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令和 2年第367回定例会(第5号 3月 4日)

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  1. 愛媛県議会 2020-03-04
    令和 2年第367回定例会(第5号 3月 4日)


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    令和 2年第367回定例会(第5号 3月 4日) 第367回愛媛県議会定例会会議録  第5号 令和2年3月4日(水曜日)   〇出席議員 47名   1番  中 野 泰 誠   2番  西 岡   新   3番  山  洋 靖   4番  菅   森 実   5番  浅 湫 和 子   6番  石 井 智 恵   7番  中 田 晃太郎   8番  大 政 博 文   9番  新 田 泰 史   10番  黒 川 理惠子   11番  欠     番   12番  欠     番   13番  武 井 多佳子   14番  田 中 克 彦   15番  西 原   司   16番  塩 出   崇
      17番  高 橋 英 行   18番  松 下 行 吉   19番  川 本 健 太   20番  帽 子 大 輔   21番  大 石   豪   22番  宇 高 英 治   23番  欠     番   24番  欠     番   25番  菊 池 伸 英   26番  古 川 拓 哉   27番  兵 頭   竜   28番  大 西   誠   29番  松 尾 和 久   30番  福 羅 浩 一   31番  三 宅 浩 正   32番  西 田 洋 一   33番  欠     番   34番  欠     番   35番  木 村   誉   36番  笹 岡 博 之   37番  鈴 木 俊 広   38番  石 川   稔   39番  梶 谷 大 治   40番  徳 永 繁 樹   41番  高 山 康 人   42番  渡 部   浩   43番  戒  潤之介   44番  欠     番   45番  欠     番   46番  越 智   忍   47番  横 田 弘 之   48番  毛 利 修 三   49番  赤 松 泰 伸   50番  本 宮   勇   51番  西 原 進 平   52番  中 畑 保 一   53番  明 比 昭 治   54番  岡 田 志 朗   55番  森 高 康 行   ―――――――――― 〇欠席議員 なし   ―――――――――― 〇欠  員 なし   ―――――――――― 〇出席理事者  知事          中 村 時 広  副知事         神 野 一 仁  副知事         八 矢   拓  公営企業管理者     兵 頭 昭 洋  総務部長        高 橋 正 浩  企画振興部長      金 子 浩 一  スポーツ・文化部長   高 石   淳  防災安全統括部長    福 井 琴 樹  県民環境部長      岸 本 憲 彦  保健福祉部長      山 口 真 司  営業本部長       八十島 一 幸  経済労働部長      田 中 英 樹  農林水産部長      田 所 竜 二  土木部長        杉 本   寧  会計管理者出納局長   菅   豊 正  教育長         三 好 伊佐夫  副教育長        武 智 俊 和  人事委員会委員     大 内 由 美  公安委員会委員     増 田 吉 利  警察本部長       篠 原 英 樹  監査委員        本 田 和 良  監査事務局長      山 本 亜紀子   ―――――――――― 〇出席事務局職員  事務局長        東 野 政 隆  事務局次長       八 塚   洋  参事総務課長      松 本 賢 固  参事議事調査課長    西 田 洋 一  政務調査室長      入 舩   理  議事調査課主幹     二 神 裕 志   ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件  定第1号議案ないし定第19号議案、定第23号議案ないし定第64号議案      午前10時 開議 ○(西田洋一議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者大西誠議員古川拓哉議員を指名いたします。    ――――――――――――――――― ○(西田洋一議長) この際、知事から報告したい事項がある旨の申し出がありましたので、これを許可します。   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 一般質問の前に、こうした機会を与えていただき、御配慮に感謝を申し上げたいと思います。  御案内のとおり、県内で新型コロナウイルスの初感染が確認されました。この数日間、県庁一丸となりまして、その対応に東奔西走しておりますけれども、まずはその動きがスムーズにいくように、議会の立場でさまざまな面で御配慮をいただいておりますこと、議長を初め、議会の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。県庁職員、こういうときこそ力量が試されるという気持ちを共有して、全力で対応に当たってまいりたいと思います。  月曜日に初めての感染者が確認されました。そのときに、最初の感染であるがゆえに、対応が非常に重要だということで、御本人にはすぐに入院をしていただき、また、義務ではありませんけれども、接触のあった方々、御家族、そして職場の皆さん、あるいは、この間に接触された皆さん、できるだけ追いかけて、検体を提出していただきました。  国の専門家のチームで構成される会議では、感染者の約8割の方は、ほかの人にうつしていないという見解を出されております。8割の方は、他への感染がない方だということであります。  こうしたことから、周辺にいた方々の確認が重要というふうに判断しておりまして、きょう現在、御家族2人、そしてまた、御親戚の方、あるいは職場の方、職場を通じて接触のある方々、全員陰性であり、御本人も含めて、誰一人発症もしていないということが確認をされているところでございます。そして、感染された方も2回、この間旅行に行かれていますけれども、移動手段の飛行機あるいはバスにおいては、全てマスクを着用しての移動ということも確認がとれています。  この結果、御本人につきましては、専門家会議で言われている、8割人にうつさないというふうな方であるということが想定されますので、この全ての状況を県民の皆さんも受けとめていただきまして、冷静に対応していただきたいということをくれぐれもよろしくお願い申し上げたいと思います。  ただその一方で、心ない、こうした関係者の方々への中傷であるとか言葉であるとか、そういったことも漏れ伝わってきております。皆さん、クルーズ船に乗られていた方も含めて、普通に生活をして、地域で溶け込んで生きていられる方ばかりであります。こういうときこそ思いやりというのが大事ではないかなとつくづく感じます。決して地域から疎外したり、心ない言葉をかけたりということのないように、1年半前の西日本豪雨災害での対応のときにつくづく思いました。思いやりと助け合いというものが地域を復活させる大変大きな力、一番重要な力になるんだということを我々は学んだと思います。  今こそ県民力を発揮して、例えばそういう方々、もし身近な方で知っている方がいたとしても、大変だったねというような声が自然にかかるような県であってほしい。そして、それができるのが愛媛県だと思いますので、この事態は大変だと思いますし、ただ少なくとも最初の感染された方については、今申し上げたような客観的な分析によって、他にうつしていないというふうな専門家の意見も出ていますので、そのことは県民の皆さん、受けとめていただきまして、温かい気持ちで接していただきますよう、心からお願いを申し上げたいと思います。  ただ今後、また別のルートでの感染というのも十分想定されますので、今後とも緊張感を持って、そしてまた、これまでと同様に、事態が何か起こった場合は速やかに公表する。そして、できるだけのことを対応として打っていく、このことは県としてかたくお約束をさせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  お時間いただきましてありがとうございました。    ――――――――――――――――― ○(西田洋一議長) これから、定第1号議案令和2年度愛媛県一般会計予算ないし定第19号議案及び定第23号議案ないし定第64号議案を一括議題とし、質疑を行います。 ○(西原司議員) 議長 ○(西田洋一議長) 西原司議員   〔西原司議員登壇
    ○(西原司議員) (拍手)おはようございます。  えひめリベラルの会、立憲民主党の西原司です。  まず最初に、スポーツ振興についてお伺いをいたします。  本県には、愛媛FCや愛媛マンダリンパイレーツ愛媛オレンジバイキングス、FC今治の4つのプロスポーツがあります。地域活性化に寄与していることは言うまでもありません。地域経済波及効果や県外に向けての愛媛のPRなど、本県の魅力づくりに大いに期待されるものであり、県民総ぐるみで応援すべきものと考えます。  また、競技スポーツは、スポーツ技術や記録の向上を目指すものであり、アスリートが並々ならぬ努力と練習を重ね、成果を発揮することがだいご味であります。一方、生涯スポーツは、主に健康づくり仲間づくりを通じて、いつでもどこでも誰でもが県内各地で親しめる点に主眼を置いています。  県民のスポーツに関する意識調査を見ると、全体的に関心は高いものの、30歳代と50歳代女性には、他の年代と比べて、比較的スポーツ嫌いの人の割合が高くなっています。  また、日ごろの運動やスポーツの実施状況については、特に働き世代は、なかなか運動の機会が得られにくい状況であるとのことです。年代や置かれている環境に合わせて、少しでも運動やスポーツにかかわる機会がふやせないかと考えます。  本県にはさまざまなスポーツ施設があり、総合型地域スポーツクラブスポーツイベントの開催などを通じて、スポーツを見る喜び、参加する楽しみ、健康維持など、それぞれの目的に合わせてスポーツを楽しめる環境が整っていると思います。  せんだって開催された第58回愛媛マラソンにおいては、1万人ものランナーが参加されました。私も久しぶりに走りましたが、最終関門でタイム制限にひっかかり、完走はできませんでしたが、途切れることのない沿道からの大きな声援に背中を押され走ったランナーの皆様は少なくないと思います。参加されたランナーの皆様は、すばらしい景色や温かく大きな声援、たくさんのボランティアの方々などによる的確な運営、沿道やゴール後のおもてなしなど、愛媛の魅力がふんだんに詰まった大会を堪能していただいたものと思います。  また、7月24日から開幕する東京オリンピック・パラリンピックや、9月に本県で初めて開催する日本スポーツマスターズ2020愛媛大会などを控え、スポーツに関する話題は尽きることなく、今から待ち遠しい気持ちでいっぱいです。  このように、国民や県民の興味がスポーツに向けられる中、本県でも、スポーツ振興の一層の推進を図り、県民がスポーツを楽しめる環境づくりや、スポーツを通じた活力ある地域社会づくりなどを一気に進めるべきではないかと思います。  県の来年度当初予算案においては、スポーツ立県のさらなる推進として、スポーツマスターズ2020愛媛大会の開催、ジュニアアスリートの発掘などの予算が計上されており、大いに期待しております。今後も、愛媛県ならではの施策の充実に努めていただきたいと思います。  そこで、お伺いをいたします。  全ての県民がスポーツを楽しめる環境づくりを含め、スポーツ振興の一層の推進に県は今後、どのように取り組んでいくのかお聞かせください。  次に、成年後見制度についてお伺いをいたします。  成年後見制度は、2000年4月に介護保険制度とともに車の両輪的な存在としてスタートしました。主に認知症、知的障がい、精神障がいなどによって物事を判断する能力が不十分である方について、判断能力が欠けているのが通常の状態の方を後見、判断能力が著しく不十分な方を保佐、判断能力が不十分な方を補助の段階に分け、本人や親族などの申し立てにより家庭裁判所で選ばれた成年後見人等身上監護及び財産管理を中心に支援を行う制度です。制度発足以降、利用者数は増加傾向にあるものの、ドイツなどと比べて、日本の利用者数はまだまだ少ないことが一番の課題であります。  私が現場で働いていたころは、大切な制度であるという現場職員の認識はあるものの、実際に制度を利用されている利用者は少ない状況でありました。