高知県議会 > 2001-09-28 >
09月28日-02号

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  1. 高知県議会 2001-09-28
    09月28日-02号


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    平成13年  9月 定例会(第263回)          平成13年9月28日(金曜日) 開議第2日出席議員       1番  武石利彦君       2番  中西 哲君       3番  西岡仁司君       4番  三石文隆君       5番  森田英二君       6番  川田雅敏君       7番  谷相勝二君       8番  浜田英宏君       9番  樋口秀洋君       11番  山本広明君       12番  植田壮一郎君       13番  森 雅宣君       14番  雨森広志君       15番  東川正弘君       16番  溝渕健夫君       17番  元木益樹君       18番  依光隆夫君       19番  土森正典君       20番  西森潮三君       21番  結城健輔君       22番  西岡寅八郎君       23番  小松 雅君       24番  中内桂郎君       25番  佐竹紀夫君       26番  岡崎俊一君       27番  黒岩正好君       28番  朝比奈利広君       29番  池脇純一君       30番  中沢潤二君       31番  二神正三君       32番  田村輝雄君       33番  森田益子君       34番  川添義明君       35番  江渕征香君       36番  米田 稔君       37番  牧 義信君       38番  公文 豪君       39番  塚地佐智君       40番  梶原守光君       41番  田頭文吾郎君       42番  森 祥一君欠席議員       なし---------------------------------------説明のため出席した者  知事      橋本大二郎君  出納長     島田一夫君  総務部長    池田憲治君  企画振興部長  池 誠機君  健康福祉部長  松岡寿子君  文化環境部長  松村勝喜君  商工労働部長  岡村章弘君  農林水産部長  山崎淳一君  土木部長    安岡 健君  国体局長    西野秋美君  森林局長    池本武広君  海洋局長    星沢昭雄君  港湾空港局長  善見政和君  企業局長    山田英昭君  病院局長    猪野和孝君  教育委員長   宮地彌典君  教育長     大崎博澄君  人事委員長   上谷定生君  人事委員会          小松正典君  事務局長  公安委員長   竹村維早夫君  警察本部長   恵良道信君  代表監査委員  吉原 強君  監査委員          松岡召一君  事務局長---------------------------------------事務局職員出席者  事務局長    林 宏興君  事務局次長   山崎宣生君  議事課長    井上 健君  政務調査課長  樫谷幸男君  議事課長補佐  鍵山和司君  主幹      中岡由佳君  主査      湯川さほり君---------------------------------------議事日程(第2号)   平成13年9月28日午前10時開議第1 第1号  平成13年度高知県一般会計補正予算 第2号  平成13年度高知県土地取得事業特別会計補正予算 第3号  平成13年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計補正予算 第4号  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例議案 第5号  高知県税条例の一部を改正する条例議案 第6号  高知県手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第7号  障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律等の施行に伴う関係条例の整理に関する条例議案 第8号  高知県港湾施設管理条例の一部を改正する条例議案 第9号  高知県立青少年センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案 第10号  公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例議案 第11号  安芸市と芸西村との境界の一部を変更する議案 第12号  公平委員会の事務の委託を受けることに関する議案 第13号  県有財産(事務用機器)の取得に関する議案 第14号  ふるさと林道緊急整備事業松原中津川トンネル(中津川工区)工事請負契約の締結に関する議案 第15号  国道381号道路改築(川平橋上部工工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案 第16号  退職手当の額の決定に関する議案 第17号  住民訴訟に係る弁護士報酬の負担に関する議案 第18号  住民訴訟に係る弁護士報酬の負担に関する議案 第19号  住民訴訟に係る弁護士報酬の負担に関する議案 第20号  高知県・高知市病院組合規約の一部変更に関する議案 報第1号 平成13年度高知県電気事業会計補正予算専決処分報告 報第2号 平成12年度高知県電気事業会計決算 報第3号 平成12年度高知県工業用水道事業会計決算 報第4号 平成12年度高知県病院事業会計決算第2 一般質問   (3人)---------------------------------------   午前10時2分開議 ○議長(東川正弘君) これより本日の会議を開きます。--------------------------------------- △諸般の報告 ○議長(東川正弘君) 御報告いたします。 去る21日に組織されました予算委員会から、委員長に依光隆夫君、副委員長に川田雅敏君をそれぞれ互選した旨通知がありましたので御報告いたします。 次に、第4号議案及び第10号議案については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めてありましたところ、適当である旨の回答書が提出されました。その写しをお手元にお配りいたしてありますので御了承願います。   (回答書 巻末273ページに掲載)--------------------------------------- △質疑並びに一般質問 ○議長(東川正弘君) これより日程に入ります。 日程第1、第1号「平成13年度高知県一般会計補正予算」から第20号「高知県・高知市病院組合規約の一部変更に関する議案」まで及び報第1号「平成13年度高知県電気事業会計補正予算専決処分報告」から報第4号「平成12年度高知県病院事業会計決算」まで、以上24件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問をあわせて行います。 通告がありますので、順次発言を許します。 7番谷相勝二君。   (7番谷相勝二君登壇) ◆7番(谷相勝二君) 皆さんおはようございます。第263回高知県議会定例会に当たりまして、自由民主党を代表いたしまして質問の機会を与えていただきましたので、順次質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。 さて、9月11日、世界じゅうがテレビのニュースにくぎづけになりました。アメリカの中枢部ニューヨーク世界貿易センタービル、ワシントンの国防総省にハイジャックされた旅客機が突入、さらにビルの崩壊によって日本人を含む6,000人以上のとうとい人命が失われ、また、いまだに瓦れきの下に不明となっているのであります。残虐きわまりないテロ行為によって犠牲となられた方々に、心より哀悼の意を表したいと思います。そして、一刻も早く行方不明の方々の安否確認がとれますように願ってやみません。 20世紀は戦争の世紀という位置づけから、新しい世紀は平和の世紀であるようにとの人類の祈りは、早々と無残にも打ち砕かれてしまったのであります。いかなる理由があろうとも、平和に過ごす人々を一瞬のうちに地獄の底に突き落とす残忍きわまりない無差別テロ行為は断じて許されるべきではありません。 我が高知県議会は開会日冒頭、「テロ防止対策等に関する意見書」を全会一致で採択したところであります。しかしながら、その後の国際状況はますます戦争への危険性をはらみながら推移しています。テロ行為のあった瞬間より、ブッシュ大統領は、「これはテロ行為を超えた既に戦争である」とのコメントを発表いたしました。まして、今回のテロは自由と平和、民主主義への挑戦であり破壊行為であって、世界の平和秩序の維持のためにも日本は拱手傍観すべきでないことは明らかであります。今回のテロ行為は、アメリカのみならず世界の自由と平和、民主主義に対する卑劣きわまりない攻撃であって、このような蛮行に対しては、自由を愛する世界の国々とともに断固戦わなければならないと考えるところであります。ブッシュ大統領は議会演説でもその他の政策表明でも、報復とか復讐とかといった言葉は一度も使っていないのであります。それをいかにも報復という言葉で一方的に軍事力を行使し戦争を仕掛けているかのごとき言葉や報道がありますが、これには断じて承服できないのであります。 世界を敵に回したテロリスト集団は我が日本にも潜伏していると聞いておりますし、いつテロ攻撃を仕掛けてくるかもわかりません。それもサリンや細菌ガスなどの使用もあるという、まさに他人ごとではないのであります。湾岸戦争のときの反省もあり、日本はこの事件を他人ごととせず、我がこととして対応すべきであります。日本の本土がテロ行為に遭ったり爆撃され多数の犠牲者が出る、またその可能性を秘めた状況にあるとき、日本の、我々のなすべき道は自明の理であります。政府におかれては、一日も早く反テロ、自衛隊の派遣を実行するため、自衛隊法の改正や新たな法整備に取り組むべきであります。 けさのニュースでも、日本人22名の行方不明者のうち、やっと1名の方の遺体が発見されたというニュースがありました。非常に心痛むところでございますが、御冥福を祈りたいと思います。 知事は提案理由の説明でテロ事件に触れて、「大きな憤りと、哀悼の意を表します」との表現のみであり、我々日本が何をなすべきかには言及しておられませんが、知事のお考えをお聞きしておきたいと思います。 次に、平成13年9月高知県西南部豪雨災害についてお尋ねをいたします。9月6日、高知県西南部を襲った集中豪雨は、この西南地域ではかつてない被害をもたらしました。被害をこうむった方々に心よりのお見舞いを申し上げるところであります。地域の連帯感と協力体制のおかげで間一髪で難を逃れたなど、人命に被害がなかったことが不幸中の幸いと言われていますが、人と人とのきずなの大切さをしみじみ感じる思いであります。しかしながら、建物や農水産物の被害は莫大で、完全復興までは大変な日時と経費が必要でありましょう。 この問題は地元の中西県議が後で集中して質問する予定でありますので、きょうは最終の被害状況について、さらに復興の状況と今県としてなすべきこと、今回追加補正で見込まれる予算の額、また国に対しての激甚災の適用の要請など、その見通しについて知事にお伺いをいたします。 さて、知事の政治姿勢で、さきの参議院選挙に対する知事の行動についてお聞きをしておきたいと思います。御案内のとおり、知事は参議院選挙で特定の候補者を熱心に、異常とも思えるほど熱心に支援いたしました。「私の信任投票のつもりで」とまで言っているのであります。自民党は森内閣のもと極めて厳しい状況にありました。党公認候補の個性も相乗して、とても勝利できる雰囲気ではなかったのであります。そこで、知事は自民党候補に対する反発の思いと、もともと政党に所属しない無所属候補を支援すると言ってきた手前、我が自民党の若手議員に白羽の矢を立て、みずからの野望を、あえて野望と申し上げます、実現しようとしたのであります。また、それは実現可能の状況にあったことは否めません。 しかし、残念ながら小泉内閣の誕生によって状況は一変いたしました。1けた台の内閣支持率と90%近い不支持率が見事に逆転してしまったのであります。小泉フィーバーが日本全国を覆い、7月16日、高知県では中央公園に約8,000人の聴衆を集めて決起集会となったことは記憶に新しいところであります。選挙の結果は火を見るより明らかでした。自民党の大勝となり、本県選挙区では、自民党公認田村公平氏は次点の広田一氏に3万6,000票余りの差をつけて見事2期目の当選を果たしたのであります。小泉人気もありましたが、1期目の田村氏の実績が評価されたことも大きな勝因であると思います。 そこでまずお尋ねするのは、県政最高責任者である知事がなぜ特定の候補者を、また各政党の候補者を敵に回して応援したのか。これが知事選挙での田村氏に対する私情、怨念とするならば、まことに次元の低い、知事にあるまじき行為と言わざるを得ないが、いかがなものか、お尋ねをいたします。 今回の選挙の候補者を除いても、他の4人の本県選出国会議員はすべて自民党であります。そして御案内のとおり、中央は自・公・保3党の連立政権であります。県勢の発展を当然願っているであろう知事が、すべての政党を敵にして無所属候補をむきになって応援したとなると、いろんな意味で本県にとって不利であることは言うまでもありません。選挙中に応援に来高した中央政界の幹部がそういう意味で高知県のことを心配してくれているのでありますが、自民党は県連挙げて県勢の発展、向上に向けて今回の知事のミスをフォローして5人の国会議員とともに頑張っていきたいと決意を新たにしているところであります。この件に関する知事の御所見を伺いたいと思います。 次に、「私の信任投票のつもりで」という呼びかけ発言はまことに重大な問題をはらんでいると思います。まじめに参議院選挙に取り組んでいる県民に対し、これほど侮辱した発言はありません。第一、知事選挙でもないのに、あなたが支援している広田候補に対しても最大の侮辱発言ではないかと思います。この県民を愚弄した知事の発言は断じて許されるべきものではありません。高知新聞8月6日の声の欄には、「知事発言をごく一般的・常識的に受け止めて選挙結果を見ると、広田候補を除く4候補の合計得票数は25万票を超え、広田候補の得票数の2倍強である。ということは、県民は知事の不信任を可決したことにならざるを得ない。この結果を、果たして知事はどう受け止めているのであろうか」。これは近藤勝先生の投書、御意見でございますが、まさにこのとおりではないでしょうか。 そこで知事にお尋ねをいたしますが、広田氏落選の結果は、知事がまさしく不信任されたのでありまして、潔く知事を辞職するのが当然ではないかと思うが、なぜおやめにならないのか、お伺いをしたいと思います。この問題について、ある県民から選挙管理委員会に対して公開質問状が出されているので、くどくなりますがちょっと御紹介をしておきたいと思います。  新聞やテレビの報道によれば、平成13年7月29日に執行された参議院選挙において橋本大二郎高知県知事はこの参議院選挙を自らの信任投票と位置づけ国政選挙に対する県民の適正な投票行動を混乱させようとした。橋本知事は、参議院候補者広田候補への支持を知事としての自己への「信任投票」であり、広田候補の落選が自己の知事としての不信任であると県民に思わせ国政選挙を歪め混乱させようとした。これは、公職選挙法第1条の公明かつ適正な選挙制度の趣旨に抵触するのではないか。  県民は広田候補が落選したらそれが即橋本知事の不信任として受け取られ、知事が辞職するやも知れない、従って知事にやめてもらいたくないと思う人は広田候補を支持しない人でもいやでも広田候補に投票をしなければならないという心理状況を醸成しようとした。  しかも参議院選挙の結果広田候補が落選し橋本知事への不信任の結果が出てもやめようとしないばかりか何の釈明もしていない。実はその気がなかったのである。  虚偽の「信任投票」呼びかけだったのである。適正な国政選挙を推進する立場にある知事が特定候補を当選させるために選挙制度を歪めるほどの重大な虚偽の訴えをし、その結果、知らぬ顔をして通せるだろうか。  いずれにしても国政選挙をそれとして厳正に遂行させず、国政選挙に対する県民の自由な意思の表明を妨げようとしたことは明らかである。 以上ですが、知事の見解をお伺いしておきたいと思います。 副知事の選任について知事の考え方をお尋ねいたします。吉良正人前副知事が任期途中で辞任して、はや2カ月と20日余りを経過いたしました。県政の課題も山積する中で、本来副知事の選任は一刻の猶予もないはずであります。しかし、今日に至っても後任の副知事が決定していないことは、まさに知事の職務怠慢と言わざるを得ないのであります。前副知事辞任直後に、知事は9月議会を待たずに臨時議会を開いて選任する旨の発言があっているのでありますが、臨時議会どころか9月定例会にも提案がされず、その理由についても提案理由の説明では一言も触れていないのはなぜか、まずお尋ねをいたします。 また、副知事2人制の導入とか、副知事は1人でも副知事レベルの人材を民間から導入するといった話も聞くのでありますが、そんな必要性があるのかどうか疑問を感じるのでありますが、知事の本意をお聞かせいただきたいと思います。 やみ融資につきましては、100条委員会も終結し、知事はみずからの報酬20%をこの任期いっぱいカットすることで一応決着がついているかに見えますが、まだ債権の回収についての責任が明確でありません。「抵当権の行使とともに連帯保証人に保証債務の履行を求めていくことにしている。担保物件の価値が債権額に比べまして大幅に不足しておりますことなどから債権の回収は厳しいものと認識をしておりますが、精いっぱい努力していきたい」との答弁が6月議会でなされ、それ以上の回答がありません。まるで他人ごとのようなお答えで、結局精いっぱい努力はするものの回収は厳しくて、無理でも仕方がないと言っているようであります。今後の債権回収の見込みと、回収できない場合はどのように責任をとるのか、明確な回答を知事にお伺いしたいと思います。 6月定例会では、知事に対する辞職勧告あるいは不信任案決議の是非をめぐって議論がありました。結果は、「重大な責任を自覚し、県政改革を求める特別決議」が全会一致で採択されたのでありますが、知事はこの決議をどのように受けとめ、自覚しているのか、改めてお伺いをいたします。 不信任決議が通りそうになると、知事はみずから辞職するとのニュースも流れましたが、最終的には「私をおいて今県政改革を進めていける者はいないとの自覚を持っている」との明言のもと、知事続投の決断をされたのであります。私が知事に申し上げたいのは、6月はこのような特別決議に終わったのでありますが、審議の経過からして、十分に不信任決議としての意義と内容を持った決議と言っても過言ではないと思います。しかるに、6月以降の知事の参議院選挙、副知事人事への対応など経過を見てみるに、まるで県民不在、議会軽視、県政をまじめに見詰めた対応がなされているとはとても考えられないのであります。知事の県政最高責任者としての自覚に甚だ疑問を感じるのでありますが、知事はどの程度自覚され責任を感じておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。 また、知事がみずからに科した減給処分は、県の職員のアンケートでは、組合員では「軽すぎる」との回答が41.9%、管理職でも37.3%と最も多く、「妥当」というのはそれぞれ20.8%と29.7%、「重すぎる」との回答は1.7%と1.9%であります。知事の感想をお聞きしたいと思います。 また、同時に実施したアンケートで、県政運営については3分の2が非民主的であるとの回答で、県庁一体になって県政への信頼回復と改革に取り組まなければならないときに、知事に対するこの不信感はいかがなものか心配されます。県民に対する信頼回復はもちろんでありますが、県の職員との意思疎通及び信頼回復をいかに図っていき、県民主体の県政の実現に向けて努力するのか、その具体策を知事にお尋ねいたします。 9月11日の高知新聞声の欄には、「県やみ融資事件いまだ完結せず」という表題で債権回収に絡んで、「この責任はだれがとり、どう処置されるのか。今回の事件で知事は、「改革の入り口」と言われたそうであるが、知事は今までも県の不祥事のたびに「改革のチャンス」と言われてきた。改革を口にされる知事にしても、改革は至難のことと見える」との御意見が寄せられておりました。もっともであります。 次に、小泉改革と財政問題等についてお尋ねをいたします。さきの参議院選挙の結果は、小泉改革を国民の、高知県でもそうですが、圧倒的な支持によって自民党が大勝したのであります。まず、総裁選挙を初めとする自民党自身の断固たる改革の姿勢が国民の支持を集めたのであります。そして、改革には当然ながら痛みを伴うことは覚悟しなければならないし、そのことも承知の上で県民は小泉自民党に圧倒的な勝利を与えたと思うのであります。 さきに発表になった経済財政諮問会議の基本方針、いわゆる骨太の方針では、地方交付税の見直し、国庫補助金の整理合理化、道路など特定財源の見直し等、地方にとってはまことに厳しい内容となっているのであります。聖域なき構造改革とも言われるように、聖域なるもの、すなわち例外をつくってしまっては真の改革は達成できないのでありますが、聖域なき改革とは一律に何でもかんでもカットするということではないと思います。小泉首相の言葉をかりれば、「もっと地方の優先権、裁量権で公共事業予算を使えるように見直そうというのが私の見直し論であって、地方の切り捨てとの批判は誤解である」ということであります。 そこにはやはり政治力が必要でありまして、政権政党をわざわざ敵に回すような知事では本県の未来が心配されるところでありまして、激甚災害特別事業予算の条件緩和を初めとする本県のおくれた土木行政等に力を発揮した田村参議院議員ほか、我が党国会議員団に期待するところが大きいと思うのであります。小泉改革が本県財政に与える影響についての知事の見解をお伺いしておきます。 次に、県の財政問題についてお尋ねをいたします。県は、総務省が段階的に進めている地方交付税の算定方式の見直しによる県内自治体への影響額を試算しているようでありますが、それによると、見直し前に比べまして3億1,200万円の減となるようでありますが、これに県はどのように対応するか、具体的な方針について企画振興部長にお伺いをいたします。 昨年4月に施行されました地方分権整備法によって自治体の課税自主権は拡大し、地方地方での新税創設の動きが活発化しているところでもあります。本県では自主税財源拡充等検討会が組織され、水源税が検討されつつありますが、この問題は後ほど浜田県議からも質問がされますので、私からは、さらに本県財政の活性化に向けての検討はどのようになされ推進されるのか、その見通しについてお伺いをしておきたいと思います。 また、国から地方への税源移譲については地方分権推進委員会最終取りまとめがあったのでありますが、これも本県財政への影響などについてお伺いをしておきたいと思います。 こういった国家的財政改革によって、地方への影響さらに具体的には本県第2次財政構造改革への影響はどうなのか、新たな見直し等の必要性は生じていないのか、総務部長にお尋ねをいたすものであります。 次に、平成17年3月には国の特例法の期限切れとなる市町村合併問題についてお尋ねをいたします。先日来、自民党県連は県下の各市町村支部を訪問、それぞれ地域の課題などについてお聞きして回ったのでございますが、どこの支部におかれましても、ほとんどの支部から提案のあった課題はこの市町村合併問題についてであります。なるほど県は勉強会の立ち上げをすることになったと知事の説明にはありましたが、各市町村ではなかなかそんな簡単な問題ではなく、はっきり言って困り果てているのが現状ではないかと思います。 地域地域の取り組みに任せるのではなく、県がもっと積極的に指導しないと、平成17年の期限に間に合うところは多分一カ所もないのではないかと心配されているところであります。県は今後どのようにこの市町村合併問題に取り組み、指導していかれるのか、知事にお尋ねをいたします。 次に、景気・雇用問題につきましてお尋ねをいたします。本年9月7日に、自民党、公明党、保守党の連立政権政党から、総合経済・雇用対策第1次提言が発表になりました。それによると、「日本の元気と安心社会を実現するため、不良債権問題の解決などの構造改革を断行することは言うまでもないが、同時に、構造改革を促すうえからも、景気対策に万全を期し、景気の底割れを回避するため、補正予算など財政面における追加的な対策を含め、適切かつ総合的な経済・雇用対策を、速やかに講じていかなければならないのであります。特に、雇用については、引き続き厳しい情勢が懸念されることに対応し、各種施策の有機的連携と実効性を高めるため、所要の見直しを行うとともに万全の財政措置を講ずるべきである」として重点項目の取りまとめを行い、景気と雇用対策に取り組んでいるところであります。 県内でも、ブルーライン工業の倒産や来春の高卒採用予定者の減少、職安での求人の減少など厳しい状況が続いており、今後に至っても回復の見込みは全く立たない状況にあります。県は9月補正に緊急雇用経済対策の予算措置をされていないがなぜか、今後の雇用対策への取り組み予定について知事にお聞きをいたします。 知事の提案理由の説明でも触れておられましたが、9月20日には知事の呼びかけで県内各種団体のトップが雇用問題の緊急協議をされたとのこと、時宜を得た意義のある会議であったと推察されるところですが、その内容と今後の方向について知事にお尋ねをいたします。 ところで、大手スーパーマイカルが民事再生法を申請し、実質上倒産したことは既に御案内のとおりでありますが、本県にも傘下のスーパーサティが高知、窪川、宿毛と3店舗営業しているのであります。高知サティにはテナントが22店入居しており、売り上げを一たんサティに納めた後、各種経費を差し引いた後入金になるシステムでありますが、ちょうど15日の入金予定日の前日に企業の破綻が明らかになって、テナント店舗は大変困っているとのことであります。取引企業も35社、従業員数は高知だけでも約350人、ほかにテナント100名が働いているそうですが、その影響はかなりなものがあります。県はこの影響をどの程度把握し、救済策をどのように考えているのか、商工労働部長にお聞きをいたします。 次に、介護保険制度について健康福祉部長にお尋ねをいたします。我が国は少子高齢化が進んできており、特に本県は先行して超高齢化時代を迎えようとしております。こうした中で、介護が必要な高齢者を社会全体で支えようという介護保険制度が平成12年4月1日にスタートしたのであります。この制度の導入に当たってはさまざまな議論がありましたし、不安の声も多かったと思います。特に、多くの条件不利地域を抱える本県で、果たして介護のサービスが行き渡るか、所得の低い方々は保険料や利用料などの負担にたえられるか、痴呆の方々やさまざまなお年寄りがおられる中で、介護認定は公平・公正に実施できるかといったことなどが心配され、マスコミにおいても連日介護保険制度が取り上げられたところであります。 こうした心配の中で制度がスタートしてからは、保険者である市町村や事業者の皆さんの御努力や介護保険制度への理解の広がりなどから、介護が必要な方には必要なサービスがほぼ提供され、サービスの利用も徐々にふえてきているとお聞きしております。一方では、在宅で介護のサービスを受けながら生活したいと思っても、中山間の厳しい環境の中では難しい、あるいは介護保険のサービスだけでは生活していけないといった声も出ております。このような中、県としては制度スタートから1年半経過しようとしている制度の実施状況についてどのように認識しているのか、お聞きをします。 さて、10月からは65歳以上の方々の介護保険料の本来額の徴収が始まります。介護保険料については、平成12年4月から9月については保険料納付の免除、平成12年10月からことしの9月までは保険料の半額納付の措置がとられ、来月からは保険料の全額徴収が始まることになりました。介護保険は高齢者の介護をみんなで支え合うという制度でございますので、保険料を納めるという仕組みは必要だと思います。ただ、今までは何とか生活を切り詰めながら保険料を払い続けてこられた所得の低い方々にとりましては、この本来額の徴収はやはり大きな負担であると思うのであります。保険料の全額徴収が始まるに当たり、所得の低い方々への対応について県としてはどのように考えているのか、お聞きしたいと思うのであります。 最後に、介護保険のサービスの質についてお尋ねをいたします。介護保険制度の導入に伴い民間やNPOなど多様なサービス事業者が参入し、提供されるサービスの量はふえてきているものと思います。この制度では、従来の措置制度のように行政から決められたサービスではなく、保険料を支払い、利用者みずからがサービスを選び利用していくことが基本となっており、介護サービスの質が問われることになってまいりました。サービスの質を向上させていくことは今後ますます重要となってくると思いますし、特に事業者みずからが質の向上に向けた取り組みを進めていくことが求められると思いますが、県としては介護サービスの質の向上に向けてどのように取り組んでいくつもりか、お尋ねをいたしたいと思います。 次に、農業関係についてお尋ねをいたします。まず、園芸作物の土壌病害虫や雑草の防除に本県で広く使われている臭化メチルの代替対策についてであります。臭化メチルは、本県の施設園芸や露地ショウガにおきまして非常に効果的で使いやすい防除薬剤であり、臭化メチルなしでは今日までの本県園芸の繁栄はなかったと言われるくらい重要な農業用資材であります。県中央部におきましても、朝倉地区や土佐山村のショウガ栽培あるいは長浜や三里の花卉栽培など、産地づくりや発展のために大きく貢献をしたところであります。 