高知県議会 > 2022-12-09 >
12月09日-02号

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  1. 高知県議会 2022-12-09
    12月09日-02号


    取得元: 高知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 4年 12月 定例会(第364回)-----------------------------------        令和4年12月9日(金曜日) 開議第2日-----------------------------------出席議員       1番  濱口涼子君       2番  槇尾絢子君       3番  桑鶴太朗君       4番  上治堂司君       5番  土森正一君       6番  上田貢太郎君       7番  今城誠司君       8番  金岡佳時君       9番  下村勝幸君       10番  田中 徹君       11番  土居 央君       12番  野町雅樹君       13番  横山文人君       14番  西内隆純君       15番  加藤 漠君       16番  西内 健君       18番  明神健夫君       19番  桑名龍吾君       21番  三石文隆君       23番  西森雅和君       24番  黒岩正好君       25番  依光美代子君       26番  大石 宗君       27番  武石利彦君       28番  田所裕介君       29番  石井 孝君       30番  橋本敏男君       31番  上田周五君       32番  坂本茂雄君       33番  岡田芳秀君       34番  中根佐知君       35番  吉良富彦君       36番  米田 稔君       37番  塚地佐智君欠席議員       17番  弘田兼一君       20番  森田英二君-----------------------------------説明のため出席した者  知事         濱田省司君  副知事        井上浩之君  総務部長       徳重 覚君  危機管理部長     中岡誠二君  健康政策部長     家保英隆君  子ども・福祉政策部長 山地 和君  文化生活スポーツ部長 岡村昭一君  産業振興推進部長   沖本健二君  中山間振興・交通部長 中村 剛君  商工労働部長     松岡孝和君  観光振興部長     山脇 深君  農業振興部長     杉村充孝君  林業振興・環境部長  豊永大五君  水産振興部長     松村晃充君  土木部長       荻野宏之君  会計管理者      池上 香君  公営企業局長     笹岡 浩君  教育長        長岡幹泰君  人事委員長      門田純一君  人事委員会事務局長  澤田博睦君  公安委員長      古谷純代君  警察本部長      江口寛章君  代表監査委員     五百藏誠一君  監査委員事務局長   高橋慎一君-----------------------------------事務局職員出席者  事務局長       山本和弘君  事務局次長      横田 聡君  議事課長       吉岡正勝君  政策調査課長     田渕史剛君  議事課長補佐     杉本健治君  主幹         春井真美君  主査         宮崎由妃君-----------------------------------議事日程(第2号)   令和4年12月9日午前10時開議第1 第1号 令和4年度高知県一般会計補正予算 第2号 令和4年度高知県給与等集中管理特別会計補正予算 第3号 令和4年度高知県会計事務集中管理特別会計補正予算 第4号 令和4年度高知県土地取得事業特別会計補正予算 第5号 令和4年度高知県母子父子寡婦福祉資金特別会計補正予算 第6号 令和4年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計補正予算 第7号 令和4年度高知県流域下水道事業会計補正予算 第8号 令和4年度高知県電気事業会計補正予算 第9号 令和4年度高知県工業用水道事業会計補正予算 第10号 令和4年度高知県病院事業会計補正予算 第11号 高知県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例及び知事等の給与、旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案 第12号 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例議案 第13号 高知県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例議案 第14号 高知県旅券法関係手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第15号 高知県立都市公園条例の一部を改正する条例議案 第16号 高知県手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第17号 高知県建築基準法施行条例の一部を改正する条例議案 第18号 高知県が当事者である訴えの提起に関する議案 第19号 高知県が当事者である訴えの提起に関する議案 第20号 令和5年度当せん金付証票の発売総額に関する議案 第21号 高知県立人権啓発センターの指定管理者の指定に関する議案 第22号 高知県立高知公園の指定管理者の指定に関する議案 第23号 高知県立埋蔵文化財センターの指定管理者の指定に関する議案 第24号 高知県立足摺海洋館の指定管理者の指定に関する議案 第25号 高知県立森林研修センター研修館の指定管理者の指定に関する議案 第26号 四国カルスト県立自然公園公園施設の指定管理者の指定に関する議案 第27号 高知県立池公園の指定管理者の指定に関する議案 第28号 高知県立室戸体育館の指定管理者の指定に関する議案 第29号 高知県立甲浦港海岸緑地公園の指定管理者の指定に関する議案 第30号 高知県立手結港海岸緑地公園の指定管理者の指定に関する議案 第31号 高知県立塩見記念青少年プラザの指定管理者の指定に関する議案 第32号 高知県公立大学法人の出資等に係る不要財産の納付の認可に関する議案 第33号 県有財産(土地)の取得に関する議案 第34号 県有財産(土地)の取得に関する議案 第35号 県有財産(土地)の取得に関する議案 第36号 県有財産の出資に関する議案 第37号 県有財産(土地)の処分に関する議案 第38号 県有財産(土地)の処分に関する議案 第39号 県有財産(土地)の処分に関する議案 第40号 国道441号防災・安全交付金(口屋内トンネル(Ⅱ))工事請負契約の締結に関する議案 第41号 国道494号社会資本整備総合交付金(野瀧トンネル)工事請負契約の締結に関する議案 第42号 和食ダム本体建設工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案 第43号 高知県土地開発公社の解散に関する議案 第44号 高知県公立大学法人定款の変更に関する議案 第45号 高知県公立大学法人に係る中期目標の制定に関する議案第2 一般質問   (3人)-----------------------------------   午前10時開議 ○議長(明神健夫君) これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △諸般の報告 ○議長(明神健夫君) 御報告いたします。 議員弘田兼一君から、病気のため、また議員森田英二君から、所用のため本日の会議を欠席したい旨、それぞれ届出がありました。 次に、第12号議案については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき人事委員会に意見を求めてありましたところ、同委員会の勧告の趣旨に沿ったものであり、適当であると判断する旨の回答書が提出されました。その写しをお手元にお配りいたしてありますので御了承願います。   〔人事委員会回答書 巻末237ページに掲載〕----------------------------------- △質疑並びに一般質問 ○議長(明神健夫君) これより日程に入ります。 日程第1、第1号「令和4年度高知県一般会計補正予算」から第45号「高知県公立大学法人に係る中期目標の制定に関する議案」まで、以上45件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問を併せて行います。 通告がありますので、順次発言を許します。 13番横山文人君。   (13番横山文人君登壇) ◆13番(横山文人君) おはようございます。吾川郡選出の横山文人です。議長のお許しをいただきましたので、自由民主党を代表して質問をいたします。 初めに、知事の政治姿勢についてお聞きいたします。 知事におかれましては、令和元年11月の初当選から3年が過ぎたところであります。当選直後の抱負では、高知を元気にしたい、若い人たちがもっと帰ってくる高知にしたいが政治の原点であるとされ、そのための大きな道筋は前の尾崎県政の中でつけてもらっている、これを継承し、御自身が持たれている得意分野を生かし、さらに発展させていきたいと強い決意を示されるとともに、県庁職員の創意工夫を引き出し、県庁全体のレベルアップを図りたいと濱田カラーを打ち出すことの大切さも述べられております。 また、県人口が70万人を割る時代に知事に就任されたことについては、社会増減をプラス・マイナス・ゼロへ持っていくことが当面の大きな課題との認識から、地場産業とデジタル技術をうまく組み合わせていくことの必要性を示唆し、さらには大阪府副知事時代の経験や人脈を生かした、大阪をはじめとする関西圏との結びつきの強化、すなわち関西・高知経済連携への着手、南海トラフ地震対策では要支援者の個別避難計画の策定や臨時情報へのきめ細かい対応を行うソフト面の強化など、就任時の抱負として語られております。 そして、共感と前進を県政の基本姿勢に掲げ、こうした決意や抱負を胸に船出された濱田丸を待ち受けていたのは、100年に一度の危機とも言われ、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症への対応でありました。まさに新型コロナ対策に忙殺された知事1期目と言っても過言ではなく、コロナ禍でダメージを受けた県経済を立て直すという大役が、知事に課せられることとなったわけであります。 こうした逆境とも言える中で、事業の継続と雇用の維持のため、いち早く創設した県独自の無利子融資制度や、高知観光リカバリーキャンペーンなどの経済対策、また感染拡大防止では検査協力医療機関の導入と公表、高知新港での県営ワクチン接種会場の開設による職域接種支援など、国、市町村と連携した対策により、本県の社会経済活動は厳しい状況ながらも保たれ、持ち直しの兆しが出てきています。このことは73.7%もの濱田知事の県民満足度に成果として現れているのではないでしょうか。 知事は、今年の年頭所感において、令和3年も新型コロナウイルス対応に明け暮れた一年だったが、今年は県の社会経済活動を本格的に回復させ、次なる時代の扉を開く節目の一年にしたいとした上で、県勢浮揚を目指し、新しい時代の流れを先取りして政策を進化させたいと決意されております。新しい時代におけるキーワードとは、濱田県政が重点施策として掲げるデジタル化、グリーン化、グローバル化にほかならないわけでありますが、さきに述べてきたように、コロナ禍でダメージを受けた県経済をしっかりと立て直し、ポストコロナの新しい時代を県民と共に歩んでいくためにも、来年は本格的な反転攻勢に打って出る年となることを期待するものであります。 そこで、これまでの御自身の県政運営に対する振り返りと、1期目最終年となる来年に向けた決意について知事にお聞きいたします。 こうした中で、先ほど申しました濱田県政3本の柱であり、新たな時代の成長の原動力であるデジタル化、グリーン化、グローバル化について、1期目最終年となる来年はどのように深化を図っていくのか、県民の関心も高いものと思われます。 知事は、就任直後からデジタル技術を活用した県勢浮揚を目指し、1年目から積極的に予算を投じてきました。令和元年度末に策定された行政サービスデジタル化推進計画を、コロナ禍を契機としデジタル化が急速に進む中で行政のみならず生活、産業にもウイングを広げ、令和2年度末にはデジタル化推進計画としてバージョンアップ、令和3年度末の改定では、デジタル社会の実現に向けて県民の皆様の御理解をいただくため、生活、産業、行政の3つの切り口で目指す社会像や将来のイメージを示し、その実現に向けた取組を強化しております。 主な取組として、生活、中山間地域の抱える課題への対応では、オンライン診療や遠隔授業の拡大、移動手段や物資の輸送手段の確立など。産業、生産性による産業振興では、Next次世代型施設園芸農業の推進やスマート林業、高知マリンイノベーションの推進など。行政、県民サービスの向上等では、行政手続のオンライン化やRPAによる行政事務の自動化などに取り組んできました。 また、グリーン化では、高知県として2050年カーボンニュートラルの実現を宣言し、これを達成するための県民、事業者、行政が一体となった取組を推進すべく、高知県脱炭素社会推進アクションプランを策定して鋭意進められております。喫緊の課題である気候変動問題と産業振興の両立を目指し、今年1月に行われた地域脱炭素をテーマとした環境省とのオンライン会議において、知事は、全国一の森林県として、吸収源対策や木材利用による都市の脱炭素のほか、紙産業の技術を生かしてプラスチック代替素材の開発など、グリーン化関連産業を育成したいと抱負を述べております。一方、先日の産業振興計画フォローアップ委員会では、グリーン化関連産業への中小・小規模事業者の参画が進んでいないとの指摘もあり、参画企業の裾野の拡大をしっかり図っていくことが肝要だと思われます。 グローバル化におきましては、国内の人口減少が進む中、県経済をさらに拡大させていくためには、これまで以上に海外市場へ積極的に打って出ることの必要性から、近年増加傾向にあるユズや土佐酒、養殖クロマグロといった県産品のさらなる輸出拡大に取り組んでおります。加えて、コロナ収束後を見据え、インバウンド観光も視野に入れておられるかと思います。 今後、ウイズコロナ、アフターコロナという新しい時代を迎えるに当たり、これらの3つキーワードをさらに推し進めていくためには、県民、市町村、県内事業者等から濱田県政の基本姿勢に掲げる共感を得ていくことが求められます。 そこで、これまでのデジタル化、グリーン化、グローバル化の取組の成果と、来年度以降の深化についての決意を知事にお聞きいたします。 12月2日、物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策の裏づけとなる、財政支出の総額が39兆円規模の令和4年度第2次補正予算が成立しました。この新たな総合経済対策の柱は以下の4本で構成されております。 第1に、価格高騰により厳しい状況にある生活者・事業者への支援や、危機に強い経済への転換、また継続的な賃上げの促進と中小企業支援を主眼とした物価高騰・賃上げへの取組。第2に、コロナ禍からの需要回復や輸出拡大など円安を活かした地域の稼ぐ力の回復・強化。第3に、人への投資の抜本強化やイノベーション、スタートアップ、GX、DXなど新しい資本主義の加速。最後に、ウイズコロナ下での感染症対応の強化や防災・減災、国土強靱化など国民の安心・安全の確保であります。 自然災害が激甚化、頻発化する中で、本県の安心・安全のためのインフラ整備を進めることは喫緊の課題であることに加え、コロナ禍の中、地域経済を下支えしてきた公共事業予算の確保は大変重要かつありがたいものだと感じております。こうした総合経済対策における4本柱には、物価高対策をはじめとする生活者支援、事業者支援など目下の対策と、新しい資本主義への中長期的な取組が組み合わされており、本県としても来年度当初予算と合わせ、しっかり取り組んでいかなければなりません。 そこで、このたびの国の総合経済対策への評価と、本県の物価高対策にどのように取り組むのか、あわせて経済対策の4本柱をどのように短期的、中長期的に県勢浮揚へつなげていくのか、知事にお聞きいたします。 現在、濱田県政1期目の最終年度における当初予算案の編成が行われております。さきに示された令和5年度予算編成方針のポイントは、取組の3本柱であるデジタル化、グリーン化、グローバル化の推進と原油価格・物価高騰対策の強化、南海トラフ地震対策、防災・減災対策などのインフラ整備の推進、県勢浮揚と県財政の持続可能性の両立であります。 この予算編成方針が通知され、11月中旬には予算見積書提出、12月上旬には当初予算見積概要の公表、年明け1月には知事査定へと入っていくわけでありますが、その年の県政運営の方向性を打ち出す当初予算について、濱田県政のこれまでを振り返ってみますと、当選直後の令和2年度は前県政を継承しつつも計画すべきことはするとした仕込みの一年をイメージされ、思いがけずコロナ対応に明け暮れた守勢の年となりましたが、令和3年度は仕込んできた施策を実行に移し、成果につなげる攻めに転じる一年、令和4年度はコロナ後への成長を見据え、大きな時代の流れと新しい時代のニーズを踏まえたコロナ後への布石の一年と言えるのではないでしょうか。 令和4年度当初予算案は前年度比186億円増となる4,821億円で積極型の予算編成が続いている中でも、国の「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」や「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」など、有利な財源の確保と最大限の活用、またコロナ禍に苦しむ事業者への支援を積極的に講じる中で、後年度負担の大幅な膨らみが懸念されていた県独自の実質無利子・無担保融資に関わる負担軽減に、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を充当できるように提言した上で、本県には人口1人当たり全国3位の交付を受けるなど、コロナ対応への経費と将来につながる投資的経費の確保、財政調整的基金の確保を図りながら、安定的な財政運営に一定の見通しが立てられております。 新県政の初めは、独自色を打ち出すインパクトやスピード感に欠ける印象もあると評されてきましたが、長く中央官僚を務められた知事として、国とうまく連携したコロナ対応の成果や、デジタル化、グリーン化など時代を先取りした取組、また県民座談会「濱田が参りました」で県内市町村を回ることにより拾い上げた現場の声などを生かし、これまで仕込みの一年、攻めに転じる一年、コロナ後の布石の一年とつなげてきた濱田県政の1期目の最終年となる令和5年度当初予算案は、濱田カラーをしっかりと打ち出し、ウイズコロナ、アフターコロナの県政の扉を開くものと期待しております。 そこで、ウイズコロナを踏まえ、令和5年度当初予算編成について注力する点など、知事の御所見をお聞きいたします。 次に、中山間対策についてお聞きいたします。 昨年度、10年ぶりとなる集落実態調査が行われました。この調査によれば、人口減少、高齢化が進む中、コミュニティー機能の低下や担い手の不足、産業の低迷等により集落全体の活力が衰退していることが県内全域の小規模集落を対象としたアンケートで浮き彫りとなるなど、厳しい現状に対して新たな対策や支援の必要性が明白になりました。 これまで本県は、中山間こそ高知の強みの源泉であることから、他県に比して品質や生産性などが比較優位にある1次産業中心の産業成長戦略と、地域地域の強みや特性を生かす地域アクションプラン、地域の活性化や生活機能の維持を図る住民主体の拠点である集落活動センターの中山間に係る3層構造をもって対策を講じてきました。 こうした中で、住民と県、市町村を挙げての取組により、高知市、南国市、香南市を除く中山間地域のGDP成長率は、平成13年度から平成20年度までの産業振興計画の実施前は名目でマイナス成長だったものが、平成23年度から令和元年度までの直近の数値ではプラス成長に転じることとなりました。さらに、中山間対策の拠点となる集落活動センターの設置数も32市町村、65か所へと広がり、その取組に満足しているとしたのは集落実態調査では75.2%と、中山間活性化の中心的な役割を果たしております。また、野生鳥獣被害対策や移動販売車への支援など生活用品の確保、担い手としての移住者数も令和3年度は過去最高の1,167組となり、5年連続で県内の全市町村で移住が進むなど、各施策の成果はしっかりと積み上がってきております。 しかしながら、このたびの集落実態調査で改めて浮き彫りとなったことは、少子高齢化、人口減少が厳しさを増す中山間地域にありながら、生まれ育った地域に住み続けたいと願う県民の皆様の切なる願いであります。知事は庁内の会議などで、施策が中山間振興にどのようにつながるか意識するようにと話しており、その思い入れは強いと存じております。 私も先日いの町の山間部に出向いた際、地区の夏祭りや敬老会など、にぎやかにしていたイベント、行事がコロナ禍で中止することとなったが、来年はお伺いできるといいですねと尋ねたところ、地元の方から、コロナが落ち着いたとしても、高齢化、人手不足で再開できるか分からない、敬老者が敬老会を開く状況になってきているとの切実な声もお聞きしたところであります。 人口減少率や財政力に基づいて支援する過疎地域の自治体が、令和4年度に全国市町村の半数を超すことが分かりました。国はこれまで地方創生を進めてきましたが残した課題は多く、中山間地域の窮状に対し、改めて直視する必要があるのではないでしょうか。これまで中山間対策を懸命に進めてきた本県の知事として、コロナ禍からの回復と反転攻勢を期す中、改めて中山間振興なくして県勢浮揚なしの決意を県民に示し、新たな中山間対策のグランドデザインを描くことが必要だと考えるところであります。 知事も提案説明で、中山間地域の再興に向けたビジョンづくりを進めると述べられましたが、本県を支える中山間地域の方々が諦めや不安に陥ることなく、今後も誇りと希望を持って地域に住み続けていくことができるよう、県がどういう中山間地域の姿を目指し、いつまでに何を行うのかといった将来像や方向性を明確に示していくことが重要だと考えますが、知事の思いをお伺いいたします。 また、中山間における地域や産業の担い手不足は顕著であり、そうした人材の確保が大きな課題と考えますが、今後どのようにして中山間地域の担い手を確保していくのか、中山間振興・交通部長にお聞きします。 次に、新型コロナウイルス感染症対策についてお聞きいたします。 長引くコロナ禍の中、第8波への対応と社会経済活動の両立、いわゆるウイズコロナの出口戦略の策定が求められております。本県でも過日開催された新型コロナウイルス感染症対策本部会議において、第8波への備えとして政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会がまとめた新たな対策強化宣言などの対応方針を取り入れることを確認、同時に既に第8波の入り口に差しかかっているとの認識も示されました。県としては、医療危機に陥らないよう先手先手の対策を講じながら、自粛要請の場合でもワクチン・検査パッケージ等を活用し、社会経済活動をストップさせないのが重要であると強調しています。 国としても、いよいよ感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律上の分類を2類から5類へ引き下げる議論を本格的に始める方針であり、年内には新型コロナの法的位置づけの見直し作業に着手、結論は年明け以降になる見込みとされており、オンライン診療の普及や検査キットの確保などと同様に、経口抗ウイルス薬ゾコーバの緊急承認など、分類引下げに向けた環境整備が進められています。 さて、その新型コロナ経口薬ゾコーバですが、初の国産ということもあり、国民からの注目はもちろんのこと、海外での先行薬に比べ小さめなので高齢者にも適していて、多くの医療機関から供給依頼があるかと存じます。厚生労働省は100万人分を購入する契約を塩野義製薬と締結していて、11月22日の承認から2週間程度は安全対策として、薬が働く仕組みが同じであるファイザー社が開発した飲み薬パキロビッドパックの処方実績のある、約2,900の医療機関や約2,000の薬局などへ11月28日から本格的に供給を始め、順次拡大していく予定だとしています。 それに沿って、高知県でも医療機関、薬局の選定が始まっているかと思われますが、速やかな登録申請のため早めに県に問合せをした方からは、いま一つ理解できないとのお声もありました。ゾコーバは当面一般流通を行わず、扱いに関して関係者にはいち早く周知徹底するべきであり、県としては12月2日に配分に関する国の通知をホームページに公開されたようですが、問合せを想定した事前配慮として、もっと分かりやすい取扱説明や留意点などを作成される必要があったのではないでしょうか。また、幾つかの県では登録医療機関等の一覧が閲覧できるようですが、高知県ではいまだリストは存在しません。 今後は、県独自の対応医療機関、対応薬局のリストを随時更新してホームページに載せるなど、ゾコーバに関する県民への積極的な情報発信と、医療機関等への丁寧な説明を心がけていただくことを要請いたします。 もうすぐ2週間程度が経過し、要件が緩和され、登録申請も増えることかと思われます。広島県などでは既にゾコーバ対応薬局が登録上限数を超えたため、募集を停止されています。対応医療機関の選定数に関しては、厚生労働省から目安の基準が示されているようです。 そこで、現段階で県内で取り扱える医療機関及び薬局は何か所あるのか、また薬の確保に関してどのような考えをお持ちなのか、健康政策部長に併せてお聞きします。 ゾコーバは、発症から3日以内に服用しないと効果が乏しくなるということですが、処方には患者の同意書が必要であり、薬の対象となる軽症の自宅療養者に対して、より早く薬を届ける体制を整えることも重要になってまいります。 そこで、こういった問題点に対して、県として何か解決策は考えられているのか、健康政策部長にお聞きします。 特効薬ではないにしても、第8波への不安に対して期待される新薬です。県民の皆様に安定供給がなされるよう、万全を期すことをお願い申し上げます。 次に、経済の活性化についてお聞きいたします。 まず、関西圏との経済連携の強化についてお聞きします。関西圏との経済連携の強化については、関西戦略をウイズコロナ、アフターコロナにおける本県経済の起爆剤とするべく、9月に関西圏における外商の抜本的な強化策を打ち出され、アンテナショップの設置をはじめとする外商強化の取組を進められております。このアンテナショップに関しましては、本県の食文化や観光などの魅力を関西のより多くの方々にPRし、県産品の販売拡大や観光誘客につなげるため、設置場所が大変重要になってくると考えます。今回、執行部から説明のあった梅田の商業施設は、大阪・関西万博などに向けて大規模な再開発が進み、経済活力が高まっている大阪の中心部にあることから、私も大いに期待しているところです。 知事から提案説明において、アンテナショップのコンセプトや機能を含めた基本計画の作成を進めているとの御説明をいただきました。そうした中、先月に開催された関西・高知経済連携強化アドバイザー会議では、アンテナショップの設置目的を明確化しコンセプトをしっかりと定めることが重要との意見が出されたと伺っております。梅田に新設するアンテナショップを、高知らしさにあふれ、東京とは違った、関西の皆さんに受け入れられる店舗とするためには、その根幹となるコンセプトが大変重要になるものと考えます。 そこで、新設するアンテナショップについて、コンセプトづくりを含め、開設に向けた知事の決意をお伺いいたします。 また、アンテナショップを多くの方々に利用していただくためには、プロモーションの強化も重要な取組であると考えます。今年度は、6月の大阪での記者発表会に加え、11月には県内市町村長や酒造組合と連携して、関西のメディアに対する県産品や本県観光のPRを実施するなど、知事御自身が積極的にプロモーションを展開されています。さらに、県産品の販売拡大に向けたプロモーションのさらなる強化に向けて、著名人を活用したPR事業などに取り組まれています。アンテナショップの開設に向けては、こうした本県の認知度向上の取組を継続して展開していくことが必要であると考えます。 