとなったこの問題は、道路交通事業にかかわる者が起こした決して許してはいけないことであります。このことから一連の事象解明と今後の再発防止に向けて質問をさせていただきます。  まず、この料金収受業務と委託業務の契約期間等の概要と入札、応札の状況についてお聞きします。 112 ◯田丸高速道路対策室長 福岡北九州高速道路公社のほうから聞いた情報でございますが、契約期間につきましては平成二十四年度までは単年度の契約としておりましたが、料金収受業務の安定化等の観点から平成二十五年度からは二年から三年間の複数年契約に移行したと聞いております。  あわせまして入札の方法を平成二十四年度までは指名競争入札といたしておりましたが、二十五年度からは一般競争入札に変更したと聞いております。応札の状況でございますが、平成二十四年度の指名競争入札の指名者数は十五社でございまして、そのうち応札したのが十一社、平成二十五年度におきます一般競争入札応募者数は七社であったと聞いております。 113 ◯宮浦 寛委員 次に、配付いただきました資料を見ますと、契約実績の一覧表によりますと契約実績がある会社は過去五年間で実質五社、このうち一社は既に破綻をしていると聞いておりますので実質四社の名前が上がっています。そもそもこの業務について履行可能と考えられる事業者はどのぐらいの数があると把握をしているのかお聞きします。あわせて、入札に当たり業者登録などの制度があればお答えをいただきたいと思います。 114 ◯田丸高速道路対策室長 公社のほうからは、今年度から一般競争入札としたとのことでございまして公社の業者登録の必要はなくなったと伺っております。都市高速が所在する市町村内に本店や支店等が登記されていること、それから料金収受業務を五年以内に二年以上経験していること、そういう定められた資格要件を満たせば、全国どこの業者でも応募可能であるとなっていると聞いております。 115 ◯宮浦 寛委員 この飲酒事象の発覚後、公社が行った聞き取り調査についてお尋ねをいたします。  まず、この聞き取り調査結果の概要についてお答えください。 116 ◯田丸高速道路対策室長 公社からの報告によりますと、今年度において飲酒をしたと回答した方は、名古屋ハイウエイの従業員の方が七名であったと聞いております。あわせまして過去の飲酒についても聞き取り調査を行ったと聞いておりますが、昨年度から五年前までに飲酒したと回答した方が、北九州高速の紫川ブロックにおきまして六名、篠崎ブロックにおきましては一名の方で計七名でございます。さらに五年以上前に飲酒をしたことがあると回答した方が、福岡高速の名島ブロックで一名、豊ブロックで一名、北九州高速の紫川ブロックで四名、篠崎ブロックで二名、計八名であったと聞いております。 117 ◯宮浦 寛委員 ただいま答弁ありましたうち、名古屋ハイウエイ所属で今年度七名という数値がありましたが、これは全て紫川ブロックの従業員の方でしょうか。 118 ◯田丸高速道路対策室長 はい、公社のほうからは七名全てが北九州高速の紫川ブロックの従業員であったと聞いております。 119 ◯宮浦 寛委員 それでは、過去五年以内に飲酒したことがあると回答されたのが七名、それ以前にあるとされた方が八名とのことでありますが、これらには名古屋ハイウエイ所属以外の会社も含まれているのかどうか、そしてそれらはどこのブロック、どの会社におられたときに飲酒をしたものなのか、お答えください。 120 ◯田丸高速道路対策室長 県におきましては、公社のほうが聞き取り調査したその結果につきまして、過去に飲酒したと回答した方が飲酒当時にどこの会社に所属し、どこのブロックで業務をしていたかについては把握しておりません。 121 ◯宮浦 寛委員 把握をしていないということでありますが、詳細に関する追跡調査等は行っているのでしょうか。 122 ◯田丸高速道路対策室長 追跡調査に関しましても県では把握しておりません。 123 ◯宮浦 寛委員 まず、これらの事象の全容解明に向けて、私は追跡調査が必ず必要であると強く意見をこの場で申しておきます。  さて昨年、この一部の業務にかかわり日本ロードサービスという会社が破綻をして、これによる契約変更が昨年七月に行われているようでありますが、この経過と業務を引き継いだ支援会社を選ぶ選定方法についてお答えください。 124 ◯田丸高速道路対策室長 平成二十四年度の福岡高速の名島ブロックと、北九州高速道路の紫川ブロックにおきまして料金収受業務を契約していました日本ロードサービスにつきましては経営上の問題がございまして、公社のほうは平成二十四年六月三十日に契約解除を行いました。その後を引き受けていただく料金収受会社の選定でございますが、契約に係る業務委託仕様書で受託者がその業務の履行が困難な場合または不能となった場合には、他の収受会社は公社からの業務支援協議に応じることとなっております。これに基づきまして、公社が当時業務を契約していた料金収受会社と協議を行い、名島ブロックにつきましては共栄ロードサービスと、そして北九州の紫川ブロックにつきましては名古屋ハイウエイと、平成二十四年七月一日付で契約締結をしております。 125 ◯宮浦 寛委員 その際に、従業員の方の雇用の救済ということも含めて、多くの従業員は名古屋ハイウエイに引き継がれたのでしょうか。 126 ◯田丸高速道路対策室長 従業員の方は全て、業務を引き継ぎました共栄ロードサービスと名古屋ハイウエイの二つの会社が雇用したと聞いております。 127 ◯宮浦 寛委員 こういったアクシデント等の際以外、通常の年度がわりの契約変更時にも業務の円滑化などを目的として、同様に従業員が引き継がれているケースがあるのでしょうか。 128 ◯田丸高速道路対策室長 従業員の雇用につきましては、次の料金収受会社が新たに自社の採用基準によりまして公募を行うことになっております。したがいまして、収受員の方本人が応募し採用されることになれば、新しい会社が雇用することは可能となっていると聞いております。 129 ◯宮浦 寛委員 この業務に関してですが、会社がかわろうとも業務の円滑化などを目的として職員が引き継がれる、いわば業界の慣習があるとも私は聞いています。今回の聞き取り調査の中で過去に業務中飲酒をしたとの回答が複数ございます。こういったことからも、歴代の会社においてもこの飲酒事象を見逃してきた可能性があることも否定できません。つまりは、今回発覚した紫川ブロック、この名古屋ハイウエイだけの問題ではないことも想定されますが、この件に関して室長のお考えをお聞きしたいと思います。 130 ◯田丸高速道路対策室長 公社におきましては、今回の飲酒事案につきまして審議、検証するために、学識経験者や弁護士等の専門家で構成されましたお客様の信頼向上に向けた第三者委員会を設置いたしまして、現在審議が行われているところでございます。料金収受業務につきましては、この第三者委員会の中で雇用形態や勤務形態についても意見が出されていると聞いております。こういう問題も含めまして、飲酒問題について審議、検証が行われ、再発防止についての提言がなされるものと理解をしているところでございます。 131 ◯宮浦 寛委員 これら飲酒問題に関連して、本県及び両政令市は十月二十三日付で行政指導を発したとされていますが、その後、公社は何をどのように取り組んだのでしょうか。 132 ◯田丸高速道路対策室長 公社におきましては、まず委託会社に文書で社員の方々に飲酒運転が社会規範や法令に違反する行為であるという意識を徹底させるということ、それからアルコールチェック体制の強化を図ることなどの指導を行っております。公社のほうは、北九州高速道路の料金精算事務所におけます抜き打ち検査も実施しているところでございます。その他、公社は県警小倉北署の提案等々を受けまして、北九州高速の料金収受会社二社に対しまして、従業員に対する研修として飲酒を含む交通安全教育の実施を要請し、現在行われているところでございます。 133 ◯宮浦 寛委員 今回の問題では名古屋ハイウエイ社とは契約解除の方針が示されたようでありますが、かわりの業者はどのように選定をされるのでしょうか。 134 ◯田丸高速道路対策室長 契約解除の方針の件でございますが、今回飲酒事案が発生いたしました紫川ブロックについての契約解除の手続ということでございますけれども、今現在、福岡北九州高速道路公社では他の三社の料金収受会社と委託契約を締結しているところでございます。先ほども御回答をさせていただいておりますが、業務委託仕様書で業務受託社がその業務の履行が困難または不能となった場合には他の会社は公社からの業務支援協議に応じるような内容になっております。今回につきましても、公社のほうから他の会社に対しまして業務支援が受けられるかどうか、今現在協議を行っているところであると聞いております。 135 ◯宮浦 寛委員 現在他の場所を受託している、つまりはこの表にある他の会社と協議をしていると理解しますが、これは私が過去に受託契約をした事業者も含め、まだこの全容が解明されていない中、こういった手法ではきちんとした管理体制、能力を持つ代替業者が選定されるのかということに関し疑問が残ることを私は指摘しておきます。  さて今回、この直接の当事者であります名古屋ハイウエイ社は福岡の豊ブロックと契約を受託中でありますが、これについてはどのような取り扱いでされるのでしょうか。 136 ◯田丸高速道路対策室長 公社からの報告によりますと、料金収受業務は各ブロックでそれぞれ別の契約となっておりまして、ブロックごとに別の従業員の方々が勤務しているという状況でございます。公社からは、飲酒事案が発生した紫川ブロックで今年度の現契約における契約条項に違反したため、その分につきましての契約解除の手続を進めていると聞いております。現在、公社におきまして今年度契約している他の料金収受会社と業務支援協議を行っているところでございます。  県といたしましては、料金収受業務を適正に行いながら、紫川ブロックの契約解除の手続を速やかに進めるよう指導しているところでございます。 137 ◯宮浦 寛委員 今質問しました件も含めて第三者委員会で検討をされるのだろうと理解をしておきます。  最後になりますが、今後、この第三者委員会の進め方、そして本県と公社の今後の対応の見通しについてお答えください。 138 ◯田丸高速道路対策室長 第三者委員会におきましては、今年、あと二回開催をいたしまして、勤務体系の問題を含めまして飲酒問題について検証し、年内に中間提言を行う予定となっております。来年一月から三月までに三回第三者委員会を開催の上、次のテーマであります内部統制の問題等を検証しまして、年度内に最終提言を行う予定となっております。  県といたしましては、このような飲酒事案の再発防止が重要であると考えているところでございます。第三者委員会に係る報告を受けまして、公社に対しまして監督命令などの必要な措置を行う考えでございます。 139 ◯宮浦 寛委員 第三者委員会から年度内に最終提言を受け必要な措置をとるとのことでありますが、まさにこれだと年度末ぎりぎりになることが見込まれます。第三者委員会の検証結果、議論の流れ次第では、複数年契約の途中ではありますが、新年度なりに新たな契約変更等をしなければならないことも想定されるわけであります。今後、議論、検証はできる限りスピード感を持った対応が必要であると意見を申し上げ、質問を終わります(拍手) 140 ◯新村雅彦副委員長 ほかに質疑はございませんか。浜崎達也委員。 141 ◯浜崎達也委員 公明党の浜崎達也でございます。今回は公共工事についてお尋ねをいたします。  昨年の政権交代以来、国土強靭化計画、また防災・減災ニューディール政策等の政策もあわせて土木の公共工事が大幅に増加傾向であります。しかし一方、最近顕著になってきたのが各入札での入札不調、また加えて東北の震災復興のため、また東京オリンピック決定などで、バブルとまで言いませんけれどもそういう工事がふえている。そういう中で人手不足が問題になってきていると思っております。本年二月の国の補正予算より、本県においても前年比二倍ぐらいの発注と聞き及んでいるところです。いきなりの公共工事増加に民間会社は人手不足に悩まされているのが実情ではないでしょうか。  そこで今回、公共工事入札不調と人手不足による公共工事延長についてお尋ねをいたします。  まず、先ほど申し上げましたけれども災害や経済対策、前倒し発注等の影響もあり、入札不調が発生していると聞いておりますけれども、現在どのような状況かお聞かせください。 142 ◯新村雅彦副委員長 横枕企画交通課長。 143 ◯横枕企画交通課長 県土整備部では九月までの入札で一般及び指名競争入札約二千件ございますが、そのうち四十四件、約二・一%の入札不調が発生しております。現段階では総じて順調に推移しており、建設資材や労働力の不足による顕著な影響が見られる状況ではございません。  しかしながら、関係の業界団体に関する聞き取り等では、石工などの職種で一部不足が生じている状況でもあり、今後、施工がふくそうすれば型枠工など他の職種でも労働者の不足が懸念されているところでございます。 144 ◯浜崎達也委員 一部少しそういう傾向が見られているということでございますね。  次に、災害や経済対策前倒し発注に対して、これまで県土整備部としてはどのような対策を打ってきましたか。説明ください。 145 ◯横枕企画交通課長 これまでの対策でございます。技術者の不足に対応するため、専任の主任技術者の兼務要件の拡大及び現場代理人の常駐義務の緩和要件の拡大を実施してきております。また、工事の早期発注を推進するため、着工前の余裕期間を設けた発注も実施しております。さらに、現場がふくそうすることなどによる工事工程の調整が必要な箇所については工期変更により対応しております。 146 ◯浜崎達也委員 そういう意味ではかなり配慮されているようなところだと思っておりますが、本年九月の建設業関係職種の有効求人倍率が一・九七倍、その中でも建設躯体工事の職業では何と六倍を超える求人が求職を上回る状態が続いているようです。今後、型枠工、また鉄筋工等の技術者不足で工期内に完成しない場合、請負者はどのようにすればいいか、これが私のほうに来た相談でもあるわけですけれども教えてもらえませんか。 147 ◯横枕企画交通課長 工期内に完成しない場合どうなるかということですが、請負者からの請求による工期延長の制度がございます。この場合、請負者に工期延長の責任があれば契約上延長する工事日数に応じた損害金の支払いが生じますが、天候不良など請負者に責任がないようなときには工事延長に伴う負担は発生いたしません。 148 ◯浜崎達也委員 私は性善説に立って、この請負者に故意の工期延長はないと思うんですが、冒頭から申し上げていますように、そういう意味では人手不足はかなり懸念されますので、その辺しっかりお願いしたいと思います。  今ございましたけれども、請負者に責任がないときというのはどういうときを指すのでしょうか。また、労働者不足は請負者に責任がないときにならないのか、ここも確認しておきたいと思います。 149 ◯横枕企画交通課長 具体的には天候の不良であるとか関連工事の調整の協力であるとか、暴風、豪雨、洪水、地震、火災その他の自然的または人為的なものも含めた事象であって請負者の責任がない場合になります。
