高知県議会 > 2018-09-27 >
09月27日-02号

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  1. 高知県議会 2018-09-27
    09月27日-02号


    取得元: 高知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成30年  9月 定例会(第345回)        平成30年9月27日(木曜日) 開議第2日-----------------------------------出席議員       1番  金岡佳時君       2番  下村勝幸君       3番  野町雅樹君       4番  上田貢太郎君       5番  今城誠司君       6番  久保博道君       7番  田中 徹君       8番  土居 央君       9番  浜田豪太君       10番  横山文人君       11番  加藤 漠君       12番  坂本孝幸君       13番  西内 健君       14番  弘田兼一君       15番  明神健夫君       16番  依光晃一郎君       17番  梶原大介君       18番  桑名龍吾君       19番  武石利彦君       20番  三石文隆君       21番  浜田英宏君       22番  土森正典君       23番  西森雅和君       24番  黒岩正好君       25番  池脇純一君       26番  石井 孝君       27番  大野辰哉君       28番  橋本敏男君       29番  前田 強君       30番  高橋 徹君       31番  上田周五君       32番  坂本茂雄君       33番  中内桂郎君       34番  中根佐知君       35番  吉良富彦君       36番  米田 稔君       37番  塚地佐智君欠席議員       なし-----------------------------------説明のため出席した者  知事         尾崎正直君  副知事        岩城孝章君  総務部長       君塚明宏君  危機管理部長     酒井浩一君  健康政策部長     鎌倉昭浩君  地域福祉部長     門田純一君  文化生活スポーツ部長 門田登志和君  産業振興推進部長   井上浩之君  中山間振興・交通部長 川村雅計君  商工労働部長     近藤雅宏君  観光振興部長     吉村 大君  農業振興部長     笹岡貴文君  林業振興・環境部長  田所 実君  水産振興部長     谷脇 明君  土木部長       村田重雄君  会計管理者      中村智砂君  公営企業局長     北村 強君  教育長        伊藤博明君  人事委員長      秋元厚志君  人事委員会事務局長  金谷正文君  公安委員長      西山彰一君  警察本部長      小柳誠二君  代表監査委員     植田 茂君  監査委員事務局長   麻岡誠司君-----------------------------------事務局職員出席者  事務局長       弘田 均君  事務局次長      川村文平君  議事課長       横田 聡君  政策調査課長     織田勝博君  議事課長補佐     飯田志保君  主幹         浜田百賀里君  主査         宮脇 涼君-----------------------------------議事日程(第2号)   平成30年9月27日午前10時開議第1 第1号 平成30年度高知県一般会計補正予算 第2号 平成30年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計補正予算 第3号 平成30年度高知県流域下水道事業特別会計補正予算 第4号 平成30年度高知県電気事業会計補正予算 第5号 平成30年度高知県病院事業会計補正予算 第6号 高知県養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例議案 第7号 高知県介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例議案 第8号 高知県地方活力向上地域における県税の不均一課税に関する条例の一部を改正する条例議案 第9号 高知県行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用並びに特定個人情報の利用及び提供に関する条例の一部を改正する条例議案 第10号 高知県立幡多看護専門学校の設置及び管理に関する条例等の一部を改正する条例議案 第11号 高知県病院等の人員及び施設に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案 第12号 高知県立足摺海洋館の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案 第13号 高知県住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例議案 第14号 高知県建築基準法施行条例の一部を改正する条例議案 第15号 高知県が当事者である和解の申立てに関する議案 第16号 高知県が当事者である和解の申立てに関する議案 第17号 新足摺海洋館飼育設備工事請負契約の締結に関する議案 第18号 浦戸湾東部流域下水道高須浄化センターの消化槽設備工事委託に関する協定の締結に関する議案 第19号 高知新港荷役機械整備工事請負契約の締結に関する議案 第20号 高知警察署庁舎新築建築主体工事請負契約の締結に関する議案 第21号 和食ダム本体建設工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案 第22号 浦戸湾東部流域下水道高須浄化センターの消化槽工事委託に関する協定の一部を変更する協定の締結に関する議案 第23号 平成29年度高知県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関する議案 第24号 平成29年度高知県工業用水道事業会計未処分利益剰余金の処分に関する議案 報第1号 平成29年度高知県一般会計歳入歳出決算 報第2号 平成29年度高知県収入証紙等管理特別会計歳入歳出決算 報第3号 平成29年度高知県給与等集中管理特別会計歳入歳出決算 報第4号 平成29年度高知県旅費集中管理特別会計歳入歳出決算 報第5号 平成29年度高知県用品等調達特別会計歳入歳出決算 報第6号 平成29年度高知県会計事務集中管理特別会計歳入歳出決算 報第7号 平成29年度高知県県債管理特別会計歳入歳出決算 報第8号 平成29年度高知県土地取得事業特別会計歳入歳出決算 報第9号 平成29年度高知県災害救助基金特別会計歳入歳出決算 報第10号 平成29年度高知県母子父子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算 報第11号 平成29年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第12号 平成29年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計歳入歳出決算 報第13号 平成29年度高知県農業改良資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第14号 平成29年度高知県県営林事業特別会計歳入歳出決算 報第15号 平成29年度高知県林業・木材産業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第16号 平成29年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算 報第17号 平成29年度高知県流域下水道事業特別会計歳入歳出決算 報第18号 平成29年度高知県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算 報第19号 平成29年度高知県高等学校等奨学金特別会計歳入歳出決算 報第20号 平成29年度高知県電気事業会計決算 報第21号 平成29年度高知県工業用水道事業会計決算 報第22号 平成29年度高知県病院事業会計決算 報第23号 平成30年度高知県一般会計補正予算の専決処分報告 議発第1号 高知県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例議案第2 一般質問   (3人)-----------------------------------   午前10時開議 ○議長(土森正典君) これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △質疑並びに一般質問 ○議長(土森正典君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、第1号「平成30年度高知県一般会計補正予算」から第24号「平成29年度高知県工業用水道事業会計未処分利益剰余金の処分に関する議案」まで、報第1号「平成29年度高知県一般会計歳入歳出決算」から報第23号「平成30年度高知県一般会計補正予算の専決処分報告」まで及び議発第1号「高知県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例議案」、以上48件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問をあわせて行います。 通告がありますので、順次発言を許します。 13番西内健君。   (13番西内健君登壇) ◆13番(西内健君) おはようございます。自由民主党の西内健でございます。議長のお許しを得ましたので、自由民主党を代表して質問に入ります。 初めに、6月定例会以降に発生した7月豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震においてお亡くなりになられました方々の御冥福を心よりお祈り申し上げます。また、被災された皆様に対しまして心からお見舞いを申し上げます。 今回の7月豪雨では、岐阜から鹿児島までの14府県で死者が220人を超え、被害の大きかった広島、岡山、愛媛の3県で死者の9割を占めて、本県においても3人の方がお亡くなりになりました。土砂崩れや河川の氾濫が各地で相次ぎ、堤防の決壊が発生し、孤立した集落や家屋などに取り残された人々が続出しました。 気象庁によりますと、今回の大雨は、本州付近に停滞した梅雨前線に、南から大量の水蒸気を含んだ空気が継続的に流れ込んだために生じ、雨が長期に、しかも広範囲に及んだのは、積乱雲が帯状に連なる線状降水帯が同時多発的に発生したためと発表しました。近年激しさを増す雨の降り方を国土交通省は新たなステージと呼んでおり、これまでの常識が通用しなくなっていることを再認識する必要があります。 県内においても、5つの河川で氾濫危険水位を超えるなど、多くの河川で異常な増水を記録し、安芸川では堤防が崩壊して氾濫寸前となり、安芸市市街地が浸水する可能性もありました。県が管理する道路では、のり面や路側の崩壊のため51路線、85区間が通行どめとなり、高知自動車道上り車線の立川橋が土砂崩壊によって崩落しました。経済被害では、農業分野で約26億円、林業分野で約213億円、水産業では約7億円の被害が発生しました。 近年の頻発する集中豪雨や台風などの異常気象に対応するために、高知県では常設の豪雨災害対策推進本部を立ち上げることとしました。 この豪雨災害対策推進本部の体制や組織、また今後の取り組みについて知事にお伺いします。 台風や集中豪雨が頻発する近年において、被害によるダメージが蓄積し、連続する災害により大きな被害を招く危険が高まっています。平成25年に制定された国土強靱化基本法では、主に低頻度大規模災害が発生した場合における、経済社会システムが、国土の強靱性を確保する上で事前に備えるべき目標を定めています。近年の高頻度で発生している台風や豪雨災害の規模によっては、地域の経済社会システムの機能が停止または消失するおそれが高まっていることから、これまで以上に高頻度で発生する災害に対応した強靱性の確保が必要であると考えます。このため、通常の社会資本整備と異なった国の予算も必要で、例えば、かつての全国防災事業のような予算枠の確保も重要ではと考えます。 高知県として、高頻度で発生する災害にも対応した、強靱化を図るための財源の確保にどのように取り組まれるのか、尾崎知事にお伺いします。 7月豪雨では、岡山県を初めとする全国において、避難情報が出ても避難せず、もしくは避難がおくれたため被災するケースが多くありました。私も、地域の声を聞く中で、高齢者にとっては、避難所のトイレの洋式化が進んでいないことなどがハードルとなり、避難をちゅうちょするケースが多いと感じるところでありました。 今回の災害においては、避難所の環境に関する課題が改めて全国で話題となりました。公民館や体育館などの床で横になる生活を続けていると、エコノミー症候群になるおそれや、人の出入りによる泥やほこりから呼吸器障害を起こすおそれもあります。内閣府はこうした点を踏まえ、平成28年に定めた避難所運営ガイドラインで、継続的な避難者には簡易ベッドの確保をと促しています。 今回、岡山県倉敷市では、事前の段ボール業界との防災協定に基づいて、避難者全員分の段ボールベッドの配給を要請したとのことです。高齢者や障害者、妊婦さんなど、さまざまな人が避難所には集まることから、ベッドだけでなく、トイレなどの避難所環境の改善が待たれるところであります。 今後の避難所の環境改善に向けた県の取り組みについて危機管理部長にお伺いします。 今回大きな被害を受けた岡山県真備町や、かつての東日本大震災、熊本地震において、被災者は避難所から仮設住宅への生活に移行していきます。南海トラフ地震が発生した場合、県内では多くの避難者が家屋の流失などに遭うことから、その後の仮設住宅での生活を余儀なくされることと予想されます。これまでの大規模災害においては、事前に土地の確保や予定地を想定していなかったため、仮設住宅の建設がおくれたケースが多かったとのことであります。 森林率の高い我が県において、災害拠点の整備などをあわせて進めていく必要もあり、南海トラフ地震を想定した仮設住宅の設置予定地として、廃校のグラウンドや公共空地などを視野に入れて、選定しておく必要があると思います。 今後の大規模災害を想定した仮設住宅の建設候補地について土木部長の御所見をお伺いします。 他県では、大量の土砂や流木が流れてきて、大きな被害が発生したケースが今回あり、砂防堰堤などのハード整備の必要性や、早目の避難の重要性が改めて認識されたところであります。 本県でも、ソフト対策とハード対策を一体として土砂災害対策を進めていると聞いているところですが、7月豪雨による土砂災害への対応状況と今後の土砂災害対策について土木部長にお伺いします。 北海道胆振東部地震では、震源に近い厚真町にある北海道電力の苫東厚真火力発電所の緊急停止が引き金となって、道内全域の295万戸への電力供給がとまり、ブラックアウトと呼ばれる大停電が起こりました。病気や障害のある人、また高齢者や乳幼児にとって停電は命にかかわり、救命活動や安否確認の際の支障にもなります。スマートフォンなどの携帯機器によって情報を得ている現代のデジタル社会にあっては、機器の充電ができないことは発災時における行動が制限されることにつながります。 ブラックアウトは、電力の受給バランスが崩れ、1つの発電所の停止がほかの発電所に連鎖し広域大停電に至ることから、電力会社が恐れる事態であります。東日本大震災直後には、東京電力はブラックアウトを回避するために計画停電を実施しました。災害時のブラックアウトを避けるためのベースロード電源である原発の再稼働を考えてはとの議論や、地方自治体で大規模な蓄電池などの整備を行うべきとの議論も出ています。 本県においては、南海トラフ地震に備えて、こうしたブラックアウトを起こさないために、電気事業者にしっかりと取り組んでいただかなければならないと考えますが、一方で、原因は何であれ、広範囲で発生する停電に備えた需要側の取り組みが必要となってくると考えます。 発生頻度の高い一定程度の地震、いわゆるL1クラスの南海トラフ地震発生時における、高知県内の電源確保の取り組みについて危機管理部長にお伺いします。 次に、国内政治についてお伺いします。 日本を取り巻く国際環境に目を向けますと、本年6月12日にシンガポールにおいて、トランプ米大統領と金正恩朝鮮民主主義人民共和国委員長による米朝会談が行われました。トランプ大統領と金正恩委員長は、新たな米朝関係や朝鮮半島での恒久的、安定的な平和体制を構築するため、包括的な意見交換を行いました。トランプ大統領は、朝鮮民主主義人民共和国に安全の保障を与えると約束し、金正恩委員長は、朝鮮半島の完全な非核化に向けた断固とした揺るぎない決意を確認し、共同声明を発表しました。しかしながら、朝鮮半島の非核化への道は明確な道筋が見えておらず、2度目の米朝会談を行うことが先日発表されましたが、朝鮮半島情勢の先行きは不透明なままです。 米中関係においては、トランプ大統領が中国による知的財産権の侵害を理由に、第1弾として7月6日に中国からの輸入品に対し818品目、340億ドル、関税率25%の追加関税措置を発動し、中国も同規模の報復関税を発動。8月23日には第2弾として160億ドルの同様の措置がとられました。そして、今月24日に第3弾として、これまで以上の2,000億ドル、関税率10%の措置を発動すると発表いたしております。 これらの措置は、貿易や投資で米中と密接な関係を持つ日本経済へも大きな影響を及ぼすものと予想されますが、米国は残る輸入品全てに追加関税を課すことも検討しており、米中貿易摩擦は収束の気配が見えてきません。米国の孤立主義を批判する論調も多い中、双方の経済力と不可分である安全保障を含む覇権争いであることから、今後の両国の対立は継続する可能性が大きいとする声もあります。 また、ロシアとの外交においては、プーチン大統領からの前提なしの平和条約締結の提案がありましたが、領土問題の解決がない条約締結は、これまでの日ロ交渉からはのめる条件ではなく、ロシア外交においても今後の対応が重要になります。日本を取り巻く国際環境はますます混迷の度合いを深めており、外交において大国に囲まれた日本にとって、ますます難しいかじ取りが求められる時代となっています。 国際環境が大きく変動する中、先日9月20日に自民党総裁選挙が行われました。経済政策では安倍首相は、アベノミクスによる成果として、地方での有効求人倍率の上昇や若い就農者がふえていることを強調し、引き続きデフレからの完全な脱却を図り、名目GDP600兆円の達成を目指す考えを示しました。一方、石破氏は、アベノミクスによる大企業の好景気が地方に波及するとの考え、いわゆるトリクルダウンを否定し、地方の中小企業や農林水産業の成長強化を重視する考えを示しました。そのほかにも、外交、憲法改正、災害対応などにおいて政策論議が行われました。 結果は、国会議員票で安倍氏が329票、石破氏が73票を、地方票では安倍氏が224票、石破氏が181票で、合計で553票を獲得した安倍氏が3選を果たしました。我が高知県を含む10県で石破氏が安倍氏を上回ったことで、当初大きな劣勢に立たされていた石破氏の健闘をマスコミは伝えました。安倍氏が勝利し3選を果たしたことで、今後しばらくは安倍政権が継続することとなりました。 今回の自民党総裁選の結果を受け、これまでの安倍政権に対する評価と、今後の安倍政権に対し何を期待するのか、尾崎知事にお伺いします。 今回の総裁選において、合区解消に係る憲法改正についても論議がなされました。本年7月に公職選挙法が改正され、来年夏の参議院選挙において、小選挙区2増、比例区4増の定数増となる選挙制度に改められ、比例において、各党が事前に定めた順位に従い当選者を決める拘束名簿式が一部に導入されました。この特定枠により、高知・徳島、鳥取・島根の合区対象県で、選挙区候補が擁立されない県の候補者が、比例候補として救済されることが可能となりました。 しかしながら、今回の改正は暫定的な措置として受けとめるべきもので、今後も同様の制度が続くことは、県としての代表を出せなくなる我が県などにおいては、国政に地元の声を届けることができない状態が続きます。1票の格差是正との矛盾を抱える中、合区解消を行うためには、憲法改正による方法が一番だと考えます。 合区解消に向けた思いや全国知事会などの動きについて尾崎知事の御所見をお伺いします。 今定例会には、尾崎県政として最大規模の総額280億円強の9月補正予算案が計上されています。県債残高は、7月豪雨の対応等により増加はするが、南海トラフ地震対策を含む必要な投資事業を実施しても、中期的には近年の水準を維持できる見込みとのことであります。また、大規模事業等に必要な経費を見込んでも財政調整的基金の残高の確保が図られ、安定的な財政運営の見通しであるとのことであります。ただ、本県の財政運営は地方交付税制度などの国の動向に大きく左右されることから、今後も慎重な財政運営が望まれます。 地方交付税の見通しを踏まえ、今後の財政運営について総務部長にお伺いします。 次に、障害者雇用についてお伺いします。 8月17日に、国土交通省や総務省など国の中央省庁において、障害者の雇用割合が40年以上にわたって水増しされ、法律で定められた目標を大幅に下回っていたという報道がなされ、連日のようにこの問題が取り上げられています。また、県や市などの全国の地方公共団体においても、同様の実態が次々と報道されています。 8月28日に政府から公表された再点検結果では、国の27の行政機関で、合計3,460人の水増しがあったとされています。こうした状況を受け、同日に開催された、公務部門における障害者雇用に関する関係閣僚会議において、今回の事態について、再発防止策と障害者雇用推進に向けた検討がなされ、地方公共団体に対し、障害者雇用の状況について調査が行われているところです。本県においても、一昨日の発表によると、障害者手帳を持っていない職員を対象に含めていた結果、平成29年度は法定雇用率2.3%に対し2.04%、平成30年度は法定雇用率2.5%に対し2.07%と、実際は法定の障害者雇用率を達成できていないとのことであります。 知事の提案説明では、これまでの国からの通知などの解釈やプライバシーへの配慮から、毎年度の障害者手帳の確認を行っていなかったが、水増しの意図はなかったとの説明がありました。 そこで、まず障害者雇用に関する今回の事態に関し、改めてなぜこのような状況になっているのか、どこに問題があったのか、どう対応すべきであったのかという点について知事にお伺いいたします。 私としましては、これまで本県においては障害者の方を積極的に採用しており、採用された障害者の方も庁内のさまざまな場所で活躍されるなど、障害者雇用については相当の努力をしてきたものと考えています。しかしながら、今回県が行った調査の結果、法定の障害者雇用率を達成できていないということは、残念としか言いようがありません。もちろん、障害者雇用の対象が手帳を持っている方だけでよいのかという議論があることも承知をしています。しかしながら、知事の提案説明にもあったように、県民の模範となるべき県庁としては、対象者を適切に把握した上で、法律で定められた目標を達成することが求められていると考えます。 障害のある方もそうでない方も協働・共生していける社会に向けて取り組みを進める県として、こうした状況を解消し、定められた目標を達成するために今後どのように対応していくのか、知事にお伺いします。 議会開会日の9月20日に、平成30年度高知県優良建設工事施工者表彰が行われました。知事賞5件、優良賞10件が表彰され、施工写真を見て、本当に丁寧な仕事がなされているのを見てとることができました。 産業振興計画に取り組んでいる本県経済の発展には、今後も道路や港湾など社会資本整備が欠かせません。また、建設業は、南海トラフ地震や近年頻発する豪雨災害等に対する地域防災力のかなめであり、地域の雇用や経済を支える基幹産業でもあります。しかしながら、20年近くにわたる公共工事費の削減とともに、就業者の高齢化と若年入職者の減少などから、今後の事業継続や将来に対する不安をよく耳にします。 平成26年に施行されたいわゆる改正品確法の基本理念として、公共工事の品質確保と、その担い手の中長期的な育成・確保の促進が掲げられています。その実現のために、発注者の責務として、建設業者の適正な利潤の確保、ダンピング対策として低入札価格調査制度や最低制限価格制度の導入、計画的な発注、適切な工期の設定や円滑な設計変更が明確化されました。 高知県においても、労務単価や諸経費の改定に対して速やかに連動することで、予定価格の適切な設定を行っていますが、近年の落札状況を見ると、調査基準価格や最低制限価格近くでの落札がほとんどであり、建設業者はその金額において適正な利潤を上げることができているのか、少し疑問に感じるところであります。県内の調査基準価格は88%前後である中、他県においては90%を超える場合や、地域の実情により設定されている場合もあります。 高知県における予定価格の設定及び調査基準価格についての御所見を土木部長にお伺いいたします。 県では、一般競争入札の対象工事において、工事の特性に応じて企業評価型や技術提案型などの総合評価方式を採用して、約10年が経過しました。同種・類似工事の実績の有無や、先ほど述べました優良工事表彰の有無などの技術力評価と、地域内拠点や地域ボランティアの有無などの地域性・社会性評価において配点がなされ、工事の特性ごとに評価される項目が異なっています。総合評価方式の効果としては、技術力の高い受注者が落札することで、品質の向上やコスト縮減、工事の品質確保に対する意識向上が図られ、公正な受注競争による不良不適格業者の排除につながるといったことが挙げられます。課題としては、入札手続における発注担当者及び技術提案に係る受注者の負担が大きくなることや、評価項目における評価の配点などの設定が難しい点などが挙げられます。 高知県においても、これまで評価の配点などを工夫しながら制度の運用を行っていますが、約10年経過した現在、総合評価方式の現状や今後の取り組みについて土木部長にお伺いいたします。 また、建設業の安定経営のため、県では端境期対策や発注の平準化を進めています。平成30年度当初の端境期対策の実績について土木部長にお伺いいたします。 今回の補正予算では276億円の豪雨災害対策が行われます。また、市町村においても同様に災害復旧工事が発注されることが予想されることから、発注時期の調整など、市町村との連携も必要だと考えます。既存の公共工事も含め、今後の入札における不調・不落対策をどのように行うのか、土木部長にお伺いします。 次に、建設業の働き方改革についてお伺いします。県内建設業においても、4週6休や4週8休に取り組む事業者も出てきており、今後も若年入職者の増加を図るためにも、この傾向は続いていくものと思われます。しかしながら、建設作業員の中で日給により雇用されている方々は、休みよりも少しでも多く働いて所得を得たいと考える人も多く、一定の所得をどのように保障していくかが働き方改革の成功につながります。そのため、労務費の割り増し設定や工期の延長など、発注者として勘案すべき事項もあります。 今後の建設業の働き方改革に対する県の取り組みについて土木部長にお伺いします。 次に、地域医療構想についてお伺いします。地域医療構想は、2025年の医療需要を踏まえて、高度急性期、急性期、回復期、慢性期から在宅医療に至るまでの医療提供体制を構築し、将来にわたり県民が安心して安全な医療を受けることのできる体制が整備されることを目指すものです。 閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2018、いわゆる骨太の方針2018において、2025年の地域医療構想実現に向け集中的に検討することが、県に対して要請をされています。今回の骨太の方針では、個別の病院名、転換する病床数などの具体的対応方針を集中的に検討し、2018年度中の策定を促進すること、公立・公的医療機関について、地域の民間医療機関で担うことができない高度急性期・急性期医療や不採算部門、過疎地域等の医療提供等に重点化するよう医療機能を見直し、これを達成するための再編、統合の議論を進めることなど多くが盛り込まれました。 これまでも、各医療圏域に設置された地域医療構想調整会議において、病院や医師会などの関係者で協議が行われてきましたが、今後は構想実現に向け、より加速する必要があるかとも思います。これまでの取り組みと今後の対応について健康政策部長にお伺いします。 次に、地域医療構想と政策の両輪をなす地域包括ケアシステムについてお伺いします。医療・介護・福祉等のサービス間で連携が十分でない場合があることや、各地域でサービス資源や取り組みの状況が異なっている現状において、ゲートキーパー機能を強化することで、各地域の医療・介護・福祉等の資源を切れ目ないネットワークでつなぐ高知版地域包括ケアシステムを推進することとしています。県全体を14ブロックに分け、今年度は6ブロックにおいて取り組むこととし、各福祉保健所単位で地域包括ケア推進監を配置しています。 地域包括ケア推進協議体の開催や各ブロック内でのさまざまな取り組みを通じて、現状の把握や課題の検討が行われていますが、現在の取り組みの状況と見えてきた課題について地域福祉部長にお伺いします。 地域包括ケアシステムの構築の鍵は、何といってもキーパーソンの育成にかかっています。地域包括ケア推進監により、今後はブロック内でシステムの構築が進むわけですが、システムと呼ばれていても現実は人的ネットワークであることから、人と人とをしっかりとつないでいく人材を地域内において育成する必要があります。 医療と介護の連携において、地域のキーパーソンとなるのがケアマネジャーという捉え方をしていますが、現状では医師との情報共有などが十分に行えていない場合があり、今後の地域包括ケア推進協議体などの場において、それぞれの関係者の連携をいかに図るかが重要であります。 高知版地域包括ケアシステム構築におけるキーパーソンの育成等についての今後の取り組みについて地域福祉部長にお伺いします。 また、県では地域包括ケアシステムを支える仕組みとしての、ICTネットワークシステムの整備を進めていく考えであります。昨年、危機管理文化厚生委員会で視察を行った新潟県佐渡島において、佐渡地域医療連携ネットワークシステム、さどひまわりネットについてお話をお伺いしました。システム構築に尽力された佐渡総合病院、佐藤院長との話の中で印象に残ったのは、ネットワークを有効に機能させるには、医療、介護、福祉、住民のそれぞれがネットワークの必要性を感じることだとおっしゃっていた点であります。 ICTネットワークシステムの導入を行うに当たり、県内全体で構築を図っていくのか、もしくは一部のモデル地域において成功事例を引き出し、その後で県内に普及を図るのかといった課題もあると思います。 今後のICTネットワークシステム構築に向けた考え方や取り組みについて健康政策部長にお伺いいたします。 次に、観光振興についてお伺いします。 来年2月から、「志国高知 幕末維新博」に続いて自然・体験型観光キャンペーンがスタートします。今回の自然・体験型の観光資源は中山間地域に多く存在していることから、このキャンペーンが中山間地域の活性化につながることに期待が持てるとのことであります。また、自然景観や伝統文化の体験を生かした観光は外国人に人気であることから、インバウンド観光の一層の推進を行うこととしています。 キャンペーンを成功に導くためには、全国の他の地域との差別化を図り、高知県の魅力をしっかりと伝える必要があります。 今回の自然・体験型観光キャンペーンにおいてどのように差別化を図り、効果的なPRを行っていくのか、観光振興部長にお伺いします。 地域の方々において日常に感じている自然の中に、観光客にとって非常に魅力的に感じる資源が多くあり、それらの資源をどのように発掘して利用していくのか、これがキャンペーンの成功につながります。