福岡県議会 2007-11-06
平成18年度 決算特別委員会 本文 開催日: 2007-11-06
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 平成十九年十一月六日(火曜日)
午 前 十 一 時 二 分 開 議
◯江口吉男委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから委員会を開会いたします。
審査日程に従い本日の議事を行います。
まず、企画振興部所管分の審査を行います。
第一七二号議案「平成十八年度福岡県一般会計決算」のうち歳出について説明を求めます。中原企画振興部長。
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◯中原企画振興部長 企画振興部所管の決算について御説明いたします。
決算概要説明書の四十六ページをお開きください。
企画振興部におきましては、二款総務費のうち二項企画費、七項統計調査費を執行いたしております。決算額は総額で百二十三億一千七百万円余となっております。
内訳について御説明いたします。
二項企画費でございますが、四十六ページから四十七ページにかけて記載いたしております。
二項企画費は決算額百十三億七百万円余でございます。これは県の施策の総合企画及び地域の振興、交通対策、水資源対策、IT化の推進等に要した経費でございます。翌年度繰り越しを行っておりますのは、二目計画調査費におきましては、
電気通信格差是正事業において用地買収の難航等により工事着手がおくれたもの、また三目開発促進費におきましては、
北部福岡緊急連絡管事業において、市の道路工事の用地取得遅延により管布設工事の着手がおくれ、年度内の工事完了が困難になったものでございます。また、不用額を生じております主な理由は、
空港整備事業費負担金の確定に伴う執行残によるものでございます。
四十八ページをお願いいたします。
七項統計調査費は、決算額が十億一千万円余でございます。その主なものは総務省ほか三省からの委託による委託統計費でございます。
以上が企画振興部の平成十八年度決算の概要でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
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◯江口吉男委員長 説明は終わりました。
これより歳入及び歳出の質疑を行います。質疑はありませんか。佐藤委員。
4 ◯佐藤正夫委員 おはようございます。早速質問に入らせていただきたいと思いますが、今回は、昨日からいろいろ議論が出ております空港問題について集中して質疑をさせていただきたいと思います。
それで、きょうの新聞にも出ていましたけれども、西日本新聞、そして朝日新聞にも載っておりましたが、昨日、
福岡空港意見発表会というんでしょうか、そこでいろいろな議論がなされましたけれども、御承知であろうと思いますが、どういう議論がありましたですかね。
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◯江口吉男委員長 秋山空港計画課長。
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◯秋山空港計画課長 昨日の意見発表会、これは各市民の皆様あるいは団体の皆様、それぞれにいろいろな立場から福岡空港の問題について研究なり調査をされている、そういった方々にそれぞれの意見ということで発表をしていただいたものでございます。私は昨日その場に出席できませんでしたので、詳細についてはまだ承知をしておりません。
7 ◯佐藤正夫委員 秋山さんが出席しているとか何とかじゃなくて、基本的には国と福岡県と福岡市と、三者がお金を出し合って調査をやっている。そして今一番問題なのが、例えば以前、これも新聞報道によりますけれども、空港の議論がどうも低調化していると。これでは
パブリックコメントをとっているのかどうなのか、これが生きているのかどうなのか不可思議であるというような記事もありました。そういう意味では、秋山さんが参加するとかしないとかじゃなくて、常にそういう情報は敏感に収集しとかなきゃいけないと僕は思いますよ、現実。そこで、余りよくわからないということなんですけど、新聞記事ぐらい読まれました。
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◯秋山空港計画課長 ええ。朝、目を通しました。
9 ◯佐藤正夫委員 それで、どういう意見があったのかということを聞いているんで、ちょっと教えてくださいよ。
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◯秋山空港計画課長 大まかに言えば、新しい空港をつくったがいいという御意見、それから今の空港をしっかり活用すべきだという御意見、大きく分ければこういった意見が多かったように聞いております。
11 ◯佐藤正夫委員 実は、その意見の中にもいろいろ、例えば現空港をそのまま活用するのがいいのか、もしくは新たに海上空港をつくるのがいいのか、もしくは佐賀空港を含め、新北九州空港を含め、ある意味での連携をしたほうがいいのか。大きく言えばこういう三つの問題になったんだろうと思いますが、そこで、例えばその記事の中にも書いてありましたけど、日本一、世界一利便性の高い空港であり、逆に言えば世界一危険性の高い空港であるという議論もありましたよね、たしか。この意見に対してどういうふうな感想をお持ちですか。
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◯秋山空港計画課長 アクセスの便利さ、これは都心から短時間で行けるということで、世界一かどうかはわかりませんけども、非常にアクセスの利便性の高い空港だというふうには思っております。それと、危険性というか、安全性の部分でございます。空港、どこに所在したとしても、やっぱり安全性というのは最優先で考えるべきものでございます。現在の福岡空港につきましても、その安全性の確保につきましては国土交通省あるいはエアライン、これは一生懸命取り組んでいただいているというところでございます。
13 ◯佐藤正夫委員 今の意見を参考にして、実は私も資料要求をさせていただいておりまして、その資料要求の内容については、需要予測ですね、それから今現在どうなっているか、そしてなおかつ、平成四年から十五年度まで新福岡空港構想という調査、これは国が入っていなくてやった調査、含めて、それにかかった費用、県が幾ら負担したのかとか、どなたがどれだけの負担をしたのか、そういった内容がわかるような資料を求めておりますので、委員長、計らいのほどよろしくお願いします。
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◯江口吉男委員長 お諮りいたします。ただいま佐藤委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
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◯江口吉男委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。
執行部に申し上げます。ただいま佐藤委員から要求がありました資料について、提出できますか。
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◯秋山空港計画課長 直ちに提出させていただきます。
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◯江口吉男委員長 提出予定の資料を正副委員長に確認させてください。
〔資料確認〕
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◯江口吉男委員長 それでは、ただいまより佐藤委員要求の資料を事務局から配付させます。
〔資料配付〕
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◯江口吉男委員長 資料の配付が終わりましたので、佐藤委員、質疑を行ってください。
20 ◯佐藤正夫委員 資料の説明を求めようと思いましたが、この資料を見ればわかりやすいので、説明はもういいとしまして、きのうの議論の中にも、実は需要予測が本当なんだろうかとかね、例えば新しい空港をつくるのに一兆円というのは何を根拠に持って一兆円なのかなという議論も出ていたみたいですよ。そこで、今回こういう資料を出していただいたわけですけれども、まずもって、新福岡構想、平成四年から平成十五年度、調査総額約十二億円、うち県の負担額が五億二千万円、それ以外に、五億二千万引いたらあと六億八千万ぐらいが抜けているんですけれども、この六億八千万はどこが負担をされたんですか。
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◯秋山空港計画課長 この調査を行いましたのは、県、それから福岡市、それから地元の福岡商工会議所、この三者で行いました。したがいまして、残りは福岡市と福岡商工会議所が負担をされております。
22 ◯佐藤正夫委員 それは幾らと幾ら。
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◯秋山空港計画課長 割合といたしましては、県が四割、残りの分を福岡市三割、それから商工会議所三割ということで、半分ずつということでございます。
24 ◯佐藤正夫委員 ということは、市が三〇%ですから、約十二億の三割といったら、約三億四千になるんですね。商工会議所もそのくらいのお金を負担した。そして、その結果として、一番の下の段の新福岡空港基本構想の需要予測が出てきた。県が五億二千万使って出した数字がこれであると。二〇〇二年四月、この数字が出てまいりました。そして、これがある日ね、ある日っておかしいんですが、これは言っていいかどうかわかりませんが言いましょう。当時ね、この新しい空港をつくるかつくらないかということで、選挙が物すごく盛り上がったことがあるんですよ。いわゆる知事選。片一方のほうは空港は要らないよ、片一方のほうは空港をつくろうかなという、こういう新空港、福岡空港基本構想ですから、つくるという前提での調査なんです。これがね、選挙前になくなった、予算がね。我々は補正で減額をしました。そして今、この
福岡空港調査連絡調整会議というのに変わっていったんです。
そこで僕が言いたいのは、この二番目の新福岡空港構想で数字をはじき出した、そして今回は一、二、三と分かれて、いろいろなケースのもとで数字をはじき出した。これを見たらね、年数がちょっと違うだけなんですけども、二〇〇〇年、二〇一〇年、例えば二〇一〇年、新福岡空港基本構想で見たときの数字と、二〇一二年の数字を見たときに、どう思われますか。
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◯秋山空港計画課長 今回の総合的調査における需要予測が若干下方に修正をされているということでございます。
26 ◯佐藤正夫委員 そこで、先ほど言ったように、県は五億二千万ものお金をかけて調査した結果が修正をかけられる、現実はね。少なくなっている。ある意味で言うならば、今いろいろなところで公共工事の問題が出ていますが、空港をつくるための数字をつくったのではないかなと思われても仕方がないと私は思います。そこで、今その数字を見比べていただければ一目瞭然でありますけれども、実際に二番の資料をもとにして見ると、現実にこの数字はふえているんでしょうか、減っているんでしょうか、どちらでしょうか。
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◯秋山空港計画課長 実績がどうなっているかというお尋ねだと思いますけども、福岡空港の利用実績、これは下の二番のところにございますけども、ほぼ横ばいということで、当時の需要予測には達していないということがあると思います。これは一つに、福岡空港は既に上限に近づいているということ、それとこの間、他の公共交通機関の交通のサービス水準がかなり変わったということ、そういったことが影響をしていると考えております。
28 ◯佐藤正夫委員 としますと、今回、国が入って、県が入って、市が入ってやっている、その調査の数字も変わる可能性が十分にあると考えていいんですか。
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◯秋山空港計画課長 今回の総合的調査におきまして出しました需要予測、これは二〇〇六年六月現在でございますけども、これは将来にわたって福岡空港の航空需要がどうなるかというのを予測したものでございます。これはまさに福岡空港の容量限界がない、あるいは羽田の枠の制限がないといったような、制限がないという場合を設定しております。したがいまして、いわば潜在的な需要予測ということになろうかと思います。現実的にはこういった制限がなくならない限り、こういった需要の達成というのは、そういう部分では難しいかと思います。
30 ◯佐藤正夫委員 ちょっとよくわからなかったんだけど。答えがよくわからなかった。要は、僕は変わる可能性があると思いますよね。なおかつ、先ほどから戻りますけども、新福岡基本構想をやったのは、実は二〇〇二年。この一番、二番、三番は、改革進展ケース、非改革・停滞ケース、失われた十年ケース、よくわからんのですが、要するに一番は景気もどんどん伸びていくだろうという数字。その数字すらなっていないこの新福岡空港基本構想なんですよ。これに五億数千万もかけて、今、県と国と市の調査を福岡市とやって、県はどういう立場で新たな調査に入っているのかですね。県の考え方というのはどうなっているのか。ただ仲間に入って調査を受けているだけなんですか。だったら、この新福岡空港基本構想の五億数千万は県民に謝りなさいよ、これ。知事さん。聞こえようかな、知事さん。これだけの大きなお金を使って、数字が全然違う。
もう一点、佐賀空港並びに新北九州空港との連携についてどのように考えているかもお聞きをしたいんですけれども、例えば新北九州空港の需要予測を見てみますと、現実に新北九州空港はどれだけの予測をされていて、そして今現在どうなっているのか。例えば新北九州空港の十九年度の予測、それと今実際に十八年度の実績、これをちょっと数字を教えてください。
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◯江口吉男委員長 占部空港整備課長。
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◯占部空港整備課長 国が十四年度に行いました新北九州空港の需要予測につきましては、平成十九年度の需要予測で二百八十三万人、十八年度の利用実績で百二十七万一千七百九十人ということでございます。
33 ◯佐藤正夫委員 簡単に言えば、一年間で倍以上にならなきゃならない予測ですよ。倍以上になるんですか。
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◯占部空港整備課長 この国の需要予測につきましては、平成十九年度には国内線が八路線が就航しているということを前提にして出されたものでございまして、現在は十八年度で国内路線が三路線ということでございますので、難しいと思います。
35 ◯佐藤正夫委員 今言ったように、今までの数字がいかに現実を離れている数字か、予測が離れている数字かということがわかったと思うんですよね。新北もそうですよ。そして今回のステップ三の中で、連携は、佐賀もそうですよ、佐賀空港の状況もそう。佐賀を使ったっていいじゃないですか。新北を使ったっていいじゃないですか。そのときに、新北しか数字がありませんからね、あえて新北を言うんですけれども、半分も行っていない。じゃ、これが予想どおりになっていたとすれば、今の現空港の予測はどうなるんですか。現空港の予測はどうなっていたんですかね。これが想定どおりの数字でいっていたら、どうなるんですか。
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◯秋山空港計画課長 ステップ二で行いました福岡空港の需要予測、これは新北九州空港あるいは佐賀空港の需要も含めて、こういった予測をしております。このときの北九州空港の予測というのは、もっとかなり行くということを想定して福岡空港の予測をやっているということでございます。
37 ◯佐藤正夫委員 物すごくわかりにくくなってきたんですけどね。そうは見ているけども、実際は新北はもう十分やっとるから、これからまだまだふやしていきましょうと言っているものの、現実はそうはなっていない。その中で、現空港の需要予測をやっている。これは本来きちっと数字が合うべきだと思います。何度も言いますが、数億円という金をかけています。そして今回の調査にしても、県は約一億四千万円、今までにかけています。今回の決算でも調査費が入っております。それだけの多額のお金をかけてね、こんなでたらめな数字をね、なぜあなたたちは怒らないんですか。怒らない理由は、福岡県がやった数字が余りにもいいかげんだったから怒らないのかな。これは将来の福岡県並びに将来の九州を考える大きな話ですよ、この空港の問題は。もっと大きなビジョンを本当は持っていただきたいと思います。
この需要予測については、今まで議会でいろいろ議論がなされましたので、これ以上言っても前へ進むかどうかわかりませんけれども、確認だけしておきたいのは、現実といかに離れているかということは認識をしていただきたいと思います。新北九州空港はもともとは五百万人対応の空港と言っていたじゃないですか、もとは、当初は。それがだんだん減っていって、二百何十万になって、見てみたら予測の半分も行っていないという現実がある。これはしっかりと受けとめていただかないとと思います。その辺はどう思われます。受けとめてやりますか。まあ、受けとめると思いましょう。
それで、あとですね、その需要予測の問題もそうですし、例えば一つ視点を変えるならば、今、現実に使われている板付空港を考えたときに、先ほどいろいろな議論があった中で、利便性は一番、しかし危険性も一番だという話がありました。例えば板付の空港周辺にどれだけ住宅地が張りついているか、もしものことがあったときどれだけの被害が出るのか、そんなことはシミュレーションをしたことがありますか。
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◯秋山空港計画課長 空港に限らずいろいろな交通機関、安全と安心を確保するというのは最優先で取り組むべきことでございます。我々は福岡空港で事故が起こるということはまず想定をしておりませんし、またそういったシミュレーションもしておりません。
39 ◯佐藤正夫委員 そしたらね、安全性を考えるあれだけの意見が出ているのは、私たちは関係ないですと言っているんですか。冗談じゃないよ。あしたもしものことがあったらどうするんですか。そんなことを考えてやっていくのが都市づくりでしょう。
もう一つ聞きたいのは、だったら、今の板付空港は年間、例えば地代とかね、そういったものは大体幾ら、毎年かかっているんですか。
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◯秋山空港計画課長 十七年度の決算で申し上げますと、借地料が年間八十四億円ということでございます。それから環境対策に九十二億円程度ということで、十七年度の決算はそういった数字でございます。ただ、環境対策費は年度によって変わりますので、最近の年平均をしますと、環境対策で大体六十億ぐらいの感じでございます。
41 ◯佐藤正夫委員 そうしますと、単純に平均でいくと約百四十億ぐらいのお金が毎年実は使われていると、今、現状を維持するために。そしてなおかつ、本当に新板付空港が危険性をはらんでいるかどうかのシミュレーションもやったことがない。そういう中でこんな調査をやっている。県民に聞いたらだれも納得しないですよ、そんな話。
そして、僕はあえてね、今回は、今、現状ある空港が、もし今言ったような状況で板付がなくなったとしましょう。板付空港がもしもそういう状況でキャパをオーバーした、いろいろな部分で新空港をつくるのではなくて、これがなくなったとしましょう。そうすると、福岡県、あえて言うなら九州に対してどれだけの影響が出るんでしょうか。そんなことを考えたことがありますか。
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◯秋山空港計画課長 これはたしか第一ステップだったと思いますけども、今の空港による経済波及効果、ちょっと今、具体的な数字は忘れていますけど、数千億、かなりの効果があるということで、もし今の福岡空港がなければそういった経済効果も生まれないということだろうと思っています。
43 ◯佐藤正夫委員 私が言いたいのは、そういう多岐にわたった検討を実はやらなきゃいけないんですよ、単なる需要予測だけするんじゃなくて。そういう積み重ねがあってこそ県民はわかりやすく聞けるんですよ。ただ数字だけひとり歩きするからおかしくなる。なおかつ、今の現空港にどれだけの費用がかかっているか。現実は百四十億、今実際に使われていますよという事実もある。だったら、その空港は百四十億使っていますけども、今こういう状況でよろしいんでしょうかという説明もしなきゃならない。そういうね、基本的なことが抜けて、どんどん調査だけやって
パブリックコメントをとりましょうなんて言ったって、本当に見えてこないですよ。私も勉強不足でしたから、今言った百四十億ものお金が毎年使われているとは思っていませんでした。
そしてなおかつ、本題から言えば、企画振興部ですよ、福岡県の。福岡県の企画振興部とは一体何をすべき部署なんですか。調査統計だけやりゃいい部署じゃないんですよ。だったら、本当に一兆円かかるんであれば、一兆円の、例えば新しい空港をつくるのに一兆円かかるとか、もう一つの分は山を削って何千億かかるとかね、これの、例えば大明細ぐらいないの。何にどれぐらいかかりますよぐらいのやつは。ありませんか。
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◯秋山空港計画課長 今の御指摘、先ほども例えば環境対策とかそういったことをしっかり聞いていくべきじゃないかというお話、それと新空港だったら幾らかかる、あるいは現空港での増設をやったら幾らかかるというのは、既にステップのレポートの中で、そういった数字とかいろいろな特徴であるとか課題あたりもお示しして、今御意見を聞いているというところでございます。
45 ◯佐藤正夫委員 いや、だから大明細はないんですかと言っているんです。大明細。小明細なんて求めませんよ。例えば一兆円なら何に何ぼ、何に何ぼ、せめてね、それぐらいは教えてもらわんと。大きく一兆円です、一兆円やら見たことない、そんなの。数えるだけで大変よ。それぐらいあるでしょうもん。そんなずさんな数字ですか。細かい数字を言っているんじゃないですよ。一兆円。一万円の内訳じゃない。一兆円の、せめて内訳ぐらいあるでしょうと聞いているわけです。
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◯秋山空港計画課長 失礼いたしました。まさに今回は大きな概算でお示しをしていますんで、詳細については次のステップでお示しをするということですけども、大まかとしては、例えば海上空港をつくる場合、いわゆる空港等の造成、これが大体六割ぐらいかと。それからターミナルなどの基本施設、こういったものが大体三割、あとがその他のアクセスとか漁業補償あたりも考えられますけども、こういったことを今、大まかとしては考えています。
47 ◯佐藤正夫委員 だから、その一案、二案、三案といろいろあるんですけどね、そういう案の中でも、それは見せるべきですよね、きっちりね。そして、先ほど言った現状もしっかり示すべきですよね。百四十億円かかっていますよということも。そういった基礎的なものを皆さんが県民に教えていただかないと、議論は沸いてこないですよ。まあ、今回こうやって質問させていただいて、今そういう具体的な、ある程度の数字が見えてきた。そうしないと、先ほど言ったように、議論がなかなか盛り上がってこないんですよね。コメントをとったって、こんな数字で本当に
パブリックコメントをとれるのかなと。沖縄と福岡県と比べたら、沖縄だったら倍以上のコメントが出たけども、福岡県だったら半分しか来なかったと。それが本物なんだろうかと、議論になるのは当たり前ですよ。だから、もっとオープンにして、議論が活発になるように僕はしてもらいたい。
そしてなおかつ、例えば一兆円以上のお金をかけてやるんだったら、もともと当初のいきさつは、九州国際空港をつくろうと。アジアに向けて将来的な道州制を考えた中で、新九州国際空港をつくろうよというところから、ずっと変質して変わってきて、今、現状がこうあるんですよ。本来それぐらいの大きな空港をやろうと思えば、皆さんもいろいろなアジアに行かれているだろうと思いますが、よその国はもうどんどん進んでいますよ。今からもしそれだけの投資をやるんだったら、もっと壮大な計画の中で国と議論をしていただきたいんですよね。
今、日本の港湾にしても空港にしても、国にお願いに行って何年かかかってできて、運営は地方でやりなさいよなんて言って、勝てませんよ。仁川にしたって、現実は。そんなに遅い時代じゃない、もっと早いんですから。私は、もしやるんだったら、そういう構想の中での新空港ならわかるけども、ただ単に代替するだけの話でやっていいのかどうかというのは、県民の方もそう思っていらっしゃるんじゃないかなと。
逆に言えば、先ほど何度も言いましたけど、百四十億円ものお金が毎年払われている。一月に十億以上のお金が落ちている。だったら、佐賀空港を使う、新北九州空港を使う、あなたたちは率先して、他県の佐賀空港でもいいじゃないですか、なぜ試算をしないんですか。私が言ったように、大きな構想を考えたときに、福岡県がリーダーを務めなきゃだめでしょう。じゃ、佐賀空港をどうしようかとかいう議論はないんですか。新北九州空港をこうやったらどうなのかとか、ないんですか。
例えば、今言うように一兆円のお金を使うんであれば、逆に言えばそのお金で、新北か佐賀か、インフラ整備をして、逆にもっと利便性のいい空港をつくり上げたっていいじゃないですか。先ほど言った企画振興部とは何ぞや、福岡県の都市づくり、ひいては将来の道州制を見据えたときには九州全体のことぐらい考えるぐらいの能力は皆さんにあるわけだから、そういう構想を企画振興部はやってくださいよ。部長、どうですか。
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◯江口吉男委員長 中原企画振興部長。
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◯中原企画振興部長 今、確かに委員御指摘のとおり、企画振興部としては県の総合政策の企画等を所管しております。ただ、この空港問題につきましては、委員御指摘のとおり、かなり以前から経緯等もございます。そういった中でどう企画振興部として対応していくかというのも課題だと認識しておるところでございます。
50 ◯佐藤正夫委員 認識はみんなしとかな困る。認識しているからどうしたいんですか。
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◯中原企画振興部長 委員御指摘の件につきましては、今後部内でも検討してまいりたいと考えております。
52 ◯佐藤正夫委員 あのね、さっき言ったでしょう。五億何千万を一回使って、四年から十五年で五億二千万使って、今から部内でどうのこうのって、遅いよ。返してよ、お金。県民に返してくださいよ、そんなんだったら。
それで、いいですか。もう部長とやってもね、今部長はそういう答弁にしかならない。私がいみじくも最初に言いました、知事の姿勢が見えない。ころころ変わり過ぎる。新空港をつくろうと思って五億何ぼも金を使っとって、途中で減額補正をやって、今度は国です。国と福岡市と県が調査したのを踏まえて云々かんぬん。あなたはどうしたいのかというのが見えない。本当は新福岡空港をつくるというのは、つくりたいと思ってこれだけの金を使ったんじゃないですか。このときは、あれですよ、新福岡空港基本構想なんです。新しくつくる構想で五億二千万使った。
そういう意味ではね、麻生知事さんに、これは大きな問題ですから、真意を聞きたいね。だから、皆さんの御希望にこたえて、ぜひ知事に、これは大きな問題ですので、もう腹を割って御質問させていただきたいと思いますので、知事保留をお願いします。
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◯江口吉男委員長 ただいま佐藤委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることといたします。
なお、知事保留質疑は十一月八日に行う予定でありますので、御了承願います。(拍手)
ほかに質疑はありませんか。井上敏和委員。
54 ◯井上敏和委員 おはようございます。民主・県政クラブの井上敏和でございます。
長い一日が始まりましたので、早速質問に入らせていただきたいんですけれども、済みません、秋山課長、まず先ほどの佐藤委員との質疑の中で、ちょっと一点気になることがありましたので、確認させていただきます。といいますのは、福岡空港において、今、事故を想定していないという御答弁があったと思いますけれども、本当にそうなんでしょうか。各空港において、テロ対策、そして事故対策というのはしっかりなされなければならない事項だと思いますけれども、もしあれでしたら発言を確認していただいて、訂正があるならと思いますけれども、いかがでしょうか。
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◯江口吉男委員長 秋山空港計画課長。
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◯秋山空港計画課長 ちょっと私の発言は誤解を招いたかもわかりませんけども、当然のことながら、事故を起こさないための取り組みというのは万全にやっておりますし、国あるいは航空会社に対してもそういった安全の確保については常々要請をしております。そういうことで、想定していないというのは、起こることが当然だということは思っていないということの意味でございます。
57 ◯井上敏和委員 安全保障とは何ぞやと思うこともありますけれども、私は昔、ガルーダ航空機が墜落した現場に居合わせまして、ちょうど黒煙を上げているガルーダ航空機の姿を見ておりますので、そういうことであれば、安全対策、事故対策、テロ対策、これからもしっかりやっていただきたいと思っております。
時間もありますので、早速質問に入らせていただきます。まず一点目の質問ですけれども、この今回の福岡の新空港の整備に当たって、国土交通省といいますのは空港を四つに分類しております。第一種、第二種、これがAとB、二種類あります。そして第三種と、これは四種類ございましてですね、今回この福岡新空港は、この分類のうちどの分類に入るのか、まず教えていただきたいと思います。
58
◯秋山空港計画課長 新空港になった場合というお尋ねだろうと思いますけども、まだそこまで、そういったスキームまでは検討をしておりません。
59 ◯井上敏和委員 ステップ三まで来まして、金額面も、海上空港であれば一兆円か一兆一千億円、滑走路増設案であれば二千五百億円から七千五百億円までと、金額が出ております。なぜ今確認をとったかといいますと、この空港の種別によって、地元の負担の割合が違ってくるということでございます。第一種であれば国が全面負担、第二種のAであれば地方の負担が約三分の一、そして第二種のBであれば地元の負担が四五%、そして第三種であれば五〇%となっております。これからステップ四に行かなくても、これまで、ステップ三に至るまでの間、少なくとも今、現状金額が出たわけですから、県民負担の面もございます。県民負担の件とあわせまして、この空港の種別がどういう形になって整備していくのかという方向性を示して、そして県民にこれだけの負担がかかりますと、地元負担はこれだけありますという説明がなされなければならないと思っておりますけれども、そういった点はいかがでしょうか。
60
◯秋山空港計画課長 まず、現在の福岡空港、これは二種A空港でございまして、国が設置、管理した空港ということで、地元は基本施設の三分の一を負担しているということでございます。これは仮定の話ですけども、今の空港を何らか整備をするということになれば、そういった二種Aでのスキームというのが考えられると思います。新空港、これは全く最近、例えば中部国際空港ですとか関西空港、これは民間の会社ということでございますので、ちょっとその辺のスキームというのはそれぞれに違いますので、また今後の検討になろうかと思います。
61 ◯井上敏和委員 これからステップ四に向けての議論、先日も意見調査会が開かれたようですけれども、そろそろこの場で地元負担、これが大体どれだけかかると、それに対して県民に理解を求めるという周知が必要となってくると思いますけども、いかがでしょうか。
62
◯秋山空港計画課長 現在、ステップ三ということで、各案の大まかな事業費なり特徴的なことをお示しをしております。次のステップになるのか、いずれかの時点ではそういったスキームについても当然お知らせをして御意見を聞くということになろうかと思います。
63 ◯井上敏和委員 大変、福岡県の財政も厳しい状況でありますので、県民的な議論がなされなければならないと思っておりますので、ぜひこういった点を県民に周知いただいて、議論の場にのせていっていただきたいと思っております。
そして、続いてまた質問させていただきますけれども、海上空港案であればいずれも一兆円、一兆一千億円と事業費がかかると予想されております。この事業費の内訳を見てみますと、護岸埋め立て、そして滑走路等の基本施設、ターミナル施設、アクセス施設、漁業補償費などとなっております。この今金額として提示されている一兆円、一兆一千億円の中に、海上空港までのアクセス、まあ八になるか九億円になるかわかりませんけれども、それとその空港周辺の交通整備にかかるさまざまな経費、これは含まれているんでしょうか。
64
◯秋山空港計画課長 空港のアクセスにつきましては含まれております。ただ、周辺の道路整備というのは、今のところどういった道路が整備が必要になるのかというのは定かでございませんので、そういったところは含まれておりません。
65 ◯井上敏和委員 海上案の場合は、一兆円もしくは一兆一千億円にプラスアルファがかかるという理解でよろしいでしょうか。金額的にまだふえる可能性があるかということです。
66
◯秋山空港計画課長 どういった事業をどういった事業主体がどういう形でやるかということによって、さまざまな形があろうかと思います。まず周辺の道路と申しましても、じゃ、どういった道路が必要なのかというのはまだわかりませんので、そういった部分では、今、空港建設のために必要最小限度の費用を上げているということでございます。
67 ◯井上敏和委員 これから議論するに当たっては、そういった周辺の部分のプラスアルファの部分も含めて考えていかなければならないと思っております。
続いて、
福岡空港調査連絡調整会議についての質問です。この調整会議ですけれども、県、そして福岡市、国交省の三者で構成されております。この中で、政令市である北九州市が入っていないのはなぜでしょうか。
68
◯秋山空港計画課長 この総合的調査でございますけども、これは国の交通政策審議会の航空分科会の答申に基づいて行っております。この答申の中に、国と福岡空港と直接関係の深い地元と連携して調査を進めると、こういうふうにされております。国のほうから、十五年でしたか、福岡県と福岡市に対して協力要請があって、それを受けて三者で調整会議を設置してやっているということで、御質問にありましたように、政令市だからどうのこうのということじゃございません。
69 ◯井上敏和委員 ステップ三が出るに当たって、佐賀空港、そして北九州空港との連携策が抜本的な対応になり得ないと結論が出されております。この結論に関して、北九州を含めた近隣の市町村、大変残念な思い、思って受けとめておるところでございますけども、中には、この連携策が抜本的な対応策になり得ないという結論が先にありきで、この北九州が外されておるんではないかという疑問の声がございますけれども、そういった声に対して何かございますでしょうか。
70
◯秋山空港計画課長 意図的に外したということは全くございません。
71 ◯井上敏和委員 これからステップ四が出てきますけれども、今後ともこの連携策というのは、もうステップ四の議論においてなされないんでしょうか。
72
◯秋山空港計画課長 今回のステップ三、連携も含めまして三つの方策について検討結果をお示しをしております。今こういった検討結果について広くパブリック・インボルブメントという形で意見を聞いていますので、またこの意見を受けまして次のステップでこういった方策を比較評価をやっていくと、こういう段取りでございます。
73 ◯井上敏和委員 先ほど質問させていただいた中で、恐らく地元負担というのはかなり大きなものとなってくると思います。どうしても、これは福岡県民が地元負担を経ながら空港整備していく事業と思っております。五百万県民のうちの百万人が住んでいる北九州市、こういった大変大きな、二割近い人口を占めておりますし、大変大きな金額がかかります。私はこれからも福岡空港、そして北九州空港との連携を考えていかなければいけないと思っております。今後とも北九州との連絡を密にしながら、もう一度無駄な投資を抑えるために、北九州空港、そして福岡空港との連携を考えていただきたいという要望をさせていただいて、この質問を終わらせていただきたいと思います。(拍手)
74
◯江口吉男委員長 ほかに質疑ありませんか。浜崎委員。
75 ◯浜崎達也委員 おはようございます。公明党の浜崎達也でございます。
きょうは、今空港の議論がずっとございましたけれども、私のほうは企画振興部が主たる業務として進められております
北部福岡緊急連絡管事業について幾つか質問させていただきます。
三年前に福岡西方沖地震がありました。いわば、この事業のきっかけとなった地震でございました。また、その後突然、この
北部福岡緊急連絡管事業が、マスコミといいますか新聞等で出て、私も知った次第でございますけれども、この事業、県知事、福岡市長、北九州市長の三人のトップ会談で決まったとのことでございますが、まず、この事業の目的を改めてお聞かせください。また、今の進捗状況もお願いいたします。
76
◯江口吉男委員長 杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長。
77 ◯杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長 まず目的でございますけども、災害に強く水に不安のない福岡県を実現するために、北九州市と福岡都市圏を結ぶ水道用の緊急連絡管を整備するものでございます。これは地震のような自然災害とか施設の事故等による危機管理の対策でございまして、緊急時には最も基本的なライフラインであります水を確保するものでございます。
二番目の進捗状況でございますけども、平成十八年十二月に事業採択を受け、十八年度から事業着工をしております。全体延長で四十七キロでございます。平成十九年度末までに約十六キロの連絡管の工事を実施する予定でございます。
〔正副委員長交代〕
78 ◯浜崎達也委員 災害に強い福岡県をつくるためということで、今、目的はわかりました。
次に、この事業、トップ会談と先ほど申し上げましたけど、一番これをやりたかったのはどこの首長さんだったんでしょうか。
79 ◯杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長 県と、福岡市と北九州市だと。
80 ◯浜崎達也委員 今聞いたのは、三人がトップ会談されたのは承知しているんですが、特にその中で強く事業を進めたかったといいますか、首謀者とは言いませんけど主体者の方はどこだったんでしょうか。
81 ◯杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長 災害に強い福岡県をつくるために、三者だと思っております。
82 ◯浜崎達也委員 もう、これ以上はその件は言いません。
福岡都市圏では、この事業に余り乗る気がなかったように聞いております。福岡都市圏というのは福岡市長ですね、その当時の。さらに市長もかわりました。県は現在、この福岡市との定期的な協議は行っていらっしゃるのかどうか、まず。
83 ◯杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長 県と福岡市と、それから北九州市と、綿密に連携と協議を持ちながら進めております。
84 ◯浜崎達也委員 綿密にやられているということですね。
この事業の完成時期ですけれども、まず、この時期をお答えください。
85 ◯杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長 平成二十二年度の供用開始を目指して行っております。
86 ◯浜崎達也委員 次に、資料のお願いをしておりました。委員長のほうにお願いしたいんですが、この緊急連絡管に係る用水供給量についての資料をお願いしたいと思います。
87 ◯入江種文副委員長 お諮りいたします。ただいま浜崎委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
88 ◯入江種文副委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。
執行部に申し上げます。ただいま浜崎委員から要求が上がりました資料について、提出できますか。
89 ◯杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長 直ちに提出させていただきます。
90 ◯入江種文副委員長 執行部に申し上げます。提出予定の資料を委員長に確認させてください。
〔資料確認〕
91 ◯入江種文副委員長 それでは、ただいまより浜崎委員要求の資料を事務局から配付いたさせます。
〔資料配付〕
92 ◯入江種文副委員長 それでは浜崎委員、資料の配付が終わりましたので、質疑を行ってください。
93 ◯浜崎達也委員 資料は簡単な資料ですから、説明は要りません。私のほうでさせていただきたいと思います。
まず、ここに用水供給量のトータルで、宗像から新宮町まで、この用水供給量が載っております。日量二万トンになっておりますけれども、今後、これはたしか五万トンは流れる連絡管なんですね。今二万トンしか使っておりませんが、この用水供給量の計画が変わることはありますか。
94 ◯杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長 用水量の計画については、二万トンで変わることはございません。
95 ◯浜崎達也委員 変わらないということは、二万トンしか水利権は取得していないと。たしかこれは遠賀川の工業用水を水道水に転水をされていると思うんですが、水利権としては、水道水としては二万トンということで、それ以上ふえないということでいいですかね。確認ですが。
96 ◯杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長 北九州市が上水として転用できる工業用水から二万トンを、水利権として需要に合わせて買っております。
97 ◯浜崎達也委員 二万トンしかできないということですね。それでは緊急時、これは五万トン流れるわけですけれども、そのときの水利権はどのようになるんでしょうか。
98 ◯杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長 この五万トンはあくまでも緊急時の五万トンでございまして、既存の水利権の範囲内で融通し合ってお互いを助けていくものでございます。
99 ◯浜崎達也委員 じゃ、福岡都市圏の持っている水利権、または北九州が、二万トンは出していますけど、北九州から五万トン流すときは、三万トンは北九州のほうの都市圏というか、北九州市の水利権で福岡に流すと、緊急時ですよ、ということでいいですね。
資料で、宗像市、福津市、古賀市、新宮町でございますけど、これはこの連絡管の維持用水ということを聞いていますけれども、この維持用水で二万トン、これは維持用水として必要だからここにしたのか、もしくは、これは新規水源といいますかね、この三市一町が足らなかったので出したのか、その辺はどうなんでしょうか。
100 ◯杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長 上水の老朽化した施設とかそれに係る改築及び地下水の水質悪化等に伴いまして、その受水に対する転換でございます。
101 ◯浜崎達也委員 ということは、新規でこの三市一町に分けるものではないということでいいんですかね。
102 ◯杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長 はい、そのとおりでございます。
103 ◯浜崎達也委員 そこで話をちょっと戻しますけれども、緊急連絡管五万トンの供給能力があると。今使う予定が二万トン、先ほども言いましたが。三万トンは、実はこの三万トンが問題だったんですね。福岡市は最初少し乗り気じゃなかった大きな理由としては、これが維持用水が二万トンですけど、水道管ですから、満水になっているからですね、水としてはとれないことはないわけですね。とらせられるんじゃないかという、そういう不安がございました。それは福岡市のほうでも私も一部聞いていた話なんですが、そういうことはあり得ないということでいいんですかね。
104 ◯杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長 維持用水として活用する二万トンは、これ以上ふえることはありません。
105 ◯浜崎達也委員 もう一つ、緊急連絡管ですから、これは双方向に水が流れるようになっております。北九州から福岡の方向での終着点、北九州から終着点ですね、今、東区とか福岡市都市圏のどこに落とすか、その辺ちらっとは聞いていますが、それ自体はどのようになっていますかね。
106 ◯杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長 東区の下原配水場でございます。
107 ◯浜崎達也委員 もう一つ、緊急時の想定を、冒頭ございました。地震等自然災害ということがありましたけれども、その想定を具体的に、再度ちょっとお尋ねします。
108 ◯杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長 さきの西方沖地震などの地震災害及び浄水場などの施設の事故、それからテロ、それから油の流出などによる水質の汚濁による場合でございます。
109 ◯浜崎達也委員 今お答えがあったのは、緊急時での対応なんですけれども、かなりこの浄水場の事故、これは宮崎県で一回、大雨でございましたけれども、この緊急連絡管にかなり無理があります。水をもらっても、地震等で先の水道管等が使えなかったら、もらっても一緒なわけですね。そういう意味で、今回この五万トンの、都市圏で連絡管としては多分日本一の連絡管だと思って、画期的なことではあると思うんですが、この想定の中で、私はもう少し想定を、できれば広げていただきたい。
例えば福岡都市圏は、やはり昭和五十三年、また平成五年でしたか、大渇水もございました。そういう大渇水も一つの自然災害でもあります。もちろん、今その水資源のほうで、大山ダムを初め、五ケ山ダムと、建設は進んでいると思いますけれども、かなりダムの建設というのは、大体予定から十年おくれて当たり前であります。大体、五ケ山も平成二十四年でしたかね、最初、平成十二年が完成予定ですから、十二年、一昔じゃなくて一前までかかるわけですね。多分、五ケ山ダム自体もかなり、平成二十九年ということでありますが、これが間違いないとは絶対言えないと思いますし、そういう中で、福岡都市圏の選出の議員としては、非常に筑後の皆さんに御迷惑をかけながらいただいてきておりまして、今回、当然、緊急連絡管ですから、それをむやみに、また水が来たという思いはありません。福岡市としてもそういう思いで、逆に懸念しているぐらいで、これをもらえるようなことがあれば、筑後の皆さんに大変に申しわけないと、そういう思いで今いるわけです。とはいうものの、やはり水として来るわけですから、私としては、一つはそういう渇水も何とか想定の中に入れてできないか、ちょっとこれをお尋ねします。
