愛媛県議会 2020-12-08
令和 2年農林水産委員会(12月 8日)
委員 森高 康行
〇
欠席委員[0人]
〇その他の
出席者[0人]
〇
出席理事者[20人]
農林水産部長 馬越 史朗
農政企画局長 赤坂 克洋
営業副
本部長 久保
圭一朗
農業振興局長 牧之瀬 泰志
農業振興局技術監 越智 龍太
森林局長 尾花 充彦
水産局長 岩井 誠司
農政課長 阿部 恭司
営業本部マネージャー 藤原 英治
農地・
担い手対策室長 小西 圭二
農業経済課長 岩倉 亨
ブランド戦略課長 久保田 英和
農地整備課長 松田 知一
農産園芸課長 清水 伸一
畜産課長 手島 有平
林業政策課長 岡 久夫
森林整備課長 西浦 政隆
漁政課長 橋田 直久
水産課長 若下 藤雄
漁港課長 近藤 孝利
午前9時59分 開会
○(
石川稔委員長) ただいまから、
農林水産委員会を開会いたします。
これより議事に入ります。
本日の
会議録署名者に
森高康行委員、
笹岡博之委員を指名いたします。
それでは、定第123
号議案を議題として審査を行います。
理事者の説明を求めます。
○(
農政課長) それでは、
農政課分について御説明をいたします。
資料3の
補正予算案説明書の40ページをお開き願います。
定第123
号議案令和2年度
一般会計補正予算案について、御説明いたします。
農業振興費1,082万3,000円は、本年7月の
豪雨災害で被災した
農業者が早期に営農を再開できるよう、
モノレールなど
農業用機械の
修繕等を支援するための経費でございます。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○(
石川稔委員長) 以上で
理事者の説明が終わりました。
委員の皆さん、議案に関する質疑はございませんか。
○(
田中克彦委員) 具体的にどの地域の、いわゆる何世帯というか、何
事業体といいますか、個人もあるかもしれませんけれども、
支援対象となる
経営体はどれくらいあるのか、もう少し具体的に教えていただいたらと思います。
○(
農政課長) 今回の
補助対象につきましては、7月
豪雨災害による
被災者が対象になっております。2回の
要望調査を全市町に実施いたしましたところ、松山市と
八幡浜市から19
経営体、26件の要望が提出されております。
○(
田中克彦委員) 具体的に
モノレールを出されましたけれども、そのほか、どういうものが含まれているんですか。
○(
農政課長) 具体的な
支援内容について御説明をいたします。
先ほど御説明させていただきました
モノレールにつきましては、26件のうち12件となっております。そのほか、スプリンクラーの修繕が5件、
農業用機械の再取得が3件、
農機具格納庫の修繕が3件等となってございます。
○(
田中克彦委員) 平成30年の
豪雨災害のときもそうだったとは思うんですけれども、災害があったときの支援は、
生産者や農家の
持ち出しというか
自己負担分は、従来とは変わってないんですか。
○(
農政課長) この事業は、国の
補助事業を活用しており、通常、国の
補助率が10分の3でございますが、今回は全国的に被害が大きかったということで、
農業用機械等につきましては、10分の3から2分の1に国費の
補助率がかさ上げされております。県としては、この2分の1の予算を計上しておりますけれども、このほかに県は市町へ補助しており、松山市、
八幡浜市ではそれに5分の1を上乗せするという形で、最終的に
自己負担の見込みは10分の3となります。従来からでございますけれども、この
経営体育成支援事業の補助に関しましては、国費と、それから地元の市町との負担で事業を実施しております。
なお、先ほど委員からお話がありました
西日本豪雨の際には、被害が甚大であったことから、通常ではない取扱いということで県費も5分の1を上乗せし、
自己負担分は10分の1となっております。
○(
田中克彦委員) 平成30年度の
西日本豪雨災害のときには、規模が大きかったこともあって、できるだけ
自己負担を減らそうとかなり努力されて、1割程度まで
自己負担を抑えていただいた経過があります。1割でもなかなか農家にとっては厳しいという議論もありましたが、実際災害に遭われた方にとっては、平成30年だろうが、令和2年だろうが令和3年だろうが、その被害をどう修繕していくかが主になるので、何千世帯の被害であろうと、十数世帯の被害であろうと、何とか農家の
自己負担を極力軽減していこうという立場で、国に対してもそうですけれども、県としてもその
あたりは十分配慮していただき、負担の在り方も含めて御検討していただければと思います。これは要望ということでよろしくお願いしたいと思います。
○(
石川稔委員長) 要望ということで。
ほかございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○(
石川稔委員長) それでは、せっかくの機会ですので、
所管事項も含めて質問はございませんか。
○(
梶谷大治委員) 12
月県議会で私も質問をさせていただき、トリを務めた
本宮議員もこの件に触れられたんですが、香川県で発生した
鳥インフルエンザが、福岡県、宮崎県、広島県、兵庫県、奈良県の5県に広がり、今、非常に緊張しております。そういうことで愛媛県の
防疫体制に抜かりはないのか心配をしておるんですが、その辺の見解を説明していただければありがたいと思います。
○(
畜産課長) 委員おっしゃられるとおり、
鳥インフルエンザにつきましては、現在、非常に勢力づいております。県といたしましても、非常に危惧しているところでございます。本県におきましては、
鳥インフルエンザをはじめ様々な
家畜伝染病が発生した場合は、関係する
畜産農家に対しまして、電話やファクス、
郵送等により情報をしっかり伝達し、
情報共有を図っているところでございます。
また、四国でも連携を密にしており、今回も、香川県から疑いがあるとの第一報を受けた11月4日中には
生産者に連絡をして、それで異常がないことを確認したところでございます。
それに続いて翌日には
緊急防疫会議を開催いたしまして、改めて
生産者に対し、
野鳥等の
侵入防止対策や消毒の徹底を指示しました。国が県に
消毒命令を要請する前の段階から、本県では
家畜伝染病予防法に基づく
消毒命令と、
消石灰の配付による
緊急消毒等を行いました。
さらに、香川県での
感染拡大を受けまして、再度、
消毒命令と
消石灰の配付を行い、二度にわたる
緊急消毒を実施するなど、
発生予防措置の強化を図ったところでございます。
それから、県としましては、発生時における対応に日頃から準備をしているところでございますが、万が一発生した場合には、本会議でも知事が答弁されたように、知事を
本部長とする
対策本部を立ち上げ、全
庁体制で
防疫措置を行うこととしております。
