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平成31年第362回定例会(第6号 3月 5日)

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  1. 愛媛県議会 2019-03-05
    平成31年第362回定例会(第6号 3月 5日)


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    平成31年第362回定例会(第6号 3月 5日) 第362回愛媛県議会定例会会議録  第6号 平成31年3月5日(火曜日)   〇出席議員 41名   1番  武 井 多佳子   2番  田 中 克 彦   3番  松 井 宏 治   4番  塩 出   崇   5番  高 橋 英 行   6番  松 下 行 吉   7番  川 本 健 太   8番  帽 子 大 輔   9番  大 石   豪   10番  宇 高 英 治   11番  欠     番   12番  欠     番   13番  菊 池 伸 英   14番  福 田   剛   15番  中   政 勝   16番  逢 坂 節 子
      17番  古 川 拓 哉   18番  兵 頭   竜   19番  大 西   誠   20番  松 尾 和 久   21番  欠     番   22番  欠     番   23番  木 村   誉   24番  石 川   稔   25番  梶 谷 大 治   26番  西 田 洋 一   28番  大 西   渡   29番  福 羅 浩 一   30番  三 宅 浩 正   31番  欠     番   32番  欠     番   33番  欠     番   34番  欠     番   35番  欠     番   36番  笹 岡 博 之   37番  黒 川 洋 介   38番  毛 利 修 三   39番  徳 永 繁 樹   40番  高 山 康 人   41番  渡 部   浩   42番  戒 能 潤之介   43番  鈴 木 俊 広   44番  欠     番   45番  横 田 弘 之   46番  越 智   忍   47番  村 上   要   50番  欠     番   51番  西 原 進 平   52番  中 畑 保 一   53番  明 比 昭 治   54番  岡 田 志 朗   55番  森 高 康 行   ―――――――――― 〇欠席議員 3名   27番  中 田   廣   48番  赤 松 泰 伸   49番  本 宮   勇   ―――――――――― 〇欠  員 3名   ―――――――――― 〇出席理事者  知事          中 村 時 広  副知事         神 野 一 仁  副知事         原   昌 史  公営企業管理者     兵 頭 昭 洋  総務部長        菅   豊 正  企画振興部長      西 本 牧 史  スポーツ・文化部長   土 居 忠 博  防災安全統括部長    福 井 琴 樹  県民環境部長      金 子 浩 一  保健福祉部長      山 口 真 司  営業本部長       八十島 一 幸  経済労働部長      田 中 英 樹  農林水産部長      田 所 竜 二  土木部長        杉 本   寧  会計管理者出納局長   岸 本 憲 彦  教育長         三 好 伊佐夫  副教育長        武 智 俊 和  人事委員会委員     大 内 由 美  公安委員会委員     曽我部 謙 一  警察本部長       松 下   整  監査委員        永 井 一 平  監査事務局長      山 本 亜紀子   ―――――――――― 〇出席事務局職員  事務局長        内 田 万 美  事務局次長       山 田 裕 章  参事総務課長      北 川 謙 二  参事議事調査課長    松 本 賢 固  参事政務調査室長    西 田 洋 一  議事調査課主幹     井 原 重 喜   ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件  定第4号議案ないし定第58号議案      午前10時 開議 ○(鈴木俊広議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者福羅浩一議員古川拓哉議員を指名いたします。   ――――――――――――――――― ○(鈴木俊広議長) これから、定第4号議案平成31年度愛媛県一般会計予算ないし定第58号議案を一括議題とし、質疑を行います。 ○(高山康人議員) 議長 ○(鈴木俊広議長) 高山康人議員   〔高山康人議員登壇〕 ○(高山康人議員) (拍手)おはようございます。  自民党の高山です。  昨年、本県に甚大な被害をもたらした平成30年7月豪雨災害の発生から、間もなく8カ月になろうとしております。住まいや産業活動の復旧・復興に、中村知事を初め、国・県、市町には全力で支援いただいているところでありますが、今なお仮住まいでの不便な暮らしを余儀なくされている方も多くいらっしゃいます。災害による爪跡は非常に深く、また、地域自治体が抱える人口減少や少子高齢化等の課題もあって、地域の将来を不安に思う人が少なくないのが現状ではないかと感じております。  こうした中、被災者を初め、被災地域を温かく包んでくれているのがコミュニティの再建を支援する市内外からのボランティア活動であり、また、子供からお年寄りまで愛媛に住む人たちの地元を愛する心だと思います。これまでのチーム愛媛の御支援に感謝するとともに、今後一層のサポートをお願いしつつ、質問に入らせていただきます。  まず、防災士の実践力強化等についてお尋ねします。  先日、今回の災害に直面した防災士の方から、防災士として自分自身は被災者の支援などにできるだけの活動をしたが、せっかく防災士の資格がありながら期待される活動が十分にできなかった方もいたとの思いをぶつけられたことがありました。話を聞く中で、その方は防災士として非常に熱い思いや行動力を持っていることはすぐにわかりましたが、残念ながらせっかく防災士の資格をとったものの、実践的な活動をする心構えやスキルが十分に備わっていない方もいるようでありました。  私が話を伺ったような熱い思いと行動力を持った防災士が一人でも多くおられれば、今回の豪雨災害で、他の被災市の取り組みとして報道された、防災士等が自主防災組織の中核となり迅速な避難誘導が行われ、一人の犠牲者も出さなかったという事例のように、大規模災害に備えて地域防災力を高めていくことにつながるのではないかと感じたところであります。  県では、中村知事のリーダーシップにより、自主防災組織の核となる防災士の養成に力を入れておられ、昨年末時点で東京都に次ぐ第2位、約1万2,000人の防災士を輩出というすばらしい成果を上げられているところであり、今後、さらなる防災士の養成に取り組まれるとお聞きしており、大変心強く感じております。  防災に関する専門知識を持った防災士を地域防災の中核となるリーダーとして育成し、災害時はもちろん、平常時においても実践的な活動ができるよう取り組みを強化していくことが、大規模災害発生時に被害を最小限度にとどめる鍵になるのではないでしょうか。  そこで、お伺いします。  県は、昨年の豪雨災害を踏まえて、全国有数の規模を誇る防災士を生かした地域防災リーダーの実践力の強化等にどう取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、水道施設の耐震化を初めとする防災対策取り組みについてお尋ねします。
     我が国の水道は、全国津々浦々でおいしい水が安心して蛇口から飲めるという世界有数の水道へと発展しました。  本県における水道事業は、大正15年に宇和島市で開始されて以来、各地で整備が進み、今では県内のほぼ全域で水道が普及するに至ったところでありますが、ともすれば蛇口をひねれば水が出てくるのが当たり前となり、日常生活の中では水道のありがたさを忘れてしまうような状況になっているのではないかと思うのであります。  このような中、昨年の7月豪雨での土砂災害により、宇和島市吉田浄水場が壊滅的な被害を受け、吉田、三間地区では約1カ月という長期にわたり断水が続き、入浴や洗濯だけでなく、浸水や土砂が流入した家屋の清掃にも支障を来すなど、住民の方々には厳しい暑さの中、不便な生活を強いられ、大変な苦労が続いたわけでありますが、8月初旬には試験通水が始まり、蛇口から待望の水が流れたあの瞬間、地域住民は胸をなでおろし、復興への思いを強くしたところであります。  今回の災害を受けて、私自身も水道水のありがたさが身にしみた暑い夏でありました。水道水は、単に飲み水としてだけではなく、救急医療などにとっても必要不可欠であり、最も重要なライフラインとして万全を期して備えなければならないものであります。  また、県民の社会経済活動においても極めて重要な役割を果たしている水道事業において、被災直後の応急給水や早期の復旧に向けた体制、そして、災害に対する水道施設の強靱化が一層重要であると感じております。  このような災害等の有事の際には、隣接市町同士で水道管をつないで水を分かち合うといった体制を構築することができればよいのではないかと考えますが、これについては水利権の問題もあり、実現するにはハードルが高いものと思われます。  7月の豪雨の際にも、西予市のように、1つの浄水場が壊れたものの、他の浄水場とも配水管がつながっていたおかげで、域内で水が融通できるところもあったと聞いておりますが、今後は、各水道事業者において、そのようなバックアップ設備を持つ施設整備を進めていくことも必要ではないかと考えるのであります。  また、近年の災害はいつ起こるかわからない状況にありますが、近い将来、発生が懸念されている南海トラフ地震を見据え、水道施設の耐震化も、また、喫緊の課題となっております。  昨年発生した大阪北部地震北海道胆振東部地震においても、水道施設が被害を受け、多くの住民の方々が断水被害に遭ったことは記憶に新しいところであります。  しかしながら、各水道事業者においては、人口減少や節水機器の普及などに伴い料金収入が減少する一方で、老朽化対策や災害対策による更新需要の拡大により、経営環境は厳しさを増しており、今後、施設や管路の更新をどのように進めていくかは大きな課題であると考えます。  そこで、お伺いします。  県内の水道施設について、耐震化を初めとする防災対策にどう取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、想定をはるかに超えた自然災害を受け、本県の森林づくりをどのように進めていくのかお尋ねします。  御案内のとおり、県土の約7割を占める森林は、整備を適切に実施することにより、山地災害の防止を初め、水源の涵養、生物多様性の保全など多面的機能が高度に発揮され、私たちの安全・安心な暮らしを支える基盤となっているものであります。  このため、県におかれましては、民有林面積の約6割を占める杉、ヒノキ林を対象とした間伐を重点的に進めるほか、山腹斜面の安定化や荒廃渓流の復旧など治山工事の計画的な実施を通じ、特に山地災害の防止を図ってこられたと認識しております。  しかしながら、昨年の7月豪雨では、南予を中心として降り始めからの総雨量が500ミリを超えるような記録的なものとなり、河川の氾濫に加え、山腹が崩壊し土石流となって人家や農地を襲うなど、県民の日常生活から経済活動に至るまで多大な被害をもたらすものとなりました。  私自身が目にした地元三間町での山地災害は、斜面を滑り落ちた木々が渓流の途中で絡み合ってひっかかり、上流からの土砂をせきとめ、渓流におおよそ1,000立方メートルの木材が堆積しました。寸前のところで下流への土石流は抑えられたものの、下流域には人家もあり、もし土石流がとまっていなかったらと思うとぞっとするものであります。  土石流は、林地などの崩土が大量の水を含んで流れ下り災害を引き起こしますが、降雨による渓流への水量を緩和するためには、保水力の高い森林、いわゆる緑のダム機能を最大限高めていくことが基本だと思います。  また、平成29年10月には、台風21号により、県内の広範囲にわたり約5,000立方メートルを超える風倒木被害が発生するなど、これまでの想定を超えるような大規模災害が多発する傾向にあり、こうした異常気象がもたらす災害への備えが、今後、ますます重要になっていると感じております。  そして、そのためには、豪雨や暴風に強く、被害を最小限に食いとめられる防災・減災の視点を取り入れた緑のダムとしての森林整備を強力に進めていく必要があると思うのであります。  そこで、お伺いします。  激甚化する豪雨や台風への防災・減災対策として、災害に強い森林づくりに今後、どのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせ願いたいのであります。  次に、一次産業における女性の活躍促進についてお伺いします。  改めて申し上げるまでもなく、一次産業従事者数は全国的に減少傾向にあり、中でも主に農業を生業とする基幹的農業従事者数は減少の一途をたどっております。平成22年に約4万3,000人であった本県の基幹的農業従事者数も、平成29年には約3万3,000人にまで減少するとともに、現在も年間1,000人以上のペースで減少が続くという深刻な事態となっております。加えて、65歳以上の方の割合が70%を超えるなど高齢化も進んでおり、担い手の確保はまさに喫緊の課題となっております。  こうした中、全国における一次産業に従事する女性の割合は、最新のデータによると、農業分野で約47%、林業、漁業ではそれぞれ13%を占めており、特に近年は一次産業で活躍する若い女性がマスコミ等で多く取り上げられ、そのはつらつとした姿は、一次産業の新たな可能性を大いに感じさせてくれるものとなっております。  本県の基幹的農業従事者でも女性が約41%を占め、女性ならではの視点や感性から生まれた産品は、市場や消費者から広く支持されており、女性のいる経営体ほど販売額が大きく、経営の多角化に取り組むケースが多いとの分析や、女性の役員や管理職がいる経営体は収益力が向上する傾向にあるとの指摘もあります。  こうした状況を見ると、全国に誇る柑橘農業を初め、先人たちのたゆまぬ努力により脈々と築いてこられた愛媛のすぐれた一次産業を、次世代にしっかりと引き継いでいくためには、大きな可能性を秘める県内外の若い女性たちを農山漁村に呼び込み、新たな担い手として活躍してもらえるかどうかが一つの鍵となるのではないかと考えるのであります。  