この臭化メチルにつきましては、御案内のようにオゾン層の破壊につながる物質とされ、平成9年の第9回モントリオール議定書締約国会合において、2005年に全廃することが決定しているのであります。これを受けて、県ではいち早く代替技術の開発、普及に取り組むプロジェクトを立ち上げ、代替薬剤や蒸気土壌消毒などの技術の確立と普及に取り組んできていることは承知しているところであります。既に、臭化メチルは国際的な取り決めに基づく段階的な削減スケジュールに沿って生産量や使用量が規制されてきており、本年は1991年の基準年の50%となっております。このため、ショウガやメロン、ユリ等を栽培する農家の方々には、臭化メチルを確保できなくなり栽培を縮小したり他の作物へ転換する方もいると聞いているところであります。これは、現状においても価格が安く幅広い効果がある臭化メチルにまさる代替農薬がなく、効果もさることながらコストや労力の面でもまだまだ農家に不安があり、そのようなことから代替農薬への転換がなかなか進まないのが実態ではないかと考えるところであります。 また、今日の地球環境の保全に対する国民の関心の高まりを受け、農業分野におきましても環境に負荷の少ない生産方式が強く求められてきておりますことから、例えば蒸気を使った土壌消毒など、薬剤以外の方法も合理的に組み合わせるなどの技術の確立や実証を急ぎ、そういった技術を一日も早く普及させることが大切であると考えます。本県園芸を支えてきた臭化メチルの代替技術の導入に対する農家の不安を取り除き、4年後に迫った全廃に向け代替技術への切りかえがスムーズに進めば、引き続き安定した生産を行うことができるものと思うのであります。また、そのことは、現在販売の落ち込みなどによって先行きが不透明となっている本県園芸の自信回復にもつながると考えるのであります。 そこで、現在の臭化メチル代替技術の導入状況と、今後どのようにその開発と普及に取り組んでいかれるのか、農林水産部長にお尋ねをいたします。 次に、生鮮食品の原産地表示についてお尋ねをいたします。食品の多様化、消費者の食品の品質及び安全性や健康に対する関心の高まりなどに対応して、食品の表示制度を充実する観点からJAS法が改正され、すべての生鮮食品に原産地表示が昨年7月から義務づけられております。この義務づけを受けて、農林水産省はことし3月までに3回の実態調査を実施しております。その実態調査によりますと、表示を徹底していない小売業者の割合が、第1回調査では45%、第2回調査では43%、さらに調査対象を大幅にふやしたことしの1から2月に実施した第3回の調査では7割近くに上がっているとの結果が出ております。百貨店やスーパーでの表示はかなり浸透しているものの、小規模な小売店での表示に対する意識が浸透しにくく、当初の調査から余り変わっていないのが実態でございます。 この生鮮食品の原産地表示は、消費者が購入する際に安心して生鮮食品を選択するのに重要な情報でありますし、自給率向上を目指した国産品愛用を進める上でも欠かせないものであります。また、国内外の競合産地から生産農家を守るための大きな手段になると確信するものであります。現状ではまだまだ低い表示率である実態を考えれば、表示の一層の徹底を図るよう国に求めることが必要であると思うのでありますが、農林水産部長にお尋ねをいたします。 次に、国体関係について国体局長に質問をさせていただきます。いよいよあと1年、まさにカウントダウン、差し迫った国体の準備に関係者の皆さんは大変な御苦労をされていると思います。知事の説明にもありましたが、陸上の関係での宿舎確保の問題も日程を変更することでやっと解決されたとのこと、ひとまずはほっとしたのではないかと思われます。ただ、こんなことは初めから予想できただろうに、対応がおくれたのはなぜか、その理由について伺いたいと思います。なぜならば、このような基本的なことでのトラブルがあるということは、本番までに、あるいは本番に入ってからのトラブルにつながるのではないかと危惧されるからであります。 陸上競技の日程が変更されたことによっての新たな課題と問題点はないか、あればその対応についてお伺いをしておきたいと思います。 次に、宿舎確保対策の取り組み状況についても現状の課題と対策をお聞きいたします。特に、県中央部及び県下全域にわたる民泊の状況をお尋ねいたします。 さらに、秋季大会開会式における輸送問題や駐車場確保は大丈夫か、お尋ねをいたします。 さて、国体本番に向けて、その予備練習とも言えるリハーサル大会が順次開催されております。このリハーサル大会の成功が本番の成功へとつながることは言うまでもありません。今日までの過程の中で問題はなかったか、あれば解決策を含めてお知らせをいただきたい。 さらに、本県競技力のレベルはいかがなものか、その成績状況について、これは教育長にお尋ねをいたしたいと思います。 次に、リハーサル大会の運営について、具体的な問題について1点お伺いをしておきたいと思います。去る5月25日から28日に中村市、宿毛市、窪川町、西土佐村で実施された軟式野球の件に関してであります。リハーサル大会に関しては、地元市町村、関係競技団体及び地元よさこい高知国体実行委員会が運営し、その運営費に対して県が補助を行うことになっています。このように補助金という税金が投入されるわけでありますので、その運営経費の執行状況は明らかにされなければならないと考えます。 私の聞くところによりますと、この大会は第23回西日本軟式野球大会をよさこい高知国体と銘打って、財団法人全日本軟式野球連盟、4市町村及び4市町村よさこい高知国体実行委員会が主催して実施したものであります。大会の実施要綱には参加料として1チーム3万円と記載され、大会開催の際、その参加料は実行委員会ではなく高知県軟式野球連盟が徴収したそうであります。ところが、その参加料の使途が全くはっきりしない。実行委員会も軟式野球連盟に参加料の納入を求めたのですが、納めてくれない。地元市町村も県から問い詰められ、県の連盟にも問い合わせをしたようでございますが、連盟はその使途をなかなか明らかにしなかったというように聞いているのであります。このように参加料を実行委員会に納入しない競技団体はほかにあるのか、国体局長にお伺いをいたします。 来年の国体本番を成功裏に導くために開催されたリハーサル大会において、ただいま申し上げたように競技団体が地元市町村に協力をしない、このような状態で果たして来年のよさこい高知国体は大丈夫であろうかと極めて心配をされるところでございますが、この事態に県としてどのように対応されたのか、あわせて国体局長にお伺いをいたしておきたいと思います。 次に、教育関係について御質問を申し上げます。まず、土佐の教育改革への取り組み状況についてでございますが、これは専門家の三石県議が後に質問をしますのでお願いをしておきたいと思います。 私は、教科書採択問題について、まず質問させていただきます。教科書問題に関する質問は、本年8月に行われた平成14年度用教科書の採択に当たって起こりました特定教科書の不採択運動について教育長にお尋ねをいたします。今回の教科書採択では、新参入の扶桑社の歴史、公民の教科書に対する国内外の批判や非難が集中し、文部科学省の検定に合格しているにもかかわらず、その排除を求めるという異様な運動が全国的に展開されてきたことは周知の事実であります。私は、扶桑社の教科書が採択されなかった事実は結果として非常に残念なことであるという思いはありますけれども、それより問題は、採択がなされる過程において不採択運動などの教育委員会への不当な圧力行為があったことで、これは法によって保障された教育委員会の権限と責任に基づく採択の中立と公正を侵すところのゆゆしい問題であると認識をしております。 さて、昨年の9月、「高知県における義務教育・教科書の採択制度運用の是正について」という請願を本議会は採択したところであります。その趣旨の要点は、制度の形骸化を招いている採択地区があるなど、その主旨に照らしても正常に機能しているとは言えないとして、採択地区市町村教育委員会に対する指導・助言・援助を行う場合、次の事項を踏まえて行うこととした。 その4項目とは、1、採択地区市町村教育委員会の下部機関が答申を行う場合、候補教科書の絞り込みを行わず、調査報告並びに意見書の添付にとどめ、当該市町村教育委員会において、これを審査・採択すること。2、教科書の採択に当たっては、あくまでも学習指導要領の目標に基づいた内容の比較検討を基本とすること。3、採択地区市町村教育委員会の下部機関の委員の選任に当たり、学習指導要領に反対する団体の推薦を求めないこと。4、平成2年3月の文部省・初等中等教育局長通知に基づき、教科書展示会場の増設、PRの強化などを図ること。また、採択に係る委員の氏名等を公表して責任を明らかにするとともに、採択理由を広報紙やマスコミ等を通じて積極的に公表し、県民への周知を図ること。 以上の経緯を受けて県の教育委員会は、昨年10月25日付で、教育長名の平成13年度における教科書採択の公正確保についての通知を各市町村あてに出しているのであります。本年度の教科書採択の業務は適正に行われたかどうか、教育長にお伺いをしたいと思います。 栃木県や和歌山県のある地域では、共同採択制度による地区採択協議会の決定が、組織的な不採択運動の圧力に屈して覆されたのであります。採択協議会の決定が外部に漏れて報道されると、地区内の市町村教育委員会に電話やファクス等で組織的な抗議活動が行われて脅迫めいた電話が深夜に至るまで続くという状況になって、再審議の結果、不採択を決定したものであります。採択協議会の決定に異議が出て決定が覆ったのは前例がなく、共同採択制度の趣旨を揺るがすものとされております。 不採択の理由は、「記述に難しいところがあり、外国から不適切な表現があるとの指摘」とありますが、記述の難易については協議会の決定時点でわかっていたことでありますし、再審議の理由とはなり得ない。外国の干渉を理由とするのはまさに論外であります。外国の干渉を理由とする政治的意図を持つ勢力の圧力に屈し、教科書採択の中立・公正の原則が侵害された事実を見逃してはならないのであります。 東京都教育委員の一人は、市町村教育委員は身の危険を感じ、自分が思う教科書を採択できなかったとまで言っております。県内にある私立中学校の校長は、「採用をしたかったが、マスコミの取材攻勢が怖かった。生徒への影響を考えて今回は見送った」と述べているところであります。 高知県でも、教育委員会への不当な特定の教科書不採択への圧力がありました。本年6月1日付では、民主党高知県総支部連合会代表五島正規名による「「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を採択しないこと、ならびに教科書採択制度の見直しに関する申入」という表題の書面が県下の市町村教育委員会あてに送付されております。また、5月16日付では、子どもと教育を守る高知県連絡会代表世話人西森稔及び高知県教職員組合執行委員長石元巌名による「教科書採択に関する要請書」という表題で、内容的にはその項目9には、「以上の観点から考えたとき、扶桑社版中学歴史・公民分野の教科書は、中学生が学ぶ教科書としては、どうしてもふさわしいものとは思えません」云々とあって、「扶桑社版教科書だけは採択しないでください」とあるのであります。 少なくとも文部科学省の検定を合格した教科書であります。私から言わせれば、自国のことを殊さらに悪人扱いする極めて偏った自虐歴史観の、どこの国の教科書か首をかしげたくなる今日までの教科書こそ批判されるべきであり、やっと正常化された普通の教科書がこの扶桑社版の教科書であると思っているのであります。ただ、それぞれの評価や思いはあっても、このように組織的に採択の現場に圧力をかけて一方的に特定の教科書を不採択にせよといった運動はいかがなものかと思いますが、教育長並びに教育委員長の御所見をいただきたいのであります。 次に、問題教員、教職員の資質についてお尋ねをいたします。教員の資質・指導力の向上について、このことは教育の基本であって、教員次第で子供たちの一生が左右されるのであります。教職員に問題があれば即刻教育現場から排除し、何らかの対処をすべきであります。平成13年度に認定された問題教員14名については現在どういう状況なのか、まずお聞きをしておきたいと思います。また、14年度にはどういう状況になるのかについてもお聞きをいたします。ただ年度年度に認定すること自体極めて不自然であって、問題があれば即教壇を去っていただくことが重要であると思うが、現状はいかがなものか、お教えをいただきたいと思います。大体、問題のある先生が教師として存在することがおかしいのでありまして、そのために教育機関が余分な経費と時間を費やすのであれば、それも問題ではないかと指摘しておきたいと思います。 携帯電話を利用した破廉恥犯罪事件や女子トイレでの隠し撮り、大学教授のセクハラ事件、まだまだ減らない飲酒運転などなど、教職員の起こす事件は後を絶ちません。県内でのそういった事件の状況及び対応について教育長にお尋ねをいたします。 高知女子大での入試判定ミスは、これはあってはならない事件であります。平成12年、13年度にも合否判定には影響しなかったのは幸いでありましたが判定ミスがあったとのことですが、9年から11年度に不合格になった合計5人の人生に対していかように責任がとれるのでありましょうか。単なる責任者の処分で終わらすことなく、徹底した原因究明と被害者に対する補償が大切であると思いますが、いかなる対応をされたのか、総務部長にお聞きをいたします。 次に、最近問題になっております出会い系サイトに関連してお尋ねをいたします。最近、青少年問題で大きくクローズアップされているのが、ちょっと前までは信じられないほどの携帯電話の普及であります。小中学生までが、携帯電話を持っていないと友達とおつき合いできないなどといった話も聞くのであります。IT時代ということで、子供たちの方が我々より、失礼、少なくとも私よりも携帯電話のさまざまな機能を利用し楽しんでいるようでございます。 ちなみに、高知市内の23の中学校での携帯電話、PHS、ポケベル等の所持率を調べた資料を見ると、平均15.9%の生徒が所持をしていて、学年が上がるにつれて所持率も高く、3年生の女子は25%となっています。ところがこのうち、「親が知っているか」の問いに3.2%の生徒は親にないしょで持っているという結果でありまして、だれが使用料を支払っているのかも問題になるところであります。 高校生の場合は、総務庁の調べで平成11年の実態調査では、所持率58.7%、電話の使用料で一番多いのが月額4,000円から6,000円、1日にやりとりするメールの回数では、5回以上で67.5%、その中で特に20回以上が17.4%となっております。授業中の携帯電話の使用については、「よくする」、「時々する」を合わせると46.1%、約半数の方が授業中に電話をしているわけです。 そこでお聞きをしたいのですが、教育現場での指導と成果、問題点と今後の取り組みについて御報告をいただきたいと思います。 特に、問題になっている出会い系サイトは、高知新聞でも連載の特集がありましたが、県内でも事件が多発をしております。この問題についての現況とその対策、対応について教育長と警察本部長にお尋ねをしておきたいと思うのであります。 次に、四国遍路文化について企画振興部長にお聞きをいたします。  平安時代から千二百年の歴史を積み重ね、なお連綿と続く四国八十八か所遍路は、四国の貴重な文化であり、その舞台装置の一つである遍路道は、四国の貴重な文化遺産である。昨今の「IT社会」という言葉に象徴される現代社会のスピード化、バーチャル化の陰で、人々の心身にストレスが生じ、その反動として「もの」から「こころ」への価値観の変化、自然との触れ合い、環境や生態系への関心の高まりなどを背景に、今、四国遍路は、心や身体の癒しの場として新たな注目を浴びている。  このような状況に応えるため、癒しの道としての遍路道を保存し、周辺環境を整備するとともに、情報の発信を行う必要がある。 以上が、平成13年7月31日に松山市で開催された四国4県議会正副議長会議において本県議会から提案、採択された遍路文化を守り伝える決議文の要旨であります。このことに関しまして、議長から知事に8月13日付で決議の趣旨を生かした取り組みを行うよう要請してあるとのことでございますが、具体的にどのような取り組みを進めていかれるのか、お示しいただきたいと思います。 以上で私の第1問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   (知事橋本大二郎君登壇) ◎知事(橋本大二郎君) 谷相議員の御質問にお答えをいたします。 まず、今回の同時多発テロに対しまして日本が何をなすべきかとのお尋ねがございましたが、我が国といたしましては、各国との協力のもとに、テロリズムのない平和な国際社会の実現に向けまして努力をしてまいりますことが基本になるのではないかと考えております。 次に、県西南部の豪雨災害についてお尋ねがございました。まず、9月26日の時点で市町村などから受けました被害の報告をまとめて申し上げますと、死者と行方不明の方はございませんでしたが、重傷者が3名、軽傷者が5名となっております。また、住宅の被害といたしましては、全壊から床下への浸水に至りますまで合わせて1,152棟の被害の報告を受けております。さらに、産業関係の被害や公共施設の被害などを合わせますと、被害の総額はおよそ311億円となっております。一方、水道や電気などのライフラインはすべて復旧しておりますし、道路の不通区間も仮設道を含めますとすべて解消をしております。 県といたしましては、今後とも関係の市町村などと連携をいたしまして、被災地の皆様が被災前の生活に少しでも早く戻ることができますよう、生活の支援はもとより調査や相談の業務を実施いたしますとともに、産業面での復興のための融資などの支援を行ってまいります。また、道路や河川などの施設の災害復旧事業にも取り組んでまいりますが、こうした事業を進めますために早急に必要となります経費がおよそ30億円程度となりますので、その補正予算の議案をこの定例会に追加して提出させていただきたいと考えております。 あわせまして、国に対しましては最大限の支援が得られますよう要請をしてまいります。このうち激甚災害の制度につきましては、市町村ごとに適用されます局地激甚災害の制度によりまして、土佐清水市と大月町、それに三原村では、公共の土木施設や農地と農業用施設の災害復旧に係ります事業が国庫負担率のかさ上げの対象になる可能性があると考えております。今後、被害の実態の正確な把握を進めますとともに、国に対しましては、激甚制度の適用に向けました手続が円滑に進められますよう働きかけてまいります。 続いて、さきの参議院選挙でなぜ無所属の候補を応援したのかとのお尋ねがございました。今回の参議院の選挙では、小泉首相の掲げます聖域なき構造改革が最大の争点となっておりました。その中には、道路特定財源の見直しや地方交付税の削減に向けての動きなど、地方へのしわ寄せが危惧されます課題が数多く含まれておりましたので、政党の枠にとらわれず、地方の声をきちんと国政の場に伝えることのできる人材に出ていただきたいと思いまして、無所属の候補を応援いたしました。 次に、参議院選挙の結果は知事の不信任につながるのではないか、また国政選挙を厳正に遂行させず県民の自由な意見の表明を妨げようとしたのではないかとのお尋ねがございましたので、あわせてお答えをいたします。参議院選挙での私の発言は、自分の思いの強さを知っていただきたいという趣旨で申し上げたものでございまして、それ以上のものではございません。ですから、そのことをもって国政選挙を厳正に遂行させなかったという御指摘は当たらないのではないかと考えております。 次に、副知事の同意議案を提案しなかったのはなぜかなどのお尋ねがございました。副知事の選任につきましては議会での御同意が必要とされておりますので、県議会の皆様の御理解をいただくことが欠かせません。しかし、県議会で過半数を占めておられます最大の会派が一致をして、今議会に提案をするのであれば否決をするとの決定をされ、私にも直接そのお話が伝えられましたので、提案をいたします前にまず御理解をいただかなければならないと考えました。今後とも、御理解が得られますよう努めてまいります。 次に、民間からの人材の登用などについてお尋ねがございました。今後、地方分権が進みまして地域間の競争が激しくなることを考えますと、従来からの行政の視点だけではなく、企業経営の感覚から県の仕事を見ていただける人材が必要だとかねてから考えております。例えば、直面するものだけを考えてみましても、県内にはPFIの事業や第三セクターを初めといたします外郭の組織の整理、立て直しなど、経営の経験のある方に取り組んでいただきたい課題が数多くございます。このため、企業の御出身で県の行政に関心を持ってくださる方にお力添えをいただければと考えておりますが、このことは副知事2人制を前提としたものではございません。どのような立場で、またどのような役割を担っていただける人材がおられるのかも含めまして、引き続き考えていきたいと思います。 次に、県が行いました融資をめぐる事件に関しまして、今後の債権回収の見込みと責任についてお尋ねがございました。債権の回収は厳しいものと認識しておりますが、抵当権の行使を初め、債務者と連帯保証人に対しましては既に償還を求めております。このうち、抵当権の行使によります回収の見込み額は数億円程度ではないかと考えております。一方、連帯保証人からは、死亡または自己破産をしました者を除きまして少額の償還を受けておりますが、連帯保証人の現状から考えますと今後も多額の償還を受けることは困難だと考えております。 また、回収できない場合のお尋ねもございましたが、刑事と並びまして民事の裁判も進行中でございますので、現時点では債権の回収に向けまして精いっぱいの努力をしていきますことが先決だと考えております。 次に、6月定例会での特別決議の受けとめと、その後の経過の中での私自身の自覚につきましてお尋ねがございましたので、あわせてお答えをいたします。特別決議では、私に対しまして、県庁の古い体質を抜本的に改革いたしますとともに、県民の皆様に対します責任を果たしますよう求められております。この決議の重みは日々真摯に受けとめております。 また、先日は、幹部職員が中心となりまして県政改革に向けての決意を取りまとめましたのを機会に、部課長・出先機関長会議を開催いたしまして、職員とともに私自身も県政改革への決意と自覚を新たにいたしました。今後は、議会の御理解と御協力をいただきながら、この改革の実現に向けまして全力で取り組むことによりまして、県民の皆様の信頼の回復に努めてまいります。 次に、職員組合が行いましたアンケートの結果についてお尋ねがございました。まず初めにお断りをしておきますが、アンケートというものは無作為抽出でない限り、その数字には統計学的に何の意味もございません。そのことを前提にして申し上げますと、確かに私自身の処分に対する受けとめ方はさまざまあろうと思いますが、私は県政を改革いたしますことが私に課せられました最大の責任のとり方だと考えております。このため、将来に向けまして県庁を改革してまいりますために、その責任の重さを常に忘れないようにとの思いから、今の任期中、給料の10分の2を減額することにいたしました。 次に、職員との意思の疎通や県民主体の県政の実現に向けましての具体策についてお尋ねがございました。高知県庁は、職制を超えて自由に議論ができる風通しのよさという点で全国に誇れる組織だと思いますので、これからもこの風土は大切にしていきたいと考えております。また、こうした風土があるからこそ、今回の事件をきっかけといたしまして、これからの県庁のあり方について問題意識を持つ多くの職員のグループと話し合いの場を持つことができましたし、それによって意思の疎通を図ることもできました。また、その内容を庁内に伝えることによりまして、直接話し合いの場を持てなかった職員の方々にも私の考え方や思いの一端を知ってもらえたのではないかと考えております。 今後も、機会をとらえまして職員とのコミュニケーションを図りますとともに、双方向に意思疎通のできる組織づくりを進めてまいりますことで、県民の皆様の視点に立ちました県政の実現に努めてまいります。 続いて、国の財政改革が本県の財政に与える影響についてお尋ねがございました。地方が自主性と自立性を持って地域経営を進めてまいりますためには、国の関与をできるだけ縮小しまして、その分地方の裁量の幅を広げることが重要な課題となっております。ただ、その大前提といたしまして、地方が共通のスタートラインに立つための基盤の整備を初め、標準的な自治体のサービスを保障いたしますための国の責任が放棄されるようなことがあってはならないということは言うまでもございません。この点で、現在検討が進められております国の改革の具体的な内容はまだ明らかにされておりませんので、それが本県の財政に与えます影響も現在の段階では把握することは困難でございます。 ただ、もし仮に高速道路の建設のように国が積極的に関与して進めるべき事業が凍結をされたり、あるいはただ単に地方交付税など地方の公共サービスを支える財源の削減のみが先行したりするようなことになれば、本県の財政運営、ひいては住民サービスのあり方にも深刻な影響を及ぼすものと考えられますので、今後とも議論の動向を見守りながら地方からの必要な声を上げていきたいと考えております。 次に、市町村合併に関します取り組みについてお尋ねがございました。市町村合併は、住民の生活や地域の将来に大きくかかわる問題でございますので、住民の皆様がこの問題をみずからのものとして真剣に議論していただくことが大切でございます。またその際には、全国に先行して進んでおります少子高齢化や財政状況の厳しさなど、地域を取り巻く状況を直視していただくことが重要でございます。さらに、官と民とが協力をしながら公共のサービスを提供していくといった新しい公共の形を、行政と住民がともに考えていくという視点も重要になってまいります。こうしたことから、それぞれのブロックの勉強会では県も事務局として参加いたしまして、具体的な議論をしていただきますためのわかりやすい資料づくりを進めておりますし、今後順次ブロックごとに情報の提供をしてまいります。 こうした取り組みを通じまして、市町村の間での議論が深まりました結果、複数の市町村が集まりまして合併に向けての協議会やそれに準じました組織などが設けられました場合には、直ちに重点支援地域として指定を行いました上で、県の支援本部を設置いたしまして、全庁挙げてその動きをサポートしてまいります。お話にもございましたように、期限が平成17年3月に迫っておりますので、その支援制度を活用する場合、遅くとも来年中にはそれぞれの市町村で一定の方向づけを行っていただく必要がございます。このため、県といたしましても、その調整に積極的に取り組んでまいります。 続いて、緊急の雇用経済対策の予算が計上されていない理由と今後の雇用対策への取り組み、さらには9月20日に行われました会議の内容についてお尋ねがございました。雇用対策への取り組みは、国と県が互いに連携しながら進めていかなければならない課題だと考えております。またその際、景気対策やセーフティネットなど経済と雇用の基本となります政策は国が、また、より地域に密着をした産業と経済の振興策は県がそれぞれ分担をして実施する必要があると考えております。一方、緊急の雇用対策の観点からは、国が補正予算での対応を考えておりますので、これらと連動しました対策を早急に実施できますよう準備を進めております。 また、9月20日に開かれました会議ではさまざまな御意見をいただきましたが、その中では雇用の創出と環境の保全といった両面からの取り組みといたしまして、山林の間伐を進めますなど、いわゆる緑の雇用事業を実施してはどうかとの御提案や、求人倍率が急激に落ち込みます45歳以上の方への対策などにつきまして御意見をいただきました。まさしく本県にとりましては必要で、また現実味のある取り組みではないかと考えておりますので、例えば中高年の方に対しますインターンシップの導入など、就職支援の取り組みも検討をしてまいります。今後も、高知労働局や関係団体との緊密な情報交換はもとより、商工労働部のみならず他の部局との連携の強化も図りながら雇用対策に全庁で取り組んでまいります。 私からは以上でございます。   (企画振興部長池誠機君登壇) ◎企画振興部長(池誠機君) まず、地方交付税の算定方式の見直しにどう対応するのかというお尋ねがございました。 国におけます地方交付税の見直しにつきましては、平成10年度から、人口規模が小さくなるに従って割り増しされる段階補正の見直しが始まりました。この見直しによる影響額は、4,000人未満の自治体において見直し前と比べますと、試算では平成12年度は20町村で計2億3,700万円の減、13年度では22町村で計3億1,200万円の減となっております。また、平成14年度に向けましては、段階補正のさらなる見直しに加えて、公共事業の実施に応じて配分される事業費補正の縮小なども見込まれておりますことから、小規模自治体の多い本県では今後ますます厳しい状況になるものと思われます。 県といたしましては、これまで、地方の実態を反映させた算定方法の見直しや財源を調整し保障する交付税の機能の確保などにつきまして国に要望をしてまいりました。今後とも引き続き国に対して働きかけをしてまいりますとともに、市町村に対しましては、適切な行財政運営ができますよう、これまで以上に積極的な助言と支援を行ってまいります。 次に、遍路文化を守り伝える決議を生かした取り組みについてお答えいたします。遍路文化につきましては、お話のありましたように決議をいただきました。また昨年、四国4県の経済同友会から、四国遍路文化の情報発信についての共同提言もいただきました。こうした動きも受けまして、昨年9月には四国4県でいやしのくに四国交流推進協議会を設立いたしまして、ことしの1月からは政府主催のインターネット博覧会に共同で参加をし、「いやしのみち」と題した遍路文化に関する総合的な情報提供をホームページ上で行っております。今後もこの協議会を活用するなど、お話しの決議の趣旨も踏まえ、遍路文化の保存、継承や交流人口の拡大といったさまざまな観点から活動を拡充していきたいと考えております。 