この発生に備えましては、要は、人と物をいかに迅速にその時点で動かすかが重要となりますので、県庁内におきましても、平時から
名簿等を作成して
動員体制を確保するとともに、
初動防疫に必要な
防疫資機材の配備を行い、
防疫作業に協力していただく
県建設業協会や
バス協会、それから
消毒ポイントで
消毒等に関わる
ペストコントロール協会、あ
と殺処分等で必要な
炭酸ガス関係の
ガス協会など、様々な
民間団体と事前に
支援協定の締結をしており、今回も発生を受けてから、その業界とは連携、
連絡等を密にさせていただいております。
それと、毎年、発生時に備えて、自衛隊や
民間団体等の
関係者も参加していただく
防疫演習等を行い、その中でしっかりと
防疫手順等について確認をしているところでございます。
なお、今回また、いつ本県で発生してもおかしくない状況にあることから、明後日12月10日に
関係団体等を集めて、発生時に備えた
緊急防疫会議を行う予定としております。
○(
梶谷大治委員) 広島県でも
鳥インフルエンザが発生するなど、本当にあれよあれよという間に6県に
鳥インフルエンザが侵入したということで、緊張しております。愛媛県もくれぐれも
防疫体制を徹底して、侵入を阻止することに努めていただきたいと要望しておきます。
○(
笹岡博之委員) 今、
梶谷委員が申し上げられたこの高
病原性の
鳥インフルエンザは、人に感染する
可能性があるとも言われておりますが、鶏肉や鶏卵を通じて人体にうつることはないというか、加熱すれば大丈夫と言われております。現実、年末にかけて、これから一番鶏肉などが動くんですけれども、例えばその
風評被害とかでちょっと消費が落ち込んできているとか、そのような状況は本県では見られませんか。
○(
畜産課長) 確かに
風評被害を非常に心配しているところでございますが、鶏卵にしましても、鶏肉、
ブロイラー肉につきましても、現段階ではそういった声は一切聞いておりません。ただ、一部の発生県では若干そういう動きがあるかもしれませんが、本県では、
安全性のPRなど正確な
情報提供にしっかりと努めておりますので、現在は
風評被害は起こっていません。
○(
笹岡博之委員) 分かりました。
○(
森高康行委員) 昨日ちょっと小さい会合があって、愛媛を取り囲むように隣県で発生しているから、基本的な質問があったんですけれども。
鳥インフルエンザが発生した場合に、殺した鶏をその場内に埋め立てていますよね、どうやって殺すんだろうかなど、今、ガスという話がありましたけれども、発生したときの防疫の手順を教えてもらいたいと思います。
○(
畜産課長) 発生した場合には、何をおいてもその
ウイルスを蔓延させないことが非常に重要となります。それで、まず検査の結果が出るまで
鶏卵等の出荷や鶏の移動を中止します。それで、万が一それが高
病原性鳥インフルエンザの
疑似患畜ということになった場合は、できるだけ早く
ウイルスを封じ込めるため殺処分を開始することになります。その殺処分につきましては、先ほど委員からお話のあったように
炭酸ガスで鶏を安楽死させて処分することになります。
それに併せて、
発生農場を中心に3キロ以内を
移動制限区域に設定し、鶏等の移動を禁止するとともに、3キロから10キロを
搬出制限区域に設定し、鶏等の
区域外への
持ち出しを禁止するほか、併せて
発生農場の入り口と、それから3キロ、10キロの地点に
消毒ポイントを設けまして、通行する
畜産関係の車両を消毒して、しっかりと感染を封じ込める手順となります。
○(
森高康行委員)
生産者に
経済的損失が発生しますよね。例えば
強制力がある形でやった場合の補償、また保険なども含めて、下手したら何千万円、何億円になる場合もあるわけだけれども、こういう場合の
救済策はどうなっているんですか。
○(
畜産課長) 発生した農場で鶏の殺
処分等を行いますが、それにつきましては
家畜伝染病予防法に基づく
手当金が支給されます。この
手当金につきましては、患畜、
疑似患畜等で3分の1、5分の4と変わるんですけれども、基本的には
疑似患畜ということで殺処分することになるので、5分の4が
手当金として手当てされます。残りの5分の1につきましては、
特別手当金という形で手当てされるので、損失は全て補填されます。ただ、
生産者の
予防対策に不備があったり、
異常鶏の通報が遅れた場合は、その部分が一部減額されることもあります。通常の中できちんとした対応を取っておられれば、その処分した鶏につきましては、10分の10の手当が出ることになります。
それから、鶏がいなくなってしまって次の再開というところになるんですが、これにつきましては、ほとんどの農家が加入している
家畜防疫互助基金という制度がございまして、日頃から基金を積み立てておいて、
再開時点には、その基金の中からひななどの
導入経費が手当てされることになります。
そのほか、
融資制度というところで、
家畜疾病経営維持資金等を活用することもできます。
○(
森高康行委員) 今、正直、
クラスターを抑え込むという、
中村知事が一生懸命やっておられる
コロナウイルス対策と似ているということで、ある面で安心もしたんですが、流通が少なくても県境を越えるのは当たり前の時代になった。私の認識でも、県内に大手の
事業体があることを考えると、周りが品薄になると愛媛から出ていくという行為が発生するのではないかと思うんです。
ウイルスですから何に乗ってくるか分かりません。
関係者に聞くと、餌の同じところが共有してしまったり、香川県の場合はため池の渡り鳥が媒介になったのではないかという
新聞記事がありましたけれども、今後、品薄になったものを愛媛から供給することによって、新たな流通もいろいろと発生してくるように思います。はやぶさが成功したのは
想定外を想定することだと言われておりますので、10日に会議を行われるのなら、今後、何が起きるか分からないという前提で、あらゆる知見や情報が集まるような体制でこの苦境を乗り切っていただきたいと思います。鶏がいなくなったら大変なことになります。クリスマス前ですし、鶏卵はもう食生活に欠かせないものになっていますから、より緊張感を持って10日の会に臨んでいただくよう要望しておきたいと思います。
○(
石川稔委員長) ほかございませんか。
○(
赤松泰伸委員) まず、
アコヤガイ稚貝の
へい死の状況が今のところどうなっているのかというのが第1点。第2点目は、
玉入れのときに、ある程度の母貝の数が確保できているのか。この間、7万個の稚貝を県から
母貝業者にという話がありましたが、母貝がなかったら
玉入れができないので、まずは母貝の
確保状況について教えてください。
○(
水産課長) 本年度の
アコヤガイ稚貝の
へい死状況についてお答えいたします。
以前もお話ししたとおり、今年度は昨年度ほどの大量の
へい死には至らず、
県漁協の今年9月末現在の調査では、稚貝は例年の7割程度確保されているようです。一方、一昨年の大量
