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09月28日-02号

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  1. 高知県議会 2022-09-28
    09月28日-02号


    取得元: 高知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 4年  9月 定例会(第363回)-----------------------------------        令和4年9月28日(水曜日) 開議第2日-----------------------------------出席議員       1番  濱口涼子君       2番  槇尾絢子君       3番  桑鶴太朗君       4番  上治堂司君       5番  土森正一君       6番  上田貢太郎君       7番  今城誠司君       8番  金岡佳時君       9番  下村勝幸君       10番  田中 徹君       11番  土居 央君       12番  野町雅樹君       13番  横山文人君       14番  西内隆純君       15番  加藤 漠君       16番  西内 健君       17番  弘田兼一君       18番  明神健夫君       19番  桑名龍吾君       20番  森田英二君       21番  三石文隆君       23番  西森雅和君       24番  黒岩正好君       25番  依光美代子君       26番  大石 宗君       27番  武石利彦君       28番  田所裕介君       29番  石井 孝君       30番  橋本敏男君       31番  上田周五君       32番  坂本茂雄君       33番  岡田芳秀君       34番  中根佐知君       35番  吉良富彦君       36番  米田 稔君       37番  塚地佐智君欠席議員       なし-----------------------------------説明のため出席した者  知事         濱田省司君  副知事        井上浩之君  総務部長       徳重 覚君  危機管理部長     中岡誠二君  健康政策部長     家保英隆君  子ども・福祉政策部長 山地 和君  文化生活スポーツ部長 岡村昭一君  産業振興推進部長   沖本健二君  中山間振興・交通部長 中村 剛君  商工労働部長     松岡孝和君  観光振興部長     山脇 深君  農業振興部長     杉村充孝君  林業振興・環境部長  豊永大五君  水産振興部長     松村晃充君  土木部長       荻野宏之君  会計管理者      池上 香君  公営企業局長     笹岡 浩君  教育長        長岡幹泰君  人事委員長      門田純一君  人事委員会事務局長  澤田博睦君  公安委員長職務代理者 刈谷敏久君  警察本部長      江口寛章君  代表監査委員     五百藏誠一君  監査委員事務局長   高橋慎一君-----------------------------------事務局職員出席者  事務局長       山本和弘君  事務局次長      横田 聡君  議事課長       吉岡正勝君  政策調査課長     田渕史剛君  議事課長補佐     杉本健治君  主幹         春井真美君  主査         宮崎由妃君-----------------------------------議事日程(第2号)   令和4年9月28日午前10時開議第1 第1号 令和4年度高知県一般会計補正予算 第2号 令和4年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計補正予算 第3号 令和4年度高知県電気事業会計補正予算 第4号 高知県個人情報の保護に関する法律施行条例議案 第5号 高知県職員の高齢者部分休業に関する条例議案 第6号 高知県四国カルスト県立自然公園公園施設の設置及び管理に関する条例議案 第7号 職員の定年等に関する条例等の一部を改正する条例議案 第8号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例議案 第9号 高知県国民健康保険法施行条例の一部を改正する条例議案 第10号 高知県公衆浴場法施行条例の一部を改正する条例議案 第11号 高知県旅館業法施行条例の一部を改正する条例議案 第12号 高知県民生委員定数条例の一部を改正する条例議案 第13号 高知県子ども・子育て支援会議設置条例の一部を改正する条例議案 第14号 高知県都市計画法施行条例の一部を改正する条例議案 第15号 高知県が当事者である和解に関する議案 第16号 県有財産(港湾荷役機械)の取得に関する議案 第17号 国道441号防災・安全交付金工事請負契約の締結に関する議案 第18号 県道本川大杉線(上吉野川橋)橋梁修繕工事請負契約の締結に関する議案 第19号 県道須崎仁ノ線防災・安全交付金(仁淀川河口大橋)工事請負契約の締結に関する議案 第20号 春遠ダム(春遠第1ダム)本体建設工事請負契約の締結に関する議案 第21号 令和3年度高知県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関する議案 第22号 令和3年度高知県工業用水道事業会計処分利益剰余金の処分に関する議案 報第1号 令和3年度高知県一般会計歳入歳出決算 報第2号 令和3年度高知県収入証紙等管理特別会計歳入歳出決算 報第3号 令和3年度高知県給与等集中管理特別会計歳入歳出決算 報第4号 令和3年度高知県旅費集中管理特別会計歳入歳出決算 報第5号 令和3年度高知県用品等調達特別会計歳入歳出決算 報第6号 令和3年度高知県会計事務集中管理特別会計歳入歳出決算 報第7号 令和3年度高知県県債管理特別会計歳入歳出決算 報第8号 令和3年度高知県土地取得事業特別会計歳入歳出決算 報第9号 令和3年度高知県国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算 報第10号 令和3年度高知県災害救助基金特別会計歳入歳出決算 報第11号 令和3年度高知県母子父子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算 報第12号 令和3年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第13号 令和3年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計歳入歳出決算 報第14号 令和3年度高知県農業改良資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第15号 令和3年度高知県県営林事業特別会計歳入歳出決算 報第16号 令和3年度高知県林業・木材産業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第17号 令和3年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第18号 令和3年度高知県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算 報第19号 令和3年度高知県高等学校等奨学金特別会計歳入歳出決算 報第20号 令和3年度高知県流域下水道事業会計決算 報第21号 令和3年度高知県電気事業会計決算 報第22号 令和3年度高知県工業用水道事業会計決算 報第23号 令和3年度高知県病院事業会計決算第2 一般質問   (3人)-----------------------------------   午前10時開議 ○議長(明神健夫君) これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △諸般の報告 ○議長(明神健夫君) 御報告いたします。 公安委員長古谷純代さんから、所用のため本日の会議を欠席し、公安委員刈谷敏久君を職務代理者として出席させたい旨の届出がありました。 次に、第5号議案、第7号議案及び第8号議案については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき人事委員会に意見を求めてありましたところ、法律の改正に伴うもの、法律の改正を考慮したもの、または国家公務員に準じて措置しようとするものであり、適当であると判断する旨の回答書が提出されました。その写しをお手元にお配りいたしてありますので御了承願います。 次に、知事からさきの6月定例会開会日に配付いたしました地方自治法施行令第146条第2項の規定に基づく繰越明許費繰越計算書について訂正したい旨の申出があり、その写しをお手元にお配りいたしてありますので御了承願います。   〔人事委員会回答書 巻末378ページに掲載〕----------------------------------- △質疑並びに一般質問 ○議長(明神健夫君) これより日程に入ります。 日程第1、第1号「令和4年度高知県一般会計補正予算」から第22号「令和3年度高知県工業用水道事業会計処分利益剰余金の処分に関する議案」まで及び報第1号「令和3年度高知県一般会計歳入歳出決算」から報第23号「令和3年度高知県病院事業会計決算」まで、以上45件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問を併せて行います。 通告がありますので、順次発言を許します。 7番今城誠司君。   (7番今城誠司君登壇) ◆7番(今城誠司君) 皆さんおはようございます。自由民主党、宿毛市・大月町・三原村選挙区選出の今城誠司でございます。議長のお許しをいただきましたので、自由民主党を代表して一般質問を行います。 まず、知事の政治姿勢についてからお尋ねいたします。 初めに、安倍元首相の国葬儀についてお伺いをいたします。7月8日、民主主義の根幹である選挙が行われている中、安倍元総理は卑劣な暴力により命を落とす事件が発生をいたしました。安倍元総理に対しまして謹んで哀悼の意を表し、心より御冥福をお祈り申し上げます。 首相経験者が銃撃されて死亡した事件は戦後では例がなく、多くの聴衆の前で、白昼要人が狙われた事件だったこともあり、国内外で大きな衝撃が広がりました。自民党高知県連では、事件後いち早く献花台、記帳所を設置し、多くの県民の皆様に弔問においでていただきました。 安倍元首相のこれまでの国家への大きな功績を称して、さらに約260の国、地域、機関から寄せられた1,700以上の弔意メッセージについては、その多くが日本国民全体に対する哀悼の意を表する趣旨であります。葬儀を国の儀式として実施することで、日本国として海外からの多くの敬意や弔意に礼節を持って応える国葬儀が昨日執り行われました。 この国葬儀を行う法的根拠については、内閣府設置法第4条第3項第33号に、内閣府の所掌事務として、国の儀式に関する事務に関することが明記をされており、国葬儀を含む国の儀式の執行は、行政権に属することが法律上明確となっております。内閣法制局においても、閣議決定を根拠として国葬儀を実施することが可能であるという見解であります。 他方、国葬儀の明確な基準がないことについては、一つの基準をつくったとしても国際情勢や国内情勢に基づいて判断しなければならないとし、その時々の内閣において様々な事情を総合的に勘案し、その都度ふさわしい形を判断してきたとされております。安倍元総理の類いまれな実績と国家への貢献を踏まえれば、国葬儀という形で弔意を示すことが適切と考えます。 また、国際社会から寄せられた多くの弔意に対して、日本国として礼節を持って丁重にお応えをするため、必要な経費を国費で賄う国葬儀を執り行うことは、国際社会の一員である我が国の責任である態度であります。 この国葬儀に県民の代表として参加した意義と御感想を知事にお伺いいたします。 次に、参議院選挙における合区の解消についてお伺いをいたします。参議院の選挙区選出議員の選挙は、昭和22年の参議院議員選挙法制定以来、その前身の地方選出議員の選挙も含め、一貫して都道府県単位の選挙区において実施をされてきましたが、人口分布の変動等により議員1人当たりの人口の格差が拡大し、平成6年以降、数次にわたり各選挙区の定数を振り替える措置により、定数是正が図られたにもかかわらず、最大の格差は5倍前後を推移しており、定数訴訟では最高裁から厳しい判決が下され、平成28年の第24回参議院議員通常選挙から、高知県と徳島県、島根県と鳥取県は合区での選挙が実施をされました。 この選挙の高知県の投票率は史上最低の45.52%で全国最低となり、うち6.14%の1万7,569票が合区反対などと書かれた無効票でありました。続く令和元年7月21日に実施をされた2度目となる合区選挙では、徳島県において全国最低の投票率38.59%を記録したほか、前回最下位だった高知県を除き、鳥取県、島根県、徳島県の3県においても過去最低の投票率を更新する結果を招くなど、合区に起因する弊害はさらに深刻度を増しております。 先日の第26回参議院議員通常選挙に向けて、全国知事会をはじめとする地方6団体は、合区解消や参議院選挙制度改革に関する決議が行われましたが、合区の解消を達成することができず、現行の制度が継続されて3回目の選挙となり、合区が恒久化しつつあります。 憲法改正などの抜本的な対応により、合区の確実な解消に向けてどのように効果的に取り組んでいくのか、知事にお伺いをいたします。 次に、新型コロナウイルス感染症の第8波と通常インフルエンザの同時流行対策についてお伺いをいたします。全国的に新型コロナウイルスBA.5系統による爆発的感染拡大が長期化し、新規感染者数も高止まりとなり、各地で医療・保健の現場が逼迫し、その影響が深刻化した状況となりました。本県においては、8月24日には過去最多となる2,027人の新規感染者が確認されるなど、極めて高い水準でしたが、新たな行動制限を行うことなく、新規感染者は減少傾向に転じております。 新型コロナウイルス対策については、ウイルスの特性の変化やワクチン接種の進捗等の状況に応じて、これまでの感染者全員入院からの転換、国民の行動制限や経済活動の制限の見直しを行うなど、状況に応じた政策が展開をされてきました。オミクロン株については、若者の重症化リスクは低く、大部分の人は感染をしても軽症で入院を要することはありませんが、一方で高齢者の重症化リスクは引き続き高い傾向にあり、新型コロナウイルスへの対応と社会経済活動の両立するウイズコロナに向けた新たな段階への移行について、現在国では見直しの議論が進んでおります。 しかしながら、9月8日の新型インフルエンザ等対策推進会議基本的対処方針分科会の尾身会長は、療養期間の短縮などの一連の緩和にはそれに伴い感染させるリスクが残っていることを認識した、国民の慎重な行動が必要である。さらに、これから冬の時期にかけて季節性インフルエンザの流行も予想されており、コロナとの同時流行が発生し、感染レベルはかなり高いものになるおそれがあると発言をされております。 新型コロナウイルス感染症の第8波と季節性インフルエンザの同時流行に対してどのように備えていくのか、知事にお伺いをいたします。 次に、新型コロナウイルス感染症の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の分類引下げについてお伺いをいたします。新型コロナは、感染症法で新型インフルエンザ等感染症に位置づけられており、全数把握、入院勧告、健康状態の報告、外出自粛要請、就業制限など危険度が2番目に高い2類相当に位置づけられております。 しかしながら、第7波は重症化リスクについては以前と比べて低く、感染力が強い特性により、かつてない規模に感染が拡大し、法律で義務づけられた措置の実施に追われて、保健所や医療機関の業務が逼迫する状況となり、本県においても先日の26日から全数把握の簡略化を導入し、その負担軽減に取り組んでいるところでもあります。 ウイズコロナは、最終的に新型コロナウイルス感染症については感染法上の位置づけを現在の2類相当から、季節性インフルエンザ相当の5類に向けて早期に方向性を出し、制限を緩和する課題を議論していくことが必要不可欠と思いますが、知事に御所見をお伺いいたします。 次に、町村の特別交付税の算定についてお伺いをいたします。特別交付税は、地方交付税法第6条の2第3項に地方交付税の6%と規定をされ、特別の財政需要を基準に総務大臣が毎年度12月と3月と2回に分けて決定するとされ、算定項目と算式が総務省令で詳細に定められたものと、特殊な財政需要に基づき算定をされるものの2つで構成をされております。交付額の決定者は総務大臣となっておりますが、町村の特殊な財政需要については、都道府県知事が算定したものを総務大臣が決定することになっております。 昨年、徳島県の特別交付税において、県全体で6.1%の増額にもかかわらず、石井町、板野町、つるぎ町については不当に減額をされており、県に減額分などの損害賠償を求め徳島地裁に提訴する方針で、各町議会で訴訟を起こすための議案が議決をされております。3町側は、知事選の得票率の低かった地域を減額の対象とし、政治的絡みが動いた可能性があると訴えております。 そこでお伺いをいたします。本県における町村分の特別交付税について、どのように客観的な算定方法で実施をされているのか、総務部長にお伺いをいたします。 次に、教育行政について。 全国学力・学習状況調査の結果についてお伺いをいたします。7月28日に、今年の全国学力・学習状況調査の結果が公表されました。小学校では引き続き全国上位に位置し、特に算数が昨年より全国比が1.9ポイント上昇しております。中学校においては全教科、全国平均に近づいていく傾向でしたが、それぞれの教科とも全国平均との差が広がる結果となっており、特に数学が昨年より2.4ポイント下降し、全国比マイナス5ポイントの結果となっております。また、質問紙の結果については、家庭学習時間、タブレットの活用に全国平均との開きがあるとされております。 今回の学力・学習状況調査の結果についての評価と、課題に対する今後の取組について教育長にお伺いをいたします。 次に、学校へのサイバー攻撃対策についてお伺いをいたします。先月末、千葉県南房総市の小中学校の情報システムがサイバー攻撃を受け、身代金要求型コンピューターウイルス、ランサムウエアに感染し、児童生徒約2,000人の成績表などの個人情報が暗号化をされ、ハッカー集団は、金銭を支払わないと成績表などの情報をインターネットに公表すると脅迫をしております。ロシアを拠点とするハッカー集団の攻撃と見られ、情報システム機器の欠陥が狙われた可能性があるとされております。南房総市の教育委員会は金銭を支払わず、自力での作業で9月にも復旧させるとし、千葉県警に相談をし、県警は原因などを調査していると報道されております。 現在、文部科学省が主導するGIGAスクール構想の対応によりノートパソコンやタブレットなど1人1台の学習環境の整備が進み、こうした背景もあり、文部科学省が教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインを打ち出すまでは、小中学校における情報セキュリティー対策について明確な指針は示されておりませんでしたが、現在各自治体の教育委員会の多くがこのガイドラインに沿って、小中学校情報セキュリティー対策に取り組んでいるとお聞きをしております。 県内の小中学校、県立学校におけるサイバー攻撃対策についてどのように効果的に取り組んでいるのか、教育長にお伺いをいたします。 次に、園児置き去り防止対策についてお伺いをいたします。昨年の7月29日、福岡県中間市の認可保育園で、送迎バス内に取り残された5歳園児が熱中症で死亡するという痛ましい事案が発生をいたしました。この事件の教訓が生かされることなく、今月5日静岡県牧之原市の認定こども園でも、同じように3歳園児が通園バスに5時間にわたり取り残され、死亡するという事件が発生をいたしました。中間市の教訓を生かした乗車名簿や最新鋭の登園アプリシステムは導入されておりましたが、当日運転をしていた理事長、クラス担任、クラス補助ら複数職員の思い込みやミスが重なり、事件を招いたと言われております。 毎日新聞の調査では、福岡県中間市の事件後、保育施設の送迎バスの運行について独自のガイドラインを策定したのは、兵庫県、鳥取県、福岡県の3県にとどまり、予定をしているのも青森県と山形県の2県のみで、その策定は進んでいない状況であったとされております。 本県においては、保育施設が行う児童の車両送迎に関わる安全管理について、これまでどのように取り組んできたのか、また今回の事件を受けてどのように対策を充実させていくのか、教育長にお伺いをいたします。 次に、警察行政について。 要人警護についてお伺いをいたします。7月8日、安倍晋三元総理が奈良県の参議院議員選挙応援演説中に凶弾を受け、命を落としました。憲政史上最長の在任記録を持ち、首相退任後も自民党最大派閥の中心人物が選挙期間中に銃殺された衝撃は大変大きいものがありました。この事件は多くの国民に衝撃を与えたのみならず、同時にその直後から警察の警護体制の甘さが各方面から厳しく指摘をされております。 警察庁では、今回の警護の問題点を明らかにするとともに、今後講じるべき具体的な対策を検討することを目的とする検証・見直しチームを設置し、同チームにおいて検証、見直しを行ってきたところ、先月末その結果が報告をされました。警護の見直しのための警護要則の抜本的見直しを含めた具体的な措置が報告をされております。警護の強化のためには警察庁の強化にとどまらず、都道府県警察の現場における態勢を強化することも必要であるとされ、都道府県警察の警護に係る能力の底上げを図るとされております。 今回の警護、警備に関する検証、見直しを受けて、県警察としてどのように要人警護の強化に取り組んでいくのか、警察本部長にお伺いをいたします。 次に、サイバー犯罪の捜査力強化についてお伺いをいたします。社会のデジタル化が進む中で、サイバー犯罪やサイバー攻撃が多発し、深刻化している状況を踏まえて、本年4月1日警察庁の組織改編が行われました。警察庁サイバー警察局サイバー特別捜査隊が設置をされ、全国の警察から専門知識を持った捜査員や技術職員が集められ、政府機関の重要なインフラ、企業などを狙う重大なサイバー攻撃や、被害が大きいサイバー犯罪などについて捜査を行うことになっております。 今月に入り、ロシアのハッカー集団キルネットによると見られる日本へのサイバー攻撃が相次いでおります。日本のウクライナ支援に反発し、政府系サイトのほか、東京メトロや名古屋港といった交通インフラを標的とした攻撃が確認をされており、サイバー特別捜査隊の設置効果が期待をされております。 重要なインフラが関わらない不正アクセス事件や、被害が比較的軽微な金銭犯罪などについては、今後も都道府県警察が主体に捜査をするとされており、県警察のサイバー犯罪の捜査力強化のために、人材確保と育成が課題となっております。県警察では、サイバー犯罪捜査官の募集枠を設けて、人材確保に取り組んでいるところでありますが、近年の採用選考結果を見てみますと、申込者ゼロの年が多く、最終合格者もなく、十分な採用ができていない状況が続いていると思われます。 サイバー犯罪の捜査力強化に向けて、人材の確保・育成についてどのように取り組んでおられるのか、警察本部長にお伺いをいたします。 次に、警察の電子申請についてお伺いをいたします。本県では、令和元年度よりデジタル化の取組をスタートしており、高知県デジタル化推進計画に基づき、デジタル技術の活用による県民生活の向上や地場産業の高度化、業務の効率化等の実現に向けて取組を進めているところであります。令和2年度に汎用的な電子申請システムを導入し、行政手続の申請者等の押印、参考資料や行政が発行する書類の原本添付、手数料・使用料等の納付、本人確認など行政手続をオンライン化していくために解決すべき課題を整理し、オンライン化が可能な業務から積極的に前倒しして取り組む方針で取り組んでおります。 警察部門の仕事についても大変多岐にわたりますが、その中で県民が警察署で受けるサービスに、デジタル化できるものが多いのではないかと思われます。また、交通違反の反則金の納付についても、現在は銀行や郵便局が開いている時間に手続に行かなければ納めることができません。24時間コンビニで、ネットバンクで、カードやバーコード決済で支払いができる世の中にあって、県民にとって不便となっております。 多くの県民がオンライン化のメリットを享受できるよう、電子申請のこれまでの取組状況はどうか、また今後の推進について警察本部長にお伺いをいたします。 次に、産業振興について。 初めに、関西圏のアンテナショップの設置についてお伺いをいたします。濱田知事は3年前の選挙戦において、公約の一丁目一番地に経済の活性化を上げ、特に大阪府副知事を務めた経験と人脈を生かし、令和7年開催の大阪・関西万博や令和11年度に開業予定のIR誘致などで活況を呈している関西圏の経済活力を高知に呼び込むとの強い決意で選挙戦に臨まれました。あれから早いもので3年近くの歳月が流れ、知事の任期も残り1年余りとなりました。 これまでの間、関西・高知経済連携強化戦略を取りまとめ、昨年度を実行元年としてスタートさせ、さらに今年度はコロナ禍からの反転攻勢に打って出るべく、庁内の体制を大幅に拡充し、関西圏での外商拡大などに向けてその取組を加速させるべく、関西圏の詳細な商圏分析等を行うとともに、県内で実際に関西圏と取引を行っている事業者などから成る関西圏外商強化対策協議会、さらには関西・高知経済連携強化アドバイザー会議の御意見も踏まえ、先日外商の強化策を取りまとめられました。 外商拠点として、梅田3丁目に建設予定の商業施設内にアンテナショップの設置を目指すことが発表されました。物販の売上げだけでは収支を賄うことは難しいとお聞きをしておりますが、アンテナショップは、本県の食文化や万博を目的にして大阪を訪れたインバウンドの観光客を高知へ誘客するための情報発信拠点として、その効果が十分期待できることから、この施設は本県の認知度向上に大いに役立つものではないかと期待をするものであります。 関西圏は首都圏と比べると近距離にあること、さらに嗜好や文化も違うことから、私は関西のアンテナショップならではの特徴を持たせるべきだと考えます。 そこで、この新たに設置をするアンテナショップについて、この場所を選んだ理由と、今後どのような展開を図るおつもりなのか、知事にお伺いをいたします。 次に、関西圏アンテナショップ運営主体についてお伺いをいたします。今回のアンテナショップの運営主体については、銀座のまるごと高知と同じく、地産外商公社を想定しているとのことであります。全国のアンテナショップの中には、北海道や沖縄県など民間企業が運営主体となり、民間の経営ノウハウを生かした店舗運営を展開しているところもあります。 本県においても、県産品の販売を担う県内事業者が少なからずあることから、そうした事業者による運営とする考え方もあるのではないかと思いますが、関西圏のアンテナショップの運営を地産外商公社とすることについて産業振興推進部長の御所見をお伺いいたします。 次に、IoPクラウド、SAWACHIについてお伺いをいたします。県では、あらゆるものがインターネットにつながるIoT技術や、最先端のAI技術を農業に生かすために、ハウス内環境データ、出荷データ、気象データ、作物の画像データなどをIoPクラウドに集積し、それらの様々なデータを分析、診断をして営農に有益な情報を提供する取組を平成30年から進めているとお聞きをしております。このIoPクラウドは、昨年の4月からプロトタイプの実証運用を開始し、実際に農家の皆さんに利用いただきながら、システムの改善点、課題解決に向けて取り組み、この9月21日に本格運用が開始をされております。 コロナ禍、ウクライナ情勢等の影響で農家経営が過去にない厳しい状況となっておりますが、IoPクラウド、SAWACHIを農家の経営改善にどのように生かしていけるのか、またその利用者拡大にどのように取り組んでいくのか、農業振興部長にお伺いをいたします。 次に、南海トラフ地震対策について。 初めに、早期避難意識率向上対策についてお伺いをいたします。先月末、私の所属しております危機管理文化厚生委員会は、東北方面への行政視察で、石巻市震災遺構大川小学校を現地視察することができました。御承知のとおり、全校児童108名中74名の児童が死亡あるいは行方不明となり、教員も10名が亡くなっております。