高知県議会 > 2022-03-08 >
03月08日-05号

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  1. 高知県議会 2022-03-08
    03月08日-05号


    取得元: 高知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 4年  2月 定例会(第361回)-----------------------------------        令和4年3月8日(火曜日) 開議第5日-----------------------------------出席議員       1番  桑鶴太朗君       2番  上治堂司君       3番  土森正一君       4番  上田貢太郎君       5番  今城誠司君       6番  金岡佳時君       7番  下村勝幸君       8番  田中 徹君       9番  土居 央君       10番  野町雅樹君       12番  横山文人君       13番  西内隆純君       14番  加藤 漠君       15番  西内 健君       16番  弘田兼一君       17番  明神健夫君       19番  桑名龍吾君       20番  森田英二君       21番  三石文隆君       23番  西森雅和君       24番  黒岩正好君       25番  依光美代子君       26番  大石 宗君       27番  武石利彦君       28番  田所裕介君       29番  石井 孝君       30番  橋本敏男君       31番  上田周五君       32番  坂本茂雄君       33番  岡田芳秀君       34番  中根佐知君       35番  吉良富彦君       36番  米田 稔君       37番  塚地佐智君欠席議員       なし-----------------------------------説明のため出席した者  知事         濱田省司君  副知事        井上浩之君  総務部長       徳重 覚君  危機管理部長     浦田敏郎君  健康政策部長     家保英隆君  子ども・福祉政策部長 山地 和君  文化生活スポーツ部長 岡村昭一君  産業振興推進部長   沖本健二君  中山間振興・交通部長 尾下一次君  商工労働部長     松岡孝和君  観光振興部長     山脇 深君  農業振興部長     杉村充孝君  林業振興・環境部長  中村 剛君  水産振興部長     松村晃充君  土木部長       森田徹雄君  会計管理者      井上達男君  公営企業局長     橋口欣二君  教育長        伊藤博明君  人事委員長      秋元厚志君  人事委員会事務局長  澤田博睦君  公安委員長職務代理者 古谷純代君  警察本部長      熊坂 隆君  代表監査委員職務代理者             奥村陽子君  監査委員事務局長   中村知佐君-----------------------------------事務局職員出席者  事務局長       行宗昭一君  事務局次長      山本和弘君  議事課長       吉岡正勝君  政策調査課長     川村和敏君  議事課長補佐     杉本健治君  主幹         春井真美君-----------------------------------議事日程(第5号)   令和4年3月8日午前10時開議第1 第1号 令和4年度高知県一般会計予算 第2号 令和4年度高知県収入証紙等管理特別会計予算 第3号 令和4年度高知県給与等集中管理特別会計予算 第4号 令和4年度高知県旅費集中管理特別会計予算 第5号 令和4年度高知県用品等調達特別会計予算 第6号 令和4年度高知県会計事務集中管理特別会計予算 第7号 令和4年度高知県県債管理特別会計予算 第8号 令和4年度高知県土地取得事業特別会計予算 第9号 令和4年度高知県国民健康保険事業特別会計予算 第10号 令和4年度高知県災害救助基金特別会計予算 第11号 令和4年度高知県母子父子寡婦福祉資金特別会計予算 第12号 令和4年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計予算 第13号 令和4年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計予算 第14号 令和4年度高知県農業改良資金助成事業特別会計予算 第15号 令和4年度高知県県営林事業特別会計予算 第16号 令和4年度高知県林業・木材産業改善資金助成事業特別会計予算 第17号 令和4年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計予算 第18号 令和4年度高知県港湾整備事業特別会計予算 第19号 令和4年度高知県高等学校等奨学金特別会計予算 第20号 令和4年度高知県流域下水道事業会計予算 第21号 令和4年度高知県電気事業会計予算 第22号 令和4年度高知県工業用水道事業会計予算 第23号 令和4年度高知県病院事業会計予算 第24号 令和3年度高知県一般会計補正予算 第25号 令和3年度高知県収入証紙等管理特別会計補正予算 第26号 令和3年度高知県旅費集中管理特別会計補正予算 第27号 令和3年度高知県用品等調達特別会計補正予算 第28号 令和3年度高知県会計事務集中管理特別会計補正予算 第29号 令和3年度高知県県債管理特別会計補正予算 第30号 令和3年度高知県土地取得事業特別会計補正予算 第31号 令和3年度高知県国民健康保険事業特別会計補正予算 第32号 令和3年度高知県災害救助基金特別会計補正予算 第33号 令和3年度高知県母子父子寡婦福祉資金特別会計補正予算 第34号 令和3年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計補正予算 第35号 令和3年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計補正予算 第36号 令和3年度高知県農業改良資金助成事業特別会計補正予算 第37号 令和3年度高知県県営林事業特別会計補正予算 第38号 令和3年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計補正予算 第39号 令和3年度高知県港湾整備事業特別会計補正予算 第40号 令和3年度高知県高等学校等奨学金特別会計補正予算 第41号 令和3年度高知県流域下水道事業会計補正予算 第42号 令和3年度高知県電気事業会計補正予算 第43号 令和3年度高知県病院事業会計補正予算 第44号 高知県動物愛護基金条例議案 第45号 高知県行政書士法関係手数料徴収条例等の一部を改正する条例議案 第46号 高知県個人情報保護条例の一部を改正する条例議案 第47号 高知県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例及び知事等の給与、旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案 第48号 知事等の給与、旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案 第49号 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例議案 第50号 高知県部設置条例の一部を改正する条例議案 第51号 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例議案 第52号 職員の服務の宣誓に関する条例の一部を改正する条例議案 第53号 高知県職員等こころざし特例基金条例の一部を改正する条例議案 第54号 高知県統計調査条例の一部を改正する条例議案 第55号 高知県後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例議案 第56号 高知県国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例議案 第57号 高知県国民健康保険法施行条例の一部を改正する条例議案 第58号 高知県青少年保護育成条例の一部を改正する条例議案 第59号 高知県立紙産業技術センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案 第60号 