110 ◯杉岡北部福岡緊急連絡管建設室長 渇水は想定しておりません。
111 ◯浜崎達也委員 今はいいですよ、想定していなくても。本当になったときはですね、そのときはまたさせていただきますけれども。
もう一つ、これは緊急連絡管でありますから、先ほど災害時に出すと。これはだれが指示をするのか、これをちょっと教えてください。
112 ◯入江種文副委員長 奥水資源対策局長。
113 ◯奥水資源対策局長 これは、ただいま操作マニュアルにつきましては、県とそれから北九州市、福岡市が三者で十分、今詰めておるところでございます。この指令につきましては、今考えておることについては、やはり双方の被害に遭ったところからの要請に基づいて、県のほうが判断をするというふうに考えております。
114 ◯浜崎達也委員 先ほど説明の中で、実は水利権は、この表でいくとこの二万トンはもう、今までの既得水利権ですよね。これは関係ないと。緊急時に五万トン要るわけですよ。それを、例えば北九州のほうに福岡から流す場合には、既存の、今の水の中から五万トン毎日送るようになるわけですね。今の説明でいきますと、確かに災害の様子によっては送るということでありますけれども、災害というのはいつ来るかわかりませんし、そんなもたもたしていたらできないと思うんですね。もう少し、私が言った質問の趣旨は、だれが、例えば県知事がこのゴーサインを出すのか、地元が出すほうの水利権は既存の水利権ですから、自分のところの財産を出すわけですから、そこの部分はどっちなんですか。県知事のほうが言えばもう何であろうと出すと、そういうところまで決まっているんですかね。
115 ◯奥水資源対策局長 これはあくまでも緊急時でございますので、その場のいろいろな対応があると思いますけども、それについては、ただいま答弁しましたように、今、県と両政令市で十分詰めております。それで、それと同時に県の災害対策部局、そういったものとも今後しっかり検討しながら対応してまいりたいと考えております。
116 ◯浜崎達也委員 今から検討と、もちろんあと三年間あるから悠長にされているかもしれませんけれども、緊急なんですよね。緊急連絡管ですから。それで、そのゴーサインを出してやるわけですから、そこの部分は当初から決めとっていいんじゃないですか。例えばマニュアルはそれに沿ってやるわけでしょう。その手前で、やはり県がしっかりその主導権といいますか、ボタン押しは県が持つと。その上で両方に言うと。多分、この三者のトップ会談でも、最初に口火を切ったのは、聞いていませんけれども県知事だと思うんですね。どっちかの意向を受けてでしょうけど。そういうこともありますからね、その辺をもう一回、ちょっと部長、答弁してください。
117 ◯入江種文副委員長 中原企画振興部長。
118
◯中原企画振興部長 この本事業につきましては、知事と福岡、北九州の両政令市長の合意に基づきまして、危機管理対策として取り組んでいる事業でございます。災害に強く、水に不安のない福岡県を実現するため、平成二十二年度の供用を目指して、今後とも鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
119 ◯浜崎達也委員 あんまり答弁は変わらなかったですけどね。
委員長にお願いしたいんですが、これはぜひとも知事にも伺いたいと思いますので、知事保留をお願いいたします。
120 ◯入江種文副委員長 ただいま浜崎委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。
なお、知事保留質疑は十一月八日に行う予定でありますので、御了承願います。
121 ◯浜崎達也委員 ありがとうございました。(拍手)
122 ◯入江種文副委員長 ほかに質疑はありませんか。小池委員。
123 ◯小池邦弘委員 民主・県政クラブの小池邦弘でございます。
私の地元、志免町には、昭和十八年に築造され、高さ五十三・六メートルもある、国の登録有形文化財に登録された竪坑櫓が町のシンボルとしてそびえ立っております。産炭地域であったこともあり、県内の産炭地域の活性化を思い、産炭地域活性化基金取り崩しについてお伺いいたします。
まず、産炭地域活性化基金とはどのような目的でつくられたのか、お教えください。
124 ◯入江種文副委員長 西山地域振興課長。
125 ◯西山地域振興課長 産炭地域の振興を推進していくために、平成五年に県、市町村、民間と地元関係者の自発的な意思による中核的事業主体といたしまして、財団法人福岡県産炭地域振興センターを設立いたしまして、その基本財産といたしまして産炭地域活性化基金を造成したものでございます。
126 ◯小池邦弘委員 基金の総額と基金の内訳をお教えください。
127 ◯西山地域振興課長 基金の総額といたしまして、八十五億一千四百五十万円でございます。その内訳といたしまして、国庫補助金五十三億三千万円余、県補助金二十六億六千万円余、市町村からの出捐金四億円余、それから民間企業等からの出捐金一億一千万円余でございます。
128 ◯小池邦弘委員 今回の基金の総額八十五億円のうち五十七億三千万円は市町村に配分、また二十七億七千万円は県による配分となっていますが、なぜ市町村と県に分けたのかお教えください。
129 ◯西山地域振興課長 当基金が産炭施策最後の貴重な財源ということでございまして、地域の振興に資するという観点から、市町村それぞれの特性を生かした振興事業に加えまして、地域全体の振興につながるという観点から、広域的な事業に充てるということで、市町村分と県による配分ということで分けたところでございます。
130 ◯小池邦弘委員 市町村配分について、地域振興事業費に充てるということでありますが、どのような事業に充てるということなんでしょうか。
131 ◯西山地域振興課長 基本的には対象市町村が実施いたします企業誘致、あるいはいろいろな施設整備等々、地域の特性を生かした振興事業に充てていただくことを考えております。
132 ◯小池邦弘委員 適用される事業の判断は、市町村独自で判断していいというものなんでしょうか。
133 ◯西山地域振興課長 基本的には、財団法人の産炭地域振興センターの採択基準に合致すれば採択可能でございますので、市町村の事業選定が優先されると思いますけども、県といたしましては地域振興の効果の観点から、できるだけ効果が上がるように指導、助言を行ってまいりたいと思っています。なお、最終的にはセンターの評議委員会及び理事会で採択、決定されることになります。
134 ◯小池邦弘委員 基金の利用期間はあるのでしょうか。
135 ◯西山地域振興課長 一応、五年間ということになっております。
136 ◯小池邦弘委員 五年間でこの基金を使い切れなかった場合は、どのようになるのでしょうか。
137 ◯西山地域振興課長 使い切れなかった場合は、国の補助金要綱に基づきまして、国に返還することとなります。
138 ◯小池邦弘委員 県による配分の基金の使途は、市町村事業との事業の内容のすみ分けはあるのでしょうか。
139 ◯西山地域振興課長 県による配分につきましては、やはり広域的な観点から考えておりまして、そういう面で広域的な振興効果がある事業に充てたいと考えております。したがいまして、先ほど言いましたように、市町村事業につきましては市町村固有の特性を生かした振興事業に充てるということで、そういうすみ分けをいたしております。
140 ◯小池邦弘委員 この配分金の五カ年間の年次計画というものはあるんでしょうか。
141 ◯西山地域振興課長 現時点では、各事業の実施計画に基づいて配分いたしたいと考えておりまして、各年度の配分額は想定いたしておりません。しかしながら、いずれにいたしましても五年間で使い切れなければ国のほうに返還ということになりますので、そこらあたりは十分注意しながら、市町村の指導に当たってまいりたいと考えております。
142 ◯小池邦弘委員 出捐金というもの自体の性質、出捐金というものは大体どういうものなのかお教え願えますか。
143 ◯西山地域振興課長 財団法人に対する出捐金につきましては、財産の寄附として取り扱うものでございまして、したがいまして返還義務等は生じないものと思っています。
144 ◯小池邦弘委員 出捐金の配分について、産炭地域対象地域以外の六町、岡垣町、粕屋町、久山町、志免町、宇美町、須恵町、この六町について、出捐金についての全額返還というようなところ、これは一般財源に繰り入れるということなんですけども、また、残りのこの産炭地域市町村については、地域振興事業費基金と、その市町村が出された出捐金をまとめて事業を行った、この十分の九が助成というふうなところになっております。また、この産炭地域市町村については特定財源に繰り入れるというようなことで、自由に自分の出捐金は一般財源に繰り入れるというようなことと、自由に使えないというようなところがあります。また、民間団体の出資金、先ほど一億一千二百五十万等は県の財産になっているというようなところで、これは寄附行為だと、先ほど出捐金については寄附行為だというふうなところのお話がありましたので、これについては、企業については返さないというふうなところですね。
それで、この出捐金の取り扱いが三種類にわたるばらばらな取り扱いになっていますので、何か取り扱いがおかしいなというふうなところをちょっと申し述べておきたいと思います。とりわけ、地域振興事業費の市町村の出捐金を含んでの五十六億五千万円もの税金が、産炭地域活性化を目的に地域振興事業に充てられているわけですので、県といたしても最大限にこの事業に取り組み、また指導していただくというふうなことを強く要望いたします。
最後に、地域振興事業に取り組む部長の決意をお聞かせください。
145 ◯入江種文副委員長 中原企画振興部長。
146
◯中原企画振興部長 地域振興に取り組む決意ということでございますけど、今までの委員の御質問から拝察しますと、この活性化基金対象市町村への枠の配分額につきましては、できる限りその市町村及び地域振興につながるような有効活用を県としましても今後、指導、助言してまいりたいと考えております。
147 ◯小池邦弘委員 本日は二十五件もの質問が上がっておりますので、今回は時間もありますので、今回のこの件につきましてはここで終わらせていただきます。また次回述べさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
148 ◯入江種文副委員長 ほかに質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者がある〕
149 ◯入江種文副委員長 ほかに質疑がないようですので、佐藤委員並びに浜崎委員の知事保留質疑を残し、第一七二号議案の質疑を終了し、企画振興部所管分の審査を終わります。
〔正副委員長交代〕
150
◯江口吉男委員長 次に、総務部所管の審査を行います。
まず、第一七二号議案「平成十八年度福岡県一般会計決算」のうち歳出について説明を求めます。木村総務部長。
151 ◯木村総務部長 総務部所管の決算について御説明をいたします。
総務部におきましては、二款総務費、十二款公債費及び十三款諸支出金を執行いたしております。
それでは、款ごとに平成十八年度福岡県歳入歳出決算概要説明書によりまして御説明をさせていただきます。概要説明書の二十二ページをお願いいたします。
二款総務費の総務部所管分の決算額は四百七十五億一千五百万円余となっております。内訳について御説明をいたします。
一項総務管理費は、二十二ページから二十三ページにかけてでございますが、決算額二百六十四億八千五百万円余であり、その主なものは、職員の人件費及び九州国立博物館運営事業費などでございます。不用額を生じております主な理由は、人件費、県税の還付金及び還付加算金の執行残でございます。
二十四ページをお願いいたします。
三項徴税費でございます。決算額百四十六億九千二百万円余であり、その主なものは、県税の賦課徴収事務費及び税務電算管理費などでございます。不用額を生じております主な理由は、賦課徴収事務費の執行残でございます。
二十五ページをお願いいたします。
四項市町村振興費でございます。決算額四十五億二千八百万円余でございます。その主なものは、市町村振興宝くじ交付金及び市町村合併推進に要する経費などでございます。
二十六ページをお願いいたします。
五項選挙費は決算額八億六千八百万円余であり、その主なものは、知事及び県議会議員選挙費、県議会議員補欠選挙費でございます。不用額を生じております主な理由は、知事及び県議会議員選挙費の執行残でございます。
二十八ページをお願いいたします。
六項防災費でございます。決算額九億三千九百万円余であり、その主なものは人件費などでございます。不用額を生じております主な理由は、防災対策費の執行残でございます。
二十九ページをお願いいたします。
十二款一項公債費でございます。総務部所管分の決算額は千六百八十三億六千六百万円余となっております。その主なものは県債の元利償還に係る公債管理特会への繰出金でございます。不用額を生じております主な理由は、一時借入金の利子及び利息が見込みを下回ったことによる残でございます。
三十一ページをお願いいたします。
十三款諸支出金の決算額でございます。千七百二十八億一千七百万円余となっております。十三款につきましては、すべて総務部の所管でございます。内訳について御説明をいたします。
一項利子割交付金等は、決算額千七百四億一千七百万円余であります。その主なものは地方消費税清算金及び地方消費税交付金などでございます。不用額を生じております主な理由は、株式等譲渡所得割交付金及び自動車取得税交付金の執行残でございます。
三十三ページをお願いいたします。
二項公営企業貸付金は決算額二十四億円でございます。これは工業用地造成事業への貸付金でございます。
十四款予備費につきましては、まことに恐れ入りますが、平成十八年度の福岡県歳入歳出決算説明事項明細書、一番厚いものでございますが、事項別明細書の四百九十八ページをお願いしたいと思います。四百九十八、四百九十九でございますが、予備費の支出額は八千万円余でございまして、不用額は一億一千九百万円余でございます。
総務部における一般会計の歳出につきましては、以上でございます。どうぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
152
◯江口吉男委員長 説明は終わりました。
これより歳入及び歳出の質疑を行います。質疑はありませんか。松尾統章委員。
153 ◯松尾統章委員 もう、こんにちはですね。自民党県議団の松尾統章でございます。
早速、質問に入らせていただきたいと思いますが、今回私が質問したいのが、農政部と水産林務部の再編についてであります。
六月議会におきまして、我が会派の新宮松比古議員が、それこそ行政改革審議会の第一次答申を踏まえた中で、行革大綱を出されたと。その中でも特に我が会派が注目いたしましたのが、農政部と水産林務部の再編、統合といったところでございました。ちなみに、そのときに新宮議員が質問いたしましたのは、それぞれの部が現在持っている機能や能力をそぎ、ひいては本県農林水産業の衰退を招くことにならないのか、極めて危惧しているところでありますといったようなスタンスで質問したわけでございますが、再度お伺いしたいと思います。その目的とは何でしょうか。
154
◯江口吉男委員長 長谷川人事課長。
155 ◯長谷川人事課長 本県の農林水産業を取り巻く状況は、担い手あるいは後継者の不足、海外産品の輸入等による市場価格の低迷など、厳しい状況にあるところでございます。また、産地間競争が激化する中で、農林水産物の販路の開拓、あるいは安全で安心な食の提供など、戦略的な取り組みも積極的に進める必要があり、農林水産業の一層の振興のために体制整備が求められていると考えております。両部はともに第一次産業の振興を目的としておりまして、再編、統合により関連する施策の総合的かつ効果的な推進を図るとともに、新たなニーズにも対応し得る再編、整備を行うということが目的でございます。
156 ◯松尾統章委員 ちなみに、農林水産関係団体はこのことを何と言っておりますでしょうか。
157 ◯長谷川人事課長 先ほど委員のお話にもございましたように、行政改革審議会の答申を受けまして、六月議会に行政改革大綱の案をお示しした際には、関係団体のほうからは部の再編、統合が施策の後退につながることのないよう配慮してほしい旨の意見が出されていると聞いておるところでございます。
158 ◯松尾統章委員 きょうの新聞に、朝刊に、「あまおう」や八女茶がアメリカで販売できるようになった、いわゆるアメリカ進出が成ったという記事が載っておりましたし、また水産におきましても、福岡県は三方を海に囲まれている非常に恵まれた県でございますので、そういった機能的なもので本当に大丈夫かといったような懸念がないわけでもないわけでございます。
今の施策の後退につながることがないようにしなければならないといったような答弁がございまして、まず、このことについては一たんおいて、ちょっと違う角度でお聞きしたいと思いますけれども、先ほど我が会派の六月議会の代表質問といったお話をさせていただきましたけれども、このときに緑友会さんも同じように代表質問しておりまして、我が会派とは違った角度の中で質問されておりました。その知事答弁の中なんですけども、こういったことを知事がおっしゃられております。農政部と水産林務部ですね、この両部の再編、統合を行いまして、そしてこの部分の余力をほかの生活直結型に回していくといったような答弁をされております。ここでお聞きしたいんですが、この再編、統合による余力と言ったのは何でしょうか。
159 ◯長谷川人事課長 知事答弁の趣旨でございますけれども、農政部と水産林務部の統合によりまして部が一つ削減されるということになります。その一方で、今後新たな行政課題に対応していくということが必要でございます。そのための組織整備も必要でございます。具体的には両部の統合、再編を行う一方で、県民生活関連組織の再編、あるいは地域振興機能の強化というものを図っていくこととしておりまして、その中で部の体制について検討しているということでございます。
160 ◯松尾統章委員 課長、ちょっと質問と答弁がかみ合っていないんですけども、この余力というのは何なのかなと。まあ、普通に考えたら、両部が再編、統合して、その分の余力ができる。それはやっぱり予算的なものとか人間的な、労力的なものとか、そういうものを考えるわけですが、いかがですか。
161 ◯長谷川人事課長 人員削減等の問題でございますけれども、組織の検討に当たりましては、基本的にはより簡素で効率的な組織づくりというものが必要となってまいります。一方で、職員数の削減というものにつきましては、新たに一律削減再配分方式というものを導入いたしまして、全庁的に少数精鋭体制の確立に取り組んでいくということにしているところでございます。こうした効率化を図った上で、新たなニーズに対応する体制の整備を図ってまいりたいと考えております。
162 ◯松尾統章委員 質問に的確に答弁していただきたいなと。この余力というのは、そうしたら予算とか金とかいう私の感覚が間違っているのかなと思いますし、どのくらいの余力が生まれるのか、こういったことを考えていかないと、私自身、農林水産の、先ほど衰退にはつながらないといったような答弁がありましたけども、この余力という言い方で、予算と労力というふうに考えれば、この余力が生まれるということで、農林水産においてどれだけの力がそがれて、そしてまた、どれだけの余った力をほかのところに回せるのか、そういったことも我々議会は何も考えられないわけですよね。
そこで再度お尋ねしたいんですけども、そういったことを踏まえて、この農林水産の余力なんですけれども、どれくらいあるのかちょっとお聞きしたいと思います。
163
◯江口吉男委員長 答弁者にお願いします。質問者の質問には的確に、明確に答えるようにお願いいたします。
164 ◯長谷川人事課長 先ほど御指摘がありました、統合による余力というものにつきましては、具体的に人員削減がどれぐらいあるかとか、予算面でどれぐらい出るかということについて、具体的に私ども、今お答えできるような検討はできておりません。余力と申しますと、単に両部の統合による人員とか予算の削減効果を言っているということではございませんで、そういった再編、統合を行う一方で、新たな課題に対応する組織づくりを行っていくという趣旨でございます。両部の統合に関しましては、充実すべきものについてはその体制づくりにしっかり対応してまいりたいと考えているところでございます。
165 ◯松尾統章委員 私が持っている単純な認識は、これは代表質問の知事答弁で出ている答弁ですから、それをもとに、ただ単にそれはどんなものなのかなとお聞きしているだけなんですよね。今、課長がおっしゃられていることは、農林水産だけの話じゃなくて、何か全体的な話とかそういった形に議論が行っているようでして、一番最初にも言いましたように、我が会派が代表質問で、行政改革大綱なるものが出まして、その中でも何でこの農政部と水産林務部、これだけに焦点を当てて代表質問で切り込んでいったか。やはり、それだけこの農政部と水産林務部の再編についてはチェックをしていきたい。本当にこのままやってもいいのか、そういったチェックもしていきたい。そういった気持ちもあるわけですね。そういった意味で、何か知事答弁と課長のお答えがちょっと気持ちが乖離しているというか、改めてこの辺は知事にお聞きしたいと思いますが、知事保留はまた後ほど、最終的に。今回、質問したいことがいっぱいありますので、ちょっと進めさせていただきます。まだ知事保留をしたわけじゃありません。
そこでもう一つ、この答弁の中でも出てきておりますが、知事がこの余った力を生活直結型に変えていくといったような答弁をされておりますけれども、これは具体的にはどういう組織を対象とされているんでしょうか。この辺、検討のことを含めてお聞きしたいと思います。
166 ◯長谷川人事課長 知事答弁の生活直結型ということについては、大綱でもお示ししておりますように、県民生活関連組織の再編ということに当たるわけでございます。少子高齢化などの社会情勢の変化によりまして、子育て支援とか生きがい対策、介護の問題、あるいは県民の社会生活の質的向上といった、県民の生活に関係する行政課題にも適切に対応していく必要があると考えております。このため、これらの事務を所管いたします保健福祉部、それから生活労働部を中心にこの組織の再編を検討しているところでございます。
167 ◯松尾統章委員 この生活直結型ということで、県民生活関連組織の再編、行政改革大綱の中に載っている一つかと思いますが、ほかにも地域振興関係組織の再編といったのもあります。この生活直結型というのも、またいろいろ考えられるんですよね。今、保健福祉部、生活労働部を中心にといった形の組織の再編というふうにありますけども、私は、生活直結型という言葉、知事の答弁からいけば、またいろいろなことが考えられるなと。食のこともそうですよね。それとか、先ほど佐藤委員のほうが空港の問題を話されましたけども、アクセスといったことについても、またその公共投資においても、やはり生活直結型としても、こじつければ考えられるんじゃないかなと。最初にちょっと私が気持ち言ったんですけども、この余った力といったものがどこに行くのかというのは、やはり、それは知事は知事なりに考えているかもしれませんが、議会としては、やはりその辺を、八十八名、やっぱりいろいろな地域の声をもらってから、この議会に出てきているわけでございますので、いろいろな考え方があるんじゃないかな。その辺についても、今後も議論というものが必要になってくるんじゃないかな。今、答弁を聞いてそう考えました。
次に進みます。それで、今いろいろな考え方についてお聞きしてきたわけですが、ちょっと事務的なことについてお聞きしたいんですけども、今後この農林水産の再編のみならず、この行政改革大綱にも書いてありますように、本庁組織の見直しといったような形の中で、どのような体制で、そしてどのようなスケジュールの中で今後動いていくのか、この辺をお聞きしたいと思います。
168 ◯長谷川人事課長 再編のスケジュールと検討体制ということでございます。本庁組織の再編につきましては、行政改革大綱に基づきまして、平成二十年実施に向け検討を現在進めているところでございます。部の再編を行うには部制条例の改正が必要でございます。具体的な案をまとめ、議会で今後審議をいただくということで考えているところでございます。また、新しい組織体制を固めまして、具体的な施策の推進に関しましても予算にも反映させていくということになろうかと思います。検討の体制でございますけれども、現在、人事課におきまして各部の意見を聞きながら、適宜、知事の判断を仰ぎつつ検討を進めているということでございます。できるだけ早い時期に具体案をお示ししていきたいと考えているところでございます。
169 ◯松尾統章委員 じゃ、今後は二十年に開始する中で、部制条例の制定、これが議会の審議が必要である。その中で、また予算に反映する中で、予算審議がまた必要であるといったことであろうかと思います。その辺、今後まだ二十年まで時間がありますので、いろいろとやっていきたいというふうにも思いますが、今回、六月の答申を受けて大綱を出されて、もうあと五カ月ぐらいたっているんですかね。大分、検討内容といったものが進んできているんじゃないかなと思います。ただ、私自身も全部ここで出せとかいう、そういう気持ちの中で質問しているわけじゃありませんで、やはり今後議会が、十二月議会もありますし二月議会もある中で、その中でいろいろ判断材料となるというか、我々も勉強しとかなきゃいけない、そんな気持ちで最初この質問をしたわけでございますが、先ほどから農林水産の衰退につながるのではといったような懸念の中での質問をしましたけども、一方で、私は少しは評価できるんじゃないかなと。
国においても省庁再編を行いまして、十六省庁が十二省庁になったのかな、そういった形の中で、行財政改革というのが進んでおります。県においても行政改革大綱の中で二千五百人の職員数、定員を削減するといったこともされております。本当にその辺は、そういったことに挑戦すると言ったのは立派なことであるなという気持ちもございますが、今後、財政状況が厳しい中、十部を九部にして今後もやっていくといったようなことかと思いますけれども、この本庁再編をどのような姿に再編していこうとしているのか、その基本的な考え方を総務部長にお伺いしたいと思います。
170
◯江口吉男委員長 木村総務部長。
171 ◯木村総務部長 今、先生の御質問にございましたように、行政改革は定数削減を中心といたしまして、交付税が減るというこういう財政状況の中で、我々は実行していくということになります。これはもう全体的に経費節減という観点から、少数精鋭主義という体制の整備をしなきゃならんというのが至上命題でございます。その中で、一方では分権社会の推進だとか、あるいは少子高齢化、あるいは情報化といったような、社会情勢も変化をしてきております。我々もその都度いろいろな組織の見直しをやってまいりましたが、やはりこれからの県の役割をしっかりと考えて、抜本的にこれからの時代に適応するような組織にやっていかなければならないという認識をいたしております。
そういうことで、本庁の新しい県庁づくりといいますか、そういう意味での組織再編を行うということにいたしているわけでございます。そういう観点で新しいニーズに的確に、あるいは総合的に対応していけるような組織の再編をやる。あるいは先見性だとか、あるいは専門性を持った先導的な政策立案能力を発揮できる組織にしていく。それから、やはりこれからの県は広域調整機能というのが大事になってまいります。これを強化していかなきゃならんし、それから地方分権が進む中で、やはり個別の市町村の機能向上についても支援していかなければならない。こういうことを念頭に、組織の再編を検討してまいりたいと思っております。
172 ◯松尾統章委員 部長のいろいろな気持ちはわかりました。今後、十部を九部にして九部でずっとやっていく中で、大変じゃないかなというふうにちょっと思うんですけども、この問題につきましては、改めて知事にお考えを聞きたいなと。特に先ほどの、知事答弁と長谷川人事課長のおっしゃっていることのところに温度差があるというか、えらい乖離があるなというふうに思っておりますし、また、いろいろな水産林務部の衰退につながるのではないかといったような懸念がある中で、ぜひともお聞きしたいと思いますので、委員長にぜひ取り計らいのほどお願いしたいと思います。知事保留をですね。
173
◯江口吉男委員長 ただいま松尾委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることといたします。
なお、知事保留質疑は十一月八日に行う予定でありますので、御了承願います。
174 ◯松尾統章委員 終わります。ありがとうございました。(拍手)
175
◯江口吉男委員長 この際、しばらく休憩いたします。
再開は十三時五十分をめどに、放送をもってお知らせいたします。
午 後 零 時 五 十 分 休 憩
午 後 一 時 五 十 分 再 開
176
◯江口吉男委員長 ただいまから委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き議事を進めます。
質疑はありませんか。宮浦委員。
177 ◯宮浦 寛委員 私は未利用の県有地の処分を中心に質問させていただきます。
まず、質問に入ります前に、私は不動産売払収入についての決算についての資料を求めていますので、配付について取り計らいくださいますようにお願いいたします。
178
◯江口吉男委員長 お諮りします。ただいま宮浦委員から要求のありました資料を委員会資料として要求することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
179
◯江口吉男委員長 ありませんので、本委員会の要求資料といたします。
執行部に申し上げます。ただいま宮浦委員から要求がありました資料について、提出できますか。久保田管財課長。
180 ◯久保田管財課長 直ちに提出できます。
181
◯江口吉男委員長 執行部提出資料を正副委員長に確認させてください。
〔資料確認〕
182
◯江口吉男委員長 ただいまより宮浦委員要求資料を事務局から配付させます。
〔資料配付〕
183
◯江口吉男委員長 資料の配付が終わりましたので、宮浦委員は質疑を行ってください。
184 ◯宮浦 寛委員 民主・県政クラブ、宮浦寛でございます。
それではまず、ただいま配付されました資料につきまして、資料の見方とあわせて説明をお願いいたします。
185 ◯久保田管財課長 お手元配付の資料で御説明いたします。
一ページは、十八年度管財課が所管しております売払収入で、十八年度当初予算計上分でございます。下段一番左側に予算額十三億円余、その右側に決算額十億円余とお示しいたしております。
二ページは、予算計上以外に売却が実現いたしました七億円余の内訳であります。その下段に改めまして総計で予算額十三億六千三百万円余に対し、決算額十九億五千九百万円余をお示しいたしております。
三ページにつきましては十九年度予算の内訳で、下段、総計二十九億円余となっております。
一ページをごらんいただきますと、大きく四区分でお示しをいたしております。いずれも表等右側から二番目に
予算見積額、右端に売却額を掲げております。上下に大きく四つに区分しておりますが、最上段に一般競争入札対象物件を掲げております。すべてが落札ということにはなりがたく、過去の実績等も踏まえまして、
予算見積額の四割相当額を予算計上させていただいております。二段目は都市近郊の大型物件で、見積額の全額を予算計上、三段目は市町村等に対する随意契約予定物件で見積額の全額、四段目はかつての入札不落物件で、不動産業協会員等へのあっせん依頼予定物件を掲げております。
以上でございます。
186 ◯宮浦 寛委員 それでは、県有地、この公共用地の区分でございますが、行政財産と普通財産について、その区分、用語の説明についてちょっと整理をしていただけませんか。
187 ◯久保田管財課長 県の財産は、地方自治法に基づきまして行政財産と普通財産に区分をされております。行政財産につきましては、公用あるいは公共用に供し、または供することを決定した財産、普通財産はそれ以外の一切の財産をいうということにされております。ここに提出いたしております未利用地等につきましては、公用・公共用の用途を廃止いたしておりますので、普通財産に分類されるということになっております。
188 ◯宮浦 寛委員 それでは、配付資料の十八年度の決算額を見させていただきました。その中で私は、今回配付をされました決算資料について比較をさせていただいて、この決算の事項別明細書、また決算の概要説明書の中で、なかなかこの数字を見つけることができませんでした。そこで、十八年度の当初予算の予算書の中に数字がありまして、またこの予算書の中には不動産売払収入として、管財課、企画調整課というのが説明欄に記載をされて、当初予算の額が示されております。そしてまた、十九年度はこの二課に続いて土木管理課の所管ということで予算が計上されています。この三課に予算、決算が分かれていることについて説明をお願いいたします。
189 ◯久保田管財課長 普通財産の処分に関する事務は総務部で行うこととされておりますが、必要に応じまして当該財産を管理している部局に処分事務を行っていただくことができるというふうにされております。一般的には総務部のほうで一般競争入札を行うわけでございますけども、県の特定の行政分野に関連いたしまして、その目的等を踏まえて売却を行うような場合は、当該部局で処分事務を行うこととされておりまして、そのような観点から企画調整課あるいは土木管理課等が計上されているということでございます。
190 ◯宮浦 寛委員 それでは、十八年度決算収入、これは不動産売払収入の管財課の分についてお聞きをしております。この十八年度決算収入十億円余りのうち、資料の中で予算計上分の収入が約十一億円余り、計上外の収入が七億円余りとなっています。予算に出てこないものについて七億円余り売却をしたと、これが全体の四〇%という高い比率を示しているのはどういったことでしょうか。
191 ◯久保田管財課長 資料一ページ下段でお示しをいたしましたように、まず予算計上分、予算十三億円に対しまして売却十一億円余ということで、おおむね八六%を確保いたしております。上段のほうに入札予定物件を掲げておりますが、入札予定といたしておりましても、例えば市町村から随意に取得したい意向が示されたり、あるいは権利関係の整理等により入札に付せないといった場合も生じます。逆に、市町村から従来の売却協議が進展をいたしましたり、あるいは狭小地、狭い袋路でありますとか、そういったものに関しまして、隣接者等から購入希望等が生じる場合もございますので、予算外に新たに売却可能といったような事態も生じるところでございます。十八年度決算につきましては、確かにかなり予算計上外が多いという状況はございますが、歳入確保のために最大限の努力をした結果であるというふうに御理解を賜りたいと思っております。
192 ◯宮浦 寛委員 この予算に出てこないまま土地がこんなにたくさん売られるという状況は、私は正常ではないと感じていますが、十九年度の予算執行においても同様のことが考えられるのでしょうか。
193 ◯久保田管財課長 管財課におきましては、年度内に大体三回入札を行うようにいたしております。六月、十月、年明けの二月ということでございます。現在二回の入札が終わったという状況にございます。予算は先ほど御説明いたしましたように、二十九億円余ということになっておりますが、二回の入札を終わりました段階で五億円程度という状況になっております。あと、三回目に準備を整えまして入札にかける物件も多うございます。十九年度につきましても、歳入確保の観点から売却に向けて精いっぱい取り組んでまいりたいと考えております。
194 ◯宮浦 寛委員 それでは、一体この予算に出てこない売れる土地があるということの裏返しであろうかと思いますが、そもそも、この処分可能な県有地の総量というのはどこで示されるものでしょうか。
195 ◯久保田管財課長 未利用県有地につきましては、先ほど申しましたように行政財産の用途廃止等に伴い、年度の中途で増加する場合もございますし、逆に、先ほど申しましたように年度内に処分すれば減少するということで、非常に流動的状況がございます。ちなみに、平成十九年十月二十五日時点で処分対象となる未利用地は九十七件、約十一万平米というふうに整理をいたしているところでございます。新たに発生いたします未利用地につきましては、用途を廃止する段階で各課のほうから管財課で把握をいたしまして、そのすべてが即座に売却可能というわけにもまいりませんので、庁内関係課で処分可能の未利用地の選定というものを毎年度行っているということで、先ほどの数字を整理いたしているというふうな状況でございます。
196 ◯宮浦 寛委員 確かに今、処分可能な数字として、ホームページ上でも示されているわけですが、約十一万平米あるという御説明でしたが、先ほどの行政財産の用途を廃止したという説明のくだりともあわせまして、実はこの決算資料の中で財産に関する調書というのがございます。この中には、行政財産の平米数の増減、そして普通財産の平米数の増減というのが示されています。このうち普通財産の土地に係る残高について、ここの数字では百七十四万平米と記載をされています。御説明では処分可能な土地十一万平米という話がありました。普通財産は百七十四万平米あると。このけた違いの数の差というのはどんなふうにとらえればいいのでしょうか。
197 ◯久保田管財課長 普通財産につきましては、先ほど申しましたように行政財産の用途廃止といったような状況がございますが、例えばでございますが、職員住宅でありますとか、そういったものを順次縮小なりしていっている状況でございますが、そういったものにつきましてもかなりのものを抱えているわけですけども、一定の整理がつかないと処分対象にならないといったことで、そういったものが含まれているということです。
198 ◯宮浦 寛委員 そういう説明であろうかと思いますが、この百七十四万平米に対して十一万平米というですね、けたが違うんですよね。そういった事務の手続、整理が進んでいないという説明だけでは、ちょっと理解をしがたいんです。単純に考えますと、普通財産と処分が可能な土地の総量というのはほぼイコールになってもいいのではないかというふうにも考えられるわけですが、このあたり、どうお考えでしょうか。
199 ◯久保田管財課長 繰り返しになりますが、例えば権利関係の整理とかそういったことも伴ってまいりますので、即座に処分できない。先ほどちょっと申し上げたかと思いますけども、一つ、さっき職員住宅を例示させていただきましたけど、例えば高校の再編に伴う学校用地と、そういったものも生じてきているという状況でございます。
200 ◯宮浦 寛委員 決算資料については、地方自治法上定められている様式を使っておりますので、限界点はあるかと思いますが、この不動産売払収入の決算額について、先ほど言いました事項別明細、そして決算概要の説明の関連がちょっとわかりにくいという現状は意見として伝えておきます。
そもそも、先ほどの質問にまた戻りますが、予算計上なしにこの処分が進んでいくという現状についてであります。決算総額で見ると、確かに予算を確保するために土地を売って決算額を確保したというような計上がされてありますが、実態は、売り払われた明細を見ると、予算に計上されていない土地を追いかけて売却をし、帳尻を合わせているように見受けられます。予算の仕組み、あり方として、この現状をよしと考えられるのか。この点については部長のほうにお答えをお願いしたいと思います。
201
◯江口吉男委員長 木村総務部長。
202 ◯木村総務部長 県有財産の処分につきましては、今、管財課長がるる御説明申し上げましたように、なかなか処分できる状態になっても売れる、売れないという話もございますし、それから、用途廃止になってもすぐに売却手続ができないというようなこともございますので、そういう流動的な中で予算を見込み、またそれを確保していくという作業を行っておりますので、こういう結果になっておるというふうに認識をいたしております。
203 ◯宮浦 寛委員 それでは、県有地の処分、管理等を含めまして、この遊休地処分予定地に係る所管部課の考え方を明らかにしてください。
204 ◯久保田管財課長 重複いたしますけども、行政財産につきましてはそれぞれの事務事業を所管する部で管理し、その用途を廃止するなどして生じました普通財産につきましては、原則、総務部に引き継ぐこととなっております。未利用地につきましては、県下に広く点在をいたしておりまして、不法占有の防止でありますとか、繁茂した雑草の除草とか、そういった適正な管理を行う必要がございますので、従来からの管理部局が引き続き管理し、売却に向けまして具体的な対応を行う段階に至りますと、総務部に引き継ぎまして処分事務を進めているという状況でございます。
205 ◯宮浦 寛委員 前段に少しお聞きをしましたが、土木部、そして企画振興部の所管分は、具体的にどういった土地がここの所管になって売り払いが行われているのか、お聞かせください。
206 ◯久保田管財課長 企画振興部につきましては九州大学学術研究都市関連の用地、土木部所管の分につきましては新北九州空港連絡道路関連の物件というふうに把握しております。
207 ◯宮浦 寛委員 それではもう一つ、処分に関する意思決定と売却手続の具体を説明してください。
208 ◯久保田管財課長 未利用県有地の処分に当たりましては、まず県での利用可能性の有無、次に地元市町村での取得意向の有無、これらがない場合につきましては原則一般競争入札による売却などを進めることといたしております。処分に係ります意思決定につきましては、物件の時価評価額に応じまして、知事、副知事、総務部長と、各段階の決裁によることとされております。売却につきましては、一般競争入札を原則といたしまして、先ほど申しましたように年三回行っております。具体的には、公告あるいは県ホームページによる告知などを行いました後に現地説明会を行いまして、入札、契約、登記といった一連の手続を行っているという状況でございます。
209 ◯宮浦 寛委員 それでは、私は先日の保健福祉部の説明の中で質問をさせていただいた項目でございますが、早良区百道にあります松風園跡地について少しお尋ねをします。先ほど配付をされました十九年度予算額の資料の中に、この松風園跡地が十九年度の予算として計上されています。保健福祉のほうに私がお尋ねをしました、この土地について処分なり、今後どうなるのかという問いに対して、保健福祉部のほうでは、現状では未定だというような回答がございましたが、どうしてそういう回答になったのかお聞かせください。
210 ◯久保田管財課長 児童家庭課のほうでは、今後、処分等について検討を行っているというふうにお答えしたものと理解いたしております。一つは、地元の住民の方がこの用地をグラウンドでお使いになりたいというお話を、所管の児童家庭課のほうに受けられていたという状況で、それに関連いたしまして、処分をするまでという前提を置いた上で、その間につきましては、例えば市役所に窓口になっていただくとか、そういうことがお受けいただけるのであればグラウンドを利用していただいてもというやりとりをされていた段階にあるということで、そういった答弁をされたのではないかと受けとめております。
211 ◯宮浦 寛委員 十九年度の予算にも売払収入として計上されております。もう売れる体制になっている様子であるんですが、どうして管財課に引き継がれていないのかお聞かせください。
212 ◯久保田管財課長 先ほどの関連でございますが、最終的に売却可能になるような段階で、私どもが引き継ぎを受けているという状況でございます。いま一つ、先ほどの繰り返しになりますが、現地の方とのやりとりもまだ完全に決着といいますか、そういったところもあろうかと思っております。
213 ◯宮浦 寛委員 ちょっと現地の状況等も報告がありましたが、この松風園跡地、予算額としては十九年度売払収入の半分以上を占める十六億円という概算額であります。こんな大きなものについて、まだきちんと判断がなされていない中で予算に計上されるということが、ちょっといかがなものかという気もするわけでございますが、そもそも、この松風園跡地の活用について、県庁内、全庁内での意思疎通はできていたのかということ、そしてあわせて、県の事業として利用の可能性というのは十分に検討されたのかどうか、その点についてお聞かせください。
214 ◯久保田管財課長 先ほど申しましたように、全庁で未利用地等については協議する場を設けておりますので、意思疎通はできているものと理解をいたしております。
215 ◯宮浦 寛委員 今の質問の中で、県の事業での利用の可能性もあわせて十分に検討されたということととらえてよろしいですか。
216 ◯久保田管財課長 全庁的に、私どものほうにこの用地を行政目的等で使いたいというふうな意見は寄せられておりません。
217 ◯宮浦 寛委員 それではいよいよ、この早良区の松風園跡地について、今後どうしていかれるのか説明をお願いいたします。
218 ◯久保田管財課長 財産売払収入の確保は非常に重要と思っております。都市部にある非常に優良な物件であろうかと思いますので、処分に向けて調整を図っているという段階でございます。
219 ◯宮浦 寛委員 それでは、先ほどの説明にありました公共用地の活用については、県の事業で活用ができないかどうかを検討した後、次には地元の地方自治体に公共用地としての活用の意見を聞いていくというような説明があったかと思います。これまで関係市町村であります福岡市へ公共利用として意向はちゃんと聞いてあるのでしょうか。それを聞いたとすれば、いつごろ聞かれたのかお聞かせください。
220 ◯久保田管財課長 平成十五年三月にこの施設が廃止をされたわけですけど、その際に保健福祉部局のほうから福祉施設等の利用を打診したという経緯がございました。その際は利用意向は示されていないと。この間も保健福祉部で管理をしていた関係もございまして、福祉施設なり教育施設としての活用打診をしてきたところですけど、特段の意向も示されていないと。また、先ほど申し上げましたように、地元住民の方のグラウンド使用等の関連もございまして、接触機会もございましたが、購入等の打診は受けておりません。私どもとしては、市のほうからも取得意向がないというふうに受けとめておりますので、最終的に文書で回答いただく手続をとりたいと考えているところでございます。
221 ◯宮浦 寛委員 その文書で意向の手続を伺いたいということでありますね。私が入手した情報によりますと、現在、福岡市の各部局の中で、この土地について活用についての意思を問う文書が流れているというふうに聞いております。ということは、福岡市はまだ、特に福岡市長新体制になった後を含めて、この土地について、市として活用についての意見を述べていないのではないかというふうに思いますが、まず、この文書、そういったことを聞いているということは事実でしょうか。
222 ◯久保田管財課長 照会文書を発出いたしております。
223 ◯宮浦 寛委員 それは一体いつごろ集約ができるとお考えですか。
224 ◯久保田管財課長 一月ほどの期間を設定させていただいておりますので、十一月下旬までには御回答いただくものと考えております。
225 ◯宮浦 寛委員 前段の説明では、活用について意向がないことを確認する手続をとっているというような答弁でありましたが、今の直近の答弁の中では、これは意向があるかどうか再度聞いているような文書、私はそんなふうに聞いているんですが、そこの事実に相違はないですか。これからまた新たに活用についてもう一度聞き直しているというふうに私は聞いています。そういったことの結論が出る前に、売却ありきというスタンスを崩していない説明がこれまでずっとされてきたわけですが、そのあたりについていかがでしょう。
226 ◯久保田管財課長 申しわけございません、先生。もう一度御趣旨を、申しわけございません、もう一度。