へい死が響いて、母貝は例年の約4割程度しか確保されていないため、
県漁協としても、真珠の
生産量が例年より減少することを懸念している状況でございます。
へい死の原因については、既に
新聞等で報道されているとおり、
感染症の疑いが非常に高まっています。今後、どのぐらいの影響があるのか、どのぐらい本当に死ぬのか、中身がよく分かっていないので、今後もその研究は続けることにしております。先ほど申しましたとおり、母貝の確保が例年の4割ということで、
県漁協では真珠の生産も、もしかしたら例年の5割ぐらいになるのではないかという
見通しを立てております。
○(
赤松泰伸委員) 今おっしゃったように、私も
真珠業者から、もう春は
玉入れができないおそれがかなりあると聞いています。
今回、真珠は
入札会等がなくなって、前回の
委員会でも申しましたように
調整保管に向けての対応をお願いしているんですが、この
調整保管は、当然漁協を通じてですけれども、
個別業者が
資金繰りに困って流してしまって、
真珠価格を落としてしまうことを一番心配しています。先ほどの
見通しで、ある程度の
玉入れができないということになると、当然、今、ミキモトをはじめ、大きいところへ持って行くものがダブつくという意識があるかもしれませんけれども、
見通しとしては、真珠は
生産量が落ちてくると相場は維持できるので、きちっとした
調整保管ができれば、
真珠価格を維持しながら逆に高値で売れる方向に持っていけると思うんです。その
あたりの
調整保管に向けての取組と、そのための経営的な
資金繰りをどうカバーしていくのかにかかってくると思います。その
あたりの対策をどのようにお考えか、お聞かせください。
○(
水産課長) 以前、
県漁協等から国に対して要望を出しまして、その
調整保管に関しては、機器の
導入経費についてということだったんですけれども、今回、そもそもがそれほど大きな機器ではなかったということで、
保管用の機器の導入についてはめどが立ったと聞いております。
○(
漁政課長) 真珠の
漁業者に対する経営の支援についてでございます。
令和3年度の水産庁の
概算要求並びに令和2年度の第3次
補正予算において、真珠に特化した
生産流通支援事業については、国の
補助分は確保できていないんですが、県と
関係団体とが連名で国に要望しておりました
農林漁業セーフティネット資金の
コロナ特例措置の延長につきましては、当面は
日本政策金融公庫の手続の弾力的な運用により、
資金繰りの対応が県内の
真珠養殖業者全てで可能になったと承知しております。今後も
真珠養殖業者の、また
母貝生産業者の経営につきまして、注意を払って対応を考えていきたいと考えております。
○(
赤松泰伸委員) 今、答弁を聞いて一安心しました。真珠は一定の温度、湿度で、環境も言わば冷蔵庫のような施設の中に置いておけば、玉の品質を維持できます。その
あたりをきちっとしていただいて、後の
コロナ禍を乗り越えた入札に備えていけば、逆に玉がない、
玉入れができない状況になっても、結局将来を
見通したら価格は変わらない。いいものがあればもっと高値で売れるという状況をいかに作っていくか、そして
漁業者の経営をうまく回してあげることが一番でありますので、引き続きよろしくお願いしたい。要望しておきたいと思います。
同時に、今4割と言われましたが、この
真珠産業を守っていくためには、今の状況を打破しながら、来年もある程度の
母貝業者が続けてくれなかったら、もう愛媛の
真珠業界は終わりますので、その
あたりのことに注意を払っていただいて、できるだけ来年も母貝の供給がきちっとできるような支援についても、当初予算を含めてよろしくお願いしておきたいと思います。これは要望で答弁は結構です。
○(
石川稔委員長) 要望ということで。
ほかございませんか。
○(
笹岡博之委員) 先週の土曜日
あたりは結構人が出ていたと聞いておりますけれども、第3波の
コロナ禍で夜の街の状況も非常に人出が少なくなっているということで、特に平日は、ほとんどの企業が忘年会を自粛と聞いております。本県の
農林水産業の中でも
高級食材の牛肉の今の
出荷状況はどのようになっているのか、分かる範囲で教えてください。
○(
畜産課長) 牛肉につきましては、御承知のとおり
新型コロナの
感染拡大により、かなり価格が低下しましたが、それが一段落した7月以降は、
牛肉売上価格は緩やかに上昇してまいりまして、和牛につきましては、直近ではおおむね前年度並みの価格にまで回復しております。いわゆる交雑種につきましても、9割強まで戻ってきている状況です。
ただ以前にも御説明させてもらいましたが、
肉牛肥育農家の収支は赤字に転じており、国の
牛マルキン制度はまだ発動が続いているため、6月
補正予算で措置しました県産
和牛肥育経営緊急支援対策事業については、
積立金の枯渇で既に減額された
補填金に、現在も
上乗せ助成を行っているところでございます。また、5月
専決予算で措置した県産
牛肉消費拡大緊急対策事業により、
学校給食へも引き続き提供させてもらっているところです。
今後、
新型コロナの感染再拡大による
外出自粛の機運の高まりや、
大都市圏での飲食店に対する営業時間の
短縮要請など、
牛肉消費の先行きは依然として不透明な状況にありますので、引き続きしっかりと今後の動向を注視してまいりたいと考えております。
○(
笹岡博之委員) 昨日、牛肉の
中間飼育の業者と話をする機会がありました。子牛から大体350kgから400kgぐらいに育てるそうなんですけれども、最近、牛肉の価格は戻ってきているそうです。それは一安心ですけれども、その業者は、結局、ふだんの年に比べたら頭数を半分に減らしているんだそうです。それは、全体の動きですかと聞いたら、全部とは言えないけれども、相当
出荷数は減らしていると言われておりました。
マルキン制度も、私はその
中間業者が当てはまるのかどうかちょっと分からないんですけれども、まず、現在の状況を教えていただけるでしょうか。
○(
畜産課長)
中間業者というのは、肥育をする前の牛を販売されるということかと思うんですが、確かに
コロナウイルス感染拡大後、頭数は皆さん調整されている部分があると思います。子牛を肥育して売るまでの子
牛市場についても、一応、
一定価格より下がった場合には、2段階の
補填制度がございます。まず1段階下がったときには国が100%補填し、さらに下がったときには、
生産者と国と県で積み立てた基金で支援するという制度がございます。
ただ子牛価格は、以前から高値が続いていたこともあり、
新型コロナの影響で値下がりしたものの、基金が発動するまでには至っていないのが実情です。それで、子
牛価格につきましても、前回の競りの価格は、おおむね前年並みにまで戻っております。
○(
笹岡博之委員) 養殖も全部一緒だと思いますけれども、
