令和 4年 12月 定例会(第364回)
----------------------------------- 令和4年12月9日(金曜日) 開議第2日
-----------------------------------出席議員 1番 濱口涼子君 2番 槇尾絢子君 3番 桑鶴太朗君 4番 上治堂司君 5番 土森正一君 6番 上田貢太郎君 7番 今城誠司君 8番 金岡佳時君 9番 下村勝幸君 10番 田中 徹君 11番 土居 央君 12番 野町雅樹君 13番 横山文人君 14番 西内隆純君 15番 加藤 漠君 16番 西内 健君 18番 明神健夫君 19番 桑名龍吾君 21番 三石文隆君 23番 西森雅和君 24番 黒岩正好君 25番 依光美代子君 26番 大石 宗君 27番 武石利彦君 28番 田所裕介君 29番 石井 孝君 30番 橋本敏男君 31番 上田周五君 32番 坂本茂雄君 33番 岡田芳秀君 34番 中根佐知君 35番 吉良富彦君 36番 米田 稔君 37番 塚地佐智君欠席議員 17番 弘田兼一君 20番 森田英二君
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 濱田省司君 副知事 井上浩之君 総務部長 徳重 覚君 危機管理部長 中岡誠二君 健康政策部長 家保英隆君 子ども・福祉政策部長 山地 和君
文化生活スポーツ部長 岡村昭一君 産業振興推進部長 沖本健二君 中山間振興・交通部長 中村 剛君 商工労働部長 松岡孝和君 観光振興部長 山脇 深君 農業振興部長 杉村充孝君 林業振興・環境部長 豊永大五君 水産振興部長 松村晃充君 土木部長 荻野宏之君 会計管理者 池上 香君 公営企業局長 笹岡 浩君 教育長 長岡幹泰君 人事委員長 門田純一君
人事委員会事務局長 澤田博睦君 公安委員長 古谷純代君 警察本部長 江口寛章君 代表監査委員 五百藏誠一君 監査委員事務局長 高橋慎一君
-----------------------------------事務局職員出席者 事務局長 山本和弘君 事務局次長 横田 聡君 議事課長 吉岡正勝君 政策調査課長 田渕史剛君 議事課長補佐 杉本健治君 主幹 春井真美君 主査 宮崎由妃君
-----------------------------------議事日程(第2号) 令和4年12月9日午前10時開議第1 第1号 令和4年度高知県一般会計補正予算 第2号 令和4年度高知県
給与等集中管理特別会計補正予算 第3号 令和4年度高知県
会計事務集中管理特別会計補正予算 第4号 令和4年度高知県
土地取得事業特別会計補正予算 第5号 令和4年度高知県
母子父子寡婦福祉資金特別会計補正予算 第6号 令和4年度高知県流通団地及び
工業団地造成事業特別会計補正予算 第7号 令和4年度高知県
流域下水道事業会計補正予算 第8号 令和4年度高知県
電気事業会計補正予算 第9号 令和4年度高知県
工業用水道事業会計補正予算 第10号 令和4年度高知県
病院事業会計補正予算 第11号 高知県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例及び知事等の給与、旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案 第12号 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例議案 第13号 高知県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例議案 第14号 高知県
旅券法関係手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第15号
高知県立都市公園条例の一部を改正する条例議案 第16号 高知県手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第17号 高知県
建築基準法施行条例の一部を改正する条例議案 第18号 高知県が当事者である訴えの提起に関する議案 第19号 高知県が当事者である訴えの提起に関する議案 第20号 令和5年度当せん金付証票の発売総額に関する議案 第21号
高知県立人権啓発センターの指定管理者の指定に関する議案 第22号 高知県立高知公園の指定管理者の指定に関する議案 第23号
高知県立埋蔵文化財センターの指定管理者の指定に関する議案 第24号
高知県立足摺海洋館の指定管理者の指定に関する議案 第25号
高知県立森林研修センター研修館の指定管理者の指定に関する議案 第26号
四国カルスト県立自然公園公園施設の指定管理者の指定に関する議案 第27号 高知県立池公園の指定管理者の指定に関する議案 第28号
高知県立室戸体育館の指定管理者の指定に関する議案 第29号 高知県立甲浦港海岸緑地公園の指定管理者の指定に関する議案 第30号 高知県立手結港海岸緑地公園の指定管理者の指定に関する議案 第31号
高知県立塩見記念青少年プラザの指定管理者の指定に関する議案 第32号 高知県公立大学法人の出資等に係る不要財産の納付の認可に関する議案 第33号 県有財産(土地)の取得に関する議案 第34号 県有財産(土地)の取得に関する議案 第35号 県有財産(土地)の取得に関する議案 第36号 県有財産の出資に関する議案 第37号 県有財産(土地)の処分に関する議案 第38号 県有財産(土地)の処分に関する議案 第39号 県有財産(土地)の処分に関する議案 第40号 国道441号防災・安全交付金(口屋内トンネル(Ⅱ))工事請負契約の締結に関する議案 第41号 国道494
号社会資本整備総合交付金(野瀧トンネル)工事請負契約の締結に関する議案 第42号
和食ダム本体建設工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案 第43号 高知県土地開発公社の解散に関する議案 第44号 高知県公立大学法人定款の変更に関する議案 第45号 高知県公立大学法人に係る中期目標の制定に関する議案第2 一般質問 (3人)
----------------------------------- 午前10時開議
○議長(明神健夫君) これより本日の会議を開きます。
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△諸般の報告
○議長(明神健夫君) 御報告いたします。 議員弘田兼一君から、病気のため、また議員森田英二君から、所用のため本日の会議を欠席したい旨、それぞれ届出がありました。 次に、第12号議案については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき人事委員会に意見を求めてありましたところ、同委員会の勧告の趣旨に沿ったものであり、適当であると判断する旨の回答書が提出されました。その写しをお手元にお配りいたしてありますので御了承願います。 〔人事委員会回答書 巻末237ページに
掲載〕-----------------------------------
△質疑並びに一般質問
○議長(明神健夫君) これより日程に入ります。 日程第1、第1号「令和4年度高知県一般会計補正予算」から第45号「高知県公立大学法人に係る中期目標の制定に関する議案」まで、以上45件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問を併せて行います。 通告がありますので、順次発言を許します。 13番横山文人君。 (13番横山文人君登壇)
◆13番(横山文人君) おはようございます。吾川郡選出の横山文人です。議長のお許しをいただきましたので、自由民主党を代表して質問をいたします。 初めに、知事の政治姿勢についてお聞きいたします。 知事におかれましては、令和元年11月の初当選から3年が過ぎたところであります。当選直後の抱負では、高知を元気にしたい、若い人たちがもっと帰ってくる高知にしたいが政治の原点であるとされ、そのための大きな道筋は前の尾崎県政の中でつけてもらっている、これを継承し、御自身が持たれている得意分野を生かし、さらに発展させていきたいと強い決意を示されるとともに、県庁職員の創意工夫を引き出し、県庁全体のレベルアップを図りたいと濱田カラーを打ち出すことの大切さも述べられております。 また、県人口が70万人を割る時代に知事に就任されたことについては、社会増減をプラス・マイナス・ゼロへ持っていくことが当面の大きな課題との認識から、地場産業とデジタル技術をうまく組み合わせていくことの必要性を示唆し、さらには大阪府副知事時代の経験や人脈を生かした、大阪をはじめとする関西圏との結びつきの強化、すなわち関西・高知経済連携への着手、
南海トラフ地震対策では要支援者の個別避難計画の策定や臨時情報へのきめ細かい対応を行うソフト面の強化など、就任時の抱負として語られております。 そして、共感と前進を県政の基本姿勢に掲げ、こうした決意や抱負を胸に船出された濱田丸を待ち受けていたのは、100年に一度の危機とも言われ、世界中で猛威を振るう
新型コロナウイルス感染症への対応でありました。まさに新型コロナ対策に忙殺された知事1期目と言っても過言ではなく、コロナ禍でダメージを受けた県経済を立て直すという大役が、知事に課せられることとなったわけであります。 こうした逆境とも言える中で、事業の継続と雇用の維持のため、いち早く創設した県独自の無利子融資制度や、
高知観光リカバリーキャンペーンなどの経済対策、また感染拡大防止では検査協力医療機関の導入と公表、高知新港での
県営ワクチン接種会場の開設による職域接種支援など、国、市町村と連携した対策により、本県の社会経済活動は厳しい状況ながらも保たれ、持ち直しの兆しが出てきています。このことは73.7%もの濱田知事の県民満足度に成果として現れているのではないでしょうか。 知事は、今年の年頭所感において、令和3年も
新型コロナウイルス対応に明け暮れた一年だったが、今年は県の社会経済活動を本格的に回復させ、次なる時代の扉を開く節目の一年にしたいとした上で、県勢浮揚を目指し、新しい時代の流れを先取りして政策を進化させたいと決意されております。新しい時代におけるキーワードとは、濱田県政が重点施策として掲げるデジタル化、グリーン化、グローバル化にほかならないわけでありますが、さきに述べてきたように、コロナ禍でダメージを受けた県経済をしっかりと立て直し、ポストコロナの新しい時代を県民と共に歩んでいくためにも、来年は本格的な反転攻勢に打って出る年となることを期待するものであります。 そこで、これまでの御自身の県政運営に対する振り返りと、1期目最終年となる来年に向けた決意について知事にお聞きいたします。 こうした中で、先ほど申しました濱田県政3本の柱であり、新たな時代の成長の原動力であるデジタル化、グリーン化、グローバル化について、1期目最終年となる来年はどのように深化を図っていくのか、県民の関心も高いものと思われます。 知事は、就任直後からデジタル技術を活用した県勢浮揚を目指し、1年目から積極的に予算を投じてきました。令和元年度末に策定された
行政サービスデジタル化推進計画を、コロナ禍を契機としデジタル化が急速に進む中で行政のみならず生活、産業にもウイングを広げ、令和2年度末には
デジタル化推進計画としてバージョンアップ、令和3年度末の改定では、デジタル社会の実現に向けて県民の皆様の御理解をいただくため、生活、産業、行政の3つの切り口で目指す社会像や将来のイメージを示し、その実現に向けた取組を強化しております。 主な取組として、生活、中山間地域の抱える課題への対応では、オンライン診療や遠隔授業の拡大、移動手段や物資の輸送手段の確立など。産業、生産性による産業振興では、
Next次世代型施設園芸農業の推進やスマート林業、
高知マリンイノベーションの推進など。行政、県民サービスの向上等では、行政手続のオンライン化やRPAによる行政事務の自動化などに取り組んできました。 また、グリーン化では、高知県として2050年カーボンニュートラルの実現を宣言し、これを達成するための県民、事業者、行政が一体となった取組を推進すべく、高知県脱
炭素社会推進アクションプランを策定して鋭意進められております。喫緊の課題である気候変動問題と産業振興の両立を目指し、今年1月に行われた地域脱炭素をテーマとした環境省とのオンライン会議において、知事は、全国一の森林県として、吸収源対策や木材利用による都市の脱炭素のほか、紙産業の技術を生かして
プラスチック代替素材の開発など、
グリーン化関連産業を育成したいと抱負を述べております。一方、先日の
産業振興計画フォローアップ委員会では、
グリーン化関連産業への中小・小規模事業者の参画が進んでいないとの指摘もあり、参画企業の裾野の拡大をしっかり図っていくことが肝要だと思われます。 グローバル化におきましては、国内の人口減少が進む中、県経済をさらに拡大させていくためには、これまで以上に海外市場へ積極的に打って出ることの必要性から、近年増加傾向にあるユズや土佐酒、養殖クロマグロといった県産品のさらなる輸出拡大に取り組んでおります。加えて、コロナ収束後を見据え、インバウンド観光も視野に入れておられるかと思います。 今後、ウイズコロナ、アフターコロナという新しい時代を迎えるに当たり、これらの3つキーワードをさらに推し進めていくためには、県民、市町村、県内事業者等から濱田県政の基本姿勢に掲げる共感を得ていくことが求められます。 そこで、これまでのデジタル化、グリーン化、グローバル化の取組の成果と、来年度以降の深化についての決意を知事にお聞きいたします。 12月2日、物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策の裏づけとなる、財政支出の総額が39兆円規模の令和4年度第2次補正予算が成立しました。この新たな総合経済対策の柱は以下の4本で構成されております。 第1に、価格高騰により厳しい状況にある生活者・事業者への支援や、危機に強い経済への転換、また継続的な賃上げの促進と中小企業支援を主眼とした物価高騰・賃上げへの取組。第2に、コロナ禍からの需要回復や輸出拡大など円安を活かした地域の稼ぐ力の回復・強化。第3に、人への投資の抜本強化やイノベーション、スタートアップ、GX、DXなど新しい資本主義の加速。最後に、ウイズコロナ下での感染症対応の強化や防災・減災、国土強靱化など国民の安心・安全の確保であります。 自然災害が激甚化、頻発化する中で、本県の安心・安全のためのインフラ整備を進めることは喫緊の課題であることに加え、コロナ禍の中、地域経済を下支えしてきた公共事業予算の確保は大変重要かつありがたいものだと感じております。こうした総合経済対策における4本柱には、物価高対策をはじめとする生活者支援、事業者支援など目下の対策と、新しい資本主義への中長期的な取組が組み合わされており、本県としても来年度当初予算と合わせ、しっかり取り組んでいかなければなりません。 そこで、このたびの国の総合経済対策への評価と、本県の物価高対策にどのように取り組むのか、あわせて経済対策の4本柱をどのように短期的、中長期的に県勢浮揚へつなげていくのか、知事にお聞きいたします。 現在、濱田県政1期目の最終年度における当初予算案の編成が行われております。さきに示された令和5年度予算編成方針のポイントは、取組の3本柱であるデジタル化、グリーン化、グローバル化の推進と原油価格・物価高騰対策の強化、