亡くなった児童の父兄でもある語り部さんより、当時の行動について詳しく説明をしていただきました。 地震発生から51分、大津波警報発令から45分の時間がありながら、避難行動は最後の1分間、なぜか山でなく川に向かって行き止まりの道を進んでおります。時間も情報も手段もあったのに救えなかった命であります。この悲しみを繰り返さないためにも、早期避難意識の重要性を再認識することができました。 県が調査をしております地震・津波県民意識調査における津波早期避難意識率を見てみますと、東日本大震災前の平成22年には僅か21.2%であったものが、震災後の平成25年の調査では69.5%と大きく向上しております。しかしながら、第3期の南海トラフ地震対策行動計画策定時には68.6%と後退し、第4期計画策定時は68.8%と現状維持、今回の第5期行動計画策定時には70.8%と微増にとどまっております。 第5期行動計画の減災目標は、想定死者数を約8,800人から約4,300人と、さらに51%減の設定がされております。その目標達成には、津波早期避難意識率が100%の実現という大変大きな目標を上げられております。 第5期の南海トラフ行動計画において、これまで70%程度に伸び悩んでいる津波早期避難意識率をどのように効果的に100%を達成していくのか、危機管理部長にお伺いをいたします。 次に、南海トラフ地震臨時情報への対応についてお伺いをいたします。南海トラフ地震臨時情報は2019年度から運用が始まっております。昨年の地震・津波県民意識調査においては、南海トラフ地震臨時情報が発表されることを知っているかの問いに対して、知っていると答えた方が20.3%にとどまっており、前回の調査と比較をしてみますと、知っているが2.9ポイント減少し、知らないが4.8ポイント増加をしております。お住まいの地域は事前避難対象地域ですかの問いに対して、分からないと答えた方が71.5%と、周知不足が大きな課題となっております。 臨時情報の枠組みでは、南海トラフ沿いでマグニチュード6.8以上の地震が発生したとき、調査中が出され、専門家が巨大地震発生の可能性を評価し、リスクが高い順に警戒、注意、調査終了が出されます。最もリスクの高い警戒の場合は、県下で約9万1,000人に1週間の避難指示が出され、さらに1週間の自主避難の呼びかけがされております。小中学校では、18の市町村では1週間の休校対応とされております。注意の場合は被害がほとんどなく、経済活動も止まることもなく、住民にどこまで自主避難対応を促すのか、市町村によっては対応はばらばらであり、統一した基準をつくらないと準備も周知も進まない状況と言われております。 南海トラフ地震臨時情報の住民理解度向上に向けてどのように取り組んでいくのか、また市町村の統一された基準の必要性について危機管理部長にお伺いをいたします。 次に、長期浸水域内の確実な避難と迅速な救助救出計画についてお伺いをいたします。第5期南海トラフ対策行動計画において重点的に取り組む課題として、高知市の長期浸水域内における確実な避難と迅速な救助救出が挙げられております。 高知市では、救助救出の対象エリア、救助救出対象者及び対象者の避難行動や、現有資材や人員で多くの避難者を救助するための方法等について基本的な考え方を示した、高知市救助救出計画基本方針を平成31年3月に策定し、基本方針を踏まえて令和2年3月に不確実性を伴う自然災害に対して柔軟な対応をするため、基本的な救助活動を実施する際にも必要となる事項や具体的な救助活動の方法をまとめた救助救出計画が策定されております。 平成24年の検討結果において、長期浸水域内の止水及び排水ポンプ車による排水が完了し、市街地がドライ化するためには最短でも44日間必要とされております。長期浸水域内において、救助救出対象エリアの設定を行うことにより応急救助機関の活動範囲を明確にし、救助救出の必要日数を算出した結果、完了まで21日と見込まれております。救助救出目標日数を地震発生後10日目とし、期間の短縮を図るための様々な方策については高知市で検討がされております。 一方で、宿毛市においても長期浸水によって約8,000人の要救助者が想定をされておりますが、宿毛市の長期浸水域内における確実な避難と迅速な救助救出計画について、現在どのような検討段階なのか、危機管理部長にお伺いをいたします。 次に、地籍調査の促進についてお伺いをいたします。先日の危機管理文化厚生委員会の行政視察で、南三陸町の復興状況を現地研修することができました。東日本大震災の教訓を踏まえて、どのような災害に遭遇しても命が守られ、将来にわたって安全に安心して暮らし続けることができる町を目指して、「なりわいの場所は様々であっても、住まいは高台に」を土地利用の基本原則として、防災集団移転促進事業も100%完了しておりました。防潮堤、河川堤防の整備も完了し、旧庁舎のあった中心市街地を震災復興祈念公園として整備、本県ともゆかりの深い隈研吾氏のデザイン、設計による復興計画により新市街地の整備が進められておりました。 東日本大震災被災地では、地籍調査が完了していたか否かによって復興まちづくり事業の進捗に多大な影響があり、南三陸町では震災前に地籍調査は完了しており、その点での事業進捗はスムーズであったと言われておりました。 高知県の地籍調査進捗率は、令和3年度末時点で58.6%であり、進捗率が著しく遅れている市町村は宿毛市11.9%、安芸市12.1%、土佐市15.6%であり、沿岸19市町村では40.9%にとどまっております。 事前復興まちづくり計画の検討に当たって、地籍調査は重要な課題であるが、その調査の効果的な促進についてどのように取り組んでいるのか、土木部長にお伺いをいたします。 次に、土木行政について。 初めに、高騰する建設資材単価の更新についてお伺いをいたします。新型コロナウイルスの感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻が原料や資材の価格高騰をもたらしております。コンクリートや木材、鋼材といった主要材料から、内装や設備といった商材に至るまで、この4月からの半年間で10%から30%の急激な価格上昇が続いております。 国土交通省では、予定価格の積算時に使用する材料価格への最新の取引価格を適切に反映するために、民間調査会社が作成をする物価資料の毎月の改定に合わせて、月ごとなど適時改定を行うとされ、可能な限り入札日に近い時点における最新単価を用いることを推奨されております。 5月の国土交通省の調査によりますと、全都道府県で物価資料の設定状況を1から6段階で評価し、全資材で毎月最新の物価資料の単価を引用しているを1と評価し、最終的に目指す目標と位置づけ、ステップアップをするよう改善を促しております。四国においては、本県が評価3、主要資材は毎月最新の単価を引用し、主要資材以外は年数回更新をしている、本県以外の3県は評価5の主要資材の毎月の変動率を確認し、一定の基準を満たした場合に最新の単価を引用し、主要資材以外は年数回更新の状況となっております。 現在の原材料費高騰の状況を踏まえて、適切な予定価格の設定のために、全ての建設資材の最新単価の引用に対してどのように取り組んでいるのか、土木部長にお伺いをいたします。 次に、単品スライド条項の積極的な活用についてお伺いをいたします。県下の建設会社は、現在の資材高騰、輸送コストの上昇、納期の遅延に対して、最大限の経営努力によって対応しているところでありますが、受注者だけでこれを吸収することは難しい状況になりつつあります。 6月定例会において桑名県議からも質問がありましたが、主要な工事材料の価格が高騰した場合に、契約書の単品スライド条項に基づき請負代金の変更が可能となります。単品スライドについては、平成20年6月に定めた運用ルールにより運用されてきましたが、最近の資材価格の急激な高騰を踏まえ、この6月に運用ルールが改定をされました。対象資材に関して、実勢価格の反映にタイムラグがある民間調査会社の物価資料ではなく、実際の購入価格に基づいて、変更後の単価として用いて請負代金を変更することも可能となる見直しが行われました。 そこで、お伺いをいたします。現在進行中の土木部発注工事で、単品スライド条項の適用状況はどうか、また工事請負業者が遠慮することなく、単品スライド条項の適用も積極的に活用できる環境づくりについてどのように取り組んでいるのか、併せて土木部長にお伺いをいたします。 次に、適切な河川維持管理についてお伺いをいたします。県管理の河川については、緊急浚渫推進事業、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」によりまして、これまで十分ではなかった河道の確保をはじめとする適切な河川の維持管理が飛躍的に向上いたしました。しかしながら、管理区間全体の恒久的な適切な維持管理については、厳しい財政事情により、予算の確保に大変苦労しているとお聞きをしております。 そのような中、河川管理における地域住民との協働・連携として、地域の河川を守りたいという気持ちの下、草刈りやごみ拾い、河川美化活動を行う団体として、リバーボランティア制度が運用されております。県では、ボランティアの方に対するごみ袋や軍手、草刈り機の提供や河川美化活動保険への加入を支援しております。しかしながら、先日ボランティア団体の方から、今年は、例年支給をされている必要量の草刈り機の燃料も削減をされ、消耗品、燃料費の負担をしてまでボランティアを継続していくのは難しいとの意見をいただきました。 厳しい財政事情の中で、河川の適切な維持管理に向けて官民協働の活動に対してどのように取り組んでいくのか、土木部長にお伺いをいたします。 次に、適切な漁港の維持管理についてお伺いをいたします。沖の島漁港母島地区は、宿毛市の片島港より海上約24キロに位置し、厳しい地理条件の下、人口減少や高齢化が著しく進んでおり、人口は約140人、高齢化率62%の離島である沖の島にあり、島民の足である市営定期船が入港する港であります。この漁港は、離島その他辺地にあって、漁場の開発または漁船の避難上、特に必要なものとして第4種漁港に位置づけられ、県管理の漁港であります。沖の島の魅力ある地域振興を目的に、沖の島開発促進協議会が組織をされ、沖の島のインフラの課題等の要望活動が行われており、沖の島漁港母島地区内のしゅんせつに対する要望は平成30年から毎年出されておりました。 そうした中、今年の7月の大雨で大量の土砂が堆積し、干潮時の水深は僅か50センチの箇所も出てきています。それにより、市営定期船も入港できなくなり、急遽集落から離れた臨時の船着場に接岸が可能となりましたが、住民の皆様には大変御不便をかけております。県では今年度当初からしゅんせつ工事を計画しており、年度内には工事が完了するとお聞きをしております。しかしながら、今回の定期船の入港ができない状況となったことは、大変残念な結果になったと考えております。 県管理漁港において、機能を維持していく適切な維持管理についてどのように取り組んでおられるのか、水産振興部長にお伺いをして、私の第1問とさせていただきます。   (知事濱田省司君登壇) ◎知事(濱田省司君) 今城議員の御質問にお答えをいたします。 まず、安倍元総理の国葬儀に参加をした意義と感想についてお尋ねがございました。 初めに、去る7月8日に御逝去されました安倍元総理大臣に対しまして、ここに謹んで哀悼の意を表しますとともに、心からお悔やみを申し上げます。 このたびの国葬儀は、憲政史上最長の8年8か月にわたって総理の重責を担われたこと、あるいは諸外国からも多くの弔意が示されたこと、こうしたことなどを踏まえまして、実施が判断されたものというふうに承知をしております。こうした点を踏まえまして、私といたしましては、県民の皆さんを代表する立場で参列をし、弔意をお伝えすることが望ましいと考えまして、昨日、日本武道館で開催をされました国葬儀に出席をいたしました。 当日は、海外の要人をはじめといたしまして、国会議員や地方公共団体の代表など各界から多くの方が参列をされ、黙祷をささげますとともに、献花を行いまして、安倍元総理の死を悼みました。厳粛かつ故人に対する心の籠もった国葬儀であったというふうに思います。また、私自身も、長年にわたり内閣総理大臣として務められ、そして献身的にこの務めを果たされた元総理の御労苦を心からねぎらいますとともに、民主主義の根幹たる選挙戦の最中に銃撃という卑劣な蛮行で、その命を落とされました元総理に哀悼の誠をささげてまいったところでございます。 私自身も、この際、初心に返りまして、全身全霊を傾けて県民の皆様のために奉仕をするという気持ちを新たにいたしました。そして、暴力に屈せずに民主主義を守り抜いていく、こうした思いを改めて強くしたところであります。 次に、参議院議員選挙におきます合区の解消に向けた取組についてのお尋ねがございました。 この合区の問題につきましては、これまでも様々な機会を通じまして、その解消を訴えてまいりました。最近では、本年7月に改めまして採択をされました全国知事会での合区の解消に向けた決議を携えまして、衆参両院議長をはじめとする関係者への要望活動を行ってまいりました。 このように合区解消を訴える中で、3度目となる合区による参議院選挙が本年行われました。本県の投票率は47.36%と、前回よりも若干改善はいたしましたけれども、過去3番目の低さとなりました。他の合区対象県でも同様に投票率が低迷をしております。合区の創設以来、低調な投票率が常態化しつつあると言っても過言ではない状況であります。 この大きな要因といたしまして、この合区対象の4県だけが1県1代表ではない、そういう意味では、言わば一人前の県として扱ってもらっていないというような状況、こうした県民の皆さんの気持ちが深く傷ついているということの表れではないかというふうに感じているところであります。こうした合区の弊害は4県だけの問題ではございませんで、今までのような人口比例原則を徹底していきます限り、遅かれ早かれ、合区の対象県が拡大をされていくのではないかということが懸念をされます。 この合区の問題を抜本的に解決するためには、地方自治の規定を充実させる形での憲法改正が不可欠だというふうに考えます。その上で、我が国が採用する二院制の下では、より人口比例の原則が求められる衆議院に対しまして、参議院は1県1代表といった地方の代表性を求めるという形で、この参議院の存在意義を示していくと、こういうことが適当ではないかというふうに考えております。 そうした憲法上の在り方も含めた抜本的な議論が、より効果的に国政の場で進んでいきますように、地方のまとまった声として、全国知事会などの枠組みを通じまして国に強く訴えてまいります。今後も様々な機会を捉えながら、賛同者を増やしまして、より大きな声として働きかけてまいりたいというふうに考えております。 次に、新型コロナウイルス感染症の第8波と季節性インフルエンザの同時流行への備えについてのお尋ねがございました。 日本ワクチン学会によりますと、インフルエンザの流行は、新型コロナウイルスへの感染対策、あるいは国内外の渡航制限、自粛の影響もありまして、ここ2年間、見られていないというふうにされております。そのため今シーズンは、インフルエンザに対する抗体を持たない方が多数に上るといった事情から、このインフルエンザに感染する方の増加が危惧をされている状況にあります。 インフルエンザが3年ぶりに流行いたしました場合、死亡者や重症者の増大、また新型コロナウイルス感染症と同時に流行するということによりまして、医療への負荷の増大が懸念をされるところであります。新型コロナウイルス感染症患者は以前よりも落ち着いた状況にありますけれども、冬に向かいまして、感染の再拡大を想定して、先を見据えた対策を取らなければならない状況にあると考えております。 新型コロナウイルス感染症季節性インフルエンザともに感染対策の要となりますのはワクチン接種となります。このため、双方のワクチン接種がスムーズに進みますように、ワクチンに関する正確な情報提供を行いまして、県民の皆さんに積極的に接種の呼びかけを行ってまいります。あわせまして、季節性インフルエンザ新型コロナウイルス感染症に対応可能な発熱外来の設置あるいは入院などの医療提供体制のさらなる充実に努めてまいる考えであります。 次に、新型コロナの感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律上の位置づけを現在の2類相当から5類に見直すべきではないかといった点についてお尋ねがございました。 議員のお話にもございましたように、今月26日から感染症法に定めます発生届の対象者が、65歳以上の方、あるいは入院を要する方、こういった重症化リスクのある方などに限定をされることとなりました。今回の見直しによりまして、1つには発熱外来の事務負担の軽減が見込めます。これと併せまして、保健所による健康観察は、重症化リスクのある方に重点化をすることができるようになりまして、そういった意味で、よりきめ細かな対応が可能となったものと考えております。 他方で、今回発生届の対象外となった方々に対しましても、新たに設置をいたしました陽性者フォローアップセンターに登録をしていただきまして、病状の変化などに迅速に対応をすることといたしております。 お話がございました5類への見直しを視野に入れますと、感染状況の把握方法をさらに一歩進めて、いわゆる定点把握の方式、こうした抽出把握の方式に切り替えるということが次の段階として想定をされるというふうに考えます。 このほか、様々な論点があるものと考えておりますが、例えば1点目としては、科学的リスク評価に基づきまして、段階的に緩和をしていくべきではないかということ。2点目といたしましては、必要なときに適切な投薬が可能な、この薬の流通の環境づくりが必要ではないかということ。さらには、公費負担の在り方についての整理が課題となるといったこと、こういった点についての検討が必要だと考えております。 県といたしましては、こうした論点の整理を含めまして、早急に感染症法上の取扱いの見直しを進めるための、いわゆるロードマップを示すべきだというふうに考えておりまして、この点を全国知事会を通じて重ねて国に提言してまいりたいと考えております。 最後に、関西圏アンテナショップの設置場所の選定理由と今後の展開についてのお尋ねがございました。 関西圏におきます本県の認知度の向上、そして県産品の販売拡大を図るためには、より多くの方々に本県の魅力ある食や観光などをPRしていくことが重要となります。 大阪の中心地であります梅田周辺のエリアは、関西圏で最も駅の利用者が多いというだけではございませんで、最近では大規模開発によりますオフィスワーカーの増加も見込まれておりますし、多くの来店者が期待できます。また、来年には関西国際空港から直通となる駅が開業するということも予定されておりまして、インバウンドを含めました多くの観光客への訴求も可能となることが見込まれます。 加えまして、この商業施設におきましては、自治体のアンテナショップなど、地域の個性を発信する店舗の集積を目指しておられます。これを促すために、近隣施設と比べて安い賃料が設定をされるという方針でございます。そのため、費用対効果だけではございませんで、他のアンテナショップなどとの相乗効果も期待がされるという点もございます。以上のことから、今回の商業施設が設置場所として最適であるというふうに判断をいたしました。 このアンテナショップは、御指摘もありましたように、首都圏と比べて近いという優位性を生かしまして、本県の強みであります食にこだわりました関西ならではの情報発信の拠点としたいと考えております。具体的には、新鮮な農水産物はもちろんのこと、旬の食材や高知の食文化を伝えますこだわりの逸品などを、関西の方々に認知してもらえるように取り組んでまいります。さらに、様々な観光情報、移住イベントなどをタイムリーに発信するということによりまして、本県への観光の誘客あるいは移住促進につなげてまいる考えであります。 あわせまして、この施設には多くの方々の目に触れるショールーム機能でございますとか、県内事業者の方々のテストマーケティングの場としての提供をするということなど、幅広い機能を持たせたいというふうに考えております。 今後、年内をめどに基本計画を策定いたしまして、令和6年春のオープンを目指しておりますけれども、この施設を関西戦略の言わば起爆剤といたしまして、とことん成果にこだわった取組を展開してまいりたいと考えております。 私からは以上であります。   (総務部長徳重覚君登壇) ◎総務部長(徳重覚君) 町村分の特別交付税の算定方法についてお尋ねがございました。 特別交付税は、普通交付税では十分に捕捉できない災害など、地方自治体ごとの特別の財政需要に対応するための制度でございます。この特別交付税は、議員からお話のありましたとおり、総務省令で算定項目が定められております。そのうち、具体的な算式が規定されているものと、それ以外の特殊な財政需要に基づき算定されるものの2つで構成をされております。このうち、町村分の特殊な財政需要につきましては知事が算定することになっております。 本県におきましては、具体的には全国の自治体で共通する地震対策や過疎対策に係る経費などの財政需要に加えまして、本県町村の特別な事情として、災害への対応や県の基本政策等に関連する経費のほか、行政改革や財政健全化、税の徴収率向上に向けた取組なども踏まえて算定をしているところでございます。 このような特別交付税の算定の方法につきましては、本県では市町村説明会などの場でお示しをしております。算定に必要となる財政需要につきましては、町村とのヒアリングを通じて把握をしているところでございます。 今後とも引き続き特別交付税の適切な算定とともに、必要となる総額の確保に努めてまいります。   (教育長長岡幹泰君登壇) ◎教育長(長岡幹泰君) まず、本年度の全国学力・学習状況調査結果の評価と課題に対する今後の取組についてお尋ねがございました。 議員からのお話のとおり、今回の全国学力・学習状況調査では、小学校は引き続き全国と同等またはそれ以上の学力を維持しております。しかし、中学校におきましては、全ての教科で全国との差が広がり、特に数学では全国平均を5ポイント下回る結果となりました。教育委員会といたしましても、この結果を大変重く受け止めているところでございます。 これまで中学校では、教科の縦持ちなど、教科会を中心とした授業改善によりまして、徐々に成果も見られてきておりました。しかし、学校個々を見てみますと、目標の共有が十分でなく、また取組のPDCAがうまく回っていないなど組織的な対応に弱さが見られるところもあり、全体として学力を落とす結果となっております。 また、質問紙調査から、小中学校ともに1人1台端末の授業での活用や家庭への持ち帰りなどは全国を下回る状況にあり、家庭学習の時間につきましても、年々減少傾向にあるといった課題が明らかとなりました。 県教育委員会といたしましては、まず中学校のこの問題を解決するために、県及び市町村教育委員会と中学校校長の3者で改善策を協議する場を設定しております。また、組織力向上アドバイザーによる訪問指導を強化するとともに、学校の授業改善をリードする主幹教諭に対して、その役割の重要性を改めて徹底するなど、中学校の組織力の強化を図ってまいります。さらに、ICTの活用や学習習慣の定着を図るために、学校全体でデジタルドリルに取り組み、成果を上げている好事例を発信し、併せて端末の持ち帰りについて、市町村教育委員会に積極的に働きかけを行ってまいります。 このような取組を通して、児童生徒の学力の定着と向上を確実に推進してまいります。 次に、学校へのサイバー攻撃対策についてお尋ねがございました。 GIGAスクール構想により整備した1人1台タブレット端末を子供たちの学びに最大限生かすため、その大前提として、情報セキュリティー対策をしっかりと講じることが極めて重要だというふうに考えております。そのため本県では、議員のお話にもございました、文部科学省の教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインに基づき、セキュリティーに関する意識と技術の両面から対策を講じているところでございます。 具体的には、まずセキュリティーの意識を高める対策として、県が策定しております高知県情報セキュリティポリシーや、それを基に各市町村が策定したガイドラインについて、研修や通知などを繰り返し実施することで各学校に徹底しております。さらに、県教育委員会において、ID、パスワードの厳重な取扱いや、学習目的以外のサイトへのアクセスの制限などについて記載したタブレット端末利用手引きを作成し、県立学校及び市町村教育委員会に配付をしております。 また、技術的な対策として、外部からの不正アクセスを遮断するネットワーク上の対策や、危険なサイトへのアクセスを遮断するセキュリティーフィルターの導入といった対策を、県教育委員会と市町村教育委員会が連携して行っております。 今後とも情報セキュリティー対策に終わりはないという意識の下、教育委員会、学校、教員が継続して対策に取り組み、子供たちが安心して学びを深められるICT環境を整えてまいります。 最後に、保育施設が行う児童の送迎に関する安全管理について、これまでの取組と今後の対策についてお尋ねがございました。 幼い園児が送迎バス内に置き去りにされ、お亡くなりになるという大変痛ましい事故が2年続けて発生したことにつきまして、私自身極めて深刻に受け止めております。 県教育委員会では、昨年の福岡県での事故を受け、県内全ての保育所、幼稚園、認定こども園に対して安全管理の徹底を周知するとともに、バス送迎の有無や送迎時の安全対策などについて調査を実施いたしました。その結果、全体の16.8%に当たる47施設でバス送迎が行われており、その全ての施設で運転手以外の職員の添乗や乗車時及び降車時の複数人でのチェックなど、園児の安全確保のための対策は取られていることを確認しております。 また、このたびの静岡県での事故を受け、今月9日市町村などの施設設置者に対し、安全確保対策の職員間での共有や対策の確実な実施など、事故防止対策の徹底を求める文書を改めて発出いたしました。 さらに、国からの通知に基づきまして、各施設に対し子供の出欠状況を職員間で共有しているか、子供の降車後、改めてバス内の見回りを行っているかなど、62項目にわたる緊急点検を要請いたしました。今後は、この緊急点検の結果を基に、来月から市町村とも連携し、訪問による実地調査を行うこととしております。 また、国の関係府省会議において、バス送迎における安全管理マニュアルの策定や、送迎バスの安全装置の設置などについて検討が行われていると承知をしております。こうした国の動きも注視しながら、同様の事故が本県で決して起こることのないよう、対策を充実させてまいります。   (警察本部長江口寛章君登壇) ◎警察本部長(江口寛章君) まず、警察庁による警護、警備に関する検証、見直しを受けて、どのように要人警護の強化に取り組んでいくのかとのお尋ねがございました。 県警察では、改正された警護要則に基づき、警察庁と連携を図りながら、綿密な警護計画の策定、現場指揮官の明確化、状況に応じた制服警察官の配置を含め、重層的に対応することとしております。 また、警察庁において、警護の指揮を行う幹部や警護員の育成のため、体系的な教養訓練計画を策定することとされており、警察庁から示される教養訓練計画に基づいた実践的な教養訓練を定期的に行うことにより、能力向上を図り、要人警護を強化していくこととしております。 次に、サイバー犯罪に対する捜査力強化に向けた人材確保と育成についてお尋ねがございました。 サイバー空間が公共空間へと進化している中にあって、サイバー空間の脅威は極めて深刻な情勢が続いており、議員御指摘のとおり、県警察においては、サイバー犯罪に対する対処能力向上のための人材の確保と育成が急務であると認識しております。 そこで、県警察では、捜査と技術の両面を兼ね備えた人材を計画的に確保・育成するため、情報技術に関する素養を有する者を対象としたサイバー犯罪捜査官の採用枠を設け、令和元年度から募集活動を実施しているところでありますが、残念ながら現在のところ採用には至っておりません。これまでの応募状況を踏まえて、募集内容の見直しの検討や、県内外の大学等への積極的な募集活動を行い、引き続き優秀な人材の確保に努めることとしております。 他方、現職の警察官に対する育成につきましては、サイバー犯罪対処能力検定やサイバー犯罪捜査専科等の部内教養の実施、大学教授による特別講習等を行い、全ての警察官がサイバー犯罪捜査や相談に的確に対処できるよう、能力向上に努めているところであります。また、既にサイバー犯罪捜査に従事している捜査員に対しましては、警察庁主催の学校教養や民間研修への派遣、警視庁サイバー犯罪対策課への出向等を通じて、より高度なサイバー犯罪にも対応できるよう育成を図っております。 県警察としましては、複雑化、巧妙化の一途をたどるサイバー空間の脅威から県民の皆様の安全・安心を確保していくため、サイバー犯罪に対する人的基盤の強化に努めていく所存でございます。 