飼料代は、費用の大体3割か4割ぐらいが市場のラインになるということですから、今後、そういうようなことに補助的なものが考えられるのかどうか教えていただけませんか。
○(
畜産課長) 飼料につきましては、
飼料会社と国の方で、急激に
輸入飼料の価格が上がった場合は、
激変緩和のために
補填金が手当てされる
配合飼料価格安定制度というのがございます。10年ぐらい前にかなり
飼料価格が上がって、積み立てている
補填金自体がなくなったときがありました。そのときは、県におきましても、
政策等で支援させてもらった経緯がございます。ただ今年度に入ってから、
飼料価格が若干上がりはしているんですけれども、現時点では、
補填金が出るほどのところまでは上がっていないのが実情です。
配合飼料については、対策はどうしても輸入頼りになるんですけれども、牛の
生産者が
自給飼料をいかに増やすかで、餌代を節約できるところがあります。それで、県としましては、
コントラクター組織の育成や、国の事業を活用して機械を導入したりして、効率的に
自給飼料の増産に向けた取組を支援しているところでございます。
○(
笹岡博之委員) 最終的にどういう形になるか分かりませんけれども、年末で牛肉などの消費が上向いていく時期です。この
コロナが来年も続いていくという前提に立って、もちろんほかの業種もそうですが、この
生産者を何としても守らなければいけないので、そこのところは機動的に情報収集しながら、一軒も潰れることがないようぜひ頑張っていただきたい。これは要望でございますのでよろしくお願いいたします。
○(
石川稔委員長) 要望ということで。
ほかに。
○(
毛利修三委員) 1つは、さっきの
鳥インフルエンザに関連しての話で、要望になるかと思いますが、先日、
畜産振興議員連盟と
畜産業者との
意見交換会がございました。もちろん部長も
畜産課長も出席いただいたんですが、そのときに
養鶏業者から、さっきの委員からのお話のとおり、県が対応していることはありがたいとは言いながら、それこそ毎日戦々恐々としていると、本当に切羽詰まった話をお聞きしました。県から、対策に万全を期してという話があり、力強く思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
そのときに、
畜産農家にとってはこの
感染症が一番大事な問題で、特に豚熱の話も出ました。もちろん万全を期していただいておるとは思いますが、豚熱の発生状況と防疫対策についてお聞きしたいんですが。
○(
畜産課長) 委員のおっしゃるように、今、
鳥インフルエンザが非常に広がっているところですが、豚熱につきましても、実はイノシシの感染が広がっている状況でございます。平成30年9月以降、これまで9県で59事例の発生がありまして、17万頭以上の豚が殺処分されております。直近では、本年9月に群馬県で発生しております。イノシシにつきましても、感染が徐々に西日本にも広がってきておりまして、現在では大阪府や和歌山県など22都府県で感染したイノシシが確認されているところでございます。
それで、県におきましては、昨年度、豚熱対策ということで緊急対策を打たせていただきました。イノシシの侵入対策ということで、国の事業を活用して、防護柵設置のための
補助事業を創設し、現在、一部廃業予定者を除く全ての養豚農家で防護柵を設置しているところでございます。
それから、
野鳥等も入りますので、昨年度、農家への支援を行って、防鳥ネットの対策もしているところです。
それと、農場に出入りする車両等の消毒のための機器についても整備を支援するなど、対策を強化しているところでございます。
国の指定した地域でワクチンを打ち出してから、発生自体は全般的に抑えられているんですが、感染につきましては、イノシシ等で若干広がりつつありますので、その対策については、県としても引き続き気を緩めることなく取り組んでまいりたいと考えております。
○(
毛利修三委員) 特に
鳥インフルエンザや豚熱のように、発症したら即殺処分でおしまいだという状況だとしたら、経営が成り立たなくなるので、
予防対策に力を入れていただきたい。お願いしたいと思います。
あとは、ミカンですよ。今日もミカンで締めていきます。
今年は、量はちょっと少ないようですが、うまいミカンができたということで、南予の被災地では元気を取り戻しております。
そういう中で、2年前の被災から、被災地の復旧・復興は目に見えて進んでいます。そういう面では産地を戻そうという特に若い担い手には本当に頑張ってほしいんです。私はもう何回もこの問題を取り上げておりますが、将来に向けて産地を守る、日本一のミカン王国愛媛を守るという意味では、いわゆる3つの形態の中でも再編復旧に一番期待をしており、県下の3つの地域は、計画もどんどん進んでおるわけです。
この間、知事の記者会見で立間地区の再編復旧のめどが立って決定したということで、それこそ吉田の産地は喜んでおります。そのときに、立間地区の再編復旧は今までの3つの地域とは違う形という話があったと思うんですが、どういうところが違うんですか。特にミカン農家は厳しい状況に変わりはなく、負担の問題などで、もし違いがあってはいけないのでお聞きしたいのですが。
○(
農地整備課長) 再編復旧についてお答えをさせていただきます。
再編復旧を進めるに当たって、大きく2つの事業制度がございます。1つは、農地中間管理機構関連農地整備事業で、これは地元負担ではなく農地中間管理機構を使って事業をやります。それともう一つが畑地帯総合整備事業、俗に言う畑総事業でございます。委員お話の、先行している3地区につきましては、農地、樹園地の区画整理だけの工事でしたので、機構関連事業を活用して進めました。
一方で立間地区につきましては、谷沿いの非常に急傾斜なところに園地がありまして、一部山林を取り込まなければ効果の高い整備ができない状況でした。
それと、もう一つ大きいのは、区画整理だけではなくて、農道やかんがい施設を一体的に整備したいという要望もございまして、これらを全部お聞きするとすれば、畑総事業ではないかというところで選択をさせていただきました。
ただ、機構関連事業には負担がありませんが、畑総事業には負担がございます。そこで、担い手農家に農地を集積していき、その集積した割合に応じて農家負担を助成する制度も含めて、立間地区の
関係者に細かく説明をさせていただきました。その結果、負担の理解を得た上で、この事業による復旧に取り組むこととしたものです。
今後、ほかの地区においても、地元に適した事業や制度を提案しながら進めてまいりたいと考えております。
○(
毛利修三委員) その負担の話ですが、立間地区での地元負担はどれくらいになるんですか。
○(
農地整備課長) 総事業費はまだ構想段階ですのではっきり決まっておりませんが、宇和島市の場合は、地元農家負担が事業費の10%ということになっております。これに先ほど申し上げました助成制度を活用し、全ての農地を担い手に集積することにより、8.5%分が助成され、実質、農家の個人負担は1.5%になるという説明をさせていただきました。