平成29年末の成年後見制度利用者数は全国で約21万人、本県においては2,100人程度であり、国際的な水準から見ると、日本の人口規模でいえば100万人が利用してもおかしくない制度でありますが、国民全体の1%未満しか利用していない状況です。そのほか、利用の約8割が後見類型であり、保佐、補助の利用が低調なことも課題として挙げられます。  そのことを踏まえ、平成28年に成年後見制度の利用の促進に関する法律が施行され、地域の需要に対応した制度設計がなされました。国が成年後見制度利用促進基本計画を策定し、市町は、成年後見制度利用促進に関する施策について計画を定めるよう努めることとされています。  特に市町においては、重要となるのが地域連携ネットワークの中核となる機関の設置です。中核機関においては、権利擁護が必要な方を発見し、適切に必要な支援につなげるために、成年後見制度のさらなる利用の促進の強化に向けて、司令塔機能事務局機能進行管理機能の3つの役割を果たすことが期待されています。各市町において、行政の積極的な支援、各機関との連携、社会全体のサポートを円滑に取りまとめる中核機関を設置することが必要と考えます。  あわせて、後見人の確保にも力を注がなければなりません。現在、後見人の多くは、弁護士や司法書士が担っておりますが、弁護士や司法書士による後見人ではなく、同じ地域に住む市民による後見人のことを市民後見人と呼んでおります。市町が実施する養成研修を受講するなど、成年後見人等として必要な知識を得た市民の中から、家庭裁判所が選任した方が市民後見人になることができます。身近な地域で同じ市民としての立場で見守り等を行う強みがあり、今後の制度利用の促進に向けて欠かせない存在であると思います。  身上監護が中心であれば、市民後見人後見活動を行うことは可能であると思うため、高齢社会に突入した今日、関心のある市民にも、これからの地域社会における権利擁護の推進と成年後見制度の普及に参画していただきたいと考えます。  そこで、お伺いをいたします。  本県における各市町の成年後見利用促進計画の策定状況と中核機関の設置状況はどうか、お聞かせください。あわせて、成年後見制度利用促進に向けて、各市町に対する支援など、県はどのような取り組みを行っているのかお伺いをいたします。  また、県内でも一部の市町において、市民後見人の養成研修を行っているとお聞きしておりますが、今後、県は、市民後見人の育成及び後見人としての活動への支援を行う市町に対し、どのような支援を行うのか、お伺いをいたします。  次に、学校法人加計学園岡山理科大学獣医学部についてお伺いをいたします。  連日、報道されているとおり、新型コロナウイルスは日本でも感染者がふえ続けております。国は、新型コロナウイルスに有効なワクチン開発への動きを加速させているところでありますが、そのワクチンの開発にはしばらく時間がかかるとされており、今すぐに必要な薬が、現状では手に入らない状況であります。一昨日、本県でも初めて感染者が確認されたこともあり、いまだワクチンが開発されていない新型コロナウイルスの拡散は、多くの県民の方が心配されているものと思います。  2月7日の衆議院予算委員会で、医師でもある我が党の阿部知子議員が、人獣共通感染症である新型コロナウイルスについて、岡山理科大学獣医学部はどのようなことを行っているのかと質問しました。文部科学大臣は、国家戦略特区の制度でつくられた大学で、疫病感染症人獣共通感染症の対策のカリキュラムが設けられており、今後開催される微生物の講義やシンポジウムの中で取り扱う予定で、現時点では、ウイルスの研究は行っていないとの答弁でありました。  その後、阿部議員は、現在、人獣共通感染症であるウイルスの研究をしている獣医学部は、国内でどれくらいあるのかと質問したところ、文部科学大臣は、海外の拠点で感染症研究をしている9つの大学で、新型コロナウイルスの迅速な診断や研究をしているとの答弁でありました。阿部議員は、学生の教育には、講義とともに実践的な研究が重要だと力説されていました。他の大学との連携や研究体制、とりわけ医療との連携は不可欠で、ウイルスの分離や動物界での変異を追うことも必要であると述べております。  また、岡山理科大学獣医学部は、四国愛媛の獣医師育成という視点で設けられ、四国4県の受験生の特待枠、四国入学枠の2020年度合格者がゼロという報道もありました。開学の目玉として、最大20人を募集と告知されていましたが、合格者は開学時の18年度が4人、19年度は1人となっております。獣医学部の志願者は毎年2,000人を超えていますが、四国枠を志願する受験生は、3年間で計16人と伸び悩みが目立っている状況であります。設立目的の一つである人獣共通感染症対策取り組みの強化や教育体制のさらなる構築が期待されることは言うまでもありません。  世界に冠たる獣医学部として、バイオセーフティーレベル3の施設を持つ大学でもあります。新型コロナウイルスワクチン開発が、今まさに世界中から期待されていることを踏まえ、国家戦略特区として誕生した岡山理科大学獣医学部の有能な教授陣の皆様に、ワクチン研究へ、県民の一人として強く期待するところであります。  また、今回の県の2月補正予算案において、3カ年で最後となる約6億9,000万円の今治市への岡山理科大学獣医学部のための補助金が計上されております。ハード整備の支援の予算としては、今年度で終了するとのことです。  動物由来新興感染症等リスク回避と蔓延防止、公衆衛生を担う獣医師の確保など、県と今治市が国家戦略特区の提案時に掲げていた、獣医学部設立の効果を岡山理科大学獣医学部には、きちんと発揮していただく必要があると考えます。そして、岡山理科大学獣医学部には、感染症対策の強化はもちろんですが、若者の地元定着や経済の活性化など、地域活性化につながることが望まれていることは言うまでもありません。今後、同大学におかれましては、より一層しっかりとした、目に見える成果を示していただきたいと思いますし、県には、同大学と互いに連携した取り組みを期待しております。  そこで、お伺いをいたします。  県は、開設して2年を迎えた岡山理科大学獣医学部に対し、今後、どのような期待をしているのか、御所見をお伺いいたします。  次に、スクールソーシャルワーカーについてお伺いをいたします。  子供たちを取り巻く環境を考えると、家庭や地域、学校の関係者が一体となり、子供たちの生活の場、仲間との協働の場、学びの場を提供することで、子供を中心とした社会が構成されており、そのような関係者相互の協力関係のもとに、愛媛の子供たちは育てられていると思います。  平成27年ごろから、チームとしての学校という言葉が、これからの学校のあり方をあらわすキーワードとして登場してきました。子供たちを取り巻く環境が複雑化、多様化する今日、不登校やいじめなどの課題がある中で、先生は常に子供たちに寄り添う必要があり、授業や課外活動、保護者への対応など、多くのことを求められていると思います。先生にはできるだけ教育指導や生徒指導に注力してもらうとともに、多様な専門人材の活用により、チームとしての学校づくりが今後、より一層求められていると思います。  本県では、平成20年からスクールソーシャルワーカーの配置が進んできており、現在、おおむね全市町に配置されております。スクールソーシャルワーカーは、主に不登校やいじめ、暴力行為、児童虐待などの問題に対し、児童生徒が置かれた環境へ働きかけたり、関係機関などのネットワークを活用するなど、多様な支援方法を用いて、課題解決への対応を図ることが求められます。  平成20年度のスクールソーシャルワーカー配置以降、相談件数の推移を見てみますと、不登校への問題に対応しているケースが多く見られます。不登校の場合、保健室登校の対応が行われがちですが、その子の不登校の背景にあるものとして、友人や先生との関係、子供本人の思い、家庭状況など理由はさまざまです。学校と家庭との関係性の中で児童生徒及び保護者と連携し、解決を導くことが求められています。  具体的には、学校の先生やハートなんでも相談員などがまず対応に当たり、そこからスクールソーシャルワーカーが、専門的な知識を生かして問題解決を図るという役割分担をし、相互に連携しながら行っているとお聞きしております。  また、今年度は、平成30年7月豪雨で被災した宇和島市及び大洲市の小中学校に、災害復旧・復興対応教育相談事業として、複数の福祉関係国家資格を有するスクールソーシャルワーカーが派遣され、災害による複合的な要因が加わる中、日々の課題の解決に当たっていると伺っております。学校の先生の負担を極力減らすという働き方改革の観点からも、多様な人材の確保が、チームとしての学校づくりを行う上で重要と考えます。  そこで、お伺いをいたします。  現在、県内のスクールソーシャルワーカーは元教員が多い状況ですが、今後、社会福祉士精神保健福祉士福祉専門資格者が、スクールソーシャルワーカーとして活躍できる環境を整えていただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。  また、市町によっては、スクールソーシャルワーカーの活動状況に違いがあるようですが、市町の取り組み状況と県の支援内容はどうか、お聞かせください。  次に、少年の再非行防止についてお伺いをいたします。  私が学生のころは、いわゆる不良少年は、髪を金髪に染め、集団で群れ、変形した自転車に乗るなど、周囲を威嚇するような強そうな格好をして、仲間から一目置かれたいという存在だったように思います。現在、そのような少年たちを見ることはありません。時代とともに、格好よさが変わってきていると思います。また、ソーシャルメディアの利用がふえる中で、従来の少年の非行の傾向に変化が生じているものと思います。  昨年中の本県の非行概況を見ると、非行の中心は小中学生で全体の54.8%を占め、初発型非行は特に万引き事案が多く、触法少年が66人、犯罪少年が50人と伺っております。  せんだって松山市青少年センター内にある少年サポートセンター分室ひめサポを訪問させていただきました。保護者の方などが気兼ねなく入りやすい雰囲気を大切にするということで、相談室を兼ねた分室でありました。隔週で土曜日も相談に応じているほか、警察職員の方が相談に対応しており、相談機関としての充実を今後も図っていただきたいと思います。  また、同センター内では、高校生が多く利用しており、勉強や友達との談笑の場になっていると感じました。日ごろ、地域を歩く機会は多いものの、学校登下校以外で、子供たちの姿を余り見かけることがない状況ですが、大人も地域ぐるみで、非行防止のために声をかけ合いたいと思います。  昨年中、愛媛県少年サポートセンターでは、33人の少年に対し、継続的に立ち直りのための支援を行っており、農業体験やスポーツ活動、調理活動などを通じて、一人一人に向き合った対応をされていると伺っております。  また本県での、刑法に規定される罪で検挙された14歳以上の少年の再犯者の推移を見ると、平成22年の295人に対し、昨年は59人と減少していますが、再犯者率で見ると、平成22年の33.9%に対し、昨年は32.6%と、ここ10年間、ほぼ変わっていない状況にあります。  そこで、お伺いをいたします。  愛媛県警におかれては、少年の非行防止に向けてさまざまな活動に取り組んでおられますが、今後、少年の再非行防止に向けて、どのような取り組みを行うのか、お伺いをいたします。  最後に、身体障害者補助犬についてお伺いをいたします。  身体障害者補助犬法が制定され、ことしで18年目を迎えます。令和元年11月の薬事日報を目にした際、7割の薬剤師が補助犬法を知らない一方で、補助犬についての知識を学びたいと思う人は9割という調査結果を受けた記事に目がとまりました。医療職の有資格者でも知識の習得が進んでいない現状と推察をいたします。  厚生労働省によると、現在全国の補助犬の実働頭数は令和元年10月現在、盲導犬928頭、介助犬61頭、聴導犬67頭となっており、本県においては、盲導犬13頭、介助犬1頭、聴導犬2頭が、県内で身体に障がいを持つ方のパートナーとして活動しております。県内の補助犬の多くは、松山市内でパートナーと一緒に生活をされておりますが、日々の日常生活の中で、補助犬と出会うことは少ないと思われます。  盲導犬は、視覚障がい者の歩行をより安全に誘導します。介助犬は肢体不自由者の主に上肢の機能を補助したり、ニーズに応じて歩行などの移動や姿勢を助けます。聴導犬は生活に必要な音が発生していることを知らせ、必要に応じて音源まで誘導します。補助犬はそれぞれ異なった役割を持っており、障がいを持つパートナーを支え、社会参加を広く促進しています。  補助犬法においては、使用者が補助犬とともに公共施設や店舗、病院などを利用することを拒んではならないとされており、また、補助犬は福祉用具等とされ、福祉用具の一つ、生きた補装具として位置づけられています。補助犬は、国が指定した訓練施設等で使用者とのペアにより認定試験を実施し、使用者が補助犬の健康、衛生、行動管理に全責任を持って社会参加することができるか否かの検証を行った上で、使用者と補助犬のペアとして認定されます。