県では、平成28年度から地域の次世代リーダーとなる一次産業女子の育成を図るため、意欲ある女性の県内でのネットワークづくりやさまざまな活動を支援し、そのネットワークは確実に広がっていると伺っております。まことに時宜を得た取り組みであり、今こそさらなるネットワークの拡大に向けて、県外在住女性Iターン就農にも積極的に打って出るべきではと考えるのであります。  そこで、お伺いします。  本県の一次産業を今後も発展させていくためには、県内外からの若い女性の就業を促進する必要があると考えますが、県ではどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、農業の産地育成に係る取り組みについてお伺いします。  本県には、日本一の生産量を誇る柑橘やキウイフルーツなどの基幹品目に加え、着々と広域での産地化が進む里芋伊予美人、規模は小さくとも実需者から確かな評価を得ている島嶼部の早出しタマネギなど、地域の自然の恵みを生かした、高い実力と魅力を兼ね備えた個性的なプレーヤーが存在しており、本県農業の将来性に大いに期待しているところであります。  しかしながら、全国の生産現場では、ICT等を活用した環境制御など、飛躍的な生産性の向上や省力化に向けた取り組みが行われており、あらゆる品目で産地間の競争が激しさを増しております。このため、本県も決しておくれをとることなく、絶えず革新的な新技術やアイデアを貪欲に取り込み、既存の品目の潜在力をさらに引き出すとともに、新たな品目の産地化を後押しし、厳しい競争に打ち勝っていくことが強く求められております。  また、これらを確かな成果として普及させていくためには、まずは新たな知見をしっかりと使いこなすノウハウを確立するとともに、担い手が失敗を恐れず積極的にチャレンジできる環境づくりも不可欠であります。  県は、今年度、生産振興から出口戦略までを一体的に推進するため普及組織を改組するとともに、活動内容の抜本的な見直しを進めていると聞いておりますが、今こそ一人一人の普及指導員が消費者や実需者のニーズの変化に目を凝らしながら、意欲あふれる担い手農家やJA、市町と二人三脚で、それぞれの産地の競争力強化や次代のスタープレーヤーとなり得る新しい品目の育成に取り組むことが求められていると思うのであります。  そこで、お伺いします。  本県農業への革新的な新技術などの導入の推進に向け、県はどのように取り組んでいくのかお聞かせください。  最後に、えひめこどもの城の魅力向上策についてお伺いします。  これまでに2回、隣接するとべ動物園側の視点から、総合運動公園を含めた3施設の利用者拡大についてお聞きしてきたところでありますが、今回は、こどもの城側の視点から魅力や集客力の向上に向けた取り組みについてお伺いします。  昨年10月に開園20周年を迎えたえひめこどもの城は、松山市から砥部町に広がる丘陵地に位置し、西洋の古城をイメージする児童館を中心に、広大な敷地と起伏に富んだ地形を生かして、広場や乗り物、創作工房などの施設や遊具が園内各所に配置されており、子供たちが一日中楽しく過ごせる場所となっております。  体験プログラム各種イベントの開催といったソフト事業が充実しており、小さな子供や家族連れを中心に、気軽に安心して遊べる場所として人気が高く、昨年度の利用者数が37万人を記録するなど、多くの県民に親しまれる施設として定着しております。  近年は、スマートフォンの普及などにより、子供の遊びも屋外から室内へ、集団から個人へ、現実からバーチャルへと変化しつつあり、豊かな自然空間の中で時間を忘れて遊ぶことのできるこどもの城は、子供の健全な発達に不可欠な遊び本来の楽しさを体感できる施設として、その役割はますます重要になっていると考えるのであります。  また、昨年10月に、全国の児童館の運営の指針となっている児童館ガイドラインが見直され、児童虐待や学校のいじめの問題など、昨今の子供をめぐる課題への対応や子供が安全に安心して過ごせる居場所づくりなど、子育て支援に対する児童館の持つ機能・役割への期待が一層高まるとともに、大型児童館の役割については、県内各地にある児童館の連絡調整や広域的・専門的活動の展開を図るなど、子供の健全育成の象徴的な拠点施設であることが明文化されました。  折しも、昨年の豪雨災害により、遊びの機会を失った子供たちをこどもの城に招き、思い切り遊べる笑顔の一日を提供したという報道に接したときでもあり、まさに子供たちに愛顔の象徴施設として頼もしく感じるとともに、この施設が一層魅力と活力を増すことによって、子供たちの健全な成長を促し、将来の夢を育むことができるよう期待しているところであります。  こどもの城の近辺には、さきに述べました西日本屈指の規模を誇り、新たな視点から魅力を発信するために総合プロデューサーを設置し、グランピングの開催やイルミネーション設置など魅力的なイベント開催をしているとべ動物園と、えひめ国体えひめ大会メーン会場として総合開閉会式の舞台となり、県内有数のスポーツのメッカとしてさまざまな競技大会やレクリエーション活動に利用される総合運動公園があります。これら隣接する3施設が連携して魅力向上に取り組むことによって、こどもの城の魅力がますます高まるものと思うのであります。  そこで、お伺いします。  県では、今年度、こどもの城の魅力向上策を検討されておられますが、その魅力や集客力向上に向け、どのように取り組まれていくのか、お聞かせください。  以上で質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(鈴木俊広議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(鈴木俊広議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 高山議員に、まず、農業への新技術の導入についての御質問にお答えをさせていただきます。  平坦地が少なく大消費地からも遠いなど、必ずしも恵まれた環境にない本県農業が、産地間競争に打ち勝ち優位性を確保していくためには、日進月歩で進化する先端技術や新たなアイデアを他産地に先んじて取り入れ、絶えず革新し続けるという攻めの姿勢が欠かせないと考えます。  県では、今年度から、組織体制や普及戦略を抜本的に見直し、高収益が期待できる新規作物の導入や市場優位性の確保を強く意識した産地再生など、普及拠点がそれぞれの地域特性にかなった戦略目標を掲げ、その実現に向けた活動を進めているところでございます。  来年度は、さらにこうした取り組みを加速させるため、普及組織の主導のもと、生産性や収益性の向上等を可能とする革新的技術の導入を目指すこととしており、野菜の周年出荷を目指した溶液栽培や高温対応型次世代ハウスによる高収益栽培、伐採林地での果樹の大規模省力化栽培など、次世代の産地形成をリードするハイレベルな営農モデルを確立したいと考えます。  加えて、農産物に精通した普及指導員が、国内外のバイヤー等と生産者をつなぐ仲介役となり、市場動向に合わせた品種、作型の見直し指導や産地PRを担う取り組みも強化することとしており、普及組織が一丸となり、意欲ある担い手や生産団体を先導しながら将来の愛媛農業の基盤となる強い産地づくりに全力で取り組んでまいりたいと思います。  次に、えひめこどもの城についての御質問にお答えをさせていただきます。  えひめこどもの城は、広大な敷地に自然を生かした遊具や大型児童館を有し、年間を通じたさまざまなイベントにより、平成10年の開園以来、県内外から延べ750万人が来園しています。  28年度からは子ども芸術祭を開催し、中高生等の活動発表の舞台とするほか、昨年は開園20周年を記念して、こみきゃんの誕生イベントなどの記念事業や人気ボーカルグループによる野外ライブを開催するなど、魅力の向上を図っているところでございます。  さらに、今年度は、外部有識者による検討委員会が、とべ動物園や総合運動公園と連携した周遊コースの設定や大型遊具のリニューアルなど、ソフト・ハード両面から魅力向上策を検討していただいており、12月の中間報告では、動物園との間にある池の上空をワイヤーでつなぎ、相互に往来するジップラインを設置し、移動そのものをアトラクションとすることや、森を生かした大型アスレチックの整備等の提案があり、その具体化を検討するための経費を来年度当初予算案に計上させていただいたところでございます。  県としては、今後、検討委員会の最終報告も踏まえ、とべ動物園や総合運動公園と連携した新たな企画の展開や自然環境を生かした大型遊具等の整備に取り組むなど、子供の健全育成のシンボル施設として、幅広い年齢層の子供や親子がさまざまな体験を楽しめるよう、こどもの城の魅力と集客力のさらなる向上に努めてまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 福井防災安全統括部長   〔福井琴樹防災安全統括部長登壇〕 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 地域防災リーダーの実践力の強化等の御質問にお答えをいたします。  大規模災害の発生直後の公助には限界があり、自助・共助の取り組みが極めて重要であるため、県では、住民の意識啓発を初め、自主防災組織の活性化やその中核となる防災士の養成を推進するとともに、昨年度から消防学校を地域防災人材育成拠点に位置づけ、防災士や自主防災組織の役員等を対象に、リーダー養成講座を実施しております。  この講座をこれまで延べ600人を超える防災士などが受講され、地域防災リーダーの役割や災害対応の専門的な知識等を習得して、豪雨災害時に住民の避難誘導や避難所運営の中心として活躍された方がおられますが、一方で、情報の錯綜や避難の呼びかけに応じない住民への対応等に苦慮したとの報告もなされておりまして、検証委員会でも防災士等の実践力の向上が求められているところでございます。  このため、来年度は、防災士の養成を加速させるとともに、検証結果を踏まえ、リーダー養成講座を見直しすることとしており、防災士等の活動により効果を上げた取り組みの導入や発災当初の情報収集訓練、要支援者を含めた避難訓練の実施等を検討しているところでございます。  さらに、市町と連携し自主防災組織の活動支援を強化するなど、災害現場で即応できる実践力を備えた地域防災リーダーの育成に積極的に取り組み地域防災力の底上げを図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(金子浩一県民環境部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 金子県民環境部長   〔金子浩一県民環境部長登壇〕 ○(金子浩一県民環境部長) 水道施設防災対策に関する御質問にお答えします。  県では、近い将来、南海トラフ地震の発生等が予測される中、えひめ震災対策アクションプランのもと、市町による水道施設の耐震化の取り組みを支援しているところであり、これまで優先的に整備を進めてきた浄水場や配水池については、全国でも上位の耐震化率となっているほか、基幹管路の耐震適合率についても、昨年度の1年間で3.6ポイント上昇するなど、取り組みが進んでいるところであります。  一方、昨年の西日本豪雨では、吉田浄水場が流入土砂により壊滅したほか、県内の複数の浄水場が浸水し、大規模な断水を引き起こすなど、深刻な被害が発生したところであり、県では、今後、各市町との間で新たに風水害等を想定した防災対策や災害対応も視野に入れた市町間の連携について検討・協議を行うとともに、特に土砂災害警戒区域等に立地する浄水場などの基幹施設については、国の緊急対策等も活用し、早期に対策を講じるよう働きかけることとしております。  近年、国内で豪雨や地震等が頻発する中、本県にとっても、県民生活に不可欠なライフラインである水道施設防災対策は喫緊の課題であり、県としても、市町が地域の特性に応じた防災対策を円滑に推進できるよう適切に助言するとともに、今後とも市町と連携し、国に対し財政面や技術面での支援の拡充等を強く働きかけてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(田所竜二農林水産部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 田所農林水産部長   〔田所竜二農林水産部長登壇〕 ○(田所竜二農林水産部長) まず、災害に強い森林づくりについてお答えをいたします。  昨年の西日本豪雨を初め、近年は想定を超える大規模な災害が後を絶たない状況にあり、森林の持つ緑のダムとしての山地災害防止機能を高度に発揮させることは、県民の安全・安心な暮らしを支える上で重要な課題と認識いたしております。  災害に強い森林づくりを推進するためには、森林の場所や地形に応じ、最適となる樹種の選定や施業が求められてまいります。  このため、県では、森林整備のイメージを3つのパターンに分け、まず、風倒木の発生が多い尾根部では、枝葉の発達した針葉樹や耐風性の高い広葉樹を混合育成する倒れない森づくりを、また、林地の崩壊が多い急傾斜地では、間伐の強化等により下層植生の発達を促し浸透水を多くするとともに、土壌緊縛力を強化する崩れない森づくりを、さらに、流木の発生が懸念されます渓流沿いでは、根張りのよい広葉樹を導入し、自然の植生に近づける流れない森づくりをそれぞれ目指すこととし、適地ごとの整備を進めたいと考えており、今後、市町や林業事業者と意識を共有し、森林所有者の理解と協力のもと、森林整備事業や治山事業などを効果的に組み合わせながら、災害に強い森林づくりに取り組んでまいりたいと考えております。  次に、女性の一次産業への就業促進についてお答えをいたします。  担い手不足や高齢化が進行する中で、本県の基幹産業である一次産業を今後も維持・発展させていくためには、多様な担い手の確保・育成が急務であり、中でも、女性は女性ならでは発想力や経営力、多彩な情報発信力を備え、地域の活性化にも欠かせない存在として注目をいたしておりまして、六次産業化や地域間交流など多面的な活躍も期待できますことから、その就業促進は極めて重要な課題であると考えております。  県では、平成28年度に、県内で活躍する一次産業女子で組織いたします一次産業女子ネットワーク・さくらひめを立ち上げ、特産品マルシェや全国交流会の開催、地元企業や百貨店と連携した商品開発などを支援いたしますとともに、その活動を広く情報発信した結果、創設時26名のメンバーが現在は87名にまで拡大し、先月には女性目線を生かした作業タオルやエプロンが商品化され話題を呼ぶなど、その活動の輪は着実に広がり、注目を集めているところでございます。  この勢いを加速させるため、来年度から、農山漁村での暮らしを希望している都市部の若い女性をターゲットに、さくらひめメンバーによります都市部への魅力発信や就業相談会への参加、就業体験ツアーの実施など、本県一次産業への女性就業促進事業を本格的に展開したいと考えており、女性のストレスオフナンバーワンの媛の国を旗印に、女性の呼び込みによる一次産業の活性化を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(鈴木俊広議長) 暫時休憩いたします。      午前10時41分 休憩   ―――――――――――――――      午前11時 再開 ○(鈴木俊広議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(田中克彦議員) 議長
