↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 平成十三年九月七日(金曜日)
午 後 三 時 五 分 開 会
◯一尾
泰嗣委員長 それでは、定足数に達しておりますので、ただいまから景気・
雇用対策調査特別委員会を開会いたします。
ここで、新しい委員もいらっしゃることから、本委員会の設置目的及び調査事項について、私の方から一言説明させていただきます。
本委員会は、本県の経済を活性化し、景気及び雇用を回復するための諸施策の推進を図るため、平成十一年七月に設置されました。その際、本委員会に係る調査事項としまして、四つの項目が決議されております。その内容は、お手元に配付の議題の一から四までのとおりでございます。本委員会では、このような経緯を踏まえ、限られた開催回数の中で
委員会活動の成果を上げるため、調査をこの四つの項目に絞り、また将来にわたる新たな産業と雇用の創出が求められていることから、中長期的な観点も念頭に置きながら、調査活動を進めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
また、本委員会における執行部の出席についてでありますが、従前から、常時出席を求める執行部の範囲を、商工部においては、商工部長、
商工部次長、
商工政策課長、
経営金融課長、新産業・
技術振興課長、
生活労働部においては、労働局長、
労働政策課長、新
雇用開発課長、
職業能力開発課長とし、
生活労働部長、同次長及びそのほかの部課長につきましては、必要により出席要請を行うこととしていますので、御了承をお願いいたします。
それでは、ただいまから議題に入りますが、本日の議題は、お手元配付のとおりであります。御確認願います。
本日は、本県の景気・雇用対策につきまして中心的な役割を担っている商工部及び
生活労働部の取り組みについて、お手元の議題に沿って執行部の説明を求めることとしています。
それでは、初めに、
地域中小企業の技術開発などの
高度化支援対策について及び
新規成長産業の
創出支援対策について、一括して議題といたします。
執行部の説明を求めます。
久保商工部長。
2
◯久保商工部長 説明に先立ちまして、私の方から一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。
今般、県議会におかれましては、景気・
雇用対策調査特別委員会において、景気回復や本県経済の活性化を目的に、中小企業の技術開発や成長産業の育成等を調査事項として、引き続き御審議いただくことになりましたが、これらの事項につきましては、私
ども商工部にとりましても、より一層真剣に取り組むべき事項というふうに認識しているところでございます。
最近の景気動向でございますけども、産業界は言うに及ばず、県民全体がその先行きと回復を注視している状況であり、今後、当委員会の御意見を拝聴しながら、有効な施策の形成、推進に全力を傾けてまいりたいと考えておりますので、御指導のほどをよろしくお願い申し上げます。
ちなみに、最近の景気動向でございますけども、この八月十日の内閣府の
月例経済報告、毎月の
月例経済報告はどんどん悪くなる状態でございますけども、全国の状況は、個人消費も非常に足元は弱い動きである、それから住宅建設等も減少する、輸出生産も大幅減少し、設備投資も減少となるなど景気はさらに悪化しているという言葉で基調判断がされているところでございます。本県の動向につきましても、ほぼ同様の状況にあるというふうに判断しているところでございます。
日本経済悪化の原因については、いろいろ今、全国的にも議論されているわけでございますが、一つは、将来の雇用とか
社会保障等も含めてでしょうけども、そういうことに対する漠然とした不安が個人消費の低迷を招いて、個人の消費のところの需要、個人の需要というところが非常に弱いということ、それからもう一つは、今、盛んに議論されていますように、日本型の
金融システム、特に、土地担保、担保を出させてということでやってきたんですが、こういうものの形の中で、不良債権の処理問題が入ってきて、その日本型の
金融システムが機能低下している。一方におきまして、アメリカ等で見られるような直接金融、例えば、株とか社債とかいうところのものが日本の場合は、そういう市場がまだ十分に形成されていないというところがある。それから、企業の
商品開発等の能力がいわゆる伸び悩んでいるんじゃないか。
流通システムとか社内体制とかIT対応などの経営革新がまだ十分にされていない。それから、社会的な規制、
社会システム全体についても、公的な規制も含みまして、改革がおくれているという点がいろんなところで指摘されているわけです。もう一つは、中国を中心としまして、安い労働力によるアジアを含むグローバルな競争が非常に激化してきて、そこで生産等が中国等に流れていっているというような構造的な課題等も重なってきているというふうに考えられます。
このようなことから、政府におきましても、例えば、規制改革とか、あるいは民営化等を進めるということによる経済社会の活性化、それからいわゆる
セーフティーネットと申しますか、
社会保障等を含めての
セーフティーネットをどう充実していくかということ、それから財政改革とか、国、地方の役割分担の見直し等も含めて、改革の論議がされているところでございます。特に、経済の再生に関しましては、新しい
バイオテクノロジーとか
ライフサイエンス、IT、
環境技術等で、世界の中で勝ち抜いていかなと、これは日本は非常におくれてしまうという重点的な研究開発の促進、もう一つは、いろんなもので人材の育成を図っていこうということ、それから産業資金をもっと回していくという意味では、証券市場等も活性化していく、もう一つは、労働力市場がもう少し柔軟になるという意味で、労働市場の構造改革等を進めることが経済を活性化していく一つのベースではないかという議論もされているところであり、またそういうような方向を踏まえた十四年度予算の概算要求などが行われているところであります。
県の商工部といたしましても、後で説明いたしますように、
県内中小企業の
経営革新支援や
ベンチャー企業創出のためのいろんな
仕組みづくり、それから
システムLSIやバイオなどの新しい産業の創出等に今、取り組んでおりますけども、今後とも、国等の動向、あるいは世界の動向も見きわめながら、二十一世紀を勝ち抜ける産業構造を築けるのを支援していくと申しますか、そういうことに懸命の努力していきたいと思っています。
もとより新産業の創出等は商工部のみの取り組みで実現できるものではありませんけども、本委員会のお力もいただき、他の部局とも連携を図りながら努力していく所存でありますので、よろしくお願いしたいと思います。
なお、調査事項に係る商工部の
取り組み状況につきましては、
商工政策課長から説明させていただきます。
3 ◯一尾
泰嗣委員長 川庄商工政策課長。
4 ◯
川庄商工政策課長 御説明させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
お手元に、景気・
雇用対策調査特別委員会資料、これがお配りされているかと思います。あわせまして、平成十三年度の「福岡県産業政策の概要」、こういうパンフレットをお配りいたしております。御参照いただけたら幸いでございます。
まず初めに、一番目の議題でございます、
地域中小企業の技術開発などの
高度化支援対策、これについて御報告をさせていただきます。
地域中小企業の技術開発の
高度化支援対策の第一番目は、まず中小企業の経営基盤を強化していくということでございまして、そのために、金融面からの支援と技術面からの支援というふうに立てております。
金融面につきましては、県の制度融資、これがございます。資金調達力が不足する
中小企業個々に対して、県の資金を活用いたしまして、かつ
信用保証協会の信用保証、これをつけることにより資金調達を支援していくということでございまして、平成十三年度からは、新たに
情報化促進資金、こういうものを創設して、取り組んでおります。金融支援の面につきましては、この制度融資が県にとって一番大きな金融面からの支援ということになるわけでございますが、あわせまして、
小規模企業者等設備導入資金制度という取り組みを、これは中小企業にとって必要な設備につきまして、割賦販売やリース、こういうことを支援していこうというものでございます。それと、中小企業の