そこで、関西におけるプロモーションの取組の現状と今後の展望について産業振興推進部長にお聞きします。 先月2日、第2回産業振興計画フォローアップ委員会が開かれ、第4期計画3年目に向けた各産業分野の令和4年度上半期の進捗状況及び専門部会報告、令和5年度の取組の強化の方向性が説明されたところであります。この産業振興計画では、官民協働、市町村との連携・協調を基本姿勢に進め、十分な質と規模感を当てることにより、これまで県経済の活性化を図ってまいりました。一方、長引くコロナ禍やウクライナ情勢の影響、原油価格や物価の高騰により進捗状況に停滞が見られるものもあり、このたびのバージョンアップにより、いち早く回復、反転攻勢の本格化を図っていかなければなりません。 本県は、コロナ禍の中、フェーズ1には事業の継続と雇用の維持、フェーズ2の段階では経済活動の回復、現在のフェーズ3の段階では社会・経済構造変化への対応と、各フェーズに合わせた支援策、経済の活性化策を講じてきました。産業振興計画を桑名龍吾県議のように飛行機に例えるならば、これまでに離陸するための滑走路を敷き、フライトを促していく作業を終え、これからはその滑走路に新しい技術や航路を開拓し、飛行機をより高く、より遠く、多くの場所に飛び立たせる作業に入ったと言えるのではないでしょうか。 濱田県政の産業振興計画は、ポストコロナの新たな時代の扉を開くための計画であり、そのためには、これまで地産外商を推し進め県経済を好循環に乗せてきた産業振興計画のさらなる強化を期待するものであります。 そこで、これまでの産業振興計画の成果と見えてきた課題を踏まえ、どのようにバージョンアップに取り組み県勢浮揚を図るのか、具体策について産業振興推進部長にお聞きします。 コロナ禍をはじめ国際的な資源価格の高騰、ウクライナ危機などが合わさり、あらゆる事業者における環境変化はこの2年余り目まぐるしいものがあります。こうした中、本県は、県独自の無利子融資制度の創設を皮切りに、事業継続、雇用維持のための県独自の給付金や新事業チャレンジ支援事業費補助金など、積極的に事業者支援を講じてきました。 その際、小規模事業者が約9割を占める本県において、県や市町村と連携し、事業者に寄り添いながら共に経営危機を乗り越えんと、経営環境変化への支援策を全力で展開してきたのは県内の商工会、商工会議所にほかなりません。地元企業が集まる商工会、商工会議所であるからこそ、地域経済の実態に即した声を行政に届けることが可能であります。また、商工会、商工会議所には、次代の本県の経済を担う若手の集いである青年部も、コロナ禍にありながら様々な工夫と助け合いにより、未来に向けた活動を積極的に展開しており、今後ますますの活躍を、同じ世代に生きる者として大いに期待を申し上げるところであります。 そこで、これまでの商工会、商工会議所と連携したコロナ対応の成果について商工労働部長にお聞きします。また、ウイズコロナ、アフターコロナに向けた商工会、商工会議所との連携や、事業者への支援力の向上にどのように取り組んでいくのか、併せてお聞きします。 ウクライナ危機やコロナ禍を契機として、食料安全保障の重要性が高まっております。JA全中が提唱する国民が必要として消費する食料はできるだけ自国で生産するという国消国産のメッセージは、10年後の日本農業のあるべき姿を見据えた考え方でありますが、他方、日本の農業の現実は厳しく、農業の国際化の進展により食料の多くを輸入に依存しており、食料自給率がさらに低下する可能性が危惧されております。 直近の問題として、コロナ禍による物流等の混乱に加えて、ウクライナ危機の影響、急激な円安等により、燃油、肥料、配合飼料といった生産資材等の急激な高騰があり、県もこれらの課題に6月、9月、そして今議会の補正予算をもって対策を講じてきましたが、国産農畜産物は市場の需給で価格が形成され、コストが最終価格に反映される仕組みにはなっていないため、生産資材価格が高騰を続ける中、農産物への価格転嫁はできておらず、食料安全保障の担い手である農家の経営は大変厳しいものにあるとお聞きします。 これらの問題は個々の生産者の経営努力で解決できるものではなく、放置すれば営農を継続できない生産者が増え、担い手不足や過疎化の進展につながり、食料安全保障上の問題に発展するおそれもあります。 先日、地元いの町のショウガ部会の皆さんと意見交換をした際にも、コロナ禍の影響をはじめ市場価格の急激な値下がりにより、今年の経営は大変苛酷であるとの悲痛なお声をお聞きしました。現在、いの町では北浦地区灌漑対策事業により、山の上の産地に農業用水を引き、生産性の向上と若者が農業を続けられる環境整備がなされており、地元では大変ありがたく感謝しているところであります。しかしながら、営農を続けていく以上は、しっかり稼げる農業でないと続いていかない、ひいては離農につながるのではないかと危惧しています。 こうした観点から、JAグループが推進する国消国産キャンペーンについて、さきに述べました国全体の食料安全保障の問題と同時に、県内における離農防止、営農継続のために県としても積極的に支援していくべきと考えます。 そこで、JAグループが行う国消国産キャンペーンの推進と、生産コストの転嫁など適正な価格形成の実現に向けどう取り組むのか、農業振興部長にお聞きします。 次に、日本一の健康長寿県構想についてお聞きいたします。 本構想におきましては、平成22年2月に日本一の健康長寿県構想を策定し、保健・医療・福祉の各分野の課題解決に真正面から取り組み、それぞれの分野で一定の成果が現れております。現在の第4期構想では、より骨太に、かつ挑戦的に対策を講じていくため、健康寿命の延伸に向けた意識醸成と行動変容の促進、地域で支え合う医療・介護・福祉サービス提供体制の確立とネットワークの強化、子どもたちを守り育てる環境づくりという3つの柱を設定し、目指す姿である「県民の誰もが住み慣れた地域で、健やかで心豊かに安心して暮らし続けることのできる高知県」の実現に向け取組を進めております。 今年3月には、これまでの成果と課題を検証した上で3つの柱から成る各施策をさらに充実強化させ、バージョン3へと改定したところでありますが、来年3月にも同構想のバージョンアップを図ることと思います。これに臨むに当たり、濱田県政が注力するデジタル技術の活用をはじめ、私も今年の2月県議会において質問をさせていただきましたが、中山間地域で暮らす発達障害を持つ子供たちへの通所支援など、中山間地域で暮らし続けることができる対策の強化へ鋭意取り組んでいただきたいと願います。 そこで、第4期日本一の健康長寿県構想のバージョンアップにより、どのように県民福祉の向上を図るのか、具体策について健康政策部長並びに子ども・福祉政策部長にお聞きします。 本県は日本一の健康長寿県構想の中で、栄養、身体運動、社会参加の3つの柱によって健康寿命を延ばす取組であるフレイル予防を推進しておりますが、とりわけ令和元年6月に県内初の取組として始まった仁淀川町での取組が先進的であります。フレイルの概念等を理解することから始まった同町の活動は、みんなで知恵を出し、みんなで汗をかき、みんなで振り返る住民主体の活動であるハツラッツの取組により、もう一度元気になろう、そして住み慣れた地域に戻り、暮らし続けようという前向きな考えの下、活動が展開されております。 こうした活動により、老いに立ち向かう自信を獲得するとともに、町自体もフレイル予防できるという気概が醸成されつつあります。知事も同町のフレイルサポーターによる表敬訪問やシンポジウムでの記念講演、また「濱田が参りました」で現場を視察するなど、大いに賛意を示していただいたところであります。 先日、名古屋大学の葛谷雅文名誉教授を委員長とする、フレイル予防啓発に関する有識者委員会から発表されました、フレイル予防のポピュレーションアプローチに関する声明と提言では、フレイル予防推進会議の設置が提言されました。濱田知事は、住民主体によるフレイル予防活動が日本の未来を先取りしているとも言える取組にまで発展している県の知事として、産業主体での取組が進む神奈川県の黒岩知事と2人で、同会議の発起人に名を連ねることとなったとお聞きしています。このことは、住み慣れたこの町で暮らし続けたい、子や孫の世代につなぎたいという思いから始まった仁淀川町の活動に勇気を与えるものであり、私からも感謝を申し上げます。 私は、今こそ、全国に先駆けて少子高齢化が先行してきた本県だからこそ、本提言に真正面から取り組むことが必要ではないか、本県の成功は、やがて日本の成功につながる手本となるのではないかと感じております。 そこで、フレイル予防推進会議に向けた準備会議の発起人としての意気込みと、本県のフレイル予防の対応からまちづくりの取組への展開について、特に仁淀川町のような住民主体の取組への支援の充実と加速化をどのように進めていくのか、知事にお聞きいたします。 次に、少子化対策と厳しい環境にある子供たちへの支援についてお聞きいたします。 初めに、依然危機的な状況が続いている少子化問題についてお聞きします。来年4月、子供政策の司令塔としてこども家庭庁が創設され、内閣府、文部科学省、厚生労働省等に分かれていた子供に関する政策が一元的に行われることとなります。我が国がコロナの次に乗り越えなければならない壁は少子化という壁であり、このたびの補正予算案でも国の総合経済対策の出産に対する支援への対応も組まれておりますが、場当たり的な対応にとどまらず、国はこのたびのこども家庭庁創設を契機とし、子供政策に関する予算の拡充と恒久化を図り、持続可能な少子化対策、子供政策として危機克服のための改革に全力で取り組んでいかなければなりません。県としても国との連携を一層深め、子供政策の充実強化を図っていくことが求められます。 そこで、新たに設置されるこども家庭庁へ期待することと、本県の少子化対策とどのように連携を図るのか、子ども・福祉政策部長の御所見をお聞きします。 厚生労働省が公表した人口動態統計速報によりますと、令和4年の出生数は初めて80万人を割る可能性が出てまいりました。また、昨年は新型コロナの影響もあってか、婚姻件数が50.1万組と戦後最低水準を記録しています。これはコロナが収まれば元に戻るというような楽観的なものではなく、現代の若者の結婚観や家族に対する思想の変化に起因している部分もあり、そこにコロナが追い打ちをかけ、経済問題や行動制限による出会いの機会喪失など複合的な暗雲が立ち込め、さらに結婚・出産意欲の低下を招いているといった結果ではないでしょうか。 今年5月の地元紙には、従来方式ではありますが、本県女性の未婚率が日本一だという見出しも躍りました。国立社会保障・人口問題研究所の2021年出生動向基本調査によると、前回よりかなり減少していますが、未婚者のうちで、いずれ結婚するつもりと回答された方の割合が80%を超えているのも事実であり、今こそ前例主義でない大胆な少子化対策を打ち出していく局面に来ていると確信しています。 また、結婚はあくまで自由意思であり、マッチングなどに抵抗のある方ももちろんおられるとは思います。今の時代、出会いの敷居が低くないと次のステップには到底結びつかないものの、うまくいかなかったときの恐怖心で動けないゼロリスク志向と言われている、若い世代の背中を少し押してあげる施策も必要ではないかと思うところであります。 そこで、こうち出会いサポートセンターにおける取組の効果的な周知方法について子ども・福祉政策部長にお聞きします。また、婚活には抵抗感を持つ若者に対し、今後どのように出会いの支援を行っていくのか、併せてお聞きします。 少子化対策と並び、厳しい環境にある子供たちへの支援も急務であります。令和3年度の全国の小中学校における30日以上欠席した児童生徒の数は24万4,940人となり、前年度の24.9%増加、この急増の背景にはコロナ禍の影響で子供たちの意欲が低下していることなどがうかがえるとのことであります。 本県におきましても1,508人と前年度から270人増、1,000人当たりの人数も6.0ポイント増の31.2人と、前年度に続いて全国最高となっており、大変厳しい状況が続いております。県としてもこうした不登校対策への支援は積極的に行っておりますが、ウイズコロナを踏まえた実効性のある対応は急務であります。 県は今年6月、深刻な不登校対策について、教育次長をトップとする各課横断型の対策プロジェクトチームを立ち上げ、全国平均並みにまで下げる施策を検討することとしておりますが、そこで不登校対策プロジェクトチームの成果と今後の取組について教育長にお聞きいたします。 次に、教育の充実についてお聞きいたします。 県では、第3期高知県教育振興基本計画に基づき、コロナ禍にあっても子供たちが安心・安全の学校生活を送り、調和の取れた知・徳・体の生きる力を身につけることができるよう取組を進めております。そうした中で、令和4年度全国学力・学習状況調査結果では、小学校では国語、算数ともに全国平均を上回り、理科では全国平均との差を縮めるなどの成果が現れたものの、中学校では近づきつつあった全国平均との差が開くなどの結果が出ております。 こうした結果を受け、県教委ではPDCAサイクルの徹底と授業改善に取り組んでいるとのことですが、現在行っている県版の学力調査により定着状況を確認、分析し、さらなる対策を検討することが説明されました。子供の成長にとって学力向上が全てではありませんが、県と市町村の教育委員会が連携し、目標を掲げ取り組むことにより、子供たちの将来の可能性を広げていくという意味でチャレンジを続けていってもらいたいと感じています。 そこで、全国学力・学習状況調査が実施されている中で、本県の学力向上に向けた県版学力定着状況調査の意義について教育長にお聞きいたします。また、県版学力定着状況調査をどのように生かしていくのか、併せてお聞きいたします。 そして、学力向上に向けた取組と同時に重要なのが、地理的条件や学校規模に影響されない充実した教育環境の実現であります。どの地域に住んでいても、就職から進学まで子供たちの希望がかなえられる教育の充実、すなわち現在県が取り組む中山間地域の小規模校の活性化の取組である、県立高等学校再編振興計画のさらなる推進であります。遠隔授業や学校ごとでの魅力化の取組など、計画に基づいて進められておりますが、私の地元の高知追手前高等学校吾北分校では、入学者数が令和2年度10名、令和3年度7名、令和4年度12名となっており、今後も生徒数の増加はなかなか厳しい状況にあります。その他、中村高等学校西土佐分校や郡部の高校も生徒数の減少に地元は危機感を抱いていることと感じております。 しかしながら、再編振興計画で取り組む地元の学校の存続は中山間地域の活性化にも大きく関係することから、中山間振興の観点からもしっかり取り組んでいかなければなりません。加えて、移住者が移住先に求める重要な環境である教育の確保にも影響してまいります。 そこで、県内の中山間地域における小規模高校の存続に向けた活性化について教育長にお聞きいたします。また、生徒数の確保の取組をどう図るのか、併せてお聞きいたします。 この項最後に、日高特別支援学校寄宿舎の老朽化対策についてお聞きします。日高特別支援学校は、寄宿舎が南棟、北棟、西棟の3棟建設されており、遠方から通うなど、それぞれ御家庭の事情による児童生徒の宿舎として利用され、障害を持つ子供たちの健やかな成長を支えております。 一方、南棟と北棟は築50年以上が経過し、老朽化が激しく、また立地の関係から湿気がたまりやすく、床下の通気は遮断され換気ができない状態にあるほか、シロアリの大量発生や梅雨時期はカビ臭さが蔓延するなど、建物の劣化とともに児童生徒や教職員の衛生面に著しく悪影響を及ぼしており、事実、せきなどの健康被害を訴える児童生徒もおられたとのことであります。また、建設当時の慣習により、個室ではなく3人から4人の大部屋で寄宿しているため、子供たちのプライベートや、自立に向けた寄宿舎での教育が行えない状態にあります。 こうした課題を保護者や関係者よりお聞きしたことから、去る9月20日、桑鶴太朗県議と日高特別支援学校の寄宿舎を視察し、さきに述べた状態であることを確認するとともに、校長をはじめ学校関係者から厳しい現状にあることについてヒアリングを行ったところであります。 本県は、県立学校施設の長寿命化計画を策定し、築40年を経過している施設について順次老朽化対策を講じることとしておりますが、県財政に過度な負担がかからないよう、施設当たりのトータルコストの縮減を図りながら、学校単位で長寿命化改修または改築、そのどちらも実施しない等の方向づけを行うこととしております。 当然、県財政への過度な負担は避けなければなりませんが、私はこのたびの視察やヒアリングを通じて、以下の3点により最適な形での事業の実施を求めるものであります。第1に、障害を持ち、心身が丈夫でない児童生徒の多い特別支援学校の寄宿舎である以上、決して健康被害が出ないよう衛生面を考慮した立地にすること、第2に、特別支援学校の目的である児童生徒の自立に向けた教育が行えるよう、個室の確保を図ること、第3に、障害を持つ児童生徒が増加している近年、手狭となってきた駐車場の確保など、寄宿舎だけでなく学校の将来に寄与する計画であることであります。 これらを踏まえ、施設のトータルコストは考慮しながらも、障害を持つ児童生徒の安心・安全の確保、カビの発生を防ぐため週末は全ての畳を上げているという寄宿舎指導員の負担軽減、何よりこれからの子供たちの未来に資するものであるべく、しっかりとした老朽化対策、すなわち寄宿舎の改築が進められるべきものと考えます。先日、保護者一同から提出された要望書でも、改築に向けての切なる願いが込められており、県としてもその思いを重く受け止めていただきたいと存じます。 そこで、現在日高特別支援学校の寄宿舎における長寿命化改修事業についてどのような検討がされているのか、教育長にお聞きいたします。 最後に、防災・減災、国土強靱化についてお聞きいたします。 近年、激甚化、頻発化する自然災害に備えるため、現在国が取り組む防災・減災、国土強靱化策のさらなる推進が求められております。5か年加速化対策の道路関係では、災害に強い道路ネットワーク等を構築するため高規格道路の整備や老朽化対策などが新たな施策として盛り込まれ、ミッシングリンクの解消などに向け整備が推進されています。 この5か年加速化対策は、おおむね15兆円程度とされている事業規模に対し、3年間で約9.6兆円が措置されることとなり、現在折り返し地点を迎えています。我々高知県議会自民党道路調査会は、全国規模の組織である道路財源確保を求める都道府県議会議員の会での活動を通じ、自民党本部をはじめ国土交通省や財務省に対し、地方の実情も踏まえながら5か年加速化対策を力強く推進するため、必要な予算、財源を別枠で安定的に確保することや、5か年加速化対策後も予算、財源を通常予算とは別枠で確保し、継続的に取り組むことを強く訴えております。 本県としても、四国8の字ネットワークや国道33号などの整備をより一層推進する意味でも、5か年加速化対策後も継続的な取組が必要と考えますが、知事の御所見をお聞きいたします。 また、現在土木資材で3割高騰と言われるように、公共事業においても資材単価などが高騰しております。このことは、5か年加速化対策で予算は増えているとはいえ、物価高騰により同じ発注金額でも従来と比べ工事の出来高が減り、整備の進捗が伸び悩むことを意味します。 先ほどポスト5か年の予算確保について質問をいたしましたが、公共工事も物価高騰の影響を受ける中、インフラの整備を着実に進める取組と、県内建設業者の健全な育成・確保のため、適正な利潤の確保を図っていかなければなりません。これには、工期の短縮による経費の削減や、施工の過程で無駄を省き効率化を図ることなど受発注者間での取組が必要であり、建設産業における担い手不足や物価高騰の中、官民が連携しウィン・ウィンの関係を構築していくことが、本県の安心・安全のためのインフラ整備の着実な推進に寄与するものと考えます。 そこで、公共事業における物価高騰の現状と対策、また工期短縮や現場作業と施工管理の効率化などにどう取り組むのか、土木部長にお聞きしまして、私の第1問といたします。   (知事濱田省司君登壇) ◎知事(濱田省司君) 横山議員の御質問にお答えをいたします。 まず、これまでの県政運営の振り返りと来年に向けた決意についてお尋ねがございました。 知事に就任いたしましてからの県政運営を改めて振り返りますと、やはり新型コロナウイルス感染症への対応に最優先で取り組んだ3年間であったと感じております。この間、特に感染拡大期には日々感染状況と医療の逼迫度合いを見ながら、迅速に対策を講じますとともに、社会経済活動との両立に向けまして、時に悩みながらも全力で対応してまいりました。あわせて、必要に応じて補正予算を編成いたしまして、経済対策をタイムリーに講じてまいったところであります。 一方、コロナ禍によります様々な制約がありながらも、5つの基本政策などに基づきます取組を絶えず進化させ、県勢浮揚に向けた挑戦を続けてまいりました。その結果、新たに打ち出した関西との経済連携の強化におきましては、大阪観光局と連携をいたしました観光客の誘客や、大阪市梅田へのアンテナショップ設置といった施策が着実に前進をしてまいっております。 さらに、世界的な脱炭素化の動きを県経済の活性化につなげるべく、脱炭素社会推進アクションプランを策定いたしまして、経済と環境の好循環の実現に向けた取組を開始いたしました。このほか、糖尿病性腎症対策や南海トラフ地震対策に備えました受援体制の整備なども進みまして、一定の手応えを感じているところであります。 また、県政運営の基本姿勢であります共感と前進の実現に向けて、県民座談会「濱田が参りました」と称しまして全市町村を訪問し、多くの県民の皆さんにお会いをしてまいりました。地域で創意工夫を凝らし頑張っておられる皆様から、私自身大きな力をいただきますとともに、現場の声を県政に反映し、空き家対策の抜本強化などに取り組んできたところであります。 このように、これまでの県政運営を通じまして、コロナ禍であっても様々な取組を前に進めることができたと感じております。しかしながら、いずれもまだ道半ばでありまして、当初想定していた成果には至っていないものもございます。このため、1期目の最終年となります来年は徹底して成果にこだわり、その成果を県民の皆さんの目に見える形でお示しをしたいというふうに考えております。 その上で、先々の県政も見据えながら、知事就任以降の取組をもう一段高いステージに引き上げ、未来への弾みとしてまいります。現下のコロナ禍や物価高騰による影響の克服と、元気で豊かな高知県の実現を目指しまして、県民の皆さんと共に残り1年を全力で駆け抜けてまいる決意であります。 次に、これまでのデジタル化、グリーン化、グローバル化の取組の成果と来年度以降の深化の決意についてお尋ねがございました。 県勢の浮揚に向けましては、社会や経済の変化を捉えまして、施策を絶えず進化させていくということが重要だと考えております。このため、アフターコロナ時代の成長の原動力となりますデジタル化、グリーン化、グローバル化という3つの潮流を先取りし、施策のバージョンアップを図ってまいりました。 その結果、各産業分野におきましてデジタル技術の導入が加速をしております。農業分野では、データ集積とAIを活用した生産性向上の基盤となりますIoPクラウドが本格的に動き出しました。さらに、医療・福祉分野におきますオンライン診療、行政分野におきます電子申請が拡大をするなど、県民の皆さんの負担軽減、そして利便性の向上に向けた取組が着実に前進をしてまいっております。 また、世界的な脱炭素化の流れの中で、本県の豊かな自然資源を生かしまして、新たな産業の芽の創出につなげる取組もスタートをいたしました。加えて、コロナ禍にありましても県産品の輸出額は着実に伸びてきておりまして、インバウンド観光客も回復に向かいつつあるという状況にあります。 来年度以降は、こうした成果を多くの県民の皆さん、そして事業者の方々に実感をしていただくことに加えまして、取組の裾野をさらに広げてまいりたいと考えております。 具体的に申しますと、まずデジタル化におきましては、生活、産業、行政それぞれの分野で課題解決に向けたデジタル実装の加速化を図ります。具体的には、マイナンバーカードを活用いたしましたバス乗降改札システムの実証に取り組みますほか、ドローンやレーザーなどの新技術を活用しましたインフラ点検を拡大したいと考えております。加えまして、行政分野におきましてもペーパーレス化、抜本的な業務改善を通じて、場所や紙にとらわれない県庁のワークスタイル改革を進めてまいることによりまして、職員の創造性の発揮、効率的な業務執行につなげたいというふうに考えております。 次に、グリーン化におきましては、経済と環境の好循環の実現に向けた各プロジェクトの取組を強化してまいります。具体的には、和紙の技術を活用いたしました農業用のマルチシートの開発につきまして、紙産業技術センターなどの公設試験研究機関を中心に積極的に支援を進めます。また、環境負荷の低減に資する製品などの開発を対象といたしました補助制度を拡充するということなどを通じまして、より多くの事業者に、これに参画をしていただくということを目指してまいります。 グローバル化の分野では、さらなる輸出拡大に向けまして、海外展開に取り組む事業者の掘り起こしなどに取り組みます。あわせまして、インバウンド観光客の誘致拡大を目指して、台湾と高知龍馬空港を結ぶチャーター便の早期の就航を目指しますほか、国際線ターミナルの整備に向けた検討を再開いたします。 こうした新たな方向性を持って、3つの潮流を先取りした施策を一層深化させまして、より元気で豊かな高知県の実現に向けた道筋を切り開いてまいりたいと考えております。 次に、国の総合経済対策についての評価と本県の物価高騰対策、また経済対策の4本柱を踏まえた短期的、中長期的な施策の展開についてお尋ねがございました。 今回の総合経済対策は、物価高騰といった足元の難局を乗り越えまして、日本経済を持続可能で一段高い成長経路に乗せていくということを目指したものだと受け止めております。この中には、本県や全国知事会から提言を行ってきた内容も数多く反映をされておりまして、高く評価をいたしたいと考えております。 本県におきましても、議員のお話にもございました経済対策の4本柱に基づきます国の政策展開を県勢浮揚の追い風といたしまして、各施策を一層強化してまいりたいと考えております。 まず、短期的には、国の経済対策を踏まえて、今議会に提案をいたしております補正予算におきまして、原油価格・物価高騰によります影響の緩和を図るための対策などをしっかりと講じてまいります。具体的には、国の新たな借換保証制度を活用いたしまして、中小企業の資金繰り対策を充実させますほか、農業者、漁業者の燃料、飼料の購入費への支援を行います。あわせまして、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を活用いたしました防災・減災対策、インフラ整備を加速いたします。 また、中長期的には、物価高騰の長期化、あるいは世界的な脱炭素化の加速、さらにはコロナ禍によるデジタル化の進展や、新たな人の流れといった社会構造の変化への対応が重要であります。こうした変化をしっかり捉えまして、本県の成長への原動力としていかなければならないと考えます。 このため、同じく補正予算の中では新しい分野への事業展開、あるいはデジタル化に取り組みます事業者への支援に取り組みまして、その構造転換を後押しいたします。加えまして、照明器具のLED化、路線バスの電気バス導入などを支援いたしまして、事業者のエネルギーコストの低減を中長期的に進めたいというふうに考えております。 さらには、来年度の当初予算以降もこうした構造転換に向けた施策に重点的に取り組みまして、県経済の足腰をさらに強くしてまいります。加えて、円安を生かした輸出やインバウンド観光の促進、新たな人の流れを呼び込むための移住促進策などについても強化を図りまして、県政をさらに高いステージへと引き上げてまいります。 次に、令和5年度の当初予算編成に係ります所見についてお尋ねがございました。 来年度の当初予算編成のポイントとして3点を申し上げたいと存じます。1点目は、常に時代を先取りした県政を目指し、今後の成長の原動力となるデジタル化、グリーン化、グローバル化の3つの観点から、各施策をさらに進化させてまいります。あわせまして、原油価格・物価高騰によります影響の長期化を見据えて、省エネルギー、生産性向上といった事業の構造転換を図るための施策を充実させたいと考えております。 2点目は、県民の皆さんの安全・安心の確保、そして地域経済の活性化を図るために、防災・減災対策をはじめといたしますインフラ整備を着実に進めてまいります。3点目は、県勢の浮揚と県財政の持続可能性の両立を図るために、国の有利な財源を最大限活用する、あわせまして事業のスクラップ・アンド・ビルドの徹底によります財源の確保といった点に意を払ってまいる考えであります。 