高知県新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金基金条例の一部を改正する条例議案 第61号 高知県家畜保健衛生所条例の一部を改正する条例議案 第62号 高知県立都市公園条例の一部を改正する条例議案 第63号 高知県営病院事業料金徴収条例の一部を改正する条例議案 第64号 警察職員の服務の宣誓に関する条例及び公安委員会委員の服務の宣誓に関する条例の一部を改正する条例議案 第65号 高知県警察手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第66号 県が行う土地改良事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案 第67号 県が行う土地改良事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案 第68号 包括外部監査契約の締結に関する議案 第69号 都市計画道路はりまや町一宮線防災・安全交付金工事請負契約の締結に関する議案 第70号 (新)安芸中学校・高等学校体育館新築主体工事請負契約の締結に関する議案 第71号 県道の路線の認定に関する議案 第72号 令和4年度高知県一般会計補正予算 報第1号 令和3年度高知県一般会計補正予算専決処分報告 報第2号 令和3年度高知県一般会計補正予算専決処分報告 報第3号 令和3年度高知県一般会計補正予算専決処分報告第2 一般質問   (1人)-----------------------------------   午前10時開議 ○議長(森田英二君) これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △諸般の報告 ○議長(森田英二君) 御報告いたします。 公安委員長西山彰一君から、所用のため本日の会議を欠席し、公安委員古谷純代さんを職務代理者として出席させたい旨の届出がありました。----------------------------------- △質疑並びに一般質問 ○議長(森田英二君) これより日程に入ります。 日程第1、第1号「令和4年度高知県一般会計予算」から第72号「令和4年度高知県一般会計補正予算」まで及び報第1号「令和3年度高知県一般会計補正予算専決処分報告」から報第3号「令和3年度高知県一般会計補正予算専決処分報告」まで、以上75件を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問を併せて行います。 4番上田貢太郎君。   (4番上田貢太郎君登壇) ◆4番(上田貢太郎君) 皆様おはようございます。自由民主党の上田貢太郎でございます。 質問に入る前に、まずウクライナ情勢について一言申し上げたいと思います。今議会の開催から間もなく、ロシアのウクライナ侵攻が始まりました。市民に向けて発砲し、住宅にはミサイル、そして原発にまで。さらに避難のための停戦も行わない。強い国が弱い国を自分のものにしようとしている。メディアで流れる幼い子供たちの被害報道は、小さい子を持つ親として本当に心が痛みます。これらは断じて容認できない暴挙であり、抗議と非難の意を強く表明します。そして、対ロシア包囲網を強固なものにし、一刻も早い終結を願うところです。 また、国連の緊急特別会合では、我が国を含む141か国が賛成したロシアを非難する決議も何ら拘束力がなく、これからの国際社会の恒久的平和には、拘束力のあるルールと秩序を求めたいと考えます。新たな時代の国連改革が必要な時期に来ているのではないでしょうか。それでは、質問に入らせていただきます。 まずは、知事の政治姿勢についてお伺いいたします。 平成21年度春、尾崎県政においてスタートした高知県産業振興計画は、間もなく14年目を迎えます。この13年の間、高知県の産業を強化し、県外市場、さらには海外市場へ打って出る新たな産業に挑戦する、そのような精神を持つことで高知県経済を発展、拡大させ、負のスパイラルからの脱出を図ろうと頑張ってきました。自らの足元を固めた上でPDCAを回してきた産業振興計画も、今では第4期ver.2まで進化してきました。 残念なことに、ここ2年間は新型コロナウイルス感染症というパンデミックによって、全世界が闇に包まれ、前がまともに見えない状況が続いており、長期化する感染症の影響は高知県においても非常に大きな打撃となっております。県民の命に関わる感染症対策は、何をおいても最優先事項であることは間違いありません。 しかし、この新型コロナウイルス感染症も近い将来には克服できるはずです。私は、現在のウイズコロナの段階から、アフターコロナの時代が迫ってきていると確信しておりますし、そのときには高知県経済の大きな柱となる産業振興計画を一層前進させていかなければならないと考えております。 そうした中、県は、来年度の産業振興計画の中で、時代の潮流となるデジタル化、グリーン化、グローバル化といった3つのテーマを掲げるとともに、連携テーマを大胆に見直し、こうしたテーマに基づくプロジェクトを立ち上げ、産学官民が連携して取り組んでいくこととしています。 これは、国のデジタル田園都市国家構想や、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会を目指すことの宣言、また2030年、輸出5兆円目標の実現に向けた、農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略といった方向性と重なるものです。これまでも力を入れてきたかつての基本方向、足元を固め、活力ある県外市場へ打って出る、そして新たな産業づくりに挑戦するとの産業振興計画の精神を引き続き持って、来年度の取組を力強く進めていただきたいと思います。 先月開催されました産業振興計画フォローアップ委員会の資料を拝見したところ、県際収支が平成27年に5,930億円の赤字とのことでした。これは外の何かに依存して利益を失っていることになるので、やはり赤字幅を縮めていく。そのためにはどうしたらいいかと考えると、もともとの精神である足元を固め、活力ある県外市場へ打って出るとか、足腰を強めとか、やはり内部の部分の強みを徹底的に磨きながら、なおかつその手段としてのデジタルとか、高知県に対して追い風が吹いているカーボンニュートラルとか、こういった部分を手段として、今こそ活用し尽くすんだという産振の精神をぜひ思い返していただきたいと思います。 惰性に流されることなく、魂の部分が抜け落ちることなく、もう一度産業振興計画のバージョンアップに向けては、県経済を根本から元気にするトータルプランである認識の下に取り組んでいただきたいと考えております。今までの県政運営に関して全く異論はないのですが、産業振興計画の会議で日本銀行高知支店長からも御指摘を受けたとお聞きしております。先ほども述べました県際収支の赤字約5,930億円、あまりに大きなマイナスなので、この縮小に向けてはまだまだ努力が必要だと思います。 地産外商をより一層推進することで赤字幅の縮小を目指すべきだと考えますが、今後産業振興計画でどのように取り組むのか、知事にお聞きします。 次に、人口減少、少子高齢化が進む中、地方創生において極めて大きなポイントの一つであるデジタルトランスフォーメーションについてお伺いいたします。デジタルトランスフォーメーションとは、デジタル技術によって人々の生活をよりよいものに変革するという意味だそうです。ここ2年、新型コロナウイルス感染症によって人と人との接触が極端に制限され、様々なことがリモートで行われるようになりました。学校の授業、企業の商談や会議、事務系の仕事に学術関連の国際会議、旅行までリモートで行われるようになりました。余談になりますが、飲み会までもリモートです。 ある会議で、今回もリモートですね、次回はリアルでやれるといいですねというのが、お決まりのパターンになっていますが、遠方にある会議場所への移動時間や交通費などのコストを削減することができることに加え、場所に依存せず会議などが開催できるなどのメリットを踏まえると、たとえ対面の会議とは異なる画面越しの違和感などがあったとしても、もう今後リモートの活用は終わることはないと思います。デジタル化がさらに加速すれば、コンピューターネットワークの中に構築された仮想空間、いわゆるバーチャル空間であるメタバースが身近なものになっているかもしれません。 デジタル技術の活用は、課題を解決するための手段です。ウェブ会議やリモートワークなどのデジタル化の取組は、業務効率化や生産性向上といった効果にとどまらず、働き方改革の実現にもつながり、就労環境の改善や子育て支援、女性の活躍推進などにも効果が期待できます。ぜひ多くの県内企業に取組を進めていただきたいと考えます。 