外部の専門家などの意見や、これまで培ってきた食や歴史資源の磨き上げが重要であるとともに、地域住民の方々がそれらの資源の価値を十分に認識し、産業として活用する意欲が不可欠であります。住民のやる気と行政による側面支援がうまくかみ合っていくことで、持続的な地域の観光産業へと育っていきます。 はた博、東部博、奥四万十博といった地域博覧会を開催し、県内各地において、地域住民の方々の観光への意識は大きく変わったと思われます。また、それらの取り組みにおいて育ってきた、それぞれの地域における観光の担い手の方々との一層の連携が必要であります。 これまでに開催した地域博覧会の成果の検証と、今回の自然・体験型観光キャンペーンにおける連携への取り組みについて観光振興部長にお伺いします。 今議会において新足摺海洋館に関する議案が提出されています。また、隣接している爪白キャンプ場の整備も行われ、平成31年4月にリニューアルオープンが予定されています。新足摺海洋館の特徴として、目の前に広がる竜串湾や地域の自然と連動する一体感ある展示の実現や、地域の自然、体験、食、歴史を周遊させるクラスターの拠点としての機能が挙げられています。この地域にはほかにも環境省の竜串ビジターセンターも整備され、地域観光クラスターとして一体整備されることから、県西部における観光振興の起爆剤として大きな期待となります。 今後の竜串海洋観光のクラスター形成についての方向性について観光振興部長にお伺いします。 新足摺海洋館が開館すれば、当初は大きな集客を図ることができることでしょう。ただ、どのような施設も3年から4年経過すると陳腐化し、飽きがくることが常であり、建物のリニューアルや見せ方の変化といった工夫が必要になります。水族館において大型の水槽などの施設を入れかえることは非常にハードルが高く、リニューアルなどを念頭に置いた設計の工夫もあったと思われます。 新足摺海洋館の整備に当たり、設計における工夫等をどのように行ったのか、観光振興部長にお伺いします。 今月13日に、ジェットスター・ジャパン株式会社により、高知-成田、高知-関西の2路線が、12月19日からそれぞれ1往復就航することが発表されました。両路線1日1往復で、片道最安値は成田線が4,990円、関西線は3,990円で設定され、就航記念セールとしてカツオにちなんで、片道520円で計300席が販売されました。LCCの就航により、本県から首都圏や関西圏及び海外へのアクセスがより便利になり、県民の利便性が向上するとともに、経済面でも大きな効果が期待できます。また、成田や関空と直接結ばれることにより、インバウンド観光に対する貢献が大きくなると予想されます。 今回のLCC就航による観光振興や産業振興に対する期待を改めて尾崎知事にお伺いします。 LCC就航に伴い、影響を受けると予想されるのが高速バスであります。旅行者にとっては利便性が上がるわけですが、旅行需要の増加がない場合を考えると、競合路線である高速バスなどは大きな影響を受けることとなります。他県においては、LCCが就航した場合、高速バスの売り上げが約3割減少するといったデータもあり、今後は全体としての旅行需要の喚起に努める必要があると思います。 LCC就航による高速バスへの影響について中山間振興・交通部長にお伺いします。 次に、輸出振興についてお伺いします。 私は本年4月に、梶原議員、今城議員と一緒にシンガポールへ視察に行ってまいりました。日本資本のスーパーマーケットや百貨店などに限らず、現地資本の小売店の店頭にも、高知産の多くの食材が置かれていました。特に、ユズについては、ジュースやシャーベットなど、現地の食文化に欠かせないものとなっているのに大きな驚きを覚えました。また、レストランや居酒屋などでも、日本酒や魚を初めとする多くの食材が使用されていました。 現地のヤマト運輸との意見交換会では、シンガポールには1,400店余りの日本料理店があり、そのうち800店がレストランの形態で経営しており、水産物やお酒類など、日本産の利用が進んでいるとのことでした。日本産食材の主な調達先は日系商社、地元卸売業者、自社輸入に3分されており、小ロット多品種の輸入となるため、食材コストに物流コストが大きくのしかかることが、日本産食材の利用拡大のネックとなっています。物価が高いシンガポールにおいて、日本の食材や酒類は高価なものでありますが、シンガポールにおける評価の高さが、海外での日本の食材等に対する正当な評価のあらわれであるともお聞きすることができました。 高知県の食料品輸出額は、前年比3億3,000万円増の10億5,000万円余りとなり、今後も輸出拡大に向けての取り組みを一層図っていくとのことであります。 主要品目のユズや日本酒及び水産物などの輸出拡大に向けた今後の取り組みについて産業振興推進部長にお伺いします。 同じ本年4月に、桑名議員、野町議員とともに沖縄へ、ANA Cargoとヤマト運輸の視察に伺いました。四国島内の水産物などはヤマト運輸が集荷を行い、高松空港から沖縄の空港に運ばれ、冷蔵コンテナによって沖縄の空港から東南アジアの国々に配送されています。沖縄貨物ハブでは、施設内の税関検査エリアで24時間の通関体制を実現しており、また深夜発、翌朝到着という貨物専用機により、スピーディーな物流をアジアの主要都市に実現しています。 本県では、宿毛市の水産加工施設などが順調に稼働し始め、さらに来年には大型の水産加工施設の本格的な稼働も予定されており、今後は航空便だけでなく、高知新港の活用も視野に入れることも必要ではないかと考えています。 また、ユズや日本酒など、空輸によるコストを抑えるためには、高知新港と神戸港を結んでいるリーファーコンテナの一層の活用が輸出拡大につながるものと考えます。 現状及び今後の高知新港を活用した輸出拡大の取り組みについて土木部長にお伺いします。 次に、教育について質問をいたします。 特別の教科、道徳が、小学校では本年度から、中学校では平成31年度から実施をされます。特別の教科、道徳では、これまでの読み物資料に登場する人物の心情を理解することに重きを置いてきた点から、「考え、議論する道徳」への質的変換が求められています。この「考え、議論する道徳」をどのように実践するかが課題であり、道徳教育推進拠点校事業や道徳教育研究協議会などを実施することにより、教員の授業力の向上を図っています。教師の指導力向上と児童生徒の道徳性向上などの効果が期待されております。また、現場における課題の一つに、どのように評価を行うかが取り上げられてきました。 本年度から小学校で道徳科が導入されましたが、これまでの取り組みや見えてきた課題、及び来年度の中学校での導入も見据えた取り組みについて教育長にお伺いします。 道徳が教科化されたことは大いに評価するところでありますが、どこまで授業として教えることが可能なのか、私は少し疑問を感じます。教科書や副読本の活用や授業による会話の中で、一定程度は道徳を考え、議論することは可能でありましょう。しかしながら、教える教師の側に完璧な道徳者の姿を求めることは非常に酷なことであり、教師としてできることは、授業を行っている姿勢をどのように生徒に見せるかといったこと、要するに、先生の教える後ろ姿をどうやって見せるのか、私はそれが大事だと考えます。家庭においても、親の背中を見て子供は育つと言われますが、教師の教える姿勢が大切であり、極端に言えばそれを見せることが一番の道徳教育ではないでしょうか。 道徳とは、価値や規範といったものが何かを考えるものであり、歴史的に醸成されるものであって、法律や社会のルールの基礎をなすものであります。そういった中、本県における教職員の飲酒などの社会規範に反する不祥事が後を絶たないことは、非常に残念なことであり、大きな問題であると考えます。学校現場の繁忙化や教育現場を取り巻く環境の複雑化など、教職員のストレスは増加するばかりだと思われますが、やはり不祥事を起こすことはもってのほかであります。 教職員の不祥事防止に向けた取り組みと決意について、改めて教育長にお伺いします。 須崎工業高等学校と須崎高等学校が統合され、高吾地域の拠点校として、須崎総合高等学校が来春4月に開校します。統合に当たり、両校の生徒や保護者及び卒業生、また地域の皆様の御尽力に心より感謝を申し上げます。 統合までの過程の中で、学校のあり方や施設整備などに関して多くの意見が交わされました。校歌や校章、制服などに関して円滑に統合への準備が進む一方で、施設整備には課題が残されており、開校後に整備される予定の新通学路や、既存の通学路が非常に狭隘な生活道であることから、交通教育や道路改良などの必要性、またグラウンドの広さが十分でないことから、野球部などはこれまでの須崎高校のグラウンドを使用することになっているなど、開校後の施設や周辺環境の整備に対する生徒や保護者及び地域住民の方々の声も多く聞かれるところであります。 須崎総合高校の開校後における施設や周辺整備について教育長にお伺いします。 高知国際高等学校も平成33年4月に開校されますが、須崎総合高校とは共通の、また異なった、統合に向けての課題が多くあったことであります。 これらの課題を踏まえ、県立高等学校再編振興計画後期実施計画の策定にどのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いします。 7月24日に新図書館等複合施設オーテピアがオープンしました。開館からの来館者が20万人を突破し、目標とする年間来館者数100万人の達成も修正すべきではないかと思われる順調なスタートを切りました。オーテピアの整備は、東洋ゴム工業による免震装置ゴムのデータ改ざんによる影響により、開館時期が1年遅延いたしました。先日の新聞報道によると、高知市は遅延により発生した損害や費用について、約1億円を同社に請求するとのことであります。 県としても東洋ゴム社とさまざまな協議を行ってきたと考えますが、これまでに東洋ゴム社と行った協議及び損害や費用請求の内容について教育長にお伺いします。 最後に、県立大学の蔵書の除却処理についてお伺いします。 永国寺キャンパスに新たに整備された図書館への移転に当たり、約3万8,000冊の蔵書の除却を決定し、最終的に焼却処分を行っていたことが明らかになりました。18日には野嶋学長らが会見を行い、5年をかけて全教員の意見を聞きながら除籍本を選んだが、再利用に関しては学内の視点のみで、その結果多くの図書焼却に至ったとしました。今後、設置する高知県立大学等永国寺図書館蔵書除却検証委員会において、除却に至るまでの手続等が検証され、県民の皆様に対し説明責任が果たされるものと期待しております。 高知県立大学は公立大学法人によって設置されていることから、県が多くを言及することは大学の自治を侵すおそれがあり、県としても今後の検証委員会による取り組みを見守ることと思われます。 今回の蔵書除却処理について、知事の所感及び今後の大学の取り組みに対して望まれる点を尾崎知事にお伺いして、私の第1問といたします。   (知事尾崎正直君登壇) ◎知事(尾崎正直君) 西内議員の御質問にお答えをいたします。 まず、豪雨災害対策推進本部の体制、組織や今後の取り組みについてお尋ねがありました。 今月14日に新たに立ち上げました、全庁を挙げた常設の豪雨災害対策推進本部の狙いについて一言で申し上げますと、豪雨を初め暴風や高波、高潮などの対策を年間を通じて実施する体制を、大幅に強化するということであります。 本県においては、これまで災害の発生がほぼ確実である場合には災害対策本部を設置し、その都度全庁を挙げて、事前の備えや被害情報の収集、応急対応や復旧などに努めてきたところです。また、各土木事務所などにおいて、通年で復旧や改良工事などの災害対策を行ってきたところです。 他方、近年は台風や集中豪雨が全国各地で相次ぎ、これまで異常気象と呼ばれてきたものが今や常態化しつつあります。また、豪雨による被害は、対策を講じておかなければそのダメージが蓄積し、後の豪雨の際にさらに大きな被害を招く危険をはらんでいます。このため、豪雨災害対策推進本部を常設のものとして設置し、通年での対策を全庁的に実施してまいりたいと考えております。 また、こうした考えから、この本部の体制、組織については、災害対策本部と関連性や連続性があるために同じメンバー構成とし、私を本部長、副知事を副本部長、危機管理部長を本部次長、各部局長などを本部員とする体制としています。また、本部のもとに、危機管理部副部長のもと各部局の主管課長などが進捗状況などを確認する幹事会、さらに個別の課題があれば、関係課を集めて検討するチームを設置するという組織としております。 今後の取り組みとしては、特に3つの点について進めていく必要があると考えております。 1点目は、豪雨災害に備えるためのインフラが未整備の箇所がかなりありますので、優先順位をつけて対策を実施していくためのプランを練り、実行していくことであります。 2点目は、河川に堆積した土砂や流木など、豪雨による被害をその都度取り除いて、ダメージが累積していくことを防ぎ、後の大きな被災を防ぐことにつなげることであります。 3点目は、ゲリラ豪雨など急激に悪化する事態を早期に発見して、どうやって住民の皆様に危険をお知らせし、どのように対処していくべきなのかといった点について検討をさらに深めることであります。 これらについて議題として取り上げながらPDCAを回し、通年で対策を実施していきたいと思っております。あわせて、国に対してもしっかりと政策提言をし、国も巻き込んでいくという視点も持って対策を進めたいと考えております。 次に、高頻度で発生する災害にも対応するための財源の確保についてお尋ねがありました。 先ほど申し上げました豪雨災害対策推進本部で議論した対策を実行し、着実に進めていくためにも、その財源をしっかりと確保することが重要となってまいります。 これまで、四国知事会において、水害や土砂災害、山地災害の未然防止や軽減を図るため、被害を受けた箇所の再度災害防止に必要な緊急事業を実施するための予算を別枠として確保することにより、災害予防対策が確実に実施できる仕組みを構築すべきであるとの提言をしております。 また、7月豪雨後には全国知事会においても、本県の提案した局所対策など中小河川への支援拡充に加え、砂防・治山堰堤の整備などを迅速かつ強力に推進するため、治水対策や土砂災害対策に関する特別枠を設けるなど、予算を大幅に増額することといった提言を行っております。 こうした中、先週開催された、重要インフラの緊急点検に関する関係閣僚会議の場において、安倍総理は、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策を3年集中で講じると述べられております。また、年末にかけては、国土強靱化などを含む第2次補正予算が編成されるとの報道もあります。 本県としましては、こうした動向を注視しつつ、国の補助金や交付金などの財源確保に努めるほか、引き続き全国知事会などとも連携しながら、国に対し、特別枠を設けるなど新たな財政支援制度の創設に向け、強く働きかけてまいります。 次に、今回の自民党総裁選の結果を受け、これまでの安倍政権に対する評価と、今後の期待についてお尋ねがございました。 今回、6年ぶりとなる自由民主党総裁選挙が行われた結果、安倍総理は全体の約7割の票を獲得され、3選を果たされました。この結果は、これまでの安倍総理の政策に対する評価と、今後の安定した政権運営への期待のあらわれではないかと考えております。 安倍総理におかれては、これまで国内外の困難な諸課題に真っ向から取り組まれ、成果を上げてこられました。まず、経済に関しては、アベノミクスの実行などを通じて、戦後最長に迫ると言われる景気回復が続くとともに、今月10日に発表された我が国の名目GDPは553兆円と過去最高を更新するなど、経済の好循環が着実に拡大しております。さらに、一昨年からは有効求人倍率が、統計開始以来、史上初めて全ての都道府県で1倍を超えるなどしております。 本県におきましても、アベノミクスや地方創生等の国の政策が、産業振興計画を初めとする本県のさまざまな取り組みの強力な後押しになっているものと認識しております。 他方、今回の総裁選において、石破議員が4割を超える地方票を獲得していることにもあらわれているように、なお一層地方を後押しする政策を求める声があることも事実であり、今後さらに地方の支援に力を入れていただきたいと考えております。 また、社会保障制度改革に関し安倍総理は、急速な少子高齢化の進展を国難と捉え、人づくり革命を断行し、子育て、介護など現役世代が抱える大きな不安を解消するため、我が国の社会保障制度を全世代型に転換するという大きな改革を進めようとしております。 こうした国の動きに合わせて、7月には全国知事会議として健康立国宣言を決議し、持続可能な社会保障制度の構築に向けて、地方は地方の責任を果たすため、社会保障分野での優良事例や先進事例の横展開を図る取り組みを進めようとしています。国においては、本県を初めとする地方のこうした取り組みをしっかりと後押ししていただきたいと考えております。 このほかにも、南海トラフ地震を初めとする災害リスクへの対応や財政健全化、さらには議員からお話のありました安全保障、外交といった重要な課題に我が国は直面しているところです。安倍総理におかれては、引き続きこうした諸課題の解決に向けて真正面から取り組んでいただきますとともに、これまで以上に地方の声に耳を傾けていただき、選挙期間中に訴えてこられた、希望にあふれ誇りある日本を実現するよう、強いリーダーシップを発揮していただきたいと考えているところでございます。 次に、合区解消に向けた思いや全国知事会などの動きについてお尋ねがございました。 合区問題につきましては、本県など現在対象となっている県だけの問題ではなく、この制度が定着し、日本全国に拡大されることとなれば、人口減少や少子高齢化などのさまざまな問題に直面している地方の声が届きにくくなり、人口の多い大都市圏の代表者中心による政治が行われることとなる懸念があることから、絶対に固定化させてはならないものであると考えております。 私は、現行憲法の地方自治の規定の少なさ、薄さに起因して、その重要性よりも1票の価値の平等が圧倒的に重視されてきたがゆえに、最高裁の憲法判断を受け、合区という事態になってしまったものと考えております。こうしたことから、国民的な議論を深めた上で、憲法改正により地方自治の規定を充実させることとあわせて合区を解消することが抜本的な解決に不可欠であると訴えてきたところです。 先般、7月に、議員の定員増や非拘束名簿式による特定枠の導入を内容とした公職選挙法の改正が行われました。次期参議院選挙までに時間のない状況で、何もしないという選択肢もある中、関係の皆様方に御尽力いただいたことに感謝の意を表明するところです。しかしながら、私としては、今回の措置はあくまで緊急避難措置であり、引き続き合区解消そのものを目指す必要があるものと考えています。 全国知事会などでそうした考えを訴えてきた結果、ことし7月の全国知事会議において、今回の公職選挙法の改正は緊急避難措置であり、引き続き憲法改正などの抜本的対応による合区の確実な解消を強く求めることを主な内容とする、参議院選挙における合区の解消に関する決議が採択されたところです。今後も、憲法改正などの国会の動向を注視しながら、全国知事会などとも連携して、継続的に合区解消を強く訴えてまいります。 次に、障害者雇用について、なぜこのような状況になっているのか、どこに問題があったのか、どう対応すべきであったのかとのお尋ねがございました。 これまで、本県の知事部局及び公営企業局では、障害者手帳を所持していると申告のあった職員に加え、所属長からの人事ヒアリングなどにより、日常生活に支障が生じているなど、手帳所持者と同等の障害があると思われる職員も対象として、障害者雇用率を厚生労働省に報告してきました。またその際、プライバシーへの配慮から、手帳の有無を確認しておりませんでした。 こうした対応を行ってきましたのは、昨年度までの厚生労働省の通知においては、身体障害者について、原則として身体障害者手帳の等級が1級から6級に該当する者とされていたことや、同省のガイドラインにおいても、手帳の所持の確認に当たり、健康診断の結果などをもとに個人を特定して照会することが不適切とされるなど、プライバシーに配慮することが求められていたことから、手帳の確認がなくても、所持者と同等と思われる職員は例外として対象にできると考えていたためであります。 しかし、今年度の通知から、国への報告の対象となる障害者であることを障害者手帳などにより確認する旨の記載がなされ、ガイドラインを踏まえた厳格な運用が必要であるという方針がより明確にされたところです。 今般の一連の状況を踏まえ、県としてこの方針に基づいて全職員に対して調査を行いました。その結果、対象とすべき職員以外の者が含まれていたことが新たに明らかになった結果、今年度も、また過年度においても法定雇用率を達成していない状況であることが判明いたしました。 このような事態となった原因といたしましては、次の3つの不適切な点があったためと考えております。 第1の問題は、障害者手帳の確認がなくても、手帳所持者と同等の障害があると思われる職員は対象にできると考えてきたことであります。この点については、今となっては厚生労働省の通知やガイドラインの確認が不十分であったと言わざるを得ません。 第2の問題は、国への報告に当たり、毎年度新たに障害者手帳所持の申告のあった職員を追加する作業を行う一方で、過去に追加した職員のその後の改善の有無等の現況確認を行ってこなかったことであります。この点については、ずさんな対応であったと言わざるを得ません。 第3の問題は、障害者手帳を所持する職員と同等の障害があると思われる職員を対象として含める運用に当たり、医学的な知見が十分でない職員の判断により行ってきたことであります。今回、新たにこの職員個々の判断の妥当性に関し、医師に意見を求めたところ、約8割のケースについては、障害者手帳を所持していると考えることが一定理解できる、または否定はしないが本人の状態を見てみないと判断できないという旨の意見である一方、残りの約2割のケースについては、障害者手帳を持つまでのものとは考えられない旨の意見を示していただきました。この約2割のケースにつきましても、臓器等に障害があることは明確であり、全く障害がない職員を対象に含めていたものではありませんが、生半可な医学的知識に基づく判断であったと言わざるを得ません。 以上のように、本県の対応は、法定雇用率を満たすために、対象とならないことが明らかな職員を故意に加えていたものではなく、そういった意味で水増しする意図があったものではありません。しかしながら、通知等の確認が不十分であったこと、人事申告があった後の状況の確認がずさんであったこと、医学的に不十分な知識によって判断していたことといった不適切な対応があったところであり、範を示すべき県として、国の通知やガイドラインについて関係機関に確認するなどした上で、対象者とするか否かについて、より厳格に判断を行うべきであったと深く反省いたしております。改めて、県民の皆様に深くおわびを申し上げます。 次に、障害者雇用について、定められた目標を達成するために今後どのように対応していくのかとのお尋ねがありました。 本県としましては、正職員にあっては、平成19年度以降これまで23人を、非常勤職員にあっては、平成23年度以降これまで延べ44人を障害者枠により雇用するなど、障害者の雇用に積極的に取り組んできたところです。しかしながら、今回厳格な運用により行った調査の結果、明らかになった反省点を踏まえ、今後次のような対応をしてまいります。 まず、厚生労働省の通知やガイドラインに基づき厳格な運用を行い、障害者手帳等の確認ができた者のみを対象として報告するとともに、この厳格な運用のもとで法定雇用率を早期に満たすことができるよう、さらに障害者の雇用に取り組んでまいります。 具体的には、まず本年度中において、速やかに業務及び体制を検討し、非常勤職員の追加募集を行います。また、来年度に向け、正職員については、10月に予定されている身体障害者を対象とした県職員採用選考試験に加え、さらに追加募集を検討します。平成31年度以降についても、障害者枠での採用や非常勤職員採用の拡大を検討することといたします。さらに、今後は知的障害者及び精神障害者の採用の拡大についても検討してまいります。 加えて、障害者手帳の有無にかかわらず、障害のある職員が働きやすい環境づくりに努めることで、障害のある人もない人も、ともに支え合い、安心して生き生きと暮らせる共生社会の実現に向け、より一層障害者の雇用の推進に努めてまいります。 次に、今回のLCC就航による観光振興や産業振興に対する期待についてお尋ねがございました。 LCCの就航につきましては、これまでも県民の皆様からの御要望も多く寄せられており、県といたしましても、長年の悲願をかなえることができたと思っております。しかも、成田路線と関西路線に2つの路線を同時に開設していただけるとのことであり、本県にとりまして期待も大変大きく、無限大の可能性を持った新しい路線の就航であると受けとめております。 今回の就航による大きなメリットとしましては、まず1点目といたしまして、成田空港と関西空港という国内でも屈指の2大国際ハブ空港に本県が直接結ばれること、2点目といたしましては、大変リーズナブルな運賃であることが挙げられます。このことから、新たな航空需要の掘り起こしにより、首都圏や関西圏、さらには海外と本県との間の交流人口が拡大することが期待できます。 中でも、まず観光振興の面では、成田空港、関西空港という国際ハブ空港と高知龍馬空港が直接結ばれることは、外国人観光客の誘致に当たり課題となっている、海外から本県へのアクセス環境の充実が大いに期待できることから、国際観光を推進する上で絶好の追い風になるものと考えております。 このため、成田空港の利用が多いアメリカやオーストラリア、関西空港の利用が多い中国や韓国においても、LCCの利用が多い個人旅行者向けを中心とする旅行商品の販売やプロモーション活動などを実施し、外国人観光客などのさらなる誘客につなげてまいります。 加えて、来年2月からは、本県のインバウンド観光のステージアップも目指した、自然・体験型観光キャンペーンをスタートさせますが、海外の自然や体験を好む傾向が強い顧客層に向けて、航空会社や旅行会社などとの連携を図りながら、効果的なプロモーション活動を展開してまいります。 さらに、地産外商の面でも、営業範囲の拡大や営業コストの縮減といったことにより、県内企業のビジネスチャンスの広がりが期待できます。例えば、関東エリアでは、首都圏での営業頻度の増加や、北関東など周辺エリアへの営業拡大が期待されるほか、関東、関西を問わず、産地へのバイヤー招聘などの提案がしやすくなるなど、地産外商のさらなる拡大に向けた追い風になるものと捉えています。 このように、本県への国内外からの観光客の増加や、県内企業の地産外商のさらなる強化、さらにはU・Iターンの促進などにおきましても、ジェットスター・ジャパンとも連携した取り組みを進めていきたいと考えております。 今後は、このたびの就航決定のフォローの風を最大限に生かしながら、観光振興や産業振興など、県勢浮揚に向けた施策に全力で取り組んでまいります。 最後に、高知県立大学の蔵書除却処理への受けとめと、今後の大学の取り組みに対して望む点についてお尋ねがございました。 高知県立大学の蔵書の除却処理については、先日、公立大学法人の理事長、高知県立大学の学長とお会いし、学長から一連の経過や今後の対応などについて報告をいただきました。 この中で大学からは、今回の除却処理は、学内の規定に基づいて手順を決め、全教員の意見を聞きながら慎重に行ったが、蔵書の再利用に関して譲渡や売却などの意見があったにもかかわらず、結果として多くの蔵書を焼却してしまったことについて深く反省している、このため外部の有識者などで構成する検証委員会を設置し、一連の経過を検証するとともに、これを受けて今後蔵書の適切な管理に努めていきたいとの趣旨のお話を伺いました。 そうした一連の経過をお聞きする中で、蔵書の管理は、新たな図書の受け入れがあれば蔵書の除却は当然必要になってくることや、今回の蔵書の除却処理については、大学は学内の規定に基づいて十分に考察を重ね、処分する蔵書を慎重に選んだ上で決定されたものということもわかったところであります。しかしながら、除却を決めた蔵書に関し、再利用に向けて譲渡する、もしくは売却するなどの意見が学内にあったにもかかわらず、焼却以外の方法や他の公立図書館などとの連携が十分に検討されず、結果として多くの蔵書が焼却されたことについては残念に思いました。同時に、このことについては、今後しっかりと検証していかなければなりませんし、大学は検証の結果を踏まえた対応を行い、今後の図書館運営に生かしていくことが何より重要と感じたところであります。 このため、私から理事長、学長に対し、今回のことは残念であることを指摘した上で、焼却処分に至るまでの意思決定過程をよく検証し、今後に生かす必要があること、あわせて県民への説明責任を果たす必要があることなどを指摘させていただいたところです。 9月23日に開催されました高知県立大学の第1回の図書館蔵書除却検証委員会では、蔵書の除却決定から焼却に至るまでの大学の対応などについて、さまざまな御意見が出されたとお聞きしています。この検証委員会は4回程度開催され、年内に取りまとめられるとお聞きしており、大学においては、検証委員会での検証結果なども踏まえ、図書館の適切な運営にしっかり取り組んでいただきたいと考えております。 あわせまして、今回の反省を踏まえた高知県立大学の新たな取り組みが、県全体の図書館の振興にもつながることを期待していますし、県としましても、その取り組みに対してしっかり協力していきたいと考えているところでございます。 私からは以上でございます。   (危機管理部長酒井浩一君登壇) ◎危機管理部長(酒井浩一君) まず、今後の避難所の環境改善に向けた取り組みについてお尋ねがありました。 避難所に避難された方々には、体育館や集会所といった場所で一定期間生活をしていただくことになるため、バリアフリーやプライバシーなどに配慮した環境改善が必要となる場合もあると考えます。 県では、平成28年度から、避難所を運営するマニュアルの作成にあわせ、こうした避難所の環境改善にも支援を行っております。昨年度は、19市町村の129の避難所で、手すりやスロープの設置、トイレの洋式化や据え置き式の洋式便座の整備、簡易ベッド、パーティション、エアコンの購入などに支援を行いました。今年度は、現時点で14市町村の103の避難所で環境を改善するための整備をする予定となっています。 今後も引き続き、避難所ごとのニーズに合わせた環境改善に向け、市町村を積極的に支援してまいります。 次に、L1クラスの南海トラフ地震発生時における県内の電源確保の取り組みについてお尋ねがありました。 平成25年の被害想定では、送配電網や変電所などの被災により県内の多くの地域で大規模な停電が発生し、約36万軒が停電すると試算しています。電力の復旧には一定の時間を要することから、災害時に拠点となる病院や県、市町村の庁舎、警察や消防などの防災関係機関の施設については、非常用電源を整備するとともに、燃料確保を行っているところです。また、電力会社においては、これらの施設で非常用電源に加え、緊急に外部電源が必要となった場合には、電源車による電力供給を行うこととしております。 また、電気は社会生活や経済活動に必要不可欠であるため、電力の早期の復旧は極めて重要であると考えております。本年3月には、ライフライン事業者と連携し、高知県ライフライン復旧対策協議会を立ち上げ、電力を最優先に早期復旧のための協議を進めています。本年度中には、優先して復旧する施設や復旧の目標、道路や河川に仮電柱などを設置する許認可の手続の簡素化や迅速化について取り決めることとしております。 今後も、事業者の活動拠点となる候補地の確保や、道路啓開とライフライン復旧の状況を共有するための方法について検討を行うなど、引き続き当協議会を通じて、ライフライン事業者と早期の復旧に向けた検討を進めてまいります。   (土木部長村田重雄君登壇) ◎土木部長(村田重雄君) まず、今後の大規模災害を想定した仮設住宅の建設候補地についてお尋ねがございました。 議員御指摘のとおり、大規模災害に備えて、事前に仮設住宅の建設候補地の選定を行っておくことは、非常に重要であると考えております。 そこで、県では、まず南海トラフ地震などの大規模災害を想定し、廃校のグラウンドや中規模の公園など、市町村が有している空き地の情報を提供していただき、仮設住宅の建設に適した土地をリスト化して、市町村と情報共有いたしました。 