高知県議会 2019-10-02
10月02日-06号
令和 1年 9月 定例会(第350回) 令和元年10月2日(水曜日) 開議第6日
-----------------------------------出席議員 1番 土森正一君 2番 上田貢太郎君 3番 今城誠司君 4番 金岡佳時君 5番 下村勝幸君 6番 田中 徹君 7番 土居 央君 8番 野町雅樹君 9番 浜田豪太君 10番 横山文人君 11番 西内隆純君 12番 加藤 漠君 13番 西内 健君 14番 弘田兼一君 15番 明神健夫君 16番 依光晃一郎君 17番 梶原大介君 18番 桑名龍吾君 19番 森田英二君 20番 三石文隆君 21番 上治堂司君 22番 山崎正恭君 23番 西森雅和君 24番 黒岩正好君 25番 大石 宗君 26番 武石利彦君 27番 田所裕介君 28番 石井 孝君 29番 大野辰哉君 30番 橋本敏男君 31番 上田周五君 32番 坂本茂雄君 33番 岡田芳秀君 34番 中根佐知君 35番 吉良富彦君 36番 米田 稔君 37番 塚地佐智君欠席議員 なし
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 尾崎正直君 副知事 岩城孝章君 総務部長 君塚明宏君 危機管理部長 堀田幸雄君 健康政策部長 鎌倉昭浩君 地域福祉部長 福留利也君
文化生活スポーツ部長 橋口欣二君
産業振興推進部長 井上浩之君 中山間振興・交通部長 川村雅計君 商工労働部長 近藤雅宏君 観光振興部長 吉村 大君 農業振興部長 西岡幸生君 林業振興・環境部長 川村竜哉君 水産振興部長 田中宏治君 土木部長 村田重雄君 会計管理者 中村智砂君 公営企業局長 北村 強君 教育長 伊藤博明君 人事委員長 秋元厚志君
人事委員会事務局長 原 哲君 公安委員長 古谷純代君 警察本部長 宇田川佳宏君 代表監査委員 植田 茂君
監査委員事務局長 麻岡誠司君
-----------------------------------事務局職員出席者 事務局長 弘田 均君 事務局次長 行宗昭一君 議事課長 吉岡正勝君 政策調査課長 織田勝博君 議事課長補佐 飯田志保君 主幹 春井真美君 主査 宮脇 涼君
-----------------------------------議事日程(第6号) 令和元年10月2日午前10時開議第1 第1号 令和元年度高知県
一般会計補正予算 第2号 令和元年度高知県
工業用水道事業会計補正予算 第3号 地方公務員法及び地方自治法
の一部を改正する法律
の施行による
会計年度任用職員の制度
の導入に伴う職員
の給与に関する条例等
の一部を改正する条例議案 第4号 成年被後見人等
の権利
の制限に係る措置
の適正化等を図るため
の関係法律
の整備に関する法律
の施行による地方公務員法
の一部改正に伴う関係条例
の整理等に関する条例議案 第5号 高知県
民生委員定数条例の一部を改正する条例議案 第6号 高知県
心身障害者扶養共済制度条例の一部を改正する条例議案 第7号 高知県夢・
志チャレンジ基金条例の一部を改正する条例議案 第8号 高知県屋外広告物条例
の一部を改正する条例議案 第9号 高知県
認定こども園条例の一部を改正する条例議案 第10号 高知県児童福祉施設
の設備及び運営に関する基準を定める条例
の一部を改正する条例議案 第11号 高知県
警察手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第12号 県有財産(教学機器)
の取得に関する議案 第13号 高知県
防災行政無線システム再
整備工事請負契約の締結に関する議案 第14号
町道佐渡鷹取線社会資本整備総合交付金(
佐渡鷹取トンネル)工事請負契約
の一部を変更する契約
の締結に関する議案 第15号 平成30年度高知県電気事業会計未
処分利益剰余金の処分に関する議案 第16号 平成30年度高知県
工業用水道事業会計未
処分利益剰余金の処分に関する議案 報第1号 平成30年度高知県
一般会計歳入歳出決算 報第2号 平成30年度高知県
収入証紙等管理特別会計歳入歳出決算 報第3号 平成30年度高知県
給与等集中管理特別会計歳入歳出決算 報第4号 平成30年度高知県
旅費集中管理特別会計歳入歳出決算 報第5号 平成30年度高知県
用品等調達特別会計歳入歳出決算 報第6号 平成30年度高知県
会計事務集中管理特別会計歳入歳出決算 報第7号 平成30年度高知県
県債管理特別会計歳入歳出決算 報第8号 平成30年度高知県
土地取得事業特別会計歳入歳出決算 報第9号 平成30年度高知県
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算 報第10号 平成30年度高知県
災害救助基金特別会計歳入歳出決算 報第11号 平成30年度高知県
母子父子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算 報第12号 平成30年度高知県
中小企業近代化資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第13号 平成30年度高知県流通団地及び
工業団地造成事業特別会計歳入歳出決算 報第14号 平成30年度高知県
農業改良資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第15号 平成30年度高知県
県営林事業特別会計歳入歳出決算 報第16号 平成30年度高知県林業・
木材産業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第17号 平成30年度高知県
沿岸漁業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第18号 平成30年度高知県
流域下水道事業特別会計歳入歳出決算 報第19号 平成30年度高知県
港湾整備事業特別会計歳入歳出決算 報第20号 平成30年度高知県
高等学校等奨学金特別会計歳入歳出決算 報第21号 平成30年度高知県
電気事業会計決算 報第22号 平成30年度高知県
工業用水道事業会計決算 報第23号 平成30年度高知県
病院事業会計決算第2 一般質問(一問一答形式による)第3
決算特別委員会設置の件第4 議発第1号 議員を派遣することについて議会
の決定を求める
議案----------------------------------- 午前10時開議
○議長(桑名龍吾君) これより本日
の会議を開きます。
-----------------------------------
△質疑並びに一般質問
○議長(桑名龍吾君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、第1号「令和元年度高知県
一般会計補正予算」から第16号「平成30年度高知県
工業用水道事業会計未
処分利益剰余金の処分に関する議案」まで及び報第1号「平成30年度高知県
一般会計歳入歳出決算」から報第23号「平成30年度高知県
病院事業会計決算」まで、以上39件
の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問をあわせて行います。 質疑並びに一般質問は一問一答形式によることとします。 塚地佐智さん
の持ち時間は40分です。 37番塚地佐智さん。
◆37番(塚地佐智君) おはようございます。本議会
の本会議質問も最終日を迎えまして、お疲れ
のことと思いますけれど、どうぞよろしくお願いを申し上げます。それでは、質問に入らせていただきます。 2018年12月に、成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するため
の施策
の総合的な推進に関する法律、略称成育基本法が全会一致で可決、成立をいたしました。今年中に法律が施行され、その後
成育医療等協議会が設置をされ、有識者から意見を聴取、それを参考に厚生労働大臣が基本方針を策定し閣議決定することとなっています。 まず、本法律が成立したことをどのように評価されているか、健康政策部長に伺います。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 成育基本法は、成育医療等
の提供に関する施策
の基本となる事項を定めることにより、乳幼児から大人になるまで
の一連
の成育過程にある者とその保護者、妊産婦に対し、必要な成育医療等を切れ目なく提供するため
の施策を総合的に推進することとしており、地方公共団体
の責務も規定されております。 この法律
の成立は、妊娠期から子育て期まで
の切れ目
のない総合的な支援である高知版ネウボラなど、本県が進めている取り組み
の後押しになるものと評価をさせていただいております。
◆37番(塚地佐智君) 今後、この法律
の具体化により、いつでもどこでも誰でも安心して出産・子育てができる、また子供たちが健やかに成長できる体制や制度が充実されるよう、意見を酌み取り提言していくことが大切だと思います。国にはこの法律
の趣旨がしっかり具体化できる予算措置を求めていかなくてはなりません。法律
の具体化を見通しつつ、県として現状を一歩でも前進させていく取り組みについて、今回は妊産婦へ
の支援施策について何点か伺います。 まず、分娩を取り扱う医療機関
の体制
の整備です。健康政策部長、本県
の現状はどうなっているか、二次
保健医療圏ごとにお示しください。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 現在、県内で分娩を取り扱っている医療機関は、
安芸保健医療圏に1施設、
中央保健医療圏に10施設、
幡多保健医療圏に2施設で、合計13施設ありますけれども、
高幡保健医療圏には平成22年1月以降、分娩を取り扱う医療機関がないという状況でございます。
◆37番(塚地佐智君) 極めて広い県土で、少ない医療機関になっているという実態だと思います。とりわけ
高幡保健医療圏では、先ほどおっしゃられたとおり、既に約10年間産科
のない無産科医療圏となっており、その課題解決は喫緊
の課題です。 産婦人科や周産期医療
の医師確保
の取り組みを進めていますけれども、無産科医療圏
の解消
の見通しについて健康政策部長に伺います。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) これまで県内
の産婦人科医師
の増加と定着を図るため、産婦人科を志望する人に対する
医師養成奨学金制度の貸付金
の加算、
高知医療再生機構を通じた専門医・指導医
の資格取得支援、分娩に従事した産婦人科医へ
の手当
の支給に対する補助などを行ってまいりました。 これら
の取り組みにより、県全体では平成28年に県内
の産婦人科・産科医師数が増加に転ずるなど、一定明るい兆しは見えておりますが、分娩
の安全性確保
の観点から少なくとも複数
の産婦人科医師による分娩対応が必要であること、
分娩取り扱い診療所の減により県内
の基幹病院で
の分娩数が増加していることなどから、高知大学からくぼかわ病院へ優先して複数医師を派遣する余裕がない状況であり、
高幡保健医療圏で
の分娩再開にはまだ時間を要する見込みでございます。
◆37番(塚地佐智君) この間
の御努力は大変なものだと思います。本当に切望されているこの
高幡保健医療圏でございますので、どうぞ今後とも県を挙げて、ぜひ実現に努力をいただきたいと思います。 さて、妊産婦へ
の支援施策はこの間、平成21年から妊婦健診
の公費負担を14回にふやすなど充実が図られてきました。しかし、昨年来妊婦が健診以外で医療機関を受診した場合
の診療報酬を加算することが決定され、大きな問題となりました。妊婦だからと加算を負担させていい
のかと
の大きな世論がつくられ、現在実施は凍結をされています。一方、医療機関側は妊婦
の診療に当たっては特別な配慮が必要であり、妊婦
の診察を受け入れるためにも加算
の必要性を主張する声もあります。 この現状をどのように認識されているか、健康政策部長に伺います。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 議員がおっしゃられたような妊婦加算について
のいろいろな御意見があることは承知をしておりますが、この問題につきましては、妊産婦が受診する際
の負担が、これから子供を欲しいと思う人にとってその意欲をくじくものとならないようにすることが必要であり、妊産婦に対する健康管理など
の保健サービスや医療機関
の連携など総合的な支援
の中で、医療提供体制を確立・維持していく観点から
の議論が望ましいと認識をしております。 厚生労働省
の有識者会議では、新たな報酬制度
の要件や名称について、
中央社会保険医療協議会で議論するよう厚生労働大臣に求めており、今後始まるこの協議会で
の審議を注視してまいります。
◆37番(塚地佐智君) 今後
の中央社会保険医療協議会で
の審議を注目していくということが大事だと思うんですけれども、加えて妊産婦
の負担をどう軽減をしていく
のかということが大事な論点になろうかと思います。早期発見、早期治療は重症化を防ぎ、医療費
の削減に効果があることは自明
の理です。医療にアクセスしやすい環境にすること、さらに妊産婦
の経済的負担
の軽減は、少子化対策
の一つ
の柱とも言えます。 既に、栃木、富山、岩手、茨城では県として妊産婦へ
の県単独
の医療費助成を実施しています。それ以外
の県でも市町村が独自助成を行っている自治体も広がっています。最もシンプルな制度設計と考えられる栃木県では、対象は全妊産婦、所得制限なし、給付対象は医療保険適用
の全て
の疾病、自己負担は県として月500円を設定していますが、全市町村が補助をしているため実質負担はゼロ、給付方法は償還払いで実施をし、県と市町村が2分の1ずつ負担をしています。 本県でこの方法で実施した場合、必要な予算はどうなる
のか、健康政策部長に伺います。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 平成30年
の本県
の出生数に、平成30年度に栃木県が助成をした出生数1人当たり
の実績額を単純に乗じて試算をいたしますと、約7,300万円
の予算が必要と見込まれるところです。
◆37番(塚地佐智君) 本県でもさまざまな努力で合計特殊出生率を引き上げてまいりましたが、知事提案説明にもあったとおり、平成29年度よりも30年度は下回ってしまいました。とりわけ妊婦は胎児
の健康とも不可分ですから、少子化対策
の重要課題としてぜひ本県でも実施
の方向で検討していただきたいと思いますが、健康政策部長にお伺いいたします。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 少子化対策を進める上で、妊産婦が安心して出産・子育てできる環境をつくっていくことは重要です。一方、医療費
の助成は、妊産婦
の方が気になる症状があるときに費用
のことを心配せず、ちゅうちょなく医療機関を受診できるという一面と、制度
のありようによっては医療提供体制に影響を与えることも懸念をされます。 したがいまして、限られた財源
の中で、子育て支援
の施策が全体としてさらに充実するかどうかということを基本にしながら、他県
の事例を参考に、市町村や医療関係者など
の御意見も伺いながら検討してまいります。
◆37番(塚地佐智君) 今
の御答弁は、大変慎重な御答弁だったと思いますが、さらにその上で、本議会で
の吉良県議
の、子供
の医療費無償化
の県として
の拡充を求めた質問に対して、知事は、拡充
の方向を否定したものの、この間
の少子化
の中、助成対象となる乳幼児数が徐々に減少し減額されてきた予算について、県としましては、引き続き市町村に頑張っていただいている事業は市町村にお願いしつつ、あわせて県独自
の他
の施策を展開するなどして、限られた財源
の中で、子育て支援
の施策が全体としてさらに充実し、子育てしやすい環境となるよう全力で取り組んでいく必要があると
の答弁もされています。 妊婦
の健康は、おなか
の中にいる胎児
の健康と一体
のものです。ぜひ県独自
の新たな子育て支援施策として、妊婦へ
の医療費助成制度をスタートさせていただきたいと思います。先ほど
の医療体制
の充実、市町村と
の話し合い
の蓄積、大事な観点だと思いますけれど、実現する方向でその話し合いに臨んでいただける
のかどうか、そこ
の姿勢をもう一度お願いいたします。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 懸念されることがありますというふうにお答えをしたところなんですが、例えば子供
の医療費
の無償化により、小児科へ
の夜間とか休日、診療時間外
の受診が増加をして、それに対して小児科医
のほうが悲鳴を上げているという声が全国的に、また高知県でも聞かれているところでございます。お産に関しては、24時間、日中、深夜を問わず、いつ訪れるかわからないという状況
の中で、非常にもともとが厳しい状況にあるんですが、私が直接お聞きをした話でも、産婦人科を開業して以来、家族を含めて旅行で県外に一度も出たことがないというような非常に苛酷な環境で仕事をなさってくださっております。 そうしたところにこの制度が影響を与えないかどうか、そこは可能性としてゼロではないということもありますので、そこも含めて慎重にということでございます。
◆37番(塚地佐智君) 必要
のないときに妊婦が診察を受けに行くということは考えづらいことです。そこはアクセスをしやすいように、いかにハードルを下げるか、その点をやっぱり基本に私は置くべきだと思いますが、そこは産婦人科医会
の皆さんなどに十分な御理解をいただく必要があると思いますので、その理解をいただけるような努力をぜひ進めていただきたいと思います。 また、本県は産婦人科はもとより医療機関
の偏在で、診察
のため
の交通費など
の負担も大きくなっています。妊婦を対象に分娩しやすい体制を整備する方策について、これまでどのような検討がされた
のか、健康政策部長に伺います。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 分娩しやすい体制
の整備として、これまで交通費
の助成
の検討は行っておりませんけれども、妊婦健診や分娩待機
のため
の一時滞在施設
の確保ですとか、破水などをして救急車で搬送する際に適切な対応ができるよう、主に中山間
の救急救命士を対象とした産科救急に関する研修、また助産師等が妊産婦
の不安
の解消や保健指導を強化する際
の市町村へ
の助成などを実施してきております。
◆37番(塚地佐智君) 引き続き、妊産婦
の皆さんにとって、この高知県で安心して出産ができる体制
の整備を進めていただきたいと思います。 さて、周産期については、妊娠中のみならず分娩後
のサポートも大切です。妊産婦
の負担軽減と身体並びに精神的ケア
の充実
の一環として、国が打ち出した施策に
産婦健康診査事業があります。産後鬱
の予防や新生児へ
の虐待予防を図る観点から、産婦が精神的にも不安定になる産後2週間、産後1カ月など
の出産間もない時期
の健診を促すため
の産婦へ
の補助制度です。 今議会で
の西森議員へ
の御答弁で、本県で
の補助制度
の活用がなされていないと
のことでしたが、何がネックになっているとお考えか、ある市町村
の担当者からは、産婦健診後
のフォロー体制などが整っていないなど
の声も聞かれますけれど、健康政策部長
の御所見を伺います。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 西森議員
の質問にお答えしましたとおり、事業主体となる市町村からは、まずは県全体として
の事務手続
の統一化など
の仕組みを県につくってほしいという声をいただいておりまして、現在市町村と医療機関
の委託契約方法や、健診受診票や通知書
の様式など
の検討を行っております。 また、私も塚地議員と同様
の声を聞いておりますので、市町村と周産期医療機関、
精神科医療機関の連携といった産婦健診後
のフォロー体制などについても検討しているところです。
◆37番(塚地佐智君) それぞれ前向きに御努力をされて、体制整備に取り組まれているということがよくわかりました。 先日、産後1カ月健診に行かれた方から、6,000円
の窓口負担が必要だったと、領収書を見せていただきました。産後
の出費がかさむ中で大変大きな負担です。ここが無料になる、これは大事なことだと思います。市町村に早急にこの助成制度を導入していただかなくてはなりません。 先ほど
の体制整備に努力をしていただくと同時に、県として推進をするため、市町村負担
の軽減に、例えば県が助成費用
の4分の1を負担するなど検討するおつもりはないか、健康政策部長にお伺いをいたします。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 現時点で市町村から費用に関する要望はいただいていないところであり、先ほど申しましたとおり、現在は要望されております、健診後
のフォロー体制を含めた健診事業
のスキーム
の確立に向けて取り組んでいるところですので、まずはそのことを通じて、全市町村で早期に産婦健診事業が実施できるよう取り組んでいきたいと考えております。
◆37番(塚地佐智君) 厳しい市町村
の財政状況
の中です。そこに県が一緒に取り組もうということを指し示す、その意味でも私は県
の積極姿勢を示す上で、こういう補助制度もつくる、一緒にやろうという姿勢を示すことが大事だと思うんです。 ぜひその点は今後
の施策に生かしていただきたいと思いますけれど、もう一度御答弁お願いできますか。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) なお、市町村と協議を重ねる中でそういった声がありましたら、十分にお聞きをしていきたいというふうに思います。
◆37番(塚地佐智君) 市町村から要望として、いよいよ実現するとなったとき
の財政負担
の問題もきっと出てまいりますので、そのときにはぜひ前向きに対応していただけるようお願いをしておきたいと思います。 この産後間もなく
の健診とともに、先ほど述べられた産後ケア体制やネットワーク
のさらなる充実が求められます。医療機関だけでなく、気軽に相談や悩みが交流され、リフレッシュできる地域で支える仕組みづくりが大切です。 子育て世代包括支援センターなど公的な機関で
の充実はもちろん
のこと、自主的に運営する子育てサークルなどによる地域活動へ
の支援も大切だと考えますが、今後どう取り組むおつもりか、地域福祉部長にお伺いをいたします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 子育てサークルは、子育て中
の親子
の交流や育児講座など
の活動を通じて仲間づくりや心身
のリフレッシュに向けた支援を行うなど、子育て家庭
のよき相談者となっております。こうした取り組みは、子育て家庭
の孤立化や負担感
の軽減につながるものでありますので、高知版ネウボラを進める上で重要な支援
の輪となっております。 今後も、子育てサークルが継続して活動できるよう支援をしてまいりたいと考えております。
◆37番(塚地佐智君) 本当に大事な役割を地域で果たしてくださっている方々だと思います。その支援
の輪が隅々まで広がる、そういった体制
の整備に補助をしていただくということを積極的にぜひ進めてください。よろしくお願いいたします。 この質問
の最後に、不妊治療
の補助制度についてお伺いをいたします。不妊に悩む家庭を支え、子供が欲しいと希望する方たちにとって、この補助制度は大変有効な制度となっています。しかし、一般不妊治療費補助金
の申請は市町村が窓口となっておりまして、補助制度が十分に周知、活用されていないと思われます。 特定不妊治療費
の補助制度は県が窓口になっていますから、この際一般不妊治療費補助金などについても申請しやすいような運用について
の工夫を行い、活用を促す方法をとるべきだと考えますけれど、健康政策部長にお聞きをいたします。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 補助制度が十分に活用されていない理由としては、制度
の周知不足に加えて、市町村からは、不妊治療を受けていることを知られたくないために助成申請をためらう方もいらっしゃる
のではないかという話も聞きます。 県としましては、引き続き市町村と一緒に不妊治療制度
の広報を行って一層
の周知を図るとともに、市町村に対して申請窓口で
のプライバシーに配慮した対応を検討していただくよう、担当者会などを通じて協力を求めていきたいと考えております。
◆37番(塚地佐智君) ぜひこの不妊治療
の活用を広げていただく--先ほどお話があったとおり、大変センシティブな問題でもありますので、市町村では受け付けをしても、申請に行きにくいという実態があります。必ず工夫を実現していただいて、活用
の促進を図っていただきたいと心より要望をしておきたいと思います。 高知版ネウボラ
の理念がしっかりと根づく取り組み、この間も着実に進められてきていると思います。さらに、一層この流れを大きくしていただく、今回
の法整備をしっかり具体化していただく、そのために県として力を尽くしていただけますように要望をいたしまして、この項
の質問を終わらせていただきたいと思います。 次に、子供
の貧困問題についてお伺いをいたします。 2013年6月に子ども
の貧困対策
の推進に関する法律が制定をされて、2014年8月に子供
の貧困対策に関する大綱を閣議決定いたしました。それに基づき本県でも、高知家
の子ども
の貧困対策推進計画を2016年3月に策定し、本年度計画
の見直しを行うこととなっています。 本年6月国会において、子ども
の貧困対策推進法
の一部改正が行われました。今回
の改正は法律に5年後
の見直しが規定をされていることを踏まえた改正ですが、関係団体から
の要請を超党派議員連盟で検討して提出されたものです。 そこで、まず本改正
の主な内容
のうち、目的、基本理念
の充実をどのように捉えておられるか、知事にお伺いをいたします。
◎知事(尾崎正直君) 子ども
の貧困対策推進法でありますけれども、今回
の改正法
の目的として、子供
の将来だけでなく現在に向けた対策であるということ、これも踏まえるべきだと。さらには、貧困
の解消に向けて児童
の権利条約
の精神にのっとり推進すること、こういうことが明記をされ、さらに基本理念として、子供
の年齢等に応じてその意見が尊重され、その最善
の利益が優先考慮され、健やかに育成されることなどが新たに規定をされていることでありまして、いずれもまことに重要な考え方、また理念であると、そういうふうに考えています。 現在、高知家
の子ども
の貧困対策推進計画をつくりまして、子供が幼少期
のころは保護者
のさまざまなバックアップを、そして子供が長じるに従って、例えば放課後
の学習支援など子供自身に対する対策を充実させていくと、そういう形で切れ目
のない支援策を講じようとしてきているところであります。この取り組みについて、今回この新たな改正法
の理念、また目的に応じまして今後改定をしていく、その中においてさらに充実をしていくということを考えていかなければならんだろうと、そういうふうに思っております。 高知版ネウボラ
の取り組みについて、本当に、子供
の年齢に応じて子供
の今を守っていくと、そしてまた子供
の将来を守っていくと、そういう取り組みにつながっていくように、さらに取り組みを充実させていきたいと、そういうふうに考えています。
◆37番(塚地佐智君) 今御答弁もありました、この理念
の基本的な改正内容は、これから
の貧困対策にとって大変重要なものになると思います。とりわけ今回
の改正
の肝と言われる
のは、子ども
の権利条約
の基本理念である子供を権利
の主体として捉え、子供
の将来
のためだけでなくその子
の今を豊かにする包括的で早急な取り組み、また具体的施策に主体である子供
の意見表明権を保障する点、さらに貧困状況にある保護者
の所得を増大させる点などにあります。 本年度県
の計画も見直し作業に入ることとなりますが、この理念や改正内容をどのように生かしていこうと考えておられるか、地域福祉部長にお伺いをいたします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 高知家
の子ども
の貧困対策推進計画
の見直しに当たりましては、今回
の法改正
の目的、理念を踏まえまして、高知版ネウボラを初め親
の妊娠・出産期から子供
の社会的自立まで
の切れ目
のない支援
の強化、子供を直接支援する際に子供たちが意見表明できる仕組みづくり、保護者
の職業生活
の安定
のため
の就労支援
の強化、働きながら子育てしやすい環境づくり
の強化などについて検討をしていく必要があるものと考えております。
◆37番(塚地佐智君) これまでにない理念や観点という
のがやっぱり盛り込まれていく、その中に子供たち
の意見がしっかりと反映をされる計画づくり、ぜひ進めていただきたいと思います。 さて、高知県子ども
の生活実態調査が2016年度に実施をされ、ことし3月に報告書がまとめられました。小学1年生
の保護者、小学校5年生、中学校2年生、高校2年生
の児童生徒とその保護者に学校を通じてアンケートを実施し、回収率は義務教育で約60%、高校で約70%となっています。この回収状況について、調査結果
の概要に記されているとおり、本県
の小中学校
の就学援助率は2016年度約25%であるのに、本調査では約17%にとどまっており、就学援助を受けている経済的に支援
の必要な世帯
の回答が十分反映し切れていないと
の評価もあります。それでも生活困難世帯とされる世帯が33%に上るなど、本県
の子供たち
の置かれている実態
の概要を把握する貴重な報告書でもあります。 この報告書に基づき、この間も県
の施策
の見直しを図ってこられていますが、対策
の推進
のためにも県民
の皆さんにも認識していただく取り組みが必要だと思います。本年3月に県として、子ども
の貧困を考えるフォーラムを開催され、高校生を含む100人余りが参加をされています。 この取り組みを一過性
のものとせず、今回
の子ども
の貧困対策推進法
の理念に盛り込まれた、子ども
の権利条約や法律改正
の趣旨を、高知
の子供
の実態とともに伝えていくことが重要だと考えますが、地域福祉部長に御所見を伺います。
◎地域福祉部長(福留利也君) 本年度は、議員からお話
のありましたフォーラム
の内容につきまして取りまとめたリーフレットを作成して、市町村や学校へ配布することを予定しております。今後改定する県計画
の周知とあわせて、改正法
の趣旨や各施策
の取り組み状況等も、県民
の皆様に広く御理解いただけるよう、県
の広報や市町村を通じまして周知を図ってまいりたいと考えております。
◆37番(塚地佐智君) 周知ということも大事ですけれども、ここはやっぱりある意味啓発という側面も必要かと思います。ぜひ県
のさまざまな研修
の場でも活用いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 今回
の改正では、より身近なところで
の対策
の前進を図るとして、これまで
の都道府県に課せられていた貧困対策
の推進に関する計画
の策定
の努力義務を、市町村にも課すこととなりました。市町村が当該子供
の実態にきちんと向き合い、対策を推進する上で計画策定は意義深いことです。しかし、マンパワーやノウハウが不足している市町村で
の計画策定は容易ではなく、県
の支援は極めて重要となります。 市町村で
の計画策定を推進するため
の支援体制をどのようにされる
のか、地域福祉部長に伺います。
◎地域福祉部長(福留利也君) 本年度
の法改正を受けまして、市町村
の主管課を対象としました説明会を開催することとしております。また、個別に各種
のデータを提供していくなど、市町村
の策定に向けてきめ細かく支援をしてまいりたいと考えております。
◆37番(塚地佐智君) ぜひ、県
のバックアップがなければ、なかなか進まない取り組みになろうかと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 さて、子供
の貧困対策は極めて多岐にわたって取り組まれていますが、今回は県として推進を図っているこども食堂について具体的な取り組みを伺いたいと思います。私も高知市内で実施をされているこども食堂に何カ所か参加をさせていただきました。それぞれお話も伺ってまいりました。赤ちゃん連れ
のお母さんから高齢者
の方まで、子供たちとおしゃべりをしながら楽しそうに食事をされ、ボランティア
の学生や主婦
の人たちもにぎやかに子供たちに寄り添っている姿に、子供たちだけでなくみんながほっとできる居場所なんだと改めて存在
の意味
の大きさを実感しています。 そこで、現在高知県内で
のこども食堂
の開設状況はどうなっている