そこで、県内企業がデジタル技術を活用して働き方改革を進めるための取組に対する支援について商工労働部長にお聞きいたします。 そして、地方創生にはもう一つのポイントがあります。それは、起業している年齢層です。若い人が起業しているというイメージがありますが、最近では50代で起業される方が増加傾向にあります。これはまだ夜明け前だと思います。今後、60代、70代の方が起業していく世界が訪れると思います。しかしながら、シニア層の方の場合は、定年後に退職金を活用してオフィスの準備などを行い起業したものの、事業がうまくいかないと老後の生活費にも影響が出てしまうというリスクがあります。そのため、オフィスの準備がシニア層の起業の大きなハードルの一つになっているようです。それが、コロナ禍を契機としたリモートワークの浸透により、必ずしもオフィスを持たなくても起業できるようになりました。こうした流れは、シニア層の起業にとって追い風ではないでしょうか。起業家精神、アントレプレナーシップを持ちながら定年を迎えた方々に、起業のチャンスが訪れたのではないでしょうか。 経済学者の野口悠紀雄さんの著書「リモート経済の衝撃」の中に、今地方活性化を実現する強力な手段が現れているのに、これで地方再生を行おうという声があまり聞こえない、不思議なことだ、日本は地方活性化の絶好の機会をみすみす逃してしまう危機があるとまで書いております。本県のような地方においては、リモートで失われたものもあるかもしれませんが、得たものも多いと思います。今こそ50代以上の方の起業を重点的に支援していってはどうかと考えます。また、県民が一生学び続けられる、チャレンジし続けられる環境を提供することも重要だと考えます。 本県において、起業スタートアップなど産業振興での人材育成も含めた取組を進める中で、50代以上の方を対象とした取組を検討していくおつもりはないか、産業振興推進部長にお聞きします。 続いて、地方創生における市町村の取組支援についてお伺いいたします。地方公共団体が重要なプロジェクトを実施する際には、外部専門人材、地域、行政、民間などが連携して取り組むことが不可欠になります。そうした関係者間を橋渡しし、プロジェクトをマネジメントできるブリッジ人材は本県でも不足しておりました。 そこで、市町村がそうした人材を地域プロジェクトマネージャーとして任用する制度を総務省が創設し、令和3年度から運用が始まり、約1年が経過しています。本制度は、東京、大阪など3大都市圏内などから条件不利地域へ住民票を異動する方などを、地域プロジェクトマネージャーとして市町村が雇用する場合、地方財政措置として年間上限650万円を国が特別交付税措置で支援します。1市町村で1人採用でき、任期は最大3年間です。地域おこし協力隊の発展版とも言える制度です。 地域プロジェクトマネージャー制度の重要な点は、あくまで地域の課題を解決するプロジェクトがベースとなり、地域活性化に資するプロジェクトとして、市町村が主体的に、かつ地方創生の実現に向けた事業の柱として実施するものです。自治体側が地域プロジェクトマネージャーを募集する際には、地域で自らの課題を解決するためのプロジェクトと、それに必要な人材として募集する具体的な人物像と使命を考えることが重要になります。今年度、本制度を活用して地域プロジェクトマネージャーを招聘、実施しているのは高知県下では室戸市のみです。 そこで、各市町村で地域プロジェクトマネージャー制度を活用するための県の取組について中山間振興・交通部長にお聞きいたします。 次に、観光振興と文化芸術振興についてお伺いいたします。 本年2月2日、本県佐川町出身の植物学者、牧野富太郎先生をモデルにした、らんまんが来春のNHK連続テレビ小説で放送されることが決定いたしました。 質問に入る前に、「「朝ドラに牧野富太郎を」の会」の皆さんや高知県牧野記念財団並びに知事はじめ本県関係者の皆様の朝ドラ決定までの御努力に対し、心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。それでは、質問に入らせていただきます。 まず、観光振興と観光客の受入れ体制についてでありますが、らんまんが放送されれば全国から県立牧野植物園を訪れる観光客は増えることが予想されます。昨年は、竜とそばかすの姫が上映され、聖地巡礼の観光客が大挙して来高すると予想されておりましたが、コロナ禍もあってやや頭打ち感もありました。 ただ、今回発表のドラマらんまんの主人公を演じる神木隆之介さんですが、アーキテクトが運営するウェブサイト、タレントパワーランキングでは小栗旬さんに次いで堂々の2位で、神木ファンは竜そばファンとも重なることから、コロナが鎮静し、らんまんが放送されれば、これまでにない高知ブームが訪れることは必至です。私は、朝ドラらんまんは植物・花、牧野博士をテーマのストーリーでありながら、年齢的には竜そばファンと神木ファンが中心になると考えていますが、従来の連ドラ視聴者層からしますと、やや異なるとも考えられます。 県は、その朝ドラをどのように分析し、どういった層にアプローチを行うべきとお考えなのか、プロモーション分析観光振興部長にお伺いいたします。 新型コロナウイルスによる経済への悪影響も3年目に入り、さらにステルスオミクロンも各地で確認され始め、新たな局面の危惧もございます。しかし、ワクチンのブースト接種やゲームチェンジャーとして期待される新型コロナ経口治療薬の認証も進み、曇天の高知経済にも少し光が見え始めました。そこに、らんまんの放送決定は、竜そばブームに次いで新しい風と捉えています。昨年2月議会でも文化芸術と経済の融合について述べましたが、文化芸術は人の行動心理を左右し、その決定プロセスに大きく関係して、それによる動きが経済活動に結びつきます。 昨年の知事答弁では、文化芸術の振興を経済の活性化につなげる、一層力を入れたい旨の御発言でしたが、この1年どのようなビジョンの見直しを行い、今後どのように進化させていくおつもりなのか、知事の御所見をお聞かせください。 この牧野ブームを一過性のもので終わらせるか、高知の自然、そして牧野が愛した土佐の山河をいかに観光資源として生かすことができるかは、自治体の長たる濱田知事の腕の見せどころではと考えます。ただ、先日私の知人で映像コンテンツなどの扱いに見識のある数名が集まり、今回の朝ドラを高知のためにいかに生かすかの議論を行いましたが、そこで出た意見の中には、今の高知の体制ではこのチャンスを生かし切れないだろうという残念な声もありました。 そこで、私はこのビッグチャンスを生かすべく、知事を中心とした官民一体の組織を結成し、これまでにない視点で牧野富太郎を単なる植物学者だけでなく、それを育んだ高知という場所を、そして土佐人気質を文化、学術、観光、経済の遺産として生かしてはどうかと考えます。また、出遅れている国内の竜そばファンやインバウンドでの来高も大いに期待できると考えております。 今後、朝の連続テレビ小説の放送決定を契機として、自然や歴史、文化などを観光資源としてより生かしていくためにも、新たに取り組まれる観光施策についても、高知県文化芸術振興ビジョンに盛り込む必要があると考えますが、文化生活スポーツ部長の御所見をお伺いいたします。 さて、来年以降、本県観光客の受入れ施設の中核となるのが牧野植物園です。その印象が旅全体の満足度向上にも直結すると思われ、同施設の魅力向上が最重要課題と思いますが、植物園だけでなく周辺施設や環境も含めた対応策が必要ではと考えております。また、牧野植物園の駐車場には一定の限りがあり、毎年連休には渋滞問題が起こっておりますし、来年はさらに渋滞に拍車がかかると想定すべきでしょう。 そこで、まず牧野植物園の磨き上げ整備の状況と、駐車場の渋滞対策をどのように講じていくのかについて林業振興・環境部長にお伺いいたします。 加えて、来春はリニューアルが進められている桂浜公園のグランドオープンとも重なり、こちらも渋滞問題が発生するのは必至で、この問題は高知市とも協議する必要があります。私は、この渋滞問題の打開策の一つとして、桂浜と五台山、その他観光施設を結ぶ周遊シャトルバスを運行させることが、新型コロナウイルス感染症の拡大で大打撃を受けた宿泊施設や公共交通機関、タクシー業界、飲食店などにも非常に有効だと考えます。 渋滞問題をどのように解消されるおつもりなのか、観光振興部長にお伺いいたします。 続いて、かねてより提案してまいりましたフィルムコミッションを拡充し、現在の事業から一つの独立した部署として攻めの姿勢を強力に推進、実行する組織とすることも今回強く要望いたします。 撮影前から公開後まで1つの部署で対応することが業務の簡略化とサービスの向上となります。また、ロケ誘致に関して、営業活動はできておりませんし、PR協力にしても十分なことをするには困難な体制であり、もはや観光コンベンション協会内の一事業では今後の対応はできません。