また、デジタル化、グリーン化、グローバル化の取組に重点的に予算を配分いたしますために、次世代施策推進枠を拡充するなどの予算編成上の工夫を行っております。 当初予算編成に当たりましてはこうした点に留意をいたしまして、徹底して成果にこだわりながら、未来への弾みをつける予算となりますように全庁挙げて取り組んでまいります。 次に、中山間地域の将来像や目指す方向性についてお尋ねがございました。 豊富な自然や食、文化を有します中山間地域は本県の強みの源泉でございまして、私自身、中山間地域の振興が高知県全体の発展のための礎となるものと信じております。このため、従来の中山間対策に新たに地域の活力やデジタル化といった視点を加えるなど、さらなる充実を図りながら全庁挙げて取組を進めてまいりました。 その結果、現在までに、住民主体で地域の活性化に取り組んでいただきます集落活動センターは、県内65か所で開設をされました。高知型福祉の拠点であります、あったかふれあいセンターも346か所で整備をされるに至っております。また、成長戦略によります1次産業の振興、あるいは地域アクションプランによります雇用の増など経済面での成果に加えて、水道未普及地域におけます生活用水施設では359件の整備がなされまして、生活用品、移動手段確保の取組が広がるといった形で、生活支援の面でも一定の成果が現れているというふうに考えます。 しかしながら、昨年度実施をいたしました集落実態調査の結果から見ますと、地域や産業の担い手不足がより深刻化をしております。そして、住民の皆さんが将来に不安を抱いているといった現状が改めて確認をされたところであります。 また、私が直接地域で住民の方々にお会いしお話をする中でも、県の取組が必ずしも十分には共有されておらず、不安を感じる声もお聞きをするところであります。一方で、地域を次の世代に引き継いでいきたいと頑張っておられる方々のお話も伺わせていただいております。そして、こうした地域の方々のお気持ちにしっかりと応えていかなければいけないと強く思ったところでございます。 議員の御提案のように、住民の皆さんが不安や諦めに陥ることなく、誇りや希望を持って暮らし続けていくために、また子や孫の世代のために地域を元気にしたいという方々と気持ちを一つにして取り組んでいくためにも、県の中山間対策全体の方向性あるいは将来像をしっかりと示していくということが、今大変重要であるというふうに考えております。 このため、来年度は中山間地域が再び活力を取り戻すためのしるべ、そしてともしびとなるように、県が目指す中山間地域の姿でございますとか、その実現のために行う施策、達成すべき目標、時期などをお示しいたしますための中山間再興ビジョンを策定いたしたいと考えます。そして、改めまして、中山間の振興なくして県勢の浮揚なしと、強い思いの下、決意を新たに地域の皆様、そして市町村の皆さんと共に、その実現に全力で取り組んでまいる決意であります。 次に、関西圏のアンテナショップのコンセプトづくりなど、開設に向けた決意についてお尋ねがございました。 議員のお話にもありましたように、大阪に新設をいたしますアンテナショップは、高知らしさがあふれ、東京とは一味違った、関西の皆さんに広く受け入れられる店舗にしたいというふうに考えております。 現在、基本計画の策定に取り組んでいるところでありますが、そうした店舗として機能させるためには、しっかりとしたコンセプトづくりが特に重要となると考えます。そのため、様々な商品のデザインやキャッチコピーに豊富な実績を持ちまして、県内外から高い評価を得ておられます県内在住のデザイナーと共に、コンセプトづくりに着手をいたしたところであります。 今後、早急に魅力あるコンセプトを盛り込みました基本計画案を取りまとめまして、2月議会でお示しをしたいというふうに考えております。 一方、商業施設への入居に関しては現在交渉中でありまして、年内には入居できる区画が提示をされる予定ではあります。本県が希望しております区画は、JR大阪駅から連結をいたします歩行者デッキの入り口にございまして、多くの人通りが期待できることから、条件としては最適だと考えております。本県は、全国に先駆けて出店の意思表明をしたことによりますアドバンテージがあるというふうにも伺っておりまして、恐らく希望の区画に入居できるのではないかという見通しを持っております。 そうした中、昨年5月に解散をいたしました大阪高知県人会が再結成に向けて動き出したというふうにお聞きをいたしました。地元の県人会が再結成をされますことは、アンテナショップの開設に向けて追い風になるものと大いに期待をいたしております。関西と高知は歴史的なつながりも深く、高度経済成長期の集団就職によりまして高知にルーツを持つ方々が数多くおられますし、今なお進学、就職で関西を選ぶ方々も多数おられます。今後はこうした本県の出身者や御縁のある方々を大きな輪で巻き込んでいく、そして応援をしていただけるような仕組みづくりを行っていくということによりまして、強固なオール高知の体制を構築したいと考えております。 このアンテナショップの開設によりまして、県産品の外商拡大はもちろんでありますが、首都圏と比べて距離が近いという優位性を生かした観光の誘客、移住の促進、こうした成果にもつなげてまいりたいと考えております。 次に、フレイル予防の推進に向けた意気込みなどについてお尋ねがございました。 お話がございましたように、仁淀川町などで取り組まれておられます住民の皆さん主体でのフレイル予防活動は、健康寿命の延伸に加えまして、地域活性化の取組に資するものというふうに考えております。 このたびのフレイル予防推進会議に向けた準備会議の発起人への就任につきましては、私といたしましても本県の事例を全国発信するよい機会になるというふうに考えまして、承諾をいたしたところでございます。会議におきましては、仁淀川町のほか県内の事例を全国に紹介いたしまして、本県の取組が全国の多くの地域において展開されていく、そのためのお手伝いをしたいというふうに考えております。 あわせまして、この会議では、フレイル予防に関するデータの解析や、ポピュレーションアプローチの効果の計測などの調査研究が重要であるとし、取り組む予定というふうにもお聞きをしております。私といたしましてもこの会議を通じまして、他の地域の好事例あるいは調査研究の成果についても学び、このフレイル予防活動を本県の日本一の健康長寿県構想にもしっかりと位置づけまして、この取組を県内各地に展開してまいりたいというふうに考えております。 最後に、5か年加速化対策後の継続的な取組につきましてのお尋ねがございました。防災・減災、国土強靱化関連の事項でございます。 近年、気候変動がもたらします影響によりまして、全国各地で自然災害が激甚化、頻発化をしております。また、南海トラフ地震などの巨大地震の切迫度も年々高まっておりまして、国民の皆さんの命と暮らしを守るインフラは極めて重要な役割を担っているというふうに考えます。 こうした背景も踏まえて、国におきましては、インフラが災害時にしっかりと機能を維持できますように、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に引き続きまして、5か年加速化対策の取組が進められているということについては御指摘があったとおりでございます。 道路事業を例に取りますと、5か年加速化対策におきましては、高規格道路の整備、老朽化対策が新たにメニューに盛り込まれました。この施策によりまして、四国8の字ネットワークなどの高規格道路のミッシングリンク解消に向けた整備は加速をしておりますけれども、完成までにはまだ多くの費用と時間を要するわけであります。5か年加速化対策が終了いたしまして、仮に通常予算のみでの対応となりますと、これまでの整備ペースが極端にペースダウンをするということが見込まれます。 本県の道路事業の規模で、概算で申しますと通常分300億円に対して、この加速化対策で100億円程度の上積みをして加速を図っているという状況にございますので、もしこの加速化対策が一気にゼロということになりますと、完成までの道のりがますます遠ざかってしまうというような状況であるわけでございます。 こうしたことがございまして、全国知事会や全国高速道路建設協議会など様々な機会を通じて、国などに対しまして5か年加速化対策後も国土強靱化に必要な予算や財源を通常予算とは別枠で確保するということ、そして継続的に取り組むこと、こういったことを働きかけをしているところであります。 今後も、防災・減災、国土強靱化の予算、そして財源を安定的に確保し、強靱な国土づくりを強力かつ継続的に進めていけますようにしっかりと訴えてまいります。 私からは以上であります。   (中山間振興・交通部長中村剛君登壇) ◎中山間振興・交通部長(中村剛君) 中山間地域の担い手確保についてお尋ねがございました。 議員御指摘のように、中山間地域の多くの集落は人口減少や高齢化によって地域の担い手が減少し、それによって地域の活力が奪われ、さらに集落機能の低下や産業の衰退を招くといった大変厳しい状況にあります。この担い手の確保はまさに喫緊の課題でありまして、地域おこし協力隊の大幅拡充や特定地域づくり事業協同組合の設立支援、移住促進のさらなる強化などに早急に取り組む必要があると考えております。 まず、地域おこし協力隊に関しては、令和8年度には県と市町村を合わせて現在の2倍以上となる500名の協力隊が確保されるよう取り組んでまいります。協力隊の募集段階の情報発信強化や任期中のサポート体制の充実、任期後を見据えた早期の支援など、各フェーズにおける現在の課題を踏まえ、より強力な取組を進めてまいります。 また、地域内の事業者の事業継続や発展のための地域人材、これを確保する特定地域づくり事業協同組合の設立支援では、設立意向のある市町村に対し計画づくりを支援するアドバイザーを派遣するなど、マンツーマンの支援を行うとともに、立ち上げコストを低減する新たな支援制度も検討してまいります。 さらに、移住促進の取組においては、特に伸び代が大きいと考えられるUターンの促進策、これを強化してまいります。デジタルマーケティングによる県出身者に対する効果的な情報発信、県全体のUターンに向けた機運を高めるためのキャンペーンなども行っていきたいと考えております。早急にこうした対策を講じ、少しでも早く成果が得られるよう、市町村と一体となって取り組んでまいります。   (健康政策部長家保英隆君登壇) ◎健康政策部長(家保英隆君) まず、新型コロナウイルス経口抗ウイルス薬ゾコーバについてお尋ねがございました。 先月22日に緊急承認されたゾコーバは、現在安定的な供給が難しいことから一般流通は行われず、国が一括購入し配分することになっております。国の配分方針は、緊急承認直後の2週間程度は原則パキロビッドパックの処方及び調剤実績のある医療機関、薬局に限定とされております。県は、対象機関のリストを取りまとめ国に提出し、国が委託設置するゾコーバ登録センターを通じて、配分を希望する対象機関からの依頼に基づきゾコーバの配分をすることとなります。 県としましては、まずゾコーバを安定的に医療機関などに確保できることを第一として、国の方針に従い、新型コロナウイルス感染症の入院協力医療機関などへの配分のほか、県医師会や県薬剤師会の意見も踏まえ、対応いただく医療機関や薬局をリスト化いたしました。 緊急承認から2週間程度を経過した後の取扱いについては、対象機関を限定せず、都道府県が地域の医療の状況に応じて選定できることになっておりますが、現時点で国から連絡はございません。当初示された配置の目安に本県の医療提供体制を当てはめますと、医療機関は50か所程度、薬局は100か所程度となります。国からの連絡があり次第、速やかに登録医療機関などの公表を行いたいと考えております。 今後、より多くの医療機関などでゾコーバを用いてコロナ医療が安定的に提供できることが望まれますので、国によるゾコーバの必要量や安定的な流通の確保について要望してまいります。 次に、ゾコーバの問題点に対しての解決策についてお尋ねがございました。 厚生労働省の通知では、本剤の有効性、安全性に係る情報は限られていることなどを踏まえ、本剤の使用や投与対象については最新のガイドラインを参考にすることとし、日本感染症学会から示されているCOVID-19に対する薬物治療の考え方に基づき、注意点などを示しております。これによりますと、感染症の症状が発現してから遅くとも72時間以内に初回投与することとされていることから、議員からお話のありました薬の提供体制の確保が、ゾコーバの供給量の確保と並んで重要な課題となります。 このため、自宅療養者などに対する調剤や薬の配送、感染拡大期における休日の薬局輪番体制の構築などについて、県薬剤師会に要請したところでございます。薬局、薬剤師の皆様には第7波の感染拡大期においても多大なる御協力をいただき、自宅療養者などへの適切なタイミングで医薬品を提供していただきました。 県としましても、引き続き県薬剤師会などと情報共有し、必要な体制の構築に努めてまいります。また、今後の国の通知などの速やかな医療機関や薬局への周知をはじめ、広く県民の皆様に対して丁寧な情報提供に努めてまいります。 次に、日本一の健康長寿県構想のバージョンアップの具体策についてお尋ねがございました。 令和2年度からスタートした第4期日本一の健康長寿県構想においては、まず健康寿命の延伸に向けた意識醸成と行動変容の促進に向けまして、生活習慣病予防対策や血管病重症化予防対策を強化して取り組んでまいりました。特に、血管病重症化予防対策では、県独自の取組としまして医療機関と市町村の保健師などが連携した生活指導プログラムを実施してきた結果、個人差はあるものの、糖尿病性腎症による透析導入時期を5年程度遅らせることができる可能性が見えてきたことは、大きな成果と考えております。今後は、その成果を基に全県的に取組を広げてまいります。 次に、地域で支え合う医療・介護・福祉サービス提供体制の確立とネットワークの強化に向けましては、特に訪問看護をはじめとした在宅療養体制の充実に注力してまいりました。令和2年度に設置しました県内外の有識者で構成する在宅療養推進懇談会からは、デジタル技術の積極的な活用が必要との御意見をいただいたところです。また、昨年度の県の集落実態調査においては、医療へのアクセスが不便と感じられている方が多くいらっしゃることも明らかになっています。 こうしたことを踏まえ、引き続き訪問看護体制の充実を図るとともに、中山間地域などでお住まいの方が医療のアクセスがしやすいよう、オンライン診療の普及を支援してまいります。 来年度は、第4期構想の総仕上げの年となります。これまで積み上げてきた成果を確実なものに仕上げるとともに、デジタル技術の活用により県民の皆様の利便性の向上も図ってまいりたいと考えております。   (産業振興推進部長沖本健二君登壇) ◎産業振興推進部長(沖本健二君) まず、関西におけるプロモーションの取組の現状と今後の展望についてお尋ねがございました。 関西戦略を推進する上では、議員御指摘のとおり、いかに効果的なプロモーションを展開していくかが重要となります。そのため、本年度は知事を先頭に大阪での記者発表会に加え、県内の市町村長や事業者と連携したPR活動を積極的に展開しております。 また、関西で抜群の知名度を誇る本県出身の元プロ野球選手、藤川球児さんに本県の食や観光に関するPR動画に御出演いただいたところ、高知家10周年特設サイトへのアクセス数が大幅に増加をしております。こうした取組の結果、関西圏のテレビ番組やインターネットニュースなどに多数取り上げられましたことから、本県の認知度は着実に向上しているものと受け止めております。 来年度は、さらなる認知度の向上と高知ファンの獲得、拡大に向けてメディアへのPRやイベント広告に加え、本県の食の魅力を発信する取組を計画しておるところです。具体的には、大阪の食のイベント会場におきまして、カツオのわら焼きタタキを実演販売するキッチンカーの展開や、旬の果物や野菜などを販売いたします出張日曜市の開催を検討しております。こうした取組を通じまして、高知の食のポテンシャルの高さを関西の方々に実感していただき、販売拡大につなげてまいりたいと考えております。 今後は、令和6年度に予定しておりますアンテナショップの開設、さらにはその先の大阪・関西万博を見据え、県内の市町村や事業者とも連携しながら、効果的なプロモーションを間断なく、かつ戦略的に展開してまいります。 次に、これまでの産業振興計画の成果と見えてきた課題、さらにそれを踏まえた今後のバージョンアップについてお尋ねがございました。 これまで4期14年間、地産外商を戦略の柱として産業振興計画に基づく取組を進めてまいりました。その結果、県内総生産や1人当たりの県民所得といった経済指標が好転するなど、人口減少とともに縮小する経済から、人口減少下においても拡大する経済へと構造を転じつつありました。 しかしながら、コロナ禍や物価高騰などにより、観光や1次産業をはじめ県経済は大きなダメージを受けております。そのため、今後はこうした状況下にあっても持続的な成長が可能となりますよう、ウイズコロナ、アフターコロナといった時代の変化を的確に捉え、臨機応変に施策を進化させていく必要があります。 今後の産業振興計画の方向性といたしましては、地産外商をさらに推進させることはもとより、経済成長の原動力となるデジタル化、グリーン化、グローバル化という3つの潮流を捉えて、生産性の向上や、さらなる付加価値の創出といったイノベーションを一層進めていきたいというふうに考えております。 具体的には、産学官民の連携を強化し県内外の英知を結集することで、デジタル技術を活用したヘルスケアやアニメといった新たな産業の創出や集積に取り組んでまいります。また、起業に関しましても、こうちスタートアップパークの取組を充実強化しますとともに、本県出身の起業家集団により設立されました支援団体と連携しながら、スケールアップを目指す起業家の成長を後押ししたいと考えております。 加えて、本県の豊富な森林資源を生かしたグリーンLPガスの開発や、さらには食物残渣や家畜の排せつ物を活用した資源循環型システムの構築といった、本県ならではのグリーン化関連産業の育成などにも挑戦したいというふうに思っております。 産業振興計画の次なるステージでは、こうした取組を質・量ともに充実していくことによりまして、将来にわたって持続的に成長する県経済を目指していきたいと考えております。   (商工労働部長松岡孝和君登壇) ◎商工労働部長(松岡孝和君) 商工会や商工会議所と連携した新型コロナウイルス感染症対応の成果と、ウイズコロナ、アフターコロナに向けた取組についてお尋ねがございました。 新型コロナウイルス感染症という未曽有の事態において、本県では、全国に先駆けた県独自の融資制度や、他県より一歩も二歩も踏み込んだ給付金制度などを創設いたしました。その上で、商工会や商工会議所など関係機関と連携して取り組んだ結果、例えば民間の調査会社によりますと、本県のコロナ関連の経営破綻件数割合は全国で39位と低い水準となるなど、事業者の事業の継続と雇用の維持につながったものと受け止めております。 これは、まさしく商工会などをはじめとする関係機関の皆様の御尽力のたまものであると考えております。日々の業務に加えまして、コロナ関連融資のあっせんや給付金の申請支援など、事業者に寄り添った支援をいただきましたことに対しまして、改めてお礼を申し上げます。 現在、本県経済は一定持ち直しが見られますものの、エネルギーや原材料価格の高騰など、事業者を取り巻く環境の不透明さが増しております。また、ウイズコロナ、アフターコロナにおける社会構造や消費行動の変化などへの対応も必要となっております。こうした状況に、引き続き商工会などと連携してしっかりと対応していくことが重要であると認識しております。 このため、デジタル化や事業再構築など、より専門性の高い支援ニーズに対応できるよう、地域の最前線で事業者の支援を担っておられます商工会などの経営指導員のスキル向上や専門人材の活用などによりまして、支援力の向上に取り組んでまいります。今後とも商工会など関係機関と密に連携しまして、地域経済の活性化と雇用の維持・創出に努めてまいります。   (農業振興部長杉村充孝君登壇) ◎農業振興部長(杉村充孝君) 国消国産キャンペーンの推進と、適正な価格形成の実現に向けた取組についてお尋ねがございました。 農産物はその多くが市場取引による相場で価格が形成されることから、燃油や資材価格などの高騰による生産コストの増加分を十分に価格転嫁ができない状況にあります。このため県としましては、コストの増加が価格に反映されるよう、JAグループが進める国消国産運動などの国民運動とも連動し、地産地消を通じた県産農産物の消費拡大を進めているところでございます。 一例を申しますと、官民協働による土佐茶プロジェクトの取組としまして、本年8月に産地を支援する土佐茶応援宣言を表明するとともに、販売利益の一部を生産者に還元するペットボトルの販売を開始しました。また、土佐茶応援宣言をしてくれている民間企業を中心に、社名入りのノベルティーグッズとしてリーフ茶を購入していただく取組などを進めており、土佐茶を応援する地産地消の輪が広がっているところでございます。 お尋ねのありました適正な価格形成の実現に向けましては、こうした地産地消の取組に加え、消費者への訴求力を持った販売関係者に直接働きかけることも重要であります。このため、販売単価が落ち込んでいるショウガなどの産地にバイヤー等を招聘し、直接生産者と意見交換をする機会を設けております。この取組は、生産者の厳しい実情を理解していただける方を増やすとともに、買手と売手が売買数量や価格を決めて取引を行う相対取引の拡大にもつながることから、今後も広げてまいりたいと考えております。 一方、国からは安定的な食料供給のための適正な価格形成の在り方について検討する方針が示されておりますので、この動きを注視し、必要に応じて国に政策提言を行ってまいります。   (子ども・福祉政策部長山地和君登壇) ◎子ども・福祉政策部長(山地和君) まず、日本一の健康長寿県構想のバージョンアップの具体策についてお尋ねがございました。 第4期日本一の健康長寿県構想のバージョンアップにつきましては、3つの柱に沿ってPDCAサイクルに基づき取組を強化してまいります。 まず、柱の2、地域で支え合う医療・介護・福祉サービス提供体制の確立とネットワークの強化では、生きづらさを抱える人を見逃さない高知型地域共生社会の実現に向けた取組を強化したいと考えております。ひきこもりやヤングケアラーなどの複合課題への対応として、分野を超えた多機関協働型の包括的な支援体制が早期に全市町村で整備されるよう、働きかけを強めてまいります。 デジタル化の取組につきましては、あったかふれあいセンターにおいてデジタル環境の整備を進め、オンライン診療への活用や、世代を超えた集いの場の創出につなげてまいります。 中山間対策としましては、議員のお話にもありました、障害がある就学前の子供や高齢者が継続的、安定的なサービスを受けられるよう、サービス利用者の送迎負担の軽減や人材確保に向けた支援策を検討し、中山間地域で暮らし続けることができる環境の充実を図ってまいります。 次に、柱の3、子どもたちを守り育てる環境づくりでは、住民同士のつながり、地域全体で子育て家庭を支え合う住民参加型の子育て支援に取り組んでまいります。具体的には、育児不安の解消と孤立予防により、子育ての安心感を高めるため、身近な地域で相談しやすい仕組みづくりに取り組みます。また、厳しい環境にある子供たちへの支援としましては、ヤングケアラーへの対応を含め、子供や家庭を孤立させず、早期支援につなげるための施策を検討してまいります。 これらの具体的な施策につきましては、今後の予算編成過程を通じてさらに議論を深め、第4期構想の総仕上げとなります次年度のバージョンアップにしっかりと盛り込んでいきたいと考えております。 次に、こども家庭庁への期待と、本県の少子化対策との連携についてお尋ねがございました。 来年4月に少子化対策や子育て支援、虐待防止など幅広い分野を一元的に所管する組織として創設されるこども家庭庁には、特に3つの取組を期待しております。第1に、省庁間の縦割りをなくし、子供政策の司令塔としての調整機能を発揮し、ライフステージに応じた切れ目のない支援策を強力に推進していただきたいと考えております。 第2に、当事者である子供の意見を施策に確実に反映することで、子供の権利を保障し、誰一人取り残さず健やかな成長を後押しする、こどもまんなか社会の実現です。第3に、子供政策の総合的な拡充と、そのための安定的な財源の確保です。子育ての経済的な負担の軽減や仕事と育児の両立支援に加え、地方独自の取組強化につながる十分な予算を確保していただきたいと考えております。 本県では、妊娠期から切れ目のない伴走支援により、子育て家庭の孤立を防止する取組など、誰もが結婚・妊娠・出産・子育てに希望を持ち、安心して子供を産み育てられる環境づくりを推進しているところです。今後も、子供政策を一元的に推進するこども家庭庁の施策と連携し、保健、医療、福祉、教育など分野を超えた総合的な施策の展開を図るとともに、市町村や高知県少子化対策推進県民会議、関係の方々との連携を一層強化し、少子化対策に取り組んでまいります。 最後に、こうち出会いサポートセンターの取組の周知方法と、婚活に抵抗感を持つ若者への支援についてお尋ねがございました。 出会いの機会を応援するこうち出会いサポートセンターを、より多くの方に活用いただくためには、センターの「高知で恋しよ!!応援サイト」の認知度のさらなる向上が必要です。そのため、今年10月から動画等による広報プロモーションを官民協働で展開し、SNSや広報紙など様々な媒体を通じて応援サイトを紹介しております。その結果、10月のアクセス件数は前月と比べ56%増となっております。 今後は、若い世代に対して訴求力の高いSNSを積極的に活用し、情報発信をより一層強化してまいります。あわせて、センターでは一人一人の相談にきめ細かく対応しておりますので、相談員のスキルアップ研修の実施など、出会い応援サービスの充実に取り組んでまいります。 また、お話のようにマッチングに抵抗感がある方もおられます。今年度の県民意識調査でも、出会いを直接の目的としない多職種での交流が、出会い・結婚に必要な支援策の第2位となっております。このため、今後は異業種間の交流を支援する社会人交流サークルを開催し、マッチングを直接の目的としない交流の活性化を図るなど、若い世代の希望に合った出会いの支援につなげてまいりたいと考えております。   (教育長長岡幹泰君登壇) ◎教育長(長岡幹泰君) まず、不登校対策プロジェクトチームの成果と今後の取組についてお尋ねがございました。 本プロジェクトチームの目的は、組織的、横断的な体制を構築することにより、それぞれの取組の実効性をより高めることにございます。これまで各課が連携して取組を進める中で、例えば学校経営計画に不登校対策を的確に位置づける学校数や、不登校の未然防止などに活用される、きもちメーターの登録学校数が増加するなどの成果が見られております。また、放課後子ども教室の支援員などを対象とした不登校に関する研修会を関係課で協力して実施するなど、連携・協働した取組を進めております。 一方、現在国におきましては、不登校児童生徒数が増加する現状を踏まえまして、登校という結果のみを目標とせず、子供たちの社会的自立を図るため、不登校特例校の設置の促進など様々な教育機会を確保するという考え方が示されております。 本県におきましても、不登校出現率が依然高い状況が続いている中にありまして、これまでの取組に加え、多様な教育機会の確保の視点に立った不登校児童生徒への対応は必要なことと考えているところでございます。今後、同プロジェクトチームにおきまして、国や他県の情報収集を行い、具体化のための検討を進めていきたいというふうに考えております。 次に、高知県版の学力調査の意義と、その活用の仕方についてお尋ねがございました。 本調査の目的は、それぞれの学年で身につけるべき学力が児童生徒に定着しているかを把握し、その結果を踏まえ、教員や学校において個々の児童生徒の強みを伸ばし、弱みを強化することを大きな目的としております。そして、全国学力・学習状況調査の結果と合わせて分析することによって、児童生徒の学力の定着状況や伸びを経年で把握、分析することができます。各学校におきましては、この分析結果を基に一人一人の児童生徒に合った指導方法や内容を検討し、学習の個別最適化を図っていただくことが重要と考えております。 さらに、調査の結果は、各教員の授業改善状況の確認や学校の学力向上策のPDCAサイクルの確立に生かすとともに、教育委員会の施策の検証に活用しております。今後も市町村教育委員会と連携を図りながら、それぞれの調査を有効に活用していくことによりまして、児童生徒の学力の定着と向上に努めてまいります。 次に、中山間地域における小規模高等学校の存続に向けた活性化と生徒確保の取組についてお尋ねがございました。 