    ○(鈴木俊広議長) 田中克彦議員   〔田中克彦議員登壇〕 ○(田中克彦議員) (拍手)日本共産党の田中克彦です。  重複する質問もございますが、早速、質問に入らせていただきます。  まず、子供医療費無料化拡充に向けた取り組みについてお聞きします。  県内多くの市町で、中学校卒業までの医療費無料化が進み、一部では高校卒業まで広がっています。昨年の松山市長選では、現市長が中学卒業まで医療費無料化を公約に掲げられ、3期目がスタートし、この4月からでも実施されるのだろうと期待されていた市民は少なくありません。アトピーやぜんそくなどで頻繁に通院せざるを得ない子供さんがおられる世帯では、特に待ち望まれていただけに落胆されています。実現の運びにならなかったのは大変残念で、一日も早い実現を願い、お伺いをいたします。  第1に、知事の3期目の公約には、県内市町における子供医療費無料化取り組みの底上げを図りますと書かれています。具体的な公約にこだわる知事にしては、若干抽象的なように思います。  これまで愛媛県の乳幼児医療費助成制度は、対象年齢や所得制限などにおいて四国内では遜色ないと答弁されてきましたが、徳島県では所得制限はあるものの、2017年度から対象年齢を中学校卒業まで引き上げました。公約で言われている底上げについて、県としてどういう水準を目指しているのか。また、当初予算編成に当たって、就学前から引き上げることについて具体的に検討されたのか、お聞かせいただきたいと思います。  第2に、知事は、松山市に対する医療費助成制度の補助率引き上げについて、できる限り対応する予定はあるが、まだ市から正式な要請を受けていない旨の発言をされています。松山市長が毎年直接要請しなくとも、市議会の市長与党会派議員の皆さんが知事に直接要請されましたし、市議会の一致した要望でもあります。県議会でもそれぞれの会派の予算要望に含まれており、総意のものだと考えます。事の中心は子供の健康にかかわることであり、県内市町で医療費負担に格差があることを県としてどう是正していくかという問題です。補助率引き上げをどう判断されていくのか、そのお考えをお聞かせください。  次に、子供の愛顔応援推進事業についてお尋ねします。  子育て世帯のニーズに応じたサポートや貧困などの問題を抱える子供を支える事業を実施するため、仮称子育て応援県民会議を設置し、官民共同ファンドをつくる検討などを行うとともに、子供の生活実態調査を実施し、今後の施策に反映するとお聞きしています。  子供たちの貧困は終わった問題ではありません。厚生労働省調査によれば、2015年の日本の子供の貧困率は、17歳以下の子供の約7人に1人、13.9%。親世代で見ると非正規雇用率の高さ、賃金や働き方の問題も改善が大きく進んだとは言えません。ひとり親世帯の子供の貧困率は50%を超えています。対策はまだ始まったばかりです。子供の生活実態調査を実施することは必要なことです。この調査が効果的なものになることを願い、以下、お伺いいたします。  この実態調査の対象年齢と実際の調査内容はどういったものになるのでしょうか。  2点目、子供の生活実態調査をもとに、どのように実効性ある施策へとつなげていくのか。また、先行して実態調査に取り組まれた県では、調査後どういった事業を具体的に行っているのか、お聞かせください。  仮称子育て応援県民会議は、どういった役割を果たす位置づけになるのでしょうか。  地域の子供たちに無料や低額で食事を提供する子ども食堂は、県下でも広がりを見せています。奈良県では、食材費などへの補助も行われ、宇和島市でも来年度予算案で、開設時の補助や食材購入など運営に係る費用への助成が提案されるなど、行政の支援も広がっています。愛顔応援推進事業の中で、子ども食堂への支援を拡充していく考えがあるのかお聞かせください。  次に、国民健康保険制度についてお尋ねします。  高過ぎる国民健康保険料あるいは税に住民は悲鳴を上げています。国は、国保の都道府県単位化に合わせ、国保の構造的問題の解決を求める地方の声に押され、3,400億円の公費投入を行いましたが、高過ぎる保険料の実態はほとんど改善されておりません。全国知事会では2014年、国民健康保険料を協会けんぽ並みに引き下げるために1兆円の公費投入を国に要望しておりましたが、3,400億円の公費投入がされた現在も国庫負担率の引き上げを求めています。  知事会前社会保障常任委員長の福田栃木県知事は、国保の保険料負担は大きな問題、子供がふえるほど保険料負担がふえるのは、少子化対策と矛盾すると指摘されています。  私どもは、全国知事会が求めるように1兆円の公費投入で、家族の数に応じて係る保険料「均等割」や各世帯に定額で係る保険料「平等割」をなくし、国保料を大幅に引き下げることを求めております。中でも、子育て世代の保険料を格段に高くしている均等割は、子供の貧困解消や少子化対策に逆行するもので、直ちに廃止すべきと考えます。  全国知事会は均等割の見直しを再三要望されておりますが、検討すると合意してから4年を経ても、安倍首相は引き続き検討するとしか答弁されておりません。この点でも、地方からの声をさらに強めていく必要があるのではないでしょうか。全国には仙台市など子供の均等割を軽減している自治体があるとお聞きをします。  そこで、お伺いいたします。  今年度、一般会計から国民健康保険特別会計への法定外繰り入れを行っている県内市町の数とその額はどれほどになるでしょうか。  都道府県へ移管された初年度、国保料あるいは税の引き下げや引き上げを行った県内市町は、それぞれどれほどありましたか。初年度の状況から、県として、今後どういった取り組みが必要と考えておられますか。  とりわけ、全国知事会でも見直しを求めている子供の均等割の軽減措置について、県が支援する枠組みをつくり、市町の負担軽減に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、県内で子供の均等割を廃止するとした場合、その影響額もあわせてお聞かせをください。  次に、教員の長時間労働解消に向けた取り組みについてお聞きします。  県教育委員会が昨年10月に示した2017年度県立学校教員勤務実態調査では、11月という時期でも過労死ラインと言われる月80時間以上の残業をしている教諭の割合が52.9%となっております。県教育委員会も、業務改善、部活動指導員の導入等々、教員の長時間労働解消への取り組みは進められてきましたが、本格的にはこれからというところではないでしょうか。  昨年11月に開催された中央教育審議会初等中等教育分科会では、学校における働き方改革に関する答申骨子案について、委員から、授業数の削減が大前提なのにそのことに全く触れていないとの指摘や、人材確保、予算確保という形で働き方改革を進めてもらいたい、小学校の先生の勤務を楽にするには教員を倍にするしかないなどの提言があったと報道されています。  教員の皆さんは、早く帰りたいと言っているのではなく、生徒と向き合いたい、授業の準備をしっかりしたいというのが一番の思いです。ところがことし1月に、中央教育審議会が示した答申には、授業数削減の方向もなく、教職員定数の抜本的改善にも触れず、逆に1年単位の変形労働時間制の導入などが盛り込まれています。  国が本来行うべき実効ある対策は、教員の授業持ち時間数の上限を例えば小学校で週20時間、中学校で18時間、高校15時間と設定し、教職員定数を抜本的に改善すること、部活動の負担軽減、割り増し賃金を支払う残業代制度の適用除外を改め残業代を払うことを初め、働くルールを確立すること、非正規雇用の教員の正規化などだと考えます。  そこで、お伺いをいたします。  変形労働時間制の導入は、長時間労働を助長することになりかねません。国立大学附属校などで導入した例もあるようですが、長時間労働解消になっていないとのことです。教員の実質的な長時間労働解消のためにも、愛媛県では変形労働時間制の導入はできるものではないと、国に撤回を求める考えはありませんか。  また、教職員定数を抜本的にふやす方針を国が示さない中で、愛媛県学校職員定数条例の改正も提案されております。小学校34人、中学校44人、高校16人の減となっています。国が教職員定数を抜本的にふやす方針を示さない中、県独自でも教職員定数をふやすお考えはありませんか。  昨年3月、スポーツ庁から運動部活動のあり方に関する総合的なガイドラインが示され、愛媛県も6月に、運動部活動のあり方に関する方針を出されております。週当たり2日以上の休養日を設けること、学校の運動部が参加する大会・試合の全体像を把握し、生徒や運動部顧問の過度な負担とならないよう、各学校の運動部が参加する大会数等の上限の目安を定めるなどは、国と県でも同様の指針となっております。  昨年2月議会の御答弁では、参加する大会等の見直しについて、市町教育委員会、県中学・高校体育連盟、競技団体等の意見を聞きながら検討するとのことでした。  運動部活動に週2日以上の休養日を設けることについて、どの程度定着しているのか。また、参加する大会等の見直しについて、体育連盟や競技団体とどのように協議され、大会数等の上限目安をどう定められたのかお伺いをいたします。  福井県では、先月、県教育委員会が学校業務改善方針及び部活動のあり方に関する方針を定めたことを受け、県・市町教育委員会、校長会、体育連盟、PTA連合会などがそろって記者会見し、教員の長時間労働解消に向けた共同メッセージを発表したと報道されています。共同メッセージは、教員が児童生徒に接する時間を十分確保しつつ、教員自身が人生を豊かにして人間性を高め、児童生徒に必要な指導、質の高い教育を持続的に行うため、各組織、団体が一緒になって改革に取り組む姿勢を示しています。  こうした福井県の取り組みも参考としながら、学校、PTA、体育連盟などがともに教員の長時間労働解消に取り組む姿勢を県民に示し、地域ぐるみの取り組みになるよう進めてもらいたいと考えますが、いかがでしょうか、お答えをいただきたいと思います。  さて、県立高校の全ての普通教室にエアコン設置を進めるための予算が提案されていることを率直に歓迎いたしますし、先行してエアコン設置をした高校について、PTA会費等負担から県契約として電気代等を支出することにされたのも当然のことだと考えます。  普通教室へのエアコン設置のめどが立ったわけですが、今後、災害時の避難所にも指定され、また、夏休みに利用する機会が多い体育館についても、計画的にエアコン設置を進めていただきたいと考えますが、公立小中学校の体育館も含め、教育委員会としての認識をお聞かせいただきたいと思います。  また、公立小中学校の普通教室へのエアコン設置状況もあわせてお示しください。  伊方原発にかかわって質問します。  ことし1月18日、伊方発電所敷地内の工事現場で、作業中のクレーンつきトラックが転倒するという事故が発生いたしました。報道では、事故は午前8時ごろだったとのことですが、県への連絡は午前10時54分と約3時間後、県は、連絡が遅かったとして四国電力に抗議、その後、同月28日には四国電力社長が知事に謝罪したとのことであります。  愛媛県としては、安全協定に基づく通報が当然との認識であったわけですが、社長は、現場の的確な状況把握ができなかったこと、原発設備に問題がなかったことから、連絡責任者が通報に至らないと初動判断を誤ったことなどが要因だと説明されているそうです。信頼関係が再構築できたと言えるのか疑問を持ちますが、この後も原発敷地内での事故が続いているように思われます。  2月5日には焼却炉建屋で消火設備の誤作動があり、約5.3tの消火剤ハロンガスが放出されたと報道されています。ハロンガスはオゾン層破壊物質としてモントリオール議定書で削減することが国際合意され、日本でも生産などへの規制が行われた結果、25年前から生産が禁止されています。全く影響ないものとは思われません。それが5t以上放出されたにもかかわらず、公表区分が48時間以内とは危機管理上もそれでいいのかと疑問を抱かざるを得ません。  一方で、愛媛県と伊方町、四国電力は安全協定と確認書の一部を改定し、最長24カ月まで可能な定期検査間隔について、事前協議が必要な事項として盛り込むことを確認されました。  報道によれば、四国電力幹部が延長にトライしたいとの発言が呼び水になったようでありますが、福島原発事故を考えれば、安全対策、県民の目線よりも経営を優先したもので、私は、定期検査間隔延長を電力会社の側が発言すること自体、信頼関係を踏みにじるものではないかと考えます。  そうしたことを踏まえ、お伺いをいたします。  知事は、異常事態通報のおくれについて3度目はないと言われておりますが、県として今後、安全協定による四国電力の対応を具体的にいかに検証し、対策を講じていくお考えでしょうか。  2点目、5tを超えるハロンガスが放出された影響について、環境には影響ないと判断した理由は何か。今後、影響を調査するお考えはありませんか。  3点目、知事が定期検査間隔延長について、安全問題に直結する、慎重に考えるべきとの立場をとるならば、改定する必要は全くなかったと考えます。間隔延長を検討したいと四国電力側からの相談は全くなかったのでしょうか。また、県としては、延長を検討する時期ではないと考えているのか、お聞かせをいただきたいと思います。  次に、原発ゼロ基本法案について、お伺いします。  東日本大震災福島原発事故から間もなく8年、まだ原発事故は収束しておりません。小泉、細川両元首相が顧問を務める原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟が2018年1月10日、全ての原子力発電の廃止及び自然エネルギーへの全面転換の促進に関する基本法案骨子案を発表したことを契機にして、国会にはいわゆる原発ゼロ基本法案が提出されておりますが、実質審議には至っておりません。  同法案には、福島第一原発事故を教訓にし、これまでの国の原子力政策が誤りだったことを認め、原発の運転を速やかに停止し、計画的、効率的に廃止することや、2030年までに再生可能エネルギー電気の供給割合を40%以上とすることなどが条文には書かれております。福島原発事故以来、県民への世論調査でも原発再稼働に否定的な声が多数となっております。  そこで、お伺いをいたします。  