○(
毛利修三委員) それくらいなんですね。ちょっと安心しましたが、そういう方向でしっかり頑張っていただきたい。もう一つは、この畑総事業というのは、もう下手すると20年、30年前からミカン農家を支えてきた事業なんですが、ここで災害に絡めてとはいえ、こういう大規模な再編事業を畑総事業で行うことになったということは、将来、他の地区でもこの畑総事業でこういう規模の園地の再編はできるものかどうか。ここでお聞きすることではないとは思いながら、
可能性としてどうですか。
○(
農地整備課長) あらゆる
可能性を秘めているのが畑総事業だと思っております。委員お話のとおり、20年、30年ほど前から吉田、宇和島地域については、畑地かんがい施設をこの畑総事業で実施してまいりました。
今回、農地の再編ということも含めて、県下でこの畑総事業の1つ目のモデルができると思っておりますので、こういう制度もしっかりPRし、農家に理解していただきながら、できる限り園地の再編に取り組んでまいりたいと思っております。
○(
毛利修三委員) 今のこういう気候では、災害に強い園地ということも大事ですし、条件がいい園地でないと産地は守れないという現実を見たら、今、課長が言われたように、また第5、第6の地域で畑総事業による再編整備ができるようぜひ頑張っていただきたいと思います。
○(
石川稔委員長) 要望ということで。
○(
毛利修三委員) はい。
○(
石川稔委員長) それでは、暫時休憩したいと思います。あの時計で11時5分から再開したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
午前10時51分 休憩
――――――――――――――
午前11時3分 再開
○(
石川稔委員長) 再開いたします。
質疑を続けます。委員の皆さん、質問はございませんか。
○(
田中克彦委員)
コロナの関係で
補正予算でもかなり補充されてきたんですけれども、農山漁村体験ツアー誘客促進事業の関係です。閉会中
委員会のときに1度御報告があって、予想を上回るというお話があったと思うんですけれども、直近の実績や状況を教えていただいたらと思います。
○(
農政課長) 御質問いただきました農山漁村体験ツアーでございますが、8月1日から事業を開始しております。11月末までの実績になりますが、42事業者、73メニューで、2万2,940人に御利用いただいております。昨年度の実績は2万280人に御利用いただきましたが、今年度については、半額キャンペーンを御活用いただくことで2万2,940人になっておりまして、約13%の利用客の増という結果になっております。
○(
田中克彦委員) 前回の閉会中
委員会のときにも、県内の公立小中学校にチラシを配布して、県内での活用を呼びかけされているという話があったんですけれども、例えば県外も含めて、修学旅行や学校の行事などで具体的にこれぐらい活用されたという数的に分かるようなものがあれば、教えていただいたらと思います。
○(
農政課長) この事業につきましては、
コロナの
感染拡大防止の観点から、御利用いただける対象エリアを四国4県、それから中国の5県、それと大分県、宮崎県に限って事業を実施しております。御利用の人数が2万人を超えるということで全て調査はできておりませんけれども、抽出して利用状況を確認いたしましたところ、約97%が県内からの御利用となっております。
それから、現時点では、半額キャンペーンを御活用いただいた修学旅行の利用実績はございません。ただ学校の授業といたしまして、10月に松山北高校が遠足の一環で、20名ほど西予市の真珠アクセサリー作りを体験されたという報告はいただいております。
そのほか、修学旅行の半額キャンペーンでは御利用いただいておりませんけれども、農業体験等を修学旅行にもぜひ取り入れていただきたいということで、しまなみ地域では、9月以降、関西圏から11校1,400名ほどの修学旅行生を受け入れる予定としておりますし、
八幡浜市を中心として、南予全体で修学旅行を取り込んでいこうという動きも出ているところでございます。
○(
田中克彦委員) 今後、どういう形になるかというのはあると思うんですけれども、
コロナの影響が単年度で済まないだろうという部分もありますし、来年度になったら外国人誘客で、インバウンドでV字回復だというような、単純な観光政策にも現実的にはなかなかならない部分があると思います。そこで、こういうグリーン・ツーリズムという事業そのものを、もう少し観光振興の軸の一つとして着実に育てていくことも考えてはどうかと思います。地域を磨いていく上でも、農家や地元の方々がそれに参加して、いろんな形で地域の方と来られた方が交流していくことによって、小中学生の方々も含めて、農業に対する新たな視点を持つのも大事だと思います。財政担当からすると、そこは絞る部分かもしれませんけれども、こういう事業を観光の中にもうちょっと入れ込んで育てていくというのが、
コロナを経験したこととして、もう少し前向きにやっていけるのではないかと思います。その
あたりの実際取り組まれてみての感触はいかがなものでしょう。
○(
農政課長) 先ほど御説明させていただきましたように、利用客が13%増加したということでございます。これは、今までこういう体験メニューを御利用いただかなかった人が、半額だからということで目を向けていただいた結果だと考えております。すなわち約13%は新規のお客様で、知っていただくことで農業体験のよさを分かっていただくことにつながっているのではないかと思います。委員の御指摘のとおり、この事業については、今年度だけの成果に終わらせないように、ぜひ継続していきたいと思っておりますけれども、今回の予算につきましては、地方創生の臨時交付金を使わせていただいておりますので、来年度以降同じようなスキームで実施することは、今のところは財源的には難しいのではないかと考えております。
今年度の事業につきましては、愛媛DMOに委託しております。愛媛DMOは、もともとが着地型の観光を推進する組織で、この事業の事務局をやっていただくことで体験メニューを実施している方々とのつながりを築き、また、愛媛DMOがつくる旅行商品の中に組み込んでいくことで、自然と体験メニューの活用が増え、観光客が利用していただけるような形で好循環になればいいと考えております。
事業もまだ途中でございますので、この事業が終わった段階では、どういう方が利用したのか十分分析した上で、来年度以降へしっかりと生かしていきたいと考えております。
○(
田中克彦委員) ぜひ前向きな方向で進めていただければと思いますので、よろしくお願いします。
○(川本健太委員) 漁港ストックの有効活用についてお伺いしたいんですけれども、これまで漁港施設は、国の長期計画に基づいて、順次整備を続けてこられたと思います。ただ近年、施設の老朽化が進展して、維持補修や更新に関する費用の増大などが懸念されているところだと思います。