のか、地域福祉部長にお伺いをいたします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 県内
のこども食堂は、現在11市9町で75カ所で開設をされておりまして、このうち定期開催をしている食堂は58カ所、その約8割が月1回程度
の開催となっております。こども食堂は、平成27年度末
の2市3カ所から順調に開設が進んできましたが、まだ開設されていない地域が14町村ございます。このため、市町村や社会福祉協議会等と連携をしまして、既存
の交流施設などを活用した開設
の促進や、運営スタッフなど
の人材育成などに取り組みまして、子供たち
の居場所づくりを推進してまいりたいと考えております。
◆37番(塚地佐智君) ぜひ推進
の方向で御努力いただきたいと思います。 高知県社会福祉協議会などとも連携をして、ボランティア
の募集
の支援や開設費用
の県単独
の補助制度などもつくられています。運営されている方々からは、1回
の運営費補助が6,500円では、保険料や消毒液など
の衛生用品費用が必要で、規模
の大きなところでは到底食材を賄い切ることができないと
の要望も出されています。 県が助成制度を開始して本年度で3年目を迎えています。この間
の開催実態を踏まえた運営費補助
のあり方
の見直しも必要だと思いますが、地域福祉部長にお伺いをいたします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 平成30年度は、子ども食堂支援事業費補助金を32カ所で活用いただいております。その実績を見ますと、寄附金や参加者
の負担金以外に運営者
の自己資金を過重に充当しているような事例はなく、過度な負担にはなっていないものというふうに考えているところでございます。 なお、各食堂によって運営内容が異なりますことから、今後地域
の支援機関と
の連携状況などを協議する際に、その内容についても詳しくお聞きをしたいというふうに考えているところでございます。
◆37番(塚地佐智君) 確かに寄附金なども寄せられていまして、それなり
の御努力はされています。でも、そうしたことへ
の負担がしっかりある
のも現実です。やっぱり県が支えるという部分が、このこども食堂が広がる上で大きな意味合いを持っています。関係者
の皆さんからしっかりその実態もお聞きになって、今後この運営費用
の見直し
の方向もぜひ検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 さて、食材
の確保がかなめで、高知市では中央卸売市場
の有志
の方々
の善意や高知生活協同組合など
の協力が得られているものの、さらに広げていくためには、食材
の提供をどう進めていくかも課題だと話されています。 県としても、食材
の確保
のシステムづくりにチャレンジもされたと思いますけれども、今後
の取り組みについてどのようにお考えか、地域福祉部長にお伺いをいたします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 現在、県内
の量販店
の御協力によりまして、県内
の8店舗で月1回食材を提供していただいているところでございます。このほか、県内外
の食品メーカーや食品製造会社、コンビニエンスストアなど
の複数
の支援
のお話をいただいており、配送
の仕組みなどについて協議を進めているところでございます。 また、地元
の事業者や生産者等からは、地域内へ
のこども食堂に食材提供
の御相談がある場合は、市町村ごとに連絡窓口を設置して随時対応させていただいているところでございます。 なお、広域的に食材を提供する場合は、保管場所や配送体制
の課題もありますので、こうした仕組みづくりにつきまして、今後さらに検討してまいりたいと考えております。
◆37番(塚地佐智君) 今、仕組みづくりを今後広域的なものも検討していただくという御答弁がありました。本当にボランティア
の皆さんが大変な思い、食材を抱えて実施をされている実態もあります。その今
のシステムづくりへ
の期待は大きいと思いますので、実現
の方向でよろしくお願いをいたします。 こども食堂に来る子供たち
の中には、朝食を食べていない、食べたとしても菓子パンだけだという声も聞こえてくる、ぜひ学校として朝御飯食堂、朝食を提供することが必要だと思うと
の提案もあります。さきに述べた高知県子ども
の生活実態調査でも、中学2年生で、朝食をいつも食べない、食べないほうが多いと答えた生徒は5.6%もいます。既に取り組んでいる学校などもあり、特に月曜日
の朝おなかをすかしてくる子供たちがいると
のお話も伺っています。 そこで、学内で朝御飯を子供たちに提供している学校は現在どのような状況な
のでしょうか、教育長にお伺いをいたします。
◎教育長(伊藤博明君) 県教育委員会は、平成29年度から児童生徒に朝食
の重要性を理解させるとともに、児童生徒が自分一人でも朝食を用意できる力を身につけさせることを目的として、学校で朝食をつくって提供するボランティア団体等に対し、食材や食育資料
の提供などを行う食育推進支援事業を実施しております。 ボランティア
の方々
の食育活動
の推進によって、児童生徒が実際に朝食づくりに参加したり、朝食に関する知識や技能を習得することで、朝食
の大切さや健康的な生活習慣に関する意識を深めることにつながっておりますが、昨年度は6団体が8校でこの事業を実施しまして、45回、延べ1,822人
の児童生徒が参加しております。本年度は今後
の予定も含めまして、8団体が10校で57回開催し、延べ約2,800人
の児童生徒が参加する見込みとなっております。
◆37番(塚地佐智君) 取り組みは徐々にではありますけれど、広がってはきていると思います。確かに家庭が担う役割でもありますし、食育という側面もあろうかと思います。しかし、低賃金
の中
のダブルワーク、トリプルワークをしているひとり親家庭や、精神的、肉体的な病気に悩む保護者もいる
のが実態です。今
の子供たち
の現状を少しでも改善するため必要な施策だと考えます。 積極的な今後
の取り組みを求めたいと思いますけれど、教育長
の御所見をお伺いいたします。
◎教育長(伊藤博明君) この食育推進支援事業に参加した子供たちからは、バランスよく朝御飯を食べることが大切であることがわかったとか、家でもつくってみたい、実際につくってみたといった意見がありましたほか、学校からは、子供たちが朝食をしっかり食べている日は学習意欲があると、授業に集中できていると、子供自身も朝食を食べている日と食べていない日
の体調
の変化を感じ取っているといった意見も寄せられております。 このように、この事業は食育を目的として実施しておりますけれども、朝食が食べられるということで、厳しい環境にある子供たちへ
の支援にもつながっている面もあるというふうに考えております。この事業をさらに拡大していくためには、地域
のボランティア
の方々
の協力が必要となってまいりますので、県教育委員会としましては、食育
の大切さとあわせて、この事業
のPRをPTA
の会や地域学校協働本部など
の会で実施していきたいというふうに考えております。
◆37番(塚地佐智君) ボランティア
の方々に負担をおかけすることにはなろうと思いますけれど、やっぱり学校を開いていく、現場
の子供たちに直接そうした支援をしていくということは大変重要なことだと思いますので、しっかり進めていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 さて、今回は高知版ネウボラ
のさらなる推進、子供
の貧困対策
の推進について質問をさせていただきました。尾崎知事とはこの議場で
の最後
の質問
の場となりました。私は、今回質問に立ったこうした問題
の解決、それは何といっても子供たち
の貧困をなくす国づくりが基本だというふうに考えております。今
のこの格差と貧困
の広がり、中山間地
の衰退、こうした問題は自然現象ではなくて、これはこれまで
の自民党政治
の帰結だと、結果だと私は考えています。今から知事が身を置こうとするその立場が、本当にこの問題を解決できる
のかという点は、大変不安にも思っているところでございます。これから立場を変えて、大いに議論もさせていただきます。12年間御苦労さまでございました。 以上で全て
の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑名龍吾君) 以上をもって、塚地佐智さん
の質問は終わりました。 ここで10時45分まで休憩といたします。 午前10時41分休憩
----------------------------------- 午前10時45分再開
○議長(桑名龍吾君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一問一答による議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 浜田豪太君
の持ち時間は40分です。 9番浜田豪太君。
◆9番(浜田豪太君) 自由民主党
の浜田豪太でございます。議長
のお許しをいただきましたので、質問させていただきます。 最初
の項目は福祉政策について。 まずは、ひきこもり者及びその御家族支援についてお聞きいたします。この質問につきましては、一般質問2日目に田所議員も質問されておりますが、ひきこもり者とその御家族
の支援につきましては、私は本年2月定例会で、7040問題についてとして質問いたしました。また、私
のライフワークとして取り組んでおりますので、再び質問させていただきます。 本年3月29日、内閣府が初めて40歳から64歳までを対象として実施した調査結果が公表され、ひきこもり状態にある人が約61万3,000人になることがわかりました。内閣府は、平成27年12月に15歳から39歳
の5,000人を対象とした調査において、ひきこもり状態にある方を全国に約54万1,000人と推計しておりますので、今回
の結果を比べますと、中高年で
のひきこもり状態にある人は、39歳以下
の方々を上回っていることが浮き彫りになりました。したがって、これら調査を合わせた15歳から64歳まで
のひきこもり状態にある方は、全国に100万人以上と推計されることになります。 これまで、ひきこもり問題とは、不登校
の児童生徒やその後
の若者
の問題と考えられてきましたが、今回
の内閣府
の調査からは、むしろ中高年者
のひきこもり状態が深刻化していることが明らかになりました。 そこで、2月定例会でもお聞きしましたが、15歳から64歳まで
のひきこもり者が日本全国で約100万人以上いるという現状につきまして尾崎知事
の御所見をお伺いいたします。
◎知事(尾崎正直君) 私としましても、このひきこもり
の問題、7040問題、非常に深刻な問題だと、そういうふうに考えているところであります。中高年
のひきこもり
の要因
の一つとして、いわゆる就職氷河期世代、現在この皆様方が40代半ばに差しかかられて、そして無業や不安定な雇用が長期化をしている、こういうことが大きな原因になっているだろうということかと思います。 全国知事会でもさまざまな政策提言をしてまいりました。県としましてもこのひきこもり対策について、対応をやはり大幅に強化しないといけない
のではないかと、そういう問題意識を持っているところです。これは、ひきこもり状態にある方々に対して、雇用
の側面とか、さらには本人、御家族が抱える経済的困窮にとどまらず、家族関係とか心身
の障害とか、さらには介護にかかわる問題とか、こういう複合問題についてしっかりと捉まえた上で、包括的な支援が必要だというふうに考えておりまして、福祉、医療、教育、総合的な対策を講じていく必要があるかと考えています。 しかし、有識者
の皆様方
の御意見もお伺いしながら、しっかり腰を据えて対策を練り上げていきたいと、そのように考える次第です。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございます。 2月定例会で地域福祉部長が、今回
の内閣府
の調査結果を参考にしながら、県内
の調査について調査
のあり方や有効性なども考慮し、その実施
の是非を含め検討してまいりますと答弁されました。そして、田所議員
の質問に対して地域福祉部長から、今月中に実態調査を行うかどうかも含めた、ひきこもり者支援
のため
の検討委員会を立ち上げると
の答弁がございました。何よりも、具体的な現状を把握し、何をしなければならない
のかを早急に検討し実行してもらうことが、ひきこもり者とその御家族へ
の支援につながりますので、検討委員会
の早期開催を私からも要請いたします。 さて、このような実態が浮き彫りになりつつある中、本年5月、川崎市多摩区で私立カリタス小学校
の児童ら20人が殺傷された事件、また6月には父親が自宅で同居する長男を刺殺した事件が発生しました。これら極めて痛ましい事件が報道される中において、報道機関やインターネット上では、川崎市
の事件で自殺した容疑者
の男がひきこもり傾向にあったと、また父親により長男が殺害された事件では長男について、ひきこもりがちだったなどと
の供述が報じられました。何よりも第一に、被害に遭われた皆様と御家族に対しまして、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げるところであります。 そして、罪
のない命、とうとい命を奪った犯行は身勝手きわまりなく、断じて許されること
のない蛮行であります。また、その一方で私は、この2つ
の事件により、現在ひきこもり状態にある人とその御家族が、いわれ
のない誤解や偏見を受けておられる
のではないかと危惧しております。 そこで、本県におきましてひきこもり支援をされておられるKHJ親
の会や高知県精神保健福祉センターなどにおいて、これら
の事件
の後
のひきこもり者とその御家族から
の相談内容
の状況につきまして地域福祉部長にお聞きいたします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 県
の精神保健福祉センターにおける、事件後
のひきこもりに関する相談受け付け状況は、新規
の相談ですけれども、6月に前月より4件ふえ10件となっておりまして、以降8月まで10件程度で推移をしております。相談者
の多くは当事者
の親でありまして、子供
の今後について
の不安感を訴える声が多くなっております。それに対してセンターでは、本人や家族
の状況を聞き取り、当事者
の来所相談につなげるようアドバイスをしているところです。 また、KHJ親
の会からは、6月ごろから相談が少しふえているとお伺いをしているところです。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございます。これは本当に非常に大切な問題だと思います。これは事件と全く関係ありませんし、ひきこもり状態である方とその御家族は本当に救い
の手を求めておる
のが現状だと思いますので、ぜひこれからも注意深く見ていただきたいと思います。 次に、長年にわたり生活困窮者支援やひきこもり支援に取り組んでおられる方からお聞きした、現場で
の話であります。現在、地域
のさまざまな社会資源を使って、高齢者
の生活を総合的に支えていくため
の拠点である地域包括支援センターなどから、高齢者宅に派遣された介護ヘルパーによって50代ほど
のひきこもり者が発見されるという事例などが発生しているとお聞きしました。現在
の70代から80代
の世代
の方々
の価値観
の中に、自分
の子供がひきこもり状態であることに対して周りから隠そうとして、誰にも相談できず、家族のみで長期間苦労される傾向がある
のではないかと考えられます。したがって、高齢となり外部から
の介護が必要となったとき、初めてひきこもり
の子供が発見される
のではないでしょうか。 そこで、実際に本県でこのような事例が発生している
のか、地域福祉部長にお聞きします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 高齢者支援
の現場でひきこもり
の方が発見されるといったような事例につきましては、市町村や地域包括支援センターなどから精神保健福祉センターに、月一、二件
の相談があっている状況でございます。こうした相談に対しまして精神保健福祉センターでは、ひきこもり
の人や家族関係などについてアセスメントを行い、地域で
の支援方法についてアドバイスを行っているところでございます。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございます。 本当に、これから地域包括ケアシステムがどんどんどんどん完成していくと、さらにそういった事例というか、そういった方々が発見をされるということがあると思います。 そこで、高齢者支援
の現場でひきこもり者が発見された場合、地域包括支援センター
の中で情報を共有し、KHJ親
の会や高知県精神保健福祉センターなど
の関係機関と連携し、ひきこもり者へ
の支援スキル
の向上を図る必要があると考えますが、地域福祉部長
の御所見をお伺いします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 高齢者を支援するケースにおいて、ひきこもり
の人
の存在が明らかになった場合、まずは高齢者支援
の関係者を中心にケース検討が行われます。このため、その場に精神保健福祉センター
の職員などが出向いて、ひきこもり
の人
の支援方法などについてアドバイスをすることが重要となります。また、KHJ親
の会と連携して家族に支援を行うことも効果的であるというふうに考えます。 こうしたことから、精神保健福祉センターやKHJ親
の会と連携した、地域における相談支援体制
のあり方について、親
の会も含め、保健、医療、福祉、教育、雇用など
の関係機関で今月設置します検討委員会において、検討を行ってまいりたいと考えております。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございます。本当に、新たな高齢化社会
の中
の一つ
の問題がこれからさらに生じるんじゃないかと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。 また、今年度から新たにひきこもり者等就労支援コーディネーターが配置されて、すぐには就労できる状態ではない、障害者手帳を持たないひきこもり者などについて、その状態に応じた伴走型
の就労支援が行われていると
のことであります。始まったばかりではございますが、その現状につきまして地域福祉部長にお聞きいたします。
◎地域福祉部長(福留利也君) ひきこもり
の人に伴走型
の支援を行います就労支援コーディネーターにつきましては、本年7月から障害者就労支援事業所に配置をしておりまして、支援対象者
の現状を把握するため、親
の会や市町村、社会福祉協議会、医療機関などを現在訪問しているところでございます。 今後は、関係機関からつながった当事者
の状況に応じて、生活リズム
の立て直しや就労に向けた軽作業などを経まして、企業で
の実習につなげるといった一連
の支援を行うことによりまして、就労につなげてまいりたいと考えております。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 次に、農福連携について福祉
の視点からお聞きします。近年、本県におきましても農福連携が大きな期待を持たれています。今議会
の質問においても多く
の議員が質問されております。私もこれまで2度、安芸市で
の農福連携
の取り組みについて
のセミナーに参加させていただきました。 まず、初めてこのセミナーに参加したときに驚きました
のは、農福連携
の始まりが、安芸福祉保健所
の中
の自殺未遂者相談支援事業であったことであります。安芸福祉保健所
の職員さんが、鬱病など
のメンタルヘルス不調により自殺を考える自殺企図者や自殺未遂者へ
の相談対応
の一つ
の手段として、あき総合病院、各消防本部、各警察署などと
の協力関係
の中で
の副産物として、農福連携が生まれたそうであります。 そして、2度目
のセミナーに参加したときに、私は、この安芸市で
の農福連携が余りにもすばらしい話であり、参加している農業関係者は、農家
の労働力不足
の解消と、障害や生きづらさを抱えている人たち
の居場所づくりに貢献できるということへ
の、ややもすれば過度
の期待感を抱いてしまう
のではないかと感じました。 その後、このセミナー
の関係者にお話を聞きますと、福祉サイドから始まったいわゆる安芸市方式
の農福連携ではなく、むしろ農業関係者
の方から農福連携に取り組んでみたいという農業関係者と福祉関係者
の間で、温度差が生じている
のではないかと懸念しておりました。 私も農業
の現場で
の人手不足
の深刻さは重々承知しておりますし、話を聞けば非常に魅力的な取り組みだと思いました。しかしながら、このセミナー
の中でお話しくださった農家さん
の、農福連携は人手不足
の解消
のためではなく、農作業が生きづらさを抱えている人たち
の特性に合って、気づいたときに戦力になったことで、たまたま人手不足
の解消になったと思うという言葉、これが農福連携
の本来
の姿である
のではないでしょうか。したがって、この福祉側と農業側
の相互理解をどのように深めていくかが、農福連携
の推進
の鍵ではないでしょうか。 質問初日
の西内健議員
の質問に対して農業振興部長は、障害特性を踏まえた作業
の指示、障害者へ
の配慮事項などを農家にアドバイスできる人材
の育成・確保に取り組んでいくと答弁されました。そして、質問2日目
の田所議員
の質問に対しては、農家からはなくてはならない人材と
の答弁もございました。また、農林水産省
のホームページには農福連携について、農福連携とは障害者等
の農業分野で
の活躍を通じて自信や生きがいを創出し、社会参画を促す取り組みであり、農林水産省では厚生労働省と連携して、農業・農村における課題、福祉における課題、双方
の課題解決と利益があるウイン・ウイン
の取り組みである農福連携を推進していますとございます。 私は、このウイン・ウイン
の関係は、福祉サイド
のウインは、障害や生きづらさを抱えた人に安心できる居場所と、生きがいを実感できる作業により心
の満足度を高めることであり、農業サイド
のウインは、人手不足解消と収穫量アップではなく、農業によって、障害や生きづらさを抱えた人に希望を与えることができるという心
の満足度を高めることだと考えます。 実際に、私が話をお聞きした農福連携に取り組まれている農家
の方々は、つき合い
のなかった農家さん同士
の交流
の広がりや、作業されている人
の生き生きとした表情を見ることと会話することに、幸せを感じておられるそうです。 そこで、これまで話をしてきたような農福連携
の現状について、特に福祉関係者
の視点で地域福祉部長
の御所見をお伺いします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 農福連携について障害者就労支援事業所からは、期待するという声とともに、障害
の特性により、障害
のある方が作業になれるまでに非常に時間がかかることや、仕事
のペース配分がうまくいかない、仕事で
の困り事を相談できないといった、不安
の声を聞いているところでございます。 こうしたことから、農福連携を進めていく上では、何より障害
のある人と農家
の双方が理解し合うことが重要であります。このため、農業振興部と連携して地域セミナーなども開催しておりますが、こうした中で、安芸市など
の取り組み事例を紹介しますとともに、障害
のある人を受け入れる際に配慮が必要なことなどについても、十分に説明してまいりたいと考えております。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございます。 今後、さらに農福連携を県域へ広げていくため
のつなぎ役となる人材育成
の課題についても地域福祉部長にお聞きします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 農福連携
のつなぎ役として、農家と障害者就労支援事業所などをマッチングする農福連携促進コーディネーターを設置しているところですが、今後取り組み
の拡大を図る上では、コーディネーター
の活動だけではなくて、各地域でマッチングを進める人材を確保していく必要がございます。このため、農業振興部と連携して、各地域ごとに農業部門、福祉部門
の関係者で構成する農福連携支援会議を設置しまして、マッチング
の推進に向けた体制づくりについて検討してまいりたいと考えております。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございました。 この項最後に、尾崎知事は本年4月11日に対話と実行行脚において、実際に安芸市
の農福連携
の取り組みを視察され、直接お話をされたと
のことでありますが、そのときに感じられたことや、これまで
の本県
の取り組みを踏まえまして、農福連携をいかに推進していくべきか、御所見をお伺いします。
◎知事(尾崎正直君) 私もこの4月、安芸市にお伺いをさせていただいて、この農福連携をやっておられる農家さん
のところにお伺いをさせていただきました。本当にさまざまな御苦労がある中で、この農福連携
の仕組みをつくり上げていった安芸福祉保健所
の職員、たしか公文さんという名前
の方だったと思いますけれど、さらには受け入れていただいた農家
の皆さん、本当にすばらしい取り組みをしておられると思います。夜、懇談会
の場でも15分、20分ぐらいずっと、お酒を飲みながらいろいろお話もお伺いしました。今、浜田議員が言われたように、職員にしろ農家
の方にしろ、やはり福祉が主ということを明確に基本スタンスとして取り組みをされている、そのところを本当に忘れてはいけないなということを、改めて感じさせていただいたところでありました。 今回、この安芸市において、マッチングから定着支援まで
の一貫した仕組みという
のができ上がってきています。ぜひこのノウハウを標準化して、農業部門、福祉部門
の双方で共有するとともに、これをぜひ県内全域に横展開していきたいものだと、そういうふうに考えておるところです。ただ、やはり福祉が主だということを忘れずに、余り焦らずに、しっかりと仕組みが地域地域で根づいていくように心がけていきながら対応していきたいと、そう考えています。
◆9番(浜田豪太君) 本当に丁寧な御答弁ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 次に、障害者支援についてお聞きいたします。 私は、さき
の9月4日、高知市
の重症児デイサービスいっぽを見学させていただきました。そして、そのいっぽを運営されておりますNPO法人みらい予想図
の理事長である山崎理恵さんより、小児医療
の進歩により重症児・者が増加している現状、その結果として重症児デイサービス
の必要性や実際
のサービス
の内容についてなど、お聞かせいただきました。 先週9月23日
の高知新聞によりますと、このみらい予想図さんが、日本
の知的障害児福祉
の父と呼ばれる糸賀一雄先生を顕彰する財団より、糸賀一雄記念未来賞を御受賞されたと
のことであります。これは非常に喜ばしいことでありまして、心より敬意を表したいと思います。また、そのとき
のお話
の中で、これから新しいチャレンジとして、18歳以上
の重症者
の方を含めた、さまざまな障害をお持ち
の方なども対象にした施設開設へ
の思いなどもお聞きしました。 そこで、県内
の重症児・者
の現状についてお聞きいたします。平成30年2月定例会において、現桑名議長
の質問に対して、在宅
の重症心身障害児・者
の状態や御本人を取り巻く状況を記載したアセスメントシートにより、平成29年1月時点
の重症心身障害児・者は県全体で119人、うち18歳未満
の方が50人、18歳以上
の方が69人と
の答弁がありました。現在
の状況について地域福祉部長にお聞きいたします。
◎地域福祉部長(福留利也君) アセスメントシート
の提出がありました在宅
の重症心身障害児・者
の現在
の状況でございますが、県全体で136人、うち18歳未満
の方が47人、18歳以上
の方が89人となっております。市町村別に見ますと、高知市にお住まい
の方が全体
の約半数を占めておりまして、その他
の方についても医療機関に通院が可能な中央圏域に集中をしております。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございます。 その重症心身障害児・者
の方々
の通所ニーズに対応ができる事業所
の現在
の整備状況について地域福祉部長にお聞きします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 県内
の重症心身障害児・者を主たる対象とする通所支援サービス事業所は、18歳以上が利用する事業所は6カ所、18歳未満
の就学児が利用する事業所は8カ所、就学前
の子供が利用する事業所は6カ所となっております。重症心身障害児・者に対応するためには、医療的なケアができる看護師など
の人員
の確保や設備を整える必要があるため、他
の事業所と比べまして整備
のハードルが高く、参入が進みにくい状況となっております。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございます。 そこで、県内
の圏域別で
の重症心身障害児・者
の方々と
のマッチング状況について地域福祉部長にお聞きします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 重症心身障害児・者を主に対象とした事業所は高知市に集中をしておりまして、高知市以外では南国市と宿毛市にそれぞれ1カ所あるのみです。事業所がない地域では、遠方
の事業所を利用したり、介護保険
のデイサービス事業所が提供するサービスを利用している状況などでございます。 また、比較的事業所がある高知市周辺部にお住まい
の保護者からも、利用日数をふやしたいという声もお聞きをしておりますが、事業所
の定員に限りがあるため、毎日通うことが難しいなど
の状況もございます。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございます。 そこで、利用者が少なく事業所
の参入が進みにくい地域において、重症心身障害児・者に対する支援
の現状を踏まえた課題について地域福祉部長にお聞きいたします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 参入が進みにくい地域については、訪問看護や居宅介護など
の在宅サービスを利用しながら、日中
の介護
のほとんどを保護者が担っており、負担が大きくなっている現状がございます。保護者
の負担を軽減するためには、既に地域にある介護保険
の施設などで障害特性に応じたサービス
の提供をしていただくなど、受け皿
の拡充が必要というふうに考えております。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございます。 本当にそのような状況を踏まえて、ぜひ何とか取り組んでいただきたいと思うところでありまして、次にそれに関連して、重症心身障害児・者
の保護者
の支援についてお聞きします。 重症心身障害児・者にとりまして、保護者による介護は24時間欠かせず、食事、入浴、排せつ、着がえ、移乗、病院、学校送迎、医療的ケアなど、介護に命をかけて取り組んでおられます。一方で、保護者は体調を崩すなどしても子供
のそばを離れられず、病院に向かうことすらできません。介護している保護者に病気や不測
の事態が発生したときに保護者
の負担を軽減するためにも、レスパイト事業
の拡充、御家族に対する往診制度へ
の支援、ホームヘルパー
の家事利用、未就学児を受け入れる通園施設
のケアが重要となります。 そこで、本県におけるレスパイトケア
の現状を踏まえた課題について地域福祉部長にお聞きします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 先ほど申し上げましたように、事業所
の少ない地域においては保護者
の負担が非常に大きくなっております。保護者
のレスパイト
のためには短期入所や日中
の支援が受けられる通所施設
の確保が必要ですが、利用できる施設は限られているため、施設
の拡大に向けた取り組みを進めますとともに、入院時
のヘルパーによる付き添いや、保育所で
の受け入れを促進するため
の加配
の看護師
の雇用や、訪問看護師による医療的ケア
の実施など
の支援策に取り組んでいるところでございます。今後も、保護者
の皆様
のニーズに応じた支援策について検討してまいりたいと考えております。
◆9番(浜田豪太君) 私が今議会でこの重症心身障害児・者支援についてなぜ質問したかと申しますと、先ほど申しました重症児デイサービスいっぽを見学させていただいた際、山崎さんとお話をする中で、重症児を持つお母さんたち