227 ◯宮浦 寛委員 前段の説明の中では、福岡市は活用の意思がないという意向を確認する手続をこれからとっていくという答弁が最初になされました。その後、私の質問に対しては、一カ月間程度の猶予をとって、再度福岡市に活用の意図はないかという、もう一度新たに聞き直しをしているという文書が発せられているようです。私もそういうふうにお聞きをしておりますが、福岡市に活用の意向がないということは今の時点では判断をしがたいと思うんですが、そこについてはいかがでしょうか。
228 ◯久保田管財課長 先ほど御説明をいたしましたが、これまでの感触からして意向はないと受けとめてはおりますが、手続的にも当然、地元市町村に御意向を確認するというのがございますので、今、文書を発出しているというふうなことでございます。
229 ◯宮浦 寛委員 ちょっと時間の関係もありますので急ぎますが、この早良区百道松風園の場所については、重ね重ね言いますが、福岡市の都心部の貴重な公共用地であるわけであります。この現地については、県の財政状況もありましょうが、まず売却ありきではなく、地元市町村である福岡市ときちんと活用についての協議を重ねた上で、今後の処分について判断をすべきという意見を述べさせていただきます。
それとあわせて、この未利用県有地の取り扱いについてでありますが、私がこうやって議会の中でお聞きをしても、非常にその計数等を含めましてわかりづらい状況にあります。県民にとってはなおさらではなかろうかと思います。そういったところで、三点要望と意見を述べさせていただきます。
一点目が、不動産売払収入について、先ほどの質問をいたしましたように、予算外でこんなにたくさんの売り払いが行われているということは、ちょっといかがなものかと思います。私は計画的、そして明確な予算計上の仕組みづくりをなされるべきだと思います。そしてまた、この未利用県有地の活用計画については、市民、県民への明瞭な説明の必要があると思っています。そして三点目でありますが、この決算資料のあり方であります。地方自治体によっては、この財産に関する調書に付随をして、この調書の明細というものを決算資料の中で出している自治体もあるわけであります。その普通財産の示し方について、例えばこの普通財産の区分として、さらに間接的に行政の執行に寄与する財政財産といいましょうか、そういったものと、収益を主とする収益財産等に分けるなどして、計画的な県の財政運営を行うためにも、私はこの未利用県有地の管理、取り扱いについて、明確、そして効果的な執行が行われるように要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
230
◯江口吉男委員長 ほかに質疑はありませんか。森下委員。
231 ◯森下博司委員 公明党の森下博司でございます。
通告にあるように、県税収入と財政改革について質問いたします。後がつかえていますので、簡単にいきたいと思っています。
まず、本県における滞納額、いわゆる収入未済額でございますが、平成十四年度は二百六億円ありました。平成十八年度の決算では百七十七億円まで減少し、差額三十億円の削減がなされております。これは税務職員の努力は私は認めるところでありますけれども、まだ高額な百七十七億円という滞納額、これがあるわけです。県では本年の六月に新財政構造改革プランを策定し、新たな財政需要に的確に対応していくとともに、今後見込まれる財源不足の圧縮に努めて、将来にわたり安定した財政基盤を構築するため、その取り組みであると私は理解しております。その中でも県税収入の確保対策が非常に重要になってくるのではないかと考えております。
ここで資料要求として、十八年度の県税の収入未済額の一覧と県税事務手当、この資料をあらかじめ執行部にお願いしておりますので、委員長、よろしくお願いいたします。
232
◯江口吉男委員長 お諮りいたします。ただいま森下委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
233
◯江口吉男委員長 ございませんので、本委員会の要求資料といたします。
ただいま森下委員から要求がありました資料について、執行部、提出できますか。西村税務課長、大丈夫ですか。
234 ◯西村税務課長 直ちに提出できます。
235
◯江口吉男委員長 提出予定の資料を正副委員長に確認させてください。
〔資料確認〕
236
◯江口吉男委員長 それでは、森下委員要求の資料を事務局から配付させます。
〔資料配付〕
237
◯江口吉男委員長 資料の不備はありましたですけども、そろった資料について一応配付が終わりましたので、まず提出資料について、森下委員、質疑を行ってください。
238 ◯森下博司委員 では、県税事務手当は最後に回したいと思います。
最初に、平成十八年度の県税収入の決算概要、簡単に説明をお願いいたします。
239 ◯西村税務課長 お手元に配付した資料でございますけども、過去五年間の県税の収入未済額を主な税目ごとに整理したものでございます。未済額が大きいものにつきましては、個人県民税の約六十三億円、それから自動車税が約四十一億円。なお、不動産取得税及び軽油引取税につきましては、収入未済額の多くが制度的に徴収猶予されたものでございます。例えば不動産取得税は、土地を取得した後、住宅が完成するまでの間、徴収を猶予し、その後減額措置されるものでございますけども、そういったものも含まれております。また軽油引取税につきましても、これは販売時に税を徴収するような制度でございますので、販売そのものが売り掛けで販売した場合、税がおくれますので、その分についての徴収の額も含まれているものでございます。
240 ◯森下博司委員 この資料にもありますが、県民税、自動車税、不動産取得税で全体の七四・一%という未済額であります。額にして百三十億、多くはこの個人県民税。この滞納をどうするかということを、やはり大きな課題じゃないかと思います。それで、まず個人県民税についてお尋ねをしますが、県では二、三年前から直接徴収を実施していると聞いていますが、その概要についてまず答えてください。
241 ◯西村税務課長 御案内のように、個人県民税につきましては市町村が課税して徴収するような形になっております。十七年度に地方税法が改正されまして、それまで県がなかなか関与できなかったわけでございますけども、県が直接に関与できるような制度ができたわけでございますけども、それに基づきまして、平成十七年度から直接徴収の施行をとり行っているところでございます。高額滞納事案につきまして、十七年度は百八十件、十八年度が高額滞納事案二百六十件ほど引き受けて、県のほうですべて、差し押さえ等含めて租税の債権の確保を行っているところでございます。
242 ◯森下博司委員 県が直接徴収を実施しても、私は限界があるんじゃないかと思います。個人県民税の徴収は原則として市町村が実施すると。やはり市町村の徴収能力、これを引き上げることは有効じゃないかと思います。以前、我が会派の高橋県議が一部事務組合を設置してはどうかとの提案も行ったことがありますけれども、県ではこの個人県民税の徴収対策として、市町村の徴収能力、これを引き上げる方策とか、何か今やっていること、この辺についてお答えください。
243 ◯西村税務課長 委員御指摘のとおり、市町村の徴収技術の向上を図ることが極めて重要であるというふうに認識しておるところでございますけども、本県におきましては政令市さんが二つございます。いわゆる徴収技術の高い市町村と、なかなか徴収技術が進んでいない市町村との格差がございます。そういった中で一部事務組合をつくることにおいてスケールメリットがあるのかというふうなところでも検討してきたことがございます。そういった中で、現段階では地方税収の対策本部を税務課の中に据えております。市町村との連携を調整する推進班、それから実際の差し押さえ等を行う特別機動班という形で体制をつくっておりますけども、今年度の前半につきまして、市町村のほうに直接徴収を含めての職員派遣をしております。身分も県職員市町村併任発令をいたしまして派遣をしていると。また、年度の後半につきましては、市町村のほうから今度は身分を併任いたしまして県職員というふうにいたしまして受け入れをしていると。そして県と市町村の職員が一緒になって徴収をしているというふうな状況でございます。
244 ◯森下博司委員 地方税収対策本部が設置をされたというのが、話を聞けばことしの春、地方課長が本部長としてされていると。このところが、私どもが提案をした一部事務組合という設置にかわるところだと思いますが、今課長が説明された中で、県職員の派遣、また市町村からの研修生の受け入れ、そして今まだ十九年度の途中でありますけれども、何らかの成果がこの上半期であらわれておれば、それもお答えください。
245 ◯西村税務課長 今年度の前半でございますけども、二人一組でほぼ一週間、毎日市町村のほうに派遣をしております。この中で、今まで差し押さえ等のノウハウがなかったわけでございますけども、差し押さえ中心の督促に切りかえていくという形の中で、成果額としての一億六千万ほどの成果が出ております。さらには今年度の後半から七市町、これは田川市、それから中間市ほか七市町の職員を受け入れるわけでございますけども、この成果といたしましても、先月の十月に既にもう、うきは市では捜索ですね、うきは市の職員を中心にして捜索も実施したところでございます。船舶ほか動産を含めて差し押さえしていると。そういう形の中で、非常に差し押さえ中心の債権確保に努力しているところでございます。
246 ◯森下博司委員 福智町ほか三町に六名。この六名は県税事務所からの派遣じゃなくて、税務課から行っている、本庁から出ている。私は粕屋郡のある町役場に視察というんですか、事情聴取に行きましたけれども、やはり市町村の役場の徴収係の人は、余り身近な、要するに住民と顔なじみであって、その人の家庭の中までよくわかるので、徴収しにくい。だから、こういった直接徴収を県の人が一緒に来てこれをやることによって、徴収率が上がるんだと、こう言われました。だけども話を聞けば、税務課からわずか六名。そして福智町、六十六市町村ある中でわずか三町であると。私はここのところに、もっと現場同士で、役場の税務課と県の県税事務所で協議の場をつくりながら情報交換し、そして地域に適した税収対策、これをしっかり積み上げていくということが大事と思います。口とか指導とかアドバイスとか、そんなのは要らない。一緒になって徴収に行ってあげる、このところが非常に私は大事と思います。
時間がないから要望にしておきますけど、ぜひこれは検討してください。それから十二月は、来月始まりますが、整理強化月間になると聞いています。ボーナス時期でもございますので、全庁挙げて、この税務課、また県税事務所の職員と一丸となって、この税の納入、滞納を減らすための最大の努力もお願いをしたいと思います。
次に行きます。次に、二番目に多い収入未済額の自動車税であります。私がちょっと気になっているのが、車のナンバープレートを見ていると、他県ナンバーをよく福岡県の中でも見かけます。それは観光で来ている人もおるでしょう。これは定置場が福岡県にあるにもかかわらず変更登録をしていない、こういった車もかなりあると、こう聞いています。それで、変更登録の事務を行う陸運事務所に問い合わせてみたところ、受け付け時間が何と六時間しかない。夕方四時になったら、それはもう閉店ということがわかりました。福岡県にある自動車は積極的にこの変更登録を陸運事務所等に申し入れて、ぜひこれは推進していったらどうかなと思いますが、この点まずお答えください。
247 ◯西村税務課長 変更登録につきましては、この間、ポスターとか広報を含めて周知を図ってきたところでございますけども、税の中では他県ナンバーというのは課税の台帳の中に掲載されることがないような形になります。定置場がこっちのほうに正式に移動されていって課税が始まるというふうな形になろうかと思っておりますけれども、ただ、そういうふうに県民の利便性を図ると、容易に変更等ができるような形というのを、今の国土交通省、それから総務省、それから各都道府県一体となって、いわゆる自動車関連の手続について一元化を図っていくと、そういうことについて今検討しているところでございます。
248 ◯森下博司委員 ありがとうございました。
もう一つ、自動車税に関して。五月の末が一つの期限、納期限になるんですが、六月一日の時点で滞納件数を調べると、六十四万九千台あります、滞納している車の台数が。全体では、福岡県が調べると百七十八万八千台。だから滞納している件数は割合でいけば三六%。それで、二年前ぐらいに自動車係をつくりまして、十二の県税事務所の中に八つの事務所があって、その八つの事務所の中に自動車係がいますよね。調べると七十一名います。この七十一名で滞納している、単純に割ると、一人が九千台担当ということになるわけですよ。こんなことを私は、何ぼあるんですか、四十一億あるわけです、滞納額が。これを回収するというのは至難のわざだと思うんですよ。
それで私は、例えば民間でできることは民間でしてもらったらいいと思いますので、これはコールセンター事業というのがあります。これを利用してテレワークによる督促、優秀な職員が電話で督促をするようなことはね、これは必要ないと思うんです。それはもうプロのテレワークでお任せしてやっていただき、外注すると。そして職員はしっかり汗をかく、しっかり回収に回るということのほうが、もっと理があるんじゃないかと思いますが、答えてください。
249 ◯西村税務課長 実際の電話の督促、催告につきましては、大体一週間に一、二回ほど夜間の催告をやっております。ただ、基本的には民間にできるものは民間でやっていくと。私どもは公権力の行使ですね、差し押さえ、捜索等を中心にやっていくというふうな形の方向性で、今、税務の組織についても見直しを図っているところでございます。コールセンターにつきましては、そういう観点からも含めて、なかなか今、電話の判明率が非常に低調な形がございます。携帯電話等が随分進歩しておりますので、その電話の判明率みたいなことが非常に低いような形になっておりますので、そういった面からも、効果があるかどうかを含めて研究をしてまいりたいと考えておるところでございます。
250 ◯森下博司委員 前向きにしとったほうがいいと思うよ。効果がどうだとか、やる前からそんなことを考えるんじゃなくて、研究を本当にこれはしないと、大変でしょうが、九千台の人をやるということは。時間がないけん言いませんけど、強く要望しておきます。絶対これはやるべきだと思います。
次の質問に移ります。全国に不正軽油、これが多く流通していると新聞でも読みました。不正軽油に対する本県の対策の現状と今後の取り組みについてを伺いたいと思いますし、また、あわせて路上の抜き取り調査、これも警察とあわせて税務課のほうで仕事をされていると。そのこともあわせて、その成果についてまずお伺いしたいと思います。
251 ◯西村税務課長 軽油引取税につきましては、広域調査班を税務課の中に据えております。県内を全部集中化して調査体制をつくっております。日々、抜き取り調査を含めてやっておりますけども、脱税に関しても、平成十六年度においては実刑の懲役刑を課するというような形も行ったところでございます。さらに軽油につきましては、流通税ということでございますので、非常に広域的な形で、九州ブロックの中でも意見を協議しながら、課税の捕捉に努めているところでございます。また、民間の石油商業組合あるいはトラック協会等の関係団体とも連携しながら、いわゆる不正軽油のホットラインというのも据えてやっているところでございます。
この実績でございますけども、年間の抜き取りが大体四百九十五本ほどございますけども、そのうちに不正軽油は二十二本発見されております。これを契機にしながら更正・決定をやっているわけでございますけども、更正・決定額といたしましては約一億円の額を課税しているところでございます。
252 ◯森下博司委員 不正軽油の摘発というのは税の公正・公平な面から大事と思いますが、かなり経費がかかる作業だとも聞いています。それから摘発して滞納になっては何にもなりません。そういう面では、税が回収できる見込みを立てながら、水際で行動を起こして、そして、やはり脱税というところまで行かないで、何とか警察との連携をとりながら、ぜひこの軽油引取税のプッシュというか、回収に努めていただければと思います。
じゃ、県税の最後の質問ですが、先ほど委員長、県税事務手当についての資料だけ皆さんにお配りをお願いしたいと思います。
253
◯江口吉男委員長 西村税務課長、大丈夫ですか。
254 ◯西村税務課長 資料が用意できておりますので、配付させていただきます。
255
◯江口吉男委員長 じゃ、正副委員長にまず見せてください。
〔資料確認〕
256
◯江口吉男委員長 それでは、森下委員要求の資料の配付を行ってください。
〔資料配付〕
257
◯江口吉男委員長 資料の配付が終わりましたので、森下委員、質疑を行ってください。
258 ◯森下博司委員 県税の最後の質問でございます。県税事務手当については、努力した者が報われるように月額から日額に変更するべきではないかと私は以前から主張してきましたけれども、やっと今年度から日額に変更されました。この資料を見られるとわかるように、十八年度の支給額が、税務課も合わせて一億八百万の支給額であります。ところが、十九年度上半期、この四月から始まりましたから、上半期の六カ月を見ると、三千七百万円余、単純にこれを二倍にすると七千四百万、差額にして三千四百万が削減ということになるやと思います。私はよいことだと思います。その支給額に当たっても、今度は、今、日額になっていますが、聞くところによると自己申告制であると、この日額も。不公平が生じないように、これはしっかり運用しなければいけないと私は思います。そこで、税務課が所管課としてきちんと指導する必要があると私は思いますが、税務課長の考えをお聞かせください。
259 ◯西村税務課長 委員御指摘のように、今年度から日額の手当になっております。昨年までは月額一万三千五百円のところが日額、差し押さえ等をすると一日八百円と。二十日すると一万六千円になりますので、手当としてはふえると。ただ、要するに汗を流す分だけその分の手当がふえていくという形で、非常にいいインセンティブが働いているというふうに実感しているところでございますけども、ただ、何しろ本人の申告制ということで、若干の不公平が生まれているという実態も聞いております。この場合、所長会議等を含めて、そのあたりの適正な申告を行うようにと、きちっと確認をして行うようにという形で、所長会議を含めて指導しているところでございます。特に現場の係長、課長さんが確認するのが一番だと思っておりますし、それの報告を受けて、税務課としてもさらにチェックをしていきたいと考えているところでございます。何しろ、実施をして六カ月を過ぎたところでございますので、運用等の課題については改善すべきところは改善していって、最大限公平な体制をつくっていきたいと考えているところでございます。
260 ◯森下博司委員 課長、所長を集めて会議等でこの基準等を話すのも大事だけれども、ぜひ、十二しかない県税事務所ですから、課長みずからが行ってみて、その現場でやりにくいかもわからないし、申告しにくいかもわからない、いろいろあるかもわからないので、ぜひ自分の目で確かめていただければと思います。
最後の質問で、歳出削減の観点から、県の公報についてお尋ねしたいと思います。
県の公報は、毎週月・水・金に印刷発行されておりますが、この費用は十八年度で約一千六百万円となっております。しかし情報化が進んだ今日、公報の内容は県のホームページでも閲覧することができますし、必要があればその都度プリントアウトすればいいわけであります。印刷物として公報が果たして必要かどうか、私は疑問に思っていました。他県の例を見ますと、愛媛県では公報の印刷を廃止することによって、それまで年間に一千五百万円かかっていた費用が五百万円でおさまると見込まれておりますし、鳥取県では公報の発行部数を十部に減らし、その印刷事務を直営で行っており、その必要経費は年間で二千二百万円かかっていたものが二十万円に削減見込みと言われています。
本県もホームページ、またインターネットの普及も進んでいることから、この際、本県においても経費節減に向けて県の公報紙の印刷の発行の廃止、これをやることによって事務の効率化、経費削減を図ることができるんじゃないかと、こういうふうに思いますので、前向きな答弁をお願いしたいと思います。
〔正副委員長交代〕
261 ◯入江種文副委員長 米澤行政経営企画課長。
262 ◯米澤行政経営企画課長 県の公報につきましては印刷物の形で発行しておりますが、現在もあわせて県民の皆様の利便性に考慮いたしまして、それと同じ内容をホームページにおいて公開しているところでございます。本県ではこれまでも発行部数の大幅な見直しを行うなど、公報の発行経費の削減に努めてまいりましたが、ただいま委員御指摘のように公報の印刷発行を全廃した場合におきましては、さらなる経費節減の効果が見込まれるものと考えられます。公報の印刷を廃止するに当たりましては、これまで印刷物の形で公報の送付を希望してこられました関係機関との調整などが必要となりますので、これらに留意いたしながら、公報の印刷発行の見直しについて検討してまいりたいと考えております。
263 ◯森下博司委員 ぜひ無駄なものは省いて、無駄とは言えませんけれども、もう便利なホームページでリアルタイムに、その日の公報紙はその日のうちにホームページで出てくるという、大変便利なものができたので、ぜひ、これは見直しに値するんじゃないかと思って提案させていただきましたので、よろしくお願いします。
県の自主財源である総務部、大変御苦労もかけておりますし、また、いろいろなところに力を入れているところでございます。私は今回、県税のしっかりした予算の構築と、今後の見込み、また税収の確保、最重要課題じゃないかなと思います。そういう面では、総務部長のまず意見、そして決意、聞かせていただきたいと思います。
264 ◯入江種文副委員長 木村総務部長。
265 ◯木村総務部長 県税収入は、非常に今の財政の厳しい中で、これの確保につきましては最大限我々が意を払っていかなきゃならないことだと思っております。そのため、市町村と十分連携をとりながら、今の本部をつくって実施をいたしているところでございますが、なお一層の努力をいたしまして、未済額の解消等に努めてまいりたいと思っております。
266 ◯森下博司委員 委員長、ちょっと私、知事保留をしたいなと思っているんですが、理由は、県税の予算が全国で福岡県は八位でございますが、収入率は三十九位です。非常に悪い。特にこの県民税は百七十七億、市町村民税、また固定資産税、軽自動車税を合わせると、何と四百九十億もあります。この根幹を担うのは、やっぱり県がこういった直接徴収をやるとか、いろいろな汗を流さないと、こんなに収入未済額があるにもかかわらず、わずか六カ月とはいえども一億の回収、これでよかったとするのはいかがなものかと思います。そういう面では、徴収の徹底を図ると同時に、収入未済額の発生を防止するために、もう一度知事に保留させていただいて意見を述べたいと思いますが、委員長、計らいをお願いします。
267 ◯入江種文副委員長 ただいま森下委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。
なお、知事保留質疑は十一月八日に行う予定でありますので、御了承願います。
268 ◯森下博司委員 ありがとうございました。(拍手)
269 ◯入江種文副委員長 ほかに質疑はありませんか。十中委員。
270 ◯十中大雅委員 自民党県議団の十中でございます。
税源移譲と国庫支出金、地方交付税について質問をさせていただきたいと思います。
先月の二十六日、すなわち十月二十六日、三位一体改革の一環で、国から地方へ税収を移すかわりに補助金を減らした結果の税源移譲と補助金の都道府県別収支の状況が、朝日新聞の朝刊で報道されておりました。これによりますと、所得水準が高く納税者が多い都心部では恩恵が大きく、一方、地方は納税者が少なく税源移譲の効果が薄かった上、都市部に比べて相対的に手厚かった補助金が減った影響が大きかったために、東京都や愛知県など十二都県が黒字で、本県など三十五道府県が赤字という状況であったと報道されておりました。また、三位一体の改革の地方交付税改革の本来は、算定の透明化と簡素化を図る改革であったはずですが、平成十六年度から十八年度までの改革の名のもとに、約五・一兆円の大幅な削減が行われた結果ということであります。これらのことから、三位一体の改革は県財政を初めとする地方財政を厳しい状況にした最大の原因と言い切る団体もあるようでございます。そこで数点にわたって、三位一体の改革を含めた税源移譲と国庫支出金並びに地方交付税についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
まず、この新聞報道を見られて、内容を読まれて、どのような感想を持たれたのか、率直な御意見をお聞きしたいと思います。
271 ◯入江種文副委員長 服部財政課長。
272 ◯服部財政課長 十月二十六日の朝日新聞の記事でございます。あの記事の一覧表でございますが、あの記事によりますと財務省まとめということになっておりまして、そのもとは、ことしの七月に行われました全国知事会議の中で今後の税源移譲のあり方を検討したわけでございますが、その際ある県が提出した試算をもとにつくられたものと推定されます。三位一体改革は、先生が今おっしゃったように、補助金の縮減、それから国から地方への税源移譲、そして交付税改革、まさに三位一体で行って、国と地方の税財政関係を抜本的に改革するというものでございますけども、この記事を読みますと、移譲される税と補助金の減少額との差をとらえておりますが、それは本来交付税によって調整されるべきものでございます。ただ、現在、社会保障費などの増嵩によりまして一般財源所要額がふえていく中で、地方交付税は五兆一千億と御指摘ございましたが、大変大幅な削減が続いておりまして、このことこそが地方財政を疲弊させ、地方間の格差を生んでいると考えております。
この記事につきましては、単に補助金の減少とその税源移譲のみに着目して、あたかもプラスの団体からマイナスの団体に税を移せば問題は解決するというような印象を与えてしまうという記事になっておりまして、大変遺憾に感じております。
273 ◯十中大雅委員 まさしく、そういう簡単なことだけでは地方財政はやっていけないわけでございますので、そこで、この記事によりますと、本県は税源移譲額に対して国庫補助金の減少額のほうが多くなっておりますね。この記事は恐らく県分と市町村分も合わせた内容になっておると思います。そこで、県分では三位一体改革の税源移譲と国庫補助金の実態が現在どうなっておるのか、お答えをいただきたいと思います。
274 ◯服部財政課長 県分についてお答えいたしますと、十六年度から十八年度の間に一般財源化されました事業で見ますと、決算ベースで申し上げますが、税源移譲額は八百六億円、これに対し国庫補助金の減少額は五百三十四億円となっております。税源移譲額のほうが多いということでございます。しかし一方で、国民健康保険の調整交付金が創設されました。あるいは国保の運営の基盤の安定負担金の県負担の割合というのが大幅に引き上げられたということで、新たにこういうふうな県負担が生じておりまして、改革前と比べますと、十八年度決算では一般財源の所要は九百六十二億円増加をしているということでございます。この一般財源所要額の増加分と税源移譲額との差というのは、交付税措置の対象となっているところでございます。
275 ◯十中大雅委員 今、税源移譲の不足額については地方交付税で賄われるとのことですが、地方交付税の総額は減少しているのではないかと思いますが。現在の地方財政の厳しさの要因は、三位一体改革から始まった地方交付税の削減と、一方で、今お話しになりますように、県が義務的に支払う必要がある社会保障費の増加にあると考えております。そこで、平成十六年から十八年度の三年間の本県の地方交付税と臨時財政対策債及び社会保障関係に必要な一般財源の状況について教えていただきたいと思います。また、このようなことにより県財政がどのような状況になっておるのかもあわせてお答えをいただきたいと思います。
276 ◯服部財政課長 まず、普通交付税と臨時財政対策債、この交付税の身がわりなわけですが、この両者を合計いたしましたところでは、平成十五年度では我が県は三千八百七十二億ほどございました。十六年度の地財ショックを挟みまして、十八年度の決算では三千百九十六億ということで、六百七十億円以上の減少となっております。一方で、その社会保障関係費の一般財源でございますが、社会保障関係費と言うと非常に定義が広いわけですけども、お答えとして、介護の給付費、それから老人医療費という大きなものがございます。それに国民健康保険の関係経費、それから児童手当というふうなところで我々はとらえておりまして、このくくりでお答えいたしますと、平成十五年度は六百三十五億ほどございました。これが平成十八年度では千二百三十七億ほどとなっておりまして、こちらは六百二億円ほどの増となっておるところでございます。
ここ数年、景気の回復がございまして、我々の財革プランをお示ししたときも御説明したように、税収は回復をしてきております。ただ、今申し上げましたように、交付税は大幅に減少を続けておりまして、結局、その県税と交付税を合わせました一般財源総額としましては大体八千億ぐらいで、横ばい状態が続いておるというところでございます。一方で、今申し上げましたような義務的経費というものが年々増加をいたしておりまして、結局、その財源が余り変わらんで義務的経費がふえるということで、このすき間、いわゆる県単独事業費など、政策的に使うことのできる財源というのが非常に窮屈になってきておるという状況でございます。
277 ◯十中大雅委員 今の説明でわかりましたけども、本県においても社会保障関係費などの義務的経費が非常に大幅に増加をしていると。また、地方交付税等は大きく削減されているという説明でございました。本年の八月に総務省は平成二十年度地方財政収支の仮試算なるものを示し、その中では、平成二十年度地方交付税の総額は前年度比マイナス四・二%という試算を行っております。これはあくまで国の概算要求に基づく機械的な試算であろうとは思いますが、このように地方交付税が削減されることになりますと、ますます地域間格差を是正するという交付税の本来の機能のあり方が、縮小の面を含めて、地方財政にとって大きな問題になってきているのではなかろうかという気がいたしております。このことについての御見解を示していただければと思います。
278 ◯服部財政課長 地方交付税でございますが、これは総務省と財務省の間のいわゆる地財折衝をもとに決められます地方財政計画でその総額が決められるものであります。近年、その地方財政計画の状況を申し上げますと、平成十三年度は大体八十九兆ほどございましたが、それが十九年度は八十三兆ということで、大体七%もの減少となっているところでございます。制度的に地方が負担すべき部分というのは積まれておるんですが、やはり、先ほど申しましたような地方の単独事業の部分が大幅に圧縮をされております。これによりまして、地域にとって不可欠な行政サービスというものの財政需要が十分に計上されているとは言えないという問題がございます。地方の現状を踏まえて、もっと実態に合った地方財政計画にしていただきたいという思いがございます。本来、地方交付税が果たすべき財源保障とか財政調整という機能も果たせないということに陥りつつありますので、地方の財政需要を適切に反映させた上で、地方交付税総額を確保すると。そして、先ほどから税と交付税を合わせたところの一般財源という表現をさせていただいておりますが、この一般財源総額がふえるという状況に持っていっていただきたいという考えでございます。
279 ◯十中大雅委員 そのとおりでございまして、私どももそういうふうに願うわけでございますけども、やっぱり我々が一番心配するのは、先ほどから課長がおっしゃいますように、県民ニーズが随分と多岐にわたってある中で、県単独の事業がなかなかやりにくくなってきたと、これが一番の問題ではなかろうかと思います。このような状況の中で地方分権も進めていかなければならないわけでございますけども、大きな課題が山積していると考えております。もちろん、我々議会サイドも執行部の皆さんとそれぞれ協力をしながら、この改革を推進していかなければならないということは当然のことだと考えております。そこで総務部長に、今後の普通交付税の復元のためにどのような取り組みについて考えておられるかお聞きをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
280 ◯入江種文副委員長 木村総務部長。
281 ◯木村総務部長 交付税の復元につきましては、去る十月の二十六日だったと思うんですが、知事を初め、私ども、それから県議会側からも議長様を初め各六団体の首長が全部東京に参りまして、総額の復元と、それから地方交付税、税源の充実強化、それから偏在の是正をしてくれという話、それから道路財源の確保、こういうことにつきまして、各地元選出国会議員の先生に要望活動をいたしました。一方で九州地方知事会でも、十月十九日だったと思うんですが、この日に知事会が開かれまして、同様な内容についての決議を行いました。この決議につきましては、九州地方知事会の会長である長崎県の知事が、首相官邸、それから総務大臣のところ、それから各党派の代表のところにそういう決議書を持って回っております。今月の十九日には、六団体で全国の総決起大会を同じ要望でやると、こういう内容になっております。そういった取り組みを今からやっていくわけです。年末の予算折衝の一つの大きな山場に向けて、いろいろな行動を全国知事会を通じましてやってまいる予定にいたしておりますので、また御協力のほうもよろしくお願いしたいと思っております。
282 ◯十中大雅委員 決意のほどはわかりましたけども、やはり、ここは知事を先頭に六団体頑張っていかなければ、本当に年末の予算折衝までに間に合わないという危機感を持っております。どうか最後まで我々と一緒に頑張っていただけますようにお願いをいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
283 ◯入江種文副委員長 ほかに質疑はありませんか。小池委員。
284 ◯小池邦弘委員 民主・県政クラブ、小池邦弘でございます。
私は二十七年間、行政職員として地方行政に携わってまいりました。その間、仲間が心の病にかかり長期休業していく姿を見てまいりましたので、本当に他人事には思えないというふうな思いであります。そこで、職員の心の健康について質問をさせていただきます。
私の手元に、昨年の八月二十三日付の朝日新聞の切り抜きがあります。この記事によりますと、うつ病などの病を理由に休職した福岡市の職員は、平成十七年度が六十九人となっており、この十年間で五倍にふえているというふうな新聞の切り抜きがございます。このような急激な増加ということは、組織にとって大変な状況だと思っております。
そこでお尋ねいたします。本県での長期療養している職員の状況と、心の病で長期療養している職員の推移はどのようになっているか教えてください。
285 ◯入江種文副委員長 下田総務事務センター課長。
286 ◯下田総務事務センター課長 知事部局と教育委員会を除きます各種委員会等における三十日以上の長期病気休暇者数でございますけれども、平成十八年度では百八十五人であります。このうち疾病の主なものは、精神疾患によるものが八十二人、がん等によるものが二十九人、骨折等の外因性の疾患が二十四人、感染症等によるものが十六人となっております。また、長期病気休暇者数の推移でございますが、平成九年度から平成十八年度にかけまして、全体では百七十二人から百八十五人とほぼ横ばいでございますけども、精神疾患によるものは三十三人から八十二人と増加しております。
287 ◯小池邦弘委員 本県の場合でも、心の病で長期療養している職員というのは増加傾向にあるというふうなところですね。心の病によって休業する職員がふえている状況について、県としてはどのような認識を持っておられるのかお答えください。
288 ◯下田総務事務センター課長 本県におきましても他の自治体と同様、精神疾患によりまして長期の病気休暇を取得しましたり病気休職に至る職員は増加傾向にございます。職員の心の健康づくりは、職員にとって重要な問題であるということばかりではございませんで、組織といたしましても、職員が能力を十分発揮し、公務を効率的かつ的確に行う観点からも重要な問題であると考えております。
289 ◯小池邦弘委員 心の病による休業者が増加しているというこの実態は、それだけ職務能力が低下しているということだと思っております。県民にとって大切な行政サービスが低下しているのではないかと、そういうふうに考えております。したがって、メンタルヘルスの対策が喫緊の課題だと思うわけなんです。そこで、県ではどのようなメンタルヘルスの対策をとってこられたのかお教えください。
290 ◯下田総務事務センター課長 県といたしましては、メンタル対策としまして大きく四つの分野に施策を体系化しまして実施しております。一つはメンタルヘルスに関する正しい知識、理解、これを深めるために、管理職員を初めとしまして職員への研修の実施、それから情報の提供を行っております。二つ目には、職場におけるストレス要因の軽減、除去、そういった職場環境の改善でございます。それから三つ目には、精神科の嘱託医を置きまして相談体制を整備していると。それから四つ目が、勤務軽減措置などの復職を支援する措置でございます。
291 ◯小池邦弘委員 メンタルヘルスでもいろいろな対策が考えられると思うわけなんですね。その中でも、早期発見、そして早期治療が有効であると考えているところであります。このために県としてどのような取り組みを行ってあるのか、ありましたらお教えください。
292 ◯下田総務事務センター課長 心の病によりまして職場への不適応な状態に陥った職員を早期に発見しまして、重症化する前に適切なカウンセリングでありますとか治療を受けさせる、そういったことにつきまして、管理職員あるいは健康推進員を通じまして、職員の健康状態の把握に努める、それから職員が相談しやすい職場づくりに努める、そういったことに努めております。また、職員や職場からの健康相談に的確に対応するために、先ほど言いました職員相談室を設置いたしております。さらに早期発見するという対応のためでございますけれども、ストレスの状態に職員みずからが気づくことが何よりも重要でございます。このため、職場のパソコン上で職員自身がストレスチェックを行える、こういったシステムを現在構築しているところでございます。
293 ◯小池邦弘委員 今、職員がパソコン上でストレスチェックができるシステムを構築してあるというふうなところをおっしゃいましたけども、どのようなシステムなんでしょうか。
294 ◯下田総務事務センター課長 このストレスチェックでございますけれども、県庁内のネットワークを利用しまして、現在の仕事の量でありますとか仕事に要求される知識の要求度、それから体調とか精神の状態、上司とか同僚との関係、それから職場の雰囲気など、そういった質問項目に対しまして職員が入力して答えると、そういうことによりましてストレスを判定するということでございます。あわせまして、それぞれ、そういったデータを各職場ごとで分析することによりまして、職場の環境が判定できるというシステムでございます。
295 ◯小池邦弘委員 確かに県ではさまざまなメンタルヘルスの対策というものをとっておられるように思います。しかし、心の病により休業される職員というのは確実にふえているわけなんですね。いろいろ対策を講じられているわけですけども、実際に心の病にかかる職員が減らないというこの状況、なぜといいますか、どのようにお考えでしょうか。
296 ◯下田総務事務センター課長 精神疾患にかかる職員がふえているという原因としましては、仕事によるストレス、これに加えまして、人間関係の希薄化あるいはストレス耐性の低下、さらには社会経済情勢の急激な変化、そういった社会的な要因も影響しているのではないかと考えております。
297 ◯小池邦弘委員 心の病にかかる職員が減らないということは、現実的にこの対策が機能していないのではないかと、そう思えるんですね。自治体にとって職員というものは大切な財産だと思っております。その大切な財産である職員が次から次へと発病して、また事態を回避することができなければ、組織が疲弊していくというふうに思って懸念しているところなんです。そして、この対策が本当に機能しているかどうかということをまた検証してもらう、検証を行うべきではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
298 ◯下田総務事務センター課長 県としましては、平成十五年に心の健康づくり計画を策定しまして、これに基づきまして研修所研修の各階層ごとにストレスマネジメントの研修を取り入れたり、あるいは復職に当たりまして先ほど言いました勤務軽減措置の仕組みを構築する、そういったことによりまして、これまで体系的に対策をとってまいりました。今後はさらに、関係課で構成いたしますメンタルヘルスのワーキンググループがございますので、こういったものを通じまして必要な検証を行いながら、対策の充実に努めてまいりたいと考えております。
299 ◯小池邦弘委員 しっかり検証を進めていただきますようにお願いしたいと思っております。心の病に倒れる職員が少しでも少なくなるように、引き続き努力をお願いしたいと思っております。
さて、県はさきに行革大綱を制定されて、この大綱には四つの視点から改革に取り組むとされているところであります。その一つにトータルコストの件、また業務に投入されるコストについては、事業だけではなく人件費も含めてトータルに考えているというふうなところなんですけども、職員が病気にならないように健康管理に取り組むということは、トータルコストにも寄与すると考えているというところであります。このことについての見解をよろしくお願いいたします。
300 ◯下田総務事務センター課長 心の健康の問題によりまして作業能率が低下したり長期の休業が生じるということは、組織にとっても大きな損失でございます。このため、職員の健康保持に努めるということは、委員がおっしゃいましたようにトータルコストにも当然寄与するものと考えております。
301 ◯小池邦弘委員 ここまで、心の健康についてということでいろいろとやりとりをさせていただきました。この対策については、個々の職員だけではできないというところが多くあると思っております。各所属長さんを初め管理職の方々にも、ぜひともメンタルヘルス対策の重要性を認識していただいて、率先して取り組んでいただかなければならないと思っております。そこでお伺いいたしますけども、管理職の意識を高めるためにどのような対策をとっておられるかお教えください。
〔正副委員長交代〕
302 ◯下田総務事務センター課長 管理職員は日ごろから職員と接しておりまして、職員の不調を最も発見しやすいという立場におります。したがいまして、職員からの相談を受けましたり、職場環境の改善、あるいは心の健康に問題を持つ職員への対応、そういったことで、メンタルヘルス対策では中心的な役割を果たす、いわばキーパーソンであると考えております。このため、健康管理におけます管理職員の役割について意識を高めるよう、所属長に対する安全衛生研修、こういったものを通じまして、説明でありますとか啓発に努めているところでございます。
303 ◯小池邦弘委員 健康管理における管理職の役割というものについては、しっかり認識が高まるよう引き続き取り組みについて努力していただきますようによろしくお願いいたします。また、組織のトップである知事みずから、この取り組みの重要性を表明していただきまして、全庁挙げてこの取り組みを進めていただきますよう強く要望いたします。
最後になりますけども、行政改革大綱では職員数の削減が目標として挙げられ、定数の一律削減再配分方式が行われようとしておりますけども、理由のいかんを問わず定数を削減することは、職員への負担の押しつけということもあり、行政サービスの低下にもつながりかねません。定数削減はきちんとした事務事業の見直しがあってこそ行えるものと信じております。一律削減という方法で事務事業の見直しをどう進めていかれるのか、お示しください。
304
◯江口吉男委員長 長谷川人事課長。
305 ◯長谷川人事課長 一律削減再配分方式のお尋ねでございます。これは先ほども御議論ございましたように、地方交付税の削減といった、地方財政を取り巻く状況は非常に厳しいものがございます。さらなる人件費の削減を行わざるを得ないという状況の中で、知事部局におきましては全庁的に、例外なしに一律の定数の削減を割り当てるといったことによりまして、これを受けましたそれぞれの所属がみずからの課題として事務事業の見直しに取り組んでいただくという枠組みでございます。その一方で、新たに取り組むべき事項、あるいはまた県政の重要課題など、必要なものについては再配分ということで体制の確保に努めてまいることといたしております。こういった新たな定員の管理方式の導入に基づきまして、各所属における事務の簡素・効率化、あるいはまた不要不急な事務の見直しといった、こういう事務事業の見直しを着実に進めていくという考えでございます。
306 ◯小池邦弘委員 県として、今後メンタルヘルス対策にどのように取り組むのか、最後に総務部長の御意見をお聞かせください。
307
◯江口吉男委員長 木村総務部長。
308 ◯木村総務部長 職員のメンタルヘルス対策は非常に重要な事柄だと思っております。先ほど課長が御説明しましたように、まず自己チェックだとか、それから管理職としての研修だとか、あるいは相談体制の整備、いろいろなことがございますが、御指摘にもございましたように、これがきちっと機能しなければ何にもなりません。そういう意味で検証をやりつつ、そういう機能の強化を図ってまいりたいと思いますが、同時に、やはりこれは各職場で、今、例えば一つの係員がおったら、一人一人が責任を持って仕事をするというふうな仕組みになっております。共同でやるという観念が少し欠けているのではないかというのは私は常々思っていまして、それともう一つは、やはり職場でパソコン相手にずっと仕事をやっていると、自分だけの仕事で終わってしまうというようなことで、職場での対話がない、これが結局は疎外感を味わったり、自分の家庭のいろいろな悩みを聞いてもらえる同僚がいないとかいうような状況をつくっておるのではないかと思っています。
そういう意味で、行革を進める中で、職場での対話というのを、今ぜひいろいろな形でやってくださいというお願いをしておりますので、こういうことを中心に進めながらメンタルヘルス対策にも取り組んでまいりたいと思っております。
309 ◯小池邦弘委員 どうもありがとうございました。今、総務部長が決意を述べられましたように、ぜひ職員が健康で働き続けられるように引き続き努力をされることを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
310
◯江口吉男委員長 ほかに質疑はありませんか。原竹委員。
311 ◯原竹岩海委員 民主・県政クラブの原竹でございます。どうかよろしくお願いします。少し風邪を引いておりますので、どうも済みません。
先ほど、税源移譲に関しましての税収の確保について、森下委員のほうから多くが質問でしっかり確認をされたところであります。本来ならば引っ込むべきところでございますが、会派を代表しましての質問でございますので、できるだけ重複を避けまして、簡潔に質問させていただきたいと思います。
昨年の十二月でございますが、地方分権改革推進法が成立をなされたところであります。これは地方分権型社会への転換を図るということが目的でございます。いよいよ平成十九年度から、所得税から個人住民税へと三兆円の税源移譲がなされたところでありますが、麻生知事をリーダーとしまして六団体、さらなる税源の確保にしっかりと行動を起こしておられるところは周知のところであります。
そこで、地方分権を進める上でございますが、地方が自主財源を正確に徴収をすることが今後非常に重要であると考えるわけであります。私どもの地方の課税、徴収の能力というものが真価をしっかり問われておるのではなかろうかなと私は考えております。徴収すべき自主財源を公平、公正に徴収することは、税に関する行政の本当の基本であります。また今後、地方分権後推進をする上で欠くことができない、本当に基本的なことではないでしょうか。県の税源が税法上、市町村で個人住民税とあわせて課税徴収をすることから、市町村の徴収能力を向上させていくことが重要と考えております。そのためには、我が県の本当の役割は何なのか、その辺を明確にしていくことが大事なのではないでしょうか。