最後に、警察における電子申請についてお尋ねがございました。 県警察では、令和3年5月に高知県警察デジタル化施策総合戦略推進本部を設置し、業務システムの高度化や行政手続のオンライン化など、警察行政のデジタル化の取組を推進しているところでございます。 県警察が取り扱う行政手続申請のうち、道路使用許可の申請など一部の手続につきましては、令和3年6月から警察庁が運用している警察行政手続サイトにおいて、インターネットでの申請受付を開始しており、本年8月末までの1年3か月間に561件が利用されております。現在申請可能な手続は20手続であり、今後順次オンライン申請が可能な手続が追加される予定でございます。 また、公文書開示請求については、本年4月から県の電子申請システムによるインターネットでの申請受付を開始しており、本年8月末までの間に22件が利用されているところでございます。加えて、全国的に自動車の保有に際して複数の行政機関で必要となる手続を、24時間インターネットで一括して行うことが可能となる、ワンストップサービスシステムの整備が進められているところです。 県警察では関係機関と連携し、令和5年1月から導入するべく準備を進めておりますが、警察業務に直接関係する保管場所証明に関しましては、当初の申請から手数料の納付、保管場所証明標章の受け取りに至るまで、一度も警察署に足を運ぶことなく、手続を完結させることが可能となるものでございます。 このほか、公共事業を対象とした電子入札や、調達する物品につきインターネットにより競争見積りを行う電子調達の導入、また職員採用の申込みについてもインターネットによる受付を実施するなど、調達、採用などの業務のオンライン化に取り組んでいるところでございます。 次に、交通反則金の納付手続の多様化についてですが、県警察といたしましても、利用者の利便性向上に資するため、金融機関窓口以外での納付手続の導入について検討を進めているところであります。全国的には、現在一部県警察におきまして、インターネットバンキングやATMを利用した納付の試行的導入が開始されており、県警察においても運用状況等について情報収集に努め、効果検証結果を活用していきたいと考えているところでございます。 今後、より多くの手続をオンラインで行うことができるシステムを新たに構築するため、警察庁において検討が進められており、その中にはマイナンバーカード等を用いた本人確認や、手数料のオンライン納付についても盛り込まれているものと承知しています。県警察としましては、警察庁のシステム構築の動きを確認しながら、県民の利便性向上と業務の効率化を図るべく、電子申請の導入に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。   (産業振興推進部長沖本健二君登壇) ◎産業振興推進部長(沖本健二君) 関西圏のアンテナショップの運営を地産外商公社が担うことについてお尋ねがございました。 議員御指摘のとおり、アンテナショップの中には、自治体が設置し民間企業が運営しているものが数多くございます。一方、本県におきましても、県産品の販売拡大のため頑張っておられる地域商社があり、近年販売ネットワークを広げてきております。そのため、こうした地域商社による運営ができないか検討を行い、数社に対して意見を求めましたが、社会経済情勢の先行き不透明感に加えまして、運営面での不安や会社の経営方針から、いずれも現時点では積極的な回答はいただけませんでした。 今回のアンテナショップは、本県の魅力を強力にPRするための拠点施設として、関西戦略の言わば羅針盤となるものでございます。そのため、戦略の推進に当たっては、県及び市町村、さらには県内事業者との連携の下で策定をいたしました政策を、しっかりと反映させる必要があるというふうに考えております。 そうした中では、直接売上げにつながらない不採算部門も担っていただくことになります。例えば、観光や移住に関するタイムリーな情報発信、県産品の磨き上げのためのテストマーケティング、さらには関西圏の消費者の嗜好やニーズに関するフィードバックといった取組は、店舗にとって直接収益を生み出すものではございません。 これらのことから、これまでのまるごと高知のノウハウを生かした効率的な店舗運営や、県内事業者との幅広いネットワークを生かした取引が期待できます地産外商公社に運営を任せることが適当であると判断したものでございます。   (農業振興部長杉村充孝君登壇) ◎農業振興部長(杉村充孝君) IoPクラウド、SAWACHIの農家の経営改善への活用と利用者拡大の取組についてお尋ねがございました。 IoPクラウドは、農家の栽培管理に係る様々なデータを収集、蓄積し、利用者に対して日々の営農改善に役立つ有益な情報を提供するとともに、県やJAの指導員がこれらの情報を組み合わせた分析結果に基づき、最適な栽培指導を行うための基盤となるものであります。 長引くコロナ禍や、燃油、肥料などの価格高騰により、極めて厳しい経営状況下にある農家の経営改善に向けては、このIoPクラウドを核としたデータ駆動型農業の推進により、収穫量の増加と経費の削減の両面から取り組むことが重要と考えております。 そのための具体の取組としましては、IoPクラウド内に蓄積されたハウス内の環境データを活用し、作物の生育状況や気象の変化に応じて、より最適なハウス内環境に改善することや、収穫量のデータを活用し、肥料の使用量を適切に調整することなどを進めてまいります。こうしたデータに基づく最適な栽培管理を徹底することにより、余分な経費を削減しながら、これまで以上に高品質な農作物を安定的に生産し、特に単価の高い冬場の収量を確保してまいりたいと考えております。 また、IoPクラウドの利用者拡大に向けては、JAグループと連携し、県内各地でその機能や使い方、活用のメリットなどを分かりやすく伝える活動を積極的に展開してまいります。あわせて、より多くの方にデータ駆動型農業を実践していただくため、今回の補正予算において、IoPクラウドに接続する環境測定装置を産地単位で一定期間導入するための予算案を計上しております。 こうした一連の取組を着実に進めることで、IoPクラウド、SAWACHIを活用した農家の経営改善と、その利用者拡大につなげてまいります。   (危機管理部長中岡誠二君登壇) ◎危機管理部長(中岡誠二君) まず、津波からの早期避難意識率についてお尋ねがございました。 南海トラフ地震による死者数を限りなくゼロに近づけるためには、揺れが収まったらすぐに避難することが重要となります。このため、第5期南海トラフ地震対策行動計画でも早期避難意識率100%を目標に掲げて取り組んでおります。 昨年度県が行った地震・津波県民意識調査では、揺れが収まったらすぐ避難すると答えた方は、マンションなどの高層階に住んでいるため避難しないという方を除くと約73%でした。一方、津波警報や市町村からの呼びかけなどがあったら避難すると答えた方が約22%もいらっしゃいました。こうした避難するタイミングが遅い方々に、揺れが収まったらすぐに避難するという意識を定着させることができれば、早期避難意識率は大幅に上昇するものと考えております。 このため、引き続きテレビやSNSなどを活用し、繰り返し呼びかけを行うとともに、幅広い世代の方に興味を持っていただけるように、漫画やアニメーションによる啓発も行っていきます。加えて、早期避難意識率が低い傾向にある30代から40代の働き世代の方に対しては、ユーチューブやインスタグラムを活用するなど、多様な手段を用いて啓発を行ってまいります。 次に、南海トラフ地震臨時情報の住民の理解度の向上と、統一された基準の必要性についてお尋ねがございました。 令和元年に運用が開始された臨時情報について、県では、リーフレットや啓発冊子「南海トラフ地震に備えちょき」の配布による啓発を行うとともに、臨時情報が発表された場合の対応を紹介した動画を県のホームページやSNSで情報発信を行ってきました。 しかしながら、臨時情報の仕組みが分かりにくいことや、住んでいる地域によっても求められる行動が違うことに加えまして、これまでに運用された事例がないこともあり、その認知度は本県だけでなく他県においても低い状況です。 また、県では令和元年に「「南海トラフ地震臨時情報」発表時における住民の事前避難の検討手引き」を作成し、県としての考え方や臨時情報が発表された場合の住民避難などの対応について、最低限の基準として市町村にお示しをしています。市町村では、この手引に基づき、臨時情報が出た場合の対応を検討し、令和3年度までに地域防災計画などに位置づけています。一部の市町村においては、地形や津波の到達時間、避難開始までに必要な時間などを踏まえて、手引で示した基準以上の対応を行うところもあります。 地震対策は突発対応が基本ですが、県民の皆さんに臨時情報について十分理解していただき、地震への備えを再確認していただく、また対象となる方々には事前に避難をしていただくことで、被害を大きく軽減できる可能性があります。このため、国や他県の取組も参考にしながら、より効果的な周知方法について市町村と共に検討してまいります。 最後に、宿毛市の長期浸水域内における確実な避難と迅速な救助救出計画についてお尋ねがございました。 南海トラフ地震が発生すれば、宿毛市では最大2.4メートルの地盤沈降が起こるとともに、津波の流入などにより宿毛駅周辺など360ヘクタールが長期浸水し、多くの方々が取り残されることが想定されています。 このため、宿毛市と県では、平成27年度に宿毛市長期浸水対策連絡会を立ち上げ、消防や警察、自衛隊などの応急救助機関と共に、長期浸水エリアの住民避難対策について検討してまいりました。連絡会では、応急救助機関が活動するための拠点や、救出するためのルート、必要な資機材などについて具体的な検討を重ね、令和3年3月に宿毛市が南海トラフ地震宿毛市長期浸水対策検討結果として公表しております。 この検討結果では、50センチメートル以上の浸水が長期間に及ぶエリアに取り残される約2,700人の住民を、3日以内にボートで救出する場合、約60艇のボートが必要となります。しかしながら、ボートの数量や操作するための人員確保などに課題があるため、ヘリコプターによる救出や、浸水エリアの北側に計画されている四国横断自動車道路の完成後の新たな避難ルートの活用など、ボート以外による救出も検討されています。 県としましては、応急救助機関との訓練や救助資機材の整備など、宿毛市の長期浸水対策の取組を引き続き支援してまいります。   (土木部長荻野宏之君登壇) ◎土木部長(荻野宏之君) まず、地籍調査の促進についてお尋ねがございました。 本県の地籍調査の令和3年度末の進捗率は、全国平均の約52%を少し上回る58.6%となっており、毎年1ポイント程度増加しております。このうち、津波浸水予測区域における進捗率は36.6%となっており、県全体の進捗率と比較すると22ポイント下回っている状態です。 この主な要因は、各市町村が過疎化の進んでいる山間部の調査を優先して進めてきたことによるものですが、東日本大震災を契機に沿岸部の調査が加速され、現在沿岸部の進捗は毎年2ポイント程度増加しております。 地籍調査は、南海トラフ地震発生後、復興まちづくりをスムーズに進める上で大変重要な取組です。そのため土木部では、地籍調査を重点事業の一つと位置づけ、特に進捗率が低い沿岸市町村に対しましては市町村長を個別訪問し、事業促進を要請しているところです。また、地籍調査に必要な予算の確保につきましても、県と市町村で構成した高知県国土調査推進協議会などを通じて、国に対して積極的に働きかけを行っています。 今後も、市町村のニーズなどもお聞きしながら、職員研修を充実させるなど、地籍調査がより一層促進されるよう取り組んでまいります。 次に、現在の原材料費高騰の状況を踏まえた適正な予定価格の設定と、全ての建設資材の最新単価の引用についてお尋ねがございました。 土木部では、建設工事で使用される約4,000品目の資材について、物価資料や民間会社の調査結果を基に単価を設定しており、4月と10月の年2回を基本に単価の改定作業を行っております。この年2回の改定作業は民間会社に委託しており、年間約1,000万円の費用を要しています。 国土交通省が推奨する全ての建設資材の単価を毎月改定した場合、単価の変動の有無や影響度合いにかかわらず作業を行うこととなり、約6,000万円の費用が必要となります。このため、年2回の改定を基本としつつ、適正な予定価格が設定できるよう、価格が頻繁に変動する燃料や鋼材など約120品目の主要資材については、これまでも毎月単価の改定を行っております。また、社会情勢の変化等により、価格の変動が確認された資材につきましては、その資材を使用する工事件数や、年間を通した使用量などを調査し、工事費への影響が大きい場合は、その都度単価を改定しています。 今後もこれらの取組を継続するとともに、国や他県の動向を注視しながら、予定価格の設定を行ってまいります。 次に、単品スライド条項の適用状況と、工事請負業者が積極的に活用できる環境づくりへの取組についてお尋ねがございました。 最近の建設資材の急激な価格高騰を踏まえ、国土交通省では本年6月に単品スライド条項の運用が改定されており、本県におきましても同様の改定を行っております。 この単品スライド条項は、特別な要因により資材価格に著しい変動が生じた場合に適用するもので、昨年度までは事例が少なく、職員や建設事業者は不慣れな状況となっておりました。このため職員に対しては、この条項に対する建設事業者からの問合せや相談などに適切に対応できるよう、条項の内容や新たな運用ルールについて改めて研修会を行い、周知したところです。また、建設事業者に対しては、単品スライド条項について理解しやすいよう、適用要件や手順について分かりやすく記載した運用マニュアルをホームページで公開しております。 土木部が発注する工事における単品スライド条項の適用状況につきましては、本年8月末時点で12件の協議がされており、このうち2件の変更契約が完了しております。 今後におきましても、単品スライド条項や運用マニュアルの活用について、建設事業者向けの研修会や業界団体との意見交換会など、様々な機会を通じて広く周知を図ってまいります。 最後に、河川の適切な維持管理について、官民協働の活動にどのように取り組んでいくのか、お尋ねがございました。 現在、河川環境を住民と行政が協働して保全するため、県内各地で101団体、1万3,000人余りの皆様がリバーボランティアとして河川美化活動に御協力いただいております。県が管理する河川の数は664河川、延長は約3,000キロメートルにも及ぶことから、これらを維持管理していくために、リバーボランティアの皆様の御協力は大きな力となっており、大変感謝しております。 そうした中、燃料費などの高騰により、これまでと同様のボランティア活動を行うための経費を十分に支援できないケースが生じております。県といたしましては、この活動はなくてはならないものと考えておりますので、地域の河川環境を守りたいというリバーボランティアの皆様の気持ちに応えられるよう、必要な予算を確保してまいります。   (水産振興部長松村晃充君登壇) ◎水産振興部長(松村晃充君) 県管理漁港における適切な維持管理についてお尋ねがございました。 県内に27港あります県管理漁港では、漁港施設の機能を維持していくため、防波堤や航路などの施設ごとに機能保全計画を策定し、対策が必要な施設から順次補修や改修、しゅんせつなどの機能保全工事を実施しております。施設の状況につきましては、日常の点検や、台風など天候が荒れた後に行う臨時点検、さらには漁港利用者への聞き取りなどにより、異常がないかを確認しております。 お話のありました沖の島漁港母島地区につきましては、平成30年度から沖の島開発促進協議会の御要望をいただき、令和2年度に土砂の堆積状況を詳細に確認するための測量調査を行い、しゅんせつの必要があることを確認いたしました。このため、令和3年度に機能保全計画を策定し、本年度しゅんせつ工事の実施を計画しておりました。 そうした中、本年7月の台風4号に伴う大雨により大量の土砂が流入し、港内に堆積いたしました。これにより、宿毛市営の定期船が7月中旬から8月上旬にかけて干潮時に入港できないことがございました。その後、宿毛市が通常着岸する場所から150メートル程度離れた岸壁を臨時の船着場として運用を開始し、干潮時に入港できない事態は回避できましたものの、住民の皆様や定期船を利用される方々に御不便をおかけすることとなってしまいました。 このため、新たに堆積した土砂の除去も含めた機能保全計画の見直しを行い、現在工事の発注に向けた手続を進めているところでございます。11月に工事の契約を行い、年度内には工事が完了する予定となっております。 県管理漁港の維持管理につきましては、引き続き機能保全計画に基づき、地元の方々のお声もお聞きし、計画的に機能保全工事を行いますとともに、不測の事態が発生した場合には速やかに対応することで、漁港が円滑に運用できるよう適切な機能の維持に努めてまいります。 ◆7番(今城誠司君) 執行部の皆さんには大変丁寧な答弁をありがとうございました。2問目はありません。 先日、私の地元で自転車のプロリーグが開催されました。様々な駆け引きで最後の1周で勝負をかけてまいります。チーム濱田もラストスパート、最後の周回にジャンが鳴ろうとしております。しっかりと今期の最後、すばらしい一年となりますことを御祈念申し上げまして、一切の質問といたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(明神健夫君) 暫時休憩いたします。   午前11時41分休憩-----------------------------------   午後1時再開 ○副議長(西内隆純君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 36番米田稔君。   (36番米田稔君登壇) ◆36番(米田稔君) 私は日本共産党を代表して、以下質問を行います。 最初に、安倍元首相の国葬儀、いわゆる国葬について知事に伺います。日本共産党は、安倍晋三元首相が参議院議員選挙遊説中に銃撃され亡くなられたことに哀悼の意を示し、言論を暴力で封殺した蛮行を断固糾弾することを表明しました。他方で、我が党は、岸田政権が閣議決定した国葬は、国家として安倍氏の政治を賛美、礼賛することになり、憲法に保障された内心の自由を侵害して弔意の強制につながるとして、その中止を強く求めてきました。昨日、9月27日国葬が日本武道館で執り行われ、本県から濱田知事、明神議長が出席をされました。 国葬の最大の問題は、国葬が憲法に違反することです。第1に、国葬は憲法第14条が規定する法の下の平等に違反します。なぜ安倍元首相のみを特別扱いにして国葬を行ったのか。在任期間が8年8か月と長かったというだけでは、合理的理由とはなりません。時の内閣や政権党の政治的思惑、打算によって、特定の個人を国葬という特別扱いし、憲法が規定する平等原則と相入れないことは明らかです。 第2に、国葬の強行は憲法第19条が保障する思想及び良心の自由に反するということです。岸田首相は8月10日の記者会見で、国葬は故人に対する敬意と弔意を国全体として表す儀式だと述べました。ここで述べられた国全体とは、私たちを含めた国民全体ということになります。ですから、これが憲法第19条に違反した弔意の強制であることは明らかです。 知事は、今回の国葬が憲法第14条、第19条を踏みにじることになるとの認識はなかったのか、そして国葬が民主主義を揺るがすことになるとの認識はなかったのか、併せて伺います。 国葬が近づくにつれて、反対の世論が強まりました。報道各社の世論調査では、軒並み国葬反対が賛成を大きく上回っています。国会に諮らず閣議決定のみで国葬を決め、巨額の国費を使う岸田首相の説明に国民は納得していません。 安倍政権の8年余りの間に、特定秘密の保護に関する法律、共謀罪、集団的自衛権の容認、安保法制など憲法を踏みにじる政治が強行されました。モリ、カケ、桜など政治の私物化が横行しました。公文書の改ざんを命じられた善良な公務員が自死する一方、誰も責任を取っていません。加えて、安倍元首相と統一協会--世界平和統一家庭連合との深い関係が新たな疑惑として浮かび上がり、政治不信を招いています。 国葬反対が世論の多数となる中、なぜ知事は国葬に出席したのか、理由について伺います。 次に、日本共産党高知県委員会と県議団は、国葬を前にして9月9日、知事及び教育長にそれぞれ県民への弔意強制に反対する申入れを行いました。 要望内容のうち、高知県内において県民への弔意表明の強制を招くことがないよう、県庁各部局等における弔旗、半旗の掲揚や黙祷等は行わないことに対してどう対応されたのか、知事に伺います。 教育長には、学校の政治的中立性を確保する観点から、県教育委員会として学校及び各市町村教育委員会へ弔意表明を求めないこと、学校における弔旗・半旗掲揚や黙祷等の実施状況について、調査、確認を行わないことを要請しました。 県教育委員会としてどう対応されたのか、教育長にお聞きします。 次に、統一協会問題について知事にお聞きをいたします。全国霊感商法対策弁護士連絡会によれば、統一協会--世界平和統一家庭連合による被害は、1987年から2021年に全国の消費生活センターへの相談と合わせて計3万4,537件の被害相談があり、被害額は約1,237億円に上ります。統一協会は2009年にコンプライアンス宣言を出し、法令遵守を徹底してきたと主張していますが、宣言後も2,875件の被害相談があり、被害額は約138億円に及んでいます。警察庁や消費者庁、法務省などによる統一協会問題合同電話相談窓口も9月5日から開かれ、初動の5日間で相談件数は1,000件を超えたと報じられています。 先祖の因縁などと不安に陥れ、高額のつぼなどを買わせる霊感商法の手法は、裁判においても高度な組織性が認められる継続的犯行の一環--2009年新世事件と認定され、関連企業の社長らが有罪判決を受けています。近年では、より巧妙化し、事件化しないように、献金の返還を請求できないよう権利を放棄させる合意書の存在も確認をされています。 統一協会--世界平和統一家庭連合の反社会性をどのように認識されておられるのか、知事にお聞きをいたします。また、把握されている県内の被害実態はどうか、併せてお聞きをいたします。 この間、高知県として知事部局、教育委員会、学校などに統一協会との接点の有無等について調査をされています。関連イベントの後援、協賛や補助金交付などの業務上の関わりはなかった、また今年8月末に教団高知教区の幹部が県消費生活センターを訪れ、教団に関する相談状況を尋ねる事案があったとしています。行政が統一協会関連団体などに関わりを持つことは、統一協会の活動にお墨つきを与え、被害の拡大を招くものであり、許されません。 高知県行政として、統一協会や関連団体との関わりを持たないことが被害を拡大させない社会的責務を果たすために必要と考えるものですが、知事にお聞きをいたします。 本県と統一協会の接点の調査において、調査団体として対象となったのは10団体となっています。有力な関連団体の幾つかが外れています。特に、重大だと考えるのは日韓トンネルに関わりのある団体、日韓トンネル推進全国会議、日韓海底トンネル推進議員連盟、国際ハイウェイ財団などが軒並み含まれていない点です。 日本と韓国を海底トンネルで結ぶという日韓トンネル構想は、両国を全長200キロメートルを超えるルートでつなぐという荒唐無稽な計画で、1981年に統一協会の創始者である文鮮明氏が提唱したものです。統一協会と関連団体が推進をしてきました。統一協会は、この日韓トンネル構想を資金集めに利用してきたと指摘されています。 全国霊感商法対策弁護士連絡会の渡辺博弁護士によれば、その壮大な計画を教団が実現するというのが信者に向けたアドバルーンなのです、日韓トンネルを造るためという名目で多大な献金を集めてきたのです、億単位の被害者は幾らもいますと述べています。実際に、統一協会側から日韓トンネル等の資金が必要と言われて消費者金融から計3億7,000万円を借り入れ、統一協会にだまし取られるという事件も報じられています。日韓トンネル構想という大事業計画を示すことで、統一協会は自らを権威づけし、資金集めをしてきたというのが実態です。 この構想を推進しているのが国際ハイウェイ財団です。会長は梶栗正義氏で、統一協会関連団体である国際勝共連合、世界平和連合などの会長も務める統一協会の最高実力者の一人とされる重要人物であり、国際ハイウェイ財団と統一協会との深い関係が分かります。2016年に統一協会現トップの韓鶴子氏が来日し、日韓トンネルの唐津市内にある試掘坑を訪ねるなど、統一協会がこの計画に力を入れていることが分かります。 この統一協会と深い関係のある日韓トンネル構想に関わる国際ハイウェイ財団等を県が実施した調査対象から外したのはなぜか、経過と併せてこの項は総務部長にお聞きをいたします。 この国際ハイウェイ財団で、日韓トンネル推進の講演会が2016年、2017年を中心に全国で活発に取り組まれていますが、大阪観光局の溝畑宏理事長が、確認されただけで16回講演したと報じられています。韓国で2017年7月に開かれたピースロードフォーラム特別講演の講演録を見ると、登壇した溝畑氏は前観光庁長官との肩書で、韓国も韓日トンネル推進委をつくるべきと題し、日韓トンネルこそ両国の最大のビジネスになる、日韓トンネルが開通することを祈念します、私も微力ではありますが協力いたしますと、この日韓トンネルを推進する自らの立場をつまびらかにしています。国際ハイウェイ財団の梶栗会長と並んで登壇した講演もあるなど、関係の深さがうかがえます。 溝畑氏は取材に対し登壇の経緯を、日韓トンネル推進全国会議の事務局から日韓交流、とりわけ日韓の観光交流の必要性についての講演依頼があったことから引き受けましたと回答しており、講演の事実を認め、1回5万円の謝礼を受け取っていたと明らかにしています。確認されただけでも80万円の謝礼を受け取っており、統一協会が不正に得た資金が還流したことが強く懸念をされます。 それ以上に、溝畑氏が観光庁長官の経歴を示して講演に立つことで、荒唐無稽な日韓トンネル構想が、さも実現可能であるかのように権威づけし、統一協会による被害を拡大した可能性を否定できません。溝畑氏は、2015年4月に大阪観光局長に就任し、そして現在、関西・高知経済連携強化アドバイザー会議メンバーとして、高知県の関西戦略に深く関わっています。 溝畑氏と統一協会、国際ハイウェイ財団、日韓トンネルとの関わりは不適切であると考えるものですが、知事の認識をお聞きいたします。 統一協会の被害を拡大しないために、行政と統一協会、関連団体との関わりを断つという立場に立つならば、関西・高知経済連携強化アドバイザー会議という高知県の産業振興計画、関西戦略の中核を担う組織に、日韓トンネル構想を自らが推進する立場に立ち、統一協会と深い関係にあると言わざるを得ない溝畑氏が参加することは、許容できません。 溝畑氏を関西・高知経済連携強化アドバイザー会議メンバーから解任する必要があると考えますが、知事にお聞きをいたします。 新型コロナウイルス感染症対策について知事にお聞きいたします。 高知県内でも7月中旬頃から、いわゆる第7波の感染拡大が襲い、これまでにない規模の感染爆発が起こり、医療機関や高齢者施設等でのクラスターが頻発、8月24日は2,027人の新規感染者を確認し過去最大を記録しています。 医療従事者の感染、濃厚接触による人員不足も重なり、発熱外来をはじめとした医療提供体制は逼迫、発熱しても病院の予約が取れない事例が多発しました。救急搬送も、現場到着から搬送までに30分以上かかった事例が、高知市内だけで8月に350件以上あったと報道されています。保健所業務も逼迫し、支援物資等が必要な方へ届かない事例も起こりました。これまでで最も厳しい状況に追い込まれたと言わなければなりません。 この原因として、感染拡大防止と社会経済活動との両立と言いながら実質的には感染拡大防止を弱め、積極的な感染拡大防止策は取らずに県民の自主的な感染予防を呼びかけるにとどまり、大規模なイベント等も相次いで開催されたことがあります。こういった言わばブレーキをかけずにアクセルを踏む判断の背景として、知事は第7波、オミクロン株は感染力は強いが重症化率は低いとの認識を繰り返し示されました。 しかし、この点で重大なのは死亡者数の著しい増加です。高知県における新型コロナ患者の死亡者数は、8月の1か月間で121人に達し、これは7月までの累計死亡者数を1か月で上回る極めて深刻な、痛恨の事態となりました。9月も死亡事例が後を絶ちません。昨日までで、9月も53人の方が亡くなられています。重症化率、つまり肺炎になりづらいということをもってオミクロン株BA.5のリスクを軽視し、積極的な感染防止策を取らなかった、行動制限のない夏の代償はあまりにも大きかったと言わざるを得ません。 