南海トラフ地震対策、防災・減災対策などのインフラ整備の推進、県勢浮揚と県財政の持続可能性の両立であります。 この予算編成方針が通知され、11月中旬には予算見積書提出、12月上旬には当初予算見積概要の公表、年明け1月には知事査定へと入っていくわけでありますが、その年の県政運営の方向性を打ち出す当初予算について、濱田県政のこれまでを振り返ってみますと、当選直後の令和2年度は前県政を継承しつつも計画すべきことはするとした仕込みの一年をイメージされ、思いがけずコロナ対応に明け暮れた守勢の年となりましたが、令和3年度は仕込んできた施策を実行に移し、成果につなげる攻めに転じる一年、令和4年度はコロナ後への成長を見据え、大きな時代の流れと新しい時代のニーズを踏まえたコロナ後への布石の一年と言えるのではないでしょうか。 令和4年度当初予算案は前年度比186億円増となる4,821億円で積極型の予算編成が続いている中でも、国の「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」や「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」など、有利な財源の確保と最大限の活用、またコロナ禍に苦しむ事業者への支援を積極的に講じる中で、後年度負担の大幅な膨らみが懸念されていた県独自の実質無利子・無担保融資に関わる負担軽減に、国の
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を充当できるように提言した上で、本県には人口1人当たり全国3位の交付を受けるなど、コロナ対応への経費と将来につながる投資的経費の確保、財政調整的基金の確保を図りながら、安定的な財政運営に一定の見通しが立てられております。 新県政の初めは、独自色を打ち出すインパクトやスピード感に欠ける印象もあると評されてきましたが、長く中央官僚を務められた知事として、国とうまく連携したコロナ対応の成果や、デジタル化、グリーン化など時代を先取りした取組、また県民座談会「濱田が参りました」で県内市町村を回ることにより拾い上げた現場の声などを生かし、これまで仕込みの一年、攻めに転じる一年、コロナ後の布石の一年とつなげてきた濱田県政の1期目の最終年となる令和5年度当初予算案は、濱田カラーをしっかりと打ち出し、ウイズコロナ、アフターコロナの県政の扉を開くものと期待しております。 そこで、ウイズコロナを踏まえ、令和5年度当初予算編成について注力する点など、知事の御所見をお聞きいたします。 次に、中山間対策についてお聞きいたします。 昨年度、10年ぶりとなる集落実態調査が行われました。この調査によれば、人口減少、高齢化が進む中、コミュニティー機能の低下や担い手の不足、産業の低迷等により集落全体の活力が衰退していることが県内全域の小規模集落を対象としたアンケートで浮き彫りとなるなど、厳しい現状に対して新たな対策や支援の必要性が明白になりました。 これまで本県は、中山間こそ高知の強みの源泉であることから、他県に比して品質や生産性などが比較優位にある1次産業中心の産業成長戦略と、地域地域の強みや特性を生かす
地域アクションプラン、地域の活性化や生活機能の維持を図る住民主体の拠点である集落活動センターの中山間に係る3層構造をもって対策を講じてきました。 こうした中で、住民と県、市町村を挙げての取組により、高知市、南国市、香南市を除く中山間地域のGDP成長率は、平成13年度から平成20年度までの産業振興計画の実施前は名目でマイナス成長だったものが、平成23年度から令和元年度までの直近の数値ではプラス成長に転じることとなりました。さらに、中山間対策の拠点となる集落活動センターの設置数も32市町村、65か所へと広がり、その取組に満足しているとしたのは集落実態調査では75.2%と、中山間活性化の中心的な役割を果たしております。また、野生鳥獣被害対策や移動販売車への支援など生活用品の確保、担い手としての移住者数も令和3年度は過去最高の1,167組となり、5年連続で県内の全市町村で移住が進むなど、各施策の成果はしっかりと積み上がってきております。 しかしながら、このたびの集落実態調査で改めて浮き彫りとなったことは、少子高齢化、人口減少が厳しさを増す中山間地域にありながら、生まれ育った地域に住み続けたいと願う県民の皆様の切なる願いであります。知事は庁内の会議などで、施策が中山間振興にどのようにつながるか意識するようにと話しており、その思い入れは強いと存じております。 私も先日いの町の山間部に出向いた際、地区の夏祭りや敬老会など、にぎやかにしていたイベント、行事がコロナ禍で中止することとなったが、来年はお伺いできるといいですねと尋ねたところ、地元の方から、コロナが落ち着いたとしても、高齢化、人手不足で再開できるか分からない、敬老者が敬老会を開く状況になってきているとの切実な声もお聞きしたところであります。 人口減少率や財政力に基づいて支援する過疎地域の自治体が、令和4年度に全国市町村の半数を超すことが分かりました。国はこれまで地方創生を進めてきましたが残した課題は多く、中山間地域の窮状に対し、改めて直視する必要があるのではないでしょうか。これまで中山間対策を懸命に進めてきた本県の知事として、コロナ禍からの回復と反転攻勢を期す中、改めて中山間振興なくして県勢浮揚なしの決意を県民に示し、新たな中山間対策のグランドデザインを描くことが必要だと考えるところであります。 知事も提案説明で、中山間地域の再興に向けたビジョンづくりを進めると述べられましたが、本県を支える中山間地域の方々が諦めや不安に陥ることなく、今後も誇りと希望を持って地域に住み続けていくことができるよう、県がどういう中山間地域の姿を目指し、いつまでに何を行うのかといった将来像や方向性を明確に示していくことが重要だと考えますが、知事の思いをお伺いいたします。 また、中山間における地域や産業の担い手不足は顕著であり、そうした人材の確保が大きな課題と考えますが、今後どのようにして中山間地域の担い手を確保していくのか、中山間振興・交通部長にお聞きします。 次に、
新型コロナウイルス感染症対策についてお聞きいたします。 長引くコロナ禍の中、第8波への対応と社会経済活動の両立、いわゆるウイズコロナの出口戦略の策定が求められております。本県でも過日開催された
新型コロナウイルス感染症対策本部会議において、第8波への備えとして政府の
新型コロナウイルス感染症対策分科会がまとめた新たな対策強化宣言などの対応方針を取り入れることを確認、同時に既に第8波の入り口に差しかかっているとの認識も示されました。県としては、医療危機に陥らないよう先手先手の対策を講じながら、自粛要請の場合でもワクチン・検査パッケージ等を活用し、社会経済活動をストップさせないのが重要であると強調しています。 国としても、いよいよ感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律上の分類を2類から5類へ引き下げる議論を本格的に始める方針であり、年内には新型コロナの法的位置づけの見直し作業に着手、結論は年明け以降になる見込みとされており、オンライン診療の普及や検査キットの確保などと同様に、経口抗
ウイルス薬ゾコーバの緊急承認など、分類引下げに向けた環境整備が進められています。 さて、その
新型コロナ経口薬ゾコーバですが、初の国産ということもあり、国民からの注目はもちろんのこと、海外での先行薬に比べ小さめなので高齢者にも適していて、多くの医療機関から供給依頼があるかと存じます。厚生労働省は100万人分を購入する契約を塩野義製薬と締結していて、11月22日の承認から2週間程度は安全対策として、薬が働く仕組みが同じであるファイザー社が開発した飲み
薬パキロビッドパックの処方実績のある、約2,900の医療機関や約2,000の薬局などへ11月28日から本格的に供給を始め、順次拡大していく予定だとしています。 それに沿って、高知県でも医療機関、薬局の選定が始まっているかと思われますが、速やかな登録申請のため早めに県に問合せをした方からは、いま一つ理解できないとのお声もありました。ゾコーバは当面一般流通を行わず、扱いに関して関係者にはいち早く周知徹底するべきであり、県としては12月2日に配分に関する国の通知をホームページに公開されたようですが、問合せを想定した事前配慮として、もっと分かりやすい取扱説明や留意点などを作成される必要があったのではないでしょうか。また、幾つかの県では登録医療機関等の一覧が閲覧できるようですが、高知県ではいまだリストは存在しません。 今後は、県独自の対応医療機関、対応薬局のリストを随時更新してホームページに載せるなど、ゾコーバに関する県民への積極的な情報発信と、医療機関等への丁寧な説明を心がけていただくことを要請いたします。 もうすぐ2週間程度が経過し、要件が緩和され、登録申請も増えることかと思われます。広島県などでは既にゾコーバ対応薬局が登録上限数を超えたため、募集を停止されています。対応医療機関の選定数に関しては、厚生労働省から目安の基準が示されているようです。 そこで、現段階で県内で取り扱える医療機関及び薬局は何か所あるのか、また薬の確保に関してどのような考えをお持ちなのか、健康政策部長に併せてお聞きします。 ゾコーバは、発症から3日以内に服用しないと効果が乏しくなるということですが、処方には患者の同意書が必要であり、薬の対象となる軽症の自宅療養者に対して、より早く薬を届ける体制を整えることも重要になってまいります。 そこで、こういった問題点に対して、県として何か解決策は考えられているのか、健康政策部長にお聞きします。 特効薬ではないにしても、第8波への不安に対して期待される新薬です。県民の皆様に安定供給がなされるよう、万全を期すことをお願い申し上げます。 次に、経済の活性化についてお聞きいたします。 まず、関西圏との経済連携の強化についてお聞きします。関西圏との経済連携の強化については、関西戦略をウイズコロナ、アフターコロナにおける本県経済の起爆剤とするべく、9月に関西圏における外商の抜本的な強化策を打ち出され、アンテナショップの設置をはじめとする外商強化の取組を進められております。このアンテナショップに関しましては、本県の食文化や観光などの魅力を関西のより多くの方々にPRし、県産品の販売拡大や観光誘客につなげるため、設置場所が大変重要になってくると考えます。今回、執行部から説明のあった梅田の商業施設は、大阪・関西万博などに向けて大規模な再開発が進み、経済活力が高まっている大阪の中心部にあることから、私も大いに期待しているところです。 知事から提案説明において、アンテナショップのコンセプトや機能を含めた基本計画の作成を進めているとの御説明をいただきました。そうした中、先月に開催された関西・高知経済連携強化アドバイザー会議では、アンテナショップの設置目的を明確化しコンセプトをしっかりと定めることが重要との意見が出されたと伺っております。梅田に新設するアンテナショップを、高知らしさにあふれ、東京とは違った、関西の皆さんに受け入れられる店舗とするためには、その根幹となるコンセプトが大変重要になるものと考えます。 そこで、新設するアンテナショップについて、コンセプトづくりを含め、開設に向けた知事の決意をお伺いいたします。 また、アンテナショップを多くの方々に利用していただくためには、プロモーションの強化も重要な取組であると考えます。今年度は、6月の大阪での記者発表会に加え、11月には県内市町村長や酒造組合と連携して、関西のメディアに対する県産品や本県観光のPRを実施するなど、知事御自身が積極的にプロモーションを展開されています。さらに、県産品の販売拡大に向けたプロモーションのさらなる強化に向けて、著名人を活用したPR事業などに取り組まれています。アンテナショップの開設に向けては、こうした本県の認知度向上の取組を継続して展開していくことが必要であると考えます。 そこで、関西におけるプロモーションの取組の現状と今後の展望について産業振興推進部長にお聞きします。 先月2日、第2回
産業振興計画フォローアップ委員会が開かれ、第4期計画3年目に向けた各産業分野の令和4年度上半期の進捗状況及び専門部会報告、令和5年度の取組の強化の方向性が説明されたところであります。この産業振興計画では、官民協働、市町村との連携・協調を基本姿勢に進め、十分な質と規模感を当てることにより、これまで県経済の活性化を図ってまいりました。一方、長引くコロナ禍やウクライナ情勢の影響、原油価格や物価の高騰により進捗状況に停滞が見られるものもあり、このたびのバージョンアップにより、いち早く回復、反転攻勢の本格化を図っていかなければなりません。 本県は、コロナ禍の中、フェーズ1には事業の継続と雇用の維持、フェーズ2の段階では経済活動の回復、現在のフェーズ3の段階では社会・経済構造変化への対応と、各フェーズに合わせた支援策、経済の活性化策を講じてきました。産業振興計画を桑名龍吾県議のように飛行機に例えるならば、これまでに離陸するための滑走路を敷き、フライトを促していく作業を終え、これからはその滑走路に新しい技術や航路を開拓し、飛行機をより高く、より遠く、多くの場所に飛び立たせる作業に入ったと言えるのではないでしょうか。 濱田県政の産業振興計画は、ポストコロナの新たな時代の扉を開くための計画であり、そのためには、これまで地産外商を推し進め県経済を好循環に乗せてきた産業振興計画のさらなる強化を期待するものであります。 そこで、これまでの産業振興計画の成果と見えてきた課題を踏まえ、どのようにバージョンアップに取り組み県勢浮揚を図るのか、具体策について産業振興推進部長にお聞きします。 コロナ禍をはじめ国際的な資源価格の高騰、ウクライナ危機などが合わさり、あらゆる事業者における環境変化はこの2年余り目まぐるしいものがあります。こうした中、本県は、県独自の無利子融資制度の創設を皮切りに、事業継続、雇用維持のための県独自の給付金や新事業チャレンジ支援事業費補助金など、積極的に事業者支援を講じてきました。 その際、小規模事業者が約9割を占める本県において、県や市町村と連携し、事業者に寄り添いながら共に経営危機を乗り越えんと、経営環境変化への支援策を全力で展開してきたのは県内の商工会、商工会議所にほかなりません。地元企業が集まる商工会、商工会議所であるからこそ、地域経済の実態に即した声を行政に届けることが可能であります。また、商工会、商工会議所には、次代の本県の経済を担う若手の集いである青年部も、コロナ禍にありながら様々な工夫と助け合いにより、未来に向けた活動を積極的に展開しており、今後ますますの活躍を、同じ世代に生きる者として大いに期待を申し上げるところであります。 