高等学校は地域における教育の重要な拠点であり、とりわけ中山間では地域の活性化の観点からも、その存在意義は大変大きいものでございます。このため、県立高等学校再編振興計画後期実施計画などにおきまして、中山間地域の高等学校の魅力化に向けた取組を位置づけております。 県教育委員会では、生徒の希望を実現させるために、中山間地域の高等学校にいち早く遠隔教育を導入するとともに、地域と連携・協働した特色ある教育活動や部活動を推進するなど、魅力化に向けた取組を実施してまいりました。また、市町村によっては、地元に所在する高等学校へ進学する生徒に対し、入学・通学費用などを支援していただいております。こうした取組によって、徐々に中山間地域の高等学校における入学者も増加してきております。 今後は、これまでの取組を一層充実させるとともに、市町村との連携・協働の取組をさらに充実・発展させてまいります。加えて、県の移住施策との連携や、他県からの生徒を募集する地域みらい留学などの活用によりまして、生徒数の確保と地域の活性化を図ってまいりたいと考えております。 最後に、日高特別支援学校寄宿舎の長寿命化改修事業の検討状況についてお尋ねがございました。 日高特別支援学校の寄宿舎の北棟と南棟につきましては、議員のお話にもありましたように、建築から50年以上が経過し、著しく老朽化が進んでおります。また、立地や構造上の問題による生徒の健康・衛生面への影響や、多人数で大部屋に入るという寄宿舎環境による教育面での課題も認められ、早急に対応する必要があると考えております。 このため、本年度、長寿命化計画に基づいて基本設計を実施しており、この中で既存建物の長寿命化改修、または2棟を1棟に集約して改築といった2つの方向から対応を検討しているところでございます。整備費用の面では、既存建物の改修のほうがコストを抑えられます。一方で、日高特別支援学校の建物の構造上、衛生環境の十分な改善や大部屋の解消を行うためには改築する必要があります。 県教育委員会としましては、児童生徒の安全・安心な住環境の確保や、将来の自立生活を見据えた指導面などを考えますと、方向性としては改築が望ましいと考えており、今後費用と教育効果の両面からさらに検討を進め、結論を出してまいります。   (土木部長荻野宏之君登壇) ◎土木部長(荻野宏之君) 公共事業における物価高騰の現状と対策について、また工期短縮や現場作業と施工管理の効率化などの取組についてお尋ねがございました。 近年の社会情勢の変化により、公共工事で使用する資材の価格は値上がり傾向にあり、民間会社の全国調査によりますと、この1年間に例えば鋼材類については約15%、生コンクリートについては約20%上昇しております。 物価高騰への対策といたしまして、価格が頻繁に変動する資材につきましては、毎月市場の取引価格を調査し、最新の単価を使用して予定価格を算出しております。また、工事の契約後に資材の価格が大きく変動した場合は、請負契約書に基づきまして、変動額を適切に計上することとしております。 工期の短縮や現場作業の効率化の取組といたしましては、ICT活用工事の対象工種を拡大するなど、建設現場へのデジタル技術の普及を促進しております。また、施工管理の効率化の取組といたしましては、インターネットを活用し、遠隔地から現場を確認する遠隔臨場の普及を進めるとともに、工事管理や検査に必要となる書類の簡素化を受注者、発注者の双方に徹底してまいります。 ◆13番(横山文人君) 知事はじめ執行部の皆様には丁寧かつ前向きな御答弁をいただきました。特に、知事からは1期目最終年に向けての決意や、デジタル化、グリーン化、グローバル化などへの進化、また中山間地域の再興にかける思いや関西戦略、そして産業振興に向けての意気込みなどを述べていただいたところであります。 2問目はいたしませんが、これまでの濱田県政への思い、今後の期待を少し述べさせていただきたいと思います。現在、濱田県政の起爆剤として進められている関西戦略では、オール高知という言葉がよく使われます。私は、これまでのコロナ禍の中、感染拡大防止と社会経済活動の両立に対し、まさにオール高知で当たってきたと感じております。オール高知、すなわち県民、市町村、団体、事業者、そして県庁職員の皆様の不断の努力や協力があってこそ、コロナという未曽有の国難に立ち向かっていくことができましたし、濱田知事はその先頭に立ち、汗をかいてこられました。 これから本格的にウイズコロナ、アフターコロナに入ってまいります。これまでのコロナ禍の経験から、産業振興にしても、中山間対策にしても、教育の充実にしても、全ての施策にオール高知で取り組むことができるのが濱田県政だと感じております。 その意味で、来年は濱田県政の強みであり県勢浮揚のキーワードとなるオール高知をさらに推進し、ポストコロナの新しい時代の扉を開く年となるよう期待を申し上げ、私の一切の質問といたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(明神健夫君) 暫時休憩いたします。   午前11時51分休憩-----------------------------------   午後1時再開 ○副議長(西内隆純君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 34番中根佐知さん。   (34番中根佐知君登壇) ◆34番(中根佐知君) 私は日本共産党を代表し、以下質問をいたします。 まず、知事に対する政治姿勢についてお伺いをいたします。 敵基地攻撃能力について、岸田政権が年末に狙う国家安全保障戦略など安保関連3文書の改定に向けて、自民、公明両党が、相手国のミサイル発射拠点などをたたく敵基地攻撃能力の保有で正式合意をしました。岸田政権は、専守防衛の立場に変わりはないと主張していますが、実態は戦後安保政策の大転換を図るものとなっています。 1970年、当時の中曽根康弘防衛庁長官は、日本の防衛の限界については専守防衛を主とするとして、目的において防衛に限る、地域において本土並びに本土周辺に限る、手段において核兵器や外国に脅威を与える攻撃的兵器は使わないという3つの限定的要素が確立されていると説明をしています。1959年、当時の伊能繁次郎防衛庁長官は、平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところではないと明言をしています。専守防衛とは、国土防衛に徹し、相手の本土に被害を与えるような脅威にならないと伝え、相手に日本を攻撃する口実を与えない防衛戦略であり、拒否的抑止と安心供与から構成をされています。 敵基地攻撃は、この専守防衛の安心供与を真っ向から否定するもので、抑止に役立つどころか、互いの軍拡の悪循環で緊張を高め、偶発を含めて武力衝突の危険を増加させる安全保障のジレンマに陥る愚かな選択ではないのか、知事にお聞きをいたします。 政府によると、敵基地攻撃は相手が武力攻撃に着手したときに可能と説明をされています。これは、攻撃されていないのに反撃をする、国際法違反の先制攻撃と変わらないと多くの識者から指摘されています。攻撃対象も軍事基地に限定されず、政府機関なども含まれることを政府も認めています。攻撃すれば日本への報復攻撃は避けられません。 しかも、政府が集団的自衛権行使の発動要件である存立危機事態でも敵基地攻撃ができることを認めたのは重大です。同盟国のアメリカ軍が第三国と戦争状態となり、存立危機事態と認定すれば、日本は攻撃されていなくても自衛隊が米軍を支援するため相手国を先制攻撃し、日本を全面戦争に巻き込む危険な戦略です。政府はそのために軍事費を2倍化し、世界第3位の軍事大国に進もうとしています。国民1人当たり4万円、4人家族で年16万円の極めて重い負担です。 戦争の危機を増大させ、経済的にも暮らしと営業を破綻に追い込む敵基地攻撃能力保有は中止すべきではないか、知事にお聞きします。 何より、政府の安全保障政策には、いかに平和で安定した環境を築くかという外交戦略がありません。先日、アジアの30か国1地域から69の政党が参加し開催された第11回アジア政党国際会議では、地域と世界の平和と安定のためにブロック政治を回避することの重要性を強調し、競争よりも協力を強調した、また紛争解決の唯一の道としての対話と交渉を強調したと明記をしたイスタンブール宣言が全会一致で採択されました。ASEANをはじめ対話による紛争解決の流れがアジアの本流となっています。 憲法9条を持つ日本こそ軍事対軍事の対立を生むブロック政治を回避し、対話と交渉を進める先頭に立つべきではないか、知事にお伺いいたします。 次に、統一協会問題についてお伺いいたします。我が党の米田稔議員が、自民党と深い癒着が指摘をされる反社会的カルト集団、統一協会と、知事並びに関西・高知経済連携強化アドバイザー会議のメンバーの溝畑宏氏との関係をただした9月議会から1か月後、ついに山際大志郎経済再生担当相が辞任しました。統一協会の広告塔となって深刻な被害を広げたにもかかわらず開き直り、ごまかし続けてきた山際氏の辞任を求める野党と、70%を超えた国民の声に追い込まれた結果です。 山際氏を閣僚に任命しただけではなく、居直りを許し、辞任後には自民党の新型コロナウイルス対策本部長に就かせるなど、全く反省もなく統一協会との癒着を徹底調査もしようとしない岸田内閣は、その後たがが緩んだように2人の大臣の辞任が続き、ついに支持率は危険水域の30%割れ直前となっています。 9月議会で統一協会との関係を聞かれた知事は、今後の対応としてどうするかということに関しましては、こういった関わりは持たないつもりだということだと述べ、県行政としてはこうした社会的に問題がある団体の活動を助長する効果が見込まれる場合には、イベントへの後援、共催、あるいは補助金の支出を行わないなどといった形で、適切に対応してまいりますと述べています。 岸田内閣支持率低下を他山の石とし、県民の信頼を得るためには、9月議会で問題にした日韓トンネル関連の国際ハイウェイ財団など、統一協会関連団体を再度リストアップして県行政との関連を徹底調査すべきと考えますが、その後どう対応したのか、知事にお聞きをいたします。 また、選挙時に挨拶に行った知事と違って、協会のドル箱、日韓トンネル建設を我が事として推進するため、国際ハイウェイ財団の会合で16回も講演するなど、統一協会と深い関係が推測される関西・高知経済連携強化アドバイザー会議メンバーの溝畑宏氏については、行政的に近い関係があったということ、それをもって問題だということは必ずしも当たらないのではないかというふうに考えている、溝畑氏には、その経験や知見を生かして、引き続きアドバイザーの職を担っていただくと、溝畑氏をかばう答弁をした知事の姿勢は、山際元大臣をかばった岸田首相と同じものと県民の目には映っています。 アドバイザー職から外すべきという9月議会での指摘を受け、溝畑氏にはどう伝えたのか、その後の対応を含め、知事にお聞きをいたします。 本県南国市在住の橋田達夫さんが、統一協会の被害者としてマスコミで取り上げられています。橋田さんの元妻が約30年前に統一協会に入信し、つぼの購入から始まり子供たちへの入信強要、御長男の自殺、そして先祖伝来の田んぼの売却など、財産も御子息もなくしたと報道されています。このたび、知事に面談し実情を知っていただきたいとの要請があり、県民の会の上田周五県議と塚地県議と共に知事にお会いして、お話ししたと伺っています。 知事は、橋田さんの思いをどう受け取ったのか、お聞きをいたします。 また、さきの議会では、県立消費生活センターへの相談件数が明らかにされましたが、今年度県立消費生活センターや県内自治体が受けた相談件数は何件になっていますか。 あわせて、橋田さんのような被害者を救済し、また増やさないために、被害の実態や救済を求める県民の相談窓口を設けるお考えはないか、知事にお聞きをいたします。 また、県民への啓発に向けて、全国各地での被害の実態と手口を紹介し、これ以上の被害者増を防止するパンフレットなど作成するお考えはないか、知事にお聞きをいたします。 次に、マイナ保険証についてお伺いいたします。現行の健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードに一体化させると岸田政権が表明したことに国民的な批判が噴出しています。マイナンバーカードの取得は法律で任意とされています。国民皆保険の下でほとんどの国民が持つ健康保険証をなくしてマイナンバーカードに統合するのは、事実上の強制です。マイナンバーカードを持たない人の医療についてはこれから対策を考えるという無責任な姿勢です。認知症など手続が困難な人たちへの対応も見えません。 カードの普及が進まないのは、国民が必要としていないからです。マイナンバーカードの交付率は11月末時点で全人口の53.9%しかありません。保険証を一体化させたマイナ保険証は昨年10月に本格運用が始まりましたが、登録件数はいまだに全人口の26%程度しかありません。デジタル庁が8月から9月に行ったアンケート調査によると、マイナ保険証を申し込まない主な理由は、メリット・必要性を感じない29%、手続が面倒19.4%、情報流出が怖い14.7%などでした。 生活に欠かせない保険証と引換えにマイナンバーカードの取得を迫るのは強権的であり、デジタル化の土台である政府、政治への不信を強めるだけです。また、現行の保険証を廃止しなければ新しい制度の構築も必要ありません。行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、番号法第17条では、申請により、その者に係る個人番号カードを交付するとあるように、あくまでマイナンバーカードの取得は申請に基づく任意であることが規定されています。 法に定める任意取得の原則がある以上、カード取得を事実上強制するような健康保険証の廃止、マイナンバーカードへの一体化は行うべきではないと考えますが、知事の御所見をお聞きいたします。 また、日本共産党の宮本岳志衆議院議員による、マイナンバーカードをつくらずに健康保険証利用登録も行わない国民を医療から排除するのかとの質問に対し、国は、保険料を納めていれば保険診療を受けられるのは当然と答弁しています。 マイナンバーカードを取得しない被保険者が保険診療を受けられない事態は避けなければならないと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 同時に、政府は、2023年3月末までにマイナンバーカードを健康保険証として使うオンライン資格確認の導入の原則義務化を医療機関に求めています。全国保険医団体連合会が10、11月に医師、歯科医師に実施した実態・意識調査では、回答した医療機関8,707件のうち、保険証の廃止に反対65%、賛成は僅か8%。オンライン資格確認システムの運用を開始した医療機関のうち、41%でトラブルが発生。システム準備中の医療機関の導入の理由は、必要性を感じていないが義務化されたからの回答が91%となっています。システム費用については、54%が補助金を上回ったと回答しています。とりわけ深刻なのが、高齢世代を中心に医師、歯科医師の1割が閉院、廃院を検討していると明らかにしていることです。 資格確認の義務化が病院、診療所などの閉院につながる事態を避けるため、地域医療を守り、県民の医療を受ける機会を保障する立場から、オンライン資格確認の義務化の中止、延期を国に求める必要があると考えますが、知事にお聞きいたします。 次に、物価高騰・中小零細企業支援と最低賃金についてお伺いいたします。 食料品や光熱費など値上げラッシュとなった今年10月の消費者物価指数は、生鮮食品を除いて昨年同月比3.6%上昇し、40年8か月ぶりの上昇率という厳しい物価高騰となっています。具体的な上昇率は、外食のハンバーガーが17.9%、あんパン13.5%、電気代20.9%、ガス代20%、携帯電話機の通信料16.5%など、生活全般にわたって非常に高い率の物価上昇が起こっており、家計への深刻な打撃となっています。先日は四国電力が来年4月からの電気料金の値上げを発表するなど、今後も物価高騰が進むことが強く懸念をされます。 このような物価高騰の状況の中、賃金の底上げが切実に求められています。今年度の最低賃金の改定が行われ、10月9日から新たな最賃額が適用されています。今年度は、過去最大の引上げとなる全国加重平均で31円、上昇率は3.3%となりました。高知県では33円引き上げ853円となっています。 今年度の最低賃金改定についてどのように受け止められているか、知事にお聞きをいたします。 高知地方最低賃金審議会は、今年度の最低賃金引上げの答申として、中小企業への支援策拡充も併せて国に対して求めています。具体的には、業務改善助成金の制度見直し、最低賃金引上げに伴う中小企業・小規模事業者に対する社会保険料の増額分についての時限的な減免措置の検討などが盛り込まれています。 中小企業への支援策拡充を求めるこの答申をどのように受け止めたか、また県としても国に支援拡充を強く求める必要があると思うがどうか、知事にお聞きいたします。 最低賃金の引上げは、中小零細企業の支援とセットでなければ、事業者の経営を圧迫することになります。現状でも物価高騰、特に光熱水費の高騰など経費増が中小零細企業の経営を大きく圧迫しています。12月補正予算でも農業者などへの燃油高騰等支援、協同組合や私立学校などへの電気代の高騰支援が盛り込まれており、非常に重要な施策で評価をするものです。また、中小企業に対しては、新事業チャレンジ支援事業の中に賃上げ加算を設けるなど、重要な施策も盛り込まれています。 ただ、光熱水費の急激な高騰に対し、まずはその手当てが必要な局面ではないかと考えます。徳島県は、物価高騰対策応援金として中小・小規模事業者、個人事業主に対し直接支援する制度を創設しています。 徳島県の制度設計も参考にしながら、高知県としても県内の中小事業者や個人事業者を対象に直接支援する制度を創設すべきと考えますが、知事にお聞きいたします。 また、コロナ関連融資の返済開始が迫る中、事業者の事業継続を促すため、国の新たな借換保証制度を活用した融資をどのように周知徹底していくのか、商工労働部長にお聞きをいたします。 今年度の最賃改定は過去最高の引上げではありますけれど、全国の数値で見れば、物価上昇率に対して最低賃金の上昇率が追いついていないのが現状です。また、昨年度は全国加重平均で3.1%の最賃引上げでしたが、7月に発表された今年の中小零細企業の賃金上昇率は1.5%でした。このことを踏まえれば、物価高騰に対応するためには、さらなる最低賃金の引上げで賃金の底上げを促し、平均を押し上げる必要があると考えます。 来年度を待たず、最低賃金の引上げ、再改定を行うべきと考えますが、知事の認識をお聞きいたします。 次に、インボイス制度についてお伺いいたします。 このような物価高騰の中で、来年10月から消費税のインボイス制度が導入されようとしています。この間、日本共産党県議団としても、インボイスは中止、延期するべきと繰り返し提起をしてきましたが、物価高騰が一層進む中で、インボイス制度を予定どおり実施できる状況にはないと改めて指摘せざるを得ません。 インボイス制度の導入は、県内でも大きな混乱を招くと考えます。具体的にお聞きいたします。高知県は、集落活動センターによる地域活性化の取組を進め、県内65か所に広がっています。集落活動センターでは、特産品づくり、レストランなどによる飲食の提供などにも取り組んでいます。事業の売上高によりますが、これらの実施主体の中で一般課税の事業者がいれば、仕入れ控除のために取引相手に課税事業者になることを求めるか、自らが税負担するかの選択になります。こういった事態になれば、地域活性化の取組を阻害してしまいます。 集落活動センターへのインボイス制度の影響はどうか、想定される影響について、また地域活性化の取組が阻害されないよう対策は検討されているのか、中山間振興・交通部長にお聞きいたします。 シルバー人材センターへの影響も懸念されます。シルバー人材センターは、仕事を通じ高齢者の社会参加、生きがいづくりに取り組んでおり、高齢化社会の中で大切な役割を果たすとともに、高齢者の収入源としても重要です。 高知市シルバー人材センターを例に取れば、約4億円の契約金で1,000人の会員がおり、平均請負額は年間約40万円とのことです。インボイス発行事業者となり、簡易課税を選択するとして、約1万2,000円から2万円の税負担が生じます。加えて、インボイスの控えを7年間保存し、毎年消費税を納付する事務手続も行わなければなりません。そうなれば、シルバー人材センターの脱会が相次ぐのではないかと懸念されます。一方で、会員が免税事業者のまま残ることになれば、シルバー人材センターは仕入れ控除ができなくなります。 県内のシルバー人材センターに関して、インボイス制度によって生じる税負担は幾らになると推計をしているのか、またインボイス導入によって、シルバー人材センターから脱会が生じる事態は防がなければならないと考えますが、その対策は検討しているのか、商工労働部長にお聞きいたします。 財務省は、インボイス制度で免税事業者約488万者のうち161万者が課税事業者、インボイス登録業者となると試算をし、その税収増加分を2,480億円と見込んでいます。1者当たり15.4万円の消費税額となります。重要なのは、このインボイス導入は実質的な増税だということです。価格転嫁されるとすれば、消費者の物価をさらに押し上げることになります。 しかし、実態として消費税の価格転嫁が適正にできているかということそのものが問題となります。日本商工会議所が2020年6月に売上高別に消費税価格転嫁状況を調査しています。売上高1,000万円以下のビー・ツー・シー事業者において、一部あるいは全く転嫁できていないが44%、同規模のビー・ツー・ビー事業者では25.6%となっています。この間、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法などで消費税の価格転嫁を促してきた中にあっても、必ずしも価格転嫁ができていない状況です。 物価高騰の中、価格転嫁は一層困難になっています。インボイス導入が中小零細企業に新たな税負担を課すことになり、経営悪化、倒産、廃業などが起これば、取引をしている企業の業務の継続にも支障を来すなど悪影響の連鎖も考えられます。高知県は、中小企業・小規模企業振興条例をつくりました。本気で中小企業を振興しなければならない観点から見ても、インボイス制度の導入はマイナスの影響を与えるものだと危惧するものです。 この間の物価高騰の急速な進行、インボイス制度の問題点が周知されるにつれ、インボイス中止、延期を求める声は高まっています。この間、エンターテインメント業界での反対の声が高まり、日本俳優連合、日本漫画家協会、日本アニメーター・演出協会、日本SF作家クラブなどがインボイス反対声明を出しています。全国の自治体でも、インボイス中止、延期を求める意見書の可決が相次いでおり、289自治体、11月3日時点ですが、その数に急増しました。高知県内でも9自治体に広がっています。 県内事業者からも、下請業者、一人親方は全員が免税業者だが、要請しても課税業者にはならないと思う、インボイス制度はするが一般課税になる可能性もあり、そうなると免税事業者との付き合い方を考えなければならない、インボイス登録はしないといけないが、仮にしないといった場合、代わりをできる業者もほとんどいない業種で、元請も困るはずなどの懸念の声をお聞きしています。 このような懸念の声の高まりをどのように受け止めているのか、知事にお聞きいたします。 政府・与党も、インボイス導入に当たり中小事業者への3年間の税額軽減など、激変緩和措置を新たに設けることが報じられています。が、時限的な緩和措置では問題を先送りするだけで、解決にはなりません。 これまでも答弁をいただいておりますが、改めて経済状況悪化、また中止を求める世論の高まりという現状の変化を受けて、インボイス導入を中止、延期することを国に求める考えはないか、知事にお聞きをいたします。 次に、介護保険制度見直しについてお聞きをいたします。 物価高騰の一方、暮らしを支えるはずの社会保障が切り捨てられています。年金は0.4%減額され、10月から後期高齢者医療制度の窓口負担、現在原則1割に、初めて2割負担が導入され、約370万人が大幅な負担増となっています。 介護保険も2024年度の介護保険制度見直しへ向け、厚生労働省案では負担増、サービス切捨てなどの大改悪が狙われていました。しかし、広範な反対の声により、要介護1、2の生活援助の市区町村事業への移行、ケアマネジメント有料化などは見送られる方向となったと報じられていますが、11月28日の社会保障審議会介護保険部会では、介護保険サービス利用時の自己負担割合が2割となる対象者を拡大することの是非が議論をされています。 介護保険の自己負担は現在原則1割で、単身者で年金を含む年収280万円以上など一定以上の所得のある人は2割、同じく340万円以上など現役並みの所得がある人は3割となっており、65歳以上の所得上位20%が3割負担の対象となっています。厚労省の資料では、10月の後期高齢者医療費の窓口負担が2割となる対象が、単身者で年金を含む年収200万円以上などに拡大されたことを踏まえ、介護保険でも2割負担の対象を拡大するものです。単身者で年金を含む年収200万円以上などに拡大した場合、2割から3割負担の対象者は、65歳以上の所得上位約30%に拡大すると推計しています。 全日本民主医療機関連合会が施設入所者と在宅サービス利用者を対象に、9月中旬から10月にかけて調査を実施しました。施設入所者は514人回答しており、利用料2倍化した場合について、施設を退所もしくは退所を検討する13%でした。在宅サービス利用者は1,097人回答し、サービスの利用回数や時間を減らすなどの回答が34.4%となっています。調査結果について民医連は、利用料の支払いが困難でも利用を減らせない、退所できない等の事情を抱えた利用者が存在するとした上で、本人、家族に生じる深刻な影響が可視化してこないおそれがある、引上げ案の検討中止、撤回を求めるとコメントしています。 激しい物価高と年金削減、医療費負担増という中での介護保険の負担増であり、その影響は特に高齢化が進んでいる本県では極めて深刻です。どう受け止めているのか、知事にお聞きをいたします。 介護の負担増、サービス利用の抑制は、高齢者の暮らしとともに、その家族の負担増や介護離職の拡大、またコロナ禍で経営が悪化した事業者の撤退、倒産など働く場の減少にも連動します。介護・医療・福祉分野は本県の経済と雇用において大きな比重を占め、その充実には大きな意義があります。 介護保険料、利用料の高騰の原因は、介護保険発足当時に国庫負担率を従来の給付費の50%から25%に引き下げたことにあり、このうち5%は、後期高齢者の比率が高い自治体などに重点的に配分される調整交付金です。全国市長会、全国町村会もこの調整交付金は25%の外枠にして、国庫負担額を引き上げることを繰り返し要望しています。 介護サービス利用の抑制につながる負担増を中止し、国庫負担の引上げこそ図るべきだと思いますが、知事にお聞きをいたします。 本県では、中山間地域介護サービス確保対策事業費補助金が設置され、過疎地域での介護事業を支援しています。この中に、新規職員の雇用年度の5%の上乗せをする支援策が盛り込まれていますが、大豊町などでは新規雇用自体が非常に困難で、活用できていないとお聞きをしています。 中山間部での介護職員確保のため、新規就労年度だけでなく期間を拡充することや、事業所への助成ではなく就労職員自身への補助を盛り込むなど、制度の改善に取り組む考えはないか、子ども・福祉政策部長にお聞きいたします。 次に、農業問題についてお聞きいたします。 とりわけ、現在取り組まれているJA高知県の経営基盤強化対策と関連して、本県の農業をどのように振興していくのか、お聞きをいたします。JA高知県が経営基盤強化対策を進める背景には、何よりも長年のマイナス金利政策により、JAの経営を下支えしてきた信用共済事業収益が減少してきたことがあります。そして、この経営基盤強化対策は、第1に、今後もこの低金利政策が続くことが見込まれること、第2に、本県も人口減少が予想され、農業従事者、組合員も減少傾向にあること、第3に、最近の世界情勢の影響で農業資材等の高騰が、生産者のみならずJAに大きな影響を与えることなどの経営環境を考慮して、早急に経営基盤を強化しようというものです。 JAは自己改革の基本目標である農業者の所得増大、農業生産の拡大、地域の活性化に取り組むことは変更しないとしています。しかし、この取組は地域農業や地域住民に大きな影響を与えることになります。 そして、JAは環境制御技術等を活用した増収対策や、新品目・新技術の研究、生産・物流コストの削減対策、地域の活性化対策などには引き続き取り組んでいくとし、JAがこれらの取組を継続していくためにも、収支均衡以上の経営を維持できるよう、将来を見据えた事業、組織、経営の改革が必要としています。