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平成31年行政改革・地方分権特別委員会( 1月28日)
平成31年少子高齢化・人口問題調査特別委員会( 1月28日)

  • 2018.12.07(/)
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  1. 愛媛県議会 2019-01-28
    平成31年少子高齢化・人口問題調査特別委員会( 1月28日)


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    平成31年少子高齢化人口問題調査特別委員会( 1月28日) 少子高齢化人口問題調査特別委員会会議録   〇開催年月日  平成31年1月28日(月) 〇開会時刻   午後  0時59分 〇閉会時刻   午後  3時12分 〇場所     農林水産建設委員会室 〇審査・調査事項等  〇 海外における少子化対策男女共同参画の動向と日本について  〇 少子高齢化時代の農業・農村について―愛媛県下での取り組み事例― 〇出席委員[11人]  委員長     西原  進平  副委員長    黒川  洋介  委員      逢坂  節子  委員      岡田  志朗  委員      川本  健太  委員      木村   誉  委員      塩出   崇
     委員      武井 多佳子  委員      兵頭   竜  委員      福羅  浩一  委員      松尾  和久 〇欠席委員[0人] 〇その他の出席者[2人]  参考人     堀   利栄  参考人     香月  敏孝 〇出席理事者[7人] (県民環境部)  男女参画県民協働課長 西田  伸生 (保健福祉部)  子育て支援課長     佐々木 英生  障がい福祉課長     近藤   修  長寿介護課長      名智   光 (農林水産部)  農政課長        鶴村  幸弘  農地・担い手対策室長  久保田  誠  農産園芸課長      山本  浩二               午後0時59分 開会 ○(西原進平委員長) ただいまから、少子高齢化人口問題調査特別委員会を開会いたします。  本日の議題は、海外における少子化対策男女共同参画の動向と日本について及び少子高齢化時代の農業・農村について―愛媛県下での取り組み事例―であります。  本日の進行につきましては、参考人お二人をお招きしておりますので、お二人の参考人からの説明を受けた後、休憩を挟んで、一括して質疑応答を行うことといたします。  それでは、議事に先立ちまして、本日、参考人としてお招きをいたしました国立大学法人愛媛大学学長特別補佐男女共同参画担当、堀利栄様。社会共創学部教授香月敏孝様を御紹介いたします。  それでは、堀様から自己紹介をお願いいたします。 ○(堀参考人) 皆様、初めまして。愛媛大学学長特別補佐男女共同参画を担当しております堀と申します。同時に、女性未来育成センターセンター長もやっております。大学において男女共同参画の推進や女性活躍推進を取り扱っております。愛媛大学でも男女共同参画関係取り組みをずっとしておりますが、それだけでなく、全国の研究者女子学生等の進学、そういったキャリア支援等も支援しております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○(香月参考人) 同じく愛媛大学社会共創学部は、新しい学部で3年目を迎えております。地域社会に貢献する人材を育成するという観点から、地方大学のよさを発揮するような学部をつくりましたんで、どうぞ御支援をお願いしたいと思いますけれども、そこで、私は、農業・農村問題についてのコースを担当しております。学生を農業・農村に放り込んで、長く実習をさせて何を学んでくるかといった学習法をとっております。新しい地域の活性化に向けて若い力をどうやって育成していこうかと頑張っていますので、御支援をよろしくお願いいたします。 ○(西原進平委員長) ありがとうございました。  それでは、これより議事に入ります。  本日の会議録署名者塩出崇委員川本健太委員を指名いたします。  最初の議題は、海外における少子化対策男女共同参画の動向と日本についてということになります。  それでは、堀参考人の方から、お手元のマイクを使って御説明をよろしくお願いいたします。  着座でどうぞ。 ○(堀参考人) 着座で失礼いたします。  ちょっと大きなお話になるんですけれども、海外における少子化対策になりますが、私は研究者でありまして、実はもう一つ、兼務でありまして、本業は古生物学と地質学を専門にしております。やはりその分野でも女性が少ないということで、日本全国、それから世界の女性研究者とネットワークをつなぎながらいろんなことをしておりますが、海外においていろんなお話もお聞きしており、皆様の御参考になればと思いまして、少し御紹介させていただければと思います。  これはフランスのリールというところの風景です。フランスにおいてはかなり少子化対策が進んでおりまして、若い人、それから子供たちもたくさんおり、出生率を維持して上昇させようとする施策がかなり進んでおります。その話も交えながらお話しさせていただきたいと思います。  でも、メーンはむしろ北欧の方とか、そういうお話になると思います。  次、お願いします。  これは皆さんの方が多分御存じなので、簡単に済ませたいと思います。要するに、我が国は諸外国に比べて非常に高齢化が進んでおり、かつ人口減少が著しいということでこういう構成になっているんですけれども、要するに年少の人口が減る一方で高齢の人口がふえている。  次、お願いします。  皆さん、御専門ですから、愛媛県はさらに日本よりも先に高齢化先進県として進んでらっしゃって、1990年代から高齢者人口が増加し、若年の14歳以下の人口が急激に減っているという現状で、これをどうしたらいいかというのが、皆さんの課題であると思います。私は、男女共同参画の関係から、これをどうしたらいいかという、1つの参考として男女共同参画を進めたらどうかというお話をさせていただけたらと思います。  次、お願いします。  少子化対策女性活躍、特に男女共同参画推進が必要でありますというお話に行きたいと思います。  次、お願いします。  これは、去年12月にフランスブリュッセルに行きまして、これはEU本部の写真ですけれども、ブリュッセル男女共同参画関係の研究所などに少し事情もお聞きしてまいりました。  次、お願いします。  これは御存じかもしれませんが、2018年がOECDの発表した人口統計でありまして、諸外国の期間合計特殊出生率です。1970年と1995年と2016年で、2016年の分は縦の青色のバーで示してあります。それで、人口維持ラインというのが2.07なんですけれども、2.1というのがここのラインです。OECD諸国のほとんどが、2016年は出生率が維持できない人口維持ラインを切っております。こちら端の方はメキシコとかアフリカ諸国ですね、あと一部例がイスラエルですけれども、そういうところはこのように、人口維持ライン、もしくは増加ラインというふうになっております。ここにありますように、諸外国の出生率はそのように人口を維持できなくて、人口減少社会へ移行しているというふうになっており、大体1995年ぐらいにがくっと変化が起こりまして、それ以降、どんどんどんどん減少しているというのが世界的な傾向であります。  次、お願いします。  これは、特に日本と関係のある欧米諸国合計特殊出生率の変化であります。2018年に内閣府が発表した少子化社会対策白書から引用させていただきました。皆様御存じのように、日本はこのように、1950年代は非常に高い出生率だったんですけれども、これはひのえうまで下がったんですね。どんどん下がってきて、人口維持ライン、2と大まかに引いておりますが、それがどんどん下がって、2005年に最低の出生率をマークしましたが、今ちょっと持ち直して1.44ということになっております。それに比べて諸外国はどうかといいますと、ドイツも同じぐらい低いです。最近、ちょっと施策を頑張っているので上がっております。それからイタリアは、最初高かった出生率がどんどん下がって、日本よりも低いという状況です。イギリスアメリカフランス、それからスウェーデンも、どんどん下がってきたんですけれども、このあたり、1980年代ぐらいが転換期で、イギリスアメリカフランスは、1995年前後に施策を行いましたので、どんどん上がっていって大体このあたり。スウェーデンはおもしろいことに増減が激しいです。上がって下がって、また上がって、またちょっと下がりかけたという感じです。スウェーデンは最初2を上回る出生率だったんですけれども1995年に1.5までどんと下がって、これはいけないということで、いろんな少子化対策を実施しまして、今は1.88になり、2に近い値に持ち直している段階であります。なので、これからは少しスウェーデンの実例をお話しします。要するに下がったのをどうやって持ち上げるのかという実例を少しお話ししたいと思います。  次のスライドをお願いします。  スウェーデン少子化対策ですけれども、スウェーデンはとにかく、1990年代から95年、2000年にかけてずっと、少子化対策で何が一番効果があるのかというのを検討されていた国です。例えば、スウェーデンにおいて1990年に出生率が2.14だったのが、1.5ショックでみんなどうしようと、どんどん下がっているというので国家的問題として検討されたというのがあります。そのときに、結論としては、例えばスウェーデンの社会省が2001年に発表したものは、社会全体における子供への優しさ、子供を産み育てやすい労働市場少子化対策としては一番重要であると。要するに、みんなで育てるという環境を整えるというのが少子化の一番の対策であるという結論でした。また、政治家もそういうふうに少子化問題を第一の課題として取り上げ、例えば、有名な国民党元党首の方ですけれども、1993年に「家庭における労働の役割分担について考えることは重要だ」として、「政治家が家族の領域に介入すべきでないという意見は多い。しかし、家庭内の役割分担が広く社会に及ぼす悪影響は看過できない。よってこれは家族において解決すべき問題のようにみえるが、もはや家族だけの問題ではない」ということで、国家的に政策をとっていったという経緯がございます。これはスウェーデンの例でありまして、日本がどう考えるかはいろいろ議論があるところでございます。出生率が落ちたということで、少子化対策として育児休業割当制度というのを導入しました。そのときに父親の月というのを導入しまして、その間はお父さんしか育児休業をとれなくて、お母さんはとれない。そのときにかなりのサポートもするということで、その結果、スウェーデン人お父さんは、80%以上の人が当時育児休業をとりたいと言っていたけどとれていなかったんですが、その人たちがたくさん育児休業をとりまして、とらなかった人たちが54%から18%に減少したという経緯がございます。それによって出生率が上がってきたんですけれども、2002年にちょっとまた下がりかけたということで父親の月を2カ月にふやしました。それから2016年には、それでも足りないということで3カ月にふやしました。それで出生率が1.88となり、現在は1.91に上がっております。