そこで、これまでの商工会、商工会議所と連携したコロナ対応の成果について商工労働部長にお聞きします。また、ウイズコロナ、アフターコロナに向けた商工会、商工会議所との連携や、事業者への支援力の向上にどのように取り組んでいくのか、併せてお聞きします。 ウクライナ危機やコロナ禍を契機として、食料安全保障の重要性が高まっております。JA全中が提唱する国民が必要として消費する食料はできるだけ自国で生産するという国消国産のメッセージは、10年後の日本農業のあるべき姿を見据えた考え方でありますが、他方、日本の農業の現実は厳しく、農業の国際化の進展により食料の多くを輸入に依存しており、食料自給率がさらに低下する可能性が危惧されております。 直近の問題として、コロナ禍による物流等の混乱に加えて、ウクライナ危機の影響、急激な円安等により、燃油、肥料、配合飼料といった生産資材等の急激な高騰があり、県もこれらの課題に6月、9月、そして今議会の補正予算をもって対策を講じてきましたが、国産農畜産物は市場の需給で価格が形成され、コストが最終価格に反映される仕組みにはなっていないため、生産資材価格が高騰を続ける中、農産物への価格転嫁はできておらず、食料安全保障の担い手である農家の経営は大変厳しいものにあるとお聞きします。 これらの問題は個々の生産者の経営努力で解決できるものではなく、放置すれば営農を継続できない生産者が増え、担い手不足や過疎化の進展につながり、食料安全保障上の問題に発展するおそれもあります。 先日、地元いの町のショウガ部会の皆さんと意見交換をした際にも、コロナ禍の影響をはじめ市場価格の急激な値下がりにより、今年の経営は大変苛酷であるとの悲痛なお声をお聞きしました。現在、いの町では北浦地区灌漑対策事業により、山の上の産地に農業用水を引き、生産性の向上と若者が農業を続けられる環境整備がなされており、地元では大変ありがたく感謝しているところであります。しかしながら、営農を続けていく以上は、しっかり稼げる農業でないと続いていかない、ひいては離農につながるのではないかと危惧しています。 こうした観点から、JAグループが推進する国消国産キャンペーンについて、さきに述べました国全体の食料安全保障の問題と同時に、県内における離農防止、営農継続のために県としても積極的に支援していくべきと考えます。 そこで、JAグループが行う国消国産キャンペーンの推進と、生産コストの転嫁など適正な価格形成の実現に向けどう取り組むのか、農業振興部長にお聞きします。 次に、日本一の健康長寿県構想についてお聞きいたします。 本構想におきましては、平成22年2月に日本一の健康長寿県構想を策定し、保健・医療・福祉の各分野の課題解決に真正面から取り組み、それぞれの分野で一定の成果が現れております。現在の第4期構想では、より骨太に、かつ挑戦的に対策を講じていくため、健康寿命の延伸に向けた意識醸成と行動変容の促進、地域で支え合う医療・介護・福祉サービス提供体制の確立とネットワークの強化、子どもたちを守り育てる環境づくりという3つの柱を設定し、目指す姿である「県民の誰もが住み慣れた地域で、健やかで心豊かに安心して暮らし続けることのできる高知県」の実現に向け取組を進めております。 今年3月には、これまでの成果と課題を検証した上で3つの柱から成る各施策をさらに充実強化させ、バージョン3へと改定したところでありますが、来年3月にも同構想のバージョンアップを図ることと思います。これに臨むに当たり、濱田県政が注力するデジタル技術の活用をはじめ、私も今年の2月県議会において質問をさせていただきましたが、中山間地域で暮らす発達障害を持つ子供たちへの通所支援など、中山間地域で暮らし続けることができる対策の強化へ鋭意取り組んでいただきたいと願います。 そこで、第4期日本一の健康長寿県構想のバージョンアップにより、どのように県民福祉の向上を図るのか、具体策について健康政策部長並びに子ども・福祉政策部長にお聞きします。 本県は日本一の健康長寿県構想の中で、栄養、身体運動、社会参加の3つの柱によって健康寿命を延ばす取組であるフレイル予防を推進しておりますが、とりわけ令和元年6月に県内初の取組として始まった仁淀川町での取組が先進的であります。フレイルの概念等を理解することから始まった同町の活動は、みんなで知恵を出し、みんなで汗をかき、みんなで振り返る住民主体の活動であるハツラッツの取組により、もう一度元気になろう、そして住み慣れた地域に戻り、暮らし続けようという前向きな考えの下、活動が展開されております。 こうした活動により、老いに立ち向かう自信を獲得するとともに、町自体もフレイル予防できるという気概が醸成されつつあります。知事も同町のフレイルサポーターによる表敬訪問やシンポジウムでの記念講演、また「濱田が参りました」で現場を視察するなど、大いに賛意を示していただいたところであります。 先日、名古屋大学の葛谷雅文名誉教授を委員長とする、フレイル予防啓発に関する有識者委員会から発表されました、フレイル予防のポピュレーションアプローチに関する声明と提言では、フレイル予防推進会議の設置が提言されました。濱田知事は、住民主体によるフレイル予防活動が日本の未来を先取りしているとも言える取組にまで発展している県の知事として、産業主体での取組が進む神奈川県の黒岩知事と2人で、同会議の発起人に名を連ねることとなったとお聞きしています。このことは、住み慣れたこの町で暮らし続けたい、子や孫の世代につなぎたいという思いから始まった仁淀川町の活動に勇気を与えるものであり、私からも感謝を申し上げます。 私は、今こそ、全国に先駆けて少子高齢化が先行してきた本県だからこそ、本提言に真正面から取り組むことが必要ではないか、本県の成功は、やがて日本の成功につながる手本となるのではないかと感じております。 そこで、フレイル予防推進会議に向けた準備会議の発起人としての意気込みと、本県のフレイル予防の対応からまちづくりの取組への展開について、特に仁淀川町のような住民主体の取組への支援の充実と加速化をどのように進めていくのか、知事にお聞きいたします。 次に、少子化対策と厳しい環境にある子供たちへの支援についてお聞きいたします。 初めに、依然危機的な状況が続いている少子化問題についてお聞きします。来年4月、子供政策の司令塔としてこども家庭庁が創設され、内閣府、文部科学省、厚生労働省等に分かれていた子供に関する政策が一元的に行われることとなります。我が国がコロナの次に乗り越えなければならない壁は少子化という壁であり、このたびの補正予算案でも国の総合経済対策の出産に対する支援への対応も組まれておりますが、場当たり的な対応にとどまらず、国はこのたびのこども家庭庁創設を契機とし、子供政策に関する予算の拡充と恒久化を図り、持続可能な少子化対策、子供政策として危機克服のための改革に全力で取り組んでいかなければなりません。県としても国との連携を一層深め、子供政策の充実強化を図っていくことが求められます。 そこで、新たに設置されるこども家庭庁へ期待することと、本県の少子化対策とどのように連携を図るのか、子ども・福祉政策部長の御所見をお聞きします。 厚生労働省が公表した人口動態統計速報によりますと、令和4年の出生数は初めて80万人を割る可能性が出てまいりました。また、昨年は新型コロナの影響もあってか、婚姻件数が50.1万組と戦後最低水準を記録しています。これはコロナが収まれば元に戻るというような楽観的なものではなく、現代の若者の結婚観や家族に対する思想の変化に起因している部分もあり、そこにコロナが追い打ちをかけ、経済問題や行動制限による出会いの機会喪失など複合的な暗雲が立ち込め、さらに結婚・出産意欲の低下を招いているといった結果ではないでしょうか。 今年5月の地元紙には、従来方式ではありますが、本県女性の未婚率が日本一だという見出しも躍りました。国立社会保障・人口問題研究所の2021年出生動向基本調査によると、前回よりかなり減少していますが、未婚者のうちで、いずれ結婚するつもりと回答された方の割合が80%を超えているのも事実であり、今こそ前例主義でない大胆な少子化対策を打ち出していく局面に来ていると確信しています。 また、結婚はあくまで自由意思であり、マッチングなどに抵抗のある方ももちろんおられるとは思います。今の時代、出会いの敷居が低くないと次のステップには到底結びつかないものの、うまくいかなかったときの恐怖心で動けないゼロリスク志向と言われている、若い世代の背中を少し押してあげる施策も必要ではないかと思うところであります。 そこで、こうち出会いサポートセンターにおける取組の効果的な周知方法について子ども・福祉政策部長にお聞きします。また、婚活には抵抗感を持つ若者に対し、今後どのように出会いの支援を行っていくのか、併せてお聞きします。 少子化対策と並び、厳しい環境にある子供たちへの支援も急務であります。令和3年度の全国の小中学校における30日以上欠席した児童生徒の数は24万4,940人となり、前年度の24.9%増加、この急増の背景にはコロナ禍の影響で子供たちの意欲が低下していることなどがうかがえるとのことであります。 本県におきましても1,508人と前年度から270人増、1,000人当たりの人数も6.0ポイント増の31.2人と、前年度に続いて全国最高となっており、大変厳しい状況が続いております。県としてもこうした不登校対策への支援は積極的に行っておりますが、ウイズコロナを踏まえた実効性のある対応は急務であります。 県は今年6月、深刻な不登校対策について、教育次長をトップとする各課横断型の対策プロジェクトチームを立ち上げ、全国平均並みにまで下げる施策を検討することとしておりますが、そこで不登校対策プロジェクトチームの成果と今後の取組について教育長にお聞きいたします。 次に、教育の充実についてお聞きいたします。 県では、第3期高知県教育振興基本計画に基づき、コロナ禍にあっても子供たちが安心・安全の学校生活を送り、調和の取れた知・徳・体の生きる力を身につけることができるよう取組を進めております。そうした中で、令和4年度全国学力・学習状況調査結果では、小学校では国語、算数ともに全国平均を上回り、理科では全国平均との差を縮めるなどの成果が現れたものの、中学校では近づきつつあった全国平均との差が開くなどの結果が出ております。 こうした結果を受け、県教委ではPDCAサイクルの徹底と授業改善に取り組んでいるとのことですが、現在行っている県版の学力調査により定着状況を確認、分析し、さらなる対策を検討することが説明されました。子供の成長にとって学力向上が全てではありませんが、県と市町村の教育委員会が連携し、目標を掲げ取り組むことにより、子供たちの将来の可能性を広げていくという意味でチャレンジを続けていってもらいたいと感じています。 そこで、全国学力・学習状況調査が実施されている中で、本県の学力向上に向けた県版学力定着状況調査の意義について教育長にお聞きいたします。また、県版学力定着状況調査をどのように生かしていくのか、併せてお聞きいたします。 そして、学力向上に向けた取組と同時に重要なのが、地理的条件や学校規模に影響されない充実した教育環境の実現であります。どの地域に住んでいても、就職から進学まで子供たちの希望がかなえられる教育の充実、すなわち現在県が取り組む中山間地域の小規模校の活性化の取組である、県立高等学校再編振興計画のさらなる推進であります。遠隔授業や学校ごとでの魅力化の取組など、計画に基づいて進められておりますが、私の地元の高知追手前高等学校吾北分校では、入学者数が令和2年度10名、令和3年度7名、令和4年度12名となっており、今後も生徒数の増加はなかなか厳しい状況にあります。その他、中村高等学校西土佐分校や郡部の高校も生徒数の減少に地元は危機感を抱いていることと感じております。 しかしながら、再編振興計画で取り組む地元の学校の存続は中山間地域の活性化にも大きく関係することから、中山間振興の観点からもしっかり取り組んでいかなければなりません。加えて、移住者が移住先に求める重要な環境である教育の確保にも影響してまいります。 そこで、県内の中山間地域における小規模高校の存続に向けた活性化について教育長にお聞きいたします。また、生徒数の確保の取組をどう図るのか、併せてお聞きいたします。 この項最後に、日高特別支援学校寄宿舎の老朽化対策についてお聞きします。日高特別支援学校は、寄宿舎が南棟、北棟、西棟の3棟建設されており、遠方から通うなど、それぞれ御家庭の事情による児童生徒の宿舎として利用され、障害を持つ子供たちの健やかな成長を支えております。 一方、南棟と北棟は築50年以上が経過し、老朽化が激しく、また立地の関係から湿気がたまりやすく、床下の通気は遮断され換気ができない状態にあるほか、シロアリの大量発生や梅雨時期はカビ臭さが蔓延するなど、建物の劣化とともに児童生徒や教職員の衛生面に著しく悪影響を及ぼしており、事実、せきなどの健康被害を訴える児童生徒もおられたとのことであります。また、建設当時の慣習により、個室ではなく3人から4人の大部屋で寄宿しているため、子供たちのプライベートや、自立に向けた寄宿舎での教育が行えない状態にあります。 こうした課題を保護者や関係者よりお聞きしたことから、去る9月20日、桑鶴太朗県議と日高特別支援学校の寄宿舎を視察し、さきに述べた状態であることを確認するとともに、校長をはじめ学校関係者から厳しい現状にあることについてヒアリングを行ったところであります。 本県は、県立学校施設の長寿命化計画を策定し、築40年を経過している施設について順次老朽化対策を講じることとしておりますが、県財政に過度な負担がかからないよう、施設当たりのトータルコストの縮減を図りながら、学校単位で長寿命化改修または改築、そのどちらも実施しない等の方向づけを行うこととしております。 当然、県財政への過度な負担は避けなければなりませんが、私はこのたびの視察やヒアリングを通じて、以下の3点により最適な形での事業の実施を求めるものであります。第1に、障害を持ち、心身が丈夫でない児童生徒の多い特別支援学校の寄宿舎である以上、決して健康被害が出ないよう衛生面を考慮した立地にすること、第2に、特別支援学校の目的である児童生徒の自立に向けた教育が行えるよう、個室の確保を図ること、第3に、障害を持つ児童生徒が増加している近年、手狭となってきた駐車場の確保など、寄宿舎だけでなく学校の将来に寄与する計画であることであります。 これらを踏まえ、施設のトータルコストは考慮しながらも、障害を持つ児童生徒の安心・安全の確保、カビの発生を防ぐため週末は全ての畳を上げているという寄宿舎指導員の負担軽減、何よりこれからの子供たちの未来に資するものであるべく、しっかりとした老朽化対策、すなわち寄宿舎の改築が進められるべきものと考えます。先日、保護者一同から提出された要望書でも、改築に向けての切なる願いが込められており、県としてもその思いを重く受け止めていただきたいと存じます。 そこで、現在日高特別支援学校の寄宿舎における長寿命化改修事業についてどのような検討がされているのか、教育長にお聞きいたします。 