高度化資金制度ということで、これは個々の中小企業ではなくて、集団的な事業組合、こういうところがまとまって事業の近代化を行っていこうという取り組みに対する融資でございます。以上が金融面からの支援でございます。
技術面からの支援ということでございますけれども、これは新製品や新技術を開発するための補助の制度を設けておりまして、一つは、
創造的中小企業振興対策費補助金、これは法に基づいて認定された
中小企業者の研究開発、これを支援していこうというものであります。あわせまして、
地域産業技術改善費補助金というものなどで、そういう補助金を準備して進めていっております。それと、技術支援の二つ目でございますけれども、産業界と大学や研究機関、こういうものをつなぐことによって
研究開発等を進めていこうというので、県が委嘱しました
カタライザー、これは仲介者ということですけれども、そういうものの活用を図っていっております。技術面からの支援の三つ目ですけれども、特許情報の利用促進、こういう取り組みを行っています。そして、
工業技術センター、これは県の機関でございますけれども、ここにおける研究成果を移転していくということで、これは十八の研究会を設けております。こういう研究会で県の
技術センターと関係する個々の企業との間で技術交流の場をつくって、運営をいたしております。あわせまして、新
技術実用化を促進していく、あるいは中小企業新製品の開発を支援していく等の取り組みを行っていっております。
以上が経営基盤の強化の取り組みでございます。
大きな二つ目といたしまして、「情報化の促進」ということで、中小企業の情報化あるいはIT化を進めていくということで、企業内部の情報化と外に向かっての情報化、この両面があろうかと思います。そういうことを支援するために、先ほど申しました、
情報化促進資金、こういうふうなものを創設して取り組んでおります。
それと、
情報化促進の二番目ですけれども、
電脳商社構想の推進ということで、これは
インターネットを活用した
県内中小企業の電子商取引への参入を支援するために、
インターネット上に取引市場、これはバーチャルな形に、架空の市場ということになるわけですけれども、そういうものを創設して、そこで売り買いが交錯していくマーケットにしてつくっていこうということでの取り組みを行っているところです。
大きな三番目で、「経営革新の支援」ということでございます。中小企業の経営革新を支援していくために、これは法に基づく枠組みでもございますけれども、福岡県
中小企業支援センター、こういうものを設けて、あわせて、三ページ目に書いております
地域中小企業支援センター、これは県下五カ所に配置いたしております。これらの施設におきまして、中小企業が取り組もうとする経営革新、これをいろんな角度から支援していこうということでございます。
次に、
経営革新支援の具体的なメニューとして、
経営革新支援事業という取り組みでございます。これは法に基づくわけですけれども、
中小企業者が
経営革新計画、こういうものを策定いたします。それを県が承認することなどにより、金融面とか税制面、こういうふうなものの支援が活用できるということになる事業でございます。
あわせまして、ものづくりの振興や
産業デザインの振興、こういう取り組みを行っていっております。
以上が第一番目の議題でございます
地域中小企業の技術開発などの
高度化支援対策でございます。
恐れ入ります、四ページをお願いいたします。
新規成長産業の
創出支援対策ということでございます。
これにつきましては新しい成長産業をつくっていくに際して、産学官の密接な結びつきが重要だろうということで、三十三名の
産学官連携カタライザー、あるいは四名の
科学技術コーディネータ、こういうふうなものを配置しまして、産業界と大学や研究所、こういうものをつないでいくというふうなことを行っていっております。
また同時に、国等による大型の
研究プロジェクト、こういうふうなものを活用し、今申しました、産学官連携し、新たな産業分野の改革、こういうものを行っていくということでございます。
二番目ですけれども、そういうことを行っていく上での支援機関についてでございます。これは「
地域プラットフォーム」、こういう言葉で言わせていただいておりますけれども、新技術や新産業の創出を促進するために、研究から事業化まで一貫して支援する、こういうものとして県段階での中核的な支援機関として、
財団法人福岡県産業・
科学技術振興財団、ここを拠点に、これと有機的な連携のもとで、県下四地区に設けております
リサーチコア、これは
研究開発基盤施設でございますけれども、この両者が有機的に結びついて支援を行っていく、そこに
工業技術センター、先ほど申しました、これは県の機関でございますけれども、ここが有効にかかわることによって進めていこうと、そういう拠点的な支援機関、こういう体制で取り組みをいたしております。
恐れ入りますが、五ページ、今申しましたようなところを拠点的なものとし、「創業・
ベンチャー育成支援」ということで、まず創業の支援につきましては、新
事業展開促進資金、
独立開業支援資金、これは金融面からの支援でございます。
二番目に、「
ベンチャー企業の育成支援」ということで、新しい意欲的な技術に裏づけられた新規性を持ったそういう企業というものを支援していこうということで、一つは、フクオカ
ベンチャーマーケット、これは毎月開催いたしておるわけですけれども、新しい企業がさまざまな支援や連携を求めて
プレゼンテーションを行います。したがって、
プレゼンテーションを聞くのは、企業であったり、商社であったり、金融機関であったり、
ベンチャーキャピタルであったりということでございますけれども、こういう
ベンチャーマーケットの運営をいたしております。それとあわせまして、
フクオカン・ベンチャー育成支援事業、
ヤングベンチャー育成支援事業、
ベンチャーインターンシップ事業、異業種交流の活性化、こういう事業をあわせて
ベンチャー企業の育成支援をいたしております。
次でございます。「
戦略的産業の育成」ということで、三つほど取り組んでおります。
まず第一番目が「
マルチメディア映像産業の創出」ということで、ネット社会が進んでいくことによって、ネットに乗せるコンテンツ、こういうふうなものが膨大になってきます。したがって、産業化していくということでございますけれども、そういうことを目指してクリエーターを育成したり、事業を開発したりということを通じまして、
マルチメディアの
コンテンツ産業、こういうものの育成に取り組んでおります。
六ページをお願いいたします。
戦略的産業育成の二番目ですけれども、「
システムLSI設計開発拠点の構築」ということでございます。
システムLSIというのは、半導体にソフトが組み込まれた、今後、半導体の主流になる、そういう分野のものでございます。それを
設計開発拠点づくりを進めていこうということですが、名称といたしまして「
シリコンシーベルト福岡」と、こういうふうに申しております。半導体のシーベルト、海のベルトということで、アジアの方もにらんで連携した、そういうふうなアジアを視野に置いて、福岡県において半導体の頭脳拠点の構築を目指していこうということでございます。そのために、
システムLSIの
設計開発拠点の推進会議、こういうものを設け、
システムLSIの
フロンティア創出事業を進めていき、また
システムLSIについては企業の方も人材を育成しなくちゃならない、こういう状況にございますので、そのためのカレッジを設けていくなどして取り組みを行っていっております。
戦略的産業の三番目です。「
バイオ産業の
拠点化推進」ということで、「
福岡バイオバレー構想」、こういうふうに申しておりますけれども、
バイオテクノロジー分野における企業の技術力の向上や、
バイオベンチャー、こういうふうなものをつくっていくということを目指した活動ということになるわけですけれども、県南地域における
バイオ技術を核とする新しい産業の集積を図っていこうということでございます。そういうことのために、
バイオ産業拠点推進会議というものを設けていきまして、
バイオ技術基盤の開発、あるいは
ベンチャーの育成、さらに十一月には久留米市で国際的なシンポジウムが開催されますけれども、そういう取り組みを支援していくなどの取り組みをやっていこうというふうにいたしております。
以上、雑駁でございましたけれども、
地域中小企業の技術開発などの
高度化支援対策についてと、二番目の、
新規成長産業の
創出支援対策の御説明でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
5 ◯一尾