次に、大規模災害が発生した場合には、仮設住宅に加え、災害廃棄物仮置き場などさまざまな用途の土地が必要となることから、これらの土地が特定の公有地で競合するおそれもあります。このため、これらの用途の配置調整を事前に行う応急期機能配置計画を、各市町村において作成していただきました。 今後は、この計画において、仮設住宅の建設候補地などを十分に確保することができない市町村があることから、市町村域を超えた広域調整を危機管理部と連携して進めてまいります。さらに、建設候補地の確保に加えて、民間賃貸住宅を仮設住宅として借り上げる仕組みや、空き家を仮設住宅として活用する仕組みなど、平時にできる準備も進め、供給可能戸数の確保に向けた取り組みを継続してまいります。 次に、7月豪雨による土砂災害への対応状況と、今後の土砂災害対策についてお尋ねがありました。 さきの7月豪雨では、県内21市町村、126カ所において崖崩れなどの土砂災害が確認されました。このため県では、これらの被災箇所における二次災害のおそれなどについて緊急点検を実施するとともに、被災のなかった箇所についても、特に降水量が多かった地域において目視による斜面の確認を行い、今後注意を要する箇所については、市町村と連携して住民の方への注意喚起を行ったところです。また、被災した箇所のうち、被害の拡大のおそれが高い箇所については、砂防堰堤を設置するなどの緊急対策を進める予定です。 今後の土砂災害対策についてですが、県では土砂災害から県民の命を守るため、従来からハード対策とソフト対策を一体的に推進してきております。その上で、まずは県民の皆様に避難を促すソフト対策として、土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーンの調査を先行し、昨年度までで県内全域の調査が完了いたしました。現在は、調査結果を広く県民の皆様に周知しているところです。また、昨年度からは、イエローゾーンの中で特に土砂災害リスクが高い特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンの調査を加速化しております。 今後につきましては、平成31年度末までにレッドゾーンの調査を完了させることを目指し、関係市町村とも連携して、しっかりと取り組んでまいります。さらに、この調査結果をハード対策の優先順位や対策工事の内容に反映させるなど、引き続きハード・ソフトが一体となった効果的な土砂災害対策を推進してまいります。 次に、本県における予定価格の設定及び調査基準価格についてお尋ねがございました。 総合評価方式を採用する入札で設定いたします調査基準価格は、この価格を下回ると品質を確保できないおそれがある基準として定めるものです。本県では、この調査基準価格の設定に当たっては、中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデル、いわゆる中央公契連モデルを採用しております。このモデルは、国において詳細な調査検討を行った上で決定されていることから、国の機関を初め多くの県で採用されております。また、調査基準価格は、入札の実態などに即して適宜見直しが行われており、昨年度もその算出方法が見直され、基準価格の引き上げが行われたところです。 中央公契連モデルとは異なる調査基準価格を採用している県があることは承知しておりますが、建設事業者の適正な利潤を確保するためには、まずは適正な予定価格を設定することが重要だと考えております。このため県では、国において設計労務単価が引き上げられた際には、直ちに単価改定するなど、適正な予定価格の設定に努めているところです。 このような労務単価や資材単価の引き上げ、また設計積算基準の改定は、近年においては毎年行われており、予定価格と同時に調査基準価格も上昇している状況にあります。 一方、調査基準価格の設定範囲を引き上げることは、入札における価格競争の幅が狭まるといった側面があります。このため、調査基準価格の設定については、国や他県の状況を注視し慎重に検討すべきものと考えております。 次に、総合評価方式の現状と今後の取り組みについてお尋ねがありました。 本県の総合評価方式による入札は、平成18年度に試行を行い、翌年の平成19年度より本格実施をしてまいりました。この入札方式は、価格と品質で総合的にすぐれた調達を目指し、企業の技術力を、類似する工事の施工実績や過去の工事の成績評定、優良工事表彰の有無などから数値化し、入札価格とのバランスにより受注者を決定する仕組みです。 総合評価方式の評価項目や基準については、これまでも建設業界の意見もお聞きしながら、毎年度、より実態に合った入札方法となりますよう、学識経験者や国の発注機関長で組織する高知県総合評価委員会で審議を行い、必要な見直しを行っています。 現状の総合評価方式における課題としましては、入札情報などの情報公開が進む中、入札業者の積算能力が大きく向上してきたことで、一部の工事入札において調査基準価格付近への応札が集中し、その結果、入札価格での競争の幅がなくなってしまい、技術評価の評価点の持つ意味合いが強くなっている状況がございます。 こうしたことから、総合評価方式における評価項目やその基準については、評価全体のバランスを考慮し、また地域の建設業の状況などにも十分配慮しながら、建設業界全体の健全な発展につながる、よりよい入札制度となるよう努めてまいります。 次に、本年度当初における端境期対策の実績についてお尋ねがありました。 公共工事の中長期的な担い手の育成・確保を目的に、平成26年に公共工事の品質確保の促進に関する法律が改正され、計画的な発注と適切な工期の設定が規定されたことを受け、県では高知県建設業活性化プランに基づき、施工時期の平準化などの取り組みを進めてきました。 その中でも、年度末に多くの工事が終了し、年度当初に工事量が落ち込む端境期が生じることは、建設事業者の安定的な経営のみならず、従業員の継続雇用、労働条件の改善にマイナスに働くことから、ゼロ県債による工事の発注や繰越制度の柔軟な活用により、年度当初の工事量の確保に取り組んでまいりました。 その結果、予定価格が5億円を超えるような大規模な工事を除く工事で比較いたしますと、平成30年4月末時点で土木部発注工事における建設事業者の手持ち工事量は約106億円で、取り組みを行う前の平成26年4月末の約83億円より、20億円以上の増となっております。また、手持ち工事量については、年間を通して最も多い月と最も少ない月、山と谷の差を比較いたしますと、平成26年度では約112億円であったものが平成29年度では約53億円と、59億円余り差が縮小しているところです。これらのことから、施工時期の平準化につきましては一定の成果が出ていると考えております。 今後も引き続き、ゼロ県債による工事の発注や繰越制度の柔軟な活用により、年間を通じた施工時期の平準化に取り組んでまいります。 次に、本年度の豪雨災害復旧工事の施行に関して、既存の公共工事も含め、今後の入札における不調・不落対策をどのように行うのかとのお尋ねがありました。 このたびの7月の豪雨災害では、大規模な地すべりや県内の多数の箇所で道路の寸断などが発生し、県民の皆様の生活に御不便や御心配をおかけいたしましたが、まずは県民生活を維持する上で特に支障がある箇所について、応急的な復旧工事に全力で取り組んだところです。 今後、早ければ年内には本格復旧に着手する予定ですが、道路や河川などの公共土木施設の被害は、県と市町村とを合わせて1,000件を超えており、多数の工事発注が想定されることから、円滑な事業執行が課題であると考えております。 こうしたことから、災害関連業務を最優先するため、既に発注している工事や委託業務の履行期限などについて柔軟な対応がとれるよう、直ちに部内に指示を出しました。今後の発注に当たっては、発注時期などの市町村との調整やマンパワーの確保、資機材の調達などを考慮して、余裕を持たせた工期を設定するなどの対応に取り組んでまいります。さらに、3,500万円未満の災害復旧工事においては、現場代理人の兼務配置を認めるといった柔軟な対応もとってまいります。 こうした取り組みにより建設事業者が受注しやすい環境整備を図ることで、受注意欲を高め、入札の不調・不落発生の抑制に努めてまいります。 次に、建設業の働き方改革に対する取り組みについてお尋ねがございました。 建設業は、全国的にも他産業と比較して労働時間が長く、休日数が少ないことが課題となっており、本県において、公共工事にかかわる労働環境の改善に向けて、建設現場における週休2日制を促進するための取り組みを進めているところです。 具体的には、平成27年度からは工期に余裕を持たせるため、標準工事日数をおおむね2割延長させた工事を試行的に実施し、さらに昨年度からは建設現場における週休2日制の一層の推進と普及を図るため、一定規模の土木一式工事において週休2日制モデル工事を実施いたしました。このモデル工事では、標準工事日数を延長するだけではなく、週休2日制を達成しますと、間接工事費率に補正係数を乗じて請負代金を増額するとともに、工事成績評定では加点評価するといったインセンティブを付与することとしております。昨年度は、11件の工事でモデル工事に申請があり、今年度は8月末時点で既に11件の申請を受け付けております。このモデル工事の実施後には、受注者からのアンケート調査を行い、週休2日制の導入に向けた課題や実施効果を検証していくこととしております。 また、さきの国会で週40時間労働が上限となる働き方改革関連法が成立したため、来月からは4週6休、4週7休の場合もモデル工事に追加し、それぞれのタイプに対応した積算経費の補正を行うことで、よりスムーズに週休2日制に移行できる環境を整えてまいります。 今後も、これらのモデル工事に対する御意見や検証結果を参考に、建設現場における週休2日制の普及と確実な実施に向け取り組んでまいります。 最後に、高知新港を活用した輸出の現状と、輸出拡大に向けた今後の取り組みについてお尋ねがございました。 農林水産物、食品の輸出に係る物流コストを抑えるためには、港湾を利用することが有効です。また、近年ではリーファーコンテナなどの鮮度保持輸送技術が進歩しており、品目にもよりますが、空輸と同程度の鮮度保持が可能となっております。しかしながら、現状では高知新港を利用した農林水産物、食品の輸出は、フランス向けのユズ果汁などの一部に限られております。 県といたしましては、海上輸送による農林水産品のさらなる輸出の拡大、発展を図るため、本年2月に国土交通省四国地方整備局と連携して、四国における港湾を活用した農林水産物輸出促進検討会を立ち上げました。 同検討会では、高知新港にどのような機能があれば農林水産物、食品輸出などの拠点となり得るか、また同港が輸出拠点となった場合にどんな展望が開けるかを、関係機関と協議しているところです。今後、検討会での議論を踏まえ、県庁各部と協議しながら、ハード・ソフト面で必要な措置を講じてまいりたいと考えております。   (総務部長君塚明宏君登壇) ◎総務部長(君塚明宏君) 今後の財政運営についてお尋ねがございました。 今般お示ししました中期的な財政収支の試算によりますと、安定的な財政運営の見通しを立てることができましたものの、足元では収支不足が見込まれますほか、臨時財政対策債を除く県債残高は5,000億円を上回る水準で推移する見込みであり、今後の動向に留意していく必要があります。 地方交付税の見通しについてでありますが、まず地方交付税を含む地方の一般財源総額について、本年6月に閣議決定されました経済財政運営と改革の基本方針2018におきまして、平成33年度までは平成30年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保することとされたところであります。しかしながら、地方全体で見ますと、景気回復に伴う地方税収の伸びなどにより、地方交付税総額は減少傾向が続くものと考えられますほか、平成34年度以降の一般財源総額は不透明な状況にあります。 そのため、今後の財政運営に当たりましては、まず産業振興計画の推進などによる税収の確保に努めていく必要があります。また、南海トラフ地震対策や豪雨災害対策、人口減少対策などの喫緊の課題に対応していくための財政需要も見込まれますことから、必要な財源を確保できますよう、国に対し地方交付税を含む制度の拡充等について働きかけてまいります。さらに、歳入確保の取り組みとあわせまして、事務事業のスクラップ・アンド・ビルドを徹底し、限られた財源をより一層有効かつ効率的に活用していく必要があると考えております。 こうした取り組みを通じまして、引き続き必要な行政サービスを提供しながら、財政調整的基金の確保や臨時財政対策債を除く県債残高の抑制に努め、安定的な財政運営を維持してまいりたいと考えております。   (健康政策部長鎌倉昭浩君登壇) ◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) まず、地域医療構想に関して、これまでの取り組みと今後の対応についてお尋ねがございました。 本県では、将来の各地域における医療・介護のニーズに応じた病院、診療所、薬局などの医療資源の効率的な配置と、医療と介護の連携を通じた効果的な医療体制の構築等を目的として、平成28年12月に高知県地域医療構想を策定いたしました。 この構想の実現に向け、県内の4つの構想区域に地域医療構想調整会議を設置し、地域における医療のあるべき姿や、地域の中核となる公立・公的病院が担うべき医療機能と必要とされる病床数などについて協議を行っており、これまでに合計23回開催したところでございます。この間、平成28年度に創設した回復期病床への転換補助金の制度を活用し、2つの病院が地域医療構想調整会議での議論を踏まえて、回復期病床への転換を行っております。 今後は、これまでのこうした取り組みに加えて、骨太の方針2018の閣議決定を受け厚生労働省より出された通知も踏まえ、病床転換に当たって生じる院内体制の見直しなどの課題に対して必要なアドバイスを行うための研修会を開催するとともに、病床の転換や増床等に関する具体的な案件を協議しやすい体制を設けるなどして、公立・公的病院の役割を含めた構想区域における病床機能のあり方についての協議をさらに加速させてまいります。 また、本県の地域医療構想を進める上で課題の一つとなっております、療養病床の介護医療院等への転換については、現在幾つかの病院などを訪問して転換の時期や課題などについての御意見を伺っており、今後それぞれの機関の意向に応じて、耐震化等の防災対策上の観点も含めた財政支援を行っていくこととしています。こうした取り組みをしっかりと進めていくことにより、地域医療構想の実現を目指してまいります。 次に、ICTネットワークシステムの構築に向けた考え方や取り組みについてお尋ねがありました。 ICTネットワークシステムについては、現在県内14の主要な病院や医師会等で構成する高知県医療情報通信技術連絡協議会において、医療機関、薬局、介護事業所などが、医療情報や介護情報を双方向で共有できるシステムの構築に向けて取り組んでおります。 当該システムの構築に当たっては、議員のお話にありました佐渡のひまわりネットなども参考にさせていただいており、類似のシステムとして既に幡多地域で運用中のはたまるねっととは、システム間で連携を図りながら、県内全域で構築していきたいと考えております。 また、佐渡島の病院長がおっしゃられたとおり、医療や介護関係者などがネットワークの必要性を感じないとシステムの効果が十分に発揮できないと考えるため、本議会に提案させていただいております補正予算案においては、参加予定施設に対する院内システムとICTシステムとの接続の調整のほか、関係者に対してICTシステムの機能とそのメリットなどの説明を行うための経費を計上しております。 今後、システム開発と並行しながら、県民の皆様に対しても、自身の医療や介護情報を参加施設で共有するための同意書取得に向けて、プロモーション活動に取り組むこととしております。 多くの医療機関、薬局、介護事業所などが参加するICTネットワークシステムを構築することにより、各機関の連携を強化し、適切な治療や重複投薬の防止などにつなげるとともに、高知版地域包括ケアシステムの構築を推進してまいります。   (地域福祉部長門田純一君登壇) ◎地域福祉部長(門田純一君) まず、高知版地域包括ケアシステムの構築に向けた現在の取り組みの状況と見えてきた課題についてお尋ねがございました。 高知版地域包括ケアシステムの構築に向け、福祉保健所ごとに配置いたしました地域包括ケア推進監等が中心となって、地域包括ケア推進協議体を設置するなど、地域ごとの現状や課題の把握を進めており、その結果、例えばこれまで整備してきたあったかふれあいセンターを活用して、見守りなどの仕組みづくりをさらに進めていく必要があること、入退院時の引き継ぎにつきましては、県が運用に向けて支援してきたルールに基づく取り組みが進みつつあるが、それに加え、入院時から退院後の生活を見据えた病院内の多職種の連携強化が必要であること、中山間地域への訪問看護や訪問介護の拡大に取り組んだ結果、サービスの提供数は増加しているが、地域によってはさらにサービスの拡充を図る必要があることなどの課題が明らかになり、地域の関係者とも共有できるようになってきております。 このため、今後も引き続き推進協議体等におきまして、医療・介護・福祉のサービス資源の必要量やネットワークの目指すべき姿を明らかにしながら、地域地域の課題解決に向けた具体策の検討を進めてまいります。 また、県内全域におきまして地域包括ケアシステムを構築していくためには、医療・介護のサービス資源が集中いたします高知市と各ブロックが、それぞれの取り組みをしっかりと連携させることが必要でありますことから、各ブロックと高知市がおのおのの状況や課題等を情報共有し協議する場を新たに設けることにより、連携を強化することとしております。 こうした取り組みにつきまして、PDCAサイクルを回しながら進めることとしており、解決すべき課題を明確にし、サービス資源の拡充やネットワークの強化などへの県の支援策のより一層の充実に取り組んでまいります。 次に、高知版地域包括ケアシステム構築におけるキーパーソンの育成など、今後の取り組みについてお尋ねがございました。 地域包括ケアシステムの構築のためには、医療・介護・福祉のサービスの充実に加え、日常生活から入院、退院後の生活を支えるサービスのネットワーク化を図るため、ケアマネジャーを初めといたしました、サービスの接続部を担うゲートキーパーとなる人材の育成が大変重要だと考えております。 このため、かかりつけ医としてゲートキーパーの役割を担う総合診療専門医の養成を支援いたしますとともに、総合診療専門医を目指す医師を確保できるよう、研修環境の充実などに取り組んでいるところです。 また、円滑に病院から地域に退院していただくためには、入院時から退院後の療養生活を見据え、医療機関と介護事業所等が連携を図る必要がありますことから、医療機関のスタッフなどに対しコーディネート力の向上のための研修を実施しています。 あわせまして、退院後に地域で必要な医療・介護のサービスを受けられるよう調整するケアマネジャーのスキルアップを図るため、地域のリーダー役となるケアマネジャーの養成に取り組むことにより、福祉保健所圏域ごとに個別事例の検討会や、業務についての相談などを実施できる体制づくりを進めてまいります。 さらに、地域の相談窓口となって、支援が必要な高齢者を把握し適切なサービスにつなぐなど、地域の連携の中核となる地域包括支援センターの機能強化を図る必要があると考えております。このため、関係者との連携強化を目指しました研修を実施いたしますとともに、個別の事例を検討いたします地域ケア会議におきまして、医療関係者やリハビリテーション専門職等の助言が得られるようにするなど、関係団体との連携を一層強化してまいります。 今後は、これらの一連の取り組みを、地域包括ケア推進監等が地域包括ケア推進協議体での協議によって進めていく、地域ごとの取り組みと連動させることなどによりまして、地域の実情に応じた人材の育成を進めてまいります。   (観光振興部長吉村大君登壇) ◎観光振興部長(吉村大君) まず、自然・体験型観光キャンペーンの効果的な展開についてのお尋ねがありました。 このキャンペーンは、およそ2年間の開催期間を通じて、観光客の増加はもとより、自然・体験型の観光基盤の底上げを図ることで、これまで磨き上げてきた食や歴史の観光基盤と結び合わせて、持続的な観光振興につなげることを目指しています。 本県ならではの強みを持つ食や歴史と比べますと、自然・体験型の観光は、他県にもすぐれたセールスポイントがありますことから、地域地域の自然景観や体験メニューの魅力をより高めることに加えて、全国区の知名度を誇る食や歴史などと組み合わせたクラスター化によって、他県との差別化を図る視点も必要であると考えています。このため県では、新たな補助制度による財政支援や、全国的な知見を有するアドバイザーの派遣など、専門家の意見も取り入れながら、市町村や観光関連事業者、地域の皆様方と連携して、自然景観の生かし方や自然体験の内容を大いに工夫するとともに、新たな経済効果を生み出す観光資源を創出する取り組みを進めています。そして、こうした自然景観や体験型の観光資源を中心に、食や歴史、町並み、風土、文化を組み合わせた、高知らしさあふれる観光クラスターの形成を地域地域において加速することで、他県に負けない観光地づくりを進めてまいりたいと考えています。 こうした取り組みを行いながら、今月から国内の旅行会社へのセールス活動を展開するとともに、海外からの個人旅行客の誘致に対応したプロモーション活動などの準備も進めております。また、体験プログラムなどの一元的なPRや予約を行うことができる特設ウエブサイトを開発し、来年2月から運用を始めることにしています。加えて、全国に向けたPRを本格化するほか、こうち旅広場や地域の観光案内所では、きめ細かにキャンペーン情報を発信し、県内各地への周遊を促進することとしております。 今後とも、市町村や観光関連事業者、広域観光組織、地域の皆様方としっかり連携し、PDCAサイクルを実行して不断の磨き上げを行い、より魅力的な自然・体験型の観光基盤づくりとそのPRに取り組んでまいりたいと考えています。 次に、これまでに開催した地域博覧会の成果の検証と、今回の自然・体験型観光キャンペーンにおける連携への取り組みについてお尋ねがありました。 本県の県外観光客の入り込み数は、初めての地域博覧会となる「楽しまんと!はた博」が開催された平成25年以降、5年連続で400万人観光を実現しており、特に昨年の県外観光客の入り込み数は過去最高の440万人となり、観光総消費額も1,126億円を達成しました。 400万人観光を続けられた要因には、高知県産業振興計画の観光戦略において、つくる、売る、もてなすという一連のサイクルを抜本強化してきたことが挙げられます。つくるでは、地域のシンボルとなる観光拠点の整備や、土佐の観光創生塾による地域地域の旅行商品づくりを進め、売るでは、リョーマの休日キャンペーンによるセールスの実施、もてなすでは、龍馬パスポートの仕組みと組み合わせて、周遊の促進とリピーターの確保に努めてまいりました。 さらに、こうした観光戦略のもとで開催しました3度にわたる地域博覧会を通じて、地域の魅力的な旅行商品づくりや情報発信の強化、観光人材の育成などが実を結び、地域が主体となった観光地づくりが進んだことが何よりの成果であり、400万人観光の実現にもつながったと考えております。地域博覧会で得られた一連のノウハウは、開催を契機に強化された、それぞれの広域観光組織にしっかりと引き継がれています。 来年2月から実施する自然・体験型観光キャンペーンでは、地域地域で自然景観や体験を中心とした観光クラスターの形成を進めることにしています。その際には、広域観光組織と連携して、広域エリア内の観光クラスターをつないだ旅行商品づくりやその売り込みを行うとともに、さらに磨き上げを進めることで、地域地域の持続的な観光振興につながるよう取り組んでまいります。 次に、今後の竜串海洋観光のクラスター形成の方向性についてお尋ねがありました。 土佐清水市の竜串地域では、現在整備を進めております新足摺海洋館に先行して、全国トップクラスの大手アウトドアメーカーが監修する爪白キャンプ場や、足摺宇和海国立公園のエントランス機能を持つ環境省のビジターセンターのオープンが予定されるなど、地域資源を生かした観光拠点施設の整備が進められています。 こうした状況を見据え、県としては、これらの施設を効果的に連携させ、周辺の自然景観やアクティビティーなどを周遊していただく竜串海洋観光クラスターの形成を進めていきたいと考えております。このため本年4月には、一連の施設整備に先駆けて、国や県、土佐清水市に加えて、グラスボートなどのマリンアクティビティーや飲食を提供する地元の民間事業者、観光ガイド団体が参画をする竜串海洋観光クラスター推進協議会が結成されました。この協議会の検討によって生まれたアイデアが事業化され、構成メンバーである民間事業者が連携した周遊割引などが実行されておりますし、自然・体験型観光キャンペーンの新たな支援メニューを活用した観光資源の磨き上げも進められています。 今後、新海洋館やビジターセンターが整備されましたら、両館が備えるコンシェルジュ機能を存分に生かし、観光客を、目の前の海と足摺海底館などの周辺施設、海を生かしたアクティビティーやキャンプ場に加えて、地域ならではの食文化や歴史資源などを連携させた竜串海洋観光クラスターに招き入れることで、この地域における滞在時間の延長や観光消費の拡大につなげられるよう取り組んでまいります。 加えて、この竜串海洋観光クラスターと幡多地域で形成されるほかの観光クラスターなどをつないだ、より広いエリアでの観光周遊ルートづくりにも取り組み、幡多地域全体の観光振興を図ってまいりたいと考えております。 最後に、新足摺海洋館の整備に当たり、リニューアルなどを念頭に置いた設計面での工夫などについてのお尋ねがありました。 新海洋館の基本設計の策定に当たりましては、議員のお話にありましたように、将来的なリニューアルなどを見据えた、展示コーナーの間取りや動線の変更に対応できる自由度の高い設計とすることが一つのポイントとなりました。このため、新海洋館の基本設計を検討する有識者会議において、その方法について協議を行い、協議の結果を基本設計と実施設計に反映した上で、現在建築工事を進めております。 具体的には、館内の展示コーナーの間仕切り壁には取り外しが可能なパネルを採用しており、建物自体の強度に影響を与えることなく、展示コーナーの間取りや動線を変更することが可能な設計としております。また、水槽についても、建物の構造と一体化した一部の固定式を除き、移動式の水槽を採用しておりますので、水槽のレイアウトを柔軟に変更することで展示構成に変化を持たせることも可能です。さらに、新海洋館には、足摺・竜串地域の自然景観や、この地域に生息する多様な生物の常設展示に加え、来館者に新たな企画展示を鑑賞していただくことを目的とした企画展示室も備えております。 このように新海洋館では、将来的なリニューアルなどを見据えた設計面での工夫を行っていますので、開館後においても、展示コーナーの間取りや動線の変更に対応できる施設となっております。   (中山間振興・交通部長川村雅計君登壇) ◎中山間振興・交通部長(川村雅計君) LCC就航による高速バスへの影響についてお尋ねがありました。 四国内で既にLCCが就航している香川県と愛媛県について、四国運輸局の統計によるLCCの就航前後の関東方面と京阪神方面への高速バスの利用者数を比較したところ、全路線で利用者数の減少が確認されています。減少の理由が全てLCC就航による影響と断定することはできませんが、少なからず影響があったものと推測され、本県においても同様に、高速バスから一定の利用者がLCCにシフトする可能性があるのではないかと思っております。 運賃面で競合関係にあるLCCと高速バスでは、所要時間ではLCCが優位にあります。一方で、運行本数の多さや夜行便の設定など、高速バスにも強みがあるものと考えております。関係する事業者には、利用者目線でのさらなる利便性やサービスの向上に努めていただきたいと考えております。 今回、本県にLCCが就航することは、県民の皆様にとりまして、移動の際の選択肢がふえるという利便性向上の面で大きなメリットがあります。そういったことから、個々の交通事業者によっては、プラスとマイナスの両面があるということも踏まえた上で、LCC就航後の利用者の動向などを注視してまいりたいと考えております。   (産業振興推進部長井上浩之君登壇) ◎産業振興推進部長(井上浩之君) 食料品の輸出拡大に向けた今後の取り組みについてお尋ねがありました。 食料品の輸出につきましては、第3期産業振興計画において、相手国の特性に応じた国別の戦略と、ユズ、土佐酒、水産物など、品目別の戦略を立て、これまでに培ってきた現地の商社や量販店、有名シェフとのネットワークをさらに強化し、販路開拓と拡大を進めております。 このうち、ユズと土佐酒につきましては、世界的な食の情報発信地からのいわゆるシャワー効果を狙い、ユズはフランス、シンガポールを中心に、土佐酒はロンドンを中心にプロモーション活動を進め、輸出の拡大につなげてまいりました。 今後、この効果のさらなる拡散に向けまして、ユズにつきましてはEUやシンガポールにおける国際的な見本市への出展を通じ、一層の販路拡大を図るとともに、生産面では需要の多いEUの残留農薬基準に対応したユズの安定確保に向け、農業振興部と連携して取り組んでまいります。土佐酒につきましては、フランスやスペインのレストランや商社と連携し、試飲会や商談会を開催するなど販路開拓を進めるとともに、輸出向けのラベル表記やパッケージの改良なども支援してまいります。 また、水産物につきましては、輸入規制などが少ないASEAN諸国を中心に、展示会への出展や現地商社の本県への招聘を行うとともに、来年県西部で稼働します大型水産加工施設の水産HACCPの取得を支援し、アメリカへの輸出拡大を図ってまいります。 さらに現在、ジェトロ高知などと連携して県内企業の輸出戦略の策定と実行を支援しており、こうした取り組みを通じて、企業ニーズに応じた新たな市場の開拓と新たな輸出品目の掘り起こしも進め、さらなる輸出額の上積みを目指してまいります。   (教育長伊藤博明君登壇) ◎教育長(伊藤博明君) まず、本年度から小学校で道徳科が導入されたが、これまでの取り組みや見えてきた課題、及び来年度の中学校での導入も見据えた取り組みについてお尋ねがございました。 子供たちが、産業や社会構造の変化の速度が著しい、これからの時代を生きていくために、道徳科には、多面的、多角的に物事を考え、また他者と議論することや体験活動を行うなどの多様な学習方法を通して、物事の本質に迫っていく能力を身につけるための授業づくりが求められております。 本県では、こうした道徳科の授業への質的転換を図るために、新たな指導方法や評価の考え方などを授業映像とともにまとめました道徳教育用指導資料集を、平成27年度に県内全ての教員に配付し、校内外の道徳科の研修会などにおいて積極的な活用を図っております。 また、平成27年度から3年間、道徳の教科化の趣旨を踏まえた授業実践の牽引役として、道徳推進リーダーを39人育成するとともに、平成28年度から2年間、県内の10の小中学校を指定し、「考え、議論する道徳」の授業づくりを研究してまいりました。各指定校の研究会に小中学校の道徳担当教員も参加することで、道徳科の授業改善も一定進んできたと考えております。 しかし、教員からは、継続的に児童生徒の学習状況や道徳性の成長を把握しながら、内面の伸びや変容を見取り、チームとして統一した評価をしていくことが難しいとの意見が上がっており、今後、指定校の研究成果を活用した評価に関する研修を進めていくことが重要であると考えております。 来年度、中学校に道徳科が導入されるに当たっても、中学校教員が先行する指定校の研究成果を学ぶための研修会を各地で開催してまいります。また、指定校で実施される授業を小中学校の教員が参観する機会を拡大し、授業力の向上も図ってまいります。加えて、指導主事が直接学校を訪問し、教員に対して具体的な指導・助言を行うなど、中学校において道徳科が円滑に導入されるよう取り組んでまいります。 次に、教員の不祥事防止に向けた取り組みと決意についてお尋ねがございました。 