いわゆる原発ゼロ基本法案に対する知事の所見とともに、国会でこの法案が審議されていないことについて、どう考えておられますか。  また、愛媛県から、原発のない安心して暮らせる愛媛を目指し、目標年次を決め、再生可能エネルギーをさらに促進することなど、この法案の趣旨を生かし条例を制定してほしいと考えますが、いかがでしょうか。  最後に、今治新都市中核施設整備費補助金、学校法人加計学園への2回目の補助金支出が計上されていることについてお伺いいたします。  県議会は昨年6月議会で、加計学園への決議として、学園みずからが疑念を晴らすための説明を尽くすことが最も大切として、対外的な説明責任をしっかりと果たすよう求めたわけであります。この決議に対応したとして、加計理事長が1度だけ記者会見を開きましたが、いわゆる愛媛県文書を読んでいないなど、マスコミも説明責任を果たしていないと厳しく指摘されました。以後、学園からの具体的な説明を尽くす姿勢は全く見られません。知事も腑に落ちないところもあると言われています。  そもそも国会の国政調査権に基づく提出要求があり、それに真摯に対応したのは愛媛県だけです。加計学園は一切請求に応じず、1枚の文書も出しておられません。国はどうかといえば議事録は破棄したなど、こちらもまともに情報を開示しているとは言えません。学生も勉強しているんだし、財政支援も仕方がないと言われる県民の方でも、国も加計学園もまともに説明責任は果たしているとは思っていない、それが多くの県民の率直な思いです。  私は、文部科学省が認可に問題なしと言われても、文科省や内閣府含め、国はまともな説明はしておらず、首相による国政私物化問題は払拭されておりません。加計学園含め、説明責任を尽くすよう強く求めたいと考えます。  そうしたことを踏まえてお伺いをいたします。  岡山理科大学獣医学部の大動物実習棟や大講義棟の完成は今年度中となっております。昨年度の補助金支出以降、この2月議会に補助金を計上するまでに、県として直接、獣医学部に対し工事の進捗状況の確認や検証されてきた設計図面との比較など、何回検査に入られたのでしょうか。  3カ年計画での施設整備費補助金です。初年度の補助金支出後に、当時の加計学園事務局長が、行政に対し虚偽の発言を行ったことを認めています。その理由について、学園としての調査が行われたようには思えません。  幹部が起こした問題に対し、法人であれば第三者委員会を立ち上げ調査し、原因を公表した上で責任の所在を明らかにする。そして、相手方に説明を尽くす。それが、県議会決議が指摘した最低限のコンプライアンス、ガバナンスということではないでしょうか。  こうした現実を踏まえれば、決議が尊重されているとは言いがたいと考えます。少なくとも今年度に関しては、補助金を凍結しても県民から批判の声は上がらないでしょう。予算案から撤回すべきと考えますが、認識をお聞かせいただきたいと思います。  以上で質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(鈴木俊広議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(鈴木俊広議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 田中議員に、私からは、子育て応援県民会議の役割についての御質問にお答えをさせていただきます。  県では来年度、県内紙おむつメーカーと協働で実施をし始めました全国唯一本県オリジナルの愛顔の子育て応援事業をモデルに、官民協働の仕組みをさらに発展させ、市町や企業を初め広く県民の参画を得て、本県独自の子育て支援策の展開や子供を支える地域活動を応援するための基金として、子育て応援ファンド、これは仮称でありますが、その創設に取り組むこととしています。  こちらも仮称ですが、子育て応援県民会議は、県、そして市町や経済団体、また、福祉団体等で構成し、新たに創設を目指す官民共同ファンドのあり方や仕組みの具体化、そして、中立、公正な運用について協議することとしています。  その他の質問につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(西本牧史企画振興部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 西本企画振興部長   〔西本牧史企画振興部長登壇〕 ○(西本牧史企画振興部長) 今治新都市中核施設整備費補助金に関する御質問のうち、まず、本年度工事の検査状況についてお答えをいたします。  本年度完成予定の大動物実習棟などの工事について、県では、他の間接補助事業と同様、現時点では検査を行っていませんが、直接補助事業者である今治市が随時、設計協議や現地確認を行っておりまして、順調に進捗している旨の報告を受けております。  次に、予算案の撤回についての御質問ですが、加計学園による県への虚偽報告については、文部科学省に直接確認し、学部の設置認可には影響しないとの回答を得ております。  また、既に開学し、学生も熱心に勉学に励んでいることなどから、現時点では、県が今治市の取り組みを支援していくことは問題ないと認識しておりまして、予算案から撤回する考えはありません。  以上でございます。 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 福井防災安全統括部長   〔福井琴樹防災安全統括部長登壇〕 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 伊方原発について、3点御質問がございました。  まず、四国電力の対応の検証についてお答えいたします。  四国電力から、今回の通報連絡おくれの再発防止策として、異常事象発生時には、通報連絡統括官に対する迅速かつ的確な情報伝達と、同統括官による速やかな現場確認等を徹底するなどにより、えひめ方式の通報連絡体制を徹底する旨の報告を受けたところでありまして、県としては、安全協定に基づく立入調査の実施などにより、再発防止策の確実な実施を確認することとしております。  次に、消火剤ハロンガスの環境への影響についての御質問ですが、ハロン消火剤の放出事案につきましては、火災の発生や放射性物質の放出はなく、また、ハロンは人体への安全性が高い安定した物質でありますことから、伊方発電所周辺の生活環境に影響はないことを発表したものであり、法令等による排出規制等も実施されていないことから、県としては、今回の事案に係る影響を調査する考えはございません。  最後に、定期検査の間隔延長についての御質問でございますが、四国電力では、定期検査の間隔延長について、具体的な計画を進めている事実はないとしておりまして、これまで県に対して相談はありませんでした。  伊方発電所の運用方針は、第一義的には、まず四国電力が検討すべきであると考えていますが、定期検査の間隔延長については、安全性の確保が最優先であり、慎重に検討する必要があると考えております。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) 子供医療費に関する御質問のうち、市町の医療費無料化取り組みの底上げについてお答えをします。  医療費無料化取り組みの底上げについては、県の乳幼児医療費助成制度の充実により、市町の助成制度の拡充を支援するもので、県として具体的な水準を想定しているものではありません。
     子供医療費助成制度は、本来、国がナショナルミニマムとして創設すべきものであり、県としては、西日本豪雨災害からの復旧・復興対策を最優先課題として取り組む中、県の医療費助成制度の対象拡大には多くの財源の確保を要することから、補助対象の引き上げは検討しておりません。  次に、松山市に対する補助率引き上げに関する御質問にお答えをいたします。  県の財政支援を具体的に検討するには、松山市がどのような制度でいつから実施するのか等、制度の内容を踏まえる必要があると考えております。  松山市の制度設計が固まり、正式に要望がございましたら、西日本豪雨災害からの復旧・復興に取り組んでおります県の財政状況も勘案しながら、可能な範囲で支援の拡充を検討することとしております。  次に、子供の愛顔応援推進事業に関する御質問のうち、子供の生活実態調査についてお答えをいたします。  この調査は、対象年齢を3歳、小学2年と5年、中学2年、高校2年とし、小中高校生には、家庭、学校での生活の状況や進学・就職に関する希望、将来の夢などについて調査を行い、保護者に対しては、就業や生活の状況、子供とのかかわり、子育ての費用や不安などについて調査することを予定しております。  次に、子供の実態調査をもとにどのように施策へつなげるのかとの御質問にお答えします。  子供の生活実態調査の結果は、来年度見直しを予定している第2期えひめ・未来・子育てプランに反映させ、本県の実情に応じた施策の検討に生かすこととしております。  また、既に調査を実施している中、四国の4県では、支援を必要とする子供と民間団体等の活動をつなぐコーディネーターの育成や支援団体相互の連携協力体制の構築などの事業を実施しております。  次に、子ども食堂への支援についてお答えをいたします。  ファンドは、子供を支援する活動を応援する役割も想定をしておりまして、子ども食堂についても、仮称子育て応援県民会議の中で、公平に検討することとしております。  次に、国民健康保険制度に関する御質問のうち、市町の法定外繰り入れの状況についてお答えをいたします。  今年度の県内市町の国民健康保険特別会計への一般会計からの法定外繰り入れについては、決算見込みを踏まえ、年度末に判断をする市町が多いことから、現時点では明らかでありませんが、平成29年度は、速報値で11の市町が法定外繰り入れを実施し、総額は約12億5,000万円となっております。  次に、国民健康保険料等の状況についてお答えをいたします。  県内市町の平成30年度の保険料率は、前年度と比較して、引き下げが10市町、引き上げが3市町、据え置きが7市町となっております。  引き下げの市町が多かったのは、国保制度改革に伴う公費拡充の効果等によるものと考えておりますが、今後も、高齢化や医療の高度化により1人当たり医療費の増加が見込まれますことから、県としては、引き続き市町と連携し、特定健診の受診率向上など医療費適正化の取り組みを進めるとともに、国に対し、さらなる財政措置の拡充を強く求め続けることが必要と考えております。  次に、子供の均等割の軽減措置についてお答えをいたします。  子供の均等割保険料の負担軽減は、県独自で取り組むのではなく、国の制度として実施すべきと考えておりまして、県としては、これまでも全国知事会等を通じて、国に対して要望を行ってきたところでありますが、引き続き国の責任において軽減措置を講じるよう求めていくこととしております。  また、県内市町が子供の均等割を廃止した場合、減少する保険料収入の額は、平成29年度の速報値ベースの試算で約6億6,000万円となっております。  以上でございます。 ○(田中英樹経済労働部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 田中経済労働部長   〔田中英樹経済労働部長登壇〕 ○(田中英樹経済労働部長) 原発ゼロ基本法案についての御質問についてお答えします。  まず、法案に対する所見等でございますが、エネルギー政策は国策であり、国の責任において判断すべきものと認識しておりまして、本法案の内容や国会審議の状況等に関して意見を述べることは、差し控えさせていただきたいと考えております。  次に、原発ゼロ基本法案の趣旨を生かした条例の制定についてでございますが、県といたしましては、現時点で法案に先行して条例を制定する考えはございません。  なお、条例制定の有無にかかわらず、県内への再生可能エネルギーの導入促進等につきましては、各地域の実情に応じた着実な取り組みを進めているところであります。  以上でございます。 ○(三好伊佐夫教育長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 三好教育長   〔三好伊佐夫教育長登壇〕 ○(三好伊佐夫教育長) 教員の長時間労働の解消の御質問のうち、変形労働時間制についてお答えします。  1年単位の変形労働時間制導入について、中教審の答申では、その前提として年間を通じた業務量の削減などを検討することとされており、また、全国都道府県教育長協議会からも、教員の柔軟かつ多様な働き方を実現するものとなるよう国に対して要望されているなど、教員の長時間勤務の解消につながるものと考えられるため、国に対し撤回を求める考えはございません。  次に、県独自の教職員定数増についてお答えします。  公立学校の教職員定数は、標準法にのっとって算定され、少子化等による自然減がある一方で、働き方改革や複雑化する教育課題に対応するための改善も図られており、県では、機会あるごとに国への改善要望も行っていますことから、県独自での定数増は考えておりません。  次に、運動部活動における休養日の定着と参加大会等の見直しについてお答えいたします。  運動部活動の休養日については、昨年9月から12月の4カ月間を対象に行った調査では、週当たり平均で中学校が約2.4日、高校が約1.7日の休養日をとっており、おおむね定着していると考えております。  また、参加する大会等の見直しについては、県中学校体育連盟等関係団体に対して意見を聞いたところ、生徒や教員の負担に配慮した運営方法の見直しは検討するものの、大会数の削減は困難であるとのことでありましたため、上限目安を一律に定めるのではなく、学校長が参加する大会等を精査することといたしました。  次に、福井県を参考にした長時間労働解消への姿勢についてお答えします。  本県では、県・市町教育委員会、PTA連合会等の教育関係団体、経済団体等を会員とした「えひめ教育の日」推進会議を設立し、昨年度の推進大会で働き方改革をテーマとして取り上げ、地域ぐるみでその機運の醸成を図っているところでございます。  最後に、体育館へのエアコン設置等についてお答えします。  体育館へのエアコン設置の有効性は認識しておりますが、県立学校については、まずは普通教室への設置を優先して進めており、また、公立小中学校については、各市町が地域の実情に応じて整備を進めるものと認識しております。  なお、公立小中学校の普通教室については、文部科学省の臨時特例交付金を活用し、各市町で新規設置が予定されておりまして、平成30年9月現在34.1%であった設置率は、来年度末には90%を超える見通しでございます。  以上でございます。 ○(田中克彦議員) 議長 ○(鈴木俊広議長) 田中克彦議員   〔田中克彦議員登壇〕 ○(鈴木俊広議長) 田中議員に申し上げます。  初めに、再質問の項目番号を誤りなく全部述べてください。