その上で取り組まれるのが、現在行われている自己改革であり、さらに来年度以降もJAは新たな改革を進めることで、今後の農業人口の減少等を踏まえて、事業所の人員体制の見直しなども視野に入れています。 こうした中で、地域の皆さんにとって危惧されるのがJAの支所や購買部、ガソリンスタンドなどの統廃合の影響です。こうした改革は、地域の農家にとっても地域住民にとっても、暮らしと経営に大きな影響を及ぼします。ある中堅農家は、統合によって支所が遠くなると大変不便になると話します。課題があれば自ら改革を行っていくことは必要ですが、肥料や燃油等の値上がりが農家の大きな負担になっている下で、また農家の高齢化も進んでいる下で、JAの支所統合などの改革の影響によって地域農業が衰退するようなことがあってはなりません。 県は、JAのこうした自己改革が地域の農家や地域住民にどのような影響を与えると認識しているのか、またJAの自己改革の影響を踏まえて、家族農業をどう支え、地域農業の振興をどう図っていくおつもりか、農業振興部長にお伺いをいたします。 次に、教科担任制と教員の確保についてお伺いいたします。 小学校高学年での教科担任制が今年度から本格的に始まりました。高学年の教科担任制は、外国語や算数、理科、体育などで専門性を持つ教員などが授業を行うものです。文部科学省の中央教育審議会が、担任の持ち時間数を減して授業準備の効率化を図るとして、2022年度をめどに本格導入が必要との答申を出し、検討会議が2021年7月にその在り方を公表しました。国は2022年度に本格導入としながらも、今年度の教科担任制の教員追加予算はたった950人分、20校につき1人分でしかありませんでした。 高知県でも今年度から希望する学校で実施をされていますが、何校実施し、負担軽減と授業準備の効率化に本当につながっているのか、教育長に現状を伺います。 今年、教科担任制が実施されて以降、高知県教職員組合が県内の全小学校、義務教育学校に小学校専科授業の在り方アンケートを取っています。加配の専科教員の配置された学校では、よかった点として、高学年担任の空き時間や教材研究の時間が確保できる、複数の目で児童が指導できるなどが挙げられています。が、専科教員には再任用の教員が充てられている例も多くあります。 国の加配規定では週に20時間以上の授業を受け持つとされているため、再任用の教員が毎日1から3時間目は6年生の算数、4時間目から6時間目は5年生の社会となり、空き時間はないとの回答もありました。週4日勤務の専科教員に週5時間ある算数を持たせたために、そのうちの1時間は担任が授業を受け持つ事例も生まれています。 加配のない学校では、特別支援学級や通級の担任が行う形が一番多く、次いで教頭先生や他学年の担任、近隣の中学校からなど、各学校の工夫に任されています。他校との兼務では、打合せをする時間がなくて子供のことを共有できない、昨年は本校だけだった理科専科が3校兼務となり本校に週2日しか勤務できない、校務分掌の担当ができなくなり働き方改革とは逆行している、児童との関係づくりも難しい。中学校との兼務では、小中学校では時間割が違う、小学校の授業経験がないので困る。担任同士の交換授業では、時間割を組むのが難しい、受持ち時間の削減になっていないとの回答が集まっています。 加えて、アンケートには、学校現場に関係なく人員配置のプラスアルファは不可欠、加配措置があってこそ実施できるとの声が多く寄せられています。専科教員が加配され、担任の負担軽減を図ることができますが、加配のない現場で教科担任制を強制すれば、軽減どころか過密労働が押しつけられます。また、各校の現状や小規模校などでの実態に見合った導入が求められています。無理を重ねて学校全体の運営などに支障が出ることがないようにすべきです。 これらの学校の現状をどう受け止められていますか、教育長に伺います。 推進を打ち出した文科省は、教科の種類や専科教員の持ち時間数について枠をはめているのではなく、実施できる範囲で行うようにとしています。県は2024年度には全小学校での実施を検討するとしていますが、全小学校での実施ありきではなく、各校の判断と無理のない教科担任教員の配置なしに踏み切ることはできないと考えます。 各校の判断を大切にし、教科担任制ありきの考え方を押しつけることがないように求めますが、教育長に御所見を伺います。 今、教育の現場は大きく変わろうとしています。デジタル化の下で、これまで学習指導要領にない分野が学習に盛り込まれ、週5日の授業時間割を組むのも現場では一苦労です。そんな中、先生のいない教室がこれまで大問題となってきました。先生の不足やゆとりのなさは教育を受ける子供たちにとって最大の悲劇です。県教育委員会もこれまで教員確保について様々な努力をしてきましたが、現状はさらに多くの先生が必要となっています。 文部科学省は、今年11月1日に都道府県教育委員会に対し、産・育休代替教師の安定的確保のための加配定数による支援についてとの事務連絡を出しました。来年4月からいわゆる教師不足の改善を図る方策の一環として、年度の初期頃に産・育休を取得することが見込まれている教師の代替者を4月の年度当初から任用することも有益として、加配措置支援を講じる予定にしているというものです。大変歓迎される事務連絡です。 実施のためには、臨時教員の確保が求められると考えますが、どのように取り組まれるおつもりか、教育長に伺います。 県はこの間、教員確保のため3年間の任期付教員確保を行ってきました。この皆さんは、臨時的に現場に就く要件が限られていて、育休代替などに限られた場合となっています。 今、任期付教員の採用数は何人になっていますか、教育長に伺います。 せっかく3年間の任期を確保している方々が、任期中に退職届を出して賃金の低くなる臨時教員に就くことがあるとお聞きします。任用がない時期は無給でボーナスもない状況になるのでしょうか。本来保証すべき3年間は給与も保証し、働く場も確保できる状況にすべきではありませんか。 採用要件を追加し、任期つきの間に切れ目なく仕事ができる体制にすることが急務かと考えますが、教育長にお伺いをし、私の第1問といたします。   (知事濱田省司君登壇)
    ◎知事(濱田省司君) 中根議員の御質問にお答えをいたします。 まず、いわゆる敵基地攻撃能力は武力衝突の危険を増加させる選択ではないのか、またその保有は中止すべきではないのかとのお尋ねがございました。関連をいたしますので、併せてお答えをさせていただきます。 ロシアによるウクライナ侵攻でございますとか台湾情勢、北朝鮮による弾道ミサイルの発射など、我が国を取り巻く安全保障の環境は年々厳しさを増しております。そうした中、我が国の周辺には相当数の弾道ミサイルが既に配備をされているということに加えまして、ミサイル技術は急速なスピードで変化あるいは進化をしているというのが現実でございます。 国におきましては、こうした安全保障環境に対応するために反撃能力、いわゆる敵基地攻撃能力の保有を検討されていると承知しておりまして、年末までにはその結論を出すこととしているというふうに伺っております。 この反撃能力について岸田総理は、専守防衛は憲法に基づく重要な安全保障における姿勢で、これからも変わることはないと述べられております。私も憲法や国際法の範囲内で対応していくべきものというふうに考えております。 防衛政策は国の専管事項でございまして、防衛力の強化につきましては、我が国を取り巻く安全保障環境あるいは社会経済情勢を踏まえまして、国政の場において幅広い議論が必要であると考えております。あわせまして、国民の皆さんの理解が得られますように、政府にはしっかりと説明責任を果たしていただきたいというふうに考えております。 次に、いわゆるブロック政治を回避し、我が国が対話と交渉を進める先頭に立つべきではないかという点についてお尋ねがございました。 我が国は、日本国憲法にうたわれます平和主義の理念に基づきまして、国際社会の責任ある一員として、これまでも世界の平和に向けまして国連平和維持活動、いわゆるPKOでございますとか政府開発援助、ODAに取り組んでいるところであります。現在のように安全保障環境が一層厳しさを増している中におきましても、様々な国と協力をいたしまして、国際法や国連憲章を遵守し、対話と交渉で問題解決に取り組んでいくことが必要だというふうに考えます。 政府におきましては、今後も外交の努力によりまして、国際社会の平和と安定に尽力をいただきたい、そういうふうに考えております。 次に、旧統一教会関連団体と県行政との関わりを把握するための調査についてお尋ねがございました。 先般県が行った調査に当たりましては、他県で行われた調査などを参考にいたしまして、旧統一教会及びその関連団体として10団体を選定いたしました。この中に、お話のありました国際ハイウェイ財団は含まれておりませんけれども、調査に当たりましてはこの10団体に限らず、関連団体と判断されるケースについては、各部局に幅広く報告するように求めたところでございます。その結果、旧統一教会及びその関連団体に対しまして、不当に便宜を図ったり、あるいは県民に誤解を与えるような事案は確認されておらないところであります。 こうした調査の経過や結果を踏まえますと、現時点で改めて関連団体のリストを更新した上で調査を行うということまでは考えておらないところでございます。 他方で、イベントの後援や補助金の支出などに当たって、より適切な事業執行を図るという観点からは、引き続き慎重に対応していくことが必要だと考えております。このため、行政との関係におきまして新たに問題のある事案が他県を含めて明らかとなったような場合には、必要に応じて庁内で情報を共有し、過去も含めて接点があれば個別に報告を求めたいというふうに考えております。 次に、9月議会におきまして米田議員から御指摘がありました大阪観光局の溝畑氏への対応についてお尋ねがございました。 米田議員からの御指摘に関しましては、議会の終了後、私が直接溝畑氏に状況を連絡いたしまして、これまでの経緯と今後の対応について御本人から確認を行ったところであります。溝畑氏によりますと、国際ハイウェイ財団から日韓の観光交流の必要性に関する講演の依頼を受けまして、2016年から2019年の間に講演を行った、その際にこの財団が旧統一教会の友好団体であるとの認識はなかったとのお話でありました。また、今後につきましては、今後は旧統一教会の活動を助長するような行動を取るつもりは一切ないという説明がございました。 この溝畑氏と旧統一教会との関係及び今後の対応の姿勢につきまして、このように確認が取れましたこと、また引き続き溝畑氏は言わば本職であります大阪観光局の理事長職を担われているということを踏まえ、本県としても引き続きアドバイザーとしての委嘱を継続したいと考えておりまして、今後も関西戦略の後押しをお願いするということといたしております。 次に、旧統一教会による被害を訴えておられる橋田さんとの面会に関連いたしまして、橋田さんの思いをどう受け取ったのかというお尋ねがございました。 橋田さんとは一昨日、知事室でお会いをいたしまして、約15分間にわたりお話を伺いました。橋田さんからは、元配偶者の入信によりまして家庭崩壊に至るといった、大変壮絶な経験をされたということをお聞きいたしまして、その無念さが言葉の端々から伝わってまいりました。また、被害を拡大させたくないという強い思いから、あえて実名でマスコミに顔を出して被害を訴えているということについては、私としても勇気ある行動を取られているものという感想を持ったところでございます。 橋田さんの思いを受け止めまして、県といたしましても国会で今議論が行われております被害者救済新法や改正消費者契約法などの新しい制度が確立をいたしましたら、この制度の周知と相談対応の充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、県立消費生活センター、そして県内の自治体が受けたこの被害の相談件数についてお尋ねがございました。 県立消費生活センターにおきましては、旧統一教会に関しまして、本年4月から先月末までの間に3件の相談をお受けしております。また、県内の市町村の状況について問合せをいたしましたところ、2市で2件の相談を受けたということが確認できているところであります。 次に、被害の実態や救済を求めます県民の相談窓口を設ける考えはないかというお尋ねがございました。 現在、国におきましては、被害者の救済に向けまして、日本司法支援センター、いわゆる法テラスを中心に、国、地方を挙げて総合的に相談体制の充実強化を図ろうという考えで取り組まれておるところであります。 県におきましても、県立消費生活センターにおきましては、霊感商法を含む消費者問題に関する相談窓口として、旧統一教会問題についても既に様々な御相談をお受けしているところであります。このセンターでは、消費者トラブル以外の御相談をお受けした場合にも、相談内容に応じまして、法テラスあるいは県警察をはじめとする専門機関にお話をつないでいるという対応を取らせていただいております。 県といたしましては、こうした形で設けております相談窓口の周知を、県のホームページや啓発のリーフレットなど様々な広報媒体を通じまして、引き続き行ってまいる考えであります。あわせまして、被害内容に応じました対応をしっかりと行い、被害に遭われた方々の救済につながりますよう、今後も取り組んでまいる考えであります。 次に、これ以上の被害者増を防止するために、パンフレットなどを作成する考えはないかというお尋ねがございました。 県におきましては、これまで出前講座やパンフレット、ホームページなどによりまして悪徳商法に対する周知を図り、消費者被害の防止に努めてまいったところであります。一方で、霊感商法への対応の強化を求めます社会的な要請、あるいは今国会で審議をされております消費者契約法の改正、あるいは被害者救済新法を受けまして、改めて広報啓発を行う必要性が高まるというふうに考えております。 国の「「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議」におきましては、霊感商法などの手口や対処法に関する教材の充実によりまして消費者教育の取組を強化し、被害の防止を図るという方針を示されております。したがいまして、県といたしましても、今後国から示されます新しい教材などを活用するということと併せまして、くらしネットkochiをはじめといたします県の消費者情報紙を使い、霊感商法などに対します注意喚起を行ってまいる考えであります。 次に、健康保険証を廃止してマイナンバーカードへの一体化を行うということについてのお尋ねがございました。 マイナンバーカードへの一体化によりまして、本人の同意があれば診察時に健診の結果あるいは服薬の状況、これまでの過去の状況などを確認できるようになります。これは、よりよい医療の提供につながってくるというふうに期待をされているところであります。 一方で、マイナンバーカードは、本人の申請に基づいて交付をすることとされました導入時の経緯を踏まえますと、取得を強制するような措置を取るのは適切ではないというふうに考えます。このため、一体化に当たりましては、国においてそのメリットや安全性など、国民の皆さんの疑問などに丁寧に説明を行いまして、理解を得ながら進めていただくということが必要だというふうに考えているところであります。 次に、マイナンバーカードを取得しない被保険者の保険診療の確保についてお尋ねがございました。 健康保険制度として、マイナンバーカードを取得するか否かにかかわらず必要な保険診療を受けられるということは、これは当然のことというふうに考えます。岸田総理もこの点につきましては10月の参議院予算委員会におきまして、保険証廃止後も国民の皆様が必要な保険診療を受けられる環境を整備していく、これは言うまでもないというふうに答弁をされております。県といたしましては、そうした環境の整備につきまして国にしっかりと対応を検討し、また実行していただきたいというふうに考えております。 次に、医療機関へのオンライン資格確認義務化の中止や延期を国に求めてはどうかという御質問、お尋ねがございました。 国は、医療分野のデジタル化の基盤となります医療機関へのオンライン資格確認の導入を原則として令和5年、来年の4月から義務化をするというふうにされたところであります。ただし、医師が高齢である場合でございますとか、電子ではなく紙レセプトでの請求が認められております医療機関は、この義務化の対象からは除外されておりまして、代わって簡易な確認システムを開発し対応するという方針が示されております。また、令和5年4月からの義務化への対応がやむを得ない事情で困難な場合には、国において対応状況の点検と検討を行い、協力が得られるよう努力をしていくという考え方が示されているところでございます。 県といたしましても、お話にありましたように、このオンライン資格確認の義務化が、結果として医療機関の廃止につながるといったことがないように対応していただくことが必要であるというふうに考えております。このため国には、適切な環境の整備を行っていただきまして、医療関係者の理解も得ながら、円滑な移行が進められるように取り組んでいただきたいというふうに考えているところであります。 次に、本年度の最低賃金の改定についてお尋ねがございました。 本年度の最低賃金の改定は、1つには、新型コロナウイルス感染症が再拡大をし、県内事業者を取り巻く情勢は大変厳しい状況にあるということ、2つには、一方で経済・雇用情勢は回復基調であること、あるいは人手不足が深刻化する兆しが強まっていること、3つには、さらなる要因といたしまして物価高、特に生活必需品の価格上昇により、非正規雇用労働者の生活への配慮あるいは最低賃金の地域間格差の解消への配慮が必要であること、こういった要因を勘案されまして、昨年度を上回ります33円の引上げの答申がなされたものというふうに承知をいたしております。 この引上げの金額と引上げ率4.02%は、ともに全国で最大級の伸びとなっておりまして、地域間格差が一定程度是正の方向に向かっているという点は評価すべきものというふうに考えているところであります。 次に、これに関連して、中小企業への支援拡充についてのお尋ねがございました。 本年度の最低賃金の改定に際して、経営者側の委員から国に対しまして、継続的に賃上げがしやすい環境整備に向けた生産性向上の支援策などについて、拡充を求める声が上がったというふうに承知をいたしております。 県では、こうした声も受けて、中小企業対策の一層の強化につきまして、全国知事会などとも連携をし、国に政策提言を強力に行ってまいりました。こうした結果、今般の国の第2次補正予算におきまして、中小企業などの賃上げ環境整備を支援するために、事業再構築補助金の制度の拡充などが図られたところであります。 今後も、県経済の動向を注視いたしまして、事業者の方々のお声もお聞きしながら、必要に応じまして全国知事会などとも連携をし、国に対して政策提言を行っていく考えであります。 次に、中小事業者や個人事業者を直接支援する制度の創設を考えてはどうかというお尋ねがございました。 昨今の原材料価格の高騰に伴いますコストアップにつきましては、顧客の方々への販売価格に転嫁をしていただくことにより対応していくということが、経済活動のメカニズムの基本であるというふうに考えるわけであります。しかしながら、法令による制限などにより価格転嫁がままならない事業者の方々、業種の方々もおられるわけでございまして、こうした方々に関しましては、事業の継続を下支えするための施策を個別に講じていく必要があるというふうに考えるものであります。 このため、本県におきましては、これまで例えば第1次産業や医療・福祉施設などに対しまして影響緩和策を講じてまいりましたし、今議会におきましては、電気料金などの高騰の影響を受けております公衆浴場あるいは私立学校を支援する予算案について、提出をさせていただいているというところであります。 また、他方で、事業者の経営を大きく圧迫いたします石油、電気などのエネルギー価格高騰への対応につきましては、これは全国的に広く影響が及ぶものでございますので、全国知事会と連携をいたしまして、国においてこの負担軽減につながる対策を講じていただくように働きかけを行ってまいったところであります。この結果、このたびの国の総合経済対策におきましては、石油や電気、都市ガスの料金を抑える負担軽減策が国において行われるということとなりました。 このような一連の経緯を踏まえまして、本県におきましては、中小企業等に対して業種を問わずに薄く広く給付金を給付するというような選択は取らないと、見送るということといたしたものでございます。 一方で、今回の物価高騰がある程度長期化するということが予想されますので、これに備えた構造転換を進めていくということが大変重要だというふうな認識を本県としてはしております。このような考え方から、本県では今議会におきまして、新分野への事業展開あるいは生産性を向上させるデジタル技術の導入といった、中小企業の構造転換を力強く後押しするための予算案を提出させていただいたわけでございます。 今後とも県内の状況をしっかりと注視いたしまして、県経済の持続的な成長を確かなものとしていきますように、必要な対策を迅速かつ的確に講じてまいりたいと考えております。 次に、最低賃金の引上げや再改定について、これを年度内にも行うべきではないかというお尋ねがございました。 最低賃金引上げ後の物価上昇の状況を見ますと、労働者側の方々がさらに賃上げをしてほしいと願う気持ちはよく理解できるところであります。しかし一方では、経営者側の委員からは事業継続自体を危惧する御意見もあるというような状況でございますので、さらなる賃上げによる影響をしっかりと考えていく、吟味していく必要がある問題であろうというふうに考えます。 この最低賃金の改定につきましては、まず国が中央最低賃金審議会にこの点を諮問いたしまして、地域別の最低賃金の目安が地方最低賃金審議会に示されるという仕組みになっております。その上で、地方最低賃金審議会、各県の審議会におきまして、労働者の生計費、賃金、通常の事業の賃金支払い能力を考慮し決定をされると、そういった事務処理の流れとなっているわけでございます。 そうした意味で、このトリガーを引くのは国の判断ということになっておりまして、この点、国会においても議論がなされていると承知しておりますので、国において適切に対処がなされることを期待いたしておるわけでございます。 次に、インボイスの制度に対します懸念の声の高まりをどう受け止めているのか、またこの制度の導入を中止、延期することを国に求める考えはないかというお尋ねがございました。関連をいたしますので、併せてお答えをいたします。 インボイス制度の対象となります県内の免税事業者の皆さんに、全国同様、取引先からの排除や事務負担の増加など、経営への影響を懸念する声があるということは承知をいたしております。 ただ、インボイス制度の導入に当たりましては、軽減税率、複数税率の制度が実施をされてから4年間の準備期間、そして制度開始後6年間の経過措置が設けられまして、段階的に移行するという配慮が既に行われているところであります。そして、さらに現在政府・与党におきまして、小規模事業者の負担軽減のための新たな経過措置を設けるということが具体的に検討されているという報道も承知をしているところでございます。 加えて、本県独自の対応といたしまして、今議会に提出をいたしております補正予算において補助制度を創設いたしまして、中小企業などのインボイス制度への対応を支援するということといたしております。 インボイス制度は、消費税の複数税率の下で適正な課税を確保するために必要な措置と考えております。そのため、県内事業者の皆さんが円滑に新制度に移行できますように、税務署とも連携を図りながら、周知、広報などの支援に努めてまいるという考えであります。 次に、介護保険の利用者負担増の影響についてお尋ねがございました。 国におきましては、高齢者人口のさらなる増加と生産年齢人口の減少を見据えまして、介護保険制度の持続可能性を確保するという観点から、制度改正に向けた議論が行われております。お話にありました自己負担割合の見直しなどの負担と給付の在り方につきましては、世代間、世代内の公平性を確保しながら、負担能力に応じてみんなで支え合うということが重要であるというふうに考えます。 この点については、国の審議会においても様々な御意見があると承知しておりますが、給付の面において何よりも必要とされる方に必要なサービスが確実に提供されるということが大切であるというふうに考えます。その一方で、今後の給付の増加を踏まえますと、所得が低い高齢者世帯の実情を十分に考慮いたしまして、その負担能力に応じた適切な負担の在り方が検討される必要があるというふうに考えております。 県といたしましては、国において様々な意見を踏まえた議論を通じまして、介護保険が将来にわたって持続可能なものとなるように、動向を注視してまいりたいと考えております。 最後に、介護保険の国庫負担割合の引上げについてお尋ねがございました。 お話がありました5%の調整交付金は、後期高齢者比率の高い市町村に手厚く配分されるといった形で、市町村間の財政力の差を解消するということで、介護保険制度の安定に寄与をしているというふうに評価しております。高齢化が進む中で、将来にわたり安定して制度を運営していくためには、給付と負担の議論の中で、国と地方の負担の在り方についても検討する必要があるというふうに認識をしております。 全国知事会におきましても、介護保険制度が将来にわたり安定したものとなるように、国と地方の負担の在り方を含めて必要な制度の改善を求めて、国に提言を行っております。引き続き、国の動きも注視しながら、持続的な制度となるということを第一義に据えまして、全国知事会などと連携をし、取り組んでまいりたいと考えております。 私からは以上であります。   (商工労働部長松岡孝和君登壇) ◎商工労働部長(松岡孝和君) まず、国の新たな借換保証制度を活用した融資の周知についてお尋ねがございました。 事業者が既存の融資について借換えを行おうとする場合には、融資を受けられている金融機関に相談されることから、まずは事業者に新しい融資制度に関する情報がしっかり届くよう、金融機関に協力を要請してまいります。 あわせて、事業者にとって身近な相談窓口であります商工会や商工会議所などの関係機関と連携し、巡回指導や会報への掲載などによりまして、事業者への周知を図ってまいります。さらに、テレビやラジオなどの県の広報枠を活用して積極的な情報発信を行うことで、コロナ関連融資の返済など、資金繰りに不安を感じている事業者の皆様に必要な情報が届くよう、周知を徹底してまいります。 次に、インボイス制度の導入がシルバー人材センターに与える影響についてお尋ねがございました。 インボイス制度の導入により生じるシルバー人材センターの税負担額については、制度の導入に伴って、各センターがどのような価格設定をするかなどによって消費税額が左右されますので、インボイス導入後の正確な試算を行うことは困難です。仮に、令和3年度にインボイス制度が導入されていたとして試算をしてみますと、消費税相当額は県全体でおよそ1億1,200万円となり、1か所当たりではおおよそ560万円と推計されます。 インボイス制度の導入に伴うシルバー人材センターへの影響につきましては、国会においても取り上げられまして、国において導入により会員の就業機会が失われることがないよう、安定的な事業継続と経営基盤の強化を図るための検討が進められていると承知しております。 県といたしましては、国の動向をしっかりと注視するとともに、シルバー人材センターや関係する市町村からもお話を伺いながら、県として何ができるのか、検討してまいりたいと考えております。   (中山間振興・交通部長中村剛君登壇) ◎中山間振興・交通部長(中村剛君) 集落活動センターへのインボイス制度の影響と対策についてお尋ねがございました。 これまでに聞き取っております集落活動センター自身のインボイス制度への対応、事業者登録をするかどうかにつきましては、取引先からの要請により既にインボイス発行事業者への登録を行っている、あるいはその準備を進めているというセンターがある一方で、取引の規模と事業負担などを考慮し同制度への移行の影響を慎重に見極めているというところもございました。 また、センターが仕入先にインボイスを求めるかどうかにつきましては、検討中が多く見られ、現時点ではその対応を決めかねていることがうかがえます。センターによって仕入先の事業規模や取引の量、取引の継続性などの状況が様々であることから、今後それらを踏まえて個別に判断されるものと考えております。 今般のインボイス制度への対応によっては、集落活動センターの今後の取引や仕入先である地域の業者への影響も想定されることから、県ではアドバイザー制度を活用した税理士などの専門家派遣に取り組んでいるところでございます。