議員御指摘のとおり、教員の真面目な取り組みと頑張っている姿があり、それを子供たちが日々間近で感じていることが、子供たちの道徳性の伸長には何よりも大切であると考えます。そして、多くの教員は、使命感や誇り、教育的愛情を持って教育活動に懸命に取り組んでおります。しかしながら、一部の教員による不祥事が続き、教員全体に対する不信感につながってまいりますので、県教育委員会としては、これまで不祥事根絶のために市町村教育委員会や校長会等と連携し、服務研修等を充実させ、また各学校の不祥事防止や法令遵守の取り組みを徹底してまいりました。 また、先日開催された総合教育会議では、これまでの研修を通じた個々の資質向上に加え、チーム学校として組織的なOJTを通じて人材を育成する仕組みを構築するとともに、学校で起こる問題に対して、組織としての対応力を高めていくことが重要であることが確認されました。 このため、人材育成の視点に立ったチーム学校の構築に向けて、全校種での主幹教諭の配置拡充のほか、中学校においては教科の縦持ちや教科間連携の充実を図り、また小学校ではメンター制を導入することなどにより、学校組織マネジメントの体制強化に努めていくこととしております。 さらに、学校代表者や専門家から成る学校組織のあり方を検討するための会を設置し、不祥事が発生する学校組織についての課題を整理し、取り組みの精度を高めていくことにあわせて、教員のストレスを軽減する風通しのよい職場づくりについても取り組みを進めていくこととしております。 学力の向上やいじめ、不登校への対応など、さまざまな教育課題を解決していくためには、何といっても教員が個々の児童生徒を理解し、児童生徒からは教員一人一人が信用されていなければならないと考えております。不祥事防止に向け、教員一人一人のこうした認識の強化や、先ほど御説明いたしました、チーム学校の強化による不祥事を発生させない組織づくり、人材育成に向けまして、全力で取り組んでまいります。 次に、来春4月の須崎総合高等学校開校後の施設や周辺環境の整備に対する地域住民の方々の声も多く聞かれるが、これらの整備についてどう考えるのか、お尋ねがございました。 須崎工業高等学校と須崎高等学校が統合し、現在の須崎工業高等学校の校地に設置する須崎総合高等学校については、平成31年4月の開校に向けて、現在体育館や校舎といった増築が必要となる施設の整備を進めています。 体育館や校舎が増築されますことから、グラウンドが現状より若干狭くなってまいります。授業や学校行事等への支障はありませんが、野球部など一部の部活動については、十分な練習環境を確保するために、当面の間、現在の須崎高等学校のグラウンドを使用していきたいと考えております。 また、周辺整備につきましては、まず現在の通学路について、道路管理者である須崎市と連携して取り組んでおり、グレーチングの設置工事は来月下旬には着工する予定となっておりますし、その他必要となる用地の取得作業等についても須崎市と協議して進めていくことにしております。加えて、津波発生時には地域の避難路としても活用できる新通学路の整備工事につきましても、平成35年度までの完成に向け、県市が連携した取り組みを進めてまいります。 須崎総合高等学校のグラウンドの拡張工事につきましては、工事車両の通行による粉じんや振動など、周辺住民の方々への影響が予想されますことから、工事車両は現在の通学路は使用せず、先ほど申し上げました新通学路を使用することとしております。このため、新通学路完成後速やかにグラウンド拡張工事が実施できるよう、事前の検討を進めてまいりたいと考えています。こうした周辺整備につきましても、地域の方々のお話を丁寧にお聞きするとともに、地元須崎市と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 なお、現在の須崎高等学校の跡地につきましては、野球部など一部の部活動が当面の間使用する予定ですが、部活動で使用しない時間帯の利用や、校舎、体育館の有効活用を含め、須崎市の意向もお伺いしながら検討してまいりたいと考えております。 次に、高知国際高等学校や須崎総合高等学校の統合に向けた課題を踏まえ、県立高等学校再編振興計画後期実施計画の策定にどのように取り組んでいくのか、お尋ねがございました。 県立高等学校再編振興計画は平成26年10月に策定され、平成26年度から平成30年度までの前期実施計画による取り組みを進めてまいりました。前期実施計画では、本県の高等学校教育の課題である生徒数の減少、社会性の育成と進路保障、南海トラフ地震への対応として、学校の統合や学科改編を進め、教育内容の充実や施設整備に取り組んでまいりました。 特に、学校の統合につきましては、学校関係者の皆様はもとより、将来高校生となる子供たちを初め、広く県民の皆様にかかわる重要な問題であり、前期実施計画を策定するに当たっては、統合対象校や校名などについて、検討過程などの事前の説明が十分にできていなかったことなどから、関係者の皆様に混乱を招いてしまったという反省点がございます。そのため、平成31年度から5年間にわたる後期実施計画の策定に当たりましては、オープンな形で、教育委員が直接それぞれの地域に出向いて協議を行い、市町村長あるいは教育長、学校関係者を初めとする地元の皆様から御意見もお聞きし、それをできるだけ計画に反映させていくことを目的として、公開の教育委員会協議会を昨年度は10回、今年度は8回開催してまいりました。 今後は、これまでの教育委員会協議会でいただいた御意見を踏まえた後期実施計画案を取りまとめ、10月下旬ごろからパブリックコメントを実施し、広く県民の皆様の御意見をお聞きした後、12月議会に御報告の上、策定してまいりたいと考えております。 最後に、新図書館等複合施設オーテピアの免震装置問題に関して、これまでに行った協議及び賠償や費用請求の内容についてお尋ねがございました。 免震装置問題による損害や費用に関しましては、平成28年1月20日にオーテピアの免震装置を製造・販売していた東洋ゴム化工品株式会社、その親会社である東洋ゴム工業株式会社の2者と、県、高知市の2自治体、設計業務共同企業体など全ての工事関係者6者の計10者の間で、合意書を締結しております。 この合意書の中では、東洋ゴム工業株式会社製から他社の免震装置に変更することにより生じる工事及び設計に係る追加費用のほか、免震装置の納期遅延等に起因して発生する直接的及び間接的な損害も含め、生じた損害については、協議した上で東洋ゴム工業と東洋ゴム化工品が負担することとなっております。具体的な費用及び損害金については、合意書を締結した8者がそれぞれ個別に東洋ゴム工業等2社と別途覚書等を締結し、その覚書等に基づきおのおのが東洋ゴム工業等2社に請求を行い、東洋ゴム工業等2社が支払うこととなっております。 東洋ゴム工業との協議に関しましては、これまで合築の相手方である高知市と連携し、弁護士や法務担当課に確認しながら請求項目を整理し、その上で請求項目や概算額などを提示し、定期的に話し合いを行ってまいりました。 7月にはオーテピアが開館し、請求費用のもととなる期間が確定しましたので、これまでの協議内容を踏まえ、請求内容を整理いたしました。県の請求予定額としましては約8,000万円となっており、請求の内訳としましては、オーテピア開館が1年遅延したことにより生じます外部倉庫の維持管理費用や、図書資料の増加分の移転に関する費用のほか、オーテピアの建設業務を担当する部署に関する人件費、それから事務費用、事務室の借り上げ費用などとなっております。 ◆13番(西内健君) それぞれに丁寧な御答弁ありがとうございました。 第2問はいたしませんが、少し時間が余っています。 安倍総裁が3選を果たしました。そして、安倍政権が継続することになり、この安倍政権の一丁目一番地は何かというと、やはりデフレからの脱却であります。アベノミクスを掲げて経済政策を行っているわけですけれども、やはり地方で実感が湧かないという声をよく耳にするところであります。 今回、入札制度のお話をさせていただいたのは、やはり地方における経済の一番の主体は何かといえば、それは公共部門であると思います。公共投資が税金であり、無駄遣いは許されない、それはよくわかるところであり、また今の社会の風潮であります。部長の話にもありましたが、予定価格は労務単価の増額により上昇していますし、それに合わせて調査基準価格も上がっていることはよくわかります。しかしながら、そこの適正な利潤、そしてそれと無駄遣いをなくす、ここの並行の部分をどうやってとるかによって、この地域経済が浮揚していく鍵になるのではないかと思っております。 入札制度をどのように構築していくかというのは、やはり難しい課題であろうと思いますが、今後も知恵を絞ってしっかりと取り組んでいただくことを要請いたしまして、私の一切の質問とさせていただきます。(拍手) ○議長(土森正典君) 暫時休憩いたします。   午後0時16分休憩-----------------------------------   午後1時20分再開 ○副議長(坂本孝幸君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 30番高橋徹君。   (30番高橋徹君登壇) ◆30番(高橋徹君) 県民の会の高橋です。午前中の西内議員の質問と一部重複するところがあるんですが、既に通告をしておりますので、通告に沿って順次質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。 まず、知事の政治姿勢でございます。 安倍政権における評価はそれぞれ分かれるところであると思いますが、私は森友・加計問題における安倍政権の対応において、国政の信頼を失ってしまったと思いました。このような政治状況の中、日本が培ってきた世界に誇るものづくりの歴史も崩壊してしまいました。大手企業の次から次への偽装問題、例えばデータの改ざんの中でも燃費の問題、防振ゴムの問題、ビル建設におけるくい打ちなど、取り上げれば切りがありません。また、国政における大臣や官僚の答弁においても大きく信頼を損ねています。その一部始終が連日テレビで放映される。私たちは今何を信頼して子や孫に教育し、日々生活をしていくことが必要なのか、全く見えない状況にあると私は思っております。 さて、尾崎知事は、平成19年11月に初当選をされ、これまで11年近く高知県知事として県民の先頭に立って、若さと情熱を持って多くの課題に積極的に向き合い、数多くの成果を上げてこられています。御苦労さまでございます。心から感謝と御礼を申し上げます。 さて、自由民主党総裁選についてお伺いをいたします。2012年の総裁選は5名の立候補者がありましたが、事実上、安倍氏と石破氏の戦いでございました。議員票は安倍氏がリードし、地方票は石破氏が倍近い党員票を獲得していました。しかし、両氏の票が過半数となっておらず、党所属の国会議員で決選投票となり、投票の結果は党員の意思は反映されず、安倍氏が総裁の座をかち取りました。戦後の総裁選において、党員票で敗北したのにもかかわらず総裁となったのは、安倍氏ただ一人であります。 さて、つい先日の総裁選においては、圧倒的に現職有利で展開をされました。選挙戦で石破候補は、政治の信頼回復や地方重視の姿勢などが党員45%の方々から支援を受け、大きく善戦したところでございます。また、県内におけるかかわりのある国会議員、中谷、山本、中西のベテラン3氏が石破氏を支持しております。安倍氏を、福井、高野、徳島出身の中西氏の3氏が支持しておりました。 そこで、知事に、このたびの自民党総裁選についてどのような感想を持っているのか、お伺いをいたします。 さて、来年4月には統一地方選を迎えます。その12月初めには尾崎知事も任期を迎えます。知事が年齢52歳となります。多くの県民が尾崎知事に、高知県政で培った政治手腕や政治力、地方が元気になる政策を国政の場で発揮していただきたいと思っております。政治の世界は一寸先は闇とも言いますが、何が起こるかわかりません。 そこで、知事にお伺いをいたしますが、国政の場に立つならばどのような政策を立てることが大切と考えているのか、お聞かせください。また、安倍総理に対してはどのような政策を求めていくのか、あわせてお聞かせください。 次に、よさこい祭りの振興についてお伺いをいたします。 ことしのよさこい祭りは、猛暑の中ではありましたが、天候にも恵まれ、事故もなく盛大に開催されたかと存じます。関係者の皆様には心から感謝を申し上げます。大変御苦労さまでございました。第65回目となることしは、日本全国から206チーム、約1万8,000人が参加をされ、それぞれに思い出に残る大会になったことと存じます。 私の地区は旭や万々地区でございますが、万々商店街振興組合の一員でもあることから、以前からかかわっております。万々商店街はすずらん灯のもと南北800メートル続く、とても長い商店街でございます。振り返ってみますと、一時期資金不足や人手不足を理由に踊り子隊を出せない時期もありましたが、最近は商店街だけではなく、周辺の企業からも協賛を得て、演舞場の開設とあわせて盛大に開催できています。ここ数年は、大学生や外国からの準備隊として多くの方々のお手伝いもいただいておりまして、大変ありがたく、また大いに盛り上げていただいております。 ことしも大変忙しい中、尾崎知事夫妻や岡崎市長夫妻にもお越しをいただき、メダルの贈呈などに参加して花を添えていただいておりまして、改めて感謝を申し上げます。まことにありがとうございました。 さて、私が心配しておりますのは、菜園場商店街や愛宕商店街も以前は踊り子の参加がございましたが、不参加となってしまいました。原因は商店街に活気がなくなったことや、世話人の不足と思われます。よさこい祭りの振興について知事の御所見をお聞かせいただきたいと存じます。 さて、よさこいと東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げることについてお伺いをいたします。 2年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックですが、この大会の最大のイベントは開会式であり、入場料が相当高くなるとの報道がなされております。開会式の総合統括責任者が狂言師の野村萬斎氏に決まりました。さらに、五輪のほうを映画監督の山崎貴氏、パラリンピックのほうを佐々木宏氏が責任担当することが既に決まっております。尾崎知事も、積極的に演目としてのよさこい鳴子踊りを--関係自治体やよさこい関係者などと連携をとりながら、実現に向けて努力をされておりますが、なお一層頑張ってもらいたいところでございます。 さて、国家プロジェクトとして東京オリンピック・パラリンピックが、大変な経費とボランティアを含む数多くの方々の力を結集して開かれますが、東京大会は日本を世界中にアピールする絶好の機会だと考えます。 高知県の木材を使う鳴子は、よさこい発祥の地、高知をPRしていく上で有効な手段の一つと考えますが、知事のお考えをお聞きいたします。 また、オリンピックは組織委員会、オフィシャルパートナー、IOC、JOC、調整する広告代理店など、大変複雑な構図の中での運営となりますから、一朝一夕には事は運びませんが、よさこいの演舞だけでなく、鳴子が東京大会の応援グッズとなるように努力することが重要かと思います。2年後といっても、あっという間の期間でございます。重ねて、この課題に取り組む知事のお考えをお示しください。 また、よさこいは日本各地に広がっておりますし、知事が3年前から提唱しまして大いに盛り上がってきています、よさこいアンバサダー制度によって、国際的にも広がっていますので、このよさこいエネルギーを東京大会での演舞に結びつけていこうという考えをぜひ持ってもらいたいわけですが、知事の御所見をお聞きいたします。 次に、LCCの新規就航についてお伺いをいたします。 LCC--格安航空会社ジェットスター・ジャパンが、高知龍馬空港と成田・関西国際空港の定期便の運航を開始することが決定いたしました。LCCの就航は県民誰もが待望してきたところで、高知龍馬空港が成田、関空という国際ハブ空港と結ばれることになり、外国人観光客の誘客は無論のこと、県内を訪れる邦人観光客の増加が期待できるほか、県民の行動範囲が大きく膨らむことになります。この2路線の開設にこぎつけた執行部の努力に敬意を表しておきたいと思います。 格安航空会社ジェットスター・ジャパンの就航は、高知龍馬空港として5年ぶりの新規路線で、LCCについては初めてのことでございます。ここに至るまでには、県議会各会派それぞれが誘致活動をしてきた経過もあり、私が所属している県民の会会派においても、3年3カ月前にジェットスター・ジャパンの本社を訪ね、就航要請をしたことを皮切りに、県民の会として継続的に誘致活動を続けてきたことが結実をし、大変うれしく思っております。これで高知龍馬空港のゲートウエーが拡充をされ、経済効果や県民の利便性も期待できると思います。 一方で、LCCの参入がなされても、利用者の搭乗率が低下すると撤退してしまうおそれがございます。今回、就航が決定をしたジェットスター・ジャパン成田線と関空線を将来にわたって維持し、継続的に運航していただくためには、空港の利用者増加を図り、安定した搭乗率を確保することが必要となります。 そこで重要となるのが、利用者の増加策など新たな航空需要を創出する取り組みであると考えますが、県としてどのような施策を展開していくのか、副知事の答弁を求めておきたいと思います。 さて、高知県立大学図書の焼却処分に関する問題についてお伺いをいたします。 永国寺町は、最近文教ゾーンとして整備されており、次の時代を背負う若者を育てる知的なエリアとしての整備が整ってきております。まことに喜ばしいことでありますが、このたびの問題は大変ショッキングな出来事であり、つまりあいた口が塞がらない、こんな心境でございます。私自身、この問題は高知新聞の報道で知るところとなったのですが、内容については詳しく連載をされておりましたので、そこそこ理解をしております。県民の方々の声も連日「声 ひろば」に寄せられておりまして、もっともな御指摘ばかりでございます。 そこで、何点か文化生活スポーツ部長にお尋ねをいたします。 どのような図書を、どのような思いでどのくらいの数、焼却処分されたのか、経緯を含めてお伺いをいたします。 次に、新図書館オーテピア、県市が協調してオープンさせることができましたが、大変な人気となっております。まことに喜ばしいことであります。 図書は県の公費で購入した県民の財産であり、読書は人生を支える重要な役割を持っております。その資源である図書を、事もあろうに焼却する理由が一体どこにあるのか、文化生活スポーツ部長は現場の声を忠実にお答えいただきたいと存じます。 次に、文化生活スポーツ部長は、今回の高知県立大学の図書の焼却処分をどのように受けとめて、今後の対応をどのように考えられているのか、お聞きいたします。 図書の焼却が大きな出来事として県民の前に明らかになったのですが、高知県公立大学法人が設置した大学や県立高校などで、安易な財産処分が現場サイドでなされていると、これまた問題でございます。このような事態、これに類する事態はないのか、文化生活スポーツ部長及び教育長にお聞きをいたします。 次に、教育行政についてお伺いをいたします。 2020年から新しい学習指導要領が実施となります。小学校においては平成30年、31年は移行期間とし、それぞれ学校・教員間で研修を深めているようでございます。 しかし、教員の多忙化が問題となっている中で、改訂により目指す教育方針が子供たちにとってどのように向上していくのか、先生方の負担は問題ないのか心配しているところでありますが、新学習指導要領のポイントや効果について教育長にお伺いをいたします。 次に、小中学校における教員不足により現場が混乱していることについて、地域の方から御相談をいただきました。県下の小中学校における臨時教員不足の現状と対応策について教育長にお伺いいたします。 次に、建築資材、断熱材についてお伺いをいたします。 オリンピック・パラリンピックの開催が2年後に迫ることしの7月、東京都多摩市の建築現場で大きな火災事故が起きました。新聞報道によりますと、ウレタン断熱材に火がつき、有毒ガスを出しながら一気に燃え広がったことで、作業員ら多くの死傷者を出し、有毒ガスを吸い込んだ作業員が入院するという事態に見舞われたのです。イギリスのロンドンでも、外壁に使用した断熱材が燃え、多くの死傷者を出した事故がありましたが、我が国ではこのような事故は建築基準法の観点から起きないだろうと思っていたやさきに、東京で起きたことに大変なショックを受けました。 そこで、次の点を踏まえながら質問をさせていただきます。消防業務は、市町村が最も優先して取り組まなければならない課題でございます。それは、住民と財産を守る基本であるからです。本県は、東京都多摩市の建築現場での火災をどのように認識し、教訓としたのか、危機管理部長にお伺いをいたします。 次に、建築資材が燃えやすいことにメスを入れなければ根本的な解決にはならないと考えますが、依然として石油由来の可燃性の断熱材が多く使われています。 このような中、代替えの断熱材がないかといえば、実はセルロースファイバーが木材由来でありながら難燃性であることがわかっておりますが、県としてこうした建築材料を率先して使用するお考えはないのか、土木部長にお尋ねします。 次に、入札制度についてお伺いをいたします。一昨年の9月定例会で、総合評価方式入札について改善を求めたところ、昨年度より表彰項目における配点区分が細分化をされ、今年度より対象期間が短縮されました。このことは一定の評価をしたいと思います。 しかし、いまだに優良建設工事施工者表彰の受賞者に偏りが見られます。私は2月定例会において、四国の他3県と比べても連続受賞者が多過ぎることを指摘したところでございます。先ごろ発表された今年度の受賞者を見ても、全体の約40.9%が昨年度に引き続いての連続受賞となっております。なぜ同じ業者を表彰し続けるのでしょうか。本当に公正な視点から選定をされているのでしょうか。選考者の私情を差し挟んでいるようなことはないと言い切れるのでしょうか。 なぜ私がこのことを指摘するかというと、この受賞者には多大なメリットがあります。表彰加点のある業者は、優先的な受注が可能となるだけでなく、総合評価方式においては、点数が高いことにより調査基準価格に上乗せして、余裕を持った受注が可能になります。企業プラス技術者で10点のアドバンテージがあり、金額にして数十万円程度の余裕が生まれるわけであります。 もしこの受賞者のメリットを理解して同じ業者を表彰し続けているとすれば、ある意味、官製談合とも捉えられかねない状況でもあります。大変厳しい質問でもございますが、知事、この現状をお聞きになってどういう感想を持たれますでしょうか、お伺いをいたします。 この優良建設工事施工者表彰ですが、エントリーをするためには80点以上の工事成績評定が必要とされます。今年度は62社のエントリーがあったと聞いております。しかし、受賞企業の点数を見てみますと、85点以上がほとんどであり、実際は85点がベースではないかという推測ができます。また、今年度の受賞工事は道路工事がほとんどで、河川・海岸工事は0件、数年前はのり面工事がほとんどというふうに、工事の選考にも偏りが見られます。 先ほども申し述べましたように、連続受賞者が多発していることや、受賞工事が特定の工種に偏っていることから見て、土木部に自浄作用がないのだとすれば、第三者機関による審査を行うなど、公明正大な選考を行わなければならないと思いますが、土木部長の御見解をお伺いいたします。 私は2月の定例会において、大勢の技術者がやりがいを感じることができるような建設業を目指し、他県のように優良建設工事施工者表彰の受賞者をふやすことも一案と提起をいたしましたが、今年度は実現されませんでした。その際、前の福田土木部長からは2点のお答えをいただきました。 1点目は、1企業2件同時受賞の解消による他企業の受賞機会の確保というお話がございました。ですが、現実は今年度の結果から見ても連続受賞者が多く、他企業の受賞は少ないままで実現できておりません。 2点目は、地域の企業を幅広く表彰するため、新たに土木事務所長賞を設け、加点対象としているとのお話がありました。この点は一定の成果が出ており、評価をしたいと思います。しかし、知事賞、優良賞と土木事務所長賞では加点点数に大きな開きがございます。依然として知事賞、優良賞の受賞者に有利に働いているのが現状でございます。この加点の幅を小さくしなければ根本的な解決にはなりません。 現在、知事賞、優良賞が5点、土木事務所長賞が2.5点、実に2倍の格差です。国交省の加点状況を見ても、局長表彰5点、事務所長表彰3点と、2倍もの差はございません。ぜひこの格差を解消すべきではないでしょうか、土木部長の御見解をお伺いいたします。 さて、今後高い確率で発生すると言われる南海トラフ地震に備えて大切なことは、官民の連携であろうと思うわけです。現在、建設業界の景気は一時期から比べますとよくなってはおりますが、このような偏りのある入札制度が続きますと、いずれ業者数が減り、地域を守る担い手である企業が減ってしまうという大変な危機感があります。 高知県土木部は他の四国3県と比べても、何でも国に倣おうとする傾向が強いわけですが、国交省と高知県では工事の施工規模や入札に参加している業者数が違うわけでございます。また、必然と企業数に対する発注量も違ってまいります。そして、企業の施工能力も違うわけです。 一から十まで国に倣うのではなく、国に倣いつつも、高知県の現状に即した柔軟な入札制度を私は構築すべきだと思いますが、重ねて土木部長の御見解をお聞かせください。 次に、これまでにも何度か取り上げてまいりましたが、国道33号旭町1丁目から鏡川橋に至る1.5キロメートルの未整備区間の整備についてお伺いいたします。 以前にお伺いをした際、この区間において国道と民地の境界が不確定なところが多数存在している、このことを解消する必要があるとのことで、その後、国、県、市の3者で協議をし、高知市が事業化の前提となる境界確定など、環境整備を整えるとございました。先日、高知市にお聞きいたしましたら、平成28年、29年、30年、この3カ年でほぼ順調に境界確定が進んでいるとのことでございました。 いよいよ本格的に事業化に向けた要望を国に対して行っていただかなければなりませんが、今後の取り組みについて土木部長にお伺いいたします。 また、県道旭停車場線、旭駅から旭駅前通りの300メートルの区間でございますが、この整備方針についても土木部長にお伺いをしたいと思います。 次に、高知市民が大切にしなければならない鏡川についてお尋ねをいたします。私は、これまで鏡川の現状についての報告と、そして失われてきた環境について、そして改善策についても議会でたびたび御指摘をさせていただきました。しかし、ほとんどが改善されていません。つくづく我々の力のなさを痛感しております。 そこで、鏡川漁協では平成27年に鏡川水系環境保全対策協議会を設置いたしました。委員の先生方については、広く各方面から御推薦をいただきました。委員長には、アユの生態系について詳しく研究をされている高知大学農学・医学博士の今城雅之先生、副委員長には、長年鏡川河畔で鏡川とともに生活をしてこられた地元の放送業界のチーフプロデューサー、そして各委員の先生方には、河川研究で知られる農学博士、アユの友釣り連盟の元顧問、そして元高知県土木部の副部長、そして鏡川の中流域で鏡ダムが建設される以前から鏡川の自然とともに暮らしてきた方、以上6名の委員の先生方でございます。 第1回鏡川水系環境保全対策協議会は平成27年9月に開催され、役員の選考、鏡川の現状についての意見交換、視察ルートの選定が行われました。第1回の現場視察を10月に実施し、鏡ダム下流域を中心に16カ所、すなわちトリム堰、廓中堰、鏡川堰、江ノ口・鴨田堰、朝倉堰、カジヤ下、大渕、天ヶ滝、行川、城ノ平橋、鏡庁舎、小川口、的渕、畑川、柿ノ又の順に視察をして、問題点と改善点の明確化と情報共有を行い、引き続いて11月に第2回現場視察を実施して、鏡ダム上流域を中心に5カ所、すなわち鏡ダム管理事務所、土佐山地区の天神発電所、弘瀬、高川、重倉の順に視察を行っています。 その後、第2回の協議会を11月末に開催し、視察をもとに把握した問題点と改善点を検証し、河川環境改善計画の原案として取りまとめています。そして、第3回の協議会は平成28年1月に開催し、原案から改善計画の課題を9項目に絞り込み、再度の視察で実施しています。 その後、第3回の現場視察を28年4月に実施し、下流域から新月橋、トリム堰、朝倉堰、カジヤ下、鏡庁舎、土佐山の弘瀬上流の稚アユ放流4カ所の順に視察を行い、鏡川水系河川環境改善計画を取りまとめていただき、28年8月8日に鏡川水系環境保全対策に関する提言書の提出を賜りました。 提言書は、早期に鏡川水系で河川環境の改善を図るべく、鏡川水系環境保全対策協議会で審議して取りまとめた7項目、1つ、アユ解禁日の前倒し、2つ、重倉川の濁水問題の解消、3つ、稚アユ放流技術の検討、4つ、下流域、特にトリム堰直下下流に形成される産卵場の環境の保全、5つ、廓中堰、鏡川堰、江ノ口・鴨田堰の可動堰の改修、6つ、朝倉堰の魚道改善、7つ、漁場の再生と、以上7項目となっております。 28年9月9日に、委員の先生方とともに尾崎知事と岡崎市長に提言書を提出させていただきました。地元紙でも紹介をしていただいたところでございましたが、提言書については多くの方々から高い評価をいただきました。 さて、この提言書を提出させていただいて2年が経過いたしますが、これまでの対応と今後の方針について知事にお伺いをいたします。 次に、鏡ダムの放流運用についてお伺いをいたします。平成27年12月の議会で、現在の固定式放流について改善を求めました。鏡ダムは通常の満水レベルが73から74メーターとされていますが、放流の位置は60メーターのところにございます。13メーター程度下がっております。そのため、下流域の放流水は水温も低く濁水となって、下流域のアユのうまみや、冷水病の発生率の上昇、いつも薄く濁っているなど、さまざまな環境への悪影響が発生をしています。 以前には、水温などについても詳しく述べ、改善についての指摘をいたしました。28年12月にも、その後の経過について再度お尋ねもいたしました。その際、水温の低下、濁度によるアユへの影響について詳細に調査をしているとお答えをいただきましたが、その結果などについて土木部長にお伺いいたします。 なお、鏡川漁協には、ダムの放流については今や選択取水が当たり前の措置であって、現在の放流を何で選んだのか、疑問の声が地区会でも総代会でも、また一般市民の方々からも寄せられています。このためことしの総代会では、市民運動として署名をしてはどうかとの御意見もありましたので、申し添えておきます。 次に、私の地元でございますが、紅水川周辺の浸水対策についてお伺いをいたします。これまでにもたびたび浸水対策について、現状を踏まえながら改善を求めてきたところでございます。この区域における紅水川北岸区域は、分流による雨水排水施設での処理となっており、計画処理雨水は1時間に77ミリでの計画、また紅水川南岸地区は合流での処理となっており、1時間に66ミリの計画で処理されております。この時間処理量は、高知市における最大の処理計画区域として完成している地区でもございます。したがって、新たなポンプの増強による内水排水対策には限界があることも承知をしなければなりません。 さて、これまで河川管理者である県は、この地区の対策として私たちが求めてきたことなど、上流部での越流対策などについて、ここ数年で整備をしていただきました。しかし、実際石神橋は周辺堤防よりも低くなっており、平成26年の雨では水位が橋面よりも高くなり、橋が阻害となって上流の水位を上昇させました。さらには、11メートルの狭い川幅でもあるにもかかわらず、川の中に橋脚があることが流水阻害の原因となっております。なお、参考までに申し添えますが、石神橋下流の河川幅は26メーターと、約2倍以上となっております。 最大の問題は、石神橋によって河川断面を大きく制限していることであります。このことが周辺地区の浸水の大きな原因でもあります。このことに対する土木部長の御見解をお聞かせください。 次に、日本固有の魚アカメの保護について申し上げます。 ことしの2月議会でも、この問題について、現状の声をもとに早急に保護対策を講じるべきではないかとの提案をさせていただきました。その際、高知県では注目種として指定するとの答弁がございました。県では、啓発活動に向けてパンフレットを製作し、多くの関係機関に配付しています。 