泰嗣委員長 説明は終わりました。
これより質疑を行います。
何か質疑はありますか。井手委員。
6
◯井手勝美委員 官主導というか、行政主導でいろいろお考えいただいているのはありがたいんですが、今までの委員会でも議論があったんじゃないかと思うものが抜けているんですが、特に、
シリコンシーベルトとかという形で項目を挙げられているのを見ると、新規産業が起こる一番の起爆剤というのは規制緩和でしょう。規制緩和だ、規制撤廃だと言っていたと思うんですが、行政側から国に規制撤廃なり規制緩和なりを申し入れるような、そんなことを考えてくれる
セクションなのか。地方自治体に規制緩和とか撤廃を指導する
セクションだとか、県みずからそれをやろうとかという、そういう
セクションが落ちているような、抜けているような気がするんです。今見たところ、項目としては一つも挙がっていないんです。一番新規産業が起こってくるのは、規制を外したときなんですよね。それは外国の例でおわかりだろうと思うんですけど、行政の規制を外せと言うのもおかしな話かもわからんけど、まずそこのところを検討しないと本当の効果はあらわれないんじゃないか。補助金だとか金融面の支援を幾らやったって、一つのどんぶりの中でやれという話ですから、新たな発想も限りがあると思うんです。その点はどうお考えなんでしょうか。
7 ◯一尾
泰嗣委員長 川庄政策課長。
8 ◯
川庄商工政策課長 さまざまな経済活動上の規制が経済活動の発展を阻害していると、こういう議論は広くなされておるわけでして、御指摘のように、規制が撤廃されることによって伸びていく分野、産業、こういうものは当然出てくるわけでございます。ただ、県として現実にとり得る方策、取り組みとしましては、どういう分野に力を入れることによって本県の企業や産業を活性化していくかということで、今、御説明しましたような戦略的な産業ということで力を入れて取り組もうということでございます。したがいまして、先生が御指摘の、規制緩和を県としてどう進めるかということにつきましては、率直に言いまして、県としてどうするというのはなかなか難しい面もあるわけでして、御説明しましたようなことで取り組みをさせていただきたいということでございます。
9
◯井手勝美委員 本当の根本のところはそこなんですよね。もう御存じだろうと思いますけど、例を挙げてみると、昔の通産省、あそこに自動車課は昔、なかったんです。トヨタや日産がアメリカへ行って車をばんばんつくって売るようになって、最初は行っていなかった、最初は輸出だったんですけど、自動車についての輸出規制を日米間で取り決めるようになったときに初めて自動車課というのはできたんです。それは何を言うかというと、規制がなかったということなんです。規制がないと産業は起こる。規制があるから、新しい発想だとか、新規企業が起きてこないというふうに言えるんです。もしこの規制を外したら、どういう産業が起こるであろうかとか、県出資の第三セクターとか県出資の公社、外郭団体がなくなったらどうなるだろうかとか、そういったことをやっぱり最初、考えないと、私は、実質的な効果は上がらないと思うんです。だから、この委員会の根本的なことだろうと思うんです。それを抜きに議論するのは、どうも片手落ちと思うんです。
セクションを一つぐらいふやして、項目の中に入れるべきじゃないですか。どうですか。部長の方に答えてもらった方がいいかもわからない。
10 ◯一尾
泰嗣委員長 久保部長。
11
◯久保商工部長 質問の趣旨を御確認させていただいてよろしゅうございますか。調査の項目ということでのこの委員会の話なので、私の方の政策としての項目ということでございましょうか。先ほど、中小企業の二つの……。
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◯井手勝美委員 いや、景気を生んで雇用を生むという政策の中にそれが入っているんじゃないですかと言っているんです。
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◯久保商工部長 全般的には、規制緩和というのをどの点からとらえるかという、規制緩和にも幅がいっぱいありますので、特に、規制というのは全国的に法律でかけられている部分が非常に多いので、国の方におきましても、それぞれの分野ごとに、委員御指摘のように、新しい産業を起こすための問題点というのを一緒に規制改革をやっていかなきゃいかんという認識はあるところであります。例えば、健康社会という形から事業を起こすという場合になりますと、当然、薬品とか医療関係のいろんな規制の関係があるわけです。こういうところをどうするか。それから、特に、環境だとか、循環型社会ということになりますと、逆に、一方で規制をかけなきゃいけない面もあるかもしれないけど、今までの規制を取っ払った方が、より新しいアイデアなり産業が出てくるのではないかというあたりと、それからこれが今からの規制改革の中で問題になるんだろうと思うんですが、例えば、タクシー業界とかああいう形で、一つの規制をすることで、今までの部分を守っていたと申しますか、そこを広げてしまって競争社会に落とし込んでしまうかどうかというところ等、こういうところが今後の規制改革の中で、産業の創出との関係では大きくなる。それから、もう一つは、先ほどちょっと私、申し上げましたけれども、金融関係とか、株等直接金融、それから銀行が投下します間接金融、こういうところで動いていく産業資金に対するいろんな規制、今までのルールというものを変えていくということによって活性化を図る等が今後の規制のところでは問題になってくるのではないかと思います。それぞれの分野によって、どういうふうに規制を検討していくかという話で議論が進められていくのではないかと思います。
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◯井手勝美委員 それを議論する部署があって、それを国に物申すとか、国に意見を出すとかという、そういう
セクションもあっていいんじゃないだろうかというのが私の言っていることなんです。それを抜きにして、そのほかの面だけ調査特別委員会で議論していると片手落ちじゃないだろうかと言っているわけです。何か答えが違うような気がするんです。必要ないというふうにお考えだったら今の答弁でいいです。私は必要だと思うんです。
15
◯久保商工部長 セクションという話になると、それぞれの、今、私が申し上げました、健康のところであれば福祉関係、それから労働の関係であれば労働局等が自分の政策を進める上での議論としてやっていくのではないかと思うんです。目的が規制緩和の話であるわけですから、それとの絡みでやっていく。我々は、金融の方は権限がないんですけども、引っかかっている点については、いろいろ国についても申し上げているわけです。例えば、産業が動きにくい、金融監督庁の今のやり方では非常に困る話もあるとかいうとすれば、我々も意見を申し上げている、そういうことでございます。
16 ◯一尾
泰嗣委員長 私の方からいいですか。我々に付託された委員会の四つの分野があるんですけど、これは部長、
新規成長産業をどう伸ばしていくか、そういうことにおいて規制があるから、なかなか前に進まんじゃないか、やっぱり国に対してそれを大いに要望していくべきじゃないかということが井手委員の本質である。だから、いろんな分野の話を言っているわけじゃありません、ここは私たちは商工部と話していっているんですので、そういうことで答えていただければよいのではないかと思います。
17
◯久保商工部長 今の御質問の趣旨に沿いしまして、私の方もいろいろ整理させていただきたいと思います。「
セクション」と言われるもので、わかりづらかった、項目として、この中の我々県が新成長産業の育成政策を考えていく上で、こんなところが引っかかっているじゃないかとか、こういうことを探り出す、特に、企業の意見なんかを聞きながらですね、そういう御趣旨だと思いますので、それは重要な課題だというふうに考えております。
18 ◯一尾
泰嗣委員長 ほかにありませんか。八記委員。
19 ◯八記博春委員 特許権、知的所有権について、産学官でいろいろと開発を進めるといった場合に、福岡県の権利がどのようになっているのか。特に、先日、青色の発光ダイオード、あれの知的所有権について訴訟が起きましたけれども、そういうことが今後も起こるかと思いますけれども、その辺について、どういう対応等をされているのか教えていただきたいと思います。
20 ◯一尾
泰嗣委員長 久保部長。
21
◯久保商工部長 福岡県の職務発明の規則があります。私たちの