また、こうした取組と併せまして、税務署などが主催するインボイス制度に関する説明会や相談会、これの地域への周知にも努めてまいります。   (子ども・福祉政策部長山地和君登壇) ◎子ども・福祉政策部長(山地和君) 中山間地域での介護職員の確保に向けた補助制度の改善についてお尋ねがございました。 県では、平成23年度から中山間地域介護サービス確保対策事業費補助金を創設し、市町村と一体となって遠隔地に介護サービスを提供する事業者に対して支援を行ってまいりました。具体的には、サービス提供の移動時間に応じた経費を一部補助するとともに、新たに常勤職員を雇用した場合、最長1年間の支援を行っているところです。 介護分野における人材不足が深刻な課題となっている中、特に中山間地域においては地理的な条件が不利なこともあり、介護人材の確保がより一層厳しくなっております。今後、さらなる高齢化の進行による介護ニーズの拡大が予想される中、中山間地域における人材の確保は、必要な介護サービスを充実させ、遠隔地まで行き届かせるための大きな課題となっております。 そのため、県としましては、市町村と協議を行いながら、中山間地域における人材確保の際の地理的なハンディをより一層軽減させる視点から、補助制度の充実を視野に検討を深めてまいります。   (農業振興部長杉村充孝君登壇) ◎農業振興部長(杉村充孝君) JAの自己改革による地域への影響と、それを踏まえた地域農業の振興についてお尋ねがございました。 JA高知県の自己改革による持続可能な経営基盤の確立は、組合員の皆様が安心して農業に打ち込める環境づくりにつながるための経営判断として取り組まれており、組織再編などの取組はやむを得ない面があると考えております。 一方で、地域から、職員も少なくなり機能が十分に発揮されていない、JAが遠くなった、関わりが薄くなったと感じるなどの切実な声が上がっていることも承知しており、組合員の皆様には利便性の低下や経済的な負担の増加など、地域での暮らしに様々な影響があると認識しております。 もとより、JAは一般的な企業とは異なり、地域のインフラを支える公的な役割も有しております。このため、自己改革を進めるに当たりましては、自己改革の目標や将来ビジョンについて、組合員の皆様はもちろんのこと、市町村やJAを利用されている地域住民に対して、今まで以上に丁寧な説明をする必要があると考えております。 また、本県農業を支えている家族農業の経営は、昨今の肥料や燃油等の高騰などで大きな打撃を受けており、この自己改革が農家の経営へのさらなる負担につながらないよう、対策が必要であると考えております。とりわけ、本県農業の約97%を占める家族経営体の経営発展を図ることが、本県農業の持続的な発展に不可欠であります。このため県では、各農業振興センターやJAにおいて、IoPクラウド内に蓄積されたデータを活用した、きめ細かな栽培指導を徹底するデータ駆動型農業を推進しております。この取組をJAと共にしっかり取り組むことで、収量増と経費削減の両面で効果の最大化を図り、農家の経営改善につなげていきたいと考えております。 今後もこのような取組を通じまして、農業者の皆様が将来にわたり安心して農業を継続していただき、ひいては地域農業の振興につながるよう取り組んでまいります。   (教育長長岡幹泰君登壇) ◎教育長(長岡幹泰君) まず、教科担任制の実施校数とその効果、そして加配のない学校などの状況の受け止めについてお尋ねがございました。関連しますので、併せてお答えをさせていただきます。 本県では、昨年度37校の指定校で教科担任制についての事前研究に取り組みました。本年度は68名の加配教員を配置し、兼務校も合わせて78校で教科担任制を進めております。また、加配措置はされておりませんが、市町村や学校の実態に合わせて独自に教科担任制を行っている学校も多くございます。 この教科担任制を実施している学校からは、小中9年間を見通した専門的な教授を行うことができる、児童生徒と向き合う時間が確保できる、あるいは専科教員が授業準備を行うことによって学級担任の負担が軽減されるといった声が聞かれており、教育効果や教員の負担軽減に一定の効果があるものというふうに考えております。 一方で、加配が配置されずに教科担任制を行っている学校からは、授業交換だけでは持ち時間の削減にはならない、時間割の作成が難しい、加配教員等の支援が欲しいといった課題を指摘する声が上がっていることも承知をしております。そのため県教育委員会としましては、今後教科担任制を実施していく際に生じるであろう様々な課題について、その解決を図っていく必要があると考えております。 次年度に向けましては、まずは大規模校だけでなく、小規模校への加配の配置も見込んで、国に対して小学校教科担任制の加配の要望を行っているところでございます。また、域内の他の小学校や中学校との連携による教科担任制の実施も考えられますので、市町村教育委員会や校長会とも丁寧な協議を進めてまいります。 次に、各校の判断を大切にした小学校教科担任制の考え方についてお尋ねがございました。 先ほども述べましたように、小学校教科担任制は、義務教育9年間を見通した専門的な教授が可能となるとともに、中1ギャップ解消への効果も期待されます。また、教員の働き方改革が図られるなど、小学校における効果的な取組の一つというふうに考えております。そのため、それぞれの学校や教育委員会において状況に応じた効果的な取組を研究していただきたいと考えております。 ただ、小学校教科担任制は手段であって目的ではございません。その在り方や方法については、学校長が各学校の実態に応じて検討し、市町村教育委員会と相談しながら適切に判断、実施されるものであると考えております。 県教育委員会としましても、子供への教育効果の向上と教職員の負担軽減の両立を目指した教科担任制に多くの学校が積極的に取り組んでくれるように、市町村教育委員会や校長会ともしっかりと話し合い、また連携し、加配教員の配置や学校間連携の仕組みなどの環境整備に努めてまいります。 次に、臨時教員の確保についてお尋ねがございました。 近年、正規採用者が増加する一方、臨時教員の希望者が減少しており、その確保が課題となっております。そのため、臨時教員の確保に向けて、採用審査受審者への働きかけや県内大学での説明会の開催、そして市町村の広報紙を通じた募集といった取組を行っているところでございます。 また、臨時教員の減少への対応策ともなり得る再任用教員の確保にも努めており、定年退職予定者への資料配付や、市町村教育長会や各学校長を通じた退職予定者への働きかけなども行っております。さらに、市町村教育委員会や各県立学校とも連携し、教員免許状を保有している方の掘り起こしや、既に退職した教員への働きかけなども行っており、こうした取組を通じて今後とも臨時教員の確保に努めてまいります。 最後に、任期付教員の採用数と採用要件の変更による切れ目のない職の確保についてお尋ねがございました。関連しますので、併せてお答えをさせていただきます。 本県におきましては、任期付教員は法令に基づく育児休業または配偶者同行休業を取得する教員の代替として、3年間の期限で名簿登載し、その中から必要に応じて採用され、正規の教諭と同等の給与が支給されます。本県では、今月5日現在、小中学校で35名、高等学校で8名、計43名を採用しております。 任期付教員は、育児休業等を取得した教員が復帰した場合などには、予定されていた任期の途中であっても雇用が終了することになります。この点につきましては、要件を変更することは難しいと考えておりますが、本県ではこうした場合には新たな学校で育児休業の案件があった場合に、任期付教員としての採用や、あるいは臨時教員としての雇用を検討し、できる限り職が切れないよう努めております。今後とも十分に配慮してまいりたいと考えております。 ◆34番(中根佐知君) それぞれ御答弁ありがとうございました。2問をいたします。 まず最初に、知事に、統一協会問題です。お答えいただきましたが、前回9月に国際ハイウェイ財団などがなぜ入っていないかという質問をしたときに、総務部長がたしか、ほかの県と並んで10の団体だけ調査しましたということで、その後、先ほどの御答弁で、調査をしたというふうにおっしゃったように私は思ったんですが、どのようなところまで範囲を広げて調査をされたのか。その上で影響はなかったんだというふうな御答弁だったかと思いますが、もう一度その点をお願いしたいと思います。 また、今日のお昼のニュースでも、国会、国のほうでも5億円の特別枠をつくって、統一協会問題に対応するための予算をつくりますというお話をされておりました。県も、消費生活センターでこういう役割をお受けになるというお話もありましたけれど、市町村との関係もよく加味して、よく話合いをする中で、人員の配置なども予算が出るのであれば、しっかり対応をしていただくように考えてはどうかと思いますが、その点も少しお答えいただきたいと思います。 それから次は、今やっぱり光熱水費なども含めて本当に大変になっている生活の中で、私たちは、徳島県の制度設計というのは--いろんなことを県もしてきたけれど、まだできていないところ、やっぱりすべきではないかと。小さな企業・事業者など本当に苦労されているというふうに思いますので、こうした点で、まだ高知県がやっていないことをいま一度考えてみていただきたいというふうに思っているのですが、その点でもう一度お答えをお願いしたいと思います。 同時に、コロナ関連融資の借換えの問題ですが、幅広くこれまでコロナ融資いろんなことをやってきました。そのお金を返すための借換えについてであるのであれば、第何号とかというだけではなくて、なるたけ幅の広い形でその制度を使っていけるようにしていただきたいと思うんですが、その点もう一度商工労働部長お願いいたします。 それから、もう一つ介護の問題です。先ほど補助制度を考えていきたいという御答弁をいただきました。今日の高知新聞にも介護事業所が倒産をして、本当に大変なことになっているという--単純に人の問題ではなく、コロナの問題もあり物価高もあり、いろんなことが今渦巻いている中で、全国の中でも本当に先進を行っている高齢者県、自然減の県ということであれば、よそがやっていないことをどんどんと提案していく、実施をしていく必要があるのではないかと。避けては通れない介護制度の問題では、ぜひとも補助制度を早急に幅を広げて、そして救済をする措置、制度として介護が成り立つような、そんな形を取っていただきたいと思いますが、もう一度子ども・福祉政策部長に答弁をお願いしたいと思います。 最後に、教育長にお聞きをいたします。教育は、やっぱり人がどうしても必要です。私たちのところにはつい最近、先生がいないんですと。これまでもあったんですけれども、子供たちが落ち着かない中で、先生も病休を取られて、本当に困っているんだという声が相次いで相談として入ってまいりました。私たちも、御苦労されているのはもちろん分かっていますが、徹底して人を確保するということをやっていかなければ、高知県の教育が成り立たないんじゃないかという危機感を持っております。 そんな中で、臨時教員をどう確保するか。今、全国で一番早い試験をやっておりますけれども、やっぱりそれは試験のお試しになったような形で、合格をしていても辞退される方がたくさん出ている。それよりも、今現在高知県の中で臨時教員をされている方たちをもっと大事にして、その方たちがきちんと採用されて、高知で臨時教員をしていたら、あんなふうに採用になっていくよというふうな道筋もつけていく、そういうことも大変大事じゃないかというふうに思うんですね。 加えて、今教育委員会の指導主事が随分たくさん各学校に配置をされております。四国4県で、これは吉良県議も先日来、今年の3月に県議会で質問しておりますけれども、他の県では1%、大体40人程度になっているんですが、高知県では何と173人配置をされていると。こういう先生方を指導主事も大事だけれど、現場に戻すという考え方も必要ではないか。 もう一つ、任期付教員ですけれども、これは「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の下での法律に基づいてではありますが、静岡県などでは育児休業が終わっても、その年度に配置されていた方は、その年度丸々その学校にいていいというふうな形も生まれています。ぜひとも全国の在り方を検討して、人を大事にしながら人を育てる、それによって教員も確保する、そういう形を取るべきだというふうに思っていますが、それぞれお答えいただきたいと思います。 ◎知事(濱田省司君) まず、統一教会の関係団体の県との関わりの調査についてであります。 お話がございましたように、また答弁申し上げましたように、県の各所属に対しましては10団体の名前を個別に上げまして、この団体を中心に、関わりがないかということで調査したわけでありますが、調査の過程の中ではこの10団体に限らず、統一教会との関係があるということを把握した場合には、併せて報告をしてもらいたいということを申し添えて、調査をしたところでございます。 その中で、この10団体以外で具体的にこの団体でこういう関わりがあるというような報告はございませんでした。その意味で、このハイウェイ財団というのは、あえてこの10団体の中に入っておりませんでしたけれども、10団体以外の可能性があるというところも含めて調査をしたにもかかわらず出てこなかったというのが前回の調査結果でございますから、そういう意味で、改めて現時点で調査をする必要はないのではないかということを申し上げたということでございます。 それから、お話がございました国のほうでも、私も報道で承知いたしましたけれども、この統一教会の相談対応などに対しまして、国から地方に対して5億円というような報道がございました。特別枠ということもございました。まだ具体的な中身をよく聞いておりませんので、国にも確認をいたしまして、またこの相談の対応等で、国が求める水準も含めて、具体的にどのような体制、人員も含めまして必要かというところの吟味も必要でございます。こうしたことも精査をいたしました上で、いずれにいたしましても、しっかりと相談に応じさせていただいて対応が取れる体制を取らないといけないと思います。これは国の財源というところも含めて検討させていただいて、必要な体制の整備は考えたいというふうに思っております。 それから、徳島県のような制度を設けてはどうかと。物価高の関係でございますが、これは繰り返しになりますけれども、今回の物価高、資材高の対応について、一義的には経済的な対応としては、これは取引の価格に、販売価格に転嫁をしていくというのが一般的な対応の方法だということだと考えます。 ただ、特に公定価格が設定をされておって、価格に転嫁がしようがないというような医療・福祉の世界でありましたり、実情これがどうしても難しい1次産業の分野でありましたり、こういったところを特定して支援をしていくという考え方で本県の場合は整理をさせていただいたということであります。薄く広くという形の徳島県の場合は、10万円ないし20万円の支援をすると、業種は問わないということでございますが、この種の支援に関しましては、国のほうで、電気代ないしはガソリン代、ガス代、こういったものについて幅広く支援をするということを直接執行されるということでありますから、それによりまして狙った効果は発揮をできるのではないかと。 県としては、臨時交付金などの財源をいただいておりますけれども、その部分はむしろ中長期をにらんで、今後の省エネルギーの設備でありましたり、新分野の進出、あるいは構造転換、こういったものを図っていくための設備投資などを支援していくというふうに予算を回したいということで、対応させていただいたところでございます。 ◎商工労働部長(松岡孝和君) 先ほどの国の新たな借換保証制度に関してですが、国からまだ詳細な制度設計のほうは示されておりません。セーフティーネット4号だけではなしに、セーフティーネット5号だとか、それから一般保証の部分も含めて、幅広い方々が御利用いただけるような格好で検討しているという情報はいただいているんですけれど、ちょっと確認をしないと分かりません。 ただ、我々としても、やっぱりできるだけ幅広く御利用いただきたいなという思いは一緒です。 以上です。 ◎子ども・福祉政策部長(山地和君) 介護職員の確保のための補助金の見直しの検討ということでございます。 まず1点目は、市町村と共に制度をつくっておりますので、市町村との協議を十分に行っていきたいと考えております。また、県としましては、やはり町部と同じ条件ではなかなか中山間では難しい、そういった採用のインセンティブになるような、そういった検討ができないかという御意見もありますので、そういった視点も踏まえまして検討してまいりたいと考えております。 いずれにしましても、予算編成過程の中で議論をしっかりとしながら、検討を深めてまいりたいと考えております。 ◎教育長(長岡幹泰君) まず1点目です。指導主事等に関わっての件ですけれども、本県の教育課題の大きさ、そういったものを見たときに、教育施策等を推進する、あるいは市町村教育委員会や学校からの要請に応えて学校等を支援していく、そのためにはそれ相応の指導主事というのは必要になってくると思います。ただ、今後そういった本県の教育課題、こういったものが解決し減少していく、そういった段階においては、この指導主事数の見直しは当然行っていくべきものだというふうには考えております。 そして2点目、任期付教員の採用についてでございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、現在の取扱いを変更することについては難しいものというふうに考えておりまして、私どもとしましてもできる限り職が切れないよう、十分に配慮していきたいというふうには考えております。実際に、これまで任期付教員の採用が中途で終了した場合には、少なくとも臨時教員として採用しており、空白の期間があった事例というものはございません。 なお、今言われましたように、他県の取扱いにつきましても研究はしていきたいというふうに思います。 ◆34番(中根佐知君) ありがとうございました。 最後、教員の問題ですけれど、本当に先生がいないというのは子供たちにとっても悲劇だということを言いましたけれども、保護者にとっても、それから高知の未来にとっても大変なことだというふうに思います。 今、コロナ、それから物価上昇、様々な点で高知県だけでなく、やっぱり日本の政治の場が揺らいでいる中で、さらに介護保険の見直し、インボイス、様々な苦難が県民にのしかかろうとしています。私たちは、やっぱり国の動向を見るだけではなくて、県民の苦難を取り除くという視点で行政が国に対して物申していくと、こういう姿勢をぜひこれからも取っていただきたい。少しでも安心できる生活ができるような高知県にしていきたい、その思いを込めて質問をさせていただきました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(西内隆純君) 暫時休憩いたします。   午後2時40分休憩-----------------------------------   午後3時再開 ○議長(明神健夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 29番石井孝君。   (29番石井孝君登壇) ◆29番(石井孝君) 失礼します。県民の会の石井でございます。会派を代表して質問してまいります。知事はじめ執行部の皆様、よろしくお願いをいたします。 初めに、知事の政治姿勢についてお伺いします。 今年10月26日から3泊4日で令和4年度韓国全羅南道姉妹交流・田内千鶴子生誕110周年記念訪問団派遣に参加をさせていただきました。韓国全羅南道との姉妹交流のきっかけとなった田内千鶴子氏生誕110周年記念式典に参加するとともに、全羅南道知事や議長への表敬訪問を通じてさらなる交流を目指すこと、また本県にとって経済・観光分野で重要な市場の一つである韓国内で知事がトップセールスを行うことにより、韓国内における本県産業の発展も目指すことを目的として、知事を筆頭に友好交流団、経済ミッション団の総勢44名で韓国に訪問しました。 私にとりましては、姉妹交流協定を締結した2016年以来、2度目の訪韓でした。今回の訪韓でも大変貴重な経験と多くの方々とつながりを持つことができました。田内千鶴子氏の御功績をきっかけに、高知県と全羅南道の交流がその幅を広げるとともに、確実に深まっていることを実感するものとなりました。 知事は、就任以来初の海外出張とのことでしたが、今回の訪韓の手応えと今後の展望について知事にお伺いします。 次に、ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから9か月が過ぎましたが、いまだに終わりが見通せません。これまで両軍の多くの兵士や民間人が命を落とし、けがを負うなどし、複数の都市が瓦礫と化し、数百万人が難民となっています。両国の経済の縮小や混乱が食料やエネルギーといった商品市場の高騰を招き、貿易や金融を通して世界経済へと波及しています。 また、中国の国家主席は、台湾を統一するためには武力行使も排除しないことを表明するなど、台湾を自国の領土とみなす中国と、自治を行っている台湾との緊張関係や、今年に入り過去最大数のミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮など、日本を取り巻く環境も含めて不安定な世界情勢が続いています。 こうした世界経済や世界情勢が不安定感を増している状況について知事の御所見をお伺いします。 次に、今年8月の第2次岸田改造内閣発足後、政治と宗教や政治と金の問題、失言により閣僚3人が1か月の間に次々と辞任しました。こうした政治不信が続けば、国民が政治家や行政の方針を有益とみなさず、期待しなくなり、さらなる投票率の低下をも招いてしまいます。信頼を取り戻すことは容易ではありません。 相次ぐ閣僚辞任により、国民の政治不信が増大する事態を招く結果となった現政権の状況に対する知事の御所見をお伺いします。 次に、新型コロナウイルスの感染拡大が第8波に入っていると言われております。厚生労働省からは、季節を問わず屋外でのマスク着用は原則不要との考え方が示されていますが、手指消毒や屋外でも多くの方がマスクを着用するなどして、それぞれが自己防衛をしながら生活しているのが現状です。 今定例会の知事提案説明でも、季節性インフルエンザとの同時流行の懸念や、第7波以上の感染拡大に備えるためにも、これまでの経験も踏まえて感染防止に取り組むことが示されました。また、知事からは、改めてワクチンを積極的に接種していただくことが重要であり、安全性と有効性について発信していくと述べられました。 現在、ワクチン接種も4回から5回目に入り、感染による死亡率も低下している状況ですが、そのワクチンも有料化の議論がなされ始めました。ワクチン有料化の議論は、全額国費で賄う国の財政負担が増していることや、一部個人負担の有料化にするとワクチンの接種率がさらに低下するなどの懸念など、賛否両論の激しい議論となりそうです。 早ければ来春とも言われているワクチンの有料化について知事の御所見をお伺いします。 また、先月には体内のウイルス量を減らす効果のある飲み薬ゾコーバが緊急承認されました。今後の有効な治療薬の開発を期待しつつ、感染拡大防止と社会経済活動の両立をバランスよく図っていただきたいと思います。 次に、11月30日の高知新聞に、四万十市への看護大学誘致断念正式表明の記事が掲載されました。記事では、既に4億円余りが投じられていることや、賠償金の支払いもあるとの内容でした。このうち、3億円余りをかけて国の空き家対策総合支援事業を活用して、誘致予定の大学の実習棟が既に完成をしております。この事業では、各市町村の不用分を集めて四万十市へ配分するよう変更申請、実施計画変更、繰越しの翌債承認申請を四万十市から県経由で国に行っています。文部科学省の認可が下りる前に空き家対策総合支援事業を活用して整備を進めたことについて、拙速だったのではないかとの意見もあります。 看護大学の誘致をめぐっては、大学誘致ありきで下田中学校の統合を強力に推し進めたこと。高台にある下田中学校は、地域の避難場所として指定されていましたが誘致によって避難場所が変わり、混乱を招いていること。文部科学省から大学設置の認可が下りる前に、空き家対策総合支援事業を活用して大学の実習棟を整備し、中学校跡地では大学の建設に着手したこと。当初10億円だった市の財政負担がそれ以上に増していく予定であったこと。生徒募集の見通しが厳しいのではないかとの懸念があったこと。文部科学省は大学の生徒募集に関して合理的な説明とは言えないとして、認可が下りない見通しを伝え、大学側は申請を取りやめたにもかかわらず、認可が下りない理由を地元の反対運動があったからだとしていること。県内における看護師の育成や確保が少なからず後退したこと。地元ではそれぞれの立場で経緯も含めて、落胆と怒りの声が入り交じっているような状況です。 この間、四万十市から知事や担当部局に対して、大学誘致に向けた説明や協力要請が度々あったことと思います。また、住民からも、賛成、反対にかかわらず様々な御意見や御要望があったことと思います。 こうした経緯を経て、四万十市への看護大学の誘致が断念となったことについて知事の御所見をお伺いします。 記事では、四万十市長から今後の跡地利用については地域の活性化に転用を図っていくとの内容でした。整備された実習棟も、整備を中断している中学校跡地も、その利活用に向けて大変厳しい状況から新たな道筋を模索することになりますので、ぜひとも県の最大限の支援を要請いたします。 次に、農業課題についてお伺いしてまいります。 コロナ禍が続き、異常気象による世界的な農作物の不作や、ロシアによるウクライナ侵攻によって、エネルギーや食料の価格が高騰をしています。それぞれを海外からの輸入に依存している日本では、エネルギーの安全保障や食料の安全保障について厳しい状況にあると言わざるを得ません。 世界有数のエネルギー消費・輸入大国の日本は、エネルギーの安定供給確保を図り、エネルギー利用に関わる環境負荷を軽減して地球温暖化防止に貢献し、日本経済・社会・産業を守るため、可能な限りエネルギーコストを抑制していくことが求められています。あわせて、エネルギーに関わる安全性を前提とした取組の推進も求められています。化石燃料の供給は基本的に海外からの輸入に依存しており、日本のエネルギー自給率は13%と言われています。 食料についてもその多くを海外に依存しており、日本の食料自給率は38%と低く、農業分野では貿易自由化が進むにつれて、国産の農作物が買いたたかれている状況です。農業者の高齢化による担い手不足や耕作放棄地の増加、中山間地域の中には集落の存続も危ぶまれている中で、追い打ちをかけるように小麦や大豆などの穀物価格、原油価格、化学肥料の原料価格が高騰し、食料や生産資材の調達への不安が深刻の度合いを強めています。今後、食料や生産資材自体が輸入できなくなり、深刻な食料危機に陥るのではないかとの懸念もございます。 9月定例会、森田議員から食料危機への備えやエネルギーの国産化についての御質問がありました。既に食料危機に対する備えの必要性については共通認識の下、輸入品目の確保と輸入品目等の国産化の議論が活発化しています。生産者の支援を行い、国内生産力を高めることは食料危機への備えとして必要不可欠と考えます。国内の食料生産を維持することは、短期的には輸入農産物より高コストであっても、お金を出しても食料は買えない不測の事態のコストを考えれば、実は国内生産を維持するほうが長期的にはコストは低いとも言われています。 高知県における県内農産物の生産力を維持・向上させるための支援や方策について農業振興部長にお伺いします。 これまで市町村が行う物価高騰の支援事業では、小規模農家が対象とならないことなどから、厳しい現状と不公平感に悩む農家のお話もお伺いしてきました。6月・9月補正に加え、今議会に提案されている物価高騰対策支援事業の補正予算についても、大規模、小規模にかかわらず、物価高騰に対して全ての農家への支援がなされる事業として喜ばれています。 こうした緊急時の支援策に助けられ、地元にこだわり生産を維持・存続している取組を1つ御紹介いたします。四万十市富山地区では、純米吟醸とみやまを造っています。原料となる酒米は、四万十市富山地域の契約農家が地元の畜産農家の堆肥を入れた土づくりで生産した特別栽培米、酒米吟の夢のみを使用し、仕込み水には四万十川の伏流水、酒造は四万十市唯一の蔵元である藤娘酒造株式会社で行い、あくまでも地元にこだわりを持って造った日本酒となっています。 富山活性化推進協議会とみやま酒米生産部が生産者として農地を守りながら、オーナー1口は4合瓶で3種類、「袋吊り うすにごり」、「しぼりたて うわずみ」、「無濾過 原酒」の3種類が各2本、計6本の1口オーナーを募集して販売をしています。