その後、アカメの状況について、私どものところに日ごろからアカメについて調べられている方から、県内におけるアカメの稚魚などが減っているとの情報が寄せられています。そうした減少の一因として考えられる、ネット等でアカメが販売されているとの情報もございます。 実際にアカメが減少しているのであれば、短期間ではありますが、県の啓発活動では効果が出ていないということになりますが、アカメの状況についてどのように分析をされているか、お聞かせください。また、アカメの保護を進めるために、高知県条例に基づき指定希少野生動植物に指定をし、捕獲や販売を制限する対策を講じるべきではないかと思いますが、あわせて林業振興・環境部長にお伺いいたします。 最後になりますが、グリーフケアについて御質問をさせていただきます。 グリーフケアを御存じでしょうか。私も初めて聞く言葉で、聞きなれない言葉ですが、つまり配偶者や子供、親などの家族、親しい友人などと死別した人がショックや喪失感で精神的に不安定になる、心の傷のケアのことでございます。核家族化や都市化が進んでいる現代では、悲しみに寄り添う存在や代替えとなるケアが求められています。 また、現代の医療のあり方で、延命治療をするかしないかで、家族が亡くなった後の残された人の心の葛藤等で悩んでいる方々がいる、そんな御相談を受けました。ある方は、御両親を亡くされ七回忌を迎える。しかし、長年の介護によって鬱となり、今も心療内科に通っているが改善をしない。7年という歳月を経ているが、現実一人になった喪失感でいっぱいである、身内もいない、両親もこの世にいない、相談する相手がいないとありました。 大変難しい問題であり、私自身、十分理解できていない点がありますが、高知県におけるグリーフケアの現状、そして他県の取り組み状況について地域福祉部長にお伺いをいたします。 以上で、第1問とさせていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。   (知事尾崎正直君登壇) ◎知事(尾崎正直君) 高橋議員の御質問にお答えをいたします。 まず、このたびの自由民主党総裁選挙に対する感想についてお尋ねがございました。 今回の自由民主党総裁選挙においては、安倍総理と石破元幹事長が立候補され、先日行われた開票の結果、安倍総理が全体の約7割の票を得て3選を果たされました。 このたびの総裁選挙を通じて、経済成長や地方創生、社会保障制度改革、防災、憲法改正など、我が国が抱える諸課題について活発な議論が行われたことは、今後の我が国の進むべき道を多くの国民の皆様が考えるといった点においても、大変意義深いものであったと考えております。 また、開票の結果に関しては、安倍総理が、国会議員による投票では80%を超える票を獲得しました。他方、自民党員、党友による投票、いわゆる地方票に関しては、人口減少や高齢化が進む地方を中心に、10県において石破元幹事長の得票が上回ることとなりました。こうした背景には、アベノミクスを中心とする経済政策によって持続的な経済成長が続いているものの、地方によって景気回復の効果の実感が異なり、地方重視を前面に押し出した石破元幹事長の公約が評価されたことや、森友・加計学園問題に関する国会対応に関して、いまだ国民が十分に納得していない点があるといったこともあったのではないかとの報道がなされているところであります。 安倍総理におかれては、これまで以上に地方の声に耳を傾けていただきますとともに、総理御自身もおっしゃっておられるように、謙虚で丁寧な政権運営を行っていただき、国民の皆様の期待にさらに応えていただきたいと考えております。 次に、国政の場に立つならばどのような政策を立てることが大切と考えているのか、また安倍総理にどのような政策を求めていくのかについてお尋ねがございました。 私自身として、国政の場に立つなどといった考えを持っているわけではありませんが、現在の知事としての取り組みの中で、国政に求めていきたいことをお答えさせていただくとすれば、国政には、地方の努力だけではなし得ないような国家レベルでの課題とともに、地方の実情を踏まえた地方独自の取り組みを積極的に応援していく、そのような政策が必要ではないかと考えているところです。例えば、地方創生をとってみましても、地方からアイデアを積極的に発信し、国はそうした地方の自発的な取り組みを応援していく、そういったまさに地方主導型の地方創生につながるような政策を期待するところであります。 また、持続可能な社会保障制度を構築することも重要でありますが、こうした問題についても地方重視が大切だと考えているところです。本県においては高知型福祉等の実現に向けて、日本一の健康長寿県構想に取り組んできたところでありますが、日本各地それぞれの地域ごとに実情が異なることから、そうした地方の特性を鑑みながら国として力強く応援していく、そういった政策を進めていただきたいと考えているところであります。 このように、我が国の抱えている大きな懸案課題であります経済政策と社会保障制度を解決していくための要諦は、地方重視にあるのではないかと考えています。 他方で、南海トラフ地震対策や豪雨対策などといった防災対策は、国家的課題としてさらに加速すべきであると考えています。本県といたしましても、防災対策に最大限の努力で取り組んできているところですが、例えば南海トラフ地震など大規模災害時の医療救護活動においては、本県の日ごろからの取り組みだけでは決して補い切れない、医療資源不足といった問題に直面することが想定をされます。このように、地方の取り組みだけでは絶対的に不足するような対策については、国が地方の取り組みをバックアップする、そういった政策をぜひとも進めていただきたいと、防災分野については特にそのように考えているところであります。 本県は、全国に先駆け人口減少社会に突入し、10年以上にわたりこれらがもたらす課題などに真正面から向き合い、課題の解決を目指してまいりました。これからも、課題解決先進県を目指し、南海トラフ地震対策や産業振興計画を初め、日本一の健康長寿県構想などに全力で取り組んでまいります。 あわせて、国として地方の取り組みを積極的に後押ししてもらいたい政策や、地方だけではなし得ないような政策については、引き続き国に対して積極的に政策提案をしてまいりたいと、そのように考えております。 次に、よさこい祭りの振興についてお尋ねがありました。 本年、第65回を迎えたよさこい祭りは、よさこい祭振興会や競演場、演舞場などを初め、多くの関係する皆様の御尽力により、県外を含む、過去2番目に多い206チーム、約1万8,000人の踊り子が参加し、真夏の高知をよさこい一色に染め上げ、大いににぎわいました。また、海外からは24に及ぶ国や地域から200人を超える参加があり、国際色も一層豊かになってまいりました。このように、地域や国境を越える力を持つよさこいは、現在全国200カ所以上、海外28の国や地域で踊られるようになり、日本を代表する祭りとして成長を続けています。 一方で、競演場、演舞場の運営に当たっては、各商店街において、祭りを支える担い手の不足や高齢化などといった運営上の課題があると伺っております。ことしのよさこい祭りにおいても、長らく出場を続けてこられた商店街のチームが出場を見送るという残念な事態もございました。 よさこい祭りをさらに発展させ、未来に継承していくためには、こうした競演場、演舞場が抱える課題をよさこい祭りにかかわる皆様方と共有し、対話を重ねて解決策を導き出しながら、よさこい祭りの振興につなげていくことが大切であると考えています。 このため、本年4月には、よさこい祭りをさらに県民、企業に浸透させ、競演場、演舞場などの維持・発展、踊り子の参加促進、企業の協賛促進などにつなげ、未来へ継承することを内容とした、よさこい祭りの日宣言を、よさこい祭振興会、よさこい祭り競演場連合会、高知市観光協会、高知市、高知県の5団体と、よさこいチームの皆さんとで行いました。 よさこい祭りの振興にとって、競演場、演舞場の維持・発展は何より大切であります。県としましても、よさこい祭りの日宣言の目的達成に向けて、5団体で連携してしっかりと取り組んでまいりたいと考えており、現在競演場、演舞場の担い手不足の対応策や、桟敷席での観覧環境の改善策などについて、ともに検討を進めさせていただいているところでございます。 次に、鳴子は高知をPRしていく上で有効な手段ではないか、また東京大会の応援グッズとなるよう努力すべきではないかとのお尋ねがございました。関連しますので、あわせてお答えをさせていただきます。 東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、全世界から注目される大会ですので、鳴子を手にするよさこい踊りの魅力と、よさこい発祥の地高知を発信することができる絶好の機会であります。このため現在、全国のよさこい団体で組織する2020よさこいで応援プロジェクト実行委員会では、よさこいの象徴である鳴子を地域や国境を越える平和のシンボルと位置づけし、東京オリンピック・パラリンピック競技大会開閉会式などでのよさこい演舞の実現と、訪日するアスリートや大会関係者、外国人観光客の方々をよさこい踊りと鳴子の響きでおもてなしすることを目指した取り組みを進めています。 議員から御提案をいただきました、鳴子を東京大会の応援グッズとして活用することについては、競技ごとに応援のルールやセキュリティーの確認が必要なことを初め、競技団体や会場関係者、オフィシャルパートナーや観客の理解を得るための調整など、さまざまな課題はあると思われますが、まずは実行委員会の皆様とともにその可能性について検討してまいりたいと考えております。 あわせて、全国の踊り子が集い、よさこいを演舞することができる場づくりや、事前合宿の歓迎式典などでのよさこいの演舞を通じて鳴子をPRする取り組みについても、協議を進めてまいります。 このような取り組みが実りますと、世界中に鳴子の奏でる平和の音が響きわたっていくことになり、よさこい発祥の地である高知を全世界にアピールできることにもつながるものと考えております。 次に、よさこいの国内外での盛り上がりを東京大会での演舞につなげてもらいたいとのお尋ねがございました。 県では、よさこいを国内外にPRすることで、よさこい発祥の地高知としてのブランド化を図り、本県への外国人観光客の誘致拡大につなげる取り組みを進めています。 国内においては昨年3月に、全国でよさこいを主催する69団体で、2020よさこいで応援プロジェクト実行委員会を設立しました。その会員数は現在35都道府県、81団体となり、全国的な体制となっております。 昨年11月には、この実行委員会から東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長に対し、よさこいは地域や国境を越え調和と平和の集いであるといった特徴が、東京オリンピック・パラリンピック開閉会式のコンセプトと一致していることを提言し、開閉会式や「東京2020 NIPPONフェスティバル」などでの演舞実現に向けた要望活動を行ってまいりました。加えて、本県からも本年2月、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣に対して、日本の祭りとして国内外に広がっているよさこいをアピールし、演舞を実現するための政策提言を行ったところです。 また、海外においては、平成28年度からよさこいアンバサダー制度を展開し、これまでにヨーロッパやアジア、北南米などの16カ国、20チーム、56人を認定して、よさこいの世界的なネットワーク化と海外での普及拡大を推進しております。この制度の成果として、よさこいアンバサダーが国境を越え連携し、海外チームを編成して昨年に続いてよさこい祭りへ参加するなど、手応えを感じているところです。 こうした国内と海外でのネットワーク化をさらに進め、よさこいが日本を代表する祭りとして国内外での認知度を高め、これらを大きな追い風に要望活動を継続していくことで、東京オリンピック・パラリンピック競技大会におけるよさこい演舞の実現を目指してまいります。 次に、総合評価方式の加算対象となる優良建設工事施工者表彰に関し、同じ業者が連続受賞している現状についてお尋ねがありました。 本県が発注します道路や河川、港湾といった建設工事には、産業や経済の振興を支える基盤となることはもとより、県民の皆様の安心・安全な暮らしをしっかり守っていけるよう、信頼できる技術力と高い品質管理による工事施工を求めております。 そのため、本県の総合評価方式の入札においては、施工業者の信頼度や技術力を最も的確で確実に評価できるよう、過去に完成させた工事の施工実績や成績評定点に加え、優良工事表彰の受賞歴を評価項目として採用しています。この点に関しては、国土交通省を初め多くの県の総合評価方式において、同様の設定をしていることを確認しています。 この優良建設工事施工者表彰の選考に当たっては、恣意的な要素を徹底的に排除し、厳正に行う仕組みを整えております。具体的には、まず多くの県では、採点側である県からの推薦により評価対象を選定しているのに対し、本県では、施工業者から応募のあった工事を評価対象としています。次に、発注機関の担当職員が現地を確認した上で、県の土木部のほか、農業振興部、林業振興・環境部、水産振興部の関係課長など10名が、それぞれ個別に書類審査を行っております。さらに、この書類審査では、工事の施工技術やできばえはもとより、現場の安全管理や周辺環境への配慮、地域社会への貢献などの切り口で丹念に審査をしております。そうして、それぞれの工事に対する評価点を集計し、受賞者を決定しています。 この際に、1人の審査員の偏った点数評価が全体の順位に過大な影響を与えないよう、審査員の採点した点数をそのまま合計するのではなく、順位点に換算するなどといった、審査員個人による偏りをなくす工夫もしております。このように、応募から審査に至るまでの全ての段階で、恣意性を排除する工夫をしつつ、公平・公正な審査を行っていると考えています。 一方、総合評価方式は、入札価格による価格評価と技術評価の両面から総合的に評価をしていくものですが、確かに優良工事表彰の実績を有する企業は、この技術評価において一定のアドバンテージを持つこととなります。ただ、そのことによって新たな企業の参加を阻害し、著しく競争性が低下することのないように、総合評価全体に占める各評価項目のウエートに配慮した基準にしていくことが重要だと考えています。 現在、優良建設工事施工者表彰に係る総合評価でのウエートについては、本県の場合、一般的な土木一式工事では、評価点120点満点に対して0.9点、率にして0.75%となっています。同様の視点で率を見ますと、四国地方整備局では1.5%、愛媛県では0.58%、香川県では0.57%、徳島県では0.75%となっており、本県の数値は国や他県と比較しても突出して高いウエートにはなっておりません。 他方、一部の工事の入札において、調査基準価格付近での応札が集中するような状況下では、技術評価点の持つ意味合いが強くなってくることは確かであり、こうしたことから、毎年開催しております建設業協会の各支部の事業者の皆様との意見交換においても、優良工事表彰の受賞を初め、各評価項目の基準の設定や評価配点について御意見をお聞きし、各評価項目の落札結果への影響を分析しながら、より公平で公正な評価ができるよう、常に制度の見直しを行っているところです。 こうした総合評価制度のあり方については、毎年度学識経験者や国の発注機関長で組織する高知県総合評価委員会においても審議をいただいており、公平で公正な制度運用に努めております。 今後も引き続き、事業者の皆様の御意見を十分にお聞きしながら、建設業界全体のレベルアップにつながり、より適切な評価を反映させた入札制度となるよう努めてまいります。 最後に、鏡川水系環境保全対策に関する提言書に対するこれまでの対応と今後の方針についてお尋ねがございました。 今後の鏡川を安心・安全で100年後も美しい河川であるようにという思いから、平成28年に鏡川漁業協同組合において取りまとめられました、7つの課題についての提言を受け取っております。 まず、可動堰の改修などにつきまして2つの提言をいただきました。これらの堰からの取水は、水道や農業用水などに広く利用されておりますほか、湛水によって地下水を涵養する役割を果たしているところです。このため、堰の構造や運用を変えることは、周辺の地下水に影響を及ぼすおそれがございますので、慎重な対応が必要となるものと考えているところです。 次に、アユの生息環境につきましては、産卵場の環境保全、漁場の再生、濁水問題の解消など、3つの提言をいただきました。県では、鏡川漁業協同組合や地域の関係者が行っておられます産卵場の造成など、アユが産卵しやすい環境を保全する活動を支援させていただいております。また、県が行う河床掘削などの工事の際には、漁場の再生に資することができますよう、漁協の皆様からの御意見を伺って実施することとしております。鏡川の上流、重倉川の濁水につきましては、これまで出水の後に目視による確認を行ってまいりました。今後は、高知市とも連携を強化しまして、濁水の発生源などについて引き続き調査を行ってまいります。 次に、稚アユ放流技術の検討の提言がございました。県では、稚アユの放流効果を高めるため、鏡川漁業協同組合と連携しまして、放流した稚アユの分布や生育・産卵状況などの調査を行いますとともに、健全な稚アユの安定的な生産に向けまして、生産機関である内水面漁業協同組合連合会に対して、親アユの供給や病気への対策などについて支援を行っております。 このほか、アユ漁解禁日の前倒しについての提言もいただきました。アユ漁解禁日の前倒しを行うに当たりましては、国の認可を受け、高知県内水面漁業調整規則を改正する必要がございます。現在、鏡川におけますアユ資源のデータ収集・分析を行うとともに、国とも解禁日の前倒しに向け、規則改正につきまして事前協議を行っているところでございます。 提言にもございますが、30万人の高知市民に愛される鏡川が100年後も美しい川であるようにとの思いは、私も同じでございますので、関係する皆様と連携し、河川環境の保全に取り組んでまいります。 私からは以上でございます。   (副知事岩城孝章君登壇)
    ◎副知事(岩城孝章君) LCCを継続的に運航していただくための今後の県の施策の展開についてお尋ねがございました。 LCCは、低コストの運航などを行うことで低運賃を実現するというビジネスモデルであることから、採算性を確保するために高い搭乗率を維持する必要があると言われております。 そのため、県としましては、12月から就航いたします成田路線と関西路線の県内での周知を図るため、マスコミや県の広報媒体・路面電車のラッピング広告によるPR、経済団体等を通じた県内企業へのPRなどに取り組んでまいります。 さらに、県外事務所とも連携をして、県人会など本県にゆかりのある団体や企業を通じたPRや、航空会社が行うインターネットやSNSを活用した、国内外に情報発信をする取り組みへの支援をしていくこととしております。 加えまして、成田空港、関西空港という我が国でも屈指の国際ハブ空港と高知龍馬空港が直接結ばれることは、外国人観光客などのさらなる誘客につながり、国際観光を推進する上で絶好の追い風になるものと考えております。 来年2月からは、本県のインバウンド観光のステージアップを目指した自然・体験型観光キャンペーンをスタートさせますが、LCCの利用者は20代から30代の若者が多いとお聞きをしており、まさに自然を生かしたアクティビティーなどを中心とするこのキャンペーンのターゲット層となりますので、より多くの観光客に本県を訪れていただくためのプロモーション活動を展開してまいりたいと考えております。 LCCが就航することで、その地域に新たな移動の需要が生まれると言われておりますが、以前国土交通省が行った調査では、LCCが就航したことで、他の交通機関からの乗りかえではない、全く新規の航空需要が26.5%創出されたとの報告がございます。本県におきましても、この調査結果を上回ることができるような新たな航空需要の創出に向けて、航空会社と連携しながら、ともに路線を育てていくというスタンスで、しっかりと取り組んでまいります。   (文化生活スポーツ部長門田登志和君登壇) ◎文化生活スポーツ部長(門田登志和君) 高知県立大学の図書の焼却処分に関する問題について、まずどのような図書を、どのような思いでどのくらいの数、焼却処分したのか、また図書を焼却する理由がどこにあるのかについてお尋ねがございました。関連しますので、あわせてお答えいたします。 高知県立大学におきましては、永国寺キャンパスに新たに整備した図書館に蔵書を移転するに当たり、将来的にふえ続ける蔵書のことも考慮しながら、平成25年9月以降、時間をかけて慎重に検討を重ね、学内規程に基づいて図書を2万5,000冊余り、紀要類をおよそ1万冊、雑誌をおよそ2,700冊、合計およそ3万8,000冊の除却を決定しております。 その際、大学は次のような作業を行ったとお聞きしております。まず、郷土資料は選定から除外したこと、次に重複している図書は原則1冊は残し、それ以外は除却の対象としたこと。また紀要類は、インターネット上で公開しているものや継続して届いていないものを除却対象としたこと。その上で、重複していない図書についても、シリーズがそろっていないもの、内容が同じで版違いがあるもの、同一分野で同じ内容の資料、古いパソコン関係の入門書や解説書、破損して修復が困難なものなどといった観点から除却リストを作成し、そのリストを全教員が繰り返し確認しながら、除却対象の図書を選定したとのことでした。 こうしたプロセスを経て除却決定された蔵書のうち、焼却された冊数については、大学は確認中としており、明らかになっていませんが、教員が個人的に教員研究室などに引き取った図書が2,400冊程度あることや、紀要類およそ1万冊は全て古紙回収業者に引き渡していたということを大学からお聞きしております。 焼却に至った理由については、大学からは、大学名や教員名の記載された本が学外に出回ることや、大学の資産を勝手に売却することは不適切であると認識していたこと、また譲渡などの手続を行う場合に要する時間や労力の制約、除却後の図書などを譲渡するために保管する場所の確保といった課題などが要因となり、焼却に至ったとお聞きをしております。 次に、今回の高知県立大学の図書の焼却処分をどのように受けとめ、今後の対応をどのように考えるのかについてお尋ねがございました。 今回の蔵書の焼却処分について、高知県立大学の学長は記者会見や永国寺図書館蔵書除却検証委員会の場などにおいて、県内の公立図書館や他の大学図書館、県民の皆様にお知らせし、広く活用の道を探ることも必要であったと考えているが、結果として多くの蔵書を焼却してしまったことについて深く反省しているという趣旨のお話をされております。 県として、今回の蔵書の除却処理については、学内の規程に基づいて慎重に手続が行われているものの、焼却に至る過程において、図書を引き取っていただける方を学外に求めていくといった対応が行われていなかったことを残念に思っております。 高知県立大学は、9月23日に第1回の検証委員会を公開方式で開催し、蔵書除却の手順や決定後の処理方法などについて検証を始められました。大学においては、この検証委員会の検証結果なども踏まえ、蔵書の適切な管理や図書館の運営に向けてしっかり取り組んでいただきたいと思っております。県としてもその際、必要な協力をしてまいりたいと考えております。 最後に、高知県公立大学法人が設置する大学で、今回の図書の焼却のほかにも安易な財産の処分がなされていないかとのお尋ねがございました。 高知県立大学、高知工科大学、高知短期大学においては、財産処分に当たって、高知県公立大学法人が定めた財産の管理に関する規程に基づいて適切に取り扱われているとお聞きをしております。 平成29年度においては、合わせて33件の固定資産及び115件の物品を除却しております。主なものとしては、老朽化や故障などにより使用が不可能となった旧型のパソコンやプリンター、修理不能となった気象データ等解析処理装置などの研究機器となっております。 なお、高知県立大学に対しては、今回の蔵書の焼却処分を踏まえ、今後の財産処分に当たって適切に行っていただくようお話もしたところですが、他の大学においても、今後より一層適切な取り扱いに努めていただきたいと考えております。   (教育長伊藤博明君登壇) ◎教育長(伊藤博明君) まず、県立高校などで安易な財産処分が現場サイドで行われていないか、また類する事態はないのか、お尋ねがございました。 県立高等学校の学校図書資料の廃棄については、全国学校図書館協議会の制定する学校図書館図書廃棄規準に基づき蔵書の点検評価を行い、その結果不用となった図書を廃棄することとなっております。また、この規準によると、年鑑、白書、郷土資料、貴重書は廃棄の対象としないことになっております。 なお、廃棄予定となった図書におきましても、さらなる再活用の可能性を検討し、読書用図書として各教室に配置したり、希望する生徒に贈与したりするなどの方策を実施し、安易な廃棄は行わないようにしております。 また、図書以外の学校における物品のうち、100万円以上の備品である重要物品の廃棄については、県の財産規則にのっとり、また10万円以上100万円未満の備品である普通物品の廃棄については、各県立学校長に対する事務委任規程にのっとり適切に実施しております。 今後も引き続き、各校との連携を図りながら、規則に則した適正な備品の管理に努めてまいります。 次に、新学習指導要領のポイントや効果についてお尋ねがございました。 今回の学習指導要領の改訂は、これまでの学習内容の習熟重視から資質、能力の育成重視へと、その学力観を大きく転換したものとなっており、70年ぶりの大改革とも言われております。 この学力観の転換に伴って、授業や学習の方法が大きく変わってまいります。具体的には、知識や技能を習得、習熟する授業から、子供たちが主体的に学習に取り組み、多様な人との対話を通して考えを広げ、さらに各教科等で身につけた知識や能力をさまざまな課題解決に生かすことができるような深い学びを実現する授業へと転換を図ることが求められております。 また、グローバル社会に対応するため、小学校3、4年生で新たに外国語活動が設定されるとともに、5、6年生では英語が教科として導入されることとなっており、中学校の英語では、従来の聞く、読む、話す、書くの活動のほかに、対話や議論が重視されるなど、より高度な学習が実施されることとなります。小中学校の道徳の時間が特別の教科、道徳として実施されることも、今回の改訂の大きな柱となっております。 さらに、よりよい学校教育を通してよりよい社会をつくるという理念を、保護者や地域社会の人々までが広く共有し、連携・協働しながら、子供たちが地域を支える人として成長していくための教育を実現していくことが求められております。 こうした学習を通して、さまざまな社会的変化を乗り越え、多様な人々と協働しながら課題解決を図るための資質、能力を、児童生徒一人一人の特性に合わせて、全ての児童生徒に育んでまいります。 最後に、県下の小中学校における臨時教員の不足の現状と対応策についてお尋ねがございました。 本年度、4月当初の時点では、小学校17校において加配定数17名分の教員の未配置がございましたが、その後、6月末までに臨時教員を確保し、配置を完了しております。しかしながら、年度当初から9月20日までの間に、新たに長期の病気休暇や産前産後休暇等を取得した正教員や、年度途中で退職した臨時教員が合計で62名おります。このうちの48名については臨時教員を配置できておりますが、臨時教員の不足により、まだ14名分が未配置となっている状況です。 これらの臨時教員が不足してきた要因としましては、近年の退職者の増加により、新規採用数を大きく伸ばしてきたことで、県内在住の臨時教員の多くが本県の正教員に採用となり、年々本県の臨時教員を志願してくださる方の数が減少してきたことが挙げられます。 こうした臨時教員不足を解消するためには、今以上に再任用者をふやすと同時に、本県の学校教員を志望する人材を増加させることが必要となってきます。このようなことから、退職教員に再任用を働きかけるとともに、短時間勤務を可能とするなどの勤務条件の緩和も実施してまいりました。また、本県での学校教員を志望していただけるよう、県外大学における説明会を18校で開催し、さらに県外出身者もターゲットとして、大阪府内において本県の採用審査も実施しているところです。 しかし、いまだ臨時教員の未配置が存在しますことから、引き続き市町村教育委員会とも連携しまして、教員免許状を保有している方の掘り起こしや退職教員への働きかけを行い、未配置の解消に努めてまいります。 今後は、これまでの取り組みに加え、SNSを活用したPRの実施や、県内の学校で教育実習を行う方に対して、市町村教育委員会や各学校長が、本県の教員を志望するように早い段階から声かけを行うなど、さまざまな取り組みを実施し、県内外からのさらなる人材確保に努めてまいります。   (危機管理部長酒井浩一君登壇) ◎危機管理部長(酒井浩一君) 東京都多摩市の建築現場での火災をどのように認識し、教訓としたのかとのお尋ねがありました。 今回の火災は、鉄骨を切断中の火花が断熱材であるウレタンに引火し、黒煙を噴き上げながら燃え広がったものと考えられており、このようなことは、新築工事をしている現場ではどこでも起こり得るものと考えます。新築工事中の建物内は、建築資材がむき出しとなっているときもあり、出火した際には火の回りが早く、また階段や床の施工状況がわからず、救助や消火活動が困難となり、被害が拡大しやすいものであることを改めて認識したところでございます。 今回の火災を受け、消防庁から7月27日付で、一定規模以上の「新築の工事中の建築物の防火対策に係る注意喚起等について」という通知がありました。この通知を踏まえ、各消防本部に対し注意喚起を行うとともに、高知市消防局においては、現場の工事責任者に対して、出火防止対策の徹底や初期消火方法の習得などについて周知を行っていただいたところです。 新築の工事中の建築現場における火災は、救助や消火といったことが著しく困難となる場合も想定されるため、出火防止が最も重要な取り組みと考えます。このため今後とも、高知市消防局を初め各消防本部と連携して、こうした現場での出火防止対策に取り組んでまいりたいと考えています。   (土木部長村田重雄君登壇) ◎土木部長(村田重雄君) まず、建築資材について、セルロースファイバーは木材由来でありながら難燃性であることがわかっているが、県としてこうした建築材料を率先して使用する考えはないのかとのお尋ねがありました。 建築物の断熱材としては、比較的安価で断熱性能がすぐれた発泡プラスチック系の材料が広く使われており、国土交通省監修の公共建築工事標準仕様書においても、庁舎等に使用する一般的な材料として記載がされていることから、県有建築物におきましても標準的な断熱材として使用しております。この材料は火気に接すると燃えやすく、東京都のビル建築現場では、鉄骨を切断中の火花が引火して火災が発生したと聞いております。県では以前より、この材料を使用している工事現場では厳重な防火対策を行うよう指導しているところです。 一方、セルロースファイバーは、古新聞などを原料として難燃処理を施した断熱材で、燃えにくく環境に優しいほか、湿度や音を吸収する性能にすぐれている材料ですが、発泡プラスチック系の材料と比較すると、やや高価で施工に手間がかかると認識しております。県有施設では、このセルロースファイバーの吸音性能に着目して、高知県立大学の永国寺キャンパス学生会館改修工事において、防音室の壁、天井及び床に採用するなどの施工実績がございます。 このように、断熱材にはそれぞれ長所、短所があることから、今後とも工事ごとにそれぞれの材料の比較検討を行い、適材適所の考え方で材料を選定することにより、質の高い公共建築物の整備に努めてまいります。 次に、優良建設工事施工者表彰の審査方法についてお尋ねがありました。 優良建設工事の審査は、土木部の建設検査長ほか、道路、河川、建築、農業、林業、水産など、さまざまな分野の課長9名が、応募企業から提出された工事のPR文、写真及び工事発注機関が現地確認を踏まえた上で作成した意見書などをもとに行っております。審査委員は、施工技術やできばえはもとより、現場の安全管理、さらには周辺環境への配慮や地域社会への貢献などの審査項目について、技術的視点から個別に公平に評価し、採点しています。