最後に、防災・減災、国土強靱化についてお聞きいたします。 近年、激甚化、頻発化する自然災害に備えるため、現在国が取り組む防災・減災、国土強靱化策のさらなる推進が求められております。5か年加速化対策の道路関係では、災害に強い道路ネットワーク等を構築するため高規格道路の整備や老朽化対策などが新たな施策として盛り込まれ、ミッシングリンクの解消などに向け整備が推進されています。 この5か年加速化対策は、おおむね15兆円程度とされている事業規模に対し、3年間で約9.6兆円が措置されることとなり、現在折り返し地点を迎えています。我々高知県議会自民党道路調査会は、全国規模の組織である道路財源確保を求める都道府県議会議員の会での活動を通じ、自民党本部をはじめ国土交通省や財務省に対し、地方の実情も踏まえながら5か年加速化対策を力強く推進するため、必要な予算、財源を別枠で安定的に確保することや、5か年加速化対策後も予算、財源を通常予算とは別枠で確保し、継続的に取り組むことを強く訴えております。 本県としても、四国8の字ネットワークや国道33号などの整備をより一層推進する意味でも、5か年加速化対策後も継続的な取組が必要と考えますが、知事の御所見をお聞きいたします。 また、現在土木資材で3割高騰と言われるように、公共事業においても資材単価などが高騰しております。このことは、5か年加速化対策で予算は増えているとはいえ、物価高騰により同じ発注金額でも従来と比べ工事の出来高が減り、整備の進捗が伸び悩むことを意味します。 先ほどポスト5か年の予算確保について質問をいたしましたが、公共工事も物価高騰の影響を受ける中、インフラの整備を着実に進める取組と、県内建設業者の健全な育成・確保のため、適正な利潤の確保を図っていかなければなりません。これには、工期の短縮による経費の削減や、施工の過程で無駄を省き効率化を図ることなど受発注者間での取組が必要であり、建設産業における担い手不足や物価高騰の中、官民が連携しウィン・ウィンの関係を構築していくことが、本県の安心・安全のためのインフラ整備の着実な推進に寄与するものと考えます。 そこで、公共事業における物価高騰の現状と対策、また工期短縮や現場作業と施工管理の効率化などにどう取り組むのか、土木部長にお聞きしまして、私の第1問といたします。 (知事濱田省司君登壇)
◎知事(濱田省司君) 横山議員の御質問にお答えをいたします。 まず、これまでの県政運営の振り返りと来年に向けた決意についてお尋ねがございました。 知事に就任いたしましてからの県政運営を改めて振り返りますと、やはり
新型コロナウイルス感染症への対応に最優先で取り組んだ3年間であったと感じております。この間、特に感染拡大期には日々感染状況と医療の逼迫度合いを見ながら、迅速に対策を講じますとともに、社会経済活動との両立に向けまして、時に悩みながらも全力で対応してまいりました。あわせて、必要に応じて補正予算を編成いたしまして、経済対策をタイムリーに講じてまいったところであります。 一方、コロナ禍によります様々な制約がありながらも、5つの基本政策などに基づきます取組を絶えず進化させ、県勢浮揚に向けた挑戦を続けてまいりました。その結果、新たに打ち出した関西との経済連携の強化におきましては、大阪観光局と連携をいたしました観光客の誘客や、大阪市梅田へのアンテナショップ設置といった施策が着実に前進をしてまいっております。 さらに、世界的な脱炭素化の動きを県経済の活性化につなげるべく、脱
炭素社会推進アクションプランを策定いたしまして、経済と環境の好循環の実現に向けた取組を開始いたしました。このほか、糖尿病性腎症対策や
南海トラフ地震対策に備えました受援体制の整備なども進みまして、一定の手応えを感じているところであります。 また、県政運営の基本姿勢であります共感と前進の実現に向けて、県民座談会「濱田が参りました」と称しまして全市町村を訪問し、多くの県民の皆さんにお会いをしてまいりました。地域で創意工夫を凝らし頑張っておられる皆様から、私自身大きな力をいただきますとともに、現場の声を県政に反映し、空き家対策の抜本強化などに取り組んできたところであります。 このように、これまでの県政運営を通じまして、コロナ禍であっても様々な取組を前に進めることができたと感じております。しかしながら、いずれもまだ道半ばでありまして、当初想定していた成果には至っていないものもございます。このため、1期目の最終年となります来年は徹底して成果にこだわり、その成果を県民の皆さんの目に見える形でお示しをしたいというふうに考えております。 その上で、先々の県政も見据えながら、知事就任以降の取組をもう一段高いステージに引き上げ、未来への弾みとしてまいります。現下のコロナ禍や物価高騰による影響の克服と、元気で豊かな高知県の実現を目指しまして、県民の皆さんと共に残り1年を全力で駆け抜けてまいる決意であります。 次に、これまでのデジタル化、グリーン化、グローバル化の取組の成果と来年度以降の深化の決意についてお尋ねがございました。 県勢の浮揚に向けましては、社会や経済の変化を捉えまして、施策を絶えず進化させていくということが重要だと考えております。このため、アフターコロナ時代の成長の原動力となりますデジタル化、グリーン化、グローバル化という3つの潮流を先取りし、施策のバージョンアップを図ってまいりました。 その結果、各産業分野におきましてデジタル技術の導入が加速をしております。農業分野では、データ集積とAIを活用した生産性向上の基盤となりますIoPクラウドが本格的に動き出しました。さらに、医療・福祉分野におきますオンライン診療、行政分野におきます電子申請が拡大をするなど、県民の皆さんの負担軽減、そして利便性の向上に向けた取組が着実に前進をしてまいっております。 また、世界的な脱炭素化の流れの中で、本県の豊かな自然資源を生かしまして、新たな産業の芽の創出につなげる取組もスタートをいたしました。加えて、コロナ禍にありましても県産品の輸出額は着実に伸びてきておりまして、インバウンド観光客も回復に向かいつつあるという状況にあります。 来年度以降は、こうした成果を多くの県民の皆さん、そして事業者の方々に実感をしていただくことに加えまして、取組の裾野をさらに広げてまいりたいと考えております。 具体的に申しますと、まずデジタル化におきましては、生活、産業、行政それぞれの分野で課題解決に向けたデジタル実装の加速化を図ります。具体的には、マイナンバーカードを活用いたしましたバス乗降改札システムの実証に取り組みますほか、ドローンやレーザーなどの新技術を活用しましたインフラ点検を拡大したいと考えております。加えまして、行政分野におきましてもペーパーレス化、抜本的な業務改善を通じて、場所や紙にとらわれない県庁のワークスタイル改革を進めてまいることによりまして、職員の創造性の発揮、効率的な業務執行につなげたいというふうに考えております。 次に、グリーン化におきましては、経済と環境の好循環の実現に向けた各プロジェクトの取組を強化してまいります。具体的には、和紙の技術を活用いたしました農業用のマルチシートの開発につきまして、紙産業技術センターなどの公設試験研究機関を中心に積極的に支援を進めます。また、環境負荷の低減に資する製品などの開発を対象といたしました補助制度を拡充するということなどを通じまして、より多くの事業者に、これに参画をしていただくということを目指してまいります。 グローバル化の分野では、さらなる輸出拡大に向けまして、海外展開に取り組む事業者の掘り起こしなどに取り組みます。あわせまして、インバウンド観光客の誘致拡大を目指して、台湾と高知龍馬空港を結ぶチャーター便の早期の就航を目指しますほか、国際線ターミナルの整備に向けた検討を再開いたします。 こうした新たな方向性を持って、3つの潮流を先取りした施策を一層深化させまして、より元気で豊かな高知県の実現に向けた道筋を切り開いてまいりたいと考えております。 次に、国の総合経済対策についての評価と本県の物価高騰対策、また経済対策の4本柱を踏まえた短期的、中長期的な施策の展開についてお尋ねがございました。 今回の総合経済対策は、物価高騰といった足元の難局を乗り越えまして、日本経済を持続可能で一段高い成長経路に乗せていくということを目指したものだと受け止めております。この中には、本県や全国知事会から提言を行ってきた内容も数多く反映をされておりまして、高く評価をいたしたいと考えております。 本県におきましても、議員のお話にもございました経済対策の4本柱に基づきます国の政策展開を県勢浮揚の追い風といたしまして、各施策を一層強化してまいりたいと考えております。 まず、短期的には、国の経済対策を踏まえて、今議会に提案をいたしております補正予算におきまして、原油価格・物価高騰によります影響の緩和を図るための対策などをしっかりと講じてまいります。具体的には、国の新たな借換保証制度を活用いたしまして、中小企業の資金繰り対策を充実させますほか、農業者、漁業者の燃料、飼料の購入費への支援を行います。あわせまして、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を活用いたしました防災・減災対策、インフラ整備を加速いたします。 また、中長期的には、物価高騰の長期化、あるいは世界的な脱炭素化の加速、さらにはコロナ禍によるデジタル化の進展や、新たな人の流れといった社会構造の変化への対応が重要であります。こうした変化をしっかり捉えまして、本県の成長への原動力としていかなければならないと考えます。 このため、同じく補正予算の中では新しい分野への事業展開、あるいはデジタル化に取り組みます事業者への支援に取り組みまして、その構造転換を後押しいたします。加えまして、照明器具のLED化、路線バスの電気バス導入などを支援いたしまして、事業者のエネルギーコストの低減を中長期的に進めたいというふうに考えております。 さらには、来年度の当初予算以降もこうした構造転換に向けた施策に重点的に取り組みまして、県経済の足腰をさらに強くしてまいります。加えて、円安を生かした輸出やインバウンド観光の促進、新たな人の流れを呼び込むための移住促進策などについても強化を図りまして、県政をさらに高いステージへと引き上げてまいります。 次に、令和5年度の当初予算編成に係ります所見についてお尋ねがございました。 来年度の当初予算編成のポイントとして3点を申し上げたいと存じます。1点目は、常に時代を先取りした県政を目指し、今後の成長の原動力となるデジタル化、グリーン化、グローバル化の3つの観点から、各施策をさらに進化させてまいります。あわせまして、原油価格・物価高騰によります影響の長期化を見据えて、省エネルギー、生産性向上といった事業の構造転換を図るための施策を充実させたいと考えております。 2点目は、県民の皆さんの安全・安心の確保、そして地域経済の活性化を図るために、防災・減災対策をはじめといたしますインフラ整備を着実に進めてまいります。3点目は、県勢の浮揚と県財政の持続可能性の両立を図るために、国の有利な財源を最大限活用する、あわせまして事業のスクラップ・アンド・ビルドの徹底によります財源の確保といった点に意を払ってまいる考えであります。 また、デジタル化、グリーン化、グローバル化の取組に重点的に予算を配分いたしますために、次世代施策推進枠を拡充するなどの予算編成上の工夫を行っております。 当初予算編成に当たりましてはこうした点に留意をいたしまして、徹底して成果にこだわりながら、未来への弾みをつける予算となりますように全庁挙げて取り組んでまいります。 次に、中山間地域の将来像や目指す方向性についてお尋ねがございました。 豊富な自然や食、文化を有します中山間地域は本県の強みの源泉でございまして、私自身、中山間地域の振興が高知県全体の発展のための礎となるものと信じております。このため、従来の中山間対策に新たに地域の活力やデジタル化といった視点を加えるなど、さらなる充実を図りながら全庁挙げて取組を進めてまいりました。 その結果、現在までに、住民主体で地域の活性化に取り組んでいただきます集落活動センターは、県内65か所で開設をされました。高知型福祉の拠点であります、あったかふれあいセンターも346か所で整備をされるに至っております。また、成長戦略によります1次産業の振興、あるいは
地域アクションプランによります雇用の増など経済面での成果に加えて、水道未普及地域におけます生活用水施設では359件の整備がなされまして、生活用品、移動手段確保の取組が広がるといった形で、生活支援の面でも一定の成果が現れているというふうに考えます。 しかしながら、昨年度実施をいたしました集落実態調査の結果から見ますと、地域や産業の担い手不足がより深刻化をしております。そして、住民の皆さんが将来に不安を抱いているといった現状が改めて確認をされたところであります。 また、私が直接地域で住民の方々にお会いしお話をする中でも、県の取組が必ずしも十分には共有されておらず、不安を感じる声もお聞きをするところであります。一方で、地域を次の世代に引き継いでいきたいと頑張っておられる方々のお話も伺わせていただいております。そして、こうした地域の方々のお気持ちにしっかりと応えていかなければいけないと強く思ったところでございます。 議員の御提案のように、住民の皆さんが不安や諦めに陥ることなく、誇りや希望を持って暮らし続けていくために、また子や孫の世代のために地域を元気にしたいという方々と気持ちを一つにして取り組んでいくためにも、県の中山間対策全体の方向性あるいは将来像をしっかりと示していくということが、今大変重要であるというふうに考えております。 このため、来年度は中山間地域が再び活力を取り戻すためのしるべ、そしてともしびとなるように、県が目指す中山間地域の姿でございますとか、その実現のために行う施策、達成すべき目標、時期などをお示しいたしますための中山間再興ビジョンを策定いたしたいと考えます。そして、改めまして、中山間の振興なくして県勢の浮揚なしと、強い思いの下、決意を新たに地域の皆様、そして市町村の皆さんと共に、その実現に全力で取り組んでまいる決意であります。 次に、関西圏のアンテナショップのコンセプトづくりなど、開設に向けた決意についてお尋ねがございました。 議員のお話にもありましたように、大阪に新設をいたしますアンテナショップは、高知らしさがあふれ、東京とは一味違った、関西の皆さんに広く受け入れられる店舗にしたいというふうに考えております。 現在、基本計画の策定に取り組んでいるところでありますが、そうした店舗として機能させるためには、しっかりとしたコンセプトづくりが特に重要となると考えます。そのため、様々な商品のデザインやキャッチコピーに豊富な実績を持ちまして、県内外から高い評価を得ておられます県内在住のデザイナーと共に、コンセプトづくりに着手をいたしたところであります。 今後、早急に魅力あるコンセプトを盛り込みました基本計画案を取りまとめまして、2月議会でお示しをしたいというふうに考えております。 