ちなみに、愛媛県も本県同様、フィルムコミッションは事業だそうですが、専門の知識を持つ事業者に業務委託をして、担当課職員と協力して運営していて、行政と民間のそれぞれで役割分担をして現在のところ非常にうまくいっていると伺っております。 現在、私の知るだけでも高知県内で全国公開規模の映画企画が5本、実は進められております。この勢いですと、さらに増える可能性もあります。高知が舞台となる映像コンテンツが国内外に多数発信されることは、外向けPRにはもちろんのこと、県内の県民の郷土愛の醸成と、元気と自信のある地域であるためには非常に重要であります。ロケ誘致の実現のための営業活動はもちろんのこと、ロケ地が決定した後も撮影時などにおいて様々な関係者の協力を得ながら、きめ細かな支援を行うことが重要となります。 今後のロケ誘致に備え、体制の充実が必要と考えますが、知事の御所見をお聞かせください。 次に、動物愛護についてお伺いいたします。 五台山周辺で以前から問題になっているのが野良猫、野良犬の問題です。朝ドラらんまんが放送され、牧野植物園を訪れる観光客が増えれば、必ず目にするのが、そこに生息する野良猫たちの姿です。ところが、くくりわなにかかった猫が野良犬に襲われていた、子猫をくわえた野良犬を目撃したなど、私の周りでもこんな情報がすぐに聞こえてきます。 また、高知市の三里最終処分場の職員が野良犬に囲まれたなどの話もあり、五台山周辺では少なくとも3つぐらいの野良犬のグループがおり、時には合流して狩りを行っている話もあるそうです。牧野富太郎というキーワードで、牧野植物園を中心とした五台山周辺に観光客が押し寄せ、この野良犬の群れに観光客が襲われるなどの被害が発生すれば、そのダメージは計り知れません。 そこで、健康政策部長にお伺いいたします。五台山地区の野良犬、野良猫の個体数や行動範囲についての把握はできているのでしょうか、当該地域は、中核市である高知市保健所管轄であることは存じておりますが、県下有数の観光地でもあり、人に危害を与えるおそれのある野良犬の確保、保護などの対策をどのように行うのか、お聞かせください。 続いて、動物の愛護及び管理に関する法律、通称動物愛護法についてお伺いいたします。令和2年6月から動物愛護法が改正され、遺棄、虐待に関する罰則が強化されました。前の質問でもくくりわなについて触れましたが、五台山周辺では有害鳥獣駆除を目的とした許可捕獲が行われていますが、このわなに野良犬や野良猫がかかり、足の欠損などのある犬、猫が目撃されており、県にも負傷動物の通報がされていると思います。 これは、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律における許可捕獲が比較的簡単な申請で取得できることにも問題がありますが、この地区にはイノシシなどの害獣と野良犬、野良猫の生活圏が重複しているために、錯誤捕獲が頻繁に起きているそうです。そのためか、地元の狩猟者からの聞き取りでは、同じ犬が何度もわなにかかるとの話もあり、害獣だけでなく愛護動物も同じわなにかかる可能性があると知っていても、わなを設置するしかないのですが、わなにかかった犬、猫は、そのたびに傷つき、時には死んでしまうこともあるでしょう。また、わなにかかった猫は野良犬の格好の餌食にもなることもあるでしょう。愛護すべき動物がこのような目に遭ってもよいのでしょうか。 決して少なくない数の愛護動物たちをこの現状から守るためには、一体どの法律のどの条文をもって対処すべきか、健康政策部長のお考えをお聞かせください。 加えて、警察本部長にも一言申し上げます。国では、動物愛護法改正に伴い、環境省と警察庁との連名でポスターなどの啓発資料も作成されております。また、警察本部や県担当部局においても啓発ポスターも作成され、掲示などされているとお聞きしておりますが、ぜひ動物愛護法改正について、広く県民に対する普及と啓発のお手伝いをいただきたく、お願い申し上げておきます。 次に、野良猫対策として県が取り組んでいるTNRについてお伺いいたします。本県では、平成30年頃から土佐清水市とボランティアが中心となって、野良猫の大規模TNR活動が行われております。TNRとは、捕獲し、不妊・去勢手術を施し、元の場所に戻す活動のことで、野良猫の繁殖を抑えることで不幸な命を増やさない、発情期の鳴き声を抑えるといった効果があります。 土佐清水市のホームページでは、既に1,000頭を超えるTNRを行い、継続的にTNRを続けることで、確実に目的が達成されているようです。また、高知市の観月坂団地でも町内会によるTNR活動が行われて、五、六年かけての野良猫の自然消滅を目指し現在も継続中です。 しかし、県下には野良猫問題に苦慮している自治体も多く、五台山をはじめとした観光地や広域の公園でのTNRは、その猫の数の多さもありますが、関わるボランティア、獣医師や捕獲器など機材等の不足が原因で断念しているとお聞きしております。また、県福祉保健所では、以前は犬の捕獲を目的に捕獲器を貸し出していましたが、犬、猫の虐待目的の捕獲で使用されるなどの問題があり、貸出しを止めた経緯があるとお聞きしております。 そこで、私からの提案があります。これらの問題を解消し、不幸な命をなくするためのTNRを推進するために、県がボランティア育成講座を設け、その中でTNRについてのカリキュラムとして取り入れ、その修了者が行うTNRについて捕獲器の貸出しや、不妊・去勢費用の助成を行うことはいかがでしょうか。 ボランティアと獣医師会との連携を図り、殺処分ゼロを目指せる高知県をつくり上げていくために、ぜひ取り組んでいただきたいと考えますが、健康政策部長にお聞きいたします。 続いて、不妊手術助成に関する質問をいたします。本県薬務衛生課の猫の不妊手術費助成のホームページを見ますと、猫の生息地を所管する福祉保健所に運転免許証など本人確認ができる書面と一緒に持参してくださいとあります。また、持参以外、郵送、ファクスなどの申請は受付できませんともあります。県庁には、産業デジタル化推進課も新設されて久しく、にもかかわらず、いまだにアナログとはいかがなものかと感じております。さらに、本県には福祉保健所も5か所しかない現実を鑑みますと、この申請方法がTNR活動の足かせになっていると考えます。 国では、各種補助金もPCやスマホで受け付ける今、これら申請もインターネット利用を可能にすべきと考えますが、健康政策部長の御所見をお聞かせください。 また、インターネットに不案内な御高齢の方を考えますと、郵送、ファクスなどの申請や、市町村窓口での受付も本県のTNR活動の拡大につながりますから、併せて御検討ください。 また、令和3年6月議会において武石議員からも要請がなされておりましたが、里親拡大のためにも、ぜひ県営住宅でペット飼育が可能になるような取組を始めるよう御検討いただきたいと思います。これは要請にさせていただきます。 次に、森林整備、林業振興について要請をいたします。昨年の9月議会において、私は、林業大学校で交換留学生などを受け入れ、帰国後は母国においてビジネスパートナーや高知県との橋渡し役などで活躍していただく、あるいは高度人材などとして高知に戻っていただき、海外からの人材確保の中核を担う人材として県内企業で活躍していただくことなどを視野に入れた施策を講じるべきだと御提案させていただきました。これに対して執行部から、民間企業で交流があると聞いているので、こうしたものも踏まえ、県としてどのような交流の仕方が可能か研究してまいりたいとの答弁がございました。 その後の状況につきまして、林業大学校を通じた海外の大手林業会社との交流に向けた検討が進んでいるとお聞きしており、スピード感ある対応に敬意を表しますとともに、今後の展開に大いに期待するものであります。 御承知のように、本県は県土の84%を森林が占める森林率日本一でありながら、林業就業者は過疎化や高齢化などにより、長期的に減少傾向で推移しており、担い手の確保は重要な課題となっています。また、日本全体でも、中長期的に人口減少に向かう中、県経済をさらに拡大させていくためには、輸出拡大に加えて、外国人材の受入れ対策を強化していく必要があり、濱田知事もグローバル化を政策の柱に据え、昨年3月には高知県外国人材確保・活躍戦略を策定し、関係部局が連携して、外国人材の受入れを推進しているところであります。 そうした中、林業分野においても海外との交流を通じた人材育成・確保を進めていくことは大変意義あることと考えます。現在、その詳細について検討が進んでいるものと思われますが、その際には、数年後見込まれる林業分野の外国人技能実習制度の整備を見据え、他県に先んじて制度の活用ができる技能実習生の受入れに関するノウハウの蓄積や、将来的に指導者となり得る高度人材などの外国人材の受入れ、ひいては技術交流などによるお互いの林業振興につながるよう、しっかり取り組んでいただきたいことを要請させていただきたいと思います。 