17番 帽 子 大 輔
18番 大 石 豪
19番 菊 池 伸 英
20番 古 川 拓 哉
21番 兵 頭 竜
22番 松 下 行 吉
23番 宇 高 英 治
24番 大 西 誠
25番 松 尾 和 久
26番 木 村 誉
27番 石 川 稔
28番 梶 谷 大 治
29番 西 田 洋 一
30番 福 羅 浩 一
31番 三 宅 浩 正
32番 徳 永 繁 樹
33番 笹 岡 博 之
34番 鈴 木 俊 広
35番 毛 利 修 三
36番 赤 松 泰 伸
37番 本 宮 勇
38番 高 山 康 人
39番 戒 能 潤之介
40番 渡 部 浩
41番 越 智 忍
42番 横 田 弘 之
43番 西 原 進 平
44番 中 畑 保 一
45番 明 比 昭 治
46番 岡 田 志 朗
47番 森 高 康 行
――――――――――
〇
欠席議員 なし
――――――――――
〇欠 員 なし
――――――――――
〇
出席理事者
知事 中 村 時 広
副知事 田 中 英 樹
副知事 八 矢 拓
公営企業管理者 山 口 真 司
総務部長 高 石 淳
企画振興部長 金 子 浩 一
スポーツ・
文化部長 大 北 秀
防災安全統括部長 福 井 琴 樹
県民環境部長 岸 本 憲 彦
保健福祉部長 高 橋 敏 彦
経済労働部長 東 野 政 隆
農林水産部長 馬 越 史 朗
土木部長 葛 原 健 二
会計管理者出納局長 菅 規 行
教育長 田 所 竜 二
副教育長 仙 波 純 子
人事委員会委員 山 本 惠 三
公安委員会委員 渡 部 智磨子
警察本部長 篠 原 英 樹
監査委員 高 橋 正 浩
監査事務局長 井 関 浩 一
――――――――――
〇
出席事務局職員
事務局長 小 坂 泰 起
事務局次長 矢 野 等
参事総務課長 松 本 賢 固
議事調査課長 鳥 生 敬 央
議事調査課主幹 二 神 裕 志
――――――――――
〇本日の会議に付した事件
定第102号議案ないし定第120号議案
┌────────────────┐
│(注)議席番号は、
新型コロナウ │
│ イルス感染防止対策として │
│ 間隔を空けて着席するため │
│ に設けた議席を含めた
臨時 │
│ の番号である。 │
└────────────────┘
午前10時30分 開議
○(戒能潤之介議長) ただいまから、本日の会議を開きます。
本日の
会議録署名者に
福羅浩一議員、
赤松泰伸議員を指名いたします。
―――――――――――――――――
○(戒能潤之介議長) これから、定第102
号議案令和2年度愛媛県
一般会計補正予算ないし定第120号議案を一括議題とし、質疑を行います。
○(
越智忍議員) 議長
○(戒能潤之介議長)
越智忍議員
〔
越智忍議員登壇〕
○(
越智忍議員) (拍手)皆様、おはようございます。
愛媛維新の会の越智忍です。
初めに、
新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げます。また、感染された方や御家族、関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
さらに、県民の命と健康を守るために、感染の危険性がある中、最前線で奮闘していただいている全てのエッセンシャルワーカーの皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。
それでは、会派を代表して、県政の諸課題について質問させていただきますので、知事はじめ理事者の答弁をよろしくお願い申し上げます。
まず最初に、
新型コロナウイルス感染症に関する
患者情報の公表についてお伺いをいたします。
2019年12月頃、
中国湖北省武漢を中心に発生をした
新型コロナウイルスは瞬く間に全世界に広まり、アメリカや南米諸国、さらにはヨーロッパでも
感染拡大が続き、発祥地と言われる中国を大きく上回る
感染者数を記録しています。昨日までに全世界での
感染者数は2,957万人に上り、93万人の方が亡くなっています。我が国においても、今月1日には
感染者数が6万9,000人、亡くなった方が1,300人を超えています。
国際感染症センターの
感染症専門医の
忽那賢志先生によれば、これまでに人に感染するヒト
コロナウイルスは4種類が知られており、毎年世界中で発生をし、風邪の原因の10ないし15%を占めているとされています。
新しいタイプとして、
中国広東省において、キクガシラコウモリを宿主とする
SARSコロナウイルスが2002年から2003年にかけて発生をし、8,098人の感染者を発生させたものの終息をいたしました。感染力は1人の患者から2ないし5人で、致死率は9.4%でありました。
また、2012年からはサウジアラビアをはじめとする
アラビア半島において、ヒトコブラクダを宿主とする
MERSコロナウイルスが発生をし、本年の6月25日現在で感染者は2,494人となり、感染力は1人の患者から1人未満となっておりますが、致死率は34.4%と高くなっています。
今回発生をしたSARS-CoV-2
ウイルス、いわゆる
新型コロナウイルスに関しては、現在のところ、感染力は2ないし3.5人程度とされておりますが、平均的な感染者よりも著しく多くの人々に感染を広げるスーパー・スプレッダーが爆発的な
感染拡大に影響しているともされ、宿主をはじめとしてまだまだ未解明な部分が多く、世界中でこの
ウイルスの研究とワクチンや治療薬の開発が進められているのは御案内のとおりであります。
こうした未解明の部分が多いことや、
感染拡大の初期において、毎日のように
テレビ画面を通して親しみを持っていた著名な芸能人が感染をしたことにより、入院後は誰とも面会できず亡くなってだびに付された後にやっと親族の元に帰ることができるという大変ショッキングな事実を知ることなどにより、多くの人々がこの
ウイルスに対する言いようもない恐れを抱くこととなりました。
これまでにもHIVなど全容が解明されていない感染症にかかった方などに対して、差別や偏見が生じた残念な歴史がありました。今回の
新型コロナウイルス感染においても、個人の家や飲食店などへ貼り紙をする、いわゆる自粛警察の出現や他
県ナンバーをつけた車が石を投げられたり、
医療従事者の子供が保育園などから登園を拒否されるなど、全国的に差別、中傷やバッシングなどの大きな問題が発生をしています。
今後の
感染収束に向けた
個人個人の取組として、正しい情報に基づき、
感染予防対策にしっかり取り組むことが重要であることはもちろんであり、国や県、市町が発表する情報が各個人の行動、判断のよりどころとなります。しかしながら、この発表の仕方によっては混乱や差別や偏見につながりかねない可能性があり、慎重さが求められますが、同時に、ある程度の明確性を持たないと不安を招くという、相反する命題を抱えています。
本県においては、初めて
感染患者の発生が公表された3月2日以降、昨日までの公表によると、33事例で114名の患者が発生をしておりますが、この間、知事におかれましては、新たな
感染事例が発生をするたび、連日にわたり自らが
記者会見に臨まれ、事例の報告を可能な限り詳しく説明されるとともに、県民や事業者に対する
感染回避行動に関する呼びかけのほか、医療や福祉の現場で従事される方々への激励や、また、感染した方に対する
誹謗中傷の防止へ向けて力強くメッセージを発信して
注意喚起を促すなど、誠心誠意、丁寧に説明をしていただいており、県民の一人として厚く感謝を申し上げる次第であります。
新型コロナウイルス感染症の動向に関しましては、県民の方々の関心も高く、県のホームページやユーチューブでライブ配信されている知事の
記者会見も、多くの県民が注意深く視聴されていると承知をいたしておるところであります。