今年で22年目となり、令和4年度もオーナー募集が始まったところです。 このような地域の生産者が助け合い、農地を守り、国産に、地元にこだわり生産を続けているとみやまは、地域の活性化の取組を増やすモデルになるのではないかと考えますが、農業振興部長の御所見をお伺いします。 このとみやまが22年も続いているのは、関係者の御尽力はもちろんのこと、購入いただいているオーナーあってこそのものだと思います。毎年、600口のオーナー募集を行ってきました。毎年心待ちにするオーナーも多く、ほぼ毎年完売をしているそうです。今年はある事情から500口となっているそうなので、御興味のある方はお早めにとのことでございました。この売上げから、また来年度の土づくりを始めることになります。 とみやまは、こうした生産から消費までが、小規模ながらに継続性が確立されている理想的な循環経済の取組と言えます。しかし、一部現段階ではどうしても輸入品に頼った化学肥料を使わなければ、粒のそろった酒米とならないのも現実です。 平成29年、高知カツオ県民会議シンポジウムにおいて、「日本の水産業復活の鍵、サステナブルシーフードを考える」という基調講演を拝聴しました。その中で、海外では、特に欧米なんかではMSCに代表されるエコラベルを貼った商品がたくさんあり、中には調達情報を消費者に公開して、持続可能な商品しか扱っていないことを明示しているスーパーもあり、そうした商品やお店を消費者が求めていると紹介されていました。 日本でもこうした取組を広げていきたいと講演され、資源管理は生産者だけでなく消費者と一体となって行う必要があること、また消費者支援や消費者教育の必要性も感じました。欧米では消費者教育が早くから行われていて、安いものに飛びつきやすい消費者に確かな目を持っていただき、生産者や環境を守る取組が行われています。 消費者に理解をいただくことで生産者を守っていく取組の重要性とその施策について農業振興部長の御所見をお伺いします。 経済効率だけで市場競争に任せることは、人の命や健康に関わる安全性にも危険をもたらします。特に、日本のように食料自給率が既に38%まで低下して、食料の量的確保について安全保障が崩れてしまうと、安全性に不安があっても輸入に頼らざるを得なくなります。つまり、量の安全保障と同時に質の安全保障も崩される事態を招いてしまいます。 加えて、食料の確保について厳しい環境下にある今こそ、食料自給率を上げる取組を強力に推進していかなければなりません。食料の国内生産を維持・拡大するために、生産、加工、流通、小売、消費などの関連産業は運命共同体として、とみやまのような生産から消費までのネットワークを強化し、持続的循環経済を公共支援もセットで確立する必要があるのではないでしょうか。 欧米では、コロナ禍による農家の所得減に対して直接給付を行ったり、政府が農家から食料を買い上げて困窮者に届けるといった事例や、緊急支援以前の政策として設定された最低限の価格で政府が穀物や乳製品を買い上げ、国内外の援助に回す仕組みを維持しています。さらに、その上に農家の生産費に対して直接支払いする仕組みにより、公共支援として食を守っています。 日本においても、命を守り、環境を守り、地域を守っている産業を国全体で支える仕組みは、国家運営の要として取り組む必要があるのではないでしょうか。海外からの輸入品目の国産化への取組を後押しするような支援策や、農家が維持・存続できる公共支援の仕組みについて国に政策提言することや、食料危機への備えとしても県内農家の生産力向上を図り、全体の底上げにつなげていただくことを期待しています。 この項最後に、畜産振興についてお伺いします。食料や種、肥料も飼料なども過度に海外に依存している状況下で、畜産業においてもその自給率の維持・存続が危ぶまれていますが、本県では豚の畜産振興において別の厳しい課題がございます。四万十市の食肉センターについては、これまでも何度か質問をしてまいりました。四万十市から、建て替えの検討を行っている新しい食肉センターについて、今年度委託中の基本設計では、来年2月には概算工事費が算出される見込みであることや、施設の建て替え時期についても、早くても令和9年半ば以降になるのではないかとの見通しをお伺いしました。 新しい食肉センターの建て替えについては国の事業が活用できなかったことから、四万十市としては大変厳しい財政状況下で整備をしていかなければなりません。また、現段階では少なくともあと5年以上、現在の老朽化した食肉センターの運営を維持しなければなりません。 県による、四万十市食肉センターの建て替えに向けた最大限の財政支援と早期完成への支援について農業振興部長のお考えをお伺いします。 来年4月から、現在高知市の食肉センターで荷受けをしていただいている大貫豚の屠畜ができなくなります。四万十市の食肉センターは現段階でフル稼働しており、新たに大貫豚を荷受けできる余裕がほとんどないことから、四万十市の新食肉センターが整備されるまでの約5年間は、他県の屠畜場を利用することとなります。 県内の大貫豚の屠畜が他県の屠畜場への搬入となることから、関係者との協議や業者の運送にかかる経費などの課題について解決が図られるよう支援をしていただきたいと考えますが、農業振興部長にお伺いをいたします。 次に、防災・減災対策について質問をしてまいります。 日本はもともと地震や台風による災害の多い国と言われています。さらに、最近の気候変動の影響によって、観測史上最大雨量を更新する集中豪雨が全国各地で起こるなど、危険な自然現象が頻発する状況となっています。自然災害から生命、財産を守るため、想定を上回る自然災害リスクに対応したさらなる防災・減災対策が求められています。 ハード整備における防災機能の強化では、近年の実際に起きている想定外の危険な自然災害に、財政的にも環境的にも対応し切れないことから、その機能を計画的に高めつつ、災害の発生を前提として、被害を最小限にとどめていく減災対策の強化が重要となります。地域社会全体として自然災害に向かい合っていく姿勢を住民と行政が共有することが必要であり、災害に対して自助・共助・公助の枠組みで補完し合えることが、総合的な防災力の底上げにつながるものと言われています。 災害に遭うのは住民一人一人であり、行政はできることを最大限行うという基本的な認識の下で、個人や企業、これまで積み上げてきた自主防災組織などの様々な力を結集させて災害に対峙しなければなりません。知事が掲げる成長のキーワードの一つであるデジタル化によって、最近従来にない発想や技術で災害対策に臨む企業が増えています。AIを活用した自然災害の被害を予測する研究を生かして、民間企業のリスク軽減や自治体の災害対応の支援をしている企業もございます。 例えば、米シリコンバレーのワンコンサーン社の日本法人が展開するビジネスでは、主に自治体の災害対応支援のために、洪水の被害を発災直前に予測したり、地震による被害を直後に推定するシステム開発を行っています。洪水の被害予測システムは、AIと実際の気象データと予報を基に3日先までの予測データを作成し、事前に危険箇所への的確な対策や対応を図ったり、住民避難への活用も視野に入れて運用をしています。 また、東京大学発のスタートアップ企業で、AI技術に強みを持つアリスマー社では、ドローンで取得した測量データから3次元の地形図を作成して、雨量や決壊箇所から浸水被害を1センチ単位で詳細に予測する浸水予測AIシステムを開発し、災害対応の支援を行っています。このシステムによって、災害発生後の迅速な罹災証明の発行や、損害保険会社が行う被災住宅の全壊の判定に役立てたケースもあります。被災状況の把握は、3次元の地形データを基に流体シミュレーションで水の流れ方と浸水深を生成し、浸水深から水の流れ方を導き出せるようAIに学習させます。そのAIに、実測データがある被災箇所の浸水深を入力し、実測データがない場所の浸水深を推測させて活用するものです。 また、ツイッターやフェイスブックのようなSNSに投稿された情報をAIで分析し、災害の発生を検知するサービスを展開しているスペクティ社も、被害状況を即座に分かりやすく可視化することで自治体の災害対応を支援しています。スペクティ社の技術は既に国や都道府県、多くの市町村の防災部門で導入が進んでいます。スペクティ社が目指す防災は、災害状況を可視化し被害を少しでも軽減し、人々や社会を災害から守ること、そして未来の防災は災害対応する職員こそが安全な場所で、より的確な対応を判断していけるような防災の無人化を重要なテーマとされています。 これまで行政職員として災害や防災対応に当たり、危険な目に遭った方も多くいらっしゃるはずです。東日本大震災でも強い責任感と使命感にあふれ、残念ながら犠牲となった職員の方々もいらっしゃいます。AIの技術は減災機能を高め、住民の生命、財産を守り、職員の安全を高めつつ、的確な対応につなげるため日々進化しています。 高知県でもAIを活用した防災の新しい技術を導入して、防災力の強化を図ってはどうか、またその際には市町村との共同により、防災力の強化を図ってはどうかと考えますが、知事の御所見をお伺いします。 新技術の導入と同時に、自主防災組織の取組も大きな減災効果を担っています。先日、地元の自主防災組織の防災訓練に参加しました。コロナ禍ということもあり、地元の防災担当の地域住民40名ほどが集まり、こうち防災備えちょき隊の北川隊長を講師にお迎えし、貴重な御講演をいただきました。参加者からは、改めて勉強になった、もっと多くの方に聞かせたいなど、すばらしい啓発になったことと思います。 北川隊長からは、過去の災害事例を基に、南海トラフ地震にどう備えるかをテーマに御講演をいただきました。まずは緊急地震速報から地震発生までの数十秒間でどのように自分の身を守るのか、そのために住宅耐震化や低コスト工法に対する補助事業の活用についても丁寧な御説明がありました。高知県南海トラフ地震対策行動計画第5期でも、今後の住宅の耐震化率を上げていく目標が示されています。住民への耐震化の啓発、とりわけ低コスト工法の啓発が、まずは命を守る取組として改めて重要であると感じました。 令和2年9月の定例会にて、低コスト工法の普及について質問をしました。当時の土木部長から、住宅の耐震化を促進させるためには、耐震改修にかかる住宅所有者の経済的負担軽減が必須であり、低コスト工法の普及とPRが大変重要であること、低コスト工法の普及の前提となる技術者の育成を行うこと、補助制度を活用し半数以上の方が自己負担20万円未満で耐震改修を行っており、平成29年度より3年連続で1,500棟の目標を達成するなど、低コスト工法が県内に広まりつつあり、今後も引き続き住宅耐震化の促進に向けて、県の広報紙やテレビの広報番組を活用して、低コスト工法のさらなる普及に取り組むとの答弁がございました。 その後も毎年コンスタントに約1,500棟の耐震改修が行われており、自己負担額も約6割の方が自己負担金20万円未満で改修できているとのことでございます。引き続きの啓発と技術者の育成に期待をしております。 ダムやトンネル、橋梁などの大型土木構造物の耐震についても、それぞれ新たな設計基準で施工された構造物については、十分に耐震性を有するとされているものの、繰り返しの耐震性の点検や照査が行われています。 平成30年12月定例会で、四万十川に架かる赤鉄橋の耐震化や架け替えについてお伺いしました。当時の土木部長からは、大正15年に架設された非常に古い橋梁であり、繰り返しの修繕工事を実施しながら供用を続けてきた、平成25年に道路法が改正され道路施設の5年に1度の近接目視点検が義務化されたことを受け、本年2月に赤鉄橋の点検を実施したところ、直ちに通行止めなどの措置は必要ないものの修繕が必要な箇所が見つかったことから、次回の点検までに修繕工事を完了させるよう取り組むこと、赤鉄橋は緊急輸送道路ではないためこれまでのところ耐震対策は実施していないこと、具体的な架け替えの計画はないこと、しかしながら地域のシンボルでもある赤鉄橋は交通量が多く、地震により通行できなくなると地域の皆様の生活に大きく影響することが予想されるため、本年度から耐震対策も含めた対応方針の検討に着手したところとの答弁がございました。また、住宅や商業地など、まちづくり全体と河川との関係も踏まえ、地元の四万十市とも一緒に検討してまいりたいとの答弁もございました。 あれから丸4年が経過し、今現在赤鉄橋の修繕工事を行っていただいておりますが、赤鉄橋の耐震対策や架け替えを含めた検討状況はどのように進んでいるのか、土木部長にお伺いします。 今回、新たに橋脚を炭素素材で巻いて補強する工事も行われておりますが、これは耐震対策としてどのような効果を期待するものなのか、土木部長にお伺いをします。 次に、特別支援、発達障害についてお伺いをしてまいります。 発達障害のお子さんをお持ちの御家庭は、保育園、幼稚園の選択も、小学校や中学校へ就学する際も、子供のために慎重に検討したいというのが保護者の方々の心情です。特に、小学校への就学では、特別支援学級や通常学級での支援体制が学校や地域により様々なため、どの学校を選ぶか、特別支援学級と通常学級のどちらを選ぶかなど、難しい選択を迫られます。 保護者は子供の状況に応じて、なるべくごく少人数で手厚い特別支援学級のある学校が子供のために望ましいのか、比較的大きな学校で数人の先生に支援していただける学校がいいのか、これまでの学校運営の状況を参考にしながら、各相談機関への相談はもちろん、保護者間で綿密に情報交換を行っています。 子供が安定して学校に通い、自立や社会性を身につける特別支援がしっかり受けられることが最大の望みです。しかし、6年間の小学校生活を通じて、本人や保護者が望む特別支援を受けることは非常に困難であるとの声が多く、就学先の決定や就学後の状況に多くの保護者が悩まれています。 県は、就学前や就学後の保護者の悩みに対してどのような支援を行っているのか、教育長にお伺いします。 教員は年度で人事異動があるため、学校によっては特別支援学級の経験が少ない、もしくは経験のない教員が担任となる場合もあるのではないかと思います。 人事の際には各学校の特別支援学級や通級の状況も十分に考慮されているのか、教育長にお伺いをします。 人事の考慮も学校の判断によっては意図した配置とならないこともあると思います。また、特別支援学級の経験がある教員でも、子供の特性が違えば、その対応に苦慮するはずです。そのため、高知県教育委員会では、発達障害等のある全ての子供が生き生きと輝きながら学校生活を送ることができるよう、平成23年度に発達障害等のある幼児児童生徒の指導及び支援の充実に関する指針を策定いたしました。その中の基本方針1として、発達障害等のある子供の特性に応じた支援や、全ての子供に分かる授業づくりのための実践力向上を図ることを示し、以降も高知県教育振興基本計画等に位置づけ、授業や保育の改善に向けた取組を進めてきました。 発達障害等のある子供にとって、幼児期から一人一人の特性に応じた適切な指導や必要な支援を行い、子供の生活環境や教育・保育環境を整えていくことは大切として、全ての子供が安心して過ごせる環境と、多様な学びを保障することができる授業や保育を行い、子供が生き生きとした生活を送ることができるよう、「すべての子どもが「分かる」「できる」授業づくりガイドブック」を活用していただきたいとして、令和3年3月に一部改訂を行っています。 また、特別な配慮を必要とする子供たちを支援している先生へ御活用いただきたいとして、令和2年4月には高知県教育センターが「特別支援学級担任 通級による指導担当教員のためのきほんの「き」」の冊子なども作成をしています。これらの冊子は誰が読んでも大変分かりやすく、子供たちへの接し方や特性に応じた具体例も丁寧に示されています。 これらの冊子は、学校現場でどのように活用されているのか、またどのように啓発を行っているのか、教育長にお伺いをいたします。 発達障害の子供を抱える保護者の皆さんは、これらの冊子も見ています。当然、担任の教員の皆さんにも勉強していただいているものと期待をしています。経験の浅い教員の方でも子供に寄り添い、向き合う気持ちを根気よく持っていただき、保護者としっかりキャッチボールをしながら、保護者とタッグを組んで取り組んでいただいている先生もたくさんいらっしゃるそうです。 一方で、子供が担任の教員となじめず、保護者との連携が図れず不登校ぎみになり、各機関の尽力で幾つかの放課後等デイサービスを療育としての預かりをお願いできたものの、子供にとっては就学の機会を失い、保護者は送り迎えの合間に仕事や家事をこなす生活に追われているといったつらい話も聞きます。 こうした状況を未然に防ぐためにも、教育委員会では、医師、言語聴覚士、作業療法士、特別支援教育担当指導主事、特別支援学校教員等外部専門家を保育所、幼稚園、小・中・高等学校に派遣し、気になる幼児、児童生徒の様子や教職員の対応等を参観、有効と思われる支援や指導法に関して教職員に助言する、外部専門家を活用した支援体制充実事業を設けています。 保育園や小学校における外部専門家を活用した支援体制充実事業の活用状況について教育長にお伺いをします。あわせて、対象市町村や保育園、小学校に対して積極的な活用を促しているのか、教育長にお伺いをいたします。 保育園や学校によってこうした事業の活用に温度差があり、保護者がこのような事業を活用してほしいと思っても、なかなか事業の申込みに至らないケースがあるそうです。実際、ある保護者は、保育園にこの事業について相談するも、申請に対して消極的な考えを伺い、申請をお願いすることもできずに落胆をしていました。その他、発達障害の子供を育てている保護者の皆さんの悩みは多岐にわたります。 ある保護者は、特別支援学級の新しい担任の先生になじめず、不登校ぎみになった子供の転校を希望するも、特別支援学校への年度途中の転校はできないことから、来年度まで待たなければならず、待ったところで規定のIQなどの要件に合わないことも懸念されるなど、今後の見通しが立たずに悩まれていました。 年度途中でも特別支援学校への転校ができるような要件緩和は図れないものか、教育長にお伺いをいたします。 また、ある保護者は、地元の公立の放課後児童クラブから、理由の記載のないまま発達障害のある自身の子供の退所通知が届き、うちの子は手がかかるので、放課後児童クラブの人手不足が理由だと感じ取って、何も言わずに仕方なく近隣の市町村の放課後等デイサービスをお願いして、遠距離の送り迎えなど、仕事や生活のリズムが変わり、大変苦労しているといった様子でした。 公立の放課後児童クラブの運営の在り方や県の支援について教育長にお伺いをいたします。 このような保護者の要望や思いに寄り添えていない事例は、県も市町村も保育園も学校もある程度は把握しているはずだと思います。保育所等訪問支援事業についても、保護者が申請しても保育園や学校側が受け入れてくれないといった話や、以前も質問しましたが、グレーゾーンと言われる子供やその保護者は、受けられる支援がなかなかないことが問題となっています。ぜひとも子供の自立や社会性を育むために、家族の負担を軽減する取組がうまく機能するような体制づくりや、グレーゾーンも含めて、悩みを抱える子供や保護者の問題解決に御尽力をいただきたいと思います。 こうした背景もあってか、文部科学省は令和4年3月31日、新任教員が採用後10年目までに特別支援学校や小中学校の特別支援学級で複数年教える経験を積むよう求めることを方向性の一つとした通知を、各都道府県の教育委員会に出しました。教員の採用段階において、特別支援教育に関わる経験等を考慮、採用試験における加点等するなどして工夫を行うこと、管理職の登用に当たっては特別支援教育の経験も含めて総合的に考慮をすること、特別支援学校の教員の免許保有率100%を目指して引き続き取組を進めることなども盛り込まれています。 特別支援学校・学級に通う子供は増えていますが、専門の免許を持たずに教えている教員が多く、管理職の勤務経験者も少ない。経験者を増やし、円滑な授業や学校運営につなげる狙いで、令和6年度からの実施を促しています。こうした経験者を増やしていく取組は、特別支援に関して全体の底上げが図られていくものと期待をしておりますが、保護者の中には経験のない教員が担任となることが想定されるとして、不安を抱いている方もいらっしゃいます。 この通知を受けて、子供や保護者にとって安心できるような体制で教員に特別支援の経験を積んでもらうための手法について教育長にお伺いをします。 その上で、特別支援学級での子供の状況や、担当教員と保護者とが連携が図られているかなど、現場の実態を年度途中で教育委員会が把握し、問題があれば必要な措置を講じていく、きめ細かな対応が必要だと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 県では、令和4年10月17日締切りで、高知県障害者計画策定に向けたアンケート調査を実施しました。来年度からの県の障害者施策の指針となる高知県障害者計画を策定するに当たり、障害のある方やその御家族の現在の状況や御意見、御要望を把握するためのものとしています。 この調査結果を参考に、今後も子供や保護者の意見や要望を取り入れた事業実施と、その活用を保育園や学校に促し、保護者の意見も含めた点検を行い、県と市町村と保育園や学校がしっかりと連携して、問題があれば改善していく取組を充実強化していただきますようお願いを申し上げまして、まず私の第1問とさせていただきます。   (知事濱田省司君登壇) ◎知事(濱田省司君) 石井議員の御質問にお答えをいたします。 まず、韓国訪問の手応えと今後の展望についてお尋ねがございました。 本年10月末、県議会の代表、県内の団体、企業や大学などの関係者の方々と共に韓国・ソウルへの経済ミッション、並びに姉妹交流先であります全羅南道への訪問をさせていただきました。本県から韓国への訪問団の派遣は4年ぶりでありまして、私自身にとって知事就任後初の海外訪問でありました。 ソウルにおきましては、食品、観光、木材、港湾の各分野でそれぞれの現地企業を訪問いたしまして、私自らトップセールスを行いました。各社とは、今後の取引に向けた前向きな意見交換を行うことができましたほか、土佐酒の新たな取引が開始をされるなど、早速成果に結びついたものもございます。今後も県内企業と連携をいたしました継続的な取組によりまして、韓国市場からのインバウンド観光でございますとか、輸出のさらなる拡大を目指してまいります。 また、全羅南道では、交流のきっかけとなりました田内千鶴子さんの生誕110周年記念行事に出席をいたしましたほか、各所で大変温かい歓迎を受けたことがとても印象的でございました。金瑛録知事との面談におきましては、来年度開催をされます順天湾国際庭園博覧会への協力をはじめといたしまして、産業や文化芸術などの交流をさらに進めていくという方針を相互に確認いたしたところであります。 今月の27日には、全羅南道議会の訪問団が本県にお越しになると伺っております。前回受けたおもてなしを今度は私どもからお返ししたいというふうに考えております。今後も引き続き県内各界の皆さんと連携をいたしまして、全羅南道、そして韓国の様々な関係者との交流を深めてまいります。 次に、現在の世界経済あるいは世界情勢の状況についての所見につきましてお尋ねがございました。 議員のお話にもありましたように、世界の情勢は様々な側面から不安定感を増しておりまして、我が国にも大きな影響を与えているというふうに考えております。特に、経済面におきましては、ロシアのウクライナ侵攻に伴いますエネルギーや食品の価格高騰を一因といたしましたインフレが進行しております。欧米各国の金融引締めによります世界的な景気後退が懸念をされているという状況にあります。 また、中国のいわゆるゼロコロナ政策は、最近若干の修正の動きは見られますけれども、世界のサプライチェーンに影響を与えておりまして、部品調達の遅延に伴います工場の操業停止といった混乱が生じてきております。こうした点は我が国の経済に、ひいては本県の経済にとりましてもマイナスの影響を及ぼしているというふうに考えます。 また、ここ最近の北朝鮮の弾道ミサイルの発射でございますとか、中国の海洋進出などを考えますと、我が国周辺の安全保障の環境も年々厳しさを増しているものというふうに受け止めております。今後もこうした世界経済あるいは世界情勢の不安定感は続くものと見込まれるところであります。 このため、まずは国におきまして、状況の改善を目指した外交努力を重ねていただくということと併せて、経済的な影響に関しましては、影響の緩和ないしは社会経済の構造改革のための経済財政運営にも、しっかりと国において取り組んでいただくことを期待いたしております。 私といたしましても、引き続き世界の動向、そしてこれに対する国の対応を注視しながら、県民の皆さんの生活と安全をしっかり守り抜くということ、そして県勢の浮揚を図っていくということ、こうした観点から先手先手での対応を図ってまいりたいと考えております。 次に、現政権の現在の状況の受け止めについてお尋ねがございました。 岸田内閣におきまして、10月以降3人の閣僚が相次いで辞任をされるという事態となりまして、国政の場で混乱が繰り返されたのは大変残念なことだというふうに捉えております。また、報道各社の11月の世論調査におきましては、御指摘もありましたように、いずれも内閣支持率が前月から下落をしておりまして、国民の皆さんからも今回の事態について厳しい目が向けられているというふうに受け止めております。 現在、我が国は、物価高騰、新型コロナウイルスへの対応をはじめといたしまして、安全保障や経済の再生、激甚化、頻発化する災害への対応といった多くの課題に直面をしているところでございます。さらに、防衛費の増額あるいは社会保障の財源をめぐる議論の中では、国民の皆さんに新たな負担あるいは痛みを求める局面も想定をされると、そういった中でございます。 よく言われますが、信なくば立たずという言葉がございます。政府、国会がその機能をしっかりと果たしていくためにも、政府、国会が国民の信頼を得るということが不可欠だというふうに考えています。このために、政権におかれましては岸田総理のリーダーシップの下、しっかりと緊張感を持って政権運営に当たっていただくということと併せまして、国民に対する説明責任をしっかりと果たしていただき、政治に対する信頼回復を図っていただきたい、そういう思いでおります。 その上で、山積をする諸課題の解決に向けた実効性ある対策が講じられますように、国政におきまして与野党が協力をして難局に当たっていただくということを強く期待いたしております。 次に、新型コロナワクチンの有料化についてのお尋ねがございました。 新型コロナウイルスのワクチン接種は、予防接種法上の特例臨時接種と位置づけられておりまして、これまで接種に係る費用を全額国費負担で、受けられる方からは無料という形で実施をしてまいったわけであります。 これに対しまして、財務省の財政制度等審議会の財政制度分科会において、新型コロナの性質の変化を適切に評価し、他の感染症--例えばインフルエンザということでございますが--とのバランスなども見ながら、予防接種法上の検討を行うべきといった見解が示されました。 このような見解に立ちますと、予防接種法上の位置づけが変更をされるということとなることが想定をされますけれども、こうなりますと、接種に係ります費用に自己負担を導入すべきであるといった議論に至るということが想定されるわけであります。しかしながら、現時点で直ちに費用負担を求めるということとしますと、議員から御指摘がございましたとおり、さらなる接種控えにつながるのではないかという懸念がございますし、特に高齢者、基礎疾患を有する方などを中心に重症化する方が増えることも懸念をされるという状況だと考えます。 したがいまして、新型コロナワクチンの接種に係ります費用負担につきましては、仮に感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律上の分類がいわゆる5類へ変更されたといたしましても、当面の間は無料を維持するといったことなど、慎重に検討する必要があるというふうに私としては考えております。昨日開催されました加藤厚生労働大臣との全国知事会のウェブ上の意見交換会におきましても、私からこの考え方を加藤大臣に直接お伝えをしたところであります。 来週火曜日に開催をされます国の予防接種・ワクチン分科会におきまして、この接種方針に関する議論が行われるというふうに聞いておりますので、国の検討状況も注視をいたしまして、全国知事会として必要な対応を行ってまいります。 次に、四万十市への看護大学の誘致につきましてのお尋ねがございました。 四万十市の下田地区への京都看護大学四万十看護学部の誘致につきましては、文部科学省の不認可の決定を受けまして、四万十市が誘致を正式に断念されましたが、このことにつきましては、県といたしましてもやむを得ないものというふうに受け止めております。 