愛媛県議会 2019-01-28
平成31年行政改革・地方分権特別委員会( 1月28日)
委員 松井 宏治
委員 松下 行吉
委員 村上 要
委員 渡部 浩
〇
欠席委員[1人]
委員 中田 廣
〇その他の出席者[0人]
〇
出席理事者[4人]
(総務部)
行財政改革局長 仙波 純子
人事課長 武村 洋三
行革分権課長 目見田 貴彦
(
企画振興部)
情報政策課長 井上 敬之
午前9時58分 開会
○(
森高康行委員長) やや予定の時間より早いのですけれども、おそろいでございますので、ただいまから
行政改革・
地方分権特別委員会を開会いたします。
なお、
中田委員は、都合により欠席する旨の連絡がありましたので、お知らせします。
委員の皆さん、
携帯電話等に気をつけていただきたいと思います。
最初に、今年度初めてこの委員会に御出席をいただきました理事者を紹介いたします。
○(
人事課長)
人事課長の武村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○(
森高康行委員長) 以上で紹介を終わります。
それでは、これより議事に入ります。
本日の
会議録署名者に
村上要委員、
松下行吉委員を指名いたします。
本日の議題は、県庁における働き方改革の取組みについて、
次期行政改革大綱の
検討状況について、及び
地方分権改革に関する
提案募集の
実施状況についてであります。
議題について、理事者の説明を求めます。
○(
行革分権課長) それでは、県庁における働き方改革の
取り組みについて御説明いたします。
資料1の1ページをお願いいたします。
官民問わず喫緊の課題であります働き方改革につきましては、国が平成28年6月に閣議決定しましたニッポン一億総
活躍プランにおきまして、最大の
チャレンジは働き方改革であるとして、
改革実現のための実行計画の策定などを審議する
働き方改革実現会議を同年9月に設置し、同一労働同一賃金の実現、長時間労働の是正を初めとするさまざまな議論が行われてきたところでございます。
これらの議論を経て、平成29年3月、柔軟な働き方がしやすい
環境整備、女性・若者の人材育成、子育て・介護等と仕事の両立、障がい者の就労、高齢者の就業促進などに重点的に取り組むことなどを明記しました働き方
改革実行計画が決定され、その後、平成30年6月に働き方
改革関連法が成立し、平成31年4月から順次施行されることとなりました。
また、同法により、
民間企業につきましては、新たに原則月45時間、年360時間を上限とします罰則つきの時間外勤務の上限規制が導入されますが、
地方公務員につきましても同様の見込みとなっております。
県におきましては、これまでも
行政改革に終わりなしとの理念のもと、
指定管理者制度の導入などのアウトソーシング、
総務系事務の
効率化等に取り組んできましたほか、全庁共通の
重要課題としまして、
超過勤務の縮減にも努めていますが、限られた人員で県民の多様なニーズや高度・複雑化する業務への迅速な対応が求められておりますこと、また、
少子高齢化・人口減少により、将来的に人材の確保が困難になることが避けられないことなどから、これまでの
取り組みだけでは限界があり、業務環境の改善や、これまでにない手法による改革により、働き方そのものの変革、長時間労働の是正、多様な人材が柔軟な働き方を通じて最大限の能力を発揮できるような職場環境の整備を進めていく必要がございます。
こうした状況を踏まえまして、働き方改革にもつながる
業務効率化の手法としまして、今年度、
最新IT技術等を活用した新たな
取り組みとして、AIを活用した
会議録作成等支援システムと
愛媛県庁版テレワークの導入に
取り組みました。
本日は、昨年8月から運用を開始しましたAIを活用した
会議録作成等支援システムと、ことし3月から導入予定の
テレワークによる働き方改革の
取り組みについて御説明いたします。
まず、AIを活用した
会議録作成等支援システムについて、御説明いたします。
資料1の2ページを御覧ください。
近年、
AI技術は急速に進化を遂げており、民間では既に、施設や物品の
適正管理や
データ入力などの作業をAIに代行させて、
業務効率化を図る動きが始まっておりますが、本県におきましても、
超過勤務の縮減や職員が政策を企画・立案する時間の拡充を図り、結果として
県民サービスの向上にもつなげることを目的としまして、昨年8月の
知事定例記者会見から、AIを活用した
会議録作成等支援システムの運用を開始したところでございます。
まず、会議録の
作成支援につきましては、知事の記者会見や
各種委員会などで、職員が手作業で行っている会議録の作成、いわゆる文字起こしを民間会社の
Googleが
インターネット上で無料提供しておりますAIによる
音声テキスト化サービスを利用して、会議録の作成時間を大幅に短縮するものでございます。
これまで会議録の作成は、
ICレコーダー等で録音、職員による文字起こし、音声と入力内容の確認という手順で行われてまいりましたが、音声を聞き取りながらの作業となりますため、会議の何倍もの時間を要しておりました。この作業を省略化すべく、
Googleが提供する
AIサービスを利用するための通信環境、AIが音声を認識する精度を高めるための集音機器、
専用ノートパソコンで構成されます
システムを構築することで、リアルタイムでの文字起こしが可能となりました。
職員は、返送されたデータの確認・修正だけを行えばよくなり、作業時間を大幅に短縮することが可能で、
超過勤務の縮減、政策を企画・立案する時間の拡充、県民への情報提供の迅速化の一石三鳥が可能となり、県庁の働き方改革の推進とあわせて
県民サービスの質の向上にもつながるものと考えております。
同
サービスによります
日本語変換の正答率は約70%から80%と言われておりますが、
知事記者会見のように集音環境がよい場合は、約90%とさらに高くなっておりますほか、
AI技術は日々進化しておりまして、今後、さらなる精度の向上が期待されるところであります。
続きまして、2ページの下のところでございますが、
紙媒体文字の
自動テキスト化支援ですが、これまで紙媒体でしか残っていない資料を再利用する際は、職員が内容を一から打ち直しておりましたが、同じく
Google提供の
サービスを利用しまして、資料の映像をAIに読み込ませることで文字に変換するものでございます。
当
システムにつきましては、どちらも
インターネットを介してデータをやりとりするため、
情報漏えいのリスクがゼロではないことから、会議録の作成につきましては、利用対象を公開されている
知事記者会見や
委員会等、
紙媒体文字の
自動テキスト化につきましては、公表可能な文書に限定しております。
なお、本
システムを利用しました所属にアンケートしたところ、録音状況によって精度に差が生ずる問題は見られるものの、
録音データの再生・停止を何回も繰り返して書き起こす手間が大幅に軽減された、思っていた以上に精度が高く助かったなど、おおむね好評でありますため、さらなる利用促進に取り組むこととしております。
本日は、
システム一式を準備しておりますので、実際に
音声データの
テキスト化の様子を見ていただければと思います。
○(
森高康行委員長) では、スクリーンの方に注目してください。どうぞ席を移動していただいて結構です。
〔映像視聴〕
○(
行革分権課長) 先ほど、知事の
定例記者会見時のデータをとったものを見ていただきました。途中、どうしても音声が正確にとれない記者の質問などに、反応できない部分はありましたが、知事の声であれば、約9割以上は正確に文字が起こせるため、一から手作業で起こしていたときと比べて、大幅に職員の事務は軽減されたという状況でございます。
それでは、続きまして、2つ目の
取り組みとなります
テレワークの導入につきまして、御説明いたします。
資料1の1ページにお戻りください。
テレワークにつきましては、国の働き方
改革実行計画の柔軟な働き方がしやすい
環境整備の中で、子育てや介護と仕事の両立の手段となり、多様な人材の能力発揮に有効なものであるとして具体的に盛り込まれておりますほか、
在宅勤務の実施による通勤者の減少も見込まれることから、来年の
東京オリンピック開催中における首都圏の
交通混雑回避のための対策としても、国が奨励しているところでございます。
全国的にも多数の自治体で導入が進んでいますほか、
民間企業におきましては、大規模な企業ほど導入比率が高くなっておりまして、総務省の平成29年
通信利用動向調査で、資本金50億円以上の企業では4割超が導入済みとなっているところでございます。
本県におきましては、子育てや介護による離職の防止、ワーク・ライフ・