漁村地域においては、高齢化や人口減少も顕著に出ていることもあって低利用、また、未利用施設の増加も同時に懸念されております。こういった状況の中でも漁業活動を維持し、また、水産物の安定供給を図っていくためには、やはり水産基盤施設である漁港の機能保全や高度利用が、今後、より重要になってくると思います。
これは松山市での話ですけれども、先日、個人で漁船を持っている方から、港が空いているように見えるので、そこに自分の船を置かせてもらえないかと窓口の松山市に問合せをしたところ、いっぱいで新たに入れるスペースはありませんという返事があったということで、いろいろ相談に乗りました。厳密に、例えば10隻置けるところに9隻しかないから、1隻分空いているとかそういうことではなくて、あくまで素人が見て、これはまだ余裕があるのではないかという感覚での話だと思いますけれども、まだまだ有効に使えていない部分もあるのではないかと思います。そういったところも含めて、本県の漁港施設の老朽化と施設の利用状況をまず確認したいのと、今後、施設の長寿命化対策、既存ストックの有効活用についてのお考えをお聞かせください。
○(
漁港課長) 御質問いただきました漁港施設の利用状況、老朽化状況と今後の取組方針について御説明させていただきます。
まず、本県の漁港施設につきましては、委員の御質問のとおり、古くは昭和20年代後半から、国の長期計画に基づきまして、防波堤や岸壁等の整備を進めてまいりました。現在、老朽化は非常に深刻な状況でございまして、一般的に構造物の耐用年数とされる建設後50年を経過する施設の割合は、今年度末で約2割、20年後の令和22年度の状況では約6割に増加する状況で、今後の維持補修や更新に要する費用の増大が懸念されているところでございます。
一方、人口減少や高齢化に伴いまして、漁港を利用する漁業就労者や漁船数は、10年前と比較しまして、それぞれ約7割に減少しておりまして、今後は漁港施設の低利用や未利用の増加が懸念されているところでございます。
まず、今後の取組でございますけれども、漁港施設の長寿命化対策については、これまでは壊れたら直すといった事後保全型で維持管理をしてまいりましたが、維持管理コストの縮減や予算の平準化を図るために、予防保全型の維持管理による長寿命化対策を推進しております。県内には、全国第3位の190漁港ございますけれども、補助採択の対象となる一定の規模を有する135漁港について、定期的な施設の点検、診断を踏まえた施設ごとの対応方針を定めた機能保全計画を策定し、それに基づき適切な時期に順次保全工事を実施しており、これまで緊急度の高いA判定施設の58漁港のうち、28漁港の対策を完了しているところでございます。
続きまして、既存ストックの有効活用ですけれども、質問がありましたように、利用する漁船数の減少等により、漁港におきましては若干スペースが空いている状況もございます。せっかくの防波堤に囲まれた漁港内の静穏域を有効に利用するために、これまで漁船とのふくそうが懸念されておりましたプレジャーボートの係留施設の整備を行ったり、防波堤の背後のスペースを利用して稚魚を育成する増殖礁を設置したり、浮き桟橋や既存施設を使ったビジターバースの設置により、海の駅を併設するなど漁港の活性化に資するような整備にも取り組んでいますので、引き続きこれらの取組を実施していきたいと考えております。
○(川本健太委員) 御説明ありがとうございました。
今説明の中で、既に50年経過しているところが2割、令和22年度までに約6割ということで、この20年で4割の施設が50年を超えてくるという御説明があったんですけれども、20年後に約6割が50年を超えるという前提に立って、この保全工事の計画を立てられているのか、それがどの程度先まで計画をされているのかお聞かせください。
○(
漁港課長) 機能保全計画につきましては、その時点から、先ほど言いました耐用年数が想定される50年後の時点を想定して、予算の平準化や維持補修の計画を立てて整備するようにしております。
○(川本健太委員) もう少し詳しく説明してもらえたらと思うんですけれども、50年たつ施設に関して、今からプラス4割の施設が50年を迎えるということで、その4割に関しても全て計画を立てているという認識でいいんですか。
○(
漁港課長) そのとおりで、残りの40%の施設についても、一応計画的に補修していく計画だったと思います。
○(
石川稔委員長) つまり135漁港については、計画を立てているということですね。
○(
漁港課長) 一定の規模を有する施設については、全て計画を立てています。
○(川本健太委員) ありがとうございます。
もう一点、御説明の中であったストックの有効活用のところで、プレジャーボートなどが置けるようにというお話だったと思うんですけれども、窓口になっている市や町の担当課との連携もすごく重要ではないかと思います。これは要望になるんですけれども、各市や町の担当窓口と連携を取っていただいて円滑な有効活用が進むように努めていただきたいと思います。これは要望です。
○(
石川稔委員長) 要望ということで。
ほか。
○(
赤松泰伸委員) 11月30日付愛媛新聞に高収益作物次期作支援交付金の記事が掲載されました。これは地元の方から、当初属人主義と属地主義という話があって、例えば宇和島市の農家が西予市にミカン園を持っている場合に、宇和島市は属地でいくけど、西予市は属人なので、宇和島市は対象にできません、調整は後でしますという話でした。これについては、正直言って、初めに各省庁の
コロナを利用した予算の獲得合戦みたいなところがあるのではないかという印象を受けました。この交付金には、いろんな方が高収益のミカンに改植しようと申請を出していましたが、10月になって、国が方針を見直して厳格化しました。国の見直しが、結果的に本県にどういう影響があったのか。
要は、申請を出した段階であればまだいいのだけれども、それを見越して、例えば機械や資材を契約してしまっている場合に、当てにしていた分がなくなったときにどういう救済措置があるのか。この交付金の見直しの経過と本県に与えている影響、最後の救済措置の内容について、分かれば教えてくれますか。
○(
農産園芸課長) 委員からお話のありました国の高収益作物次期作支援交付金は、
新型コロナにより外食需要が減少して市場価格が低下する等の影響を受けた野菜、花卉、果樹、茶などの高収益作物につきまして、国内外の新たな需要に対応できるよう、次期作に前向きに取り組むための支援制度として、国が措置したものでございます。
この事業につきましては、4月の国の1次補正で措置されてスタートしましたが、県を通らない補助金として、各市町の地域農業再生協議会で事業を実施し、国が2回の見直しを行いました。当初は、次期作の前向きな取組ということで、対象期間に出荷実績がある、または廃棄を行って出荷できなかった