次に、ひきこもり・いじめ問題に関する質問をいたします。 今、いじめは全国各地で重大事態が発生し、子供たちの貴い命を失う事例が多く報道されています。子を持つ親として、私もこういうニュースを見るたび、本当に心が痛みます。この重大事態とは、いじめにより生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがあるという場合と、いじめにより相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあるという場合の2つを、いじめの重大事態と定義しているようです。いじめは、どの子供にも、どの学校においても起こり得るものであることを十分に認識して対応しなければなりません。 そこで、令和になってから本県で発生した、いじめの重大事態の件数と、その中で、いじめにより不登校になってしまった事案の件数について教育長にお聞きいたします。 次に、いじめを減少させる取組に関して御質問いたします。昨年秋に、大阪府寝屋川市のいじめ対策を評価する「寝屋川市すごい!」という保護者のツイートがSNSで話題になりました。2万7,000いいねの反響を呼んだ理由は、児童の相談から僅か数日で動いたスピード感ある対応でした。 そこで、実は、昨年末この寝屋川市を視察してまいりました。まず、寝屋川市では、いじめ問題を教育委員会ではなく、危機管理部監察課が所管しておりました。ここでは、教育的アプローチの限界という仮説に立てば、学校現場への教育カウンセラーの派遣や教育委員会への第三者機関の設置など、よくある教育的アプローチの補強では課題解決につながらないと考えたそうです。そして、教育的アプローチはいじめの予防、見守りに注力し、新たなアプローチとして行政的アプローチを導入するとともに、児童生徒に被害児童生徒、加害児童生徒という概念を導入したそうです。そして、警察への告訴、民事での訴訟を行うルートを確保、指導する法的アプローチを導入し、第2の行政的アプローチの実効性を担保する役割を果たす仕組みを構築していました。 私は、本県でも寝屋川市と同様にいじめ問題に限って危機管理部が所管してはと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。 また、いじめ根絶を難しくしている課題に、初期段階のいじめの認知の遅れが挙げられます。本県を含め、現状のいじめ対応では、被害児童による告発だと、さらにいじめがエスカレートし、長期化することが容易に想像できます。加えて、学校現場ではいまだに隠蔽体質も見られるようで、遅々として進まないのが実情だとも聞いております。 さきに述べた寝屋川市は、こうした問題を考慮して、子供たちのSOSを市長部局に直接届ける仕組みを構築しておりました。それが、全ての小中学校で毎月配布されるチラシです。チラシは、被害者本人やクラスメートが、学校を介さずに直接監察課へといじめの相談ができる仕組みです。 ぜひ子供たちが安心して告発や通報ができる仕組みづくりを本県でも取り入れるべきではないかと考えますし、本県では小中学校だけでなく高校まで広げてはと考えますが、教育長の御所見をお聞かせください。 次に、ひきこもりに対してお伺いいたします。実は先日、個人情報の問題もありあまり詳しくは述べられませんが、地元のひきこもりの方から、上田議員ですか、私これからどうやって生きていけばいいですか、生きている価値があるんでしょうかという突然の電話相談を受けました。私も、ひきこもりの方と直接お話しするのは初めてだったので、正直びっくりしました。 その方は、私立高校を中退し、高知北高校に編入し、その後、高知工科大学に進学しましたが、ここもまた中退し、それ以降10年以上引き籠もっているそうです。その後、お母さんから詳しくお話を伺うと、精神病院へ1年ほど入院して、その後退院した頃はまだ落ち着いていたのですが、あるときから粗暴な振る舞いが出たりして、お母さんも心労がたたり、鬱症状が出て、最近はお母さんも病院に通い始めたようです。そこで、はまゆう教育相談所にお母様と一緒に行きましたが、カウンセリングがよかったのか、後日御連絡させていただきましたら、今は息子さんも落ち着いているとのことでした。 そんなときに、高知北高校の校長先生から御相談がありました。内容は、精神的ケアが行える校医を学校に置きたいというものでした。御存じの方もいらっしゃると思いますが高知北高校は60%が不登校経験者で、その子たちのケアをしっかり講じてから、大学や社会に送り出したいとのことでした。 ひきこもりの子供たちの中には精神疾患や発達障害など、精神医療の知識を持っていないと判別が困難な事例も多いと聞きます。県では、このような発達障害などの精神疾患を背景とした不登校やひきこもりなどの事例に対応できるように、医療、福祉、教育などの関係機関が連携して、地域の支援体制を構築する取組を進められていると聞いています。 先ほどの方のように、こういった支援を必要としている方はこれから増えていくと感じておりますが、特に医療面の支援について、今後どのように進めていくのか、子ども・福祉政策部長にお聞きいたします。 また、こうした支援に関しては、今後困難なケースによっては、チームをつくって対応することが求められると考えます。チームとは、ひきこもりの経験者プラス医療プラス精神保健福祉士などです。横断的な組織が必要であろうかと考えます。ひきこもりの方は、家庭内に様々な課題を抱えていることが多く、アセスメントで見立てや診断を行い、一人一人の状態に応じた支援が求められ、早期に状況を把握して、県のひきこもり地域支援センターや福祉保健所、地域の行政や学校、社会福祉協議会など、多職種が連携して支援することが必要であると考えます。 国のひきこもり支援では、現在都道府県と指定都市に設置しているひきこもり地域支援センターの小型版を身近な市町村に設置を目指すなど、基礎自治体における相談窓口の早期設置や、支援内容の充実を進めていくことが打ち出されています。 県内のひきこもり支援施策の充実に向けて今後どのように取り組んでいくのか、子ども・福祉政策部長にお聞きいたします。 時間が参りましたので、まだ予定をしておりましたが、以上で第1問とさせていただきます。   (知事濱田省司君登壇) ◎知事(濱田省司君) 上田議員の御質問にお答えをいたします。 まず、県際収支の改善に向けました産業振興計画での取組につきましてお尋ねがございました。 本県のような地方部におきましては、例えば食料品や電化製品など生活必需品の多くが移輸入となります。このため、基本的には県際収支が赤字となるといった構造にあります。とはいいましても、本県経済の発展を目指すためには、移輸出の増加を図りますことで、結果として県際収支が改善されるということが望ましい姿であるというふうに考えております。 そのためには、御指摘もありましたように、まずグリーン化やデジタル化といった取組によりまして、イノベーションを喚起していくこと、そして付加価値の高い新たな事業を数多く生み出していくということが非常に大切であると考えております。さらに、いわゆるインバウンド観光の振興、輸出の拡大といいましたグローバル化を推進いたしますために、海外市場に打って出るということが重要であります。 このため、産業振興計画におきます分野横断型の連携テーマを大幅に見直しいたしまして、コロナ禍でありましても成長が期待できる新たな産業の創出、そして輸出を見据えた地産外商の取組を強化するということにいたしました。 活力のある県外の市場、さらには海外の市場をターゲットといたしまして、より一層の販路の拡大に取り組むことにより、移輸出額の増加、ひいては県際収支の改善を図るという考え方で対応してまいります。 次に、文化芸術振興ビジョンの見直しと今後の進化についてお尋ねがございました。 高知県文化芸術振興ビジョンは、本年度が計画期間10年間の中間年、折り返しの5年目となっております。このため、基本的な理念などは維持をしながらも、デジタル化の進展あるいは長引くコロナ禍といった文化芸術を取り巻く環境の変化を踏まえまして、見直しを行いました。あわせまして、見直し後のビジョンに基づきます来年度から5か年の後期行動計画も作成をいたしたところでございます。 この見直しに当たりましては、昨年度議員からも御指摘をいただきました、文化芸術と経済の融合という点にも特に意を用いました。見直しの御議論をいただきました高知県文化芸術振興ビジョン評価委員会の委員には、経済界や観光分野の方々にも新たに御就任をいただきまして、文化芸術の振興を経済の活性化に、より一層つなげていくという視点からの御意見もいただきました。 このたび作成をいたしました後期の行動計画におきましては、経済の活性化につなげるという観点からは、例えば牧野植物園の利用促進、文化芸術を活用した観光振興の取組なども盛り込んでおります。