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令和元年第365回定例会(第3号 9月19日)

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  1. 愛媛県議会 2019-09-19
    令和元年第365回定例会(第3号 9月19日)


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    令和元年第365回定例会(第3号 9月19日) 第365回愛媛県議会定例会会議録  第3号 令和元年9月19日(木曜日)   〇出席議員 47名   1番  中 野 泰 誠   2番  西 岡   新   3番  山 崎 洋 靖   4番  菅   森 実   5番  浅 湫 和 子   6番  石 井 智 恵   7番  中 田 晃太郎   8番  大 政 博 文   9番  新 田 泰 史   10番  黒 川 理惠子   11番  欠     番   12番  欠     番   13番  武 井 多佳子   14番  田 中 克 彦   15番  西 原   司   16番  塩 出   崇
      17番  高 橋 英 行   18番  松 下 行 吉   19番  川 本 健 太   20番  帽 子 大 輔   21番  大 石   豪   22番  宇 高 英 治   23番  欠     番   24番  欠     番   25番  菊 池 伸 英   26番  古 川 拓 哉   27番  兵 頭   竜   28番  大 西   誠   29番  松 尾 和 久   30番  福 羅 浩 一   31番  三 宅 浩 正   32番  西 田 洋 一   33番  欠     番   34番  欠     番   35番  木 村   誉   36番  笹 岡 博 之   37番  鈴 木 俊 広   38番  石 川   稔   39番  梶 谷 大 治   40番  徳 永 繁 樹   41番  高 山 康 人   42番  渡 部   浩   43番  戒 能 潤之介   44番  欠     番   45番  欠     番   46番  越 智   忍   47番  横 田 弘 之   48番  毛 利 修 三   49番  赤 松 泰 伸   50番  本 宮   勇   51番  西 原 進 平   52番  中 畑 保 一   53番  明 比 昭 治   54番  岡 田 志 朗   55番  森 高 康 行   ―――――――――― 〇欠席議員 なし   ―――――――――― 〇欠  員 なし   ―――――――――― 〇出席理事者  知事          中 村 時 広  副知事         神 野 一 仁  公営企業管理者     兵 頭 昭 洋  政策推進統括部長    八 矢   拓  総務部長        高 橋 正 浩  企画振興部長      金 子 浩 一  スポーツ文化部長   高 石   淳  防災安全統括部長    福 井 琴 樹  県民環境部長      岸 本 憲 彦  保健福祉部長      山 口 真 司  営業本部長       八十島 一 幸  経済労働部長      田 中 英 樹  農林水産部長      田 所 竜 二  土木部長        杉 本   寧  会計管理者出納局長   菅   豊 正  教育長         三 好 伊佐夫  副教育長        武 智 俊 和  人事委員会委員     山 本 惠 三  公安委員会委員長    渡 部 智磨子  警察本部長       篠 原 英 樹  監査委員        本 田 和 良  監査事務局長      山 本 亜紀子   ―――――――――― 〇出席事務局職員  事務局長        東 野 政 隆  事務局次長       八 塚   洋  参事総務課長      松 本 賢 固  参事議事調査課長    西 田 洋 一  政務調査室長      入 舩   理  議事調査課主幹     二 神 裕 志   ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件  定第87号議案ないし定第110号議案      午前10時30分 開議 ○(西田洋一議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者福羅浩一議員赤松泰伸議員を指名いたします。   ――――――――――――――――― ○(西田洋一議長) これから、定第87号議案令和年度愛媛一般会計補正予算ないし定第110号議案を一括議題とし、質疑を行います。 ○(越智忍議員) 議長 ○(西田洋一議長) 越智忍議員   〔越智忍議員登壇〕 ○(越智忍議員) (拍手)愛媛維新の会の越智忍でございます。  これから、会派を代表して県政の諸課題について質問をさせていただきます。知事初め、関係理事者の方々の御答弁をよろしくお願い申し上げます。  まず初めに、日韓関係の悪化によります松山−ソウル線への影響等についてお伺いをいたします。  御承知のように、松山−ソウル線松山空港初国際定期航空路線として、平成7年4月からアシアナ航空により運航されました。平成28年の9月末までに70万人近くの方々に利用されました。その後、1年間の運休期間を挟んで平成29年11月からは、チェジュ航空により運航が再開をされ、これまでの累計利用客数は11万人を超え、韓国からのインバウンド客を中心に多くの方に利用されているところであります。  ソウル線再開の効果もあり、韓国から本県への延べ宿泊者数は、昨年4万2,470人となり平成29年の1万6,600人から約2.5倍になるなど、県民の利便性が向上したことはもちろん、交流の促進、地域経済の活性化に大きく寄与しているところであります。  しかしながら、本年7月に政府が開始をした輸出管理強化などをめぐる日韓関係の悪化を受け、韓国内で広がる反日運動の影響により、特に、韓国から日本への旅行者が大幅に減少をし、先日来、多くの日韓路線で運休や減便の決定が報道をされております。チェジュ航空におきましても、成田、関西、福岡などを発着するほとんどの路線での減便や運休が発表されており、松山路線につきましても、昨日、同社が冬ダイヤでの増便は見送るとの報道があったところであり、影響を大変心配しているところでもあります。  こうした中、先日、同僚議員とともに、松山−ソウル線を利用して韓国に行ってまいりました。ソウルの街を散策する時間もありましたけれども、日韓関係の悪化を感じさせるようなことはなく、韓国の方々も我々日本人に対して親切に接していただくなど、日本人が観光旅行をする上では全く問題がないと感じたところであります。  また、今回訪問をした自治体国際化協会ソウル事務所では、自治体間交流の現状などについて意見交換を行いました。同事務所によりますと、残念ながら日韓関係の悪化を受けて、自治体間交流を初め、学校やスポーツ、文化などの交流が中止された事例が多いと聞きました。  一方、本県では、先月、韓国仁川広域市剣道協会から64名が参加をして、県武道館交流剣道大会によるスポーツ交流が実施をされ、また、韓国の国際芸術教育協会から15名、台湾の台北成功児童合唱団から22名が参加をした2つの合唱団が今治市を訪れ、今治少年少女合唱団の32名と合同練習を行い、同市で合同ミニコンサートを実施するなど文化交流も続いており、大変うれしく感じております。  国レベルでの関係改善を望むのはもちろんでありますが、こういう時期だからこそ、地方や民間による草の根交流をしっかりと積み重ねていくことが重要であると感じます。  現状では、インバウンド利用者の増加はなかなか見込めませんが、愛媛と韓国との交流を支える松山−ソウル線の重要性は論ずるまでもないことでありまして、路線の維持のためにも、引き続き、幅広い分野での交流を促進するとともに、誘客促進に向けた取り組みが必要と考えております。  そこで、お伺いします。  昨今の日韓関係の悪化を受け、松山−ソウル線にどのような影響が生じているのか。また、こうした状況の中、路線の安定運航に向けて、今後どのように取り組んでいくのかお聞かせ願いたいのであります。