そのために、すぐに補助犬が欲しいと希望しても、直ちに譲渡されるものではなく、使用者には一定の責務が発生します。  せんだって新居浜市で、補助犬である介助犬に関する市民への意識啓発を主眼に、第2回介助犬フェスタを市民有志が集まり企画し、開催しました。今回は盲導犬や聴導犬も参加し、補助犬の役割や存在を知ってもらうよい機会となりました。中村知事からもメッセージをいただき、この場をおかりして御礼申し上げます。  何よりも、補助犬とともに生活されている使用者の方から直接お話が聞けたことが心に響いたと参加者の方から感想をいただきました。また、会場には多くの子供たちも参加され、介助犬の日々の仕事について、実際にデモンストレーションを通じて知ることができたことや、直接、補助犬と触れ合う場がつくれたことは意義があったと思っています。  障がいがある方の社会参加を進めるために、社会における理解不足や偏った見方をなくすことが必要ですが、困っている人がいたら、何げないことですが、何かお手伝いしましょうかと一言声がかけられる、補助犬を通じて、人にも動物にも優しい地域社会を構築しなければいけないと改めて感じた次第であります。  冒頭に、医療職の有資格者の知識の習得が進んでいないという記事を紹介しました。補助犬と障がいを持つ方を結びつけることについて、役所の障がい福祉担当窓口で対応される職員だけではなく、医療福祉従事者の役割も大きいと考えます。特に介助犬は、生きた補装具としての役割を担いますが、リハビリテーションの専門職の認知度も低い現状にあります。身体に何らかの障がいがあることにより車椅子生活になり、家に閉じこもりがちになった場合などでも、介助犬を使用することによって外に出る喜びや、社会参加ができる機会が得られるのであります。  日本介助犬協会の方からお話を伺うと、介助犬を持ったらどうですかと尋ねると多くの方が、私より重い障がいのある方に紹介してあげてくださいと言われるそうです。全国で補助犬を必要とされている方がいる中で、マッチングができていない現状があります。  そこで、お伺いをいたします。  本県において、医療福祉関係に携わる専門職などに身体障害者補助犬の知識や役割、活用実績を知っていただき、障がいをお持ちの方のパートナーに結びつけていただきたいと思いますが、今後の取り組みについてどのように考えているのか、お伺いをいたします。  以上で質問を終わりますが、最後に一言申し上げます。  昨年の9月議会で、4年ぶりに質問に壇上に立たせていただきました。この場から議場を見上げたとき、4年前と議場の風景が違っておりました。女性議員が5名になったこと、若い世代の議員がふえたこと、そして、私ども旧民主党時代から籍を置く議員がいなくなったことです。私が初当選した2011年は、民主党政権下でありました。その後、私どもは民主党から民進党になり、分裂騒動のときは我が党立憲民主党が誕生し、また、希望の党から国民民主党の誕生と、勢力の変遷をたどってきました。  台湾の李登輝元総統が、政治は時間の関数であるとおっしゃっております。我が党の代表もよく使っている言葉でありますが、今このタイミングなのか、または、その後なのか、時間の関数を意識しながら、この愛媛の地でも、我が党が目指す社会像を県民の皆様にお示しし、その御期待にしっかりと応えられるよう、私自身、邁進していきたいと思います。  御清聴いただきました。まことにありがとうございました。(拍手) ○(西田洋一議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(西田洋一議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 西原議員に、まず、スポーツ振興についての御質問にお答えをさせていただきます。  スポーツは、心身の健全な発達や健康増進はもとより、交流人口の拡大や地域の活性化にも資する大きな力を有しており、年齢や性別、障がいの有無にかかわらず、全ての県民がライフステージに応じて、する、見る、応援する、支援するといった多様なかかわりを通じてスポーツに参加できる環境づくりが重要ではないかと思っております。  本年は、東京オリンピック・パラリンピック大会や日本スポーツマスターズ愛媛大会等の開催により、県民のスポーツへの関心と理解が深まる千載一遇の好機であることから、ジュニアを初め、アスリートのさらなる競技力向上を図るとともに、生涯スポーツの振興拠点である総合型地域スポーツクラブの育成支援や、レクリエーションスポーツの普及促進、令和4年のねんりんピックの開催準備等を通じ、県民が気軽にスポーツに親しめる機会の提供に努める所存でございます。  特に、障がい者のスポーツ参加を促進するため、中四国随一の規模を誇る障がい者スポーツ大会を開催するとともに、障がい者と健常者がともに競い合えるeスポーツや、重度障がい者のために考案されたボッチャ競技の普及に取り組むこととしており、今後とも、各般にわたるスポーツ関連施策を積極的に展開して、県民誰もがスポーツと触れ合い、スポーツでみんなが笑顔になるスポーツ立県えひめの実現に取り組んでまいりたいと思います。  次に、身体障がい者と補助犬に係る御質問でございます。  身体障害者補助犬は、目や耳、手足に障がいのある方の自立と社会参加の促進に大きな役割を果たしており、日常生活のパートナーとして身体障がい者に適切に結びつけるためには、身近で障がい者支援にかかわる医療・福祉関係者が、補助犬制度の理解はもとより、障がいの程度により必要となる補助を的確に把握することが重要ではないかと思います。  このため県では、医師会等を通じた県内医療機関への啓発用リーフレットの配布や、福祉サービス事業所に対する集団指導や研修において、周知・啓発に取り組むとともに、障がいのある方にも正しい知識を持っていただけるよう、県視聴覚福祉センターでの福祉イベントにおいて、盲導犬等のデモンストレーションを行うなど、幅広く情報発信に努めているところでございます。  さらに、県が実施している医療機関や障害福祉サービス事業所職員を対象とした研修会や県の広報媒体等を活用して周知するとともに、リハビリテーション関係団体を通じた啓発にも取り組むこととしており、今後とも、さまざまな機会を捉え、医療・福祉関係者が、補助犬制度や役割について理解を深めていただけるよう努め、障がい者の皆さんが安心して暮らせる共生社会の実現を目指してまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えさせていただきます。 ○(金子浩一企画振興部長) 議長 ○(西田洋一議長) 金子企画振興部長   〔金子浩一企画振興部長登壇〕 ○(金子浩一企画振興部長) 岡山理科大学獣医学部に関する御質問にお答えします。  獣医学部では、高度専門獣医師の養成だけでなく、県内の高等教育機関として、有害鳥獣対策に係る実習やアコヤガイへい死対策協議会への参画、マダニを媒介とする感染症の研究など、本県が有するさまざまな課題の解決に向けた取り組みに参加いただくとともに、大学祭や食堂、図書館の開放、西日本豪雨災害等のボランティアなどの地域貢献活動にも取り組んでいただいていると聞いております。  県では、このような取り組みを評価する一方で、今治市を通じて、間接的ではありますが、総額31億円もの公費助成を行う立場からは、同学部に対し、ウイルス対策を初めとした人獣共通感染症の研究に、これまで以上に積極的に取り組んでいただくことを期待いたしますとともに、今後、先端ライフサイエンス企業の県内集積や本県畜産業の生産性向上などにも大いに貢献していただきたいと考えております。  また、公務員獣医師の確保については、獣医学部において、四国入学枠が十分効果を発揮できるよう、さらに丁寧できめ細かな周知を行うほか、応募増につながる創意工夫をぜひ検討していただきたいと考えております。  また、県といたしましても、保健所や畜産農家等での学外実習への支援を通じまして、学生に公務員獣医師の重要性、やりがい、本県畜産業の魅力等を感じていただくことで、本県への定着促進を図り、獣医師不足の解消へつなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(西田洋一議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) 成年後見制度についての御質問のうち、まず、各市町の取り組み等についてお答えをいたします。  平成29年3月に国が策定した成年後見制度利用促進基本計画に基づき、市町は令和3年度までに制度の利用促進に係る計画を策定するとともに、中核機関を設置するよう努めることとされておりまして、県内では、これまでに四国中央市及び久万高原町の2つの市町が計画を策定し、中核機関の機能を持つ権利擁護センターを松山市及び八幡浜市の2つの市が設置をしておりますほか、次年度以降の計画策定に向け、市町の検討が進められております。  県では、これまで制度の利用促進に向け、市町の広報普及や成年後見人の報酬等に対して助成を行っておりますほか、今年度から新たに、市町職員等を対象に制度の理解促進を図るセミナーや、東・中・南予別の情報交換会を開催するとともに、中核機関の広域設置等の検討を後押しするため、弁護士等の専門家をアドバイザーとして派遣しているところであります。  県としては、今後とも、市町の計画策定や中核機関等の体制整備を促進いたしますとともに、弁護士会等の専門職団体や家庭裁判所とも連携し、成年後見制度利用促進に努めてまいりたいと考えております。  次に、市民後見人の育成等に関する御質問にお答えします。  全国に先駆けて高齢化が進む本県におきましては、認知症高齢者に加え、単身高齢者も増加し、親族等による成年後見の困難なケースが増加することが見込まれておりまして、日常的な金銭管理や介護サービス利用契約など、専門性が要求されない支援は、成年後見の担い手として、一般市民の役割が重要となってくるものと認識をしております。
     このため県では、地域医療介護総合確保基金を活用し、平成27年度から市民後見人養成研修に対する助成制度を設け、市町の取り組みを促進しており、昨年度末までに193名が研修を修了し、市民後見人に選任された事例はないものの、研修修了者が、成年後見人の役割を担う社会福祉法人の支援員や市町社協の生活支援員として活動をしております。  今後は、市町や関係団体との情報交換会において、養成研修や活動支援に係る先行事例の情報提供を行いますとともに、複数の市町による合同研修の実施等についても働きかけることとしておりまして、県としては引き続き、市町における市民後見人の育成と活動支援の取り組みの促進に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(三好伊佐夫教育長) 議長 ○(西田洋一議長) 三好教育長   〔三好伊佐夫教育長登壇〕 ○(三好伊佐夫教育長) スクールソーシャルワーカーに関する御質問のうち、福祉専門資格者が活躍できる環境についてお答えいたします。  スクールソーシャルワーカーは、今年度、独自で社会福祉士を雇用している松山市を除く、19市町に29名配置し、特に専門的な資格は必要とされていないことから、元教員が17名、元福祉施設職員等が8名で、社会福祉士精神保健福祉士の国家資格を有する者は4名にとどまっております。  近年、児童生徒等の抱える不安や悩みの背景には、貧困や虐待など、さまざまな要因が複雑に絡み合っているケースがふえ、福祉に関する高い専門性が求められておりますことから、来年度、専門性の高い有資格者の報酬を従来の3倍に増額して勤務条件の改善を図ることとし、必要な経費を来年度当初予算案に計上しております。  なお、有資格者の多くは、既に病院や介護施設等で勤務し、スクールソーシャルワーカーとの兼務を希望する者は少ない状況でありますが、今後は社会福祉士会等の関係団体に対し、有資格者の必要性や勤務条件等について丁寧に説明し、スクールソーシャルワーカーへの理解を深めてもらい、市町教育委員会とも連携して有資格者の選任に努め、相談体制の充実を図ってまいりたいと考えております。  次に、各市町の取り組みと県の支援についてお答えいたします。  スクールソーシャルワーカーは、市町教育委員会が、地域の実情や学校のニーズに応じた形態で配置し、児童生徒や保護者からの相談等に対応しており、配置された学校を専属で担当する単独校型、特定の学校を拠点に複数校をあわせて担当する拠点校型、教育委員会に配置し要請のある学校に派遣する派遣型と、域内の学校を定期的に巡回する巡回型の4つの形態により活動をしております。  昨年度の対応実績は、全体で年間約550件で、その約6割が不登校に関する内容、また、発達障がいと家庭環境がそれぞれ約1割となっており、市町によっては、問題を抱える児童生徒に対し、スクールソーシャルワーカーが福祉部局と連携してチームを結成し、医療的な措置や保護者の心理的なケアを行うなど、複雑な問題の解決につなげている事例もございます。  