知事は会見で、コロナの症状が悪化して重症化して亡くなるというケースはあまり多くない、重篤な持病を抱えておられてコロナの感染が引き金になって、もともとの持病が悪化して亡くなられるケースのほうが、数字的に定量的な分析はできておりませんけれども、むしろ多い、死者が増えているといっても中身の問題だと思うと発言をされています。また、知事はコロナ関連死を死亡者数にカウントするかどうかの統計の取り方の問題も指摘をされていますが、他県との比較はともかくも、本県で統計の取り方を変えていない以上、この8月以降に新型コロナ患者の死亡が急増したことは紛れもない事実です。 医療機関や高齢者施設でのクラスターも相次いだため、何らかの健康上のリスクを抱えたコロナ患者が多かったことは当たり前です。しかし、コロナが引き金という以上は、コロナにかからなければ失われなかった命だったと言えます。亡くなられた方一人一人に人生があり、御家族もおられたと思います。知事の、死者が増えているといっても中身の問題との発言は、御遺族の心痛を思えばあまりに配慮に欠け、命を軽視するものではないかとの批判をお聞きしていますが、当然です。 知事の「定量的な分析はできていない」発言についてですが、コロナ感染に起因する死亡に関わる重大な問題です。本来、分析した上で評価すべきであり、あまりにも軽率な発言と考えるがどうか、またその後どう分析し対応してきたか、知事にお聞きします。 肺炎に着目する新型コロナの重症化の考え方については、オミクロン株の実態、あるいはワクチン接種が進んだ現状に合っていないとの指摘がされているところです。インターパーク倉持呼吸器内科の倉持仁院長は、軽症者と診断された方が、ある程度一定期間たって脱水などで持病が悪化したり、腎不全を来したりして治療困難となるとの状況を報告しています。これを避けるには、早期の点滴投与、投薬などが有効と指摘しています。 また、国立国際医療研究センターによれば、8月下旬までに医療機関に入院した7万人余りのうち亡くなった2,861人を分析。亡くなった方のうち中等症だったのは、第5波では57%だったのに対し第6波で83%、第7波で89%と増加していて、ワクチン接種が進んだことなどで重症の肺炎になる患者が減った一方、コロナ感染をきっかけに持病が悪化して亡くなる患者が多くなっているとしています。分析した大曲貴夫国際感染症センター長は、中等症でも特に持病のある高齢者は臓器の働きが悪くなって衰弱し亡くなる人が目立つ、コロナは死ぬような怖い病気ではなくなったという意見もあるが、現場ではコロナにかからなければ亡くなることはなかったというケースばかりだとの意見を述べています。 死者数の急増という痛恨の事態を繰り返さないために、肺炎に着目する重症化の考え方を実態に合ったものに転換し、ワクチンの効果も踏まえ、新型コロナ変異株のリスクを適正に評価し死亡を防がなければならないと考えますが、知事にお伺いいたします。 また、コロナにかかったことにより死亡につながる事例をいかに防ぐのか、具体的手だてが問われています。今後の感染拡大を見据え、軽症者に早期に点滴投与、投薬等ができる臨時的な医療施設をつくり、患者の重症化や死亡を避け、ひいては医療機関の逼迫を緩和する必要があるものと考えますが、知事にお聞きをいたします。 この間、政府は相次いで新型コロナ対策の緩和を続けています。入国者数制限を5万人に緩和し、現地出国前72時間以内の陰性証明も不要としました。療養期間も短縮し、発症者は7日間、無症状感染者は5日間の療養で解除できるとしています。 国立感染症研究所の分析によれば、症状がある感染者が他の人に感染させるリスクは、10日間療養し11日目に解除となった場合は3.6%でしたが、8日目の解除では16.0%に上昇するとされています。期間短縮が議論となった厚労省の専門家組織の会合でも、医療機関や高齢者施設の従事者など重症化リスクの高い人に接する人は、10日間の療養期間を守るべきだといった短縮に否定的な意見も出たと報道もされています。当然ですが、療養期間を短縮したからといって、それに合わせてウイルスの感染性が弱まるわけではありません。 政府が対策緩和を性急に進める一方では、第7波の中、8月の1か月間として過去最多となる7,328人の新型コロナ患者が全国で亡くなっています。感染防止対策を緩和すれば、新型コロナによる死亡リスクが増えることは免れません。政府は社会経済活動との両立をうたいますが、両立の片側であるべき感染防止対策は弱まる一方です。 今般の政府による新型コロナ感染防止対策の緩和は、コロナ患者の死亡数増加を許容することにつながり、時期尚早と考えますが、知事に認識をお聞きいたします。 この間、感染防止と社会経済活動との両立と言いながら積極的な感染拡大防止策を取らないことが、結果として経済にもダメージを広げています。コロナ陽性者・濃厚接触者の急増により、各分野で働き手の不足が顕在化しています。高知県内で言えば、とさでん交通がコロナにより乗務員の確保が困難として運行便数を減らしたことなどが一例ですが、個人事業主や小規模店では、コロナ陽性になれば仕事は休まざるを得ず、一時休業なども散見されます。 働き手不足は深刻です。野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミストである木内登英氏によれば、1日当たり新規感染者数の月中平均を7月11.5万人、8月19.5万人、9月1.5万人と推計した上で失われる労働投入量を求めた結果、7月から9月期の経済損失は、名目GDPで7.9兆円にも上るとしています。これは、第6波のまん延防止等重点措置の下で失われた個人消費の規模の試算値4兆円の2倍近くに達します。つまり、積極的な感染拡大防止対策を講じなかったことが、かえって経済のダメージを大きくしたと考えなければなりません。 真に感染拡大防止と社会経済活動との両立を実現し経済損失を避けるためにこそ、感染拡大期には現金給付とセットで営業や大規模イベント等に一定程度の制限をかけるなど、積極的な感染拡大防止対策を講じる必要があると考えますが、知事にお伺いします。 次に、新型コロナに関わり具体的な対策について伺います。1つは、生活物資支援についてです。この間、コロナ自宅療養者の生活物資の調達は原則自己責任とされているところですが、さきの倉持氏の指摘によれば、新型コロナ感染では脱水症状による腎不全等の危険性があるとされていることからも、下痢あるいは発熱による発汗などが続けば、生活物資が確保できない状況は脱水状態を招きかねず、生死に関わるものと言えます。 生活物資の支援は、必要な方には届けるという運用になっているものと承知しており、本議会にも予算が提案されていますが、5か月間で3,000セットと数が少なく、必要な方にも生活物資が届かないケースが増えています。先日は、学生への生活支援物資配布を実施しているほっとまんぷくプロジェクトが、自宅療養を経験した学生へのアンケートを公表し、82%が食料など生活必需品の調達に困ったと回答しています。 そのような中で、例えば黒潮町では健康福祉課が担当し、生活必需品セットの配布を続けています。8月は1か月間で町内180人に配布したとのことです。米、パン、季節の野菜、果物のほか、要望があればトイレットペーパー、マスク、おむつ、生理用品などの日用品を届けています。保健師の聞き取りにより、体調の相談や療養時の不安の相談にも応じているとのことです。 市町村と積極的に連携するなど、必要な方に生活支援物資が届く仕組みを再構築する必要があると考えますが、健康政策部長にお聞きをいたします。 小規模飲食事業者の実態も深刻です。この間の感染爆発や人々の行動変容の結果、あるかっぽう料理屋ではコロナ以前の売上げの3割減となっているなどの実態をお聞きしています。県下隅々で営業されている小規模飲食事業者の皆さんの存在は、高知の豊かな食文化を支え、観光や農畜産物、水産物の産業振興にも資するものです。それにふさわしい支援が求められます。 小規模飲食事業者の売上げについて調査をしたのか、したのであれば、商工労働部長、コロナ前との比較をお示しください。 小規模飲食事業者をはじめとした事業者の長期化するコロナ禍の影響を自己責任とせず、定量的なエビデンスに基づき事業者を直接支援する必要があると考えますが、商工労働部長に併せてお聞きをします。 医療や介護・高齢者施設、保健所などエッセンシャルワーカーの疲弊は、長期化するコロナ禍の中で限界に達しつつあります。第7波が一定落ち着いた段階で、医療、介護・高齢者施設、保健所の現場職員などから知事が直接ヒアリングをし、課題や問題意識を共有して、第8波以降に備えて、実態に即した支援策の立案をする必要があると考えるものです。また、ぎりぎりの状態で現場を支えているエッセンシャルワーカーの皆さんの声を知事が直接聞くことは、現場の奮闘に光を当て、励ますことにもつながります。 知事による医療・介護あるいは保健所など新型コロナと最前線で対峙する現場の皆さんへの直接ヒアリングを行い、現状をつかむ考えはないか、知事にお聞きをいたします。 次に、物価高騰対策について知事に伺います。 総務省消費者物価指数によると、前年同月に比べ値上がりした品目が増加をしています。7月の調査では調査品目のうち実に72.7%が前年同月に比べ値上がりしました。値上がりが全般にわたっています。さらに、帝国データバンクによると、年内に値上げを実施したか予定する食品は8月末時点で2万品目を上回り、10月は年内最多の値上げとなる見込みと言われ、物価高倒産も例年を上回るハイペースとなっています。県民の暮らし、県経済を支える事業者にとって極めて深刻な影響を与えています。 今回の物価高騰は、気候危機を背景にした穀物などの不作、ウクライナ危機による資源、食料輸出の混乱に加え、止まらない円安の影響があります。9月7日、円相場が一時1ドル144円台に、24年ぶりの円安を記録しました。1年前が110円前後でしたので、円の価値が4分の3に下落したことになり、これが輸入コストの急上昇を招いています。欧米がインフレ抑制のため利上げを断行する一方、日本銀行は相変わらず金融緩和を続け、金利差を広げ、円売りの動きに拍車をかけています。 日銀が金融緩和策の変更による円安と物価の抑制には消極的なのは、需要は伸びておらず、国内は依然デフレだとの見方があると指摘されていますが、当初より私たちは、通貨供給が足りないからデフレに陥っており、通貨供給を増やせば景気が上向くというインフレターゲット論は現実を逆さまに描いた虚構であり、事実上の日銀の赤字国債引受けは出口のない重大な副作用を生むと危険性を指摘してきました。現状は、指摘どおりの事態となり、金融緩和を続けても需要は増えなかったばかりか、財政破綻、日銀の債務超過を引き起こす利上げもできず、袋小路に陥っています。 まさにアベノミクスの失政の結果です。円安は止まらず、今年中に160円、来年180円とも指摘され、まだまだ値上げは続くという極めて深刻な事態です。まず、賃上げ、中小企業への支援などで、実体経済を回復することが求められます。 財務省が発表した法人企業統計によると、大企業の内部留保--資本金10億円以上の大企業の利益剰余金のほか、引当金などの合計、金融・保険業を含む--は、2021年度末で484.3兆円、前年度と比べて17.5兆円増となっています。大企業の諸指標の2012年度からの推移を見ますと、売上高1.02倍、配当金2.02倍、賃金1.05倍と、売上高が伸びていない中、賃金を抑え込み、株主への配当金と内部留保に回していたことが分かります。 日本共産党は、大企業がこの間の減税などによって増やした内部留保120兆円に、5年間の時限立法で2%の課税をし、その際、賃上げやグリーン投資分控除する仕組みとし、10兆円規模の財源をつくり、思い切った中小企業支援と一体で最低賃金1,500円の実現を提案しています。 こうした、暮らしを応援し実体経済を温める対策が求められます。それが異常な金融緩和路線を正常化させる前提ともなります。知事に認識をお聞きします。 政府は、4月に決定した物価高騰への緊急対策として、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金に1兆円のコロナ禍における原油価格・物価高騰対応分枠を創設、さらに4,000億円の増額を決め、さきの交付金のうち留保していた2,000億円と合わせ、総額6,000億円を電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金として交付をしています。 この物価高は一過性のものではなく、本県の経済を支えている中小商工業者、1次産業の大規模な廃業や離農が懸念されます。緊急対策として積極活用するとともに、気候危機などに対応する新しいシステムを支える支援を抜本的に強化することが、高知県の今後を左右すると言っても過言ではありません。 再生可能エネルギー、省エネルギーの抜本普及を目指し、住宅などの断熱改修助成制度、建築物への太陽光発電の設置、ソーラーシェアリングなどに予算措置すべきと考えますが、この項は林業振興・環境部長にお聞きをいたします。 物価高騰が広範囲にわたり、しかもまだまだ続くことが懸念されます。政府の対策は、大胆な対策が必要と言いながら、住民税非課税世帯への5万円給付、ガソリン補助金の延長、小麦売渡価格の据置きなどあまりに貧弱です。これだけの物価高騰に対しては、所得が少なければ少ないほど恩恵が大きい消費税の減税をやるべきです。コロナ危機で世界96の国と地域で付加価値税を減税しています。 県民の生活と営業にとって消費税の減税が、暮らしに困っている人、商売に苦しんでいる事業者への一番の支援になると思いますが、知事にお聞きをいたします。 インボイス制度の問題点については2月県議会でただしましたが、この物価高騰の下で導入を強行すれば、新たに発生する負担で、廃業、離農などを一気に加速することにならないか、地域の商店、直販店に出店していた農家など、地域社会の支え手に深刻な影響を与えることになるのではないか。 その影響について実態に基づく調査を実施するとともに、少なくともインボイスの導入は凍結、延期すべきと思いますが、知事にお聞きをいたします。 インボイス発行事業者の登録で義務的に求められるのは、法人名、個人事業者の氏名、登録番号となっています。既に一定数の登録がされていますが、多くの同姓同名の個人事業主が存在しています。そうした中で、発注元の会社が確認を簡単にするためには、任意で登録する住所や屋号、通称、旧姓などの登録を会社側から要請、事実上強制されることが懸念をされます。その情報は公開されます。プライバシー侵害につながるとして、日本俳優連合や日本SF作家クラブ、日本漫画家協会など多くの団体が反対をしています。また、家族や元パートナーのDVやストーカーなどから逃げて、個人事業主として生計を立てている人は廃業を余儀なくされるかもしれません。 プライバシーの保護について、あまりにもずさんな制度設計であり、この点でも導入は問題だと思いますが、知事にお聞きをいたします。 次に、生活保護行政について子ども・福祉政策部長にお伺いします。 生活保護の申請は国民の権利です、ためらわずに御相談ください。2年前の9月県議会で、日本共産党田村智子参議院議員の国会質問に対するこの政府答弁を紹介して、広報の充実とともに、ためらわずに生活保護の申請、相談ができるように自治体に取組を強めるよう求めました。早速2021年2月3日、「生活保護をお考えの方へ 生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください。」とし、高知県のホームページを改善しています。しかし、県の生活保護のしおりを含めて、県下の福祉事務所では、生活保護の申請は権利等明記をしていないところがあります。 市町村と協力・連携をして改善を図るべきと考えますが、子ども・福祉政策部長に伺います。また、静岡県、札幌市、新潟県南魚沼市など、いわゆる「生活保護の申請は権利です」ポスターを作成し掲示するなど、権利保障のための取組が広がっています。これらの取組に学び、生かしたらどうか、併せて伺います。 次に、自動車の保有、使用について伺います。この問題も生活保護申請の大きな壁になっています。先日、保護の相談を受けました。75歳の女性ですが、坐骨神経痛、膝関節痛のため仕事もできなくなり、古い軽自動車が日常生活で欠かせないもので、保有しての保護申請を提案しましたが、車があったら受けれない、早く受けたいと処分をしての申請となりました。 30代の青年ですが、失業後、生活保護を利用し、コロナ禍での特例による通勤用自動車の保有、処分保留が認められています。しかし、この間仕事は見つからず、2年ほど前に診断された疲労症候群の症状が厳しくなるなど、今後自動車を保有できなくなるのではと精神的負担が強まっています。 今日、現行の制度、通知を前提にしながら、自立の助長、最低限度の生活を保障していけるように解釈、運用するとともに、自動車保有容認の基準を緩和することが必要ではないでしょうか。国は自動車を保有したまま生活保護利用を認めるケースは、あくまでも限定された場合に限られています。事業用としての自動車、公共交通機関の利用が著しく困難な場合の通勤用・通院用自動車、障害者の通院等のための自動車の保有となっています。 自動車の保有要件のそれぞれに該当する件数と現状について子ども・福祉政策部長にお聞きをします。 また、福祉事務所等は、今紹介した保有を認めた目的以外に利用しないよう指導しているとのことです。しかし、そもそも保有目的以外で利用してはならないとする規定はありません。枚方佐藤訴訟、大阪地裁平成25年4月19日判決では、当該自動車を通院等以外の日常生活の目的のために利用することは、被保護者の自立助長及びその保有する資産の活用という観点から、むしろ当然に認められるべきであると述べています。 また、815団体が参加する全国市長会は、保健福祉施策に関する提言の中で、地理的条件の悪い地域に居住する生活保護受給者が日常生活上の用に供する自動車の保有要件を緩和することと国への提言を毎年行っています。地域、地方の最前線で住民福祉増進のために頑張る市長会からの提言は極めて重いものがあると考えます。 また、乗用車の世帯保有率ですが、日本自動車工業会2021年度乗用車市場動向調査によりますと、首都圏69.7%、地方圏は82.4%、郡部は89.3%となっています。また、生活用品は保有率が当該地域の全世帯の70%程度であれば、一般世帯との均衡を失することにならないとされていることからしても、自動車は生活用品として保有が認められるべきではありませんか。 保有要件緩和についての全国市長会の提言、また現在の自動車の保有状況をどう受け止め対応するのか、知事の御所見を伺います。 次に、エアコン設置について伺います。まず、今年の熱中症の救急搬送数、発生場所、傷病の程度などについて危機管理部長にお聞きをいたします。 2018年、平成30年4月より新規の生活保護利用者に工事費も含めたエアコン設置助成が始まって4年になりますが、利用者への広報の徹底と制度の利用状況について子ども・福祉政策部長に伺います。 それまでの利用者については助成されず、必要な世帯は生活保護費のやりくりで設置するように求めています。しかし、この間国は、2013年から生活扶助基準を平均6.5%、最大10%引き下げで年670億円、期末一時扶助引下げで年70億円、2015年から住宅扶助基準で年190億円と冬季加算で年30億円も大幅に引き下げています。2018年のさらなる引下げ、そして消費税の2倍化、水道光熱費高騰、物価高など、低所得者、生活保護利用者を容赦なく襲っています。保護費を節約して数万円単位の貯蓄をし、自力でエアコンを設置することはほとんど不可能ではありませんか。 先ほど紹介した全国市長会は、同じ国への提言の中で、冷房器具の購入等に要する費用について全ての被保護世帯が支給対象となるよう制度を改めること、冷房器具使用にかかる電気料金を扶助する夏季加算の創設を求めています。 県として、連携して国に提言、要望し、早期の実現を願うものですが、知事にお聞きをいたします。 また、平成30年3月31日以前から生活保護を利用している世帯や低所得世帯を含めて対象にしている境港市や名古屋市、東京都荒川区など、自治体でエアコン購入に独自に助成、支援するところが広がっています。県は「熱中症警戒アラートが出たら、どうしたらいいの?」で、不要不急の外出は避け、昼夜を問わずエアコン等の使用を勧めています。 高知県も市町村と協力をして、エアコン設置への新たな支援制度を創設するように求めるものですが、子ども・福祉政策部長にお伺いをいたしまして、第1問といたします。   (知事濱田省司君登壇)
    ◎知事(濱田省司君) 米田議員の御質問にお答えをいたします。 まず、安倍元総理の国葬儀に対する認識についてお尋ねがございました。 今回、国葬儀とした理由につきまして、岸田総理は大きく4点を挙げられております。第1に、憲政史上最長の通算8年8か月にわたって総理大臣の重責を担われたということ。第2に、東日本大震災からの復興、地方創生の推進、戦略的外交の展開など様々な分野で実績を残されたこと。第3に、各国から様々な形で敬意と弔意が表明をされていること。そして第4に、民主主義の根幹たる選挙運動中の非業の死であることであります。こうした点を勘案し、政府において安倍元総理の国葬儀の実施を判断され、閣議決定がなされたものと承知をしております。このため、今回の国葬儀の決定について、必ずしも合理的な理由がないとまでは言えないのではないかと考えます。 また、今回の国葬儀は、実施によりまして国民の権利を制限したり、義務を課するという性格のものではございませんで、行政権の範疇に含まれるものとして行われる儀式であります。政府としても、国民一人一人にまで弔意を求めるものではないということを岸田総理が国会の場で明言されております。 以上のような経緯、対応を踏まえますと、今回の国葬儀の実施をもって憲法第14条に規定されます法の下の平等及び第19条に規定されます思想及び良心の自由を侵害するとまでは言えないのではないかというふうに考えております。このため、今回の国葬儀が民主主義を揺るがすことになるというような認識はございません。 次に、安倍元総理の国葬儀に出席した理由についてお尋ねがございました。 報道各社の世論調査におきまして、今回の国葬儀に関して国民の賛否が分かれた状況にあったということは認識をいたしております。背景には、亡くなられた安倍元総理が現職の国会議員であり、総理退任後間もないこともありまして、政治家としての評価が定まっていないといったことなどが要因としてあったのではないかと考えております。 しかしながら、今回の国葬儀は政府において閣議決定をされまして、国の公式行事として実施をされるものであります。また、安倍元総理におかれましては、憲政史上最長の通算8年8か月にわたって、我が国の総理大臣の重責を担われた方でもあります。加えて、選挙戦中の銃撃という蛮行でその命を奪われたということは、断じて許されないという思いもございます。 こうしたことを踏まえたときに、私自身といたしましては、県民を代表する立場で参列をし、直接哀悼の誠をささげることが適当であると考え、国葬儀に出席をすることにいたしたものであります。 次に、弔意表明に関します県庁での対応についてお尋ねがございました。 今回の国葬儀に際しましては、国の公式行事として実施されること、あるいは近年の類似事例での対応実績、こういったものを踏まえまして、半旗を掲揚し弔意を表明するということといたしました。 このため、知事部局におきましては、総務部から各部局に対しまして、国葬儀の当日、県の庁舎で半旗を掲揚するように文書で通知をいたしました。また、職員に黙祷を要請するということは行っておりません。 次に、統一教会--世界平和統一家庭連合に関する認識及び県内の被害実態についてお尋ねがございました。 統一教会につきましては、かねてよりいわゆる霊感商法や高額な献金などが社会的な問題として指摘されておりまして、中には裁判に至った事例もあるというふうに承知をしております。平成27年8月に世界平和統一家庭連合と改称された後も全国的に被害の相談が寄せられるなど、各方面から同様の問題が指摘されていることは最近の報道などで承知をしております。また、県内でも旧統一教会及びその関連団体によります被害などが報道されているということも承知をいたしております。 県立の消費生活センターにおきましては、旧統一教会に関しまして、資料が残っております平成24年から一昨日までの間に5件の相談をお受けしております。ただ、いずれも事案自体は過去のものでありまして、相談者も御本人でなく御家族の方であったということなどがございまして、具体的な被害の実態につきましては、県として確認ができておらないという状況であります。 次に、統一教会や関連団体への県行政の対応につきましてお尋ねがございました。 旧統一教会、すなわち現在の世界平和統一家庭連合に関しましては、先ほど御答弁いたしましたとおり、昨今社会的トラブルについての報道が多数なされているということを承知しております。こうした社会的に問題がある団体の活動を助長する効果が見込まれる場合には、イベントへの後援、共催、あるいは補助金の支出を行わないといった形で適切に対応してまいります。 一方で、県には公的機関といたしまして、県民にひとしくサービスを提供するという義務、責務がございます。したがいまして、このような団体に対しましても、例えば公の施設の利用について、これを一律に拒否するといったような対応を取ることは困難であると考えます。このような事例をはじめといたしました行政サービスの提供において、一定の関係が当該団体との間で生じるということは、やむを得ないというふうに考えております。 いずれにいたしましても、世界平和統一家庭連合及びその関係団体に関する個々の事案につきましては、県民の皆さんの誤解を招かないように慎重に対応してまいります。 次に、大阪観光局の溝畑理事長と国際ハイウェイ財団との関わりについてお尋ねがございました。 この国際ハイウェイ財団によります日韓トンネル関連イベントにおきまして、溝畑理事長が複数回にわたって講演をされていたということは、報道で承知をいたしております。また、報道によりますと、溝畑氏は自らの経歴から日韓の観光交流を強化すべしとの信念を持っておられて講演を引き受けたというふうに語られておりますし、またこの講演の席上で、高知県政の在り方については特段の言及はなかったというふうに理解をしております。 したがいまして、本県の知事という立場で、溝畑氏が講演に至った経緯やその内容、さらには財団との関わり等が適切であったかどうかについて申し上げるべき立場にはないというふうに考えております。 次に、溝畑氏を関西・高知経済連携強化アドバイザーから解任すべきだというお尋ねがございました。 溝畑氏は、大阪観光局の理事長という公職に就かれておりまして、高知県が関西戦略を進めます上で観光誘客のキーパーソンとして、大所高所からのアドバイスをいただいております。関西戦略の中でも観光の推進は大きな柱でございまして、特に大阪観光局との連携による商品造成などが、今後重要なポイントとなってまいります。 したがいまして、溝畑氏には、その経験や知見を生かして、引き続きアドバイザーの職を担っていただきまして、関西との経済連携の後押しをお願いしたいと考えております。 次に、新型コロナウイルス感染に起因をいたします死亡事例の定量的な分析に基づく対応という点、あるいは重症化リスクを適正に評価した死亡防止の取組についてお尋ねがございました。関連をいたしますので、併せてお答えをいたします。 新型コロナにより亡くなられる方が増え始めました8月中旬頃までは、日々の感染者の動向を確認する中で、亡くなられた方々一人一人の状況を把握しまして、概括的にその傾向を判断するという対応にとどまっておりました。こうした段階で、記者会見の場で、私のほうから定量的な分析はまだ行っていないというお話をしたところでございます。 その後、これらを体系的に整理して定量的な分析を行ったところでございまして、それによりますと、今年7月以降のオミクロン株BA.5を主とする第7波におきましては、6万人を超える感染者が確認されておりまして、9月21日時点で176人の方がお亡くなりになりました。そして、そのほとんどの方が基礎疾患をお持ちの方ということでございました。 これら第7波によります死亡者のうち、コロナ肺炎が重症化をして死亡した方の割合は、第6波に比べて大幅に低下をいたしておりました。この死亡者に占める割合が32.1%ありましたのが7.4%にまで低下をしていたということであります。一方で、基礎疾患をお持ちの感染者におきましては、現行の診断基準では重症に該当しない、発熱、脱水により基礎疾患などが悪化し死亡に至った方、こうした方が第6波では67.9%が、第7波では92.6%を占めるまでに増加をしておったというわけでございます。 議員からは、重症の考え方を転換すべきと御意見をいただきましたけれども、このように第7波におきましては、コロナ肺炎にまで至っていない軽症、中等症の方がお亡くなりになるケースがかなり増加をしている、これは事実だと考えます。 