     次に、豪雨災害に対する住民への情報伝達避難支援などの取り組みについてお伺いをします。  昨年7月の西日本豪雨では、県内で河川の氾濫や土砂崩れなどが同時多発的に発生をし、これまでに災害関連死を含め戦後最大となる33名の方がお亡くなりになられました。早いもので発災から1年が経過をしましたが、一日も早い復旧・復興に向けて、引き続き中村知事を先頭にチーム愛媛の力を結集し、今後生じるであろう新たなニーズや変化にも臨機に対応していただき、被災者の方々が前を向いて進むことができるような方策をしっかりと講じていただきたいと思っております。  さて、ことしもまた、全国で大雨による甚大な被害が相次いで発生をしております。中でも、先月末に九州北部地域を襲った記録的な大雨では、福岡、佐賀、長崎県に大雨特別警報が発令をされ、各地で浸水被害が発生をしました。少しでも雨が続けば、気象庁の雨雲レーダーを見ながら、本県にも線状降水帯による雨雲が流れ込んでくるのではないかと心配するようになったのは、決して私だけではないと思います。今月に入っても、関東を直撃した台風15号が大規模な停電を引き起こしており、台風の接近、上陸の多い季節を迎える中、日ごろからの備えが大切だと肝に銘じるものであります。  西日本豪雨では、多くの災害が発生をした県内においても、災害への備えが功を奏した地区もあり、自助・共助の重要性を改めて認識した一方、災害の発生予測が非常に困難なため、行政がタイムリーに防災情報を提供し、住民がその情報を十分理解して避難することの難しさを強く感じたところでもあります。  こうした中、気象庁では本年5月、大雨の際に出される防災情報から、住民がとるべき行動を直感的に理解しやすくなるように5段階の警戒レベルの運用を始めたところであります。例えば、先ほどの大雨特別警報は、最も警戒すべきレベル5に相当し、何らかの災害が既に発生している可能性が極めて高い状況であり、命を守るための最善の行動をとるべきとされています。こうした取り組みが広く浸透をし、行政が発する情報の持つ意味が住民に効果的に届き、適切な避難行動につながっていくことを期待しております。  一方、県では、甚大な被害のあった肱川において、ことし5月に大洲市菅田地区や西予市野村地区などの洪水浸水想定区域図を策定され、今後も引き続き、他の河川での策定を進めるなど、住民に向けた水害リスクの周知に一層取り組まれているとお聞きをしております。  また、降雨によって発生リスクが高まる土砂災害についても、ことし3月に取りまとめられた土砂災害対策検討委員会の報告に基づき、より効果的な情報伝達方法の検討などが進められていると承知をいたしております。  近年の異常気象の頻発化に伴いまして、大雨の傾向は今後も続くと見込まれております。県民の生命と財産を守り、甚大な被害の発生を防ぐためには、河川改修や砂防堰堤整備などのハード対策を着実に進めていくことはもちろん必要ではありますが、計画規模を超えて発生する浸水被害や突発的に発生する土砂災害に対しては、命を守ることを最優先に、住民が確実に避難することが何よりも重要と考える次第であります。  そこで、お伺いいたします。  河川の氾濫による浸水被害土砂災害から県民の命を守り、安全・安心を確保するため、県は今後、住民への情報伝達避難支援などにどのように取り組んでいくのかお聞かせ願いたいと思います。  次に、先進技術を活用した働き方についてお伺いをします。  今月1日からの2日間にわたりまして、愛媛県では初となる大規模国際的なハイレベル会合、G20愛媛・松山労働雇用大臣会合が開催をされました。本会合には、G20加盟国を初め、30の国・国際機関から約200名の方が参加をし、仕事の未来を全体テーマに議論がなされ、各国が今後取り組むべき労働雇用政策の方向性を取りまとめた大臣宣言であります人間中心の仕事の未来の創出が採択をされたと承知しています。  この大臣宣言では、人口動態の変化への対応、ジェンダー平等への対応、新しい形態の働き方への対応などが盛り込まれており、余暇時間の長さや通勤時間の短さなどが全国トップクラスである本県におきまして、このような世界の労働雇用政策にかかわるハイレベルな議論が行われ、宣言が世界に発信されたことは大変意義深いものであると考えております。  ここで、本県の労働雇用情勢について目を向けますと、直近の雇用失業情勢によれば、7月の有効求人倍率は1.60倍となっており、依然として求人が求職を大幅に上回って推移している状況にあります。まさに県内は深刻な人手不足の状況であります。  また、将来に目を向けてみますと、本県の労働力人口は、平成30年の労働力調査モデル推計によれば69万3,000人となっておりますが、独立行政法人労働政策研究・研修機構が平成27年に行った推計によれば、2030年には56万2,000人にまで減少するという結果が出ています。あくまでこれは経済がゼロ成長で、若者、女性、高齢者などの労働参加が現状と同じと仮定した場合の推計でありまして、実質2%程度の経済成長が実現をし、女性や高齢者などの労働参加が進んだ場合には、同じ2030年で労働力人口は62万1,000人になると推計をされています。ただ、いずれにせよ言えることは、本県経済を担う労働力人口は、今後、必ず減っていくということであります。  こうした中、本会合の同時開催イベントとして実施をされましたえひめ未来のしごと博・えひめITフェア2019においては、AIやロボット、5Gなど、業務改善や働き方改革を可能にするさまざまな技術が展示、紹介をされ、2,000名近くの来場者や大臣会合の代表団が、未来の仕事を体感したと聞いています。  労働力人口の減少が見込まれる中、本県経済持続的発展を続けていくためには、AIやIoTなどの先進技術を活用した自動化、ロボット化や、時間や場所にとらわれない新しい働き方の推進により、一人一人の労働生産性、収益性の向上を図っていくことが必要になってくると考えます。  家電機器を初め、インターネットやスマートフォンなど我々の生活に身近なものだけでも、技術の進歩が日進月歩であることがわかります。我が国では、高齢化が進み対応すべき課題は山積をいたしておりますが、寿命が延伸していること自体は医療技術の進歩や福祉の向上のたまものでもありますし、今後、さまざまな分野でのさらなる技術の進歩に期待をしたいと思います。  そこで、お伺いをします。  労働力不足という深刻な課題に対して、県内企業において先進技術を活用した業務改善、働き方改革を進めるため、県ではどのように取り組まれているのかお聞かせください。  次に、海洋プラスチックごみ対策についてお伺いいたします。  プラスチックは、金属などに比べて軽量で扱いやすく、耐久性にすぐれている上に、製造にかかるコストも安いことから幅広い用途に利用されており、今や私たちの生活はプラスチックに大きく依存をしております。  しかしながら、最近、ホテルチェーン大手レストランチェーン、コンビニエンスストアなどにおいて、プラスチックストローの使用を廃止したり、大手衣料品販売企業がレジ袋を紙製に切りかえたりするなど、使い捨てプラスチック製品の削減に向けての取り組みが広がっているというようなニュースが、テレビや新聞等でよく取り上げられております。  こうした動きの背景の一つには、大量に消費、廃棄されましたプラスチックごみによる海洋汚染問題があります。私自身海岸沿いの道を通行している際に、ポイ捨てされたのでしょうかコンビニのレジ袋や食品の容器などが波間に漂っている光景を頻繁に目にいたします。  また、昨年には神奈川県の鎌倉市において、ことしに入ってもフィリピンにおいて、浜辺に打ち上げられた鯨の胃の中から大量のビニール袋などが出てきたという報道がありました。海に漂流するビニール袋をクラゲなどの餌と間違えて食べてしまい、それらが消化されないままに胃の中がいっぱいになってしまったため、本来の餌を食べられなくなり死んだものと考えられており、このような例は魚や鳥などを含めて、枚挙にいとまがない状況であります。ことしの環境白書では、世界全体で毎年約800万トンのプラスチックごみが海へ流れ込み、2050年には海洋中のプラスチックごみの量が魚の重量を超えるという試算も示されております。  また、海洋に流出したレジ袋やペットボトルといったプラスチックごみは、紫外線や波の力で劣化をし、直径5ミリ以下のいわゆるマイクロプラスチックとしても海に広がっており、北極や南極でも観測されたとの報告もされております。このマイクロプラスチックは有害物質などを吸着する性質を持つため、これらを吸収することによっても海洋生物に悪影響を及ぼすことが懸念されているなど、海洋プラスチック対策は、世界全体の課題として早急に対応する必要があるとの警鐘がなされております。  こうしたことから、世界各国でプラスチックごみの排出抑制に向けた取り組みが加速をしており、ことし3月にはEU議会で、使い捨てプラスチック製品を2021年から禁止する規制案が可決をされました。我が国においても、ことし5月に、プラスチックごみの排出を2030年までに25%削減することなどを柱としたプラスチック資源循環戦略が策定をされ、6月に大阪で開催をされましたG20首脳会合では、日本の対策を各国に発信し、新興国をも巻き込んだグローバルで実効性のある取り組みを推進するため、2050年までにプラスチックごみによる新たな海洋汚染をゼロにするという目標が採択をされました。  私も今後、地球規模海洋プラスチックごみ削減対策が進むことを期待してやみませんが、四方を海に囲まれ、世界有数海洋資源国家でもある我が国にとって、また、とりわけしまなみエリアの島々を含む瀬戸内海国立公園足摺宇和海国立公園などの風光明媚な自然景観を有するとともに、全国で5番目の長さの海岸線のもと、海面養殖業を初めとする水産業を基幹産業とする本県にとりまして、プラスチックごみによる海洋汚染対策は極めて重要な喫緊の課題であり、地域に暮らす私たち一人一人がこの問題をもっと真剣に捉え、一歩一歩着実に取り組みを進め、この美しく豊かな愛媛の海を将来に引き継いでいかなければならないと考えるのであります。  そこで、お尋ねをします。  プラスチックごみによる海洋汚染問題について、今後、県としてどのように取り組んでいくのかお聞かせください。  次に、新たな森林管理システムの円滑な運用に向けた取り組み状況についてお伺いをします。  私の地元今治市は、山崩れの起こりやすい真砂土に覆われており、大雨のたびに多くの土砂が蒼社川に堆積をし、明治の時代から、降れば洪水というほどに災害に頻繁に見舞われてきた地域であります。こうした災害を未然に防止するため、先人たちは明治24年に流域の14町村で2,500haの山林を取得し森林整備を進めるなど、古くから森林を守ってまいりました。  