県内の
感染状況としては、県民や事業者による賢命な
感染回避行動もあり、5月28日に公表された
感染事例以降52日間にわたり、
新規感染者ゼロの状況が続いておりましたが、7月20日に公表された83人目の感染者を皮切りに、いわゆる感染第2波とも称される新たな感染の波が本県にも押し寄せてまいりました。
こうした中、8月中旬以降、感染者の年代や住所地に関して、一部非公表として会見される事例が立て続けに発生をしましたが、非公表とせざるを得なかった理由について、会見の際の説明によりますと、感染された本人が特定される可能性が極めて高いケースであったことや、SNS上での
誹謗中傷等への恐怖心から
患者本人や御家族が強く公表を拒まれたものとされています。
ウイルスへの恐れを抱くあまり、正しくない風評を流布したり、個人を特定した誹謗とも受け取れるような事態が県内においても発生をしてしまったことは誠に残念でたまりません。知事が常々説明されているとおり、どんなに注意を払っていても感染してしまうリスクは誰にでもあり、感染した経緯を責めるのではなく、大切なことはいかに感染の広がりを抑えるかということであります。
SNS上での無責任な投稿や
誹謗中傷、また、断片的な情報だけを取り上げて根拠のない不安をあおるようなことが常態化してしまうと、感染された方や御家族が傷つくことはもとより、恐怖心から何も話せなくなり、保健所の調査への協力が得られなくなる。ひいては
感染拡大につながってしまうおそれもあります。このため、
誹謗中傷に対する断固とした
注意喚起に加え、個人のプライバシーには十分な配慮が必要であることは当然であります。
しかしながら、感染した方や御家族をいたずらに傷つけるような意図はないものの、自身や家族の
感染リスクをできるだけ抑えたい。そのためには、感染者の住所地や
行動履歴についてできるだけ詳細に知りたい。場合によっては死に至る危険性のある感染症のため、
感染経路など分かっている情報は全て公表してほしいとの声があるのも事実であります。非公表とされる項目が多ければ多いほど、その内容を知りたいとの心情も理解できるところではあります。
そこで、お伺いいたします。
県では、
新型コロナウイルス感染症に関する
患者情報の公表について、どのような方針で公表しているのか、考え方をお聞かせください。
次に、
新型コロナウイルス感染症の影響が懸念される
県内ものづくり企業の
販路開拓支援についてお伺いをいたします。
先般、政府が発表した8月の
月例経済報告によると、国内景気について依然として厳しい状況にあるが、このところ持ち直しの動きが見られる。また、先行きについても持ち直しの動きが続くことが期待されるとの判断が示されてはいるものの、例えば、
企業収益の部分においては、感染症の影響により大幅な減少が続いているとされており、
中小企業にとってはまだまだ厳しい状況が続くのではないかと憂慮をしているところであります。
県内に目を転じますと、
民間シンクタンクが7月に公表した
県内企業の
新型コロナウイルスの
影響調査によると、製造業のうち84%が7月から9月にマイナスの影響があると回答をしており、また、具体的な影響については、約6割の企業が国内販売の減少を、4割の企業が商談会などの延期・中止を挙げるなど、多くの
県内企業が受注や
商談機会の減少に直面をしております。
事実、私のところにも県内の製造業を営む企業の方から、
訪問営業が難しくなったために新規顧客への
アプローチができない、
営業メールを送ってもなかなかハードルが高く、
ウェブ商談までたどり着かないなどの切実な声が届いており、特に営業力の弱い
中小企業においては、人の移動や面会が制限される中、
オンラインでの営業の必要性を認めつつも、なかなか進展が難しいことに苦心をされ、今後の
受注見通しの弱さに不安を抱かれているように感じます。
このような状況は、私の地元の
タオル業界においても例外ではなく、贈答品や土産品の需要の落ち込みのため、
メーカーは苦境に立たされていますが、一部の
メーカーでは
ウェブ会議ツールを活用した
オンライン接客により、対面以外の新たな手法を用いた顧客との新しい関係性の構築に取り組むなどしており、
コロナ禍の営業においては、これまで以上に工夫する力が試されているものと考えます。
中村知事におかれては、本県が全国に誇るもの
づくり産業の可能性にいち早く着目をされ、
営業ツールとして
スゴ技データベースを作成し、国内外での
トップセールスはもとより、商談会の開催や
大型展示会への
県ブース出展、
スゴ技企業の交流会の実施など
県内企業の
商談機会を積極的に創出し、
ものづくり企業の支援に多方面から取り組んでこられており、その姿勢を心強く感じております。
今後、
新型コロナウイルス感染症が収束に向かい、
経済活動の制約が緩和されることになれば、企業の業績回復も見えてくるものと期待をしますが、次なる感染の波が予想される中では、長期化する
コロナウイルスとの闘いを覚悟しながら、新たな切り口や
アプローチ手法による
企業支援が不可欠と考えます。
そこで、お伺いをいたします。
コロナウイルスの収束がいまだ見通せない中、
県内ものづくり企業の
販路開拓の支援にどのように取り組んでいかれるのか、お考えをお聞かせください。
次に、
コロナ禍における
児童生徒の学びの保障についてお伺いいたします。
今回の
コロナ禍では、
ウィズコロナという言葉も生まれるなど、私たちはこれから長期にわたり、この新たな感染症とともに生きていくことを覚悟しておく必要があります。
学校現場においては、昨年度末に国から要請のあった全国一斉の
臨時休業に加え、4月の国の
緊急事態宣言に合わせて、全ての
小中高等学校、
特別支援学校等において、再び長期にわたる
臨時休業の措置が取られました。この間、
子供たちは
感染拡大を防ぐためにやむを得ないと理解しながらも、学習が遅れることへの不安や外出できない
ストレスを抱えながら家庭で過ごしていたことと思います。
こうした中、本県では、既に
臨時休業中から
児童生徒の発達段階に合わせ、
学習プリントや
学習支援アプリを活用した
家庭学習支援、
CATV各局と連携をした
学習サポート動画の配信を行うほか、一部の学校では双方向型の
遠隔教育を実施されたとのことであり、
子供たちの学びを止めないための
学校現場の努力に敬意を表したいと思います。
また、5月の
学校再開に際しては、その2週間前から分散登校を行うことで、学習の遅れへの不安や
ストレスを徐々に解消されたと聞いており、さらに、完全再開後は、コロナによる再度の
臨時休業になった学校がないことに安堵をしているところでもあります。
幸い現在の本県の
感染状況は落ち着きを見せておりますが、
夏休み期間中に
感染事例が散発したことを思うと、
新型コロナウイルスが極めて手ごわい難敵であり、我々は今も予断を許さない状況にあるということを痛感する次第であります。特にこの先、秋冬と季節が進むにつれ、インフルエンザとの同時流行も懸念をされます。そうした中にあって、今後、
万が一感染が拡大をしても、
児童生徒が再び学びの不安を感じたり、負担を強いられたりすることがないように、これまでの経験を生かしながら万全の備えをしていただくよう強く希望する次第であります。
そこで、お伺いいたします。
今後、
児童生徒の学びの保障に向けて、どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。
次に、
林業分野における
外国人材の活用についてお伺いいたします。
県土の約7割を森林が占める本県では、先人たちのたゆまぬ努力により植栽された杉やヒノキのうち、主伐が可能な51年生以上の木が全体の約70%を占めるなど、今まさに成熟期を迎えております。しかし、