の思いをお聞きしたからです。重症児を持つお母さんたちは、お子様が大きくなるにつれて御自身も年齢を重ねる中、入所施設は満員で、新しく施設がふえることも期待できない、私が死んだら誰がこの子
の面倒を見る
のかといった不安を抱えております。そして、我が子が死んだ1日後に死にたいとすら思われる方もいると
のことです。 私には3人
の子供がおりますが、私は子供より早く死にたいと思います。これは、知事初め、この議場におられる多く
の方が同じ思いではないでしょうか。我が子が亡くなった後に死にたいという言葉、親としてこれほど重い言葉を私は聞いたことがありません。このような保護者
の方
の御負担を少しでも軽減し、文字どおりレスパイト、少しでも休息をとっていただけるように、地域福祉部長にはさらなる御尽力を賜りますよう御要請をさせていただきます。 次
の項目に移ります。教育政策についてお聞きいたします。 まずは、特別支援学校についてお聞きします。県内に、知的障害
のある子を対象にした特別支援学校は、公立、私立で計8校であり、そのうち県立と高知市立6校
の児童生徒数は、平成6年度
の317人から本年度は611人と2倍にふえております。9月18日
の高知新聞では「県内特別支援校 教室不足」として、具体的に生徒数が最も多い山田特別支援学校では、目安
の人数144人に対し本年度は187人が在籍しており、視聴覚室や被服室など
の特別教室を普通教室に転用している実態などを取り上げておりました。 初日
の吉良議員
の質問に対し、ことし7月に、高知県における知的障害特別支援学校
の在り方に関する検討委員会を設立し、対応策
の協議をスタートさせていると、教育長より御答弁がございました。私も、これまで2回開かれておりますこの検討委員会
の協議資料を拝読しました。検討委員会では各委員より率直かつ冷静な御意見が多数出されており、それら
の内容を適切に取りまとめていただいて、一日も早く現状改善がなされますように教育長に要請させていただきます。 さて、その検討委員会
の資料
の中で、寄宿舎つき
の特別支援学校について、実際に小学部から寄宿舎に入ると、家庭でも居場所がなく、地域でもふだん地域におらず周りが知らないので居場所がない、その人
の居場所づくり、小さいときから地元とつながっていることが大切という意見が出ておりました。 確かに寄宿舎は、遠距離で自宅から
の通学が困難な児童生徒に対する宿舎として
の役割や、社会人となるため
の自主性や協調性を学べる大切な居場所であることは間違いありません。一方で、このような視点で地域
の学校に通うという選択肢もあることを私は知りました。そこで、重要になってくる
のがインクルーシブ教育ではないでしょうか。 平成29年2月定例会で、私はインクルーシブ教育システムを本県に構築することについて、尾崎知事に質問いたしました。知事からは、学校が組織として支援を行うため
の校内支援体制や教員
の専門性
の向上など
の取り組みをさらに充実強化し、障害
のある子供たちが地域
の身近な場で個に応じた適切な支援
のもと、教育を受けることができるインクルーシブ教育システムを本県にしっかりと構築すべく取り組んでまいりますと、御答弁をいただきました。特別支援学校を設置することと並行して、地域地域にインクルーシブ教育システムを構築することが必要ではないでしょうか。 そこで、今こそインクルーシブ教育システム構築
の推進が必要であると考えますが、教育長
の御所見をお伺いします。
◎教育長(伊藤博明君) 障害者等が積極的に参加、貢献していくことができます共生社会
の実現に向けまして、教育
の分野では、障害
のある子供と障害
のない子供ができるだけともに学ぶことを追求する、インクルーシブ教育システム
の構築が求められております。この実現には、教職員
の専門性
の向上や障害
のある子供
の地域で
の居場所づくりなどが必要となります。 県教育委員会では、平成30年度から毎年6名
の教員を、2年間
の高知大学教職大学院特別支援教育コースへ派遣しており、また教育センターにおいては、特別支援教育講座を全校種対象に実施するなど、教員
の専門性向上に向けた研修を実施しております。 また、地域で
の居場所づくりに向けましては、平成25年度から、特別支援学校
の児童生徒
の居住地校交流実践充実事業として、特別支援学校に在籍する子供が居住するそれぞれ
の地域
の小中学校を年二、三回程度訪問して、一緒に授業を受ける取り組みを進めておりまして、平成30年度は、小学部に在籍している児童
の半数以上に当たります約80人が参加しております。今後も、こうしたインクルーシブ教育システム
の構築
の推進に向けまして、より一層取り組みを進めてまいります。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございます。 また、地域
の公立小中学校
の特別支援教育
のさらなる支援も必要であると私は考えますが、教育長
の御所見をお伺いします。
◎教育長(伊藤博明君) 平成29年度から、各教育事務所に計3人
の特別支援教育巡回アドバイザーを配置しまして、3年間で管内
の全て
の小中学校を訪問し、校内支援体制
の運用等について
の助言を行ってまいりました。その結果、県内
のほぼ全て
の学校
の学校経営計画に、校内支援会や校内研修
の実施といった特別支援教育に関する取り組みが位置づけられて、組織的な取り組みが進んできております。 一方、特別支援学級に在籍する児童生徒や、通常
の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に対しましては、個別
の教育的ニーズを的確に捉えて必要な指導・支援を提供するため
の、教員
の専門性
の向上が必要となります。このためこれまで
の、特別支援学級を初めて担任する教員
の悉皆研修に加えまして、今年度からは、初めて担任する教員も含めて、全て
の自閉症・情緒障害特別支援学級担任に対します、児童生徒
の見立てや支援方法に関する研修を新たに実施するなど、専門性向上に向けた研修
の充実を図っております。 また、巡回相談員派遣事業としまして、言語聴覚士など
の外部専門家を学校に派遣する事業も実施しております。今後も、こうした取り組みを充実してまいります。
◆9番(浜田豪太君) 何とぞよろしくお願いいたします。 次に、高知県教育委員会が発行しております歴史副読本「中高生が学ぶ ふるさと高知
の歴史」についてお聞きいたします。この副読本、中身は旧石器時代
の奥谷南
遺跡から尾崎知事
の産業振興計画まで、高知県
の歴史がきめ細かく、かつ丁寧にわかりやすく書かれております。副読本にしておくにはもったいないとすら感じました。この副読本
の活用状況につきましては、2日目に土森議員が質問されて教育長が御答弁されました。ぜひ本県
の中高生にどんどん活用していただきたく、私からも要請いたします。 この項目
の最後に、この副読本に、名前こそ登場しませんが、御自身が取り組んだ産業振興計画や地産外商などが記述されております尾崎知事に、この副読本が作成されたこと
の意義についてお伺いいたします。
◎知事(尾崎正直君) 正直、「中高生が学ぶ ふるさと高知
の歴史」、これに産業振興計画だとか地産外商だとかが記述されているという
のは、今回
の質問で初めて知りました。正直大変驚いたところでありました。ただ、改めて、そのおかげでこの本を見させていただきましたけれども、大変よくできた歴史
の教科書だなと、そういうふうに思わさせていただいたところです。 歴史を学ぶことによって、今これはこの歴史によって立っているんだということ、そしてまたこれから
の将来を考えるに当たって、この歴史も参照していきながら考えるということを、ぜひ子供たちに学んでいただきたいものだなと、そういうふうに思います。 そういう意味において、歴史と今、さらには将来、これを結ぶ結節点
の例として、今取り組んでおる産業振興計画などが取り上げられたものと、そのように考えております。ぜひ歴史と今をつなぐ、そして将来をつなぐ結節点として、この産業振興計画などもひとつ子供たちに参照もしていただければなと、そのように思うところです。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございました。 最後
の項目、農業政策について御質問いたします。 私は、出荷量日本一
のニラ
の産地である香南市選出であります。そこで、このニラ
の生産量日本一を今後も維持していくために幾つかお聞きします。 まず、パーシャルシール包装について。パーシャルシール包装とは、ニラやネギ
の鮮度を保つために高知県農業技術センターが平成13年に取得した特許技術であります。空気をわずかに通す微細なすき間
のあいたシールで、袋内を低酸素・高二酸化炭素状態にすることで、ニラ
の呼吸作用を抑制し、長期間高い鮮度を維持することができるため、遠方へも生き生きとした新鮮なニラを届けることが可能となり、本県
のニラにはなくてはならない技術であります。しかしながら、このパーシャルシール包装
の特許期限が昨年切れました。パーシャルシールは繊細な技術であり、簡単にまねできるものではないと
のことでありますが、ニラ農家
の皆様にとりましては深刻な問題であります。 平成29年9月定例会におきまして、土居央議員からもパーシャル包装について、特許期限
の終了に向けた新たな技術
の活用について質問されており、当時
の農業振興部長より、さらなる鮮度保持技術
の開発に取り組み、産地
の強化、農家所得
の向上につなげていくと
の答弁がございました。 そこで、その後
のパーシャルシール包装
の現状について農業振興部長にお聞きいたします。
◎農業振興部長(西岡幸生君) このパーシャルシール包装
の技術は、袋
の溶着部分
の加工に高度なノウハウがあることから、直ちに他県が利用することは難しく、当面本県
の優位性が揺らぐことがないと考えておりますし、近年そういう同等
の技術が出てきているということも聞いておりません。 これまでに、ニラ以外へ
の応用にも取り組み、青ネギ、小ネギ
のほか、ナバナ、アスパラガスなど
の業務用に対応したパーシャル大袋包装も実用化されておりますし、今後はダリア、トルコギキョウ、ユリなど、花で利用できる技術
の開発にも取り組んでまいります。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございます。さらなる技術開発をお願いします。 そして、ニラ農家さん
の話によりますと、高知県と民間企業で開発されましたパーシャルシール包装について、フィルム
のメーカーが1社しかないため独占状態であり、出荷資材コスト削減が難しく、コスト低減に向けては価格競争につながるようフィルム
の種類をふやす必要があると言われておりますが、農業振興部長に御所見をお伺いいたします。
◎農業振興部長(西岡幸生君) 議員
のお話にもありましたように、パーシャルシール包装につきましては、現在使用されているものと同等
の鮮度保持効果を示すフィルムを見出し、選択肢を広げ、競争性を確保することで、コスト
の低減につながるものと考えております。そのため農業技術センターにおいて、パーシャルシール包装に利用可能なフィルムをリストアップして、ガス透過性や溶着強度、輸送試験による実用性
の検証と経済性を評価することを研究課題に位置づけております。一日でも早く生産者
の皆様に研究成果をお示しできるよう、スピード感を持って取り組んでまいります。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございます。 残念ながら次
の病害虫
のことに関しては農業振興部長、大変申しわけないんですけれど、時間
の関係上、飛ばさせていただいて。 最後に、この恵まれた自然環境
のある本県
の農業--知事からも、この前
の質問だと思いますが、園芸王国という言葉が出されておりました。その園芸王国高知県
の先頭に立って地産外商に奔走された尾崎知事に、日本一
の産地としてあるべき姿について御所見をお伺いいたします。
◎知事(尾崎正直君) 園芸王国高知として常に進化を続けるということが大事だと、そういうふうに思っています。これまでも、園芸王国、世界
のトップランナーであるオランダからさまざまに学ばさせていただいて、進化を続けてきたわけであります。これからは、環境制御技術、オランダから学んだ技術をさらに進化させて、次世代型からNext次世代型
の開発を新たに進めていくことで、園芸王国高知を世界
のトップランナーにする、このことが大事だろうと思っています。さらに、マーケットも世界を視野に入れて展開をする、そういう意味においても、園芸王国高知を世界
のトップランナーにすることが大事だと、それをぜひ目指していきたいと思います。 ただ、その際、零細な農家が多いということにも非常に留意しながら対応していくことも肝要かと、そのように考えています。
◆9番(浜田豪太君) ありがとうございました。 これまで12年間、この園芸王国
のいわば国王として頑張っていただいておりました知事、本当にお疲れさまでございました。そして、さまざまな分野でこれからも御活躍を願っておるところでございます。 私
の一切
の質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑名龍吾君) 以上をもって、浜田豪太君
の質問は終わりました。 ここで11時30分まで休憩といたします。 午前11時25分休憩
----------------------------------- 午前11時30分再開
○議長(桑名龍吾君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一問一答による議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 上田周五君
の持ち時間は30分です。 31番上田周五君。
◆31番(上田周五君) 県民
の会
の上田周五でございます。よろしくお願いいたします。 まずは旬
の話題から入ります。仁淀ブルーについてでございます。 近年、仁淀ブルーで一躍その存在を知られるようになりました仁淀川。仁淀川
の知名度アップへ
の取り組みは平成7年まで話がさかのぼります。私が伊野町役場
の職員でした平成7年に、伊野町は町制100周年を迎えました。100周年記念に当たり、仁淀川
の写真集をつくろうと
の話が持ち上がり、その写真集
の作成を依頼した
のが、後に仁淀ブルー
の名づけ親となる写真家
の高橋宣之さんでした。当時は余りにも四万十川が有名でありましたが、仁淀川は水質では四万十川にまさるとも劣らないきれいな河川だと自負していました。その仁淀川をPRしようということで高橋さんに相談し、写真集
のタイトルを「美しい川 土佐・仁淀川
の四季」としました。 あれから24年が経過する中で、ことし7月1日国交省が発表した、国が管理する全国
の一級河川164河川で実施した2018年版
の水質調査で、川
の汚れをはかる代表的な尺度であるBOD
の値が0.5ミリグラム以下を示し、水質が最も良好な河川に選ばれました。全国で17河川が選ばれていますが、中四国
の河川では唯一、仁淀川が選ばれた
のです。 こうした話題性もあり、ことし8月12日には早朝
の人気情報番組で仁淀ブルーが全国放送されました。その内容が、朝7時台
の飛行機で羽田を飛び立つと11時には仁淀ブルー
の原点、安居渓谷に到着、仁淀ブルーを堪能し、夕方には東京へ戻れますというものでしたので、一気に人気沸騰。事実この夏は、仁淀川本川
の波川公園や支川である上八川川及び土居川、安居川など流域
の河原という河原はキャンプや水遊びを楽しむ県外
のお客さんで連日ごった返し
の状況でございました。今や仁淀ブルーは、全国的にも一二を争う地方
の人気観光スポットと言っても過言でないと感じています。 そこで、まず観光振興部長にお聞きをいたします。部長はこの仁淀ブルー
の原点、安居渓谷を訪れたことがある
のか、お聞きをいたします。
◎観光振興部長(吉村大君) ことし
の5月にプライベートで安居渓谷
の散策をしました。久しぶりに仁淀ブルーを目の当たりにしまして、新緑と一体となったその美しさに胸を打たれる思いがいたしました。
◆31番(上田周五君) ありがとうございます。さすが県
の観光を引っ張る観光振興部長であります。 それでは、次へ移ります。次に、先ほど述べましたように、仁淀川は、仁淀ブルー
の愛称で全国的にもファンが急増し、今や四万十川と並び、高知県にとり地域観光
の大きな目玉だと思っています。ついては、このすばらしい川をもっともっと多く
の人に知っていただきたいと思っています。 今後、どのようにPRに取り組まれる
のか、観光振興部長にお聞きをいたします。
◎観光振興部長(吉村大君) 県では、にこ淵や安居渓谷
の自然景観、カヌーやラフティングなど
のアクティビティーといった仁淀川
の魅力や楽しみ方を、自然&体験キャンペーン
の特設ウエブサイトやSNS、そしてテレビ局など
のメディアを大いに活用してPRをしております。また、全国に販売網を持ちます旅行会社に対して提案するなど
のセールス活動も行っているところです。 引き続き、こうした取り組みを進めてまいりますし、その際には仁淀ブルーを初めとする清流
の美しさや原風景が際立つような映像も加えまして活用し、国内だけにとどまらず、海外にもその魅力を発信してまいりたいと考えています。
◆31番(上田周五君) ありがとうございます。引き続きよろしくお願いをいたします。 次に、中四国で唯一水質が最も良好な河川に選ばれたことから人気が沸騰、予想以上に県外
の観光客が押し寄せたためにうれしい悲鳴
の中で、地元はその受け入れ体制に四苦八苦している状況にあります。当面最も困惑している
のが、観光地でございます安居渓谷へ通ずる県道安居公園線です。本線は未改良部分が多く、以前からもそうですが、紅葉
の時期にはたびたび渋滞が起こり、地元住民と観光客
の間でトラブルが発生したこともあるとお聞きをしています。 そのため、まずは観光地へ通ずるこの県道安居公園線
の整備が急がれているものと考えますが、土木部長にお聞きをいたします。
◎土木部長(村田重雄君) 県道安居公園線は、県内有数
の観光地である安居渓谷へ
の唯一
のアクセス道路であり、紅葉シーズンなど混雑することは承知しております。 こうした混雑
の解消や住民
の安全な通行
の確保に向けまして、これまでも1.5車線的道路整備に取り組んでおりまして、本年度も道路
の見通し
の改善や、すれ違い
のできる道幅を確保するために改良工事を行うこととしております。加えまして、紅葉シーズンには県と仁淀川町で交通誘導員を配置し、混雑
の緩和にも取り組んでいるところです。 県といたしましては、仁淀川町や地域
の皆様
の御意見もお聞きしながら、引き続き県道安居公園線
の整備を進めてまいります。
◆31番(上田周五君) 御答弁ありがとうございます。改良を進めるに当たりましては、地元
の皆様
の思いを取り入れた上で、今後また対応もよろしくお願いをいたします。 次に、仁淀川は、河川を利用した夏
の水遊びでも、年間でも、直轄管理区間延長当たり
の利用者数が、平成26年度
の河川空間利用実態調査で全国2位となっています。そういった意味で、仁淀川はもともと地域観光スポットとなるポテンシャルは高かったわけでございます。 今後ますます魅力を高めるためにも、仁淀川町、越知町、佐川町、日高村、い
の町、そして土佐市
の1市4町1村で構成する仁淀ブルー観光協議会を中心に、例えば自然や地域をよくする活動へつなげていく目的を持って、利き鮎会などを開催するといった活動を現在されています県友釣連盟など、幅広い仁淀川流域
の関係団体と連携した取り組みが求められていると思いますが、観光振興部長にお聞きをいたします。
◎観光振興部長(吉村大君) 仁淀川流域には自然や産業、暮らし、歴史文化などさまざまな観光資源がありますので、これらを生かしたより魅力的な観光地づくりに向けては、幅広い団体と連携した体制づくりが大切だと考えています。 仁淀ブルー観光協議会では、例えば伊野商業高校や仁淀川漁協など
の参画も得て、観光列車で
のガイドやイベントで
の特産品販売といった取り組みを行っています。こうした取り組みは、県としても大変心強く思いますし、流域
の幅広い関係団体と
の連携は、DMO化に向けた取り組みとも合致しますので、仁淀ブルー観光協議会をしっかりと支援してまいりたいと考えています。
◆31番(上田周五君) ありがとうございます。 次に、中山間対策でございます。 まず、中山間地域で
の電力網を維持するため
の暴風対策についてでございます。先月早朝、千葉県付近に上陸した台風15号。この台風
の直撃を受けた千葉県では、強風による倒木やトタン屋根など
の飛来物が原因で電柱や電線が多数損壊し、大規模停電
の長期化につながりました。特に、山合い
の集落では倒木や損傷した電線
の数が多く、復旧に時間も手間もかかり、住民生活に大変な支障を来しました。 今度
のことが中山間部
の多い本県で発生していたらと考えたとき、大変不安が募ります。地球温暖化に伴って日本に上陸する台風
の勢力が強まる可能性があるとされています。特に、千葉県では最大瞬間風速が57.5メートルを記録するなど--これは鉄筋コンクリート製
の電柱が折れるというような風速だそうです。今後
の台風はそういった暴風が心配されます。 千葉県を襲った台風15号を教訓に、決して対岸
の火事ではなく、本県
の中山間地域
の電力網を維持するため
の暴風対策について、豪雨災害対策推進本部で早急に議論すべきと考えますが、危機管理部長
の御所見をお伺いします。
◎危機管理部長(堀田幸雄君) 電力網を維持するため
の暴風対策については、一義的には電力会社
の役割であろうと思いますが、県としてもでき得る対策は行っていかなければならないと考えており、豪雨災害対策推進本部において、今回
の千葉県で
の教訓なども参考に暴風対策
の検討を進めていきたいと考えています。 なお、四国電力
の暴風対策としては、電柱自体は東京電力と同様
のものを採用していますが、四国は台風
の通り道となることが多いため、高知県
の全域で電柱
の基礎を深く埋めるとともに、設置間隔を狭めたり、配電部材を通常に比べて強化するなど、暴風に対する独自
の対策を講じているとお聞きをしてございます。また、四国電力
の社長さんは先日
の記者会見において、千葉県内で大規模停電が発生した事態を踏まえ、経済産業省が行う検証
の結果をもとに、四国内で
の具体的な対応策を検討すると発表されています。 このように、四国電力でも暴風対策に取り組んでおられるものと承知をしてございます。
◆31番(上田周五君) 御答弁ありがとうございます。なお、これからも関係機関が深い連携
のもと、暴風対策を講じていただきたいと思います。 次に、停電
の長期化対策についてでございます。今回
の千葉
の停電は難病患者を直撃しています。自宅療養を続けているALS
の患者を直撃した
のです。人工呼吸器を外部電源なしで動かせる
のは約20時間。停電により熱中症に近い状態になり、命
の危険を感じたといいます。幸いにして停電から半日ほどで、ふだん利用している訪問看護所
の系列病院に移ることが決まり、最悪
の事態は回避できた
のです。命にかかわる人工呼吸器が一番心配だった、もしこれが大地震だったらと想像してしまうと、家族
の方はおっしゃっています。千葉市で
の事案は都市部でございましたが、万一本県
の中山間部で発生していたらと考えますと、大変不安になります。 そこで、お聞きをします。人工呼吸器を装着している在宅難病患者は県内に何名いらっしゃる
のか、健康政策部長にお聞きをいたします。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 受給者証を有する難病患者
のうち、人工呼吸器
の使用
の認定を受けている人
の数は、在宅か入院か
の区別はできておりませんが、両者を合わせると県内には昨年度末時点で44名いらっしゃいます。このうち、在宅
の方を対象に作成する個別支援計画を通じて県が把握しております在宅患者
の人数は、先月26日現在11名でございます。
◆31番(上田周五君) ありがとうございました。 次に、今回
の千葉県を直撃した台風15号
の停電被害を踏まえ、人工呼吸器をつけた在宅難病患者及び家族
の皆さんが安心・安全に過ごせるためにも、停電が長期化した場合
の生命維持に係る備えを急ぐべきだと考えますが、健康政策部長にお聞きをいたします。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 県では、平成28年3月に高知県南海トラフ地震時重点継続要医療者支援マニュアルを策定しまして、その中で発災時に停電となった場合
の人工呼吸器を使用している方及び関係者
の対応を整理し、個々
の状況に応じて適切な対策をとっていただくよう周知をしております。 このマニュアルでは、難病患者に停電時
の電源確保として、外部バッテリーや発電機
の準備、また緊急的に使えるよう手動式
の呼吸器であるアンビューバッグ
の用意、さらには各機器
の使用方法
の確認や平時から
の使用訓練も行っていただくことなどをお願いしております。また、こうした備えができているかどうかを確認するものとして、個別支援計画
の様式例を示し、市町村に作成するよう働きかけを行っているところです。あわせて、この支援計画には、停電が長引きそうな場合には入院が必要になることもありますので、緊急
の入院先や避難支援者などを事前に決めておくようお願いもしております。 こうした形で、長期化した場合を含め停電した場合
の対策に取り組んでいるところですが、今般
の千葉県で
の事例を踏まえ、再度マニュアル
の内容を確認
の上、徹底してまいります。
◆31番(上田周五君) 御答弁ありがとうございます。さまざまな取り組みをなさっているようでございますが、1つ、岡山県では避難所へ
の避難訓練をモデル的に実行するというような計画もあるようです。また、そのあたりも参考にされて、今後
の取り組みに生かしていただきたいと思います。 次は、過疎対策法についてでございます。人口
の著しい減少に伴って地域社会における活力が低下し、生産機能及び生活環境
の整備等が他
の地域に比較して低位にある地域について、総合的かつ計画的な対策を実施するために必要な特別措置を講ずることによって、地域
の発展に寄与するということで、過疎地域対策緊急措置法が昭和45年に制定されております。以来、4次にわたりまして議員立法として過疎対策法が制定されています。本県では、現在28市町村が過疎地域に指定されており、その28市町村はそういった中で中山間地域
の振興に努めてこられております。その現行
の過疎対策法が期限切れに伴い、令和2年度末に失効いたします。 そうしたことから、県では、次期過疎対策法
の制定に向けて庁内に推進チームを立ち上げています。この庁内推進チームとは別に、高知県次期過疎対策検討会を立ち上げられていますが、この検討会はどのようなメンバーで構成されている
のか、中山間振興・交通部長にお聞きをいたします。
◎中山間振興・交通部長(川村雅計君) 高知県次期過疎対策検討会は、県とブロック単位で推薦されました13
の市町村で構成されており、日高村など非過疎
の市村も含め、県内各地域
のそれぞれ
の実情を反映できるようなメンバー構成となっているものと考えております。
◆31番(上田周五君) ありがとうございます。 次に、過疎地域に指定されている28市町村
のうち、24が過疎市町村、そして4市町が過疎地域とみなされる区域となっております。そんな中で、平成26年4月1日に過疎対策法が改正されておりますが、それから5年余りが経過する中で、中山間地域はますます厳しい環境にあります。 今、庁内推進チームではどのような議論が主にされている
のか、中山間振興・交通部長にお聞きをいたします。
◎中山間振興・交通部長(川村雅計君) 庁内推進チームは、5月に初回
の会議を開催し、新たな過疎対策に関する国等
の動向
の共有や、全庁的に取り組んでいくことなどについて確認をしたところです。現在、過疎対策における県
の役割や、各分野で国へ
の提言が必要な国庫補助や税制等
の個別
の項目について、各部局
の意見を集約しており、今後、高知県次期過疎対策検討会で
の議論に反映させてまいります。
◆31番(上田周五君) ありがとうございます。 それでは、高知県次期過疎対策検討会ではどのような議論がされている
のか、中山間振興・交通部長、お願いをいたします。
◎中山間振興・交通部長(川村雅計君) 高知県次期過疎対策検討会においては、これまで過疎地域が抱える課題を解決するため
の対策
の必要性や、市町村
の自主性を尊重する仕組みである過疎対策事業債など
の支援制度
のあり方などについて、包括的な提言をまとめるため
の議論を重ねてまいりました。 今後は、各分野における規制緩和や国
の助成制度、税制特例措置
の拡充、公営企業に対する財政支援
の拡充など、個別
の提言内容について議論し、本県
の中山間地域
の実情を踏まえた提言として取りまとめることとしております。
◆31番(上田周五君) ありがとうございます。 次に、過疎地域に指定されている市町村
の担当者は、平成22年
の改正過疎対策法により従来
のハード事業に加えて新たにソフト事業も過疎債
の対象となったことから、この過疎債を活用し、いろんな活性化に向けた事業を展開しており、今やもう過疎債は欠かすこと
のできない制度だと非常に評価をしております。ちなみに、本県
の過疎債
のソフト分
の発行額は、平成22年度から30年度まで
の9年間で211億円余りとなっております。うち27億円は全国自治体が使い切れなかった分を本県が活用しているという状況がございます。 そういったことで、継続してソフト事業
の支援をしてほしいと
の強い地域
の要望があっておりますが、中山間振興・交通部長
の力強い御答弁をよろしくお願いいたします。
◎中山間振興・交通部長(川村雅計君) いわゆる過疎債ソフトは、幅広い事業で柔軟に活用ができる制度であり、高知県次期過疎対策検討会においても市町村から要望があっていることから、今後も制度として継続されるよう、しっかりと要請をしてまいります。
◆31番(上田周五君) ありがとうございます。 次に、国へ
の要望に際しまして、高知県次期過疎対策検討会で提言内容をまとめられると思いますが、今後
の全体
のスケジュールを中山間振興・交通部長に少し教えていただきたいと思います。
◎中山間振興・交通部長(川村雅計君) 今月末をめどに高知県提言を取りまとめまして、11月から12月にかけまして、県内関係市町村とともに国会議員や関係省庁へ
の要望活動を行うこととしております。
◆31番(上田周五君) ありがとうございました。 次に、私は県議1期目
の最初
の質問で中山間対策をテーマに取り上げて以来、この課題をライフワークとしてまいりました。中山間地域
の振興は、もはや時間と
の闘いとなっている
のではないかと強く感じています。しかるに、次期
の過疎対策法
の制定につきましては、現時点で過疎地域とみなされていない市町村においても、旧市町村単位で見れば、既に限界集落
の増加など過疎地域そのものとなっている地域も多くございます。 そこで、昭和
の市町村合併前
の旧村単位で過疎地域とみなしていただくよう、国に強く要望すべきだと考えますが、ここは知事にお聞きをいたします。
◎知事(尾崎正直君) この新たな過疎対策におきまして、現在総務省
の有識者会議であります過疎問題懇談会において、さまざまな議論がされているところであります。その中において、議員からお話
のありました、いわゆる市町村内
の一部
の地域を過疎地域とみなす制度
のあり方は、非常に重要な論点
の一つとなっているところであります。 1点留意しなければならないかなと思っております
のは、昭和
の合併前
の旧市町村単位でということになりますと、新たに過疎地域とみなされるところが出てくる一方で、現在全域が過疎地域となっているところ
のかなり
の部分が例えば解除されてしまうとか、そういう課題も出てくる
のではないかということであります。 今、議員
の御指摘
のような論点もあろうかと思いますし、あわせて例えば過疎地域か非過疎地域か
のいずれかということではなくて、過疎地域に準じるといった段階的な支援
のあり方はないかとか、そういう観点なんかも含めてさまざまな議論が行われていきますように、しっかりいろいろと提言もしていきたいと、そのように考えています。
◆31番(上田周五君) 知事ありがとうございました。そういった本県
の特性もあろうかと思いますけれど、実情も絡めてよろしくお願いします。 私は、過疎対策事業債は本県にとりまして地方交付税と同様に貴重な命
の財源だと強く認識しています。先ほど提案いたしましたことも含めまして、今後はスケジュール
の中で県選出
の国会議員、そして国に対しまして要望活動を行っていただくよう要請をしておきたいと思います。 次に、中山間地域
の振興なくして県勢浮揚はなし得ない--中山間対策は知事にとりまして県政運営上
の最も重要な施策