森林は、生物多様性地球環境の保全、土砂災害の防止、水源の涵養、保健・レクリエーションの場の提供など多様で重要な機能を有しており、我々の日々の暮らしと深いかかわりがあることは御案内のとおりであります。  昨年、本県に甚大な被害を及ぼした西日本豪雨災害を初めとして、私たちがこれまで経験したことがなかった災害が全国各地で頻発する今こそ、森林の持つ防災機能を十二分に発揮をさせるため、先人たちの知恵に学び、森林の適正管理の重要性を社会全体で再認識すべきときであると痛感をいたしております。  本県は、県土の約7割が森林で覆われており、そのうち約6割を杉やヒノキといった人工林が占め、平成30年の素材生産量は、杉が全国14位、ヒノキは全国3位であり、全国有数の森林県であります。これらの森林は、多くの先人たちのたゆまぬ努力により育まれたものであり、この人工林の多くは木材資源として十分に活用できるまでに成長をいたしております。  私は、この森林を将来にわたり適正に管理し、そこで育った木材資源を余すところなく有効に利用し、そして安全で安心な生活環境を守っていくことが、今を生きる私たちに課された大きな使命であると認識しております。  一方、森林を支えてきた山村地域では、過疎化や高齢化が急速に進んでいます。森林の所有者が地域外に転出をしていたり、相続による世代交代や境界が不明となっている森林の増加のほか、木材価格の長期低迷も相まって、経営に対する意欲の減退等の問題が顕在化をしており、手入れの行き届かない森林が増加することで、土砂災害防止等の公益的な機能が急速に低下をしているのではないかと危惧をしているところであります。  このような中、本年4月に森林経営管理法が施行され、市町村が森林所有者の意向を酌んで森林の適正管理を行う新たな森林管理システムの運用が開始をされるとともに、これを財政面で支えていく森林環境税が国において創設されたところであり、国民全体で森林管理を担うフレームが整えられました。しかし、運営主体となる本県の市町の現状としては、このシステムを軌道に乗せて推進するための人材が極めて少なく、加えて専門知識や経験も不足をしている状況にあります。仏つくって魂入れずではありませんが、適正な森林管理を実現するためには、実効力のある取り組みが必要であります。  そこで、お伺いします。  新たな森林管理システムの円滑な運用のためには、市町への県の指導や支援は不可欠であると考えますが、県はどのように取り組んでいるのかお聞かせ願いたいのであります。  最後に、本県におけるあおり運転の現状と対策についてお尋ねをいたします。  先行する車両との車間距離を極端に短くし恐怖感を与える、いわゆるあおり運転をめぐっては、平成29年6月、神奈川県内の東名高速道路において、あおり運転の車が一家4人の乗車する車を道路を塞いで無理やり停車させたところ、後続のトラックに追突をされ夫婦が死亡、同乗をしていた子供2人が負傷するという大変悲惨な交通事故が発生をしました。亡くなられた御夫婦の無念さはもちろん、加害者の理不尽な行為を目の当たりにし恐怖を感じ、そして突然に両親を失うこととなってしまったお子さんの気持ちを思うと言葉がありません。加害者の浅はかで身勝手な判断と悪質で危険な行為に対して同情の余地はなく、一審では懲役18年の判決が出されており、今後の控訴審の行方も世間の注目を集めているところであります。  さて、この事件が連日大きく報道されたことは記憶に新しいところでありますが、この事故を契機として、あおり運転に対する厳正な対処を望む国民の声が急速に高まりました。このため、警察庁では、全国の警察に対して通達を出し、あらゆる法令を適用した摘発や、悪質・危険な運転者を早期になくすための迅速な行政処分の執行、運転免許更新時講習などにおけるあおり運転の危険性や違反行為の現状についての交通教育を実施するなど、あおり運転などの悪質・危険な運転を抑止するための取り組みの強化を指示されたとお伺いしています。  しかしながら、このような取り組みを推進する中、本年8月に再び茨城県守谷市の常磐自動車道において、あおり運転を繰り返したあげく、またもや高速道路上に停車をさせた上で、相手の運転者に暴行を加えるという傷害事件が発生をし、その状況は全国ニュースで何度も大きく報道されたところであります。また、この事件のほかにも、大阪府において、急ブレーキを繰り返すなどのあおり運転をした運転者が暴行事件で検挙されるなど、最近、全国的にあおり運転が相次いで発生をしております。これ以上ない悪質で悲惨な事故を受け、あおり運転は悪であるとの認識が広まったはずである中、なぜこのような行為が何度も繰り返されてしまうのか、私には理解ができません。  改めて申し上げることもないことですが、あおり運転は、極めて悪質で死亡事故などの重大事故にも直結する大変危険な行為であります。まさに安全で円滑な道路交通に対する大きな脅威であり、本県においても同種の事案が発生することに危機感を抱いているところであります。  あおり運転を未然に防止するためには、車間距離の不保持や急ブレーキ禁止違反等に対する積極的な交通指導取り締まりの強化や、あおり運転を社会全体でなくしていくための取り組みが重要であると考えます。特に、県警によるあおり運転の抑止に向けたさまざまな取り組みを強化していただくことが必要であり、県民の期待は非常に大きいものがあると認識をいたしております。  また、ハンドルを握ると性格が変わるなどという言葉もあり、運転をする際には気が大きくなる方も中には見受けられるようであります。私は、ドライバー一人一人の意識を改めるだけでも随分と効果があると考えます。当たり前のことではありますが、誰もがゆとりや譲り合いの気持ちを持った運転を心がけ、あおり運転が一日も早く根絶されることを願っております。  そこで、警察本部長にお伺いいたします。  本県におけるあおり運転の現状と対策について、御所見をお聞かせください。  以上で質問は終わりますけれども、この際、質問の冒頭でも若干触れました日韓関係の悪化につきまして、私の所感を述べさせていただきたいと思っております。  もとより韓国は日本と非常に近い国でありまして、古来から人の往来、文化の交流等さまざまな面で非常に密接な関係にございました。  長い年月の間には、いろんな衝突もあった経緯もございますけれども、そうした中、約400年ぐらい前になりますけれども、豊臣秀吉の命を受けて村上水軍が韓国南西部の珍島の方に攻め入ったこともございます。大きな海戦がありまして、たくさんの村上水軍もそこで戦死をいたしました。その中で、流れ着いた村上水軍の兵士たちを地元の方たちが丁寧に弔って小高い丘にお墓をつくって、400年以上経過した今までも大切にお祭りをしていただいている、そういった交流もございます。  10年ほど前ですけれども、来島保存顕彰会の方たちと一緒に私も韓国南西部珍島を訪れて、そのお礼に伺ったこともございます。その中で、毎年そこで行われておりますお祭りに合わせて参加をしたんですけれども、珍島郡が属しておる全羅南道の知事さんがそこへ来ていただいて、一緒に昼食をとったことがございました。非常に親日の方で日本語も大変流暢な方でございました。そこでいろいろとお話をさせていただきながら過ごしたことをきのうのように思い出すわけでございますけれども、そういった中で、韓国大統領が今何かと話題の文さんにかわりました。そして、大統領のもと首相も交代をいたしましたけれども、その首相の顔を見た瞬間にどこかで見たことがあると思ったらば、そのときの全羅南道の知事さんでありました。あれだけ親日で日本語も達者で日本が好きな方だったんですけれども、発言等々を見ておりますと、やはり大統領のもとでの首相という立場があるんでしょうか、GSOMIAに関しても、日本が見直せばもう一度韓国も見直す用意があるとか、ちょっと厳しい発言等も続いております。  国関係の政治というレベルでの建前と本音の世界もあるのかもしれませんけれども、何はともあれ、質問中にも述べましたように、今後とも、民間あるいは地方間同士での交流が進んで、一日も早く日韓関係が改善をし、そしてまた、友好な隣国として、これからもお互いに発展していくことを心から願いつつ、質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(西田洋一議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(西田洋一議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 越智議員に、まず、ソウル線に関する御質問にお答えをさせていただきます。  韓国最大のLCCチェジュ航空による松山−ソウル線は、これまで全体の約7割を占める韓国からのインバウンド需要に支えられまして、各月の搭乗率は常に8割以上を維持してまいりましたが、日韓関係の悪化の影響を受け、8月の搭乗率が初めて8割を切り、9月以降も韓国側の新規予約が極めて低調であるなど、予断を許さない状況にあります。  このような中で、7月下旬にチェジュ航空の李社長が愛媛県の県庁を訪問されまして、将来的なデイリー化の方針にいささかも変わりがないことなどを報告いただきましたが、先日、副知事を韓国に派遣し、チェジュ航空としては、他路線が減便される中、松山路線を維持するため、ことしの冬ダイヤは当面、現行の週3便で運航するが、状況が改善されれば、冬ダイヤ中でも週5便への増便を行いたいという意向が示され、その一番厳しいときを相互の信頼、協力で乗り越えていく意思の確認を改めて行ったところでございます。  