バランスの実現などを目指した仕事環境の整備及び改善を図るための有効な手段として、平成28年度から関係課で検討組織を立ち上げて検討を始めてまいりまして、平成29年度には
テレワークシステムに係る基本設計、今年度は制度の検討及び
システム構築を行いまして、この3月から運用を開始することとしております。
資料1の3ページをお願いいたします。
本県の
テレワークは、業務を行う場所によって、自宅等において専用の
パソコンを用いて業務を行う
在宅勤務、庁外で同じ専用の
パソコンを使用して業務を行う
モバイルワーク、各地方局や東京・大阪にある
県外事務所に設置する専用の
執務スペースで業務を行う
サテライトオフィス勤務の3つの類型をいずれも導入いたします。
テレワークの制度等の概要につきましては、基本的に全職員が利用できることとし、
専用パソコンを用いて、庁舎の外からふだん業務で使用している
庁内システムや個人・所属の
共有フォルダに保存された
電子データを使い仕事ができるようになり、まさに外部から自席の
パソコンとほぼ同じ機能が利用可能となりますほか、
ウェブ会議システムを導入し、本庁と地方局・
県外事務所といったように、遠隔でも職員同士が顔を見ながら、同じ資料を見て、打ち合わせ・協議などができるようになります。
なお、制度の運用につきましては、
テレワークを積極的に利用してもらい、業務の改善やワーク・ライフ・
バランスの実現につなげますため、職員が利用しやすいよう、端末機を各部局や各地方局に数台ずつ配置し、端末機の借り受けを行いやすくすること。部局長に対しては個別に端末機を配付する予定としており、庁外に出ているときでも
庁内システムの活用により迅速な意思決定が図れるようにするなど、トップから率先して利用するとともに、部下職員に対し、積極的な利用を呼びかけること。出張に出る職員に対し、端末機をとりあえず持ち出してみることを徹底させるほか、育休から復帰予定の職員も端末機を利用可能とするなど、モデルケースの創出に努めること。また、端末機を持っていれば、外部から
庁内システムを操作することができますので、
メールチェックや報告書の作成など、簡単な作業につきましては移動中に済ませ、出張終了後に無理に庁舎に戻って
超過勤務をすることなく、自宅に直帰することを推奨することなどの呼びかけを行いたいと考えております。
最後に、資料1の4ページを御覧ください。
テレワークの導入による業務改善の効果につきましては、このページの資料のとおり想定しておりまして、先ほど説明させていただきました3類型のいずれにつきましても、時間の
有効活用による
業務効率の向上や
超過勤務の縮減、出張先からの直帰が可能となるなど、移動時間の削減や隙間時間の
有効活用によるワーク・ライフ・
バランスの実現のほか、特に
在宅勤務につきましては、働き方の選択肢がふえることにより、仕事と家庭生活の両立が図られ、育児・介護を理由とした休職・離職の防止により、人材の確保にもつながる効果が見込まれております。
制度の導入後につきましては、これらの効果測定のため、利用者に対する
アンケート調査を行いまして、ワーク・ライフ・
バランスの実現や
業務効率化に資する定性的・定量的な効果を検証してまいりたいと考えております。また、
システムや制度の改善点につきましても洗い出しを行いまして、より使いやすい制度となるよう改善を行っていくこととしております。
今後、3月からの導入に向けまして、制度の周知や端末機の操作方法などの職員研修を行いまして、スムーズな導入を目指しますとともに、導入後に働き方の選択肢の一つとして職員に積極的に使ってもらえるよう、しっかりと準備を行ってまいりたいと考えております。
県庁における働き方改革の
取り組みに関する説明は以上でございます。
続きまして、
次期行政改革大綱の
検討状況について御説明いたします。
資料2の1ページをお願いします。
平成27年8月に策定しました現在の
行政改革大綱(第2ステージ)では、愛顔あふれる愛媛県を実現するための
土台づくりを基本理念としまして、挑戦と実行、
オール愛媛、
現場主義を柱に、
行政改革に終わりなしとの認識のもと、
行政効率化や
財政健全化など、不断の改革に取り組んでおりますが、今年度で
推進期間の終期を迎えますことから、現在、
次期大綱の策定に向けて作業を進めているところでございます。
まず、主な
取り組み状況や課題についてでございますが、ページ中ほどの枠囲みのところでございます。
Ⅰの挑戦と実行では、
チャレンジ改革として、重要施策の積極的な推進を図るため、より足腰の強い
行財政基盤の構築を推進しております。
主な成果としましては、財政指標の改善や
県税徴収率の向上、計画的な定員管理などがございますが、豪雨災害からの復興や防災・
減災対策など、複雑化・多様化するさまざまな課題に着実かつ積極的に対応するため、一層の財源確保やスクラップ・アンド・ビルドの徹底によるめり張りのきいた予算編成、限られた職員の効果的・効率的な配置、部局横断的な
横串組織の構築や活用をさらに進める必要がございます。また、
業務効率化とともに、
年次有給休暇の取得や男性職員の育児参加など、ワーク・ライフ・
バランスの充実に向けた
職場づくりも必要であると考えます。
次のⅡの
オール愛媛では、
チームワーク改革としまして、県民の総合力の発揮を目指して、市町との連携強化やNPO、
ボランティア、大学、企業など多様な主体による協働、他県との
広域連携などに取り組んでおります。
主な成果としましては、全国の市区町村が行革の優良事例を共有し、取り入れることでさらなる行革につなげる
行革甲子園の開催のほか、20市町との人事交流による職員の人材育成などがございますが、
人口減少対策や
地域経済活性化といった共通課題の解決や実需の創出のため、県民・市町・企業などさまざまな主体との連携のさらなる強化により、
オール愛媛で総合力を発揮して、
重要課題に立ち向かう必要がございます。
次のⅢ、
現場主義では、
ボトムアップ改革としまして、
政策立案型行政への転換に取り組んでおります。
主な成果としましては、部局横断的な課題に対応するための
横串組織を設置し、効率的な検討に活用したり、
課長級昇任候補者選考試験の実施による能力・実績重視型の人事管理などに取り組んでおりますが、
政策立案能力や現場力をさらに高める
職場づくりや職員の
意識改革の実践、加えて
地方分権推進のための国への提言の継続などが、今後とも必要であると考えております。
続きまして、これまでの成果や課題を踏まえますとともに、昨今の情勢変化など、新しい視点を加味して作成しました
次期行政改革大綱の骨子(案)について御説明いたします。
資料2の2ページをお願いします。
次期行革大綱のスローガンは、これまでの「みんなでつくろう、愛顔あふれる愛媛県」への挑戦とし、
地方分権時代に対応し得る
県庁組織づくりに引き続き取り組むこととしております。
第3ステージにおけます県政の課題としましては、豪雨災害からの
創造的復興や防災・
減災対策、
人口減少対策、地域経済の活性化の深化などがありまして、これらに積極果敢に立ち向かえる県庁組織に強化していくためには、これまで以上に徹底した
行財政改革を進めることが必要となっております。
また、AIを初めとする
IT技術の急速な進化、働き方改革の推進の観点から、官民を問わず仕事の
進め方自体の変革が求められる中、これまでの削減・縮小ありきの
行政改革ではなく、行革を前向きな
イノベーションと捉え、最新の
IT技術や外部を含む多様な人材を積極的に活用することにより、新たな課題や長期計画の
アクションプログラムに着実に対応すべく、行政のクオリティーの向上を図ってまいります。
まず、挑戦と実行、
チャレンジ改革につきまして、これまで歳出削減や組織・定員の見直しなどに取り組んでまいりましたが、依然として厳しい財政状況の中、限られた予算の効率的な執行、組織の
適正管理の徹底などにより、国の
財政状況等に柔軟に対応できるよう、引き続き主体的な
行財政改革を進めてまいりますが、新たに
行政イノベーションの推進を基本施策に加え、
デジタルマーケティングの推進、AI等の最新技術の活用、
テレワークの
有効活用、
内部管理事務の外部委託の検討などに取り組むこととしております。
資料2の3ページをお願いいたします。
続いて、
オール愛媛チームワーク改革につきましては、これまでと同様、分権の主体であります
基礎自治体の市町との連携を拡大・深化させ、県と市町が一体となって効率的な行政を推進するとともに、NPO、
ボランティア、
民間団体といった多様な主体との協働を図るなど
オール愛媛体制で取り組むことにより、県民の総合力の発揮につなげるほか、他県との