遍路文化は、四国ではぐくまれました四国共通の財産でございます。官民を挙げた「四国はひとつ」の意識づくりにも、また観光振興など地域経済活性化のための連携施策としてもふさわしいテーマでございますので、民間とも歩調を合わせながら取り組みを広げてまいります。 以上でございます。   (総務部長池田憲治君登壇) ◎総務部長(池田憲治君) 初めに、県の財政に関します一連の御質問にお答えいたします。 まず、課税自主権を活用した財政の活性化に向けての検討をどう進めるのかとのお尋ねがございました。今回の地方分権改革におきまして、法定外目的税の創設が可能となるなど、課税自主権を尊重した制度改正が行われましたことは大きな柱の一つであります。県として、制度を十分に活用することを検討することが大切であると考えております。このため、御指摘がありました昨年度の自主税財源拡充等検討会の議論を踏まえまして、本県の置かれている環境や直面している課題などを考慮し、現在水源涵養税の創設に向けた検討を進めております。 今後は、その時点での政策課題、受益と負担の関係の明確化という視点、あるいは他県の動向などを見ながら、新たな税源の可能性について中長期的な見地から検討を進めてまいります。また、あわせて、法人県民税の超過課税の延長や、全国的な制度として提案されております法人事業税への外形標準課税の導入による税収の安定化、徴収確保のための県税滞納額の縮減の取り組みの強化などが課題として認識しております。 続きまして、国から地方への税源移譲の本県の財政への影響についての御質問にお答えいたします。税源移譲、すなわち国税を地方税に移譲することによります効果や影響を考えますとき、一般的には自主財源が充実されることになりますので、財政運営の自由度が向上し、この結果効果的な行政サービスの提供に資するものと考えられますが、その反面、地方全体の歳入総額を現在と同じと仮定した場合には、大都市地域に税源が遍在している現状におきましては、本県のように税源が少ない自治体では歳入総額が減少する結果となりまして、かえって財政運営の自由度が狭められてしまう可能性がございます。 財政を運営してまいります上で、各自治体が主体性を持って使途を判断できる財源が十分に確保されることが大変重要ですので、地方税を初め使途についての義務づけのない一般財源の確保、拡充という観点から、今後とも地方財政のあり方について検討していくことが必要であると考えております。 また、国の財政改革による本県の第2次財政構造改革への影響についてのお尋ねがありました。国におきます地方財政改革の内容はまだ十分に明らかにされておりませんので、本県の財政への影響を具体的に把握することは難しい状況です。ただ、もし仮に法令や補助金などを通じた国の関与の見直しが十分に行われないまま、数字合わせのような地方財源の削減が先行して行われるようなことになりますと、財政の弾力性の回復などを目指して進めておりました本県の第2次財政構造改革の目標の達成もおぼつかなくなるおそれがあります。今後、国での議論の推移に十分留意しながら、その内容が明らかになってまいりましたときには、収支見通しにもそれを反映させ、県としての対応を検討していく必要があるものと考えております。 続きまして、教育関係に関連し、高知女子大学におきます入試判定ミスについての御質問にお答えいたします。今回の入試判定ミスに関しましては、大学において原因を究明いたしました結果、直接の原因は点数の集計をコンピューターへ指示する設定の誤りと計算結果のチェックが不十分であったことが判明いたしました。そして、こうした事態を招きましたのは、教職員一人一人が個人の責任を自覚することに欠けていた結果であると考えております。このたび、入試事務に携わりました関係者につきましては、その責任の重大性にかんがみ、それぞれの職責や責任の度合いに応じまして厳正な処分を行いました。 不合格とされた5名の受験生につきましては、学長を初め大学の教員が一人一人の自宅を訪問し謝罪いたしますとともに、大学の教職員の募金によるおわび金をお渡ししております。この5名のうち1名の方からは経済的な損失を考慮できないかとの申し入れを受けておりますが、この点については、現在大学において話し合いを継続中でございます。 また、5名の方全員に高知女子大学への入学の希望がある場合には受け入れる旨をお伝えいたしましたところ、1名の方につきましては入学の意向を示され、10月1日に入学することが決定しております。さらに、別の1名の方が現在お考えになっておられ、来年の新学期までには意向をお示しいただけることになっております。今後とも、不合格とされた受験生の方々に対しては誠意を持って対応してまいります。 今回のような入試判定ミスを二度と起こさないために、全学のマニュアルの作成に取り組み事務の改善を図ることはもちろんですが、こういった不祥事は大学が抱えます構造的な問題から生じたものであるとの受けとめから、早急に大学改革を進めることが必要であると考えております。そこで、改革を推進するため副学長を設置するなど体制を整え、組織管理の徹底や教職員の意識改革の断行など思い切った取り組みを進めてまいります。 以上でございます。   (商工労働部長岡村章弘君登壇) ◎商工労働部長(岡村章弘君) マイカルの民事再生法に伴う影響や対応策について御質問がありました。 9月14日のマイカルの民事再生法を受けまして、県は県内のマイカル直営店、それからフランチャイズ店、さらにはマイカルと取引のある中小企業やテナント店等への影響調査及び相談窓口を設置いたしました。申請から数日間は、マイカル関連の各店とも一部の商品が品不足になったり、フランチャイズ店では従来の伝票が使用できなくなるような事態も生じましたが、現在は徐々に回復しています。ただし、店舗によっては決済期間が短縮されたり、仕入れに保証金を要求されるケースも出ており、資金繰りが厳しくなってきたとも聞いております。 また、県内のマイカル取引企業数については47社ですが、そのうち大手の食品卸会社については10億円ほどの売掛金が凍結されております。その他は500万円以上の売掛金のある企業が6社、500万円以下が40社がそれぞれ売掛金を凍結されている状況で、今後は運転資金の確保や取引高の減少に伴う業績の低下などの影響が懸念されております。 さらに、高知サティには22の物販、飲食のテナント店が入居しております。これらのテナント店も、保証金が約1億5,000万円強、売上預かり金で約6,800万円の凍結がなされたために同様の影響が心配されています。県は、このような地元企業への影響を考慮し、マイカルと取引のある中小企業の資金調達に関する相談窓口を9月17日から県下の金融機関や商工団体に開設し、支援をして、現在相談件数延べ11件、金額で約7,300万円の相談になっております。 今後につきましては、民事再生法適用申請の動向を見ながら逐次マイカル関連企業や取引企業の情報収集を行いますとともに、他県とも情報交換をしながら適切な対応を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。   (健康福祉部長松岡寿子君登壇) ◎健康福祉部長(松岡寿子君) 介護保険制度についてお答えいたします。 まず、介護保険制度の実施状況に対する認識についてのお尋ねがございました。本年6月末の介護サービスの利用状況は、対象になります方の12.8%に当たる2万4,678人が介護の認定を受けておられ、このうち78.1%に当たる1万9,267人の方が介護サービスを利用されております。これを昨年の同期と比べてみますと、認定者数では6.4%、サービス利用者数では12.1%の増加となっております。これらのことから、制度が徐々に定着してきているものと考えております。 また、居宅介護サービスの利用者に対しますアンケート調査では、介護認定について約7割、サービスの内容等に関しては9割以上の方がおおむね満足という結果になっておりますし、市町村からも必要なサービスはほぼ行き届いているとお聞きしております。 一方で、保険料や利用料の負担、サービスの利用などについてのさまざまな御意見や問題点の指摘もいただいております。中でも、本県では全国に比べて施設を利用される方が多く、その割合は平成13年3月分で見ますと44.2%と全国より12ポイントほど高くなっており、在宅で介護ができる環境を整えていくことが課題であると考えております。 今後とも、制度の一層の定着を図りますとともに、配食や外出支援などの在宅での自立生活を支えるサービスの充実や地域で支え合う活動の推進などによりまして、高齢者の方々ができる限り住みなれた地域で生活できる環境の整備に市町村ともども取り組んでまいります。 次に、保険料の全額徴収が始まるに当たり、所得の低い方々への対応についてどのように考えているのかとのお尋ねがございました。所得の低い方々に対しましては、保険料、利用料ともに制度の中で所得に応じた負担軽減がなされております。また、特別対策といたしまして、ホームヘルプの利用料を3%に軽減するなどの措置が講じられております。 しかしながら、これらによりましてもなお保険料や利用料の負担が真に困難な方に対しましては、何らかの対応が必要と考えております。県内でも一部の市町村において利用料の減免が行われておりますし、また保険料につきましても検討を始めている市町村もございます。県といたしましても、保険料や利用料の負担が真に困難な方への対策につきまして、財源の確保を含め国に要望してまいりました。今後とも、保険者でございます市町村を初め、関係者の御意見を十分にお聞きしながら対応してまいります。 最後に、介護サービスの質の向上についてのお尋ねがございました。議員のお話にもございましたように、介護保険制度をよりよい制度としていくためには介護サービスの質を向上させていくことが重要であると考えております。そのため県におきましては、利用者に質の高いサービスを提供できますよう、介護サービスのかなめとなりますケアマネジャーへの研修や意見交換会を続けてまいりました。また、本年6月に保健・医療・福祉の有識者で構成いたしますケアマネジャーの支援会議を設置し、資質の向上などについて協議をしてまいりました。 これらのことに加えまして、事業者みずからが介護サービスの質の向上に取り組んでいただき、その内容につきまして積極的に情報提供を行っていただくことが大切でありますことから、介護保険施設に第三者の介護相談員を設置していただきまして、利用者や家族からの苦情や相談に応じる介護相談員事業を平成11年度から実施しているところでございます。また、施設のサービス内容など利用者や御家族が求めておられる情報を県のホームページに掲載するなど、情報の提供に努めております。 今後とも、これらの事業の充実はもとより、事業者によるサービスの自己評価や、施設での身体拘束をなくしていくための取り組みを進めることによりまして、介護サービスの質の向上を図ってまいります。 以上でございます。   (農林水産部長山崎淳一君登壇) ◎農林水産部長(山崎淳一君) 農政問題についての御質問にお答えをいたします。 まず、臭化メチル代替技術の導入状況と今後の取り組みについてのお尋ねでございます。現在、臭化メチルにかわるものといたしましては、薬剤ではダゾメット剤やカーバムナトリウム剤などがございますし、薬剤以外では太陽熱を利用したサウナ処理、あるいは蒸気による土壌消毒などがございます。そのうち代替薬剤の導入状況につきましては、取り扱いが比較的簡単なダゾメット剤の使用が最も進んでおりまして、ショウガでは27%、メロンでは29%の農家の方が利用されている状況でございます。また、薬剤に頼らない技術では、低コストで効果が高い太陽熱を利用したサウナ処理については、ナスでは約半数の農家で取り組まれておられますし、蒸気による土壌消毒については、臭化メチル緊急対策事業などによりまして、現在県内に40台の蒸気土壌消毒機が導入され、メロンやユリなどで利用されております。 しかし、まだ臭化メチルが流通していること、あるいは代替薬剤などは処理に手間を要すること、また経費がかかることなどから十分に普及しているとは言えない状況でございます。そのため農業技術センターでは、カーバムナトリウム剤のかん水チューブによります散布、あるいはクロルピクリン剤のばらまきなどの省力的な処理方法の確立に現在努めておるところでございます。 今後とも、こうした代替技術の研究開発に取り組みますとともに、蒸気土壌消毒機の導入への支援や実証展示圃の設置、またシンポジウムの開催や技術指針の作成などによりまして、臭化メチル代替技術の普及に取り組んでまいります。 次に、生鮮食品の原産地の表示についてのお尋ねでございます。生鮮食品の原産地表示については、13年1月に1万2,600店舗で野菜を対象に行いました国の調査結果では、「全部表示」と「ほぼ表示」を合わせた割合は約55%となっておりまして、国においては今後も引き続き調査を実施し、表示の徹底を指導するとお聞きをしております。 県といたしましては、先ほどお話がございましたが、原産地表示は消費者が購入する際に安心して生鮮食品を選択する上で重要な情報でございますし、また自給率の向上を目指した国産品の愛用を進める上でも欠かせないものと考えておりますので、小売業者だけでなくて、生鮮食品を扱います輸入業者や仲買業者などを含めた表示の一層の徹底が図られますよう国に対し要望してまいります。 以上でございます。   (国体局長西野秋美君登壇) ◎国体局長(西野秋美君) 国体についての御質問にお答えをいたします。 まず、陸上競技関係者の宿舎確保のおくれなどにつきましてお尋ねがございました。宿舎確保の問題につきましては、平成9年の末に第1次宿泊施設実態調査を行いました。その結果、県内全体で約1万8,000人分の宿舎不足が判明し、その対策として、1つは夏季大会への競技種目の移行、2つには広域配宿や民泊等の推進、3つにはホテル等営業施設の客室提供率のアップなどの推進に取り組むことといたしました。 これらの取り組みの推進には相当の期間を要し、一定の精度が期待できる仮配宿の取りまとめは平成12年4月となりました。この仮配宿の結果、民泊などの手だてを講じましてもなお県中央部で約3,000人の宿舎確保が見込めないことが判明したことから、緊急的な措置といたしまして、陸上競技の選手、監督約2,000人につきましては仮設の選手村で対応せざるを得ない状況であると判断するに至りました。仮設の選手村の検討に当たりましては、候補地の選定や仮設宿舎の構造、あるいは食事の提供や廃水処理などといった運営面での基礎的な調査に相当の時間を要したことなどさまざまな経緯を経まして、最終的には陸上競技会を前倒し開催とする方向に事態が急転し、本年7月の日本体育協会の理事会を経まして正式に決定されました。他県に比べまして宿舎確保が極めて厳しい高知県の特殊事情を背景に、国体本番に向けまして開催準備を進めている中、まさにぎりぎりの時期での解決であったと考えております。 次に、陸上競技の日程変更に伴い新たに生じた課題等についてのお尋ねにお答えをいたします。よさこい高知国体秋季大会は、関係団体の御理解により陸上競技会が10月21日から24日までの間で開催し、それ以外の26競技につきましては、26日の開会式以降31日の閉会式まで県内各地で開催されることになりました。このことにより、最大の課題でございました県中央部での宿舎確保に一定のめどが立つこととなりました。一方、陸上競技会の前倒し開催に伴いまして、新たにさまざまな問題が浮上してまいりました。中でも特に、閉会式のあり方と炬火の扱いが前例のない課題となっております。 まず、閉会式についてでございます。よさこい高知国体の場合は、10月31日に行われます閉会式当日には既に陸上競技会が終了していますことから、閉会式会場となります春野総合運動公園に各都道府県国体関係者がだれもいないという状況になります。また、最終日まで開催しています高知市内のハンドボール競技や近隣会場地の競技会におきましても、最終日まで勝ち残っている都道府県は限られていますし、表彰式などの関係から、春野陸上競技場で行われる閉会式への参加は時間的に困難と思われます。 次に、大会期間中の炬火の扱いでございます。開会式には、御案内のとおり国体のシンボルである炬火が陸上競技場の炬火台に点火されます。しかしながら、開会式前に陸上競技会が終了していますことから、開会式で点火の後は何ら競技の行われない陸上競技場で炬火が閉会式の日まで燃え続けることになります。このことにつきましては、関係者の間でも賛否両論がございます。 これらの新たな課題の対応策につきましては、現在、日本体育協会を初め関係の皆さんと協議を重ねておりますが、例えば閉会式につきましては、各都道府県本部役員を中心にごく限られた参加者しか得られないことなどから、陸上競技場で行われてきた従来のスタイルでは無理があるのではないかといった御意見をいただいております。また、炬火にいたしましても、例えば開会式後は一たん火を落とし、県庁玄関前にミニチュアによる種火で県民に公開した後、閉会式会場で納火式を行うなどの御意見をいただいております。 これらの御意見は、本県の特殊事情あるいは国体運営の簡素化の流れを考えますと貴重な御提言であると受けとめております。また、それぞれその演出を工夫することにより、簡素な中にも心に残る式典となるのではないかと考えております。今後は、関係団体とも協議を重ね、実行委員会にもお諮りをし、対応策を早急に固めてまいります。 次に、宿舎確保対策の取り組みの現状や県中央部民泊の取り組み状況につきましてのお尋ねにお答えいたします。まず現在の状況ですが、陸上競技の日程が変更されましたことによりまして、秋季大会のピーク時の宿泊予想人数は約2,500人減少して2万7,500人程度になると見込んでおります。これまで、営業宿泊施設、民泊、転用施設泊、客船の借り上げなどの宿舎確保に取り組んでまいりましたが、その結果、後ほどお答えをします民泊協力会の立ち上げなど幾つかの課題が残っていますものの、総体的には一定のめどが立ったという状況でございます。 県中央部の状況ですが、高知市、春野町、鏡村の3市町村では、秋季大会のピーク時におきまして約1万人に上る国体関係者が宿泊すると見込んでおります。営業宿泊施設につきましては、旅館組合の全面的な協力や市町村の積極的な取り組みによりまして、この3市町村で8月末現在約8,700人分の提供をいただいております。しかしながら、実際に配宿をする場合には一定のロスが見込まれますため、最終的には約3,500人分の宿舎が不足することになり、営業宿泊施設以外での宿舎確保を行う必要がございます。その対策といたしまして、この3市町村では民泊、転用施設泊で約2,000人を受け入れる準備を進めております。一方、県におきましては2隻の客船を借り上げ、宿舎不足に対応することとしております。 続きまして、県内全域にわたる民泊の状況です。夏・秋季大会を合わせまして、30市町村において約9,500人の選手、監督を民泊、転用施設泊で対応することとしております。このため、約400の民泊協力会が設置される予定ですが、そのうち8月末現在で248の協力会が設置されております。残る約150の協力会につきましては、遅くとも年度内にはすべて立ち上がる見込みでございます。民泊が成功するためには、特に食事面での対応が不可欠でございます。このため、県としては、標準献立レシピ集を作成し調理実習を交えた普及活動に取り組むなど、市町村の民泊推進につきまして引き続き積極的に支援をしてまいります。 次に、秋季大会開会式における輸送問題と駐車場確保対策についてお答えをいたします。秋季大会開会式には、選手、監督、式典演技者、一般観覧者等を合わせ約2万9,000人の参加を想定しております。大量輸送するための公共交通機関による輸送手段がないことから、輸送の中心はバス輸送にならざるを得ません。その際に必要となるバス台数は約700台と見込んでおります。このバス確保につきましては、昨年度から高知県バス協会にお願いをし、その御協力によりまして、四国と中国地方などでバス確保のめどがついている状況でございます。 駐車場対策についてでございます。開会式輸送に使用する700台のバスのうち、一般観覧者などを輸送するシャトルバスを除きまして、選手、監督などを輸送する計画バス約430台分の駐車場が必要となっております。春野総合運動公園内には300台の駐車場しか確保できないため、輸送バス130台前後の駐車場が不足する状況にあります。このため、春野総合運動公園東側入り口から南にある広域農道沿いの農地約3ヘクタールを借り上げまして、バス駐車場とシャトルバス乗降場をあわせて整備することとしております。 このほか、春野運動公園への円滑なバス輸送を行うためには、輸送ルートや輸送時間帯の分散などソフト面での取り組みも大変重要だと考えておりますが、こうした取り組みの実効を上げるためには県民の皆様、関係機関の方々の御理解、御協力をいただくことが不可欠でございますので、輸送バスの通行時間帯や運行経路等の情報を適宜積極的に提供してまいります。 続きまして、リハーサル大会の問題点等につきましてお尋ねがございました。リハーサル大会につきましては、本年5月の軟式野球を皮切りに来年6月の馬術競技まで、正式・公開競技合わせ38競技すべてについて49の競技別リハーサル大会が順次開催されることになっております。現時点で33の競技別リハーサル大会が終了いたしました。 各市町村がこれまでの大会の反省会を行う中で、観覧席や選手控室の不足、また選手輸送や交通規制の問題など、ハード、ソフトの両面にわたりさまざまな課題が提起をされております。これらの課題につきましては、各市町村、競技団体におきまして検討を行い、例えばハード面では仮設での対応、ソフト面では輸送計画に時間的な余裕を持たせる、あるいは競技時間を短縮するための競技運営を工夫するなどといった、本大会の成功に向けました対策を講じることとしております。また、県といたしましては、各市町村で生じた課題等を年度内に取りまとめ、できるだけ早い時期に各市町村にお知らせし、本大会に向けての対策に活用していただくこととしております。 最後に、リハーサル大会に関する県の財政支援、競技団体の参加料の納入、県の取り組みなどについて御質問がございました。県におきましては、リハーサル大会の運営に関する市町村への財政支援策といたしまして、同大会の運営に係る収入を市町村実行委員会が収納することを前提として、リハーサル大会運営費補助金を本年度創設いたしました。 御指摘のとおり、高知県軟式野球連盟は当該リハーサル大会に係る参加料等を市町村実行委員会に納入していないことが明らかとなりましたので、関係市町村に対し市町村実行委員会が参加料等を納入するように要請をいたしましたが、現在もなお同連盟の協力が得られない状況にございます。なお、既に終了いたしました33競技のうち競技団体が参加料を市町村実行委員会に納入していない競技は、御指摘の軟式野球のほか13競技となっております。 このような経過を踏まえまして、県といたしましては、リハーサル大会の運営に関する収支状況の透明性と県の財政支援の公平性の確保を図るため、参加料等は市町村が収納すること、市町村が参加料等を収納できない競技については競技団体の収支状況を明確にすることなどを主な内容とする取り扱い指針をこの7月に策定し、全市町村に周知いたしますとともに、県体育協会に対しましても各競技団体への指導を要請いたしました。また、今月初めには、全市町村及び全競技団体を対象とした説明会の中で同指針の徹底も図ってまいりました。 このような取り組みを経まして、参加料を市町村実行委員会に納入していない14競技につきましても、現時点では市町村に対して収支状況が明らかにされ、競技団体においても一定の経費負担がなされているとの報告を受けております。県といたしましては、来年の本大会に向けまして、さまざまな場面で今後とも各競技団体の理解と協力が得られますように、さらに取り組みを進めてまいります。 以上でございます。   (教育長大崎博澄君登壇) ◎教育長(大崎博澄君) 初めに、国体につきまして本県競技力のレベル、成績状況等についてお答えをいたします。 平成14年よさこい高知国体におきまして本県が開催県にふさわしい成績がおさめられますよう平成7年に策定しました競技力向上基本計画及び年次計画に基づきまして、関係機関との連携のもとに、小・中・高等学校、一般と系統立った強化を図ってまいりました。これまでの取り組みによりまして、本年度の全国高校総体ではソフトボール優勝、なぎなた準優勝、また全国中学校体育大会ではソフトボールを初め相撲、柔道、軟式野球の4つの種目で優勝するなど好成績を上げております。 また、国体での活躍競技は年々幅広くなっておりまして、入賞数も平成8年の18から平成12年の43と大幅に増加するなど、本県の競技レベルも全般的に相当上がってきていると感じております。宮城国体の予選となります平成13年の四国ブロック大会での予選突破率は26.1%で、当初目標としておりました25%をクリアしておりまして、宮城国体では900点、天皇杯順位で20位台前半を目標に強化を図ってまいります。これらの成果を平成14年高知国体につなげてまいりたいと考えております。 次に、教科書採択についてお答えをいたします。教科書の採択は、採択権者の権限と責任において適正かつ公正に行われなければなりません。そのため、教育委員会としましても、選定の対象となる教科書の絞り込みをしないことや、綿密な教科書の調査研究など適正かつ公正な採択事務の推進、また採択に当たっての保護者の参加や採択結果、採択理由の公表など、開かれた採択の推進につきまして指導を行ってまいりました。本年度の採択に当たりましては、市町村教育委員会の責任と権限において、このような改善の趣旨に沿った採択が行われたものと受けとめております。 次に、特定の教科書を不採択にせよといった運動についてのお尋ねにお答えをいたします。県教育委員会にも、特定の教科書を採択すべきである、あるいは採択すべきでないといった御意見が多数寄せられました。こういった意見表明が直ちに公正な採択に支障があるとは考えませんが、その方法や内容において圧力と受けとめられるような形をとることは慎むべきだと考えております。教科書の採択は、採択権者である教育委員会がこうした運動に左右されることなく、その権限と責任において適正かつ公正に行われなければならないと考えます。 次に、指導を要する教職員として認定された教職員の状況と来年度の対応についてのお尋ねについてお答えをいたします。指導を要する教職員として認定された者につきましては、本年度、勤務校や教育機関におきまして本人の課題に沿った復帰プログラムを実施しております。例えば、教科の指導力を高めるために指導教員とともに複数での授業に参加している者、また学校以外の教育関係機関におきまして人間関係や組織理解のための研修を行っている者、あるいは専門家にアドバイスを受けながら改善に努めている心の健康に不安のある者など、認定を受けた教職員はそれぞれの課題に沿った研修の形態をとっております。こういった復帰プログラムでは、学校長だけでなく市町村教育委員会、県教育委員会がともに個々のケースに応じて指導を行い、学校への復帰が可能であるかどうかを見きわめていく取り組みを行っております。 また、指導を要する教職員をこれ以上つくらないための予防策として、職場の人間関係づくりや心の健康についての啓発、また自己啓発のための通信研修などを実施しております。 認定された教職員につきましては研修プログラムを継続しながら、また新たに課題のある者については学校長や市町村教育委員会とともに指導を継続しながら、情報収集や実態把握を行った上で、諮問機関であります資質・指導力向上調査研究会議の御意見を聞き、復帰や研修継続または新たな認定についての見きわめを行います。認定の期間につきましては年度を一つの区切りとしておりますが、課題が改善をされたりまた逆に課題が生じた者につきましては、御指摘のありましたとおり年度途中であっても復帰や認定を行うこととしております。この制度の趣旨は、第一義的には指導を要する教職員の職場復帰を支援することを目指しておりますが、課題の改善が図られない場合は公務員制度の中で必要な対応をしていかなければならないと考えております。 次に、県内教職員の起こした事件の状況及び対応についてお答えをいたします。本県における教職員の不祥事は、平成10年以降で見ますと、公立小・中・高等学校合わせまして飲酒運転9件、買春・痴漢行為2件、その他職務命令違反などによる事件が4件、計15件発生をいたしております。このような事件は、児童生徒を直接の被害者としたり、教育に対する信頼を大きく損なうものであり、その防止に全力を挙げて取り組んでいかなければならないと考えております。このため、教職員一人一人が助け合える風通しのよい職場づくり、業務の見直しや工夫によるゆとりづくり、教育委員会と教職員の信頼関係を築くための対話の場の設定、管理職に対する職員管理のあり方についての研修、教職員が意欲を持って仕事に向かい、汗をかいた者が報われる人事管理、こういったことに一つ一つ丁寧に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、出会い系サイトについての本県の対策、対応についてのお尋ねにあわせてお答えをいたします。情報化社会の中で、携帯電話の所持率は年々高まっております。生徒が携帯電話を持つことにつきましては、保護者から、登下校時の安全や緊急の連絡のため許可をしてほしい、あるいは犯罪に巻き込まれないよう規制をしてほしい、そういう賛否両論があります。 現在、中学校におきましては、特に事情がある場合を除き、携帯電話を学校に持ち込まないように指導をいたしております。また、全日制高校におきましては、約半数の学校で携帯電話の持ち込みを禁止しております。各学校におきましては、本年4月に県内で中・高校生の出会い系サイトによる事件が集中的に発生しましたことから、全校集会や学級での話し合いの場で出会い系サイトの危険性を周知するとともに、知らない人からの交際や呼び出しに安易に応じないこと、日常生活で許されないことはネットの上でも許されないことなど、道徳的視点に立った指導を行っております。 しかしながら、こういった指導には限界がありますので、インターネット使用時のルールとマナーの指導、また疑似体験をしながら学べる情報倫理教育教材を作成して配付するなど、子供たちがインターネットや携帯電話の利用にかかわる犯罪の被害者にも加害者にもならないための情報倫理教育を一層進めてまいります。 