その上で、各審査委員が採点した結果を集計し、その合計点により順位をつけ、上位から知事賞5件、優良賞10件を公正に選定しております。 審査方法は、平成25年度まで県職員による書類審査に加え、外部審査委員によるプレゼンテーション審査を行っておりましたが、プレゼンテーションやその準備が負担になるという業界からの声を踏まえまして、現在の県職員による審査方法に見直したところです。なお、見直し以前にも同様に連続受賞はございました。 今後も引き続き、県内企業の健全な育成と技術力の向上につながるよう、業界からの御意見も伺いながら、表彰制度がよりよい制度となるように努めてまいります。 次に、総合評価方式における優良工事表彰への評価点数において、知事賞、優良賞と土木事務所長賞の評点に大きな格差があり、その解消についてお尋ねがありました。 本県の優良工事表彰については、県内全域を対象とした知事賞・優良賞である優良建設工事施工者賞と、各土木事務所の管内での工事を対象とした土木事務所長賞があります。 総合評価方式による入札では、建設工事の施工実績や成績評定など、技術力に関する評価とあわせて、地域内拠点の有無や地域ボランティア活動の実績など、地域性にも配慮した評価を行っております。優良工事表彰は、このうち技術力を評価する項目の一つとして設定しております。 従来、優良工事表彰は知事賞、優良賞のみを評価対象としておりましたが、建設業界からの御意見やアンケートを踏まえ、地域で頑張っておられる業者も幅広く評価できるよう、平成27年度から土木事務所長賞を、総合評価の優良工事表彰の評価項目に新たに加えています。 現在、優良工事表彰の評価基準としては、知事賞、優良賞が5点で、土木事務所長賞が2.5点となっております。これは、それぞれの受賞者数の多寡や過去からの配点の経緯などにより設定しているものですが、評価項目とその基準についてはさまざまな御意見をいただきますことから、常によりよい制度となりますよう、検証、検討を重ねてまいりたいと思います。 次に、本県の現状に即した入札制度の構築についてお尋ねがありました。 総合評価方式の評価項目については、国を参考としつつも、建設機械の保有状況や地域ボランティア活動の有無、消防団への加入など、南海トラフ地震への備えや豪雨災害が頻発する本県の実情を踏まえ、地域の防災力の向上に資する項目を独自に設定しております。 今後も、先進事例なども参考にしながら、建設業界の御意見もお聞きし、本県の実情に即したよりよい入札制度となるよう努めてまいります。 次に、国道33号旭町1丁目から鏡川橋までの未整備区間における今後の取り組みについてお尋ねがありました。 国道33号は、高知市と松山市を結ぶ主要幹線道路であるとともに、南海トラフ地震などの大規模発災時の緊急輸送道路としても位置づけられている道路です。また、高知市中心部においては、都市の骨格を形成するとともに、日常生活や産業活動を行う上で重要な役割を担う路線です。 しかしながら、旭町1丁目交差点から鏡川橋までの約1.5キロメートル区間については、片側2車線の正規の幅員が確保されておらず、朝夕の通勤時間帯に渋滞が発生するとともに、歩道幅員が狭いことから歩行者や自転車のすれ違いが困難であるなど、安全性や快適性が課題となっています。 この区間の事業化に当たっては、国、県、市の3者で協議を行い、事業を導入するための環境整備が必要であると考え、高知市において、平成28年から土地の境界確認及び道路の整備に関する意向調査を進めています。本年度末には、約1.5キロメートル区間の全ての境界確認や意向調査が完了するとお聞きしています。 今後は、事業者となる国に対して、高知市や国道33号整備促進期成同盟会等と連携し、事業化に向けて積極的に働きかけを行ってまいりたいと考えております。 次に、県道旭停車場線の整備方針についてお尋ねがありました。 県道旭停車場線については、昭和46年に、現況の道路幅員約12メートルを20メートルに拡幅する都市計画道路旭駅城山町線の一部として、都市計画決定しています。これまで、歩道のカラー舗装などは行っているものの、都市計画道路として事業化には至らず、未整備の状況となっています。 一方、平成22年に高知市が示した旭駅周辺地区の整備方針では、都市計画道路の整備に伴い駅前商店街の再整備を行い、快適な歩行空間と魅力ある町並みを備えた、にぎわいのある商業環境の形成を図ることとされています。 しかしながら、現在の計画では西側へ8メートル拡幅することから、西側沿道の商店街の土地の多くが用地買収の対象となり、残地部分での再建は難しく、地域の求める将来像の実現とは大きな乖離が生じることが懸念されました。 このため、平成27年に旭駅周辺地区の住民で構成する旭駅前通りまちづくり協議会を立ち上げ、商店街の再建が可能となるよう、道路整備のあり方について地域の方々と協議を重ねてきたところです。その結果、本年4月に都市計画道路として求められる交通の円滑化と安全性及び都市防災機能を確保した上で、商店街への影響を極力抑える道路幅員として、現在の計画20メートルを16メートルに見直す提案につきまして、まちづくり協議会から承諾を得たところです。 県としましては、この見直し案について、来月から地元説明会を行うなど、都市計画法の手続を進め、国や高知市と連携して事業化に向けて取り組んでいきたいと考えております。 次に、鏡ダムの放流に伴う下流域の水温や濁度の調査結果についてお尋ねがありました。 鏡ダムの放流運用につきましては、平成27年12月定例会で議員から、ダムの放流水の取水位置を選択できる選択取水のメリットを研究すべきとの御提案をいただきました。その後、従来から実施していた貯水池内における水深1メートルごとの水温や濁度調査に加え、平成28年7月からは、ダムの貯水池への流入口、ダムの直下流及びダムから下流約1.5キロメートルの地点、この計3カ所での水温や濁度の調査を追加し、データを積み上げてきているところでございます。このデータの分析や解析につきましては、夏場、冬場、また洪水や渇水といったさまざまなデータを積み上げる必要がございますので、引き続きデータを収集してまいります。 一方で、既に2年間にわたるデータが一定積み上がってまいりましたので、今後分析や解析にも着手したいと考えてございます。 最後に、紅水川周辺地区の浸水は、石神橋によって河川断面を大きく制限していることが大きな原因であり、このことに対する見解についてお尋ねがありました。 議員から御指摘のありましたとおり、紅水川において、石神橋の橋桁が堤防よりも低いことや、河道内にある橋脚が流れを阻害する原因となっていることは認識しております。 この石神橋のかけかえに当たっては、約1.5メートルかさ上げをする必要があり、橋梁付近の土地利用に大きな影響があることなどから、直ちに改修に取りかかれる状況ではありません。しかしながら、紅水川周辺地区の浸水対策は重要な課題でありますので、石神橋付近の水位を少しでも低減する方法として、下流にある久万川の河床掘削などについて検討を進めているところでございます。   (林業振興・環境部長田所実君登壇) ◎林業振興・環境部長(田所実君) アカメの状況の分析や今後の保護対策についてお尋ねがございました。 アカメにつきましては、県内の沿岸部や河口域において確認され、絶滅を危惧する状況にないと判断されたことから、昨年度の高知県レッドリストの改訂の際にリストから除外いたしましたが、特徴ある分布や生息状況から、本県の多様な自然を代表する種として注目種に指定しています。 注目種に指定した後は、販売目的の捕獲をしないことや、地域外への持ち出しをしないことなどをお願いする啓発用チラシを作成し、市町村や漁協に加え、釣具店を通じて遊漁者へ配布するなど、アカメを保護する取り組みを進めてきたところでございます。 こうした啓発により、どこまでアカメの保護につながっているかは現段階では明確ではございませんが、遊漁者の間で、アカメを釣ったときのリリースの仕方やダメージを少なくする方法などを広める活動が始まっているとの情報を耳にしておりまして、一定の効果につながっているのではないかと思っております。 また、現在のアカメの状況につきましては、高知県希少野生動植物保護専門員やレッドリスト改訂時に御協力いただいた調査員から、減少している状況にはなく、生息環境にも大きな変化は認められていないとお伺いしており、県としては、高知県希少野生動植物保護条例の県指定希少動植物に指定し、保護する状況にはないと考えております。 今後とも、専門家の方々などとも情報交換をしながら、アカメの状況の把握に努め、状況に著しい変化がある場合は迅速に対策を講じてまいりたいと考えております。   (地域福祉部長門田純一君登壇) ◎地域福祉部長(門田純一君) 本県におけるグリーフケアの現状と他県の取り組み状況についてお尋ねがございました。 本県におけるグリーフケアの現状といたしましては、県立精神保健福祉センターで、グリーフケアを含め、心のケアを必要とされる当事者や御家族などからの相談に対応しており、必要に応じて個別のカウンセリングや、それぞれの相談者の事情に応じた自主グループの紹介などを行っています。 また、平成15年に死別体験者が集い、個々の体験や心境を聞き、死別の悲しみを癒やす過程を学ぶ会をセンターが開催したことを始まりに、その後、大切な人を亡くした方々の集いの場を提供するなど、死別体験者の自主的な活動を支援してまいりました。 そのほか、センターでは、自殺で家族や大切な方を亡くされた御遺族などに自主グループが寄り添い、思いを共有する、わかち合いの会への支援などにも取り組んでいます。 さらに、災害により家族などを亡くされた場合にもグリーフケアは重要であることから、災害時の心のケア活動の一環として対応していくよう、高知県災害時の心のケアマニュアルの中に、その対応の注意点や支援のポイントなどを掲げているところです。 他県の取り組み状況といたしましては、承知している範囲では、グリーフケアの活動として、前向きな気持ちになっていただけるようなカウンセリングを行っているNPO法人を支援している例もあるとお聞きしていますが、本県と同様、一般的な心のケアの相談を通じてグリーフケアへ取り組んでいるところが大勢となっております。 県といたしましても、悲しみの緩和支援を行うグリーフケアを必要とされている方はいらっしゃるものと認識をしておりますので、精神保健福祉センターにおいて相談ができることを周知するなど、センターでの相談対応を中心に、自主グループの活動の紹介や、集いの場の開催を支援することなどにより、今後もグリーフケアを推進してまいりたいと考えております。 ◆30番(高橋徹君) 11分ほど時間が余ってしまいました。再質問をさせていただきます。 尾崎知事には来年、一つの任期満了を迎えるということで、大変失礼な、また答えにくい御質問もさせていただいたところでございますが、12年、一つの区切り、そんな思いが私自身にございますので、お聞きをさせていただいたところでございます。これ以上の質問はいたしませんが、早い時期に、私自身は--あるいは県民の多くの方が国政に立つことを期待しているということについては、お話をしておきたいと思います。 次に、図書館の図書の問題でございます。 知事の記者会見、あるいは知事のこのたびの議会での提案理由の説明も読ませていただきましたし、その折の知事の表情も見せていただきました。御案内のように、「声 ひろば」の投稿について、私は全て持っておりますが、年齢も70を過ぎた方、80歳を過ぎた方、あるいはこういった図書に長年かかわってこられた方、そういった方々の投稿がございます。大変失礼ですが、理事長については知事が任命権者です。そして、学長については理事会の中で選任をされていると思うんです。私の地元の公民館にもたくさんの図書がございます。御主人が亡くなられたので、高橋会長、ひとついただいていただけんだろうかというお話で、随分と公民館にもたまっております。図書というのは、土佐弁で言えばくべる、焼却をする、なかなかそう簡単にできることじゃございません。 それと同時に、質問の中でもお話をさせていただきましたように、県民の財産ですので、この図書を扱うのに、あるいはどこかに使っていただくのに、例えば表紙が破れたり、管理をするのに非常にもう困難な状況であるということなら、焼却処分するということも当然考えられるんだろうと思いますが、「声 ひろば」の投稿の中で、非常に大切な図書を焼却しているということの御指摘がございました。 知事は記者会見の中でも--私自身、もう少し知事に怒ってほしいとは言いませんが、ただ残念だとか、一つの規程に沿って処理をしたということじゃなくて、県民の財産の総責任者でもあるわけで、同じ残念な思いでももう少し--ふだんの県議会の中でも、怒るときはきちっと厳しい表情でお話をされるときがあるんですが、そういったことを私は期待したいし、記者会見の中でもそういった知事の姿勢が見えれば、「声 ひろば」の投稿も少し少なくなるんじゃないかなというふうに思います。 図書を焼却した、それぞれのかかわった方々は、住民監査請求も出ておりますが、私はこのままで、済みませんでした、ごめんなさい、残念でした、こんなことで済まされる問題ではないと思います。私自身、この問題については関係者に責任をとってほしい、その思いでございます。こういった大切な県民の財産を我々に相談もなく焼却してしまう、そういった方々に教壇に立ってほしくない、あるいはこれからの高知県の若者を教育していく、その資格がないんだろうと--今度の件で一定それぞれが責任をとるということが、私は求められているというふうに思いますので、そういった視点での私の意見を述べさせていただきます。 次に、工事の優良表彰でございます。 昨年も岩城副知事ともお話をさせていただきました。高知県はいろんなキャッチフレーズを出しております。高知家の家族は、みんなぁがスターやきとかいう標語があるんですが、要はみんなが手をとり合って、みんなが仲よく、みんなが潤いましょうと、みんなが光り輝きましょうということであろうと思うんです。 先ほども質問の中で、重複をしている状況が40%以上あるというお話もさせていただきました。知事からは、他県の状況についても御案内があったんですが、やはりこれだけ重複している県というのは、高知県をおいてほかにはありません。午前中の西内議員の質問の中でも、この優良表彰の点数のあり方等で、優良表彰をいただいた方々が結構そこで受注をしているといいますか、技術評価の持つ意味合いが強くなっていると、たしか土木部長、そういうお話をされたと思うんです。このことについては、表彰している企業が受注機会が多いということを認識しているわけでございますし、先ほども毎年検討しているということでございましたので、重複をして受注機会が多くなるような、そういった制度については、ぜひ来年度に向けて是正をしていくという方向で検討していただきたいと思います。 それと、土木部長に1点お伺いをしますが、久万川の河床の掘削をしていくということでございましたが、実はその件については平成14年に、当時の自民党の西森潮三県議のもと、県の土木部長は安岡さんであったと思うんですが、紅水川の浸水対策として久万川のしゅんせつを研究してくださいということを、我々は地区住民の町内会長を代表にして、既に要望しています。平成14年からいいますと、16年たっているわけで、その間結局何もしていなかったということであろうと思いますが、そのことについては、そういった事実があったということを御指摘しておきたいと思います。 それと、石神橋での越流対策の原因というのは、我々と土木部の認識を一つにしております。三、四年に一度の浸水で多くの家屋が床上・床下浸水をしておりますので、やはり昔から住んでいる、そういう人たちを大切にしてほしい、そのためには、石神橋のかけかえ以外にはもう方法はないんだろうと思いますので、どうぞその研究をしていただきたいと思います。 最後に、国道33号旭町の件でございますが、高知市は平成28、29、30年度で大体境界確定を終わるということなんですが、土木部長は積極的に働きかけていくというお話をされましたが、具体的にどのようなことを考えているのか、お答えをいただきたいと思います。 ◎土木部長(村田重雄君) ただいま、33号旭町1丁目から鏡川橋に至る1.5キロの未整備区間について、事業化に向けてどのような働きかけを行っていくかといった御質問がありました。これにつきましては、高知市、国道33号整備促進期成同盟会とともに、事業者が国となると思いますので、土佐国道事務所、また国のほうに、政策提言、また働きかけをしてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆30番(高橋徹君) 何かわかりにくいんですが、高知市内の中心部で国道が改良されていないのはあの区間だけなんです。せっかく高知市が自前の金で境界確定をしたんで、同じ質問でございますが、知事に再度お聞きをしたいと思います。どうぞよろしく。 ◎知事(尾崎正直君) しっかりと働きかけていきたいと、そのように思います。 ○副議長(坂本孝幸君) 暫時休憩いたします。   午後3時8分休憩-----------------------------------   午後3時30分再開 ○議長(土森正典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 37番塚地佐智さん。   (37番塚地佐智君登壇) ◆37番(塚地佐智君) 私は日本共産党を代表いたしまして、以下質問をさせていただきます。 まず、知事の政治姿勢として、日米地位協定の抜本見直しについて知事に伺います。この8月14日、全国知事会は、日米地位協定の抜本見直しを求め、米軍負担の軽減に関する提言に基づく要請を日米両政府に行いました。日本共産党は、危険な低空飛行訓練や米軍機墜落事故が相次いでいる根底には、米軍の無法を許している地位協定の存在があることを繰り返し主張し、ことしの2月議会では諸外国の例も示し、抜本改定を求めてきただけに、今回の知事会の取り組みを非常に力強く感じています。 全国知事会は、米軍基地負担に関する研究会を2016年7月に設置し、研究者を招いての学習会や、沖縄県が実施したドイツ、イタリアの実態調査なども踏まえ、今回の提言となったものと承知をしています。 この提言の意義、特にドイツ、イタリアなど諸外国と比べて、日米地位協定がどのような点で、米軍の傍若無人な行動を許す内容となっていると認識をされているか、お聞きをいたします。 そうした全国の自治体の声に反して、防衛省による米軍情報の開示が後退をしています。防衛省はこれまで、住民から米軍機飛行に関する苦情を受け付けた際、米軍側に確認をし、その回答を公表してきましたが、2017年8月以降、その確認をやめています。防衛省は米軍が逐一明らかにしないとしたためと説明をしていますが、住民の苦情に基づく情報開示が米軍機の監視行動になり、米軍機の飛行を変更させ、米軍機の訓練実態を暴露する力となってきたことから、その実態を隠蔽しようとするものです。 米軍機飛行の情報公開の後退は許されるものではなく、即刻改善を求めるべきと思いますが、お聞きをいたします。 よさこい祭りでのブルーインパルスの展示飛行について知事にお聞きをいたします。私たちは6月議会で、住宅密集地の上で展示飛行という名の通常ではあり得ない飛行を実施することは、想定外を想定するという危機管理の基本から見て、あえて危険を持ち込むことはないと中止を求めました。それに対し知事は、曲技飛行ではない、危険と隣り合わせにならないようにしていただきたいと述べた上で、本質的な問題としてブルーインパルスがもたらす感動ということもあること、これを忘れてはならないと強調をし、多くの人を感動させる演技をよさこいでやることは大変意義深いとまで言い切られました。 私たちも、ブルーインパルスの飛行を楽しみにし、喜んだ人がいたことは否定をいたしません。同時に、私たちのもとには、飛行の際に城下に響きわたった爆音、繰り返される衝撃音に、幼い子供たちが恐怖を覚えて、お母さん、お父さんにしがみついたという話や、戦争中を思い出して気分が悪くなったという高齢者の声、会話が寸断されたなど、少なくない被害や苦情の声が寄せられました。 まず、県に寄せられた苦情の件数、その内容についてお聞きをいたします。 よさこい祭りは、戦後の復興の中で市民がつくり上げてきたお祭りであり、県民的な、また全国的なお祭りとして、多くの県民、市民の協力のもと発展をしてきました。 こうした県民・市民参加の祭りに、その実施によって傷つけられたり、不快感を与えるような行事や、実施について大きな意見の相違がある行事は持ち込まないことを今後の教訓にすべきだと思いますが、お聞きをいたします。 次に、災害対策について伺います。 この夏は、大阪北部地震、西日本豪雨での土砂災害、河川氾濫、台風21号による暴風、高潮、そして北海道での震度7の地震、大規模停電と、大規模な災害が日本列島を立て続けに襲いました。被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げると同時に、一日も早い生活再建に向け、私どもも全力で取り組む決意です。 東日本大震災を教訓に、もう想定外と言わないための取り組みを進めてまいりましたが、自然の力は私たちの考えを超え、幾つもの想定外の事態が生まれ、大きな犠牲と被害を受けることとなりました。防災と復旧、生活再建について幾つかお聞きをいたします。 西日本豪雨の被災地では、仮設住宅入居は始まったものの、岡山、広島、愛媛など6県で今でも約1,500人もの方々が避難生活を続けています。現在の法律や制度のフル活用や柔軟運用で被災者支援を強化することは当然ですが、その枠を超えた対策を真剣に検討するときです。とりわけ切実なのは住宅再建への支えです。 被災者生活再建支援法は、阪神・淡路大震災を受け、国民的な運動の中で成立をした法律です。しかし、対象が全壊と大規模半壊に限られていること、また支援金が全壊で300万円、大規模半壊で150万円と、とても生活再建には不十分な額であること、市町村ごとに一定数の被害が発生していることなどが条件であり、西日本豪雨災害でも全壊と判定されながら、被害が1軒だけだった淡路市では適用されなかったことなど、改善を求める強い声が被災地を中心に全国的に巻き起こっています。 以前にも、東日本大震災の被災地では、一部損壊の住宅に住み続け、支援の網から漏れている在宅被災者の問題を取り上げましたが、生活の基盤である住宅支援の抜本的な改善が必要だと思います。 被災者生活再建支援金の引き上げと一部損壊までの対象拡大が必要だと考えますが、知事にお聞きをいたします。 西日本豪雨の後、大月町などへ視察に伺いましたが、自治体ごとの被災の規模は違っても、被災した一人一人にとっては、その負担や苦しみは変わりません。昨今は、竜巻など局地的な被害も発生をしています。 被災者生活再建支援法の適用について、発生件数の数的な基準をなくすべきではないか、危機管理部長にお聞きをいたします。 以前にも罹災証明書の発行体制について取り上げたことがありますが、今回宿毛市の被災地を伺った際、畳の上にも一部土砂が流入しているのに、罹災証明申請書を一旦返還され、不安な日々を送っているとの声を伺いました。 被災者生活再建支援法など、財政支援があるのは大規模半壊以上、応急修理も半壊以上であることや、住家被害認定基準における被害区分も全壊、大規模半壊、半壊、半壊に至らないとなっており、半壊以下は、一部損壊、床上・床下浸水など自治体の判断で異なっている状況が全国でも問題になっているのだろうと思います。政府も、災害に係る住家被害認定業務実施体制の手引きを改定し、半壊に至らない場合も罹災証明を発行できることを明確にする努力をしているところです。 半壊に至らない場合の被害認定基準をつくるとともに、手引の内容について、より徹底していくことが大切になっていると思いますが、危機管理部長にお聞きをいたします。 半壊以下であっても、税や保険料の減免、医療費や介護保険料の免除などさまざまな支援を受けることができます。特に、従来は民家に流入した土砂は、公費で撤去できないと言われてきました。しかし、熊本地震、西日本豪雨と土砂による災害が多発するもとで、被災地の声を受けて制度と運用が改善をしてきています。 環境省の災害等廃棄物処理事業は、全壊家屋や宅地内の土砂まじりの瓦れきの撤去を全額公費負担で行うものです。自治体が個人宅の瓦れき撤去に手が回らず、被災者が業者に依頼をして撤去した場合にも事後精算をし、全額公費負担となります。その際には、被災者は作業前後の写真、撤去費用の領収書、罹災証明などを市町村に提出する必要があるとされています。西日本豪雨災害への対応の中で、対象には空き家、集合住宅の空き部屋も含まれること、床下の瓦れきまじりの土砂も対象となること、災害救助法適用の有無は関係ないことなどが確認をされています。 災害常襲地域と言われている本県にとって、生活の再建にとって極めて有効な制度ではないでしょうか。その同事業の適用となるかの判断は市町村です。また、事後精算で、処理前の写真を撮る必要があるなどの手続を周知していくことが大事になっています。 災害等廃棄物処理事業の意義についてどう認識をされているか、また各市町村や自主防災組織への周知が大切になっていると思いますが、あわせて林業振興・環境部長にお聞きをいたします。 罹災証明書を迅速に発行するためには、被害を受けた自治体のマンパワーだけでは、到底手が回らない事態となっています。 住宅の被害認定を迅速に進めるための広域的な支援体制の強化が重要と考えますが、総務部長に御所見をお伺いいたします。 また、一部損壊の場合に、スマホ写真などをもとに、その場で罹災証明書を発行する自己判定方式の導入についても危機管理部長に御所見をお聞きいたします。 西日本豪雨災害の教訓の一つは、河川の河道確保を重視していくことだと思います。岡山県倉敷市真備町の小田川、高梁川、愛媛県大洲市の肱川、安芸市の安芸川、伊尾木川などは、いずれも土砂が堆積をし、洪水を流す河川の断面が狭くなっていたことが指摘をされています。真備町では、河川に樹木が生い茂りジャングルのような状況であり、地元住民がしゅんせつを繰り返し要望していました。広島市安芸区では、治水堰堤を越えて土砂、土石流が地域を襲いましたが、堰堤にたまった土砂、瓦れきをその都度しゅんせつしてほしいという住民からの要望が出されています。 県として、確保すべき川の断面積、豪雨後の対応策などを定めた河道確保計画・方針をもってしゅんせつを進めていくことや、河川の維持管理のための予算を重視することが求められていると思いますが、この項は土木部長にお聞きをいたします。 中山間地では、過疎と高齢化のもとで給水施設の維持・整備が困難になっており、災害時には特に切実な問題となっています。県は、中山間地域生活支援総合補助金を創設し、生活用水の確保に努力をされています。 西日本豪雨での中山間地域の給水施設の被害状況はどうであったか、予算の確保など早急な対応のための県としての取り組みについて、あわせて中山間振興・交通部長にお聞きをいたします。 北海道胆振東部地震では、電力の供給の半分を占めていた北電最大の苫東厚真火力発電所が停止したことで、電力の需給バランスが崩れ、周波数が乱れたことから他の発電所も自動停止をし、全域停電、ブラックアウトに陥りました。その結果、被害が少なかった地域でも日常生活、産業に大きな負担が生じました。また、泊原発は、震度2だったにもかかわらず、外部電源喪失というあってはならない事態が発生、非常用ディーゼル発電機による冷却に頼らざるを得ないという事態となりました。経産省によると、北電が苫東厚真火力発電所の全3基が同時に停止する事態は想定していなかったことが原因の一つとしています。東日本大震災に続き、大規模集中型発電の危うさを露呈したものと言えます。 加えて、本州と結んでいる60万キロワットの連系線が機能しませんでした。連系線の電力は直流であり、交流に変換しないと道内では使用できません。しかし、その役割を担う函館変換所の運転が、外部電源に依存をする他励式であったために機能しなかったことも明らかとなりました。また、停止をした火力発電所の稼働にも外部電力が必要なことから、停止が長期化をいたしました。四国でも、ブラックアウトのような状況は発生しないのかとの県民の不安が広がっています。 電力広域的運営推進機関が設置をした第三者委員会が取りまとめる検証結果を教訓とし、万全の対応を図るよう四国電力に要請すべきと考えますが、どう対応されるか、知事にお伺いをいたします。 次に、小中学校のエアコン設置について教育長に伺います。 ことしの夏も35度を超える猛暑日が全国に広がり、ついに愛知県では熱中症による熱射病で、小学1年生の児童が死亡するという痛ましい事故が起こりました。菅官房長官はこの事故を受け、7月記者会見で、来年夏までに全ての小中学校普通教室へのエアコン設置を目指すとして、政府は10月に予定をされている臨時国会に補正予算を提出する意向を固めたと報道もされています。 2015年6月の県議会で、私の質問に対し当時の田村教育長は、普通教室へのエアコン設置につきましては、各市町村がそれぞれの学校の状況に応じて、主体的に対応していただきたいと答弁され、あくまで助言にとどまる姿勢を示されました。その後、小中学校の普通教室のエアコン設置率は、平成26年の全国29位から34位に、全国平均との差も19%から30.6%と大きく広がってしまいました。確かに、地震対策が優先されたことも一つの要因と考えられます。しかし、異常とも言える酷暑はまさに自然災害に匹敵するもので、県立学校の整備が完了したからといって、県内の児童生徒の教育環境整備は市町村任せでいいとはならないと考えます。 菅官房長官の記者会見、その後の国の対応についてどのように受けとめておられるか、伺います。 昨年4月の段階で設置率が7.4%と大きくおくれていた奈良県では、この9月県議会に、来年の夏までに100%を目指す取り組みとして、9億円の債務負担行為を計上しています。補助対象は、設備整備費に係る国庫補助金及び地方交付税算入額を差し引いた市町村負担額で、その4分の1を県が負担するというものです。県として設置推進への決意のあらわれでもあります。以前、予算要望の際、私たちの提案に、既に頑張って設置している市町村との不公平が生じるとのお答えもありましたが、ここ数年の異常気象の中、厳しい財政状況で設置できないという市町村の事態を改善するために、本県でもぜひ検討していただきたい。 この9月県議会に向け、県としての支援策について検討がなされたのか、県として100%設置に向けた支援策を講じるべきと思いますが、お伺いをいたします。市町村にとっては、設置後の電気代などランニングコストも大きな負担となります。その負担軽減に県としての支援ができないかと考えますが、あわせて御所見を伺います。 児童生徒が使用する体育館についても、空調設備の要望が出されています。西日本豪雨災害や北海道地震による被災者の多くが避難生活を送られたのは、各地の学校の体育館です。猛暑の中、大変な思いをされておられる映像に胸が痛みました。本県でも各地の学校施設が避難所に指定されており、体育館の空調設備の整備は重要課題だと考えます。 一気に整備することは困難でしょうが、体育館への空調設備整備に向け、計画を持ち推進すべきと考えますが、どのように対応されるか、お伺いをいたします。 次に、障害者雇用についてお伺いします。 この間、中央省庁や自治体の障害者雇用の偽装、水増し問題が明らかになり、障害者、国民の大きな怒りと、真相の究明と責任を明らかにすることを求める声が広がっています。厚生労働省の調査で、昨年33の国機関の8割に当たる27機関で、障害者雇用数を約6,900人としていたのに、実際は3,400人余りと半数にも届いておらず、半数を超える3,460人を水増ししていたのです。そして、実雇用率は平均2.49%から、法定雇用率2.3%を下回る1.19%に半減をしています。国は法定雇用率を上回る達成と公表しましたが、全くの虚構だったのです。また、時事通信社の全都道府県の知事部局を対象にした2018年度の調査では、障害者手帳の確認が不十分なケースなど、少なくとも22県で水増し、不適切な算入が行われていました。 民間企業には、法定雇用率を下回れば納付金の徴収を課す事実上の罰則があります。国の機関、自治体にはそのような罰則はありません。率先垂範すべき立場にあり、民間企業に障害者雇用促進を促し指導し援助する国、自治体が、実際と異なる数字を使い、あたかも目標を達成したかのように装った実態は、障害者行政への信頼を根本から覆す裏切り行為とも言えます。しかも、1976年の障害者雇用率制度の導入当初から行われていたとの指摘もあります。