     もう一つの労働者不足に対するお話ですが、労働者不足による工期の延期が請負者の責任がないと認められるためには客観的な整理が必要になるかと思います。このために、建設資材対策九州地方協議会や建設業団体からの情報収集に努めるとともに、現場においても県の担当者と請負者の現場代理人がお互いしっかり協議しながら個別に判断していくことも必要かと考えております。 150 ◯浜崎達也委員 天災、それともう一つ、今、最後に答弁があったと思うんですが、現場においても監督員と請負者の現場代理人、この工事現場からの相談に応じますよという理解でいいんですかね。もう一回。 151 ◯横枕企画交通課長 はい、そのとおりです。 152 ◯浜崎達也委員 今、非常に急に公共工事がふえた。地元の建設業を初め業者さんは、六十歳を超えて定年退職される方、そして新規に雇えない状況が今、続いているわけですね。そういう中で、ある意味では人手不足というのは自然に起こる現状ではないかなと思っています。  最後に部長に答弁願いたいんですけれども、今申し上げました業者の社長さんたちからそういう声が今上がっています。今、課長が答弁されましたが、今回、この労働者不足で工期の延期が、まだ補正予算が二十四年度、そして二十五年度と、今回の決算がなれば関係は補正予算だけになりますけれども、来年も続くことでもありますので、部長のほうから人手不足により工期がおくれるときの対応について、部長のお考えを最後にお聞かせください。 153 ◯新村雅彦副委員長 村山県土整備部長。 154 ◯村山県土整備部長 お答えいたします。  県土整備部におきましては、社会資本の適切な整備、管理、こういったことを通じまして県民の皆様の安全で安心な生活を実現するとともに、豊かで快適な生活環境の構築、さらには活力に満ちた地域社会を創造するといったことを使命としております。現在、昨年七月の梅雨前線豪雨災害からの復旧に向けて取り組んでいるところでございます。また、今年度実施しております緊急経済対策関連の社会資本整備事業につきましては、建設関連資材の生産または消費の拡大、建設労働者の雇用の創出など、経済の波及効果についても期待されているところでございます。  こういったことから、建設工事につきましては、計画的に、また可能な限り工期内に完成していただくということが必要だと考えております。しかしながら、建設労働者が不足するというと工期に影響が出てまいりますことから、引き続き県土整備部といたしましては、福祉労働部や建設業界団体等々から情報収集をいたしますとともに、現場におきまして個別の事情を踏まえまして、工期の設定など可能な限り柔軟な対応を行うことによりまして、この人手不足に対する工期への影響をできるだけ緩和するように努めてまいります。 155 ◯浜崎達也委員 ありがとうございました。終わります。(拍手) 156 ◯新村雅彦副委員長 ほかに質疑はございませんか。大島道人委員。 157 ◯大島道人委員 自民党県議団の大島でございます。  道路の安全対策についてお伺いいたします。道路は災害時の避難や緊急物資等の輸送ルートとしての重要な役割と平常時の安全な生活道路としての役割を持っていると思います。そこで、災害時を想定した事前防災、減災の取り組みと平常時の安全な通行の確保の取り組みについて伺います。  まず橋梁の事前防災、減災の取り組みについて伺いますが、大規模災害のときに避難や緊急物資等の輸送ルートの確保のためには橋梁の安全性と確保が大事だと考えております。特に筑豊地域は福知山断層、西山断層といった間に位置しております。また地下には石炭採掘の無数の坑道が存在し、この地域に大規模な地震が起きれば大きな被害が発生すると考えております。  そこで、県が管理する橋梁はどれぐらいあるのかお尋ねします。 158 ◯新村雅彦副委員長 豊永道路維持課長。 159 ◯豊永道路維持課長 県が管理しております橋長二メートル以上の橋梁数につきましては約四千五百橋ございます。そのうち橋長十五メートル以上の橋梁は約千二百橋でございます。 160 ◯大島道人委員 橋梁は高度経済成長期に建設されたものが多いとお聞きしております。十五メートル以上の橋梁の場合、五十年以上経過した橋梁の割合はどれぐらいあるのかお聞きします。 161 ◯豊永道路維持課長 十五メートル以上の橋梁約千二百橋のうち平成二十五年三月時点で建設後五十年以上経過した橋梁は百五十五橋で約一三%となっております。また、二十年後に建設後五十年以上を経過する橋梁については六百五十五橋で約五四%となっております。今後急速に橋梁の高齢化が進行する状況となっております。 162 ◯大島道人委員 今後老朽化した橋梁の維持管理や更新にかかわる費用が莫大となると思いますが、安全性の確保は大丈夫なのかお聞きいたします。 163 ◯豊永道路維持課長 県では、平成二十二年度に橋梁の維持補修や更新時期などの計画を定めた橋梁長寿命化修繕計画を策定しております。この計画は従来の事後的な修繕及びかけかえから予防的な保全と計画的なかけかえに移行することを目的とした計画となっております。これによりまして橋梁の長寿命化を図ることが可能となり、結果として維持更新費用の縮減にもなると考えております。また、計画的なかけかえにより更新費用の平準化を図ることも可能となっております。今後もこの計画を適切に実施していくことで橋梁の安全性を確保できるものと考えております。 164 ◯大島道人委員 老朽化の対策についてはわかりましたが、震災対策で、県全体の緊急輸送道路において十五メートル以上の県管理の橋梁で対策が必要な橋梁はどれぐらいあるのかお尋ねいたします。 165 ◯豊永道路維持課長 県が管理しております十五メートル以上の橋梁約千二百橋のうち、緊急輸送道路上で耐震対策が必要な橋梁は、既に対策を実施したものを含めまして全体で百七十八橋となっております。 166 ◯大島道人委員 橋梁の震災対策は、具体的にどのような内容なのかをお尋ねいたします。 167 ◯豊永道路維持課長 地震時におきまして橋桁の落下や橋梁の崩壊といった致命的な損傷を防止するための対策としまして、橋脚を鉄筋コンクリートや炭素繊維シートにより巻き立てて橋脚そのものを補強することや、橋桁の落下を防止するために桁が乗っているところの拡幅や落橋を防止するための装置などを設置しているところでございます。 168 ◯大島道人委員 県全体の橋梁の震災対策の進捗状況はどのようになっておるのかお尋ねします。 169 ◯豊永道路維持課長 耐震補強が必要な百七十八橋のうち、現時点までに百七十三橋の対策が完了しております。残る五橋につきましては規模の大きい長大橋や橋梁のかけかえ工事などを行っておりまして、平成二十七年度までに四橋、残る一橋につきましても平成三十年度末までに完了する見込みとなっております。 170 ◯大島道人委員 それでは次に、平常時の安全確保、中でも通学路の安全対策についてお聞きします。  昨今、登下校時の児童の列に車が突っ込む事故が続いておりますが、昨年、学校、県警察、道路管理者、PTAが実施した小学校の通学路の緊急合同点検を受け、県が管理している道路の安全対策の取り組み状況についてどうなっているのかお聞きします。 171 ◯豊永道路維持課長 昨年、学校、県警察、道路管理者、PTAが連携して実施いたしました小学校の通学路についての緊急合同点検の結果、県が管理する県内の道路で安全対策が必要な箇所は五百八十六カ所、うち道路管理者による安全対策が必要な箇所は四百二十一カ所となっております。その対策箇所について順次関係者と相談しながら、カラー舗装化、ガードレールの設置、路肩の拡幅などの対策を実施しており、平成二十五年八月時点では要対策箇所四百二十一カ所のうち二百八十六カ所が対策済みとなっており、筑豊地域におきましては要対策箇所七十八カ所のうち六十一カ所の対策が実施済みとなっております。 172 ◯大島道人委員 児童の安全確保は、最終的には車道との分離、歩道の設置が必要と思います。県内の通学路における歩道の整備状況はどのようになっているのかお尋ねいたします。 173 ◯豊永道路維持課長 県管理道路の通学路約千百五十キロメートルのうち、平成二十五年三月時点で約五百二十キロメートルについて歩道が整備をされております。 174 ◯大島道人委員 道路は災害時の避難や緊急物資等の輸送ルートとしての重要な役割と平常時の安全な生活道路としての役割を持っています。そこで、今後の橋梁の老朽化対策、震災対策及び通学路の安全対策について、最後に部長の決意をお伺いします。 175 ◯新村雅彦副委員長 村山県土整備部長。 176 ◯村山県土整備部長 お答えいたします。  道路は県民の通勤通学といった日常生活を支えますとともに、物流や観光交通を支え、経済の発展や地域振興を図るために必要な基幹的インフラであります。また、被災時におきましては住民の避難経路としての役割や物資供給等の応急活動のための緊急輸送道路として重要な機能を有しているところでございます。こうした道路の機能を平常時のみならず災害時におきましても発揮できるよう、常に備えておくことが必要であると考えております。このため、新たな道路ネットワークの整備といったものに加えまして、既存の橋梁の耐震補強、また計画的なかけかえ、点検補修、それらを適切に実施していくことが重要であると考えております。  また、通学路の安全対策につきましても、緊急合同点検の中で要対策箇所とされたところにつきまして、学校、県警察、道路管理者、PTAと連携しながら引き続きスピード感を持って取り組んでまいります。  今後とも災害に強く安全、安心な道路の確保に向けまして橋梁の耐震化、また適切な維持管理を行っていくとともに、通学路の安全対策など、必要な対策を実施してまいります。 177 ◯大島道人委員 終わります。(拍手) 178 ◯新村雅彦副委員長 ほかに質疑はございませんか。原田博史委員。 179 ◯原田博史委員 民主党・県政クラブ県議団の原田でございます。午前中にも質問がございましたが、関門海峡道路について質問をさせていただきたいと思います。  第四次全国総合開発計画で原案が示されながら、無駄な公共工事と批判を浴び、事実上凍結されておりました全国六海峡をトンネルや橋で結ぶ構想、いわゆる海峡横断プロジェクトの事業再開に向けた動きがにわかに熱を帯びてまいりました。本県にかかわるところでは、プロジェクトの一つに当たる関門海峡道路の事業化に向けた経済影響調査のうち、基礎データである将来交通需要推計調査を再開実施する方針が発表されました。実に六年の時を経ての再開です。物流の効率化等の経済効果や大規模災害時の代替機能の確保、また利便性の向上による関門地域の一体的発展等を期待する声があるのも事実ですけれども、半面、財政状況に目を向けた時代の要請に逆行する大型公共工事に対する批判の目があることも事実です。この場では事業の是非は別といたしまして、将来交通需要推計調査を再開実施するに至った経緯と事業の実現性についてただしていきたいと思います。  まず一番ですが、先ほどもお話ございましたが、ことしの七月二十六日、地元経済界や企業が中心となって組織する関門海峡道路建設促進協議会の総会が山口県下関で開催されました。総会は平成十八年七月以来ですから七年ぶりの開催になります。本県からは小川知事、山口県の山本知事、北九州の北橋市長や下関の中尾市長らも出席をされました。この総会で小川知事は、先ほどと同じ話ですが、物流の効率化や利便性の向上による関門地域の一体的発展、また大規模災害時の代替機能の確保といった効果が期待されるとして国に対して働きかけを行うなどの挨拶をされておられます。また、これに先立ちまして国土交通省の要請活動であったり、今年度六月議会で一般質問における答弁と、一貫して関門海峡道路に対して積極的な姿勢を示されておられますが、正直、唐突な感が否めません。さまざま検討をされた上だと思いますが、山口県において今年度予算で五年ぶりに調査費が、関連予算も含めて二千万か三千万だったと思いますが計上されております。それ以降、これに呼応して、先ほども申しましたが少し唐突な形で、にわかにそういう動きが加速化しているという感があります。山口県が予算化をされてから、これに呼応する形での本庁の調査をしましょうというところに至った経緯とか過程についてお答えください。 180 ◯新村雅彦副委員長 義経道路建設課長。 181 ◯義経道路建設課長 調査を行うに至った経緯でございます。福岡県、山口県、北九州、下関の二県二と地元経済団体は、平成三年十一月に関門海峡道路整備促進期成同盟会を設立し、互いに連携しながら関門海峡道路について提言要望を行ってまいりました。平成二十年三月に国が海峡横断プロジェクトの個別のプロジェクトの調査を行わないと発表して以降は、福岡県、山口県、北九州、下関がそれぞれ国に対して提言要望活動を行っているところでございます。  福岡県は、ことし七月二十三日に国に対して要望提言活動を行っております。また七月二十六日には地元経済団体や企業で組織する関門海峡道路建設促進協議会が七年ぶりに総会を開催しており、地元においても関門海峡道路に係る機運が盛り上がってきたところでございます。このようなことから県としましても、まずは現在の社会情勢下での関門海峡道路の整備効果を定量的に把握するため調査を実施することとしたものでございます。 182 ◯原田博史委員 関門海峡道路に関する過去の歴史をひもときますと、課長の御説明と重複する部分もありますが、まず平成三年十一月に、御説明ありました山口県、福岡県、下関、北九州、二県二で関門海峡道路整備促進期成同盟会というのを設立しております。翌年四月には、建設省が平成四年度事業発表で関門海峡道路の基礎的調査に着手すると発表しております。平成八年二月には関門海峡道路経済調査委員会が設置をされております。これは福岡県と山口県が二県で設置をしたものです。平成十年七月には、関門海峡道路経済調査会が三カ年の調査結果を取りまとめて公表して、後に解散しております。九州・山口経済同盟会が関門海峡道路に関する調査結果も同じように発表しております。十一年三月には関門海峡道路調査検討委員会が設置をされました。これは九州地方整備局と山口地方整備局によって設置をされたものです。平成十二年には関門海峡道路の供用による経済波及効果調査委員会が調査結果を発表しました。これは協議会のほうが設置した委員会が発表したものです。平成十二年十一月、建設省が概略ルート及び構造について橋梁形式が有力との調査結果を報告しております。翌平成十三年七月、国土交通省が関門海峡のボーリング調査も実施をしております。というように、かなり詳細にわたった調査検討の経緯がわかります。  当然、一連の調査において将来における交通需要予測も含まれたはずです。本県も三年かけて福岡県と山口県で調査をかけて調査報告書まで公表しているんです。時間の経過があるとはいえ、今年度予算百万円でどのような調査を行い、その結果が建設促進に向けてどの程度資するものと想定をされているのかお尋ねいたします。 183 ◯義経道路建設課長 調査の内容とその結果が建設促進にどの程度資するのかについてでございます。