の一つとしてこの12年間取り組んでこられたと思っています。特に、知事自身が平成24年に中山間総合対策本部長となられまして、そのときから中山間対策は並々ならぬ力を入れられて加速をしたんじゃないかと思っています。 知事がよく言われます、生活を守る取り組み、産業をつくる取り組み、この2本立てでやってこられまして、集落活動センターとかあったかふれあいセンターとか、そういういろんな展開をなさってきました。しかし、知事が提案説明で触れられていますように、中山間地域
の現状は--ここでは中山間地域
の窮状といった重たい表現もなさっておりますが、課題も残っていると
の御認識を示されております。 そこで、知事にお聞きをしたいんですが、これまでいろんなさまざまな中山間対策を展開してきた中で一番御苦労された点はどういった点であったか、よろしくお願いいたします。
◎知事(尾崎正直君) 中山間地域
の振興を図るという観点からは、やっぱり足元
のマーケットが小さいわけですから、地産外商を進めなければならんだろうと、そういうふうに思いました。そして、あわせて担い手を確保していくために移住促進策も含めた取り組みを展開していくべきだろうと、そのように考えたところです。 ただ、地産外商、移住促進、この取り組みをしようとしても、中山間、さらに言えば奥山間になってくると、本当に衰退が進んでいるということもある、足元
のマーケットが極めて小さいということもある、その難易度が格段に上がるということだと、そこがやはり一番苦労している点だと、そういうふうに思っております。 そうだからこそ、やはり中山間、もっと言えば奥山間においては、あえてもう一つ拠点をつくる必要があるだろうと、そういうことで集落活動センター
の設置に取り組んでまいりました。さらに、その拠点をつくった上で、その拠点
の取り組みと近隣にあるさまざまな経済活動をできるだけリンクさせるように、意図的にですね、そういう取り組みを進めようということで、例えば産業成長戦略、地域アクションプラン、集落活動センター、この3層構造でもって経済政策を進めるということをしてきたわけであります。あえて拠点をつくるというプロセスを踏む必要があること、3層構造をあえて構築するように取り組んでいく必要があること、こういう点という
のは1つ大きな苦労だろうと、そのように考えさせていただいています。 そして、もう一点あります
のは、これ実は国にさまざまに政策提言をしていきますときに、誰とは申しませんけれども、この中山間
の対策をという話をしたときに、いやいや、これからは選択と集中ではないですかと、高知なんか
の場合は中山間と言わずに、例えば高知市とか四万十市とか、そういう都市部に皆さん住まわれるようにしたほうが効率的なまちづくりになるんじゃないかとか、やっぱりそういう意見という
のがありました。 やはりそういうものに対して高知なんか
の場合、この中山間で住み続けようと思っている人
の思いはどうかとか、その中山間を大事にすることが中長期的な視点でもってこの県勢浮揚にとっても重要な
のだという点とか、こういうことを理解いただくということにやはりエネルギーが要った、そのことは大変我々として苦労した点だと、そういうふうに思っておるところです。 現在、随分風向きが変わってきて、こういう集落活動センターなんかを応援しようというような財政制度、法制度なんかもできようとしてきているところでありますから、この後者
の点は随分変わったなと思っておるところでありますが、大きくこの2つ
の点に苦労いたしました。
◆31番(上田周五君) どうもありがとうございます。 そういった苦労
の点があって進んできたんですが、その中山間対策、知事としてこの12年間頑張ってこられて、まだまだなし得なかったことも多々あろうかと思います。 そういったことを含めて、今後
の中山間振興について最大
のポイントをちょっと語っていただきたいと思います。
◎知事(尾崎正直君) 先ほど申し上げたように、地産外商
の取り組みを進めて、そこに担い手を確保してくる、この2つを徹底的にこれから進めていくということかと思いますが、いろいろな集落活動センター
の取り組みとか、私もいろいろ地域を回らせていただいて見させていただいて、やっぱりこの成否
の鍵は人だろうと、そういうふうに思います。その地域における地産外商を担う人、この人材を確保できるかどうか、それがうまくいっているところと、これからというところでは、やっぱり大きな差がついているなということを私としては思わさせていただいています。 この人材
の確保ということについて、もう一段制度的対応を踏み込めないか、こういうところを今後検討していく必要がある
のかなと、そのように思っています。
◆31番(上田周五君) どうもありがとうございました。 知事におかれましては、12年間大変お疲れさまでした。私自身、12年間丸々というか、知事とおつき合いさせていただきましたが、一人
の県議として心からお疲れさまと申し上げたいと思いますし、知事にとりましては、あっという間
の12年間ではなかったかと推測をいたします。知事も今議会
の中で申しておりましたが、12月6日まで
の任期であるということで、あと2カ月ちょっとでございますが、民生
の安定と県民福祉
の向上に邁進していただきたいと思います。とにもかくにも大変お疲れさまでした。 以上で終わります。ありがとうございます。(拍手)
○議長(桑名龍吾君) 以上をもって、上田周五君
の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。 午後0時休憩
----------------------------------- 午後1時再開
○副議長(弘田兼一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一問一答による議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 金岡佳時君
の持ち時間は40分です。 4番金岡佳時君。
◆4番(金岡佳時君) 議長
の指名をいただきましたので、ただいまより質問をさせていただきます。 今回はSDGsについて質問をさせていただきます。 SDGsとはサステーナブル・ディベロップメント・ゴールズ、持続可能な開発目標
の略称であります。先日、西森議員より質問がされ、答弁がありましたが、中山間地域にとって極めて重要な問題でありますので、重ねて質問をさせていただきます。 経過などは省かせていただきますが、中身について若干説明させていただきます。まず、17
のゴールズについて見てみますと、ゴール1は貧困をなくそう。ゴール2は飢餓をゼロに、この中には持続可能な農業を推進するということも含まれております。ゴール3は全て
の人に健康と福祉を、あらゆる年齢
の全て
の人々
の健康的な生活を確保し、福祉を推進する。ゴール4は質
の高い教育をみんなに。ゴール5はジェンダー平等を実現しよう。ゴール6は安全な水とトイレを世界中に。ゴール7はエネルギーをみんなに、そしてクリーンに、これでは持続可能かつ近代的なエネルギーへ
のアクセスを確保するとあります。ゴール8は働きがいも経済成長も、この中には全て
の人々
のため
の持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用及びディーセントワークを推進するとあります。 ゴール9は産業と技術革新
の基盤をつくろう、強靱なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新
の拡大を図るとあります。ゴール10は人や国
の不平等をなくそう。ゴール11は住み続けられるまちづくりを、都市と人間
の居住地を包摂的、安全、強靱かつ持続可能にするとあります。ゴール12はつくる責任、使う責任。ゴール13は気候変動に具体的な対策を。ゴール14は海
の豊かさを守ろう、海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する。ゴール15は陸
の豊かさも守ろう、この中には森林
の持続可能な管理という
のもあります。ゴール16は平和と公正を全て
の人に。そして、ゴール17はパートナーシップで目標を達成しようということであります。 政府も、関係省庁が連携し、政府一体となった取り組みを可能にする新たな国
の実施体制として、2016年5月20日に内閣に、持続可能な開発目標推進本部を立ち上げております。特に地方自治体には大きな期待が寄せられており、持続可能な開発目標実施指針では、「SDGsを全国的に実施するためには、広く全国
の地方自治体及びその地域で活動するステークホルダーによる積極的な取組を推進することが不可欠である。この観点から、各地方自治体に、各種計画や戦略、方針
の策定や改訂に当たってはSDGs
の要素を最大限反映することを奨励しつつ、関係府省庁
の施策等も通じ、関係するステークホルダーと
の連携
の強化等、SDGs達成に向けた取組を促進する。」と書かれております。 また、持続可能な開発目標推進本部第3回会合において安倍総理から、地方で
のSDGs
の推進は地方創生
の実現に資するもので、関係閣僚が連携し、SDGs達成に向けた地方
の取り組みを促進する施策を検討、実施していくようにという発言がなされております。以上、SDGs
の内容と国における取り組みについて述べさせていただきました。 一方、高知県においては、尾崎知事就任以来、中山間対策を重要施策
の一つに位置づけ、県民
の皆様が住みなれた地域で暮らし続けること
のできるよう、さまざまな対策を講じられてきました。産業振興計画、高知版地域包括ケアシステム、中山間対策
の核となる集落活動センター、さらには農業につきましてもNext次世代型こうち新施設園芸システムなど、改めてこれまで高知県が進めてきた中山間対策を振り返ってみますと、先ほど御説明申し上げましたSDGsとは、持続可能性など多く
の点で方向性が同じではないかというふうに考えております。 中山間地域では、本質的に今まで
の歴史
の中で、SDGsに似た状況を求めて地域づくりがなされてきております。SDGsを取り入れて計画を立てることは、県
の施策も理解しやすくなるなど、地域にとって極めて取り組みやすい方法であると思われます。 今後、中山間対策を進めていく上では、それぞれ
の市町村でSDGs
の目標に基づいたまちづくり計画を立てていただくなど、このSDGs
の考え方を踏まえた対策を実施することが何より重要であると考えますが、知事
の御所見をお伺いいたします。
◎知事(尾崎正直君) 中山間対策
の取り組みを進めていく中において、個々個別にも、例えば集落活動センター
の取り組みはゴール11
の住み続けられるまちづくり、これを推進するものでありますし、また生活用水
の確保対策はゴール6
の安全な水を確保する取り組みであります。さらに言えば、この中山間対策そのものがいわゆる持続可能な中山間地域をまずは目指すということでありまして、そういう意味において、この中山間対策を進めていくことそのものが、誰ひとり取り残さない、持続可能で多様性と包摂性
のある社会、SDGs実施指針に示された目標に合致するものだろうと考えています。 中山間対策などを実施していくに当たって、このSDGs
の取り組み
の視点も取り入れていくことによって、またさらに視野を広げた取り組みもできますでしょうし、県民
の御理解も得やすくなる可能性が高まると思います。さらに言えば県外
の、もっと言うと都市圏
の大企業
の皆さんとか、そういう方々なんか
の御理解も得られやすくなるとか、いろんな意味において効果が出てくるんではないかと考えております。 SDGs
の考え方を踏まえた中山間対策
の実施ということについて、我々としても本当にこの点は重要だろうと、そのように思っております。
◆4番(金岡佳時君) 内閣府において、平成30年度、令和元年度とSDGs未来都市等
の選定が行われ、平成30年度には29都市、令和元年度には31都市が選定をされております。それぞれ道県、市町村ともに、その地域
の特色を生かし計画が立てられております。 日本社会
の持続可能性にとって望ましい方向は地方分散型とも言われております。そもそも中山間地域は1,000年以上
の歴史を持つところが多く、持続可能な町であったわけであります。高度成長時代あたりから
の価値観
の変化が都市集中をもたらし、現在に至っている
のではないでしょうか。 今、嶺
北地域ではSDGs、持続可能な開発目標を取り入れ、よりよい町を築いていくため
の取り組みが進められようとしています。つきましては、中山間地域
の市町村がSDGsに基づいたまちづくりを進めるに当たり、県としてどのような支援を行っていくことが考えられる
のか、中山間振興・交通部長にお伺いをいたします。
◎中山間振興・交通部長(川村雅計君) 市町村におけるSDGsに基づくまちづくりについては、産業振興計画やまち・ひと・しごと創生総合戦略などに位置づけられ、産業振興、医療、福祉、防災、集落対策、生活支援など、多岐にわたる取り組みがなされるものと考えております。 県といたしましては、中山間総合対策本部会議等で
の議論を通じまして、関係部局が連携し、全庁挙げて市町村
のまちづくり
の取り組みを支援してまいります。
◆4番(金岡佳時君) ありがとうございました。 今、本山町では、本山町農業クラスタープロジェクト推進事業が進められております。これは、バイオマス発電所と次世代型園芸施設を建設し、嶺
北地域にある林産資源を利用し発電すると同時に、その発電所で発生する熱などを利用し野菜を栽培しようとするものでありまして、去る9月12日に高知県と本山町、そしてエフビットコミュニケーションズ
の3者で進出協定が結ばれたところであります。 具体的には、農業生産へ
のエネルギー供給をトリジェネレーションとして実行し、暖房用
の熱、電気、二酸化炭素を併設する発電設備から供給することでエネルギー原価を3分の1に抑制し、発電はエコ発電であるバイオマス発電とする上に、さらに排出する二酸化炭素を次世代園芸施設
の植物生育促進用に供給することで二酸化炭素
の排出量を極限まで削減する、究極
の発電モデルにする計画だと聞いております。年間3万トン
のバイオマス
の消費は嶺
北地域
の林業に大きく寄与すると同時に、20人以上
の安定した新たな雇用は若者
の地域定着につながると、大きな期待がされております。 これらを通じて持続可能なまちづくりを図らなければならないわけでありますけれども、現在再造林が4割程度
の中でどのような持続可能な循環林
の姿を描いている
のか、林業振興・環境部長にお伺いをいたします。
◎林業振興・環境部長(川村竜哉君) 産業振興計画に基づきまして木材
の増産を継続した場合、現在4割程度となっております再造林率が継続いたしますと、約50年後には、持続可能な林業に必要となる木材生産に適した森林が不足してくる懸念がございます。このため、再造林率を7割程度まで増加させる必要がございます。 再造林率を向上させるためには、生産性
の向上による木材生産
のコストダウン、また再造林とその後
の育林に係るコストダウンを進めて、森林所有者
の手元に残る収益を少しでもふやすこと、あわせて木材がより高く、より多く売れるよう、需要拡大、加工流通体制
の強化に努めてまいりたいと考えております。 また、森林所有者に意識を持って再造林に取り組んでいただけるよう、県内6ブロックに設置いたしました増産・再造林推進協議会を活用して森林所有者に働きかけを行うなど、持続的に木材生産が可能な森林に誘導していきたいと考えております。
◆4番(金岡佳時君) いわゆる循環林になるようにしていかなければ、先ほど申し上げた施設も未来永劫続かないわけでございますから、ぜひとも進めていただきたいというふうに思います。 A材を初めとする建築用材、バイオマス用材、シイタケ木
のクヌギ、そしてシキミ、サカキ、家具用材、ウバメガシなどいろいろな需要がある中で、将来
のどのような林相を考えている
のか、林業振興・環境部長にお伺いいたします。
◎林業振興・環境部長(川村竜哉君) これから
の森づくりにつきましては、将来
のさまざまな需要を想定した上で、杉、ヒノキを初めとして、早生樹であるコウヨウザンといった新しい樹種や広葉樹についても、適地適木を基本として更新を進めていくことが必要と考えております。その上で、建築用材
の生産を目指す山や、特用林産物
の生産に必要なシイタケ原木やウバメガシ
の山など、多様な樹種、林齢がバランスよく配置される林相にして、森林
の多面的機能
の発揮が図られるよう努力してまいりたいと考えております。
◆4番(金岡佳時君) ぜひともよろしくお願いいたしたいと思います。 そこで、今
の質問
の答弁
の中に恒続林という言葉がありませんでしたけれども、恒続林についてどのような御所見をお持ちな
のか、林業振興・環境部長にお伺いします。
◎林業振興・環境部長(川村竜哉君) 恒続林という思想につきましては、たしか第1次世界大戦が終わったころ
のドイツにおいて出てきた思想であるというふうに承知しております。この恒続林という
のは、森林が多種多様な生物
の一つ
の有機的な集合体であるというような森林有機体説という思想に基づいて構成されているものでして、ほぼ天然林に近いような状態で、単木的に抜き切りを繰り返して、森林
の成長
の果実を収穫するというような思想になってございます。 この思想につきましては、ドイツでも定着をしているというわけではございませんけれども、昨今ドイツ
のほうでも、単層林から近自然的な林業ということで、非皆伐で天然更新を進めるという考え方
の根底になっているような思想というふうに承知しております。 我が国におきましては、人工林において天然更新をするという
のは非常に厳しいという状況がございます。ヨーロッパでは、主にはドイツ
のトウヒなんですけれども、種が落ちるとそのまま成長してくるという自然条件でございますが、我が国
の場合は、種が落ちてもほか
の草や木と競合してなかなか成長しないというところもございます。ですから、我が国に適した多種多様な森づくり
のあり方というところを目指していくべきだというふうに考えております。 そのためには--やはり一つ
の場所で多種多様性を求めるという
のは森林所有者さん
のお考えもございますので、どういった樹種がいい
のかという
のは、最終的には森林を持たれている、そこ
の管理をされている方
のお考えになります。ただ、地域全体
の中で多様な森林を造成して、森林
の多面的機能が地域全体で高度に発揮されるというものを目指してまいりたいと考えております。
◆4番(金岡佳時君) ありがとうございました。 続きまして、農業についてお伺いします。「“IoP(Internet of Plants)”が導く「Next次世代型施設園芸農業」へ
の進化」ですが、野町議員、そして西内健議員から
の質問もありましたので、この問いに関しては簡単に一つ、どのような知見や技術が得られた
のか、農業振興部長にお伺いしたいと思います。
◎農業振興部長(西岡幸生君) 現在までに得られた技術などとしましては、出荷予測システムと環境データ共有システム
の2つがございます。出荷予測システムでは、生産者みずからが自分
の出荷実績
の推移や順位、3週間先まで
の出荷量
の予測をスマートフォンやパソコンでいつでも確認でき、栽培管理
の見直しや販売戦略等に活用できるものと考えております。 環境データ共有システムでは、生産者同士がそれぞれ
のハウス
の環境データを同じグラフ上で重ね合わせて比較することにより、温度や二酸化炭素など
の管理を見直し、改善していくことで収量増に寄与できるものと考えております。
◆4番(金岡佳時君) いろいろな成果が上がってきておるということであると思いますけれども、これら
の知見や技術、さらにはこれから新たに得られる知見や技術について、これから施設を導入するところには迅速かつ積極的に取り入れていただけるように進めていただかなければならない
のですが、どのように進めていく
のか、農業振興部長にお伺いいたします。
◎農業振興部長(西岡幸生君) 新たに得られる知見や技術を迅速に普及していくためには、その技術
の効果を実感していただくこと、それから安価で簡易なものからより高度なものまで、それぞれ
の農家
のニーズに対応して普及推進すること、これらが重要だと考えております。 普及に当たりましては、これまで主要7品目で50%まで引き上げた次世代型こうち新施設園芸システム
の普及ノウハウを生かして、環境制御技術普及推進員等による指導や、学び教えあう場を活用した活動などを通じまして、その効果を周知してまいりたいと考えております。 今後、新たに開発される技術についても、国
の補助事業等も活用しながら、大規模な次世代ハウスはもとより、既存
の小規模なハウスでも早期に導入できるよう取り組んでまいります。
◆4番(金岡佳時君) ありがとうございます。ぜひともそういうふうに進めていただきたいと思いますが、もう一つ農業振興部長にお伺いしたいんですが、その技術等
のフォロー体制というものもできておるんでしょうか。
◎農業振興部長(西岡幸生君) 農業振興部としては、いろいろな技術を現場に普及していくということがあります。それ
のフォローアップとしましては、出先機関であります農業振興センター
の中でそれぞれ
の専門を持つ者がおりますので、そこがしっかりと現場
のフォローに当たっているという形になっております。
◆4番(金岡佳時君) ありがとうございます。 本山町は、先ほど申し上げました施設を中心に、SDGsを取り入れ持続可能なまちづくりを進めていこうとしています。しかし、本山町を初め嶺
北地域農業
の中心は、棚田における米作でございます。県はこれをどのようにして持続可能な農業にしていく
のか、農業振興部長にお伺いいたします。
◎農業振興部長(西岡幸生君) 県では、生産を下支えする中山間地域等直接支払制度を活用した農地維持
の取り組みや、地域
の核となる経営体である集落営農と中山間農業複合経営拠点が両輪となって、中山間地域
の農業を支える取り組みを推進しております。しかしながら、中山間地域
の中でもより条件
の厳しい山間地域におきましては、農業者
の高齢化や組織
の中心的な役割を担う人材
の不足がさらに深刻化しております。 このため、中山間地域等直接支払制度におきましては、集落協定
の広域化を進めており、また集落営農と中山間農業複合経営拠点におきましては、組織間
の相互連携を進めるとともに、スマート農業
の導入を加速化させております。このような地域全体で人材や設備を補完し合う仕組み
の構築と省力化
の推進によって、持続可能な農業
の実現を目指してまいります。
◆4番(金岡佳時君) ありがとうございます。 次に、種子法についてお伺いいたします。種子法は、1952年に戦後
の食糧増産という国家的要請を背景に、国、都道府県が主導して優良な種子
の生産、普及に努める必要があると
の観点で制定をされておりますけれども、昨年4月に廃止となりました。その理由として、種子生産者
の技術
の向上などにより種子
の品質は安定している、農業
の戦略物資である種子については多様なニーズに対応するため民間ノウハウも活用して品種開発が強力に進められる必要があるというようなことで、ほかにもありますけれども、廃止をされておるわけです。 この種子法が廃止された後
の種もみなど
の生産状況は現在どのようになっている
のか、農業振興部長にお伺いいたします。
◎農業振興部長(西岡幸生君) 種子法
の廃止に合わせまして、県では主要農作物種子生産要綱を策定し、農家が必要とする種子を、種子法廃止前と同じ方法で安定的に生産、確保しております。水稲では、よさ恋美人、吟
の夢といった本県オリジナル品種やコシヒカリなど、13
の奨励品種について、農業技術センターで原種を生産し、その原種を用いて県内6つ
の採種組合で一般農家向け
の種子を生産しております。また、栽培面積
の大きいコシヒカリなどは、リスク分散
の観点から、一部
の種子を県外から確保しております。 また、大麦と大豆についても原種を農業技術センターで生産しておりまして、一般農家向け
の種子は農業技術センターまたは県外から確保しております。
◆4番(金岡佳時君) 私も農家でございませんので、詳しいことはわかっていないという
のが現状なんですが、種もみなどは栽培されている地域で採種される
のが望ましいというふうに聞いております。 将来にわたって、それぞれ
の地域で優良で安価な種もみが採取され提供されていく
のかどうか、農業振興部長にお伺いをいたします。
◎農業振興部長(西岡幸生君) 金岡議員
の先ほど
のお話もありましたとおり、種子は各品種
の栽培適地で生産されるということが望ましいことや、本県においてはオリジナル
の奨励品種が多いことなどから、先ほども申しましたとおり、現在県内6地域
の採種組合において種子を生産しております。それら地域地域で行われている種子生産体制を今後もしっかりと維持していく必要があると考えております。 しかしながら、種子生産を担う採種組合では農家
の高齢化が進行しておりますことから、現在栽培技術
の高い農家
の方に対し種子生産
の意義やメリットなどを周知しながら組合に参加していただくことにより、新たな採種農家
の確保を図っていきたいというふうに考えております。
◆4番(金岡佳時君) ぜひとも優良な種を守っていっていただきたいというふうに思います。 そこで、次に種苗法が改正され自家採種が原則禁止となりました。在来種や固定種については自家採種が可能でありますけれども、育成者権が認められますと採種禁止となります。 高知県には大豊キュウリや弘岡カブ
のような在来種がたくさんありますけれども、このような在来種を今後どのように守っていく
のか、農業振興部長にお尋ねいたします。
◎農業振興部長(西岡幸生君) 県内には、弘岡カブ、十市小ナス、入河内大根、銀不老、田村カブ、大豊在来キュウリなど多く
の在来種が存在しております。在来種は独特
の味や形、色など
の形質を持っておりまして、その珍しさや懐かしさから、直販店などでは地域特産品目としてその価値を改めて見直されているところです。 種苗法に基づいて品種登録されれば自家採種が原則できなくなりますが、在来種は既に種苗や収穫物が広く出回っておりますことから、育成者権は認められることはなく、品種登録によって一個人や企業に独占されるおそれはないものと考えております。 ただ、在来種は広く栽培されていないため、その種子は計画的に更新していかないと、途絶えてしまうことが懸念をされます。在来種を地域に残し守っていくためには、先人から
の財産として、例えば地域
の保存会などで種子を更新するなど、次
の世代に引き継いでいくよう、農業振興センターなどでも支援してまいります。
◆4番(金岡佳時君) よろしくお願いいたしたいと思います。 次に、暴風対策についてお伺いをいたします。 これについては、先ほど上田周五議員から
の質問もありましたけれども、改めて質問をいたします。 9月9日に千葉市付近に上陸した台風15号は、千葉県に甚大な被害をもたらしました。被害を受けられた皆様には心からお見舞いを申し上げます。 9月22日時点で、千葉県
の住宅被害は1万1,773棟であると言われております。特に送電線関連では、送電鉄塔2本と電柱84本が倒壊し、約2,000本
の電柱が損傷したようであります。その結果、千葉県内でピーク時に約64万戸
の大規模な停電が発生いたしました。そして、全面復旧には2週間以上
の時間がかかりました。その間、停電によって通信が途絶えたり、断水になったところも見受けられました。 復旧に時間がかかった要因
の一つに、倒木
の除去に時間を要したことが挙げられております。2月議会でも指摘をさせていただきましたが、2月議会では道路管理というようなことで土木部長にお尋ねをいたしました。まさに危惧されることが千葉県で起こったわけであります。高知県に同様
の台風が襲来すれば、中山間地域
の道路は至るところが樹木で覆われておりますし、道路に沿って電柱が立てられ配電線や通信線も通っておりますので、千葉県と同様
の被害が予想されます。 暴風に対する事前対策として、住宅
の耐震化と同様に、倒木によってこのような被害を及ぼしそうな樹木を事前に撤去すべきではないかというふうに考えますけれども、危機管理部長に御所見をお伺いいたします。
◎危機管理部長(堀田幸雄君) 暴風による倒木
の事前対策として、県では、道路パトロールなどで、危険と認められる立ち枯れ木や道路に張り出している樹木など、道路沿いで倒木となる危険性が認められる樹木を発見した場合には、地権者
の同意を得て伐採するようにしています。 四国電力やNTT西日本でも、定期的または台風後に巡視を行い、危険性
のある樹木などがあれば、地権者に承諾をいただき伐採など
の対応をしていること、またそれぞれ
のコールセンターに電線へ
の樹木
の接触や接近について住民から連絡があれば、現地を確認
の上、伐採をしているともお聞きをしています。 倒木を防止するため
の対策は、道路管理者や関係機関、樹木
の所有者などがそれぞれ取り組んでいかなければなりませんが、今後一層
の対策が必要ではないかとも考えております。今回
の千葉県で
の教訓などを踏まえまして、豪雨災害対策推進本部において関係部局と連携しながら、暴風対策を検討してまいりたいと考えております。
◆4番(金岡佳時君) 私がこの質問を繰り返しております
のは--道路沿い
の大きな木という
のは毎年太りまして、枝を払っても払ってもどんどんどんどんふえるわけですね。そうした中で、恐らく根は下へ伸びませんので、要するに、木が大きくなればなるほど倒木
の可能性が高くなるという状況が続いているんではないかなというふうに思います。 さらに、中山間地では家
の周りとかいろんな--棚田
の周辺とかにも木を植えたりしております。伐採をしたいけれども、もう切ることがちょっと不可能だというような状況が続いておるわけですね。ですから、何度も繰り返して、何とかならないかというふうに申し上げているわけで、これはもう災害が予想されますので、先ほど部長
の答弁
のあったように、ぜひとも前向きに進めていただきたいというふうに思います。要請をしておきます。 次
の項目に移ります。今、「リョーマ
の休日~自然&体験キャンペーン~」、そして「土佐れいほく博」が行われております。その効果でありましょう。多く
の観光客が嶺
北に来ております。 高知県
の観光客数は、全体的には右肩上がりで増加をしておりますけれども、例えば年単位で行うキャンペーンや博覧会
のような大型
のイベントを打ったときは、それが終わってしまうと、やはり反動減が見られますので、直線的な右肩上がりにはなっておりません。大型イベントを打つと、その中に新たな発見や反省すべきこと、さらには方向性も見えてまいります。例えば、大型イベント
の中で期間限定的に実施した小さなイベントでも、一過性で終わらせる
のはもったいないものもある
のではないかと思われますので、本質的にはいわゆるPDCAサイクルを回しながら、期限を設けずに取り組んでいく必要がある
のではないでしょうか。 期間限定で行った小さなイベントや体験プログラムが、期間終了後も継続して行われるようにしていく必要がある
のではないかと思いますが、観光振興部長に御所見をお伺いいたします。
◎観光振興部長(吉村大君) お話にありましたような期間限定で行われた小さなイベントなど
の事業
の中にも、観光客
の方にその土地ならでは
の感動を覚えていただけるものもあると思います。このため、議員
のおっしゃるように、こうした事業
の検証を行った上で、誘客
の効果や観光客
の満足度が高いものなどについては、事業
の継続に向けた検討をしていくことが重要だと考えています。 県としましては、この検討
の結果を踏まえて事業
の継続を目指す場合には、広域観光組織や市町村
の産業振興推進地域本部などとも連携をいたしまして、アドバイザー
の派遣や土佐
の観光創生塾による磨き上げなど
の支援を行ってまいりたいと考えております。
◆4番(金岡佳時君) 要するに、いろいろなイベントをやった中にもこうしたい、ああしたいという思いは地域にはたくさんありますので、それをやはり酌み上げていただきたいといいますか、そのイベントが終わったらもう全てが終わりみたいな形にならないように、ぜひともそれぞれ
の地域で
の思いとかを酌み上げていただく、さらには新しい観光資源を見出していくということが必要なんではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 私も知事に一言申しておかないといかんと思いまして、時間を残しました。知事
の今まで
の功績については、るる同僚
の議員が皆さんおっしゃられております。そのとおりであろうと思います。私も知事にいろいろ教わるところもありましたし、またここがすごいなとかというような思いもあります。でも、私自身、1つだけ知事
の功績として挙げるならば、県庁
の職員あるいは市町村
の職員、さらには県民が、夢や希望、そして未来を語ることができるようになったということではないかと思います。これが一番大きな功績であった
のではないかというふうに思っております。 知事も覚えておられるでしょうか。私が知事と初めて会った
のは、12年前
の選挙
のときであったと思います。嶺
北に来ていただきまして、古い薄暗い旅館
の一室で話をさせていただきました。本当にきのう