また、開かれた学校づくりや地域ぐるみ教育の中で、こうした問題について協議したり関係機関との連携を密にするなど、学校、保護者、地域、そして関係機関が一体となって子供たちを守り育てていく取り組みを進めます。 以上でございます。   (教育委員長宮地彌典君登壇) ◎教育委員長(宮地彌典君) 教科書採択についてのお尋ねをいただきました。 来年度から使用いたします教科書の採択に当たりましては、谷相議員から先ほどお話がございましたように、各方面から多くの御意見が教育委員会にも、そして私たち教育委員の自宅にも寄せられました。そのほとんどが特定の歴史教科書に対するものでございまして、採択に賛成する意見も、また反対する意見も両方がございました。御意見が寄せられたこと自体が直ちに公正な採択に影響を与えるものだとは思いませんが、公正な採択に影響を与えるような圧力的な行為は慎むべきだと考えております。 今回は、来年度開校いたします県立中学校などで使用します教科書を県教育委員会が採択する立場にありますことから、十分に時間をかけて6人の委員で検討し決定をいたしました。その際に、私たちは圧力を受けたとは感じておりませんし、採択に当たっては、権限と責任において適正かつ公正に行ったと確信をいたしております。 このことに関連をしまして一言申し添えたいことがございます。来年度分の教科書採択は終わりましたが、歴史教科書につきましては今後も同じような意見の堂々めぐりが予想されます。御存じのとおり、教科書は限られた時間内に教え切ることが前提となっておりますので、ページ数に当然限度があります。その限度内に記述をする事柄は多くを網羅することができず、選択された内容を記述することになります。実は、このことは他の教科においても同じでございますが、特に歴史教科書へは記述の選択に関する御意見が幾つもの立場から寄せられてまいります。 私は、このような意見の堂々めぐりをさておきまして、生徒たちへの教育効果を一層高めることを優先する考え方から、委員長として次の提案を県教育委員会事務局へしてあります。それは、中学校の図書室に歴史百科事典を収蔵しようとするものです。ページ数の関係で教科書には書き切れなかった史実も学ぶことができるように、多角的に記述してある歴史百科事典を生徒と先生に提供することによって、歴史への正しい理解が一層深まるのではないでしょうか。そのため、来年度からスタートをする県立中学校3校の図書室に歴史百科事典を収蔵するよう指示をいたしました。その活用状況や効果に注目してみたいと思っております。 以上でございます。   (警察本部長恵良道信君登壇) ◎警察本部長(恵良道信君) 出会い系サイト問題の現況とその対策についてお答えいたします。 最近におけるインターネット、携帯電話の急激な発展、普及により、これらを利用したいわゆる出会い系サイトを通じて知り合った者同士における犯罪が全国的に増加しており、本年4月、5月に京都府下において発生した女性被害の連続殺人事件につきましても、出会い系サイトで加害者と被害者が知り合ったことが捜査過程で明らかになっております。 県内においても、本年4月に検挙した女子中学生被害の強制わいせつ事件、被疑者3人による女子高校生被害の婦女暴行事件、被疑者2人による婦女暴行致傷事件、この3件のいずれもが出会い系サイトにより知り合い、面会した際に発生したものであり、今後とも出会い系サイトを悪用した凶悪事件、児童買春・売春事案の発生が懸念されるところであります。この出会い系サイトの実態につきましては、インターネット上にある出会い系を検索した結果、高知と名のつくものだけでも約400件、全国では約4万件もあり、全体的には莫大な数になるものと推定され、その実態は不明確な状況にあります。 警察としましても、出会い系サイトによる交遊につきましては、犯罪被害のおそれや青少年の健全育成の阻害となっている状況が見られることから、これら事件の検挙を徹底することはもとより、地域安全協議会、学校警察連絡協議会などの各種会合において出会い系サイトの悪用の実態と危険性ついて関係者への周知を図るとともに、児童生徒を対象とした犯罪被害防止教室を開催するなど、出会い系サイトの悪用の危険性について広報、啓発を図っているところであります。   (7番谷相勝二君登壇) ◆7番(谷相勝二君) 知事以下それぞれ御答弁をいただきまして、まことにありがとうございました。 あと残りの時間で知事に若干お尋ねをしたいと思いますが、選挙はそれぞれ自分の支持者がございますし、だれかを当選さしたいという願いがあるのは当然であります。しかしながら、知事は高知県の最高責任者として絶大なる権力を持っておる。そういう権力者が一々電話をしながら、自分の信任投票というようなことで話をしますと、おのずとその結果は見えてまいります。あと一週間ぐらいしたら広田さんが勝つんじゃないかというようなことまで言われるそういう状況が来ておったわけでありまして、そういうことに対して、やはり知事はもっと謙虚に行動してもらいたいというふうに思うわけです。 かつてこの議会におきましても、知事が選挙に対しては平等に対応するということを何回も答弁されておりますね、覚えておりますか。平成6年3月、熊井議員、同じく3月に西森議員、6年12月には市長選挙に絡んで植田議員、西森議員、ちょっと調べてみてもこれだけの皆さん方に、まだ調査すればたくさんあるかもしれませんけれども、その中にほとんど同じような内容で公平を期すということを言ってあります。 1つだけ紹介しますけれども、「県民の皆さんの負託を受けた立場にある者として配慮に欠けていたのではないかと考えておりますので、御批判は甘んじて受けなければならないと思っております」、これは市長選挙の対応ですね。「また今後は、責任ある公職の立場を十分に心いたしますとともに、各種の選挙に対しましても偏ることのない姿勢を貫いてまいりたいと考えております」ということで、何回も何回も本会議でそういう答弁をしておる知事が今回そうした偏った行動をしたのは、まさに過去の議会答弁に対する偽りではないかと、うそつきと言われても仕方がないと思いますが、いかがでしょうか。 それから、私は知事にこの責任をとってやめよと、こう言っているわけではないんであって、知事の方がみずから信任投票という位置づけをしてこの選挙をしたということであって、それなりにやっぱりけじめをつけるべきであると思うわけでございます。かつて知事選挙の後に、12月の議会で私の質問に対して、その選挙の敗北の責任をとって自民党県連会長と幹事長はけじめをつけるべきであると申された知事でありますし、また候補者であった所谷さんにもけじめをつけなさいということを言われた知事であります。知事自身のけじめをどうつけるかということについて、なおお尋ねをしておきたいと思うわけであります。 それから、副知事の問題についての再質問でございますけれども、今回おくれたのは、出しても自民党が否決をするということだったということでございますけれども、そしたらそうならないように最初からなぜ対応しておかなかったかということが今回一番問題になっているわけであって、自民党のせいにしたり、あるいは議会のせいにしてもらったら困るわけであります。副知事のことはわかり切っておりまして、やめて以来これは急いでやらにゃいかん、対応せにゃいかん状況にあったわけですが、知事はまさに参議院選挙やあるいはいろんなことで今までほったらかしで来ておるわけです。 それから、こういった副知事のような重要な人事案件は、当然前もって承諾を得るなり何なりして、議案に出したときには当然その方がその職につけるような状況をつくっておくのが知事の仕事じゃないですか。今回の場合はそういう状況になっていないし、あなたがお願いをした方がひょっと副知事に就任できなかったら、あなたはどういう責任をとるのかということも1点聞いておきたいというふうに思います。 それから、今回のその副知事の人選について、中内議員さんの質問に答えて、今回のこのいろんな問題に対して出直しに適当な方をというふうなことをこの前の議会で御答弁をされておるわけです。「新しい副知事は、県政の出直しにふさわしい方に、また県民の皆様がそのように受けとめてくださるような方にお願いをしたいと考えております」ということで知事のお考えがあるわけですけれども、なぜ一々そのことを、外部の方からそういう候補者を出さなければいけないのかと。しがらみしがらみと言うけれども、そしたら県庁の職員が全くのしがらみだらけで、副知事になる資格がないのかということを思うわけです。こういうときだからこそ、県庁の中からでも、立派な人はたくさんいるわけですから、副知事に選ぶということの配慮も必要ではないか。 そして、そこから県庁の新しい出直しを県庁の中でやっていくということが大事だと思う。つぶれた会社が管財人を呼んできて助けてもらうみたいな、何かそんな感覚がしてしょうがないわけですが、そういうことは知事は考えないのか。県庁、庁内の人をもっと信頼するということを私は知事に提言さしていただきまして、時間が参りましたので、ここで私の質問の一切を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)   (知事橋本大二郎君登壇) ◎知事(橋本大二郎君) 谷相議員の御質問にお答えをいたします。 まず、御質問の中で、信任投票ということで電話をしたというお話がございましたが、そのような事実は一つもございません。 次に、過去の答弁に関してでございますが、これまで私は政党の推薦を受けないいわゆる無党派の立場を貫いておりますので、こうした意味から、県内の選挙には基本的に中立で臨むということを繰り返し申し上げてまいりました。しかし、時には、政治家としてみずからの判断に基づいて、また地方の立場、地方の代表としてあるべき立場ということを基準にして、御指摘のような応援をすることも何度かございました。 また、選挙中の発言につきましては、先ほどお答えをしたとおりでございます。 次に、副知事の選任に関してでございますが、副知事への就任をお願いいたしました相手の方が公職におられましたために、その職を辞するぎりぎりまで公表してほしくないという強い御要請がございました。こうしたことから、議会への事前の御説明に先立ってマスコミの報道がされましたことが、議会軽視だとの厳しい御批判を受けていると受けとめております。 この点は、一定の事情がありましたとはいえ、十分手が足りていなかったという点で反省をしておりますし、おわびを申し上げたいと思います。今後は、御理解をいただくために最善の努力をいたしますことで、できるだけ早い段階に御提案ができるようにしていきたいと考えております。 また、職員への信頼感云々というお話がございましたが、今回の副知事の選任と職員への信頼ということは全く別のことでございます。 私からは以上でございます。 ○議長(東川正弘君) 暫時休憩いたします。   午後0時12分休憩---------------------------------------   午後1時11分開議
    ○副議長(森雅宣君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 御報告いたします。執行部席の説明員の配置についてでありますが、諸般の事情により商工労働部長農林水産部長の席を入れかえることにいたしますので御了承願います。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 39番塚地佐智さん。   (39番塚地佐智君登壇) ◆39番(塚地佐智君) 私は、日本共産党を代表いたしまして、当面する県政の諸課題につきまして知事並びに関係部局長に質問をいたします。 質問に先立ちまして、米国での同時多発テロにより命を奪われた方々、そして皆様に、心より哀悼の意とお見舞いを申し上げたいと思います。 また、さきの西南部豪雨災害の被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げ、災害救援活動に昼夜を分かたず献身的に奮闘された県、市町村、消防団員、関係者の方々、ボランティアの皆様に、心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。 それでは、質問に入ります。 まず第1に、知事の政治姿勢について伺います。9月11日、米国で起こった同時多発テロは多数の市民の命を無差別に奪いました。このようなテロ行為は、いかなる宗教的信条や政治的見解によっても断じて正当化できるものではありません。これは、米国への攻撃にとどまらず国際社会全体に対する攻撃であり、世界の法と秩序に対する攻撃だと言えます。 今、アメリカは軍事力行使の準備を着々と進めています。しかし、テロ犯罪に対して軍事力で報復することは、テロ根絶に有効でないばかりか地球上に新たな戦争とそれによる巨大な惨害をもたらす結果になり、さらに一層のテロ行為と武力報復の悪循環をもたらし、無数の新たな犠牲者を生み、事態を泥沼に導く危険があります。今必要なことは、性急に軍事的報復を強行するのではなく、国連が中心となり、国連憲章と国際法に基づいてテロ犯罪の容疑者、犯罪行為を組織、支援した者を逮捕し、裁判にかけ、法に照らして厳正に処罰することです。 私たちは、この野蛮なテロを糾弾すると同時に、テロ根絶のためには軍事力による報復ではなく法と理性に基づいた解決が必要だという立場を明らかにしているところですが、知事の御所見をお伺いいたします。 去る19日、小泉首相は、1、米軍等の報復攻撃に自衛隊が後方支援をする、2、在日米軍施設警備を強化する、3、情報収集のため自衛艦を派遣するなど、7項目の対応策を発表いたしました。そのため、この臨時国会に新法を提出する動きも伝えられています。9月21日付の地元紙社説は、「米軍への後方支援と共同軍事行動の線引きは容易でない。絶えず、憲法が禁じる集団的自衛権行使に抵触する恐れが出てくる。首相は自衛隊の後方支援を、国内論議も経ずに唐突に打ち出した。性急な姿勢に、国民の多くは戸惑っていよう」と批判をしています。 この指摘は的を射たもので、自衛隊による輸送、補給等の支援活動とは、国際法上、戦争行為と一体とされる兵たん、後方支援そのものです。これは、周辺事態法の審議で、政府も武力行使と一体となるから後方支援は憲法上できないと認めたものです。また、自衛艦による情報収集も、戦闘中の米軍に情報を提供する参戦行為そのものです。これらは周辺事態法を初めいかなる法律でも許されていない参戦行為そのものであり、何よりも日本国憲法が厳しく禁じている国際紛争の解決の手段としての武力の行使、武力による威嚇そのものとなります。 この機に乗じて長年の野望とも言うべき自衛隊の地球的規模での海外派兵はもってのほかだと考えますが、知事の受けとめ方はどうなのか、お伺いをいたします。 次に、副知事の選任問題について伺います。知事は8月20日、空席になっている副知事人事について吉良史子前葉山村長の起用を発表されました。9月10日、葉山村役場では、来年1月23日の任期を前に村長を辞職した吉良村長を送るセレモニーが行われ、あいさつの中で吉良さんは、「「任期を4カ月残しながら、本当に重く、つらい苦渋の決断をしました」と心情を話した」と報じられています。それは知事から相当強力な説得、要請が行われた背景を十分にうかがわせるものであり、村民の選んだ村長を任期途中で辞職させてまでの起用という点から考えても、吉良史子氏副知事起用に関する知事の責任は殊さら重いものがあると考えます。前副知事辞任以来既に3カ月、いまだ副知事空席という事態はだれが考えても尋常のことではなく、早期に後任副知事を選任して、当面の最大課題である県政改革に取り組むべきというのが県民大多数の思いだと思います。 今議会、冒頭提案できなかったことをどのように反省しておられるのか、マスコミで報じられた「今議会先送り」について知事の真意をお伺いいたします。 また、既に吉良史子さんという固有名詞は1カ月前に明らかにされていますが、その人物、見識、行政手腕なども含め、副知事として選任を決断された理由を詳細に説明していただきたい。 さらに、現在の宙ぶらりんの状態は、御本人は言うまでもなく、村長を突然失った葉山村民に対しても失礼きわまりないものとなっています。現在の局面をどう打開するおつもりか、一体いつ副知事選任議案を提出されるお考えなのか、県民への説明が必要だと思いますので、この際知事のお考えをお聞きしておきます。 次に、国政・地方選挙への知事の関与についてお聞きをいたします。知事は、この夏の参議院選挙で特定候補と一心同体の選挙戦を繰り広げました。やみ融資問題で知事の政治責任が厳しく問われているとき、知事がこの選挙戦の中で「自分への信任投票のつもりで」と特定候補への支持を呼びかけたことは、多くの県民のひんしゅくを買いました。 そもそも知事は、県内の選挙には基本的に中立で臨むという立場を明らかにし、平成6年12月議会答弁でも「各種の選挙に対しましても偏ることのない姿勢を貫いてまいりたい」と言明をされています。また、ことし5月、あなたは平凡社新書の1冊として「知事」という著書を出版されました。その中で知事は、「自分の選挙そのものも政党の推薦はいただかずに基本的には無党派でやっているため、県内で特定の候補者の応援演説をすることもない」と明言をしています。ところが、これまで知事が幾つかの県内地方選挙で応援演説に立つなど地方選挙に関与してきたことは周知の事実で、参議院選挙への関与はその最たるものでした。 知事も政治家ですから、一般論としては特定候補の応援がいけないなどと言うつもりはありませんが、これまで公言をされてきたことと実際の選挙関与との整合性をどのように説明されるのか、詳しくお聞きをしておきます。 次に、西南部豪雨災害について知事並びに部局長に質問をいたします。私も9月9日に現地入りをしてまいりましたが、今回の災害の特徴は、局地的な集中豪雨により多量の土石流や流木が発生をした点です。堤防が決壊をし、集落が丸ごと一瞬にして濁流にのみ込まれ、家屋の1階部分が押し流されたり土砂浮遊物が屋内に堆積をし、家財道具も一切使用不能で住むことすらままならない住家が多数に上っていました。 農業分野では、濁流によってビニールハウスや農業施設、刈り取り直前の水稲を初めとする農作物や田畑の表土が押し流され、その上に大量の岩石や流木などが堆積をし、壊滅状態になり、林野も谷々の至るところで崩壊をし、泥水の湾内への大量流入により養殖漁業も壊滅的状態になっていたところです。 そこで、以下7点、早期の復旧を願い質問をいたします。午前中の御答弁の中で土佐清水市、大月町、三原村などへの局地激甚災害の指定は見通しがあるとのことでしたが、宿毛市での被害も甚大で激甚災害指定が必要であると思いますが、現時点での見通しは少ないともお聞きをしております。もし指定がされなかった場合、災害復旧や被災者の生活再建におくれが出る心配があります。県としてどう対応されるのか、お伺いをいたします。 2点目に、今回の災害では濁流と流木によって家屋が甚大な被害を受け、実質的には居住できない家屋が多数に上っている点、同時に、ひとり暮らしや高齢者家庭が多く自力で家屋の改築をすることができない上、今後の生活にすら不安を持っておられる方々が多数出ている点です。被災者生活再建支援法が適用されても支援金額は極めて少額であり、被災に遭われた方々への救済としては極めて不十分です。改善を国に強く求めるとともに、支援金を含めた県独自の制度を創設すべきだと思いますが、お伺いをいたします。 第3に、災害復旧工事は原状復旧が基本とされていますが、原状復旧のみでは災害が再度発生する危険性があり、この際抜本的な防災対策が必要です。今回の災害地域の多くは山間のわずかな平地が被災をしており、従来のように河川拡幅による治水工事を行えば、住民の生活用地が確保できなくなるケースも想定をされています。そのため、国と県が災害対策検討会を設置されましたが、余り時間をかけての検討会では時期を失することになると思われます。いつまでに検討結果をまとめ、復旧工事に着手をされるのか、土木部長にお伺いをいたします。 4点目に、田畑、ビニールハウスの被害は非常に深刻で、農家は途方に暮れています。農業経営が続けられる融資などの特別措置をとるとともに、農業共済金の早期支給を図り、農道の復旧、ビニールハウスの復旧、被災耕地の緊急な復元対策を行い、園芸農家の作付を可能にする対策、また、米やたばこなどは来年の作付に間に合わせるよう努力をしなくてはなりません。あわせて、農地災害復旧には農家負担が予想をされます。極めて深刻な災害であり、農家負担なしで復旧をすべきだと考えますが、対策と方針を農林水産部長にお伺いいたします。 5点目に、山の崩落、立木の流失、林道の崩壊など、山林の被害も甚大です。今回の災害の特徴は、山の崩落による大量の土石や流木の発生が被害を大きくした点です。復旧と再発防止対策をどう進めるのか、森林局長にお伺いをいたします。 6点目に、成魚として出荷直前の養殖漁業が大きな被害を受け、養殖漁業存亡の危機に直面をしています。意欲ある若者のためにも、生業が継続できるよう長期の特別融資など実効ある施策をとるべきと思いますが、海洋局長にその方針をお伺いいたします。 この項目の最後に、被災地全域において生活道でもある県道の崩落も至るところで起き、当初は孤立する集落も出ていましたが、これらの県道の現状と復旧の見通しについて土木部長にお伺いをいたします。 次に、障害児・者行政についてお伺いをいたします。まず、重度心身障害児・者医療費助成制度の見直しについてです。昨年、本県の第2次財政構造改革の取り組み方針が出され、その中の見直しを行うべき主な事業として本制度が明記をされました。発表後1年を経てもなお、どういった内容で見直すのかの県としての方針が示されることなく、今議会には各方面で御議論いただきたいとの知事説明がなされました。政策決定の場への県民参加という観点というよりは、むしろこの事業を見直すこと自体の大変な困難さのあらわれだと思います。 本事業は、心身に重度の障害のある方への医療費自己負担分を県と市町村が公費で負担し、社会的な弱者の保健と福祉を増進する事業として27年間実施をされてきたものです。この制度によって、「いつでも、どこでも、安心して医療を受けられる」、「早期療養で重症化が防げた」、「タクシーでの通院しかできないなど何かと出費が重なる中で、家計を支えてもらっている」等々、利用者や関係機関からも本事業の大きな効果が評価をされています。県内の約2万人の障害者が利用をし、年間約12億4,000万円の県費の支出が行われていますが、この支出は重度の障害を持つ方や御家族にとってどれほど価値のあるものかしれません。 先日開かれた高知県障害者施策推進協議会でも見直しへの危惧の声が多く出されたと聞きますが、これまで行われてきた本事業の効果や成果についてどのように認識をされているのか、重度の障害の方、御家族にとってどういう意味を持つ制度だと考えておられるのか、知事にお伺いをいたします。 本事業の見直しの観点として、知事は主に2点を挙げられました。その第1は、他の福祉制度との間での整合性や公平性に整理すべき課題があること、第2に高齢化の進展で助成金額が増大をしていくため、限られた財源のもとで他の施策との間に問題が生じるのではないかという点です。70年から80年代、日本の社会保障制度が充実をしていた時代、健康保険の本人負担は初診料のみ、70歳以上の高齢者の医療費負担はゼロでした。こうした流れの中で、社会的弱者の医療費も公費助成をと全国各地の自治体で福祉医療助成制度が設けられ、今日に至っています。 しかし、国は、臨調行革路線を推進し医療保険への補助金を削減、薬価や医療機器問題などにメスを入れることなく、保険制度を維持するためとしてひたすら国民負担と患者負担を押しつけ、次々と制度の改悪を今日も行っています。入院食事療養費の保険外しや老人医療費の有料化も、介護保険における利用料負担も一連の流れとなっています。一方、地方公共団体では、こうした動きに抗し、乳幼児医療費の助成制度の拡大、介護保険利用料の減免など、住民福祉の充実の流れをつくり出しています。 この間、制度間で問題が生じている要因は、国の制度改悪によるものです。制度間の整合性や公平性を考えるとき、利用者にとって利用しやすくサービスを充実する方向で矛盾の解決をすべきではないでしょうか。中でも、命を守る医療制度においてその観点が重要だと思いますが、健康福祉部長に基本的な認識をお伺いいたします。また、整理すべき課題の具体的内容についてお示しください。 さて、見直しの最大の眼目は、増大し続けていく助成金額を減らすことだと考えられます。そのために想定されることは、第1に対象年齢で線引きをする、第2に所得制限をかける、第3に自己負担額を設けるなどの方策です。私はこれらに反対ですが、もし実施をされた場合の検討をしてみたいと思います。 まず、第1の対象年齢についての考え方です。例えば、東京では65歳以上の新たな重度障害者は対象外にすることと見直しました。しかし、同じ障害者手帳の交付を受けながら年齢によってそのサービスに格差が生じるというのは、高齢化への冒涜ではないでしょうか。65歳以上の高齢者なら医療費助成は行わないということになれば、重度障害を持つ高齢者の命は大切にされていないのだとの受けとめになると考えるのは私だけではないと思います。部長の御所見を伺いたい。 また、第2の所得制限については一応検討の余地があるように思われます。障害を持たれていても、高収入なら生活に影響の出ない範囲の医療費の負担も当然だとの声があるからです。高知県内では圧倒的多数の方々が厳しい生活条件に置かれていますから、重度心身障害を持たれている御本人や御家族の所得制限が対象にできる方はごくわずかで、多額の削減は見込むことはできないと思います。例えば、県が試算をした特別児童扶養手当に準拠した例を見ましても、年間約1億円前後の減額となっています。 その一方で、市町村と障害児・者、御家族は、毎年毎年変動をする所得について申請をし、調査、査定をする事務が生じ、業務、事務負担が大きなものになります。北海道では、その事務費を補助対象として市町村への補助単価を1.5倍に引き上げ、新たな支出を行っています。何とも非効率な支出ではないでしょうか。 所得制限の導入は、多額の減額は不可能な上、膨大な事務処理が生じ、非効率だと思いますが、部長のお考えを伺いたい。その事務に要する事務費、職員の活動を他のサービスに振り向けることの方がより有効だと思われますが、御所見を伺っておきます。 第3の自己負担導入などは、新たな負担をもたらせるもので断じて認められません。知事は我が党の本会議質問に答えて、再三にわたり、財政構造改革を推進するに当たって社会的な弱者へのしわ寄せが起きてはならないという基本的な考え方を示しておられます。この基本的な考え方に反する方策だと思いますが、知事に御所見を伺っておきます。 これまで指摘してきたとおり、本事業の見直しは利用者本人や御家族の新たな負担になるようなものにしてはならず、本事業は少なくとも現行で継続すべきです。とはいえ、高齢化が進行する中、本県の支出額は現行の制度を仮定すると平成18年度には20億円となります。さらに、助成対象障害等級の拡大を願う声もあります。これらにこたえるためには、国における公費負担医療の拡充により、乳幼児や重度心身障害児・者医療への助成制度をつくらせることです。これまでに取り組まれている乳幼児医療費とあわせ、全国に呼びかけ国に対し重度心身障害児・者医療費助成制度をつくるよう働きかけるおつもりはないか、お伺いをしておきます。 次に、県立南海学園の今後のあり方についてお伺いをいたします。昭和26年に県立知的障害児施設として設立をされた南海学園は、年々児童の入所が減少する一方、入所者が18歳を迎えても他施設での受け入れの困難さから過齢児が増大をし、ここ数年来、障害児が30%、強度行動障害のある方を含めた成人が70%程度という構成で推移をしています。そのため、施設の実態と本県の障害者行政、保護者のニーズを踏まえる形で平成9年度から南海学園のあり方を考える会がつくられ、方向が打ち出されました。 まず、南海学園は自閉症児を中心とした施設体制をとり、16年度のスタートを行うこと、加齢化と強度行動障害者の対応としては民間法人を中心にした対応施設づくりに入り、平成15年度スタートを目指すというものです。これを受け、県として、平成12年度に県内初の民間法人による定員50名の強度行動障害者専門施設づくりに着手をし、経費987万円を計上しました。 私は、その計画について、自閉症児の専門施設を県立でつくることの重要性は理解できるが、50人定員の強度行動障害の専門施設は極めて処遇困難であり、人的配置も厚くせねばならず、民間運営は困難なのではないか、同じ敷地内に自閉症児施設は公立待遇、より処遇困難な強度行動障害者施設は民間でといった運営では職員間にもさまざまな問題が生じるのではないかなど問題点を指摘してまいりましたが、県はこの施設を県有地の無償貸与、運営費補助を行うなどの特別支援を行い民間で運営するとし、民間法人の公募と決定という手順をこの間踏んでまいりました。公募の結果、2法人から応募があり、昨年11月、選定委員会による審査の結果、社会福祉法人高知県知的障害者育成会が適当との結論が出されました。 その後、県は育成会との間で施設運営計画や整備スケジュールの協議を進めてきましたが、協議は難航、そしてついにこの9月3日、育成会から正式に、この募集条件での受諾は適切でないとの最後通告が出されたと伺っております。これまで施設の行方を心配されながら見守っていた保護者や関係者には、一体なぜなのか、今後どうなっていくのかとの不安の声が出ています。 そこで部長にお伺いをいたしますが、公募条件を理解した上で応募をしてきた法人との間での協議の結果、合意できなかった内容は何なのか、具体的にお示しをいただきたい。また、今後この計画はどう扱われるおつもりか、お伺いをしておきます。 法人の選定委員会はその報告書の中で、「強度行動障害のある人は個別的対応が常に必要であり、画一的でなく、その特性に応じた専門性の構築や体制の整備を行い、24時間体制の生活・作業指導に当たるとともに、地域生活への展開も視野に入れなければならず、現行の福祉制度のもとでの措置費や重度加算などでは、強度行動障害のある人たちに対する処遇や専門的な施設の運営には必ずしも十分でない」と、民間の力だけでは十分なものにならない問題点を指摘しています。