現在、関門海峡道路の具体化に向けた調査を行うよう国に働きかけている段階でございますが、それを補強するために必要な資料を作成するため、二県二が連携して、関門海峡道路が整備された場合の経済効果を調査する経済影響調査を今年度から実施するものでございます。調査の内容といたしましては、走行時間短縮などの直接的な効果、あるいは産業や観光面への波及効果、あるいは防災面の効果などの調査を予定しております。福岡県は、経済影響調査のうち基礎データとなります将来交通需要推計調査を今年度、予算額百万円で行うこととしております。現時点では、あくまで国に対して調査を行うよう働きかけている段階でございます。 184 ◯原田博史委員 私は、地方行政の役割というのは社会資本整備、そしてナショナルミニマムとしての行政サービスの提供による住民の安心、安全の確保というふうに認識をしております。よって、生命、身体及び財産を災害から保護し、被害の軽減を図り、社会の秩序を維持させるということは、各種施策を実施していく上で最低限の地方行政としての責務だと思っています。  しかしながら、公共事業につきましては歳出削減の主たる対象とされているとともに、それ自体の必要性や効果も問われており、その効率的な執行と高い透明性の確保の観点から費用対効果分析とともに事業特性に応じて環境に与える影響や災害発生状況も含め、必要性、効率性、有効性等の観点から総合的に評価を実施することが大前提だと理解をしております。  仮に今回の関門海峡道路建設に係るコストが全て国費によって賄われるとしても、先ほど申しました一連の知事の発言がそうですが、地方行政から軽々な言動を発するべきではないと思っておりますが、この点についてはどう思われますか。 185 ◯義経道路建設課長 関門海峡道路の総合的な観点からの評価についてでございます。関門海峡道路など公共事業につきましては、総合的な観点からの評価が必要であると認識しております。関門海峡道路の期待される効果といたしましては、物流の効率化や利便性の向上、また、大規模災害発生時における代替機能の確保といったものがあると考えております。この期待される効果を定量的に明らかにするため、二県二が連携し、関門海峡道路が整備された場合の経済的な影響について取りまとめることとしております。これを国に示すことにより、国による調査の実施を促したいと考えております。国による調査が行われれば、国による事業の評価が可能になるものと考えておるところでございます。 186 ◯原田博史委員 では、部長にお伺いをしたいと思うんですが、関門海峡道路の必要性と言われているところは大きく二点ですね。一つは物流の効率化による経済効果であったり、関門地域の一体的発展というところです。これがまず一点目。二点目が大規模災害時の代替機能と呼ばれるものです。  まず一点目については、否定できないという側面はあると思います。当然、調査結果を待つところでありますが、二点目についてでございますけれども、仮に関門トンネルも、それから関門大橋も使えないような未曾有の大災害が発生した場合、すぐ近くに橋をかけて、これが代替機能となり得るかどうかというのが非常に疑問があります。  それからもう一点ですが、これは平成二十五年二月一日ですから最近発表された調査です。地震調査研究推進本部地震調査委員会というところからの発表です。小倉東断層というのがありますけれども、これは大体北区から小倉南区にかけての断層ですが、北側には北方延長が山口県下関武久町付近まで連続する可能性があるというところなので断定はされておりませんが、ちょうど橋がかかる真下ではありませんがすぐ近くに活断層が走っている可能性が高いという調査報告書です。そういった意味では、本当に代替機能になり得るのか。  いずれにしても調査結果を待つしかないのだろうと思うんですが、私が今回こういうお話をさせていただいたのは、大きく二点危惧するからであります。一つは、先ほども申しましたが、国土交通省の予算要望も含めて、知事の姿勢がかなり前のめり、つくることありきのような、少なくとも私にはそう聞こえるんですが、そういう発言がなされているというところがまず一点ですね。百万円をかけて調査をされるというお話がございましたけれども、これは確かにもともと道路調査費として予算はとっておりますが、今回の関門海峡道路の調査用としての予算ではないわけですね。ですから、あくまでも全体のパイの中で百万円抜き取って予算は残りでやりますという話なんですが、そこも余りにも何か唐突に出てきたような気がいたします。  平成二十年に国土交通省が、海峡横断プロジェクトの調査については個別のプロジェクトに関する調査は今後行わないと。これは当時の冬柴大臣だと思いますが、発表されております。これを私は、国が海峡道路構想を中止するという意味だと理解しているんですが、なぜ国が中止すると言ったものを今から地方から声を上げて「やれ、やれ」という話をやっているのか。うがった見方をすると、つくることありきで、国が一旦そういうことはやらないんだ、プロジェクトを凍結するんだということを発表してしまったので、自分たちからこの凍結を解いてもう一回やるということが言えないから、逆に言わされているんではないか、そういう気さえするわけです。先ほど冒頭で申しましたが、私は別に必要だとか不必要だとか言っているわけではないんです。それほど関門海峡道路は、今までの経緯というのが余りにも唐突過ぎるから、そこには少し違和感があるというお話をしているんですが、そこまで本当に必要な道路とお考えでしょうか。部長、お答えください。 187 ◯新村雅彦副委員長 村山県土整備部長。 188 ◯村山県土整備部長 お尋ねの件につきましては、平成二十年三月に当時の国土交通大臣であります冬柴大臣が、海峡横断プロジェクトの調査については個別プロジェクトに関する調査は今後行わないという旨の記者発表を行いまして、それ以降は関門海峡道路の調査は国によっては実施されていないということは事実でございます。  ただ、これが現時点におきまして、国側の海峡横断プロジェクト構想そのものを中止しているという意味になっているのかについては私どもとしては承知をしておりませんけれども、これは平成二十年七月に国土形成計画法に基づく国土の利用保全を推進するための総合的かつ基本的な計画、国土形成計画というのがございますけれども、平成二十年七月に閣議決定をしましたこの計画におきましては、湾口部、海峡部等を連絡するプロジェクトについては長期的な視点から取り組むという記載があることも事実でございます。  したがいまして、関門海峡道路につきましては、本県といたしましては毎年国に対して要望を行っております。そういう事実もございますし、関門海峡道路につきまして今後、国において具体化に向けた調査を行うよう働きかけを行っている段階でございます。 189 ◯原田博史委員 部長からはそういうお答えしかできないんだろうと思うんですが。これはきょうの西日本新聞ですけれども、ことしが関門橋開通四十周年の記念になります。橋を管理するNEXCO西日本は、開通以来初めての大規模改修を行っているという記載があるんですが、そこでのお話で、あと百年の利用が可能な補修を目指すと。技術者ですからそこを目指してやるというのは当然のことだと思うんですが、将来の人口動態を考えたときに、将来にわたって今から関門海峡道路がもし新しくできたとしても、そこを通る交通量が大幅に増加するというのは正直、疑問なんですね。その辺を含めての調査ということだろうと思いますが、恐らく今出ている資料では橋梁が中心で二千億円とかというお話もございまして、いわゆる大規模プロジェクトになりますので、冷静な立場で緻密な調査に基づいて御判断をいただきたいと思います。  いずれにしましても、知事のほうに今までの発言を含めて関門海峡道路に対する真意と申しますか、お考えをお伺いしたいと思いますので、委員長、申しわけありませんが知事に対する質問の機会をいただきたいと思います。 190 ◯新村雅彦副委員長 ただいま原田委員からの申し出のありました知事保留質疑を認めることといたします。  なお、知事保留質疑は十一月八日金曜日に行う予定でありますので、御了承願います。 191 ◯原田博史委員 ありがとうございました。(拍手) 192 ◯新村雅彦副委員長 ほかに質疑はありませんか。田辺一城委員。 193 ◯田辺一城委員 皆さん、お疲れさまです。民主党・県政クラブの田辺一城です。本日は筑紫野古賀線の整備状況と見通しに関しまして質問をさせていただきたいと思います。  本県は基幹的道路整備の重要な事業の一つとして主要地方道筑紫野古賀線の整備を進めております。私の地元の古賀から筑紫野に至る延長およそ三十三キロを結びまして、さらに主要地方道久留米筑紫野線と連結することで福岡都市圏と筑後地域をつなぐ重要な路線整備と考えます。整備による交通円滑化の期待が高い一方、現状におきましては四車線区間、そして二車線区間が併存したり、歩道がなかったりと、県民の皆さんからは渋滞解消や安全の確保のためにさらなる整備促進を求める声が非常に強いと実感をしております。また、筑紫野古賀線の整備におきましては、本県がアジア、そして世界に誇ります太宰府の九州国立博物館へのアクセスの向上につなげるといった側面、重要な意義があると考えております。  それではまず、そもそも本県といたしまして筑紫野古賀線をどのような位置づけのもとに、その課題と整備の必要性をどのように認識し、事業を進めているのかお答えください。 194 ◯新村雅彦副委員長 義経道路建設課長。 195 ◯義経道路建設課長 筑紫野古賀線の路線の位置づけ、現況の課題、そして整備の必要性でございます。  まず、路線の位置づけでございますけれども、今、委員からもございましたとおり本路線は久留米筑紫野線と一体となって福岡久留米都市圏相互を連絡する南北方向の広域的な幹線道路でございまして、緊急輸送道路にも位置づけられております重要な道路でございます。  現況の課題でございますけれども、沿線には工業団地や物流施設が立地しておりまして、さらには九州縦貫自動車道の古賀、福岡インターにもアクセスするため、全線にわたって日当たり約二万台と交通量が多く、慢性的な交通混雑が発生しているところでございます。  整備の必要性でございますが、将来交通量も平成四十二年でおおむね日当たり三万台前後と推計しておりまして、交通混雑の緩和を図る必要があると認識しております。 196 ◯田辺一城委員 一応確認ですけれども、将来交通量はいつ時点の将来交通量かお答えください。 197 ◯義経道路建設課長 平成四十二年でございます。 198 ◯田辺一城委員 今、お答えにありましたようにあの沿線は工業団地や物流施設が非常に多くあります。いわゆる産業用として非常に重要な位置を占めています。それは、現場を日々通ればわかるんですけれども、非常に大型車両の通行が多い。その中で、先ほど申しましたような歩道がなかったりといった課題も各所で残されているということです。  また、緊急輸送道路という話も出ました。大規模災害時の救援活動や物資の輸送といった点では不可欠なネットワークですし、これは何を指すかといいますと、さらに海側を走ります国道三号線の補完として非常に重要な整備が求められる路線だということです。  そういった意味で直近の整備状況がどうなっているのか。これは平成二十四年度決算額とあわせまして御説明をいただきたいと思います。 199 ◯義経道路建設課長 整備状況でございます。現在、全体延長約三十三キロのうち約十一キロの四車線化が完了しております。残る約二十二キロのうち、古賀などにおいて延べ七工区、約十一キロで四車線化の事業を行っているところでございます。  平成二十四年度は、須恵町と古賀において延べ二工区の新規箇所に着手し、継続箇所と合わせまして約二十九億円で各工区の測量設計、用地買収、工事を進めてきたところでございます。 200 ◯田辺一城委員 数字が非常にわかりやすい数字ですけれども、全体三十三キロのうちに現時点で十一キロ、三分の一が完了していて、二十二キロのうち十一キロで四車線に向けて着手していただいている。ただ一方で、これを裏返してみますと、残る十一キロというのがまだ二車線化のまま事業化もされていないという非常に厳しい状況に置かれている地域があるということは、また後ほど述べます。  さて、この古賀から新宮など南に向かって、そして宇美、太宰府と四車線区間と二車線区間が先ほど申しましたように併存をすることで、要は車線数が多くなったり少なくなったりとする状況は、ドライバーにとって必ずしも走行しやすいという状況ではないという現実があります。また、こうした状況が今、現実に起きているんですけれども、この延長三十三キロにつきまして、どのようにこれまで優先順位をつけながら整備をしてきたのかというのを御説明願います。 201 ◯義経道路建設課長 先ほども申しましたとおり、全線にわたって交通量が多いという実態がございますので、現況の混雑状況、あるいは現存の幅員や線形、さらには古賀の千鳥パークタウンでありますとか、久山町のトリアスでありますとか、そのような周辺開発状況などを総合的に勘案いたしまして優先順位を定めて整備を進めているところでございます。 202 ◯田辺一城委員 ありがとうございます。ということで、そうした形で進められてきた、それ自体は全く否定されるものではないと思いますけれども、では、これから現状残されたエリアをどうしていくかというところが重要になってくると思います。  まず、特に四車線区間と二車線区間の併存、入り乱れるという状況が顕著な地域をまず絞り込んでみますと、古賀市内と新宮町の境の付近になります。まず、古賀市内におきましては、延長六千三百六十メートルのうち、北端の国道四百九十五号から古賀青柳のグリーンパーク入り口交差点までの四千六百二十メートル、ここまでにつきましては平成二十三年度までに四車線化を実現していただいていまして、これは感謝をしています。  一方、その南に当たります古賀二工区九百メートル、そしてと町の境を挟んで新宮の的野までの古賀三工区の八百四十メートル、さらにその先の新宮工区、これは新宮町内全体になりますけれども二千二百四十メートルについては二車線のままという形になっています。ここは先ほど申した歩行者が非常に危険な状況も散見されるエリアになります。その先の久山町につきましては四車線化が実現しているという状況です。  まず、この状況をどのように現在捉えて事業を進めているか、お答えください。 203 ◯義経道路建設課長 古賀市内におきましては、現在、延べ二つの工区で現道拡幅による四車線化事業を行っております。このうち古賀二工区は平成十九年度に事業着手し、平成二十五年度の完成を目指しているところでございます。古賀三工区については、平成二十四年度に事業着手したところでございます。また、新宮町内におきましては平成十三年度からバイパスによる四車線化事業を進めているところでございます。 204 ◯田辺一城委員 実はこの地域、先ほど産業用という言い方もしましたけれども、高速の古賀インターチェンジの利用者も非常に多いという形で、もちろん古賀市民にとっても重要な話なんですけれども、この福岡都市圏にお住まいの方にとっては非常に大切な話です。特に今おっしゃっていただいた古賀二工区、三工区、新宮町に至る部分というのは、これまで申してきましたような状況にあるということで何とかしなければいけないと。  