工業技術センターだけではなくて、これは農業総合試験場でも、すべてあるわけですが、その職員が業務を通じて発明した場合に、それの特許、知的所有権で、特許と限らない場合もあるんですけども、その知的所有権について、これは業務上、携わることによって発明しているので、それを県として承継をするか、県の財産にするかどうかということを職務発明の審査会、これは副知事をキャップにして各部長等になるんですが、そこにかけまして判断をする。そうすると、承継をされますと、県の知的所有権ということになりますと、本人に対して幾らかの奨励金みたいなものが出されまして、かつ県と、本人も少し持った形で、ずっと県が維持費を出していくという形になります。そういう形で、いわゆる県の財産にして、そして発明者の権利もそのままついてくるようなやり方でございます。そして、これにつきまして各部局によってそれは定めているんですが、例えば、農政部であれば、新しい「とよのか」みたいな、ああいうものを種苗法によって決められますし、我々の工業技術の場合は、特許法が主なんですが、その権利をよそから使わせてくれと。県内企業の場合は早く使わせるとか、そういうことをやる。それから、ものすごく多いんですが、先ほど産学官というお話がありましたように、大学と県と企業が組んでいる場合には、それぞれ持ち分でやって、維持費も持ち分で払っている。それから、県の職務発明にならない大型研究というものがありまして、これは例えば、県の産業・
科学技術振興財団あたりが国の予算をもらってきてやるとか、あるいはみずからやるという場合には、国の予算の場合は、国の事業団が五〇%ぐらい取って、あとその研究者、大学人とか、企業とか、県の職員が絡んでおったらそこと、持ち分割合で、そちらの事業団が維持している。県の産業・科学振興財団単独でやった場合は、そこが特許を申請しまして、そこで維持して、そこでそういう持ち分割合でやっていく、そういう関係でやっております。
22 ◯八記博春委員 持ち分の決め方というのは、経費を出した持ち分みたいな感じなんですか。それがちょっとよくわからなかったんです。
それから、やっぱりアイデアを出した県、それから県の職員、先ほど、奨励金みたいな話でしたけど、その辺が、今回の訴訟の場合は、個人の所有権というのはなくて、企業の側にあったわけですけど、今の話は、個人にも何らかのものを持たせているからという話でしたが、将来、それで利益が出た場合に、その案分で個人にも渡せる程度の、そういうふうなことになっているということなのかどうか、その辺がよくわからなかったもので、もう一度お尋ねします。
23
◯久保商工部長 まず、持ち分を決めるのは、もちろん当事者の話し合いで決めますが、その発明に至るまでのアイデアの効果はどこまであったか、それからある大学の先生が従来持っていた技術があって、共同開発したことによってもう一つの新しい発明がされたとすれば、従来の技術の分をどこまで見るかというような話し合いがありまして、その研究で発明までつくっていったお金というよりも、そこまでつくっていった努力のところでいわゆる持ち分割合は決まります。
それから、先ほどちょっと話しました、事業団みたいなところが国の補助金で、自分がやって研究者を集めているという場合は、事業団が五〇%握るというふうなことがあります。これは一つは、国なり県が補助金を出してやったんだからということがあるんですが、この点だけ解説させていただきますと、全部企業とか大学人に渡してしまうと、それはいい面もあるんですが、本人たちが使わせないとかいうことを決めたら、もう使われなくなるんです。だから、休眠特許というものが出てきたりする可能性があって、せっかく国の金とか県の金を使っているんだから、有効活用してほしいということがありますので、事業主体が余計握っておって、判断力を大きくするということがあります。しかし、後は、当然、使いたいという人が出れば、みんなでそこで使わせていく。
その場合に、使った場合の使用料、ロイヤリティーなわけですが、これが入ってきた場合は、先ほどの持ち分割合で本来は分けるわけなんですけども、県の場合は、職員発明で一遍県が承継していますので、本人に対してはパーセンテージで出すようにしております。これはちょっと正確ではありませんが、中村さんの青色LEDの問題は、二万円かなにかの打ち切りで出してしまった。売上高とリンクしていないです。その点がやっぱり引っかかるんじゃないかと思います。これはあくまで民間のことですから、県の場合は規則でやっているということでございまして、そこの差かと思うんです。
24 ◯八記博春委員 今の件はわかりました。
もう一点、別の件なんですけども、今、やっぱり景気が大変だし、失業率が大変ですよね。先ほどの、新規の成長産業の創出だとか、それから
システムLSIとか、そういうものは将来に向けて大いに進めていただくということで頑張っていただきたいんですけれども、既存の中小企業はやっぱり大変な状況にあると思うんです。先ほど久保部長のお話にもありましたけれども、八月の
月例経済報告が、景気がさらに悪化している、半年後の景気動向を占う株価もそうなっている。だから、先ほどの井手さんの話じゃないけども、福岡県として、既存の中小企業、大部分の中小企業、この中小企業の支援策が今、必要だと思うんです。だから、新しい産業は、それはそれで大いに進めていただくとして、既存の中小企業に対して、またそこから発生する失業等も、それに対してどういうふうな方策を持たれているのか教えていただきたい。特に、私は先日、大川の永尾物産というところが百二億円の負債で不渡りを出すというのがありまして、現地に行っていろいろお話を聞いてきたんですけれども、第一が、やっぱり不況だから高級家具が売れない、二つ目が、海外に出かけていって、部品から製品からどんどん入ってきて大変だという話がありました。そういう点で、既存の中小企業をどうしていくのか、その点についての方策、考えをぜひ聞かせていただきたいし、そういう論議もぜひしていただきたいと思います。
25 ◯一尾
泰嗣委員長 川庄商工政策課長。
26 ◯
川庄商工政策課長 御指摘の、既存の中小企業をどうするのかということについてでございます。私どもも現場において既存の中小企業とのおつき合いがあるわけでして、やはり仕事がない、物が売れない、これが大きな問題だとお聞きいたしております。そういうことを含めて、既存の中小企業をどうしていくかということのいわば骨格的なことを第一番目の議題でございます
地域中小企業の技術開発などの
高度化支援対策、ここで御説明をさせてもらったつもりです。したがいまして、総合的な取り組みを行っているということでございますけれども、その中で、特に、目新しい対策とあえて言わせていただきますと、電脳商社というのが、中小企業は物づくりの企業なんかは既存の取引関係がございます。そういう既存の取引関係とはやや違った形で、
インターネットの上で市場をつくっていって、そこの市場で引き合いが出てくれば、それは従来の取引とは違った、新しい形の取引になっていくのではなかろうか、そういうふうな取り組みを現在、構築中でございます。そういうものをうまくつくることによって、中小企業の取引とかそういうものが膨らんでくる、こういう新しい取り組みなどを御案内しておるということでございます。九九%が中小企業でございます。一つ一つの企業に対して直接どうするというのは、例えば、金融対策なんかですと、そういうことが可能ですけども、全体、政策的な角度からさまざまな手を打っていこう、こういうことで取り組みを進めておるということでございます。
27 ◯八記博春委員
電脳商社構想は、今言われたみたいに、中小企業のレパートリーを広く皆さんに知らせて、その中で売り上げをふやす、それは非常にいい制度だというふうに思うんですけれども、今、さっき久保部長も言われたみたいに、消費不況で、そしてその見通しがなかなかない。そういう中で、仮に電脳商社で商品やら技術を、「こういう技術を持っていますよ」、「こういう製品を扱っていますよ」ということを知らせても、買う側の枠がやっぱり決められて、それがどんどん下がっていくという状況ですよね。だから、そうした中で福岡県の中小企業をどうしていくのかというところがやっぱり知恵を一番絞らなければならないと思うし、既にそういう立場で皆さん方が御奮闘されているというふうに思うんですけれども、今の説明だけではちょっと納得できなかったので、もっといろいろな面から検討もしていただきたいし、急いでいただきたい。