私もこの点の指摘に大いに同感をするものです。 強度行動障害のある人の専門的な施設は本県にとって必要なものであり、処遇改善の研究や他施設との連携、また緊急一時保護のニーズにこたえられるものを民間ではなく県として責任を持って運営する必要があり、現施設でこれまでの蓄積を生かし充実した施設にすべきだと考えますが、現在、強度行動障害に対応する施設の必要性についてどのように認識をされているのか、また設立主体についてのお考えを伺っておきます。 さて、今回同時に検討がされてきた自閉症児の専門施設についても、この際伺っておきます。自閉症児についての研究は世界的にも随分と進展をし、障害の特性、発見方法、治療や援助、教育のあり方なども解明されつつあります。自閉症は先天的なもので、発生率は1,000人に1ないし2人と言われており、その数値を当てはめれば本県には約1,200名程度の自閉症の方々がおられ、毎年10人前後の子供たちが自閉症を伴って生まれてくると想定がされます。 この間の研究では、早期診断、早期療育による効果が大きく、治癒できなくとも自分たちの周りの世界を理解する力を身につけるにつれ人への対応の仕方もよくなり、目覚ましく伸びることも認められています。一方、適切な対応がおくれることにより行動障害が強くなっていくことも指摘をされており、自閉症の診断、評価、療育のシステムの早期確立が本県障害者行政の大きな課題の一つです。自閉症児の早期診断のためには、他の障害診断同様、乳幼児健診が極めて重要だと言われています。しかし、この診断が十分に行えるスタッフの確保が十分ではありません。 小児科医や保健婦等への研修の充実等、専門的なスタッフの確保と連携が図られなければならないと思いますが、現状と今後の対応をお伺いいたします。 さらに、今日、自閉的と言われる子供たちが増加をし、相談業務は保護者や保育関係者からの要望は多いけれども予約がいっぱいでニーズに対応し切れていない状況にもなっています。現在、自閉症児を含む知的障害児の療育相談事業の実施状況はどうなっているのか、お尋ねをいたします。 私は、こうした本県の実情を踏まえ、南海学園は入所機能とともに自閉症に対応するセンター的機能を持つ施設とするため、専門性の高い精神科・小児科医師、臨床心理士を配置し、診断、評価、療育相談指導を行い、同時に保健所や学校、保育所等各機関への専門家の養成のための研修や連携のシステムづくりを行う体制を持った施設として、当初計画どおり県が設立すべきと考えますが、部長の御所見をお伺いいたします。 また、ことし1月、21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議は、文部科学省に対し、会の最終報告をまとめて提出をいたしました。さまざまな提起がされていますが、自閉症児については、学習障害、注意欠陥多動性障害とともに高機能自閉症児などの実態把握調査を行い、特別な教育的支援が必要な児童生徒への対応を図ると提起がされています。この実態調査に基づき、学校ではその教育のための体制の充実が必要です。学校現場ではまだこの専門的対応ができる状況にはなく、医学的立場での研修なども充実をせねばなりません。 教育委員会はその調査について、また専門性の高い教員の配置についてどのように対応をされるおつもりか、教育長にお伺いをいたします。 次に、女性行政についてお伺いをいたします。女性の権利は人権であるとの認識と女性差別撤廃の流れは、世界の本流となっています。日本においても男女共同参画社会基本法が一昨年に制定をされ、男女平等条例が地方公共団体のレベルでも次々と制定されるなど、男女平等を実現するための取り組みが大きな広がりを見せています。本県でもこうち男女共同参画プランが決定をされ、その推進が図られようとしており、その前進を期待して知事にお伺いをいたします。 まず、計画を推進する県としての機構の問題です。現在庁内を横断する組織、男女共同参画推進本部があり、文化環境部生活女性課が事務局を担当しています。しかし、女性行政班は3名体制にすぎず、全庁、教育委員会や公安委員会にまで及ぶすべての行政を男女共同参画社会基本法の観点で見直し、積極的な提案を行い、市町村での担当窓口を確立し推進プランの策定などをリードしていく役割を積極的に担わなくてはならない部署として決して十分なものとは言えません。 全国では、男女平等推進課等、課として設置をしているのが18府県に及び、室としての設置が17都道県で、合計35都道府県が課または室として設置をしており、さらに全庁的な総合企画部門に担当課を置いているところも千葉県や滋賀県など6県に広がっています。この問題で私もたびたび質問をしてまいりましたけれど、知事は本年3月、議会の予算委員会での公文県議の質問に対し、「たとえ現状のままであっても、この組織が庁内で連携をして総合的な対応をとれるような、そういう意識と仕組みづくりをしていくことがまず必要ではないかと思っています」と答えられました。現在、本県の市町村での男女平等参画計画が策定をされているのはわずか2市、何と全国で下から2番目という低さで、体制の弱さを反映しています。 私たちみずからの取り組みも反省をしつつ、今後男女平等の視点に立った行政や運動を全庁、全県の取り組みとしていく上でも、例えば企画振興部の中に男女平等推進課を置くなど、課の名称も含めその果たすべき課題の重要性を明確にした体制の充実を求めて、知事の御所見を伺います。 また、今回提出をされましたプランの推進にとって基本となる県民の総意を構築する上で、男女平等を推進する条例づくりが必要だと、こうち男女平等推進懇話会から提言がなされています。しかし、提出をされたこうち男女共同参画プランの中には、条例について一言も触れられていません。県民からの機運の上昇を待つ消極姿勢ではなく、県としても資料提供や研修会実施など条例制定をリードしていく対応が必要ではないかと考えます。県民の中でも、女性団体による先進例の学習会の開催や、こうち女性団体ネットワークではみずからが提案するための条例の素案づくりなどに着手をしています。 こうした運動に呼応して、フォーラムの開催や先進地視察など、県として制定に向けた支援措置をとるべきだと考えますが、男女平等を実現するための条例づくりについての県の認識と今後の対応についてお伺いをいたします。 また、懇話会は、県行政全体をジェンダーの視点でチェックを行うオンブズパーソン制度の提案を行っています。本来、現在の生活女性課の業務に属する部分やこうち男女平等推進懇話会の機能と重複する部分もあります。しかし、行政内の視点にとどまったり細部へのチェック体制がとりにくいなど、弱点も持っています。ジェンダーの視点は理念的にも歴史的に新しく、専門的視点が必要とされていますから、県内の学識経験者や女性運動に携わった方々、弁護士など、機動的にチェックをし提案できる体制づくりを提案したいと思いますが、なぜ男女共同参画プランの中に盛り込まれなかったのか、今後オンブズパーソン制度について検討する必要があると思いますが、御所見をお伺いいたします。 次に、教育行政についてお伺いをいたします。まず、30人学級の早期実現について知事にお伺いをします。この課題につきましては、子どもと教育を守る高知県連絡会の皆さんが毎年10万人を超える県民の署名を添えて県議会に請願書を提出され続けておられますし、本年県教委が行った教育世論調査の中でも、小中学校教育の現状をよくするために何を行ったらよいと思うかの問いに対し、県民全体世論も、また小学、中学、高校のそれぞれの保護者も第1番目に少人数学級による学習指導を挙げていることからも、県民の切実な願いであることは明らかです。 世界的には、クラスサイズの研究が行われた結果、アメリカ、イギリス、ドイツなどの先進国では30人以下学級が主流となっています。とりわけアメリカでは学級規模と学習効果の研究が盛んで、中でもコロラド大学のグラス、スミス両教授が発表した研究成果や、テネシー州、カリフォルニア州などでは実践的にその効果が研究をされ、注目をされているところです。これらの研究の成果も受け、アメリカ政府は、クラスサイズの縮小は学力向上のために効果があることが証明をされているとして、1998年1月、クリントン大統領は一般教書で今後7年間に第1学年から第3学年の学級定員を18人にまで縮小することを明らかにし、具体化を進めています。 日本においても、国立教育政策研究所がこの6月に少人数学級を求める報告書を提出いたしました。日本教育学会は2000年3月の教員調査の報告書で、学力や心のケア、教師の指導のしやすさなど、教育効果を高めるため学級規模の標準は20人程度とすべきであるとしていますし、財界のシンクタンクの一つである地球産業文化研究所では、「小・中・高等学校での、基礎学力の充実のための改革」の中で深刻な学力低下を指摘し、20人程度の少人数クラス編制を提案しています。世界的にも、また日本でも、30人以下学級をとの声が主流となってきています。 そこで知事にお伺いをいたしますが、世界的に進みつつある少人数学級への流れをどう認識されておられるのか、30人学級のもたらす教育効果についての御見解を伺いたいと思います。 また、平成10年11月に教育長に提出をされましたゆとりある学校づくり検討委員会の審議の中でも、少人数学級への強い要望が出され、きめ細かな対応のための少人数学級が提起をされています。国が学級定数の弾力的運用を明らかにしてから、秋田県や新潟県など5県では既に小学校低学年の学級定数を30人程度にする取り組みが行われていますが、先月、山形県知事は、この二、三年の間に県内全小中学校に30人学級を導入する考えを明らかにいたしました。名古屋市では、試験的に小学1年、中学1年で各区に1校ごと30人学級を試行するなど、足を踏み出すところも出てきています。 本県でも、国の対応待ちにせず、せめて小学校1年生と中学校1年生のスタート時点からでも子供たちにゆとりある学校生活をとの県民の願いにこたえた30人学級実現に足を踏み出すおつもりはないか、お伺いをいたします。 次に、管理職の飲酒不祥事にかかわってお尋ねをいたします。去る6月に発生をいたしました片島中学校元校長による飲酒事故の事件は、県民に教育行政に対する大きな不信感を抱かせることとなりました。この事件は飲酒運転にとどまらず、校長と教頭という管理職が女性臨時教員2人を懇親会と称して居酒屋に誘い、4人で飲酒後、制止しようとした臨時教員を同乗させた上で起こした事件であり、明らかなセクシュアルハラスメントと認めることのできるケースです。 県教委は、臨時教員の立場では管理職の誘いを断り切れなかったという事情を考慮し、懲戒処分の検討となる飲酒運転の車への同乗については処分をせず、臨時教員の辞職の申し出を承認いたしました。県教委から報告のあった総務委員会では、委員から、辞職に追い込まれた臨時教員は被害者とも言える、身分の保障をすべきではないかなどの声も出されました。教員を目指す2人の女性の人生に大きな被害をもたらせたこの元校長の責任は極めて重大なものです。 ところが、7月12日、この元校長は宿毛警察署に出向き、「自分が運転していた記憶がない」などと供述をし、宿毛署は明確な否認とは判断しなかったものの再度事情聴取をするなど詳しく捜査をした結果、9月20日、元校長を道交法違反の疑いで高知地検中村支部に書類送検したとの報道がされました。 そこで教育長に伺いますが、事故後20日以上もたってからのこの供述は極めて不自然だと思います。同元校長は宿毛署において、みずからの行動についてどのような弁明、主張を行われたのか、その把握している内容を明らかにしていただきたい。 この元校長の行為は、みずからの罪を逃れ、他者に運転責任を転嫁しようとしたとも受け取られて仕方のない極めて卑劣な行為と言えます。しかも、宿毛署に出向いた際、他の中学校管理職等数名が同行をしており、彼らと相談の上なされた行為ではないかとも考えられますが、同管理職らの同行した目的、趣旨は何であったのか、明らかにしていただきたい。さきの総務委員会で私が指摘をし、県教委に詳細を調査し報告するよう求めていましたので、その結果をお示しいただきたいと思います。 自己の刑事責任を他者に転嫁しようとしたとも受け取られて仕方のない行為に協力をしたと思われる管理職教員の責任はどう考えておられるのか、教育長にお伺いをいたします。 今回の事件では、直接事件に関係をしていた管理職以外にも、事実に反した虚偽の報告を宿毛市教委に行った中学校長への懲戒処分も行われました。このような重ね重ねの行為を管理職が繰り返したことについてどのように受けとめておられるのか、教育長にお伺いをいたします。 今回の問題を受け、管理職登用のあり方について何を問題点として考え、今後どう改善を図っていこうとしておられるのか、教育長並びにこの点は教育委員長にもお伺いをいたしまして、私の第1問といたします。   (知事橋本大二郎君登壇) ◎知事(橋本大二郎君) 塚地議員の御質問にお答えをいたします。 まず、テロへの対応についてお尋ねがございました。今回の同時多発テロは、世界の平和と安全を脅かす卑劣な行為でございますので、大きな怒りを覚えますし、断じて許されるものではないと思います。午前中、谷相議員にもお答えをいたしましたように、我が国にとりましては各国との協力のもとにテロリズムのない平和な国際社会の実現に向けまして努力をしていきますことが基本になるのではないかと考えております。 次に、自衛隊の海外への派遣についてお尋ねがございました。当たり前のお答えになってしまいますが、自衛隊の活動は日本国憲法の範囲内で行われなければならないと考えております。 次に、副知事の選任に関しまして、今議会の冒頭に御提案できなかったことや先送りと報じられたことにつきましてお尋ねがございました。谷相議員にもお答えをいたしましたように、副知事の選任につきましては議会の御同意が必要でございますので、県議会の皆様の御理解をいただくことが欠かせません。しかし、県議会で過半数を占めておられます最大の会派が一致をして、今議会に提案をするのであれば否決をすると決定をされましたので、御提案をいたします前にまず御理解をいただかなければならないと考えました。 次に、吉良史子さんに副知事への就任をお願いした理由につきましてお尋ねがございました。吉良史子さんに副知事をお願いしたいと考えました理由は幾つかございますが、その一つは、本県でも副知事に女性を迎える時期に来ているのではないかということでございます。また、今回の人選では、一連の融資問題を受けまして県庁の出直しや県政改革ということが大きな課題になりますので、その出発に当たりましては、従来の県庁の視点ではなく別の視点からものを見られる方が必要ではないかと考えました。同時に、県内のさまざまな課題に対応いたしますためには、高知県の事情を知っておられます方、またそれでいて行政の仕組みにも理解のある方が必要ではないかと考えました。こうしたことが、後任の副知事には吉良史子さんが適任だと考えました理由でございます。 また、吉良さんは、葉山村の役場に入られまして以来、総務、財政企画などの担当課長を経て収入役から村長を務められたという経験をお持ちでございます。さらに、吉良さんに対します人物評や私自身の日ごろからのおつき合いを通じまして、公平で公正な判断のできる方だと受けとめております。あわせまして、100年クラブなどの委員として高知県のさまざまな課題を議論する場にも参加をしていただいておりますので、私の補佐役として今後の県政を進めてまいります上では最もふさわしい人材だと考えております。 次に、現在の局面をどのように打開して、副知事の選任議案をいつ提出するのかとのお尋ねがございました。先ほども申し上げましたように、まずは議会の御理解をいただくことが必要でございますので、そのことに努めてまいりたいと思います。また、御指摘いただきましたように、葉山村の村民の皆様のお気持ちも大切にしなければいけませんので、御理解をいただくための努力を続けました上で、できるだけ早い段階で御提案をさせていただければと考えております。 次に、参議院議員選挙での応援に関しましてお尋ねがございました。これまで、私自身が政党の推薦を受けない、いわゆる無党派の立場を貫いてまいりましたので、そうした意味から、県内の選挙には基本的に中立で臨むと申し上げてまいりました。しかし、時には政治家としてのみずからの判断に基づきまして、御指摘のような応援をすることもございました。 例えば、今回の参議院の選挙では、小泉首相の掲げます聖域なき構造改革が最大の争点になっておりました。その中には、道路特定財源の見直しや地方交付税の削減に向けての動きなど、地方へのしわ寄せが危惧されるような課題が数多く含まれておりましたので、政党の枠にとらわれず、地方の声を国政の場に伝えることのできる人材に出ていただきたいと思いました。 次に、県西南部の豪雨災害に関しまして、宿毛市の激甚災害の指定の見通しなどについてお尋ねがございました。御指摘にもございましたように、宿毛市につきましては、被害額の状況から、局地激甚災害の適用に必要な認定基準に達しますのは難しいのではないかと考えております。ただ、県といたしまして、指定を受けられない市町村の災害復旧や被災をされた方々の生活の再建に対しまして、市町村ともども全力で取り組んでまいりますことは言うまでもございません。 次に、被災者生活再建支援法の改善を国に求めるべきではないか、また支援金を含めました県独自の制度を創設すべきではないかとのお尋ねがございました。この支援制度は都道府県の拠出金が基本になっておりますので、住宅被害の程度を初め所得や年齢によりまして一定の制約が設けられております。このため、県といたしましては、いわゆる災害弱者と言われます高齢者の世帯や障害者の世帯などに対しまして、こうした制度を一定緩和する必要があると考えております。こうしたことから、そのための制度を定めまして、必要な予算をこの議会に提案させていただくことにしております。 また、平成10年にこの支援法が成立いたしました際に、5年後をめどに実施の状況などを勘案して見直しを行うとの附帯決議がなされておりますので、課題とされます点につきましては、今後知事会と国との間で協議が進むものと考えております。 続いて、重度心身障害児・者の医療費の助成制度がもたらします効果や成果をどのように受けとめているのかとのお尋ねがございました。重度の障害のある方には、長期にわたって療養を必要とする場合が多いこと、また就労の機会が限られておりますため経済的な御苦労が多いことに加えまして、御家族にとりましても精神的、経済的に御苦労や御負担が多いといった御事情があると思います。このような環境にあります障害者の方々にとりましてこの制度は、長期にわたります療養の際に安心して医療を受けられますことや、経済的な理由で必要な医療を手控えます結果、症状を重くさせるといったことがないようにいたしますことなど、重度の障害がある方やその御家族に安心して生活していただくという面で大きな効果があったと考えております。 また、この助成制度の見直しは社会的弱者へのしわ寄せが起きてはならないというこれまでの基本的な考え方に反するのではないかとのお尋ねがございました。財政構造改革を進めるに当たりまして、社会的な弱者にしわ寄せが起きてはいけないという基本的な考え方に変わりはございません。ただ、改革を進めますためには、県の事務事業のあるべき姿とはどのようなものなのかを、官と民の役割分担や市町村との役割分担、また応能・応益の原則に立ち返りました負担のあり方、さらには時代に即した効果的な行政サービスのあり方など、さまざまな側面から一つ一つ検証していく必要があると考えております。こうしたことから、あくまでも一般論でございますが、場合によりましては弱者に当たる方にも一定の御理解をいただきました上でともに負担を分かち合っていただくといった考え方もあり得るのではないかと考えております。 ただ、この制度は重度の障害がある方々の生活に直接かかわる内容でございますので、その見直しには慎重な議論が必要だと考えております。このため今後、幅広く御意見をお聞きいたします中で、県としての方向性を見出していきたいと考えております。 また、全国に呼びかけて国に対して重度の心身障害児・者の医療費の助成制度をつくるよう働きかけるつもりはないかとのお尋ねがございました。この制度はすべての都道府県で実施をされておりますが、その内容は各都道府県で異なっておりますし、現在幾つかの自治体では、それぞれの実情に合わせました見直しが検討をされております。こうした現状を踏まえまして、今後、全国知事会議や中四国のブロック会に問題提起をしてみたいと考えております。 次に、女性行政につきましての一連の御質問にお答えをいたします。まず、こうち男女共同参画プランを推進する体制についてお尋ねがございました。本県は、女性の労働力率が各年齢層で全国平均を上回りますなど女性の社会参加が進んでおります一方、家庭や地域、さらには職場での男女の固定的な役割分担意識など、なお解決すべきさまざまな課題が残されております。その意味でも、今回策定いたしました新しいプランに掲げました課題を全庁を挙げて着実に推進していかなければなりませんので、これまでの男女共同参画推進本部の幹事会のあり方を見直しまして、その時々の課題に応じて柔軟に対応できる形に改めました。 ただ、これを実行に移します際には、事務局がどの部局に属しているかということよりも組織が総合調整の機能を果たせるかどうかがまず大切だと思いますので、その点が十分に機能をいたしますように努めていきたいと思います。また、来年度に向けましては、課の名称に男女共同の視点を取り入れますなど、県民の皆様によりわかりやすいものにしていきたいと考えております。 次に、男女平等を実現いたしますための条例づくりについてお尋ねがございました。2月議会でも公文委員にお答えをいたしましたように、私は条例を制定することには決して消極的ではございません。ただ、この条例は、その目的や内容から見まして、行政主導ではなく県民参加型でつくることがふさわしいと考えております。その意味で、お話にありましたように、女性のグループや団体の皆様が高い関心を持って条例の学習をされたり、素案づくりに着手されたりしておりますことはすばらしいことだと受けとめております。 また、こうち男女平等推進懇話会でも、プランの次の課題といたしまして条例について議論をされると伺っておりますので、まずはそうした多くの皆様の御提案や御意見を承りたいと考えております。同時に、県でも、他の県の条例の内容や実効性、さらには問題点などを幅広く調査研究してまいりますので、必要に応じましてブロック単位で地域にお伺いをいたしますなど、県民の皆様の御意見をいただく場も設けていきたいと考えております。 次に、オンブズパーソンの制度についてお尋ねがございました。県の行政全体をジェンダーの視点からチェックしていきますことは、これからの県政にとって欠かせないものだと受けとめております。このため今回のプランでは、第三者によりますチェックに先立ちまして、県のすべての施策を男女平等社会の実現という視点から、まず行政みずからがチェックすることにいたしました。その際、こうした手法が、お尋ねのように行政内の視点にとどまることのないよう十分な情報の公開を行いますとともに、県民の皆様の御意見も幅広くいただきますように努めてまいりますが、必要に応じまして第三者機関の設置を含めました新しい制度や仕組みの検討も進めていきたいと考えております。 次に、教育行政に関しまして、30人学級の教育効果とその実現に向けましての考え方について御質問がございました。あわせてお答えをさせていただきます。お話にございました欧米での学級編制は、学習の場を基本としておりますので少人数の編制になっております。これに対して我が国の学級編制は、生活習慣を身につける場と学習の場という2つの機能をあわせ持つという特徴がございます。このような相違点がございますので、単純にその教育効果を比較することは難しいのではないかと思います。 一方、本県の状況を見ますと、小中学校のおよそ7割が30人以下の学級になっておりますが、それ以上の多人数の学級と比べまして学力や生徒指導などの面で教育効果に明らかな差があるとは認められません。また、小学校を例にとりますと、教員の側から見れば少人数の学級の方が指導がしやすいという利点がございますが、子供の側から見た場合には、学級の人数が多いことによって多くのクラスメートとの触れ合いがあるとか、学年や教科によりましてはチームティーチングや習熟度別、さらには教科別の少人数学習などによりまして担任以外の先生と出会える機会がふえるなど、人間形成や学習効果の上でプラス面もあるのではないかと考えております。 このように、学級編制や教員の配置は、子供たちにとってどういう形が一番よいのかという視点から判断することが大切でございますので、一律に学級の規模を決めますよりも、教科の特性やそれぞれの学校が抱える固有の課題、さらには子供たちの学習の状況など、生活の実態に見合いました弾力的な指導体制がとれるようにしていきたいと考えております。 私からは以上でございます。   (土木部長安岡健君登壇) ◎土木部長(安岡健君) 高知西南部豪雨災害について2点お尋ねがございました。 初めに、災害対策検討会についてお答えをいたします。先日の高知西南部豪雨によりまして、土佐清水市、宿毛市、大月町の海岸近くの山に挟まれた狭い地域で災害が集中的に発生をいたしました。このため、まず被災現場では道路や河川の応急工事を実施しておりますし、被災した施設で原形に復旧を要する箇所につきましては、10月下旬以降に順次予定をしております災害査定が終了次第、復旧作業の早期着手に努めてまいります。 また、改良復旧が必要である箇所につきましては、地域集落のそれぞれの形態を考慮した復旧方法、計画規模及び今後の防災対策などを河川だけではなく道路や砂防についてもあわせて検討をするために、学識経験者や国土交通省四国地方整備局の職員、県並びに地元の市と町の助役の方々を委員としました高知県西南部豪雨災害検討会を設置しまして、一昨日に第1回の会を開催したところでございます。この後、11月初旬までにあと2回の検討会を開催しまして、今後の改良復旧事業の計画を決定してまいります。 また、それに並行しまして、地元住民の方々の御意見もお伺いをし、12月初旬に予定をされております災害査定などに提案をするように進めてまいります。これらの事業採択後は、条件の整ったところから速やかに事業に着手をしてまいります。 また、今回の豪雨災害で奇跡的にとも言える死者及び行方不明者の被害が出ておりませんが、その要因を調査、把握し、それを教訓にしました緊急時の避難誘導などのソフト施策についてもあわせて検討をしていく予定でございます。 次に、被災した県道の現状と復旧の見通しについてお尋ねがございました。今回の高知西南部豪雨では宿毛市、土佐清水市、大月町及び三原村の4市町村で、県管理の国道、県道合わせまして12路線、240カ所で路側の決壊、山手の崩壊などの道路災害が発生をしました。被災直後には、一時的なものも含めまして自動車による人や物の輸送ができなくなった集落が35集落に上り、約4,800人の住民の皆様の生活に大きな影響を与えることになりました。県では、土佐清水、宿毛両土木事務所を中心に仮設道の設置や崩土の取り除きなどを精力的に行いまして、順次孤立した集落の交通確保に努めてまいりました。この作業によりまして、大半の集落が1日から3日程度で車両の通行が可能となりました。 また一方で、大規模な崩土が発生をしました箇所や河川に接する道路が流失した箇所などでは困難な作業を強いられ、土佐清水市内の県道清王新田貝ノ川線沿いの2集落への交通の確保や、県道宿毛宗呂下川口線の一部の復旧には約10日間を要しましたが、9月17日に応急措置を完了いたしました。この結果、現在では、一部に片側交互通行などの通行規制はございますが、全路線で車両通行が可能となり、地域住民の日常生活に必要な交通の確保ができております。 今後は、10月下旬から3回予定をされております災害査定を経まして、年度内にできる限りの被災箇所の復旧を行いますとともに、前段お答えを申し上げました災害対策検討会で議論をしていただく再度災害を防止するための改良復旧手法などを取り入れまして、災害に強い道づくりを目指してまいります。 以上でございます。   (農林水産部長山崎淳一君登壇) ◎農林水産部長(山崎淳一君) 西南部豪雨災害についての御質問にお答えをいたします。 このたびの豪雨では、土佐清水市や大月町などにおきまして農地や園芸用施設等に大きな被害をこうむりました。私も現地に参りまして被災状況を見、被災をされましたハウス農家の方々と意見交換を行ってまいりましたが、ビニールハウスが丸ごと流失していたり、田畑が河原のようになるなど、想像以上の被害状況でございます。そのような中で、農家の皆さんからは引き続き頑張って営農したいとの前向きなお話もございましたが、今後の農業経営に対する資金面での不安の声もございます。 このため、今議会に、施設資金については2年間、経営資金については1年間の無利子期間を設けました融資制度や、農業用施設と海岸施設に係る県営災害復旧事業に伴う補正予算を追加提案させていただきたいと考えております。 農業共済金につきましては、農家の皆さんの速やかな復旧に大きくかかわりますので、農業共済組合連合会や今回被害の大きかった四万十農業共済組合に対し早期支給の要請を行い、現在その方向で取り組んでいただいております。 農家負担につきましては、農地の維持管理は所有者、耕作者が責任とその負担を負うことが基本との考え方のもとに、市町村の負担金徴収条例などで災害復旧事業の農家負担割合が定められておりますので、復旧事業の際には農家負担が必要となってまいりますが、公庫資金の農業基盤整備資金の活用などにより、大変だと思いますが対応していただきたいというように思います。 また、今回被災されました農家に対します農業経営面での支援を行うため、現在、幡多農業改良普及センターに支援チームを立ち上げておりますので、今後の経営再建や資金面での相談、技術的な支援などについて個々の農家との話し合いを進め、それぞれの状況に合わせた支援に取り組んでまいります。 以上でございます。   (森林局長池本武広君登壇) ◎森林局長(池本武広君) 西南部豪雨対策のうち山地災害等についてお答えを申し上げます。 