令和 2年 12月 定例会(第356回) 令和2年12月16日(水曜日) 開議第3日
-----------------------------------出席議員 1番 上治堂司君 2番 土森正一君 3番 上田貢太郎君 4番 今城誠司君 5番 金岡佳時君 6番 下村勝幸君 7番 田中 徹君 8番 土居 央君 9番 野町雅樹君 10番 浜田豪太君 11番 横山文人君 12番 西内隆純君 13番 加藤 漠君 14番 西内 健君 15番 弘田兼一君 16番 明神健夫君 17番 依光晃一郎君 18番 梶原大介君 19番 桑名龍吾君 20番 森田英二君 21番 三石文隆君 22番 山崎正恭君 23番 西森雅和君 24番 黒岩正好君 25番 大石 宗君 26番 武石利彦君 27番 田所裕介君 28番 石井 孝君 29番 大野辰哉君 30番 橋本敏男君 31番 上田周五君 32番 坂本茂雄君 33番 岡田芳秀君 34番 中根佐知君 35番 吉良富彦君 36番 米田 稔君 37番 塚地佐智君欠席議員 なし
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 濱田省司君 副知事 岩城孝章君 総務部長 井上浩之君 健康政策部長 鎌倉昭浩君 地域福祉部長 福留利也君
文化生活スポーツ部長 岡村昭一君
産業振興推進部長 沖本健二君 中山間振興・交通部長 尾下一次君 商工労働部長 松岡孝和君 観光振興部長 吉村 大君 林業振興・環境部長 川村竜哉君 土木部長 村田重雄君 教育長 伊藤博明君 警察本部長 熊坂 隆君
-----------------------------------事務局職員出席者 事務局長 行宗昭一君 事務局次長 織田勝博君 議事課長 吉岡正勝君 政策調査課長 川村和敏君 議事課長補佐 馬殿昌彦君 主幹 春井真美君
-----------------------------------議事日程(第3号) 令和2年12月16日午前10時開議第1 第1号 令和2年度高知県
一般会計補正予算 第2号 令和2年度高知県
給与等集中管理特別会計補正予算 第3号 令和2年度高知県流通団地及び
工業団地造成事業特別会計補正予算 第4号 令和2年度高知県
電気事業会計補正予算 第5号 令和2年度高知県
工業用水道事業会計補正予算 第6号 令和2年度高知県
病院事業会計補正予算 第7号 職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例議案 第8号 過疎地域等における県税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例議案 第9号 高知県
環境影響評価条例の一部を改正する条例議案 第10号 高知県が当事者である和解に関する議案 第11号 令和3年度当せん金付証票の発売総額に関する議案 第12号 高知県立ふくし交流プラザの指定管理者の指定に関する議案 第13号
高知県立高知城歴史博物館の指定管理者の指定に関する議案 第14号
高知県立障害者スポーツセンターの指定管理者の指定に関する議案 第15号
高知県立牧野植物園の指定管理者の指定に関する議案 第16号
宇佐漁港プレジャーボート等保管施設の指定管理者の指定に関する議案 第17号 (仮称)
高知布師田団地団地整備工事請負契約の締結に関する議案 第18号 国道441号防災・安全交付金(口屋内トンネル(Ⅰ))工事請負契約の締結に関する議案 第19号 国道493号(北川道路)道路改築(和田トンネル(Ⅱ))工事請負契約の締結に関する議案 第20号
都市計画道路高知駅秦南町線防災・安全交付金(
久万川橋上部工)工事請負契約の締結に関する議案第2 一般質問 (3人)
----------------------------------- 午前10時開議
○議長(三石文隆君) これより本日の会議を開きます。
-----------------------------------
△質疑並びに一般質問
○議長(三石文隆君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、第1号「令和2年度高知県
一般会計補正予算」から第20号「
都市計画道路高知駅秦南町線防災・安全交付金(
久万川橋上部工)工事請負契約の締結に関する議案」まで、以上20件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問を併せて行います。 6番下村勝幸君。 (6番下村勝幸君登壇)
◆6番(下村勝幸君) 自民党会派、黒潮町区選出の下村勝幸です。議長のお許しをいただきましたので、早速質問に入らせていただきたいと思います。 冒頭、
新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた皆様にお悔やみを申し上げますとともに、現在入院中の皆様の早期の御回復を心よりお祈りいたします。 さて、ちょうど昨年の12月議会におきまして、就任直後の濱田知事に初めての質問の機会をいただきました。激しい選挙戦を見事に制し、知事に就任したばかりの濱田知事にねぎらいの言葉を送りながら質問に入らせていただいてから、はや1年が経過いたしました。現在、第3波と言われる
新型コロナウイルス感染症が爆発的に拡大し続けています。特に、東京などの都市部を中心に北海道や大阪など連日感染者数が激増しております。 我が高知県におきましては、これまで散発的な発生は見られていたものの、医療関係機関の皆様や関係者の御努力により、何とか抑え込みに成功してきたものの、この12月からは特別警戒という非常に危険な状態になってしまいました。本来であれば、今は忘年会シーズンの真っただ中であり、すぐに来るクリスマスや新年会等は、飲食店にとって一年の中で最も重要な書き入れどきを迎えるはずでありました。 そこで、知事に御質問いたします。この1年間の知事はじめ執行部の皆様の御努力は大変なものでありましたし、その取組につきましては私も高く評価するところであります。しかしながら、県経済を回しながら感染症対策に万全を尽くすという非常に難しい課題に対し、これからどのような対策を取っていかれるのか、まずは知事にお伺いいたします。 次に、私たちの地域でも冬期に入り感染者が激増しております。幸いなことに、高知県では医療関係者の皆様の献身的な御努力により、重症化される方が少なく抑えられております。しかしながら、感染者が多くなってくれば医療資源の不足により、高齢者や基礎疾患のある方が重症化される可能性が増えてまいります。 また、この
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、我々が非常に恐れていたのが、毎年流行する
インフルエンザとのダブルでの感染拡大でありました。しかしながら、
新型コロナウイルスの感染予防に国民を挙げて取り組んできた結果、
インフルエンザの発生が極端に抑え込まれております。これは、次年度以降の
インフルエンザ対策への大きな教訓になるものと考えます。また、報道で言われておりますように、マスクとアルコール消毒、さらに3密を避けるなどといった行為や、海外からの人の往来に制限を設けていることが、この
インフルエンザの蔓延を防いでいる要因の一つになっているのではないかと想像しています。 しかしながら、ここまで
インフルエンザの感染を抑え込んでいるにもかかわらず、
新型コロナウイルスは感染拡大を続けております。言い換えるなら、非常に感染力の強い、この
新型コロナウイルス感染症を決して侮ってはいけないということであります。 医療関係者の皆様の御努力には感謝の言葉しかありません。しかしながら、報道によりますと、多くの医療機関で
新型コロナウイルスの感染拡大により病院経営が圧迫され、医療関係者の皆様の給料やボーナスの減額が行われているとも伝えられております。今こそ、こういった方たちへ心からの感謝と敬意を示し、県民全体で応援していかねばならないと思います。御自分の命をも顧みず献身的に尽くしておられる医療従事者の皆様が、給料や待遇面で処遇されないということは非常に理不尽であり、同じ日本人としてざんきに堪えません。 そこで、この感染症の収束が全く見通せない中で、
新型コロナウイルス感染症の診療に献身的に尽力されている医療従事者へのお心に報い、さらにモチベーションを維持していただくためにも、医療関係者や医療機関への支援をさらに充実させるよう、国への政策提言も含めて努力すべきではないかと考えますが、健康政策部長の御所見をお伺いいたします。 次に、厚生労働省が推奨している
接触確認アプリCOCOAについてお伺いいたします。厚生労働省が推奨している
接触確認アプリCOCOAが
スマートフォンにインストールされている総数が、この12月11日午後5時時点での集計で約2,148万件、率にして17.1%となっており、残念ながら非常に低水準で推移しております。そんな中、第3波に襲われている高知県では、感染経路不明の方が大変多くなっており、市中感染が広がる中、保健所でも濃厚接触者の追跡に相当苦労されているのではないかと推察するところであります。 12月14日の報道によりますと、直近7日間の感染者数を人口10万人当たりで見た場合、全都道府県中、愛知県に次いで6番目に多くなっているとの報道がなされました。そこで、ここまで感染者が多く広まってしまった高知県としては、保健所の皆様の負担を減らすと同時に、医療現場への負担も確実に減らすことが喫緊の課題であると考えます。そのためには、確実に濃厚接触者を見つけ、感染拡大を防がねばなりません。そのためにも、このアプリのインストールは非常に有効な手段であると私は思います。 さらに、この感染症の厄介なところは、無症状でも感染させるリスクがあるということであります。若い方が何の悪気もなく、持病のある高齢者に感染させてしまった場合、重症化させてしまうかもしれないというリスクを常に抱えております。こうしたことがもとで発生する医療崩壊を防ぎ、このような状況を早く克服し、この
新型コロナウイルス感染症に打ち勝つためには、一人一人がより強い
感染防止対策意識を持って臨まねばなりません。また、最近の研究によれば、20代から50代の皆様が感染のリスクを広げているという報告もありました。この年代は多くの方が
スマートフォンを持たれていると思います。 そこで、例えば我々議員をはじめ市町村議会議員の皆様や、県庁職員をはじめ市町村職員、そして教職員の皆様などの県内の公務員の方から始め、
福祉関連事業者の皆様など、どんどん自分の周りの方にも声かけを行い、県民運動にすることによって、県全体にこのアプリのインストールの推奨を広めていってはいかがかと考えます。万が一、陽性登録者との接触の可能性について通知が入った場合は、本人も意識を持った行動をすることが可能となります。 そこで、自分自身を守り、周りの皆様を感染のリスクから守るという意識づけを行い、このアプリのインストールについて、県が推奨していることを強くアピールするためにも、知事からの呼びかけを行ってみてはどうかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 また、私もこのアプリをインストールして半年ほど経過いたしましたが、一度も陽性者との接触は確認されておりません。そこで、万が一このCOCOAを通じて陽性者との接触が確認された場合、その後のPCR検査等の流れについてはどのようになるのか、健康政策部長にお伺いいたします。 さて、この
新型コロナウイルス感染症は、これまで常識と思われていた様々な事象や社会の
矛盾点などをあぶり出し、今後の我々の生活様式を変える意味で、近代における大転換期を迎えることになりました。戦後、世界にかつてないほどのインパクトを与えたこのパンデミックに対応する中で、ニューノーマルと言われる生活様式が一般的になりつつあると感じております。今では外出時にはマスクが欠かせず、人と出会ったときに握手すらできなくなってしまいました。また、土佐の豪快な皿鉢料理に代表されるように、一枚の大皿を囲み愉快に談笑するような、土佐人が一番得意とする人付き合いのよさを発揮しづらい世の中になってしまったと感じているのは、決して私だけではないと思います。 この令和2年の12月議会では、ウイズコロナ、
アフターコロナと言われるように、今既に起こっていること、またこれから起こるであろう近未来に想像を巡らせ、これからの日本社会がどういった方向で進むのかを推測しながら、これ以降そのような視点で、それぞれの分野ごとに質問させていただきたいと思います。 まずは、ウイズコロナ、
アフターコロナの企業誘致についてお伺いいたします。 このコロナ禍を迎え、日本の社会全体が非接触の方向に向かい動き始めました。できるだけ人に直接会わず仕事を完結させるという方向であります。その大きな方向が、
オンライン会議ツールズームに代表されるような
オンラインミーティングやオンライン商談であります。これまでの日本社会では、直接人に会い、その人となりを知ってもらうことが一番重要であるという価値観であったものが、この
新型コロナウイルス感染症の出現により、人に会わなくとも仕事として成立し完結することを多くの日本企業、また日本人個々人が体験することになりました。その結果、都会に高い賃料を払いながら、同じ場所、同じ時間にそのオフィスで働く必要がなくなりました。私は、この流れが元の状態に戻ることはないと考えています。 そして、この流れを自分の県に呼び込もうと、多くの県が一斉に動き出しました。我が県としましても、このチャンスを逃してはならないと思います。県民幸福度が非常に高く、移住者へ提供できるQOLは他県と比べても遜色ないものと私は考えております。 さて、
サイボウズ株式会社青野社長が著書の中で次のように記しています。「「働く場所の分散化と自由化」が進行すれば、次に進むのは「働く時間の分散化と自由化」です。」、「もし「働く時間の分散化と自由化」を認めた場合、企業は誰が何時間働いているのかを正確に把握して、時間で社員を管理するのが難しくなり、また、労働時間で人事評価をするのも困難になります。すると次に起きるのは、給与改革です。企業は、労働時間や勤務年数ではなく、その社員が持っているスキルや出した成果で評価することを否応なしに選ばざるを得なくなるでしょう。」と記してあります。 これがいわゆるジョブ型の管理手法であります。これまでにも、年功序列型の賃金体系や、社員が1か所に集まり同じ時間と場所を共有しながら働くという従来型の働き方から、フレックス制度の導入等により、徐々に働き方における形態変化は進んでまいりました。しかしながら、今年の令和2年のように、これほどまでに日本社会をダイナミックに大変革するという勤務形態の変化が起こったのは、近年になって初めての出来事だと思います。 そこで、まずは知事にお伺いいたします。ここまで勤務形態が大きく変化するほどの社会の大変革期において、これまで県が行ってきた県外企業への誘致活動の仕方も大きく変えねばならないと思います。どのように本県の優位度を積極的にアピールするかなど、これまでとは企業へのアプローチの仕方が大きく変わると思われます。 今後、県として県外企業の誘致活動についてどのように対応していくお考えなのか、知事にお伺いいたします。 次に、高知県ではこれまでIT人材育成のために様々な取組を実施してまいりました。平成30年度からは、IT企業への就職や転職を目指す方向けの
プログラミング講座を開設し、受講生の7割程度が実際にIT企業などに就職するという非常にすばらしい成果を上げておられます。そうした人材育成の取組もあり、これまで県内にはIT関連企業が23社進出し、300名を超える新たな雇用が創出されました。今回のコロナ禍をきっかけに、テレワークの普及など企業のデジタル化への取組の必要性が改めて認識されており、ITに関する知識やスキルを持った人材の需要は、今後ますます高まっていくのではないかと考えております。 そうした中、先日
ベンチャー企業の社長にお会いしました。その社長は、
リモートオフィスを本社のある東京以外に進出する目的で、他の46道府県に調査をかけたようなのですが、高知がIT人材の供給体制を組んでいることをよく知りませんでした。県でも積極的な誘致活動は行っていると思いますが、今回の事案では、残念ながらアプローチ不足もしくはアピール不足が否めないと感じました。やはり、立地条件や
通信インフラ整備状況と並び、IT人材の供給体制が整っていることが何より大切なポイントであろうと思います。そういったポイントを踏まえ、対応が急がれます。 そこで質問ですが、今後IT関連企業の誘致や県内企業のデジタル化を推進していくために、IT人材の育成と県内企業への就職に向けてどのように取組を強化していくのか、商工労働部長の御所見をお伺いいたします。 次に、高知県のデジタル化の推進についてお伺いいたします。 この
新型コロナウイルス感染症の拡大は、日本におけるデジタル社会の脆弱性を浮き彫りにしました。その脆弱性を象徴するように何度も報道で取り上げられた事柄に、
新型コロナウイルス感染症に感染された方たちの集計方法がありました。現在は改善されたようでありますが、保健所から手書きされた書類がファクスで送られ、それを職員がパソコンに手入力し、その各県の情報をまた国が再集計するという、全く時代遅れの処理方法がなされていることを初めて知りました。 また、全国民一律に10万円を給付した特別定額給付金につきましても、当初オンラインでの申請を推奨したにもかかわらず、マイナンバーカードの再発行の手続が必要となり、最終的には手書き申請のほうが早い等、申請に伴う行政手続に振り回される結果になってしまったことも記憶に新しいところであります。このように、日本のデジタル化がお隣の韓国や台湾に比べ、相当遅れていることは以前から認識しておりましたが、私はこれほども遅れていたのかと非常に驚きました。 さて、このコロナ禍において特に注目されることになったテレワークですが、高知県内では誘致した企業を迎え入れるだけの通信インフラの整備が整っていない市町村があるように思われます。過去にその当時の最新スペックで整備していた通信インフラも技術の進歩とともに陳腐化していきます。このコロナ禍をチャンスと捉え、都会からの企業を迎え入れようとしている自治体にとりましては、この状況は地域の主要施策に関わる、避けて通れない重要な課題でもあります。 そのような技術の進歩、特にこれまでの無線通信環境の歴史を振り返ってみますと、ほぼ10年ごとに大きく進化していることがよく分かります。1990年代に、それまでのアナログ回線から、第2世代と言われるデジタル回線への移行が起こります。世の中では、マイクロソフトのウィンドウズ95が登場し、
インターネット時代の幕開けを迎えます。2000年代に入ると、第3世代の
デジタル通信サービスが開始され、画像を含むホームページ等が閲覧可能となります。そして、端末も2000年代後半にはアイフォンやアンドロイドを搭載した
スマートフォンが発売されます。そして、2010年代には第4世代のLTEが普及し、利用されるコンテンツも静止画から動画へと進んでいきます。そして、2020年代には第5世代と言われる5Gへと進化してきました。 5Gでは、超高速、超低遅延、多数同時接続が可能となり、最初のアナログの時代から考えれば、現在の10ギガビット・パー・セカンドまで、およそ30年間で約100万倍まで通信速度がアップしたことになります。IT企業側も、この通信速度や利用データの増大化に合わせて提供するサービスやソフト開発を加速させ、それを受け入れる自治体も、そうしたサービスに対応できる通信インフラを整えなければ企業が誘致できないという、いたちごっこのような構図が生まれています。 さきに紹介したIT企業の社長にお伺いしたところ、幾つかある企業進出を決定する重要なポイントの一つが、IT人材が比較的容易に確保できるのかということと、その企業が必要とする通信インフラが確実に整備されているのかということでありました。先ほどの商工労働部長への質問からも分かるように、高知県では人材については企業の要望にも応じる形で、しっかりとした人材育成がなされており、さきの社長もそのことを大きく評価しておりました。 そこで質問いたしますが、県としてこうした通信インフラを必要としている市町村をどのように支援していくのか、また現在こうしたIT企業を誘致する際に、最低限必要な
通信インフラ能力をどのように捉えておられるのか、総務部長にお伺いいたします。 次に、現在5Gの整備が都市部を中心に進んでいますが、これまで述べてきたように、
通信インフラ能力の脆弱な中山間地域ほど、都心部からの人の流れを加速させるために、こういった最先端の整備を積極的に進めるべきと考えます。都会から地方に目が向いたこの現状を踏まえ、国に対して、より積極的に働きかける考えはないか、総務部長にお伺いいたします。 次に、より過密な状況にある東京などの都心部において、国がテレワークを推奨し、できるだけ密を避けるため、混み合う電車での移動を控え、自宅でのテレワーク勤務を要請する事態となったとき、会社内の承認印を押すためだけに出社する姿がニュースとなり、テレワーク推奨の障害になっていることが話題になりました。これに関しては、依光県議が本年の9月議会で取り上げており、その答弁によれば、国は令和8年に書類の完全電子化を目指しており、県でもそのために準備を進めているということでありました。 県庁内の業務もできるだけ早く電子決裁を進めるべきと考えますが、県では何年頃をめどに進められる予定なのか、総務部長の御所見をお伺いいたします。 次に、私も昨年の12月議会におきまして、AIやRPA等の新たなデジタル技術の活用に関して質問し、これからの県としてのIT化戦略についてお聞きしましたが、企業のデジタル化を推進する以前に、県庁内も大きくデジタル化を進める必要があると感じております。 この質問につきましても、本年の9月議会の依光県議への答弁の中で、県職員によるテレワークについて、環境整備や運用面でのさらなる改善を図り、テレワークの定着を進めると述べられており、テレワーク時には職員の情報共有の円滑化が必要になってくると考えます。さらに、これからは民間企業でもテレワーク等の仕事が増え、訪問先の県庁庁舎内での