また、県立文化施設の利用促進、まんが王国・土佐のブランド化推進、高知の文化の国内外への発信などの取組も経済の活性化につながるものであると考えております。 今後、このビジョン及び行動計画に沿いまして、基本理念といたしております、文化芸術の力で心豊かに暮らせる高知県の実現に向け、本県の文化芸術の一層の振興を図ってまいります。あわせまして、行動計画の進捗管理に当たりましては、文化芸術の振興を観光振興や産業振興につなげていくということを引き続き意識をいたしまして、必要に応じて取組の追加なども行ってまいりたいと考えております。 次に、今後の映画、ドラマにおきますロケ誘致に備えた体制の充実についてお尋ねがございました。 映画やドラマの誘致は、国の内外に向けましたPR効果はもとよりでありますけれども、いわゆるロケ地巡りなどの観光誘客、そして撮影の際の宿泊など、本県に様々な経済効果を生み出すものと考えております。このため、現在観光コンベンション協会にフィルムコミッションを設置いたしまして、映像制作者を対象とした商談会などを通じましたロケの誘致活動を行っているところであります。 また、誘致を成功させますためには、企画に応じたロケ地情報の提供をはじめといたしまして、撮影許可手続の調整などといいました制作側のニーズに沿った対応を丁寧に行うということが重要だと考えております。例えば、昨年の映画竜とそばかすの姫の事例におきましては、制作イメージを踏まえまして、それに適したロケ地の情報提供でございますとか、視察のアテンドといったきめ細かな対応を重ねたことが、本県でのロケ誘致につながったと考えております。さらに、実際の撮影時には必要な施設の利用調整でございますとかエキストラ、ボランティアスタッフの手配などにつきまして、関係機関と連携をし、円滑なロケが実施されるように支援をいたしております。 今後のロケの誘致に備えた体制につきましては、引き続きフィルムコミッションを窓口といたしまして、支援のボリュームや内容に応じて臨機応変に全庁で対応していくということが効果的だと考えております。今後も、映画やドラマの制作者側にとりまして円滑なロケが行えますように、しっかりと支援を行いまして、本県へのロケ誘致につなげてまいりたいと考えております。 最後に、いじめ問題につきまして、知事部局の危機管理部が所管をすることにしてはどうかというお尋ねがございました。 いじめ問題は、学力の不振、不登校、暴力行為、自己肯定感の低下などといった様々な教育課題と相まって発生するものであります。このため、基本的にはその予防、発見、解決までの一連の取組につきまして教育委員会が担うということが適当であると考えております。 一方で、いじめ問題に関しましては、地方公共団体の長が関わる仕組みが近年新たに設けられております。具体的には、1つには、児童生徒の命に関わる重大事態が発生した場合には、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定に基づき、知事や市町村長の権限で総合教育会議を開催いたしまして、緊急に講ずべき措置を協議した上で速やかに対処すると、こういった形で知事、市町村長が関与するという枠組みが設けられております。 また、あわせまして、教育委員会が実施をいたしましたいじめの重大事態の調査結果が十分でないと被害側の児童生徒や保護者が判断した場合には、いじめ防止対策推進法の規定によりまして、知事や市町村長に再調査を求めることができるとされております。本県におきまして、知事にこの再調査の要望があった場合には、子ども・福祉政策部に実務を担わせるということといたしております。実際に、過去に再調査の要望があった事案はございませんけれども、このような形で第三者的な立場から検証ができる仕組みが整えられているところでございます。 また、これまで県立学校におきまして、児童生徒の命に関わる事態が発生いたしました場合には、発生時点でのいじめの有無にかかわらず、直ちに教育委員会から私に報告がされております。いじめの重大事態などにつきましても、その都度報告がされておりますし、さらに申しますと、私宛てに直接いじめの情報が寄せられた場合にも、私のほうから県の教育委員会に伝えまして、教育委員会において適切に対応するように促しているところであります。 こうしたことから、本県におきますいじめ問題につきましては、今後とも基本的には教育委員会が所管をし、必要に応じて知事部局が関与していくということによりまして、適切な対応が図られるものというふうに考えております。 私からは以上であります。   (商工労働部長松岡孝和君登壇) ◎商工労働部長(松岡孝和君) 県内企業がデジタル技術を活用して働き方改革を進めるための取組についてお尋ねがございました。 議員のお話にありましたように、例えばテレワークは時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を可能とする有効な手段となります。加えて、感染症対策や危機事案発生時における企業の事業継続、BCP対策、さらには企業の魅力を高めることによる有能な人材の獲得などの効果も期待できるところです。 このように企業におけるデジタル化の活用は、働き方改革をはじめ様々な効果をもたらしますことから、本年度その支援の在り方を抜本強化しているところです。まず、昨年4月に産業振興センターにデジタル化推進部を新設し、専門の人材を配置いたしました。また、県内企業がデジタル化に取り組むきっかけとなるモデル事例を創出し、県内全域へ横展開するための取組も進めております。さらに、高知デジタルカレッジの講座を拡充し、社内のデジタル化に対応するための企業人材の育成も行っているところです。 加えて、県内企業の大半を占める小規模事業者のデジタル化を促進するためには、商工会等の経営指導員のスキル向上が重要となりますことから、来年度新たに商工会連合会に専任のアドバイザーを配置してまいります。こうした取組によりまして、多くの県内企業にデジタル技術の活用を促していくことで、県内企業の働き方改革の取組も後押ししてまいります。   (産業振興推進部長沖本健二君登壇) ◎産業振興推進部長(沖本健二君) 50代以上の方を対象とした起業促進の取組についてお尋ねがございました。 人生100年時代と言われるようになりましたが、その後半となる50代以降に起業によって第二の人生をスタートされる方々が増えていきますことは、今後ますます労働生産人口の減少が見込まれています本県にとりまして、大変有意義なことだというふうに考えております。また、お話にもございましたリモートワークによるコンサルティング業務など、自宅をオフィスとした起業が今後増加してくることも考えられます。 県では、起業に取り組む方々をサポートするこうちスタートアップパークを運営しております。900人を超える会員が現在いらっしゃいますけれども、うち50歳以上の方は79人となってございます。これらの方々は、それまでに蓄積した様々な経験や人脈などを生かし、起業しようとする事業内容がある程度明確になっておりますことから、アドバイザーによります個別メンタリングが最も有効だと考えます。こうした手法を活用し、第二の人生における新たなチャレンジを応援したいと考えておりますので、お気軽に御相談いただければと思います。   (中山間振興・交通部長尾下一次君登壇) ◎中山間振興・交通部長(尾下一次君) 地域プロジェクトマネージャー制度を活用するための取組についてお尋ねがございました。 議員からお話がございましたように、今年度市町村が実施する重要なプロジェクトを担う人材を確保することを目的に、新たに地域プロジェクトマネージャー制度が創設をされました。配置されるマネジャーは専門的な知識や経験を基に、プロジェクトの責任者として、また地域の企業や関係団体などとの橋渡し役として、プロジェクトを着実に推進し、成果へとつなげていくことが期待をされております。また、地域おこし協力隊のOBやOGの配置も想定した制度となっております。 様々な課題を抱える本県の中山間地域にとっても、こうした専門的な知識やノウハウを持つ人材を確保することで、地域の課題解決や活性化が期待できる有効な制度であると考えております。県内では、本年1月から室戸市がこの制度を導入し、来年度には現時点で2つの市町村が導入する予定となっております。 県としましては、今後とも市町村担当者会や地域おこし協力隊の研修会などの場を通じて、制度の目的や内容を周知するとともに、先行して配置された室戸市の事例を広く御紹介するなど、制度のさらなる活用を進めてまいります。   (観光振興部長山脇深君登壇) ◎観光振興部長(山脇深君) まず、NHK連続テレビ小説らんまんの放送に合わせたプロモーションについてお尋ねがございました。 