県は先ほど来、市町村との連携ということを口頭で発言されております。しかしながら、問題は税の滞納にあると思います。平成十八年度決算での税金の滞納額でございますが、収入の未済額でございますけれども、全体で百七十七億円という報告が先ほど県からなされておりました。そしてピーク時でございますが、二百二十億円から平成十八年まで四十三億円が圧縮をされたところであります。しかし、その中でも個人県民税の収入未済額は六十三億円と聞いております。全体の三六%、もう少しで四〇%のところまでしっかり迫っております。こういったことで、私は実際問題、六十三億円ということでございますが、その実際の滞納の原因は何なのか、それをもう一度伺いたいと存じます。
312
◯江口吉男委員長 西村税務課長。
313 ◯西村税務課長 御案内のように、県民税につきましては市町村のほうで課税、徴収をするということになっております。それもまたなかなか、市町村のほうで徴収するノウハウ、差し押さえ等のノウハウがないという中で、この間進んできたところでございます。それが最も大きな要因ではなかろうかと思っておりますし、さらには処理基準等のインフラ整備が非常に不十分な市町村も多いという現状も原因ではなかろうかと思っているところでございます。
314 ◯原竹岩海委員 仕方がないでは済まされない大事な問題でございます。この問題は、幾ら行財政改革の推進をしっかり頑張られましても、一方では抜けている、そういった体制ができましたら、せっかくの努力がしっかり結果にならないわけであります。こういったところでしっかり頑張っていただきたいと思いますが、現在でも市町村は現実に税金の徴収にしっかり苦労されております。私も市会議員を三期やっておりますから、その辺のところはしっかり十二年間勉強させていただいております。さらに今年度から個人県民税が大幅に上乗せであります。現在でも六十三億円という大きな滞納額をしっかり抱えながら、税源移譲によりまして個人県民税の課税額は昨年度の二倍であります。行政現場では非常に混乱を来しておるということも伺っております。ここでしっかりと税金の徴収行政の確立をしないといけないのではないでしょうか。自主財源として税をしっかり確保するために、市町村長のリーダーシップというのが必要になってくるわけであります。県としましての取り組みはどうなっておるのでありますでしょうか。
315 ◯西村税務課長 まず第一点が、今年度から地方税収対策福岡県連絡会議というのを副知事をトップに立ち上げております。その中には市町村から副市長さん、それから副町長さんを含めて参加していただくと。まず、やはり首長の意識改革が非常に重要ではなかろうかと思っておるところでございまして、その辺の意識改革を行っていくと。それには税収の徴収体制の組織体制をきちっとつくっていただく、あるいは電算のシステム等が非常に不十分なところもございますので、そのあたりについてもきちっと整備するように働きかけているところでございます。さらには、第二点につきましては、税務課内に対策本部を立ち上げております。地方課長を本部長にいたしまして、特別機動班、税務課の中で実践部隊という形の中で、市町村のほうに職員を派遣すると。さらには市町村さんのほうから職員を受け入れると。ともに徴収活動をやっていくという形で取り組んでいるところでございます。さらには県内に十三ブロックの地区の協議会を立ち上げております。その中で、うちの中で税務課のほうに派遣で来られている市町村職員ともども、ノウハウを蓄積したものを十三ブロックの中に今度は返していくと。地域の中でそれを形づくっていく、いわゆる実践を通しながら実のある形にしていくと。そうやって県下の全市町村のスキルアップを図っていくというふうな体制をつくっているところでございます。
316 ◯原竹岩海委員 その対策本部ということですけれども、一定の理解はできましたけれども、具体的に市町村に対してどのような指導をされているんですか。
317 ◯西村税務課長 中では、税の理論研修を行っております。それから実践研修ですね。今回、不動産公売を含めて取り組んだような形の市町村もございます。これは実際、広川町さんでございますけども、これは実務的には係長さんお一人と係員お二人でやっている役場でございますけども、その中でもなかなか不動産公売等に取りかかるのは非常に難しいわけでございますけども、この間、県と一緒にやることによってその公売をやり遂げたと。さらには志免町さんにおいては、これは軽自動車税、これは七千五百円ぐらいの税でございますけども、軽自動車に対してのタイヤロックをやっていくと、そして徴収をしていくという取り組みをやってきたところでございます。それからうきは市さんにおいても、先ほどの論議の中でも御紹介いたしましたけども、二十人ぐらいのうきは市の職員を中心にして捜索に入っております。船舶、動産を含めて三十点ほどの差し押さえをやってきたところでございます。
318 ◯原竹岩海委員 市町村の滞納処分が進んでいないというふうにも少し聞こえるわけでございますが、ちょっと質問を先に進めたいと思いますけど、インターネットの公売ということを私はよく聞くんですよ。そのインターネットの公売ですけれども、こういったシステムが、福岡県下六十六市町村ございますが、その中で政令市は二でございますので、六十四の市町村がございます。こういったところでインターネット公売、非常に効果が出ていると聞いておりますけれども、実際のところの実施状況はどうでありますでしょうか。
319 ◯西村税務課長 インターネット公売につきましては、県といたしましてもこの間精力的に取り組んでいるところでございます。ちなみに先月、動産の六十七品目について公売をしたところでございます。掛け軸、それから陶器、それから自動車等々含めて六十七点やったわけでございますけども、一つの茶わんが見積もりの予定額の六十六倍というのも入札で落札があっております。したがって、税の収入状態については、非常に有効な形で行われているわけでございますけども、県内の市町村といたしまして六十六市町村ございますけども、政令市さんは当然やっているわけでございますけども、まだ五市二町というふうな段階でございます。しかしながら、これは二十年度には県下の全市町村においてインターネット公売をやっていただくという形で導入を図っていきたいと考えているところでございます。
320 ◯原竹岩海委員 もう一回確認ですけれども、全県下、市町村のほうにインターネットをやっていく方向で考えておりますということでございますが、もう少し具体的にお願い申し上げます。
321 ◯西村税務課長 申しわけございません。平成二十年度をめどに取り組んでいきたいと今目指しているところでございます。具体的には、これはヤフーの中で契約をしてやっていくわけでございますけども、各市町村においては契約に関する経費等の予算措置を含めて、各市町村の中で全庁的な取り組みとして検討していただくというふうに考えているところでございます。
322 ◯原竹岩海委員 今の課長の回答では、平成二十年度までに、その他の市町村でインターネットの公売の実施に向けて頑張ってまいるという決意がございました。しっかり頑張っていただきたいと思っております。
それでは、その次でございますけども、副知事をトップとしました連絡会議というのがございますが、県と市町村との連携推進をという報告は私のほうにも何回も上がっておりますけども、具体的な内容はどうなっておりますか。
323 ◯西村税務課長 まず、県税事務所を中心にしながら、先ほど申し上げましたように十三地区のブロック会議などで合同研修等を実施しているところでございます。それから、預貯金調査について市町村が非常に不十分な状況にございますので、県のほうで集約をしていって預貯金調査をやっていくというふうな取り組みもやっているところでございます。さらには公売につきまして、合同の公売という形の会場を設けまして、公売も今検討しているところでございます。それから、先ほど申し上げました捜索について、県と市町村が一体となってやっていくというのも、各県税事務所の単位の中では既に検討は進められて、準備にも入っているところでございます。
324 ◯原竹岩海委員 ありがとうございました。
部長、今ですね、課長との少しのやりとりでございましたけれども、やはり滞納額といいますか、収入未済というのは限りなくゼロに近くなる、徴収率というのは限りなく一〇〇%へというのが基本だろうと思います。現場の最高幹部としましての今後の徴収の効率化への御決意をお伺いしたいと存じます。
325
◯江口吉男委員長 木村総務部長。
326 ◯木村総務部長 先ほどもお答えしましたけれども、やはり県税収入の確保というのは、税源移譲がある中でやはり、まして税の公平性という観点が非常に大切でございますので、滞納額ゼロの理想を目指して一丸となって頑張ってまいりたいと思っております。
327 ◯原竹岩海委員 ありがとうございます。最後でございますけれども、森下先生と一緒の御意見でございますが、執行部におかれましては市町村との連携というものをしっかりと構築をいただきまして、地方分権の確立の先頭に立っていただきますことを要望申し上げまして、ごあいさつではなくて質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
328
◯江口吉男委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者がある〕
329
◯江口吉男委員長 ほかに質疑がないようですので、松尾委員及び森下委員の知事保留質疑を残し、第一七二号議案の質疑を終わります。
次に、第一七三号議案「平成十八年度福岡県財政調整基金特別会計決算」、第一七四号議案「平成十八年度福岡県公債管理特別会計決算」、第一七五号議案「平成十八年度福岡県市町村振興基金特別会計決算」及び第一八三号議案「平成十八年度福岡県公共用地先行取得事業特別会計決算」の四件について一括議題とし、説明を求めます。木村総務部長。
330 ◯木村総務部長 総務部所管の特別会計の決算について御説明いたします。
平成十八年度福岡県歳入歳出決算概要説明書の百五十三ページをお願いいたします。
第一七三号議案「福岡県財政調整基金特別会計」について御説明をいたします。この特別会計は、財政調整基金の運用益を基金に積み立てるものでございまして、収入済額及び支出済額ともに三千八百万円余となっております。
百五十五ページをお願いいたします。
第一七四号議案「福岡県公債管理特別会計」について御説明いたします。この特別会計は公債費の管理を行うものでございまして、収入済額及び支出済額ともに二千七百九十七億九千四百万円余となっております。
百五十七ページをお願いいたします。
第一七五号議案「福岡県市町村振興基金特別会計」について御説明いたします。この特別会計は、市町村等の振興に資する事業に対し貸し付けを行う基金の経理のためのものでございまして、収入済額及び支出済額ともに一億六千六百万円余となっております。
百七十七ページをお願いいたします。
第一八三号議案「福岡県公共用地先行取得事業特別会計」について御説明いたします。この特別会計は、土地開発基金の運用益を基金に積み立てるものでございまして、収入済額及び支出済額ともに三千七百万円余となっております。
総務部所管の特別会計につきましては、以上でございます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
331
◯江口吉男委員長 説明は終わりました。
これより質疑を行います。質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者がある〕
332
◯江口吉男委員長 質疑ないようですので、第一七三号議案外三件の質疑を終了し、総務部所管分の審査を終わります。
この際、しばらく休憩いたします。
再開は十五時五十分といたします。再開は放送をもってお知らせします。
午 後 三 時 四 十 分 休 憩
午 後 三 時 五 十 二 分 再 開
333
◯江口吉男委員長 それでは再開いたします。
審査日程に従い、これより総括質疑を行います。総括質疑は、お手元配付の総括質疑一覧表の順に従って指名し、質疑を行います。質疑をお願いします。佐藤委員。
334 ◯佐藤正夫委員 それでは、総括質問をさせていただきます。各部長におかれましては、端的なきちっとした答えをしていただけたらと思います。どなたに行くかわかりません。
まず、今まで私も県議会議員を何年かさせていただきましたが、その中で行財政改革についていろいろな視点から質問を多岐にわたってやってまいりました。まずは外郭団体の問題、そして外郭団体においては、以前は外郭団体に天下った場合に退職金を二度もらっていたのはおかしいのではないかなというようなことも議会で指摘をさせていただいて、今既にその仕組みはなくなってまいりました。さらに言うならば、例えば官から民へという話の中で、今事業見直しをやらなきゃならない、その中で、わかりやすく言えば運転業務をどうするのか、運転業務をまさに民営化したらどうかという提案もさせていただきました。過去にいろいろな視点から質問させていただきましたけれども、その中で現実に実証された部分もあれば、そうでない部分も多々あると思います。
先ほど来から総務の部分でもいろいろ御質疑ありましたけれども、基本的に申し上げますと、行革大綱の中でいわゆる自主財源が乏しくなってきたので、その分改革を進めていかなきゃならないという話がありました。であるならば、自主財源をどうやって確保するのかという観点がなければならないと思います。ただ単に減らすだけではなくて、自分たちの知恵をもって財源を確保する方策がなければならないと思います。今私が申し上げた、自主財源を自分のところで何とか確保したい、しよう、そのためには、過去に申し上げたのは、職員提案もあるでしょう、いろいろな知恵を吸い上げていってやったらどうかということも訴えてきましたけれども、一つ聞きたいんですが、何か一つ自分たちで自主財源を確保するようなことはできたのかどうなのか。各部長の中で、いや、うちの部はやりましたよと言われる方がおれば、挙手をもってお答え願いたいと思います。
──情けない。今回の決算は、皆さんは胸を張って十八年度の決算を我々に審査をさせていただいているわけですよ。そして、先ほど来からずっと言っていたけれども、今の三位一体も含めながら、福岡県の財政は逼迫している、だったら自分たちで知恵を絞るのは当たり前じゃないですか。例えば過去にこういう質問もさせていただきました。ネーミングライツです。ネーミングライツも提案をさせていただきました。当時、ネーミングライツを私が質問させていただいたときに、答弁はこういうことでした。そんなものはありませんと。我が県にはそういった対象になるやつはありませんよと。私がたしか知事保留で言ったのは、情けないなと。そんなに福岡県は一生懸命やってきたもので、ネーミングライツに値するようなものもないのか。このようなことも言ってまいりましたが、今回ネーミングライツを実施しようとしているんじゃないんですか。なぜ手が挙がらないんですか。どこかやっているところ、手を挙げてくださいよ。
335
◯江口吉男委員長 木村総務部長。
336 ◯木村総務部長 質問の御趣旨を理解できなくて、すぐに手を挙げませんで申しわけありません。ネーミングライツにつきましては、募集いたしました。十月末で一応締め切りをさせていただきましたが、残念ながら応募者がなかったという状況でございます。それで、やり方が少し悪かったのか、金額が高かったのかというような反省を踏まえ、もう少し検証して、ニーズももう少し深く聞いていこうということで、再度またそういうのを整えまして挑戦したいと思っております。
それから、これも議会から御指摘をいただいて始めたことですが、インターネットにバナー広告をやりました。それについては一定の収入を得ておりますが、さらに少しずつ拡大をまたしていきたいと考えております。
337 ◯佐藤正夫委員 私の質問が悪かったんでしょうね。皆さんにそういう趣旨が伝わらなかったことは、私も質問しながら反省をしていますが、まあ、それぐらいわかってよ、正直言って。
そしてもう一つ、あえて提案をさせていただきたいと思います。自主財源がない中で、例えば今から県民サービスにとって必要なものがある、しかし財源がないからできないというのがあるんでしょう。わかりやすく言えば、例えば県営住宅もしかりかもしれません。そういった県民ニーズに対応するためにやらなきゃいけないが、もう県営住宅一つとっても何十年も建てかえができていない、財源がない、しかし起債を起こさなきゃならない、無理だというようなこともあるでしょう。そのときに、今回私は商工部で質問させていただきました。CLO、直接融資ですよね。直接投資をしていただいて投資家から集めたお金で中小企業の方々に融資を行う。そのときに質問させていただいたのは、当時貸し渋りが多かったので、できるだけ金融機関ではなくて多くの投資家からお金を集めて中小企業に資金を回そうという目的でCLOをやった。たしか平成十四年ですかね。私はそのときに、CLOって失敗したんじゃないのということも言いました。しかし現実には県でもやっているわけです、そういう直接融資というやつをね。
そうすると知恵を絞っていただきたいのは、今世の中はどういう動きになっているか。だったら、投資家を集めて我が福岡県の施策に関与する方策だってあるし、例えば今回、県有財産の見直しも議論になっていましたけども、私も随分、県有財産の見直しを初当選以来やってまいりました。その中で、ある土地を有効に活用し、そして例えば県が借り上げで住宅に入ってもいいじゃないですか。つくる建物代は投資家から投資してもらったらいいじゃないですか。国に頭を下げに行かんでいいですよ。福岡県は信用力あるんでしょう、よその県に比べれば。借金は多いけど。だったら、そういう知恵を絞る、例えば今私が言ったのは、投資家からも言いました。PFIもあります。PFI、言われ続けて十年。何か一つやったんでしょうか。どなたか、やった部があれば答えてください。
──PFIを検討してきた部があれば手を挙げてください。
──情けなくないですか、正直申し上げて。これだけの頭脳団体を持っていて、その頭脳を生かし切っていないという。私は情けなくなります。今こそ、皆さんの知恵をしっかり絞ってやるべきだし、PFIをやるにしても、知恵がなけりゃ知恵をかりてくる。当初、十年以上前にPFIが入ってきたときに、たしか各市町村にPFIの勉強会を県が主導でやったことがありますよ。県が各市町村に勉強会をやったんですよ。なのに県が何もない。こんなもの、市町村は言うこと聞かんよ。あなたたちの指導はどこか間違っているんじゃないですか。私は今回どの部長に、そのPFIにしてもお聞きしていいのかわかりませんが、木村部長、やっぱりね、今後そういう自主財源のもとに何をすればいいのかとか、オール県庁で考えていかないとだめですよ。先ほど言われていましたけど、パソコンをじっと見てね、パソコンでこうして、それで疲れてどうのこうの、そうじゃなくて、本当は横断的な政策が必要になってくる。
そこで企画振興部長、あなたの部が最もふさわしい部なんですよ。どう思われますか。
338
◯江口吉男委員長 中原企画振興部長。
339
◯中原企画振興部長 先ほどの質問で、申しわけございません、本来は手を挙げるべきところだったんですけど。実は県のほうでは平成十一年に、庁内組織であります福岡県PFI事業調査研究会というのを設置しまして、平成十五年三月にPFIの仕組みとか導入手順等を盛り込んだ手引き書として、福岡県PFI活用指針というのを策定しております。また同指針に基づきまして、各部の次長等で構成します福岡県PFI導入推進会議というのを設置しまして、PFI導入に向けた検討を行っておりますが、現時点におきましてはPFI導入候補事業の選定には至っておりません。
340 ◯佐藤正夫委員 やっぱり、ぱっと手を挙げてもらって言ってほしかったですね。だって、さっきPFIの話は、本当に僕が初当選したときからいろいろなところでPFIは言っていましたから、今言われたことはわかって、あえて言ったんですよ。その中でも手が挙がらないんで情けないと僕はあえて言って、部長に質問したんです。ぜひ皆さん、そういう気持ちで、一歩でも二歩でも、自分たちの力で県民行政サービスをできるような思いを持って当たっていただきたい、このように思います。まず自主財源を自分たちで何とか稼ごうということを提案させていただきたいと思います。木村部長、いいですかね。全部長、ぜひそういう思いで当たっていただけますでしょうか。嫌な方、手を挙げてください。
ずっと手が挙がらないままなんですけれども、じゃ、今度もう一つ視点を変えて質問したいと思いますが、先ほどから行革大綱の中で、定数問題、定員問題、いろいろ議論をされていました。もう一度ちょっと教えていただきたいんですが、何名削減しようとしていらっしゃるんですかね。
341
◯江口吉男委員長 長谷川人事課長。
342 ◯長谷川人事課長 職員数の削減でございますが、行政改革大綱の中では、私ども知事部局におきましてこの十九年から二十三年までの五年間に七百五十でございます。そのほか、教育委員会等、全体につきまして、知事部局を含めまして約二千五百という目標を立てたところでございます。
343 ◯佐藤正夫委員 できるんでしょうか。今みたいな答弁が、先ほどから私が言ってもなかなか手が挙がってこない、自主的に挙がってこようとしない、そういう中でできるのかどうか、ちょっと疑問符がつきます。
そこでちょっと視点を変えますが、じゃ、これをするためにはどうしたらいいのか。事務事業を見直さなきゃならない。先ほど来から答弁がありました。じゃ、これも議会で何度か私は取り上げさせていただいたんですが、一つ事例として言うならば、入札業務一つとっても、今、出先機関で入札をずっとやっている、これを一元化して契約室なりをつくって、そこで入札を全部まとめる。以前も知事保留をしました。例えばそのときに言ったのは、こういうふうに言われました、答えが。「県民にとって行政サービスが低下するのでできないんですよ」。そんなことないでしょう。先ほども出ましたけど、電子入札もあれば、四生活圏域の中に合同庁舎もある。だったら合同庁舎の中で農政部から水産林務部からすべて、公共事業のある部分においては一括で契約室をつくって、そこで入札業務をやる、そうすれば当然事務事業は減るはずなんですよ。これは減りませんか、土木部長。
344
◯江口吉男委員長 岩崎土木部長。
345 ◯岩崎土木部長 土木部では今年度から、五千万以上の入札契約につきましては本庁で現在手続を行っております。それによって事務所の契約事務が低減されている部分があると思いますが、それぞれの事務所で発注をしている規模の小さい工事もございますが、これについては非常に現場に密着をしてやっていく部分もございますし、それをつかさどっている業者の皆様も、まさにその地域に住んでいらっしゃる方が多いわけでございますので、その辺も考えながら詰めていく必要があるのではないかと考えております。
346 ◯佐藤正夫委員 そんなことはわかっていますよ。そんなことはわかっている。そうではない。だから、さっきの四つの生活圏域でやればいいじゃないですか、契約業務だけ、要は。それは業者と工務のほうで顔を合わせて、こういうこと、いろいろなことがあって当たり前ですよ。しかし、入札業務だけはそうしたらどうでしょうかと私は言っているんですよ。そうすれば、いろいろな部分が解消できる。嫌なことがなくなる部分もたくさんある。そういう意味で、私はこの入札業務についても一元化を図って契約室を設けて、現局が入札しなくていいようにすべきではないかなということを何度か議会で質問をしてきました。それをすることによって事務事業が減るということです。だったら、先ほど言ったように事務事業が量が減らないと、先ほどの二千五百名という数字は不可能じゃないですか。そういう知恵が必要なんじゃないですか。
そこでお尋ねをしたいんですが、もうこれで質問を終わりますけどね、各部長さん、今言われた、知事部局で七百五十名でしょうか、全体で二千五百名、どういうふうな、目的が配置されていると思いますが、今現在その目的に向かってできているのか、できていないのか。それをちょっとそれぞれ、できている、どうだ、こういうふうにやっているというのを、あればそれぞれにお尋ねをして、その答えをもっておかしければもう一回質問しますけれども、ぜひ答弁を願いたいと思います。
347
◯中原企画振興部長 当部としましては、まずはこの社会の変化に対応できるために、地域振興組織の見直し、これをまず考えておりまして、現在は市町村のいろいろな地域振興、市町村内の地域振興については総務部の地方課で所管しております。それから、市町村境をまたぎます、含みます広域振興につきましては当部で所管しております。そういった地域振興という観点からいきますと、やはり一つの部で所管したほうがいいんじゃないだろうかということで、まずは地域振興組織の見直しと。そして簡素で効率的な行政経営の取り組みなど、そういったことで、今当部のほうでは検討しているところでございます。
348
◯江口吉男委員長 山崎保健福祉部長。
349 ◯山崎保健福祉部長 保健福祉部でございます。私の部のほうは非常に人間が多いという状況で、この中で一定の割合、定数削減をしなきゃいけないと思っています。既に県立病院と実施してまいったわけですが、今後の話としては、やはり本庁と出先の業務分担をもう一回考えようと。それから集中できるものは集中するという形。強化すべきところもありますが、そういう中で効率化と集中ということ、あるいは本庁出先のありようをもうちょっと考えていきたいということで、今検討中でございます。
350
◯江口吉男委員長 角環境部長。
351 ◯角環境部長 環境部でございます。環境部におきましても、私どもが生活する中で重要な環境をどのように維持していくかということで、本庁、それから出先機関とのあり方、それとどういうふうな配置にすればいいのかということを含めまして、現在、部のほうで検討をいたしているところでございます。事務事業につきましても、効率的に、かつ住民サービスの低下をしないやり方をどういうふうな形でやっていけばいいのかということを踏まえまして、検討をいたしているところでございます。
352
◯江口吉男委員長 権現生活労働部長。
353 ◯権現生活労働部長 生活労働部につきましては、少子高齢化の進展など行政需要の増大する部分もありますけれども、やっぱりこれにつきましても全庁的な課題として一定率の職員の削減はしなければならないということで、その取り組みを行っております。それと同時に、私どもは高等技術専門学校という学校を持っております。こういうところは一律削減になじみませんので、訓練科目を時代に合ったものに見直す中で、要請にこたえられるように努力をしているところでございます。
354
◯江口吉男委員長 石井商工部長。
355 ◯石井商工部長 商工部でございます。商工部は総勢三百三十名という比較的小さな部でございますが、体制的には本庁、それから工業技術センター、それから県内四カ所の商工事務所、それから中小企業振興センターの外郭団体というふうな体制で事業を執行しているところでございます。その執行体制全体を含めまして、総合的に今見直しを図っているところでございます。
356
◯江口吉男委員長 野村農政部長。
357 ◯野村農政部長 農政部関係につきましては、今回の行革大綱の中で、水産林務部との統合というような問題が出ております。仮にそういうふうに統合した場合に、農山漁村の整備なり保全、それから第一次産業に関する生産、流通、消費、こういった各種施策を一体的に行う場合に、どういうふうな体制がいいのか、あるいは本庁と出先、あるいは出先同士相互に役割分担などいろいろな面から、どういうふうに体制をとっていったら一番、私ども農政部としましては農家の所得向上につながるか、あるいは本県の農業振興につながるのか、そういった観点からいろいろ検討をしているところでございます。
358
◯江口吉男委員長 本田水産林務部長。
359 ◯本田水産林務部長 水産林務部としては、本庁、それから農林事務所、それから研究機関を持っておりますけど、事務業務をトータル的に見直していきたいと思っております。しかしながら、重点的に取り組んでいくべき新たな課題もありますから、このことも業務の上で支障がないよう業務体制を含めてしっかり考えてまいりたいと思っております。
360 ◯岩崎土木部長 先生御指摘の点で、電子入札、調達の効率化ということにも今詰めておりますけれども、私ども土木部が担当しておりますのは、やはり県民の安全、生命、財産を守るところに直結しておりまして、そういったサービスレベルを下げずに、いかにこれから効率化が図られるかということを、これから知恵を絞ってまいりたいと思っております。
361
◯江口吉男委員長 相浦建築都市部長。
362 ◯相浦建築都市部長 建築都市部では、十四土木事務所に建築指導課がございまして、それの統廃合も含めましたところで全体の組織の見直しですとか、あと事務事業すべてにつきまして民間活用ができるところはアウトソーシングするとか、検討部会を設けて検討しております。
363
◯江口吉男委員長 森山教育長。
364 ◯森山教育長 教育委員会でございますが、教育委員会といたしましても事務事業の見直しを積極的に進めまして、計画に取り組んでおるところでございます。なお、学校の教職員も含んでおりますので、教職につきましては配置基準に関する法令の定めがございますし、この法令遵守、それと教育の質の確保ということを前提としながら、適切に取り組んでおります。今後とも教育委員会全体でさまざまな工夫をいたしまして、計画の達成に努めてまいりたいと考えております。
365 ◯佐藤正夫委員 今、各部長さんにずっと答弁をいただきましたけれども、ずしんとくる人はあんまりいなかったですね。それは大変なことだろうと思います。いろいろな部門で総合的に考えて、非常に重たい話です。木村部長も嫌でしょうね、本当はね。だけど、現実に自主財源がこれだけ減ってきたら、それはしようがない、現実論として。だから、定数を、事務事業を減らさない限り、現実ですよ、数は減らせないですよね、正直言って、実際が。生首切れないですよね。そこをやっぱり英断を踏んでやらなきゃいけないということだろうと思います。
そこで、先ほどからずっと自主財源をどうやってやるのかとか、いろいろなことを聞いてまいりましたけれども、どうも皆さんが自主的に答弁をしたがらない。そしてまた熱意を余り感じないものですから、これは本当にそれでいいのかということを知事に問いたいと思いますので、知事保留を願いたいと思います。
366
◯江口吉男委員長 ただいま佐藤委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることといたします。
なお、知事保留質疑は十一月八日に行う予定でありますので、御了承願います。
367 ◯佐藤正夫委員 どうも。(拍手)
368
◯江口吉男委員長 引き続きお願いします。野村委員。
369 ◯野村陽一委員 民主・県政クラブの野村陽一でございます。
半年後の来年四月から実施されます森林環境税についてお尋ねをいたします。
森林環境税は、県民の皆さんから徴収し、荒廃した森林を再生する事業に使われるとのことですが、この事業を円滑に進めるためには県民の皆さんの理解が重要であると考えております。そこで県民の皆さんの理解を得るため、どのように周知されているのかお聞かせください。
370
◯江口吉男委員長 鳥巣林政課長。
371 ◯鳥巣林政課長 森林環境税事業につきましては、県民の皆さんに税の仕組みあるいはその税の使い道、こういったものを十分周知するため、県といたしましては全戸に配布しております福岡県だより、あるいは県政だよりへの掲載、県の広報テレビ、ラジオ番組での放送を通じて広報を行っております。また、交通広告やテレビCM、県内各地で開催されますイベント、こういったものにも出向きまして、チラシの配布といったものを行っております。さらに、これに加えまして、民間のテレビ局あるいはラジオ局に独自に働きかけを行いまして、番組へ出演するといったような取り組みをしております。そういったことで周知するよう努めておるところでございます。
372 ◯野村陽一委員 私も一回だけテレビでCMを拝見いたしました。先月のある日曜日の朝六時半でございます。この時間に果たして何人の方がごらんになったかなということが気になりました。CMの放送料につきましては予算の関係もあるかと思いますけども、その放送時間、また内容についてしっかりと工夫をしていただき、今後もしっかりPRをしていただきたいと思います。
それでは、税の関係でお尋ねをいたします。今県が行っている広報では、実際に税を納めることになる納税義務者は個人で約二百万人、法人で約十万社とのことでありますが、この納税義務者に対し具体的にどのような周知を行っていますでしょうか。
373
◯江口吉男委員長 西村税務課長。
374 ◯西村税務課長 委員御指摘のとおり、一般の県民の納税義務者が二百万人、それから法人十万社でございます。これに対して今全力で取り組む段取りを今までもやってきたわけでございますけども、今後につきましても特に住民の方につきましての広報は、県の全戸配布、福岡県だより等でやっておりますけども、やはり身近な市町村の中でどういうふうにしていくのかというのが一番重要なことではないかと思っているところでございます。そのため、市町村の各市町村だよりを活用しながら、全戸配布にも取り組んでいきたいと考えているところでございます。さらには確定申告時、御商売の方ですね、これは来年の三月にございますけど、ここにチラシを全部入れると。それから実際の納税通知を五月段階で送るような形になるかと思いますけども、それにはチラシ等含めて同封して発送するというふうなことも考えております。それから法人さんに関しては、今現在もやっているわけでございますけども、商工会議所、それから商工会、中小企業団体等の各種団体の会員の方に周知を図っているところでございますけども、具体的な法人の申告時のときに、チラシ等を含めて、森林環境税の趣旨を含めて広報していきたいと考えているところでございます。さまざまな形の中で、工夫できるものは工夫してやっていきたいと考えているところでございます。
375 ◯野村陽一委員 あともう一点お尋ねします。この個人の納税義務者についてですけども、おおむね年収が百万円以上ある方が対象と聞いておりますが、おおむね年収が百万円以上あっても対象から除外される方というのはいらっしゃるんでしょうか。
376 ◯西村税務課長 いらっしゃいます。まず生活保護等を受けてある方ですね。それから生活保護に相当する方、これも一つの判定基準となっております。それから年間所得の合計所得金額が百二十五万以下の身体障害者の方、それから両寡婦の方々を含めて、この方々も非課税の形になります。
377 ◯野村陽一委員 わかりました。
それでは、森林環境税の徴収方法はどのようになっていますでしょうか。
378 ◯西村税務課長 御案内のように、森林環境税は新たな税の仕組みをつくっているという形じゃございません。既存の住民税あるいは法人の住民税について、超過を行っていくという形で行っているところでございます。したがって、まず県民税については六月、八月、十月、一月の四回に分けて納税通知を送らせていただきます。それで年四回という形の中で支払っていただくという形になろうかと思っています。それから、一般のサラリーマンの方々でございますけども、これは特別徴収という形になります。六月から翌年の五月までに企業から特別徴収されていくという形の中で徴収していくと。それから法人に関しては、事業年度が四月からの開始年度でございますので、その中の中間申告段階、それから確定申告段階で払っていただくという形になっております。法人に関しては資本割の中で千円から四万円という形でございます。
379 ◯野村陽一委員 それでは、個人の森林環境税を賦課徴収するのは市町村とのことでございましたけども、円滑な施行に向けて市町村とはどのような打ち合わせをされてこられたのでしょうか。
380 ◯西村税務課長 まず、課税徴収ということでございますので、これは市町村のほうが住民税課税徴収権限がございますから、まずそこの電算システムの改修をきちっとやっていくということ。それから、先ほど申し上げました実際の広報の関係についての準備体制をきちっとやっていくということ。それから現実的な問題といたしましては、六月以降の中で納税通知書を送りますと、いろいろな問い合わせが市町村さんのほうに上がってくると。それにきちっと対応できるようなマニュアル、それから応答集を含めて、今検討して市町村とは実務的な打ち合わせをさらに進めているところでございます。
381 ◯野村陽一委員 対応マニュアルについては、県のほうでその作成をし、市町村担当者のほうに説明するということでございましたが、県民とこの新税とのかけ橋ともなるこの窓口の対応というのはとても大切だと思っております。したがいまして、実りある説明会にするためにも、しっかりとしたマニュアルを作成していただきたいと思います。
次に、この税による事業についてお尋ねさせていただきます。森林環境税事業につきまして、この再生する荒廃した森林の面積は二万九千ヘクタールと伺っておりますが、現在この面積はどうなっているのか調査をされましたでしょうか、お聞かせください。
382 ◯鳥巣林政課長 二万九千ヘクタールにつきましては、平成十六年度末における荒廃した森林の面積を推計したものでございます。したがいまして、改めて調査、推計はいたしておりません。
383 ◯野村陽一委員 なぜ調査、推計をしていらっしゃらないんでしょうか。
384 ◯鳥巣林政課長 あくまでも平成十六年度時点での調査、推計でございまして、仮にそれを全部把握するとなりますと、膨大な日時あるいは経費がかかるといったものでございます。
385 ◯野村陽一委員 今のお話はわからないでもありませんが、それでしたら、平成十六年度の末に十九年開始時期の荒廃の予想もできたのではないかと思います。実施直前の平成十九年度末までの三年間、三年たっても面積が変わらないということは考えられないと思いますので、この件につきましてはいかがでしょうか。
386 ◯鳥巣林政課長 済みません、ちょっと質問の趣旨がよく理解いたしかねますので。
387 ◯野村陽一委員 三年間たつと、二万九千ヘクタールから幾らかわかりませんけど面積が拡大する、荒廃が拡大すると考えます。その拡大した面積まで県民にしっかりと、きちんと伝えた上で円滑な施行をするべきではないかということからで、質問でございます。
388 ◯鳥巣林政課長 まず、この森林環境税あるいは税事業につきましては、先ほども申しましたように、平成十六年度末時点での二万九千ヘクタールを早急に再生しようと、十年かけて再生しようということで、この税事業というのが成り立っております。したがいまして、今後発生するであろう荒廃した森林の対策というものにつきましては、そういった時点で改めて検討していく必要があるんじゃないかと私どもは考えております。
389 ◯野村陽一委員 それでは、その時点で判断するということで、この件につきましてはお尋ねを終わります。
次に、荒廃した森林の定義について、これだけ教えてください。
390 ◯鳥巣林政課長 荒廃森林とは、長期間手入れがなされないために、森林の中に下草が生えておらず、土が流れ出すような状況になっておりまして、木の根が露出する、そういった状況になるなど、水源涵養とか土砂災害の防止等の公益的機能が低下している森林でございます。
391 ◯野村陽一委員 定義はわかりました。それでは、この荒廃した森林の再生はどのような手順で進められていくのか、具体的にお聞かせください。
392 ◯鳥巣林政課長 再生事業の事業主体は市町村でございます。事業の手順につきまして具体的に申し上げますと、来年の四月から、まず荒廃森林の現地調査を行います。森林所有者と一定期間の伐採禁止などを内容とします協定を締結することになります。その後、設計積算を行い、工事を発注することとなります。さらに工事完了後につきましては、再生した森林を環境の森として長期間保存してまいります。
393 ◯野村陽一委員 それでは、事業主体が市町村ということでございますけれども、地籍調査一つにとっても物すごく労力がかかるとも聞いております。地籍調査など、現地調査の費用などで、市町村に新たな費用が発生することはないでしょうか、お示しください。
394 ◯鳥巣林政課長 この再生事業に伴いまして取り組むいろいろな調査、その経費につきましては、当然、市町村が事業主体となりますので経費は出てきます。その分につきましては、徴収されました森林環境税の中で対応してまいりたいと考えております。
395 ◯野村陽一委員 わかりました。そこで、事業主体である市町村は事業の趣旨や事業内容を十分理解する必要があると思いますが、市町村とどのように打ち合わせを行っているのかお聞かせください。
396 ◯鳥巣林政課長 これまで市町村に対しまして、まず事業の趣旨について説明会を開催しております。その後、市町村とともにこの税事業についての連絡協議会を立ち上げております。その連絡会議の場におきまして、具体的な事業内容あるいはその実施方法について打ち合わせを行ってきたということでございます。
397 ◯野村陽一委員 それでは、市町村の反応はいかがだったでしょうか。
398 ◯鳥巣林政課長 県といたしましては、御理解いただけているものと考えております。
399 ◯野村陽一委員 私は北九州市や福岡市から課題や要望を聞いております。両政令市を初め各市町村から何も課題なり要望なり聞かれていらっしゃいませんでしょうか。
400 ◯鳥巣林政課長 こういった会議の場で打ち合わせ、意見等が出されたものについて、もちろんできるものは取り組んでまいりますし、できないものははっきりできないということでお断りしているところでございます。
401 ◯野村陽一委員 具体的な内容を、もし今お聞かせいただけるところがありましたら、一つ二つで結構ですのでお聞かせください。
402 ◯鳥巣林政課長 ただいま質問がありましたような、例えば経費については、市町村が超過負担にならないようにしっかり面倒を見ていただきたいといった要望がなされておりました。これについては、必要な経費はこの事業の中で対応してまいりたいと考えております。
403 ◯野村陽一委員 本年の十月三日付、北九州市議会から「福岡県森林環境税による事業に関する意見書」が県知事あてに提出されています。福岡市議会でも、次の十二月議会に向けてこの森林環境税に対する動きがあるとも聞いております。また福岡市においても、この要望を含めた提言書というのを提出することを検討していると聞いております。この北九州からの意見書、そして福岡市の動き、キャッチしておられましたでしょうか。
404 ◯鳥巣林政課長 北九州市につきましては、議会の意見書ということで提出されておりますが、当然、それぞれの自治体の行政活動の中でなされていることであり、私どもが事前にそれを察知するとかいうことはございません。
405 ◯野村陽一委員 事前に察知ということではなくて、こういう動きがある、こういうことがなされた、意見書が出されたことに対して、市議会なり北九州市、また福岡市に対して、そういう県の考え方なり丁寧な説明なり、対応があったかということをお尋ねしております。もう一度お願いします。
406 ◯鳥巣林政課長 ただいまの御質問の中身につきましては、意見書として出されたものであり、県として自治法の規定にのっとってこれを受理しております。これについて特に私どもとしてはこれまで、先ほど申し上げておりますように、事業制度の趣旨なり事業の内容というのは十分説明してきたつもりでございます。そういったことで、改めて個々の内容について回答するといったことはいたしておりません。
407 ◯野村陽一委員 最後に部長に、この実施するに当たりましてお尋ねします。県民一人一人の声も大切にしなければなりませんが、納税者の二百万人の約半数であります、この北九州・福岡市の両市民で、実施に当たり事業対象を拡大してほしいという要望がいろいろな形で出ております。その意味で、どう受けとめて実施に取り組むのか、その思いと受けとめをお聞かせください。
408
◯江口吉男委員長 本田水産林務部長。
409 ◯本田水産林務部長 水産林務部といたしましては、まず県内の荒廃している森林二万九千ヘクタールを早急に再生して、森林の持つ公益的な機能を十分発揮させるよう、先ほど御指摘がありましたように、市町村との連携をとりまして全力を挙げて取り組みたいと思っております。
410 ◯野村陽一委員 確認ですが、北九州市、福岡市とさらに連携を深めて、それぞれの理解を得る努力をされるということでよろしいでしょうか。
411 ◯本田水産林務部長 よろしいです。
412 ◯野村陽一委員 それでは、最後に要望いたします。本県の森林環境税による事業は、杉・ヒノキの人工林が対象となっております。しかしながら、私の地元であります北九州を初めとした各地で、竹林や里山においても人工林と同様に荒廃が進んでおります。特に竹は、放置しておくと田畑まで侵入する「緑のギャング」とも言われております。近隣生活に大きな影響が出ることを懸念されておりますので、したがいまして、今後この事業についてもメニューの見直しをされる場合には、竹林や里山への対策についてもぜひとも検討されますよう強く要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
413
◯江口吉男委員長 質疑をお願いします。森下委員。
〔正副委員長交代〕
414 ◯森下博司委員 お疲れのところ御苦労さまでございます。公明党の森下です。
野村委員と全く同じ質問のテーマになったので、すべて割愛して、違った観点で質問したいと思います。
今、答弁をいろいろ聞いていたんですが、私もチラシをきょう持ってきました。これはほとんどみんな県民は見ていないと思います。中身を見ても、森林環境税を個人的に負担せないけんという、そういうことはちょろっと裏に、本当に小さく書いています。具体的な徴収される方法も全く、さっき西村課長のほうから答弁があって、初めて私も四期に分けてこのお金を払う、それから会社員は給与から天引き、こういったことを、またおおむね納税義務者の百万円の収入のある方以上とか、子供まで取られるんじゃないかとか、いろいろな想像があったんですが、そういったことがきょう私でも初めて知ったという、本当に質問者として情けないというか、そっちのほうが情報が余りにも少ないというか、非常に心配をしております。
ちょっと私の提案ですが、例えばフリーダイヤルとか、まあ、駆け込み電話じゃないけれども、森林一一〇番とか、何かそういったものをぜひつくりながら、新税ですから、気持ちよく、このお金を出したときに納得して、そしてこのお金で福岡県の森林荒廃がよくなり、そして自分の生活環境が本当にクリーンになってくるというか、そういう気持ちにさせるというのが大事じゃないかと思います。住民税の負担感とか、きのうは消費税の見直しとかテレビで言っておりましたが、増税感のある話はもう金輪際やめてくれという声が物すごく聞こえるような気がいたしておりますので、これは西村課長、ちょっと答弁だけもらえんでしょうか。
415 ◯入江種文副委員長 西村税務課長。
416 ◯西村税務課長 今の委員御指摘のように、新たな負担ということになります。やはり、なぜ税を払うのかということの理解が一番肝要だと思っておるところでございます。その部分についてどういうふうに、今までも広報してきたつもりでございますけども、まだまだという形で不十分だろうと思っておるところもございます。やはり二百万人、それから十万社ということになりますので、先ほど申し上げたような形の中で具体的な周知活動に取り組んでいきたいと思いますし、今委員御指摘のような工夫等も図っていきたいと考えているところでございます。
417 ◯森下博司委員 きのう手紙が入ってきてですね、きのうですよ、こんなことが書いていました。「きょう議員に辛口の意見を述べさせていただきます。森林環境税は既に決定したことですからしようがないと思いますが、小学生から大学生に、体力に合った緑化運動に強制的に参加」、強制的ってあれ、書いていますが、「強制的に参加させる法を整えたらどうでしょうか。例えば学校の内外を徹底的にきれいにする運動等も含めて」というふうに、きのう入っております。小倉北区の方です。都内というか、中心部におる方はなかなか森林環境税と言ってもぴんとこない。だから、これはしようがないということじゃなくて、今後次世代に引き継ぐためにも、こういう税が大事であり、そして払う喜びというか、これを管理させていただくような、こういう福岡県の税の担当者として、責任者として、ぜひこれは要望しておきますけども、お願いをしたいと思います。まだ日にちもありますので、ぜひ納得のいく理解をさせるという、こういったことでお願いをしたいと思います。
ちょっと質問いたしますけれども、この森林環境税の市町村の賦課徴収に係る手数料についてですけども、これは市町村との合意は図れたのか、またその手数料についてはいつ発表できるのか、教えてください。