山村地域での急速な過疎化、高齢化に加え、長期にわたる木材価格の低迷などによりまして、県内の
林業労働力は
減少傾向で推移をし、平成30年には1,000人を切ったと聞いており、全国有数の森林県である本県の林業を将来にわたって維持・発展させていくためには、担い手を確保し育成していくことが大変重要であります。
県では、これまでも県内の高校生などを対象とした体験研修や
就業ガイダンスの開催のほか、
林業研究センターで高度な技術者を養成するなど様々な
担い手対策に取り組まれておりますが、我が国の人口が平成20年をピークに減少に転じ、33年後の令和35年には1億人を下回るとの推計もあるなど、本格的な
人口減少時代を迎えた今、林業のみならず、各分野で
外国人材の活用なども視野に入れた多様な取組が必要であると思うのであります。
こうした状況を踏まえて、国においては
出入国管理及び
難民認定法を改正の上、外国人の
在留資格に就労を目的とする
特定技能制度を平成31年4月に創設をし、
外国人材の活用に取り組んでいるところですが、この制度の対象となる産業上の分野は、人材の確保が特に困難な状況にある介護業や建設業、外食業など14分野に限定をされており、第一次産業では農業と漁業は対象ではあるものの、林業は対象外となっております。
また、この
特定技能の
対象分野のほとんどは、外国人の
技能実習の適正な実施及び
技能実習生の保護に関する法律における
技能実習制度で、2年または3年の研修が可能となる
技能実習2号の対象となっておりますが、林業はこの2号にも認定をされていないため、
林業分野における外国人の雇用については、
技能実習1号としての1年間の
在留資格しかなく、受入れが進んでいないのが現状であります。
このため、県では、高山県議が会長を務められている愛媛県
森林組合連合会と連携をし、平成29年度から2年以上の
在留資格が得られる
技能実習2号への林業の追加を目指し、入国前の
日本語研修から入国後の
技術研修までを支援するモデル的な取組を全国に先駆けて行っていると聞いておりますが、将来を見据えた取組であり、大変心強く感じているところであります。
そこで、お伺いいたします。
林業分野における
外国人材の活用に向けた取組の成果と今後の見通しについてお聞かせください。
次に、
自転車安全利用の促進についてお伺いをいたします。
愛媛県では、全国に先駆けて、サイクリングを核とした
地域振興を図るとともに、自転車を活用したライフスタイルを提案する自転車新文化を提唱され、様々な施策に取り組んでこられました。知事が先頭に立った取組により、
しまなみ海道は海外の
旅行情報サイトなどで世界有数のサイクリングロードとして紹介をされますとともに、昨年は
国土交通省からナショナルサイクルルートに指定されるなど、自転車を活用した
観光振興の一層の促進を期待するところでございます。
その一方で、自転車はレジャーや
スポーツに限らず、通勤、通学、買物など広く県民の移動手段として活用されており、自転車による
地域振興と両輪となる
安全利用を促進し、自転車が関係する事故のない社会を目指していく必要があると考えております。
県では、平成25年に愛媛県自転車の安全な利用の促進に関する条例を制定し、その
基本理念である
シェア・ザ・ロードの精神を県民に浸透させるため、
自転車安全利用の普及啓発や
安全教育の充実、あるいは
自動車運転者に自転車との安全な間隔を保つことを促す思いやり1.5m運動や、
自転車利用者に
交通ルールの遵守を促す「走ろう!車道運動」をキャッチフレーズとした意識啓発を行うなど、様々な施策に積極的に取り組んでこられました。
さらに、本年4月1日からは
自転車保険の加入が義務化をされたことから、県では、その広報活動による加入促進に鋭意取り組まれており、自転車の
安全利用に対する県民の意識向上がより一層図られるものと期待をいたしております。
さて、本県の
交通事故の状況を見てみますと、昨年は年間の
交通事故死者数が42人で、平成25年以来の目標としてきた
交通事故死者数アンダー50を達成されました。自転車が関係する死亡事故についても発生件数が毎年減少しており、過去5年間では、平成27年の17人に対し、昨年は4人と大きく減少をしております。
交通事故に遭った
自転車通学の中学生や高校生が、
自転車ヘルメットを着用していたために一命を取り留めたとの事例に代表されますように、県が関係機関と連携をしながら、
ヘルメットの
着用促進や
交通安全教育などに積極的に取り組んできた成果であると考えます。しかし、
ヘルメットを着用していない成人や高齢者の方々を見かける機会も多く、これらの年齢層にも着用を促すような取組も含め、今後とも、
ヘルメットの
着用促進に取り組んでいただきたいと考えています。
また、先日、歩道を歩いていると後方から勢いよく速度を出して走ってくる自転車が、私の横を擦り抜けてヒヤッとしたことがありました。自転車は車両の扱いとなることから、車道の左側を通行することが原則でありますが、信号を守ることはもちろん、一時停止場所では一時停止をするなどの義務があります。
交通規制により、自転車の通行を可能とする
交通標識が出ている歩道もあります。とはいえ、本来、歩道は子供や高齢者など誰もが安心して通行できる
歩行者優先の場所であります。自転車が歩道を通行する場合、
道路交通法において、自転車は徐行しなければならないなどと定められておりますが、残念ながら私と同じように、歩道上を速いスピードで通行する自転車に危険を感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。
歩行者、自転車、自動車が共に道路を安全に利用する
シェア・ザ・ロードの精神をさらに普及していくために、これら歩道上の
安全対策も含めた
自転車安全利用の促進に積極的に取り組んでいく必要があると考えます。
そこで、お伺いいたします。
県では、
自転車条例の
基本理念である
シェア・ザ・ロードの普及と
ヘルメットの着用などの
自転車安全利用の促進にどのように取り組んでいくのか、御見解をお示しください。
最後に、
デジタル施策の推進についてお伺いいたします。
本年7月17日に
閣議決定をされました
経済財政運営と改革の
基本方針2020、いわゆる骨太の方針では、
新型コロナウイルス感染症の拡大により浮き彫りになった
我が国社会の大きな課題として、
デジタル化、
オンライン化の遅れを上げており、
コロナ感染拡大への対応と
社会経済活動を両立する新たな日常を構築するために、
デジタル化への集中投資、実装とその環境整備に取り組み、具体的には、
マイナンバー制度の
抜本的改善、行政手続の
オンライン化、
ワンストップ化、
テレワークの定着、書面、押印、対面主義からの脱却など、社会全体の
デジタル化を強力に推進する姿勢が明確に示されております。
また、同日に
閣議決定をされたまち・ひと・し
ごと創生基本方針2020においても、全国津々浦々、医療、福祉、教育など社会全体のデジタルトランスフォーメーションを進め、デジタル技術を手段として効果的に活用し、地域課題の解決につなげていくことが、地方創生に関する政策の方向として打ち出されております。
一方、今月8日に発表された今年4月から6月期の日本の実質GDPの改定値は、年率換算でマイナス28.1%とリーマンショックを超え、戦後最大の落ち込みとなっております。新型コロナが日本経済や消費活動に甚大な影響を及ぼしていることは疑う余地がありません。県には、大きなダメージを受けている県内経済を早急に立て直すとともに、一日も早く回復軌道に復帰させ、県民が安定した生活を送れるよう各種対策を講じていただきたいと切に願っており、そのためには、急速に進化し続けているデジタル技術を積極的に活用することが不可欠だと考えております。