広域連携も引き続き推進してまいります。
最後に、
現場主義、
ボトムアップ改革につきまして、これまで以上に
行政イノベーションを推進するため、課題解決のための
横串組織の活用、職員の
意識改革、多様な人材の活用などにより、職員・組織を成長させ、県民目線に立った行政の推進や
現場起点による国への提言などにも引き続き取り組んでまいります。
推進期間につきましては、
県長期計画の基本計画であります
アクションプログラムとあわせまして、平成31年度からの4年間としております。
資料2の4ページを御覧ください。
次期大綱の骨子(案)の考え方に基づき、体系図(案)として整理したものです。
チャレンジ改革では、効率的で効果的な
行財政運営を推進するため、財政・組織・業務の改革に向けた
取り組みを、
チームワーク改革では、県民の総合力発揮により地域課題に対応していくため、県・市町連携のさらなる推進や、
民間団体や他県との連携を進めるための
取り組みを、
ボトムアップ改革では、
政策立案型行政への転換に向け、組織機能の強化や職員能力の向上、
現場起点による国への提言強化などの
取り組みを進めたいと考えております。
今後、当委員会や
民間有識者で構成します
行政改革・
地方分権推進委員会の御意見、庁内での議論を踏まえ、具体的な肉づけを行いまして、成案を得たいと考えております。
以上、
次期行政改革大綱の
検討状況に関する説明でございます。
最後に、
地方分権改革に関する
提案募集の
実施状況について、御報告いたします。
資料3の1ページをお願いいたします。
提案募集制度につきましては、地方の発意と多様性を重視した
制度改革の提案を広く募る制度として、平成26年度から導入された
ボトムアップ型の
地方分権改革の
取り組みでございます。
今年度の
提案募集におきましては、本県から、
地域医療介護総合確保基金の
交付要綱等の
早期発出、林業の
技能実習2号認定に係る全国的な
業界内合意形成要件の緩和、それから、
母子生活支援施設への
入所決定権限を有する機関の拡大の3項目を提出いたしました。資料では、提案ごとに現場での
支障事例及び改善を求める措置の内容とあわせまして、昨年12月に閣議決定されました提案に対する国の
対応方針を整理しております。
まず、1の
地域医療介護総合確保基金の
交付要綱等の
早期発出に係る提案におきましては、当該基金は、都道府県の内示と
交付要綱の発出が例年8月と遅いことから、事業者が年度当初からの
事業実施をちゅうちょし、十分な事業期間の確保ができないといった
支障事例を踏まえて、年度当初の
交付要綱発出を提案したものでございます。この提案につきまして、国の
対応方針では、年度当初からの着手が可能となるよう、毎年度の要綱発出を廃止し、運用通知についても事業の早期着手に資する観点から、可能な限り早期に発出を行うとの通知が行われました。
2の林業の
技能実習2号認定に係る全国的な
業界内合意形成要件の緩和に係る提案につきましては、
外国人技能実習制度で
農林水産業のうち林業のみが
技能実習2号の対象外でありますため、1年での帰国を余儀なくされており、十分な
技能実習が困難となっていることから、全国的な業界内の
合意形成要件を緩和し、
都道府県単位で
業界内合意形成が整った地域から
手上げ方式で認めることを提案したものでございます。この提案につきましては、国が直接執行する事業の運用改善に該当し、地方に対する規制緩和には当たらないということで、
提案募集の対象外と整理されております。
3の
母子生活支援施設への
入所決定権限を有する機関の拡大に係る提案につきましては、
DV被害者等の相談件数が高水準で推移しているにもかかわらず、近年の要保護母子の
施設入所世帯数が減少傾向であり、相談から施設入所による保護・支援に結びついていないケースが想定されますことから、
児童相談所や
婦人相談所等の初期の相談機関に
施設入所決定権限の付与を求めるものでございます。この提案につきましても、具体的な
支障事例が示された場合等に調整の対象とするとされ、今年度は
提案募集の対象外とされたところでございます。
今年度は、本県提案3項目のうち、1件のみ対応されることとなっております。
次に、これまでの本県からの提案に対するフォローアップの状況につきまして、主なものを御報告いたします。
資料3の2ページをお願いいたします。
これは、過去の提案に対しまして、国から示された
対応方針について、その後の対応状況が公表されているものでございます。
1の
地方創生推進交付金活用事業について、4月1日からの
事業着手が可能となる作業体制の構築につきましては、
地方創生推進交付金について、地方の創意工夫をより生かすため、4月1日からの
事業着手が可能となるよう、
交付決定の前倒しを実施し、申請様式の早期提示、相談機会や説明の機会を十分に設けることを求めたものです。この提案に対しましては、県が求めるとおり、
実施計画提出に係る事務連絡が
早期発出され、平成30年4月1日に
交付決定がなされるなど、年度当初からの
事業着手が可能となっております。
2つ目の
補助対象財産の
財産処分における
補助金返還要件の緩和につきましては、
地域グリーンニューディール基金事業に係る
補助対象財産の
財産処分における
補助金返還要件を緩和するため、
環境省所管の
国庫補助事業等により取得した設備の
財産処分につきましては、
当該設備を設置する老朽化した建物の建てかえに伴い、
当該設備と同様の効果を発揮する代替設備を設置する場合にも補助金の返還を要しないことを求めたものでございます。この提案に対しましても、県の求める内容が通知等により明確化されております。
続きまして、県内市町からの提案状況を御報告いたします。
資料3の3ページをお願いいたします。
今年度は、県内2市1町から5件の提案を行い、
対応方針が示されましたのは、今治市2件、砥部町2件の計4件でございます。
今治市提案の1の介護保険被保険者証等の交付及び再交付申請における個人番号記入の見直しにつきましては、条件つきではありますが、提案に沿った形で省令を改正し、2019年中に個人番号の省略が認められる見込みとなっております。
2の給与支払報告書における配偶者特別控除対象者の個人番号を記入する欄の追加につきましては、平成30年3月に省令を改正し、給与支払報告書の記入様式に特別控除対象配偶者の個人番号記入欄が追加されております。
資料3の4ページをお願いいたします。
3の砥部町提案の小型児童館における職員配置基準の地域の実情を踏まえた弾力的運用につきましては、職員配置基準について、児童の遊びを指導する者1名と、それ以外の者1名とすることが可能であることを2018年度中に明確化するとの方針が示されております。
最後の4の介護予防・日常生活支援総合事業の事業所指定方法の見直しにつきましては、介護予防・日常生活支援総合事業の指定事業者の指定に係る事務につきましては、既存の仕組みを活用し、一括で行うことが可能であること及び活用事例について、地方公共団体に2018年度中に周知するとの方針が示されたところでございます。
以上、
提案募集につきましては、自治体が主導権を持って地方分権を進められる貴重な機会でありますが、全国的に市町村からの提案が低位に推移しておりまして、制度が十分生かし切れていないことが全国的な課題とされております。
本県におきましては、市町職員を含めました研修会の開催や県が積極的に市町に共同提案を促すことにより、県内の市町の提案比率が全国で最も高くなっており、一定の成果があらわれているものと考えております。
また、今年度におきましては、資料3の5ページ、6ページに記載していますとおり、多様な視点を
提案募集に取り入れる
取り組みとしまして、大学生を加えた
地方分権改革セミナー、ワークショップを開催し、新たな提案に向けた地域課題の掘り起こしにも、努めているところでございます。
以上で、私からの説明を終わらせていただきます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○(
森高康行委員長) 御苦労さまでした。
以上で理事者の説明が終わりました。
委員の皆さん、やや情報量の多い報告ではありましたが、このことについて、まず、質問等ございませんでしょうか。
○(松井宏治委員) 御説明ありがとうございました。
先ほども映像で見せていただきましたAIを活用した会議録の作成ですけれども、どこかの情報通信会社などで、県庁用に個別に、この会議録作成の
システムをつくっていただいているのかと思っていました。
Googleを使っているということになると、先ほど御説明の中にもあった情報の漏えいも含めて、多分まだ、公開できる会議録しか使えないし、限定的なのだろうと思います。