このため、県では、当面アウトバウンドの強化対策として、既にソウルでの乗り継ぎ利用による旅行商品の造成やチェジュ航空専用ラウンジの無料キャンペーンの実施、県内外でのプロモーションの強化、リピーター向けの利用促進策などに積極的に取り組んでいるところでございます。  また、今後は、報道のような現地の雰囲気、それはもう議員おっしゃるとおり本当にありません。国との問題は盛んに報道されていますけれども、一般の国民は双方ともに極めて冷静で、観光客を快く迎えるような空気があるということ、こうした旅行者の声など、ソウルの安全性を正確に伝える取り組みも行っていきたいと考えております。  ちなみに、8月は日本から韓国へ訪韓した旅行者は前年比を大きく上回っておりまして、これはそうした安全性を知っている方々、そして、現在の円高ウォン安の状況で日本には行きやすい環境が整えられているというようなことを知っている方々が、積極的に訪韓されているという証左ではなかろうかというふうに思いますので、そうした空気を多くの方々に広めていきたいというふうに思っています。引き続きチェジュ航空と緊密に情報を共有し、市町や関係団体と連携して、地方レベル、民間レベルでの交流促進にも努めながら、安定運航に向けて強力に取り組んでまいりたいと思います。  次に、河川氾濫による浸水被害土砂災害に関する御質問にお答えをさせていただきます。  県ではこれまで、早目の避難につながるよう、防災情報を市町や県民に広く提供してきたところでありますが、西日本豪雨災害を受けまして、県が独自に設置した土砂災害対策検討委員会等では、警戒避難情報の伝達手段のほか、住民意識や避難行動のあり方が課題との報告があったことなどから、情報伝達避難支援を一層強化する必要があるものと認識します。  このため、地域住民へよりきめ細かな情報を提供できるよう、県内一円に水位計や河川監視カメラを増設するとともに、洪水浸水想定区域図の策定箇所を大幅に追加しまして、さらに、土砂災害警戒情報の緊急速報メール配信や、防災行政無線の高性能スピーカー及び戸別受信機の整備支援など、早期避難のきっかけとなる情報の充実や伝達手段の多様化に取り組むこととしています。  また、住民の防災意識の向上が確実な避難につながるという認識のもと、砂防学習会の開催数の増加や、水中歩行疑似体験などを行う水害学習会を新たに開催し、防災教育をさらに充実させるとともに、住民と協働して水害や土砂災害に関するタイムラインの作成を進めるなど、避難支援策の強化を図ることとしています。  今後とも、県民の命を守ることを最優先に、ハード対策を着実に推進するとともに、伝えるから伝わる、そして住民みずから行動する、これを意識した防災情報の発信や避難を促す支援策などソフト対策の充実・強化を図り、県民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと思います。  次に、県内企業先進技術活用、業務改善、働き方改革等についての御質問にお答えをさせていただきます。  人口減少・少子高齢化が進みまして、人手不足が深刻化しています。一方で、働き方改革による長時間労働の是正等も求められる中、県内企業におきましても、AI、IoT等の先進技術を活用し、1人当たりの労働生産性や収益性の向上を図る取り組みが不可欠となってきておりますことから、県では、その導入を積極的に支援してきたところでございます。  具体的には、産学金官により昨年設置しましたえひめAI・IoT推進コンソーシアム、ここが中心となりまして、ベンダー企業と県内企業による導入マッチング相談会を2回開催し、今年度、96件の国のIT導入補助金の採択につながったほか、県中小企業団体中央会と連携し、ものづくり企業のIoT等を活用した現場改善の支援等を行っています。  また、愛媛労働局と共同で昨年開設しました働ナビえひめにおいて、生産性向上設備やテレワーク導入を支援する国の助成金活用等に向けた個別相談を実施しているほか、先般のG20労働雇用大臣会合に合わせて開催しましたえひめ未来のしごと博では、働き方を変革し得る先進技術活用の啓発を行ったところでございます。  このほか、5G技術を活用した造船所クレーンの遠隔運転による労働環境改善の実証実験にも参画することとしており、今後とも、先進技術を活用した県内企業業務改善や働き方改革を促進し、本県経済持続的発展につなげてまいりたいと思います。  次に、森林管理システムについての御質問にお答えをさせていただきます。  近年、森林所有者の経営意欲の減退や放置林化が進み、県内でも管理が行き届かない森林が13万5,000ha程度存在すると推定される中、本年4月から運用が開始されました新たな森林管理システムは、所有者から森林の経営管理を委託された市町が、森林の持つ多面的な機能を守るとともに、森林管理を意欲と能力のある林業経営者に引き継ぎ、林業を次世代につながる産業へと育成するために不可欠な制度であり、円滑に運用し十分に活用していくことが極めて重要でございます。  このため、県では、本システムの運営主体となる市町に、これまでの経過上、林業の専門職員が極めて少ない状況でございます。この現状を踏まえ、本年6月から愛媛大学と連携して市町職員等を対象とした専門講座を開講し、森林管理に必要な知識や技術等の習得支援に取り組むとともに、単独運用が難しい市町の実情を考慮して、本年度末を目途に県内5つの流域単位で広域的な推進体制を整備できるよう、現在、調整を進めているところでございます。  また、8月には、市町の事業支援や林業事業体の育成等を担う森林管理支援センターを県庁内に新設しましてサポート体制を強化するとともに、最先端技術である航空レーザー測量を活用した詳細な地形図や立体図、人工林の資源情報など、精度の高い県内の森林情報の整備も計画的に進めているところでありまして、これら重層的な支援を進めることで本システムの円滑な運用を図り、森林整備を通じた林業の成長産業化と森林資源の適正管理の両立に努めてまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(岸本憲彦県民環境部長) 議長 ○(西田洋一議長) 岸本県民環境部長   〔岸本憲彦県民環境部長登壇〕 ○(岸本憲彦県民環境部長) プラスチックごみによる海洋汚染問題に対する取り組みについてお答えをいたします。  プラスチックは、私たちの生活に利便性と恩恵をもたらした一方で、プラスチックごみによる海洋性汚染は、海洋環境や沿岸環境のみならず、水産業や観光業にも深刻な影響を及ぼしており、美しく豊かな海に恵まれた本県にとりましても、海洋プラスチックごみ対策は重要な課題であると認識をしております。  このため、県におきましては、これまで愛媛県海岸漂着物対策推進地域計画に基づき、プラスチックごみを含む海洋ごみを回収するとともに、小中学生を対象とした海洋ごみに関する体験型学習会を実施したほか、今年度、初めて海洋プラスチック問題をテーマにシンポジウムを開催するなど、海洋プラスチックごみ対策に積極的に取り組んでいるところでございます。  また、プラスチックごみの発生削減対策として、紙製品等のプラスチック代替製品の認知度向上を支援するイベントの開催、レジ袋削減やマイカップ等の利用促進に向けたキャンペーン等を通じ、県民の意識啓発等に努めているところでございます。  さらに、今年度末を目途に市町とともに策定を予定しておりますえひめプラスチック資源循環戦略、仮称でございますが、におきまして、海洋プラスチックごみの実態把握や回収の徹底等による効果的な削減を目指していくこととしており、今後、本戦略をもとに、オール愛媛で美しく豊かな愛媛の海を次世代に引き継ぐための取り組みを加速してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(篠原英樹警察本部長) 議長 ○(西田洋一議長) 篠原警察本部長   〔篠原英樹警察本部長登壇〕 ○(篠原英樹警察本部長) 本県のあおり運転の現状と対策についての御質問にお答えいたします。  本県におけるあおり運転についての110番通報は、本年8月末現在、230件であり、前年同期と比べ2倍に増加しております。被害発生の通報を受理したときには、直ちにパトカー等を急行させて通報者から状況聴取を行うとともに、容疑車両の捜査を行っているところであります。  県警では、あおり運転が安全かつ円滑な道路交通の障害にとどまらず、意図的に危険を生じさせる悪質な行為であると認識しており、あらゆる法令を適用し厳正に対処しているところであります。特に悪質な行為については、暴行罪等を適用することとしており、昨年中は3件、本年は8月末現在で2件を検挙しております。さらに、本年9月をあおり運転取り締まり強化月間と定め、県内各地で指導取り締まりを強化しているところであります。  引き続き、指導取り締まりを強化するとともに、関係機関・団体と連携して、あおり運転をしない、させない、許さないことについての広報活動を徹底し、あおり運転の排除と思いやり運転の浸透に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(西田洋一議長) 休憩いたします。  午後1時から再開いたします。      午前11時19分 休憩