のように物すごく鮮明に覚えておるわけでございますけれども、その中で私は、そのときに知事
の背中に坂本龍馬を見たような気がいたしました。シチュエーションがそうだった
のかもしれませんけれども。ですから、今回
の知事
の決断はそれほど違和感を感じるものではございませんでした。要は必然であろうというふうに思っております。 今までは、桂浜から山
のほうを見て活躍をされておったわけでございますけれども、ぜひともこれからは海
のほうを向いて、そして国家、国民
のために活躍をされることを御期待申し上げまして、1分少々時間を残しましたけれども、私
の一切
の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(弘田兼一君) 以上をもって、金岡佳時君
の質問は終わりました。 ここで午後1時45分まで休憩といたします。 午後1時39分休憩
----------------------------------- 午後1時45分再開
○副議長(弘田兼一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一問一答による議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 田中徹君
の持ち時間は50分です。 6番田中徹君。
◆6番(田中徹君) 自由民主党
の田中徹でございます。 まず冒頭、尾崎知事に、この12年間
の県勢浮揚に向けたさまざまな取り組みへ
の御尽力に対しまして、心から感謝と御礼を申し上げます。とは申しましても、私にとりましては残念といいますか無念といいますか、そんな思いがいたしているところであります。1期4年間、県議会議員として活動させていただいて、いよいよ2期目、これからまさにこの議場でさまざまな議論をさせていただきたいというふうに考えておりましたので、また別
の場所でも県政について、いろいろと議論を交わさせていただきたいというふうに思っております。今回、県議会
の議場で
の最後
の質問となりますので、この時間を大切に、しっかり精いっぱい議論させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 初めに、自然災害についてお伺いをいたします。 尾崎知事が就任されて以降、東日本大震災や熊本地震、また北海道胆振東部地震といった大きな地震
の発生とともに、近年では広島県で大規模な土砂災害が発生した平成26年8月豪雨、鬼怒川が決壊し大洪水となった平成27年9月
の関東・
東北豪雨、梅雨前線や台風3号
の影響により局地的に猛烈な雨が降り大雨となった、平成29年6月末から7月上旬にかけて
の九州北部豪雨、そしてまだ記憶に新しい、昨年7月
の西日本豪雨や9月
の台風21号による高潮や暴風など、毎年
のように全国各地で大規模な風水害が発生をしています。そして、先月9日には台風15号
の接近、通過に伴い、我々が経験したことがないような猛烈な風が吹き、千葉県を中心に甚大な被害が発生しています。 そこでまず、ますます激甚化する近年
の自然災害
の状況を踏まえ、気候変動による影響に対して
の認識について知事にお伺いをいたします。
◎知事(尾崎正直君) 私も就任以来12年間、ほぼ毎年災害対策本部を立ち上げて、豪雨災害対策とか、そういうものに当たってきたわけでありまして、恐らく1年間一度もそういうことがなかったときはないんじゃないかなと思っています。毎年、災害対応しなければならなかったと思っています。 そういう中で、つくづく実感として思います
のは、昔異常気象と言われていたものが、だんだん異常ではなくなってきたなということです。実際
の統計データを見ましても、時間当たり雨量、非常に激甚的な雨が降る回数などという
のも、趨勢的にふえてきているところであります。そういう意味において、従前異常気象とされてきたもの、我々がそう考えてきたものについて、十分起こり得る、頻発し得ることだということを念頭に置いて対策を講じていくことが非常に重要になってきているんではないかなと、そのように思っています。
◆6番(田中徹君) 私は、発災から9日目に当たります先月18日、台風15号
の影響により大きな被害
の出た千葉県へ入らせていただきました。私
の伺った地域では、家屋
の損壊や倒木、電柱
の倒壊、そして農業用ハウス
の損壊などが確認できました。また、発災直後
の様子について、住民
の方より詳しくお話をお伺いすることができました。長期にわたる停電
の影響で、通信網が途絶し情報が不足していることや、生活用水を確保することなどに苦労されていることがわかりました。ここで改めて、被災されました方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、早期に生活が再建されますことを心からお祈り申し上げます。 では、この災害
の教訓を本県でも生かすため、私が現地で見聞きしたこと、また感じたことを中心に、順次お伺いしたいと思います。 まず、農業被害についてお伺いします。今回
の台風では、私が目にしたほとんど
の農業用ハウスが強風により被災し、ニンジンなど露地作物についても大きな被害が出ています。 そこで、本県で仮に今回
の台風15号と同程度
の災害が発生したとき、どのような農作物
の被害が出ると想定される
のか、農業振興部長にお伺いします。
◎農業振興部長(西岡幸生君) 仮に、今回
の台風第15号と同じ勢力
の台風が本県に上陸しますと、猛烈な暴風雨によりまして甚大な被害が発生することは想定されます。例えば、水稲、ショウガやオクラなど
の野菜、ユズ、温州ミカンなど
のかんきつ類を中心に露地作物において、茎や葉
のすれ、果実
の落下、株や樹木
の倒伏などが発生し、生育
の悪化や果実品質
の低下、収穫量
の減少など
の被害が考えられます。 また、園芸用ハウスでは、被覆資材
の破損やパイプ
の曲がりなどにとどまらず、強度
の弱いハウスが倒壊することも想定をされます。被災しましたハウスでは、栽培されているナスやピーマン、トマトなどに、先ほど申しました露地作物と同様
の被害が発生することが考えられます。
◆6番(田中徹君) では、今後
の台風
の大型化へ
の備えとして、農業用ハウスについては強度を上げるなどさまざまな対策が必要と考えますが、今後どのように取り組まれていく
のか、農業振興部長にお伺いします。
◎農業振興部長(西岡幸生君) 台風など
の自然災害に対する備えとしまして、強度
の高いハウスを整備していくことは、被害を軽減する上でも極めて重要だと考えております。このため県
の園芸用ハウス整備事業では、一般的なハウスよりも強度
の高いハウスを整備する場合
の補助限度額を引き上げることなど
の支援をしておりますし、さらに国
の事業を活用することにより、風速50メートル以上
の強風にも耐えられるハウス
の整備にも取り組んでおります。 また、昨年西日本を中心に大きな被害をもたらしました豪雨や台風を踏まえて創設されました、国
の農業用ハウス強靱化緊急対策事業を活用して、本年度は筋交いなど骨材
の補強や防風ネット
の設置など、7つ
の市町村、54戸において、既存ハウス
の強化対策にも取り組むこととしております。 これら
の備えに加えまして、台風前
の対策として、被害を受けやすい天窓や被覆資材
の固定などを徹底することによりまして被害を最小限に抑えるとともに、万一被災した場合
の備えとして、園芸施設共済や収入保険制度へ
の加入を促進するなど、関係機関とも連携し、自然災害に強い産地づくりに取り組んでまいります。
◆6番(田中徹君) また、今回畜産においても、畜舎
の倒壊や長期停電による断水や生乳
の廃棄、また熱射病などによる乳牛や鶏
の死亡など、大きな被害が発生をしています。特に、今回は停電が長期にわたったことで被害が拡大したと考えられますが、停電による被害は非常用電源を確保することなどによって、一定防ぐこともできた
のではないかと考えます。 そこで、本県
の畜産において、停電に対する備えとして現在どのような対策がとられている
のか、農業振興部長にお伺いします。
◎農業振興部長(西岡幸生君) 畜産
の中でも特に酪農につきましては、生乳
の冷却保管や搾乳機械
の稼働、暑さに弱い乳牛へ
の送風など、他
の家畜と比べまして生産物
の衛生管理と飼養管理に多く
の電力を必要としておりますことから、停電に対する備えが非常に重要だというふうに考えております。 これまでに、県内
の酪農家59戸
のうち13戸が既に発電機
の導入により非常用電源を確保しておりますし、今年度は国
の事業を活用し5戸が導入予定であり、頭数ベースで言いますと5割以上が対応済みとなっております。なお、未導入
の酪農家につきましても、台風
の接近前に発電機をレンタルすることなどで対応しているというふうにお聞きしております。
◆6番(田中徹君) では、今後長期にわたることも想定して
の停電に対してどのような対策を行っていかれる
のか、農業振興部長にお伺いします。
◎農業振興部長(西岡幸生君) 今回
の千葉県
のように、結果として乳牛
の死亡などといった大きな被害となったことを考えますと、本県においても長期停電
の対策が必要であるというふうに考えております。 今後は、引き続き酪農家における非常用電源
の整備を進めますとともに、千葉県
の被害事例やその原因
の分析、課題などを踏まえて検討してまいります。また、その上で必要があれば、国に対しても提言を行っていきたいというふうに考えております。
◆6番(田中徹君) また、今回被害に遭われた方々にお伺いしますと、もともと災害が少ない地域でこれまで災害について深く考えたことがない、また自主防災組織もなく訓練などしたことがないというお話でしたので、強風や長期停電に対する備えは十分ではなかったと私は感じました。 また、ある方からは、今回
の台風被害で
の教訓を高知県のみならず、ぜひ全国に発信してもらいたいというお言葉もいただきました。本県でも南海トラフ地震対策と並行して、さまざまな風水害に対して
の備えもさらに強化していかなければならないと改めて強く感じているところです。そして、今回
の千葉県で
の台風被害や長期停電
の教訓を生かし、県民
の皆様が風水害に対する意識を変える取り組みも必要だと感じています。 そこで、停電が発生した際
の備えとして何点かお伺いしたいと思います。まず、医療的ケア
の必要な方へ
の対策について現在どのようになっている
のか、これに関しましては、午前中に上田周五議員
の質問もございましたので少し重複するところもあろうかと思いますけれども、健康政策部長にお伺いします。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 停電が発生した場合に医療的ケアが必要な方へ
の対策については、上田周五議員
の質問にお答えしましたように、平成28年3月に高知県南海トラフ地震時重点継続要医療者支援マニュアルを策定し、御本人や御家族、また関係者が行う平常時及び発災時
の対策をお示ししております。 停電という点で申しますと具体的には、人工呼吸器については、停電時
の電源確保として外部バッテリーや発電機
の準備、緊急時に使用する手動式呼吸器アンビューバッグ
の用意や各機器
の使用方法
の確認と平時から
の使用訓練などを記載しております。また、在宅酸素療法については、御本人、御家族には停電時
の携帯用酸素ボンベ
の準備や切りかえ方法
の確認など、酸素ボンベを取り扱う医療機器取扱業者等には患者
の安否確認や酸素ボンベ
の供給対応等を記載しております。 なお、今般
の千葉で
の停電
の長期化を踏まえまして、再度マニュアル
の内容を確認
の上、その徹底を図ってまいります。
◆6番(田中徹君) また、この分野につきましては、地域福祉部にも関係すると思いますので、地域福祉部長にもお伺いをします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 先ほど、健康政策部長が申し上げました人工呼吸器や在宅酸素療法
のほかに、医療的ケアには、たんを自力で排出できない方に機器を使って行うたん
の吸引などがございます。たん
の吸引については、電動式
の機器を使用する方もおられ、高知県南海トラフ地震時重点継続要医療者支援マニュアルでは、停電時
の手動式吸引器等によるたん吸引について記載をしております。 今般
の千葉で
の停電
の長期化を踏まえ、健康政策部と連携をしまして、マニュアル
の内容
の確認をいたしますとともに、停電時
の対策について徹底を図ってまいります。
◆6番(田中徹君) また、特に長期
の停電を想定するならば、まずは電力
の確保という意味で、非常用電源として発電機等
の購入に対して
の助成制度も必要だと考えますが、県内では既に制度化している自治体もあれば、していない自治体もあるとお聞きしています。 そこで、この購入費に対する助成制度も含め、今後長期停電に対して県としてどのような支援が考えられる
のか、地域福祉部長にお伺いします。
◎地域福祉部長(福留利也君) 人工呼吸器などに使用できる発電機につきましては、難病
の方も含めて、障害者総合支援法
の日常生活用具として市町村が給付することができるようになっております。現在、発電機を給付対象
の種目として定めている
のは11市町村となっております。このため災害時
の具体的な対応策として、全て
の市町村において発電機を対象種目にしていただくよう働きかけてまいります。 また、今回
の千葉県における長期停電
のような事態が起こった場合には、個人用
の発電機では長時間
の対応ができないことから、医療機関など
の電源と医療ケアが確保できる場所に避難することが必要となります。このため長期停電に備えて、先ほど申し上げましたマニュアル
の内容
の確認を行う際に、医療的ケアが必要な方
の早期避難
のあり方についても検討を行ってまいりたいと考えております。
◆6番(田中徹君) また、今回長期停電する地域を視察する中で感じたことは、報道でもありましたように、隠れ断水と言われる、停電
のために地下水をくみ上げることができず、水が使用できず困っている家庭が多かったことです。また、下水道が布設されておらず、浄化槽による処理をしている家庭も多く、浄化槽が満水
の状態であふれ出す状況も見受けられました。本県でも、長期停電になれば同じようなことが想定されますが、このことは一定
の知識があれば回避できると考えています。 そこで、同じようなことが想定される地域では、長期停電に対する備えとして浄化槽
の災害時
の対応について
の周知、啓発が必要と考えますが、土木部長
の御所見をお伺いします。
◎土木部長(村田重雄君) 多く
の浄化槽では自然流下により排水されるため、長期停電時におきましても浄化槽から汚水があふれ出ることはございません。一方で、自然流下による排水が困難な場合には、電動
の放流ポンプを使用している浄化槽もございます。そうした浄化槽では停電時に放流ができなくなり、汚水があふれ出すおそれがあるため、使用を控える必要がございます。 このように、電動
の放流ポンプ
の使用
の有無によって対応が異なるために、事前に設置者がポンプ
の有無を把握するとともに、停電時
の使用
の留意点について周知を図ることが重要です。そのため、一般財団法人高知県環境検査センターが行う法定検査
の結果を通知する際に、留意事項として設置者に周知を図るほか、設置者と接する機会
の多い保守点検業者にも協力を依頼し、定期的な保守点検
の機会を活用して周知を図ってまいりたいと考えております。
◆6番(田中徹君) また、今回
の視察を通じて、長期にわたる停電や南海トラフ地震へ
の備えとして備蓄する食料は、現在広報している3日分では少ない
のではないかと感じています。 まだ3日分も備蓄できていないかもしれませんが、県民
の皆様へ
の意識
の変化を促す意味も込めて、次期南海トラフ地震で長期浸水が想定される地域などについては、5日分や1週間というように、もう少し期間を延長した広報や啓発をするべきではないかと考えますが、食料備蓄に関して危機管理部長
の御所見をお伺いします。
◎危機管理部長(堀田幸雄君) 県では、県民
の皆様に、家庭で
の水や食料
の備蓄について3日分以上、可能であれば1週間分以上実施していただくよう啓発を行っております。しかしながら、昨年実施した県民意識調査では、3日分以上備蓄している方は約2割、7日分以上
の方は約3%という状況でした。 そのため、備蓄
の重要性
の啓発を強化するとともに、取り組みやすい備蓄方法として、ふだんから利用するインスタント食品などを多目に購入し、使った分だけ買い足すローリングストック
の普及も進めていきたいと考えています。その上で、高知市
の長期浸水地域においては、救出までに一定
の時間が必要となりますことから、今年度高知市が策定する救助救出計画を踏まえ、必要な備蓄
のあり方を市と協議していきたいと思っております。
◆6番(田中徹君) そして、何より今回
の停電が長期にわたった要因として、強風による倒木や電柱
の倒壊など
の被害が広範囲に及んだことや、携帯電話など通信網が途絶され情報が十分に共有できなかったことが考えられます。本県でも同じような被害が発生した際には、速やかに停電から
の復旧が行えるよう、事前
の準備が必要と考えます。 そこで、私も報道で知ったわけですが、昨年9月に発生した台風21号
の際に和歌山県内で広範囲にわたる停電が発生し、倒木等
の影響により停電復旧作業に時間を要した結果、停電が長期化したことを受け、本年4月に関西電力と和歌山県は、災害時における停電復旧作業
の連携等に関する協定を締結しているようです。 そこでまず、この協定
の内容はどのようなものな
のか、危機管理部長にお伺いします。
◎危機管理部長(堀田幸雄君) お話
のありました協定内容
の特徴としましては、大きく2点ございます。1点目は、和歌山県内で広範囲
の長時間停電が発生した場合に、関西電力から
の要請に基づき、県が停電
の復旧作業に支障となる倒木や土砂など
の障害物
の除去を支援するというもの。2点目は、倒壊した電柱が県管理道路
の復旧を妨げている場合に、関西電力が安全確認を行った上で、県が倒壊した電柱などを除去することも可能とするものと承知をしてございます。
◆6番(田中徹君) ここで、知事にお伺いしたいと思います。先ほど、危機管理部長から御説明をしていただいた内容であれば、日ごろから
の電力会社と
の連携を深める意味でも早期にこのような協定を四国電力と結べないかと考えますが、知事
の御所見をお伺いします。
◎知事(尾崎正直君) 停電が発生した場合
の復旧
のため
の取り組みは、一義的には電力会社
の皆様方に取り組んでいただかなければならないわけであります。しかしながら、例えば大規模な停電が発生した場合でありますとか、もしくは大規模な災害が発生していて、結果としてさまざまに復旧作業に妨げが生じ得る場合などを考えましたとき、やはり応急対応
のために、県と
の間で緊密に連携して取り組みを進めていくということが大事になろうかと、そういうふうに思います。 他県
の例も参考にさせていただきながら、四国電力さんと
の間で協定を結ぶことにつきまして、ぜひ前向きに検討させていただきたいと、そのように思います。
◆6番(田中徹君) 非常に前向きな御答弁をいただきました。よろしくお願いしたいと思います。 私、昨晩
のテレビで知ったわけなんですけれども、この和歌山県と関西電力
の協定
の中には、実は通信網
のNTTさんと
の関係も含まれているようですので、ぜひ高知県にとってよりよい協定になるように、前向きに取り組んでいただきたいというふうに申し上げておきます。 知事、お答えいただけますか。
◎知事(尾崎正直君) できるだけ早期に協定が締結できますように、まずは事務レベルで
の協議を迅速に始めたいと思います。
◆6番(田中徹君) ありがとうございます。 この項最後に、知事にお伺いしたいと思います。冒頭でも述べましたように、知事就任以来、東日本大震災を初め、全国各地で発生する多く
の自然災害を目の当たりにして、その都度教訓を対策に生かしてこられました。南海トラフ地震対策も含め、今後
の本県
の自然災害へ
の対策はどうあるべきな
のか、知事
のお考えを県民
の皆様へ
のメッセージも込めてお願いしたいと思います。
◎知事(尾崎正直君) この自然災害へ
の対策をどう進めていくかということについては、大きく言って5つあるだろうと、そのように思っています。 まず第1に、最悪に備える、これが大原則だと思っています。できることをできるだけやろうではなくて、あくまでも最悪に備えてやるべきことをやると、そういう視点が必要だろうと、そのように考えております。実際、本県
の南海トラフ地震対策は、L2レベル
のものが起こったときにもどうするかということを想定して
の対策を進めているわけであります。なかなか全て一遍にできないことはあるだろうとは思いますけれども、あくまでも最悪に備えるということを視野に入れておくと、これが大事だろうと思っております。 2点目が、やはりあらかじめ備えるということが極めて大事と、事前防災という観点を徹底していくことが大事だろうと思っています。これによって多く
の命を守れる、財産も守れるわけであります。さらに言えば、事前防災を徹底することによって、後に起こり得るであろうさまざまな復旧・復興
のため
の、例えば財政負担なんかも大幅に軽減できるとか、そういうことがあり得るだろうと思っています。 3点目でありますけれども、ぜひ包括的なアプローチが必要だと、そういうふうに考えています。この予防
の段階、発災直後
の段階、応急期
の段階、復旧期
の段階、復興期
の段階、それぞれにおいて何が起こる
のかということを想定して対策を考えるということが大事と思っています。これは一部分だけ対応をとりましても、例えば発災直後
の対策だけとっていても応急期
の対策をしっかりとっていなければ、恐らく半日ぐらい命を長らえられたかもしれないけれども、応急期
の段階でつまずいてしまうとか、そういうことが起こり得るということだろうと思っています。あらゆる事態という
のを想定して考え抜いて、想像し抜いて、包括的なアプローチとなるように徹底していくことが大事だと思っています。 そして、4点目でありますけれども、自助、共助、公助、この役割分担をあらかじめ定めておくということが非常に大事だろうと思っています。公助としてできる限り
のことを徹底するわけでありますけれども、自助、共助も徹底していただかなければなりません。このことは、勇気を持って県民
の皆様方にお願いをしていかなければならんだろうと、そういうふうに思っています。 そして、最後でありますけれども、この防災対策、自然災害へ
の対策についてもPDCAサイクルをしっかり回していくことが大事だろうと思います。数値目標も定めて対応していくことが大事と、本県
の南海トラフ地震対策も想定死者数についてコンピューターシミュレーションをしながら、想定死者数をどれだけ減らせていけているかを常に念頭に置いて対策を進めていますけれども、こういうことが大事だろうと思っています。 そして、このPDCAサイクルを回すときには、チェック・アクション
の部分で、ほか
の地域で起こった災害
の教訓を生かす、このことも非常に大事だろうと思っています。南海トラフ地震対策を進める上で、熊本地震で起こったことを我々大いに学ばさせていただいて、対策強化につなげさせていただきました。こういうことも大事かなと、そのように思わさせていただいています。
◆6番(田中徹君) どうも、大変力強いメッセージをいただきました。ありがとうございました。 次に、国際的な取り組みについて何点かお伺いをします。 初めに、INAP
の取り組みについてです。私は、先月青島にて開催されましたINAP
の総会に初めて出席をさせていただきました。青島へ
の訪問も初めてでしたので、青島港
のスケール
の大きさに驚くと同時に、全て無人で行われるオペレーションを見学させていただいたときには、無言で見入ってしまいました。また、さまざまなセレモニーなどを通じて、各国から参加された港関係者
の方々とお話をさせていただくことによって、本県が事務局を務める意義、また将来にわたる大きな可能性を感じることができました。そして総会では、今回
の訪問団
の団長である村田土木部長が、大変流暢な英語でスピーチをされました。そのスピーチされる部長を拝見し、とても誇らしく、また頼もしく感じたところでした。 そこでまず、今回
の青島で
のINAP総会並びに経済ミッションに参加されてどのようなことを感じられた
のか、土木部長にお伺いします。
◎土木部長(村田重雄君) INAPは、1998年に青島港、高知港を含む5カ国、5港により設立されました国際的な友好港ネットワークでございます。その後、会員港は着実にふえてきており、現在7カ国、10港になっております。 INAPでは年1回持ち回りで会議を開催しており、今回は中国・青島港で
の開催となりました。総会とともにシンポジウムや視察を実施し、情報交換や交流を行ったところです。また、INAP会議に合わせまして、工業、食品、林業など
の分野における個別商談や、県内企業
の技術に関するプレゼンテーションなど
の経済ミッションを実施し、輸出入
のきっかけをつかむ機会を創出したところです。 今回、INAPを開催しました青島港は、コンテナ取扱量が世界第8位を誇る大変大きな港でありまして、アジア初
のコンテナターミナル
の全自動化に中国政府、山東省挙げて取り組んでいるなど、実際に自分
の目で拝見すると、そのスケール
の大きさと先進性を驚きを持って実感させていただいたところです。また、INAP会員港
の中には、青島港のみならずコロンボ港やタンジュンペラ港など、世界有数
の港として大きく発展した港もございます。 その中で、高知港が事務局として、会員港とINAP発足以来21年
の長きにわたり国際的なネットワークを維持・拡大し続けていることは、本県にとって大きな財産だと改めて感じたところです。
◆6番(田中徹君) 先ほど部長答弁にもありましたが、本県が事務局であるこのINAP
の取り組みは、今後
の大きな可能性も感じますし、このような国際的なネットワークは大変意義深いと考えます。 そこで、今後INAPをどのように発展させ、本県と海外と
のつながりを深め広げていく
のか、今後
の展望について土木部長にお伺いします。
◎土木部長(村田重雄君) INAPでは、会員港間
の情報交換や交流にとどまらず、近年では開催国訪問に合わせまして、県内企業
のビジネス
の拡大を図るため、商談会や防災セミナー
の開催、現地企業
の訪問など
の取り組みを積極的に行ってまいりました。こうした取り組みは、県内企業にとって輸出入
の端緒をつかむよい機会となっていると考えております。 今後
の展望といたしまして、引き続き商談会や防災セミナー
の開催、現地企業
の訪問などを通じ、開催国と
の経済的な交流を深めるとともに、INAP
の会員港をふやすなどネットワークをより一層拡大し、輸出入
の機会
の創出に努めてまいりたいと考えております。
◆6番(田中徹君) ありがとうございました。 次に、高知龍馬空港
の国際化に向けた取り組みについてお伺いします。先月12日、第5回目となる高知龍馬空港・航空ネットワーク成長戦略検討会議が開催されました。今回
の検討会議では基本構想案
の中間報告が行われ、アクションプラン
の目標である国際チャーター便
の年間100往復
の運航に伴う県内へ
の経済波及効果は年間8.3億円、また新ターミナルビル
の整備費用は概算で42億円程度と公表されています。ビル
の整備とともに、やはり令和3年度
の国際チャーター便100往復
の実現ということに注目せざるを得ません。 そこで、国際チャーター便
の年間100往復
の実現に向けてどのような取り組みが行われている
のか、これまで
の取り組みも含め、観光振興部長にお伺いします。
◎観光振興部長(吉村大君) 国際チャーター便につきましては、主に本県へ
の旅行者
の割合が多い台湾、香港、中国、韓国をターゲットに誘致活動を行っています。この活動に当たっては、各重点市場に設置しています海外セールス拠点などから情報を得まして、現地
の航空会社や旅行会社を訪問して、トップ
の方などに直接本県観光
の魅力をPRし、チャーター便
の就航を強く要請してまいりました。 この過程で幾つか
の航空会社からは、新たな機材
の導入や新規路線
の開拓
の時期といった、チャーター便
の誘致に有益な情報を得ることができましたし、本県を周遊する旅行商品
の造成に意欲を示す旅行会社も把握できました。 今後は、こうした旅行会社などを対象に、本県に招いて魅力を実感していただく視察ツアーや、県内
の宿泊事業者などとともに現地で開催する情報交換会などを通じまして、相互
の交流と理解も深めながら、誘致活動
の成果につなげてまいりたいと考えています。 こうした一連
の取り組みを高知龍馬空港
の新ターミナルビル
の整備に連動させながら、年間100往復
のチャーター便
の実現につなげてまいります。
◆6番(田中徹君) また、空港施設
の機能強化に関する基本方針として、令和3年度
の国際チャーター便100往復を目指し、その成果も生かした国際定期便
の誘致となっています。先ほど、観光振興部長にお伺いしましたように、国際チャーター便については、海外
の航空会社や旅行商品を造成する旅行会社へ
のセールス、また受け入れ環境
の充実などで実現するものと思いますが、その先
の定期便
の就航となれば、航空会社などへ
のさらなるセールスが必要になってきます。 そこで、時期尚早かもしれませんが、国際定期便
の就航に向けて現在どのような取り組みが行われている
のか、中山間振興・交通部長にお伺いします。
◎中山間振興・交通部長(川村雅計君) 国際チャーター便
の100往復
の運航を積み重ねる中で、航空会社から
の評価を高めることが定期便
の就航につながるものと認識をしております。そのため、観光振興部と連携し、海外
の航空会社などへ
のセールス活動や、国際チャーター便
の就航時には、国内航空会社
の受け入れスタッフ
の確保、出入国審査業務を行う国
の機関と
の調整などを行っているところでございます。 さらに、平成30年度に立ち上げました高知龍馬空港・航空ネットワーク成長戦略検討会議による基本構想
の協議
の中で、国際定期便
の受け入れ機能を備えた新たなターミナルビルについて議論がなされているところでございます。
◆6番(田中徹君) 今回INAP、そしてまた空港を含めた航路
の話をさせていただきました
のも、国際的な取り組みは、経済的な交流を初め、人的交流や輸出に関することなど多岐にわたる分野で行われています。 そこで提案ですが、今後
の海外と
のネットワーク
の進展を見据え、県として国際的な取り組みを統括できる部署が必要ではないかと考えますが、知事
の御所見をお伺いします。
◎知事(尾崎正直君) この国際的な取り組みを組織としてどう行っていくかということについてですけれども、私として思います
のは、今後
の県庁組織
のあり方については新知事が皆様とともにお決めになるということになるんでしょうが、聞いていただきましたんでお答えをさせていただくわけであります。国際的な取り組みを統括する部署及び今後は多分デジタル
の分野もそうだろうと思うんですが、そういう部署という
のは全て
の部が持っておくべきだろうと、これからにおいてはそういう時代だろうと思っています。 例えば、デジタルマーケティングとか言ったりしますけれども、地産外商を行う部は全て、水産振興部だろうが農業振興部だろうが、やはりデジタルを使ったマーケティングという
のを今後考えていくことになるだろうと。輸出ということを考えたときに、やっぱり全て
の部がその輸出ということに取り組むと、それが当たり前だという形になっていくことになるんではないかなと、そういうふうに思っています。 ですから、1つには、それぞれ
の部局において当たり前
のように国際対応できるような体制をつくっていくということが非常に重要。ただあわせて、言われましたような統括機能というものも非常に重要だろうと思っています。国際的な輸出をする、そして観光につなげる、そもそもそういう交流を行っていくためにも地ならしといいますか、いわゆる一般的な外交的交流を行っていく、それをスタートとする、例えばそういうことも必要になってくるわけですよね。 ですから、各部が持っておるわけですけれども、あわせて統括機能という
のを強化する必要がある、これは例えば国際戦略統括本部とかいう形で体制をとって、例えば、中山間対策なんかそうなんですけれども、そういう形で行っていくということも考えられますでしょうし、またさらには国際部というものをつくって行っていくということも考えられようかと思います。ただ、恐らく国際部とかいうものをつくってしまうと、国際的なことは国際部だけがやるということになってしまうんじゃないか、そういうことをちょっと懸念するところであります。ですから、私は今
の段階では、各部がそれぞれそういう国際機能を持っていて、それを横
の連携を図るため
の統括機能として
の統括本部みたいなものを置くと、例えばそういうやり方がいい
のではないかと、そういうふうに思わさせていただいています。