今、県庁全体で会議録を作成している中で、この
Googleの
システムを使って公開できる会議のウエートは、全体で何割ぐらいが、AIを活用して会議録がつくれることになるのか。もしわかれば教えていただきたいと思います。
○(
森高康行委員長) 率がわかりづらければ、こういうことをやっているということでいいと思いますが。
○(
行革分権課長) AI会議録の使用状況につきまして、昨年8月から運用を開始して、12月までの4カ月間で、本庁と地方局含めて、全体で30回の会議で利用されているところでございまして、かなり利用頻度もあるものと捉えております。公開対象ということで、限定的ではありますが、職員の業務の効率化には、一定の成果が上がっております。
御質問のございました全体に占める割合につきましては、今、手元にございませんので、また後ほど提供させていただければと思います。
○(松井宏治委員) ありがとうございました。
恐らく公開できない非公開のものもあり、議事録などは作成する手間もかかっていると思います。それらも含めて、県庁内部だけで使えるAIを活用した
システムを情報通信会社などに個別にオーダーして、外に漏れないような形で議事録を作成していく方法は、今のところは予定していないということでしょうか。
○(
行革分権課長) この
システムは、
Googleから無償で提供していただいているソフトを使って実施しているもので、費用対効果の面でもすぐれているものと判断して、開始しております。外部に漏れないような
システムを個別につくるとなれば、多額の経費がかかりますので、現在のところ、導入する検討は行っておりません。他県におきましても、同様の
システムを利用して、公開対象となる会議等での活用を進めているところが、大半という状況でございます。
○(
情報政策課長) AIによる会議録の変換精度については、多くのデータで学習することでその精度が高まりますので、AIによる会議録作成は、
インターネット上の
AIサービスを活用することが一般的でございます。
○(松井宏治委員) ありがとうございました。
○(
森高康行委員長) ほかにいかがですか。
○(中政勝委員) 徳島県に行ったとき、徳島県庁では委員会を全部一括して見ることができました。非常に便利で、勉強しやすいと感じたのですけれども、愛媛県の場合は、そういう運用はできないものでしょうか。
○(
森高康行委員長) 中委員、議会のことは、今回の理事者には質問が難しいと思います。審議会等の意味であれば答えられると思うのですが、それでよろしいですか。
○(中政勝委員) はい。
○(
行革分権課長) テレビ会議的なものとしましては、大きな
取り組みではございませんが、今回、
テレワークの
システムを導入することとしております。同時に5回線を使って、職員同士が顔を見合わせながら、資料も共有した状態で会議ができる
システムを導入し、3月からスタートすることとしております。
現在の
取り組みとしては、そういった
ウェブ会議システムをスモールスタートさせて、今後の利用状況も踏まえて、さらなる検討をしていくところです。
○(
森高康行委員長) 恐らく中委員の質問は、
委員会等、例えば検討委員会や審議会を公開して見られるようにすることは、検討していないのかという意味だったと思いますが。
○(
行革分権課長) 審議会等を公開できるような
システムにつきましては、現在のところは、検討しておりません。
○(
森高康行委員長) 中委員、よろしいですか。
○(中政勝委員) はい。
○(
森高康行委員長) ほかにどうですか。
○(
松下行吉委員) 御説明ありがとうございます。
県庁版
テレワークですけれども、導入する端末は、
在宅勤務10台と
モバイルワーク130台の計140台が相互利用可能ということでした。ことしの3月から導入予定とのことですが、今もう1月末ですけれども、
在宅勤務の10台は全て希望者がいるのでしょうか。
○(
行革分権課長) 利用希望者につきましては、現時点で具体的に把握しておりませんが、現在、実施要綱等の最終の詰めの段階でございます。2月に開催する制度の説明や外部講師を招いた研修会等を通じて、制度の周知に努めまして、利用を図っていく考えでございます。
○(
松下行吉委員) 資料を読みますと、勤務時間は8時から18時15分の範囲内ということで、8時間労働というのは今も変わりないのだろうと思います。性善説ではないですが、その働いた時間の確認などは、本人からの申告ということでしょうか。
また、この県庁版
テレワークを使った場合、原則として
超過勤務は命じない、その方の
超過勤務はないという前提でよろしいのでしょうか。
○(
行革分権課長)
在宅勤務を利用する場合は、事前に利用希望者が所属長に勤務時間や勤務内容を申告して、所属長は業務する職員の勤務状況や業務内容も踏まえて、実施を承認することになります。
勤務時間につきましては、8時から18時15分の範囲で柔軟に設定はできることとしておりますが、基本的には在勤庁で勤務する者と同じ時間となります。
実施に当たっては、勤務の開始時と終了時に、本人から所属長に対して、電話やメールでの連絡を義務付け、常時連絡がとれる体制で運用することとしております。また、
超過勤務につきましては、基本的に命令は行わないよう運用する予定としております。
○(
松下行吉委員)
愛媛県庁版テレワークでは、外部から自席の
パソコンとほぼ同じ機能を利用できるというところが、少しわかりにくいのですが。
県庁の職員の方であれば、机の前にたくさん資料を積まれて置いておられると思います。例えば、その中の必要なものをPDFにして、クラウドか何かに置いておいて見えるようにするなど、課内でファイルを共有して、見ることができるような環境ができているのか。そういう資料を公開されるのかどうかはわからないのですけれども、
在宅勤務を充実させていくのであれば、資料を見ることができる環境が、職員の方にとっても大事ではないかと思います。
そのあたりの準備などは、これから検討されると思いますが、どのような考え方を持っておられるのか、教えていただきたい。
○(
情報政策課長)
システムの関係でございますので、私の方で答弁させていただきます。
現在、庁内LANでは、執務室の各職員の机の上に端末が1台ございます。その庁内LANには、課の
共有フォルダや回覧板、メール、スケジュール管理等の機能がございます。
テレワークの場合、例えば自宅に持ち帰った
テレワークの端末で、そういった機能を利用することができます。すなわち、
共有フォルダを見れば、課の職員と同じ資料を見て仕事ができるということでございます。
○(
松下行吉委員) 最後ですけれども、この
テレワークはすごくいいことだと思うので、それを充実するためには、まず御自分たちが仕事をするために在宅で資料を見ることができる
環境整備が必要だと思います。
愛媛県庁の中で、文書や資料の電子化とあわせて、ぜひ進めていっていただければと思います。
○(
森高康行委員長) 要望だと思いますが、お答えがあれば。
○(
行財政改革局長) 御指摘のとおり、
テレワークを機能させるには、さまざまな資料を電子化や共有化して、全ての職員がどこにいても
テレワーク用のPCを通じて、それを見ることができる状態をつくるということが、大きな課題になっております。私どもも、その問題意識を持って進めてきてはおりますが、まだまだ道半ばのところでございまして、この
テレワークを導入することが、それを推進する大きな契機になると考えております。
先ほどお話のありました勤怠管理も非常に心配するところでありまして、性善説でもってやるのですけれども、それぞれの所属において、これまで以上に職員と十分なコミュニケーションをとって、いい形で進めないと、導入してもなかなか定着しないと思っております。
そういう意味で、この
テレワークは、働き方の環境や職員間のコミュニケーションの一つの試金石であり、推進するきっかけだと思っておりますので、全庁的に問題意識を共有しながら進めたいと思っております。また御指導よろしくお願いします。
○(
森高康行委員長) ほかにいかがですか。
○(赤松泰伸委員)
テレワークの中で、職務専念義務のときに、育児や介護で、この日2時間は休暇ですよということは可能なのでしょうね。それがなければ、子育てや介護など意味がないので。
子供の通園時間や介護の時間など、多分いろいろなケースがありますので、そういう場合に、例えば9時から10時の間は介護に専念しますので、この1時間は構いませんよ、午後も3時から4時まではオーケーですよ、そういうことをかなり弾力的にやらないと、
テレワーク制度は、なかなか定着しないと思います。