これまで本県を訪れた観光客の統計を見ますと、40代以上の方の割合が全体の6割以上を占めており、また全ての年代を通じて男性の割合が高いのが特徴であり、毎年同じ状況が続いております。一方で、連続テレビ小説の視聴者層は40代以上の割合が7割以上で、そして全体の約6割が女性となっております。また、牧野植物園をはじめ県内の植物や花をテーマとした施設の入園者につきましても、連続テレビ小説の視聴者層と同じ傾向にあります。こうしたことから、まずは自然や植物に関心の高い女性層を中心にアプローチをしていく必要があるというふうに考えております。 また、今回のドラマで主役を演じる神木隆之介さんは、女性の幅広い世代にとても人気のある方だとお聞きをしておりますので、ドラマ放送を通じて、今まで高知にあまりお越しいただけていない、比較的若い年齢層の方にも関心を持っていただけるのではないかというふうに考えております。 こうしたことを踏まえまして、自然や植物に関心の高い方が購読するような雑誌や女性誌、生活情報番組などでの情報発信の強化を図っていきたいというふうに思います。加えまして、SNSを活用した情報発信やウェブ広告など、若年層へのPRの強化も図り、今回のドラマを契機に、本県への誘客層の幅をより広げていけるように取り組んでまいります。 次に、渋滞対策と周遊促進についてお尋ねがございました。 牧野植物園においては、特にドラマ放送開始後のゴールデンウイークや連休など、相当な混雑が予想されますし、お話のありました桂浜公園のグランドオープンもほぼ同時期に予定されていることから、桂浜周辺での渋滞も想定されます。このため、両施設への進入路の交通規制や案内スタッフの配置、また大規模な臨時駐車場を開設した上で、シャトルバスで送迎するなどの対策が必要ではないかと考えております。 また、車を利用しない観光客の方も多くいらっしゃいますので、高知駅前発のMY遊バスの増便の検討も必要だと思います。このMY遊バスは五台山と桂浜を結ぶ周遊観光バスですので、集客力の高い牧野植物園と桂浜公園のそれぞれの入園者を相互に送客できる効果が期待できます。加えまして、現在桂浜に遊覧船が着岸できるような整備が行われており、これを機会に浦戸湾を活用した大きな周遊ルートもつくっていけるのではないかと考えています。 例えば、朝、高知駅からMY遊バスに乗って五台山や桂浜を散策し、桂浜から浦戸湾の遊覧船で桟橋に渡り、路面電車で町なかまで戻ってくるといったコースも可能だと思います。そうしますと、高知でさらにもう一泊するという可能性も高まります。お話のありました夜の飲食店やタクシーなどへの波及効果も出てくるものと思われます。また、桂浜公園やとさてらすの案内所で手にした観光情報を基に、県内各地に周遊していただければ、本県での滞在時間の延長や観光消費額の向上にもつながるものと思います。 いずれにいたしましても、渋滞対策をしっかり講じていくことはもちろんのことでありますけれども、将来の本県観光の振興につながる取組となることを常に念頭に置きまして、ドラマ終了後には本県観光が一段とレベルアップしていることを目指して取り組んでまいります。   (文化生活スポーツ部長岡村昭一君登壇) ◎文化生活スポーツ部長(岡村昭一君) 連続テレビ小説の放送決定を契機とした新たな観光施策を文化芸術振興ビジョンに盛り込むことについてお尋ねがございました。 先ほどの知事からの答弁にもありましたように、高知県文化芸術振興ビジョン及びビジョンに基づく行動計画におきましては、文化芸術の振興を観光振興や産業振興につなげることを意識した取組を盛り込むこととしております。来年度からの5年間を計画期間といたします後期行動計画におきましても、文化芸術を活用した観光振興の取組として、龍馬パスポート事業やリョーマの休日キャンペーン推進事業などを位置づけているところであります。 このたび、牧野富太郎博士をモデルにした朝の連続テレビ小説の放送が決定しましたことは、誠に喜ばしいことであります。既に観光振興部では、官民が一体となった新たな観光振興策の検討が進められています。今後の取組により、多くの方々が高知県を訪れてくださるものと期待しております。 本県の文化芸術の振興という観点からも、高知県に来られる多くの方々に本県の歴史や文化に触れ、その魅力を感じていただく絶好の機会であります。このたびの連続テレビ小説の放送決定を契機とした新たな観光施策が策定されましたら、文化芸術振興ビジョンの後期行動計画に組み入れたいと考えております。また、今後におきましても観光や産業などの振興と文化芸術の振興との連携を一層意識し、必要に応じて取組の追加や見直しなどを行ってまいりたいと考えております。   (林業振興・環境部長中村剛君登壇) ◎林業振興・環境部長(中村剛君) 牧野植物園の磨き上げ整備の状況と駐車場の渋滞対策についてお尋ねがございました。 県では、平成29年度に策定しました牧野植物園磨き上げ整備基本構想に基づき、これまでに夜間イベントを行うための照明設備の設置やフラワーショーが開催できる新しい園地の整備、牧野博士の植物図や植物の魅力を紹介するための映像シアターの整備などを進めてまいりました。 また、今年度は来園された皆様が目の前にある植物についての解説などをお手元のスマートフォンで見られるガイドシステムを構築し、運用を開始しております。さらに、現在レストランなどを備えた新しい研究棟の整備を進めており、ちょうど放送が始まります令和5年春にオープンする予定であり、さらに魅力を増した植物園として新たなお客様を迎え入れることとなっております。 一方、駐車場につきましては、大型連休中や、人気企画展が開催され多くのお客様が来園される期間中は、それに対応できるだけの十分な駐車スペースがないことが大きな課題となっておりました。このため、近年のゴールデンウイークの来園者数や、五台山花絵巻を開催し来園者数が過去最高20万人超えであった年の入り込み数、こちらにも対応できますよう駐車場の拡張工事を進めており、今年12月には完成する予定であります。 しかしながら、らんまん効果によりまして、これらの来園者数を超えるお客様がお越しであることも想定されます。このため、そうした事態に備えた臨時駐車場の確保についても検討を始めるなど、受入れに当たっての駐車場対策に万全を期して取り組んでいるところでございます。   (健康政策部長家保英隆君登壇) ◎健康政策部長(家保英隆君) まず、五台山地区の野良犬、野良猫の実態把握と、その確保、保護などの対策についてお尋ねがございました。 五台山地区の野良犬、野良猫については、中核市である高知市の所管となり、高知市保健所や五台山公園を管理しております高知土木事務所に問い合わせましたところ、生息数等について具体的な数などの情報は把握していないということでした。高知市保健所の話では、五台山地区及びその周辺で数匹から十数匹の子犬が毎年のように保護され、また地元住民の方々や県市で共同設置している中央小動物管理センターの職員の目撃情報によりますと、数匹程度のグループが複数確認されております。 これまでも高知市保健所が、高知土木事務所や牧野植物園、地区の住民の協力を得て、断続的に捕獲おりを設置しております。昨年10月には、五台山地区住民の方々から高知市長に、野犬被害から住民を守るための要望書が提出されたことを受けて、住民の方々と高知市の間で改めて対策が協議されているとお聞きしております。 県としましては、高知市保健所からの要望を受けて、おりの改善や追加設置などについて協力をしているところでございます。 次に、愛護動物を錯誤捕獲の被害から守るための法律上の整理についてお尋ねがございました。 五台山地区は鳥獣保護区のため、農作物をイノシシなどの被害から守るための害獣捕獲が行われているとお聞きしております。捕獲わなに関しましては、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第9条第1項に基づく許可を、高知県の事務処理の特例に関する条例の規定にのっとり、市町村から得て設置されることになっています。そのわなに捕獲対象以外の動物が捕獲された場合は、わなの設置者が放獣することになっております。愛護動物が意図せず捕獲された場合に放獣を行わず長期間放置し、その結果負傷、死亡した場合は、動物の愛護及び管理に関する法律第44条により懲役または罰金に処せられる可能性もあります。 県としましては、担当課による狩猟免許更新講習会などの場で説明し、動物愛護法の遵守について徹底をしてまいります。 次に、処分ゼロに向けたボランティアや獣医師会との連携についてお尋ねがございました。 動物愛護ボランティアの皆様には、日頃から地域猫活動や、猫や犬の保護、譲渡などを行っていただいており、この場をお借りしてお礼申し上げます。 議員からお話のありましたTNRは、飼い主のいない猫を捕獲し、不妊・去勢手術を行い元の場所に戻す活動で、繁殖を抑制するものです。