特に、不良債権の処理というのがこの二、三年のうちに行われるということで、大手銀行の不良債権を処理するだけで福岡県内では大体六千から七千の中小企業がつぶれるんじゃないかというふうに私自身は個人的に試算しておるわけですけども、大手の銀行だけじゃなくて、地銀ですね、福銀、西銀、福岡シティ、福岡中央銀行、これらも含めて、もし不良債権の処理をするとしたら、ちょっと試算をしてみたんですけど、ものすごい事業所の数、それからそれによる失業者が生まれる。それはぜひ皆さん方もやってほしいと思うんですけども、各銀行が持っている不良債権の比率だとか、それから中小企業向けの貸付残高だとか、そういう数字というのはもう既に出ておりますので、そういうことで試算をすると、恐ろしくなるような数字が出てくるわけです。それが政府の手で、この不況のさなかに推し進められようとしているわけで、そういうことについては中小業者を守るという立場の福岡県の商工部としては、やっぱり待ったをかけるという、そういう働きかけをすべきだと思うんです。その辺についてぜひとも検討していただきたいし、次回、御報告をお願いしたいというふうに思います。
28 ◯一尾
泰嗣委員長 ほかにありませんか。どうぞ。
29 ◯森下博司委員 関連で。今、八記さんが言ったんですが、金融支援の内訳を見たんですが、設備投資に関する貸し付け制度、こういうふうに書いていますが、運転資金、ここらあたりが例の三月で終わった安定化資金、その後の対策として、この十三年度、こういう融資制度を新たにやろうとしてあるんですが、今困っているのは、例えば、サービス業なんかは、安定化資金を借りて設備投資した、その後に、こういう消費の低迷で客の見込みが、入らないで、ずっと安定化資金も返せない、そしてなおかつ設備投資のお金も人が入らないから返せないままで、結局、滞納金が発生している。だけど、そのところを若干棚上げしたり、資金の援助、今、例えば、運転資金だと五年で返済ですか、それを延期するとか、個々においてもう少しそういう金融の緩和をすることによって生き延びる人が大分おるような気がするんです。それがどうも金融機関も、公的金融機関が締めつけが厳しいために高金利の町金融に手を出したりして、つぶれんでいいものがそこでつぶれてきよるという、こういうことを非常に私も危惧しているので、こういう設備投資とあわせて運転資金を何とか返済できる方向と、先延ばしというんですか、期間延長とかそういったものを個々にもう少し事業主に対して県の方が保証協会なりと連携とってやっていただくという、今から大きな不良債権のこれが来て、痛みを伴う構造改革で埋没させないためにも、福岡県としては策を練るというんですか、そういう手があれば、きょう、聞かせていただければと思うんです。
30 ◯一尾
泰嗣委員長 井上
経営金融課長。
31 ◯井上
経営金融課長 委員今お尋ねの、金融安定化の件でございますけど、御案内のように、本県においては、この三月に終わりました時点で、七万二千件で一兆一千四百の御利用をいただいております。七月時点でございますけど、四万五千件で五千億ぐらいの残でございますけど、これが現在、八割以上の方がそのまま返済されているわけでございますが、非常に厳しい状況になってきております。これは二月議会でも知事が答弁したわけでございますけれど、こういうことになっておりますので、新しい金融とかいろいろ検討しているということで、今、私の方も手を検討しているところでございます。
32 ◯森下博司委員 それだけ。回答になっていないんじゃないですか。その検討していますという具体的なものは全くないわけですか。さっき言った棚上げの話……。
33 ◯井上
経営金融課長 失礼しました。金融安定化を終わるに当たりまして、保証協会の指導につきましては、今年に入りまして、部長名で、既存債務の条件変更については個々の
中小企業者の実情に応じてきめ細かく対応するように保証協会についても指導したところでございまして、今後、その点については指導を強化してまいりたいというふうに考えております。
34 ◯一尾
泰嗣委員長 ほかにありませんか。内田委員。
35 ◯内田壮平委員 金融課長にお尋ねしたいんですが、金融機関に聞いた方がいいかと思っているんですけど、来年からペイオフが始まりますね。それで、もう来年ですから、半年ぐらいになるんですが、地場を含め、金融機関が今、どういう状況か、そういうところは県の方は何か把握しておられます。把握しているかどうかだけでも教えていただきたい。
36 ◯一尾
泰嗣委員長 経営金融課長。
37 ◯井上
経営金融課長 十四年度の予算編成に当たりまして、当然、これはペイオフを前提にいたしました予算編成をいたしますので、現在、私の方、ペイオフ関係で検討しておりますのは、いろいろ方策があるわけでございますけれど、制度融資に限定いたしますと、金融機関に預託するときに、例えば、金融機関から地方債とか国債とかをいただくとか、あるいは利子補助をするとか、いろんな方法がございます。今、金融機関の方とも、いろいろ意見を聞きまして、どういう方法が一番いいかということを検討いたしております。いずれにしろ、これはすぐ予算編成に入りますので、その時点できちっとした考え方で進めたいというふうに考えております。
38 ◯内田壮平委員 それで、ここに最初に「県資金を民間金融機関に預託し」と書いてあったから、ペイオフは、私が知る限りでは、個人も団体も該当するはずなんです。それで、もちろん県の資金も含め、各企業もそうなんですけど、私が銀行とかでいろいろ話をする中で、例えば、一千万を超える場合に、その一千万が丸々そこの企業のお金なのか、その中にほかの団体のものが入っていたり、例えば、学校なんかでいきますと、結局、お金がいろいろ違うわけですよね。積立費とかいろいろあるわけです。だから、そういうものが一千万を超えていても、実際、その団体に係るものは一千万以内であるかとか、これは非常に難しいんです。だから、今、そういう整理を必死でやっていると聞いたので、県の方の金融課としては、今おっしゃったようなことぐらいを考えているわけですか。そのほかはもうないですね。
39 ◯井上
経営金融課長 これは県の方には、全体の財政課をメーンとします部会と、出納の方と、それから私の方と、三つの部会がございまして、私どもも制度融資で七百二十億の預託をいたしますが、その資金の安全の確保のためには、どういう視点からしたらいいかということで検討しているところでございます。
40 ◯内田壮平委員 そうしたら、予算編成のあれで検討の時期はどのくらい、もう来年から始まるわけでしょう。
41 ◯井上
経営金融課長 予算編成の編成方針が九月議会が終わった後、九月末か十月には出てまいります。その編成のときには、私ども、こういう方針できちっとした形で、こういう考え方でということを説明できるようにしたいというふうに考えております。
42 ◯内田壮平委員 わかりました。
それでは、要望ですけど、実際に民間の金融機関では、もうそういう整理をしないと間に合わないと、大変な状況らしいんです。ですから、できましたら、きょう、私が聞いて、ぱっと、どういうところがポイントとかいうものを言っていただくと助かるんですが、来年の四月に向けて、ぜひ鋭意努力していただきたい、私たちに報告できる時期が来れば、ぜひこの委員会等でも議論させていただきたい、それを要望させていただきます。
43 ◯一尾
泰嗣委員長 ほかにありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者がある〕
44 ◯一尾
泰嗣委員長 ほかにないようですので、次に進みます。
次に、職業能力開発支援対策について及び中高年求職者就職支援対策についてを一括して議題といたします。
執行部の説明を求めます。山越労働局長。
45 ◯山越労働局長 労働局関係の付議事項について御説明をさせていただく前に、一言ごあいさつと概略的な説明を私の方からさせていただきます。
先ほどのお話の中にもございましたように、最近、景気状況は悪化の傾向を示しておるわけでございますけれども、それに伴いまして雇用状況もさらに厳しい状況となってきております。こうした状況に対応いたしまして、私ども
生活労働部といたしましては、雇用対策の推進に努力していく所存でございますので、どうか委員の皆様方に御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。
それでは、最近の雇用及び失業情勢について、簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