今申しましたように、北から二工区が平成二十五年度に完成をする、三工区──一つ南ですね、これがこの決算におけます中でも投じていただいていますけれども、昨年度に事業を着手した。新宮町は十年以上前、平成十三年度に事業着手をしているということを考えますと、もちろんこの三つの工区におきましても完成時期に差が出ると推察されます。特に、古賀二工区と新宮工区に挟まれた古賀と新宮の両町境をまたぐ古賀三工区だけ整備が残ってしまうという状況ではないかと思うんですけれども、なぜここの整備が最後に残ってしまう進め方になってしまったのか。つまりボトルネックとなる状況が、北と南ができ上がると数年続くのではないかと思われるんですけれども、この点どのように考えられますか。 205 ◯義経道路建設課長 古賀市内の整備でございますけれども、現況の幅員等を総合的に勘案しまして北側の工区から順次整備を進めているところでございます。委員御指摘の古賀三工区でございますけれども、一時的に四車線と二車線が混在する期間が生じる見込みであります。これは現道拡幅を行う際、通常生じることではありますけれども、これらの場合と同様に十分な安全対策を講じながら整備を進めていきたいと考えております。 206 ◯田辺一城委員 十分な安全対策というのは、通ったことはあるとは思うんですけれども、本当にここは危ないので十分に配慮をしていただきたいと思いますし、それが数年さらに続くということが推察されるということですので、これは本当に真剣に捉えていただきたいと思います。  もちろん地元のこともありますので一部を今挙げさせていただきましたけれども、この筑紫野古賀線三十三キロの延線を見ますと、こういった部分というのは多々あります。つまり、まだ四車線化が実現していない区間が、先ほど言っていただきましたように三分の一の事業化されていないエリアがあります。それは特に北側よりも、より太宰府のほうに近い南側にそういったエリアが多いという状況にあります。今後、この筑紫野古賀線の事業の進め方、全体をきちんと整備していく必要があると思いますのでどのように考えているのか、県の考え方をお示しください。 207 ◯義経道路建設課長 筑紫野古賀線の四車線整備については、順次対応していくこととしております。まずは現在事業中箇所の整備を進め、進捗状況なども勘案しながら対応していくことと認識しているところでございます。 208 ◯田辺一城委員 これにつきましては、恐らく沿線の市町村、首長さん初め多くの方から県に対しても強い要望が寄せられていると思います。これは本当に走行すれば現状がわかる、住んでいる人が一番その危険性がわかるということを示していることをぜひ強く認識していただきたいと思います。  本県としてこの筑紫野古賀線というのは、福岡、久留米の両都市圏の結節する基幹的道路、そして計画交通量も先ほど申していただきました二万から三万に一・五倍にふえるという、要は産業の発展も非常に見込まれているエリアです。平成四十二年度の計画交通量でしたけれども、整備促進にしっかりと確実に取り組んでいかなければ交通量に追いつかないという懸念すら生まれます。  冒頭で触れましたように、さらに九州国立博物館は国内外の人が訪れる本県の重要施設です。ここへのアクセス向上の面でも非常に期待が高いものですので、この沿線自治体の住民にとどまらず県内外の利用者にとっての利便性の向上、そして産業の活性化、確実な防災体制の構築のために、さらなる促進を強く部長にも、そして知事にも要望いたしたいと思います。
     これで質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手) 209 ◯新村雅彦副委員長 ほかに質疑はございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者がある〕 210 ◯新村雅彦副委員長 ないようですので、以上で縣委員、原田委員の知事保留質疑を残して第一三五号議案の質疑を終わります。  次に、第一四六号議案「平成二十四年度福岡県公共用地先行取得事業特別会計決算」所管分、第一四七号議案「平成二十四年度福岡県河川開発事業特別会計決算」及び第一四八号議案「平成二十四年度福岡県県営埠頭施設整備運営事業特別会計決算」の三件ついては一括議題とし、まとめて説明を求めます。村山県土整備部長。 211 ◯村山県土整備部長 福岡県公共用地先行取得事業特別会計のうち県土整備部所管分について御説明いたします。  平成二十四年度福岡県歳入歳出決算概要説明書の百七十七ページをお開きください。  歳入歳出いずれも決算額は十五億円でございます。これは道路河川用地の先行取得に係る土地開発基金貸付金を償還したものでございます。  続きまして、百七十九ページでございますが、福岡県河川開発事業特別会計について御説明いたします。  この特別会計は、五ヶ山ダム及び伊良原ダムの建設事業費を計上しております。歳入につきまして、一款那珂川開発事業費収入及び二款祓川開発事業費収入でございまして、収入済額百五十二億三千百万円余で、予算現額に対し二十三億八千三百万円余の減となっております。これは、ダム建設事業に係る事業の一部を繰り越ししたことによります国からの補助金の減でございます。  歳出につきましては百八十ページの一款那珂川開発事業費及び二款祓川開発事業費でございまして、決算額は八十七億四千三百万円余でございます。  一款一項那珂川開発事業費の決算額は四十一億二千万円余で、これは五ヶ山ダムの建設に要する経費でございます。翌年度へ繰り越しましたのは、掘削土砂の運搬についての地元調整等に時間を要したことによるものでございます。  百八十一ページの二款一項祓川開発事業費の決算額は四十六億二千二百万円余となりまして、これは伊良原ダムの建設に要する経費でございます。翌年度へ繰り越しましたのは現場に通じる道路が被災し、その復旧に時間を要したことによるものでございます。  続きまして、百八十三ページでございますが、福岡県県営埠頭施設整備運営事業特別会計について御説明いたします。この特別会計は、苅田港及び三池港などの埠頭施設の整備及び管理運営を行っているものでございます。  歳入につきましては、一款使用料及び手数料から六款財産収入までで、合わせまして収入済額百八億八千六百万円余で、予算現額に対し五百九十万円余の減となっております。  歳出につきましては、百八十四ページの一款県営埠頭施設整備運営事業費及び二款公債費でございまして、決算額は百二億四千四百万円余でございます。  一款一項県営埠頭施設整備運営事業費の決算額は三十四億八千四百万円余で、その主なものは苅田港及び三池港の埠頭施設の整備に要する経費でございます。翌年度へ繰り越しましたのは、埠頭施設整備事業において関係機関との調整に時間を要したことによるものでございます。  百八十五ページに移りまして、二款一項公債費の決算額は六十七億六千万円余で、これは埠頭施設整備事業に充当しました県債の元金及び利子の償還金でございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。     〔正副委員長交代〕 212 ◯松本國寛委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。     〔「なし」と呼ぶ者がある〕 213 ◯松本國寛委員長 質疑がないようですので、第一四六号議案所管分外二件の質疑を終了し、県土整備部所管分の審査を終わります。  次に、建築都市部所管分の審査を行います。  まず、第一三五号議案「平成二十四年度福岡県一般会計決算」のうち歳出について説明を求めます。小路建築都市部長。 214 ◯小路建築都市部長 それでは、建築都市部所管分の決算について御説明申し上げます。  決算概要説明書の百二十七ページをお願いいたします。  八款県土整備費は、決算額二百五十五億五千八百万円余でございます。  内容について御説明いたします。  一項県土整備企画費は、決算額十四億八千三百万円余でございます。この主なものは、建築行政に従事する職員の人件費でございます。不用額を生じております主な理由は、人件費等の執行残でございます。  次に、百二十八から百二十九ページにかけてごらんください。  五項都市計画費は、決算額百七十九億三千六百万円余でございます。この主なものは、街路事業、公園事業に要した経費でございます。翌年度へ繰り越しを行っておりますのは、街路事業などにおいて用地補償交渉が難航したことや、地元調整に日時を要したことなどによるものでございます。不用額を生じております主な理由は、流域下水道事業特別会計への繰出金の残でございます。  次に、百三十ページをお願いいたします。  六項住宅費でございます。決算額六十一億三千七百万円余でございます。この主なものは、公営住宅建設事業に要した経費でございます。翌年度へ繰り越しを行っておりますのは、公営住宅建設費などにおいて地元調整に日時を要したことなどによるものでございます。不用額を生じております主な理由は、地域優良賃貸住宅供給促進事業費の執行残でございます。  次に、百三十一ページをお願いします。  十一款災害復旧費でございます。決算額二億三千百万円余でございます。内容について御説明します。これは、九州北部豪雨により被災した筑後広域公園の復旧に要した経費でございます。翌年度へ繰り越しを行っておりますのは、復旧工事に当たり関係機関との協議に日時を要したことなどによるものでございます。不用額を生じております理由といたしましては、都市災害復旧費の執行残でございます。  以上で一般会計の八款及び十一款の建築都市部所管分の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願いいたします。 215 ◯松本國寛委員長 説明は終わりました。これより歳入及び歳出の質疑を行います。質疑はありませんか。伊豆美沙子委員。 216 ◯伊豆美沙子委員 自民党県議団の伊豆美沙子です。人口、世帯の減少社会の到来を迎え、全国的な課題となっている空き家対策について質問します。  我が国では、昭和四十八年に全ての都道府県で住宅数が世帯数を上回りました。その後も住宅建設は世帯数の伸びを超えるペースで進み、平成二十年の統計では住宅数が世帯数を七百六十一万戸上回っており、いわゆる空き家は七百五十七万戸、全住宅数に対する空き家率は一三・一%となっています。近年の空き家の急増は少子高齢化の進行、世帯数の伸び率の低下などを背景としたもので、今後もその増加が予測されます。もちろん空き家が増加すること自体が問題ではなく、それに伴い適切に管理されない住宅がふえ、周辺への悪影響を与えることが問題となるわけですが、空き家対策の推進に関する法制化の動きが国にもあり、全国的な問題であることは言うまでもありません。私の地元宗像においても日の里団地など大型の郊外住宅団地での空き家が目立ち始めております。昭和四十年代に開発されたこういった大規模郊外住宅団地は県内に二十カ所あり、宗像に限らず県下に共通する重要な課題と考えており、その対策について質問したいと思います。  まずは、福岡県の空き家の状況についてあらかじめ資料を要求しておりますので、委員長、お取り計らいをお願いいたします。 217 ◯松本國寛委員長 お諮りいたします。  ただいま伊豆委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 218 ◯松本國寛委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま伊豆委員から要求がありました資料については提出できますか。中尾住宅計画課長。 219 ◯中尾住宅計画課長 直ちに提出できます。 220 ◯松本國寛委員長 資料を正副委員長に確認させてください。     〔資料確認〕 221 ◯松本國寛委員長 事務局は資料を配付してください。     〔資料配付〕 222 ◯松本國寛委員長 資料が配付されましたので、伊豆委員、質疑を行ってください。 223 ◯伊豆美沙子委員 それでは、資料について簡潔に説明をお願いします。 224 ◯中尾住宅計画課長 福岡県の空き家の状況についてでございます。  五年に一度総務省が実施をいたします住宅土地統計調査によるものとなりますが、資料上段空き家の率につきましては、平成二十年の空き家率が一三・七%と、全国の一三・一%に比べまして少し高い状況にございます。また、下段の表は用途別の空き家の数の推移になりますが、平成二十年の空き家の総数は、前回の調査の平成十五年の約十四万三千戸より八万二千戸増加しております約三十二万五千戸となっております。その内訳でございますけれども、賃貸または売却用のものが約二十一万九千戸、二次的住宅──別荘でございますけれども約八千戸、その他の利用されない住宅が約九万八千戸となっております。 225 ◯伊豆美沙子委員 平成十五年から二十年までに八万二千戸の空き家がふえているという答弁でした。一万六千戸を超える空き家が毎年増加しているということになります。福岡県においても空き家対策は喫緊の課題であると改めて感じる次第です。  資料の一、空き家率の推移を見ると、平成二十年の空き家率が全国を上回っていますが、この原因をどう考えていらっしゃるかお尋ねします。 226 ◯中尾住宅計画課長 平成二十年の空き家率が全国を上回った原因でございます。資料下段の表となりますけれども、賃貸・売却用の住宅の増加が県においては四一%の増、前回調査の一・四一倍となっております。全国の伸び率一三%でございますが、これに比べまして県の増加率が大きくなっていることによるものです。これは県内の住宅需要の増加を見込みまして、住宅の着工戸数がふえたことによるものと考えております。なお、その他の住宅の増加率につきましては全国とほぼ同程度となっております。 227 ◯伊豆美沙子委員 空き家の増加の状況についてはわかりました。  私は、空き家対策には大きく二つの取り組みが必要であると思っています。一つは、防災、防犯、環境対策としての老朽空き家対策であり、二つ目は空き家を活用した地域活性化などへの取り組みです。こういったことから賃貸・売却用住宅に比べて管理も行き届かない、また活用をされていないその他の住宅への対策が行政としては必要であると考えます。  そこで、まずは老朽化した空き家対策の実施の状況についてお尋ねします。 228 ◯松本國寛委員長 石塚建築指導課長。 229 ◯石塚建築指導課長 老朽空き家対策につきましては、空き家実態調査を行った市町が現在把握しているもので十五市町となっております。対策に取り組んでいる市町としましては十六市町において老朽空き家の適正管理を促進するための条例を制定しており、その内容は改善の勧告や命令に加え、所有者の公表、代執行などでございます。また、老朽空き家の解体費に対する助成を行うが八あり、これまでに約二百戸の実績がございます。 230 ◯伊豆美沙子委員 老朽空き家対策にはその実態把握が不可欠となることから、まずは身近な市町村の取り組みが必要だと思います。既に老朽空き家対策が行われているとのことですが、県は市町村に対してどのような支援を行ってきたのかお尋ねします。 231 ◯石塚建築指導課長 これまでに解体費補助への国庫補助の活用や先進的な取り組みの事例紹介など、情報提供、助言に努めてきたところでございます。