県教育委員会では、大学教授等の高度な専門知識を有するスーパーバイザーを配置し、困難な事例や状況が生じた際には、市町の要請を受け、派遣する体制を整えており、今年度は2件の困難事案に対応しております。  また、事例研究や情報交換等を行う管内別の連絡協議会を開催し、スクールソーシャルワーカーの資質向上にも努めておりまして、今後とも市町と連携して、困難を抱える児童生徒や、その家庭への支援の充実を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(篠原英樹警察本部長) 議長 ○(西田洋一議長) 篠原警察本部長   〔篠原英樹警察本部長登壇〕 ○(篠原英樹警察本部長) 少年の再非行防止に関する御質問にお答えいたします。  昨年中、県内における刑法犯少年の検挙人員は181人で、そのうち過去に非行歴がある再犯者は59人と、年々減少はしておりますが、再犯者率は32.6%と微減の状態にとどまっております。また、特殊詐欺への加担、大麻等の薬物乱用、インターネットを利用した非行など、態様が変化しており、少年の再非行防止に向けた新たな課題への対応が必要となっております。  県警では、警察本部に設置している少年サポートセンターを中心に、非行少年などに対し、修学、就労、家庭環境の調整等、その少年に応じた支援を行う立ち直り支援活動や、規範意識の醸成を図る非行防止教室の開催など、少年の再非行防止に向けた各種取り組みを推進しております。  また、インターネットの安全利用に関する教室の開催や、特殊詐欺への加担防止に関する講話の実施など、非行態様の変化を踏まえた新たな対策にも取り組んでいるところであります。  今後とも、関係機関、団体と連携し、少年を取り巻く環境の変化を踏まえながら、再非行防止及び健全育成に向けた諸対策を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(西田洋一議長) 暫時休憩します。      午前10時50分 休憩    ―――――――――――――――――      午前11時5分 再開 ○(西田洋一議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(松下行吉議員) 議長 ○(西田洋一議長) 松下行吉議員   〔松下行吉議員登壇〕 ○(松下行吉議員) (拍手)志士の会の松下行吉です。  今議会に機会をいただきましたことを感謝申し上げ、早速質問に入らせていただきます。  まず初めに、中山間地域の農業振興についてお尋ねします。  農林水産省では、おおむね5年ごとに見直しを行っております食料・農業・農村基本計画について、昨年9月から次期計画に向けて検討を始めており、これまでに食料・農業・農村政策審議会企画部会が月2回のペースで開催されております。  この見直しにおいて、人口減少や農業者の高齢化が進む農村地域に対する対応方向の案の一つとして、中山間地域も含め農村に人が住み続けられるための条件整備が取り上げられ、地域コミュニティの維持や農業生産活動の継続、地形や気候等地域資源の活用に関する施策が検討されていると聞いております。  申すまでもなく、本県は、一部の平野部で平たんな農地が広がっているものの、耕作できる土地の5割以上が急峻な四国山地からの連なる山間地域や南予地域の海岸部、半島部、瀬戸内の島嶼部等、いわゆる中山間地域にあり、区画が狭く傾斜が急な農地が大宗を占めております。  これまで農業者は、みずからの努力と工夫により、こうした不利な生産条件を克服しながら農業生産を営んできました。私の地元砥部町でも、農業の基幹部門となっている柑橘栽培は谷沿いの急傾斜地を主体に行われており、広田地域においては、農地の大部分が山の斜面に開かれた畑や区画の狭い棚田となっており、中山間地域の農業の厳しさを身近で痛感しているところであります。  日々、こうした厳しい現状に接する中、私は、農業者の高齢化が進み、担い手がなかなか育たない中山間地域において、今後とも、地域住民が集い、農業が継続されるためには、現在、農林水産省が検討を進めている中山間地域も含め、農村に人が住み続けるための条件整備の対策として、傾斜の改善や区画の拡大等による耕作しやすい農地の整備、集落営農組織の設立や地域内外における就農者の掘り起こしによる担い手の育成、消費者ニーズを踏まえた差別化できる魅力ある品目の導入の3点が重要になってくるのではないかと思っております。  中でも、農業生産の基盤となる農地の整備については、実施するために多大な事業費や専門的な技術等を必要とすることから、地元の努力に加えて私ども議会人や行政の支援が不可欠であり、中山間地域の農業が元気を取り戻すため、早急に取り組まなければならない課題であると考えております。  幸い私の地元である砥部町においては、地域の中核的な農家が中心となって、次代を担う若い農業者が希望を持てるような傾斜の緩やかな耕作しやすい園地を整備するため、令和3年度の着手を目指して農地中間管理機構関連農地整備事業の計画策定が進められており、私としても、砥部町の柑橘農業の将来モデルになるものと積極的に支援し、大いに期待しているところであります。  そこで、お伺いします。  農林水産省において次期食料・農業・農村基本計画が検討される中、県においては、本県が多く抱える中山間地域において農業振興に不可欠な基盤整備に、今後、どのように取り組まれるのか、お尋ねします。  次に、土砂等の埋め立てに関する条例についてお伺いします。  今、首都圏のオフィス街の再開発や中部圏域のリニア中央新幹線工事などで出た大量の建設残土が地方に持ち込まれて問題となっています。建設残土は建設工事に伴って発生する土砂であり、土砂は廃棄物に当たらず、廃棄物処理法の対象外であるため、建設残土の投棄を直接規制する法律がありません。そのため、対策が後手に回っているようです。  地方に持ち込まれた建設残土は、山林斜面や耕作放棄された農地に放置されて、景観を損なうだけでなく崩落事故も発生し、住民の安全を脅かす事態にもなっています。このような残土の持ち込みは、土砂の持ち込みを規制する条例を持たない自治体に集中しています。首都圏から遠い三重県でも、船で運ばれた建設残土が港近くの山林に投棄され、住民の安全を脅かすほどになり、三重県はこの問題に対処するため、昨年12月、土砂条例を制定し、本年4月から施行すると聞きます。また、宮城県でも、同様の条例を本年4月から施行すると聞きました。  本県では、平成11年に県外から持ち込まれた建設汚泥が不法投棄され問題になったことを契機に、廃棄物まがいの土砂の搬入、埋め立てを規制するため、平成12年3月に愛媛県土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例を制定、同年5月から施行しています。当時全国で4番目。本県の地域特性や県民ニーズを生かした県独自の斬新な条例と評価されました。  私は、平成11年当時にこういった問題に対処する行政指導を要綱ではなく条例に基づき行った点を重視しております。これまで行政は、いろいろな問題を要綱に基づく行政指導で解決してきました。平成6年に行政手続法が施行されましたが、その後、地方分権改革の中で機関委任事務が廃止され、自治体の主体性、自己決定する姿勢が問われるようになったことなどから、さまざまな事案を条例に根拠を置いて解決していくようになります。しかし、平成12年は地方分権元年と呼ばれるころで、まだまだ条例化の流れは定着していなかったように思います。そういったときに愛媛県が土砂に関する条例を制定したことは、この残土問題を重く捉えていたことのあらわれだと思います。  全国の現状、また、愛媛県もしかりですが、これから耕作放棄された農地や管理できない山林がふえると予想されます。そういった現状と、大阪・関西万博など大型工事が続くことを考え合わせると、県外からの残土の持ち込みによる環境問題が心配されます。県民の安全を守るためには欠かせない条例であると思いますが、施行から20年となり、現状と乖離している点も出ているのでしょうか、今回、条例改正案が上程されています。  そこで、お伺いします。  愛媛県土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例の成果と、今回改正の内容と狙いをお教えください。  次に、まじめえひめプロジェクトについてお伺いします。  県では、昨年4月から新たなPR戦略として、まじめえひめプロジェクトに取り組んでおられます。本県は、魅力的な観光スポットや高品質のブランド産品などさまざまなコンテンツに恵まれておりますが、他県との差別化を図り、本県の魅力を全国に浸透させるためには、多様性に富んだ多くの地域の資源を個々に情報発信することはもちろん不可欠ですが、さらに、これら全ての源泉に当たる愛媛そのものに新たなブランド価値を付与することで、観光交流や県産品の販売促進、移住者誘致といった個別施策の効果を一層高めることができると考えております。その意味で、真面目という言葉をポジティブに捉え、統一コンセプトにした今回のプロジェクトに注目しているところであります。  県では、これまで、ドラマ仕立ての動画愛媛県まじめ会議や人気アニメ「進撃の巨人」とのコラボ企画などにより、プロジェクトの始動を全国に広く発信し、認知度向上に取り組まれるとともに、昨年8月からは、県民がみずから主役となって真面目を語る動画を公開されています。人気ユーチューバーの動画をほうふつさせる画面構成と、毎週金曜日に必ず新たな動画を公開するという生真面目な仕掛けに加え、年頭には特別企画として藤岡弘、さんがサプライズ登場するなど意外性もあり、多くの方々が週末の公式ウエブサイトを楽しみにされているのではないかと思います。  一方で、こうしたキャッチコピーを活用したブランディングは一朝一夕に浸透するものではなく、さまざまな媒体や機会を通じたプロモーションにより繰り返しまじめえひめを見聞きすることで、愛媛といえば真面目というイメージが徐々に定着してくるものであり、一時のブームに終わらせることなく、継続的に発信し続けていくことが何より重要であると考えます。  こうした中、今年1月からは、「スポーツ×まじめえひめ」プロモーションが開始されました。そのコンセプト動画「だからこの瞬間を支えたい」を拝見しましたが、ふだんは余り表に出ることのないスポーツを支える人、応援する人にスポットライトを当てています。折しも、今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、その熱が冷めやらぬ9月には、本県でスポーツマスターズ全国大会が開催されます。まさに時宜を捉えたすばらしい取り組みであり、まじめえひめプロジェクトの今後の展開に大いに期待しているところであります。  そこで、お伺いします。  まじめえひめプロジェクトに今後、どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。  次に、えひめこどもの城の魅力向上についてお伺いします。  子供の日常生活には、家庭、学校、地域という生活の場があり、子供たちはそれぞれの場で人や物とかかわりながら、遊びや学習、休息や団らんを通して文化的、社会的な体験を積んでおります。中でも、遊びは生活の中の大きな部分を占めており、遊び自体が子供の発達を促す重要な要素を含んでいると言われています。特に児童期は、知的能力や言語能力、規範意識の発達や体力の向上に伴い、多様で創意工夫が加わった遊びを創造できるようになる大切な時期です。しかし、近年、子供たちの生活は、スマートフォンなどの普及により室内でのゲーム遊びが増加する一方で、屋外での遊びが少なくなり、友達や仲間とのかかわりを深める機会が減っています。  こうした中、えひめこどもの城は、お正月やこどもの日、クリスマスなどの季節ごとのイベントや、陶芸や木工、クッキングなど、えひめこどもの城の職員と一緒になって気軽に体験できるコーナーなどを提供しています。また、豊かな自然環境の中で、仲間同士や家族との触れ合いを通じて、遊び体験を初め、自然体験、社会・文化体験等の活動も行われています。  これらの多種多様な遊びの機会や活動により、子供の創造性や自主性、社会性、豊かな感性を育むことができる児童厚生施設として、平成10年の開園以来、本県の子供たちの遊びと創造のシンボルとなっています。  県では、開園から20周年を迎えた平成30年度に、今後も県民に親しまれる施設であり続けられるよう、えひめこどもの城魅力向上戦略を策定するとともに、来年度当初予算案に同戦略を踏まえ、えひめこどもの城ととべ動物園を結ぶジップライン等の整備を盛り込まれたと聞きます。とべ動物園との連携、周遊促進を図るイベント開催などに取り組むこととされています。特にジップラインは、子供も大人も楽しめるアトラクションであるだけでなく、両施設を行き来できるかけ橋の役割も果たすと聞いており、本県の観光振興の観点からも大きな可能性を秘めたインパクトのあるコンテンツになるものと考えております。  