40年以上にわたって多くの障害者の雇用機会を奪ってきたおそれがある大問題です。 憲法第27条は、全ての国民の勤労の権利を規定し、そして障害者雇用促進法第3条には、「障害者である労働者は、経済社会を構成する労働者の一員として、職業生活においてその能力を発揮する機会を与えられるものとする。」と規定し、法定雇用率、障害者雇用の義務づけなどを制度化しています。今回の水増し問題は、憲法と法制度を踏みにじり、障害者の働く権利を侵害する重大問題です。 県庁における障害者雇用の問題について、知事は今議会の提案説明で、水増しする意図があったものでは決してありません、しかしながら範を示すべき立場にある県庁として、国の通知やガイドラインに基づく取り扱いについて、なお一層適切な対応をすべきであったと反省とおわびを述べられました。しかし、多くの都県や民間企業は、厚生労働省の通知、ガイドラインに沿った取り組みを行っています。身体障害者とは、原則として身体障害者手帳の1級から6級に該当する者との通知なども明快です。また、県の教育委員会、県警は通知に沿った対応をしていると報告をされています。県の発表、知事の発言では到底納得できるものではありません。 一昨日、8月20日の県から発表されたコメントでは知事部局において法定雇用率を満たしていた2017年度について、改めて調査を行った結果、法定雇用率を下回っていたこと、また2018年度についても同様に法定雇用率を下回っていたことが発表されました。また、これに関して、確認できる2004年度以降、一度も法定雇用率を達していなかったことになるとの報道がなされました。 先日、日本共産党高知県委員会に、公立の施設で障害者枠の臨時職で勤務をしている発達障害の方からメールが届きました。通常、障害者枠の採用を行う際には、公報等で障害者手帳の所持や年齢の条件を提示した上で採用となっているはず、それ以外の運用による障害者雇用数の水増しには憤りを禁じ得ません。そもそも採用の段階で条件に当てはまる身体障害者手帳取得者のみを対象とする採用を行い、雇用人数が目標数値に達していないので水増しするというのは、偽装にほかなりませんと強い怒りと批判の声を寄せています。 今回の水増し問題について、知事部局が法定雇用率を達成しているとしてきたため、結果として多くの障害者の雇用の機会、雇用の場を奪ってきたことの重大性への認識をどのようにお持ちか、知事に伺います。 また、法定雇用率達成が最終目標ではなく、障害者の働く権利の保障、人権保障という視点で今後の対応を検討すべきと考えますが、知事の御所見を伺います。 今後の障害者雇用の促進については、さまざまな障害、ハンディを持つ方々の雇用の確保、働く権利の保障をさらに進めることが求められています。先ほどの発達障害の方は、障害者雇用枠について、採用の段階で障害の区分なく機会を与えられること、またこれまで受験機会が与えられていなかった障害者の救済措置として一定期間受験年齢制限を引き上げることなど、柔軟な対応がされることを望みますと提案をしています。 現在、本県の知事部局での正職員の障害者枠採用については、身体障害者のみを対象とし、知的障害者や発達障害者を含む精神障害の方々を対象としていません。2016年6月議会の中根議員の質問に対し当時の総務部長は、身体障害者以外の障害者の職員採用について、先行している自治体の例に学びながら研究すると答弁をされました。午前中、知事からはこの件に関して、研究ではなく検討という前向きな答弁がありました。 発達障害を含む精神障害者や知的障害者の方々の受験機会拡大に向けた職員採用の改善、また障害者雇用枠の一定期間の受験年齢制限の緩和について今後どう取り組まれるのか、総務部長にお伺いをいたします。 次に、会計年度任用職員制度について総務部長に伺います。 会計年度任用職員という新たな任用制度が2020年4月より実施されることから、今年度中に制度の詳細を仕上げなくてはなりません。同制度は、自治体の臨時・非常勤職員について、地方公務員法の規定と実態との乖離解消のため、増大した臨時・非常勤職員の受け皿と説明をされており、常勤職員の勤務時間と同じか短いかを基準に、フルタイムとパートタイムとに設定、フルタイムには給料、手当、パートタイムには報酬、費用弁償と期末手当を支給可能としたものです。正しく活用すれば、処遇改善、ひいては行政サービスの向上に資するものとなり得ます。 しかし一方で、期限つき任用を法定化することによって、自治体職場の非正規化が一層促進される、また非常勤職員の勤務時間の差によって新たな格差が持ち込まれるおそれがあることも重視しなければなりません。あくまで、地方公務員制度の原則とされている、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務運営を行うという基本が、堅持されなくてはなりません。 これだけ非常勤職員が多くなったきっかけは、2004年の地方交付税の大幅削減が原因です。全国の自治体は一斉に人件費削減に向かいました。2005年4月と2016年4月を比較すると、この間に臨時・非常勤職員、任期付職員は20万人の増となる一方、地方財政計画上の一般職員は約14万人削減をされました。このもとで、全国の自治体で、技術職員、ケースワーカー、保育士の不足、専門性の継承問題など行政サービスの低下とともに、メンタルヘルスによる病休の増加、官製ワーキングプアの広がりが大きな問題となりました。同制度の新設は、こうした問題を解決するための第一歩とすべきだと考えます。 まず、常勤職員を中心とした公務運営と会計年度任用職員制度への基本認識についてお聞きをいたします。 同制度の成立過程で、国会審議の中で重要な政府答弁がなされています。 第1は、常勤職員と同様の業務を行う職が存在するということが明らかになった場合には、臨時・非常勤職員制度ではなく、常勤職員や任期付職員の活用について検討することが必要だとし、正規職員として任用することも自治体の判断で可能であることを示していることです。 現に、恒常的な業務を担っている臨時・非常勤職員に対し、本人の希望に基づき、合理的・客観的基準により選考するなど、正規職員化の道を示すことが必要ではないか、お聞きをいたします。 第2に、退職手当や社会保険の適用を逃れるための空白期間の設定や勤務時間を短くすることは、趣旨に沿わないものであり、助言をしていくと答弁がなされています。 会計年度任用に当たっては、財政負担を避けるための勤務時間設定を行わないようにすべきであり、また空白期間を設定すべきではないと思いますが、基本的な考え方をお聞きいたします。 高知市では、会計年度任用による処遇改善の費用は年間約4億円との試算が示されています。処遇改善に必要な額が地方財政計画に上積みされなければ、正職員の削減に向けた圧力になりかねません。 国会では、処遇改善にとって必要な財政措置について、自治体の対応を調査し実態を踏まえて、必要な行政サービスを提供しながら安定的な財政運営を行っていけるように、地方が自由に使える一般財源総額を確保していくとの答弁がなされています。衆参両院の附帯決議は、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務運営の原則、不利益の生じることのない適正な勤務条件の確保、必要となる財源の確保などを求めています。 必要となる財源を確保するための決意についてお伺いをいたします。 次に、高知県立大学図書館について文化生活スポーツ部長に伺います。 県立大学永国寺図書館に収蔵されていた図書が2013年から除却が行われ、この間約3万8,000冊もの図書が除却され、その多くが焼却されたとの事態が地元紙で報道され、県民から、県外からも驚きと怒りの声が私たちのところにも届いています。大学側からは、9月18日、発覚後初めて記者会見が行われ、謝罪と今後永国寺図書館蔵書除却検証委員会を設置し、事実の検証等を行うとの発表がなされ、現在検証が開始をされました。除却したのは3万8,132冊、そのうち6,659冊は複本がなく、同大学からは完全に失われた状況と言われています。 私たちは、大学の図書館は、図書館の管理運営、サービスに当たって、資料収集の自由、資料提供の自由及び利用者の秘密を守る、検閲を許さない、自己規制に陥らないなどの図書館員の倫理にもかかわる図書館の自由を基軸にしながら、その大学の教育、研究とかみ合った図書館サービス、講義・ゼミに必要な基本的資料の整備が不可欠な役割だと考えます。そうした観点に立てば、外部から、この図書を置きなさい、または除籍しなさいなどの介入は厳に戒めなくてはなりません。そうした大学ごとの特色を生かしたコレクションを形成するとともに、県立大学図書館としての学問分野、地域の文化遺産としての資料を保存するという重要な役割も担っているものと考えます。 今回の問題は、本来の大学図書館としての役割として何が問題だったのか、冷静な検討が必要だと考えます。 まず第1に、図書館の県立大学としての歴史を踏まえた収蔵機能、資料保存機能をどのように考えていたのかという点です。高知県立大学の蔵書は、高知女子大学、高知短期大学、旧高知女子大学保育短期大学部の図書を保管してきました。永国寺キャンパスを整備するに当たり、新たに高知工科大学マネジメント学部が設置される構想であるにもかかわらず、蔵書スペースを狭めてしまった。スペースがとれないとした上で、県立大学図書館の持つ資料収集・保存機能をどう担保するのかへの軽視があったと考えられます。今後も確実に蔵書は増加をしていきます。 今後、県立大学図書館の資料等の保存機能の充実について、施設整備も含め、大学との協議が必要だと思いますが、御所見を伺います。 第2として、除却後の図書の処分方法です。県民の皆さんの驚きと怒りは、一定の活用努力はしたものの、その活用要望を確認した範囲が狭く、最終的にはいわゆるごみとして焼却してしまったという点です。焼却された図書には、戦前の郷土関係や自由民権運動の歴史関係などの貴重書物も含まれており、その行為は非難を浴びて当然のことと言えます。 今後、高知県図書館協会を通じた公共図書館や地域の図書室などとのネットワークにとどまらず、男女共同参画センターソーレ、文学館や歴史民俗資料館などと情報共有ができるシステムを構築すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、新たな管理型最終処分場について林業振興・環境部長に伺います。 現在のエコサイクルセンターが当初計画よりも大幅に受け入れ期間が短縮をされるとの予想のもと、早急に新たな管理型最終処分場建設をと検討が進められ、いよいよ候補地の現地調査も実施をされました。今後、住民の皆さんや当該自治体、議会への説明と納得のもと、最終的に建設場所が決定することとなります。検討委員会は、その期限を最短で2022年には稼働させることを前提とし、県は急ピッチで事業を進めているところです。 現在のエコサイクルセンターが当初計画よりも受け入れ期間が短縮されることとなった主要な要因は、環境省からの通知により、これまで安定型で処理をされていた廃石こうボードが管理型での処理の義務づけに変更されたことです。しかも、今後その処理量が急激に増加することが明らかとなっています。石膏ボード工業会による全国の廃石こうボードの排出量の将来予測で、35年先まで急激なスピードで増加し、現在の3倍の量に達するとしています。 そのため、県の策定した高知県における今後の管理型産業廃棄物最終処分のあり方に関する基本構想では、廃棄物7品目の処分量について将来予測を行い、基本ケース、最大ケース、最小ケース、実績平均ケースの4種類の試算を行っています。この最大ケースは廃石こうボードのリサイクルが進まない場合、最小ケースはこのリサイクルが進む場合の見込み量となっています。その最大ケースは、廃石こうボードの量が業界団体の予測値に基づいて、2015年の3,100トンから、15年後の2030年には6,300トンと3,200トンふえ、2倍強になると見込んでいます。しかし、日進月歩のリサイクル技術の進展で、この状況が大きく変わりつつあります。 私は、先日高知市内で操業している廃棄物中間処理企業に伺ってまいりました。その業者は、この間エコサイクルセンターに年間約1,500トンの廃石こうボードを搬入していましたが、リサイクルを促進すべきとの方針から、三菱マテリアル九州工場と愛媛県新居浜市にある土壌改良剤製造業者に搬出することで、エコサイクルセンターへの持ち込みを減少させ、この9月には搬入を行っていないとのことでした。しかも、三菱マテリアル九州工場では、廃石こうボードの受け入れをさらに広げていきたい意向で、高知県から、搬送費用を軽減して大量に搬入できる方策を検討中とのお話も伺ってまいりました。 県は、この状況の変化をどのように認識されておられるか、この間のエコサイクルセンターへの廃石こうボードの搬入量の状況とあわせて伺います。 新たな処分場の建設は、排出者責任が原則である産業廃棄物でありながら、多額の県民の税金を投入することになるものです。施設建設に税金を投入するのであれば、県は、その規模をできるだけ抑える、また延命させることに熱心に取り組まなければなりません。基本構想の結論部分は、廃石こうボードについては、リサイクルが進むかどうか不確実だから、処分場の不足という事態を避けるため、安全側をとって最小ケースは勘案しないとし、施設容量を17から23万立方メートルとしています。 一方、基本構想には、この結論部分に、なお書きで、廃石こうボードのリサイクルの動向を注視し、変動があれば埋立容量について再検討し、新たな施設の設計を行う必要があると明記されています。 私は、この中間処理業者からの聞き取りの中で、このなお書きにまさに該当する可能性のある変化が起こりつつあることを実感しました。住民合意が大前提の施設建設は、しっかりと時間をかける必要もあり、期限を早目に設定した見切り発車は行うべきではなく、現在のエコサイクルセンターの延命は重要だと考えます。 県として廃石こうボードのリサイクル促進への支援をどのように考えておられるか、伺います。 現在のエコサイクルセンターの埋立計画と新たな管理型最終処分場の計画の見直しを行うべきと考えますが、御所見を伺います。 最後に、高知市追手前小学校跡の西敷地、オーテピア西側の用地の活用について伺います。 オーテピア多目的広場西側に隣接する2,500平方メートルの用地は、2012年に国に認定された高知市中心市街地活性化基本計画では、買い物途中で休憩ができる芝生広場、イベント空間などに活用するにぎわい広場などとして整備される計画となっていました。しかし、ことしの3月の第2期計画でこの計画内容を変更、現在高知市は、今後50年にわたり民間に貸し出し、高度利用すると基本方向を打ち出し、プロポーザル方式により事業提案を受け、チカミグループと和建設がその優先交渉権者として選定をされました。 この提案内容は、10階建てのビルにテナント、高知大学のサテライトを置き、中上階にマンションを設置するという計画として発表がされました。現在、高知市議会では、運営資金計画の不備や、不透明な事業者選定手続が問題視されると同時に、市民アンケートでも第1位となった広場としての活用を求める声が市長の与党会派からも出され、議会を二分しており、市民、県民が注目するところとなっています。 私は、2016年9月議会でこの西敷地について、わずか500平方メートルのオーテピア多目的広場では、高知みらい科学館などでの活用や緑豊かな環境はつくれないと、オーテピアと一体となった広場としての活用を求めて質問をいたしました。オーテピアが完成して、その巨大な建物があらわれ、オーテピアから高知城を望むことのできる空間を体験し、さらにその提案の妥当性、必要性を実感しています。 さて、高知市はこの西敷地の活用を検討する過程において、県と県内4大学、高知高専の6団体に活用計画がないかとのニーズ調査を2015年7月に実施しました。県はその調査に対し、県民の防災意識向上のため、防災体験学習広場として活用できればと考えていると活用計画を回答、起震車や津波体験車を常駐できる場所としての利用を提案していたことが、情報公開によって明らかになりました。 この回答は、正式に高知市になされたものですが、どのような決裁のもと提出されたのか、その回答に対し高知市から問い合わせや協議の申し入れがあったのか、総務部長に伺います。 しかし、高知市が設置した有識者による新図書館西敷地利活用検討委員会の第2回の開催時に配付されたニーズ調査結果の資料には、県が活用計画としてさきに示した防災体験学習広場の回答をなかったものと無視し、ニーズ調査の結果ではなく、2016年4月7日付の高知県総務部長、商工労働部長連名による、事務系職場の誘致のためのオフィスフロアの確保についての配慮を求める内容だけをニーズ調査の結果だとして、検討委員会に提出いたしました。 私はこの検討委員会の傍聴にも参加をしましたが、多くの委員からは広場として活用を求める意見が大勢を占めていました。もし、県が主体となって防災体験学習広場として一部であっても活用の意向があると、検討委員会に明らかにされていれば、さらに強固に広場としての活用を求める結論になっていたと思わずにいられません。 当初、防災体験学習広場にと回答したにもかかわらず、どのような経過を経て、総務部長、商工労働部長連名による依頼に切りかわったのか、高知市から依頼があったのか、経過を総務部長に伺います。 県は、西敷地の所有者である高知市の意向を酌んで、当初の回答を表に出さず、総務部長、商工労働部長の連名による依頼に切りかえたのではないでしょうか。私たちは、この西敷地は高知市の所有であっても、高知県の中心部にある唯一残された貴重な用地であり、県民の財産として、県としても高知市と協力し、後世に悔いを残さない対応が求められていると思います。防災広場としての活用は、多くの県民、市民の賛同を得られる提案だと考えます。 県として中心市街地への防災体験学習広場の必要性についてどのようにお考えか、知事にお伺いをして、私の第1問といたします。   (知事尾崎正直君登壇) ◎知事(尾崎正直君) 塚地議員の御質問にお答えをいたします。 まず、日米地位協定の見直しに関し、全国知事会の提言の意義、特に諸外国と比べて日米地位協定がどんな点で違っていると認識しているかとのお尋ねがありました。 全国知事会においては、沖縄県を初めとする在日米軍基地に係る負担の状況を広く理解し、都道府県の共通理解を深めることを目的に、米軍基地負担に関する研究会を平成28年7月に設置し、日米地位協定についてもテーマとして取り上げ、研究が進められてきたところであります。 この研究会での議論を受け、本年7月に全国知事会が取りまとめた米軍基地負担に関する提言については、日米安全保障体制は国民の生命や財産、領土・領海等を守るために重要であることを前提とした上で、初めて、日米地位協定の抜本的な見直しなどについて基地のない都道府県も含めた総意として取りまとめたものであり、大きな意義があるものと考えております。 この提言の取りまとめ過程の本年6月に、研究会で沖縄県が報告されました、ドイツとイタリアを対象とした他国地位協定調査においては、日本では原則として国内法が適用されず、日米で合意した飛行制限等も守られない状況や、地域の委員会設置を求めても対応されない状況であり、両国とは大きな違いがあるとされているものと承知をしております。 全国知事会の提言におきましては、「日米地位協定は、締結以来一度も改定されておらず、補足協定等により運用改善が図られているものの、国内法の適用や自治体の基地立入権がないなど、我が国にとって、依然として十分とは言えない現況である。」といった課題を確認した上で、「日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させることや、事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立入の保障などを明記すること」、「米軍人等による事件・事故に対し、具体的かつ実効的な防止策を提示し、継続的に取組みを進めること」などを、日米両政府に対して本年8月に求めたところであります。 政府におきましては、日米地位協定について国民の理解と協力が得られるよう、引き続き事案に応じた取り組みを通じて、日米政府間でしっかり協議していただきたいと考えております。 次に、米軍機飛行の情報公開の後退は許されるものではなく、即刻改善を求めるべきと思うがどうかとのお尋ねがありました。 これまで本県では、米軍機の低空飛行について住民からの目撃情報があれば、その都度住民の苦情や騒音の測定値を集約し、中国四国防衛局を通じて米軍当局に伝えるとともに、米軍機か否かの事実確認を行ってきたところであります。従前、中国四国防衛局は、県からの情報を受けた後、米軍へ照会し、米側からの事実確認の回答を県に報告するとともに、米軍機によるものであった場合は苦情の内容を米側に伝えていただいていると承知しております。 しかし、昨年8月以降、米軍は本県に限らず全国的に、個別の米軍機の飛行の有無などについては、運用上の理由等から原則として逐一明らかにしないとしたために、防衛省は米軍からの回答を得られなくなったと聞いております。 これを受け、中国四国防衛局におきましては、県から低空飛行の情報が届いた際には、周辺の自衛隊に限らず全国の自衛隊に照会し、自衛隊機に該当がないか確認の上、該当がない場合は、米軍機であった可能性があるとして県に回答し、苦情などの内容を米側に伝えるとともに、住民の方々に与える影響を最小限にとどめるよう求めていくという対応へと改められたところであります。 全国知事会としても、米軍機による低空飛行訓練等については、地域住民の不安が払拭されるよう、訓練ルートや訓練が行われる時期について速やかな事前情報提供を必ず行うことなどを、日米地位協定の抜本的な見直しとあわせて、本年8月に日米両政府に要請しているところです。 本県では、これまで3度も米軍機の墜落事故が発生しており、県民の皆様は不安感を抱えて生活されております。このため今後とも、中国四国防衛局とも連携するとともに、米軍機の飛行訓練の動向を引き続き注視し、住民に不安や安全への懸念を抱かせるような超低空飛行訓練など異常な訓練が繰り返される場合は、米側に是正の要求を行ってまいりたいと考えているところでございます。 次に、よさこい祭りにおけるブルーインパルスの展示飛行について、県に寄せられた苦情と、反対意見がある場合の実施に関するお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えをいたします。 ブルーインパルスの展示飛行に関しては、7月から8月にかけて電話やメールなどで合計122件の問い合わせなどがありました。最も多かったのは、予行飛行が行われた8月8日の106件で、予行飛行を御存じない方が多かったことも一因ではないかと思います。この122件の内容を見てみますと、見学の時間や場所に関する問い合わせなどが82件、騒音や事故への不安などの苦情が40件でありました。 ブルーインパルスの展示飛行は東京オリンピックなどで多くの方々に感動を与えてきたものであり、このたびの飛行は、第65回よさこい祭りの記念大会に花を添えるとともに、多くの観衆の皆様にごらんいただきたいとの趣旨で催されたものであります。8月9日の展示飛行当日は、見学会場であった城西公園で約6,000人の方々が観覧されましたし、私自身は公邸から三翠園に向けて歩いている途中で拝見しましたが、周囲の方々は大変喜んで観覧されているようにお見受けをいたしました。 一方、騒音に対する苦情が多かったことなど、ブルーインパルスの展示飛行に関して、賛否含め多様な御意見があるということは、しっかりと受けとめていかなければならないと考えております。 次に、災害対策について、被災者生活再建支援金の引き上げと一部損壊までの対象拡大が必要ではないかとのお尋ねがありました。 被災者生活再建支援法については、著しい被害を及ぼす一定規模以上の自然災害が発生した場合に、住宅が全壊や大規模半壊等の重大な被害を受けた世帯に対して、全都道府県の相互扶助及び国による財政支援により支援金を支給するものであります。この法に基づく制度が適用開始されてことしで20年目を迎えますが、この間東日本大震災や熊本地震などの地震災害のほか、近年は大規模な風水害が発生し、当制度により被災者の生活再建への支援が行われているところであります。 しかし現状では、当制度の適用対象となるような自然災害が発生した場合に、同一災害による被災にもかかわらず、適用の対象となる地域と対象とならない地域との不均衡が生じるといった課題がございます。このため全国知事会では、当制度の拡大に向けて、7月にワーキンググループを設置することを申し合わせ、今月から議論を始めたところであります。このワーキンググループでは、これまでの支給事例から明らかになった課題を解消するため、支給対象の拡大範囲、支給額、支給拡大に伴う財政負担、自助・共助・公助のバランスについて検討することとしており、11月の全国知事会議をめどに報告がなされる予定となっております。 全国知事会では、これまでも、制度の適用範囲や支給対象の拡大について検討するよう、国へ要望しているところでありますが、引き続き、このワーキンググループでの議論を通じて、当制度の課題について共通認識を持ち、必要な制度の見直しと地方財政措置について国に働きかけていくこととしております。 次に、ブラックアウトが起きないための万全の対策を図るよう、四国電力に要請すべきと考えるがどうかとのお尋ねがありました。 北海道で起きました、地震発生直後の道内全域における大規模停電、いわゆるブラックアウトは、被災された方の生活はもとより、救助活動などの応急対策にも大きな影響を及ぼすものであり、再び起こってはいけないことだと認識しております。 このような大規模停電が四国において起こる可能性について四国電力からは、北海道と異なり主要な電源が分散していることや、本州と結んでいる連系線が2系統あり、そのうち1系統は直流から交流への変換を必要としていないことから、その可能性は低いとお聞きしております。また、四国電力では、このことを地震発生の翌日9月7日の会見で説明し、住民の不安の払拭に努められております。 一方で、国においては、経済産業大臣の指示により、今回の大規模停電検証のための第三者委員会が9月19日に設置され、原因究明等のための検証や、それを踏まえた再発防止策の検討を進め、10月中には中間報告が出される見込みとなっております。 県としましては、四国電力に対し、今回の北海道における大規模停電を教訓に、第三者委員会の検討内容も踏まえ、現在の災害対策を再確認し、より災害に強いライフラインの実現に取り組んでいくよう要請してまいりますし、四国電力と連携を密にし、対応状況についても確認させていただきたいと考えているところでございます。 次に、障害者の雇用の機会を奪ってきた重大性への認識をどのように持っているかとのお尋ねがございました。 障害者の雇用に当たっては、平成19年度以降行ってきた身体障害者を対象とした採用試験により、毎年度2名程度正職員を採用しているほか、非常勤職員についても継続的に新たに雇用しております。このように、新たに雇用した職員とそれまでに雇用されている職員を合わせ障害者雇用率を算定し、国に報告をしております。 この障害者枠試験による新規雇用は、私どもが法定雇用率を超えていると思っていた中でも毎年度継続して行っており、法定雇用率を超えたからといって、これをやめるといった考えは全くなく、積極的に障害者の方を雇用してまいりました。こうした姿勢のもとで、本県では、身体障害者を対象とした採用試験において、点字試験や、補助手段として試験問題を読み上げる音声機器の使用を可能としたほか、通常の採用試験においても、拡大活字問題による受験や、車椅子を使用される方に対する配慮を行うなど、障害のある方が受験しやすい環境も整備してまいりました。 しかしながら、今回の厳格な運用に基づく調査の結果、障害者雇用率が法定雇用率を下回っていたことが明らかになりました。過去にこのことがわかっていれば、より多くの障害者を雇用していた可能性はあるものと考えており、その指摘は重く受けとめなければならないと考えております。県民の皆様に改めて深くおわびを申し上げます。 こうしたことから、今回の反省を踏まえ、国の通知やガイドラインに沿って、より厳格に運用するとともに、引き続き障害者枠による職員の採用など、障害者雇用に積極的に取り組んでまいります。 次に、障害者の働く権利の保障という視点での今後の対応についてお尋ねがございました。 今回、県内の障害者団体に御意見を伺う中では、障害者の中には障害者手帳の交付要件に合わない方や、そうしたことを知られたくなくて持たない方もおり、そうした障害者の方が雇用されなくなるのではないかといった懸念の声もお伺いしたところであります。 公務部門である県としては、今後まずは、国の通知やガイドラインを厳格に運用し、障害者手帳などの提示または写しの提出があった職員のみによって、法定雇用率を早期に達成するよう努めなければならないと考えております。 他方で、法定雇用率の問題とは別に、障害のある方であって手帳を所持していない方に対しても、働き続けることができ、かつ働きやすい環境を整備していくことが必要であると認識しています。したがって、障害者手帳を所持していないからといって雇用しないといった対応にならないよう努めてまいります。 本県では、これまでも障害に配慮しつつ業務に取り組んでいただいているところであり、引き続きしっかりと環境づくりに努め、障害のある人もない人も、ともに支え合い、安心して生き生きと暮らせる共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。 最後に、オーテピア西側の用地の活用に関し、県として中心市街地への防災体験学習広場の必要性についてどのように考えるかとのお尋ねがありました。 私はかねてより、オーテピア西側用地の利活用については、中心市街地の一土地の利用問題であるとともに、その所有者は高知市であることから、高知市が市民の皆様などの御意見を聞きながら主体的に判断を行うべきものと考えてきましたし、そうした旨を折に触れてお話ししてきたところであります。このため本件に関する市からの相談等に対しては、市の考えを尊重して対応してまいりました。 まず、平成27年5月に高知市から、県を含む行政や大学等の機関に対し、当該敷地の利活用の可能性について照会があったことから、県として、敷地の一角に起震車や津波体験車等を常設し、防災体験学習広場として活用する案を回答しておりました。当時、私とも協議を行った上で、あくまで土地の一角を利用する一つのアイデアとして、提示させていただいたものであります。 その後、高知市において新図書館西敷地利活用検討委員会が立ち上げられ、平成28年2月の第1回委員会において、土地の高度利用を図ることや民間のノウハウを活用するためのプロポーザルを行うといった、高知市の基本的な考え方が明示されました。 また、同委員会の中で、民間提案機能一覧として、事前に民間団体などから高知市に対して提案のあった機能について記載した資料が配付されましたが、この資料には当時、県と高知市が連携して経済活性化の取り組みを進める上で中心市街地固有の課題となっていた、事務系職場を誘致するためのオフィスフロア確保に関する記述がありませんでした。県としては、オフィスフロアも候補の一つとして検討委員会で議論を行っていただきたいと考え、高知市の担当課に相談をしたところ、正式に書面で提出するようお話があったところであります。このため、土地の高度利用、民間機能を含め幅広に、県が望ましいと考える機能について全庁照会を行い、さらには私とも協議を行った上で、改めて県独自の案として、事務系職場を誘致するためのオフィスフロア確保への配慮を依頼する文書を高知市へ提出いたしました。 以上のように、高知市の土地の利活用は高知市が主体的に判断すべきとの考えがベースにあり、その上で、高知市が土地の高度利用を図ることや民間のノウハウを活用する意向を示している中にあって、当該敷地の一角を利用するにすぎず、他の場所、機会でも実施可能な起震車などを置くアイデアを見直し、当時の中心市街地固有の課題である事務系職場誘致のためのオフィスフロア確保への配慮という提案に改めたというのが実態であります。 今後においても、オーテピア西側用地の利活用に関しましては、これまでと同様に所有者である高知市の考えを尊重してまいります。あわせて、当該敷地の定期借地権が議決事項とされたことを踏まえ、市議会における議論に基づいた対応が必要であるものと考えております。 