この育児休業の制度はどういうふうになっているのかを次に御説明したいと思います  次のスライドをお願いします。  スウェーデン育児休業の制度というのは、2018年では全480日とれるようになっております。うち390日が、休業しても80%給付、休業しても所得分の80%を保障するということになっております。でも実質、所得税がかからないので、ここにありますけれども、スウェーデンの税金は高く、都道府県税10%、市町村税20%ぐらいで、所得累進課税みたいになっておりますので、そうすると、それをとらないということで、実質100%もしくは100%以上の給付になるということになります。要するにお父さん育児休業をとって休んでも家計にはダメージが来ないということになっております。それでお母さんお父さんの月というのを決めまして、これを交互にとらないとここまで給付がないということになっております。よって、育児休業お母さんだけしかとれない90日、それからお父さんだけしかとれない90日があって、あと残りは2人で分担してもいいよということになっておりますので、現在どうなっているかというと、父親の90%近くが育児休業を取得しているという現状であります。つまり、育休を取得した方が家計的にお得になる制度を設計し、それを実施していることで、父親のワーク・ライフ・バランスですね、男女共同参画が進んで、家庭にもうれしい、それから少子化対策として出生率も上がったということになっております。  次、お願いします。  これは1つのスウェーデンの例ですけれども、必ずしも日本がそういうふうにずっとできるわけではありませんので、いろんな例があると思います。これはOECD各国の1人の女性が生涯に産む子供の数です。例えば1950年に生まれた女性が一生に産んだ子供の数、出生率。それから1960年に生まれた女性、それから1970年に生まれた女性ということで、大体50年たたないとフィックスしない値なのでこれが示されているんですけれども、どういうふうに見るかというと、日本は、1950年の出生率が、ここの青の四角で2以上ありました。1970年に生まれた女性が産む子供の数は1.4。1960年から物すごく落ち込みが激しい。このバランスが、というかこの隔たりが短いところですね、例えばカナダ、スウェーデンアメリカイギリスフランスフィンランドノルウェーなんかはその隔たりがほとんどなくて、人口維持ラインは切っているけれども、その変化がそれほど大きくなっておりません。スペイン落ち込みが激しい。この隔たりが大きいほど人口構造にひずみが生じて、高年齢者が多くて少数の若者が多数の高齢者を支えなければいけないという構造になってしまう。ということなので、諸外国は、将来的な問題としてこの変動をなるべく抑え、上昇するのが一番いいんですけれども、このように変化が少ない出生率で維持していくというのが一番大事なことであると思います。もう一つ大事なのはどういう政策をするかですけれども、例えば、スペインは日本と同じぐらい落ち込みが激しいんですけれども、余り少子化対策とか高齢者問題とか聞かないですね。特にそういう少子化対策というのを頑張っているというのも聞かないと思うんですけれども、それはどうしてかというと、次のスライドお願いします。  実は、ヨーロッパ諸国は日本と違って移民という問題がありまして子供が増加するという、マイグレーションというか、グローバルにいろんなところから人々が移住してきます。特に、落ち込みが激しくてもそれほど社会問題化していないような諸国というのは、移民による子供の人口が増加しているようなところです。例えばスペインも、50万人、100万人単位の若年人口の増加は移民による増加というふうに考えられています。イギリスもそうです。アメリカも、実は少子化対策ほとんど公的資金投入していないのですけれども、そういうところでも移民による子供の増加、今後はどうなるか知りませんけれども、増加しているということで、そういう意味では日本とはちょっと違ったファクターがあるということになっております。  次をお願いします。  日本は、そのような海外移住者等により、人口構造のひずみとかそういうものを緩和するという措置ができません。では日本国内でどういうことができるかというと、いろいろあると思います。例えば、これは世界の出産・育児休暇への公的資金の支出額ですけれども、それほど移民の方がいらっしゃらないような、受け入れていないようなところは公的資金がかなり支出されております。カナダとかフランスはそれほど多くないのですけれども、日本に比べるとかなり多い公的資金を、出産・育児休暇等の家族への支援として支出しているというのは大きな違いです。でも、ちょっと着目したいのは、例えばフランスと日本はそれほど額は変わらないんですね。では、どうして出生率があんなに違うのか。日本はフランスよりもはるかに低い出生率、1.4です。何が違うのかというと、次のスライドお願いします。  これは、1日当たりの奥様と旦那様の家事・育児時間です。トップは日本ですね。日本はほとんど旦那さんは家事・育児に時間を費やしておりません。家にいても、家のことを余りやらない。1日当たり83分が平均ですね。女性はその何倍もやっております。アメリカは日本の2倍以上の時間を家庭で過ごしているし、育児もかなり負担している。1時間以上ですね、80分。フランス公的資金がないんですけれども、赤が育児時間で、青がトータルということで、家のことをちょっとしてもらったり、フランスの方は実は育児休業を男性は余りとってらっしゃらないんですけれども、家にいて家族のことをしてくださる時間ははるかに日本の男性よりも多いということで、かなりそういうところが違うということになります。それから、少子化対策先進国スウェーデンノルウェーの北欧ではもっと多く、家にいてもはるかに男性がいろんなことをしてくださっているということになります。  次をお願いします。  これは2014年の統計データですけれども、横軸が1日当たりの仕事時間であります。休日も日曜も普通の平日も含めて平均化した1日当たりの仕事時間と家事時間を比較したものです。横軸が仕事に費やした時間、縦軸が育児も含めて家事をやった時間です。右側が男性、左側が女性のプロットになっております。ここにありますように、日本男性は仕事に費やす時間は470分ほどで、家事時間は1時間程度しかない。日本の女性はそれに比べて200分ちょっとの仕事時間、300何分の家事時間ということで、この隔たりが物すごく大きい。出生率フィンランドフランスアメリカもそうですけれども、ここら辺は、例えばフランスだと、男性の仕事時間は平均230分ぐらい、家事に費やす時間は130分、女性はこのぐらいですね。要するに、女性と男性のプロットの隔たりが大きいほど男性はそれほど家庭のことをやってくださらない、女性ばかり負担がふえている。要するにワークシェアリングですね。家のこともやり、仕事もそれほど働き過ぎでない、働き方改革もして、仕事も家庭も両立させるというワーク・ライフ・バランスをとっている国ほど短いということになっております。この図を出すと皆さんおっしゃるんです、日本男性は必死でみんなのために働いてお金を稼いでいるんだと、だからみんな働いているんだとおっしゃるんですけれども、次のスライドをお願いします。  この図に、1人当たりのGDP、アメリカドル換算ですけれども、2012年の統計値をプロットさせていただきました。要するに、さっきの理論でいきますと、働けば働くほど国は豊かになってみんなもうけると。ところがこのラインが短いほど実は1人当たりの国民総生産は高いです。一番高いのがフィンランド、一番短いところです。要するに、ワーク・ライフ・バランスがとれている国ほど1人当たり国民生産力が高い。要するに、働けば働くほど、時間をかければかけるほど国が豊かになるわけでもなく、皆さん、自分のワーク・ライフ・バランスをとることで、むしろみんなが豊かになるというのが統計的に示されているということです。  次のスライドをお願いします。  もう一つ大事なのは、女性の活躍というか管理職、意思決定機関における女性の割合が高い国ほど、先ほどのように短いワーク・ライフ・バランスがとれているという国になっております。フランスは、それほど国家財政、というか国の予算は、いろんな公的予算少子化対策にとっていませんけれども、意思決定機関に女性がたくさんいるということです。去年12月にお聞きしたところ、2018年から女性が、あらゆる委員会、あらゆる政府レベル、あらゆる行政レベル、大学も含めて、女性の割合を50%にするようにという指示があったそうです。2010年では40%近くですけれども、今は大体全てオートマチックに50%にしているそうです。そういう国だからこそ、女性の社会進出や、ワーク・ライフ・バランスがとれており、少子化対策も進んで、出生率もそれほど低くならずに上がっているということになります。  次をお願いします。  これは日本の現状です。ジェンダー・ギャップ指数というのがありまして、経済、教育、保健、政治の各分野のデータをもとに作成されたものですけれども、日本は今、144カ国中、110位です。特に政治、経済の分野で女性の進出が低いということで、このような状態になっております。  次をお願いします。  日本は何をすればいいのか。2つあります。トップダウンボトムアップですけれども。トップダウンは、非常に日本の文化的背景を考えれば効果的であります。もちろん、上から言いなりではだめなので、みんながやらないといけないということでボトムアップも大事です。  次をお願いします。  例えば、これまでの女性の社会進出の施策の例ですけれども、特に一番効いていたのは2005年の男女共同参画基本法で、第2次なんですけれども、数値目標を設定してから日本における男女共同参画が進んでいるなというのが数値的にもあらわれております。  次のスライドをお願いします。  ここが変換点ですね。大体2005年前後に上昇している。いろんな政策があると思いますけれども、男女共同参画を強力に進めて、数値目標化、要するにそれまでは文章だけで皆でやりましょうと。でも全然進まなかったので、数値目標を入れた段階で少し変わってきているということです。  次のスライドをお願いします。  例えば国立大学の話ですけれども、実際に国の予算を投入して数値目標化した事業がここから始まりましたので、全体的に女性の参画がシフトしてふえたという実例でございます。  次のスライドをお願いします。  男女共同参画が進むと少子化対策にどうしてなるのかというのは、皆さんお聞きになることですけれども、旦那様の休日の家事育児参加の時間がふえればふえるほど、第1子はおいておいても、第2子以降の出生がふえるという実際のデータがございます。要するに、旦那さんが育児が苦手でも家にいて、家のことを一緒にやってワークシェアリングがふえれば、2人目以降、やはり家族を持ちたいなという方がふえるということで、これは実際のデータなので、2時間以上、もしくは4時間ぐらいですよね、ここら辺で皆さん頑張っていただければ、少し対策になるかなということです。  次をお願いします。  これはちょっと古いデータですけれども、現在の数値もそんなに変わらないのでそのまま使わせていただきました。若い男性は意外と皆さん育休をとりたいと思ってらっしゃいまして、60%、70%。だけど実際はとれないという状況でございます。一方女性だけ80%以上とっているという段階で、実際にとった男性は3.3%ということで、今もそんなに変わりはありません。  次をお願いします。  