      ―――――――――――――――――      午後1時 再開 ○(西田洋一議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(西原司議員) 議長 ○(西田洋一議長) 西原司議員   〔西原司議員登壇〕 ○(西原司議員) (拍手)えひめリベラルの会の西原司です。  会派を代表し質問をいたします。  まず最初に、地域特性を生かした本県の地域づくりについてお伺いをいたします。  「羽田土曜会ニッポンを元気にする地方の星」というBS番組があります。日本各地の元気な自治体を取り上げ、人口が増加した戦略、移住者の呼び込みやインバウンドの成功モデルなどそのまちのキーマンが出演し、エピソードと成功の背景を紹介する番組で、私も好きでよく見ております。  つい先日、この番組で西条市の完全無料のオーダーメード型移住体験ツアーについて放送がありました。愛媛県の市町の取り組みが紹介されることは、県民としてとてもうれしく思いました。西条市では、交通費、宿泊費、食費全てを負担し、参加者の個々のニーズに合わせたオーダーメード型のツアーを企画されているとのことで、2018年度に西条市に県内外から移住した人は289人と、2017年度と比べると約3倍にふえたそうです。移住した方々は、西条市の魅力について、新鮮な野菜が安価で提供されることや、海や山や川に近く、とても住みやすい環境であると述べておられました。  番組の中で玉井市長は、西条市の地域資源を生かし、移住者に農業、漁業、林業、製造業と働く場を提供していきたいとおっしゃっておりました。西条市に限らず、本県20の市町の地域資源は数えれば切りがないほど、その魅力と可能性は誰もが感じているところであり、愛媛県人の真面目さなどから愛媛に興味を持っている方、愛媛ファンは多いと思います。  また、東予は二次産業、中予は三次産業、南予は一次産業を中心と3つの圏域で産業が明確に異なっていますが、それらがバランスよく機能しているなど、本県は産業にも地域特性と大きな強みを持っていることは周知の事実だと思います。  今日、地域課題への新しい切り口として、関係人口と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されています。関係人口とは、移住者などの定住人口ではなく、観光客などの交流人口でもなく、地域や地域の人々が多様にかかわる者と定義されているようです。この関係人口という言葉は、総務省に設置されているこれからの移住・交流施策のあり方に関する検討会の中で示され、関係人口の創出・拡大事業として、現在、全国でさまざまな取り組みが行われています。  人口減少、高齢化による地域づくりの担い手不足は、常に課題であります。この夏も、各地で担い手不足から地域行事が取りやめになったという話も聞きました。たとえ小さな夏祭りでもそこに住民の輪があり、つながりや支え合いによって地域が形成されており、そのようなつながりをこれからも本県において大切にしたいと思います。  また、現在、東予東部圏域振興イベントえひめさんさん物語が開催されており、それらのイベントでの成果も期待されるところでありますが、地域の自然、歴史、産業など地域資源を最大限に生かし、ふるさとの価値を新たな視点で創出し磨き上げることで、地域住民が誇りと愛着を持てるような魅力のある地域づくりを今後も進めていただきたいと考えます。  そこで、お伺いをいたします。  県は、特性を生かした地域の振興や活性化の取り組みをどのように支援していくのかお聞かせください。  次に、LGBTに対する理解と周知についてお伺いをいたします。  性的マイノリティーの人口割合は5%前後と推定されています。職場や学校、地域社会においてごくごく身近なことであり、性と性の間には無数の性があり、性のあり方は人それぞれ違っており、そのことを否定するものではなく、その人個人を大切に寛容に受け入れられる社会や互いに認め合う社会であってほしいと思います。  私が12年前に市議会議員になったとき、御自身が抱えている性について相談を受けたことがありました。当時そのことを議会などで取り上げる勇気は正直ありませんでした。こういった問題に対し、社会が寛容でないと私自身が判断したんだろうと思います。  今日、LGBTに関する動きを見てみますと、平成27年に日本で初めて渋谷区で同性パートナーシップ証明書の発行が開始され、その後、世田谷区や宝塚市など他の自治体でも同様な仕組みを構築する動きがあるなど、各県においてもさまざまな施策が推進されております。  年に1度、東京では、性的少数者が差別や偏見にさらされることなく、より自分らしく前向きに生きている社会を目指し、LGBTの祭典、東京レインボープライドが開催されています。年々規模も大きくなり、超党派の国会議員を初め地方議員も参加し、ことしはパレードに1万人を超す参加者、フェスティバルには約20万人の来場者があり、いずれも過去最高記録となりました。  また、先般、香川県丸亀市でも、規模は小さいものの同様のパレードが行われたと伺っております。  我が党、立憲民主党は同性パートナーを法的に保障するため、民法を改正し、婚姻の平等を図り、同性婚の法制化を目指しております。各党意見の違いはあっても、社会がLGBTに対し寛容になりつつあることは間違いないと思います。  今回、都市と地方のLGBT団体や当事者の方からお話を伺ったところ、都市と地方では少し考え方にも差があるなと率直に感じました。当事者の方からは、同居人という形で暮らしている現状を一日でも早く解消したい、同性婚を日本でも実現してほしい、もう何十年も待てない。また、教育現場において、LGBTを学べる環境づくりのために学習指導要領にも盛り込む必要があるのではないか、時間はかかるがまずは相互の理解を深める環境づくりが先ではないか、カミングアウトができる社会と言われるがそんなに簡単な話ではない、カミングアウトしなくてもよい社会でもあってほしいなど、さまざまな声を聞かせていただきました。  本県においても、LGBTの方が何ら差別されることなく、間違った知識によって傷つけられたりすることなく、地域社会において安心して暮らせる環境づくりを、今後、より一層進めていく必要があると思います。  そこで、お伺いをいたします。  県民への周知・啓発活動も含め、LGBTに対する理解促進や差別、偏見の解消に向け、県は今後、どのように取り組んでいくのかお聞かせください。  教育現場において、少なからず学級には、出生時に割り当てられた性と自認する性が異なる子供たちがおられます。子供たちにとって、学校は安心の場であると思ってもらうことが大切です。そのためにも学校の先生の役割は大きいと思います。子供たちがLGBTについて学ぶ環境は大切でありますが、まずは現場の先生がそのことを理解するよう意識啓発に努める必要があると考えます。  そこで、お伺いをいたします。  LGBTに対する教職員の意識啓発や研修について、どのように取り組んでいるのかお聞かせください。  次に、重度障がい者の現状と今後の支援についてお伺いをいたします。  さきの参議院選挙において、重度障がい者である2名の国会議員が誕生しました。生後間もなく事故で重度障がいとなった木村英子議員、40代でALS、筋萎縮性側索硬化症の告知を受け、現在は全身麻痺となっている舩後靖彦議員、今日までさまざまな経験をされ、ハンディを抱えながらも懸命に生きてこられたと思います。2人の選出によって、国会内でのバリアフリー化や障がい者への合理的配慮が期待されますし、今後、日本のバリアフリー化がより一層広がっていくことに期待したいと思います。  現在本県では、松山市に57名、松山市以外の中予地域に5名、東予地域に5名、南予地域に5名、計72名が重度訪問介護制度を利用しながら生活をされております。72名の中には、この重度訪問介護制度を利用し、ひとり暮らしをされている方々もおられます。それぞれがこの制度を利用しつつ自立した生活を目指しており、大変重要な制度となっております。  中には、自分の自立だけではなく、他の重度障がいのある人々の自立と自己実現、そして、共生社会への実現を目指し日本全国を駆け回っている人もおられます。  近年、IT技術の発達により、これらの重度障がいの人々も、たとえどこにいようと世界中の人々とコミュニケーションをとることができます。指先のわずかな可動、まばたき、かむことを初め、さまざまな手段でIT機器を駆使し、身の回りの人だけでなく世界中とつながることができる状況にあります。  また、現在、これらのITの発展や働き方改革などにより、テレワークなど在宅での就労も盛んとなってきており、出産後間もない女性や子育て世代も育児をしつつ働くことがより可能な社会になってきております。このことは、障がいのある方々にも就労の機会をもたらしています。身体障がいや発達障がいなどで職場まで出かけることが難しい方でも働くことができる環境になりつつあると思います。  しかしながら、現在の国の重度訪問介護は、通勤・通学や就労時は対象外となっております。たとえ重度の障がいがある人たちがIT機器を利用し、就労の機会を得たとしても、現行の制度では就労中は必要な介護を受けることができません。例えば水分を補給すること、物をとってもらうこと、排せつをすることなど日常のさまざまな場面で介護を必要としています。中には、定期的にたんの吸引が必要な人もいます。  しかし、現行制度では、就労中は制度を利用してこれらの介護を受けることができません。自身で介護を確保するか、雇用側の合理的配慮により介護者を確保しなければなりません。