生産者が
支援対象でしたが、1回目の見直しで、
コロナの影響を受け減収となった
生産者という条件がつきまして、なおかつ、減収になった品目について、減収額を上限に支援するという内容に変わりました。その結果、対象とならない農家が多く出たということでございます。
その後、2回目の変更としまして、1回目で交付対象外となった
生産者の一部、今委員からお話がありましたとおり、契約が整っている場合も含みますが、既に投資済みの
生産者の支援として、当初の交付金の上限を超えない範囲で追加で対象とすることとなったというのが経緯でございます。
1回目の変更が10月12日、そして、2回目の変更が10月30日ということで、短期間で大きな見直しが行われたこともありまして、事業実施主体である地域農業再生協議会等の事務処理が増大し、当初、本当に対象になるのかという心配もされながら申請した農家にとっても、困惑するような状況になってしまいました。
県としては、第1回目の変更があったときに、国の担当者を招いて説明会を開催するなど、早く現地に周知を行いました。そして、2回目のときに、今度は各地域で行われる説明会に対して、国も積極的に出向いて、きめ細かく対応するということで進んでいるところでございます。
最終的には2回目の変更で、より多くの方が対象になったという流れもありまして、次第に混乱は収まってきている状況でございます。
そしてまた、予算措置についても、説明会において、国から3次補正で対応していきたいという話もありましたので、混乱は少しずつ消えていっているのではないかということでございます。
まずは、この事業として次期作に前向きに取り組めるよう、県としましては、普及組織等いろいろと
生産者を支援しながら、来年度の生産の機運が折れないように進めていきたいと思っているところでございます。
○(
赤松泰伸委員) ありがとうございました。
要は契約していた農家が、不利益を被らないこと。特に愛媛の場合、柑橘が多いと思うんですけれども、前向きな姿勢で進めていて、無駄な労力になってしまった部分はありますが、将来的にそれが結びついていくような形に進めていただきたいと思います。農家の正直な気持ちを聞いたところ、こんなのは構わないのかと申請しながらちょっと不安を覚えて、これは本当に出るのか聞いたということを本人たちも言っていました。理解はしてくれていると思いますが、雨降って地固まるではないけれども、次期作に前向きに取り組めるよう県としても支援をしていただきたい。これは要望ですのでよろしくお願いします。
○(
石川稔委員長) ほか。
○(
田中克彦委員) 本会議でも
梶谷委員が御質問された家畜保健衛生所の再編整備の議論ですけれども、基本的には機能を強化すると言われていましたが、そうは言いながら、宇和島と今治の支所を本所に吸収合併、統合するような形になるわけですから、
畜産農家からすると、身近にあったところがなくなるという部分も出てきます。そういう点で、実際に機能として弱体化しないように、機能強化になるという
あたりをもう少し丁寧に農家に説明していかないといかぬのではないかと思います。弱体化せず、機能の強化になるんだという部分をもうちょっと丁寧に説明していただけるとありがたいと思うのですけれども。
○(
畜産課長) 現在、家畜保健衛生所機能再編整備検討
委員会では、拠点を東・中・南予の3か所にそれぞれ集約し、それぞれの地域特性や畜産を取り巻く情勢の変化を踏まえた整備を進めることで、まずは、
家畜伝染病発生時の初動体制の強化を図るという基本的な方向性とともに、特に県下の6割以上の
畜産農家が集まる南予については、最大の産地である西予市に移転し、バイオセキュリティーレベルや検査能力の向上などを図るべきという考えが示されているところでございます。
県としましては、近く取りまとめられる
委員会の最終的な提言を踏まえ、まずは南予地域の拠点施設について、西予市と連携して整備を進めることとしており、これを具体化することで、家畜保健衛生所の機能強化につながると考えております。
また、機能強化の具体的な内容につきましては、本所と支所の統合によりマンパワーを集約し、拠点の人員を確保することで、
家畜伝染病発生時の
初動対応力の向上に加え、長期研修の受講や指導体制の構築等による技術の伝承が容易になり、専門技術者の育成などソフト面での機能強化も行う中で、
生産者への支援もしっかりとやれるのではないかと考えております。
また、非常に老朽化した施設がございますが、庁舎施設の新たな整備により、迅速な診断体制やバイオセキュリティーレベルの向上、
防疫資機材機能の拡充による防疫対応機能の向上など、ハード面でも機能向上の強化を図れると考えているところでございます。
○(
田中克彦委員) 本会議では、
梶谷委員の南予地域の話はかなり答弁されたと思うんですけれども、東予家畜保健衛生所や中予家畜保健衛生所の役割について、地区としては、どのような議論がなされているのか教えていただけますか。
○(
畜産課長) 東予家畜保健衛生所は、管轄する東予地域が県内の養鶏や養豚の約4割を飼養するなど、南予地域に次ぐ重要な産地であることから、現在の指導体制を維持しながら、管轄地域に立地する岡山理科大学の最新機器を活用した高度な検査や調査研究の拡充等により、新しい情報や知見を畜産現場に還元するなど、連携強化を深めていくこととしております。
それから、中予家畜保健衛生所でございますが、悪性
家畜伝染病が発生した際の防疫拠点として、全県をカバーできる備蓄資材の集約化による機能強化を図っており、今後は、悪性
家畜伝染病が発生した場合にも、東予、中予の良好なアクセスを活かして、東予家畜保健衛生所と共同で一体的に初動
防疫措置に対応することを想定した防疫対応力の向上等も目指すこととしております。
中予家畜保健衛生所の同じ敷地内には、県下一円をカバーする家畜病性鑑定所という最終的な検査を行う施設がございます。そこでは、高度化する診断技術に対応できるように、さらに検査診断機能の充実強化を図りながら最新技術の更新に努めるなど、全体的に機能強化を図っていくという行程で進めていきたいと思っています。
○(
田中克彦委員) 議論の途中ということでしょうけれども、岡山理科大学獣医学部との具体的な連携は、そういう提言も受けて、今いろいろ議論は始まっているんですか。
○(
畜産課長) 昨年度、
家畜伝染病の予防等に係る連絡会議を大学側と立ち上げ、その中で伝染病対策や
予防対策に係る連携を図っていこうということで今議論をしているところです。検討
委員会においても、予防のための疫学関係の調査や専門的な知識が必要ですので、そういうところを大学と連携してやったらいいのではないかという御意見をいただいております。
○(
田中克彦委員) 分かりました。