育休を利用しなかった理由というのは、やはり職場が育児休業を取得しづらい雰囲気だったというのが一番です。女性もそうなんですけれども、男性はやはりそういうことが大事。それから育児休業制度が整備されていなかった。もう一つ、陰に隠れている理由は、働き手のメーンの人の収入が20%ダウンするというのは、今、保障が67%ですので幾ら、それで税金の補正があって80%保障されているといっても、やはり20%も家計の収入がダウンするというのはつらいことですので、なかなか皆さん取得しないということです。大体、父親が休んでも100%所得が保障される国は、父親の育児休業取得率は100%に近くなっております。  次をお願いします。  ぜひ、愛媛県が、やはり職場の育児参加を促して、家事参加、育児苦手でも家事、家にいるというのも大事ですし、家のことを一緒にやっていただくというのが大事ですので、育児休業とっていただいて、家のことをやるという意識改革を少し考えていただく。それには働き方改革も推進していただかないといけないので、ワーク・ライフ・バランスのとれるような職場の風土づくりが大事です。そういうことで恐らく、今後は出生率の上昇、もしくはそのままキープして、50年間そのままいけば、人口構造にひずみが生じませんので、人口が減少していっても非常にコンパクトで持続可能な社会になると思います。ぜひ、ファミリーフレンドリーな愛媛県になっていただきたい。ひめボス宣言をされていますので、やはり上司の、トップの主導がまず最初。それから下で意識改革していただいて、全体の風土づくりが大事かなと思っています。  次のスライドをお願いします。  これは、持続可能な社会ということで、国連の目標SDGsにありますように、5番目の男女共同参画を進めるというのは大事な目標でございますので、御検討いただけたらと思います。  以上です。 ○(香月参考人) それでは、続けて私の方から。  少子高齢化時代の農業・農村ということなんですけれども、先ほどお話ししました、社会共創学部は新しい学部なんですけれども、その入試のときに、AO入試で少子高齢化時代にどういうふうに対応すべきかという問題を出したんですよ。うちは、結構女子学生が受けてくるんですけれども、今のような話なんですね。女性が社会参加をしやすいような社会にしてほしいという。これからの若い子、女性って、結構そこのところは切実だと思うんですね。そこのところをどうやっていくかという、基本的な問題になろうかと思います。  私の専門は農業農村社会のところですので、一番高齢化が進んでいる農村社会、農業社会について、その現状と、その中でも、愛媛県でもこういうふうにすれば、結構農村が活性化するんだよという事例について御紹介をしていきたいと思います。  次、お願いします。  この内容で報告させていただきますけれども、時間が限られていますので、1、2のあたりはちょっとはしょりながら説明させていただきます。最初に全国的な農業生産をめぐる状況、それから、その中で2番目が愛媛県農業の特徴について、このあたりは統計分析を御紹介してまいります。それから、3番目は学生にもこういう授業をしているんですけれども、学会なんかでも、愛媛県下で取り組んでいる事例ということで、農業農村の活性化に向けて、愛媛県これだけ頑張っているんですよという、愛媛県こういうふうにやっていますよという、愛媛県が誇るべき何か取り組みについて、御紹介をしていきたいというふうに思っております。  次、お願いします。  まず初めに、農業の担い手って何かという話なんですけれども、簡単に言いますと、かつてはこの左側の農家というのが生産の単位であったというふうに見られていました。ところが農家がかなり減っていっています。それから、最近では、2005年からは農業経営体というとり方をしております。かつては農家が中心で、一部、農家以外にも農業生産をやっている事業体があったんですけれども、これは、簡単な調査しかしていなかったんですね。こんなことで、最近はこれを一緒にして、農業を経営している、農家の方は家族経営体、それから農家以外の事業体は、組織経営体なんていう言い方をしますけれども、こんなふうに統計のやり方を変えています。農業の担い手の実態が変わってきております。  次、お願いします。  組織経営体が占めるシェアってぐんとふえているということをここで示しております。特に、右の方に書いてありますように、組織経営体は数からいうと2015年度でもわずか1.8%しかありません。ところが経営耕地の面積で割り当ててみますと13.1%、この黄色いところがこの15年間で10ポイント以上ふえたということです。ですからそういう形で組織経営体の占めるシェアがぐっとふえており、簡単に言えば、2000年を過ぎたあたりから農業の担い手が農家から何らかの組織経営体に移ってきているというふうな実態が全国の動向になります。特に、このあたりは転作を含めた水田作の担い手が組織経営体に変わっており、集団型の組織なんて言い方をしますが、みんなで機械を買ってみんなで機械を回してということをしています。愛媛県はちょっとそこが弱いんですけれども、こういうふうに上がってきており、転作がそうです、麦や大豆なんかの豆類は水田でつくることが多いんですけれども、ここもかなり組織経営体が頑張っているというふうに変わってきております。それから、畜産部門はもともと日本でも、特に豚とか鶏とかいう中小家畜部分は会社経営のシェアが多かったのですが、最近はそれがぐっとふえてきております。したがって、農業の担い手が組織経営体に変わってきているという実態があると言えます。  次、お願いします。
     そういった中でも、この右の方にありますように、かつては農家から、この黄色いところですが、組織経営体の中でも法人経営に向かって生産の軸足が変わってきたという話です。こういう図で示しましたけれども、特に農産物販売額で見ますとかなり組織経営体の中でも法人経営体のシェアがふえてきている。農業白書に27.3%という数字が出ているたのですけれども、急速に生産の担い手が変わってきたという実態があります。耕地面積も10%ぐらいは法人経営に移ってきているということであります。そんなふうな変化があるということを踏まえて、次、お願いします。  愛媛県の農業の特徴について幾つか御紹介してまいります。これも統計分析からということなんですけれども、1点目が農家数の変化ということです。1985年から5年置きに直近の2015年までということなんですけれども、この下の方が30a以上で農産物販売している販売農家ですね。この真ん中にあるのが、自給的農家という言い方しますが、基本的に自分で食べるものを中心につくっている、30a未満の農家というイメージなんですけれども、特にこの販売農家が物すごく減っています。かつて1985年で6万戸を超えたのが今は3万戸を切って、半減しているということですね。減っていないのが意外と自給的農家、それからこの上のところ、これは土地持ち非農家という言い方をしますけれども、元農家です、農地は持っているんだけれども、もう農業をやっていないなんてことになっています。基本的に、この右にも書きましたけれども、販売農家から自給的農家に移って、自給的農家から土地持ち非農家に移ってという形で、どんどん農家が農業から足を洗っており、かなり急速に農家が減っております。  次、お願いします。  こちらは基幹的農業従事者、農業を仕事としていて、仕事の中でも農業が中心みたいな農家で頑張っている人の数です。こちらの方が急激に減っているんですね。1990年からずっと見てもらいたいのですが、年齢を3つに区分しています。特に2015年を見ていただくと、この数字は5年区切りなんですけれども、65歳未満がざっくりいって3分の1、前期高齢者と言われる65歳から74歳が3分の1、75歳以上が3分の1という、極めて高齢化が進んでいるのが愛媛県の実態で、こういう動きがすごく急速に進んでいるということになっております。  次、お願いします。  さらに耕地面積の動きということも示しております。この左上ですけれども、愛媛県は樹園地が田んぼより多いという特徴を持った地目構成の県です。樹園地とは果樹園、ソウ園やお茶園とか、そういう木が植わっている農地のことですけれども、かつては急傾斜地があって田んぼより多かったんですが、今は田んぼの方が多い状況です。かわってふえているのがこの下のものです。耕作放棄地と言っていますが、もう1万haを超えているということです。この耕作放棄地率を出しておりますが、左が都府県、右が愛媛県という形なんですけれども、2015年の都府県の平均ですと耕作放棄地率が16%ぐらい、愛媛県の場合は25%ぐらいになっています。全国的に見ても愛媛県は高い耕作放棄地率ということになっています。やはり傾斜地の樹園地があってなかなか耕作できないということで、こうなっているんですね。こういうふうな話を聞きますと、愛媛県はかなり農業後退的な面が色濃く出ているという県になるんですけれども、明るい話題がないわけではありません。愛媛県の特徴って柑橘作ですよね。愛媛県の特徴で、これは毎年12月の愛媛県産の温州ミカンの東京都中央卸売市場の価格です。キログラム当たりの単価ということですけれども、かつてはこんなにでこぼこしていたんですね、隔年結果なんて言い方をしますけれども、最近になるといい水準いっているんですよね。こういう安いところですと採算がとれないような状況があったと思うんですけれども、最近は価格は徐々に上がってきていますし、変化もしていないということです。ここまで来ると、農家の跡継ぎが都会に出ていっても、ミカンつくろうかといって帰ってくるなんていうことが起こっているということだと思うんですね。そういう意味では少し明るい話題ということになります。こういったことが起こっている背景がその右側の方です。ミカンってかつては物すごくたくさんの園地がありました。17万haぐらいあったのが、今はこれがぐんと減って4万haまで減っています。途中で政策的にも園地再編事業なんていうのをやっていますので、どんどん減らしてきた、そういう果てに何があるのかというと、この辺まで来るとそこそこ高値がつくみたいなところまで来ているというふうに考えていいんではないかと思うんですね。温州ミカンというのは最近堅調であるということですけれども、かつては安くてたくさん食べるみたいな、大衆果実というイメージだったと思うんです。今はそんなに食べないけれども味わって楽しんで少し高くても買ってくれるという、そういうところまで来ているんではないかと思うんですね。そうなってくるとやや明るい展望が描けるような状況になっているんではないか。頑張って残ってきた生産者にとって少し朗報があるというふうな状況になったと思います。  次、お願いします。  これも愛媛県の農業の特徴です。農業関連事業の取り組みということで、簡単に言うと、例えば農産物の加工であったり直売であったり、その他グリーンツーリズム関係の取り組みも農業関連事業と言っているんですけれども、愛媛県は個々の規模は小さいんですけれども、こういった農業関連事業については結構取り組みが、密度が濃いということになります。この右の方を見てもらうと、1市町村当たり愛媛県の取り組み状況を全国と比べています。例えば農産物の加工になりますと、2015年度は全国で14.6経営体ですけれども、愛媛県、例えば19.5経営体。あるいは女性起業なんて、これは食品加工なんかをやっている取り組みなんですが、ここも1市町村当たり全国5.6経営体に対して愛媛県は20.4経営体。