一方、商業施設への入居に関しては現在交渉中でありまして、年内には入居できる区画が提示をされる予定ではあります。本県が希望しております区画は、JR大阪駅から連結をいたします歩行者デッキの入り口にございまして、多くの人通りが期待できることから、条件としては最適だと考えております。本県は、全国に先駆けて出店の意思表明をしたことによりますアドバンテージがあるというふうにも伺っておりまして、恐らく希望の区画に入居できるのではないかという見通しを持っております。 そうした中、昨年5月に解散をいたしました大阪高知県人会が再結成に向けて動き出したというふうにお聞きをいたしました。地元の県人会が再結成をされますことは、アンテナショップの開設に向けて追い風になるものと大いに期待をいたしております。関西と高知は歴史的なつながりも深く、高度経済成長期の集団就職によりまして高知にルーツを持つ方々が数多くおられますし、今なお進学、就職で関西を選ぶ方々も多数おられます。今後はこうした本県の出身者や御縁のある方々を大きな輪で巻き込んでいく、そして応援をしていただけるような仕組みづくりを行っていくということによりまして、強固なオール高知の体制を構築したいと考えております。 このアンテナショップの開設によりまして、県産品の外商拡大はもちろんでありますが、首都圏と比べて距離が近いという優位性を生かした観光の誘客、移住の促進、こうした成果にもつなげてまいりたいと考えております。 次に、フレイル予防の推進に向けた意気込みなどについてお尋ねがございました。 お話がございましたように、仁淀川町などで取り組まれておられます住民の皆さん主体でのフレイル予防活動は、健康寿命の延伸に加えまして、地域活性化の取組に資するものというふうに考えております。 このたびのフレイル予防推進会議に向けた準備会議の発起人への就任につきましては、私といたしましても本県の事例を全国発信するよい機会になるというふうに考えまして、承諾をいたしたところでございます。会議におきましては、仁淀川町のほか県内の事例を全国に紹介いたしまして、本県の取組が全国の多くの地域において展開されていく、そのためのお手伝いをしたいというふうに考えております。 あわせまして、この会議では、フレイル予防に関するデータの解析や、ポピュレーションアプローチの効果の計測などの調査研究が重要であるとし、取り組む予定というふうにもお聞きをしております。私といたしましてもこの会議を通じまして、他の地域の好事例あるいは調査研究の成果についても学び、このフレイル予防活動を本県の日本一の健康長寿県構想にもしっかりと位置づけまして、この取組を県内各地に展開してまいりたいというふうに考えております。 最後に、5か年加速化対策後の継続的な取組につきましてのお尋ねがございました。防災・減災、国土強靱化関連の事項でございます。 近年、気候変動がもたらします影響によりまして、全国各地で自然災害が激甚化、頻発化をしております。また、南海トラフ地震などの巨大地震の切迫度も年々高まっておりまして、国民の皆さんの命と暮らしを守るインフラは極めて重要な役割を担っているというふうに考えます。 こうした背景も踏まえて、国におきましては、インフラが災害時にしっかりと機能を維持できますように、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に引き続きまして、5か年加速化対策の取組が進められているということについては御指摘があったとおりでございます。 道路事業を例に取りますと、5か年加速化対策におきましては、高規格道路の整備、老朽化対策が新たにメニューに盛り込まれました。この施策によりまして、四国8の字ネットワークなどの高規格道路のミッシングリンク解消に向けた整備は加速をしておりますけれども、完成までにはまだ多くの費用と時間を要するわけであります。5か年加速化対策が終了いたしまして、仮に通常予算のみでの対応となりますと、これまでの整備ペースが極端にペースダウンをするということが見込まれます。 本県の道路事業の規模で、概算で申しますと通常分300億円に対して、この加速化対策で100億円程度の上積みをして加速を図っているという状況にございますので、もしこの加速化対策が一気にゼロということになりますと、完成までの道のりがますます遠ざかってしまうというような状況であるわけでございます。 こうしたことがございまして、全国知事会や全国高速道路建設協議会など様々な機会を通じて、国などに対しまして5か年加速化対策後も国土強靱化に必要な予算や財源を通常予算とは別枠で確保するということ、そして継続的に取り組むこと、こういったことを働きかけをしているところであります。 今後も、防災・減災、国土強靱化の予算、そして財源を安定的に確保し、強靱な国土づくりを強力かつ継続的に進めていけますようにしっかりと訴えてまいります。 私からは以上であります。 (中山間振興・交通部長中村剛君登壇)
◎中山間振興・交通部長(中村剛君) 中山間地域の担い手確保についてお尋ねがございました。 議員御指摘のように、中山間地域の多くの集落は人口減少や高齢化によって地域の担い手が減少し、それによって地域の活力が奪われ、さらに集落機能の低下や産業の衰退を招くといった大変厳しい状況にあります。この担い手の確保はまさに喫緊の課題でありまして、地域おこし協力隊の大幅拡充や特定地域づくり事業協同組合の設立支援、移住促進のさらなる強化などに早急に取り組む必要があると考えております。 まず、地域おこし協力隊に関しては、令和8年度には県と市町村を合わせて現在の2倍以上となる500名の協力隊が確保されるよう取り組んでまいります。協力隊の募集段階の情報発信強化や任期中のサポート体制の充実、任期後を見据えた早期の支援など、各フェーズにおける現在の課題を踏まえ、より強力な取組を進めてまいります。 また、地域内の事業者の事業継続や発展のための地域人材、これを確保する特定地域づくり事業協同組合の設立支援では、設立意向のある市町村に対し計画づくりを支援するアドバイザーを派遣するなど、マンツーマンの支援を行うとともに、立ち上げコストを低減する新たな支援制度も検討してまいります。 さらに、移住促進の取組においては、特に伸び代が大きいと考えられるUターンの促進策、これを強化してまいります。デジタルマーケティングによる県出身者に対する効果的な情報発信、県全体のUターンに向けた機運を高めるためのキャンペーンなども行っていきたいと考えております。早急にこうした対策を講じ、少しでも早く成果が得られるよう、市町村と一体となって取り組んでまいります。 (健康政策部長家保英隆君登壇)
◎健康政策部長(家保英隆君) まず、新型コロナウイルス経口抗
ウイルス薬ゾコーバについてお尋ねがございました。 先月22日に緊急承認されたゾコーバは、現在安定的な供給が難しいことから一般流通は行われず、国が一括購入し配分することになっております。国の配分方針は、緊急承認直後の2週間程度は原則パキロビッドパックの処方及び調剤実績のある医療機関、薬局に限定とされております。県は、対象機関のリストを取りまとめ国に提出し、国が委託設置するゾコーバ登録センターを通じて、配分を希望する対象機関からの依頼に基づきゾコーバの配分をすることとなります。 県としましては、まずゾコーバを安定的に医療機関などに確保できることを第一として、国の方針に従い、
新型コロナウイルス感染症の入院協力医療機関などへの配分のほか、県医師会や県薬剤師会の意見も踏まえ、対応いただく医療機関や薬局をリスト化いたしました。 緊急承認から2週間程度を経過した後の取扱いについては、対象機関を限定せず、都道府県が地域の医療の状況に応じて選定できることになっておりますが、現時点で国から連絡はございません。当初示された配置の目安に本県の医療提供体制を当てはめますと、医療機関は50か所程度、薬局は100か所程度となります。国からの連絡があり次第、速やかに登録医療機関などの公表を行いたいと考えております。 今後、より多くの医療機関などでゾコーバを用いてコロナ医療が安定的に提供できることが望まれますので、国によるゾコーバの必要量や安定的な流通の確保について要望してまいります。 次に、ゾコーバの問題点に対しての解決策についてお尋ねがございました。 厚生労働省の通知では、本剤の有効性、安全性に係る情報は限られていることなどを踏まえ、本剤の使用や投与対象については最新のガイドラインを参考にすることとし、日本感染症学会から示されているCOVID-19に対する薬物治療の考え方に基づき、注意点などを示しております。これによりますと、感染症の症状が発現してから遅くとも72時間以内に初回投与することとされていることから、議員からお話のありました薬の提供体制の確保が、ゾコーバの供給量の確保と並んで重要な課題となります。 このため、自宅療養者などに対する調剤や薬の配送、感染拡大期における休日の薬局輪番体制の構築などについて、県薬剤師会に要請したところでございます。薬局、薬剤師の皆様には第7波の感染拡大期においても多大なる御協力をいただき、自宅療養者などへの適切なタイミングで医薬品を提供していただきました。 県としましても、引き続き県薬剤師会などと情報共有し、必要な体制の構築に努めてまいります。また、今後の国の通知などの速やかな医療機関や薬局への周知をはじめ、広く県民の皆様に対して丁寧な情報提供に努めてまいります。 次に、日本一の健康長寿県構想のバージョンアップの具体策についてお尋ねがございました。 令和2年度からスタートした第4期日本一の健康長寿県構想においては、まず健康寿命の延伸に向けた意識醸成と行動変容の促進に向けまして、生活習慣病予防対策や血管病重症化予防対策を強化して取り組んでまいりました。特に、血管病重症化予防対策では、県独自の取組としまして医療機関と市町村の保健師などが連携した生活指導プログラムを実施してきた結果、個人差はあるものの、糖尿病性腎症による透析導入時期を5年程度遅らせることができる可能性が見えてきたことは、大きな成果と考えております。今後は、その成果を基に全県的に取組を広げてまいります。 次に、地域で支え合う医療・介護・福祉サービス提供体制の確立とネットワークの強化に向けましては、特に訪問看護をはじめとした在宅療養体制の充実に注力してまいりました。令和2年度に設置しました県内外の有識者で構成する在宅療養推進懇談会からは、デジタル技術の積極的な活用が必要との御意見をいただいたところです。また、昨年度の県の集落実態調査においては、医療へのアクセスが不便と感じられている方が多くいらっしゃることも明らかになっています。 こうしたことを踏まえ、引き続き訪問看護体制の充実を図るとともに、中山間地域などでお住まいの方が医療のアクセスがしやすいよう、オンライン診療の普及を支援してまいります。 来年度は、第4期構想の総仕上げの年となります。これまで積み上げてきた成果を確実なものに仕上げるとともに、デジタル技術の活用により県民の皆様の利便性の向上も図ってまいりたいと考えております。 (産業振興推進部長沖本健二君登壇)
◎産業振興推進部長(沖本健二君) まず、関西におけるプロモーションの取組の現状と今後の展望についてお尋ねがございました。 関西戦略を推進する上では、議員御指摘のとおり、いかに効果的なプロモーションを展開していくかが重要となります。そのため、本年度は知事を先頭に大阪での記者発表会に加え、県内の市町村長や事業者と連携したPR活動を積極的に展開しております。 また、関西で抜群の知名度を誇る本県出身の元プロ野球選手、藤川球児さんに本県の食や観光に関するPR動画に御出演いただいたところ、高知家10周年特設サイトへのアクセス数が大幅に増加をしております。こうした取組の結果、関西圏のテレビ番組やインターネットニュースなどに多数取り上げられましたことから、本県の認知度は着実に向上しているものと受け止めております。 来年度は、さらなる認知度の向上と高知ファンの獲得、拡大に向けてメディアへのPRやイベント広告に加え、本県の食の魅力を発信する取組を計画しておるところです。具体的には、大阪の食のイベント会場におきまして、カツオのわら焼きタタキを実演販売するキッチンカーの展開や、旬の果物や野菜などを販売いたします出張日曜市の開催を検討しております。こうした取組を通じまして、高知の食のポテンシャルの高さを関西の方々に実感していただき、販売拡大につなげてまいりたいと考えております。 今後は、令和6年度に予定しておりますアンテナショップの開設、さらにはその先の大阪・関西万博を見据え、県内の市町村や事業者とも連携しながら、効果的なプロモーションを間断なく、かつ戦略的に展開してまいります。 次に、これまでの産業振興計画の成果と見えてきた課題、さらにそれを踏まえた今後のバージョンアップについてお尋ねがございました。 これまで4期14年間、地産外商を戦略の柱として産業振興計画に基づく取組を進めてまいりました。その結果、県内総生産や1人当たりの県民所得といった経済指標が好転するなど、人口減少とともに縮小する経済から、人口減少下においても拡大する経済へと構造を転じつつありました。 しかしながら、コロナ禍や物価高騰などにより、観光や1次産業をはじめ県経済は大きなダメージを受けております。そのため、今後はこうした状況下にあっても持続的な成長が可能となりますよう、ウイズコロナ、アフターコロナといった時代の変化を的確に捉え、臨機応変に施策を進化させていく必要があります。 今後の産業振興計画の方向性といたしましては、地産外商をさらに推進させることはもとより、経済成長の原動力となるデジタル化、グリーン化、グローバル化という3つの潮流を捉えて、生産性の向上や、さらなる付加価値の創出といったイノベーションを一層進めていきたいというふうに考えております。 具体的には、産学官民の連携を強化し県内外の英知を結集することで、デジタル技術を活用したヘルスケアやアニメといった新たな産業の創出や集積に取り組んでまいります。また、起業に関しましても、こうちスタートアップパークの取組を充実強化しますとともに、本県出身の起業家集団により設立されました支援団体と連携しながら、スケールアップを目指す起業家の成長を後押ししたいと考えております。 加えて、本県の豊富な森林資源を生かしたグリーンLPガスの開発や、さらには食物残渣や家畜の排せつ物を活用した資源循環型システムの構築といった、本県ならではの
グリーン化関連産業の育成などにも挑戦したいというふうに思っております。 産業振興計画の次なるステージでは、こうした取組を質・量ともに充実していくことによりまして、将来にわたって持続的に成長する県経済を目指していきたいと考えております。 (商工労働部長松岡孝和君登壇)
◎商工労働部長(松岡孝和君) 商工会や商工会議所と連携した
新型コロナウイルス感染症対応の成果と、ウイズコロナ、アフターコロナに向けた取組についてお尋ねがございました。