山地災害の状況につきましては、土佐清水市ほか3市町村で85カ所、69億4,900万円となっており、林道災害につきましては土佐清水市ほか3市町村で49カ所、3億5,400万円となっております。これらの災害につきましては、当面早急に復旧を要します箇所を中心に災害関連緊急治山事業等を活用して、速やかな災害復旧に努めてまいりたいと考えております。 また、今回の災害は、短時間に局地的な集中豪雨が発生し、大量の降水が一気に大小の渓流に集中して土壌ごと流失したことが特徴と考えております。このため、適正な間伐を実施するとともに治山工事を施工いたしまして、渓流、林地の安定を図ることにより災害に強い森づくりに努めてまいります。さらに、今回のような記録的な豪雨災害の対策のあり方につきましては、土木部とも連携して検討してまいりたいと考えております。 以上です。   (海洋局長星沢昭雄君登壇) ◎海洋局長(星沢昭雄君) 西南部豪雨災害による被災漁業者への金融支援についてのお尋ねにお答えをいたします。 今回の豪雨によりまして、養殖魚や養殖施設に約7億円に上る水産被害が発生をいたしております。中でも、福良川河口域の養殖漁場では多額の被害を受けた漁業者がおられます。県といたしましては、現地におきまして関係漁協、系統金融機関、地元市町とともに、被害を受けられました漁業者の経営状況や今後の事業計画などについてお聞かせをいただきまして、その対応策について協議・検討をしてまいりました。 今回、従前の設備及び経営のための災害対策資金制度につきまして、1つには、償還期間のうち1ないし2年間を無利子とし負担の軽減を図ること、2つには、利用できます融資機関について、漁協系統機関だけでなく一般金融機関も対象とすること、さらに3つには、経営資金につきまして育成資金の貸付限度額を1,000万円から2,000万円に引き上げることなどの見直しを行いまして、養殖漁業者の経営の継続を支援することといたしまして、必要な予算を今議会に追加提案させていただくことといたしております。 なお、来年度の漁業再開に必要な資金につきましても、漁業者の資金需要の把握を行いまして、必要な予算確保に努めてまいります。 以上でございます。   (健康福祉部長松岡寿子君登壇) ◎健康福祉部長(松岡寿子君) 重度心身障害児・者の医療費助成制度の見直しについての御質問にお答えいたします。 まず、今回の見直しの検討に当たっての基本的な認識のお尋ねがございました。安心して暮らしてまいりますためには、障害があるなしにかかわらず医療が保障されていることは重要だと考えております。特に今回のような障害のある方にかかわります見直しを行います際には、サービスを利用される側に立ちました視点はもちろん大切にしなければいけないと考えております。 また、あわせまして、サービスを利用される方々だけでなく、県民の皆様方の幅広い御理解が得られるよう議論を尽くすことも大切だと考えております。 次に、整備すべき課題についてのお尋ねでございます。デイサービスなどの他の福祉サービスにおきましては、所得に応じて負担していただくことになっておりますこと、またこの制度を利用される方と介護保険を利用される方との間に負担の公平性の問題がありますこと、また入院時の食事療養費は助成の対象となっておりますが自宅療養の場合の食事は自己負担であること、加齢に伴い出現する病気によって起きる障害についてこの制度を適用するかどうか、さらには限られた財源の中で障害者の方を対象としました今後の福祉施策の充実をどう図っていくのかといったことが想定されますが、いずれにいたしましても、この制度は重度の障害のある方々の生活に直接かかわるものでございますので、慎重な議論が必要であると考えております。 次に、高齢の重度障害者についてのお尋ねがございました。高齢の障害者の中には、高齢になってから、例えば脳卒中のような加齢に伴います病気によりまして身体に障害がある状態になられる方も多くおられます。このような場合、介護を社会全体で支え合うために介護保険制度が創設されたところでございますが、医療が必要な場合には老人医療制度によって支える仕組みとなっております。 障害者の医療費助成制度は、この老人医療費の自己負担分を県と市町村とで負担しているものでございますが、若年のときから障害がある方と高齢になってから障害になられた方とでは、一般的に言えば生活の状況に違いがあるのではないかと考えております。このため、65歳以降に新たに出現いたしました重度の障害につきましてこの制度を適用するかどうかを課題の一つとしているところでございます。先ほどもお答えいたしましたとおり、このことにつきましても幅広い御議論をしていただきたいと思っております。 次に、見直した際の事務費や職員の活動を他の福祉サービスに向ける方がより有効ではないかとのお尋ねでございました。議員のお話にもございましたように、仮に所得制限を設けました場合には市町村の事務負担や御家族の負担が新たに発生するといったことが想定されますので、所得制限を設けることがよいかどうかとあわせまして御議論をしていただきたいと考えております。 次に、南海学園の今後のあり方についてお答えいたします。まず、成人の施設の設置・運営主体となる協議先法人と合意できなかった内容は何か、また今後この計画はどうするのかといったお尋ねでございます。県では原則、強度行動障害の方を対象とした50人定員の専門的施設の設置・運営を考えておりましたが、協議先の法人との間で強度行動障害の障害程度への認識の違いや処遇方法について根本的な相違があり、合意に至らなかったものでございます。私どもといたしましては、強度行動障害の方を主とする施設としてのあり方について検討の深め方が足りなかったと思っております。こうしたことを踏まえまして、一度白紙に戻した上、再度早急に検討を始めたいと考えているところでございます。 次に、強度行動障害に対応する施設の必要性やその設置主体についてのお尋ねがございました。知的障害児・者のうち処遇に困難を伴います強度行動障害のある方につきましては、自閉症の早期療育の視点などを取り入れ、適切な処遇ができる施設が必要だと考えております。このため、再度、南海学園のあり方を含めまして、強度行動障害の方の処遇や自閉症の早期療育に係る体制の整備につきまして専門分野の方々などで構成いたします検討委員会を設けまして、施設の設置・運営主体も含めまして幅広く検討してまいります。 次に、自閉症児の早期診断に係る乳幼児健診のスタッフの確保及びその研修等の現状と今後の対応についてのお尋ねがございました。乳幼児健診は、地元の医師や保健婦等により身体や精神の発達、また栄養や生活状況など広範囲にわたる項目につきまして市町村が実施しているところでございますが、障害の早期発見には大きな役割を果たしております。健診の結果、精神や言葉のおくれなどで経過観察を必要とする乳幼児に対しましては、療育福祉センター等と連携をとりながら総合保健所ごとに乳幼児フォローアップ教室を行うとともに、保健婦により訪問指導等を実施しているところでございます。 また、これらの事業に従事する市町村や保健所の保健婦などの専門性を高めるための療育指導や発達相談に関する研修を実施しております。今後新たに、子供に直接接する機会の多い保育士にも専門的な知識を持っていただくための研修会を実施するなど、関係者の資質の向上に努めまして、障害を早期に把握できるような取り組みを進めてまいります。 次に、自閉症を含む知的障害児の療育相談事業の実施状況についてお尋ねがございました。自閉症を含む知的障害児の療育相談につきましては、精神科医や心理判定員を配置いたしました療育福祉センターにおきまして主として実施しております。相談件数につきましては、平成11年度が1,937件、平成12年度が2,589件、うち自閉症に係る相談件数は、それぞれ891件、1,055件となっております。また、南海学園におきましても就学前の児童や保護者を対象に通園事業を実施いたしまして、自閉症の早期療育に取り組んでおります。現在25名の児童が通園しているところでございます。 最後に、南海学園の今後のあり方についてのお尋ねがございました。県内には南海学園に入所されております児童を初め自閉症などの早期療育が必要な子供たちがおられますことから、療育相談や早期療育体制の充実が求められております。南海学園の今後のあり方につきましては、療育福祉センターや学校など関係機関との連携といったことも踏まえまして、先ほど申し上げました検討委員会の中で施設機能や運営主体などにつきまして幅広く検討してまいります。 以上でございます。   (教育長大崎博澄君登壇) ◎教育長(大崎博澄君) 障害児・者行政についての御質問のうち、学習障害児等の実態調査及び専門性の高い教員の配置についての御質問にお答えをいたします。 まず、実態把握調査についてでございますが、この調査には医学的な厳密性、人権やプライバシーへの十分な配慮が求められます。このため、国におきましては、学習障害児等特別な教育的ニーズのある児童生徒の全国的な実態調査の方法について、本年10月に設置されます特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議において検討をし、その結果を受けて調査を実施する予定です。本県における実態調査は、この国の検討結果を踏まえて対応をしてまいります。 また、国立特殊教育総合研究所などにおける研究成果を踏まえまして、効果的な指導のあり方を検討し、教員の専門的な指導力の向上に取り組んでまいります。 なお、学級経営上課題の多い学校につきましてはきめ細かな対応が必要と考えておりますので、対策を検討いたします。 次に、教育行政についての御質問のうち、元宿毛市立片島中学校長の宿毛警察署での弁明や主張、また宿毛署に同行しました管理職の目的、その責任などの御質問にあわせてお答えをいたします。元校長の宿毛署における取り調べ内容の詳細については公表されておりませんが、本人も事実を明確に否認した申し立てではないことから、慎重な再調査を行って書類送検にしたと承知しております。 宿毛署に同行しました中学校管理職から事情聴取をいたしましたところでは、元校長は「事故直後、頭を打っており記憶がはっきりしていなかったが、事故後記憶が戻り、思い出してみると自分が運転していなかったように思う」ということを当該中学校管理職に伝えたようでございます。その話を受けて、この中学校管理職はどう対処すればよいか専門家に相談したところ、元校長の思い出した記憶が正しいかどうか警察にもう一度調べ直してもらうのがよいとのアドバイスを得たとのことです。それをもとに元校長は警察に再調査を申し出ることになり、元校長と親しい他の中学校管理職数人が友人として宿毛署へ同行したとの説明を受けております。 宿毛署へ同行した管理職教員から事情を聴取した結果からは、再調査の申し立てに同行するまでの一連の行動をもってこの管理職教員の公務員としての責任を法的に問うまでの事実を把握できておりません。しかし、一連の行動が管理職としてふさわしいものであったのかどうかについては厳しく反省すべきであると考えております。 次に、今回の事件に関する受けとめと管理職登用についてあわせてお答えをいたします。今回の問題が学校を預かる校長によって起こされましたことは、土佐の教育改革を推進していく上からも大変重大な問題と受けとめております。県民の皆様に深くおわびを申し上げます。 今回の事件では、校長に採用した人物のこのような資質をなぜ見抜けなかったのか、また管理職としてふさわしい資質を持った適材をどのような方法で登用すればよいかなど、管理職の選考のあり方の本質にかかわる課題が提起されたと受けとめております。これまでも、その人物を見きわめる観点から管理職の選考方法の見直しを行い、登用後の研修も本年度から新たに新任用発令研修を実施しますとともに、任用1年目と2年目の研修を校長及び教頭それぞれに実施するなど、管理職としての能力の向上に取り組んでまいりました。 今後も、信頼される教育者としての管理職を登用するために、服務監督に当たる市町村教育委員会との情報を一層密にし、これまで以上に多面的な情報収集、人物評価を行うなど選考審査のあり方の一層の見直し改善を行ってまいります。 以上でございます。   (教育委員長宮地彌典君登壇) ◎教育委員長(宮地彌典君) 塚地議員から御質問がございました管理職登用のあり方の問題と今後の改善についてお答えをいたします。 教職員の採用と登用に当たりましては、どちらの場合におきましても、該当者の資質と能力を的確に把握して、十分な審査の結果、判定されなければなりません。しかし、現行の判定の仕方がそのようになっていたかというと、不十分であったことを今回の事件が物語っていると思います。 どこに不十分さがあったかと申しますと、該当者の資質の把握が十分できていなかった点です。教職員としてあるいは管理職としてふさわしい資質とはどういうものであるかをあらかじめ明らかにした上で採用、登用の試験を行い、該当者の資質がそれを満たしているかどうかを審査した上で合否の判定がなされなければなりません。人間の資質は持って生まれたものであって、採用・登用後の研修などでは改善しにくいものであるという観点から判断を行わなければならないと考えております。 もう一つ、一方の能力の方は研修や体験などを重ねることによって向上するものでありますから、教育センターで行っている集合研修や校内研修が重要です。採用・登用後でもスキルアップは十分可能です。 以上のように、資質の判定と能力の判定は異なるものであるという考えから、今後は十分に審査できる判定方法に改善をしてまいります。 以上でございます。   (39番塚地佐智君登壇) ◆39番(塚地佐智君) それぞれ御答弁をいただきましてありがとうございました。 女性行政の推進に向けましては、これまでとは少しトーンの違った、課の名称も含めまして検討をしていただだき、推進の方向を条例づくりも含めて進めていただくというお答えもいただいておりますので、ぜひその方向で推進を図っていただきたいと思います。 時間もございませんので、幾つか再質問をさせていただきます。 まず最初に、30人学級の問題です。知事の御答弁で、知事は30人学級の成果について、これは諸外国と日本の制度が違っているのでその効果については十分に証明されていないのではないかというお話でしたけれど、この間の調査結果は外国の調査例にとどまるものではありません。 例えば、このきょうお持ちしております、またお渡したいと思いますけれど、国立教育政策研究所の初等中等教育部長が研究者代表として出しました国内版第2次報告の最終報告書というのがつくられておりまして、この中でも少人数学級というのがいかに効果があるのかということが具体的に証明をされています。その証明の中身、例えば少人数クラスにした場合に子供たちの学習意欲が高まっていること、そして児童生徒に個別の対応ができるため、先生からの画一的な教育ではないものが実現をできるといったメリットも含めて具体的に出されておりますし、日本教育学会の検討事項の中でもその研究結果は明らかになっておりますから、ぜひそのことも参考にしていただいて、30人学級の推進の方向を目指していただきたいと思います。 とりわけ、小学校の1年生、それから中学校の1年生という義務教育のスタートの時点、ここの時点では少人数学級で子供たちが本当に安心してスタートができる体制というのをぜひともとっていただきたい。これは私どもだけでなくて、本当に県民の広い立場の方々からの切実な願いになっているわけです。全国的にも取り組みが始まっている事例でもありますので、県としてもせめてこの段階からスタートができないかという点について検討をしていただきたいので、この点は再度知事の御答弁を求めたいというふうに思います。 それともう一点、先ほどの教育長の御答弁で片島中学校の元校長の飲酒運転にかかわる問題ですけれど、元校長が7月12日に、記憶がなかったと、定かでないと言って出頭した問題についての答弁で質問をさせていただきます。先ほど議場からも失笑が出ましたけれど、この弁明は全く納得のいくものではないというふうに思いますが、この出頭に当りまして、同行した管理職等は当日年休をとって参加をされておられたのでしょうか。まずそのことはお伺いをしておきたいと思います。 それともう一点、これは健康福祉部長にお伺いをいたしますが、さきほど重度心身障害児・者医療費助成制度の問題について私も議論をさせていただきました。私は基本的にこの制度を見直すべきでないという立場で議論をさせていただきましたが、知事の御答弁の中でも、討論の結果、弱者の方にしわ寄せがいく可能性もあるという大変残念な御答弁をいただいたところですけれど、今回のこの議論は、私は本当に広い範囲から聞かなくてはなりませんし、真摯に耳を傾けなくてはならない課題だと思います。 どういった範囲にどのように意見の聴取を行って、いつ結論をお出しになるおつもりなのか、そのことを改めてお伺いしておきます。 私の第2問を終わります。    (知事橋本大二郎君登壇) ◎知事(橋本大二郎君) 塚地議員の御質問にお答えをいたします。 30人学級についての再質問でございましたが、私もきめ細かな教育や指導体制が子供たちにとってよいことだということを否定しているつもりはございません。また、御指摘のあったようなさまざまな調査研究の結果はまたぜひ勉強をさせていただきたいと思います。けれども、そうしたきめの細かい指導をするということを考えましたときに、ただ単に一律に学校の学級の規模を縮めるということよりも、先ほども申し上げましたようなさまざまな柔軟な対応をとった方が、例えば今の国の仕組みというようなことを前提にした場合にはむしろ子供たちのためになるような形が、仕組みがつくれるのではないか、そういう認識を先ほど申し上げました。今後とも、30人学級の問題を真剣に考えていくということは私も同じ気持ちでございます。 なお、先ほどこの御答弁の中で「弾力的な指導体制がとれるようにしていきたいと考える」というふうに申し上げましたが、これは少し教育長さんの権限に触れる表現でございますので、この部分は「弾力的な指導体制がとれる形がよいのではないかとこう考えている」というふうに改めさせていただきたいと思います。 あわせて、御質問ではございませんけれども、重度の心身障害児・者の医療費の助成制度に関しまして、結果的にしわ寄せがいくという答弁があったという御質問がございましたが、あくまでも一般論として、さまざまなことを検討したときに、そしてしかもその弱者の皆さん方も一定御理解をいただく、つまりこれはしわ寄せではなくてみんなで負担をすべき課題だというような御理解がいただけるというようなことも前提といたしましたときに一定のいろんな御負担をいただくということが、この問題に限らず一般論として今後検討されなければいけないのではないかという趣旨を申し上げましたので、少し回りくどい表現になりましたけれども申し添えておきたいと思います。 以上でございます。   (教育長大崎博澄君登壇) ◎教育長(大崎博澄君) 再質問にお答えをいたします。 同行した管理職が年次有給休暇をとっていたかどうかということにつきましては、当然とっていたものと私は思っておりますが、確認を、まことに申しわけありません、よういたしておりませんので確認をさせて、また御報告をいたします。   (健康福祉部長松岡寿子君登壇) ◎健康福祉部長(松岡寿子君) 重度の心身障害児・者の見直しについての御質問でございまして、今後どのような方に聞いていくのか、またいつごろその結論を得るのかという質問でございました。 まず、だれに聞くかということでございますが、今議会も議員さんにお尋ねをしておりますし、障害者の団体、さらには事業の実施主体であります市町村などから聞いてまいりたいと思います。せんだっても県の障害者施策推進協議会にもお聞きしたところでございます。その中にも、社会福祉協議会のソーシャルワーカーさんもおられたり、福祉の専門家の方もおられます。また、それぞれの障害の団体の方もおられます。これらの意見が最終的に出ましたら、例えば私どものホームページにこういう意見がありますということなども出して、広く県民の方にも御意見もお伺いしたいというふうに考えております。 また、結論をいつということでございますが、知事の答弁にもございましたように、障害のある方々の生活に直接かかわるものでございますので慎重に議論をしていきたいと思っておりますので、いつということはまだ、結論をいつ出すというふうなことはまだ決めておりません。十分議論をしたいと考えております。 以上でございます。  (39番塚地佐智君登壇) ◆39番(塚地佐智君) それでは3問を行いたいと思います。残りが2分しかなくなりましたので簡潔に申し上げたいと思います。 まず、教育長の御答弁ですけれど、年休をとっていたかどうか調査をされていないということでしたのでそれは明確にしていただきたいと思いますが、年休をとっていても私はこの事件は問題、とっていなかったらさらに問題だというふうに考えております。こうした、御本人が運転をしていなければ相手の1人しか乗っていない臨時教員さんが運転をしていたということになる状況なんですね、この問題は。私は、こうした管理職の方の今回の行為というのはさらに問題を重ねる事態をつくり出したというふうに思っていますから、その対応について今後とも厳正を期していただくようにお願いをしておきたいと思います。そして、これからこうした管理職登用を本当に真剣に行い、高知県の教育の信頼の回復に全力を尽くしていただきたいと思います。 また、知事の御答弁ですが、少人数学級がきめ細やかな教育ができて効果を否定するものではないとおっしゃいましたので、さらに小学校1年生、中学校1年生というところでのスタートは、なおその教育効果が生かされる状態でスタートができるということのために、県政としては御努力をいただきたいと思います。 とりわけ、少人数学級が、今の日本のこの教育体制の中において、授業ではなくてクラスとして少人数になることが効果があるという研究も出ています。引き続いて勉強もしていただけるという御答弁でございましたので、またぜひその方向での御検討をお願いしておきたいと思います。そこはしつこいようですが、再度その点は御答弁いただけますでしょうか。 それと今回、小泉内閣が今、臨時国会で審議をされております平和の問題、それから地方にしわ寄せをもたらせる問題、また弱者に対してのさまざまなしわ寄せをもたらせる医療の改悪、本当に厳しい国の政治になってきています。地方の声をどれだけ真剣に国政に届けて、そしてこの高知県民の生活を守り抜くかということが問われていると思いますので、知事自身も大いに国に対しましてこの県民の皆さんの声を存分に発揮していただいて頑張っていただきたいというふうに、小泉内閣に対する知事の姿勢を明確にして頑張っていただきたいというふうには思っております。 以上をもちまして、私の一切の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手)   (知事橋本大二郎君登壇) ◎知事(橋本大二郎君) 塚地議員の再質問にお答えをいたします。 私は、きめ細やかな教育が子供たちのために効果を上げるということは否定をしないということを申し上げたので、少人数学級とそのきめ細やかさがという文脈で申し上げたわけではございません。きめ細やかさという中にはチームティーチングでございますとか習熟度別、さまざまな手法があるのではないかと。今の国との関係、仕組みの中ではそうしたものを柔軟に取り入れていくことが、まず子供たちのためのきめ細やかな教育のためには必要なことではないかという認識を申し上げました。 ただ、30人学級の問題も含めて、子供たちのためにどうあるべきか、学問という意味での成果、また生活指導という面での成果、何が一番やっぱり子供たちのためになるのかという視点で考えていくことは、これまでもこれからも当然のことだと思いますので、今お話しのあったようなことは十分、また今後とも研究、勉強をしていきたいと思います。 以上でございます。 ○副議長(森雅宣君) 暫時休憩いたします。   午後2時57分休憩---------------------------------------   午後3時17分開議 ○議長(東川正弘君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 28番朝比奈利広君。   (28番朝比奈利広君登壇) ◆28番(朝比奈利広君) お許しをいただきましたので、清流会・公明を代表いたしまして質問をいたします。 去る9月11日、アメリカ合衆国で発生した大規模な同時多発テロは、人類全体の共通の願いである自由と平和、そして民主主義に対する重大な挑戦であり、断じて許すことのできない行為であります。犠牲になられました方々に対し、心から哀悼の誠をささげたいと思います。 さて、このたびの高知県西南部豪雨災害により被害を受けられました方々に対しお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い完全復旧により平穏な生活が確立されますように、心からお祈りをいたします。今回の復旧に当たり、多くのボランティア活動が被災者の復旧への意欲向上と大きなエネルギーとなりました。敬意と感謝を申し上げたいと思います。 さて、橋本知事就任後、予算の編成に当たっては費用対効果を徹底し、その執行に当たってもより慎重に対応してきたところであります。そうした厳しい対応をしながらも、特定の協業組合に対する不正な融資を行い、さらに協業組合の経営が困難となると県単独によるいわゆるやみ融資を行って、県政に対する県民の信頼を大きく失墜したのであります。この県単独融資の内容説明に当たり、予算の知事査定の場で担当部長の説明を遮り、知事に十分な説明を行わず、副知事の職権で事務の執行を行い、さらに別件融資についても副知事が主要な役割を果たし、財政当局や知事が反対すると出納長が金融機関に対し念書を差し入れ、金融機関に対して多大の迷惑をかけております。この件について、何ゆえこのような不当な行政行為を行ったのか、100条委員会や知事の責任による調査でも明らかになっておりません。 一連の融資に関しては、高度化資金、県単融資については司法手続により刑事事件として起訴されて公平な法の裁きを受けることになっておりますが、別件の念書による融資未遂の件については捜査の進行中であります。一連の事件の公判が既に始まっております。元県幹部職員の無責任な証言を聞くにつけ、私自身、100条委員会は一体何をしていたのか、その責任を痛感するところであります。知事は行政運営に当たり、職員の意識改革を強く求め、公平・公正な執行を基軸としていますが、肝心かなめの副知事や出納長は命令に反した行動をしたことになります。時局から考えても上意下達の時代は過去のものとしても、副知事や出納長が県政運営の主要な部分について知事と十分協議が行われていたかどうか。 また、いずこの方向に流されるか不安であります。知事が選任し、議会の議決を経て任命した副知事、出納長6人のうち5人までが任期を残して退職するなど極めて異例のことであり、その責任は重いものがあります。特に、地方自治法上、副知事を選任する際には知事の提案に同意するか否かの権限は議会に与えられているものの、辞任については権限は及ばないところにあります。しかし、同意する以上、議会は県民に対して重大な政治責任を果たす義務があります。副知事は、知事の補佐役、事務方のトップとして県行政遂行上のかなめとなるポストであり、任期途中にころころと入れかわるべきポストではないのであります。知事は、真に副知事としてふさわしく、かつ任期を全うできる最適の人物を選任しなければならない義務を負っているのであります。 率直に申し上げるならば、知事に対して、過去における県民の圧倒的な支持から10年を経過した今、橋本県政の政権基盤は相当弱体化したという声を聞くのであります。また一方では、政治家は一時の人気、声援で支えられるものではなく堅実な政策を真摯に遂行することが大切である、高知県政の長年にわたるあしき慣行やしがらみを排し政策変更の決断による改革などは高く評価をされておりますし、また橋本知事でなければ改革はできないという意見もあります。 知事に対する厳しい批判と期待がある中で、ようやく県庁の最高幹部である庁議、調整会議のメンバーは県政改革に向けた取り組み体制を立ち上げました。県庁という組織に今なお潜んでいる体質を改めて改革に取り組み、県民の信頼回復に努めるという新たな決意が確認をされております。知事は、残された任期中、県民の目線から見て安心と信頼のできる責任体制の確立ができたと県民から評価される県庁組織の立ち上げを急ぐべきと考えるが、知事の御所見をお伺いいたします。 また、先刻来、副知事の選任について質問があり、知事も答弁をされました。最大会派の同意が得られないということで今議会の提案を見送ったのでありますけれども、副知事がいないということは知事の政治行動にも制約があるし、また事務方のトップの不在は各部長の仕事が停滞する可能性もあります。できるだけ早い時期にという抽象的な答弁がございましたけれども、そういうことを含めますと、会派の理解を得て臨時議会を招集してでも同意議案を提出するおつもりがあるかどうか、お伺いしておきます。 さて、新聞報道によりますと、モード・アバンセの詐欺事件の裁判において先日、元商工労働部長が証人として出廷し、この高度化事業について、「部内では事業を不安視する声が多かった。届け出時点で償還見通しや自己資金の確保など問題があるという認識は部内の皆が持っていた。正直、私も大丈夫かなと思った」などと100条委員会での証言とは全く違った証言をしており、また安原被告側は、「安原被告は部落解放同盟と県庁の築き上げた舞台で踊らされた一人の役者にすぎない」という主張もしております。私は、この記事を読む限りでは、当時の県幹部に対して背任性というものを強く感じるところであります。このような安易な考えで何十億円もの県民の税金が使われていたのかと思うと、むなしさと怒りを覚えるのであります。 これらのことを踏まえて、特定の協業組合に対する高度化資金、県単融資の回収の見込みと今後の対応について先ほど知事から答弁がございましたけれども、今後の責任問題を含めて御答弁を願いたいと思うのであります。 次に、小泉内閣は、平成16年度を目標に、あめとむちをもって全国3,200市町村を1,000程度にするという政策目標を掲げております。