この取組をより効果的に推進する方法として、ボランティアと市町村が協働で行う集中的不妊手術枠を設けておりますので、その実施に当たっては円滑に手術を実施できるよう、獣医師の皆さん方との連携が重要になってまいります。 加えて、殺処分の一層の減少にはTNRだけではなく、ボランティアの方々に献身的に取り組んでいただいているミルク猫の保護活動もございますが、保護される状態によっては獣医師の診察が必要な取組でもございます。こうしたTNR活動やミルク猫の保護には医療支援が欠かせないことから、これまで以上に獣医師会などの獣医師さんの方々との協力・連携も図るように取り組んでまいります。 最後に、猫の不妊手術費助成のインターネットや郵送などによる申請と市町村窓口での受付についてお尋ねがございました。 本県では、デジタル化推進の一環として電子申請の拡充を進めているところであり、お話のありましたメス猫不妊手術推進事業での導入も進めていきたいとの思いでございます。 本事業では、猫の生息範囲の状況や数の把握、不妊手術後の餌やりの方法、ふんの始末などの指導が事業の成果を左右するポイントになっており、インターネットや郵便でこれらをいかに確実に実行していただけるようにするかが課題となります。これらの課題解決を整理した上で、インターネットや郵送など新たな申請方法について検討を進めてまいります。 また、市町村での受付については、効果的な繁殖抑制を目的とした集中的不妊手術枠を市町村申請としておりますので、繁殖抑制を推進するためには地元市町村と御協議の上、集中枠の活用の御検討をお願いしたいと考えております。   (教育長伊藤博明君登壇) ◎教育長(伊藤博明君) まず、令和以降、いじめの重大事態の報告件数といじめにより不登校になった件数についてお尋ねがございました。 いじめの定義は、当該児童生徒と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的または物理的な影響を与える行為であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているものであると、いじめ防止対策推進法によって初めて規定がされました。これは、個々の行為がいじめに当たるか否かの判断は、表面的、形式的にすることなく、いじめられた児童生徒の立場に立つことが必要であると示されたものです。 また、同法第28条第1項によって、いじめの重大事態が規定されました。第1号では「いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」、第2号では「いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき」とされております。この相当の期間とは、国が示すガイドラインでは年間30日が目安とされております。本県では、県立学校については30日ではなく、7日以上と短く設定して認定し、国へもそれで報告を行っております。 本県で認定された重大事態は、公立小・中・高・特別支援学校合わせて令和元年度は第1号が7件、第2号が14件で、重複がありますので、実数としましては、第1号、第2号合わせて16件、16人となっております。また、この中には同一事案で双方の訴えにより互いに被害側にも加害側にも認定されるものが計2件として計上されております。令和2年度は第1号が9件、第2号が13件で、重複がありますので、こちらも実数は19件、19人となっています。なお、これらの重大事態の調査報告に児童生徒が死亡した事案はございません。 また、これら第2号に該当する重大事態の中で、年間30日以上の欠席となって、不登校として報告された児童生徒数は、令和元年度が7人、令和2年度が7人となっております。 次に、子供たちが安心して相談や報告ができる仕組みについてお尋ねがございました。 学校では、主に学級担任や養護教諭が窓口となって、子供が安心して自分の気持ちを伝えることができるよう、相談体制の整備に努めているところです。また、直接教員に相談しづらい子供のために、県教育委員会では外部相談窓口として24時間子どもSOSダイヤル、電子メール相談、こうち高校生LINE相談などを開設しております。 さらに、本年度は、児童生徒の1人1台端末でログインした際に表示されるトップページに、こうした相談窓口の一覧を掲載するとともに、電子メール相談については、児童生徒の1人1台端末から直接教員などに知られることなく送信ができる仕組みを追加しております。 また、本年度は令和2年3月に作成し配付しました「「高知家」いじめ予防等プログラム」の追補版を作成しまして、子供のSOSに早期に気づくことができる教職員向けプログラムや、児童生徒が困ったときの具体的な援助方法を学ぶためのプログラムを追加いたしました。このプログラムを活用することで、いじめに対しての教職員の気づく力の向上や、児童生徒が自ら身近な友達や大人に相談することができる力を育んでまいりたいと考えております。さらに、このプログラムは、保護者や地域、関係機関等、幅広く活用いただくこととしており、いじめの気づきと学校等への連絡方法なども学んでいただけるようになっております。 県教育委員会としましては、先ほどのプログラムを活用した教員研修を実施するとともに、各相談窓口のさらなる周知や1人1台端末のトップページの使い方などについて徹底し、子供たちがさらに安心して相談や報告ができるよう取り組んでまいります。   (子ども・福祉政策部長山地和君登壇) ◎子ども・福祉政策部長(山地和君) まず、不登校やひきこもりなどの事例に対応できる体制づくりについてお尋ねがございました。 県では、令和2年7月から子どもの心の診療ネットワーク事業を開始し、高知大学医学部を拠点として、子供の心の問題に早期に対応するため、県内の関係機関が連携した地域の支援体制の構築を進めております。この事業では、不登校やひきこもり、非行も含めた様々な問題を抱えた子供への対応や、保護者や福祉専門職、教員などを対象とした研修会などを実施しております。また、不登校やひきこもりなどに対応できる医療機関をウェブサイトで公表し、御家族や支援者への周知を行うなど、医療にアクセスしやすい環境の整備に努めております。 高知大学医学部では、不登校や中高生への支援に関する相談が増加しており、これらに対応できる体制づくりが必要となっております。このため、県が高知大学に設置している児童青年期精神医学寄附講座を活用して、思春期以降の心の診療ができる医師の養成などに取り組むとともに、高知大学医学部の協力を得ながら、医療面での支援体制の強化を図ってまいります。 次に、ひきこもり支援施策の充実についてお尋ねがございました。 ひきこもり支援につきましては、県のひきこもり地域支援センターにおいて、コーディネーターによる専門的なサポートを実施するとともに、市町村や関係機関との連絡会議の開催や、支援者の人材育成研修の実施、ひきこもりに関する普及啓発に取り組んでいるところです。ひきこもり支援には、御本人やその御家族の状況に応じて、一人一人に寄り添いながら、福祉や医療、教育などの関係機関が一体となって支援することが重要です。お話のように、国において、市町村へもひきこもり地域支援センターを設置する方向が示されたところです。 本県では、令和元年度に県や市町村、医療、福祉、当事者団体などで構成する、高知県ひきこもりの人等に対する支援のあり方に関する検討委員会を設置し、関係機関によるネットワークの構築に取り組んでまいりました。来年度は、この検討委員会での議論を踏まえ、市町村における福祉や医療、教育、地域の多職種が連携した体制の整備を支援してまいります。 具体的には、ひきこもり地域支援センターにおいて、これまでの事例を基に相談支援のハンドブックを作成し、支援の現場で活用いただくことで、適切な対応や支援者同士の円滑な連携につなげてまいります。また、市町村職員などを対象とした人材養成研修の実施や、ブロックごとの連絡会や研修会の開催を通じて、民間団体も含めた多機関のネットワークづくりを進めてまいります。あわせて、市町村の体制強化に向けましては、地域共生社会を推進する国の新たな事業の活用が有効ですので、国の事業の導入に向けた支援も行ってまいります。 こうした取組により地域での支援体制の充実を図り、一人一人に寄り添った重層的な支援につなげてまいります。 ◆4番(上田貢太郎君) 執行部の皆様におかれましては、それぞれ丁寧な御答弁ありがとうございました。 以上で全ての質問とさせていただきます。(拍手) ○議長(森田英二君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。 明9日の議事日程は、一問一答による議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。   午前11時23分散会...