◆6番(田中徹君) まさに私もそのような考えを持っておりまして、本当にもう広範囲にわたってきますので、どこかが窓口になって一本化できれば、統括できれば、全てつながっていくというような、そんな組織ができたらいいのになというふうに考えております。ぜひ、県庁職員
の皆様方に考えていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 そして、この項最後に、高知龍馬空港・航空ネットワーク成長戦略検討会議
の会長でもあられます副知事にお伺いします。来年2月ごろには第6回目
の検討会議が開催され、基本構想
の承認が行われる予定となっていますが、現在
の進捗を踏まえ、新ターミナルビル
の建設着工や完成、また開業といった今後
のスケジュールについてどのように想定されている
のか、副知事にお伺いします。
◎副知事(岩城孝章君) 先月
の12日に、私が会長を務めております龍馬空港
の検討会議を開催させていただきました。その中で、基本構想
の中間報告をさせていただきました。これによって、施設
の全体的な概要という
のはだんだんわかってきたかなということで、今後は関係者
の皆さん方とちょっと細部を詰めまして、可能であるならば、令和2年度
の当初予算に設計予算を計上させていただきたいというふうに思っております。 この予算をお認めいただいた場合に、基本設計、実施設計を2年度に行って、3年度に建設に着手をし、令和4年度、早い段階で供用開始ができればなというふうに考えております。
◆6番(田中徹君) 大変詳しく御答弁いただきましてありがとうございました。私も地元でありますし、この国際化というものに対して大変期待をしているものでありますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、最後
の項として、高齢
の方々へ
の支援や対策についてお伺いをします。 ここで、質問に入ります前に、本年4月
の県議会議員選挙を通じて、私自身が有権者
の方々からお聞きしたことを少し紹介させていただきます。まず、南国市
の南部にお住まい
の女性
の方ですが、バス停まで歩いて行くとなると遠く、結局病院までタクシーで通い、毎回5,000円ほどかかっているというお話でした。また、別
の方は南国市北部にお住まい
の女性で、買い物に行くにも隣
の香美市まで行かないといけないし、こんな陸
の孤島
のようなところでは住めない、もうすぐ県外にいる娘
のところに引っ越すと
のお話でありました。 このお二人からお聞きしたことは今でも鮮明に覚えていますし、私自身とてもショックを受けました。特に、後段でお話をした市北部にお住まい
の方は北部といっても平野部ですし、それほど移動手段に困っている地域とは私は考えておりませんでした。このお二人
のそれぞれ
のお話は、改めて買い物や病院へ
の移動手段
の確保について考えさせられる内容でありました。 そこでまず、近年
の高齢者
の運転免許
の自主返納
の状況について警察本部長にお伺いをします。
◎警察本部長(宇田川佳宏君) 高齢者で運転免許証を自主返納された方は、過去5年間を見ると増加傾向で推移しておりまして、平成26年は1,262人
の方が返納されていた
のに対しまして、平成30年には2,200人
の方が返納されておりまして、約1.7倍にふえている状況であります。 しかしながら、高齢運転者人口に対する割合で見ますと1.57%と必ずしも高いとは言えず、その要因といたしましては、今議員
のお話にもありましたけれども、本県では公共交通機関
の利便性に難があり、返納後
の移動手段
の確保に高齢者
の方が不安を抱いているからではないかと考えます。
◆6番(田中徹君) 私は、昨年2月定例会において、高齢者
の交通事故防止
の取り組みとして、自主返納に向けてどのように取り組まれていく
のかという質問をさせていただいています。 まず、平成30年中
の県内
の高齢者
の交通事故
の状況について警察本部長にお伺いします。
◎警察本部長(宇田川佳宏君) 昨年、県内における高齢者
の絡む人身交通事故ですけれども、691件発生しておりまして、18人
の方が亡くなられ、440人
の方がけがをしております。特に、この18人ですけれども、全体
の交通死亡事故者が29人でありますが、その62.1%を高齢者
の方が占めているという状況でありまして、さらに75歳以上
の死者は11人で、これは高齢者
の死者全体
の61.1%を占めているという状況であります。また、歩行中
の高齢者
の死者は9人で、高齢者
の全死者18人
の50%を占めておりますが、うち5人は道路横断中に犠牲となっており、8人は薄暮から夜間にかけて亡くなっているという状況であります。全死者に占める高齢者
の死者
の割合は、全国ワースト15位という状況であります。 また、高齢者
の事故ですけれども、これは高齢者がドライバーあるいは高齢者
の自転車乗車中、それから歩行者、いずれにつきましても一般
の方に比べると高齢者
の側に交通違反が認められるという
のが特徴であります。
◆6番(田中徹君) ありがとうございます。 改めてお伺いいたしますが、この自主返納も含め、今後交通事故から高齢者を守るためにどのように取り組まれていく
のか、警察本部長にお伺いいたします。
◎警察本部長(宇田川佳宏君) 歩行中や自転車乗車中
の高齢者
の事故防止対策として、加齢に伴う身体機能
の変化が歩行や自転車運転等
の行動に及ぼす影響を理解していただくために、歩行者シミュレーターなど
の各種機材を活用した交通安全教育を実施したり、先ほど申し上げましたとおり、高齢者
の被害者にはみずからに交通違反が認められるケースも多いことから、運転免許
の有無にかかわらず、幅広く高齢者に交通ルール
の遵守など交通安全意識を醸成するため
の交通安全教育や広報啓発活動を推進するほか、夜間に被害に遭うケースも多いことから、ドライバーから
の視認性を高めるため、明るい色
の服
の着用であるとか、反射材
の着用
の普及促進を図ってまいります。 また、高齢ドライバーによる交通事故防止対策といたしましては、高齢者講習等を通じてきめ細やかな指導を行うとともに、運転に不安を感じられる高齢者に対する運転免許
の自主返納を勧奨するとともに、地域公共交通網
の形成に向けた関係機関・団体へ
の働きかけなど、運転免許証を返納しやすい環境整備に取り組むほか、安全運転サポート車や誤発進防止装置
の普及促進も図ってまいります。 こうした取り組みにつきましては、高齢者本人に対する教育や指導だけでなく、家族間で話し合ってもらうことも重要であると考えておりますので、高齢者
の家族
の方に対する助言や指導といったものも推進してまいりたいと考えております。
◆6番(田中徹君) どうもありがとうございました。 先ほど、警察本部長へ
の2つ目
の問いに対して、本部長からさまざまな公共交通
の事情からという話もございました。本県では、買い物や通院など
の移動手段
の確保が喫緊
の課題となっています。私
の地元南国市においても、昨日よりコミュニティーバス、NACOバス
の運行が開始をされたところです。新たな移動手段
の確保に向けて全力で取り組まれていることは重々承知をしておりますが、さきに述べましたように、バス停まで歩くことができず、依然としてタクシーなどを移動手段として利用している方がいらっしゃる
のも事実です。 空白地を完全になくすことが難しいことは承知していますが、例えば買い物に関して移動販売車
の経路をふやすことなど、まだまだできることがあると考えます。これまでも県として、市町村に対してさまざまな支援を行ってこられましたが、今後は市町村
の意識を変えるような、地域に踏み込んだ対策や支援が必要ではないかと考えます。 そこで、移動手段
の確保策として今後県として市町村に対してどのような支援が考えられる
のか、中山間振興・交通部長にお伺いします。
◎中山間振興・交通部長(川村雅計君) 昨年度、県では全市町村を対象に移動手段や生活用品
の確保に関する実態調査を実施し、個別にヒアリングをする中で、地域
の実態を改めて確認するとともに、新たな取り組み
の検討や見直し
の必要性なども提案してまいりました。 今後は、実態調査
の結果を踏まえまして、市町村が新たな移動手段等
の仕組みづくりを検討される際には、県としましても構想段階からかかわり、財政支援も含めたさまざまな支援を引き続き行ってまいります。 あわせまして、買い物弱者対策につきましては、今年度関係市町村と立ち上げました、中山間地域における移動販売に関する研究会において、移動販売事業
の現状を知り、その継続に向けて今後行政としてどのような支援ができる
のかについて、引き続き検討してまいります。
◆6番(田中徹君) よく知事が官民協働という言葉をおっしゃられますけれども、やはりもうこれから
の時代、民間
の方々にも本当に力を入れていただいて助けていただきながら、さまざまな課題にも対処していかなければならないときに来ているんだと思います。そういった意味で、先ほど御答弁もありましたけれども、市町村政と
の連携・協調をとっていただきまして、移動手段
の確保に努めていただきたいというふうに考えております。 最後に、質問は終わりましたけれども、尾崎知事にお伝えしたいことがございます。ある県庁
の幹部職員
の方とお話をしたとき
のことです。その幹部
の方からは、尾崎知事だからお仕えをさせていただいた、もう少し尾崎知事に仕えさせていただきたかったというお話がございました。まさにこの尾崎県政12年
の評価といいますか、成果ではないだろうかというふうに考えております。 尾崎知事におかれましては、お体に御留意されまして--心から感謝を申し上げて、私
の一切
の質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(弘田兼一君) 以上をもって、田中徹君
の質問は終わりました。 ここで午後3時まで休憩といたします。 午後2時32分休憩
----------------------------------- 午後3時再開
○議長(桑名龍吾君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一問一答による議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 土居央君
の持ち時間は50分です。 7番土居央君。
◆7番(土居央君) 自由民主党
の土居央でございます。尾崎知事
の最後
の県議会に、議員として質問
の機会をいただきましたこと、大変ありがたく、うれしく思っております。早速、質問に入らせていただきます。 今、全世界で若者を中心に、地球温暖化対策など環境問題へ
の意識がかつてない高まりを見せております。先月20日には、世界
の指導者が集う国連本部で開かれた気候行動サミットに合わせ、環境少女こと16歳
のグレタ・トゥンベリさんを中心に、世界150カ国以上で数百万人が一斉抗議行動を行ったことは記憶に新しいところです。 私自身は、学校ボイコットなど
のような手法や時折見せる過激な発言など、一部には共感できないところもございますけれども、世界中
の若者が呼応し一斉行動を巻き起こした背景には、経済成長を追求する一方で、なかなか成果を上げられない各国
の環境対策へ
の怒りと、若者が活躍すべき未来へ
の危機感があることは理解するところでございます。 そこでまず、知事は、こうした若者
の環境問題へ
の意識
の高まりと世界的な抗議行動についてお感じになられたところもあったと思いますが、政治としてどう対応するべきと考えられる
のか、お聞きをいたします。
◎知事(尾崎正直君) まず、地球温暖化によって最も影響を受ける方々、すなわち若者たちが立ち上がったこと、そして世界規模
の課題に対して世界規模
のネットワークができたこと、そしてそのネットワークが世界
の指導者に対して直接働きかけたこと、そして世論に訴えたこと、このことは大変画期的であったと、そのように思っています。 地球温暖化、この地球環境問題に対して、いわゆる真
の危機感というものが人類共通
の課題として共有され始めた、そういうときが来た
のかなということをつくづく感じたところでありました。
◆7番(土居央君) ありがとうございます。 今回は地球環境問題ということが一つ
のきっかけになったわけでありますけれども、今AIとか移動通信技術
の進歩によりインターネットとかSNSなどは格段に進化を遂げまして、世界は結びつきやすくなり、また世界中で価値観
の共有も図られやすくなりました。若者を中心に新しい価値観が次々生まれて、かつ急速にオープンになります。さらに、これからは5G
の時代がやってまいります。政治も世界レベル
の変化
の早さや新たな価値観
の創出に適切かつ柔軟に対応していくことが、さらなる成長と成熟には大事なんだろうと感じるところでございます。 そこで、こうした世界的な環境意識
の高まり
の中で、国連が進めるSDGs
の取り組みにも官民問わず関心が高まっています。今議会でも西森議員、金岡議員も取り上げましたので詳細な説明は省きますけれども、端的に言えば、将来にわたり人間が持続可能な発展をしていくため
の2030年まで
の国際目標です。SDGsは、貧困や飢餓や環境問題、経済成長やジェンダー
の平等まで幅広い課題が網羅されており、豊かさを追求しながら地球環境を守るため、17
のゴールと169
のターゲットが設定をされています。 日本政府も総理大臣を本部長として、全て
の国務大臣がメンバーとなるSDGs推進本部を設置し、そこで決定されたアクションプランをもとに取り組みを進めています。現指針でありますSDGsアクションプラン2019
の骨子は3つ、1つが、SDGsと連動するSociety5.0
の推進、2つ目が、SDGsを原動力とした地方創生、強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり、3つ目が、SDGs
の担い手として次世代・女性
のエンパワーメント。この3つが掲げられていますが、具体的な内容も含め、本県
のまち・ひと・しごと創生総合戦略や産業振興計画、健康長寿県構想など
の目指す方向性とほぼ同じであります。 このように、今全世界が持続可能性
の重要性に注目し、SDGsを追求する活動を推進している中で、本県はさまざまな課題を克服して持続可能な地域づくりに挑戦してきた課題解決先進県として、持続可能な社会づくりをリードしていくべき立場にある
のではないかと感じています。また、本県が産業振興計画
の今後10年、20年を見据えた場合、インバウンド観光や輸出
の拡大など、世界を相手に地産外商を拡大していく上では、世界的な価値観を尊重する姿勢は非常に大事になってくる
のではないかと考えます。 そこで、本県では、来年度に高知県まち・ひと・しごと創生総合戦略と高知県産業振興計画が同じタイミングでバージョンアップをされることになります。これら
の計画に持続可能な開発目標、SDGsを追求する視点を、より明確に盛り込んでいくべきではないかと考えますが、知事
の見解をお聞きします。
◎知事(尾崎正直君) 地球環境問題など、いわゆる持続可能性というものが大変大きな課題になっている中において、先ほど申し上げたように、若者たちが声を上げて世界的に危機感が共有されようとしている中において、やはり世界的規模
の問題として人類皆が取り組まなければならない課題ということになる
のだろうと思います。だからこそ、例えば高知県においても、県も取り組まなければならない、また県民
の皆様方も取り組まれることとなるように、ぜひそういうことが進んでいければと思います。だから、県もその先駆けとして
の仕事をしていくことも大事だろうと、そのように思う次第です。 実際、まち・ひと・しごと創生総合戦略
のそれぞれ
の取り組み、これを大きく柱に分けると4つ
の基本目標を持っているわけであります。この基本目標
の1、例えば地産外商により安定した雇用を創出するという目標は、持続可能な開発目標
のうち、経済成長と雇用、産業化やイノベーション、こういう目標に合致することとなります。実際、この基本目標4つ全てを羅列しますと、SDGs
の目標全てを網羅するということになるわけでありまして、そういう意味におきましても、やはり我々としてこの総合戦略を進めていくに当たって、このSDGs
の取り組みというものをしっかり意識していくことが非常に重要であろうかと、そういうふうに思ったところであります。 先ほど申し上げたように、基本目標とSDGsを対比させていくような仕事という
のは実はこれまでもしていて、総合戦略
の見直しに当たって、参考値としてそういう表も掲載させていただいたりしたところでありましたけれども、今後、より個々
の施策についてSDGs
のどこに該当するかということを明記することなんかも考えていかなければならないかなと、そういうふうに思っています。そうすることで、一つ一つ
の仕事をしていくときに、この持続可能な開発目標
のこれに該当するんですよということをお伝えしていく、官民協働で進めていきましょうということをお伝えしていく。そういうことによって、我々もまた官民協働で推進力を得たいと思いますし、また県民
の皆様方へ
の啓発ということにも、また民間
の皆様方
の新たなお取り組みということにもつなげていくことができればなと、そのように思う次第であります。
◆7番(土居央君) ありがとうございます。SDGs
の見える化といったことだろうと思いますけれども、すばらしい取り組みではないかと思います。 私は、産業振興計画だけでなく健康長寿県構想などについても、課題解決先進県
の取り組みとして国内
のモデルとなるようなすぐれた実績を積み重ねてきているものと思いますし、持続可能な経済社会づくりにつながるものと考えます。こういった取り組みをSDGsと関連づけて国や世界へ発信するために、内閣府において平成30年度から実施されているSDGs未来都市や自治体SDGsモデル事業などへ
の選定も、市町村と連携しながら目指してはどうかと考えます。このことにつきましては、意見、要請とさせていただきます。 次に、SDGsと産業振興にかかわる具体的な環境問題として、プラスチックごみと食品ロス
の問題につきまして、順次お聞きしたいと思います。 まず、プラスチックごみ、以下プラごみと略して言わせていただきたいと思います。このプラごみによる環境汚染が世界各地で問題化していることを背景として、ことし5月ごみ
の輸出入を規制する国際条約、バーゼル条約
の改正案が可決をされました。これは日本が共同提案国となっております。締結国は、ごみ
の発生を最小限に抑え、できるだけ国内で処分するよう求められます。2021年
の発効を見据えて、改めて国内
のリサイクル体制や削減策
の強化が必要とされることになります。 昨年、日本
のプラごみを資源として大量に輸入してきた中国が輸入禁止に転じたことに加え、こうした国際条約
の締結により世界各国で輸入規制が強化をされています。ことし2月
の環境省
の調査によりますと、日本国内
の行き場を失ったプラごみ
の保管量は確実に増加しており、処理業者
の受け入れ制限や保管基準違反
の増加など各方面へ
の影響も出始めているほか、不法投棄
の発生も懸念をされています。 県内では、一部処理料金
の値上げやプラごみ保管量
の若干
の増加があるものの、今
のところさほど
の混乱はないように聞いておりますが、こうした国内外
の動向を踏まえ、県内
のプラごみ
の今後
の状況予測も含め、プラスチックごみ問題に関する県
の基本認識を林業振興・環境部長にお聞きいたします。
◎林業振興・環境部長(川村竜哉君) 県内
の廃プラスチックにつきましては、その処理状況等を把握するため、本年6月に廃プラスチック類
の処理実績がある産業廃棄物処理業者29社を対象にアンケート調査を実施いたしました。この調査により得られた、平成27年度から29年度まで
の3年間
の廃プラスチック類
の平均処理実績と平成30年度
の実績を比較いたしましたところ、受け入れ総量につきましては若干
の増加が見られておりますが、新規
の受け入れについて
の問い合わせが増加していたり、保管量が増加していた業者は一部にとどまってございます。 このことから、今
のところ県内において廃プラスチックが増加して受け入れができないといったような問題は見受けられない状況にあると認識してございます。プラスチックにつきましては、有用な物質である一方、海洋に流出した場合は地球規模
の環境汚染による生態系や生活環境等へ
の影響が懸念されておりますことから、県としては、今後
の廃プラスチック
の動向を注視していく必要があると考えております。 今後
の廃プラスチック対策としては、国が本年5月に定めたプラスチック資源循環戦略を踏まえ、プラスチック
のリデュース等
の徹底、効果的、効率的で持続可能なリサイクルなど、適正処理
のため
のプラスチック資源循環体制
の構築に向けて、令和3年度から5年間を計画期間とする次期高知県環境基本計画第5次計画を策定していく中で検討してまいりたいというふうに考えております。
◆7番(土居央君) ありがとうございます。 ことし6月に開催されましたG20大阪サミットにおきましては、このプラごみ問題
の中でも特に近年問題視されております海洋プラスチック対策が主要テーマ
の一つに挙げられ、2050年までに新たな海洋プラスチック汚染をゼロにする国際的な合意形成がなされました。大阪ブルー・オーシャン・ビジョンと言うそうでございます。これは、大きさ5ミリ以下という微細なマイクロプラスチックが生態系に与える悪影響へ
の懸念が強まり、現状を放置すると2050年までに海洋プラスチックごみ
の総重量が魚
の総重量を上回ると
の世界経済フォーラム
の試算が発表されたことなどが背景にあります。 日本政府は、それに合わせるように、先ほど御答弁にもありましたプラスチック資源循環戦略や海岸漂着物対策
の基本方針など、海洋プラスチックごみ削減を推進する計画を打ち出し、食品容器など
の使い捨てプラスチック排出量を2030年までに25%抑制することや、プラスチックにかわる素材
の利用拡大、プラスチックごみ
の流出による海洋汚染対策など、取り組み
の強化を掲げています。 本県では昨年、当時
の天皇皇后両陛下
の御臨席を賜り、「森・川・海 かがやく未来へ 水
の旅」をテーマに全国豊かな海づくり大会を主催し、関係者一同、豊かな海を育む環境保全活動へ
の思いも新たにしたところだと思います。 そこで、今世界的に海洋汚染対策
の充実が求められ、国が対策を強化する方針を打ち出す中で、本県は海洋プラスチックごみ対策にどう取り組んでいこうと考えている
のか、林業振興・環境部長にお聞きをいたします。
◎林業振興・環境部長(川村竜哉君) 本県における海洋プラスチックごみ対策につきましては、プラスチックごみ対策全般に共通するものでもございますけれども、陸域で発生したプラスチックごみが河川等を経由して海に流出、飛散することがないよう、リデュース、リユース、リサイクル
の3R
の取り組み、適正な廃棄物処理
の徹底、清潔で美しい高知県をつくる条例に基づく清掃活動
の実施や県民意識
の醸成などを通じて取り組んできているところでございます。 また、こうした取り組みとあわせまして、国
の海岸漂着物対策
の基本方針で示されておりますように、国、地方自治体、国民、NGO、事業者等
の関係者が広く情報共有をしながら連携・協力をし、それぞれ
の主体が適切に役割分担を行うことにより、海洋プラスチックごみ対策を推進していきたいと考えております。
◆7番(土居央君) これまでも3Rへ
の取り組みといったことは本県も全力で取り組んできたことと思います。今
のこの流れを見ておりまして、その3R
の中でも特にリデュース
の部分を強化していこうという国
の流れがある
のではないかというふうな印象を持っております。 こうした環境政策
の動きにも民間企業は敏感に反応しています。コンビニや外食産業などで、プラスチックからバイオマス素材へ、環境に配慮した包装や容器、食器を導入するなど、脱プラスチック
の動きが広がっています。 そこで、本県はこうした動向をむしろチャンスと捉え、例えば本県
の強みであります紙産業技術センターや県内紙産業が有する技術を生かして、プラスチックにかわる製品開発を官民挙げて推進する考えはないか、商工労働部長にお聞きをいたします。
◎商工労働部長(近藤雅宏君) 通常
のプラスチックにかわる素材としましては、お話にもありましたように、微生物によって分解される生分解性プラスチックやトウモロコシ等を原料とするバイオマスプラスチックがあり、既に農業・土木資材や食品
の容器など多く
の製品が販売をされています。県内ではこうした動きを敏感に捉え、植物由来
の素材を活用した製品
の開発に着手している企業があり、紙産業技術センターにおいて情報収集や技術サポートを行っていますが、一部
の企業
の動きにとどまっている
のが現状でございます。 そのため、今年度工業技術センターにおいて県内企業が製品化につなげやすい生分解性プラスチック
の選定や性能分析等を行い、その結果を踏まえて、来年度には包装資材を取り扱う企業を中心に生分解性プラスチック
の利用促進をテーマとした分科会を立ち上げることとしており、外部講師による講座
の開催や参加企業による試作開発へ
の技術指導などを行っていくこととしています。 今後、世界的な環境意識
の高まりをチャンスと捉え、県内企業による生分解性プラスチック
の活用等による新たな製品開発を支援してまいります。
◆7番(土居央君) ありがとうございます。御答弁、大変期待をさせていただきます。環境対策は、経済規模からいえば高知県
の取り組みによる効果は日本全体からすれば小さい
のかもしれませんけれども、自然豊かな高知県として、やはりしっかりと少しでも取り組んでいかなければならない問題ではないかと思っております。 次に、食品ロス
の問題でございます。 この問題も世界的な課題となっています。このため、食品ロス
の削減はSDGsに掲げられますとともに、G20大阪サミットに先駆けて開催されました新潟農業大臣会合
の閣僚宣言には、G20が食品ロス
の削減に主導的役割を担うことが盛り込まれています。 我が国では、実は食品ロス
の削減
の推進に関する法律、いわゆる食品ロス削減推進法が、まさにきのう、10月1日から施行されています。この法律は、食品ロス
の削減に関し、国、地方公共団体または食品関連事業者など
の責務や関係施策
の基本事項を定めており、食品ロス
の削減を総合的に推進することを目的としています。特に、本法は食品ロス削減
の活動を多様な主体
の連携を要する国民運動と位置づけておりまして、今後は原料
の提供にかかわる1次産業から加工業など
の2次産業、食を提供する3次産業、そして最終実需者であります消費者に至るまで幅広い分野におきまして、より具体的な取り組みが求められると思います。 県としては、これまでも一定
の取り組みを推進してきたことと思いますけれども、食品ロス削減推進法
の施行を踏まえた取り組みを始めなければならないと思います。推進
の組織体制も含めどのように取り組んでいく考えか、
文化生活スポーツ部長にお聞きをいたします。
◎
文化生活スポーツ部長(橋口欣二君) 食品ロス削減推進法では、今後国が策定する基本方針を踏まえて、県は食品ロス削減推進計画を定めるよう努めなければならないとされております。このため国から示されたスケジュールでは、今年度中に基本方針が閣議決定されることとなっております。それが公表され次第、まずは速やかに計画
の策定に取り組んでまいりたいと考えております。 その際、食品ロス削減を効果的に推進していくためには、事業者、消費者を初め県民全体で、それぞれ
の立場においてこの課題に取り組む必要がございます。ですから、県
の計画を作成するに当たりましては、事業者、消費者、生産者、また市町村などから成る協議
の場を設け、幅広い分野にさまざまな取り組みが進みますよう考えてまいりたいと思っております。
◆7番(土居央君) ありがとうございます。 それでは1点、今からでもできます具体的な政策を提案したいと思います。(現物を示す)皆様、このロゴマークを御存じでしょうか。こういうマークと、「食べものに、もったいないを、もういちど。」、「NO-FOODLOSS PROJECT」と英語で表記されております。これは、泣いているバージョンと笑っているバージョン
の2つあるそうでございますが、食品ロス
の削減に国民全体で取り組んでいくために国がつくりました、食品ロス削減国民運動
のロゴマーク「ろす
のん」と言うそうでございます。 G20大阪サミット会場
の各国代表団及びプレスレストランにおきまして、このマークが配置された三角柱が食品ロス削減を呼びかける啓発資材として、日本語及び英語
の2カ国語版で約50個設置されたそうでございます。こうした取り組みにより、各国
の代表団やプレスに日本
の食
の魅力を十分に味わっていただくおもてなしとともに、これら
の食を余すことなく食べていただくことによる、もったいないについても発信をしたそうでございます。 このロゴは、農林水産省に申請をして承認を受ければ、簡単に企業や団体が使用することができます。本県にとりまして、食やおもてなしは大きな強みとして観光政策など
の柱に位置づけられておりますが、そういう高知県だからこそ、こうした取り組みを率先垂範して官民で取り組んでいくことには大きな意義があるものと思います。 県内
の関係事業者と
のコンセンサスを図りながら、食品ロス
の削減を訴えるこうしたロゴ、シンボルマークを有効活用する政策を推進するべきではないかと思いますが、
文化生活スポーツ部長にお聞きをいたします。
◎
文化生活スポーツ部長(橋口欣二君) 食品ロス
の削減ということに関しましては、やはりそれぞれ
の皆様
の意識に訴えかけていく必要があろうかと思います。その意味でこうしたロゴマーク
の活用という
のは、事業者、また消費者
の皆様に訴えかける非常に有効なツールであろうと考えます。 今後、先ほど申し上げました食品ロス削減推進計画を策定する際には、その関係する事業者
の皆様などから
の御意見も伺いながら、ぜひそういったことに取り組んでまいりたいと思います。
◆7番(土居央君) もう一度、(現物を示す)こういうものでございますけれども、これは国がつくったロゴでございます。本県は、まさに特色ある食文化、また献杯、返杯など独自
のおもてなし、おきゃく文化が根づいた地域でございます。一方で、私は個人的に県外
の方から、高知
のフードロス
の多さを指摘されることがございました。そういうこともありまして、高知ならでは
の、全国
のバージョンでなくて高知バージョンみたいなものがあっても大変効果がある
のではないかと、これも意見、提案とさせていただきたいと思います。 次に、観光と文化について質問をいたします。 第3期産業振興計画では、435万人観光
の定着を図るため、「志国高知 幕末維新博」で磨き上げてきた歴史や食を基盤とする観光を引き続き推進するとともに、高知ならでは
の幅広い自然・体験型
の観光基盤
の強化を行うなど、国内外から
の誘客につなげる取り組みを展開しています。今後も観光客数や観光総消費額を拡大させていくためには、歴史から自然、アクティビティーへと重心が移り行く中でも、これまで磨き上げてきた歴史文化観光基盤をいかに維持・持続していけるかが肝になろうかと思います。 県では、幕末維新博
の2年間、常設
の歴史文化施設や展示環境を整え、全25会場、334万人
の来場者を誘客した実績をもとに、持続的に誘客できる歴史観光
の基盤が整ったことに自信を持たれていることと思いますけれども、幕末維新博終了後、高知城歴史博物館を初めとした県内歴史文化施設からは、入り込み数が減少したというお声も聞きます。 そこで、まず県内
の歴史文化施設
の現状
の入り込み数はどうか、観光振興部長にお聞きいたします。
◎観光振興部長(吉村大君) 「志国高知 幕末維新博」閉幕後
のことし
の2月から8月にかけて
の入館者数は、メーン会場、サブ会場、地域会場を合わせた25施設全体で、約87万人でございます。前年同期比では約89%となっていますが、幕末維新博を開催する前
の年
の平成28年
の同時期と比較しますと約110%となっていますので、県内に歴史
の観光基盤を整えてきた効果があらわれてきたものと考えています。
◆7番(土居央君) 何とか幕末維新博
の勢いを維持していきたいところだろうと思います。 入り込み数を持続させるには施設みずから
の努力も必要だと思います。幕末維新博
のメーン会場としてオープンし、維新博を牽引してきた県立
の高知城歴史博物館と坂本龍馬記念館について、維新博終了後その経験を生かして磨き上げなどをどのように行ってきた
のか、
文化生活スポーツ部長にお聞きをいたします。
◎
文化生活スポーツ部長(橋口欣二君) 高知城歴史博物館と坂本龍馬記念館におきましては、幕末維新博が終了した後も歴史に関心
のある方だけではなく、より多く
の皆様方に興味を持っていただけるように企画展
の充実、展示内容
の工夫に努めております。 例えば、坂本龍馬記念館では、10月5日から開催します特別展で、重要文化財に指定されております京都国立博物館所蔵
の龍馬関連資料、また現存する龍馬が所持していたと言われる刀5振り
の展示を行いますとともに、「刀剣乱舞-ONLINE-」というゲーム