新型コロナウイルス感染症という未曽有の事態において、本県では、全国に先駆けた県独自の融資制度や、他県より一歩も二歩も踏み込んだ給付金制度などを創設いたしました。その上で、商工会や商工会議所など関係機関と連携して取り組んだ結果、例えば民間の調査会社によりますと、本県のコロナ関連の経営破綻件数割合は全国で39位と低い水準となるなど、事業者の事業の継続と雇用の維持につながったものと受け止めております。 これは、まさしく商工会などをはじめとする関係機関の皆様の御尽力のたまものであると考えております。日々の業務に加えまして、コロナ関連融資のあっせんや給付金の申請支援など、事業者に寄り添った支援をいただきましたことに対しまして、改めてお礼を申し上げます。 現在、本県経済は一定持ち直しが見られますものの、エネルギーや原材料価格の高騰など、事業者を取り巻く環境の不透明さが増しております。また、ウイズコロナ、アフターコロナにおける社会構造や消費行動の変化などへの対応も必要となっております。こうした状況に、引き続き商工会などと連携してしっかりと対応していくことが重要であると認識しております。 このため、デジタル化や事業再構築など、より専門性の高い支援ニーズに対応できるよう、地域の最前線で事業者の支援を担っておられます商工会などの経営指導員のスキル向上や専門人材の活用などによりまして、支援力の向上に取り組んでまいります。今後とも商工会など関係機関と密に連携しまして、地域経済の活性化と雇用の維持・創出に努めてまいります。 (農業振興部長杉村充孝君登壇)
◎農業振興部長(杉村充孝君) 国消国産キャンペーンの推進と、適正な価格形成の実現に向けた取組についてお尋ねがございました。 農産物はその多くが市場取引による相場で価格が形成されることから、燃油や資材価格などの高騰による生産コストの増加分を十分に価格転嫁ができない状況にあります。このため県としましては、コストの増加が価格に反映されるよう、JAグループが進める国消国産運動などの国民運動とも連動し、地産地消を通じた県産農産物の消費拡大を進めているところでございます。 一例を申しますと、官民協働による土佐茶プロジェクトの取組としまして、本年8月に産地を支援する土佐茶応援宣言を表明するとともに、販売利益の一部を生産者に還元するペットボトルの販売を開始しました。また、土佐茶応援宣言をしてくれている民間企業を中心に、社名入りのノベルティーグッズとしてリーフ茶を購入していただく取組などを進めており、土佐茶を応援する地産地消の輪が広がっているところでございます。 お尋ねのありました適正な価格形成の実現に向けましては、こうした地産地消の取組に加え、消費者への訴求力を持った販売関係者に直接働きかけることも重要であります。このため、販売単価が落ち込んでいるショウガなどの産地にバイヤー等を招聘し、直接生産者と意見交換をする機会を設けております。この取組は、生産者の厳しい実情を理解していただける方を増やすとともに、買手と売手が売買数量や価格を決めて取引を行う相対取引の拡大にもつながることから、今後も広げてまいりたいと考えております。 一方、国からは安定的な食料供給のための適正な価格形成の在り方について検討する方針が示されておりますので、この動きを注視し、必要に応じて国に政策提言を行ってまいります。 (子ども・福祉政策部長山地和君登壇)
◎子ども・福祉政策部長(山地和君) まず、日本一の健康長寿県構想のバージョンアップの具体策についてお尋ねがございました。 第4期日本一の健康長寿県構想のバージョンアップにつきましては、3つの柱に沿ってPDCAサイクルに基づき取組を強化してまいります。 まず、柱の2、地域で支え合う医療・介護・福祉サービス提供体制の確立とネットワークの強化では、生きづらさを抱える人を見逃さない高知型地域共生社会の実現に向けた取組を強化したいと考えております。ひきこもりやヤングケアラーなどの複合課題への対応として、分野を超えた多機関協働型の包括的な支援体制が早期に全市町村で整備されるよう、働きかけを強めてまいります。 デジタル化の取組につきましては、あったかふれあいセンターにおいてデジタル環境の整備を進め、オンライン診療への活用や、世代を超えた集いの場の創出につなげてまいります。 中山間対策としましては、議員のお話にもありました、障害がある就学前の子供や高齢者が継続的、安定的なサービスを受けられるよう、サービス利用者の送迎負担の軽減や人材確保に向けた支援策を検討し、中山間地域で暮らし続けることができる環境の充実を図ってまいります。 次に、柱の3、子どもたちを守り育てる環境づくりでは、住民同士のつながり、地域全体で子育て家庭を支え合う住民参加型の子育て支援に取り組んでまいります。具体的には、育児不安の解消と孤立予防により、子育ての安心感を高めるため、身近な地域で相談しやすい仕組みづくりに取り組みます。また、厳しい環境にある子供たちへの支援としましては、ヤングケアラーへの対応を含め、子供や家庭を孤立させず、早期支援につなげるための施策を検討してまいります。 これらの具体的な施策につきましては、今後の予算編成過程を通じてさらに議論を深め、第4期構想の総仕上げとなります次年度のバージョンアップにしっかりと盛り込んでいきたいと考えております。 次に、こども家庭庁への期待と、本県の少子化対策との連携についてお尋ねがございました。 来年4月に少子化対策や子育て支援、虐待防止など幅広い分野を一元的に所管する組織として創設されるこども家庭庁には、特に3つの取組を期待しております。第1に、省庁間の縦割りをなくし、子供政策の司令塔としての調整機能を発揮し、ライフステージに応じた切れ目のない支援策を強力に推進していただきたいと考えております。 第2に、当事者である子供の意見を施策に確実に反映することで、子供の権利を保障し、誰一人取り残さず健やかな成長を後押しする、こどもまんなか社会の実現です。第3に、子供政策の総合的な拡充と、そのための安定的な財源の確保です。子育ての経済的な負担の軽減や仕事と育児の両立支援に加え、地方独自の取組強化につながる十分な予算を確保していただきたいと考えております。 本県では、妊娠期から切れ目のない伴走支援により、子育て家庭の孤立を防止する取組など、誰もが結婚・妊娠・出産・子育てに希望を持ち、安心して子供を産み育てられる環境づくりを推進しているところです。今後も、子供政策を一元的に推進するこども家庭庁の施策と連携し、保健、医療、福祉、教育など分野を超えた総合的な施策の展開を図るとともに、市町村や高知県少子化対策推進県民会議、関係の方々との連携を一層強化し、少子化対策に取り組んでまいります。 最後に、こうち出会いサポートセンターの取組の周知方法と、婚活に抵抗感を持つ若者への支援についてお尋ねがございました。 出会いの機会を応援するこうち出会いサポートセンターを、より多くの方に活用いただくためには、センターの「高知で恋しよ!!応援サイト」の認知度のさらなる向上が必要です。そのため、今年10月から動画等による広報プロモーションを官民協働で展開し、SNSや広報紙など様々な媒体を通じて応援サイトを紹介しております。その結果、10月のアクセス件数は前月と比べ56%増となっております。 今後は、若い世代に対して訴求力の高いSNSを積極的に活用し、情報発信をより一層強化してまいります。あわせて、センターでは一人一人の相談にきめ細かく対応しておりますので、相談員のスキルアップ研修の実施など、出会い応援サービスの充実に取り組んでまいります。 また、お話のようにマッチングに抵抗感がある方もおられます。今年度の県民意識調査でも、出会いを直接の目的としない多職種での交流が、出会い・結婚に必要な支援策の第2位となっております。このため、今後は異業種間の交流を支援する社会人交流サークルを開催し、マッチングを直接の目的としない交流の活性化を図るなど、若い世代の希望に合った出会いの支援につなげてまいりたいと考えております。 (教育長長岡幹泰君登壇)
◎教育長(長岡幹泰君) まず、不登校対策プロジェクトチームの成果と今後の取組についてお尋ねがございました。 本プロジェクトチームの目的は、組織的、横断的な体制を構築することにより、それぞれの取組の実効性をより高めることにございます。これまで各課が連携して取組を進める中で、例えば学校経営計画に不登校対策を的確に位置づける学校数や、不登校の未然防止などに活用される、きもちメーターの登録学校数が増加するなどの成果が見られております。また、放課後子ども教室の支援員などを対象とした不登校に関する研修会を関係課で協力して実施するなど、連携・協働した取組を進めております。 一方、現在国におきましては、不登校児童生徒数が増加する現状を踏まえまして、登校という結果のみを目標とせず、子供たちの社会的自立を図るため、不登校特例校の設置の促進など様々な教育機会を確保するという考え方が示されております。 本県におきましても、不登校出現率が依然高い状況が続いている中にありまして、これまでの取組に加え、多様な教育機会の確保の視点に立った不登校児童生徒への対応は必要なことと考えているところでございます。今後、同プロジェクトチームにおきまして、国や他県の情報収集を行い、具体化のための検討を進めていきたいというふうに考えております。 次に、高知県版の学力調査の意義と、その活用の仕方についてお尋ねがございました。 本調査の目的は、それぞれの学年で身につけるべき学力が児童生徒に定着しているかを把握し、その結果を踏まえ、教員や学校において個々の児童生徒の強みを伸ばし、弱みを強化することを大きな目的としております。そして、全国学力・学習状況調査の結果と合わせて分析することによって、児童生徒の学力の定着状況や伸びを経年で把握、分析することができます。各学校におきましては、この分析結果を基に一人一人の児童生徒に合った指導方法や内容を検討し、学習の個別最適化を図っていただくことが重要と考えております。 さらに、調査の結果は、各教員の授業改善状況の確認や学校の学力向上策のPDCAサイクルの確立に生かすとともに、教育委員会の施策の検証に活用しております。今後も市町村教育委員会と連携を図りながら、それぞれの調査を有効に活用していくことによりまして、児童生徒の学力の定着と向上に努めてまいります。 次に、中山間地域における小規模高等学校の存続に向けた活性化と生徒確保の取組についてお尋ねがございました。 高等学校は地域における教育の重要な拠点であり、とりわけ中山間では地域の活性化の観点からも、その存在意義は大変大きいものでございます。このため、県立高等学校再編振興計画後期実施計画などにおきまして、中山間地域の高等学校の魅力化に向けた取組を位置づけております。 県教育委員会では、生徒の希望を実現させるために、中山間地域の高等学校にいち早く遠隔教育を導入するとともに、地域と連携・協働した特色ある教育活動や部活動を推進するなど、魅力化に向けた取組を実施してまいりました。また、市町村によっては、地元に所在する高等学校へ進学する生徒に対し、入学・通学費用などを支援していただいております。こうした取組によって、徐々に中山間地域の高等学校における入学者も増加してきております。 今後は、これまでの取組を一層充実させるとともに、市町村との連携・協働の取組をさらに充実・発展させてまいります。加えて、県の移住施策との連携や、他県からの生徒を募集する地域みらい留学などの活用によりまして、生徒数の確保と地域の活性化を図ってまいりたいと考えております。 最後に、日高特別支援学校寄宿舎の長寿命化改修事業の検討状況についてお尋ねがございました。 日高特別支援学校の寄宿舎の北棟と南棟につきましては、議員のお話にもありましたように、建築から50年以上が経過し、著しく老朽化が進んでおります。また、立地や構造上の問題による生徒の健康・衛生面への影響や、多人数で大部屋に入るという寄宿舎環境による教育面での課題も認められ、早急に対応する必要があると考えております。 このため、本年度、長寿命化計画に基づいて基本設計を実施しており、この中で既存建物の長寿命化改修、または2棟を1棟に集約して改築といった2つの方向から対応を検討しているところでございます。整備費用の面では、既存建物の改修のほうがコストを抑えられます。一方で、日高特別支援学校の建物の構造上、衛生環境の十分な改善や大部屋の解消を行うためには改築する必要があります。 県教育委員会としましては、児童生徒の安全・安心な住環境の確保や、将来の自立生活を見据えた指導面などを考えますと、方向性としては改築が望ましいと考えており、今後費用と教育効果の両面からさらに検討を進め、結論を出してまいります。 (土木部長荻野宏之君登壇)
◎土木部長(荻野宏之君) 公共事業における物価高騰の現状と対策について、また工期短縮や現場作業と施工管理の効率化などの取組についてお尋ねがございました。 近年の社会情勢の変化により、公共工事で使用する資材の価格は値上がり傾向にあり、民間会社の全国調査によりますと、この1年間に例えば鋼材類については約15%、生コンクリートについては約20%上昇しております。 物価高騰への対策といたしまして、価格が頻繁に変動する資材につきましては、毎月市場の取引価格を調査し、最新の単価を使用して予定価格を算出しております。また、工事の契約後に資材の価格が大きく変動した場合は、請負契約書に基づきまして、変動額を適切に計上することとしております。 工期の短縮や現場作業の効率化の取組といたしましては、ICT活用工事の対象工種を拡大するなど、建設現場へのデジタル技術の普及を促進しております。また、施工管理の効率化の取組といたしましては、インターネットを活用し、遠隔地から現場を確認する遠隔臨場の普及を進めるとともに、工事管理や検査に必要となる書類の簡素化を受注者、発注者の双方に徹底してまいります。
◆13番(横山文人君) 知事はじめ執行部の皆様には丁寧かつ前向きな御答弁をいただきました。特に、知事からは1期目最終年に向けての決意や、デジタル化、グリーン化、グローバル化などへの進化、また中山間地域の再興にかける思いや関西戦略、そして産業振興に向けての意気込みなどを述べていただいたところであります。 2問目はいたしませんが、これまでの濱田県政への思い、今後の期待を少し述べさせていただきたいと思います。現在、濱田県政の起爆剤として進められている関西戦略では、オール高知という言葉がよく使われます。私は、これまでのコロナ禍の中、感染拡大防止と社会経済活動の両立に対し、まさにオール高知で当たってきたと感じております。オール高知、すなわち県民、市町村、団体、事業者、そして県庁職員の皆様の不断の努力や協力があってこそ、コロナという未曽有の国難に立ち向かっていくことができましたし、濱田知事はその先頭に立ち、汗をかいてこられました。 これから本格的にウイズコロナ、アフターコロナに入ってまいります。これまでのコロナ禍の経験から、産業振興にしても、中山間対策にしても、教育の充実にしても、全ての施策にオール高知で取り組むことができるのが濱田県政だと感じております。 その意味で、来年は濱田県政の強みであり県勢浮揚のキーワードとなるオール高知をさらに推進し、ポストコロナの新しい時代の扉を開く年となるよう期待を申し上げ、私の一切の質問といたします。ありがとうございました。(拍手)