また、複数の項目について再質問を行う場合は、1問ごとに項目番号を述べてから質問を行ってください。  残りの質問時間は2分32秒です。 ○(田中克彦議員) 1の(2)、8の(1)、2つです。  まず、1の(2)松山市に対する医療費助成制度の補助率の引き上げについて、どう判断していくのかという点ですが、御答弁では、松山市の制度設計が図られ、かつ正式な要請があってからということでありましたが、今、さまざまな議論がされているようではありますが、基本的には松山市から恐らく早急な要請があるでしょう。そうした場合には、直ちに判断されていくということでいいのかどうか、御答弁をいただきたいと思います。  8の(1)今治市新都市中核施設整備費補助金について、何回検査を行ったのかということで問わせていただきましたが、県としては直接検査には入られておらずに、今治市の検査状況を聞かれているということでありました。  ただ、この補助金支出については、これだけ大きな注目も集め、県議会では決議も上げているわけですから、しかも非常に重要な施設が今年度中に建設が完了するということですので、今後については直接、県として検査に入られる、そういうお考えがあるのかどうか、その点についてお聞かせをいただきたいと思います。  以上です。 ○(鈴木俊広議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(西本牧史企画振興部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 西本企画振興部長   〔西本牧史企画振興部長登壇〕 ○(西本牧史企画振興部長) 再質問にお答えをさせていただきます。  問い8の(1)ですが、今後、県は検査に直接入る考えはあるのかというふうなお尋ねですが、昨年度の例をとりますと、昨年度の補助金支出に当たりまして、他の間接補助事業と同様に、県では、今治市が完成検査を行った後に現地調査等を行い、事業が適正に実施されているか否か、その確認をしたところでございます。  したがいまして、予算案の議決をいただいた後には、本年度も同じ手続をとることとしております。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) 再質問にお答えをいたします。  松山市から要請があれば直ちに判断をするのかというお尋ねでございますが、県の財政支援を具体的に検討するためには、松山市が拡充をしようとする制度の内容を踏まえる必要があると考えております。松山市の制度設計が固まり、正式要望がありますれば、市の要望内容を踏まえて、県の財政状況も勘案しながら可能な範囲で支援の拡充を検討することとしております。  以上でございます。 ○(鈴木俊広議長) 休憩いたします。  午後1時から再開いたします。      午前11時47分 休憩   ―――――――――――――――      午後1時 再開 ○(鈴木俊広議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(塩出崇議員) 議長 ○(鈴木俊広議長) 塩出崇議員   〔塩出崇議員登壇〕 ○(塩出崇議員) (拍手)愛媛維新の会の塩出崇です。  早速質問に入らせていただきます。  まずは、災害発生時の情報伝達のあり方と地域住民における自助意識や当事者意識の醸成についてお伺いいたします。  中央防災会議のワーキンググループにおきまして、災害過保護という厳しい発言がなされたとの報道がありました。この災害過保護という言葉は、同ワーキンググループの委員である片田敏孝東京大学大学院特任教授が述べたものであります。片田氏は、災害が発生するたびに開催された検討会で防災・減災対策が練り直され、充実してはきているが、その結果として、住民が行政の対策に依存するような社会構造になってしまったと述べています。  まさにそのとおりで、先般の西日本豪雨時において、広島県内で避難所に避難した人の割合、いわゆる避難率は、情報伝達の不備や自宅にいても安全と考える心理などさまざまな要因はあったかと思いますが、避難勧告などの対象となった住民のわずか0.74%でしかなかったとのことであります。  中央防災会議のワーキンググループは、このような事態の発生に鑑み、防災情報を5段階に区分することを提案していることから、住民にとって情報が理解しやすくなるものと思われますが、実際の避難率向上は、防災情報を受けた住民がどのように行動するかにかかっています。  先日、県におかれても、県、市町の職員や防災士の方々を初めとする防災関係の対応力向上に向けた研修会を開催され、避難促進に係る情報伝達のあり方などについて理解を深められたと伺っております。  そこで、お伺いいたします。  防災情報の確実な伝達による避難率の向上に向け、どのように取り組まれるのか。また、その情報を受けた住民が自分のこととして行動するという意識の変革、すなわち当事者意識をどのように醸成されるのか、お聞かせください。  次に、AIについてお伺いいたします。  2017年3月に、AIの活用に関する質問をいたしました。その後、県におかれましては積極的に関連施策を展開していただいておりますが、少子高齢化による人口問題等を含めて、AIが地域活性化などの原動力となることは確実であり、能動的な取り組みが必須であることは言うまでもありません。  中村知事におかれましては、これまでAI活用への取り組みに対する強い思いを常々表明されております。先日も、AIについて、今取り組まなければ取り残されることになるという強い危機感をにじませる発言をされました。まさにそのとおりであると思います。  今さらとは思いますが、AIの現状と今後について、少し述べさせていただきます。  例えば、メルカリは、AIを中心に据えた経営の転換に踏み切りました。また、中国のバイドゥは、タクシーの配車、自動運転レベル4の実用実験にAIを活用するなど、申し上げれば切りがありません。2030年には、日本の労働人口の49%がAIなどで代替可能になると言われております。  一方で、教育現場では、AI活用による授業改善と働き方改革も進みつつあり、学習効率は上がっているものと考えます。これがさらに進展することで、AI教師、ロボット教師が出現する日もそう遠くないと思います。  AI技術の世界的潮流、この分野でおくれをとっている日本。その中で愛媛県がどう対処し、どう浮かび上がるのか、全く予断を許さない状態です。  先日、農林水産委員会の県外視察で、静岡県の先端農業推進拠点施設であるAOI−PARCを訪問いたしました。この施設の基本理念である、大きな未来を描き、小さく生んで走りながら大きく育てる、の走りながらという言葉が行政らしくないと思うと同時に、AIに関して私がふだんから考えていたことと合致したため、強く印象に残っております。  愛媛県では、今回の当初予算案において、AI・IoT等デジタル技術活用推進事業を初め、介護分野AI・ICT導入促進事業、木材増産AI構築モデル事業などに係る経費を計上し、AI関連施策を幅広い分野で展開されるとのことでありますが、これまで実施した施策に係る事業効果はいかがでしょうか。予算を組み、執行、そして決算を経て初めて効果の検証が行われ、確定するのが一般的な物の見方と十分承知はしておりますが、事AIに関しましては、そのような悠長なことでは通用しないと思われます。  AIに関しておくれをとらないために、まずはスタートダッシュが重要で、そして走りながら大きく育てるというAOI−PARCの理念にのっとり、がむしゃらに走りながら検証を重ね、また、方向性を修正しつつ、走り続けることしかないのだろうと考えております。  AIの得意とするところは、膨大なデータを収集し、分析、みずから学習するディープラーニングを行い、最適解をはじき出すことであると思われますが、この最適解は、人間の設定により、いかようにも変化させられるものです。したがいまして、最終的には人間がどのようにAI、人工知能をコントロールするかによるものではありますが、その前提として、AI本来の特性を生かすためには、現在、県が行っているAI関連施策について、全庁を横断的に統括する組織、すなわち関連部署が持つさまざまなデータを有効に取りまとめて統合する統括組織のさらなる充実が必要ではないかと考えております。縦割りによるAI活用ではなく、全体を俯瞰するとともに、個々のAI関連施策を整理統合し、さらなる効果拡大を狙う頭脳が必要ではないでしょうか。これがAI的発想だと考えます。  そこで、お伺いいたします。
     県におけるAI活用への取り組みの現状と全庁を横断的に統括する組織の拡充を含めた、今後の方針についてお聞かせください。  次に、子供の貧困についてお伺いいたします。  2018年9月に経済協力開発機構が発表した2015年の小学校から大学までに相当する教育機関への公的支出対GDP比率は、日本はわずかに2.9%にとどまっており、OECD加盟国のうち、比較可能な34カ国中最下位です。しかも、前年、2014年に引き続いてということです。  国は常々、少子化対策として子供を大切にしなければならないというものの、教育に係る費用が公的資金で賄われる割合は低く、高い学費の多くを家庭が負担している様子が数値に如実にあらわれていると言えます。  加えまして、国家百年の計は教育にありと言われるにもかかわらず、国立大学の運営費交付金も右肩下がりとなる中で、研究現場では果たして期待される成果は得られるものでしょうか。また、今後、一層進むグローバル化の波にどう太刀打ちするのでしょうか。このような国の姿勢を見ていると、愛媛独自に愛ある愛媛の教育システムを別途確立しなければ、教育現場でのさまざまな課題は山積する一方ではないかと思われてなりません。  さて、金融広報中央委員会主催の第16回金融と経済を考える高校生小論文コンクールにおいて、松山西中等教育学校4年生の池内陽さんが書いた、子ども食堂の充実などをテーマにした小論文が、最高賞となる全国公民科・社会科教育研究会会長賞に輝いたとの報道がありました。池内さんが子供の貧困対策に資する取り組みとして深く考察した子ども食堂には、私も地元で何度か参加させていただいております。  子ども食堂は、月に一度、フードバンクの支援あるいは近隣農家からの食料提供を受けながらボランティアメンバーが運営しており、いっときの居場所と心のこもった温かい食事の提供を受けることができることから、利用した子供たちからは、一様にやわらかなほほ笑みがこぼれておりました。  子供の貧困とは一体何なのか。経済的な貧困ともう一つ、心の貧困が取り沙汰される中で、学力や健康への影響が指摘されるなど、子供たちは厳しい状況下に置かれています。高校生である池内さんが、子供の貧困に目を向け、提言されていることは大変すばらしいことであると思いますが、逆に考えますと、行政による施策がそこまで講じられていないことのあらわれともとれます。  少子化がこれだけクローズアップされる中で、子供が直面する社会的な困難は、確実に増加しております。県を初めとする関係機関と地域住民がこれまで以上に一体となって、子供たちの将来に資する喫緊の対策を講じるときではないでしょうか。また、教育の問題に関しましても、全ての子供たちが安心して学ぶことができるよう教育費の負担軽減を図るなど、教育の機会均等を保障するための施策が求められるところであります。  そこで、お伺いいたします。  地域と一体となった子供の貧困対策について、県では、今後、どのように取り組んでいかれるのか。また、子供に対する学びの機会の充実や就学支援の現状と今後の取り組みについてお聞かせください。  次に、児童虐待についてお伺いいたします。  子供が虐待に遭い、亡くなる事件が発生するたびに大きく報道がなされておりますが、昨年、虐待が原因で亡くなった船戸結愛さんが覚えたての平仮名でノートに書き残した「もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」という心からの叫びは、今も忘れられません。  2017年度における18歳未満の子供への虐待件数は過去最多を更新しており、国も、子供に対する親の懲戒権を認めた民法の見直し等を検討する考えを示しております。  幾つかの大切な命が失われてからの対応では遅いことは言うまでもありませんが、事件等が発生しなければ手を打たないのが政治であれば、それは一体誰のための政治なのかと思われます。親の心にどのような変化が起こったのか、親子の関係にどのような亀裂が生じたのか、そして、その原因は何にあるのか深く追及し、対応すべきなのでしょうが、そんな時間的な余裕は到底ありません。もうこれ以上被害者を出すわけにはいきません。  市町の子育て支援担当課におかれては、文字どおり親子に寄り添い、子育てを支援することが責務であることは言うまでもありません。一方で、児童相談所は、親子関係に介入して再構築を支援することが責務とされており、両者ともに子供たちを大切に育てるという共通目的を持っているものと考えます。それぞれが職務を忠実に遂行しようとするがゆえに、意見等の相違が生じることも多少はやむを得ないと思われますが、それを追及し過ぎることで、本来の目的を見失うのではなく、お互いの情報共有はもとより、当事者に寄り添った子育て支援や、何よりも子供たちの心のケアに重きを置いて職務を全うしてほしいのであります。  そこで、お伺いいたします。  児童虐待防止のための関係機関との連携について、県はどのように考えておられるのか。また、専門職員の確保など、児童相談所の専門性の向上にどのように取り組まれるのか、お聞かせください。  次に、養子縁組についてお伺いいたします。  諸外国では、養子縁組の非常に多い国があると聞きますが、日本でも古くから養子縁組を促進する動きはあり、時代によって、家名存続のためであるとか、あるいは家業存続のために、ごく普通のしきたりとして実施されていたことは事実であります。  国は、1987年の法改正で、虐待や貧困などを理由に生みの親と一緒に暮らせない子供と血縁のない夫婦が法的な親子になることができる特別養子縁組制度を創設いたしました。この制度は、子供と生みの親、そして育ての親の三者の関係が円滑に進むことを目的として創設されたものであり、生みの親と子供との関係が継続する普通養子縁組とは異なり、関係が断絶することに特徴があります。  しかし、国が全国の児童相談所等に対して行った調査によりますと、特別養子縁組を検討するべき案件であるのにもかかわらず、制度上の各種制限によって特別養子縁組を行うことができないケースも多く、近年の特別養子縁組の成立件数は年間500から600件前後にとどまっております。  このような中、国では、それらのネックを解消するため、裁判所による審査の仕組みを初め、子供の対象年齢を原則6歳未満から原則15歳未満に引き上げるなどとする見直しを進めております。  今、何らかの理由で貧困や虐待等に苦しみ、親元で生活ができず、保護を必要とする子供たちは全国で約4万5,000人にも上るとされています。