なお、パネル展示や起震車などを活用した防災体験学習については、県民の防災意識の向上を図る機会として有効であり、これまでも県内各地で実施しております。さほど広い面積が必要ではないことから、中心市街地においても機会があれば工夫を凝らして実施してまいりたいと考えているところでございます。 私からは以上でございます。   (危機管理部長酒井浩一君登壇) ◎危機管理部長(酒井浩一君) 災害対策について、まず被災者生活再建支援法の適用について発生件数の数的な基準をなくすべきではないかとのお尋ねがありました。 被災者生活再建支援法は、被災した市町村や都道府県のみでは対応が困難な著しい被害を及ぼす一定規模以上の自然災害が発生した場合に、全都道府県の相互扶助及び国の財政支援により支援金を支給するものです。こうしたことから、適用範囲について災害規模による線引きがなされていることは、法の趣旨を踏まえてのことだと考えております。 しかしながら、同一の災害で被災しているにもかかわらず、居住する市町村の災害規模が小さい場合に、支援を受けることができないというケースが本県においても実際にありました。このため、これまで、この制度による支援の対象とならない被災者に対しても同等の支援を、その都度県独自の制度を設けて市町村とともに行ってきました。 今回の7月豪雨による災害についても、香南市、宿毛市、大月町は法制度の支援の対象となった一方で、住宅の被害はあるものの支援の対象とならなかった安芸市、本山町、梼原町に対しては、これまでと同様に県独自の制度を設けて、法制度と同等の支援を行うための補正予算案を今議会に提出しております。 なお、全国的にも、同一の災害にもかかわらず、災害規模の要件の違いにより法が適用されない事例が多くあることから、全国知事会としても、適用対象となるような自然災害が発生した場合には、法に基づく救済が被災者に平等に行われるよう、全ての被災区域が支援の対象となるよう見直すことを以前から国へ要望しておるところです。 次に、住家が半壊に至らない場合の被害認定基準をつくるとともに、手引の内容についてより徹底していくことが大切ではないかとのお尋ねがありました。 罹災証明書は、義援金などの給付、税や保険料などの減免・猶予、応急仮設住宅などの提供、住宅の建設や補修に関する融資といったさまざまな支援を受けるために必要となるものであり、半壊に至らない被害であっても、罹災証明書があれば支援を受けられる場合もあります。 内閣府が作成している、災害に係る住家被害認定業務実施体制の手引きには、半壊に至らない被害の認定基準として示されている一部破損、床下浸水などの区分に基づき、罹災証明書を発行することも可能と明記されております。また、本年3月に改定されたこの手引では、住家被害の程度が半壊に至らない場合においては、地方公共団体が独自に一部損壊など被害の程度を設定することも可能とすることなどが新たに示されたことから、これらを周知徹底することは大事だと考えています。 県では、罹災証明書の発行のもととなる住家被害認定の知識を市町村職員が習得できるよう、平成26年度に高知県住家被害認定士制度を創設し、毎年研修会を開催しており、昨年度まで29市町村227名と県職員38名の計265名が認定士の認証を取得しているところです。この研修会の中では手引の周知も行っており、今年度も11月8日に研修会の開催を予定しております。 今後も、認定士の研修会などを通じまして、市町村に手引の内容について周知徹底を図ってまいりたいと考えています。 最後に、一部損壊の場合に自己判定方式を導入することについてお尋ねがありました。 内閣府が本年3月に改定しました手引では、被害が軽微な住家については、被災者自身が半壊に至らない程度の被害であるとの結果に合意できる場合、被災者が撮影した写真から半壊に至らないと判定し、罹災証明書を発行することができる、自己判定方式の実施手順が新たに示されたところです。この方式によれば、被害が明らかに軽微であると判断できる住家については、職員が現地調査を行う必要がなくなるため、罹災証明書の交付の効率化、迅速化につながることが期待されております。 本県においては、今回の7月豪雨の被害状況を踏まえて、急遽、内閣府から講師を招いて、豪雨後間もない7月18日に県内市町村職員及び県職員を対象に臨時の説明会を開催し、自己判定方式を推奨することも含め、罹災証明書の交付の迅速化について周知したところです。 今後も、毎年開催している研修会などを通じて、住家被害の認定業務を円滑に実施できる取り組みを、関係部局とも連携しながら進めてまいりたいと考えています。   (林業振興・環境部長田所実君登壇) ◎林業振興・環境部長(田所実君) まず、災害対策に関して、災害等廃棄物処理事業の意義についての認識と、同事業の各市町村や自主防災組織への周知についてお尋ねがありました。 本県では、災害によって発生する廃棄物の発生量や処理の流れ、仮置き場の運営や住民への広報等、災害廃棄物を処理する上で必要となる事項を事前に整理し、災害廃棄物を適切かつ円滑に処理することができるようにするため、全ての市町村において災害廃棄物処理計画が策定されています。 さきの平成30年7月豪雨のような災害時には、家屋の浸水や倒壊等により大量の廃棄物が短期間で発生することから、まず被災場所からそうした廃棄物を運搬し、仮置き場等で選別を行った上で焼却処分や埋立処分等を行っていくことになります。 その際、被災者の負担なしに、国の支援を受けて市町村が主体となって災害廃棄物を処理する災害等廃棄物処理事業は、生活環境の保全や公衆衛生の向上を図るとともに、住民にとっても生活の再建や早期の復旧につながるものであると認識しており、市町村が発災時に迅速かつ円滑に当該事業を運用できるよう、毎年開催している市町村担当者会で説明するとともに、国から関係通知が発出されるたびに周知を図ってきているところです。 また、当該事業を迅速かつ円滑に運用するためには、自主防災組織を初め住民の皆様に制度をあらかじめ周知しておくことも大切であると考えています。このため、平時から県や市町村のホームページなどを通じて当該事業に関する基本事項をお知らせするとともに、市町村が当該事業を適用して災害廃棄物を処理することとした場合に、災害廃棄物の搬出方法や公費負担による撤去に必要な手続などを速やかに周知する方法について市町村と協議を進めるなど、住民の皆様の生活再建や早期の復旧に向けた、より円滑な対応につながりますよう、県としても市町村の取り組みをしっかりと支援していきたいと考えています。 次に、県内における、廃石こうボードのリサイクルの状況変化に対する県の認識と、エコサイクルセンターへの廃石こうボードの搬入量の状況について、また廃石こうボードのリサイクル促進への支援についてお尋ねがありました。関連がありますので、あわせてお答えさせていただきます。 エコサイクルセンターの埋立量の約3分の1を占めている廃石こうボードにつきましては、平成29年3月に策定した本県における今後の管理型産業廃棄物最終処分のあり方に関する基本構想において、将来的にも排出量の増加が見込まれることから、リサイクルの可能性を検討しています。そこでは、県外のセメント工場でのリサイクルは可能ではあるが、運搬費用等のコスト面に課題があることから、引き続き検討していくこととしています。 その後、県では、産業廃棄物関係団体と廃石こうボードなどのリサイクルについて情報交換を行うなど、情報収集に努めてまいりました。そうした中で、議員のお話にありました、廃石こうボードを県外に搬出してリサイクルに回しているとの情報に触れ、当該事業者にそうした動きに至った経緯などについてお話を伺いました。 エコサイクルセンターへ搬入される廃石こうボードは、昨年度は平成28年度に比べ約10%増の年間3,700トン余りになっていますが、本年度は4月を除いて前年同月比で減少に転じ、7月及び8月は前年同月のおおむね5割となっており、県外へのリサイクルに向けた動きが影響しているものと捉えています。こうした廃石こうボードのリサイクルに向けた動きにつきましては、現在複数の中間処理業者で検討されており、産業廃棄物関係団体においても会員に働きかけ、リサイクルを進めていこうとの機運も出てきております。 県としましては、エコサイクルセンターを管理運営している公益財団法人エコサイクル高知や産業廃棄物関係団体と連携して、エコサイクルセンターに廃石こうボードを搬入している事業者に対し、リサイクルの動きに関する情報提供を行い、リサイクルの推進への協力を呼びかけるとともに、こうした動きの拡大に向けて必要な支援策を検討していきたいと考えています。 最後に、現在のエコサイクルセンターの埋立計画と新たな管理型最終処分場の計画の見直しを行うべきと考えるがとのお尋ねがありました。 先ほどお答えさせていただきました廃石こうボードのリサイクルの動きが定着してくれば、エコサイクルセンターが満杯になる時期をおくらせることができますが、さきに申し上げた基本構想では、廃石こうボードの全量がリサイクルできたとしても、平成36年8月には満杯になるという想定であり、リサイクルの効果が見え始めたばかりの現時点では、基本構想におけるエコサイクルセンターが満杯になる時期の幅を見直すまでの必要性はないのではないかと考えています。 また、新たな管理型最終処分場の整備に当たっては、基本構想において、廃石こうボードの排出量等の推移やリサイクル技術の動向等を注視していき、産業廃棄物の排出抑制、リサイクル等の方針を整理し、精査した上で最終的な埋立容量を決定することとしていますので、県外での廃石こうボードのリサイクルの動きなどを踏まえ、新たな施設の運用期間も含めて、今後総合的に検討していきたいと考えています。   (総務部長君塚明宏君登壇) ◎総務部長(君塚明宏君) まず、住宅の被害認定を進めるための支援体制についてお尋ねがございました。 災害発生後におきましては、被災市町村が住宅の被害認定を迅速に行い、罹災証明書の発行を円滑かつ適正に行うことが重要となりますが、被害の程度によっては、当該市町村の職員のみでは対応が困難な場合も想定されます。災害発生後にマンパワーが不足する場合には、総務省の応援職員確保のスキームに基づき、県が窓口となって被災市町村のニーズを把握した上で、他市町村や県からの職員派遣の調整を行う仕組みが整備されております。 今回の豪雨災害におきましても、罹災証明書発行関係業務ではありませんが、災害復旧工事関係業務に必要な人員を確保するため、このスキームが有効に機能したものと考えておりますので、今後も確実な運用に向けまして、引き続き市町村への周知等に取り組んでまいります。 また、住宅の被害認定は、応援職員を受け入れる被災市町村の判断で行う必要があります。そのため、円滑な罹災証明書の発行に向けましては、被災市町村の側でも適切な被害認定の判断ができる体制を構築しておくことが重要と考えております。そのため危機管理部と連携しながら、県内市町村に対しまして住家被害認定士制度の周知などに取り組んでまいりたいと考えております。 次に、正職員の障害者枠採用に関しまして、精神障害者や知的障害者の方々への受験機会拡大に向けた職員採用の改善と、一定期間の受験年齢制限の緩和への取り組みについてお尋ねがございました。 今後、障害者の雇用推進の観点からは、精神障害や知的障害のある方を県の採用試験の対象に加えることも検討課題と認識しております。 一方、先行している自治体の例によりますと、障害の程度や内容に応じて従事できる業務の内容や、支援や指導を担当する職員の配置などによるサポート体制の整備、採用された職員の能力開発などの課題があるとお聞きしております。こうした課題にどのように対応するのか、担っていただく業務や所属の体制も含めて検討してまいりたいと考えております。 また、障害者枠採用試験につきましては、現在身体障害者を対象とする採用試験におきまして、受験年齢を34歳までとしております。これは、上級試験が29歳まで、初級試験が21歳までとしていることに比べまして、年齢制限を緩和し、より幅広い年齢の方に受験していただくことができるようにしているものであります。 今後、さらに年齢制限を緩和することにつきましては、障害のある方をより幅広く採用するという観点、一方正職員としてのキャリア形成に必要な年数を確保するという観点、これらを踏まえつつ人事委員会等の関係機関と調整しながら、検討してまいりたいと考えております。 次に、会計年度任用職員制度に関しまして、常勤職員を中心とした公務運営と当該制度への基本認識についてお尋ねがございました。 総務省が設置しております研究会の報告書を踏まえますと、地方公共団体の運営においては、公務の中立性の確保や職員の長期育成を基本とし、職員の身分を保障して職員が職務に精励できるようにすることによる公務の能率性の追求、多様な行政サービスの質の担保などの観点から、任期の定めのない常勤職員を中心とすることが原則とされているものと認識しております。 本県におきましても、県政運営指針において、知事部局では3,300人体制を維持することを方針として掲げまして、常勤職員を公務運営の中心としながら、簡素で効率的な組織の構築に努めているところであります。 次に、平成32年度に導入されます会計年度任用職員制度につきましては、常勤職員とともに、地方行政の重要な担い手となっている臨時・非常勤職員の適正な任用や勤務条件を確保するために、任用等の制度について明確化を図ったものと認識しております。 この制度の導入により、時間外勤務手当や通勤手当等の手当またはそれらに相当する報酬のほか、一定の要件を満たした場合には、常勤職員と同様に期末手当が支給できるようになることから、一定の処遇改善につながるものと考えております。 次に、臨時・非常勤職員の方々について、正職員化の道を示す必要性についてお尋ねがございました。 議員のお話にもありましたとおり、国会においては、常勤職員と同様の業務を行う職が存在するということが明らかになった場合には、臨時・非常勤職員制度ではなく、常勤職員や任期付職員の活用について検討することが必要と答弁がなされております。 本県におきましても、会計年度任用職員制度の導入に当たりまして、現在の臨時・非常勤職員が従事している職の業務内容について精査し、整理した上で、常勤職員と同様の業務を行う職があることが判明した場合には、常勤職員等の活用について検討する必要があるものと考えております。 その際、そうした職に従事するべき、任期の定めのない常勤職員の採用に当たりましては、地方公務員法の平等取り扱いや能力実証主義の原則に基づきまして、平等かつ客観的な採用試験によることが必要と考えております。 次に、会計年度任用職員制度における勤務時間及び空白期間の設定についてお尋ねがございました。 会計年度任用職員の勤務時間につきましては、それぞれの職務の内容や標準的な業務の量に応じた適切な勤務時間を設定することとしており、財政負担を避けるために合理的な理由なく短い勤務時間を設定することは適当でないと、制度を所管する総務省から考え方が示されております。 また、空白期間につきましては、改正後の地方公務員法において、会計年度任用の職は、一会計年度の範囲内で毎年度必要な職が設置されるものであること、また任期の終了後、新たに設置される職に任用されることも可能となることなどから、空白期間の設定は必要ないものと考えております。 次に、会計年度任用職員制度の導入に当たって必要となる財源確保の決意についてお尋ねがございました。 地方の行政運営に必要な財源確保につきましては、これまでも全国知事会などと連携しまして国への政策提言を行い、十分な規模の地方一般財源総額を確保するよう求めてまいっているところでございます。 会計年度任用職員制度に係ります財源確保に向けた取り組みとしましては、総務省主催の説明会や臨時・非常勤職員の実態調査に係るヒアリングの場などの機会を捉えまして、財源確保について要望等を直接行っております。また、本年7月に開催されました全国知事会議におきましても、地方団体の財政需要の増加について地方財政計画の歳出に確実に計上すべきであると、財源確保の提言が行われております。 今後も引き続き、全国知事会などと連携しまして、会計年度任用職員制度の導入に係る財源確保について、国に対し、しっかりと要望してまいりたいと考えております。 次に、オーテピア西側用地の活用に関し、平成27年5月の高知市によるニーズ調査に対して、県は防災体験学習広場として活用する考えを回答していたが、どのような決裁のもと提出したのか、またその回答に対し、高知市から問い合わせや協議の申し入れがあったのかとのお尋ねがございました。 先ほど知事から御説明いたしましたとおり、この回答に当たりましては、知事とも協議を行った上で、当時の総務部政策企画課長が回答書の決裁を行い、同年7月に高知市へ提出しております。この回答に対しまして、当時高知市からは具体的な問い合わせや協議の申し入れはありませんでした。 最後に、どのような経緯を経て、総務部長と商工労働部長連名によるオフィスフロア確保の依頼に切りかわったのかとのお尋ねがございました。 先ほど知事から御説明いたしましたとおり、平成28年2月の第1回新図書館西敷地利活用検討委員会の資料等を踏まえまして全庁照会を行い、さらには知事とも協議を行った上で、事務系職場を誘致するためのオフィスフロアの確保について、高知市における今後の検討の際に配慮していただくよう、平成28年4月7日付で総務部長及び商工労働部長の連名による依頼文書を高知市へ提出いたしました。 この時点で、県から高知市への回答は当初の防災体験学習広場からオフィスフロアの確保への配慮に改めたことを、高知市に対して伝えまして、高知市においてもこのことを踏まえた上で、次の検討委員会の資料を提出しておるというところでございます。 この回答内容の変更に関しましては、高知市から事前に要請があったわけではなく、オフィスフロアの確保という中心市街地固有の政策課題を端緒といたしまして、県から申し入れを行ったものであります。   (土木部長村田重雄君登壇) ◎土木部長(村田重雄君) 災害対策について、県として、川の断面積の確保や豪雨後の対応策などを計画的に進めていくことや、河川の維持管理のための予算を重視することについてお尋ねがございました。 河川の計画的な維持管理は大変重要と考えており、これまでも継続的に河川の点検、巡視を行い、必要なところから河床掘削などの対策に取り組んでまいりました。 今回の7月豪雨でも、洪水後の巡視により、浸水被害が発生した安芸川を初めとする複数の河川で大量の堆積土砂や流木が確認され、放置すると再度災害のおそれがあることから、それらの撤去を緊急的に実施いたしました。 また、全ての河川について点検を行ったところ、同様に県内各地の河川で土砂の堆積により浸水被害の発生の可能性が高い箇所が確認されたことから、撤去に必要な補正予算案を今議会に提出させていただいております。 頻発化、激甚化する台風や豪雨に備えるためには、計画的な河川の維持管理がますます重要となります。新たに立ち上がりました豪雨災害対策推進本部において、維持管理に係る計画、方針などの情報共有を図るとともに、年間を通じて中小河川の豪雨対策を実施する体制の強化と、必要な予算の確保にしっかりと取り組んでまいります。   (中山間振興・交通部長川村雅計君登壇) ◎中山間振興・交通部長(川村雅計君) 西日本豪雨での中山間地域の給水施設の被害状況と、予算の確保など早急な対応のための県の取り組みについてお尋ねがありました。 過疎化、高齢化が進行する中山間地域において、将来にわたり安心して暮らし続けることのできる生活環境を整備する取り組みとして、生活用水の確保は大変重要なものであると認識をしております。 今回の西日本豪雨による中山間地域の給水施設の被害状況につきましては、被災直後に全市町村の実態を調査しましたところ、9市町村16地区で土砂の流入等による濁りの発生や水量不足、断水などの被害が生じていることが判明しました。このうち10地区につきましては、施設の損傷が軽微であったことなどから、飲料水の配付といった応急対応を行いながら、数日中に地域住民や市町村による緊急修繕がなされたところです。 一方、安芸市、大豊町、梼原町の6地区におきましては、応急復旧により生活用水が確保できているものの、施設が大きな被害を受けております。そのため県では、緊急を要する工事に対しまして、既存の予算による迅速な市町村への支援を実施するとともに、今議会において必要な補正予算の確保をお願いし、市町村の本格復旧に向けた取り組みを支援することとしております。 県といたしましては、今後とも、中山間地域における生活用水の確保について、地域の実情を踏まえたきめ細やかな支援を行いますとともに、災害時におきましては、迅速で柔軟な支援を実施することで、安心して暮らし続けることのできる中山間地域の実現を図ってまいります。   (教育長伊藤博明君登壇) ◎教育長(伊藤博明君) まず、小中学校へのエアコン設置に関し、菅官房長官の記者会見やその後の国の対応についてどのように受けとめているかとのお尋ねがございました。 本県の公立小中学校においては、まずは南海トラフ地震への備えとして、校舎の耐震化や避難所となる体育館の非構造部材の耐震化対策などへの対応を優先してきたことなどから、普通教室へのエアコンの設置率は、平成29年4月1日現在で全国平均の49.6%に比べ18.4%と低い状況にあります。 耐震化に加え、ブロック塀対策などの地震対策の取り組みについては、引き続き加速していかなければなりませんが、児童生徒の熱中症の予防に加え、より快適な教育環境の整備という点から、各教室へのエアコン設置についても進めていく必要があると認識しており、これまでも国に対し全国知事会などを通じて、財政的な支援の拡充を要望してまいりました。 こうした中、本年7月に菅官房長官から、政府として小中学校へのエアコン設置の支援を加速化することが表明され、国の平成31年度概算要求にそのための予算が500億円程度盛り込まれました。さらに、本年度の国の補正予算による対応についても現在検討がなされており、今後本県の小中学校においてもエアコンの整備が大幅に進んでくるものと考えております。 今後は、各市町村が小中学校へのエアコン設置を迅速に進められる十分な額の予算が国において確保されるよう、情報収集を行いながら、必要に応じて全国知事会などを通じて要望してまいります。 次に、この9月議会に向けて、市町村に対する県としての支援策について検討したのか、また設置後の電気代などランニングコストの負担軽減についても支援できないかというお尋ねがございました。 先ほど申し上げました政府としての支援の加速化の表明がされたことを受け、県教育委員会としましては、国による具体的な支援策の検討状況について情報収集を行うとともに、各市町村の現状と今後の計画について県独自に調査を実施いたしました。 その結果、県内の市町村立小中学校において、普通教室へのエアコンの設置率が100%となっているのは、本年9月1日現在で10町村ですが、今後に向けて既に単独予算による設置に着手している市町村もあり、各市町村の計画では、本年度末時点で13市町村、来年度末時点では29市町村と1学校組合にまで増加する予定となっております。 こうしたことから、残る5市に対しても、国による支援策の活用を促すなど、引き続き設置の促進に向けた助言等を行っていくこととしておりますが、市町村の負担も大きくなることが想定されますので、今後国による支援の内容や各市町村の計画の進捗状況なども踏まえ、他の都道府県の制度なども参考にしながら、県としての支援のあり方なども検討してまいりたいと考えております。なお、設置後の電気代などランニングコストにつきましては、毎年度恒常的に必要となる経費であり、補助金等による支援の対象にはなじまないものと考えております。 最後に、体育館への空調設備の整備について計画を持ち推進すべきと考えるが、どのように対応するかとのお尋ねがございました。 本県市町村の小中学校へのエアコンの設置につきましては、ことし9月1日時点で未設置の普通教室が1,800余りあり、その整備には全体で40億円から50億円程度の事業費が見込まれております。 一方、学校の体育館への空調設備の設置には、普通教室に比べ規模が大きくなりますことから、1施設当たり1億円前後の予算が必要となります。このため、これから普通教室へのエアコン設置を進めるという段階においては、体育館の空調設備の整備計画の策定は難しい状況にあると考えております。 しかしながら、学校の体育館につきましては、その多くが災害時の避難所となっておりますので、全国的にも空調設備の設置が求められているものと認識しており、今後国に対し全国知事会などを通じて、財政的な支援の拡充を要請していきたいと考えております。   (文化生活スポーツ部長門田登志和君登壇) ◎文化生活スポーツ部長(門田登志和君) まず、高知県立大学図書館の資料等の保存機能の充実について、施設整備を含め、大学との協議が必要ではないかとのお尋ねがございました。 新たに整備した永国寺図書館は、延べ床面積を整備前のおよそ1.5倍に拡充しており、その上で蔵書の収蔵能力を保ちつつ、ラーニングコモンズ機能として、グループ学習室や防音機能を備えたディスカッションルームなど、これまでの図書館になかった学生の学習支援のためのスペースを新たに設置するとともに、座席数もふやしております。こうした整備内容は、高知県立大学や高知工科大学の関係者と県や設計者が協議を重ねた上で整備を行ってきたものでございます。 今後、高知県立大学においては、今回大学に設置されました図書館蔵書除却検証委員会の検証結果も踏まえ、大学が必要とする蔵書を適切に管理することのほか、図書館や大学の他の施設などの有効活用により、蔵書の保存機能の確保に取り組んでいただきたいと考えております。その際には、県としても必要な協力をしてまいりたいと考えております。 次に、高知県立大学蔵書の除却後の処分方法について、高知県図書館協会を通じた公共図書館や地域の図書室などとのネットワークにとどまらず、男女共同参画センターソーレや文学館などの文化施設との情報共有ができるシステムを構築すべきではないかとのお尋ねがございました。 高知県立大学の蔵書の再利用に当たっては、県内の公立図書館や他の大学図書館などとの連携が重要であることはもちろんですが、そうしたことに加え、県内の文化施設などとの情報共有も大切だと思いますので、その仕組みは大学とともに検討していきたいと考えております。 ◆37番(塚地佐智君) それぞれ御答弁いただきましてありがとうございました。時間がありませんが、再質問をさせていただきます。 まず、障害者雇用の問題で総務部長にお伺いをいたします。 これから、発達障害を含む精神障害とか知的障害の方々の採用に当たっての検討をしてくださるということで、幾つか課題を列挙されました。既に私ども、2016年6月議会の段階から、そういった改正を行うべきではないかというふうに要求してきたこともございます。そういう意味では、課題意識としては持たれてきたと思うので、一定スケジュール感を持って、やっぱり期限を決めて、課題解決に取り組んでいただくということが大事だと思うんですね。なので、そういった方々の希望に応える上でも、それなりのスケジュール感をお示しすることができるなら、お願いをしたいというのが1点です。 もう一点は、小中学校へのエアコンの整備の関係で教育長に伺います。 先ほどの御答弁では、支援のあり方を、設置について検討したいというふうに御答弁されたと思うんですけれど、あり方を検討したいということだから、やるという中身を検討するというふうにおっしゃったと受け取っていいのかということを確認させていただきたいと思います。 それから、最後に知事に。先ほどの西敷地の問題で、ニーズ調査の回答をここに私、持っておりますけれど、これは知事も、今後活用するのに防災体験学習広場として活用する計画がありますよということを県が正式に高知市に出すときに、御認識をされていたのかということを再度確認させていただきたいと思います。 以上で、2問です。 ◎総務部長(君塚明宏君) 障害者雇用の関係で、精神・知的障害のある方を確保するに当たって、期限を切るべきではないかという御質問をいただきました。 先ほど申し上げましたのは、正職員として採用するときに障害者枠を拡大するということでございます。我々も前に御質問いただいてからいろいろ研究を進めてきております。やはりまだ、全国の都道府県を調べてみても少のうございます。ですので、もう少し課題を深めたいと思っておりますので、今の時点におきましては、いつまでにというのは、期限を切ることは難しいかと思っております。 ただ、一方で精神障害の方とか知的障害の方については、非常勤の枠のようなものをつくって、今でも障害者枠的に雇用させていただいているところでありますので、そういうところのほうでも拡大ができないかというのも、あわせて検討したいと思っております。 こちらのほうは、先ほどの法定雇用率等々の関係もにらみながらということでありますので、直ちに検討を始めまして、今年度、来年度くらいのうちにどういった形で雇用率を達成していくのかということを考える中で、その方向性なんていうのも出していけたらなというスケジュール感でございます。 以上です。 ◎教育長(伊藤博明君) 先ほど御答弁いたしましたように、概算要求で500億円程度、それからあわせて補正予算のほうでも、一定これから予算化がされるんだろうというような情報がございます。特に補正予算のほうで言いますと、補助率であったり、それにどういった起債が使えるのかというような情報もいただきたいところ、そういったようなものを見た中で、先ほど答弁いたしましたように、高知県内全体で1,800教室ありますので、総額で言うと40億円、50億円という中で、市町村の負担も大きくなってくると、そういった中でそれぞれの情報を検討させていただいて、総合的に決めていきたいというふうなことで御答弁をさせていただきました。 ◎知事(尾崎正直君) この西敷地について、今おっしゃったのは、防災体験学習広場として回答を出したときということでありますか。正直なところ、記憶に頼るしかないというところがあります。この書面そのものを見たのかと言われても、私としてその書面を見たかどうか覚えておりません。しかしながら、当時高知市の照会に対して、西敷地の活用案として、起震車とか、あと土石流体験車とか豪雨体験車とか、そういうのを並べていけば、すぐ一定活用ができるようになるねというような話をして、多分そのことでアイデアとして提唱させていただいたであろうということは、私も覚えておりましたので、先ほど答弁させていただきましたように、私ども協議した上で、そういうアイデアを出させていただいたと、そういう話をさせていただいたということです。 あくまで土地の一角を使う、もっと言いますと、当時の協議のニュアンスとしては、あくまで暫定的な活用方法として、そういうアイデアも出させていただこうということで出したものだと、そういうふうに私は記憶しております。書面としては、今回御質問いただいたので、改めて書面を確認いたしましたけれども、こういう形で出させていただいておると、そういうことでありますね。 ◆37番(塚地佐智君) ありがとうございました。教育長の答弁、少しぼやけてしまって、ちょっと残念なんですけれども、でもやっぱりあり方を検討するというふうにおっしゃった答弁、私すごく大事な御答弁と思うんです。 おっしゃったとおり、大変な市町村の財政負担に、せっかく国からの補助金は来るのに、それに対応できないということで、子供たちの間にそういう教育環境の格差が生じるということが県内で起こってはいけないわけなので、ぜひそこの部分は、おっしゃった御答弁を前向きに、具体的に情報収集を市町村からしていただいて、検討いただくよう強く要請しておきたいと思います。そういう負担がなくて、来年の夏には子供たちが県内でみんなエアコンがあるなという状態になれるように期待しておきますので、よろしくお願いをいたします。 もう時間がないので。それぞれ御答弁をいただきましたが、西敷地の問題は、せっかく県からすごくいい提案があって、実は県が出した要望は、第1回目の検討委員会は白紙の状態だったんで、極めて大事なときのものを途中で差しかえちゃったという大問題が残っているということは一言申し上げて、私の一切の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(土森正典君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。 明28日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。   午後5時17分散会...