まず、全国の状況でございますけれども、全国の完全失業率は、最新の七月の数値で五・〇%ということで、これはこの労働力調査が始まりましてから、史上初めて五%を超えたということで、最悪の数値となっております。また、公共職業安定所に出されます求人あるいは求職の比率であります有効求人倍率でございますが、これが全国で〇・六〇倍ということで、これも非常に厳しい状況になっております。
次に、福岡県の状況でございますけれども、これも厳しい状況でございます。有効求人倍率につきましては、七月には〇・四五倍ということになっておりまして、これは前年同月に比べ〇・〇一ポイント下回った状況になっているところでございます。それから、完全失業率につきましては、これは福岡県だけの数値というのは統計の制約上、把握されておりませんが、九州ブロックにつきまして、沖縄を含めた数値が、第二・四半期、四月から六月の数字ということで公表されております。これが五・九%ということになっております。これも過去一番悪い数値となっているところでございます。
こうした厳しい状況に対応いたしまして、私どもといたしましては、一つは、地域の産業の状況に対応いたしました新産業分野の成長促進による新たな雇用機会の創出対策でございますとか、あるいは二点目といたしまして、こうした新しい分野に必要な人材の育成対策、三つ目といたしまして、女性、高齢者、障害者などの雇用促進の対策、四点目といたしまして、情報化社会の進展などに対応いたしましたSOHOなどの新しい働き方、こういったことに対する育成支援対策に取り組んでいるところでございます。こうした対策を通じまして雇用情勢の改善に結びつけられるよう、全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
委員の皆様には、今後とも御指導と御鞭撻をお願い申し上げます。
なお、詳細につきましては、それぞれの関係課長より説明をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
46 ◯一尾
泰嗣委員長 栗本
職業能力開発課長。
47 ◯栗本
職業能力開発課長 第三の、職業能力開発支援対策について、御説明いたします。
委員会資料の七ページをお願いいたします。職業能力開発は、産業構造の変化に対応いたしまして、働く人の職業生活の全期間を通じまして、段階的、体系的に行うことを基本といたしまして、県と国の外郭機関であります雇用・能力開発機構と連携を図りながら実施をしております。
まず、一点目でございますが、第七次の福岡県職業能力開発計画、これにつきましては中長期的な職業能力開発計画、今年度からの分をただいま策定作業を進めております。作成する前に、県内の人材関係ニーズ調査を実施いたしました。お手元の方に「IT関連人材ニーズ等調査結果の概要」ということでお届けしておりますので、後ほどごらんいただきたいと思います。
二番目の、公共職業訓練体制についてですが、県内には、高等技専校が七校、国立で県が運営委託を受けております障害者職業能力開発校一校、計八校で、新規学卒者、転職者、在職者に対して必要な職業訓練を実施しております。また、専門校などの民間教育訓練機関や事業主に委託訓練も実施しておるところです。県内には、雇用・能力開発機構が設置をしております機関が三つございます。高度な技術者の養成をやっております九州職業能力開発大学校及び「ポリテクセンター」と言われております開発促進センターが二校ありまして、就職支援のための職業能力開発をやっております。
次に、三点目ですが、民間職業訓練の振興につきましては、事業主や事業主団体の行います職業訓練について、国の認める基準に合致したものを認定訓練と認定いたしまして、その経費の一部を助成しております。また、職業訓練法人であります久留米、直方のコンピュータ・カレッジで情報技術士の養成、ネットワーク関連の人材養成を行っております。
次に、四点目なんですが、技術振興対策についてですが、技術労働者の地位の向上を図っていく。習得ないし向上した技術を社会的に公証するということで、国家検定制度がございます。現在、百三十三業種で検定を実施しております。次に、技能尊重機運の高揚ですが、広く社会一般に技能尊重の機運を高めて、技術者の社会的地位の向上を図るということから、十一月に、卓越した技能者を「現代の名工」と、優秀な技能者表彰制度をしております。それから、県内の四地区の技専校を中心に、地域の住民の方との触れ合いを通じまして、物づくりの大切さを広める技能祭を実施しております。
以上でございます。
48 ◯一尾
泰嗣委員長 竹下
労働政策課長。
49 ◯竹下
労働政策課長 議題四番目の、中高年求職者就職支援対策について、御説明をいたします。
八ページをお開きいただきたいと存じます。平成十二年四月より地方分権一括法が施行されたことによりまして、地方事務官制度が廃止され、従来、県で行っておりました職業安定に関する業務が国に移ったことによりまして、国の職業安定機関と連携しながら、さまざまな就職支援対策を実施しているところでございます。
まず、第一番目に、雇用機会の創出支援についてであります。中小企業の雇用機会の創出支援を目的といたしまして、中小企業や個人が新たに創業したり、異業種への進出を図る際に人材を雇い入れた場合に、賃金の一部を助成することによりまして、雇用の増大に努めているところでございます。
二番目に、新成長産業への労働移動の促進でございます。雇用、失業情勢は非常に厳しい状況が続いておりますが、失業率を高めている大きな要因が雇用のミスマッチにあると言われているところでございます。したがいまして、新成長産業、IT、バイオ、環境、人材サービス等の雇用開発を促進し、その発展を支える人材を育成するとともに、新成長産業への労働移動を円滑に推進し、雇用の回復を図るということで、新成長産業雇用開発シンポジウム、これは九月十八日にアクロスで、八百名の学生、求職者を対象に開催いたしたいと考えております。また、新成長産業の企業と求職者の間の合同面談会を実施いたしたいということで、十月十八日、求職者九百人、参加企業六十社で計画をいたしているところでございます。
第三でありますけれども、再就職の支援促進でございます。中高年齢者の再就職を支援する一方策といたしまして、中高年求職者を対象といたしましたパソコン講習会を実施しておりまして、平成十三年度は、十四講座、二百八十名を計画しているところであります。また、福岡県高齢者能力活用センターが高年齢労働者の派遣事業をやっておりますので、この事業への支援をいたすとともに、県内四十八カ所のシルバー人材センターにおいて、さまざまな事業が行われておりますので、こういったことに対して育成・強化をすることによりまして、短期的な就労機会の提供に努めているところでございます。
第四番目といたしまして、継続雇用等の推進でございます。昨年十月の法律改正によりまして、六十五歳までの継続的な雇用の確保が事業主の努力義務として規定されたところでございます。したがいまして、国の職業安定機関と連携を図りまして、事業主に対して、六十五歳までの継続雇用や高齢者雇用の理解を求める各種の啓発事業を実施しているところでございまして、十月の高年齢者雇用促進月間を中心に、優良事業所の表彰、雇用開発セミナーの開催、フォーラムの開催等を実施しているところでございます。
以上でございます。
50 ◯一尾
泰嗣委員長 説明は終わりました。
これより質疑を行います。
何か質疑はありませんか。内田委員。
51 ◯内田壮平委員 失業率についてお尋ねしたいんですが、国の失業率が五%ということでしたよね。単純なんですが、この算定方法というか、どのようにしてこれを出しているのか教えてください。
52 ◯一尾
泰嗣委員長 労働局長。
53 ◯山越労働局長 完全失業率でございますけれども、この調査は、国の総務省が実施をしている労働力調査という調査がございます。それに基づいて数値を算定しているものでございます。この調査におきましては、就業者──就業者というのは雇用者プラス自営などで働かれる方、就業者とそれから失業されている方を各個に調査いたしまして、それで就業者と完全失業者、それを足したものが分母でございます。分子の方が完全失業者ということで、その割合が五%となっている状況でございます。
54 ◯内田壮平委員 ありがとうございました。
各個に調査という、その各個というのは、例えば、サンプリングというんですか、大体どのくらいの数でやってあるんですか。
55 ◯山越労働局長 今、手元に資料がないので、正確な数字は今、持ち合わせておりません。