○議長(明神健夫君) 暫時休憩いたします。 午前11時51分休憩
----------------------------------- 午後1時再開
○副議長(西内隆純君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 34番中根佐知さん。 (34番中根佐知君登壇)
◆34番(中根佐知君) 私は日本共産党を代表し、以下質問をいたします。 まず、知事に対する政治姿勢についてお伺いをいたします。 敵基地攻撃能力について、岸田政権が年末に狙う国家安全保障戦略など安保関連3文書の改定に向けて、自民、公明両党が、相手国のミサイル発射拠点などをたたく敵基地攻撃能力の保有で正式合意をしました。岸田政権は、専守防衛の立場に変わりはないと主張していますが、実態は戦後安保政策の大転換を図るものとなっています。 1970年、当時の中曽根康弘防衛庁長官は、日本の防衛の限界については専守防衛を主とするとして、目的において防衛に限る、地域において本土並びに本土周辺に限る、手段において核兵器や外国に脅威を与える攻撃的兵器は使わないという3つの限定的要素が確立されていると説明をしています。1959年、当時の伊能繁次郎防衛庁長官は、平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところではないと明言をしています。専守防衛とは、国土防衛に徹し、相手の本土に被害を与えるような脅威にならないと伝え、相手に日本を攻撃する口実を与えない防衛戦略であり、拒否的抑止と安心供与から構成をされています。 敵基地攻撃は、この専守防衛の安心供与を真っ向から否定するもので、抑止に役立つどころか、互いの軍拡の悪循環で緊張を高め、偶発を含めて武力衝突の危険を増加させる安全保障のジレンマに陥る愚かな選択ではないのか、知事にお聞きをいたします。 政府によると、敵基地攻撃は相手が武力攻撃に着手したときに可能と説明をされています。これは、攻撃されていないのに反撃をする、国際法違反の先制攻撃と変わらないと多くの識者から指摘されています。攻撃対象も軍事基地に限定されず、政府機関なども含まれることを政府も認めています。攻撃すれば日本への報復攻撃は避けられません。 しかも、政府が集団的自衛権行使の発動要件である存立危機事態でも敵基地攻撃ができることを認めたのは重大です。同盟国のアメリカ軍が第三国と戦争状態となり、存立危機事態と認定すれば、日本は攻撃されていなくても自衛隊が米軍を支援するため相手国を先制攻撃し、日本を全面戦争に巻き込む危険な戦略です。政府はそのために軍事費を2倍化し、世界第3位の軍事大国に進もうとしています。国民1人当たり4万円、4人家族で年16万円の極めて重い負担です。 戦争の危機を増大させ、経済的にも暮らしと営業を破綻に追い込む敵基地攻撃能力保有は中止すべきではないか、知事にお聞きします。 何より、政府の安全保障政策には、いかに平和で安定した環境を築くかという外交戦略がありません。先日、アジアの30か国1地域から69の政党が参加し開催された第11回アジア政党国際会議では、地域と世界の平和と安定のためにブロック政治を回避することの重要性を強調し、競争よりも協力を強調した、また紛争解決の唯一の道としての対話と交渉を強調したと明記をしたイスタンブール宣言が全会一致で採択されました。ASEANをはじめ対話による紛争解決の流れがアジアの本流となっています。 憲法9条を持つ日本こそ軍事対軍事の対立を生むブロック政治を回避し、対話と交渉を進める先頭に立つべきではないか、知事にお伺いいたします。 次に、統一協会問題についてお伺いいたします。我が党の米田稔議員が、自民党と深い癒着が指摘をされる反社会的カルト集団、統一協会と、知事並びに関西・高知経済連携強化アドバイザー会議のメンバーの溝畑宏氏との関係をただした9月議会から1か月後、ついに山際大志郎経済再生担当相が辞任しました。統一協会の広告塔となって深刻な被害を広げたにもかかわらず開き直り、ごまかし続けてきた山際氏の辞任を求める野党と、70%を超えた国民の声に追い込まれた結果です。 山際氏を閣僚に任命しただけではなく、居直りを許し、辞任後には自民党の新型コロナウイルス対策本部長に就かせるなど、全く反省もなく統一協会との癒着を徹底調査もしようとしない岸田内閣は、その後たがが緩んだように2人の大臣の辞任が続き、ついに支持率は危険水域の30%割れ直前となっています。 9月議会で統一協会との関係を聞かれた知事は、今後の対応としてどうするかということに関しましては、こういった関わりは持たないつもりだということだと述べ、県行政としてはこうした社会的に問題がある団体の活動を助長する効果が見込まれる場合には、イベントへの後援、共催、あるいは補助金の支出を行わないなどといった形で、適切に対応してまいりますと述べています。 岸田内閣支持率低下を他山の石とし、県民の信頼を得るためには、9月議会で問題にした日韓トンネル関連の国際ハイウェイ財団など、統一協会関連団体を再度リストアップして県行政との関連を徹底調査すべきと考えますが、その後どう対応したのか、知事にお聞きをいたします。 また、選挙時に挨拶に行った知事と違って、協会のドル箱、日韓トンネル建設を我が事として推進するため、国際ハイウェイ財団の会合で16回も講演するなど、統一協会と深い関係が推測される関西・高知経済連携強化アドバイザー会議メンバーの溝畑宏氏については、行政的に近い関係があったということ、それをもって問題だということは必ずしも当たらないのではないかというふうに考えている、溝畑氏には、その経験や知見を生かして、引き続きアドバイザーの職を担っていただくと、溝畑氏をかばう答弁をした知事の姿勢は、山際元大臣をかばった岸田首相と同じものと県民の目には映っています。 アドバイザー職から外すべきという9月議会での指摘を受け、溝畑氏にはどう伝えたのか、その後の対応を含め、知事にお聞きをいたします。 本県南国市在住の橋田達夫さんが、統一協会の被害者としてマスコミで取り上げられています。橋田さんの元妻が約30年前に統一協会に入信し、つぼの購入から始まり子供たちへの入信強要、御長男の自殺、そして先祖伝来の田んぼの売却など、財産も御子息もなくしたと報道されています。このたび、知事に面談し実情を知っていただきたいとの要請があり、県民の会の上田周五県議と塚地県議と共に知事にお会いして、お話ししたと伺っています。 知事は、橋田さんの思いをどう受け取ったのか、お聞きをいたします。 また、さきの議会では、県立消費生活センターへの相談件数が明らかにされましたが、今年度県立消費生活センターや県内自治体が受けた相談件数は何件になっていますか。 あわせて、橋田さんのような被害者を救済し、また増やさないために、被害の実態や救済を求める県民の相談窓口を設けるお考えはないか、知事にお聞きをいたします。 また、県民への啓発に向けて、全国各地での被害の実態と手口を紹介し、これ以上の被害者増を防止するパンフレットなど作成するお考えはないか、知事にお聞きをいたします。 次に、マイナ保険証についてお伺いいたします。現行の健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードに一体化させると岸田政権が表明したことに国民的な批判が噴出しています。マイナンバーカードの取得は法律で任意とされています。国民皆保険の下でほとんどの国民が持つ健康保険証をなくしてマイナンバーカードに統合するのは、事実上の強制です。マイナンバーカードを持たない人の医療についてはこれから対策を考えるという無責任な姿勢です。認知症など手続が困難な人たちへの対応も見えません。 カードの普及が進まないのは、国民が必要としていないからです。マイナンバーカードの交付率は11月末時点で全人口の53.9%しかありません。保険証を一体化させたマイナ保険証は昨年10月に本格運用が始まりましたが、登録件数はいまだに全人口の26%程度しかありません。デジタル庁が8月から9月に行ったアンケート調査によると、マイナ保険証を申し込まない主な理由は、メリット・必要性を感じない29%、手続が面倒19.4%、情報流出が怖い14.7%などでした。 生活に欠かせない保険証と引換えにマイナンバーカードの取得を迫るのは強権的であり、デジタル化の土台である政府、政治への不信を強めるだけです。また、現行の保険証を廃止しなければ新しい制度の構築も必要ありません。行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、番号法第17条では、申請により、その者に係る個人番号カードを交付するとあるように、あくまでマイナンバーカードの取得は申請に基づく任意であることが規定されています。 法に定める任意取得の原則がある以上、カード取得を事実上強制するような健康保険証の廃止、マイナンバーカードへの一体化は行うべきではないと考えますが、知事の御所見をお聞きいたします。 また、日本共産党の宮本岳志衆議院議員による、マイナンバーカードをつくらずに健康保険証利用登録も行わない国民を医療から排除するのかとの質問に対し、国は、保険料を納めていれば保険診療を受けられるのは当然と答弁しています。 マイナンバーカードを取得しない被保険者が保険診療を受けられない事態は避けなければならないと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 同時に、政府は、2023年3月末までにマイナンバーカードを健康保険証として使うオンライン資格確認の導入の原則義務化を医療機関に求めています。全国保険医団体連合会が10、11月に医師、歯科医師に実施した実態・意識調査では、回答した医療機関8,707件のうち、保険証の廃止に反対65%、賛成は僅か8%。オンライン資格確認システムの運用を開始した医療機関のうち、41%でトラブルが発生。システム準備中の医療機関の導入の理由は、必要性を感じていないが義務化されたからの回答が91%となっています。システム費用については、54%が補助金を上回ったと回答しています。とりわけ深刻なのが、高齢世代を中心に医師、歯科医師の1割が閉院、廃院を検討していると明らかにしていることです。 資格確認の義務化が病院、診療所などの閉院につながる事態を避けるため、地域医療を守り、県民の医療を受ける機会を保障する立場から、オンライン資格確認の義務化の中止、延期を国に求める必要があると考えますが、知事にお聞きいたします。 次に、物価高騰・中小零細企業支援と最低賃金についてお伺いいたします。 食料品や光熱費など値上げラッシュとなった今年10月の消費者物価指数は、生鮮食品を除いて昨年同月比3.6%上昇し、40年8か月ぶりの上昇率という厳しい物価高騰となっています。具体的な上昇率は、外食のハンバーガーが17.9%、あんパン13.5%、電気代20.9%、ガス代20%、携帯電話機の通信料16.5%など、生活全般にわたって非常に高い率の物価上昇が起こっており、家計への深刻な打撃となっています。先日は四国電力が来年4月からの電気料金の値上げを発表するなど、今後も物価高騰が進むことが強く懸念をされます。 このような物価高騰の状況の中、賃金の底上げが切実に求められています。今年度の最低賃金の改定が行われ、10月9日から新たな最賃額が適用されています。今年度は、過去最大の引上げとなる全国加重平均で31円、上昇率は3.3%となりました。高知県では33円引き上げ853円となっています。 今年度の最低賃金改定についてどのように受け止められているか、知事にお聞きをいたします。 高知地方最低賃金審議会は、今年度の最低賃金引上げの答申として、中小企業への支援策拡充も併せて国に対して求めています。具体的には、業務改善助成金の制度見直し、最低賃金引上げに伴う中小企業・小規模事業者に対する社会保険料の増額分についての時限的な減免措置の検討などが盛り込まれています。 中小企業への支援策拡充を求めるこの答申をどのように受け止めたか、また県としても国に支援拡充を強く求める必要があると思うがどうか、知事にお聞きいたします。 最低賃金の引上げは、中小零細企業の支援とセットでなければ、事業者の経営を圧迫することになります。現状でも物価高騰、特に光熱水費の高騰など経費増が中小零細企業の経営を大きく圧迫しています。12月補正予算でも農業者などへの燃油高騰等支援、協同組合や私立学校などへの電気代の高騰支援が盛り込まれており、非常に重要な施策で評価をするものです。また、中小企業に対しては、新事業チャレンジ支援事業の中に賃上げ加算を設けるなど、重要な施策も盛り込まれています。 ただ、光熱水費の急激な高騰に対し、まずはその手当てが必要な局面ではないかと考えます。徳島県は、物価高騰対策応援金として中小・小規模事業者、個人事業主に対し直接支援する制度を創設しています。 徳島県の制度設計も参考にしながら、高知県としても県内の中小事業者や個人事業者を対象に直接支援する制度を創設すべきと考えますが、知事にお聞きいたします。 また、コロナ関連融資の返済開始が迫る中、事業者の事業継続を促すため、国の新たな借換保証制度を活用した融資をどのように周知徹底していくのか、商工労働部長にお聞きをいたします。 今年度の最賃改定は過去最高の引上げではありますけれど、全国の数値で見れば、物価上昇率に対して最低賃金の上昇率が追いついていないのが現状です。また、昨年度は全国加重平均で3.1%の最賃引上げでしたが、7月に発表された今年の中小零細企業の賃金上昇率は1.5%でした。このことを踏まえれば、物価高騰に対応するためには、さらなる最低賃金の引上げで賃金の底上げを促し、平均を押し上げる必要があると考えます。 来年度を待たず、最低賃金の引上げ、再改定を行うべきと考えますが、知事の認識をお聞きいたします。 次に、インボイス制度についてお伺いいたします。 このような物価高騰の中で、来年10月から消費税のインボイス制度が導入されようとしています。この間、日本共産党県議団としても、インボイスは中止、延期するべきと繰り返し提起をしてきましたが、物価高騰が一層進む中で、インボイス制度を予定どおり実施できる状況にはないと改めて指摘せざるを得ません。 インボイス制度の導入は、県内でも大きな混乱を招くと考えます。具体的にお聞きいたします。高知県は、集落活動センターによる地域活性化の取組を進め、県内65か所に広がっています。集落活動センターでは、特産品づくり、レストランなどによる飲食の提供などにも取り組んでいます。事業の売上高によりますが、これらの実施主体の中で一般課税の事業者がいれば、仕入れ控除のために取引相手に課税事業者になることを求めるか、自らが税負担するかの選択になります。こういった事態になれば、地域活性化の取組を阻害してしまいます。 集落活動センターへのインボイス制度の影響はどうか、想定される影響について、また地域活性化の取組が阻害されないよう対策は検討されているのか、中山間振興・交通部長にお聞きいたします。 シルバー人材センターへの影響も懸念されます。シルバー人材センターは、仕事を通じ高齢者の社会参加、生きがいづくりに取り組んでおり、高齢化社会の中で大切な役割を果たすとともに、高齢者の収入源としても重要です。 