したがいまして、我々といたしましては、コロナ肺炎による重症化への対応だけではなくて、軽症、中等症で基礎疾患をお持ちの方々に対しましても、早期の治療、薬の投与などによりまして、新型コロナへの感染によって全身状態が悪化することを防ぐことも重要になってきているというふうに認識をいたしております。 引き続き、コロナに関します科学的知見を分かりやすく県民の皆さんにお伝えをしまして、重症化リスクの高い方々への注意喚起、ワクチン接種、コロナ治療薬による早期治療、こういった取組を推進いたします。これにより可能な限り死亡者の発生を減少させるように努力をしてまいります。 次に、軽症者に早期に点滴の投与あるいは投薬等ができる体制をつくるべしというお尋ねがございました。 患者の重症化・死亡リスクを低減させるためには、医師の診断によりまして、速やかに新型コロナウイルス感染症治療薬を投与することが有効であるというふうに考えます。 しかしながら、治療薬の対象は国の通知によりまして、重症化リスク等のある軽症患者に限定をされております。また、これまで治療薬の安定的な供給が難しいことがありまして、厚生労働省がこれを所有した上で、事前に登録した医療機関あるいは薬局にのみ配分されるという供給上の制約もございました。 このため、県におきましては、入院協力医療機関をはじめ全ての検査協力医療機関にこの事前登録をお願いいたしまして、確定診断後、速やかに投薬をできる体制の構築を図ってまいりました。加えて、医師会におきまして、医師を対象とした治療薬に関する研修会を開催するということなどを通じて、できるだけ多くの医療機関で投薬ができる体制を築くべく準備をしてまいりました。 こうした中で、今月16日には、一部の経口抗ウイルス薬につきまして一般流通が開始をされました。すなわち、事前の登録なしに全ての医療機関で投薬することが可能となったというような変化がございました。 こうした状況を受けまして、県といたしましては、新たに臨時の医療施設を設けるという方法ではなく、地域の身近なかかりつけ医を含めまして、検査、診断を行います全ての医療機関において、速やかに投薬ができる環境を整えてまいるという方針で対応したいと考えております。 次に、政府によります新型コロナ感染防止対策の緩和は時期尚早と考えるがどうかというお尋ねがございました。 世界的に見ましても、ウイズコロナの時代に向かっている中でございまして、我が国におきましても同様に、感染拡大防止と経済活動の回復とのバランスを取りながらのかじ取りが必要な段階に来ていると考えております。 こうした中、国において、外国からの入国者につきましては諸外国の動向も踏まえまして、おおむね自由化が行われました。受入れ空港を限定し、日々の受入れ上限5万人を設けた上で、出発各国の感染状況に応じた検疫措置を講じておりまして、中身としては妥当なものではないかと考えております。 また、今月からは全数届出を見直しまして、感染者の療養期間や濃厚接触者の待機期間も短縮をされましたけれども、これは国において科学的データの裏づけを取った上で決定されたものというふうに承知をしております。このうち、特に全数届出の見直しに関しましては、死亡される方のほとんどが高齢者あるいは入院中の方であるということを踏まえまして、65歳以上の方あるいは入院を要する方は従来どおり保健所に届け出るという対応を維持しているところであります。 今後進むべきウイズコロナの時代におきましては、このような感染状況あるいは病原性などを踏まえた科学的知見に基づきまして、対策の見直しを進めていくべきものというふうに考えております。 次に、感染拡大期におきます積極的な感染拡大防止対策を講じる必要性についてお尋ねがございました。 オミクロン株は感染力が強く、かつてない感染拡大をもたらしましたけれども、若い世代の重症化リスクは低いわけでありまして、感染が拡大する場面も飲食の場が中心だったところから、最近では高齢者施設や家庭内に大きく変わってまいりました。こうした特性を踏まえまして、国は新たな行動制限は行わずに、高齢者などを守ることに重点を置くという考え方に立ちまして、感染拡大防止、そして社会経済活動の両立を図るという方針を採用しているというふうに考えております。 本県では、こうした国の方針あるいは県内の感染状況を踏まえまして、給付を伴う形での強い行動制限は行わずに、ワクチン接種の推進、無料検査の実施、クラスター対策などを講じてまいったところでございます。また、BA.5対策強化宣言を発出した際には、さらなる病床の確保あるいはオンライン診断の実施などを行いまして、医療の逼迫を回避するための直接的な対策を強化してまいりました。こうした対策の結果、強い行動制限を伴います感染拡大防止対策を講じることなく、新規の感染者数を減少傾向に転じることができたものと考えております。 今後も、できるだけ強い行動制限はかけずに、高齢者などに医療資源を重点化するということなどによりまして、保健医療システムを引き続き機能させ、社会経済活動も維持をしていくように取り組んでまいります。 次に、新型コロナと最前線で対峙をする現場の皆さんから直接ヒアリングを行ってはどうかというお尋ねがございました。 新型コロナウイルス感染症への対応が長期化をしている中で、日々医療や介護の最前線で御尽力をいただいております従事者の皆様方に心より感謝を申し上げたいと思います。これまで県の医師会や看護協会の方々との意見交換を行ってまいっておりまして、その中で、社会福祉施設で従事されている方も含めて、医療現場等々の方からも直接お話を伺ってまいったところでございます。 実情を伺いまして、例えば医療現場の負担軽減に向けましては、発生届出の簡略化が必要ではないか、あるいはオンライン診断の体制を整備すべし、あるいは検査キット配布を進めるべしと、こういった対策を検討の上、進めてまいったところでございます。また、福祉保健所につきましては、業務の逼迫を受けて、全庁挙げての応援職員の投入あるいはOB保健師の御協力などによりまして、体制強化を図ってまいったところでございます。 引き続き、様々なルートから現場の声を集め、その課題や問題意識を共有いたしまして、実態に即した支援策の充実につなげてまいる考えであります。 次に、現在の物価高騰を踏まえました今後の国の経済対策についてのお尋ねがございました。 我が国の経済を安定的かつ持続的に成長させるためには、成長の成果を賃金や設備投資などに振り向けていくということが重要であります。他方で、経済回復の支障となります物価高騰への迅速な対応も求められているのが現在の状況だと考えております。 こうした中、国におきましては先般、足元の物価高騰に対応するための追加策が決定をされました。この追加策の中には、輸入小麦やガソリンの価格抑制対策、低所得世帯に対する支援などが盛り込まれております。さらに、岸田総理は、物価高や新しい資本主義に対応する総合経済対策を10月中に取りまとめるという方針も示されております。 これらの対策を早急に進めまして、我が国の経済の早期の回復につなげますとともに、企業の利益を内部留保ではなく賃金や設備投資に振り向けるように促す取組を加速いただきたい。その上で、成長と分配の好循環の実現を図っていただきたいというふうに私としても考えております。 本県におきましても、県民の皆さんの暮らしを守るために、各分野の状況を注視しながら、国の施策を最大限活用しまして、タイムリーに必要な対策を講じてまいります。あわせまして、国の新たな経済対策が物価高騰などの影響を受けた県経済あるいは県民生活の回復の後押しとなりますように、全国知事会とも連携し、必要な提言を行ってまいる考えであります。 次に、こうした経済状況の中で、消費税の減税が、暮らしに困っている方々への一番の支援になるのではないかというお尋ねがございました。 国民の皆さんが薄く広く負担をしていただく形の消費税は、少子高齢化社会におけます社会保障を安定的に維持していく財源として位置づけられておるところでございます。 こうしたことから、政府におきましては、消費税の減税という歳入サイドの対策ではなく、本年4月の「コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」」に加えまして、9月には電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金として、住民税非課税世帯などに対しまして1世帯当たり5万円を給付するなどといった形で、国の歳出面からの経済対策を講じるということによりまして、困窮されている方々の生活を支えていくという考え方に立って対応されているというふうに認識をしております。政府は、今後さらに物価高騰などに対応する新たな総合経済対策を10月中に取りまとめる方針も示されております。 県といたしましても、こうした国の動向を注視いたしまして、経済対策も活用しながら、県民の暮らしを守るために、引き続き各分野の状況に応じて適時必要な対策を講じてまいります。 次に、消費税のインボイス制度の導入によります影響調査の実施と導入の凍結、延期についてお尋ねがございました。 インボイス制度の対象となります県内の免税事業者の皆さんに、全国同様、取引先からの排除や経営への影響を懸念する声があるということは、関係団体を通じて承知をいたしております。このため、これまでにも全国知事会などと連携をいたしました政策提言を行いまして、国におきましては導入に対する各種の支援策の充実などが図られてまいりました。 お尋ねのありました事業者への直接の調査は、現段階では実施する予定はございませんけれども、引き続き関係団体を通じてしっかり現場の実情の把握に努めてまいります。その上で、さらに必要がございましたら、円滑な導入に向けた政策提言を今後も行ってまいる考えであります。 また、インボイス制度の導入に当たりましては、軽減税率制度が実施をされてから4年間の準備期間、それに加えて制度開始後6年間の経過措置が設けられることとなっておりまして、段階的に移行するという配慮も行われております。 このインボイス制度そのものは消費税の複数税率が導入をされた下で、適正な課税を確保するために必要な措置であるというふうに考えております。このため、県内の事業者の皆さんが円滑に新しい制度に移行ができますよう、税務署とも連携を図りながら、周知、広報などの支援に努めてまいる考えであります。 次に、インボイス発行事業者となりました場合の登録情報の公開とプライバシー保護の関係についてお尋ねがございました。 個人事業者がインボイス発行事業者となりました場合には、国税庁の公表サイトにおきまして、氏名、登録番号及び登録年月日が公表されます。また、個人事業者は円滑に取引を行うために、本人の申出によりまして、主たる屋号、主たる事務所の所在地などを追加で公表するということが可能となっております。 国におきましては、個人事業者の公表事項をプライバシーに配慮して、原則として氏名、登録番号及び登録年月日といった法令で定められた事項に限っているものというふうに承知をしております。 繰り返しになりますけれども、インボイスの制度は適正な課税を確保するために必要な措置であるというふうに考えております。県といたしましても、県内事業者の皆さんに混乱が生じないよう、国においてどういった対応が取られるかという動向も注視をしながら、周知あるいは広報などの支援に努めてまいります。 次に、生活保護世帯におきます自動車の保有についてお尋ねがございました。 生活保護制度では、自動車は資産に該当しまして、その維持費は生計を圧迫するとの理由により、原則として保有は認められておりません。しかしながら、障害のある方や公共交通機関の利用が著しく困難な地域にお住まいの方が、通勤、通院に利用する場合などには保有が認められているところであります。こうした保有要件は、資産や能力などあらゆるものを生活のために活用することを前提といたしました法律の趣旨に照らしますと、一定の合理性があるものと受け止めております。 議員からお話がありましたように、このような中でございますが、全国市長会におきましては、地理的条件の悪い地域にお住まいの方が日常生活に使う自動車を保有できるように、要件の緩和を提言いたしております。 自動車の維持費をどう捻出するかといった課題がある一方で、通勤や買物などに不便な地域が多い本県にとっては、全国市長会の提言内容は理解できる部分があります。また、他県が実施した調査によりましては、本県を含む12府県が全国市長会の提言と同様に、交通が不便な地域などにおけます保有要件の見直しが必要と回答しているところでございます。 したがって、本県もそういう意見を持っておるわけでございますが、国のほうは、慎重に検討したい、慎重にと言われておりますが、検討はしたいという立場でお答えをいただいておりますので、県としては、国の対応も含めまして、こうした動きを注視してまいりたいと考えております。 最後に、生活保護世帯におきます冷房器具の購入費用の支給などについてお尋ねがございました。 生活保護世帯におきます冷房器具の設置につきましては、熱中症予防の観点から、平成30年4月以降、その購入費用の支給が認められることになりました。一方で、それ以前から保護を受給している世帯につきましては、従来どおり生活保護費のやりくりの中で賄うべきものというふうにされております。 一方で、近年熱中症によります健康被害が心配をされる状況にありまして、冷房器具の設置は、命を守る上で大変重要な意味を持ってまいります。このため、購入費用の支給対象とならない世帯におきましては、金融機関よりも有利な条件で貸付けが認められます生活福祉資金の案内や家計管理への助言など、きめ細かな支援を行っております。 県といたしましては、引き続き一人一人に寄り添った支援に取り組むということで、必要な方に冷房器具が行き届くように対応したいと考えております。あわせて、お尋ねのありました夏季加算につきましては、現在国におきまして生活保護基準の改定に向けた検討が行われておりますので、その検討状況を注視してまいります。 私からは以上であります。   (教育長長岡幹泰君登壇) ◎教育長(長岡幹泰君) 安倍元総理大臣の国葬儀に当たっての県教育委員会の対応についてお尋ねがございました。 安倍元総理大臣の国葬儀に当たりましては、弔意表明に関して文部科学省や知事からは特段の要請はございませんでした。また、過去の総理大臣経験者の葬儀に当たっての対応例や、他県の動向等も参考にしながら総合的に判断した結果、県教育委員会として、県立学校を含めた所管施設や市町村教育委員会に対して何ら要請は行っておりません。また、こうした要請は行っておりませんので、学校における弔意表明の実施状況について調査を行う予定はございません。 以上でございます。   (総務部長徳重覚君登壇) ◎総務部長(徳重覚君) 旧統一教会--世界平和統一家庭連合及び関連団体との業務上の関わりを把握するため、県が実施した調査の対象とその選定経過についてお尋ねがございました。 この調査の実施に当たっては、他県調査を参考に、世界平和統一家庭連合及び報道などで当該団体との関係が明らかとされている団体として10団体を選定いたしました。加えて、各部局に照会するに当たっては、選定した10団体以外についても、関連団体と判断されるケースについては、幅広く報告を求めておるところでございます。 以上でございます。   (健康政策部長家保英隆君登壇) ◎健康政策部長(家保英隆君) 自宅療養中に必要な方へ生活支援物資が届く仕組みについてお尋ねがございました。 本県では、福祉保健所を通して自宅療養中の生活支援物資を必要とする方への物資配送を行っております。なお、全数把握の見直しにより、今月26日以降は、重症化リスクが低く症状が軽い方に登録していただく陽性者フォローアップセンターでも、要望に応じて配送を行うこととしました。また、高齢者などで御本人の同意が得られれば、各市町村においても買物支援等のサービス提供などが実施されており、各福祉保健所と市町村で連携して対応しているところでございます。 療養期間等については、令和4年9月7日より、オミクロン株の特性を踏まえ、これまでの発症日から10日間の療養期間を、病状により最大で3日間短縮する措置が取られました。同時に、療養期間中の外出自粛についても、一定の条件の下、必ずマスクを着用するなど自主的な感染予防の行為を徹底することを前提に、食料品等の買い出しなど必要最小限の外出を行うことは差し支えないことが示されました。 こうした療養期間の短縮や療養期間中の外出自粛中の外出緩和などの状況も踏まえまして、御自身や親族などで調達できる方は、御自身の好みや体調に合わせた食料などを調達していただきたいと思います。一方で、支援の必要な方には、引き続き各市町村、関係団体とも連携して、生活支援物資を届けてまいります。   (商工労働部長松岡孝和君登壇) ◎商工労働部長(松岡孝和君) 小規模飲食事業者への売上げの調査と直接支援についてお尋ねがございました。関連しますので、併せてお答えします。 まず、売上げの調査について申し上げますと、新型コロナウイルス感染症は、飲食店をはじめ幅広い業種に影響を与えていることから、調査対象となる事業者が膨大な数になり、調査をするとなると集計、分析に相当の時間と労力を要することとなりますし、分析結果が出る頃には経済状況が違ったものになっており、必要な対策が後手に回ってしまうことも懸念されます。 また、事業者の皆様にも負担を強いることになるため、これまで個別事業者の売上調査は行わず、商工会や商工会議所、金融機関、商店街振興組合など関係する団体を通じて、その都度業界や個別事業者の状況や声をお聞きしているところです。あわせて、私を含めそれぞれの職員が様々な機会を生かして、個別の企業の状況について直接お話も伺っているところです。 今月中旬の飲食店の状況は、昼間営業の店舗は、平日、週末ともに利用客が増えてきております。夜間営業の店舗では、一定の回復は見られますものの、二次会で利用されるような店舗は依然として厳しい状況が続いております。全体としては、コロナ前の状況までは回復していないとお聞きしております。 次に、事業者への支援について申し上げますと、本県においては、先ほど申し上げましたとおり定量的な調査は行っておりませんが、これまでにも経済状況に応じ、給付金の支給や新事業へのチャレンジに対する支援など、他県よりも一歩も二歩も踏み込んだ直接的な支援を行ってまいりました。また、特別経済対策プロジェクトチームと連携し、「Go To Eat キャンペーン」などによる需要喚起といった間接的な支援も行ってきているところです。 今後も引き続き、県内経済の実態把握に努め、事業者の声もお聞きしながら、特別経済対策プロジェクトチームとも連携しつつ、限られた財源を最大限有効に活用し、必要な対策を迅速に講じてまいります。   (林業振興・環境部長豊永大五君登壇) ◎林業振興・環境部長(豊永大五君) 再生可能エネルギー、省エネルギーの抜本普及を目指した予算措置についてお尋ねがございました。 気候変動に対応しカーボンニュートラルを実現させていくためには、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーを着実に促進していくことが必要です。そのため県では、昨年度に脱炭素社会推進アクションプランを策定し、具体的な取組を進めているところです。 再生可能エネルギーの導入促進策としましては、本年度から民間事業所向けと個人住宅向けに太陽光発電設備の導入に係る補助制度を創設いたしました。この制度は、発電した電気を自家消費することを条件としており、太陽光発電と農産物の栽培を同時に行う営農型発電、いわゆるソーラーシェアリングも、そうした場合には対象となります。また、6月補正では、林業分野における原油価格の高騰への対応とともに、脱炭素化を進めるため、電動チェーンソーや電動フォークリフトの導入支援策を創設いたしました。 そのほか、住宅用の断熱改修や木質バイオマスボイラー導入への支援などを盛り込んだ県の計画が、この5月に国の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金に採択されました。現在、予算化に向けた制度の検討などを進めているところです。 今後も、増額された地方創生臨時交付金などの活用を検討するとともに、政策提言を通じたさらなる財源の確保に取り組み、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーの促進を強化してまいります。   (子ども・福祉政策部長山地和君登壇) ◎子ども・福祉政策部長(山地和君) まず、生活保護制度についての広報と他県の取組を踏まえた周知についてお尋ねがございました。 生活保護の申請をお考えの方の中には、不安や抵抗感を感じている方もいるため、そうした不安などを和らげるためにも、分かりやすい広報に取り組む必要があります。こうした中、県においては、生活保護の申請は国民の権利であることをホームページ上で周知しております。 一方で、お話のありました県の生活保護のしおりには記載がないことから、改善を図ってまいります。また、県内の多くの市では、ホームページや生活保護のしおりに生活保護の申請は権利であることの記載がないことから、国や県の取組を紹介し、よりよいものとなるよう働きかけを行ってまいります。 こうしたことに加え、お話のあった他県の事例も参考にしながら、制度のより効果的な周知につきまして、市町村と共に取り組んでまいります。 次に、生活保護世帯における自動車の保有件数と現状についてお尋ねがございました。 生活保護世帯において自動車の保有が認められるのは、自営業などの事業用や公共交通機関の利用が困難な場合の通勤、通院等、障害者の通院等に限られております。 令和3年度末時点で、県内の生活保護世帯において自動車の保有が認められた件数は185件となっております。その内訳は、事業用が61件、公共交通機関が利用困難な場合の通勤用が43件、公共交通機関が利用困難な場合の通院等が20件、障害者の通院等が61件となっております。令和2年度の208件と比較しますと23件減少しておりますが、その大部分は高知市における減少となっております。 次に、生活保護世帯へのエアコン設置費用の助成に係る広報の徹底と制度の利用状況についてお尋ねがございました。 エアコンの設置費用の助成につきましては、制度が開始された平成30年度及び令和元年度には国の通知を受け、福祉保健所及び福祉事務所への周知を行い、令和2年度以降は県独自に継続して福祉事務所などへの周知に取り組んでおります。生活保護世帯に対しましては、ケースワーカーが各家庭を訪問する際に生活状況などを確認し、必要に応じて助成制度の説明を行っているところです。 県内における制度の利用件数は、開始されました平成30年度は36件、令和元年度は57件、令和2年度は78件、令和3年度は62件となっております。 最後に、生活保護世帯や低所得世帯を対象としたエアコン設置への新たな支援制度の創設についてお尋ねがございました。 近年、熱中症による健康被害が心配される状況にあり、エアコンの使用は命や健康を守るためにも大変重要です。経済的な理由によりましてエアコンを購入したくてもできない場合への支援といたしましては、社会福祉協議会が実施をしている生活福祉資金貸付制度がございます。生活福祉資金貸付制度の相談窓口では、その方の経済状況等をお聞きし、必要に応じて生活困窮者自立支援制度の活用を促し、経済的な自立に向けた就労支援や家計相談につなげるなど、お一人お一人に寄り添った支援を行っております。議員のお話にありましたエアコン設置への支援制度につきましては、都道府県で制度を創設しているところはなく、一部の自治体が助成している状況となっております。 今後も、熱中症予防のためのエアコン購入に対しまして、社会福祉協議会と連携し、生活福祉資金貸付制度の周知・啓発を行うとともに、市町村や関係機関と連携し、生活が困窮する方々の経済的な自立に向けて必要な支援につなげてまいります。   (危機管理部長中岡誠二君登壇) ◎危機管理部長(中岡誠二君) 本年の熱中症の救急搬送数などについてお尋ねがございました。 消防庁の調査の速報値によりますと、県内では本年4月25日から9月25日までの累計で、584名の方が熱中症により救急搬送されており、昨年の同時期と比較しますと、約36%の増加となっております。年齢構成別で見ますと、例年と同じく65歳以上の高齢者の割合が最も多く、全体の約6割を占めております。発生場所別で見ますと、最も多いのが住居で全体の約39%、次に道路で約14%となっております。 最後に、傷病の程度で見ますと、軽症が約64%、3週間未満の入院加療を必要とする中等症が約22%、3週間以上の入院加療を必要とする重症が約2%となっておりますが、救急搬送した事例で死亡事例はありません。 ◆36番(米田稔君) それでは、第2問を行わさせていただきます。 1つは国葬の問題です。今、知事が4つ理由を述べられましたけれど、全くそんな今の答弁は、それこそ合理的な根拠はないと言わざるを得ないと思います。8年8か月、それは自由民主党の都合で8年8か月やったわけですから。そして、確かに非業の死は遂げましたけれど、くしくも安倍さんが60年来の統一協会とのつながりが明らかになったし、そしてその広告塔としての役割、統一協会とのつながりの頂点にいたのではないか、こういうことも明らかになったわけで、それが多くの国民の一つの疑念に広がっているんではないかというふうに思うんです。 それで、この間の閉会中審査にしても知事も述べられませんでした。国葬は開催する基準はありません、法的根拠もありません、岸田首相はこう答えたんですよ。あとは閣議決定しかないんです。それを16億円も血税を投入してやる理由には全くならない。だから、国民は多数が反対の声を強めているんじゃないですか。昨日の晩のNHKでも、国葬に賛成したのは35%、反対は57%いますという報道をしたんですよ。だから、閣議決定をもってして、戦後の国葬をやれる根拠もないし、国会で一度も議論もしていないのに、やるべきものではないと言わざるを得ません。 私が聞きたいのは、そしたら知事はなぜ国民、県民が国葬をやることに多数が反対しているのか、どんなふうに受け止めていますか。あなたの思いを聞かせていただきたいというように思います。 それから、統一協会の問題です。社会的問題が指摘されると言われていますけれど、それを承知しているなら、またあえて言えば、知事は3年前ですか、選挙のときに行かれたというのは。なぜ行くんですか。承知しちゅうのになぜ行くか、おかしいじゃないですか。知事の今の答弁は全く整合性が取れていませんよ。分かっちょって行ったというなら、これは大ごとです。 それと、少なくとも岸田首相も自民党も記者会見等で、社会的に問題が指摘されるというふうに言う、極めて不十分ですけれど、それでも9月8日の茂木幹事長の記者会見でも、今後は旧統一協会と一切関係を持たないとまで言い切らざるを得ないところまで来ているわけですよ。多くの国民はまだ疑心暗鬼を持っていますけれど、そこまで言っている団体なんですよ。それをあなたは、社会的に問題が指摘される団体、そういうような捉え方ではなくて、しっかりと60年代の霊感商法やカルト集団のこの歴史を、為政者としてちゃんと見んといかんじゃないですか、それは2つ目の質問です。 ちょっと中間になりますが、総務部長にも併せてちょっと聞いちょきたいです。この質問の関係で、よその県もそうだったと言いますけれど、何で、今の統一協会にとってこの国際ハイウェイ財団、日韓トンネルというのは極めて重大な位置づけの事業なんですよ。何十と関連団体ありますけれど、国際ハイウェイ財団、日韓トンネル協議会、日韓トンネル研究会、これに関わってこれほど団体がつくられているんですよ。 私は、他県がそうだからといって、これはおかしいというふうに、賢明な総務部長ならなったと思うんですよ。なぜあえてこれを抜かしたのか。率直に言うて、この日韓トンネルの協議会、47都道府県に全部できたんですよ、だから、余計他県も含めて触れたくなかったんではないかと。私は、そんなことでこの反社会的な集団と対峙はできないように強く思うんですが、そこは総務部長に答弁を願いたいなというように思います。 それから、知事に、溝畑さんのことですけれど、ハイウェイ財団、ひいては統一協会との関わりがあったということは明らかで、事実を争う余地はないんです。国際ハイウェイ財団の事業報告という資料を当県議団も入手していますが、これは財団側が公表したもので、はっきりと溝畑氏の名前が幾度となく出てくるんですよ。県民会議、全国の各地の結成大会に参加しています。全国役員の連絡協議会でも講師をやっています。 私が驚いたのは、最初多分、その資料が一番新しいかどうかよく分かりませんが、資料によると、2012年から講師に行かれているんです。あなたが大阪で副知事と一緒にやる前からやられているんですよ。私は、ここに確信犯的なところがあるんです。