その辺のことを具体的に教えていただけますか。
○(
行革分権課長)
テレワークの制度につきましては、先進他県もございますが、できるだけ状況を踏まえ、利用しやすい制度でスタートすることとしております。
先ほど御質問のありました介護等で、勤務時間の途中にどうしても仕事を離れなければいけない場合は、通常の休暇を取得していただき、在勤職員と同じ規定が適用されるよう運用していくこととしております。通勤時間は確実に削減されますし、昼休みの時間なども有効に使うことができると思います。それらとあわせて、介護や子育て世代には、利用しやすい制度になるよう運用していくところでございます。
○(
森高康行委員長) よろしいですか。それでは、おおむね1時間たちましたので、10分間程度の休憩をとって、後の活発な質問を期待したいと思います。休憩いたします。
午前10時56分 休憩
――――――――――――――
午前11時8分 再開
○(
森高康行委員長) 再開いたします。
質問はございませんか。
○(越智忍委員) 本題とは若干ずれるかもしれませんが、
次期行政改革大綱の中に、市町との職員の人事交流という部分があります。
市町側から県に派遣する場合、逆に、県から市町側に派遣する場合のメリットや狙い、その効果について、お聞かせ願いたいのですが。
○(
人事課長) 県と市町の人事交流につきましては、現在、県内20市町全てと実施させていただいているところでございます。
県と市町は、地域本位の行政を行うために、ともに
行財政改革を追求するという共通の目標を持っている団体で、チーム愛媛として総合力を発揮し、ともに行政課題に取り組むため、人事交流を通じた連携を拡大していく方針でございます。
市町から県に職員を派遣していただく場合、相互交流と実務研修という制度がございます。行政実務を取得する目的の場合は実務研修として、相互交流については、市町の要望を踏まえて、相互理解の促進を主な目的として
取り組みをすすめております。相互交流は、市町と県が人役的には同じになりますけれども、こういう業務をしたいという市町の要望に、可能な限り応えるような形で、実施しているところでございます。
県から市町に派遣することについて、市町からこういう職員を派遣してほしいという要望がある場合は、市町の要望に応えられるような人材を送ります。県の職員にとりましても、いわゆる行政の最前線である市町で勤務することは、県で得られない業務体験を得られます。市町の職員が県の業務を経験し、また、県の職員が市町の業務を経験することを通じ、お互いの相互理解が進むことで、さらにチーム愛媛としての総合力を発揮する体制が整っていくのではないかと考えております。
○(越智忍委員) ありがとうございます。
御承知のように、愛媛県は、平成17年に全国でも非常に先端的に市町村合併が進みました。
市町村合併以前から、市町村と県との職員交流は結構行われていましたけれども、そのときを例に挙げます。僕は大西町在住ですが、大西町の人口は1万人弱です。この規模のまちになると、例えば、下水処理場をつくるのに、海の埋め立て事業が発生する。ところがその小さいまちには、そんな経験はもちろんないので、県の職員の応援を求めて、来ていただいて、ノウハウを吸収しながら実施したということが、市町村合併前にもありました。
市町村合併で、県下70市町村が、今20市町になっています。若干、合併の様相に差がありますけれども、私どもが住んでいる今治市の場合は、12の自治体が新設合併をしましたので、新設合併方式としては、恐らく全国最多の合併になったわけです。そうなって何が起きたかというと、職員数の問題です。人口に対して、どの程度の職員数が適正かということは、いろいろな議論があると思いますが、今治市の場合を例にとると、旧今治市の職員が約800名、旧郡部の職員が約1,000名、それに臨時職員が約1,200名いましたので、合計約3,000名というとんでもない数になりました。合併して、職員の適正規模への移行が、大きな命題になったわけです。今治市も自然にやめられる定年の方に対して、補充を半分以下にするなど、順次
取り組みを進めていますが、そういう中で、言い方が悪いかもしれないけれども、職員数に余力が回ってくるわけです。
そのときにとった方式が、余力があるときに、県や国に、派遣や研修に行っていただいて、せっかくのこの機会に、職員のスキルや能力をどんどんアップしていこうということになりました。
そういう中で、職員交流は、非常に有意義に働いていると思います。恐らく合併した当初は、温度差はあると思いますけれども、今治市だけでなく、どこの自治体もそうやってスキルアップしようとして、交流の希望が多かったと思います。
平成の大合併から、今十数年が経過して、交流希望数の推移は、傾向的にはどうか。正確な数字でなくても構いませんので、もし感覚でわかれば、少し教えていただきたいのですけれども。
○(
人事課長) 市町との人事交流は、先ほど委員おっしゃられました、平成の大合併を契機に実施されておりますが、もう一点、中村知事就任以降、知事が
オール愛媛で、市町との連携の推進を重要な政策として掲げてきたという経緯があり、市町との人事交流を推進するとの方針のもと、相互交流にも取り組んでおります。今年度の20市町との人事交流は、昨年度に比べますと12名増加しておりまして、拡充しているという状況です。
○(越智忍委員) ありがとうございました。
今後も、国などの機関も含めて、どんどん人事交流が進んでいくといいと思っております。
もう一点、今度は3番目の
地方分権改革に関する
提案募集について、もうこれは答えが出ないと思います。愛媛県から平成30年に3件の提案をして、2件目の林業の
技能実習2号認定に係る要件の緩和に関して、国の回答は、まさしくおっしゃるとおりで、国が直接執行する事業の運用改善に関することなのだから、対応不可という、その4文字だけで言うと非常に冷たいなという認識を受けます。
例えば、これは正式な要請をしたことがないのですが、市町村合併によって今治市が大きなまちになりました。御承知のように、造船、海運が非常に盛んです。船の税制に関しては、海外の方がある意味、非常に有利なものですから、船籍、あるいは会社自体を海外へ持っていくという動きが、非常に加速していることがありました。
本来、今治市、愛媛県、あるいは日本に落ちてくるはずの税金が、どんどん海外へ流出しているという傾向が非常にあって、苦慮していました。当時の特区担当大臣、誰とは言いませんけれども、その方に、もう日本の税制を海外並みにするか、あるいは、せめて愛媛県、今治市だけでも、そういった特区でやれないものかという話をしたこともありました。税は全国一律というようなお答えがぽんと返ってきて、なかなかその先は進みませんでした。
この船舶の税に関しては、全国を見回しても、船主、あるいは海運会社が、愛媛県に非常に集積しているので、愛媛県から声を上げなければ、こういったことが伝わっていかないと思っています。
今回の林業の提案ですけれども、愛媛県は林産材の活用時期が来ていて、人手不足からこういう提案があったのだと思います。恐らく全国どこでも林業はあると思いますが、愛媛県は、非常に林業地帯であり、そういう声を上げる立場にあるのかなと思ったのですが、全国の中で、林業に関してはどうなのでしょうか。
多分、ここでは返答が出ないと思いますが、提案をした側として、愛媛県から要望が行われた経緯を教えていただきたいと思います。
○(
森高康行委員長) 森林局長から聞いておられたら、ぜひ。
○(
行革分権課長) まず、
提案募集制度につきまして、今回、林業の
技能実習2号認定については、地方が実施するものではなく、国の問題であるということで、そもそもこれは制度の対象ではないと除外された経緯がございます。
この提案につきましては、愛媛県森林組合連合会が全国で初めて、
技能実習1号認定の実習生を受け入れた実績がありますが、受け入れても1年では技能が身につかないということで、延長して2号認定できるよう提案しました。この要件として、全国的な合意形成がないと対象にならないということですので、やはり全国的に林業は経営環境も厳しく、そもそも1号実習生の受け入れ自体が余り進んでいないため、なかなか対象に加えるという合意が進みにくいところがあるようです。
ただ、この愛媛県での受け入れ等を踏まえて、全国的にも課題としては認識しているとのことですので、今後、国に対して、何がしかの動きを検討していることは伺っております。
○(越智忍委員) ありがとうございました。