418 ◯西村税務課長 市町村とこの間実務的な打ち合わせを積み重ねてきた経緯でございますけども、いわゆる賦課徴収の徴税コスト、それから先ほど申し上げましたような市町村での広報費用について、そういった費用について交付していきたいと考えているところでございます。具体的な手数料の額等につきましては、平成二十年度の予算編成時において確定することとなると思っております。
419 ◯森下博司委員 来年二月ぐらいじゃないかなと思いますが、その計画どおり十三億円の森林環境税が徴収できた場合に、基金にはどれぐらい積み立てができるのか、その計画があればお願いいたします。
420 ◯西村税務課長 年間十三億、平年度ベースでございますけども、これにまず徴税コストを差し引きまして、その残りについて基金に積み立てるという形になります。この額につきましても、先ほど申し上げましたように平成二十年度の予算編成を経て確定することとなります。
421 ◯森下博司委員 じゃ、林政課長、ちょっとお聞きしますけれども、現場での課題についてちょっと伺います。森林環境税の使途について、また総事業費が百三十億円の積算根拠、この考え方、また事業の内訳、どのようになっているか、この三点聞かせてください。
422 ◯入江種文副委員長 鳥巣林政課長。
423 ◯鳥巣林政課長 荒廃した森林を、二万九千ヘクタールを十年間で再生するということにいたしております。事業費といたしましては、間伐や枝落とし、それと放棄地への植栽などを行います荒廃した森林の再生と、県民によります森林づくりへの助成、あるいは情報発信などを計算いたしますと、百三十億円ということになったものでございます。その内訳といたしましては、間伐等を行います荒廃森林再生事業が約百二十億円で九割を占めております。残りが県民による森づくりや情報発信など、こういったものに充てることといたしております。
424 ◯森下博司委員 課長、二万九千ヘクタールといったら大体どれぐらいのことをいうのか。福岡ドームの何倍とか、何かわかりませんか。
425 ◯鳥巣林政課長 詳細には承知しておりませんでしたが、福岡ドームのフィールドだけで一ヘクタールということのようでございます。それからしますと、それの二万九千ですからその倍というふうなことになります。相当広い面積かと思います。
426 ◯森下博司委員 明快な回答をありがとうございます。
じゃ、次にちょっと行きますが、県内の荒廃森林、推定二万九千ヘクタールとのことですが、間伐などの荒廃森林再生事業の事業主体は市町村というふうに聞いています。この荒廃森林が存在して、事業を進めるべき市町村というのは幾つあるのかということと、それから市町村からは県が直接事業を実施すべきじゃないかという声が聞こえてきますけれども、市町村は事業を計画して実施する体力やノウハウを持っているのかと。また、市町村に対して県は研修や指導をどのようにやってきたのか、またやっていこうとしているのか、その三点はお答えください。
427 ◯鳥巣林政課長 これまで県下のすべての六十六の市町村に対しまして、事業の説明会を行っております。荒廃した森林の再生につきましては、このうち森林を有する六十市町村すべてが事業の対象になると考えております。事業主体となる市町村に対しましては、技術的なそういった知識が不足しておられる場合もございますので、このため市町村の担当者に対しまして、荒廃した森林におきましてその調査の方法などの実地研修を行っております。そして技術の習得をしていただいたというふうなことでございます。現在は、県が開発しております設計積算システム、これを用いまして、具体的な事業費の、工事費の積算方法、こういったものの技術研修会を行っているところでございます。
428 ◯森下博司委員 その中で、森林所有者の集まりである森林組合、その森林組合が組合員さんの荒廃森林を、税を使ってその間伐等の作業を請け負うということには問題はないんですかね。
429 ◯鳥巣林政課長 仮に森林組合が市町村から間伐等の作業を請け負うという事態になりましても、森林組合は森林法で成り立っておりますが、森林法上も問題はございません。
430 ◯森下博司委員 はい、了解しました。じゃ、その森林再生事業は来年のいつごろから始める予定なのか、また事業費は幾らかかって、事業を進めることでどの地域がどのような恩恵を受けるのか、これに答えていただけますか。
431 ◯鳥巣林政課長 森林の再生事業につきましては、来年の四月から始まることになりますが、実際の工事でありますと、例えば間伐などに例をとりますと、おおよそ十一月ごろになる見込みでございます。来年度の事業費でございますが、通年ベースではおおよそ十三億円程度ということになりますが、初年度でありますことから、税の徴収時期、こういったものの関係で若干初年度は下回る見込みでございます。また、事業の効果といたしまして、荒廃した森林が再生されまして水源涵養あるいは森林の持つ公益的機能が、こういったものが発揮されることによりまして、安全で安心な県民生活の暮らしに寄与するといったことから、県民全体が恩恵を享受すると私どもは考えております。事業を具体的に実施する当該地域では、細かくなりますが、新たな雇用が創出され、地域の活性化にもつながるのではないかと私どもは考えております。
432 ◯森下博司委員 県民全体が恩恵を享受すると言われたけれども、そこは最初、冒頭に言ったように、都心部というか、町の方には理解ができないところだと思うので、この提案は再度強く理解していただくような方策を、林政課のほうからもぜひ進めていただければと思います。県民から新たな負担を求める税ですから、言うまでもなく一円たりとも無駄にしてはいけないと思っています。その使途については、透明性を高めることが私は何よりも重要だと思います。そのための施策を何か考えているのか、お答えください。
433 ◯鳥巣林政課長 透明性の確保の件でございますが、森林環境税は使途を明確にいたすため、基金に積み立てをいたしまして、荒廃した森林の再生などの施策のみに使うことといたしております。また森林環境税事業の実績につきましても、県のホームページあるいは広報誌を用いまして県民の皆さんにわかりやすく公表するといったことで、透明性の確保に努めてまいりたいと考えております。
434 ◯森下博司委員 最後でございます。総務部長と水産林務部長の決意をちょっと求めたいんですけども、最後の質問の中に私は、森林環境税の税を無駄にしない、そして使途の透明性を確保する、このことですが、私は事業については、できれば第三者で評価委員会、そういったものを設置していただき、チェックを強化すべきじゃないかと思います。そういったこともひっくるめて、お二人の部長の決意、そして先ほど言った税に対する思い、それから県民に対する理解度、このところを盛り込んでいただき、決意をお願いしたいと思います。
以上です。
435 ◯入江種文副委員長 木村総務部長。
436 ◯木村総務部長 森林環境税は目的税でございますし、新たに県民の皆様に負担をお願いするということになります。そういう意味で、税につきましてはこの税に限らずすべてそうでございますが、無駄のないように大切に使わせていただきたいというのが心から思っているところでございます。そういう意味で、この税が目的税でございますので、基金にきちっと積みまして、ほかの税と混同されないような明確な区分をしてまいりたいと思っておりますし、また事業につきましても、その事業内容を県民の皆様によく周知できるような方法をとってまいりたいと考えております。
437 ◯入江種文副委員長 本田水産林務部長。
438 ◯本田水産林務部長 水産林務部としましては、県内の荒廃した森林を早急に再生し、森林の持つ公益的機能が十分発揮されるよう全力で取り組んでまいりたいと思っております。それからまた使途の透明性につきましては、委員の御提言を含めまして、それを確保するような仕組みをつくってまいりたいと考えております。
439 ◯森下博司委員 きょうはどうもありがとうございました。しっかり、よろしくお願いいたします。(拍手)
440 ◯入江種文副委員長 この際、各委員に申し上げます。本日の審査は午後五時までを予定しておりましたが、議事の都合によりこのまま続行させていただきます。よろしくお願いします。
進行します。井上幸春委員。
441 ◯井上幸春委員 食と緑と県民の幸せを守る緑友会県議団の井上幸春でございます。通告に従いまして、三項目について質問をいたします。
委員長、最初に資料の配付をお願いしたいと思います。
442 ◯入江種文副委員長 資料のテーマはどんなふうでしょうか。その確認の上に配付をお願いしたいと思いますので。
443 ◯井上幸春委員 資料は、先行取得の利用状況について、東九州自動車道の進捗について、白石工業団地取りつけ道路についての資料でございます。
444 ◯入江種文副委員長 お諮りいたします。ただいま井上幸春委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
445 ◯入江種文副委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
執行部に申し上げます。ただいま井上幸春委員から要求がありました資料については、提出できますか。的野用地課長。
446 ◯的野用地課長 直ちに提出いたします。
447 ◯入江種文副委員長 執行部に申し上げます。提出予定の資料を委員長に確認させてください。
448 ◯井上幸春委員 委員長、できれば一緒にもう。
449 ◯入江種文副委員長 田代高速道路対策室長。
450 ◯田代高速道路対策室長 直ちに提出させていただきます。
451 ◯入江種文副委員長 大渕管理課長。
452 ◯大渕管理課長 直ちに提出させていただきます。
〔資料確認〕
453 ◯入江種文副委員長 それでは、ただいまより井上幸春委員要求の資料を事務局から配付いたさせます。
〔資料配付〕
454 ◯入江種文副委員長 それでは井上幸春委員、資料の配付が終わりましたので、質疑を行ってください。
455 ◯井上幸春委員 それでは、申しわけございません、時間が経過しておりますので、同時に配っていただきました。
最初に、先行取得予算の利用状況について説明をお願いいたします。
456 ◯入江種文副委員長 的野用地課長。
457 ◯的野用地課長 ただいま配付いたしました資料の中の記載の、一番左側の部分に記載しております実施額の十七億円余につきましては、十八年度に新規に貸し付け決定をした額でございまして、次の真ん中の貸付残と記載しております額は、十八年度末時点で過去に貸し付けた額のうちに未返還額として残っている額でございます。この実施額と貸付残を足しました額が、一番右に書いております運用額でございまして、これが十八年度末時点で現に運用されている額ということでございます。
458 ◯井上幸春委員 この予算は三十億円ですよね、的野課長。
459 ◯的野用地課長 そうでございます。
460 ◯井上幸春委員 それで、三十億円あるんですから、もう少しいっぱいいっぱい使えばいいんじゃないかなと私は思っております。というのが、先日浦田先生が道路の問題で質問しておりました。その際、三十年以上もかかったと。こういうすばらしい予算があるので、もうちょっと活用すれば用地買収にもどんどん進んでいくんじゃないかと私は思いますけども、その辺のことはどのように考えているんでしょうか、お答えください。
461 ◯的野用地課長 基金の額は三十億円でございますけれども、十八年度末の運用実績が二十二億円余ということで、数字上では残額が七億円余あるわけでございますけども、実は十八年度末までに既に複数の土木事務所のほうから、平成十九年度当初に必要ということで貸し付け希望があっておりましたので、その額を確保しておったということで、見かけ上は七億円余の残が出ているということでございますけれども、この額についてはもう既に拘束されておる額であったということでございます。
462 ◯井上幸春委員 とにかくこの予算をうまく利用していただきたいなということで、私は今回質問をいたしました。そこでこの質問ですけどね、この予算はですね、先行取得の予算、予算書には掲載されていないんですよね、財政課長。どうして決算でこの予算をここで報告してくるのか。我々がこの予算はどこにあるんだろうかと予算書を見ても載っていない、しかし決算では出てくる。その辺がどういうことなのか、説明をしてください。
463 ◯入江種文副委員長 服部財政課長。
464 ◯服部財政課長 この三十億円の予算でございますが、公共用地先行取得事業特別会計というのがございます。この特別会計を通じまして県の土地開発公社に貸し付けておるものでございまして、いわゆる長期貸付金ということでございます。これは平成七年度のときに予算に計上いたしまして、この長期貸付金を議会もお認めいただきまして計上いたしたわけでございます。それ以降は長期貸付金でございますので、予算書には掲載されておりませんで、決算のほうの取り扱いといたしましては、決算の関係書類として出しております財産に関する調書、今年度でありますと五十四ページで土木部が管理する債権の年度末現在高として、福岡県道路河川事業用地先行取得資金貸付金三十億円ということで掲載をしておるものでございます。
465 ◯井上幸春委員 わかったかわからないような答弁ですけどね、いずれにしても、やはり予算であれば、私は予算書に載せるべきじゃないかなと思っております。このことをあえてここで追及はしませんけども。
そこで、これは土木部長といいますか、的野用地課長にもお聞きしたいんですが、この三十億円で足りているのか。今まさに道路をつくっていかなきゃいけない、いろいろな地域があるわけですよね。その中で、もう少しこの額があれば道路が早く完成するんじゃないかというようなことも考えるんじゃないかと思いますけども、将来この三十億円を四十億、五十億円にしていこうというような希望があるのかどうか、教えてください。
466 ◯的野用地課長 この三十億は、いわば各土木事務所の潤滑油的な資金として非常に便利に使わせていただいているわけでございますけども、この資金の事業計画につきましては、用地の取得見込みを勘案しまして計画的な執行を図っておりまして、年間を通じて見ますと大きな不足はこれまでのところ生じたこともございませんで、おおむね妥当なものと考えております。今後とも用地事務のより効率的な執行を図りますことによりまして、なお一層効果的な運用に努めてまいりたいと考えております。
467 ◯井上幸春委員 本当に私は大事な予算だと思っております。ぜひ、これを将来、予算が厳しい状況ですから、増額することは厳しいかもしれませんけども、将来にわたってこの額を少しでもふやしていただいて、そして各土木事務所がこの予算を利用していただきまして、用地買収がスムーズにいくようにしていただきたいなと私は思っております。ところが土木事務所に聞くと、この予算が使われて、もうないんだということをよく言われるんですよ。あの予算があるじゃないかと言っても、ないというふうに言われておりますけども、その辺、答えづらいと思いますからもうこれ以上言いませんけども、やはり土木事務所に偏っているところがあるんじゃないかなと思うんですよね。そういうことのないように使ってもらいたいと私は思いますけども、その辺、土木部長はいかがでしょうか。
468 ◯入江種文副委員長 岩崎土木部長。
469 ◯岩崎土木部長 先ほど的野課長のほうからお答えをいたしましたけれども、特に用地費については本年度の予算で対応するのが基本だと思いますけれども、やはり予算が足りなくて次の年に回すということになりますと、なかなか地権者の了解というか、御理解いただけない場合もございまして、こういったときに機動的にこの資金が有効に使われているというところでございます。引き続き用地の円滑な取得というのが、現在の公共事業を進めていく上で非常に重要な事柄でございますので、この資金をうまく活用して事業の推進に努めてまいりたいと思います。
470 ◯井上幸春委員 よろしくお願いをいたします。では、この項の質問は終わります。
次に、東九州自動車道の進捗状況について質問をしたいと思います。
東九州自動車道は現在、空港へとつながります苅田北九州空港インターまで完成していますが、残りの苅田・行橋・豊津間、さらには豊前市から中津間は、本年度を含め何年以内に完成させる予定なのか、また用地の取得率はどのようになっているのか、お答えをしてください。
471 ◯入江種文副委員長 田代高速道路対策室長。
472 ◯田代高速道路対策室長 東九州自動車道の完成についてでございます。独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構、通常「機構」と言っておりますが、その機構と西日本高速道路株式会社が締結しております協定上の完成年度につきましては、苅田北九州空港インターから、仮称でございますけども行橋インターまでが平成二十五年度、豊津インターまでが平成二十六年度、それから椎田南インターから県境までが平成二十八年度となっております。しかしながら、県といたしましては一日も早い供用が図られるよう西日本高速道路株式会社に早期に完成を強く働きかけるとともに、関係者、地元の皆様と一緒になって、設計協議と用地買収に向けた準備を鋭意行っているところでございます。その結果、椎田南インターから県境につきましては、九月に開催されました東九州自動車道建設推進会議におきまして、西日本高速道路株式会社より、完成年度を二年早め、平成二十六年度を完成目標とし努力していきたいという意思表明が出されたところでございます。
現在の用地の取得率についてでございますけども、今現在、苅田町域、行橋市域、みやこ町域におきまして用地買収を行っております。苅田北九州空港インターから行橋インターの間につきましては、資料にもございますように、現在七五%まで進んでおります。また行橋インターから県境までの区間につきましては、設計協議等をほぼ終了しておりますけども、また一部の地域におきましては地元の皆様の協力を得られ、用地測量が終了し、みやこ町地域につきましては九月から用地買収の個別交渉に入っている状況でございます。
473 ◯井上幸春委員 そうしますと、これから七年後に完成ということですよね。そこで、先ほど資料をいただきまして、これは用地取得体制ということで、福岡県土地開発公社京築事務所、所長を含め現在十七名でやっているということですけども、本当に十七名おるんでしょうか。ちょっと答弁してください。
474 ◯田代高速道路対策室長 十一月一日現在、所長・副所長以下、二係一班体制で、総勢十七名でございます。
475 ◯井上幸春委員 先般、知事も見えて会議があったときに、これから四十人体制でやっていこうという話もございましたよね。しかし今現在十七名ということでございます。大変、用地交渉が厳しいところもあるようですけども、この人数でやっていけるのかどうか、そこら辺はどのように考えているんでしょうか。
476 ◯田代高速道路対策室長 用地買収につきましては、事務のほうは県の土地開発公社が実施しております。今、委員御指摘のように、平成二十年度から福岡県域内すべてにおきまして用地買収に着手することが可能となります。したがいまして、平成二十年度、二十一年度がピークだと考えております。したがいまして、来年度以降の組織体制、総数も含めて、必要人員等について、今現在土地開発公社と協議、調整、検討を行っているところでございます。いずれにいたしましても、私どもといたしましては土地開発公社が機動的に活動できるように、市、町、経済界といった方々からの人的支援も含めた協力をいただきながら、用地取得の推進に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
477 ◯井上幸春委員 ぜひ用地取得人員といいますか、この体制を早期に四十人体制、築上・豊前のほうは大変おくれておったんですけども、地元の皆さんが早く高速道路をつくっていただきたいということで、我々のところの行橋・みやこよりも逆に用地交渉が進んできているんですよね。そこで、豊前のほうに二十人、我々の行橋・みやこ地域に二十人ということでしょう。合計四十人でやるということでいいんですよね。
478 ◯田代高速道路対策室長 総数等も含めまして、今、公社と具体的に検討している状況でございます。
479 ◯井上幸春委員 だから、四十人でやるんですかと聞いているじゃないですか。
480 ◯田代高速道路対策室長 総数はまだ今のところ検討中でございまして、その程度になるのかなと考えております。
481 ◯井上幸春委員 木村総務部長、こういう予算づけというのも大変なことなんですよ。やっぱり人員確保するというのは予算が伴ってくるんですよ。そこで、先ほど佐藤委員からも言っていましたけど、やはり全体が今どういう状況になっているかということを、横の連携をやっていかないと、きょう私、これをずっと皆さんにお願いしたのは、その部だけは知っているけども部が違うと関係ないというような状況になっていますので、ぜひですね、先般も木村部長のお計らいでいいことがありました。本当に、ぜひですね、やっぱりいろいろなところに目を配っていただきたいなと思っておりますので。
〔「それはおかしい」と呼ぶ者がある〕
482 ◯井上幸春委員 いや、これはですね、さっき土地の未利用の件があったんですけども、管財課が勝手に土地を売ろうとしたんですね。それで、いや、土地開発公社はこの土地が欲しかったんだと、そのちぐはぐが出ちゃったので、これはやっぱりいかんではないかと。もし不動産屋さんに売ってしまったら、不動産屋が高く買ってしまうというような状況があって、これはやっぱり地元の皆さんに買っていただくようにということで、そういうことをお願いした次第でございます。本当に木村部長には感謝いたしております。
そこで、次の質問に移りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。白石工業団地の地図をもらっておりますけども、今どのような状況になっているのか説明をお願いいたします。
483 ◯入江種文副委員長 大渕管理課長。
484 ◯大渕管理課長 今お配りしております平面図でございます。ここの真ん中ほどにベージュ色で着色しておりますAからE区画、五区画十三・七ヘクタールございます。この工事につきましては十六年度から造成工事に着手いたしまして、ことし八月に完了しております。このAからE区画、現在分譲中でございます。
485 ◯井上幸春委員 確かにこういうふうになってまいりました。それに対しては敬意を表したいと思います。それで、今後どのような企業誘致をしようと考えているのか教えてください。
486 ◯大渕管理課長 企業誘致に当たりましては、進出企業の情報の把握、また的確な動きというのが重要になってきます。そのため、我が企業局だけでなく、商工部、それから東京、名古屋、大阪といった県外事務所と連携を密にしまして、企業誘致を進めてまいりたいと考えております。
487 ◯井上幸春委員 商工部長はどのように考えているんでしょうか。
488 ◯入江種文副委員長 石井商工部長。
489 ◯石井商工部長 白石工業団地に対する企業誘致でございますけども、この地区は日産、それからトヨタの今度の新しい工場にも近いということで、自動車関連を中心に非常に企業誘致が有望なところでございます。そういう認識のもとでしっかり企業誘致に取り組んでまいりたいと考えております。
490 ◯井上幸春委員 それで、この地図を見ていただきたいんですけども、いわゆる取りつけ道路といいますか、今準備していただいておりますけども、この赤い線ですよね。このところを今後どのようにするのか。これは苅田町が都市計画道路を計画しているわけですよね。しかし、この道路を早く完成しないと、この道路から行橋の稲童工業団地へもつながっているんですよ。将来は豊前、また中津のほうにもつながる道路になっております。この道路を今、これからどのようにしていこうと考えているのか、お答えください。
491 ◯入江種文副委員長 松藤道路建設課長。
492 ◯松藤道路建設課長 今委員が言われたとおり、都市計画道路小波瀬臨海工業線、そして都市計画道路白石海岸線として、都市計画決定をされている道路でございます。ただ、この道路につきましては、道路の必要性に応じて町の事業として取り組むべきものだと考えているところでございます。また、今後苅田町のほうから事業化されるということがありますれば、手続等相談があれば真摯に対応していきたいと考えているところでございます。
493 ◯井上幸春委員 まだ徹底をしていないということですね。ということは、これは苅田町がつくるべき道路というふうに解釈していいんでしょうか。
494 ◯松藤道路建設課長 今のところ苅田町で整備されるべき道路だというふうに、今考えているところでございます。
495 ◯井上幸春委員 この道路ですね、本当に大事だと思いますので、県がつくるのか苅田町がつくるのか、その辺の精査をしていただきまして、早急に結論を出していただきたい。そのことが、また将来行橋のほうへつながっていく道路になると私は思っておりますので、もう一度、これからどのような計画で進むのか教えてください。
496 ◯松藤道路建設課長 現在のところ、道路整備としては県での整備方針というのはないという形で考えております。苅田町のほうで整備をしていただくような形で考えているところでございます。
497 ◯井上幸春委員 わかりました。そのことを苅田町長に伝えますので、ぜひ県のほうから苅田町にそのことを話していただきまして、この道路が完成するようにお願いをしたいなと思っております。
今まさに自動車生産百万台から百五十万台と、我々の地域、元気が出ている地域です。ですから、ぜひ、こういった道路の整備というのは大事だと思っておりますので、各部長さん方のお力をいただきまして、早期に完成ができるようにお願いをしたいと思っております。
以上で私の質問を終わります。(拍手)
498 ◯入江種文副委員長 関連を認めます。岡田委員。
499 ◯岡田博利委員 食と緑を守る緑友会県議団の岡田でございます。どうぞよろしくお願いします。
関連質問でございますが、今の続きでございますが、我々、隣の行橋に住んでいまして、自動車百万台だとか百五十万台でも、商工部の方々、まあ、県全体に言えることですけど、行橋は縁がないんですよね。何かといったら、みんな苅田なんですよ。行橋は税金が入らないで、地方交付税も入らないで、インフラの整備だけちゃんとせないかんのですよ。こんなばかなことがあるかということを考えながら、今から質問します。
今、井上先生の話がありましたけど、その後の行橋、苅田の今の道路の完成、県がつくるか苅田町がつくるか、どちらでもいい、つくっていただいて、その後、長峡川から稲童団地までどうやって行くのか、また自動車百万、百五十万体制の中で、サプライヤーの話がありましたよね。トヨタというのはジャスト・イン・タイムということで、三十分以内に部品を納入しなければ下請工場を解除されることもあります。そういうことを考えながら、その次の道路をどのような形で計画をしていくのか、またいつごろまでに実現していくのか。今ここでやらなければできないと思います。真剣な答弁をお願いします。
500 ◯入江種文副委員長 松藤道路建設課長。
501 ◯松藤道路建設課長 今の御質問は、門司行橋線の整備方針という形だというふうに考えます。今後の整備につきましては、既存道路を最大限活用しながら、線共用間の解消、幅員の狭小区間等もございますので、そういう改良を行いながら、交通の円滑化を図っていきたいと考えております。
502 ◯岡田博利委員 具体的にいつまでなのか、どうやったか、今たしか図面はできたけれども、またいろいろの問題があって組みかえをしますということだったと思うんですけれども、今後どのような形で、いつ出されるのか。────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────今の周防灘臨海線について、大体具体的にどのような計画でいつごろまでをめどにやるのか、これは課長じゃなくして部長にお願いします。
503 ◯入江種文副委員長 岩崎土木部長。
504 ◯岩崎土木部長 門司行橋線の整備方針についてお尋ねでございますけれども、今ほど課長からもお話をしたように、既存道路を活用しながら整備を進めているわけでございますが、これについては、地元行橋市等ともこれからよく調整をさせていただいて、具体的な整備スケジュールを検討していきたいと思っております。御要望の点については十分承知をしております。またしっかり取り組んでまいりたいと思います。
505 ◯岡田博利委員 部長、きょうの気持ちを忘れずに、ぜひともお願いしたいと思います。それとともに自動車は百万台から百五十万台になり、高速道路もできます。ここでやはり福岡県が一体的な発展をするためには、行橋から下の京築はもちろんですけれども、福岡に行くのに近くなるのは、二百一号線筑豊横断道路がありますね、これもあわせた形の整備を早くきちっとできるようにお願いいたしまして、私の関連質問を終わります。
以上でございます。(拍手)
506 ◯入江種文副委員長 進行します。井上忠敏委員。
507 ◯井上忠敏委員 自由民主党県議団の井上忠敏でございます。同じ井上でこんなに格差があっていいものかと思って、実力もそれぐらいしかありませんからしようがないので、静かな声でお願いしていきたいと思います。
先輩諸氏が地方分権改革に伴っていろいろ、県もそうですけども、市町村も財政的に非常に厳しい状況になっております。合併しなかったところほど非常に追い込まれておりまして、恥ずかしい話ですけど、私の住んでおります小郡市は、借金が三百六十億、そして、毎年十五億の財源不足ということで、平成十二年に補助金・交付金が五十六億あったのが、現在三十六億で、正確には二十億足りないのが実情なんですが、いろいろ、人件費を削ったり、区長さんの、あるいはいろいろな団体の二割カットをやって、何とか十五億までやっておると。先ほどの北九州から苅田、行橋、豊前の話に比べると、本当に恥ずかしい話です。かてて加えて、鳥栖も苅田に次いで不交付団体になったぐらいの県境に住んでおる者として恥ずかしい思いがいたしておりますが、我が小郡市は自主財源を確保することから進めていかないかん。もう道路をつくる段じゃないんですよね。本当に笑い事じゃないんですけど、とにかく自主財源をつくるためにはどうしたらいいか。それは企業誘致ゾーンをつくることだと思う。そして、企業を誘致して雇用を確保し、税収をふやさないと、福祉や教育にお金が回ってこない。
そこで、市町村が策定する国土利用計画について、県との事前協議はどのようになっていますか。
508
◯江口吉男委員長 辛島地域政策課長。
509 ◯辛島地域政策課長 市町村が確定いたします国土利用計画は、市町村の土地利用に関する最も基本的な計画でございまして、行政上の指針となるものでございます。また、この計画は、市町村の基本構想に則しつつ、県の国土利用計画を基本といたしまして策定されるため、素案が策定された段階で県との事前協議が必要となってまいります。その事前協議につきましては、まず、関係いたします農業振興課や、都市計画など土地利用に密接にかかわります関係課と調整を行いまして、その後、改めまして、土地利用関係課二十四課と調整を行うこととしております。その調整を行いました後に、市町村議会のほうにおいて議決決定を行い、計画が策定されるということになっております。
なお、この市町村計画に位置づけられました開発計画や構想につきましては、あくまで計画に位置づけられたものでございますので、具体的に開発行為等の手続を行う場合につきましては、それぞれ、個別法の所管いたします部署との協議が必要となってまいります。
例えば、先生先ほど御指摘の工業団地を開発する場合におきましては、都市計画法による開発許可の手続が必要となってまいります。また、その開発予定地が農振農用地区域に属している場合でございましたら、農振除外や農地転用の許可の手続が必要となってまいる次第でございます。
以上でございます。
510 ◯井上忠敏委員 いろいろ御答弁いただきましたけど、先ほど、工業団地等を開発する場合、都市計画法が関係するとの説明がありましたが、その手続、段取りについてお尋ねいたします。
511 ◯入江種文副委員長 吉田都市計画課長。
512 ◯吉田都市計画課長 工業団地につきまして、市街化調整区域等で開発する場合でございますけれども、その場合は、市街化区域への編入または地区計画の都市計画決定等、そういった手続が必要になってございます。また、この場合、先ほどありました市町村の国土利用計画といったような、そういった上位計画への位置づけも必要でございます。また、農地が含まれる場合につきましては、農政部局との協議が必要ということになってございます。
以上でございます。
513 ◯井上忠敏委員 次に、農振除外、転用についてお尋ねいたします。
市町村などが企業誘致の受け皿として工業団地をつくろうとする場合、そこが農用地区域であれば、まず、農用地区域からの除外を行って農地転用をすることとなっておりますが、なかなか農振除外ができない。また、手続にも相当時間がかかっておるようです。企業誘致はここ二、三年が勝負だと私は思っております。除外手続をもっと速やかにしてほしいとの要望を聞いております。
そこで、まず、どのような場合に農用地区域からの除外ができるのかをお尋ねいたします。
514 ◯入江種文副委員長 大神農業振興課長。
515 ◯大神農業振興課長 例えば、農工法などの地域整備法に基づく計画に位置づけられた施設を整備する、こういった場合などは除外することとしております。このほかにも、農地などの集団性を損なわないなど、農振法第十三条の第二項に定められております要件をすべて満たす場合などに限りまして除外を行うことができます。いずれの際にも、具体的な開発計画をもとに、農地転用許可の見込みなども確認しながら検討を行っております。
516 ◯井上忠敏委員 そのような要件を満たしたとして、除外、転用までにどのような手続が必要ですか。また、それにはどれくらいの期間が必要ですか、お尋ねいたします。
517 ◯大神農業振興課長 除外の手続につきましては法に定められておりまして、具体的には市町村で行います。住民への公告縦覧、それから関係の権利者からの異議申し出の期間、県知事の同意、それから除外計画決定の公告縦覧、こういった手続を経る必要がありますので、最低二カ月程度は必要になっております。
また、除外手続の後に、今度は農地の転用となりますが、これにつきましても、転用面積が四ヘクタールを超えますと許可権者が異なりますので、これによっても変わるんですが、おおむね一カ月半程度は要しております。
518 ◯井上忠敏委員 今、除外、転用までに数カ月程度かかるとの説明がありましたが、現実には、四ヘクタールを超えるような案件では一年以上、いや、その段じゃない、二年以上かかっているとも聞いております。実際のところ、どのようになっておるのかお尋ねいたします。
519 ◯大神農業振興課長 法に定められました手続に要する期間は、先ほど申し上げたとおりです。転用面積が四ヘクタールを超えますと、転用の許可権者が国となります。除外に当たりましては、開発計画につきまして、国と事前に協議を行うこととなっております。この協議につきましては、面積も大きいということから、規模の妥当性とか周辺農地への影響、それから法に定められた要件の審査、こういったのに相当な時間を要しております。
520 ◯井上忠敏委員 先ほど都市計画法についての説明がありましたが、除外、転用しようとする農地が市街化調整区域内にあるような場合、都市計画法と農振法による国との事前協議は同時に進め、時間の短縮を図るべきだと私は考えております。どのように行われているのか、実情を説明してください。
521 ◯大神農業振興課長 都市計画法との関係は、都市計画課と十分に協議を行いまして、そして調整を図っております。国との事前協議につきましても、同時に行っているところです。
522 ◯井上忠敏委員 工業団地を開発するに当たっては、いろいろな法律に基づく土地利用を調整をする必要があるようですけども、それを市町村が短期間で行うことは困難であると思います。そこで、市町村が工業団地を開発しようと思った場合に、土地利用調整が円滑に進むように、企業立地課として何か取り組みを行っておりませんか。
523 ◯入江種文副委員長 江口企業立地課長。
524 ◯江口企業立地課長 あくまでも事務的な取り組みということになりますが、工業団地の開発計画が具体化した案件につきまして、これまでも私ども企業立地課が窓口となりまして、手続がスムーズにいくようにと、市町村と一緒に、関係課でございます農政部の農業振興課、農地計画課、それから建築都市部の都市計画課等々とできるだけ調整を行ってきたところでございます。
なお、十九年度の途中からでございますけども、さらに円滑に進むようにということで、関係課の協力を得まして、これまで具体化していないとなかなか調整ということにならなかったわけでございますけども、その具体的な計画にまで至っていない段階においても事前に一定の調整を図ることができるようにということで今実施をしております。
525 ◯井上忠敏委員 最近の県南地域への企業立地の件数、面積の状況はどうですか。また、今後の動向はどうでしょうか。
526 ◯江口企業立地課長 国が実施しております工場立地動向調査という調査がございます。これは去年でございますけども、これでいきますと、平成十六年から十八年の三年間でございますけども、朝倉も入れた県南地域ということでございますけども、立地件数で六十一件、立地面積ということになりますと五十・三ヘクタールということになっております。
なお、今後でございますけども、御承知のように、久留米にエンジン工場が立地をして、今工場等の建設をしておりますけども、それに伴いまして、関連の企業も進出をしてきております。今後もそういうふうな自動車関連を中心に立地が進んでいくものと期待をしておりますし、努力をしていきたいと思っております。
527 ◯井上忠敏委員 大規模な造成計画に対する土地利用調整について、特定の部署をつくるなど、体制の整備を含めた手続の迅速化についてお尋ねしたいと思います。企画振興部長、代表して答弁してください。
528 ◯入江種文副委員長 中原企画振興部長。
529
◯中原企画振興部長 大規模な造成計画等の土地利用調整につきましては、先ほど来課長が御説明しましたように、都市計画法、農地法等、個別の法律に規定されました手続を経る必要がありまして、それぞれ専門性も高いことから、特定の部署で一元的に対応することは難しい実情があります。しかし、従来進めていますように、関係各課間の連絡体制をより密にすることによりまして、今後とも手続の迅速化、円滑化に努めるよう関係課とも協議してまいりたいと考えております。
530 ◯井上忠敏委員 私の要望は何か今の体制では難しいような企画振興部長の回答のようですけども、ともかく、麻生知事がことしの一月四日の年頭訓辞の中で、第三のエンジンを県内につくるとおっしゃっていたでしょう。選挙のときも、県南に来たら、そのことをしっかりおっしゃっていました。県南のことに限らず、田川でもどこでも、手続をスムーズにやるような体制を敷いてやらないと、佐賀の大和インターチェンジに小糸製作所が行ったんですよ。三千人の応募があって、六百人の雇用が起きておる。今おっしゃっていたいろいろなインフラ整備でも、福岡県民の税金をつぎ込んだんじゃないですか。福岡県民を潤すのが先決じゃないですか。
何か、北のほうは割方いろいろな手当が行っているからいいんですけど、県南は大変なんですよ。先ほど申し上げたように、毎年十五億足らんのですからね。市長にまずは企業誘致ゾーンをつくれと。それを今、土地利用計画審議会でやっと色を染めていただきました。それを企画振興部、地域政策課がいろいろ調整するそうですけど、一坪たりとて減らすことはならん。我々は今、六年間かけてその誘致ゾーンを確保しようとしている。小郡インター周辺は四十三ヘクタール。地権者があと一人。その中の道路整備も、五五%の減歩をやりながら地権者の同意を取りつけているんです。必死の思いで今その問題に取り組んでおります。端間から味坂の七十ヘクタールも、九割の方が四〇%の減歩で了解していただいております。
五月も、八月の末にも、私は知事に直接、「あなた、福岡に帰る前に、鳥栖ジャンクションの左側を見てください。圃場整備したところを七十ヘクタール造成して、今全部売れています」と。結果、鳥栖は、御案内のように、とうとう不交付団体になりました。
私は県境に住んでおります。佐賀県から福岡県に入った途端に、道路は狭くなるわ、田んぼばかりで税収が稼げないわ、私は金をくれと言っているんじゃないです。そういう手続をスムーズにやる体制をつくっていただきたい。もう切実なんです。この件につきましては、ぜひ知事に直接問いただしたいと思いますが、お取り計らいをお願いいたします。
531 ◯入江種文副委員長 ただいま井上忠敏委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。なお、知事保留質疑は十一月八日に行う予定でございますので、御了承願います。
532 ◯井上忠敏委員 ありがとうございました。(拍手)
〔正副委員長交代〕
533 ◯江口吉男委員長 原竹岩海委員。
534 ◯原竹岩海委員 民主・県政クラブ、原竹でございますが、風邪でぐあいが悪うございまして、質問がどこに飛ぶかわかりませんので、よろしくお願い申し上げます。
私は、食の安全と安心について幾つか質問と確認をさせていただきたいと存じます。タイトルは「偽装表示」ということございますが、偽装という表現は、思い出してみて、マンションの強度の偽装問題がありました。それから、いろいろな食品に関する偽装表示の問題がございました。そしてまた、今日でございますけども、けさの朝刊でございますけども、再び、ゴム関係の会社も、耐火パネルの性能を三倍に偽装をやっておったと。わかっただけでも、二校の中学校を含む百七十六件の偽装をやっておったということでございまして、十五年前から不正をやっていたと、堂々たる発表でございますが。そして、先般でございますけれども、福岡市内におきまして、しにせといいますか、新聞では高級料亭という表現がなされておりましたけれども、こういったところでも偽装表示がなされておりまして、経営者なり代表者が、消費者、市民、県民に対して深く謝罪をされたことは周知のところであります。
それで、問題でございますけども、最近、建物から食事まで、日本国じゅう、全部偽装、偽装であります。こういったことで、まさに県行政のチェック体制はどのようになっておるか、短い時間でございますが、この辺のところを少しチェックをさせていただきたいと存じます。
委員長、食品衛生法とJAS法に関しましての資料要求を執行部のほうにお願いを申し上げておりましたので、お取り計らいのほうをよろしくお願い申し上げます。
535 ◯江口吉男委員長 ただいま原竹委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
536 ◯江口吉男委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
執行部に申し上げます。ただいま原竹委員から要求がありました資料については、提出できますか。大隈生活衛生課長。
537 ◯大隈生活衛生課長 直ちに提出できます。
538 ◯江口吉男委員長 では、提出資料を正副委員長に確認させてください。
〔資料確認〕
539 ◯江口吉男委員長 それでは、ただいまより原竹委員の要求資料を事務局から配付させます。
〔資料配付〕
540 ◯江口吉男委員長 資料の配付がありましたので、原竹委員、質疑を行ってください。
541 ◯原竹岩海委員 早速でございますけれども、まず、何通りか書いてあります。食品衛生法に基づきまして説明をお願い申し上げます。
542 ◯大隈生活衛生課長 それでは、提出資料で説明をさせていただきます。
食品衛生法で義務づけられております食品の表示事項につきましては、右側に書いております表示すべき事項で、名称、それから食品添加物、それから保存方法、消費期限または賞味期限、製造者の氏名、製造者所在地等を表示するように義務づけられております。
この法律の表示等の趣旨でございますが、飲食による衛生上の危害の発生の防止でありまして、例えば、そば、それから落花生などを食べることによりまして激しいショック症状を呈することとなるアレルギー食品については、食品衛生法に基づく表示対象となっております。
543 ◯原竹岩海委員 ありがとうございました。
続きまして、二番目でございますけども、JAS法がございますね。これは農政部のほうが担当ということでございますけども、この辺もちょっと説明をお願いします。
544 ◯江口吉男委員長 廣田農業技術課長。
545 ◯廣田農業技術課長 それでは、JAS法について御説明させていただきます。
JAS法は、表示の趣旨のところに記載しておりますが、食品の品質に関する適正な表示を行うことによって、消費者に商品を正しく選んでいただくということを目的にしたものでございます。
対象になっておりますのは、一般消費者に販売されます生鮮、加工品、それから玄米・精米のすべてでございます。
表示すべき義務的事項については、生鮮食品につきましては、名称と原産地、玄米・精米につきましては、名称、原料玄米等になっております。加工食品につきましては、名称、原材料名、内容量等になっております。品目によりましては遺伝子組み換えに関すること、そのほか個別ごとに詳細な表示の基準が定められております。
546 ◯原竹岩海委員 ありがとうございました。
JAS法のほうが今回の偽装表示に非常に関係が深いのではなかろうかなと思っておりますが。そして、最近、新聞に賞味期限と消費期限という表現がなされております。これについても、どちらかわかりませんけども、ちょっと御説明をお願いします。
547 ◯江口吉男委員長 大隈生活衛生課長。
548 ◯大隈生活衛生課長 賞味期限と消費期限の説明をさせていただきます。
委員会資料の下段のほうに書いておりますけども、消費期限と申しますのは、いわゆる足が早いと申しますか、食品の劣化が早い弁当だとか、総菜だとか、それから生菓子など、そういったものが、大体五日をめどとしてメーカーのほうが消費期限として設定をしておる期限表示でございます。
それから、賞味期限と申しますのは、いわゆる日もちがいい食品、例えば缶詰だとか、カップめんだとか、スナック菓子だとか、そういった食品の品質の劣化が比較的遅いものについて、賞味期限というような形で使われております。それで、期間といたしましては大体三カ月から六カ月、それから一年とか、そういった非常に日もちのいい食品に賞味期限という設定をいたしております。
それから、消費期限及び賞味期限は、食品衛生法、JAS法のいずれにおいても使用される用語でございます。
549 ◯原竹岩海委員 これは確認なんですけども、今の説明ですと、消費期限も賞味期限も、製造元といいますか、メーカーが決めるんだということでございますが、それに間違いないですかね。
550 ◯大隈生活衛生課長 はい。一応メーカーのほうが、どれぐらいの日もちをするのかというバックデータを持ちまして、きちっと科学的な根拠に基づいて期限設定をいたしております。
551 ◯原竹岩海委員 農政部の担当のほうにちょっと確認させていただきたいと思いますが、賞味期限と消費期限は、農政部のほうではどういう責任がありますでしょうか。偽装表示がありましたね。この辺の御認識はどういうふうに……。
552 ◯廣田農業技術課長 私どもは毎年、店舗の巡回等によってJASの指導をさせていただいております。その折、加工食品につきましてこの記載が必要になっておりますので、加工食品にかかわるようなときには、表示が記載されているかどうかの確認等の指導をさせていただいております。
553 ◯原竹岩海委員 両方の担当課長の説明が淡々とございまして、完璧な答弁だろうと思いますが、それでは、福岡県下とか福岡市で、まあ、全国だろうと思いますけれども、しっかり頑張っておられるんですけども、チェック体制ができておるかといった、その辺の確認なんですよね。それで、どうしてこんなに偽装、偽装と、中には、製造元が自分のほうからしゃべった例もございますけれども、こういうふうにチェック体制がしっかりできておるのに、どうしてこういったことが起きるんでしょうか。それをちょっと両方に、それぞれの感想を述べてください。
554 ◯大隈生活衛生課長 我々が所管しております食品衛生法につきましては、衛生的な取り扱いだとか、製造工程中に間違いなくつくっておるかというふうなところをチェックいたしまして指導をいたしております。この件につきましては、企業倫理、モラルの低下、それから法令遵守の低下があるんじゃないかなというふうに、私、個人的には思っております。