残念ながら、そこまでできる当事者も雇用主もほとんどいないというのが現状ではないでしょうか。そのため、就労の機会を失うと同時に、さらなる自立の機会も失っている現状でもあります。就労とはお金を稼ぐということもありますが、それ以外にも誰かの役に立つ、社会の役に立つという意味もあると考えます。また、自分の行動にも責任を持つという意味もあります。これらは自立した生活を送るという上で重要なファクターの一つであると考えますが、残念ながら現行制度では、それらを行うことは困難な状況です。  しかし、市町村によっては独自の支援を行い、これらを実現しているところもあります。さいたま市では、本年度より独自支援を開始し、重度障がいのある人も就労機会を得ることができているそうです。本県の重度障がい者、重度訪問介護を受けている人の中にも、たとえ障がいが重くとも、何らかの形で人や社会の役に立ちたいと思い、就労を希望する人もいると思われます。  そこで、お伺いをいたします。  県は、重度障がい者が生活する上での課題をどう捉え、今後、どのような支援を行っていくのでしょうか。また、就労を希望する重度障がい者に対し、どのような支援を行うのかお聞かせください。  次に、2025年問題を見据え、高齢社会への対応についてお伺いをいたします。  本県の65歳以上の高齢者人口は、県民全体の約32%を占めております。生産年齢人口の減少とともに、その割合は上がっています。世帯主が65歳以上の高齢世帯は41.3%を占めており、その世帯構造別の構成割合は、3世代世帯は減少傾向にありますが、夫婦のみ世帯、単独世帯は増加傾向にあります。  超高齢化社会に到達した今日、住みなれた地域でなじみのある関係の中で暮らしていける環境づくりをどのように構築していくのかが課題であると思っております。例えば単身ひとり暮らしや身寄りのない方もおられます。その方をどのように支援していくのか。亡くなった後の課題もあります。認知症高齢者とその家族の対応や、医療や介護を支える継続的な専門職の確保など、身近な地域資源を活用し、本県に適した環境の中で、誰もが安心して暮らし続けられる取り組みをさらに進めていく必要があります。  その上で、介護保険制度の利活用は切っても切れない関係にあります。制度が誕生して20年、これまでの介護保険制度の改正の経緯を見ますと、2005年以降、介護予防に重点が置かれ、地域包括ケアの推進の名のもとに、現在、第7期目の介護保険事業支援計画が県において作成され進行中であります。各市町が策定する介護保険事業計画を県が応援する内容でありますが、全市町が保険者機能を発揮し、高齢者の自立支援と重度化防止に向けて取り組むことが、現在の柱となっております。  介護費用の推移は右肩上がりで、それに連動する形で介護保険料も増加しています。特に介護認定率の推移を見てみますと、認定率は年齢が上がるにつれ上昇し、特に85歳以上で上昇しております。  介護度別では、比較的軽度と言われる要支援1、2や要介護1が伸びている状況にあり、介護予防の視点で、軽度の方がサービス利用をしながら可能な限り重度化を防ぐためにどうすればよいのか、各介護保険事業所はもちろんでありますが、介護の質と量が求められ、保険者である市町の役割は大きいと思われます。  これまで各市町において、地域包括ケアシステムの構築に向けて取り組んでこられたと思います。団塊の世代が75歳以上になったとき、医療・介護の需要の急増が懸念される2025年問題に対し、医療、介護、予防、住まい、生活支援が包括的に確保され、必要とされるサービスが適切に受けられ、より質の高い効率的な介護を提供できる体制の整備が本県でも求められます。地域包括ケアシステムは、介護を取り巻く環境だけではなく全ての人が支えられながら支える環境にあり、地域の特性に応じて構築されることが重要であると思います。  そこで、お伺いをいたします。  本県における各市町の地域包括ケアシステムの構築状況はいかがでしょうか。システム構築推進に関する今後の取り組みもあわせてお聞かせください。  医療と介護の連携が必要不可欠であることは言うまでもありません。地域包括ケアシステムの構築に向けては、在宅医療と介護の連携推進がとても大切であり、多職種間の連携はもとより、さまざまな支援を必要とされている方に対する情報共有や相談支援、サービスの提供体制など、医療と介護の連携はより密になってきております。  特に介護現場で働く人材確保はとても重要であります。私自身、落選期間中8年ぶりに現場に戻り、介護や相談業務、また、ケアマネージャーとして職務をしてまいりました。私の主観ではありますが、当時と現在の現場の雰囲気は変わっておらず人手不足の状況にあり、その一方で、複雑かつ多様なニーズがあり、現場で働く者は常に利用者やその家族に向き合い職務に邁進しています。  特に介護職は、対人援助の現場ゆえにさまざまな悩みや不安を抱えていることが多く、メンタルケアやストレス対策が大切であると、現場に戻りチームケアを行う中で改めて感じた次第です。  また、業務内容の割に賃金が低い状況であることも問題です。これまでも介護職員の賃金については、平成21年度報酬改定時において月額プラス9,000円、21年度補正予算において月額プラス1万5,000円、平成24年度報酬改定時に月額プラス6,000円、平成27年度報酬改定時に月額プラス1万3,000円、平成29年度報酬改定時に月額プラス1万4,000円と月額プラス5万7,000円相当の効果はあったものの、それを実感している介護職員は少ないと思われます。もちろん賃金を上げることは、報酬単価の引き上げになることから、利用者の負担にもつながることでありますが、国に対し介護職員の処遇改善を常に求めていきたいと思います。  県の立場から、地域医療介護総合確保基金を活用しながら介護人材の確保と定着についてどのような施策ができるのでしょうか。慢性的な人材不足については、現在仕事から離れている離職者の中にも即戦力として復帰意欲のある者が少なからずおられます。潜在化している方を介護現場に呼び戻すことも人材確保の方法の一つです。  また、介護現場の離職率は15.4%と高い状況にあるため、職員に対するメンタルケアやストレス対策などを行い、現場で働く介護人材の定着を促進することも大切と考えます。  そこで、お伺いをいたします。  県は、今後、どのように介護職人材の確保と定着を行うのかお聞かせください。  次に、誤認逮捕についてお伺いをいたします。  警察から被疑者として逮捕されたものの、実際にはその人物は無実であった。やってもいない行為に対して犯人にさせられ、閉ざされた空間の中での取り調べや数々の検査を受けることはどんなに苦痛なことか。取り調べや検査を受けることで、真実を述べようと身の潔白を証明しようと捜査に協力しても、実際にはそうではなく、犯人に仕上げられていく。今回の愛媛県警の女子大生誤認逮捕について、日夜、私たちの安全・安心を守ってくれている警察官に対し憤りと不安を感じ、もし自分が女子大生の立場だったらどうするんだろうかと考えてしまったという声を多くの県民の方からいただきました。  今回の誤認逮捕について、時系列で確認したいと思います。平成31年1月9日、窃盗事件が発生し、タクシー車内のドライブレコーダー映像から発生日時を特定。現金5万4,000円余りなどが入ったセカンドバッグが盗まれ、警察が被害届を受理。5月27日、Aさんに出頭を求め任意の取り調べを実施。6月4日、再度の取り調べ及び検査。7月5日、裁判所に逮捕状を請求し逮捕状を受ける。7月8日、逮捕状を執行しAさんを通常逮捕。7月9日、松山区検察庁に送致。7月10日、Aさんを釈放。7月16日、Aさんの近隣に居住する女性を取り調べた結果、ドライブレコーダーに映っているのは自分であると供述し女性が容疑者として浮上。7月18日、Aさんを誤認逮捕していた事実を確認。7月22日、Aさんに謝罪。7月26日、松山区検察庁がAさんを嫌疑なしとして不起訴処分。8月1日、弁護士が会見しAさんの手記が公表される。  この一連の流れを受けて、当時の警察本部長が8月6日のスポーツ文教警察委員会で、事件と全く関係のない女性を逮捕してしまい、当事者の女性におわびすると謝罪があり、刑事部長からは思い込みによる捜査であったと謝罪されました。  この間に取り調べを受けた女子大生は、精神的にも体力的にもつらかったと思います。これからの人生を歩んでいく中で、少なからず傷を負ってしまう現実があると思います。その後のメンタルケア並びにその方の将来が傷つかないよう、今後も責任を持って継続した対応を求めたいと思います。  そこで、お伺いをいたします。  今回の事案において、自白を強要するような取り調べの有無や上層部が最終的に逮捕の判断に至った経緯など、通常の捜査と比べて特別な点があればお聞かせください。  この事件によって、これまでの愛媛県警の体質があらわになったと指摘せざるを得ません。早急な愛媛県警察内部改革が求められると思います。今後、このようなことが絶対に発生しないよう、内部で徹底的な調査を行い、再発防止の徹底を図り、その場の責任は現場のみにあるのではなく、組織全体のものとして改善が図られるよう強く求めます。  そこで、お伺いをいたします。  徹底的な内部調査や再発防止、組織改善に、今後、どのように取り組んでいくのかお聞かせください。  最後に、動物愛護についてお伺いをいたします。  「犬たちをおくる日 この命、灰になるために生まれてきたんじゃない」、今から10年前に発表された今西乃子さんの著書であります。  