ミーティング機会が確実に増えてくることが予想されます。そうなれば、必然的に庁舎内での
フリーWi-Fiのニーズも高まってくるものと考えます。 今こそ、県職員によるテレワーク時の情報共有の円滑化と庁舎内の環境整備について、県庁自らが県内市町村のデジタル化に関するモデル施設としての範を示すべきと考えますが、総務部長の御所見をお伺いいたします。 次に、ウイズコロナ、
アフターコロナの観光振興施策についてお伺いいたします。 先日、土佐清水市におきましてワーケーションの体験が行われました。皆様御存じのように、ワーケーションとはワークとバケーションを合体させた造語であります。要は、休暇を取りながら必要なときに働いていただこうという戦略であります。このワーケーションという切り口は、日本では始まったばかりですし、この働き方ができるかどうかは、企業がこうした働き方を許すかどうかで決まると思います。いわゆるジョブ型の業務に対してどのように評価をすることができるのかが、この成否を決めると言っても過言ではないと考えます。この点につきましては、国や経済界の取組に期待をしつつ、注視をしているところであります。 さらに、このコロナ禍における人々の動態変化は顕著であり、感染リスクの高い都市部から地方へ移動し、自然豊かな観光地で働きたいというニーズをキャッチできるチャンスももたらしたわけであります。 そこで、県では観光振興策として、このワーケーションにどう取り組んでいかれるおつもりなのか、観光振興部長にお伺いいたします。 次に、
アフターコロナのインバウンド誘致についてどう考えておられるのかをお聞きいたします。星野リゾート代表の星野社長は著書の中で、およそ28兆円の国内での観光需要のうち4.8兆円がインバウンド分でありその残りが日本人分である、このコロナ禍におけるインバウンドの消失による4.8兆円分をマイクロツーリズムでカバーできると提唱しています。また、日本各地にあるマイクロツーリズムの市場を掘り起こすことで、ウイズコロナ期の需要をある程度確保できるだけでなく、
アフターコロナにおけるリスク分散にもなると指摘をしております。 本県でもウイズコロナにおける観光振興の取組として、まずは県民による県内観光の促進、次に近隣県からの誘客といったように、距離的に近いところから段階的に誘客に取り組まれるなど、まさにマイクロツーリズムの実践を行っている段階であろうかと思います。 さて、肝腎のインバウンドですが、現時点では世界的に国際航空便の再開が見通せない状況とお聞きしていますが、本年6月に日本政策投資銀行が実施したアジアや欧米、オーストラリアの海外旅行経験者を対象とするインターネットによるアンケート調査では、コロナ終息後に訪れたい国として日本の人気が高いようであります。さらに、訪日旅行に期待したいこととして、安全・安心の取組の徹底や、文化や自然の体験アクティビティーの充実が求められているといった結果も示されています。 そこで、今後インバウンド観光が再開し、経済のV字回復を目指せるタイミングが整ったときに、他県の取組に後れを取ることのないよう、今だからこそしっかりとした受入れ環境整備やプロモーションなど、ハードとソフトの両面での誘客に向けた準備が必要ではないかと思いますが、観光振興部長の御所見をお伺いいたします。 次に、ウイズコロナ、
アフターコロナの教育施策についてであります。 この
新型コロナウイルス感染症は、子供たちの教育環境を一変させました。何よりも、子供たちにとりましては、一生の大切な思い出づくりやこれからの友達との関係性を構築する大切な場面である修学旅行そのものが中止になってしまったり、近隣へ行き先を変更することになってしまったり、諸行事等が延期や中止になるなど、一生に一度の貴重な機会を失ってしまうなど、非常に残念な結果になってしまったのではないかと思います。 また、先生方にとりましては、一斉休業に伴う授業時数の確保や感染症対策など、いつもの1年間とは全く違うものになってしまいました。何とか、今年度卒業を迎える子供たちが、少しでも学校生活によい思い出を残すことができるように、大変だと思いますが、先生方にももう一踏ん張りを切にお願いしたいと思います。 さて、今年の令和2年は、日本の教育環境に激変をもたらした一年として記憶にも記録にも残されることになると思います。文字どおり、明治以来の教育の大変革期になったと思います。なぜなら、これまでは生まれた年度に合わせて、その学校に通う子供たちが一斉に同じ時間と同じ場所で、さらに同じレベルで教えねばなりませんでした。しかし、
アフターコロナの時代は、その子供たちの習熟度に合わせた教育の仕方に変わっていくのだと思います。 私は、これからの教師に最も望まれることは、単純に教科書どおりの授業を進めるのではなく、子供たち一人一人に、その子供たちに合った学習の仕方を教えることができるのかで、その先生の力量が決まってしまうような、そんな時代が来るのではないかと感じています。コンピューターを使いこなし、自分の関心のある分野について、どう深く学ばせることができるのか、また効率的に正確な情報収集の仕方などを教えられるのか。さらに言えば、子供たちの学びに対するモチベーションを上げ、子供たちが自発的に学びたくなる仕組みをつくり上げることができるのかが、
アフターコロナ時代の教師の役割であると考えます。 そこで、まずは教育長にお伺いいたします。今述べたような教育の大変革期における教師の授業の在り方について、どのような御所見をお持ちなのか、教育長にお伺いいたします。 次に、感染予防対策の一環として臨時休業が続く中、注目されたのがオンライン授業でありました。特に、学校の休業期間が続く中、県教委では家庭学習支援動画を提供し、家庭学習の支援を行いました。これは、家庭学習支援動画ライブラリーとして、指導主事が行う授業をインターネット上で公開したものでありますが、現在の動画数は約180本、小中学生及び高校生向けの公開では約5万6,000回の視聴がなされたと伺っております。 そこで、このオンライン学習を実施してみての課題と可能性についてどのような御所見をお持ちなのか、教育長にお伺いいたします。 また、令和3年4月以降には県オリジナルのデジタル教材を使った学習支援プラットフォームでの新しい学びの形が構築されると伺いました。これは、各教科のドリルや動画教材が現在整備されている端末上で提供され、児童生徒がいつでもどこでも問題を解いたり課題を提出したりすることができるようになる仕組みであります。これにより、授業や放課後児童クラブ等での学習や家庭学習など、活用の場が広くなることが想定されます。しかしながら、そこで問題となってくるのが、家庭や放課後児童クラブ等での通信インフラの整備状況であります。 デジタルディバイドと言われる通信インフラの差が、学習機会の差になってはならないと考えておりますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 また、学校以外で学習する場合の情報セキュリティーについて、どう維持するのかが課題でありますが、この対処方法についても教育長にお伺いいたします。 次に、現在政府においてはSociety5.0に対応した人材を育成していくために、GIGAスクール構想をはじめとして、エドテック、これはエデュケーションとテクノロジーを結合させるという新しい考え方によって、先端技術を教育分野へ活用していく方針が取られています。このエドテックの活用を進めることにより期待される効果といたしましては、教育格差の解消、学習効率の向上、グローバル人材の育成、働き方改革の推進などが考えられるわけですが、これらの実現に当たっては、多くの先生方が新たな技能を身につけることが必要だと思います。 今後、学校現場でのこのエドテックの普及に向けてどのような方策を取られていくのか、教育長にお伺いいたします。 次に、高知県では全国唯一の拠点型の遠隔授業配信センター方式によって、どこの地域、どのような学校規模においても子供たちの希望の進路を実現させるために、遠隔授業に特化した専任の教員を配置し、現在は10校の学校に遠隔で授業を配信していると伺っております。 中山間の学校では、どうしても進学面で不利な状況にあります。そのため、これまでは高等教育を受けるためには、中山間の学校から中心部の学校へ物理的に移動するほかはありませんでした。しかしながら、今後は地元での進学を維持し、地元の高校を守るためにも、この遠隔教育は絶対に必要であると考えます。これは別の見方をするなら、中山間地域の振興策の一つとも考えることができると思います。今後も、10校以外の学校からでも希望があれば、ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。 さて、先生方の業務もこのコロナ禍の対応など新たな負担も多くなっております。また、学習指導以外にも児童や生徒に関わる業務が多様化し、教員や学校への役割は増加傾向にあると思います。これからの教員研修については、先生方の負担を減らすためにも、移動時間等を削減できるこうしたICTを活用した研修の割合を拡大していくべきではないかと考えます。 集合形式の研修にも教員同士の交流等、意義があると思いますので、集合形式とICTを活用した研修のバランスを図りつつ、研修における教員の負担軽減を図ることについて教育長の御所見をお伺いいたします。 この項目の最後に、県内でも感染拡大が続く中、今一番不安を抱えているのが、来年早々に高校や大学の入試を控えた御家庭ではないでしょうか。御本人は当然ながら、その御家族も非常に不安な時期を過ごしておられるのではないかと心配になります。 入学試験を受けるだけでもナーバスになりがちな子供たちが、万が一受験生を抱える御家族や本人自らが感染してしまった場合の心理的ケアや物理的ケア、さらには子供さんの入試を無事に終えさせるためのサポートなどが、今年は例年以上に非常に重要であると考えますが、県教委ではどこまでの想定を考え、対処するおつもりであるのか、教育長にお伺いいたします。 次に、ウイズコロナ、
アフターコロナの国際人材の育成についてお伺いいたします。 これまでの議会の中で何度も、グローバル人材を育てるためには意識の高い子供たち、やる気のある学生は積極的に海外で勉強できる機会をつくるべきと訴えてまいりました。ありがたいことに、県では様々なプログラムを通して、海外へ子供たちを派遣する機会をつくってくださいました。しかしながら、このコロナ禍は子供たちが海外へ渡航し、異文化に直接触れ、その年代でしか味わえない実体験をするという貴重な機会を奪うことになってしまいました。せっかくのチャンスを楽しみにしていた子供たちにとっては、とても残念な令和2年になってしまったわけです。 そんな中、現地に行けないならズームのようなオンラインツールを使い、直接現地と結び交流を深めようという動きが起こってきています。これにより、オンラインでの国際交流・理解をもっと身近に感じられるようにもなりました。ある意味、もっと多くの子供たちが直接海外の皆さんと交流の機会を持つことが可能になったと捉えることもできると思います。 このコロナ禍の副産物のようなオンラインツールを利用した国際交流と、実際に海外を訪れる国際交流と、いわゆるハイブリッドのような形で
アフターコロナは進めることが可能になったわけであります。イギリスやアメリカではワクチン接種も始まり、このコロナ禍が鎮静化に向かうと信じたいのですが、まだいつになったらこれまでのように直接海外に行けるのかは、誰にも全く予測がつきません。 そこで、あえてこの機をチャンスと捉え、今後のハイブリッド型の国際教育の在り方をこの際模索すべきと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 次に、さきの問いで、エドテックを利用すれば他校や外国の学校とのオンライン交流も簡単に実施することができるようになるとお話しいたしました。現に私も、このコロナ禍にあって人の移動が制限される中、高知県の日系移民の歴史について、パラグアイの元高知県人会会長の山脇氏と世界各国の方を交えたズームミーティングを通し、実体験についてお話を聞くことができました。これまでは、講師の皆さんをそれぞれの学校が招いての講演会が主流でありましたが、このコロナ禍を通して一般的になった
オンラインミーティングを使えば、海外にいる方たちとの交流が簡単に、しかも効率的かつ多くの皆様と同時に行えると感じたところでした。 高知県を母県と考えておられるこうした日系移民1世の皆様も御高齢となられております。ぜひ、この貴重な体験の記録を後世に引き継ぐためにも、集中的に学校で児童生徒に話を聞かせ、デジタルアーカイブとして保存する機会をつくることを望みますが、
文化生活スポーツ部長の御所見をお伺いいたします。 また、先日JICAの青年海外協力隊の事務局長と面会をいたしました。青年海外協力隊は、文字どおり海外に若い隊員の皆様を派遣し国際協力を行いながら、日本国としての援助を行う組織でありますが、当初このコロナ禍で約700人の隊員合格者のうち、一部の方が行き場を失ってしまったとお聞きいたしました。今年度はその状況を鑑み、日本国内の自治体等の受入先に派遣し、まずは日本国内で研修を行ってもらう方法を取り、ひとまずは落ち着いた状況のようであります。 県内でも隊員の候補生3名が2か所の受入先で研修が行われたとお聞きいたしました。通常であれば、彼らは海外での任務が終了すると帰国し、持ち帰った特殊な技能を生かしながら、日本国内で新たな仕事に就かれます。こうした隊員の皆様は海外経験豊富な優秀な方が多く、帰国時には地域おこし協力隊などで、地域活性化のキーマンになっておられる方もたくさんおられます。さらに、多文化共生社会の実現が叫ばれる昨今、彼らのように世界を知り尽くした人材は貴重な存在でもあります。 高知県では、これまでにもJICA等との連携は十分に図られておりますが、今回のコロナ禍で発生したような受入れ要請があった場合、市町村とも連携をしながら高知県でも積極的に受け入れるべきと考えます。 このコロナ禍がいつ収束するか見えない中、国への政策提言などを含め、高知県として積極的に取り組むべきと考えますが、
文化生活スポーツ部長の御所見をお伺いいたしまして、私の第1問といたします。 (知事濱田省司君登壇)
◎知事(濱田省司君) 下村議員の御質問にお答えをいたします。 まず、
新型コロナウイルス感染症対策についてお尋ねがございました。 5月の全国的な緊急事態宣言の解除以降、コロナ禍におきます社会経済活動の回復と感染拡大防止の両立という重い命題が課せられております。こうした中、感染状況が比較的落ち着きを見せておりました先月までは、県内での消費喚起あるいは観光客の誘致など、社会経済活動の回復に重きを置いた施策を展開してまいりました。しかしながら、先月来全国的な感染の波、第3波が訪れ、本県でも先月の末以降、感染が急拡大をしております。感染拡大防止に、より重きを置いた対策が必要な段階に移ってまいったと、そういう認識でございます。 こうした状況の下、医療面での対策といたしましては、いわゆる医療崩壊を避けるために、先週末から民間ホテルを借り上げて軽症者を受け入れまして、医療機関の負担軽減に取り組んでおります。また、感染拡大防止の面からは、一昨日飲食店などに対しまして、今月16日から30日までの間、営業時間の短縮に協力いただくように呼びかけをいたしました。飲食店などでは、忘年会シーズンの書き入れどきではありますけれども、これ以上の感染拡大を何としても防がなければならないとの思いから、苦渋の決断に至ったところであります。 さらに、これから年末年始を迎えるに当たりまして、今後の国の方針あるいは県内の感染状況を見極めながら、他県との往来あるいは帰省に当たっての注意点などを分かりやすくお伝えしてまいりたいと考えております。 次に、
接触確認アプリCOCOAの推奨についてお尋ねがございました。 この
接触確認アプリCOCOAは、感染者と濃厚接触した可能性を通知いたしまして、速やかに保健所のサポートや検査につなげるという形の効果的なアプリであるというふうに認識いたしております。私自身も、厚生労働省からこれが公開されました直後にインストールをしております。 県といたしましても、県民の皆様や事業者の方々に対しまして、県のホームページあるいはテレビ、ラジオを通じました広報などにより、このアプリの周知を図っております。また、各種イベントにおきましても、主催者の御協力をいただきながら、参加された方々へのインストールの呼びかけを行うということなど、アプリの利用者を増やす取組を進めているところであります。しかしながら、全国でのインストール数は伸び悩んでいるということでもございます。さらに多くの方々に利用していただくよう、周知をしていく必要があると考えております。 周知に当たりましては、議員のお話にもありましたように、比較的活発に行動され、
スマートフォンの所有率も9割以上とされる50歳代以下の方々へのアプローチが効果的であると考えております。このため、引き続き様々な媒体を使いまして広報に努めますほか、県職員はもとより、こうした年代の方々が多く勤務されます官公庁や企業などへのさらなる働きかけも行ってまいります。また、私自身もあらゆる機会を捉えまして、県民の皆様に直接呼びかけを行うということを含めまして、利用率の向上を図ってまいりたいと考えております。 最後に、今後県外企業の誘致活動についてどのように対応していく考えかとのお尋ねがございました。 今回のコロナ禍を契機といたしまして、働き方やオフィスの在り方などの価値観が変化をし、地方への移転を検討する企業が全国的に増えてきているものと受け止めております。こうした動きは、本県の企業誘致にとりまして強力な追い風となります。この動きをチャンスと捉えまして、しっかりと取り込んでいく必要があるというふうに考えております。 このため、まずは本年度、地方への移転を検討する企業などの受皿となりますシェアオフィスの整備に取り組んでいるところであります。今後は、さらにこの取組を広げまして、企業の総務部門や経営企画部門などの本社機能の一部、あるいは本社全体の誘致につなげてまいりたいと考えております。その際、コロナ禍の中で誘致活動の在り方自身も変わりつつありますことから、インターネットあるいはデジタル技術を活用した、御指摘のありましたような非接触型の誘致手法も取り入れてまいります。 本県は、全国でトップクラスの支援制度や手厚いアフターフォローによりまして、進出していただいた企業が大きく成長している、そうした実績がございます。このことに加えまして、都市部と比較して通勤時間が短く、自己投資に充てる時間が増えることなど、働き方改革にもつながるといった強みもございます。ウイズコロナ、
アフターコロナの時代におきます社会構造の変化に対応しながら、こうした本県の強みや優位性をしっかりと発信することで、さらなる企業誘致の実現につなげてまいります。 私からは以上でございます。 (健康政策部長鎌倉昭浩君登壇)
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) まず、医療関係者や医療機関への支援についてお尋ねがありました。 本年2月末に最初の感染者が確認されて以来、そしてここに来て急激に感染が拡大して一層緊張感が高まる中にあっても、県内の医療機関、医療従事者の皆さんの懸命な御尽力に支えられ、感染者の早期診断や必要な入院医療が確保されております。しかしながら、一方で患者の受診控えによる医業収入の減少や、感染対策の充実に要する経費の増加等により、医療機関の経営には大きな影響が生じています。 そのため、県としましてはこの間、国の
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金などを活用し、病床確保に係る費用のほか、感染対策のための設備整備などの費用への支援や、
新型コロナウイルス感染症に対応する医療従事者等の処遇改善に係る支援などを行ってまいりました。 一方、昨日閣議決定された国の第3次補正予算案には、緊急包括支援交付金を増額し、重点医療機関等の病床確保や宿泊療養施設への支援、また小児科や感染症から回復した回復患者の転院支援に係る診療報酬の特例措置、さらに医療機関の感染拡大防止や資金繰りへの支援などが盛り込まれました。 県としましては、この国の第3次補正予算の内容について、医療機関の御意見もお伺いしつつ、さらに必要であれば、医療機関の経営悪化に歯止めをかけるよう、全国知事会等とも連携して、診療報酬の引上げも含めて今後とも継続的に政策提言してまいります。 次に、
接触確認アプリCOCOAを通じて陽性者との接触が確認された後のPCR検査などの流れについてお尋ねがありました。 COCOAにより陽性者との接触可能性が通知された場合、アプリ内の表示により、まずは
新型コロナウイルス健康相談センターに連絡いただくよう案内がなされます。健康相談センターに連絡いただきますと、症状がある、または症状がなくとも陽性者との接触の心当たりがあるなどして検査を希望される場合は、その旨健康相談センターから保健所に伝えますので、その後は保健所が窓口となり、帰国者・接触者外来での受診を調整の上、検査を受けていただくこととなります。 なお、症状がなく、陽性者との接触の心当たりもないなど検査を希望されない場合は、ふだんどおりの生活をしていただいて差し支えありません。ただし、体調に変化があった場合には、速やかに医療機関に御相談いただくようお願いしております。 より多くの方がこのアプリを利用することで、保健所による陽性者からの聞き取りのみでは把握できなかった接触者の把握の可能性は広がり、感染拡大防止に効果を発揮していくと期待しております。 (商工労働部長松岡孝和君登壇)