また、保安上特に危険な空き家につきましては、市町村と連携いたしまして修繕等の改善措置を行うよう所有者等に対して指導を行ってきたところでございます。 232 ◯伊豆美沙子委員 老朽空き家に対する取り組みについては聞きましたが、もう一つの対策として重要な、空き家を活用した地域の活性化についてお尋ねします。  宗像は郊外住宅団地の高齢化による空き家の活用などに取り組んでいます。中心となって活動しているのは市内の建築業者、宅建業者、商工会などからなる住マイむなかたというが設立を進めた市民公益活動団体で、住みかえ相談やリフォーム相談、耐震診断などを行っており、県もこの団体の立ち上げに支援を行ってきました。  県内の市町村における空き家活用の取り組みも進んでいるとは思いますが、どのような状況かお尋ねします。 233 ◯中尾住宅計画課長 空き家活用の状況でございます。市町村内にあります空き家をホームページなどにより公開をいたしまして、購入する人、借りる方を募集するいわゆる空き家バンクを設置しております市町が県内二十四ございます。また、国庫補助制度を活用いたしまして空き家のリフォーム工事に助成を行いまして定住促進に取り組んでいる、また、空き家の寄附を受けまして滞在型体験施設として改修活用を行うなどがございます。 234 ◯伊豆美沙子委員 市町村も空き家活用対策に少しずつ取り組んでいるというのはわかりました。  では、県としても市町村の空き家活用について支援を行うべきと考えますが、現在どのような取り組みを行っているのか伺います。 235 ◯中尾住宅計画課長 利用可能な空き家につきましては、そのまま放置をせずに使えるうちに流通させることが廃屋化も予防できますし、また地域の活性化にもつながるものと考えております。このため、県では平成二十三年度より既存住宅購入時の不安を解消するために、専門家が調査を行います住まいの健康診断の普及に取り組んでおります。費用の半額を現在助成しているところです。また、今年度から住まいの健康診断つきの住宅を購入した方を対象といたしまして、バリアフリー化、省エネ改修などのリノベーション工事費への助成をあわせて行い、空き家住宅の流通、活用を促進しております。 236 ◯伊豆美沙子委員 先ほどの答弁にありましたように、まだまだ老朽空き家対策、空き家活用に取り組みを行っている市町村は少なく、県としても今後さらなる取り組みが必要だと考えるのですがいかがでしょうか。 237 ◯中尾住宅計画課長 現在、市町村の空き家対策を促進するために空き家実態調査の手法や老朽空き家対策、空き家の活用施策の事例、また国庫補助制度の活用などをまとめました空き家対策に関するマニュアルを市町村向けに作成しておるところでございます。早期に作成を行いまして、市町村連絡会議において説明を行うなど、この取り組みを広げてまいりたいと考えております。 238 ◯伊豆美沙子委員 私の地元であります宗像の状況について、少し説明させていただきます。  JR東郷駅の南側に広がる日の里団地は昭和四十一年に開発が始まり、戸建て住宅や都市再生機構の賃貸住宅など約二百二十ヘクタールから成る、かつて西日本屈指として有名な大規模団地です。高齢化の進行などによる空き家の増加は、の中心部の空洞化につながることから、宗像にとっては大きな課題となっています。都市再生機構は既存の賃貸住宅を改造し、さまざまなタイプの住居を提供するなど入居促進に努めてはいますが、空き家が多い状況は改善されていません。また、宗像においても空き家バンクの設置や住マイむなかたの活動支援など取り組みを進めていますが、まだまだ目に見えた成果は上がっていないのが現状です。  県として、宗像と都市再生機構の連携など取り組みを支援するべきだと考えますがいかがでしょうか。 239 ◯中尾住宅計画課長 宗像での取り組みを支援するために宗像と都市再生機構及び県による協議会を今年度新たに設置させていただきました。協議会におきましては、既に三者による現地調査を行い、検討を始めております。都市再生機構の賃貸住宅を活用した高齢者の住みかえ支援や、その住みかえ後の空き家の活用、また、の空き家バンクと住まいの健康診断の連携など、具体的な施策の展開、連携について検討を行うこととしております。今後の取り組みを地域のまちづくりや活性化につなげまして、その成果を県内市町村に広げていきたいと思っております。 240 ◯伊豆美沙子委員 協議会の設置は県が一歩前に踏み出した新たな取り組みとして大いに期待されるものです。宗像、都市再生機構、県の連携による取り組みをこれからもしっかりと進めていただきたいと思います。空き家対策はまだまだ始まったばかりです。今後も老朽空き家対策と空き家の活用を両輪に、総合的な空き家対策に取り組んでもらいたいと思います。  では、部長に今後の県の空き家対策の取り組みに向けた決意をお聞きします。 241 ◯松本國寛委員長 小路建築都市部長。 242 ◯小路建築都市部長 空き家対策についてでございます。放置された空き家というのはやはり管理が行き届かずに、防犯、防災など住環境の悪化につながることが大変多く、重要な課題であると認識しております。また、空き家を地域の資源として活用することも非常に重要な視点かと思っております。県民の快適な生活環境づくりのため、また地域の活性化への一助となるよう、しっかりと空き家に対する課題を我々としても受けとめまして、市町村、関連する事業者とも連携しまして、空き家対策マニュアルを活用した対策の普及を行うとともに、また流通促進を行っていくということを行いまして、空き家対策に取り組んでまいりたいと考えております。 243 ◯伊豆美沙子委員 部長から今後の取り組みに対する意気込みを聞かせていただきました。  新聞報道等によると、福岡の人口はこの後、百六十万人を超えるそうでございます。しかし、県下の郊外都市にとっては、老朽空き家対策や空き家活用の取り組みは今後のの生き残りをかけてしっかりと取り組んでいただきたい重要な課題だと思います。今後のさらなる取り組みの充実を要望し、質問を終わります。(拍手) 244 ◯松本國寛委員長 この際、しばらく休憩します。  再開は午後三時三十五分といたします。    午 後 三 時 二 十 一 分 休 憩    午 後 三 時 三 十 五 分 再 開 245 ◯松本國寛委員長 ただいまから委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き議事を進めます。  建築都市部所管分について、ほかに質疑はありませんか。原田博史委員。 246 ◯原田博史委員 民主党・県政クラブ県議団の原田でございます。よろしくお願いいたします。街なかの再生の取り組みについて質問させていただきたいと思います。  中心市街地と呼ばれる街なかの衰退や都市の拡大している状況は拡散した都市構造と呼ばれ、自動車利用ができない者にとっては、医療、買い物といった生活に必要なサービスを受けることができないなど、非常に不便な都市のつくりとなっております。そこで、都市機能が集約されたコンパクトな都市、いわゆるコンパクトシティーを目指すわけですが、その核となる街なかの再生についてお伺いをしたいと思います。  街なかでは居住者の高齢化や人口減少、さらに郊外における大きな商業施設の出店等によりまして、空き店舗が多数発生をしております。これは皆さん御承知のことだと思います。また、権利関係が複雑であることや後継者不足などから新規の投資が行われにくく、商店街の陳腐化、老朽化が進行しており、この状態がさらに集客力の低下や人口の減少を招き、中心市街地の活力を失うといった悪循環が発生をしております。このような状況でありますが、街なか再生の取り組みについては今までいろいろな取り組みが行われてまいりました。そこで今回、その取り組みの反省と、それから将来に向かってというところを込めまして質問させていただきたいと思います。  まず、これまで街なか再生に向けて、県としてどのような取り組みを行われてきたのか、御説明をいただきたいと思います。 247 ◯松本國寛委員長 赤星都市計画課長。 248 ◯赤星都市計画課長 委員御指摘の諸問題に対応するため、県といたしまして拡散型の都市構造から都市機能が集積しました集約型都市構造への転換を目指しております。具体的には二つの施策を展開しております。一つ目は、街なかに住む人をふやす街なか居住の推進でございます。街なかの集客力を高め、にぎわいを創出する街なか集客力の向上といった街なか再生の取り組みについて進めております。もう一つは、大規模集客施設の郊外への立地を抑制することなど都市の拡散を抑える取り組みであります。それに加えまして、街なか再生のためには県庁の関係各部の横断的な取り組みが必要でございますので、建築都市部、商工部など庁内関係部局で構成される福岡県街なか活性化推進協議会を設置し、街なか再生に取り組んでおります。 249 ◯原田博史委員 今の御説明で大きく二つの施策がというところで御説明がございましたが、まず最初に、街なかの空洞化の大きな原因と言われています大規模集客施設の規制、誘導についてはどのようにされてきたのでしょうか。また、その施策によってどのような効果があったのか、あわせてお尋ねをしたいと思います。 250 ◯赤星都市計画課長 大規模集客施設の立地抑制につきましては、無秩序な土地利用を防止する準都市計画区域の指定、それから大規模集客施設の適正な立地を図るための立地ビジョンの策定を全国に先駆けて取り組んでおります。この中では床面積一万平方メートルを超える商業施設等の郊外部での立地を防止しまして、街なかに誘導することとしています。  現在の状況でございますが、大規模集客施設の郊外への拡散については一定の抑制効果が見られます一方、街なかへの誘導が進んでいないという状況にございます。
    251 ◯原田博史委員 大規模集客施設の規制、誘導について御説明いただきましたが、それでは、街なか居住、街なかのいわゆる集客力の向上についてはいかがでしょうか。  私の住む北九州の小倉でもそうですが、商店街の人通りが戻っている、ふえているとは全く感じられません。まだこの取り組みが十分満足できるものではないのではないかという気がしています。今のような街なかが空洞化して人通りもない、シャッターがおりた商店街がつながっている、このような状況になったのはどこに課題があったんでしょうか。 252 ◯赤星都市計画課長 委員御指摘のとおり、中心市街地活性化基本計画のフォローアップ調査などを見ましても、歩行者などの通行量についてはいまだ減り続けている状況にあります。しかし、街なか再生の三つの柱の一つである街なか居住につきましては、これまでの取り組みにより一定の成果を上げているところでございます。  また、にぎわいの創出につきましては、市町村の実施するタウンモビリティーへの支援などを行ってきたところですが、いまだにぎわいの創出には至っておらず道半ばであり、今後も積極的な取り組みが必要であると考えております。にぎわいの創出には街なかの魅力向上につながる取り組みが大切だと考えております。このために都市の生活を支える施設の誘導とあわせて、快適に街なかを移動できること、すなわち回遊性の向上が課題であると認識しております。  また一方で、土地利用の更新が行われていないために、医療、商業、福祉、学校などの都市の生活を支える施設の街なかへの誘導が難しい状況にもございます。 253 ◯原田博史委員 先ほど御説明いただきました街なか再生に向けた課題について、もう少しだけ説明を詳しくいただきたいと思います。御説明いただいた内容では、街なかにおける土地利用の更新が行われていないため、医療、商業、福祉、学校といった都市の生活そのものを支える施設を街なかへ誘導するのが難しいと、だから結局そういう悪循環が発生しているんだということだったんだろうと思います。特に商店街なんかは、先ほども申しましたが権利関係が物すごく複雑になっているんですね。ですから、商店街としていろいろな取り組みをやろうと思ってもなかなかできないという状況もあるのが事実です。  具体的にそれはどういう状況になっているのか、あわせてそこを打破して街なかに人を寄せるためにはどういう対策が必要なんでしょうか。 254 ◯赤星都市計画課長 街なかを見てみますと、青空駐車場や空き地など有効利用されていない低・未利用地がいわゆるゴマ塩状に点在しております。これらの土地は比較的小規模な敷地となっておりまして、民間のニーズに合わないことが多いことなどから、都市の生活を支える施設が街なかへなかなか呼び込めないという状況にございます。これまでも市民ホールなどを建設する市街地再開発事業でありますとか、郊外の病院などを誘致した土地区画整理事業などがあります。これらの事業を着実に進めていくことが一つ大変重要なことだと考えております。  一方でこれらの事業は非常に大規模なものでございまして、なかなか進捗しないという側面もございます。そのために街なかの持つポテンシャルを最大限に生かしまして、機動的な小回りのきく事業手法などを活用し、民間のニーズに合った空閑地を確保することがその対策の一つであると考えております。 255 ◯原田博史委員 確かに市街地の再開発や土地区画整理といった大規模な開発手法を導入するのは非常に難しいというのは理解できます。これは福岡県単独でというのは難しいのかもわかりませんが、ぜひ新たな手法を工夫していただきたいと思います。課長は国から来られていますから、その辺の働きかけもいただきまして、街なかが再生できるようなスキームをぜひ構築していただきたいと思います。  それから、街なかを再生するためには、にぎわいをつくり出して、つまりたくさんの人に来ていただいて回遊していただくことも大事だと思います。現在、幾つかのにおいては交流施設の設置や病院の誘致を行い、集客施設の充実を行っているところもあります。それだけでは来ていただいた人に回遊していただき、にぎわいをつくり出すには少し物足りないのではないか。今、直方の駅前とか、それから飯塚のバスセンターのところの区画整理事業をやっていますが、たくさんの人が街なかを回遊したくなるようにする、いわゆる回遊性を向上させるためにはもっと工夫が要るのではないかなと思います。魅力であったり、利便性であったりというのを高めなければ、本当の意味での街なかのにぎわいというのは取り戻すことはできないのではないかと。  この辺の工夫ですが、どういうふうに取り組もうとされていますか。 256 ◯赤星都市計画課長 委員御指摘のとおり、街なかに来ていただいた人が回遊したくなるようにすることは、にぎわいの創出のために不可欠なものであると考えております。そのためには、例えば最寄りの駅からすぐ近くまでアクセスできる交通を整備したり、遠くから来た人でもわかりやすい誘導サインを設置したり、あるいは気軽に利用でき、環境に優しいレンタサイクルを導入するなど、総合的な対策が必要であると考えております。県としましては、それらモデルとなるような市町村の取り組みに対しまして、積極的に助言、情報提供してまいりたいと考えております。 257 ◯原田博史委員 市町村もそれぞれ知恵を絞っていろいろな取り組みをやっているというのは十分理解しておりますが、御説明いただいたようなまちづくりをさらに進めていくためには、また、市町村がそれぞれ知恵を出して進めていくためには、財政状況が非常に厳しいというのが実態であります。