生みの親であるにもかかわらず、子供を健全に育てることができていない夫婦がいる一方、子供を育てたいのに何らかの事情で育てることができない夫婦もいる中で、今回の見直しは苦しんでいる子供たちをより広く救うことのできる新たな展開であると考えます。  県としても、新たな特別養子縁組制度の周知徹底に努めることはもとより、同制度を利用する場合に相談窓口の一つとなる児童相談所において柔軟な対応に努めていただき、今後、身の回りで特別養子縁組をしたという人がふえることで、厳しい状況に置かれている子供たちを一人でも多く救ってほしいと考えます。  そこで、お伺いいたします。  特別養子縁組制度の強化とその対応についての御所見をお聞かせください。  次に、地学地就についてお伺いいたします。  本年1月、教育再生実行会議は、高等学校の改革に関し、全国で239万人もの生徒が学ぶ現行の普通科による画一的教育は生徒のニーズに合わず、学習意欲を減退させているとして、進路希望や個性に応じた形で専門性の高いコースで学ぶことができることを目的に、コース分けを検討する旨の中間報告をまとめました。これにより、普通科以外の総合学科や専門学科のあり方についても随時見直しが実施されることになります。小手先だけでの教育改革ではなく、50年後、さらには100年後も見据えた愛ある教育改革としていくべきではないかと考えます。  このような中、国内では、少子化による人口減少が確実に進行しており、地方から都市部への急激な人口移動も大きな問題となっております。  全国的には、東京への一極集中を解消するための施策も唱えられてはおりました。しかし、いまだその成果は見えておらず、地方においては中核都市への一極集中も見られる中で、本県においても、昨年の西日本豪雨災害により、南予地域から中予地域へ、または県外へ転居された方も少なくないなど、さまざまな要因により地方における人口減少に拍車がかかってきているのではないかと考えます。  そこで目を向けていただきたいのが、県内高校における専門学科等の生徒です。これらの生徒の活躍には目覚ましいものがあり、例えば川之石高校総合学科は、温州ミカンなど新たに4品種の柑橘で、農産物の生産工程管理に関する国際規格であるグローバルGAPの認証取得を目指していますが、先月には校内の農場で収穫した同規格認証取得済みの不知火を台湾国内で販売しております。また、丹原高校園芸科学科も同規格認証取得済みのブドウを同じく、台湾国内で販売しております。伊予農業高校食品化学科は、全国高校生パンコンテストにおいて入賞を果たすなど多くの成果を上げており、愛媛県に欠かせない存在と期待しているところであります。  中でも、専門学科等における地学地就の成功例であると思われるのは、造船王国愛媛で地学地就による次世代スペシャリストを育成し、地域経済の発展と地方創生に貢献することを目指す今治工業高校機械造船科であります。同校では、学びの空間を地域に広げ、地域の教育資源を効果的に活用した造船教育を実践しており、例えば地元企業の協力による現場技能実習を初め、今治市や今治地域造船技術センター、地元企業等が一体となった連携体制を構築し、教育内容や指導方法などの協議、また、教員研修などを実施しているほか、愛媛大学等の協力による実験や講義など、産学官が連携したさまざまな取り組みが進められております。  しかしながら、このような取り組みが進展している中、心配な点もあります。確かにこれらの専門学科等を卒業した生徒の多くは地元に就職し、地域を支える貴重な戦力とはなっておりますが、一方で、本県全体での離職率が高いという実態があります。その原因が雇用のミスマッチにあるのか、就業に対する教育不足であるのかは検討してみなければわかりません。  そのような状況下、県外学生による地元企業への就職促進に注力することは、人口移動の面からももちろん大切なことでありますが、地元の子供たちを地元に厚く迎え入れることは、より意義あるものと考えます。  そこで、お伺いいたします。  地学地就を一層充実したものとするため、今後、どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお聞かせください。  最後に、私の地元西条の水の現状についてお話をさせていただきます。  私は、平成24年に西条の水を守る会を立ち上げ、年2回、加茂川の表層水、地下水、水質等に関する勉強会を継続しております。  西条の水文化とは、うちぬきに象徴されます。うちぬきとは、地中にパイプを打ち込むだけで水が自噴するものです。しかし、このような地域は西条市でも限られており、近年、この本来のうちぬきは減少しております。今では、ポンプアップしたものをうちぬきと誤解される向きがあるようです。実は、西条駅前、西条総合文化会館前に見える水のモニュメントは、本来のうちぬきではありません。  西条市におきましては、多くの市民がこのうちぬきを、すなわち水文化を大切に守りたいという思いであります。私も地元県議として、市民の思いをしっかりと受けとめ、今後も西条の水文化が守られることを願いつつ、質問を終わらせていただきます。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○(鈴木俊広議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(鈴木俊広議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 塩出議員に、まず、AI活用への取り組みの質問にお答えをさせていただきたいと思います。  IoTで収集したビッグデータを人にかわってAIが分析する一連のデジタル技術は、従来の産業・社会構造を大きく変革させる可能性があるため、県では、えひめAI・IoT推進コンソーシアムを設立しまして、県内企業の生産性向上や新たなビジネスモデルの創出を支援するとともに、各部局における業務効率化や行政サービスの高度化に向けたシステム開発等に取り組んでいるところでございます。  このうち企業への支援につきましては、今年度、県内企業の身の丈に合ったシステム導入を促進するため、330件に及ぶ国のIT導入補助金の採択を支援したほか、県内ものづくり企業と県外企業の業務提携等が3件実現するなど一定の成果は出ており、来年度は、機械設計や日本酒づくりの熟練者の技能レベルを再現する支援システムの開発にも産学官共同で取り組んでいきたいと考えております。  このほか、今年度から実施しているAIを活用した庁内の会議録作成支援や、ビッグデータの分析による生活習慣病対策などに加え、来年度からは、AIケアプランの導入支援や、手作業によるデータ入力などの定型業務を自動化する通称RPAの実証等に取り組むこととしています。  AI活用の鍵はビッグデータの収集、集積にあることから、県では、蓄積データの将来の統合や二次利用も視野に入れ、現在、庁内にAI・IoT政策推進班を設置しまして、各部局の取り組みについて情報共有や連携課題の検討等を進めております。当面はこの組織を活用しながら、日進月歩で進化するAI等デジタル技術の導入に積極的に取り組んでまいりたいと思います。  次に、子供の貧困対策についての御質問にお答えをさせていただきます。  県では、第2期えひめ・未来・子育てプランに基づきまして、教育や就労、生活等の各分野で、市町や関係機関と連携しまして、子供を持つ貧困世帯等への支援に取り組んでいるところでありますが、地域においても、子ども食堂や学習支援など、住民や地元団体等が支え手となりまして、さまざまな支援活動が行われているところであります。  また、今年度、子供の貧困対策に取り組む団体や企業等が集うセミナーを開催しまして、関係者のネットワーク形成や支援活動の促進を図るとともに、自転車店の協力を得まして、卒業等で不要となりました通学用自転車を回収、整備し、中高生に提供する新たな助け合いのモデル事業もスタートさせたところでございます。  さらに来年度は、幼児から高校生まで子供の生活実態等について調査をしまして、子育てプランの見直しに反映させ、効果的な施策展開につなげるほか、官民共同の子育て応援ファンドの創設を図り、愛媛オリジナルの子育て支援策に加え、貧困等の問題を抱える子供に対する支援活動を促進するなど、地域全体で子育てを応援する仕組みづくりに取り組むこととしており、今後とも貧困等の家庭環境に左右されることなく、子供の希望がかなえられる社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 福井防災安全統括部長   〔福井琴樹防災安全統括部長登壇〕 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 防災情報の確実な伝達等による避難対策の御質問にお答えいたします。  西日本豪雨災害では、住民避難のあり方が大きな議論となっておりまして、検証委員会でも、自主防災組織等の避難誘導が有効に機能した一方で、豪雨で避難情報が聞こえなかったことや、避難情報の重要性が十分認識されず、避難行動に結びつかなかったことなどが指摘されております。  こうした中、国では、住民がみずからの命はみずからが守る意識を持つ社会への転換を目指して、住民が理解しやすい5段階の警戒レベルの防災情報の提供によりまして、住民主体の避難行動を支援することとしております。市町が適時、的確に避難勧告などを発令できるよう、今年度内に避難勧告等に関するガイドラインを見直す方針を示しているところでございます。  このため、県では、国のガイドラインに沿って、市町や防災関係機関等とともに新たな制度の円滑な運用と住民の理解促進に努めますとともに、住民への確実な情報伝達のための戸別受信機等の整備促進や災害情報システムの高度化に取り組むこととしております。  さらに、地域住民の防災意識を醸成し、主体的に避難行動をとることができますよう、防災士の養成加速と自主防災組織の活動のさらなる活性化、さらに避難行動を促すDVDなどを用いた意識啓発などに市町等と連携して取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) 児童虐待防止に関する御質問にお答えをいたします。  児童虐待の防止には、児童相談所を中心に、身近な相談支援等を行う市町や児童に日常接し虐待の兆候発見しやすい学校、保育所、捜査権限を有する警察等の関係機関が緊密に連携をして、虐待の早期発見、早期対応につなげることが重要であります。  このため、これら関係機関で構成する市町の要保護児童対策地域協議会において虐待等の情報を共有し、支援策を検討、協議するとともに、児童相談所では協議会のネットワークが有効に機能するよう、児童支援コーディネーターを派遣し支援するほか、警察との確認書の締結による情報共有の促進や面会を拒絶する家庭への警察官との同行訪問など、子供の安全確保を最優先に関係機関との連携強化に努めているところであります。  また、県では、児童相談所に教員や福祉職、保健師、心理士等の専門職員を配置拡充いたしますとともに、虐待対応に当たる警察官の配置や、対応困難事案等について弁護士から法律や司法手続等に関する助言等を随時受けられる体制の整備も図っておりまして、今後とも児童相談所の専門性の一層の向上を図るとともに、関係機関との連携を強化し、児童虐待の防止に努めてまいりたいと考えております。  次に、特別養子縁組制度に関する御質問にお答えします。  特別養子縁組は、実の親が何らかの理由で子供を育てられない場合に育ての親に託す制度でありますが、養子となる子供の年齢要件が原則6歳未満であることや、家庭裁判所の審判確定前であれば、実の親が縁組の同意を撤回できるなどの課題がありまして、全国的に成立件数が低調でありますことから、先月、制度の見直しについて国の審議会から答申がなされたところであります。  答申では、養子となる子供の年齢を原則15歳未満に引き上げるとともに、実の親による同意撤回期限を原則2週間に制限をするほか、児童相談所長による家庭裁判所への申し立てを可能とするなどの制度改善が図られておりまして、児童養護施設等に入所中の子供によりよい養育環境をもたらす機会が拡大するとともに、養親、養父母の負担も軽減され、同制度の活用の拡大につながるものと考えております。  県といたしましては、制度見直しの動向を踏まえますとともに、実の親との親子関係の終了など縁組成立に伴う環境の変化が子供に及ぼす影響にも十分配慮をしながら、子供はもちろんのこと、養親に対してもきめ細かな相談支援に努め、子供が温かく安定した家庭環境のもとで養育されるよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(三好伊佐夫教育長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 三好教育長   〔三好伊佐夫教育長登壇〕 ○(三好伊佐夫教育長) 子供の貧困に関する御質問のうち、学びの機会の充実と就学支援についてお答えいたします。  県教育委員会では、教育の機会に恵まれない子供を含む全ての児童生徒が、学校教育以外の場面でも学びの機会を得られるよう、各市町と連携して、教員OBらが放課後等に学習を支援するえひめ未来塾や、地域の人材を活用して体験活動等の提供を行う放課後子ども教室、土曜教育活動の開設を推進するなど、地域ぐるみの教育支援体制の充実に取り組んでいるところでございます。  また、経済的に就学が困難である家庭を対象に、義務教育段階では、各市町が学用品費や学校給食費等を援助しますとともに、県立高校では就学支援金により授業料相当額を支援するほか、就学のための給付金や奨学金貸与により学用品費や教材費等を支援するなど、児童生徒の就学に必要な支援を行っているところであります。  今後とも、就学支援のための各制度の周知や適切な支援の実施に努めますとともに、地域ぐるみの教育支援を拡充するなど、全ての子供たちが安心して学ぶことのできる環境づくりと学びの機会の充実に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、地学地就の充実についてお答えいたします。  県教育委員会では、今治工業高校への機械造船科設置を契機として、地元で学び、将来にわたって地元で活躍する、いわゆる地学地就をキーワードに、地元企業を知るスペシャリストとしての資質を高める教育を推進し、地元に貢献できる人材を育成しているところでございます。  具体的には、専門学科で地元企業と連携した技術指導や商品開発、長期のインターンシップや国内外での県産品のPR活動などを行うほか、全ての学科で愛媛ものづくり企業スゴ技データベースの活用や地域貢献型の学校魅力化プロジェクト等に取り組むことにより、愛媛で働く魅力を生徒に伝えております。  また、早期離職への対策としては、就職を希望する生徒と企業とのマッチングを重視するとともに、卒業後1年間、就職者からの相談に乗るなどのフォローを行うことにより職場への定着を図っております。  さらに、来年度以降、えひめジョブチャレンジU−15事業を拡充して、全ての公立中学校で5日間の職場体験を実施することは、地元就職へのさらなる後押しになると考えておりまして、今後とも地域産業界との連携を図りながら、地学地就の取り組みの一層の充実を図り、地元への愛着を持ち、地域とともに課題解決に取り組む人材の育成に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(鈴木俊広議長) 暫時休憩いたします。      午後1時42分 休憩   ―――――――――――――――      午後1時59分 再開 ○(鈴木俊広議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(大西渡議員) 議長 ○(鈴木俊広議長) 大西渡議員   〔大西渡議員登壇〕 ○(大西渡議員) (拍手)自民党志士の会・無所属の会の大西渡でございます。