愛媛県の林業は、高山組合長を初めとして非常に頑張っていただいている、改善しようという意欲が強い県だと、僕も認識しています。この提案では対応不可になっているかもしれないけれども、このようにやっていくことによって、恐らく知事が全国知事会などでも情報発信をしていただけると思っていますので、今後、期待をしたいと思います。
○(
森高康行委員長) 市長経験者ならではの御質問ありがとうございました。
ほかに。
○(
村上要委員) 働き方改革の中で、少しお尋ねをします。
時間外労働の上限規制が導入され、長時間労働を解消していく、是正していくという動きの中で、具体的に、愛媛県庁職員の時間外労働について、現在の実情やここ数年の実績などを御報告いただいて、それから、当面ここまで抑制していこうという計画があれば、教えていただきたい。
また、例えば川崎市などでは、20時以降は時間外労働をしないようにしましょうという目標を決めてやっておられるのですけれども、そういった時間外規制や縮小に向けた
取り組みについて、御説明いただければと思います。
○(
人事課長) まず、県の
超過勤務の現状でございますが、現在、県庁の1人当たりの職員の
超過勤務時間を減少させることを目標としております。国体の開催など、当然、年度によって、
超過勤務にばらつきがありますが、そういうことも踏まえまして、まず、平成24年度から平成26年度までの県庁の1人当たりの超勤時間平均は、19.1時間となっております。それを平成27年度から平成30年度までの4年間で随時減少させていき、今年度には20%削減し、15.4時間となるように目標を立てて取り組んでおります。
ただ、4月から6月までは、超勤縮減の
取り組みも含めまして、達成してきたところだったのですが、御承知のとおり、豪雨災害が発生しまして、7月以降の
超過勤務は増加傾向であり、今年度の4月から10月まででは、22.7時間と目標を7.4時間ほど上回っている状況でございます。
超過勤務の縮減につきましては、かねてから取り組んでいるところではございますが、平成30年度につきましても、定期的に3カ月ごとの
超過勤務実績を報告し、業務の棚卸しを進め、また、管理職の応援体制の強化等や適切な執行体制の整備、意思決定のスピード化、情報処理対象の見直し、会議等の見直しなど、
取り組みを進めているところでございます。
委員からお話がありましたように、例えば、水曜日はノー残業デーを設定し、基本的に管理職が鍵を返して、職員を退庁させる制度、また20時と22時に庁内放送を流し、退庁を促すなどの
取り組みを進めているところでございます。
○(
村上要委員) 1年を通じて繁忙期があることや、災害対応など緊急に対応しなければならないこともわかりますので、そういった形で取り組んでいただいていることは、よく理解できます。
細かいことを聞き過ぎてもいけないのですが、今年の4月から10月で22.7時間、これには災害対応などもあるでしょうから、4月から6月まではどういう状況だったのか。4月も年度当初ですから、忙しいこともあるので比較できないのですけれども、参考までにお願いしたいと思います。
それから、職種や部署によって差があると思いますけれども、時間外勤務が多い職場への対応は、具体的にどう進めていくのかについても、少しお聞きしておきたいと思います。
○(
人事課長) 委員からお話がありましたとおり、4月などは繁忙期でございますので、対前年比ということで申し上げさせていただきます。知事部局における実績では、4月は昨年度21時間に対して19.4時間、5月は18.7時間に対して17.4時間、6月は18.9時間に対して17.4時間となっています。
例年は、この後、7月、8月ぐらいから、業務が少し落ちつきますので、ここから下がっていくことで、年間の
超過勤務時間を減少させることができるのですが、今年度は、御承知のとおり災害がございまして、7月は17.1時間に対して36.6時間とほぼ倍増しており、8月も15.9時間に対して20.9時間と少し増加しています。4月から6月までは、対前年を下回っておりましたが、7月以降増加に転じている状況でございます。
また、知事や特別職が出席する部局長会議で、各部局の実績が見える形で報告し、情報共有したうえで、各部局で
超過勤務の状況を把握し、縮減策に取り組んでいただいている状況でございます。
○(
村上要委員) ありがとうございました。
○(帽子大輔委員) 私も長時間労働の是正という観点です。
やはり
テレワークなどいろいろ推進されても、それを見直しされなければ、なかなか全体的に導入は難しいのではないかと思います。
例えば、民間も大変苦労されていますけれども、月にどういう仕事に何時間従事しているのかというヒアリングを行って、では何を改善しようかという会議を行って是正をする。非常に苦労が絶えないわけです。
長時間労働の是正を図るために、過去にどういった形でどのように、要因を把握してきたのか。具体的な
取り組みをお伺いしたいと思います。
○(
行革分権課長)
超過勤務の抑制につきましては、先ほど
人事課長からも報告させていただいたように、全庁での
取り組みの共有化により、縮減に努めているところでございます。
超過勤務の縮減に向けた主な
取り組みとしては、主に平成25年度以降、重点的に取り組んでいるところでございます。平成25年度は、職員
アンケート調査の実施や傾向分析、縮減案の提示等を行い、平成26年度以降は、超勤ゼロ週間の設定やモデル職場の設置など行っております。また、人事課の所管になりますが、早出・遅出勤務の積極的な運用等も行っているところでございます。平成27年度以降は、先ほどお話のありました平成30年度までに段階的に
超過勤務を縮減していくという計画を策定しておりますが、それにあわせて現場力向上運動として、庁内での優良事例を募集しまして、それを全庁に周知し、
取り組みを横展開することで、全庁一丸となった
意識改革にも取り組んでいるところです。
あわせまして、きょうの議題になっておりますが、これまでの縮減対策だけではなかなか効果もでないということで、
AI技術の活用や
テレワークの実施等も含めて、職員の働き方改革に引き続き取り組んでいく計画でございます。
○(帽子大輔委員) 私自身、現場の中に入ったことがないものですから、どういった業務に、職員の皆さんが時間を費やしているのか知りたいと思い、お伺いしました。
今、サイボウズのグループウエアなども活用されていると思います。例えば、スケジューラーやメール、もしくは申請のワークフローやタイムカード機能など、いろいろな機能があると思うのですが、その機能の中で、実際にはどういうことは活用ができて、どういうことはやはりふぐあいがあって活用できないなど、そういった具体的なことがあれば、少し教えていただきたいと思います。
○(
情報政策課長) 委員おっしゃられるとおり、グループウエアを活用しております。スケジュールは、管理職を含め、職員がスケジュールを入れて、それを他の職員が見ることによって、いつなら時間があいているというスケジュール調整などにも活用しております。メールや回覧板という機能につきましても、有効に活用しております。ただ、タイムカードにつきましては、行政職員はほぼ端末が1人1台あるのですが、技術職員や臨時職員は必ずしも端末が1人1台あるわけではでございませんので、タイムカードとしての機能は、現在、使っておりません。
○(帽子大輔委員) 例えば、チャット機能で、グループチャットのような活用はいかがですか。
○(
情報政策課長) 現在の庁内LANでは、グループチャットの機能はございません。
○(帽子大輔委員) ある一定期間で人事異動もある中で、過去のやりとりを履歴として確認して、引き継ぎができれば、いわゆるノウハウの蓄積や過去のやりとりの共有のようなところにもつながりますし、何が適切かはわかりませんけれども、うまくそういったものを使っていければいいと思いますので、また研究をしていただきたいと思います。
テレワークも導入台数が限られていて、
モバイルワークにしても機器の事前申請が必要ということですが、例えば過去に、どこかの部署で、全員この2in1
パソコンを置いて、効果測定を行って実証されたのか。その点はいかがでしょうか。
○(
行革分権課長)
テレワークの運用、特に
モバイルワークの利活用につきましては、全体で130台を設置することとしておりますが、あらかじめ各部に数台ずつ割り振りをしまして、その中で運用することとしております。予約につきましては、庁内のグループウエア機能を使って、できるだけ簡便に予約できる仕組みを考えているところでございます。
利用した方には、全員に対して
アンケート調査を実施し、利用の多い部署につきましては、端末機の配置台数の変更など、実績も踏まえながら、弾力的に進めていきたいと考えております。
○(帽子大輔委員) ぜひ、職員の効果的な働き方改革の推進につながることを期待したいと思います。