幸い本県においては、中村知事の優れた先見性の下、次世代の通信基盤である5Gの特性を生かした医療の充実や産業の振興に取り組まれており、インバウンドやサイクリング、県産品販売などの分野でも、全国に先駆けてデジタルマーケティングの手法を活用し、着実に成果を上げているところでもあります。
また、今年度、新たにデジタル総合戦略本部を設置し、全庁を挙げて
デジタル化に取り組む体制を整えるとともに、新たなデジタル技術の導入や活用方策等を示す総合戦略の策定に取り組まれていると伺っております。
今後、この総合戦略に沿って、まずは
ウィズコロナ社会における新たな日常の実現に向けて、その基盤を支えるデジタル技術の導入を速やかに進めるとともに、人口減少や少子高齢化が進む中にあっても、地域が活力を維持していけるよう、幅広い分野においてデジタル技術が効果的に活用されることを強く期待しているところであります。
そこで、お伺いいたします。
ウィズコロナ社会の到来など、我が国の社会経済環境が大きく変化をする中、県では、今後、どのように
デジタル施策を推進していくのか、お聞かせください。
以上で質問を終わらせていただきますが、ここで一言、昨日、総理の役目を終えられました安倍前総理に対して、感謝の気持ちを述べさせていただきたいと思います。
7年8か月という長きにわたって、2度目の総理として難しい問題の山積する日本のかじ取り役を務めていただきましたことに対して心から感謝を申し上げますとともに、これからもお元気で日本の将来を指し示すアドバイザーとして御活躍いただくことを願っております。
安倍前総理は、大学時代にアーチェリー部に所属をしておられましたが、そのときの親しい後輩が、私の地元今治に住んでいる関係から、愛媛入りの際には、時折プライベートで今治を訪れておられました。
2度目の総理に就任されるちょっと前だったと思うんですけれども、その今治の友人宅に来られたときに、家族だけとの食事会になぜか私も呼んでいただきまして、昔話に花を咲かせたり、将来の国や地方の在り方について夜更けまで話が弾んだ思い出もあります。私にとっても先輩でありますその今治の友人も、残念ながら病により先立たれましたが、きっとこれからも安倍さんの活躍を願っていることと思います。
また、新たに発足しました菅総理、維新との政策理念との共通点もたくさんございます。この新菅総理の行政手腕に期待をするとともに、
新型コロナウイルスの影響で世界中が大変な時代ではありますけれども、一日も早く終息に向かい、元のように活気のあふれる日本に、愛媛になりますことを願いつつ、質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○(戒能潤之介議長) 理事者の答弁を求めます。
○(中村時広知事) 議長
○(戒能潤之介議長) 中村知事
〔中村時広知事登壇〕
○(中村時広知事) 越智議員に、まず、
コロナウイルス感染患者の情報に関する御質問にお答えをさせていただきます。
新型コロナウイルスに限らず、重大な感染症が発生した場合は、
感染拡大の防止はもとより、個人を特定する動きや
誹謗中傷に対する個人情報保護の視点などを踏まえた感染者に関する情報の公表の在り方は重要な課題であると認識をしています。
感染症法では、個人情報の保護に留意しつつ、感染症の予防のための情報を積極的に公表しなければならないとされていますけれども、社会不安の解消を目的としたものとは規定されているわけではありません。
本県では、感染者のプライバシーの保護と風評被害等の防止に最大限配慮して、感染された御本人や御家族等の意向を踏まえまして、発生した事例ごとに公表すべき情報の範囲を精査した上で公表をさせていただいております。その際、必ずしも一律の基準ではなく、特に本人の意向に寄り添いながらも、陽性確認がお一人でとどまるのか、周囲の方にも感染が広がる可能性があるのかなどにより、状況に応じてさらなる情報の公表も検討することとしています。
しかしながら、未知の
ウイルスに対して不安に駆られた一部の方などが、断片的な切取り情報で不安をあおるような情報発信を行ったり、さらには、感染者を特定しようとするほか、感染者やその御家族等を
誹謗中傷する事案が県内でも少なからず発生しており、こうしたことが新たに感染が確認された方にとっても極めて大きな心の負担となっています。大変残念に思うとともに、こうした行為が感染者等を傷つけるにとどまらず、情報を出すのが怖いという心理から保健所の聞き取り調査への協力も得られにくくなったりした場合、かえって
感染拡大につながるおそれがあることに思いをはせてほしいと、機会あるごとに県民の皆さんへ呼びかけてきたところでございます。
新型コロナウイルスの感染予防は、感染者を特定することでなし得るものではありません。全ての県民が自ら積極的に
感染回避行動を習慣化していただくことで、大きな効果を発揮するものでございます。県では、公表する項目につきましては、引き続き、
感染拡大防止に必要な情報とプライバシーの保護とのバランスを見極め、可能な範囲で迅速に公表してまいりますので、県民の皆さんの御理解と御協力をぜひぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
次に、
県内ものづくり企業の
販路開拓支援についての御質問でございます。
新型コロナウイルス感染症は、出張や商談会等の開催の延期や中止などにより、
県内ものづくり企業にも大きな影響を与えておりますが、7月に実施した県の調査によりますと、約6割の企業がウェブでの非対面型営業を導入していると回答するなど、新たな手法での営業活動に取り組んでおり、県としても苦境の中で前向きに
販路開拓を進める
県内企業をしっかりと支えていく必要があるものと認識しています。
このため、県ではこれまで、大手企業への
トップセールスをはじめ、国内外の企業を訪問しての商談会や
大型展示会への出展など対面型の営業活動の支援を進め、昨年度は大型案件も含めまして、ものづくり分野だけで約85億円の成約実績を上げたところでありますが、今後は、感染予防を織り込んだ事業活動が求められている中、非対面型のデジタル技術を活用した新たな
販路開拓支援にも積極的に取り組むこととしています。
既に自治体としては全国的にも先駆的な取組であるバーチャル展示会、これをウェブ上に開設しており、8月末の開設後1週間で閲覧数が約5,000件に達しまして、東京の大手建築・設計会社など新たな取引先との商談が進んでいるほか、県外大手
メーカーの社内イントラネットを活用して、
県内企業の製品を売り込むビジネスマッチングの実施についても、現在、協議しているところでございます。
さらに、アジア地域をターゲットとした
ウェブ商談の準備にも取り組んでおり、今後とも、リアルと
オンラインの施策を柔軟かつ的確に組み合わせて、
県内ものづくり企業の
販路開拓をしっかりと支援してまいりたいと思います。
次に、
林業分野における人材活用についてでありますが、杉やヒノキなど全国有数の木材生産量を誇る本県において、森林の適切な管理や木材生産の継続のため、担い手の確保は極めて重要な課題であります。
県では、高校生への就業促進の働きかけをはじめ、多様な担い手確保策に取り組んでおりますが、少子高齢化・人口減少が急速に進行する中で、他の産業分野と同様に、
外国人材の活用が不可欠になってきているものと認識しています。しかしながら、国の外国人
技能実習生制度では、
林業分野は2号対象職種とされておらず、制度的な課題と考えてまいりました。
そこで、外国人
技能実習2号対象職種への