高知市シルバー人材センターを例に取れば、約4億円の契約金で1,000人の会員がおり、平均請負額は年間約40万円とのことです。インボイス発行事業者となり、簡易課税を選択するとして、約1万2,000円から2万円の税負担が生じます。加えて、インボイスの控えを7年間保存し、毎年消費税を納付する事務手続も行わなければなりません。そうなれば、シルバー人材センターの脱会が相次ぐのではないかと懸念されます。一方で、会員が免税事業者のまま残ることになれば、シルバー人材センターは仕入れ控除ができなくなります。 県内のシルバー人材センターに関して、インボイス制度によって生じる税負担は幾らになると推計をしているのか、またインボイス導入によって、シルバー人材センターから脱会が生じる事態は防がなければならないと考えますが、その対策は検討しているのか、商工労働部長にお聞きいたします。 財務省は、インボイス制度で免税事業者約488万者のうち161万者が課税事業者、インボイス登録業者となると試算をし、その税収増加分を2,480億円と見込んでいます。1者当たり15.4万円の消費税額となります。重要なのは、このインボイス導入は実質的な増税だということです。価格転嫁されるとすれば、消費者の物価をさらに押し上げることになります。 しかし、実態として消費税の価格転嫁が適正にできているかということそのものが問題となります。日本商工会議所が2020年6月に売上高別に消費税価格転嫁状況を調査しています。売上高1,000万円以下のビー・ツー・シー事業者において、一部あるいは全く転嫁できていないが44%、同規模のビー・ツー・ビー事業者では25.6%となっています。この間、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法などで消費税の価格転嫁を促してきた中にあっても、必ずしも価格転嫁ができていない状況です。 物価高騰の中、価格転嫁は一層困難になっています。インボイス導入が中小零細企業に新たな税負担を課すことになり、経営悪化、倒産、廃業などが起これば、取引をしている企業の業務の継続にも支障を来すなど悪影響の連鎖も考えられます。高知県は、中小企業・小規模企業振興条例をつくりました。本気で中小企業を振興しなければならない観点から見ても、インボイス制度の導入はマイナスの影響を与えるものだと危惧するものです。 この間の物価高騰の急速な進行、インボイス制度の問題点が周知されるにつれ、インボイス中止、延期を求める声は高まっています。この間、エンターテインメント業界での反対の声が高まり、日本俳優連合、日本漫画家協会、日本アニメーター・演出協会、日本SF作家クラブなどがインボイス反対声明を出しています。全国の自治体でも、インボイス中止、延期を求める意見書の可決が相次いでおり、289自治体、11月3日時点ですが、その数に急増しました。高知県内でも9自治体に広がっています。 県内事業者からも、下請業者、一人親方は全員が免税業者だが、要請しても課税業者にはならないと思う、インボイス制度はするが一般課税になる可能性もあり、そうなると免税事業者との付き合い方を考えなければならない、インボイス登録はしないといけないが、仮にしないといった場合、代わりをできる業者もほとんどいない業種で、元請も困るはずなどの懸念の声をお聞きしています。 このような懸念の声の高まりをどのように受け止めているのか、知事にお聞きいたします。 政府・与党も、インボイス導入に当たり中小事業者への3年間の税額軽減など、激変緩和措置を新たに設けることが報じられています。が、時限的な緩和措置では問題を先送りするだけで、解決にはなりません。 これまでも答弁をいただいておりますが、改めて経済状況悪化、また中止を求める世論の高まりという現状の変化を受けて、インボイス導入を中止、延期することを国に求める考えはないか、知事にお聞きをいたします。 次に、介護保険制度見直しについてお聞きをいたします。 物価高騰の一方、暮らしを支えるはずの社会保障が切り捨てられています。年金は0.4%減額され、10月から後期高齢者医療制度の窓口負担、現在原則1割に、初めて2割負担が導入され、約370万人が大幅な負担増となっています。 介護保険も2024年度の介護保険制度見直しへ向け、厚生労働省案では負担増、サービス切捨てなどの大改悪が狙われていました。しかし、広範な反対の声により、要介護1、2の生活援助の市区町村事業への移行、ケアマネジメント有料化などは見送られる方向となったと報じられていますが、11月28日の社会保障審議会介護保険部会では、介護保険サービス利用時の自己負担割合が2割となる対象者を拡大することの是非が議論をされています。 介護保険の自己負担は現在原則1割で、単身者で年金を含む年収280万円以上など一定以上の所得のある人は2割、同じく340万円以上など現役並みの所得がある人は3割となっており、65歳以上の所得上位20%が3割負担の対象となっています。厚労省の資料では、10月の後期高齢者医療費の窓口負担が2割となる対象が、単身者で年金を含む年収200万円以上などに拡大されたことを踏まえ、介護保険でも2割負担の対象を拡大するものです。単身者で年金を含む年収200万円以上などに拡大した場合、2割から3割負担の対象者は、65歳以上の所得上位約30%に拡大すると推計しています。 全日本民主医療機関連合会が施設入所者と在宅サービス利用者を対象に、9月中旬から10月にかけて調査を実施しました。施設入所者は514人回答しており、利用料2倍化した場合について、施設を退所もしくは退所を検討する13%でした。在宅サービス利用者は1,097人回答し、サービスの利用回数や時間を減らすなどの回答が34.4%となっています。調査結果について民医連は、利用料の支払いが困難でも利用を減らせない、退所できない等の事情を抱えた利用者が存在するとした上で、本人、家族に生じる深刻な影響が可視化してこないおそれがある、引上げ案の検討中止、撤回を求めるとコメントしています。 激しい物価高と年金削減、医療費負担増という中での介護保険の負担増であり、その影響は特に高齢化が進んでいる本県では極めて深刻です。どう受け止めているのか、知事にお聞きをいたします。 介護の負担増、サービス利用の抑制は、高齢者の暮らしとともに、その家族の負担増や介護離職の拡大、またコロナ禍で経営が悪化した事業者の撤退、倒産など働く場の減少にも連動します。介護・医療・福祉分野は本県の経済と雇用において大きな比重を占め、その充実には大きな意義があります。 介護保険料、利用料の高騰の原因は、介護保険発足当時に国庫負担率を従来の給付費の50%から25%に引き下げたことにあり、このうち5%は、後期高齢者の比率が高い自治体などに重点的に配分される調整交付金です。全国市長会、全国町村会もこの調整交付金は25%の外枠にして、国庫負担額を引き上げることを繰り返し要望しています。 介護サービス利用の抑制につながる負担増を中止し、国庫負担の引上げこそ図るべきだと思いますが、知事にお聞きをいたします。 本県では、中山間地域介護サービス確保対策事業費補助金が設置され、過疎地域での介護事業を支援しています。この中に、新規職員の雇用年度の5%の上乗せをする支援策が盛り込まれていますが、大豊町などでは新規雇用自体が非常に困難で、活用できていないとお聞きをしています。 中山間部での介護職員確保のため、新規就労年度だけでなく期間を拡充することや、事業所への助成ではなく就労職員自身への補助を盛り込むなど、制度の改善に取り組む考えはないか、子ども・福祉政策部長にお聞きいたします。 次に、農業問題についてお聞きいたします。 とりわけ、現在取り組まれているJA高知県の経営基盤強化対策と関連して、本県の農業をどのように振興していくのか、お聞きをいたします。JA高知県が経営基盤強化対策を進める背景には、何よりも長年のマイナス金利政策により、JAの経営を下支えしてきた信用共済事業収益が減少してきたことがあります。そして、この経営基盤強化対策は、第1に、今後もこの低金利政策が続くことが見込まれること、第2に、本県も人口減少が予想され、農業従事者、組合員も減少傾向にあること、第3に、最近の世界情勢の影響で農業資材等の高騰が、生産者のみならずJAに大きな影響を与えることなどの経営環境を考慮して、早急に経営基盤を強化しようというものです。 JAは自己改革の基本目標である農業者の所得増大、農業生産の拡大、地域の活性化に取り組むことは変更しないとしています。しかし、この取組は地域農業や地域住民に大きな影響を与えることになります。 そして、JAは環境制御技術等を活用した増収対策や、新品目・新技術の研究、生産・物流コストの削減対策、地域の活性化対策などには引き続き取り組んでいくとし、JAがこれらの取組を継続していくためにも、収支均衡以上の経営を維持できるよう、将来を見据えた事業、組織、経営の改革が必要としています。その上で取り組まれるのが、現在行われている自己改革であり、さらに来年度以降もJAは新たな改革を進めることで、今後の農業人口の減少等を踏まえて、事業所の人員体制の見直しなども視野に入れています。 こうした中で、地域の皆さんにとって危惧されるのがJAの支所や購買部、ガソリンスタンドなどの統廃合の影響です。こうした改革は、地域の農家にとっても地域住民にとっても、暮らしと経営に大きな影響を及ぼします。ある中堅農家は、統合によって支所が遠くなると大変不便になると話します。課題があれば自ら改革を行っていくことは必要ですが、肥料や燃油等の値上がりが農家の大きな負担になっている下で、また農家の高齢化も進んでいる下で、JAの支所統合などの改革の影響によって地域農業が衰退するようなことがあってはなりません。 県は、JAのこうした自己改革が地域の農家や地域住民にどのような影響を与えると認識しているのか、またJAの自己改革の影響を踏まえて、家族農業をどう支え、地域農業の振興をどう図っていくおつもりか、農業振興部長にお伺いをいたします。 次に、教科担任制と教員の確保についてお伺いいたします。 小学校高学年での教科担任制が今年度から本格的に始まりました。高学年の教科担任制は、外国語や算数、理科、体育などで専門性を持つ教員などが授業を行うものです。文部科学省の中央教育審議会が、担任の持ち時間数を減して授業準備の効率化を図るとして、2022年度をめどに本格導入が必要との答申を出し、検討会議が2021年7月にその在り方を公表しました。国は2022年度に本格導入としながらも、今年度の教科担任制の教員追加予算はたった950人分、20校につき1人分でしかありませんでした。 高知県でも今年度から希望する学校で実施をされていますが、何校実施し、負担軽減と授業準備の効率化に本当につながっているのか、教育長に現状を伺います。 今年、教科担任制が実施されて以降、高知県教職員組合が県内の全小学校、義務教育学校に小学校専科授業の在り方アンケートを取っています。加配の専科教員の配置された学校では、よかった点として、高学年担任の空き時間や教材研究の時間が確保できる、複数の目で児童が指導できるなどが挙げられています。が、専科教員には再任用の教員が充てられている例も多くあります。 国の加配規定では週に20時間以上の授業を受け持つとされているため、再任用の教員が毎日1から3時間目は6年生の算数、4時間目から6時間目は5年生の社会となり、空き時間はないとの回答もありました。週4日勤務の専科教員に週5時間ある算数を持たせたために、そのうちの1時間は担任が授業を受け持つ事例も生まれています。 加配のない学校では、特別支援学級や通級の担任が行う形が一番多く、次いで教頭先生や他学年の担任、近隣の中学校からなど、各学校の工夫に任されています。他校との兼務では、打合せをする時間がなくて子供のことを共有できない、昨年は本校だけだった理科専科が3校兼務となり本校に週2日しか勤務できない、校務分掌の担当ができなくなり働き方改革とは逆行している、児童との関係づくりも難しい。中学校との兼務では、小中学校では時間割が違う、小学校の授業経験がないので困る。担任同士の交換授業では、時間割を組むのが難しい、受持ち時間の削減になっていないとの回答が集まっています。 加えて、アンケートには、学校現場に関係なく人員配置のプラスアルファは不可欠、加配措置があってこそ実施できるとの声が多く寄せられています。専科教員が加配され、担任の負担軽減を図ることができますが、加配のない現場で教科担任制を強制すれば、軽減どころか過密労働が押しつけられます。また、各校の現状や小規模校などでの実態に見合った導入が求められています。無理を重ねて学校全体の運営などに支障が出ることがないようにすべきです。 これらの学校の現状をどう受け止められていますか、教育長に伺います。 推進を打ち出した文科省は、教科の種類や専科教員の持ち時間数について枠をはめているのではなく、実施できる範囲で行うようにとしています。県は2024年度には全小学校での実施を検討するとしていますが、全小学校での実施ありきではなく、各校の判断と無理のない教科担任教員の配置なしに踏み切ることはできないと考えます。 各校の判断を大切にし、教科担任制ありきの考え方を押しつけることがないように求めますが、教育長に御所見を伺います。 今、教育の現場は大きく変わろうとしています。デジタル化の下で、これまで学習指導要領にない分野が学習に盛り込まれ、週5日の授業時間割を組むのも現場では一苦労です。そんな中、先生のいない教室がこれまで大問題となってきました。先生の不足やゆとりのなさは教育を受ける子供たちにとって最大の悲劇です。県教育委員会もこれまで教員確保について様々な努力をしてきましたが、現状はさらに多くの先生が必要となっています。 文部科学省は、今年11月1日に都道府県教育委員会に対し、産・育休代替教師の安定的確保のための加配定数による支援についてとの事務連絡を出しました。来年4月からいわゆる教師不足の改善を図る方策の一環として、年度の初期頃に産・育休を取得することが見込まれている教師の代替者を4月の年度当初から任用することも有益として、加配措置支援を講じる予定にしているというものです。大変歓迎される事務連絡です。 実施のためには、臨時教員の確保が求められると考えますが、どのように取り組まれるおつもりか、教育長に伺います。 県はこの間、教員確保のため3年間の任期付教員確保を行ってきました。この皆さんは、臨時的に現場に就く要件が限られていて、育休代替などに限られた場合となっています。 今、任期付教員の採用数は何人になっていますか、教育長に伺います。 せっかく3年間の任期を確保している方々が、任期中に退職届を出して賃金の低くなる臨時教員に就くことがあるとお聞きします。任用がない時期は無給でボーナスもない状況になるのでしょうか。本来保証すべき3年間は給与も保証し、働く場も確保できる状況にすべきではありませんか。 採用要件を追加し、任期つきの間に切れ目なく仕事ができる体制にすることが急務かと考えますが、教育長にお伺いをし、私の第1問といたします。 (知事濱田省司君登壇)