えひめこどもの城が、とべ動物園と一体となってこれまで以上に魅力を増し、県内外から多くの子供たちはもちろん、若者や家族連れなど幅広い年代層が訪れ、楽しめる場所となるよう、大いに期待するものであります。  そこで、お伺いします。  来年度のジップラインの設置を契機に、えひめこどもの城の魅力向上に今後、どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせいただきたいのであります。  次に、学校における働き方改革に係る取り組みについてお尋ねします。  昨年6月にOECDが公表した国際教員指導環境調査TALIS2018の調査結果によると、日本の小中学校教員の1週間当たりの勤務時間は、小学校は54.4時間、中学校は56時間で、加盟48カ国・地域の平均38.3時間を大幅に上回り、最長となっております。改めて我が国の教員の長時間勤務の実態が裏づけられる結果となりました。  そのような中、昨年12月の臨時国会において、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律が成立し、教員の時間外勤務の目安を月45時間以内とすることなどを示した国のガイドラインが法的根拠のある指針に格上げされました。教員の時間外勤務の縮減を強力に進めるため、国がスピード感を持って本気で学校における働き方改革を進めようとしている姿勢のあらわれであると考えます。  一方、本県の教育現場に目を転じますと、近年、全国学力・学習状況調査を初めとする各種の全国的な調査において良好な結果をおさめており、高い教育水準を維持していることがわかります。その背景には、愛媛の教員の指導力の高さや子供たちへの深い愛情、教職に対する強い使命感があるものと考えていますが、本県の勤務実態調査の結果を見ますと、全国の状況と同様に、過労死ラインを超えて長時間勤務をしている教員が多く、頑張っている先生たちが疲弊していないか心配しております。これからも教員がやりがいを持ち、効果的な教育活動を行うためには、教育委員会が中心となって、学校における働き方改革の取り組みをさらに進める必要があると考えます。  県教育委員会では、愛媛県学校における働き方改革推進本部を設置し、関係団体が連携・協力して学校における働き方改革を進めていこうとする、愛媛県学校における働き方改革推進共同宣言の実施など具体的な取り組みを進められておりますが、中でも、教員の負担軽減につながる取り組みの一つとして、教員にかわって事務業務等を行うスクール・サポート・スタッフの配置による効果が高く、配置市町がふえていると聞きます。  スクール・サポート・スタッフの配置効果について、文部科学省が平成30年6月に全国の配置校に調査した結果によると、教員1人当たり1週間平均約90分の勤務時間の減少が見られたという報告があり、こうした結果も踏まえ、令和2年度の政府当初予算案では、全国で1,000人増員の4,600人が配置される見込みとなっています。  そこで、お伺いします。  教員の業務負担の軽減に効果のあるスクール・サポート・スタッフの活用について、本県における現状と今後の取り組みについてお聞かせください。  次に、市町の行革推進についてお伺いします。  御案内のとおり、行政改革の推進については、国はもとより、地方自治体においても独自の方針や計画を策定するなどして、自主的、主体的な行革が進められており、全国各地で行政サービス改革などさまざまな取り組みが行われているところであります。  一方、昨今、AIやRPAなどのIT技術の急速な進化、発展を受けて、スマート自治体の実現に向けた最新技術の導入が注目されています。人口減少が進展し行政ニーズが多様化する中、働き方改革を実現するためにも、今後は、これら最新のIT技術を行政の場に導入することで業務の効率化を図っていくことが不可欠であり、特に、行政サービスの最前線を担う市町の取り組みを進めることが必要ではないかと感じているところであります。  こうした中、本県においては、平成24年度から2年に1回のペースで行革甲子園が開催されています。削る、切るといった後ろ向きに捉えられがちな行革を未来志向の前向きなものとし、創意工夫あふれるアイデアやノウハウをチーム愛媛で共有するものであり、県と市町の連携に強みを持つ本県ならではの先駆的な取り組みであると高く評価をしております。また、全国からの多数の応募事例は、全て県のホームページに掲載されており、県内のみならず全国の自治体関係者にも大いに参考になっていることと思います。  来年度当初予算案には、この行革甲子園の開催経費が盛り込まれておりますが、日々変化する行政ニーズに的確に対応し、行政改革に終わりなしの言葉どおり、県内市町の新たな行革へのチャレンジを強力に後押しする取り組みとして、行革甲子園を継続して開催することに賛意を表するものであります。  そこで、お伺いいたします。  全国版として3回目となる来年度の行革甲子園について、これまでの成果を踏まえどのように取り組むのか。また、革新的なIT技術の導入による業務効率化が進む中、県内市町への行革推進の支援状況はどうか、お聞かせください。  最後に、県税の徴収確保対策についてお伺いします。  昨年8月に策定された財政健全化基本方針第3ステージでは、中期見通しとして、令和2年度から4年度までの3カ年で財源不足528億円。財政健全化に向けた取り組みとして、歳出面では事務事業の見直しやAI等の最新技術導入による事務処理の効率化・省力化など、歳入面ではガバメントクラウドファンディングによる寄附など民間資金の積極的な導入とともに、県税の徴収率向上、滞納繰越額のさらなる縮減が掲げられています。  県財政を考える上で、税は最も重要な項目であることは論をまちません。県税については、私は初質問で取り上げさせてもらいました。平成27年12月でした。その時点で既に前年、平成26年度ですけれども、徴収率が過去10年間で最高の97.63%、滞納繰越額は過去10年間で最少の26億円でした。以降も徴収率、滞納繰越額の改善は続き、平成30年度の県税徴収率は99.11%に上昇、滞納繰越額11億4,300万円と半分以下にまで削減しております。また、不納欠損額も平成29年度1億7,700万円、30年度1億8,400万円と、10年前には5億円程度であったものが大幅に改善しております。  この成果には、平成15年度を滞納整理元年として、これまで県の組織を挙げて徴収確保に努めたこと、特に徴収担当職員の皆さんの努力があったことと敬意を表します。  そして、もう一つに市町との連携があると思うのです。平成18年に、主に市町の税の滞納に対処するため、県下20市町で構成する一部事務組合、愛媛地方税滞納整理機構が設立されました。機構は、市町から派遣された職員のほか、外部から県職員、弁護士、国税及び警察OBなどが入り、市町から依頼のあった大口あるいは悪質な滞納者に対して、それぞれの知識と経験を生かして、財産調査、差し押さえ、インターネット公売といった専門性の高い滞納整理をしてきております。このような現場を経験することによって、市町職員の徴税技術も格段に上がり、市町の個人住民税と合わせて徴収する個人県民税の徴収率アップにもつながりました。  ちなみに、地方税滞納整理機構のような組織は、当時、茨城、三重に次ぐ3番目の設立で、全国的にも早い取り組みでした。その後、平成24年度には県と市町の税務職員の相互併任も始まり、市町との連携がさらに進み、愛媛県全体の徴収体制が充実していったと思うのです。  税の徴収は県政を支える重要な仕事ですが、地味な仕事でもあります。令和2年度は、徴収確保対策の長期数値目標の最終年度となりますが、財政健全化基本方針に掲げている徴収率向上、滞納繰越額のさらなる縮減を達成するには相当の努力が必要かと感じております。  そこで、お伺いします。  これまで取り組んでこられた県税の徴収確保対策をどのように評価しておられるか。また、今後の目標と取り組みについてお聞かせください。  以上で質問を終わりますが、最後に一言申し述べさせていただきます。  新型コロナウイルス対応で日本中が混乱する中、愛媛県内でも2日に感染者が確認されました。その後の中村知事を中心とした理事者の皆さんの対応、関係者の人権に気を配りつつ、かつオープン、正確に情報を伝える一貫した姿勢に敬意を表します。  また、これから何度も厳しい局面があると思います。そのようなときのために、理事者の皆さん、そして議員各位に、私の地元砥部町に記念館のある詩人、故坂村真民の「ひらく」という詩をお贈りして終わりたいと思います。   花ひらく   運ひらく   道ひらく   目ひらく
      心ひらく   すべて   開くことが   大事だ   大道は無門   閉ざしてはならぬ  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(西田洋一議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(西田洋一議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 松下議員に、まず、まじめえひめプロジェクトについての御質問にお答えをさせていただきます。  本県のブランド力や発信情報の訴求力を高めるため、本年度から着手した新たなPR戦略であるまじめえひめプロジェクトは、これまで、人気アニメ「進撃の巨人」とのコラボ企画やSNSでの情報拡散、県民動画の公開などに取り組み、多くのメディアでも取り上げられた結果、県内外での認知が着実に広がりつつあると感じています。  また、ことしの東京オリ・パラ大会の開催等を踏まえまして、1月から新たにスポーツを切り口としたプロモーションを開始し、選手を裏方として支える方々にスポットを当てた動画を公開したところ、これまでに100万回を超える視聴と多くの共感の声をいただいたほか、先月中旬には、プロジェクトのPRに協力をいただくまじめえひめ応援隊の募集を開始し、既に県内外の複数の企業から賛同をいただくなど、一層の認知拡大に向けた体制づくりも進んでいるところであります。  さらに、来年度は、スポーツをする、見る、応援するの視点を加えた多彩なプロモーションを展開するとともに、秋以降は、グルメをテーマとした新たな企画にも取り組むほか、地域の地道な活動を検証するまじめえひめ賞の受賞者選定も行うこととしており、四、五年程度をかけた取り組みの積み重ねにより、プロジェクトへの認知を高め、幅広い共感を得ながら全国への浸透を図るという長期戦略のもと、統一コンセプト「まじめ」を使った本県の魅力発信の強化を図ることで、地域の活性化につなげてまいりたいと思います。  次に、えひめこどもの城の魅力向上についての御質問でございます。  えひめこどもの城は、約34haもの広大な自然環境の中に大型児童館を有する、全国でも有数の規模の児童厚生施設であり、毎年30万から40万人の子供や家族連れが利用する遊びと創造のシンボル施設として、広く県民の皆さんに親しまれてまいりましたが、開園後20年を経過し、さらなる魅力向上が必要と認識しています。  このため、こどもの城が全国トップクラスの人気を誇るとべ動物園に池を挟んで隣接するという好立地にありますことから、高低差のある地形の特色を最大限に生かし、来年度、両施設を結ぶ魅力あるアクセスとなるジップラインの整備を計画しているところでございます。  計画中のジップラインは、安全性をしっかり確保した設備を用いまして、2本のラインで2人が同時に滑空でき、こどもの城から池の上空を渡って動物園の虎舎の前に着地するなど、全国にも例のない魅力的なアクティビティーになるものと考えており、中高校生はもとより、大学生や若者まで幅広い年齢層にアピールし、県内外から多くの誘客を図りたいと考えております。  今後は、両施設と県総合運動公園の関係者等によるネットワーク協議会を立ち上げまして、これまではそれぞれが役割が違う施設でありましたけれども、協力体制をより一層強め、ジップラインの整備にあわせて、こどもの城と動物園を中心としたエリア一帯の魅力を発信する戦略的な広報を積極的に展開するなど、ソフト・ハード一体となったこどもの城の魅力向上に取り組んでまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係者理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(高橋正浩総務部長) 議長 ○(西田洋一議長) 高橋総務部長   〔高橋正浩総務部長登壇〕 ○(高橋正浩総務部長) まず、行革甲子園についての御質問にお答えさせていただきます。  行革甲子園は、ややもするとマイナスイメージのある行革を前向きに捉え、創意工夫あふれるノウハウを各自治体で共有、活用する政策コンテストとして、今や47都道府県から多数の応募がある取り組みへと成長、定着し、県内のみならず、地方行政全体の行革の底上げに大きな成果を上げてきたものと認識をしております。  