555 ◯廣田農業技術課長 今、生活衛生課長がお答えになりましたけども、私ども、巡回の折には、必要な分については点検活動を行っておりますが、ことしになりまして、農林水産省が四回にわたって文書で各業界に通知をいたしております。その基本的なものは、JAS法に基づきまして、こういった期限を確実にやりなさいということと、企業としてのモラルをしっかり遵守しなさいということを、ことしに入りまして四回の通知を行っております。そういった意味では、改めて製造される方々にモラルの遵守をお願いをしていきたいということになるのではないかと思っております。
556 ◯原竹岩海委員 わかったようでわからない部分がちょっとありますね。モラルの問題であるということと、法令遵守ということがありましたね。しかしながら、しにせは、少なくとも関東方面の最近の偽装問題は、相当前からということです。最近の若い経営者がモラルがないからこういった偽装が発覚したとか、発生したとか、そういう最近の問題ではないのではないでしょうか。これは、構造的に、日本の製造に関する根本の信頼の問題であるのではないかなと、そのように考えておりますが、行政担当としてそのような重大な責任として受けとめられておるかどうか、もう一回確認させてください。
557 ◯大隈生活衛生課長 先ほども申し上げましたように、我々は食品衛生法を所管しております課でありまして、あくまでもその製品が衛生的につくられておるか、それと、表示に関しては、先ほども申し上げましたように、健康被害を及ぼすか及ぼさないかの商品の表示をきちっとやっているかどうかというのが我々の所管しております食品衛生法の範疇でございまして、うそをついて表示するというのはだめなんですけども、我々はやっぱりそこまでが限度と申しますか、法の範疇がありますので、そこを逸脱してまではちょっと難しいところもあるというふうには思っております。
558 ◯廣田農業技術課長 先ほどお答えしましたように、巡回指導を随時行っておりますので、そういった中で、店舗に入りました場合には、今までどおり賞味期限等の確認を行うと同時に、当然、販売される方々に、そういったものに対する啓発なり、そういったことについては改めて注意を促すということについては、今後はさらにしていかなければならないと思っております。
559 ◯原竹岩海委員 この辺は堂々めぐりですから、次に進めたいと思います。
意見だけ、ちょっと言わさせてください。「食品の安全へ」ということで、「基本指針として農水省のほうから企業に行動計画書を要求へ」というふうに大きく載っております。最近、総理大臣から、年内に法令制度を総点検せよと緊急指令が出ております。まさに緊急なんです、これ。「今まで自分たちはやっております、やっております」という報告では済まされないという確認だけはきょうはしっかりとりたいと思っています。
先に進めたいと思いますが、福岡県内でも大きく報道されておりますが、福岡市内のこの事件を契機として、福岡県は何か具体的な対策を早急にとったかどうか、御報告をお願いします。
560 ◯大隈生活衛生課長 福岡市の今回の件を受けまして、十月三十一日付で、県下十三の保健福祉環境事務所に対しまして、今月一日から三十日の一カ月間、表示確認等の特別監視を実施するように指示を出したところでございます。
561 ◯原竹岩海委員 その特別監視ということですが、対象となりますお店といいますか、施設といいますか、その数とかチェックの項目などをもうちょっと詳細にお願いできたらなと思いますが。
562 ◯大隈生活衛生課長 両政令市と大牟田市を除きます県域におきまして、菓子販売業、お菓子の売っているところでございますが、五千六百件、それから、菓子製造業、これは大手も零細の企業もありますけども、二千四百件、そのうち全部を回るのはちょっと無理だと思いますので、大手製造メーカーやスーパー等の量販店を中心に、適切な表示がなされているかどうか、衛生的な取り扱いがされているかどうかの確認を行うことといたしております。
563 ◯原竹岩海委員 その確認の経過と結果についての報告はどこにされますか。
564 ◯大隈生活衛生課長 一応一カ月をめどといたしておりますので、その集計ができ次第御報告をしたいと思いますが、取りまとめの上、厚生環境委員会等で報告をさせていただきたいと考えております。
565 ◯原竹岩海委員 この問題は本会議でも常任委員会でもしっかり議題になるんだろうと思っておりますので、問題提起ということで一応おさめたいと思いますが、一つだけ、大事な質問をちょっと……。これは最初にするべきところでございました。
食の安全対策推進会議というのが県庁内の十七課で設置をされております。それがしっかり機能いたしておるのかなという確認でございますけれども、この推進会議はいつごろどういったことが理由で設置をされたんでしょうか。
566 ◯大隈生活衛生課長 平成十六年に設置をいたしておりますが、背景といたしまして、平成十三年、BSEが国内で発生をいたしました。それを受けまして、食に対する消費者の不安、不信が非常に高まっておりました。その当時、食品安全基本法も制定されておりまして、県民の健康保護を最優先に、生産から消費に至る一貫した安全対策を総合的に推進していくためにこういった推進会議を設置いたしまして、県に対するいろいろな施策を議論する会議を設置いたしております。
567 ◯原竹岩海委員 両方の部長に伺いたいんですけど、偽装表示の問題は、文字どおり、今大きな問題になっております。これも、全県下でしっかり取り組んでいただきたいという消費者の要望があるんだろうと思うんですよ。所管の部長として、それぞれ、この対策に取り組む決意をお願い申し上げたいと存じますが。
568 ◯江口吉男委員長 山崎保健福祉部長。
569 ◯山崎保健福祉部長 やはり消費期限、賞味期限というのを見ながら食べるという習慣が私どももできておりますが、それが非常に多くのところでうそになっているというゆゆしき事態でございます。基本的には企業倫理、モラルの問題でありましょうけども、やはり今回一斉に監視をすると、そういうことにいたしました。そういう機会に企業モラルの再認識をしていただく、それとともに、チェック体制についても、食品監視のあり方も、やっぱり工夫していかなくちゃ、県民の皆さんの不安解消にはならないのではないかと考えておりますので、先ほど言われました対策会議等も使いながら、それぞれの部で検討していきたいと考えております。
570 ◯江口吉男委員長 野村農政部長。
571 ◯野村農政部長 食品の表示というのは、県民の食に対する安心・安全、そういったものの確保の観点から非常に重要であり、また、本県の農産物の競争力の確保というような面からも、非常に重要なものだろうと思っています。
農政部の場合はJAS法を所管しておりますけれども、これまで、JAS法関連では、四つだったか五つだったか、数はちょっと詳細に覚えておりませんけども、例えば、JAS法に基づく立入検査などを行いまして、違反業者名の公表、こういったものもこれまでやってきております。
また、ことしの夏にはひき肉の偽装問題がありました。あれは、基本的にはJAS法の対象外の業者間の流通ということでスタートしたわけでございますけども、私どもとしましても、そういったひき肉についての県内の特別の巡回調査、サンプルを買い上げてDNA分析までして、そういったこともやってまいりました。
いろいろ、モラルの問題とかいうこともあります。私どもも基本的に、まだ証拠がはっきりつかめないうちは、どうしても性善説といいますか、そこらあたりで、JAS法では立入検査ができる場合が決まっておりますので、いきなり立入検査というわけにいきませんので、最初はやっぱり相手の協力をいただきながら、そういった証拠がつかめた場合には改善の指示命令をしていくというふうなことになろうかと思いますが、検査に入った場合には、申しわけございませんが、性悪説、そういったものも心に置きながら、確かにちょっと言い過ぎかもしれませんけども、それぐらいの気持ちで、適正な表示がされているか、そういったことをやっぱり、といいますのは、やっぱり相手に対して非常に甘いんじゃないかというようなことで、結果的に県民のためにならないことになってはいけませんので、そういったつもりでやっておるところでございます。
今後とも、関係部なり関係機関としっかり連携をとりながら、指導の徹底を図ってまいりたいと思っております。
572 ◯原竹岩海委員 終わります。ありがとうございました。(拍手)
573 ◯江口吉男委員長 引き続き質疑はありますか。新開委員。
574 ◯新開昌彦委員 公明党の新開でございます。
通告に従いまして質問をさせていただきます。ヘルパーの車両駐車禁止についてということで伺いますので、よろしくお願いします。
介護保険制度が二〇〇〇年四月からスタートいたしましてもう七年がたちますが、そこで、きょうは資料要求をしておりますので、委員長、取り計らいをお願いしたいんですが、要介護認定者数と居宅サービス利用者数と訪問介護事業所数の推移の一覧を資料にしていただいておりますので、配付方よろしくお願いしたいと思います。
575 ◯江口吉男委員長 お諮りいたします。ただいま新開委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
576 ◯江口吉男委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
執行部に申し上げます。ただいま新開委員から要求がありました資料について、提出はいかがですか。西田介護保険課長。
577 ◯西田介護保険課長 直ちに資料を提出できます。
578 ◯江口吉男委員長 執行部に申し上げます。提出予定資料を正副委員長に確認させてください。
〔資料確認〕
579 ◯江口吉男委員長 それでは、ただいまより新開委員要求の資料を事務局から配付させます。
〔資料配付〕
580 ◯江口吉男委員長 資料の配付がありましたので、新開委員、質疑を行ってください。
581 ◯新開昌彦委員 まず、この資料の説明をお願いしたいと思います。
582 ◯西田介護保険課長 ただいま提出しました資料について御説明させていただきます。
介護保険制度が施行されました平成十二年四月以降の要介護認定者数、居宅サービス利用者数及び訪問介護事業所数の推移を表にまとめております。
上段の要介護認定者数ですが、平成十二年四月の制度発足当初は十万人余であったものが、七年後の平成十九年三月には十九万人余と約二倍に増加しております。
中段には訪問介護などの居宅サービスの利用者数を記載しておりますが、こちらも制度発足当初は四万三千人余であったものが、平成十九年三月には十二万一千余と約三倍になっております。
下段の訪問介護事業所数ですが、こちらも当初は五百二十二事業所でしたが、平成十九年四月には千四百三十八事業所と約三倍の数に増加しております。
要求資料の説明は以上でございます。
583 ◯新開昌彦委員 この数字を見ていただいたとおりでございまして、きょう質問をしようと思ったのは、訪問介護事業所数が二・七九倍、約三倍、居宅サービス利用者数の推移も、同じように約三倍になっておるわけでありまして、ここで、ヘルパーに限らずですけども、今回、ヘルパーの駐車禁止が実施をされたわけでありまして、警察のほうの総務部長に質問させていただきますが、今回、駐車規制及び駐車許可制度の運用の見直しというのが行われましたけれども、その概要と目的、また時期について伺います。
584 ◯江口吉男委員長 成内警察本部総務部長。
585 ◯成内警察本部総務部長 お答えいたします。
まず、改正の概要についてでございます。
駐車許可制度につきましては、公益上または社会慣習上、業務上その他の事情によりやむを得ないと認められるときに限定されていたものを、今回、こういった限定を外しまして、福祉目的、営利目的のいかんを問わず、真に必要な場合については、交通の安全と円滑の観点から個別に審査した上で駐車許可を行うと、このようにしたものでございます。
これに伴いまして、申請者の利便を考慮いたしまして、介護関係者につきましては、駐車許可の有効期間につきまして、最大で六カ月であったものを一年に延長をしたところでございます。
次に、今回の改正の目的でございますが、昨年六月に御案内と思いますが、施行された改正道路交通法に基づきまして、いわゆる駐車監視員制度の導入とか、短時間駐車違反の取り締まりの強化などに伴いまして、駐車の秩序は好転いたしております。また、交通渋滞の緩和、駐車車両に起因する交通事故の減少など、大きな効果を上げているところでございます。しかしながら、いまだ駐車許可証等を掲出した車両による交通事故や、交通渋滞を誘発するような駐車が見られることから、この駐車許可等の運用を見直したものでございます。
また、その改正の時期でございますが、本年の九月三十日から実施しているところでございます。
586 ◯新開昌彦委員 今お示しいただいたとおり、九月三十日から実施ということでありますが、私どものところには、何とかしてもらえませんかというような声が既に上がってきております。
許可有効期間というんですか、それが半年から一年になったという、そこは本当にありがたいとは思いますが、規制が厳しくなって、やはり駐車の許可申請の手続が煩雑になってしまって大変困っています、何とかならんのですかねと、私どものところに、こういうふうな声が届いておるわけですが、見直しの以前と今とでどんなふうに違うのか、具体的にお示しいただければありがたいと思いますが、よろしくお願いします。
587 ◯成内警察本部総務部長 先ほども申し上げましたとおり、従来は公益性を有するもの等に限定して許可をしておりました。今回、そういった目的を外しまして、福祉目的、営利目的等を問わず許可の審査対象として、交通の安全と円滑を図るために、駐車の日時、場所が他の交通を阻害するものでないこと、あるいは重量物、長大物の積みおろし等については直近、またそれ以外については百メートル以内に駐車場がないことなどを個別に審査するものというふうに改めております。
したがいまして、この審査を適切に行うために、今回の改正で、従来の申請書に加えまして、その場所を特定するための見取り図の提出をお願いすることにいたしております。
588 ◯新開昌彦委員 今お示ししていただいたとおり、大変煩雑な資料等々が必要なわけでありまして、ヘルパーさんからの声をもうちょっと具体的に紹介しますが、二点ほどお聞かせください。
一点は、有料、無料を問わずに、駐車する予定の駐車場が満車だった場合、あきができるまで待つのか、違反摘発覚悟で近くにとめてサービス業を行うべきかとか、まあ、なかなか答えづらいと思いますが、二点目は、バス停など公共交通機関が利用できる場所については駐車許可を出さないと聞いておりますが、ヘルパーさんは一日に複数の利用者宅を訪問する、いわゆる車で動くことが当たり前になっておるわけでありますが、このような場合、許可はおりるんでしょうかという非常に基本的な問いかけでございますが、お答えください。
589 ◯成内警察本部総務部長 まず、最初の御質問でございますが、駐車場が満車であるという理由で駐車禁止場所に駐車した場合は、違反でございます。他の駐車場を探すなど、個々のケースごとの対応をお願いしたいと思っております。また、駐車場が利用できる時間帯等についても考慮していただくよう、ぜひ御協力をお願いしたいと考えております。
それから、次の公共機関の利用に関してでございます。バス停などが近くにある場合であっても、連続して複数の訪問先がある場合など、公共機関での利用では対応できない、こういった場合につきましては、個別に相談に応じておりまして、一律に許可を出さないといったものではございません。また、持ち運びが困難な荷物がある場合につきましても、個別に対応をいたしているところでございます。
590 ◯新開昌彦委員 どうしてこんなに細かいことまで聞かれるのかということなんだと思うんですよ。知らんからなんですよね、事業者のほうが。ちょっと介護保険課長のほうにお聞きしますけども、今回の駐車許可の見直しに関して、今聞いていただいて、事業所とかヘルパーさんにとっても大変大きな変更だというふうにわかると思うんですけども、この訪問介護事業を所管する課長として県警とどんなふうな打ち合わせをされたのかお聞かせください。
591 ◯江口吉男委員長 西田介護保険課長。
592 ◯西田介護保険課長 駐車規制の見直しの情報を得たのが九月半ばだったんですが、それ以降、県警本部のほうに確認しまして、現場が混乱しないようホームページやチラシの作成による周知をお願いしております。
また、毎月一日なんですが、開催しております新規指定の事業者の説明会において、駐車許可が必要な場合につきましては、地元の警察署とそのあたりを十分協議いただくよう周知を図ってきておるところでございます。
593 ◯新開昌彦委員 警察のほうはどうですかね。こういったことが予想されておったとは思うんですが、介護保険課とは連携をとったことがあるのかないのか。
594 ◯成内警察本部総務部長 県警といたしましては、福岡県行政手続条例に基づきまして、ホームページや県公報を活用いたしまして、意見公募の手続を広く行いまして、その内容の周知と意見の公募を行ったところでございます。直接介護保険課との連携という面では、ちょっとそれはございませんが、警察本部や警察署に対しましては、事前に警察庁のホームページを見た各方面からの相談が寄せられております。また、先ほど介護保険課長から報告がございましたけども、本年九月には相談がございまして、現在、誠実に協議、対応をいたしているところでございます。
595 ◯新開昌彦委員 介護保険課長にちょっと再度確認しますけども、訪問介護事業者というのは、横の連絡ができるような、そんな組織といいますか、そういったものがございますでしょうか。
596 ◯西田介護保険課長 全県をカバーするような訪問介護事業者の連絡会、そういうのは、現在のところ、まだできておりません。連絡会というのは保健所の管内ごとに幾つかあるということで承知しております。
597 ◯新開昌彦委員 今、混乱が起こっておる中身というのは、事業所の皆さん方がその改正の中身をよく知らない。それで、一年に延びましたけど、免許の更新といいますか、許可の更新が半年でありますから、期限が切れる前に警察に行く。警察の窓口というのは、警官ですよね。怖いですよ。その怖い人からつまらんやないですかと言われたら、もう言いようがない、逃げようがないというか、じゃ、どうしたらいいのかなと。そして、腹が立つ、不安になる、不満が募る、どこに行こうかとなるわけですよ。そうなんです。私だけじゃなくて、いろいろな議員さんのところに行っていると思いますよ。ですから、こんな質問が出てくるんだと思います。
今、介護保険課長が言われましたが、事前にそういう連絡体制をとれるような働きかけをぜひしていただきたい。県内に千四百三十八も業者さんがおられるわけでありますので、この方々が何も聞いておらんで、個別に聞いたら、またホームページだけを見たら、やっぱり自分の判断が働くんですよ。どうしても個々具体的な質問、またさらに不安が増幅してくるんじゃないかと思うんですね。ぜひともそういう体制をとっていただきたいと思いますが、課長、どうでしょうか。
598 ◯西田介護保険課長 法律改正とか制度改正の県民へのいろいろな周知につきましては、第一義的には、そういった法律を所管するところが県民の皆様に周知を図るべきというふうに考えておりますが、今回のこういった訪問介護事業所に大きくかかわる内容につきましては、県警本部と十分連携をとりながら、こういった事業者の団体を含めていろいろなツールを考えまして、周知を一緒に考えていきたいと思っています。
599 ◯新開昌彦委員 いや、私の聞いたのはそういうことじゃなくて、そういう事業所さんの横の連絡がとれるような、そういうふうな組織といいますか、そんなのを勝手につくるわけにはいかんでしょうけども、働きかけをしてはどうかということであります。どうでしょうか。
600 ◯西田介護保険課長 事業者団体につきましては、事業者みずからが自発的、自主的に組織するとかが基本であります。そういったことで、県としては現時点では積極的に考えておりませんけど、保険者さんの管内にそういった連絡会等が幾つかありますので、そういったことも活用しながら周知を図っていきたいと考えております。
601 ◯新開昌彦委員 言外に、やるということだと思います。部長、どうですかね。お答えください。
602
◯江口吉男委員長 山崎保健福祉部長。
603 ◯山崎保健福祉部長 今課長が答弁したとおりでありますけども、まずは、保険者の管内であるとか、県で言えば、保健福祉環境事務所の管内にそういう基礎的な部分のものがあるようでございますので、そういうところから連携を密にしていただけたらと考えております。
604 ◯新開昌彦委員 じゃ、最後に、警察のほうの総務部長、先ほど怖いと言いましたが、ぜひ優しく、わかりやすく教えていただきたいわけでありますが、窓口対応のほうへどんなふうにしていただくのか、ぜひともお答えいただきたいと思います。
605 ◯成内警察本部総務部長 警察の駐車許可の関係でございます。
先ほど御説明いたしましたけども、実は、百メートル以内に駐車場がある場合におきましても、例えば、重量物やら長大物の荷物を搬送する場合とか、路外駐車場はあるものも、営業時間外であったとか、車の車輪が非常に大きく長い、そういったことから物理的に駐車の利用ができないとか、駐車場が常時満車状態であるとか、こういった場合については、個別に懇切丁寧に対応いたしているところでございます。
〔「優しく」と呼ぶ者がある〕
606 ◯成内警察本部総務部長 したがいまして、今後も懇切丁寧に、しかも優しく対応させていただこうと思っております。
607 ◯新開昌彦委員 総務部長のような顔で窓口に立っていただければ、皆さん、大変安心して指導を受けてもらえるんじゃないかと思います。ぜひとも対応方をよろしくお願いしたいと思いますので。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
608
◯江口吉男委員長 引き続き、岡田博利委員。
609 ◯岡田博利委員 食と緑を守る緑友会県議団の岡田でございます。もう少しで晩御飯と思いますけれども、しばし質問をさせていただきたいと、そのように思っております。
まず、健全な森林と海との関係についてお伺いいたしたいと思っております。山、森は海の恋人と言われておりますように、森林は水を蓄え、豊かな栄養分を含む水は川を通じて海へと供給されていきます。豊かな漁場をつくり、豊富な水産資源をはぐくむことには、その上流に存在する森林を大切に守り育てていくことが必要であると言われております。
海の豊漁をもたらすには、山の栄養分というのが必要であるとともに、非常に大事にされておるわけでございまして、漁民の中には、山に登って木を植林しているということが非常に多く言われております。漁業者の皆さんが森づくりの行動を起こされたことによりまして、その活動が全国的になったと聞き及んでいる地域もあると聞いております。それは山、森と海とのつながりを象徴するものであり、非常に大切なことと私は思っております。
そこで、まずお尋ねいたします。森林、山が豊富な水産資源をはぐくむと言われておりますが、このような働きを十分発揮させるためにはどのような取り組みが必要であるのかお聞かせください。
〔正副委員長交代〕
610 ◯入江種文副委員長 鳥巣林政課長。
611 ◯鳥巣林政課長 森林が豊かな水を蓄えるといった水源涵養機能を初めとします公益的機能を十分に発揮させる、こういったことにしていくことが大事であると考えております。このため、植栽や間伐などの森林整備を実施しまして、健全な森づくりを行っていくことが必要であると考えております。
612 ◯岡田博利委員 じゃ、そうした取り組みが漁業者に広がってきた中で、本県においては、漁業者による森づくりの活動でどのような取り組みがなされているか、例があれば、お聞かせいただきたいと思います。
613 ◯鳥巣林政課長 具体的な例でございますが、例えば、豊前市を流れます佐井川を初めまして、矢部川や筑後川、糸島地区の雷山川水系の上流におきまして、漁業者の方が林業関係者と連携いたしまして、植栽あるいは下草刈りが実施されております。県内のいわば、すべての海域において、漁業者による森づくり活動が行われております。
さらに、福岡県、佐賀県、長崎県の三県におきましては、有明海という共通の海域を持っています。こうしたことから、三県合同での植林などの森づくり活動を行っております。福岡県での開催の際には、漁業者の方が一般の県民の方と一緒になりまして植栽等を行っているという実例でございます。
614 ◯岡田博利委員 本県においても、森づくり、山づくりの活動が行われているということがわかりました。また、降った雨水が豊富な養分を含みまして、森林から河川を通じて海へと注ぎ込まれていくことは非常によいことであり、また大切なことと思います。また、海では多くの魚介類が生息いたしておりまして、豊かな漁場が形成されております。このような豊富な栄養分を含んだ水が海に流れ込むためには、多様な森づくりが大切だと私は思います。
そこで、近年における本県の山・森づくりの実施状況、さらに、広葉樹はどの程度植栽されているのかお尋ねいたします。
615 ◯鳥巣林政課長 森づくりにつきましては、主として植栽や枝打ち、間伐などを事業により行っております。このうち植栽につきましては、災害復旧等を除きます通常ベースで見てみますと、ここ三年、十六年から十八年までですが、三カ年の平均で約二百五十ヘクタールとなっております。その中で、広葉樹の植栽につきましては、約五十ヘクタールということで、全体の二〇%ということになっております。
616 ◯岡田博利委員 そこでまた、来年度から森林環境税を財源とする荒廃森林の再生が行われると聞いておりますが、きょうもまた、二名の方から森林環境税について質問がございましたし、また、先日は、水産林務部のときに竹林の話もありました。この事業ではまた森づくりが推進され、豊かな漁場をつくることに寄与することはもちろんのことでございますが、どのような寄与する例があるのかお聞かせください。
617 ◯鳥巣林政課長 森林環境税を財源としました事業におきましては、荒廃森林の再生を図ることはもとより、ボランティア団体の皆さん方による活動につきましても支援するということにしております。その活動の輪が広がりまして、森づくりが推進されると考えております。
このような事業を通じまして、流域での森林整備が進み、森林の持つ水源涵養機能が向上しまして、栄養分豊かな水が安定的に供給されるんじゃないか、そして豊かな漁場づくりに寄与するものと考えております。
618 ◯岡田博利委員 森林環境税の事業につきましては、森下委員と、それからほかの先生からもお話がございましたのでこのお話はしませんけれども、健全な森づくりがなされた中で、豊かな漁場づくりに貢献することは非常にわかりました。本事業を円滑に実施されることに私は期待をしまして、まず、山についての質問は終わりたいと思います。
そこで、山で多くの栄養分を蓄えた水が河川を通って海へ流れ込みます。この水が豊かであればあるほど、海の生き物も豊かになるはずでございまして、川から運ばれた栄養分がプランクトンを育て、そのプランクトンを小魚や貝が食べて育つということでありますが、私の地元の豊前海でもこの豊かな恵みを受けまして、今までにカキを大きく育てるという事業が行われております。これは麻生知事がいつも「豊前海の一粒かき」と言われておりますが、昭和五十八年度よりの試験的な養殖から二十年余りを経て、本県の重要な漁業の一つに成長いたしました。この間、漁業者の皆さんの御苦労、御努力は並々ならぬものがあったと思いますが、こういった中で、ことしは記録的な猛暑の影響か、各地でカキの養殖に影響が出ていると聞いております。隣の佐賀県でも新聞紙上で言われておりましたが、また、長崎の諌早のほうでも赤潮や高水温の影響でカキが全滅に近い被害を受けたという報道もありましたが、そこで、お尋ねいたしますが、本年度の豊前海一粒かきのできはいかがでしょうか。
619 ◯入江種文副委員長 半田水産振興課長。
620 ◯半田水産振興課長 豊前海一粒かきのできについてでございますけども、ことしは記録的な猛暑、高水温のため、九月に入りましてからのカキのへい死が例年に比べてやや多いという状況でありましたが、その後、有害なプランクトンの発生による赤潮も見られませんで、現在はへい死もおさまっておりまして、カキは順調に生育しております。
621 ◯岡田博利委員 最近の生産量も大分上向いてきていると聞いておりますが、もし数字を上げられるのであれば、教えていただきたいと思います。
〔正副委員長交代〕
622 ◯半田水産振興課長 カキの生産量についてでございますけども、平成元年から平成七年ごろまでは年に二百トン程度の生産量でございました。その後増加しまして、ここ五年ぐらいでは千トンから千五百トンを生産するまでになっております。
623 ◯岡田博利委員 そのうち豊前海はどのぐらいを占められているのかと、また、県内の主要漁場の中で、豊前海の一粒かきの成功に大変刺激を受けまして、最近は筑前海の糸島地域や福岡湾でもカキ養殖が盛んになっていると聞いておりますが、ほかの地域のカキ養殖はいかがですか。
624 ◯半田水産振興課長 まず、豊前海の一粒かきの生産でございますけども、県全体で約九五%を示しております。それから、委員御指摘にありますとおり、糸島漁協や福岡市漁協の唐泊支所でカキ養殖の着業がふえてきておりまして、また新たに始めようと研究をされている漁協もあります。
625 ◯岡田博利委員 今の回答を聞きますと、まさにカキブームといった状況のようでもありますけれども、これから水温も下がって、身の詰まったカキがたくさんとれることを私は期待したいと思っております。
次に、またその販売についてでございますが、一次産業にとりまして、頑張ってとったものを工夫して売るということは非常に大事なことであります。カキではどのような販売の工夫や努力がなされているのでしょうか。
626 ◯半田水産振興課長 カキの販売の工夫や努力についてでございますけども、まず、豊前海一粒かきでは、宅配便を利用しました直接販売を主体としまして、漁協の朝市やJAの直販施設、道の駅等でも販売されております。一方、筑前海では、直販施設での販売に加えまして、カキ小屋と言われます、いわゆる浜で焼きガキを食べることのできる施設を整備しまして、集客を図るといったように、海域それぞれの販売スタイルが確立されてきております。
627 ◯岡田博利委員 多くの販売努力がされていることはわかります。私は以前、広島に住んでいたことがあるんですけれども、広島でもカキを熱心に焼いている小屋が非常にたくさんあったり、また、加工がされているのを覚えておりますけれども、県でもさまざまな農林水産物のブランド化の取り組みがなされているようでございますけれども、販売というのは競争ですから、よその県に負けないように頑張っておられる漁業者や漁協への支援というものが必要と私は思っております。その辺はいかがなっているでしょうか。
628 ◯半田水産振興課長 漁業者や漁協への支援についてでございますけども、県民の皆様に新鮮でおいしい水産物を提供するため、直販施設等への支援を行っているほか、本県水産物のさらなる安全・安心を確保するため、出荷用水の殺菌装置につきましても積極的に支援をしているところでございます。
629 ◯岡田博利委員 ブランド化という名前の中でやはりちょっと努力してほしいのは、佐賀県が玄界灘でとれるイカを「呼子のイカ」で宣伝したり、有明海でとれるワタリガニを「竹崎カニ」でやってみたりして、宣伝化ということでやったら、本県は非常に負けていると思うんですよね。私は、ぜひとも努力していただきたいと思っております。また、今後とも皆さんに県の力強い御支援を期待していきたいと、そのように思っています。
これまで、私はまた、豊かな森林、山、里山を育てることは、ひいては滋味豊かな水産資源の増殖にもつながり、県民の食生活を豊かなものにするものだということを常々申し上げてまいりましたが、山が豊かになれば、海もまた豊かになるわけでありますから、県におかれましては、山と海の両方の施策を十分に融合させ、これまで以上に実りある成果を上げていただくようお願いいたします。
そこで、またお聞きいたしますけども、山と海をつなぐ川についてちょっと聞きたいと思っております。森林から流れ出る豊富な栄養を含んだ水が、川を流れて、海へ流れていきます。豊かな漁場が形成されます。その一方、海で育った魚やカニの稚魚が川を上り、この上流に栄養分を運びます。サケや、ウナギやら、アユやらがいますけれども、このように、山と海をつなぐ川は大変重要な役割があると私は思います。このような考えを念頭に置きながら河川整備を行っていく必要があると私は思うんですね。山と海の話はあるんですが、その仲を取り持つ川の話がどうしても出てこないということで、河川の整備に際して、生態系などの自然環境の保全に関する方針はあるのかどうかお尋ねします。
630
◯江口吉男委員長 杉本河川課長。
631 ◯杉本河川課長 平成九年に河川法が改正されました。それによりまして、従来の河川法の目的でありました治水と利水、そういう機能に加えまして、河川環境の整備と保全ということが河川法の目的として定められました。このことを踏まえまして、自然環境に適切に配慮しながら、河川整備を行うようにしております。
632 ◯岡田博利委員 それでは、次に、具体的にはどのようなことをしているのかお尋ねいたします。
633 ◯杉本河川課長 例えば、水際となる緩やかな勾配の低水護岸の上に覆土を行いまして植生を回復させたり、例えば、川底に石が多いようなところでは、川岸を保護するために、コンクリートのかわりに自然石を用い、より自然に近い形に仕上げたり、あるいは、取水堰などをつくる際には魚道等を設置する等、生物に配慮した河川整備を行っております。また、河川愛護団体と協働いたしまして、除草やごみ拾いなどを行い、河川環境の改善に取り組んでおります。
634 ◯岡田博利委員 今の回答の中で魚道という言葉が出てまいりましたけど、魚道の整備はどのようになっているのかお尋ねします。
635 ◯杉本河川課長 魚道の整備でございますが、今、福岡県魚道整備全体計画を作成中でございます。今後、この計画に沿いまして、各地域における主な河川の魚道整備を行っていくこととしております。
636 ◯岡田博利委員 それでは、次に進みますけども、河川の整備に際しまして、自然環境の保全に努めてきたことはよくわかりましたが、冒頭で申し上げましたように、川は山と海をつなぐ重要な役割を持っております。このことを踏まえて、本県では今後どのように取り組んでいかれるのかお尋ねします。
637 ◯杉本河川課長 河川整備計画は、河川の現況を調査したり、あるいは学識経験者の意見を聞いた上で策定をしております。御指摘のように、川は山と海をつなぐ非常に重要な役割を担っておりますので、学識経験者等に加えまして、海や山の関係機関の方々などの意見を聞きながら、よりよい川づくりに努めてまいりたいと考えています。
638 ◯岡田博利委員 そこで、また次をお尋ねいたしますけれども、山と川と海をつないだことが大切だということで、外国、特にカナダでは非常に研究が進み、また、そういった例をたくさんつくっていると聞いておりますし、また、我が国においても、国土交通省が一生懸命になって、川と海と山の三つをつなげた研究を今やっていると私は聞いておりますけれども、この問題についても、やはりこれから大切な問題となると思います。
また、その三つをつなぐ面においても、これから魚の遡上の問題、それからまた、自然と洪水との問題、それから森づくりの問題とかいろいろあると思います。そこで、部長にお尋ねいたしますけれども、今後の川づくりについて、どのように考えていくのか、また、今私がお話ししました山と海と川のつながりに対しまして、両部長にお尋ねしたいと思っております。
まず、水産林務部長の本田部長、続きまして岩崎土木部長と、二人の部長にこれからこういった政策をぴしっとやるという決意のほどをお聞きしまして、私の質問を終わりたいと思います。
639
◯江口吉男委員長 本田水産林務部長。
640 ◯本田水産林務部長 豊かな水産資源をはぐくむためには、委員が御指摘するように、水源涵養など森林の持つ公益的機能を十分に発揮させることが重要なことだと考えております。幸い、私は海と森の両方を所管しておる水産林務部長でございまして、これからも森を大切に守り育て、豊かな漁場をつくることに全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っています。
641
◯江口吉男委員長 岩崎土木部長。
642 ◯岩崎土木部長 山と海をつなぐ川を自然豊かなものにするということは非常に重要なことだと思っております。やっぱり川を愛する気持ちを持っていただき、川を汚さないということと、それから、我々は川をいろいろと改修していくわけですけれども、そのときに生態系に配慮しながら、生き物がすみやすいような川づくりをしていくということが非常に重要だと思っております。あと、これを進めていく上では、地域の皆様との連携が非常に重要だと思いますので、現在進めておりますけれども、協働によって、河川の美化とか、あるいは多自然型の川づくりに取り組んでまいりたいと思っております。
643 ◯岡田博利委員 これで終わりますけれども、確かに福岡県は産業、自動車、鉄鋼に力を入れてきておりますけれども、やはり人が住んでいくには、まだこの工場というのはどういう形になるかわかりません。そのときに残るのは、立派な山と海と川を一体化した中で産業になる農業と、やはり山の幸、海の幸、田んぼの幸だと私は思います。そういったおいしいものを産業として残していけば、仮に百年後、二百年後にもし工場がなくなっても、やはり福岡県はすばらしい県だということは私たちは誇ることができると思います。そのような県になっていただくように、両部長さん、また知事さんにもお話ししていただき、頑張っていただくことを切に切にお願いいたしまして、私の質問を終わります。
以上でございます。(拍手)
644
◯江口吉男委員長 この際、しばらく休憩いたします。
再開は十九時二十分をめどとし、放送をもってお知らせいたします。
午 後 六 時 四 十 六 分 休 憩
午 後 七 時 二 十 分 再 開
645
◯江口吉男委員長 ただいまから委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。質疑はありませんか。松尾委員。
646 ◯松尾統章委員 大変遅い時間になりましたけども、休憩をとりましたので気合いを入れて頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
早速ですが、本県の県産品のPR戦略、販売戦略についてお聞きしたいと思います。ことしの一月か二月でしたが、タレントのそのまんま東さんが当選されて、東国原知事という形の中で、それこそ全国で注目されるようになりました。それから、やれ宮崎の地鳥だとか、マンゴーだとか、いろいろ言われておりましたけども、やっぱり福岡も全然負けていないんじゃないかなと思いますけども、まずもって、農政部長、これはどう思われます。
647
◯江口吉男委員長 野村農政部長。
648 ◯野村農政部長 本県には、いわゆる他県に負けない非常にすばらしい農産物がたくさんあると思います。そういった農産物をせっかく生産されて頑張っておられる農家のためにも、そういった販売促進のためのPRが非常に重要であると思っております。
649 ◯松尾統章委員 いやいや、違う違う。福岡県産も宮崎に負けていないんじゃないかなと、それをちょっとお聞きしたかったんです。
650 ◯野村農政部長 本県は、例えば「あまおう」でありますとか、全国でも一番品質のいい、非常においしい八女茶でありますとか、いろいろなすぐれたブランド農産物がたくさんあります。決して宮崎には負けていないと思っております。
651 ◯松尾統章委員 そうですよね。ただ、このごろ、地元の方とかお会いする方にいろいろお聞きしましたら、「何か、東国原さんは頑張りおるけど、福岡県の麻生さんはこのごろどうなん」というようなこともよくお聞きするわけでございます。
それで、私もそうやっていろいろと聞く中で、今回改めて、福岡県の農林水産関係についてどのような販売体制、戦略の中でやっていくのかなと、整理する意味もありまして、ちょっとお聞きしたいなと思っています。
それで、福岡県産の農産物及び水産物の販売促進に取り組む体制あるいは考え方についてちょっとお聞きしたいと思います。
652
◯江口吉男委員長 岩室生産流通課長。
653 ◯岩室生産流通課長 農産物につきましては、農協中央会、それからJA全農ふくれん、そして畜産、花、お茶、こういった関係団体と、それから県で構成いたしますブランド化推進協議会を設置いたしまして、関係団体と一体となって販売促進を進めております。
654
◯江口吉男委員長 半田水産振興課長。
655 ◯半田水産振興課長 水産物につきましてでございますが、カキやノリのように養殖によりまして安定的に量産できるものは、ブランド化協議会を組織しまして、漁連や関係団体とともに全国に向けた販売を展開しております。また、筑前海、豊前海、有明海の特色ある三つの海や河川などで漁獲されました天然の物につきましては、新鮮な旬のおいしさを県民の皆様に味わっていただけるような地産地消の取り組みが重要であると考えております。
656 ◯松尾統章委員 いや、福岡県は、海外戦略を含めて大変頑張っているんじゃないかなと、そう思う中ですけども、やはり今後、知名度を上げていく形を考えていくのであれば、東京とか大阪、首都圏でありますとかそういった大きな都市においてどのような形の中で販売戦略をしなきゃいけないのかなと考えるわけであります。
確かにマスコミの力というのは大きなものがございますけども、マスコミの力を使うには、よっぽどのことがない限り全国版の報道には乗りませんし、また、CM等をやればお金もかかってくるわけですね。それとか、そういった意味で、知恵とかアイデアを出して頑張っていかなきゃいけないんじゃないかなと思いますが、そういった首都圏に対しての知恵、アイデア等があれば、それぞれお聞きしたいと思います。
657 ◯岩室生産流通課長 都内の有名百貨店あるいはスーパーなどにおきまして、購買意欲の高い消費者に直接アピールをするということで、福岡コーナー、こういったものを設置いたしております。また、外食産業で福岡県産の農産物を使いましたメニューを展開する、それから、ターゲットを絞りまして、費用対効果の高い手法で本県のすぐれた農産物の販売促進に努めております。
658 ◯半田水産振興課長 水産物についてでございますけども、豊前海一粒かきにつきましては、販売を始めました当初、国内では珍しい殻つきを売りにしまして、首都圏でも注文できる宅配便による新しい販売方法を確立することで売り上げをふやしております。さらに、空港でのPRイベントを実施しまして、好評を博しているところでございます。
福岡のりでございますけども、これは販売組織を合併させまして、ブランド化に着手したばかりでございます。ブランド名の披露や品評会にはマスコミを招き、また、知事みずからが発表するなど、トップセールスによって全国に向けた情報発信を行っております。
659 ◯松尾統章委員 県外、またそういった首都圏といったものではわかったんですけども、県内に福岡県民が五百万人おるわけですけども、福岡県といったのは、いわゆる消費県としても考えられるわけですが、首都圏じゃなくて、福岡県内においてはどういう戦略を持たれているのかお聞きしたいと思います。
660 ◯岩室生産流通課長 県内の消費者の皆さんに、新鮮でおいしくて美しい、こういった県産農産物を買っていただくために、大手スーパーでの県産品コーナーの設置、また、テレビ番組によります情報提供、さらに、県産農産物を用いました親子調理教室の開催、こういったことを通じまして、県産農産物のよさを生かしていただくような対策を実施しております。
661 ◯半田水産振興課長 水産物では、特色のあります三つの海や、また、川から水揚げされます新鮮、旬、天然物というのが最大の売りでございます。これらの特徴を生かしまして、漁協の直販施設や朝市などで漁協女性部が料理方法を教えながら販売する、いわゆる対面販売によりまして消費者の購買意欲を刺激し、食育につなげるとともに、販売促進を図っているところでございます。
662 ◯松尾統章委員 首都圏、そして県内というふうにお聞きしましたけども、知恵、アイデアといった中での一つに、確かにマスコミを利用するといったのも一つの手ですけども、私はやはり地道に口コミ活動といったのが一番大事じゃないかなと思うんです。マスコミに取り上げられたりしましたら、そのときはいいかもしれませんが、その後がきちっと続くのかなと。やはり、口コミというのは、今情報があふれている社会の中で一番大事じゃないかなと。その中で、先ほどもトップセールスといった話が出ておりましたけれども、やはり知事みずからがトップセールスをどんどん行っていくべきじゃないかなと。
全国にはそれこそ福岡の県人会が四つあるというふうにも聞いておりますし、ちょっと前、東京事務所──商工部ですかね、が中心となって、東京のトップ懇という形で福岡県出身の経営者の方々と交流を持たれている、そういったことを何かいろいろと会合を持ってやっているというふうに聞いておりますが、福岡県にゆかりのある県外の方々、そういったところにおいてのトップセールス、このことについてどう思われるか、ちょっとお聞きしたいと思います。
663 ◯岩室生産流通課長 それぞれの組織の総会、そういった機会をとらえまして、会場内でパネルの展示をさせていただく、あるいはパンフレットの配布、試食、こういったことを行いまして、本県産農産物のおいしさ、それからすばらしさ、こういったものを紹介いたしております。
664 ◯半田水産振興課長 県産水産物につきましては、先ほど委員が御指摘されましたとおり、経営トップ懇談会や県人会などを活用しまして、商品の展示ですとか、あるいは試食など、知事や県幹部によるPRを積極的に行っているところでございます。
665 ◯松尾統章委員 試食という言葉が出ました。これは私は大事なことじゃないかなと。これはちょっとみずから恥ずかしいことでありますが、私は過去二年ほど農林水産委員会に所属しておりました。書類上とか、あと、写真とかで福岡県の特産品というのをよく見て、記憶しよう、覚えようとは思うんですけども、なかなか記憶に残らないんですね。ただ、農林水産委員会の管内視察とかを通じて試食をさせていただいたら、これがまた、物の見事に、この時期はあれがおいしかったな、この地域はあれがおいしかったなといったのが残るんです。
私は、今後はやっぱりそういった──先ほど言ったトップセールス、そして各部長さんたちもそうです。いろいろな期成会とかいった形の中でも営業マンになれるわけでございますし、我々議員もそうなんですね。議会においては議員連盟といったものが組織されておりまして、その議員連盟で、やはり他県との交流といったのが結構盛んに行われております。実は、私はある議員連盟で、ことし、ちょっと宮崎に行ってまいりまして、そこで物の見事に戦略にはまって、宮崎の地鳥を食べさせてもらって、こっちの地域でおいしいと言ってしまったこともあるんですけども、議員の先生方は、きょうも決算特別委員会でいろいろそろっておりますけど、この方々は、やっぱり地元に戻ったら口コミのプロなんですよね。
例えば、他県の方々がこちらに来られたときに、福岡県産品を出すというのをそのホテルが了解するかどうかというのは一つのハードルかもしれませんけども、そこで出していく。その他県の方々が、「博多の地鳥がうまかった」、「イチゴの「あまおう」というのは本当にうまかったな」と地元に帰って言ってくれるだけで、これは立派な口コミになるわけですね。
また、そういった中で、知事のトップセールス、各部長さんたちのセールス、そして我々議員のセールスといったことを含めて、来年のこの時期にはこんな行事があるといったときには、農林水産両部がもうちょっとそのアンテナを張って、ぜひとも連携をとってやっていただきたいと思いますし、それこそ来年はブラジルと百周年の交流年で、日本全国から行くわけでしょう。麻生知事も行きたいとかいうふうに九月議会か何かで言っておりましたけども。また、来年はスポーツ議員連盟で野球の九州大会がこちらに来る予定となっておりますよ。ここの佐藤先生がスポーツ議員連盟の会長でございますので、よくアンテナを張って、そういった中でも利用していっていただきたいと思いますが、このことについてどう思われるか、これは両部長にお聞きしたいと思います。