◎商工労働部長(松岡孝和君) IT人材の育成と県内企業への就職に向けた対応についてお尋ねがありました。 県では、IT関連企業の誘致やデジタル技術を活用した課題解決型産業創出の取組を推進するため、平成30年度にIT・コンテンツアカデミーを開設し、IT人材を育成する取組を進めてまいりました。 アカデミーでは、デジタル技術のトレンドなどを学ぶ入門的な講座から、民間のプログラミングスクールと連携してエンジニアを育成するための実践的な講座まで、様々な内容の講座を実施しております。中でも、企業の即戦力となる人材を育成する
プログラミング講座では、これまでの2年間で合計63名が受講し、規模を3講座に拡大した本年度は64名が受講しております。これらの講座においては、就職を希望する受講生とIT企業とのマッチングや、県内IT企業でのインターンシップなど、受講生を就職につなげるための取組も行っております。 デジタルに関する知識やスキルを有する人材を育成することは、IT関連企業の誘致に加え、県内企業のデジタル化を推進するためにも必要であります。このため、本年9月補正予算において、企業の中でデジタル化の推進役となる人材を育成する講座や、中小企業の経営者に接する機会が多い商工会の経営指導員などにデジタル化の意義や効果を学んでもらう講座も新設したところです。 今後とも、企業側のニーズや社会的な動向を踏まえた上で、これからのデジタル社会に必要な人材の育成、県内企業への就職、IT関連企業のさらなる誘致、加えてこうした取組を通じた県内企業全体のデジタル化の推進に向け、取組を強化してまいります。 (総務部長井上浩之君登壇)
◎総務部長(井上浩之君) まず、デジタル化の推進に関連して、市町村の通信インフラ整備への支援とIT企業の誘致に向けた
通信インフラ能力、そして国への働きかけについてお尋ねがありました。関連いたしますので、併せてお答えをさせていただきます。 都市部から企業を誘致するためには、ウェブ会議や映像の送受信をスムーズに行うことができる大容量の通信インフラとして、最低限光ファイバーの整備が不可欠だと考えております。このため、国の補助事業を活用して新たに光ファイバーを整備する市町村に対しまして、県独自の交付金を設け支援を行っておるところであります。 特に、今年度はコロナ禍に対応するため、国の補正予算において、従来より手厚い支援が受けられるようになったことから、市町村に対し補助事業の活用を促してまいりました。この国の支援にさらに県の上乗せも行った結果、未整備の地域が残る15市町村のうち9市町において整備が行われることとなりました。 一方で、既に光ファイバーを整備している市町村においても、設備の能力が現在の通信需要に対応できていない、つまり通信速度が遅いといった課題もあります。このため、来年度に向け通信環境のグレードアップが必要な市町村への県の支援策につきましても検討を進めているところであります。 さらに、今後は整備した光ファイバーを活用し、中山間地域の課題解決に向けて欠かせない5Gの導入を進め、最先端の通信環境を構築していく必要があると考えております。このため、これまでも国に対し財政支援、税制支援の充実などを提言してまいりましたけれども、地方への新しい人の流れを確実につかむためにも、中山間地域にこそ5Gが必要不可欠なインフラであるということを強く訴えるなど、これまで以上に国に積極的に働きかけてまいりたいと考えております。 次に、県庁内の業務における電子決裁の導入のめどについてお尋ねがありました。 県では来年度予算において、まずはシステム上でファイルを添付せず決裁のみを行うという、簡易な電子決裁システムを構築してまいりたいというふうに考えておるところでございます。ただ、完全な電子決裁の導入に向けましては、附属する書類の完全電子化が必要となってまいります。 県としましては、国と合わせて2026年をめどに完全電子化を進めていきたいと考えておりますけれども、法令で書面提出が義務づけられていれば、その書類を職員がスキャンして電子データ化するといった新たな業務が発生いたしますし、国において公文書の長期保存への対応、すなわち電子媒体として統一するのか、あるいは紙を基本とするのかといったことがまだ定められていないといった課題もあるところであります。このため、引き続き国の書類の完全電子化の検討状況、こちらのほうを注視しながら、できるだけ早い時期の完全な電子決裁の導入に向けて取組は進めてまいりたいと考えております。 最後に、県職員によるテレワーク時の情報共有と庁舎内の環境整備についてのお尋ねがありました。 テレワークを行う際は、職員間の意思疎通はもとより、作業の進捗状況の管理などを行うため、情報共有が非常に重要であると考えております。このための解決策の一つといたしまして、スケジュールの共有、ショートメッセージによるいわゆるチャット等の機能を備えたグループウエアをこの11月から導入しております。さらに、業務ができる場所につきましても、自宅のみならず、外出先での作業を可能とするため、携帯電話回線を使用するタブレット端末につきまして、今月から100台を導入し、さらに来年2月には100台を追加することといたしております。 加えて、今後は定期的なテレワーク推進期間を実施するなど、こうしたツールの利便性を職員が実際に体感することで、テレワークの普及を図っていくこととしております。こうした取組を通じまして、県が市町村のデジタルシフトに向けたモデルとなるように取り組んでまいりたいと考えております。 また、お話にありました県庁舎内の
フリーWi-Fiにつきましては、現在のところ本庁舎1階ロビー及び県民室に設置し、来庁の皆様に御利用いただいております。今後は、利用者の皆様の御意見等も踏まえながら、さらなる拡充に向けて検討を進めてまいります。 (観光振興部長吉村大君登壇)
◎観光振興部長(吉村大君) まず、観光振興策としてワーケーションにどう取り組んでいくのかとのお尋ねがございました。 コロナ禍を契機として、自然豊かな地方の観光地で滞在しながら、仕事と休暇を両立するワーケーションへの関心が高まっております。こうした新たなニーズへの対応は、観光入り込み客数の増加につながることや、現在進めております滞在型の観光地域づくりにも弾みがつくことが期待されます。県としましては、観光地でも仕事ができるよう、宿泊施設やキャンプ場などにおいて、ワークスペースやWi-Fiなどの受入れ環境の整備を進めながら、ワーケーションの誘致を大いに進めていきたいと考えております。 誘致に当たりましては、1つは企業、もう一つはフリーランスの方など個人事業者という2つのターゲットを想定し、モデルとなるプランづくりや、セールスプロモーションを展開したいと考えています。 まず、プランづくりにおいて企業向けには、例えば社員研修において、平日は屋外のフィールドワークに充て、週末はチームでラフティングを楽しんでいただくといったプランを企画したいと考えています。また、個人事業者向けには、例えば午前中はテレワークで働き、午後は家族と共にサイクリングやダイビングを楽しんでいただくといったプランを企画したいと考えています。 そして、ターゲットを誘致するためのセールスプロモーションに関しては、観光コンベンション協会が行う旅行会社へのセールス活動や、大学、企業などへの学会、各種会議の誘致活動に併せてプランを提案してまいります。加えて、新たに開設するウェブサイトや、これと連動したSNSによる情報発信などの取組も進めてまいります。 今後は、モニターツアーの実施も通じまして、本県の受入れ環境をPRするとともに、ターゲットのニーズの把握により、利便性の向上にもつなげてまいりたいと考えております。 次に、インバウンド観光の再開に向けた準備についてお尋ねがございました。 外国人観光客の誘致に向けましては、県としても国際的な人の往来の再開を見据えながら、しっかりと受入れ環境の整備やプロモーションなどを進めたいと考えています。その際には、議員のお話にあったように、安全・安心を提供することをはじめ、自然や文化体験へのニーズの高まりにも対応できるように取り組んでまいりたいと考えています。 まず、受入れ環境の整備につきましては、観光関連事業者が行う感染防止対策が早期に進みますよう、飛沫防止の仕切りや、換気設備の整備などに財政支援を行っております。また、自然や文化資源を生かした体験観光の磨き上げでは、Wi-Fiの整備や多言語表記など、インバウンドの受入れを念頭に置いて、ハード面での整備も進めています。 次に、プロモーションにつきましては、本県の魅力である自然や文化体験などをテーマとした動画を制作したところであり、現在重点市場の訪日旅行関心層に向けて、ダイレクトにインターネット配信する準備を進めております。また、こうした準備に併せて、関西圏との経済連携の下で、新たな観光ルートの開発と、旅行会社へのセールスやメディアへのプロモーションにも取り組んでまいりたいと考えています。 加えて、来年秋に日本で、海外の富裕層に人気が高いアドベンチャーツーリズムに関する商談会や体験ツアーなどが開催される予定です。この機会を捉えて、本県の自然や文化体験などを生かした商品を海外に売り込みたいと考えています。このようにインバウンド観光の再開を見据え、受入れ環境の整備やプロモーションなど、誘客に向けた準備をしっかりと進めてまいります。 (教育長伊藤博明君登壇)
◎教育長(伊藤博明君) まず、教育の大変革期における教師の授業の在り方についてお尋ねがございました。 変化の激しいこれからの社会では、ICTを有効に使い、多様な情報やデータを収集・分析して課題解決を図る力や、他者と協働して新たな価値を創造する力が求められます。教員は、このような力を子供たちに育むため、自らも社会の変化をしっかりと見極めつつ、積極的かつ継続的に新しい知識、技能を学び続けることが必要です。また、子供たちが興味、関心のあることについて、コンピューター等を効果的に活用して主体的に調べ、追求していくような態度や能力を育む授業を創造する力量も求められております。 本県では、このような教員のICT活用指導力の向上を図るため、現在小学校教員を対象とした情報教育を推進するリーダー教員の養成に取り組むとともに、ICT活用技術の習得を図り、また先進的なICT活用事例から学ぶ研修会を開催しております。この中において、民間企業の協力も得て、プログラミング教育についての理論と授業実践についての学習を行い、ICT活用指導力の向上を図っているところでございます。 今後は、小中学校において1人に1台のタブレット端末が整備されますことから、子供たちがICTを日常的に活用して情報を収集したり考えを表現したりする学習や、ICTを活用して見方、考え方を深める学びを実践するための教科ごとの授業づくり講座を開催し、教員の指導力を高めてまいります。 また、高等学校においては、GIGAスクールサポーターやICT支援員等の外部人材と連携して、教員の授業におけるICT活用能力の向上を図るとともに、ICTを活用した授業について、指定校を中心に実践研究し、その取組を他校へ普及していくこととしております。これらの取組を通して、児童生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けたICTの積極的な活用など、これからの時代に必要とされる教育に対応した教員を育成していきたいと考えております。 次に、オンライン学習を実践した上での課題と可能性についてお尋ねがございました。 まず、県教育委員会の作成した家庭学習支援動画の効果と課題について、臨時休業明けの5月に調査を行いました。その中には動画を見ながら自分で勉強しており、学習習慣を育む一助になっているや、予習、復習に役立っているとの声があり、学習支援動画は子供の理解を助け、学習習慣の定着に有効なものと考えております。 一方で、動画の本数が少ないや、児童生徒の学習意欲を高める内容を望むといった課題も挙げられました。こうしたことから、学習内容の解説のみでなく、疑問や問いを持たせる課題や、発展的な学びを提示し、興味、関心を喚起する内容を取り入れるなど、質的改善を図りながら学習支援動画の配信を進めてきております。 しかしながら、学校再開以降は学習支援動画の視聴率があまり伸びていないため、授業や家庭学習での学習支援動画の効果的な活用方法について周知していく必要があると考えております。 また、今後は個々の児童生徒の学びに合わせて学習支援動画を活用し、理解を深めるために、現在県が構築しております学習支援プラットフォームにおいても、学習支援動画と単元テストなどを関連させて利用できるようにしたいと考えております。 さらに、文部科学省の子供の学び応援サイトも活用することで、授業においては学習への理解と興味を深めるとともに、自ら学びたいときに学びたいものを学べる環境を構築し、本県の課題となっております家庭学習の量や質の充実にもつなげていきたいというふうに考えております。 次に、家庭や放課後児童クラブの通信インフラについてお尋ねがありました。 1人1台端末環境の実現と、9月議会において議決いただきました補正予算によります学習支援プラットフォームの構築により、児童生徒が自らの学習進度等に応じて学ぶことができる環境が全国に先んじて実現できるものと考えております。また、タブレット端末を自宅等へ持ち帰ることができれば、学びたいときに学べるようになり、学力の定着に加えて、本県の課題である家庭学習時間の延長や、学習意欲の向上にも効果があるというふうに考えております。 一方で、自宅や放課後児童クラブでは、通信環境が十分でない場合もありますことから、まず経済的に厳しい家庭に対しては、県及び各市町村において国の補助金を活用し、モバイルルーターの貸出しや通信費の支援を実施する体制を整えているところでございます。 放課後児童クラブにつきましては、昨日閣議決定されました厚生労働省の第3次補正予算におきまして、放課後児童クラブに要する施設について、Wi-Fi化も含めICT化に関する支援経費が盛り込まれていることから、これらの活用についても積極的に検討してまいりたいというふうに考えております。 加えて、学習支援プラットフォームを構築するに当たっては、通信環境の課題にも一定程度対応が可能となるよう、仕様書にオフライン環境での対応の項目を盛り込んでいるところでございます。現在、事業者の選定手続を行っている段階であり、今後具体化に向けた協議を進めてまいりたいというふうに考えております。 次に、学校外での学習の際の情報セキュリティーについてお尋ねがありました。 現在、各学校でインターネットに接続する際には、県の教育ネットシステムによるフィルタリング等によって、県内は統一してウイルス対策も含め、安全・安心な利用環境を確保しているところですが、議員の御指摘のとおり、今後は学校以外で利用する場面でのセキュリティーの確保が重要となります。 県教育委員会としましては、タブレット端末の持ち帰り等にも対応できるよう、利用する場所を問わず、インターネット上の各サイト等にアクセスする前に、ウイルス対策やフィルタリング等を行う仕組みとして、クラウド型のフィルタリングの導入を検討しているところです。導入に際しては、市町村ごとの契約が原則となりますが、スケールメリットを生かした有利な契約が可能となるよう、県教育委員会において仕様を作成した上で、合同入札の手続を行うこととしており、現在各市町村との導入に向けた協議を進めているところでございます。 次に、エドテックの学校現場への普及に向けた取組についてお尋ねがありました。 タブレット端末や遠隔教育システムなどの先端技術を教育に活用していくことにより、学びの可能性を広げ、一人一人に最適な教育を実現していくことが期待されます。 本年度よりスタートしました第2期の教育大綱では、デジタル社会に向けた教育の推進を新たな柱として掲げ、先端技術の活用による学びの個別最適化に取り組むこととしております。具体的には、義務教育段階では小学校のプログラミング教育に対応するため、今年度から推進のためのリーダーを養成しており、今後3年間で計38名を養成する予定です。このリーダーの取組や研究の成果については、県教育委員会のホームページ等を通じて発信してまいります。また、ICTを効果的に活用した授業の在り方については、授業づくり講座の中で研究を進めているところです。 高等学校では、遠隔教育システムを活用し、中山間地域の小規模校等で生徒の進路希望に応じた進学指導等が受けられるようにするとともに、拠点となる学校を指定し、AIドリルの授業での活用などの研究、実践を進めているところです。 これらの取組を通じて、学校現場での活用場面を増やし、多くの教員が先端技術を活用し、その効果を実感できるよう取り組んでいるところですが、特に本年度は国のGIGAスクール構想の実現により、小中学校等で1人1台環境が実現するなど、学校のICT環境が大きく進歩しております。 こうした状況を踏まえ、今後は学習支援プラットフォームを活用した、算数・数学及び英語の授業と家庭学習のサイクル化や不登校児童生徒に対する学習支援の充実、そして特別支援学校における1人1台タブレットの音声読み上げ機能等を活用した障害の特性に応じた個別支援の充実、そして民間事業者と連携した教員向けの操作研修の実施、4つとして各市町村に対するICT支援員の人材確保に向けた支援等に取り組むこととしており、学校現場における先端技術の利用を様々な面からしっかりとサポートしてまいります。 次に、教員研修の負担軽減についてお尋ねがございました。 学校における働き方改革を推進するため、本年度の教員研修については、受講が必須となる研修のうち集合形式の研修を前年度に比べて約2割削減する計画としておりました。しかしながら、
新型コロナウイルス感染症拡大の影響による臨時休業等の遅れを取り戻す観点と、教職員が子供と向き合う時間を確保する観点から一層の削減に取り組み、当初計画からさらに約15%をオンライン研修に切り替え、約35%を廃止することで、集合研修を約半分に削減いたしました。オンライン研修について、受講者のアンケートによりますと、自分のペースで繰り返し受講することができたなどという肯定的な意見が見られました。 また、西部の大方高校や東部の中芸高校といった遠隔教室の受信拠点に教育センターの研修を配信する遠隔研修につきましても、移動時間の削減等に資するものと考えております。 一方で、初任者などからは、教員間の交流が持てないことで不安を抱えているなどの声があり、集合形式の研修についてのニーズも引き続きあるものと考えております。 今後、県教育委員会に設置しております研修企画委員会においてさらに検討を重ねまして、集合研修とオンライン研修、遠隔研修をベストミックスさせながら、教員の負担軽減も念頭に、さらに効果的、効率的な研修計画を策定してまいります。 次に、受験生やその家族が感染した場合の心理的ケアや物理的ケア、入試を無事に終えるためのサポートなどについてお尋ねがございました。 今般のコロナ禍において、特に受験を控えた中高生や、感染または濃厚接触者となった中高生に対し、関係機関や保護者とも連携し、心のケアに努めることは大変重要です。来年度の大学入試につきましては、大学入学共通テストや各大学の個別試験における感染症対策が示されており、県教育委員会は、文部科学省からの通知などを各高校に周知し、教員が各生徒をきめ細やかにサポートできるよう支援しております。 また、来年3月に実施される本県の高校入試では、8月には市町村教育委員会連合会の役員会に、再度の感染拡大に備えた対応案を提示するなど、事前の準備を開始しております。11月には、主に3学期に学習する内容を学力検査の出題範囲から除外することを決定し、通知したところです。加えて、受検会場については、密を防ぐため検査室の受検人数を例年の2分の1の20人程度とするなど、感染リスクを軽減するための対策を実施することといたしました。 高校の入学者選抜を公正に実施するためには、感染状況が相当に悪化した場合でも、何らかの検査、いわゆる試験を実施する必要がありますので、そういった状況となった際には、受検生の市町村間の移動、広域の移動を抑えるため、志望する高校にかかわらず住所地にある県立高校で受検することに加え、県立高校が設置されていない町村などでは地元の中学校で受検することや、面接等の実施の有無などについての検討も進めております。1月までには感染状況などを見極め、高校入試の実施方法を示し、子供たちが不安なく高校入試に臨むことができるよう取り組んでまいります。 最後に、今後のハイブリッド型の国際教育の在り方についてお尋ねがございました。 県教育委員会では、平成28年度からできるだけ多くの生徒が海外体験をできるよう、各公立高等学校から参加可能な高知県海外派遣プログラムを実施し、昨年度までに延べ77名が参加をしております。 今年度につきましては、
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、各学校で企画されたものも含めて、全ての海外渡航研修を中止することとなりました。しかし、こうした状況下におきましても、室戸高等学校や大方高等学校などでは、オンラインによりオーストラリアやトルコの生徒と、防災などのテーマに沿った意見交換を行うなどの交流を行い、文化や考え方の違いを知ることができたや、外国を身近に感じたなどの感想が聞かれ、一定の効果がありました。 このようなことから、今後ウイズコロナにおけるオンライン会議システムを活用した海外との交流事例について、各校や海外交流に力を入れている大学などから情報を集め情報提供し、より効果的にオンラインでの海外の生徒との交流ができるよう取り組んでまいります。 海外に赴き、実際にコミュニケーションを図り、異文化に直接触れるなど、高校生のときにこうした経験をすることは大変有意義であると考えております。安全な渡航が可能となりましたら、県教育委員会主催の海外派遣プログラムの実施や、国際交流団体などが実施する留学プログラムの紹介など、生徒の海外研修の機会を設けたいというふうに考えております。 加えて、オンラインであれば日頃から海外と交流することも可能となりますので、海外研修の事前、事後の学習における活用など、現地訪問とオンラインを組み合わせた海外研修のさらなる充実を図ることにより、国際教育を推進してまいります。 (