来年度は、引き続き全国版として開催し、スマートシティ構想等に取り組む海外事例の発表のほか、来場者以外も視聴できるライブ中継やウエブを活用したリアルタイムのアンケート投票など、新たな取り組みも実施することでさらなる魅力向上を図り、全国の行革をリードしたいと考えております。  また、県内市町への支援につきましては、今年度初めて、県内外のIT技術活用の先進事例を研究する行政効率事例研究会を開催したほか、県・市町連携のもと、AI総合案内サービスの実証実験を行い、効果が認められたことから、来年度から県・市町共同で本格実施することとしております。  今後とも、働き方改革等にも留意しつつ、限られた人材や財源で行政サービスの一層の充実を図るため、時代を先取りした新たな発想やIT技術等の積極的な導入を促進するなど、チーム愛媛の強みを生かしながら、県内市町の行革推進を精力的に支援してまいりたいと考えております。  次に、県税の徴収確保対策についてお答えをいたします。  県民サービスを支える貴重な自主財源であります県税の徴収確保に向け、県では、平成15年度を滞納整理元年と位置づけ、徴収確保対策本部を設置し、毎年度、数値目標を設定した上で、タイヤロックやインターネット公売等の新たな徴収手法を導入しながら、特別滞納整理班を中心に効率的、効果的な滞納整理に精力的に取り組んできたところでございます。  とりわけ、滞納繰越額の4分の3を占める個人県民税対策として、愛媛地方税滞納整理機構と連携した徴収対策や、個人住民税の特別徴収の完全実施等に取り組んだ結果、平成30年度の県税徴収率が99.11%と対策実施前の14年度に比べ4.61ポイント上昇し、全国第2位となったほか、滞納繰越額も11億4,300万円と8割以上削減するなど、全国でもトップクラスの成果があらわれていると考えております。  今後は、令和2年度を最終年度とする徴収確保5カ年計画の目標達成に向けて、個人県民税と自動車税の滞納整理に重点的に取り組むこととしており、本年4月から全市町に拡大いたします税務職員の相互併任制度等を軸に市町との連携をさらに強化するとともに、キャッシュレス納付の拡大など納税者の利便性向上にも配慮しながら、一層の徴収率向上と滞納繰越額の縮減に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(岸本憲彦県民環境部長) 議長 ○(西田洋一議長) 岸本県民環境部長   〔岸本憲彦県民環境部長登壇〕 ○(岸本憲彦県民環境部長) 愛媛県土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例についての御質問にお答えをいたします。  愛媛県土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例、いわゆる土砂条例は、全国でも先駆的な条例として、平成12年の施行以来、3,000平米以上の土砂等の埋め立てを許可制とし、累計396件の許可事業に対し、搬入土砂の量、履歴等の事前届け出や土壌・水質調査のほか、土砂の崩落防止措置を義務づけますとともに、パトロールや立入検査等により、土壌汚染や水質汚濁、土砂災害の発生を防止し、県民生活の安全確保と生活環境の保全に大きな役割を果たしてきたものと認識しております。  しかしながら、条例施行後約20年が経過し、近年の社会経済情勢の変化や豪雨災害による土砂崩落が懸念される中、許可事業で搬出元の特定が困難な県外土砂の搬入などが確認されたことから、不適正な埋め立ての未然防止と早期対応を図るため、新たに土砂等の搬入時の展開検査や土砂管理台帳の作成を義務づけますとともに、改善命令の導入や罰則の引き上げ等厳しい措置を講ずることとしております。  一方で、施工期間が短い事業の水質検査回数の見直しや災害時における搬入手続の簡素化を図るなど、規制の強化と緩和によるめり張りのきいた全国的にも先進的な条例改正案を今議会に提案しているところでございます。  県といたしましては、今後も、本改正土砂条例に基づき、不適正な土砂等による埋立防止や災害防止に全力で取り組み、県民の安全・安心の確保に一層努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(田所竜二農林水産部長) 議長 ○(西田洋一議長) 田所農林水産部長   〔田所竜二農林水産部長登壇〕 ○(田所竜二農林水産部長) 中山間地域の基盤整備についてお答えをいたします。  県土の約7割を占める中山間地域では、各地域の気候や土地条件を生かした多彩な農業や個性的な農村活動が展開され、本県農業産出額の約7割が産出されるとともに、県土の保全や美しい景観の形成、伝統文化の継承といった多面的機能の維持にも大きく貢献しておりますことから、今後、厳しい耕作条件を改善する基盤整備を進め、中山間地域の農業を次世代の担い手に着実に継承していくことは極めて重要な課題と考えております。  このため、県では、従来から国の補助事業等を積極的に導入し、圃場の緩傾斜化や農道、水路等の整備によります農作業の省力化などを図るとともに、地域の意向や実情に応じ、農家負担のない農地中間管理機構関連農地整備事業を活用し、圃場の再編整備に合わせた担い手への農地集積や高収益作物への転換を促進するなど、持続的でもうかる中山間地域農業のモデルづくりを進めており、松山市下難波の樹園地や西予市伊延西の水田でそれぞれ事業に着手するほか、砥部地区など14の地区でも事業化に向けた取り組みを進めているところでございます。  今後も、市町や関係機関と連携し、国の各種対策を活用した基盤整備と営農基盤の維持再生活動を支援する日本型直接支払制度などのソフト対策を効果的に組み合わせながら、意欲あふれる担い手を中心に、地域一体となった足腰の強い中山間地域農業の実現に邁進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(三好伊佐夫教育長) 議長 ○(西田洋一議長) 三好教育長   〔三好伊佐夫教育長登壇〕 ○(三好伊佐夫教育長) スクール・サポート・スタッフの活用についてお答えをいたします。  県教育委員会では、教員の負担軽減を図り、児童生徒の指導や教材研究等に力を注ぐことができる体制整備の一環として、平成30年度から、教員にかわって授業用プリントの印刷やホームページの更新、各種調査の集計等の業務を担うスクール・サポート・スタッフを小中県立学校に合わせて26名配置し、配置効果が極めて高いとの学校現場の声を受け、今年度は64名まで増員したところでございます。  昨年10月に配置校を対象に行った教員の勤務状況調査では、教員1人当たりの1週間の勤務時間が前年比で平均して2時間程度縮減され、意識調査におきましても、8割を超える教員が、子供と向き合う時間や教材研究の時間が増加したと回答し、教員自身が必要とする業務に優先的に時間を使うことができ、心理的なストレスが軽減された、授業準備のための時間が確保でき授業改善が進んだなど、配置を評価する意見も多く見られたところでございます。  このため、来年度はスクール・サポート・スタッフの配置をさらに拡充し、小中県立学校合わせて21名増員の85名にするとともに、新たに、高校において大学生が放課後の自主学習や補習をサポートする学習支援ボランティアも配置することとしており、今後とも、市町教育委員会とも連携しながら、オール愛媛体制でよりよい教育環境の整備を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(西田洋一議長) 休憩いたします。  午後1時から再開いたします。      午前11時51分 休憩    ―――――――――――――――――      午後1時 再開 ○(西田洋一議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(黒川理惠子議員) 議長 ○(西田洋一議長) 黒川理惠子議員   〔黒川理惠子議員登壇〕 ○(黒川理惠子議員) (拍手)自由民主党の黒川理惠子でございます。  皆様の御支援で西条市選挙区より県政へ送っていただきました。この上は、ふるさとのために全てをささげ、働かせていただきます。  私が一番大切に思ってきたことは、私たちの未来である子供たちの幸せです。今回は、子供のことに絞って質問させていただきます。  これまで、全ての社会問題の解決方法をずっと考えてきました。そして、一番の根本解決は、幼児期の、人としての土台づくりだと思うようになりました。土台がしっかりしていないと、上に幾ら積んでも崩れてしまいます。この土台は最初に出会う母親、またはその役割をする人との信頼関係によって築かれ、大人になったとき、その人の持つ、社会や人への信頼感に大きな影響を与えます。そして、社会は人によって成り立っていますから、人がしっかりと育たなければ、どんな政策も成果が上がりにくくなります。子供たちが人に思いやりがあり、自立した生きる力のある人に育ってくれれば、それぞれの持って生まれた才能で社会の問題を解決してくれると思うのです。  一方、一番人を傷つけ、その生きる力を奪い、土台を築けなくしてしまうのが、自分をこの世に産み出した親から存在を否定されること、例えば虐待ではないでしょうか。  そこで、質問に入らせていただきます。  虐待というと、事件性のあるものをイメージしてしまうこのごろですが、虐待と思っていなくても、子供への親の不適切なかかわり方が子供のデリケートな脳へ過度なストレスを与え、脳が物理的に傷つくことが科学的にわかっています。福井大学友田明美教授のハーバード大学との共同研究によると、発達過程にある小児期に、たたかれるなどの体罰を年12回以上受けている子供は、思考や行動抑制力にかかわる、脳の中の脳と言える前頭前野が、平均して19.1%萎縮する傾向が見られたそうです。これらの部分が損なわれると鬱病を発症したり、非行を繰り返す素行障がいなどにつながることが明らかになっています。そのほかにも、性的に不適切なかかわり方をされた子供の場合は、脳の視覚野が萎縮することもわかっており、これは聞きたくない、見たくないという防衛本能のなせる悲しい仕組みだそうです。虐待や子供を傷つけることは絶対やめなければなりません。  日本政府は、平成10年に国連から、児童虐待への対策が不十分であると指摘、勧告され、平成12年に児童虐待防止法を制定し、昨年、4度目の改正がなされました。昨年の改正の主な内容は、親権者等による体罰の禁止、児童相談所で子供の一時保護と保護者の支援をする職員を分け、介入機能を強化、DV対応機関との連携も強化、虐待した保護者に対して医学的、心理学的指導を行うよう努める、児童相談所の児童福祉司の過剰な負担の軽減、転居先との速やかな情報共有などであります。  しかし、その間にも児童虐待事件はふえ続け、昨年度、全国212カ所の児童相談所の児童虐待相談対応件数は15万9,850件に上り、過去最多となっています。虐待の内訳としては、心的虐待の割合が最も多く全体の55.3%、次いで身体的虐待の25.2%となっています。  愛媛県でも全国の傾向と同様に、昨年度の県児童相談所での相談対応件数は890件と、過去最多となり、一時保護数も過去最多の157人に上ります。また、県内の社会的養護を必要とする子供のうち、里親等に委託された子供は約17%であり、国が、将来的に実現すべき目標として掲げる乳幼児75%、学童期以降50%以上を下回る現状にあります。  児童相談所の課題としては、大きく2つあると考えています。  1つ目は、児童福祉司の専門性であり、児童福祉司の多くは、専門的知識を持たない一般職員が配属され、平均3年ほどで他の部署へかわっていきます。それでは近年のような、虐待等の養護相談の増加や、複雑な事情を抱える家庭や発達障がいの子供の増加などの対応が困難であり、今後、児童福祉司を専門職に変えていく必要があります。  2つ目は、一時保護された後の対応についてであり、施設入所と里親委託のほかは面接指導での対応となりますが、その際に、子供と親に対する専門家のカウンセリングや治療プログラムを実施することによって、子供に適切な環境を取り戻さなければなりません。  そこで、お伺いします。  県では、児童虐待の原因をどのように認識し、児童相談所の体制強化にどう取り組んでいかれるのか、お聞かせください。  次に、東予子ども・女性支援センターについてお尋ねいたします。  児童相談所には、子供や保護者などからの相談機能のほか、家庭での虐待が疑われる場合や、家出などにより保護が必要となった場合に、一時的に子供を預かる機能を有しています。昨年6月の本議会において、古川議員からも質問がございましたが、県に3カ所ある児童相談所のうち、東予のセンターは老朽化が進んでおります。新居浜市にあります同センターは、耐震基準を満たしておりますが、築後約40年と、経年劣化が進み、鉄筋コンクリートづくりのせいもあって、子供たちが寝泊まりして過ごす施設でありながら、どこか冷たい感じがしており、今後、計画的に建てかえを含めた老朽化対策を図っていただきたいと思います。  そこで、お伺いします。  