愛媛県動物愛護センターの日々の業務を子供たちにもわかりやすく書かれ、当時の職員の方々が誠心誠意、動物たちに接し、高い志と誇りを持って職務に邁進している様子を描かれたものです。  私も読ませていただき、動物愛護センターの業務である飼えなくなった犬、猫の引き取り収容と処分などの管理業務や、人と動物が共生していく社会を目指すための愛護啓発業務について、当時の職員の日々に密着したストーリーを通じて、改めて理解を深めさせていただきました。  その後、現在の動物愛護センターを訪問させていただき、業務内容及び現状についてお話を伺いました。現在6名の獣医師がセンター業務に従事され、県民からのさまざまな問い合わせや相談に対する適切なアドバイスを行うとともに、譲渡が可能な犬や猫のお世話や、県下を回りながら現場対応などをされています。  殺処分が行われる施設も見させていただきましたが、多いときで年間4,000頭近くを殺処分していたころと比べると、現在は数が減っているものの、命を奪う機械設備はできるだけ稼働させない状況を県民と一丸となってつくり、不幸な命を一匹でも減らしていかなければならないと率直に感じました。  現場には、殺処分された犬がつけていたリードが積まれておりましたが、以前には飼い主との生活があったことを思うとやりきれない気持ちになりました。そもそも犬や猫を飼うときに、家族同様に愛情を持って飼っていますが、不適切な飼い方により近隣の住民に迷惑をかけたり、猫は一度に子をたくさん産むことから、外飼いをしていると屋外で繁殖したりして、動物愛護センターへ引き取られるケースが多々あります。少しでもこのような状況を改善していくためには、県民が、動物愛護に対する意識や飼い主としての責任をしっかりと持つ必要があると思います。  また、本県の特徴として、居住空間の近くには山や畑など自然環境があることや、一定の間隔で猫が過ごしやすい空間があることから、猫が屋外で繁殖しやすい環境にあることが挙げられます。  本県の平成30年度における犬の収容頭数は747頭に対し処分は540頭、譲渡は204頭、返還は26頭、猫については、収容頭数は1,616頭に対し、処分は1,471頭、譲渡は139頭、返還は7頭であると伺っています。現在の処分頭数は全国でも多い状況であります。限りなく殺処分をゼロに近づけるための取り組みが必要であると考えます。  現在、本県では、人と動物が共生できる豊かな地域社会を確立することを目指し、県動物愛護管理推進計画に基づき不幸な命を減らすべく取り組んでおられます。先般改正された動物愛護法の中でも、マイクロチップの装着義務化など飼い主を明示することで、遺棄や虐待を防ぎ、災害時などにも飼い主が特定できる効果が期待されています。  そこで、お伺いをいたします。  これまでの施策の中で、殺処分ゼロに向けて一定の成果を得ているものもあると思います。それらの施策も含め、今後、県民と協働しながら、どのように取り組んでいくのでしょうか。  また、殺処分の大半は猫でありますが、野良猫問題の解決に向け、地域猫活動などにも積極的に取り組む必要があります。また、猫の飼い方を屋内飼育に変えることにより、不幸にして処分されない状況をつくれると思いますが、今後、県民に対しどのように周知徹底を行うのかお聞かせください。  以上で、私の質問を終わります。  御清聴いただきありがとうございました。(拍手) ○(西田洋一議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(西田洋一議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 西原議員に、まず、特性を生かした地域振興の取り組み等の質問にお答えをさせていただきます。  本格的な人口減少期を迎える中で、県内それぞれの地域が将来にわたって活力を維持していくためには、みずからが産業や自然、文化など固有の資源を活用して地域の振興や活性化に取り組んでいくことが不可欠であり、とりわけ新たな視点から地域の魅力を掘り起こし、磨き上げることのできる外部人材の活用は大変有効であるものと認識します。  このため、県では、新ふるさとづくり総合支援事業により、地産地消の取り組みや地域おこしイベントの開催など、市町や民間団体による地域資源等を活用した取り組みについて、昨年度は72件、約8,300万円、これまでに927件、累計で約11億円を助成するなど幅広く支援しているほか、地方局予算を活用して産業振興や観光交流、保健福祉等の分野で地域特性を踏まえた独自の振興策を展開しているところでございます。  また、地域の新たな担い手となる地域おこし協力隊の導入拡大に向けまして、市町とのマッチング支援や隊員の起業支援等にも取り組んでおり、現在102名の隊員が県内各地で観光振興や特産品の開発等に取り組むとともに、7割以上の隊員が、任期後も地域に定着をして地場産業や新規ビジネスの担い手として活躍をしているところでございます。  県では、今後とも総合力と機動力をあわせ持つ地方局を核として、市町や住民主体の地域づくりに対するきめ細かなサポートや、デジタルマーケティング等を活用した移住促進による外部人材誘致の取り組みの強化など、地域の個性や特色を生かした取り組みを支援する施策を総合的に推進することで、県民誰もが地域に愛着と誇りを持てるふるさと愛媛の実現に全力で取り組んでいきたいと思っております。  次に、重度障がい者に関する御質問にお答えをさせていただきます。  重度障がい者が地域で安心して生活を送るためには、社会全体のバリアフリーの推進に加えまして、障がい特性や本人の希望に応じて必要な支援が受けられるよう、障がい福祉サービスを充実していくことが課題と思います。  県では、障がい福祉サービスの充実を図るため、障がい者のサービス利用計画を作成する相談支援専門員等の養成や資質の向上に取り組むとともに、グループホーム等の施設整備を促進するなど、ソフト・ハード両面で適切なサービスが提供できるよう、市町の支援に努めているところでございます。  また、就労支援につきましては、県内6カ所の障害者就業・生活支援センターにおきまして、関係機関と連携してきめ細かな就業支援を行うとともに、一般企業等での就職が困難な重度障がい者に対しましては、就労に必要な知識や能力の向上を図るため、就労継続支援事業所での就労を支援し、経済的、社会的自立の促進に努めさせていただいています。  IT技術の進歩により重度障がい者が在宅就労する機会が広まりつつある中で、就労時間中に重度訪問介護が利用できないという問題は、就労形態の変化に国の制度が追いついていないことを示しており、制度の見直しが必要と考えますが、現在、国もプロジェクトチームを設置して、重度障がい者の在宅就業中の支援のあり方について検討を開始していると聞いておりますので、今後の動向を注視したいと考えております。
     次に、介護人材の確保、定着についての御質問でございます。  全国平均を上回るペースで高齢化が進行している本県では、介護ニーズが増大する一方で、サービスの担い手となる若年層の減少から、団塊の世代が後期高齢者となります2025年には、介護職員が約3,000人不足すると見込まれており、介護人材の確保と定着は重要な課題でございます。  このため、県では、介護職員の着実な賃金改善を図るため、介護事業所の介護報酬加算の取得を促進するセミナーの開催や専門家の個別訪問による相談支援を行うとともに、社会保険労務士等のアドバイザーを派遣して職場環境の改善も支援しているところでございます。  また、県独自に地域医療介護総合確保基金を活用して、離職者を含め介護職員が集まるコミュニケーションの場を設けまして、日ごろの悩みや再就職への不安の解消を図るほか、新任介護職員同士の交流や仲間づくりを促すための合同入職式を開催するなど、介護職員のメンタル面のサポートにも取り組み、職員の離職防止や定着促進に努めているところでございます。  さらに、今年度は新たに介護現場の業務改善や生産性向上を図るため、AIケアプランやICT機器の導入支援に取り組むとともに、多様な人材を確保するため、若年世代をターゲットにしたインターネット動画による介護職の魅力発信や、外国人介護人材の受け入れ拡大に向けた施策を進めているところであり、今後とも将来を見据えた介護人材の確保、定着に取り組んでいきたいと思います。  次に、動物の殺処分についての御質問でございます。  動物愛護の基本は動物の命の尊厳を守ることにあり、殺処分頭数の削減には、その理念が幅広く県民の皆さんに浸透することが不可欠でありますことから、県民と協働して動物愛護思想の普及と適正飼養の徹底を図ることが重要であります。  このため、県では、市町や県獣医師会、地元金融機関、動物愛護団体、県民ボランティアと協働しまして、広報活動や動物愛護イベントの開催等による適正飼養の普及啓発、地域猫活動や不妊去勢手術の推進、移動譲渡会の開催や仲介者譲渡制度の導入等による譲渡事業の拡大など官民一体となった活動に取り組んでおり、県内全体の犬猫の殺処分頭数は、平成24年度当時、年間5,183頭でございましたが、平成30年度には2,149頭と約6割減少しました。しかしながら、依然、本県の殺処分頭数は全国では上位となっております。  しかし、他県でこの殺処分頭数を減らすことだけを目的に行われている愛護団体等への犬猫の大量譲渡、これは見かけ上の殺処分頭数は減りますけれども、根本的な解決に至るとは思えないやり方だと考えます。