知事はライフワークみたいに言いますけれど、これほどまでに統一協会と癒着をして、ライフワークと言いながら統一協会の事業の片棒を担いでいるじゃないですか。それを高知県の正式な機関のメンバーとして置くことは、どれほど国民に対する裏切りになるか。彼が言いゆうから、高知県のアドバイザーもあるじゃないですかと、そういうことで彼が統一協会と一体となって、それを広めること自身が統一協会に対する大きな弁護であり、力を貸すことになりますよ、分かりませんか。 アドバイザーやからそんなことやっていない、そんなことしゃべっていないと。その場でしゃべっていなくても、ここへ来て、高知県へ来て、向こうで世話になっている、その人がやることは皆さんが信頼してきますよね。そういうことをやってはいけないから、私はアドバイザーから外すべきだというふうに言っているわけです。 以上、第2問といたします。 ◎知事(濱田省司君) 米田議員の再質問にお答えをいたします。 まず、国葬儀に関しまして、県民の皆さんを含め国民の反対が世論調査で多いと、この理由をどう考えているのかということについてでございます。 これにつきましては、私も第1問でお答えをいたしましたとおり、安倍元総理の場合はまさしく現職の衆議院議員、政治家で、かつ自由民主党の最大派閥の実力者という、まだまだ現役の中で今回の狙撃事件があって死亡されたと。そうした総理大臣としての歴史的な評価が定まらない前に、言わばまだ現役の政治家という段階でこうした形で死亡されたというところの事情が非常に大きいというふうに考えております。 総理大臣の仕事は国の行政トップという面もございますから、この国の行政の責任者として8年8か月の仕事をされた、このことは、私は今回の国葬に出席をしまして映像資料を見ましても非常に大きな実績を上げられておられますし、献身的な働きをされたと、この点については恐らくそう異論はないのではないかというふうに思います。 ただ、やはり政治家安倍晋三ということで見れば、いわゆるいろいろな事件、モリ、カケ、桜と言われた事件があり、あるいは学術会議の委員の選任の事件があり、そういったことに関しましては私自身ももう少し丁寧な説明が必要ではなかったかという思いもございますから、政治家の立場として振り返りましたときに、お話がありました統一教会の問題を含めまして、県民の皆さん、国民の皆さんに様々な意見があったと、それが行政面での功績ということと比べましても、政治家としての評価というところでトータルで考えたときに、マイナスとお考えになる方がかなりおられるということが、こういった県民の皆さんの意見、国民の皆さんの世論調査に表れているのではないかというふうに思います。 しかしながら、何度も申し上げますけれども、国の行政トップとして大変な重責を憲政史上最大の期間担われたということの功績は、そのことによって変わるということはないと考えておりますので、その点につきまして、私自身は素直に御苦労さまでございましたという思いをお届けしたいということで、今回の国葬儀に参加をして弔意をお示ししたということでございます。 次に、統一教会の問題に関しまして、3年前の知事選挙の際に私自身、この高知県の責任者に挨拶に上がったということに関しての御質問でございます。 この点につきまして、もともとこの団体が元統一教会との関係のある団体だということは承知をして御挨拶に上がった、このことは事実でありますけれども、私が訪問をして御挨拶をした3年前の時点におきましては、いわゆる霊感商法あるいは過剰な寄附の問題、こういったことが過去において行われておったということは、私も承知をしておりましたが、その3年前の時点、さらに申し上げますと、今回の参議院選挙前の時点では、こういった報道は一般的にはほとんど行われていないような状況であったというのが実態ではないかと考えております。 そうしたこともございましたので、私といたしましては、このいわゆる反社会的な、社会的に問題がある行動なり、そういった活動といったものが、一定程度改善に向かっているのではないかという認識の下に、当時は様々な団体に御挨拶に上がる一環として御挨拶に上がったというのが実情でございます。 その点につきまして、この7月以降の、夏以降の様々な情報、改めて情報に接しますと、必ずしも下火になっていたということではないということだとすれば、そういうふうに判断をいたしましたので、今後の対応としてどうするかということに関しましては、こういった関わりは持たないつもりだということは申し上げておるつもりでございます。 最後に、この統一教会の関係の溝畑氏の問題でございますけれども、溝畑氏はこの会見や報道におきましても、御自身の観光庁の長官を務められた、あるいは大阪観光局の局長を務めているという経歴から、またあるいはサッカーの交流ということで、韓国との交流をしてきたというような経歴も含めて、日韓の観光交流を強化すべきだという御持論をお持ちで、その一環としてこの日韓トンネルの構想、こういったものを進めていきたい、そういったお考えを持っていたと。それによってそうした立場から講演を引受けをして、参加をしたというような表明をされているところでございまして、その点につきましては、これはもうありのままに受け止めたいというふうに考えます。 これも今回の7月の参議院選挙前に、こうしたような活動を溝畑氏もされたということではないかというふうに考えておりますから、その意味で過去にこういった統一教会との関係があった、それも政治家というよりは、むしろ行政的に近い関係があったということ、それをもってこれが問題だということは、必ずしも私は当たらないのではないかというふうに考えているところでございます。 ◎総務部長(徳重覚君) 米田議員の再質問に御答弁申し上げます。 旧統一教会--世界平和統一家庭連合の関連団体として、県が調査対象としたその選定の経過について再度御質問がございました。 先ほどの答弁の繰り返しにはなってしまいますけれども、今回の調査の実施に当たりましては、他県でどのような団体を調査対象としているかということを、その当時の情報を幅広く集めた上でございますけれども、ある団体をあえて外したということではなく、世界平和統一家庭連合との関係が明らかとされているという団体として、調査自体は8月下旬に行ったんですけれども、その当時の報道などをよくチェックいたしまして、そこで関係が明らかとされている団体というふうな名前が上がっていたところを、比較的幅広めに集めさせていただいて、この団体を選んだというところでございます。 以上でございます。 ○副議長(西内隆純君) マスク着用の上で発言願います。 ◆36番(米田稔君) どうもすみません。率直に言って、知事もそれは脇が甘いし、その彼はライフワークでやりたいなら、オブザーバーをやめてやったらいいんですよ、そういうことでしょう。彼がどんな善意を持っていても、統一協会のメンバーと一緒に、そこでこの話をするわけですから、それがアナウンスされるわけです。結局、為政者、知事も含めて政治家はいろんな思いがあっても、周りからどう見られるか、客観的にそれがどういう役割を果たすか、ここを考えんといかんでしょう。 私は、友達であって観光局の理事長だからといって、それは無関係だみたいな話では絶対駄目です。ぜひ、今後どうするのか、私の指摘を踏まえて今後どうするのか、少なくとも検討して、判断をしてもらいたいというふうに思います。これは強く指摘しておきたいと思います。 またあとは、この間の国葬問題でも、安倍氏の調査は不可欠だとか、教団問題を闇に葬るのか、国葬するのかという意見もあるわけです。ですから、本当に国民が受けた被害、実態をよく学びながら、見ながら、行政に取り組んでいただきたい。抗議も含めてこのことを強くお願いをして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(西内隆純君) 暫時休憩いたします。   午後2時44分休憩-----------------------------------   午後3時5分再開 ○議長(明神健夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 28番田所裕介君。   (28番田所裕介君登壇) ◆28番(田所裕介君) 県民の会の田所裕介でございます。議長にお許しをいただきましたので、会派を代表し、順次質問をさせていただきます。 初めに、宗教と政治の在り方について伺います。2022年は、民主主義の根幹を揺るがす出来事が多く起こった年となりました。私たちが、これまで当然であると考えていた民主主義社会の在り方、価値観が危機に瀕しています。今回、知事に、民主主義社会の根幹として重要な課題について御質問をさせていただきたいと思います。 宗教団体、世界平和統一家庭連合、旧統一教会をめぐっては、その社会的に問題のある行為や政治との関わりが問題になっています。岸田総理大臣は、閣僚を含め自由民主党議員が懸念や疑念を持たれていることを陳謝し、関係を断つことを党の基本方針として徹底すると強調しました。こうした関係は、地方政治にも浸透していることが明らかになり、自治体の首長が相次ぎ記者会見で関与の有無を明らかにし、本県でも濱田知事が8月2日の会見で、旧統一教会との関係について、知事就任以前に県の支部の責任者に挨拶に行ったことはあると説明をしました。旧統一教会と政治の関係の在り方は、国政だけの問題ではなく、地方政治においても重要な問題であります。 宗教と政治の関係について考えるときに、憲法第20条の理解は欠かせません。憲法第20条は、国が宗教団体に特権を与えることを禁じ、政教分離の原則を定めています。政治家が過剰な特権を結果的に与えるようなことに対しては、厳に慎まなければならないというのが憲法第20条の精神です。 今回の旧統一教会と政治家の関係にまつわる問題の一つは、政治家が集会で挨拶をする、メッセージを送るなど関わることで、私たちの団体は有名な議員の方々に御支持いただいていると、宗教団体が広い意味での特権を受ける形になっていたことです。憲法第20条を踏まえ、いま一度政治と宗教の在り方について考えなければならないのではないでしょうか。 そこで伺います。これからの宗教と政治の在り方について、憲法第20条を踏まえて知事にお伺いをいたします。 宗教と政治については今日、旧統一教会にのみ注目が集まっておりますが、全ての団体が問題であるわけでは決してありません。一般の宗教団体にとってみても、一部の宗教団体に注目が集まることは非常に迷惑なことだと感じます。 このような背景もあり、反社会的な宗教団体に関しては法律等で法規制を行い、明確に区分した上で、被害を受けている方への救済策を考えることも必要ではないでしょうか。例えば、フランスでは1980年代から旧統一教会信者のトラブルが多発したことを受けて、カルト対策が国会レベルで議論され、2001年に反セクト法が成立をしました。それにより、反社会的な活動を行った法人に対し、解散、活動禁止、司法的監視などを命じることが可能になりました。 反セクト法は、個人の精神的不安定化、法外な金銭要求、元の生活からの引き離し、身体への加害、子供への強制加入など、10の外的基準に照らしてカルトと判断する点が画期的とされています。宗教の教えである教義のよしあしで判断するわけではないため、信教の自由の侵害には当たらず、その団体が反社会的で人権侵害行為をしているかどうかが焦点となります。 そこで伺います。これからの政治と宗教の関係、被害者の救済などを考えたとき、日本においてフランスの反セクト法のような反社会的とされる宗教団体を規制する法律を制定することについて知事の御所見をお伺いいたします。 次に、国葬についてお伺いいたします。国葬とは、国が国費で営む葬儀のことを指します。1885年に内閣制が始まってからは閣議決定で対象者が決められ、1926年に公布された国葬令という勅令で法律上に位置づけられました。1947年に国葬令が失効した後は、現在国葬を直接規定した法律は存在しておりません。賛否が分かれている中での国葬については、反対派と賛成派の分断を生むだけではなく、内心の自由を侵害するおそれも否定できないと指摘をされています。 今回の安倍元総理大臣の国葬においては、政府が民意を十分に反映せず、また正しい民主主義的手順を踏まずに決定したという点が課題であったと考えています。費用の全額を国の予算で負担するにもかかわらず、実施について国会での議論を経ませんでした。政府は、閣議で国葬への支出を決定し、災害や補欠選挙など突発的な対応に使われてきた予備費を充てると決定をしました。予備費の使い道は内閣が決めることができる一方で、憲法第83条は、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」と定めています。 そこで伺います。今回、国葬を実施するに当たっての諸手続について知事がどのように評価をしているのか、お伺いをさせていただきます。 今回の国葬では、なぜ国葬でなければならないのかという点も指摘されておりました。公費を使う以上、過去の総理大臣経験者の葬儀と比較し、特別に国葬にする理由があるかどうかを第三者機関が客観的に評価する必要があり、主観的な評価への共感を求める目的で儀式をやるのは、個人の自由との観点でも問題だという議論もありました。また、国葬が法律で定められていないこともあり、なぜ国葬を選ぶのかという点が十分に明確にならなかったことも国民不信を招いた一因であると考えています。 今回の事件を踏まえ、今後同じような混乱を生まないよう、国葬について法制化が必要だと考えるか、知事の御所見を伺います。 次に、参議院議員選挙について伺います。本年7月10日に投開票された第26回参議院議員通常選挙では、3度目の合区での選挙となりました。高知県内の投票率は47.36%となり、合区が導入された2016年から50%割れが続く結果となっております。政治参加が民主主義の根底にある概念であることを鑑みると、合区制度導入以降の本県における低投票率は、まさに民主主義の根底を揺るがすものであります。 本県では、濱田知事も、これまで幾度となく合区解消に向けて取り組んでいくと強い姿勢を明らかにされています。令和2年9月議会において、現行憲法下での公職選挙法改正による合区解消への対応について質問をさせていただきました。その際、濱田知事より、現行憲法における投票価値の平等、1票の価値の平等等を考慮した場合、公職選挙法改正による対応にはおのずと限界があり、合区問題の抜本的解決には、地方自治の規定を充実させる形での憲法改正が不可欠であるとの答弁をいただきました。 また、濱田知事は、せっかく二院制を取っている以上は、衆議院については人口比例原則を重視するにしても、第二院であります参議院については地方の府といいますか、地方公共団体を代表するという性格を持っていくということで、衆議院ほどは人口比例原則を尊重しなくていいのではないかという考えの下に草案全体が設計されていると御答弁されています。 そこでお伺いをいたします。参議院を地方の府とすることについて知事の御所見をお伺いいたします。 次に、人権についてお伺いいたします。ツイッターで県内の被差別部落に関する資料が投稿され、極めて悪質な人権侵害が起こっています。人権への配慮が必要な多くの調査項目に加え、被差別部落の地名一覧も掲載されており、一覧表の村名、字名は現在の地名と結びつくもので、身元調査に悪用されることが危惧されています。 2016年12月に部落差別の解消の推進に関する法律が施行されました。インターネット上での差別など新たな状況を踏まえて、国や自治体に差別解消のための責務があると明記し、国が自治体の協力を得て実態調査を行うことや、国や自治体に相談体制の充実、教育、啓発を行うことを求めていますが、インターネット上での人権侵害には歯止めがかかっていません。 そこで伺います。本来速やかに削除またはアカウント凍結などの措置が取られるべき悪質な事案がインターネット上に掲載され、削除されず、情報更新され続けている状況をどのように認識されているのか、知事の御所見をお伺いいたします。 部落差別解消推進法の施行に加え、高知県人権施策基本方針においても、インターネットによる人権侵害のおそれがある書き込みなどへの対応についての記述はありますが、人権侵害の解消に至っておらず、基本方針だけでは限界があると考えています。 令和2年2月議会でも質問させていただきましたが、大きな課題は解消法ではなく、罰則のない理念法であり、人権侵害の解消に至らないことが非常に大きな問題です。他県では、インターネット上の誹謗中傷や差別等の人権侵害を防止し、府民の誰もが加害者にも被害者にもならないようにすることを目指して制定された、大阪府インターネット上の誹謗中傷や差別等の人権侵害のない社会づくり条例を制定し、一歩進んだ取組を行っています。 そこで伺います。インターネットに関わる人権侵害の多さを鑑み、大阪府の条例のような先進的な条例を研究し、本県でも条例制定を実現する時期に来ていると思いますが、知事のお考えをお聞かせください。 次に、新型コロナウイルス対策について伺います。 7月以降、全国的にオミクロン株BA.5系統等による爆発的な感染拡大が生じ、第7波に突入しました。第7波はこれまでにない感染拡大となり、全国的に一般医療の逼迫が生じました。本県でも7月下旬より感染者数が増加し始め、8月2日には1日の感染者数が1,000人を超え、8月24日には2,000人を超えました。 それに伴い、救急患者の受入先が見つからない、救命救急の受入れ停止など、一番あってはならない一般医療の逼迫を招きました。発熱を理由に救急を利用する患者とその搬送件数が急増し、感染の疑いがある患者に対応できる処置室やコロナ病床の不足に加え、家庭内感染などでスタッフが足りず、県内では救急搬送を受け入れられなかったケースが7月は110件、8月はそれを上回る件数となった医療機関もありました。 これまでも医療体制の強化を行ってきたにもかかわらず、一般医療の逼迫が生じたことを受け、再発を防がなければなりません。第7波を経験し、いま一度これまでの医療体制整備で十分でなかったこと、課題を洗い出し、これからに備え医療体制の強化をお願いしたいと思います。 そこでお伺いします。知事として、第7波の一般医療の崩壊とも言える逼迫について、新型コロナウイルス感染症の拡大期からこれまでの医療体制の整備についての経緯をどのように受け止め、評価しているのか、知事にお伺いをいたします。 第7波では、人流制限など経済活動に制限をかけず、経済活動と感染抑止の両立を目指しました。私としては、経済活動はあくまでも感染した際に治療が受けられる、一般医療も受けられる、そのような安定した医療体制の前提に立っていると考えます。医療制度が盤石でない場合に、感染者が急増しても経済活動への制限がない場合、感染者が増加する、クラスターが多発する、結果として一般医療が逼迫し必要な治療が受けられないことは、県民の命を脅かすことであり、あってはなりません。医療体制とバランスを取りながら経済活動に制限をかけることも、場合によっては考慮する必要があるのではないでしょうか。 そこで伺います。第7波を振り返り、今後医療体制に限界が来たとき、経済活動とのバランスをどのように取っていくのか、知事の方針についてお伺いをいたします。 医療の逼迫は、高齢者や障害者など基礎疾患のある方にとって特に深刻な問題です。福祉施設に入所している方は、軽症の場合、施設内療養を行うことになっています。福祉施設でも、施設によって施設内療養の体制は異なります。医療機関と提携しており、看護師などの医療スタッフが常駐している施設、提携はしているが常駐はしていない施設、提携も常駐もしていない施設など様々です。施設内療養となった場合、医療機関や医療スタッフが常駐している施設とそうでない施設で、職員の負担や可能な対応が異なることが考えられます。 施設内療養中に重症化する兆候が見られた場合、提携医療機関がある場合はスムーズに施設内療養から医療機関につなぐことも可能となりますが、そうでない場合、特に医療が逼迫している場合は医療機関につなぐことが難しくなることも否めません。 施設内療養をお願いするに当たり、どのように福祉施設と医療をつなげる体制整備を行うのか、子ども・福祉政策部長に伺います。 新型コロナウイルス感染症が消失し、主な症状は回復したにもかかわらず、後遺症と呼ばれる症状に悩む患者がいることは徐々に認識をされています。後遺症による労災認定も増加をしています。厚生労働省は、後遺症の実態についての調査を始めており、新型コロナウイルス後遺症についての症状ごとの診療ポイントや、社会復帰に向けた医療的な支援などについてまとめた新しい診療の手引を公表しました。本県でも今後、後遺症患者が増えることも考え、支援体制の充実が急がれます。 令和3年9月議会において、本県における新型コロナウイルス後遺症への取組についてお伺いをいたしました。かかりつけ医の役割や、療養からその後のケアへの切れ目ない支援など、心強い御答弁をいただきました。そして、昨年10月には高知大学医学部附属病院に専門外来が開設をされたところであります。 そこで伺います。昨年9月以降、オミクロン株流行期以降の後遺症を訴えた人の属性、症状の特性についてお伺いをします。また、もし分かるようであれば、変異株による後遺症の症状などの違いは見られるのか、健康政策部長にお聞きをいたします。 今後、後遺症患者が増えることも予想され、新型コロナウイルス後遺症で悩む人が、社会生活を継続するための支援を行っていく必要があります。後遺症に悩む人の中には、症状が重く休職せざるを得ない、復職しても体調が完全には回復せず、職場の理解を得られず、所属部署の変更を求められる、退職せざるを得なくなる事例なども報じられています。 東京都世田谷区など相談窓口等を設置し、社会保険労務士やハローワークと連携し、後遺症に悩む人の復職や再就職への支援を行う自治体もあります。まずは、企業のコロナ後遺症についての理解が重要となることを踏まえ、お伺いします。 後遺症について、企業の理解を深めるためにどのように周知し、支援につなげていくのか、商工労働部長にお伺いをします。 後遺症の症状、医療機関や受診案内などの情報発信は自治体が積極的に行う必要があります。情報がないあまり、後遺症が疑われる症状に悩んでいるが、どうしたらいいか分からないという方もいるのではないかと思います。 7月8日にNHKが報じたところによると、コロナ後遺症対応の医療機関を周知する都道府県が22%にとどまっています。高知大学の横山教授は、不確実な治療法など、いいかげんな情報に振り回されている患者もいるので、正しい情報を国や自治体がしっかり発信する必要がある、かかりつけ医にも後遺症は症状が極めて多様だと理解してもらい、患者に寄り添うよう啓発をしていくことが必要だと指摘をしております。 県民や医療機関への後遺症の周知に関して、県としてどのように総力を挙げて努めていくのか、健康政策部長に具体的にお伺いをいたします。 次に、新たな地域交通モデルについてお伺いをいたします。 私たちの生活にとって不可欠なインフラである地域公共交通は、厳しい現状に直面をしています。コロナ禍以前からの課題に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大がさらに地域公共交通機関に追い打ちをかけています。感染拡大防止のための外出抑制、国際的往来制限等が実施され、人流の減少やインバウンドの消失など経営環境の変化が生じており、地域公共交通は利用者がさらに減少し、極めて深刻な状況に陥っています。 国土交通白書2021によると、全国のバス事業者のうち約7割が赤字であり、特に地方圏のバス事業者は約9割が赤字であるとされています。地方公共交通機関の維持は地方自治体の喫緊の課題であると言えます。 そこで伺いますが、本県において新型コロナウイルス感染症の拡大によって、どのように公共交通の維持に影響が出ているのか、具体的なデータも含め、県の分析について中山間振興・交通部長にお伺いをいたします。 本県の公共交通は、新型コロナウイルス感染症の影響は否めませんが、それ以前より課題があったということも否定できません。そのため、公共交通の課題について、全てコロナ禍を要因として結論づけるのではなく、コロナ禍以前の要因と分けて分析をし、適切な支援策につなげる必要があると考えます。コロナ禍の影響、そしてコロナ禍以前からの課題を踏まえ、お伺いします。 ウイズ・ポストコロナ時代において、どのように公共交通の維持に向けての支援を行うのか、具体的に中山間振興・交通部長にお伺いをいたします。 地域公共交通機関に対し、これまで資金的な支援を行ってきましたが、根本的な問題は解決に至っていません。そのため、抜本的な解決に向け地域公共交通自体の在り方について、分析及び議論の上、持続可能な新たな地域公共交通モデルについても検討をしていく必要があります。 解決策としての新たな地域公共交通のモデルとしてMaaS--モビリティー・アズ・ア・サービスの普及が期待されます。MaaSとは、地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位の移動ニーズに対応し、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索、予約、決済等を一括で行うサービスを指します。観光や医療等の目的地における交通以外のサービス等との連携により、移動の利便性向上や地域の課題解決にも資する重要な手段と期待されます。 2021年、国土交通省は、「MaaS 関連データの連携に関するガイドラインVer.2.0」を公開し、また2022年度の骨太の方針でも言及、そしてデジタル田園都市国家構想にも含まれており、取組の加速化を図っています。 MaaSは、都市の規模や目的によって異なった形があります。地方型または日常版MaaSは地方の交通手段が乏しい地域のMaaSであり、ICTを活用した新しい移動サービスの活用や、相乗りタクシーや自家用有償旅客運送など地方部向けの制度を利用した移動サービスの実施、交通と生活サービスとの連携が特徴です。基幹となる鉄道やバス路線を軸に、デマンドバスやタクシーなどを効率的かつ利用しやすい形で提供することで、新たな需要を喚起し、顧客減に歯止めをかけながらコスト削減に努めることで、事業の継続性を確保していくことを目指します。一方、観光を目的としたものは、観光客向けのサービスを主眼とした観光型MaaSとなります。観光周遊を促進する交通手段の提供、観光スポット情報の配信、観光施設との連携などが挙げられます。 国土交通省は、MaaSの全国への早急な普及に取り組んでおり、令和元年度には19のモデル事業、令和2年度には地域特性に応じたMaaSの実証実験を行う36事業、令和3年度にはMaaSの社会実装に向けた12事業の選定、支援をしています。 本県でも、2020年には県がMaaSとAIオンデマンド交通の地域セミナーを主催し、2021年には高知県自然・体験型観光キャンペーン実行委員会が、鉄道、バス、路面電車など県内全12社の交通事業者と連携をし、県内全域をカバーした3日間乗り降り放題の交通パス、高知プレミアム交通Passを発売しました。2022年5月より、とさでん交通株式会社が販売する電車市内一日乗車券、電車全線一日乗車券の2券種をモバイルチケット化し、同時に提供を開始するなど、持続可能な地域公共交通を目指し、観光型及び地方型・日常版MaaSの普及に向け、積極的に取り組んでいます。 そこで、まず観光型MaaSについて伺います。本県において、観光型MaaSの普及のメリットをどのように考えているのか、現在までの取組及び展望も含め、中山間振興・交通部長に御所見をお伺いいたします。 観光型MaaSと地方型・日常版MaaSは異なる目的があるため、異なる取組も必要であると考えます。そこでお伺いをいたします。本県においてどのような日常版・地方型MaaSの普及を促進することで、公共交通にまつわる諸課題の解決を目指していくのか、現在までの取組及び展望も含め、中山間振興・交通部長にお伺いをいたします。 次に、関西戦略及び観光・外商戦略についてお伺いいたします。本県の外商・観光戦略において、本年は非常に重要な年です。関西戦略は、大阪・関西万博や大阪IRをにらみ、アンテナショップの設置など関西圏での外商拠点を設け、プロモーションや外商の抜本的強化を図ります。また、来春のNHK連続テレビ小説らんまんの放送により、本県への注目が高まることが予想されます。この機を捉え、積極的に観光や外商の促進に取り組み、県勢浮揚を目指さなければなりません。 連続テレビ小説らんまんに合わせ、本県の魅力を発信できる効果的な施策が必要となります。らんまんで取り上げられる牧野富太郎博士と関わりのある地方自治体は高知以外にも存在しており、牧野博士が高知県出身であることを認識しているとは限りません。例えば、牧野博士の住まいは東京都練馬区にあり、跡地には記念庭園、記念館が設けられています。また、牧野博士は兵庫県神戸市とも関わりが深いとされています。 まずは、牧野博士と本県の関わりを有効的にプロモーションしなければならないと考えます。