憲法で保障された地方自治、さらに地方自治法に定められた地方自治の尊厳の精神から考えても、国が一方的に市町村合併を強要する政策は遂行すべきではないと考えるのであります。 しかしながら、県下の市町村の財政状況を検証してみると、平成14年実施の第57回国民体育大会の開催に当たり、市町村が実施する競技施設整備費の総額は約412億円となります。このうち、補助金及び交付税措置分を除いた一般財源として市町村が負担する総額は約160億円で、後年度負担となってまいります。このため、起債制限比率を極端に押し上げる大きな要因となってまいりまして、加えて市町村財政を支えてきた地方交付税の削減は、弱小自治体に対しては既に始まっております。さらに、14年度より10%以上の削減を計画しており、これが実行されますと、各自治体とも義務的経費のみで普通建設事業や政策的に投入できる財源が乏しく、みずから行財政の徹底した見直しを迫られ、まさに市町村存亡の危機に直面をしているのであります。 知事は、今議会の説明要旨で、「県内のすべての市町村が7つのブロックに分かれて、合併問題の議論を深めますための勉強会を立ち上げることになりました。地域で合併に向けての機運が高まりました結果、主体的な取り組みが出てまいりましたときには、県といたしましても直ちに重点支援地域として指定を行いますとともに、支援本部を設置しまして部局の枠を超えた全庁的な支援を行ってまいります」と述べております。 しかし、国、総務省自治行政局は平成13年3月19日付で、都道府県においては平成13年中のできるだけ早い時期に知事を長とする全庁的支援体制を設置するよう呼びかけております。その結果、9月14日現在、36府県が市町村合併支援本部を設置しております。今や市町村合併問題は県政上の重要課題であります。知事を長とする支援本部をいつ設置しようとしているのか、知事にお伺いをいたします。 次に、市町村合併・広域行政検討委員会より提案された内容によりますと、合併の方向は従来の広域圏構想を軸として海岸から山岳までの縦割り方式とも言える手法でありますが、個性ある活性化を求めるならば、既に他県で提案されている中山間を中心にした県境を越えた合併も視野に入れるなど、長期的な視点を配慮した構想も必要かと考えるが、企画振興部長の答弁を求めます。 次に、国の指針である人口30万人構想を単純に当てはめますと、本県が3市に統合される計算になります。人口の少ない地域の市町村合併をどのように進めようとしているのか、また地方分権の思想を軸とする進め方について、ただ国の方針に迎合することなく、県としてその方策について国に対して具体的に提言していくべきと考えるが、その対応について部長の答弁を求めます。 市町村合併問題は、首長や議会で慎重審議をすると同時に、納税者の意思をどのように吸収し反映していくのかが目的達成の重要なポイントになると考えます。住民参加を促し、開かれた議論を積み重ねることにより、新しい地方自治の確立のための具体的な取り組みについて部長の御所見をお伺いいたします。あわせて、今後の市町村合併問題に対する具体的なスケジュールについてもこの際、お伺いをしておきます。 次に、21世紀の大改革として市町村合併を推し進める県の立場から考えますと、当然、都道府県合併も議論の対象としないと住民の理解が得られないと考えます。政府の地方制度調査会は、10月から都道府県、市町村の抜本見直しに着手し、自治体の規模に応じた役割分担を求める経済財政諮問会議の基本方針に基づき、道州制の導入や都道府県の合併、人口の少ない町村の権限縮小を2年かけて検討するとなっております。市町村合併の進展を見つつさらに行政を効率化し、経済活動を住民生活の利便向上につなげる方針であります。 また、平成17年3月までの時限法で、市町村合併の帰趨を慎重に見きわめながら、道州制論、連邦制論、廃県置藩論など、都道府県と市町村の2層の地方公共団体から成る現行制度を改める観点から各方面においてなされている新たな地方自治制度に関するさまざまな提言により、改めて検討を深めていくと提議されております。また、同会議では、こうした連携事業の推進に機動的に対応するため、あらかじめ当初予算に各県から一定規模の4県共同事業費を計上することを検討するとの合意もなされております。 四国知事会議では、四国は一つであるという認識に立って4県の連携についての合意事項を決定し、四国の国際観光の推進、共同の舞台芸術公演等の文化事業の実行に向けた協議が行われております。また、同会議では、こうした連携事業の推進に機動的に対応するため、各自があらかじめ当初予算に一定規模の4県共同事業費を計上することを検討するとの合意もなされております。今、国では聖域なき構造改革という言葉が踊り、中身が示されていない状況の中で、この4県の小さなアイデアがやがて府県制度を改革するエネルギーになる可能性を秘めております。 いずれにしても、市町村合併が相当程度進み、住民に身近な自治体としての市町村の行財政機能は大幅に向上し、従来の県の事務事業はほとんど市町村で実施することが可能になった場合、都道府県をその規模に見合ったものに再編する方針であります。ついては、四国共通の課題を共有して社会資本整備を促進し、限られた資源の有効配合によって四国の底上げを行うことを基本にした四国州制の実現について知事の御所見をお伺いいたします。 去る9月6日の豪雨被害につきましては、重複を避けて次の点についてお伺いをいたします。豪雨は、9月6日午前2時より3時にかけて最も多く雨が降ったとされておりますが、水防本部の1号配備は午前3時、次いで午前7時30分に高知県災害対策本部が設置されております。未明には集落が浸水し、近隣や消防団関係者による献身的な行動により人命救助がなされておりますが、真夜中での災害とはいえ、災害対策本部の設置の時間は適正であったか、また反省点があれば総務部長の御説明を願いたいと思います。 次に、今回の災害では、人的被害を免れたことは幸いでありました。調査報告によると、人命救助者64名で、うち避難誘導9名であります。今後の災害避難に生かすため、だれがどのような方法で救助したか、また避難訓練にどう生かしていくか、あわせて総務部長にお尋ねをいたします。 次に、道路や橋梁等、公共事業で災害復旧可能な施設は問題ないにしても、公共災害復旧事業に採択されない小規模工事については県単事業の適用が必要となります。その対応についてどのようにお考えか、土木部長にお伺いいたします。 次に、障害者や体の不自由な方、子供たちの心のケアについてはどのように対応していくのか、健康福祉部長の答弁を求めます。 次に、高価なハウスを利用した施設園芸は大変被害が大きく復旧は大変困難だと指摘もありましたが、先ほど答弁がございましたけれども、現在までに積み重ねております負債、そういうものを含めた資金支援が必要だと思いますが、担当部長の御答弁を含めてお願いを申し上げます。 次に、養殖漁業に対する救援対策と漁港の復旧対策についてでありますけれども、これも先ほど答弁がございました。ただ、養殖漁業の実態を見てみますと、ここ数年、ブリ、マダイ、シマアジなどの主な宿毛湾の養殖漁業は生産原価が魚価の80%を超えているという厳しい状況であります。したがって資金繰りも大変苦労されているようでございますから、そういうものを含めて復旧対策を講じていただくようにお願いをしておきます。 次に、今回の西南の集中豪雨による教訓で、現状の中小河川では災害に対応し切れないということで、県は国土交通省と河川のあり方について協議を開始いたしました。県が管理する県下の河川は663カ所ありまして、県単独の河川改修費は年9億9,900万円であります。1カ所を平均いたしますと150万円であります。河川の大小もございますけれども、この数字を見る限り、災害復旧工事を除き、改修工事は進んでいないのが実情であります。河川に雑草が茂り、また農耕用の頭首工が至るところに設置されているため土砂が堆積して住家にも被害が出るなど、住民の不安と不信が増幅をされております。 そこで、河川に堆積した土砂のうち建設資材に利用可能なものについては砂利採取業者に依頼すれば無料で採取ができ、安全を確保できますが、その許可はできないということであります。予算を投入して改修が可能になった場合でも、建設資材に使用できる土砂でも埋め立て用に捨てられるなど、貴重な資源が失われております。採取許可をしない理由は、過去における砂利採取をめぐるトラブルのため現実的な対応ができないということであります。極めて厳しい財政状況下にあり、県単事業は削減され、予算がなければ、新たな視点に立ち検討するべきであります。河川を守るということは、人の命を守るという重大な使命を持っております。河川災害を最小限に防ぐため、堆積した土砂の取り除きについて土木部長の新たな決断を求め、御所見をお伺いいたします。 次に、高速道開通と地域開発について質問をいたします。平成14年に、よさこい高知国体の開催に合わせて四国横断自動車道が須崎市まで開通することになります。高速道の果たす役割は、広域交流連携の確保、地域開発、新たな産業の振興による雇用の拡大などが期待されるところであります。須崎市までの開通を見込んで土佐市インターチェンジ付近に大規模な流通団地設置構想を計画しておりましたが、調査の結果、全面的な用地買収が不可能とわかり、撤退を余儀なくされております。その後、この失政を恐れたのか、流通団地構想を初め、高速道開通に伴う産業振興プランは検討されていないようであります。土佐市は、古来より水資源に恵まれており、工場立地には大変適しております。地元、市とも協議し、土佐市インターチェンジ付近に高速道の利活用の新たな構想を立てるべきと考えますが、商工労働部長の御所見をお伺いいたします。 次に、須崎市では、本年9月議会に企業等誘致促進条例を上程し、新たな企業誘致の体制を整えようとしております。昭和30年代には高知県の企業誘致第1号としてセメント工場を誘致、その後、石灰石の搬出工場、弱電気メーカーの誘致による雇用の拡大と、それらの企業の事業拡大による地域経済の活性化、雇用の拡大に寄与してまいりました。しかしながら、近年の構造不況によるリストラにより、従業員数も当初の半数以下に低迷をいたしております。さらに、須崎港湾の利活用のため県が政策的に推進した地場産業としての製材業についても、不況の荒波をかぶり、倒産、廃業するなど極めて厳しい状況であります。このため須崎市では、企業等誘致促進条例を抜本的に改正し、誘致体制を整えようとしております。 県の企業誘致に実績を持ち、意欲的な部長が就任いたしました。県としても企業誘致の条件整備を行い、高速道開通に合わせて須崎港湾を活用できる新たな企業誘致の積極的な推進を望むものでありますが、商工労働部長の御所見をお伺いいたします。 次に、農業政策についてお伺いをいたします。過日、園芸連は13園芸年度の販売額を688億円と発表いたしました。10年度までは800億円を維持し、11年度に700億円台となっております。一方、人件費は横ばいとしても、資材等経費は増大し、ある地域では個々の農家の経営は赤字もしくはそれに近い農家が50%近くいるという極めて厳しい状況であります。 園芸連では、14年度の販売目標740億円を設定しており、これらの目標達成のための事業方針として、生産供給力、出荷販売力、マーケティング機能、経営管理の強化を4本柱に、生産品質の確保向上と営農支援、農家、農協、園芸連の系統共販の強化と県共計システムの再構築を決定しております。14園芸年度の販売目標額は組織の決定としての評価をするとしても、県として関係機関との連携は特に重要と考えますが、740億円という園芸連の目標達成に向けて県としてどのような対応をされるお考えか、部長の御所見をお伺いいたします。 次に、農業構造改善事業で整備した複合経営促進施設についてお伺いいたします。構造改善事業は、農業構造の変革の担い手となる経営感覚にすぐれた効果的かつ安定的な経営体を育成するために、近代的な耐久力のある施設を設置して安定した地域農業を確立することを目的とされたものであります。このうち複合経営促進施設は、これらの目的を達成する上でかなめとなる経営規模の拡大、経営の複合化を促進するための施設として補助対象にしたもので、担い手となるべき認定農業者等の育成と安定した地域農業を確立することを定めております。 複合経営促進施設を整備する場合に重要な課題と考えておりますことは、受益戸数が原則として1作目ごとに3戸以上必要とされることであります。例えば、須崎市の団地では14戸をもってこの事業を導入しております。当然、要件は満たされておりますが、ところがこの団地での栽培品目は3人以上で同一品目を作付することが条件とされております。したがって、病気の発生による作目の変更、収益性の低下などの問題が生じても、自由に作目の変更ができなくなっております。特別の場合には一部弾力的な運用が可能とはいえ、価格を例にとれば、花卉、クジャクアスターなどは当初坪2万円の収益があったものが現在1万円となるなど大変厳しい価格変動に遭遇をしており、経営の継続が困難視されている現状であります。 ついては、10年以上の長期にわたる事業実施上の要件の達成には苦難が予想されております。一団地内で定められた作目については3戸以上という制約を緩和し、各自が自由に作目を選択できるような改革を望むものであります。価格変動の激しい実態から、また長期にわたる借入金の返済等、課題は山積しておりますが、条件緩和方策について部長の御所見をお伺いいたします。 次に、県農協中央会、県農政会議より県への14年度の重点政策として、農業振興、生活向上に関する要望書が提出されております。重点項目として、青果物、畜産、地域振興関係など当面する重要課題であります。農政の推進について県は、関係団体と連携を密にして積極的な取り組みを行い、部長の行動力による対話の中から経営感覚にすぐれた自主的な農業経営者への転換、売れる農産物づくり、環境保全型農業の推進、また中山間地域の農業振興などを重点的に実施し、農業を取り巻く厳しい環境を克服する施策を実施してきたところであります。 そこで、今回は要望項目のうち県単独品目野菜価格安定事業の充実と強化についてお伺いいたします。野菜価格安定対策事業は、対象品目の限定と出荷時期の制限が課せられております。例えば、県産の基幹品目である施設ピーマンは、6月15日までが価格補償が受けられる期限とされております。 しかしながら、本県の栽培実態から施設ピーマンはそれよりも長期に及ぶため、また小ネギにあっては4月末日まで、ピーマンは6月30日までを対象に、県単独制度により補完をしてきたところであります。小ネギについては単価が不安定となる3ないし4月に出荷するものを対象としておりますが、これらは極めて重要な品目であり、維持すべき重要な制度でありますが、農業経営は一段と厳しさを増している現状を踏まえて、農家の生産意欲の向上と経営の安定のためきめ細かな施策として実施してきたところであります。県単独品目野菜価格安定事業について、そのともしびを消すことなく14年度以降も継続すべきと考えるが、部長の御所見をお伺いいたします。 次に、屠場経費に係る農家負担増の軽減措置についてお伺いいたします。社団法人高知県中央食肉公社の運営を正常化するとともに、農家の再生産意欲を高め本県畜産を振興するため、屠場経費に係る農家負担の増加に対する支援措置を講じること、さらに畜産振興の将来を考え、県内の食肉センターの適正配置について県として積極的な行政指導を行うことが求められておりますが、部長の答弁を求めます。 次に、狂牛病についてお尋ねをいたします。近年、国民的な健康志向から、農畜産物に対する消費者の安全性を求める意識は急速に高まっているところであります。農林水産省の食に関する消費者意識に関する調査を見ましても、食品の安全性に対する関心が強いとの回答が94.8%と、実に多くの国民が食品の安全性に強い関心を持っていることがうかがえます。この傾向は、生鮮食品であります食肉にあってはさらに多くの関心が寄せられているところであると思います。 このように多くの消費者の食に対する関心が高まる中で、去る9月10日、千葉県下において日本で初めて狂牛病の疑いがある牛が発見され、9月21日には英国の検査機関によって正式に狂牛病と診断をされました。この狂牛病関連のニュースは連日のように報道されており、9月16日にはNHKの特別番組でも、英国における狂牛病の発生を中心に1時間近くにわたって放映をされたところであります。この番組は、多くの県民の方々が視聴したことと思われます。私もその一人であります。 狂牛病は、1986年に英国で初めて発生が報告された牛の病気でありまして、同国内ではこれまでに約18万頭の牛に発生が認められております。また、新たな感染を防ぐために、発症した牛を含めて約20万頭が処分されたと聞いております。近年は、フランスやドイツというような英国以外の国でも発生があり、OIE--国際獣疫事務局の調査によると、EU諸国において毎年2,000頭を超える規模の発生が報告をされていると聞いております。 狂牛病の感染の原因は、狂牛病に感染した牛の脳や脊髄、眼球などを含む肉骨粉を飼料として他の牛が摂取することにより感染すると言われており、また人については、これらの感染した牛の肉を食べることによって感染すると言われております。英国におきましては、この病気の感染によりまして1995年からこれまでに百余名の方々の死亡が確認をされ、大変大きな社会問題となっているところであります。このようなときに日本での狂牛病の発生は、多くの国民、県民にとって大きなショックであり、また大きな社会問題となっております。食肉、とりわけ牛肉の安全性についても多大の心配がされているということであります。 そこで、このたびの狂牛病の発生以来、県内の畜産農家に対してどのような調査と指導を行ってきたのか、県の最高責任者である農林水産部長にお尋ねをいたします。 あわせて、県内で処理されている食肉について、どのような検査体制で安全性を確保してきたのか、また今後はどのような検査体制を強化していくのか、健康福祉部長にお尋ねをいたします。 牛肉の消費は順調に伸び、国民1人当たりの消費量は年間約8キログラム程度と言われておりますが、その一方で国内の生産量は年々減少し、農林水産省の需給調査では、平成12年度に国内生産量は約33%となっており、残る67%、約74万トンを輸入に頼っているということであります。本県におきましても全国と同様な状況でありまして、消費量の多くが輸入肉や県外産であることを聞いております。消費者にとりましては、これらの多くの県外から入ってくる肉につきましても、その安全性について不安が募っているところであります。 この重要な問題に対して、去る9月20日の参議院農林水産委員会で農林水産大臣は、狂牛病に感染の疑いがある牛が焼却されず肉骨粉に処理された問題で、「点検と確認を怠った。責任者として危機管理意識に欠けていたと言われればそのとおりである」と、極めて無責任な許すことのできない発言をしたと報道されております。千葉県では22日、県内すべての家畜に肉骨粉を使わないよう指導することを決め、25日には秋田市、和歌山市などが小中学校の給食に牛肉を使わないことを決定いたしております。 そこで、本県の行政指導の範囲の中には入らないわけでありますが、県外から入ってくる牛肉の安全性について健康福祉部長に御見解をお尋ねいたします。 なお、狂牛病は一般の伝染病のように牛から牛への伝染はしないとお聞きしております。また、感染牛の脳や脊髄、眼球等を口から取り入れない限り人への感染はないと言われておりますが、狂牛病の一日も早い清浄化は、国民、県民の切実な願いであります。そのためには、まず感染経路の徹底した究明が何よりも重大なことであり、あわせて家畜防疫と検査体制の強化が必要であると考えます。原因の究明は国を挙げて取り組んでいると聞いておりますが、県内における今後の家畜防疫等への取り組みについて農林水産部長にお尋ねをいたします。 次に、地域経済から見た公共工事のあり方についてお尋ねをいたします。本県の社会資本の整備状況は、道路を初めあらゆる部門で全国のそれと比較をして大きく立ちおくれていることから、今後地方分権が進み地域間の競争が激しくなってくる中で、超高齢化社会を間近に控え投資余力の低下が予想されることを考えると、今この時期に共通のスタートラインに立つためのあらゆる努力が必要であります。とりわけ、現在の厳しい財政事情のもとでは、より効率的、効果的に社会資本を整備し、限られた財源、資源を最大限に活用して後世に良質な社会資本ストックを残していくための工夫、努力が必要であることは論をまたないところであります。 県は社会資本の整備・維持者として、県民にかわり、県民の利益のために県民の税金を原資とする公の資金を使って公共目的の施設を建設し、そして維持しているものであります。このため、これまでもコスト縮減対策や事業の妥当性を評価する再評価システムの導入、費用対効果の分析の検討など、県民に対する説明責任の向上のもとで多岐にわたる取り組みがなされてきたところであります。とりわけ入札・契約事務については、透明性の確保と公正な競争の促進、適正な施工の確保、談合や丸投げなど不正行為の排除に向けたさまざまな施策が講じられてきたところであります。 これらは、発注者の恣意性の排除や、公共工事からの不良不適格業者の徹底的な排除と技術や経営力にすぐれた企業による適正な競争の確保をねらいとするものであるが、その実態は地方における建設産業、ひいては地域経済の今後に少なからぬ問題を惹起していると言わざるを得ないのであります。 県は、高知県入札・契約制度検討委員会の提言をもとに、平成11年2月、新たな一般競争入札と公募型指名競争入札の対象金額の引き下げを柱とする入札・契約制度に関する基本方針を定め、以来全国に先駆け矢継ぎ早にさまざまな入札・契約制度の改革を進めてきたところであります。本年4月からは新たな試みとして、公募型指名競争入札の対象範囲を拡大する場合の課題や問題点を探るため、請負対象金額1億円以上2億円未満の建設工事についても簡易公募型と称し、広く入札参加希望者を募り、一定の資格要件を備えた業者の入札参加機会の確保を図る仕組みが取り入れられてきたのであります。 この簡易公募型指名競争入札対象工事については、従来、発注者がその工事に最もふさわしい施工業者として認定をし、指名を受けた業者間での価格競争であったものが、受注意欲のある業者は地域要件やランクといった一定の資格要件さえ整えば自由に入札に参加できることが可能となり、しかも低入札価格調査制度の導入の結果、業者間の過度な価格競争が憂慮されており、発注者があらかじめ設定した金額の6ないし7割で落札する事例が見受けられるのであります。このことは、一見よりよいものをより安く調達するという発注者責任の「より安く」を充足したように見受けられますが、一方の「よいもの」という品質の確保には大いに疑問が生じるところであります。 我が国は今、未曾有の経済危機に直面をしており、失業者は5%と過去最悪を記録するなど危機的状況にあります。この非常事態を受け、県では先日知事の呼びかけで、県内労働行政、経済団体、労働団体のトップによる雇用対策についての緊急協議を行い、新たな雇用の場の確保についての取り組みが進められているが、まずなすべきことは雇用の維持であり、これ以上の失業者をふやさない既存企業に対する支援であります。建設産業再生のためには、個々の企業が自己責任、自助努力で積極的な経営革新を図るべきではあるが、現在のような供給過剰の状況が産業全体の疲弊や優良な中小企業の淘汰、品質の低下などを引き起こすことが懸念されております。 このため国においては、企業同士の合併や協業化、経常JVの活用など再生のための企業連携強化策の検討を進めております。県もただ競争をあおり淘汰するのではなく、時代の変化に的確に対応した業界の再編、構造改革に取り組み、経営と技術にすぐれた優良企業の育成を図るとともに、不良不適格業者の徹底的な排除に取り組むべきであり、それが本県の地域経済の活性化を促進することになります。 以上述べたように、今回の入札・契約制度改革は、公共事業の透明性、客観性、競争性の確保を重視した余り、公共事業の二次的効果である地域経済に及ぼす効果、いわゆるフローの部分が軽視されているのではないかと思われるのであります。公共工事の入札・契約制度については、各発注者とも試行錯誤の中でさまざまな試みを続けており、残された課題を克服して公正で透明な制度の整備が必要であることは言うまでもありませんが、一方では、本来、不良不適格業者を排除し優良な企業による適正な競争の確保をねらいとした入札・契約制度改革が、その現実はこれまで述べてきたように経営力の弱い下請会社や資材会社を苦しめ、建設業界を支えるまじめな業者が苦しむ結果となっては、発注者責任を全うしたことにならないのであります。 このような不都合が生じた原因は、経営力と技術力にすぐれた企業の育成という業界自身の変革が進まないまま入札・契約制度改革のみが先行したことで、ギャップが生じたのではないかと思われます。今回のさまざまな制度改革について、特に低入札価格調査制度の適用に当たっては、ダンピング受注排除のチェックを徹底することが特に必要ではないか、また調査結果後に契約した工事については、下請工事の手抜きなどには十分な注意を払い厳しい検査を行う必要があると考えるが、土木部長の答弁を求めます。 また、日銀高知支店の金融経済概況によりますと、本年7月時点で公共事業は前年度対比23.4%削減をされております。そして、さきに発表されました四銀キャピタルリサーチ調べでは、9月段階で建設事業はマイナス33%ポイントと大変厳しい状況になっております。少なくとも県発注工事は県内企業で実施するべきと考えるが、土木部長の答弁を求めまして、1問を終わります。   (知事橋本大二郎君登壇) ◎知事(橋本大二郎君) 朝比奈議員の御質問にお答えをいたします。 まず、県政改革に向けての取り組みについてお尋ねがございました。県民の皆様の信頼を得られる県政に向けまして改革を行ってまいりますためには、まず今回の事件を単に特定の部局の問題に終わらせるのではなく、県庁の組織が全体として抱えている体質ととらえることが大切だと思います。その上で、みずからの業務や職場にそうした改めるべき体質がないかどうかを議論いたします中で、職員一人一人にもう一度県庁のあり方を見詰め直してほしいと思っております。 また、そのためには、上から一定の考え方を示して指示を伝えていくだけではなく、職員一人一人が議論を積み重ねる中で、みずから気づいたことをもとに新たな取り組みに向かうというプロセスが大切になります。こうした新しい体質を県庁に定着させていこうというのが、行政システム改革として取り組んでおります行政経営品質の向上を目指した取り組みでございますので、たとえ時間はかかりましても、粘り強い活動の積み重ねによりまして県民の皆様に信頼される県庁を目指していきたいと思います。 次に、副知事の選任につきましてお尋ねがございました。これまでのお答えとも重複をいたしますが、副知事の選任につきましては議会の御同意が必要でございますので、県議会の皆様の御理解をいただくことが欠かせません。このため、今後とも議会の御理解をいただきますための努力を第一に続けてまいりますが、できるだけ早い時期に御提案をさせていただければと考えております。 次に、特定の協業組合に対します高度化資金と県単独の融資の回収の見込みと今後の対応についてお尋ねがございました。先ほど谷相議員の御質問にもお答えをいたしましたように、債権の回収は厳しいものと認識しておりますが、抵当権の行使を初め、債務者及び連帯保証人に対しまして既に償還を求めております。このうち、抵当権の行使によりまして数億円程度の回収を見込んでおりますが、連帯保証人からは既に少額の回収を行っておりますものの、死亡または自己破産をした者もおりますため、多額の回収は困難だと考えております。さらに、今後の責任問題も含めてとのお尋ねでございましたが、刑事とともに民事の裁判も進められておりますので、今は債権の回収に向けまして精いっぱいの努力をしてまいります。 続いて、市町村合併に関しまして、県の支援本部をいつ設置するのかとのお尋ねがございました。これも午前中、谷相議員の御質問にお答えをいたしましたように、市町村合併は住民の皆様に主体的な議論を通じて判断していただくものでございます。このため、現在こうした議論をしていただくためのわかりやすい資料づくりを進めておりますので、こうした取り組みを通じまして市町村の間での議論が深まりました結果、複数の市町村によります協議会などが設置をされました場合には、直ちに重点支援地域の指定を行いました上で、県の支援本部を立ち上げてまいります。 このことを踏まえまして、それをいつ設置するのかとの重ねての御質問でございましたが、現在開かれております各市町村の9月議会での議論を初め、各地域でさまざまな動きが出てきていると受けとめております。その中には、住民を交えました検討会を開いたり首長同士が話し合いを行うといった動きもございますので、そう遠くない時期に具体的な姿が見えてくるのではないかと考えております。 次に、四国の4県の合併を意味いたします四国州制についてお尋ねがございました。地方の自立がこれまで以上に言われます一方で、高齢化が進み人口の大幅な増加も見込めません中、四国が地域として自立をしてまいりますためには、これまでのように各県が各種の施策に個別に取り組むのではなく、四国という視点からそれぞれの特色や優位性を生かして一体となって連携をしていくことが必要だと考えております。また、このことは行政だけの問題ではなく、官民共通の課題として真剣に取り組んでいかなければなりません。今の時期は、一つ一つ連携の実績を積み重ねながら、そうした意識の醸成を図っていくことが大切ではないかと考えております。 一方で、市町村合併が進展いたしました場合には、財政面や行政執行の面でより体力の備わった市町村との関係で県の果たすべき役割も当然変化をしてまいります。お話にありました四国州制は、こうした市町村合併や四国連携の先に見えてくる課題だと思いますが、そうした取り組みが進みました際には避けては通れないテーマになると受けとめております。 ただ、その際には、県と市町村の関係の変化はもちろん、国と地方が果たすべき役割を改めて整理いたしました上で、税財源や権限のあり方にまで踏み込んだ議論が必要になると考えております。 私からは以上でございます。   (企画振興部長池誠機君登壇) ◎企画振興部長(池誠機君) 市町村合併について、まず県境を越えた合併など長期的な視点からの構想が必要だとのお尋ねがございました。 市町村合併は、それぞれの地域の皆様が主体的に議論し、自主的に判断していただくものでございます。地域で判断するに当たっては、現在の行政の枠組みにとらわれず、住民の方々の生活圏や経済的なつながりなどを踏まえた議論が大切でございます。また、合併は我が町、我が村の将来を決めることにもつながりますので、お話にもありましたように長期的な視点に立った議論が重要であると考えております。 次に、人口の少ない地域の合併や国に対する提言等についてお尋ねがありました。内閣総理大臣の諮問機関である経済財政諮問会議から去る6月に出されましたいわゆる骨太の方針では、人口30万人以上の自治体には一層の仕事と責任を付与し、小規模町村の場合は仕事と責任を小さくして都道府県が肩がわりをするといった仕組みを検討するという方向が示されておりますので、その動向も見守りたいと考えております。 一方で総務省は、基幹的な行政サービスを適切かつ効率的に提供していくためには、少なくとも1万人から2万人程度の人口規模が望ましいとしております。人口の規模に関してはこういった考え方が示されております中で、本県は広い面積の中で人口が少ない、あるいは全国に先行して過疎化、少子高齢化が進行しているという特性があります。地域の実情もそれぞれ異なりますので、一律に人口規模だけを尺度とするのではなく、将来どういう地域にしていくのかといった観点から議論していただくことが大切であると考えています。こういった本県の実情について十分国に話をし、理解も求めていきたいと考えております。 さらに、市町村合併問題を含めて、新しい地方自治の確立への取り組みと合併のスケジュールについてお尋ねがございました。先ほどもお答えしましたように、市町村合併は我が町、我が村の将来を決めることにつながるといった、地域の方々に今最も身近で重要な課題であると言えます。そのため、地域の方々が積極的に合併に関する議論に参加していただき、理解を深める中で、主体的な判断をしていただけることを期待しております。そういう意味で、この合併議論はいわば住民自治の基本であり、そのことを再認識する手がかりになるものではないかと思っております。 この合併に限らずこれからの地域づくりは、地域の方々が知恵を出し合い、それぞれ地域の資源を生かした個性ある取り組みをすることがぜひ必要です。こうした原点に立ち返った住民参加の実践的取り組みがこれからの時代には一層求められており、それを実現する手だてとして、新しい地方自治の仕組みづくりがこの市町村合併を含めて今後幅広く検討されていかなければならないものと理解をいたしております。 また、スケジュールにつきましては、期限であります平成17年3月までの合併を選択した場合、法定の協議会を立ち上げ各市町村が具体的な調整を行う協議には2年ないし3年の期間を要するとされております。それから逆算をいたしますと、遅くとも来年中には一定の方向づけを行う必要があると考えております。 以上でございます。   (総務部長池田憲治君登壇) ◎総務部長(池田憲治君) 県西南部豪雨災害に関連し、まず災害対策本部の設置時間についてのお尋ねがありました。 豪雨に見舞われました9月6日未明の県の対応を申し上げます。午前2時8分に大雨洪水警報が発表されましたので、消防防災課の職員が直ちに登庁するとともに、土木部では水防本部を設置し、配備体制をとりました。その後、大月町からは5時50分に、また土佐清水市からは6時50分に避難勧告を行った旨の報告があり、土佐清水市からは同時に自衛隊の出動要請もありました。このため、災害対策本部の設置基準であります「災害が市町村域を越え、広域にわたるとき」及び「災害の規模が大きく市町村のみで処理することが、困難と認められるとき」に該当すると判断しましたので、7時30分に災害対策本部を設置し全庁的な配備体制を整え、関係市町村・機関との連携をとりながら対応することができたと考えております。もちろん、今回とりました体制とその運用につきましては検証を行うことが必要ですし、その結果を今後に生かしてまいりたいと考えております。 次に、人命救助や避難誘導などの状況についてお尋ねがございました。災害発生時の初期段階の9月6日未明には、土佐清水市で354名、大月町では216名の消防団員が順次出動いたしました。団員の出動につきましては、消防本部では大月町が午前3時30分から、土佐清水市が5時から各消防団に対して招集をかけていますが、実際にはそれ以前にも消防団の自主的な行動が始まっていました。消防団員は、消防本部職員と連携して、病弱者の搬送、高齢者の背負い搬送、担架搬送などにより、浸水地域に取り残された方々の避難誘導や救助などに当たりました。こうした結果、土佐清水市で約300名、大月町で約110名の方々が安全な場所へ避難をしております。また、朝方からは、孤立して救出が困難な方々について、警察が8名、自衛隊が64名、県消防・防災ヘリが5名を救出しております。 こうした防災関係機関の迅速な活動がありましたし、より注目したいのは、地域の方々が隣近所に声をかけ、安否確認や避難誘導などに積極的な行動をとられたことです。これらの一人一人の行動が総合的に機能いたしまして、災害の規模に比べますと人的被害が極めて少ない結果につながっているのではないかと考えております。 今回の災害の経験から、今後日ごろの防災意識の向上や避難訓練の実施などに当たりまして生かすべきこととして考えておりますのは、地域でお互いに助け合う精神の涵養や、消防団と連携した訓練などを通じて避難ルートの確認、避難する際の隣近所への声かけ、高齢者世帯や障害者世帯などのいわゆる災害弱者の方々の居所の確認などが重要であると考えております。 以上でございます。   (土木部長安岡健君登壇) ◎土木部長(安岡健君) 災害復旧対策について2点のお尋ねがございました。 まず初めに、公共災害復旧事業に採択をされない小規模工事への対応についてのお尋ねでございます。公共土木施設の災害復旧事業で国庫補助事業として採択をされるためには、異常な天然現象により生じた災害であることや、1カ所の工事費用が120万円以上であることなどの要件が必要となっております。このため、県では、この要件に満たない少額の災害復旧を行いますために県の単独事業として毎年予算措置を講じておりますので、本年度もこの事業で適切に対応をしてまいります。 次に、河川災害を最小限に防ぐための堆積土砂の取り除きについてのお尋ねでございます。現行の河川砂利採取につきましては、河川管理上の制約やダムの機能を保全するという観点から、いわゆる管理採取方式により行っておりまして、現在、県下で許可をしているのは仁淀川及び物部川の2河川のみとなっております。 堆積をした土砂の取り除きにつきまして、掘削工事にかえまして砂利採取業者に採取を行わすことは、保安距離の確保など高度な施工管理技術が要求をされることや、新規業者の新たな採取は原則として許可しない、及び採取業者の各河川間の移動は認めないとしている業者規制によりまして困難と考えております。 こうしたことから、今後は河川災害の発生を防止いたしますために河床掘削が必要な箇所につきましては、河川維持管理工事により行うこととしておりますし、また本年度に創設をしました河川海岸緊急改修事業によりまして土木事務所長が緊急度を判断しながら迅速な対応を行うこととしております。また、工事の際に発生をしました土砂につきましては、その品質によりましては有用残土として売却、あるいは海岸への養浜材に有効な活用をしてまいります。 続きまして、地域の経済から見た公共工事のあり方について2点のお尋ねでございます。初めに、低入札価格調査制度の適用と調査後の工事に関するお尋ねにお答えをいたします。低入札価格調査制度は、公共工事の透明性、競争性を確保する施策の一つとしまして、平成11年11月から請負対象金額1億円以上のすべての建設工事を対象に実施をいたしております。この制度は、調査基準価格を下回ればお話にもありましたようなことが憂慮をされますので、契約締結の前に下請予定金額や労務単価、そして安全対策費などのいわゆる積算内容につきまして厳正な調査を行っており、適正な工事の施工が可能であると判断をすれば契約を締結しております。 一方、低入札価格調査対象工事の監督につきましては、重点監督対象工事として位置づけをしまして建設資材の品質の確認や現場確認のいわゆる監督員の立ち会いの頻度をふやしますとともに、元請による主体的な管理がなされているかなどの確認につきましても特に注意をし、監督を実施しております。また、検査につきましては一般工事に比べ中間検査の回数をふやし、施工段階における工程、品質、出来形などの確認及び指導をより強化いたしますとともに、契約前の調査内容との整合も踏まえまして、適正な施工がなされているかといった観点も含めて検査を行っております。今後とも、低入札価格調査制度におけます調査及び監督、検査を的確に実施しまして、工事が適正に施工されるように努めてまいります。 次に、県工事の発注に関するお尋ねがございました。県工事の発注は、平成12年9月県議会におけます「公共事業の県内業者への優先的発注並びに地元産品の優先使用を求める決議」も踏まえまして、県内業者の育成と技術力の向上を図る観点から、県内業者を優先することを基本原則としております。ちなみに、平成12年度の土木部発注工事の実績では、金額面で8割以上を県内業者に発注いたしております。ただ、橋梁やダムなどのように工事内容が特殊な技術力を要します場合には、県外の業者を選定することもございます。 いずれにしましても、県内産業の発展のためにも地元企業の優先は大切な視点でございますので、今後とも県が行います公共工事の発注に当たりましてはこうした考えで対応をしてまいります。 以上でございます。   (健康福祉部長松岡寿子君登壇) ◎健康福祉部長(松岡寿子君) 災害復旧対策に関連いたしまして、身体の不自由な方や子供さんたちの心のケアについてのお尋ねがございました。 被災地には、障害のある方や子供さんたちなど多くの災害弱者がおられます。県では、土佐清水市と大月町とともにこれらの方々を訪問するなどいたしまして、被災状況や健康状態、また生活上の不安や困っていることなどをお聞きしてまいりました。これらのこととあわせまして、例えば主治医と連絡をとって薬を確保したり乳児のミルクの手配をするなど、被災された方のそれぞれの状況に合わせた支援を行ってまいりました。また、医師と保健婦によります医療相談チームを編成いたしまして、小さなけがの応急手当てをしたり高血圧や不眠などのさまざまな健康相談にも応じてまいりました。 こうした支援活動の中で、食欲がなく気分がすぐれないと言われる高齢者がおられたり、雨が降ると眠れないと訴える子供さんがいらっしゃるなど、精神面のケアが必要な方もおられました。また、復旧の後では疲労が蓄積したり虚脱感を覚えたりする方も出てまいりますので、引き続き長期的に心のケアをしていくことが必要だと考えております。このような方々に対しまして、保健所や児童相談所で専門的な相談に応じる体制を整えております。 また、教育委員会では、被災地域の学校の要請に応じまして、心の教育センターやスクールカウンセラーがいつでも相談に応じることができる体制を整えておりますので、こうした機関との連携を図りながら子供たちの心のケアを行ってまいります。さらに、地域に高齢者も多くおられますので、同世代のシルバー介護士によります訪問活動なども行いまして、お年寄りの心のケアにも努めてまいりたいと考えております。 次に、狂牛病についての御質問にお答えいたします。まず、食肉の安全性に関する今までの取り組みと今後の検査体制についてのお尋ねでございます。県内の食肉に関する検査体制といたしましては、県が中村市に設置しております高知県食肉衛生検査所と高知市が設置しております高知市食肉衛生検査所の2カ所となっております。これらの食肉衛生検査所では、と畜場法に基づく疾病の検査と解体後の検査を実施しているところでございます。 狂牛病に関しましては、EU諸国で蔓延しましたことから、平成8年4月、と畜場法施行規則の一部が改正され、検査対象に狂牛病が追加となり、狂牛病が疑われる牛については屠殺禁止となりました。また、厚生労働省が本年5月から行っております狂牛病サーベイランス事業を取り入れ、解体後に狂牛病を疑う所見がある生後24カ月以上の牛を発見した場合は、食肉衛生検査所で病理学的な精密検査を実施するとともに、検体を帯広畜産大学に送付し、確定検査を行う体制となっております。 今後の体制といたしましては、今までの検査体制に加えまして、厚生労働省の指示によりまして、生後24カ月以上で運動障害等の神経症状及び全身症状を呈している牛と生後30カ月以上のすべての牛について検査を行うことができますよう、食肉衛生検査所に機器を設置するとともに、職員の研修を行うなど早急に体制整備を図ってまいります。今後とも、情報収集に努めますとともに、国及び関係機関とも連携をとりながら検査体制に万全を期してまいります。 次に、県外から入ってくる牛肉の安全性についてのお尋ねでございます。県外から入ってくる牛肉につきましても、他県の食肉衛生検査所で本県と同様の検査を受けて合格した牛肉でございます。また、輸入の牛肉につきましても、厚生労働省が本年2月15日から食品衛生法で狂牛病の発生国であるEU諸国からの輸入を禁止しました。また、狂牛病が発生していない国からの輸入につきましては、輸出国の証明書の添付を義務づけしておりますので、狂牛病に感染した牛肉が国内では流通していないと考えております。 これらのことから、県内で流通している牛肉につきましては心配ないものと考えております。 以上でございます。   (農林水産部長山崎淳一君登壇) ◎農林水産部長(山崎淳一君) 災害復旧対策についてと農業政策についての御質問にお答えをいたします。 まず、災害復旧対策についてのうち、継続して営農が可能となるための支援策についてのお尋ねでございます。このたびの豪雨では、農地や農業用施設はもとより、園芸用施設につきましてもハウスの損壊、養液栽培装置や加温機の冠水、泥流の流入など大きな被害を受けておりまして、その復旧には大変な御苦労があろうかと思います。これらの復旧については、農業共済の加入者につきましては農業共済組合に対し早期支給の要請を行ってまいりましたし、今回被災されました農業者への支援策といたしましては、今議会に最長2年間の無利子期間を設けました融資制度を追加提案させていただきたいというように考えておりますので、過去の負債も含め、個々の農家の実態に合った支援策の活用を図っていただきたいと思います。 また、農業経営面におきましても、個々の農家との話し合いのもとに、それぞれの状況に合わせ今後の栽培計画や生活設計といった経営再建への取り組み、また冠水による病気の発生予防、施肥の設計などの栽培技術、新たな種苗の手配などについて、JAと連携しながら営農再開へ向けた支援に取り組んでまいります。 次に、農業政策についてのうち、740億円という園芸連の目標の達成に向けての対応についてでございます。お話しのように園芸連では、14園芸年度の販売目標額を740億円に設定したところでございます。県といたしましては、近年の野菜の消費量の減少や相対取引への変更、さらには輸入量の増加などによります現在の低価格は今後も続くのではないかと心配をしているところでございます。 このような厳しい状況を踏まえまして、戦略会議で決定をいたしましたそれぞれの役割分担に沿いましたレンタルハウス整備事業や養液栽培システム整備事業、基幹品目生産奨励事業などによりまして園芸品の生産量の確保と品質の向上に取り組んでまいりますし、また園芸こうち情報ネットワーク事業や園芸こうち販売促進事業によります流通販売の促進に努めてまいります。こうした取り組みは、園芸連が目標達成のための事業方針として掲げております生産量の強化などに役立つものと考えておりまして、今後ともいい品を安定的に供給できる産地づくりを目指しまして、生産者、農業団体とともに取り組んでまいります。 次に、農業改善事業の条件緩和方策についてでございます。御質問の複合経営促進施設は、地域農業を将来にわたり担っていく農業者を地域ぐるみで育成するために整備する共同利用施設でございます。したがいまして、3戸以上での同一作物の栽培や育苗の共同作業、資材の共同購入や共同出荷などの補助の要件については、この事業の目的を達成するためには必要なものであると考えておりますが、長期にわたります農業経営の間には、病気の発生や価格低迷等によりまして経営が成り立たなくなる事態も想定されますので、そういった場合にはそれぞれのケースに応じて国と協議をしながら個々の農家ごとの作物選定を認めるなど、農業者の立場に立った弾力的な運用に今後とも努めてまいります。 次に、野菜価格安定事業を14年度以降も継続すべきではないかというお尋ねでございます。野菜を対象とした価格安定対策といたしましては、国におきましてはキュウリ、ナスなどの指定野菜を対象とした指定野菜価格安定対策事業、ニラ、ショウガなどの特定野菜を対象とした特定野菜供給産地育成価格差補給事業などがございます。一方、県におきましては、国の野菜価格安定対策事業の対象外であってかつ県の基幹品目となっております品目のうち、小ネギと施設ピーマンを対象とした県単独品目野菜価格安定事業を現在実施しております。この単独事業では、これまでに積んでまいりました資金を原資として補給金を交付しておりますが、昨今の販売価格の低迷によりまして多額の補給金が交付された小ネギについてはその資金が残り少なくなっておりまして、今年度の補給金の交付によっては14年度以降の継続が厳しい状況が見込まれております。 しかしながら、御指摘のように生産者の経営は価格の低迷などによりまして引き続き厳しい状況でございますので、現在、本県園芸農業の立て直しに向け、基幹品目の生産量の確保と品質の向上を図ることをねらいとする基幹品目生産奨励事業など生産者、農業関係団体や行政が一体となった取り組みを進めておりますので、その中でどうしていくか検討してまいります。 次に、屠畜経費に係ります農家への支援措置と県内の食肉センターの適正な配置についてのお尋ねでございます。高知市にございます中央食肉公社の運営につきましては、屠畜頭数の減少に伴いまして厳しい状況でございます。このため、開設者であります高知県広域食肉センター事務組合が、昨年、ことしと2度にわたり設置をされました検討委員会の提言を受けまして、現在再建に取り組んでおられます。その具体策の一つとして、ことし7月より屠畜解体料や使用料の改定がなされたところでございまして、県といたしましては、こうした農家負担の増加やO157対策といった施設整備に対する支援を基本に検討してまいります。 また、食肉センターの適正な配置については、現在の食肉センターをめぐる厳しい情勢から、県と開設者である高知県広域食肉センター事務組合や中村市とで構成をいたします食肉センターあり方検討会をことし5月に立ち上げておりまして、この会で今後どのようにしていくのかなどを協議・検討してまいります。 次に、狂牛病の発生以来どのような調査、指導を行ってきたのかというお尋ねでございます。本県におけます畜産農家への調査、指導につきましては、農林水産省より発生の通知がありました9月10日以降、国の指示に基づき家畜保健衛生所の防疫員によりまして、牛の急激な性格の変化や音、光等に対する反応、また歩き方の異常などの臨床検査や、原因と考えられております肉骨粉の給与の実態について調査を実施してまいりましたが、今月20日現在、すべての牛1万2,946頭について歩き方の異常といった臨床的な症状は認められず、また、牛に与えた飼料の調査につきましても過去8年間にさかのぼって聞き取り調査をいたしましたが、肉骨粉の使用は認められていない状況でございます。 また、畜産農家に、生まれてから30カ月以上の牛の出荷を見合わすよう要請いたしますとともに、生産者やJA、家畜市場といった関係機関に対しパンフレットなどによります情報の提供に努めてまいってきたところでございます。 最後に、狂牛病に対する今後の防疫についてのお尋ねでございます。このたびの狂牛病の発生に伴い、9月18日には飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令の一部が改正されまして、反すう動物のたんぱく質は牛用の飼料に含んではならないこと、牛用飼料として使用してはならないことなどが義務づけられたところでございますので、県といたしましても省令に基づき、畜産農家や畜産関係団体などに省令の周知徹底を今後とも図ってまいります。 家畜の防疫体制につきましては、日ごろから家畜保健衛生所の業務の中で、畜産農家に対し家畜衛生の推進や健康の保持、適正な飼料の与え方の方法などの指導等についても取り組んできたところでございますが、今後におきましても事前対応型の防疫業務を念頭に置きながら、地域における生産者や関連機関との連携を密にして情報の交換を一層強化し、あわせて県民の不安を招くことのないように県、JA、市町村、生産者代表、民間獣医師などで構成をいたします防疫組織を新たに設置するとともに定期的な巡回指導を行うなど、狂牛病への防疫体制の強化に今後とも努めてまいります。 以上でございます。   (海洋局長星沢昭雄君登壇) ◎海洋局長(星沢昭雄君) 西南部豪雨災害に関します養殖漁業被害に対する支援策及び漁港の復旧対策についてお答えをいたします。 まず、養殖漁業につきましては、小筑紫地区を中心に、養殖魚のへい死、養殖施設の破損、流出など大きな被害を受け、今後の経営が懸念される漁業者も出ております。このため、種苗購入等に必要な資金に対する融資制度につきましては、塚地議員にお答えをいたしましたとおり災害対策資金制度の見直しを行うこととしておりまして、所要の予算につきまして追加提案をさせていただくことといたしております。 また、小筑紫湾の養殖施設の被災状況につきましては、福良川河口にあります小筑紫地区の養殖の小割が押し流されまして、約1キロ沖の大海地区、また栄喜地区の小割施設に二重三重に乗り上げるなど、当時の豪雨のすさまじさを目の当たりにいたしました。そのため、今回のような状況にも耐え得ることに加えまして今後の養殖漁業の基盤を整える意味からも、頑丈で使いやすい小割の係留施設を早期に整備できますよう、すくも湾漁協を事業主体に沿岸漁業構造改善事業の導入を検討してまいります。こうしたことによりまして、被災地区の養殖漁業が一日も早く災害前の活気を取り戻すことができますよう、漁業指導所ともども支援をしてまいります。 次に、漁港、海岸施設につきましては、県管理の下川口、古満目、泊浦の各漁港と土佐清水市管理の貝ノ川、大月町管理の尾浦の両漁港の計5つの漁港におきまして、導流堤や防潮堤、航路や泊地等の施設被害を受けております。このうち、古満目、泊浦、貝ノ川の各漁港におきましては、背後民家に二次災害のおそれがありましたため土のうの設置を、また下川口漁港におきましては、漁船の出入港が不能になったため航路しゅんせつ工事においてそれぞれ緊急対応をいたしました。今議会におきまして、こうした応急工事並びに早期発注分の工事につきまして補正予算の追加提案をお願いいたすことといたしておりまして、早期復旧に努めてまいります。 以上でございます。   (商工労働部長岡村章弘君登壇) ◎商工労働部長(岡村章弘君) 高速道の須崎延伸に伴う土佐市と須崎市の産業振興施策についての御質問にあわせてお答えいたします。 企業誘致は、御質問にもございますように、地域経済の活性化や雇用の創出には即効果のあらわれる取り組みでございます。しかしながら、企業を誘致するためには、用地の確保から始まりまして進出企業に適した人材の確保、教育、加えて道路、港湾、空港などのインフラ整備を含め息の長い取り組みが必要であります。また、当然のごとく企業の方も経済原則によりまして他県や他地域との比較検討を行います。こうしたことから、県といたしましても他県と競争できるように交通インフラの整備を努めてまいりましたし、県下市町村に対する工業団地造成等に関する補助制度、誘致企業に対する支援制度も用意いたしております。 今後とも、土佐市、須崎市ともども協議しながら、それぞれの地域の実情に沿った企業誘致の推進など地域産業の振興を図ってまいりたいと思います。 以上でございます。   (28番朝比奈利広君登壇) ◆28番(朝比奈利広君) 今、県政で一番急がれることは副知事の選任だと思います。最大会派が今議会には出すなという御提案のようでございますが、今議会は12日で終わるわけですけれども、どうも知事はその後、最も力を持っている最大会派にそういうアクションをしていないように私は思っております。そういう意味では、今回は特に具体的な固有名詞も出ておりますから、もっともっと積極的に働きかけて、できるだけ早く御理解をいただくということが大変肝心だと思いますし、あなたの任期はあと2年と2カ月しかございません。そのことを思いますと、大変、新しく選任される副知事さんについてもまた不安の材料があるんじゃないかというふうに思いますので、もっと積極的にアクションをして御理解をしていただくように努力するべきだというふうに思いますので、いま一度知事の答弁を求めたいと思います。 それから、土木部長は河川の砂利の許可をしないという大分前の話でございますけれども、現実には小河川の管理が大変おろそかになっております。事務所へ行きますと、「お金がない。河川課へ行ってもろうてきいや」とこう言う。河川課へ行ったら、「全部各事務所に配ってあります」とこう言うんです。だから、現実の問題としては大変厳しい状況でございます。各事務所へ500万円配分しておるようですけれども、それをめぐりましていろいろあるわけですけれども、それくらいの金額ではなかなか河川の管理ができないと。 ですから、例えば須崎市でいきますと、小さな河川の砂利はなかなか資材にはなりません。しかし、新荘川とかあるいは物部川とか伊与木川とか、そういうところの砂利は資材になると思います。ですから、そういうところへは県の一般財源を使わずに、もうその方は業者にお願いをして、限られた財源を中小河川に回すということは私は当然検討すべきだというふうに思っておりますので、いま一度答弁をお願いします。 それから、県発注の工事は、当然100%県内業者ではよう消化をしないと思います。能力の問題とかいうのがございますから。でも、県の業者が受注した仕事を、下請を県外に回しているという事例があります。それを、私はその方針としては大変許しがたいことだと思いますから、どこまで下請の承認の権限があるのかよくわかりませんけれども、全般の流れからいきますとそういうことは絶対許されないというふうに思いますので、それは部長に要望をしておきます。 それから、今公判が進んでおります一連の融資でございますけれども、今の段階で最終的な判断はできませんけれども、自治法では、故意または重大な過失のある場合には、その行った職員の行為が該当する場合には賠償責任があるというふうに定められております。最終的に判決が出、公判記録が出ないとわかりませんけれども、今の段階での判断としては私は当然そういうことが十分に予見できる状況で進行しているように思います。 そしてまた、先ほども申し上げましたけれども、議会の特別委員会に対する執行部の対応はずっと批判をされてきました。しかし、公判の中でそのことが如実に出てきておるということについては、これは県民の側からしても、私ども議会の立場からしても、絶対に許しがたい状況でございます。 ですから、先ほど申し上げましたけれども、出納長が差し入れた念書は、どうして入れたかということ自体、それすらも今の段階ではわかっておりません。恐らく捜査機関が捜査をしてそれなりの判断をする過程の中では出てくるというふうに思っておりますけれども、それは証人が、鍋島さんが健在でございますから。ぜひそういうことについては、今の公判の進みぐあいからしても、私ども議会人としても納得できません。ですから、知事の責任で、なぜ念書を入れたかぐらいのことは聞いて議会に報告するのが私は知事としての責任だというふうに思っておりますので、その点については要望にとどめておきます。 それから、狂牛病に対する両担当部長の答弁がございました。今の段階で部長の答弁を、県民もそして私どもも理解し、安心しておりますから、そういう方向で間違いのないように情報の提供なり判断をしていただくように要望して質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   (知事橋本大二郎君登壇) ◎知事(橋本大二郎君) 朝比奈議員の御質問にお答えをいたします。 副知事の選任に向けてもっと努力をすべきではないかとの御指摘でございました。これまでも御答弁をしてまいりましたけれども、県議会の御理解をいただきますようこれまで以上に一層努力をしていきたいと思います。 私からは以上でございます。   (土木部長安岡健君登壇) ◎土木部長(安岡健君) 再質問にお答えをいたします。 河川砂利の採取につきまして、砂利採取業者の参画につきましては、先ほど御答弁を差し上げましたように一定御理解をいただいたというふうに思います。 通常の河川の維持管理上の砂利採取につきましては、議員お話しのように予算のお話ももちろんございます。しかしながら、中小河川というのはやはり一遍に取る箇所も比較的量が少ないと申しますか、そういう条件もございます。ちなみに昨年は6河川でやってございまして、合わせまして1万立米以上余りでございますけれども、一応対応はしてございます。 ただ、先ほど申し上げましたように、今年度からは所長権限で緊急的な優先度の高いところにはすぐ対応できるという、額はともかくとして一定の範囲の中小河川には対応できるような体制を新しくとりましたので、今後このことも充実していきたいというふうに考えておりますのでよろしくお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(東川正弘君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。 明29日及び明後30日は休日でありますので、10月1日に会議を開くことといたします。 10月1日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。   午後4時55分散会...