林業分野の追加を目指して、国に政策要望を行い続けるとともに、ベトナムからの実習生を全国に先駆けて平成29年度から毎年5人受け入れ、さらに、昨年度からは製材分野への外国人受入れを支援するなど、実績づくりに努めてきたところでございます。併せて、本県の林業・木材産業界が一体となって、全国の林業関係者を本県に招いてのシンポジウムの開催や、他県での広報活動などにより全国的な機運の醸成を図るとともに、国の制度化に不可欠な業界内での合意形成を牽引してきたところでございます。
この結果、他県においても実習生の受入れが開始されたほか、昨年4月には、全国
森林組合連合会など関係7団体により林業技能向上センターが設立されまして、2号対象職種の指定に不可欠な検定試験基準や審査基準等の検討が行われるなど、国による制度改正に向けた取組が着実に現在進んでいるところであり、県としては今後とも、実習生の受入れ実績をさらに積み上げるとともに、国に対しても継続して働きかけるなど、全国有数の林業県として、地方の声を反映した林業政策の実現を目指してまいりたいと思います。
次に、
デジタル施策についての御質問でございます。
グローバル化や少子高齢化の進展等により我が国の社会経済が大きく変化する中、県では、地域の持続的な発展には、急速な進化を続けるデジタル技術の活用が不可欠との考えの下、これまで観光や営業分野でのデジタルマーケティングの導入や、医療や産業分野での5Gの活用など、全国に先駆けて積極的に
デジタル施策を展開してまいりました。
今年度は、県政の幅広い分野で
デジタル化をさらに推進していくため、5月に部局横断組織となるデジタル総合戦略本部を立ち上げるとともに、7月には新しい働き方チャレンジ宣言を行い、デジタル技術を活用したスマート県庁への転換に全庁挙げて取り組むこととしています。
また、今月からは、行政の効率化、県民の健康づくり、教育の
デジタル化の3分野において、外部専門人材をデジタルコーディネーターとして招聘し先駆的な取組の具体化を図るとともに、県内事業者のデジタル人材育成に対する支援や高齢者のスマートフォン利用促進による情報格差の解消に加え、行政や民間企業、教育機関等がウェブ上での協議を通じて、地域課題の解決等につなげるためのデジタル基盤の構築にも着手を始めたところでございます。
さらに、今年度末を目途にこれら取組の成果を踏まえまして、県民本位、県・市町協働、官民共創という3つの視点を基本とした県政の
デジタル化の指針となるデジタル総合戦略、仮称でありますが、これの策定作業を進めておりまして、本戦略の下、今後とも、常に社会の変化の一歩先を行くんだという、こうした気概を持ちながらデジタル技術の効果的な活用を図ることで、活力と魅力あふれる愛媛県の実現を目指してまいりたいと思います。
その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。
○(福井琴樹
防災安全統括部長) 議長
○(戒能潤之介議長) 福井
防災安全統括部長
〔福井琴樹
防災安全統括部長登壇〕
○(福井琴樹
防災安全統括部長)
自転車安全利用の促進に関する御質問にお答えをいたします。
県では、交通安全県民総ぐるみ運動の重点項目として、自転車の
安全利用促進を位置づけ、
自転車利用者に歩行者との道路シェアや
交通ルールの遵守を呼びかけますとともに、自転車用
ヘルメットについては、高校生の着用を義務化、民間モデル事業所制度などにより
着用促進に取り組んだ結果、通勤・通学時間帯の着用率が7割を超えたほか、民間団体の実態調査で本県の着用率が全国1位となるなど、
安全利用の象徴である
ヘルメット着用が県民に着実に浸透していると認識をしているところでございます。
一方で、成人や高齢者につきましては、
ヘルメット着用率が低く、
安全教育を受ける機会も少ないことから、昨年度実施しました
ヘルメット用の着せ替え帽子コンテストの優秀作品などを活用しまして、県内主要スーパーで買物など日常生活での
ヘルメットの着用や自転車利用に関するマナー向上を呼びかけるなど、ライフステージに応じた
安全利用の取組を継続的に推進することとしております。
また、歩道を走行する自転車の速度抑制については、今月末を目途に、高校生等から募集した
注意喚起の標語を松山市中心部の自転車が通行可能な歩道に掲示をしまして、
自転車利用者の意識啓発を行うなど、
シェア・ザ・ロードの精神のさらなる浸透に努めることとしておりまして、今後とも、関係機関と連携しながら、全ての世代における
ヘルメット着用と
自転車安全利用の促進に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(田所竜二教育長) 議長
○(戒能潤之介議長) 田所教育長
〔田所竜二教育長登壇〕
○(田所竜二教育長)
児童生徒の学びの保障についてお答えをいたします。
長期間の
臨時休業による学びの遅れは、夏休みの短縮や学校行事の重点化、数次にわたります指導計画の見直しなど
学校現場の懸命の努力により、高校は10月までに、小中学校や特別支援学校も2学期中には回復する見通しが立っておりますが、休業が
学校現場に与えた影響の大きさを顧みますと、今後、万一感染が拡大した場合でも、全ての
子供たちに質の高い学びを最大限保障できる体制整備が急務と認識いたしております。
このため、県教育委員会では、休業中の学習支援に大きな力を発揮したICT教育の環境整備に本腰を入れて取り組んでおりまして、現在、全ての県立学校で、対面授業に近い形態での
遠隔教育の実施に必要な映像設備や動画編集ソフトなどの配備を進めております。
また、県内全ての公立学校で1人1台端末の配備が整うのに併せ、教員が通常時も含め効果的な授業を展開できるよう、ICT活用の実践事例等を取りまとめたガイドラインの策定や教員のスキルアップ研修にも集中的に取り組むこととしており、学校が再び休業しても必要な教育を着実に実施できる体制を構築することとしております。
コロナ禍が長期化する中にあっても、
子供たちの健やかな学びを保障することは、教育に携わる者に課せられた使命であり、県教育委員会では、
感染リスクと闘う中で得られた経験を生かしながら、最前線に立つ
学校現場とともに感染防止対策と学びの確保の両立に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(戒能潤之介議長) 休憩いたします。
午後1時から再開いたします。
午前11時21分 休憩
―――――――――――――――――
午後1時 再開
○(戒能潤之介議長) 再開いたします。
質疑を続けます。
○(西原司議員) 議長
○(戒能潤之介議長) 西原司議員
〔西原司議員登壇〕
○(西原司議員) (拍手)えひめリベラルの会の西原司です。
質問の前に、
新型コロナウイルス感染症に感染され、現在、治療を受けられ、闘病中の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
また、この間、日夜献身的に治療に当たってこられた
医療従事者の皆様にも感謝を申し上げ、中村知事を先頭に職務に邁進されている関係各機関並びに県・市町の職員の皆様にも感謝を申し上げます。
何よりも、新しい生活様式を徹底し、3密回避を基に日常の生活の中で、最大限御協力いただいている県民の皆様にも感謝を申し上げます。
さて、昨日、衆参両院の本会議において、総理大臣指名選挙が行われ、第99代菅義偉内閣総理大臣が誕生しました。菅総理は、秋田県の雪深い田舎の出身とお聞きしております。就職で東京に出てこられ、今日まで政治家としてたたき上げで総理の座まで上り詰めたことは、日本という国が誰にでも可能性が開かれた国であると感じた次第です。