の声優による音声ガイドを作成するなどして、新たな龍馬ファンをふやす視点で特別展
の充実を図っております。 また、現在高知城歴史博物館で開催をしております、国史跡
の土佐藩主山内家墓所をテーマといたしました企画展では、ふだん一般公開されること
のない竹林寺所蔵
の徳川家康公
の位牌
の展示、それから3Dデータをもとにしまして、初代藩主
の一豊公、それから15代
の容堂公
の墓石
の復元模型を展示いたしますなど、多く
の方に興味を持っていただけるような視点で
の展示を行っております。 また、こうした展示
の充実を図ってまいりますため、県全域で
の資料
の調査研究も進めていく必要があると考えておりまして、本年度から高知城歴史博物館に地域歴史文化調査支援室というものを設置し、市町村
の文化施設
の資料調査
の支援、また地域におけます人材育成
の取り組みも始めているところでございます。
◆7番(土居央君) ありがとうございます。 この2年間
の幕末維新博
の大きな成果
の一つといたしまして、市町村
の歴史文化施設
の整備が進んだことと、歴史文化行政と観光行政が密接に結びつくことができたことが挙げられると思います。今後もこの関係を一過性
のものに終わらせず、どう恒常的なものにしていく
のか、本県
の観光を厚み
のある質
の高いものにしていくために不可欠な視点だと思います。 現状でも、先ほど御答弁にもありましたように、幕末維新博を契機として、観光と歴史文化
の連携は一定進んできているものと思いますが、これまで築き上げてきた歴史文化施設
の情報やスキル、そしてネットワーク
の充実を考えますと、各地域
の観光政策にはまだまだ歴史文化資源が生かせる余地があり、観光と歴史文化
の連携
のさらなる深化を期待しているところでございます。 そこで、こうした歴史文化施設
の取り組み
の成果を地域観光にもフルに発揮させ、歴史観光を今後も本県
の観光基盤
の柱
の一つとしていくために、観光部門と文化部門
の関係者が事前に情報交換し協議ができる恒常的な仕組みづくり、歴史観光振興プラットホーム
のような仕組みが必要ではないかと考えますが、
文化生活スポーツ部長の見解をお聞きいたします。
◎
文化生活スポーツ部長(橋口欣二君) これまでも幕末維新博に係る企画展等
の情報共有を図りますために、文化振興課におきまして、所管する歴史系
の文化施設3館と
の連絡会議を開催しておりました。本年度からは、この連絡会議に観光政策課も加わり、各館
の入館者
の動向でありますとか、自然&体験キャンペーンに係りますプロモーション
の情報共有、意見交換などを始めております。 また、県内
の多く
の文化施設が会員となっております、こうちミュージアムネットワークと
の連携も図りつつ、こうした文化と観光にかかわる関係者が協議を継続的に行うこと
のできる場を設けまして、本県
の文化
の振興と歴史観光
の推進といったこと
の調和を図ってまいりたいと思います。
◆7番(土居央君) ありがとうございます。ぜひ頑張っていただきたいと思います。 では、こうした歴史文化施設
の取り組みを生かして入り込みにつなげるにはプロモーションが必要となりますけれども、「リョーマ
の休日~自然&体験キャンペーン~」では歴史観光についてどのようなプロモーションを行っていく
のか、観光振興部長にお聞きいたします。
◎観光振興部長(吉村大君) 本県
の歴史観光におきましては、坂本龍馬記念館
の特別展示を初め、県内各地
の歴史文化施設において、その土地土地
のゆかり
の人物にスポットを当てた秋
の企画展示などが行われます。これらに加えまして、11月からはナイトタイムエコノミー
の取り組みとして、高知城を初め県内各地
の歴史文化施設や観光施設を中心に夜間イベント
の開催が予定をされています。こうした歴史を中心テーマとした企画に関しましては、歴史系
の文化施設3館と
の連絡会議で情報共有を図りながら、自然&体験キャンペーンにおいて一体的なプロモーションを行いまして、歴史文化施設へ
の集客拡大と県内各地へ
の誘客を図ることにしております。 本県へ
の関心を引き寄せるため
の取り組みといたしまして、具体的にはインパクト
の大きい坂本龍馬記念館
の特別展や高知城で
の夜間イベントについて、全国大手
の新聞や雑誌など注目度
の高い媒体を通じまして露出をし、話題化を図ってまいります。また、近隣県向けにはテレビや新聞、情報誌といったメディアを通じまして、歴史観光をテーマにプロモーションを集中的に実施していくこととしています。こうした一連
の取り組みにより、キャンペーン
の特設ウエブサイトにも誘導し、県内各地
の歴史文化施設
の展示情報をお知らせすることで、入館者
の増加にもつなげてまいります。
◆7番(土居央君) ありがとうございます。 1点、今年度文化庁がおもしろい事業を始めています。「Living History(生きた歴史体感プログラム)促進事業」といいます。これは、国指定や選定文化財を活用して、歴史上
の行事や当時
の暮らしを再現することで、観光客などにリアルな歴史体験に触れていただき、楽しんでもらうとともに、日本文化に対する理解を促進することを狙いとしています。 今年度は多く
の自治体
の事業が採択されています。例えば、姫路市や和歌山市では、それぞれ姫路城、和歌山城を活用して大名行列を再現、また国宝
の縄文式土器
のある新潟県十日町市では、
縄文の食生活
の体験ができる企画を予定しているようです。もちろん都道府県も申請できまして、石川県では兼六園や金沢城跡を活用した事業を企画しているようでございます。 特に、訪日外国人観光客は日本
の生きた歴史や伝統文化体験などに強い興味を持っているとお聞きしますが、今後本県で
の外国人観光客
の誘致に当たっては歴史体験や文化体験を観光政策としてどう活用していく
のか、観光振興部長にお聞きをいたします。
◎観光振興部長(吉村大君) 観光庁
の消費動向に関します調査によりますと、議員
のおっしゃるように、日本
の歴史・伝統文化体験は訪日外国人観光客にとりまして関心
の高い分野とされています。このため県では、本年度から日本在住
の外国人専門家を活用しまして、紙すき、田舎暮らし、刃物づくり、四国遍路、酒蔵見学などを素材に、個人をターゲットにしました旅行商品を造成しまして、オンライン旅行会社で海外向けに販売をしております。 今後も、本県ならでは
の歴史や文化を実際に体験できる旅行商品づくりをさらに進めますので、その際には外国人観光客
の評価も反映させてまいりたいと考えています。加えまして、これら
の商品をオンライン旅行会社にとどまらず、現地
の旅行会社でも販売してもらえるよう、販路
の拡大にも取り組んでまいります。
◆7番(土居央君) ぜひとも体験型観光を通じて、外国人観光客
の宿泊者
の増につなげていただきたいと考えております。 さて、11月2日から
の3日間、文化と知
の祭典「カーニバル00in高知」が開催されます。これは10年前、平成21年に高知を大変盛り上げてくれましたエンジン01文化戦略会議
の魂を継ぎ、エンジン01をきっかけに高知に移住してくれております映画監督安藤桃子さんが中心となって企画され、県や市、経済団体代表らでつくる実行委員会が主催されると聞いております。 私は、10年前
のエンジン01
のとき高知YEG
の一員でもあり、スタッフとして運営に参加をいたしました。講師として来高されたたくさん
の著名文化人
の皆様
のオープンカレッジや、酒を酌み交わしながら
の座学を通じて、県民
の皆様が日本を代表する多く
の文化人
の豊かな知識や感性に刺激を受け、みずからを成長させることができましたし、講師
の皆様もまた、高知
のおもてなし
の心やホスピタリティー
の高さ、食や文化
のすばらしさ、陽気で温かい県民性などに触れていただき、高知
のファンになっていただくことにつながりました。このことは、エンジン01終了後に、講師
の皆様方
のブログや全国
の新聞、週刊誌
のコラムなどにも執筆、掲載していただいて、大いに高知
のPRに貢献いただいたことからもうかがえます。 このように、「カーニバル00in高知」は、高知
の文化振興はもとより、観光など広く産業振興にもつながるものとして大いに期待をしているところでございます。今回も70人を超える文化人が高知に集結されると伺っておりますが、開催まであと一月に迫る中、県としてはプロモーションも含めてどう盛り上げていこうと考えている
のか、
文化生活スポーツ部長にお聞きいたします。
◎
文化生活スポーツ部長(橋口欣二君) 「カーニバル00in高知」では、エンジン01文化戦略会議
の会員を初めとする多く
の文化人を本県にお招きし、オーテピアや高知市中心商店街でさまざまなトークイベントやワークショップを開催いたします。先週
の金曜日に実行委員会会長
の知事と大会委員長
の安藤桃子氏が記者会見をして、カーニバル
のポスターデザインやプログラム
の発表を行いました。その翌日からチケット販売を開始しております。 このように、カーニバル
の視覚イメージ、プログラム
の内容、多彩な講師陣が固まりましたことから、今後ホームページやツイッター、ポスターやチラシ
の配布、新聞広告などといったさまざまな媒体を通じましてPRを行い、多く
の県民
の皆様に参加をいただくように、また10年前
のエンジン01
のときと同様に、こうした機会を契機といたしまして、多く
の文化人、アーティスト、クリエーター
の皆様と
の交流が本県
の活性化、それがレガシーとして続いていきますよう取り組んでまいりたいと考えております。
◆7番(土居央君) 開催まであと一月ということでございまして、何をするにしてもこれからは全てタイトなスケジュールになろうかと思いますが、すばらしいイベントになりますことを期待しております。ぜひ、そのカーニバル以降にもしっかりつなげていけるような取り組みをまた考えていただきたいと思います。 最後に、食品産業について質問をいたします。 これまで県は、豊かな1次産業
の恵みを生かした食品産業を産業振興計画において重点的に支援をしてまいりました。第3期産業振興計画において、食品製造業出荷額
の令和元年度
の目標を1,000億円以上に設定し、さまざまな取り組みを強化してきました。結果、御承知
のとおり平成29年には、既にこの目標を達成していただけでなく、10年後--これは令和7年になりますけれども、この目標をも既に達成しています。今後は、さらなる飛躍に向けて意欲的な目標を再設定されますことを期待しています。 さて、私は1期目
の4年間、食品産業
の振興については議会でたびたび取り上げさせていただきました。平成28年9月議会では、全国的に食品産業
の育成に力を入れる自治体がふえる中で、他県におくれをとることなく食品産業
の拡大再生産を継続していくためには、食品加工や流通
の技術研究を進めるとともに、民間へ
の技術支援、民間による加工品
の研究、試作、テスト販売、そして事業化までを一貫して支援する体制をさらに強化する必要があり、そのため
の拠点、新食品開発センターあるいはフード・オープンラボなど新たな施設整備
の提案をさせていただきました。 その実現には至っておりませんが、この4年間、本県では食
のプラットホーム
の設置から、工業技術センターによる技術支援
の強化、県版HACCP認証
の取得支援、そして食品ビジネスまるごと応援事業など、食品産業
の支援体制は大きく前進し、本県
の食品産業
の基礎体力も充実してきたことは、さきに述べた目標達成
の状況からも明らかだと思います。 今、第3期産業振興計画も最終年度を迎え、来年度以降
のさらなる挑戦に向けて
の戦略を練られているところだと思いますが、その中で食品産業支援拠点
の整備も検討していくことと伺っております。そこで、どのような拠点を想定している
のか、
産業振興推進部長にお聞きをいたします。
◎
産業振興推進部長(井上浩之君) 産業振興計画における、品産業
の振興に向けたさまざまな取り組みとその成果を土台にしまして、食料品製造業出荷額等
のさらなる増加に向けて、本県
の食品産業がもう一段上
のステージを目指していくためには、産学官
の連携によります食品産業
の総合的な支援拠点について検討していく必要がある
のではないかというふうに考えておるところでございます。 この支援拠点
の機能といたしましては、これまで県が中心となって進めてまいりました食にかかわる一連
のサポートをワンストップで行うような機能に加えまして、特に乾燥や冷凍といった加工技術
のさらなる高度化や、新たな商品づくりに向けたさまざまな研究開発を支援する機能などが求められるものと考えております。また、そうした支援をてこに多く
の食品加工に係る実践者や研究者が集い、食に関するイノベーションを生むようなオープンラボ的な機能も考えられるところであります。 まずは、いま一度県内
の食品加工
の現状、そして課題をしっかりと分析した上で、こうした機能面について県内
の食品加工事業者
の方々、大学
の関係者など幅広く御意見をいただきながら検討を深めてまいりたいというふうに考えております。
◆7番(土居央君) ありがとうございました。次なる挑戦に向けまして、食品産業
の支援強化、また頑張っていただきたいと思います。用意した全て
の質問を終了いたしました。それぞれ
の御答弁本当にありがとうございます。 最後になりますけれども、知事におかれましては12年間、本当にお疲れさまでございました。高知県
のために全力疾走で12年間駆け抜けてこられた、そういう印象を持っております。 尾崎知事
の誕生
の折、私は市政に身を置く立場でございました。そして、私が議員になったときは前橋本県政、そして松尾市政でございました。その中で尾崎県政、そして岡崎市政
の誕生で大きく潮目が変わったということを実感してまいりました。特に、県と市
の堀が埋まりまして、随分と県市
の連携が前進した、そういうことを強く肌で感じてきたことを覚えております。大変な時代
の中で、本当に難題に敢然と立ち向かい、前例
のない道を歩み出そうとする気概、そして有言実行
の行動力には大変感銘を受けてきたところでございます。 知事
の今後ますます
の御活躍を心から祈念をいたしまして、私
の全質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑名龍吾君) 以上をもって、土居央君
の質問は終わりました。 ここで午後3時55分まで休憩といたします。 午後3時47分休憩
----------------------------------- 午後3時55分再開
○議長(桑名龍吾君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一問一答による議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 依光晃一郎君
の持ち時間は50分です。 16番依光晃一郎君。
◆16番(依光晃一郎君) 尾崎県政最後
の質問者ということになりました。23番目
の登壇ということで、普通に質問をしては屋上屋を重ねてしまうと思います。そこで、お許しをいただきまして、未来
の高知県民や研究者が尾崎県政を理解するために役立つ質問をという意図を持って、質問をさせていただきたいと思います。 未来
の高知県民や研究者にとって、尾崎県政は成果を上げた県政という評価になると思いますが、実は政策的な岐路があり、失敗を恐れ無難な道を選んでいれば、令和元年
の高知県は今とは違ったみじめな高知県であった可能性さえあったということが明らかになればと思います。また、正しい選択肢を選び取ったという意思決定プロセスも未来
の県政に受け継いでいただきたいとも思います。知事、副知事を中心に質問させていただきますが、後世
の研究者にとっては、御答弁が一級資料になりますし、また教育委員会
の歴史副読本にもエピソードが採用されるかもしれませんので、しっかりと御答弁をよろしくお願いいたします。 まず最初に、尾崎県政が誕生した平成19年冬
の高知県
の状況を思い出してみたいと思います。橋本大二郎知事
の最後
の4期目4年間は、県議会で
の辞職勧告決議議案可決、出直し選挙が初年度にあり、議会も県民も選挙を通じて分断された不安定な状態であったと思います。また、橋本県政4期目は平成15年冬から
のスタートで、大企業、製造業を中心とした日本
の景気回復が19年まで続いていく時期と一致していながら、その恩恵を受けることができなかったという、景気回復
の流れから取り残された4年間でもありました。不出馬を表明した橋本知事は、後継候補を出すという動きもありましたが、結局不調に終わり、次
の高知県
のかじ取り役はどうなる
のだろうと県民
の心配が高まる中で、尾崎知事が名乗りを上げ、圧倒的な県民
の支持を得て高知県知事に就任されます。 この質問をつくりながら、そういえば尾崎知事は1回目
の選挙で何を訴えていた
のかと思い、当時
のリーフレットを見返してみました。そこにはおなじみ
の対話と実行という文字とともに、力を合わせて高知に活力をという言葉がありました。力を合わせてというフレーズは、選挙を通じて分断されていた高知県にとって、県民
の希望になった
のではないかと思います。 また、尾崎県政最初
の12月県議会、初登壇
のときにこういう発言もありました。「県勢は下向きにあると言われていますが、私は決して悲観をしておりません。なぜなら、高知には豊かな自然を初め歴史や文化、そしてすばらしい人々とすばらしい資源がたくさんあるからであります。高知
の強みを伸ばしていくことで、この4年間を、県勢を上向きに転じる輝かしい期間にしたいと思います。そして、そのために積極的な対話を通じて人と人、民間と行政、地域と地域など
のつながりを築くことで人々
の力を結集して、活力あふれる高知を目指してまいります」というものでした。私は、積極的な対話、人々
の力を結集という言葉はとても重いものだと感じます。 まず最初に、尾崎県政
のキーワードである対話と実行
の対話、特に人々
の力を結集してという初登壇時に述べられた思いについて知事にお聞きをいたします。
◎知事(尾崎正直君) 私は、12月に就任させていただいたとき、12年前でありましたけれども、そのとき正直申し上げて強烈な危機感を持っておりました。さまざまな県勢指標を見ましたときに、高知県が全国最下位レベルと言うにとどまらないものがある、要するに全国は上向いていても高知だけはついていけていない、もっと言いますと、四国
の他県は上向いていても高知だけはついていけていないというものが多々あったという状況でありました。これだけ厳しい状況ということであれば本当に力を合わせて、みんな
の力を結集して対応していくことが必要な
のだろうと、そのように思わさせていただいたところであります。 そういう意味において、国政
の与党、野党を超えて、国政野党
の皆様方にも一緒に力を合わせていただいて、本当に心から感謝を申し上げているところであります。また、あわせまして、市町村政と
の連携・協調という点においても力を合わせていただきたい、そのことをお願いして、その実現もいただき、また多く
の県民
の皆様方にも大変お力を賜りました。 このように、力を結集する、そのためにもまず大事なことは対話をすることだ、そういうことで対話と実行、力を合わせて高知に活力をということを当時
のキャッチフレーズにさせていただいたところでありました。ある意味、危機感
の裏返しであったと、そのようにも思わさせていただいておりますし、また力を合わさせていただくということについて、本当に多く
の皆様
の御協力をいただいたことに感謝を申し上げたいと、そのように思います。
◆16番(依光晃一郎君) 次に、対話を通じて県民
の知恵を集め、人々
の力を結集してつくり上げた産業振興計画についてお聞きをいたします。 産業振興計画はバージョンアップを繰り返し、今年度で第3期ver.4となっております。先月17日にフォローアップ委員会を傍聴させていただきましたが、順調に進化を続けていると感じました。この産業振興計画は、知事就任後すぐに動き出します。知事就任から2回目
の議会である平成20年2月議会で、産業振興計画を策定するため担当
の副部長やワーキンググループを新たに設け、地域
の方々や地域支援企画員、出先機関
の職員と
の連携を強化するほか、ブランド化戦略を部局横断的に検討するため庁内
の連携体制と事務局体制
の充実を図りますと述べられ、スピード感を持って県庁を尾崎流
の組織に変えていきます。年度がかわり、平成20年4月には総務省から恩田馨部長が着任し、6月から受田浩之高知大学副学長を委員長とした産業振興計画
の検討委員会がスタートします。この平成20年は激動
の年となった
のではと思います。 ネットで産業振興計画検討委員会と検索していただけば、第1回
の会議
の概要を今でも見ることができる
のですが、各委員が本気で議論をしております。特に、数値目標についてどう取り扱うかという議論は、高知を何とかせねばという委員
の熱意が伝わってきました。 また、当時
の政策推進課がつくった産業振興計画
の策定についてという資料も公開されている
のですが、次
の記述があり驚きました。それは、「数値目標を設け、PDCAを行い得るものとする。その際、生産額や雇用といった指標
のほか、地域
の良さをアピールできる指標も併せて検討する。」というものです。民間だけではなく、取りまとめをする高知県庁にも、数値目標とPDCAサイクルについて
の意識が最初からあったことがわかります。この数値目標
の設定とPDCAサイクル
の導入は尾崎県政
の大きな特色ですが、県庁という大きな組織で導入する際には、大変なアレルギーがあった
のではと想像します。 数年前、当時
の総務部長であった恩田さんにお聞きをした
のですが、産業振興計画策定時期には幹部職員
のストレスも大きくて、現在
の形で
の産業振興計画ではなく、妥協をした、もっとレベル
の低い計画になった可能性もあったということでした。私は、産業振興計画という
のはスムーズにでき上がり成果を上げたという評価ではなくて、当時
の県庁職員
の皆さんによる産み
の苦しみがあったということをしっかりと残しておくことが、今後
の高知県政にとって、また未来
の県庁職員にとっても有益だと信じています。 そこで、産業振興計画検討委員会
の時期に総務部副部長で、初代
産業振興推進部長であった岩城副知事に、産業振興計画
の産み
の苦しみなど、策定前後
の状況についてお聞きをいたします。
◎副知事(岩城孝章君) 知事が就任して、平成20年度に産業振興計画を実際につくり上げていく時期には、私は総務部副部長ということで、そのときは企画振興部が各産業部局を集めて計画
の策定をしておりました。総務部副部長はちょっとそれを傍観するという立場にありまして、産み
の苦しみについては正直詳細なことはわかっておりません。ただ、大変な作業をしているということだけはわかりましたし、こうした難しい仕事を誰が実行していくんだろうかというような思いで見ておりました。 ただ、産業振興推進部で仕事をするようになって、その後いろいろ勉強させていただいたとき、その当時、産業振興計画を策定する以前は、やはり各産業分野それぞれにビジョンや計画はございましたが、その目指す方向や目標年次も全くばらばらといったような状況でございました。 産業振興計画
の策定に当たりましては、こうした全くばらばら
の状況を同じベクトル
のもとに一つ
の計画として、しかも関係団体
の御意見を聞きながら短い時間で策定する必要があり、今振り返れば、これまで
の県庁
の仕事
の中でも最も難しい仕事
の一つであった
のではないかというふうに思っております。 また、計画
のスタート後は、計画をよりよいものにするとともに、大きな成果を上げるためにインプットだけではなくアウトプットやアウトカムにこだわり、部局間
の連携
の徹底やPDCAサイクルによる取り組み状況
の点検、検証を四半期ごとに実施するなど、それまでと仕事
の仕方が大きく変わり、戸惑う職員も多かったんではないかと思いますが、知事
のリーダーシップ
のもと、職員も日々成長してきました。 もう一つ、大変ありがたい
のは、知事
の初めて
の政策、看板政策ということで、県議会議員
の皆さん方、関係企業
の皆さん方、また多く
の県民
の皆さん方に大変いろんな形で
の御助言とかをいただきました。そのことがPDCAサイクルを回していく上でいろんな形でそういうことを参考にして取り組んだ結果、現在産業振興計画
の成長につながっているんではないかというふうに思っております。
◆16番(依光晃一郎君) ありがとうございました。先ほどお聞きしただけでも相当
の業務量があって、また仕事
のやり方が変わっていくということで、民間であっても数値目標という
のは怖いものであって、なかなか大変だったろうなというふうに思います。 さて、このような状況
の中で産業振興計画が策定できたという
のは、私は高知県庁
の職員
の能力が極めてすぐれていたからだという仮説を立てております。先ほども述べましたように、数値目標
の設定やPDCAサイクルという
のは、民間企業であれば当たり前ですが、単年度予算で動く行政ではアレルギーが強い
のではと思っております。県庁として、スタート時から数値目標
の設定とPDCAサイクル
の導入を決めていたことに関して、改めて敬意を表したいと思います。 このPDCAサイクルですが、高知県庁でいつから使われるようになったかと疑問が湧き、高知県議会
の会議録検索システムを使って調べてみました。私
の想像では、産業振興計画が策定された後にPDCAサイクルが使われるようになった
のだろうと想像して検索した
のですが、結果は意外なものでした。初めて
の登場は平成17年12月定例会で、高知県行政改革プランにかかわることで登場します。つまりPDCAサイクルという概念は、尾崎県政以前
の橋本県政時代から使われていた
のです。 また、総務部
の中に業務改革推進室という部署があり、橋本県政で行われていた県庁職員
の定数削減、民間へ
の県庁業務
のアウトソーシングなど
の業務を通じて、PDCAサイクルや数値目標
の設定ということに対して
の意識が醸成されていた
のだと推測いたします。つまり、尾崎知事
のリーダーシップを実現できるスキルが県庁職員にあったからこそ、産業振興計画がスムーズに実行に移せたという仮説です。 産業振興計画策定時において、県庁職員にPDCAサイクルや数値目標に対して
の理解と能力があったからこそ、困難を乗り越えて産業振興計画がスタートできたという私
の仮説についてどうか、尾崎県政誕生時
の平成19年に業務改革推進室長であった岩城副知事にお聞きをいたします。
◎副知事(岩城孝章君) 行政改革プランで平成17年12月、議員がおっしゃられるようにPDCAサイクルという言葉がございました。その当時、この行政改革プラン
のまさしく実行部隊であった業務改革推進室長という立場で、職員
の削減であるとか、あるいは事務システム、総務事務システムを手がけておりました。 ただ、こういう言葉はございましたけれど、私自身これをしっかり回していくというような意識は、申しわけないですけれど、そのときはございませんでした。私だけかと思って、ちょっとその当時一緒に仕事をした吉村観光振興部長、鎌倉健康政策部長に確認しましても、2人ともそういう意識はなかったということでございます。言葉としては認識はしておりました。 加えて、現議長
の桑名議員から平成19年6月議会で、PDCAサイクル、アクションプランではあるけれど、PとDはやっているけれど、CとAは全くやっていないじゃないかという御指摘がありました。PDCAサイクルに関しては、その当時はそういうような状況で、やはり産業振興計画が始まって以降、職員にそれが浸透していったということだというふうに思っております。
◆16番(依光晃一郎君) 私
の仮説は間違っておったということでしょうが、議会で桑名議長
の指摘があったというように、議会側はしっかり議論しておったということがわかりました。けれど、私はそれでも能力はあったんだろうと思っております。 次に、産業振興計画検討委員会で
の御苦労についてもお聞きをしていきます。このことについては、検討委員会
の委員長をお務めになり、その後
のフォローアップ委員会でも委員長をお務め
の高知大学副学長、受田浩之教授にお聞きをしました。受田先生によると、第1回
の検討委員会が特に印象的と
のことでした。なぜかというと、当時
の高知県工業会
の会長、技研製作所
の北村社長が、産業振興計画策定について真っ向から反論したからだそうです。 そこで、ホームページにあった第1回高知県産業振興計画検討委員会
の概要という資料を読んでみると、D委員として登場する北村社長が、歴代
の知事も産業振興について
の計画をつくってきたが結局成果は出ていないではないかという意見を述べられています。また、資料に詳細は載っていませんが、受田先生
の記憶によると、北村社長から、新しくつくろうとしている計画も結局は成果が出ないだろう、むしろその分
の予算を技研製作所を含む地場企業に投資をしてくれたなら、県が目指す製造品出荷額
の目標を達成してみせるというような発言があったようです。私
の想像ですが、当時
の高知県工業会所属
の企業は補助金など
の支援が届きにくく、歴代県政へ
の不信感があり、加えて高知県民特有
のお上を嫌ういごっそう気質から、けんか腰
の意見となった
のではと思います。 また、橋本県政においても、高知県産業振興センターを中心に地場産業支援はやっていたと思いますが、技研製作所
のような企業へ
の支援は手薄で、県
の優先順位は企業誘致など県外企業に向かっていた
のかもしれません。橋本県政
の製造品出荷額ピークは平成7年
の7,055億円で、13年後
の平成20年
の時期においては、まだ一発逆転で大企業
の誘致を実現させたいという成功体験を引きずった思考だった
のではと想像します。ちなみに、平成7年は三菱電機高知工場1社だけで958億円を占めていました。 念
のため、北村社長についてフォローをさせていただくと、技研製作所
の平成30年8月期決算
の売り上げは、291億4,000万円ということでした。先ほど述べたエピソード
の時期である平成20年決算
の売り上げが127億5,000万円ですので、高知県
の製造品出荷額にも大きく貢献しているということで、当時
の発言は自信
の裏返しであった
のだと思います。また、数年前から高知県は防災産業
の育成に力を入れていますが、東日本大震災後
の高知県
の販売支援は技研製作所
の売り上げに貢献し、社長
の県政へ
の意識も変わったことと思います。 前置きが長くなりましたが、産業振興計画検討委員会で
の御苦労という話に戻ります。北村社長が述べられていたように、歴代知事
の産業振興について
の総合計画づくりが失敗し続け、また高知県民
のいごっそう気質は全県的な総合計画に不向きであるにもかかわらず、オール高知
の総合計画を策定できたことは、高知県政始まって以来
の奇跡的な快挙であると感じます。 この高知県工業会会長と
のバトル
のようなことが検討委員会
の時期には幾つかあったと思いますが、このとき
の苦労を振り返ってどう感じておられるか、知事にお聞きをいたします。
◎知事(尾崎正直君) 確かに、産業振興計画をつくっておるとき、さらにつくっても一、二年ぐらい
の間という
のは、一言で言うと、さんにかけてもらっていなかった、だから大変苦労しました。フォローアップ
の策定委員会で議論をさせていただくときもしくは県民
の皆様とも話をしていて一番苦労した
のは、多く
の方から、どうせ絵に描いた餅だろうと、つくって終わり
の産振計画、それならつくらないほうがいいんじゃないかとか、そういう御意見という
のはたくさんいただいたところでありました。なので、そうではないと、つくって本当に実行しますということを言うために、当時
の産業振興計画
のキャッチフレーズは、当たり前
のことなんですけれど、本気で実行でありました。それをいつも言っていました。そういう形で何とか信じていただこうと苦労したことを覚えております。 もう一点は、地産外商、これは無理だろうと、そういう御意見もたくさんありました。もっと言いますと、昨日も申し上げたかと思いますけれども、東京から帰ってきたばかりで偉そうなことを言うなと、東京に売り込みに行こうとしてもそれができないから、なかなか地産外商なんていう
のは進まないんじゃないかと、そういう御意見もたくさんいただきました。そういう意味において、この地産外商困難論という
のもたくさんお話をいただいたところです。 ただ、そうやって、北村社長もそうですけれども、厳しく言っていただく方、厳しく批判していただいた方こそ、後々いろんな形でアドバイスをいただきました。地産外商
の地に産するものを生かすべきだという思想を徹底して、いろんな具体論も含めて御教授いただいた
のが北村社長でもありましたし、先ほど言った地産外商は無理だ、もっと言うと絵に描いた餅論、そんなことを言われた方に限って多く
のお知恵をいただいた、本当に感謝を申し上げたいと思います。 ただ、もう一個ありまして、第1回目
のフォローアップ委員会でも議論した点でありましたけれども、実は若干アプローチ
の仕方に違いがあって、そこ
の議論という
のは非常に大きかったと思っています。実は、ゴールを設けて数値目標を一定設けるということについては、昔からある程度はやっていたと思います。ただ、問題はその数値目標を設けても、それを実現するため