文化生活スポーツ部長岡村昭一君登壇)
◎
文化生活スポーツ部長(岡村昭一君) まず、本県から南米などに移住された移民1世の方々と学校とのオンライン交流についてお尋ねがございました。 戦前・戦後を通じ、本県からは多くの方々がパラグアイをはじめとする南米などの国々に移住され、南米については現在も4つの高知県人会と本県との交流が続いております。我が国とは異なる文化、社会の中で過ごされ、今日の日系人社会の礎を築かれた移民1世の方々は、大変貴重な体験をされておられます。本県の児童生徒にとりましても、そうした方々のお話をお聞きすることは、国際理解を深める上でのよい機会になるものと考えております。 現在、県では高知県国際交流協会と共に、県内の学校からの要請に応じ、本県にお住まいの外国人の方々などを講師として学校に派遣し、児童生徒との交流を通じて多文化理解を促進する出前講座を行っております。この取組につきましては、オンライン交流の形式により、移民1世の方々による現地からの講演とすることも可能であり、学校からの要請をいただければ、海外の高知県人会を通じ、実施に向けた調整を行いますとともに、講演を録画するなどデジタルアーカイブとして保存し、今後の出前講座などでの活用も図ってまいります。 次に、派遣待機中の青年海外協力隊員の本県での受入れについてお尋ねがございました。 青年海外協力隊員の方々は、高い志と世界に貢献する気概を持たれ、その技術や知識を生かして、派遣された地域の経済、社会の発展のため、現地の人々と一体となって活動されています。しかしながら、
新型コロナウイルス感染症の影響により、青年海外協力隊事業を所管するJICA--国際協力機構から一時帰国や派遣の延期を指示され、国内での待機を余儀なくされている隊員の方々が多くいらっしゃると伺っております。 議員のお話にありましたように、本県においてそうした待機中の隊員の方々を県や市町村、その他関係団体などで受け入れ、地域での活動などを体験していただくことができれば、その後海外での豊富な経験を積まれ帰国された際に、それらの方々が本県での活躍を選択することにもつながるのではないかと期待されるところです。このため、待機中の隊員の方々の受入れの仕組みづくりなどにつきまして、まずはJICAとの協議を行ってまいりたいと考えております。
◆6番(下村勝幸君) 本当に御丁寧かつ全体的に前向きな御答弁ありがとうございました。2問目は行いません。 尾崎前知事の時代に、高知は大家族やきというキャンペーンを行いました。家庭には大なり小なり様々な試練に襲われることがあります。私は、今高知家はこれまで経験したことのないような厳しい試練に襲われていると思います。本県でも連日感染者数が過去最大を更新する中、昨日は宿毛市で高病原性鳥
インフルエンザが確認をされました。これに県では各部局から職員が動員され、殺処分に当たるとお聞きをしております。こうしたときだからこそ、家族が一致団結し、そして家族で支え合わねばなりません。 冒頭、経済を回しながら感染を防止するという非常に難しい課題への挑戦について知事にお尋ねをいたしました。COCOAのお話もいたしましたが、この緊急事態を乗り越えるためには、考えられ得るアイデアを総動員して乗り越えなければなりません。苦境に立たされる飲食業をどう支援するのか、また町の経済をどう維持していくのか、本当に難しい課題ばかりだと思います。しかし、家族で助け合えば、私は乗り越えられない試練はないと信じております。必ずまた1年前のように大皿を囲める日が来ると信じて、みんなで頑張ってまいりましょう。 以上で一切の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(三石文隆君) 暫時休憩いたします。 午前11時23分休憩
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○副議長(西内健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 37番塚地佐智さん。 (37番塚地佐智君登壇)
◆37番(塚地佐智君) 私は日本共産党の立場から、早速質問に入らせていただきます。 まず、男女共同参画、ジェンダー平等の推進についてお伺いをいたします。 現在、県は、令和3年度から5か年にかかるこうち男女共同参画プランの改定案を提示し、意見公募を行っています。また、このプランの策定の検討と並行して、現在内閣府の審議会で、第5次男女共同参画基本計画案が議論をされています。日本社会はコロナ禍で転換点を迎えており、この計画への期待と注目はかつてなく大きいものがあります。真っ先に職を失う女性の非正規雇用労働者、医療や保育などで働く女性の劣悪な待遇、子育てや介護の負担の集中、性暴力の多発など、日本の女性施策の遅れがあぶり出されており、世界から大きく立ち後れているジェンダー平等に、政府が責任を持って取り組む姿勢と施策を明確に打ち出す必要があります。 しかし、基本計画の原案には、ジェンダー平等への目標が後退している点も見られます。政府は2015年の国連女性の地位委員会で、2030年までに指導的立場の半分を女性にという、203050目標に合意をしています。それに先立つ2005年には、202030、つまり本年中に指導的立場の30%を女性にという目標を掲げていましたが、17年間たった今も達成ができておらず、政府としての責任も原因分析も不十分なまま、目標の先送りをしています。様々なハードルがある中だからこそ、まず指導的立場に女性を多く参画させることが、社会のシステムを変化させる原動力となります。 知事は、本県の男女共同参画推進本部長として、203050目標の重要性についてどのように認識をされておられるか、また本県でのプランの見直しに当たり、指導的立場への女性の参画について目標設定をどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。 県として、知事部局における女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく特定事業主行動計画において、管理職における女性職員の割合を10%以上にするとの目標で、既に達成がされています。さらなる目標の引上げを検討すべきと思いますが、知事にお伺いをいたします。 また、基本計画の議論の中でも注目をされている課題として、選択的夫婦別姓制度の導入をどのように位置づけるかが国会審議も含めた議論となっています。今日、この導入については原案に、国会において速やかに議論が進められることを期待しつつ、政府においても必要な対応を進めると述べられていました。12月8日、自由民主党の内閣第一部会と女性活躍推進特別委員会の合同会議では、制度導入に前向きと取れるなど、記述に反対する意見が相次ぎ、原案の了承が見送られています。 そして、昨日の会議では、選択的夫婦別姓という文言そのものを削除したという報道に触れ、本当に大きな落胆と怒りの思いがいたします。世界の中でも同姓を強要している国は、既に日本だけという状況です。婚姻による同姓の強要は、女性の地位向上の見地からも見直すべきと考えます。 知事は、選択的夫婦別姓制度をどのように評価しておられるのか、御所見をお聞かせください。 次期こうち男女共同参画プラン案では、高知県が目指すべき姿として、「性別にかかわりなく、誰もが自分らしくいきいきと活躍できる高知県」を掲げ、「女性と男性が互いにその人権を尊重し、共に支え合い、責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる高知県を目指します。」とうたっています。 そのプラン案に関わる課題として、非正規雇用の問題があります。プラン案には、現状と課題の項目で就業の状況が示されています。重要ですので、少し長いですが引用をいたします。 「高知県は全国と比べて、結婚、出産後も働き続ける女性の割合が高いものの、平成29年に総務省統計局が行った「就業構造基本調査」のパートタイムなど非正規雇用労働者の割合では、女性が男性の約2.3倍となっています。その背景には、出産・子育てにかかる期間が女性の働き方に大きな影響を与えていることや、事業主の側に女性の能力を積極的に活かしていこうとする意識が十分でないこと、また、働き手や稼ぎ手は男性であるという、固定的な性別役割分担意識が残っていることなどがあると思われます。すべての労働者が、性別にかかわりなくその能力を十分に発揮し、多様でかつ柔軟な働き方を選択することができる社会の実現を進めていく必要があります。」との記述です。 非常に重要な指摘だと思います。相対的貧困率もほとんどの年齢において、男性よりも女性のほうが高いことも指摘をされています。コロナ禍において、全国で女性の自殺率が急増している背景には、女性における非正規雇用の割合の高さが原因の一つと考えられており、まさに命に関わる問題となっています。この状況を改善し、女性が正規雇用で安定して働けるよう取組を進めなければなりません。厚生労働省においても、非正規雇用の労働者を雇用する事業主に、正規雇用化など処遇改善への支援制度を打ち出しています。 女性の非正規雇用の問題を考えるときに避けて通れないのは、いわゆる官製ワーキングプア、公務職場における非正規労働者の問題です。県の職員として、非正規・会計年度任用職員として働いている方々の職種ごとを見てみますと、男女比に大きな偏りがあることが分かります。 県のそれぞれの業務での会計年度任用職員における女性の比率は、一般事務職員83%、看護師92.6%、教員・講師は43.0%、図書館員は100%、女性相談支援センター相談員100%、高知県立消費生活センター相談員75%、高知県思春期相談センター相談員はお一人で100%となっています。県行政の多くの職場で、非正規公務労働を女性が担っている実態が見て取れます。 プラン案では、さきに引用したとおり、非正規雇用において女性が多い背景に、事業主の側に女性の能力を積極的に活かしていこうとする意識が十分でないこと、また、働き手や稼ぎ手は男性であるという、固定的な性別役割分担意識が残っていると思われると指摘をしています。 そうした指摘がされている本県の実態に対する県の取組について、男女共同参画プランを所管する
文化生活スポーツ部長にお伺いをいたします。 県の非正規職員、会計年度任用職員の中には、その専門性、業務の継続性に照らして、本来は常勤の正規職員として採用すべき方々が多数おられるものと考えます。女性活躍推進法では、令和4年から常時雇用する労働者数が101人以上の事業主に、一般事業主行動計画の策定が義務づけられています。民間企業に範を示し、社会全体の男女共同参画を推進するためには、行政が率先して行動する必要があることは言うまでもありません。 公務職場において、非正規職員を正規職員化していくという具体的な行動が求められています。非正規職員において女性比率が高い現状を見れば、この非正規職員を正規職員にしていくことで、より多くの女性が安定した働き方に移行することとなり、女性の貧困率の改善、社会全体のジェンダーの偏りを是正することにもつながります。 県として、会計年度任用職員を正規職員化することを、数値目標を持って取り組む必要があると考えますが、総務部長にお聞きをいたします。 次に、コロナ禍における相談体制について伺います。
新型コロナウイルス感染拡大が多くの女性、特に未成年の子供を持つ女性を直撃しています。内閣府に設置された、コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会も11月、支援や相談体制の強化などを政府に求める緊急提言を出しました。コロナに対しジェンダーの視点で解決を図ることが一層重要になっています。世界的に見て、コロナ禍は貧困、差別などの影響を受ける社会の弱いところで被害が多く出ています。コロナは、日本の弱点の一つが女性の社会的な地位だということを改めて浮き彫りにしています。コロナ対策で女性が取り残されることがあってはなりません。 今春、国連女性機関は、ジェンダー視点の対策は女性のみならず、社会の全ての構成員によい結果をもたらすと強調いたしました。具体的な対策では、雇用・経済面では、複数回の持続化給付金やコロナ禍終了までの雇用調整助成金の特例の延長、営業自粛要請は補償とセットで行う、医療や介護事業者などの減収補填が重要です。この点は、重ねて強く要望しておきます。 今回取り上げたいのは、相談体制の問題です。貧困研究者として子供の虐待問題に長く関わってきた松本伊智朗北海道大学教授は、虐待について、貧困の中で人が苦しい思いをする結果の一つとして考えるべきと、広く社会の在り方として捉えるとともに、実践の現場では困難が集中している人ほど支援につながりにくい状況があると指摘をしています。 情報の周知、公的制度の使い勝手の問題、いろいろと要因はありますが、助けてもらう人は自分でできなかった人だという自己責任論の内面化によって、支援を受けることを抑制させていることが、困難を見えにくくしている大きな問題と指摘をしています。この指摘は、虐待防止だけにとどまらない、生きることへの困難を抱えている人に対する支援を考える上で、普遍的な重要性を持っていると考えます。 相談のしやすい、体制も充実し専門性を確保した相談窓口を築いていくことが極めて大事です。松本教授は、そのためには職員を正職員化し、きちんと身分を保障し、研修など専門性を高めていける体制にすることこそ、そして自治体の中で、社会福祉の専門集団をつくり育てていく人事ルートを確立する必要があると指摘をしています。 先日、ドメスティックバイオレンスの被害者たちを支える婦人相談員について、やりがい搾取という記事が中国新聞で配信をされました。少し紹介をすると、「勤務は週30時間。時間外の相談は全てボランティアだ。夫に隠れて深夜にしかやり取りできない人も多い。家を出て経済的に大丈夫かな、連れ戻されるのが怖い、時間を問わず不安の声を受け止める。命がかかっている、相手の人生に寄り添う覚悟でやっていますと話す。」、「知識を得るために、全国各地の勉強会に参加をしてきた。でも、経費は使えない。休みを潰し自費で出かける。手取りは月約10万円ほど。費用を捻出するために、飲食店のアルバイトと電話相談員のトリプルワークをしている。」、「最前線で経験を積んできた。なのに自分の足元はおぼつかないまま。最近つくづく思う。これってやりがい搾取じゃない?」、「自分たちが燃え尽きたらどうなるんでしょう」と疑問、危機感を感じるという内容です。 本県でも、これまで処遇の改善などにも取り組んできましたが、相談業務の多くは会計年度任用職員が担っている現状です。自殺や虐待防止、DV対策をはじめ生活困窮と関連も強い、これらの問題での相談業務は、正職員で専門性を継続して蓄積していける体制、その仕事の重要性にふさわしい処遇を行うべきと思います。 県行政には様々な相談業務がありますが、男女共同参画を担う立場も含め、女性相談支援センターを所管する
文化生活スポーツ部長に、相談業務の重要性と相談員の正規職員化についてどのようにお考えか、お伺いをいたします。 この項の最後に、直面する課題として、年末年始の各相談窓口の体制について伺います。私たちも、暮らしあったか相談会や相談に対応する体制を取っていますが、
新型コロナウイルスの感染が再拡大している中で、この年末年始は例年とは大きく様相が異なり、経済的にも精神的にも追い詰められる方々が増加することが予想をされています。県行政としてどのような体制を取るおつもりか、知事にお伺いをいたします。 次に、同性パートナーシップ制度の導入についてお伺いをいたします。 世界で大きく前進をしている、性的マイノリティーと言われるLGBTQの方々の人権保障について、日本共産党として再三本議会でも取り上げてまいりました。昨年の12月議会での、男女の組合せに限らない婚姻制度についての中根議員の質問に対し、知事は、婚姻制度の在り方については国政の場でよく議論していただく問題とお答えになり、御自身のお考えを明らかにされてはいません。また、この法整備が進まない中、実質的に婚姻関係として認め、自治体におけるパートナーシップ制度の導入についても、性的指向・性自認に対します県民の理解が進んでいくということが、まずは必要だと考えていますと答弁をされ、研修や啓発を行うという答弁にとどまっています。 令和元年度男女共同参画社会に関する県民意識調査では、性的少数者、いわゆるLGBTなどについての内容を知っているが43%、性的少数者の方が自ら告白するという意味のカミングアウトについて、内容を知っていると答えた方が49%で約半数となっています。その存在についての認知がここまで進んでいる状況、そして当事者の皆さんが社会にその存在の認知と人権保障を求めて活動をされている現状を見たとき、研修や啓発に取り組むという姿勢では不十分だと指摘せざるを得ません。 去る11月24日、高知市は多様な性の在り方を認め合う姿勢を目指し、高知市にじいろのまち宣言をいたしました。来年2月から市として同性カップルに家族としての地位を証明するパートナーシップ制度を始める準備を進めています。宣言式に参加された当事者の方が、私たちは社会から必要ないと思われていると感じていたが、市の宣言で、私もここに存在してもよいと言ってもらえたと述べられたことが報道されています。 そこで、知事に、高知市が導入予定のパートナーシップ制度について、どのように受け止めておられるか、御所見をお伺いいたします。 各自治体が行っているパートナーシップ制度には、単なる証明書の発行にとどまっているところや、公営住宅の応募に当たり親族として認める、また公立病院の面会、手術の同意などができるといった制度を整備している自治体もあります。高知市が、今後この宣言を具体化することとなりますが、高知県の人口の半分を占める高知市での制度の導入となれば、住宅の申請要件なども共同歩調を取っていただきたいと思います。 研修、啓発を一層推進することも含め、県としての姿勢を示すパートナーシップ制度の導入を表明し、高知市と導入に基づく具体的な制度の改定などについて早急な協議を行っていただきたいと思いますが、知事にお伺いをいたします。 次に、不妊治療について伺います。 政府は11月30日、不妊治療への支援拡充をめぐり、来年1月から既存の助成制度を拡充する検討に入ったと報道がなされています。公的医療保険への適用拡大は2022年4月から実施する方針ですが、保険適用までのつなぎの対応として、2020年度の第3次補正予算で、来年1月から体外受精や顕微授精などを対象としている助成について、所得制限を撤廃し、2回目以降も初回同様の30万円を子供1人ごとに最大6回に拡充、事実婚についても対象とすると明らかにしています。 私たちもこれまで不妊治療について、助成が受けられやすい体制の整備や充実について求めてきましたので、助成額、助成対象の拡充についてしっかり進めていただきたいと思っています。 あまりに唐突な実施方針で、医療機関や対象者への周知も急を要すると思いますが、どう対応されるのか、健康政策部長にお伺いをいたします。 制度が拡充されるとはいえ、実際に活用されるためには様々な環境整備が伴わなくてはなりません。不妊治療の指定医療機関は、高知市内に2か所、南国市に1か所の3医療機関がありますが、県外の医療機関などで治療を受ける方もおられ、移動時間を含め大きな負担となっています。不妊治療は、女性にとって肉体的・精神的負担も大きく、また男性も治療に当たっての検査などが必要となります。そのため、職場における理解と協力が極めて重要となります。各職場で安心して治療の受けられる休暇制度が待ち望まれています。 本県の県職員の不妊治療については、現在疾病による病気休暇または有給休暇を取っての対応となっています。政府は、推進する上で職場環境を整える支援策も必要であり、検討もされているとのことですが、既に最長1年間、無給ですが、不妊治療休暇が取得できる長野県など、県職員の不妊治療休暇制度を実施している県も増えてきています。 県として、職員の不妊治療に関する休暇制度の創設についてどのように考えるのか、総務部長にお伺いをいたします。 政府は、2022年度の診療報酬の改定で、保険適用ができるように関係機関と調整を図るとのことですが、治療や薬の安全性や有効性などの検討が必要です。県としても関係機関との情報共有を図りながら、不妊治療への支援につながるよう御努力をいただきたいと思います。 次に、大規模風力発電の本県への集中立地について伺います。 昨年6月議会で、県内で多発する大規模風力発電集中立地計画について質問をいたしました。2020年度末までにFIT法が抜本改正されることから、県内で駆け込み申請のラッシュが起こっています。 現在、計画中のものは、電源開発による西予梼原風力発電、最大発電量16.3万キロワット、風力発電施設38基、国見山周辺に風力発電5.1万キロワット、22基。県外の資本によるものは、土佐清水市、三原村の境界線の今ノ山には2つの計画で、19.8万キロワット、36基はジャパンウィンドエンジニアリング、3.8万キロワット、9基は日立サステナブルエナジー、四万十町、四万十市の大藤風力発電14.7万キロワット、49基はオリックス、馬路村にかかる那賀・海部・安芸風力発電9.5万キロワット、30基はエナジーエクスプローラーが手続中で、合計184基にも及ぶ国内最大規模の計画がめじろ押しです。 例えば、四万十町での計画では、直径80メートル、高さ120メートルの巨大風車の49基建設には、1基当たり50メートル四方の土地を整地、そして風車を山頂に運搬するために大規模な道路建設が必要であり、それに伴う土砂の流出、河川の汚濁が懸念をされます。巨大風車が発する低周波音、超低周波音による健康被害への懸念もあります。また、ヤイロチョウの渡りルートもあり、県の鳥、絶滅危惧種でもあるヤイロチョウへの影響も懸念をされています。 一度立ってしまえば元に戻せないような大規模開発です。