我が党立憲民主党は、野党第一党としてより大きな固まりをつくることができました。我が党は、新自由主義的社会から脱却し、互いに支え合い、分かち合う社会を築き、一人一人の命と暮らしを守ること、暮らしの安心を取り戻すことを目指し、当事者の声に耳を傾け、様々な政治課題を現場のニーズに即して解決すべく、全身全霊を注いでいきたいと思います。
それでは、会派を代表し質問をさせていただきます。
まず初めに、新型コロナにより影響を受けている本県経済の活性化についてお伺いをいたします。
年明け直後の1月6日、厚生労働省が、中国武漢市で原因不明の肺炎の発生が複数報告されたとリリースし、1月15日には、日本国内で新型コロナ感染者が初めて確認され、あれから約8か月がたちました。
その間、ダイヤモンド・プリンセス号の横浜沖での乗客全員の自室待機や、首相による全国の学校
臨時休業の要請、4月7日には政府が
緊急事態宣言を発令、4月18日には国内
感染者数が1万人を突破し、5月25日に全ての都道府県で
緊急事態宣言が解除に至るなど、これまでに経験したことない局面を多くの県民の皆さんは体験されたと思います。この体験を通じて、多くの県民の意識に変化をもたらし、また、危機感を感じたのではないでしょうか。私自身、コロナ前を考えると、様々な分野で人を集めることに価値を置いていた感覚がありました。これからは人が集まらなくてもいい時代への転換を図りながら、しかしながら、絆をより深く、つながりは絶えない愛媛県であってほしいと思います。
この8か月間の間で、新型コロナの特徴について分かってきた事実もあります。正しい知識を持って恐れることが大切でありますが、感染者に対する犯人捜しのような行動や
誹謗中傷などの差別的な言動が県内でも発生していると聞いております。それにより、県民同士や地域の中でも孤立が生まれ、恐怖感を持ってしまい、今後、正しい情報が得られなくなり、調査に影響が生じ、結果として
感染拡大にもつながってしまうおそれがあります。犯人捜しや
誹謗中傷などの行為は絶対にやめるべきであるということをいま一度、私たち自身が心得なければなりません。
また、本県の高齢化率は32%を超えており、重篤化しやすい高齢者や基礎疾患がある方を守るためにも、今後、インフルエンザの流行も鑑みながら、地域医療を崩壊させないように、県民一人一人の意識を保たなければなりません。それと同時に、本県の地域経済の活性化については、果敢に進めていく必要があります。
いよぎん地域経済研究センターの7月調査レポートによると、新型コロナの影響を受け、景況感は97年下期と並ぶ最大の下げ幅となり、2020年下期見通しとして、製造業、非製造業ともに悪化の見通しとの業況判断を示しており、
経済活動の本格的な回復に向け、今後、第2波、3波の到来を見据えながら、本県の地域経済の底上げを行っていく必要があります。
せんだって、経済企業委員会の地域の声を聴く会を傾聴させていただきました。新型コロナにより大きな影響を受けたホテル・旅館業をはじめ、喫茶業、酒造業は、本県のえひめ版協力金や給付金、補助金等を最大限活用し、困難の中でも新しい生活様式下の中での新発想をビジネスに生かし、従業員の雇用を守り、消費者を満足させる取組を進められております。その姿に敬意を表すとともに、勇ましいと感じた次第であります。
そこで、お伺いをいたします。
このコロナ危機を乗り越え、新しい本県の未来をつくっていただきたいと思いますが、県は、県内経済の活性化に今後、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。
次に、地方創生についてお伺いをいたします。
地方創生という言葉が誕生して7年目を迎えます。その根拠法はまち・ひと・しごと創生法であり、地方創生を推進するため、人口減少や東京圏への人口集中を食い止め、地方を活性化するというものであります。
2015年に、安倍前総理は地方の総合戦略の策定、実施を開始し、地方創生を成功させ、我が国の人口減少に歯止めをかけるためにその取組をスピードアップさせると述べられ、2015年を地方創生元年と宣言されました。
地方創生を達成する上で重要なことは、法律の第1条で書かれてあります。主には、少子高齢化の進展への対応、東京圏への人口の過度の集中を是正、地域で住みよい環境の確保、魅力ある多様な職業の機会の創出、多様な人材の確保などであります。
国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来推計人口によると、2013年の1億2,700万人の人口が、2060年には約8,600万人にまで減少すると推計されています。国は2060年に約1億人の人口を確保することを目標とし、人口減少の克服や地域の活性化を目的とした政策展開を行ってきました。1,400万人の人口の上積みを目標とするならば、人口の維持、または人口の増加を目指した政策の遂行が必要であります。
昨年改訂されたまち・ひと・しごと創生長期ビジョンにおいて、2060年の総人口数が約9,300万人と改訂されており、6年前に示された長期ビジョンからは700万人増えております。健康寿命が延びたことや外国人の帰化が増えたことが影響しているのでないかと推察しますが、先日、総務省が公表した7月の人口移動報告によると、東京圏から他の道府県への転出が転入を1,459人上回り、転出超過となったと新聞報道等がありました。全国的にも都道府県をまたぐ転出入は減っており、
コロナ禍での影響とは思いますが、地方創生の目的でもある東京への一極集中を是正する意味でも、この流れは地方から見れば歓迎すべきことではないでしょうか。
愛媛県民を増やす取組を考えたときに、自然増と社会増に向けた様々な施策を総合的に進めていく必要があります。自然増を実現しようとすれば、出生数を増やすことが何よりも重要となります。社会増でいえば、県民に対し転出を抑制する、県外の方に対し転入をお願いする、この2点のみと考えます。
そこで、お伺いをいたします。
県では、第2期愛媛県版まち・ひと・しごと創生総合戦略を令和2年度から4年度までの3年間を戦略の期間として位置づけておりますが、この県版総合戦略を踏まえて、地方創生に向けた取組を今後、どのように進めていくのかお伺いをいたします。
次に、海洋プラスチックごみについてお伺いをいたします。
本県の海岸の長さは約1,700キロであり、全国で5番目の長さを有しています。そのうち日本の渚百選に選ばれている須ノ川海岸をはじめ、九州佐賀関が手に取るように見える佐田岬周辺の海岸や、下灘駅周辺の海岸などから見える景色は絶景であり、多くの県民の方が各地域の海岸に訪れ、海水浴等を楽しまれていると思います。
そんな美しい本県の海岸でありますが、一方で、プラスチックごみの漂着による海洋汚染は深刻な問題であると受け止めております。
せんだって、伊方町の高浦の浜、宇和島市蒋渕の半島を訪れる機会がありました。現地に行って大量の漂着ごみ、とりわけプラスチックの量に驚いた次第であります。高浦の浜では約160mにわたってごみが漂着しており、その中身は、飲料用ペットボトルやカキ養殖のプラスチック製のパイプ、洗剤容器、発泡スチロールの破片が多く、ほとんどが国内から流れ着いたものでありました。長年にわたってごみが漂着しており、何層にも重なり合い放置されている状況を目の当たりにしました。地域住民の方やボランティアの方、役場の職員さんも一緒になって回収作業を行っているようですが、とてもボランティアで撤去するには困難な量でありました。
漂着ごみは、生態系にも影響を及ぼすことが次第に分かってきており、本県の魚種を守る上でも、その撤去は重要であると思います。使用済プラスチックが川や海に散乱し、太陽の光などにより劣化し、5ミリ以下の小さな破片となったものをマイクロプラスチックと呼びます。それを魚や海鳥が餌と間違えて食べることにより、ひいては私たち人間にも影響が出てくるわけであります。