     早速ですが、質問に入らせていただきます。  まず最初に、集落対策についてお伺いします。  県が発表されたことし1月1日時点の推計人口によりますと、本県の人口は135万人を切り、前年と比べて1万2,576人減の134万9,273人となったとのことであり、依然として県内の人口減少に歯どめがかからない状態が続いています。その要因の一つとしては、県内からの若者の流出が挙げられるのではないかと思うのであります。  いよぎん地域経済研究センターの調査によりますと、県内出身者が愛媛を離れ県外で暮らし始めるきっかけは、進学が約5割を占めているとのことで、県外に進学した若者のうち65%が卒業後、愛媛での就職を希望しなかったとのことであります。多くの若者が大志を胸に親元を離れ県外で学生生活を送ることは、人として成長する上で大切なこととは思いますが、これほど多くの県内出身者が愛媛に戻っていないことは大変残念に思うと同時に、こうした人口減少は、仕事が少なく、居住環境の不利な島嶼部や中山間地域から顕著に進行するのではないかと心配するところであります。  一方で、都市から地方への田園回帰を唱える島根県の持続可能な地域社会総合研究所の藤山浩氏によりますと、平成22年と27年の国勢調査のデータを独自に比較分析したところ、過疎指定市町村の1割の市町村が社会増を実現しているとのことであり、とりわけ離島や県境付近の山間部の小さなまちや村から人口の取り戻しが始まっているとのことであります。この動きは、逆境の中にあっても子育てや移住支援策を充実させ、地域社会の維持を図ろうとしておられる各自治体の取り組みのたまものであると思います。藤山氏は、こうした分析を踏まえて、1%の定住を増加させることで人口安定化が達成できる人口取り戻し1%戦略を提唱しておられます。  県土の6割を過疎地域が占める本県においては、藤山氏の考えにいち早く着目し、今年度から地域住民が主体となって目標を設定し、その達成に向けて積極的に活動し、意識の醸成を図ろうとする取り組みを支援されております。私は、まことに時宜を得た取り組みであると高く評価するものであります。  そこで、お伺いいたします。  人口減少が一段と進み、過疎地域における小規模集落の維持がこれまで以上に困難となる中、集落の持続的な発展に向けどう取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。  次に、知事の3期目の公約にも掲げられている創業支援のための施策である愛媛グローカル・フロンティア・プログラムの取り組み状況についてお伺いいたします。  本県にはこれまで、県内で創業し、さまざまな技術革新や新製品の開発等を通じて日本の産業の近代化に大きく貢献するとともに、事業規模を拡大してグローバルに展開している企業が多数ありますが、近年では地域産業を支える人材不足が慢性化し、経済活力の原動力となる企業を生み出す開業率は全国平均を下回る状況が続いており、この状況を打開し、地域経済を維持、発展させていくためには、これまで以上に地域の実情に応じたきめ細かな創業支援に力を入れていく必要があるのではないかと考えております。  そのような中、県では、今年度から、「愛媛から、はじめる」をキーワードに、全国初の試みとして、首都圏の創業希望者をスカウトし県内での創業につなげるために、創業支援の専門家である創業クリエーターを東京都内に配置し、UIJターンにより県内で創業や事業承継などを目指す意欲の高い人材の誘致、相談、育成等を行う愛媛グローカル・フロンティア・プログラムの取り組みを開始されました。  また、県内の市町に目を向けますと、私の地元の東温市では、女性の起業家に目を向け、定期的なセミナーを通じて、魅力ある店舗、商品づくりや情報発信方法等を学ぶワークショップを開催するとともに、セミナー参加者が学んだノウハウを発揮できるよう見本市を開いて消費者の声を聞き、その後の起業につなげる取り組みを行っております。  また、西条市では、地域資源の有効活用や地域課題の解決につながる新たなプロジェクトにチャレンジする起業型地域おこし協力隊を全国から募集し、移住者による新産業の創出を目指していると聞いております。創業に向けた支援の取り組みが県内に広がるとともに、活気を帯びているように感じられます。  そのような中、先日、安倍総理は、第198回通常国会における施政方針演説において地方創生について触れ、地方に魅力を感じ、東京から地方へ移住し、起業、就職する若者の背中を強く後押しし、地方への人の流れを加速する。若者たちの力で地方の輝ける未来を切り開くと発言されましたが、このことは、全国に先駆けて、首都圏からの移住希望者をターゲットに創業支援の強化に取り組んでいる本県にとって追い風となるもので、これから事業を推進し、チャレンジ精神あふれる起業家の創業の実現と定着を手助けしていく上で大変心強く感じているところであります。  そこで、お伺いいたします。  愛媛グローカル・フロンティア・プログラムのこれまでの成果はどうか。また、今後、事業の推進に向けてどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。  次に、東温スマートインターチェンジについてお伺いします。  東温市は、東は桜三里、南は皿ヶ嶺連峰、北は高縄山系の山々に囲まれ、重信川は豊かな水で扇状地を潤し、道後平野は田畑として人々に大きな恵みをもたらしてきました。  また、平成6年には、松山自動車道のいよ西条から川内インターチェンジの間が、平成9年には川内から伊予インターチェンジの間が供用されるなど、高速道路を初め、道路交通ネットワークの整備が進んできたことに伴い、重信工業団地や川内工業団地など市内の工業団地に国内有数の企業が進出し、企業税収は増加傾向を維持しており、近年、市の人口は減少が続いている一方で、東温市内の事業所の従業員数は、平成8年の1万2,000人から平成28年の1万6,000人と、この20年間で約1.3倍に増加しております。  このように、東温市は、恵まれた自然環境と企業進出による地域経済活動が調和しており、県都松山市のベッドタウンとしてだけでなく、市自体が大きな魅力を有する都市近郊型の田園都市として発展を続けております。  魅力ある東温市を将来にわたって発展させるためには、人や仕事を呼び込み雇用を創出すること、そして、その雇用を安定的に維持することが不可欠であり、市の強みである、企業にとって災害の少ない、立地しやすい、広い土地があることや高速道路へのアクセス性など良好な交通環境を有することなどを最大限に生かすとともに、これまで以上に魅力のある地域に発展させることが求められています。  このような中、国から昨年8月10日には、東温スマートインターチェンジが新規事業に採択されたという吉報が届き、私も地域の皆さんとともに喜びを共有しているところであります。完成すれば、地域住民の高速道路へのアクセス性が格段に向上し、住みやすいまち東温のさらなる魅力アップにつながるものと期待を膨らませております。  また、既存の工業団地と高速道路のアクセス性が向上することで、物流面から企業活動を支援できるほか、現在、市が東温スマートインターチェンジ付近に整備を進めている約8haの新たな工業団地の計画とも相まって、企業誘致の促進や雇用の創出などにもプラスに働き、その後押しとなるのではないかと考えているところであります。  高速道路は、単に走行時間の短縮や定時性の確保といった道路利用者の利便性の向上だけでなく、地域の自然環境を生かした農産物の出荷や企業進出による地域経済の活性化などの効果を生み出すものと考えられます。既存の高速道路を有効に活用し、地域の活性化に好循環をもたらすためには、当該地域においてもスマートインターチェンジの設置が不可欠でありますので、早期に整備をしていただきたいと願っております。この事業は、NEXCO西日本と東温市が相互に協力しながら整備を進めると伺っておりますが、着実な整備には県の支援がぜひとも必要でありますので、各方面からの協力をあわせてお願いしたいのであります。  そこで、お伺いします。  東温スマートインターチェンジの事業の進捗状況はどうか。また、整備完了後の効果はどのように見込んでいるのか、お聞かせ願いたいのであります。  次に、本県における交通死亡事故抑止対策の進捗状況についてお伺いします。  本県の交通死亡事故の発生状況は、発生件数、負傷者数ともに平成17年以降、14年連続して減少しております。平成25年から70人台と高どまり状態であった交通事故死者数も、平成30年には59人と大幅に減少いたしました。また、人口10万人当たりの交通事故死者数についても、平成29年には全国ワースト2位という極めて危機的な状況でありましたが、昨年は11位にまで改善いたしました。  昨年は、残念ながら交通死亡事故抑止アンダー50の達成には至らなかったものの、交通死亡事故を大幅に減少させることができたことは、交通安全県民総ぐるみ運動愛媛県本部を初め、関係機関や団体が一丸となり、官民一体となって交通事故抑止対策に取り組んだ成果であるものと認識しているところであり、関係各位には、これまでの取り組みに対して厚く敬意を表する次第であります。  しかしながら、依然多くのとうとい人命が、交通事故で失われていることは変わりありません。交通事故発生件数の本県の割合は全国の約1%であるのに対し、交通事故死者数は全国の約2%であります。これは、本県で死亡率の高い交通事故が多く発生しているということであります。  悲惨な交通事故を1件でも減少させ、県民の安全・安心を確保するためにも、今後も引き続き交通安全県民総ぐるみ運動愛媛県本部が中核となり、県、市町、県警等の関係機関や団体が連携して、交通死亡事故はもとより、交通事故の抑止に向けた各種対策を講じていくことが何よりも大切であります。これらの対策を通じて、全ての運転者、自転車利用者、歩行者がそれぞれの立場で交通安全を意識し、安全な道路交通環境を実現するという社会的機運を高めていくことが重要であります。  加えて、交通事故を確実に減少させていくためには、本県の交通事故の特徴や要因を詳細に分析し、それに基づいた交通事故の特徴等に応じた対策をタイムリーかつ計画的に推進していくことが必要であると考えます。  県警では、多角的かつ緻密な交通事故分析を進め、構造的な要因の抽出をされており、その分析結果によると、致死率が高い交通事故の要因として、歩行者と車両による交通事故が全国に比べて多発しているとのことであります。  県警では、本年、交通死亡事故のさらなる抑止に向けて、車両と歩行者の交通事故抑止対策を最重点とした各種取り組みを強力に展開していく予定であると聞いております。ことしこそ県民の総意である交通死亡事故抑止アンダー50の達成に向けて、県警の総力を挙げた交通死亡事故抑止のための対策を推進されるよう期待しているところであります。  そこで、お伺いいたします。  本県の交通死亡事故抑止対策の推進にどのように取り組んでいくのか、御所見をお聞かせください。  次に、特別支援学校の教室不足対策についてお伺いします。  県立特別支援学校では、本校7校、分校2校において、知的障がいや肢体不自由などさまざまな障がいのある子供たちに寄り添い、真摯に向かい合って障がいの状態に応じた教育を推進されております。  このほかにも、県教育委員会においては、キャリア教育の一環として、特別支援学校の生徒の働く意欲を高め、その力をアピールする機会にもなっている愛顔のえひめ特別支援学校技能検定の実施や校舎の耐震化完了、また、本年度中に特別支援学校の普通教室、特別教室全てにエアコンを設置するなど、教育環境の整備に取り組んでいただいております。このことは、心から敬意を表したいと思います。  さて、近年、少子化の進行等により、全国的な傾向として義務教育段階の児童生徒が減少している一方で、特別支援学校に就学、在籍している児童生徒は増加傾向にあり、本県においても平成30年5月時点で、特別支援学校に在籍する児童生徒数は1,528人、前年同期比で53人の増加で、県教育委員会によると、この10年程度の間に約1.5倍増加しており、少なくとも今後5年程度は増加傾向が続く見通しであります。  このように、特別支援学校の児童生徒数が増加している理由としては、特別支援教育や障がいへの理解が深まったことから、子供のニーズに合ったよりよい支援や進路指導を求めて、特別支援学校を選択する保護者がふえていることなどが挙げられていますが、全国的に見ても、児童生徒の増加に教室の確保が追いつかない、いわゆる教室不足対策が課題となっております。  本県においても、全国的な傾向と同様に、学校現場においては、標準とされる人数を超える児童生徒が、一つの教室にやむを得ず在籍しているケースもあり、本来あるべき教室の役割や機能が必ずしも十分ではなく、教育活動への支障が出始めております。  こうした中で、各学校では普通教室を間仕切り等で2分割して使用したり、実習室や準備室などの特別教室を普通教室に一時的に転用するなどして何とか工夫して対応しているとのことですが、もはや限界に近い状態であります。  そこで、お伺いします。  特別支援学校におけるよりよい教育環境の整備を図っていくためには、教室不足の解消に向けた早急な対策が必要と考えますが、県教育委員会としてどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。  最後に、道徳教育の充実についてお伺いします。  近ごろ大手メーカーの幹部がそろって頭を下げ、わびる姿がよくテレビで見られます。日本に冠たる自動車産業や鉄鋼業、建設業などの大企業であります。データ偽装や品質不正、手抜き工事など、不正の数々は全く信じられず、裏切られたような空虚感さえ覚えるのであります。  顧みるに、戦後、廃墟の中から立ち上がった我が日本国民は、懸命に働き、国民総生産を増大させ、経済大国にのし上がり、世界の人々を驚愕させました。