建てかえまでの間、せめて一時保護された子供たちが過ごす部屋だけでも、温かいぬくもりを感じる施設になるよう改装してほしいと思いますが、お考えをお聞かせください。  次に、学校教育の視点からお伺いします。  平成29年度に、心中以外の児童虐待により死亡した子供は、ゼロ歳児が最も多い28人であり、死亡事例全体の53.8%となっております。また、そのうち月齢ゼロカ月の子供が14人、率にして50%となっており、予期せぬ妊娠により、親となる自覚が十分でないまま出産を迎えたのではないかと疑われる死亡事例もあるなど、親になる前の準備が大変重要であり、将来子供を守り、社会を担っていくという自覚と責任感を持てるよう、幼少期から指導する学校教育の役割が重要だと思います。  昨年5月の衆議院本会議で内閣総理大臣は、学校教育でも家庭科等で乳幼児と触れ合い、親の役割と保育等を学習するとともに、高等学校学習指導要領には、乳幼児と適切にかかわるための基礎的な技能の習得等を新たに明記するなど、子育てに関する内容の充実を図っており、未来の宝である子供の命が守られ、育まれるよう、総力を挙げて取り組むと、学校教育において、子育てに関する学習の充実を図るように述べられています。  学校では、これまでも男女の性の違いや妊娠、避妊などに関する児童生徒の正しい性知識の形成に取り組んでこられたと認識していますが、仕事などのキャリア教育と同様に、家庭を築き、親になるためのキャリア教育についても充実してほしいと思います。目の前の単元を学びつつ、視点は遠く、自分の将来にある教育をすることで、子供が道に迷ったり、踏み間違えたりすることを防ぐことができるのではないかと思います。学校では、教育面から将来の児童虐待を防止していくという役割がますます大きくなっていると思います。  そこで、お伺いします。  本県の小中学校及び高等学校では、家庭を築くことや親になることについて、どのように指導されているのか、お答えください。  先日、大阪市立生野南小学校での公開授業を参観してまいりました。生野南小学校では、1年生から性教育を始め、6年間の性に関する指導と、家庭教育や心を育てる国語教育を通して、自分の存在のとうとさを教えておられるように感じました。中でも一番驚いたのが、子供を守ろうとする学校全体の情熱でした。大阪市では、性虐待が自分には価値がないという思いにさせ、生きる力を奪い、自己肯定感を低くし、ひいては貧困へつながっていると考え、生きる力を育む性に関する指導を行っています。  日本性科学情報センターが平成10年に日本で初めて行った全国調査によると、18歳未満の女子の実に39.4%、男子の10%が性的被害を受けているとのことです。性犯罪に関する規定を厳罰化した、平成29年の刑法改正に続くことしの再改正の動きや#Me Too運動などは、日本における性被害の大きさをあらわしており、そんな現状の中で、子供は自分の心と体を守っていかなければなりません。また、性的虐待の場合は、子供の小さな抵抗でも、加害者の行動をとめる効果があると、防止分野の研究でわかっています。  そこで、お伺いいたします。  本県の小中学校及び高等学校では、子供が自分の心と体を守るために、どのような性に関する指導を行っているかお聞かせください。  次に、乳幼児触れ合い体験についてお伺いします。  愛媛県では、平成28年まで愛顔の赤ちゃんふれあい授業開催事業において、中学生を対象にいのちの授業を行ってこられました。これは成長過程の各段階で、将来結婚して家庭を持つ意義を考える機会を提供する取り組みで、その一環として、思春期の中学生を対象に、赤ちゃんやその親と触れ合う機会を提供し、命のとうとさや子供を育てていくことの大切さを学ぶ、親になるためのキャリア教育であると理解しています。この授業では、生徒が実際に赤ちゃんのお世話をするほか、現役のお母さんに子供を育てる実感を聞く体験を一体的に実施する非常に有意義なものであったと思っています。その後、独自事業として継続されている市町もあり、西条市では、保育園や民間ボランティアらが協力し、市民の手で毎年市内3校において実施されています。
     そこで、お伺いします。  乳幼児との触れ合いは、実際体験することで印象に残り、自分が親になることを想像できるキャリア教育であり、今後、この授業が多くの市町で実施されるよう支援してほしいと思いますが、お考えをお聞かせ願えたらと思います。  次に、両親と子供の触れ合いの時間を確保するという観点から、働き方改革の取り組みについてお伺いします。  大阪医科大学看護学部の佐々木綾子教授らの研究によると、親として子供を慈しみ育もうとする親性は、誰もが生まれ持ったものではなく、子供とスキンシップをとることで、脳からオキシトシンという愛情ホルモンが分泌され、育まれるものであるということです。また、幼少期にスキンシップを十分にとることができず成長し、特定の人に対して、情緒的なきずなを感じにくいという愛着障がいのある人は、ストレスへの耐性が弱くなる傾向にあることもわかっており、特に子供が低年齢の場合、可能な限り触れ合う時間を確保していくことは、親子どちらの人生にとっても想像以上に重要であると言えます。  さて、国は、多様な働き方を選択できる社会を実現していくため、平成30年7月に、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律を公布しました。長時間労働を是正するための労働時間法制の見直しと、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保がこの法律の柱となっており、企業等に対して、時間外労働の上限規制や同一労働同一賃金の徹底など、順次なされることとなっております。  愛媛県でも、昨年より職員の多様な働き方の推進や超過勤務の削減を目的として、テレワークを導入されたとお聞きしております。県版テレワークには、在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィスがあり、特に、在宅勤務は仕事と育児、介護等を両立したワーク・ライフ・バランスの向上、働き方の選択肢増加による離職の防止、人材の確保、労働生産性の向上などに大きな効果があると思います。例えば、子供の体調や行事にあわせて在宅勤務をすることで、移動時間によるタイムロスをなくし、その時間を子供との時間に費やすことができます。県職員利用者の感想としても、病気療養中の子を家に1人にするのは心配だったが、制度の利用のおかげで助かったなど、この制度に好意的な意見が多く寄せられているとのことでありました。  今後は、県でのさらなる利用促進はもとより、県内企業にも導入を広めていくべきであると思っていますが、新しい取り組みでありますので、導入を検討している企業では、労務管理が正しくできるのか、人事評価は適切になされるのかなど、労使双方から不安の声を聞くところです。このため、県が導入の効果を発信することで、県内企業で導入が進むのではないかと思うのであります。  そこで、お伺いします。  昨年の導入から1年となりますが、県のテレワークの導入の効果と今後の利用促進取り組みをお示しください。また、職員の補助業務を担う臨時職員は対象外となっているとお聞きしておりますが、来年度から導入される会計年度任用職員への適用についてもお考えをお示しください。加えて、テレワークの導入促進を含め、県内企業の働き方改革を支援する県の取り組みについてもお聞かせください。  次に、幼少期に予算を重点配分していくべきという観点から、子育て支援の充実についてお伺いします。  ノーベル経済学賞を受賞されているジェームズ・J・ヘックマン教授が労働経済学において、教育を公共投資として捉えた場合の研究結果によると、公的投資は、低年齢期に行われるほど、社会全体の投資収益率が高いことがわかっています。つまり低年齢期に行政の支援を厚くするほど、将来、所得や労働生産性が向上し、税金として返ってくるだけでなく、健康面でも将来にわたって良好な状態が維持されることで、医療保険や生活保護費など社会保障関係費が軽減するということであり、同じ予算規模でも、対象年齢が高い施策ほど収益率が低下するということです。さらに言えば、妊娠期への公共投資が最も収益率が高いという結果が出ています。  また、先ほどの児童虐待に関しても、アメリカの疾病予防管理センターの研究によると、児童虐待やネグレクト、面前DVを経験した人が成長し、中年になったとき、がんなどの成人病の発病率が2倍以上、アルコール依存症は7倍、自殺願望は14倍になるということです。これは、虐待などの子供の環境悪化は、将来的な財政負担の増加につながることを意味します。今後、少子高齢化の進行に伴い、社会保障関係費が増大するのに対して、生産年齢人口が縮小し、県税収入の減少が見込まれるなど、これからの厳しい財政状況を考えると、どうしても選択と集中を行わなければなりません。  低年齢期への公共投資の重要性については、脳科学や教育経済学、労働経済学など、科学的には理解が進んでいるのに対し、なかなか行政面では進んでいないと感じてきたところでありましたが、国は、昨年10月からの消費税率引き上げに伴う増収分の一部を活用して、幼児教育の無償化や待機児童の解消などの取り組みを強力に進める方針と聞いております。  そこで、お伺いします。  国の取り組みを活用することも含め、どのように妊娠期から低年齢期の子育て支援を充実させていくのか、考えをお聞かせください。  その具体策として、低年齢期までの子育てを支える柱となると考えております子育て世代包括支援センターについてお伺いします。  国は、これまで多くの子育て支援を行ってこられましたが、合計特殊出生率は低下し続けており、児童虐待などの問題も起こっています。国の子育て支援策が十分に機能していない理由は主に2つあると考えており、1つ目は、行政の窓口や担当機関が多岐にわたり異なるため、当事者からわかりにくく、その上、真の支援が必要な人は行政とつながろうとしないこともあり、当事者に支援が届いていないことです。  2つ目は、育児に対する妊婦の不安感であり、核家族化や地域の結びつきの希薄化、父親の育児不参加により、育て方を相談したり、一緒に悩んだりしてくれる相手を見つけられず、孤立感を感じ、特に、一番不安感が増す出産直後の悩みを解消できないこともその要因であります。  そこで注目されたのが、合計特殊出生率1.50を1.87までV字回復し、児童虐待死をほぼゼロ%にしたフィンランドのネウボラという、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援制度です。切れ目のないという言葉は、このときに初めて使われました。  内閣府は、このネウボラを参考とした子育て世代包括支援センターを虐待防止など子育て支援の柱として、令和2年度までに全国展開し、切れ目のない支援を実現するとしており、既に多くの市町が先行して開設しています。  ネウボラの主な特徴は6つあり、1つ目は、全ての子育て支援のただ一つのワンストップ窓口で、ここへ来ると必要な全ての機関へつないでくれること。2つ目は、警察や消防署と同程度に国民の誰もが知っている場所であること。3つ目は、本当の切れ目のない支援であり、妊娠期から6歳までの期間、同じ保健師が同じ親子の担当を一貫して継続するために、実家より信頼されているケースもあること。4つ目は、対話が支援の中心であり、月1回という頻度で面接による対話を行っていること。5つ目は、リスクのあるなしにかかわらず、誰もが妊娠したそのときから常時、当たり前に通う場所であること。6つ目は、母子の心身だけでなく、家族など母子を取り巻く環境も把握していることなどですが、残念ながら、現在の子育て世代包括支援センターには、これらの機能が十分整備されておらず、このままでは虐待防止と出生率回復への効果が期待できないのではと大変危惧しております。  これらのネウボラの機能をセンターに十分取り入れられない理由としては、市町の財源不足とセンターに必要な保健師や助産師などの人材不足と言われていますが、幸い本県には県立医療技術大学があり、ここで育成される保健師や助産師がセンターで活躍できるようになれば、本県の子育て支援の充実に大きく寄与すると考えます。  そこで、お伺いします。  県は、ネウボラについてどのように認識し、市町の子育て世代包括支援センターをどう支援していかれるのか、お考えをお聞かせください。  以上、子供について質問させていただきましたが、最後に一言申し上げます。  児童虐待防止の対策として、起こった後の対症療法が多く、予防の対策の決め手がないと感じてまいりました。予防がないと、虐待が発見されるまでの期間、子供は心身ともに傷つき続け、人としての土台を築くことができません。その解決の切り札として、国が子育て世代包括支援センターを推進したと理解しています。  しかし、虐待だけでなく、いじめやひきこもりは今もなお、大きな問題となっています。本来の子育て支援包括支援センターは、それらも含め、子供の支援の全てを包括し、同じ保健師が妊娠期から6歳まで寄り添い続けることで、問題を未然に防ぎ、健全に小学校へ送り出すものです。  