そういった状況では十分なまちづくりが実施できない、こういう状況がこのまま続いていくのではないかという危惧もあります。  財政状況が厳しい市町村が行うまちづくりについて、例えば国とか県であったりとか、何か財政支援を行うような制度はないのでしょうか。 258 ◯赤星都市計画課長 市町村の財政状況は非常に厳しい状況にあると認識しております。さらに市町村には取り組むべきまちづくりの課題が山積しているということを聞いております。そこで、ハードからソフトまで幅広く事業ができる都市再生整備計画事業、いわゆる旧まちづくり交付金事業の活用が有効な手法の一つであると考えております。 259 ◯原田博史委員 その制度が仮に有効であるとして、実際、市町村に普及しているんですか。 260 ◯赤星都市計画課長 平成二十五年に県内で都市再生整備計画事業を実施している市町村の数は十九市町村でございます。 261 ◯原田博史委員 仮にこの制度が非常に有効な制度であるとしたときに、十九市町村しか現実的には導入をされていない。いわゆる普及促進が図られていないということなんだろうと思うんですが、県としてはこのまま看過されるおつもりですか。お考えについてお尋ねいたします。 262 ◯赤星都市計画課長 市町村のまちづくり事業に大変有効である都市再生整備計画事業の情報提供を積極的に行いまして、普及促進に努めてまいりたいと考えております。 263 ◯原田博史委員 よくほかの部局であるお話ですが、普及促進に当たって情報提供をやるというのは、余りやっていないんではないかという意見が何日か前の委員会でございましたよね。やっぱりみずから出向いて市町村と同じ目線で協働してまちづくりを進めていく、そういう姿勢が必要なのだろうと思います。そのことについてはいかがですか。 264 ◯赤星都市計画課長 委員御指摘のとおり、市町村と同一の目線で、市町村と協働してまちづくりに取り組む、そういう姿勢が極めて重要であると認識しております。県のほうでは、市町村がこの事業の積極的な活用に取り組むために、三十市町村を中心に福岡県まちづくり事業全体連絡協議会というものを本年十月に発足しております。この協議会では先進的な市町村の取り組みについての技術的な支援など、積極的に実施していきたいと考えております。 265 ◯原田博史委員 街なかの再生とこれを実現するための市町村のまちづくりに対する県の支援というのは非常に重要なものだと考えています。まちづくりの主体となる市町村の財政状況、当然県もそうなんですが、大変厳しい状況にあるわけなので、お互いに協働してまちづくりを進めると。そういう意味での県の役割は非常に重要なんだろうと思います。ぜひ積極的に取り組んでいただきたいのと、あとは民間の力も利用する、この辺も大事な視点だと思います。  市街地活性化法で今までいろいろな再生するためのまちづくりがされてきました。僕は、行政の力を別に低く見積もっているわけでもないし否定しているわけでもありませんが、どうしてもうまくいかないことが散見されます。私、幾つか見に行ったんですが、いずれもうまくいっていない状況というのが全国各地で散見されます。ですから、ぜひ市町村とタッグを組んで、民間の力もかりながら、三者協働で取り組んでいく姿勢が必要なんだろうと思います。  それから、例えば商店街のお話のときに、アーケードの天井を直してくれとか、それから照明をつけてくれとか、それから路面をきれいにしてくれとか、そういうハードの要求がよくありますよね。お金を当然いろいろな形で援助するのはいいと思うんですが、僕はそのやりとりとか経過を見ていると、商店街の人たちの取り組みもちょっと足りないのではないかなという気がするんです。一番顕著に言えるのが、商店街に人が来ないと言っているんですけれども、昔の商店街は、下で商売やって、上に住んで、商店街の中で消費が発生していたんです。商店街に人が来ないということをいろいろ言いながらも、郊外に住んで、休みの日には郊外の大型店舗に買い物に行くというのが実態なんですね。ですから、商店街の人というか、民間も巻き込んで、と、県と三者協働でまちづくりを進めていっていただきたいと思います。  最後になりますが、部長に今後の街なか再生の取り組みについてのお考え、決意をお伺いしたいと思います。 266 ◯松本國寛委員長 小路建築都市部長。 267 ◯小路建築都市部長 委員御指摘の街なかの衰退の状況がございます。中心市街地の活性化に取り組む県としても大変重要な課題であると認識しております。県として、市町村ともにこれまでに取り組んできました市街地再開発事業、それから区画整理事業など、今後もこういった事業は引き続きそれはそれで行うとして、それとともに今後、県としても知恵を絞っていくということが大変重要なことになると思います。委員おっしゃったとおり、市町村に直接入り込んで、市町村と同一の目線で知恵を出すといった取り組みを実施してまいりたいと考えております。  また、この街なか再生はいろいろな部局で総合的な取り組みを行っていく必要があると思います。各部局との連携を強化いたしましてこれまで以上に、先ほど申しました福岡県街なか活性化推進協議会もさらなる活用を図りたいと思います。また、民間の力もかりてまいりたいと思います。こういうものを総合化しまして、街なか再生を粘り強くやっていきたいと考えております。 268 ◯原田博史委員 今回この質問をさせていただきましたのは、北九州で市街地活性化法を取り入れて、恐らく一つので二つの町で同時にやっているというのは多分北九州だけだと思うんですね。結果が十分見えてないんです。何でだろうなというのは正直ずっとあるんですね。県の役割は、政令市といえどもかかわりは重要なんだろうと思います。今後、さらなる取り組みの充実を希望しまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 269 ◯松本國寛委員長 ほかに質疑はありませんか。松下正治委員。 270 ◯松下正治委員 こんにちは。公明党の松下でございます。  私のほうからは団地内公園を含む県営住宅の住環境整備についてお伺いしたいと思います。  ことしの二月議会の我が会派の代表質問に対しまして、知事は、県営住宅では長寿命化計画に基づき計画的に建てかえ、改善等の事業を実施してきておりまして、建てかえの際には地元自治体と連携し、団地内公園や集会所の共同化など一体的な整備に努めてきておりますと述べています。県営住宅の高齢化が進むに伴いまして、さまざま問題が生じております。そうした中にあって、若い世帯が安心して住める環境を提供するという面から、県営住宅の団地内公園の整備は大変に重要であると考えます。そこで本県におきます県営住宅の団地内公園の整備の状況についてお伺いしたいと思います。  最初に、新婚・子育て世帯優先枠募集の応募実績及び県営住宅の団地内公園等の整備状況について資料要求したいと思いますので、委員長、お取り計らいをよろしくお願いいたします。 271 ◯松本國寛委員長 お諮りいたします。  ただいま松下委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 272 ◯松本國寛委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま松下委員から要求がありました資料については提出できますか。長谷川県営住宅課長。 273 ◯長谷川県営住宅課長 直ちに提出させていただきます。 274 ◯松本國寛委員長 資料を正副委員長に確認させてください。     〔資料確認〕 275 ◯松本國寛委員長 事務局は資料を配付してください。     〔資料配付〕 276 ◯松本國寛委員長 資料が配付されましたので、松下委員、質疑を行ってください。 277 ◯松下正治委員 それでは、まず質問します。平成二十三年度の予算特別委員会におきまして我が会派の高橋雅成議員が提案し実現しました新婚世帯や子育て世帯の方などが確実に入居できるような優先枠を設けた募集方法について、その実績をこの資料に基づいて説明をお願いします。 278 ◯長谷川県営住宅課長 お手元の資料について御説明申し上げます。  上の表でございますが、新婚・子育て世帯優先枠募集の応募実績をごらんください。平成二十四年度の六月募集から新婚・子育て世帯優先枠募集を開始いたしました。本年十月募集までの計五回実施しており、延べ百七十四戸の募集に対しまして、八百三十三世帯から応募がございました。応募倍率は平均約五倍となっております。  説明は以上でございます。 279 ◯松下正治委員 それでは、この新婚・子育て優先枠の募集実績について、どのように評価されるのか、また今後の取り組みについて御説明をお願いいたします。 280 ◯長谷川県営住宅課長 これまでも県営住宅の抽せん方式による募集におきまして、子育て支援策といたしまして多子世帯、これは十八歳未満の子供さんが三人以上いらっしゃる世帯のことでございますけれども、この多子世帯に対する倍率優遇措置を適用しておりました。また、ポイント方式といいます、住宅に困られている程度を点数化いたしまして入居者を決める方式でございますが、この募集におきましてひとり親世帯及び多子世帯についてポイントを付与しまして優遇を図ってまいりました。このような優遇措置に加えまして新婚世帯や子育て世帯の優先入居についても取り組むことにより、新婚・子育て世帯の入居がさらに進むと考えてございます。今後ともこの優先枠募集を活用いたしまして、住宅施策として子育て支援を進めてまいりたいと考えてございます。 281 ◯松下正治委員 新婚・子育て世帯の優先枠設置に伴いまして、若い世代の県営住宅への入居が進むということは大変によいことであると思います。しっかりと今後もこういった施策を進めていただきたいと思いますが、一方で新婚・子育て世帯が入居した後、実際に生活をしていく上において、子育てをしやすい住環境というのが必要になってくると思います。そこで、県営住宅の団地内公園等の整備状況について、この資料に基づいて説明をお願いいたします。 282 ◯長谷川県営住宅課長 先ほどの資料をごらんください。先ほどの資料の下の表でございますが、県営住宅の団地内公園などの整備状況をごらんください。  県営住宅につきましては、良好な居住環境の維持増進に資するため必要な団地内公園の整備を行っております。平成二十五年四月一日現在で、県営住宅全体で二百二十団地のうち百八十八団地におきまして団地内公園を設置してございます。率にいたしますと八五・五%になります。平成二十年四月一日現在の八三・八%と比べますと約二%増加してございます。また、団地内公園の中で遊具を設置しているものは、平成二十五年四月一日現在百三団地でございます。団地内公園のある団地百八十八団地に対しまして五四・八%となってございます。平成二十年四月一日現在の五六・五%と比べますと約二%減少してございます。  説明は以上でございます。 283 ◯松下正治委員 私の住んでいます地域にも県営住宅があるんですけれども、高齢化が進んでいまして、子供が減少をしております。最近、その県営住宅にありました遊具が老朽化していまして撤去されました。そのため、団地内での子供の遊ぶ声が聞けなくなり大変寂しいという地域の高齢者からの声が上がっておりました。団地内公園の整備は小さな子供を持つ世帯にも重要でありますけれども、高齢者にとっても、近くで元気な子供が遊ぶ姿に接することができるという面で本当に健康的な生活を送る上で望まれることではないかなと考えます。  このことを踏まえまして、県営住宅の団地内公園が良好な住環境の形成にどのように貢献していると思われるか、お伺いしたいと思います。 284 ◯長谷川県営住宅課長 既存団地の遊具につきましては、事故防止の観点から定期的に点検を行い安全な状態を維持しておりますが、修繕ができないものにつきましては随時撤去をしてございます。近年の団地の建てかえ事業におきましては、団地内公園の整備については子供から高齢者まで幅広い年代が利用できますように整備してございます。また、地域の催し物などのために多目的に使えますよう、遊具は設置してございません。団地内公園は、子供から高齢者まで全ての入居者が屋外で遊んだり運動したり交流できる憩いの場として重要でございます。また、団地の住民と団地周辺に住んでおられる住民との交流の場といたしまして、地域コミュニティーの形成にも寄与するものと考えてございます。 285 ◯松下正治委員 団地内公園が地域コミュニティーの形成に大変寄与しているということはわかりましたが、遊具に関してですけれども、今、新規に設置していませんし、修繕不能なものについては撤去しているという答弁でございました。それはやはり地元、そして地域の方、自治会とか市町村の方の意見を聞いた上での結果と理解してよろしいでしょうか。 286 ◯長谷川県営住宅課長 やはり事故になってしまいますと非常に困る状況でございますので、事前に撤去する場合については団地の住民の方に、自治会を通して意見を聞いた上で撤去してございます。 287 ◯松下正治委員 確かに公園の遊具の管理というものについては、遊具が老朽化したために事故が起きたということが近年大変問題視されております。実際、ことしに入りまして私の住んでいる地域で、が管理する公園なんですが、そこで遊具に絡む大きな事故が起きております。また、遊具等への落書きや破壊行為とかいった公園の設備を荒らす不届きなやからが最近大変多くなっているのも事実でございます。そのため、公園を管理するに当たって地域の負担というのが近年大変ふえているのではないかなということも危惧されるところでございます。  ただ、そうは言っても、公園というのは若い世代が県営住宅に入居するに当たりまして、本当にこの有効性を考えた場合、さらに団地内公園というものを整備していく必要があるのではないかと思うんですけれども、そういった点の考えをお聞かせ願えませんでしょうか。 288 ◯長谷川県営住宅課長 先ほども委員から御指摘のありました側面から、遊具の設置については困難と考えております。今後も多様な利用者が多目的に使えますような団地内公園の整備に努めてまいりたいと考えてございます。 289 ◯松下正治委員 多用な利用者が使えるようにということで、小さな子供がしっかり十分に遊べるような知恵を出して、工夫をして整備を進めていただきたいと思います。  では、この県営住宅の団地内公園を整備するに当たりまして、最も留意をしている点というのは何でしょうか。お伺いしたいと思います。 290 ◯長谷川県営住宅課長 団地内公園は、誰もが使いやすいように安全、安心に対する配慮が必要不可欠でございます。例えばバリアフリーへの配慮でありますとか、子供が公園から道路に飛び出さないようにフェンスの設置などが必要になってまいります。また、防犯などの面から植え込みなどによります死角をなくすとともに、街灯なども設置する必要がございます。 291 ◯松下正治委員 団地内公園の整備に関しまして、安全、安心といった面で最大限にまずは配慮していくということはわかりました。  