これは加工貿易を適正に行ったからであります。メイド・イン・ジャパンは、安くて間違いのないよいものであると世界から折り紙をつけてもらい、絶対の信用を置いてもらったからにほかなりません。日本の製品はうそ偽りがないとして、世界が信用して購入してくれた結果であります。  この信用のレッテルは、長年かかって築かれたものであることは論をまたないことですが、今、その信用が大きく揺らいでおります。なぜ日本人は変わってしまったのでしょうか。なぜうそ偽りが横行しているのでしょうか。これは大丈夫なのかと一たび疑問を持たれれば、誰もメイド・イン・ジャパンを手にとらなくなります。信用を一度失えば、回復するのは極めて難しく、日本の貿易の行く末も目に見えているとしか思えません。  また、現在の日本では、政治家、官僚、マスコミを初め、学者、経営者などに至るまで平気でうそをついたり、不正なお金を受け取ったり、おのれの失敗を他人のせいにしたり、あるいは産地を偽装したりするなど、自己保身と損得でしか物事を判断できない日本人が何と多いことかと感じざるを得ません。世界の経済大国と言われるまでになったはずが、衣食足りても礼節を知らず、無責任、無節操で羞恥心を知らない日本人の姿が連日報道されています。  今、日本人は、日本人としての自信と誇りを取り戻し、日本人としての矜持を持たなければならないのではないでしょうか。では、そのためにはどうすればよいのでしょうか。私は、それはひとえに教育にかかっていると考えております。  台湾に行くと、君は日本人だから日本精神を持っているだろうと言われることがあります。日本精神とは何か。日本精神とは、うそをつかない、不正なお金を受け取らない、失敗を他人のせいにしない、時間や約束を守る、与えられた仕事に最善を尽くすなどであるとされ、これまで道徳心として我々が培ってきたものだと思います。この道徳心を教育の力によって、日本の未来を担う子供たちの中にしっかりと根づかせていくことが重要ではないか。そうすることで、これからの世界の中で、日本人としての矜持を持って、他人と協力しながらさまざまな課題を解決し、活躍しようとする子供たちの自信や誇りにつながるのではないか。このように考えると、私は、ICTやAI等の発達により教育環境が大きく変化する次世代においてこそ、ますます道徳教育の充実が求められることになると考えます。  そこで、お伺いします。  県教育委員会では、小中学校における道徳教育の充実に向けてどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。  なお、今回の本会議での質問が、私の議員生活の締めくくりであります。これまで県民のよりよい生活を願って県政に取り組んでまいりましたが、今後ともその思いは色あせることはないとの強い思いを抱いて、この質問を閉じたいと思います。日本国と愛媛県に栄光あれ。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(鈴木俊広議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(鈴木俊広議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 大西渡議員に、まず、愛媛グローカル・フロンティア・プログラムについての御質問にお答えをさせていただきます。  少子化の進行と若者の県外流出等により人口減少が進む中、将来の地域経済を担う起業家人材を確保するため、県では今年度から、首都圏等の創業希望者を県内に積極的に呼び込むとともに、創業からその後の定着、成長までをオール愛媛で支援する愛媛グローカル・フロンティア・プログラムを推進しています。  これまで他県に先駆けて東京に置いた創業クリエーターの精力的な活動に加え、大手IT企業や新聞社など、多くの企業の参画や俳優伊勢谷友介氏の協力等もあり、国から愛媛モデルと評価されるなど、取り組みの認知度が向上し、地域課題解決型のビジネスプランを募集したEGFアワードには、県内外から85件の応募が先般ございました。  現在は、最優秀賞を受賞したサイクリスト向けに多様なサービスを提供する総合宿泊施設の開設などの熟度の高い55件の事業化を支援しており、既に当初目標を上回る15件で法人設立等が完了しているところでございます。  来年度は、東京でPRイベントを実施し、新たなビジネスプランの募集拡大に取り組むほか、これまでの支援策に加えまして、国の交付金を活用した最大200万円の補助金支給制度も創設し、すぐれた案件の伴走支援を強化したいと考えており、引き続き市町やえひめ産業振興財団、金融機関等と協力し、一件でも多くの事業化をサポートすることで、本県経済の活力維持につなげていきたいと思います。  次に、特別支援学校の教室不足に関する御質問にお答えをさせていただきます。  障がいのある子供たちにつきましては、その年齢や能力、個々の障がいの特性等に応じた教育環境の整備が重要であり、特別支援学校の児童生徒数が増加傾向にある中で、これまで新居浜特別支援学校の本校化に伴う新校舎の増築や産業科の設置、みなら特別支援学校高等部としての松山城北分校の開設等に取り組んでまいりました。  しかしながら、特に知的障がいの特別支援学校については、大幅な児童生徒数の増加に伴い、年々、教室不足が深刻化しておりましたことから、県では、東予地域において新居浜特別支援学校の分校を四国中央市の小学校に設置することとしまして、平成33年4月の開設に向けまして、四国中央市と協力しながら計画的に現在、準備を進めているところでございます。  一方、中予地域の知的障がい教育の中心となっているみなら特別支援学校では、現時点で11教室が不足しており、教室を2分割したり、実習室等の特別教室を普通教室に一時的に転用するなどして対処しておりますが、同校の教室不足は今後も続くと見込まれ、さらなる対策が急務となっていると考えます。  このため、みなら特別支援学校の敷地内に新たに14教室分の校舎を建築しまして、平成32年4月から使用するため、来年度当初予算案に所要の経費を計上させていただきました。  今後とも、特別支援学校で学ぶ子供たちが、自立と社会参加に向け生き生きと学び、笑顔で学校生活を送ることのできるよう、教育環境の整備、そして充実を図ってまいりたいと思います。  大西渡議員におかれましては、今回の質問で議員生活に終止符を打たれるという御発言がございました。  昭和40年代に郷土愛の強い関谷勝利先生、また、その後の関谷勝嗣先生に秘書として仕えられ、その薫陶を受けて、何せ郷土愛の強い両先生でしたから、地域課題の解決に秘書官としても御活躍されたことと思います。平成19年からは県議会議員に立候補され、議席を得られた後は、特別支援学校があるということも影響したんでしょうか、特に障がい者の問題あるいは子供の困窮、貧困問題、そして過疎の問題、いわば弱い方々の視点に立って、現場の経験を生かして、理想論を語るだけでなく、現実的かつ地に足のついた政治活動に邁進されたものと思います。  途中体調崩されたこともございましたけれども、公人としての自覚を持って、あれだけお好きだったお酒も一切断たれまして、健康に留意されて政治生活を全うされたこと、心から敬意を表させていただきたいと思います。どうぞ御健康に気をつけられまして、今後ともふるさとのためにその経験を生かして御指導賜りますよう、心からお願い申し上げたいと思います。  その他の質問につきましては、関係理事者の方からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 ○(西本牧史企画振興部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 西本企画振興部長   〔西本牧史企画振興部長登壇〕 ○(西本牧史企画振興部長) 集落対策に関する御質問にお答えをいたします。  本県では、平成26年度から、小学校区程度の規模で多様な地域活動を担う地域づくり協働体の構築を支援してまいりましたが、次のステップとして、人口取り戻し1%戦略の考え方を活用した持続可能な集落づくりを目指して、30年度から2カ年計画で、伊予市三秋、松野町蕨生・奥野川、愛南町緑の3地区において、集落活性化モデル構築事業に取り組んでいます。  今年度は、藤山氏による人口分析結果や現地報告会でのアドバイスを踏まえ、地区ごとにワークショップを実施し、地域住民の皆さんが主体となり、定住者の増加に向けた目標を設定した上で、集落人口の安定化を目指した具体的な取り組み内容について検討を進めてきたところでありまして、各地区において策定した計画に基づき、来年度は、交流人口の拡大や地域イベントの開催、地域資源の活用などの実践を図ることとしております。  県としては、今後とも、みずから積極的に活動できる集落の構築を引き続き支援いたしますとともに、3地区の先進的なモデル事例を成果発表会などを通じて他の地域へと波及させていきたいと考えておりまして、市町や関係機関と緊密に連携して集落の維持、活性化を図り、地域の方々がいつまでも安心して住み続けられる元気な集落づくりに全力で取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(杉本寧土木部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 杉本土木部長   〔杉本寧土木部長登壇〕 ○(杉本寧土木部長) 東温スマートインターチェンジに関する御質問にお答えをいたします。  昨年8月に事業採択された仮称東温スマートインターチェンジについては、事業主体であるNEXCO西日本と東温市が、9月に地元住民や地権者を対象に説明会を行い、ことし1月から測量に着手したところでありまして、平成35年度の完成を目指しているところでございます。  このインターチェンジは、企業誘致や農産物の販路拡大に加え、坊っちゃん劇場や大型商業施設へのアクセス向上、交通分散による松山インターチェンジ周辺道路の渋滞緩和にも効果を発揮するものと考えております。  また、近傍には、愛媛大学附属病院などの医療機関や自衛隊松山駐屯地、県警機動隊基地が立地していることから、迅速な救急搬送や大規模災害発生時の速やかな救援活動を可能にするなど、県下全域の安全・安心の確保にも寄与するものと期待しているところでございます。  県といたしましても、交通量の増加が見込まれるインターチェンジ周辺道路の安全対策を図るため、県道の交差点改良や歩道整備を進めているところであり、今後とも国や東温市、NEXCO西日本との緊密な連携のもと、一日も早いインターチェンジ完成に向け、支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(三好伊佐夫教育長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 三好教育長   〔三好伊佐夫教育長登壇〕 ○(三好伊佐夫教育長) 小中学校の道徳教育の充実についてお答えいたします。  国際化や情報化が急速に進展し、価値観が多様化している現代社会にあって、子供たちがよりよく生きるためには、物事の善悪について的確に判断し、誠実かつ謙虚に向き合う意思や態度など、人としての基盤となる道徳性を養うことが重要でありまして、教育活動全体の中でさまざまな場や機会をとらえて行われる道徳教育のかなめとして、道徳の授業の果たす役割は極めて大きいものと認識しております。  このため、県教育委員会では、道徳の教科化に対応し、問題解決的な学習や体験的な活動を通して、子供たち自身が道徳的価値の意義を実感する実践が行われるよう、指導と評価に関する本県独自の資料を作成し各学校に配付しますほか、小中学校6校を推進校に指定し、考え、議論する道徳のあり方について、教師が具体的に学び合う場を設けるとともに、実践研究の成果を県内に普及することにより、物事を多面的、多角的に考え、多様な価値観を尊重する子供たちの態度を育成しております。  今後とも、答えが一つではない道徳的な課題を一人一人の子供が自分自身の問題として捉え、向き合う指導を重視し、日本人としての自覚や誇りを持たせますとともに、国際的視野に立ち、新しい文化の創造と社会の発展に貢献し得る能力や態度が養われるよう、道徳教育の質的充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。
    ○(松下整警察本部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 松下警察本部長   〔松下整警察本部長登壇〕 ○(松下整警察本部長) 交通死亡事故抑止対策に関する御質問にお答えいたします。  昨年中の県内における交通事故死者数は59人であり、前年に比べ大幅に減少したものの、これは全国の交通事故死者数の約1.7%に相当しておりまして、県内の交通事故発生件数が全国の約0.8%であるのと比較しますと、交通事故死者数の多い状況が依然として続いております。  昨年中の交通死亡事故を見てみますと、歩行者対車両の事故が半数近くを占めており、これが本県での交通死亡事故の多い大きな要因と考えられますところ、これらの事故は、車両の速度超過や運転者の歩行者保護意識が低いことに起因していると考えております。  そこで、県警では、昨年から交通事故の発生状況を踏まえた幹線道路等での速度抑制対策を強化するとともに、ドライバーに対する歩行者保護意識の醸成を図るため、横断歩道止まろうキャンペーンを展開しております。あわせて、自転車の安全利用や高齢者の事故防止対策についても、引き続き取り組んでいるところであります。  今後とも、関係機関、団体と連携を図りながら、県民総ぐるみで交通死亡事故抑止に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。   ――――――――――――――――― ○(鈴木俊広議長) 以上で質疑を終局し、全議案をお手元に配付の委員会付託議案一覧表のとおり、また、請願につきましては、お手元に配付の文書表のとおり、各委員会に付託いたします。  各委員会は、7日及び8日の2日間に付託議案及び請願について審査の上、13日の本会議で各委員長からその経過と結果を報告願うことにいたします。   ――――――――――――――――― ○(鈴木俊広議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明6日、11日及び12日は議案調査のため、9日及び10日は休日のため休会いたします。  7日及び8日は委員会が開かれますので、本会議はありません。  13日は、本会議を開きます。  日程は全議案及び請願の審議であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後2時44分 散会...