666 ◯野村農政部長 一番最初に申し上げましたとおり、本県は非常にすばらしい農産物がいっぱいあります。こういったものを、県内はもちろん、全国のみんなにももっともっと知ってもらいたい、販売を促進したいと。そのためには、今委員のほうからお話がありましたように、やっぱり我々農政部の職員も頑張りますし、また、議会の先生方の御理解、御支援もいただきたいと思います。また、農政部職員だけじゃなくて、他の部の協力もいただきながら、さまざまな機会をとらえて本県農産物のPR、こういったものをしっかりやっていきたいと思います。
667 ◯本田水産林務部長 水産物につきましては、先ほど課長が言っておりますように、消費者のニーズに沿った高品質で安全・安心な水産物を提供していくことが主眼であると私は思っておりまして、それで販売促進も図っております。
ところで、消費者が水産に求めるのは、単に食だけではなくて、おいしい海とのつながりがあるんじゃないかなと日ごろからも感じております。このような意味で、私どもは真珠養殖を成功させましてミキモトを誘致するなど、新産業の育成にも力を入れております。このようなことをもちまして、福岡の水産のイメージを上げ、より豊かで魅力的なものである、福岡の水産物はおいしいんだ、安全なんだということでしっかり取り組んでいくつもりでございます。
また、本県水産物のよさを消費者にアピールするには、委員が御指摘のとおり、持てるアンテナを大きく広げて、さまざまなイベントなどの情報を収集し、PRの機会を一層ふやす必要があると感じております。このため、私を先頭にして水産職員が取り組むことはもちろんのことでございますが、漁連などの関係団体とも一緒になって県内外への販売促進に努めてまいりたいと考えております。
668 ◯松尾統章委員 PRは大切ですね。
それと、商工部長、私は常任委員会のときに商工部長には質問できますので、きょうはあえて質問しませんけども、商工部においても県産品を扱うわけでございますので、しっかりと認識をしていただきたいと思います。
私は、後々、この五百万県民がそれぞれ総営業マンとなってくれれば、他県の方々と接触したときに、福岡県産のことをいろいろと口コミで言ってくれるんじゃないかなと、そういうふうな気持ちを持っているわけであります。そういったことを目標にして、今後の農業、水産の振興を祈念して、質問を終わりたいと思います。みんなで頑張っていきましょう。ありがとうございました。(拍手)
〔正副委員長交代〕
669 ◯入江種文副委員長 進行いたします。岩元一儀委員。
670 ◯岩元一儀委員 民主・県政クラブの岩元一儀でございます。
きょうは、安全・安心、そしてまた、元気な福岡県をつくり出していこうと、こういう中におきまして、今いろいろな施策が取り組まれております。アジアの交流拠点としての部分、あるいはまた、北部九州自動車百五十万台生産拠点推進構想、こういったものも順調に進んでおると、こういったことであります。
こうした中で、本日、その大きな元気づくりというか、それにやっぱり重要な役割を果たします港湾の問題、このことを中心としながら質問をさせていただきたいと、このように思います。
まず、県内の主要四港湾、北九州港、博多港、苅田港、三池港の取り扱いの貨物の状況はどうなっておりますか。
671 ◯入江種文副委員長 森港湾課長。
672 ◯森港湾課長 主要四港湾の取扱貨物の状況についてでございますが、まず、北九州市が管理いたします北九州港につきましては、平成十八年の貨物量は年間一億九百万トン余りで、主な取扱品目は、石炭、鉄鉱石、鋼材というふうになっております。また、福岡市が管理いたします博多港につきましては、年間三千四百万トン余りで、主な取扱品目は、石油製品、完成自動車、ゴム製品となっております。次に、福岡県が管理いたします苅田港につきましては、年間三千百万トン余りで、主な取扱品目は、セメント、自動車部品、完成自動車となっております。同じく県管理港湾であります三池港につきましては、年間百六十八万トン余りで、主な取扱品目は、石炭、石油製品、化学薬品となっております。
主要四港湾の合計の貨物量は年間約一億七千七百万トンとなっておりまして、平成十七年の取扱量一億七千二百万トンと比較いたしまして約二・五%の伸びとなっております。
673 ◯岩元一儀委員 二・五%の伸びということで、品目的な部分も今列挙していただいたんですが、品目的にはどういった部分が多くなってきているのか、最近の状況を、簡単でいいですから。
674 ◯森港湾課長 二・五%伸びた主な貨物でございますけども、完成自動車及び自動車部品でございます。
675 ◯岩元一儀委員 北部九州の百五十万台生産、その前の百万台、こういう政策がやはり非常に影響しているということが言えると思いますし、こういった施策をしっかりとやっていくためには、やっぱり港湾のしっかりとした整備なり、あるいはまた、もちろん生かし方というものが必要であるというふうに私も思います。
そうした中で、まず、県管理の苅田港について、こういうところに対して、地元からの要望や、あるいは地域振興、こうしたものを考えて、どんな将来像を描いておられるのか、これをちょっと具体的にお聞きしたいと思います。
676 ◯森港湾課長 苅田港につきましては、もともと筑豊炭の積み出し港として整備されまして、その後、セメント企業の立地や、昭和三十一年の九州電力の進出、昭和五十年の日産自動車の進出等によりまして発展してきております。
また、平成十七年には、トヨタ自動車九州のエンジン工場が操業を開始しており、加えまして、新北九州空港の開港、それから東九州自動車道などのインフラが整備されており、さらにトヨタ自動車九州第二エンジン工場や日産車体の進出などが表明されております。
このような背景を受けまして、貨物量の増加や船舶の大型化に対応するため、本港地区におきましては、航路の増深、拡幅を行っております。また、南港地区におきましては、航路の拡幅を計画しております。また、新松山地区におきましては、しゅんせつ土砂を利用した工業用地の確保を行い、さらなる物流拠点としての機能の充実を図ってまいりたいと考えております。
677 ◯岩元一儀委員 さらなる物流の拠点というのが一つの大きな将来像というか、それを描きながら、今、国と一緒に着々と整備をやっておられるということだろうと思います。
先ほど井上委員のほうからも、白石の工業団地のいわゆる背景地としての部分、あるいは、面しているところの工業団地の利用というものの促進というようなこと、そしてまた企業誘致をと、こういうようなこともやはり出てきておったわけですけれども、新松山の地域にしゅんせつの工業団地をつくろうというお話が今ありましたけれども、これは、今後どういうような予定で、今どんな状態なのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
678 ◯森港湾課長 新松山地区につきましては、現在、国の直轄事業による航路しゅんせつ土砂を利用いたしまして埋め立てを行っております。今後の予定につきましては、国と引き続き調整を行ってまいりたいと考えております。
679 ◯岩元一儀委員 しゅんせつ土砂を持ってくるわけですから、安価でそういう工業団地というか、そういうものがつくれていくんですよね。だから、白石をしっかり売ってもらって、その後は、やっぱりこういうものをしっかり生かして企業誘致をやっていくということが、あるいは、コンテナヤードを含めてもそうですけれども、こうしたものを生かしていくというような方向がやっぱり大事だろうと、このように思います。
続いて、三池港についてはどんな将来像があるのか。
680 ◯森港湾課長 三池港につきましては、三井鉱山の私有港として明治四十一年に開港いたしまして、平成九年の三月の三池炭坑閉山まで物流拠点として大変大きな役割を果たしてまいりました。県といたしましては、閉山後の県南地域の振興を図るためには公共港湾としての機能拡充を図ることが必要であると考えておりまして、このため、平成二十年度前半を目標とする港湾計画を平成十一年に策定し、物流機能の強化のため、航路の拡幅・増進や、公共岸壁の整備及び有明海沿岸道路などとのアクセス道路の整備を行っております。
今後とも引き続き港湾施設の整備促進を図るとともに、平成十八年、昨年四月に開設いたしました韓国の釜山港とのコンテナ航路の集荷拡大を含め、三池港の利用促進に向けてポートセールス等にも積極的に取り組み、県南地域の振興に努めてまいりたいと考えております。
681 ◯岩元一儀委員 先ほど井上委員のほうからもありましたとおり、県南の振興というところもやっぱり求められておりますが、ポートセールスを積極的に進められる、そういった中で拡大していこう、そして、公の港としてのそういったものを充実させていくということなんでしょうけども、やはり周辺の産業もあると思いますね。やっぱり大川の方面、あるいはいろいろな、有明は有明という部分もありますでしょうけど、こういったようなところとのセールスというか、こういったものもやっぱり重要でありますし、貨物が集まってくればですね、ちょっとお聞きすると、バックヤードと申しますか、ここら辺の開発がちょっとおくれぎみじゃないかという地元からの意見も聞きます。こういったことも、地元とのお話し合いもあるでしょうし、荷の状況もあるんでしょうけれども、ここをしっかり注視して、対応策を怠らないようにやってほしいなと、このように希望しておきます。
続きまして、北九州、博多の方面の話と申しますか、このことについてやりたいと思いますけれども、やっぱり国際競争という関係で港のいろいろな競争にさらされて、とにかく韓国、中国との争いというか、競争は、はっきり言って負けたと申しますか、今のところ劣っているというのが正直なところじゃないかなと、このように思いますけれども、こうした中で、スーパー中枢港湾の指定の件がございました。これは今どうなっているのか、この件についてお聞きします。
682 ◯入江種文副委員長 梅木企画課長。
683 ◯梅木企画課長 スーパー中枢港湾の指定についてでございますが、本県の働きかけによりまして、北九州港、博多港の共同申請の合意に至ったところでございますが、国からは、コンテナ貨物取扱量として両港合わせて二百万TEU達成の見込みが必要という判断がなされております。平成十八年のコンテナ貨物取扱量は、博多港が約七十二万TEU、それから北九州港は約四十七万TEUでございまして、合わせて約百二十万TEUであり、二百万TEUに達している状況ではございません。
684 ◯岩元一儀委員 単純に言えば、実に八十万TEU足りないねと、こういうようなこと。こうした現状の中で、今はスーパー中枢港湾としての申請も難しい状況だと、こういうことだろうと思うんですね。しかし、やっぱりそのためにというか、コンテナ、貨物、こういったものをふやしていかなきゃいかんと思うんですけれども、どんな取り組みがされているのか、この点について、管理者ではありませんけれども、聞いた話でも、そこら辺のところをお話しいただけますか。
685 ◯梅木企画課長 港湾管理者であります両市は、指定を目指しましてコンテナ貨物取扱量の増加を図るために、港湾機能の充実や企業誘致に努めているところであります。
686 ◯岩元一儀委員 我々も出身の議員でございますから、特に北九州は気になるところでありまして、その企業誘致の点がやっぱり大きなメルクマールというか、大事な点になってきている、こういったところがあると思います。
御存じのとおり、響灘コンテナターミナルは、水深が十五メートルの岸壁を二バース、そして十メートルの岸壁を二バース、そして約三十九ヘクタールの広大なコンテナヤードというようなことで、一千億の税金がつぎ込まれたと。しかし、今はと申しますと、二年近くの中で大変厳しい経営状況にあって、これを民間の運営から市の運営にと、実質、市がいろいろな施設を買い取ると、こういう状況に陥っているわけでございます。そういう中で、市が中心となって今一生懸命やられているわけでございますけれども、こんな中で、トヨタ九州の小倉工場、それからブリヂストンなどの大型の企業誘致の案件、こうしたものが最近実現してきている、こうした状況になってきている。当然、県と市の協力によって実現したというふうに思っているんですけど、このほかのここ数年の北九州市への誘致実績、こういったものはどうなっているかお聞かせください。
687 ◯入江種文副委員長 江口企業立地課長。
688 ◯江口企業立地課長 北九州市への企業誘致の実績でございます。十六年度から申しますと、例えば、十六年度、四件、十七年度、五件、十八年度、八件と、立地件数が年々ふえているという状況でございまして、平成十九年度につきましても、既に四件の立地が決まっておるという状況でございます。
なお、この北九州市への誘致でございますけど、特徴としましては、先ほど委員御質問の中にも出てきましたトヨタ九州の小倉工場、それからブリヂストンに加えまして、東邦チタニウムでありますとか、大日本印刷でありますとか、事業規模百億円以上の投資の大規模案件がこの中に六件含まれているというところが特徴かと思われます。
〔正副委員長交代〕
689 ◯岩元一儀委員 こういったことで、ブリヂストンもあと二年近くの部分で、まだ荷が入ってくるとか、荷を出すとか、そういう部分ではない状況ですけれども、しかし、将来、需要というか、港を使う、そういったものに大きく貢献してくるということは予想されるわけですが、北九州の港湾のところについて、今後の企業誘致はどんな状況ととらえているのか。
690 ◯江口企業立地課長 トヨタ自動車九州の小倉工場の立地、それから、近くの苅田にはトヨタのエンジン工場の増設もありますし、最近、日産車体の立地の決定もございました。そういうことがありまして、今後とも自動車産業を中心に立地が好調に進むものと我々も考えております。
また、それ以外におきましても、国内の好調な設備投資ということもありますけども、地域の港湾でありますとか、空港でありますとか、それから高速道路、工業用水というふうな充実した産業インフラとか、人材、そういうのも、立地環境が非常にすぐれております。そういうことも含めまして、今後立地が進んでいくものという期待をしております。
691 ◯岩元一儀委員 本当に期待をされる、そして、何といっても一千億円の投資がここにされておる。まさにこれを利用しない手はないというふうに思いますし、やはりそのためには、この誘致に関する北九州市と県との協力関係というか、サポート関係というか、そういったものが今後とも必要だというふうに思うんですけれども、今後どのように連携していくのか、最後にお聞きしておきます。
692 ◯江口企業立地課長 先ほどお答えを申しましたトヨタ自動車九州小倉工場の場合でもそうなんですけども、これは苅田にもまたがっておりまして、苅田町もそうなんですが、県と北九州市が一致協力をいたしまして鋭意誘致活動を行った結果、立地が決定したというところでございます。
北九州市につきましては、新聞報道とかもありましたように、今後も下曽根の空港跡地の産業団地の整備を進められるなど、誘致のための条件整備も進んでまいります。それから、先ほど申しましたように、産業インフラ、それから学術研究都市など、周辺の取り組みも進んでおります。それのポテンシャルを最大限に生かしながら、北九州市と連携して取り組んでいきたいと思っております。
693 ◯岩元一儀委員 本当に四港それぞれの歴史があって、それぞれの将来像というか、持つ特徴というか、そういうものがあって、やっぱり着実に整備が進んでいるわけです。こういったところを大いに生かして、この県の施策と合うようにというか、生かし合って、やっぱり福岡県の元気づくりというか、県政の発展というか、そういったものをやっていく必要があると、このように私も痛感しますし、皆さん方におきましても、この点をしっかりと、政令都市だからとかそういうんじゃなくて、一つ大きな財産として、県政の発展のためによろしくお願いしたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
694
◯江口吉男委員長 あとの質疑をお願いします。大城委員。
695 ◯大城節子委員 公明党の大城節子でございます。
通告に従いまして、視覚障害者の社会参加について質問いたします。
私は、はり・きゅう治療院を開業されている、この方は女性なんですけれども、訪問在宅マッサージにも取り組んでいらっしゃって、強度の弱視、いわゆる視覚障害者の方にお会いする機会がございました。その方を見ていますと、いつもパワフルで明るくて、一生懸命仕事に励んでいる。そういう姿に触れるたびにこちらが感動を覚えるわけでございます。
その方とお話をしています中で感じたことでございまして、また今回も質問に取り上げさせていただくわけですが、その方は、当然のことといたしまして、外出される際は白じょう、いわゆるつえを常に携えていらっしゃるんですが、お話の中でこういうことがございました。
いつも歩きなれている場所で、大体の感覚を御自分でもつかんでいらっしゃるので歩いていくんだけども、「時々目的地を通り過ぎてしまう。勘違いなのか、想定していた場所が見つからなくて逆戻りしてしまうことが多々あるんです。そういうときは非常に不安で、どうしていいのかわからない。その場所を探すことで精いっぱいになる」というふうに伺ったことがございました。
そういう内容でございましたけれども、私どもの県におきましても、近年、高齢者や障害者が社会で活躍できる環境づくりが非常に推進されてきているわけでございますけれども、特に、平成十六年三月に、本県におけます新福岡県障害者福祉長期計画及びふくおか障害者プランを策定しております。これらの計画の目的と趣旨について説明をお願いいたします。
696
◯江口吉男委員長 村上障害者福祉課長。
697 ◯村上障害者福祉課長 御指摘の長期計画でございますが、基本目標と、それから四点の基本的視点ということで設定させていただいております。
まず、基本目標でございますが、これは、障害のある人もない人も、だれもが相互に人格と個性を尊重して支え合う共生社会づくり、いわゆる共生社会の実現ということで掲げさせていただいております。
また、基本的視点でございますが、一点目が地域における自立した生活のための支援、二点目がバリアフリーの推進、三点目が精神障害者施策の充実、四点目が障害者雇用、それから就業機会の創出でございます。
698 ◯大城節子委員 たくさんの基本的視点が今挙げられましたけれども、その基本的視点の中でも、特にバリアフリー化を全体的にどのように推進されているのでしょうか。
699 ◯村上障害者福祉課長 この点につきましては、福祉のまちづくり条例というのがございます。この条例に基づきまして、ソフト、ハードの両面から各施策の総合的推進を図っているところでございます。具体的には、住宅のバリアフリー化や、公共交通機関及び歩行空間等のバリアフリー化の推進を図っているところでございます。
700 ◯大城節子委員 いわゆる福祉まちづくりの中でバリアを取り除いていく、バリアフリー化という施策でございますけども、先ほど御紹介いたしました視覚障害者の方に対してのバリアフリーということなんですけれども、そうしますと、そういう方たちのための施策としては、具体的にどのようなものがあるのかお答えください。
701 ◯村上障害者福祉課長 先ほど申しましたソフト事業といたしましては、これは視覚障害者の方々の社会参加を促進するという意味から、ガイドヘルパーの派遣とか、それから視覚障害者の生活訓練、それから文章読み上げ装置の普及などに努めているところでございます。また、点字ブロック上の迷惑、それから危険性の高い違法駐車の取り締まりを行っているところでございます。
また、ハード事業といたしましては、駅などの公共施設周辺におけます既設歩道の段差解消、それから点字ブロックの設置などを進めております。また、音響式信号機や、歩行者などの支援情報通信システム、これはいわゆるPICS(ピックス)というんですが、の整備を図っているところでございます。
702 ◯大城節子委員 今バリアフリー化の非常に多様な内容を紹介していただいたわけでございますけれども、視覚障害者の方が社会にかかわっていくということになりますと、まずは御自分から外に向かって出ていくということが第一歩であると思います。障害者の方とお話をしていますと、もちろん、ある一定の段階までは、そのために手助けというか、周りの方たちのフォローが大変必要になるんですけれども、身体的にはどこもさほど異常が見られる場合はありませんので、ただ、残念なことに、視覚が非常に低下しているという状況でございまして、よくよくお話をしますと、できるだけ自立して、自分の足でかかわっていきたいという、そういう思いが強うございます。
そういう意味では、外に出たときに安全に歩いていく、そういうために、歩道において具体的にどのような施策があるのか、その辺を道路関係設備のほうにお願いいたします。
703
◯江口吉男委員長 萩尾道路維持課長。
704 ◯萩尾道路維持課長 歩道におけますバリアフリーということでお答えさせていただきます。
歩道のバリアフリー化に当たりましては、平成十二年に制定されてございます交通バリアフリー法によります構造基準や通達が定められてございます。そのガイドラインに基づきまして実施をしているところでございます。
具体的内容でございますが、歩道の幅を確保し、また、歩道を低くしまして、段差や急勾配の解消を図っています。また、視覚障害者の方の移動方向の指示や注意喚起を行うための視覚障害者誘導用ブロック、いわゆる点字ブロックでございますが、を設置してございます。現在実施しております歩道の設置、それから拡幅、改良におきましては、ほとんどバリアフリー対応で実施しております。
705 ◯大城節子委員 視覚障害者の移動方向の指示ということで、注意を促したり、そういう意味では、点字ブロックなる誘導ブロックということは私どもも広く認識しているわけでございますけれども、ちょっと角度を変えますが、ところで、国や愛知県、また名古屋市ITS普及推進団体の主催で、今から三年前の二〇〇四年の十月、名古屋市で、高度道路交通システム、いわゆるITS、そういう「ITS世界会議愛知・名古屋二〇〇四」というのが開催されていたと思いますが、その中で、歩行者支援の一つとして、携帯端末に地上と地下の経路、要するに順路ですね、そういう経路を示した、視覚障害者用のつえを使った、ICチップを内蔵しまして、点字ブロックに沿って歩くシステムが紹介されたと思います。この点字ブロックにICタグを内蔵した事例などがあることは御存じでしょうか。
706 ◯萩尾道路維持課長 はい、承知してございます。ICタグや携帯情報端末を利用しまして位置情報を確認したり経路案内などを行います実証実験が、ただいま委員御指摘のように、国土交通省や、愛知県で開催されました「愛・地球博」の会場で行われたことを聞いてございます。
707 ◯大城節子委員 たしか愛知万博で紹介された自律移動支援プロジェクトの実証実験のメニューにあったと思うんですけれども、その中で、私も、これはこれから非常に必要な部分なのかなと思いながら読ませていただいていたところがあったんですが、白じょうコースと車いすコースという二種類の実証実験がありました。その中の一つであります白じょうコースの参加者の九二%の方、それから、車いすを利用されているコースの参加者の七八%がそういう自律移動支援、いわゆるICタグを使った点字ブロック等を歩いていきますと、移動を支援するシステムが町なかに整備されると、生活の中で非常に効果があると、そのように回答されておりました。
自律移動支援というのは、点字ブロックに埋め込まれたICチップの情報をアンテナが入った白じょう(つえ)の中を通じて携帯用の小型のコンピューターに伝え、音声に変える仕組みなんですが、視覚障害者の方が点字ブロックの上を歩くと、「ここが右です」、「あと何メートルです」、「ここはどこどこです」というふうな音声で案内するシステムになっているようでございます。
そういう例が引かれていたわけですし、また、そういった実証実験が行われていたわけですけれども、先ほど答弁の中で、承知しておりますということではございましたが、そうであれば、県内でこの自律移動支援システムを実施している場所がありますかどうか、また、あれば現状をお聞かせください。
708 ◯萩尾道路維持課長 実証実験も含めまして、県内でこのような実施をした場所は今のところございません。ただ、この実証実験の中で、位置の精度や通信規格等の解決をやらないといけない項目がまだあるということも聞いてございます。現在のところ、今行ってございます実証実験も含めまして、その結果を踏まえながら、今後対応してまいりたいと考えてございます。
709 ◯大城節子委員 これからの施策になるかとは思うんですけれども、ただ、自律移動支援システムを体験した方から、指示が具体的で理解しやすいという、そういう声が上がっておりました。
私どもは、ある意味で当たり前のように物が見える状態の中で生活しているわけでございますけれども、障害者の方、特に視覚障害者の方の立場から考えますと、白じょうというか、つえがある意味では自分の手であり、足であるという、そういう生活を送っていらっしゃるわけでございます。特に手足になる白じょうを頼りと、それから、耳から聞こえる方向の指示とかとなると、これは自身の体験の中から感ずる部分と、それから耳からサポートしてくれるという、そういう意味では、移動を行うときには大変な手助けになっているということが、お話を伺う中でも、また、いろいろな回答をされていたアンケートを読んでおりましても、私も、これはこれから先の非常に大きな課題ではないだろうかと感じております。
そういう意味では、近い将来、本県においてもこのシステムを利用すれば、視覚障害者の歩行を支援する役割というのは大変大きな力になるのではないかと思っておりますし、今後、実証実験がスムーズに進む、そういった段階になりました折には、ぜひ対応していくべきだと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それはそれとしまして、現段階におきまして、歩行者の支援ということでは、先ほどお話がありました誘導ブロックというのが日常的に私たちに一番身近なところでございますけれども、その誘導ブロックのことなんですけれども、点字ブロックの上に物を置くと、歩行者支援に支障が出るということが多々あるわけです。これは当面の対策としてぜひお願いしたいんですが、点字ブロックの手前に「物を置いてはいけません」と記入したらどうだろうかと思っております。
これは、東京、大阪、名古屋では既にこういったことが実施されておりまして、ぜひ考えて、実行に移していただきたいことを提案しておきたいと思っております。
先日、私、歩行者等支援情報システムの設置場所を確認してきました。福岡市南区の大橋駅前と南区役所交差点のところに、歩行者支援信号というものが取りつけられていました。視覚障害者に対して、信号機による安全対策というものはどのように取り組んでいますか。
710
◯江口吉男委員長 成内警察本部総務部長。
711 ◯成内警察本部総務部長 信号機による安全対策でございます。
県警察では、二つの対応を行っているところでございます。
その一つが、視覚障害者用付加装置がついた信号機、いわゆる音の出る信号機でございます。これは、平成十九年九月末現在、県下で四百八十三基を整備いたしているところでございます。地区別では、福岡地区が二百十七、北九州地区が百四十三で、筑豊地区が四十二、それから筑後が八十一基でございます。
それから、もう一つのパターンは、先ほど委員御指摘がございましたけども、歩行者等支援情報通信システム。具体的には、白いつえを持った視覚障害者あるいは高齢者が接近いたしますと、それに反応いたしまして、例えば、「ここは○○交差点です。信号が赤に変わります」といった交差点の位置情報、それから信号機の表示方法を音声で知らせるシステム、これが通称PICSと呼ばれておるんですが、これを八基整備をいたしております。地区別には、福岡地区二基、北九州地区四基、筑後地区二基でございます。
712 ◯大城節子委員 このいわゆる通称PICSというシステムを使っているというところが県内にも八基取りつけられているということに対して、これは私も非常に認識不足だったんですけども、つい最近わかりまして、慌てて現場を見に行った状況でございますが、しばらくこの交差点におりまして、どういうふうに操作しているのかということを確認してまいりました。
と申しますと、信号機が変わりますと、ちょうど信号機のところに小さなスピーカーがついておりまして、その横に端末、センサーのようなものが二基ぶら下がっていたわけなんですが、信号機が変わりますとカッコウの擬音が鳴っていまして、あそこの下にブロックがありましたので、多分、センサーによってつえから反射し、「ここは大橋駅の交差点です」という、いわゆる誘導指示が出てくるという、そういう操作になっているわけでございます。これは視覚障害者の方にとってみれば、ここは点字ブロックがあるから大体交差点のところだなということはわかるとは思いますけれども、本当にここまで親切に指示をしていくと、大変安心して歩行ができるのではないかということを実感いたしました。
そう考えますと、視覚障害者の社会参加のために、PICSや音の出る信号機を特に歩行者が多い都心部に多く設置すべきと考えますけれども、そういった取り組みについてはいかがでしょうか。
713 ◯成内警察本部総務部長 委員御指摘のとおりでございます。基本的には、視覚障害者の利用が多い市役所、役場等の公共施設の近くや、自動車交通量が多くて、視覚障害者の安全な横断に必要のある場所など、都心部を中心に設置いたしております。また、このほか、特別支援学校等の視覚障害者の利用施設がございまして、この視覚障害者の横断需要がある場所を優先的に設置いたしているところです。なお、この設置に当たりましては、視覚障害者団体等々の御意見も参考にさせていただいているところでございます。
714 ◯大城節子委員 視覚障害者団体の方、また各個人の意見もぜひ吸い上げていただきながら、検討していただきたいと思っております。
それはそれとして、信号機でさえ大変高額で、私どもも、あそこに信号機をつけてほしいとかということでいつも住民の方から御相談をいただいて、県警の皆さんには大変御迷惑と、非常にしつこくつきまとっているわけでございますが、PICSと音の出る信号機の設備費用というのは大体どのくらいかかっているのかお示しください。
715 ◯成内警察本部総務部長 整備費用についてでございます。
標準的な信号機は約二百九十万でございます。この信号機に機能を付加するものといたしまして、PICSにつきましては、プラスの約五百万円、それから、音の出る信号機につきましては、プラスの約百万円ほどかかっております。
716 ◯大城節子委員 先端のICタグをつけるだけでも、またシステムを変更するだけでもこれだけの高額な資金がかかるのかと思うと、私もうーんと詰まってしまうんですけれども、ただ、こういった問題点というのは、ある意味では、行政だけではなくて、民間の情報システム機関等と提携を結ぶと、また解決策がより出てくるのではないかと思いますし、今後の課題としても取り組んでいくべき課題なのかなと思っております。
今こうやって説明させていただきましたが、これから先、県警としてどのように視覚障害者の安全対策というものを取り組もうとされているのかお聞かせください。
717 ◯成内警察本部総務部長 県警察といたしましては、視覚障害者の安全対策は非常に重要であると考えているところでございます。今後とも、信号機を初めとした交通安全施設の整備につきましては、関係機関、団体等々の意見、要望を踏まえまして、さらに推進をしてまいりたいと、このように思っております。
718 ◯大城節子委員 これからの時代といいますのは、私どもの学生時代とは違って、今でさえ世の中は非常に、ITだの、それからインターネットだの、そういう時代になってきております。また、国土交通省の中におきましては、こういう誘導ブロックのシステムだけではなくて、これから先は、駅や、それから交通機関等、ある意味では交通空間の中でも情報システムを使いながら歩行者の移動、誘導を指示できる、そういった構想も練っているようでございます。
そういう意味では、これから先どんどん世の中が変わって、むしろ視覚障害者だからではなく、健常者だからではなく、すべての人が情報をどう取捨選択しながら自分の行動範囲の中で目的地にたどり着くかという、こういう時代になるかというふうに考えられるわけでございますが、そういうことを想定した上で、これから先も具体的に提案いたしますが、県としては、視覚障害者、そしてすべての共生という先ほどの福祉プランの中での大きなメーンテーマがございますけれども、今後の対策としてどのように取り組んでいらっしゃるのか、部長の御意見も伺わせていただきたいと思っております。
719
◯江口吉男委員長 山崎保健福祉部長。
720 ◯山崎保健福祉部長 視覚障害者の方の社会参加の促進という観点からの御質問でございました。このためには、ソフト、ハード両面にわたるバリアフリー化が大変重要であると考えております。県のほうでは、県警本部、教育庁も入りました福祉のまちづくり推進委員会というのを設置しております。こういう中でいろいろな情報を交換していきまして、できることを確実に、総合的に取り組んでまいりたいと考えております。
721 ◯大城節子委員 ありがとうございます。ぜひ、当面の課題であります、先ほど申し上げました、点字ブロックの中に物を置かないでくださいという、そういう表示をしていただけると大変助かると思います。ありがとうございました。終わります。(拍手)
722
◯江口吉男委員長 関連は簡潔にお願いします。森下委員。
723 ◯森下博司委員 今視覚障害者の安全対策と社会参加ということでございましたので、私のほうから、時間の関係で、三点要望だけをして終わりたいと思います。
一つは介助、いわゆるガイドヘルパーという方ですが、社会福祉協議会から出てこられた視覚障害者のガイドヘルパーさん、この方たちと、民間のガイドヘルパーさんの格差が激し過ぎる。一つは、社協から出てきたガイドヘルパーさんは、定時の五時で終わり、土日は出てこない。視覚障害者が一番外出したいときに、その方たちは休憩になってしまう。その分、民間からの方が非常に苦労をされているという、こんな話がありました。
それで、特に視覚障害者の方が自分の枠の時間で病院関係に連れていってもらおうとしたときに、これは通院介助ということになりますが、例えば、病院の玄関までしか連れていかれない。院内介助は点数に入らない、こういうふうになっています。総合病院ならともかく、個人の病院とかへ行った場合に、薬はここに行きなさい、レントゲンはこうしなさいと言われたときに、目の見えない不自由な方は、これが一人で移動できない。それで、何とか院内介助を移動支援に切りかえてぜひお願いしたいという声もありましたので、これはぜひ検討していただければと。社協のヘルパーさんのをあわせて、これはお願いをしたいと思います。
二点目は、歩行訓練士と点字訓練士の方たちが非常に少ない。自立して社会参加をするには、やはり一緒に行きながら、自分で歩ける、そういう訓練をしてくれる歩行訓練士の育成というんですか、これも、障害者福祉課のほうでこの制度をもっと広げて、そういう人たちをもっと雇えるというんですか、そういう拡大をぜひしていただければと思います。
最後。これは質問にせんないかんということを言われました。済みません、一点だけ質問しておきます。私、六月議会でSPコードを一般質問させていただきました。つくる方向で考えていただいているそうですが、ぜひこれに追加で、視覚障害者は、選挙に行くときに、選挙入場整理券という私たちと同じこれが入りますが、点字で打たれた場合もありますが、糖尿病とか途中で事故を起こして失明された方は、点字が習得できない。そういう方たちのためにSPコードという音声コードを利用していただこうということで今事業化しています。
ところが、選挙入場整理券というのは、そういう点字を打っても、また字を書いても、両方わからない方なので、ぜひこれにSPコードをつけていただいて、選挙に行っていただく。今、中途失明の方が年間一万五千人ぐらいおられるそうです。福岡県はちょっと調べていませんけども、選挙は平等に行けるものでございますので、その方たちのために、行きやすい形で、これはぜひ答弁をいただければと思いますが、障害者福祉課長かどなたかわかりませんが、よろしくお願いします。
724
◯江口吉男委員長 村上障害者福祉課長。
725 ◯村上障害者福祉課長 先生御指摘のいわゆる選挙入場整理券の件でございますが、これは趣旨としては私もそのように思いますが、ただ、これは選挙でございますので、やはり県の中でも、私だけの判断ということはございません。そこのところを関係部局とよく情報を交換しながら検討していきたいと考えております。
726 ◯森下博司委員 委員長、御配慮ありがとうございました。もうこれ以上求めませんが、知事保留もしませんので、そのことは庁内で調整して、ぜひ実現させていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。(拍手)
727
◯江口吉男委員長 ほかに質疑はありますか。渡辺英幸委員。
728 ◯渡辺英幸委員 自由民主党県議団の渡辺でございます。今回、非常に減ることのない温室ガスのいろいろな対策について、地球環境保護と原子力発電の開発政策についてを質問いたしたいと思います。
私たちの住むこの地球は、人類が住み始めて五千年とも八千年とも言われ、長い間、私たちの先祖が住み続けております。しかし、今日、地球温暖化の進行により、学者等のお話の中では、地球の存続は五百年あるいは千年しかもたないのではないだろうかと言う研究者もおられます。
そこで、平成九年、京都において、世界の首脳とともに京都議定書なるものを約束し、日本の温室効果ガスの削減の目標を定めました。その目標達成に向けてどのような状況にあるのかお答え願います。
729
◯江口吉男委員長 三笠環境政策課長。
730 ◯三笠環境政策課長 国の温室効果ガスの関係の御質問でございますけども、京都議定書の第一約束期間、来年二〇〇八年から二〇一二年までの間に、いわゆる基準年度でございます一九九〇年度に比しまして六%の削減目標を策定したところでございます。これについては御案内のとおりでございますが、現状では、これは昨日環境省のほうで発表いたしました速報値でございますけども、基準年度と比しまして二〇〇六年度で六・四%の増加ということになっているところでございます。
731 ◯渡辺英幸委員 ただいま六・八%の……。
〔「六・四%です」と呼ぶ者がある〕
732 ◯渡辺英幸委員 六・三%の増加ということ、新聞には六・三と載っとるみたいですね、でございますが、この目標達成に向けての動きの中で、本県の役割と達成の実現性はどんなになっていますでしょうか。
733 ◯三笠環境政策課長 国が定めました京都議定書達成計画で地方公共団体の役割というのがございますけども、本県の役割としまして、地域の特性に応じました対策の実施、それから率先した取り組みの実施、それから県内地域住民への情報の提供、活動の推進と、大きく三つの役割がございます。
また、本県におきましても、国同様、いわゆる達成状況につきましては厳しい状況にございますけども、県の温暖化対策の推進計画を基本といたしまして、県民、それから事業者、行政が一体となりおのおのが取り組みまして、一九九〇年度に比しまして六%の削減ができるように現在努めているところでございます。
734 ◯渡辺英幸委員 今の課長の答弁は少し認識が甘いように思われます。これは十月三十一日、ほんの一週間ちょっと前に出された読売新聞の中です。「温室ガス大幅増のおそれ。〇七年度については、恐らく〇六年を上回るのではなかろうか」というような予測が出ております。
そうした中で、やはり具体的に、例えば、私は自分で決めておりますけど、一週間に一度は車に乗らないんですね。だから、日にちは決められませんから、一応、一週間に一度車に乗らない。県庁職員も一週間に一度は車に乗らないとか。それと、これは前の議会のときだったと思いますが、自動車を燃料車から電池車、あるいはいろいろかえるという質問をされたんですけど、県の答弁は、小型車は余りないと。大型車と申しましょうか、普通車以外はいないと。しかし、私が土木事務所や農林事務所、いろいろな出先に行きますと、たくさんの軽自動車があるわけなんですよ。やはりそんな、県もこうしてやっているよという何かの取り組みはお考えはないでしょうか。
735 ◯三笠環境政策課長 県といたしましても、今大きく三つ申し上げましたけども、県の温暖化防止計画で取り組んでおります中でも、やはりまず啓発、それから、まずみずから取り組むということで、県でも、いわゆる福岡県の環境保全実行計画をつくっておりますし、グリーン調達法に基づきます環境物品の調達の中で、今おっしゃったような車の問題も入ってくるわけでございますけども、そういうみずからの取り組みもやっているところでございます。
ただ、委員みずからも取り組まれているわけでございますけども、個々にという、職員みずからも取り組むべきだということで先ほどの決算特別委員会の中でもございましたので、県職員もみずから取り組むべきだという視点につきましては、そういう視点で頑張ってまいりたいと思っております。
736 ◯渡辺英幸委員 この中で、例えば、〇七年度について、恐らくこの予測ですと八%ぐらいの増になるだろうというようなことが書いてあります。そうすると、来年は六%下げないかんのですよね、〇八だから。そうしますと、八%と六%で一四%の削減をしなければならないということになってまいります。この数字というのは、世界の国々の中で削減をしようということがあったので、私は、これはやはり必ずややっていかなければならないと思います。
そうした中で、じゃ、私が今言いましたように、この十何%というのは、やはり大きな、高い、高いハードルだと思います。例えば、今私が言いましたようなことでは、私はそのハードルに向かって達成できないのではなかろうかと思っております。その辺の考えはどうでしょうか。
737 ◯三笠環境政策課長 国において取り組むべきこともございますけども、私どもは、やはり県として取り組むべきことを着実に取り組んでまいりたいと考えております。
委員御指摘の、いわゆる国全体の話といたしましては、毎日のように報道されますけども、現在、経団連の自主行動計画の上積みでありますとか、そういう取り組みも、それから省エネ法の改正等々も予定されております。そういう議論の中で、国としての一定の方向、一段と取り組みの強化というものがまた出てまいるものと考えております。
738 ◯渡辺英幸委員 本当に大変なことだと思います。しかし、きのう、ある自動車メーカーの電池だけで動く車の発表の試乗会があっているテレビのニュースを見ました。そんなことで、温室効果ガスの削減については、私どもももちろんでございますが、県も挙げていろいろやっていってもらわなければならないと思います。
そこで、私が平成十二年の十月に、京都議定書問題と日本や本県の目標並びに達成に向けての方針等について質問したものがここに……。もう大分なります、平成十二年だから。全部を読めばかなり時間がかかると思いますので、少し読んでみたいと思います。
「二十世紀、人類が生み出した高度な科学文明や技術文明は、私たちが夢としてきたさまざまなことを実現させ、便利な生活、豊かな経済社会をもたらしてくれました。しかしながら、この高度な科学技術文明は、地球創造以来の資源を浪費し、自然を破壊し、また、伝統文化まで葬り去ろうとしています。昭和三十六年、ソ連の少佐が世界で初めて人工衛星で宇宙に飛び出し、あの有名な「地球は青かった」というメッセージに私どもは感動したものでございます」。
〔発言する者がある〕
739 ◯渡辺英幸委員 そうです。「それからわずか八年後、今度は昭和四十四年に、アメリカが月に人間を送り込んだときに、月面から見たはるかなるかなたにある地球は、早くも青い色に茶色のベルトが乱れて巻きついて見えるまでに変化していました」と言っております。現在、そんな地球の事情でございます。
その中で、平成二年十月に、我が国において、地球温暖化防止計画が決定され、我が国が、要するにCO2削減のために三つのことを話しております。まず一つは、原子力発電所を二十基新設する、二番目は、省エネルギーに努力する、三番目は、自然エネルギーの導入並びに化石燃料にかわる新エネルギーの導入ということがなされております。そんなことも、早いものでかなりの年月がたちました。
そこで、今の質問に……。我々はほとんど認識に乏しいが、原子力開発すなわち原子力発電所への傾向が温室効果ガス削減の大きな手段となってくると思われますが、これについて県はどのような認識や理解を持っているのかお答えください。
740 ◯三笠環境政策課長 原子力発電につきましては、いわゆる温暖化防止対策上、その効果というのは重要なエネルギー源であると、こういうふうに考えておりますし、エネルギーに占める割合も高いということも十分認識をいたしております。
741 ◯渡辺英幸委員 地球温暖化に非常に効果があるだろうという認識をお話しされました。
次に、資料要求をしておりますので……。これからまた別の問題なので。
まず最初に、柏崎の停止中もありますが、我が国の原子力発電所の運転中と現在建設中、そして着工準備中の表を願いたいと思います。それと、我が国の電源構成(発電電力量ベース)の推移、それと九州電力の電源(発電電力量ベース)の推移の資料を要求しておりますので、よろしくお願いいたします。
742
◯江口吉男委員長 お諮りします。ただいま渡辺委員から要求のありました資料を委員会資料として要求することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
743
◯江口吉男委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
執行部に申し上げます。ただいま渡辺委員から要求がありました資料については、提出できますか。中村課長。
744 ◯中村企画調整課長 直ちに準備できます。
745
◯江口吉男委員長 提出資料を正副委員長に確認させてください。
〔資料確認〕
746
◯江口吉男委員長 それでは、ただいまより渡辺委員要求の資料を事務局から配付させます。
〔資料配付〕
747
◯江口吉男委員長 資料の配付がありました。渡辺委員、質疑を行ってください。
748 ◯渡辺英幸委員 まず、原子力発電所の運転や建設中、あるいは着工準備をしております数量を三つお知らせ願いたいと思います。
749 ◯中村企画調整課長 今お配りしました資料の一番大きなもの、A三の資料でございます、この中に書いておることでございますけれども、ちょうど真ん中のあたりに炉型、それから出力量というのがあります。そのところの一番上のだいだい色の「運転中」という数字のところでございます。運転中が五十五基、四千九百五十八万キロワット、その下のグリーンのところ、建設中が二基、二百二十八・五万キロワット、その下の着工準備中が十一基、千四百九十四・五万キロワット、合計六十八基の六千六百八十一万キロワットということになっております。
750 ◯渡辺英幸委員 合計六十八基。本当に、日本全国の電力の恐らく六〇%以上をこの原子力発電が占めているのではないかと思われます。
そうした中で、例えば、福岡の直近にあります玄海町の原子力発電所の建設については、国からの莫大な交付金が来ております。五十年から五十九年度までの間に三十五億一千万、玄海町が約十八億、残りが県でございます。昭和六十年から平成十年までは二百四億八千五百万ということで、そのうち玄海町は約百二億四千三百万というような資料がございますが、お尋ねしましても、他県のことでありますので、もちろん私どもの県が関与することはないと思われますが、この数字について、どうお考えでしょうか。
751 ◯中村企画調整課長 原子力発電所の立地市町村に対しまして、電源立地の地域対策交付金、それから電源立地等推進対策交付金というかなり多額の交付金が出るという話を聞いております。今具体的なお話をお伺いしまして、非常な大きな額だなというふうに感じました。
752 ◯渡辺英幸委員 確かに、私もこの資料を見まして、非常に……。これならば、私どもの町が海に面しているならば、すぐ手を挙げらないかんなというような気もいたしました。
〔発言する者がある〕
753 ◯渡辺英幸委員 いや、循環水をこうせないかんからね。
754
◯江口吉男委員長 渡辺委員、質問を続けてください。
755 ◯渡辺英幸委員 はい。次に、きょうの朝刊だったと思います、例えば、原子力の燃料に消費税がかかるという新聞記事がございました。鹿児島県が、川内発電所で使う原子力燃料に一二%の消費税をかける。今までは一〇%かけておったんですけど、その金額が五年間で約八億円。だから、一二%ですから、もとにしますとかなりな額になると思います、ちょっと計算はやっておりませんが。そんなことで、やはり今後は国からの補助金が削減される中で、本当にかなりなお金が市町村に落ちていると思われます。私どもも、そうしたことに立って、この原子力発電所の建設、立地には今後いろいろと考えていかなければならないものがあるかと思われます。