経営がうまくいかなかった場合やFIT終了後に、老朽化した施設が放置されるのではないかという懸念もあります。しかも、発電した電気の地域活用や売電益が地域に還元される地域主体の計画ではなく、大資本、県外資本が高知県の自然資源を利用して発電するだけの計画です。 一度立ってしまえば元に戻せないような大規模風力発電開発計画について、県はどういう姿勢で臨むのか、住民合意を徹底して尊重すべきと思いますが、知事にお聞きいたします。 昨年6月の質問では、改正FIT法に基づいて示された地域住民との適切なコミュニケーションに関して、林業振興・環境部長は、地域住民に十分配慮し事業を実施するよう努めることを求めている、努力義務となっており認定基準とはなっていないことから、その実効性についてもう一段強化の必要があるとの認識を示しました。 県として、大規模風力発電設置について、住民合意を要件とするよう一段と取組を強化すべきと思いますが、林業振興・環境部長にお伺いをいたします。 最後に、鏡吉原石灰石鉱山開発についてお聞きをいたします。 本年8月19日の高知市鏡の区長会で初めて四国鉱発株式会社による開発事業の説明がなされ、鏡吉原の石灰石を採掘、集積、搬出する計画が明らかになりました。事業者である四国鉱発の石灰石採掘事業の概要説明によれば、可採鉱量2億トン、うち1次開発3,600万トン、出荷規模、年40から60万トン、採掘期間300年以上と説明をされています。当初は、2020年度中に四国経済産業局の認可を得たいとしていましたが、この問題が掲載された11月5日付の高知新聞には、来年夏の認可を目指すと記されています。長期間にわたり広範な住民に影響を与える計画であるにもかかわらず、あまりにも認可を急ぎ過ぎていると考えるものです。 開発地域となる鏡吉原の地域は、自然豊かで多くの人々を魅了してきました。また、開発区域の南西にある敷ノ山周辺は自然林が多く残されており、四季折々心が洗われる景観で、その周辺には40種を超える希少動植物が生息をしています。高知市北部の雪光山の南に位置し、県道高知伊予三島線から見られる山々のそばには、県民に人気の高いキャンプ場も造られています。すぐそばを流れる鏡川の源流となる吉原川は、渓流釣りの皆さんに愛される美しい川で、その澄んだ水は高知市民の水がめである鏡川に流れ込み、水道水のない鏡今井地域の皆さんの飲み水として利用されています。これらの自然環境に憧れ、鏡の地域を居住地に選び、子育てをしている移住者も少なくありません。 しかし、この開発計画はまだ多く知られておらず、情報が届いた山歩きや野鳥を見る人たちも、環境がどう変化をするのか心配の声を上げています。高知市鏡川清流保全条例に基づいて設置されている鏡川清流保全審議会でも、委員から、運搬はどうなるのか、情報を早く出してほしいなどの意見も出ています。 環境を大きく変える吉原の石灰石鉱山開発について、工業振興という立場で県として助言などを行っていると思いますが、地域住民を含め様々な立場の方々からの不安の声が上がっているのも事実です。事業者に対しどのような助言を行っているのか、県としての姿勢を商工労働部長に伺います。 以下、懸念される幾つかの問題について伺います。まず、希少動植物が見られる場所が採掘されていくことによる影響です。山そのものが削り取られ、採石による騒音も懸念をされます。環境は大きく破壊され、一旦壊された自然は元に戻りません。 この地域にどのような希少動植物が生息しているのか、今後の対応策をどのように考えているのか、林業振興・環境部長にお聞きいたします。 2つ目は、採石の運搬方法です。高知県土地基本条例に基づいて事業者から地域住民への説明が始まり、これまで鏡の吉原、今井、柿ノ又、大利の4か所で説明会が実施をされました。その説明の中で石灰石の運搬については、県道6号線の拡幅を前提としながらとした上で、22トンダンプトラック2台1組を4班に分けて、1日当たり1,300トンから1,440トン、14から15回の採石運搬を行う計画と説明をされています。この説明ではトラックの通行量が少ない印象を与えます。 具体的にどうなるのかを事業者に確認すると、1台のトラックが1日に15回採石を運搬し、往復で30回、これが8台運行するので、通算240回県道を行き来することになります。労働時間を8時間として計算すれば、2分に1台のトラックが家の前を通行する計画になります。 3つ目は、説明責任の問題です。運搬方法でも実感できる説明が市民に伝えられなくてはなりません。また、採石を分別、洗浄、仕分するプラントが必要です。どこに造られるかはいまだ明らかにされていません。設置場所によってはダンプの台数はさらに増えると今井地区の説明で事業者は述べていますし、騒音や粉じんによる被害がどこに及ぶのかも未定な状況です。そうした段階で見切り発車する形の地元説明会では、住民の皆さんからも、判断する材料が十分でなく、やり方が間違っていると声が上がっていますが、そのとおりではありませんか。 300年もの長期にわたって開発しようとする計画を判断するために説明会は開かれるものです。その材料を事業者はしっかりと整えてから取り組むべきだと考えますが、商工労働部長の所見を伺います。 また、22トンのダンプカーが1日に240回も通行するのは県道6号線だけではありません。事業者の説明では、鏡から高知商業高校前を通り鏡川橋に出て、高知市の市街地を縦断し高知港、高知新港に運搬されると聞いていますから、地元だけでなく、影響を受ける地域の範囲は高知市の西部から中心部を通って潮江方面にまで及びます。広範囲の住民に説明責任を負うべき計画です。 開発事業計画の説明は、狭い範囲の地元の捉え方でなく、関係する高知市の沿線にも広く説明会を行うべきだと思いますが、商工労働部長に伺います。 事業者の説明の中で私たちが問題視をしているのは、県道6号高知伊予三島線の拡幅問題です。現在、四国鉱発株式会社が採掘をしている白木谷や土佐山の開発業者は、採石の運搬については独自の道路やベルトコンベヤーでの運搬経路を持っており、生活道への影響は抑えられています。ところが、今回の事業計画では、県の財政による県道の拡幅に頼って事業を開始しようとしています。県道6号線は、農作物の運搬や通学路など生活道として利用されており、一定の改良を求める声がありますが、一民間事業者のために莫大な県費を投入する2車線への改良が妥当かとの声も上がっています。 現在の県道6号線の道路改良計画とその予算について、また開発事業者の言う道路拡幅の見通しを県はどう考えていますか。拡幅するとすれば費用はどれだけかかるのか、土木部長にお聞きをいたします。 道路改良に関する計画実施の要望は、県内の至るところで予算がつくのを待ちわびているのが現状です。今回の拡張を前提にした事業者の考え方で、県道6号線の道路改良計画が変更になることがあれば、行政の公平性が問われることになりますし、他の市町村にも説明のつくものでなければなりません。 産業振興は大事ですが、地元や周辺住民、他の市町村の納得や合意の得られない鉱山開発事業の開始は行うべきではないと思いますが、知事の御所見をお伺いいたしまして、私の第1問といたします。 (知事濱田省司君登壇)
◎知事(濱田省司君) 塚地議員の御質問にお答えをいたします。 まず、203050目標の重要性についての認識、指導的立場への女性の参画に係る県の目標についてお尋ねがございました。 国会議員や公務員、企業の管理職などの指導的立場における男女の割合の均衡を目指します、御指摘の203050目標は、様々な意思決定に女性の意思を反映するために重要な目標であるというふうに認識をしております。 県といたしましても、こうち男女共同参画プランの中で、知事部局、公立学校、県警本部それぞれに女性の管理職比率の目標を掲げて取り組んでいるところであります。また、県の政策などに関する協議を行います各種審議会の委員の男女構成につきましても、均衡を目標に掲げて取り組んでおります。 本年度、同プランにつきましては改定を予定いたしておりますけれども、この改定後のプランにおきましても、引き続き管理職や審議会委員におきます割合について目標を定めて、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 次に、女性活躍推進法に基づきます特定事業主行動計画における女性職員の管理職割合の目標をさらに引き上げることについてお尋ねがございました。いわゆる県の知事部局に関しての問題でございます。 議員御指摘のように、平成28年3月の特定事業主行動計画の策定時に7.4%でありました女性管理職員の割合、これを計画では令和2年度末に10%に引き上げると定めておりました。本年4月1日の時点でこの割合が11%となっておりまして、御指摘がありましたように、令和2年度末の目標は既に先行して達成をできているというところであります。 また、多くの女性職員が多様な職務を経験する中で、チーフ級以上の職員の割合も、計画の策定時から5ポイント上昇して24.6%となっております。将来管理職になり得る女性職員の裾野は、着実に広がっていることを示しているというふうに考えております。 一方で、昨年実施いたしました職員アンケートの結果を見ますと、所属長以上の、いわゆる管理職の役職を担いたいと回答した女性職員は1割強にとどまっております。その主な理由としては、管理職の職責への不安、あるいはワーク・ライフ・バランスへの影響、こういった点が掲げられております。 女性職員を今後さらに管理職に登用していくためには、こうした課題の解決に取り組む必要があると認識をしております。このため、女性職員のキャリアアップに向けました意識の醸成とともに、仕事と家庭の両立ができる環境づくりをさらに進めていく必要があると考えております。 しかしながら、一方で人事配置は適材適所が基本ではございまして、また家庭環境などを踏まえた職員の希望も考慮する必要がございます。こうしたことから、一挙に飛躍的に女性管理職を増やすということは、現実的にはなかなか厳しいのではないかという考えも持っているところでございます。 本年度未が期限となります特定事業主行動計画の改定に当たりましては、現在の女性職員の人数や年齢構成、職員の希望、こういったものの実態を踏まえた上で、目標値の引上げについて検討を進めてまいります。 次に、いわゆる選択的夫婦別姓制度についてお尋ねがございました。 結婚に伴います改姓、姓を改めるということでございますが、これにより、それまでの業績が継承されにくくなるという方などにとりまして、結婚前の姓を名乗ることができる制度は有効なものであるというふうに考えております。現在、その手法としては、旧姓の通称使用の運用が広く行われているものというふうに承知をしております。 他方、御指摘のありました選択的夫婦別姓制度の導入につきましては、我が国の家族の在り方に深く関わる事柄であり、国民の意見も分かれている状況にあるというふうに承知をしております。 私といたしましては、この旧姓の通称使用、これは今注釈抜きでかなり社会的に広がっているというふうに考えます。これを、法律改正なども含めてさらに究極まで拡大していくという場合に、このいわゆる選択的夫婦別姓と具体的にどういった違いが来るのかということが、十分にまだ議論がされていないのではないか。さらに言いますと、例えば現時点で、こうした場合の子供の姓をどうするのかといったような、制度の具体的な内容について議論が十分になされている状況ではないのではないかというふうに思っております。 そうした意味で、まずは国政の場で、こうした具体的な制度設計も含めました議論がしっかりと行われているということが必要ではないかと、そうしたことで国民の皆さんの判断材料がそろってくることになるのではないかというふうに考えております。 次に、コロナ禍におけます年末年始の相談体制につきましてお尋ねがございました。 まず、生活に関する相談の中でも特に緊急性が高い自殺や虐待、ドメスティックバイオレンスなどに関する相談につきましては、年末年始に限らずに365日の対応をいたしております。心の悩みにつきましては、高知いのちの電話を窓口といたしまして、誰にも相談できず一人で悩んでいる方の話に耳を傾ける活動を行っております。 また、児童虐待につきましては児童相談所、ドメスティックバイオレンス、DVにつきましては女性相談支援センターなどにおきまして、迅速な対応が取れる体制をしいているところであります。次に、生活困窮の面の相談につきましては、年末年始の突発的な相談などにも対応ができますように、福祉事務所や自立相談支援機関の体制を確保いたしております。 これらの各相談窓口につきましては、これまでも広報してまいったところでありますが、年末年始に備えまして、さらに広報を強化してまいります。県民の皆さんには、一人で悩みを抱え込まずに、できるだけ早く、ためらわずに各相談窓口に御相談をしていただくようにお願いをしたいというふうに思います。県といたしましては、関係機関とも連携をしながらそうした悩みに寄り添い、しっかりと対応を図ってまいります。 次に、高知市のいわゆるパートナーシップ制度についてお尋ねがございました。 高知市では、令和3年2月にこの制度の導入を予定しており、具体的には市営住宅におきまして、この登録証明を受けた方を同居が認められる親族に含める取扱いをするということを検討されているとお聞きをいたしております。高知市の取組は、多様な性の在り方を認め合い、性的指向あるいは性自認に基づきます差別などをなくすことが求められている昨今の社会情勢を踏まえたものであるというふうに受け止めております。 県といたしましても、社会全体の大きな方向として、性の多様性を尊重していくということが大事な時代になっているというふうに考えております。県内の市町村の制度により、こうした形でパートナーとして認められた方々に関しましては、その市町村が行政サービス上行う取扱いに合わせる方向で、県としての対応を検討してまいりたいと考えております。 次に、県としてパートナーシップ制度を導入してはどうかというお尋ねがございました。 この制度の導入に関しましては、以前も御答弁申し上げましたように、性的指向・性自認に対する県民の皆さんの理解が進むということが、まずは必要だと考えております。その上で、いわゆるパートナーシップ制度は、戸籍あるいは住民記録事務を扱います市町村のレベルで導入を検討していただくということが、なじみやすい性格のものではないかというふうに考えております。 県といたしましては、パートナーシップ制度や性的指向・性自認に関する県民の皆さんの理解が深まるよう、様々な場を捉えて周知できるように努めてまいりたいと考えております。 次に、県内で計画されております大型の風力発電施設に対する県の姿勢についてお尋ねがございました。 再生可能エネルギー発電事業の普及につきましては、県としても推進をすべきものだというふうに考えております。ただし、事業の実施に当たりましては、地域と調和したものとなることが重要であると考えております。 一定規模以上の開発を伴います風力発電施設につきましては、環境影響評価法に基づきます、いわゆる環境アセスメント制度の対象になってまいります。この制度に基づきまして、事業者は事業計画を公表したり、説明会を開催するといったことにより、広く意見を聴くことが義務づけられております。また、県からは、市町村や専門家の意見を踏まえまして、アセスメントの手続の各段階に応じ、事業者あるいは審査を行う国に事業計画に対する意見を述べることとなっております。 現在、手続が進んでおります風力発電施設につきましても、地域住民の皆さんへの説明を具体的かつ丁寧に行いまして、計画に対する理解を得るように事業者に求めてきております。あわせまして、ヤイロチョウなど野生動植物への影響、低周波音など生活環境への影響について適切な調査、予測、評価を行った上で、影響を回避または極力低減するように求めているところであります。 また、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法に基づきます事業計画の策定については、国がガイドラインを定めております。この中で、地域住民と適切なコミュニケーションを図り、十分に配慮して事業を実施するよう努めることとされております。県からも事業者に対しまして、こうしたガイドラインの内容を説明し、適切な対応を求めてまいったところであります。 今後も、地域の皆様の御意見が尊重されるように、様々な機会を捉えて、事業者あるいは国に対して働きかけを行ってまいります。 最後に、石灰石鉱山の開発に関する県の認識につきましてお尋ねがございました。 お話がございました鉱山開発につきましては、事業の着手に向けまして本年10月、県における土地開発に関しての最初の手続であります土地基本条例に基づいた計画書が提出をされたところであります。現在、開発に関して行政のサイドで留意をすべき点などにつきまして、県庁内の関係課あるいは高知市に対して意見照会を行っている、そういう段階にございます。 また、開発計画書の提出に併せまして、住民の皆さんに事業について御理解をいただくために、まずは地元の地区での説明会を始めたところであるというふうに事業者から伺っております。このように、この事業、プロジェクトは、住民の皆さんの納得あるいは合意を得るべく動き始めた、そういう段階であるというふうに認識をいたしております。 今後、開発に際して留意すべき点、あるいは住民の皆様からの御意見に関しましては、事業主において丁寧に対応していただきたいというふうに考えているところであります。 私からは以上でございます。 (
文化生活スポーツ部長岡村昭一君登壇)
◎
文化生活スポーツ部長(岡村昭一君) まず、非正規雇用における男女比の実態を踏まえた県の取組についてお尋ねがございました。 総務省の平成29年就業構造基本調査によりますと、本県の雇用者全体に占める女性の非正規雇用労働者の割合は23.2%となっており、全国平均の24.8%を1.6ポイント下回っております。他方、同じく女性の正規雇用労働者の割合につきましては、本県は26.3%であり、全国平均の20.3%を6ポイント上回っております。このように、全国に比べ女性の正規雇用労働者の割合が高い本県ではありますが、非正規雇用労働者の男女比につきましては、女性の労働者の数が男性の約2.3倍であり、全国が約2.2倍であるのとほぼ同様の状況となっております。 こうした状況に対しまして、県では、現行のこうち男女共同参画プランに沿って、企業などに対し、育児休業の取得促進や時間単位の年次有給休暇制度の導入、さらには女性の活躍の推進が業績拡大につながることへの理解などを働きかけるとともに、広く県民の皆様に対し、家庭における固定的な性別役割分担の意識の解消に向けた啓発を行うなど、制度の整備と意識の改革の両面から取り組んでまいりました。 本年度策定いたします次期プランにおきましても、性別に関わりなく、働く人、働きたい人が仕事と子育て、介護などとの二者択一を迫られることなく働き続け、その能力を十分に発揮できるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 次に、女性相談支援センターの相談業務についてお尋ねがございました。 女性相談支援センターは、配偶者からの暴力に関する相談をはじめ、県民の方々からの様々な相談をお受けしており、相談業務を行っている県の他の組織と同様、重要な役割を担っているものと考えております。 同センターでは、相談員の配置に係る知事部局全体を通じた考え方の下、相談業務に関する豊富な経験を有する会計年度任用職員を専任の相談員として配置し、正規職員と共に組織的な対応を行っております。近年は、相談者や同伴者が疾患を伴う場合や、関係機関との連携が多岐にわたる場合など、より専門的な対応が求められるケースが増加しており、研修の受講などにより相談員の対応力の向上にも努めているところです。また、日々の業務を進めるに当たりましては、センター内で相談案件に係る情報の共有、支援内容や関係機関との連携についての協議を行うとともに、相談記録の作成、保存を行うことなどによりまして、組織としての経験やノウハウの蓄積に努めております。 今後も、様々な御相談にしっかりと対応できるよう、現行の体制を基本として、こうした組織的な取組を継続してまいりたいと考えております。 (総務部長井上浩之君登壇)
◎総務部長(井上浩之君) まず、会計年度任用職員の正規職員化に数値目標を掲げて取り組むことについてお尋ねがありました。 県における職の設置に当たっては、個々の具体的な事例に即して、業務の量や担うべき業務の範囲、そして責任の程度などを踏まえ、会計年度任用職員と正規職員のどちらが担うべきか、総合的に判断をする必要があると考えております。 こうしたことから、数値目標を掲げて会計年度任用職員の正規職員化を進めるということにはならないものと考えております。会計年度任用職員が担っている業務の内容、量などを精査した結果、正規職員が担うべき業務であると判断した場合は、正規職員による対応を検討してまいります。 次に、職員の不妊治療に関する休暇制度の創設についてお尋ねがありました。 不妊治療については、国や本県を含む多くの都道府県において特別休暇の制度はなく、医師が疾病の治療を要すると認める場合に、病気休暇として取得できることになっております。 こうした中、国において不妊治療を受けやすい職場環境整備に向けた検討が進められており、今月3日には今後の取組方針の案が公表されました。その中では、国家公務員について、民間の状況を注視しながら不妊治療を受けやすい職場環境の醸成などを図ることや、人事院においては、職員アンケート調査や有識者ヒアリングなどを踏まえて必要な取組の検討を行うことなどが示されております。また、最近では、議員のお話にもありましたように、ほかの自治体でも、不妊治療に関する特別休暇を新たに導入する動きも出てきておるところであります。 こうした点も踏まえまして、国や他の自治体の動向もさらに注視しながら、職員が不妊治療を受けやすい環境づくりに向けて、検討を進めていく必要があると考えております。 (健康政策部長鎌倉昭浩君登壇)