○(
森高康行委員長) ほかにいかがですか。
○(渡部浩委員) 働き方改革について、少しお伺いしたいと思います。
働き方改革は、過重労働や長時間労働ということを中心に、いろいろと国の実行計画が出ております。
私が思うのは、逆に言えば、こういう答申が出ているから、こうやっていかなければならないということではなく、やはり、ここは行政ですから、県庁の職員がどういう働き方を望んでいて、そして、県庁の職員が県民のために、県民目線で働ける環境をつくってあげるということが、一番大事だろうと思うわけです。上からの押しつけではなく、他県や企業がいいからではなく、やはり、今いる、現場にいる県庁の職員の意見が大事だと思います。そういう意見も聞きながら検討されているのだろうと思いますけれども、
アンケート調査などをやっているのであれば、どういう要望が多かったのかということを教えていただきたいと思います。
そして、続いて言っておきますけれども、もう一点、他県や各行政自治体では、こういう
テレワークなどをすでに導入されていると思います。もう愛媛県は、そんなに早くはないと思います。そういった中で、先進事例も確かめて、聞きながらやってきたのだろうと思いますが、先進県がどうあってどうだったかという調査など、調べたものがあれば教えていただきたい。
我々も、いろいろとオフィス改革や働く環境について、委員会の中で視察にも行かせてもらいました。今回、愛媛県が、この
テレワークをやってみようと決定した経緯なども、教えていただきたいと思います。
○(
行革分権課長) まず、
超過勤務縮減等の働き方に関する庁内のアンケートでございますが、これは平成25年度に実施しており、また直近でも超勤縮減という課題が提出され、全庁への照会をしているところでございます。アンケートへの回答は、さまざまでございますが、やはり定例的な
総務系事務の効率化や管理事務の短縮など、庁内で共通される事務で、本来それほど時間をかけなくてもいいのに時間がかかっている業務の見直しの声が、かなり多く出ているところでございます。
テレワーク導入に関する職員アンケートは平成28年度に実施しており、
在宅勤務は約67%、
モバイルワークは約79%、
サテライトオフィス勤務は約70%の職員が、導入されれば利用したいと回答した結果を受け、平成28年度に行革分権課、人事課、情報政策課等で庁内に検討会を設置しまして、導入に向けてこれまで検討を進めてきたところでございます。
テレワーク導入の他県の状況等についてですが、先進県についても事前調査をしております。
在宅勤務、サテライトオフィス、モバイル勤務の3類型ございますが、その中の何らかの
テレワークを導入している県は、現在、42都道府県ございまして、3類型を導入している先進他県については、詳細に調査いたしました。いずれの県も、全く新しい制度ということで、最初は、利用対象者を子育て世代や介護世代などに限定し、実施頻度を最小限にするなどし、実績を踏まえながら、次第に拡充しており、割とスモールスタートで実施しているところが多くございます。
本県におきましては、全職員を対象とし、制限をできるだけ緩和することで、当初から柔軟な比較的
取り組みやすい制度でスタートすることとしております。
○(渡部浩委員) こういうIT機器や改革によって、職員が働きやすい環境は、当然求めていかなければならないと思いますけれども、行革で、かなり職員数を削減してきたわけでしょう。もう10年も20年も前からずっとしてきて、逆に言えば、人員が少なくなって、
超過勤務を減らしていくというのはなかなか大変ですが、そういった中で、個々の能力によるものもあるのではないかと思います。なかなか自分の仕事がこなせない、それではいけないのだろうと思いますけれども、超勤時間縮減という流れにあって、やはり職員のそういったメンタルヘルス的なものも、常によく把握していかなければ、落後者も出てくる。それが
県民サービスにとって、マイナスになるようなことも出てくるのではないかと思います。
平成31年3月から実施していくわけですので、いい効果はたくさんありますけれども、時間を追って、マイナス面もきちんと検証して、やはりいい環境や働きやすい制度をつくっていってもらいたいということで、要望でいいですからお願いします。
○(
森高康行委員長) ということで要望でございます。
ほかに質疑はいかがですか。
○(徳永繁樹委員)
次期行政改革大綱について、次年度から始まる4カ年の骨子についてお示しがあったわけでありますけれども、ここで追加ということで、
行政イノベーションの推進というところがございます。
今、第四次産業革命と言われている中で、物づくり現場においても、さまざまな現場において、このような革命に対応しなければならないのだろうと思いますし、私自身もこういうツールをさまざま使うことによって、教育にしても福祉にしても医療にしても一変するのだろうと思っています。
デジタルマーケティングの推進について、先般、プロモーション戦略室長に、今、どういう
取り組みをしているのかということをお聞かせいただきましたけれども、
行政改革の中では、どのような観点で、この
デジタルマーケティングの推進を進めようとされているのか。
もう一点が、
内部管理事務の外部委託の検討について、これはまさに
政策立案型行政に転換をすると、中村知事就任のときから言われていることであります。職員が政策を考える時間をつくりたいということで、こういうことも公約に掲げられて当選なさったので、ここに落とし込んでおられるのだろうと思います。
私も別の立場で、各セクションを見て回ったことがあるのですが、全てのセクションに網羅されている1つのツールがあるけれども、毎年毎年、そこにはいろいろなふぐあいが出ている。例えば、使う方によって使い方を誤って、内部監査や外部監査の対象になっているという事案等々もございました。このあたり、
内部管理事務の外部委託の検討というのは、どういうようなことをお考えなのかということ。
この2点について、今、現在進行形でありますし、詳細なお話はできないだろうということは、重々承知をしておりますけれども、方向性だけでもお聞かせいただければ、ありがたいと思います。
○(
行革分権課長)
デジタルマーケティングの推進でございます。
先般、委員もお聞きいただいたと思いますが、外国人をターゲットに、電子メディアを通じて、個人の属性や思考、関心等の情報をいろいろと分析し、ターゲットを絞った上で戦略につなげていく
取り組みで、動画を配信しており、かなり効果が高いということを私も伺っております。
デジタルマーケティングにつきましては、今年度
取り組みが始まったところでございまして、将来的には、県全体でデジタルの戦略的・主体的な導入を目指すこととしています。これまで事務の効率が悪かったところにもデジタルを導入して、効果的に運用していくことを考えてはおりますが、行革に関して、具体的にこういう
取り組みがあるというところまでは、現時点では煮詰まっておりませんので、今後の課題ということで、検討していくことになります。
また、
内部管理事務の外部委託でございますが、これにつきましても、今回、大綱の中に1本の柱として位置づけさせていただいたところでございます。具体的には、今後、検討していくということになると思いますが、庁内のアンケートでも、
総務系事務などで、定例的な業務にかなり時間を使っているところもございまして、他県においても、そういう事務を外部に委託しているケースがあります。
総務系事務を省力化して、職員が政策立案にかける時間をふやしていくという
取り組みもございますので、そういった視点で、今後取り組んでいきたいと考えております。
○(徳永繁樹委員) ありがとうございました。よろしくお願い申し上げたいと思います。
もう一点は
在宅勤務について、少し拡大解釈した質問をさせていただいて恐縮なのですけれども、昨日、障がい者の方々、特に車椅子を使用されている方々と意見交換をさせていただきました。どうも、今治支局の方でも採用試験があったという話を伺っております。そんな中で、昨年、各省庁に端を発して、全国的に障がい者の法定雇用率が、なかなか達成できないという大きな課題がありました。中村県政においても、非常に積極的に取り組んでいただいているわけなのですけれども、この制度設計の際に、障がい者の方々、あるいは団体の方々と意見交換、例えば意見聴取をなさったときに、
在宅勤務について要望等々、言及があったのか、なかったのかというあたりをお聞かせいただきたいのですが。
○(
人事課長) 今回の障がい者雇用の関係での新たな採用制度の設計に当たりまして、特に
在宅勤務に関する要望というところまでは、私どもの方では伺っておりません。ただ、障がいを持った職員についても、当然この