それから農産物直売所。愛媛県の場合、直売所の規模がでかいものですから、数的にはそんなに変わらないんですけれども販売額で見ますと全国平均の5.8億円に対して14.8億円になっています。こんなふうになっていますので、農業関連事業の取り組みというのは結構密度濃くやっているのが愛媛県の特徴になっています。ちなみにこれ1市町村当たりで比べますと、ここに書きましたように愛媛県の1市町村の人口は全国より少ないですから、人口当たりにするともっと高くなってきます。ということで、愛媛県では、こういう農業関連事業を基礎に頑張る余地が結構あるのではないかと思っています。ただ問題は、観光農園とか民宿とか農家レストランとか体験農園については、全国とそんなに変わらないということになります。後で紹介しますけれども、直売所がどちらかというと、中予・東予の人口が多いところで展開していますけれども、グリーンツーリズム系というのは、来てもらって体験してもらうということは南予の方の取り組みの性格が強いと思うんです、ちょっとそこが弱いという実態があると思っています。  次、お願いします。  これは、農産物直売所の方なんですけれども、これも実は四国はすごく盛んなんですね。愛媛県全体の農産物直売所の直近の販売額は、都道府県別に見ると10位なんですけれども、人口1人当たりになると高知県に次いで第2位になっています。ということで愛媛県は物すごく農産物直売所が盛んです。これは右の方は農協がやっている規模の大きな直売所の合計した数字なんですけれども、この棒グラフの方が販売額ですけれども、ずっと最近まで右肩上がりです。出荷会員数、つくっている農家さんなんですが、最近、若干減っています。それから来店客数も、ちょっと落ち込んでいますけれども、最近までいずれもがふえてきております。身近なところで気がつきませんけれども、愛媛県って物すごく農産物直売所が盛んなところということになります。こういうことを活用して、実は農村の活性化が行われているという流れになっております。  これちょっと飛ばして、その次お願いします。  愛媛県下の取り組みの事例ということで、農村の活性化に向けて頑張っている事例を3つ御紹介してまいります。  1つは、これすごく有名ですが、さいさいきて屋です。おちいまばり農協で直営をしているというところですね。改めて御紹介しますが、直売所って、農家が生産した農産物をみずから包装して小分けにして自分で値段をつけます。それから、直売所に持っていって棚に並べます。売れた場合には、そこから15%程度の経費を引いてそれが自分の収入になるということです。もし売れなかった場合にはみずから撤去するということを課している場合が多いです。こうなってきますと、農家というのは、単に生産するだけではなくて売るためのいろんな工夫をしているということになります。どんな値づけをするかとか、どんなパッケージにするかとか、何をつくるかを含めて、どこに置いたらいいかとか、商品の紹介をする、食べ方の提案をする、そういったことについて工夫をします。売れた場合には、こういう売る喜びを感じるということになります。この今治のさいさいきて屋は、直売所の中で全国3位の売り上げです。第5位が周桑農協の周ちゃん広場、第7位が太陽市、松山市にありますね。  ということで、これ見てもわかりますように愛媛県というのは物すごく規模の大きな立派な直売所があるということです。そのうち、おちいまばり農協の紹介なんですけれども、この直売所は2000年にできていますが、その背景ですけれども、こんなふうに紹介されています。高齢化によって離農が進んできています。かつては市場出荷をしてきたんですけれども、そういった市場出荷ができないようなやや見てくれが悪いような規格品外があって、それをどうやって売ろうかということも必要になってくる。それから農家女性の活躍の場もつくる必要があるだろう。そんなことが問題の背景としてあったということで、それらを踏まえて従来型の中堅農家を中心とする産地形成・卸売市場出荷から、多様な担い手による地産地消型産地への転換を図るということを農協として決断をするわけですよね。その拠点とする農産物直売所としてつくったということです。地元産の多様な農産物・農産加工品を販売するという仕掛けです。  次、お願いします。  これがおちいまばり農協の販売構成です。ちょっと古いんですけれども、さっき言った22億円はこのあたりですね。2007年に今ある大型店舗に移転をしているということです。この特徴は、農家会員の販売の26%と、農協の集めたものをこっちに持ってきているというほかに、地元の商工業者の加工品等を持ってきている。それから精肉を全農えひめから、鮮魚を地元の漁協からという形で、ここで全部ありとあらゆるいわば地元産の食材がそろうという、こういう直売所をつくったということですね。それにプラス、ここでは併設施設として食堂とカフェをやっています。それからさらに加えて学校給食もやっているということです。これが全国3位の直売所の販売構成となっています。  このさいさいきて屋は1,200人を超える農業生産者会員が出荷をしております。かなりの生産者を集めているということです。それからさっき言いましたように多くの関係者と連携をして荷を集めているということで地産地消を推進しているということなんですけれども、これプラス耕作放棄対策とか6次産業化とか教育とか雇用創出にもなりますし、さいさいグループはほかにも幾つかあり、販売拠点が、合わせると170人を雇用しているという内訳になっており、全部合わせて直売所が地域活性化の拠点になっているということであります。そんなのを図にしたものを見ていただきたいんですけれども、いろんな工夫をしています。まず、農産物を出荷できない生産者いますが、これを集めてくるということです。朝に島伝いに出勤してくる農協の職員さんが荷を集めて回っているということですね。これは、会員の方の6割ぐらいを占める販売額50万円未満の小さな生産者を集めてきてこういうのをやっているということですし、その帰り便には買い物に来られないような農家の方々に宅配をしたり、安否確認をしたりということもやっています。それから直売所のカフェとかレストランもやっています。これはなるべく売れ残りが少ないような仕掛けをするということで、ここから買ったものを食堂・カフェに使っているといったことをやっています。それからそのほかにも、下の方に農園の体験学習とかもあって教育のことも含めていろんなことやっているということです。  次、お願いします。  さいさいきて屋の附帯施設には、多目的農園があったりクッキングスタジオとかもあり、料理教室なんかも開いているということで、かなり地域に開かれたいろんなことをやっているということになります。ちょっと時間が押していますのではしょりますけれども、後で御覧いただければということです。  次、こんな図を入れてきました。  農村の直売所が地産地消型になると地域の活性化の効果が大きいのは人口が多い地域なんです。愛媛県、中予、東予、南予とありますが、御案内のとおり東予はずっと横ばい、中予は松山を中心にふえてきております。中予、東予には人が多いんですけれども南予はかなり落ち込んでいるのは、御案内のとおりですね。こうなってくると直売所の場合も中予、東予の場合はそこそこ威力を発揮するということになるんですけれども、南予の場合、もう一工夫必要でなかろうかと思うんですね。これから紹介するのが西予市の2つの取り組みです。百姓百品という西予市野村町にある取り組みです。これは中予とタイアップして、松山市内の生協に飲食を販売しています。それからもうひとつは西予市明浜町の無茶々園。ここは有機・無農薬の柑橘を全国に向けて売っている取り組みで、かなり両方とも有名だと思いますけれども、この2つの事例についてざっと御紹介をしてまいります。  百姓百品ですけれども、御存じのとおり野村町はかつて酪農と養蚕、ミルクとシルクの町なんていうんですけれども、典型的な中山間地域であります。谷間や高台に農地が散在し、農地の集積が進みにくいというところですね。ここではおちいまばり農協なんかよりも早く担い手不足と高齢化が並進をしているということで、通常何か農産物を売る場合には農協へ出荷するわけですけれども、それができない農家がどんどんできているということになっています。そういう中で高齢・零細生産者の規格外品、それから小規模出荷に即した新たな販売対策を模索しているということです。早くから地産地消型で町内で朝市をやっていたということなんですけれども、これだけだと市場が狭いということで1998年に松山に常設店をつくります。さらにそれをしっかりしたものにするために、2006年に株式会社百姓百品をつくりました。これは地域の住民が出資してつくった株式会社ということです。ここを販売組織にして松山市内のコープえひめの3店舗のインショップで売るという体制をつくりました。ここは直売所ではないものですから手数料が30%かかります。500人ぐらいが参画をしていますけれども、販売金額が30万円未満の生産者が6割を超えています。それからもう一つ特徴的な点は70歳以上が60%を占めるということで、かなり高齢化した人たちのつくった野菜とか加工品を売ってくれているということです。何でこんなことやっているのかというと、年金だけではちょっと足りないときにプラスアルファとしてのお金をあげます。お小遣いになり、子供に、孫に何か買ってあげることができるということプラス、そういった生きがいがあると同時に、やはり農業生産、加工で働きますので健康につながるということです。こんなことをしっかりやっているということですけれども、ここも集荷場で幾つかポイントがあって、集荷してきたものをもう一回積み合わせて松山市まで持って行きます。毎朝輸送しているという形になります。この生協の方ですけれども、百姓百品コーナー、インショップがありまして、そこでは百姓百品の株式会社が雇ったパートさんが陳列・品出しをやっているということで、これは結構人気コーナーで、朝からお客さんが待っていてくれる、買ってくれているということです。生協がレジ対応したりクレーム対応してくれるということですね。商品のコンセプトみたいなものは田舎の食事、自分がつくった食材なんかをおすそ分けして、それを買ってきて食べるという、そんな素朴な感じの対応ということです。この販売額が3億円近くまで拡大をしたんですけれども、高齢化で実は生産は伸び悩んでおります。何を次にやったかというと、2008年にみずから農業生産法人をつくっております。ただ生協向けに本当は出したかったのですけれども、ネギの生産に特化した契約・業務用販売をやっています。  次、お願いします。  これが簡単な流れです。この(1)のところは紹介したそういう販売組織をつくったということですけれども、(2)で農業生産法人を立ち上げております。最初はこういう生協で売るようなものを補うという目的があったんですけれども、地域にかなり耕作放棄地が広がっております。そういうところで効率的に農業を守ろうとすると何か単一の生産に特化したほうがつくりやすいということもあって、ネギの生産をやっています。コネギですね。外食用や業務用の契約生産を中心に結構伸びているという状況にあります。大黒うどんとか大介うどんはコネギをここから買ってるんですね。これが6,000万円ぐらいまでふえているということです。こんなふうに自分たちで会社をつくったんですけれども、生産が伸びていくと今度は、労働力不足にどう対応するかということになります。