そのため、牧野博士と関連のある地方自治体と連携し、らんまんを盛り上げることが必要です。濱田知事は、本年8月に高知市長と共に練馬区長に面会、そして神戸市を訪問し意見交換をされたとお伺いをしています。 練馬区や神戸市など、牧野博士と関連する地方自治体とどのように連携し、らんまんを契機とした本県のプロモーションや観光促進を行っていくのか、知事にお伺いをいたします。 また、県内の各市町村との連携も必要となります。らんまんの放送を契機に本県への観光者が増加することが見込まれるため、様々な体制整備を県と各市町村が連携で行わなければなりません。例えば、牧野博士の行動記録に残された足跡をパンフレットとして作成するなど、高知県内の市町村を訪れてもらえるようなプロモーション活動の体制を整える必要があります。また、駐車場やお手洗いなどのインフラなどのハード面、国内そして海外からの観光客にも対応できる観光ガイドなどのソフト面の整備を進め、各市町村における観光客の受入れ体制を準備しなければなりません。 そこでお伺いをいたします。県内市町村と連携し、どのようにプロモーション及び受入れ体制の整備を行っていくのか、観光振興部長にお伺いをいたします。 関西戦略や観光、外商の促進に当たっては、アンテナショップの設置などのハード面に加え、プロモーションや外商活動などのソフト面が重要になります。ソフト面においては、インターネットやデジタル技術を活用することで新たな取組が可能となり、これまで以上の効果も見込めます。 新たなデジタル技術で観光、移住促進といった地方創生で注目されるのがメタバースです。メタバースは仮想空間を指します。インターネット上に構成される3次元の世界で、アバターと呼ばれる自分の分身を介し世界に入ります。メタバースは、地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮めていくことで世界とつながり、デジタル実装を通じた地方活性化を推進するデジタル田園都市国家構想とも関連するものです。 メタバースを用いた地方創生については政府も注目をしており、本年8月内閣府は、地方創生SDGs官民連携プラットフォームにメタバース分科会を新しく設置しました。メタバース分科会では、メタバースを活用した地方創生、SDGs課題解決のベストプラクティス創出を行うとともに、地方創生、SDGs課題解決に向けた先端分野の人材交流を行います。また、今月23日には東京大学がメタバース工学部を設立し、多様なDX人材の育成を行うとしました。 メタバースの利点は、現実世界に限りなく近い状態で活動できることです。コロナ前から既にゲームなどを中心に活用されてきましたが、コロナ禍で会議や商談といったビジネスの場におけるニーズも顕在化し、より多様な使い方が模索をされています。現在のようにコロナ禍で国境を越えた移動、国内での移動が難しい場合、メタバースで本県の魅力を体験してもらうことで本県のPRにつながり、外商や観光や移住促進にもつながると考えています。 既にメタバースを活用している自治体があります。「デジタル田園都市国家構想「三重広域連携モデル」」では観光メタバースに取り組むとしています。また、京都府や沖縄ではメタバース上で名所を再現することで、これまでにはない新たな方法で観光を盛り上げようとしています。 大阪市、大阪府が2025年大阪・関西万博に先駆け、大阪の魅力ある都市を国内外に発信する都市連動型メタバース・バーチャル大阪内に新規エリアとして、道頓堀など大阪市内をモチーフとした新市街エリアを本年2月に本格オープンしました。 本県においても、メタバースの活用は既に議論をされています。本年7月に開催された第3回関西圏外商強化対策協議会において報告されました、外商拠点以外に関する県の評価についての中で、将来的にはメタバースを活用した仮想店舗の展開につなげることも可能と掲げており、全国に先駆けた取組が期待されています。 そこでお伺いします。関西戦略における外商や観光の取組において、メタバースなどのデジタル技術を今後どのように活用していくのか、産業振興推進部長にお伺いをいたします。 次に、ヤングケアラーについて伺います。 本年6月に発表された経済財政運営と改革の基本方針2022において、昨年に引き続きヤングケアラーへの支援が明記されました。子供の成長環境に関わらず、誰一人取り残すことなく、健やかな成長を保障することが重要であるとし、子供の視点に立って必要な政策を体系的に取りまとめた上で、その充実を図り進めていくとしています。 昨年2月議会、9月議会、本年2月議会において、私自身ヤングケアラーについて質問をさせていただき、本県も積極的に取組を進めていることと認識をしております。昨年9月議会において濱田知事は、本年度ヤングケアラーの実態調査を行うと表明されました。そして、今年2月議会で、本年6月から7月にかけて県内全ての中高生約3万5,000人を対象にインターネットによる調査を行い、その後庁内の検討チームで分析を行い、早期発見の仕組みづくりや、教育と福祉部門との連携強化などの施策につなげていくとの答弁をいただきました。 そこでお伺いをいたします。本県の実態調査の結果を踏まえ、どのように施策に生かしていくのか、子ども・福祉政策部長に具体的にお伺いをいたします。 今回、本県で行われた実態調査は中高生を対象にしたものとなります。国では既に調査対象を小・大学生に広げ調査を行っており、小学6年生と大学3年生のそれぞれ6%超がヤングケアラーに該当すると本年4月に発表しました。国の調査結果を見ると、ヤングケアラーの年齢で、その悩みや抱える課題が異なることが分かります。 小学生については、家族の世話をしていると回答した小学生は6.5%であり、世話を必要としている家族はきょうだいが最も多く、71%となっています。また、健康状態がよくない・あまりよくない、学校生活では授業中に寝てしまうことが多い、宿題ができていないことが多い、遅刻や早退をたまにする・よくするなどと回答する割合が、世話をしている家族がいない人よりも2倍前後高くなっており、健康状態や学校生活にも影響を与えていることが挙げられます。 世話を必要としている人が父母と回答した人のうち、父母の状態像については分からないとの回答が33.3%と最も高く、父母が病気や障害を抱えていても、そうした状態について子供自身は状況がよく分からないまま、家族の世話を行っている可能性があることが分かります。子供自身が置かれている状況を十分に認識できていない状況が存在しており、そのような状態で自らがヤングケアラーであるということに気づくのは非常に難しい可能性が高いです。 また、相談状況としては、世話による制約が多い、あるいは世話にきつさを感じている人ほど相談経験が増える傾向にある一方で、子供の相談相手については家族が78.9%と最も多く、家族以外の大人については、学校の先生が13.8%、保健室の先生が5.5%と、その割合が大きく下がります。また、学校や大人にしてもらいたいこととして、自由に使える時間が欲しいが15.2%、勉強を教えてほしいが13.3%との回答が目立っています。 これら調査結果が示しているのは、小学生という年齢を考えたとき、中学生や高校生と同じアプローチの仕方では支援が十分にできないのではないかということです。相談相手が家族であることからも分かるように、問題が家族外に顕在化するということが難しい現状にあります。小学生の段階でしっかりとヤングケアラーの児童を支援につなげなければ、中学、高校、大学と大人が担うはずの家族の世話をし続ける、これまでヤングケアラーの問題が顕在してこなかった状況を生んでしまいます。まずは小学生のヤングケアラーの存在をしっかりと把握すること、そして気づきにつなげるように教育や周知を行うことが重要です。 そこでお伺いをいたします。小学生を対象とし、どのようにヤングケアラーについての教育や周知を行っていくのか、教育長にお伺いいたします。 大学生のヤングケアラーについては、小・中・高校生と異なった支援が必要となります。大学生のヤングケアラーのうち約50%が就職に関し何かしらの不安があると回答しています。求める支援は、進路や就職など将来の相談に乗ってほしい、学費への支援・奨学金など、自由に使える時間が欲しいの順に高くなっています。 また、世話をしている家族は、中高生調査できょうだいの割合が最も高かったのに対し、大学生は、母親、祖母の割合が高くなっており、独り親家庭で自分のみで世話をしている割合が高く、世話の頻度も高く、世話に要する時間も長い傾向にあります。大学生については、その時間が長い中で、就職活動、学費といった生活や進路の問題が大きくのしかかっています。 そこで伺いますが、どのように大学生のヤングケアラーを見つけ、支援をしていくのか、その取組について文化生活スポーツ部長にお伺いをいたします。 最後に、カスタマーハラスメントについてお伺いをさせていただきます。 令和元年に労働施策総合推進法等が改正をされました。職場におけるパワーハラスメント防止のため、雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務とされ、本年4月からは大企業のみでなく、中小企業もパワーハラスメント防止の措置を講ずる義務が生じました。 ハラスメントの種類は多岐にわたり、厚生労働省の令和2年の調査によると、パワハラ、セクハラに次いで顧客からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為を指すカスタマーハラスメントの相談があったと回答している企業が多く、19.5%となっています。また、3.8%の企業が、3年間の相談の推移でカスタマーハラスメントは増加していると回答しており、対策の必要性が明らかになりました。 これを踏まえ、令和2年、事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)が策定をされ、カスタマーハラスメントに関して、事業主は相談に応じ、適切に対応するための整備、被害者への配慮のための取組が望ましい旨が明確になりました。また、本年2月厚生労働省がカスタマーハラスメント対策企業マニュアルを策定し、社会的課題としての認識も向上しています。 このようなことから、地方自治体においてもしっかりと取組を進めなければなりません。カスタマーハラスメント防止対策としては、各社でカスタマーハラスメントの基準を明確にし、企業内での考え方の統一、そして発生時にどのような対応を取るかを共有する、カスタマーハラスメントのパターン別に発生時の対応を考えておくことが必要です。しかし、企業がカスタマーハラスメントという概念を十分に認識していない、またどのように基準を定めたらいいのか分からないというのが課題です。 このように企業の概念の周知や体制整備は重要となりますが、それに加え、社会全体としてもハラスメントに対する意識の醸成を図っていくことも大切になります。 そこでお伺いをいたします。一般の人に向けての周知については、事業者が独自に行うことには限界があるため、行政が主導して啓発が必要だと考えるが、消費者から事業者に対するカスタマーハラスメントを防止するための周知の取組に、県としてどのように努めているのか、文化生活スポーツ部長にお伺いをいたします。 カスタマーハラスメントに限らず、ハラスメント全般においては、事案が発生した際の相談窓口や対応窓口を企業が社内に設置し、相談から相談者のプライバシー保護、そして解決まで、本来であれば企業が行えるというのが理想的な形である一方で、特に中小企業では、企業の中でこのような体制を整えることが難しいケースもあります。そのため、行政が一定の支援を行うことが必要なのではないかと考えます。 そこでお伺いをいたします。県内企業が抱えるカスタマーハラスメントの対策の課題を踏まえ、中小企業がカスタマーハラスメント対策へ向けた整備を行うに当たって、行政としてどのような支援を行っていくのか、これからの展開も含め、商工労働部長に具体的にお伺いをし、私からの第1問といたします。   (知事濱田省司君登壇) ◎知事(濱田省司君) 田所議員の御質問にお答えいたします。 まず、これからの宗教と政治の関係の在り方についてお尋ねがございました。 御指摘ありました憲法第20条は信教の自由を保障しておりまして、国家の宗教的中立性を明示した規定であります。政教分離の原則の考え方に基づいたものというふうに考えております。これは、明治憲法下におきまして、国家神道に国教としての特権的地位を与え、他の宗教が冷遇ないし迫害をされたということへの反省から、国家と宗教との分離を明確化していると、そういった趣旨だというふうに理解をいたしております。 そして、最高裁の判例で示されました政教分離の考え方によりますと、国家と宗教との間には一定の関わり合いがあるということを前提といたしまして、その関わり合いが我が国の社会的・文化的諸条件に照らして相当とされる限度を超えた場合に、憲法上許されない事態に陥るというふうな位置づけとされております。 我々が社会生活を営みます上で、宗教とは、教育、福祉、文化など、広範な場面で交わり合いが生じてまいります。したがいまして、一つの宗教を信じる方々の集団は社会的な存在であるというふうにも言えますし、一定の政治的な主張をすることは何ら否定されるものではないというふうに考えます。 重ねて申し上げますが、憲法上信教の自由が保障されておりまして、一方で国家と宗教との間で政教分離が求められているということでありますので、宗教と政治の関わり合いが少なくとも一切許されないということにはならないと考えます。むしろある意味で人を動かすという意味では、宗教と政治というのは密接な関連があるとも言えなくはないということではないかと思います。 こうしたことから、私なりに考え方を申し上げますと、宗教と政治の在り方というのは、言わば一種の不即不離の関係といいますか、お互いに節度を持った距離感を保ちながら、いい関係をつくっていくということが望ましいのではないかというふうに考えております。 次に、反社会的とされる宗教団体を規制する法律の制定について考えてはどうかというお尋ねがございました。 信教の自由は憲法上の保障がされておりまして、最大限尊重されるべきであるということでございますので、宗教団体の活動に関する国からの関与については、慎重に検討すべき問題だというふうに考えております。 さらに、具体的に個別の宗教団体が反社会的であるか否かにつきましては、形態も多様で、また時々の社会情勢に応じて判断も変化し得るというものであると思いますから、お尋ねのような法規制を限定的かつ統一的に行うことは、法律上もなかなか困難ではないかというふうに考えております。 さらに申しますと、我が国においても1990年代に、いわゆるオウム真理教によります一連の事件があった中で、法制上どう対応するかという議論はくぐってきてまいっているわけでありますし、宗教法人法も一種の伝家の宝刀的な制度として、解散命令といった制度を持っておられるわけでありますので、こういったこととの関係をどう考えるかといった論点もあるのではないかというふうに考えます。 一方で、昨今社会的に問題が指摘をされております宗教団体の活動によって被害を受けている方が出ているということにつきましては、非常に残念な状況だというふうに考えております。そのため、こうした法制度の必要性については、国レベルで判断がされるべき問題だと思いますが、ある意味では必ずしも宗教団体ということに限らずに、被害者の救済という観点などから国会で検討し、また議論をしていくということは意義があることになるのではないかというふうに考えております。 次に、いわゆる国葬儀の実施に当たっての諸手続に関する評価がどうかというお尋ねがございました。 政府におきましては、今回の国葬儀につきまして、内閣府設置法及び閣議決定を根拠として行うというふうに明らかにされております。また、決定に当たりましては、内閣法制局とも協議が行われ、法的な整理をし、進められたというふうに承知をしているところであります。また、経費につきましても、政府が使途を決定できる予備費を活用するということで、閣議決定がなされております。このように、今般の国葬儀は、そもそも行政権の範疇に含まれる儀式という位置づけがされておりますし、その手続は一定の手順を踏まえたものであるというふうに考えます。 そうした意味で、今回の国葬儀につきましては、行政面でのプロセスに特段の瑕疵はないということだと思いますが、先ほど来御議論になっておりますように、国葬儀の実施自身について、残念ながら国民世論が大きく割れているという状況があるのは事実だと思います。この点を考えてみますと、行政面といいますよりは、むしろ政治面でのプロセスにおいて、もう少し早い段階で与野党間の実質的な協議、話合いが行われていれば、かくも国民世論が割れるというような状況には至らなかったのではないかというような思いも私自身持っておりまして、そういった点は、今回一つの今後の検証ポイントになるのではないかというふうに考えておるところであります。 次に、国葬儀の法制化の必要性についてお尋ねがございました。 先ほど来申しておりますように、国葬儀につきましては、この実施によりまして国民の権利を制限したり、あるいは義務を課すると、そういった性格のものではございません。したがいまして、いわゆる侵害留保の原則という行政法の原理からいいましても、必ずしも法律による根拠が必要なものではないというふうに位置づけるべきものだと考えております。 ただ一方で、今回の国葬儀実施までの経過を踏まえますと、国民の皆さんの理解と納得が得られるように、一定のルール、手続などをあらかじめ定めておくというのは一つの選択肢である、これは確かにそうだというふうに私も考えます。ただ、この場合よく考えてみますと、国葬儀に法律上の根拠が与えられるということになりますと、ある意味で国民に対して弔意の表明を要求する方向に作用する可能性がある、このことは例えば国旗・国歌法の制定の効果というようなことを考えてみたときにも、そういった可能性はあると考えるべきだと思いますので、そういった点も考察に当たっては留意が必要なのではないかというふうに考えております。 岸田総理は、さきの国会の議院運営委員会におきます質疑におきまして、今回の国葬儀に当たって様々な意見や批判、議論があることは承知をしており、今後につなげるためにも事後の検証を行うというふうに述べられておると承知しております。今後の国葬儀に関する法制化の是非の問題につきましても、国におきますこうした検証の中で検討の対象とされるべきものと考えております。 次に、参議院を地方の府とすることについての所見についてお尋ねがございました。 参議院を地方の府とするという考え方は、全国知事会が平成28年に公表いたしました憲法と地方自治研究会報告書においても、合区問題の解決を念頭に置いて提唱されているところであります。 現行憲法におきましては、地方自治の規定が少ない、薄いということがございます。これに起因いたしまして、地方の声の重要性というよりも、むしろ1票の価値の平等性、これが圧倒的に解釈上重視をされてきたという経緯がこの背景としてあると考えます。それゆえに、最高裁が違憲判断を出すというようなことになってまいりまして、合区制度の創設ということにつながってきたというような経緯をたどっていると考えます。 言うまでもなく、1票の価値の平等は尊重すべきでありますが、一方で合区は現在対象となっております4県にとどまる問題ではないということが大事ではないかと考えます。今後、人口減少により合区対象が拡大するということが想定をされるわけでありまして、そうなりますと、様々な問題に直面している地方の声が、より一層届きにくくなるということにつながりますので、決してこの合区を固定化させてはならないというふうに考えます。 こうしたことを背景といたしまして、我が国は二院制を採用しているということでありますから、参議院は地域の代表として、各地方単位での多様な意見を反映する、そうした地方の府として位置づけるべきではないかというふうに考えます。一方、第一院であります衆議院は人口比例原則により、全国民の多数の民意を反映させるというふうに位置づけることによりまして、二院制を取っている意義を踏まえた、よりバランスの取れた制度、組織体系になるというふうに私自身は考えているところであります。 次に、インターネット上での人権侵害についてどのように認識をしているのか、お尋ねがございました。 議員のお話にありました被差別部落に関する資料につきましては、出所や真贋性は不明でありますけれども、差別に当たる情報が削除されずに、更新され続けている状況となっております。このような基本的人権の尊重を無視した行為は、人権擁護の観点から、断じて許されないものであるというふうに考えます。 県といたしましては、部落差別の解消の推進に関する法律に基づきまして、市町村などと情報を共有しながら、こうした情報の削除の要請あるいは法務局への通報など、必要な対応を行っているところであります。 次に、こうしたインターネットによる人権侵害に係ります条例の制定についてのお尋ねがございました。 本県におきましては、人権尊重の社会づくり条例に基づきまして、人権施策基本方針を策定し、あらゆる人権に関する問題の解決に向けまして総合的に施策を推進いたしております。この基本方針におきましては、インターネットによる人権侵害を施策の一つとして掲げまして、ネット上におきます同和問題のモニタリングあるいは予防のための教育、啓発などに取り組んでおります。 こうした中、ネット上の誹謗中傷を被害者から迅速に救済するために、プロバイダ責任制限法という法律が10月から改正施行されます。今回のこの法改正によりましては、発信者の特定情報に係ります開示範囲の拡大や、裁判手続の簡略化がなされることになりまして、救済の面ではこの手法が広がっていくという方向となっております。これに連動をして、国では、情報モラルの向上に向けました啓発、あるいはネット上の書き込みに関する相談体制などを強化するということとされております。 県といたしましてもこうした国の動きに対応して、先進自治体の事例や施策も参考にしながら、ネット上の誹謗中傷、差別を防止するための具体的な施策について検討をしてまいる考えであります。その上で、まずは来年度に改定予定の基本方針に適切に反映をいたしまして、実効性のある取組を強化してまいりたいと考えております。 次に、新型コロナウイルス関連で、第7波におきます医療体制の整備についての受け止めと評価についてお尋ねがございました。 本年に入ってからの第6波での感染の急拡大を受けまして、本県では国の対処方針なども踏まえて、医師会などの協力も得まして確保病床の増床、上積みなどに全力を挙げて取り組んでまいりました。 しかしながら、7月以降は1つには、感染が医療従事者の周辺にも広がりまして、医療従事者が感染者ないし濃厚接触者となり、出勤困難者が増えて、県内の医療提供機能が低下をするというような事情が見られました。 また、2つには、感染者の急増によりまして発熱外来での対応が困難となり、患者に対する薬物治療が遅れたということを受けまして、症状の悪化、そして結果として救急医療に負荷がかかるといったような状況が生じてまいりました。 第3に、主要なコロナ入院協力医療機関におきましてクラスターが続発をし、一定期間こうした医療機関でのコロナの対応能力が低下をしたというような事態が生じております。 こうした経過などによりまして、第7波におきましてはコロナ医療や救急医療は一層厳しい状況になったというふうに認識しております。こうした状況に対応するために、第7波に入りましてから、1つにはオンライン診療を強化するといった対応を取りますとともに、コロナ入院病床の確保数を125床上積みをするというような対応を取ってまいりました。 今回の経験を踏まえまして、医療機関の逼迫を回避するためには、感染拡大の防止ということはもとよりでありますが、重症化して入院対応が必要となります患者を減少させるということが何よりも重要であるというふうに考えます。 このため、かかりつけ医や検査協力医療機関など確定診断を行いました医療機関におきまして、重症化リスクのある患者に速やかに初期治療が行える、こうした体制を整備し、重症化予防を徹底してまいる考えであります。また、初期治療時の入院協力医療機関の病床を確保するために、専ら入院治療後の患者を受け入れます、いわゆる後方支援を行う病院をさらに確保すると、回転をさせていくということによりまして、入院機能の分化を図ってまいりたいと考えております。 以上のような対応につきまして、医師会など関係者の皆さんと共に着実に取り組みながら、第7波以上の感染拡大を想定した医療体制を構築してまいる考えであります。 次に、この第7波を振り返りまして、医療体制と経済活動のバランスをどう取っていくのかというお尋ねがございました。 第7波のオミクロン株は感染力は強いわけでありますが、若い世代の重症化のリスクは低いということ、そして多くは軽症で済むという状況である一方で、高齢者などへのリスクは引き続き高いという特性があります。また、感染が拡大をする場面も変化してきておりまして、かつての飲食店の時短営業あるいは不要不急の外出自粛といった社会経済活動への制限によります感染拡大の防止効果は限定的になってきているというふうに考えております。 このため、第7波におきましては、本格的な行動制限を行わずに、医療機関の直接の負担軽減に役立つ措置、そして重症化リスクのある高齢者等を守ると、こういった点に重点を置いた対策を講じてまいったところでございます。 しかしながら、8月以降は病床占有率の数字以上に入院調整が難しくなりまして、発熱外来あるいは救急医療も大変逼迫をする状況になりました。県といたしましては、さらに感染が拡大をいたしますと、医療機能が十分に果たせない状況になるということを懸念いたしまして、BA.5対策強化宣言を出し対策を強化してまいったわけであります。具体的には、入院協力医療機関を拡充する、オンライン診断を実施していくということによりまして、医療機関の負担軽減に直接的に効果がある対策を講じてまいったわけであります。 9月に入りまして、新規感染者数は減少傾向にございますけれども、この間医療従事者の方々には大変な御苦労をおかけいたしまして、県民の皆さんには不安を持たれた方も少なからずおいでたというふうに受け止めているところでございます。 今後は、第7波を上回る感染拡大が生じましても、早い段階で高齢者などに医療資源を重点化していくということなどによりまして、保健医療システムをしっかりと機能させるということ、そしてできる限り社会経済活動を維持していくということを念頭に取り組んでまいりたいと考えております。 最後に、来春からの連続テレビ小説らんまんの放映に関連いたしまして、牧野博士に関連をする県外の自治体と連携したプロモーションについてお尋ねがございました。 連続テレビ小説らんまんを生かしまして、本県のPRや全国的な盛り上げにつなげていきますためには、牧野博士に御縁がある県外の自治体との連携が大変重要である、この点は議員の御指摘のとおりだというふうに考えております。 お話のありました練馬区や神戸市につきましては、ドラマの放送が決定をいたしました今年の春から連携した取組を進めようということで、相互に情報交換を重ねてまいったところでございます。それをベースにいたしまして、8月には私自身が神戸市長や練馬区長を訪問して、相互の観光のPRをしていくということ、あるいは双方を含むような旅行商品を造成していくということなど、今後の連携について申合せをさせていただいたところでございます。 神戸市長からは、神戸市の主要施設での高知県のPRを、そして練馬区長からは、それぞれのイベントへの相互出展などといった形で前向きな御提案もいただきまして、今後の連携には大きな手応えを感じているところであります。 今後、博覧会の開幕に向けまして、県外にあります牧野博士ゆかりの施設との相互PRということはもとよりでありますが、首都圏など集客力の高いイベントでのPR、そして県産品の販売なども検討をしてまいります。 また、今回練馬区から御提案をいただきました、区内の観光案内所での本県の観光パンフレットの設置などといった、連携を生かした情報発信にも取り組んでまいりたいと考えています。加えまして、ゆかりの地それぞれの魅力を生かし、相互に送客できるような旅行商品の造成につきましても、実現に向けて旅行会社へのセールスを進めたいと考えております。 こうした連携をさらに深めていきますことで、牧野博士のふるさとである本県に全国から多くの皆様にお越しいただけるように、しっかりと取り組んでまいる考えであります。 私からは以上であります。   (子ども・福祉政策部長山地和君登壇) ◎子ども・福祉政策部長(山地和君) まず、施設内療養を行う際の福祉施設と医療との連携体制についてお尋ねがございました。 福祉施設において、新型コロナウイルス感染者の施設内での療養を行うためには、医療機関との連携強化や感染症に対する対応力の向上、感染管理体制の強化に取り組むことが必要となってまいります。 