在宅勤務の対象になりますので、この制度の運用の中で、適切に対応していきたいと考えているところでございます。
○(徳永繁樹委員) 非常にデリケートな部分もございまして、制度のことについて、例えば2年なのか3年なのか、更新なのかということについても、できる限りわかりやすく説明をしようとしているのですけれども、肢体不自由の方というのも、これは個性であるわけです。埋もれたすばらしい能力を県民の皆さんのためにお使いをいただくというツールの一つとして、私は
在宅勤務というのは、非常にすばらしい手法だと思っていますし、民間ではどんどん取り入れておられるわけです。職場と自宅との間で、役割分担を決めてルールをつくる必要もございますので、きょうは、委員の皆さんからもさまざまな示唆があったわけであります。
ぜひ、積極的に使っていただいた先に、そういう隠れた要望もあるということを御認識していただいて、この
テレワーク等々について進めていただきたいと、改めて要望させていただきたいと思います。
○(
森高康行委員長) 要望ということです。
ほかに何か質問ありますか。
○(
村上要委員) 済みません、今、
在宅勤務のことが出たのでもう一回、資料1の3ページです。
ここで、
在宅勤務は実施単位が1日、休暇または休業などを含む、また、実施頻度は週4日以内と書かれています。週4日以内ということは、週の5日は勤労日がありますから、1日は県庁、職場へ出てこなければいけないということになると思います。
今、徳永副委員長からもありましたように、将来的には、在宅で1週間全て、あるいは育児休業や介護休業中の何カ月間ということも想定されると思いますけれども、4日と限ったのはどういうことなのか。少し疑問を持ちましたので、御説明いただけますか。
○(
人事課長) 週4日以内ということで限らせていただいたのは、勤怠管理の必要から、所属長が週1日は職員の状況を確認するためでございます。また、委員からお話のありました育児休業中の職員などは、そもそも休業しているので、勤務自体が発生しないため、基本的にはこの対象になりません。ただ、育児休業から職場に復帰する前に業務を経験する育休復帰プレ勤務の利用者は、対象とするよう考えている状況でございます。
○(
村上要委員) 確かに、育児休業も介護休業も、休職すれば仕事はしないということですからそうなります。
最初に赤松委員からも話がありましたけれども、居場所がわからないなどという心配もありますが、
テレワークをする場合もプラットフォームを利用すれば位置情報もわかるし、作業を開始したとき、中断したとき、終わったときも全部わかります。管理というとおかしいのですけれども、監視することより、お互いが安心できるということを
民間企業などではやっておられます。そうなれば、将来的に週1日出てこなくてもいいし、そういうことも含めてやらなければ、それなら子供の送り迎えを週1日だけ誰がするのだということになります。
より働き方を改革していくということになれば、そういうことも検討していく必要があるのではないかと、私自身が疑問を持っていたものですから、遠回しになったかもしれませんが、質問しました。そういった職員の声も聞きながら、他の
民間企業のあり方も含めて、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。
○(
森高康行委員長) 要望ということです。
ほかに質疑はありますか。
○(中政勝委員) 吉田町の災害を目につき聞くにつけ、非常に厳しい状況が見られるわけですが、この状況の中で、吉田町というか宇和島市の状況はどのぐらいひどいものか、どのぐらいの割合で復興できるか、わかっていれば教えていただきたいのですが。
○(
森高康行委員長) 宇和島市吉田町の被害を踏まえてという質問ですが、中委員、どういう意味の被害ということですか。
○(中政勝委員) 我々も、大三島へと行きまして、そのときに、復興できるか、できないか、5年たって復興できないのかどうなのか、それから、移り住んでくる人はずっと住んでいけるのかどうか、それが聞きたかったのです。
○(
森高康行委員長) 少しきょうのテーマから質問が。農林水産委員会ならそれでいいのだろうけれども。理事者、答えられますか。
○(中政勝委員) 違う質問して、構わないですか。
○(
森高康行委員長) はい、どうぞ。
○(中政勝委員) 今の状況の中で、倒産率というか、倒産している会社というのはどのぐらいあるか教えていただきたいのですけれども。
○(
森高康行委員長) 中委員、この委員会では、その質問は少し難しいと思います。よろしいですか。
それでは、全員の質問もいただいたところでありますし、質問はないようでございますので、以上の議論を踏まえて、総括的に可能であれば、
仙波行財政改革局長から意見を求めたいと思います。
○(
行財政改革局長) 本日は、県庁の働き方改革の
取り組み状況、それから働き方改革が主要課題となる
次期行政改革大綱策定の
検討状況等につきまして、御審議をいただき、ありがとうございました。
特に、
次期行政改革大綱におきましては、
IT技術の活用を意識しながら取り組んでいきたいと思いますけれども、今年度、当委員会において、現地視察を含めまして御議論いただきましたことが、検討の大きな推進力になっております。
現在、県は、昨年の豪雨災害からの復興をはじめ、防災・
減災対策、
人口減少対策、地域経済の活性化をさらに進めなければならないという
重要課題に立ち向かっております。ただ職員の方は、かなり人数も減ってきておりまして、従来の削減を主軸にした改革や職員の
意識改革に期待をするような行革は、もうそろそろ限界を感じております。
こうしたいろいろな複雑な課題に対応していくために、あえて
イノベーションやクオリティーという片仮名も使ったのですけれども、新たに取り組んでいきます
テレワーク、外部委託、
デジタルマーケティング、これらを進めていきます。
例えば、
テレワークであれば、きょうお話いただきましたデジタル化、それから職員のコミュニケーションの問題がございます。
また、内部事務の外部委託をしようとすると、内部事務の集約化、事務の仕組み自体も考えていかないといけません。
それから、
デジタルマーケティングに本格的に取り組もうといたしますと、デジタルであれば、顧客側の情報がわかり、それを分析して根拠に基づいて事業を組み立てる。その結果もデジタルのデータで返ってくるので、その検証をして次につなげていく。今までは、割と経験や勘に頼ってやってきた仕事が、これからはきっちりした根拠に基づいてやるようになっていくのではないかと思っております。
それに、私たち生身の人間のさまざまな感情が組み合わさり、組織としてどのように動いていくのか、なかなか見通せないところがあります。ただ、そこをしっかりやらなければ、本当に社会環境の変化に取り残されていきます。特に若い職員は
民間企業と比べて県庁に入ってくるので、次の世代にもつなげなければという強い危機意識でもって、クオリティーと
イノベーションを掲げてスタートさせていただきました。また、次年度以降もいろいろな御議論、御指導をいただければと思っております。
また、
地方分権改革に関する国への
提案募集につきましては、地方の問題意識を国に直接伝えることができる制度という意味で利点はあるのですけれども、依然として国の壁はなかなか厚いところがございます。これは、各委員におかれましても、折々に、国に対して地方の視点に立った改革を訴え続けていただき、御協力いただければと思います。
本日はどうもありがとうございました。また引き続きよろしくお願いいたします。
○(
森高康行委員長) 理事者の皆さん、御苦労さまでした。
委員長からも一言申し上げます。
いろいろと県庁の庁舎をめぐる車の侵入や拳銃の発砲という事件もありました。今後、やはりデジタル上においても、外国製品の不安定の問題や契約についてきっちりしていただいて、便利なものは不便だという面も先ほど目の前で実証されたわけでありますから、そういう事故も想定して当たるということも、どうか意を用いていただくことを委員長からもお願いしておきたいと思っております。
次に、調査報告書についてであります。
当委員会の経過と概要については、2月議会の最終日に文書で提出したいと思います。
なお、報告書の内容については、私に一任願うということで御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○(
森高康行委員長) 御異議ないものと認め、そのように決定いたします。
以上をもちまして、
行政改革・
地方分権特別委員会を閉会いたします。
午後0時1分 閉会...