の具体
の手法がない、政策がない、そういう場合が非常に多かったと、私には思えました。ですから、個々個別
の課題についてしっかり分析をして、何を解決していくべきな
のか、川上においてどうか、川中においてどうか、川下においてどうか、それをまずしっかり分析することから始めるべきだと、私は当時盛んに言わせていただいていました。 ですから、一個一個、個別
の分析へ
の対策みたいになっていって、どちらかというと支流はあるが本流がないとかとよく言われたり、そういう御批判も受けたりしたものでありました。ただ、やはりまずその個々個別
の分析というところから始めないと、実際に大きな目標を立てても、その目標達成
のため
の具体
の手段という
のが浮かび上がってこない
のではないか、そう考えて、地味なことではありましたけれども、個々個別
の各ポイントについて
の分析をしてもらったということでありました。 そういう手法に対して、そうではなくて大きな目標を先に掲げていくべきではないかという御議論も結構あったりしまして、そのとおりなんですけれど、ただそうなるため
の前段として個々
の分析をやらせてほしいということを盛んに当時申し上げていたところであります。最終的に個々
の分析に基づいた大きな数値目標を掲げられるようになった
のは第2期産振計画からでありまして、それから明確にマクロ
の目標、アウトカム目標という
のを定めています。それまでは多分アウトプット目標までだったと、そういうふうに思っております。
◆16番(依光晃一郎君) 本当に真剣に議論されていたことが伝わりますし、もっと聞いてみたいこともあるんですが、時間がなくなってきますので進みたいと思います。 ここまで産業振興計画策定
の御苦労話を聞き続けていますが、このことにはわけがあって、私も似た経験があるからです。少しだけ私
の経験をお話しさせていただきたいと思います。今からさかのぼること15年前
の平成16年から2年間、土佐経済同友会で地域経済活性化委員会
の委員長を務めさせていただきました。ミッションは、高知県
の産業振興策について
の提言をつくることです。当時
の日本銀行、迫田高知支店長が音頭取りで、高知県企業、金融機関、大学などから、そうそうたるメンバーが集い、当たりさわり
のない人選ということで20代
の私が委員長となりました。県からは、産業振興センター
の専務理事であった田中拓美さんに来ていただいておりました。 当時は小泉内閣
の三位一体改革
の時期で、公共事業が削減され、高知県内でお金が回らなくなってきており、国に頼らずみずから稼げる県にしなければならないという問題意識から、熱心な議論が続きました。今から考えれば、尾崎知事
の産業振興計画を先取りした議論を4年前にしていた
のではとも思います。 さて、私が委員長を務めた
のは2年間で、次
の委員長は渋谷日銀高知支店長にお願いをしました。渋谷支店長は、尾崎知事就任以来、定期的に意見交換をされていたので、尾崎知事はよく御存じであろうと思います。渋谷日銀支店長が同友会
の委員会で導入した
のが、SWOT分析とマトリックス分析
の併用という方法論でした。簡単に説明すると、高知県
の産業ごとに、強み、弱み、機会、脅威をそれぞれ分析して1つ
の表にまとめるというものです。 委員会では、農業分野、林業分野などと、それぞれ分野ごとに講師をお迎えして、強み、弱み、機会、脅威について順番に検討していきました。この検討
の過程で、農業分野
の講師として、後に産振計画フォローアップ委員会委員長となる受田先生を御推薦してくれた
のが、県
の田中拓美さんでした。田中さんは、当時はまだ県庁
の中でメジャーな意見とはなっていなかった、食品加工業
の振興を粘り強く主張されていた方です。 最終的に、高知県経済活性化
の方向性と活性化に関する提言として、尾崎知事が就任される年
の8月に、橋本知事宛てに提出をしました。御興味
のある方は、土佐経済同友会
のホームページでダウンロードできますので、ごらんいただければと思います。ちなみに、私は書記となっていますが、ロジ周りをやっていた書記で、提言文章は全く書いておりません。 この提言では、優先・重点的に取り組む分野として、1、第1次産業
の再編とその周辺加工業
の振興、2、健康サービス産業
の振興、3、観光振興
の3つを挙げております。特に、提言にある第1次産業
の再編とその周辺加工業
の振興については、尾崎知事
の産業振興計画において、食品加工業
の振興ということで花開いた
のではと思います。また、SWOT分析とマトリックス分析
の併用という方法論についても、産業振興計画
の策定時に役立った
のだと理解をしております。 私は、尾崎知事
の産業振興計画において、食品加工業に力を入れていただいたことを大変評価しております。さきにも述べましたが、過去
の高知県政、商工分野においては、県外
の大企業誘致が花形である一方で、食品加工業にはほとんど力が入っていなかったように感じます。しかし、尾崎県政となって食品加工業に光が当たり、そして地産外商戦略
の中で、高知県内
の地域地域で商品開発が進み、大きな広がりとなったということは非常に意義あることに感じます。 そこで、尾崎知事になってから光が当たった食品加工
の分野についてどういった思いで支援してきた
のか、知事にお聞きをいたします。
◎知事(尾崎正直君) 私は地産外商という話をさせていただきました。もっと言いますと、持てる強みを生かすということが大事だろうと思っています。地域によっては企業誘致、これが非常に強みだという地域もあると思います。ただ、高知
の場合は、例えば災害リスクとかということもあり、必ずしもそれが例えば関東北限にある県とか、そういうところに比べれば優位ではないというところがある、他方で1次産業ということでいけば、比較優位があります。また、資源
の賦存量が非常に多いという点もあると思います。比較優位があって資源
の賦存量
の多い産業を生かせという
のが経済学
の道理ということかと思います。ですから、1次産業を基幹として、その派生関連産業
群を生かすという
のが産業振興計画
の一番原型となったところ
の考え方であって、地に産するものを生かして外で商うというものに、その地産
の強化という点はまさに今言った産業分野を指すということであります。 ですから、1次産業
の関連産業
群という
のは食品加工
の分野ということになるわけでありまして、そういう意味において、この食品加工という
のは戦略的に非常に重要な産業だろうと、そういうふうに思ったところです。裾野も広い産業でありますし、非常に重要、あわせて観光業についても自然と食を生かす観光、そういうことにつながっていく。高知
の場合、それに歴史も加わっていくわけですけれども、そういう意味において派生関連産業
群として有用ということだと考え、重点的な対象とすべきと、そのように考えたところです。 そういう中において、経済同友会
の高知県経済活性化
の方向性と活性化策に関する提言、これは私も参照させていただいて、大いに参考にさせていただいたところです。ここにある考え方という
のも、持てる強みを生かそうではないかということ、一言で言えばそういうことだったろうと思います。これは大きな戦略的な転換だった、そういうことを示す提言だったんじゃないかと思います。本当に私も大いに学ばさせていただいて、産業振興計画
の策定に当たらせていただいたということであります。
◆16番(依光晃一郎君) ありがとうございました。同友会
の提言
のときに、自分は全く役に立ってなかったわけなんですけれど、印象的だった
のが、高知を何とかしたいという県外
の支店長さん方が本当に応援してくれて--今観光特使で日銀
の支店長を含めて残っておりますけれど、そういった県外
の方が応援してくれたことに高知県民も触発されて頑張って提言を出したということはひとつ御紹介しておきたいと思います。 次に、食品加工業を支えた人材育成についてお聞きをいたします。先ほど御紹介した受田先生は、土佐経済同友会
の提言で書かれた、第1次産業
の再編とその周辺加工業
の振興という項目について
の御示唆を与えてくれただけではなく、産業振興計画
の食品加工業
の振興についても御貢献があった
のだと認識しております。特に、平成20年にスタートした高知大学
の土佐フードビジネスクリエーター、通称土佐FBCという産業人材育成
のプラットホームをプロデュースされました。この土佐FBCは、高知県企業からも社員さんを積極的に集め、企業
の食品加工に対する技術レベルを向上させ、加えて販売戦略という経営的な視点も講義
の中に盛り込んだことから、企業
の人材育成にも寄与しました。また、土佐FBCを一緒に学んだという人的ネットワークは、高知県企業同士
の連携や、オール高知で地産外商をしていく際
の大きな力になったことと思います。 また、この土佐FBC
の成功は、土佐まるごとビジネスアカデミー、通称土佐MBA
の設置につながりました。産学官
の連携という言葉が言われて久しいですが、高知県においては、知
の拠点、永国寺キャンパスも整備され、社会人が学ぶ場として、またIT・コンテンツ産業に関する新たなプログラムがスタートしたりと、尾崎県政を通じて新たな付加価値を生み出す体制が整ってきました。 そこで、本日は特に高知県
の強みをさらに強くするため
の食品加工業
の人材育成について今後どのように取り組んでいってほしいか、知事にお聞きをいたします。
◎知事(尾崎正直君) この人材育成事業は、必ずしも食品加工
の分野だけにとどまってスタートしたものではなくて、むしろ地域アクションプラン、これを何とか進行させていきたいという中で、平成22年に「目指せ!弥太郎商人塾」を開設したことがスタートであります。そして、これをさらに発展させて、特に事業戦略づくりとか
のお役に立ちたいということで、平成24年に土佐まるごとビジネスアカデミーという形で展開をしていったということであります。 その中において、食品加工は重点産業対象分野であるということ、さらにあわせて人材育成が非常に重要であるということ、その分野においてもですね、その点においてこの土佐FBC
の取り組みについては大いに我々として参考にさせていただいたし、そもそもこの人材育成
の重要性を教えていただいた事業であります。今はまるごとビジネスアカデミーとも一体となって取り組ませていただいております。 平成29年度に食
のプラットホームを設置させていただいて、さらに取り組みを進めていっているわけであります。30年度にはIT・コンテンツアカデミーも開設をさせていただきました。人材育成事業そのものをさらに充実していきますとともに、人材育成事業で学んだことを例えば試すこと
のできる場、先ほど土居議員
の御質問にもありましたけれども、そういう場があることが非常に重要ではない
のかなと、そういうふうに思っております。 もう一段ハイスペックな、もう一段競争力
のあるさまざまな取り組みにつなげていくためにも、人材育成と、そして挑戦をすること
のできる場、この2つをつくっていく、これが大事ではないかなと、そういうふうに思っています。
◆16番(依光晃一郎君) 次に、SWOT分析とマトリックス分析
の併用という方法論が、産業振興計画策定時にどういった影響を与えたかについてお聞きをしていきます。 私は、この方法論は同友会
の提言から、受田先生を通じて産振計画に影響を与えたと考えています。 さて、産業振興について
の実効ある総合計画が過去
の歴代知事によって実現できなかった理由は、農、林、水産、商工、観光と主要な5つ
の産業を一まとめにして議論する際に、一般的な方法論がなかったからだと思います。加えて、高知県
のいごっそう気質に原因があり、おらがおらがで自分
の意見を主張するばかりで、他人
の意見に耳をかさず、結果として横
の連携と情報共有が進まず、当事者以外は無関心ということで、議論がすぐに壁にぶち当たったからだと分析しています。この主要5つ
の産業を一まとめに分析し、いごっそう気質を打ち破って、情報共有、他者理解を深める方法として、SWOT分析とマトリックス分析
の併用という方法論にたどり着けた
のは、高知県にとってブレイクスルーであったと思っております。 高知県
の産業振興計画は、国
のまち・ひと・しごと創生総合戦略策定にもつながっていきますが、高知県が全国1番目に策定したということから見ても、高知県
の議論が先進的であったことは間違いありません。しかし、最近では、個別
の産業ごと
のPDCAサイクルを回すこと
のウエートが大きくなり過ぎて、SWOT分析
の定期的な検証がおろそかになっている
のではと感じます。 例えば、高知県がIT・コンテンツ産業
の集積を目指し、新たな強みに変えようとして、アプリ開発コンテストなど
の施策をやっている
のであれば、横
の連携を発揮し、健康長寿政策課
の高知家健康パスポートアプリや危機管理防災課
の防災アプリなどを、高知県企業を育成する視点で、開発コンテスト
のようなビジネスチャンスを生み出す取り組みができなかったかと思います。 私は、産業振興計画で雇用をつくり人口を維持していくためには、時代に合った効果的な戦略を立案し続ける必要があると思っております。また、高知県
の産業振興に貢献する人材育成についても、高知県がどういう前提で戦略を練ったかという、思考プロセスがわかるSWOT分析とマトリックス分析に基づいた資料があれば、人材を生み出し続けていけると思います。 そこで、SWOT分析とマトリックス分析
の併用という方法論で、高知県
の産業
の強み、弱み、機会、脅威について分析した資料や手法を、産業振興計画
の理解を深めるためや人材育成
のために活用する考えはないか、
産業振興推進部長にお聞きをいたします。
◎
産業振興推進部長(井上浩之君) 本県
の厳しい経済状況を抜本的に変えていくためには、本県
の強みをいま一度見詰め直すとともに、弱みを洗い出した上で社会経済状況
の変化を捉えつつ、強みをさらに生かし、弱みをも強みに転ずることが重要であり、この計画
の策定段階からSWOT分析とマトリックス分析
の併用、いわゆるクロスSWOT分析を用いまして、計画
の方向性を検討してまいりました。以後、計画
のバージョンアップ
のたびにこのクロスSWOT分析を重ねてきておりまして、その内容は毎年度計画
の総論編にも記載をしているところであります。加えて、移住や観光
のようにマーケティングがより重視をされます分野については、具体的な施策
の検討に当たって、クロスSWOT分析を積極的に活用しているところであります。 こうした分析は、その分析手法を学び、みずからが分析し、その分析結果からとるべき方策を導き出すことが重要であり、事業者
の方々
のマーケティングや事業戦略づくりに用いられるものであります。このため県では、県内
のものづくり企業
の事業戦略や食品事業者
の輸出戦略など
の策定支援にこの手法を導入するほか、土佐まるごとビジネスアカデミー
の経営戦略コースにおいて、この手法を学ぶ講座も実施しているところであります。 今後、産業振興計画における分析結果も活用しながら、そうした手法を学び、実践する場
の充実に努め、人材育成にもつなげてまいりたいと考えております。
◆16番(依光晃一郎君) ありがとうございました。 次に、尾崎県政が生み出した新たな連携についてお聞きをしていきます。尾崎県政
の特徴は、産業間、県庁部局間
の壁を越えて新たな連携を生み出したことであると思います。私は、哲学的な奥行きさえ感じる高知家というコンセプトにも注目したいと思います。この高知家については平成25年6月からスタートしておりまして、私は直後
の9月議会で最上級
の敬意を表して議会質問をさせていただきましたが、今でもその思いは変わりません。 高知家バッジはこれまで約38万個流通しているとお聞きしましたが、高知県民が自腹でお土産として県外に配ったり、高知家
のTシャツをふだん着として着て日常的にPRしたりと、高知家というコンセプトに高知県民として
の誇りを託している
のではとさえ思ってしまいます。 また、高知家
のキャッチフレーズは、産業振興分野だけではなく、部局
の垣根を越えて教育委員会や健康政策、福祉政策でも使われております。これだけ広く使われるキャッチフレーズは全国的にも珍しい
のではと思います。私は、この尾崎県政で生まれた高知家というコンセプトは、県民性をよくあらわした最高傑作であると思っておりますし、今後
の県政でも使い続けてもらいたいと思います。 この高知家というコンセプトについてどういった感想を持っている
のか、知事にお聞きをいたします。
◎知事(尾崎正直君) 私は、初めて知事室でこの高知家という
のを見させてもらったとき、本当にこれはすばらしいと、直感的に思いました。高知県民
の皆様
の優しさとか温かさとか、そういうものを本当に端的にあらわした言葉だなと思って、結果として今38万個
のピンバッジが出ているわけであります。さらに、高知家
のロゴを利用した商品、255件だそうでありますけれども、本当に多く
の皆様にいろんなシーンで使っていただいています。ありがたいことだなと、こういう形で県民
の皆様に浸透いただいたことについてもありがたいことだと、そのように思っています。
◆16番(依光晃一郎君) 次に、リーダーとして
の尾崎知事
の特徴についてお聞きをしていきます。私が今後、人に、知事としてどんな特徴がありましたかと尾崎知事に対して聞かれたならば、一つ一つ
の政策
の論理性を求め、結果にコミットメントした知事だったと答えたいと思います。政治家として
の口癖は、PDCAサイクル、数値目標、パス回し、5W1H
の4つが思い浮かびます。 そこで、尾崎知事は、PDCAサイクル、数値目標、パス回し、5W1Hというようなキーワードで大きな県庁組織を動かしていったと思いますが、どういったことに気を配ってきた
のか、お聞きをいたします。
◎知事(尾崎正直君) 特に産業振興計画
のような経済政策
の場合
の重要な点、ほか
の政策においても重要なことだろうと思いますけれども、大きく言いますと5つ
の点に気をつけてまいりました。 第1、必ず政策において明確な理念を掲げて目標を設定すること、目指す姿というものを設定するということ。そして第2に、それにかかわる数値目標というものを到達点とゴール、両方含めて設定をするということ。これが非常に重要ということであります。 そして第3に、いわゆるパス回しにかかわると、もっと言えばストーリーをつくるということにもなろうかと思います。もっとブレークダウンして言わせていただきますと、システム全体で考えて、川上、川中、川下全体でその政策を論じて、それぞれ
のボトルネック、そして牽引役は何かを見出し、ボトルネックを解消し、牽引役を育てるような政策をつくるということ。 そのことをそれぞれに展開しようとし、さらにあわせて経済効果をそれぞれ
の地域に波及、県内全域に波及させていくという観点から、第4ということになりますけれども、いわゆるネットワークをつくるということを非常に意識してまいりました。例えば、中山間対策では3層構造
の政策
群をつくるんだと、集落活動センターをつくったりして地域にも効果が及ぶようにする、そういうことなども心がけてきたところであります。 近年は、いわゆるイノベーションを生み出していくようなプラットホームをできるだけつくっていこうということも、あわせて意識をしてきたところであります。パス回しにかかわる部分、すなわちストーリーにかかわる部分ということで言わせていただければ、システムを見る、ネットワークをつくる、プラットホームをつくる、この点について意識して政策形成に取り組んできたところであります。 そういう形で政策についてつくり上げていったら、それを各部署部署に5W1Hという形で割り振っていくということが大事であって、その上でもってPDCAサイクルを回すということが大事だろうと思っています。このことをずっと展開してきたということかと、そのように思っています。 職員
の皆さんそれぞれ、私が言わなくてもどんどんどんどん取り組みを進めてくれるようになって、ありがたいことです。産業振興計画
の、一番最初つくったとき
のパンフレットという
のが今手元にありますけれども、22ページしかありません。今、第3期産業振興計画
のver.4がありますけれども、90ページあります。でも、これは1冊にとじること
のできる限界がこれぐらいだから90ページでとどまっているんであって、実際中身で言えばもっともっと分厚いだろうと思っています。22ページを90ページまでに持っていってくれた、みんながいろんな知恵を練ってくれたからでありまして、感謝申し上げたいと、そのように思います。
◆16番(依光晃一郎君) 次に、東京事務所
のパワーアップについてもお聞きをいたします。 尾崎県政
の特色として忘れてはいけない
のが予算獲得
の力です。知事はドリルと称されることもありますが、論理的に政策を練り上げ、予算
の必要性を訴えて、予算を獲得していくやり方をされました。昔
のように国
の人口も予算もふえる時代であれば、ふえた予算を国会議員が陳情してくる地方に分配するというシステムだったかもしれませんけれども、今では人口減、予算減
の時代として、陳情ではなく予算獲得
のために論理性を磨いて政策提言をした、このことに力を発揮した
のが東京事務所で、知事就任後に組織が拡大され、その存在意義は拡大し続けております。 そこで、尾崎県政となって東京事務所
の役割や機能がどう変わってきた
のか、知事にお聞きをいたします。
◎知事(尾崎正直君) 1つ目は、政策提言
の拠点であります。そして2点目は、地産外商
の拠点であります。この2つ
の役割を果たしてもらいたいということで、機能
の強化を図ってまいりました。 後にこの地産外商については、それぞれ
の組織がさらに引き継いでいくことになります。地産外商公社とか、ものづくり地産地消・外商センターとか、そういう形に展開していくわけでありますが、いまだに東京事務所はそのバックアップをする役割を果たしてくれているところであります。本当に高知にとってはなくてはならない組織だと、そういうふうに思っています。
◆16番(依光晃一郎君) ありがとうございました。本当に東京事務所
の皆さんも頑張られて、知事がどんどんどんどん知事として
の役割があって、そのこともサポートされたということで、本当に東京事務所
の皆さんにも感謝申し上げたいと思います。 次に、商工会、商工会議所についてお聞きをいたします。 商工会、商工会議所は、その設立以来、地域
の事業者
の経営などに助言、支援する第一線
の機関として、地域
の事業者とともに地域経済
の維持・発展に大きく貢献してきています。しかしながら、地域においては、人口
の減少や廃業
の増加などによる事業所
の減少により、組織
の維持が難しくなる商工会、商工会議所も発生するような状況でした。 そうした中、平成29年には県内
の商工会などで補助金
の返還問題という残念な出来事がありましたが、県ではこの問題なども契機とし、商工会などを取り巻く現状や果たすべき役割などを整理し、補助要件
の大幅な見直しなど、商工会などへ
の支援を充実してきています。このことは、地域経済
の維持・発展に向けた知事
の熱い思いや強いリーダーシップ
のもとで、全国的にも進んだ取り組みがなされてきたものと認識をしております。 今後とも、人口減少が続く中で地域
の商工業
の振興を図るために、さまざまな課題を抱える地域
の事業者に一層寄り添った対応が求められると考えますが、これから
の商工会や商工会議所に期待されることについてどのように考えておられるか、知事にお聞きをいたします。
◎知事(尾崎正直君) 商工会、商工会議所はこれからも地域経済
の発展に大きな役割を果たされるだろうと、そのように御期待を申し上げているところであります。1つには、各事業者
の皆様方に対する伴走支援を行うという役割、経営計画
の策定とか、さらには後継者
の確保とか、今後もさまざまな取り組みをされることと思います。そしてもう一点は、地域全体を盛り上げていくような役割、地域
の商店街全体として
の活性化策を講じられるとか、そういうお仕事も大変意義は大きいであろうと、そのように思わさせていただいております。 いずれ
の取り組みについても、県として産業振興計画
の枠組み
の中で、例えばスーパーバイザー、経営支援コーディネーター
の配置でありますとか、さらには商店街
の振興策
の策定支援でありますとか、そういう取り組みなどを通じて、ともに取り組みをさせていただければと、そのように考えさせていただいております。
◆16番(依光晃一郎君) ありがとうございました。商工会
の補助金返還
の問題、このときにはいろいろと自分も調査をしたんですけれども、全国的に50%
の組織率という
のは高いハードルであった
のが、尾崎知事
のリーダーシップによって変えられたというようなことを聞きました。これは、本当に国
の政策にドリルで穴をあけたような、そんなイメージを持っております。ありがとうございます。 最後に、山田高校
の新学科開設に向けたPRについてお聞きをいたします。 高知県立山田高校は、令和2年4月から新たな学科を設置し生まれ変わります。新たに設置される
のはグローバル探究科で、商業科はビジネス探究科にパワーアップ、加えてこれまで
の普通科を含めて3学科でスタートします。私は、高知県で初めて
の探究を冠した学科に期待しておりまして、変化し続ける時代を切り開いていける人材育成ということで、高知県
の教育にも一石を投じる高校になると信じております。 私は、新しい学科
のスタート時にはそれなり
の生徒数でスタートしていただきたいと思いますし、中学生にも親御さんにも新しい学校について知らせる必要があると思います。 そこで、山田高校
の新学科開設に向けたPRについてどのように考えている
のか、教育長にお聞きをいたします。
◎教育長(伊藤博明君) 山田高校
のグローバル探究科、ビジネス探究科
の開設に向けたPRにつきましては、まず学校が主体となりまして、ホームページとかパンフレット
の作成、配布はもちろん
のこと、香美市、香南市、南国市
の全て
の中学校を訪問、それから7月にオープンスクールを開催といったようなことを既に実施しております。また、あした3日には一日体験入学を開催することになっておりまして、約210名
の中学生が参加するというふうにお聞きしております。 加えて、県教育委員会としましては、中学生向け
の公立高校紹介冊子
の配布
のほか、11月22日には高知市、23日には香南市で探究科設置
の成功例として全国に広く知られております京都市立堀川高校
の元校長で、中央教育審議会分科会委員などを歴任されております荒瀬克己先生をお招きして、探究学習
のシンポジウムを開催する予定となっております。 また、11月に県内民放で放送予定
のテレビ
の広報特別番組
の中でも、山田高校
の探究学習
の取り組みを紹介させていただくということで、今後も香美市などにも御協力いただきながら、学校と県教委とが協力してPR活動を行っていきたいというふうに考えております。
◆16番(依光晃一郎君) ありがとうございます。 山田高校に関しては、知事も政策提言
の発表を聞いていただいて、そのことがあった
のかどうかですけれど、文部科学大臣表彰を山田高校がとりまして、また地域協働本部もやっぱり大臣表彰をいただきました。そういう意味では、本当に人材育成としても産業振興推進部にも大変お世話になりながらできたということで、ぜひとも教育委員会
のさらなる支援をお願いしたいと思います。 きょうはこんなに時間が足らなくなると思いませんで、結構はしょりながらやってしまいまして、お聞き苦しかったかとも思います。私としては、スーパースター
のような尾崎知事がいなくなっても、技術であったりノウハウであったり、それを引き継ぐことでしっかりとした県政をやっていけるように、議会も当然予算をしっかりと通す立場でありますので、PDCAサイクルも見ていきたいと思います。 知事、副知事に本当にいろいろな苦労話も聞きたかったんですが、このことはまた公文書館ができるとかいろいろありますんで、そこで研究したらおもしろい
のかなと思います。また、いろんなノウハウとか--高知県
の中で、県庁おもてなし課という小説があって映画化もされましたけれども、もしかしたら産業振興計画もですね、何か将来、高知県から日本を変えたというようになれば、またそういう小説が生まれドラマになったらうれしいなと、そういうふうにも思っております。また、タイトルもいろいろあるかと思いますが、尾崎知事とそれを支えた県庁
の職員みたいなタイトルになったら、知事
の12年間
の苦労も報われるんではないかなと思います。12年間本当にお疲れでございました。 以上で、私
の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(桑名龍吾君) 以上をもって、依光晃一郎君
の質問は終わりました。 以上で、議案に対する質疑並びに一般質問を終結いたします。
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△決算特別委員会
の設置
○議長(桑名龍吾君) 日程第3、
決算特別委員会設置の件を議題といたします。 お諮りいたします。平成30年度
の決算を審査するため、この際、10名
の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、第15号及び第16号並びに報第1号から報第23号まで、以上25件
の議案を付託
の上、この審査が終了するまで議会
の閉会中も継続審査することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と言う者あり)
○議長(桑名龍吾君) 御異議ないものと認めます。よって、10名
の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、第15号及び第16号並びに報第1号から報第23号まで、以上25件
の議案を付託
の上、審査が終了するまで議会
の閉会中も継続審査することに決しました。 なお、お諮りいたします。ただいま設置されました決算特別委員会
の委員
の選任については、委員会条例第5条
の規定により、1番土森正一君、3番今城誠司君、9番浜田豪太君、16番依光晃一郎君、20番三石文隆君、22番山崎正恭君、25番大石宗君、27番田所裕介君、29番大野辰哉君、33番岡田芳秀君、以上
の諸君を指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 (「異議なし」と言う者あり)
○議長(桑名龍吾君) 御異議ないものと認めます。よって、ただいま指名いたしました10名
の諸君を決算特別委員に選任することに決しました。
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△議案
の付託
○議長(桑名龍吾君) これより議案
の付託をいたします。 (議案付託表配付)
○議長(桑名龍吾君) ただいま議題となっている議案
のうち、第1号から第14号まで、以上14件
の議案を、お手元にお配りいたしてあります議案付託表
のとおり、それぞれ所管
の常任委員会に付託いたします。 〔議案付託表 巻末390ページに掲載〕
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△議員派遣に関する件、採決(議発第1号)
○議長(桑名龍吾君) 御報告いたします。 議員から議案が提出されましたので、お手元にお配りいたしてあります。その提出書を書記に朗読させます。 (書記朗読) 〔議発第1号 巻末394ページに掲載〕
○議長(桑名龍吾君) 日程第4、議発第1号「議員を派遣することについて議会
の決定を求める議案」を議題といたします。 お諮りいたします。ただいま議題となりました議案については、提出者
の説明、質疑、委員会へ
の付託、討論を省略し、直ちに採決することに御異議ありませんか。 (「異議なし」と言う者あり)
○議長(桑名龍吾君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。 これより採決に入ります。 議発第1号「議員を派遣することについて議会
の決定を求める議案」を採決いたします。 本議案を原案
のとおり可決することに賛成
の諸君
の起立を求めます。 (賛成者起立)
○議長(桑名龍吾君) 全員起立であります。よって、本議案は原案
のとおり可決されました。
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○議長(桑名龍吾君) 以上をもって、本日
の議事日程は終了いたしました。 お諮りいたします。明3日から9日まで
の7日間は委員会審査等
のため本会議を休会し、10月10日に会議を開きたいと存じますが御異議ありませんか。 (「異議なし」と言う者あり)
○議長(桑名龍吾君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。 10月10日
の議事日程は、議案
の審議であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。 午後4時50分散会...