質問でも述べましたが、低年齢期ほど行政の公共投資の収益率が高く、それにより財政負担も軽減されます。なので、低年齢期に予算を重点配分し、子供の幸せを最優先するという行政のあり方が、国難である人口減少を乗り越える最善の策であることを提言させていただき、チルドレンファーストの社会になることを願い、発言を終えさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(西田洋一議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(西田洋一議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 黒川議員に、まず、私の方から児童相談所の体制についての御質問にお答えをさせていただきます。  児童虐待は、身体的、精神的、社会的、経済的要因等が複雑に絡み合って発生しており、保護者のパーソナリティーや育児に対する不安、経済的・社会的困窮など、家庭のさまざまな事情がリスク要因になるものとされており、増加、複雑化する虐待の防止には、虐待につながるおそれのある要因を適切に判断し、対応できる支援体制の整備が重要と思います。  このため県では、児童相談所に福祉職、心理職、保健師、教員等の専門職を配置しているところでございます。さらに、児童虐待相談対応件数の増加に応じた増員や、専門性を高める研修、警察との合同対応訓練による児童福祉司等のスキルアップに加え、指導、教育を行うスーパーバイザーの配置による効果的な保護者支援に努めているところであり、今後も、国の児童虐待防止対策体制総合強化プランに沿って、体制の拡充と質の向上を進めることとしています。  また、虐待を受けた子供やその家族には、体罰等が脳に与える影響等も念頭に、精神科医や臨床心理士のカウンセリングによる心理的ケアも実施しているところであり、今後とも子供の安全を最優先に、児童虐待の防止に向けた児童相談所の体制強化に取り組んでまいりたいと思います。  次に、妊娠期から低年齢期の子育て支援についての御質問でございますが、県では、次代を担う子供が健やかに生まれ育つ環境を整備するため、現在策定中の第2期えひめ・未来・子育てプラン(後期計画)において、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を政策目標に掲げまして、国の施策に県独自の施策を組み合わせて、子育て支援の充実に取り組んでいきたいと考えているところであります。  国が昨年10月に開始した幼児教育・保育の無償化につきましては、市町と連携して施設整備と人材確保の両面での対応に努めているほか、安心な出産を支える周産期医療体制の整備や、妊産婦、乳幼児の健康を守る母子保健対策の推進等に加え、乳幼児や重度心身障がい児、ひとり親家庭への県単独の医療費助成制度の実施など、妊娠期から低年齢期の子育て支援に重点的に取り組んでいるところでございます。  さらには、本県独自の取り組みとして、妊娠、子育ての悩み相談や情報提供を行う子育て応援アプリきらきらナビの開発や、他県では例のない第2子出生世帯への紙おむつ1年間購入支援を初め、来年度から、官民共同による子どもの愛顔応援ファンドを活用して、地域の実情に応じた、きめ細かな支援策を展開することとしており、今後とも、限られた財源の中で創意工夫に努めながら、切れ目のない子育て支援の一層の充実に取り組んでまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(高橋正浩総務部長) 議長 ○(西田洋一議長) 高橋総務部長   〔高橋正浩総務部長登壇〕 ○(高橋正浩総務部長) 働き方改革に関する御質問のうち、県のテレワークの導入効果等についてお答えをいたします。  昨年3月に導入したテレワークは、職員の働き方改革を推進するとともに、行政の効率化等につながる取り組みとして利用促進を図っているところであり、本年1月の利用時間は、昨年3月実績の2.5倍となっており、導入から1年近くたち、職員の間に浸透しつつあると考えております。  利用者へのアンケートでは、出張時にモバイルワーク等を活用し、業務の効率化や超過勤務時間の削減につながっていることや、在宅勤務により、子育てや介護等への対応が充実し、仕事と家庭生活の両立が図られていることが報告されており、当初想定した導入効果が得られておりますほか、今般の新型コロナウイルス感染症対策に当たっても、端末機をフルに活用して在宅勤務を推奨しているところでございます。  今後とも、職員への具体的な活用事例等の周知や、国が全国的に推進しておりますテレワーク・デイズへの参加等により利用啓発に努めるほか、庁内文書のデータ化など環境整備にも取り組み、テレワークの一層の利用促進を図りたいと考えております。  なお、事務補助の臨時職員につきましては、これまでテレワークの対象外としておりましたが、会計年度任用職員への移行に伴い、テレワークで対応可能な業務を担うことも想定されますことから、対象とする方向で詳細を詰めているところでございます。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(西田洋一議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) 児童虐待防止対策の御質問のうち、東予子ども・女性支援センターに関する御質問にお答えをいたします。  東予子ども・女性支援センターにおいては、必要な修繕を適宜実施し、適切な施設の維持管理に努めており、これまでに非行と虐待のそれぞれのケースに応じて生活できるよう、一時保護所を2部屋から4部屋に改修するとともに、洋室の床面の木質化や木製ベッドの配置等により入所児童が生活にぬくもりを感じられるよう、室内環境の改善に努めております。  また、同センターでは、一時保護所内に意見箱を設置し、日ごろから入所児童の意見やニーズの把握、対応に努めるとともに、子供が安心して過ごせる場となりますよう、卓球やさまざまなゲーム、ビデオ鑑賞など、子供の年齢に応じたレクリエーションの機会等も設けており、今後とも子供の心理的ケアも行いながら、気持ちに寄り添った施設運営に努めてまいりたいと考えております。  次に、子供の学校教育に関する御質問のうち、乳幼児との触れ合い体験についてお答えします。  乳幼児との触れ合い体験は、少子化に伴い、乳幼児と接する機会の少ない思春期の世代が、命の大切さや子育てのすばらしさを実感する貴重な機会となることから、県では、平成26年度から3年間、国の交付金を活用し、乳幼児親子と中学3年生が交流するモデル事業を、延べ26校で実施をしたところであります。  また、モデル事業終了後も、市町が独自に体験事業に取り組み、今年度は12市町が小中高校生を対象に事業を実施しておりますほか、えひめこどもの城でも、地域の児童館等と連携し、赤ちゃんと中学生が触れ合ういのちの授業を実施しており、命や子育ての大切さを学ぶ機会を提供しております。  こうした取り組みには、地域の保育所や子育て支援団体等の協力、また、学校の理解のほか、乳幼児の安全確保や、生徒に特定の価値観を押しつけない等の配慮も必要でありますことから、県としては、モデル事業の成果等を踏まえ、市町に対しノウハウの提供や助言を行うなど、今後とも、より多くの地域で、効果的な乳幼児との触れ合い体験が実施されるよう支援してまいりたいと考えております。  次に、子育て支援の御質問のうち、子育て世代包括支援センターについてお答えいたします。  ネウボラは、フィンランドで制度化されております妊娠期から就学前までの育児に、切れ目なく継続的に相談対応し、支援する機関で、日本ではこれを参考に、国が子育て世代包括支援センターの設置の促進を図っており、妊産婦等を総合的に支える地域拠点として、その役割を担っているところであります。  県内の子育て世代包括支援センターは、現在9市町15カ所に開設されており、県では、設置の必要性や先進県の事例を学ぶ、市町向けの研修会を実施するほか、運営費の支援にも取り組んでいるところであります。  また、県立医療技術大学におきましては、今年度から県内の妊産婦支援の現状分析やニーズ調査を行い、センター開設による効果、課題について研究を進めているところであり、同大学の協力を得て、市町へ研究結果を踏まえ助言するなど、市町の支援センターの機能のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(田中英樹経済労働部長) 議長 ○(西田洋一議長) 田中経済労働部長   〔田中英樹経済労働部長登壇〕 ○(田中英樹経済労働部長) テレワークなど企業の働き方改革を支援する県の取り組みについてお答えします。  生産年齢人口が減少する中で、県内企業が人材を確保するためには、さまざまな就労ニーズに合わせた労働環境の整備が必要となるため、これまで県では、ワーク・ライフ・バランスの推進に向け、653社を仕事と家庭の両立応援企業に認証するとともに、国と県が平成30年4月に共同設置した働ナビえひめにおいて、働き方改革に関する延べ1,300件を超える相談対応を行ってきたところであります。  また、国の調査で、25歳から44歳の子育て世代の県内女性のうち、無業者の55%が就業を希望しておられる中、仕事と子育てを両立し得るテレワークの導入は、人材確保の大きな切り札の一つと考えておりますが、ハード整備に要する経費の確保等の課題があり、現状では、県内企業の取り組みがまだ十分に進んでいないため、先行導入事例の紹介にあわせて、テレワーク導入を支援する国の助成金の活用促進に取り組んでいるところでございます。  本年4月1日からは、時間外労働の上限規制が中小企業にも適用されることも踏まえ、県のテレワーク導入効果の発信など、引き続き、県内企業の働き方改革を積極的に支援し、産業人材の確保と本県経済の活性化につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(三好伊佐夫教育長) 議長 ○(西田洋一議長) 三好教育長   〔三好伊佐夫教育長登壇〕 ○(三好伊佐夫教育長) 子供の学校教育に関する御質問のうち、家庭に関する教育についてお答えをいたします。  家庭生活が多様化するとともに、少子高齢化が急速に進展する中、子供たちに生涯にわたって自立し、ともに生きる力を身につけさせる上で、家庭に関する教育は重要と認識しております。  このため、家庭科教育を中心に、小学校では、家庭生活を大切にする心情を育むために、家族の協力や家族との触れ合い、団らんの大切さを学習し、中学校では、よりよい家庭生活の実現に向けた実践的な態度を養うために、役割演技により家庭の問題を考えたり、保育所を訪問し、乳幼児との触れ合いを行っております。高校では、男女が協力して家庭を築くことや子供を産み育てることの意義を考えさせるために、自分の目標を設定し、将来の生活を長期的に計画するライフプランニングや、家庭生活における課題の解決を目指すホームプロジェクトの活動を実施しております。  今後とも、教員研修の充実に努めることで、関係機関との連携による体験活動の推進や授業改善を図り、児童生徒が将来、子供の健やかな成長や発達に適切にかかわることができる資質、能力を育んでまいりたいと考えております。  次に、性に関する指導についてお答えいたします。  近年、性に関する情報が氾濫し、価値観も多様化するなど、子供たちを取り巻く社会環境が大きく変化している中で、学校教育においては、子供たちが心身の成長、発達について、特に、性に関して正しく理解し、適切に行動できるようにすることが重要であると認識しております。  このため、体育科や保健体育科において、小学校では思春期における体の変化について、中学校では生殖に係る機能の成熟や性感染症等の予防、対策などについて、高校では性的成熟に伴う健康課題や、結婚生活など生涯の各段階における健康について学習する中で、異性を理解、尊重する態度や自分の行動への責任感の醸成、性に関する情報への適切な対処を身につけさせるよう指導しております。  今後とも、こうした性に関する科学的な知識の学習とあわせて、道徳や特別活動において、性に関する倫理的な内容や人間関係の重要性を扱うなど、教科横断的な取り組みを行いますとともに、養護教諭やスクールカウンセラーと連携した教育相談を実施するなど、子供たちがみずからの心と体を大切に思い、守ることができるよう、指導の充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。    ――――――――――――――――― ○(西田洋一議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明5日は、午前10時から本会議を開きます。  日程は、全議案に対する審議の続行であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後1時47分 散会...