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 国の不妊治療助成制度の来年1月からの拡充に係る、医療機関や対象者への周知についてお尋ねがありました。 今月の8日に閣議決定された総合経済対策では、不妊に悩む方に対する治療費用の助成について、令和4年度からの医療保険適用を見据えつつ、所得制限を撤廃した上で、助成額の上限について2回目以降も1回30万円で6回まで、2人目以降の子供も同様とし、対象拡大を前提に大幅な拡充を行い、経済的負担の軽減を図ることとされています。この方針は、経済的な理由で不妊治療に踏み切れない方々にとって大いに背中を押してくれるものだと思います。 県としましては、国から拡充後の助成内容が提示され次第、直ちに市町村や医療機関に周知をするとともに、県のホームページをはじめ広報紙、テレビやラジオなど様々な広報媒体を通じて、新たに助成対象となる方々や、これから妊娠・出産を考えている方にも届くよう、広く県民の方々に広報してまいります。 (林業振興・環境部長川村竜哉君登壇)
◎林業振興・環境部長(川村竜哉君) まず、大規模風力発電について、住民合意を要件とするよう、一段と取組を強化すべきではないかとのお尋ねがございました。 知事の答弁でもございましたように、再生可能エネルギー発電事業の推進に当たりましては、地域と調和した事業となることが重要であると考えております。県では、様々な機会を捉えて、地域住民の皆様が懸念される景観や生活環境への影響などについて説明責任を果たすよう、事業者に要請してきているところでございます。 しかしながら、コミュニケーション不足により、事業者と地域住民等との関係が悪化し、反対運動に発展するような問題が全国的に発生してございます。こうした問題を解決していくためには、事業者に地域住民等と適切なコミュニケーションを図ってもらうよう、その実効性についてもう一段強化の必要があると考えております。関連する法令との整理も考えますと、法律で全国的に規制を強化することが望ましいと考えており、引き続き全国知事会として国に対し政策提言を行っているところでございます。 次に、鏡吉原の石灰石鉱山開発について、希少動植物の状況や今後の対応策についてのお尋ねがございました。 県では、県内で生息、生育している野生動植物のうち、絶滅のおそれのある種をレッドリストとして公表し、これら野生動植物の保護の普及啓発に努めてございます。当該開発区域にはスミレ科やラン科など、県または国が選定している約40種類の希少野生植物が生育している可能性がございます。また、専門家の方から、国指定の国内希少野生動植物種である鳥類2種について、周辺での生息情報が寄せられております。 今回の開発につきましては、環境アセスメントの対象とはなっておりませんが、今後事業者が独自に野生動植物の調査を実施する予定と聞いております。県といたしましては、希少野生動植物への影響をまずは回避すること、やむを得ず影響を与える場合も植物の移植を行うなど保護を図るよう、事業者に求めてまいりたいと考えております。また、国指定の希少種が確認された場合には、環境省に相談するよう指導をしてまいりたいと考えております。 (商工労働部長松岡孝和君登壇)
◎商工労働部長(松岡孝和君) まず、石灰石鉱山の開発事業者に対する助言についてお尋ねがございました。 石灰石資源は本県の貴重な資源であり、この資源を生かした石灰石産業は、関連産業も含め多くの雇用を支え、本県経済を支える地場産業であります。石灰石産業の持続的発展は、本県にとって大変重要な課題でありますことから、商工労働部としてしっかり対応していく旨をお伝えしているところです。あわせまして、住民の皆様からの御意見、御要望に関して丁寧に対応していただきたいともお伝えしているところです。実務面での助言で言いますと、関係法令等についての担当課の紹介や、鉱業法に関する事務手続についての問合せに対しまして助言を行っているところであります。 次に、石灰石鉱山の開発における事業者の説明についてお尋ねがございました。 事業者からは、住民の皆様の御理解や御協力を得ていくためには、できるだけ事前かつ丁寧に説明することが必要であると常々思っていた、土地基本条例に住民説明会の開催が義務づけられていることもあり、開発計画書を提出したタイミングに合わせ、現時点で事業者として可能な限りの準備をした上で住民説明会を始めたと伺っております。説明会の開催については、一定理解できるところであります。 今後、土地基本条例に基づいた手続によりまして、開発に際して留意すべき点も整理されてまいります。事業者からは、地元からいただいた御質問や御意見に対して、再度丁寧に説明を行うと伺っておりますので、より検討を深めた説明を行っていただきたいと考えております。 最後に、説明会の範囲についてお尋ねがございました。 今回の住民説明会は、事業に対する住民の皆様の御理解や御協力を得るために、まずは高知市鏡の20地区での実施を予定していると伺っております。これらの地区以外についても、生活環境に大きな影響が及ぶといったような地区があれば、説明を行っていただきたいと考えておりますし、事業者からも地域住民からの御意見や御要望も踏まえながら、その範囲を検討すると伺っております。 (土木部長村田重雄君登壇)
◎土木部長(村田重雄君) まず、現在の県道6号高知伊予三島線の道路改良計画とその予算についてお尋ねがございました。 県道高知伊予三島線は、高知市の国道33号を起点とし、鏡地区を経由し愛媛県四国中央市につながる路線で、鏡地区の沿線住民にとっては高知市中心部へつながる唯一の生活道路です。しかしながら、現道は幅員が狭い上に線形も悪く、落石も多いことから、地元住民や高知市、いの町、土佐町などで構成する樫ケ峰トンネル建設促進協議会からも、安全で安心な道路整備の要望をいただいております。 当路線は従前から局部改良の工事を行っており、平成15年からは国の交付金事業を活用して、高知市鏡草峰から鏡吉原の区間を総事業費約5億円で、地域の実情に合わせた1.5車線的道路整備により工事を行っております。 次に、開発事業者の言う道路拡幅の見通しについての考えと、拡幅するとすれば費用はどれだけかかるのかとのお尋ねがございました。 県道高知伊予三島線に関して、開発事業者の属する業界団体より、2車線改良などの要望をいただいております。また、従前から地域住民の方々や樫ケ峰トンネル建設促進協議会から、トンネル整備や2車線改良、さらには早期に効果が発現する1.5車線的道路整備の要望もいただいているところです。 このように、当該路線につきましては様々な御要望をいただいており、道路事業をどのように進めていくのかについて検討していくこととなります。また、全線2車線で改良するとした場合、狭隘で急峻な地形での標準的な断面の施工単価に延長を掛け合わせて試算いたしますと、概算でございますが、130億円程度になるのではないかと思われます。
◆37番(塚地佐智君) それぞれ御答弁いただきましてありがとうございました。 2問をさせていただきます。まず1つが、年末の相談窓口の問題でございます。福祉事務所なども対応するというお話で、それ以外の福祉部門に関わるセンターなどは通常どおり緊急でも対応しているということでしたけれども、やはりその周知が今あまりされていないということも実態なんです。そのばらばらの対応ではない、やっぱり県として総合的な窓口、困ったな、心配になったなと思うときに、この総合的な相談窓口に取りあえずかけたら、そこにかけたらいいんだよというふうに振り分けていただける、そういう窓口をやはり私はこの年末つくるべきだと。例えば、福祉事務所が開いていると思っている県民は、ほとんどいないわけですよね。そういう意味では、この一旦県が引き取る窓口、そこからその方の内容に基づいて振り分けていく、そういうところが、いつもの年末ではない長期の休業なわけです。 まさに災害と言われる状況の中ですから、そういう窓口を設置するように、ぜひ私は検討いただきたいと思いますけれど、それは総合的なお話になりますので、お構いなければ知事のほうにその必要性を検討していただけないか、実現をしていただけないかということを1つは再質問いたします。 もう一つが、不妊治療の問題です。不妊治療の職員の休暇は、検討をいつまでやって、どのぐらいのときにその具体化が図れるような見通しがあるのか、それがあればお答えいただきたい。 それと、石灰石の問題ですね。鉱山の開発の問題です。今るるお話されましたが、私はこの事業の最大のネックは、採掘場所からの運搬方法なんだというふうに思うんです。知事が、まだ動き始めたばかりの計画ですのでというふうにおっしゃられましたが、業者のほうは、来年の夏に認可も得たいということをもう既に公表していて、お尻を決めて今動きつつあるという状況なんですね。ちっとも安閑としていられる状況ではありませんし、この説明の中にあった県道を通行するダンプの交通量、重大な問題が私はあると思っております。 この県道を通過する、事業者が出したダンプの交通量の計画ですね、このことについてはどういうふうに受け止めるのか。これは商工労働部長に伺いたいと思うんです。先ほど、大きな影響があれば、その地域で説明も必要だというふうな御答弁をされましたが、このダンプの通行量なら大変な影響が沿線地域に及ぶんですね。 出された計画のダンプの量、そしてそれに与える影響がある地域について、商工労働部長はどういうふうにお考えになっておられるのか、その点併せてお伺いをしたいと思います。 そして、道路の予算のお話です。この2車線化をすれば130億円が必要になる。あらあらの試算として土木部から出していただきましたが、130億円もの巨額投資が2車線改良で必要になった場合、他の市町村の要望と、ここに集中投資をすればどういう影響が出てくるというふうにお考えか、その点をお聞きいたしまして、2問といたします。
○副議長(西内健君) 塚地さん、不妊治療は総務部長でよろしいでしょうか。
◆37番(塚地佐智君) 総務部長で、恐れ入ります。
◎知事(濱田省司君) 塚地議員の再質問にお答えをいたします。 年末の相談窓口に、総合的な相談窓口をというお話でございました。お話にありました福祉事務所等への対応に関しまして、現状は県庁の代表電話にお電話をいただければ、年末年始でもしかるべき者がこれを受け付けまして、担当課のほうにお話をつないでいくという形で連絡体制は取れているということをただいま答弁いたしました。 そうしたことではございますけれども、よりこれをただいまお話がありました総合的なといいますか、御相談をされる方々の御意向に沿った形で相談に対応できるような体制にするという点について、どういう工夫ができるかというのは考えてみたいと思っております。
◎総務部長(井上浩之君) 不妊治療休暇制度を導入しているのは11府県ほどございますけれども、中身を見てみますと、短期の休暇から始まり長期、先ほどお話しありました長野で言いますと252日、しかし無給ということもあります。そういった形で、各県の対応もばらばらのところもあります。そうした部分ももう少し研究した上で、さらに国のほうでも動きがあるかもしれませんので、ただあまり時間をかけずに、その不妊治療の休暇制度も含めて、様々な不妊治療を受けやすい環境づくりについては検討を進めていきたいと考えております。
◎商工労働部長(松岡孝和君) まず、私も事業者の計画も見させていただきました。事業者のほうで現段階でこうなりたいというふうな話での計画で御説明されているというのも、私も聞いています。実際に、トラックがごんごん増えてくれば、その影響というのは当然出てくるんだろうなというのが1つあるのと、あとやっぱりそうなってくると、道路安全の関係も出てくるので、実際の対応になってくると我々も当然入っていくんですけれど、土木部と連携しながら、アドバイスなんかも今後していきたいと考えます。
◎土木部長(村田重雄君) 全線2車線は、概算で130億円。これはここに集中投資したら非常に大きな影響がほかにあるんではないかというお話でございますけれども、もちろん短期間に集中すれば、恐らく大きな、県予算的に考えて、現在土木部が使わせていただいている予算に対して、非常に大きなインパクトがあろうかと思います。それは期間も含めて、またどういうふうな整備をしていくかというのも、これは130億円、概算の全体額でございますので、そこは期間、また内容について今後考えていくことになりますので、現状どのようなものがほかに影響があるかというのは、直接的にはお答えできない状況かというふうに考えております。
◆37番(塚地佐智君) ありがとうございました。 商工労働部長は鉱山の開発について、事業者はこうなりたいということで、増えてくればそう対応するとおっしゃいましたが、計画の時点で止めなくてどうするんですか、これ。計画の段階でどんな影響が出るかの説明がなくて、どうして住民合意が得られるんですか。そこはやっぱり業者の方に、住民に対して丁寧な対応をすると、そうした中身をつまびらかに、影響のあるところには言うという形で、しっかり県のほうが助言をしないといけないと私は思います。 しっかりした、県民の声を聞いて対応するという商工労働部の対応を強く求めて、私の一切の質問を終わります。(拍手)
○副議長(西内健君) 暫時休憩いたします。 午後2時14分休憩
----------------------------------- 午後2時40分再開
○議長(三石文隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 4番今城誠司君。 (4番今城誠司君登壇)
◆4番(今城誠司君) 自由民主党、宿毛市・大月町・三原村選挙区選出の今城誠司でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問を行わさせていただきます。 質問に先立ちまして、今回の
新型コロナウイルス感染者の急拡大に対し、感染リスクと向き合いながら最前線で活動していただいております医師、看護師をはじめとする医療関係者の皆様、また保健所をはじめとする行政機関の皆様に心より敬意と感謝を申し上げます。 さらに、昨日
新型コロナウイルス感染症に追い打ちをかけて、高病原性鳥
インフルエンザが残念ながら発生してしまいました。厳しい状況が続いておりますが、日常の生活や経済活動に大きな影響を受けておられる県民の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 さて、今年度濱田知事においては、新しい施策の仕込みの年として、課題解決に向けて一歩でも二歩でも前進するように、成果にこだわる決意で県政運営に取り組まれました。しかしながら、予想もしない
新型コロナウイルスの感染拡大と戦後最大の経済の落ち込みという、大きな逆風の中で大変な年となりましたが、2年目の県議会に臨まれる濱田知事に対しまして、その政治姿勢についてから順次質問に入らさせていただきます。 初めに、
新型コロナウイルス感染症対策に係る財源確保についてお伺いをいたします。2月定例会の追加提案による約40億円を皮切りに、この12月補正予算まで国の補正予算を最大限活用し、総額約721億円規模となる感染症対策に取り組んでいるところであります。先日、全国知事会では自治体が
新型コロナウイルス感染症対策に充てる地方創生臨時交付金に関し、47都道府県が既に予算計上したか今後予定がある総額1兆8,438億円、これに対し国の配分予定額が1兆2,304億円であり、6,134億円不足見込みであると報告がなされております。今年度のさらなる増額及び来年度以降の継続的措置を要望されております。 こうした中、昨日政府において地方創生臨時交付金の拡充が盛り込まれた第3次補正予算案が閣議決定され、
新型コロナウイルス感染症対策に万全を期す姿勢が示されたところであります。 そこで、このたび地方創生臨時交付金の予算が確保される見通しとなったことに対する評価について知事にお伺いをいたします。 次に、知事の基本姿勢であります共感と前進の実現に向けて、県民座談会「濱田が参りました」についてお伺いをいたします。知事は、大学進学を機に高知を離れまして、39年間ほとんど県外で過ごされており、帰省の機会があったとしても、広い県下の状況を見聞きする機会はなかったものと思います。この県民座談会によりまして、県下隅々で地域の実情や県民の意見を率直に直接聞くことのできる貴重な機会であり、この座談会を踏まえて浮かび上がってきた課題を、スピード感を持って県政運営に生かしていただくことを期待する座談会であります。 知事に就任当初であり、全市町村へ出向くことを第一に、限られた時間での意見交換中心の座談会となっております。しかしながら、限られた時間の中でも大月町では四輪バギーの乗車体験をされたり、出先機関への訪問等を積極的に限られた時間で視察もされておりました。来年度以降も継続して県下に出向き、実情の現地視察もさらに充実をさせた県民座談会へと発展することも期待をしております。 本日まで県下25の市町村を訪問し、この県民座談会を通じて本県の現状をどのように感じられたのか、また来年度この「濱田が参りました」をどのように充実させていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、人口減少対策についてお伺いをいたします。人口減少の負のスパイラルを克服することが県政における最大の課題であります。全国の都道府県に先駆けて、平成27年に高知県まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、第1期として昨年度末までの総合戦略に取り組んできたところであります。 この第1期総合戦略における将来展望の県人口の見通しは、令和2年に69万9,000人でありましたが、出生率1.61、社会増減均衡の目標を達成することができず、69万人と約9,000人下回る結果となっております。この4月からは第2期総合戦略を策定し取り組んでいるところでありますが、人口減少に対して自然減の縮小や社会増に向けた一連の対策を講じることにより、できるだけ早い時期に人口構成を若返らせ、将来的には人口増加に転じることは可能であり、その実現に向けて挑戦を続けるとされております。この将来展望が実現すれば、今年令和2年以降、年少人口割合は上昇に転じ、令和27年以降、老齢人口割合は減少し、生産年齢人口割合が上昇に転じるとされております。 今回のコロナ禍によりまして、東京都は4か月連続で人口流出が続いており、地方暮らしへの関心が高まり、地方への新たな人の流れというチャンスでもあると言われております。一方で、全国の自治体が今年5月から7月に受理した妊娠届の件数が、前年同期比で11.4%減少し、
新型コロナウイルス感染拡大による雇用情勢や出産環境の悪化が影響しているとも言われております。 人口減少の克服については決定打はなく、息の長い総合的な取組が必要ですが、第1期総合戦略をどのように総括し、第2期総合戦略をどのように工夫して取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、四国遍路の世界遺産登録についてお伺いをいたします。国内で世界遺産に登録されているものは、文化遺産19件、自然遺産4件の計23件が登録をされております。地域別に見ると、世界遺産の登録がないのは四国のみの状況となっております。将来世界遺産一覧表に記載する計画のある物件として、暫定一覧表としてユネスコに提出をしておりますが、この7件の候補にも四国は一件もない状況であります。 平成18年に四国4県共同で、平成19年には四国4県に加え関係市町村が文化庁に対して提案書を提出し、平成20年に文化審議会の世界文化遺産特別委員会で審査されましたが、記載候補とはならず、課題として、構成資産の文化財の指定、選定を含めた保護措置の改善、充実、顕著な普遍的価値を持つことの証明が必要との提示を受けております。 先日、文化審議会は竹林寺道と禅師峰寺道の遍路道2本を史跡にする答申をされました。四国の他県の遍路道では、3県で1か所ずつの追加指定がされ、全体の史跡数で31か所となったと報道されております。 四国4県の周遊としての大きなインパクトのある世界遺産登録への取組でありますが、四国遍路の世界遺産登録に向けて、現在どのような状況で、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、世界遺産に続いて、四国には新幹線もありません。建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画には、四国新幹線、四国横断新幹線として昭和48年に位置づけられております。しかしながら、基本計画路線の整備計画への格上げに対するスタンスは、整備が進められている路線の完成のめどが立った時点で対応している状況であります。 先日の報道によりますと、2023年春を予定していた北陸新幹線の金沢-敦賀の延伸開業は1年以上延期し、建設費用は2,000億円から3,000億円の増額が必要とされております。北海道新幹線については、新函館北斗-札幌間が2030年末の完成予定で取り組んでおり、整備新幹線で唯一未着工だった敦賀-新大阪間についても、前倒しの動きもありますが、2031年度着工、2046年開業予定で整備が進んでいる状況であります。 四国新幹線の着工は、現在の状況では2040年代後半になるのではないかと予想されます。しかしながら、JR四国をはじめ土佐くろしお鉄道の経営環境は大変厳しく、今期は新型コロナの影響により大幅な赤字が予想されております。 昨年、四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会の中間整理でも、四国の活力の維持・向上を支える持続可能な公共交通ネットワークとして、新幹線を骨格とした公共交通ネットワークの構築が四国の将来像として示されております。四国の新幹線の早期実現に向けた手法の検討と、整備計画への格上げに必要な調査研究の推進を、平成28年から国に対して政策提言に取り組んでおりますが、残念ながら法定調査に入ることはありませんでした。 四国新幹線の早期実現に向けて今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、離島における