どちらにしても、やはり最終的にはマンパワーがないと施設の機能強化にはつながらないと思うので、県としての公務員獣医師確保はこれからもしばらく宿題が続くと思います。そうやって施設の機能強化が3年、5年と進んでいく中で、そういう獣医師の確保も追いついていかないといけないと思うんですけれども、今後の退職者の見込みと獣医師の採用はどの程度必要なんでしょうか。
○(
畜産課長) 獣医師は農林水産部と保健福祉部に多いんですが、農林水産部におきましては、令和2年度から令和6年度の間に、定年退職見込みの者は8名おります。ただ中途退職とかいらっしゃいますので、安定的に獣医師を確保するには、最低でも毎年2名程度の新規採用獣医師を確保することが必要と考えています。
○(
田中克彦委員) ありがとうございました。
○(
森高康行委員) さきの国会で種苗法が改正されたという
新聞記事を読んで、本県にとって何がプラスになるのか、また、逆に言えば、本県にとって何が課題として残るのかと疑問を持ったんですが、本会議でもいろんな立場で、この種苗法については意見交換があった経過もありますので、国の今回の種苗法の改正をどう捉えて、本県への影響をどう考えておられるのかお答え願いたいと思います。
○(
農産園芸課長) 委員からお話のありました改正種苗法でございますが、登録品種を育成者の意図しない地域へ流出することを防止するとともに、権利の侵害を立証しやすくするなど、育成者の権利がより守られる方向で品種登録制度を見直すもので、12月2日に成立したところでございます。
具体的に御説明しますと、1つ目としましては、県などの育成者が登録した品種一つ一つに、国内限定や県内限定等の利用条件を設定し、農林水産省のホームページによる公表等を義務づけることで、意図しない国へ流出する行為や意図しない地域で栽培する行為を抑止することがあります。
2つ目としましては、現在は制限されておりませんが、
農業者の自家増殖を許諾に基づいて行うこととし、登録品種の増殖実態を把握できるようにするものでございます。
また、育成者権を活用しやすくするための措置としまして、特性表といっておりますけれども、品種登録簿に記載された特性と被疑侵害品種の特性を比較することで、両者の特性が同一であることを推定する制度を設け、侵害の立証を行いやすくする措置などが盛り込まれているところでございます。
改正に関しましては、お話のとおり課題や懸念といった声が上がっているところでございますが、参議院の附帯決議にもありましたとおり、自家増殖などの許諾手続が農家の負担にならないよう適切に運用する旨の採択が行われたところでございます。
ただいずれにしましても、種苗法の改正法が成立し、制度の大枠が整ったところであり、現時点では定かでない部分もありますので、本県への影響について、全てを把握することは困難です。その点については、御理解をいただきたいと考えております。
県としましては、今後、発出予定の政省令やガイドライン等に係る国の説明を踏まえ、県内
農業者の利益を最大化できるように関係機関と協議の上、対応していきたいと考えております。
○(
森高康行委員) 御報告があったように、登録制度ができることによって登録しないといけないという手間が発生してきます。登録することによって権利が守られるという権利も発生するということだと思うんですが、一農家にそれをやれと言っても私は不可能だと思います。やはり農協や行政も含めた、それをケアする体制がないと駄目ではないかと思います。シャインマスカットなどを見ていても、国内でもいろんな移動があり、もう既にグローバル化して、
コロナの前は海外の移動が本当に頻繁だったという現実があります。
この間、韓国映画を見ていたら、デコポンが持っていかれたというのが韓国側から描かれていましたけれども、そのように実際はフリーみたいな状態で動いていたのを守ろうという制度ができたのではないかと私は認識しております。国から来ておられる立場で何か語れることがあれば、お教え願いたいと思うんですが。
○(
農業振興局長) ありがとうございます。委員のおっしゃるとおりでありまして、今回の法案の審議の過程では、いろんな議論がありました。最終的に、先ほど課長が述べましたように、農林水産大臣答弁の中では、高額な許諾料を徴収するのはあり得ないといった答弁もございましたし、また、附帯決議の中では、種苗が適正価格で安定的に供給されることを旨として施策を講じることといったようなお話もありました。こういった御懸念の点については十分配慮の上、今後、詳細な制度設計が行われていくんだろうと認識しております。
県としては、今後、国の制度設計を十分注視していくとともに、万が一でも本県農業に悪影響が及ぶようなことが懸念される場合には、必要な働きかけを行ってまいりたいと考えています。
○(
森高康行委員) 最後に。営業本部をつくって、いろんな品種を愛媛から出して海外に売ろうという、中村県政になってからの積極姿勢があったと思いますので、愛媛が今やっていることの中でも、この種苗法改正の位置づけを、待ちではなくて、やはり攻めで捉えてもらいたいということ、要望にとどめたいと思います。
○(
石川稔委員長) ありがとうございます。
それでは、ほかに質問もないようでございますので、採決を行います。
定第123
号議案令和2年度愛媛県一般会計
補正予算第8号中、歳出第6款を議題とし、本件を原案のとおり可決することに賛成の委員は、挙手を願います。
〔全員挙手〕
○(
石川稔委員長) 全員挙手と認めます。
よって定第123
号議案は、原案のとおり可決決定いたしました。
以上で当
委員会に付託されました議案の審査は全て終了いたしました。
なお、
委員長報告につきましては、私に一任いただくことで御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○(
石川稔委員長) 御異議ないものと認め、そのとおりに決定いたします。
次に閉会中の継続調査承認要求についてであります。
お手元にお配りをしております要求書を提出することで御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○(
石川稔委員長) 御異議ないものと認め、そのとおりに決定いたします。
次に、さきの正副
委員長会議において決定された主な事項について申し上げます。
まず、閉会中の
委員会の日程ですが、常任
委員会は2月5日金曜日午前10時から一斉開催といたします。特別
委員会は、地方創生・産業振興対策特別
委員会が2月2日火曜日午前10時から、防災減災・エネルギー対策特別
委員会が2月3日水曜日午前10時から、少子高齢化・人口減少対策特別
委員会が2月2日火曜日午後1時から、えひめICT未来創造特別
委員会が2月4日木曜日午前10時から、それぞれ開催することが決定されました。
正副
委員長会議での主な決定事項等は以上であります。
以上をもちまして、
農林水産委員会を閉会いたします。
午前11時46分 閉会...