それは、団体への過度な負担や飼養環境の悪化等の問題、これも広く指摘されてきておるところであり、時折ニュースでも劣悪な飼養環境のニュース、あるいは放置された動物たちの姿、こういったことも報道されることがございます。いわば数字だけを目途にこうした単に譲渡によって行うやり方というものが根本的な解決に結びつくとは考えておりません。着実な努力を積み重ねて、しっかりと殺処分頭数の適切な削減を図っていきたいと思っております。  また、本年6月には動物愛護管理法が改正され、犬猫へのマイクロチップの装着の義務づけや繁殖防止の義務化など適正飼養のための規制強化等が行われ、今後、順次施行されることから、県としては法改正も踏まえ、動物愛護センターを中心に市町、団体、企業、ボランティアとの連携を強化し、動物愛護思想の普及拡充と殺処分頭数の一層の削減に努めてまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(岸本憲彦県民環境部長) 議長 ○(西田洋一議長) 岸本県民環境部長   〔岸本憲彦県民環境部長登壇〕 ○(岸本憲彦県民環境部長) LGBTに関する御質問のうち、理解促進や差別、偏見の解消に向けた取り組みについてお答えをいたします。  LGBT等いわゆる性的マイノリティーは、誰もが自分らしく幸せに生活するために尊重すべき個性の一つであり、徐々に理解や共生の意識が広がっているものの、依然として根強い偏見や差別に悩み、苦しむ方が少なくないと認識しておるところでございます。  このため、本県におきましては、性的マイノリティーの理解促進を愛媛県人権施策推進基本方針の重要課題に位置づけまして、当事者団体の意見等を反映した啓発冊子の作成や啓発講座の開催、各種研修会への講師派遣のほか、来週開催いたします人権啓発イベントにおきましても重点的に取り上げまして、講演や映画上映を行うなど、県民が性的マイノリティーについて正しく理解し認識が深まるよう、積極的に周知啓発に取り組んでいるところでございます。  さらに、今年度末を目途に策定しております基本方針の第三次改訂におきましては、当事者の了解なく第三者に漏らすアウティングの防止や相談・支援体制の充実など施策をさらに拡充するほか、あわせて全国的にも先進的な取り組みとして、人権問題にかかわる機会の多い県職員みずからが性的マイノリティーを正しく理解し、適切な対応を行うためのガイドラインを策定することとしており、今後、これらの取り組みを通しまして、県民の理解促進と偏見や差別の解消に努め、全ての県民が互いの人権を尊重し、多様性を認め合う社会の実現を目指してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(西田洋一議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) 高齢社会への対応に関する御質問のうち、地域包括ケアシステムの構築についてお答えをいたします。  県内各市町では、介護保険事業計画等に基づく施設整備に加えまして、介護予防の活動を行う集いの場の開催や、認知症の早期対応を図る認知症初期集中支援チームの設置等に全ての市町で取り組んでおりますほか、17の市町では医療と介護の連携を強化するため、退院時等の医療・介護情報共有ツールを整備するなど、地域の実情に応じた地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みが進められております。  今後、単身高齢者の増加に伴いまして、生活支援サービスの需要の増加が見込まれますことから、県では、住民やNPO等地域の多様な主体の参画を促進するため、地域包括支援センター職員等の人材育成研修や地域ケア会議の立ち上げ・運営支援に努めるとともに、昨年度から県立医療技術大学と連携をいたしまして、今治圏域において、住民主体の介護予防・生活支援活動をコーディネートする人材育成のモデル事業を実施しているところでありまして、今後、その成果も活用し、各市町の実情に応じた地域包括ケアシステムの構築・推進を支援してまいりたいと考えております。  次に、動物愛護に関する御質問のうち、猫の殺処分の減少についてお答えをいたします。  県では、県動物愛護管理推進計画に基づき、引き取り頭数及び殺処分頭数の削減に取り組んでおりまして、県全体の猫の殺処分頭数は、平成24年度の3,987頭に比べ、平成30年度には1,609頭と約6割減少をしておりますが、引き取り頭数のうち、飼い主がいない猫が約9割を占めている状況であります。  このため、飼い主がいない猫を地域全体で適切に管理し、頭数の減少を図る地域猫活動の推進が重要でありますことから、平成27年度に地域猫活動ガイドラインを作成して県民に広く配布をいたしますとともに、動物愛護団体の協力を得まして、平成29年度からセミナーを東・中・南予で年3回開催するなど、活動グループの育成にも努めているところであります。  また、地域猫活動の普及とあわせまして、飼い猫の屋内飼育や不妊去勢手術を推進するため、県ホームページやポスター、リーフレットの配布等に加えまして、譲渡前講習会や小中学校等と連携した動物愛護教室の開催などにより、適正飼養の周知に努めているところでありまして、今後とも関係機関と連携をして効果的周知活動の展開に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(三好伊佐夫教育長) 議長 ○(西田洋一議長) 三好教育長   〔三好伊佐夫教育長登壇〕 ○(三好伊佐夫教育長) LGBTに関する御質問のうち、教職員への意識啓発や研修についてお答えいたします。  LGBTといった、いわゆる性的マイノリティーについては、学校現場における人権課題の一つとして、教職員一人一人が正しく認識し悩みや不安を抱える児童生徒のよき理解者となり、その心情に十分配慮するなどきめ細やかに対応することが重要と考えております。  このため、県教育委員会では、国による研究指定校での実践事例や成果を取りまとめ、具体的な対応等に関する研修に活用してきましたが、近年、県内公立学校において性的マイノリティーに関する授業を行う学校が増加していることから、ことし3月に、体の性や心の性などの性の多様性を認め合いながら自分らしく生きることなどを題材とした指導資料を新たに作成し、県内全ての学校に配布するとともに、各学校の人権同和教育の中核となる教諭や養護教諭の全員を対象とした学校の現状や課題に関する研修を実施したところでございます。  さらに、県立学校に対しては適宜、指導主事等を派遣し、相談活動や校内研修を行い、積極的に対応しております。今後とも、教職員の意識啓発や研修の一層の充実に努め、全ての教職員のLGBTなどの性的マイノリティーへの理解促進を図り、児童生徒が安心して学校生活を送れる環境づくりを推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(篠原英樹警察本部長) 議長 ○(西田洋一議長) 篠原警察本部長   〔篠原英樹警察本部長登壇〕 ○(篠原英樹警察本部長) 誤認逮捕についての御質問のうち、通常の捜査と比べて特別な点に関する御質問にお答えいたします。  現在、県警では、誤認逮捕に至った要因やどのような取り調べが行われたかについて調査中であります。取り調べについては、捜査部門に加え、取り調べ監督部門においても調査を行っているところであります。  逮捕に至った経緯として、松山東警察署では、事件と全く無関係であった女性に対し、2度にわたり任意の取り調べを行いましたが、女性は一貫して身に覚えがない旨供述されたため、捜査幹部はそれを否認と認識し、犯罪の証拠を隠滅するおそれがあると認め、裁判所から逮捕状の発付を受け通常逮捕したものと承知しております。  現時点で、通常の捜査にはない反省点としては、タクシー内のドライブレコーダーの映像を事件と全く無関係であった女性と見誤ったことや幹部によるチェック機能がおろそかになったことが挙げられると認識しております。  いずれにしましても、現在、実施中の調査の結果を踏まえた再発防止策を講じてまいりたいと考えております。  次に、再発防止等に向けた今後の方針についての御質問にお答えいたします。  現在、県警では、被疑者特定の経緯、裏づけ捜査の状況、捜査指揮のあり方等、誤認逮捕に至った要因や取り調べの状況について調査中であります。  再発防止策については、調査結果を踏まえて策定する必要があるため、調査結果を取りまとめた上で早急にその詳細を御説明したいと考えているところであります。  なお、これまでに直ちに取り組むべき対策として、警察本部の刑事部幹部が全警察署を巡回し、警察署の責任者である署長、副署長を初め捜査幹部等に対し、具体的な事例を踏まえて指導したほか、捜査の中核を担う警部補を招集し適正捜査に関する研修会を開催しております。  また、調査結果を踏まえてのことになりますが、捜査幹部によるチェック機能の強化を一層図るなど、今後、実効性のある再発防止策を検討し、このような事案の再発防止に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。   ――――――――――――――――― ○(西田洋一議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明20日は、午前10時から本会議を開きます。  日程は、全議案に対する審議の続行であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後1時54分 散会...