この場合にすごく特徴的な点は障がい者の就労とリンクしてやっているということです。愛媛県の場合でも農福連携といって最近取り組んでおられますけれども、このグループ組織が野村福祉園という障がい者福祉施設、これはB型といって、A型は最低賃金払うんですけれども、こっちはそういう規制がないものですね。ということでここに業務委託をすることによって障がい者30名ほどに農作業に従事してもらっています。いろんな農作業とか、それからネギなんかを収穫した後の皮むきとか選別、いろんな仕事があるのでやってもらっています。  次、お願いします。  こんなふうに最初は自分たちで(1)の野菜の販売組織をつくります。その次は自分たちで農業生産法人を始めました。その次に福祉施設をつくってここに作業をお願いしています。一部清掃作業なんかもお願いしています。これはちょっと古いのですが2010年ぐらいの実態です。  次、お願いします。  同じことなんですけれども、こんな形で百姓百品型農村活躍モデルと書いてみましたけれども、もともと地産地消を目指した直売所は地元にもあるんですけれども、これだけでは十分ではないというんで松山市内の生協と連携をしてこのラインをつくりましたということですね。やがてここで農業生産法人を始めます。ここは全国対応しているんですね。全国で売っても自分たちがつくった組織できちんと営業できるような人材を育てていますので、全国で売れるようなネギをつくっちゃったということですね。これが大きくなってくると今度は福祉に参入して、福祉の方と連携をしながら作業をやってもらうなんて形をつくりあげていくという、何ともたくましい農村の活性化のための組織づくりの事例であります。  次、お願いします。  最後、無茶々園になります。こちらはかなり有名な組織なので御案内のとおりかもしれませんが。無茶々園はもっと早くから活動しています。1974年に活動を開始しております。ここは柑橘の生産者の組織で、無肥料・無農薬や有機栽培を実践しようとしているんですね。これは必ずしもうまくいっていませんけれども、そういった農家が集まった組織です。やがてそれを法人化するということプラス、先ほどの百姓百品に似ているんですけれども、農家の組織から自分たちで農場を持って、それからこっちの方も福祉事業にも展開をしているという、同じような流れです。  次、お願いします。  これが無茶々園の全体像です。1974年に農業者3人で有機農業をやろうとスタートして、この4つの組織を束ねたのが地域協同組合無茶々園で、事務局を設けています。不思議な組織で、農協のような組織なんですけれども農協でもないという感じです。1989年に生産者が農事組合法人をつくっています。これは生産者の組合ということで農協的なんですけれども、やがて農産物を販売するための会社を独立させて、株式会社をつくっています。さらに自分たちで農場持っています。最近になって2013年に、高齢者福祉ですけれども福祉事業を展開しております。この農事組合法人は、最初に生産者の組織をつくったのですけれどもなかなかこの有機柑橘売れず、新たな販売方法を模索してこれを構築したということなんです。特徴的なのは消費者に直接売るというルートをつくって宅配をする、プラス生協の予約注文をとってくるというやり方をやっているんですね。やはり直売所組織を持っています。この販売組織ということで株式会社無茶々園をつくっております。それから最近の動きとして自社農場をつくっています。自分たちの農場を持っています。これは柑橘以外の野菜をつくるということと、それから大きく多目的な農業を展開して、これと並行して特に研修機能なんかも農場に持たせるということで、域外から担い手を確保するという取り組みを行っています。新規就農者をリクルートしてくる。これは、実際にはあんまり成果が上がらなかったんですけれども、これがうまくいかないと今度は外国人技能実習生を受け入れるということをやっております。直近ですと21名ぐらいです。そのうち15人が生産者組合、あとの6人はこの組織の中で働いています。ただ、外国人技能実習生を受け入れてはいますけれども、単なる外国人労働者の受け入れではないですね。国際連携を追求している。国に帰ってもらった後も連携しながら一緒に農業やっていこうみたいな。今は外国人技能実習生が来てくれますけれどもやがて選ばれることになるだろう、そのときにやはり継続的に来てもらうためにはきちんとフォローアップする必要がある、何かそんなことも考えているということです。最後に高齢者福祉施設をつくっているということです。特徴的なのは、施設に1億円ぐらいかかっているんですけれども、無茶々園の生産者の組合員26名が出資しています。プラス消費者会員、ミカンを直接送っている会員に呼びかけてここにも出資をしてもらっているんですね。この無茶々園というのはそういう開かれた組織で応援団が都会にもいて、何かあったらこうやって出資をしてくれるという形になっています。こういう福祉施設をつくるときもそうだったんですが、農場つくるときの農地の購入も足らないので消費者会員にお願いすると出資をしてくれるなんて形になっています。ここの高齢者福祉施設なんですけれども年金プラスアルファぐらいで入れるという施設を目指しています。プラス無茶々園の関連ですんで軽い農作業なんかをやってもらって、このプラスアルファにしてもらうことも考えています。それから、行く行くは高齢者だけでなく子供から高齢者まで地域の福祉の拠点づくりを目指そうなんてことも考えているということであります。  次、お願いします。  これがその無茶々園の仕入れ・販売の実態であります。真ん中にこの販売組織無茶々園があります。左の方が仕入れですね。右の方が販売ですね。大体2017年度で5億円ぐらい仕入れています。中身は柑橘中心で加工品。どこから出ているかというと無茶々園の生産者会員、プラスそれから自分たちが持っている農場、プラス最近では四国エコネットといって協力農家周辺の農家もあわせて仕入れています。だから自分たちの組織だけではなくて周りの生産者も巻き込んでこういう事業を展開しているということですね。こういうふうに仕入れた上で、やはり柑橘中心ではありますけれども、どこに売っているかで特徴的なのは、直接消費者に売っている分が23%あります。これは、会員の注文に応じていろんな形で宅配便で送ってくれますが、その数は9,300人です。こういう人たちがだから何かあったら応援団になってくれるという話ですし、そのほかに首都圏を中心に展開している生協グループが2つあります。パルシテムとそれから生活クラブ生協でありますが、ここが3割ぐらいあります。そのほかにもいろんな生協を中心とする販売先が50社以上ということで、こういった販売法の間にある株式会社無茶々園が仲介しているということなんです。これだけの事業やっていますとここに雇用が発生しています。この福祉事業を除いた部分の事業で人件費が1億4,000万円ぐらいです。役員、職員、パートを含んで54名の雇用を生み出しているんです。プラス福祉を入れると人件費が2億4,000万円ぐらいで、115名の雇用を生み出しているということになります。ということで田舎の総合商社という分析をしているんですけれども、結構なことをやはりやっているということです。  次、お願いします。  だんだん農家の組織から地域組織に変わってきている取り組みがあって、これは彼らが描いたこれから目指したいという福祉事業の中身であります。自分たちでやるほかにも関連の組織と連携をして総合的な社会福祉事業をやっていきたいという思いがあるということなんです。  ということで、まとめますと愛媛県下の取り組みの事例はいずれも新しい販売方式を構築している。直売所であったり生協との連携であったり消費者に直接売る。いろんな加工についても工夫をしているということになります。  それから農業生産法人等みずから農業経営を指向している。売る組織から始まって今度はものをつくる、農業をやるということも含めておちいまばり農協も農協が農業経営を始めていますので、そういう形であわせて農業生産と同時に担い手の育成も図っている。新規就農者の受け入れでありますとか高齢者の例えば定年後の就農先といった目いっぱい農業しないという方も含めてですけれども、そういう農業就労の場を提供する。きちんとつくってもらえる組織を持っているということになります。  それから流通加工分野です。結構雇用を生み出しているということになります。うまくいけば耕作放棄地を解消する方向が見えてくるということになります。最近の動きとしては地域の福祉分野に進出をしているという共通点があります。高齢者をどうやって地域につけていくのか。働き手として参画してもらうのかという問題があって、これはそれぞれの組織が対応しております。プラス百姓百品の場合は障がい者の方とも連携をしているということですね。結構農村は高齢者が多くてということもありますけれども、もう一つあるのは障がい者の方にどう参画していただくかということです。地域には必ず高齢者もいますけれども障がい者もいらっしゃいます。彼らと一緒に何ができるなんてことも真剣に地域の問題として考える必要があるというふうに考えています。  最後になりますけれども、これからの組織は地域の身近な問題、コミュニティビジネスの振興ということで一致があります。お金もうけにつながる部分がありますけれども、それプラス生活面での何かしら自分たちの生活を守っていく、あるいは何か向上させるというそういった問題について解決するシステムを内包しているような取り組みだというふうに言えると思います。それぞれの組織はいろんな課題があって十分にうまくいっているとは言えませんけれども、これだけいろんなことをやっていれば農村の活性化のモデルになり得るような取り組みになろうと思います。こんなことを我々は授業の中で学生に紹介しながら実際見て来いよなんてことをしていますし、学会なんかでもなかなか愛媛県は頑張っていますよねということで紹介をしているということです。ということで、愛媛県にいい事例がありますよということをちょっと紹介したということで、終わらせていただきます。 ○(西原進平委員長) どうもありがとうございました。  御説明をいただきましたので、ちょっと休憩をさせていただこうと思っております。それでは午後2時25分から再開します。               午後2時16分 休憩            ――――――――――――――               午後2時26分 再開 ○(西原進平委員長) 再開いたします。  委員の皆さん参考人のお二人から御説明をいただきました。ただいまの御説明等々の内容につきまして、皆さん方の質疑を受けたいと思います。どなたからでも結構です。どうぞ。 ○(武井多佳子委員) 男女共同参画のことで。13ページの日本の男性の家事・育児時間の少なさというのは私もずっと注目していて、もちろんワーク・ライフ・バランスと言われて久しいですけれども、なかなか男性の家事時間がふえていかない。それと、日本の場合は家事時間にかける時間数も全体的に多いという、日本食とかいろんな家事の問題も違う問題が、ドイツなんかはすごく食事も簡素で切って出すだけとか、そういう感じのところもあるから違いもあるのかと思うんですけれども、男性の家事時間をふやすために、家庭科も必修になったりしていますけれども、どういうところをもっと改善していって家事に携わる時間をふやしていけると先生は見てらっしゃるか、もしあれだったらお願いしたいのが1つと、それと、愛媛大学学長特別補佐男女共同参画の担当があるというのはすばらしいと思うんですけれども、県庁でもなかなか男性の育児取得は難しく、以前に資料をもらって、私もきょう持ってこれていないんですけれども、かなり低いなと思って残念だったんですけれども、愛媛大学の男性職員の取得というのはどうなんでしょうか。 ○(堀参考人) では最初に簡単な方から。愛媛大学の男性職員の育児休暇はパーセントでは1%以下で0.00コンマ%と、初めて誰々が育児休暇をその学部で取得しましたというのがニュースになるぐらいでございまして、なかなか進んでおりません。今後、我々の部局では、男性の育児休業の取得を上げていこうという企画を練っております。そういう意味では、1番目の御質問にも関連するんですけれども、最初はある程度、強制的に施策として、制度として、パーセントの目標値を入れて、とりあえずは皆さんとってみましょうというのが大事かなと思います。そういうのを企画してやっていこうというのを、常務理事とも相談しながらやっております。  1番目の日本全国どうしたらよいかという質問です。日本男性は働き過ぎで、頑張ってくださっているんですけれども、それはある程度休んでいただいて、能率を上げるというのも大事なので、どうしたら皆さんをもう少し家庭に戻していただけるかというのは、最初はやはり強制的なところ、施策的なところが必要かと思います。まずそういうふうにしていただく。それから、諸外国を見ると、要するにお金の問題、家計の問題、育児休暇を取得して家にいても、要するに収入が減らないというところがやはり大事でありまして、そこら辺の補填を地方自治体もしくは政府、本当は政府の問題かもしれないんですけれども、そういうところで補填して、まず最初はフルカバーではなくてもいいと思うんです。実際、皆さん、家に帰ってゆっくりしたいという希望は多いと思うんです。それで少しワーク・ライフ・バランスというか、そういう意識も少しずつ変わっていくと思うので、それからステップ・バイ・ステップで少しずつ考えていただければいいと思います。日本という国はどうしても最初はちょっと強制的なプッシュが必要かなと思っております。 ○(兵頭竜委員) 説明、ありがとうございました。農業・農村の関係で質問をさせていただきたいと思います。  私も西予市に今住んでおりますから、いろんなことを聞かさせていただきながら、事例も改めて確認もしながら聞かさせていただきました。  冒頭の説明の中で、愛媛県の耕作放棄地の関係の部分が出ていたと思いますが、全国的にもなかなか多い、私も現状を見ても非常に厳しいなというふうに思っています。このような農業団体がいろんな取り組みをすることによって、少しでも解消をしていく一助になればいいなと思いますし、しかしながら一方では、こういった耕作放棄地が、今4分の1ぐらいあったのかな、そういった部分においてなかなか今後も解消されるとは、24.6%の耕作放棄地率ですか。そういった部分の解消において、一度耕作放棄地になるとそのまま、なかなか復活といっても考えづらいんですが、これからどのような状況になり、また、どのような対策、例えば、これを農地ではなくて違う部分に利用していくといった展望やお考え等があったら教えてください。 ○(香月参考人) なかなか難しい問題だと思うんですよね。全部守ることは多分できないということを踏まえると、残すべきところとそうでないところを峻別するということをどこかでやらなきゃいけないのではないかと思うんですよね。残すときにどうやって残すかというのもありますけれども、ちょっともったいない。ただ誰が耕作をするのか、どんなやり方があるのかと、そこのところをもう少し頭を整理していく必要があるだろうと思うんですよね。だから、そこはもう少し行政とか農協とかそういうところが知恵を出し合う必要があるだろうと思うんですけれども、なかなかいい解は多分ないとは思います。ただ耕作放棄地ですので、何か粗放的なやり方がないわけではないのかもしれないという気がします。  参考になるかどうかわからないですけれども、例えばまさに人手がなくてこうやって荒れているわけですよね。人手がなくても何か使えるような耕作放棄地の対応方法とか、そこで知恵を絞る必要があるんだと思います。だからこれがいいかどうかわかりませんけれども、例えば思い切って粗放的栽培の飼料畑にしてしまうとか、何かそういうことでもすれば幾らか違うんではないのか、放牧地にするとか、そういった思い切ったことのアイデアはあり得るような気がするんですけれども、それも個々の農家ではできませんし、組織的に対応していくということが重要だと思うんですよ。いろんな方法はあると思うので、地域で知恵を出し合い、耕作放棄地があるから人に来てもらって農業をやってもらうということも可能性としてないわけではないです。  だから、さっきの話ではありませんけれども、残すべきところとそうでないところをどこかで線引しないといけないときに、よそから来てもらった人にあまり悪いところを宛てがうこともしないほうがいいと思いますので、逆に言うとちゃんとやっていけるような農地を整備した上で来てもらうとか、ただ、そこは全部そうできませんから何かしらそういう地域の役割、農地利用計画みたいなものをもう一回見直してみる必要があるんだろうと思います。そこが大きな問題ですので、地域に伝統的に農業委員会とかがあってその地域に詳しい方々、耕作者、農業者、行政それから農協も含めて知恵を出し合いながら、どういうふうに展望するのかということを真剣に考えていく必要があるんだろうと思うんですね。だから、そういったことができるかどうかということが農村・農業の活性化につながっていくということだと思うんですね。そこのところをやはり地域で頑張ってもらうしかないんですけれども、それに対して行政は何ができるのか、そこの役割分担を考えていく必要があるんではないかな、僕もよくわからないんですけれども、やはりみんな知恵を出し合うしかないんだろうと思うんですね。 ○(松尾和久委員) ありがとうございました。少子化対策の方の資料の13ページなんですけれども、先ほどは家事の方でしたけれども、育児の方を聞いてみたいんですけれども、夫と妻と足した時間が日本が274分でイギリスが302分と多いのですけれども、それ以外が大体210分から197分で、フランスなんかは157分ということで、子供にかける育児の時間が外国で短いのはどういう要素があるのか。もし分析されているんだったら教えていただけたらと思います。 ○(堀参考人) 例えばフランスなんかは女性が育児にかける時間は低いですけれども、それはアウトソーシングがかなり進んでいまして、働いているし、自分でやれることは限られているので、そういうところに預けたりベビーシッター雇ったりと、そういう細かいサポートがフランスにはあります。なるべく自分ができることとできないことをきっちりして、それほど無理をしないというのがあります。先ほど御質問があったようにどうしても日本女性は、一生懸命やってしまう。ドイツもちょっとそういうところがありますけれども、家事を全部やってしまわないといけないというところがあるんですけれども、少しずつ外に、組織に任せてアウトソーシングできるところは楽にしましょうという形で進んでいます。 ○(松尾和久委員) ありがとうございます。日本も今、働き方改革ということで、女性も社会進出をどんどんしましょうというところで、やはりそういう制度の仕組みを社会全体でつくっていくことが大切なんだろうというふうに思いますし、我々もそういうところをぜひ勉強させてもらって充実させていく方向でいかないといけないなと思います。  それともう一つは、先ほど育児休業をとるときに給与が全額支払われるという中で、日本はまだ消費税がことしやっと10%になるので、スウェーデンとかノルウェーとか既に25%ぐらいだったと思うんですけれども、そういった国全体の仕組みの中で、税金を納める方とそれをどこに活用していくかという議論がもっと日本で広まらないといけない。少子化対策といったら全体のことだと思うんですけれども、そういった議論の深め方というのは大学の方で若い子たちに教えて、例えば女性に、自分がこれから社会に出ていくにしても子育てするにしても、自分たちが社会に出たときに、どういったことが求められているのか、そんな議論がもし大学であるのなら若い子たちの今の考え方というのをちょっと教えてもらえたらなと。どんなことを社会に期待されているか。要は、授業の中でも、自分たちがお母さんになったときにこういう制度があったら子供を産めるよねというような会話があれば教えてもらえたらなと。 ○(堀参考人) 入学した段階で男女共同参画の授業を全入学生にやっているんですけれども、残念ながらそこまでの議論は実はありません。というのは、大学というか学校内ではもう男女共同というか男女平等がきちっとされているので、そういう実体験をまだ皆さんしていません。女子学生も男子学生も男女平等を当たり前だと思っても、就職活動とか社会に出たときに男女共同参画が進んだとはいえやはりギャップがあって、そのときに困るという段階で、まだ、こうあったら助かるよねというところまでの意見が出ていないのがうちの大学生の段階です。 ○(武井多佳子委員) 私もちょうど大学生の意識等、そういうものを聞いてみたいなと思っていたんですけれども、数年前だったか、女子大生の専業主婦指向がちょっと上がっていたときがあったんですよね。それがすごくショックで、結局自分が外に出て働いても家事も育児も負わなければならないというところのその社会の変わらなさが、女子大学生をやはり専業主婦指向に持っていってしまうのかなと思って私たちの問題だなと思ったんですけれども、例えば愛媛大学では、そういうような学生の意識を調査したりそれを発信したりということがもしあればちょっと紹介していただけたら。 ○(堀参考人) 愛媛大学では、数年前に愛媛県下のほかの大学と共同して意識調査をしたことがありまして、女子学生がそういう、こんなに働かなきゃみたいな、何もかもしょい込まないといけないのはちょっとと、だから、お母さんが少子化もみんなしょい込まないといけないのでちょっとねという形で、やはり保守的になっているというところはあります。なので、意識調査をすると専業主婦がいいわという女子学生は昔に比べてちょっとずつふえているところもあります。ただ実際に社会に出ると成り立たないので、今は働かないとという形です。 ○(福羅浩一委員) 多分、同世代同士は恐らく意識が一緒で、だから学校の中では同世代同士だからあまり気にならないと、ただ社会に出ると男子厨房に入らずみたいな教えを得たそういう男子が、その人たちはその時代には正しかったんだと僕は思っていますけれども、そこでギャップがあって会社の中ではいろいろあつれきが出てくるということなんではないかなと思います。僕もまだ幼稚園児がいるんですけれども、こういう仕事ですから育休なんかありませんけれども、とりたいと思ったこともあったけれどもとれなかったということもあります。でも恐らく世代間の中ではそういうのが均一化されてきているというか理解をされているんではないかなと思うので、もう少し時代が進めばある程度そういう考え方になってくるんではないかなとも思っています。  