新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いをいたします。 高齢化比率が高く、医療基盤・態勢が脆弱な離島においての感染症対応は、移動手段も含めて難しい条件が重なることにより、一歩間違えれば島全体のクラスターに発展する可能性があります。北海道の奥尻島では、今月の6日現在53人の感染が確認をされており、およそ2,500人が暮らす島で、50人に1人の割合で感染が広がっている厳しい状況が報道されております。 本県においては、9年ぶりに中学校が再開をされた沖の島中学校の入学式を前に、教員の感染判明を受け、当日の入学式は中止となりました。この教員は同校に赴任が決まり、3月31日に沖の島に引っ越し、翌日4月1日に発熱し、4月5日に保健所に相談、4月6日に帰国者・接触者外来を受診して陽性が確認をされ、島内の感染拡大が心配をされましたが、感染者を出すことなく現在に至っております。 沖の島、鵜来島は磯釣りのメッカであり、島外からの入り込み客も多く、離島における感染症対応の整備が必要であります。沖縄県においては、入院医療施設のない離島において島内での感染拡大を防ぐために、自衛隊及び海上保安庁等の協力で搬送する体制が整備をされております。また、熊本県や佐賀県では、海上保安部の巡視艇で
新型コロナウイルスに感染した患者を搬送する訓練も実施されているとお聞きをしております。 第1波で離島で感染者が発生した事例の検証を生かし、今後発生した場合の対策を考える必要があると思いますが、本県の離島において
新型コロナウイルスの感染が疑われる方や濃厚接触者、また陽性と判断された方が発生した場合の搬送体制や行政の対応について健康政策部長にお伺いをいたします。 次に、警察行政について。 サイバー犯罪捜査についてお伺いをいたします。先日、私の携帯に総務省をかたったメールアドレスから、2回目の特別定額給付金の特設サイトを開設しましたなどの文面とともに、偽の特設サイトに誘導するリンクが含まれたメールが入ってきました。サイトの作りは巧妙で注意が必要だと思い、すぐに宿毛警察署に相談をいたしました。 悪質かつ巧妙化するサイバー犯罪が県下でも数多く発生をしております。今年の7月には、県内の大学の主要建物を爆破する等の犯行予告メールにより、授業が休講となる事件が発生をいたしました。8月には、須崎市役所に爆破予告メール、9月には県と県内の22市町村に火薬を積んだトラックを衝突させるなどの脅迫メールがあり、複数の自治体で一時閉庁、小中学校の臨時休校となりました。11月4日から5日にかけて、県と6市町にまた爆破、放火を予告する不審メールが送られております。11月10日には、高知駅を爆破する予告メールが県警のホームページの問合せフォームに書き込みされる事件が発生をしております。 いずれの事件も威力業務妨害容疑などで捜査が続いておりますが、海外の複数サーバーを経由させる匿名化ソフトなどにより、発信元を特定するには非常に難しいとお聞きをしております。 県警では主要施策として、サイバー空間の脅威への的確な対処を挙げて取り組んでおりますが、日々複雑化、高度化するサイバー犯罪に対して具体的にどのように取り組んでいるのか、警察本部長の御所見をお伺いいたします。 次に、交通安全施設の適切な更新、維持管理についてお伺いをいたします。県内の交通事故の発生状況を見てみますと、令和元年中の交通事故件数は1,556件と14年連続で減少し、最も発生件数の多かった昭和46年の6,609件の約24%まで減少しております。これは、交通安全に御尽力をいただいている関係者の皆様の御尽力によるほか、交通秩序を維持するために整備をされた交通安全施設がその効果を発揮してきた成果でもあるとも考えます。 しかし、県内を見てみますと、道路標識の劣化、消えかかった横断歩道などの道路標示など、経年劣化によって効果が十分期待できない状態のものも見受けられます。財政状況が厳しい中でも、多額の予算を要する南海トラフ地震に対応できる信号機の電源改良にも取り組む必要がありますが、更新時期を迎えた交通安全施設に対して適切な維持管理及び更新がされなければ、安全で安心な道路交通の確保はできません。 そこでお伺いをいたします。交通安全施設の適切な管理についてどのように取り組んでおられるのか、警察本部長にお伺いをいたします。 次に、あおり運転についてお伺いをいたします。悪質なあおり運転による事件や事故が多発し社会問題になっており、テレビではあおり運転を記録したドライブレコーダーの映像が流れております。これまでは、あおり運転を明確にした法律がないことから、悪質な場合には暴行罪や危険運転致死傷罪などを適用し、取締りを強化してきたところであります。本県においても、高知自動車道で50歳代女性が運転する車に対して、車間距離を詰めたり前方に出て急ブレーキをかけた運転者に対して、暴行罪を適用した事例もあるとお聞きをしております。 本年6月には、あおり運転を妨害運転罪と新たに規定し、厳罰化を盛り込んだ改正道路交通法が施行されました。10項目に該当する違反行為を規定し、罰則を3年以下の懲役または50万円以下の罰金と定め、違反点数も25点と免許取消処分の対象に追加をされております。国土交通省においても、11月より事業用自動車があおり運転をした場合、運転者だけでなく事業者も処分の対象となり、行政処分の対象とされました。 今回、あおり運転が法的に定義をされ、厳罰化されたことによる県内の妨害運転罪の検挙の状況について警察本部長の御所見をお伺いいたします。 次に、県職員の女性職員の管理職への登用についてお伺いをいたします。第4次男女共同参画基本計画に定める成果指標である女性国家公務員の役職への登用状況が公表されました。各役職段階に占める女性の割合として、令和2年度末の目標値が設定をされており、4つの役職段階のうち地方機関課長・本省課長補佐級では、成果目標が12%のところ12.3%となっており、唯一政府目標を達成しております。ほかの全ての役職でも割合は増えておりますが、目標に届いていない状況であり、河野太郎国家公務員制度担当相は、全役職での政府目標達成に向けて、今までと同じ手法でいいのか、そろそろ考えないといけない時期であるとコメントしております。 この第4次男女共同参画基本計画では、都道府県職員の各役職段階に占める女性の割合も設定されておりますが、本県の成果目標の達成状況及び今後の達成に向けてどのように取り組んでいくのか、総務部長にお伺いをいたします。 次に、こうち男女共同参画プランについてお伺いをいたします。平成12年に男女共同参画基本計画が閣議決定され、翌年の平成13年に高知県で初の女性副知事が就任された年に、こうち男女共同参画プランが策定をされ、現在4期目の最終年度に取り組んでいるところであります。 昨年度、男女共同参画社会に関する県民意識調査が実施をされ、男女平等に関する意識は、各分野で男性優遇の割合は減少傾向に改善が進んでおりますが、まだ偏りがあります。家庭での家事、育児等の分担やワーク・ライフ・バランスの理想と現実には隔たりがある等の結果が得られております。 この意識調査の結果をどのように分析し、平成28年度から5年間を期間とする現行のこうち男女共同参画プランの成果をどのように総括し、次期プランの策定に取り組んでいるのか、
文化生活スポーツ部長にお伺いをいたします。 次に、土木行政について。 初めに、四国8の字ネットワーク全線事業化に向けてお伺いをいたします。 今年の7月5日に、一般国道中村宿毛道路が昭和51年に事業化をされ、44年の歳月をかけて23.2キロ全線の開通となりました。この開通により、国道56号の交通混雑の緩和や交通事故の減少はもとより、現道においての宿毛市東部地域での路面冠水の回避など、ダブルネットワーク化により、四万十市から宿毛市間の交通途絶リスクが軽減をされ、大規模災害時における信頼性の高い緊急輸送道路を確保することができ、県西部の国土強靱化が大きく進んだとも言える道路の開通であります。 今年度は、高知南国道路も全線開通が予定をされており、県内の四国8の字ネットワークの整備は進み、事業化区間の工事も順調に進んでいる状況であります。しかしながら、いまだに県内に事業化に至っていない区間が3か所残っております。計画段階評価が終わっている宿毛-内海、奈半利-安芸間の2区間と、県による調査段階の安倉-和田の3つの区間が残されております。 現在のこの区間の取組状況と事業化への見通しについて土木部長にお伺いをいたします。 次に、中小河川の治水対策についてお伺いをいたします。国土交通省においては、気候変動による水災害リスクの増大に備えるためには、これまでの河川管理者等の取組だけでなく、流域に関わる関係者が主体的に治水に取り組む社会を構築する必要があり、河川・下水道管理者等による治水に加え、あらゆる関係者により流域全体で行う治水、流域治水へ転換するため、全国の一級水系で、流域全体で早急に実施すべき対策の全体像を流域治水プロジェクトとして示し、ハード・ソフト一体の事前防災対策の加速化に取り組んでおります。県下においても、物部川、仁淀川、四万十川、吉野川において流域治水協議会が設置をされ、それぞれ対策の検討に入っております。 一級河川の流域でない河川の流域治水についてはどのように取り組んでいくのか、土木部長にお伺いをいたします。 次に、河川整備計画に位置づけられた河川改修の確実な推進と、河川の適切な維持管理の継続についてお伺いをいたします。県内の河川においても「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」による集中的な取組により、洪水危険箇所の改善は大きく進みました。この国土強靱化については、新たな計画として5年間の加速化対策として、来年度より5か年計画で15兆円が閣議決定をされております。 さらに、都道府県、市町村の管理する河川の維持管理について、基本的には国庫補助対象にはならず、地方自治体の厳しい財政事情から十分な対応ができていない状況でありましたが、緊急的な河川などのしゅんせつ経費について、特例的に有利な地方債の発行が可能となり、県下の中小河川の適切な維持管理が進み、地域の皆さんから大変いい評価をいただいております。しかしながら、この緊急浚渫推進事業費も5か年の緊急的な特例措置であり、恒久的な財源とはなっておらず、制度終了後には十分な維持管理が継続できないことも心配をされます。 県下の各水系の河川整備計画に位置づけられた河川改修の確実な推進と、河川の適切な維持管理の継続に対してどのように取り組んでいくのか、土木部長にお伺いをいたします。 次に、土砂災害特別警戒区域についてお伺いをいたします。今年の7月豪雨による土砂災害発生件数は954件で、人的被害は死者17名、家屋被害は全壊31戸、半壊16戸、一部損壊は132戸に上ると言われております。これらの土砂崩れ現場は、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域に指定されている区域か、今後指定される予定区域が数多く含まれており、土砂崩れの危険性が事前に予測をされて、砂防・急傾斜対策工事のハード面対策、住宅移転促進や予防的な避難の徹底などが必要な区域であったと言われております。 県内においては、昨年末に土砂災害防止法に関する基礎調査が完了し、今年度はイエローゾーン、レッドゾーンの指定に向けて地域で説明会に取り組んでいるところであります。レッドゾーンについては、特定開発行為に対する制限、建築物の構造規制、建築物の移転等の勧告もできるとされております。この指定結果をハード対策の優先順位や対策工事の内容に反映させて、効果的な土砂災害対策に活用するとともに、がけ地近接等危険住宅移転事業により、できるだけ安全な区域に事前移転への補助制度も用意をされております。 この制度が創設されてから事前移転はどのような状況なのか、またこの制度を利用するには市町村の制度化が必要ですが、県下の市町村における取組の状況について土木部長にお伺いをいたします。 次に、クルーズ船受入れ体制についてお伺いをいたします。2月に横浜港に入港したダイヤモンド・プリンセス号は、
新型コロナウイルスによる集団感染に見舞われ、700人以上の感染者が発生し、13人が死亡する大規模クラスター事案となりました。この事案が発生以降、クルーズ船に対する信頼や安心が失われ、運航が停止する状況となりました。 9月には、国土交通省監修のクルーズ船に関する感染予防対策のガイドラインが公表され、国内のショートクルーズが11月から運航再開をされております。11月30日には、11か月ぶりに高知新港に久々に飛鳥Ⅱが接岸し、乗客は半分以下の約180人ではありますが、高知県の経済回復に向けての大きな第一歩になったと思っております。 県内港湾でのクルーズ船の受入れに当たって、各運航会社の安全対策をどのように確認し、感染者発生時における受入れ体制をどのように整えて、クルーズ船の寄港促進に取り組んでいくのか、土木部長にお伺いをいたします。 次に、宿毛湾港利活用推進についてお伺いをいたします。宿毛湾港は、昭和61年に重要港湾に指定をされ、平成12年にはマイナス13メートル岸壁が完成をし、風力発電の部材搬入拠点のほか、大型客船、自衛艦の寄港地としても利用されておりますが、港内の静穏度の確保に課題があり、大型客船の寄港の断念、係船ロープの切断等が発生し、防波堤の整備が望まれておりました。平成15年より県が事業主体の第1防波堤に着手し、直轄事業の第2防波堤も今年8月に延伸整備が完了し、先月の28日には竣工式典が開催をされました。この防波堤の完成により、係留・荷役時における安全性、利便性が向上し、さらに宿毛湾港の利活用が進み、地域の活性化につながることに期待をされているところであります。 この港の利活用促進に対して、宿毛市では、昭和57年に海上自衛艦寄港誘致促進に関する決議、平成30年には自衛隊誘致の促進に関する決議が可決をされ、民間団体と行政が一体となって宿毛湾港利活用推進に取り組んでいるところでありますが、中期防衛力整備計画において可能性のあった後方支援基地についても、候補地として選定されることはありませんでした。宿毛湾港工業団地に進出している造船会社の鋼材及び船体部品が陸上輸送から海上輸送への転換もしているとお聞きをしております。 この宿毛湾港の利活用推進に対して、県としてどのように取り組んでいるのか、土木部長にお伺いをいたします。 最後に、建設業活性化プランについてお伺いをいたします。平成26年6月に、公共工事の品質確保の促進に関する法律が改正をされ、基本理念に将来にわたる公共工事の品質確保と中長期的な担い手確保が追加をされました。この活性化プランについても、その基本理念を取り入れて、公共工事の品質と担い手確保、建設業の技術開発や施工力、雇用環境づくりの支援と、全ての前提となるコンプライアンスの確立を3つの柱として、優れた技術を持つ県内建設業者の地産外商も視野に、建設業の新たな展開を目指し、平成27年3月にバージョンアップをし取り組んでいるところであります。 現在、県内の建設会社の手持ち工事量は高水準で推移をしておりますが、長年にわたる公共事業の減少に伴う若年層の入職者の減少や、従事者の高齢化の進行、入札不調・不落が増加をした地域も数多く見られます。建設業の人材育成・確保は一向に成果が上がった印象は少なく、さらに今後のプランのバージョンアップの効果に期待をするところであります。 これまでの7年間の建設業活性化プランの取組をどのように検証し、今後プランのバージョンアップに取り組んでいかれるのか、土木部長にお伺いをいたしまして、私の第1問とさせていただきます。 (知事濱田省司君登壇)
◎知事(濱田省司君) 今城議員の御質問にお答えをいたします。 まず、国の第3次補正予算案に関係いたしまして、いわゆる地方創生臨時交付金の予算の確保に対する評価についてお尋ねがございました。 本県では、県民の皆さんの健康と生活を守りまして、県経済へのダメージを最小限に食い止めるために、財政調整的基金の取崩しのほか、地方創生臨時交付金などの国費を最大限に活用して、コロナ対策の取組を進めてまいりました。 しかしながら、事態が長期化する中で、感染拡大防止対策と社会経済活動の両立に向けた取組を継続するためには、国による財政支援の拡充が必要と考えておりました。そのため、全国知事会などとも連携をいたしまして、御指摘の地方創生臨時交付金の増額など、地方が必要とします財源の措置について国への要望、提言を行ってきたところでございます。 このような中、昨日第3次補正予算案が閣議決定をされまして、地方創生臨時交付金の増額として全国で1.5兆円が計上されたところであります。このことは、本県をはじめといたしまして地方公共団体が引き続き地域の実情に応じて必要な対策を取り組んでいくための後押しになるものと、大いに評価をいたしております。 本県でも感染者数が急増しております。今後の状況を踏まえながら、さらなる取組の強化が必要になると考えておりますし、本日からの飲食店等への休業要請、またそれに伴う協力金の支給ということに関する決断におきましても、この交付金の財源の確保が一定程度見込めるという見通しが立ったことは、非常に大きかったというふうに考えております。 こうした状況でございますので、拡充されました地方創生臨時交付金も最大限に活用いたしまして、感染拡大防止対策と経済影響対策をなお一層加速してまいりたいと考えております。 次に、県民座談会「濱田が参りました」についてお尋ねがございました。 私の県政運営の基本方針といたしております共感と前進を具現化する手段として、これまで県民の皆さんと直接対話をいたします座談会を進めてまいりました。参加者の方々からは、人材、後継者の不足が様々な分野で深刻化している現状、あるいは道路や河川などの整備による安心・安全な暮らしに関する御意見を多くお聞きすることができました。改めまして、人口減少、高齢化がもたらす中山間地域の厳しい状況を実感いたしているところであります。 また、そうした現状に加えまして、今年はコロナウイルス感染症の影響が、県民の皆さんの社会経済活動や生活に大きく影を落としております。こうした中で懸命に頑張っておられる皆様方の声をお聞きするにつれまして、県勢浮揚に向けて、なお一層私自身が努力をしていかなければいけないという思いを強くしているところでございます。 2巡目となります来年度からは、そういった厳しい現状をより具体的に把握したいと考えておりまして、座談会に加えて様々な取組の現場を直接訪問したいというふうに考えております。通常の執務の中では実感しづらいこともあります地域の強みや課題を現場で体感するということによりまして、これまで以上に県民の皆さんの声を県政に反映できるように努力をしてまいります。 次に、まち・ひと・しごと創生総合戦略の第1期の総括並びに第2期の取組についてお尋ねがございました。 第1期の取組を経済成長という面から見ますと、地産外商の推進により、本県の経済は人口減少下におきましても経済規模が拡大をする、そういった経済へと構造転換を果たしつつあるというふうに捉えております。一方、人口動態の面から見ますと、いわゆる社会減の規模は、かつての景気回復局面と比べて2分の1程度までに改善をいたしております。しかし、議員御指摘のように、合計特殊出生率の目標あるいは社会増減の均衡という目標は達成できませんでした。 こうしたことから、経済成長が人口動態の改善にはまだ十分につながっていないという状況にありまして、その意味ではまだまだ道半ばであるというふうに考えております。 このため、本年度からの第2期の総合戦略においては、これまでの取組を土台といたしまして施策を強化し、さらなる若者の定着、増加と出生率の向上に全力で取り組んでおります。また、その中では、コロナ禍によります県経済や県民生活への影響、あるいは社会の構造変化にも迅速かつ的確に対応すべく努力をしているところであります。 具体的には、まず若者の定着、増加を図るためには、若者が魅力を感じる仕事を多くつくっていくということが肝要であります。このため、デジタル技術と地場産業の融合などにより、デジタル技術を生かした取組を一段と加速するということと併せまして、IT・コンテンツ関連産業の集積あるいは事務系職場の誘致、こういった取組を進めてまいります。あわせまして、コロナ禍を契機といたしました地方への新しい人の流れを本県に呼び込めますように、シェアオフィスなどの受皿を整備いたしまして、アプローチを強化してまいります。 次に、出生率の向上を図るという観点からは、県民の皆さんの出会い・結婚・妊娠・出産・子育てといったライフステージの各段階に応じた、切れ目のない少子化対策が重要でございます。このため、出会いの機会の創出や高知版ネウボラの取組など、安心して妊娠・出産・子育てができる環境づくりを進めてまいります。あわせて、働き方改革の推進、男性の育児休業の取得促進など、働きながら子育てしやすい環境づくりを進めてまいります。 こうした取組をコロナ禍の影響も踏まえて、さらに強化しながら、将来展望として掲げました2060年の本県人口55万7,000人を確保するということを目指しまして、全力で取り組んでまいります。 次に、四国遍路の世界遺産登録に向けました現状と今後の取組についてお尋ねがございました。 世界遺産登録のために国からユネスコに推薦をしていただくためには、まずは国内の暫定リストに候補として掲載をされる必要があります。四国遍路につきましては、その要件として、国の審議会から大きく2つの課題が示されております。1つは、現状、札所や遍路道など構成資産の大半が文化財として保護されておらず、措置の改善、充実が必要という指摘、もう一つは、人類全体にとって未来にも共通した価値があるという、顕著な普遍的価値の証明が必要という点であります。 これを受けまして、四国の4県、市町村、大学及び関係団体などから成ります協議会を平成22年に発足させまして、官民協働でこうした課題の解決に向けて取組を続けているところでございます。 まず、構成資産の保護措置につきましては、札所寺院や遍路道が国の史跡として指定を受けるために必要な文化財調査を計画的に進めております。本年度は、竹林寺道など遍路道2本が新たに史跡指定されることになりましたことは御指摘のとおりでありますし、また室戸市の金剛頂寺、安田町の神峯寺で調査を今行っているところでございます。また、普遍的価値の証明という課題につきましても、大学教授らによります研究会を設置し、定期的に国の調査官や国内外の専門家とも意見交換を行いながら、調査研究を進めております。 世界遺産登録への道は長く、そして険しい道のりでございますけれども、これが実現できますと、文化の振興あるいは観光面で大きな効果が期待できます。このため、引き続き四国各県の関係者と連携をいたしまして、諸課題の解決に取り組みますとともに、早期に国内暫定リスト入りがなされるように国への働きかけを行ってまいります。あわせまして、四国遍路の魅力を国内外に発信し、世界遺産登録に向けた一層の機運の醸成を図ってまいります。 最後に、四国新幹線の早期実現に向けました今後の取組についてお尋ねがございました。 近年、新幹線が開業いたしました九州や北陸地方におきましては、大都市圏との移動時間の短縮により、観光客の増加あるいは在来線への波及、経済の活性化などの大きな効果が現れております。このため、四国への新幹線の誘致は大変重要なものであるというふうに考えております。 四国4県や経済団体などで構成をされます四国新幹線整備促進期成会におきましては、リニア中央新幹線が新大阪まで延伸をされます2037年を四国新幹線の開業の目標として掲げて運動をしております。この目標に向かいまして、四国内外での機運の醸成、国への要望・提言活動などを行ってまいりました。今年度は、特に国土交通大臣への要望を行いまして、四国の実情あるいは新幹線の必要性を強く訴えてまいったところでございます。 本県でも、期成会と連携した国への政策提言をはじめといたしまして、シンポジウムあるいは土佐経済同友会と連携した啓発イベントを開催するといった活動を通じて、県民の皆様への周知あるいは理解の促進に努めてまいりました。目標としております2037年の開業を実現するためには、まず国において整備計画への格上げの前提となります法定調査を開始することが必須条件となるということは、御指摘のあったとおりでございます。 一方で、国では、整備計画に位置づけております北陸や九州、北海道の整備を優先して進めておりますので、四国の新幹線が法定調査に至るには、まだまだ高いハードルがあるというのが現状だと考えております。 このため、何よりも四国が一つになるという結束力、そして官民協働の取組をさらに強化していくこと、また山陽新幹線と接続をいたします岡山県との連携を深めるということが重要となってまいります。今後とも四国各県や関係機関と連携をいたしながら、国への政策提言、機運醸成のための取組を継続し、さらに充実させることによりまして、先ほど申し上げました国による法定調査の実施に何とかこぎ着けたいというふうに考えております。 私からは以上でございます。 (健康政策部長鎌倉昭浩君登壇)