そして、先ほど言いましたように、この資料の中で、我が国の発電電力量のベースが載っております。実に日本全国では六〇%の原子力発電が行われ、九州においては約四一%になっておりますが、この原子力の比率について、どんなふうな認識をされておりますでしょうか。
756 ◯中村企画調整課長 先ほど出しました二枚目のカラーの小さなほうの資料ですが、済みません、全国的には原子力は三一%であるというふうに認識しております。九州電力におきましては、平成十七年度の推定の実績では四〇%を超えているということになっております。九州電力において、全国よりも高い原子力の利用が行われているというふうに考えております。
757 ◯渡辺英幸委員 ちょっと、私のほうは化石燃料を計算しておったのが六一%でして、石炭や石油、それからLNG等、温室効果ガスを出す燃料がやはりまだまだ非常に多く使われるなという感じがいたしました。
そこで、後ろのほうからいろいろとお話も出ておりますように、九州においては四一、全国においては三一%のこれだけの原子力開発をどう評価し、例えば、今後もし九電や国の電源開発のほうからいろいろなお話があったときに、どう取り組んでいかれる予定ですか。企画振興部長に答弁をお願いいたします。
758
◯江口吉男委員長 中原企画振興部長。
759
◯中原企画振興部長 県といたしましては、具体的な話があったわけではありませんのでお答えは差し控えさせていただきますが、原子力行政そのものは、安全性の確保と国民の理解、それから協力を基本として推進されるべきものと考えております。
760 ◯渡辺英幸委員 安全性の確保ということは、今安全だから六十八基も動く予定なんです。だから、私は安全だと思います。そうすると、ほかの県に失礼ですよ。例えば、福岡県が、九州電力が発電している電力の約四五%を恐らく玄海や川内の発電所から持ってきているでしょう。だから、安全を確認ということは、安全だから六十八基の原子力発電所が動いておるという認識に立たなければならないと思います。
その辺を知事と少し論議を交わしたいと思いますので、知事の保留をしたいと思います。よろしくお願いいたします。
761
◯江口吉男委員長 ただいま渡辺委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることといたします。
なお、知事保留質疑は十一月八日に行う予定でありますので、御了承願います。
762 ◯渡辺英幸委員 はい。(拍手)
763
◯江口吉男委員長 引き続き質疑をお願いします。浜崎委員。
764 ◯浜崎達也委員 公明党の浜崎達也でございます。いよいよ九時前になりました。今から簡便に質問させていただきますから、明確に答弁をお願いしたいと思います。
今回は、自転車の安全対策について質問します。きょうはせっかくですから、各行政のトップの部長さん方以下がたくさんお集まりですから、まず、この自転車に関して五原則というのがありますから、一つでも覚えて帰ってください。
一点目が、自転車は車道が原則、歩道は例外。二番目が、車道は左側を通行。三番目、歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行。四番目、安全ルールを守る。飲酒運転、二人乗り、並進の禁止、夜間はライトを点灯、交差点での信号遵守と一時停止、安全確認。五番目、子供はヘルメットを着用。これが守られていたらきょうここに立たなくてよかったんですけど、実際、さまざまな事故等もたくさん起こっておりまして、今回、私たち公明党で、三鷹市と名古屋市に自転車の安全対策の視察に行ってきました。その視察を踏まえ、今回質問させていただきます。
まず最初に、執行部にお願いしておりました資料の提供をお願いしたいんですが、過去三年間における自転車関連の交通事故発生状況と、もう一つが事故の態様、この二つでございますが、委員長、よろしくお願いします。
765
◯江口吉男委員長 お諮りいたします。ただいま浜崎委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
766
◯江口吉男委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
執行部に申し上げます。ただいま浜崎委員から要求がありました資料については、提出できますか。成内警察本部総務部長。
767 ◯成内警察本部総務部長 直ちに提出できます。
768
◯江口吉男委員長 提出した資料を正副委員長に確認させてください。
〔資料確認〕
769
◯江口吉男委員長 それでは、浜崎委員要求資料を事務局から配付させます。
〔資料配付〕
770
◯江口吉男委員長 資料の配付がありましたので、浜崎委員、質疑を行ってください。
771 ◯浜崎達也委員 今、資料をいただきましたけれども、警察の総務部長、まず、この発生状況を簡単に説明をお願いしたいと思います。
772 ◯成内警察本部総務部長 お手元の資料のとおり、過去三年間における自転車が関連した本県の事故でございます。平成十九年九月末現在で、発生件数が五千七百十八件、前年比がマイナス五百三十六件、死者数は十九人、前年比マイナス五件、負傷者数は五千七百八十一人、前年比マイナス四百六十八人となっておりまして、平成十七年以降、減少傾向で推移をいたしております。
また、事故全体に占める割合でございますが、約一七%でございます。
事故の態様につきましては、自転車対自動車が五千百三十二件、前年比マイナス二百九十九件でございますが、圧倒的に多く、全体の約九〇%を占めております。
773 ◯浜崎達也委員 今説明いただきましたように、この二年ぐらい、若干減少傾向ではございますけれども、事故の態様というのがございますが、今説明いただきました自転車対人、自転車対自転車は、なかなか、車の事故と違いまして、全部届け出があっているかどうかというのがあります。届け出が出ているということは、人身事故であったり、かなりその可能性が高いからやはり届けたのかなという気がしますが、実態はもっとあるのかなと思っております。
次に、県警として、この自転車関連の事故に対する特別な対策はございますでしょうか。よろしくお願いします。
774 ◯成内警察本部総務部長 特別な対策ということでございますが、県警では、自転車事故対策といたしまして、自転車の利用者のモラル、マナーの改善に向けて、街頭での指導・警告活動を強化しておりまして、ちなみに、昨年は五万三百十五件の指導・警告を行っております。また、このほか、マナー向上キャンペーン等の広報啓発活動、参加体験実践型の自転車教室の開催、自転車免許証の交付等を自治体、学校等の関係機関、団体と連携して推進しております。
775 ◯浜崎達也委員 次に、取り締まりもされているようですけれども、自転車の場合は、無灯火、これは私たちも夕方運転していて非常に危ないんですが、また、二人乗り、これは高校生等も結構多いんですけれども、これは一応、道路交通法では違反だと思うんですね。これに対して何か取り締まりがないような気がするんですが、その点はどうでしょうか。
776 ◯成内警察本部総務部長 御指摘のとおりでございます。自転車の無灯火や二人乗りは道路交通法違反でございます。自転車の違反につきましては、酒酔い運転などの悪質なものを除きまして、第一次的には、指導・警告によりまして違反状態を是正しているところでございます。
777 ◯浜崎達也委員 きのうも質問しましたけれども、道交法の改正がされると聞いております。特に自転車の部分が施行されるのはいつですか。また、施行されると今までとどのように変わるのか、ちょっと教えてください。
778 ◯成内警察本部総務部長 お尋ねの平成十九年六月二十日に公布されました改正道路交通法の自転車利用者対策でございますけども、一応、公布の日から一年以内に施行されることになっております。
その内容でございますけども、歩道通行可の標識のない歩道でございますけども、ここにおきまして、幼児等は自転車で通行できることが明確化されること、それから、保護者が幼児児童に乗車用ヘルメットをかぶらせることが努力義務として導入されること、それから、交通安全教育や違法駐車防止に関する運動を主として担当しておりました地域交通安全活動推進員の活動に、自転車の適正な通行についての啓発活動の項目が加えられることなどでございます。
779 ◯浜崎達也委員 今説明いただいた中で、一つ確認といいますか、自転車利用者対策の内容の二点目なんですけど、保護者が幼児児童に乗車用ヘルメットをかぶらせる努力義務が導入されることとなっていますが、これは、その幼児児童が自分で自転車を運転するようなのはヘルメットをかぶらせるのかどうか、また、もう一つ、ママチャリといいますか、お母さんが後ろに幼児を乗っけて、二人乗りとは言わないでしょうけど、そういうケースがよくありますよね。その際のヘルメットの義務などはどうなんですかね。
780 ◯成内警察本部総務部長 当然、幼児、それから児童はヘルメットをかぶっていただきたいんでございますが、保護者が自転車を運転して幼児を同乗させる場合についても、ヘルメットをかぶせる義務が生じることとなっております。
781 ◯浜崎達也委員 部長、ぜひとも、今申し上げました、後ろに乗せますね、多いときは後ろも前も乗せたりしますけれども、本当にヘルメットをかぶる──倒れたときに、幼児も本当にけがをする。その辺はお母さんたちに徹底していただきたいなと、そのように思っております。
次に、先ほど三鷹に行ったというお話をしましたが、自転車の安全運転講習を開いているのが三鷹市でございますけれども、この三鷹市は、平成十六年四月、市で自転車の安全利用に関する条例を施行しております。それまで小学校三年生を対象に行っていた自転車安全講習会を一般市民にまで拡大したそうです。講習を受けた人には自転車安全運転証を交付しております。この安全運転証を持っている人には、これは都会ですからあれでしょうけど、希望する駅前の駐輪場を優先的に利用できる権利を上げていると。こうした施策によって、自転車に由来する交通事故が減少傾向に転じているそうであります。
このようなソフト面から自転車運転の安全を確保しようとする施策を本県の中でとっている市町村はありますか。これは交通対策課長にお尋ねします。
782
◯江口吉男委員長 佐々木交通対策課長。
783 ◯佐々木交通対策課長 お答えいたします。
ソフト面から自転車の安全運転を確保しようという施策でございますけれども、県内においては、いわゆる自転車の運転免許制度というものを北九州市と福岡市で持ってございます。
784 ◯浜崎達也委員 北九州市と福岡市ですかね。
785 ◯佐々木交通対策課長 さようです。
786 ◯浜崎達也委員 じゃ、ほかの市町村は今のところはないということですね。
787 ◯佐々木交通対策課長 市町村段階では、今のところ把握しておりません。
788 ◯浜崎達也委員 じゃ、ちょっとしつこいようですけど、いつもいろいろな質問をすると政令市は政令市で、別になっております。ということは、本県において、今の交通対策課の所管の中ではまだどこもないということでいいんですかね。
789 ◯佐々木交通対策課長 自転車の運転免許につきましては、いわゆる法的なものではございませんで、現に、福岡市、北九州市で行われております運転免許制度そのものについて言いますと、いわゆる自転車の安全運転講習会に参加したあかし(証)として交付されているのが実情でございます。
790 ◯浜崎達也委員 今ありましたけれども、それにしても、本県では北九州市と福岡市ということでありますね。ぜひともこれは、一歩前進のためにも、交通対策課としても各市町村にそのほうを勧めていただきたいなと思います。
次に、小学校や中学校、高校で自転車の安全講習をしている学校は把握されておりますか。また、その学校数と講習の内容がわかれば、教育庁にお尋ねします。また、その場合に、県警の協力体制はどうなっているでしょうか。二課あわせてお願いします。
791
◯江口吉男委員長 森下スポーツ健康課長。
792 ◯森下スポーツ健康課長 十八年度の実施状況でございますけども、政令市を除く小学校におきましては、四百七十七校中四百五十五校、中学校は二百九校中八十四校、県立高等学校が百五校中九十五校で安全教室を実施いたしております。
その主な内容でございますけども、外部講師を招いての交通ルール等に関する講話でございますとか、子供たちの自覚を促すような事故のVTR等の上映でございますとか、さらには、実技指導等を含んだ内容になっております。なお、その際には、最寄りの警察署並びに地元の交通安全協会等に対して講師の依頼並びに内容等の検討をお願いしている状況でございます。
793 ◯成内警察本部総務部長 県警といたしましては、各学校からの自転車教室の開催依頼に基づきまして、自転車の点検要領、それから自転車の交通ルールと罰則の関係、反射材の効果など、受講対象の年齢に応じました参加体験型の交通安全教育を学校当局と連携をしながら実施しております。
794 ◯浜崎達也委員 学校では、そうやって一定の安全講習がされているということはわかりました。
それで、これはいわゆる小・中学生らを対象とするだけでなく、先ほど申し上げましたけど、三鷹市あたりはやはり一般市民にまで広げております。県民を対象とした自転車安全講習会を開く考えはありますか。また、市町村にそういう講習会開催を呼びかける考えはありますでしょうか。もう一回、交通対策課にお願いします。
795 ◯佐々木交通対策課長 講習会の関係でございますけれども、先ほど県警からお話がありましたように、自転車交通による交通事故というのが非常にたくさん出ておりますので、我々、交通事故をなくす県民運動本部として、具体的には四季の交通安全の啓発活動等を通じて、市町村にそういう講習会の開催について呼びかけているところでございます。
また、あわせまして、講習会をやろうとすれば、当然、そこで指導者というのが必要になってまいりますので、年に一回、指導者の研修会を開催してございます。ことしにつきましては、先ほど、十一月二日に北九州市において開催したところでございます。その開催した講習会において受講された指導員の方が、地域の中でいわゆるそういう講習をやっていただくことを期待しているところでございます。
796 ◯浜崎達也委員 わかりました。
それで、さらにもう一つ交通対策課に聞きたいんですが、先ほど紹介しましたように、三鷹市が自転車の安全利用に関する条例を策定しているんですが、インターネットで見ますと、三鷹市以外でも、かなりのところが自転車に関する条例を策定しております。県として、自転車の安全対策に対する条例を策定する考えはありますか、お答えください。
797 ◯佐々木交通対策課長 条例の制定の御質問でございますけれども、県内において、自転車の利用の形態そのものが、その地域の実情、土地の形状とか、鉄道交通、バス交通とかの関係の中でいろいろ差異がございますので、県下を一律に規範化する条例の制定については、現時点では考えておらないところでございます。
ただ、先生が先ほど御指摘のように、道路交通法が改正されまして、自転車の利用に関する部分もいろいろ変わってきてございます。したがいまして、地域の実情の中で、自分たちの地域でそういう条例をつくろうという試みが出てくるのではなかろうかという期待もしております。
そして、現に、福岡市におきましては、これは自転車に特化したものじゃございませんけれども、条例がございまして、「人に優しく安全で快適なまち福岡をつくる条例」の中で、自転車の安全利用に関する規定が盛り込まれているところでございます。
798 ◯浜崎達也委員 じゃ、福岡市では自転車の安全に対する条例といいますか、が少し入っているということですね。確かに、今おっしゃったように、福岡全県ですると地域の事情、状況がさまざまであります。しかしながら、市町村が六十六ある中で、自転車でその市とか町の境を越えないでその中で自転車が回っているわけじゃありませんし、これはある程度広域でこういう条例を制定するほうがいいんじゃないかなと、私はそのように考えております。これは今後の課題として、私どももまた勉強していきたいと思っております。
次に、ちょっとハード面の質問をします。私ども、名古屋にも行きましたけれども、名古屋は、皆さんも御承知のとおり、かなり道路が広い、福岡と対照的なところでございますけれども、この名古屋市で今、道路の改良によって自転車の安全確保を図ろうとして取り組んでおりました。歩道植栽帯や舗装の材質、色、区画線などによって、歩道を自転車が走行する部分と歩行者が歩く部分の二つに分けて、あわせて、これは道路標識じゃないんですけれども、啓発サインを掲示しておりました。このようなハード面からの施策を取り入れている市町村は我が県内にはございますか、お答えください。
799
◯江口吉男委員長 萩尾道路維持課長。
800 ◯萩尾道路維持課長 委員が御指摘のような、自転車が走行する部分と歩行者が歩く部分を構造的に分けた事例がある市町村の数でございますが、県内におきまして、三市で実施されておるようでございます。近くで申しますと、福岡市の中央区赤坂などで整備されてございます。
また、委員のお話にございました道路管理者が設置してございます道路標識のようなものでございますが、サインでございますが、自動車通行部分と歩行者が歩く歩行者部分を表示、案内するものを設置しておるようでございます。
801 ◯浜崎達也委員 また、県内で、危ないから基本的には自転車は今一たん全部歩道に上がっております、ほとんどが。自転車が走れないところでも上がっているような状況でございます。ところが、今回の道交法の改正では、歩道から車道におろすというと表現が悪いんですけれども、歩道で自転車が通行できるところと、歩道の狭いところは自転車を車道におろすということがどうも今回の趣旨にはあるそうです。
場合によっては車道におりるということで、先ほどの表にございましたけれども、やはり自転車対自動車の死亡事故はかなりの比率で起こっておりますが、先ほど言いました、歩道を自転車が行くのを普通の県民の皆さんは当たり前みたいに思っております。今言いましたように、道交法ではこれは軽車両といいますから、車道を行くのが当然といいますか、当たり前になっております。
その中で、国土交通省が、車道上に自転車走行のためのレーンを設けたり、車道に色分けをしたりするなどの対策をとる自治体をモデル指定する考えがあると聞いています。そうなりますと、多分補助金等が出ると思うんですけれども、県内でもこうした施策が必要な地域があると思うんですが、そういうことに取り組みがあるかどうかお聞かせください。
802 ◯萩尾道路維持課長 歩行者や自転車が安全に通行できるような自転車通行環境整備を進めていくためには、自転車の通行空間を確保するためのハード対策、それから、交通規制を計画的に実施していくことが必要だと考えてございます。
このため、県内におきましてモデル地区を指定し、今後の自転車通行環境整備の模範となるような事業を、道路管理者と、警察でございますが、公安委員会とが協同しまして、市町村や地元住民と連携しながら実施することとしてございます。現在、市町村の意向を確認をさせていただいているところでございまして、実施を希望される市町村と協力しながらモデル地区を申請してまいりたいと考えてございます。
803 ◯浜崎達也委員 ぜひそのモデル地区を、できたら来年度からでも取り組みをしていただきたいと思っております。
次に、自転車は基本的に車道を走るという話をしましたけども、車を運転していますと、車道を自転車が走っていると、これ自体、非常に邪魔だな、危ない、早く抜こうとか、そんなふうな心理が働くと思うんですね。だから、自転車は基本的に車道を走るんだということを、車を運転する大人といいますか、ドライバーにも意識啓発を図る必要があると思います。この意識啓発にどのように取り組むか、まず交通対策課、また警察のほうもお願いしたいと思います。
804 ◯佐々木交通対策課長 先ほど県警のほうから自転車事故の内容について御説明がございましたように、自転車事故というのは九割が対自動車の事故でございます。そういうことから、私どもとしては、当然、車を運転する方に対する意識の啓発というのは重要なものと認識しておるところでございます。
そのため、私どもが所管しております交通事故をなくす県民運動本部の四季の交通安全運動の中、それから、自動車を運転されている方の耳に直接入るということで、ラジオスポット等を利用してそういう意識の啓発に努めているところでございます。また、あわせまして、自転車の事故というのが夜半の十八時から朝の六時までの時間に非常に多うございます。約五割がその時間に起こっておりますので、運転する方の注意はもちろんのこと、いわゆる自転車を運転する側の人にも反射材の貼付等をお願いしておるところでございます。
805 ◯成内警察本部総務部長 県警では、運転免許試験場、それから警察署等で行う運転免許の更新時講習、それから、安全運転管理者講習等の各種交通安全講習会のほか、参加体験型のドライビングスクール、それからインターネットを活用したメールマガジン、こういったものによる広報活動等、いろいろな機会を通じまして運転者の意識の啓発を図っているところでございます。
特に、今回の道路交通法の改正に伴いまして、この自転車の歩道通行可能要件等の周知徹底をもさらに図っていくことといたしております。
806 ◯浜崎達也委員 最後になりますが、自転車の安全対策に対する決意を、四部長と思いましたが、時間の都合で、今問い合わせしておりません企画振興部長と教育長にお願いをして終わりたいと思います。
807
◯江口吉男委員長 中原企画振興部長。
808
◯中原企画振興部長 自転車の交通事故発生件数が事故全体の約二〇%を占める状況でありますことから、自転車の事故がなお一層減少するよう自転車の安全利用の推進に努めてまいりたいと考えております。
809
◯江口吉男委員長 森山教育長。
810 ◯森山教育長 県教育委員会といたしましては、自転車利用者のルール遵守のより一層の徹底を初めといたしまして、関係機関等と連携を図りながら、無灯火とか二人乗りなどの交通違反の防止に向けましてさらなる交通安全教育の充実を図ってまいりたいと考えております。
811 ◯浜崎達也委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔正副委員長交代〕
812 ◯入江種文副委員長 進行します。月形委員。
813 ◯月形祐二委員 自民党県議団の月形祐二でございます。理事二人が長くやりましたので、ここまで来ましたので、私も一生懸命、ゆっくり、開き直っていきたいと思います。
今回は入札制度の適正な運用ということで質問をしたいと思っていますが、公共工事の調達については、公正性や透明性の確保とともに、品質の確保というのが重要だと思っております。本県では、二月に福岡県公共調達改革工程表を取りまとめ、五千万円以上の工事で一般競争入札の拡大、最低制限価格の見直しなど、入札改革に取り組まれております。
ということで、公共四部にまたがる質問ですが、こういった改革とか運用にかかわることですので全部に聞こうと思いましたけど、総務部のほうを中心に聞いていきたいと思います。
まず、総合評価方式はそもそもどういうものなのか、そこからお伺いをしたいと思います。
814 ◯入江種文副委員長 どこからいきますか。久保田管財課長。
815 ◯久保田管財課長 公共工事の品質確保を促進するために、価格のみではなく、機能とか技術力、そういった品質をあわせて総合的に評価し、落札者を決定する方式でございます。品質の向上のほか、談合防止等にも効果が期待されるというところでございます。
816 ◯月形祐二委員 それは五千万円以上ということですが、五千万円以下の工事については、これまでと同様の指名競争入札というふうに考えていいですかね。
817 ◯久保田管財課長 先ほど委員がお触れになりました県の改革工程表におきまして、知事会指針が基盤にあるわけでございますけども、原則として一千万円以上に拡大するという方針が示されておりますので、本県でも、今後一千万円以上への拡大に向けて取り組んでいくということになろうかと思います。
818 ◯月形祐二委員 それでは、入札予定価格と最低制限価格は公表されているんですかね。
819 ◯久保田管財課長 予定価格及び最低制限価格につきましては、手続の透明性の確保、あるいはこれらの情報を探ろうとする不正な動きの防止、こういったことを目的といたしまして、段階的に対象範囲を拡大しておりますが、事前公表を行っておりまして、十八年一月からは競争入札に付すすべての工事を対象に事前公表を実施しているという状況にございます。
820 ◯月形祐二委員 そこで、県発注工事の最低制限価格というのはどうやって決めてあるか、中身を教えてください。
821 ◯久保田管財課長 本県発注工事の最低制限価格につきましては、品質を確保するという観点から、本年四月から算定方法の見直しを行っております。この方法は他県でも多く採用されている方式でございますが、中央公契連モデルというふうに略されておりますけども、国土交通省の官房長を会長に、中央省庁の関係課長で構成される、ちょっと長い名称でございますが、中央公共工事契約制度運用連絡協議会、これが中央公契連というものでございますが、そこで設定されているモデルを採用しております。
これまでは、最低制限価格の算定は、本県において材料費、労務費といった直接工事費のみから算出いたしておりましたが、このモデルに基づきまして、四月以降、直接工事費のほかに共通仮設費を加算し、さらに、現場管理費の五分の一相当を加算し、予定価格の六五ないし八五%の範囲内で設定をするということにいたしておるところでございます。
822 ◯月形祐二委員 六五とかいろいろありますが、具体的に何%になるんでしょうか。
823 ◯久保田管財課長 個別工事ごとに積算されますので、一律に何%といったことにはなりませんが、土木工事では予定価格のおおむね七五%程度、建築関連工事ではおおむね八五%となっており、改正前と比較いたしまして、五ないし一〇%ポイント程度上昇したというところにございます。
824 ◯月形祐二委員 五%から一〇%上げていただいておるということですが、ほかの県で、ある知事は最低制限価格の見直しということも言及されたと思いますけど、他県の状況というのをもう一回お伺いしたいと思います。
825 ◯久保田管財課長 委員御指摘のように、本県の先ほどの率よりも高い県もございます。
ちなみに、本年九月に各県の調査を行いましたが、本県同様、中央公契連モデルないしそれに準ずる設定をいたしておりますのが二十九団体、全体の約六割相当でございます。委員の触れられました予定価格がそれより高いといいますか、八〇%以上となるよう設定しているところが五団体、中央公契連モデルより低いところなどが六団体、その他最低制限価格が設定されていない、あるいは非公表、これらが七団体といったような状況になっております。
826 ◯月形祐二委員 そこで、こういった改革を踏まえて、平成十九年度は最低制限価格での張りつきが大幅にふえているということで、それに対する資料を要求しておりますので、取り計らいのほどをよろしくお願いいたします。
827 ◯入江種文副委員長 お諮りいたします。ただいま月形委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
828 ◯入江種文副委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。
執行部に申し上げます。ただいま月形委員から要求がありました資料については、提出できますか。
829 ◯久保田管財課長 ただちに提出できます。
830 ◯入江種文副委員長 執行部に申し上げます。提出予定の資料を委員長に確認させてください。
〔資料確認〕
831 ◯入江種文副委員長 それでは、ただいまより月形委員要求の資料を事務局から配付いたさせます。
〔資料配付〕
832 ◯入江種文副委員長 それでは、資料の配付が終わりましたので、月形委員、質疑を行ってください。
833 ◯月形祐二委員 資料の説明はいいです。最低制限価格でいけば、二百五十万円以上で、十七年度は近いところでも合わせて八%ぐらいなんでしょうけど、これが、十九年度になってくじ引きも同じ価格で入ったということですよね、これは。それが一二・六%。その前の近いところまで行けば三五%ということになりますが、ここら辺の理由をどのように見てあるか、それをちょっと聞きたいと思っています。
834 ◯久保田管財課長 一つは入札改革ということで、具体的には、一般競争入札を拡大したことに伴います競争性の向上ということでございます。いま一つは、先ほど御説明をいたしましたが、本年度は算出方法を見直して、最低制限価格が上昇しております。この二点が影響しているというふうに受けとめております。
835 ◯月形祐二委員 やっぱり総合評価であれば、いろいろな、技術力とかそういったものも評価をしながらやっていくと。それも、地域性なんかもということでしょうけど、こういった形で一番下の同じ価格で張りついて、くじ引きで選んでいくと。これで本当に県民の安心・安全を守れるのかと不安になるところですが、一般競争入札の拡大や最低制限価格の見直しが行われる中で、落札率と最低制限価格付近で一般競争入札の場合はどうなっているのか、そこら辺も教えてください。
836 ◯久保田管財課長 資料に掲げております公共四部のデータということになりますが、十九年九月末で百二十七件の一般競争入札を行っております。その落札率は、約八二%というふうになっております。
委員お尋ねの最低制限価格付近、最低制限価格プラス五%範囲内でございますが、それぞれの落札は百二十七件中八三件ということで、六五・三%を占めているという状況にございます。
837 ◯月形祐二委員 だから、指名競争入札が三五%、一般競争入札でもやっぱり六五%。全部、皆さんが低いところばかりで札を入れないととれない、そういう状況。それは、予定価格を出して、最低制限を出して、とろうと思ったらそこに行くんだと思います。
そういう中で、六五%の工事において最低制限価格付近での落札となっているんですけど、だから、僕が最初に言ったように、工事の品質が本当に確保できるのか。それとともに、これは受注業者さんがいたずらに疲弊していくような結果になるんじゃないか。また、下請業者への影響についても非常に心配するところですが、ここら辺をどう考えられますか。
838 ◯久保田管財課長 品質確保の観点から、一般競争入札の拡大に当たりまして、先ほど申し述べました最低制限価格の見直し、あるいは総合評価方式の導入ということを図ったところでございます。
最低制限価格付近での落札工事増加の影響は、完成した工事が少のうございますので、いまだ検証できる状況にはございません。今後、最低制限価格で落札した工事につきまして、施工業者の経営にどのような影響を及ぼしているのか、あるいは、工事品質にどう影響しているのか、そういったことを十分検証が必要というふうに考えておりますので、関係部局において対応を協議してまいりたいと思っております。
839 ◯月形祐二委員 落札額が安くなれば、それは県の財政には非常にいいと思いますけど、それは一時的なことであって、建設業者の皆さんも納税業者でもありますし、平成十三年ごろは二万二千あった業者さんが、昨年は二万社ということになっています。公共工事がどんどん減ってきて、業者さんたちも疲弊をしている。知事は、中小企業の育成ということも言ってありますし、三百万円の所得も確保していくという、こういったことも掲げてあります。そういう中では、今後一千万円まで広げていくという一般競争の入札の拡大や総合評価方式の実施など、入札制度改革がどんどん進められていく。そういう中では、一番下での落札件数ばかりになっていくんじゃないかと、そういうふうに思っています。
また、これが実施されていく、そういうことになってくると、資金力のある業者さんがどんどん工事を落としていって、地域の中でまじめに一生懸命やっている、そういった資金力に乏しい業者さんが淘汰されるという、そういう結果にもなりかねないと思います。やっぱり透明性、競争性を高めていくことは本当に大事なことですが、最低制限価格落札件数の増加によって工事の品質が担保されるのか、また、経営状況にどれだけの影響を与えるのかも本当に心配をしています。言うまでもなく、社会資本整備というのは県民の税金を使うわけですから、安心・安全の確保、地域経済の発展にも大変大きな影響を与える。
先ほど言いましたように、十六年でも十七万五千人ぐらいの人が建設業で働いています。すそ野も広い業種であります。そういった意味で、地場産業の育成という観点からも、入札制度の改革に当たっては今の状況を十分検証をしていただいて、そして、これからどういった形で業者さんもきちんと育てていくのか、それとともに品質改善について担保していくのか、総合的な面では、まず総務部長にその決意をお伺いしたいと思います。
840 ◯入江種文副委員長 木村総務部長。
841 ◯木村総務部長 今、管財課長のほうからお答えしましたように、県発注工事の品質確保という観点から、総合評価方式、それから最低価格の見直しといったようなことをやってまいりました。このことが、ひいては地域の工事業者さんの技術力の維持だとか経営の安定に資することに持っていきたいし、なるのではないかと考えております。
ただ、今の最低価格が本当に妥当なのか、それから、総合評価方式で評価したものの、これで結果的にうまくいったのかという検証は、もう少しケースを見て判断してまいりたいというふうに思っておりまして、関係各部ときちんと協議しまして、そういう検証をやっていきたいと思っております。その結果を踏まえまして、適切な対応をしてまいりたいと考えております。
〔正副委員長交代〕
842 ◯月形祐二委員 現場である土木部長、ちょっと一言。
843
◯江口吉男委員長 岩崎土木部長。
844 ◯岩崎土木部長 先生御指摘のとおり、やはり品質の確保というのが非常に重要だと思っております。最低制限価格で落札するものが六割を超えておりますので、やはりその影響というものをきちっと検証して、その結果を踏まえて、入札制度についても関係部署との相談をして、今後の方向性を決めてまいりたいと思っております。
845 ◯月形祐二委員 防災の観点からも地域にそういった業者さんがバランスよくいないと、大変な災害が起きたときなんかも、やっぱり地元の人が飛んでいってくれるわけですから、そういった意味で、この最低制限価格も本当に業者がバランスよく生きていけるような形で運用していただきたい。そのことをお願いをいたしまして、終わります。ありがとうございました。(拍手)
846
◯江口吉男委員長 引き続き質疑をお願いします。中尾委員。
847 ◯中尾正幸委員 九州国立博物館について。ちょっとくたびれています、済みません。ちょうど二年が経過して、滑り出しは順調だというふうに思いますが、今後新たな課題もたくさん出てきておると思いますので、その点について、方針をお尋ねしたいと思います。
開館一年目が二百二十万人、そして二年目は百五十万人の来館者と聞いておりますが、ほかの国立博物館と比べて来館の状況はどうなっていますか。
848
◯江口吉男委員長 城戸生活文化課長。
849 ◯城戸生活文化課長兼九州国立博物館室長 他の国立博物館は東京、京都、奈良にございますけれども、十七年度の入館者がそれぞれ百四十四万人、三十三万人、五十万人、それから、十八年度がそれぞれ百四十二万人、五十六万人、四十七万人となっております。
850 ◯中尾正幸委員 ブームが一段落した中で、今後、来館者の確保に向けてどのような対策を講じていますか。
851 ◯城戸生活文化課長兼九州国立博物館室長 来館者の確保に向けましては、やはりリピーターの確保、それから、新たな来館者の開拓ということが重要になってまいります。そこで、リピーターの確保に向けましては、展示内容の充実、あるいは魅力あるイベントを開催し続けるということが重要でございます。また、新たな来館者の開拓のためには、県外あるいは海外まで含めた積極的な広報、営業活動を展開していくことが重要でございまして、これらの点について重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
852 ◯中尾正幸委員 博物館は国の独立行政法人である国立文化財機構と県立アジア文化交流センターが一体となって運営しているというふうに聞いております。新しいタイプの博物館でありまして、共同運営を行ってきて二年間が経過しておりますが、管理体制の上では問題は生じていないのですか。また、運営の経費の仕組みはどうなっているのか、また、国の予算措置の仕組みはどのような考え方になっておるのか、あわせてお尋ねします。
853 ◯城戸生活文化課長兼九州国立博物館室長 運営に関しまして、国の法人と県との間で基本協定を結んでおります。県の役割分担でございますけれども、情報システム、交流事業及び教育普及を担っております。また、国は展示及び文化財の保存・修復などの博物館科学を担うこととしております。このため、管理運営が円滑にできますように、運営のための連絡協議会を設置いたしまして、協議をしながら運営を行っておるところでございます。
運営経費につきましては、国が六割、県が四割となっております。
また、国の予算の決め方でございますけれども、総事業費から入場料等の収入見込みを差し引いた額をもとに博物館の運営交付金が決定をされております。したがいまして、入場料の実績が見込みを上回った場合は収入増ということになりますけれども、下回った場合は、執行できる経費が減少するということになっております。
854 ◯中尾正幸委員 そうすると、今の答弁では、入館者数が減少すると館の運営にも支障が出てくるのではないですか。
855 ◯城戸生活文化課長兼九州国立博物館室長 独立行政法人では五カ年の中期計画というのを定めておりまして、入場料収入見込みの基礎となる入館者数を、当面、開館前に奈良の国立博物館の年間実績をもとに推計をいたしております。したがいまして、現在の九州国立博物館の入館者の状況から見て、少なくとも現在の計画の期間内につきましては、館の運営に支障を来すことはないだろうと考えております。
856 ◯中尾正幸委員 課長、そうしたら、五年後にはもう一度この計画を見直すんですか。
857 ◯城戸生活文化課長兼九州国立博物館室長 五年経過した後に、国のほうで計画を見直すことはあり得ると考えております。
858 ◯中尾正幸委員 それでは、入館者数が下回らないように一生懸命頑張ってください。
それでは、博物館の周辺の状況について数点お伺いしたいと思います。
駐車場の状況について、土日は博物館の駐車場が満車で、遠方の民間駐車場を利用せざるを得ない状況と聞いているが、現状はどうですか。
859 ◯城戸生活文化課長兼九州国立博物館室長 博物館の駐車場の現状でございますが、これは現在、二百二十四台分ございます。開館の当初は、おおむね終日満車の状態でございました。現在でも、土日あるいは祭日に満車となる状態が一定時間発生することがございます。その際は周辺の民間駐車場へと誘導をするということで対応をいたしております。また、交通事情を考えまして、公共交通機関での来館を呼びかけるなどの対策を講じておるところでございます。
860 ◯中尾正幸委員 大型バスは何台入るんですか。
861 ◯城戸生活文化課長兼九州国立博物館室長 九台でございます。
862 ◯中尾正幸委員 今、大型バスは、筑紫野古賀線を通って博物館の東から進入している。特別展の開催時期によって、博物館の東側から原交差点ぐらいまでの一・五キロぐらいが、駐車して渋滞していると聞いています。このような渋滞が発生しているのは、博物館の駐車場が不足しているからではないかと私は考えます。例えば、立体駐車場にするなど、駐車場の拡張を検討すべきではないですか。
863 ◯城戸生活文化課長兼九州国立博物館室長 駐車場の問題につきましては、課題の一つとして受けとめておるところでございます。今後、来館者の状況あるいは博物館周辺の渋滞の状況を見ながら、県として、博物館駐車場の問題あるいは民間駐車場との連携等について検討をしてまいりたいと考えております。
864 ◯中尾正幸委員 私は地元の声を反映して言っています。ここはしっかり検討していっていただきたいというふうに要望しておきます。
来館者には、障害者の方も高齢者の方も今おいでになられて、バリアフリー対策についてはどうなっていますか。
865 ◯城戸生活文化課長兼九州国立博物館室長 バリアフリー対策でございます。
まず、館外でございますけれども、太宰府天満宮と光明禅寺側からのアクセス通路二カ所に車いす用の専用リフトを設置しております。これは、車いす用として設置したものでございますけれども、現在は、足の不自由な方あるいは高齢者の方、こういった方にも利用ができるようにいたしたところでございます。また、九州歴史資料館側の駐車場から館までの道が、高齢者にとりましてアクセスが非常に不便であると、こういう声がございましたので、館の正面に設置しております障害者用の専用駐車場を利用することができるようにいたしたところでございます。
次に、館内でございますけれども、これも、車いす、あるいはエレベーター、多目的トイレ、救護室等を設置しておるところでございます。今後とも利用者の声に耳を傾けながら対応をしてまいりたいと考えております。
866 ◯中尾正幸委員 利用者の声にしっかりと耳を傾けてください。
それでは、博物館の周辺の渋滞状況について、ちょっとお伺いしたいと思います。
博物館への交通アクセスにつきましては、大きな問題として九州国立博物館設置対策調査特別委員会の中でも議論がなされ、多方面にわたり検討がなされています。その中で、開館前から、梅大路交差点付近の踏切などが渋滞の原因となるのではと懸念されたと聞いております。渋滞対策としては、梅大路交差点の立体化や西鉄太宰府線の太宰府駅移動など大規模のものから、緊急に対策が講じられるものまで、多岐にわたっていろいろな検討がなされたと聞いておりますが、開館に当たって具体的にはどのような対策を講じられましたか。
867
◯江口吉男委員長 萩尾道路維持課長。
868 ◯萩尾道路維持課長 国立博物館の開館に伴います梅大路交差点を中心といたしました交通渋滞対策といたしまして、一つには、バス会社や旅行会社などに協力をお願いしまして、渋滞の原因となりやすい観光バスなどの大型バスの迂回をしていただくようにお願いしたことが一点ございます。また、交通の分散を図るという目的で、分散できるように交通を誘導するために、国立博物館を中心とした主要な交差点に道路案内標識を設置したことがございます。それから、太宰府市の五条交差点方面から国立博物館に向かいます梅大路交差点の右折レーンを、従前の三十メートルから九十メートルへ延伸を実施してございます。
869 ◯中尾正幸委員 その対策の効果はどうなっていますか。また、効果が上がっていなければ、今後の対策はいかがですか。
870 ◯萩尾道路維持課長 渋滞対策の効果といたしましては、地元の自治体でございます太宰府市等にお聞きしましたところ、国立博物館へ向かいます車の目立った渋滞は現在のところ発生していないと聞いてございます。このことから、効果は上がっていると考えてございます。また、あわせまして、北側からの進入路でございますが、これにつながります筑紫野古賀線バイパスも昨年の七月三十一日に供用を開始してございます。
871 ◯中尾正幸委員 次に、今後の博物館の運営、活用方針についてお伺いいたします。
博物館の施設紹介を見ると、三輪館長のあいさつの中で、「アジア諸国と文化交流を推進する大きな拠点としての役割を果たしたい」とありますが、具体的には今後どのような方策に力を入れていこうと考えていますか。
872 ◯城戸生活文化課長兼九州国立博物館室長 平成十八年の五月に韓国の国立の公州及び扶餘博物館、それから、本年の三月に中国の南京博物院と文化交流協定を締結しております。そこで、当面はこの協定に基づきまして、研究員の相互派遣でありますとか、セミナーの開催、あるいは文化財の貸与など、交流内容の充実を図ってまいりたいと考えております。また、他のアジア諸国の博物館との交流、あるいはエントランスホール等におきます国際イベントの開催等にも取り組んでまいりたいと考えております。
873 ◯中尾正幸委員 博物館は学校教育にも有意義な施設であろうかと思います。もっと積極的に活用すべきと考えますが、教育委員会としてどのようにして有効活用を促進していきますか。
874
◯江口吉男委員長 村尾義務教育課長。
875 ◯村尾義務教育課長 御指摘のとおり、非常に有意義な施設だというふうに考えておりまして、九州国立博物館は日本文化をアジアとの関係からとらえてさまざまな展示やイベントを行っておりますので、県内の小・中学校、高校では、主に社会科、総合的な学習の時間での学習において活用をしているところでございます。こういった博物館の活用につきましては、児童生徒に対して、アジアや我が国の歴史・文化の実感を伴った理解を進め、学習への意欲を高めると考えております。また、福岡らしい教育の一環といたしまして、地域の歴史・文化や、地元にある博物館に対する誇りや愛着をはぐくむことにもなると考えております。
県教委といたしましては、市町村や小・中学校、高校に対しまして、展示内容、イベント等の情報提供を行いますとともに、各学校の実態に応じた活用がなされるように要請をしてまいりたいと考えております。
876 ◯中尾正幸委員 博物館は、県としても大きな観光資源だと私は思います。観光行政を担う商工部にちょっとお尋ねいたします。
県外はもとより、海外からの観光客を誘致するため、今後どのような対策を講じていかれるのかお聞きします。
877
◯江口吉男委員長 金納国際経済観光課長。
878 ◯金納国際経済観光課長 博物館を活用した観光振興でございますが、御案内のように、開館以来、三百七十万人の方が訪れておりまして、これは、博物館が文化面だけでなく、福岡及び九州にとって大きな観光資源であるということであります。また、博物館周辺には歴史的な史跡も点在しておりますので、博物館を活用し、国内外からの修学旅行など観光客の誘客を図る、こういうことが重要ではなかろうかなと考えております。
このようなことから、県としましては、九州観光推進機構とも連携し、海外からの旅行会社やマスコミ招聘、さらには国際観光展への出展などによりまして、博物館を積極的にPRしているところでございます。また、東京、大阪などでの旅行会社への説明会や情報発信、歴史・文化をテーマとしました旅行商品化等により、県内外からの観光客誘致に努めておりまして、このような取り組みにより、九州国立博物館を活用して本県の観光振興を図ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
879 ◯中尾正幸委員 私は、博物館は福岡県にとって本当に貴重な財産だと思います。教育、観光政策、そして歴史、これを踏まえてこれからしっかりと取り組んでいっていただきたい部長の決意をお伺いしたいと思います。
880
◯江口吉男委員長 権現生活労働部長。
881 ◯権現生活労働部長 九州国立博物館は、開館をして二年を経過したところでございます。非常に順調に滑り出してまいりましたけれども、開館時のブームは一段落ということで、これから正念場を迎えます。この九州国立博物館は、「日本文化の形成をアジア史的観点からとらえる」ということを基本コンセプトにいたしておりまして、日本とアジア各地域との交流を物語る展示が行われておりまして、そのことがこの館の魅力でもございます。
そういうことで、私ども、今後とも魅力のある特別展、常設展を開催する、それから、広いエントランスホールを持っておりますので、これを活用いたしましてさまざまな交流イベントを実施していく、それから、先ほど課長から答弁いたしましたように、アジア各地域の博物館との交流も進める、そういうことを通じまして、この博物館をアジアの文化交流拠点として大きく育てていきたい。そして、その魅力を増すことによりまして、観光資源としても活用し、本県の活力を高めていく、あるいは文化の力を高めていく、そういう拠点施設として高めてまいりたいと考えております。
882 ◯中尾正幸委員 しっかり頑張ってください。終わります。(拍手)
883
◯江口吉男委員長 以上で、佐藤委員、井上忠敏委員、渡辺委員の知事保留質疑を残し、総括質疑を終わります。
以上で本日の議事を終了いたします。
なお、十一月八日木曜日の委員会は午前十一時に開会し、知事保留質疑及び採決を行いますので、よろしくお願いいたします。
本日は、これをもって散会します。
午 後 十 時 零 分 散 会
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