これでいうと、育休を利用しなかった理由で取得しづらい雰囲気だったというのは大きく2つ問題があって、さっき言ったジェネレーションギャップがある部分と、もう一つは独身者からあんまり理解が得られない、私たちも一緒に同じような条件で働いていて、同じように仕事しているのに私たちには子供がいないと、何であそこの方たち、あの人だけ育休をとれるのという部分があるので、このあたりというのはやはりしっかり教育をしていくというか、そういうものを植えつけるというか理解を求めるといったことが一番必要なのかなと思っております。そのためには、こういう補填があるというのをしっかり制度的に整備していくということなんだと思うんですけれども、そのあたりをどう教育していくべきなのかなということがあると思うんです。学校の中でそういうことが教えられるのか、あるいは社会に出る時点でしっかりやるのか、そのあたりの教育の部分を今後、どうやっていけばいいのか考えていることがあったら教えていただきたい。 ○(堀参考人) 日本の教育は常に男女平等を教えておりますし、大学でも必ずこういう準備もしておりますし、そういう意識はあるので、時間をかけていけば多分、今のジェネレーションがだんだんトップになっていけばそういうこともなくなると思うんですけれども、これ以上少子化が進むとなかなか大変なので、今大事なことは、大学も社会も企業も、トップがまず意識改革をしていただいて、例えばトップが育休なり、育休がとれない独身の方が多いのならばライフイベントで休暇をとるなり、そういう働き方改革を率先してやっていただいて風土づくりをまずしていただく。そしてあと10年ぐらいはとりあえずそのあたりで意識改革をしていただいて、独身者も妻帯者も働き方改革もしくは育休をとりやすい雰囲気に風土づくりをしていただく、環境づくりをまずしていただくのが大事です。そうすれば次のジェネレーションがもう意識改革されていますので、ライフイベントに合わせてちゅうちょなく休暇を取得し、育児にも家事にも参画できるんではないかと思います。 ○(福羅浩一委員) ありがとうございます。そこが多分一番大事なんだろうなというふうに思います。  もう一つは、トップの意識を変えていくことですね。 ○(川本健太委員) 実は私、現在、愛媛大学の夜間主コースに通わせてもらっていまして、お世話になっております。私も、入学して1年目のときに、この資料にも出ている202030と書かれた授業を受けたことを覚えております。そのときにダイバーシティというような言葉を教えてもらって、いろいろ考えるようになりました。2020年がもう目の前まで来ている中で、実際そういう授業も行っている愛媛大学で、先ほど育児休業の話のところでは本当に0.何%というようなお話もありましたけれども、主導的地位に占める女性の割合というのは今現時点でどれぐらいなんでしょうか。 ○(堀参考人) 10%前後ですね。だから、男女共同参画関係で、愛媛大学でトップの学長特別補佐になったのは私が初めてでことし4月からということになります。事務局の女性の管理職の割合は13%以上なんですけれども、どうしても教職員になりますと、特に教授職になると低くなります。私がそういうトップの管理職に上がったのは、やはりトップのコミットメントというか、トップがそういうふうに積極的に上げていくというのがまず大事であります。残念ながらそういう状況ですので、頑張ってはいるんですけれども、教育機関からして模範を示せていないという段階でございますので、そういうところからまず変えていかないといけないと思っております。 ○(川本健太委員) 数値の方も教えていただいたんですけれども、おっしゃっていただいたように、教育をする、指導をする立場の学校でもやはり実践するのはなかなか難しいということなので、やはり一般の企業においてもそんなに簡単ではないんだろうなというふうに改めて思いました。  そういう中で、男女共同参画ということで、この愛媛県議会でも女性議員ははっきり言ってすごく少ないですし、ほかの議会でもやはりかなりパーセンテージは低いと思います。そういう中で、選挙というものを経て我々はここにいるので、この問題に関して議員の世界では少し難しい部分もあるような気もするんですけれども、先ほどおっしゃったように、トップダウンで政策主導で最初は少しいびつな形になったとしても、そういう立場の人をつくるのも1つの考え方なのではないのかなというふうに私は思っております。そうして、そういった制度をつくって女性が主導的地位について、また、そういった人たちを、先輩を見て私も将来は管理職になろうというような若い世代もふえてくるんではないのかなというふうに僕は思っているんですけれども、そういった考えについてはどう思われますか。 ○(堀参考人) もちろんありがたいと思います。そういう考え方で多分大丈夫だと思うんですけれども。もちろんうちもトップ主導型で女性教職員をふやすためにポジティブアクションを実はやっております。それに関してはもちろん賛否両論はあるんですけれども、ある程度少しはその取っかかりとして、トップダウンというか、そういう施策を強力に推し進めるというのは大事かなと思います。その次の段階はボトムアップ皆さんの意見を聞きながら裾野を広げていくという形がいいんではないかと。私は賛成しております。 ○(塩出崇委員) 男女共同参画ということについて、ちょっと年齢的な問題があるのでかなりギャップがあるかなと思うんですけれども、今、社会が多様化しているわけなので、そういうふうな中で例えば専業主婦を希望する女性に対してどのような御所見をお持ちなのか。私は専業主婦というのは非常に立派な職業だというふうな考え方を持っておりまして、そういうふうな学生に対してどういう御所見をお持ちなのか、お願いします。 ○(堀参考人) いえ、選択の自由がありますので専業主婦でも全然大丈夫だと思いますし、多様化というのは職のあり方、専業主婦も立派な職業で、要するにかなり才能がないと専業主婦をやれないと思いますので、それはそれで大丈夫だと思います。私は別に専業主婦を否定する気も全然ありませんので。 ○(塩出崇委員) 安心しました。失望したというような表現がありましたので、どうかなというふうな感じがありました。  あともう一点、農業問題についてですけれども、域外からの担い手確保ということなんですけれども、域内の担い手の動向というのはどうでしょうか。例えば地元で農業に従事するというような人たちの動向はどうなっているのか、教えていただきたいと思います。 ○(香月参考人) 基本は地元からということだと思うんですよね。ただそれだけでは足りなくなっている状況があるからということで、さっきお話がありましたけれども、耕作放棄地ということで、意外とそういう農地は広がっていて、使える可能性がふえてきているということですし、それから職業選択の自由があって、かつてはなかなか農業をやりたくても自分が農家がでなかったらできないということが長く続いたんですけれども、今は意外と、農業法人であったりとか、それから農地を集めれば自分でも農業ができる時代にはなってきていると思うんですね。そういった機会をやはり生かすべきだろうと思うんです。だから、農業をやりたい人はそれなりに自分が行きたいところをいろいろ探して回って、気に入ったところで就農するということがあったりするんですね。そうなってくると、やはりそういう人たちを受け入れるだけの魅力があるかどうかにもかかってきていますので、基本は地元で確保するということ、プラスよそからの血を入れてくるということをいろいろ考えていかざるを得ないんではないかと思っています。そういう意味では、よそから来て新規参入してくれる人もそうですし、場合によっては手が足らなかったら良好な関係を結んだ上で外国人技能実習生も入れるとか、いろんなパターンがあると思うんですね。ですから、そうやって新しい何か地域農業をつくっていくというふうに考えた方がいいような気がするんですけれども、いかがでしょうか。 ○(塩出崇委員) 地学地習というような言葉がずっとあったんですけれども、それがどうもその効果を生んでいないというようなそういうふうな危惧があります。例えば農業科があるんだけれども農業科がどんどん合併とかそういうふうな形になって、地元に定着する若者がいないというところが問題だなというそういう問題意識がありましたのでお伺いしました。 ○(香月参考人) 補足ですが、一旦外に出てから自分の地元を見直して戻ってくることは、あると思うんですよね。自分の住んでいたところ、自分がやってきた農家としてのよさというのはそこにずっといただけではわかんない可能性があるんですね。1回出るとよかったなと思うことがあると思うんですよね。今まさに人生100年時代と言われていますが、定年後に帰ってきてもいいわけですよね。そうやって帰ってこられるようなルートもいっぱい用意しておくということだと思うんです。専業的にうんと頑張ってやる農業もあれば、きょう御紹介したのはどちらかというと高齢者でもできるような、農業の受け皿とかそういうことを含めて人を呼び込むということ、よそからも来てもらう、帰ってきてもらうとかそういったものを含めていろんなことをやっていく必要があるのではないかと。そのための知恵出しが必要な時代ではないかというふうに思っています。 ○(木村誉委員) きょうはさまざまな御教授ありがとうございました。香月先生にお伺いしたいのですけれども、少子高齢化時代の農業・農村についてというタイトルでのお話でありました、同じタイトルでも例えば農学部の先生とか社会学部、経済学部の先生がお話しされると多分全く違った切り口になろうかと思うんですね。そういう意味で香月先生のきょうの切り口をお伺いしていて、この委員会が少子高齢化人口問題調査特別委員会なので、幾つかお聞きしたいんです。  まず高齢化になりますが、7ページを見ていますと65歳以上が本県の場合7割を占めているという、こういう状況ですね。いずれ近いうちにリタイアされる方々であろうかと思いますが、まずはこれをどう具体的に埋めるかという人数の問題も含めて、このボリュームがなくなっちゃうと今からの時代、農業が存続できないということになります。これをどう埋めるかということについてどういう方向性をお示しいただけるのか、お願いしたいと思います。 ○(香月参考人) 農村には、かつて農業者がたくさんいたんですよね。でも今は、極端な言い方すると農村に行っても農家が少なくなった時代だと思うんですよね。元農家の方でもう農業をやっていない方がたくさんいるという。そういった時代背景の中でこれからの農村をどうやって埋めていくかということになると、農業についてはいろんな人がいろんなかかわり方をするということですけれども、少数精鋭でうんと頑張ってもらえるような農業者をどうやってつくるかがありますよね。そのほかに、農的な暮らしも含めてちょっと農業をやるとかそういった人を呼び込んでくるのも大事だと思うんですね。この両方をうまくバランスをとることが必要ではないかと思っています。本当に農業で食べていこうと思ったら10haとか20haとかそういった規模が必要になってきたり、大きな施設園芸が必要だったりなんかしますよね。となってくると本当に農業で全員が食べていこうと思うと少数の農業者でいいという話になると思うんですね。でも本当にそれで農村が持つのかと。また、そういった違う矛盾が出てくるんですね。そういったところをどうやってバランスをとっていくのかとなった場合に、農村に憧れて農的な暮らしをする人も含めて、ちょっと農業する、さっき言いましたように定年後少し直売所に出すような小さな農業でもいいから農村的な暮らしをしてみたいなという人も含めて、やはり広く地域に人が来てもらうことも考えながら、でも効率的な農業をやることをどうやって組み合わせるかなんてことを考えていく時代ではないかと思っています。