ところで、子育てしやすい住環境づくりのためには、団地内公園に限らず、県営住宅の立地する周辺地域全体を考慮した形で、県営住宅全体の住環境の整備が重要ではないかなと思うんですけれども、そういった点での考えはどうでしょうか。 292 ◯長谷川県営住宅課長 県営住宅におきましては、子育てしやすい住環境づくりの観点から団地内広場の整備のほか、先ほどお答えいたしました死角をなくすことや街灯の設置に加えまして、エレベーターの設置や通路の段差解消などのバリアフリー化、歩行者と車の動線を分けます歩車分離など、安全に安心して暮らせる住環境の整備が重要であると考えてございます。 293 ◯松下正治委員 そうした県営住宅全体で安全、安心といった面で心を配るということは、地域の安全性を高めるといった点で本当に評価をされることだと思いますので、今後とも子育てしやすい安全、安心の住環境づくりを通して、地域の皆さんがしっかりと安心して暮らせるような環境を提供していただきたいと思います。今後ともそうした地域コミュニティーの活性化につながる住環境整備についてしっかり進めていただくことを要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 294 ◯松本國寛委員長 ほかに質疑はありませんか。古川忠委員。 295 ◯古川 忠委員 先ほど伊豆委員から空き家対策についていろいろと御質問がございました。おかげさまで資料も出ましたし、大変やりやすいわけでございますけれども、もう少し整理をして一番どこに問題があるかということを少しつまびらかにしたいなと思っております。  まさに現在、我々議員は日常いろいろなところを回っております。本当に空き家がふえてきております。一番困るのは、その方たちがどこにいるかわからない。これが非常に困るんですね。先ほど、県もいろいろな相談窓口、協議会などをつくっている、もしくは空き家バンクをつくっている。しかし、そこにアプローチできるのはわずかなんですね。ほとんどの方がいないんですよ。宗像の日の里団地は大変大きな団地で私もよく存じ上げておりますが、そういう枠内だけならまだいいんですが、なかなか難しい。そこがこの空き家問題の大きなネックだろうと私は認識しております。  そういう中で幾つか整理しましたら、どうしようもない、住居もわからない、また管理者がほったらかしているところは撤去しなければなりません。それからもう一つ、それをどう管理するかという問題が中間にあります。もっと進めば、これをどう流通させるかと、経済の問題があろうかと思います。それから、地域で言えば、いわゆる都市部の問題ですね。これは福岡も取り組んでおりまして、やっと福岡も環境面からの空き家の条例ができましたけれども、都市部はまだ有効な住宅があります。  ところが、中山間地にも空き家の問題が大変ございます。たまたま私が注目した団地では、大分でやっています富士見が丘団地の不動産情報サイトを見てみました。ここは非常に交通の便もいいし、ある意味では都市部の空き家対策なんですね。一方、愛知県豊中市の中山間地域の空き家登録制度というのがありまして、これはホームページを開いてみたらわかると思うんですが、まさに中山間地に残された民家ですね。そういう意味では全く対応が違います。それほど空き家対策というのは多様性を持っておりますし、地域の特性、そして非常に深い問題がございます。問題の一番深く大きなものは何と言っても高齢化ですね。高齢化で単に住宅が空き家になるというだけではなくて、管理している方たちがお年寄りですから、なかなか自分の財産を売るということに対して抵抗がある、もしくは手続が面倒である。そういう問題があります。そういうものをいろいろ解決しないと、この空き家問題の根本的解決はなりません。  そこで順次質問をしてまいりますけれども、まずは除去をしますね。除去をするときに条例ができました。勧告します。補助金も出します。福岡県は観察事業というんですか、インスペクションをやっていますが、そういうものができて、補助金も出しましていいんですけれども、実際に何も手をつけない。では公表しますよと、そこまではあるんですね。それでもなおかつほったらかしてあった場合にどうするかという大きな問題がその後に控えていると思うんですよ。福岡の条例を見ましても、いろいろなところの条例を見ましても、そこまでは踏み込んでいない。しかしながら、現実にその空き家がほったらかしになった場合、これをどう扱うか。その問題についてどういう認識を持っておられるか、お聞きしたいと思います。     〔正副委員長交代〕 296 ◯新村雅彦副委員長 石塚建築指導課長。 297 ◯石塚建築指導課長 先ほども福岡県下の市町村で空き家の適正管理に関する条例は十六市町でできていると申し上げました。そこの決め方といたしまして、勧告だったり命令だったり公表だったりということがございます。条例の中には代執行ができるという定めのところもございまして、市町村の考え方にもよろうかと思うんですけれども、最終的には代執行で除却をするというところまで対応している市町村もございます。 298 ◯古川 忠委員 今からそんなところを心配しても大変で、まだ入り口に入ったばかりなんですが、将来的に代執行するにしても、例えば一般的には都市計画のいろいろな道路などにひっかかるから代執行できますけれども、いわゆる空き家で代執行をどういう基準でやれるかという基準づくりも、一方では検討する必要があるんではないかと思いますがいかがでしょうか。 299 ◯石塚建築指導課長 委員おっしゃるとおり、老朽空き家とは言いながらも個人の財産でございますので、軽々に除却しますよということはできないかと思います。どういった視点で見て、これは代執行しなければいけないのかといった基準は必要になってくるものと思われます。市町村が条例をつくるに当たってそういう視点で、特に建築の話になってくるかと思いますので、どういった基準をつくればいいのかといった御相談があれば、他の先進事例等も示して情報提供したいと思ってございます。 300 ◯古川 忠委員 条例ができた以上、しかもその条例が最近次々にできておりますから、まだそういう事案は発生していないかもしれませんが、今後、恐らくそういう条例をつくった市町村から、逆につくった以上はやらなければなりませんので、特に県のほうにそういう相談があろうかと思います。どういうことで周りが納得する基準があるかということをまず早目に検討して、市町村にお知らせできるように内部で検討していただきたいということをまず一つ要望しておきます。  次に管理の問題ですけれども、ことし初めて国交省の予算がつきました。空き家管理等基盤強化推進事業二億円の予算が国交省でつきましたけれども、これはどういうものか御説明いただけませんか。 301 ◯新村雅彦副委員長 中尾住宅計画課長。 302 ◯中尾住宅計画課長 平成二十五年度から三年間、国のほうでは空き家管理基盤強化推進事業を始めることといたしました。二つございまして、所有者に対する相談体制の整備、二つ目は関連するビジネスの育成、普及ということでございます。 303 ◯古川 忠委員 それには県はどのように絡んでまいりますでしょうか。 304 ◯中尾住宅計画課長 福岡県、熊本県、大分県を範囲といたしました九州住宅流通推進機構という協議会が設立されておりまして、この事業を使ってこういう整備をしたいということで相談に来ております。  県としても相談体制につきましては県の住宅センター等がございます。また、管理につきましては県が直接的にビジネスをということでは現在のところ考えておりませんけれども、そういった意見交換等をしていきたいと思っております。 305 ◯古川 忠委員 国交省の方針によりますと、その二億円の中で各県二千万円ずつ割り当てて、協議会を各県ごとにつくっていただくという方針が出ているようですが、福岡県の動向はどうでしょうか。 306 ◯中尾住宅計画課長 先ほど申しました九州住宅流通推進協議会というところが、福岡県、大分県、熊本県を範囲とした協議会として設立をされております。 307 ◯古川 忠委員 ちょっとかみ合っていないようだけれどもいいでしょう。  いずれにしても単県ではなかなかできないので、国交省に旗を振っていただくのが非常に大事なことです。まさに所有者も他県に行っている。例えば島根県あたりは六割か七割が他県らしいですね。福岡県の場合、さっき空き家の表がありましたけれども、所有者がどのぐらい県外におられるのか、これには出てきませんが、そういう中ではまさに福岡だけのそういう協議会ではなくて、横の連絡が大変必要だということがまず第一点。  それからもう一つは、これは管理業務ですから、一つのビジネスとして成長させていかないといけないと思います。しかしながら、不動産という、人にとって一番大事なと言うんでしょうか、一番大きな、例えば親から代々築いた財産かもしれませんし、一代で汗水垂らして築いた財産かもしれませんから、それを簡単に民間業者の管理もしくは売買にやるわけにはいかないという深層心理があろうかと思うんですね。そういう意味では、協議会を国交省が指導して、それぞれの団体がグループをつくって立ち上げるという努力をしているようでありますけれども、そこに県がどう絡んでいくか。私はそこに何らかのお墨つきといいましょうか、まだまだそういう点が必要ではないかと思いますが、それはどういうふうに絡むんでしょうか。 308 ◯中尾住宅計画課長 現在、福岡県内におきましても昨年の十一月からだったと思いますけれども、地元の大手不動産会社が管理ビジネスというのを始めております。県といたしましては、住宅の管理ということに対しましてはやはり管理が行き届かない空き家についての問題がございますので、市町村と一緒になって適正な管理を進めていくということと思っておりまして、直接ビジネスに対しての県のかかわりとしては、先ほども申し上げましたけれども意見交換、協議をいたす中で研究をしていきたいと思います。     〔正副委員長交代〕 309 ◯古川 忠委員 ビジネスに自治体なり公共団体の絡み方は大変難しいんだけれども、世の中の流れからするとそんなことは言っておられないと言ったら変だけれども、やっぱりある程度の官がそこに絡んでいって、そして結果として最終的には民間に移していくという段取りが私は必要だと思うんですね。先ほどから申しますように不動産というのはそういう独特のものがありまして、業者を悪く言うわけではありませんが、なかなか一般的には、特に自分の虎の子の財産ですから、簡単に不動産業者に任せるわけにはいかないということがございます。管理をやっている中で、今度はそれが売買につながる、流通につながるということでありますから、なおのことそういう面があろうかと思いますね。  ですから、福岡県にもそういう協議会を立ち上げるでしょうから、そのときには市町村なり県、特に県全体を網羅する場合には、県が何らかの形でそこに一つのオーソライズできるようなものを与えてやるという工夫が必要ではないかと思いますがいかがでしょうか。 310 ◯中尾住宅計画課長 適正な管理というものがどういうものかということもございます。民間の主要な方たちとどういうことができるのか研究をしていきたいと思っております。 311 ◯古川 忠委員 先ほどから助成金の話もありました。リノベーション助成もございました。いろいろやってはおりますけれども、全体からしたらほんの入り口、わずかと思うんですよ。そして、今のスキームの中でやっていても届くところはわずかと思うんですね。やっぱりこれがビジネスになって初めて、この空き家がかなりのスピードで解決し、流通し、ひいては経済の活性化につながる、もっと言えば地域の活性化につながるということになろうかと私は思っております。
     そこで大きな問題は、先ほどから申しますように、なかなか所有者が見つからない。私も支援者のお宅に行ったら、初めはお父さんが入院していて、その次行ってみたらお母さんもいなくなって、近所に聞いたら、かろうじてどこどこの施設におると聞くけれども、しばらくして行くと周りも全然わからないというケースがございます。  しかしながら、不動産業界はこれを大きなビジネスチャンスとも捉えております。ですから、これをビジネスにすることによって非常に解決できる問題がたくさんあると思います。それは、無防備にというか、一気に広げてもなかなか難しいかもしれませんが、適正なビジネスとして育てていくという方法があろうかと思うんですね。そのときに大きな障壁になるのが個人情報なんです。不動産業者も空き家を見て何とか自分のビジネスにしたいと思っているし、またもっと言えば、それは不動産を扱う方たちの一つの社会的責任として何とかやりたいというお気持ちがあると思うんですが、いかんせん何ともアプローチのしようがない。そういう点についてどう思われますか。 312 ◯中尾住宅計画課長 現在、身近な市町村がそういった老朽空き家の対策について実態調査等をやりながら、そういう所有者を見つけたり、いろいろと苦慮をしていると聞いております。その情報を個人情報として、不動産業界を活用して管理につなげようというお話だろうと思いますけれども、そのことにつきましては、現在ではその取り扱いに苦慮をしているところでございます。 313 ◯古川 忠委員 そういう認識をお持ちというだけで結構ですが、やっぱり知恵を絞っていただきたいなと思います。  不動産関係者のいろいろな話を聞く中で、一つ二つ注意を申し上げたいと思いますが、不動産業者の方が直接その方にあちらこちらから情報を集めてアプローチするのはなかなか難しい。しかし、その所有者に何らかの提案をしたい。実を言うと、所有者がお年を召しておられたり、他県に行っておられたりして実際にはどうそれを使っていいかわからないままほったかしが多いんですよ。そういうときに不動産会社が、あなたの家でしたらこういう改装をすればどのぐらいで売れますよと。もしくはこういう公共の利用ができますよと、そういう情報を相手に届けたいんですよ。届けたいけれども居場所がわからない。かと言って行政に尋ねても個人保護条例で教えてくれない。手の打ちようがないんです。そこの隘路をもし突き破れば、相当の反応があると思います。先ほどから言いますように、空き家バンクはやらないより結構ですけれども、本当に狭い範囲でこれは限界がありますよ。少々やったって、先ほどの表にありましたけれども、今の空き家の増加のスピードから言ったらとても追いつかない。もったいない。経済活性化のためにももったいない。そういう意味では、どこに隘路があるかということをしっかりと見きわめていただきたい。そう思っております。  それからもう一点アイデアを申しますと、相手に届けなければいけませんね。相手は必ず固定資産税を払っています。固定資産税はあけてみるでしょう。その固定資産税の調書の中に何とかそういうものを入れられないか。どうでしょう。部長、にやっと笑っているけれどもそのアイデアはいかがですか、部長。 314 ◯松本國寛委員長 小路建築都市部長。 315 ◯小路建築都市部長 我々行政として公的なもの、固定資産税については市町村の部分になりますが、市町村自体が空き家バンクでやるという、それはわかると思うんですけれども、公平性とかそこら辺が確かに難しいところがあると思います。  