これまでこの大学の誘致に関しましては、地域振興を目指す市長あるいは市議会の決定に加えまして、幡多地域の市町村も賛同され、県といたしましても地域振興の観点から、できる限りの支援を行うという立場で対応しておったところでございます。一方で、住民の皆さんから中学校の統廃合あるいは避難場所の確保などの様々な問題について懸念をされる声もございまして、誘致に反対する御意見もあったというふうに承知をしております。 私からは、市長や大学運営法人に対しまして、住民の皆さんに丁寧な説明を行っていただき、看護大学の誘致に御理解をいただくように努めてほしいという、この点に関しましては申し入れてまいりましたし、その後も市長を中心にこの点は御対応いただいてきたものというふうに理解をいたしております。 いずれにいたしましても、幡多地域をはじめ看護師を目指す学生の皆さんの混乱を招くことがないように、県といたしましても県立幡多看護専門学校をはじめといたしました進路情報の提供などを丁寧に行ってまいる考えであります。 最後に、AIを活用いたしました新しい技術の導入によります防災力の強化についてのお尋ねがございました。 近年、AIは大きな進化を遂げております。私たちの社会生活や産業、医療など様々な分野において技術革新をもたらしているところであります。御指摘ありましたように、防災の分野でもAIをはじめといたしますデジタル技術が導入をされ、気象予報や情報の収集、発信、被害状況の予測などに活用されているところであります。 本県におきましても、南海トラフ地震発生時に適切な初動対応を行うために、AIとスーパーコンピューターを使いました津波浸水被害予測システムを活用するということといたしております。また、現在更新作業中の総合防災情報システムにおきましては、気象観測データなどから地域ごとの危険度を可視化し、市町村の意思決定を支援する、そうした機能を新たに導入することといたしております。 こうしたAIを用いました予測や情報を効果的に活用するためには、こうした情報を正しく理解し判断できるように、職員の対応力を向上させることも不可欠であります。今後も国や他県の先進事例の情報を収集いたしますとともに、市町村の意見を伺いながら、防災分野へのAIの導入を鋭意進めてまいります。その際には、県や市町村職員の対応力向上を図ることで、県全体の防災力の強化に努めてまいる考えであります。 私からは以上であります。   (農業振興部長杉村充孝君登壇) ◎農業振興部長(杉村充孝君) まず、県内農産物の生産力を維持・向上させるための支援や方策についてお尋ねがございました。 本県は、ナスやニラ、ショウガなどの生産量日本一の品目をはじめ多様な品目を生産しており、国内の食料生産を維持する上で重要な役割を担っていると考えております。しかしながら、高齢化による担い手の減少に加え、長引くコロナ禍や燃油、肥料などの価格高騰により農業を取り巻く状況は極めて厳しく、このままでは現在の生産量が維持できなくなることが危惧されます。 こうした状況を打開するには、園芸用ハウスや農業機械などの生産設備の高度化や低コスト化を図るとともに、生産者がこれまでの経験と勘に加え、データに基づく最適な栽培管理を行うことで、収量の増加と経費の削減の両立を図ることができるよう、データ駆動型による営農支援を強化していくことが必要と考えております。 そのため、生産設備につきましては、園芸用ハウスの低コスト化や既存ハウスの長寿命化をはじめ、省エネルギー化につながる高効率ヒートポンプの導入や、省力化につながるスマート農業技術の導入などの実証と普及を進めてまいります。また、データ駆動型の営農支援につきましては、環境測定装置の導入を促進するとともに、各農業振興センターやJAにおいて蓄積されたデータを分析、診断し、きめ細かな栽培指導による伴走支援の一層の充実を図ってまいります。 こうした取組により、生産者の経営の安定化を図るとともに、そのことが新たな担い手の増加につながるという好循環を生み出していくことで、県内農作物の生産力の維持・向上を図ってまいります。 次に、四万十市富山地区の地域活性化の取組についてお尋ねがございました。 御紹介いただきました富山地区の地元産にこだわったお酒をオーナー制度という形で販売する取組は、生産者、消費者双方にメリットがあると考えております。具体的には、生産者にとっては地元のこだわりを消費者に直接伝えられることや、あらかじめ販売量が確保できるため安心して生産ができること、また消費者にとっては、生産者の顔が見えるため安心して購入することができることや、生産者を直接応援することができることなどがあります。 加えて、原料の生産から加工まで地元にこだわった生産は、地域の多くの方に経済効果をもたらすという観点からも、大変意義のある取組と考えております。このため、こうした取組が各地に広がり、生産者と消費者との交流などにもつながることを期待しておりますし、県としましても地域のニーズに応じて必要なサポートを行ってまいります。 次に、消費者に理解をいただくことで生産者を守っていく取組の重要性と、その施策についてお尋ねがございました。 昨今の食料供給をめぐる世界的なリスクの高まりなどを背景に、見直しの議論が高まっております我が国の食料の安全保障の観点からも、燃油や資材等の価格が高騰する中でも、夢や希望を持って農業が続けられる環境をつくっていくことが重要であります。そのためには、お話のありました消費者に農業生産の意義や実情などを理解していただくことは、生産コストの転嫁など適正な価格形成につながり、生産者を守る取組となることから、大変重要な視点だと考えております。 このため、横山議員に答弁いたしました地産地消の取組をはじめ、産地と消費者が直接つながるオーナー制度や、将来を担う子供たちに農業体験や試食を通じて、地元食材の豊富さやおいしさを伝える食農や食育の取組など様々な取組を進めていく必要があります。こうした様々な主体による取組が広がり、国民運動になっていくことで、消費者の農業生産の意義や実情などへの理解が深まるものと考えております。 県としましては、県産米の消費拡大キャンペーンや土佐茶プロジェクトなど、JAや民間事業者の方々と連携した地産地消の取組を通じて、県民の皆様に農業生産の厳しい実情などをしっかりと伝えてまいります。 次に、四万十市食肉センターの建て替えに向けた支援についてお尋ねがございました。 まず、財政支援につきましては、食肉センターは本県の畜産振興、県民への安全・安心な食肉の提供といった観点からも極めて重要な施設であるため、できる限りの支援をしていきたいと考えており、今年度実施しております基本設計の委託業務では、委託費の2分の1を県が負担するなどの財政支援を行っております。 また、新食肉センターの早期完成につきましては、現センターは50年余りが経過し、老朽化が著しいことから、従業員などの関係者は建て替えの早期完成を望んでおられると認識しております。 しかしながら、新センター整備に当たっては、幡多地域の市町村との費用負担に関する合意形成をはじめ、新センターを運営する新たな組織の設立や整備費用の縮減、昨今の資材高騰の影響を踏まえた整備時期の検討など、やらなければならないことが数多くあり、これらの課題を一つ一つクリアしていく必要があります。これらの課題を解決し、新センターの整備を実現するために、高知市の新食肉センター整備で培ったノウハウも活用し、引き続き四万十市ともしっかりと連携しながら取り組んでまいります。 最後に、県内の大貫豚の屠畜に関する支援についてお尋ねがございました。 繁殖の役割を終えた母豚など、いわゆる大貫と呼ばれる豚の屠畜につきましては、これまで四万十市の食肉センターでの受入れの方向で調整を図ってまいりましたが、通常の豚に比べ体重が約2倍とサイズが大きく、また屠畜作業に通常より時間がかかることから、処理能力の限界に近づいている四万十市の食肉センターからは、新たな受入れは困難であるとお聞きしております。 このため、現在JAが主体となって、業者と県外の食肉センターとの間に入って受入れの調整を行っております。また、県外の食肉センターでの屠畜となりますと、輸送コストが増加するという課題がございますので、引き続き業者の意向をお聞きしながら、JAとも連携して対応に努めてまいります。   (土木部長荻野宏之君登壇) ◎土木部長(荻野宏之君) まず、四万十市の赤鉄橋における耐震対策や架け替えを含めた検討状況についてお尋ねがございました。 県道中村下ノ加江線の四万十川橋、通称赤鉄橋は平成30年度に点検を実施したところ、橋桁の腐食や橋脚のひび割れなど、修繕が必要な箇所が見つかりました。このため、同年から修繕の設計に着手し、現在橋桁の塗装工事や橋脚のひび割れ補修工事を行っており、次回の点検時期となる来年度までに修繕が完了する予定です。 あわせまして、赤鉄橋は地域のシンボルであるとともに、地震で通行できなくなりますと周辺住民の方の生活への多大な影響が予想されますので、耐震対策につきましても平成30年度から検討を開始し、本年度工事に着手しております。その工事の内容につきましては、地震の揺れにより橋桁を落とさない対策と、橋脚の損壊を防ぐ対策となっております。 こうした対策により、赤鉄橋は当面継続して使用することとしておりますが、この橋は大正15年に架設された非常に古い橋でありますため、定期的な修繕を行ったとしても、将来的には大規模な修繕か架け替えが必要となります。そのため、中長期的な視点でまちづくり計画や河川との関係など、赤鉄橋の課題について四万十市と検討を始めたところでございます。今後さらに検討を深めてまいります。 次に、橋脚を炭素素材で巻いて補強する工事について、耐震対策にどのような効果を期待するのかとのお尋ねがございました。 平成7年に発生した兵庫県南部地震では、橋脚が地震の揺れにより損壊する事例が多く見受けられました。そのため、この地震を契機といたしまして、橋の設計基準が見直されるとともに、これまでの基準で造られた橋について、地震による損壊を防ぐ耐震補強工事が行われるようになりました。 現在、赤鉄橋で行っております橋脚に炭素繊維シートを巻き付ける工事は、コンクリート橋脚の耐震補強工法の一つで、地震による揺れに耐える力を高め、橋脚の損壊を防ぐ効果がございます。また、短期間に施工できることや、炭素繊維の軽くて強い特性を生かしまして、補強後の橋脚が太くなることがないため、川の流れを阻害しないということなどのメリットがございます。こうしたことから、河川内の橋脚補強工事におきましては、一般的に使用される工法となってございます。   (教育長長岡幹泰君登壇) ◎教育長(長岡幹泰君) まず、特別支援教育に関する保護者の悩みに対する支援についてお尋ねがございました。 特別な支援を必要とする子供については、市町村教育委員会が就学先の希望や就学後の支援内容などについての保護者の要望の聞き取りや、話合いの上で就学先を決定することになっております。県教育委員会では、市町村教育委員会からの申請によりまして、特別支援学校の教員を教育相談員として派遣し、保護者の御意見や悩みも聞きながら、就学についてのアドバイスを行っております。 就学後につきましても、まずは市町村や学校が児童の発達の程度や適応の状況などを細かく把握しながら指導・支援を行います。ただし、在籍する学級や学校の変更の希望がある場合には、就学前と同様に県教育委員会として相談員を派遣し、学校や保護者の相談を受け、支援を行うことになります。また、こうした就学先の決定や学び場の変更以外の保護者などからの個別相談につきましては、適宜市町村教育委員会とも連携してお話を聞き、助言するなどの対応を行っております。 次に、教員の人事の際には、各学校の特別支援学級や通級の状況も十分に考慮されているのかとのお尋ねがございました。 県教育委員会は、人事異動に関して市町村の教育方針や学校長の経営ビジョン、また学校や教職員、子供の状況を把握するために、学校訪問や各市町村の教育長面談を実施しております。その過程で、学校運営や児童生徒の状況、教職員の強みや経験などを把握します。さらに、教職員一人一人の人事異動に関する希望なども聞いた上で、次年度の学校体制をつくるための人事協議を市町村教育長と重ねてまいります。その中で当然、各学校の特別支援学級などの状況や、その運営に関することも考慮しております。 ただ、大量退職により若年教員が増加している現状にあって、特別支援教育に関する知識や経験の少ない教員が増えてきており、そのような経験の浅い教員が特別支援学級の担任になる場合も少なからずあると認識をしております。このため、各学校における学級担任などについては学校長が決定するものでありますが、県教育委員会としましては、教員個々の強みや特別支援教育に関する経験などの情報を、市町村教育長を通じて学校長にお知らせをしているところでございます。 次に、県教育委員会が作成している冊子の活用と啓発についてお尋ねがございました。 お話のありました冊子は、特別支援教育の視点に立った教育を実践するために、ユニバーサルデザインに基づく授業づくりの具体例などを紹介し、解説したものでございます。現在、これらは初任者を含む若年教員や特別支援学級を初めて担任する教員を対象とした研修会などで活用されるとともに、各学校の校内研修でも使われております。 研修会におきましては、講師による講話やグループでの研究協議などで中心教材として活用されています。また、校内研修におきましては、こうした冊子を基に授業のポイントや実践事例について学び、また日々の授業の振り返りのために活用されております。 今後も、各学校などにおきまして、より積極的に活用していただくよう、教育センターが行う研修や市町村教育長会、PTA会合などの場面におきまして同冊子を紹介するとともに、県教育委員会のホームページや教職員用のポータルサイトにも掲載し、啓発をしてまいります。 次に、保育園や小学校における外部専門家を活用した支援体制充実事業の活用状況と、その促進についてお尋ねがございました。 まず、本事業の活用状況は、令和元年度は保育所、幼稚園などで55件、小学校で76件、合計131件の実施がございました。令和2年度には合計154件で、昨年、令和3年度には161件となっております。年々増加傾向にあるという状況でございます。 本事業の周知を図るため、毎年度初めには全ての市町村や国公私立の幼稚園、保育園、認定こども園に本事業の趣旨や活用方法を記したチラシを配付しております。加えて、年間を通じて開催いたします県教育委員会主催の保育者を対象とした研修会において、専門家の活用事例や効果を紹介しながら、繰り返し活用を働きかけております。 また、小中学校などに対しましても、市町村の就学事務担当者を対象とした連絡会、また各教育事務所の指導事務担当者会などで周知を図っております。今後は、さらに市町村教育長会や校長会の場でも当事業の積極的な活用を促してまいります。 次に、年度途中の特別支援学校への転校の要件緩和についてお尋ねがございました。 特別支援学校への就学については、法令に規定する障害の5つの区分と、それぞれの程度に該当する場合に可能となり、比較的障害の程度の重い子供さんが対象となります。そのため、インクルーシブ教育を推進する観点からも、障害の比較的軽い児童生徒は小中学校で学ぶことになります。 また、年度途中の転学につきましては、障害の状態の変化や転居など特別な理由がある場合を原則としております。これは、教育環境が大きく変わることで、それまでの学習の積み上げが崩れることや、新しい環境への適応が子供にとって大きな負担となり、その発達に支障が出ることを配慮したものでございます。こうしたことから、年度途中での転学につきましては、一定の条件を設けることが必要であると考えております。 しかしながら、ケースによっては転学が必要となる場合もあるかと思われます。その際には、まず本人、保護者、学校、市町村教育委員会などが十分な協議を行い、保護者の納得も得ながら慎重に判断をしていくことが必要であると考えます。そして、その内容をもちまして、県教育委員会と協議を行っていくことになります。 次に、放課後児童クラブの運営の在り方や県の支援についてお尋ねがございました。 放課後児童クラブは、共働き家庭などの児童を対象として、放課後に安全・安心に過ごすことができる生活の場を整え、児童の健全な育成を図ることを目的としております。その運営におきましては、適切な配慮や環境整備を行った上で、障害のある児童をできる限り受け入れることなどが求められております。 県としても制度の趣旨を踏まえ、運営主体である市町村において、地域の実情に応じた適切な運営が行われることが必要と考えております。そのため、市町村に対して、運営に必要な経費や障害児を受け入れた場合の職員配置について加算を行うなどの財政的な支援を行っております。 また、障害児を含む特別な支援を必要とする児童への理解と対応についての研修を行うなど、現場で運営に当たる放課後児童支援員などの資質向上に努めるとともに、市町村からの運営に関する相談にも対応しておるところでございます。 県としましては、引き続きこうした財政的な支援を行ってまいります。あわせて、市町村において運営上の課題などを把握し、速やかに県への相談が行われるよう、なお一層の連携を図ってまいります。 次に、教員が特別支援教育の経験を積むための手法についてお尋ねがございました。 障害の多様化をはじめ、様々な教育ニーズのある子供が増加している状況において、若年教員が特別支援学校や特別支援学級で担任としての経験を積むことは大変重要であると考えております。一方、経験年数の浅い教員が担当することに不安を感じる子供や保護者がいらっしゃるということは承知しております。そのため、若年教員への研修の充実を図り、また経験豊かな教員などによる支援体制づくりが、より重要であると考えております。 現在、教育センターにおきましては、若年教員や初めて特別支援学級担任となる教員を対象に、特別支援教育の基本的な考え方や基礎的な知識を身につけさせる研修を実施しております。また、学校からの要請により、特別支援学校の教員や教育事務所の指導主事が訪問し、特別支援学級担任を支援する体制を整えております。 こうしたことに加え、今後は特別支援教育についてのベテラン教員の授業を参観したり、一緒に授業内容や方法を考えたりするなど、OJTの視点に立った教員を育成する仕組みを、メンター制なども活用して各校に広めていきたいと考えております。 最後に、特別支援学級の実態把握と課題への対応についてお尋ねがございました。 小中学校の特別支援学級における実態の把握などについては、まずは当該学校の校長と、設置する市町村教育委員会が行っているものと考えております。そして、把握した課題等につきましては、学校長も参加の下、各市町村教育委員会において問題点や解決策の協議を行う必要があります。そして、県教育委員会としましては、市町村教育委員会から相談を受ける場合に、特別支援教育を専門とする指導主事や大学教員などの派遣を通じて、適切に支援や助言を行っております。 しかし、入学する子供たちの教育的ニーズはますます多様化、複雑化し、特別支援学級担当教員にもより幅広い対応力が求められます。こうしたことから、今後はさらに丁寧な状況把握が必要になってくると考えております。 このため、県教育委員会としましては、相談支援に加え、就学事務の説明・相談のため年2回実施している市町村担当者会や、教育事務所の指導主事などの訪問などにおきまして、各校の特別支援学級の運営状況などの情報収集に努めてまいります。そして、問題点につきましては関係課とも共有し、対応策を検討してまいります。今後も市町村教育委員会と連携しながら、適宜情報を収集し、それぞれの問題に適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆29番(石井孝君) それぞれに丁寧な御答弁をありがとうございました。 知事の政治姿勢ということで、まずは全羅南道の初の海外出張の件でございますけれども、トップセールスも行われたということで、これからますます交流を深めていただきまして、全羅南道に、例えば高知県の県事務所やアンテナショップが設置されるというようなことも必要になってくるかもしれません。そうしたことも見据えながら今後も交流を続けていただければなと思っておりますし、今月の27日の受入れには晩さん会も用意していただけるということでございますので、ぜひとも歓待をしていただければというふうにも思っております。 それから、大学誘致の断念について、国の空き家対策総合支援事業の交付金ですけれども、これが全額下りるかどうかというのは、今年度跡地利用をどうしていくかということに尽きるというふうに聞いております。新たな利活用を示す必要がありまして、これによっては国からお金が下りないということにも考えられますので、県としても市に様々な御助言をいただければというふうにも思っております。 また、今回ほかの市町村の不用分を集めて投入したということでございますけれども、他の市町村の事業導入が遅れているんじゃないかというような懸念もありましたけれど、そういったことはないということでお話も伺いましたので、一安心をしておるところでございます。 大学誘致につきましては、要請もさせていただきましたけれども、ぜひとも今後の利活用について、県の最大限の要請、お力添えをお願いしたいというふうにも思います。 それから、県内の農作物の生産力向上と消費者支援のところなんですけれども、土佐茶の話もありましたけれど、あれも肥料が海外輸入というようなことで、以前新聞記事なんかにもなっておりましたけれども、本当に国産化ができるかどうかというのが、今後いろんな意味で肝になってくるかなと思うんです。 農林水産省もみどりの食料システム戦略で、2050年までには耕作面積今0.5%のところを25%まで、有機農業を引き上げていくと、100万ヘクタールを目標に掲げてやると言っていますけれども、この実現がどれほど可能なのか。そうした肥料なんかどんなふうにしていくのか。そんなことも含めて、非常に難しいところに取組をしようとしておりますけれども、調達と生産、加工、流通、小売、消費と、その循環できる仕組みというものも高知県で1つ小さなところからでもつくっていくことが、非常に県経済底上げ、そして国産力の強化ということになるかなというふうに思っています。 ここに公共投資をしっかりしていくということが大事だと思っていますので、ぜひともいろいろなアイデアをこれからも出し合っていただきたいと思います。 特に富山の取組なんですけれども、私は小規模ですがすばらしい循環経済の取組だと思っていますので、私からもこの維持・存続の協力と、こうした活動が県内各地に波及されることを期待しております。 それから、食肉センターについては、本当に何度も話をさせていただいておりますけれども、ぜひとも県の最大限の財政支援というのをお願いしておかなければなりません。それから、大貫豚の対応にも努めていただけるということで御答弁いただきましたけれども、この四万十市の新食肉センターが出来上がれば、四万十市のほうに大貫豚の搬入ができるということでございますので、その間四、五年、五、六年、何年になるか分かりませんけれども、継続した支援の中で、四万十市にも大貫豚が搬入できるようなところまで火を消さずに、支援を継続していただきたいなと思っております。 それから、赤鉄橋のことにつきましては、前回の質問から本当に検討いただいておりまして、当面は修繕と、そして今回の耐震補強工事で継続をしていきたいと、将来的には修繕か架け替えの検討を深めていくというような話をしていただきました。もう本当に日に今1万8,000台の交通量があって、地元内外から愛されまして、96年という偉大な赤鉄橋でございますけれども、皆さん本当に強い思い入れがあります。もう少し幅の広い新しい赤鉄橋を望むという声もありますけれども、私としては以前の質問から4年たちまして、今年度から赤鉄橋の径間落下をさせないと、それから橋脚の強度を上げる耐震工事が進んでいるということについて、非常にうれしく思っております。ありがとうございます。 あと教育、発達障害支援のことについてなんですけれども、外部専門家の活用のところで、件数は増えている、全体的には増加傾向にあって、いいとは思うんですけれども、利用する学校はよく利用するし、こういうことをうまく活用して校内運営、学校運営をしようとする校長先生、保育園長はうまく活用するけれども、そうでないところとはなかなかというようなことで、濃淡が非常にあるんじゃないかなと思っています。 これについては、園長や学校長が申請をしてくるということになりますけれども、この目的の一つに、教員等の対応等を参観するということもあると思います。そうしたこともしてもらいたいという保護者の声があるわけでございまして、できれば保護者からの申請もできるような形にしていくとかということなんかについて、教育長に再質問させていただきたいと思っています。 それと、放課後児童クラブのことなんですけれども、できる限り受け入れていただいているというようなことで、県も加算をしているということなんですけれども、逆に実際は反対のことが行われているんじゃないかなという事例なんかもあろうかと思います。というのは、今回私が聞いた保護者の方からは、コミュニケーションが取れない子供に対して、退所届が直接かばんの中に入っていて、帰ってきて親がかばんを見ると、その退所届が入っていたというような話があって、発達障害の子で手がかかるからかなと思いながらも渋々ということだったんですけれども、次の月には市が広報で放課後児童クラブ募集ということを掲げるというようなこともあって、非常に悔しいというか、悲しい思いをしたというような話もあります。 こうした加配があって、そうした支援を続けていくことで、発達障害の子なんかも放課後児童クラブが受け入れてもらえるんだったらいいとは思うんですけれども、その支援が実際現場ではそううまく活用できていないということがあれば、どこに問題があるのかというようなことも、やっぱり後追いしながら対応していただくというようなことも必要じゃないかなと思いますけれども、先ほどの外部支援員とか、現地を見ていくというようなことも含めて、教育長に2問目の再質問をさせていただきたいと思います。 ◎教育長(長岡幹泰君) まず、外部専門家、これの活用につきまして言いますと、まず保護者から外部専門家の活用について要望があるような場合には、やはりまずは園とか学校と協議をしていただくことが大前提となりますけれども、その上で申請に至らないといったような場合は、市町村教育委員会や、あるいは市町村の担当課と御相談いただくと、そしてそこから申請いただくというのが手順になると思います。 ただ、さらに県に直接御相談をいただいた場合には、私どものほうから市町村教育委員会に、あるいは担当課にこの事業の活用や保護者の方との話合いの場を持っていただけるような連絡調整、そういったものをさせていただきたいというふうに考えております。 そして、先ほどの放課後児童クラブ、こういったところの実態につきましては、また私どもの担当課のほうがいろいろ回りまして、その実情等について把握をしていきたいというふうに考えております。 ◆29番(石井孝君) ありがとうございます。ぜひ丁寧な取組に期待をしておりますけれども、特別支援学校の転入、転校なんかも難しいという要件の話はよく分かります。それから、インクルーシブ教育が大切であって、できればその学校でしっかり就学することが、その子のためにとってもいいというのは分かりますけれども、対応が悪くてというか、対応がうまくかみ合わずに不登校ぎみになってしまうと、もうインクルーシブも何もないわけですよね。 その辺のところも含めて、やっぱり年度途中で意図した人事にちゃんと学校運営がなっているのかとか、保護者と教員の関係はどんなふうになっているのかとか、連携を図れるような取組をしっかり点検していただいて、必要であれば問題解決を講じるという、これが私は肝だと思っておりますので、今後どれぐらいの点検ができるのか、どんなふうにしていくのかというのは協議していただければと思います。 高知県教育委員会の皆様の御奮闘が、子供の未来とか高知県の未来をつくると言っても私は過言ではないと思っておりますので、こうした取組を全力で進めていただきますことをお願い申し上げまして、私からの一切の質問にさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(明神健夫君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。 お諮りいたします。明10日から12日までの3日間は議案精査等のため本会議を休会し、12月13日から再開いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   (「異議なし」と言う者あり) ○議長(明神健夫君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。 12月13日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。   午後4時31分散会...