そういう意味で、繰り返しになりますけれども、農村に農家がたくさんいるという時代ではない農村のあり方、農業を含めてそういうことを考えていく必要があるんではないかなと思っていますけれども、どうでしょうかね。 ○(木村誉委員) ありがとうございます。インスピレーションが湧きましたね。これまでの固定的な専業農家という、100%人生をかけたという、そういう農業ではなくて、さまざまな多様なかかわり方、例えば週末農業とか、よそから来て耕してとか、あるいは例えば久万高原町でいうアグリピアみたいな形ですとか、いろんな形態があるんだろうから、トータルで多様な裾野を広げながら農業というものを維持していこうという考え方ですよね。ありがとうございます。  それともう一点は少子化ですよね。これからどんどん子供が確実に、この50年ぐらいのスパンでいうと減っていくわけですよね。その中で、本県の場合は、県外に毎年3,000人以上、流出する若い世代がいるわけですが、これをどうとめるかということもありますが、その上で出生が減っていくとなるとどういうふうに穴を埋めるかということですけれども、ここをどうカバーするのかということでいいますと、きょうのまとめの中で例えばソサエティ5.0みたいな視点ですね、AIとかIoTとかドローンとかゲノム編集とか、こういった技術革新みたいなところで生産革命といいますか、革新を起こして少ない人数でも非常に効率のいい農業ができる、こういう方向性もあると思うんですよね。つまり少子化を克服する、乗り越えていく。愛媛の農業の将来像についてどういうふうな方向性があるのか、お示しいただけたらと思います。 ○(香月参考人) 農業という切り口だと多分そうなると思うんですね。効率的で安定的な農業と政府は言っていますけれども、それをやろうとすると規模が大きくてかなり雇用型で法人形態をとっていて、それがどのくらいできるかという話があると思うので、そこに多分AIの世界であったり自動運転とかそういったものが入ってくると思うんですね。そういうのは、あ、こんなことができるのかということが多分起こってくる時代にはなってくると思うんですけれども、繰り返しになりますけれども、ただそういう農業のあり方があるとはいえ、でも地域に人にどうやって来てもらうのかという問題になってくると農業だけでは済まない問題がやはりどうしても出てくると思うんですね。  農村に人に来てもらう。農的な暮らしとか、意外と若い人で、田舎に行って暮らしたいなんていう若い人がふえてきている。本当に定着するかどうかわかりませんけれども、都会からそういう人が一部でも来てくれれば農村は変わっていく可能性があると思うんですよね。それがまさに農村の少子高齢化に少しでも歯どめをかける可能性があると思うんです。そういう、いわば都会が嫌になって来るということも含めてですけれども、ある意味では農村には何かそういう受け入れるような、何か自然的な環境であったり人的なよさがあったりとか、本当に景色がいいとか空気がいいとか、何かそういうオープンドアの生活が好きとかいろんな切り口が多分あると思うんです。そういう人に来てもらえるようなことを何かやっていくということも重要な時代だと思うんですよね。その話と、農業を誰が担うのかという話は少し分けて考えた方がいいような気がする。ただそこが本当にうまくいって雇用型の産業みたいな、いわば大農業があってそこでうんと雇用があってそこで働くなんてことは可能性はないと言い切れませんけれども、効率的な農業だけで日本のこの全部を埋めるということは多分無理なんだろうと思うんですよね。  だから、そうなってくると今までの農業政策というよりも、やはり農村政策ということが重要になってくると思います。ヨーロッパなんかがそうですよね。効率的な農業だけを追求していたらやはり農地が荒れるとか人がいなくなるということになりますので、地域としての農村をどうやって支えていくのか、そこの新しい政策の枠組みみたいなものが大きな国の政策のあり方としてやはり必要ではないかというふうに私自身は思っています。 ○(岡田志朗委員) ありがとうございます。せっかく、堀さん、香月さん、お二人が来られていますので、お二人のお話を合わせたような質問になります。  私の近所に女性の教員がいらっしゃいまして、うちの子供たちと同じ世代の子供、あそこは多分4人、5人目が生まれたか4人かということなんですが、有給をしっかりとりながらやっています。いろいろ言われる人もおるかもしれませんけれども、私らは、この地域に子供の数が多い方がいいんだから、せっかく制度があるんだから、それを活用してもっともっとたくさん子供を産んだ方がいいというようなことで、肯定的に地域の中では言っています。  先ほどの例えばスウェーデンの育休にしても、フランスの税制、子供が多いほど所得税が少なくて済むというような税制にしても、やはり国の特に税制のようなもので、インセンティブをつくってあげるというのが一番手っ取り早いのかな、それに対して、国民全員がそれに対して賛同するような雰囲気づくりができれば一番いいのかなというふうに思います。それはそれとして、ぜひ必要だと僕も思っているし、国がぜひそれをやってもらいたいというふうに思うんです。先ほど香月先生の方から、愛媛県と全国との違いという中で農業にしても愛媛はちょっとほかと違うんですよと、どちらかというと地場産業的農業というか、地域の中でお金になっていくという、そういうようなのが愛媛は多いんですということでありましたから、ぜひ愛媛方式の人口減少対策というのを教えていただきたいのと、私の地元にクリの産地があります。中山クリとか言っていますが実はあれは内子が多くてかなりな産地なんですが、そこは子供の数が多いんです。というのは、おじいちゃん、おばあちゃんが地場産業としてのクリをやる、お父さんお母さんはよそに収入を得るために働きに出る。その間、おじいちゃん、おばあちゃんはいつも地場産業としての農業があるのでいつでもそこにいますから、育児をずっとおじいちゃん、おばあちゃんがすることができるんですね。お父さんお母さんはおじいちゃん、おばあちゃんに任せながら、もちろん休日とか必要なときには休んでいても、そのクリの作業をしながら生計を立てていくということで、子供たちはその背中を見ながら自分たちも将来そういうふうになるというような形の中で子どもの数が多い。  今、この愛媛県の、先ほど無茶々園の最終的な目標の中で、お年寄りだけではなくて地域の子供たちも巻き込んだ形でというのがありました。私は、先ほどの例にあるように、3世代といいますか、育児を誰がするかという問題の中で、今、夫がするのか妻がするのかという育児もあるけれども、夫や妻ではなくて、先ほどの話に出たアウトソーシングという形もあるけれども、我々の地域的な感覚でいえば、おじいちゃん、おばあちゃんだったり近所のおじいちゃん、おばあちゃんが育児の手伝いをしてあげると。それに対する、報酬といったらおかしいですが、何らかのものもできてくるというような形ができれば、愛媛らしい、仕事も両立できて子供の数もふえてというような形ができるんではないのかなということを先ほどのお二人のお話を聞いて、この2人の話が融合すれば愛媛らしい、産業も振興できて子供たちの数もふやせる、そしてそういうところに賛同する人が例えば東京から、こういう地域がいいから、こういう子育てがしたいからということで愛媛に来ていただけるというようなこともできるのではないのかなと。いいところばかりではなくて、やはり私たちの地域でも移住者との何かいろいろトラブルなんかもなくはないです。なくはないけれども、実際そういう基本的な農業を地場産業化し、その上で地域の中にお年寄りから子供たちまでがお互いが助け合って、そしてお父さんお母さんも助け合うと、仕事も育児もお互いがシェアし合うというような形が一番いいんではないかなというのをすごく感じたわけです。そこでお二人の方から、それぞれの立場は別なんですけれども、今のような愛媛方式の育児だったり農業のあり方だったりということに対してどのように思われるのか、ちょっと御感想をいただけたらと思うんです。 ○(堀参考人) それは賛成で、要するに核家族化が進んで少子化が進んだという点があり、昔はみんなで育児をしていたし地域社会がやっていた。それが失われてしまって今の状況であるという意味で、今、ワンオペ育児からみんなで育児へという話があって、これは明治大学の藤田先生がおっしゃられているんですけれども、ツーオペになってもやはり問題で、みんなのたくさんの目がある中で育児をするというのが、みんなで子供たちを育てようというのがやはり一番の施策であって、その育児をする担い手が別にお父さんお母さんだけでなく、地域の方とか御高齢の方でもいいと思うんです。そうしていただくと育児負担もなくなりますし、皆さんも、高齢者の方は子供さんと触れ合うと大変生き生きされるということもありますので、よろしいのではないかと思います。実際、先進国の一部で、スウェーデンとか北欧なんかはみんなで育児という感じで、あそこは離婚率が物すごい高いんですけれども、本当に御家庭に行ってみますと誰の子でもみんなで面倒を見ているという感じですので、そういう意味では昔の日本のよきところを見習いながらもう少し現代アップデートしていただいて、そういう形にしていけばよろしいんではないかと私は賛成しております。 ○(香月参考人) おっしゃるとおりだと思うんですね。ただ昔のような3世代一緒に暮らしている中でということだと、ちょっと負担が大きいんだと思うんです。だから、開かれた何かそういう拠点のような、多分、無茶々園はそういうこと狙っているんではないかと思うんですけれども、そういう意味では日本の制度は、育児は育児、保育は保育とか、障がい者福祉は障がい者福祉の世界があったり、高齢者福祉は高齢者福祉の世界と別々に組み立てていますよね。でも地域はそういうふうに分けてもらうと困るんだというところが、多分あるんではないかと思うんですね。そういう敷居をとっていく、何か制度的な改革みたいなことがどこかで必要になっているんではないか。多分、無茶々園なんかがそこでやってくれれば、これがモデルになると思うんですよね。だから、本当に地域の中でそういうことが必要だったらやってみる。そういうエネルギーがあるところを何か応援するみたいな行政のあり方もあっていいと思うんですよね。だから、そういうことで可能性は僕あると思うので、やらなきゃいけないことではないかと思っています。 ○(西原進平委員長) きょうは、行政の皆さんとの対話という話ではなくて行政外のお二人、堀様、香月様に御出席いただいて非常に違う角度での有意義な御意見を聞かせていただきまして本当にありがとうございました。このまま続けましたら5時までかかりそうなので、ここで終わらせていただきます。よろしいですか。             〔「はい」と呼ぶ者あり〕 ○(西原進平委員長) 次に、調査報告書についてであります。  当委員会の経過と概要については、2月議会の最終日に文書で提出したいと思っております。  なお、報告書の内容につきましては、私に一任願うことで御異議ございませんか。            〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ○(西原進平委員長) 御異議のないものと認め、そのとおり決定いたします。  以上をもちまして、少子高齢化人口問題調査特別委員会を閉会いたします。               午後3時12分 閉会...