私も若いころですが、一遍空き家をどうにかしたいと県の職員として自治体のほうに情報を求めたわけでありますけれども、固定資産とかいうのは非常に情報のかたい壁がございまして、また、かたくすべきようなところもございまして、いまだにその情報保護のところがネックといいますか、そこら辺のお互いどこまで歩み寄られるのかというところが研究材料になっていると思います。 316 ◯古川 忠委員 日本の社会はいろいろな規制があって、なかなか経済活性化が進まない大きな原因でありますが、不動産は非常にある意味では裾野も広いし、これが動けば相当の経済効果があるだろうと私は思っていますし、それをやろうとしている業者がわんさかおるんですね、実を言うと。それを何とか動かす方法を、知恵を絞っていただきたい。  先ほどから言うように、何も直接その業者とのつなぎをする必要はないんですよ。そうすると多少公的機関としては抵抗があるかもしれませんけれども、いろいろな形で生かすために、一業者ではなくても結構だけれども、こういう方法がありますよということをお知らせすることは大事だと思うんですよ。先ほど言いましたように、空き家バンクだけだったら恐らく県外、東京や大阪へ行った方はどうするかほとんど知りませんよ。しかしながら、少なくともそこに行政から手紙が届いて、あなたの持ち家はこういう利用の方法がありますよと、こうすればあなたの得になりますよと。幾らかでも財産になればいいではないですか。そして地域も困っているし、地域のために貢献してくださいと。そういうものぐらいは届ける方法を何か考える必要があるのではないかなと。もしそれができれば、本当にこれはすごいスピードでビジネスになると思います。  入り口は官が絡まないとなかなか難しいかもしれないけれども、最後は民間の力ですよ。民間を利用してやってくださいよ。そうするとウイン・ウインではないですか。所有者もただ朽ち果てて自分の家がなくなる、もしくは周りから文句言われて嫌な思いをする。そうではなくてそれが活用できる。幾らかの足しにもなる。不動産業者はある程度の利益を得る。そして新しく住んだ方は喜ぶ。特に空き家の場合は若い世帯がかなり入っています。先ほどの豊中市の例でも幾つか成功例がありますけれども、若い世帯が中山間地に移り住んでいますよ。そういう社会貢献が私はできるだろうと思います。  部長の話はちょっと物足りなかったけれども、要は知恵を絞ると。段階がありますけれども、今申し上げたように、最終的にはそういうことを目指してやることによって、この経済効果を。今、特に日本はそういう意味では非常に大事な局面でございます。消費税も上がりますし、不動産を早く取得したいという方もおられるかもしれませんから、スピード感を持ってやっていただきたいと思います。  もう一回、部長、一生懸命メモしてありますけれども、一言いいですか。 317 ◯小路建築都市部長 我々、中古住宅の流通に関しては過去から、あんしん住替え情報バンク、それから福岡県宅地建物取引業協会あたりを活用できないかとか、いろいろなことを考えてきた経緯があります。しかしながら今、委員御指摘のように、いろいろ研究していく面はございます。これは休みなく研究してまいりたいと思います。  また、今、新しい動きも出てきております。先ほど申されました新しい国の制度、住宅流通促進協議会とかそういった新しい動きも出てきておりますので、我々は民間の知恵、それから行政の知恵、市町村ともいろいろ協議、知恵をかりまして、住みかえ促進を進めてまいりたいと考えております。 318 ◯古川 忠委員 では、もう一つだけ御提案をして終わりたいと思います。  いろいろな窓口をこれからつくっていかれますが、やっぱりお年寄りの場合、特にまさにこれは今の高齢化の問題と密接に絡んでおりますから、例えば完全にいなくなる前に早目に相談を受け付ける。相続の相談もあるでしょう、残った荷物の相談もあるでしょうし、さまざまな手続があるでしょう。そういうものを含めて、早目に相談ができる窓口をつくることも私は有効だろうと思います。空き家になった後ではなくて、これから先のことを考えますと、そういうものを含めて、これから協議会なり窓口をつくるときには考えていただきたいと思っております。  私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 319 ◯松本國寛委員長 ほかに質疑はありませんか。新開昌彦委員。 320 ◯新開昌彦委員 公明党の新開昌彦でございます。  県営住宅の来客用の駐車場について伺います。  委員長に申し上げます。資料要求をあらかじめしております。名前は「県内における高齢者世帯の状況」であります。お取り計らいをよろしくお願いします。 321 ◯松本國寛委員長 お諮りいたします。  ただいま新開委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 322 ◯松本國寛委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま新開委員から要求がありました資料については提出できますか。長谷川県営住宅課長。 323 ◯長谷川県営住宅課長 直ちに提出させていただきます。 324 ◯松本國寛委員長 資料を正副委員長に確認させてください。     〔資料確認〕 325 ◯松本國寛委員長 事務局は資料を配付してください。     〔資料配付〕 326 ◯松本國寛委員長 資料が配付されましたので、新開委員、質疑を行ってください。 327 ◯新開昌彦委員 それでは、資料の説明をお願いいたします。 328 ◯長谷川県営住宅課長 お手元の資料、県内における高齢者世帯の状況について御説明申し上げます。  資料の上の表が県営住宅における高齢者世帯数、下の表が県内における高齢者世帯数でございます。上と下の表でデータの出典が異なっておりますので、若干データの取り方に違いがございます。上の表のBの列では複数高齢者のみの世帯数、下の表のDの列では高齢者夫婦のみの世帯数となってございます。  まず、上の表の県計の欄をごらんください。県営住宅全体の高齢者単独の世帯数はAの列になりますが四千八百六十五世帯で、全世帯数に対する割合は一八・一%でございます。複数の高齢者のみの世帯を含めるとA+Bの列になりますが、その率は二五・九%となっております。  それに対しまして、下の表の県計の欄をごらんください。県全体の高齢者単独の世帯数はC列になりますが二十七万七百四十二世帯で、全世帯数に対する割合は一二・二%です。高齢者夫婦のみの世帯を含めますとC+Dの列になりますけれども、その率は二二・〇%となっております。このことから、県営住宅は県全体と比べまして高齢者の世帯が多いということがわかります。  また、両政令市における状況でございますが、もう一度上の表にお戻りいただきたいと思います。政令市計をごらんください。県営住宅の高齢者単独の世帯数は千五百六十五世帯で二〇・四%、複数の高齢者のみの世帯を含めるとその率は三〇・二%となっております。  それに対しまして、もう一度下の表の政令市計をごらんください。両政令市全体の高齢者単独の世帯数は十一万二千三百九十三世帯で全世帯数に対する割合は一〇%、高齢者夫婦のみの世帯を含めますとその率は一八・八%となっておりまして、県営住宅は両政令市全体と比べましても高齢者の世帯数が多いということがわかります。  資料の説明は以上でございます。 329 ◯新開昌彦委員 淡々とした御説明でございましたけれども、私は本当にこの資料をもらったときに驚きました。特に福岡を見ていただきますと、高齢者単独世帯数が、県営住宅も、それから高齢者支援課のほうから出してもらっている数字、これは同じ単独世帯数でありますので比較はできると思いますが、福岡の場合は八・五%、ところが県営住宅でありますと二二%であります。約三倍のひとり暮らしの高齢者が県営住宅におられるということであります。  私たちの会派には、UR──都市再生機構、県営住宅、それから市営住宅にお住いの方、またその御家族、介護施設などで働く方々から、団地内にコインパーキングはなぜないのかと。介護とか声かけのために団地には頻繁に行きたいと。しかしながら、駐車場がないために雨の日なんかは駐車場がある遠方でとめて、そして団地に来なければならないと。大変困っていますと。ぜひ団地内にコインパーキングを設置してほしいという声が寄せられております。  きょうは県営住宅についてお聞きをしたいと思います。  まず、単身の高齢者世帯、高齢者のみの世帯において、別居の子供たちが毎日車で団地に通って介護をしなければならないという人たちもおられます。県営住宅ではこういった方の車をとめられるような来客用駐車場の必然性があると思いますけれども、来客用駐車場というのは整備されていますか。 330 ◯長谷川県営住宅課長 県営住宅におきましては、まずは入居者用の駐車場を確保するということが大事だと考えております。来客用駐車場につきましては、不正駐車への対応が困難であることなどいろいろございますので、現在のところは整備してございません。 331 ◯新開昌彦委員 整備していないなら、駐車できなくて困っている方たちへの対応はどうなっていますか。 332 ◯長谷川県営住宅課長 対応でございますけれども、団地の自治会が申し出てこられる場合がございますので、そういった自治会に対しまして数台分だとかの駐車区画を貸し出しまして、自治会みずからが来客用の駐車場として管理することにより対応してございます。  また、入居者御自身が、御自身を介護してもらう親族の方やヘルパーなどの介護事業者のために駐車場を借りるということについても認めてございます。 333 ◯新開昌彦委員 自治会と申されましたけれども、先ほどの数字を見ていただくとわかるとおり、特に福岡は自治会自体が高齢化しております。団地によっては、自治会が適切に来客用の駐車場を管理できない場合が考えられるわけなんですよね。そのために福岡とかほかの自治体はコインパーキングを導入しているところがあります。ほかの事業主体の取り組み状況を調べていただいていると思いますがどうでしょうか。 334 ◯長谷川県営住宅課長 コインパーキングの導入実績につきましては、例えば都道府県営住宅でありますと大阪府、市営住宅でございますと大阪、神戸、名古屋、川崎、それと地元の福岡などの大都市部でも実績がございます。いずれも使用していない駐車区画につきまして、コインパーキング事業者に対しまして行政財産の使用を許可するという形で導入されてございます。また、神奈川県におきましても現在導入を検討中であると伺ってございます。 335 ◯新開昌彦委員 ネットで調べるとたくさんそういった実績が出てきます。これは大阪府の府営住宅の件でありますけれども、空き区画がないところを除いて、全ての府営住宅にはコインパーキングを設置するという大阪府からのお知らせというのが全世帯に配られております。そういうことでございますので、本県としてコインパーキングの導入はいかがかと。 336 ◯長谷川県営住宅課長 本県といたしましては、全国のアンケート調査や導入しておられます自治体へのヒアリングを実施して、先進事例の調査を行ってございます。また、コインパーキング事業者に対しましても事業の採算性につきまして調査を実施し、コインパーキングの導入について検討を進めているところでございます。  事業者への調査によりますと、例えば福岡市内の一部団地におきましては採算性が見込めると聞いておりますので、今後、事業の採算性が見込める団地につきまして、団地の自治会の意向の確認などを行っていくことを考えてございます。その後、団地自治会の意向が確認できた団地につきましては、具体的にコインパーキングの導入に向けて検討を行ってまいりたいと考えてございます。 337 ◯新開昌彦委員 満額回答ありがとうございます。しっかりと自治会のほうとも検討していただいて、これは時代の要請だと思います。ぜひともコインパーキング設置を実現していただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。  以上で終わります。(拍手) 338 ◯松本國寛委員長 ほかに質疑はありませんか。     〔「なし」と呼ぶ者がある〕 339 ◯松本國寛委員長 ないようですので、以上で第一三五号議案の質疑を終わります。  次に、第一四九号議案「平成二十四年度福岡県流域下水道事業特別会計決算」及び第一五〇号議案「平成二十四年度福岡県住宅管理特別会計決算」の二件については一括議題とし、まとめて説明を求めます。小路建築都市部長。 340 ◯小路建築都市部長 それでは、第一四九号議案「平成二十四年度福岡県流域下水道事業特別会計決算」の歳入歳出決算について御説明いたします。  決算概要説明書の百八十七ページをお願いいたします。  この特別会計でございますが、御笠川、那珂川ほか八流域の下水道の建設及び管理に係るものでございます。  まず歳入でございますが、歳入済額は二百十億八千九百万円余で、予算現額に対する収入減の主な理由といたしまして、建設事業の繰り越しを行ったことに伴い、国庫補助金等の収入の一部を翌年度に繰り越したことによるものでございます。  続きまして、歳出の御説明をいたします。百八十九ページをお願いいたします。  歳出決算額は百八十三億七百万円余となっております。主なものは一款御笠川那珂川流域下水道事業費でございます。また、不用額を生じております主な理由は、下水道処理施設の維持管理費が見込みを下回ったことによるものでございます。  以上で流域下水道事業特別会計の説明を終わらせていただきます。  続きまして、百九十九ページをお願いいたします。  第一五〇号議案「平成二十四年度福岡県住宅管理特別会計決算」の歳入歳出決算について御説明いたします。  この特別会計は県営住宅の維持管理に係るものでございます。  まず、歳入でございますが、収入済額は六十五億四千六百万円余でございます。なお、収入未済が生じております理由は、県営住宅において、入居者の経済的理由などにより年度内に収入できなかったことによるものでございます。  続きまして、歳出の御説明をいたします。二百ページをお願いいたします。  歳出決算額は六十四億四千八百万円余となっております。主なものは一款県営住宅管理費でございます。不用額を生じております主な理由は、管理事務費の執行残でございます。  以上で建築都市部所管の特別会計の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願いいたします。 341 ◯松本國寛委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。     〔「なし」と呼ぶ者がある〕 342 ◯松本國寛委員長 質疑がないようですので、第一四九号議案外一件の質疑を終了し、建築都市部所管分の審査を終わります。  以上で本日の議事を終了いたします。  なお、来週十一月五日火曜日の委員会は午前十一時に開き、警察本部、教育庁及び私学学事振興局所管分の審査を行いますので、よろしくお願いいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午 後 四 時 五 十 分 散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...