環境省によると、全国の漂着ごみの推計量は31から58万tととてつもない量であります。本県においても、人が訪れない箇所に漂着ごみが無数に散乱している状況であります。佐田岬の恋の浜や横島、三浦半島中央、日振島東側など、船から上陸しないと確認できない箇所も多数あります。
県では、海洋プラスチックごみの削減に向けて、漂着ごみの種類のほか、発生源や量などに関する実態調査やマイクロプラスチックなどの調査も行われると伺っております。科学的な見地も必要と思いますが、ぜひその取組の強化に期待するところであります。実態調査を進めることは、本県に流れ着く海洋ごみのメカニズムを知る上で重要と考えますが、現状、既に高浦の浜を代表するように、大量の漂着ごみが長年にわたって蓄積されていることは周知の事実であり、現状、回収している箇所もあるとお聞きしておりますが、より一層、漂着ごみの回収処理を進めていく必要があると考えます。
そのような中、県では、本年3月にえひめプラスチック資源循環戦略を策定したところであり、戦略に基づく様々な施策が展開されていることを期待しております。
そこで、お伺いをいたします。
県では、同戦略に基づき、マイクロプラスチックを含む海洋プラスチックごみの削減並びに回収について、今後、どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
次に、希少野生動植物についてお伺いをいたします。
今年の夏は昨年の夏と違い、
コロナ禍での夏でありました。県外に出向いて遊びに行く機会が減る中で、県内の海や川、山など、本県が誇る豊かな自然の中で夏休みを満喫された方も多かったのではないかと思います。
そんなすばらしい本県の海、山、川には、様々な動物、植物が生存しています。この地球上に生きているあらゆる生物は、40億年前に誕生した1つの細胞から進化し、多様化して、今日の様々な生命につながっていることは言うまでもありません。
せんだって、久万高原町旧美川村にある赤蔵ヶ池を訪れました。古文書によれば、1151年頃にはその原形があったそうです。1800年頃の文献によれば、赤蔵ヶ池から出てきた
妖怪ぬえを退治した記録が残るなど、かなり古い歴史が残る池であり、また、現在も多くの動植物が生育する池でもあります。池周辺には、ササユリ、ホオノキ、ハタガヤなどの植物が自生しており、池の中にはドジョウ、ドブシジミ、フタバカゲロウなどの水生動物も存在し、水際には、自生する植物ヤナギタデ、オオイヌタデ、本県のレッドデータブック絶滅危惧ⅠB類に位置づけられているジュンサイなどの植物が生育しているとのことです。
訪れた際に全ての動植物は確認することはできませんでしたが、深い碧色の湖面はとても神秘的であり、景観としても、生物多様性の宝庫としても非常に価値のある場所だと思いました。長い年月をかけてこの場所に存在しており、これからも動植物が生きる場所、深い歴史が残る場所であってほしいと思います。
自然との共生は、私たち人類にとって重要なテーマでありますが、近年は、人間の活動や気候変動の影響により、自然豊かな生態系や生物多様性が失われつつあるとも言われています。前の質問でも述べましたが、マイクロプラスチックを含む海洋ごみもその一つだと思います。
この6月に新居浜市別子山付近で、50年以上本県では確認されなかったニホンカモシカの動く映像が、走行中の車のドライブレコーダーにより確認されました。ニホンカモシカはウシ科の動物であり、アジアではタイワンカモシカとスマトラカモシカが生育し、日本では本州、四国、九州地域で生育し、四国では黒い毛のカモシカが主であるそうです。また、シカとは違い、縄張を持ち、群れない、定住性が高い動物とのことであります。
宝暦2年に書かれた寺川郷談の文献には、高知県の山奥の厳しい環境の中で暮らす生きざまが記されており、その中で、「冬はかもしかの皮を背にまとい、夜はいろりの火に背をあぶって夜をあかす」とうたわれており、江戸時代の頃から四国で捕獲されていたことが推察されます。
昭和9年に国の天然記念物に、昭和30年には国の特別天然記念物に指定されています。しかし、その後、カモシカの個体数の増加と農作物への食害の被害から、地域に応じて捕獲も行われています。今回、発見されたニホンカモシカは、ほかにも複数の目撃情報もあり、四国山地カモシカ特別調査報告書によりますと、四国内には徳島県、高知県を中心に、生育個体数は約300頭から700頭いるとされ、生育分布状況も愛媛県、香川県にも広がってきている状況とのことです。
本県では、ニホンカモシカの生息実態調査はこれまで行われておりませんが、分布が広がった背景には、ニホンジカの増加により食物不足になり、生息の変化が自然界で起こっていることも考えられることから、今後、実態調査を行っていただきたいと考えます。
これまでるる述べた以外にも、本県には石鎚山に分布する亜寒帯植生から、リアス式海岸を有する愛南町には、日本の約4分の1に当たる849種類の魚種やサンゴを有するなど、本県の自然環境はすばらしく、今後も延々と存在してほしいと考えます。
そこで、お伺いをいたします。
本県における希少野生動植物の保護について、どのような認識を持ち、今後、どのように取り組んでいくのか。併せて、生息・生育環境に対する気候変動などの
影響調査などについてもどのように行っていくのか、お伺いをいたします。
次に、障がい者の地域移行支援についてお伺いをいたします。
新型コロナの
感染拡大に伴い、就労施設をはじめ、障がい者施設では、様々な試行錯誤と苦境にあったそうであります。障がい者施設では、コミュニケーションとしてのボディータッチを必要とすることから、感染症対策として、職員や利用者との距離を保つために、現場では利用者の人数や施設の構造を含めて、様々な工夫をしながら現在も取り組んでいるようであります。
就労継続支援事業所においては、コロナ前と生産作業工程は変わらない状況において、工賃は下げられない中、利用者の離職に伴う報酬の減少、生産活動収入の減少などの苦境があったそうです。
コロナ禍による利用控えが離職につながり、国からの訓練費が削減され、その後の補充に苦労したなどの現場の声をお聞きしました。
そのような中、県の6月補正予算において、障がい者施設・事業所において、サービスの継続業務に従事した職員に対して慰労金の支給がありました。
また、同じ6月補正予算の
新型コロナウイルス感染症障がい者生産活動活性化支援事業費により、収入が減少している事業所の生産活動の再起に向けた取組や、利用者の工賃の確保に期待をしたいと思います。
県内の就労支援事業所は、小規模の事業所が大半であります。
コロナ禍において、さらに厳しい環境に置かれやすい障がい者の方の仕事の確保と業務発注が今後も継続的に行われるよう、引き続き支援いただくよう期待をしております。
障がい者を取り巻く環境は厳しく、様々な切れ目のない支援が重要であります。それは生きる過程でも同様であります。先日、メディアでも大きく報道されましたが、筋萎縮性側索硬化症、ALS患者の嘱託殺人事件が起こりました。ALSは、国の難病に指定され、重篤な筋肉の萎縮と筋力低下を来す神経変性疾患であり、有効な治療方法が現在のところ確立されていません。国内の患者数は約1万人、本県でも約100人の患者の方が、切れ目のない介護や医療の提供を受け、家族や様々な支援機関のサポートの下で生活をされています。
患者の立場に立つと、不安や苦しみはいかばかりかと考えます。自身がその立場にない中で軽々には言えませんが、生死の選別を暗黙に迫る社会ではなく、生きていいんだと共に支えられるような社会であってほしいと思います。