56 ◯内田壮平委員 そうしたら後でもいいんですが、それで私が聞きたいのは、福岡県の失業率。先ほどは九州までおっしゃいましたか。九州は五・九%で、福岡県はわからないとおっしゃったんですよね。その辺はどうしてですか。
57 ◯山越労働局長 これは全国の調査でございまして、四十七県の各県ということになりますと、今、先生もおっしゃられましたように、サンプルとなる母数が少なくなるので、統計的な安定性が確保できないということで、総務省の方で各県のデータは公表されていないというところでございます。
58 ◯内田壮平委員 それで、私もわからない点があるんですが、全国の失業率はわかっても県単位ではわからない、九州まではわかる。九州のやり方はどうなんですか。
59 ◯山越労働局長 九州沖縄ブロックということでございますと、これは四半期ということで、毎月は出ないわけでございますけれども、一年のうちの四つに分けた時期でございますと、ある程度、母数、サンプル数が統計上出し得るだけのものを調査しているということで、それを総務省の方で公表されているということでございます。調査のやり方は、一つの調査でどこまで公表するかという問題かと思います。
60 ◯内田壮平委員 これは失業率と違ったものでも、聞いたときに、結局、総務省の発表は、私は失業率というのは専門にはわかりませんけど、あらゆるサンプルの積み上げでしか出てこないと私は思うんです。ぽんぽんぽんとやって全国がぽっと出るわけじゃないから、やっぱり県単位とかそういうものの失業率が積み上がってきて、結局、全国の失業率というのが出ると私は思うんです。だから、各県にすればあるはずなんです。それを県の方からなぜ総務省に聞かないんですかと聞いたら、それは発表してくれませんということしか答えはなかったんです。でも、私たちはこの景気・
雇用対策調査特別委員会で、福岡県の景気・雇用を論ずるわけですよね。だから、全国の平均の五%、しかし九州は五・九%、福岡は六%かもわからないですよね。その対策を打つからには、やはり現状がわかっていないと、四%なのか、ひょっとしたら七%かもわからないですよね。それをわからずに私たちは議論を今しているはずなんです。だから、国は国、県は県という視点で私たちが論議すると、先ほど井手先生もおっしゃったように、国がしなきゃ県はできないのか、それならこの議論はどうなんだ、今、聖域なき構造改革と言われながら、国の改革が決まらなきゃ県はできないのかということになるんです。
だから、私がお願いしたいのは、福岡県の、これは数が少ないといっても、少ないものを積み上げて全国の平均が出るわけですから、それが全く正しいとは言えなくても、ある程度の福岡県の失業状況は把握しているはずなんですよ。そうでないと国の全部は出ませんよ。先ほど、幾つぐらいですかと言ったら、お答えされないでしょう。二千か三千か一万か十万か、それはわからないですよね。だから、そこのところなんです。私たちが福岡県の失業問題、雇用を考えるときに、現状はどのくらいの失業かとわかっていなくて今、議論しているはずなんです。それは違う委員会でも議論したんですけど、できないことはないんです。聞き方の問題であり、皆さん方の福岡県を思う気持ちであり、そういうものがあれば、何らかのサンプリングの中で、福岡県のサンプリングが二千件、二千件で、ではどうなんですかと出るはずなんです、と私は思うんです。失業率じゃなかったんですが、結局、議論する中で、それはできますというお答えが返ってきたんです。これはほかの委員会ですけどね。だから、失業率にしても、私たちは五%で議論していいのか、五・九%なのか、福岡は何%なのかというのがやっぱり必要じゃないですか。どうですか。
61 ◯山越労働局長 まず、恐らく、福岡県単位でそういった失業率のデータが出せないというのは、サンプルの数が全国で数万のオーダーでございますので、各県に割ってしまうと、かなり少なくなってしまうということで、そういうものを出していきますと、統計的なぶれが大きくなりますもので、総務省の方で出せないということであるというふうに思います。しかしながら、先生がおっしゃったとおり、そういった雇用についての実情は十分福岡県においてどういう状況かということがわかりませんと、なかなか対策ということになりませんので、それについて何か工夫をすることがないのか、総務省の方に私どもの問題意識としてお伝えいたしまして、そういう点について要請をしていきたいというふうに思います。
62 ◯内田壮平委員 そうですよね。だから、この五%は実態に限りなく近い、しかし、福岡県の数字は実態には近くないかもわからないけど、一つの考え方の指標であるということで議論はできると思うんです。それはぜひ何らかの形で福岡県の失業率が議論できるようにしていただきたい、これは要望です。
63 ◯一尾
泰嗣委員長 ほかにありますでしょうか。吉村委員。
64 ◯吉村敏男委員 職業訓練の関係で言いまして、今、七校プラス一校ということになっていましたが、就職率は毎年どうなっているんですか。
65 ◯一尾
泰嗣委員長 栗本
職業能力開発課長。
66 ◯栗本
職業能力開発課長 平成十二年度の七校の合計で、四月末なんですが、六七・五%です。
67 ◯吉村敏男委員 今、内田委員の指摘のように、全国平均を上回る失業率であるということで、言うなれば、就職の機会を広げるために職業訓練をされていると思うんですけども、そういう最新のニーズに合わせて職業訓練をされているにもかかわらず、七〇%ぐらいしか就職率が上がらないということは、職業訓練の内容そのものといいますか、課程の設置の仕方にもやっぱり問題があるんじゃないですか。その辺はどうですか。
68 ◯栗本
職業能力開発課長 今おっしゃいますように、就職するために技能の習得をしてもらっております。それで、各校に就職担当の専門を置きまして、修了時は六七ですが、これから少しずつ上がってまいります。
それから、地域のニーズに沿った訓練をやっていくべきじゃないかというお話、そのとおりでございます。各校に運営協議会なんかを設けまして、業界の代表なんかを入れまして、訓練内容の見直しあたりはやっております。今年は、小竹校の方に、介護関係の人材が今から要るということで、介護科を設けて、ホームヘルパーの養成あたりも……。
69 ◯吉村敏男委員 ニーズにこたえる形で職業訓練を受けた人たちでさえも七〇%しか就職ができないというのは、やっぱり危機的な状況だと思うんです。これは要望ですけども、あとの三〇%はなぜできないのかということも実態をきちんと把握をしていただいて、せめてやっぱりこうした先端の職業訓練を受けた人たちは一〇〇%できるという状況が実現できるように努力をしていただきたい。
70 ◯一尾
泰嗣委員長 ほかに何か関連で。森下委員。
71 ◯森下博司委員 課長、今のお話の中で、地域のニーズに合わせての職業という話だけど、例えば田川に、白石先生がおられますが、職業の訓練校が一校ありますよね。たくみというか、左官とか、そういう建築関係の部門がそこにはあると思うんですが、そうしたら、そういったところの地域のニーズに合わすのであれば、例えば、県立田川高校、田川の県立高校ですよ。増築するときに私はお願いしたんだけども、県立高校だったら、アジアに開かれた福岡というのであれば、増築して、女の子が多い、女性が八割と聞いていますが、そうしたら、そこに例えば、華道とか茶道の、日本庭園までいかないかもわからんけど、手づくりで、しっくいを使うなりして、そういうものを一つ部屋を置いて、部活に使うなり、海外の人が来ても、日本のよさを見せる意味でも、そこにそういうものをつくったらどうかと提案しておったんだけども、結局、できないような話に今なっているんだけど、そういう技能を、卒業して手にわざをつけて出てきたんだけど、生かす場がない、ここが大きな問題だと私は思うんです。建築都市とか、それと横の連携もしっかりすれば、ある意味では、そういう出てきた方が意欲を持って、今は本当に狭まった業種ですよ。コストもかかるけれども、だけど、そういったところを県の方が少し緩和してあげて、若干の予算の中でさせてあげるということが、大いに希望を持って、次の人も続くと思うんです。だんだんじり貧になっているということは、入れて、失業保険を出させて、出たら終わりのような、だからここに書いているような、技能振興対策をして、検定を受けて、表彰するとか、これもいいでしょうけども、出てからの仕事づくりもあわせて考えることをお話を聞かせてもらって、終わりたいと思います。
72 ◯一尾
泰嗣委員長 栗本
職業能力開発課長。
73 ◯栗本