施設に感染者が発生した場合の初期の対応として、施設内で医療が受けられる体制整備が重要であり、医師や看護師の支援や往診を要請できる医療機関を事前に確保することが必要となってまいります。そのため、事前に医療機関を確保できていない福祉施設に対しましては、医師会や福祉保健所の協力によるマッチングを進め、福祉施設と医療機関の連携体制を強化してまいります。 次に、福祉施設の感染症に対する対応力の向上では、各施設において入所者の服薬等の情報整理や患者発生時の人員体制など、事前準備の再点検を行うこととしております。また、施設管理者等を対象に、感染時のマネジメント研修を施設団体と連携して実施するなど、患者発生時に備えた事前準備を徹底してまいります。 感染管理体制の強化につきましては、これまでに全施設を対象に感染管理の基礎的な研修を行ってきたところです。今後は、感染管理認定看護師等の御協力をいただき、福祉施設の看護職員等を対象に、消毒の徹底やゾーニングなど実践的な研修を行い、感染管理のスキルアップを図ってまいります。 こうした取組を施設団体と連携しながら進めることで、福祉施設における施設内療養の体制整備を支援してまいります。 次に、ヤングケアラーの実態調査と今後の施策についてお尋ねがございました。 ヤングケアラーは、家事や家族の世話などを日常的に担うことで、やりたいことができないなど、子供自身の権利が守られていないと思われる子供とされております。 本県のヤングケアラー実態調査につきましては、本年6月から7月に県内の中高校生約3万4,000人を対象に、インターネットによる調査を行い、約1割の3,218人から回答を得ました。現在、調査結果を取りまとめており、速報値ではありますが、世話をしている家族がいると回答した方は15%の492人となっております。また、やりたいことができないことがあると回答したヤングケアラーと思われる方は1.7%の55人、その方が世話をしている家族は父母やきょうだいが多く、世話をしている頻度は、ほぼ毎日が44%となっています。また、欠席や遅刻、宿題を忘れる頻度が多い傾向があるといった課題も明らかになりました。 ヤングケアラーへの対応は、教育や福祉・医療など様々な分野が一体となって支援することが重要となってまいります。今後、庁内の検討チームで分析を行い、早期発見、相談機関へのつなぎ、多職種連携による支援の各段階での施策の強化につなげてまいります。 今回の調査で、ヤングケアラーと思われる方の約7割は誰にも相談した経験がなく、相談を諦めたり家族のことを話しにくいとの声が多くありました。特に、小学生など学齢の低い子供は、置かれている状況を十分に理解できていない可能性もあり、ヤングケアラーは必要な支援につながりにくい問題となっております。 早期発見や相談機関へのつなぎでは、学校や福祉専門職、地域の様々な支援者など、周りの大人がヤングケアラーに関する意識を高め、課題を抱えた方々を見逃さない体制づくりを進めてまいります。また、多職種連携による支援につきましては、今回の調査結果を市町村とも共有し、多職種が連携した支援チームの市町村への設置を進めるとともに、今年度から配置したコーディネーターを通じて個別の事例を収集し、ヤングケアラーへの効果的な支援体制の構築につなげてまいります。   (健康政策部長家保英隆君登壇) ◎健康政策部長(家保英隆君) まず、オミクロン株流行以降の後遺症状の状況と、株の違いによる後遺症の症状についてお尋ねがありました。 国が作成しました新型コロナウイルス感染症診療の手引きの最新版、第8版になりまして、今年7月22日に公表されております。それでは、代表的な後遺症状として倦怠感、関節痛などの全身症状、せき、息切れなどの呼吸器症状、精神・神経症状、嗅覚・味覚障害などの症状が明示されておりますが、オミクロン株への変異に関連するような言及はありませんでした。 県内の高知大学医学部附属病院に設置しました遷延性コロナケア外来、いわゆる後遺症専門外来を2021年の11月から今年の9月の間に受診しました患者さん33人では、身体症状として倦怠感、せき、息切れ、胸部痛、嗅覚・味覚障害、抑鬱などおおむね国と同様のデータとなっております。ただ、オミクロン株が流行し、置き換わった今年2月以降の症例数が16例と少ないこともあり、罹患後症状の変異株による明らかな違いは認められていないということでございます。 続きまして、後遺症について、県民、また医療機関への周知についてのお尋ねがありました。 県としましては、県のホームページに新型コロナウイルス感染症罹患後の遷延症状に係る専門外来についてのお知らせを掲載し、広く一般的な周知を行っております。また、別途保健所や新型コロナウイルス健康相談センターに相談のあった方については、個別に確定診断を行った医療機関や、かかりつけ医にフォローしていただいております。 ただ、議員御指摘のように、県民の方々に罹患後症状についての理解が十分浸透していないとも認識しておりまして、罹患後症状についての解説など、ウェブサイトへの掲載内容を拡充してまいりたいと考えております。あわせまして、医師会や大学などとも連携して、県民の皆様の理解が進むように、広報の強化に努めてまいりたいと考えております。   (商工労働部長松岡孝和君登壇) ◎商工労働部長(松岡孝和君) まず、新型コロナウイルス感染症の後遺症について企業へどのように周知し、支援につなげていくのか、お尋ねがございました。 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状、いわゆる後遺症に限らず、がん治療など治療と仕事の両立に対して、会社や周囲の理解が得られないために離職を余儀なくされるということは、あってはならないことと考えます。 国においては、平成28年2月に、事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドラインを策定、公表しております。このガイドラインは新型コロナウイルス感染症の後遺症を抱える方にも活用できるものとなっております。また、治療と仕事の両立支援に向けた労働者及び事業者のための相談窓口が全国に設置されておりまして、本県においても同様に、高知産業保健総合支援センターが窓口となって、保健師や社会保険労務士などの専門家が相談に当たっているところであります。 県内事業者の中には、こうしたガイドラインや相談窓口について十分な情報をお持ちでない事業者もあるかと思いますので、ガイドラインや相談窓口の活用について改めて広報などによりまして周知していくことで、後遺症に苦しむ従業員の方の支援につなげてまいりたいと考えております。 次に、カスタマーハラスメント対策についてお尋ねがございました。 カスタマーハラスメントは、令和元年の職場におけるパワーハラスメント防止措置の義務化等を定めた法律の改正時の国会における附帯決議を受け、国においてその対策が着手され、本年2月に対策マニュアルが策定されたところです。顧客の威圧的な言動や過度な要求は、従業員に強い精神的ストレスを与えるなどの支障を及ぼすことなどから、このマニュアルを活用して企業がしっかりと組織的に対応していくことが必要です。 このため、まずは労働局と連携しながら、広報紙や県主催のセミナー、各団体との会合を通じまして、マニュアルの活用を呼びかけてまいります。その上で、お話のありましたように、小規模な企業においては組織的な対応が十分にできないケースも想定されます。今後、マニュアルの活用状況の確認に加えまして、企業のお話もお聞きしながら、ニーズに応じて施策の充実などについて検討してまいります。   (中山間振興・交通部長中村剛君登壇) ◎中山間振興・交通部長(中村剛君) まず、公共交通におけるコロナ禍の影響と県の分析についてお尋ねがございました。 本県の主要な公共交通機関の利用状況をコロナ禍前の令和元年度と比較いたしますと、とさでん交通では、路線バス・路面電車の利用者数は令和2年度は7割程度、足元令和4年度の第1・四半期では8割程度、高速バスでは令和2年度は3割弱、令和4年度第1・四半期では4割程度にとどまっております。また、土佐くろしお鉄道の利用者数は、令和2年度はコロナ禍前の8割、足元令和4年度第1・四半期では9割弱となっております。 これは、県境をまたいだ移動の制限やインバウンド需要の消失、テレビ会議の普及等により、観光やビジネスの利用者数が落ち込んだことが主な要因であり、このうちビジネス利用につきましては、今後もコロナ禍前の水準までには回復せず、収益の伸び悩みが続いていくものと考えられます。沿線人口の減少や少子化と相まって、新たな需要を掘り起こさなければ、公共交通の維持がより厳しくなるものと認識しております。 次に、ウイズコロナ・ポストコロナ時代における公共交通の維持に向けた支援についてお尋ねがございました。 公共交通の維持に向けては、コロナ禍前から路線バスの運行経費や鉄軌道の施設整備に対し、県と沿線市町村が協調しながら支援を行ってまいりました。移動制限などの影響により、公共交通の利用者が激減したコロナ禍においては、こうした従来の支援に加えて、路線バスの運行経費や鉄軌道の施設整備などへ追加的な支援を行ってまいりました。今後もコロナ禍における追加の支援につきましては、交通事業者の経営状況を見極めながら、適切に対応してまいります。 一方、コロナ禍で逆に潜在化しておりました運転士不足に対応した人材確保、あるいは利便性向上による利用促進といった課題につきましては、ポストコロナを見据えて、改めて対応を強化していく必要があると考えております。これまでの取組としまして、人材確保につきましては、バス運転士に特化した就職相談会へのブース出展や、県内事業者の見学会の開催などを行っており、これまでに10人の運転士の確保につなげております。今後は、移住施策と連動した取組も進めることで、さらなる人材確保を目指してまいります。また、利便性の向上につきましては、沿線市町村や交通事業者と連携して取り組んでおり、例えば嶺北地域では路線バスの便数を増やし、大杉駅での列車との接続を改善することで、利便性向上と利用促進につなげております。 しかしながら、ポストコロナにおきましては、こうした取組に加えまして、先ほど申し上げましたビジネス利用の減少傾向あるいは沿線の少子化、人口減少が続くことを踏まえた取組も必要となってまいります。このため、観光列車の乗り入れや積極的な旅行商品の開発など、新たな需要を掘り起こして利用者増につなげていく取組を強化していくとともに、ふだん公共交通を利用していない方に乗っていただけるような広報啓発の強化等による利用促進、これにも取り組んでまいります。 次に、観光型MaaSの普及のメリットをどのように考えているのか、現在までの取組及び展望も含めお尋ねがございました。 鉄道やバスなどを一体的に検索、予約、決済ができますシステムの総称でありますMaaS、これは観光客にとっては観光地や宿泊地までの移動手段が容易に検索、把握でき、利便性が向上するといったメリットがございます。 また、議員のお話にもありましたように、将来宿泊施設、観光施設などと連携したサービスが提供できるようになれば、その利便性が飛躍的に向上するのみならず、地域経済の活性化も期待されるところでございます。このことは政府の骨太の方針2022におきましても、デジタルトランスフォーメーションへの投資としてMaaSを推進することとされているところでございます。 このMaaSの実現に向けましては、まずは県内の公共交通機関がグーグルなど経路検索サービスで検索できるようにするためのデータ化、具体的には路線図や時刻表、バス停の位置情報などのデータを整備し、オープンデータ化する必要があります。このため県では、高知県地域交通サポーターを配置し、県内の交通事業者や市町村が行う路線バスや市町村営バスのデータ整備などを支援してまいりました。 現在、県内全ての民間路線バスが大手検索サイトで経路検索ができるようになっており、また市町村営バスにつきましても、27市町村のうち17市町村で経路検索ができるようになっております。引き続き、MaaSの基盤となるデータ整備の支援を進めるとともに、随時のデータ更新も支援していくことで、大手検索サイトなどに県内公共交通機関のデータ活用を促し、観光客のさらなる利便性向上につなげていきたいと考えております。 最後に、日常版MaaSの普及を促進することで、公共交通にまつわる諸課題の解決を目指していくのか、現在までの取組及び展望も含めお尋ねがございました。 いわゆる日常版MaaSの普及に当たりましては、御指摘のように基幹となる路線バスや鉄道を軸に、デマンドバスなどと効率的に接続し、住民の公共交通利用の利便性を高める、こういったことが効果的であると考えております。 現在、県内の市町村では、公共交通を維持し地域住民の移動手段を確保する取組といたしまして、例えば高知市では鏡地域や土佐山地域で、自宅地域からバス停まではデマンド型乗合タクシー、バス停からは路線バスに乗り換えて市内中心部に移動するといった取組を行っております。この10月には春野地域においても同様の取組が始まることと聞いております。 今後、こうしたデマンド型乗合タクシーと路線バス、鉄道など、複数の公共交通機関を乗り継いで移動する際、検索、予約、決済を一括でできるようになれば、地域の利用者の利便性が大きく向上する、またそれだけではなく、それによりまして公共交通の利用者も増加し、持続可能な公共交通の構築にも寄与すると考えられます。 現在、県では、先ほど申しましたように、データ整備などを支援する取組を実施しておりますが、いわゆる日常版MaaSにおきましては、特に市町村営バスのデータ整備、これが重要でありまして、早急に全ての市町村営バスのデータ整備を終えるよう取組を進めているところです。今後もこうしたデータ整備あるいはその更新を支援しながら、市町村や交通事業者と連携し、地域住民にとって効率的で利用しやすい公共交通の実現、これに向けて取り組んでまいります。   (観光振興部長山脇深君登壇) ◎観光振興部長(山脇深君) 連続テレビ小説らんまんに向けた取組における市町村との連携についてのお尋ねがございました。 らんまんの放送を県内各地域の観光振興につなげていくためには、様々な振興策を市町村と連携して取り組んでいくことが大変重要だと考えています。このため、来年春から予定しております観光博覧会の開催に向けまして、県内全市町村に御参加いただいております、連続テレビ小説を生かした博覧会推進協議会を5月に設立し、現在市町村の皆様と一体となって準備を進めているところです。 博覧会の開幕を来春に控え、まずは草花スポットなどにおける駐車場や遊歩道の整備、草花ガイドの養成など、県内各地における観光客の受入れ体制を早急に整えていく必要があります。このため県としましては、市町村に対する新たな補助制度を創設するとともに、ガイドのスキルアップなどのための講座を開催するなど、ソフト面での支援を行いながら、市町村と一体となって準備を進めてまいりました。また、博覧会期間中に混雑が予想されるエリアでのシャトルバスの運行など、市町村が行う渋滞緩和や周遊促進策に対しましても、県としてしっかり後押しをしていきたいと考えています。 一方、プロモーションにつきましては、市町村や地域の観光関係者の方々と共に、旅行会社に向けた博覧会のセールス活動を今月から開始したところです。また、地域の旬な草花情報などを提供するデジタルサイネージや、議員からお話もありました牧野博士ゆかりの地マップなど、より広く周遊していただくための施策につきましても、市町村の方々と協議を重ねながら進めているところです。 今後とも市町村との連携の下、各地域における受入れ体制の整備と誘客の促進の両面において取組を進め、らんまんの放送を契機とした県全域での観光の底上げを図ってまいります。   (産業振興推進部長沖本健二君登壇) ◎産業振興推進部長(沖本健二君) 外商や観光の取組におけるデジタル技術の活用についてお尋ねがございました。 デジタル技術の活用は、関西戦略のみならず、国内外のマーケットに向けた外商の展開や、リアルタイムの観光情報の発信による誘客促進など様々な政策を進める上で有効な手段となります。特に、お話のありましたメタバースは、双方向のコミュニケーションによる情報交換が可能となりますことから、仮想空間において県産品の購入や観光体験ができるなど、無限の可能性を秘めていると言えます。 先般開催をいたしました関西・高知経済連携強化アドバイザー会議におきましても、委員からアンテナショップとメタバースの取組を融合することで、他県との差別化が図られ、外商の効果が一層高まるのではないかといった御意見を頂戴したところです。特に、大阪観光局の委員からは、バーチャルで高知の豊かな自然を体験していただくなど、観光DXについてもぜひ一緒に取り組みたいとの御提案をいただき、早速今月9日に大阪観光局とメタバースの活用を見据えた勉強会を開催したところでございます。 現在、メタバースは一部の企業により事業化されておりますが、まだまだ緒に就いたばかりでございまして、一般に広く利用する環境は整っておりません。しかしながら、総務省が7月に公表した情報通信白書によりますと、メタバース市場は技術の進展とサービスの開発によりまして、2021年に4兆円余りだったものが、2030年には80兆円近くに達すると見込まれております。つまり10年間で20倍に拡大するということになります。この飛躍的な拡大が見込まれる市場にいち早く参入することができれば、県産品の販売や観光誘客などにおいて大きな効果をもたらすことが期待をされます。 そのため、国や企業などの動向を注視しつつ、先駆的に取り組む団体等との連携も視野に、実用化に向けた研究を積極的に進め、全国に先駆けたメタバースの導入を目指して検討を進めてまいります。   (教育長長岡幹泰君登壇) ◎教育長(長岡幹泰君) 小学生を対象としたヤングケアラーについての教育や周知をどのように行っていくのかとのお尋ねがございました。 議員のお話のとおり、特に小学生につきましては、その発達段階から、自身がヤングケアラーであるとの自覚ができない場合が多く、また自身の家族や家庭の状況を周囲にうまく伝えることも難しいものと思われます。そのため、教員を含めた周りの大人がヤングケアラーの子供を早期に発見する取組を強化することや、小学生自身がヤングケアラーであると気づくための発達段階に応じた教材の開発と、体系的な指導が重要になると考えております。 具体的には、まず早期に発見する取組として、教職員や保護者に対しヤングケアラーの概念や、その見極め方、大人の役割といった内容を生徒指導主事会やPTAの研修会等の場で周知することとしております。加えて、スクールソーシャルワーカーが中心となり、家庭の状況を把握している福祉部署と学校との連携体制を強化してまいります。また、教材開発や子供への指導につきましては、まずは県内外のヤングケアラーについての先進的な取組事例の情報を収集し、市町村教育委員会や各学校に提供してまいります。あわせて、本年度中に小学生の発達段階に応じた、本県独自のヤングケアラーに関する教材を子ども・福祉政策部と共同作成し、各学校での活用を促してまいります。 県教育委員会としましては、子供たちにとって大切な学習の時間や友達と交流する時間などが保障されるよう、関係機関とも連携を密にしながら、しっかりと取組を進めてまいります。   (文化生活スポーツ部長岡村昭一君登壇) ◎文化生活スポーツ部長(岡村昭一君) まず、大学生のヤングケアラーを見つけ、支援する取組についてお尋ねがございました。 高知県立大学や高知工科大学におきましては、ヤングケアラーの問題に限らず、学生一人一人が抱える悩みに丁寧な対応が行えるよう、相談窓口の職員、担当指導教員、就職担当教員らが連携し、情報を共有する中で、個々の学生に応じた支援が行われております。こうした体制の下、例えば高知工科大学では病気の親の世話をしていた学生を大学が福祉の窓口につなぎ、様々なサービスを利用できるように支援したことで、学生本人が就職活動に専念することができるようになったという事例もあったとお聞きしております。 他方、ヤングケアラーの問題は、最近になって社会的に注目されてきたものであることもあり、この問題への認識が十分ではない学生がいることも考えられるところであります。このため、大学内のポータルサイトなどを通じて情報発信を行い、ヤングケアラーの問題についての学生の意識を高めるとともに、学生生活を送る上での困り事や悩みなどがある場合には、まずは相談窓口や身近な教職員に相談するよう周知を図ることを大学に呼びかけてまいりたいと考えております。これにより、早期に個々の学生の状況を把握し、ヤングケアラーの状況にある学生については福祉などの窓口にしっかりとつなぐといった、個々の状況に応じた必要な支援が行えるものと考えております。 いずれにしましても、家庭の状況にかかわらず、意欲のある学生が安心して学びを継続し、就職活動にも取り組むことができる環境づくりは大変重要でありますので、各大学においては引き続ききめ細かな支援を行っていただきたいと考えております。 次に、消費者から事業者へのカスタマーハラスメントを防止するための周知の取組についてお尋ねがございました。 消費者が自らの意見を事業者に伝えることは、その内容や方法が適切なものである限り、商品やサービスの改善を通じて、よりよい社会の発展につながるという意味で重要であると考えております。 しかしながら、その意見が妥当性を欠く内容である場合や、意見を伝える手段が暴行、脅迫など社会通念上、不相当なものである場合など、いわゆるカスタマーハラスメントと捉えられる行き過ぎた言動については、事業者との信頼関係を失わせるものであり、場合によっては犯罪として処罰されることとなるものであります。 こうしたことを踏まえ、県では、ホームページや消費生活出前講座などを通じて、カスタマーハラスメントを防止するための啓発を行っております。具体的には、消費者が事業者に意見を伝える際には、一呼吸置いて冷静になること、言いたいこと要求したいことを明確に伝えること、理由についても丁寧に伝えること、事業者の説明もしっかりと聞くことといったポイントに留意していただくよう周知しているところであります。また、消費をめぐるトラブルや疑問については、県立消費生活センターなどが公正な立場で解決に向けた相談を受け付けていることについても、周知を図っております。 今後も消費者の正当な意見を抑制することのないよう配慮しながら、消費者による行き過ぎた言動が生じることのないよう、県民の皆様への周知を図ってまいりたいと考えております。 ◆28番(田所裕介君) 大変丁寧な御答弁ありがとうございました。 先ほどのカスタマーハラスメントのことです。なかなか消費者への周知というのは難しいところかなと思ったんですけれど、事業者と消費者、両者がやっぱりそういうハラスメントを防いでいくんだとの姿勢で取組を進めていただけるというような御答弁で受け取りをしたところです。 ハラスメントに対しますと、先ほど商業系であったりというような、中心でありますけれども、人事院が公務員へのハラスメントですね、カスタマーハラスメントを非常に問題視をしておりまして、人事院規則で府省庁に組織として対応して、迅速かつ適切に職員の救済を図ることを求めたというようなこともございます。 やっぱりそういうところで言いますと、こういうところを非常に顕在化してきたというところも踏まえて、例えば秋田県であれば本年の4月、秋田県多様性に満ちた社会づくり基本条例及び多様性に満ちた社会づくりに関する指針にカスタマーハラスメントを盛り込むというような動きもしているところでございます。 本県は、パワーハラスメントに対して働き方改革の一環として取り組んできたこと、そしてセクハラに関しては高知県男女共同参画社会づくり条例で言及し取り組んできたという経緯もあります。このカスタマーハラスメントの件数が増加しているということも出てこようかと、これから出てくるとは思いますので、県の指針や条例の中に位置づけることも考慮し、取り組んでいただきたいなと思うところであります。 それで、ヤングケアラーのことであります。非常に状況と、調査の結果もいただきまして、教育の場とそして福祉の場がしっかり連携して取り組んでいくんだと。特に小学生は、なかなか調査が難しいということであります。そうなると、なかなか本人も言い出せないということであれば、社会でしっかりと見つけていく。いろんな学校で、大人であったりとかというところで地域の方々、しっかり見つけていくということが大事なんで、そこの環境づくりをやっぱりしっかりとやっていただきまして、支援にしっかりとつないでいただきたいと思うところでございます。 そして、メタバースの話、非常に夢のある、前向きな御答弁で受け止めております。本当に今入り口に立とうと、まだまだ入り口はこれからかなというところですけれど、御答弁のとおりでありまして、非常に大きな可能性を秘めておると思います。この関西戦略としっかりと絡み合わせて、そういう明るい未来といいますか、そういう話ができたらいいなと思いますし、御期待を申し上げるところでございます。 そしたら、あと2問目、1問だけさせていただけたらと思います。知事に2問目を行かせていただきます。参議院の合区のことについてでございます。先ほど御答弁の中でも若干触れられてはおりましたが、改めてお聞かせをいただきたいと思います。 現行憲法では第43条第1項、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」と今されております。また、現在衆議院と参議院は法案審議などで同等の力を持っている。そして、衆議院と参議院における人口比例原則。参議院を地方の府とする議論は、衆議院と参議院の関係や、それぞれの権限に係る憲法の規定についても併せて全面的に見直していく必要が出てきます。そして、憲法における地方自治の在り方検討ワーキングチームで、第43条の改正案について議論されておりまして、第2項に参議院議員が国民代表性と地域代表性格を併せ持つ規定を提案しております。 そこでお伺いいたしますが、令和2年9月議会の答弁や全国知事会での議論を踏まえまして、憲法改正が不可欠であるというこれまでの御答弁、そして参議院を地方の府とする御答弁も踏まえて、これらの議論において参議院の機能や二院制の在り方についてどのようにお考えなのか、知事の御所見を改めてお伺いしたいと思います。 ◎知事(濱田省司君) お話がございましたように、我が国は二院制を取っておりますが、憲法上、特に地方自治の規定があまり手厚くないと、こういうこともございまして、参議院の性格というのが曖昧といいますか、衆議院との対比が白紙の状態で規定上は行われているということだと思います。結果、時には参議院は衆議院のカーボンコピーと言われるような形で、衆議院と参議院、いろんな機能とか、結果的に選挙制度のほうも似てきているということはございます。 今回、骨太の議論として、国の形、立法府の在り方を抜本的に見直すという観点から、ちょうど例えばアメリカの上院は各州2名一律、人口比にかかわらず、州の代表という形で選出をされておりますから、そういった方式を念頭に置く形で、各県、極端に言えば1人ずつ、しかし一定程度大都市部はもう少し増加ということでもいいと思うのですが、いずれにしても人口比例の原則というのは、衆議院よりは緩和された形で位置づけていくということが妥当ではないかというふうに考えます。 また、それと言わばセットとして、衆議院のような人口比例原則は持たないわけでありますから、現在衆議院が参議院に対して、法案とか予算の審査について優越性を持っておりますけれども、そういった点の在り方に関しても、ある意味で方向性としては衆議院の優越性がより強まるといいますのか、参議院はより専門的な分野に、例えば特に地方との関係ですね、地方の府としての関係、地方公共団体の立場から見た立法のチェックというところに重点的に機能を果たすという形で、参議院の持つ機能自身もこの際見直しをしていくというところとセットで議論していくということが望ましいのではないかというふうに考えております。 いずれにしても、これは国の形あるいは立法府の形を大きく変える大改革でございますので、そういった骨太の議論をぜひ憲法審査会において、国会でも展開をしていただきたいということを強く要望し、提言をしていきたいと考えております。 ◆28番(田所裕介君) 前向きに御答弁を全体的にいただきましてありがとうございました。時間も少なくなってまいりました。今日は様々な課題と、それと大きく前進も見えながら、前向きな御答弁をいただいたところでございます。また、今日いただいた御答弁がしっかり様々な施策に反映されることを御期待申し上げまして、私の一切の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(明神健夫君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。 明29日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。   午後4時50分散会...