ALS患者の中には、人工呼吸器を装着し、24時間体制の支援を受けながら、一人暮らしをされている方も少なからずおられます。難病であっても、重度の障がいがあっても、その人らしく自身の意思決定が行える環境づくりは重要と考えます。それは施設だけの生活に限りません。地域社会の中で当たり前に生活できる環境は大切だと思います。
現在、本県では、多くの障がい者が施設入所によって生活をされています。施設入所者の地域生活移行者の現状を見ていると、施設入所者の重度化、高齢化により、退所の割合は入院、死亡を理由とする傾向が高いのではないかと推察をいたします。
障害支援区分が比較的軽度で、地域生活への移行が可能な方については、グループホーム等の地域生活への移行がより進むことが望まれますが、そのためには、地域定着支援に向けての様々な相談機関をはじめ、単身で生活を行う上での支援も重要になってきます。親亡き後、親御さんの立場に立って将来のことを考えると、施設で不自由なく生活してほしいと考える方が多いと思います。本人自身の意思決定を尊重する立場で考えると、地域で様々な支援や援助を受けながら生活をしたいと思うのは、ごく当たり前の考え方だと思います。施設から地域移行の受皿として、グループホーム、一人暮らしの支援、介護不安の家族を支える仕組みの構築が必要と考えます。
そこで、お伺いをいたします。
障がい者の施設から地域生活への移行について、これまでどのように取り組んでこられたのか。また、今後、第5期愛媛県障がい福祉計画の目標達成に向け、どのように地域生活移行への支援を行うのか、お伺いをいたします。
次に、ICT教育についてお伺いをいたします。
昭和、平成時代の学校教育の基本は、読み、書き、そろばんでありました。文章が正しく読める、漢字や言葉を覚えて正しく書ける、正しい受け答えや解答ができることが求められ、日本の歴史ある教育方法であったと思います。
私自身、学生時代を思い出しても、商業高校出身であり、大学は経営学部でしたが、パソコンをリアルタイムで活用して学んだ記憶がありません。それだけ全ての授業において、パソコンの利活用や端末が整備されていなかったんだろうと思います。これから学校で教育を受ける
子供たちは、読み、書き、そろばんにプログラミングが加わることになります。
内閣府は、Society5.0を実現する社会とは、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会を目指す社会像であると打ち出しています。AIやロボットの普及により代替化、省力化が進み、高付加価値的な行動が求められており、これからの時代を生き抜く
子供たちの将来の職能には、ICTの活用が必要不可欠であるため、国はGIGAスクール構想を打ち出したものと考えます。
国は、当初の予定を前倒しし、令和2年度に可決された補正予算の中で、GIGAスクール構想の加速による学びの保障を打ち出しました。1人1台端末の早期実現や家庭でもつながる通信環境の整備など、ハード・ソフト、人材を一体とした整備を加速させることで、災害や感染症の発生等による学校の
臨時休業等の緊急時においても、ICTの活用により、全ての
子供たちの学びを保障できる環境を早急に実現したいという意図があるものだと思います。
本県でも、これからICTを活用した教育環境の充実が図られる中で、8月補正において、県立学校における端末の導入等を打ち出したところでありますが、これまで対面で授業を行っていた学習環境は今後、どのように変化していくのでしょうか。
今では中学生の5割、高校生の9割がスマートフォンを保有していると言われています。しかしながら、内閣府が実施した青少年のインターネット利用環境実態調査によると、スマホは遊びやコミュニケーションのツールとしての機能は果たしているようでありますが、学習用ツールとしての機能は果たしていないようであります。
ICT教育を進める上で、家庭など学校外で使用しているスマホの存在は大きいものと考えます。教育現場において、スマホの活用を含めた、より効果的なICTの活用を期待したいと思います。ICT教育の導入により、その特性を生かし、生徒自身が主体性を持った学びが可能になると考えます。しかし、そのためには現場の先生の知識やスキルなどが伴っていることが必要不可欠であります。
そこで、お伺いをいたします。
県立高校において、生徒の主体的な学びのためICT教育を今後、どのように進めていくのか。また、現場の教職員に対する支援や研修について、今後、どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
最後に、児童虐待についてお伺いをいたします。
東京都目黒区や千葉県野田市で起こった児童虐待死事件は記憶に新しく、また、様々な虐待事案がマスコミ報道等で流れるたびに胸を痛めているところであります。
児童虐待に関する報道を見ていると、毎年、虐待相談件数は過去最高であった、虐待と判断しなかったことについて、担当者は虐待だと確信できなかった、専門家のコメントは、他機関との一層の連携強化が重要とのくだりをよく目にします。
児童虐待が増加する一因として、面前DVの要因が考えられます。本県の児童相談所での相談対応件数を見ると、全国の動向と同じく、心理的虐待に関わる相談対応件数が増加傾向にあります。また、警察等からの通告の増加も顕著であり、児童が同居する家庭内での配偶者に対する暴力がある面前DVが増加の要因であると推察いたします。特に、男女間のもめごとに介入していく行政の支援策はなく、その対応は主に警察での対応となっており、男女間の関係性が変わらないと虐待はなくならないと思います。男女間のトラブルを抱え、離婚や別居等を繰り返していく中で、新たなDVや虐待が増えることを懸念しています。
また、虐待死はゼロ歳児が最も多いことから、虐待を減少させるためには、数年後、親になり、これからの未来を担う世代に対する教育も重要であると考えます。
今年の4月から施行された児童虐待防止法改正法の中で、体罰禁止の明記、児童相談所の体制強化、配偶者暴力相談支援センターとの連携強化や、虐待した保護者に対して医学的、心理的指導を行うなどが示されております。
児童虐待を減らすためにも、もちろん関係機関としても要とされる要保護児童対策地域協議会の機能強化と新たなネットワークも必要でありますし、保護者支援も不足していると感じます。その支援も、パートナーが共に一緒に取り組まなければ課題解決には至りません。
近年、県では、児童福祉司等の専門職の増員などの取組が進められ、児童虐待対応の核となる児童相談所の相談支援体制の強化に努められていると伺っており、児童虐待の防止に向けた今後の様々な施策を期待しているところであります。
そこで、お伺いをいたします。
県はDV相談との連携を含め、児童虐待の防止対策にどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
以上で私の質問を終わります。
御清聴いただきました。誠にありがとうございました。(拍手)
○(戒能潤之介議長) 理事者の答弁を求めます。
○(中村時広知事) 議長
○(戒能潤之介議長) 中村知事
〔中村時広知事登壇〕
○(中村時広知事) 西原議員に、まず、県内経済の活性化についての御質問にお答えをさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の人や物の動きが停滞し、宿泊・飲食業や製造業をはじめ、幅広い業種が甚大な影響を受けていますが、いまだ収束への道筋が見通せない状況の中で、当面は県内事業者による事業継続と雇用維持を最優先にしながら、新しい生活様式を踏まえた様々な新規ビジネス等の取組を積極的に支援していくことが重要であると認識をしています。