職業能力開発課長 伝統的な技術の伝承というのは、これは非常に大事なことだと思っております。ただ、学校の方で訓練ができないかというお話ですが、公共訓練というのは国の定めました基準がございます。その基準にのっとって、各技専校でこういうふうにやっておりますので、御理解のほどをお願いしたいと思います。
それから、こういう技術の継承ということは非常に大切なことであります。「4」のところで御説明いたしましたように、技能がこういうふうに社会から尊敬されるというような機運をつくりながら、施策を進めながら、そういうことを継承していかなければいけないのではないか、このように考えております。
74 ◯森下博司委員 私が言いよるのは、そうじゃなくて、具体的な話をしよるでしょう。もっと今後のことも考えたら、一例は県立高校の話です。今後、そういったところの公共施設をつくるときに、せっかくのこういった技専校、それから障害者施設もある、この人たちが仕事できるような
仕組みづくりを県庁挙げて考えるべきだ、そのことを答弁くれと言うんだ。
75 ◯栗本
職業能力開発課長 今の先生の御趣旨、研究させていただきたいと思います。
76 ◯一尾
泰嗣委員長 ほかに。八記委員。
77 ◯八記博春委員 労働局長にお尋ねしますが、先ほどの完全失業率について、私も約一年ぐらい前に内田委員と同じような質問を労働局長にさせていただいて、そのときには、できないんだという一点張りだったんですが、今の回答だと、検討してみると。ぜひ検討してもらいたいと思うんです。私も労働省にこの問題で行きまして、どうにかならんのかという直談判もしましたけれども、やっぱり一つは、サンプリングの数が少ないということなので、せっかく毎月調査をしておるんだから、それに福岡県が一定の経費も出して、同じようなことでサンプル数をふやす、そうすればかなりの確度で数字が出るわけで、そのことはやっぱり今からの行政に大きく寄与すると思うんです。IT関連のニーズの調査結果が出ていますけども、一つ一つの調査活動を県内でいろんな点でやられていますけども、この完全失業率の問題でも、やはり独自に予算を上乗せしてぜひやっていただきたい、そういう方向も検討の中に入れていただきたい、これは要望です。
それから、完全失業率がどういうふうにして出されるのかという中で、局長の方から報告はなかったんですが、これは外国と比べても数が小さく出る仕組みになっていて、一カ月のうち、たしか最後の週に求職活動した人の方が完全失業率と。そういうことですから、実際の失業者とは随分乖離しているということです。これは局長自身は認識されていると思うんですが、たしか総務省だったと思いますが、全国の失業率が五・〇%だけども、このことを考慮した潜在失業率は一〇・九%、たしか一一%近くだったと思うんです。だから、十人に一人が全国で失業されている。そういう中で、福岡県というのは特別やっぱり大変だと思うんです。有効求人倍率をとってみても、全国から比べて二〇%も少ないわけですから、そういう点ではやはり完全失業率をきちんと把握されて、それに対応した福岡県の独自の労働行政を進めていただきたいというふうに思います。これも要望です。
それで、特に、今、職業訓練の問題で報告もされましたけれども、訓練をしても、やっぱり求人数が少なければ就職に結びつかないと思うんです。だから、求人数をふやすためにはどうするのか、これはやっぱり景気をよくするしかないと思うんです。先ほど、竹下課長の方は、ミスマッチが中心的な課題のように言われましたけども、そうじゃなくて、景気が悪くて求人数が減っているというところがやっぱり一番大きいと思うんです。そういう点では、先ほど論議になりました中小企業を支援をしていく、そういうことが大事だ。
今、ITということが盛んに言われて、一年前などはもうITがすべてだったわけですけれども、今、IT関連の、特に製造業で大きなリストラが行われていますよね。電気だけで八万人、NTTで十一万人と言われています。だから、私も議事録を取ってみたのですが、麻生知事が本会議の中で、今、ITの職場が広がっているということで盛んに言われていましたけれども、それがですね、逆に大量の失業者を生む、そういうふうになってきているわけですね。そういう中では福岡県の雇用を守るためにも、新たな失業者を出さないという点についても福岡県が特別に配慮して取り組みをする必要があると思います。例えば、今、IT関係の電気、自動車、まあ自動車も、それからNTTもそうですけれど、リストラが行われようとしていますけれども、福岡県でどのような影響があるのかとかいう、そういう現状の把握それから分析、だからどうするのかという対策ですね。それはやっぱり国がやるということも当然ですけれども、福岡県みずからがやっぱりやって、必要だったら国にも声を出していくと、企業にも声を出していくということが必要だと思うんですよ。民間のことだから行政は口が出せないというのが一貫した福岡県の姿勢ですけれども、もうそれでは雇用は守れない、生活は守れないというところで来ていますので、その辺についてきちんと
生活労働部の方で検討していただきたいというふうに思います。要望です。
78 ◯一尾
泰嗣委員長 他に何かありますか。岡田委員。
79 ◯岡田博利委員 三番目の職業能力開発支援対策の中の第七次福岡県職業能力開発計画策定の中でIT関連人材ニーズ調査ということが出ておりますが、今IT関連が非常によくないと言われていますが、この調査を企業と教育機関、個人と分けておりますけれども、この調査対象の中身の各地域別は。
80 ◯一尾
泰嗣委員長 栗本
職業能力開発課長。
81 ◯栗本
職業能力開発課長 個人の二千八百ケース、これは四地区に分けまして。
82 ◯岡田博利委員 企業と教育機関は。
83 ◯栗本
職業能力開発課長 教育機関は地域でなくて大学、短大、高専、高校、この中から選んでおります。企業につきましては、県内に本社がある二十人以上、
県外事業所では三十人以上ということから選ばせていただいています。
84 ◯岡田博利委員 個人の場合は四地区に分けられているけれども、企業の場合も大まかに北九州地域、また福岡地区以外はわかっているの。
85 ◯栗本
職業能力開発課長 調査表を見れば出てまいります。
86 ◯岡田博利委員 もしあったら教えてください。以上です。
87 ◯一尾
泰嗣委員長 他に何かありませんでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者がある〕
88 ◯一尾
泰嗣委員長 ないようですので、次に進みます。
次に、今後の
委員会活動についてでありますが、次回の委員会開催及び視察等につきましては正副委員長に御一任を願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
89 ◯一尾
泰嗣委員長 御異議ありませんので、そのようにさせていただきます。
その他、何かございませんでしょうか。土井委員。
90 ◯土井弥一郎委員 今、話を十分聞かせていただきました。ただ、御承知のように景気・雇用特別委員会ができたのは二年前で、たまたま私は前回、副委員長という立場を仰せつかっていろいろな議論をしてまいりました。この委員会をつくったからといって決して二年前と比べてですね、景気がよくなったわけでもない、雇用がふえたわけでもありません。だんだん悪くなっているような気がしますが、いろいろなお話を今聞いておりまして、余りにもこの委員会でですね、大き過ぎる問題が、タイトルとして余りにも大きい問題がここで討議されているのではなかろうかと思うわけですね。そういった意味からいきますと、さっき八記さんがおっしゃったような本当に福岡県に的を絞って、そしてこの地域をどうするかと、それは国の政策の中でのいろいろな問題がここへおりてくるということへのつながりになるかもわかりませんが、まずは福岡県がどうするかということに的を絞ってやっていただきたいなと。余りにも学者がするような難しい話し合いをされている、ここで。二年前から比べてね、決してこう進歩していないような気がするですね。そして、この中に前回の特別委員会に何名の方がおられたかよくわかりませんし、覚えておりませんが、それと同時に商工生活労働常任委員会、この中でやはり議論されることとかなりダブってくると思いますね。その辺の整理を徹していただきたいということを申し添えておきます。
91 ◯一尾
泰嗣委員長 他に何かございませんか。
特にないようですので、本日はこれをもって閉会いたします。ありがとうございました。
午 後 四 時 三 十 八 分 閉 会
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