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 本県の離島において
新型コロナウイルスの感染が疑われる方や濃厚接触者、また陽性と判断された方が発生した場合の搬送体制や行政の対応についてお尋ねがありました。 沖の島や鵜来島においては、磯釣りや観光で島外からの入り込み客も多いことから、
新型コロナウイルス感染症が発生した場合、島内の感染拡大が心配をされるところです。 一方、これらの島には、
新型コロナウイルスの検査を実施できる医療機関はありませんので、島内在住の方が島内にいる状態で新規の感染者として判明する可能性は極めて低いと考えております。ただ、発熱等の感染が疑われる患者が現れることは十分想定されますので、その場合は、感染防止の措置を十分に取った上で島外に出て診察、検査を受けていただくことを原則としたいと考えています。 現在では、検査判明までの時間が短い検査を実施できる医療機関が幡多圏域にもありますので、検査判明までは島外で待機をしていただくことで、仮に陽性になった場合に、島に戻らず速やかに入院医療につなげることができます。 また、島内在住の方が濃厚接触者となった場合も、同様に島外で検査を受けていただくことを原則と考えておりますが、その人数が多数となる場合などには、島内で検体採取を行った今年4月の対応も踏まえて、地元と協議して柔軟に対応してまいります。 なお、万一島内で感染者が判明した場合は、地元との連携の下、チャーター船を借り上げるなどして、島からの安全な搬送手段を確保する体制を整えてまいります。 (警察本部長熊坂隆君登壇)
◎警察本部長(熊坂隆君) まず、サイバー犯罪に対する警察の具体的な取組についてお尋ねがございました。 県警察では、悪質・巧妙化するサイバー犯罪に対して、各部門の連携はもとより、全国警察と情報共有を図りながら積極的に捜査を推進しております。昨年中は、ネットワークを利用した詐欺や著作権法違反、ストーカー規制法違反等により、36件、24名を検挙しております。 あわせて、事件検挙に向けては捜査力の向上が必要であり、全警察官に対するサイバー犯罪等対処能力検定の実施や、高知工科大学の教授によるサイバーセキュリティーに関する講義を行っているほか、サイバー犯罪捜査員を大手IT企業や先進県の警察に派遣勤務させ、高度な技術の修得を図っているところでございます。 一方で、議員御指摘のように、サイバー犯罪は発信元を匿名化するツールが使われ、容易に国境を越えて行われるなど、犯人の特定は容易ではありません。県民の皆様が被害に遭わないよう、最近の偽サイトやフィッシングメールの手口等を踏まえ、広報紙、ツイッターなどの様々な手段を用いて注意喚起を図るなど、広報啓発にも取り組んでいるところでございます。 今後も、県警察では、日々複雑・高度化するサイバー犯罪に対し、組織の総合力を挙げて取締りを強化するとともに、サイバー空間における脅威から県民の皆様を守るため、広報啓発活動にも力を入れてまいります。 次に、交通安全施設の適切な更新、維持管理についてお尋ねがございました。 交通安全施設の適切な更新、維持管理は、交通事故抑止に重要な役割を果たしていると認識しており、県警察といたしましても計画的に取り組んでいるところであります。具体的には、県内の交通安全施設の状況を定期的に点検し、優先順位をつけながら、老朽化した信号制御機の更新や横断歩道などの道路標示の補修を随時実施しております。 今後も交通事故の危険性などを考慮し、適正な交通安全施設の更新、維持管理に努めるとともに、道路管理者をはじめとします関係機関と連携して、利用者が安心して通行できる交通環境の整備に努めてまいります。 最後に、県内の妨害運転罪などの交通違反の検挙状況についてお尋ねがございました。 本年6月に改正道路交通法が施行されて以降、県内において妨害運転罪を適用した事例はございません。しかしながら、妨害運転は極めて悪質かつ危険な行為であり、これを抑止し、痛ましい死傷事故が起こることのないよう、指導取締りを徹底していく必要があるものと認識しております。特に、高速道路で妨害運転が発生した場合は重大事故につながりかねないことから、本年9月には、高速隊のパトカーと航空隊のヘリコプターが連携した、空陸一体となった取締りを実施したところでございます。 このような活動を通じて、妨害運転につながる可能性のある車間距離不保持違反については、本年10月末現在で22件検挙しております。妨害運転に対しましては、今後とも厳正な取締りと捜査を徹底するほか、各種広報媒体を活用した広報啓発活動により、安全な道路交通の実現を目指してまいります。 (総務部長井上浩之君登壇)
◎総務部長(井上浩之君) 県の女性職員の管理職等への登用の状況と今後の登用に向けた取組についてお尋ねがありました。 本年4月1日時点の知事部局における役職に占める女性の割合は、部長・副部長級につきましては、国の目標値10%に対して2.2%と下回っておりますけれども、課長級以下の役職につきましては、国の目標値にほぼ到達をしているところであります。具体的に申しますと、課長級は国の目標値15%に対し本県は16.4%、課長補佐級は目標25%に対しまして24%、チーフ級は目標30%に対しまして29.3%となっております。 これまでも女性職員の管理職等への登用に向けましては、女性職員に早い段階から企画立案や事業推進など様々な経験を積ませるとともに、キャリア形成に関する研修などを通じまして、人材育成を進めてまいりました。この結果、先ほど申し上げました知事部局のチーフ級以上の職、すなわちポストの職の女性職員を合計した割合で申しますと、10年前は約15%程度でございましたけれども、現在は約25%となっております。将来管理職を担う女性職員が着実に増加しているものというふうに考えております。 引き続き、女性職員のキャリアアップに向けました意識の醸成に取り組むとともに、育児や介護のための早出・遅出勤務の活用、業務の効率化による時間外勤務の縮減など、ワーク・ライフ・バランスにも配慮した職場環境づくりを進めまして、さらなる女性職員の管理職への登用につなげてまいりたいと考えております。 (
文化生活スポーツ部長岡村昭一君登壇)
◎
文化生活スポーツ部長(岡村昭一君) 次期こうち男女共同参画プランの策定についてお尋ねがございました。 平成28年度から本年度までの5年間を計画期間としております、現行のこうち男女共同参画プランの取組につきましては、このプランの中で設定をしております数値目標に関し、例えば高知家の女性しごと応援室における就職率や、知事部局の管理職員に占める女性の割合などの目標を達成しており、成果を上げてきているものと考えています。しかしながら、県の審議会等の委員に占める女性の割合が伸び悩んでいることや、男性の育児休業取得が少ないことなど、引き続き課題も残されているものと受け止めております。 また、5年ごとに実施しております男女共同参画社会に関する県民意識調査の昨年度の結果では、議員のお話にもありましたように、各分野における男女平等の意識はおおむね向上しているものの、全国調査結果との比較や経年変化の状況から、特に家庭生活、職場生活、政治の場の3つの分野に係る取組の拡充が必要であると考えております。具体的には、家庭生活における男女の役割分担の見直し、職場生活においては、多様な働き方が選択できる環境の整備、さらには政治の場への参画に向けた第一歩として、審議会等の委員や地域活動への参画促進による人材育成など、制度と意識の両面からの取組が求められているものと考えているところです。 こうしたことを踏まえ、次期プランにおきましては、「性別にかかわりなく、誰もが自分らしくいきいきと活躍できる高知県」の実現を目指し、男性の家事、育児、介護の分担に向けた啓発、経営者の方々を中心とした意識の改革や働き方改革の定着への支援、さらには審議会等の委員構成の見直しへの働きかけなどの取組を、より一層強化してまいりたいと考えております。 (土木部長村田重雄君登壇)
◎土木部長(村田重雄君) まず、四国8の字ネットワークの事業化に至っていない3つの区間の取組状況と、事業化への見通しについてお尋ねがございました。 四国8の字ネットワークは、南海トラフ地震対策を進める上での命の道であり、地域の経済活動を支える重要な社会基盤であることから、これまでも他県や沿線自治体の皆様と連携し、整備促進に向け積極的に取り組んできたところです。 その結果、本年度は阿南安芸自動車道の野根安倉道路が直轄権限代行として新規事業化されました。さらには、7月5日の中村宿毛道路の全線開通に続き、年度内には高知南国道路の全線開通も予定されているなど、本県の整備率は61%となる見通しで、四国8の字ネットワークの完成に向けて、一歩一歩着実に前進しております。 一方、未事業化区間の状況としまして、四国横断自動車道の宿毛市から愛媛県愛南町内海の区間では計画段階評価が完了し、現在国において都市計画を進めるための調査が行われているところです。調査が完了いたしますと、県において都市計画決定に向けた手続を進めてまいります。 また、阿南安芸自動車道の奈半利町から安芸市の区間でも計画段階評価が完了し、環境アセスメントを進めるための調査が行われております。県施行となります北川村安倉から和田の区間におきましては、文献調査及び動植物、猛禽類の現地調査など、環境アセスメントを進めるための調査を行っているところです。 このように、未事業化区間の解消に向け着実に前進しているところであり、引き続き一日も早い四国8の字ネットワークの完成に向け、全力で取り組んでまいります。 次に、一級河川以外の河川の流域治水への取組についてお尋ねがございました。 令和元年東日本台風をはじめ、平成30年7月豪雨や平成29年九州北部豪雨など、近年激甚な水害が頻発し、さらに今後気候変動による降雨量の増大が予測されていることから、国は河川の流域関係者全員が協働して総合的かつ多層的に取り組む、いわゆる流域治水の取組を全国で進めることとしております。 県内で国が管理する4つの一級水系では、本年8月に流域治水協議会を立ち上げ、流域全体で早急に実施すべき対策を取りまとめ、流域治水プロジェクトとして本年度中に公表する予定としております。県が管理する二級水系につきましても、この一級水系での取組を参考に、流域治水を計画的に推進することとしており、洪水が発生した場合に甚大な被害が予想される河川において本年度から取組を開始し、それらの成果につきましては来年度以降に順次公表してまいります。 次に、河川改修の確実な推進と適切な維持管理について、どのように取り組んでいくのかとのお尋ねがございました。 河川整備につきまして、3か年緊急対策を活用した集中的な取組により、平成30年7月豪雨で全国的に課題となりました河川に堆積した土砂の撤去をはじめ、甚大な浸水被害が発生した河川の改修、河川堤防の耐震対策などの進捗を図っております。他方、対策が必要な河川は依然として多く残っており、さらには気候変動による豪雨の頻発化、激甚化といった新たな課題への対応も進めていく必要があるため、本年度が期限の3か年緊急対策の継続を国に対して訴えてきたところです。 政府は、このような全国からの多くの声も受けまして、新たに5か年の対策を取りまとめる方針を閣議決定いたしました。県といたしましても、この新たな対策を積極的に活用し、河川整備計画に位置づけられた河川改修をはじめ、耐震対策や排水機場の長寿命化対策など、この3か年の取組が継続されるように努めてまいります。 河川の維持管理につきまして、今年度創設されました有利な緊急浚渫推進事業を最大限活用し、前年度の3.8倍の予算を確保し、緊急性の高い76河川の計画的な維持掘削を進めております。この緊急浚渫推進事業は5年間の時限的な制度のため、この間に適正な河川管理に必要な維持掘削の実績を積み上げ、他県や市町村とも連携して、その効果や必要性を整理し、継続的な取組となるよう時期を捉えて国に訴えてまいります。 次に、がけ地近接等危険住宅移転事業による事前移転の状況及び市町村の取組状況についてお尋ねがございました。 崖地の土砂災害対策につきましては、従来崖地に隣接した区域に住み続けられるよう、国費を活用した急傾斜地崩壊対策事業や、市町村と協力して行う、がけくずれ住家防災対策事業によるハード対策を中心に行ってまいりました。 がけ地近接等危険住宅移転事業は、土砂災害特別警戒区域の指定により、土砂災害への備えを検討する住民が増えることが想定されることから、区域外への事前移転を安全対策の選択肢の一つとして加えるため、平成30年度に創設しております。この事業は、土砂災害特別警戒区域内の危険な住宅を区域外に移転する際に補助を行う市町村を支援するもので、これまでに区域指定が一定進んだ2つの町で制度化がされ、現在9つの市町村で制度化に向けての検討が進められていると聞いております。 この制度による事前移転の実績はまだありませんが、制度化されております市町村に相談が寄せられているとお聞きしております。また、土砂災害特別警戒区域等の指定に向けた説明会でも、住民から事前移転の支援策について質問が出ているところです。引き続き、区域指定の進捗に伴って、土砂災害への備えを検討する住民のニーズにお応えできるよう、がけ地近接等危険住宅移転事業の制度化を進める市町村の取組を支援してまいります。 次に、クルーズ船の受入れ体制についてお尋ねがございました。 各船会社は、国土交通省監修の船舶ガイドラインに加え、船会社独自の対策を付加した予防・拡大防止マニュアルを作成し、乗員乗客全員に対する乗船前のPCR検査を実施するなど、感染防止対策を徹底した上で運航を再開しております。 県といたしましては、事前に実施されました試験航海に職員を派遣し、換気や間隔確保といった船内の対策状況を確認いたしました。また、客船受入れ当日には、上陸前に乗客の体温測定の様子を確認するなど、船会社のマニュアルに沿って適切に感染防止対策が実施されていることを確認しております。 このマニュアルにおきましては、万が一発熱等の有症者が発生した場合には、船医がPCR検査などを実施し、検査結果が出るまでの間は、他の乗客も船内で待機となります。検査の結果陽性と確認された場合には、陽性者のみ最寄りの病院等へ隔離搬送し、他の乗客は下船せずに発着港へ帰ることとなっております。県では、こうした事態に備えまして、船会社や保健所、関係機関等と事前に調整の上、搬送時の動線確保や緊急連絡体制の整備、訓練等を行っております。 今後も、
新型コロナウイルス感染症の状況を注視しながら、経済活動の回復と感染拡大の防止の両立を目指し、県民の皆様に安心していただけるよう対策を徹底した上で、クルーズ船を受け入れてまいりたいと考えております。 次に、宿毛湾港の利活用推進についてお尋ねがございました。 宿毛湾港は、四国西南地域の広域物流拠点として平成12年に供用を開始しております。今年8月には、池島地区の防波堤延伸工事が完了したことにより、湾内の静穏度が向上し、船舶がより安全に利用できる環境が整いました。近年では、ぱしふぃっくびいなすの寄港など、クルーズ船の寄港地にも利用されるようになってきております。 宿毛湾港の後背地におきましては、地元と連携してこれまでも企業誘致に取り組み、造船会社や水産加工場が立地しておりますが、いまだ分譲中の企業用地が複数残っている状況です。これは、都市部からの時間距離の長さや輸送コストの高さなどがその要因の一つと考えております。 このような状況の中、四国8の字ネットワークの道路整備が進み、本年7月には宿毛市和田まで延伸しております。加えて、宿毛-内海間の計画段階評価が完了し、宿毛湾港池島地区の北側にインターチェンジが設置されることも検討されております。こういったことにより、時間距離の短縮や定時性の確保といった課題が改善すると期待されており、宿毛湾港の持つ物流拠点としてのポテンシャルが高まってきております。 このような環境の変化に対応した新たな取組を進めるため、宿毛商工会議所、すくも湾漁業協同組合、宿毛市役所などの関係機関と協議を進めております。今後はこの議論を踏まえ、四国西南地域の物流の拠点となるよう、企業誘致やクルーズ船の寄港数増加など、地元と一体となって宿毛湾港の利活用に一層取り組んでまいります。 最後に、建設業活性化プランの検証とバージョンアップについてお尋ねがございました。 建設業は、豪雨災害などへの対応やインフラ整備を進めるために必要不可欠な存在であるとともに、各地域で持続的に発展していくことが地域の雇用を守り、県経済の下支えになると考えております。このため、県といたしましても建設業の皆様を支えていけるよう、建設業活性化プランを策定し、工事の平準化や人材確保、ICT施工への支援などに取り組んでまいりました。 このうち、工事の平準化につきましては、工事の完成が集中する年度末の建設従事者の長時間労働の是正などにもつながるため、繰越明許制度の積極的な活用に取り組んでまいりました。その結果、土木部発注の土木一式工事における4月末の手持ち工事量は、平成26年の約83億円から本年度には約210億円と、約2.5倍に増加しており、一定の成果が上がっております。 人材確保の取組におきましては、これまで高校生の現場見学会の開催や、都市圏で開催される移住相談会において求人情報の紹介などを実施してきているところです。しかし、建設業者へのアンケートでは、新規雇用の状況は改善している状況が見られず、取組の見直し、強化が必要だと認識しております。 また、建設現場における生産性向上を図るi-Constructionにおきましては、ICT活用工事の導入を進めており、その実施率は全国並みに上昇してまいりました。しかしながら、今後さらに人口減少と高齢化が進む本県の状況を踏まえますと、この取組について、より一層推進していく必要があると考えております。 これらのことから、人材確保策の強化とデジタル化の推進による生産性の向上などの視点を持って、どのような取組が有効か、関係団体などの御意見も伺いながら、活性化プランのバージョンアップについて検討を深めてまいります。
◆4番(今城誠司君) 執行部の皆様にはそれぞれ丁寧な答弁をいただきましてありがとうございます。2問目はありません。 今年、濱田知事は危機管理対応に追われる年となりました。来年は、これらの危機を濱田知事のすばらしいかじ取りによりまして乗り切って、県勢浮揚に向けて道筋が見える年となることを期待申し上げまして、私の一切の質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(三石文隆君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。 明17日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。 午後3時56分散会...